2013年10レズ・百合萌え107: 【ガスト】アトリエシリーズで百合 4 (965) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【ガスト】アトリエシリーズで百合 4


1 :2012/08/10 〜 最終レス :2013/10/03
アトリエシリーズ全般で百合であればおk
語ってもよし、SS投下どんとこい!
まとめサイト
https://sites.google.com/site/atelieryurisure/home
前スレ
【ガスト】アトリエシリーズで百合 3
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1324896324/

2 :
前スレおちたっぽいんで建てときました

3 :

トトミミアンソロ、1日目の分は昼頃に完売したらしいね

4 :
トトミミアンソロ届くの楽しみ

5 :
おつー

6 :
というわけで前スレのアーベルの続き投下します。今回はエロなしです。

7 :
「ふんふふーん」
ウィルベルはご機嫌な様子で鼻歌を歌い、ソファーに寝転がりながら魔導書を読んでいる。
足は所在なさげにふらふらと動き、頬杖をつきながらぺらぺらとページをめくっている。
そんな様子をアーシャは釜をかき回しながら眺めていた。
―ふふ、ベルちゃんもまだ子供なんだなあ、かわいいっ。
まだあどけなさを残すウィルベルの姿をみて思わず頬がゆるむアーシャであった。
 例の一件以来、ウィルベルは今までにましてアトリエに顔を出している。暇さえあればアトリエにいるといってもいい。
見せる姿も変わっている。今までではアーシャの前で魔導書の勉強をすることはなかった。ようするにウィルベルは、
何かの用があるというわけではなくアーシャのいるアトリエにいるそのためにアトリエに来ているのである。
「ふぅ。ベルちゃん、一段落ついたからお昼にしよう」
「うん。手伝うよ。」
 時は戻ってアトリエである。アーシャがいつものようにウィルベルをお昼に誘っていた。
ウィルベル自身は料理ができるわけではない。しかしここのところは積極的にできることを手伝っていた。
「よし。ベルちゃん、それとって」
「これね、はい」
 そのとき食材をつかんでいたウィルベルの手にアーシャの手が重なった。キッチンに二人でいるとなれば大分狭い。
こういうことはよく起こる。今回もウィルベルが顔を赤らめうつむいてしまうことまで含めて例にもれなかった。
しかしアーシャはその様子には気づかず作業を続行している。
―むう、いい加減気づいてくれてもいいのに。アーシャのばか…
 先日の一件の後、ウィルベルはアーシャに好意を持ち始めていた。というより気づかされたという方が正しいかもしれない。
同年代で親しい少女に恋をするというのは当然の帰結であった。
そんな気持ちに気づかれないことがちょっと悔しくて服の裾を握った。
「どうしたの?」
「ん、なんでもないっ」
「ふふ、甘えんぼさんなんだから」
子供扱いされ気持ちは伝わらずますますもどかしい思いをするのであった。

8 :
 二人は料理に舌鼓をうち、話が弾み、片づけを終えて今はソファーで一休みしている。
たわいのない話をしてアーシャのとなりで過ごす時間はウィルベルにとっては好きな時間だった。
しかし今日は様子が違った。
「あのね、ベルちゃん」
深刻そうなアーシャの声にウィルベルは意識を向ける。
「あの時はごめんね。勢いであんなことしちゃって、ってあれ。ベルちゃん、ものすっごく怒ってる?」
ウィルベルとしては別にあの時のことに不満があったわけではない。自分の気持ちに気づかず勝手に嫌なことをしたと謝られ、
自分のなかで何かが切れるのを感じた。ぐいとアーシャと体を密着させる。
「ベルちゃん、あの…ちょっと近いよ…」
後ずさるアーシャの肩を持つ。そのままソファーに押し倒し覆いかぶさる。そして、
「アーシャのばかっ、鈍感!あたしが好きなのも知らないで!」
「え?えええぇぇぇっ」
「あたしは嫌だなんていってないのに!」
「えっと…」

「……責任とってよね、あたしをこんな気持ちにしたんだから」
急に語調を和らげ、まっすぐと見つめながらしおらしげに言うその姿はとどめの一押しであった。
突然押し倒され、告白され、アーシャの理性は限界だった。
「ベルちゃん!」
むぎゅっとウィルベルの身体を抱き留め引き寄せる。
「きゅ、急に何するのよ」
「あーもうベルちゃんかわいい!」
そのまま器用にウィルベルの身体をひっくり返し上下を逆転させる。アーシャの腕の間でウィルベルは恥ずかしそうに顔をそむけた。
「っ…、今度は優しくしてよね…」
「わかったよ、ベルちゃん」
そう言ってウィルベルに体を密着させ口づけをかわした。
「んっ…」
声を漏らすウィルベルがかわいくて、ちょっと意地悪したくなって舌を滑り込ませた。
おどろいた表情をし、目でダメだと語ってきたがアーシャに許すつもりはない。
ウィルベルの舌をノックするとウィルベルの方からも舌を絡ませてきた。
しばらくそうしていただろうか。息が苦しくなりどちらともなく口を離した。
「ふぅ…、ベルちゃん、好きだよ」
「むぅ、順番が違うよ…」
「ごめんね、でもベルちゃんがかわいいからいけないんだよ」
「ばか…」
「ねえ、ベルちゃん。この前みたいなことしたいんだけど…」
「こんどはやさしくしてよね…」
そういってウィルベルはうなずいたのであった。

9 :
「もう、やさしくしてって言ったのに!」
「ごめん、ベルちゃん。」
ウィルベルは結局行為が激しくなってしまったことに不満をいっていた。それをアーシャはばつが悪そうに聞いていた。
「キスして…」
「えっ?」
「キスしてくれたら許してあげる」
そのまま何も言わずアーシャは口づけをした。ウィルベルもその身をゆだねた。
「ところでベルちゃん。今日泊まっていかない?」
特段断る理由があるわけではない。ウィルベルは快諾しこの日の夜はかしましくふけていった。かくして二人は結ばれることとなったのである。







〜後日談〜
「ふあぁ〜」
ある朝アーシャはウィルベルが寝ている隣で目を覚ました。起こさないようにそっとベッドを抜け出し朝ごはんの準備を始めようとした。
「あれ?手紙が来てる」
ウィルベルと仲良くしていたアーシャのもとには大婆様からたびたび手紙と贈り物が届けられていた。
今度はなんだろうと手紙を見てみてアーシャは固まった。
「末永くお幸せに」という言葉とともに指輪が二つ置いてあったのだ。
「これって、そういうことだよね。うん、頑張らなきゃ」

「ベルちゃん、ちょっと左手出して?」
「ん?なになに」
その薬指に指輪をはめた。ウィルベルは始めぽかんとした後、急に顔を赤くした。
「うん、よく似合ってるよ」
「なななっ」
「ほら、ベルちゃんからもおねがい」
指輪を差し出す。ウィルベルは動揺しながらもアーシャの左手に指輪をはめた。
「ありがと。これでずっと一緒だね」
その発言にまたウィルベルは顔を赤くしたのであった。

10 :
いじょうでおしまいです。お粗末さまでした。
前回から地味に二週間以上開いちゃいましたね、すいません。時間がたつのって早いです…


11 :
GJ!
大婆様の贈り物はつまり「責任は確実に取るように」っていう念押しだよねw

12 :
>>7
乙です
それにしてもスレ落ちてたのか…

13 :
おし、トトミミげっと

14 :
トトミミアンソロやばすぎて禿げた
なにより一冊丸々トトミミってもうそれだけでぐへええええ
参加者の皆様には心よりお礼を申し上げたい

15 :
>>14
アンソロゲットおめ
手元に届くのが当分先になりそうだから、感想が聞きたい

16 :
>>15
とりあえず先頭に数ページカラーイラストがあるんだけど、もう俺はその時点で悶えた。
他は、なんというかもっとピュアトリフネタ多いのかと思ってたけど、結構少なかったな。
で、全体的にミミさんが乙女で、トトリ先生が少し押し押し?的な。まあ基本ですな。
時間軸もトトリエだったりメルリエだったり両方あるから、トトリエ時代のうぶなトトミミも見れちゃうぜ
まあつまり、俺は大満足でした

17 :
虎で買ってもよかったけどせっかくだしコミケに行って買ってきた
>>3見てちょっと不安だったけど
とりあえず今後はアーシャの方も百合本出てくれるの期待

18 :
ベルちゃん、ニオと初対面の時は「ウィルベルさんって呼びなさい」って言って、ニオも素直にそう呼んでる。
だけど女子会エンドでは呼び方が「ベルちゃん」に変化している。
女子会エンドまでの二人に一体何があったのだろう…

19 :
仲良し姉妹に入れなくてベルちゃんが拗ねたイベントと似たようなやり取りでもあったんじゃない?w
ニオのところに遊びに来たりでベルニオも仲良くて微笑ましいよね(お姉ちゃん視点)

20 :
アーシャがニオと四六時中べったりで、構って貰えなくて拗ねるウィルベル。
そんなある日、ウィルベルは出来心から、嘘をついてニオと約束のあるはずのアーシャを遊びに連れ出してしまう。が、すぐニオ本人にばれる。
本気で怒るニオ。素直に謝ればいいのに、ついウィルベルも逆ギレして大げんかになってしまう。
後になって一人で反省しまくるウィルベル。言い過ぎたことを後悔するニオ。でもお互い気まずくて、なかなか会って謝ることができずにいて……

みたいなことがあって結局仲直りした後、
「これからはわたしもベルちゃんって呼んでいい?」
「……仕方ないわね。特別に許可してあげるわ」
なんてことになったのではないかと予想。

21 :
アーシャをはさんで二オとベルちゃんで微妙に三角関係っぽいといいな
作中だとそんなにシーンは多くないけども

22 :
姉リンカがアーシャを拉致して、おどおどするアーシャを街中連れ回したり
アーシャにあんなことやこんなことする
みたいな妄想してたら朝だった
あーいい加減pink規制解除されないかな

23 :
ところで保管庫最近更新止まってるみたいだけど暫定的にでもwiki作った方がいいだろうか
ちょっと意見を聞かせて欲しい

24 :
最低限過去ログが残っていればいいと思うけど
pixiv等に転載されてない作品を保管しておくのはいいかも

25 :
攻略本出たみたいだしイベント全部見るため2週目行こうかな

26 :
今週休みだから自分も2週目やってるよ
とりあえずどノーマルエンドがどんな感じか見てみたいので
ちなみに一週目はキースエンドだった…

27 :
どうもアーシャは百合妄想できない
やっぱりトトリちゃん最高や

28 :
トトリとミミは変な男フラグが薄くて良い
ロロクーも好きだけどオッサン騎士がややウザかった

29 :
ロロアトは男をパーティーにまったく誘わなければ良いだけですし・・・
厨二病さんはまだいいとしてG様とか地雷でしかない

30 :
SS投下します。
メルケイ。久しぶりの投下で久しぶりのロロナ先生のパイネタ。

31 :
 今日もよく晴れたある日のこと。メルルのお世話係兼メイドのケイナは、せっせとアトリエの掃除をしていた。それ自体は、ここの日常光景の一つであるのだが――
「じー……」
「……」
「じー……」
「……」
「じー……じろじろ……じー……」
「……あの、ロロナ様?」
「なぁにけいちゃん?」
 掃除をしているケイナに向けて、妙に熱い視線を送っているロロナ。何か用事でもあるのだろうかと、ケイナが声を掛ける。
「先ほどから私のことをじっとご覧になっていますけど、何かご用でしょうか?」
「ううん。なんでもないよ。けいちゃんおしごとがんばってるなーっておもって」
「そうですか……」
 それならばと、ケイナは掃除を再開する。
 が、
「じー……」
「うぅ……」
 やはりロロナから、ただごとではない目で見られている。
「あの、メルル……」
「ん? どうしたのケイナ?」
 邪魔をするのは悪いと思ったが、ケイナは錬金術の本を読んでいたメルルに小声で声を掛ける。
「その……先ほどからロロナ様が、私のことをじっと見ているのですが……何かあったのでしょうか?」
「ケイナが可愛いからじゃないの?」
「メルル……私は真面目に聞いてるんですよ」
「失礼な。わたしは真面目にケイナを可愛いと思ってるよ!」
「だからそうじゃなくて……」
 真面目にボケ倒すメルルをどうしたものかと、ケイナは頭を抱える。
 と、その時。
「ひらめいた!」
 ロロナが急にポンと手を叩いて、調合釜に駆け寄った。
「メルルちゃん、ロロナ、ちょうごうするからねー」
「うん、いいけど。また新作のパイ?」
「うん。けいちゃんをみてたらねー、すっごいパイをおもいついたのー」
「私を見て……ですか?」
 ロロナが先ほどからケイナを見つめていたのは、それによって新作のパイの構想を練っていたらしい。
「へえー。ケイナを見てて思いついたパイか。楽しみだね」
「できたらメルルちゃんたべてみてねー」
「いいの?」
「うん! まっててねー」
「あの、メルル……食べるとまた不思議なことが起こったりするのでは……」
「その可能性はあるけど、ケイナを見てて思いついたパイなんだから、きっと素敵な効果だよ」
「はぁ……本当に大丈夫でしょうか」
 一人心配そうなケイナをよそに、ロロナはいつものように歌いながら釜をかきまぜている。
「れんきんれんきんってなんだ〜♪ ふりむかないことさ〜♪ パイってなんだ〜♪ ためらわないことさ〜♪」

32 :
 そうしてしばらく経って――
「できたー!」
 ロロナの新作パイが完成した。
「メルルちゃん、たべてー」
「待ってました!」
 ワクワクしながら待機していたメルルは、出来たてのパイを早速一人分切り分ける。
「それじゃあ、いただきまーす♪」
 警戒心ゼロで、メルルはパイにかじり付いた。
「ん……モグモグ……」
「……どうですか? メルル」
「特に何にも。普通にすごく美味しいパイだよ」
「ねえねえメルルちゃん」
「なぁにご主人様?」
「……えっ?」
 唐突にメルルの口から出てきた聞き慣れぬ呼称に、ケイナの目が点になる。
「えっ? 今、わたし、ご主人様のことご主人様って――あれ? 何これ!?」
「め、メルル……ひょっとしてその『ご主人様』というのはロロナ様のことですか?」
「うん、そのつもりなんだけど、何でかご主人様って呼ぼうとしてもご主人様って……ああ、やっぱりダメだぁ!」
「えっへっへー。メイドさんパイだいせいこー!」
「め、メイドさんパイ!? まさか、食べたらメイドになっちゃうの!?」
「あたり! たべると、パイをつくったひと、つまりロロナのメイドさんになっちゃうんだよ」
「そ、そんなぁ……わたし、お姫様で錬金術士で、その上さらにご主人様のメイドまでしなくちゃいけないの?」
「えっと……メルルがロロナ様のメイドになると、私の立場はどうなるのでしょう?」
「メルルちゃんがメイドさんだから、けいちゃんはメイドさんのメイドさんだね」
「はあ……何だか、直臣からいきなり陪臣にされたお武家さんみたいですね」
「さあメルルちゃん。さっそくメイドふくにきがえてね」
 ロロナはにこにこ笑顔で自分の秘密バッグから、フリフリのメイド服を取り出す。ケイナが来ているものより若干露出度が高めで、作業効率よりも見た目を重視したタイプだ。
「はいご主人様。……って、何か逆らえないし! ちょっとご主人様! メイドさんになっちゃうとか可愛く言ってるけど、これって人の心を支配する系のアイテムだよね!?」
 ロロナの不思議なパイが使いようによって危ないのはままあることだが、これはちょっと洒落にならない。完全に『つくっちゃだめリスト』入り確定だ。
 だがしかし、今現在のメルルはロロナの忠実なメイドでしかない。言われるがまま、メルルはメイド服に着替える。着替えを手伝うケイナはどうにも複雑な表情だった。
「あの、ご主人様。このパイの効果って、いつ切れるの?」
「さー?」
 メイド姿になったメルルの質問に、ロロナは首を傾げる。とぼけている風ではなく、本当に分からないらしい。
「ロロナ、いっしょうけんめいつくったから、きっとながもちするとおもう」
「そんなに気合い入れちゃったんだ……」
 下手をすればこれから数日、ロロナのメイドということかもしれない、と。げんなりするメルルだが、まだ希望はある。
「ただいまー」
 タイミングよく、用事で出かけていたトトリが帰ってきた。
「ああ、トトリ先生いいところに! 何とかして下さい!」
「あれ? メルルちゃん、いつメイドさんに転職したの?」
「いえそうじゃなくて、パイですよパイ! ご主人様の!」
「ご主人様?」
「えーっと、そうじゃなくて……」
 一旦気持ちを落ち着けてから、メルルはかいつまんで事情を説明する。

33 :
「なるほど……食べたら作った人のメイドさんになっちゃうパイ、か」
「わたしはご主人様に逆らえないし、いつ効果が切れるかも分からなくて……トトリ先生、何とかなりませんか?」
「うん……」
 トトリは一つ頷くと、いつになく真剣な目でロロナに向き合った。
「ロロナ先生」
 そして鋭い声音で呼びかける。
(おお、さすがトトリ先生……!)
 たとえ自分の師が相手であっても、締めるところはキチンと締める。メルルは改めてトトリへの尊敬の念を深めた。
「なぁに? トトリちゃん」
「そのパイのレシピ、教えて下さい」
「何を言ってるんですか何を言ってるんですかトトリ先生ーっ!?」
 深めた尊敬の念が一瞬にして子供用プール並の浅さに浮上した。
「誤解しないでメルルちゃん。わたしはあくまで錬金術士として、学術的意義のため教えを乞おうとしているの。それにレシピが分かれば、効果を解く薬なんかも作れるかもしれないでしょ」
 一点の曇りも無い目で、トトリはメルルに語りかける。
「は、はあ」
「ミミちゃんにパイを食べさせてメイドさんにしちゃおうなんてことは、これっぽっちも考えていないからね」
「わざわざ念を押す時点で語るに落ちてます先生」
「ロロナ先生。お願いします」
 トトリはメルルの突っ込みを華麗にスルーして、もう一度ロロナに頼んだ。
「うん、いいよ。でも、ロロナのおねがいきいてくれたらね」
「はい! わたしに出来ることなら」
「えっとねー、まずおめめをとじて」
「はい」
「おくちをあーんして」
「あーん」
「えいっ」
「んぐっ!?」
 言われるがまま「あーん」をしたトトリの口に、一口大に切ったメイドさんパイが放り込まれた。
「だいせいこー!」
「だ、騙しましたねご主人様!」
「いや、今のはトトリ先生がちょろすぎます」
「さあ、トトリちゃんもメイドさんになったんだから、きがえてきがえて」
 トトリもパイを食べたということで、ロロナは早速もう一着メイド服を取り出して着替えを命じる。
「ああ、アトリエ内のメイド率が凄いことに……」
「本職はケイナちゃんだけだけどね……」
「えっへへー。もっとたくさんロロナのメイドさんこないかなー」
「ちょっ……ご主人様、まだメイドさんを増やす気なの!?」
 パイを切り分けてワクワク笑顔なロロナ。どうやらアトリエに来た人間を片っ端からメイドにしていくつもりらしい。
「このままじゃアトリエが、来る者全てをメイドに変えていく魔のメイド地帯に……でもわたしもトトリ先生もご主人様には逆らえないし……こんな時に、もしもルーフェスとかが来ちゃったら……」
 監督不行届として小言を食らうのはもちろん嫌だが、ルーフェスまでメイドにされてしまう恐れもなきにしもあらずだ。そんなことになれば、下手すればアールズ王国そのものが傾きかねない。

34 :
「ロロナ様。お待ち下さい」
 メルルが頭を抱えていたその時。楽しそうにメイド服を並べているロロナに向き合ったのは、ケイナだった。
(そうか! ケイナはパイを食べていないから……)
 あくまでメルルのメイドであるケイナは、自由意思を奪われてはいない。今アトリエにいる中では、唯一ロロナに対抗できる存在だ。
「なぁに? けいちゃん」
 無邪気な表情で応えるロロナだが、呼びかけたケイナはいつにも増して真剣な顔つきだ。
「ロロナ様は、何故メイドが欲しいのですか?」
「かわいいから!」
 ロロナは何の迷いもなく、元気よく答える。
「確かに。メルルやトトリ様のように見目麗しい方を、メイドとして傍に置きたいという気持ちは分かります」
「けいちゃんだってかわいいよ」
「恐れ入ります。しかしロロナ様。それは本当にロロナ様が望んでいることなのでしょうか?」
「どーいういみ?」
 ロロナは首を傾げる。
「私はメルルのことを心から慕い、お仕えしています。メルルのメイドであることは、私の誇りです」
「け、ケイナってば……」
 あまりに真っ直ぐなケイナの言葉に、横で聞かされるメルルはつい赤面してしまう。
「真のメイドとは、真心から主人に仕えるもの……しかしロロナ様。今のメルルとトトリ様は、ただパイの力による、仮初めのメイドでしかありません。それに一体、どれだけの価値があるのでしょう?
 ロロナ様。あなたが欲しいメイドとは、本当にその程度のものなのでしょうか? 真心からロロナ様を慕ってくれる……真に求めるべきは、そんな存在ではないのですか?」
「……」
 ケイナの話を聞き終えたロロナは、しばらく黙考し、大きく頷いた。
「そっか……うん。けいちゃんのいうとおりだね。ロロナ、まちがってた」
「おお、さすがケイナ……」
 どうやらケイナの説得コマンドが成功したらしい。ロロナは、用意していたメイド服を秘密バッグに仕舞い、お皿に切り分けたパイも一つの箱に詰める。 
 しかし、ロロナがこれ以上メイドを増やす意思をなくしたところで、メルルとトトリは現在進行形でメイドとして立場を縛られているわけだが。
「えーっと……結局わたしとトトリ先生は、パイの効果が自然に切れるのを待つしかないのかな?」
「あ、ごめんねメルルちゃん、トトリちゃん。きょうかぎりでおいとまをだすね」
「お暇を出すって、解雇ってこと? ロロナちゃんがそれ言うだけで効果が切れるなんて――あ、切れてる」
「わたしも大丈夫みたい。さすがロロナ先生のパイだね。融通が利くね」
「融通が利くってレベルですかこれ。こんな手軽に相手の意思を支配出来るとか恐ろし過ぎますよ」
 何はともあれ、ロロナのメイドさんを解雇されたメルルとトトリは、誰かに見られたりしないうちに、元の服装に着替える。
「ふぅー、ようやく落ち着いた……あれ? ロロナちゃんは?」
「ロロナ先生なら、残りのメイドさんパイとトラベルゲートを持って『くーちゃんとりおちゃんさがしてくるー』って出て行ったよ」
「ああっ、ケイナの言葉をそういう風に解釈しちゃった!?」
「パイの力に頼るのはよくない、という点をもっと強調するべきでしたね……」
 反省するケイナだが、時既に遅しだ。まあ、ロロナお目当ての二人なら、数日メイドさんをやるぐらいなら、喜んで付き合ってくれそうだが(クーデリアは仕事のしわ寄せが凄いことになるだろうが)。
「わたしもちょっと用事があるから、出かけてくるね」
「はーい」
 いそいそと出かけるトトリの手には何やらパイのレシピっぽいものが握られているような気がしたが、メルルはもう疲れていたのでスルーしておいた。

35 :
「やれやれ……ロロナちゃんのパイは油断大敵だね。ごめんねケイナ。注意してくれてたのに」
「いえ、お気になさらずに。それより、お茶を入れましょうか?」
「うん、お願い」
 ケイナはいつものように慣れた手つきでお茶の支度を始める。どこからどう見ても本職のメイドらしく、板に付いた挙動だ。
「ねえ、ケイナ」
「はい?」
 暖めたポットに茶葉を入れたケイナは、呼びかけられて振り返る。
「ケイナはさ、小さい頃からずっとわたし付のメイドだよね」
「そうですね」
 今さら確認するまでもないことだ。それが何か? とケイナは小首を傾げる。
「その……ケイナは、メイド以外でなりたいものって、なかったの?」
「……」
 短い沈黙。ケイナが答えるよりも早く、メルルは言葉を継ぐ。
「わたしは生まれた時からアールズのお姫様だけど、子供の頃から魔法使いとか冒険家だとか、色んなものに憧れたりして、今はこうして一人前の錬金術士を目指してるわけじゃない?
 でもケイナは昔からずーっとメイドだけだし、それ以外で何か、夢とか目標とか、ないのかなって」
「ありませんよ」
 きっぱり答えたケイナは、そのまま作業を続ける。ポットの中に熱湯を注ぐ。愛用の砂時計の天地を逆にする。
「ありませんって……夢も目標も何も無いの? それって、何て言うか……寂しいような」
「メルル」
 ぎくり、とメルルの体がこわばる。ケイナの声音には、怒っている――というほどではないが、些かの非難の感情が込められていた。
「メルル本人が質問の答えを『それ以外で』と限定されたはずですが」
「あ……」
「さっき私がロロナ様に言ったことを、聞いていなかったのですか?」
「えっと……」
 もちろん聞いていた。気まずげにメルルは視線をそらす。
 砂時計の沈黙が、程良い具合に紅茶が蒸らされたことを知らせてくれる。ケイナにとっては体感時間で十分そのことを把握できるので、この砂時計はあくまで確認のための道具に過ぎない。
「もう一度言います。私はメルルのことを心から慕い、お仕えしています。メルルのメイドであることは、私の誇りです。……付け加えるのなら、一生涯メルルにお仕えして生きることが、私の夢であり、目標です」
 白いティーカップに、綺麗な紅い液体を注ぐ。ほのかな湯気とともに、芳醇な香りが広がる。
「……この答えでは、ご満足頂けませんか?」
「いえもう大満足です」
 ケイナから入れ立てのお茶を受け取りながら、メルルは深々とお辞儀した。
「どうして今さらそんな質問をされたんですか?」
 そうメルルに訊ねるケイナの声は、いつもと同じように優しく、柔らかいものに戻っていた。
「いやぁ、その……さっき自分が一時的にでもメイドになってみてさ、わたしがメイドになるように、ケイナがメイド以外のものになる可能性もあるんじゃないかなー、なんて考えちゃって」
「確かに、そんな可能性もあったかもしれません。でも……」
「でも……?」
「私は私が何であったとしても、メルルの傍にいたいです」
 ケイナは真っ直ぐメルルの目を見つめて、言った。
「……いけませんか?」
 問うケイナに、メルルは音が鳴りそうな勢いで首を横に振る。
「いけないわけないでしょ。むしろわたしの方がケイナを手放さないからね、絶対」
 真っ直ぐにケイナを見つめ返して、メルルは答える。
「では私も……メルルを絶対に手放したりはしませんので」
「うん!……って、これって何だかプロポーズみたいだね。いっそ籍入れちゃおうか? 法改正して」
「ルーフェスさんの頭痛の種を増やすようなことはやめて下さいね。ただでさえ激務でお疲れなんですから」
「ちぇー」
 その提案が本気か冗談かは定かではないが、残念そうに唇をとがらせるメルルだった。

おわり

36 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
トトリのアトリエがVitaで出るかもしれないということで期待大。
どうせならアーランド三作全部出してくれないかな。

37 :
ハイパー乙。えがったで〜
Vitaの画質でどこでもアトリエは結構いいな

38 :
>>35
おっつー!やっぱりメルケイいいなw
せっかくトトアトvitaで出すならロロナのアトリエをバグ取り除いてロロクーロロリオイベント増やして出して欲しいなぁ

39 :
乙!!!!
メルケイいいわーさいこうだわー


で、続きはどこだい?

40 :
久々すぎて誰も覚えてなさげなトトミミ長編の続き投下します
前スレに1〜3話あるので…!!すいやせん!!一応ぴくしぶにもあります!

41 :
『ガラスの花』   4話
ちく。たく。ちく。たく。

部屋に置いてある時計の音がやけに大きく響く。
目の前に座るメルルちゃんは目を伏せて、何も言おうとしない。
今までの事を、ぶちまけるように話してしまった。
師匠としてこんな事話すべきじゃない、秘密にしておかなくちゃなんて意識ははじけ飛んだ。
もう、自分一人じゃ抱えきれない所まで来ていたんだと思う。誰かに聞いてもらって初めて分かった。
そっと息をつく。
ほっとした感情と、情けなさと、恥ずかしさが入り混じって頭が働かない。
でも、心の負担は確実に軽くなった。年下の女の子に甘えてしまうなんてどうしようもないけど、自分が弱い事なんてミミちゃんの件で自覚させられすぎた。今さらだ。
夕日の色が足元を照らす。
もう、こんな時間になっちゃったか。
「ごめんね。こんな話聞いてもらって。もう遅くなっちゃったから、そろそろメルルちゃんはお城に……」
「――――先生は」
口をつぐむ。気押されるようにして。
私の話を聞いてる途中、終始無言だったメルルちゃんが口を開いた。
見据えるようなその強い眼差しは、目線を逸らす事を許さない。
「先生はミミさんの事、どう思ってるんですか?」
どう? どう思ってる? そんなの決まってる。
「とも、だち……だよ」
「本当に?」
言い淀んだ私へ追い打ちのように疑問を投げかける。
急な質問にすぐ返す事が出来なかった。ここ最近悩んでいた事が、邪魔をした。
私は友達で居たくてもミミちゃんは分からない。だから、一瞬ためらった。
「本当に……友達だよ。仲直りして、私はミミちゃんと友達で居たいの。ミミちゃんとまた前みたいに笑ったり冒険したりしたいんだ」
「そうじゃなくて!――……いえ、すみません、私の質問の仕方が悪かったです」
一瞬語気を荒げたメルルちゃんだが、すぐに頭を振り目線を私から外した。
そして一端目を閉じ、私の方にゆっくりと目線を戻す。
その時にはいつもの優しい瞳のメルルちゃんだった。

42 :

「差し出がましい口を聞いてしまいそうなので……今は、何も言いません。ただ、先生はもっとミミさんに対する自分の気持ちを見つめ直してもいいと思います」
ぽかんとする。
見つめ直す…?ミミちゃんへの自分の気持ちを?それは毎日否が応でも考えてるんだけど、それとは違うのかな。
どう捉えていいのか分からなくて、困ってしまう。
情けなく眉が下がり途方に暮れる。
そんな私を見てメルルちゃんはふぅと小さく息を吐く。
「結局余計な事を言ってしまいました。すみません。……今日はこれで失礼します」
立ち上がって、ぺこりとお辞儀を一つ。丁寧なその仕草をぼんやりとした頭で見送る。
パタンという扉が閉まる音が響いた時に、ようやく挨拶を返し忘れていた事に気付いた。
はぁ、と息を吐く。相談に乗ってもらっておいてお礼どころか、挨拶すらしない年上ってどうなんだろう。ぼんやりしてたと言えばそれまでだけど。
それ以上に、衝撃を受けたのかもしれない。
――――ミミさんの事、どう思ってるんですか?
ミミちゃんが私の事をどう思ってるのかじゃなくて、私がミミちゃんをどう思ってるのか。
当たり前すぎて今まで深く考えていなかった。
「私は……ミミちゃんと、また友達に……戻れれば、それで……」
本当にそうなの? 他人問われて初めて感じた微かな違和感。
ミミちゃんに会えないのは何故? 
怖いから。
何故怖いの? 
もう友達だと思ってくれないかもしれないから。
友達じゃなくなるのがそんなに怖いの? 
怖い。たまらなく怖い。
何故そんなに怖いの?
だって友達じゃなくなったら、ミミちゃんはきっともう会ってくれなくなるから。
会えなくなるのがそんなに怖いの?
だってミミちゃんは―――大切な、友達だから。
私はどこかで間違っているのかな。



紅茶をソーサーの上に戻し、メルルちゃんが口を開く。

43 :
「先生、ミミさんとは会ったんですか?」
メルルちゃんはここ毎日、工房に顔を出す。
日常のやり取りと化し始めている、この質問。
「……ううん、まだ」
そして私の返事も決まっている。
「会いに行かないんですか?」
当たり前のように飛んでくるやりとり。私の踏ん切りがつかないのをメルルちゃんも分かっているせいだ。
ただ、心配して聞いてくれてるのは分かるんだけどこの質問を毎日されると憂鬱にもなる。
ミミちゃんに一番会いたいのは私。けれど私が弱虫だからとてもじゃないけど会いに行く勇気がない。
「ミミさんも会いに来てないんですよね?」
目をそらしながら小さくうなずく。
そう、そうだ……ミミちゃんが帰って来てから1週間。まだ、会いに来てくれていない。
やっぱり、もう――。
「きっとミミちゃんは、私の事嫌いになったんだよ……」
握りしめたこぶしに力が入る。事実を事実として言葉に出すだけで、どうしてこうも心が軋むのか。
分かっていた事なのに。自分の事しか考えてない私なんか、ミミちゃんはきっと幻滅したろうから。
「そんな事、ないと思いますよ。ミミさんに限って先生を嫌いになんて……」
その言葉にカッと血が上る。
ミミちゃんが私を嫌いにならない保証なんて、最初からどこにも存在しないのに。
「っ!! どうしてそんな事言えるの!? 何にも…分からないのに!!!」
噛みつくような言葉づかい。
はっとしてメルルちゃんの方を見ると、まん丸な目をして私の方を見ていた。
なんて事を。勇気がない私が悪いと言うのに、その苛立ちをメルルちゃんにぶつけるなんて何をしているのだろう。
「あ、ご、ごめん、ごめんなさい、メルルちゃん! あ、あんな事言うつもりじゃなかったんだけど」
「トトリ先生」
言い訳を遮るように、メルルちゃんが強く私の名を呼ぶ。
「以前もお聞きしましたが、先生はミミさんの事、どう思っているんですか?」
「どうって……どうしたの?突然」
「いいから。答えて下さい、先生」
有無を言わさぬ口調。なんとなく背筋が伸びる。
ここ一週間考えてても結論が出なかった。いや、結論は出ている。出ているがどうしても違和感を覚えてしまうだけだ。

44 :

「だから、ミミちゃんは私の友達で……」
必然回答も弱弱しいものになる。自分自身の立ち位置すら曖昧だ。
「本当にそうなんですか?」
「…………」
私の揺らぎを見通しているかのようにメルルちゃんは追撃してくる。
何も言葉を返せなくて私はメルルちゃんから足元へ視線を移す。足場が揺れる錯覚すら覚えそうなくらい、もはや自分自身の言葉に自信をもてない。
私もメルルちゃんも無言のまま。重苦しい沈黙。
ふっと空気が抜けるような音が聞こえた。
「すみません、先生。困らせるつもりはないんですけど……」
「……ううん、私が、悪いの。自分の事すらよく分かってないから……ごめんね」
小さく笑んだメルルちゃんが気づかうようにこちらを見ている。
そんな顔をしてこちらを見られると、どっちが師匠で弟子なのか分からなくなってくる。
「自分の事って案外分からないと思います」
「そう、かな」
「はい、他の人に聞く方が解決しやすい事だってありますよ」
にこやかな笑顔に元気を分けてもらう。あぁ、私もこんな風に晴れやかにまっすぐ自分自身を保てたらいいのに。
「そっか。そうかもね。メルルちゃんは私がミミちゃんの事どう思ってるように見える?」
何気なく自分の気持ちの整理のきっかけになればいいと思って投げかけた質問。
メルルちゃんはちょっと動きを止めた後、まじまじと私の顔をみた。
そして、少し目をつぶった後大きく頷いた。
「私はトトリ先生はミミさんの事、愛してると思いますよ、もちろん恋人として」
―――――――――――え?
突然の爆弾に私は何も反応が返せなくなる。
私が、ミミちゃんを、愛してる?
「そ、そんな事!ないよ!ミミちゃんと私は、友達なんだもん!」
「傍から見てると、先生、ミミさんの事すごい大好きだと思いますが……」
「ち、違う!……違うよ」
思い出すのは仮の恋人期間の事。
あの時私はただ慌てふためき、関係が変わる事を恐れ、自分を守るにはどうしたらいいのかしか考えられなかった。
きっと好きな人に告白されたなら、もっと素敵な関係になれたはずだ。嬉しかったはずだ。
好きって言う気持ちがどういうものなのかよく分からないけれど、あんなふうに自分自身の事しか考えられない気持ちとは違うんだろうと思う。

45 :
「ミミちゃんの事は大好きだけど、きっとそういう想いとは……違うと思うの」
「どうしてそう思うんですか?」
「それは……上手くは、言えないけど……」
「けど?」
「…………ごめんね、やっぱりなんて言っていいかわかんないや」
笑顔を繕う。メルルちゃんは無理矢理笑っている事なんて分かっているかもしれないが、こうでもしないと私が崩れてしまいそうだった。
メルルちゃんは難しそうな顔をして私を見ている。
ごめんね、迷惑ばっかりかけて。こんな情けない先生で、ごめんね。弱虫で、ごめんね。
ごめんね。
――――全く、あんたはいっつもそうなんだから。迷惑とか、今さらよ。
――――もう謝らなくていいわよ、そういう時に言う言葉は他にあるでしょう?
懐かしいやりとりがふと思い浮かぶ。私が何かに失敗して、ミミちゃんに迷惑をかけた時にごめんねって何度も謝った時にミミちゃんが言ってくれた言葉だ。
続きはなんて言ってたっけ。他に言う言葉、か。
それにしてもこんな時ですらミミちゃんが思い浮かぶなんて、本当にミミちゃんの事が今の私の頭の大部分しめているんだなぁ。
「トトリ先生?」
「―――え? あ、何? メルルちゃん」
思考が飛びかけていて、反応が少し遅れてしまった。
「いえ、ちょっと先生の視線が明後日に向いてたので……ってそうじゃなくて!」
「うん?」
「先生はミミさんの事、そういう意味で好きじゃないんですよね?」
「…………うん」
「それは、先生は―――このままミミさんが誰かに取られちゃっても平気って事ですよね?」
「え……?」
ミミちゃんが、他の誰かに?
ぽかんとする。同時に波打つ心臓の音がやけに大きく聞こえ始めた。
そう、そうだ。当然のことだった。ミミちゃんが私の事を嫌いになれば、他に好きな人が出来てもおかしくない。
そして私にしたように告白して、その人と付き合ったりするかもしれない。
いや、ミミちゃんのことだから誰かに告白されたって―――。
一気に色んな考えが頭になだれ込んでくる。
でも、私は、ミミちゃんの友達で……だから、答えは決まっている。
「平気、だよ。ミミちゃんがそれを望むなら」
「…………トトリ先生」


46 :
私の『心から』の笑顔をみたメルルちゃんは眉を寄せ、ぐっと口を真一文字に結んだ。
メルルちゃんらしからぬ、怖い顔かもしれない。
「分かりました……。先生、今まで伝えていなかった事があります」
「何? メルルちゃん」
目線を逸らしながらメルルちゃんが告げる。
「ケイナは……ミミさんの事が好きなんです」
どくん。体の中心から大きく音がした。

「今まで先生に遠慮して言いだせませんでした。先生が気にしないと言うのなら、ケイナに告白するよう伝えます。――いいですか?」

いいも、悪いも。
「……何で、私の許可がいるのかな」
私に選択権なんて。
「良いに決まってるよ。選ぶのは、ミミちゃんだから」
ない。
わかりました、そう答えたメルルちゃんの声は耳鳴りにまぎれて霞んだように聞こえづらかった。


47 :
トトミミアンソロが萌えすぎて毛根滅しそうな作者です。
続きが遅すぎてすいません、ほんとすいません!!
話もようやく動いたのでちょっとほっ。続き頑張ります。
ここまで読んで下さってありがとうございました!!!

48 :
待ってたよ〜
もどかしいですが続きも期待してます

49 :

メルルが言ってるのはブラフ…だよね?
でもそれだと自分じゃなくてケイナを出したというのがひっかかるし…

50 :
乙!
なんという先の気になる終わり方なんだ
続き期待して待ってます

51 :
久々に帰省先から帰ってきてのぞいてみたらss連投じゃないですか
両作者さまGJです

52 :
上でもちょっと話題になってるけど
トトミミアンソロはどうだった?

53 :
悶える

54 :
全てを投げ捨ててでも買うべき。

55 :
いやもう持ってて何度も読み返してるんだけど、百合スレのみんなはどんな感想だったのか気になったんだ。
俺は色んなトトミミ模様が楽しめて、質・量ともに大満足でした。
何気にというか必然というか、フィリーさんの登場率が高めなのも嬉しかった。

56 :
周りのキャラもでるのはいいよね

57 :
やっとPS3買ったんだけど、このスレ的にはどれを買うのがベストなの?アーシャはアカンということはわかった

58 :
時間と予算に余裕があるならロロナ、トトリ、メルルに順番でやることをオススメする。
どれか一本というなら人にもよるだろうけどトトリかな。
ただトトリはVitaでプラス版がでるかもしれない(中国サイトの情報)ので、その辺も踏まえて判断してくれ。
アーシャもそれほど悪くはないよ。トトミミみたいなガチのカップリングがないというだけで。

59 :
やっとトトミミアンソロ読めた
自分の書いた文書が紙媒体になってるのを見ると、やっぱり感慨あるね
前スレで、ここの住人に「寄稿するか悩んでる」って相談したら、「せっかくなんだから頑張れ」って激励貰ったお陰だわ
しんどかったけど、やってよかった
ありがとうな!!
願わくは、みんなも楽しんでくれますように

60 :
>>58
わかった、ロロナからやってみるわ。ありがとー
まだゲーム自体はよくわからんがパルフェで100時間やったし錬金系なら大丈夫なはず・・・

61 :
百合的にはメルル一択なだけで別にアーシャがつまらんわけじゃないよ
最近変なのが粘着してたたいてるけど

62 :
百合的にはメルルよりトトリの方が美味いと思う
メルルはなんか情緒がやや欠ける

63 :
>>59
乙でした!

64 :
メルルは百合的に悪くないんだけどちょっとね・・・w百合度自体はアーランドシリーズトップだと思う
百合度そのものはメルル>ロロナ>トトリって感じ、トトリはミミちゃんと百合ん百合んになるまでの物語だからって部分が大きいけど

65 :
メルルは面白いし百合的にもいいんだけどエンディングがなぁ・・・
ゲームとしてはトトリが一番面白いと思う

66 :
トトミミも好きだけどメルケイ大好きの自分はもうメルルが一番プレイ時間長いな

67 :
>>59
アンソロお疲れ様です
楽しませてもらいました♪

68 :
メルケイはもっと流行るべき

69 :
>>57
アーシャはニオもベルちゃんとの絡みもそんなに悪くないと思う…
ゲームも新しい分やりやすくて初心者向きって感じ
正史がキースエンドらしいのがアレだけど、恋愛的な関係でもないし
二オも一緒に来るから、個人的には許容範囲かなあ
個人的な一番のマイナスポイントは立ち絵による会話がなくなったこと

70 :
えwキースエンド正史なん?
まだ一周目でキースエンドで放置してた

71 :
>>66,68
メルケイは自然体で夫婦やってる感じがいいよね
何の躊躇いもなく好き合ってる雰囲気がロロクートトミミにない魅力というか…
もちろんツンデレはそれはそれですごく美味しいけどね

>>70
必ずしも真エンド=正史ってわけじゃない
ザールブルグなんかはそのへん各エンディングのいいとこ取りみたいになってるし(仮にエリーがマイスターランクに進んでその後ふたりのアトリエ・アニスのアトリエを全部正史に含めたらマリーさんの年齢が…)
まあ続編が出るまで何とも言えないけどね

72 :
エリーなんかチーズケーキ屋開いてるっぽいしなw

73 :
>>71
キースエンドは割と好きなんだよねw
他を見てない俺が言うのもなんだけどw
まぁニオちゃんがついてこない展開なら感想は変わってたがw

74 :
>>71
なんか攻略本に書いてあるらしい
まあマルチEDのゲームだから深く考える必要はないけど
続編が出る場合はエリーみたいに旅の途中で病気を
治してあげた女の子がアーシャの弟子入りしたがるとかそんな始まりになるかも

75 :
>>74
攻略本には「真エンディング」としか書いてないけど…
どこかにこれが正史になるって記載あった?

76 :
そうなんか
自分は本スレで前にそういう書き込み見たんで
攻略本に何か解説があるのかと思ってたけど違ったならスマン

77 :
ベルちゃんのイベント、ED見ると
アーシャとベルちゃんはガチ百合にしか見えない

78 :
えーと確か、大婆様に結婚のお許しを貰いに行くんだっけか(曲解)

79 :
(擬似も実も)姉妹ネタで攻めてくるパターンはアトリエだと初めてだよね?
ニオとのほのぼのもいいんだけど、そこに嫉妬するベルちゃんがかわいすぎて
もうアーシャのお姉ちゃん魂が破裂寸前やばい

80 :
vitaでトトリちゃんきたよ!

81 :
VITA持ってない

82 :
評判良かったらトトリのためにヴィータちゃん買っちゃいそうな勢い

83 :
新展開の序章ってことはまだ何かやるんだろうけど
さすがにアーランド4を出すとも思えないしアニメ化でもするんかね

84 :
理想は携帯機で新作(ピアニャのアトリエとか没になったアーランド過去話とか)。
アニメ化は内容によるかな。
新しいコミカライズとかノベライズとかドラマCDでも十分嬉しいけどね。

でもソーシャルはやめてほしい。

85 :
ミミちゃんミミちゃん、ソーシャルってなんだい?

86 :
>>85
ミミ「ソーシャルゲームって言って、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で提供されるオンラインゲームよ。ここで>>84がやめてほしいって言ってるのは、携帯電話やスマートフォンをプラットフォームにしたゲームのことかしらね」
トト「ふーん。でもミミちゃん。それって何かよくないの?」
ミミ「それ自体が悪いわけじゃないわよ。ちょっと前に課金だのガチャだので色々と問題になってて印象が良くないのと、せっかくの新作ならちゃんとゲーム機で遊びたいってとこじゃない?」
トト「そうなんだ。わたしはまたミミちゃんと一緒に冒険できるならどんなゲームでも嬉しいけど」
ミミ「なっ……ば、馬鹿なこと言ってるんじゃないわよ! どんなゲームでもなんて言って、いかがわしい内容のものだったりしたらどうするのよ!?」
トト「えっと、それってつまりわたしとミミちゃんがいかがわしいことをするゲーム……?」
ミミ「違う! 何でちょっと嬉しそうな顔してんのよあんたは!?」

87 :
>>86
2重の意味でGJ、確かに携帯ゲーは嫌だなぁ・・・嫌って言うか携帯自体持ってない・・・


トトミミのいかがわしいゲームはよ

88 :
マリオンや水着がきたのに、なんでここは過疎ってるんですかね
マリオンとリンカ入れてEDパーティでもう一周したいです

89 :
肝心のイベント追加が無しだからなぁ…
オディーリアがナナカやベルちゃんと絡むイベントが見たかったんだぜ

90 :
正直水着とかどうでもいいですし・・・
百合的なイベントとかあればなぁ

91 :
水着「イベント」ならまだ食いつくんですがねえ…
ダンジョンとか使用キャラじゃなくてイベントとか追加シナリオだったらいいのに

92 :
トトミミアンソロついに買えたー!
1話1話が短い分話の種類多いしページ数も多いおかげで満足のボリュームですた
トトミミはいいものだ・・・

93 :
おめ
とらの委託ページ見たらまだ在庫に余裕あるっぽいね
トトアトプラスが出た頃には完売するかな

94 :
とりあえず俺は二冊買ったw

95 :
メルルも出してくれええええええええええええええええええ

96 :
>>95
メルルのアトリエプラスかメルケイアンソロかどっちのこと?
前者はトトアトプラスが売れたらそのうち出るかも
後者は…人気がないわけじゃないけどトトミミほどには人集まらないかなぁ
俺も好きだけどねメルケイ

97 :
>>96
どっちも出してくれえええええええええええええええ

98 :
欲望に正直なヤツがいるなw
個人的にはまずはプラスで、発売後盛り上がった頃にアンソロ…
という形が理想なんだが、ほぼ単なる再発のプラスで果して盛り上がるのかどうか。
まずはトトリエ+の売れ行きに注視したい

99 :
何故殆ど欠片もないライメルより少ないのかメルケイ・・・pixiv的な意味で
いや、トトミミが強すぎただけだと思うのだけれども、メルルは根本的に旧作キャラが目立ちすぎなところあったからなぁ
メルケイアンソロはよ、はよ
ついでにロロアト+とメルアト+来たらねる

100 :
誰もロロクーアンソロと言い出さないことを嘆きながら寝る

101 :
ロロクーは公式のアンソロで満たされちゃってる感

102 :
ロロクー同士をここ以外で見たことがない
なぜだ
アーランド百合オンリーで増えるといいなぁ

103 :
むしろ俺はロロリオをだな…
ロロホムも見たい

104 :
ロロアスもだな…

105 :
わかった!!ここのみんなでアトリエ総合百合アンソロ出そう!!な!!俺買う役!!

106 :
>>103
ロロホムは
無垢なほむちゃんをロロナが手探りでリードするのか
師匠の仕込みで玄人はだしなほむちゃんがロロナを圧倒してしまうのか
どっちだろう?

>>105
じゃあ俺イベント行けずに委託分も買いそびれて泣く役!






orz

107 :
メルル「やっぱりショートヘアは、本当に可愛い子にしか似合わないじゃん?」

108 :
ロロナ「やだな〜そんなに褒めないでよ///」

109 :
ガールフレンズとかさすが百合板やでぇ

110 :
アーランド百合だと、ホムちむ(双方♀)とか、ちむ(♀)同士とかはあるのかね?
ちむ絡みだとエロは思い浮かばず、ほのぼの系を所望するが

111 :
ロロアトロロリオは公式漫画と公式アンソロでおなかいっぱいだからもっとください

112 :
みすった・・・『ロロアトのロロクーロロリオは』、だ

113 :
そういえば何でトトリだけコミカライズ無いんだろ?

それはさておき、ロロナ先生誕生日おめでとう

114 :
トトリはアーランドシリーズの中でも一番力入ってる作品だと思うんだけどなんでだろうね?

115 :
クーちゃんとミミちゃんのツンデレって同じツンデレでも全然違うよね
最初からデレッデレなクーちゃんとだんだんデレてくるタイプのミミちゃん
似てるようでまったく違うツンデレ2人・・・

116 :
つーか、それはロロクーが幼いときから一緒にいたからそうなだけであって、トトミミみたいなシチュならミミちゃん化してたはず

117 :
最初っからデレデレなミミちゃん、ツンケンしながら仲良くなるくーちゃん…ごくり

118 :
>>116
いやそれはわかってるんだがツンデレってなんだか奥深いなとw
・・・実際メルアトのミミちゃんはデレッデレですし

119 :
ミミちゃんはツンデレツンデレ言われるけど、
基本的に礼儀正しいし、目上の人は敬うし(設定資料集によると、くーちゃんとケンカした件も後日ちゃんと謝ってる)、
面と向かって「友達いないの?」「図星だった?」とか言っちゃうトトリに愛想尽かさず付き合ってくれるし、
ピンチの冒険者を善意で助けてあげたりするし(少しは打算もあるかもしれないけど)、
端から見ると割と素直な良い子だよね。

120 :
ミミはツンというよりはキョドってる感じだよね

121 :
トトリエ買ってからアーシャにとんで、改めてメルルに戻って買ったけど、初っ端からトトミミ全開だなw
ミミちゃんトトコンの意味を理解したわ

122 :
メルルはメルケイも美味しいです

123 :
メルルもVitaで出してほしいわー……

124 :
Vitaだと欲しいソフト他にないのがなぁ・・・

125 :
メルル移植するなら個別エンド増やしてほしい

126 :
そして、本体同梱でだしてほしい

127 :
本体同梱版アリで、メルロロもあとあと出してくれるなら
アトリエ専用機として買っちゃいそうだ…

128 :
個別END出されると俺みたいなアホな百合厨がED見るの辛くなるからやらないでほしいわ

129 :
どゆことだよw

130 :
メルルはケイナ無しで生きていけないし(生活的な意味で)、ケイナはメルル無しで生きていけないし(精神的な意味で)。
個別エンドがあったとして、誰のエンディングであってもケイナはメルルについて行きそう。

131 :
>>123
まあトトリだけ単発で移植しておしまいってことはないと思うがなあ

132 :
トトリ+のためにVita買った これでメルルが出ればVitaちゃんは報われる

133 :
ロロナはまだしもメルルは出るかなぁ・・・w
出てくれると嬉しいけどさ!

134 :
むしろロロナの方が可能性低いでしょ
大幅な作り直しになっちゃう

135 :
ロロナリメイクでフィリーさん14歳登場希望

136 :
>>134
あー、それもそうか・・・
単純に移植できないもんなぁ

137 :
>>135
フィリーさん14歳いいな
腐ィリーになる過程kwsk

138 :
メルルのフィリーさんはなんか違うよね・・・なんか・・・

139 :
少女時代のフィリーさんは…
A:若くして百合系腐女子の素質を開花させた手遅れ、もとい将来が楽しみな百合乙女。ロロクー・ロロリオの絡みを物陰からこっそりじっくり観察して養分を蓄える。一定期間百合分を摂取しないと干からびてぬ。天敵はお姉ちゃん。
B:トトリエ以降から想像出来ないほど、汚れを知らない純情な女の子。師匠あたりが過激な発言をすると、顔を真っ赤にして耳をふさいでしまう。少女向けの恋愛小説が好きだが、少しでも過激な描写があると、恥ずかしくてなかなか最後まで読むことができない。
社交的で有能な姉に、コンプレックスと憧れがない交ぜになった複雑な感情を抱いている。
C:外面はBだが内面は実はAなステルス腐女子。人畜無害な少女の仮面を被りながら、アーランドにおける百合道の隆盛のため、日夜努力を怠らない。お姉ちゃん? 何それ食えんの?

140 :
お姉ちゃんがいつお嫁に行ってしまうのかハラハラズキズキしているフィリーちゃん14さい

141 :
姉妹百合!そういうものもあるのか

142 :
大丈夫だフィリーさん
君の姉は40越えても独身なんだから手を出してもいいんだよ!

143 :
ロロナのアトリエ時代で既に手を出した(出された)後だったりして。
メルル時代まで姉妹仲がよくなかったのは、実はその時の黒歴史が原因とか。

144 :
姉妹百合ならアーニオ来ないかなぁ

145 :
アーニオはほのぼのイチャイチャした感じであんまりエロい方向には行きにくいよね

だがそれがいい

146 :
ニオ「お姉ちゃん」
アーシャ「ニオ」
ベル「…………」
ニオ「おねーちゃん」
アー「ニーオ」
ベル「ぐぬ……ぬぬぬ……」
ニオ「おねーえちゃーんっ」
アー「ニーオーっ」
ベル「ぬああぁぁ〜っ!!」
ニオ「うあっ。びっくりした!」
アー「いきなりどうしたの、ベルちゃん?」
ベル「どうしたもこうしたもない! なんなのあんたたち、急に交信なんか始めて!」
ニオ「交信?」
ベル「『お姉ちゃぁん、ちゅっちゅっ』『二オ〜、好きぃ』って言ってたでしょ!」
二オ「そこまで言ってないけど……」
ベル「言ってたようなもんよ! いきなり、もう! 意味わかんない!」
アー「うーん、意味とかはべつに……なんとなく……?」
ベル「『なんとなく……?』で、ひとを無視して名前呼び合わないでくれる?」
ニオ「あー、ウィルベルさん、羨ましいんだー」
ベル「は、はあっ?」
アー「そうなのベルちゃん?」
二オ「そうだよねベルちゃん」
ベル「ちがっ……どさくさに紛れてベルちゃん言うな!」
アー「ベルちゃん」
二オ「ベールちゃん」
アー「ベルちゃんちゅっちゅ」
二オ「ベルちゃんだいすきー」
ベル「やーめーてー!!」

147 :
ベルちゃんはもうちょっと素直になってもいいのよ

148 :
ベルちゃんはアシャニオに挟まれて色んなところをちゅっちゅぺろぺろされたらいいと思うよ

149 :
さんぴっ・・・!

150 :
鈍くて周りを空回りさせるリンカと
友人であることを喜んでくれるリンカ、マリオンへの引け目から踏み切れないアーシャ
リンカとアーシャの関係を見守りたいながらも釈然としないマリオン
みたいなので書きたいんだけどどうよ。
マァレベルタリナイカラマズハソコカラダナ

151 :
書いたらいいと思うよ

152 :
酒場に依頼出せばいいの?

153 :
最近ベルニオもありだと思うのよね

154 :
年下のはずなのに自分より身長とおっぱいが大きいニオにご立腹なベルちゃんが腹いせに魔法でアレコレしちゃうとかそういうのですかね

155 :
トトリVITAにナース服か。
トトリのナース服見て顔真っ赤にするミミちゃん。
大丈夫?熱あるの?っておでこ合わせるトトリ。
ますます真っ赤になるミミちゃん。その後・・・
という定番イベントはもちろんあるんですよね!?

156 :
トトリエ時代だとミミちゃんよりむしろツェツィの方が重症だけどな

アーシャとツェツィが妹自慢対決とかしたらすごいことになりそうだ

157 :
エステルさん!出番ですよエステルさん!

