2013年10エロパロ307: 甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度14 (262) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度14


1 :2013/01/16 〜 最終レス :2013/10/01
ここは甘えんぼうな女の子のエロパロスレです
人前だろうと関係なしに抱擁や接吻、あるいは性交を求めてくる娘はもちろん、
恥ずかしがりながらもぺたぺた甘えてくる娘、
ある一定の条件を満たしたときに激甘化する娘、等々大歓迎です。
エロは必須ではありませんので、ラブラブオンリーな話もOK。
ただし特殊なシチュを含む場合は事前にきちんと注意書きを。
なおこのスレを見て虫歯になった、糖尿病になったという方は保管庫へ行きましょう。必ず悪化します。
それでは、甘美なるひとときをお楽しみください……

〜ちゅういがき〜
このスレは基本的にsage進行です。
投下、感想、雑談問わず、書きこむ際にはメール欄にsageと入れましょう。
血糖値はいくらでもageてもらって構いません。

過去スレ
甘えんぼうな女の子のエロパロ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182244124/
甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1216485751/
甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度3
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1223287918/
甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度4
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1228057798/
甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度4(実質5スレ目)
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1232112947/
甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度6
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1239180765/
甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度7
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1250764530/
甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度8
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1258542249/
甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度9
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1276653991/
甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度10
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1296296894/
甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度11
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1308826161/
甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度12
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1318202868/
甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度13
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1329558939/
保管庫
http://wiki.livedoor.jp/amae_girl/
保管庫(7スレ目以降)
http://w.livedoor.jp/amaenbou_aroparo/

2 :
いつの間にか13スレ目が落ちていたようなので
勝手ながら立てさせて頂きました。

3 :
いちおつ!

4 :
>>1乙!
今年も二、三本は書きたいもんだ

5 :
480KB超えてたんだなぁ
>>1

6 :
>>1

7 :
         /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.::::::::|::::::::::::::::::.ヽi   ヾ,
           /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::ト;::::::::::::::::::::ハ    ヾ,
.          /::/.::::/.:::::::::::::::::::::::::::::::/}:::::::::::/ V:::::::::::::::::::i       |
         /::/.::::/.::::::/.:::/.:::::::::::/ /.::::::::/  ∨::::::::::::::::ト、    |
         |/l::::/.:::::::::|:::::|:::/.::/__,/.::::::::/_   ∨::::::::::::::::::ヽ,  /
         |:::i::::::::::::|:::::|//  /.:::::/    ``''∨::::::::::::iヽ:::::`.、
         |:::|::::::::::::|:::/    /.::/       |:::::::/.:::|:::}`'ー‐
         ト,:|:::::::::::/ ,xz===´     ===x, /.::/.::::::!:/
         |;ハ::::::::∧ ´ , , , ,        , , , , //i:::::::::::|'
         l:::ヽ{` __`>        '      / /.:::::::::::|
         i::::::::ヽ,_ ,       __    /_ノ:::::l::::::::|   >>1さん お疲れさまです
          |::::::::::::::::::;人    ヽ  ノ   /::::::::::::l::::::::|   ところで おやつはまだかしら?
           |::::::::::::::::::l:::::::` .         . イ::::::::::::::::l::::::::|
           !::::::::::::::::::l:::::::::::::::l`  -  ´l::::::l:::::::::::::::::l::::::::|

8 :
甘えっ娘の握ったおにぎり食いたい

9 :
「ケンちゃんケンちゃん!おはよーだよー!」
「…おはよ。朝から元気だね、ささめ。」
「はいこれ。ささめ特製の早弁用おむすび!」
「おっ?お稲荷様自らのお手製弁当。いきなりどうしたの?」
「えへへー。いちおうお家はお勉強の神様もやってるし、そこの娘の、か、彼氏には『だいがくじゅけん』頑張ってもらわないとねっ。てキャーっ!言っちゃった言っちゃった〜っ」
目を><にして抱きついて僕の首をかっくんかっくん揺するささめ。
2時限目終了時、粒餡入りの『逆おはぎ』に泣かされたるまでは結構幸せだったある朝の風景でした。

10 :
おお、ささめちゃんだ。
GJ

11 :
受験にあやかったお菓子をかたっぱしから買い占めて勉強そっちのけで頬ばる甘えっ娘
なんであの手のってお菓子ばっかりなんだろうな
カップラーメンもあったか

12 :
センター本試か、もう二年前の出来事だな
あの緊張感に甘えっ娘は耐えられるのだろうか
甘えっ娘って心折れやすい子多いし

13 :
まとめサイト行ったら歯が痛くなってきた
誰か治療法知らない?

