2013年10エロパロ570: 【俺の】結婚&新婚萌えスレッド第5夜【嫁!】 (432) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【俺の】結婚&新婚萌えスレッド第5夜【嫁!】


1 :2010/10/27 〜 最終レス :2013/08/21
「あなたの色に染めてください」という意味が秘められた
純白のドレス・・・そんな姿の花嫁さんたちにハァハァするスレです。
愛し合う2人の世界を描くもよし、
式場で花嫁を奪い去る黄金パターンを想像したり、
逆に花嫁を奪われるといった流行りの寝取られ展開を入れてもよし、
政略結婚で好きでもない男に嫁がされる薄幸の美少女に興奮するもよし、

とにかく花嫁が出ていれば何でもOKです!
もちろん2次元キャラ同士のカップリング&新婚生活なんかも大歓迎!!

前スレ
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過去スレ
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【俺の】結婚&新婚萌えスレッド第2夜【嫁!】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1185632204/
【俺の】結婚&新婚萌えスレッド【嫁!】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1149503791/

保管庫
2chエロパロ板SS保管庫
http://red.ribbon.to/~eroparo/
「オリジナル・シチュエーションの部屋その7」に収蔵されています。

2 :
1乙&後半wktk

3 :
即回避

4 :
>>1
大きい旦那と小さい奥さんのスピンオフ?
であったクール眼鏡な
奥さんと料理人の旦那の話がまた読みたいな

5 :
残り投下
スレ保守ありがとうございます

* * *
* * *
 せっかくだから少し休もうとベッドに並んで横になる。
「病院いつにする?俺も行こうか。最近はそういうの多いんだろ」
「えー……恥ずかしいなあ。仕事大丈夫?」
「うん、まあ無理はしないから。できればって事にしとくよ」
「本当ね?ちゃんと頑張って貰わなきゃ困るんだからね、これからも」
「わかってるよ」
 苦笑いしながら、腕枕して抱き寄せた。そのままお腹に手を回して撫でてみる。これまではどちらかというと遠慮の
色が強く表れてか、いまのように発破をかけるような発言は聞いた覚えがない気がする。それを少し嬉しいと思う自分は
変だろうか?と考える。
 イチは以前香子に『男は守る者があれば強くなれるのだ』と言った事を思い出していた。これまで自分は唯一の家族で
あった彼女を育てるために頑張ってきたつもりだ。勿論自身の生き甲斐の一つでもあり、自信や信用も地道に築いてきた。
 それに守るべき者が新たに加わるのだ。こんな喜ばしいことはない。その為ならいくらだって頑張れるだろう。
 だからもっと頼って欲しいと思う。
「火曜日に病院行こうかな。月曜日は混むだろうし、バイトあるし」
「そうだ!お前」
「うん、わかってる。そろそろ話するつもりだったし……」
「そうか。ならいいけど。重い物とか絶対ダメだからな!メタボ店長に持って貰いなさい」
「ちょ、酷……ぷぷっ。でも何だか淋しいなあ。結構楽しかったんだけどな」
 バイトとはいえ初めての職場だ。越してきてすぐ主婦になった香子にとって世間との接点を持てる唯一の場所だった筈だ。
 子供が出来たことによってそれが奪われ、家庭という檻にに縛り付けてしまう事になる。そして自分にも。
「ごめんな」
「なんで?大変なのはイチ君も同じでしょ。これから我慢して貰わなきゃいけなくなること沢山出てくるだろうし」
「そうなんだけどさ……」
 ほんの少しの罪悪感を感じつつもどこか安心している自分に戸惑う。そんな気持ちに被さる新たな罪悪感。
「我慢、か……」
 ある意味お互い様だがな、と自分のズボンにこっそり目をやる。

6 :
 いわゆる月の予定日あたりから始まって、それが終わったであろう頃から香子に触れていなかった。
「……黙っててごめんなさい」
 遅れていたものに不安を感じ自分で調べ結果確信を得てからは、それが間違いないという報告をする前に、あれこれと
できる事を考えた。
 まず、動けなくなる前にできる事をやっておきたい。それから万が一の事を考え適当な言い訳を連ねたり、先に寝て
しまうなどしてイチとのそういう行為を避けた。
 下手に期待や心配をさせまいと頭を巡らせ過ぎて、却っていらぬ誤解を招いてしまったのは反省している。
「まあ、仕方ないよな。でも、まああの、うん、場所も場所だし……」
「ん……」
「……ちょっと勿体ないかな。はは」
「……」
 ごそごそと、そのあたりをばつが悪そうに弄る。耳まで赤くして困ったイチの横顔を眺めながら、思い切ったように
香子は自分の手をそこに伸ばした。
「私のせいだね。ごめん。なんか怖くて」
「無茶しちゃいけないから仕方ないな」
「我慢できる?」
「うーん……」
「……してあげようか?」
「えっ……じゃ、ちょっとだけ触ってくれる?」
「うん」
 横になったままジッパーを下ろす。しっかりと盛り上がった下着があからさまなのに顔を見合わせて赤くなる。
「溜まってるから」
「覚悟してます」
 腰を浮かせ下着を香子の手で下ろしてもらう。しっかり臨戦態勢にあるそれを指先で包むと、先から既に染み出て
いるものでしっとりと濡れてくる。
「動かす……よ」
「うん」
 ゆっくり撫でるように指を動かしながら上下すると、始めこそ多少の引っ掛かりがあったものの徐々に湿り気のある
音をたてはじめる。
「このまま最後までいっていい?」
「ん……いいよ。ちょっと待ってね」
 イチの脚の間に体を移動させ、俯くと髪を耳にかけ顔をそろそろとそれに近づける。
「え……それは……」
「もうすぐ頼まれても出来なくなるかもしれないし」

7 :
 確かにそうだが、と思い悩んでいる隙に温かい唇と柔らかな舌の感触に包まれている下半身。そこだけを露出して
“ただ気持ちいいと思う行為”に耽っていく自分の姿が映る天井をぼんやり眺める。
 上下する度にさらさらと揺れて肌に触れ被さる髪がくすぐったくて、下半身を寝ながら見下ろすように目を細めると、
そっと頭を撫でてやる。
「ん……む……」
「無理しなくていいよ」
 イチの呼びかけに口からアレを抜くとはーっと息を吐き、腕を伸ばして体を起こす。
 その頬に触れつつ傍に来るように促すと、香子が脇へ寄り添ってきたと同時に下着だけをずり上げ、またさっさと彼女を
胸の中に納めた。
「まだ途中だよ?」
「休憩休憩。ていうか酸欠は良くないぞ?血圧上がっちゃうから」
「そっか……でも少しくらい大丈夫だよ」
「本当か?」
「それだけ?遠慮しなくていいよ。辛かったら言うから」
「うん……まあ、それもあるんだけど、本音いうとちょっとだけ欲が出ちゃったってのもあるんだよね」
 ゆっくりと唇を重ねると、鎖骨を指でつっと撫でる。
 ぴくっと跳ねた肩を露わにし唇を押し当てる。
「イチ……く」
「ちょっとだけ」
 横向だった体をゆっくり仰向けに倒すと、それにまたゆっくりと体重をかけ、香子の上に被さるように体勢を変える。
「……いや?」
「ん……ううん……でも……」
「俺だけが気持ちいいのはなんかダメだわ。損した気分になる」
 すぐ届くところにある愛しさの塊は、ただ見ているだけで満足出来なくなり、触れられれば捕まえてしまいたくなり、
そして今度はそのまま自分だけのものとして閉じ込めてしまいたくなる。
 そんな気持ちを分け合いたいと思ってしまうのは、所詮は自己満足な独占欲という名の愛なのかもしれない。
 だがそれをわかった上で自分を受け入れてくれる彼女を、やはり失いたくないと思う。
「俺は欲張りだからさ。一緒に気持ち良くなりたいの。あと……そういう顔見るの好きだから」
「ばかっ」
「うん」
 こうなると何を言っても同じだ。それをわかっている香子はただ彼の欲情に身を任せる。

8 :
 香子は天井を見上げて寝転ぶと、同じ顔で見下ろす鏡の中の自分と目があって、慌てて顔を覆った。
「目、瞑ってていいよ」
 くすっと笑ってバスローブの紐を解いていくイチに小さく頷くと、きゅっと瞼を閉じて両手の力を抜いた。
 その様子に、初めて彼女をオンナにした日の事を思い出す。湧き上がる愛おしさに堪えきれず、少々焦って乱暴に剥いだ
着衣を放り投げ、躰の上に慎重に跨がる事は忘れず被さり口づけをする。
 唇に軽く触れると、頬、額、耳元に半開きの唇から零れる息を吹きかけつつ、また唇に戻し今度はそっと舌を差し込む。
 初めは戸惑ってただ必についていくだけだった行為も、今はすんなりと受け入れられる。
 それを教えたのが自分であるという優越感と、そんな彼女を独占できる喜びに浸ると、思い切り抱き締めてしまいたい
気持ちに何とか歯止めをかけ、そっと触れては柔らかな温もりを大事に味わおうとする。
 大事な宝物を抱えた身体である。いわば彼にとっての宝箱そのものの彼女は、更に壊れやすいタマゴのように思えた。
「優しくするから。もしだめだったら言って」
「うん……でも、へーき?」
「仕方ないだろ?」
 自分自身は結局の所、すっきりさえすれば躰の疼きは鎮まるのだ。だが今はそれだけではなく、ただ愛し合いたいと
思う要求に素直になってしまっているだけたのだ。何が違うと言われても、多分上手くは説明がつかないのだろうが。
「まあ、とにかく方法はあるわけだからさ」
「まあね……」
 無茶はすまいと思いつつ、普段より弱い力でゆっくりと肩のラインや腕を撫で、首筋から鎖骨に唇を滑らせる。
 じれったい程の愛撫に身を捩っては声を漏らし始める彼女の肌に、ほんの少し力を加えて吸いつく。うっすら赤く残った
跡に満足げに口元を綻ばせる。
 それを咎める瞳を一瞬だけ見せたものの、胸の膨らみのはじまりの位置にある跡からすぐ上の鎖骨に指先を触れてやった
だけで、ふっと切なげな息遣いをする。

9 :
「や……だめっ」
「えっ?」
 ぱっと指を離すと、香子もまたはっとした様子でイチを見上げた。
「どうした?」
「ん……なんでもない……ごめん」
「ならいいけど」
 ほんの少し困惑した様子に首を傾げつつ、イチは自分だけがまだがっちり服を着込んでいたことに気付き、さっさと下着
一枚残した格好になる。
 改めて肌と肌が触れ合うかたちになると、先ほど以上に近く感じる温もりにますます愛おしさがこみ上げてくるような
気がしていた。
「なんか、安心する」
「俺も」
 何度目かのキスをして、ただぎゅっと抱き締め合う。それだけなのに、不思議な満足感が二人を満たし始めていた。
「イチ君……」
「ん?」
 腕枕して横向に抱き合った香子の背中を、首から腰にかけてそっと指の腹で撫で下ろす。
「……ひゃっ!?」
「どうした?だめだったか、これ。くすぐったい?」
「え……と、それもあるけど、そうじゃなくて……あっ」
 背中から廻した手を胸にあてて、膨らみごと手のひらで包むように揺する。
 それだけのことにまた小さな呻き声をあげ、顎を引いて背中を丸める。
「やっぱ、嫌?だめならやめよう。……無理しなくていい」
 残念さを残しつつも心配げにそう言って離したイチの手を、さっと掴んでまた押し当てる。
「ち、違うの!あの」
 困ったようにぼそぼそと言い訳する香子に
「聞こえないよ」
と促すと、耳を寄せるよう言われ要求された通りにしてやる。
「あの……なんか、ね、変なの。触られると……すごくて」
「え〜?久しぶりだから興奮してるとか?」
 ニヤリと目元を緩めるイチの頬をつまんで伸ばすと、痛がる彼にイーと歯を見せ怒った顔アピールをしてから離してやる。
「もーやだ何そのオヤジっぽいエロ顔!……ていうか、なんか前より感じやすく、ていうか感じすぎ……て」
「え……気持ち良すぎ、てこと?」
 真っ赤になって頷く香子の唇に、嬉しさを隠せない様子でさっきよりも強く唇を押し当てた。

10 :
「体質が変わったりしたのかな?妊娠するとあるらしいし」
「そ、そうなの?……よく知ってるね」
「ん、前に早川に聞いた」
「……そういう話するんだ」
「たまたまだよ、たまたま。いやあ、儲けた気分だわ。嫌がる嫁もいるらしいし。ま、でも安定期までは無理できないからな」
「まあ、いいけど……」
 さっさとブラのホックを外してしまうと取り去り、また覆い被さる。
「あの、だからできるだけ優しく……あっ」
「わかってるよ」
 話が終わらないうちに胸の先を指の腹で撫でる。尖った周りを丁寧に回しながら触るうちに、見た目にもつんと堅くなって
動きに合わせてふるふると揺れる。
「や……はぁ……んっ」
 吸い付き舌で包み転がすと、びくびくと小刻みに震えて跳ねながらイチの背中に腕を廻してしがみつく。
 時折、強く与えすぎた愛撫に対して訴える痛みに、想像以上に敏感になった身体をより丁寧に扱わねばと気を引き締める
彼の脳裏には、最初にそう思いながら夢中になって香子を貫いた日の自分の余裕の無さが思い出された。
「うんと大事にしなきゃな」
 この先、場合によっては暫く禁欲の日々が続くかもしれないのだ。勿論それだけではないが、これまで以上に大切に
扱おうと決意を新たにする。
「……んあっ、あっ……あ……やぁ……んぁぁっ……や、そこ、あっ」
 胸への刺激を続けながら、腰から太ももを手のひら全体で確かめるように撫でると、脚をばたつかせながら枕を掴んで
背中を浮かせながら身を反らす。
 普段より控えめな動きに、これだけ激しい反応を示すのなら、普段通りどころかもっと執拗に攻め上げればどうなるのか………
と考えつつもそうはいかない現実に、頭に血が昇りそうになるのを僅かに残る理性で堪える。
「思い切りイカせてやりたいけど……」
「ふ………ぁ、だめ、こわ……うぁぁっ」
「わかってるよ」
 そういう情報は早川から入手済みだ。彼は普段は無口だが、イチに対しては親友だからという事だけでなく、嫁バカという
点でもかなり饒舌になる。特に酒が入ると、であるが。

11 :
 いつもはからかい半分に撫でたりつまんだりするお腹を、今は何ともいえないむず痒い気持ちを抱えながら、むにむにと
掴むように触る。
「もう、やだっ」
「何でだ。俺これ好きなんだって」
 気にしている『幼児体型』を嬉しそうに眺めるイチを、複雑な気持ちで眺め返す。
「……そのうちそういう事言えなくなるよ。物凄い体型になるんだから」
「そんなの承知だよ」
「でも、ほんっとパンパンなんだよ。写真でしか見た事ないけど、腕とか脚とかも太くなるし、胸もおっきくなるみたいだけど……」
「得するじゃん。つうか詳しいな」
「ほ、本で見た」
「それでか」
 待ち合わせの時の光景を思い浮かべる。確かあの辺りには育児書もあったかもしれないと納得した。
「……ち、乳首とか真っ黒くなるんだよ?ていうかやっぱ巨乳好きなんじゃん……」
「いや、別に乳はおまけだから深く考えるなって!つうか仕方ないだろ?みんなそうなんだからさ」
 お腹を慈しむように撫でると、尖らせた唇を宥めるキスをする。
 母親になる身体だ。それも、自分の子を宿している最愛の女のものとあれば、愛しくないわけがない。
「言っただろ?俺はお前を裏切るような真似はしない。どんなふうになったって、俺はお前が好きだし、浮気なんかしない。
 お前だって、俺が禿げてもメタボ親父になっても変わらないって言ったろ?それと同じだよ」
 添い遂げるなら彼女しかいない。――そう思って一緒になったのだ。イチにだって、香子の母親が亡くなったあとに
それらしい話が持ち込まれなかったわけではない。だが、香子を育てようという決意と、それが新たな感情を生み始めた
ことが彼からそれらを遠ざけた。
 何もかもが、香子のためにあったのだ。
「私でいい?」
「何を今更」
「だって……ほんとならイチ君は私のパ」
「言うな」
 開きかけた香子の唇に指をあて、言葉を止めた。
「お前を愛してるんだ」
 彼女が心に住み着いていると気付いてからは、決して他の幻影を追ったことなど無い。
「お前じゃなきゃ……」
 互いにもう、別の人生を歩むことなど不可能なのだと、精一杯の想いをぶつけ合う。
 涙を啜る香子の喉の奥深く、密かにつかえていた小さな欠片が溶け落ちてゆくような気がした。

12 :
 ショーツ一枚身に付けただけの香子の裸を存分に眺め、唇で胸の頂を弄びながら、触れられる限りの範囲を手のひらで覆う。
 空調の効いた部屋の中で、肌を露出したまま寝転がったところで何の不快さもないが、彼の躰が一部とはいえ自分の
どこかに触れていると感じるだけで、香子の芯から熱が溢れて溶けだしていく。
 もっと、もっと、もう少し。
 焦れったいくらいの優しさをもってした彼の弱々しい指先の熱に、徐々に拓かれてきたカラダは物足りなさを感じ始めて
内なる声に支配されかかっていた。
 下着の端に掛かった指が、それを脱がそうとせず、脇から後ろにかけての尻の膨らみにそってくすぐるように動く。
 じれじれとした愛撫に、香子の方が我慢が利かなくなってきたのか、強請るように腰を浮かしてにじり寄る。
「――っ!?」
「どうした?」
 顔をしかめて自分にしがみつくと、ばつが悪そうに目を背ける香子の足下を見れば、時折小さな呻き声と共にそっと曲げ
伸ばしされる膝の動きが映る。
「ああ……大丈夫か?つい力入っちゃったんだな。そんなに気持ち良かった?」
「うっ、うるさい!」
「ゆっくり、曲げてごらん」
「え……!?あっ!ちょ……や……ぁ」
「そろそろ触って欲しいだろ?」
 ちょうどいいと思える体勢を作ろうと脚を動かすと、同時にその間をイチの手が割り込んできつつ悪戯する。
 布の上から指の腹で形を確かめるようになぞり、中心を裂くように現れた筋と窄みをつつくと、僅かに甘く息が乱れた。
「ああ、もう染みてきてるかな。脱がしちゃうよ?ちょっと我慢して」
 香子を気遣いつつショーツを脱がせる。
「もう股開いちゃえよ。その方が楽だぞ」
「えっ……えっ?きゃっ!!」
 足の付け根から割るように、内から外へと力を加えて脚を開かせる。
「丸見え」
「うわぁ!やだっ!!やだやだぁ!?こんなじゃなかったら蹴ってやるのにっ……」
「何だよ。……わかった、電気消すから」
「消しても上がっ!」
「目、瞑りなさい」
「だからって……やっ」
「いつもこんなんだけどな、お前」
 つるっと滑った感触とともに指が触れるのを感じ息を呑む。

13 :
 全く何の引っ掛かりもなく滑らかに動く。そしてそれが一点をつつくと全身を甘い痺れが貫いていく。
「ほら、な」
 無意識のうちにシーツに掛かるその部分の負担が軽くなっていく。仰け反って浮いた背筋から尻の膨らみまでを片方の手を
滑り込ませ撫でた。
 小さな悲鳴とともにびくんと震える躰に唇を寄せ、とろとろに溢れる蜜を掬い取るように舐める。
 か細く耳に届いてくるいやいやと言う呟きは聞こえない振りをして、充血した蕾をくりくりと舌先で転がす。
「あ……っ……ん……ぁ……やぁ……く……ぅ……いく……ぅ」
 あまり負担をかけてはまずいらしい事を思い出し、少々不完全燃焼な気持ちのまま名残惜しくイチは躰を起こした。
「……ふ……」
「ごめんな。……そっとやるから挿れてみていい?」
 半分惚けたような顔で頷く香子の頭を優しく撫で、開かれたままの脚の付け根をぐいと押し上げるようにして自身を
そこに擦り付ける。
 ぬるりと滴るほど濡れそぼった先が秘部に呑み込まれ、その久々に拓かれる圧迫感に香子の唾が鳴った。
 くぅ、と吐息に混じった声に心配げに覗き込むイチに『大丈夫』と頷いて見せると、首筋に腕を絡ませ引き寄せしがみつく。
「香……子」
「ん……ゆっくり……し……あっ……んぁぁン」
 ゆっくりと抜き差しを繰り返すと、腰を引くに合わせて呑み込んだモノを追うように香子の尻が浮き上がる。
「だめだよ……そんな誘っちゃ。俺すぐいっちゃうよ」
「そんな……つもりじゃ……あぁぁ……!!」
 ゆっくり揺さぶったイチの腰が打ちつけられる度に気が遠くなりかけ、膝の痛みも忘れて自らの脚を彼の躰に絡めようと
する。その動きを察知してか、腿を押さえていた手を離して香子の脇に置き、シーツを力一杯掴む。
 負担を抑えるために浅く細やかに描いていた腰の動きは、徐々に深く重くなっていく。
 ぐちゃぐちゃと滑りのある音はやがて時折ぺちりと肌のぶつかり擦れる音がして、二人の喘ぎとも呻きともとれる声と
共に混ざり合いながら、やがて静かに終わりを迎えた。

14 :
 勢い良く引き抜かれたものから、白いものが飛び散り滴り落ちる。
「間に合わなかった、すまん」
 内腿にぴしゃりと飛び散ったそれを枕元のティッシュでぬぐい取る。
「気持ち悪いだろ?風呂行って洗おうな」
「ん……っ。ちょっと疲れたから休んでからでいい?」
「いいよ。これからも毎日洗ってやるから」
「毎日!?」
「そ。これからそういうのも大変らしいぞ。第一危ないじゃないか」
「……それもコージさんからなの?」
 一体あの強面と普段どんな会話をしているのだろうか。一見すると合わなそうな2人が仲の良い理由が解るような気がした。
「大事な身体なんだから仕方ないよなぁ。明日から俺が帰るまで風呂は待ってなさい」
 堂々と香子と毎日一緒に入浴する理由が出来たのだ。その嬉しさを隠そうとせずにこにこ笑いながら腹を撫でている。
「しょうがない人……あ、こんなとこ……や、触っちゃ」
「帰りにまた本屋行こう。見てたやつ買ってやるよ」
「ん……」
 時々まだあちこちに残る肌の疼きを覚醒させるイチの指の悪戯に悶えながら、幸せな気怠い時間に身体を委ねた。

* * *
 数日後、そわそわした面持ちで携帯を気にしつつ仕事をこなすイチの姿があった。
 そんな彼をこちらも観察しつつ書類を片付けているのは親友で同僚の早川浩史(こうじ)。
 マナーモードにしてあった携帯が震えるや否や、物凄い勢いでそれを掴み、こそこそと男子トイレの方へ出て行く。
 数分後、満面の笑みを浮かべて戻ってきた彼のランチの奢りの誘いにいつものポーカーフェイスで応えるも、浮き足立った
その後ろ姿を見送る顔にはうっすら笑みが浮かんでいた。

「で、どうよ?やっぱり風呂場と寝室は広い方がいいと思わない?お前んとこどうだっけ」
「うちは風呂は普通の一坪タイプってやつだし、それで充分だ。寝室は子供部屋と続きにしていずれ仕切りを……って、
 お前仮にもプロだろ?どんな家買う気だ。つうか所詮建て売りだから弄るのも限度があるぞ」
「そうなんだけどさ〜、今のマンション風呂狭いから。でっかいのぞき窓とか嫌がるだろうな……。ほら、1人で入るとか
 言い出したら心配だし」
「ラブホかよ!」

15 :
 あほらしいと思いつつ、突っ込んでしまう。『こんな男がどうしてエリート社員としての地位を築いていけるのか』と
長年付き合い続けた早川だが、軽く彼の頭を叩きながら、自分もそんな男だからこうして気を許せるのだと心の奥底に想う。
 ――どんな小さな物だとしても、些細な幸せだと思えるのなら、それを大事に出来ないなら何を手に入れて同じだ――
 彼のその信念の種が今こうして実を結び、新たな種を産もうとしている。
 早川も自分も守りたいと思うものを手に入れて、他人からの評価はともあれ自身は以前よりも自分自身を、そして
それ以外の自分に繋がるものを大切に想うことを覚えた。
 それを教えてくれた八神伊知郎は、良くも悪くも感情に素直で、そして一途であるが故に不器用だ。
 そんな男を親友にもつ事を誇りに思っている。
 思っている、のだが。

「な、どうよ早川。可愛いだろ?うちの子」
「お前……」
 翌日の昼休み、イチから見せられた物を手に困惑する早川。
 それもその筈、昨日香子が病院から持ち帰った超音波写真を持って来たはいいが、写っているのはまだ初期の豆粒に
手足の生えたようなものだからだ。
「どうしろっつうんだ、おい」
「何でだよ!むちゃくちゃ可愛いだろ?これがもっとでっかくなって出てくるんだぞ。男かな?でも最初は女の子がいいって
 言うしな〜。娘なら香子似だといいな〜可愛いだろなぁ……でもそしたら変な虫が……どうしよう早川」
「知るかボケ」
 昨日病院に行った香子から報告を受けてからずっとこの調子なのだ。親友の慶びごととはいえこうも花畑全開では流石の
自分も頭が痛い。仕事は仕事と割り切れる男なだけにその反動は大きい。年下妻の香子の苦悩はこんなもんでは無かろうと、
これから子を産む筈の彼女に少なからず同情する。
「そう言うけど、美月ちゃんだっていずれパパ臭いとかウザイとか言うんだぞ?でもってどっかの男に……」
「言うな」
 どこまで想像力豊かなんだと半ば呆れながらも、先の娘の成長ぶりを思い浮かべる早川の顔に生気が無くなっていく。

16 :
「あ、今お前想像しただろ。な、悲しいよな?どこの馬の骨とも知れない奴に大事な娘を……こんなだったら息子にしとこう
 かな、俺」
「まて。娘にしろ息子にしろそればっかりはどうにもならんだろうが。その前に馬の骨に美月はやらん。つうか俺を
 巻き込むな!」
「なんでよ、先輩じゃんか。あ、そうだ、息子だったら美月ちゃんがうちに嫁に来ればいいじゃん。解決解決♪年上でも
 気にしないから」
「誰もやるとは言ってないが……」
 この不毛な夫どもの言い合いを聞いたら、妻達はどう思うのだろうか。
「にしても早川。男親って……切ないのな」
「……」
 まだ見ぬ我が子の将来を思うがあまり妄想が暴走するイチと、彼のペースに巻き込まれ同じく娘の未来を案じる早川。
 食後のコーヒーが冷めるのも構わず共に遠い目でどこかを見つめる2人の友情の理由は、こんなところにあるのかもしれない。

* * *
※ちょっとしたおまけ?
「……でさ、色々考えたんだけど、産まれてからみんなで撮ろうと思うんだ。どうせその頃には香子の成人式のも撮って
 やりたいからさ」
「そうか。いんじゃね?」
 結婚式を挙げてないイチ達は、写真だけは残しておく事にした。早川夫妻は妊娠中に式を挙げたが、妻の愛永(まなえ)
から大事をとった方がいいと諭され、産後落ち着いてからという事に決めたのだという。
「マナがわかる事なら聞いてくれって言ってる。お前からも香子ちゃんに遠慮しなくていいからって言ってやれ」
「すまんな早川。……で、今日のなんだが」
 早川の目の前に並ぶ2つの弁当箱。1つはイチの分だが、もう1つは……。
「あ、早川さん今日も愛妻弁当?」
 背後に聞こえるくすくす笑う 島田女史の声が聞こえる。
 香子の悪阻が始まり、イチが必要に駆られたとはいえ、料理を始めた。が、腕を振るう機会がないため毎日早川が
それを受ける羽目になった。(妻のマナは喜んで=面白がっている)
「勘弁してくれ……」
 そう言いつつ、“ある意味愛妻弁当”に箸を伸ばす彼だった。

* * * 終わり


17 :
GJ! 安定期が待ち遠しいです(←偏った嗜好の持ち主)。

18 :
GJGJGJ〜
相変わらずなイチ君と香子が微笑ましかった
子供生まれたら可愛がりながらもヤキモチやきそうだ

19 :
嫁に「ハロウィーン」って叫ばれながら
カボチャで殴られた。ハロウィンってそんな日
だったっけ?