158 :
ここでまさかのエスティさん参戦

159 :
GFのネル&ユラ姉妹が参戦することにより平均値が大幅にアップ(何のとはあえて言わない)

160 :
その花新作が発売延期で11月30日…
アーシャの発売日も白恋リセラピーともろかぶりだったし
アトリエは百合ゲーと発売日がかぶる呪いでもかかっているのか

161 :
どっちも買えばいいじゃん。

162 :
当然そのつもりさ!
純粋な百合ゲーは貴重だからね
もちろんアトリエみたいな塩梅の百合も好きだけどね
トトリエ+のおまけでミミちゃん主人公でトトリちゃんを落とすシナリオとか追加されないかな…

163 :
GLFいくやついないのかい?
錬金術士にお願い♪あるよ

164 :
仕事なんだよ。

チクショウ・・・チクショウ・・・

165 :
自分も明日仕事…
ずっと日曜にやるもんだと思ってた

166 :
IPS細胞の教授がノーベル賞を受賞されたそうで
学術的にも大変意義のあることなんだけど、つい「将来トトミミで子供を作るならどちらが産むんだろう」とか百合的視点で考えてしまうなw

167 :
産むのはトトリちゃんかな

168 :
両方産んで双子(?)にしてもいいのよ

169 :
ちっちゃくておっぱいの出が悪いことに悩むミミちゃんに
一服もって搾乳プレイするトトリちゃん
という電波を受信した。

170 :
俺的には妊娠して照れ笑いしつつ自分のお腹をなでる姿はトトリでしか想像できないんだが。
ミミちゃんは片ひざ付いてトトリのお腹に手を当てたり耳を寄せたりして幸せそうにしているイメージ

171 :
ロロクーだとロロナ
トトミミだとトトリ
だけどメルケイだとケイナの方がお母さんになりそう
さらにロロナ・トトリの仕事が忙しい時はケイナが子供達のお世話を引き受けたりしてそう

172 :
ss投下します。アーシャのアトリエ、アーシャとかベルちゃんとかです

173 :
「くんくん、甘いにおいがするね」
 とある昼下がり、アトリエに訪ねてきたベルちゃんはいつぞやのように私にそう言った。
「ささっ、隠しててもためにならないよ。あたしにひとつちょうだいな。」
「ふふっ、しょうがいなあ。はいっ、どうぞ」
「ありがと」
 しばらく美味しそうにお菓子を頬張るベルちゃんを見ていた。食べ終わったベルちゃんは何故かまたにおいをかいできた。
「もう、どうしたの?お菓子はさっきので最後だよ」
「くんくん」
「あのー、ベルちゃん?」
「くんくん」
「ちょっと恥ずかしいんだけど…」
「やっぱり!アーシャからもいいにおいがするね」
「えっ?えええええぇ」
 びっくりして私はベルちゃんを引き剥がした。するとベルちゃんは不満そうな顔をした。
「ええー、もっとかがせてよ。いいにおいをなんだからさ」
「いや、だめ。恥ずかしいからいいにおいとか言わないで」
「ほらほら、そんなかたいこといわないで」
 ベルちゃんはじりじりと私の方へ寄ってきた。後ずさったけれど後ろにソファーがあって、ぶつかってしまった私はバランスを崩した。
「隙あり!」
 ポンとそのままソファーに寝転がらされる。ベルちゃんは覆いかぶさってきて逃げ場が無くなってしまった。
「くんくん」
「ベルちゃん…」
「くんくん」
「恥ずかしいからやめてよ」
「くんくんくんくん」
 
 ベルちゃんは一向にやめてくれそうにない。恥ずかしくて涙目似なってきた。息も荒いし頬も紅潮しているにちがいない。
「もう、ベルちゃんやめてー」
 
そう言ってベルちゃんを止めようと体を押しのけて抵抗しようとした。
「なんの!くんくんくんくん」
 
 しかし上に乗られていてはどうしようもなかった。あまり乱暴にしたらベルちゃんを怪我させてしまうかもしれない。とその時
「お姉ちゃん、薬草とってき…
 ニオが帰ってきた。場が凍りついた、気まずい沈黙が広がっている。冷静に考えてベルちゃんに押し倒されてあれやこれやしていたようにしか見えない。いやこれはそういうことじゃないんだよ、そう言いたかったのだが
「邪魔してごめん。もうちょっと薬草とってくるね」
ぱたりと扉が閉じた。弁明しそこなった私とベルちゃんは立ち尽くしかなかった。

174 :
以上です。お粗末さまでした。
ベルちゃんってしょっぱなからくんかくんかしてる割にネタにされてないなと思ったわけです。

175 :
ようやった
褒美として、ベルアー妄想権を遣わそう

176 :
ベルアーgj

177 :
GJー!
やっぱりにおいを確かめたら次は味ですよね!

178 :
ベルちゃんエンドで二人のお店を作るって言ってたけどニオもいるのかな
まぁアーシャがそばに置きたがるか

179 :
>>178
アーシャ:製造及び資材調達担当
ニオ:営業及び接客担当
パナ:配達担当
完璧な布陣だな!

180 :
アーシャ「ニオはかわいいから接客担当で」
ベルちゃん「えっ」
アー「え、だ、だめかな?」
ベル「……だめじゃ、ないけど〜……」
アー「はっ。もちろんベルちゃんもかわいいよ? 接客に回る?」
ベル「そういう話でもなくて! ニオは好きだけど……でもさ、ふたりで、お店……」
アー「……。お薬作るときと採取のときはふたりで行こう? どうかな?」
ベル「……うん、そ、それなら」
アー「ありがとうベルちゃん。いいこいいこ」
ベル「わっ! ちょ、帽子……子ども扱いはやめてってば!」
ベルちゃんに「アーシャお姉ちゃん」って性的に呼ばせるアーシャまだー?

181 :
アシャベルで疑似姉妹シチュだとニオの反応が
(A)「これからはベルちゃんもお姉ちゃんだね!」という風に無邪気に喜ぶのと
(B)「お姉ちゃんを盗るなんて許さない……ユルサナイ……」って感じでヤンデレる
という2パターン想像できるな

182 :
普通だとAっぽい気がするが、
カイルが二人を妹にしようと企んでいたときの「あげないよ?」を聞く限り、
Bのほうも捨てがたい

183 :
ニオはどっちかっていうと、
家族という付き合いの長さからくる圧倒的な信頼関係をさりげなく見せつけて鼻で笑ってそうなイメージなんだが。
いや、ファンの人には申し訳ないんだけどさ。
なんか私の中ではニオって腹黒いというか、無邪気ゆえの嫌味が付きまとってるイメージがなぜかある。

184 :
それはそれでいいな
多大なおねーちゃん好きから来る攻撃意識。ヤンデレに近いかな
まぁウィルベルもそうだけど、年下二人は子供っぽさがよく表れててよかったと思うよ。人によっては鼻についたかもしれないけどね

185 :
ニオとベルちゃんに取り合いっこされるアーシャはまだですか

186 :
「胴体とかはベルちゃんにあげるから、頭の部分は私ね」
「ちょっと待ってよ。あたし目玉が欲しいんだけど」
「えー。じゃあその代わり手足は私ね」
「4つともはずるくない?」
「それじゃあ1対3とか? 足の方がモチモチしててボリュームあるよね……」
「いっそ関節でちぎってもっと小分けするとか」
「そうだね。こんなにたくさん一度に食べきれないし」








「あれ。ニオとベルちゃん何してるの?」
「あ。お姉ちゃん」
「パン屋さんで大きな人形型のパンをもらったんだ」
「うわあ、可愛い! それにすごく凝ってる……目のところとか飴細工になってるんだ」
「でしょ。お姉ちゃんはどこ食べたい?」

187 :
BGMは「サイレンとヒル」だな

188 :
トトリの百合同人ってあるの?

189 :
いくつかある。
合同誌の「トトリ&ミミ アンソロジー 私情友情愛情」とかが少し前に話題になったかな。
トトミミオンリー本。
あとは18禁でも数冊記憶に残っている。

190 :
読みたいけどどこに売ってんだろ

191 :
最近出たもんなら虎とか

192 :
>>190
トトミミアンソロはとらのあなで委託販売してるよ。
店舗によっては置いてないかもしれないから、確実なのは通販。

エロありなら没後の「トトミミ」がおすすめ。
だいぶ前に出たからさすがに新品のはないけど、たまに中古で見かける。

193 :
トトミミなら何冊か見たことあるけど他がまるでないんだよなぁ
ここでロロクーとかメルケイアンソロ作ってくれないかなぁ(チラッ

194 :
誰か中身ちょっとうpしてくれー

195 :
>>194
pixivにサンプルがいくらかあるから調べるよろし

196 :
リンカとマリオンさんがキャッキャウフフしてるssはまだですか

197 :
>>193
人いるならメルケイアンソロ作りたいわまじで

198 :
よーしSS書いちゃうかー!

199 :
メル絵再現は難しいよな

200 :
>>171
だれかこのネタでSS書いて欲しいです…

201 :
>>200
オリジナルキャラの子供が中心になっちゃうから難しいんじゃない?
ロロトトミミメルの4人が師匠の暴走で幼女化してケイナが面倒見ることになる、とかならまだいけそうな気もする。
幼女百合の気配に惹かれて這い寄ってきたフィリーさんも手伝いに加わって、アトリエが完全に保育園状態に。
そしてその時の話を後で聞いて、血涙流すほど悔しがるツェツィさん。

202 :
ベルちゃんの大婆様って登場したりしないのかな
女性っぽいし期待したいんだが

203 :
大「婆」様が男性だったら問題だろなにいってるんだ。

204 :
待て…わかったぞ、大婆さまのお相手も女性っぽいと言いたかったんだな!

205 :
それを見て育ったベルちゃんもきっとゆりんゆりんなんですよね

206 :
ベルちゃんに自由課題与えたり破門したりしたのも全てはアーシャとの仲を深めさせるための大婆様の策略

207 :
ハロウィンの時期だけど
普段着からしてハロウィンっぽいベルちゃんはお菓子を貰うのかイタズラするのかイタズラされるのかイタズラされなくもないのかどれだろうな

208 :
お菓子もらいにいって存分に楽しんだあと、アーシャからの不意打ちトリック・オア・トリートに
まさか自分がねだられる側になるとは想像もしていなかったベルちゃんは
当然なにも用意しておらず…という流れになるよ説

209 :
つただのカボチャ爆弾

210 :
ハロウィンss投下します。>>208とネタかぶっちゃいました。なんかすいません…

211 :
〜ウィルベル編〜
「トリックオアトリート!さあ、いたずらされたくなかったらお菓子をだしなさい。」
 決まり文句とともにバンとアトリエの扉が開かれる。いつも通りのかっこうをした年中ハロウィン風なウィルベルの登場である。
その手にはお菓子がたんまりと入った袋を持っている。アトリエに来るまでにたくさん寄り道をし集めてきたのだろう。
「ベルちゃんいらっしゃい。待ってたよ。」
 
「ハロウィンっていうけど結局いつも通りのお茶会だね」
「あたしはいっぱいお菓子をもらってきたけどね。」
「ところで、ベルちゃん。」
「な、なに?」
「トリックオアトリート」
「え、えーと。はいどうぞ」
 そう言ってウィルベルはもらったお菓子から一つアーシャに渡そうとするが…
「それは人からもらったのだよね。ベルちゃんからのお菓子が欲しいな。」
「ああっと…、今日はちょっと用事があるから帰るね。」
 ウィルベルは身をひるがえすもののアーシャに肩をつかまれてしまう。
「お菓子をくれないならいたずらしちゃうぞ」
 そして意味深に耳元でささやかれた。身の危険を感じアーシャの手を振りほどき扉まで走り出す。しかし
「ニオ!」
「OKだよ、お姉ちゃん。」
 ああ悲しきかな、アルトゥール姉妹の方が一枚上手であった。ニオに退路を塞がれてしまう。
「さあベルちゃん、お菓子がないなら体で払ってもらうよ」
「いや違うお菓子がないならいたずらしちゃうぞだって」
「どっちでも同じだよ〜」
 アーシャは相手にならないと思い、ニオの方を振り返るとなにやらうごめく縄を持っていた。
「えと、ニオちゃん。それは」
「お姉ちゃんが作った生きているナワだよ」
「それは違う世界の錬金術だって、いや、ちょっと。近づいてこないで。いやああぁぁぁぁ
〜マリオン編〜
 マリオンは事務所で報告書の作成に追われていた。それもこれもハロウィンなる旧文明の文化のためである。
「まったく…、なんでも商売にしてしまうのね…」
 そもそもハロウィンは土着の文化ではない。珍しいもの好きなハリーが、所有している古文書の中から昔の風習を発見したのである。
それからの行動は早かった。仮にも商会経営者、これが使えると気づかないはずがなかったのだ。
「こうしてハロウィンが流行ればお菓子が売れに売れる、そして私は仕事が増えると…」
 知ってしまったからには見逃せない真面目な性分が災いして、余計な報告書を作る羽目になったのである。
「マリオン、トリックオアトリートです。」
「あ、あんたまでね…」
「だめでしたか?」
「いや、ちょっと待っててね…」
 そういって仕事を中断し、棚を探しに行ったがお菓子はなかった。
(そういえば昨日リンカと二人で食べちゃったはずで、それを知っててトリックオアトリートって言ったってことは、つまり…。)
「いや、だめだめ!そういうものには順序があるの!」
「お菓子をもらうには手順があるのですか。ではもう一度…」
「あ、えっと。そうじゃなくて… お菓子は今切らしてるわよ…」
「そうですか。それは残念です」
 ああそういうことだったのか。リンカがそう言った絡め手を使ってくるはずがないじゃないか、とさっきまでの思考が恥ずかしくなった。
「さ、もう一仕事するわよ」
「了解です」
 気恥ずかしさをごまかすためそう言ってまた変わらぬ日常に没入していくのであった。

212 :
以上です。お粗末さまでした。

213 :
いたずらと称してアシャニオ2人でベルちゃんをお菓子みたいに食べちゃうわけですね分かります

214 :
トトリplusは今月か、百合要素もplusに期待

215 :
せっかくDLCキャラが最初から入っているんだから
ツェツィとくーちゃんのイベントが追加されてたらいいなぁ

216 :
ロロクーのイベントはもっとほしいよね
あとせっかくだしりおちゃん復活でロロクーリオ再結成とかね
あ、頭丸められた人はおやじさんとキャラ被るので座っててください

217 :
久々に投下。
トトミミSSの続きものの5話目です。
覚えてる人、いるのか・・・!?
忘れた方は過去ログやpixiv参照でお願いします。

218 :
『ガラスの花』
5話

空は分厚い雲に覆われ、光を通す隙間はない。
遠くの方を見つめても、目の届く範囲は灰色ばかりだ。
あの日もこうだった。
の窓越しに見つめる空。今にも雨が降りだしそうで、世界を覆い尽くす雲は冷たい。
そんな空だと今まで幾度となく思い返し、そして必に目をそらそうとしている記憶が掘り起こされてしまう。
「――…いい加減に、しないと…」
そっと額を窓に押し当てる。
近くなった外の世界と私の距離。
しかしそこには明確に相容れないものがある。
冷たいガラスを隔てたこちら側とあちら側。小さな部屋とどこまでも続く大きな世界。内側と外側。
私の想いとあの子の思い。
冷ややかなガラスが触れ合った所から私の体温を奪っていく。
私の思いも一緒に奪ってくれたらいいのに。
ガラスの向こうで、一滴の水が滴る。
流れる量は徐々に多くなり、外の景色を歪ませるばかり。

あの子は――トトリは、どうしているだろうか。

「元気にやってるはずよね……」
そう言い聞かせる。きっと大丈夫だと。大丈夫でないはずがない、と。
自分の目で確認に行くことができない理由から、目をそらして。

219 :
いくつもの雨粒が窓ガラスの上を通り過ぎていく。
街も静かに佇むばかりだ。
あの子もこの雨をアトリエから見ているかな。それとも錬金に夢中になって雨が降ってき始めたことすら気づいていないのかもしれない。
いつもはふわふわしているくせに、集中して何かをやりだすとびっくりするほどのめり込む。
それで無事錬金できたら、笑いながら私を振り返って――。
手を握り込む。爪が手のひらに食い込んで、あてどもない思考にストップをかける。
思い出した後ろ姿を振り払うように、そっと目を閉じた。



トトリといっときの恋人関係―――いや、恋人にすらなれかった一方的な関係を終わりにしてから、もう数ヶ月が経った。
トトリが抱えた思いを知ることができなかった能天気な私。
自分に振り向いてくれる可能性があるかもしれないだなんて、夢見てた。
だけど夢は夢でしかなくて。
あの子の涙とともに私は思い知らされたのだ。
私は馬鹿だった、と。
自分の馬鹿さ加減に気づいたその時に私は決意した。
自分の事しか見えていない自分などトトリのそばにいる資格はない。
トトリのそばから離れよう。
少なくとも、トトリの顔を見て、笑えるようになるまでは。
例えトトリが他の誰かと笑い合って、一緒に過ごして――愛を語らったとしても、祝福できるようになるまでは。
それが私の責任だ。
友達としての、トトリとの約束を果たす義務だ。
トトリがさり際に放った言葉。
『ミミちゃん!……あの、私と、まだ友達で…居てくれる?』
胸が張り裂けそうだった。
友達としてのラインを踏み越えてはならないのだと瞬間的に理解して。
でもそれ以上にトトリに負担をかけた私でも、まだ友達で居られることが嬉しくて。
綯交ぜとなった激しい感情。胸の中でうずを巻くように波がざわめいた。

220 :
私は頷いた。
なにか考える前に頷いていた。
すべての感情に蓋をして。
トトリとの関係が、どんな形であれまだ続けることができる。それはたった一つの希望だった。
笑って―――いたと思う。トトリからどう見えたかはわからないけれど。
トトリが望むなら、いつまでも友達だと、そう言えたのは確かだ。
一人になって考えた。
たくさんたくさん考えた。
それでも、あの時頷いたことに悔いはなかった。
後悔がただ一つあるとすれば、やはり自分のこの想いは伝えるべきではなかったのだ。
初めから間違った選択をしたのは私。
トトリとは友達。お互いにとってなによりも大切な親友。そのポジションから動くべきではなかった。
告げてしまったのは、自分の中での感情があまりにも強くなりすぎたから。
だから私は決めたのだ。
自分の中で、感情の制御ができるまではトトリの傍を離れようと。
トトリ本人に何も言わず旅立つことに、若干の申し訳なさはあった。だからメルルには伝えた。そのうちトトリにはメルルから伝わるだろうと思って。
気持ちの整理をつけるために旅に出ることをあの子に、直接など言えるわけがなかった。何より、あの当時の自分の精神状態でトトリに会ってしまえば、みっともなく泣いて、すがって、自分の気持ちをまたぶつけてしまわなかったとも言い切れない。
端的に怖かったのだ。信用できなかったのだ、己の精神力を。
冒険者としてそれなりの力と技を磨いた。大抵のモンスターに負ける事などないであろうシュヴァルツラング家の現当主が、たったひとりの女の子に怖くて合うことすら出来なかっただなんて傍から見ればお笑い種だ。
でも、限界だった。
壊れた想いと自責の念。その二つを同時に背負うだけが精一杯だった。
私は弱い。こんな荷物も背負えない。
必ず戻るからと、心の中で告げてアーランドを出発した。
トトリの前に出ても笑えるくらいになってまた戻ってくるから。
そうしたらまた、一緒に話そう。遊ぼう。冒険しよう。
だから、ちょっとだけ私に時間を頂戴。

221 :
あなたとの約束を守る前に、弱い自分とあなたへの恋心に別れを告げさせて。
そうやってアーランドから私はそっと出発した。
あの子に何も告げずに。
冷静になった今なら、トトリに心配をかけたかもしれないとわかる。あの子は優しい子だもの。

最初の頃、トトリの事を考えないようにひたすらモンスターと戦い続けていた。
無心であれ。その一念。
たった一人での旅だったから、フォローは期待できない。
極限まで集中力を研ぎ澄ませて対応していかねば、いつ喉笛を裂かれてもおかしくはない。
と隣り合わせの毎日。ひやりとした場面も2回や3回ではない。
幸い命に関わるような重傷は負わなかったけど、軽傷は日常茶飯事。
もちろんぬ気はなかったから、回復薬も大量に買っていった。
しかし、本当に必要なときにないと困るから、多少の怪我ならば放置して次の相手と向かい合う。
現実と向き合えない代わりにと向き合う。
私がやっていたのはそういうことだ。
随分と無鉄砲――いや、馬鹿な無茶をやらかしていた。
それでもなんとか無事に生き残れたのは、あの子と約束したから。必ずアーランドに戻ってくるって。
あの子と実際には交わしてもいない約束だけど、間違いなく私の支えだった。
それに、どんな形であれきっとトトリは待っていてくれるだろうという奇妙な確信を持っていた。

そうやって一週間、二週間。
時間が経つと共に少しづつ気持ちは落ち着いてきた。
無茶なことはやめて、適度に休むようになった。
刺すような胸の痛みは、意識を向けなければシャットアウトできるようにもなった。
でもまだダメだ。きっとトトリに会ってしまえば、仮面が剥がれてしまう。
私は目をそらした。
一ヶ月、二ヶ月。
この頃になるとだいぶ自分の周りを見る余裕が出てきていたと思う。
困っている人を助けたり、小さい依頼をこなし始めたのもこの頃だ。
それでも、やはり私は私のまま。
たった一人で焚き火を見つめている星空の下。
道端に生える綺麗な野の花。
手ごわいモンスターを倒しきった瞬間。
――――――――トトリが、ここにいてくれたら。

222 :
そんなふうに思ってしまうのだ。泡のように浮かんでくる一瞬の想いだけど、決して心の中から無くならない。
こんなではダメだ、トトリにはまだ会えない。

三ヶ月。
逃げ続けていた私がアーランドへ戻る決心をしたのは、ちょっとしたきっかけがあったから。
細かいものの整理をしようと広げた荷物。取るもの取りあえずでアーランドから出発したわけだから、そんなに余分なものは持ってきていない。けれど旅がここまでになってくると、流石に旅先で手に入れた細々とした荷物も増えて重たくなってくる。
いるものといらないものとを分けていて、ふと手にとったのがドライフラワーの入った小瓶だった。
あの子と別れた時に、宿屋で感情が溢れ出したきっかけになった品物。
瓶の表面を滑り落ちていく涙の粒の姿は、まだ脳内にしっかりと残っている。
でも私がそれを手にとった時、一番に思い出したのはトトリの笑顔だった。
あの子が笑顔でこれを渡してくれたその瞬間の顔だった。
私は笑っていた。
ちょっとぎこちなかったかもしれないけど、頬がたしかに緩んでいた。
その小瓶にまつわる思い出をまるごと飲み込んで。
笑えたのはいつぶりなのだろうか。歴としたことはもう、覚えていないけど。
あぁ、もう、平気かもしれない。もう、トトリに会いに行っても大丈夫かもしれない。
まだ自分は強くはなってないかもしれないけど、なにより大切なトトリの笑顔が一番に思い出せるようになったから。
あの子が笑っていてくれるのなら、一番の友達で有り続けよう。
これから先、あの子が誰かを愛して、愛されて。最高の笑顔を浮かべてくれるのならそれで十分だ。
その笑顔を向けられるのは私じゃないけど、友達としてトトリの笑顔を、幸せを守ることくらいなら許されるはずだ。
私と、トトリは―――――、一生の友達だ。

暖かな気持ちと強い想いを抱えて、私はアーランドへと戻る事を決めた。



「……………で、戻ってきたはいいけど、やっぱり決心がつかないわよね」
なんとなく天井へ伸ばしていた右手から力を抜く。
ぽすん、と気の抜けた音と共に右手がベットの上に落ちた。

223 :
ベットに寝転びながら思い出していたのはここ数ヶ月の記憶。
先程からの雨はまだ降り続いていて、止む気配を見せない。
トトリと別れたあの日も、雨だった。だからだろうか、思い出さないようにとしていた日々のことをぼんやりと思い返してしまうのは。
ここはアーランドの宿屋の一室。旅を終えて、戻ってきた日からそのままここにいる。
そう、アーランドに戻ってもう一週間は過ぎた。
それなりに長い間旅に出ていたわけだから、ひとしきりの知り合いには顔を出した。
だけどどうしてもトトリの所にだけは行けなかった。
怖いのだ。会って、また前みたいに普通の関係に戻れるのか。
私は自分からの一歩を踏み出せなくなっている。だってその踏み出した一歩のせいで、いまトトリとの関係がこじれてしまっているから。
今日こそは会いに行こう。そう決意してトトリがいるだろうアトリエに向かおうとしても、途中で足が前に進まなくなる。
そんな自分の足を見つめながら、これは本当に重症ね、なんて苦笑いしかでなかった。
それに優しいあの子のこと。
ひょっとしたら私が帰ってきたと聞いて会いに来てくれるんじゃないか、なんて甘い期待も抱いていた。
「…………よく考えなくても、会いになんてこないわよね」
あの子はきっと心配してくれただろう。
あんな別れ方をしたあとで、ずっと音信不通のままだったのだ。
恋愛感情など絡まなくとも、友達ならば当たり前に心配する。
便りがないのは無事な知らせと言うが3ヶ月もまたされて、いい加減堪忍袋の緒が切れたのでは、と思う。
それにトトリからしてみれば、こちらが今どんな状況かなんてわからない。
ひょっとしたらまだ自分に恋愛感情を引きずっているかもしれない同性の友人に会いにいくなど、難しい事この上ないだろう。
もう、トトリに私の想いを押し付けるつもりなんて一切ない。
でもそんな事は会いに言って伝えなきゃわかってもらえない。
伝えたとしてもどこまで信じてもらえるかわからないし、信じてもらえたとしても以前のような関係に戻れるかはわからない。

224 :
どうすればいいのか。
どうすればまた、トトリと友達になれるのか。
どうすれば、トトリにもう迷惑をかけるつもりがないと伝わるのか。
どうすれば――――――

コンコン。

没頭していた自問自答の途中で響いた音。
一瞬なんの音かわからなくて、反応が遅れてしまった。
「はい」
ルームサービスなど頼んではいないはずだ。
でもちょうど良かった。誰であれ訪ねてきてくれたのは感謝だ。
頭の中の一人相撲などしても意味がないことくらい、本当はわかっているのだから。
ベットから立ち上がって扉の方へ歩いていく。
歩きながら時計に目を向けて時間を確認すると、かなり遅めの時間を指している。
こんな時間に来客?
よっぽどの急用なのか、それとも――――
開けるために握ったノブの冷たさが手のひらに伝わる。
かちゃりと響いた音の先にいた人物に目を丸くした。
「あなたは――」
驚いた私に綺麗な動作でそっと頭を下げる。

「こんばんは、ミミ様。夜分に失礼いたします」

彼女の持つ薄桃色の傘からぽたん、ぽたんと水が滴っている。


「―――――ケイナ」

雨はまだやまない。

続く

225 :
超絶、続きが遅くて申し訳ない。とっとと完結させたいんですが展開が遅くて…!
とにかくトトミミは最高です。もっと流行ればいいと思います。トトリ+で波よ、こい!
ここまで読んで下さりありがとうございました!

226 :
GJ!
続き楽しみに待ってるぜ

227 :
また一話から読み直す作業が始まってしまうのか
ともあれ乙

228 :
待ってたよ〜
相変わらず焦らしてくれるぜコンチクショー
次も楽しみにしてる

229 :
なんとなく思いついちゃったので投下。
前後の状況ぶっちぎりですが、そこらは脳内補完で!
※ねた注意!!デットエンド注意!!!

230 :
――――前が見えない。
私はどうしたんだろうか。
なぜ目が見えないのだろうか。
なぜ体は動かないのだろうか。
心臓がどくん、とひとつ波打つたび、体の中心がどんどん冷えていく。

「――――!!――してっ!!!――――ちゃんっっ!!」

誰かが大きな声で叫んでいるようだ。
誰か?
あぁ、そうだ、これは。
「―――と…とり…」
「ミミちゃん!!」
震える声が鼓膜を貫く。
いやだなぁ、こんな声を聞きたいわけじゃないのに。
「やだ…!やだよ、ミミちゃん…!なんで…どうして!!」
体がひっくり返されたような気がする。
トトリが怪我を確認するために位置を変えたのか。
「ーーーーーーっ!!!!」
トトリは大きく息を吸い込んだまま何も言わなくなってしまう。
しばらく経つと呻くような声とともに、右手が握られる感覚がする。

231 :
「泣かない…で、トトリ…」
多分、私は助からない。冒険者として磨いてきた感がそう告げる。
いや、それ以前にトトリが何もしようとしない……できないのが何よりの答えだ。
このままぬのだろう。
なんて遠いものだと思っていたけれど、それはもはや目前だ。
だからこそ。届けたいんだ。最後の思い。
「笑っ…て…」
もう目も見えない。もう体も動かない。
右手を握ってくれているトトリの手を握り返せない。涙を拭ってあげられない。
できることは精一杯の力を振り絞って伝えることだけ。
ぎゅっと握られた手に力がこもる。
「―――これ、で、いいかな?」
ひきつるように息を吸う音が聞こえる。
きっとトトリは下手くそな笑顔を浮かべているんだろう。
なみだでぐちゃぐちゃで、口は上がりきってなくて、まゆは寄ってて。
それでも今の私にとって最高の笑顔を浮かべてくれているんだろう。
私も力を込めて口角を上げる。
笑っているように見えるかな。見えてたらいいな。
「あり、がと」
「ーーっ!やだ、やだようミミちゃん!行かないでよ!私を置いてかないで!!」
堪えきれなくなったトトリが叫んでいる。
そんな声も徐々に遠くなっていく。
私は最後にそっとつぶやく。
「だい、じょうぶ……きっとまた、会えるわ…」
まってるから、遠い場所で。
ちょっと先にいってるだけ、あなたはゆっくり来てくれればいいの。
いずれ会える。
そしたら、また、ゆっくり話でもしましょう。

―――おやすみなさい、ミミちゃん

聞こえてきた声は悲しくて、震えてて、とても温かかった。

うん、おやすみ、トトリ。

END

232 :
SS投下します。
メルリエ時代のトトミミ。

233 :
 山の端に日が落ち、空の色が藍に染まっていく。
 街のそこそこに灯が点り、空には点々と星が瞬き始める。
 ゆっくりと、夜が深まっていく。
「んー……良い夜、かな」
 アトリエの窓から外を眺めたトトリは、快晴の夜空を見てそう呟いた。
 独り言だ。メルルもロロナも両ホムも、今夜はアトリエに不在である。
 アトリエのある街はずれは人口の灯火も少なく、星と月明かりが一際映えている。
「……そういえば、一人の夜って久しぶりかも」
 アールズに来たばかりの頃は、トトリはこのアトリエで一人黙々と仕事をこなしていた。
 しかし間もなくメルルが押しかけ弟子にやってきて、その仲間のケイナやライアスがやってきて、アーランドからはミミとジーノが追いかけてきて、大変身したロロナやホム達までやってきて――あっという間に、アーランドにいた頃と同じように賑やかな日々がやってきた。
 そんな慌ただしい日々も、そろそろゴールが見えてきた。アーランド・アールズが正式に合併するその日まで、残り一月を切っている。
「過ぎてみたら、あっという間だね……」
 これまでの日々に思いを馳せ、感慨が胸を満たす。
 トトリはソファに腰掛け、目を閉じる。
 眠るのではない。
 待っている。
 何とはなしに確信できる、その予感を信じて。
 およそ一分ほどして、アトリエのドアがノックされた。
「お邪魔するわよ」
「いらっしゃいミミちゃん」
 満面の笑顔で自分を迎え入れてくれたトトリに、ミミは少々怪訝な目をする。
「妙に嬉しそうね。何かいいことあった?」
「うん。たった今ね」
「……あ、そう」
 その言葉の意味するところに、ミミは気付かないフリをしておいた。
「メルルは?」
「メルルちゃんは、来月の合併行事の打ち合わせとか色々で、今夜はお城にお泊まりだよ」
「そう……もうそんな時期だものね」
 先ほどのトトリと同じように、ミミも過ぎし日に思いを馳せ、感慨深げな表情になる。
「ミミちゃんはどうしたの?」
「別に、特別用事があるわけじゃないわよ。ただあんたが暇してるんじゃないかと思って」
「わざわざ会いに来てくれたんだ?」
「ん……まあ、ね」
 言葉を濁すミミだが、その真意は十分以上トトリに伝わった。
「ありがとうミミちゃん」
 ニコニコと微笑みながら、トトリはお茶を入れようと台所へ向かう。

234 :
「ちょっと待ってトトリ。よかったら散歩でもしない?」
「お散歩?」
「そう。良い夜だもの。星も月も、くっきり映えてて」
「……そうだね。それもいいかも」
「決まりね。それじゃ行きましょうか」

 月と星明かりがほのかに照らす街はずれの小道を、トトリとミミの二人が歩いていく。
「月が綺麗ね」
 ふと空を見上げ、何気なく呟いたミミの横顔を、トトリはしばしじっと見つめる。
「? どうしたのよ」
「ううん別に。そうだね、月が綺麗だよね」
 妙に嬉しそうな表情でうんうんと頷くトトリに、ミミは首を傾げていた。
「ねえミミちゃん」
「何?」
「ミミちゃんは、アールズの合併が終わったら、その後どうするの?」
「ノープランよ」
 即答したミミに、トトリは意外そうな顔をする。
「何も考えてないの?」
「ええ。当面はアールズにいるとして、その後の予定は白紙」
「ふーん」
「そういうあんたはどうなの?」
 質問を返され、トトリは少し言葉を濁しつつ、答える。
「わたしも……ノープラン、かな」
「そう……」
「うん……」
「……」
「……」
 何とはなしに訪れた沈黙を道連れに、二人はテクテクと歩いていく。
「「あの」」
 異口同音に、呼びかけ合う。無論、示し合わせたものではなく、偶然の一致だ。
 目を合わせ、どちらともなくクスリと笑った。
「ミミちゃんからどうぞ」
「ん……」
 話を促されたミミは、少しだけ躊躇いがちに言葉を継ぐ。
「さっきの、合併後の予定についてだけど……全く無いわけじゃなくて、一つだけ案というか、考えてることがあるんだけど」
「うん?」
「……別の国に、行ってみようと思うの。新しい冒険を探しに」
「……」
 アーランド・アールズにおいて、冒険者ミミの名は十分なほど知れ渡り、その名声に相応しいだけの実績も残している。その上で新たな地を目指すのは、冒険者として至極真っ当な希望だった。
「それで……その……」
 言いづらそうにしばらく逡巡していたミミだが、やがて一つ意を決して、言った。
「トトリさえ、よかったらなんだけど……一緒に、行かない? 私と、また冒険者をやってみない?」
「いいよ」
 至極あっさり承諾したトトリに、ミミの目が丸くなる。
「いいよ、ってそんな簡単に……」
 ミミの言葉の続きを、トトリは首を横に振って止める。
「だって、わたしもミミちゃんと一緒にいたいと思ってたから」
「そう……」

235 :
 また、沈黙が降りる。
 二人は静かに、夜の小道を歩く。時折、虫の音が耳に遠く響く。
「トトリ」
「何?」
「くどいようだけど、本当にいいの? 私は、私があんたに合わせることだって――」
「ねえミミちゃん」
 ふと足を止めたトトリが、空を仰ぎながら呼びかけた。
「星の数って数えたことある?」
「星の数?」
 話の腰を折って急に妙なことを訊ねられ、ミミもつられたように夜空を仰ぎ見る。
 零れ落ちそうなほどの星々が、視界いっぱいに広がる。気が遠くなりそうなほど広く、多く、煌々と。
「……数えきれるものじゃないでしょう」
「うん。でもわたしね、小さい頃、数えようとしたことがあるんだ。ジーノ君と二人で、一つ一つ指さして。でも、すぐにどっちがどこまで数えたか分からなくなって、何度もやり直して、また分からなくなって。そのうち眠たくなっちゃって。結局、何個かなんて分からなかった」
「それはまた何というか……あんた達らしいエピソードだわ」
 幼い二人の情景を想像して、ミミは思わず苦笑を浮かべた。
「でもね……」
「?」
「今なら数えられる気がするんだ。星の数」
 空を見上げるトトリの口元は微笑んでいたが、冗談を言っている目ではなかった。
「アランヤ村にいた頃は見当も付かないほど、遠すぎて多すぎた星でもね、今なら……ミミちゃんと一緒なら、手が届きそうな気がする」
「……」
「ミミちゃんは、どうかな?」
「……っ……わ、私は……」
 つい言葉が詰まる。答えは無論決まっているのだが、正直にそれを言ってしまうのは、どうにも気恥ずかしいという思いが先に経ってしまう。
 ミミはぐっと息を大きく吸い、トトリと向き合った。
「……そうね。数え切ってやろうじゃない。あんたと気の済むまで星を数えていれば、私が世界一の冒険者になるのもあっという間だろうしね」
 微かに頬を赤らめながらそう答えるミミに、トトリは満面の笑みを浮かべた。
「ありがとう、ミミちゃん」
「〜っ……だーっ! 話は終わり! 体冷やすとよくないから、そろそろ帰るわよ」
「あ、待ってミミちゃん」
 踵を返し早足でアトリエに向けて歩き出すミミを、トトリが慌てて追いかける。
 諸々の発言の照れが今さら来たのか、ミミは火照った顔をトトリに見られないようズンズン歩いていく。
 目を上にやれば、満天の煌めき。数え切れないほどの星が、いっぱいに広がっている。

236 :
(星の数、ね……)
 トトリはあれを数えようという。広い広い夜空を、二人で飲み干してしまおうという。
 喩え話にしても、荒唐無稽だ。だが、無理とも不可能とも思わなかった。
 トトリと一緒ならば、どんなことでもやり遂げられる。理屈ではない確信が、ミミには持てた。

 ミミがやたらと早歩きしたため、二人はすぐにアトリエまで戻ってきた。
「それじゃ。私は帰るわね」
「せっかくだし、泊まっていけばいいのに」
「……遠慮しておくわ。こんなに月が綺麗な夜だと、狼にでもなりそうだし」
「望むところだよ?」
「望むなバカ」
 冗談に対して真顔で大胆な返しをしたトトリを、ミミは軽く流しておく。
「……ねえ、ミミちゃん」
「何?」
「『月が綺麗ですね』って言葉は、とある外国では『あること』を意味するんだって」
「あることって?」
「それはね――」
 ミミの耳元にトトリが口元を寄せ、囁くように、その意味するところをダイレクトに伝える。
「っ……!?」
 途端、ミミの顔が火のついたように真っ赤になった。
 そんな異国の言い回しなど、ミミは知るよしもない。知るよしもないが、
「月が綺麗だね、ミミちゃん」
 夜空を仰いで、トトリが呟く。
「っ……そ……そうね。月が、綺麗ね。トトリ……」
 それに応えて、ミミも呟いた。
 トトリは嬉しそうに笑みを浮かべ、ミミは恥ずかしげに俯いていたが、その表情は決して不快ではない。
「ミミちゃん……やっぱり今夜は泊まっていかない?」
 トトリからの二度目のその提案は、提案の形を取ってはいたが、奇妙に抗えない何かをミミに感じさせた。
「……本当に狼になるかもしれないわよ?」
「じゃあわたしは羊さんだね♪」
「自分で狼を招き入れる、お人好しの羊ね」
「だって、狼さんが本当は優しいことを知ってるから」
 にんまりと微笑んで、トトリはミミの手を引いた。

 本当のところ、どっちが狼なのやら。
 それは、遠く空から二人を見下ろす星と月のみぞ知る……ということにしておこう。

おわり

237 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
メルルのアトリエ後に、トトリエのミミちゃんエンドみたく二人で旅立つパターンもありじゃなかろうか。というお話。

トトリエ+の発売日が近付いてきたので、エンジン暖めていかないと。

238 :
GJ!
アトリエ+はイベント中もコス出来るみたいだし、お嬢様×メイドの主従プレイもナースコスのお医者さんごっこも出来るわけか
コスするたびに狼さんの理性がゆっるゆるになるんですね、わかります

239 :
連投気味になりますがSS投下します。
メルリエ時代のトトミミ。
けどメルルとロロナ先生の方が出番多いような。

240 :
「ミミちゃん! おねがいがあるの!」
 木漏れ日も明るいある日の並木通り。酒場で依頼の完了を報告した帰りのミミが、突然ロロナから声を掛けられた。
「ロロナさん? どうしたんですか?」
 道端で藪から棒だが、ミミはキチンとロロナに目線を合わせて聞く姿勢を取る。
 諸々の事情で肉体・精神ともに八歳児なロロナだが、戸籍上は三十を越えた成人であり、トトリの錬金術の師匠であり、アーランドが誇る名士でもある。
 元来礼儀正しいミミは、見かけが子供であっても、ロロナに対してはある程度敬意をもって接していた。
「ミミちゃんにおねがいがあるの」
「どんなお願いですか?」
「えっとねー……はなしをしてからことわられるのはこまるので、まずしょーちをしたといっていただきたい」
「どこで覚えたんですか、そんなしたたかな言い回し……まあいいですよ。承知します」
(所詮は子供のお願いごとだし、それほど無茶なことは言われないでしょうし……)
 ミミはそう判断して、話を承知した。
 ……この時、もしミミが普段以上の用心深さを保っていれば、この場の安請け合いが危険なものだと気付けただろう。だが、そうはならなかった。
「あのねあのね、ちょっとおみみをかして」
「はいはい」
 ミミは右の耳をロロナに向けて傾ける。
 ロロナはいかにも秘密めかしく両手を添えて、その耳にヒソヒソと『おねがい』の内容を伝えた。
「なっ……!?」
 話を聞いた途端、ミミは驚きの声を上げる。
「でっ、出来るわけないでしょそんなの!」
 どうやらミミにとって「無茶なこと」の範疇だったらしい。
「でもミミちゃん、ロロナのおねがいしょーちしてくれたよね?」
「う、それは……そ、そもそも何で私なんですか? トトリでもメルルでも、他に適役はいくらでもいるんじゃ」
「あのね、ミミちゃんをみたしゅんかんにね、ロロナのからだにいんすぴれーしょんがびびーってはしったの。だからミミちゃんにおねがいしたいの」
「だ、だからって……」
「ロロナのおねがい、しょーちしてくれたよね?」
「ぐ……」
「ミミちゃんはすごくりっぱなきぞくなんだから、うそついたりしないよね?」
「……〜っ」
 貴族の面目まで持ち出されては、逃れようがない。ミミは観念して、がっくりと肩を落とした。

241 :
 ――数日後。
 朝のアールズ街はずれのアトリエ。
「トトリ先生、これ見ました?」
 メルルが一枚のチラシを手に、トトリに声をかけた。
「何かの宣伝?」
「ロロナちゃんのパイショップですよ。今日から開店一周年の記念フェアをやるんですって」
 メルルとルーフェス二人の肝煎りでオープンしたパイショップは、バラエティ豊かな楽しく美味しいパイと店長ロロナの可愛さで、開店以来上々の評判を得ている。
 トトリが手に取ったチラシには、その一周年フェアのお知らせが、ロロナ独特のイラストとともに告知されていた。
「へえ。面白そうだね」
「せっかくだし、お昼にでも行ってみませんか?」
「そうだね。ロロナ先生きっと張り切ってるだろうし」
 そんなわけでこの日のお昼時。トトリとメルルはロロナのパイショップにやってきた。
「うわあ、すごい人だかり……」
 外からお店の様子を目にしたメルルは、感嘆の声を上げた。
 元々人気の店ということに加え、一周年フェアの集客効果か、集まったお客さんは店の外にまで列を作るほどだ。
「もうちょっと時間ずらして来た方がよかったかもしれませんね」
「そうだね。出直そうか?」
 今から並んでいたら、入店まで相当時間がかかりそうだ。というわけでメルル達が引き返そうとしたその時、お店から出てくる中に見覚えのある顔が。
「おーいメルちゃーん」
「あ。フアナさん」
 気さくに声を掛けてきたのは、露天商のフアナだ。腕に抱えた紙袋からは、焼きたてパイの香ばしい匂いが漂っている。
「フアナさんも来てたんですね」
「まーね。ロロナちゃんのパイ美味しいし、それに今回のフェア限定のスペシャルパイが前評判高くてさ」
 お目当ての品は無事手に入ったらしく、フアナはホクホク笑顔だ。
「にしてもロロナちゃん、あんなに小さいのに商魂たくましいよねぇ。あ、でも実年齢はだいぶ上なんだっけ? とにかく、限定品に弱い乙女心を巧みにくすぐる商品ラインナップといい、接客面でもあんな隠し玉用意してたりさ」
「隠し玉?」
「あれ、知らなかった? てっきりメルちゃんか先生が一枚噛んでると思ったんだけど」
「「?」」
 フアナの言葉に、メルルもトトリも首を傾げる。

242 :
「一体何のことですか?」
「いやいや、知らないなら口で聞くより実際に見た方がいいよ。ほら、お客さんもだんだん捌けてきたし」
「じゃあ……並んでいきますか、先生?」
「そうだね」
 混雑を避けて出直そうかと思っていたメルル達だが、フアナの言う「隠し玉」とやらが気になることもあり、好奇心に駆られて並んでみることにした。

「つぎのおきゃくさんどーぞー!」
 待つこと暫し。お店の中からロロナの元気な呼び声が響いた。ようやく入店したトトリとメルルの目に飛び込んできたのは――
「あ! メルルちゃん、トトリちゃん、いらっしゃい! よーこそロロナのパイショップへ!」
「うわーっ!? なにこれロロナちゃん可愛いーっ!」
 思わずメルルが声を上げる。
 ロロナはこの日のために用意したのか、エプロンドレス風の新作衣装を身につけていた。ロロナのトレードカラーともいえる明るい赤を基調に、フリルをふんだんに使った可憐なデザイン。おまけのアクセサリーとしてネコミミカチューシャも装着済みという隙の無さだ。
「えへへー。ロロナかわいい?」
「うん! 可愛い! 可愛い過ぎる! 今日明日中にも誘拐されないか心配になるレベル! っていうかむしろわたしが誘拐したい!」
 興奮してギリギリアウトな発言をしているメルルだが、実行するほどには理性を失っていないだろう。
「メルルちゃん、ごちゅーもんは?」
「ロロナちゃんを一つ下さい!」
「ひゃくおくまんコールになります」
「ちょっと待ってて。国債発行の手続きしてくるから」
「うそだよー。ロロナうりものじゃないよー」
「えー、そんなぁ……」
 訂正。ルーフェスも辞表を叩き付けるレベルで理性が危うかった。
「はあ、それにしても本当に可愛いですねぇ。フアナさんが感心してたのも納得ですね、先生。……あれ? トトリ先生?」
 お店に入ってからメルル一人がハッスルしていて、トトリが一言も話していない。
 メルルが視線を巡らせると、トトリはちゃんと店内にいた。誰かと目を合わせたまま、何やら固まっている。

243 :
(誰だろ……?)
 トトリと目を合わせているその人物。年齢はトトリと同じくらいか。艶やかな黒髪と、間違いなく美少女に分類される整った顔立ち。
 ロロナのものとよく似たデザインの青色基調のドレスを身に付けており、その可愛らしい衣装が、この凛々しい美人さんに奇妙にマッチして、ギャップも相まった不思議な魅力を醸し出している。
(どこかで見た顔のような……?)
 首を傾げるメルルだが、きっかり三秒後に答えは出た。
「って、ミミさんじゃないですかーっ!?」
「やっ、ちょっ……大声出さないでよメルル……!」
 正体を言い当てられた(隠していたわけでもないが)ミミは、恥ずかしそうに顔を赤らめる。
「服装が意外過ぎて本当にしばらく分かりませんでしたよ! 何やってるんですかミミさん!? まさかここに就職を!?」
「そんなわけないでしょ! ロロナさんから、一周年フェアの間だけ手伝いを頼まれたの!」
「なるほど。それは分かりましたけど、その格好……」
「あ、あんまりジロジロ見ないでよ。どうせ似合わないわよ、私にこんな衣装……」
「いやいやいや。あつらえたように似合ってますよ。ものすごく可愛らしいですよミミさん」
「っ……」
 手放しで賞賛され、ミミはますます顔を赤らめて目を伏せる。そんな仕草も普段とは何か違って、妙な色香を感じさせていた。
「本当に似合ってますって。ねえトトリ先生。……トトリ先生?」
「……」
 トトリはじっとミミを見つめたまま固まっている。
「あの……トトリ先生?」
「ロロナ先生」
 不意に、トトリの視線がロロナに向く。その目は有り得ないほど真っ直ぐに澄んでいた。
「ミミちゃんをお持ち帰りしていいですか? ダメって言われてもしちゃいそうですけど」
「ちょっ、トトリ何を……!?」
「ロロナ先生、いいですよね」
「トトリ先生? あの、落ち着いて――」
 自分もかなり興奮していたメルルだが、静かにおかしくなっているトトリを前にして、すっかり冷静になっていた。
「わたしは落ち着いてるよメルルちゃん。落ち着いてミミちゃんをお持ち帰りすることだけ考えてるよ」
「落ち着いてませんからそれ! 口調だけやたら冷静で怖いです先生!」
「だってミミちゃんが悪いんだよ。こんなに可愛いらしく変身したミミちゃんがいたら、これはもう神様がゴーサイン出してるとしか思えないよ」
「言ってることがメチャクチャですってば!」

244 :
「そもそもロロナさんが許可しないわよ。私がいないとお店の人手が足りなく――」
「たくさんおかいものしてくれたら、おもちかえりしていーよ。トトリちゃんだからとくべつだよ」
「ええーっ!?」
「ただし、おみせをしめてからね」
「ありがとうございますロロナ先生! さあ、メルルちゃん。たくさんパイを買っていこうね!」
「ちょっ、ちょっと待ちなさいトトリ! 人を買い置きのパイみたいに言って、私本人の意志はどうなってるのよ!?」
 さすがにミミが怒りの声を上げた。言っていることはもっともである。が、
「……ミミちゃんは、わたしにお持ち帰りされるの、嫌?」
「う……」
 悲しげに、懇願するような目でそう訊くトトリに、たちまち気勢を削がれてしまうミミ。
「嫌なの?」
「い、嫌とかじゃなくて、その……言い方っていうか、物扱いみたいなのが気に入らないわけで」
「ミミちゃんはミミちゃんだよ。物扱いなんてしないよ。わたしは純粋にミミちゃんをお持ち帰りしたいだけなんだから」
 どこが純粋だ、どこが。……と、百人が百人とも突っ込みを入れたくなる流れだが、
「そう……それなら、まあ、いいけど」
 見事に流されてしまったミミだった。
(あーあ、同意が成立しちゃった……今日はお城に泊まろうかな)
 もはや処置なしと胸中で呟き、メルルはため息をついた。
「それにしても、衣装一つですごい威力だなぁ……トトリ先生があんなになるなんて」
「ロロナがつくったじしんさくだからね。こんせぷとは『トトリちゃんまっしぐら』!」
「何その限定的過ぎるコンセプト。いや、見事にまっしぐらしてるけど」
 錬金術だけでなく、服飾に関しても斜め上の才能を発揮するロロナに、メルルは感心するやら呆れるやら、複雑な気分だった。
「……ところでロロナちゃん。他の人……たとえばだけど、ケイナ用の衣装とかも作れたりとかするのかな? メルルまっしぐらなコンセプトで」
「んー……メルルちゃんがたくさんおかいものしてくれたら、つくっちゃうかも」
「…………」
 この日、トトリとメルル両名とも、お小遣いの許す限りパイを買ったのは言うまでもない。
おわり

※食べきれなかったパイはちむちゃん達が美味しくいただきました。

245 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
トトリエ+でトトリちゃんだけじゃなくミミちゃんもコスチェンジできたら、その評価は成層圏を突破する(無理だろうけど)。

246 :
人いない気がするけどさらに連投でSS投下します。
メルリエ時代のトトミミ。メルケイ分も含む。

247 :
「トトリ先生……”恋”って何でしょうか?」
 ある日のアトリエで、メルルが唐突にそんなことを言い出した。
 質問されたトトリは、少し驚いた顔をして一言。
「メルルちゃん、何か変なものでも食べた?」
「ひどっ!? 女の子にこんなこと聞かれたら、普通は『好きな人でもできた?』とか返しません?」
「だってメルルちゃんだし」
「え゛〜……何だか今日のトトリ先生、いつになくきついなぁ」
 トトリの物言いにショックを受けるメルルだが、もし今ここにアーランド時代のトトリを知る人がいれば「この程度は軽いジャブ」と冷静に評価したであろう。
「あ、ごめんそういう意味じゃなくて。メルルちゃんにはケイナちゃんがいるんだしってことで」
「確かに、わたしとケイナは結婚を前提にした主従関係ではあります」
「何その新カテゴリ」
 真顔で言い切るメルルに、思わず突っ込むトトリ。メルルは気にせず話を続ける。
「ケイナのことは好きですけど、小さい頃からずっと一緒で、どちらかというと姉妹みたいなものだから……」
「それはそれで良い関係だと思うけど」
「いえ、ケイナとのことに不満があるわけじゃないんですよ。ただちょっと恋ってどういうものなのか、知的好奇心が湧いたと言いますか――」
「もしかしてフィリーさんから何か借りた?」
「……超オススメだからと恋愛小説を」
「なるほど。変なもの食べたんじゃなくて、変なもの読んだんだね」
「トトリ先生!? 今日の先生ホント妙に辛口ですよ先生!?」
「んー、アレの発売日がナニだから、原点回帰的なものじゃないかな」
「何の話ですか!?」
「メルルちゃんは気にしないでいいよ。それより恋のお話だっけ」
「あ、はい」
「正直言うと、わたしにもよく分からないよ」
「でもミミさんとは――」
「ミミちゃんのことは好きだし、ずっと一緒にいたいと思うけど、それを『恋』ってはっきり自覚したことはないかな」
「そういうものですか」
「うん。いつの間にか、そういう感情が当たり前になってた……そんな感じだね」
「それだと、わたしとケイナの関係に近いような」
「そうだね。だからわたしじゃ、メルルちゃんの好奇心を満たす答えは出せないかな」

248 :
「――というお話を、この前メルルちゃんとしててね」
「ふーん……まあ、メルルも年頃だし、そういうことに興味も湧くでしょうね」
 トトリの話に相槌を打って、ソファに腰掛けるミミはお茶を一口すすった。
 メルルは所用でお城に出かけていて、昼下がりのアトリエはトトリとミミの二人だけだ。
「ねえミミちゃん」
「何?」
「ミミちゃんは恋ってどんなのか分かる?」
「……」
 その質問に対し、ミミは口をつぐむ。微妙に目もそらす。
「ミミちゃん?」
「……」
「ミミちゃーん?」
「……答えたくない」
 ぼそりと、独り言のようにミミが呟いた。それがつまり質問の答えなのだろう。
「そっか。答えたくないんだ」
「……」
「ミミちゃん、わたしのこと好き?」
「なっ……!?」
 続いて放たれたストレート過ぎる質問に、慌てるミミ。トトリはあくまで真剣な表情だ。
「好き?」
「な、何よ急に、そんなこと……」
「わたしはミミちゃんのこと好きだよ」
「〜っ!」
 今初めて言われたわけでもないのに、ミミは生娘のように頬を赤らめる。そんなうぶなミミの反応が、トトリは可愛いくて堪らなかった。
「ミミちゃんは?」
「い……今さら聞かなくたって、知ってるでしょ!」
「うん。けどミミちゃんの口から聞きたいの」
 じっと、トトリはミミの目を見つめる。逃がすつもりは毛頭ないようだ。
「す……好きよ」
 絞り出すようにそう答えて、ミミは大きく息をついた。
「それって恋なのかな?」
「……多分、違うでしょ。互いに思い合ってはいるけど、恋ってほどに心が揺らぐわけじゃないし、息苦しいこともないし」
「なるほど。つまりミミちゃんは、恋すると心が揺らいだり息苦しくなるって知ってるんだ」
「っ……ど、どうでもいいでしょそんなこと! とにかく今の気持ちはそういうのとは違うものよ!」
 口を滑らせたことに気付いたミミは、慌てて話をそらした。
「恋じゃないけどわたしもミミちゃんも好き合ってるんだよね。こういうのはなんて言うのかな?」
「知らないわよそんなの。言葉ではっきり言うようなものでもないんじゃないの」
「そっかー……」
「……? トトリ?」
 不意に、トトリがミミの傍に寄る。
「じゃあ言葉以外で確かめないとね」
「何を――んっ!?」
 吐息が触れ合うほどに顔が近付いたと思ったら、トトリの唇がミミのそれをふさいでいた。

249 :
「ん……〜……ぷは」
「っ、ト、トトリ……こんな、日も高いうちから、はしたないわよ」
「確かに、メルルちゃんも帰ってくるかもしれないね」
「でしょう。だからもう――」
「でも無理。我慢できない」
「ちょっ――〜っ!?」
 もう一度、トトリの唇がミミを襲い、そのままソファの上に押し倒した。
「あっ……トトリ、やっ」
 ミミの首筋に、トトリの唇が触れる。音が立つほど激しくキスの雨を降らせながら、トトリの腕がミミの体を抱きすくめる。
「ミミちゃん……大好き」
 囁き、耳元に何度もキスをする。トトリの唇が触れるたび、ミミの体が熱く火照っていく。
「……っ、ぁ……」
 ミミの固くしばった口元から、声が漏れる。その口に、またトトリの唇が重なる。
 トトリの舌先が溶けるように中まで入り込み、縮こまったミミのそれを、優しく解きほぐしてしまう。
「ん、ふぁ……ミミちゃん……もっと……んんっ」
「トトリ……っ、んっ……あ……」
 躊躇いがちだったミミも、だんだん気持ちがほぐれたのか、それが当たり前かのように、自然にトトリを求めていく。
 肌を合わせ、唇を重ね、トトリとミミは互いの心を交わすように、睦み合いを続けていった。

250 :
 同時刻。
「えーっと……」
 アトリエの外。ドアの前に立ちながら、メルルは背中に嫌な汗をかいていた。
 ドアノブに手を掛けたところで、中から漏れ聞こえるトトリとミミの声に気付き、最高に気まずいエンカウントを避けることはできたのだが。
「ど、どうしようケイナ。このままじゃ入るに入れないよ」
「無理に入らなくてもいいじゃないですか。しばらく時間を潰しましょう」
 傍らに立つケイナは冷静だったが、さすがに少し顔が赤かった。
「そっか……それじゃあ、えっと、お城に戻ろうか、ケイナ」
「はい」
 微妙にぎこちない動きでメルルが歩き出し、ケイナもついて行く。
「……それにしても、トトリ先生とミミさんって、本当に仲良いよねー」
「そうですね。少し羨ましくなります」
「えっ」
 ケイナの言葉に、メルルは驚き目を丸くする。
「? メルル、どうかしましたか?」
「羨ましいって……それはその、つまりケイナも……『ああいうこと』したいの?」
「ーっ!」
 途端、ケイナの顔が火のついたように赤くなった。
「ちっ、違います! 私は純粋にお二人の仲が良いという点を羨ましく思っただけです!」
「だってそれならわたしとケイナだって仲良しじゃない。小さい頃からずっと一緒で、一緒にお風呂入ったり、一緒のベッドで寝たりしてるし」
「それは……そうですけど……」
 自分でもその通りと思ったのか、ケイナの声がだんだん小さくなる。
「……ケイナ」
「はい?」
「今夜わたしお城に泊まるから、一緒に寝てもいい?」
「えっ」
 メルルからの唐突な申し出に、ケイナは狼狽してしまう。
「そ、そんなこと急に言われましても」
「何でそんなに慌てるの? 今までだって何度も一緒に寝てるじゃない」
「それは小さい頃の話でしょう!」
「大きくなっててもいいじゃない。とにかく今夜はケイナと一緒に寝るからね」
「……もう」
 こうなるとメルルは梃子でも動かないだろう。ケイナは観念して肩を落とした。

251 :
「ねえケイナ」
「何です?」
「わたしのこと好き?」
「ええ。好きですよ」
 ごく自然に、ケイナが答える。今さら自分自身に確認するまでもない、素直な気持ちだ。
「えへへ……わたしもケイナが好きだよ」
 底抜けに明るい、嬉しそうな笑顔で、メルルもそう返す。
 この笑顔にはかなわない。……と、ケイナは心の中で苦笑を漏らした。
「……メルル」
「何?」
「……嫌とは言いませんけど、優しくして下さいね」
「ん……分かった」
 約束の握手をするように、メルルはケイナの手を握り、そのまま二人はお城へと歩いて行った。

おわり

252 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
本日十一月二十二日は良い夫婦(1122)の日ってことに気付いて書き上げたお話。

253 :
おいおい作品が4つも投下されてるじゃないか
最高の品質の乙せざるを得ない

254 :
ロロクー分が致命的に不足している。
というわけでまたさらに連投でSS投下します。
トトリエ時代のロロクー。

255 :
「くーちゃん分が足りない……」
 ある日のアーランドのアトリエ。調合作業の最中、ロロナがそんなことを呟いた。
「どうしました先生?」
 横の釜で同じく調合していたトトリは、少し手を止めてロロナの方を見やる。
「くーちゃん分が足りないんだよ、トトリちゃん」
「はあ。そのくーちゃん分っていうのは一体……?」
「くーちゃん分はくーちゃんに含まれる栄養素だよ。これがないとわたし干からびてんじゃうんだよ」
 真剣な表情でふざけたことを言うロロナだが、干からびはしないまでもかなり疲労しているのは確かだった。
 ロロナはここ最近仕事が立て込んでおり、ほぼアトリエに籠もりきりなのである。従って、冒険者ギルドの仕事で忙しいクーデリアとも、ここ数日顔を合わせていない。
「はあ〜……くーちゃんをもふもふくんかくんかしたいよぅ……」
 ロロナは調合の手を止めて、大きなため息をついた。難しい調合がまだいくつか残っており、全て片付くまではかなり時間が掛かってしまう。
「しっかりして下さい先生。クーデリアさんの代わりに、わたしだったら好きなだけもふもふしていいですから」
「うぅ……ありがとうトトリちゃん」
「いえ、そんな――って、ひゃうっ!? い、いきなりそんなところ触らないで下さい先生!」
「あ、ごめん。ついくーちゃんと同じ勢いで」
「普段何やってんですか先生達は!」
「気にしない気にしない。では改めて――」
 しばしの間、ロロナは撫でたり抱きしめたり、トトリの感触を存分に堪能した(健全な範囲で)。
「ふぃ〜……ありがとうトトリちゃん」
「いえ、どういたしまして」
「ああでも、トトリちゃんのふわふわすべすべも悪くないけど、くーちゃんのぷにぷにあったかなのが恋しいなぁ……」
「まだ言ってるし……やっぱりわたしじゃ代わりにならないみたいですね」
「うん……くーちゃんもこの時期忙しいだろうから、お仕事早く終わらせるしかないね……ああ、でもくーちゃん分が足りなくて力がでないよ〜……」

256 :
 
「――という状態でして」
「……それを聞かせてあたしにどうしろって言うのよ、あんたは」
 冒険者ギルド。トトリは依頼の品をフィリーに届けたその足でクーデリアの所に寄り、ロロナの現状を説明した。
「出来たらクーデリアさんに先生と会ってもらいたいんですけど」
「会いに行きたいのはやまやまだけど、こっちもこっちで仕事が立て込んでるのよ。ここ最近連日残業だし」
 クーデリアは肩をすくめてため息をついた。
「やっぱり難しいですよね……じゃああの、代案といいますか、お願いがあるんですけど」
「何?」
「ロロナ先生が言うには間接的にでもくーちゃん分を摂取できればいいらしくて、その……」
 トトリは何やら恥ずかしそうな顔をして言葉を濁す。
「だから何? 聞こえないんだけど」
「えっとですね、クーデリアさんに――」
 ごにょごにょと、ごく小さな声で、トトリはそのことを告げた。

 数分後。
「ロロナーっ!!」
 バーンッ! と音が鳴るほど激しくドアを開いて、アトリエに参上したクーデリア。
「あーっ! くーちゃん来てくれたんだーっ!」
 その姿を見るや否や、ロロナは飛び付くようにハグしようとする。が、
「フンっ!」
「あ痛っ!?」
 クーデリアの放つチョップが正解無比な鋭さで、ロロナの顔面を直撃した。
「あぅ……お鼻痛い……くーちゃん何で?」
「自分の胸に聞きなさいこの馬鹿! 自分の弟子に何てこと頼ませてんのよあんたは!」
「……あ〜、トトリちゃんがくーちゃんにもふもふして、わたしがトトリちゃんに間接もふもふしてくーちゃん分を摂取すること?」
「そうよ! 人目もあるのに破廉恥な要求させるんじゃないわよ! そもそもくーちゃん分って何なのよ!? 訳の分からないこと言って――」
 ガミガミとロロナを叱り始めるクーデリア。だが当のロロナはというと、
「えへへ〜、久しぶりにくーちゃんのお説教だぁ」
 何故かご満悦だった。
「人が怒ってるのに嬉しそうな顔をするな!」
「だってくーちゃんに会えただけでも嬉しいんだもん」
「っ……!」
 満面の笑みでロロナからそんなことを言われたら、さすがのクーデリアも怒りの矛先が鈍ってしまった。
「……〜ったく、もういいわ。余計な時間食ったし、帰るわね」
「え! くーちゃんもう帰っちゃうの?」

257 :
「あたしも仕事が忙しいの知ってるでしょうが。あんたも、訳の分からない栄養素が補充できたんなら仕事に専念しなさい」
「まだ全然足らないよ! くーちゃんをもふもふしたりくんかくんかしたりしないとダメだよ!」
「駄々っ子かあんたは……はぁ、仕方ないわね」
 渋々といった態で、クーデリアはロロナの駄々を聞いてあげることにした。断ってぐずられるよりよっぽど早いと判断してのことだ。自分もロロナにハグされたい願望がちょっぴりあるとかいうことは決してない。多分。
「いいの?」
「ええ。ただし五分だけね」
「うん! 分かった!」
「わっ!?」
 頷くや、ロロナは一気にクーデリアに抱きついた。
「ちょっ……ロロナ、少しは加減……ひゃっ!? ど、どこに手入れてんのよ、ちょっと!?」
「うふふ〜……くーちゃんあったかくて気持ちいいよ」
「だからちょっと、人の話を……ひうっ! ちょっ、舐めるなんて聞いてないわよ! あんた五分で終わらせる気全くないでしょ!?」
「もちろん!」
「堂々と約束を反古するな!」
「細かいことは気にしな〜い♪」
「待っ、あっ――」
 そのまま勢いに任せて、ソファの上にクーデリアを押し倒すロロナだった。

 同じ頃、冒険者ギルド。
「う〜ん……クーデリアさんは先生にお説教したらすぐ戻るって言ってたけど、やっぱりすぐアトリエに帰らない方がいいよね」
 何となくアトリエでの展開を予想しているトトリは、しばらく時間を潰していようとギルドをうろうろしていた。
 と、そこへ声を掛ける見知った顔が。
「あら、トトリじゃない」
「あ、ミミちゃんこんにちは。お仕事?」
「依頼の完了を報告してきたところよ。あんたはどうしたの? 手持ち無沙汰に見えるけど」
「んー、ちょっとね」
 さすがに説明のしようがないので、適当にごまかしておく。
「あ、そう。私もこの後空いてるし、暇ならお茶でも付き合わない?」
「うん、いいよ」
 そういうわけで、トトリはミミとお茶にすることにした。
「わたしもミミちゃん分補給……なんてね」
「え? 何か言った?」
「ううん。何でもないよ」
「?」
 妙に楽しそうなトトリに、首を傾げるミミだった。

おわり

258 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
トトリエ+でロロクーのイベント増えますよーに。

259 :
GJすぎる!!!
+の追加イベ気になるなぁ…ハード持ってないが…

260 :
久しぶりの濃厚ロロクー分のおかげで私はここ数ヶ月で最高にキモいにやけ顔をしてます

261 :
>>254
まってました

262 :
書き込み規制の為、暫く此処で失礼します。 ケイナの旦那(my name)より

旅先の旅館でケイナと穏やかに過ごしたい
ケイナに晩酌して貰ったり、温泉に入ったり、同じ布団で蜜月を過ごしたい

263 :
紅葉狩りをしに山へ散策している時にケイナが足を滑らせて
自分もケイナと縺れる形で紅葉の絨毯の上に転がり、見つめ合ってキスしたい

264 :
旅行先の土産屋でケイナとお揃いの品を買いたい
そして帰ったら誰かに見付けられたい。二人だけがお揃いの物を持っていると

265 :
敵の放った遠距離攻撃がケイナに対して迫ったら
の淵から生還した自分の剣で防ぎたい。使い手の精神に呼応する、その剣で

266 :
疲れたらケイナに抱きしめて貰いたい
ケイナの胸に顔を埋めながら、ケイナって着痩せするんだなと考えたい

267 :
トトリエ+ってイベントとかエンディングとか増えたりするの?

268 :
ケイナにおやすみのキスをしたい
寝ても覚めてもケイナはずっと自分のお世話係だから

269 :
>>267
分からん
確定してる要素としてはトトリのコスチュームチェンジと追加ダンジョンとDLCキャラを最初から収録の3つくらいか
DLCキャラはそのまま入れるだけだとツェツィのイベントとか矛盾するから何か追加イベントが欲しいところだな

270 :
ケイナを素敵なお嫁さんにしてあげるけど
結婚してもケイナからは「(my name)様」と呼ばれたい

271 :
メルルのアトリエ+で『ケイナの王子様編』を追加して欲しい
主人公の名前は(my name)。アールズの天才剣士

272 :
ふと思ったんだけど
アーシャのアトリエでアーシャだけじゃなくリンカやベルちゃんの水着をDLCで配信してたし
トトリ+でミミちゃんやロロナ先生やくーちゃんのコスチュームをDLC配信するのもあり得るよな
百合ップルでペアルックとかできたりしたらフィリーちゃんのテンションがやばいことになってしまうなw

273 :
爆破寸前の研究所から脱出する際に後続を断つべく自分が立ちはだかり
皆は先に逃げろ!と言うがケイナも残ってくれて、最後は二人で脱出したい

274 :
相合傘で自分とケイナの名前を岩に刻みたい
縁結びの岩に

275 :
豊漁祭にティファナさんが出場できない深刻なバグは直っているのだろうか

276 :
トトリ+に幼い頃のケイナ(と自分)が出るなら買いたい
子供ながら将来を誓い合ったケイナを守る為に魔物相手でも勇敢に立ち向かいたい

277 :
なんかやたらケイナ押しの変なのがいるけど。
ここって俺×アトリエキャラの愛を叫ぶ場所ではないんだよね。別スレへどうぞ。
まぁ私×アトリエキャラなら話は別だが、どっちにしても夢小説は中学生くらいで卒業しとけ。

278 :
>>277
書き込み規制の為、別スレにも移動出来ません。
解除されるまで此処で失礼します。

              byケイナの旦那(my name)

279 :
劇場版の敵にケイナの魂を持ち去られてしまい、苦戦を強いられるが
最後はケイナと同調した自分の新必技『スターバースト』で勝利したい

280 :
移動出来ないからってここで垂れ流すのか
ここは百合スレだぞ、スレ違いもいいところだ

281 :
ガストちゃんから発送メールきてた!
オルトガラクセンが出るならロロアト勢に追加イベントほしいよねー

282 :
おお、よかったね。もうそんな時期か
ヴィータ持ってないから新要素の報告待ちだわ…

283 :
恋文でケイナに想いを伝えてみたい
その手紙を結婚してもずっと大事にしてるケイナが見たい

284 :
ケイナと手を繋いだまま眠りたい
寝てる間も夢の中でケイナと冒険したい

285 :
何気にセロAからBへ引き上げ
とある百合ゲーで監禁や心中あってもCだったこと考えれば期待していいんだろうか
ツンデレがヤンデレも併発してしまうとか最強だと思うんだ

286 :
>>285
BADエンドではくーちゃんがロロナ先生を別人格に変えちゃったりツェツィお姉ちゃんがトトリちゃんと心中したりするんだな中の人的に考えて

287 :
ヤンデレズトトリ先生期待

288 :
ケイナの胸はメルルより大きい!と誰かと議論になった時に言いたい
ケイナの胸なら自分が毎晩確認しているから

289 :
ケイナを守るRPGがやりたい
ケイナが好きだという想いで世界を救いたい

290 :
アーランドのとある場所で年に数回表に決して出ない商品の闇取引が行われているという情報を掴んだクーとミミ
潜入した彼女達の前になんと闇取引に参加しているフィリーの姿が

291 :
(my name)を名前入力出来る主人公のゲームでケイナと結ばれたい
ケイナに(my name)を呼ばれたい

292 :
>>290
同人即売会…?w

293 :
>>280
自分の書き込みと共に他の方々の書き込みも増えていますので
過疎化を防ぐ等の貢献はあると思います。

               ケイナの旦那(my name)より

294 :
フィリーが売り側として闇取引をしていれば上司や同僚として資料を押収し検閲するのは当然のこと
それが黒か白か判断する資料は多ければ多いほどよく、その資料を時間がかかってでもより多く回収しようとするのも当然のこと
その資料がたまたま貴族の冒険者と錬金術師の恋愛を描いたものだっただけ

295 :
ケイナの中で射精した感覚を一生の思い出にしたい
ケイナに初めて射精した気持ち良さを忘れられない思い出にしたい

296 :
薄い本の存在はゲーム本編でも確認されてるしフィリーちゃんが関わっているのはまず間違いないだろうな

297 :
>>293
お前のおかげじゃなくて、トトリエ+が出たおかげだと思うが

298 :
トトリエ+、結構フリーズ報告見かけるけど大丈夫かいな

299 :
フィリーに「(my name)君とケイナちゃんの関係を詳しく聞かせて欲しいな〜」と言われたい
そして次々と妄想するフィリーの話を何処か嬉しそうに聞くケイナが見たい

300 :
ケイナにおやすみのキスをして眠りたい
自分がケイナの旦那様だから

301 :
Vita展開はまだまだあるらしいな
ロロナメルルも出るかなー

302 :
ロロナプラスでフィリーちゃん13歳登場と
メルルプラスで三十路ロロナ先生復活に期待だな

303 :
ぶっちゃけケイナはメルルとセットだから魅力があるのであって、ケイナ単品だとモブキャラでも違和感ないよなって本音。

304 :
>>303
わかった、馬鹿なんだ

305 :
>>303
ケイナは青い鳥であり、永遠に続く想いの象徴です。
自分はそんなケイナが大好きです。

              ケイナの旦那(my name)より

306 :
ロロナリメイクまだ〜、リオちゃんの認知度アップに期待です

307 :
フィリトトもいいな
ティファナに胸を揉まれたときは「まさか自分が揉まれる側になるなんて」とか泣きながら言ってたからただの百合女子かと思いきや
何もわからないトトリに結婚の約束させてその約束も口止めするとかガチ過ぎる
トトリに関しては傍観者として絡みを見守るより当事者になって絡みたいんだな

308 :
トトリちゃんはいつになったらフィリーの責任とるんですかねぇ

309 :
SS投下します。
トトリエ時代のトトミミ。

310 :
 朝のアーランド。ミミは人ごみの中を歩いていた。ただ歩いているわけではなく、道のそこそこに立ち並ぶお店を眺めている。
 お店といってもほとんどが屋台か、あるいはゴザを敷いて売り物を並べている簡素なものだ。野菜や果物など生鮮食品が多いが、それ以外にも自家製のパンやドーナツ、ジャムなどを売っている店もあった。
 いわゆる朝市である。元々気候が温暖で土地も肥沃なアーランドだが、共和国になってから街道の整備と物流の促進に力が注がれ、流通する食料もかなり豊富になってきている。そのお陰でこういう場所に並ぶ商品も、時節を問わずバラエティに富んでいた。
 まだ日が昇ってそう間もない時間だというのに、市場には大勢の人が行き交っている。涼やかな朝の大気と人々の熱気が渾然となって、一種独特の空気を作っていた。
「う〜ん……」
 ミミは野菜の並ぶお店をつらつらと眺めながら、何やら考え込んでいる様子だった。
「とりあえず適当に見繕って……」
「あーミミちゃんだ。おはよー」
「っ!」
 突然背後から声を掛けられ、ミミの肩がびくりと震える。慌てて振り向くとそこにいたのは、
「何だロロナさんか……」
「がーん! 挨拶したのに『何だ』って言われたー!」
「あ、すみません。別に悪意があったわけじゃ」
 いい年した女性が口で「がーん!」とか言う辺りにツッコミも入れたかったが、ミミはとりあえずフォローと謝罪を優先しておく。
「分かってるよ。トトリちゃんじゃなかったからガッカリしたんだね?」
「ちっ……違います!」
 訳知りげに微笑むロロナに、慌てて否定するミミだった。
「市場で会うのって初めてだね。ミミちゃんもお買い物?」
「はい。食料品を買い出しに」
「ミミちゃんが料理するの?」
「ええ。料理だけでなく、身の回りのことは自分でするようにしています」
「へーそうなんだ。えらいねー」
 間延びした口調だが、ロロナは真面目に感心している様子だった。
(例えばここでトトリだったら「ミミちゃん、貴族なのに召し使いさんとかいないの?」なんてことを言ってくるんでしょうね……)
 ミミは胸中でごちる。貴族という存在が形骸化して幾星霜。旧来通りの家人を持つ貴族などごくごく少数だ。

311 :
「ロロナさんもお買い物ですか?」
「うん。普通のご飯の材料を買いにね」
 わざわざ『普通の』とつけるのは、つまり錬金術を使わないで作るという意味か。錬金術士といえど、普段食べるものまで錬金術で賄うわけではないらしい。
「ロロナさん、料理するんですか?」
「するよー。こう見えても昔、師匠がアトリエでぐーたらしてた頃は、何年も家事やってたんだからね」
 えっへん、と胸を張るロロナ。別に威張るようなことでもないが。
「ところでミミちゃんは何買うの?」
「普通に野菜とかですね……今の時期だと根菜類が良いでしょうか」
「あーそうだね。カブのシチューとかふろふき大根とか、寒い夜なんかに良いよね」
 具体的なレシピを思い浮かべて、ロロナは食欲が湧いてきたのか、今にもよだれを垂らしそうな表情になる。
「ミミちゃんのオススメは?」
「そうですね……馬鈴薯をたっぷり使って肉じゃがとか」
「へえ。ミミちゃん結構家庭的なんだ」
「わ、悪いですか」
「全然悪くないよ。むしろ可愛いよ。ちなみにわたしが得意なのはね――」
 方や一流の錬金術士、方や新進気鋭の冒険者。だというのに、朝の市場でまるで若い主婦のような会話をしている二人だった。

「トトリちゃん、わたしちょっと出かけてくるね」
「はーい。いってらっしゃい」
 ある晴れた日のこと。仕事に一段落つけたロロナは、後片付けを終えるや、トトリに一声かけて出かけてしまった。
「最近先生お出かけ多いなあ……クーデリアさんのとこかな?」
 何となく呟いてから、トトリは自分の仕事を再開した。今受けている依頼の内容とコンテナの中身をチェックする。
「えーと……この辺はすぐに持っていけるかな。調合しなきゃいけないのはこれとこれと……材料ちょっと足りない分は、買って済ましちゃおう」
 チェックを終えたトトリは、早速納品と買い物に出ようとアトリエのドアを開けた。

312 :
「クーデリアさん、こんにちは」
 納品できる分の依頼報告を終えたトトリは、ついでにクーデリアのところに足を伸ばしていた。
「ああ、こんにちはトトリ。ちょっと聞きたいんだけど、ロロナは今アトリエにいる?」
 クーデリアがそう訊ねると、トトリは首を傾げた。
「出かけてますけど……クーデリアさんの所には来なかったんですか?」
「来てないわよ。ていうかあいつ、最近妙に付き合い悪いっていうか、しょっちゅうどこか行ってるみたいなんだけど」
「確かに最近ロロナ先生お出かけすること多いですけど……」
 トトリはてっきりクーデリアの所に遊びに行っている思っていたが、どうも違うらしい。
「そう……あんたも行き先は知らないわけね」
「すみません」
「いや、いいのよ。別に気にしてるわけじゃないし」
 口ではそう言いながら、クーデリアはそわそわと落ち着かない様子だった。
「ロロナ先生、どこに行ってるのか聞いてみましょうか?」
「いいわよ。そんなわざわざ」
「でもクーデリアさん、先生のこと心配してるんじゃ」
「してないわよ。あの子だってもういい年なんだから。そんな旦那の浮気を心配する女房じゃあるまいし――」
 バサッ、と音が鳴って、トトリとクーデリアの視線がそちらへ向く。明らかにトトリ達の会話を立ち聞きしていたフィリーが、何やら動揺した様子で書類束を落としていた。
「す、すみません、私のことは気にせずどうかお話を続け――」
「フィリー……あんたロロナのこと何か知ってるわね」
「ギクッ!」
 ここまで分かりやすい図星なリアクションも珍しい。
「ししししし知りません知りません! 私は何も見てませんし出来るだけ遠巻きに事態の推移を観察してネタとして美味しくなるまで見守ろうだなんて微塵も思ってません!」
「あんたのそういう分かりやすいところ、嫌いじゃないけど一切褒める気になれないわ……いいから知ってること全部吐きなさい!!」
「ひっ!? ……わ、分かりました、話しますから怒鳴らないで下さい〜」
 クーデリアの一喝で従順になったフィリーは、大人しく話を始める。
「実はその……先日偶然、ロロナさんがある人と並んで歩いているのを目撃しまして」
「ある人って?」
「それは――」
 フィリーはチラッとトトリの方に目をやって言い渋る気色だったが、やがて口を開いた。
「……ミミさんです」

313 :
「ミミちゃんと先生が?」
「はい。しかもかなり楽しそうに」
 意外な組み合わせに驚くトトリとクーデリア。
「……でも別に、ただ二人が一緒に歩いてたってだけでしょ。それぐらいなら――」
「いえ、それだけじゃないんです。珍しい組み合わせだったから、どこに行くんだろうと思ってしばらく見てたんですけど……二人ともそのまま大通りにある誰かのお家に入っちゃったんです」
「大通りにある家って……それってロロナの実家じゃないの」
「えっ……」
「ええーっ! あそこロロナさんの実家だったんですか!? ということはまさか、ロロナさんがミミさんをご両親に紹介する段階まで一足飛びに進んでるとか!?
 でもロロナさんにはクーデリア先輩、ミミさんにはトトリちゃんがいるはずなのに、何ていう斜め上な展開!
 幼なじみと師弟関係が絡んだ三角関係ならぬ四角関係だなんてこれはますます目が離せな――痛たたたたたた! 痛い! 痛いです先輩! ほっぺたもげちゃいますぅ!」
「片一方ぐらいもげた方がいいわよあんたは」
 妄言を垂れ流すフィリーの頬を思い切りつねりながら、クーデリアは大きなため息をついた。
「ったく……何が四角関係よ。あのロロナがそんな真似するわけないでしょうが。トトリも、この馬鹿の言うことは右の耳から左の耳で気にしなくていいからね」
「……」
「トトリ? 聞いてる?」
「あっ、はい! 聞いてます」
「……とにかく、仕事もあるだろうし、帰りなさい」
「はい……」
 力なく頷いて、トトリはギルドを去っていった。

314 :
 気にしなくていい。とクーデリアに言われたが、気になってしまうのはどうしようもないわけで。
 気が付くとトトリは、アトリエに帰る道から外れて、大通りに入っていた。
「先生の実家は……確かこのへん……あ」
 あった。フリクセル家の表札が出ている、大通りに面したごく一般的な一軒家。そこがロロナの実家である。
「……つい来ちゃったけど、今先生がいるかどうかは分からないんだよね……それにいきなりわたしが訪ねるのもおかしいし、理由もないし……」
 トトリは独り言を呟きながら、玄関前をうろうろしている。端から見るとちょっと挙動不審だ。
「うーん……やっぱり帰ろうかな」
 そう言って、踵を返す。と、
「あ。何か声がすると思ったらトトリちゃんだ」
「せっ、先生!?」
 唐突にドアが開いて、エプロン姿のロロナが姿を見せた。
「どうしたのトトリちゃん? こんなところで」
「えっと、それは、その……」
「まあいいや。ちょうどいいところだったし、上がって上がって」
「え、あの」
 戸惑うトトリを、ロロナは半ば強引に家の中に引っ張り込んでしまった。
「今お父さんもお母さんも旅行中で留守だから。遠慮しなくていいよ」
「はあ」
「ロロナさん、焼き上がったので味見を――」
 トトリ達が居間に入ったところで、奥のキッチンからエプロン姿のミミが出てきた。
「ト、トトリ!? 何でここに!?」
 トトリの顔を見て、ミミは大いに慌てふためく。
 ミミがこの家にいるということは、トトリもある程度予想していた。
 だがしかし。それ以上に看過することの出来ない事実が、今、トトリの目の前に存在していた。
「ミミちゃん……どういうことなの……?」
 努めて感情を押ししたような、抑揚の無い声。視線はミミを見ているはずだが、どこか焦点が合っていない。
「どういうことって、何がよ?」
「何で……ロロナ先生とペアルックなの?」
「はい!?」
 トトリの問い掛けに目を丸くするミミ。だが確かに、今のミミはロロナと同柄のエプロンを身に付けており、ペアルックと言えなくもない。
「どういうことなのミミちゃん?」
 強く答えを求めながら、トトリの問い掛けは、あくまでも静かだ。ミミは若干気圧されながらも、どうにか対応する。

315 :
「落ち着きなさいトトリ。これはそんな、ペアルックとかじゃなくて、たまたまここにあったエプロンを借りたらそうなっただけで――」
「そもそもミミちゃんは何でロロナ先生の実家にいるの?」
「それはその……あんたには関係ない話で――」
「わたしに言えないようなことなの?」
「ちがっ……そんなんじゃなくて、えっと、ほら、前にツェツィさんにも――」
「お姉ちゃんだけじゃ飽き足らずにロロナ先生にまで手を出したの?」
「人聞き悪いどころじゃないこと言うなっ! ちょっとトトリ本当に落ち着きなさい! さっきから変な電波受信してるわよ主にギルドの受付から!」
「うふふ、やきもち焼いてるトトリちゃん可愛いなぁ」
「ロロナさんも笑ってないで早く誤解を解いて下さい!」

 ――数分後。
「……つまりミミちゃんはロロナ先生にお料理を習っていたんだね」
 トトリはミミの説明を受けて、ようやく納得して落ち着いた様子だった。
「料理っていうか、ほぼパイの作り方になってたけどね」
「普通にオーブンでパイ焼くの久しぶりだったから、つい楽しくて夢中になっちゃったよ」
 ロロナは笑顔で呑気なことを言っているが、トトリは渋い表情だ。
「それだったら、別に隠さず言ってくれたら良かったのに」
「ごめんね。でもミミちゃんがトトリちゃんには内緒にしてって言うから。だからばれにくいように場所もわざわざわたしの実家にして」
「ちょっ、ロロナさん……!」
 内緒にしてと言っていたことをあっさりばらされ、ミミは大いに焦る。
「ミミちゃんが? どうして?」
「うぐ……」
 首を傾げるトトリだが、ミミは口をつぐんで答えようとはしない。
「ミミちゃん、何で?」
「……」
「あ、そうだ。パイ焼けたんだよね。トトリちゃんも一緒に食べよ」
 トトリ達のやり取りを尻目に、ロロナはニコニコしながらキッチンへ向かい、すぐに三人分に切り分けたパイを持ってきた。
「ミミちゃんが焼いたパイだよ」
「あれ? これって――」
 ロロナが持ってきたパイを見て、トトリが少し驚いたように声を上げる。
「おさかなパイですね」
「うん。わたしがトトリちゃんのお姉さんから習ったのを、ミミちゃんに教えてあげたんだ」
 おさかなパイ――ヘルモルト家伝統の料理で、トトリの大好物でもある。

316 :
「おさかなパイ、トトリちゃんが大好きだって言ったら、ミミちゃんすごく張り切ってたよ」
「んなっ……そ、そんなことありませんから!」
「えー? だってミミちゃん、トトリちゃんに食べて欲しくてお料理頑張って勉強してたんじゃないの? だから内緒にしてって」
「ミミちゃん、そうだったの?」
「ちっ、違うわよ! そんなわけないでしょ! 私はただ純粋に料理のレパートリーを増やしたかっただけで――」
「まあ、細かいことは置いといて、早く食べよ」
 故意なのか天然なのか、ロロナはあくまでマイペースだ(本当にただパイが食べたいだけなのかもしれない)。
「ほらトトリちゃん。焼きたてホカホカだよ」
「あ、はい……」
 勧められるままに、トトリはおさかなパイを一口食べてみる。
「……美味しい」
「でしょう。ミミちゃんお料理の基礎もしっかりしてるし、物覚えがいいから教え甲斐があったよ」
「ミミちゃん」
「……何よ?」
「凄く美味しいよ」
「――っ! さ、さっき聞いたわよそれは」
「うん。でももう一回言うね。ミミちゃんのおさかなパイ、凄く美味しい。作ってくれて凄く嬉しいよ」
「〜っ……べ、別に、あんたのために作ったわけじゃ……」
「こんなに美味しいなら、ミミちゃんのお料理毎日食べたいなぁ……」
「っ……!」
 何の含みもないトトリのその呟きに、ミミの顔は一気に真っ赤に染まってしまう。
「トトリちゃん。それって何だかプロポーズみたいだね。毎朝僕のみそ汁を作ってくれ、みたいな」
「え? あ」
 気付いたトトリの頬も少し赤くなる。
「もう! 先生ってば」
「照れない照れない。良かったねミミちゃん。トトリちゃんのために頑張ってた甲斐があったね」
「さっ、さっきからロロナさんは余計なことばかり言わないで下さい!」
 いちいち茶々を入れるロロナに、とうとう顔を真っ赤にして咆えるミミだった。

 その後――
 ミミはトトリにアイテムを依頼に来るのと同じような頻度で、何かと差し入れをするようになったとかならないとか。

おわり

※構ってもらえなくて拗ねてたクーデリアさんは、ロロナ先生が美味しくいただきました。

317 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
図鑑眺めてて気付いたけど、アーランドってお米やお箸だけじゃなくて、ソースやマヨネーズ、さらには味噌や醤油もあるらしく、食生活に関してはかなり現代日本に近いような気がする。

318 :
乙です
何だかんだでロロミミは相性良いんじゃないかと思う。
本編でもみみりえるぐるぐぐーやトトミミケンカイベは印象残ってるし
しかし、料理は「ぐーるぐーる」じゃなく常人でも理解できるように教えられるんですねロロナ先生ww
そう言えばスケさんエンドでもトトリに戦闘でのアドバイスもしていたし、
どうして錬金術教える時だけはアレになっちゃうんだろうかあの人は…

319 :
乙です
さあ、おいしくいただかれたロロクーを書く作業に入るんだ!

320 :
乙です
激しくニヤニヤしたw
トトリエでは常にトトミミロロパーティでプレイしてたから
ロロミミも美味しくいただけますねえ

321 :
おいしゅうございました
乙です

322 :
深夜に寝れなくなったので投下
美味しくいただかれてはいないけどロロクーです
会話オンリーなのでなにかのイベント風にイメージしてくれたらありがたいです

323 :
トントントン ガチャ
「邪魔するわよー、ロロナいるかしら」
「おお、誰かと思えばクーデリア嬢ことくーちゃんじゃないか」
「……帰るわ」
「待て待てくーちゃんよ、顔見た途端帰られてしまうのはさすがの私も悲しくなるではないか」
「なんでアンタがここにいるのよ。あとくーちゃん言うな」
「なんでもなにもここは私のアトリエなのだが……」
「今はロロナのアトリエでしょ、というかずっとロロナが探してたんだからね!」
「ふっ、くーちゃんも変わらないな」
「だからくーちゃん言うな! 変わらないってなにがよ」
「相変わらずロロナ大好きっぷりを発揮しているなと思ってな」
「帰る」
「まあ待て待て、ロロナならもうすぐ戻ってくる」
「やっぱりアンタと話すと疲れるわ……」

324 :
ガチャ
「ただいまー……ってクーデリアさん、いらしてたんですね」
「ああトトリ、おかえり。ロロナいるかしら」
「だからもうすぐ戻ってくるって言ってるだろう……」
「えっと、クーデリアさん、こちらの方は……?」
「はあ? なんでアンタ知らないnもがっ!」
「ああ、私はくーちゃんたちの古い友人で、ちょっと近くまで来たので寄ってみた」
「ちょ、アンタ何言ってんのよ!」
「別に間違ってはいないだろう? それに今正体を明かしてはまずい」
「明かしてはまずいってなんでよ」
「大人の事情というものだ、エライ人に怒られてしまう」
「さらっとイベントネタ挟むんじゃないわよ」
「まあとにかく今会ってはいけないことになってるので適当に話を合わせてくれ」
「はぁ、わかったわよ……」
「ええっと…?」
「ああ、気にしなくていいわ。すごく変な魔女なだけだから」
「え? 魔女?」
「あんまり深く聞くと呪われるかもしれないわよ」
「のろっ…!? は、はい、わかりました……」
「うむ、なかなか素質のある娘じゃないか」
「それはいい意味で?」
「当たり前だ、いずれ大いに楽しむとしよう」
「だ、大丈夫かな、私……」

325 :
「それでいつになったらロロナは帰ってくるのよ」
「イクセルさんのところでごはん食べてくるって言ってましたよ」
「ああそう、じゃあそっち行くわ、それじゃまたね」
「まあそう慌てるな、せっかく久しぶりに再会したんだからもっと親交を深めようではないか」
「絶対イ、ヤ」
「冷たい、冷たいなぁくーちゃんは。そう思わないか、そこの娘よ」
「えっ、ええ、まあ……そうなのかな?」
「トトリ、こいつと関わってもろくなことがないのよ? かわいそうとかそんな甘い考えは捨てなさい」
「そんなはっきりと……」
「そこまで言われては期待に答えたくなるではないか」
「いやいやいや期待してない! 期待してないからおとなしくしてなさいよ!」
「くーちゃんの秘密とか聞きたくはないか?」
「!!?」
「クーデリアさんのですか? ち、ちょっと聞いてみたいかも……」
「ちょ、トトリ!?」
「おお、では話してやろう。くーちゃんはな、昔ロロナと1ヶ月くらい大喧嘩しててそれはそれは落ち込んでてな」
「へー、先生たちでもケンカするんですね」
「や、やめなさいってば!」

326 :
「クーデリア嬢のようにロロナ大好きな者が1ヶ月も喧嘩別れしたままだとどうなるか……」
「あー……」
「あー、じゃない! もう喋るなって言ってんのよ!」
「ご、ごめんなさい、クーデリアさん。もうちょっと聞きたいです」
「やっとの思いで仲直りした2人はその反動からかずーっと抱き合ったまま2〜3日、な」
「2〜3日も!?」
「そんなに長く抱き合ってないわよ!」
「おや、抱き合ってはいたのか」
「あっ…!?」
「クーデリア先輩、もしかして、き、キスとかしちゃったんですか!? それとももっと先まで…!?」
「フィリーさんいつのまに!?」
「ぐ、ぐぐぐ…! アンタたち覚えてなさいよ……!」
「したんですか!? しちゃったんですね!?」
「一度くーちゃんとはロロナをめぐって決着を付ける必要がありそうだな……」
「そんな必要ないわよ!」
「ほう? それは私にロロナを渡してくれるということでいいんだな?」
「誰がアンタなんかにやるもんですか! ロロナはあたしの……!」
「あたしの?」
「〜〜っ!! もう帰る!!」
「くっく、ああ、またな、くーちゃん」
「先輩! あとでたっぷり聞かせてくださいね!」
バタン!

327 :
「……ロロナ先生とクーデリアさん、思った以上に仲良しだったんですね」
「仲良しなんてもんじゃない、あれは恋人といってもいいくらいだ」
「や、やっぱりそうなんですね! うわあ、うわあ!」
「フィリーさん興奮し過ぎ……」
「本人たちはそう思ってないのが困ったところなんだがな。では、私もそろそろ出るとしよう」
「え、もう行っちゃうんですか? ロロナ先生にも会っていけばいいのに」
「ああ、今ロロナに会うと怒られてしまうからな」
「え? 怒られる?」
「ではな、弟子2号よ」
「……行っちゃった。弟子2号?」
「トトリちゃんただいまー」
「あ、先生」
「さっきの人、お客さん? なんか逃げるように行っちゃったけど」
「ロロナ先生とクーデリアさんの知り合いだそうですけど……」
「知り合い? りおちゃんかな、ゆっくりしていけばいいのに……」
「あと私のことを弟子2号とかなんとか言ってました」
「弟子…弟子? あっ、ああああ!!!」
「うわっ! いきなりどうしたんですか!?」
「トトリちゃん師匠に会ったの!? 変なことされなかった!?」
「え、は、はい、まだなにも…。 って師匠!?」
「よ、よかったー…、危ないところだったねートトリちゃん」

328 :
「あの人が先生の先生ってことはいろんな噂は本当だったのかも……。えっと、私の代わりにクーデリアさんが犠牲に……」
「あー、そっかー…あとでくーちゃんとこ行こう……。怒られるかなぁ」
「クーデリア先輩ったらそのままお持ち帰りして激しく2人でくんずほぐれつ……うふ、うふふ」
「フィリーちゃん、どうしちゃったの?」
「し、知らないです」
「トトリちゃんもなんか顔赤くない? 大丈夫?」
「だ、大丈夫ですよ?」
「そう? 師匠になんかされてたらちゃんと言ってね?」
「…えと、先生、クーデリアさんのこと好きですか?」
「え? うん、大好きだよー」
「そ、そうですか」
「いきなりどうしたの?」
「ふふふ、ふふふふ……」
「???」

END
本文長かったり書き込み時間だったり最後にさるったりorz
読んで下さった方、ありがとうございます  
まさか2時間以上になるとは……深夜でよかったけどもう早朝……
トトリエでは姿を見せない師匠とくーちゃんの対決でした
このあと数時間くらいなぜかロロナ先生から逃げるくーちゃんと泣きそうになるロロナ先生が見れます
そのあとはまあフィリーさん大喜び
「なんか羨ましくなってくるのはなんでだろ……。ミミちゃん来ないかなぁ……」とは誰かの弁

329 :

ロロナ先生はくーちゃんともっとイチャイチャするべき

330 :
ふと思ったんだけど
ロロナ先生ってトトリ時代まではくーちゃん置いたまま頻繁に旅に出てたり
メルルの時はやむを得ない事情とはいえ何年もアーランドを離れたり
トトリ先生以上の放置プレイヤーだよな

331 :
乙です

332 :
SS投下します。
トトリエ時代のトトミミ。

333 :
 いつものように良い天気なある日。アランヤ村のトトリのアトリエ。
 トトリは椅子に座って、ぼんやりと窓の外を眺めていた。
「……ねえ、ミミちゃん」
「んー?」
 ソファに座って本を読んでいるミミは、トトリに呼びかけられて生返事をする。
「……暇だねー」
「……そうね」
 ミミは軽くため息混じりに、トトリの言葉を肯定する。
 本来ならトトリもミミも、錬金術士として、あるいは冒険者として、多忙な日々を送って然るべきなのだが。
「アーランドのめぼしい場所は冒険し尽くしたし、モンスターもこれでもかってぐらい退治し尽くしたし……」
「ピアニャちゃんの村の周辺も探索し終わっちゃったし、塔のモンスターも全部倒しちゃったし……」
「冒険者ランクは最高位に達したし、取れるだけのポイントも取りきったし……」
「持ってるレシピは全部調合したし、錬金術のレベルも一流だってロロナ先生に認めて貰えたし……」
 まるで愚痴のように自分達の功績を挙げていったトトリとミミは、大きく息をついた。
「やることなくなっちゃったよねー」
「ま、休暇だと思えばいいんじゃない? またそのうち何かあれば忙しくなるだろうし」
「それもそっか」
 納得してまたぼんやりするトトリだが。
「……でも暇なのは変わりないよね」
「……結局そこに戻るのね」
「ちむー」
「ちむむー」
 アトリエのそこかしこでゴロゴロしているちむ達も、仕事がなくて退屈そうだ。
「だってミミちゃんも暇でしょ」
「私は暇を有効活用してるわよ。冒険中はあんまり長い本とか読めなかったし、久しぶりに読書欲を満たしてるわ」
「むー……ミミちゃんばっかりずるい」
「だったらあんたも何かしたら? 冒険中はしたくても出来なかったこととか、あるんじゃないの」
「うーん……」
 しばらく考え込んでいたトトリだが、やがて何か思いついたのか頭の上に電球を光らせ(※イメージ映像)、ミミの傍に寄ってきた。
「ミミちゃん」
「何?」
「えいっ」
「ひゃっ!?」
 ゆっくり読書していたミミに、トトリがいきなり抱きついた。
「なっ、何すんのよ!?」
「暇だし、ミミちゃん欲を満たそうかなって」
「訳の分からないことを言うな! 放しなさい!」
「やだ」
「ちょっ……何を――!?」

334 :
 トトリはミミをぎゅっと抱きしめて、胸元に顔を埋めてしまう。
「んー……ミミちゃん良い匂い」
「やっ……くすぐったいって……ちょっと、ホントにやめて……」
 ミミは腕に力を込めて、トトリを押し離そうとする。が、
「ちむちゃーん。ミミちゃんの手足押さえてー」
「ちょっと!? ちむ達使うのは卑怯でしょ!?」
「ちむー!」
「わあっ、ホントに来た!?」
 トトリの呼びかけに応えて、ちむ達がわらわらとミミの手足にまとわりつく。
「や、やめなさいあなた達!」
「ちーむっ」
「ちむむーっ」
 マスターであるトトリのお願いは絶対なのか、ちむ達は頑として離れようとしない。
 力は弱く体重も軽いちむ達なので、無理矢理に振り払うのは簡単である。だがしかし、乱暴なことをすれば怪我をさせてしまうかもしれない。そう思うと、ミミは迂闊に動けなかった。
「よし決めた。今日は一日中ミミちゃんの匂いかいでる」
「馬鹿でしょあんた!? もっと有意義な時間の使い方があるでしょうが!」
「ロロナ先生も、昔やることが無い日は一日中クーデリアさんを抱っこして撫で回してたって言ってたよ」
「そういうのは極めて特殊な事例だから!」
 ひたすら突っ込むミミだが、トトリは馬耳東風といった様子だ。
「ミミちゃんは本読んでていいよ」
 そう言いながら、トトリはミミの衣服に顔を埋めて呼吸を繰り返す。トトリの暖かい吐息が肌にこそばゆく、ミミの思考をかき乱す。
「っ……こんな状況で本読めるわけないでしょ! そもそも両手をちむに押さえられてるし!」
「あ、そっか……じゃあミミちゃんもわたしの匂いかぐ?」
「なっ……」
 ほんの一瞬、その提案に魅力を感じてしまった自分を全力で否定しながら、ミミは咆える。
「す……するかーっ!」
「そう? それじゃわたしは遠慮なく」
 怒鳴られても一切気にすることなく、トトリはミミの体に鼻先を押しつける。
「やっ、だからやめろって……ちょっ、どこ触って……やっ、まっ――」
 ……その後、トトリの気が済むまでくんかくんかされ続けるミミだった。

おわり

335 :
〈おまけ〉
 同じ頃。アーランドの冒険者ギルド。
「ねえくーちゃーん。トトリちゃんも来てくれなくて暇だよ〜。遊ぼうよ〜」
「だーかーらー! 自由業のあんたと違って、勤め人のあたしは平日日中は常に仕事があるんだっつーの!」
 ギルドにまで来て退屈を嘆いているロロナを、クーデリアが正論で怒鳴りつける。
「む〜……くーちゃんのいけず〜」
「社会人なら聞き分けなさい」
 クーデリアはあくまで毅然とした態度だが、ロロナは不満顔だ。
「昔は何にもすること無い日は、くーちゃん抱っこしてお昼寝したりしてたのに〜……」
「いつの話をしてるのよあんたは……」
「う〜……一人でアトリエにいても寂しいよ……くーちゃんを抱きたいよーっ!!」
「ちょっ……公共の場所で何言い出すのあんたはーっ!?」
 顔を真っ赤にして黙らせようとするクーデリア。構うことなく欲求不満を咆え続けるロロナ。
 職場で繰り広げられるそんな夫婦漫才に、ひたすらご満悦なフィリーだった。

336 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
ゲーム終盤、次の周回用の装備とかも作り終えて暇になったトトリちゃん達は、こんな感じに気怠い時間を過ごしているんじゃないかという妄想。

337 :
ちむちゃんぺろぺろ乙

338 :
冬コミのカタログ見たら結構アトリエ本あるな。
ただ2日目、3日目と微妙に分割されてるのがネック・・・・3日目しかいけねーよ

339 :
そういや今更ながらアーカイブでアトリエやってみようと思うんだがこのスレ的にはマリーとエリーどっちがいいんだ?

340 :
マリー:落ちこぼれの主人公が病気の親友を助けるために必で薬を作る
エリー:プライドの高い貴族のお嬢様が少しずつ主人公に心を開いて友情を深めていく
好きな方を選ぶが良い

341 :
SS投下します。
トトリエ時代でロロミミ。と言っても本気で二人がくっつくような話ではありません。いや、ある意味くっつくんだけど。

342 :
「う〜む……」
 ある晴れた日のアーランドのアトリエ。店主のロロナは、錬金釜を前にして何やら一人、眉間にシワを寄せて唸っていた。
 高名な錬金術士であるロロライナ・フリクセルがアトリエ内で考え事と聞けば、多くの人は学術的に深い意義のある思考を巡らせているのだろうと想像する。
 だが、彼女と親しい人間がこの様子を見れば「また新しいパイのネタでも考えてるのか」と想像し、それは大体間違っていない。
 しかし今回に限っては、ロロナが思い悩んでいるのはパイに関してのことではなかった。
「うむむむむ……」
 考えが煮詰まってきたのか、ますます唸りだすロロナ。そろそろ頭から煙でも上がりそうな気配だ。
 と、その時。アトリエのドアをノックする音が。
「お邪魔します」
「ああミミちゃん、いらっしゃい」
 訪れたのはロロナのアトリエ常連客の一人ミミ。正しくはロロナのアトリエにいるトトリの常連客だが。
「ごめんね。トトリちゃん今お出かけ中なんだ」
「あ、そうでしたか」
「しばらくしたら戻ってくるだろうし、お茶入れるから、上がって待ってて」
「いえ、そこまでしていただかなくても」
「いいからいいから。ちょっと新しいレシピ考えるのが行き詰まってて、気分転換したかったんだ。助けると思って付き合ってよ」
「はあ。そういうことでしたら……」
 そんなわけで、トトリを訪ねてきたミミは、ロロナとお茶に付き合うことになった。

「はいこれ。お茶受け用に作った一口サイズのパイだよ。お口に合うといいんだけど」
「いただきます」
 勧められるまま、ミミはパイを一つ摘んでみる。サクサクとした歯ごたえと程良い甘味が、紅茶にとても合っていた。
 甘い紅茶とパイを楽しみながら、ロロナとミミはしばらくまったりとした時間を過ごす。
「そうだミミちゃん。ちょっと協力してほしいことがあるんだけど」
 不意に、ロロナがそんなことを言った。
「協力、ですか?」
「うん。新開発のレシピのために、参考になるデータが欲しくて。数分で簡単に済むから」
「分かりました。私に出来ることなら」
 簡単なことならと、ミミは気軽に引き受けた。
「じゃあミミちゃん。ちょっと抱き締めさせて」
「…………はい?」

343 :
 ロロナの言っていることが理解できず、ミミの目が点になる。
「今、何と?」
「だから抱き締めさせて」
「なっ、何でですか!?」
「だから新開発のレシピの参考に」
「繋がりが分かりませんよ! そもそもロロナさんは一体何を開発してるんですか!?」
「抱き枕だよ」
「抱き枕!?」
「うん。抱き枕」
 ロロナは至極真面目な顔で説明する。
「もちろんただの抱き枕じゃないんだよ。究極の抱き心地と快眠を約束する、まさに寝具界の革命ともいうべき一品を目指してるんだ」
「はあ……」
 熱く語るロロナだが、寝具界とやらに縁の無いミミとしては、いささかついていけない。
「具体的な目標としては、ズバリ! 可愛い女の子を抱っこしてるような抱き心地!」
「何ですかそれ……?」
「考えてもみて。昨今それ系のショップやイベントでよく見る可愛い女の子の姿がプリントされた抱き枕……でも実際にそれを抱いてみたら、単なる楕円か円柱型でしかない……しかし! あたかも本当に女の子を抱っこしてるような感覚の抱き枕があったとしたら!?」
「いやそんな熱心に語られましても、意味が分かりません」
「じゃあ例えばトトリちゃんの抱き心地がする抱き枕があったら、ミミちゃんどうする?」
「ぶっ……どっ、どっ、どうもしませんよそんなの!」
 慌てふためき頬を染めながら否定するあたり、実際どうなのか怪しいところだ。
「まあそういうわけで、実際にくーちゃんなんかの抱き心地を参考にしつつ、開発を頑張ってるんだけど――」
 ロロナの声のトーンが急に落ちる。
「イマイチ難航してるんだよねー」
 そして改めてミミを見やる。
「というわけで! 新たな抱き心地のサンプルを体感することで、開発力の促進とわたしの気力ゲージの回復を図りたいの!」
「いや、そんなこと言われましても……」
「さっき引き受けてくれたよね?」
「ぐ……」
「貴族に二言は無いよね?」
「うぐぐ……」
 渋々といった表情で、ミミは頷いた。

344 :
「では失礼をして……」
「ん……」
 ロロナがミミの体に腕を回し、ぎゅっと抱き締める。
「ふむふむ……トトリちゃんに近いちっぱい型だけど、むっちりぷにぷにした感触でこれはなかなかの逸材……」
「あの……感想を声に出すのやめて下さい」
「……………………………………………………(ぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷに)」
「無言でひたすら触るのもやめて下さい!」
「も〜。どっちなの?」
「正直どっちもやめて欲しいです……っていうか、トトリも帰ってくるかもしれないですし、そろそろ……」
「大丈夫だよ。トトリちゃんも抱き枕開発のことは知ってるし、説明すれば分かってくれるって」
「そういう問題じゃなくて――」
「ただいま帰りましたー。ロロナせんせ――……」
 マンガのようなタイミングでアトリエに帰ってきたトトリが、ロロナに抱き締められるミミの図を見て硬直する。
「なっ、とっ、トトリっ、違うのよこれはその」
「おかえりトトリちゃん。今ちょっとミミちゃんに、例の抱き枕のサンプル採取に協力してもらってたんだ」
 慌ててしどろもどろなミミとは対照的に、ロロナは落ち着いて状況を説明する。
 ところが、
「あの、ロロナ先生……」
 何か不安そうな顔で、トトリが口を開く。
「どうしたのトトリちゃん? ひょっとして怒っちゃった?」
「いえ、わたしは別に、気にしないんですけど、あのですね、ちょうど一緒にですね……」
 その時。
 トトリの背後から、ゴゴゴゴゴゴゴ……と効果音を響かせながら、禍々しくも激しいオーラが立ち上る。
「ま、まさか……!?」
 ロロナの顔が驚愕に引きつる。
 小柄なトトリの後ろに隠れてしまえるほどのシルエット。体は小さくても、誰にも負けない気迫とエネルギー。誰よりもロロナがよく知る、その人物。
 やがて、その人はゆらりと姿を表した。怒髪天を衝く、という言葉通りの姿で。
「ろぉ〜ろぉ〜なぁ〜……!! あんたはまたわけのわからない理屈でハレンチなことを〜……!!」
「――っ!」
 その後。怒りの獣神と化したクーデリアによって、アルティメットお説教タイム(三時間)を食らうロロナだった。

345 :
 クーデリアの怒りの矛先が完全にロロナに向かっている隙に、トトリとミミはこっそりアトリエを抜け出していた。
「はぁ……やれやれ。ロロナさん、立派な人ではあるんでしょうけど、色々ついていけないわね」
「……」
「あの人の弟子となると、あんたも大変そうね」
「……」
「……トトリ?」
「……」
 先ほどから話しかけているミミをガン無視して、トトリはスタスタと歩いていく。
「ちょっと! 返事ぐらいしなさいよ」
「……」
「……ひょっとして、怒ってるの?」
「……」
「あんたさっきロロナさんには、別に気にしないって言ってたじゃない」
「……」
「ねえ、だから返事を……」
「……」
「ねえってば!」
「……」
「待ってよ! 話を聞いて! 別に私は、好きこのんでロロナさんに協力したわけじゃなくて、半ば騙されたみたいなもので――」
「……」
「トトリってばーっ!」
「…………………………」
 既に涙目になっているミミと、あくまで放置を貫き通すトトリ。
 結局、この日一日トトリは口を利いてくれなかったそうな。

おわり

346 :
〈おまけ:ロロナ先生の抱き心地レビュー〉

・くーちゃん
 至高。腕の中にしっくり収まるサイズといい、弾力と柔らかさを併せ持つぷにぷに感といい、文句なし! 寒い時にはちょうどよくあったかくて、冬の朝とかもうお布団と結婚しつつくーちゃんと重婚する勢い。

・トトリちゃん
 女の子な感じを凝縮した抱き心地。ややボリューム不足なのが玉に瑕だけど、それを補って余りあるふわふわすべすべ感。ミミちゃんとお姉さんには内緒だよ。

・りおちゃん
 ボリュームと柔らかさでは他の追随を許さない。何かマシュマロの海で泳ぐ夢を見たよ。今度はいつアーランドに帰ってくるかなぁ。

・ほむちゃん
 ややくーちゃんに近いサイズと感触。特にふにふにのほっぺに頬ずりするのが最高。師匠、早く返して!

・ちむちゃん
 抱きぐるみに近い感じ。最大五人のちむちゃんまみれ状態も可能! ……実際やってみたらさすがに寝苦しかったよ。二人ぐらいを抱っこして寝るのがベストかな。

・ぴあちゃん
 お子様サイズだけど、ところどころに成長期な柔らかさ。将来に期待。

・ミミちゃん
 胸とか小さめなのに、全体の弾力とボリュームが、すごくバランス良い。むっちりぷにぷにした感触は他にない魅力だけど、トトリちゃんがあんまりいい顔しないから、もうやめとこっと。

347 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
ミミちゃんはいじられ属性が強いせいか、誰と組み合わせても合う気がする。

348 :
トトリどSすぎるやろ乙

349 :
>>340
なにそれ素敵 とりあえず両方やることにするわ

350 :
ミミちゃんの最終のイベントも見て最強の装備もつくって
俺たちの戦いはこれからだ!ってなったから
セーブしようと思ったら絶賛フリーズ。
最終セーブが二年前になってたときは
トトリ先生どSやでぇと心から呟いた今日この頃。

351 :
ロロミミ!
そういうのもあるのか!
嫉妬するトトリ可愛いGJ!

352 :
今頃になってメルルプレイした。
確かに人気者EDトトミミとしては納得いかなかった。
ミミとメルルがトトリを取り合う形だったらまだ納得するんだけど

353 :
>>352
支部で人気者の今日EDを漫画で補完してくれてる素晴らしいお方がいるから、探してみると良いかも

354 :
マリー終わらせてきた
シアにちゃんと薬上げたのにEDにでてこなかったぜ…魔人倒したせいかそうなのか

355 :
マリーとシアのレベルが50いってなかったとか?

356 :
他のエンディングフラグが優先されたとか?

357 :
メルルPlusきたみたいだ!!!

358 :
おお、マジで!

359 :
>>355
50まであげなきゃなのか 知らんかった
もう一周やるか…

360 :
メルルきたああああああああ!!
まだトトリのアトリエPlusやりこんでる途中だけど
これは嬉しいお知らせ
で、ロロナはいつでるんです?