20 :
投下GJ!妊娠ネタは特に幸せな気分になれるから良いね
最後の方の男二人のやりとりに笑ったw

>>19
そんな日です

21 :
ハロウィン……噂には聞いている。
愛し合う男と女が、互いの愛を確かめ合いながらカボチャで殴打しあう日だと……

22 :
>>21
名護さん乙

23 :
このスレで名護さんの名前を見るとはw

24 :
このスレ見てると、心の底から嫁さんが欲しくなる

25 :
私は旦那がほしいよ

26 :
このスレの作品は(たぶん)フィクションです・・・

27 :
>>24-25
ユー達結婚しちゃいなYO

28 :
ヒューヒュー

29 :
はい!あっちっち〜w
あっちっち〜w

30 :
小学生かよw

31 :
なんか和んだ
このスレなんかいいな

32 :
おまえが和んでいる隙に俺はお家のしきたりに従い
小学生ながら夫婦の契りを交わす許嫁カップルの初夜を妄想していた

33 :
小学校の同級生が大人になって再会して急展開結婚っていいな。
男は女が初恋だったが女は男が嫌いだったとかなら、更に萌える

34 :
この香子とイチの話で、二人が初めて結ばれた時の話とかってある?
割と最近知ったんだけど、もしあるなら是非読みたい

35 :
>>34
真夏の雪解けで検索

36 :
ありがとー!
てかこの二人の話、上のと保管庫にあるのだけ?
イチ&香子好きだから全部読みたい

37 :
あー俺も彼女ほしい結婚したい
まあ俺は病気で子種ないから誰も彼女になってくれないだろうけど

38 :
>>32
そのシチュエーションは良いよな。ぜひ読みたいぜ。

39 :
>>32マダー

40 :
http://moemoe.homeip.net/i/index.php?ac=view&aid=21056
挿入がともなってないだけで、かなり濃厚な夫婦生活ですね

41 :
今日は「良い夫婦の日」

42 :
俺の誕生日でもあるな

43 :
そんな>>42に嫁の裸エプロンとお風呂御一緒権をプレゼント
つ 純情ロリっ娘幼妻
つ お色気ムンムン年上熟嫁
つ 元ヤンドS恐妻
つ 天然ドMお嬢様嫁
さあ好きにするがよい
ただし脳内でな

44 :
元ヤン純情年上お嬢嫁で妄想できた俺は勝ち組

45 :
>>42
誕生日おめでとう

46 :


47 :


48 :


49 :


50 :


51 :
男「何、これ?」
 女「婚姻届だ。私が君のこれからの人生と生活を統括する
    さ、まずは記入欄に名前を書きなさい」
 男「……は? 何考えてんの。ヤダよ、お断り」
  (男、婚姻届を破り捨てる)
 女「実はまだ一枚ある」

女「君、早くサインしなさい!私以上、君を幸せにできる人間はいない筈だ!」
 男「しつこいなー。もう、絶対お断りだ!」
 女「何故だ!どうしてそんなに嫌がる?」
 男「じゃあ言わせて貰いますけど! お前は本質的にエゴイストで、
   いつも上から目線で細かいことにいちいちうるさい空気の読めない朴念仁だから!わかった?」
 女「わかった!反省します!だからサインしなさい!」
   (立ち去ろうとして足がつる男)
 女「ほら見ろ、神様もサインしろと言っている。ほら男!サイン!早く!」

52 :
名護さん&めぐみん乙w

53 :
>>52
いやそれだと男女逆だろw

54 :
男女そのまんまの方がいいかもね

義父「何、娘が気分が悪いと言うから、もしかしたら…と思って産婦人科に行ったら、実はただの食べ過ぎだった? …失態だな、男くん。
   どう責任を取るつもりだ」
男「俺は悪くない。原因は女くんにあります」
 義父「君はいつもそうだ。なぜ自分の非を認めない、なぜ自分の弱さと向き合って検査を受けようとしない!」
男「弱さと向き合う……そんなことに何の意味があるんです」
 義父「そこが君の限界だ。やはりこのままでは無理だな、結婚生活を続けるのは。…娘は返してもらう」
男「…………」

55 :
男女のそのままのほうがしっくりくるね。
義父「どうした、泣いてるのか」
男「義父さん…検査を拒絶したのは、私の責任です。私が未熟だから、弱いから……。
   娘さんはお返しします……」
義父「いや、その必要はない。それでいいんだ。自分の弱さを自覚した今、君は本物になった。
   たとえ血の繋がらずとも、我が子を持つにふさわしい男にな」
男「……(ニヤリ)……。」


56 :
義父「やはりそうか。男くん、君は勃起する事ができないんじゃないのか?」
 男「はい……」
 女「どういうこと、男くん? ……私のせいじゃ…!」
 男「違う!単に俺が企業戦士として未熟だった……ストレスに耐えられなかった……それだけのことだ!」


男「なぜ俺のために、こんなことをしてくれるんだ?」
 女「あたしさ、あんたがこうなってから気づいたことがあるわ。
   あたし…心の中であんたを尊敬していたって」
男「俺もわかったことがある。お前、優しい女だったんだな」

57 :
保守

58 :
聖夜にヨメを召し上がれ

59 :
うちの女房と本音でトークできて判明したのだが 
世の妻の大半が悪妻になる理由は
そのほとんどがイケメン好きで
でもイケメンと結婚できなかった
もしくは振られたなどで 他の男と結婚してそのウサを晴らしてる事が
大半だということがわかった
女房の話だと 結婚後もイケメンの旦那の妻は
それはそれは甲斐甲斐しいそうだ
どんなに浮気しても 本妻が自分ならと責めないらしい
家事万端 仕事のアドバイスも適切であげまんになる
でも逆にイケメンと結婚できずやむを得ず フツメンブサメンと結婚した男には
容赦なく 牙を振るうそうだ
女の価値観の中で
イケメン=ご主人様
ブサメン=ATM奴隷というのが構図として決まっているのだそうな
序列の価値観で動く犬タイプの女に多いらしい
それでも結婚前にブサメンにも逃げられるのは避けたいから
結婚前は猫かぶるらしいけどな
大抵 悪妻は昔振られた彼氏や イケメン男性のことをずっと思ってるらしい
そしてそんな女の大半がサゲマンになるのだそうだ

60 :
携帯から失礼します。
以前、翔とユキというのを書いた者です。
この夫婦+子供でクリスマスネタを書いたので、投下させて下さい。
エロなし、短いですが、楽しんでいただければ、幸いです。
2レスお借りします。

61 :
「りょっうっごっきゅ〜ん。
 サンタさんからは何貰ったのかなあ?」
「いやいや、あげたの翔くんだし」
新幹線に顔がついたぬいぐるみを愛しの我が息子の前で左右に振っていたら、ちょっと年上の嫁にツッコミをくらった。
「ユキっ!そーゆーこと言わないっ!」
「だいじょぶだよ。わかんないって」
「最近、ちゃんと色々言葉覚え始めてるんだから、幼いうちにそういうこと吹き込まないの!
 なー。良吾ー」
良吾はオレが知ってる中じゃ世界一かわいい笑顔でぬいぐるみをぽふぽふ叩いて、
「ぱーぱ、てぃんかんてん」
とか言っちゃってる。
毎日見てるけど、かわいくてたまらん!
なんなんだ。ホントに。
このかわいい生き物はっ!
「翔くんがこんな親バカになるとは思ってなかったわ」
これまた毎日嫁のユキから聞いてる台詞だけど、そう言うユキだってなかなかの親バカだ。
「良吾は翔くんサンタがくれた新幹線も好きだけど、ママの方が好きだよねー?」
ほーら始まった。
だが負けねえ!
「ママも好きだけどパパのことだって好きだよなー?なー?良吾ー」
「パパサンタはクリスマスにしか物くれないけど……
 ママサンタは毎日良吾のの大好きなおっぱいあげられるもんねー」
ユキはそう言うと、良吾をひょいと膝に乗せ、良吾の顔を自分のおっぱいに押し付けた。

62 :
「うあっ!ずっる!
 オレにはおっぱいないのにっ!」
「ふっふっふー。ママの特権です」
「ぱいぱーい」
くっ!良吾のやつ……。
それは元々オレの……。
「あれ?翔くんもおっぱい欲しい?」
ユキがにんまりと笑って、良吾が撫でてるのとは反対側のおっぱいを持ち上げて見せた。
あ、やべっ……ムラっときた……。
「翔くん、目がえっち」
「りょっ、良吾の前でそーゆーこと言うな、って」
「翔くん、意外と真面目だよね。しかも過保護で親バカ」
楽しそうに笑って良吾の頭を撫でながらのユキの台詞にちょっとムッとしたら、それが顔に出たらしい。
ユキは右手で良吾の頭を抱えると、自分の胸に押し付けてから、オレのTシャツの袖をつまんで引っ張った。
からかわれて面白くない半面、なんだかムラムラしてるという複雑な気分のまま、ユキに顔を近づけると、こそっと耳打ちされた。
「良吾には早く寝てもらお。
 ね。翔くんにプレゼントあるから」
ほっぺたにちゅぅっとキスをされて機嫌が直る。
「う、うん……」
そんな自分が相変わらずガキみたいで拗ねたくなるけど、それ以上にユキからのお誘いが嬉しくて、キスを返すと、ユキが嬉しそうに笑ってくれた。
今度こそ本気で機嫌が直る。
「オレもユキにプレゼント用意してる」
安物だけどさ。
気持ちの中でごめん、と謝ってもう一回キスをしようとしたところで、良吾にぺしりと顎を叩かれた。

63 :
「いてっ!」
「まーま」
ママはボクのだ、とでも言いたげだ。
「ママは渡さん!」
「もー。翔くん、良吾相手に何言ってるのー」
ユキが笑う。
「だって、こいつが叩くから。
 そういうことすると隠しちゃうぞ!」
オレが背中にぬいぐるみを隠すと、良吾は、
「やー、パパ、やーあー」
と両手をパタパタさせた。
ぐはっ!かわええ!
その仕草に負けて、ぬいぐるみを良吾に返す前にユキにぺしりとおでこを叩かれた。
「子供みたいなことしない」
わざと口を尖らせて見せると、ユキは良吾の頭にキスをして、
「良吾もパパを叩かない。 
 私は良吾と翔くん、二人のもなんだから、取り合いっこしないの。
 ね?」
と言って、良吾の前でオレのほっぺたにキスをくれた。
(了)

64 :
>>62
おぉー 親ばかラブラブ夫婦GJ

尻にひかれてるけど愛されてて羨ましいぞw

65 :
GJ ほほえましいな

66 :
(T)

67 :
鉄仮面と子猫投下します。
・多少ですがアナル描写があります。
苦手な方はタイトル「サファリパークにはライオンがいる」をNGにして下さい。

68 :
「……サファリパーク、ですか?」
某市市役所職員の若き出世頭にして、無表情・無愛想・無口の三拍子揃った、
通称鉄仮面・中嶋貴巳課長(36)が、
彼の20も年上の部下である富岡係長に声をかけられたのは、
そろそろ家に帰ろうかという午後7時過ぎのことであった。
「そうそう。知り合いにタダ券もらったんだけどさ、
うちの娘も奥さんも、別に行きたくないって言うんだよ。
で、無駄にするのももったいないし、中嶋君たちどうかなと思って」
「いえ、折角ですが、自分も特に興味はありませんので」
部下であり先輩であるという微妙な立場の年配者を前にしても、
貴巳の態度は常に一定しており、要するに取り付くしまもない。
「いや、中嶋君は興味無いだろうけどさ、雪子ちゃん、動物好きでしょ?
それにどうせ中嶋君のことだから、せっかくの正月休みにも、
行楽らしいこともしなかったでしょ?奥さん孝行だと思って、
今度の連休にでも行ってくればいいじゃない」
鉄仮面のつれない態度にもめげず、恰幅の良い富岡係長は、布袋様のような笑顔で言う。
痛いところを突かれて貴巳は黙った。
確かに、彼の12も年下の妻で、元同僚の雪子は動物好きである。
それに、貴巳は人込みが大嫌いなため、正月休みにもお互いの実家に顔を出したきりで、
結局ほとんどを家で過ごしたのだ。
自分はそれで何の不満も無いが、雪子には寂しい思いをさせているかもしれない。
いい機会とも思うが、雪子に対する負い目を係長に見透かされたようで、
素直にチケットを貰うのも、何となく抵抗があった。
無表情のまま逡巡する貴巳の手元に、無理やりチケットの入った封筒がねじこまれる。
「まだ頂くとは言ってませんが」
「まぁまぁ。もし雪子ちゃんが行きたくないって言ったら、
誰かにあげちゃって構わないからさ。じゃあお先に」
難しい顔で手の中の封筒を睨む貴巳を尻目に、
中年の哀愁をその一身に背負った風情の富岡係長は、
「ほんとにほんとにほんとにほんとにライオンだ〜♪」
などと歌いながら、脂の乗った腰を左右に振りつつ帰途についてしまった。

69 :
その夜の中嶋宅。
全ての物事に対して迅速・正確を旨とする鉄仮面にあるまじきことに、
貴巳は、サファリパークの一件を、雪子に言い出すことができないでいた。
そもそも、貴巳が自分から雪子を外出に誘うなどということは、
結婚して2年になる今まで、一度も無かったのである。
必要にせまられない外出は、全て雪子にねだられ、貴巳が渋々承知する、という
お決まりのパターンだったのだ。
貴巳が自分から行楽に行こうと切り出すなぞ、天地がひっくり返っても無いと、
夫婦はお互いに思っていたはずだ。
こんなことで悩むのは自分でも馬鹿らしいとは解っているし、
恐らく雪子はどんな誘い方をしても喜ぶだろう。
が、どうにも言い出すタイミングが掴めずに夕食も終わってしまった。
いつもなら、夕食後にお茶で一服するとすぐに風呂に向かう夫が、
いつまでも食卓に座っているのを見た雪子が、不審げに言う。
「貴巳さん、どうしたの?お風呂入らないの?」
「……ああ、その」
「なあに?」
妻の、きょとんとした無邪気な顔を見ていると、せっかく口から出かかった言葉も
喉の奥に引っ込んでしまった。
「いや、風呂に入ってくる」
自分の思いがけない優柔不断さを呪いながら、貴巳はリビングを後にしたのだった。
妻を誘う良い口実も見つからないまま、風呂を出てリビングに戻ると、
雪子がソファに腰掛け、何やらもぐもぐと食べている。
「何だ、それは」
「……どーなつ」
いたずらを見つかった子供のように、ばつの悪そうな表情で雪子が言う。
手には、何やら甘ったるそうなチョコレートの掛かったドーナツが、
まだ半分ほど残っていた。
「寝る前に食べると太るぞ」
これは本音ではない。ただでさえ小柄で細身な雪子は、
むしろもっと肉付きが良くなってもいいくらいだと、貴巳は常々思っている。
しかし貴巳のそんな本心には気づかず、雪子は唇を可愛く尖らせて言う。
「いいんだもん。たまにだから大丈夫だもん」

70 :
確かに、雪子が甘いものを買ってくるのは珍しい。
貴巳が、既製品の駄菓子など絶対に食べないので、1人分だけ買ってくるというのも
気が引けるらしいのだ。
甘いものが食べたい時は、雪子が自分で作ることが殆どだ。
「…確かに珍しいな」
テーブルの上に置かれた、ドーナツ屋の紙袋に目をやり、貴巳がそう言うと、
雪子はえへへ、と笑いながら、ポケットから携帯電話を出して貴巳の目の前で揺らした。
「これが欲しかったからなの」
「…どれだ?」
「ストラップ。ポ○デライオンの。可愛いでしょ」
言われてみると、何やら奇妙な形の動物のマスコットが、携帯にぶら下がっている。
ライオンと言われればそんな気もするが、どこが可愛いのか貴巳には理解できない。
おまけ目当てで、滅多に買わないドーナツなど買ってきたということか。
「……雪子は、ライオンが好きか?」
「へ?ポン○ライオン?」
「いや、ドーナツ屋のキャラクターではなく、本物のほうだ」
「な、何で急に」
「どうなんだ。好きなのか、嫌いなのか」
妙に意気込んで尋ねる夫に、たじたじとなりながら、雪子はそれでも素直に考えこむ。
「んっと……赤ちゃんライオンとかは可愛いと思うけど……大人のライオンは、
好きとか嫌いとか、考えたことないなぁ……」
「……実物を間近で見てみたいと思うか」
背広の内ポケットに入れたままのチケットを脳裏に浮かべながら、貴巳は妻に詰め寄る。
「え?檻の中にいるのなら、動物園で見たことあるけど……
街歩いてて、いきなり目の前に『がおー』って出てくるのとかは嫌かも……」
「いや、それは喜ぶ人間のほうが異常だと思うが」
「ね、ね、もし、いきなり目の前にライオンが現れたら、貴巳さんどうする?」
(……いかん、話が妙な方向に)
「そんなことは、日本に住んでいる限りあり得ないだろう」
慌てて貴巳が否定すると、雪子は何が面白いのか、目をきらきらさせて更に言い募る。
「絶対無いとは言いきれないでしょ?例えば動物園とかサーカス団から逃げ出したり、
あとサファリパークで車のドアが故障して閉じなくなったり。
そうなったら、どうやって立ち向かったらいいかなぁ?」
ようやく雪子を誘う糸口が見つかったと思ったら、
話題は思いがけず、斜め上の方向へ転がっていく。
どうやったら本筋に戻せるのか、貴巳は内心頭を抱えていた。

71 :
「ドアが故障して、開かなくなるならともかく…閉じなくなるというのは考えづらい。
そもそもサファリパークで車のドアを開けるような真似は、俺は絶対にしない」
「だから、例えばの話だってば」
「……その場合は諦めるしかないだろうな」
半ば投げやりにそう答えると、雪子は何故か、むっとした表情になる。
「……何だ」
「約束が違うっ」
「何の約束だ?」
「貴巳さんは、私より早くんじゃダメなの!」
「……」
確かに、それは二人が結婚する時に、雪子が唯一貴巳に出した条件である。
12歳という年齢差があり、貴巳に先立たれる可能性の高い雪子の、
必にして健気な、ただ一つの願いである。
が、しかし。
「だから、ライオンに襲われても、貴巳さんは何とか切り抜けなきゃダメなの!
お腹を空かせたライオンが目の前に迫っています!さあどうしますかっっ?!」
これはどう考えても無理難題ではないだろうか。
げんなりしつつ、それでも目の前に問題があると解かずにはいられない性分から、
貴巳は無意識のうちに答えを模索していた。
「……そうだな、まず、素手で立ち向かう場合…これは論外だ。
人間の腕力で猛獣に敵うわけがない。格闘技の達人でも恐らく不可能だろう。
次に何か武器を使う場合だが…包丁だのナイフだのでは太刀打ちできないだろうな。
リーチが短すぎる。日本刀くらいの長さがあれば少しは違うかもしれないが、
そんなものは身近にはない。拳銃……も、警察官でもない限りは現実的でない。
もし手元にあったとしても、俺はそんなものの扱い方は知らんしな」
「じゃあどうやって勝てばいいの?」
「いや、この場合、目標はあくまで『生き延びる』ことであって、
ライオンに勝つことじゃない。冷静に考えて、『逃げる』という選択肢が
一番現実的だろうな。…しかしそれも、当然、容易ではない。
近くにどんな建物があるかにもよるが、安全な場所まで走って逃げるにしても、
ライオンの最高速は時速60km。自動車と競争するようなものだから、
あっという間に追いつかれるだろう」
「な、なんか貴巳さん、ライオンに詳しいね…」
「常識だ。ちなみにトラは時速80kmだ」
先程こっそりサファリパークのホームページを見たのだ、とは貴巳は当然言わない。
「そ、そうなんだ……じゃあ、どうすればいいの?」
「よほど好条件が揃っている場合を除いて、やはり諦める以外にないだろうな」
「……」
「何だその顔は」
黙ってしまった妻のほうを見やると、雪子は頬をふくらませ、
上目づかいで貴巳のほうを睨んでいる。
「……諦めるんだ……貴巳さんは、約束破っても平気なんだ……」
「いや、もちろん、最大限の努力はするが、不可抗力というものも」
「他の人ならともかく、貴巳さんだけは絶っ対、約束破ったりしないって信じてたのに」
うつむいてしまった雪子の前で、貴巳は頭痛を感じて頭を抱えた。
どうにも理不尽な理由で責められているのだが、雪子が余りにも真剣なので、
適当にあしらうこともできない。
暫し考え込んだ後に、貴巳はおもむろに口を開いた。
「……一つだけ、生き延びる可能性が高くなる方法が、無いわけでもない」
「え?!本当に?!」
途端に雪子が目を輝かせて飛びついてくる。
貴巳の頭に浮かんだ考えは、あまりにも救いが無いのだが、
この場合他に思いつかないのだから仕方が無いだろう。

72 :
「……あまり褒められた方法ではないが……手近に他の人間がいた場合、
その人間を犠牲にして、その隙に逃げる、というのが一番現実的ではないだろうか。
腹を空かせたライオンなら、まず一人目を食べ始めるだろうから時間が稼げるしな」
最初、期待に満ちた顔で聞いていた雪子だが、
説明が進むにつれ、その表情は急速に陰り、曇り、そして今にも泣き出しそうな、
聞いたことを後悔している様がありありと浮かんだ表情になった。
「……ほかのひとを、ぎせいに」
「いや、その、生き延びるという目標をどうしても達成しなければならない場合に、
不本意ながら解決策はそのくらいしか見当たらないというか」
「……」
「そもそも日本にライオンが何頭いて、それが脱走する確率はどの程度かというと」
「……」
「更にその脱走事件が俺たちの生活圏内で起こる確率を考えると…雪子?」
「……お風呂に入ってきます」
これ以上ないほど暗い苦悩の表情で、ふらふらと立ち去った妻の後姿を眺めながら、
(……だから、どうしてこんな話になるんだ?本題はサファリパークだった筈…)
鉄仮面・中嶋貴巳氏もまた、深い苦悩の溜息をついた。

雪子の入浴は、随分長くかかっている。そろそろ1時間を過ぎようというところだ。
いい加減心配になった貴巳が、浴室まで様子を見に行こうとしていたところに、
バスローブを羽織った雪子が、亡霊のごとき陰気さでリビングに戻ってきた。
「……雪子?さっきの話なんだが…」
「貴巳さん、あのね、考えたんだけど…」
二人が同時に口を開く。僅かに躊躇し、貴巳は雪子に先を促した。
バスタオルを手にしたまま、雪子は貴巳の隣に腰を下ろす。
少しの間無言で俯いて、意を決したように息をつき、雪子は話し出した。
「あのね、他の人を犠牲にするって聞いたとき、すごく後悔したの。
なんでそんな事聞いちゃったのかなって。
でも、どうしても貴巳さんに生き延びて欲しいっていう気持ちは変わらないのね。
自分でも、すごく醜いっていうか、自己中心的だと思うんだけど、
もし本当にライオンに襲われたら、最悪の場合、他の人を犠牲にしてでも、
貴巳さんには生きてて欲しい……かもしれない。
でもそんな事思っちゃう自分が凄く嫌で……それに、もし本当に貴巳さんが、
他の人を盾にして生き延びて帰ってきたとしたら、
きっと、今までと同じ気持ちでは貴巳さんと暮らせないような気がする。
自分勝手ですごく嫌なんだけど、でもそうなの」
「……」
目の前の、少女のごとくあどけない風貌の妻が、素直で生真面目なのは知っていた。
だがしかし、仮定の話でこれだけ真剣に悩めるというのは一寸どうだろうか。
果てしなく呆れ、そしてそれを越える一種の感動すら覚えながら、
貴巳は黙って先を促した。
「それでね、どうしたらいいのか、お風呂の中でずっと考えてたの。
貴巳さんがなずに済んで、それで私も後悔しないで済むのにはどうしたらいいか。
でね、もう、これしかないと思うんだけどっ!」
雪子は握りこぶしを固めて、真剣な面持ちで貴巳ににじり寄る。
次の瞬間、妻の可愛らしい唇から発せられた台詞に、貴巳は一瞬言葉を失った。

73 :
「貴巳さんが他の人を犠牲にする場合、盾にするのは私にして欲しいの」
「……は?」
「ね?そしたら全部解決するでしょ?私が先にんじゃうから、
貴巳さんは約束破らなくてもいいし、関係ない他の人は犠牲にならなくていいし。
私も、貴巳さんの身代わりなら、わりと心安らかに食べられちゃえると思うし」
「……そんな事、できる訳がないだろう」
もう、色々と考えるのも馬鹿らしくなって、貴巳は何度目かの溜息をついた。
「どうして?」
心底不思議そうな顔で、雪子が聞く。
蒼ざめていた頬にはようやく血の気が戻ったが、濡れたままの長い髪が冷たそうだ。
雪子の手にしていたバスタオルを奪い、貴巳はわしわしと雪子の髪を拭く。
「わ、ちょっと、貴巳さんてば、真面目に聞いてよっ」
妻の抗議には耳を貸さず、長い黒髪からしっかりと水気を拭き取りながら、
貴巳は自分のした約束の重さについて考えていた。
雪子は高校生のとき、父親を事故で亡くしている。
貴巳は以前、彼女の母と二人きりになった機会に、その時の様子を聞いたことがある。
雪子と母が事故の知らせを聞いて病院に駆けつけた時には、
彼女の父の身体はまだ、ほのかに温かかったそうだ。
遺体に取り縋り泣き叫ぶ母の横で、雪子は、
見開いた瞳から大粒の涙をぼろぼろと零しながら、声もなく、
ただ父の、力を喪った手のひらを握り締めていたそうだ。
誰が話しかけても目を上げようともせずに、
大好きな父の体温がゆっくりと失われ、完全に冷たくなるまで。
ずっと、そうしていたという。
「だからあの子との約束は破らないで」
雪子の母、美紀子は、勝気な瞳を僅かに潤ませて、
射るように鋭く貴巳を見据え、そう言った。
「貴巳さんっ、もういいよぉ、髪の毛からんじゃう」
ふと我に返った貴巳は、バスタオルを持つ手を止めた。
目の前のタオルの塊から、雪子の白い顔が覗く。
「もう、私の話、全然聞いてないでしょ」
うらめしそうな顔で貴巳を見上げる妻の、すっかり冷えた頬を、
貴巳は手のひらで包んだ。
「……聞いている」
「ほんとに?」
雪子の潤んだ瞳の底に、普段は身を潜めている、微かな不安が揺れている。
二人がこの先どんなに仲睦まじく暮らしたとしても、
その不安を完全に葬り去ることはできないのだろうか。
(……もし、本当にそんな決断を迫られる時が来たら)
どうしたって自分には、雪子一人を犠牲にすることはできない。
かといって、何よりも大切な約束を破ることは論外である。
(……因果な約束をしてしまったものだ)
雪子は気づいているだろうか。約束が守られるということは即ち、
遺される痛みを味わうのはこの自分になるということに。
それを口に出して言うのはやめた。きっとまた、雪子が悩んで泣くから。
日ごろは思いやりのある雪子が、その点に気づいていない、というのも考えづらい。
とすると雪子は、敢えてその点について考えないようにしているのだろうか。
二人の年齢や経験の差からくる、雪子の、無意識の貴巳への甘えなのかもしれない。
だとしても貴巳は、それを責める気は無い。雪子に甘えられることが、
貴巳には喜びでもある。
(そうなったら……いっそ、二人一緒に人生を諦める、という手があるな。
雪子から一瞬遅れて俺がねば、まあ何とか約束も守れる)
日ごろの貴巳らしからぬ後ろ向きな結論は、しかし、貴巳自身意外なほどに、
魅惑的に心に響いた。

74 :
「貴巳さん?どうしたの?」
頬を撫でられるがままになっている雪子が、微かに震える声で言う。
「雪子には負けた。もし万が一そんな状況になったら、
雪子の言うとおりにする」
「ほんとに?!良かった……」
心底から安心した様子の雪子が、にっこりと蕩けるように微笑う。
先程の密かな決意は、貴巳の口から発せられることはない。
そんな事を言えばきっとまた、雪子が泣くから。
「……ひゃぁ、くすぐったいよ」
うなじに廻した手で雪子を自分のほうに引き寄せ、白い首筋に唇を這わせると、
雪子が身をよじって笑う。鈴を転がすような無邪気な笑い声だ。
「どうせ、真っ先にライオンに襲われるのは雪子に決まってるからな」
そう貴巳が嘯くと、雪子が拗ねる。
「どうせ、私は足も遅いし、カンも鈍いですよーだ」
「いや、それも勿論あるが、何より」
警戒する隙を与えないほどに素早く、貴巳は雪子の腰を抱え、
リビングの柔らかい絨毯の上に押し倒す。
「雪子のほうが美味そうだ」
バスローブの下の素肌は、まだほんのりと風呂上りの湿気を帯びて、
しっとりと手のひらに吸い付くような感触だ。
うなじから鎖骨へと唇を滑らせると、手を使うまでもなく、
バスローブの胸元はあっけなく開かれていく。
「たかみさんっ……ダメ、ベッドに……」
頬を染めた雪子の、小声の抗議をいつものようにあっさりと無視し、
貴巳はエアコンのリモコンに手を伸ばし、設定温度を2度上げた。
胸元をはだけ、洗い髪を乱れさせて横たわる雪子の姿は扇情的だ。
染みひとつなく真っ白な脚が、所在なさげにもじもじと擦りあわされている。
頼りなく細いふくらはぎから、やわらかな腿へと指を這わせる。
そのまま手を手を上に移動させると、身体で一番熱を帯びた場所がある。
雪子がはっと息を呑む音が聞こえるが、貴巳は敢えて其処には触れず、
腰骨をくすぐり、滑らかな下腹部の肌を手のひらで撫でさすった。
どうして雪子の肌は、何処もかしこもこんなに柔らかいのだろうか。
時折、初めて肌を合わせた時の驚きを貴巳は思い出す。
胸元をすっかり露出され、恥ずかしそうに顔を背ける雪子の耳朶を、
貴巳はそっと舌先で舐め上げた。
途端にびくり、と雪子の腹部が波打つ。桜色の唇から僅かに吐息が漏れる。
もとより感じやすいたちの雪子だが、ここのところ特に、
感覚が鋭敏になってきているような気がする。
ほんの少し触れただけで、電流でも流されたかのような妻の反応が面白く、
貴巳はつい必要以上に焦らして雪子を啼かせてしまうのだ。
耳元で、わざと湿った音を出して耳朶をねぶると、
雪子の唇から、押さえきれない声が漏れる。
「ひゃ、や、ああ」
苦しそうな喘ぎが、貴巳の嗜虐心を煽る。

75 :
細いくるぶしを掴み、雪子の脚を自分の胸のあたりにまで引き寄せた。
慌ててバスローブの裾を押さえながら、不自然な体勢に戸惑いの目を向ける
雪子の瞳を凝視し、貴巳は、見せ付けるように雪子の足指を口に含んだ。
「やっ、やだっ、、そんなのだめ、汚いよぉ」
慌てて身をよじり逃れようとする雪子だが、貴巳の力には敵うわけもない。
「だ、めぇっ……くすぐったいってばぁ」
石鹸の香りのする、可愛らしい指を舌で転がして味わう。
雪子の肌は、踵でさえまるで果物のように柔らかく、甘い。
全身くまなく味わい尽くしたい衝動にかられて、
貴巳の舌は雪子の脚をじわじわと侵略する。くるぶしからふくらはぎ、膝の裏。
相変わらず拒否の声を上げている雪子だが、抵抗する身体にはもはや力が入らない。
片足を肩に担ぎ上げ、腿の内側に軽く歯を立てた刹那、細い腰が僅かに痙攣した。
「……いったのか?脚を舐められただけで?」
耳元でそう囁くと、真っ赤になって首を振る妻。
今まで何度同じようなやりとりを繰り返したか知れないが、
飽きることなく欲情を駆り立てられる自分に半ば呆れる。
もはや隠すことも忘れられ、あらわになった下着に、うっすらと染みが滲んでいる。
わざと避けるように、足の付け根ぎりぎりを舐め上げると、
下着越しにもそこが期待にひくついているのが解った。
鼻先に、発情した雌の匂いが撒き散らされる。
「……脱ぐか?」
割れ目を軽く指でなぞりながら聞くと、妻は赤い顔を腕で隠しながら、
ようやくそれと解るほど微かに頷いた。
白いレースのついた下着に手をかけ、ゆっくりと引きおろすと、
秘所は既に透明な蜜を溢れんばかりにたたえていた。
充血した突起がぷくりと膨らんで、時折物欲しげに震える。
着ていたバスローブは、殆どどこも隠さないほどにはだけ、
僅かにベルトだけが腰に絡みついているという、しどけない姿。
乱れて胸元に張り付いた黒髪が、匂い立つような色香を漂わせている。
身に着けていたものを手早く脱ぎ捨てた貴巳は、
期待に震える雪子の身体に覆いかぶさった。
既に硬く張り詰めた棒の先端で、割れ目をくすぐると、くちゅくちゅと水音が響く。
内部へ進入しようと圧しつけると、雪子の腰が僅かに浮いて、
剛直を受け入れようと動いた。
「……ん……やぁ……なんでぇ?」
期待に反し、いつまでも与えられない快楽を待ちかねて、
雪子が縋るように夫を見上げる。切なそうに息を荒げ、
既に我慢の限界に達している様子が、ありありと見て取れる。
焦れる妻の痴態を満足げに眺めて、意地悪く、貴巳は耳元で囁く。
「……脱ぐかどうかは聞いたが、入れるとは言っていない」
「……っ!い、意地悪っっ!もう、馬鹿ぁぁ!」
充分に自覚していることをどんなになじられても、痛くもかゆくもない。
亀頭でクリトリスを擦り上げながら、貴巳は再び、
雪子の全身を味わい尽くす作業に戻った。