361 :
せっかくだからクリスマスネタ一本書きました。
というわけでSS投下します。
トトリエ時代のロロクー。

362 :
 年の瀬のクリスマス。
 とある聖人の降誕祭である。
 正しい在り方として教会で祈りを捧げる人も、家族とツリーを囲む人も、友人達と楽しく騒ぐ人も、恋人と二人で過ごす人も、普通に仕事がある人も、特に何にもない人にも、聖夜は等しく訪れる。
 アーランドでも、もちろん例外ではない。
 レストランで大量の予約客(アベック9割)を大忙しで捌いたり。
 子供達のリクエストで作った機械仕掛けの玩具を、サンタよろしくくばって歩いたり。
 一人で故人の思い出に浸ろうと思っていたら、親友の妹がまた仕事で失敗したと泣きながら押しかけてきて、そのまま一緒に食事することになったり。
 それぞれが思い思いに、クリスマスを過ごしていた。

「今夜は冷えそうだねぇ……」
 そろそろ暗くなる夕刻。アトリエの台所に立つロロナが、そんなことを呟いた。
「そうね。シチューもうんとあったかくしないと」
 並んで料理しているクーデリアが、ロロナの言葉に相づちを打つ。
 クーデリアの目の前の鍋の中では、今日の昼からワインと香草に漬け込んでおいた牛スネ肉が、デミグラスソースの中でホロホロの食べ頃になっている。
「ん〜良い匂い。くーちゃん、ちょっと味見させて」
「こらっ。もうちょっとで出来るんだから我慢しなさい。そっちはどう?」
「うん。ばっちり良い感じだよ」
 オーブンから出したてホカホカのキノコパイ。程良く焼き色のついたパイ生地と、キノコの風味良い香りが鼻孔をくすぐる。
「さすが、パイに関しては玄人はだしね」
「えへへ〜、それほどでもあるけど」
「調子に乗らない」
 和気藹々と、二人は料理の支度を進めていく。
 やがてアトリエのテーブルに、二人分のご馳走が並んだ。
 メインであるビーフシチューとキノコパイの他には、冬野菜のオリーブ蒸し。小魚とポテトのフリッター。それ以外にもチーズやハムなど、お酒のおつまみになるものも並べてある。
 そして、
「やっぱり今夜これは外せないよね!」
 真っ白いクリームと真っ赤なイチゴで飾られたケーキを、ロロナがテーブルの真ん中に恭しく鎮座させた。

363 :
「この年になって、無理にケーキまで食べなくていいんじゃないの? そろそろお互い体型に気をつけないとやばいし」
「何言ってるのくーちゃん! クリスマスと言えばケーキ! ケーキと言えばクリスマスだよ!」
「いや、あくまで聖人の降誕祭っていうのがメインだからね? ケーキ食べたり恋人と過ごすための日じゃないからね?」
「まあまあ細かいことは気にしない。さあ、ワイン開けよ」
 子供みたいにはしゃいでいるロロナに苦笑しながら、クーデリアは席についた。
 何かと忙しい二人だが、年末のスケジュールにどうにかやりくりを付けて、今夜は二人で過ごせるように頑張ってきたのだ。少しぐらいハメを外したところで、罰は当たらないだろう。
「それじゃ、始めましょうか」
「うん!」
 コルクを抜いて、ロロナが錬金術で作った超高品質の一品が、二人のグラスに注がれる。
「かんぱーい!」
「乾杯」
 深い赤で満たされたグラスが、澄んだ音を立てた。
 二人きりのささやかな、だけど十分に賑やかなクリスマスパーティだ。ロロナとクーデリアは、出来たての料理に舌鼓を打つ。
「そういえばトトリは? 実家?」
「うん。ミミちゃんも一緒にアランヤ村で年越しするって言ってたよ」
「へえ……上手くやってるのかしらね、あの子は」
「そうだねー……ふふ」
「どうしたのよ? 急に笑ったりして」
「んー……ミミちゃん見てると、やっぱり昔のくーちゃんを思い出すよね」
「……昔のあたしって、あんたから見てもあんなだった?」
「全部一緒ってわけじゃないけど、似てるところが多いかな」
「そう……」
「でも」
「?」
「ツンツンしてるくーちゃんも、優しいくーちゃんも、わたしはどっちも大好きだよ」
「っ……」
 ワインのおかげで赤らんでいたクーデリアの顔が、またさらに赤くなる。
「くーちゃん」
「な、何よ?」
「くーちゃんは?」
「……何が?」
「くーちゃんはわたしのこと好き?」
「…………」
 これが数年前なら、そっぽを向いて答えを誤魔化すところだろうか。あいにく、今のクーデリアはそこまで子供ではない。
「……ええ。好きよ」
 微笑んで、素直な気持ちを言葉にする。
「くーちゃん!」
「わあっ、ちょっ……!」
 色々辛抱たまらなくなったのか、立ち上がったロロナがクーデリアに抱きついてきた。

364 :
「待ちなさいロロナ! ワインとか料理とかこぼれるから! そういうのは食事の後で――」
「だって我慢できないし」
「我慢しなさい。大人なんだから」
「じゃあ、ご飯の後でいっぱいしていい?」
「いいから。早く席につきなさい」
「うん」
 落ち着いて自分の席に戻るロロナ。クーデリアは軽くため息をつく。
(今夜そういうつもりが全くなかったって言ったら嘘になるんだけど……これで一泊確定しちゃったわね)
 明日も仕事があるので大変だろうが、こうなってしまったものは仕方がない。クーデリアは覚悟を決めて、グラスに残ったワインを飲み干した。

「ふぅー……美味しかったねー」
「そうねー」
 あれこれと会話しながら飲んで食べてしているうちに、テーブルの上のお皿は空になり、結構な量のアルコールが消費されていた。
「何だかんだでケーキもしっかり入ったね。まさに別腹って感じ」
「その理論だと、普通の腹と別腹分の二倍太るわけだからね。覚悟なさい」
「くーちゃん目が怖い」
 二人ともほろ酔いで、良い気分だった。
「んー……くーちゃん。後片付けは明日でいいかな?」
「あー……まあ、酔っぱらってお皿割ったりしても危ないしね」
「では――」
「――っ!?」
 不意打ちに、ロロナがクーデリアの唇を奪っていた。
「ん……もう始めていいよね」
「いや、その前にシャワーぐらい――」
「いいから」
 もはやスイッチの入っているらしいロロナは、クーデリアを抱きすくめて、衣服をはだけさせていく。
「ちょっ、待ってってば……せめてベッドで」
「ソファでいいでしょ。いつもと一緒で」
 既に半裸同然になっているクーデリアを、ロロナはソファの上に押し倒した。その唇を再度塞ぐ。
「んっ……っ」
 暖かい舌の感触が、クーデリアの中に入ってくる。ロロナはじらすようなことをせず、深く舌を絡ませ合う。
 時折息継ぎをするように唇を離し、またすぐに重ねる。舌が絡み、唾液が銀の糸を引く。
 ロロナもクーデリアも、キスを繰り返すにつれ、体の芯が熱くなり、肌が火照ってくるのを感じていた。
 初めはロロナが奪うようにしていたキスも、いつの間にかお互い求め合うように唇と舌を触れ合わせている。
「ぷは……」
 ロロナが唇を離した。
「くーちゃん……もう、脱がせちゃっていいよね」
「ん……」
 引っかかるように残っていた衣類をクーデリアは脱ぎ捨て、ロロナも同じように生まれたままの姿になった。

365 :
 二人はソファの上で抱きしめ合う。互いの温度を確かめるように。
 ロロナがクーデリアの耳に、ふっと息を吹きかけた。体を震わせるクーデリア。その耳元に、ロロナは優しく口づける。
 それから首筋に口を押し当て、吸い付くようなキスをする。
「んっ……」 
「あっ……ろ、ロロナ……」
「ふふ……跡が残っちゃうね」
 悪戯っぽくそう言うと、ロロナは肩、鎖骨、乳房、お腹とクーデリアの体中にキスの雨を降らせていく。
「んっ……ぁ、ぁ……」
 ロロナの唇が触れると、その部分が燃えたように熱くなる。ロロナが何度も口付け、肌の上に赤い跡を残すたび、クーデリアの体は熱に覆われていく。
「ふふ……くーちゃん可愛いよ」
 ロロナは笑みを浮かべると、クーデリアの下腹部に指を伸ばした。
「あっ……!」
 敏感になっているところを触られ、クーデリアは体を震わせた。
 割れ目に指を潜らせたロロナは、そのままくすぐるように指先を動かす。
「んっ、あっ……」
「くーちゃん、もうちょっと足開いて」
「……」
 言われるままに、クーデリアは閉じ気味だった両膝を広げる。するとロロナは、蜜に濡れたそこに遠慮なく口づけた。
「やっ、ロロナっ、待っ……」
 声を上げるクーデリアに構わず、ロロナは音を立ててそこにキスを繰り返し、舌を這わせる。クーデリアの体の中で、下腹部から熱いものが湧き上がってくる。
「ちゅ、ちゅ、んっ…くーちゃんの、沢山溢れてきてるよ……舌ですくいきれないぐらい……ん」
「は、ぁ……ロロナぁ……や、ぁ」
「ねえ……くーちゃんも、して……」
「うん……」
 体をよじって、クーデリアはロロナの下半身へ舌先を伸ばした。いわゆる69の形になって、クーデリアは蜜に潤んだロロナのそこへ舌先を潜らせる。
「ふぁっ、ぁ……くーちゃ……いいっ……」
「んっ……ロロナの中も、どんどん溢れてきてるわね……」
 お互い太ももを蜜が伝うほど溢れたそこに、唇と舌、それから指で愛撫を繰り返す。
「んんっ……くーちゃん、もっとぉ……は……ぁ」
「んぅ……ロロナ……あたし、も……」
 二人の体の奥底で、熱いものが膨らんでいく。愛しいような切ないような、歯ぎしりを伴う感情が、どんどん大きくなっていく。

366 :
「くーちゃん……くーちゃん……っ」
「ロロナっ……っぁ……あっ、あっ――」
 愛おしさを込めた舌と指とで、二人は互いを攻め立て、
「あっ――……!」
 体を震わせながら、同時に頂に達した。

「ふぅ……」
 大きく息をつくと、ロロナは体を起こしてクーデリアに優しくキスをした。
「くーちゃん……あと何回しよっか?」
「当然のようにあんたは……」
 クーデリアとしても、一回だけで終わらせる気はないのだが。
「ロロナ」
「ん……」
 呆れたように息をついて、クーデリアはお返しのキスをする。
 二人の聖夜は、まだ当分終わりそうにはないようだ。


「くーちゃん」
「……」
「ねえ、くーちゃんってばー」
「…………」
「怒らないでよー。くーちゃんだってノリノリだったくせに」
「だからって限度ってものがあるでしょうが! 外、見なさい! もう日が上り始める時間じゃないの!」
 ロロナもクーデリアも、昨夜からの行為のままの姿だ。しかし窓の外では、既に爽やかな朝の光が街に差し込もうとしている時間だ。
「あはは……エッチで徹夜したのっていつ以来だっけ?」
「呑気なこと言ってる場合じゃないでしょ! 今から寝たら確実に遅刻するし、とっとと後片付けするわよ」
「え〜……今日はもうお休みにしようよ〜」
「あたしはそういうわけにいかないの。ほら急ぐわよ。あたしは部屋を片づけるから、ロロナはお風呂の用意して。さすがにこのままで外に出られない し」
「あ。それなら一緒にお風呂入ろ。それでお風呂の中でもう一回――」
「急ぐっつっとろーが!!」
 あくまでマイペースなロロナに、聖なるツッコミチョップを食らわすクーデリアだった。

おわり

367 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
メルリエ+も来たか。これでメルケイ増えてくれるといいけど。
くーちゃんとりおちゃんとぴあちゃん登場は……さすがに難しいかなぁ。

368 :
メルルはどうもシナリオが…
なんなら一から作り直してくれればいいのに

369 :
濃厚なロロクーご馳走様です。
アランヤ村ver.も期待w
ロロナ+はでないんかねぇ。PS3版、バグが怖くてまだやれてないんだが買ってしまうべきか

370 :
>>369
スカイリムの方がよっぽどフリーズ率高かったわ現verなら
個人的にはリムもロロナも好きだが

371 :
メリーロロクーリスマス!
最高のプレゼントありがとう

メルプラ、新イベントって書いてあるけどもしかして大人ロロナ先生?
だとしてもくーちゃんとかいないしやっぱその辺の再登場なんとかしてほしいかも
あとロロプラは時間かかってもいいからちゃんと出して欲しいね……

372 :
ロロナPlusはリメイク版で帰ってきます

373 :
このスレはssがたくさん貼られてうれしいね
ほかのスレでもここまで質の高いssがこんな頻度で貼られてるの見たことないわ

374 :
連投気味になりますがSS投下します。
トトリエ時代のトトミミ。>>362-366と同じくクリスマスネタ。

375 :
 十二月二十五日、夜。
「はあ……ったく」
 大きなため息をつきながら、ミミはアランヤ村のヘルモルト家へと続く坂道を上っていた。
 その足取りは、常よりずっと重い。それもそのはず。
「トトリ……いい加減目ぇ覚ましなさいよ」
 肩を貸して引きずるようにしているトトリに声を掛ける。が、
「うにゃ〜……」
「うわわっ……ちょっと何すんのよ!?」
 顔を真っ赤にして軟体動物化しているトトリは、猫がすり寄るようにミミの体に抱き付いてきた。
「みみひゃんやぁやかいれ〜……えへへぇ」
「って、どこ触ってんのよ!? しっかりしなさいよもう……」
 再び大きなため息をついたミミは、完全に泥酔しているトトリを、半ば担ぐようにしてえっちらおっちら歩いていく。
 何故、聖なる夜だというのに、ミミは酔っぱらったトトリを連れて夜道を歩いているのか。少し時間をさかのぼろう。

 クリスマスの今夜、ヘルモルト家では友人達も招いてパーティーを行う予定だったが、ミミやジーノ、メルヴィアといった馴染みの面子に加え、ピアニャやちむ×5といった大人数はさすがに一軒家の食卓では納めきれない。
 というわけで、村の酒場を半分貸し切りにさせてもらうことにした。マスターのゲラルドも、
「クリスマスだろうが、うちはいつも通りの閑古鳥だからな。団体客が来てくれるなら、賑やかになってありがたい」
 と快諾してくれた。
 そんなわけで、トトリと愉快な仲間達は、美味しい料理やケーキを囲んで楽しい時間を過ごしていたのだが……
 ふとした拍子に、トトリがジュースと間違えて果実酒を口にしてしまった。
 アルコール度数はそんなに高くないお酒だったので、一杯ぐらいなら平気だろうと思われたのだが、
「ちょっと、トトリ大丈夫?」
「だいひょうぶらよ、みみひゃんぉおっろぉんれはぉひややいひょ」
「途中から何言ってるのかさっぱり分からないわよ! あんたメチャクチャ酔ってるじゃないの!」
 どうやらアルコールには弱い質だったらしい。トトリは果実酒一杯で完全に酔っぱらいと化していた。
「どうやら酒に関しては、トトリはギゼラの血を引いてなかったみたいだな」
 ザルという表現が相応しい飲みっぷりのツェツィと見比べてゲラルドが呟いていたが、ミミはそれどころではない。

376 :
 こういう時に率先してトトリを介抱するであろうツェツィは既に出来上がっているし、メルヴィアも同じく。ピアニャやちむに任せるわけにはいかないし、ジーノはミミ的に論外。グイードも、ミミには視認が困難だが、どうやらだいぶお酒が入っているらしい。
 頼れるのは己だけ、という結論に達したミミは、ため息をついてトトリの肩を担いでいた。
 そういうわけで、足腰立たないぐらいに酔ってしまったトトリを、ミミはアトリエまで運搬しているのである。
「ようやく、着いた……っと」
 アトリエに辿り着いたミミは、額に玉の汗を浮かべていた。小柄で軽量なトトリだが、ほとんど力の抜けている状態では、運ぶのにかなりの重量がある。
「……トトリ、大丈夫? ほら、横になった方が楽でしょ」
「ん〜……へいひひゃぉ……みみひゃん……あははぁ……」
 ソファで仰向けになったトトリは、返事はしているが、まだ酔っぱらっている。顔は真っ赤で呂律が回らず動きも怪しい。笑ってはいるので、気分が悪いということは無さそうだ。明日の朝は地獄かもしれないが。
「やれやれ……こんなに弱いんじゃ、成人しても二人で一杯ってわけにはいかないわね」
「――みひゃん、ねえ……――」
「ん? 何?」
 トトリが何か喋っているが、よく聞こえない。ミミは顔を近づけて耳をすませる。
 と、
「……えいっ」
「なっ!?」
 いきなりトトリがミミの首に手を回して抱き付いてきた。
「ちょっとトトリ!? 何すんのよ!?」
「えへへぇ……みみひゃん、あったかくてきもひいい〜」
「こっちは暑苦しいっての! はなしなさいよもうっ」
 執拗に腕を搦めて放そうとしないトトリを、ミミは強引に引きはがす。
「むにゃ……うにゃ」
 ミミに抱き付くのを諦めたトトリは、ほとんど寝言のように何かぶつぶつと呟いていた。
「はぁもう、まったく……こうなるからお酒って怖いわね」
 前後不覚なトトリを見ながら、ミミはひとりごちる。
「んみゃ〜……」
「明日になったら、私があんたを運んだことなんて、全部忘れていそうね……」
 そう言ってから少し間を置いて、ミミの胸の奥底に、邪なものが横切った。
 完全に酔っぱらっているトトリ。アトリエにミミと二人きり。他には誰もいない。

377 :
(ということは、今のトトリに何をしても、ばれないってことじゃ……)
 ふと心に浮かび上がったその考えを、ミミは大慌てで打ち消す。
(な、何考えてんのよ私は……酔っぱらってる人にその……何かするなんて、そんな最低なこと……)
 必で自分に言い聞かせながらも、ミミの視線はトトリの顔をじっと見つめている。
「っ……トトリってば。いい加減しっかりしなさいよ」
「んにゃ……zzz」
 トトリの呟きは、完全に寝息に代わっていた。
「寝てるし……」
 幸せそうに笑いながら夢の中なトトリを見ていると、ミミは何だか無性に腹が立ってきた。
「人に散々苦労かけといて、こいつは……」
 こうなると、ちょっとお仕置き代わりにイタズラするぐらいなら、神様も許容範囲ではなかろうか。
(どうでしょう神様!?)
(許可します。やっちゃいなさい)
 脳内で神らしき存在に許可を貰ったミミは、いざトトリにお仕置きを、と意気込む。脳内に響いた神の声が何となくギルドの受付でよく聞く声に似ていたような気がしたが、深くは考えない。
「よし、それじゃあ早速……」
 トトリの寝顔を見ながら、ミミはどういうイタズラをしてやろうかと考える。
「zzz……」
「……」
「zzz……」
「……」
「zzz……」
「……」
「zzz……」
「……ほ、ほっぺたつつくぐらいで勘弁してあげようかしら」
 あまりのへたれっぷりに全神が泣いた。
(だって仕方ないじゃないの! 万が一途中でトトリが目を覚ましちゃったり、誰か帰ってきたりしたらどうするのよ!)
 誰にともなく心の中で言い訳をしながら、ミミはトトリのほっぺたを人差し指でツンツンしてみる。ぷにぷにの感触が心地よい。
 そのまま一分ぐらいぷにぷにしてみるが、トトリが起きそうな気配はなかった。
(予想以上に反応がないわね……これならもうちょっと何かしても起きないかも……)
 そう考えながら、ミミの視線はトトリの顔の、特に一点に向かう。お酒の匂いを漂わせた、その口元に。
(……ちょっとだけ……触れるぐらいなら……)
 ドキドキと高鳴る胸を押さえながら、ミミはゆっくりと、静かに、トトリに顔を近付ける。ともすれば荒くなりそうな呼吸を必で静めながら、トトリの唇に、自分のそれを近付ける。
「……っ」

378 :
 あと数センチで、唇が触れ合う。
「……」
(……………………やっぱり)
 やめておこう。こういうのはよくない。
 そう思って、身を引こうとしたその瞬間。
「ん」
「んっ!?」
 不意に目を見開いたトトリが、ミミの唇に、自分のそれを押しつけて――つまりは、キスしていた。
「えへへぇ……ミミちゃんとちゅーしちゃったぁ」
「とっ、トトリあんた、起きて……!?」
「ちゅーしちゃったよぅ……えっへっへぇ…………zzz」
 心の底から嬉しそうな笑い顔のまま、トトリはまたコテンと横になって寝入ってしまった。
 トトリにキスをされた。確かにそれはそうなのだが……
「えっと……つまり、なに……今のはただの酔っぱらいの延長……よね……?」
 明日になれば、トトリは自分がミミにキスしたということもキレイサッパリ忘れているのだろう。
 因果応報。聖なる夜にこの仕打ちは、つまりは一瞬でも邪な考えを抱いた自分への罰なのだろうか。ミミはこの上ない脱力感と敗北感に打ちのめされる。
「帰ろ……」
 本日何度目かのため息をついて、ミミはトトリに毛布を掛けて、アトリエを去っていった。

 ちなみに、
「……ふへへ」
 狸寝入りのトトリは、ミミが帰って十分後ほどに本当の眠りについて、翌朝二日酔いで地獄を見たそうな。

おわり

379 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
途中間が空いてすみませんでした。
メルリエ+。ロロナ先生の元通りイベントはもちろんだけど、トトリ先生の飲酒イベントも欲しい今日このごろ。

380 :
素晴らしい!!
昨日このスレの存在を知り、1から読んだけど、こんな良好なSSがこんな頻度で投稿されるスレ初めてだ。

381 :
GJ!
酔っても安定のちょい腹黒トトリですな
あらゆる手段で誘い受けるトトリを巧みにヘタレるミミはもはや伝統芸の域

382 :
>>353
分かりました。探してみます。
今PS3でメルルプレイしているのにプラスがでるのか。
Vita買ってトトリとセットで買おうか迷っています。

383 :
こ、これは24歳のトトリの吐いた物…
どれ…ゴクゴク
これが大人の味、13歳の馬車で吐いた時とはまた違う深みのある味

384 :
メルルにトトリのことを相談し続けてたら、トトリに誤解され、
怒ったトトリに首や肩にキスの痕を沢山つけたまま街をくまなく歩かされるミミちゃん、
とかどうだろ?ミミちゃんのあの服装、露出高いなーとか思ってたら唐突に思いついた。

385 :
ゲーム的にミミ→トトリは安定だし、実際のところ多くの作品傾向はこれ。
けれど本当の萌えとは。一方的に与えられるものではい。
与えられた限られた情報を糧に精一杯の想像の腕を伸ばしていった先に生まれるもの。
つまりメルルのアトリエで、私情友情〜以降補完されなかったトトリ→ミミという関係こそが一番悶える。

386 :
ご無沙汰しています。ロロリオの者です。
トトリ+に続いてメルル+が出るということで、久々にss投稿させていただきます。
トトリエ時代で、ロロリオと若干トトミミ要素あり。ロロリオ結婚ネタですので苦手な方はご注意を。
地味に昔投下させていただいたやつの続きですが、これだけでも平気です。
タイトルは「先生は既婚者さん」

387 :
 ロロナ先生のアトリエに向かって、私はアーランドの大通りを走っていた。
 つい先ほど冒険者ギルドで、クーデリアさんに先生が帰ってきていることを教えて貰ったのだ。いてもたってもいられず、私はすぐに冒険者ギルドを飛び出して今こうして走っているのだった。
 先生、元気だったかな。最後に会ったのは一体いつだっただろう。久しぶりに会えると思うと、嬉しさで胸も弾む思いだった。
「あっ……!」
 それでスピードを上げすぎたのだろう。足がもつれて、私は石造りの地面の上で派手に転んでしまった。
「いたたた……」
 転んだ衝撃で、鞄の中身を道ばたに激しくぶちまけた。あーもう、と私は持ち物を手元にたぐり寄せながら思う。私ったら、何でこんなにそそっかしいのだろう。
「あの……大丈夫?」
 ふと誰かが声をかけてきた。顔を上げると綺麗な女の人が私をのぞき込んでいて、思わず見惚れてしまった。
長い金色の髪が、日の光できらきらと光っていて、白い肌は、まるで雪のようだった。短めのマントに、やや豊かな胸元が強調されたひらひらした服が、なおのこと彼女の魅力を引き立てている。
「……あの?」
 どうやらじっと見入ってしまっていたらしい。女の人が困ったような顔をした。
「あっ、ご、ごめんなさい。あの、えっと……」
「平気? はい、これ、落としたよね?」
 私が呆けている間に、彼女は私が落としたものを全部拾ってくれていたみたいだ。
ぼんやりとしたまま、それを受け取る。
「今度は気を付けてね」
 私が驚き戸惑っている間に、彼女はさっさと行ってしまった。お礼を言う余裕もなかった。
 綺麗な人だったなぁ……。
 しばらくその場で放心していたが、本来の目的を思い出して私は再びアトリエに向かって歩きだした。
 でもさっきの綺麗な人、と思い返す。
 格好が少しだけ、ロロナ先生と似ていたような。

「ロロナ先生っ!」
「あっ、トトリちゃん。久しぶりだねっ」
 アトリエにはちゃんとロロナ先生がいた。何だか本当に久しぶりに、このほんわかした笑顔を見たような気がする。

388 :
「先生、相変わらず元気そうですね」
「うん! 最近はずっと二人旅で、一緒にいられたからね」
「へっ? 二人旅……?」
「ロロナちゃん、採ってきた闇の雫はどこに置けば……」
 その時、奥の部屋から出てきた人を見て、私はびっくりした。ついさっき私が落としたものを拾ってくれた、あの綺麗な女の人だったのだ。
「あっ、さっきの……」
「あっ、先ほどはありがとうございました!」
 彼女が口を開くのと同時に、私はほぼ反射的にお礼を言っていた。親切にされたらお礼を言いなさいという、お姉ちゃんの言いつけの賜物である。
「トトリちゃん、もう会ってたんだね。それなら話が早いや」
 無邪気に笑いながら、ロロナ先生が手を引いて女の人を引き寄せた。「ちょっ、ロロナちゃん……」と彼女が声を上げる。
「多分トトリちゃんは初めましてだよね。紹介するよ。私の奥さんの、りおちゃん」
「もう、ロロナちゃんってば。リオネラ・フリクセルです。よろしくね、トトリちゃん」
「あっ、よろしくお願いします……」
「さっきは気がつかなくてごめんね。ロロナちゃんから、あなたのお話は聞いていたんだけれど」
「いえ、こちらこそ……」
 そうか、先生の奥さんだったんだー。リオネラさん、先生と格好が似てると思っていたけど、多分先生のお手製だからだろうなぁ。
 なんてそこまで考えて、ん? と思う。
「えええええええっ!?」
 私の声はおそらくアーランド中に響いただろう。本日二度目のびっくりである。
「せ、先生って、け、結婚してたんですか!?」
「そーだよぉ。あれ、言ってなかったっけ?」
「言ってないも何も、先生初めて私と会ったとき一人じゃなかったですか!」
「あー、あの時はりおちゃんにお留守番頼んでたんだ」
「ロロナちゃん一人だと危なっかしいから、最近は私も付いていくようにしているの」
 そんなことないよぉ、と言う先生を、そんなことあるの、とリオネラさんが小突く。ふと、二人の間にある空気が、ふんわりとしたような気がした。何だろう、この感覚。
「何の騒ぎ? トトリの声がギルドの方まで聞こえてきたんだけど」

389 :
 クーデリアさんがアトリエにやってきた。私はほとんど彼女につかみかかるように尋ねる。
「ク、クーデリアさん! 先生が結婚してたって知ってたんですかぁ!?」
「はぁ? アーランドじゃ知らない人なんていないわよ。もしかしてあんた、弟子にも関わらず今まで知らなかったわけ?」
「うっ……知りませんでした」
「あのねぇ……まあいいわ」
 ていうかロロナとリオネラっ! とクーデリアさんが二人を呼ぶ。
「あんたたち連絡も無しに、今までどこをほっつき歩いてたのよ」
「えっとぉ……どの辺りだっけ、りおちゃん」
「あれ……結構暗いところだった気がするんだけど……」
「……まったく、似たもの夫婦って、こういうのを言うのかしらね」
「似たもの夫婦かぁ。もう一心同体だね、りおちゃん!」
「ふふっ、何か照れちゃうね、ロロナちゃん」
「褒めてないっ! 勘違いでいちゃつくなっ!」
 クーデリアさんの的確なつっこみが、アトリエ内に響き渡る。しばらくは、ずっと彼女がつっこみ役に徹するような会話劇が展開されていた。
 そんな中で、私は先生とリオネラさんの間に、またふんわりとした空気を感じ取っていた。
 そうか、と気づいた。ふとした瞬間から、それは二人を優しく包み込んでいる。何気なく目と目が合ったとき。手と手がまったく自然に、繋がれたとき。
 友達とはまた違って、恋人よりもちょっとだけ特別で。お互い寄り添い合うような、そんな雰囲気。ロロナ先生とリオネラさんからは、確かにそれが感じられた。
 結婚するって、こういうことなんだなぁ。私はしみじみと思いながら、自然と笑顔になっていた。

「ロロナ先生って、結婚してたんだよ! ミミちゃん知ってた?」
 それからすぐ後に、私はミミちゃんを素材集めに誘い出した。何故だか突然、彼女に会いたくなってしまったのだ。
「知ってるわよそれくらい。あんた、弟子のくせに知らなかったの?」
 ミミちゃんは呆れたようにため息をついた。……どうやら知らなかったのは、周りの人では私だけらしい。がっくりきた。

390 :
「……でも先生とリオネラさんが一緒のところ、初めて見たけれど、とっても素敵だったなぁ」
「ふうん。どんな風に?」
「何かね、こう、一緒にいられて幸せだぁっていう空気がね、二人の周りをふわふわと漂っているっていうか」
「……あんたらしい例えね。まあ、わかるといえばわかるけど」
 二人のことを思い返して、私はミミちゃんに聞いてみたくなった。やや迷いながらも、口を開く。
「あのね、ミミちゃんは、その……結婚とか考えてる?」
「はぁっ!? な、何よいきなり」
「え、えっとね、その、深い意味はないんだけれど……」
 私は心に浮かんだことをそのまま口に出す。
「……ミミちゃんと一緒だったら、そういうのもいいかなって」
 みるみるうちに、ミミちゃんの顔が真っ赤になっていく。
「な、な、な、何、ば、ば、ば、馬鹿なこと言ってんのよ。し、し、し、知らないわよそんなこと」
 そのまま彼女はそっぽを向いてしまう。それでもぼそりと彼女が呟いた一言を、私は聞き逃さなかった。
「……まぁ、私も、悪くないかもとか、思ってるけど……」
「ミミちゃん、それって……」
「あーっ! あーっ! ほらもう、さっさと行くわよ!」
 彼女は向こう側へと先に歩いていく。ロロナ先生、と私は心の中で思った。
 先生に追いつける日は、私もそう遠くないかもしれません。
 口元が緩むのを感じながら、私はミミちゃんの背中を追いかけて走り出した。

391 :
以上です。お粗末さまでした。
メルルでは師匠に子供が作れるって騙されて、二人してロリロリラブラブ夫婦になっていればいいよ。

392 :
乙です
しかしまあたくさんssが投稿されるすばらしいスレですこと

393 :
久しぶりのロロリオごちです。

394 :
ロロクーもロロリオも好物です(ゲス顔)
ロロナ先生多妻はよう

395 :
アーシャをやっとやり始めたがアーシャ女の子にフラグたてすぎじゃないですかね

396 :
だがそれがいい
本命ニオで対抗がベルちゃんなのは大体鉄板だけど
ナナカさんなんかもかなり良い位置につけてると思う

397 :
三十路も過ぎてそろそろ結婚を真剣に考えたやさき、
ロロナが8歳になってしまい、葛藤したり問答したり道を踏み外しそうになったりするクーちゃん、とか

398 :
「ミミちゃん、キスしていい?」
「ちょっ……いきなり何を…」
「ダメなの……?」
「ダメなんて言ってないでしょ」
「じゃあいいんだね?」
「……いっ……いいわよ」
みたいにトトリ攻めはなんとなく思いつくんだけど、ミミちゃん攻めなシチュが中々思いつかない。
ピュアトリフも自発性に欠ける気がするし、意外に難しい感じが……
私の中のミミちゃんのイメージが基本ヘタレてるせいなのかもしれないけど。

399 :
自発的とはまた違うけど俺はこのネタ好きでお世話になってる
640 名無したんはエロカワイイ[sage] 2011/07/01(金) 11:46:01.53 ID:ctJM1aty0
ミミ「まずトトリを具現化しようと決めてからはイメージ修行ね。
最初はトトリの人形を一日中いじくってたわ。とにかく四六時中よ。
目をつぶって触感を確認したり何百枚何千枚とトトリを写生したり、
ずーっとただながめてみたりなめてみたり、歯を立てたり嗅いでみたり、
しばらくしたら毎晩トトリの夢を見るようになったわ。
そうすると今度は幻覚でトトリが見えてきたのよ。
さらに日が経つと幻覚のトトリがリアルに感じられるの。
重みも温もりもあるし声も聞こえてくる。
いつのまにか幻覚じゃなく、自然と具現化したトトリが出ていたの。
それでついにやったわと喜んで、具現化したトトリに溜まりに溜まったものを一晩中ぶつけたのだけれど。
まさかそれが心配して様子を見に来た本人だったなんて……。」
こんな夢を見たんだけどどういうことだよ

400 :
ミミは照れ屋だから付き合う前とか付き合った当初は受け属性発揮しそうだけど
何年かして落ち着いたらまた変わってきそう

401 :
ヘタレ攻めかつスイッチ入ると狼化のミミ攻め、(無自覚)誘い受けのトトリ受け派かな
お義姉さんとは仲良さそうに見えて水面下で争ってたり共闘したり
想い人がシスコン過ぎてなかなか発展しないツェツィトト前提のメル+ミミ同盟とかもいいな

402 :
最初はトトリを気持ちよくさせられるか不安に思いながら、不器用ながらも色々手探りで愛撫するのか、
いざトトリとベッドインというある意味極限状態を前にテンパって理性が吹き飛んで獣のように攻めるのか…

403 :
ミミちゃん、エッチの時はものすごい優しくて扱いが丁寧だぞ
トトリが言ってた

404 :
トトリが言うなら間違いないな

405 :
でももうちょっと激しくしてくれてもいいかなと思うトトリ

406 :
SS投下します。メルリエ時代でトトミミ。メルケイも含む。

407 :
「ミミちゃん分が足りない……」
 ある日のアールズ街はずれのアトリエ。調合作業の最中、トトリがそんなことを呟いた。
 横の釜で同じく調合していたメルルは、少し手を止めトトリの方を見やる。
「あの、先生……何となくデジャブっていうか、同じような出だしが過去にあったような>>255
「気のせいだよメルルちゃん」
「でも」
「気のせいだよ」
 押し切られたメルルは一旦口をつぐんだ。
「はぁ……ミミちゃん分が欲しいなぁ」
「そういえばミミさん、モンスター退治で遠出してるんでしたっけ」
 いつもならアトリエ前で何食わぬ顔して出待ちしているミミが、ここ数日姿を見せていない。トトリの表情には、微かに憂鬱な影が浮かんでいた。
「で、ミミちゃん分とは?」
「ミミちゃん分はミミちゃんに含まれる栄養素だよ。これがないとわたしの心は暗黒のフォースに染まって悪の錬金術士として世界に破壊の限りを尽くしちゃうんだよ」
「怖っ!? 洒落にならない冗談言わないで下さいよ!」
「あはは。まあ、とにかくミミちゃんがいないと、寂しくてどうにかなっちゃいそうかも」
「是非ともミミさんに聞かせてあげたいセリフですね」
 トトリとミミの関係は、端から見ているとミミの方がトトリを過剰に意識しているようであるが、その実トトリの方もミミに劣らず色々とアレだったりする。
 特にペンダントの一件以来、トトリはミミに対する好意を大っぴらにするようになったというか、ぶっちゃけメルル相手にしょっちゅう惚気たりしていた。
「メルルちゃんは、ケイナちゃんと長い間離れてる時とかどうしてるの?」
「別にどうもしませんけど」
「ケイナちゃん分が足りなくなったりしない?」
「しませんよ。そういう時のために、ケイナのハンカチとか適当な持ち物を常に持ち歩いてますし」
「それはそれで問題だと思うよメルルちゃん」
「ちゃんと本人の許可を得てますから大丈夫ですよ。トトリ先生も何かミミさんの持ち物を借りたらいいんじゃないですか?」
「うーん……それも良いけど、やっぱり直接ミミちゃん分を摂取したいかな」
「ですか」
「はあ〜……ミミちゃんをもふもふくんかくんかしたいよぅ……」

408 :
「しっかりして下さい先生。そのうちミミさん帰ってきますから、そしたら思う存分もふもふくんかくんかさせてもらえばいいですよ」
「……」
「トトリ先生? どうかしましたか?」
「やっぱり同じ師匠と弟子でも、わたしとメルルちゃんは違うよね」
「どういう意味ですか?」
「昔、ロロナ先生がくーちゃん分不足で同じ症状になってた時、わたしがクーデリアさんの代わりにもふもふされてたから」
「ええっ!? そ、それはつまり、わたしがトトリ先生にもふもふされろということですか!?」
「頼んだらさせてくれる?」
「それはその……嫌とはいいませんけど……」
 ニッコリ微笑むトトリに、メルルはしどろもどろだ。
「ふふ……冗談だよ。ケイナちゃんに怒られちゃうしね」
「そうですか……」
 ホッとしたような少し残念そうな、複雑な表情のメルルだった。
「ところでメルルちゃん。さっき言ってた『洒落にならない』ってどういう――」
「おーっと危ない調合中でしたね! 危うく爆発させちゃうところでしたねハイ!」
 タイミング良く釜から吹き出してきた煙を見て、大慌てて杖を手に取り調合を再開するメルルだった。

 数日後。ミミが遠出の冒険から帰ってきた。
「ふぅ……二週間ぶりってとこかしらね」
 ベテラン冒険者数名で大規模なモンスターの巣を殲滅する単純明快なお仕事を終えたミミは、久方ぶりにアールズの街並みを眺めながら、ホッと息をつく。ギルドへの報告を終えると、ついでに一杯引っかけていく他の冒険者達と別れ、足早に街はずれへと向かっていった。
「別に一刻も早くトトリに会いたいとかそういうんじゃないからね。他に急いでするようなこともないし、ちょっと顔を見に行くだけなんだから」
 誰もいないのに誰かに言い訳をしながら、ミミはスタスタ歩いていく。端から見たらちょっと危ない人だ。
 小さな橋を渡って、じきにアトリエが見えてくるところ――
「ミ〜ミ〜ちゃ〜ん!!」
「ぐぇ!?」
 突然聞き覚えのあり過ぎる声が聞こえたと思ったら、アーランドを代表する錬金術士約一名が一筋の青い流星となってミミの体にフライングボディ抱きつきをかましてきた。
「ちょ、ちょっとトトリ!? 何すんのよいきなり!」
「ミミちゃんミミちゃん! 寂しかったよぅ〜!」
「先生! ミミさんの気配を感じた途端に飛び出さないで下さいよ!」
 飛んできたトトリを追って、メルルもアトリエから駆けてきた。

409 :
「ちょっとメルル! 事情を説明して!」
「実はかくかくしかじかで」
「あー……つまり往年のロロナさんと同じ症状ね」
 自分の胸にぐりぐりと頭を押しつけるトトリを、ミミはため息をつきながら撫でてやる。
「ミミちゃんミミちゃん」
「はいはい……ったく。何で錬金術士の師弟ってのは似なくていいところばっかり似るのかしら」
「ミミさん、それって遠回しに警告してます?」
「あなたの場合は、もう十二分なくらいケイナにベッタリでしょうが」
「ごもっとも。それじゃあ、わたしはケイナとベッタリするためお城に行ってきますので」
「え、ちょっと、メルル?」
「ご心配なく。今夜はお泊まりしてきますので、ミミさんも安心してアトリエに泊まっちゃって下さい」
「そういうことじゃなくて!」
「ではごゆっくり〜」
 相変わらずトトリに抱き付かれているミミを尻目に、メルルはとっととその場を退散してしまった。
「……どうしろっていうのよ」
「ミミちゃ〜ん♪」
「ああ、分かった分かった。私も寂しかったから。ちょっと落ち着きなさい」
 犬だったら千切れんばかりに尻尾を振っていそうなトトリと一緒に、ミミはアトリエのドアをくぐった。
「ほらトトリ。久しぶりに会ったんだから、お茶でも入れてゆっくり――」
「くんくんくん……」
 静かになったかと思ったら、ミミの胸元に顔をうずめてくんかくんかしているトトリである。
「コラ! かぐなかぐな」
「…………(むにむに)」
「揉むな!」
「ペロペロ」
「ひゃうっ!? な、舐めるな!」
「むー、さっきからミミちゃんあれもダメこれもダメって、じゃあどうしたらいいの?」
「どうもしないでよ! 普通にしてよ!」
「わたしがミミちゃんをくんかくんかしたりペロペロするのは普通のことだよ?」
「普通でたまるかそんなもん。とにかく一旦離れなさい」
「やだ」
「小さい子供じゃないんだから……」
「子供でいいもん」
 トトリはミミをぎゅーっと抱き締めて、放そうとしない。
(か、可愛い……でもここで甘やかしちゃダメよ、ミミ・ウリエ・フォン・シュヴァルツラング! 毅然としないと……)
 頬が緩みそうになるのを、ミミは必に引き締める。
「ト……トトリ!」
「なぁにミミちゃん?」
「つべこべ言わずに私から離れな――〜〜っ!?」
 厳しく言い切ろうとしたミミの唇を、トトリはつべこべ言わずにキスでふさいでしまった。

410 :
「ん〜……ぷはぁ。ミミちゃんとちゅーするのも久しぶりだね」
「っ……ぁ……」
「どうしたのミミちゃん。口パクパクして」
「どっ……どうしたもこうしたもないわよ!」
「きゃっ!?」
 顔を真っ赤にしたミミは、激昂した勢いそのままに、トトリをソファの上に押し倒した。
「あんたがそういうつもりなら、わ、私だって」
「む、ぅ……っ!?」
 半ば強引に、ミミの唇がトトリのそれを奪う。長く。長く。
 ………………
 …………
 ……
「……ぶはっ」
 呼吸も忘れていたミミは、唇を離して、息を整える。
「ミミちゃん……」
「な、何よ。先にしてきたのはあんたなんだから、文句は無しよ」
 ミミは目をそらさない。トトリもその瞳を、真っ直ぐにじっと見つめる。
「うん……最初に強引にしてたのはわたしだもんね。ごめん」
 さっきまでの攻めの姿勢はどこへ行ったのか、トトリは急にしおらしくなってミミに謝る。
「えっと……」
 こう返されると、ミミとしては少々ばつが悪い。今現在の状況を客観的に見れば、ミミがトトリを無理矢理押し倒している以外の何物でもなかった。
「ミミちゃん」
「な、何?」
 トトリは慈愛に満ちた笑みを浮かべると、ミミの頬に優しくキスをした。
「……今日はわたしのこと、ミミちゃんの好きにしていいよ」
「え……」
 耳元で囁かれたその言葉に、ミミの体がかぁっと熱くなる。
「怒らせちゃったお詫びに、ね」
 囁きに重ねて、耳たぶにキス。
「ほ、本当にいいの? トトリ……」
「んー……今、ダメって言ったら、ミミちゃん我慢出来る?」
「……ごめん無理」
「じゃあどうぞ♪」
「……っ」
 誘われるまま唇を重ね、そのまま優しくトトリを抱き締めるミミだった。

411 :
 
「――とまあ、そんなわけで。今頃アトリエは先生達が二人だけの甘々な世界を作ってるだろうから、今夜はわたしお城に泊まるからね」
 お城の自室で、メルルはケイナにざっと事情を説明した。
「分かりました。……ところでメルル」
「何? ケイナ」
「……さっきから何で私のことを抱き締めてるんですか?」
 ベッドの上で、ケイナの胸に顔をうずめるようにしながら抱き締めているメルルである。
「わたしも先生にならってケイナ分を補給しようかと」
「何ですかケイナ分って。ベッドメイクしますから離れ――やっ、ちょっ、そんなところ舐めないで下さい!」
 メルルはケイナの首筋に唇を当て、そのまま舌を這わせる。
「ベッドは十分キレイだからこのままでいいよ」
「そういうわけには……」
「それにどうせすぐ乱れちゃうし」
「そ、そういうことを堂々と言わないで下さい!」
「嫌なの?」
「……別に、嫌じゃありませんけど」
「じゃあ決まり♪」
「あっ、ちょっと、メル――」 まだ何か言おうとするケイナの口を唇でふさいで押し倒し、そのままシーツの海に溺れていくメルルだった。

おわり

412 :
以上。読んでくれた人、ありがとう&あけましておめでとう。

413 :
GJ!
トト→ミミが強いのは大好物だ
やっぱお互いが大好きな方がいいよね(パワーバランス的な意味で)
てか最近トトミミ熱が再燃しまくりでヤバい
VITA買おうか悩むレベル

414 :
乙〜トト→ミミ大好物です

415 :
ぼちぼちトトミミ分が足りなくなってきた所、良いトトミミ分の補充になりました。
ありがとう&あけましておめでとうございます。
>>413
私も最近トトミミSSとか合同誌とか繰り返し読んでたら、
ゲームがやりたくなってPLUS注文しちゃったよ。
届け先を赴任先にしたからプレイできるのは休暇が終わったからですけど。

416 :
トトミミメルケイありがとう!!!正月からいいもんみたぜ

417 :
小ネタだけれどメルルてんやわんやEDで、
ルーフェス「アールズ東部方面隊隊長より人員拡充の要望が、ご裁可を」
メルル「許可!次っ!」
ルーフェス「アールズ街の上下水道の整備に関する計画案です。ご裁可を」
メルル「許可!次っ!」
ルーフェス「お父上、デジエ様より会食の申し出が……」
メルル「却下、次っ!」
ルーフェス「これは……トトリ様とミミ様の婚姻?」
メルル「許可!次っ!」
ルーフェス「いえお待ちを……」
メルル「次っ!!」
ケイナ「……(私とメルルの婚姻届も……)」(そ〜)
ルーフェス「むっ……今、書類の束に何か混ぜましたか?」
ケイナ「いっ、いえ、何も!!」
メルル「次っ!!」
みたいな感じで

418 :
フィリーさんあたりも何か仕込んできそう

419 :
トトリPLUS始めたけど、この頃のミミちゃん初々しいね。

420 :
初々しいといっても一度あっただけの少女の住所を1ヶ月、移動時間を含めると二週間ほどで調べて凸してるしその頃から(ストーカーの)素質は十分あった
戦闘中はトトリの隣を通り過ぎる度にチラ見して来るし、1メートルもないような距離から話しかけてるのに遠くて話しづらいからもっと近寄れとか言うし

421 :
百合とか期待せずにトトリ+やったから思わぬ豊作で驚いた
最初はトトリとロロナで師弟百合かと思いきやもっとガチな人が百合百合しててにやけっぱなしだったわ

422 :
ガチというとフィリーさん?

423 :
くーちゃんじゃ

424 :
いやいやミミちゃんに決まってるだろ

425 :
ここでまさかのメルヴィ登場

426 :
ちぇちーかもしれない

427 :
ピアニャちゃんかも

428 :
まさかトトリだけじゃなく、メルルもPSvitaでリメイクされる事に今更知った
っという事は、ロロナもPlusとしてリメイクされる日も近いって事ですね
神は俺にPSvitaとトトリ+買えっと仰りたいのか?

429 :
Vitaは大画面でプレイ出来ないですし…

430 :
でも手軽にできるんだぜ?
画像も綺麗だし。ベッドで寝転がりながらとか好きに出来るのは嬉しすぎる。
しいて難点を言うなら、強制終了とフリーズか……。

431 :
でも画面が小さいから見辛い
この手の形態ゲームに言える事なんだが、TVに繋げて大画面でプレイ出来るようなアダプターとか作ってくれると嬉しいんだが

432 :
たしかPSPはテレビに繋げることができるよね
しかしトトミミエンディングが新婚旅行にしか見えない…

433 :
画面と顔の距離も変わるからそんなに小さく感じないけどな

434 :
アーシャのアトリエのホームページからいけるWebマンガがあったんだけど、
あれ、メーカー公認の紹介漫画だった。
ということは、これに出ているアーシャのシスコンぶりをガストちゃんは
認めているということになるのか?というか、実際そうなのか?

435 :
ニオが二人になっても「それはそれでいいかも」って思っちゃうくらいにはシスコンだよ
あの漫画来週で最終回なんだよね。ラスボス倒した後もストーリー続くのに
残念

436 :
こんな漫画あったのか気づかなかったw

437 :
メルルplusでるならロロクーのその後が見たいなーとか思ったり

438 :
問題:ロロクーのその後について、次のうちから選べ。
(1)くーちゃんがロロナ先生の嫁になる。
(2)ロロナ先生がくーちゃんの嫁になる。
(3)メルルのアトリエ開始時点で既に入籍済だった。

439 :
SS投下します。
トトリエ時代のトトミミ。

440 :
「トートーリー、あーそーぼー」
 ある晴れた日のアランヤ村。トトリのアトリエのドアを開けながら、ピアニャが元気よく声を上げる。
 普段はツェツィにほとんど構われっぱなしなピアニャだが、今日は(珍しいことに)酒場の方が繁盛していた。ツェツィも仕事を休むわけにいかず、ピアニャは一人で退屈していた。
 というわけでトトリに遊んでもらいに来たのだが、
「トトリー?」
「……zzz」
 昨日まで調合作業に精を出していたトトリは、ソファで横になってスヤスヤと寝息を立てていた。
「寝てるし……」
 ほっぺたを人差し指でツンツンしてみるが、反応はない。
「……zzz」
「じー……」
 しばらくの間、ピアニャはトトリの寝顔を無心に眺めていた。
 が、ふと何を思ったか、体を乗り出して、眠っているトトリの顔に、自分の顔を近付ける。
 そしてそのまま躊躇いなく唇を合わせ――
 ――ようとしたところで、後ろから首根っこをムンズと掴まれた。
「ピ〜ア〜ニャ〜……!」
「あ。ミミ」
 いつの間にアトリエにいたのか、ミミが憤怒の形相でピアニャを睨み付ける。
「あ。ミミ、じゃないでしょうが! 寝てるトトリに何しようとしてたのよあんたは!?」
「キスだけど?」
 全く悪びれた様子もなく、ピアニャは平然とミミの問いに答える。聞いたミミの方が狼狽するほど開けっぴろげな態度だ。
「……っ、何で!?」
「絵本で読んだから」
「絵本?」
「うん。お姫様はキスで目を覚ますんだよ」
「ああ、眠り姫の……」
 悪い魔女の呪いによって永遠の眠りについたお姫様が、王子様の口付けで目を覚ます……アーランドに限らず、色んな国でメジャーな童話の一つだ。
 最近ピアニャは、ツェツィに文字を教わりながら本を読むことを覚えていた。今のところはヘルモルト家で埃をかぶっていた絵本や児童書が主な愛読書で、眠り姫のお話もそれで知ったのだろう。
「……で、それが何でトトリにキスすることになるわけ?」
「トトリもキスしたら起きるかと思って」
「普通に起こしなさいよ!」
「だってそれだとつまらないし」
「つまるつまらないの問題じゃないでしょうが! そういうことはしたらダメ!」
「何で?」
 ピアニャは不思議そうに訊ねる。
 ミミは一瞬言葉に詰まった。

441 :
 陸の孤島のような最果ての村で育ったピアニャは、実年齢に比べて精神が幼く、世間一般の常識ともずれたところが多い。
 寝ているトトリにキスをするのが何故いけないのか? ……複雑に考えなくても「ダメなものはダメ」で通る話である。
 だが、ミミはつい生真面目に答えようとしてしまう。
「それは、その……そういうことは、好きな人とでないとしちゃいけないことで――」
「じゃあミミがトトリとキスする?」
「なっ!?」
 唐突な提案に、ミミは目を丸くする。
「だってミミはトトリのこと好きでしょ」
「すっ……ちがっ……そ、そういう問題じゃなくて」
「トトリもミミのこと好きだし」
 ピアニャ、さらに燃料投下。
「なっ……何であんたがそんなこと分かるのよ!? いいかげんなこと言って――」
「だってトトリ、ミミと一緒にいる時が一番嬉しそうだもん。ミミもそうでしょ」
「……〜〜っ」
 何の飾りもない、ストレートなピアニャの言葉に、ミミの頬はたちまち赤く染まる。
「だからほら、お姫様を起こしてあげないと」
「ちょっ……!」
 ぐいぐいと背中を押されて、眠っているトトリの前に立たされるミミ。
 トトリは穏やかな表情でスヤスヤと寝息を立てている。その唇に、ミミの視線が落ちる。
(えっと……まさか、本当に……?)
 ピアニャはミミの横で期待の眼差しを向けている。
 冷静に考えれば、ピアニャに付き合う必要などなく、普通にトトリを起こすか、眠らせておくかすればいい話である。
 が、今のミミは完全に冷静さを欠いていた。一種の催眠状態に近いのかもしれない。もしもピアニャが狙ってミミをこの状態に誘導したとすれば、末恐ろしい才能だ。
 そもそもミミの本心として、”そういう望み”が無いと言ったら嘘になる。
 ミミは唾を飲んで、深く呼吸をした。
「……」
 息を詰めて、体を傾ける。トトリの顔に近付いて、寝息を伺う。
(…………………………あ)
 この時。辛うじてミミに残っていた冷静な部分が気付いた。気付いてしまった。
「トトリ……あんた起きてるでしょ」
「ぎくっ」
「……」
「……ぐーぐー」
「いや、『ぎくっ』て聞こえたから」
 寝たふりを見破られたトトリは、観念して体を起こした。

442 :
「いつから起きてたの?」
 すっかり頭の冷えたらしいミミが、落ち着いて訊ねる。
「ミミちゃんがピアニャちゃんを怒ってたとこぐらいから……」
 あれだけ騒がしくすれば起きるのも当然だろう。しかし問題は、
「何で狸寝入りを決め込んでたわけ?」
「それはその……何となく起き辛い雰囲気だったし」
「……」
「……ごめんなさい」
「……何であんたが謝るのよ」
 ミミは一つ息を付いた。
「むしろ私の方こそごめんなさいよ。おかしな空気に流されて、変なことしそうになって」
「……別に、いいよ?」
「え?」
 トトリの言葉の意味が飲み込めず、ミミはキョトンとする。
「ミミちゃんに、キスされるの、嫌じゃないよ。だからずっと寝たふりしてたの」
 目に微かな恥じらいを浮かべながら、トトリはそんなことを言った。
「え……あ……」
 一度は冷静さを取り戻したはずのミミの思考回路が、再び高熱を帯び始める。
「……」
「……」
 二人とも、無言のまま見つめ合っている。心臓だけが早鐘のように賑やかな音を立てていた。
「ミミちゃん……」
「なっ、何?」
「キス……したいな」
「っ……!」
 トトリの目は、ミミを真っ直ぐに見つめている。ミミはその視線をそらすことができない。
「……」
「……」
 ミミは深呼吸を一つして、震える手をトトリの肩に置いた。
 そしてその手に力を込め――
 ――ようとしたところで、右側約一メートル足らずの位置に興味津々目を光らせたピアニャが存在していることに気付いた。
「ほあああっ!?」
 奇声を上げて、飛び上がるようにトトリから距離を取るミミ。
「どうしたのミミちゃん?」
「あれー? ミミ、キスしないの?」
 ギャラリーの存在など意に介していないのか、普通に首を傾げるトトリ。不満そうなピアニャ。
 本日二度に渡って雰囲気に流されそうになったミミは、
「すっ、すっ……するかーっ!!」
 あらん限りの声を上げながら、耳の先まで真っ赤にしていた。

おわり

443 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
Vitaでの展開を機に、ピアニャちゃんにも公式で光を当ててほしい。

444 :

流されてしまえばよかったのに!

445 :
(ヘタれてしまうせいで)なんだかんだ流されないのがミミちゃん
流されてしまうけど直前で邪魔が入っちゃうのがくーちゃん

446 :
おおありがてえありがてえ…
トトミミ分が満たされていく…

447 :
乙です。
ふと思ったが、ミミちゃんが来るのが遅れて
トトリちゃんとピアニャちゃんがキスしている所を見たら
どういう反応するのかな?

448 :
乙です!
トゥルーafterでさえツンデレこじらせてトトリがいないとぬ病気にかかっているのに、新婚旅行に行くミミENDだといったいどうなってしまうのか
ヘタレてる余裕もなさそうだけど

449 :
ふと思ったんだけどミミちゃんって虹のかけらでトトリにペンダント作ったわけで
虹ってセクシャルマイノリティーの象徴なわけで
要するにあのペンダントにはそういう意味が・・・!

450 :
後でその意味を誰かに聞いて顔真っ赤になっちゃうミミちゃん

451 :
>>448
あのこじらせっぷりはフラグが完全に立った状態で何ヶ月も放置プレイを食わされた反動ではないだろうか?
だとしたら、ほぼ常時トトリ分が供給されるミミEDではミミちゃんのトトコン症状も安定しているのではないかと予想される。

452 :
>>450
そしてすっかりその気だった鳥取さん
>>451
自分もそう思ってた

453 :
トトリちゃんから虹の指輪でもプレゼントすればいい

454 :
相思相愛とか素敵やん

455 :
トトコン症状が安定しているミミちゃんは攻めになるのか受けになるのか…
個人的にはヘタレてない、ヘタレてる余裕が無い状態だと攻めに回りそうな気がするんだが
そしてトトリちゃんは基本誘い受けだが、予想以上に積極的でヘタレてないミミちゃんに戸惑ってしまうとか?
他には慣れていないもの同士(初めて同士)、手探りで愛撫したりするのもありかね?
あるいはお姉ちゃんやロロナ先生、くーちゃんの体験談も絡めたりとか

456 :
今更ながら、ロロリエのキャラソン〜カナリア〜を買ったが
リオネラとクーデリアのキャラソンが、どう見てもロロナの事を思って歌ってるとしか思えない
それはともかく、なんでトトリエとメルリエのキャラソンは出さないんだろうか……

457 :
キャラソンとかあったのか・・・

458 :
メルル時代のミミはいろんな意味で愛情を抱いていたトトリと離れていた期間が長かったせいであんなのになっている可能性が自分の中では濃厚。
時間が経ったり、気持ちの繋がり合いが確固たるものになったら落ち着くと思う。
逆にトトリは繋がりが強くなるほど甘えたになっていくタイプに思える。
ちょっと遠慮を持ちながらもやっぱり甘えたいトトリと、流石に甘やかしすぎたかと自戒しながらも溜息一つでだいたい許しちゃうミミ、っていうのが個人的に理想。

459 :
SS投下します。
トトミミ、シリアス、続き物です。

460 :
ミミちゃんは、友達。
かけがえのない、親友。
だから。
この想いは、絶対に知られてはならない。

「Dear Friends …」 第1話 side:トトリ

アールズ王国のアーランド共和国との合併記念式典が完了してすぐ、
メルルちゃんはアールズ城内に新しくアトリエを構えた。
これまでの開拓事業のご褒美と、錬金術師としてさらなる活躍を見込んで、
とのことで、錬金道具一式をルーフェスさんが揃えてくれたそうだ。
私のアトリエにもメルルちゃんの錬金道具は残してあるけれど、
ここで錬金することはほとんど無くなった。
ロロナ先生とホムくんたちも、式典後すぐにアストリッドさんに連れられて
旅に出てしまった。ロロナ先生を元に戻す、もとい理想の14歳の姿にするため、だそうだ。
街はずれの一軒家。ここは一人で暮らすには少し寂しい。
その寂しさを察知してくれたのか、ミミちゃんが毎日のように訪ねて来てくれるようになった。
「メルル姫が独り立ちして寂しがってるんじゃないかと思ってね。わ、わざわざ来てあげたんだから、感謝しなさいよ!」
なんて言って。
開拓事業が一段落して依頼の数も落ち着いていたから、
私たちはアーランドにいたころのように二人で過ごすことが多くなった。

461 :
2人とも予定が空いている日には連れ立って冒険に出かけた。
「二人きりで冒険に出よう」という約束は、私がアールズに召喚されたために
中途半端になってしまっていたから、また二人で冒険に出られるのはとても嬉しかった。
ミミちゃんが依頼を受けて出かけている時は帰ってくるのが待ち遠しかった。
帰ってきたときに
「おかえりなさい!」
と声をかけると、顔を赤くして
「わ、私の家じゃないんだけど…。」
なんて言った後、少しはにかんで
「ただいま。」
って言ってくれた。
私が錬金している時は、ミミちゃんはたいていソファに座って本を読んでいた。
視線を感じて振り向くと、慌てたように本に目を落とすこともあった。
「ミミちゃん、退屈なの?」
「いいえ、こうしているのも楽しいわ。あ…静かに本を読むのが、ね!」
「そう?その割にはあんまり進んでないような…。」
「ゆ、ゆっくり読むのが好きなのよ!」

462 :
満ち足りた時間。
ずっとこうしていたい、と思える時間。
ずっと一緒にいたい、と思える人。
私は鈍感だった。自分の気持ちにひどく疎かった。
アーランドにいたころから、ミミちゃんと一緒にいる時は常にそう感じていたのに、
その気持ちを何と呼ぶのか考えもしなかった。
メルルちゃんに、
「トトリ先生とミミさんって、本当に親友って感じですよね!いいなあ。」
と言われた時感じた微かな違和感の正体に気付けなかった。
けれどいかに私が鈍感でも、気付く時はやってきた。
特にきっかけなんてなかった。
ある朝目覚めた時、いつも通りミミちゃんにもらった虹のかけらのペンダントを首にかける時、
自然に微笑んでいる自分に気付いて、一緒に自分の気持ちにも気付いてしまった。
ミミちゃんといる時間がこんなにも楽しいのは何故なのか。
このペンダントをもらった時、あんなにも嬉しかったのは何故なのか。
今日も彼女に会えると考えるだけで、こんなにも心が弾むのは何故なのか。
(私、ミミちゃんのことが「好き」なんだ。)
そう、気付いて「しまった」。

463 :
気付かなければ今まで通りに過ごせたかもしれないのに。
ミミちゃんは女で、私も女。
きっとこの想いは叶わない。
想いを打ち明ければ、友達ですらいられなくなってしまうかもしれない。
ミミちゃんは優しいから、それでも一緒にいてくれようとするかもしれない。
けれど、私と同じ「好き」という気持ちには、なってくれないだろう。
そしてその気持ちの差が、二人の間に大きな溝を作ってしまうことは簡単に想像できた。
そんなのは絶対に耐えられない。
だから。
この想いは、絶対に知られてはならない。
ミミちゃんは、友達。
かけがえのない、親友。
だから。
嬉しそうな声でこうミミちゃんに伝えるんだ。
「ミミちゃんが友達で、本当に良かった。」

464 :
以上です。続きはまた後日。

465 :
GJです。
続き期待してます

466 :
メルお姉ちゃんとツェツィさんで妄想が止まらない俺はどうしたらいいんだ

467 :
>>466
メル「変態になってください」

468 :
SS投下します。
>>463の続きです。

469 :
「Dear Friends …」 第2話 side:ミミ
この気持ちが恋に変わったのはいつからだろう。
母の話を、初めて人に打ち明けようと思った時?
二人きりで冒険に出たいと思った時?
それとも彼女が一人でアールズに行ってしまったのを寂しいと感じた時?
いつの頃からか、私はトトリに対して友情ではなく恋心を抱くようになった。
この気持ちに気付いたら、トトリはどう思うだろう。
この気持ちを伝えたら、トトリはどんな顔をするだろう。
そんなことを考えながら、けれどそんな勇気が出るはずもないまま、
いつの間にかトトリと出会ってから10年以上が経っていた。

470 :
そう、アーランドの冒険者ギルドでトトリと初めて出会ってから
もう10年以上経っているのだ。
(長い…わね)
そのことに気付いて、自分でもひどく驚いた。
トトリと過ごす時間は本当に短く感じられた。
特に無期限の冒険者免許を手に入れた直後、二人で冒険に出ていた期間は
一日があっという間に感じられた。
二人で初めての土地を旅して、見たことの無い景色を見て、
食べたことの無い料理を食べ、かばいあって魔物と戦い、
夜には一緒のテントで、時には手をつなぎ合って眠りについた。
(でも、それもたった半年で終わっちゃったのよね)
そろそろ船で外洋に出ようか、という時に、トトリは突然アールズへと召喚されてしまった。
話を聞いたときは思わず引き止めた。
「断れないの?」
「う〜ん、国からの依頼だし、何より、本当に錬金術師を必要としてるみたいなの。
今動けるのはわたしだけみたいだし。」
そう、トトリは国に3人しかいない錬金術師の一人なのだ。
私的な理由で、引き止められるはずもなかった。
「ミミちゃん、ごめんね。」
「は?な、何謝ってるのよ。べ…別にあんたなんかいなくても平気だし…むしろ、せいせいするわ!」
「そっか…そうだよね…。ミミちゃん、冒険者のお仕事がんばってね。」
「ふん。あんたも迷惑かけないように、せいぜい頑張りなさいよ。」

471 :
…ちっとも平気じゃなかった。
アーランドに一人取り残され、泣き出しそうな気分だった。
トトリの幼馴染のジーノとコンビを組んで
(なかなかに良い相棒だったと思う。本人には口が裂けても言えないけど。)
冒険者としてそれなりに忙しい日々を送っていたのだけれど、
トトリがそばにいないと考えるだけで気分が沈んだ。
休日もなにもやる気が起きず、無理に槍術の訓練を初めても全く身が入らなかった。
「アールズで冒険者募集!」の依頼書の貼り出しを見たときは、
その他の条件を一切確認せずに引っぺがして受付に持って行ってしまった。
「これ!この依頼!応募します!」
「ちょっと、依頼書勝手に剥がさないでよ!それに…」
「お願いします!!」
「や、やけに必ね。そんなにこの依頼受けたい…」
「はい!」
「…まあ、あんたならランクも問題無いし、お姫様の護衛だから女性推奨になってるし。
なにより、あんたが「お願いします」なんて言うってことはよっぽどなのね。
いいわ、理由はよく分からないけど登録してあげる。」
跳び上がりそうになるのを何とか抑え、登録手続きを済ませた。
あまりに舞い上がりすぎて、ジーノへの報告が出発直前になったことは未だに申し訳ないと思っている。
しかも、いつもの癖が出て素直に謝ることができなかった。
思ったことを素直に口にできないのは、本当に私の悪い癖だ。

472 :
そんなこんなでトトリを追いかけてアールズへやって来た私だったが、
以前のようにトトリと二人きりで過ごせることはほとんどなかった。
私がアールズへ来た本来の目的はメルル姫の護衛だったし、
トトリも錬金の依頼と開拓事業の手伝いがあったから、当然といえば当然だった。
メルル姫を交えてにぎやかに過ごす時間は楽しくて、嫌いではなかった。
けれどトトリと二人きりで過ごす時間は私にとって大切で、特別で、必要不可欠なのだ。
だからメルル姫が城にアトリエを構えて独り立ちした、と聞いた時は嬉々として…もとい、
寂しがっているであろうトトリを元気づけるため仕方なく、アトリエを訪ねてみた。
ソファに座ったトトリの気の抜けた顔が満面の笑みに変わるのを見た瞬間、やはり訪ねて良かったと思った。
そうして私は、アーランドにいたころと同じ、トトリと二人きりで過ごす時間を取り戻した。
二人で連れ立って冒険に行き、トトリが錬金している時はソファに座って本を読んで、
時々トトリの背中を眺めたり、なんかして。
ギルドの仕事で数日街を空けたときは、真っ先にトトリのアトリエへ向かった。
トトリの「おかえり」が聞きたくて。
「ねえトトリ、私、あなたのことが好きなの。」
口に出してしまいそうなことが、最近何度もある。
トトリは私のことを、どう思っているのだろう。
少なくとも、親友だと思ってくれている、そう信じたい。
けれどそれ以上はどうだろう。
ペンダントをプレゼントした時もものすごく喜んでくれたし、
こんなに一緒にいるのだから、少しくらい、希望を持ってもいいんじゃないか。

473 :
けれどそんなものは、私の願望でしかなかった。

暖かな日差しが差し込む午後だった。
私はいつものソファではなく、窓の近くの椅子に座ってトトリの背中を眺めつつ本を読んでいた。
日差しがあんまりにも気持ちよかったからだろう、私は少しまどろんでしまっていた。
「…ミちゃ…、寝ちゃ……の?」
トトリの呼ぶ声で目を覚ました私は、直後に暖かさに包まれた。
「ふふ、ミ〜ミちゃん!」
「な、と、ととり!?」
「えへへ〜。」
トトリに後ろから抱きしめられたのだ。
当然心臓はバクバク言い出してこんなんじゃ慌ててるのがトトリにばれるああでもばれてもいいか…
「あのねミミちゃん、ありがとう。」
「な、なによ突然、やぶからぼうに。」
あああ、呂律が怪しい。
「やっぱり、メルルちゃんがいなくなって、わたし寂しかったみたい。
ミミちゃんが来てくれなかったら、今も何も手につかずに、ソファに座ってボーっとしてたかも。」
トトリが真剣に話してくれている。
慌ててる場合じゃない、働け私の頭。
「…この5年間頑張りすぎて、燃え尽きちゃったんじゃないの?」
「うん、そうかも。」
「まったく。あんたはそうやって無茶するところがあるんだから。」
だから、放っておけない。
「辛いときは、わ、私を頼りなさいよね。」
「えへへ、ありがとう、ミミちゃん。」
ああ、トトリが笑ってくれている。それだけで、なんだか幸せで、
けれど
「ミミちゃんが友達で、本当に良かった。」
その言葉に、私の心は凍りついた。

474 :
トトリにとって、私は友達。
けしてそれ以上ではないのだ。
考えてみればこうして抱きしめるのだってメルル姫に対してもよくやっていたし
(ツェツィさんやロロナ先生の真似、だそうだ)、特別な感情からじゃない。
それを、私は何を舞い上がっていたのだろう。
この気持ちに気付いたら、トトリはどう思うだろう。
この気持ちを伝えたら、トトリはどんな顔をするだろう。
期待する返事は、返ってきそうにない。
明るい未来なんて想像できそうもなかった。
トトリの暖かさに包まれながら、私の心はどんどん冷えていった。

475 :
以上です。第3話に続きます。

476 :
いいね!

477 :
続き待ってます

478 :
続きが待ち遠しい…
ハッピーエンドになって欲しいよ

479 :
ちょっと早いけどバレンタインSS投下します。
トトリエ時代でトトミミ。

480 :
「うーん……」
 二月半ばのある日のこと。アーランドのアトリエで、トトリはソファで本を眺めながら、何やら考え込んでいた。
「やっぱり変に凝らずに普通のが良いかな……」
「トトリちゃん、ただいまー」
 出かけていたロロナが帰ってきた。が、ぶつぶつと一人言を言っているトトリは気付かない。
「でもやっぱりただ溶かして固めただけっていうのは味気ないし……」
「トトリちゃーん?」
「何か作りやすそうなのがあれば……」
「トートーリーちゃんっ」
「わっ」
 いきなり横から声を掛けると同時に抱きついてきたロロナに、トトリは驚いて目を白黒させる。
「せ、先生。帰ってたんですか。ていうか何で抱きつくんですか?」
「だってただいまって言ったのに、トトリちゃんが気付いてくれないんだもん」
「それはすみませんでした……」
「何読んでるの? 何かのレシピ?」
「いえ、そうじゃなくて、その……」
 ロロナが横からのぞき込んだそれは、錬金術ではなく普通のお菓子の作り方の本だった。そして今トトリが開いていたのは、チョコレート菓子のページである。
「あー……なるほど」
 その本と壁に掛かったカレンダーを見比べて、ロロナが訳知り顔で頷く。
「ミミちゃんにあげるバレンタインチョコについて考えてたんだね、トトリちゃん」
「えっと……はい、そうです」
 少し恥ずかしそうに頬を染めながら頷くトトリの様子に、ロロナは軽く理性が飛びそうになったが、懸命に堪えていた。
 バレンタインデー。
 元々は大昔に恋人達の縁結びを張り切りすぎて非リア充の王様に縛り首にされた聖人の命日だが、アーランドにおいては近代以降、製菓会社の陰謀によって、女の子が好きな男の子にチョコレートを送る日という位置付けをされてきた。
 しかし最近では女の子が男の子にという形にこだわらず、家族間や友達同士でのチョコのやり取りも珍しいものではなくなっている。
 特にここ数年は、女の子同士でのチョコのやり取りを推奨する広告等がやたらと増えていて、何かの陰謀ではないかと思う勢いだが、別に女の子が女の子にチョコをあげて困る人もいないのでスルーされている。

481 :
 そんなわけで、トトリはミミにあげるチョコについて考えていた。
「それで、どんなチョコを作るの?」
「実はそれを決めあぐねていまして……出来るだけ良い物を作りたいですけど、わたしお菓子作りは初心者だし、そんなに難しいのは無理だし」
「トトリちゃんが一生懸命作ったものなら、ミミちゃんは何でも喜んでくれると思うよ? 口ではツンツンしたこと言うかもだけど」
「でもやっぱり簡単すぎるのもどうかと」
「ふむ……」
 ロロナはしばらく顎に手を当てて考えていたが、やがて何かを思いついた様子でコンテナに駆け寄った。
「じゃあわたしがトトリちゃんにいいものをあげるね」
「いいもの?」
「じゃーん!」
 効果音とともにロロナがコンテナから取り出したのは、小さめの瓶に入った何かの粉末だった。薄い桃色で、全体がキラキラと光っている。
「何ですかそれ?」
「これはねー、錬金術で作った特別な甘味料なんだよ」
「錬金術で……それは何だか凄そうですね」
「うん! わたしも前のバレンタインで、これを使ったチョコをくーちゃんにプレゼントしたんだ。最高の出来になるのは間違い無しだよ。はい、トトリちゃん」
「先生……ありがとうございます!」
 甘味料を受け取ったトトリは、笑顔でお礼を言う。そんなトトリに、ロロナは小声で一言付け加える。
「兵隊さんに中身を聞かれたら全力で逃げるんだよ」
「何が入ってるんですか一体!?」
「大丈夫。効き目はばっちりだから」
「効き目って何ですか!?」
 やはりロロナの好意は気持ちだけ貰っておくことにするトトリだった。

「うーん……」
 アーランドのとある食料品店。ミミは商品棚を見つめながら、何やら考え込んでいた。目線の先にあるのは、製菓材料――バレンタインが近いこともあって、チョコ関係の材料が多く取りそろえられている。
「やっぱり、下手に凝ったのを作るよりも、無難に市販ので済ました方が……でもそれはそれでちょっと味気ないような気もするし……」
「何一人でぶつくさ言ってんのよ」
「うわあ!?」
 いきなり後ろから掛けられた声に、ミミは慌てふためき振り返る。
 そこにいたのはクーデリアだった。
「お、お、驚かさないでよ」
「いや、普通に声掛けただけだから。驚きすぎでしょいくらなんでも」
 大げさなリアクションに呆れていたクーデリアだが、当のミミが見ていたものに気付いて、さもありなんと頷いた。

482 :
「なるほど。バレンタインチョコの品定めね。せっかくだし手作りにするべきかどうか考えてたとか?」
「なっ、ちっ、違うわよ! 私は別にトトリにチョコあげたりなんか――」
「トトリの名前なんか一言も出してないんだけど?」
「あ……」
 語るに落ちたミミは、顔を真っ赤にして口をつぐむ。
 昔の自分を見ているような気分になって、クーデリアは軽くため息をついた。
「隠すようなことじゃないでしょうに。変に意識するから恥ずかしいのよ」
「う、うるさいわね。そういうあなたはどうなのよ? その、ロロナさんに……」
「あたしは仕事が忙しいし、市販のを買って済ませるわよ。それで文句言うような子じゃないし」
「ぐ……」
 あっさり返すクーデリアに、言いようのない敗北感を覚えるミミだった。
「まあ、トトリだったらどんなチョコでも間違いなく喜んでくれるだろうし、もっと気楽に考えればいいんじゃない? 手作りにこだわる必要もないし」
「よ、余計なお世話よ」
「はいはい。それじゃあね」
 言っていた通り、ちょっと高級なチョコレートを一つ買ったクーデリアは、あっさりその場を去っていった。
 が、すぐに何かを思い出した様子で踵を返し戻ってきた。
「一つ言い忘れていたわ。もしトトリから錬金術で作ったチョコを渡されたら……注意しなさい」
「注意? どういう意味よ?」
「そのままの意味よ。多分大丈夫だとは思うけど、それでもロロナの弟子だからね……これは純粋な親切心からの警告よ」
「わ、分かったわ」
 妙に真剣なクーデリアの表情に気圧されるように、ミミは頷いた。
「それじゃあ、健闘を祈るわ」
 今度こそ、クーデリアはその場を去っていった。
 一人残ったミミは、
「どんなチョコでも喜ぶ……って言っても、なるべく良い物を渡したいし……べ、別にトトリのことがどうとかじゃなくて、あくまで私が用意するに相応しいチョコレートっていう意味でね。他意はないんだからね」
 小さな声で誰にともなくツンデレながら、材料チョコの前で盛大に悩み続けていた。

483 :
 そんなこんなでバレンタイン当日。
 ミミはアトリエの前に、緊張した面持ちで立っていた。
(落ち着け私……別に変に気負う必要なんて無いんだから……何かのついでにアトリエに寄って、「そういえば今日はバレンタインとかいう行事なのよね」って言ってあくまでたまたま持っていた風を装って気軽にチョコを渡す。よしこれでいこう)
 頭の中で作戦を立てて、ミミはドアに手を伸ばす。ちなみに用意したのはかなり気合いを入れて作ったチョコトリュフなのだが、これをたまたま持っていた風を装うというのは無理があるという事実には、全く気付いていなかった。
「お邪魔します」
「あ、ミミちゃんいらっしゃい」
「ちむー」
 いざ、と気合いを入れてアトリエに乗り込んだミミだが、そこにいたのはお目当てのトトリではなく、ロロナとちむ達だけだった。
「えっと……」
 予定外の状況に焦るミミに、ロロナは優しく微笑みかける。
「トトリちゃん今ちょっと出かけてるから、上がって待ってて」
「あ、はい。それでは……」
「そうそう。バレンタインだし、チョコレートパイを作ったんだけど、ちょっと作りすぎちゃったんだ。よかったらミミちゃんも一つ食べていって」
「はあ」
 ミミの目の前に出されたチョコレートパイ。一口食べてみると、さすがはロロナの作だけあって、極上の一品である。下手に抑えることなくしっかりと甘みを出し、それでいて上品なチョコの風味とさっくりふんわりとしたパイ生地の食感を一切損ねていない。
 あまりの美味しさに、ミミは一瞬ここに来た目的を忘れそうになってしまった。
 ミミがパイを食べ終えたちょうどその時、
「ただいまー」
 タイミングよくトトリが帰ってきた。
「おかえりトトリちゃん。ミミちゃんが遊びに来てるよ」
「あ、ミミちゃん。いらっしゃい」
「お、お邪魔してるわよ」
 ミミとしては遊びに来たつもりはない(という建前)のだが、それを訂正する余裕もなかった。
「トトリちゃん帰ってきたし、今度はわたしが出かけてくるね。ちむちゃん達もおいでー」
「ちむー」
「ちむむー」
「えっ、ちょっ……何でちむ達まで」
 ロロナは童話の笛吹きよろしくぞろぞろとちむ達を連れ去り、アトリエにはトトリとミミの二人きりになってしまった。

484 :
「…………えっと……」
「ミミちゃん」
「なっ、何!?」
 緊張しているのか、普通に呼びかけられただけなのに、ミミは過剰に反応してしまう。
「何だか顔が赤いけど……大丈夫?」
「だ、大丈夫に決まってるでしょ! そもそも赤くなんてなってないわよ!」
「いや、どう見ても赤いんだけど……」
 ずれた返答に怪訝そうな顔をするトトリだが、今のミミはいっぱいいっぱいだった。
(うう……ただバレンタインのチョコを渡すだけのはずなのに……何でこんなにドキドキするのよ……)
 ミミの脳内リハーサルでは、あくまで余裕たっぷりの態度で爽やかにチョコを渡して戸惑うトトリを尻目に優雅に去るつもりだったのに、いざ本番となったらトトリの顔すらまともにみることができないという体たらくだ。
(ていうか、今日に限って何かトトリが妙に可愛く見えるし……いや、いつもが可愛くないとかじゃなくて……いやいや別にいつもトトリが可愛いとか思ってるわけじゃなくて!)
 混乱して思考が変な方向に堂々巡りし始める。
「ミミちゃん?」
「っ!?」
 いつの間にやら、トトリの顔がミミのすぐ目の前にあった。
「本当に大丈夫? 熱があるんじゃないの?」
 心配そうにミミの顔をのぞき込むトトリ。距離が近い。やたら近い。吐息の音も熱も、ダイレクトに伝わるほどに。
「ちっ……」
「ち?」
「ち…………チョコ、を……」
「チョコ? ……あ。バレンタインの?」
 聞き返すトトリに、ミミはゼンマイ仕掛けの人形のようにうんうんと頷く。
「うん。ミミちゃんに用意してるよ」
「え……」
 トトリは嬉しそうにコンテナから、キレイにラッピングされた箱を取り出した。
「手作りだからちょっと形悪いかもしれないけど……はい」
「あ、ありがと……」
 笑顔で差し出されたそれを、ミミは微かに震える手で受け取った。
「あの……トトリ……」
「なぁに?」
「実は、その……私も……これ」
 目をそらしながら、ミミはおずおずと用意していたチョコの包みを差し出した。
 トトリは心底驚いたという風に、目を丸くしている。
「ミミちゃんから? わたしに?」
「そ、そうよ。悪い?」
「ううん全然悪くないよ。何て言うか、嬉しいんだけど、びっくりして」
「何よそれ。私がチョコ作ってくるのが、そんなに意外だったわけ?」
「え、ミミちゃんのも手作りなの?」

485 :
「かっ……勘違いしないでよね! あんたのためとかじゃなくて、たまにはお菓子作りも悪くないかと思って、暇つぶしに作っただけなんだから!」
 もし世の中にツンデレ度数を測る機械があったとしたらメーター一杯まで反応しそうな台詞を吠えながら、ミミは恥ずかしそうに顔を真っ赤にしている。
「ミミちゃん」
「……何よ?」
「……ありがとう」
「〜〜っ」
 お礼を言われた。ただそれだけなのに、ミミの頭の中は沸騰しそうになってしまう。
(くっ……何なのよこれは……バレンタインだからって、何でこんなに意識して……たかがチョコをやり取りするだけなのに……チョコを――)
「はっ!?」
 その時、ミミに電流走る――!
「……トトリ。ひょっとしてロロナ先生のチョコパイって、錬金術で作ったりしてなかった?」
「うん、そうだけど?」
「やっぱり……」
「?」
 ミミは先日、クーデリアから受けた「警告」を思い出す。
 すなわち、錬金術で作ったチョコに注意せよ。
(そういうことだったのね……さっきからやたらとトトリのことを意識してしまっていたのは、ロロナさんのチョコパイが原因だったんだわ。きっと何かそういう効果が出る変な薬とかが入っていたのよ……!)
「ミミちゃん? どうしたの難しい顔して」
「なっ……何でもない、わよ」
 やはりトトリの顔を直視できない。だけど何だか、傍を離れたくないようなもっと近くにいたいような、妙な気持ちになっている。
「っ……トトリ、あの」
「ん?」
「よかったら……一緒に、お茶しない? チョコも、あるわけだし」
 ミミからの提案に、トトリは少し意外そうに目を丸くしたが、すぐに満面の笑みで頷いた。
「うん、いいよ。じゃあお茶入れるね」
 いそいそとお茶の支度を始めるトトリの姿を眺めながら、ミミはこそばゆいような暖かいような、不思議な感触を胸に覚えていた。
(こういう気持ちも、つまりロロナさんのチョコパイによる効果なのよね……だから、仕方ないわよね……)
 心の中で何度も頷きながら、トトリのことをじっと見つめているミミだった。

486 :
 同刻。冒険者ギルド。
「くーちゃーん! バレンタインチョコパイ持ってきたよー!」
「ちむー!」
 真っ昼間でしかも仕事中だというのに、ちむ達を大名行列よろしく引き連れてギルドにやってきたロロナに、クーデリアは盛大なため息をついた。
「あんたねぇ……もうちょっとタイミング考えなさいよ」
「だってもうすぐお昼休みでしょ?」
「つまり今はまだ就業中なの」
 クーデリアは渋い表情だが、実際にはあと五分もすれば昼休みに入る時間で、順番待ちの冒険者もいないし、実質お昼休みに突入していると考えて差し支えない状況である。
「というわけで、さあ!」
「はいはい、分かったから。ところで……念のため確認するけど、普通のチョコレートパイでしょうね?」
「うん、そうだよ」
「前みたいに怪しい材料は混ぜたりしてないでしょうね?」
「あの時のくーちゃんは可愛かったよね〜」
「混ぜたりしてないでしょうね!!?」
「はいっ! しておりませんです!」
 凄まじい剣幕で問うクーデリアに、直立不動で答えるロロナ。
「……本当でしょうね?」
「疑り深いなぁ。トトリちゃんにもミミちゃんにもちむちゃん達にも試食してもらったんだから大丈夫だよ。ね? ちむちゃん」
「ちむー!」
「ちーむっ!」
 ロロナの言葉に、ちむ達が肯定(だろう。多分)の声を上げる。
「だから正真正銘、このチョコレートパイは、ただのチョコレートパイだよ」
「分かったわ……それじゃあ、あたしもチョコ買ってあるから、お茶入れて一緒にいただきましょうか」
「うん!」

おわり

487 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。

488 :
>>481
衛兵に見つかるとヤバイ甘味料ベースの粉…
スクゥーマだなww(わかる人いるよな)

489 :
良かったです。
メルアトぐらいの時にこの特別な甘味料でつくったチョコを
ミミちゃんにあげるんですね。
それからミミちゃんからもらったチョコと一緒にミミちゃんを食べるんですね。

490 :
>>「前みたいに怪しい材料は混ぜたりしてないでしょうね?」
「あの時のくーちゃんは可愛かったよね〜」

詳しく聞かせてもらおうか

491 :
ああ、これロロクー編が投下されてたわけじゃないのか
見逃したかと焦った
でも素晴らしい

492 :
SS投下します。
メルリエ時代でトトミミ。

493 :
 暦の上ではそろそろ春なある日のこと。アールズ街はずれのアトリエで、ロロナが小さな体を踏み台に乗せて、歌を口ずさみながらぐるぐると調合に励んでいた。
「こげついたパイをつくりな〜おして〜♪ わたしぐるぐるかきまぜるつえを〜♪ こむぎを〜うっかりす〜い〜こんで〜♪ む せ る」
 ちなみに歌詞はロロナがテキトーに考えているだけで、特にパイがこげついたという事実は無い。あとむせたりもしてない。
「ロロナちゃん。今日はどんなパイを作るの?」
 好奇心(とアトリエ及び関係者の安全保障のため)からメルルが訪ねると、ロロナはにんまり笑顔を作って答える。
「えっとねー、ヒントはカレンダー!」
 今日はクイズ形式な気分らしい。完成するまで教えてくれないこともままあるので、ヒントがあるだけまだマシだろう。
「カレンダー?」
 言われた通り、メルルはアトリエの壁にかかったカレンダーに目をやる。今日の日付は三月三日。特に何かの記念日というわけではない。
「うーん……?」
「わかんない? それじゃあヒントその2!」
 ロロナはビシッと指を二本立てて、もう一つのヒントを出す。
「トトリちゃんがすきなもの!」
「え? わたしですか?」
 机に向かって錬金術の本を読んでいたトトリは、自分の名前が上がったのを聞いて視線をロロナ達に向ける。
「トトリ先生が好きなもの……おさかなパイとか?」
「ぶーっ。おさかないがいで!」
「じゃあ錬金術とか? でもパイを作ってる方法自体が錬金術だし……先生好みのアイテムならN/Aとか暗黒水とか……」
「別にそういうアイテム好きなわけじゃないよ? ていうか、メルルちゃんのわたしのイメージってそうなんだ」
「いえいえいえいえ違います誤解ですあくまで使用頻度が高いっていう話であってあとマキナ領域の例のそっくりさんのリスがやたらと暗黒水撒いてきたのがどうしてもイメージに染みついてたからで決してトトリ先生本人のイメージが暗黒方向に偏ってるとかでは」
「それについては今度ゆっくりお話しようね、メルルちゃん」
 妙に優しいトトリの笑顔に、冷たい汗を感じるメルルだった。

494 :
「と、とりあえずロロナちゃん。もうちょっとヒントが欲しいかな〜って……」
「じゃあ、さいしゅうヒント! いつもアトリエのちかくにいるひと!」
「アトリエの近くにいる……」
「トトリ先生の好きな……」
 トトリとメルルは目を合わせる。
「ミミさんですよね?」
「ミミちゃんだよね?」
「ぴんぽーん♪」
 ロロナが正解の効果音を口で言うと同時に、パイが完成した。
「ミミちゃんパイのかんせーい!」
 出来上がったパイは、デフォルメしたミミの似顔絵の形になっていた。
「ミミさんのパイ……これはまた食べにくそうな」
「でもどうしてミミちゃんのパイなんですか?」
「きょうはさんがつみっかで、33(ミミ)ちゃんのひだから!」
「あ、なるほど。それでカレンダーがヒントだったんだ」
「というわけで、はいトトリちゃん。めしあがれ」
「え? わたしがたべちゃっていいんですか?」
「もちろん。ミミちゃんをたべていいのはトトリちゃんだけだよ。せーてきないみで」
「ロロナちゃん、意味が分かってない言葉を使っちゃダメだよ」
「はぁい」
 本当に分かっていないのか不明だが、素直に返事しているのでスルーしておくメルルである。
「それじゃあ、一切れいただきますね。ちょっと切り分けにくいけど……」
 パイ切り用のナイフでほっぺたのあたりを切り取ったトトリは、早速一口食べてみる。
「ん……すっぱ」
「すっぱいんですか」
「うん。レモンパイだね。でも食べてるうち甘みが増していって……何だか不思議な味だなぁ」
 そう言いながら、トトリはあっという間に一切れ食べてしまった。相変わらず、味は極上らしい。
「ふう、ごちそうさまでしたロロナ先生」
「はい、おそまつさま」
「トトリ先生。何か不思議な効果とか出てます?」
「んー……別に、何も感じないけど」
「ってことは、ただのミミさんの顔の形したパイだったんですね」
 食べたらミミに変身するなどの効果を警戒していたメルルは、とりあえず異常がなさそうなことにホッと胸をなで下ろす。
 と、ちょうどその時、アトリエのドアをノックする音が。
「お邪魔するわよ」
 噂をすれば何とやら。ミミがアトリエにやってきた。

495 :
「ああミミさん。ある意味ちょうどいいところに」
「何よある意味って?」
「実はロロナちゃんがかくかくしかじかで――」
「はあ……日付にちなんで私のパイをね……またおかしな効果が付いてるんじゃないでしょうね?」
「いえ、今回はそういうの無いみたいです。ね? トトリ先生」
「…………」
「トトリ先生?」
 メルルが呼びかけているのに、何故かトトリは口をつぐんでいる。
「トトリ? どうしたのよ黙りこくって」
「べ、別に、何でもないもん」
「?」
 ミミが話しかけると、トトリは何故か目をそらしてしまう。その頬が微かに赤い。
「何でもなくないでしょ。顔赤いわよ?」
「あ……赤くなんてないもん!」
「いや、赤いから」
「〜っ」
 目どころか顔もそらすトトリ。ますます訝しがるミミ。
(あれ? トトリ先生のこの反応って……)
 横から見ているメルルは、何かに気付いた。
「あのー、トトリ先生」
「……何?」
「トトリ先生って、ミミさんが好きなんですよね?」
「なっ……!?」
 唐突な質問に、ミミが驚き目を丸くする。
 が、それ以上に、
「なななななな何言い出すのメルルちゃん!?」
 訊かれたトトリの方が動揺しまくっていた。
「いや、何でそこで慌てるんですか。さっきは普通に好きなもの=ミミさんって言ってたじゃないですか」
「だっ、そっ……それはっ、みっ、ミミちゃんがいる前だからっ」
「いや、今まではミミさんの前でもそんなリアクションすることなかったでしょう」
「それはそうなんだけど……あれ? そういえば何でこんな……?」
 トトリも自分自身が少しおかしいことに気が付いたらしい。
「やっぱりそういうことなんだね……ロロナちゃん」
「ふっふっふ……ばれてしまってはしかたない」
 何故か腕を組んで悪役っぽい笑みを浮かべるロロナ。
「ロロナ先生? どういうことですか?」
「ミミちゃんパイはねー、たべるとミミちゃんみたいになっちゃうの」
「私みたいってどういうことよ?」
 当然の疑問を投げかけるミミに、メルルが答える。
「つまり、今のトトリ先生はミミさんみたいなキャラになってるんですよ。一言で言うとデレ寄りのツンデレに」

496 :
「なっ、ツ――」
「ツンデレとかじゃないし! 別にミミちゃんにデレデレとかしてないし!」
「顔真っ赤にしてその台詞が既にもうアレですから」
「私も納得いかないわよ! 私ってこんなキャラじゃないでしょ!」
「いや、ほぼ合ってますよ」
 同じテンションで咆える二人を、メルルはさらっと受け流す。
「やっぱり不思議な効果があったみたいですけど、別に害の無い効果で良かったですねトトリ先生」
「ある意味害だよ! 何かこれすごく落ち着かないよ!」
「それだけトトリ先生がミミさんのこと強く思ってるってことですよ」
「〜っ……!」
「まあそんなわけですからお邪魔虫は退散しますね。行こうロロナちゃん」
「はーい」
「ちょっ……メルルちゃん! ロロナ先生!」
 止めようとするトトリを尻目に、メルルとロロナはさっさとアトリエを出て行ってしまった。
 後に残ったのは、何とも気まずい沈黙を湛えた二人。
「……えっと」
「トトリ、あの」
「べっ、別にミミちゃんのこと好きだとか、そういうんじゃないんだからね!? そりゃミミちゃんのことは大切だけど、そんな、その――」
「分かったから、ちょっと落ち着いて」
「わ、わたしは落ち着いてるもん!」
 テンパりまくるトトリを前にして、ミミはかえって冷静になっていた。
 軽くため息をついて、ミミはなるべく穏やかに声をかける。
「とりあえず、お茶でも飲まない? トトリ」
「あ……うん」
 頷いたトトリは、言われた通り二人分のお茶を用意し始める。その背中は端からでも緊張が見て取れた。
(……私って、メルル達から見たらこんな感じだったのかしらね……これからはちょっと改めるべきかしら……)
「えっと……ミミちゃん、お茶入ったよ」
「ええ……」
「べ、別にミミちゃんのために入れたんじゃないからね!? わたしも飲みたかったからなんだからね!?」
「はいはい、分かったから」
 二人分のお茶とお菓子が並べられたテーブルにつきながら、この面倒くさいトトリとどう過ごしたものかと途方に暮れるミミだった。

おわり

497 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
今日がミミ(33)ちゃんの日だと今日になって気付いた。

498 :
ツンデレトトリちゃんキターw
こういうトトリちゃんもいいねー

499 :
ツンデレトトリとちょっと冷静になったミミちゃん…良いw

500 :
SS投下します。
>>474の続きです。

501 :
「Dear Friends …」 第3話
side:トトリ
合併記念式典から半年後、アーランド−アールズ間の街道整備の話が持ち上がった。
メルルちゃんの頑張りのおかげで、アールズは今や国内有数の大都市となっていた。
自然、首都アーランドとの人や物資の行き来が増えていたが、
都市間の街道整備が間に合わず、魔物の被害報告が増加していた。
アールズはこれまで領土内の開拓で手いっぱいだったけれど、それも一段落したので、
次は領土外の問題に対処する必要が出てきたそうだ。
アールズ側に未舗装の街道が多いことや、国に4人しかいない錬金術師の内2人が滞在している
(残り2人、ロロナ先生とアストリッドさんは行方不明)ことなどから、基本的にはアールズ主体での事業となるらしい。
「アーランドの技術顧問の方のおかげで、馬車の速度と耐久力は大幅に改善していますが、
馬車の本数増加に伴い、魔物の被害報告が増え続けています。
幸い、今のところ大きな被害は出ていませんが、早急に街道を整備する必要があります。
そこで、トトリ様には姫…メルル様と共に工具と資材の作成を、
ミミ様にはジーノ様と組んで、街道周辺の魔物討伐等を行っていただきたいと思います。」
アトリエを訪ねたルーフェスさんは一通り事業について説明した後、そう依頼していった。
錬金術師の仕事自体は大好きだし、またアールズの役に立てるのも嬉しい。
けれど…
「なに複雑そうな顔してるのよ?」
「うん。ミミちゃんと2人で過ごせる時間が減っちゃうな、と思って。」
思わず本音が口に出てしまった。それに対してミミちゃんは、
「…なに言ってんの。頼りにされてるんだから、頑張らないと。」
と返して、仕事の準備の為に宿屋に帰ってしまった。

502 :
なんだか態度が素っ気無いな、と思ったのが1ヶ月前。
それ以来、ミミちゃんはアトリエに来てくれなくなった。
代わりにメルルちゃんがまた頻繁にアトリエを訪ねてくれるようになったが、
私は心にぽっかり穴が空いたような気分だった。
アトリエの外で会った時もよそよそしい態度で、
私から話しかけても、すぐに何か理由を付けてどこかへ行ってしまった。
(はぁ…)
忙しいから、と去っていくミミちゃんを思い出して、ため息が出る。
…避けられているのだろうか。
思えば依頼を受ける少し前から、ミミちゃんの態度はどこかおかしかった。
(また何か、怒らせるようなことしちゃったかな。)
アーランドにいたころ、冒険者ランクのことで大喧嘩したことを思い出す。
けれど思い当たることは無いし、もし怒っているのだとしても、
直接文句を言うことはあっても、こんな風に避けるようなことは無いと思うのだけれど。ミミちゃんの性格的に。
不安になって、最近ミミちゃんといつも一緒にいる(相棒なんだから当然…だよね。)ジーノくんに訊いてみることにした。
「ねえジーノくん。ミミちゃん、わたしのこと何か言ってなかった?」
「ん?何かって?」
「えっと、わたしのことを何か怒ってたとか。」
ジーノくんは少し考えるそぶりをした後、
「いや、特になにも言ってなかったと思うぞ。あいつとは最近、仕事の話とか、強い魔物の話しかしてないな。
アーランドで組んでた時は小さいころのお前との話とか、いろいろ聞かれたけどさ。」
「そうなんだ…。」
「そうだ、この前また、あいつと退治した魔物の数を勝負したんだよ。
んで、いざ自分の方が少ないと知ると、絶対負けを認めねえの。
最後の一匹は私の方が大きかったから2匹分だ!とか言って。あいつほんと負けず嫌いだよな。」
「へえ…」

503 :
ジーノくんの話を聞くうちに、私の気持ちは沈んでいった。
(羨ましいな。)
心から、そう思う。少し前まで、ミミちゃんの隣にいたのは私だったのに。
錬金の仕事は確かに楽しい。メルルちゃんの成長振りを見ることができるのもとても嬉しい。
けれど、大好きな人のそばにいられないのは、辛い。だからどうしても考えてしまう。
(わたしが錬金術師じゃなくて普通の冒険者だったら、今もミミちゃんの隣にいられたのかな。)
錬金術はもう完全に私の一部で、切っても切り離せない、失くすことのできない大切なものだ。
そもそも私の冒険者としての実力のほとんどは『錬金術で作り出した道具を使える』ことに依っている。
それが無ければ運動もそれほど得意ではなかった私が、
(ほんの短い間ではあったけれど)ミミちゃんと冒険のパートナーではいられなかっただろう。
けれどその錬金術の為に、今、ミミちゃんの隣にいられない。
なんてジレンマだろう…
「……リ、お〜い、トトリー」
「あ、ご、ごめん、ジーノくん。少し考え事してた。」
「おいおい、大丈夫か?」
「うん。なんだった?」
近くにいられない分、ミミちゃんに関することなら何でも聞いておきたい。
「あ〜、ミミなんだけどさ、確かに何か態度がおかしいんだよな。」
「おかしい?」
「お前と3人で冒険してた時とか、メルルを手伝ってた時とかより、
ん〜、なんていうかな、勢いがない?ような気がする。確かに突っかかっては来るんだけど、時々なんか考え込んでたり、
遠くを眺めてたり、ため息吐いてたり…。そういや、アーランドで組んでた時もそんな感じだったな。」
「ジーノくんと仕事してるときはいつもなの?」
「おう。って言っても、アーランドでの半年と、ここ一か月だけだけどな。」
嫌な、予感がした。
考え込んだり、遠くを見ていたり、ため息を吐いたり。
それはミミちゃんのことを想う時の私に似ていて、
つまり、ミミちゃんは誰かのことが…。

504 :
そう思い至った時から、私は仕事に集中できなくなってしまった。
ただの勘違いかもしれない。いや、きっと勘違いに決まっている。
そう思い込もうとしても、顔も知らない誰かと仲良さそうに過ごすミミちゃんが頭に浮かんだ。
私がミミちゃんと一緒にいた期間なんて、ミミちゃんの人生の中ではほんの一部で、
当然、私はミミちゃんの全てを(知りたいとは思っていても)知っているわけではない。
そういえば以前、ミミちゃんが助けた冒険者の人に感謝されているのを見たことがある。
そんな風に私の知らないミミちゃんの姿や、人との関係があって、
その中の誰かのことがミミちゃんは…。

けれどその『誰か』は、
顔も知らない『誰か』なんかじゃなかった。

505 :
その日、私は考え過ぎが原因の寝不足で、工具の納品個数を間違えてしまった。
幸い、素材のストックはまだあったはず。
「ごめんね、すぐに作ってくるから!」
「そんなに急ぎじゃないから大丈夫ですよー。」
メルルちゃんはそう言ってくれたけれど、現場で頑張ってくれている人たちに、少しでも早く新しい工具が届いた方が良いだろう。
慌ててお城から駆け出したとき、裏手の方から話し声が聞こえた。
(この声は、ミミちゃんと…ジーノくん?)
そんな隠れた場所で何を話しているのだろう。
急いでアトリエに帰って追加の工具を作らなければならないのに、私の足は声がした方に向いていた。
現場の人たち、ごめんなさい。今の私にとって『ミミちゃん』以上に重要なことは無いのだ。
声の方へ近づいて、

そこで私は
『誰か』が誰なのか知ることになった。

506 :
「好きなのよ!」
ミミちゃんの大きな声が聞こえた。
(…え?)
それは頭のどこかで予想していたことで。でも信じられなくて。
確かめるために、城壁の陰から、慎重に、気付かれないように、裏手を覗いて、
そこには思った通り、ミミちゃんとジーノくんがいて、
ミミちゃんは真っ赤な顔で息を吐いていて、
(今、ミミちゃん、ジーノくんに好きだって…)
聞きたくない。それを聞いてしまったら私は…
けれど私の心の声に答えるかのように、ミミちゃんはジーノくんに向けて言った。

「そうよ、友達としてじゃなく、恋人として好きなの!」

頭が、真っ白になった。

507 :
以上です。続きます。

508 :
続き期待します

509 :
トト「クーデリアさん。ミミちゃんへのホワイトデーのお返しなんですけど、何がいいと思いますか?」
クー「何であたしに相談するのかってつっこみたいんだけど……まあいいわ。無難にお菓子でいいんじゃないの。クッキーとかキャンディとか。特別なものじゃなくても、こういうのは気持ちが肝心よ」
トト「ふむふむ……」
クー「もっとインパクトが欲しいなら、大きなリボンを自分に付けて『私をプレゼント』とかやってみたら?」
トト「やっ、やりませんよそんなの!」
クー「冗談だってば。本気にしないでよ」
トト「……冗談って言いますけど、それひょっとしてロロナ先生が以前――」
クー「それ以上言うな。あんたは過ちを犯さなければそれでいい。OK?」
トト「はい……」

ミミ「あの、ロロナさん……ちょっと相談というか質問というか、そんな大した話じゃないんですけど……ホワイトデーのお返しって、一般的にどういうものが喜ばれるんでしょうか?」
ロロ「トトリちゃんならどんなものでも喜んでくれると思うよ」
ミミ「いや、別にトトリ限定の話ではなくて」
ロロ「つまりトトリちゃん含む話でいいんでしょ? こういうのは気持ちが肝心だから、送るものにはこだわらなくてもいいんじゃないかな」
ミミ「そういうものですか……」
ロロ「あれ。不満顔?」
ミミ「いえっ、そういうわけでは」
ロロ「分かった。もっとインパクトが欲しいんだね。それなら思い切って『私をプレゼント♪』ってしちゃえばいいよ!」
ミミ「ええっ!? な、何言ってるんですか、そんなのできるわけ――」
ロロ「大丈夫! こんなこともあろうかと特大リボンを常備してあるから! 肌に優しい天然素材!」
ミミ「いりませんからそんなの!」
ロロ「リボンは嫌? じゃあもっとハードに緊縛用の荒縄とか……あるにはあるけど、毛羽立ち取るのにちょっと時間かかるよ」
ミミ「そういう問題じゃなくて! ってか何でそんなものアトリエに常備してるんですか!?」
ロロ「細かいことは気にしない。それじゃあ、軽く練習しておこうか。ちむちゃ〜ん、ちょっとミミちゃん押さえててー」
ちむ「ちむー」×5
ミミ「いや、だから私はそんなことするつもりは……人の話を……ちょっ、待っ、〜〜――……」

10分後。第六感かあるいは神の啓示を受けたクーデリアによってミミは救助され、ロロナは怒りのバックドロップ&特盛りお説教の刑に処された。

510 :
もうすぐトトリの誕生日
プレゼントはミミ製フィリー製のちむちゃんの素がいいんじゃないだろうか(提案)

511 :
SS投下します。
メルリエ時代でトトミミ。
去年書いた誕生日SSの話がちょこっと出てきますが、読んでなくても問題ないです。

512 :
「あ、いたいた。ミミさーん」
 ある晴れた日の並木通り。自分を呼ぶ耳馴染んだ声に、ミミは振り返る。
「あらメルル。どうしたの?」
「ちょっとミミさんに相談したいことがありまして」
 アトリエからここまで小走りに駆けてきたらしく、メルルは頬を少し赤くしていた。
「相談? 別にいいけど、珍しいわね」
「ミミさんが一番適任だと思うことなので」
「ふぅん……? まあ、立ち話もなんだし、酒場にでも行きましょうか」
 そんなわけで、二人は客の姿もまばらな酒場に入った。まだ昼間&一人は未成年なので、コーヒーを二つ注文する。
「で、相談って?」
 ミルク少なめのほろ苦コーヒーを静かに一口すすってから、ミミは先ほどの話を再開する。
「ミミさんはもちろんご存知でしょうけど、もうすぐトトリ先生の誕生日じゃないですか」
「……ああ、そういえばそうだったわね」
 三月十七日はトトリの誕生日。さも今思い出したかのように応えるミミだが、実際は欠片も忘れることなく、それどころかここ数日は暇さえあればそのことばかり考えていた。
 そんなミミのリアクションには頓着せず、メルルは話を続ける。
「それで、トトリ先生へのお祝いなんですけど、どんなものがいいかミミさんに乗ってもらおうと思いまして」
「そんなことわざわざ相談しなくても、あなたが思うトトリが一番喜んでくれそうなものを選べばいいのよ」
「ふむふむ。先生が一番喜んでくれそうなもの……」
「……メルル? 何で私のことをじっと見つめているのかしら」
「いえ別に」
「何で秘密バッグから生きてるナワ(極上品)を取り出しているのかしら!?」
「お気になさらず」
「気にするわよ! いいからナワしまいなさい!」
 ミミにたしなめられて、メルルは渋々生きてるナワをバッグにしまった。
「ったく……馬鹿なこと実行しようとしないで、常識的な範囲で考えなさいよ」
「でもミミさん、以前アーランドでトトリ先生の誕生日に一日メイドさんでご奉仕(※健全な意味で)したんですよね。衣装までフリフリのを用意して」
「ぶっ……」
 ミミは口に含んでいたコーヒーを吹きかけた。
「ななな何でメルルがそんなこと知ってるのよ!? 一体誰が――」

513 :
 そのことを知っている人間は、ごく限られている。そしてその中で外部に漏らしそうな者――
「さてはっ……!」
 ミミは視線を、酒場のカウンターに立つフィリーに向けた。
 鬼でも萎縮させそうな鋭く険しい眼光に睨み据えられたフィリーは、たちまち涙目になってブルブルと首を横に振る。
「フィリーさんじゃありませんよ、ミミさん」
「じゃあ誰よ? あいつ以外にあのこと知ってるのは――」
「ロロナちゃんです。衣装を作ったこととかも教えてくれました」
「何でそんなことだけはっきり覚えてんのよあの人は!?」
 ロロナが相手では、目上なことに加えて今は八歳児で、怒るに怒れない。ミミはがっくり肩を落とした。
「そういうわけでして、是非参考にするためその時の詳細を微にいり細にいりですね」
「断る」
「ええっ、何でですか?」
「表情で興味本位がバレバレだっつうの。そもそもメイドを参考にしたいなら、あなたのすぐ身近にいるでしょ。どこに出しても恥ずかしくない良くできたメイドが」
「いやぁ、それほどでも」
「何であなたが照れるのよ」
 ため息をついて、ミミはカップに残ったコーヒーを飲み干した。
「じゃあこれは本当に参考で聞きたいんですけど、ミミさんからのトトリ先生の誕生日プレゼントは何にするんですか? 猫耳と首輪付けて一日猫さんプレイとかそういうのですか?」
「何でそういう方向に限定するのよ!?」
「だって先生そういうの一番喜びそうですし」
「…………いやいやいや、無いから」
 一瞬考えてしまったのは内緒である。
 実際のところ、今年の誕生日はトトリに何を送ろうか、ミミは決めあぐねていた。
 以前のメイドさん等の特殊な事例を除けば、ぬいぐるみや小物・実用品、手作りのお菓子など、無難なところをチョイスしてきた(手作りお菓子は無難どころかクリティカルだと人に言われたが)。
 しかし今年は、以前よりトトリとの仲も色々と進展というか何というかゴニョゴニョとあれで一歩二歩前に出た感じなので、ミミとしては一発気合いを入れたいと思っていたのだ。
「……メルル」
「何ですか? 何かわたしに協力できることが?」
「そう言いながら猫耳カチューシャを構えるな! やらないから猫耳プレイは!」
「犬耳とか、あとロップイヤーとかもありますよ」
「何でそんなもの大量に備えてるのよ……いや、理由は答えなくていい。しまいなさい早く」

514 :
 カチューシャを片付けさせたミミは、自分の考えをメルルに話した。
「――というわけでね。まあ、相談を持ちかけられても、私の方がまだ迷ってるわけで」
「なるほど。そうでしたか」
 ミミの話に頷いたメルルは、それならと一本指を立てて提案をする。
「じゃあ今からトトリ先生に、誕生日プレゼントは何がいいか聞きにいきませんか?」
「へ? 何言ってるのよ?」
「いや、そのままの意味ですよ。別にミミさんは、サプライズにこだわるわけじゃないんでしょう?」
「そりゃそうだけど……普通そういうのって内緒にしておくものじゃないの?」
「いいえ? 現にわたしはケイナに誕生日プレゼント何がいいか普通に聞いてますし」
 ちなみにその答えは決まって「メルルがくれるものなら何でも嬉しいですよ」なのであまり意味はないのだが(そして実際どんなものでも心から喜ばれるという)。
「というわけで、早速アトリエに行きましょう。今なら先生暇してるはずです」
「ちょっ、ちょっと待って。心の準備が……」
 お約束なことを言うミミを引っ張って、メルルはアトリエに向かって行った。

 数分後。街はずれのアトリエ。
「トトリせんせ〜!」
「メルルちゃんおかえり。あれ、ミミちゃんも一緒?」
「はい。ミミさんから先生に聞きたいことがありまして」
「ミミちゃん、聞きたいことって?」
「え……あ……」
 小首を傾げるトトリを前にして、ミミは緊張から顔を赤くしていたが、やがて意を決して言った。
「その……もうすぐ、トトリの誕生日でしょ。それで、プレゼントとか、もし何か希望があれば聞いておこうかと思って」
 ミミの話を聞いたトトリは、びっくりしたように目を丸くしたが、すぐに笑顔になった。
「そうなんだ。わざわざありがとう」
「べ、別にお礼を言われるようなことじゃないでしょうが。それよりどうなの? 何かないの?」
 重ねてミミが訊ねると、トトリは「うーん」と少しばかり考えてから口を開いた。
「それって物じゃなくてもいいの?」
 物じゃない、ということは前の一日メイドさんみたいなイベント希望ということだろうか。
「……いいわよ」
 それを望むのなら応えよう。ミミは少し躊躇いながらも、大きく頷いた。
「じゃあ……一日、ミミちゃんと過ごしたいっていうのは、駄目かな?」
「え……?」

515 :
「ほら、最近ミミちゃんと二人水入らずってなかったから……だからミミちゃんと一日一緒にいられたらなーって……」
「えっと……そんなのでいいの?」
 確認するミミに、トトリは「いいの。すごくいい」と繰り返し頷く。
 思いがけない成り行きに、ミミは戸惑いつつも腹をくくった。
「わ、分かったわ……それじゃあ、その日は予定空っぽにしておくから」
「うん! 楽しみにしてるね!」
 満面の笑みになるトトリに、我知らず赤くなってしまうミミだった。
「……ところでメルル。何で足音してアトリエを去ろうとしているのかしら」
 トトリのことは一旦置いて、抜き足差し足忍び足でアトリエのドアへ向かうメルルにミミはつっこむ。
「いやぁ、これ以上この場に留まっていたら、お二人の激甘ラブラブ結界に当てられて体中のタンパク質が糖に化学変化しそうだったので。砂糖の柱になって砕け散る前に退避しようかと」
「何が激甘ラブラブ結界よ!?」
「それはもちろんお二人が。もういっそ誕生日一日と言わず今から新婚さんプレイしちゃえばいいんじゃないですかね。わたしは息抜きにマキナ領域マラソンでもしてきますんで」
「それ息抜きってレベルじゃないでしょうが!」
「それじゃ行ってきま〜す」
「あ、ちょっ、メルル!」
 ミミの制止も聞かず、メルルはすたこらさっさと走り去ってしまった。
「……本当にマキナ領域に行ったんじゃないでしょうね」
「冗談だろうけど、メルルちゃんなりに気を使ってくれたんじゃないかな」
「まったく……余計なことを」
 そう言いながら、ミミもトトリと二人で過ごせることはまんざらではなかった。

516 :
「ところでミミちゃん。せっかくだから、誕生日にちょっと試してほしいものがあるんだけど……」
「試してほしいもの?」
「うん」
 そう言ってトトリがコンテナから取り出したのは――
 猫耳カチューシャと首輪だった。
「ロロナさんじゃなくてあんたの差し金かそれ!?」
「試作品なんだけど、是非ミミちゃんとプレ――じゃなくて、学術的な意義のある実験に協力してほしくて」
「猫耳で何が学術的なのよ!? 明らかに趣味の領域でしょうが!」
「趣味(ミミちゃんに猫耳つけたい)と実益(ミミちゃんと猫耳プレイしたい)を兼ねてるんだよ」
「漏れてる! 本音が何かだだ漏れしてるから!」
「というわけで、本番前に試験運用を――」
「試験で終わらすつもりないでしょ!? っていうか、いつの間に用意されてるそっちの薬は何!?」
「この猫耳カチューシャと合わせて効果を発揮する不思議なお薬だよ。材料はマタタビとピュアトリフと、あとは企業秘密」
「ピュアトリフ入ってる時点でアウト過ぎるから!」
「はい、じゅあそろそろ魔法の鎖さん入りま〜す」
「ちょっ、待っ……〜っ!」
 今度から、誕生日プレゼントはちゃんと自分で考えよう……薄れゆく意識の中、そう心に誓うミミだった。
 ちなみにこの日の実験でトトリは色々と満足したのか、誕生日本番は割と普通に過ごしましたとさ。

おわり

517 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。

518 :
おつ
薬盛られたミミちゃんが気になるw

519 :
メルル→トトリって順番にゲームやったんだけど
ミミちゃんが成長してたんだなって思って吹いた。
大人な感じのメルルのミミちゃんはトトリと一緒に居るために色々頑張ったのかなって考えて
今日も一日楽しいです。

520 :
とりあえずアトリエの新作が発表されたわけだが
といってもまだ何ともコメントしようもないけど

521 :
GJ
なんという受け受けしいミミちゃん…

522 :
>>517
おつおつ

トトリのみプレイしてる状態だからメルリエ+予約した。
早くやりたいー
そしたら過去ss読み返すつもり

523 :
新作主人公が、発表されたね。
ピンク髪、ポワポワした雰囲気・・・これは、アーシャとベルちゃんの娘(あるいは子孫)にしか見えない。

524 :
SS投下します。
トトリエ時代でロロクー。

525 :
 人の身体というのは便利に出来ている。
 アトリエの寝室。ベッドに横たわり、まぶたの向こう側に朝の気配を感じながら、あたしはそんなことを思った。
 毎朝七時きっかりに起きることを習慣づけていると、たとえ今日が休日であっても、昨晩かなり夜更けまで起きていても、身体は七時に起きてくれる。
 無遅刻無欠席を信条にする真面目人間を気取るわけではないけれど、尊敬する人から任された仕事を蔑ろにするほど愚かでもない。
 そういうわけで、あたしは鶏不要の早起き習慣を体に染み込ませているのだけれど――
「zzz……むにゃむにゃ……くーちゃぁん……」
 あたしのすぐ隣で寝息を立てているロロナには、およそ無縁の話だろう。しまりの無い寝顔で、休日の朝をこれでもかと言わんばかりに満喫している。夢の中であたしを呼びながら。
 難度の高い調合では一晩中釜とにらめっこをしたり、貴重な素材を求めて何日もかけて人外魔境を踏破したり、錬金術士が「規則正しい生活」という言葉と縁の無い職業というのは重々承知している。
 だから休日の今日ぐらい、こうしてロロナが朝寝坊するのも大目に見てあげよう。
「……と言ってあげたいのは山々なんだけどね……ちょっとロロナ。起きなさい」
 あたしは一人ごちてから、ロロナの体を揺さぶる。
「ん……ん〜……? ……くーちゃん……?」
「おはようロロナ」
「おはよ〜……」
 まだ寝ぼけ眼のロロナと挨拶を交わすその距離は、数値にすると十センチも無い。つまりはほぼ密着状態というわけで。
「ん〜…………おやすみ」
「こら寝るな! 寝てもいいけどせめてあたしを解放しなさい!」
 再び夢の世界へ旅立とうとするロロナを、あたしは必で呼び止める。
 ロロナの腕はあたしの身体を抱き枕よろしくしっかりホールドしており、しかもやたらと力強くてちょっとやそっとではふりほどけない。つまりこのままでは、せっかく早起きした意味もなく、あたしはベッドから動けない。
「くーちゃんも二度寝しようよ。せっかくのお休みなんだから」
「あんたと違ってもう目が覚めちゃってんのよ。寝てる間に朝ご飯用意しといてあげるから――」
「だーめっ♪」
「わぷっ……!?」
 ロロナの胸元に顔をうずめるように抱きしめられた。お互い昨夜の行為のまま、シーツの下は素肌を晒している。

526 :
「えへへ……くーちゃん良い匂い」
「こら……!」
 ロロナはあたしの髪の毛に顔を当てて、くんくんと匂いなどかいでいる。
 あたしは相変わらずロロナに抱きしめられたままだ。柔らかくて暖かいこの感触が、好きじゃないと言ったら大嘘になる。唇や指で優しくされたり激しくされたりするのも好きだけど、こうしてロロナとゆっくり肌を重ねているのは、また格別な気がする。
 ……いやだがしかし、今はもうお天道様が上っている時間なわけで。そもそもそういうことは昨日の夜に十分したわけで。
「ちょっとロロナ……!」
「なぁに?」
「あたしは起きるっ言っ――〜〜っ!?」
 またこれか……と頭の中の冷静な部分が呟く。こういう時、うるさいあたしの口を、ロロナはすぐに塞いでしまう。そしてそのまま問答無用になし崩しだ。
「んっ……」
 三度呼吸を挟んであたしの唇を吸っておまけに舌まで入れたロロナは、おでこと耳たぶにもキスして、そのまま耳の後ろに舌を這わせる。
 それだけで、あたしの体はじんわりと熱を帯びてしまう。特別敏感なつもりはないのだが、ロロナが相手だとこうなってしまう。いや、ロロナ以外にこんなことをする相手はいないのだけど。
 昨夜に付けたキスマークをなぞるように、ロロナはあたしの肌に舌を這わせていく。熱い。けど、不快じゃない。
 あたしの体を抱きしめていた腕が、ふと緩んだ。と思ったら次の瞬間には、その指先があたしの敏感な部分に触れていた。
「あっ、っ……!」
 あたしは出来るだけ声を抑えようとするけれど、こういう時のロロナは容赦してくれない。首筋に噛み付くような激しいキスを受けながら、あたしは観念して小さなため息をついた。

「くーちゃん」
「……何よ」
「可愛かったよ」
 朝っぱらからの行為に満足したロロナは、そんなことを呟いてあたしの頬に軽くキスをした。相変わらず二人ベッドの上。生まれたままの姿でシーツにくるまって。
 ちなみにアトリエでこんな奔放なことをしているのは、ロロナの弟子トトリが現在仲間と材料採取の冒険中だからだ。今回はお留守番になったロロナとあたしの休日が重なったので、久しぶりにアトリエにお泊まりさせてもらったわけである。
 ロロナはあたしを抱きしめて眠りの体勢に入る。二度寝の予定を変更する気は無いらしい。あたしもロロナのおかげで疲れいたので、特に抵抗はしなかった。

527 :
「ん〜……くーちゃんやっぱり良い匂い」
 あたしの髪に顔をうずめて、ロロナがまたそんなことを言う。
「あんたよくそう言うけど、それってどんな匂い?」
「えっとねー……シャンプーの匂いと、紙とインクの匂い。それからガンパウダーの匂いも」
「なによそれ」
 色気のかけらもない答えに、つい苦笑が漏れる。
 日夜書類の山と格闘して、暇があれば腕が鈍らないよう射撃訓練などに勤しんでいれば、確かにそんな匂いにもなるだろう。
「それが良い匂いなの?」
「うん。くーちゃんがお仕事頑張ってる匂いだもん」
「……」
 そんなことを言ってくれるロロナにキスの一つでもしたかったけれど、さっき散々されたので、代わりにロロナの胸に顔を押し付け、思いっきり匂いをかいでやる。
「あ……くーちゃん、くすぐったいよぅ」
「うるさい。あんたも良い匂いだから、黙ってかがせなさい」
「それってどんな匂い?」
「……石鹸の匂いと、錬金釜の煮える匂い。何かの薬、爆弾、材料にした草とかの匂い……それに昨日作ったミートパイの匂いも」
「くーちゃんよくそんなに分かるね」
「当然よ」
 あたしはさらに鼻先をロロナの肌に押し付けた。
 色んなものを錬金術で作るロロナは、いつも色んな匂いをさせている。だけどどんな匂いであっても、あたしはそれがロロナの匂いだと分かる。
 薬や火薬、パイやお菓子、草花や鉱石、そんな雑多な匂いの奥にある、ロロナだけの匂い。あたしはそれをかぎ当てて、胸一杯に吸い込んだ。
「くふ……くーちゃん、やっぱりくすぐったいってば」
 もじもじとロロナが体をよじるので、あたしは三度ほど深呼吸して勘弁してあげた。
「……で、ロロナはいつまで寝坊するわけ?」
 たとえ何をしようと頑としてあたしを抱き枕状態から解放しないロロナに、一応訊ねておく。
「いつまでも……はダメ?」
「ダメに決まってるでしょうが。せめて午前中には起きなさい」
「はぁ〜い」
 子供みたいな返事をして、ロロナは目を閉じた。
「早ければ明後日にはトトリちゃん帰ってくるし、今のうちにしっかり休んでおかないとね」
「……そうね」
 そういえばロロナは、トトリがいる時は錬金術士としてだけでなく、先生としても仕事をしているのだ。
 数年前にはどうしても人への教え方が上手くいかなくて半べそかいていたのに、トトリに巡り会えてからは、どうにかこうにか『ロロナ先生』を勤めている。

528 :
 その頑張りを讃えて、今日一日のぐうたらは大目に見てもいいだろう。
 我ながら言い訳くさいけど、そう結論付けて、あたしはロロナと一緒に目を閉じた。

 ――数分後。
「先生、ただいま戻りましたー」
「お邪魔します」
 アトリエのドアをくぐったのは、思った以上に素材が早く集まったので予定を大幅に切り上げて帰ってきたトトリと、荷物持ちを手伝ってくれたミミである。
「あれ? 先生いないのかな……」
 トトリはアトリエ内を見回すが、人っ子一人いない。
「どこか出掛けてるんじゃないの?」
「うん……あ。ひょっとしたら、寝室の方でお休み中かも。先生、大きな調合した次の日とか、お昼近くまで寝てたりするし」
「あー、もしそうなら騒がしくしたら悪いわね」
「わたしちょっと寝室覗いてくるね」
 ミミにそう言って、トトリは足音を抑えて寝室の方に向かい……数十秒後、やたら早足で戻ってきた。
「やっぱりロロナ先生寝てた。うん。本当に寝てただけだから」
「トトリ? なんか顔赤いけど」
「そ、そんなことないよ。何でもないから。わたし何も見てないから」
「……?」
 明らかに様子のおかしいトトリだが、強いて聞き出すようなことでもないと思い、ミミはそれ以上触れないことにした。
「それじゃ、私は帰るわね」
「あ……待ってミミちゃん」
 うるさくないようにさっさと帰ろうとするミミを、どこか必な表情のトトリが呼び止めた。
「どうしたの?」
「その……わたしもミミちゃんの家に行っちゃダメかな?」
「え? 何でまた?」
「なんていうか、今のままアトリエにいたら起きてから絶対気まずくなるっていうか……詳しいわけは説明出来ないんだけど、お願い。今日一日だけでいいから」
「う……」
 突っぱねたかった(嫌なのではなく、単に急だし恥ずかしいから)ミミだが、妙に真剣なトトリに上目遣いで頼まれては断り辛い。
「し……しょうがないわね。いいわよ、一日だけなら」
「本当!? ありがとうミミちゃん」
「言っとくけど貸しだからね。じゃあこれから食材買いに行くわよ。二人分の材料買っておかないと」
「え? ひょっとしてミミちゃんがご飯作ってくれるの?」
「私の家のご飯なんだから当たり前でしょ。変な勘違いしないでよね。別にあんたが来るから特別とかそんなんじゃないんだから」
 淡々とそんなことを言うミミだが、トトリが覗き込むその顔は、ほんの少し赤くなっていた。

おわり

529 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
メルリエ+発売直後なのに発作的にロロクーが書きたくなった。多分メルリエにくーちゃんが出ていないせい。

530 :
ロロクーも素晴らしいな!GJ!
甘々大歓迎だわー

531 :
ガスト公式のメルルのアトリエの小説が売っていて、内容が未公開エピソードだった。
挿絵を見てトトミミの絵があったから買ってしまった。

あとトトリとアーシャも小説がでるっぽい

532 :
ちょっと買ってくる

533 :
クーちゃんすぐ病みそう
ロロナに恋人ができたら「そ、そう! よかったじゃない」
とか表面上は気にしてない&おめでとうを装いそう
そんで家帰ってすぐに監禁の準備にとりかかりそう。
そんなssが読みたい

534 :
アーシャってシリーズ主人公でも珍しいくらい美人とか強調されてるけど、その割りに一目惚れとかされないなぁ、
メリエッタとかサブキャラはされてるのに・・・とか思ったけど、今から考えるとベルちゃんのあの唐突な
アーシャへの絡みは一目惚れしたから精一杯アプローチしてたってことでいいのだろうか

535 :
アーシャはほかの女性キャラのからみがほかのより広く浅いって感じがした気がする
ほとんどが初対面での友達のような感覚でずっといってるんだと思うんだよね。
次回作で女性キャラと深い関係になっだていればいいなぁー。

536 :
なんでターニャちゃんの嫁になるENDが無かったんですかねぇ…

537 :
アーシャはキースの存在で投げかけたから
次回では設定的に主人公を食っちゃうようなキャラはやめていただきたい

538 :
アーシャが百合要素薄いってか、アーランドシリーズが濃すぎたという見方も・・・
公式コミカライズでくーちゃんとリオネラでロロナ取り合ったり、どうみてもガチなメルアトミミちゃんとかさ
まぁそれはそれとしてニオアシャベルのライト百合も個人的には美味しかったけども

539 :
そもそも新作にアーシャは出てくるのか、それが問題だ
アーランドと違うノリで行くならいきなり100年単位で
時代が変わってる可能性もあるし

540 :
>>531
すまん、小説で出るのはメルルとアーシャで
トトリとメルルとアーシャでシナリオコレクションが出ることだった。

541 :
小説ってメルルだとメルルのメインシナリオなぞる感じ?
トトミミの挿し絵とやらが気になるな

542 :
次の新作には期待できそうに無いなあ…

543 :
主人公が男女二人主人公・・・・

544 :
コーエーに吸収されたから嫌な予感はしてた…

545 :
嘘でしょと思って調べたらマジだった
しかもどっちかでしか見られんEDもあるとか・・・
某召喚SLGみたいなお寒い方向に行きそうだ

546 :
>2人の視点で描く新しいアトリエ、男女の主人公どちらかを選べる選択性
>選んだ主人公によってイベント視点が変わる
>2人の友情と信頼をテーマに丁寧に描く
とか本当にあの某SLGの悪夢が蘇るわ…
ロロナ以降今まで発売日買いしてきたけど今回は様子見かなあ

547 :
黄昏てあるけどアーシャとかどうなるのかなぁ
既存キャラ続投でそれらが男と絡まなければ我慢は出来るけど
新キャラで最初から男と絡むと分かってれば
そっちは最初から百合期待しないでスルー出来るんだが

548 :
既存キャラで続編でからんでくるステルクというやつがおってな…

549 :
男の方が本作最大の萌えキャラ萌えキャラとか書かれてるっぽいんだけど
スなんとかの系譜なの?