76 :
快感に蕩ける顔を見られたくないのか、妻はいつも顔を隠そうとする。
そのたびに貴巳にあっさりと阻止されるのだから、いい加減に諦めればいいものを。
恥じらっている姿がかえって貴巳の劣情を駆り立てるのだということに、
雪子はまだ気づかないらしい。
今日もまた、雪子の腕はあっさりと捕らえられる。
そればかりではなく、貴巳は、わざと見せ付けるように細い指の一本一本をねぶり、
指と指の間を舌で擽る。
すでに全身が性感帯となっている雪子は、指先に伝わる暖かい粘膜の感触にさえ
激しく反応して声を抑えることができない。
「ひゃ、や、も、もう、やめて、おね、おねがいっっ」
泣き声のような懇願は、貴巳の舌が肘から二の腕、脇の下にまで及ぶと、
悲鳴のように変わった。
「ああああああっっ!や、だめ、いやぁぁぁ」
激しくのたうつ雪子の身体を力ずくで押さえ込み、貴巳の唇は更に激しく全身を蹂躙する。
揺れる両乳を、時折きつく吸い上げ、紅い跡を残しながら、くまなく舐め上げ、頂を甘く噛む。
雪子は既に幾度も身体を痙攣させ、珠の汗を額に浮かべているのだが、
責める手を緩めるつもりは貴巳にはない。むしろここからが本番である。
仰向けの雪子の身体を、いとも簡単にうつぶせにひっくり返すと、
膝をついて腰を浮かせる獣の体勢で、自らの肉棒を擦り付けた。
「お……ねが、しますっ……も、もぉ……おねがいっ……」
恥じらいも忘れて、身も世もなく挿入を懇願する雪子の声を快く聞きながら、
貴巳は雪子の背筋に舌を這わせた。背骨の一つひとつを確認するようにじっくりと。
一人の女性の身体を、こんなに愛しく隅々まで知りたいと思う自分が不思議だ。
瑞々しい肌に溺れて、思わず肩口を強く噛む。そんな手荒な刺激でも、
今の雪子には快感に変換されるらしい。
紅く残った歯型が、妻の身体の隅々まで自分のものだという証に思えて、
貴巳は物狂おしく、柔肉の彼方此方を噛んだ。
腰を一旦離すと、雪子が切羽詰ったせつない声を上げる。
最近より一層、女性らしい丸みをおびてきた尻を両手で撫で上げると、
尖った尾てい骨に口づけて、更にその下の窄まりにまで、貴巳は舌を伸ばした。
「きゃ、や、うそ、嘘でしょ、やめて、やめてぇええ」
雪子が、恥ずかしさの余り、パニック状態で舌から逃れようとする。
今まで、その部分に触れられたことくらいはあっても、直に口で愛撫されたことなど
一度もなかったのだ。
「や、やだ、ほんとに、き、きたないってばぁぁ」
今までになく強い力で逃れようとする雪子の腰をがっちりと押さえつけ、
貴巳は強引にそこをついばむ。
「汚くなんてない。雪子の身体は」
どこもかしこも綺麗だ、と内心で付け加える。歯が浮いたような台詞は不得手である。
暫くそこを愛撫していると、雪子の声がほとんど泣き声になっていく。
「いやあぁぁ、ほんとに、もお、ゆ、ゆるしてぇ」
しゃくりあげる妻が流石に不憫になって、再びその身体を仰向けに戻してやった。
涙でぐしゃぐしゃの表情でも、雪子はやはり美しい。
「……嫌だったか?」
言わずもがなの質問に、雪子は何度も頷く。
「……ここは嫌だと言ってないが」
先程よりも更に潤いを増し、既に滴っている秘所に、
前触れもなく、貴巳は猛る自らを根元まで突き入れた。

77 :
「……っっっっ!あ、あああああんっっっっ!!」
白い身体が仰け反り、媚肉が激しく蠢く。
限界まで反った身体がびくびくと跳ね、挿入された瞬間に達したことを示す。
「ひゃ、あぁぁぅ、や、ああああ」
壊れたように喘ぐ雪子に、貴巳は更に容赦なく腰を打ち付ける。
今まで散々雪子を焦らしていた分、貴巳もまた、我慢の限界を迎えている。
きつい締め付けを繰り返す膣内を、がむしゃらに突き上げ、奥を擦り上げた。
「や、もうだめ、だめ、いってる、のに、っっああああっっ」
無意識のうちに貴巳の胸に縋りついた雪子が、その背中に爪を立てる。
僅かな痛みに、少し冷静さを取り戻した貴巳は、
雪子の最奥を押し上げたまま、動きを止めた。
暫くはゆっくりと、痙攣する熱い肉の感触を楽しむ。
息も絶え絶えな様子の雪子の唇を割り、舌で咥内をまさぐると、
熱く潤むひだが、物欲しげに奥へ奥へと誘う動きをする。
「や……やだぁぁ、やめてよぉ」
「俺は何も動いてないぞ」
「わ……かんないっ……な、なんか……勝手に……いやぁぁぁ」
雪子の肉壁が、まるで貴巳自身を舐め上げるように蠕動している。
先端に密着した子宮の入り口が、亀頭を舐めしゃぶるように吸い付く。
「ぁああ!とまんない!とまんないよぉぉ、ああああ!!!」
貴巳も堪らずに、再び激しく内部を突き上げる。
激しい水音と、肌を打ちつけあう湿った音が部屋に響く。
貴巳のものが一層大きく膨らみ、容赦なく雪子の一番感じる部分を擦る。
「あっ、ああっ、あ、くる、すごいの、くるぅっ」
異常な興奮が一瞬にも、永遠にも感じられた次の瞬間、
貪欲に精液を飲み干そうとする子宮に吸い付かれて、貴巳は爆ぜた。
しばらくは口もきけないほど息の上がった雪子を抱きしめながら、
貴巳は妻の乱れた長い黒髪を指で梳く。
潔癖症と言えるほど神経質な自分が、何のためらいもなく、むしろ喜んで
雪子の全てに口づけることができるのが、今更ながら驚きだった。
瞼を彩る長い睫毛が震えて、雪子が目を開け、自分を見つめて、
恥ずかしそうに微笑んだ。
「……食べられちゃった、ね」
「当初の予定通りだな」
「ええ?貴巳さんに、じゃなくってライオンにって話だったじゃないっ」
ころころと笑う雪子をみて、貴巳はそれこそ当初の予定を思い出した。
(今だ……このタイミングでサファリパークに誘えば、きっと自然に違いない)
「雪子、それなんだが」
言いかけた貴巳の台詞は、次の瞬間無残にも断ち切られた。
「でもね、やっぱりこうやって、ずーっと貴巳さんとくっついてたいなぁ。
二人とも長生きするのが一番だよね。だから、なるべくライオンのいるところには
近づかないようにしよーねっ!ふふふっ」
「……」
可愛らしく笑う妻のあまりの無邪気さに、海よりも深く沈黙する鉄仮面であった。

78 :
次の日。
貴巳の勤務する某市市役所の企画課ブースには、
鉄仮面の有能なる部下、橋本あや女史の怒声が朝っぱらから鳴り響いていた。
「だから係長、この企画書、何で私の意図が全然伝わってないんですかっっ!
言いましたよね?私言いましたよね?むしろ文書にしてお渡ししましたよね?」
隣ではバーコードヘアの富岡係長が、恰幅のいい体を最小限に縮こまらせている。
「……またやってるのか」あやの、女性にしてはハスキーなよく響く怒声に
眉をしかめながら、鉄仮面が二人の間に割ってはいる。
「また、で済ませられる問題じゃありません。このミスのお陰で
何時間ロスすると思ってるんですか」
今朝の橋本女史はことさら虫の居所が悪いらしく、簡単にその怒りは収まりそうにない。
貴巳としても気分的にはあやの立場を支持したいのだが、
朝っぱらからこの怒声を聞き続けるのは耳障りであるし、
怒っていても仕事が進むわけではない。
「……まあ、そのくらいにしておいたらどうだ」
「課長までそういう事言うんですか?」
「タダとは言わん。係長からだ」
そう言うと、鉄仮面はおもむろに背広のポケットから白い封筒を取り出し、
あやの机に置いた。
「何ですかこれ……サファリパークのチケット?」
「あーそれ!中嶋君行かないの?どうして?」
怪訝な様子の二人を、凍てつくような冷たい目線で黙らせると、
鉄仮面は黙って立ち去った。
「……今、『聞いたらすぞ』って目でしたねぇ」
「中嶋くんもしょうがないねぇ。彼氏のいない橋本くんに、そんなもの渡しても
仕方ないのにねぇ。逆に失礼だよね相手がいないのに。
……え、橋本くん、何その目は。何で頷いてるの?」
「納得してました」「……何を?」
「係長がなんで出世できないのかを」
「いやちょっと!そこ納得しないでよ!」
背後の部下たちの大騒ぎから逃れるように外に出た鉄仮面は、
厄介な胸焼けと戦っていた。
昨夜無理をさせすぎて雪子が朝起きられず、仕方なく朝食代わりに食べたドーナツの
せいである。しかも貴巳は、朝食べたものとは別に、
30センチはある長方形の箱にドーナツがきっちりと詰まっているのを目撃してしまった。
あれを誰が食べる羽目になるのか、想像するのも恐ろしい。
ずっしりと重い箱の絵柄は、何やらとぼけた顔のライオンだった。

終わり

79 :
以上です。
久々の投下のため不備があるかもしれませんがご容赦下さい。
読んでくださった方ありがとうございました。

80 :
バカップル乙
久々のわりに違和感なく読めたわ

81 :
鉄仮面と子猫キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!

82 :
うわー!
キタキタキタキタ――(゚∀゚)――!!
待ってたよ、今回もGj!

83 :
うわぁああああ!
このシリーズ好きです!
乙でした!

84 :
ドSな鉄仮面・・・イイ!

85 :
このシリーズもう読める日はこないと思ってたから
思わず>>67を二度見してしまった

86 :
>>85自分は三度見したんだぜw
今日ほどこのスレに居座り続けて良かったと思う日はないくらい嬉しい
また気が向いたら投下してくれ

87 :
お久しぶりです!なんか段々雪子がアホの子っぽくなってきてカワユス
GJ!

88 :
あげちまった
すんません

89 :
はぴまりっていう新婚の漫画にハマった
設定強引なところもあるけど少女漫画のツボ抑えてる感じ
4巻は裸祭りでしたw

90 :
>>89
5巻もなかなかだった。しかしアレは女性向けだよなw

91 :
色気全開でしかもドMな年上熟嫁が出てくる話が読みたいです……

92 :
期待age

93 :
195 名無しさん@ピンキー sage 2009/11/09(月) 10:27:40
大学生の時父は単身赴任で、2週間に1度金曜夜から月曜朝まで在宅という生活だった。
両親のセックスは金土日と月の朝、4日連チャン。
母は激しいプレイで嬌声を上げるのではなく
子供に気を遣いつつも押さえきれない甘い声を引っきり無しに漏らす、という感じだった。
しかも1回1回の営みが、月曜朝を除き長かった。
寝室の外に聞こえてるのは気付いていなかったと思う。
自分で言うのもなんだが母は美人で中年太りもせず、とても父と同い年には見えなかった。
自分とも姉弟に良く間違えられていた。
日常両親を見ていても、父が母にベタボレで始終くっついていたから
寝室でも母の事を時間を忘れて可愛がっていたのだろう。
離れている時間を取り戻すように、帰れば毎晩毎晩母の体に精一杯愛情を注いででいたに違いない。
最初母の声聞いた時は、ショックだった。(寧ろ中年男女が毎晩できるということに)
もう大人だったから嫌悪感や恐怖は感じず、
自分も結婚したら丁寧な前戯とセックスで愛し合いたいと思った。

94 :
>>93
良い夫婦じゃん羨ましい

95 :
ある程度年食ってきたらさ、うちの親はいいセックスしてたのかな〜してたらいいな〜、って考えるようになった
もちろん、詳しく知りたいとか現場が見たいって訳じゃないけど
もしセックスレスとかだったら、なんか悲しいね

96 :
美熟女でドMな妻が欲しい

97 :
箱入り娘のお嬢様を嫁にして初夜に処女膜をブチ破りたい

98 :
他スレの話するとアレだけど、結婚とか妊娠とかで無事にくっついちまって、
『もうスレ違いなので投下終わります』とか言われると、ここに引越してくんねぇかといつも思う。
良い話はいつまでも読みたいと言う我が侭なんだが。

99 :
>>98
同意
前も幽霊→素直クールに移行した作品もあったしな

100 :


101 :
>>99
なんで例えがソレなんだw
いやオレもアレは好きだけど。

でもココに来て欲しい作品は確かに多いな…。

102 :
だしょー!今日はバレンタインだからなにかミラクルが起こるはずだ

103 :
そしてミラクルは起きなかった…

104 :
エロなしのSSが1つできたんだけど投下してもいかな?

105 :
さぁどうぞどうぞ

106 :
わかりました。それでは、2〜3レスほど。タイトルは「cure kiss」です。
NG登録される際はこれでお願いします。

107 :
「いてっ!」
2月。あと一月半もすれば桜が開花しようという、暦の上では春になる直前という時期である。しかしながら、気温を天気予報で見る限りではまだまだ春は遠いようだ。
したがって、ここ吉川恭介・亜衣夫妻の家においても炬燵というものがまだ活躍していた。
先ほどの「いてっ!」はその恩恵を受けていた恭介の口から洩れたものである。同じくその恩恵を受けながらみかんをほおばっていた亜衣がふと顔を上げると、恭介がみかんを片手に顔をゆがませていた。
「どうしたの?」
「口内炎にしみた…」
口内炎なんてできてたんだ。そういえば最近恭介、疲れてるみたいだったしな…。
一般に口内炎などの症状は疲れている、あるいは免疫力が低下していると治りにくい。この間テレビで見た内容が亜衣の脳内をよぎる。
休日の昼下がり。昼食後の洗い物をすませて一息つこうと炬燵にもぐりこんでみかんをほおばっていた亜衣の目の前には、痛みに顔をしかめながらもみかんをがんばってほおばる恭介の唇。…そうだ。
「口内炎によく効くおまじないがあるんだけど、試してみる?」
結婚しておよそ1年。新婚生活を精いっぱい楽しむ2人にはまだ子供はおらず、当然家には恭介と亜衣の2人しかいない。
訝しげな表情の恭介に眼を閉じるように言い、亜衣は炬燵から一度出て、向かい側、すなわち恭介の隣に音もなく忍び寄る。
「いたいのいたいのとんでけー…」
チュッ。
「んんっ!?」
恭介の唇を突然あたたかくて柔らかいものが覆ったかと思えば、すぐに上下の唇をこじ開けてもっと温かなものが侵入してくる。
驚いて目を開けた恭介の目の前には、さっきまでテーブルの向こうにいたはずの、最愛の妻のどアップ。…キスしたいならそう言えばいいじゃないか。とは思うものの、最愛の人から直接伝わってくる熱さに恭介はすぐに考えるのをやめて、再び目を閉じた。

108 :
 亜衣の舌が恭介の口内を這う。
「ん…」
触れ合った唇からはあたたかい吐息が漏れる。やがて亜衣の舌が恭介の口内炎に触れ、恭介が顔をしかめる。
亜衣は納得したように舌をその部分へと向かわせる。
(何するんだよ、痛いじゃないか…)
抗議しようと口を離そうとするが、亜衣はそれを許すことなく、同じ個所を何度も何度もなめ続ける。
徐々に大きくなる水音と、亜衣からほのかに香る香水、そして口内をひたすらはいずりまわる舌の感触に、恭介の感覚がだんだん麻痺していく。
 
 しばらくたって亜衣の唇が離れていく。離れると同時に眼を開けた2人は、互いの唇を伝う銀色の糸に、つい恥ずかしくなって顔を赤らめてしまう。
「これで痛くなくなったでしょ?」
亜衣はいたずらが成功した子供のような表情を浮かべる。…初めからこれがねらいだったのか。
恭介よりも1つ年上の妻は、時折こうしたかわいらしい側面を見せてくる。そんな亜衣が愛おしくて、恭介はつい、その「いたずら」を許してしまう。
(ああ、この人にはかなわないな…)
そんなことを思う恭介の表情はとても柔らかなものだった。結婚生活は順調である。

109 :
以上です。読んでくださった方、どうもありがとうございました。

110 :
GJ〜!

111 :
キスで麻痺させるとか妻が可愛すぎるw
GJ!

112 :
投下期待

113 :
実に面白い

114 :
なんかコメントついてる! ありがとうございます! 
よかったのかホイホイコメントしちまって。俺は「GJ」だけのレスにだって、狂喜乱舞しちまう男なんだぜ?///

…キスで感覚がマヒするなんてあるわけないだろwww
 ↑と、キスすらしたことのない真正DTが申しております。

115 :
きもい

116 :
>>115
失礼だろ

117 :
色気むんむんの年上エロ熟妻物が読みたい

118 :
もしかしたらスレチかもだけど供養がてら投稿します。
保管庫には載せないで下さい。
情事は表現出来なかったのでだれかお願いします。
むしろ自分が見たくて途中まで書いた

119 :
家に帰ると妻が
玄関に
裸エプロンで座って
鞭と紐と大人のおもちゃを用意してました。

「シン君お帰りなさい」
「あ、あぁ…ただいま…」
頬を染めて上目遣いで言う彼女はとても可愛い。
そりゃそうだ、自分が長年惚れ込んでやっと結婚出来た相手だ。
しかしこの状態は結婚したからといって受け入れられるものではない。
彼女が求めてるのは被虐精神を満たす行為、言わばSMだ。

120 :
結婚当初はこんなことしなかった。することさえ考えてはなかっただろう。
こうなった原因は一部自分にあると自覚している。
仕事の上司からの無茶振りに残業が増え夜の関係が長いことご無沙汰になって、更にはトラブル発生と、とにかくストレスが溜まっていた時彼女に強姦紛いのことをした。
四肢拘束目隠し口にガムテ放置したあとバック…そんな感じだ。
普段はそんなことはしない。そもそも痛みで泣く彼女を見るのは趣味じゃない。むしろ嫌だ。
翌日、彼女に酷いことしたと土下座で必に謝った。
それ以後は絶対に八つ当たり強姦紛いのことはしないと心に誓い、実際自らやってはない。
それがなんだ。
今度は彼女が被虐精神に目覚めてしまった。
友人に「無理矢理されたら凄く感じた」と言ったらSMサイトを紹介されたらしい。
そしてこのザマである。
当然ではあるが、毎日がこうではない。
発情期というかなんというか、とにかく月に何日かあるだけだ。
その何日かがキツイのだけど。

121 :
「ご飯にします?お風呂にします?それとも…私にします?」
ご飯→媚薬入り
風呂→一緒に入って襲えと脅される
私→言わずもがな
「えっと、まずは服を来て頂きたい」
「シン君…私の体、魅力ない?」
「そうじゃなくて…目に毒というか…」
下半身がヤバいから止めて欲しい。
このまま流されたら彼女の思う壷だ、明日も仕事あるのだから申し訳ないけど控えてくれ。
いや裸エプロンが嫌いなわけじゃない、男の浪漫だ。
今日が水曜でなかったらがっついてもおかしくは無い。はず。
「ねぇシン君、私、シン君の奥さんだよね?」
「そうだけど?」
「だから私の体はシン君のものなんだよ、自由に使っていいんだよ?誰も邪魔しない関係なんだから」
ウルウル目でそういわれては理性も持たない。あぁ可愛い。
思わず顔を逸らした。
「何度も言うけど、人を痛みつける趣味は無いって」
「でも抱いてくれる時はいつも意地悪じゃない、それが実物に変わるだけだってば」
「いやいやいや、そんなんじゃなく…」
「私、シン君に意地悪されたいの。シン君だから言うんだよ?この体にシン君の証を、所有印を刻み込んで欲しいの。私をシン君に染めて、グチャグチャにして?お願い…」
座ったままギュッと足に抱き着いてきた。
あぁもうストレート過ぎるんだよ!
しゃがんで彼女に無理矢理口づけする。
深く長く、ねちっこいディープキス。
彼女が耐え切れず逃げようとするのを頭を抱えて固定する。
彼女の力が抜けるまで、掻き乱していた。
こてん、と僕の胸に寄り掛かった時。
「……なら、そのおもちゃをあそこに入れて。そのまま食事を取ろう」
良心により踏み止まっていた理性は崩壊した。
実にあっさりなのは惚れた弱みだと主張しておく。

122 :
ヽ(゜∀。)メ(゜∀。)メ(゜∀。)メ(゜∀。)ノ

溜息。
腕の中では全裸の彼女がぐっすり、というかぐったり眠っている。
体のあちこちには縄と鞭の後が赤く残っていた。
それを見るといたたまれない、本当はこんな傷付けるつもりなんてなかった。
出血しなかったのが救いだ。
抱きしめると「んぅ…」と声を上げる。それでも起きる様子はない。
溜息。
最初は何度も「やめないで」と言うから戸惑った。
結局は自分も媚薬入りの食事を美味しく頂いた故にスイッチが入ってヒートアップし無理矢理やってしまったのだけど。
あくまで薬のせいだ。そういうことにしておきたい。
本当は泣き喘ぐ姿なんて好きなんじゃないのに。
もっと大切にしたいのに。
三度目の溜息の前に彼女が目を覚ました。
「シン君…」
「大丈夫?」
「うん、へーき」
えへへ、と幸せそうに笑う彼女に僕は内心複雑だ。

123 :
「その…ゴメン」
「え?」
「いつも思うけど、辛くないか?」
キョトンとしたあと、またニコニコしはじめた。
そして抱きしめ返してきた。
ギュウッと胸が密着してくる。
「痛くされた後のシン君優しいからねー。それだけでもう満たされちゃう」
……ん?
「もぅ、アメとムチの使い方が上手いんだから病み付きになるんだよー?」
「……どゆことですか?」
「シン君はねー、酷くしたあと謝るようにスッゴく大切に抱いてくれるから好きー」
なんと、無意識にアメとムチやってたということか!
結局三度目の溜息を吐き出した。
グリグリ頭を撫で回す。
とろとろ甘える彼女はやっぱり可愛い。惚れた弱みだ、悪かったな。
とりあえず明日(というか今日の朝)に備えて寝なければ…って。
「なにやってんだ」
「え?もう一回」
彼女はいつの間にか洗濯挟みを取り出していた。そして僕に押し付ける。
「気持ちは嬉しいが明日も仕事だ」
「だってまだ疼くんだもん」
「だもんじゃない」
「放置プレイにするならバイブ入れて両腕縛っ「やめろぉぉああッ!!!」
まだまだ夜は続くらしい。

お粗末!

124 :
>>119->>123
以上。中身も脈絡もなくてしかも意味不明でスマン。
処女作だから許して。
とりあえず吐き出してスッキリした。
無駄な人物紹介
・シン君:晋
美琴の旦那。
スイッチ入ったらSだけど、元々理性が強い人間なので入るまでが長い。大概は薬かストレス溜めないとならない。
普段は凝らしプレイが好き。妻を名前じゃなく「彼女」と呼ぶのもそのうちとかそうじゃないとか。
快感でフニャフニャにするのがいいらしい。
本人曰く「自分のテクで気持ち良くなってくれないのが嫌だからSMはしたくない」とのこと。
とかなんとか言いつつやたら技術面では詳しい。縛りの種類とか道具とか。
・彼女:美琴
晋の嫁。髪の毛は肩までストレート。これだけは譲れん。
普段はおしとやかで可愛らしいが、発情期になるとやたら積極的なMになる。
発情期になると自分を壊すオ●ニーをやっては帰ってきた旦那に救助されることもしばしば。
カップはBからCになった。
大概ネタ(?)を提供するのは彼女の方。
●●したい!と言っては頭を抱えつつ折れて獣になる旦那が堪らなく好きなんだって。
結局二人共馬鹿。

125 :
GJ!愛は世界を救うんだぜ

126 :
>>124
GJです

127 :
このバカップルがww
GJ

128 :
末永く爆発しろwww GJ!

129 :
女性向きかもしれないが
片恋生活という女性マンガがこちら向けかもしれないと思った
ほんやりしてはいるが

130 :
むしろその作者の別作品、パジャマでごろんもお勧め。
新婚ものだし。

131 :
投下期待

132 :
良いなこのスレ

133 :
>>119-123を投稿した馬鹿です。
再び供養しに来ました。
今回はおでかけ?編です。
やっぱり情事は表現出来なかったのでだれかお願いします。

134 :
休日は二人で出掛けるのが基本だ。
映画見に行ったりウィンドウショッピングしたり。
今日は晩御飯の材料を一緒に買いに行こう、ということになったのだけど。
彼女が笑顔で首輪とリードを持ってきた。
「何を求めてるんですか」
「お出かけするんだったら必要でしょ、ご主人様ッ!」
マズイ、彼女は発情期だった。
「君は僕が補導されてもいいのかね」
「ちゃんとお互い了承得てるから大丈夫です!私がしてって言ってるから!」
ビシッと敬礼ポーズをしても無駄だ。それにしても綺麗にするな。
「仮に補導されなくても世間にどんな目で見られるかわかってる?」
「あぁ、ご主人様は私を辱めたいんだ…とゾクゾクします!」
「それは君の主観だ。何やってんのあのカップル、と思われ引かれるのが一般的な反応だ」
「カップルじゃないです、ご主人様と奴隷です!」
夫婦とは言わないのかよ。
今日はすこぶるM度が高いらしい。設定に入り込み過ぎて理解力無くしてる。敬語も使ってるし。
ここで負けたら務所行きなのでさっさと玄関へ。

135 :
「とにかく駄目だ。普通に行くよ」
「お預けですね!いつ、いつされるのですか?!」
「しない、絶対」
「無期限お預け…」
ちょこちょこ後ろをついて来るのは発情期だろうが悪い気はしない…と脳内で惚気ながら靴を履き替えていると「ご主人様」と背後から声がする。
ご主人様じゃない、と立ち上がり振り返れば。
「堪えきれない奴隷は自分のあそこにバイブを入れて出掛ける事をお許し下さい…」
彼女は相変わらずどこからともなく大人のおもちゃを取り出し、片手はジーパンに手を掛けていた。
「なにやってんの!?」
「美琴はもう堪えられません…」
「ちょ…」
顔はほんのりピンク色に染まって、既に股下はシミが広がっていた。
ゆっくり息を荒げながら降ろす姿は艶めかしい。釘付けになる。
羞恥に堪えながら今度は下着を降ろす前にその手を取った。
「ご、ご主人様?」
「………」
もう、限界。

136 :
ヽ(゜∀。)メ(゜∀。)メ(゜∀。)メ(゜∀。)メ(゜∀。)ノ

「意地悪」
「なんとでも」
「結局リードもバイブもお出かけも無しになっちゃったじゃない」
「でもヨカッたんだろ?立てないくらい」
「む…そうです……」
結局玄関でコトに至り、今は動けない彼女をベッドに寝かせている。
勿論腕枕はデフォルトだ。
気を取り戻した彼女が最初に発したのが冒頭の言葉である。
「奴隷はもっと酷い扱いをされなきゃ……」
「僕は君を奴隷だなんて思った事は一度もない」
淫乱ビッチかと思った事ならあるけど。
「さて、もう一度するかな」
「え?お買物は?」
「後で僕が個人的に行く」
「駄目!お出かけは二人で行くの!」
随分かわいい我が儘言ってくれるじゃないの。
こっそり後ろ側から手を彼女のあそこに滑り込ませる。
十分濡れそぼった音がした。

137 :
「キャッ!?」
「それより僕の熱を冷ますのが先だろ?」
「…酷くしてくれるの?」
彼女は期待に満ちた目で僕を見詰める。
その返事として僕は微笑んだ。
「まさか、今日はとびっきり気持ち良く抱いてやる」
異議を言われる前に僕は彼女にディープキスをお見舞いしてやった。
お家でデートはまだまだつづく。


タヒね(゜∀゜)

138 :
>>134-137
以上。お粗末さまでした。

139 :
>>138
GJ
次回作期待してるぞ

140 :
小梨さんなお話です。

141 :
「うわぁ、凄―い!」
たしかにスゲェ部屋だった。無駄に広い部屋。天井には豪華なシャンデリア。ふわふわな絨毯。壁紙も高級そうだ。
でかいテレビに、マッサージチェア、カラオケにピアノまであった。もちろん奥にはキングサイズのベッド。
「いやー、久々のラブホだけど、感動だねー!」
嫁が、テンションが高くなってくるくる回る。チワワみたいだ。
結婚して5年になるが、まだ可愛いと思えるのはこんな幼いところがあるからだろう。
「地方都市のラブホはとってもいいらしいよー」先日テレビの旅番組を2人で見ていたら、嫁が突然言い出した。
「・・・じゃ、ドライブついでに泊まってみる?」
「うん!じゃあさ、できれば、ここ泊まりたい。」
いそいそと出したのは、無料情報誌。ホテルコーナーのページを開け、指で示す。やたらと高級そうな部屋。
・・・高っ!リゾートホテル並だ。ラブホのくせに。まぁいいか。最近仕事が忙しくて遠出をしていなかった。
嫁のささやかなお願いなら、ちょっとの贅沢くらいいいだろう。―で、ここに宿泊する事になった。
「うう、寒い・・・!」
嫁が体を震わせる。確かに寒い。暖房は一応かかっているようだが、部屋が広すぎて暖かくなっていない。
ベッドボードの集中スイッチを探し出し、Minだった空調をMaxに切り替えた。
ゴォォ、という音と共に空調口から暖かい空気が部屋に流れる。暖かくなるまで時間がかかりそうだ。
「風呂入ろうか?」
「うん!」
抱きつかれて、キスされた。むふー、と胸に顔を擦り付けている。犬みたいで可愛い。駄犬だが。

142 :
風呂場もやっぱり凄かった。全身を伸ばして入ることができるジャグジー。ついでにミストサウナ付き。
2人一緒に風呂に入る時は相手の体を洗う。結婚前からのお約束。
俺の硬くなったものをボディソープに塗れた嫁の背中や腋にこすりつけて、変態といわれるのも昔からのお約束だ。
さすがに結婚前の引き締まった少女のような体ではないが、柔らかく成熟した、いやらしい女の体になったと思う。
子を生んだことが無いためか、腰の細さだけは昔と変わらない。
子ができないのは少しだけ寂しいが、嫁を独り占めできるのはある意味嬉しい事なのかもしれない。
ジャグジーに入る。嫁が俺の胸に背中を預けてきた。背中から手を回し、胸を揉む。
「あん!ふふ、えっちー。」
まぁ、大きくはない胸だが、揉める程度にはある。乳首を軽く摘む。すぐに固くなった。
これまで付き合った女の中で一番小さい胸、というのは墓場まで持っていかないといけない秘密だ。
嫁が首を回し、キスを求めてきた。突き出された舌をしゃぶり、舐め回す。
「ん、うう・・・んん・・・」
唇を奪われながら、呻くような喘ぎ声。胸を揉んでいた両手を下半身へ伸ばし、内腿をなぞる。
「あ、そこ、いい・・・」
唇を離し、うっとりと呟く。手はそのまま嫁の茂みの中へ潜り込む。指を突起へ伸ばすと、捕まれ動きを封じられた。
「だめ。感じちゃうから、ベッドで、ね?」
湯の熱さ以外で顔を赤くした嫁が耳元で呟いた。

143 :
嫁の長い髪をドライヤーで乾かし、先に上がらせて自分も後から部屋に戻る。・・・暑い。暖房が効きすぎていた。
嫁はベッドでへばりながら缶チューハイをちびちびやっていた。裸で。下戸のくせに。
「暑くない?つーか、お前酒飲んで大丈夫かよ?」
「暑いけど、スイッチわかんないー。それになんか飲みたい気分なんだもんー。」
目がすでにトロンとしていた。チューハイを取り上げ、俺が残りを飲んだ。・・・甘っ!カルピスかよ。
ベッドに上がり暖房のスイッチを切ると、嫁が背中にのしかかってきた。乳首をつまんでくる。
「さっきのお返し。どーだー、気持ちいい?」
「痛ぇよ。」
気持いいが、俺的に言ったら負けだと思う。ごまかすために背中をねじって嫁をベッドに落とした。
そのまま胸を揉み、乳首を攻める。固くなったのを見計らって、舌を這わせ、吸い、舐め上げる。
「お返しのお返し。気持ちいい?」
「う、うん・あ・・ああん。気持ち、いい・・・」
逃げるように身を捩る。逃がすまいと肩を掴み、嫁の唇を貪る。舌を絡め、息継ぎの時には耳を舐める。
「あ・・ああん・・ねぇ、大きな、声、出しても、大丈夫だよねっ?」
俺の耳に舌を這わせながら、切なげに嫁が問いかける。
アパートタイプの社宅住まいだから、隣室や階下に生活音やら声が聞こえないかと嫁が気にしていたのを思い出す。
結婚前の嫁はSEXの時は大きな嬌声を上げ、激しく求めていたのに、いつからか受身で喘ぎ声を我慢するようになっていた。
転勤族だからとはいえ、きつい思いをさせている。申し訳なくなってしまった。
「うん、大丈夫だよ。俺もHな声聞きたいな。」
嫁が恥ずかしげに微笑む。キスをしながら、下半身に少しずつ手を伸ばした。腹を触り、腰を撫でる。
茂みの奥を触ると、すでに熱く濡れていた。指を割れ目に這わせると、ぶるり、と体を震わせた。
「ねぇ、指、入れて・・・」
ゆっくりと、人差し指を割れ目の中に入れる。くにゅり、と呑み込まれた。熱いスープに指を入れた感じ。
指を曲げ、上をちょんちょんとつつく。ゆっくりと、指を中で前後左右に動かす。
「あ・・はぁっん・・ああん・・」
嫁が耳元で普段よりも大きく喘ぐ。ひどく興奮して、指の動きが早くなった。
「あ!あ!いいっ!指、もう一本、入れてぇ・・・!」
懇願され、聞き入れた。一度指を引きぬき、今度は中指と人差し指で中に入れる。
中指を真っ直ぐにし、人差し指を曲げて、嫁が一番感じる所を狙って別々に動かした。
人差し指はクリトリスの裏あたり。中指は上のザラザラした場所。痛みを感じさせない程度に激しく動かす。
「あ!ああん!ちょ、ちょっと待って!ストップ!」
手を押さえられ、動きを止められた。指先で膣内の肉がヒクヒクと動くのを感じた。
「どした?」
「ごめん、ちょっと、感じ過ぎて、怖くなっちゃった・・・」
へへ、と泣きそうな顔で笑った。さすがに昔の様に泣かせても強引にイかせる気にはなれず、そっと指を抜いた。
抜く動きに感じてぴくり、と嫁の体が動く。唇をついばむようなキス。

144 :
「今度は、私が、してあげるね。」
体を押され寝かされる。腰の上に嫁が屈み込んだ。亀頭を舌が這い回る。竿を下から上に舐め上げられた。
玉袋をひとつずつ口に含まれ、転がされる。舌を肛門まで伸ばし、下から性器の先端まで舐め上げられる。
そして、ぬるりと性器が口に呑まれた。ぐちゅ、ぐちゅと音を立てながら激しいストローク。
動かしながら、舌を絡ませる。顔を左右に傾け、頬肉で擦り上げる。ぐちゅ、じゅぷという音が部屋に響く。
「ま、待った!ストップ!」
今度は俺がギブアップする番だった。口内に射精しても良かったが、今日は嫁の中で果てたかった。
「あれー、早いよー?」
アルコールと自分の行為に酔った目で、俺を笑う。くそー。
嫁は膝立ちになってにじり寄り、仰向けになったままの俺の顔に股間を当てた。
「ねぇ、舐めてぇ・・・」
とろとろと熱い愛液を流す割れ目に舌を突っ込んだ。強く跳ねるようにクリトリスまで舐め上げる。
「あ!いや!ダメ!激しいっん!」
言葉と裏腹に股間を顔へ押し付ける。唇でクリトリスや襞を甘く噛む。噛むたびに腰がびくり、と痙攣した。
股間が顔から離れた。激しく唇を貪られる。唇と口内で、互いの性器の味と匂いが混じり合う。
「ねぇ、入れたい・・・」
嫁が俺の腰の上にまたがる。手で性器を保持して、入れやすいように介助した。ゆっくりと性器が呑み込まれる。
熱い。やがて、中へ全て呑み込まれた。腰の上に嫁の愛液が熱く広がる。反応して、中でビクリと性器が動いた。
ぐちょ、ぐちょと音をさせながら嫁が腰を上下させる。柔らかく締め付けられる。
「あ、音が・・あん・・!恥ずかしい・・あん・・・!」
ぐちゅ、ぐちょと水っぽい音が股間から響く。動きの度にあん!あん!と声を張り上げる。
俺も嫁の腰を掴み、より奥へ突き刺す。嫁が腰の角度を変えた。俺の性器の先端に少し固い肉が当たる感触。
「あ!奥ぅ!当たってるぅ!ああん!奥いいのぉ!!熱いよぉ!ああん!」
嫁が髪を振り乱し、俺の上へ被さってきた。歯が当たるのも構わず激しいキス。互いの腰の動きが合い、激しい衝撃。
「ダメぇ!熱いぃん!イく!イっちゃうよぉ!」
俺ももう限界だった。力の限り、嫁を抱きしめる。
「ああ!イくの!?私も!私もぉ!」
性器に痛みを感じるくらい、激しく射精した。体が痙攣する。射精の度、嫁も喘ぎもできずに体を痙攣させていた。
4度、5度と射精した。ぴくり、ぴくりと嫁の体が微かに痙攣する。目があった。照れくさそうに笑う。
「好き・・大好きだよ・・。」
優しく、キスされた。息を落ち着かせると、嫁がゆっくりと腰をあげ、俺の性器を引きぬいた。
とろり、と流れ出た白い精液が俺の性器と嫁の割れ目を繋いだ。

145 :
嫁と自分の始末をし、ベッドに潜り込んで嫁を抱き寄せた。
普段ならシャワーを浴びてから眠るが、今日は2人ともバテていた。2ラウンド目どころの話では無かった。
トロトロと微睡んでいると、嫁が俺の胸におでこをこつん、とくっつけた。
「ねぇ、もし、子供できなくても、ずっと、私の事好きでいてくれる?」
時々放たれる質問。いつもなら軽快なジョークのオブラートに包んだ上で、ずっと好きだと伝えるが、今日は余裕がなかった。
たまには、クサイ言葉で真っ直ぐに言うのもいいかもしれない。
「当たり前だ。2人で楽しく生きていこう。ずっとイチャラブしよう。老人ホームでもイチャラブしよう。」
せっかくだ。心にしまっていた誓いも伝えておこう。
「お前が最後まで寂しい思いしないように、ぬ時は俺が看取ってやる。それまで絶対に生きるから。
その後で俺はお前の思い出だけ抱えてぬから。ずーっと、愛してる。」
嫁は震える声で、バーカ、クサイんだけど、と呟いた。胸が熱く濡れている感じがするのは気のせいだろう。
そだな。恥ずかしいな。でも、マジだよ、おやすみ、と呟きながら瞼を閉じた。

146 :
終了

147 :
ほのぼのするな
GJ

148 :
カッケーよ、まじGJ!

149 :
☆ゅ

150 :
最後泣けた
いい話だった

151 :
逆関白宣言か、かっこいいな

152 :
muu

153 :
イチャラブって凄い言葉だな

154 :
こんな朝っぱらからなんだけど
前スレの四十路夫婦、続きしつこく待ってます

155 :
>>139のために続編書いた。
勝手に地味にコラボしてますサーセン。

156 :
発情期の彼女は家に帰るとほぼ裸エプロンでいる。
しかし今日はそれに乗るほど気分が乗り気ではない。
むしろ僕は彼女に対して怒っている。
「シン君お帰りなさい」
「ただいま、今日はご飯いらない」
え?と驚いてる。
そりゃそーだ、今までなんだかんだで晩御飯は完食する僕がいらないなんて言うことはなかった。
けれど今日は同僚(男、そして独身)をひこずって適当なファミレスで晩を済ませた。
ケチと言われたが元々外食しないから感覚がわからなかっただけだ。メニューにも驚いた。
「風呂入る」
「は、はいぃっ」
いつもと違う僕にさらにわたわたしだす。
かわいい。しかし騙されてはいけない、これは罰だ。
勿論風呂の扉は彼女が入る前に鍵を掛ける。
風呂から出ても彼女とは一度も目を合わせない。
「寝る。お休み」
「えぇっ?!シン君どうしちゃったの?!」
普段よりも断然早く寝室に行って布団に潜り込む。
ついでに入り込まれないよう包み込む。
「やだよーシン君、悩みがあるなら言って?」
包まり込んだ僕を布団越しに揺する。
無視無視。ここで折れてはいけない。
「シンくーん」
僕を跨いで耳元で囁く。
甘えた声に誘惑されそうだけど無視無視。堪えろ僕。
流石に抱きしめられた時は理性飛ばしかけたが。
「………」
彼女は諦めたのか黙って僕から降りた。
しばらくして

157 :
「ぐすっ……ひんくぅん…」
彼女はこの空間に耐え切れなかったのか泣いてしまった。
元々泣き虫な彼女だ。いつもと違う僕に動揺し過ぎたのだろう。
放置するのは好きだが彼女を泣かせる趣味は無いのでごろんと彼女の方を向く。
床に座り込んで泣く彼女のなまめかしさったら。
いかんいかん、まだ罰は終わってない。
「ひんくん……」
「……僕は君に対して怒ってるんだ」
「ふぇ?どーして?」
「とりあえずまずは服着て」
「や」
もういい、寝る。
「ごめんなさいごめんなさい!服着ます!」
あー慌ててる、かわいい。
綺麗な形のお尻をついつい凝視してしまう。
しまった、起ちかけた。
「これでいい?」
彼女は裸エプロンから普段のパジャマに着替えた。
ほわほわの生地にピンクのリボン…かわいい。
あまり連呼するのもアレなので自重しようか、自分。
「さて…」
僕は布団からはい出てベッドの上に正座する。
彼女にも正座するように促した。素直でよろしい。
「まず、思い当たる節はないか?」
「無いよ、シン君朝もいつも通りだったし。昨日は普通だったし」
目を真っ赤にしたままキョトンとそういう。
溜息。
「…じゃあ、今日のお昼ご飯は一体何だったんだ」
「お昼?お家でパスタに挑戦したけど」
「君のじゃない!僕の弁当だ!」
八つ当たりがてらぼすぼすと枕を叩いた。
「何で性欲のつくものばっかり入れてたんだ!」


158 :
そう、僕の怒りの原因はこれだ。
字面だけなら意味不明だろうから昼の一部始終を回想しよう。
お昼の社員食堂。
テンション高めに愛妻弁当を開いたとき。
「ぬわっ!?」
思わず奇声。
そのあとすかさず
「なっ、クサッ!!」
同僚の感想に一発パンチ、KO。
慌てて弁当を塞いだが時既に遅し。
周囲が軽くざわつく。
「なんか凄く臭い…」
「ニンニク?」
「かなりキツイね…」
一先ずギャラリーを軽く睨みつけ黙らせた。
しかし開けるのが恐ろしい、が、食事を残すのは
久しぶりに勇気を振り絞り思い切り蓋を開けた。
が。
「ぅッ!!」
中身に驚いた。
豚キムチ、ニンニクの素揚げ、レバニラ、山芋とオクラのサラダ。
……欲求不満を具現化したような中身だ。臭いの根源は勿論ニンニク。
「大胆な奥さんだな…」
復活した同僚にもう一発パンチ。
根気で完食したものの、周囲の臭いに対する引き具合は予測通り酷かった。
なんせ口を閉じていても臭う。自分でも臭う。
好きではないブレ●ケアを大量に飲み込み、胃から湧き出るミント独特のスカッと感に吐き気を催した。
そして体の調子が狂い仕事に集中出来ずトイレに引きこもる羽目になった。下半身的な意味で。
回想終了。


159 :
「…というわけですが、どういう魂胆だったのかな?」
「そりゃあシン君にもっと大胆になって欲しくて」
モジモジしながら照れても今日は負けないぞ、負けてなるものか!
「夜の営みに不安があるなら善処しよう、しかしお弁当にあんなのは恥ずかしい」
「だってシン君薬とか使わなきゃなかなか理性ぶっ飛んで(SMして)くれないから!夫婦なんだよ!?」
「そ・れ・で・も!あのお弁当はいけません!罰として今回の発情期は一切君を相手にしません!」
「そんなぁ!」
「言い訳無用!その後いろんな(主に下半身的な)意味で大変だった僕の気持ちも含め、反省しなさい!」
布団に包まり寝る体制に入る。
「ちなみにオ●ニーしたら次の発情期は貞操帯するから」
「えぇッ?!」
ゆさゆさしてくるのも無視。
「ねぇ、本当?!ねぇ!!」
必に尋ねるのも黙って無視。
その尋ねる時の彼女の表情が期待に満ちてたなんて、布団を被ってうずくまる僕は知る由も無い。
そして本当は僕自身あんな昼ご飯を食べさせられ性欲にやられそうで堪えるのも必だなんて彼女は知る由も無い。

性欲ニ負ケロ!(゜∀゜*)

160 :
>>156-159
以上。低クオリティまじごめん。
ちなみにシンはSMは好きじゃないけど結局むっつり。
メニューは「鉄仮面と子猫」の第一話から引用。

161 :
うむ、いいぞもっとやれ。

162 :
臭いが充満するまでニンニク料理ってどうやって作るんだw
奥さん本気すぎるだろ

163 :
コラボや時系列が同じ
なのは好きだ。
書きたくなってきたぜ!

164 :
藤林丈司

165 :
エロが書けんorz

166 :
エロが全てじゃないんじゃよ

167 :
いってきますのセックス

168 :
最後は行ってきますと言いながらイくのか

169 :
・嫁がベッドの上で虫の息、旦那が元気に出かける
・旦那がフラつきながら出かけ、肌ツヤツヤな嫁が笑顔で見送る
どっちだ

170 :
「ちょっと!出掛けにどこ触ってんのっ!?」
「おしり」
「や、それは分かるけどっ……あっ!バカ!スカートまくらなっ……んうっ!」
「あれ?文句言ってたくせに、撫でただけで感じてんの?」
「びっくりしただけっ!って、あ、下……だめっ……」
「もしかして、玄関先だから興奮してるとか?」
「やっ、ちがうぅ……」
「じゃあ、朝っぱらからこんなことしちゃってるから?」
「あっ!そこっ、さわったらだめぇっ!」
「もー。朝から玄関先でスーツ姿でエロい事されて濡れちゃうとか、どんだけ」
「バカっ!」
「おうっと!殴るなよぉ」
「バカ、こーゆー状況だから……ぬ、ぬれちゃっ……んじゃなくて、あなたに触られてるからこうなっちゃうんでしょ!?」

こうですか?分かりません!

171 :
イってきまスカンクー!

ごめん俺もう寝るわ。

172 :
両者ツヤツヤが一番望みだけど
やっぱりどっちかが疲れはててる方が良い感じだよね

173 :
このスレに新婚はいるのか?

174 :
もうすぐ新婚になるぜ

175 :
>>174
おめでとう!

176 :
>>174
幸せにしてあげろよ!!

177 :
>>174
お前に85歳で孫に囲まれて幸せにぬ呪いをかけた

178 :
ことあるごとに離婚・結婚を繰り返し、
60歳まで、新婚の妻を持ち続けたのであった。
ごめん。新婦(新郎?)と末永くな!

179 :
おめでとう! 末永くお幸せに。

180 :
>>174に(勝手に)捧げるSSができたので投下。多分4〜5レスくらいです。NG登録は"cure apple"で!

181 :
36℃。これは人間の通常時の体温である。人体は体温をこの温度に保っておく機構が存在している。
逆を言えば、体温がこれより上昇しているときは、往々にして何らかの病気にかかっている場合が多い。
これを踏まえると、37.8℃というのは明らかに何か病気にかかっている人の体温である。
今日の朝起きてすぐに頭痛を覚えた恭介が脇に挟んだ体温計には、はっきりと「37.8℃」という文字が表示されていた。季節の変わり目である3月。体を壊しやすい時期と言える。
 …どうりで頭痛いし喉も痛いわけだ。まいったな、せっかくの休みなのに。日曜日。しかも天気は晴れ。
本来なら妻を誘ってどこかデートにでも出かけようか、という日である。恭介の口から思わずため息が漏れる。
「おはよう。…どうしたの?」
先に起きて朝食を作っていた亜衣が寝室に入ってくるなり怪訝そうな声をかける。ベッドに腰掛けている1つ年下の夫は、体温計を片手にうなだれている。
よく見れば、顔色も若干悪い。黙って手渡された体温計は、亜衣の夫が風邪であることを告げていた。
「…風邪ね」
「ああ、風邪だな」
「そうとわかれば、ほら、布団に戻った戻った」
亜衣はやや強引に恭介を布団に戻した後、忙しそうに部屋を出ていった。
恭介は風邪をひいてるけど、こんなにいい天気なんだもの、洗濯しないと。それにお粥も作らないといけないし。

182 :
昼間の亜衣はいつにもまして献身的であった。食事はできる限り消化によく、かつ栄養価の高いものを作った。
恭介が汗をかけば、蒸しタオルで体をふき、新しい寝間着に着換えさせた。もちろん、氷枕がぬるくなれば取り換えた。
「悪いな、せっかくこんなに天気いいのにどこにも遊びに行けないよ」
「いいっていいって。ゆっくりしてなよ。せっかくの休みなんだから」
結婚してよかった。それは、「結婚したから」なのか、「相手が亜衣だから」なのかは言うまでもなかった。
 

183 :
夜、恭介は亜衣が作ったおかゆを平らげた。
「リンゴあるけど、剥こうか?」
「うん、じゃあお願い。」
「わかった。もってくる。」
 亜衣はリンゴを半分に切り、片方をサランラップに包んで冷蔵庫に戻し、残り半分の皮をむいた後、食べやすい大きさに切り分けていった。
「はい、あーん」
亜衣は切ったリンゴをフォークに刺し、恭介の口元に近付ける。
「ちょ、いいよ、自分で食べれるから!」
「いいからいいから、ほら、あーん」
「…あーん」
恭介はしぶしぶ差し出されたリンゴにかぶりつく。
まるで子供のころに戻ったようなその行為に恥ずかしさを感じたが、体を起こすのも億劫な恭介にはとてもありがたかった。
「まだ食べる?」
「…いや、もういいや」
「わかった。じゃあもう寝てなさいよ」
「うん、おやすみ」
恭介が再び布団にもぐりこむのを背に、キッチンで洗い物をすませた。キッチンの窓からは、晴れた夜空に浮かぶ満月が見える。
「おやすみ…」
夫の布団からは規則正しい寝息が聞こえる。体を壊すくらい頑張っている夫には、この際だからゆっくり休んでもらいたいものである。
まあ、たまにはこんな日もいいかな。…いけないいけない、洗いものすませないと。

184 :
翌日。すっきり目覚めた恭介とは裏腹に、亜衣の目覚めは最悪だった。
なにしろ、起きてすぐくしゃみの3連発。それに続く鼻水。一晩のうちに、恭介の風邪がうつってしまったらしい。
妻の異変に気付いた恭介は、心配そうに声をかける。
「どうした?」
「うーん、頭が痛いの…」
「どれどれ…?」
恭介はなんの気なしに、自分の額を妻のそれにあてる。
「ちょ…」
ほぼ0cmまで近づけられた夫の顔にどぎまぎする亜衣。心拍数の上昇に伴い、顔に血液が集まっていく。
「熱があるな…」
当たり前じゃない、あんた自分が何やってるかわかってるの!?
とはいうものの、熱があるのは事実だし、そもそも口に出す気力などない。
そんな亜衣はただ
「うん…」
とだけつぶやくと、すっ…と額を離す。恭介は表情を変えることなく、
「何か食べたいものある?」
と聞くと、亜衣は少し悩んだのち、
「冷蔵庫に昨日のリンゴあるでしょ?」

185 :
 冷蔵庫から取りだした昨日のリンゴをたどたどしい手つきで食べやすい大きさに切った恭介は、亜衣のいる布団へ戻る。
「おまたせ」
「うん」
布団から顔だけだした亜衣はちょっと逡巡したあと、消え入りそうな声で恭介に言った。
「ねえ、お願いがあるんだけど…」
珍しく大人しそうな声を出す妻にピンと来た恭介は少しためらった後、
「…食べさせてあげようか?」
「食べさせて…くれない…?」
同時に出た同じ内容の言葉は相手へと届き、その顔をほころばせた。
恭介は甘えてくる年上の妻にリンゴを食べさせていった。
まあ、たまにはこんな休日もいいか…珍しく甘えてくる亜衣も見れたことだし。
ところで恭介、リンゴ、皮くらいむいてよ。
…悪かったね、不器用で。

186 :
以上です。きっと結婚していればこんなこともあるんじゃないですかね?www
まあ、なんでしょう、末永く爆発してくださいwww

187 :
>>186
GJ

188 :
おめでとGJ!
それにしてもこのスレ熱いなあ
あれ、ところで俺も熱が…
ゴホンゴホン

189 :
よし、俺の大胸筋に包まれる許可をやろう

190 :
うわぁぁぁ、みんなありがとうありがとう
新婦(予定)は高校時代の部活の後輩で、とんでもなくツンデレのド天然なので、ここまでこぎ着けるのに苦労しました…………
>>180
GJそんな風になれるように頑張る

191 :
ツンデレ天然嫁だと・・・
そろそろ羨ましすぎるので嫉妬して一言言っておこう。
もげろ

192 :
>>190
>新婦(予定)は高校時代の部活の後輩で、とんでもなくツンデレのド天然なので、ここまでこぎ着けるのに苦労しました…………
ここでこんなこと言ったら後はどうするかわかってるよな?w

193 :
>>190
>新婦(予定)は高校時代の部活の後輩で、とんでもなくツンデレのド天然なので、ここまでこぎ着けるのに苦労しました…………
情報ありがと!
SSにする? 会話を垂れ流す?
それとも も・げ・る?

194 :
嫁と住人から求められてる>>190は幸せだなぁ

195 :
すまん、何やら妙な流れになってしまった
しかもおいらネタ提供しかできねぇ
気にせず次行ってくれ、みんなほんとにありがとうw

196 :
お前らどうせここと現実の嫁比べちゃって鬱になったりしてんだろ

197 :
比べる嫁がほしいorz

198 :
俺も来年ぐらいに彼女と結婚しようと思う
彼女の病室通いから早5年
受け入れくれるかな

199 :
彼女が病室通い?彼女の病室へ通い?
なんにせよ慎重にな。画面の奥には
お前を応援してる奴が居るのを忘れないでくれよ!

そして馴れ初めをSSで・・・

200 :
>>199
俺が彼女の病室に通ってんのさ
小3からずっと仲良くて中2の時に恋人関係になった
勿論高校も一緒だったんだが高2の時の
事故で彼女は今も植物状態でな…
いつ学校に復帰しても大丈夫な様に授業中は
ずっと彼女の分までノート取ってたんだが(・ω・`)
目覚めないまま卒業
今は彼女を治すために一年浪人したが
医学部で勉強中なのさ(・ω・`)

201 :
なんだか泣けてきた。
神様とかそういう系が居るなら>>200と彼女を幸せにしてやれよ。

202 :
>>196
嫁どころかいない歴=年齢の童貞です

203 :
>>200
映画になりそうな人生だな

204 :
新婚は真夏でもイチャイチャしてるって本当?

205 :
本当。
イチャイチャが加速して
勃起しちゃって
そのまま汗だくセックスルートになるby妹の旦那

206 :
鉄仮面と子猫7話投下します。タイトルは「休日の計画表」です。
・今回エロ描写薄めです。
・トリップつけたので、苦手な方はNG登録お願いします。

207 :

「足首が痛むということですが」
目の前に腰掛けた、老年の医師に問いかけられ、
雪子はこっくりと頷いた。
背後では夫が、まるで重病の告知を受ける患者の家族のように、
難しい顔をして直立している。
いや、鉄仮面と異名をとる彼が難しい顔をしているのはいつものことであるのだが。
(子どもじゃないんだし、付き添いなんていらないって言ったのになぁ
……っていうか、ちょっと足が痛いくらいで、病院なんて大げさなのに……)
どうにも気恥ずかしくて、雪子はそっとため息を漏らした。
窓ガラスも溶かすかと思うほどの日差しが照り付けているが、
診察室の中はひんやりと涼しい。
老医師が、指紋のついた眼鏡を指で押し上げながら、
目の前の台に貼り付けられたレントゲン写真を指し示す。
「骨に異常はありませんが、関節の周りがやや炎症を起こしているようですな。
何か、激しいスポーツをなさってますか」
「いえ、何も」
とんでもない、という風に雪子が頭を振る。彼女は超がつくほどの運動音痴である。

208 :
「では、特に足に負担がかかるようなことをした覚えは」
「……毎日、お買い物で歩き回るくらいですけど……うーん」
首をかしげる雪子に、貴巳が後ろから声をかける。
「商店街までなら結構、距離があるだろう。万歩計を持ってるんじゃなかったか」
言われて雪子は、ベルトに着けた小さな機械のことを思い出した。
貴巳の職場である市役所の職員全員に、健康増進という名目で配られたものである。
必要ないと貴巳が捨てようとしたのを、勿体無いからと雪子が着けていたのだ。
「これ、どうやって見ればいいんだっけ?」
毎日律儀に身に着けているくせに、歩数の表示の仕方すら知らない妻に呆れつつ、
貴巳は小さなボタンをいくつか押し、過去の歩数のデータを一日分ずつ呼び出す。
表示された数字に、貴巳と、覗き込んでいた老医師は同時に声を上げた。
「……1万8000歩?」
「……2万3000歩?」
「……この日も2万歩……奥さんずいぶん頑張って歩いておられるみたいですなあ」

209 :
「待て、どうしてこんなに歩く必要がある?商店街までは片道せいぜい1kmだろう」
夫の詰問口調に驚いた雪子が、小首をかしげ、当たり前のように言う。
「だって……えっと、この日は確か、増田屋さんまでお醤油買いにいって、
それからいつものパン屋さんに食パン買いにいったら、まだ焼きあがってなくて、
だから先に兼よしさんでお味噌買って、もう一回パン屋さんに行って、
それから最後に魚ときさんでお魚買って帰ったの。だから……」
雪子が買い物に行くのは、縦に1km以上も延びる、老舗の多く並ぶ商店街である。
そのちょうど真ん中ほどの交差点まで、二人の自宅からは1km余り。
ちなみに増田屋は商店街の南端、パン屋は反対側の北端、
兼よしは増田屋の2軒隣、、魚ときは増田屋より更に南の商店街のはずれにある。
「どうしてそんなに効率の悪い回り方をしてるんだ?」
「だって……貴巳さん菓子パンは嫌いだし、それにお魚は最後にしないと、
鮮度が落ちちゃうし」
「そもそも……商店街にはスーパーがあるし、そこなら一度に用が済むじゃないか」
眉を顰める夫に、雪子はさも当たり前のように言う。
「だって、貴巳さん、スーパーで買った材料で料理しても何も言わないけど、
増田屋さんや魚ときさんで買ったのを料理したら、美味しいって言ってくれたから」

210 :
「……え?」
「他のお店のも色々買って試してみたんだよ?それで、貴巳さんが一番、
おいしそうに食べてくれるから、最近はずっと決まったお店で……」
言われて、貴巳は今更ながらに気づいた。
そういえば結婚当初、雪子の作る味噌汁や煮物の味付けが、
比較的短いスパンでころころ変わったことがあった。
料理上手な雪子の作るものだから、不味いと思ったことなどないが、
暫く経つとそれが申し分のないほど貴巳好みの味付けになり、
それ以来はずっと安定していることに。
家庭料理とはそういうものなのだろうと、特に疑問にも感じていなかったが、
その陰に雪子のこれほどの気遣いと労力が掛かっていたことに、
貴巳は今更ながらに気づいたのであった。
「えー、それで、奥さんはいつもその靴で歩いてらしたのかな」
「はい、そうです」
医師の質問に頷く雪子の足元は、長距離を歩くにはいかにも不向きな、
踵が高めのパンプスである。
「その靴で2万歩も歩いてたのか?スニーカーはどうしたんだ?」

211 :
ついきつくなる貴巳の口調に、雪子は叱られる子供のように首をすくめる。
「んっと……先月、靴底が磨り減って捨てちゃったの」
「新しいのを買えばいいだろう」
「だって、この前、夏のパジャマ買っちゃったばかりだし……」
犬も喰わない夫婦の会話を遮るように、老医師がわざとらしく咳払いをする。
「ごほん、あー、お二人の仲がよろしいのはよく解りましたがね、
足の話に戻させてもらいましょうか。
薬を塗って2〜3日もおとなしくしとれば、痛みは取れるでしょう。
それで奥さん、今後は新しい、歩きよい靴を履いたらよろしい。妙な遠慮をせんで」
「……はい」と雪子が恥ずかしそうに頷く。
「それで旦那さんはね、話を聞いたら、今時珍しいいい奥さんなんだからね、
もう少し気をつけて可愛がってあげるとよろしい」
「……」
老医師に思わぬ説教をされて、常にも増して憮然とした顔の鉄仮面であった。

212 :

2
それからちょうど2週間後の土曜。
風はほどよく、日差しはまだ強くなく、爽やかな盛夏の朝。
愛しい年下の妻と、静かで穏やかな休日を過ごすのだと決めていたというのに、
玄関のドアスコープの向こうには、見慣れた、しかし休日にまで見たくはない顔が、
白々しい笑顔でこちらを覗きこんで手を振っている。
貴巳は、溜息をつきながらドアを少しだけ開けた。
「……橋本、土曜の朝に何の用だ?」
職場で鉄仮面と異名を取る男の、背筋も凍る冷酷な声音と凶悪な無表情を前にしても、
突然の訪問者はひるむそぶりもなく、くっきりした目鼻立ちを歪めて、
大げさにしなをつくる。
「やだ課長、部下が訪ねてきたっていうのに、
ドアチェーンかけたまま応対するってひどーい」
彼の有能なる部下、酒豪にして女傑、橋本あや。口元がにやついているのは、
突然の訪問をあからさまに迷惑がる鉄仮面の様子を見て、楽しんでいるのに他ならない。

213 :
「あれ?あやさんだ!どうしたの?」
「雪子ちゃん、おはよー。朝ご飯食べた?」
奥のリビングから顔を出したのは、貴巳の12歳年下の妻、雪子である。
姉妹のように仲のよい二人は、憮然とする鉄仮面をそっちのけで、
のんきにお喋りに興じている。それを遮って貴巳が言う。
「……だから何の用だと聞いてるんだ」
ドスの効いた低音の、同僚曰く「氷の声音」でそう問われて、
平然としていられる人間はごく少ない。職場ではこの、橋本あやくらいのものだろう。
しれっとした顔で、とんでもないことを提案する。
「雪子ちゃん、プール行くよ」
「え?これから?」
「うん。前から約束してたじゃない?せっかく水着も買ったのに」
雪子が満面の笑みで「行きたーい!」と言うのと、
貴巳がこれ以上無いほど不機嫌な顔で「駄目だ」と却下するのはほとんど同時だった。
「え……やっぱり、ダメ?」
「決まってるだろう」
「課長、何で雪子ちゃんがプールに行っちゃいけないんですか?
夫だからって、そこまで妻の自由を束縛する権利はないと思いまーす」
学級会でやんちゃな男子を責める女子小学生のような口調で、あやが言う。

214 :
支援

215 :
「……女二人でプールなんて、悪い虫がついたらどうする」
「あら、私のことも女だと思ってくれてたんですね?」
「生物学的に分類するならの話だが、蓼食う虫も好き好きというしな」
「言ってくれますね。悪いけど、頭の軽い男の子にひっかかるほど
人生経験浅くないですから。もちろん雪子ちゃんもしっかりガードしますし」
「当てにならんな」
「それなら課長も一緒に来ればいいじゃないですか。課長が背後で睨みきかせてたら、
どんな男の子だって恐れをなして雪子ちゃんに近づいてきませんよ?」
「俺がそこまでしなきゃならない理由は無い」
「無いとは言わせませんよ?、ゴールデンウィークだってこの前の連休だって、
雪子ちゃんに聞いたら買い物と実家以外どこにも出かけてないって言うじゃないですか?
あんまりにも可哀想だから、せめて私が連れだしてあげようかな〜としただけですよ」
痛いところをつかれて、貴巳は一瞬言葉に詰まった。
人混みの大嫌いな貴巳の意向で、中嶋家では外出が極端に少ないのは事実である。
「……うちが休日をどう過ごそうと勝手だ」
「でも、さっき雪子ちゃんは行きたいって言ってましたよ?
夫に遠慮して行きたいところにも行けないなんて……可愛そうな雪子ちゃん」