550 :
とりあえず女の子同士のイベントやEDがちゃんとあればがんばる
あとマナケミア2みたいに男女両方プレイしないと真ED見れないとかじゃなければ

551 :
凄くいい奴でクールで熱いらしいよ
もう今から公式の推しが透けて見えてなんか嫌だわ
イベント視点が変わるとかどちらかでしか見れないEDとかも不安だ
男主人公だと恋愛で女主人公だと友情(あっさり風味)とか勘弁して欲しいよ

552 :
クラフトソード物語のシュガプラみたいに女主人公だとガチとかならいいな
>>541
そういうのとは違って短編集みたいな感じ
トトミミの挿し絵はトトリ先生の回想話だけど、ジーノ君との絡みもあるからノマカプ免疫の無い人にはオススメできないかも

553 :
>>552
サンクス
ノーマルもいけるがアトリエは百合目的だから今回はスルーしとくw

554 :
>>552
ジーノ君も好きだしノマカプもいけると言えばいけるが、正直手を出すかどうか迷うな

555 :
>>552
あれはクラフトソードがおかしいだけだった(良い意味で)
もうああいうのはコンシューマーでは出ないだろう……

556 :
俺も今回は様子見で……

557 :
ある程度なら突撃できるんだがここまで露骨だと突っ込む気にもなれない・・・
まああれだ、黄昏とアーランドで別々にやってくみたいなのがどっかにあったから
そっちに期待するか

558 :
新作がちょっとアレだしロロアトPlusが出ない
ならロロアト2に期待しようと思ったけどハトの人がでしゃばりそうでとても怖い

559 :
男主人公とか6人パーティとか正直マナケミアでやってくれとしか思えん
マンネリにならないようにするのは大事かもしれないけどさ…
今の段階でネガるのもどうかと思うけどあまりにもガッカリ感が大きくてな…
アーランドも継続するならそっちには期待できると良いなあ

560 :
そういえばマナケミアもアトリエの系列だったと思うんだが
なんでマナケミアで出さなかったんだろう?
そんな悪い評価は聞かないけど

561 :
単純に売れなかったから
自分もマナケミアはゲームとしては面白かったよ

562 :
アーシャの小説読んだ
メルルのと同じく1話ごとの短編っぽい感じ
何の前置きもなく途中からニオがあっさり復活してたのは笑った
ラストはキースエンドの流れに持っていったあたり、次回作はやっぱりこのエンディングの後になるのかな…
それはさておきベルちゃん可愛い
あとシナリオコレクションも3冊買った
パラパラ見ただけだけど、特に目新しい情報はないっぽい
手軽にシナリオと台詞が読み返したいなら買いか
とりあえずトトリのちむちゃん命名シーンは台詞だけでも笑える

563 :
>>562
スレ違いかもしれないけど、シナリオコレクションはplusの追加シナリオの方も網羅してるの?
例えばメルリエのロロナが元に戻る追加エンディングとか

564 :
>>563
載ってる
錬金トゥルーエンディングってのがそれだね

565 :
アトリエシリーズ好きすぎてこんな夢を見ちゃった
自分は冒険者の女の子だった、そして相方の女の子(相方の特徴はトトリちゃん見たいな)
と二人でファンタジーの世界を旅していた
だけど自分は途中で魔物にされその後体は火葬され
遺骨の一部は相方の女の子のペンダントにされた
しかしその後教会で自分は復活した

566 :
>>506の続きをpixivに上げました。
これからはそちらで続きを上げようかと思います。
もし良ければ読んでください。
これまでのも(若干修正して)上げてあります。

567 :
>>566
待ってました!読みに行きます

568 :
トトリのシナリオコレクション買った
ミミENDの二人って二十歳過ぎなんだな

569 :
シナリオコレクションって攻略本ではないんだよね?

570 :
違うよ

571 :
トトリのアトリエを今年プレイし始めた新参にわかなんですけど、
ロロトトってマイナーカプ扱いなんですかね・・・?
どっかの紹介文で見た初めて出来た弟子であるトトリを溺愛しているうんちゃらとかいうの見た瞬間から妄想が止まらないんですけど・・・。

572 :
>>571
ロロクー、トトミミに比べたらマイナーかもね
全然ありだと思うけど

573 :
そういえばトトメルも少ないよな。
メルアトプレイしてメルルのトトリへの尊敬というかしたっている感じがすごい感じがする。
先生が故郷に帰ることになって3日もなにもできなくなるかな普通。

574 :
>>572
やっぱりそういう扱いなんですか・・・。自分が好きになるカプはなんでかいつもそういうポジで二次も少ないんですよねぇ(´・ω・`)
>>573
今はまだメルルやってないんですよね・・・。ロロナ先生がされたと聞いて怖くて怖くて。
でもその感じだとトトメルも素晴らしい気がする。これは悩むなぁ・・・。

575 :
メジャーなのは トトミミ メルケイ ロロクー トトとオネエちゃん
くらいじゃないの? 師弟でカップリングが地味に少ないんだよなぁ 果てしなく困るわ
ここって同人の話とかもおkな感じなのかね?

576 :
>>574
ロロナ先生はVitaの方で復活エンド追加されたよ。PS3でなかったってのがそもそもおかしいんだけどね…
>>575
問題ない。
でもアトリエの百合同人ってあんまり見かけないね。

577 :
アトリエは同人自体少ない気がする

578 :
http://livedoor.blogimg.jp/nijih/imgs/4/9/493db1fd.jpg

579 :
―――たとえば。
たとえば私とトトリちゃんが同い年で。
―――たとえば。
たとえば同じ錬金術士で、同じアトリエで働いたりして。
―――たとえば。
……そう、たとえば私とトトリちゃんで好き合っていたりしたら。

最近、そういうイケナイたとえばが多くなってきちゃった気がする。

「あっ、先生!ここの調合の仕方がわからないんですけど……」
「あー、そこはねー」
けど、現実はそんなに優しくなくて。これは私が望んだことでもあるんだけれど、トトリちゃんが私を呼ぶときはいつも「先生」で。
自分で願っておきながら、その現状に不満を感じてる私自身が嫌になる。
けど、そうやって自分を嫌ってごまかしても、私の「たとえば」は止まってくれない。
たとえば、もしトトリちゃんが私のことを「ロロナちゃん」とか「ロロナ」って親愛を込めて読んでくれたなら、それはどんなに素晴らしいことなんだろう、って。
「うー……。わからないけど、わかりました!やってみます!」
難しそうに首をひねりながら釜に向き直るトトリちゃんの後ろ姿を、何をするでもなく見つめながら、私はまた妄想に耽った。
こういうことばっかりしてるから、最近はくーちゃんやステルクさんにまで心配される始末だ。トトリちゃんの師匠として、もっと頑張らきゃ、とは思うんだけど……。
「♪〜♪〜〜、♪〜」
その口から流れ出る鼻歌は、聞いているほうが元気がでるくらい喜びで一杯で、トトリちゃんが錬金術がすごく好きっていうのが伝わってきて、私まで嬉しくなっちゃう。
そんな素直でやさしいトトリちゃんだから、私はトトリちゃんが好き。うんうん、好きになっちゃった。
こんな私でも、もう20歳も超えちゃって、それはオトナの常識っていうのもそれなりに知ってしまったってことで。

――――――だからきっと私のこの感情も、このままにしておいたら夢じゃあすまないくらい酷いことになるってことくらい、私にも分かっていた。

580 :
>>571です。
なんかこんな感じで文才無いなりに好き勝手書いてみたんですけど、キャラに違和感とか無いですかね?
ないなら続行したいんですが……。
>>577
二次創作も少ない・・・。もっとアーランド世界観のSSが読みたい・・・。

581 :
なんかアーランドシリーズの百合はたくさんあるけどそれ以外ってあんまみないよね

582 :
>>580
良いと思います。そして続きが気になります。

583 :
トトリ総受けとか考えてたら朝日がのぼってた
今マイブームがトトケイなんだよなぁ 
ケイナってやって当たり前みたいな家政婦的ポジじゃん んでありがとうとはいわれるけど
もちろん事務的な話で感謝はされるんだけど褒められはしないわけよ仕事だから
でもトトリがケイナのこといっぱい褒めてすごい嬉しくなってアトリエにメルルがいないときにも
手伝いにきたりして次第に・・・みたいな同人どこでうってますか言い値で買うんで教えてくれ

584 :
>>583
素晴らしいと思います



素晴らしいと思います(チラッ

585 :
>>582
だってそれ以前で百合要素あるのはヴィオまでさかのぼるわけでかなり古いから
やったことある人も少ないんじゃない?
携帯ゲームで出たやつはさらにマイナーだし自分もやったことないし

586 :
ごめん
↑のは>>581宛てです

587 :
このスレ的に
ミミツェツィって需要あるんですかね。

588 :
連投すまん
ミミちゃんちげぇ!
メルお姉ちゃんだった。普段俺がトトミミ連呼してるからこんなことに。

589 :
いがいにのびないんだなこのスレ
内容に18禁ってなしだよな ss書いててエロっぽくてここでだせねえ

590 :
>>589
いつからCERO「A」の健全なスレだと錯覚していた・・・?

投下はまだですか?(チラ

591 :
なんかPS3版のメルルでもplus版の追加イベント&エンディングが見れるパッチが
配信されるらしいが

592 :
PS3とvitaでセーブデータ使いまわせないから、
vitaに手出してない既存ユーザにはうれしいかも

593 :
追加ED面白かったけどぷに玉の要求数が無慈悲すぎるw

594 :
ぷにぷに玉は市場を建設していればフアナさんのとこで買えるから一応何とかなる
フアナ「諸物価上昇に伴い本日からぷにぷに玉を一つ1000コールに値上げします」
とかだったら鬼だったけどなw
無慈悲な調合といえば初代マリーのアトリエのアロママテリアと賢者の石の調合日数がひどかった
期限まで1ヶ月はあるから余裕だろと思ってたら詰みという…

595 :
すれ違いだろ
そのへんは本スレでやってくれ 18禁でもいいのか少しがんばってみるかね

596 :
>>595
是非。
言い古されてるけど全裸待機して待ってる(´・ω・`)

597 :
てかお前ら意外といるな
いつも隠れてるだろっ!

598 :
まぁね

599 :
単にネタが無いだけだわな

600 :
んじゃ場繋ぎに俺の書いた書きかけのトトミミでものせとく?

601 :
すぐに落ちたりしないだろうから焦らなくていいよ
投下するならきちんと完成させてほしい

602 :
トトミミ初体験が書きたかった
書きかけ&付き合ってる設定
よろしければ暇つぶしにどうぞ


「ミミちゃん、お願いがあるんだけど」
「何よ、言ってみなさい」
「今晩、泊まっていってくれないかな」
トトリの願いなら、まあ何でも聞いてあげようではないか。
内心そう意気込んでいたミミは首を傾げた。
トトリの一家はミミに対して過去何回も泊まるように提案してきた。
しかし、それらを毎度断っていることで、近頃はこの手の誘いは減っていたのだが。
「なんでよ。宿を取るつもりだったんだけど」
「あのね、今日家に誰もいないみたいなの」
「……は?」
ぽかんとした表情で疑問符を浮かべるミミに対して、トトリは食事の隣に置かれたメモを指し示す。
「お姉ちゃんはメルお姉ちゃんのところで、お父さんは船の修理頼まれちゃったらしくて」
突然困っちゃうよね。そう笑うトトリの笑顔に、いつもならなにかしら返事をするはずなのだが、
今のミミにそんな余裕はなかった。
『今日家に誰もいない』、『今晩、泊まって』。
その二つが脳内で繰り返される。
これは、まさか――。

603 :
ごくりと唾を飲み下しつつ、これはどうせいつものようにトトリの天然発言なのだろうと高を括ろうとする。
きっと一人の家は寂しいのだろう。そうに違いない。決してお誘いなのではないのだ。
「えっと、それでね、寂しいからミミちゃんが泊ってくれないかなって」
やはり人恋しいだけだと、安堵半分落胆半分でふうとため息をつく。
そのため息を否定と見たのか、そんなミミの左手の袖を、トトリは少しつまんで上目づかいに言葉をつづけた。
「その、だめ……かな?」
 塔の悪魔の一撃なんぞよりもよほど強力な衝撃がミミを襲った。
小首を傾げてこんな発言とは、反則なのではないだろうか。こんな頼み方をされてしまっては断わりにくい。
思わずうなずいてしまいそうになりながらも、ここはきちんと話して断ろうと口を開く。
「べ、別に宿はまだとってないから問題はないけれど――」
――私は宿に泊まる。
そう続けようとするミミに、トトリは満面の笑みで抱き着いた。
「わ、ちょ、ちょっと、トトリ!」
「ありがとう!!」
「ちょっ、まだ返事」
「本当にありがとうね、ミミちゃん!!」
「っ……、まあこれくらいなら、ね」
陥落であった。私の決心とはこんな簡単に揺らぐものであっただろうか。

604 :
あ、す、すまん>>601
投下しちゃった
ただ一応きりいいとこまではできてたからここまで投下するね
反応してくれたのに本当にすまんね

605 :
GJ
601じゃないけど、書き手の好きなタイミングで投下してくれて全然構わないと思うけどね。
続きも期待してるよー

606 :
>>605
ありがとね
続きはね、いいエロがかけないの

607 :
普段ROMだけどここはお気に入り入れてるからSSとか楽しみにしてる

608 :
>>606
いつもROMってるけどでてきました
応援せざる終えない
続きはさ、トトミミだしミミちゃん押し倒せば良いと思います!

609 :
割とちょくちょく覗いてるんだけど、自分の地区やたら規制が多くて、まともに書き込めることのほうが珍しいレベルなのよね。

610 :
>>588
規制大杉で亀になったけど需要あるぞ

611 :
更新まるでなくてわろた

612 :
チェックはしてるんだけどね
新作が百合的にはあんまり期待できそうにないからなぁ…

613 :
新情報が出る度に期待できなくなっていくのが悲しい…
ダブルドローとかもう完全にエスカとロジーのセット運用を前提にしてる感じだし
せめてどちらかを選ぶともう片方の主人公は出ないシステムだと良かったんだけどな

614 :
新作はアーシャの1000年後くらいだと勝手に思っていた
異世界へ旅立ったアーシャを待つために自分の時間を止めて
帰ってくる保証もないのに待ち続けるベルちゃん

615 :
ベルちゃんならむしろ異世界までアーシャを追いかけそうだけど。
そしていざ再会して追いかけてきた理由を聞かれると顔を真っ赤にして
「そ、そんなのあたしが一緒じゃなきゃアーシャが困るからに決まってるでしょ! 別に寂しかったとか、アーシャと離れたくないとかじゃないんだからね!」
ツンデレの波動に目覚めるベルちゃん。

616 :
新キャラが男とくっつくのはまぁスルーできるけど、アーシャの貴重な百合要素ニオアシャベルとリンマリが新作で失われないかが不安です

617 :
SS投下します。
ロロリエED後〜トトリエ時代のロロクー。

618 :
 ロロナが王室の課題を全てクリアし、アトリエの存続が正式に決定してから、しばらく後のこと。
「これが……そうなのね」
 アトリエの中、ロロナの親友クーデリアは、どことなく緊張した面持ちで呟いた。その視線の先には、小さな瓶――中には無色透明の液体――が無造作にテーブルの上に置かれている。
「うん。ついに完成したよ」
 クーデリアの傍らに立つロロナも、何やら珍しく真剣そうな表情だ。
「じゃあ、早速……飲んでみるわよ」
「うん……!」
 クーデリアが瓶を手に取り、コルクの蓋を外す。鼻先を近づけ、軽く匂いをかいでみる。
「……匂いは無いけど、やっぱり薬だし、まずかったりする?」
「ううん。飲みやすいようにちょっと甘ずっぱくしてあるよ」
「そう……それじゃ」
 しばらく手の中の瓶を見つめていたクーデリアだが、やがて意を決して、その中の液体をぐっと一息に飲み干した。
「……」
「……」
「…………」
「…………」
「…………で、これ効果が出るまでどれくらいかかるの?」
「えーっと……」
 数秒の間を置いてからクーデリアが訪ねるが、ロロナは首を傾げていた。
「飲んだらすぐに効くはずなんだけど……くーちゃん、何ともないの?」
「特に何が変わったってことないんだけど……目線も変わらないし。あんたから見てどう? 背伸びてる?」
「ううん全然ちっとも。ちっちゃ可愛いくーちゃんのまま、その神々しいサイズは微動だにしていないよ」
「そこまで念を押して言わんでいいわっ! ってかどうなってんのよ!? あんた背が伸びる薬が完成したって言ったでしょ!」
「う、うん、そのはずなんだけど」
 背が伸びる薬――低身長なことを長年コンプレックスにしていたクーデリアにとって、その完成はまさに一日千秋の思いで待ちわびたものであった。
 ……のだが、
「つまり……失敗ってことかしら?」
「えっと、その…………ちゃんと作ったはずなんだけど」
「現に効果が無いじゃないの。テストとかしなかったの?」
「試作段階でしたよ。動物実験は適当なモルモットがなかったから、希釈してタケノコにふりかけてみたら、一日経っただけですごく伸びてたよ」
「タケノコって何もしなくても一日に一メートルぐらい伸びるんだけど」
「マジで!?」
 素で驚いているロロナに、クーデリアは深々とため息をつき肩を落とした。
「ったくもう……人を期待させておいてあんたは……」
「うぅ……ごめんねくーちゃん……」
 落胆しまくるロロナ。涙目で謝るその様子に、クーデリアの方が慌ててしまう。
「ちょっ……泣かないでよ。何かあたしが悪いことしたみたいじゃない」
「だって……くーちゃん、背が伸びる薬ずっと待ってたし、わたし、くーちゃんに喜んで貰いたくて頑張ったのに……」
「ロロナ……」
「くーちゃんがナイスバデーの美女になったら真っ先におっぱい揉ませてもらおうと思ってたのに!」
「おいこら」
 一瞬で同情を引っ込めて、氷のような表情になるクーデリアだった。

619 :
「まあ、そういう冗談は置いておいて」
「随分と余裕ね」
「落ち込むよりも次のことを考えないと。何で失敗したのか、まず原因を調べないとね」
 そう言ってロロナは、クーデリアから空き瓶を受け取ると、中に微かに残った液体を器具で採取しはじめた。
 この前向きさが、去年までの頑張りとアトリエの存続という結果を生んだのだろう。クーデリアは作業に勤しむロロナを見ながら、苦笑を漏らしていた。
「……にしても」
 再度、クーデリアはため息をつく。
 今回の薬の完成には相当期待していたクーデリアは、失敗という事実にかなり落胆していた。
「くーちゃん」
「わっ!? ちょっ、何?」
 不意に、作業していたはずのロロナが、クーデリアに後ろから抱きついていた。
「くーちゃん、やっぱり薬が失敗しててショックだった?」
「……そりゃ、まあ、その……少しは」
「ごめんね。次はちゃんと成功させるから」
「……ええ。期待してるわよ」
「うん!」
 ロロナは微笑んでクーデリアの頭を撫でる。
 こんな風に子供みたいに可愛がられるのは、クーデリアにとって不本意ではあるが不快ではなかった。無論、ロロナ限定の話だが。
「えへへ♪」
「……」
「くーちゃんやわらか〜い♪」
「……あの、ロロナ?」
「なぁに?」
「あんたいつまで抱きついてるわけ?」
「もうしばらく、くーちゃんを慰めようかと」
「別にそこまで落ち込んでないから」
「まあまあそう言わず」
「って、どこ触ってんのよ!?」
「胸」
「はっきり言うな! てか触るな!」
「薬の完成度を高めるためにもくーちゃんの発育状況のデータをしっかりこの手で取っておくべきなんだよ」
「もっともらしいこと言ってるけど、あんたが触りたいだけでしょ!」
「うん!!」
「開き直るなっ!! ってかあんた、アストリッドがいなくなってから色々と何て言うか、その、自重が足りなくない!?」
「くーちゃんはわたしが触ったりするの嫌なの?」
「それは……嫌、じゃないけど」
「じゃあ同意ってことで」
「いやだからもうちょっと節操を……やっ、ちょっ、待っ――」
 …………
 ………
 ……

620 :
 
  *  *  *
「……とまあそんな感じで、最初の背が伸びる薬は失敗しちゃったんだよねー」
 軽くため息をつきながら、ロロナは話を一旦締めくくる。場所はアーランドのアトリエ。ロロナは愛弟子トトリに、数年前の自らの失敗談を語って聞かせていた。
 のだが、
「あの、先生……薬が失敗したのは分かったんですけど、その後のクーデリアさんに、えっと……色々してた部分を細かく話すのは蛇足だったんじゃ」
 むしろ蛇足の部分にかなりのボリュームが割かれていて、色んな意味でお子様なトトリは耳まで真っ赤にしていた。
「近い将来トトリちゃんの参考になればと思って」
「何の参考ですか!? ていうかクーデリアさん怒りますよ! 先生がそんな話をしたの聞いたら」
「うん。もちろんトトリちゃんも怒られるだろうからナイショにしてね」
「共犯にされた!?」
 ショックを受けている弟子は置いておいて、ロロナは話を再開する。
「その後もちょくちょく背が伸びる薬の研究は進めてたんだけど、あんまり成果はなくてね」
「あんまりってことは、少しはあったんですか?」
「うん。何年か掛けて0.8p伸びたよ」
(それは成長という名の自然現象じゃ……)
 そのツッコミは心の内にしまっておくトトリだった。
「何でなのかなー。ちゃんと背が伸びる効果は出てるはずなんだけど、くーちゃんが飲んでも効かないんだよねー」
「先生でも上手くいかないことがあるんですね」
「そりゃあるよ。でもいつか成功させないとね。まあ、くーちゃんはちっちゃくても可愛いし、わたしは大好きだから全然問題無いんだけど。
 むしろ大きくなっちゃったら地味にショック受けそうなんだけど、やっぱりくーちゃんの長年の夢なわけだし……ああ、でもくーちゃんのちんまい魅力が無くなっちゃうのはやっぱり惜しいような……」
「あの、先生。ちょっといいですか?」
「ん? どうしたのトトリちゃん」
 途中から独り言だか願望だかに話がずれていったロロナは、トトリの言葉にハッとして耳を傾ける。
「先生、以前わたしに、錬金術では『思い』が大切だってことを教えてくれましたよね」
「うん。そうだよ」
「薬や道具を作る時には、それを使う人、それを必要とする事柄について、思いをしっかり込めることが、成功のコツだって。作り手の心が、完成するアイテムにも表れるんだって」
「そうだね」
「それで、その……先生が作った背が伸びる薬って、ひょっとしてなんですけど……先生がそういう、小さいクーデリアさんを好きだっていう思いが漏れちゃってて上手くいかないとかじゃないですか?」
「………………………………あ」
「あ、って先生……あ、って……」
「ち、違うよ? 図星とかじゃないよ? 断じて違うチガイマスデスヨ?」
 ロロナは額に汗を滲ませ目を泳がせ、端から見てすぐ分かるほど狼狽しまくっていた。
「先生、落ち着いて下さい。何で途中からカタコトなんですか」
「おおおお落ち着いてるよ。わたしはへーきだよ」
「それじゃあ落ち着いて考えてみてどうですか? わたしの言ってること当たってました?」
「…………当たってた……っぽい……かも」
「やっぱり……」
「うぅ……トトリちゃん、このことはくーちゃんには――」
「くーちゃんには? 何なのかしらロロナ?」
「――っ!?」
 聞き覚えのありすぎる声にロロナが振り向くと、そこには奇妙なほどに穏やかな表情をしたクーデリアが立っていた。

621 :
「く……くーちゃん、いつの間に?」
「ちょっと前からいたわよ。ノックしたんだけど、あんた達二人とも話に夢中で気付かないし、ちむが代わりに開けてお茶まで入れてくれたわ」
「ちむー」
 クーデリアの足下ではちむが手を振っていた。最近は錬金術以外にも、色々なことをお手伝いできるようになっている。が、それはさておき。
「興味深い話をしていたわねぇロロナ。背が伸びる薬の制作過程で、何? あたしが小さいままでいてほしいというあんたの願望がだだ漏れで混じっていた、と」
 淡々とした口調で話すクーデリアだが、その体からは言いしれぬ感情のオーラがにじみ出ていた。
「それはそのぅ……なんて言うか、不幸な事故というか、むしろくーちゃんが可愛すぎるせいで発生した不可抗力というか……」
「トトリ。あなたに依頼したいことがあるんだけど」
「え? わたしにですか?」
「ちょっ、くーちゃん!?」
 言い訳しようとするロロナを無視して、クーデリアはトトリに声をかけた。
「そう。内容は背が伸びる薬の開発。期限は問わないし、報酬も十分払うわよ」
「ま、待ってよくーちゃん。わたしお払い箱なの?」
「それから、この依頼について他言をしないこと。そもそも個人依頼の内容には守秘義務があるんだから当然だけど、弟子相手だからってホイホイ話すどこかの誰かさんみたいなことはしないようにね」
「ううっ……話を聞いてよくーちゃん! これからちゃんと背が伸びる薬作るから! お願いだから見捨てないで!」
「私情は交えず、ビジネスライクでお願いするわね。トトリ」
「くーちゃんラブならわたしが一番だよ!」
「それじゃあ頼んだわねトトリ。期待してるわよ」
「うう……うわ〜ん!」
「あっ、ちょっとロロナ先生!?」
 徹底してクーデリアに無視されたロロナは、とうとう泣きながら出て行ってしまった。
「行っちゃった……」
「放っておいていいわよ」
「でもそれだとあんまりじゃ……」
「いいのよ。適当に頃合いを見て声かけておくから」
「……ということは、クーデリアさん本気で怒ってるわけじゃないんですね」
「まあね。でも反省はさせておかないと。それじゃあトトリ、例の薬のことは頼んだわよ」
「え? 本当にわたしに依頼するんですか?」
 念を押すクーデリアに、トトリは目を丸くした。
「当然でしょ。ロロナじゃあたしの背が伸びる薬は作れないのが分かったんだから」
「そうでもないと思いますよ。先生がちゃんとクーデリアさんの希望を汲めば」
「希望を汲めばって、具体的にどうすればいいのよ?」
「そうですね……クーデリアさんが背を伸ばしたい理由とか、背を伸ばしてやりたいことを伝えるとか?」
「なっ……そ、そんなのどうでもいいでしょ!」
「え。何でそこで怒るんですか?」
「怒ってなんかいないわよ! ましてや慌ててもいないわ!」
「怒ってますし慌ててますよね……ひょっとして何か恥ずかしいこと考えてました?」
「かっ……考えてるわけないでしょ! 失礼ね!」
「そうですか? 実はロロナ先生とキスとかする時に同じ目線がいいとか、そんなのだったりして。って冗談ですけ――」
「ああああああんた何でそれを!?」
「え? 図星?」
「しまっ……そっ、そんなわけないでしょ! 断じて違うから忘れなさい今すぐ記憶から消去しなさい今すぐに!」
「話は聞かせてもらったよ!!」
「うわあロロナいつの間に!?」
 どういうわけか舞い戻っていたロロナは、先ほどのことなど忘れたように目を輝かせてクーデリアを抱きしめた。
「そういうことならわたしに任せておいて! わたしが責任を持って、くーちゃんとわたしがいちゃいちゃするのに丁度良い背丈にしてあげるからね!」
「そんなの頼んでないから! っていうか抱きつくなーっ!」
「えへへ〜♪ くーちゃんかわいい〜♪」
「撫でるなーっ!」
(ほんっと仲良いなぁ、先生達……)
 満面の笑みでクーデリアを愛でるロロナと、何だかんだで嬉しくないこともなさそうなクーデリア。そんな二人をちょっぴり羨ましそうに眺めるトトリだった。
 ちなみに数日後に作られた『新・背が伸びる薬』は、今度はあまりに効果が強すぎてとんでもないことになったらしく、大慌てで元に戻す薬が作られ、その後は薬の開発自体を一から見直すことになったそうな。

おわり

622 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。

623 :
おお!新作きてる!
>>662GJ!
くーちゃんもくーちゃん大好きなロロナも可愛い

624 :
もともと百合は女性向けジャンルなんだし。
もともとが女性向けとして開発されたアトリエシリーズは、男女でも別にいいけど。
百合こそたいせつにすべきなんじゃないんですかね(迫真

625 :
二行目と三行目が矛盾してるぞ
トトリとメルルしかやってない俺ではレベル不足かもしれん

626 :
もともと女性向けゲームとして発売⇒恋愛観的に男女があっても別におk。
しかし、昔から一定量の百合成分があったわけで。そもそも百合こそ女性向けジャンルである。
⇒百合こそ大切にして育てていくべき。

627 :
まあ大事にすべきかはともかく
このシリーズは女の子一人主人公って印象があるから
そこに男主人公が割り込んできた感じがしてちょっと違和感があるのは確か。
ほんとに女性向け恋愛シュミレーションみたいなアトリエものもあるわけで
前作にあたる作品が伝統通りの女の子一人主人公だったのになんで?って気はする。
恋愛女性層を完全に狙うならそっちで良かったように思うんだが

628 :
新作もうすぐだっけ?
全然情報集めしてないや

629 :
正直なんも興味が湧かない
こんなんいいからトトミミスピンオフ出して

630 :
マリーのアトリエ 21万2307本
エリーのアトリエ 16万1351本
リリーのアトリエ 9万0203本
ユーディーのアトリエ 6万6925本
ヴィオラートのアトリエ 5万8566本
イリスのアトリエ 8万0969本 ←初の男主人公
イリスのアトリエ2 5万7642本 ←男女ダブル主人公
イリスのアトリエGF 4万5418本 ←男でしかも「錬金術士じゃない」主人公
マナケミア 4万6563本 ←男主人公
マナケミア2 4万8394本 ←男女選択式主人公
イリスのアトリエはヴィオラートの時点で売り上げ低迷してたからマンネリ打開のためって理解できるけど、その後の凋落を見るにやっぱりアトリエで男主人公はよくないと思うよガストちゃん

631 :
アトリエシリーズは「世界を救う事に飽きた」っというキャッチフレーズから分かる通り
今までのRPGとは異なる作風だから、世界を救うRPGをやっていた人たちには結構斬新で新鮮味があったから
受けたんだと思う
>>630
それに関しては自分の憶測だが、マンネリ打開とはいえ従来のRPGと同じ
世界を救う系に走った事も原因の一つではないかと考えられているが・・・・・・

632 :
ユーディーは期間は無限だったけど「腐る」システムが厳しくて
ライトユーザーに敬遠されたんじゃないかね
期間が決まってて素材が腐るヴィオはなおさら
ゲームを進めれば氷室とか出てくるけども

633 :
腐るはよく言われるけどその通り期間が無制限だから別に気にならなかったけどなあ
自分の初アトリエがUDだったってのもあるけど
まあUDヴィオは女の子強いし百合分も結構あるから
新作がダメなら旧作を振り返ってやってみるのもいいんじゃないですか
とグラム好きとしてオススメしてみる

634 :
ザールブルグの時点でマリシア、アイエリに萌えてた俺に角はないぜ

635 :
j

636 :
トトミミ合同誌また出ないかな〜

637 :
トトリ総攻めで書きたいんだけどヒロイン誰にしよう

638 :
ミミちゃんに決まってるだろ…っ!

639 :
本命:ミミ
対抗:ロロナ
単穴:メルル
連下:フィリー
無印:ツェツィ、ピアニャ、ちむ、パメラ、ティファナ

640 :
誰にするか何て決める必要無い。全部書けばいいのだから。

641 :
頭の中で構想は出来てるんだけど果てしなくやる気がでねえ
もう少し公式でアンソロとかでてほしいわ

642 :
SS投下します。
メルリエ時代でちょいと変化球のミミ×ケイナ。でも本格的にくっつくお話ではありません。

643 :
 アールズ王城からほど近くに、簡素ながら重厚な作りの建物がある。開拓事業の一環としてメルルが建造を依頼した訓練場だ。
 国営の施設であるが、アールズ兵だけでなく、市井の冒険者達も時間が空いた時には腕が鈍らないよう、ここで鍛錬に勤しんでいる。
 冒険者ミミ・ウリエ・フォン・シュヴァルツラングが本日ここへやってきたのも、そういうわけである。
 が、
「……えーっと」
 砂地の広間に入ったところで、すぐ傍に見慣れた顔を見つけたミミは、軽く戸惑っていた。その場にいるほとんどが訓練用の武具に身を包んだ筋骨たくましい男性という中で、小柄な女の子が一人。
 ミミ自身がそうであるように女性の冒険者も珍しくはないのだが、水色基調のエプロンドレスというその恰好が、この場では明らかに浮きまくっていた。
「……こんにちはケイナ」
「あ、ミミ様。こんにちは」
 少し躊躇いつつミミが声をかけると、ケイナは丁寧にお辞儀をして挨拶を返す。折り目正しい所作に、一瞬ここがむさくるしい訓練場だということを忘れそうだった。
「珍しいところで会うわね。私は体を動かしに来たんだけど、あなたは?」
「私も同じです。今日はお休みを頂きまして。姫様も街の外へお出かけしていますし、体がなまらないようにと」
「なるほど。普段の仕事も忙しいのに、感心ね」
「いえ。私の力が少しでも姫様の助けになるなら、これぐらい何でもありません」
「さすがメイドの鏡。でもその恰好だと、訓練しに来たんじゃなくて、賄い役か何かと間違われない?」
「確かに、新人の兵士さんからはたまに勘違いされますね」
「まあ、現にその恰好でメルルの冒険に付き合っているし、そういうのって実際着てみたら見かけよりも機能性高いから、理には適ってるかしらね」
「ミミ様、メイド服をお召しになったことがあるんですか?」
「……余計なとこに触れないの」
「失礼しました」
 うかつなことを言ったミミだが、空気を読んだケイナはそれ以上追求しなかった。
「ところでケイナ。あなた一人? よかったら一緒に訓練しない?」
「よろしいんですか?」
「知り合いがいたら稽古に付き合ってもらおうと思ってたし、素振りや型の練習だけじゃ物足りないのよ」

644 :
「では、よろしくお願いします」
「よろしく。得物はどうしてるの?」
「さすがにここで鞄を振り回すわけにはいきませんので、練習用の木剣をお借りしています」
「じゃあ私も同じ物を使うわ」
 刃渡り七十センチほどの小振りな木剣を手にした二人は、開いた場所で向かい合った。
「ミミ様、剣も使われるのですね」
「一応、一通りの武芸は身に着けてるわよ。あなたはどうなの?」
「姫様付きのメイドとして、最低限の護身術程度に習ったぐらいです」
「そう……それじゃ、軽く合わせてみなさい」
 ミミは右手に剣を提げ、自然体に近い構えを取る。ケイナは右半身の中段。
(構えは様になってるわね……まずは小手調べから――)
 わざと読みやすいよう、呼吸を区切ると同時にミミは前に踏み込んだ。軽く振り上げ、正面から打ち込む。
「っ……」
 直線的な打ちを、ケイナは左に身を捌くと同時に剣の鎬で受け流す。
(これが避けられないようじゃ話にならないからね……次)
 ミミは受け流された状態から手首を返し、横薙ぎに木剣を振るう。
「はっ!」
 気合いと同時に、ケイナはその打ちを叩いて落とす。
(へえ。思ったより良い反応だわ)
 感心しているミミに、ケイナは教本のようにまっすぐな突きを返してくる。
「おっと」
 ミミは軽く後ろに下がって間合いを外した。
「なかなかやるじゃない。少しペース上げるわよ」
「はいっ」
 先ほどと同じように、今度はスピードを上げて、ミミが打ち込む。
 右から袈裟切り、横薙ぎ、正面打ち。そこそこの速さで打ち込まれた三連撃を、ケイナは危なげなく受け流し、回避してみせた。
(さすが……じゃあ、これはどう?)
 踏み込みから真っ向に打ち込む――と見せかけてフェイント。受け流そうと振り上げていたケイナの木剣を払った。
「くっ……!?」
(もらった)
 この体勢、このタイミングは避けられない。ミミはそう確信して、首筋に――無論、寸止めするつもりで――木剣を打ち込む。
 だが、
「はぁっ!」
「!?」
 そこだけ切り取れば神業のような反応で、ケイナの剣がミミの一撃を防いでいた。
(あの体勢から防ぐなんて……メイドやってるのがもったいないわねこの子)
 感心するミミといっぱいいっぱいなケイナは、そのまま鍔迫り合いの姿勢になる。

645 :
「っ……!!」
 ケイナは必といった表情で、何とか隙を窺おうとしている。
(でもやっぱり実戦慣れはしてないのよね……特に対人戦の)
 ミミは心の中で呟くと、軽く足払いをかけた。
「きゃっ!?」
 文字通り足下をすくわれたケイナはものの見事にバランスを崩し、そのまま地面に膝を突いてしまう。そしてその面前に、木剣の切っ先が突き付けられた。
「……参りました」
「実戦ではのんびり鍔迫りしていることなんて、まずないわよ」
 ミミは剣を左手に持ち替えると、ケイナの手を取って立ち上がらせ、にっこり微笑んだ。
「それじゃ、もう一本いきましょうか」
 その言葉に、ケイナも負けじと笑みを浮かべて頷いた。

 ――二時間ほど後。
「はぁ〜……たっぷり汗かいた後のお風呂は格別ねぇ」
「そうですねぇ……」
 アールズ市街地の健康ランド。ミミとケイナはゆっるゆるにリラックスした表情で、大浴場の湯船にどっぷり身をゆだねている。
 湯量豊富なヴェルス山の温泉と直接パイプで結ばれたこの健康ランドは、オープン当初からミミのお気に入りだった。仕事上がりや訓練の後は、ほぼ必ずといっていいほどここに来ている。
 というわけで今日も、訓練場でかいた汗をケイナと一緒に流しに来たというわけである。
「それにしてもあなたの腕前、大したものね」
 お湯につかりながら、ミミは先ほどのケイナの剣捌きを思い返して、素直に賞賛を送る。
「そうでしょうか?」
「少なくともメイドが使う護身術のレベルじゃないわよ。よっぽど筋が良いのかしら」
 事実、ケイナはベテラン冒険者であるミミの剣と(手加減ありとはいえ)かなりのレベルで打ち合えていた。これでメイドではなくミミと同じように冒険者として身を立てていたら、どれだけの使い手になっていただろうか。想像すると恐ろしいやら頼もしいやらだった。
「でもやっぱりミミ様には敵いません」
「そりゃまあ、こっちはこれでご飯を食べてるわけだからね」
 本職の冒険者がメイドに後れを取るわけにはいかない。今日の訓練でも、ミミはケイナに対して常にイニシアチブを取り続けていた。
 だがそれはさておき。今、打物取っての勝負とは別時空の戦いが、ミミの眼前に現れていた。
「じー……」
「……? ミミ様、どうかされましたか?」
「前にみんなで温泉行った時も思ったんだけど、あなたって結構着やせするタイプよね」
「えっ……!?」

646 :
 そう言われた途端、ケイナは反射的に両手で胸を覆い隠す。
「そう。あなたが今咄嗟に隠したその部分が主にね」
 どことなく不機嫌そうなミミの声音に、ケイナは少なからず狼狽する。
 いつもはゆったりめのエプロンドレスに隠れているが、実際ケイナはかなり発育が良い。控えめな性格もあって地味な印象だが、その肢体は柔らかな人柄を如実に表していると言えた。
 仮にスタイルの良さを戦力と喩えるならば、ボディラインの控えめなミミに比して、その戦力差は歴然としていた。これは由々しき事態である。
「そういえばメルルもかなりのものだったわね……あなた達二人……そして私とトトリ……どうして差がついたのか」
「えっと、その……別に、そんな、私は大したものじゃ」
「それはイヤミかしら?」
「ちっ、違います! もうっ、意地悪なこと言わないで下さい!」
「ふふ……ごめんごめん。ちょっと羨ましかったから、つい」
 軽く笑って謝るミミに、ケイナはちょっぴりふくれっ面だった。
「ミミ様はあまりそういうことは言わないタイプだと思っていました……」
「ええ。自分でも堅い性格だとは思うけどね。長く冒険者やってると、結構そのへんさばさばしてくるのよ」
「トトリ様に対してもですか?」
「……痛いとこ突くわねあなたは」
 思わぬ逆襲を受け、口をつぐむミミ。今度はケイナが苦笑する番だった。

 たっぷり温泉に浸かってさっぱりした二人は、お風呂上がりの髪を乾かしがてら、市場の通りにある喫茶店にやってきた。
「へえ……本職のメイドがおすすめするだけあって、良い茶葉使ってるわね」
 ケイナおすすめのお店でストレートティーを一口飲んだミミは、感心して声を上げた。鼻孔をくすぐる芳醇な香り。柔らかく上品な口当たり。白い陶磁器に映える紅の色合いさえも、ありきたりのものとは違っている。
「この茶葉、かなり値が張るんですけど、ここのオーナーの親戚がお茶農家で、格安で仕入れているそうです」
「なるほど。これは良い所を紹介してもらったわ」
 上機嫌なミミは、引き続きお茶の味と香りを楽しむ。
「う〜ん、こんなにお茶が美味しいと、お茶請けにロロナさんのパイが恋しくなってしまうわね」
 このお店で出しているクッキーやスコーンも悪くないのだが、やはり超が付くほど一流なロロナのパイに比べると見劣りは否めない。

647 :
「ここのお店、持ち込み可ですから、買ってきましょうか?」
 ロロナのパイショップはここから割と近い。そう言ってケイナは席を立とうとするが、ミミが慌てて止めた。
「別にそこまでしなくていいわよ。パシリさせてるみたいで悪いじゃないの」
「おつかいもメイドの仕事ですから」
「今日はお休みだし、あなたは私じゃなくてメルルのメイドでしょ?」
 ミミがそう言うと、ケイナは大人しく席についた。
「あなたって休み中でも仕事のこと考えちゃうタイプ?」
「そういうわけではないと思うんですけど……あ。でもメルルのことはよく考えてます」
「ああそう……まったく、メルルが羨ましいわね。あなたみたいに良くできたメイドが幼馴染みの親友だっていうんだから」
「お褒めいただき光栄です」
 褒められたケイナは、一言礼を言ってからこう続ける。
「私もトトリ様が羨ましいと思います。ミミ様のように強くて立派な方が、親友以上に思ってくれているんですから」
「っ……」
 紅茶を口に含んでいなかったのが幸いだった。ミミは照れを誤魔化すためかしきりにナプキンで手を拭いながら、顔を赤くしていた。

 ゆっくりお茶を楽しんでお店を出ると、そろそろ時刻は夕方だった。
「結局、半日あなたと過ごしたわね」
 偶然訓練場で会っただけなのに、一緒に稽古をして、温泉に行って、美味しいお茶を飲んで、と有意義な時間を過ごしたミミとケイナである。
「実は私、メルル以外の人とこんな風に過ごすのは初めてでした」
「私もそうよ。アーランドにいた頃はトトリとたまにお茶してたんだけどね」
 二人揃って夕暮れ前の路地を歩きながら、とりとめもなくお喋りする。
 そもそもミミとケイナは、トトリ・メルルを通じた間接的な関係だったのだが、こうして半日過ごしてみて、思っていたよりウマが合うようだった。
「世が世なら、あなたをシュヴァルツラング家の女中としてスカウトしたいところだわ……あ、でも今ならそこそこ余裕あるし……どうケイナ? 開拓事業が終わったらアーランドでハウスキーパーに転職とか。待遇は弾むわよ」
 冗談混じりの口調でミミが提案すると、
「あらあら。それは魅力的なお話ですね」
 ケイナも同じく冗談めかして答える。
 そのまま笑い合う――はずだったのだが、
「あ……」
「え……?」
 不意に、ケイナの表情が固まる。その視線をミミが追うと、その先には、
「……メルル?」

648 :
 ミミ達の後ろに、ギリギリと歯ぎしり音を立てそうな表情のメルルが立っていた。
「メ、メルル……帰っていたのですが?」
「ついさっきね。それよりケイナ……どういうことなの?」
「ど、どうって、その」
 尋常ならざるオーラを身に纏ったメルルに気圧され、ケイナはしどろもどろになってしまう。
「ミミさんも、どういうことなんですか?」
「落ち着きなさいメルル」
「これが落ち着いていられますか! 人が出かけてる隙に、まさかミミさんがケイナを籠絡しようとするなんて!」
「してないしてない。人聞きの悪いこと言わないでよ」
「じゃあさっきの発言は一体何なんですか!? そもそも何で二人一緒に、まるでデートみたいに歩いてるんですか!?」
「デートとかそんなんじゃないから。本当に落ち着きなさい。順を追って説明するから――」
 今にも怒りのスーパーモードを発動させそうなメルルをなだめつつ、ミミは訓練場でケイナと会ってからの一連の流れを説明する。
「――というわけなの。分かった?」
「訓練と称して汗だくでくんずほぐれつした後、二人でお風呂に入って裸で洗いっこして、その後は茶屋でしっぽりというわけですね。分かりました」
「いやいやいや分かってないから! どんだけ曲解してんのよ!? っていうか目が怖い目が!」
「メルル、落ち着いて下さい。誤解なんです」
 気持ちを立て直したケイナが、ミミに代わって話をする。
「誤解って何さ!? ケイナさっき、スカウトされてまんざらじゃないみたいなこと言ってたくせに! ちゃんと聞こえたんだから!」
「ですからそれは――」
 ケイナの必の弁明を横で聞きながら、ミミは頭を抱えていた。妬み嫉みとは無縁そうだと思っていたメルルだが、実際には年頃の女の子なのだ。一番の親友の口からさっきみたいな台詞を聞けば、取り乱しもするだろう。
「二人に悪いことしたわね……」
「ふーん。そっかぁ。ミミちゃんが悪いことしたんだ」
「……」
「……」
「………………ト、トトリ……いつから?」
 背中一面に嫌な汗をびっしりかきながら、ミミはすぐ傍らに立っていたトトリに訊ねる。
「メルルちゃんがくんずほぐれつとか茶屋でしっぽりとか言ってたちょっと前ぐらい」
 一番最悪なタイミングだった。
「トトリ、聞いて。これはメルルの誤解で――」
「うん。分かってるよ。タイミングが悪くてメルルちゃんが早とちりしちゃってるんでしょ?」

649 :
 ニッコリ微笑むトトリに、ミミはほっと安堵の息をついた。
「そう。その通りよ」
 メルルと違ってトトリは遙かに冷静なようだ。
(あとはメルルの誤解さえ解ければ万事解決――)
「でもね、ミミちゃん」
「え……?」
 ふと、ミミがトトリの顔を見る。そして気が付く。
「誤解を招くようなミミちゃんの言動にも問題があるんじゃないかなぁ……?」
「――……っ!」
 トトリの目だけが、完全に笑っていなかった。
「とりあえず今日一日何をしてたのか、もう一度詳しく説明してもらえるかな?」
「ま、待ってトトリ。あんたもやっぱり誤解してるから……」
 この場はケイナにも証言してもらって、身の潔白を示さなければならない。だがしかし、ケイナの方もメルルの誤解を解くので手一杯だろう。
 そう思ってミミがケイナとメルルの方に視線をやると、
「――そんなの、わたしだって分かってるよ。でも、ケイナは可愛くて、メイドとしても凄く優秀で、本当にどこに出しても恥ずかしくない子で……ケイナを欲しがる人は、いくらでもいるだろうし……不安にもなるよ」
「たとえそうだとしても、私の答えは一つです。私はメルルのことを心から慕い、お仕えしています。メルルのメイドであることは、私の誇りであり、この気持ちは終生変わりません」
「ケイナ……本当に?」
「疑われるのですか?」
「ううん……ごめん。わたしがバカだった。わたしも、ケイナを絶対に離したりしないからね……これからもずっと一緒だよ!」
「はい!」
「ケイナ……」
「メルル……」
 速攻で仲直りして二人の世界に入っていた。
「ミミちゃん? わたしがお話してるのに、どうしてケイナちゃんに視線を向けているのかなぁ?」
「ちっ、違っ……そうじゃなくて、その……」
「とりあえずここじゃあ落ち着いて話もできないから、場所を変えよっか」
 有無を言わさず、トトリはミミを引きずるように歩いていく。観念するミミの心の中では、売られていく仔牛を歌うメロディが流れていた……。

 その後、安否が気遣われたミミだが、翌朝アトリエに帰ってきたトトリが上機嫌でツヤツヤしていたので、大丈夫だろう。多分。

おわり

650 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
メルリエは施設色々建てられるんだから、施設絡みのイベントもっと増やして欲しかった。

651 :
一番乗りか?
>>650GJ!
アーランドのメンツって、ちゃんと話してみれば意外と打ち解けて仲良く慣れそうだよね
ケイナとミミちゃんとは珍しい組み合わせだけど面白かった

652 :
>>650乙!
すごくよかった
ミミちゃんは誰とでもそれなりにいい感じじゃないか
画面の前でによによしてましたごちそうさま!

653 :
メルリエでメルルにトトリの服を着せてみた
ミミ「メルル、貴方の服はこっちよね?その服はわたしからトトリに返しておくから」
ひっぺがされた
たぶんトトリの服は行方不明になりそう

654 :
ワロタw

655 :
ここの住民はエスカのアトリエ買う人どれ程いるんだ?
自分はとりあえず人柱になってくるが

656 :
別に言うほど悲観するこたないと思うし、アトリエは大好きなんで買う予定

657 :
エスカレイヤーのアトリエかと思った

658 :
>>655
俺は買わないかな
男云々より据え置きゲーしなくなったのが理由だけど
アーシャも真エンドだけしか見てないし

659 :
光が一切届かない洞窟で壁を伝って出口へ向かおうとするが
暗闇で何も見えない不安から、何度も躓いてしまうトトリ
仕方なくトトリを落ち着かせようとトトリの手を握るミミ
その後はいつものイチャラブなやり取りが出口へ辿り着くまで続いていた
っという妄想を、GWで長野の善光寺に行った際に思い浮かんでしまった
>>655
俺はPS3持ってないけど、とりあえず様子見かな

660 :
大規模停電になると出生率が上がるらしいし
トトミミも暗闇で長時間過ごしたら妊娠してそうだな
どっちがとはあえて言わない

661 :
久しぶりに公式サイトみたら、新作の発売日今月なんだな。
据え置きゲーはクリアに時間がかかるようになっちゃったんだけど、一応買うかなぁ。
それ以外めぼしいゲームは据え置きだと特にないし。
とりあえず男主人公で世界観とか理解してから、いつも通りの女主人公でアトリエシリーズを楽しむ予定。
ウィルベルの年齢的にアーシャから4年後? まあ正しく年をとってればの話だけど。
個人的には女版キースみたいなスレイヤがキースとどういう関係かも気になるな。
苗字が近いし、髪の色も同じで、源流を同じくする一族とかか。
百合的には…お姉ちゃんになってるウィルベルと、なんかそういうことには朴念仁そうなスレイヤに期待。

662 :
百合的には期待できないんじゃないの
新作はするーかな もっと百合押してくれてもいいんだけどなぁ

663 :
ニオアシャベルの絡みが好きだっただけに、新作は躊躇気味・・・
姉妹が出てくるかすら情報無いし
行方知らずになったアーシャをベルちゃんが必に探してる、みたいな設定だったら美味しいんだけどな

664 :
探す立場から探される立場か
そして>>615

665 :
そういえばロロナのアトリエだけplusでてないね。システム面全面改修だろうから時間かかるのかね。

666 :
ロロナリメイク出すとしたら3Dグラも描き直すだろうから時間かかるだろうね。
できたらフィリーちゃん13歳も出してほしい。
先輩後輩だけど実は同い年なくーちゃんとフィリーちゃんの初対面がどんなだったのか気になる。

667 :
先生…アスロロが欲しいです…

668 :
それはロロナリメイクでアスロロ描写増やして欲しいってこと?
それともここでアスロロのSS書いて欲しいってこと?