216 :
どうも、形勢は貴巳に不利なようである。あやの頭の回転の早さと弁の立つことは、
部下としては申し分ないのだが、こういう場合ひたすら忌々しい。
「だからといって当日突然誘いに来るというのは非常識だろう」
「前もって誘ったりしたら、課長は何かと理由付けて断るに決まってるじゃないですか」
「雪子は今、足首を痛めてるから無理だな」
「えっと……先週、病院行ってきたら、もう完治したって言われたよ?」
おずおずと口を挟む雪子を、鋭い視線で黙らせて、鉄仮面は更に言い募る。
「日頃ろくに運動もしていないのに、溺れたりしたら危険だ」
「今日行くK市のプールには、用心深すぎるくらい
監視員だのライフセーバーだのが沢山いるんです。もちろんAEDも完備です」
「……たかがプールに誘うだけのことで理論武装して恥ずかしくないか?」
「ぜーんぜん?可愛い雪子ちゃんの喜ぶ顔を見るためですもん」
そして本音はもちろん、鉄壁の無表情の上司の嫌がる様を見て楽しむためである。
ようやく黙った貴巳を前に、あやは勝ち誇った笑みをうかべた。
歴代最年少で課長職に昇進したこの上司は、完璧主義で仕事に対してやたらと厳しい。
理不尽な要求なら反論しようもあるのだが、
言うことがいちいち的を射ているので従うほかない。

217 :
あやも仕事に対しては少々のプライドを持っているから、
意地でも求められる以上の仕事をしようと奮闘しているのだが、
その分ストレスのたまり具合もかなりのものだ。
こうしてたまに中嶋宅に押し掛け、素直でからかい甲斐のある雪子を愛でつつ、
絶品の手料理に舌鼓を打つ。そして、来客に心底うんざりしながらも、
妻可愛さに我慢している鉄仮面の様子を鑑賞することが、
あやの何よりのストレス解消なのである。
「さっ、じゃあ用意して行きましょうか」
勝利の喜びに浸りながらあやが言う。
が、眼前の鉄壁の無表情には、まだ敗北の陰りは見られない。
「残念だが橋本、それは無理だな。車がない」
「……は?」
「K市プールなら車がないと無理だろう。だが生憎うちの車は車検で業者に預けてある」
言われてみれば、中嶋宅横の駐車場にあるはずの面白味のかけらもないセダンが、
今日は見あたらない。
目の前に路上駐車しているあやの愛車は2人乗りである。だが。

218 :
「……車検なら、代車はどうしたんです?」
怪訝な様子のあやに雪子が答える。
「んとね、マニュアルの代車が業者さんのところに無かったんだって」
「……はあ?」
眉をひそめているあやに、貴巳が淡々と説明する。
「オートマは運転していて、シフトチェンジのタイミングが微妙にずれて気分が悪い。
代車にマニュアル車が無いというから、必要ないと断ったんだ。
どうせ土日二日で車検は終わるしな」
「二日くらいその信念を曲げるって選択肢は無かったわけですね……
っていうか、今時マニュアルの代車なんて置いてある奇特な業者、
めったに無いでしょうよそりゃ……」
「ここから徒歩で行けるようなプールは無い。
というわけで、残念だがプールは無理だな」
形勢逆転、とばかりに余裕たっぷりな様子の鉄仮面が憎らしくて、
あやは必で対応策を考えはじめる。
ほどなく頭に浮かんだいくつかの選択肢の中から、
最も手っとり早くて安上がりな方法を採ることにした。

219 :
おもむろに携帯を取り出すと、アドレス帳から同僚の名前を探し出し、コールする。
土曜の朝だからか、なかなか電話に出ないので苛ついたが、
幸い留守電になる直前、「……ふぁい?」と寝ぼけた声が応答した。
「もしもし沢木?今すぐプールに行く用意して、課長の家まで車で来て。
いいから何も聞かずに急いで。そしたら、雪子ちゃんの 水 着 姿 見れるわよ?
オッケー、じゃ今から15分以内に来てよね。
無理っス、じゃないうるさい黙れ。はいカウントダウン開始〜」
一方的に電話を切ったあやは、どす黒いオーラを発しながら睨みつけてくる鉄仮面に、
今度こそ極上の勝利の笑みを返したのだった。

220 :

3
「おー、中はすげー広いんだなあ」
開館直後にも関わらず、沢山の人でにぎわうプールの室内を見渡して、
沢木勇治は目頭にこびりついていた目やにをこっそり拭った。
土曜の朝からたたき起こされたせいでぼんやりしていた頭が、
室内プールのむわっとした熱気と、泳ぐ人々の響き渡る歓声で、否応なしに目覚める。
「うわぁ広ーい!滑り台まである!あやさん早くはやく」
「ちょっと雪子ちゃん、何でそんなに着替えるの早いのよ?」
背後から響く楽しそうな二人の声に振り向いた沢木の時間は、その瞬間凍った。
真っ白なビキニに、それに負けないくらい色白な、華奢で柔らかそうな肢体。
雪子ははしゃいだ様子で、小さく飛び跳ねながらあやを手招きしているのだが、
身体が弾むリズムに合わせて、細身な身体の割にはしっかりボリュームのある胸が、
ぽよんぽよんと揺れているのである。
(……ちょっ!これは……やばい!やばいくらい可愛い!むっ胸が胸が谷間がっ!
夢にまで見た横チチがー!
そんで腰細っせぇぇぇ!肌真っ白でどんだけ柔らかそうなんだよ!
ああああ白いビキニ!ナイスビキニ!清楚!エロ清楚!
つかやべぇ、これ勃ったらシャレになんねぇ!ああああでも目が離せねぇー!!)

221 :
「……きさん?さわきさーん?どうしたんですか?」
目の前の雪子が、怪訝そうに自分の目の前で手のひらを振っているのに気づき、
沢木は慌てて飛びのいた。「うわっいやっなななな何でもないっすよ?」
「そうですか?何か顔が赤いみたいですけど、体調悪いんじゃないですか?」
そう言って雪子は、熱を計ろうと沢木の額に手を伸ばす。
その拍子に長いストレートの黒髪がさらり、と胸元に落ち、
少女のようにあどけない顔が、沢木の目の前30センチまで近づいてくる。
(やばい、水着姿でそれは反則だって!!
こんなとこでおっ勃てたら、俺マジ変態じゃねーかっ)
必で理性を保とうとする沢木の肩が、おもむろに凄い力で後ろに引っ張られ、
あやうく沢木は尻餅をつきそうになった。何とか踏みとどまり、恐る恐る横を見やると、
鉄仮面の異名を取る彼の上司が、それは恐ろしい形相で睨みつけてきているのだった。
「……熱があるのか?ならもう帰ったほうがいいな」
「い、いや、無いっす全然、超元気っす」
自分の顔から血の気がひいていくのがよくわかる。
「本当ですか?……あれ、さっきまで顔赤かったのに、ちょっと青ざめてませんか?」
「雪子ちゃん、大丈夫だから放っときなさい……それより課長、何ですかその格好」

222 :
つかつかと貴巳の前に歩み寄ってきたあやが、
唖然として目の前に立つ男の頭からつま先までに視線を走らせる。
いつも通り憮然とした表情の鉄仮面は、全く飾り気のないカッターシャツに
パンツという出で立ちで、つまりは水着に着替えていないということだ。
およそプールサイドにふさわしい格好ではない。
「貴巳さん、入り口のスポーツショップで水着買ってくればって言ったのに」
「今後一切使う予定のないものを買っても仕方ないだろう」
「えー、でもせっかく来たのに」
「そうですよ、大体TPOわきまえてないっすよ……いや、えっと、何でもありません」
沢木を一睨みで黙らせた鉄仮面は、鋭いままの目線であやに向きなおった。
ここまで来る車中、貴巳の水着がないことを心配する雪子に、わざとらしく親切そうに
「スポーツショップがあるから、そこで買えばいいのよ。あー楽しみ。ねぇ課長?」
とご機嫌だったあやである。
「……嫌がらせの種が一つ減って残念だったな」
「何のことですか?課長の水着なんて見ても嬉しくないですし、
自意識過剰なんじゃありません?……やだ、そんなに睨まれると照れるじゃないですか。
もしかして私のセクシー水着姿に見とれちゃいました?」

223 :
「……そのゴーギャンが発狂したような色合いが最近の流行なのか?世も末だな」
ちなみにあやの豊かな胸とグラマラスな腰回りを覆っている水着は、
赤と水色とオレンジと黄緑の、滲んだストライプ模様という恐ろしく派手な代物である。
「あら課長ゴーギャンがお好きですか?」
「そんな事は言っていない」
「ゴーギャンってロリコンですよね。しかも幼な妻を別の男に寝取られたりしてたし」
「……橋本、言いたいことがあるならはっきり言ったほうがいいぞ」
「いえ別に」
最大の障害である鉄仮面があやと対峙しているのをいいことに、
沢木は再び雪子の真っ白で柔らかそうな肢体を盗み見ていた。
軽い近視のせいで、細部まではっきりくっきりと見えないのが非常に残念である。
(くそっ、こんな事ならコンタクトしとくんだった……しかし可愛いよ反則だよこれは。
あー、おっぱい超やわらかそー、横からがしっと鷲掴みにして、
ゆさゆさ揺らしたりとかさぁ……体中べろべろ嘗め回して味わいたい!
ていうかいっそ、あの尻の割れ目に顔を埋めて窒息してえ……
……ん?何だあれ、腕のとこと膝と……あz)
沢木の幸福かつ変態的な思考は突然体を襲った衝撃に断ち切られた。
「ごぼっぐへっがばぁぁぁっ!ちょっあやさん何するんすか?!」

224 :
突然プールの中に突き落とされた沢木は、鼻から流れ込む塩素臭い水にむせながら、
必で水面から顔を出した。
片足を軽く上げた女傑の姿から、突き落とされたのではなくけり落とされたのだと理解する。
「沢木があんまり鼻の下延ばしすぎで気持ち悪いから、つい。
嬉しいのはわかるけどさ、そもそも誰のおかげで今日ここに来れたんだっけ?
感謝しなさいよ感謝」
「いや、運転手にされて感謝しろって、俺どんだけ奴隷的な立場っすか……」
「……何よ?」
プールのふちに手をかけて上がろうとする沢木が、
自分を見上げたままぴたりと止まったので、あやは不審な顔をした。
プールの中の沢木からは、プールサイドに立つあやの姿を、
ほとんど真下から見上げる形になっていた。
ビキニの小さな布に吊り上げられている、いわゆるロケット型の巨乳は、
下から見ると更に大迫力である。加えてぷっくりとした三角地帯を包む布のラインは
実にきわどく、見てはいけないものまで危うく見えそうである。
「……あやさんGJっす。ゴチになりまsぐごふっげふっ」
白い歯を見せて爽やかに親指を立てた沢木は、
陸に上がりかけた肩口を思いっきり蹴られ、再び水中に没した。

225 :
痛む肩を押さえながらようやく浮上すると、あやがプールの監視員から、
人を水に落とさないようにと注意を受け恐縮(した演技を)しているところだった。
「あやさん、いいトシして管理員に叱られるって恥ずかしくないっすか?」
調子にのった沢木を三たび水中に蹴り落とし、その頭をぐりぐりと踏みつけにしたあやは、
「すみませぇん、ちょっと汚物の消毒を」と、艶やかに笑って係員に会釈した。
「あやさん、流れるプールってこれだよね?」
いくつかある大型のプールのうちの一つを指差し、
雪子が目をきらきらさせてあやに言う。
「そうだけど、ここ結構流れ早いよ?雪子ちゃん泳げるんだっけ?」
「ううん、でも浮き輪があるから大丈夫!」
そう言うと雪子は、あやと貴巳が止める間もなく水に入った。
「わー冷たい!気持ちいい!……あれ?足がつかない」
小柄な雪子にはプールは深すぎ、そして泳げない雪子にプールの流れは速すぎた。
浮き輪につかまりながら、一生懸命に手で水をかいて戻ろうとするのだが、
水の流れはどんどん反対の方向へ雪子を押し流していく。
「あやさーん、たかみさーん、どうしようー」
心細げに流されていく雪子は、
さながらダンボール箱に入れられ川に流される捨てられた子猫のようである。
余りにも予想通りの展開に、貴巳とあやは、溜息をつきながら目を見合わせた。

226 :
「……ここで服のまま飛び込んで助けたら格好いいですよ、課長」
「そういうのはここに誘った人間の仕事だな。俺は今忙しい」
プールに入場した直後から、雪子とあやの周りにうろちょろとまとわり付く、
およそ10代から30代まで幅広い年齢層の男たちの視線を、凍てつく視線で退散させ、
空気を読めず声をかけようと近づいてくる男に至っては、
進路を塞いで雪子を防御しなければならない貴巳である。
下心満載の男達が、顔をひきつらせてUターンしていく中、
一人だけ「ああ?何だオメーはよぅ」と突っかかってきた命知らずな男がいたが、
貴巳が至近距離で眉間に皺を寄せ、凶悪に不機嫌な顔で睨みつけると、
途端に顔面蒼白になり、あとずさりながら逃げていった。
「うわぁ課長がいると便利」
「……いいから早く雪子を連れ戻してこい」
「いやホラ、沢木が鼻の穴ふくらまして助けに行ったから大丈夫ですよ」
「……この間うちで空にしていった20年もののボウモアを返してもらおうか」
「あー、あのケムリみたいな匂いのするウイスキーですか?
カラにしたなんて人聞きの悪い。ちゃんと課長の分、残しておきましたよ?」
「底から一センチほどな。大体あれはがぶ飲みする酒じゃない」
「へいへい、行きますよーだ」

227 :
会話の雲行きが怪しくなったのをしおに、あやはさっさと水に飛び込み、
綺麗なフォームで抜き手をきって、みるみるうちに沢木を抜き去って、
雪子の浮き輪をつかまえた。
「わぁ、あやさん泳ぐの上手なんだね」
泳げない雪子が、あやに尊敬の眼差しを注ぐ。
「実家が海の近くだからね。連れ戻せって仰せなんで、戻ろうか」
「えー、ここ楽しいのに。もうちょっとだけ、ね?あそこの広くなってるとこまで」
「別にいいけど、大丈夫?足つかないんでしょ?」
「っていうか、雪子さんって身長何センチすか?」
ようやく追いついた沢木が、耳に入った水を気にしながら聞く。
「沢木さんっ、じ、女性にそういうこと聞くのはマナー違反ですっ!……あ、あれ?」
雪子は途端に真っ赤にして、沢木の胸を手で軽く押す。
しかしその反動で、再び浮き輪ごとくるくる回りながら流れていってしまった。
「……雪子ちゃん、背が低いのそんなに気にしてたんだ……可愛いのにねぇ」
「ほんとっすね……で、あの、俺は別の事がすげえ気になってるんすけど、あの……」
「……ん〜?」
何やら言いにくそうなことを言いかけた沢木が、思い直したように軽い口調で言う。

228 :
「あの、首のとこで結んであるビキニの紐、なんかの拍子にほどけないっすかねぇ」
「沢木、それ思っても口に出すとかなり変態的だから。
……ちなみに仮定の話として、その”なんかの拍子”にいくら出す?」
「マジすか?!……えーっと……っっ、夏のボーナス……3分の2くらいならっ」
「何、その中途半端な割合」
「冷蔵庫と洗濯機壊れたんでボーナス払いで……っていうか、なんか背後から気が」
「……だわね、こんだけ離れて、声が聞こえるはず無いのに、なんでわかるのかしら」
数十メートル隔たっても尚どす黒いプレッシャーを発する鉄仮面の視線に、
二人はいっそう声を潜める。
「……で、あやさん、どうっすかさっきの件は」
「前言撤回。命かけるには安すぎるし」
「えええ、頼みますよあやさぁぁん!」
「いやねぇ、私がお金で可愛い雪子ちゃんを売るような女に見えて?
さっきのは冗談よ冗談」
「嘘だ……さっき一瞬、金額次第では本気って目だったのに……」
涙目になった沢木を尻目に、あやはさっさと雪子を連れ戻しに泳ぎ去っていった。

229 :
―――――
「今日はありがとうございました!ほんとにご飯食べてってくれないんですか……?
そうですか、あやさんも沢木さんも気をつけて帰ってくださいね」
中島宅の玄関先でにこやかに手をふる雪子と憮然とした鉄仮面に見送られ、
あやと沢木は夕焼けに染まる道を駐車場まで歩いた。
いつもの二人なら、誘われずとも中島宅に上がり込み、絶品の手料理を貪るのであるが、
今日はどちらからともなく雪子の誘いを断った。
横から送られる、凍てつくような鉄仮面の視線に怖じ気付いたからだけではない。
それぞれの車の前に着いても、二人は乗り込もうとはしなかった。
中島宅の玄関のドアが閉じられる音を確認してから、
沢木があやに向かい、今日一日じゅう気になって仕方なかったことについて、
耐え切れず口を開いた。
「あやさん、雪子さんのあの傷、なんですか?」
「やっぱり気になってたのってそれか……。私もさ、水着に着替えるときに聞いたけど、
散歩して転んだとか何とか」
「ちょっと転んだくらいじゃあんなにならないすよね……なんだろう、あの傷」
眩しい水着姿に見とれる余り、沢木は気づくのが遅れたが、
雪子の全身には無数の痛々しいアザや、かさぶたになった傷がついていたのである。

230 :
沢木が色々と想像をめぐらせて悶々としていると、あやがぼそりと言う。
「あ、気になったのってそれだけ?」
「……は?もっと何かありました?」
「いや、傷のほうもなんだけど……帰りの車の中でさ、雪子ちゃんノーブラだった」
「…………は?はあぁぁぁ?!」
「見間違いかと思ったけど、あれだけばっちり見えてたらねぇ。
なんだ、そっちは気づいてなかったの?」
「いやいやいや!そこは全然ノーチェックでしたよ!
確かに、帰り道で雪子さんが何か、もじもじしてるなぁとは思ってたけど。
何で教えてくんないんすかあっ?」
「運転中にそんなこと教えて、
わき見して事故られたら困るからに決まってるでしょうが」
「ノオォォォっっ!なんか今日はもう色々と……ノオォォォォ!!!」
沢木の雄叫びが、日差しの傾きはじめた夏の夕方に木霊した……

231 :

4
「あれ?なんか、今誰かの叫び声が聞こえなかった?」
玄関で靴を脱ぎながら、ドアの方を振り返って雪子が首をかしげる。
「野良犬の遠吠えだろう……それより雪子、ちょっと話がある」
改まった口調でそう言われて雪子が振り返ると、
思いがけないほど近くに、険しい顔つきの夫が立っていた。
「た、貴巳さん……どしたの?」
「どうした、はこっちの台詞だ。……雪子、どうして下着を着けてないんだ?」
「えっ……えっと、やっぱり、気づいちゃった……?」
夫の容赦ない視線が、Tシャツの薄い布越しに見える突起に注がれているのを意識して、
雪子の真っ白い頬が、途端に紅く染まる。
もしかして誰にも気づかれずに家まで帰れたかと思っていたのだが、
あらゆる事を正確に観察する貴巳の目はごまかせなかったようである。
ちなみに橋本あやにもあっという間にバレていたのだが、雪子は知る由も無い。
無言で説明を促す夫の目線はあくまで鋭く、
雪子はおどおどしながら必で説明を試みた。
「あのね、別に、わざと下着つけなかったわけじゃなくって……
プールに行く準備してる時にね、小学生のころとか、
プール授業のある日は服の下に水着を着ていったなぁって思い出して、
早く着替えできるし、と思って、それで……」

232 :
顔を真っ赤にしてうつむく妻に、話の結末を正確に予想した鉄仮面は、ため息を漏らした。
「……それで、帰り道で着る下着を忘れた、ということか」
恥ずかしさのあまり、雪子はただでさえ小柄な体をよりいっそう縮ませた。
(お、怒られる……よね?)
暫しの間があって、雪子は恐る恐る視線を上げた。
目の前には、眉間に深いしわを寄せた鉄仮面が、じっと自分のことを見つめている。
「……貴巳さん、怒ってる……?」
「どうして怒る必要がある?……まあ呆れてはいるが」
「うぅ……ごめんなさい」
「謝らなくていい。別に怒ってはいないと言ってるだろう」
これは本心からの台詞で、何故ならば、妻の際どい姿は、
一番見せたくない相手には全く気づかれていなかったようだからである。
助手席のあやが、バックミラー越しにちらちらと、
意味深な目線を投げかけていたのは気に食わないが。
そういうわけで、特にきつく問い糺したつもりもないのだが、
目の前の少女のようにあどけない妻は、肉食獣に追いつめられた小動物さながらに、
身を縮めぷるぷると震えている。
Tシャツの上に浮かび上がる突起のシルエットのいやらしさも相まって、
どうにも嗜虐心をそそられる眺めである。

233 :
小柄な身体を玄関のドアに押し付けて、布地越しに浮かび上がる突起を指で弄くる。
「……っ、ん、や、っ……だめ……だめだよぅ……」
布に隠れていても、知り尽くした身体である。
乳輪のきわを、触れるか触れないかの力加減で何度もなぞる。
顔を赤くして頭を振る仕草とは裏腹に、突起は生き物のように、
ゆっくりと堅さを増して、その存在を主張しだした。
適度な弾力のある粒をつまみ上げ、指先で摘んでねじる。
そしてそれを、軽く弾くように離す。
からかう様な動きを繰り返していると、妻の吐息が細かく、熱を帯びていくのがわかる。
例えようもないほど柔らかな乳房ごと掌で持ち上げるように掴み、やわやわと揉む。
半開きになった雪子の唇からのぞく濡れた舌先が、貴巳を誘っている。
ゆっくりと口付けると、刺激を待ちわびた雪子の舌が、熱くぬめって、
貴巳の舌と絡み合おうとする。
しかし、舌先どうしをほんの少し触れただけで、貴巳の唇はあっさりと離れる。
「ん、や……」
名残惜しげな雪子の唇に、貴巳は左手の人差し指と中指をねじ込んだ。
驚いて目を見開いた雪子だが、指先で舌を挟んで嬲ってやると、
すぐにとろりと蕩けた表情で舌を絡ませてきた。
空いた貴巳の唇は、雪子の折れそうなほど細い首筋をなぞり、ゆっくりと下に移動する。

234 :
プールの名残の塩素の匂いに混じって、甘い汗の香りが、
上気した雪子の身体からほのかに立ち上る。
布の上から、胸の頂点を唇にそっと含むと、
雪子は耐え切れず仰け反り、結果として二つのふくらみは、
捕食者たる夫の目の前に差し出された。
「……ん、ふぅ……っっ!」
右手で押さえつけた細い腰が、一瞬だが、貴巳の足に擦り付けるように動く。
最近の雪子は、今までにも増して感度が良好である。
ほんの少し、例えば貴巳が出勤する際に、気まぐれでした口付けひとつで、
雪子は立っていられないほどに蕩けるのだ。
雪子自身、そんな自分に戸惑っているらしく、
困惑と快感の狭間で涙目になっている妻の姿は実に艶かしい。
布の上から、更に執拗に突起を嘗め回す。
貴巳の唾液を吸って、シャツのその部分だけに淫らな目印ができる。
「あっ……あー!!あ、も、もう……っっ!」
歯を食いしばって耐えてはいるが、雪子がその部分に直に触れて欲しがっているのは
一目瞭然であった。
その求めには応じずに、貴巳は前触れなく、
濡れそぼった突起に、布越しに歯を立てた。
「……っっっっ!!!!」
びくびくと魚のように跳ねる雪子を、身体ごと強引にドアに押し付ける。

235 :
突起を噛む歯の力を、それとは解らないほどにゆっくりと、徐々に強くしていくが、
苦痛を訴えるどころか、雪子は明らかに、絶頂へ向かって駆け上り始めていた。
「……きゃ、あああああ!!あ……も、もおっ……いき、そ……
あっあっあっあっ……あ、そんな、つよい……く、かんじゃ……ああああ!
い、や、いく、っいっ……ちゃ……ううう、っ……」
あとほんの一押しで高みに上り詰める、
そのタイミングを見計らったかのように、貴巳はあっけなく、突起を口から離した。
「……や、だ……なんでぇ……?」
恨みがましく見上げる妻に、今までの行為が無かったかのような無表情で言い放つ。
「今日の予定を、一つ忘れるところだった……すぐ着替えてきなさい、外で待っている」
「え?……って、まさか……ほんとに、今日もするの……?疲れてるんだけど……」
心底いやそうな顔の雪子に、「当たり前だ」と言い放ち、
貴巳は玄関を後にした。

―――――

「……だってあんな怪我してるのにほっとけないっすよ!」
「どうせ心配するだけ損だって……ま、擦り傷とはいえ気にはなるけど」
中島家の駐車場の陰で、あやと沢木は議論を交わしている。
別に後ろ暗いことはないはずなのだが、何故か小声になる二人である。

236 :
「怪我して、その理由は言えないとか……やっぱりアレなんじゃないすか」
「でも課長に限ってDVは無いと思うけど?」
DV、ドメスティック・バイオレンス、いわゆる家庭内暴力である。
「……うーん、ま、確かに暴力とかは絶対しなさそうっすけど」
「それだったら、まだSMプレイで雪子ちゃんが怪我してる、って方が信憑性あるわね」
「あーそれならアリっすね」
部下からの信頼が厚いのか薄いのかよくわからない鉄仮面である。
首を傾げた二人の耳に、中嶋宅の玄関ドアが再び開く音が飛び込んできた。
あやと沢木は反射的に身をすくめ、駐車場の塀の影に身を隠す。
「……ちょっと、何で隠れるのよ?」
「いや、何となくっつーか……あ、課長出てきましたよ?」
「もーやだ……帰るわよ、私」
「今出ていったらマズイですって……何してんだろ?」
玄関から出てきた貴巳は、玄関脇の物置を開け、何やらがちゃがちゃ物音を立てている。
少しして、足取りの重い様子の雪子も外にやってきた。
歩き出した二人は、あやと沢木の隠れる塀の向こうを通り、
家の前から続く下り坂を、並んで歩いてゆく。

237 :
気づかれないように充分の間を取って、あやと沢木の二人は、恐る恐る顔を上げた。
不自然に腰をかがめた沢木が、夫妻の後を追っていこうとするのを見て、
あやは慌ててその後を追い、小声でなじる。
「ちょっと、なんで後つけてんのよ?」
「だって、雪子さんすげえ嫌そうについてくじゃないっすか!
やっぱり、なんか嫌なことされてるんですよ!放っとけないすよ!」
「だから私らが首突っ込むことじゃないって……
後ろから見たら普通の仲良し夫婦じゃない。自転車なんて押しちゃってさー。
チャーミーグリーン状態ってやつ」
「何すかそれ、俺、若いからわかんないんで……ん?自転車?」
「……そっか、自転車……一台だけ?なんで?」
―――――
足首の痛みの原因がはっきりし、病院からの帰り道である。
立ち寄った大型ショッピングセンターの靴屋で、
早速買ったスニーカーを履いた雪子は、
必要以上にゆっくりと歩く貴巳に苦笑した。

238 :
「大したことないって解ったんだから、そんなに気を遣わなくていいってば。
……あれ?貴巳さん、どこ行くの?駐車場そっちだっけ?」
「自転車屋だ」
「え?……なんで?」
「靴を買い換えたぐらいでは再発しないとも限らないしな。
自転車なら買い物もずっと楽だろう。雪子は免許が無いんだから、
今まで自転車無しで済んでいたのが不思議なくらいだ。
妙な遠慮はやめて、これからは欲しいものや必要なものはちゃんと俺に言え」
「……いや、えっと……でもほら、
うちの周り、坂が多いし、自転車はかえって辛いかなぁって……」
「電動アシスト付きのにすればいいだろう」
「うん……でも、ほら、えーっと……」
「何だ」
これ以上何を迷うことがあるのかと言わんばかりの夫に、雪子はおずおずと切り出した。
「……えっとね……貴巳さんは、自転車に乗れる……?」
「……何だって?」
―――――

239 :
「やああーこわいいぃ!!!手、離してないよね?絶対はなしてないよねええ?」
中嶋家に程近い河川敷に、雪子の甲高い悲鳴が響き渡る。
茜色の夕焼けに染まる一本道で、よたよたと走る自転車と、それを見送る鉄仮面の影。
ほどなくして自転車は、派手な音を立てて雪子ごと路上にひっくり返った。
草むらに隠れてそれを盗み見ていたあやと沢木は、深く深くため息をついた。
「……すげー幸せそうっすね……チャーミーグリーン状態?」
「いやそれ違うんだけど……だから心配するだけ損だって……」
「帰りますか……蚊がすごいし」
物音を立てないように立ち上がった二人は、
背後に不穏な影がきざしているのに、うかつにも全く気づかなかった。
「帰ったんじゃなかったのか、二人揃ってこんなところで何の用だ?」
今、二人が一番聞きたくなかった氷の声音。
「……え?いや、えっと……さ、散歩?っすよ?」
「さっき雪子ちゃんの傍にいたのに……課長もしかして忍者の末裔とかですか?」
「忍者の真似事をしてるのはお前達のほうだろう」
「人聞き悪いですね、後をつけてたわけじゃないですよ?
涼しくなってきたから、二人で散歩でもしようかなって。ねえ沢木?」
「そ、そうっす」
あからさまな言い訳には耳も貸さず、
鉄仮面は二人に、最凶に不機嫌な視線を注ぐ。

240 :
「橋本と沢木がそんなに仲がよかったとは初耳だな」
「あら、まさか職場内恋愛禁止とか言うんですか?どの口が?」
ちなみに雪子はかつて、貴巳たちと同じ、某市市役所の企画課職員であった。
「いや、ちょっ、あやさん、課長、その会話おかしいっす」
焦る沢木をしげしげと見つめ、何故か確信に満ちた様子で鉄仮面が頷く。
「な、何すか、課長」
「嘘から出た誠という諺もあるし、まぁ精精、蓼食う虫を大事にしたらどうだ?」
「ちょっと課長、それ私と沢木のどっちに言ってるんです?」
あやの怒声を背に、貴巳はすでに雪子の転んだほうへと歩きだしていた。
「……な、何でこういう流れになってるんすかね?」
「……誰のせいだと思ってんだああ!!!行くわよ!」
「え?ど、何処に?」
「飲みに行くに決まってんでしょうが!当然アンタが運転手だからね!」
「マジっすかーーー!!」
怒りに震える橋本あやに襟首をつかまれて、
夕日の沈みかける河川敷に、沢木勇治の情けない声がこだましていた。

241 :


ごちそうさま、と夕餉の箸を置いて、雪子は軽いため息をついた。
食卓の上にあったメニューは、金目鯛の切り身の酒粕漬けをこんがりと焼いたのと、
朝のうちに焼いて冷蔵庫でよく冷やしておいた焼きなすに、
薄味のだしを張ったとろろとオクラの和え物。
魚の骨だけを残してきれいに食べつくされた食器のむこうに、
いつもの仏頂面の夫が、ビールグラスを傾けている。
自転車の練習を終えて家に帰ってすぐに雪子は、
転んで泥だらけの身体をシャワーで流し、休むまもなく大急ぎで夕食の支度をした。
朝から仕込んでおいたメニューだったからまだ手間がなかったものの、
さすがに疲労を覚えて、雪子は食卓についたまま、ぼうっと夫の顔を見つめていた。

242 :
「今日はいろんな事して疲れたねぇ……」
貴巳が、ふと顔をあげ、雪子に言う。
「……そういえばまだ一つ、今日の予定が終わっていなかったな」
「え?何かあったっけ?プール行って、自転車の練習して、
シャワー浴びて、ご飯作って……」
「一つ抜けたな。まだ途中だった」
言うなり貴巳が、だしぬけに雪子の身体を、床の敷物の上に押し倒す。
「えっ?!いやっ嘘でしょ?無理!今日はもう絶対無理!」
「週末で一番大事な予定を途中で忘れるとはな……」
「な、なに一人で反省してるのっ!ぜったいやだ!……あっ、あ……んっ」
一度たりとも欠かしたことのない週末恒例の予定を遂行するため、
中嶋家の長い夜は更けてゆくのであった。

243 :
投下終了します。長々とすいません。
読んでくれたかたありがとうございました。

244 :
鉄仮面と子猫キター
GJGJ

245 :
鉄猫キタァァーーーーー!!
好きすぎて、最近はエロなくても登場人物が元気ならそれでいいと思ってたりする
出てくるメニューいちいちうまそう

246 :
>>243
GJ!

247 :
鉄仮面の感情描写が意外に多くて少し萌える。
あやちゃんにタデクイムシがよりつかないなら俺が食べにいく。
雪子さん?手を出したら鉄仮面にされそうなのでやめておきます
短くいうと、GJすぎる。

248 :
水着の描写が素晴らしい。
是非、水着プレイもしてください、貴巳さん

249 :
雪子ちゃんはノーパンだったのか、それが問題だ
毎回楽しく読んでます まじGJ

250 :
そうか、下着忘れたんならそうだよな。
さらにGJだな。鉄仮面的にはNGだろうが。

251 :
このシリーズ大好きだ!
グッジョブでした

252 :
おおおおお!!!!ずっと待ってたGJGJ!!!
鉄仮面、よく公衆の面前でビキニのみを許したな………

253 :
あいかわらず絶倫な鉄仮面イイヨイイヨー!!
あやと沢木コンビもけっこう似合ってると思うんだな。
もうくっついちまえよ。

254 :
>>254同意。あの二人の新婚とかも面白そう。
沢木が尻に敷かれてると思うけど。 

255 :
誰か結婚しよう

256 :
>>255
ハイ、よろこんで!

257 :
>>255-256
おめでとう!
良いネタがあれば投下してくれよ!

258 :
加藤茶(68)が45歳年下の美女(23)と再婚
世の中どうなってんだ

259 :
小林一茶も最後まで元気だったっそうな。

260 :
お盆休みだし誰か夫の実家に帰省した夫婦のSS誰か書いてくれ

261 :
■新婚ミルク■
あるところに年の離れた若い夫婦がいました。
お嫁さんの方は、まだ子供と言ってよい年齢でした。
夫の方が結婚適齢期に入った頃、親せき筋から小さなお嫁さんを貰ったのです。
結婚したばかりの二人は小さな部屋を借り、新生活を始めました。
あまりお金を持っていないので、椅子もテーブルも棚も、全て
家具は夫の手造りです。
けして裕福ではありませんでしたが、喧嘩もせず仲良く暮らしていました。
年が離れすぎていると、喧嘩をしようにも喧嘩にならないのです。
幼い妻はよい奥さんになろうと、小さいながら頑張って家庭を切り盛りしました。
夫は働き者の真面目な男でした。
妹のような小さなお嫁さんを、いつも穏やかに見守っていました。
ところで、幼妻は毎日毎日牛乳ばかりを飲んでいました。
飲みすぎるほど飲んでいました。
早く大きくなって、大好きな旦那さまに釣り合うようになりたかったのです。
――ある晩のこと。
「ただいまー」
お土産にケーキを買い、夫が仕事から帰宅しました。
小さな妻を家に独りにしておくのが心配なので、いつも一目散に帰って来ます。
「……よいしょ、よいしょっと。ア、おかえりなさい。あなた。
 ごはん出来ましたよ」
幼妻はせっせと夕飯の支度をしていました。
ちょうど食卓の上にお皿を並べ終えたところです。
実家のお母さんが送ってくれた野菜を使った料理が、おいしそうに湯気を立てています。
サイズの合わない大きなエプロンを付け、ちょろちょろと立ち回る様は、
まるで小動物です。
一日の労働を終えた若い夫は、もうお腹がペコペコでした。
手渡された着替えを受け取り、汗を吸った重い作業着を洗濯物かごに放り込むと、
手を合わせ、さっそく夕食にガッつきます。
ガツガツと掻き込む夫に負けず劣らず、育ち盛りの幼妻もモリモリ食べました。
夫は食欲旺盛な幼妻を愛しげに眺めました。
もっと彼女に、たくさん栄養の付くものを食べさせてあげたくなりました。
「よし、俺の分も食べな。はい、あーん」
自分の皿から肉を掬い、幼妻の口元に宛がいます。
「ぁーん」
「たくさん食べな」
リスのようにぷっくり膨らんだ幼妻の丸い頬が、もぐもぐと動きます。
夫は、それを人差し指でつついて遊びます。
食後。
幼妻は日課となっている牛乳の摂取を始めました。
ストローから、一生懸命ちびちび牛乳を吸引しています。
その様子があまりにも可愛らしかったので、夫は少しからかってみることにしました。

262 :
ニヤニヤしながら意地悪く質問します。
「そんなに大きくなりたいんだったら、
 俺の出す栄養たっぷりな牛乳も飲むか? イヒヒッ」
「ヒェーッ、あなた、牛だったの? それに、男なのにお乳でるの!?」
天真爛漫な幼妻は、目を皿のように真ん丸にして驚きました。
性知識が不足しているため、比喩表現が通じません。
「今日から自家製の牛乳をのめば、お金の節約になるね!」
無邪気に喜ぶ姿に虚を衝かれ、夫は拍子抜けしてしまいました。
「……風呂に入ってくる」
期待に満ち満ちた眼差しを送られ、引っ込みがつかなくなった夫は
そそくさと浴室に消えて行きました。
――石鹸をよく泡立て、いつもより念入りに股間を洗います。
入浴を済ませ、夫は大の字になって布団に寝転がると、清潔にした巨チンを差し出します。
すると、幼妻が上から物珍しげに覗き込んで来ました。
「いただきまーす」
「いや、そこじゃない。……股の間に、もう一つ生えてるのがあるだろ」
小さな唇が乳首に吸い付こうとしたところを、夫が別の場所へ誘導します。
初めて見る男の生殖器をしげしげと観察したあと、幼妻は素直に感想を述べます。
「このおっぱい、変なところについてるね。毛がもじゃもじゃ。
 なんだかぴくぴく動いてるし。
 ……ぁむ、じゅ、じゅっ……ちうちぅ」
それを食べ物だと信じて疑わない彼女は、迷わず口に含みました。
頬張った途端、先走りが舌に絡みます。
まるで牛の乳しぼりの要領です。
小さな手のたどたどしい動きが、分泌と流れを促します。
しかし吸い出すたび、勝手にストローの角度が変わるので、飲みにくいのです。
腹に張り付きそうな程、どんどん反り返ってゆきます。
「根元の、膨らんだところを手の平で押し揉んで。そこに牛乳を貯めてあるんだ。
 ……ちょ、ちょっと力が強い。もっと優しく……あふぅ、アァッ」
もう我慢出来ず、夫は身震いしました。
駆け上がって来た熱い子種が、低い喘ぎ声とともにおちょぼ口に放たれます。
「はぁ、はぁ……美味しいかい?」
荒い呼吸で尋ねると、幼い妻は顔を顰めます。
「超まずいッ! うぇ〜」
「だよな。ごめん」
ペッペと白濁液を吐き出す幼妻を膝に抱き上げながら、夫は反省しました。
反省しつつ、本当は下の口にも飲んでほしい……とも考えていました。
「それは、もうちょっとお前が大きくなってからだな」
「え、なあに? あなた」
「独り言だよ、マイハーニィ。さあ、買って来たケーキ、一緒に食べよう」
end.

263 :
GJ!
幼妻かわいいよ幼妻

264 :
乙乙
和んだ

265 :
あげ

266 :
新婚初夜にはじめてHっていうシチュに特化したエロゲってないよな
貞淑なあのヒロインが一線を越えてやっと……ていうのが好きなのに

267 :
保守

268 :
過疎だ……

269 :
治子「猛士、福引きで温泉旅行が当たりました」
猛士「ええっ!?す、すごいです。治子さん!」
治「ペアなので野上先輩を誘いましょう」
猛「はい」
なんて想像をした。

270 :
「あーあ」
夫は今日も発泡酒(じゃなくて第三のビールだっけ?)のCMを見ながらため息を吐く。
「…ったく、何度めよ」
「だってさあ、この笑顔がもう他人のものだって思うとさあ」
「そんなの仕事でしょう。この人は女優さんなんだから」
そう言ってやると、彼はあからさまにむくれた。
「だーかーら!夢のないこと言うなよ!」
「何が」
「だって、ありがちじゃん。共演した俳優と結婚なんてさあ。こっちの夢が台無しだよ」
とか何とか言って、医者と結婚した女優に対しても「夢が台無し」って言ってたじゃないか。
私だってあの俳優のことはけっこう好きだったし、今度のドラマも楽しみにしてるんですけど。
それに正直、あのCMの親父ドリームっぽさにはわりとイラっとくるし。
「なんか、両方知ってるとよぎるんだよねえ。あの『おかえり!』はアイツに向かって…とか」
「考えすぎでしょ。大体、発泡酒とか飲みそうな夫婦じゃな…あっ」
「やっぱり役者っていうのはあくまで夢を売る商売だからしょうがないよね」
「それはそうと…さっきからこの手は何かな」
「ああ、右手」
「だから、どこを触って…」
「だって、嫌じゃないでしょ」
まあ、嫌だったら払いのけてますが、何もテレビ見て芸能人夫婦の話をしながら妻の乳を揉まなくても。
「…テレビ消しなさいよ」
「あ、忘れてた」
「なんか片手間?」
「いや、今から本気出す」
ここで「こっちはやる気削がれた」なんて拗ねたらこの人はどんな顔するかなー、なんて。
でもまあ、こっちもわりとやる気なので、拗ねるかわりに彼の襟元をぐっと引き寄せキスをした。
秋の夜はまだまだ長い。

271 :
GJ!

272 :
GJ
熱々ラブラブって感じではないけど、互いに愛し合ってるってのがわかってイイ!

273 :
あげとく
書き手さん待ち

274 :
いい夫婦の日なので温泉ネタ


私の名前は小沢治子。26歳の新妻です。
今日は福引きで2泊3日の温泉旅行が4人分当たったので先輩の野上家夫妻を
御招待しました。秋も深まった頃での温泉はなかなか魅力的です。
魅力的と言えば――――
「治子さん、私の顔に何かついてますか?」
「い、いえ…そこの壁に虫がついていたもので」
「ええっ!?む、虫ですか!や、やだ、私、虫は苦手なんです!」
私より若い野上明子夫人は24歳。背が148センチなので
高校生…いえ、見る人によっては中学生に見えます。
ですが……おっぱいとお尻が豊かに育っていて…その魅力的です。
すこぶる愛嬌があり可愛らしいので反則的に魅力的。
対する私はおっぱいそこそこ、お尻もそこそこ。何か残念です。
「治子さんってとってもスレンダーで、スラッとしていてモデルさんみたいですね
羨ましいです。私、背が低くって…はぁ」
「いえ…そんな事は…」
明子さん……私はそのおっぱいと愛嬌が羨ましいです。

275 :
そして、その夜
『あなた、今夜もいっぱいパンパンしてくださいね』
『パパと呼びなさい』
『はぁい……パパ、明子にいっぱい種付けしてください』
『明子…いけない子だ…』
壁越しに聞こえる情事…ああ、エッチすぎます。やっぱり女学生としている
背徳的な行為に及んでいたのですね。
………かく言う私も
「た、猛士…た、立ったままなんて」
「治子さんの浴衣姿…とっても素敵です」
お風呂上がりの火照った身体。就寝前なのでブラはしていません。
猛士の意向で下着も履いていません。
前を開かれるとおっぱいがふるんとこぼれ落ちてきます。
「…………」
咄嗟に手で胸を隠そうとする私に猛士は言います。
「隠しちゃダメですよ」
私のアソコを軽く愛撫しながら猛士はくすくす笑います。
「で、ですが…」
「手をどけてください」
「………はい」
私は眼を閉じ、おずおずと両手を下げます。
愛撫によって勃起した桜色の乳首。
ほんのり蒸気した乳房が呼吸に合わせて上下しています。

276 :
「綺麗です、治子さん」
猛士はむにゅ…むにゅとその手で乳房を堪能し、
その先端の突起を指で摘んだり、弾いたりしています。
あ…やっぱり…元・料理人の手触りは…んっ。
「ん…くっ…や、…やめ…」
猛士は私の乳房に食らいつき、びちゃびちゃといやらしく音を
立てて吸い始めました。
同時に片方の手で股間を股探りはじめ、陰核に指をつきたてます。
「こ、こんな…いや…や、やめ……んんんッ!」
ひとしきり私のおっぱいを堪能すると両肩を掴み、壁にそっと
沿わせるようにしました。。
「はっ……ん…猛士…?」
「これじゃ、入れにくいですよね?…自分で広げてもらえます?」
「………う、うう……」
帯を解いて、おずおずと前を開きます。うっすらと茂ったアソコ
を立ったまま晒すなんて…激しく恥辱です。
羞恥に顔が赤くなります。猛士は両手を私のお尻に回し、指を食い込ませました。
ぐむにゅっと弾む弾力に猛士はにこにこして
「治子さんのお尻…マシュマロみたいです…それに前より柔らかくなってます」
猛士はお尻に指を食い込ませて、揉みほぐし、思うがまま。
「や…やぁ…じ、焦らさないで……猛士…お願いします」
「は…はぁ…治子さん、いきますよ」
猛士は荒い吐息を漏らしながら私の股を割り、お尻を抱えてペニスの先端を
あてがいます。。
「いきます
「ん…んうう…あ、あ…」
や、やはり…お、大きい…キツイです。当の本人は
恍惚とした表情を浮かべ、ぷるぷると腰を震わせた。
「あ…はぁ…治子さん…すごいです。いっぱい、いっぱい種付けてあげますから
ん…ああ、とってもいいニオイ」
「た、猛士…もっと、もっと動いてくださ……もっと!もっとォ!激しくして!
わ、私が迎撃してあげるんだから!」
ああ…あられもない声…で、でもォ…あん、あん、あん、あん!
その日は朝まで続き、次の日は野上さんも我が小沢家も昼間まで寝ていました。
せかく温泉に来たのに……くすん。
おしまい
いつかこの夫婦で結婚ネタか披露宴ネタもやってみたいな。

277 :
乙乙

278 :
GJ!
結婚ネタも披露宴ネタも期待してるぜ!

279 :
>>278
結婚式ネタだった。
『式』が抜けていてごめんなさい。

280 :
保守

281 :
保守!

282 :
一日遅い気がしなくもないですが、鉄仮面と子猫、クリスマス用小ネタ投下します。

283 :
「貴巳さん、もうすぐクリスマスだねー?」
「それがどうした」
12月も下旬に差し掛かるころ。
にこにこと問いかける、まるで少女のようなあどけない妻に対して、
夫である鉄仮面、中嶋貴巳氏の答えはあまりにそっけないものだった。
「貴巳さんは、クリスマスプレゼント、何がいい?」
夫の反応が冷たいのはいつものことなので、全くめげることなく雪子は聞く。
「毎年言っているが、キリスト教徒でもないのにクリスマスを祝う必要はない」
とりつくしまもない様子の夫に、雪子は真っ白な頬をふくらませる。
「むー。じゃあ私クリスチャン」
「じゃあ、とは何だ」
「中学生の時に、学校で洗礼受けてるよ?洗礼名マリア・ジタだもーん」
「初耳だが」
「言ったことなかったっけ。カトリックの学校だから、入学したら形だけでも洗礼受けるんだよ」
雪子の通っていた聖稜女子学園は、日本有数のお嬢様学校であり、厳格なミッション系教育の場でもあったので
あった。
「雪子は教会に通ってもいないし、この間、新年には神社に初詣に行きたいとか言ってなかったか?」
「細かいことはいいの。神は愛なのです」
「……意味がわからん」
「だから、貴巳さんはクリスマスプレゼント何がいいのかな?って。
それに貴巳さんは毎年、私にプレゼントくれるじゃない?しかも何がいいか私に聞かなくても、
ちゃんと私の欲しいもの用意してくれてるし」
「あれは断じてクリスマスプレゼントじゃない。雪子の一年の主婦としての働きを労う意味での」
「うんうんうんありがとう。何も言わなくてもわかってくれるなんてほんとに貴巳さんはサンタさんみたい」
「人の話を聞け」
「今年は何くれるのかな?」
貴巳の顔を覗き込みながら言う雪子の目が、いたずらっぽい光を帯びていることに、貴巳は気づいた。
「……ネットの検索履歴を消すことを覚えたな?」
「あー!やっぱりそういうのチェックしてたんだー!」
12月に入り、そろそろ雪子へのプレゼントを手配しようとした鉄仮面であるが、
それまで全く手付かずであった自宅のPCの履歴がクリアされていることに気づき、焦りを覚えたものである。
「……どうせ橋本あたりの入れ知恵だろう」
「あ、ばれた?あやさんに、どうして貴巳さん私の欲しいものわかるのかな?って相談したら、
ネットの履歴とか見てるんじゃない?って。大当たりでしたー。さすがあやさん」
貴巳の部下であり、雪子の友人である橋本あや女史の読みは正確であった。
「……履歴が見れなくても、雪子の欲しいものくらいわかる。雪子はわからないのか?」
してやられた悔しさを押し隠すため、貴巳は雪子を挑発した。
根っから素直な妻は、口をとがらせ、
「わ、わかるもん!」と強がってみせたのであった。

284 :

そして24日、クリスマスイブの夜。
ケーキだのチキンだののクリスマスメニューとやらの夕飯を覚悟していた貴巳であったが、
食卓に並んだのは意外にもいつもと変わらぬ和食の数々であった。
鶏肉のロール照り焼き、冷奴、卯の花、味噌汁。
浮ついたメニューの嫌いな貴巳は、満足げに頷いて箸を取った。……が、
鶏肉を一口食べて、ふと眉をしかめた。
「……これは、何だ?」
食卓の向かいに座った雪子が、してやったりとほくそ笑む。
「騙されたー!鶏肉じゃなくて七面鳥です!ちなみに中に巻いてるのは丸焼きの中に入れるスタッフィング。
照り焼きのタレ風なのはお醤油じゃなくてグレイビーソースでしたー!」
「この卯の花は何だ」
「あ、それはスモークサーモンとポテトのディップだよ。あとお味噌汁に見えるのはクリームコーンのスープ!
一番大変だったのは冷奴風ケーキだよ?何もトッピング無いように見えるけど、中にはちゃんとフルーツがサンドされてます!びっくりした?」
にこにこと嬉しそうに言う妻に、貴巳は深い深いため息をついた。
まあ、いい。一年に一度くらいは、雪子に付き合ってやるのもいいだろう。
何だかんだと言っても、雪子のおかげで毎日のちょっとした変化が楽しい一年だったのは間違いないのだから。
無言で、テーブルの下に隠してあったプレゼントの包みを雪子のほうへ押しやる。
「え、これプレゼント?ありがとう!じゃあ私もこれ、どうぞ」
目を輝かせて受け取った雪子は、隣の部屋から持ってきた四角い包みを貴巳へと手渡す。
がさごそと包装紙を取ると、雪子の持つ包みから出てきたのは枕であった。
「わあ、ありがとう!こういう頭にフィットする枕欲しかったんだ。どうしてわかったの?」
不思議そうに言う雪子に、貴巳はやや勝ち誇ったように答える。
「簡単だ。最近雪子の目の下にクマができていたからな。よく眠れないのかと思ったんだ」
「……え、うん。た、確かに……」
何やら物言いたげな雪子を尻目に、貴巳は自分への、ずしりと重いプレゼントの包みを開封した。
「……栄養ドリンク?」
「うん、貴巳さん無駄なもの嫌いでしょ?だから実用品がいいかなって。
それにこれから、お仕事も年末の大詰めで忙しいでしょ?だからちょっと奮発して良いの買いました!」
胸を張って言う雪子の頭を子供を褒めるようにぐりぐりと撫でて、貴巳はその中の一本を開封し、飲み干した。
「……え?今飲んじゃうの?明日もお休みだよ?」
「だから、だ。確かにこれ以上ない実用的なプレゼントだな」
そう言い放つと、貴巳はやおら雪子を抱き上げ、リビングのソファに押し倒す。
「えっちょっ……き、今日もするの?」
「もちろんだ」
「えっでも昨日もしたよね?それに一昨日もしたよね?」
「今日もする。というより明日までする。今年のクリスマスはうってつけなことに三連休だ。これ以上ないプレゼントだな」
「いやっ待って、や、あんっ、うそ、だめぇぇぇっ!もう、貴巳さんの性欲魔人!」
「巷では性夜、とか言われているらしいからな。本望だろう?」
「誰のせいで目の下にクマできてると思ってるのよぉぉっ!!!」
メリークリスマス。

285 :
以上です。
読んで下さった方ありがとうございます。エロなくてすみません。
あと、申し訳ないんですが投下ついでに一つだけ告知させて下さい。
鉄仮面と子猫シリーズの過去作を加筆修正した保管庫を作りました。
現在2作目までですが、もしご興味のある方はトリップでググってみて下さると嬉しいです。
お目汚し失礼しました。

286 :
GJ!次はぜひエロ部分を詳しく!

287 :
きてたー
GJ!

288 :
GJ!
ぜひその保管庫のアドレスを教えてください!

289 :
>>285
おおーこれはいい感じに…
出会い編とか楽しみです
>>288
書いてあるとおりトリップでググれば簡単に見つかる

290 :
>>289
「トリップでググる」ってのがよくわからないですw
すみません。。。

291 :
ご丁寧に単芝まで付けて釣りか?
わからないならまず「トリップ」とはなんなのかをググれ(検索)ばいいじゃないか

292 :
>>291はツンデレ嫁という謎の啓示が

293 :
作者ですが何だかスレ違いの方向になってしまい申し訳ありません。
>>290
トリップとは自分の名前欄に表示されてる文字列IyXS.0zNHsKvです。
これをコピー&ペーストしてgoogleなどで検索してもらえれば保管庫がヒットします。
皆様お騒がせして申し訳ありませんでした。

294 :
>>293
どうもすみませんでした。無事に見れました。
いつも楽しみにしてます。ありがとうございました。

295 :
一昔前のラブコメによくあった「学校には内緒の高校生夫婦」ネタを読みたいです。

296 :
大樹と穂波の話が読みたい
穂波が可愛い

297 :
今月はバレンタインネタが読めるかな?

298 :
バレンタインのために保守しとくわ。
あと2時間弱だけどなw

299 :
せっかくバレンタイン保守があったので、遅ればせながら短編投下します。
鉄仮面と子猫バレンタイン短編です。
エロ無しで申し訳ありません。

300 :
「……今日は2月15日だ」
いつもの夕食を囲んで、ダイニングテーブルについている鉄仮面が呟く。
「え?うん、そうだね?」
向かいあって座った、まるで少女のような若妻が、不思議そうに首をかしげる。
「つまり昨日は2月14日だったわけだが」
「うん」
「……2月14日というのは、俗っぽい行事が……いや、女性にとって大事な行事があるという」
「ああ、バレンタインデーのことね?」
いつもの不機嫌そうな無表情でそう言う貴巳の顔を不思議そうに眺めて雪子が言う。
「……気づいていたのか」
「当たり前でしょ?お買い物行けばスーパーにはチョコが山積みだし、
テレビでもバレンタインスイーツ特集とかやってるし」
「そうか。てっきり雪子は気づいていないのかと思っていた」
そして食卓に流れる、妙に気まずい沈黙。
小鉢に入ったひじきの煮物の最後の一口を飲み下してから、雪子がおずおずと問う。
「貴巳さん……もしかして、チョコ、欲しかった……?」
「そういう訳じゃない。断じて違う」
「だって貴巳さん、私が普段チョコのお菓子買ってきても食べないから、嫌いなのかと思って」
「俺はただ、雪子がクリスマスには執着するのに何故同じようなイベントであるバレンタインには興味を示さないのか、
常々疑問だっただけだ」
「んー……ずっと女子校だったから、お父さん以外の人にバレンタインチョコあげる習慣が無かっただけなんだけど……」
「そうか。了解した。これからも我が家にはそういった浮ついた行事は必要ない。実に喜ばしいことだ」
全く喜ばしくない雰囲気の表情の鉄仮面がそう言い放ち、再び食卓を沈黙が支配する。
食事を終えた雪子が、ふと何か思いついたような顔になり、探るような目つきで貴巳を見上げた。
「貴巳さんって……もしかして、今までバレンタインチョコ、貰ったことない、とか……?ま、まさかね……?」
「……」
「……」
「……」
「……え?」
「何か問題でもあるのか」
「嘘でしょおぉぉぉ!?義理チョコは?家族からは?操さんからは?」
「何故そこで鈴木が出てくるんだ。義理で物を貰うなどという卑しい真似は俺は一切しない。職場でも虚礼廃止の通達が出ている。
大体製菓メーカーの陰謀に踊らされるのは馬鹿らしいというのが中嶋の家での不文律だ」
ちなみに鈴木操とは、貴巳の学生時代の友人にして初体験の相手、しかし恋愛感情は一切無く身体の関係だけ、
という、妻が把握しているにしては余りにもひどい間柄の女性である。
しかも、何故か操と雪子との間には友情めいた交友が持たれているのである。
「そっか……操さんからも貰ってないんだ……」
「だからどうして鈴木が関係あるんだ」
「ってことは、今私が貴巳さんにチョコあげれば……
それは貴巳さんにとっての初めてのチョコになるってことだよね?!」
雪子が俄然、目を輝かせて貴巳に詰め寄る。
「……まぁ、そうだな」
「あげる!今すぐ買ってくる!あ、買ってきたのは嫌い?やっぱり初めてのチョコだから手作りじゃなくちゃね?
あーでも材料あるかなぁ?あ!持ち出し袋に非常食の板チョコがいっぱい入ってる!ココアパウダーもあるし!
あーでも生クリームが無い!ねぇ貴巳さん生クリーム買って来て!」
興奮してマシンガンのごとく喋りながらごそごそと台所をかき回す雪子にやや圧倒される貴巳である。
「……別に今日でなくてもいいんだが……いや、そうではなく別にチョコレートが欲しいわけではないと」
「いいから早く!あと30分でスーパー閉まっちゃう!」
雪子に財布と車のキーを押し付けられ、貴巳は半ば放り出されるようにして玄関から出たのであった。

301 :
「……雪子、これは……?」
言いつけ通り、小さな紙パックに入った生クリームを買って帰ってきた貴巳は、
湯煎されたチョコレートの甘い香りの漂うキッチンに、
琥珀色の液体が僅かに残った小瓶が置かれているのを見て眉を顰めた。
「あ、生クリームありがとう!あーこれね?生チョコにブランデー使うんだけど、お酒の瓶が置いてある棚見たら、
これしかブランデーって書いてあるのが無かったから使ったの。ちょっとしか入ってないから量もちょうどいいし!」
「……」
キラキラと輝くブランデーの小瓶はバカラグラス製。雪子が惜しげもなくチョコ作りに使ったのは、
貴巳の友人である武内から、二人の結婚祝いに贈られたものである。
レミーマルタンのルイ13世。
小瓶の底から1センチほど残っているぶんだけでも数千円はする高級ブランデーだと、
倹約家の雪子が知ったら気絶しかねない。
「もうちょっとでできるから待っててねっ」
にっこりと天使の微笑みを浮かべる愛しい妻へ、貴巳は喉元まで出た言葉を無理やり飲み込んだ。
リビングのソファで待つ貴巳の元へ、雪子がチョコレートを乗せた皿を仰々しく差し出したのは、さらにそれから30分ほど経ってからのことだった。
横に座った雪子が、やけに身体を密着させてしなだれかかってくるのも気になるが、
貴巳はとにかく雪子に礼を言って小さな四角いチョコレートを口に運ぼうとした。しかしその手は、雪子によって阻止される。
「だめ!」
「……貰ったものを食べてはいけないのか」
「そうじゃなくってぇ……せっかく貴巳さんの、はじめて、貰うんだもん……食べさせてあ・げ・る」
普段のぽやんとした雰囲気とはうって変わって、妙に色気の漂う雪子の様子に、貴巳は嫌な予感を覚えた。
「……気色の悪い表現をするな……雪子、まさか酔ってるのか……?」
「酔ってなんかいましぇんよー、だ。ちょっと味見しただけらもん……おいしかったよ?」
チョコレートと、ブランデーの香る甘い息を吐きながら、雪子は貴巳に身体を押し付ける。
貴巳の唇に、ココアパウダーの塗された黒い塊が押し込まれた。
口の中ですぐにとろける、芳醇な香りと風味。
「……美味しい?」
「ああ、美味い」
「わたしにも……ちょうだい?」
口移しでチョコレートをねだる、いつもより数倍色っぽい妻の様子に理性をゆすぶられながら、貴巳はしかし、慌てて身を引く。
雪子はアルコールにごく弱い体質。その上、絡み酒である。酒乱といってもいい域にあるかもしれない。
これ以上ブランデーのたっぷり入ったチョコレートを食べさせたら、貴巳自身どういう目にあうかわからない。
とりあえず非常に危険なのである。
「なんでくれないのぉ……」
涙目になる雪子の表情が、貴巳の鉄壁の理性をまたもぐらつかせる。しかし貴巳もここで負けるわけにはいかない。
「……これは俺が貰ったものだから俺が食う。その代わりホワイトデーとやらには俺が雪子に好きな菓子をやるから今日は我慢しなさい」
「……ほんとに?お菓子なら何でもいいの?」
「ああ、何でも好きなものでいい」
「じゃあ、貴巳さんクッキー焼いて」
「……何だと?」
「私が手作りのチョコあげたんだから、お返しに貴巳さんは私にクッキー作って!」
あんまりな要求に頭痛を覚えながら貴巳が反論する。
「……俺が作るより、どこか有名な店で買ってきた方が数段美味いに決まっている」
「おいしくなくてもいいの!貴巳さんの手作りのお菓子が食べたいの!」
子供のようにだだをこねる雪子に貴巳はため息をついた。
「俺は菓子なぞ作れない。諦めろ」
冷たく言い放つ夫に、雪子は恨みがましい目線を送って、最終手段に出た。
「作ってくれないなら、貴巳さんがバレンタインにチョコ貰ったこと無いって、あやさんと操さんにばらしちゃうからねっっ!!」
「……」
構わない、と言おうとしたが、それを知った時の橋本あやと鈴木操の表情、
さらにその後に続く台詞の鬱陶しさを正確に予測して非常に嫌な気分になり、貴巳は言葉を飲み込んだ。
傍らに目をやると、雪子が拗ねたような目で自分を見上げている。
今夜は絶対に夜が明けるまで泣かせる、と復讐心にと煩悩に燃えながら、貴巳は天使のような子悪魔のような妻の身体を引き寄せた。

次回予告:鉄仮面と子猫シリーズホワイトデー編「鉄仮面だけどクッキー焼いたよ!」
……嘘です。お目汚し失礼しました。

302 :
まさかの投下にやられた……!
ほのぼのしてていいすなあ GJ

303 :
GJ
それにしても最後の行が見えない

304 :
おお〜キター!
>「鉄仮面だけどクッキー焼いたよ!」
あやにバラしてやりたい、いろいろとw

305 :
GJ!ホワイトデーも期待してるぜ!

306 :
どう考えても鉄仮面がチョコ欲しくてたまらなさそうな件
そして俺も最後の行が読めない

307 :
いや待てホワイトデーの前に、夜明けまでの状況をkwsk

308 :
GJ
お菓子作りは分量がはっきりしてる分、鉄仮面のほうが美味しく作れそうだ

309 :
最後の行?皆何の話をしているんだ?
まさかの投下でしたありがとう!GJ!

310 :
嘘ですを信じたくないって言う意思表示w
とマジレス
gjっす!!!!