669 :
合同本もっかい出ないかねー

670 :
そんなに良かった?>合同本

671 :
今でもちょくちょく読み返すくらいよかったよ。

672 :
>>668
どっちも欲しい!!
>>669
俺はトトミミアンソロジーがもっかい出ないかなっと切に願う

673 :
あれ?
合同本=トトミミアンソロだと思ってたけど違うのか

674 :
VITAのやつはどっち買ったら良いの?
今から買いに行くんだけど、アトリエシリーズやったことないから、
どっち買ったら良いかさっぱりわからん…。

675 :
時系列
ロロナ→トトリ→メルル
基本的に前作やらなくても大丈夫だけど
過去のキャラは出てくるので、ちゃんと楽しみたけりゃロロナからやったほうが良い
ロロナはPS3でしかないので vitaならトトリかメルル
シリーズを長く楽しみたい ロロナ→トトリ買ってメルル
単純に百合度の高いものどっちかならメルル

676 :
Vitaならメルルの方がオススメかな
前作からのキャラがやたら多いのがネックだけどメルル視点で楽しむこともできるし

ところでガストちゃんがプラスシリーズのアンケート始めてるからロロナリメイクの要望出そうぜ
くーちゃん分とりおちゃん分増し増しでお願いしますって
あと少女時代のフィリーちゃんも

677 :
>>675
ありがとう。今から買ってくる。
PS3は持ってないからなぁ…。VITAのが面白かったら、本体ごと買おうかな。

678 :
一応トトリのネタバレがメルルにあるから
トトリを楽しみたければ気を付けて
シリーズ追ってるとメルルのOPみてブワッってなる

679 :
ありえないから
百合最強のトトリとミミちゃんの思い出見れないとかありえん
ヴぃたの場合はトトリからやるべき
まあロロナもリメイクみたいなのされるらしいしトトリからでええのにの

680 :
野暮な話で済まんが、ロロクーやトトミミ、メルケイの初めてのHはどんな感じなんだろうかねぇ?

681 :
ロロくーもととみみもぶっちゃけおなじじゃね
相手ツンデレだし結構タイプ的には似てるよな
まあケイナとメルルはメルル攻めだと思うけどまあ野暮だな

682 :
何となくだけど、ロロナとくーちゃんだったら、ロロナが最初から攻めまくり可愛がりまくり、
トトリとミミだったら誘い受けトトリとヘタレ攻めミミで色々試行錯誤しながら初Hって感じがする(朝まで向かい合いながら正座も)

683 :
>>682
正座はありそう
というか見てみたいw

684 :
メルケイはケイナが必要以上に主従としてのけじめとかを自分に言い聞かせて、一線超えるの我慢してそう。
しかし元々相互依存の強い関係だけに、一旦タガが外れるともう…

685 :
ロロナとトトリは基本誘い受けだが攻めにまわったら多彩な自家製グッズで相方をメチャクチャにしちゃいそう

686 :
次の日は足腰が立たなくなるなw

687 :
最近トトリとケイナのいけない遊びを脳内でするのがマイブームなんだけど
お前らどのカップリングが好きなのよ

688 :
ロロホム…かな…

689 :
トトミミ

690 :
トトミミ好きだけどミミがメルルかケイナと絡むのが最近良いな
あとお前ら隠れてるだろこの短時間で沸いてくるし…

691 :
>>690
誰も書き込まないからかきこみずらいのだよ

692 :
流石に二年近くトトミミ燃料ないからね〜

693 :
ミミさん、メルルちゃん朗報です!
メルリエ版トトリちゃんがフィギュアとなって発売されるそうです!!

694 :
>>693
メルルの予約数:2(飾る用1、保存用1)
フィリーの予約数:3(飾る用1、布教用1、保存用1)
ミミの予約数:7(リビングに飾る用1、寝室に飾る用1、冒険に持って行く用1、抱いて寝る用1、保存用2、使う用1)

695 :
いかん、発売日が近づくたびに予約せずに様子見ればよかった感が大きくなってきた
スタッフ関係者の話の中に百合的に期待できなさそうな単語が多すぎて気持ちが萎えてくる
幸いガチ百合ゲーが前年に続いて豊作だからダメージは少ないけど何かなぁ

696 :
百合ゲーと発売日が被るの相変わらず続いてるしな
クロスクオリア予約したわ

697 :
>>696
アグリーメントも宜しく!アトリエもとりあえず期待して待つよ
ロジーを見ると主人公二人を同じ時間軸に存在させる必要があったのか疑問が出てくる
エスカかロジーどちらか選択してどちらかいないでよかったのでは

698 :
>>694
トトリ「なんでこの私のフィギュア濡れてるんだろ?」
ミミ「お風呂に持って入ってるのよ!」
といういいわけをするのが目に浮かぶ

699 :
邪推だけど、
イリスからマナケミアであれだけ売り上げ低迷したにも関わらず男主人公を頑固に続けてたあたり、ガストちゃんの中の人の一部に男主人公にこだわるのがいるんじゃなかろうか。
アーランドでアトリエシリーズが息を吹き返して、続くアーシャも割と好セールス。関係あるかは不明だけどコーエーの子会社化ときて、前述の男主人公派が「破れた夢よ今一度」と盛り返そうとしているのかもしれん。
でも保険として女主人公もいれましたよ、と。
でもマナケミア2みたいに主人公それぞれ別シナリオにすると手間がかかるから、2人をパートナーってことにしてどっち選んでも同じストーリーにしたよ、と。
でも基本的に男主人公ありきの作品だから男主人公を推しまくるよ、と。
本当に勝手な想像だけど、こうでも思わないと何で今さら男主人公復活させたのか理解できん…

700 :
俺はアーランドとアーシャしかやってないから
アトリエ=かわいい女の子を操作するゲームって印象が強いw
まぁ百合少ないならトトミミで脳内妄想にふけこむw

701 :
マリーからやってるがイリスマナケミアは華麗にスルーした自分も同じ印象だよ
例え百合云々抜きにしても男主人公のアトリエは何か違う気がする
アトリエの主人公が剣振り回すって違和感あるもん
どうしても男主人公がやりたいのなら外伝みたいな別の作品でやって欲しかったな

702 :
>>701
マナケミア…

703 :
マナケミアはタイトルは特殊だけどちゃんとしたナンバリング作品なのよ

704 :
マナケミアは妖精さんインパクト有りすぎて他がよく覚えてない…

705 :
>>687
いまさら感あるけどロロクー、あとメルケイ

706 :
公式で半分それっぽいの出しちゃってるけどロロクーアンソロとかあってもいい

707 :
ロロナ時代のロロクーとトトリ時代のロロクー、どっちが好き?

708 :
トトリ時代
距離感がいい

709 :
ロロナ時代かなぁ
初々しくて大変よろしい

710 :
何となくロロナ時代とくーちゃんED後はくーちゃんが攻めで、トトリ時代以降はロロナ先生が攻めっぽい。

711 :
ようやくアーシャをやりはじめたんだが、これはアーシャ→ニオ?ベルちゃん→アーシャ?こじれてる感じ?

712 :
基本3人とも仲良しで、たまにベルちゃんがアーシャ&ニオの仲が良すぎるのに焼き餅する感じ。

713 :
9月に新規タイトル発売ってことはロロナリメイク年内は厳しそう…というかアーランドの新展開自体が立ち消えになりそうな。

714 :
アーランド新作期待してただけにこれは…

715 :
え、アーランドシリーズってまだ続く予定だったの?

716 :
岡村Dがそれを匂わす発言してたのよ。

717 :
まじか。
みんなテンション下がってる中私だけ上がってきたw

718 :
今日発売だっけ?エスカ
情報全然仕入れてないけど
どうだったんだろ
流石に1日じゃ詳細わかんないか

719 :
いや27日だぞ発売日
とりあえず2年目中盤までプレイしたけどゲームとしての出来はともかく
エスカ&ロジーが完全にパートナー枠固定って感じで百合的には期待できそうにない

720 :
ほんのちょっとだけ触ったぐらいだがこのロジーの邪魔さ
アーニーさんはそんなことなかったのになぜだ

721 :
>>719
ありゃマジかw
ノーマルもいけるけどアトリエは百合
貫いて欲しかったな

722 :
男がいても外せるのがアトリエの良さだったのに
アーシャからはあかん

723 :
イケメン率がやたら高いよなw
初代のマリーなんてあまりにオッサンキャラが多すぎて急遽オッサン1人削って女の子プラスしたぐらいだったのに

724 :
まだ始めたばっかだけど、このスレで書かれてるベルちゃんがアーシャを探してる、っていうのはマジになってたけどな
もう前作キャラに期待してプレイしてる状態

725 :
エスカの販売数、アーシャから1万本くらい落としたね
次作は方向転換してくれるといいんだが…

726 :
そんなに落ちたのか
百合が期待できなくても売上はアーシャとさほど変わらんと思ってたが
他に何か理由がありそうだな
やっぱ、男主人公か?

727 :
アーシャがイマイチだったからじゃないかなぁ
百合抜きにしてもアトリエとしてあんま面白くなかったよ
黄昏シリーズ、さらに男主人公と来てさすがに今回はスルーした

728 :
よく分からんけど一万てでかいのん?
てかアーシャってエスカで結局出ない?

729 :
デカイに決まってるだろ
7000円のゲーム1万っていくらだとおもってるんだよ売上
ぶっちゃけアトリエは何がしたいのかよくわからないんだよな新作は
もうぶっちゃけ完全な百合ゲーのほうが売れるんじゃねえの 

730 :
次回作でも男主人公が出てくるなら今度はスルーするかな〜
アーシャは良かったんだがな
男主人公もあるが今回は色々手抜きすぎだろ

731 :
>>724
え?ベルちゃんってアーシャのことさがしてるの?

732 :
アーシャは前作のキースエンド後、ポカやらかして貴重な古代遺跡を崩壊させてキースともども指名手配される。
アーシャとキース(+オディーリア?)は逃亡生活に入るが、一緒に旅していたニオには何故か手配が及ばなかったので、ほとぼりが冷めるまで辺境に身を潜めておくってことでエスカ達のいる村に。
当然アーシャが心配なニオだけど状況が状況だけに下手に動くわけにはいかず、代わりにフットワークの軽いベルちゃんがアーシャを捜索することに。
うろ覚えだけど大体こんな感じの状況。ニオもベルちゃんも仲間にならないし、完全にサブキャラって感じ。
アーシャは出てこない。というかマリオンやリンカも含めてエスカ達はアーシャ見つけたら逮捕しなくちゃいけない立場。

733 :
なるほど、詳しくありがとう。そんなことになってるのね…

734 :
>>732
サンクス
ニオちゃんまでお姉ちゃんと離れ離れなのか…

735 :
ニオ→ウィルベルの呼び方が「ウィルベルさん」ってことは
「ベルちゃん」呼びは女子会エンド限定ということか・・・

736 :
トトリ「ねえ、ケイナちゃんってメルルちゃんのこと好きなの?」
ケイナ「え?あ、あのそれは・・・もちろんメルルのことは好きですよ。、でも
小さい頃から一緒ですし姉妹のように思ってます・・・。まあどちらが姉かはわかりませんけどね」
トトリ「そっかー、恋人同士じゃないなら私がケイナちゃんにキスしてもいいよね?」
ケイナ「トトリ様!?」
みたいな薄い本ないですかね

737 :
ゲーム本編で結構毒吐いてるせいか、トトリ先生が悪い人な二次創作は見かけないね。

設定資料集によるとこの2人の関係って
ケイナ→トトリ
メルルの師匠ということで敬っている。
トトリ→ケイナ
堅い呼び方をせずに、もっとくだけてほしい。
微妙にすれ違い風味なのがなんとも。

738 :
エスカはまだフレイヤ出てきたあたりまでしかできてないけど、まあうん。
ロジーくん別に嫌いじゃないよ。
考え方も程よく硬くてしっかり者だし、エスカがアホの子だけにいいブレーキ役になってるとは思う。
けどアトリエに期待したいのはそこじゃないねん。
というか、エスカ自体が、百合的においしい性格してないのもあるけど。
もう私はマリオンとリンカでキャッキャウフフ

739 :
SS投下します。
トトリエ時代のロロクー。

740 :
 ある晴れた日のお昼下がり。アーランドのロロナのアトリエ。
「ロロナ、お邪魔するわよ」
「あ、くーちゃん。久しぶり」
 アトリエを訪れたクーデリアを、満面の笑みで出迎えたロロナは、そのままナチュラルに抱きつこうとする。が、
「こらっ」
「痛っ!?」
 対するクーデリアは慣れたもので、カウンター気味に書類入れで顔をはたかれたロロナは、涙目になって鼻をさする。
「あう……今日はくーちゃんいじわるっぽい……」
「意地悪とかじゃなくて、今日はギルドの仕事で来たのよ。はい発注書」
「はぁい……」
 完全に仕事モードなクーデリア。発注書を受け取りながら、ロロナは不満そうだ。
「何よ、ぶーたれた顔して」
「だって最近くーちゃんご無沙汰だったし……」
「そりゃ悪かったけど……お互い忙しいんだからしょうがないでしょ」
「でもこのままじゃくーちゃん分不足が深刻だよ! 禁断症状が出る前にくーちゃん分の補給を!」
「だからまたそういうわけのわからないことを――って、こら! 掴むな! 近い!」
「く〜ちゃ〜ん♪」
「やめんかー!」
 クーデリアを抱きしめようとするロロナ。その頭をがっしり掴んでさせまいとするクーデリア。
 こんな感じにスイッチの入ったロロナは非常にしつこい。トトリがいる時は師匠としての自制も働くのだが、今のようにクーデリアと二人っきりだとブレーキがほとんど効かない。
「ちょっとだけだから、ねっ」
「そう言ってちょっとで終わらせたことないでしょあんた!」
「ほんの二、三日だけだから」
「しかも日単位か!」
「んぎ〜……!」
「や〜め〜ろ〜……!」
 こんな感じで阿呆な攻防がしばらく続けられ、
「このっ……!」
 このままでは埒があかないと思ったクーデリアは、少し乱暴だが、護身術の要領でロロナに組み付き転ばせる。怪我をしないように着地点はソファの上へ。
 仰向けのロロナの上に覆い被さる形になったクーデリアは、声を低くして囁く。
「あんまりふざけ過ぎると、きつめにお仕置きしちゃうわよ……?」
「望むところだよ!」
「望むなバカ!」
 やはりこの手の脅し文句は効果が無いようだ。期待に目を輝かせるロロナに処置無しの判断を下したクーデリアは、大きなため息をついた。

741 :
 と、その時。
「失礼しまーす。クーデリア先輩、さっき出した発注書なんですけど数量変更で差し替えを――」
「なっ……!?」
「ええっ……!?」
 唐突にアトリエのドアを開いて表れたフィリーに、ロロナを押し倒した体勢のまま固まるクーデリア。フィリーは眼前の光景に動揺しながらも、しっかりと目を見開いていた。
「しっ、失礼しました! どうぞごゆっくりーっ!」
「まっ、待ちなさいフィリー!」
 記憶カメラでの撮影を終えたらしきフィリーは、即座にその場を離脱しようとする。大慌てで追うクーデリア。
「大丈夫です! 誰にも言いませんから! 私の記憶と今日の日記と次のイベント新刊だけに留めておきますから! ギルドの方には先輩二時間ぐらい遅れるって言っておきますから!」
「意味不明なこと言ってないで、いいからまず止まれ! ってか何よ二時間って!? 生々しいわ!」
「今まで先輩右側オンリーで考えててすみませんでしたぁーっ!」
「何の話よ!?」
 さすがに脚力では元冒険者のクーデリアに分がある。数十秒後、フィリーは猫の子のように襟首を捕まれ、アトリエに連行されていた。
「いい? あたしとロロナは単にふざけあってたまたまああいう体勢になっていただけだから。分かった?」
 かなり無理のある言い訳だが、クーデリアは目に力を込めて、フィリーに脅し――もとい説明をする。
「わ、分かりました。そういうことにしておけばいいんですね」
「一言余計よ! やっぱり物理的に記憶を消去すべきかしら……」
 物騒なことを言ってアトリエ備え付けの工具箱に目をやるクーデリアに、フィリーは大慌てで後ずさる。
「いえいえいえいえ大丈夫ですもう忘れました何も見てませんから! それじゃあ私ギルド帰りますーっ!」
 身の危険を感じたフィリーは逃げるようにその場を去っていった。
「ったく、あいつは……」
「あはは、フィリーちゃん相変わらずだね」
「元凶が呑気に笑うなっつの」
「でも最初からくーちゃんが抱っこさせてくれてたら――」
「それだと、もっとやばいシーンをフィリーに目撃されてたでしょうが」
「やばいシーンってどんなのかなぁ?」
「どんなの……って、こら待て。さりげなく距離を詰めるな」
「くっ、気付かれた……」
「普通に気付くわ。あのねロロナ。あたしは今日は仕事で来てるの。そしてもう用件は済んだから、真っ直ぐギルドに帰る。分かったわね?」
「うん……分かった」

742 :
 ようやく納得した様子で、ロロナは頷いた。クーデリアはホッと息をついて、優しく微笑む。
「また今度お休みが取れたら、遊びに来――」
「と見せかけてとりゃーっ!」
「うわあっ!? しまった油断した!」
 一瞬気が緩んだ隙を逃さず、ロロナは獲物に襲いかかる獣のような俊敏さで、クーデリアのちんまい体を抱きしめていた。
「えへへ〜、くーちゃんぷにぷに〜」
「ああもう、あつっくるしい……」
 一旦こうなるともうどうしようもない。ため息をつくクーデリアを、ロロナは上機嫌で撫でたり頬ずりしたり、思う存分愛でている。
「ほら、もういいでしょ。いい加減離しなさい」
「ん〜、もうちょっと」
「もうちょっともうちょっとって、言い続けてたら切りがないでしょうが」
「そもそも切る必要があるのだろうか」
「問題提起っぽく言ってんじゃないわよ」
 ――と、その時。再びアトリエのドアが開かれた。
「お邪魔しまーす。先生、ご無沙汰し――あ、ホントにお邪魔でした」
 一瞬で全てを察したトトリは、速やかにアトリエのドアを閉じる。
「ちょっ、待ちなさいトトリ!」
 さすがに二度同じパターンが続いたので対応が素早い。見事なスタートダッシュを切ったクーデリアだが、
「消えた……?」
 玄関の外にはトトリの影も形もなかった。
「トトリちゃん、トラベルゲート使ってアランヤ村に帰っちゃったのかな?」
「じゃあロロナのトラベルゲート出して! 追いかけるから!」
「慌てなくても、トトリちゃんなら後で説明すれば大丈夫だよ」
「そりゃそうかもしれないけど……何かこれだと、フィリーにもトトリにも、あたしが仕事サボってロロナとイチャついてるみたいに思われるじゃない」
「え、違うの?」
「違うわ! あんたが一方的にあたしに絡んできてるんでしょうが!」
「じゃあくーちゃんはわたしと一緒にいるのが嫌なんだ……」
 いじけた表情になって地面に「の」の字を書き始めるロロナ。だがしかし、長年連れ添ったクーデリアにその手は通じない。
「傷付いたふりしても無駄だから」
「うう……分かった」
「物わかりの良いふりして油断を誘うのも無しだからね。さっきそれに引っかかったし」
「もうっ、分かったって言ってるでしょ。くーちゃん分は補給できたから真面目にお仕事するよ」
「そうそう。それでいいのよ。それじゃあたしは帰るわね」
「うん、またね」

743 :
 ロロナに手を振って、クーデリアはアトリエを後にする。
 が、数分経ってふと足を止めた。
「――あ。差し替え前の発注書置いたままだ。ロロナが間違えるかもしれないし、回収しておかないと」
 そういうわけでクーデリアは歩いてきた道を引き返す。そしてアトリエのドアを開けた。
「ロロナ、ちょっと忘れも――」
「ああっ、くーちゃん危ないっ!」
「へっ!?」
 アトリエに一歩足を踏み入れた途端、クーデリアの足下から縄状の何か――というか縄そのもの――が蛇のように絡みつき、クーデリアの体をがんじがらめにしてしまった。
 たちまち体の自由を奪われたクーデリアは、芋虫状態でアトリエの床に転がってしまう。
「ちょっとロロナ! 何なのよこれは!?」
「えっと、そのー……今度くーちゃんが来た時用に、生きてるナワを使ったくーちゃん捕獲トラップを思いついて、早速試作してたんだけど」
「仕事しないで何やってんのあんたは!?」
「ちゃんと納期は守るから大丈夫だよ」
「ああそう……じゃあもうそれはいいから、早くこのトラップ解除してくれる?」
「……」
「……ロロナ?」
 クーデリアから縄を解くよう頼まれたロロナだが、何故か動かずに黙り込んでいる。
 そして不意に、何かを閃いたように明るい表情になった
「ふふふ……」
「ちょっ……何でそこで笑うのよ!? まさか――」
「くーちゃん……もうちょっとだけゆっくりしていったらいいんじゃないかな」
「変な栄養分はもう補給できたんでしょ!?」
「まあそれはそれってことで」
「いやちょっと待ってだからあたしは仕事ちゅ――〜〜っ!?」
 ………………
 …………
 ……
 ……その後、きっかり二時間遅れてギルドに戻り、フィリーから生暖かい視線を向けられるクーデリアだった。

※後日、ロロナ先生はきっちりお仕置きされました(健全な意味で)。

おわり

744 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
本当はもっとガンガンSSとか書きたいんだけど、イマイチ筆が進まないジレンマ。

745 :
>>744
乙っ!
最近は燃料が少ないからね…でも読みやすかったです。いただきましたっ
気になるところといえばフィリーさんのイベントの新刊かな…w

746 :
エスカを全クリもしくは女性キャラEND、イベントを全部見た人に聞きたい
百合的にどうだった?
キャラエンドでもロジーが付いて来る感じ?

747 :
このスレの住民が全クリ&トロコンまでのモチベーション維持を苦労する程度に百合要素は期待できないと思うよ。
ルシルEDとかを除いて大体のEDでエスカとロジーは2人一緒。
スレイアEDに至っては、最後の一枚絵がメイド服着たエスカがロジーに「あーん」している図とか、そんなレベル。

748 :
>>747
まじか…本当に二人で一組なんだな
主人公分ける必要性を感じられないな〜
とりあえずストーリーはクリアしてみるよサンクス

749 :
スケさん無双参戦おめ
武器と動きが無双と相性良さそうなミミちゃんも参戦しないかな

ていうかこれがまさかアーランドの新展開ってオチなんだろうか…

750 :
メルルplusのアンケートで今後のplusシリーズへの要望みたいな項目あったし違うと信じたい
トトリとミミの大冒険とロロナplus早くきてくれー

751 :
トトミミでデュープリズムみたいなアクションゲームがしたいってずっと思ってる

752 :
相変わらずポンコツのリンカさんと一緒のお財布で暮らして
甲斐甲斐しくいろんなことの世話をしているマリオンさんがいる限り
俺の妄想が尽きることはないぜ

753 :
ロロトトかトトロロか悩む

754 :
ととろろこそ至高
まあ俺はととけいなを押すけどな

755 :
フアナさんはもっと評価されていいと思う

756 :
師匠ももっと評価されていいと思うぞ!

757 :
>>756
師匠こんなところで何やってるんですか?

758 :
真面目に師匠はもっとストーリーに絡んでほしかった

759 :
師匠は本気出したら高性能過ぎるから、どうしても見守るポジションになるんだろうね。
メルルのアトリエでロロナ先生がロリ化するんじゃなくて、師匠が真面目に仕事やってた少女時代に退行したらよかったのに。
でもその頃の師匠も、スケさん手玉に取って怪しげな実験台にする程度にはっちゃけてたんだよな…

760 :
SS投下します。
トトリエ時代でトトミミ。

761 :
「う〜ん……」
「ちむ〜……」
「うむむむ〜……」
「ちむむむ〜……」
 ある日のトトリのアトリエ。トトリは調合釜の前に立って、なにやら眉間に皺を寄せて唸っている。ちなみに後ろで同じように唸っているちむは、今日の分の仕事を終えて退屈なのでトトリの物まねをしているだけである。
「何をうんうん唸ってるのよ、さっきから」
 半ば日常的なアトリエの光景として、アランヤ村に滞在している間は暇なので遊びに来ていたミミが、読んでいた本を閉じてトトリに訊ねた。
「あ、ごめんねミミちゃん。うるさくして」
「いや、それはいいんだけど」
「実は爆弾を作るんだけど、どんな特性を付けるか考えてたの。出来るだけ強いのを作りたいんだけど、何でもかんでも付けられるわけじゃないからね」
「ふーん……今まで使ってたのも十分な威力があったと思うけど、それよりも強力なのを作るわけ?」
「うん。そのつもり」
「さらっと怖いこと言うわね……」
 ミミは肩をすくめてため息をついた。トトリと一緒に冒険をするようになってかなり経つミミは、錬金術で作られるアイテムの強力さを、肌身に染みるほど理解できていた。
「そうやってどんどん強い爆弾にしていったら、そのうち街でも吹き飛ばしちゃうんじゃないの」
「そうならないように色々注意はしてるんだけどね。でもロロナ先生が昔作ってたテラフラムなんかは、爆破範囲の制御が甘かったみたいで、普通に作ると自分達も巻き込まれてたんだって」
「完全に欠陥品じゃないの……」
「それから、別の国の錬金術士さんの話なんだけど、あんまり強力にし過ぎてオーバーフロー起こしちゃって、回復しちゃう爆弾が出来たこともあったらしいよ」
「それはそれで役には立ちそうね……あんまり使いたくないけど」
「まあ、わたしが作るのは普通に強いだけの爆弾だから……さて。大体方向性は固まってきたし、始めようかな」
 トトリは杖を手にしながら、吟味した素材を慎重に調合釜へ投入していく。

762 :
「さぁーて! すごいの作るよー」
「随分と気合いが入ってるわね」
「うん! この爆弾が出来たら、強いモンスターが沢山出てきても一発だよ」
「……前線で戦う私としては、直接爆弾投げられるよりも、回復と補助に力を入れてほしいんだけどね」
 そうじゃないと立場が逆転したみたいで面白くないし……という言葉はのどの奥に引っ込めておくミミである。
「でも、いつもいつもミミちゃんに守ってもらってばっかりなのは悪いし、わたしだってしっかり戦えないと」
「私の方が直接戦闘に向いてるんだから、壁役になるのは当たり前でしょ。そもそも私がトトリを好きで守ってるんだから、あんたはそんなこと気にしないで、素直に守られていればいいのよ」
「へ……!?」
 素材を投入し、杖で攪拌を開始しようとしていたトトリは、ミミのその言葉にピタリと動きを止めた。
「どうしたのよ? 鳩が豆鉄砲食ったみたいな顔して」
「えっと、その……」
 トトリはみるみる頬を赤くしながら、しごろもどろになっている。
「あの、その、ミミちゃん……あ、ありがと……わたしも、その……」
「……?」
 明らかにトトリの様子がおかしいと思ったミミは、何か自分が変なことを言っただろうかと記憶を反芻し、
「…………――っっ!!?」
 致命的な言い間違いをしていたことに気がついた。
「ちっ、違うっ! 今の間違い! 私が! 好きで! トトリを守ってるの!」
 顔を真っ赤にしながら、大慌てで発言を訂正するミミ。
「あ……そうなの?」
「そうなの!」
「そうなんだ……」
 何故かしょんぼりするトトリのその反応の意味は、努めて考えまいとするミミだった。

おわり

763 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
しばらくトトミミ書いてないなー、なんて思ってたらいつの間にか数ヶ月経っていたという。

764 :
おつ!
新たなトトミミ燃料欲しいね〜

765 :
乙!
書きたかったらどんどん書いてもいいんだよっ?
消化はまかせろ!

766 :

トトリ可愛い!

767 :
コミケ84でトトミミ本あるそうだが…ふたなりか…

768 :
百合的にはあれかもしれないけど
メルリエのミミちゃんとツェツィさんの会話が見たいな
すっごい礼儀正しそう

769 :
>>768
ミミちゃんは言うまでもないが、ツェツィもツェツィでトトリちゃんが帰省した際に3日ぐらい引きとめたからな…
トトコンっぷりではどっちも重症だろう
そんな二人の会話となると…

770 :
嫁姑的な緊張感を孕んでいる気がするのは俺だけだろうか…

771 :
でもっておいしい所は全部ピアニャに持ってかれるんですね分かります。

772 :
まあツェツィさんのトトコンは分かってるけど
ミミちゃんがトトリとは別の感じで気を使って礼儀正しくしてるのは見てみたい

773 :
トトリのアトリエの百合の全年齢板同人はどれくらいあるんだ

774 :
>>773
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/02/35/040030023530.html
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/03/93/040030039353.html
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/05/12/040030051282.html
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/07/90/040030079031.html
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/08/64/040030086462.html
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/10/04/040030100417.html
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/12/58/040030125813.html
これぐらい?探せばもうちょっとあるかもしれんが

775 :
ロロナ来たぞ!
これで燃料補給できる!11月らしい

776 :
新キャラじゃなくて新参戦ってことは
鉄板なのはエスティさんとパメラさん、大穴で師匠と20代のギゼラさんかな
戦闘参加できなくていいからフィリーちゃん13歳とミミちゃん6歳は是非出してほしい

777 :
ロロナは男性比率高いから是非女性キャラ多めでお願いします
延長戦で予想外のキャラが仲間になるらしいけど誰だろう
師匠はあんまり予想外じゃないしまさかのギゼラさん?

778 :
何かと思えばリメイクきたのかw

779 :
メルル+で伏線張られてたし、トトリとメルルは多分登場するだろうな

780 :
伏線?追加イベントとか?

781 :
師匠が「若返り薬がダメなら時間跳躍して好きな年齢のロロナに会いに行けばいいじゃない!」という話をしていたのよ

782 :
なるほど。サンクス
ミミちゃんはきびしいかなぁ
トトリちゃんが過去に行くならロリミミちゃん探し当てて
絡みあるくらいは期待したいw

783 :
ロロナは仲間になるのくーちゃんとリオネラしかいないからな
エスティさん辺りが仲間になると良いんだが

784 :
ほんと困ったものだよな
仲間になるの二人とか

785 :
6歳児のミミちゃんとかトトリ先生が遭遇したら発狂しかねない可愛さだろうな

786 :
ぼっち幼女とか母性くすぐりまくりですよ
多分フリフリドレスだろうし
フィリーちゃんだって出せるし色々おいしいネタあるから期待したいけど難しいかな〜

787 :
>>783
エスティさん来て欲しいなあ
てかロロナの時はエスティさん仲間になるものだと勝手に思い込んでて
女性騎士枠来た!って一人で喜んでたよw

788 :
まあとりあえずトトリとメルル連れてくるなら
ミミちゃんとケイナ連れてきて欲しいけど無理だよな…?(静かな期待

789 :
立ち絵と3Dはメルルのを流用するとして、問題は中の人のギャラだな。イベント無しで戦闘参加のみにしたらそれも流用できるけど。
でも出たとしてもDLCになりそう。
アトリエとは関係ない作品だけど、前作のクリアデータがあればラスボスまで含めて前作キャラ全員使えるようになるRPGがあったな。
アトリエもそれくらい思い切ったことやってくれないだろうか。

790 :
三人娘でも良いんだけど
リオちゃんの加入遅いんだよな
その期間がキツい

791 :
>>774
ありがとう、おすすめあったら教えて

792 :
13歳くーちゃんの可愛さがやばい
ttp://www.4gamer.net/games/228/G022828/20130806084/SS/032.jpg
ttp://www.4gamer.net/games/228/G022828/20130806084/SS/038.jpg
ttp://www.4gamer.net/games/228/G022828/20130806084/SS/040.jpg
ttp://www.4gamer.net/games/228/G022828/20130806084/SS/048.jpg
りおちゃんとほむちゃんも期待できそうだな

793 :
ミミトトのアンソロどこに売ってるの?

794 :
とらのあなかまんだらけいけばいいんじゃね
ロロナようやくでるしテンションあがるわ

795 :
とらのあなにはなかったな、とらのあなって新しいものしか置いてなくない?

796 :
中古サイトとかオクしかないんじゃね?
覗いてないけど出て時間経ってるし大手通販は置いてないのかな?

797 :
中古サイトは18禁しか取り扱わない所多いからな…

798 :
SS投下します。
メルリエ時代でメルケイ&トトミミ。

799 :
「ねえ、いいでしょケイナ……一度試しに、さ」
「だ、ダメですよメルル……そんなの私、恥ずかしいです」
「別に恥ずかしがるようなことじゃないってば。ケイナぐらいの年の女の子だったらみんな経験してるよ」
「だからって……」
「わたし一人でもいいけど、やっぱりケイナと一緒がいいし」
「それだったら別に私でなくても、トトリ様やロロナ様だって……」
「だーかーらー、わたしはケイナがいいんだってば。ケイナの可愛いところを見たいの」
「そ、そんなこと言われても……」

「ただいまー」
「あ、トトリ先生。お帰りなさい」
「お、お邪魔しています」
 買い物から帰ってきたトトリは、普段通りなメルルと少し慌てたような様子のケイナを見て首をかしげる。
「何か揉めてるみたいな会話が聞こえたけど、どうしたの?」
「いえ、別に揉めてたとかじゃないんですよ。この前新しく出来たブティックあるじゃないですか」
「うん。色んな衣装があって面白いよね、あそこ」
 ブティック――開拓事業の一環として建てられた施設だが、若い女性を中心に大きな話題となり、今や健康ランドと並んでアールズの名物になりつつある。メルルやトトリ、ロロナもよく利用していて、バラエティに富んだ衣装を楽しんでいた。
「そこにケイナも一緒に行こうって誘ってるんですけど、なかなかOKしてくれなくて」
「そうなんだ。ケイナちゃん、オシャレするの嫌なの?」
「嫌というわけではないんですけど、そういう経験があまり無いので、誰かに見られるかと思うと……」
 話しながら、ケイナは目を伏せてしまう。引っ込み思案というほどではないが、元々控えめな性格で、古女房のように主人かつ親友のメルルを立てるケイナである。そんな自分が着飾って外を歩くとなると、少々身構えてしまうのも無理はないだろう。
「だから別に恥ずかしがることじゃないのに」
「私は恥ずかしいんです」
「ふーん。でももったいないよね。ケイナちゃん可愛いのに……なにげにスタイルもいいし」
 どんな時でも着崩さずメイド姿を整えているケイナだが、そのきっちりした衣装の下にけしからんウェポンを隠し持っていることは、身近な女性(具体的には一緒に温泉に行ったメンツ)の間では公然たる事実となっていた。
「そうですよ! 国民調査でアールズの『お嫁さんにしたい女の子』『妹に欲しい女の子』『お母さんみたいに叱って欲しい女の子』三つとも堂々のNo1だっていうのに、ケイナ本人は全然そんな自覚もないんですから」
「ちょっと待ってくださいメルル! 何ですかその国民調査!? 私全く知らないんですけど!」
「ちょっとしたアンケートみたいなものだよ。さすがに今の人口で全数調査は無理だから標本調査だけど」
「いつの間にそんなことを……」
「あと調査委員長の意向でアンケ対象は女性のみだけど」
「「ああ……」」
 調査委員長なる人物が誰なのか推測できて、ケイナとトトリは遠い目で頷いた。そもそもそんなアンケートに答える女性が相当数いる時点で、アールズの将来がちょっと不安な気もする。
 それはさておき、ブティックの件である。
「ケイナちゃんだって年頃の女の子なんだから、たまにはそういうのもいいんじゃない? 衣装を替えるのって楽しいし、良い気分転換にもなるしね。人に見られるのが恥ずかしいなら、店内で試着するだけでもいいんだし」
「そうそう。わたしに見られるだけなら構わないでしょ?」
「それなら……まあ」
「よしっ、決まり! じゃあ早速オーダーメイド入れてくるね」
「いやいやいや、そこまでしないで下さい! 既製品で十分ですから!」
「大丈夫! わたしのポケットマネーだから!」
「そういう問題じゃなくて!」
 目を輝かせてアトリエを出て行くメルルを、ケイナが慌てて追いかける。トトリはそんな二人を微笑ましく眺めていた。

800 :
 
「――ということがこの前あってね。今日はメルルちゃん達ブティックに行ってるんだ」
「ふぅん……」
「ああいうところでオシャレするのって、一人だけじゃちょっと味気ないし、メルルちゃんの気持ちも分かるよね」
「そうかもね……」
「普段のメイド服も良いけど、ケイナちゃんは色々可愛い服も似合いそうだよね。私も見せてほしいけど……あ、ミミちゃん。ちょっと腕上げて」
「あの、トトリ……」
「なぁに?」
「さっきから何してるわけ?」
 トトリはアトリエを訪れたミミを、いきなり直立不動にさせるや、巻き尺で手足の長さや腰回り、肩幅等々のサイズをテキパキと調べ上げていた。
「ミミちゃんの寸法とってるの」
「何のために?」
「もちろんミミちゃんの衣装を作るためだよ」
「頼んでないんだけど」
「うん。頼まれてないよ。わたしが作りたいから作るだけ」
 にこやかな笑顔できっぱり言い放つトトリに、「突っ込んでも無駄でしょうね……」とため息をつくミミだった。
「……一応聞くけど、作った衣装はどうするわけ?」
「ミミちゃんに着てほしいんだけど……ダメ?」
 やや上目遣いにそう訊ねてくるトトリに、ミミはどこか抗えない力を感じる。
「だ……ダメじゃないけど……」
「けど?」
「どういう衣装を作るのか、きちんと私にも監修させなさい。あんたのセンスだと、ロロナさん並にぶっ飛んだのを作りそうだし」
「ええ? ロロナ先生のってそんなに変かな?」
「ローティーンの女の子の普段着にシースルースカート付きのレオタードをチョイスするあたりがもう犯罪すれすれだから」
 『パンツじゃないからセーフだよ!』とは、後日クーデリアからトトリの衣装について苦言を呈された際のロロナの弁である。
「ていうか今のその衣装からして、あんたの感覚ってやっぱり麻痺してるわよね……とにかく、露出度は控えめにすること」
「うん、分かった」
「……あとそれから、私もケイナと同じように室内で着るだけだからね」
「ミミちゃんも恥ずかしいの?」
「みだりに衆目に晒したくないだけよ」
「…………」
 ミミの言葉を反芻するかのようにしばらく黙っていたトトリは、
「つまり可愛い服を着てるのは、わたしだけに見せたいってこと?」
 にんまり笑みを浮かべてそんなことを言った。
「なっ……何でそうなるのよ!?」
「だってそういう意味でしょ? 人に見られるのは嫌だけど、わたしには見せてくれるって」
「それは、その……」
「うふふ……ミミちゃんがそんなこと言ってくれるなら、衣装も飛びっきり可愛いのにしないとね」
「そんなに気合い入れなくても――って、ちょっと!? どこ触ってるのよ!?」
「胸」
 平然と答えたトトリは、そのまま遠慮の一切無い手つきでミミの胸にやわやわと手を這わせる。
「アンダーのサイズもしっかり把握しておかないとね」
「だからって、直接触る必要が……やっ、待っ……!」
 服の下にまで手を入れてくるトトリに、ミミは抵抗しようとする。が、手慣れたトトリはあっという間にミミを抱きすくめてしまう。
「メ、メルル達が帰ってくるかもしれないでしょ」
「大丈夫。メルルちゃん張り切ってたからだいぶ遅くなるだろうし、ひょっとしたら盛り上がってどうにかなってるかもしれないしね。更衣室とか角も多いし」
「いやそれ普通にお店側に迷惑なんだけど……ちょっ、だから待ってって――」
 トトリは背後から鼻先をミミの髪にうずめ、深く息を吸い込んだ。
「ミミちゃん、良い匂いだね」
「〜っ……」
 うなじにトトリの吐息がかかる。ついで、暖かい唇がそっと耳たぶに触れた。たちまちミミの顔が真っ赤になる。
 これだから錬金術士は……と、どう考えても衣装作りとは関係無いところを撫でられながら、ミミは諦観のため息をついた。

 その後、だいぶ遅めに帰ってきたメルルはやたらと満足そうな表情で、ケイナはというと少し上気したように顔を火照らせていたそうな。
 ミミとケイナが無言のまま共感を覚え合ったのは言うまでもない。

おわり

801 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
主人公だけじゃなくて仲間キャラの着せ替えも実装してほしい今日この頃。

802 :
>>801おっつ!
着せ替えか…ロロナに期待してもいいかな…
ともかくロロナきてみんなテンション上がってるし更にssブーストとかごちそうさまでしたっ!
ミミちゃんとケイナは同じ境遇可愛い

803 :
>>800
ぐっじょぶ!
テイルズみたいに全員コスプレできたらいいのに

804 :
SS投下します。
ロロリエ時代のロロクーリオで三角関係風味(あくまで風味)。

805 :
 今期の王国依頼の期限間近――この時期のロロナは仕事で根を詰めていることが多い。
 無理はしないよう助手のホムが気をつけてはいるものの、アトリエ存続のために妥協は出来ないので、つい必要以上に力が入ってしまうのは仕方ない。
 しかし、適度に休息を取らなければかえって効率が落ちるし、過労で倒れでもしたら元も子もないだろう。
 そういうことにならないためにも、ちょっと強引にでも息抜きをさせるべきである。例えば最近街で評判の甘いお菓子でも手土産に、お茶の時間を過ごしに行ったり――

「……」
「……」
 ロロナのアトリエ。その玄関前。往来で、二人の少女が見つめ合っていた。
 見つめ合っていた、というのは些か語弊がある。どちらかというと、睨み合っていたというのが近いだろうか。少なくともお互い、親愛に満ちあふれた視線とはとても言い難い。
 一方の少女――クーデリアは、警戒の色を濃くした目で、相手を見つめている。その手に持った紙袋は、近頃アーランドで評判のお菓子屋のものだ。
 もう一方の少女――リオネラは戸惑いを露わにした目で、不安そうに相手の様子を伺っている。その手に持った紙袋は、奇しくもクーデリアと全く同じお菓子屋のもの。横にふわふわ浮かんでいるホロホロとアラーニャの二匹も、どことなく緊迫した雰囲気に黙り込んでいる。
 沈黙のまま、二人は状況を把握した。
 『考えていたことが被った』と。
「……こんにちは、リオネラ」
 先に口火を切ったのはクーデリアだった。
「こ、こんにちは」
「奇遇ね。あなたもロロナに会いに来たの?」
「え、あ……その……」
 直球の質問に、リオネラは目をそらしてしまう。言葉を詰まらせたリオネラの代わりに、ホロホロが口を開く。
「ああそうだよ。わざわざ手土産用意して陣中見舞いに来たのさ」
 ついでアラーニャも。
「あなたもそうなんでしょ。買ってきたお菓子が被ってるっぽいけど」
「うぐ……」
 クーデリアは決まりが悪そうに口をつぐむ。
「あ、あ、あの……い……」
「……?」
 リオネラが節目がちに、だが可能な限りクーデリアに目を向けながら、何事か伝えようとしている。
「クーデリアさんも、その……一緒に……」
「……」
 そこまで聞けば言わんとするところは分かった。確かに、この場で我を通して良いことなど無いだろう。クーデリアは軽くため息をついて、なるべく優しい表情で返事をする。
「分かったわ。せっかくだから三人でお茶にしましょうか」
「あ……うん!」
「おいおい、三人と二匹だろ。おっと、師匠のねーちゃんとホムのやつも入れたら五人と二匹か」
 ホロホロの軽口を背中に、二人はアトリエのドアを開ける。
「ロロナー、お邪魔するわよ」
「お、お邪魔します……」
 クーデリア達が挨拶してアトリエに入るが、いつもならすぐに返ってくるロロナの声が無い。
 その理由はすぐに分かった。ロロナはソファの上で横になり、穏やかな寝息を立てていた。
 だがしかし、それ以上に見過ごすことの出来ない状況が、クーデリア達の目の前にあった。
 ソファで横になったロロナは、同じくソファに腰掛けた少女型のホムンクルス――ホムの太ももに頭を乗せていたのである。
「ちょっ、あんた何を――」
「お静かに……」
 慌てて声を上げるクーデリアに対して、ホムは人差し指を口に当てる。
 ロロナが熟睡していることを確認したクーデリアは、小声でホムに訊ねる。
「ロロナは何やってんのよ? 仕事は?」
「王宮からの課題については、本日午前中に全て終わらせました。前回までの経験を活かし、今回は前倒しで予定を組んでいたので」
「そう。それはまあ、いいんだけど……で、ホムは何をやってるわけ?」
「マスターに膝枕をしています」
「何で?」
「膝枕は精神・肉体両面において高いリラクゼーション効果が期待できる休息方法だと聞きました。マスターはだいぶお疲れのようでしたので、この機会に実践してみたのです」
「いや、それは……間違ってるとは言わないけど……」
 クーデリアは苦虫を噛みつぶしたような顔で、ロロナを、そしてホムを見る。
 ホムはいつもと変わらず感情に乏しい表情で、見ただけでは何を思っているのか分からない。ロロナはというと、何やら良い夢でも見ているのか、実に気持ちよさそうな寝顔をしていた。

806 :
「ぐぬぬ……」
 クーデリアの心境をはっきり言ってしまえば、焼き餅だった。
(ロロナに膝枕するなんて、あたしでもやったことないのに……おのれ〜……!)
 そして先ほどから黙っているリオネラも、心の中は似たり寄ったりである。
(いいなぁホムちゃん……私もあれくらい積極的になれたら……)
 そんな二人の気も知らず、ロロナはすやすや眠り続けている。
「……ですが、これには重大な欠陥があることが判明しました」
「欠陥?」
 どことなく深刻そうな表情になるホムに、クーデリアとリオネラが首を傾げる。
「マスターを膝枕している間、ホムは身動きが取れないのです……!」
「いや、当たり前でしょそれ。ホムって賢いのかアホなのか、時々分からなくなるわね……」
 クーデリアはあきれ顔でため息をつく。
「あの、ホムちゃん……ひょっとして今、何かしなくちゃいけないことがあったりするの?」
 リオネラがそう訊ねると、ホムはこくりと頷いた。
「はい。採取や調合は現在命ぜられていませんが、アトリエ内の雑事や食事の支度などがあります」
「あ、それなら――」
「じゃあホムの代わりにリオネラが膝枕してやればいいんじゃねーの?」
「ええっ?」
 リオネラはホムの代わりに仕事をやろうと思ったのに、ホロホロが予想外なことを言い出した。
「ちょっ……待ちなさいよ」
 当然、その提案をクーデリアが看過するわけもない。あくまで小声で横槍を入れる。
「何でそうなるのよ、おかしいでしょ」
「おかしくなんかねーだろ。リオネラが代わりに膝枕すればホムは自分の仕事が出来るし、万事めでたしじゃねーか」
「それはそうかもしれないけど……」
「ははーん……さてはお前も膝枕したいんだろ?」
「なっ、何を……!?」
「お静かに。マスターが目を覚ましてしまいます」
「む……」
 ホムの一言で全員静かになった。実際のところ、ロロナはこれでもかというぐらい爆睡しており、多少騒がしくした程度では起きそうにないが。
「お二人にマスターの膝枕役を代わっていただくことについて、ホムは異存ありません」
 相変わらず淡々とした口調で、ホムは話を続ける。「あたしはそんなことしたいだなんて言ってないわよ!」……という台詞を、クーデリアは喉の奥に引っ込める。ここでそう言えばホロホロが「じゃあリオネラが交代して問題ねーよな」と言い出すのは明白だった。
「ですがマスターの体は一つなので、二人同時に、というのは物理的に困難です」 
「あ、あの、私は別に……」
「待てよリオネラ。せっかくのチャンスなんだから、ここは攻めるべきだぜ」
「これに関してはホロホロに同意ね。リオネラはもう少し積極的になっていいと思うわ」
「あぅ……」
 いつもの小心&引っ込み思案っぷりを発揮しそうになったリオネラだが、ホロホロとアラーニャに揃って背中を押されてしまい、黙り込む。実際、ロロナに膝枕してあげたいというのはリオネラの本心でもあった。
「……仕方ないわね。ここは公平にくじ引きで決めましょう」
 クーデリアが渋い表情でそう言った。
「わ、分かりました……」
 リオネラがその提案に頷く。
 くじを当てた方がロロナに膝枕をする……かつてない緊張感が、クーデリアとリオネラの間にみなぎっていた。
 しかし、
「お待ち下さい」
 早速くじを用意しようとしたクーデリア達を、ホムが止めた。
「何?」
「マスターの静養さえ図れれば、何も膝枕にこだわる必要は無いと思われます」
「つまり……?」
「膝枕と同じく、高いリラクゼーション効果のある睡眠方法があります。それならば――」
 ………………
 …………
 ……

807 :
 
「……ん……ふぁ……あー、よく寝たー」
 時刻は既に夕刻近く。長い午睡から目を覚ましたロロナは、違和感に気がつく。
「あれ? ここ……ベッド……?」
 ロロナの記憶が確かならば、アトリエのソファでホムに膝枕をしてもらっていたはずなのだが。ロロナが目を覚ましたのは、寝室のベッドの上だった。
「ホムちゃん、わざわざ運んでくれたのかな?」
 そんなことをつぶやきながら起き上がろうとすると、
 むにゅ
 と、やたら柔らかくてボリュームのある何かが手に触れた。
「へっ?」
 ロロナがびっくりしてそちらに目をやると、
「り、りおちゃん!? どうして?」
 そこにはロロナと同じベッドで、さっきまでのロロナと同じように熟睡しているリオネラがいた。ベッド脇にはホロホロとアラーニャも眠っている。
 ロロナが慌てて後ずさろうとすると、後ろに回した手が、
 ふに
 と、今度は控えめなサイズだがふっくらとした弾力を持った何かに触れる。
「って、くーちゃんまで!?」
 リオネラの反対側には、同じく熟睡しているクーデリア。
 どうやらロロナはベッドの上で、二人に挟まれるようにして眠っていたらしい。
「い、一体何が起こってるの……!?」
 状況が全く飲み込めず、混乱するロロナ。とその時、ノックの後に寝室のドアが開かれた。
「マスター、お目覚めですか」
「あっ、ほむちゃん! ちょっとこれどういうこと!? 何でくーちゃんとりおちゃんがいるの!?」
 ロロナはホムに対して矢継ぎ早に質問を浴びせる。ホムは慌てず急がず、静かに返答する。
「マスターがお休み中に来訪されたお二人が、マスターの膝枕役を交代すると申し出て下さったのです。しかし二人同時に膝枕をすることは困難なので、もう一つの方法をお願いしました」
「もう一つの方法?」
「はい。添い寝です」
「なっ……!?」
「これならば、マスター一人に対して、二人同時に出来ます。加えて、リラクゼーション効果は膝枕以上と言われています」
「ま、間違ってはいないんだけど、何かがおかしいよほむちゃん……」
 淡々としたホムの説明に、ロロナは頭を抱えてしまった。
「ていうか何でくーちゃんとりおちゃんはそんなの受け入れてるの……?」
 何でと言われたら、テンパっていたということになるのだろうか。
 添い寝をしているうちに本当に眠くなってしまったのだろう。すやすやと眠るクーデリアとリオネラを見やって、ロロナはため息をつく。
「とにかく、こんなところ師匠に見られたら何を言われるか分からないし、帰ってくる前に――」
「グランドマスターは三十分ほど前に帰宅されましたが」
「へ……?」
「寝室の様子を見て『二人同時攻略とは……私の知らないうちにそこまで成長したのだなロロナよ』と呟いてから『無性に酒が飲みたい気分だ。今夜は遅くなる』とまた出かけられました」
「ちょっ、ししょーっ!?」
「それから『ホムよ。私の代わりにロロナの性交――もとい成長を見守ってやってくれ』という指示を受けました。というわけなので、ホムは今夜マスターの成長について記録したいと――」
「ほむちゃーんっ!?」
 もはや突っ込みも追いつかないロロナが叫びを上げる。
 そんな中、クーデリアとリオネラの二人は、ロロナの残り香の中で幸せそうな寝息を立てていた。
 
おわり

808 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
ロロナリメイク決定ってことで、不足しがちなくーちゃん分に加えて、慢性的に枯渇しているりおちゃん分・ほむちゃん分も補充されますように。

809 :
アトリエは今日も平和だ

810 :
ごちです

811 :
連投気味ですがSS投下します。
メルリエ時代でメルケイ。若干のフアメルとトトケイも含む。

812 :
「失礼します。トトリ様、お手紙が届いています」
 ある日のお昼下がりのこと。いつものようにアトリエを訪れたケイナは、丁寧に挨拶をしてからトトリに一通の封筒を差し出した。
「ありがとう、ケイナちゃん」
 トトリが受け取った封筒の差出人を確認すると、そこには見慣れた筆跡でツェツィーリア・ヘルモルトと署名されていた。
「お姉ちゃんからだね。次はいつ帰ってくるのって催促かなぁ」
「トトリ先生のお姉さん……確かツェツィさんでしたっけ。どんな人なんですか?」
 調合作業に一区切り付けたメルルが、興味ありげに話しかけてきた。
「うん。綺麗で優しくて大好きなお姉ちゃんだけど、ちょっと過保護気味なのが玉に瑕というか」
 封筒を開けてトトリが中を見ると、時候の挨拶と家族や村の近況が一通り述べられた後、トトリの体調等を心配し、
 また近いうちに村に帰ってきて欲しい・今度はちむちゃん達もつれて帰ってきて欲しい・ミミちゃんとはその後どうなのか・私もお姫様に会ってみたい・ロロナ先生が幼女化した件について詳しくetcetc...
 過保護の一言では片づけ難い内容が綺麗な文字で長々と書き連ねられている。
「相変わらずだなぁ、お姉ちゃん」
「お姉さんか……」
「どうしたのメルルちゃん?」
「いえ、わたしは一人っ子なんで、姉妹ってどんな感じなのかなーって思いまして」
「ケイナちゃんがある意味、姉妹みたいなものじゃないの?」
「そうなんですけど、あくまで姉妹みたいなものであって、本当の姉妹じゃないので。それに年下のはずのケイナが、どっちかというと面倒見てくれるお姉さんみたいだし……」
「確かにね。そのへんケイナお姉ちゃんとしてはどうなのかな?」
「からかわないで下さいトトリ様……メルルに姉妹同然と思っていただけるのは、大変嬉しいです。しかし、あくまで私とメルルは主従関係ですから」
「違うでしょケイナ! 幼なじみの親友がメインであって、主従関係はあくまでおまけみたいなものなんだから!」
「いえ、ですからメルルは今はまだ王族なのですから、建前というものが――」
「仮に主従だとしても結婚を前提にした主従関係だから!」
「してませんよそんな前提!」
「まあ、二人は姉妹みたいに仲良しってことだね」
 読み終えた手紙を文箱にしまいながら、トトリは微笑ましげな表情だった。
「メルルちゃんは、もしできるとしたら、お姉ちゃんと妹どっちが欲しい?」
「うーん……迷うところですね。トトリ先生みたいなお姉さんは欲しいですけど、ロロナちゃんみたいな妹も捨てがたい……」
 単なる仮定の話なのだが、メルルは真剣に悩んでしまう。
 とその時、
「こんちわー。メルちゃんいるー?」
「あ、フアナさん。こんにちは」
 気さくに挨拶しながら、フアナがアトリエにやってきた。手にはいつものお裾分けと、新しいかわら版を持っている。
「何か外からだとメルちゃんとケイナちゃんが痴話喧嘩してる風に聞こえたんだけど、何の話してたの?」
「あー、実はですね――」
 メルルはかくかくしかじかと、簡潔に説明する。
「ほほう。メルちゃんが姉妹属性に目覚めたと」
「目覚めてませんから! フィリーさんみたいなこと言わないで下さい」
「冗談はともかく、一人っ子だと兄弟姉妹が羨ましいってのは分かる気がするわ」
「そういえばフアナさんも一人っ子ですよね。何か見た感じお姉さんっぽいですけど」
「うん。『弟か妹いるでしょ?』って昔からよく言われるんだよね」
 分かる分かる、とメルルだけでなくトトリとケイナも頷いていた。
「まあ、あたしにとっては、メルちゃんが妹みたいなものかも」
「ああ、確かに。フアナさんがお姉さんっていうのはしっくり来ます」
「うむ。というわけでメルちゃん! 親しみを込めて『フアナお姉ちゃん』って呼んでみて!」
「ええっ!? それはちょっと恥ずかしいような……」
 唐突な提案に戸惑うメルルだが、フアナはぐいぐい押してくる。
「試しにちょっと呼んでみるだけだから。ほらほら」
「えっと、それじゃあ……フ、フアナおねえちゃん」
「ぐはっ……!」
 ただでさえ可愛いメルルに照れ顔でお姉ちゃん呼びされたフアナは、すさまじい衝撃に膝をついてしまう。
「フアナさん!? 大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫。ちょっと予想以上の破壊力だったもんだから」
「はあ……よく分かりませんけど」

813 :
 そんなメルル達のやりとりを眺めていたトトリは、ふと先ほどからケイナが黙り込んでいることに気がついた。
「ケイナちゃん」
「はい。何でしょうか?」
「ひょっとして焼き餅やいてる?」
「……っ!」
 トトリの一言で、ケイナは頬を真っ赤に染めた。
「図星だった?」
「ち、違います。私は別に――」
「メルルちゃんに『ケイナお姉ちゃん』って呼んで欲しいんじゃないの?」
「欲しくないです」
「じゃあ逆にケイナちゃんが『メルルお姉ちゃん』って呼びたいとか?」
「呼びたくないです」
 きっぱり言い切るケイナ。その目に嘘は無いようだった。
「ふーん……ケイナちゃんは真面目だね」
「真面目とかそういう問題ではなく……立場というものがありますから」
 ケイナは物堅い表情で、王室付の女中らしく感情を抑えた声でそう言った。
「……ケイナちゃん」
「何でしょうか?」
「わたしのこと『トトリお姉ちゃん』って呼んで」
「はい!?」
 トトリの突拍子もない発言に、ケイナの目が丸くなる。
「ど、どうしてですか!?」
「わたしとケイナちゃんなら、立場の問題もないでしょ」
「それはそうですけど……だからってそんな」
「いいから。前から思ってたけど、ケイナちゃんにはちょっと遊び心が足りないよ」
「遊び心……ですか?」
「うん。メルルちゃんを大事にするのはいいけど、もうちょっと余裕を持つべきだよ」
「……」
 トトリに指摘されたそれは、ケイナ自身も薄々感じていた。
 ケイナにとってメルルは、親友であり幼なじみであり、仕えるべき主人であり、そして誰よりも好きな人である。お互い幼い頃は深く考えもしなかったが、思春期を迎えた頃から、その複雑な関係にケイナ自身迷いが無かったと言えば嘘になる。
 だからケイナは、自分の素の感情をなるべく抑え、表向きはあくまで姫様付のメイドとして、公的な立場に相応しく振る舞うよう心がけていた。特に人の目がある場所では。
 しかし、それに息苦しさを感じていたのも、また事実だった。なんだかんだと言っても、ケイナはまだ十代の少女であり、メルルのことを好きな一人の女の子でしかないのだ。

814 :
「ケイナちゃん、そうやって自分の気持ちにブレーキをかけるようにしてるから、わたしや他の人と接してても、どこか一線引いた感じが抜けないよね」
「そう……でしょうか?」
「うん。わたしはケイナちゃんに今よりもっと打ち解けて欲しいな」
「……」
「というわけで。まずは最初の一歩だよ。さあ、『トトリお姉ちゃん』って呼んでみて」
「ええと……それは、呼ばないといけないんでしょうか?」
「うん」
「どうしても?」
「どうしても」
 戸惑いながら問いかけるケイナに、トトリは一切迷いの無い目で頷く。
「で、では……ト……トトリおね――」
「待ったーっ!!」
 トトリとケイナのやり取りに横から待ったをかけたのは、他でもないメルルだった。
「きゃあっ!? メ、メルル?」
「びっくりした。メルルちゃん聞いてたの?」
「聞こえてましたよ! ケイナをたぶらかさないで下さい! いくらトトリ先生でも許しませんよ」
「たぶらかしてないもん。わたしはケイナちゃんともうちょっと仲良くしたいだけで」
「それでトトリ先生を『お姉ちゃん』とか言わせる必要全くないですよね」
「あ、ばれた」
「ったくもう……油断も隙もない」
 珍しくぷんすか怒っているメルルに、苦笑いのトトリである。
「それからケイナ。何度も言ってるけど、わたしとケイナに立場の違いなんて無いんだからね」
「いえ、気持ちは嬉しいのですが、やはりそういうわけには」
「仮にあったとしてもそれは、喩えるならハゲルさんの髪の毛みたいなものだから」
「その喩えはさすがに……」
「メルルちゃん、後でハゲルさんに謝っておくように」
「とにかくケイナはわたしにとって家族以上に大切で特別な人なんだから! そこんところしっかり自覚するように!」
「は、はい!」
 告白同然なことを力一杯断言するメルルに、否応無しに頷くケイナだった。
「なるほど……どっちかというとメルルちゃんの方が過保護で焼き餅やきなんだ」
「メルちゃんは割と昔っからあんな感じですよ。ケイナちゃん絡みだと、なにげに独占欲強い子で」
 フアナと小声でやり取りしながら、トトリはさもありなんと頷いていた。

おわり

815 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。

816 :
ttp://www.famitsu.com/news/201308/28038501.html
今後も男主人公出す気っぽいな…

817 :
結局エスカどうだったん?
また男出すなら買わないだけだけど

818 :
ラスボスとエスカのお母さん代わりのクローネが百合
ラスボス×クローネで個人的に今作の評価が上がった
ロジーはカッコイイし良い奴なんだがイベントの時いちいち一緒についてくるのは困る
アーシャのアトリエは良かったのにエスカはどうしてこうなったんだ

819 :
最後までアーシャ出ないとは思わなかったわ
未踏遺跡に行ったら、ちゃっかりいると思ってたのに
まぁ前作の貴重な百合要因のニオアシャベルとリンマリが男とフラグ立てなかったあたりは、ほっとしたけど
妄想出来なくも無いカプは、>>817の通りラスボス×クローネ、安定のリンカ×マリアン、エスカ主人公にしたルシルEDでのエスカ×ルシル、リンカ×リンカ(前作とは別人)くらい?