311 :
ホワイトデーが近づいてきました

312 :
今日はさんきゅうの日!
いつもの感謝の気持ちをこめて迎えてみようと思います。
がちゃがちゃ。
鍵の音!帰ってきたぞ
「おかえりんこー」
このポーズかわいいだろ、と顔をちょこっとだしてみる
おかえり勇士さん。
「ただいまんこ!」
「サイッテー!」
目が合うなり元気よく応えてくれたけど失敗だった
しかも反射的に最低とか言ったけど最低なのは私ですごめんね勇士さんゆるして。
「あう……いやごめんわたしがわるかった。おかえり」
ちょっぴり俯いて言うと勇士さんがおでこにちゅーしてくれた。
「い、つもありがと、ね?」
「突然何だよ、エッチでもしたいのか」
「お風呂入ったらしようねー」
笑って食卓についた。

313 :
なにこのかわいすぎる夫婦。
風呂入ったらといわず、風呂場でやれw

314 :
ここって子供が生まれた後
の話って対象外?

315 :
大丈夫だと思う。
前にもそんな作品幾つか投稿されてなかったっけ?
結婚してれば問題なし!気にせずに書いてくれ!

316 :
明日ホワイトデーだけど、
今頃鉄仮面がクッキー焼いてるかもしれない保守

317 :
鉄仮面と子猫投下しようと思ったらアクセス規制されてました。
アップローダーに上げましたのでよろしければご覧下さい。
ダウンロードは下のリンクからどうぞ。passは設定していません。
http://firestorage.jp/download/4c5d7b3491573a3db160cc44f89450895b568996

318 :
うっかり直リンしてしまいました。申し訳ありません。
お目汚し失礼しました。

319 :
>>317
待っていた甲斐があった……!
ありがとうございます
なんかもう色々ごちそうさまです

320 :
>>318
雪子さんください
GJ!

321 :
鉄仮面も雪子ちゃんもかわいすぐる〜
ホントに良かった。
なんかエロ無くてもずっと読みたい物語だよこれ。
作者さんありがとーーー



322 :
>>317
キターーーー!!
鉄仮面、お菓子作りもエロもスゲー!
苦手なことはないんか苦手は。

323 :
>>317
いつもありがとうございます!
GJ!!!
鉄仮面と雪子ちゃんの大ファンです!

324 :
>>316
エスパーか!

325 :
>>317
というかsweetというのは、やっぱりダブルミーニングなのだろうか
なるほど…
鉄仮面のセリフもなるほど…いやぁ、堪能しました

326 :
鉄仮面のスコーン食いてー!

327 :
ほしゅ

328 :
ふと思ったんだが、鉄仮面はアダルトショップに行くのか?
雪子ちゃんは恥ずかしがるだろうけど(ホワイトデーで恥ずかしがる雪子は鉄仮面的に燃えると判明)
鉄仮面はディズニーの二の舞になりそう。

329 :
鉄猫は自分も大好きだけど、新規の職人さんにも来て欲しいな。
そう書きづらいテーマじゃないと思うんだが、2次は作品スレに行っちゃうからなあ

330 :
鉄猫が人気なので新規職人さんが投下しにくいのかもな
「どうせ自分のなんてレス付かないだろうし」って感じで。
そんなことはないのになぁ…

331 :
今日はよいこの日!
よいごではないのです、良い子。
ぐっどちゃいるど?
と言いつつもうサザエさん終わっちゃいました。
勇士さん明日から生きろ。生活のためだ頼むよ!
あと四時間くらいで月曜日さん襲来らしいよ、といつもなら勇士さんをいじめるわけですが
四時間くらいで良い子の日も終わるので優しくしようと思う。うん。
「勇士さん」
後ろからぎゅっとしてみる。
きょにゅーじゃなくてごめりんこ!
ぎゅー
「一緒に風呂入るか」
「おーよ!」
まさかの申し出に快諾し、お湯をはることにした。

お風呂での話?そんなのここで書くわけ無いじゃないですかあっ!

332 :
宣伝する書き手を持ち上げる読み手しかいなくなったってことだよ
わざわざ具体的に書かんでもいいのに
そんなことないのになぁ…とか、イヤミとしか
だからオバサンだらけのスレって、怖くて落とせないんだよ

333 :
誤爆った。すまん

334 :
>>331
ここで書かないでどこで書くんだよぉぉ!
いや、書いてくださいオネシャス

335 :
保守

336 :
ほす

337 :
今日一日中雨だったら、らぶらぶで馬鹿でいちゃらぶな話書く。
現在こっちは雨降りまっただなー。
良スレなんでこっそり覗いてました。

338 :
雨ばんじゃーい!!

339 :
雨だったな?晴れ間なんてなかったな?

340 :
遅れましたが雨でした。携帯から。
目付きが悪い女の子、飲み物口移し。
展開とっぴ。本番無し。
文法や誤字脱字はめんご。

341 :
「っと、できたっ」
 制服を着た少女の目の前には、綺麗に盛り付けられた初挑戦のたまご丼。
なかなか上手くできたかな、と少女は笑顔を浮かべた。
その笑顔も瞬時に真顔へ変わり、使った鍋などの後片付けを手早く行う。
 小さくはないが鋭い目、黒目が他人より上向きに付いてるため、目つきが悪いだの恐そうだの散々言われてきた。
それでも今は学生生活をそれなりに楽しみつつ、新婚生活の真っ只中だ。
玄関が開く音に少女の心が跳ねる。
ちょうど片付けを終え、リビングのドアへ駆け寄る。愛用する「しろにゃん」のスリッパがぺたぺた鳴る。
「ただいま!」
帰宅と同時に少女は抱きしめられた。大好きな彼の匂いが鼻腔に広がる。
「んっ……おかえり優斗」
抱きしめられた温もりで心臓がとくんと跳ね、甘い声を漏らしてしまう。
「ケーキ買ってきたから食後に食べよーな」
飛び込んできた眩しい笑顔に、少女は頬を染め頷いた。
「んっと、ちょうどごはん出来たからんんっ!?」
ただいまのキスの不意打ち。
「小羽」
耳元で名前を囁かれ、
「ひゃっ、待っんっ!」
再びキスで言葉を塞がれてしまう。
「んんっ! ちゅ、ふぁっ、んんぅっ! ひゃ、ぷぁあぁぁっ……」
唇同士の浅く熱いキスから解放され、小羽は甘い溜め息を漏らした。
「あ、ぅ、ご、ごはん冷めちゃう、から……」
恥ずかしさのあまり優斗からしゅぱっと離れ、食事の準備にかかろうと食器棚へ向かう。
「ははっ、照れてる小羽可愛いなぁごはあぁあぁぁっ!」
可愛いという言葉に反応した小羽の音速突きが優斗の脇腹に直撃する。
「うるさいっ!!」
優斗が可愛いと言う度に、小羽の突きや肘打ちが繰り出される。
可愛いと言わない約束だが、優斗はつい本音を漏らし、いつも小羽の一撃を喰らってしまう。
「もう言わないって言った!」
小羽がドスの効いた目で睨み付けても、
「あたた、ははっ気をつけるよー」
笑顔で流されてしまう毎日。その度に小羽は溜め息を付く。
「はぁ……もういいから座ってて」
優斗のいつもの調子に負け、小羽は食事を並べていった。
「いただきます」
「ん、めしあがれ」
優斗と小羽は並んで椅子に座り仲良く御飯を食べる。
顔を見られるのが恥ずかしいという小羽の要望で、二人はこの形で食事を取っている。
「えと、国立病院で食べた味に近付けたつもりなんだけど……」
優斗の一口目をどきどきしながら見つめる。
「うまい! 小羽の方が上手だよ」
笑顔で頬張る優斗に、小羽は安堵の溜め息をついた。
「ふぅっ、よかったぁ……」
ようやく小羽も一口目を頬張り、なかなかの出来に頬を緩ませた。

342 :
「ごちそうさまでした」
「んっ、ありがとうございました」
二人は他愛のない話をしながらゆったりとした食事を楽しんだ。
食後は優斗が食器を洗い、小羽はソファーでくつろぐのが日課になっている。
小羽は愛用中の「しろにゃん」の等身大ぬいぐるみを抱きしめ、一日を振り返ったり優斗の事を考える。
時折ぱたぱたさせる足にも「しろにゃん」のふわふわスリッパ。
先程のキスを思い出し、頬を真っ赤に染めたり、上手く料理が出来たことに笑顔を浮かべたり。
そんなふわふわした事を巡らせていると、食器洗いを終えた優斗の姿が目に入った。
「しろにゃん」のぬいぐるみを脇に寄せる。
「終わったよ。ゆっくりしよっか」
優斗の言葉に小羽は笑顔で頷いた。
 小羽は先程ぬいぐるみにしていたように後ろから抱きしめられ、二人一緒にソファーに沈む。
密着した背中越しに心臓の音がとくんと伝わる。
「小羽制服着替えなくていいの?」
さりげない気遣いが小羽は嬉しい。
「ん、土日休みだから大丈夫……」
制服のシワよりも優斗と一緒にいることが小羽には大事なことだった。
それに制服を着ていると、嬉しそうな顔をする優斗が見れるのも小羽は嬉しかった。
「そっか、ありがとな」
言葉と同時に抱きしめる力が強まり、小羽の心臓がどくんと跳ねる。
柔らかい沈黙が二人を包み、感情に熱がこもる。
「小羽」
耳元で囁かれる名前。甘い魔法。
「小羽、好きだよ」
優しくて、甘くて、切ない囁き。小羽の身体中がぞくっと震える。
瞬間、身体中に甘い電気が走り、
「ふあっ!? んくぁぅうぅっ!!」
小羽は艶に満ちた声を漏らした。
「う、あぁ、ぁっ……い、きな、り……ず、るい、よっ……」
小羽はぽにゃぁっと崩れ、熱を帯びた可愛い顔を浮かべながら甘い余韻に浸った。
小さな身体が何度もぴくんと跳ねる。
「ふぁ、ぅっ、ゆ、うろっ……」
甘い感覚に呂律が回らない。
「好き」
言葉と同時に耳にキスが降る。
「にあぁああぁあっ!?」
身体をのけ反らせ甘く可愛い声を漏らしてしまう。
「ひあっ! まっ、てっ! おくっ、きゅんって、して、っる、からぁっ!!」
優斗の腕をぎゅうっと握り振りほどこうとするが、とろけた状態では何も出来ない。
「小羽」
再び囁かれる名前。
「ひゃわっ! すとっ、ぷ、だか、らっ!」
「ダメ、小羽の声聞きたい」
優斗の声が耳に染み込む度に、小羽の身体から力が抜けていく。
「ぅやあ、あぁっ! だっめだか、らっ」
小羽は甘い声で鳴きながら、言葉ではなんとか抵抗する。
「好きだよ小羽。好き。好きだ」
重なる「好き」の言葉とキス。
小羽はあまりの刺激に目を見開き、身体がぴぴんっ!と伸びた。
次の瞬間、
「ぅあぁあぁああぁぁっ!!」
今宵一番の甘い淫美な声が部屋に響いた。
情けなく開いた口からは涎が漏れ、制服に淫らな染みを作っていく。
眉を歪ませ、とろけた表情で甘い時間に浸る。
「いあぁっ……ゆー、とっ! ゆ、うとっ! す、きっ、すきぃっ! す、きっ!」
優斗に応えるように、小羽は大好きな人の名前を呼び、「好き」を繰り返す。
「ふぁあっ、ゆーと、す、きぃっ……」
小羽は優斗の愛を身体中に感じながらまどろみに飲まれていった。

343 :
「う、んっ?」
小羽が目を覚ますと先程と変わらぬ光景が目に入った。
「あ、起きた? やりすぎたかな、ごめん小羽」
優しく、包まれるように抱かれながら小羽は思考を巡らせる。
途端に小羽の頭の中でぼんっ!という音が鳴り、頬がみるみる赤く染まっていく。
「あ、あああ、の、あの、あ、う……」
「汚れたり濡れたとこは拭いておいたから」
優斗の優しい声。
「う、うん、あり、がと……って、拭いた? あ、そそそ、そんな、ことっ……!?」
わたわたと慌てる小羽。
「え? あ、だ、大丈夫だって! あんまり見てながぱぁああっ!」
小羽の豪速の肘が、優斗の脇腹にクリーンヒットした。
「ばかっ!!」
小羽は怒号を発しながら優斗から離れ、再びしろにゃんを抱く。
そのままぷいっと背中を向けご機嫌ななめ状態に入った。
「ご、ごめん……んと、さ、制服姿だったから調子乗っちゃって……」
「しらないっ」
振り向かず、しろにゃんをぎゅっと抱く。
「ほんと、ごめん……僕、さ、小羽のことほんとに好きだから、伝えてないと不安で……」
寂しそうな声に小羽の心がきゅっと痛む。
「小羽はあんまり好きとか言わないしさ、迷惑なのかな、って思って、その……」
愛されている、十分過ぎる程に。
「ん。いいよ。もう怒ってない、から……」
振り向き、笑顔で優斗を見つめる。
「あ……ありがと。ごめんな……」
しろにゃんごときゅぅっと抱きしめられ、小羽は目をつぶり温もりに身を任せた。
「そろそろケーキ食べよっか」
いつもの調子に戻った優斗の声に、小羽は胸を撫で下ろし頷いた。
「あっ!?」
いつものココアが一人分しかない。
「僕はいらないから小羽飲みなよ」
優斗が笑顔で返す。
「で、でも……」
「いいから。さっきのお詫び。僕は勝手に他の飲むから」
頭をぽんぽんされ、小羽は頬を赤く染めながら頷いた。
「んっ。ありがと」
夕御飯の時と同じように、二人は並んで椅子に座る。
「紅茶ケーキ?」
甘い匂いに小羽は思わず笑顔を浮かべた。
「そそ。はい。あーんして」
「えっ?」
優斗のいきなりの行動に、小羽は固まってしまった。
差し出された一口大のケーキ。
「あ、の、えっと……」
恥ずかしさに堪えられず視線を泳がせる。
「きっとおいしいよ? ほら、あーん」
小羽は一瞬にして頬を林檎色に染めてしまった。
このままでは終わりそうにないので、仕方なく差し出されたケーキを口にする。
「うぅっ、あむっ……」
口に広がる紅茶の香りと甘味。
「おいしい?」
目に飛び込む優斗のとびきりの笑顔。
「お、いしい、です……」
味よりも恥ずかしさが上回り、クリームとは対称的な真っ赤に染まる頬が際立つハメになってしまった。
堪えられなくなった小羽は俯きながらぶつぶつと文句を呟く。
「ばかっ、ばかばかばかっ……」
ケーキはまだまだ残ったまま。甘い時間もまだまだ続く。

344 :
「ココア遠慮しないで飲んでいいからね」
優しいのは嬉しいが、恥ずかしさで上塗りされてしまう。
「う、うん」
ココアを一口飲み心を落ち着ける。
「はい、あーん」
だが再び甘々の笑顔が小羽を包む。
「あぅ、ぅぅっ……あ、あむっ」
打ち消すようにココア。ココア。
「うぅっ……あっ、優斗飲み物いいの?」
ふと優斗の方へ目を向ける。マグカップはあるが中身はない。
「いいよいいよ。ケーキ楽しんでるからさ」
ひらひらと手を振り笑顔を返す優斗。
「でも……あっ、じゃ、じゃあ……」
小羽はココアを口に含み、優斗の口元へ運ぶ。
身長が小さいため、椅子から立ち上がり、優斗の顔に手を添えながらココアを流し込む。
「んっ、んんっ、ふゃあぁぁっ……」
小羽は上手く出来た安堵から甘い溜め息を漏らし、ぺたんと椅子にへたり込んでしまった。
「んと、これなら優斗も、ココア飲める、から……」
小羽は頬をさらに赤く染めながら視線を逸らす。
「あ、ありがと。小羽がこういうことしてくれるって思わなかったからびっくりした……」
優斗も頬を染め照れ笑いを浮かべる。
「うぅ……恥ずかしい……あっ!」
小羽が目を真ん丸くして叫ぶ。
「べ、別に、優斗と半分こすればいいだけじゃ……」
小羽の頭の中で「しばらくお待ちください」のテロップが流れる。
次の瞬間、頭の中がぼぼんっ!と爆発し、ぷしゅうと煙が漏れた。
小羽はテーブルに顔を突っ伏し、自分の行動を呪った。
「ばかばかばかばかばか……」
恥ずかしさで今すぐ消えてしまいそうな気分だ。
「でもさ、可愛い小羽の味もしておいしかったよ」
ぺかーっという効果音が鳴りそうな程の優斗の笑顔が広がる。
「うるさいっ!!」
小羽の強烈な突きが優斗の鳩尾にずびゃんと決まった。
「ごぼぉ!」
小羽は痙攣する優斗を尻目に、さっさとケーキを食べ終えてしまった。
「ばかっ……」
残ったココアをのんびりと飲んでいると、
「一口いい?」
痙攣から復帰した優斗が顔を覗かせた。
「だめ!!」
容赦なくギッと睨み付ける。
「小羽。お願い」
不意に耳元で囁かれ、ぴくんと身体が跳ねる。
「だ、だめ、だからねっ」
抵抗が弱まる。
「小羽」
普段とは違う低く真剣な口調に、心臓をぎゅっと掴まれてしまう。
「あ……あ、さ、最後だから、ね……」
小羽は震える両手でマグカップを握り、ココアを口にする。
「んっ……」
先程と同じように立ち上がり、優斗の口元へ自分の味が混ざったココアを運ぶ。
優斗の頭を優しく抱き、少しずつ愛の蜜を注いでいく。
「んんっ……、ひゅあっ、んんっ!」
漏れる熱を帯びた声。
「んっ、んっうっ、ふぁっ、ちゅぁぷっ、んあぁあぁぁっ……」
事を終えた小羽は淫美な溜め息を吐き、優斗に寄り添うように崩れ落ちた。
「ありがと小羽」
「あぁ、うぅっ……」
小羽は優斗の声に心地よさを感じながら甘い感覚に浸っていった。

345 :
「ひぁっ!?」
身体が浮く感覚に小羽は情けない声を上げる。
「ソファーで続きしような」
「あわ、わっ」
わずかな距離だがお姫様抱っこでソファーまで運ばれる。
優斗の膝の上にちょんと座らされ、向かい合う形になった。
「っ!? やだっ!!」
小羽は顔を思いきり背け、優斗から離れようとする。
「小羽の顔見せて」
「いやっ!」
ただでさえ恥ずかしい行為だというのに、見られながらするなんて小羽には堪えられない。
可愛くない姿を晒すのがとても辛い。
「今日もだめ? じゃあ……」
瞬間、ぐんっ!と引き寄せられる小羽。
「うあっ! んんっ!? んちゅぁっ、ふぅっんっ!」
突然のキスに小羽は戸惑いの声を上げた。
「ぅあっ……んっ」
キスが止むと、優斗の胸の中に促される。
「あ……ゆう、との匂い……」
きゅっと優しく抱かれ、小羽の心がとくんと跳ねた。
「これならいいよね?」
「う、ん……」
優斗の匂いが頭を柔らかく包み込み、小羽は頬を擦り寄せながら頷いた。
「僕は小羽じゃなきゃ嫌だから」
頭上から降る声。心が踊り、心に刺さる。
「可愛いよ。小羽が一番好きだ」
優斗の「可愛い」の言葉に胸が痛くなる。
他の人に言われても特別気にしないのに。
優斗に言われた時だけ胸が痛い。
「可愛いよ小羽」
まただ。
声は可愛い。名前は可愛い。料理は可愛い。何かが可愛い。
だったら可愛い「顔」は?
付き纏う三白眼。付いたあだ名は狼少女。
「う、るさいっ……」
優斗に抱き付く手に力が入る。
「うそ、ばっかりっ! やめてよっ!」
ギリッと優斗を睨み上げる。
「絶対趣味おかしいよ! なんで可愛い人と結婚しなかったの!? バカだよっ!」
心の堰が崩壊する。
「私なんて、いつも睨んだ、ような目だしっ、恐いって、ひっく、言われ、るし、ひぐっ狼みた、いだ、しっ」
溢れる涙と本音。
「も、うやだ、っ!! ひくっ、嫌われ、るの、やだっ!」
涙で優斗が見えない。
嫌いって言われたら楽なのに。
嫌いって言われたくないのに。
「ば、かぁっ! ゆ、とっきら、いっ! やさ、しい、ひくっからっ、きらいっ!!」
ボタボタと涙をこぼし、制服が悲しみで濡れる。
「きらいっ、て、いって、よっ! かわい、くないっからっ、ひぐっ、きらいって!!」

346 :
吐き出した。全部。汚い言葉で。馬鹿だ。
瞬間、頬をぐにっと摘まれた。
「はにっ!?」
いきなりの事に情けない声を上げる。
「僕の結婚相手は、小羽に付き纏う世間体なんかじゃないよ」
真っすぐで淀みがない真剣な声。
「僕は小羽と結婚したんだ。小羽が好きだから結婚したんだよ。
それとも小羽の人生を狂わせたいがために結婚したと思ってるのか?」
わずかに含まれる怒り。だがすぐにやんわりとした口調に戻る。
「もしまた同じこと言ったら、またほっぺぎゅーってしてあげるから。覚悟しといてね」小羽の目から別の味の涙がこぼれ、染み込んだ制服が少しだけ笑った気がした。
「小羽が一番可愛いよ」
とびっきりの笑顔に小羽は涙を流しながら応える。
「う、うる、さいっ、ばかっ」
小羽は突きの代わりにキスをお見舞いする。
「んっ……ぅんっ、ふぁっ……」
目を腫らしながら、見つめながら。
「時間たくさんあるからもっとキスしような」
優斗の囁きに小羽は頬を赤く染め頷いた。
「う、んっ……」

347 :
「ちゅっ、んんっ、ふぁっ、ちゅ、んっ」
キスの音色が部屋に甘く響く。
小羽はソファーに押し倒され、されるがままにキスを感じていた。
「んうっ! ふぁぷっ、ちゅっ、ちゅ、ぷひゃっ、んむっ!」
時折唇が離れ、笑顔で見つめられる。
「小羽」
「うーっ、はず、かしいから……」
優斗を無理矢理引き寄せ、小羽は再びキスを味わう。
「んっ、んくっ、ちゅっ」
浅くても愛を感じる優しいキス。
「んむぁっ、ひゅあっ! んっ、ちゅっ」
可愛い声を上げながら小羽の快感が高まっていく。
「んんっ! んっ、あぁっ、ちゅ、ちゅっ、んぅっっ、ふぁぁっ……」
唇が離れ、涎が糸となり二人を繋ぐ。
「なんか、幸せ、かも」
小羽はにへっと笑顔を浮かべる。
「僕もだよ。小羽。大好き」
優斗は応えるように小羽の髪をとかす。
「んっ……」
手から伝わる温かい安らぎに声を漏らす。
「じゃあ耳にもキスするよ」
小羽はぴくんと身体を震わせ、身体を強張らせた。
「緊張してる? 可愛いな」
耳に落とされるキス。ぞくっと甘い電気が走り身体の奥が熱くなる。
「やぁっ、んっ! ゆ、うとっ!」
キスも声も心も甘い。
「小羽。好き、好きだ」
優斗のキスと囁きが激しくなる。同時に小羽の甘い声も濃度が増していく。
「うぁあぁっ! だめっ、そ、んなっ、あっんあぁあっ! や、だっ、んぁああぁぁっ!」
身体をのけ反らせ快感に包まれる。
全身にキスを落とされたような甘く刺激的な感覚に心がとろけていく。
「ひゃぁうっ、あ、ぁあぁっ……」
ふにゃあっと小羽の顔が緩み、口から涎が漏れる。
普段の姿からは想像も付かない淫美な姿。

348 :
「そろそろいいかな?」
不意に伸びた優斗の手が、小羽の一番熱い部分に触れる。
制服と下着越しの感覚にも関わらず、小羽の頭に甘く白い電気が走った。
「ひゃうぅっ! あぁっ、だっめっ!!」
両手で優斗の手を押さえるが、とろけた思考では力が入らない。
「楽になっていいよ」
「まっ、てっ!」
小羽の言葉に重ねるように、優斗は小羽の甘い熱溜まりを撫で上げた。
「あぁああぁあっ!!」
視界が脳内が思いが弾ける。
「小羽。大好きだよ」
小羽は耳に愛の言葉とキスをプレゼントされ、甘い秘部を先程より強く撫でられた。
「んあぁああぁああぁぁっ!!!」
一瞬にして甘く可愛い嬌声が部屋いっぱいに広がった。
「にあぁあっ! やっ、えっ、ちなこえっ、やらっ!」
無意識に出てしまう淫らな声。恥ずかし過ぎて頬が林檎色に染まる。
「あ、あぁあっ、ゆーろっ、あ、ぁぁっ、」
ぎゅうっと優斗に抱き付き、快感の余韻から身体をぴくんと震わせている。
「わた、しも、すきっ、ゆう、とっ、すきぃっ……ふぁあ、ゆ、っとすきぃ……」
重なる心臓の音に心地よさを感じながら小羽は目を細めた。
「じゃあは反対の耳でエッチしよっか」
優斗の優しい甘い呟き。
「ふぁいっ……!」
小羽は優斗をさらに抱きしめ甘い声で鳴いた。
ソファーの隅ではしろにゃんが二人をまったりと見つめていたのだった。
えんど、れすらぶ!

349 :
gj!ツンデレ大好物だ!

350 :
可愛い話だ。ぐっじょ

351 :




352 :
鉄猫新作キボンヌ

353 :
キボンヌって3年ぶりくらいに聞いたわ

354 :
彼女が「御裾分けです♪」と言って蟹持って来てくれた
皆で夕飯の時食べようとなり、お袋と彼女が料理してくれた
蟹が出て来ると親父が動いた!w
親父:(;`・ω・´)‥‥(蟹の身をひたすら取り出し、溜めている)
お袋:(゚д゚)お父さんったら、もう。嫌な食べ方してー、彼女ちゃんに失礼でしょ!
親父:(;`・ω・´)‥‥(脚の取り出し作業終了。胴体へ移行)
お袋:(*゚∀゚)あらすごい蟹味噌!
親父:(;`・ω・´)‥‥(蟹味噌の詰まった甲羅に取り出した身を苦心して盛り付けている)
お袋:(*゚д゚)もう、お父さん!子供みたいな事しないでってば!
親父:(;´・ω・`)フゥ‥‥終った。
親父:(*´・ω・`)はい、お母さんどうぞ。
お袋:(*゚д゚*)‥‥
彼女の視線が痛かった・・・


355 :
良い夫婦だのぅ

356 :
鉄仮面と子猫投下しようとしたのですが、規制中のためアップローダーに上げました。
・今回タイトル「再会」、長編で今回の投下は途中までです。残りは後日投下させて頂きます。
・今回投下分はエロ無し、シリアス展開です。
宜しければ下のURLからダウンロードしてお読み下さい。
ttp://firestorage.jp/download/07391bc205b7bf71668f0718be48f59b98704201

357 :
トリップを間違えてしまいすみません。
お目汚し失礼しました。

358 :
よんだ!
続き待ってます( °∀°)o彡°

359 :
鉄猫でシリアス展開になるとは…
ともあれ続きお待ちしてます

360 :
途中までということで、我慢できる自信がないから読まずに待とうと思ったが
結局読んでしまった!
鉄猫クオリティ恐るべし!
続き全力全裸で待ってます!

361 :
いつもありがとうございます!鉄仮面と子猫大好き!
続きを楽しみにお待ちしています!

362 :
復帰

363 :
鉄仮面と子猫「再会」、残り投下します。
規制中のためロダに上げました。
注意:長編かつシリアス展開。エロは薄めで最後のほうに少しだけです。
再会 2章〜5章
ttp://firestorage.jp/download/b5acb276661ae8f569d52083fdd4700d45d6e2a9
再会 6章〜9章
ttp://firestorage.jp/download/34adf6bfec530868ea6021124ab67cd8d1152a9e

364 :
>>363
電車の中で目から汗が
GJ

365 :
>>363
これは……やばい
とにかく一言、gj!

366 :
鉄仮面も雪子ちゃんも碧さんもみんなみんな凄く良かったよー
作者さんありがとう


367 :
>>363
GJ!!!大号泣です
作者様、あなた様はなんてお優しい方なのでしょう
自分のドロドロに汚い心が今、洗われたような気がします
いつもありがとうございます!!!

368 :
こんなにも目から汗を滴らせてしまう物語に出会えてよかったと、心から思います。ありがとう、GJ!

369 :
読むほどに発見がある良作でした。
エロ少なくて何がエロパロだよ派だが何度も読み返してしまった。gj!

370 :
うー!凄い好きだー
料理やちょっとしたことも凄い読んでて幸せになるよー
作者様ありがとうございます。
これからも応援します

371 :
GJ
素晴らしい

372 :
え、エロパロで泣くことになるなんて…
初期から拝見してましたが始めて書き込ませていただきます。
本当にこの作品に出会えて良かったです。読んでいて、優しくて切なくて心が澄んでいくようでした。GJ!

373 :
鉄仮面で夏のお話読みたいな。

374 :
鉄仮面海へ行く。
砂浜でスイカ割りとか?

似合わねぇw

375 :
新婚萌え

376 :
鉄仮面の話が読みたい…

377 :
許嫁で初対面で結婚させられたロリとショタが、処女童貞同士でオタオタしながら初体験する話が読みたい!

378 :
保管庫に鉄仮面入ってたネー
職人さん乙ですー
もちろん作者様もありがとうございます。
ホントに子猫と鉄仮面のシリーズは大好きだー

新作読みたいっす

379 :
新作期待保守

380 :
保守!

381 :
すっすまぬ!
ageてしもた。

382 :
結婚というものはな……

383 :
いい夫婦の日にすら投下がなくて悲しい

384 :
作者様のサイトを見ると、今新作を書いていらっさるみたいだよ!
とっても楽しみだ

385 :
鉄猫が気になるー!!
エロパロとかなくても良いから読みたいッス
作者様 よろしくです。

386 :
皆様、地震は大丈夫だったでしょうか。
こんな日にどうかとも思いましたが、鉄仮面と子猫10作目、投下させていただきます。
タイトルは「令嬢のお仕事」、雪子の過去編になります。
長さは3万文字程度です。
ロダに上げたので下のURLからダウンロードしてお読みください。
ttp://firestorage.jp/download/158ea81e23b5d61fa139beb2b26967edeaf41547

387 :
新作キターーー!!
今回も濃くて良かったー
作者様ありがとうございます。
ごちそうさまでした!

388 :
安心と信頼の鉄猫クオリティ
GJ!

389 :
鉄猫キターーー!
愛情や人情あふれ、エロも溢れるこの作品の虜です
作者様、いつもありがとうございます!!!

390 :
鉄仮面ロリコン疑惑ktkr
いただきました!

391 :
鉄仮面って他の部署(?)に嫌われてんだよね?雪子ちゃんがキッカケで周りの見方が変わる話読みたいな〜。
(ちなみに自分は、会社にあるラジオorテレビで、雪子と分かるPNの手紙が読まれて(その内容は鉄仮面が恥ずかしい思いをするもの)高感度が上がる、みたいなの想像した)

392 :
幸せな気分でクリスマスを迎えられるな…
ありがとうありがとう

393 :
鉄仮面は雪子ちゃん似の娘が産まれたら親バカ父ちゃんになりそうだ…

394 :


395 :
鉄仮面と子猫、新作投下します。
今回エロ無しです。申し訳ありません。
タイトルは第十一話「帰る場所、還る所」
相変わらず規制中のためロダに上げました。
下のURLからダウンロードしてお読みください。
ttp://firestorage.jp/download/3d07599630dfbcd8ae65373dffe8c6c606c5c336

396 :
うぉーぉー!
新作キテター
今年は幸せな年越しになるー!!
作者様ありがとうございます。
大好きですーー

397 :
今から旦那の実家に行くのに涙顔でどうしよう……
作者様GJ!
良い年を迎えられそうです!

398 :
『引きちぎられたウエディングドレス!! 披露宴前夜に花嫁は・・・』
満島誠は週末には妻となる順子と愛を確かめ合っていた。婚約者の逞しい手で存分な愛撫を受けた順子の肉体は熱りきり、微笑むと三日月型に変わる瞳は潤んでいる。
騎乗位の体勢でやがて猛り立った誠の肉棒を受け入れると、順子はまるで処女を失った日を思い起こさせるほどに初々しく身悶え、喘いだ。
そして、誠が沸き起こる性欲をセーブしながらも、激しく腰を揺らすとその歓喜の声は次第に大きく、甘く、寝室中に響き渡る。
「アア・・・ ま、まこと・・・さ・・・ん いッ、いいッ!! あッ、あぁ・・・いぃッ!!、いいぃ〜〜ッ!」
結合部から聞こえる卑猥な粘着音。それすらも2人の結婚を祝福するシンフォニーに聞こえる。
自らのシンボルから湧き出るカウパー液が順子のラブジュースと混ざり合う感触に、言い知れない感触を味わいながら誠は妻となる女の乳房をモミしだく。
膨張した形の良い豊満とも言えるバストの上で、勃起しきった乳首がツンとそそり立っている。
フィアンセの快感の印を優しく下から指で挟んで、その悦びをさらに昇華させるべく愛撫を続ける誠。
「や、やんッ! ま、まぁことさぁんッ!」
順子は全身を痙攣させるように震わせ、愛らしい顔で天井を仰いだ。その可愛らしさに征服欲を刺激された誠は、性器に己の精力を漲らせながら順子に囁く。
「順子・・・幸せにするよ」
順子は喘ぎながらも、切なさと憐美な瞳で夫となる男の逞しさに敬意を払う様に見つめてくる。
「わ、私も…誠さんを・・・幸せにするから・・・10年も・・・待ち焦がれていたんだもの」
2人の出会いは高校時代まで遡る。誠が2年の時に新入生の中でひときわチャーミングな娘を発見した。それが順子だった。
サッカー部だった誠は、新体操部入部を希望していた彼女を半ば強引にマネージャーに引き込んだ。
困惑しながらも、恥ずかしげに逞しい先輩、といった眼差しで自分を見つめる順子の姿は今でも彼の高校時代の大切な思い出だ。
ほどなく相思相愛の関係に陥った2人は親、教師、公認の仲となった。
一線を超えたのは順子の18歳の誕生日の夜だった。すでに大学に進学し、上京していた誠のもとを訪れた彼女を万感の想いで抱いたのだ。
順子も誠を追うべく上京し、短大に入学してからは寸分を惜しんで逢瀬を続けたが、同棲することだけは避けた。
それは誠なりにけじめをつけたかったからだし、一人娘を上京させてくれた順子の両親への配慮でもあった。
卒業後、栄養士として就職した順子はすぐにでも誠と結婚したいと言い張った。
結婚がずれ込んだのは、大学院に残り研究者としての道を志していた誠の都合によるものだが、現在はすっぱりと諦め、中堅どころの私立高校の教師に収まっている。
ようやく生活の道しるべを確立し、共に生きるべき娘を伴侶として迎える決意をした誠は幸福だった。

399 :
かなり精力は強い方と自負する誠だが、その荒々しい腰遣いにも順子は達することはない。
その愛の行為をすべて受け止めるようとその肉体を震わせ、膣痙攣でも起こすのではと思えるほど秘部で愛する男のそそり立つモノを捕えて離さない。
「俺達…よほど、相性がいいよね 心も…身体も・・・」
順子は身悶えよがりながらも、頷いて見せる。その彼女の唇から唾液が糸を引いている。あまりに淫微な婚約者の痴態に誠はピストンをさらに速めた。
順子もオーガズムに達したように、ビクンビクンと肉体の震えを加速させた。誠が「果て」、順子が「イク」のはほぼ同時だった。
既に深夜の12時。思えば、2時間近くも睦みあっていたのだ。誠は下着だけをつけた姿でベッドに腰をかける。
そこへ、花柄の純白のブラジャーとパンティ姿の順子が微笑みながら戻ってきた。小さなお盆の上に、少量のブランデーを入れたグラスが乗っている。
順子はお盆をサイドボードに置くと、艶めかしくも初々しい仕草で誠の肩をそっとさすりながら、彼の傍らにそっと腰をかける。
「飲もぅ! 誠さん はい」
琥珀色の液体の入ったグラスを一つ、誠に差し出した。
「どうしたんだい、順子が自分から飲むなんて」
「今日は酔いたい気分なの」
順子はブランデーで唇を潤すと、誠の右腕をとり、頬を寄せた。
「ちょっと張り込んじゃったかなぁ?」
順子の視線の先には純白のウエディングドレス。週末の披露宴で彼女が身につける特注品だ。
一生に一度のものだから、本番の前に眺めていたいという順子の希望で家に持ち込んでいた。
素封家とまではいえない地方出身の順子の父親は、愛娘を送り出すのに恥ずかしくないようにと、目一杯の予算を組んでくれた。
教会の挙式、そして都内のホテルを借り切っての披露宴は数百万円をかけて行われる。
その宴のヒロインを艶やかに彩るドレスの胸元にはバラがあしらわれていて、豊満だが、清楚で家庭的な顔立ちの順子が身につけると妖しげでコケティッシュでもある。
「楽しみだよね、披露宴 みんな来てくれるかなぁ?」
誠は男だけに、それほど披露宴にこだわりはなかった。でも順子は女の子らしく相当に入れ込んでいる。
それもこれも、自分との結婚を心底愉しみにしている証拠だと思うと誠も嬉しいのだ。
「ねえ、誠さん・・・私のウエディングドレス姿はどう?似合うかな」
順子が甘えるように訊ねる。
「綺麗だよ でもちょっと肉つきがよすぎるからなぁ、順子は・・・この辺が特に」
誠がブラに隠れた順子の乳房を指差す。
「もうH!」
順子は頬を膨らませたがすぐにまた甘えた表情になる。
「幸せになろうね、誠さん」
二人はまさに幸せの絶頂にいた。

400 :
披露宴前夜の夜、勤務を終えた誠は郊外の自宅へと帰りついた。
日の暮れた新興住宅地に佇むマイホーム。実父に頭金600万の援助は受けたものの、30年ローンを抱え、決して生活は楽ではないだろう。
しかし、それも順子との愛の巣だと考えると活力が生まれてくるから不思議だ。
洒落た木製のドアを開くと、愛する女、順子が出迎えた。その姿に誠は息を呑んだ。順子は純白のウエディングドレス姿。
髪をホップさせているわけでもなく、メイクを入念に施していなくとも順子の美貌は輝いている。バラのあしらわれた胸元から覗く豊かな乳房もコケティッシュだ。
「おいおい、それは披露宴までとっておけよ・・・」
披露宴で招待客から喝采を浴びるであろう、花嫁姿を惜しげもなく披露する彼女に、誠は眼を細めた。
だが、順子の顔は対照的に沈んでいる。いや、そればかりか恐怖と困惑に強張っていた。背後から、男の声がする。
「愛する旦那様のお帰りかね?」
シラフにもかかわらず、爛れた響きだった。
「誠さん、実は・・・」
順子が誠に身を寄せる様にして泣きべそをかき始めた。
「ど、どうした、順子!?」
リビングでソファに腰かけた男たちが誠を出迎えた。彼らの顔を思い出すまでには時間がかかった。
それは懐かしい顔。しかし竹馬の友ではない。幸福だった青春期の汚点とも言うべき存在だ。
「よお、新郎様!」
大柄の男は宇佐美だ。
「色男クン、ついに初恋のカノジョへの純愛を貫き通したわけ、ね!」
皮肉るような口調でデップリ肥った体躯を揺らす男は久須美。
「まさか、満島と窪田が結婚するとはねぇ」
順子を旧姓で呼び捨てにする挑発的な物言いを知るのは林だ。
「お前ら…どうして家にまで…」
まさに突然の来訪。彼らと会うのは高校以来初めてだ。
順子は今にも泣きだしそうだ。それもそのはず、順子は高校時代、3人に襲われかかったことがある。
下校時に彼らに捕まった順子は危うく拉致されかかったのだ。
その時も、誠が救ってことなきを得た経緯があるのだ。
順子の両親が騒いだので、教師に知れることとなり、3人は後に退学。
元より評判の悪い3人のことなど、卒業時に口にする者もおらず、2人にとっても忘れかけていた悪夢だった。

401 :
「決まっているじゃん、窪田のウエディングドレス姿を見せてもらいたくて、な 俺らには招待状は来ねえだろうし」
宇佐美が粘着質な言い回しで、誠の背後で強張った表情を見せる順子を見つめた。
「高校時代のマドンナの花嫁姿っていうのは格別だねぇ」
今度は久須美がだらしなく目じりを下げながら、下品な口調で言う。
「そうカリカリすんなって! せっかく祝福に来てやったんだ それにしても窪田のナマ着替え姿も最高だったけどな」
「何!?」
思わず、激昂する誠。こいつらの面前で順子は着替えをさせられたのか。
「ハハハ、冗談だよ」
林が茶かすように誠をなだめる。
「貴様ら、目的は何だ!?」
憤る誠を嬲る様に、宇佐美が切り出した。
「あんまり焦らすと新郎が可哀そうだぜ 実はな、俺ら会社を立ち上げてな」
宇佐美は一枚の名刺をテーブルの上に置く。
『エキサイティング・プロジェクト 専務取締役 宇佐美和孝』
「早い話がAV会社だよ」
宇佐美は何の後ろめたさもないように言う。
「俺たちは今、新企画を考案してさ 幸せの絶頂にいるモノホンの花嫁の欲情する姿を集めた素人DVDを制作するんだ その栄えあるヒロインにお前の女房が決定したっていうわけ!」
「貴様ら、そんなことをして済むと思うのか!? 女房に指一本触れるな!」
夫になる男の威厳で言い放った誠。しかし…。
「俺達にそんなことを言っていいのかなぁ〜〜」
久須美がソファから立ち上がり、誠の肩を撫でながら粘りつくような口調で囁く。誠は蛇に睨まれた蛙のように固まった。
宇佐美が順子の露出した白い肩を両手でモミしだく。
「さあて、新婦殿! ご主人の許可も下りたことだし、さっそく今から稽古と行こうぜ!」
「い、いや!やめさせて、誠さん」
順子が哀願する。しかし、誠は動けない。
「まずはいきなりで何だが、俺らの前でオナニーをしてもらいましょうか」
「い、いや、絶対にいや!!」
哀願するように首を振る順子。しかし、男たちは容赦しない。もうすぐ日本一幸福になるはずの花嫁が悲嘆にくれる姿に、嗜虐的な美しさを見出したらしい。
「大丈夫だよ 俺らは女を操るプロだ すぐに、自分から絶頂を求めて歓喜にむせび泣く、幸せな花嫁に仕立て上げてやるよ」

402 :
若く希望に満ちた誠と順子の新築の住まいはなかなか瀟洒なつくりだ。
広めのリビングには洒落た床から天井に向けてウエーブのきいた木製の格子が取り付けられている。
その格子にウエディングドレスに包まれた健康的な肉体を大の字に固定され、晒された順子は惨めな表情で項垂れるだけだった。
手首足首はそれぞれ左右に広げられ、格子に荷造り用の紐で固く結ばれている。まさに磔だ。
女にとって最高の幸福を感じる瞬間に身に纏うべき、ウエディングドレス姿で残酷な磔刑に処された花嫁がかつているだろうか。
しかも、である。そのウエディングドレスの裾は中心から引き裂かれ、まるで羽を広げられるかのように、たくしあげられ格子に画鋲止めされている。
下腹部が露わになり、ドレスに負けず劣らず清楚な純白のパンティが丸見えだ。
その姿は美しい白鳥が罠に囚われ、羽をもがれかかっているかのようだった。
(お願いです!ウエディングドレスは切らないで!)
ウエディングドレスを引き裂かれる際の順子の哀願が誠の耳に残る。
しかし、彼には成す術がない。後ろ手に縛りあげられ、芋虫のように転がるだけだ。
そんな彼の目前で、妻として迎える女性は青春期から舞い戻った悪魔に穢され始める。
磔の順子が愛らしい顔を引きつらせた。宇佐美に女陰をなぞられたのだ。
宇佐美は丹念に、執拗に、パンティのうえからワレメに沿って指を上下させる。
「あッ、う、うぅ・・・」
順子は喘いだ。
(や、ヤダ…感じてる 私・・・)
誠以外と関係をもったことのない順子は、相容れない、いやそれどころか嫌悪を覚える男の指遣いに女芯を熱くし始めた自分に戸惑った。
「結構感度がイイねぇ、順子ちゃん 愛する旦那に可愛がってもらってるんだろうが? でも俺の指遣いに慣れたら、嫁に行く気がしなくなるかもな」
宇佐美はさらに順子の性感を昂ぶらすべく、責めを続ける。醜悪な、生理的に受け付けない筈の宇佐美の鼻息を陰部に感じながら、順子はビクンとその不自由な肉体を震わせる。
ほどなく、熱いラブジュースがじゅわあ〜〜っとパンティにシミを作る感覚に自分でも信じられない卑猥な感覚に襲われる。
「はッ!はぐぅッ!」
順子は柔和な表情を甘く崩し、耐えられません、という様に天を仰ぐ。
「ハハハ、最初はあれだけ嫌がってやがった癖にもうマン汁垂れ流して、値をあげてやがる」
久須美が嬲る様に誠を観た。

403 :
「やめろ、順子は俺の妻だ!」
次第に宇佐美の意のままに嬲られていく新妻の姿を直視できず、叫んだ。自分の妻が他人の凌辱に感じている姿など、観たいはずがない。
ましてや、数日後に控えた披露宴で着る筈の花嫁姿だ。しかし、宇佐美は残酷な口調で言葉でも、誠を、そして順子を責める。
「女房だろうと、花嫁であろうと、女なんて濡れてきちまえば後はイクまで雌犬同然に‘欲しがる’だけで、貞操観念も何もあったもんじゃあねえよ」
指責めから解放された順子は、カクンと頭をもたげ、ウエディングドレスに包まれた肉体を心悸亢進で震わせている。
「満島!俺はなぁ、高校時代から仲睦まじ〜〜い、お前ら2人を見るとムカついてな 特にこの女の‘誠さんしかみていません’ていう表情が許せなかったぜ」
宇佐美は高校時代からの鬱屈した感情をぶちまけるように続けた。
「女は子宮でしかモノを考えないってとこをお前に分からせてやる それが、結婚間際の最高に幸せな時っていうのがグッドタイミングだぜ」
宇佐美は順子のラブジュースが滲み出るパンティの上から、己のベロを泉の源に突き立てる。
「はあうぅッ!やめてぇ〜〜ッ」
順子は敢え無く、喘ぎ悶える。その声に触発されるように宇佐美の舌は、新婦の性感を昂ぶらせていく。
「ハハハ、宇佐美 おまえ気に入った女をいたぶる時はいつも回りくどい責め方だな 早く‘本題’に入れや」
林が性感を弄ばれる順子の姿を嘲るように言う。
「まあ、いいじゃねえかよ 高校時代のマドンナを徹底的に祝福してやる幸運に恵まれたんだ たっぷりと生き恥、いや、快感を味合わせてやらなきゃ、と思ってよ」
宇佐美は順子の愛液を唇から滴らせながら、残酷な目を妖しく光らせる。股間をヒクつかせ、白いパンティの陰部をびしょ濡れにされた順子はその痴態を夫に公開されてしまう。
「どうだぁ?太腿までエッチなジュースでびしょ濡れじゃあねえか よっぽど、俺の‘お祝い’が気に入ってくれたらしいな」
「お、お願い・・・も、もう許して・・・彼の前で・・・こんな・・・」
順子は快感を覚えた肉体をひた隠すように、哀願する。
「まだ、そんなこと言ってやがる こりゃあ、本格的に可愛がって、亭主のモノより気持ちいいものがあることを教え込んでやらないと、こっちも沽券にかかわるな」
宇佐美はほくそ笑む。
愛液まみれのパンティをずりおろした宇佐美の人差し指と中指が、磔の新婦の聖なる穴に滑り込む。
ビクンと痙攣する順子をさらに嬲る様に女芯の源を乱暴につまみあげる。だが、嫌悪感を覚えたのは一瞬だった。
クリ×リスを弧を描くように快擦されると、宇佐美への憎しみよりも快楽の虜になり、堕ちてゆく自分を感じざるを得ない。
「あ、あぅあぁぁ・・・あぁッ・・・あッ、あぁ〜〜〜・・・・」
宇佐美の激しくも粘着質な指遣いが、囚われの花嫁の女芯を嬲る。まるで女の快楽のツボを心得たような苛め方・・・。
「どうだぁ? 俺の指コキは? 下手なバイブよりもよっぽどお前のGスポットを理解してるぜ 下手すると、旦那のモノよりも・・・」
認めたくはないが、順子自身、誠の愛撫でここまで肉体を燃え上がらされた経験はない。
夫の眼前で屈辱的に縛められ、女は子宮がすべてという侮辱まで受けた身としては、んでもこの男の指遣いになど感じてたまるものかと思っていた。
しかし、愛情も嫌悪感も無関係の、女としての本能を弄ばれる感覚。
3人の男の手に堕ち、不可抗力の状況で性感を昂ぶらされるというマゾヒスティックな気持ちも次第に強まる。
熱いラブジュースが股間を滴り落ち、太股に糸を引く感覚に順子は昇天が近いことを自覚せざるを得なかった。

404 :
そんな順子に引導を渡すべく、久須美と林も卑劣な手段を企てる。
「いいねぇ、旦那の前で新婦順子のオナニーショー 披露宴のサプライズビデオを作ってやるぜ」
林がビデオカメラを向けてくる。
さらに久須美は妙な薬品を紙の上でライターの火であぶり、四肢の自由を奪われたままの順子の鼻下に差し向ける。
奇妙な香りが鼻孔を突き、次第に意識が虚ろになる。それとは正反対に宇佐美にいたぶられている股間を起点にして異様なまでの快感の波が押し寄せてくる。
「ハハハ、チョっぴりヤバ目の薬だが、新婚祝いにはちょうどいいだろ!? 思いっきり恥ずかしい声出して、旦那を愉します予行演習してやれ!」
「あ、あぁ・・・いッ、いひぃぃ〜〜ッ!!・・・」
相変わらず、宇佐美は快楽の源泉をつまんだり、扱いたり、膣壁をなぞったり、そしてバイブのように指を震わせ、花嫁の昇天を寸止めしたり・・・。
額に艶めかしく汗をかき、全身を熱らせ身悶え喘ぐウエディングドレス姿の順子はある種の妖艶さも放っている。
(ど、どうにかなりそう・・・ま、誠さん・・・ゆるして)
この恥ずかしく、ややもすれば、発狂してしまいそうな状況から逃れるためにはその性欲から解放されるしかない。
夫となる男に性欲を発散する姿を見られるのはこの上ない屈辱だが、これ以上弄ばれる姿をさらされるのは花嫁となる順子には耐えられないことだった。
「あッ、お、おねがい・・・い、いか・・・いか・・・いかせてッ!」
「ええ!? なんだって? 聞こえねぇな」
宇佐美の言葉に、他の2人の爆笑する。意地悪くも、宇佐美は順子を指コキから解放し、じらすように訊ねる。
「お、お願い! イカせてくださいぃ〜〜ッ! も、もうッ、我慢できませぇん〜〜ッ」
順子はまるで自分から快感を要求するように、大の字に縛られた肉体を捩り、己の愛液に濡れた恥毛を揺らし、腰を振る様にして催促するのだった。
室内に散乱するウエディングドレスの切れ端。その傍らで、一糸まとわぬ全裸で後ろ手に縛められた順子が、猛り立った林のペニスを口に含んで呻いている。
「ほらほら・・・イカせて欲しきゃあ、まずはちゃあんとしゃぶってもらうぜ」
性器を露出した林の前に跪かされた順子は抗うこともなく、その凌辱を加えた相手のシンボルを口に含んだ。
もはや、凌辱から逃れることを諦めたのか、己の性欲を満たして欲しいが為に忠実な性奴隷になったのかは分からない。
だが、目の前でそんなフィアンセの姿を見せつけられた夫の誠を打ちのめすには十分な姿だった。
高校時代から続く、順子への愛。そして命が尽きるまで共に生きるであろう彼女が、赤の他人の愛撫に悶え、性感を弄ばれ、快楽を求めた。
3人がかりで嬲られれば、責め手は強し、身は弱し。理屈では分かっていても順子の「アへ顔」は宇佐美の公言通り、女は子宮でモノを考える、という言葉そのものだった。
そうこうしている間にも、順子はオーガズムに達した林のスペルマを唇から滴らせ項垂れた。
「次は俺だぜ! 高校時代のサッカー部の美人マネージャーさんにしゃぶってもらえるなんて・・・ヘへへ、最高だね」
久須美の黒々とした性器が、順子の愛らしい鼻筋をなぞる様を見た誠は歯ぎしりをして縛られた身体を捩った・・・。
(こ、こんな奴らに俺の順子が・・・・)
しかし、彼になすすべはなかった。

405 :
「やめろ、やめてくれぇ〜〜」
芋虫のように転がる満島誠はただ哀願するしかなかった。残酷にも誠の眼前で順子のレイプが今始まったところだ。
順子を抱きかかえるようにして、夫の方へ顔を向けさせ己の絶倫で「串刺し」にするのは無論、「新婦順子凌辱計画」の首謀者宇佐美だ。
「やめるわけにいかねえんだよ、満島! お前の花嫁さんに絶頂を味合わせる約束をしちまったからな」
黒々としたイチモツが順子の茂みを分け入り、夫となる自分以外のソレが侵入したことはなかったであろう聖なる場所に恨み嫌う男のシンボルが「領海侵犯」しているのだ。
卑猥な音を立てる結合部。それを目にし、耳にするだけで誠は嫉妬と悲しみで発狂しそうになる。
「はぁ、はぁ・・・ま、まこと・・・さ・・ん、あんッ、あッ、あッ、ああッ!」
順子は愛くるしい顔を甘く歪め、苦悶に首を左右に振りながら夫の名を呼ぶ。
「おら、順子! 気持ちイイ癖に、なんで旦那の名前なんか呼んでんだ!?」
宇佐美は激しいピストン運動で順子を突き上げ続けながらも、ほとんど息を乱さない。恐ろしいまでの精力がさらに誠を打ちのめす。
そのエネルギーに妻となる女が「感じている」のは事実だったためだ。
全身を汗ばませ、豊かな乳房は膨張し、その上で乳首は信じられぬほど勃起し、結合部からは互いの混じり合った液体が、宇佐美の太腿から床まで流れ落ちている。
それでも、順子が誠の名を呼んだのは、不可抗力で犯されているとはいえ、快感を覚えている自分ができる夫へのロイヤリティであろう。
その証拠に、順子は心底快感に身を委ねてはおらず、必に何かをこらえる表情を時折見せる。
しかし、宇佐美はその2人の絆を断ち切るとどめの一手を打った。
「教えてやろうか、窪田? 高校時代お前を襲ったのは俺たちだが、それを命令したのは誰か?」
宇佐美の肉棒を秘部に戴き、身悶えていた順子も一瞬ビクンとする。そう、順子は高校時代にも彼らに犯されかけていた。その記憶を改めて蘇らせたのだ。
だが順子以上に誠はぎょっとした。そう、彼の青春時代に暗い影を落とす一つの出来事。常に笑顔に溢れていた順子との思い出の中で唯一後ろめたい過去。
今日、目の前で最愛の順子を嬲り者にされているにもかかわらず、無抵抗の理由。
「そこで転がっているお前のフィアンセ、満島誠だよ!」
「あッ、ああ・・・な、なんですって・・・」
呻きながら、絶句する順子。
「こいつ、お前との仲を深めたいとか何とか言って、わざと俺らに襲わせて、それを助けるっていうガキの漫画にも出てこないような筋書きを立てたんだよ」
「ああ・・・」
誠はすべてを失ったように、床に顔を伏せる。
「ほ、ほんと・・・な・・・の?」
順子の問いかけにも無言だ。それは事実と認めた証拠だった。
高校時代、付き合い始めたはいいが、なかなか本格的に進展しない関係に苛立った誠は、ワルと目されていた3人に順子の襲撃を依頼したのだ。
彼女を自分の手で守る強さを示すことで、2人の絆は深まると思ったのも事実だし、実際にそれが功を奏し今があるわけだが…。
「今夜の俺らの‘贈り物’は、本当は高校時代に渡す筈のプレゼントだぜ それがこんなにいい女になってから抱かせてもらえるとは、な へへへ」
そういい終えると宇佐美は順子を抱きすくめ、白い首筋に舌を這わせその愛らしい顔をねじると、背後から唇まで奪った。
さらに豊かな乳房をわしづかみにし、乳首を指で扱く。
「やめろ、ぉ〜〜頼むぅ」
絞り出すような声で哀願する誠。
「あぁ・・・」
だが、正反対に順子は甘い吐息をもらす。そんな高校時代のマドンナに興奮したらしく、宇佐美は激しいピストンを繰り返した。
「あ、あんッ!やぁんッ!ひいぃッ! はうッ、いッ、いッ、いいわッ!! ああぅあぁぁ〜〜ッ・・・」
くちゅくちゅという結合部の音、妻の漏らす甘い声、宇佐美の息遣い。すべてが誠を責め苛む。
罪悪感が消え失せたのか、順子はあろうことかピストンに合わせて自らも快楽を求める様に腰を浮かし、艶めかしく悶える。
その頬には潤んだ瞳から一筋の涙が漏れた。

406 :
公言通り、絶倫を味合わされた順子は猛り立ったままの宇佐美のペニスを引き抜かれた瞬間、潮を吹き果てた。
おびただしい液体が、ジュワジュワッと噴出し、絨毯を濡らす様を見せつけられた誠は何かが自分の中で壊れていくのを実感した。
いたぶり尽くされ、床に投げ出された順子の太腿から湯気が上がる。尿道が緩んだのだろう、ハードなプレイにより失禁した証拠だった。
「おいおい、こっちはまだ一度もイってないのに、潮吹きとお漏らしかよ!?」
宇佐美はズボンをあげながら、嘲笑った。
「お前たち夫婦にはまだまだ借りがあるぜ いずれたっぷり楽しませてもらう そのためにもお前ら夫婦には幸せになってもらわなきゃな」
「そうそう、花嫁AVの主演にはマジで幸せな嫁でいてもらわないと実感が伴わないしね」
林がビデオカメラを片手に満足そうに笑う。3人の男はまだ、順子をそして誠をいたぶるつもりらしい。
「もっとも、俺らにここまで‘幸せにされた’順子を愛せれば、の話だがな」
宇佐美の言葉は単に妻を凌辱された男として、いや寝とられた男として認識させるのに十分な重みを感じた。
レイプの最中に見せた順子の艶やかな表情は間違いなくそれを物語っていた。(完)

407 :
sageな

408 :
鉄猫、やっと最後まで読み終わりました。
この作者の方。。。プロですよね?
職業作家の方ですよね?
文体といい、情景描写といい、更にはベッドシーンの艶やかさといい、そこいらのLN作家では及びもしない力量だと思います。
是非とも続編をお願いさせてください。

409 :
鉄猫キタwww!GJ!
作者様いつもありがとうございます
良いお年を!

410 :
鉄猫シリーズ、二人で一緒にお風呂入るところが読みたい。。。

411 :
>>410
過去作にそんなシーンなかったっけか
何作目か忘れたが

412 :
2作目じゃなかったっけ?
雪子ちゃんがおはぎを職場に持って行って、鉄仮面と喧嘩する話。

413 :
>>411->>412
そうでした!
お風呂シーンを読み直して萌えてきたよ、ありがとう!
嫉妬する鉄仮面もよい

414 :
ホシュ

415 :
鉄仮面達ってデートどこ行くんだろ?遊園地には行ってたけど、結婚後はどこにも行ってないんかな?
誘うなら雪子からだよね?鉄仮面が誘うの想像できん(笑)
健康にいいから森林浴とかか?(体の免疫力が上がるらしいから)

416 :


417 :
鉄仮面と子猫、やっと全部読んだ。泣いた
続き楽しみにしてます

418 :
鉄仮面と子猫の新作読みたい〜
作者さんはお忙しいんだろうか、
保守保守。

419 :
鉄仮面と子猫、短編投下します。
規制中のためロダに上げました。
下のURLからダウンロードしてお読みください。
ttp://firestorage.jp/download/4bdd6a2a10725270c55dbf769fd00d0f7ca21605
鉄仮面と子猫のシリーズは次回で完結予定です。
最終回の投下は5月中を予定しています。
読んで下さった方、ありがとうございました。

420 :
>>419
GJ!
いよいよ終わりなのですか・・・最終回後も番外編とか希望したいです

421 :
GJ!
終わってほしくないですwww!

422 :
>政略結婚で好きでもない男に嫁がされる薄幸の美少女
個人的に↑のシチュが見たい
男に身体中弄られ激しく突かれる中唇噛み締めてすすり泣きながら耐えてるようなの

423 :
鉄仮面と子猫の最終話投下します。
ロダに上げたので、下のURLからダウンロードしてお読みください。
パスワードは設定していません。
エロは1章のみとなります。
全6章になります。

鉄猫12「days」-1章「営み」
http://firestorage.jp/download/827b72802836bbcba300486836711e75e1ec8a97
鉄猫12「days」-2章「余命」
http://firestorage.jp/download/88b1cfa947b98dbd7b736d3d83080a4b30bd5353
鉄猫12「days」-3章「喪失」
http://firestorage.jp/download/c9f2f6a04344e061606b864d2b91ee057377d229
鉄猫12「days」-4章「予感」
http://firestorage.jp/download/6c3baa607f6d533682128003d38fa96046798a24
鉄猫12「days」-5章「写真」
http://firestorage.jp/download/68000c8e3971ac1d925f306fd3e0b36e2b5a39c6
鉄猫12「days」-6章「日々」
http://firestorage.jp/download/4549c227b1bda27bc8746b4b1080b738adf59051

424 :
いやぁ……泣いたわ。
涙なみだの最終話、作者さんお疲れさまでした!
本当にGJ!
また続き、番外編で鉄仮面と雪子ちゃんに
会えるのを切に願っています!
本当にありがとう!

425 :
>>423
一話からずっと拝読させていただいておりました。
長らくの執筆お疲れ様でした。
番外編など構想がありましたら是非お願いします。

426 :
作者さん本当にお疲れ様でした
なんかこのスレの一時代が終わったみたいな寂しさがあります
エロも涙もある素晴らしい作品をありがとうございました!

427 :
うわあぁぁ
泣きました、ホントにこの作品に逢えてよかったです。
鉄仮面が雪子ちゃんが、周りの全ての人たちが
いとおしいです。
作者さまお疲れさまでした。
ありがとうございます。
感謝と出逢えた喜びに乾杯です

428 :
最初の投下からほぼ6年間、ずっと楽しみに読み続けてました
笑いあり涙ありエロありのこの作品に出会えて本当によかった。もう子猫も立派な親猫じゃないか
長い間お疲れ様でした
鉄仮面と子猫たちの物語は一生忘れない

429 :
温かい感想レスありがとうございました。
皆様のお蔭で遅筆ながら完結にこぎつけることができました。
番外編は、いくつか考えておりますので、少し時間がかかるとは思いますが、
完成した際にはまたお付き合い頂けると嬉しいです。
永い間、本当にありがとうございました。

430 :
捕手

431 :
保守

432 :2013/08/21
保守ー
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