820 :
>>819
間違えた
>>817じゃなくて>>818

821 :
アーランド並みの百合度のシリーズが始まれば良いんだけどね…
そう言えば黄昏はエスカで完結?まだ続くのかな

822 :
ファミ通webのインタビューで100%やりきってないので、まだ続きますだって
ただゲームでは出さないってニュアンスにも聞こえる
あとはダブル主人公はおおむね好意的 この先男主人公にしたときロジーを超えられるかなとかか

823 :
SS投下します。
ロロリエのクーデリアEDから数年後の設定。もちろんロロクー。

824 :
 朝。カーテンの隙間から眩しい日の光がこぼれ落ちる。
 寝ぼけ眼をこすって上体を起こしたクーデリアは、自分が寝ていた場所が見慣れた自宅ではないことに一瞬動きを止め、そしてすぐに思い出す。
「あー……昨日アトリエに泊まったんだっけ……」
 頭をかきながらベッドから這い出し、シャワーを浴びようとアトリエ寝室横の浴室に向かう。勝手知ったる他人の家――というのは数年前の話で、今はクーデリアが実質このアトリエの責任者となって、パートナーのロロナとともに切り盛りしていた。
 ここ数日は仕事が立て込みてんてこ舞い。そして全てが片付いた昨日、疲れ果て、もはや自宅へ帰る気力もなかったクーデリアは、そのまま仕事場であるアトリエで一泊し、今に至るというわけだ。
(……そういえばロロナはどこ行ったのかしら?)
 浴室でシャワーを浴びながら、ぼんやり考える。昨晩ロロナはクーデリアを抱いて寝ようとして頭をはたかれ、その後大人しく自分のベッドで眠っていたはずだが。寝室にその姿は見当たらなかった。
 着替えて寝室に戻った時、クーデリアはふと、台所から良い匂いがしていることに気付く。朝食を作っているようだ。
(へえ。気が利くじゃない)
 ロロナ一人の時は、朝食は簡単に済ませてしまうらしいが、クーデリアのために早起きしてくれたのだろうか。そう考えたクーデリアは、上機嫌に匂いの元へと向かう。
「おはよう!」
 飛びっきりの笑顔で朝の挨拶をする。が、
「おはようございます。社長」
 丁寧にお辞儀をして挨拶を返してきたのは、ホムンクルスの少女、ホムだった。エプロン姿で包丁片手に朝食の準備をする姿はまるで幼妻のよう――いささか外見年齢が幼すぎる気もするが、とにかくなかなか様になっていた。
 てっきりロロナだと思って肩すかしを食らったクーデリアだが、すぐ立ち直る。
「えーっと……ロロナは?」
「マスターはホムに朝食の準備をするように指示した後、ソファで二度寝中です」
 クーデリアがアトリエに向かうと、その通りロロナはソファでぐーすか眠っていた。
「まったくもう……ロロナ、起きなさい」
「むにゃむにゃ……もう食べられないよぅ……zzz」
「ベタすぎる寝言言ってないで、起きなさいってば。もう朝よ」
 熟睡しているのか、声をかけるだけでは起きそうにもないので、揺さぶってみる。
「ロロ――」
「ん〜……えい」
「っ!?」
 一瞬の油断。獲物を飲み込む蛇のような俊敏さで、ロロナはクーデリアの体を抱きしめていた。
「ちょっ……ロロナ!? あんた起き――」
「くーちゃんやぁらかいよぅ……zzz」
「って、寝ぼけてるだけか!」
 寝ぼけてはいても――否、正気でない分よっぽど危ない。お互いの顔はうっかりすれば触れ合いそうなほど近く、吐息が肌で感じられる。柔らかい体がこれでもかと密着して、髪の匂いがほのかに鼻孔をくすぐる。クーデリアの顔はたちまち真っ赤になった。
「ロ、ロロナ、放してよ」
「く〜ちゃ〜ん……zzz」
 抱き枕状態のクーデリアが訴えるが、聞こえているのかいないのか、ロロナはますます強く抱きしめる。
「ちょっ、やっ、そんなにしたら――」
「んー……zzz」
 繰り返すが、ロロナは眠っている。眠っているままで、クーデリアから見て危うい位置にロロナの顔がある。
「……〜っ!」
「……相変わらず、マスターと社長は仲が良いですね」
「ぎゃーっ!?」

825 :
 朝食をトレイに乗せて運んできたホムに、クーデリアは慌てふためく。
「ななななな何覗いてんのよあんた!?」
「覗いてはいません。むしろ社長が見せつけているかと」
「見せつけてないわよ! ロロナが寝ぼけて抱きついてきただけで――」
「分かっています。少し待って下さい」
 ホムは手に持ったトレイごと、出来たてホカホカの朝食をロロナのそばに近付けた。程よく焼き色のついたトースト。ふわふわに輝くチーズ入りオムレツ。季節の野菜のフレッシュサラダ。細切りベーコンとオニオンのスープ……食欲をそそる香りが満ちている。
「マスター。食事が出来ました」
 その途端、ロロナはバネ仕掛けの玩具のように勢いよく身を起こした。
「あ。ほむちゃんおはよう」
「おはようございます。マスター」
 すっかり目を覚ましたらしいロロナは、アトリエ内をきょろきょろ見回して首を傾げた。
「あれ? くーちゃんは?」
「先ほどからマスターがぬいぐるみのように抱いている存在が、おそらく社長で間違いないと思われます」
「えっ!? あれ!? くーちゃんいつの間にわたしの腕の中に!?」
「気付いてなかったんかい!?」
 本気で驚いているロロナに、口調を荒げて突っ込むクーデリア。
 眼鏡をかけたまま気付かず眼鏡を探す人もいるというが、親友を抱きしめたまま親友を探すというのは、天下広しと言えどロロナにしか出来ないことだろう。
「いやー、ごめんごめん。夢の中でもくーちゃんが近くに寄って来たもんだから本能でつい」
「どんな本能よ。まったく……」
 解放されたクーデリアはぶつくさ言いながら、まんざらでもなさそうだった。
「マスター。早くしないと食事が冷めてしまいます」
「あ、うん! 食べる食べる」
 テーブルに朝食を並べて、三人は席につく。ホムが作ったごはんは、文句なしに美味しかった。
「ねえくーちゃん。しばらくはお休み取れるんだよね?」
 朝食後のお茶を飲みながら、ロロナがクーデリアに訊ねる。
「そうね。大きな仕事は全部終わったし、ちょっとした休暇ぐらい取れるわよ」
「それじゃあ久しぶりにどこかお出かけしない?」
「それもいいけど……」
 クーデリアは少し考えてから、口を開く。
「良い機会だから、例の件を再考してみない?」
「例の件って?」
「錬金術の弟子探しのことよ」
「あー……それ、どうしても見つけなきゃダメ?」
「あんたの代でアトリエ終わらせていいの?」
「いくない」
「もう一度正しく」
「よくない」
 アトリエの後継者が必要なのも無論だが、差し当たっての問題として人手が足りないということがある。
 アストリッドが遠方に旅立ってから、今のアトリエで錬金術を使えるのはロロナ一人。
 事務やスケジュール管理、顧客との交渉、その他諸々……採取や調合以外の仕事はほぼ全てクーデリアが引き受けているが、やはり現場で作業する人間がホムも含めて二人だけというのは厳しいものがある。
「でも今までの弟子候補の子達も、みんなダメだったし……」
「ダメだったのはあんたの教え方だからね? 素人目にも明らかだから」
「ホムも社長に同意します。あれは本当にダメダメでした」
「ううっ、ほむちゃんまでそんな……」
「事実を受け入れなさい」
 以前、錬金術の弟子を募集し、数名の若者がアトリエに集まった。クーデリアの目から見て、各々ばらつきはあれど知性・教養ともに水準以上の優秀な人材だった。
 だがしかし、その誰一人として錬金術の基礎すら身につけることが出来ずに、アトリエを去っていった。
 集まった若者達に非は無い。問題は教える側にある……その時の授業風景を見た人間の、共通認識であった。
「何で全ての過程を擬音で表現するのよ? 素材の配合率をジェスチャーで教えようとするのよ?」
「う……だ、だって本当にああいう風にしか言えないんだもん」 
 冗談ではなく本気で困り顔のロロナに、クーデリアはため息をついた。
「弟子がどうこうより前に、あんたのその感覚的な教え方をどうにかするべきかしらね……」
「わたしまだ若いんだから、そんなに焦らなくていいんじゃないの?」
「いいえ。出来るだけ早めに対処すべき問題よ。将来このアトリエが無くなるなんてことになったら、それこそアーランド全体の問題なんだから」
「それならわたしの子供に継がせるとか」
 その発言に、クーデリアは口に含んでいたお茶を危うく吹きそうになる。

826 :
「なっ……こっ、子供って、誰との!?」
 まさかロロナにそんな当てがあるのか? あるいは既にどうこうなっていたりするのか? クーデリアの脳裏に混乱の渦が巻き起こる。
 しかし一部残った冷静な部分は、可能性を持ちうる数名の男性をリストアップすると同時に、自宅に保管してあるライフル銃の整備状況と弾のストックについて思考を巡らせていた。
「ううん。別に当てがあるわけじゃないんだけど」
 それを聞いてクーデリアは大きく安堵し、最新の光学式スコープの手配については頭の隅に追いやった。
「錬金術で作れないかなーって」
「ああ、つまりホムみたいな? でもそれじゃあアトリエを継がせることは出来ないでしょ」
「その通りです。ホムに出来るのはあくまで補助であり、ホムが錬金術士になることは出来ません」
 ホム――ロロナの師匠アストリッドが作り出したホムンクルスは非常に優秀で、錬金術の助手としてはこの上ない存在だ。
 しかし、ホムンクルスはその性質上、既にあるものを模倣することは出来ても、新たに独自のものを創造することができない。模倣を繰り返すだけでは、進歩や多様性が生まれず、停滞してしまう。それでは錬金術というものの魅力・本質を失うのと同じことだ。
「違う違う。ほむちゃんとはまた別の方法」
「別のって? 錬金術で生み出す生命体=ホムンクルスじゃないの?」
「そうじゃなくて、錬金術で赤ちゃんを産めるようにするの」
「…………」
 そのぶっ飛んだ発想に、しばし呆然とするクーデリア。ロロナは構わず話を続ける。
「不妊症の治療について研究してたんだけど、その過程でたまたま画期的な方法を思い付いちゃって」
「思い付いちゃって、って……そんな軽いノリで」
「ちなみに遺伝情報の提供は性別問わずにいけるから、わたしとくーちゃんの子供も作れるよ。むしろ作ろう!」
「ぶっ……!?」
 今度こそ口に含んでいたお茶を盛大に吹き出すクーデリアだった。
「げほっ、げほっ……」
「くーちゃん大丈夫?」
「だ、大丈夫……じゃなくて! 何なのよいきなり!? ふざけてるの!?」
「何が?」
「あ、あたしとロロナで……こ、こ、子供、作るとか……」
「嫌?」
「嫌とかそういう問題じゃなくて……」
 急展開すぎる話に混乱するクーデリアは、言いたいことが上手くまとまらない。
「子供作るなんてこと、そんな急に言われても……決められるわけないじゃない。第一、そういう関係になるんだったら、色々と、その、段階っていうか、済ますべき儀式ってものが……」
「急って、別に今すぐの話じゃないよ? そもそもまだその方法完成してないし」
「へ……?」
「どうしても弟子が見つからなかったら、最終手段ってことで」
「あ……」
 先走ったことを口にしたのに気づいたクーデリアは、耳の先まで真っ赤にしていた。
「くーちゃん顔赤いよ。熱?」
「違うわよ! 何でもないから!」
「ならいいんだけど……あ。そういえば、その研究とは別で、ホムンクルスを作る研究もしてるんだよ」
「へえ。あんたも作れるようになったの?」
「まだほむちゃんみたいに完全な人間型は無理だけどね。名付けて『ちっちゃいほむちゃん計画』!」
「また分かりやすい計画名ね……」
「ホムの仲間が出来るのは楽しみです」
「ああ、そっか。ホムにとっては妹か弟みたいな存在になるのね。……で、話を戻すけど」
「あぅ……やっぱり戻っちゃうんだ」
「当然」
 アトリエの後継者の問題は、なるべく早急に解決すべきことである。
「さっきも言ったけど、まずロロナの教え方をどうにかするべきね。感覚に頼った説明をなるべくやめて、分かりやすいように図入りのマニュアルを作るとか」
「う〜ん……なんだか面倒くさそう」
「面倒くさくてもやらないとどうにもならないでしょ。それともあんたの教え方で錬金術が使えるようになる奇跡のような人材が見つかることに賭ける?」
「たとえ99%無理であったとしても、1%の可能性があるのならわたしはそれに賭ける!」
「どこのバトル漫画の主人公だあんたは」
 無駄に力一杯答えるロロナに、頭を押さえるクーデリアだった。

827 :
「あ、そうだ。アーランドだけじゃなくて、もっと田舎の方の町や村に、弟子になれそうな子を探しに行かない?」
「ふむ……それも一つの手ではあるわね。むしろ都会で探すより面白い子が見つかるかも」
「でしょでしょ。実は前から行ってみたいところがあったんだ。アーランドからかなり南の方にある村で、海がとっても綺麗な――」
「あんた弟子捜しを旅行の口実にしたいだけでしょ」
「ぎくっ」
 図星を絵に描いたような表情になるロロナ。クーデリアの視線は冷ややかだ。
「で、でもほら、くーちゃんさっきちょっとした休暇なら取れるって言ってたでしょ。それなら旅行と一緒に弟子捜しもしちゃえば一石二鳥じゃないかなーって……」
「……」
「思うんだけど……」
「……」
「……ダメ?」
 不安そうな目でクーデリアの返事を伺うロロナ。
 しばしの沈黙の後、クーデリアは大きなため息をついた。
「しょうがないわね。ただし、あくまで弟子捜しがメインだからね」
「やった! ありがとう! くーちゃん大好き!」
「わあっ、ちょっ、抱きつくな!」
 仕事中に厳しく接している反動だろうか、最近のロロナはどうもクーデリアに対するスキンシップが過剰である。
「く〜ちゃ〜ん♪」
「撫でるなーっ!」
 旅行に行けるということで上機嫌なせいか、いつもの三割増しでクーデリアを愛でるロロナだった。
「ではマスターと社長は、明日旅行に出発されるということでよろしいですね」
「うん。あ、もちろんほむちゃんも一緒だよ」
「しかしそれではアトリエが留守になりますが」
「たまにはいいよ。せっかくの家族旅行なんだから、ほむちゃんも一緒じゃないと」
「それを言うなら社員旅行でしょ」
 クーデリアが突っ込むが、ロロナは首を横にふる。
「わたしにとってはくーちゃんもほむちゃんも家族みたいなものだもん」
「それは……まあ、別にいいけど」
 照れくさいのか、クーデリアは頬を赤くしてそっぽを向いていた。
「じゃあ今日は旅行の準備だね。道中食べるパイを用意しないと」
「パイ以外の選択岐は無いわけ?」
「無いよ?」
 人間としても錬金術士としても成長したロロナだが、パイに賭ける情熱は相変わらずである。真顔のロロナに、何も言い返せないクーデリアだった。
「それじゃ、あたしも家に帰って支度してくるわ。明日の朝にまた来るから」
 時計を見ながら、クーデリアは席を立った。
「……ねえ、くーちゃん」
「何?」
「前にも言ってたけど、くーちゃんもアトリエに住んだら?」
「あー……それは……」
 現在クーデリアは実家住まいで、ロロナが住むアトリエには毎朝早くに通っている。アトリエに住んだ方が、何かと便利なのは事実なのだが。
「師匠はもういないし、部屋は余ってるし、遠慮なんてしなくていいのに」
「遠慮とかじゃなくて、あたしはあくまで仕事で来てるんだから、この方がメリハリがあって良いのよ」
 もっともらしいことを言っているが、実際はロロナと一つ屋根の下で暮らすということに、恥ずかしいやら何やらでふんぎりがつかないのが主な理由である。
「でも――」
「会おうと思えばすぐ会える距離なんだから、別に問題無いでしょ」
「異議ありです。社長」
 ロロナとクーデリアの会話に、突如ホムが割って入る。
「仕事を理由とするならば、社長がアトリエに常駐した方が、不足の事態にも対処しやすく、業務は効率的に回ります。アトリエは居住空間としての環境も、決して悪くありません」
「ぐ……」
 理詰めで来られると弱い。クーデリアは反論の隙を見出せない。

828 :
 ホムの援護射撃によって勢いに乗ったロロナは、身を乗り出すようにして一つ提案する。
「じゃあこうしよう! わたしは弟子探しのことを真剣に考えるから、その代わりくーちゃんはアトリエに住むことを真剣に考えるの」
「な、何よそれ!?」
「いいでしょ別に。今回の旅行が終わったらお引っ越しする方向で」
「では、住民票の変更届を用意しておきますね」
「よろしくほむちゃん!」
「ちょっ、そんな勝手に――」
「さぁて、旅行もお引っ越しも楽しみだな〜!」
 にこにこ笑顔なロロナの中では、クーデリアがアトリエで住むのが既に確定しているらしい。
「全くもう……」
 こうなってしまうと、強情に突っぱねるわけにもいかない。クーデリアは観念してため息をついた。
(……でもまあ、いいか……家族みたい、っていうのも悪くはないしね……うん。悪くはないんだけどね)
 ほんの少しだけ不満まじりに胸中で呟きながら、クーデリアは気を取り直す。
「ところでロロナ。さっきの発言はつまり、あんた元々は弟子捜しを真剣に考えていなかったってことじゃ」
「あーっ! 旅行楽しみだなぁ! うん!」
「……」
 露骨に誤魔化すロロナに、とりあえずデコピン一発食らわせておくクーデリアだった。

おわり

829 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
新ロロナを心待ちにしてる中、くーちゃんエンド後で何か書いてみたくなった。
新ロロナでくーちゃん絡みのイベント増えますように。もちろんりおちゃん、ほむちゃんも。あと師匠とエスティさんとパメラとティファナさんも。
スケさんは無双で存分に活躍して下さい。

830 :


831 :
乙です
アトリエは黄昏シリーズ以外に期待するしかないのかなあ

832 :
|ω・`)
えー…かなり前にトトミミで続きもののSSを書いていたものです。
多分10ヶ月くらい、まえに…前話を……(白目
遅くなりすぎててどんだけだよって感じですが、
読んでやんよって猛者はおなしゃすっ!
内容わかんなかったりしたら、前スレをたどるかpixivにもあげてあるんで…もーしわけないです!

833 :
『ガラスの花』
6話

「あ、先生! あれ見てください! 美味しそうな屋台ですよ、おやつ食べませんか!」
「ふふ、本当だ。うーん、じゃあ、ちょっと寄り道しようか」
「やったー!! あ、私買ってきますね。トトリ先生は荷物あるし。ちょっとここで待っててください!」
そう言って元気よく屋台の列に向かってメルルちゃんが突進していく。
止める隙もない素早い行動に、私はちょっと笑ってしまう。
そんなにおやつが食べたかったのかな。
ちょっとした広場の中に何個か屋台が置いてあるが、メルルちゃんが向かったのはスイーツを売ってるところ。
お目当て屋台の周りにはクリームをたっぷりと乗せた、見かけたことのないお菓子を食べている人がいる。
ただ並んでいる列が長めなので、私が知らないだけで、結構有名な食べ物なのかもしれない。
道の真ん中でぼうっとしてても邪魔だから端っこに置いてあるベンチに移動する。
「よいしょっ…と」
どさっという音とともに、私はベンチの上へ大量の荷物を置いた。
今日は錬金のための材料の買い出し。
本当は採取に行く方が好きだけど、期間がなかったり、簡単なものを大量発注されたりすると買い物で間に合わせる。今回は後者。小麦粉を大量発注されたので、小麦を大量に買い込んできた。
軽いんだけど、かさばるんだよね、これ。
荷物を持ってて硬くなった手首をほぐしながら、ベンチに腰掛ける。
「いい天気だなぁ…」
空を見ると、雲は一つもない。
ぼう、としながら空を見る。鳥が一羽、太陽と真逆へ飛んでいく。
こういう時間は久しぶりかもしれない。
何もしない時間が最近なかった、いや、正確には空白の時間を作らないよう、錬金術の依頼をキツキツに詰め込んでいたからからだ。
何もしないでいると益体もないことばかり考えてしまう。
その主な原因は、メルルちゃんから言われた事。
至った結論とともに、ため息が溢れる。
口から出ていく空気と一緒に悩み事も何処かへ言ってくれればいいのにな。
そんな風に世界が単純にできていれば簡単なのにな。
メルルちゃんから数日前に言われた内容。

834 :
『それは、先生は―――このままミミさんが誰かに取られちゃっても平気って事ですよね?』
そうだよ。平気。
だってミミちゃんとは友達に戻れればそれでいいんだもの。
友達に戻って、また一緒に話したり、遊んだり、冒険したり出来ることを望んでいるんだから。
ミミちゃんが誰を好きになって誰のことを大事にしてもそれは構わない。いや、むしろそうあって欲しいと望むのが友達だ。
私よりもミミちゃんにふさわしい人がきっといる。
なんでミミちゃんが私なんかを好きになってくれたのかわからないけど、ミミちゃん程の人なら、きっと思いを返してくれる人がいるだろう。
というかミミちゃんの方が思いを告げられる方が多そうな気がする。
それに私は錬金術しかできないし、どんくさいし、ミミちゃんに迷惑ばっかりかけてしまう。
そう、だから。
だからミミちゃんが心の底から笑顔になれる誰かは。
笑顔にしてあげられる誰かは―――。
「……私じゃないんだよね」
ちくりと胸が痛む。
でもこれは必要な胸の痛み。
友達が傍を離れて言ってしまうのは寂しい。
好きな人ができれば自然とそうなるだろう、その人との時間を大切にするようになるのだから。
ミミちゃんが笑えて、私もその笑顔を見れればいいんだ。
ミミちゃんには幸せになって欲しい。笑っていてほしい。
だから、私じゃ、ダメ。
自分勝手で、独善的な私じゃダメなんだ。
真っ黒な思いしか抱えられない私じゃ、ダメなんだ。
友達としての立場を守ろうとしか出来ない私じゃ―――
「先生? どうかしました??」
「……っ!? メ、メルルちゃん!」
気づけばメルルちゃんの顔が目の前にあった。
思わず体がビクッとして、椅子の背もたれに向かって背がのけぞる。
そんな私をメルルちゃんの方も驚いた表情で見てくる。

835 :
「何度か声かけたんですが……反応が無かったので。驚かしちゃったみたいですね」
「あ、う、ううん。ちょっとぼーっとしてただけだよ。こっちこそ気づかなくてごめんね」
「いえ、いいんですけど……。あ、これ、買ってきました」
ちょっと心配そうな顔をしながらスイーツを差し出すメルルちゃん。
私は苦笑いしながら黙ってそれを受け取る。
まさかメルルちゃんの言葉が気になって、ぼーっとしてました、なんて言えないもんね。
とりあえず、ぱくっと一口。
「あ、美味しい」
「ほんとですね!わぁ、噂では聞いてたけどやっぱりここのってこんなに美味しかったんだ〜。これからちょくちょく来ようかな!!」
「ふふ、それがいいね。私もまた来たいな」
「トトリ先生も乗り気ですね! 今度来た時は別の味試してみましょうよ!」
目を輝かせながらスイーツをかじっているメルルちゃん。
そんな顔をみるほっとする。さっき見たいなメルルちゃんらしからぬ表情を浮かべられていると、困る。
だってその表情をさせているのは間違いなく私なわけで。
私の悩みをメルルちゃんに押し付けるわけにはいかない。
といっても、最近はメルルちゃんはミミちゃんの話題をふってこない。
というかあの一言を言われた日から全く触れない。きっと気を使ってもらってるんだろう。
自分で答えを出せるように。
ただ、気になることがある。
メルルちゃんが言ってた、ケイナちゃんのこと。
ケイナちゃんがミミちゃんの事を――って思いもよらなくて。
本当にそうなのかなって思う私がいる。だって二人の接点ってあんまりない気がするんだけど……。
でもそんな大事なことでメルルちゃんが嘘をつくわけないし、嘘をつく意味もない。
メルルちゃんはケイナちゃんに対して、なにか伝えたのか。
ケイナちゃんはミミちゃんに対して、なにか伝えたのか。
知りたいことは多いけど、私はメルルちゃんに聞けていない。
「先生、そっちの味も試したいんですけどちょっと一口頂いてもいいですか?」
「え?あ、いいよ。私もメルルちゃんの方、食べてみたいな」
ふと我に返ってよく見るとメルルちゃんと私のスイーツでは味が違うようだ。
こんなことにも気づかないなんて注意力散漫だなぁ、なんて思いつつメルルちゃんに向かってスイーツを差し出す。
そこに勢いよくかぶりつくメルルちゃん。
「ん! 先生のも美味しいですね。こっちのほうがちょっと濃厚かな? 私のもどうぞ!」
「うん、それじゃあもらうね」

836 :
メルルちゃんが差し出してくれたスイーツは、なるほど、私のと色と香りが違う。
味の方はどう違うのかな、なんて思いながらスイーツに顔を近づけようとした。

視界の端に。
見慣れた赤がちらついた。


「―――……あ」
風に揺れる黒髪。
凛とした立ち居振る舞い。
その姿は、私が会いたくなくて、すごく会いたかった人。
唇が震える。
目線が釘づけになってしまって、動かせない。
あの人は私たちと同じスイーツを持っている。両手に。
そして歩いていくあの人の先にいるのは。
――――ケイナちゃん…?
あの人が左手に持ってるスイーツをケイナちゃんの方に差し出す。
ケイナちゃんは差し出されたスイーツを受け取り、代わりに手に握っていた何かを渡そうとする。
しかしあの人は頭を振って断ったようだ。
するとケイナちゃんは、はにかむように微笑んで頭をひとつ丁寧に下げる。
あの人はその姿に慌てたように手を振る。
そして、二人は。
「先生、どうかしました? 食べないんですか?」
その声に急速に意識が固まる。
固まって、ぐちゃぐちゃに絡まっていく。視界が細かくぶれていく。見ていたくないと、誰かが叫んでいる。
それでも頭を押さえつけられているのかのように、釘付けられた目の位置は動かない。
そこだけ切り取られたかのように、景色はゆっくりと進む。
止まることなどない。だってここは現実だから。
だから、二人は、あそこで。
「先生? あっちに誰かいるんですか? ――あ」
ここはどこだ。私はどこにいる。
横にいるのは、だれだ。だれだ。違う。あの人じゃない。
私の横にいるのは、違う。あの人じゃない。だってあの人は、あの人は。
遠くで私以外の、誰かと、幸せそうに、笑っている。

「ケイナと、ミミさん……」

つぶやかれたその名前は、小さな引き金そのものだった。
引き絞られるように胸の中で何かが尖っていく。

837 :
あまりにも鋭利で、触れ得るものすべてを傷つかせかねない感情の刃。
それは私の心をずたずたに引き裂いていく。
「――――そっか……これ、が……」
「先生?」
思わず右手で胸を掴む。
もちろんそこには怪我などなく、ただ心臓の鼓動だけが大きく伝わってくる。
だが、感じる胸の痛みは偽物などでは、ない。
これは。
この、痛みは。
はじかれたように足が動き出す。
先生、と私を引き止めるメルルちゃんの言葉が耳をすり抜ける。
跳ね上がった息が苦しい。
だが止まれるはずなどなかった。走り続けねば息ができなくなってしまう。
湧き始めたどす黒い何かを振り切るように。
今この場で喉元まで出かかっている何かを溢れさせるわけにはいかない。
灰色にしか見えない景色がどんどん後ろへ流されていく。口元から聞こえる呼吸音が耳障りでうるさかった。
こんな景色が見たいわけでも、こんな音が聞きたいわけでもなかった。
気づいてしまえば何よりも簡単だ。
そんなことにすら気づかなかった私は愚かだ。
愚かで、弱虫で、卑怯者だ。
立ち止まっても。
逡巡しても。
目をそらしても。
――――あの人なら、私を、見ていてくれるのだと。
そう、思っていたのではないか。
自己嫌悪に苛まされて、あの人が私のそばから去ってしまうのかもしれないと自問自答して、答えなど出ないと悩んでいる振りをしている間すら。
心のどこかで、あの人なら、と思っていたのではないか。
そんなこと、ありはしないのに。
分かっていたのに。
そばに居る人がある日突然いなくなってしまう、そういう事はありふれて起こりうるのに。
自分で目の当たりにするまでその事を忘れていたなんて。

838 :
バタン、と扉を閉めた。
どの道を走って戻ってきたのか覚えていないけど、アトリエに戻ってきていた。
ぜいぜいと止まることのない肺の動きとともに、汗が一筋あご下へつたっていく。
ぼんやりとあたりを見回して、ふとメルルちゃんも荷物も全て置いてきてしまったことに気づいた。
「あ、は、はは」
ぐぅっと喉がなる。
自分の愚かさに笑おうとしたのにうまくいかない。
ひきつる頬の筋肉が、笑の形を作ることはない。
「お、かしいな。わたし……」
呟きながら、鉛のように重たくなった足を前へすすめる。
軋む視界の中に、机の上のドライフラワーの小瓶がよぎる。
「あれ、は……」
ゆっくりと机に近づいて、小瓶を手に取る。
これは、あの人に。渡そうって。渡して仲直りして、また二人で―――。
だけどもそれはかなわない。
かなわなくなってしまった。
かなわなくしてしまった。
あまりにも遅すぎた。自覚するのが。
振り返れば気づくときなどいくらでもあったろうに。
お母さんのときのように、すべての事から逃げ出してしまったのだ。自分の気持ちも、あの人の気持ちも全部全部放り投げて。
変わる事への勇気より、停滞の心地よさを選んだ。
だからこそ、もう戻れなくなってしまったのだ。

839 :
あの人は言うかもしれない。友達だよって。そばにいるよって。
でもそれではダメなのだ。
その優しさに甘えることは、もうできない。

「だって、もう」

恋しい心をしってしまった私には。

「むりだから」

その言葉とともに、握り締めた小瓶を床に叩きつけた。
割れたガラス片と散らばった赤い花びらの上に、私の頬から雫が落ちていく。
それでも一度乾いた花びらは潤うことなく、雫はただ上滑りする。
まるで、遅すぎた恋のように。

続く

840 :
最低に暗いところで終わります。
なんとか早めに完結まで持っていきたい…。予定は未定。
ここまで読んでくれてどうもでした!!!

841 :
乙です
ゆっくり完結まで頑張ってください
>>831
黄昏シリーズは多分この先も同じ路線でしょうな
W主人公がダメってわけではないんだけどそれやるならマナケミアで頑張れよと思った
この変わりようは別ゲーだけどサモンナイトシリーズを思い出す
狙った娘とED迎えたと思ったら相方がでしゃばってきたりそもそも相方としかEDがなかったり
嫌な思い出だ

842 :
マリリンがある限り俺は頑張れるぜ?

843 :
俺はベルちゃんがいれば大丈夫
ただしDLC商法、てめーはダメだ

844 :

続き待ってます

845 :
DLC嫌いだけど百合EDあれば速攻買う自分が余裕で想像できるな…
>>841サモンナイトといえば4でどう頑張ってもフェアでエニシアED行けなかったの思い出した
男主人公でしか行けなかったんだって…
アトリエもこうゆうEDきたら泣く泣く

846 :
サモンナイトならやっぱりクラフトソード物語が百合的には最高だろ
女主人公でシュガレットをパートナーにした場合のみキスありとか公式ノベライズで堂々と夜這いとか
アトリエもこれくらいやってくれてもいいのよ

847 :
キスすんの?公式でw
是非ともアトリエでもやってほしいな

848 :
シュガプラはプラティが徐々に染まっていくのがいい

849 :
クラフトソードは良かったよね…
1と2と石全部やったけど百合あったし楽しかったな
ってここアトリエスレだぞっ

850 :
アトリエでクラフトソードみたいに百合ん百合んな外伝作ってほしいってことだよ
トトリちゃんもシュガレットみたいに初対面でミミちゃんにキスして結婚を迫ればいいんじゃないかな

851 :
トトリとミミは剣呑な出会いから距離感図りつつ徐々に絡まっていく感じがいいんじゃないか

852 :
そういえばロロナ延長戦とイベント追加あるんだね
ひっさしぶりに初代スケさんのCGみてこんなんだっけと笑ってしまった

853 :
延長戦で不安なのが、メルル+の伏線回収してトトリ・メルルが登場した場合、トトリのアトリエとの矛盾を無くすためにまたロロナの記憶がいじられるかもしれないんだよな・・・
そしてそれを実行させられるとしたらほぼ間違いなく師匠なんだろうな・・・

854 :
師匠がすごいのはわかるしマッドなのも認めるけど
面倒事を師匠にブン投げるのはやめてほしいんだがな
たしかひねくれたのだって元は王国の扱いのせいだったし無茶は言うけど最低限の良識はあったと思うのに
メルルでのあれはちょっとどうかと思った
まあメルルに出た前作キャラは性格がだいたいおかしなことになってるけど

855 :
メルルでの師匠の行動は小説のほうでフォロー入ってた気がするけど
まあ便利キャラだしねえ
困ったら師匠がやりましたになっちまうのは宿命かあ

856 :
会話見て一瞬本スレかと思ったよ!
矛盾が発生しそうなのは心配だけどトトリとメルル連れてくるならミミちゃんとケイナも連れてきてほしい(お願いします)

857 :
ケイナはともかくミミちゃんは幼少時の自分に遭遇してしまう可能性が大だからな…
もういっそ全員仮面つけてマスク・ド・T、マスク・ド・M、マスク・ド・M、マスク・ド・Kってことにすりゃいいんじゃないだろうか
Mが2人いる気がするけど、片方は嗜好的な意味だから問題無いよ!

858 :
美少女4人の変態仮面とかすごい光景になりそうだw
幼女ミミちゃんは少し期待してるw

859 :
顔を仮面で隠した脇見せレオタード姿の二十歳前後の女性が貴族の幼女をストーキング…

860 :
そうゆうの最高だけどあまり期待しちゃだめだよ…っ!
後のダメージが…

期待したいけどおお!

861 :
時間跳躍前にマークさんからビデオカメラ借りてきて幼女ミミちゃんを撮影しまくるトトリ先生がスケさんに職務質問されるまで想像した

862 :
幼女ミミちゃんとかおいしすぎるネタ
まぁなかったら脳内で補完するか

863 :
ミミちゃん6歳とフィリーちゃん13歳が登場するか否かで評価が割れそうだな
フィリーちゃんの方は中の人的には問題無いと思うんだけど

864 :
ティファナさんと中の人一緒だっけw
6歳か…下手したらマジで通報されるトトリちゃんw
たしかミミちゃん昔泣き虫だったっけ?これは妄想が捗るな

865 :
>>855
あの小説はロロナ好きにとって救いの神だったな
ロロナの件もアストリッドの件もすべて解決する手段を良くぞ思いついてくれた

866 :
だよな
トトミミやメルケイもこなしてくれたし

867 :
メルル時の師匠に関しては岡村Dが「あのころからずっとひどい人」ってはっきり言っちゃってるから後付け感バリバリだけどね・・・

868 :
後付けは続編とかによくあるから仕方ないんだがロロナトゥルーEDでの師匠がみじんも感じられんのがね
あといまだに集大成っぽいメルルで師匠使えなかったのはいまだに納得いかない

869 :
猫のイベント見て思ったけど
くーちゃんとほむちゃんてなにげに相性良さそう

870 :
SS投下します。
トトリエ時代のロロクー。

871 :
 数度ノックを繰り返すも返事は無し。留守かもしれないが、仕事明けで眠りこけている可能性もある。ドアノブに手をかけると、鍵はかかっていなかった。
「ロロナー。いないのー?」
 ドアを開けて声をかけるが、アトリエの中はあいにく無人――というわけではなく、
「ちむー」
「ちむむー」
 クーデリアから見下ろす位置に、ちむが少々。
「あら、ちむだけ? ひょっとして留守番?」
「ちむー!」
「そう。ロロナは遅くなるのかしらね?」
「ち〜む〜」
「そう……」
 クーデリアにちむ語の細かいところは理解できないが、肯定・否定のニュアンスぐらいは分かる。
 採取に出てはいないはずなので、買い物だろうか。どの道クーデリアは本日オフなので、時間は十分にある。
「じゃあ、ちょっと待たせてもらうわね」
「ちむー!」
 手を振って歓迎の意を示したちむ達は、お茶の用意をしに台所へ向かっていく。ちむだけで火を使わせるのは端から見ると不安ではあるが、元々複雑な調合を出来るぐらいの能力があるし、ちゃんと踏み台も使っているので問題ない。
「ちむ〜♪」
「あ、どうぞお構いなく」
 ちむの頭の上のお盆からお茶を受け取ったクーデリアは、とりあえずソファに座って一息つく。
 お茶を一口すすりながら、壁に掛けられたカレンダーに目をやる。今日の日付は何の印もない、ただの一日として示されている。
「……ま、そんなこったろうとは思ってたけど」
「ちむー?」
「ああ、いいのよ。こっちの話」
 誰もいないアトリエで手持ち無沙汰な時間を過ごすのは、ここ数年のクーデリアにとって慣れたものだった。いや、今はちむ達がいるのだが。
 しかし、
「こんな日ぐらいは待たせてほしくないものね……」
 クーデリアは軽くため息をついた。
 ………………
 …………
 ……

872 :
「……んぁ」
 いつの間にか眠っていたらしい。
(疲れてたのかしらねー……何かこのアトリエのソファって寝心地良いのよね……良い匂いするし……)
 微睡みながらそんなことを考えていたクーデリアだが、
「あ、くーちゃん起きた?」
「!?」
 突然聞こえた声に目を見開くと、視界に移るのはニコニコ笑顔のロロナ。ソファで横になっているクーデリアの後頭部には、いつの間にやら柔らかくて暖かい感触。たちまち顔が赤くなる。
「ちょっ、ロロナ、何やって……!?」
「帰ってきたらくーちゃんが眠ってたから、とりあえず膝枕をしてみたんだけど」
「何でとりあえずですることがそれなのよ……」
 照れ隠しにブツブツ呟きながら、クーデリアは体を起こす。時計を見ると、それほど時間は経っていなかった。
「くーちゃん、今日はどうしたの?」
 そう訊ねられると、クーデリアはちょっときつめな視線をロロナに向けた。
「え? ……え? わたし、何かした?」
 ここ最近怒られるようなことをしていないはずのロロナは、たちまちうろたえてしまう。
「く、くーちゃん、その……」
「落ち着きなさい。怒ってるわけじゃないわよ。ちょっと呆れただけというか……」
「呆れたって……?」
「……今日は何日?」
「九月の……八日だっけ。それがどうかしたの?」
 カレンダーを確認してロロナが答える。
「やっぱり忘れてたか……」
 クーデリアは大きなため息をつくと、持ってきていた紙袋から、ラッピングされた箱を取り出した。
「はい、これ」
「……何これ?」
「…………誕生日プレゼント」
「誰の?」
「あんたのに決まってるでしょうがーっ!!」
 あまりの鈍感さに、とうとうクーデリアが吼えた。
「ええっ!? あっ、今日わたし誕生日だったの!?」
「どんだけ鈍いのよあんたは!? それともわざと!? からかってる!?」
「いや、その……ごめん、素で忘れてた」
「ったく……」
「あはは……二十歳過ぎると、何か誕生日ってあんまり意識しなくなるよねー。気が付いたら年を取ってたーみたいな」
「言いたいことは分かるけど、それでも普通気付きなさいよ」
「……ってことはくーちゃん、今日はわざわざお休み取ってわたしの誕生日お祝いに来てくれたんだ」
「っ……べ、別にそのために休み取ったとかじゃなくて、たまたまよ! たまたま!」
 顔を真っ赤にしてのこんな反応は、ロロナにとって慣れたものである。
「そっか。たまたまなんだ。それでも嬉しいよ。ありがとう、くーちゃん」
「〜っ……と、とにかくそういうことだから、あんたこの後の予定は?」
「お仕事があるけど、別に急ぎじゃないから明日でいいよ」
「そう。それじゃあ、夕飯あたしがおごるから、食堂で食べましょう。ケーキも予約してあるし」
「え、いいの? わーい! ひさしぶりにくーちゃんとディナーだー!」
 子供みたいにはしゃぐロロナに、クーデリアの顔にもようやく笑みが浮かんだ。
(アトリエで夕飯にしてもいいんだけど、それだと夜にロロナが……なんて言うか、暴走する可能性があるし……いや、別にそれが嫌ってわけじゃないんだけど……)
 もちろんそんな思案はおくびにも出さないクーデリアである。
「それで、夕飯まではちょっと時間があるわけだけど……」
「あ、それならちょうど良い時間までくーちゃんで遊びたいな」
「ええ構わな――いやちょっと待て! 『で』じゃなくて『と』でしょ!?」
「あー、うん。まあ、細かいことは気にしないで」
「気にするわよ! ていうか何でコンテナをあさり出すの!? 遊ぶのに錬金術のアイテムは必要無いわよね!?」
「ほら、最近くーちゃんご無沙汰だったし、この機会にたっぷりくーちゃん分を補充しておかないと」
「いや、ちょっと意味が――」
「ふんふふんふふん〜♪」
 クーデリアの話など聞く耳持たず、ハミングしながらわくわく笑顔なロロナである。
(け、結局こういう流れになるのね……)
 身の危険を感じて離脱を図ろうとするクーデリアだが、あいにくアトリエの出口は、生みの親の味方であるちむ達がガッチリ固めていたのだった……。
おわり

873 :
以上。読んでくれた人、ありがとう。
ロロナ先生お誕生日おめでとう!

874 :

PS4でもアトリエシリーズ出るのかな

875 :
GJ!

876 :
GJ
ロロクーいいなあ

877 :
>>874
デカイ画面でやりたいけど
ゲーム内容的にはvitaにシフトしても問題ないんだよな
vita TVとかいうのも出るらしいけど

878 :
新ロロナでタイムスリップネタをやるとしたら、未来のロロナ先生がやってくる可能性もあるんじゃないだろうか

879 :
トトリ・メルル参戦確定きたな
問題はタイムパラドックスをどう処理するか

880 :
あらいつのまにwロリミミちゃんとトトリちゃん遭遇期待

881 :
ミミ「時間跳躍?」
トト「うん。アストリッドさんが完成させたんだけどね、それで過去のアーランドに行って昔のロロナ先生に会いに行く予定なんだ」
ミミ「言ってることはよく分からないけど、あんた達が非常識だっていうのは分かるわ……」
トト「確かにそうかもね。でも、昔の先生ってどんな人だったのか、会うのがすごく楽しみだよ」
ミミ「ふーん……ロロナさんが錬金術士として活躍するようになった頃だと、私は6、7歳ぐらいかしら」
トト「うんうんそうだよね、ミミちゃんがそれくらいの頃なんだよね。あ、別に深い意味は無いんだけど、その頃ミミちゃんが住んでたお家って今と同じ場所でいいんだよね? 引っ越したりしてないよね?」
ミミ「私はお母様が亡くなってから数年ぐらい遠方の親戚に預けられていたから、その頃のアーランドにはいないわよ」
トト「」

メル「ミミさん! トトリ先生が帰ってきた途端寝込んじゃったんですけど、何かあったんですか!?」
ミミ「え゛〜……」

882 :
トトリちゃんww
こういう話大好きですw

883 :
トトリは変態気質のほうがしっくりくると最近思えてきた…

884 :
ちむちゃんに対する反応とか見ると
トトリ先生が幼女ミミちゃんに遭遇した時どうなるか心配だよな

885 :
まずは色々着せ替えだな
そしてカメラで

886 :
タイムスリップネタが使えるわけだな
小さい頃に出会った初恋の女の人は実は……みたいな展開ができるわけだ
あるいはジョジョ四部みたいなネタ

887 :
トトリ達が時間跳躍してくる時期だとミミちゃんはもう9歳ぐらいだから
泣き虫ミミちゃんから貴族の誇りMAXなツンツンミミちゃんにクラスチェンジしてる可能性もあるな

888 :
お母様亡くなった辺りになるのかね
元気のないミミちゃんと遭遇する可能性もあるのか

889 :
・お母様が亡くなる前
→いじめられっ子な泣き虫ミミちゃん
・お母様が亡くなった直後
→ショックで塞ぎ込んでいるしょんぼりミミちゃん
・お母様が亡くなってしばらく経った後
→立派な貴族になるため頑張るツンツンミミちゃん
この3つのパターンが考えられるわけだな

890 :
情報見てないからよく分かんないけど
仲間になる前の年とかにすでにタイムスリップしてて
追加イベントとかで泣き虫ミミちゃんとそれを陰から見てる謎のレオタード錬金術師を見かける
イベントとかあればその3パターン全部見れそうだ

891 :
最近新たな百合分が自分の中で不足してるからアトリエには期待したいぜ

892 :
幼女ミミちゃんは比較的想像しやすいけど、読めないのは13歳のフィリーちゃんだな
その頃から腐海の毒に冒されていたのか、それとも後年からは想像できない純情少女だったりするのか…

893 :
実は幼女ミミちゃんとトトリちゃんの絡みを目撃して足を踏み入れたフィリーちゃん13歳

894 :
ロロクーリオの修羅場トリオかもしれない

895 :
エスティさんとティファナさんという可能性も…

896 :
こうやって考えるだけでも楽しいしロリミミちゃんとフィリーちゃんもやっぱり出て欲しいねぇ

897 :
トトリやエスティさんのイベントに少しでも絡んでくれれば嬉しいな

898 :
師匠とエスティさん参戦確定来たな
エスティさん参戦ってことはイベントも追加されるだろうし、フィリーちゃんについても絡みがあるかもしれない
しかし新規参戦はこれで全部なのかな?
あんまり意外ってほどの人選じゃなかったけど

899 :
ついに師匠きたかwフィリーちゃん絡むと百合的に面白いしきてほしいねー

900 :
エスティさんと師匠参戦嬉しすぎる
ロロアトだったら個別エンドありそうだし楽しみだ

901 :
師匠参戦するのか!w
ミミちゃんは可能性低そうだな…
トトリ先生に頑張ってもらうしかないな(変態的行動力な意味で

902 :
会話だけでも匂わせて欲しいな
いつもどこかに出かけて帰ってこないとか
もちろん行き先はミミちゃん邸

903 :
ところで延長戦中はもちろんクーデリア社長がアトリエ内にいるんですよね?

904 :
トト「いわゆる子供社長ってやつですね」
クー「違う!」

905 :
クーちゃんは未来の自分の身長聞いてしまって…

906 :
自分のフルネームがうまく言えず涙目になるミミ・ウリエ・フォン・シュヴァルツラングちゃん6さい

907 :
幼女ミミちゃんの持っていた家宝の鉾が何者かの手によって
あらゆる特性がついた最高品質の物に入れ替わってる事件が

908 :
>>907
その場合服も最高品質に入れ替わってるはず!
前の服がどこに消えたかは不明

909 :
採寸はいつしたのか…世の中知らない方が良いこともありますよね

910 :
トトリ先生が幼女ミミちゃんと接触する際に考えられるパターンは
(A)お母様が亡くなって落ち込んでいるミミちゃんを優しく慰めるトトリ先生
(B)立派な貴族になるため頑張っているミミちゃんを優しく見守るトトリ先生
(C)幼女ミミちゃんを発見したらまずは慎重に所在地と一日の行動パターンを把握。その後、偶然を装い出会いを演出して、『優しい年上のお姉さん』として信頼の基盤を作る。
 ある程度時間をかけて友好関係を築いた後、平行して準備しておいた衣装を、まずは無難かつ子供受けするデザインのものからプレゼント&着せ替え&撮影会をさせてもらう。
 撮影用の機材は時間跳躍時に持ち込みが不可能な場合、錬金術製のアイテムを交換材料に当時のマーク・マクブライン少年と交渉・調達する。
 着せ替えに慣れてきた頃合いを見計らって徐々にデザインをきわどいものにシフトしていき、その後、一緒にお風呂や添い寝等、段階的に作戦を進行していく。
 ……という感じに綿密な計画を立てるトトリ先生

911 :
幼女とお風呂か…色々とキケンだなw

912 :
トトリ先生行動力ありすぎw期待してます!

913 :
ミミちゃんの服装がやたらエロいのはそういうことだったのか

914 :
大胆な格好してるのにマントで隠してるのは年頃の女の子らしい恥じらいを感じられていいよね

915 :
トトリ「大胆な格好してるのにマントで隠してるのは年頃の女の子らしい恥じらいを感じられていいよね」
発言者が変わるだけでなぜか変態性が感じられてしまう不思議

916 :
フィリー「大胆な格好してるのにマントで隠してるのは年頃の女の子らしい恥じらいを感じられていいよね」
本当だ

917 :
ふと気付いた
トトリのアトリエでフィリーちゃんトトリとフラグ立てる気満々だったし、ひょっとして新・ロロナで二人が会うことになったらトトフィリの可能性があるのでは

918 :
フィリーちゃん絡みなら、仕事で失敗する→クーちゃんに叱られる→次第にそれが快感にっていうちょっとSMっぽいフィリクーなら妄想したことある

919 :
くーちゃんも何だかんだでフィリーちゃんのこと「可愛い後輩」と思ってるからねぇ

920 :
トトリ先生が幼女ミミちゃんを愛でる一方、深刻なケイナ分不足に苦しむメルル

921 :
ロロナ時代ってメルケイ生まれてないか生まれたばかりくらい?

922 :
>>921
ロロナのアトリエ開始時点でトトリ5歳、ミミ6歳、メルル1歳、ケイナ0歳(生まれてるかどうか微妙なところ)

923 :
メルル「トラベルゲートでアールズに行って、お腹の大きいケイナのお母さんを見に行きたいんです」
トトリ「私、メルルちゃんのことがよく分からなくなってきたよ…」

924 :
前スレあたりでケイナの出自がはっきりしてない件についてちょっと話題になってたけど
実は3歳ぐらいまでアーランドで暮らしていた可能性もあり得るのでは

925 :
幼女二人に群がるトトメルか

926 :
くーちゃんも幼女に見えr

927 :
【緊急連絡】
 今月に入ってからアーランド市内において、二十代と思われる女性が幼女を尾行していると市民から通報が相次いでいる。
 各騎士は市内で不審な人物を見かけた場合、ただちに職務質問をする等、事件を未然に防ぐよう尽力されたい。
ロロ「――っていう連絡があったってステルクさんが言ってたんだけど……」
トト「へえー、そうなんですか。やっぱり都会だとたまにそういう事件っぽいことが起こるんですね」
メル「こういうときってマスク・ド・Gさんが犯人やっつけてくれるんじゃないですか?」
トト「うーん、確か今の時期はまだそういう活動はしてなかったと思うよ」
メル「そうなんですかー」
ロロ「……」
ロロ「どうしようホムちゃん……あの二人全然自覚ないよ。もし事件にでもなったらまたアトリエの存続が危うくなるかもしれないのに」
ホム「ファイトですマスター。あきらめたらそこで試合終了です」

928 :
トトリはミミちゃんだけどメルルは誰ストーカーしてるんだwこの場合やっぱりケイナなのかな…?
ロロナは天然だけど常識人って感じだよね

929 :
幼女ミミちゃんが自分を尾行する知らないお姉さんをどう思うかが問題だな

930 :
トトリ先生の変態度と幼女ミミちゃんの警戒度が比例しそう

931 :
しかしミミちゃんをイジメるいじめっ子は激減した模様
赤ちゃんケイナを抱っこしたメルルは新たな道に目覚める

932 :
メル「わたし、ケイナのお母さんになります!」
ロロ「いや無理だから! 下手したら誘拐だから!」
メル「じゃあ保育士になります!」
ロロ「それならまぁ……」
メル「ケイナ専属の!」
ロロ「それ保育士違う!」

933 :
トト「騒がしくてごめんね私達は邪魔しないようにお風呂入ってこようか」
幼女ミミ(なんで私は妙なアトリエに連れ込まれて知らないお姉さんと昼間から
一緒にお風呂に入ることを強要されているんだろう)

934 :
>一緒にお風呂に入ることを強要
ガチで犯罪じゃねーか

935 :
もっとマイルドならセーフだろ
とりあえずトトリさんはミミちゃんを抱っこして下さい

936 :
小さい頃のミミちゃんは警戒心が強くて思いの外苦戦するトトリちゃん

937 :
友好度低いとなつかない猫みたいな感じになるんだな
トト「ミミちゃん、こんにち――」
ミミ「フーッ!(威嚇)」

938 :
まだ懐いてないのに無理矢理抱っこして危険人物と判断された時のような対応されてる

939 :
強くてニューゲームしたつもりがラスボスには通じなかった感じだなw

940 :
猫の方から近付いてくるまで待とうかトトリ先生

941 :
トトリ「せんせー!この日のためにマークさんにカメラやビデオカメラ
    ハゲルさんにたくさん衣装作ってもらって楽しみにしてたのに
    どうしたらいいんですかー(号泣)」
ロロナ「えーと…(未来の私は弟子にどんな教育したんだろ…)」

942 :
トトリさんそんなに幼女ミミちゃんに着せ替えとかさせたいなら
もうミミちゃんと子供作ってその娘を甘やかせばいいじゃない

943 :
〜ホム、なーの子供達と戯れ中〜
トト「じー……」
ホム「……どうかなさいましたか?」
トト「ホムちゃん……いえ、ホム先生! どうか猫と仲良くなる方法を教えて下さい!」
ホム「猫と仲良くなりたいのですか。しかし、こうなー達は人懐こいので誰でもすぐ仲良くなれます」
トト「ううん。その子達じゃなくて、もっと気難しい猫で……正確には猫っぽい子なんだけど」
ホム「?」

944 :
幼女ミミちゃんを膝に乗っけて寝かしつけてるトトリ先生マダー?

945 :
しかしミミちゃんは元々目上の人に対しては猫を被るから変な事せずに
キチンと大人の応対をすれば最初から噛まれるなんて事はないのでは…トトリ先生

946 :
「猫を被る」という言葉から斜め上に発想を飛躍させて猫耳カチューシャを付けさせようとするトトリ先生

947 :
さらにネコミミカチューシャにはありとあらゆる特性がついており
品質も超高級品と見る者がみたら分かるという折り紙付きであり
その幼女と通りすがった職人達が振り向き驚愕したという報告が後を絶たない
某坊主頭の職人が調べようとして職務質問されたという噂も

948 :
ネコミミなんて
職人はまあいいけど悪い人に襲われちゃうよ!
トトリ先生ミミちゃんの保護はよ

949 :
トトリとメルルはちゃんとロロナのアトリエにでるっぽいけどケイナさんとミミちゃんはついてこないんだろうか

950 :
>>948
アーランドの男性はティファナさんやパメラさんにしか反応しない紳士ばかりだから大丈夫だよ
>>949
出したとしてもDLCになりそう

951 :
DLCで出すなら幼女ミミちゃんでもいいのよ?
アインツェルカンプ使うんだけど最後よろけちゃったりして

952 :
なにそれ萌えるw

953 :
「ミミは、シュヴァルツラング家の娘なんだから!」
DLCなんて滅多に買わないけどこれは買うぞ。

954 :
若干かみかみな感じでおなしゃす
ろれつが回らない感じでもおk

955 :
かんだ時に「かんでないもん!」って涙目で言い張るミミちゃん

956 :
ちみちゃん可愛い

957 :
>>956
混ぜるな危険(トトリ先生の理性が)

958 :
未来に帰ったらせっせとミミちゃんと子作りに励むトトリちゃん

959 :
負けじと頑張ろうとしたらケイナにやんわりたしなめられるメルル

960 :
ミミ「トトリに出されたお茶を飲んだら眠くなって起きたら子供になっていた。
わけがわからないと思うけど私にもわけがわからない」

961 :
ミミちゃんw

962 :
「幼女ミミちゃんが攻略できないなら攻略済みのミミちゃんを幼女にすればいいじゃない!」

963 :
記憶まで吹っ飛ばないよう気をつけないとロリナの二の舞になるぞ…。

964 :
幼女ミミちゃんはトトリちゃんでも手ごわいから記憶はそのまま
そこは抜かりないトトリちゃんw

965 :2013/10/03
逆転の発想で
自分を幼女の姿にしてミミちゃんに甘えまくるトトリ先生
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