14 :
そんなもんはない。糖尿病と一緒で根治は不可能。
…そーいえば糖尿の薬でアマリールって名前のがあったな。

15 :
アマドラカプセルっつう移植した臓器の拒絶反応を止める薬がある。
ここの女の子が彼氏に使うと彼氏は甘えに拒絶反応しなくなるかも。

16 :
甘リリス

17 :
>>16
アマリリスと縁深い娘の性格で悩んでいた俺には天啓だった
ありがとう

18 :
快盗アマリリスとは懐かしや。

19 :
オーラァァァァァァ…………

20 :
規制解除記念
甘えっ娘に甘える短編
「ちょっと……手ぇ止めないでよ」
僕の腕の中で、彼女はその整った顔を僕に向けた。
「ごめん。少し疲れたから、休憩してもいいかな」
精いっぱいの申し訳なさそうな顔をして見せても、彼女は遠慮することなく不満を漏らした。
「今日はまだ三十分よ?」
「いや、本当勘弁してください」
僕の言葉を聞いて、不服そうに彼女は口を尖らせる。彼女が小柄だとはいえ、抱きながら頭を撫でたり、喉をくすぐったりするのは長時間続けると正直なところ結構疲れる。
「ここのところずっとだ。君とのスキンシップは僕も好きだけど、ちょっと控えない?」
彼女に軽くキスをして、瞳を覗き込みながら髪を撫で上げる。自分で言った傍から、とからかうように彼女は笑った。僕もつられて苦笑する。
「好きな人と好きな時好きなだけスキンシップ出来るのって、長い人生の中で滅多にできないことだと思うわ」
彼女は僕の手に身を任せ、気持ちよさそうに愛撫を受ける。
「僕もそう思うけど……」
「したいことは出来るうちにしておかなくっちゃ、ね?」
「僕の身にもなってくれよ」
冗談めかして言う。彼女の髪を手櫛で梳く。我ながら説得力がないな、と思った。
「なってあげるわよ」
僕が疑問の声を上げる前に、彼女は僕の腕の中から抜け出した。そして僕の身体を引き寄せて、僕の頭をその胸に抱え込むように抱き寄せた。
「ほら、思う存分甘えなさいよ」
「僕が言ったのはこういうことじゃないんだけどな」
「良いじゃない別に。満更でも無いくせに」
意地悪そうに、けど満足げに微笑む彼女の顔を見上げた。
何だか安心した気分だった。彼女に頭を撫でられ、僕はそれまで無かった眠気を感じた。
心地良い脱力感に身を任せ目を瞑ると、彼女は顔を寄せて優しくキスをしてくれた。いつも、僕がしていたように。
「どう? 甘える気分は」
「えーと……、結構恥ずかしいかも」
本当だった。彼女の身体から香る甘い匂いに包まれ、柔らかな手で撫でられて、その安寧に身を委ねることは素敵だったが、一方で自分が子供になったような気恥ずかしさもあった。
「そう」
彼女は短く、まるでぼやくように言うと、僕を一段と強く抱き、自身の胸に僕の顔を埋めさせた。少し息苦しかったが、それもまた心地良かった。
「僕の言ったこと聞いてた?」
強く抱かれ、それまで意識しなかった彼女の体温が僕をくすぐった。彼女の心臓の鼓動が聴こえた。
「嫌じゃないんでしょ?」
「もちろん」
その言葉を最後に僕は彼女の胸の中で目を閉じる。彼女はくすっと笑った。
「大好きよ」
僕も、と答えようとしたところで、僕の意識は夢に溶けていった。彼女だけを夢見る、冬の昼下がり。

21 :
スレ開けた途端に出くわしたぜ!
超即GJ!

22 :
 
 いつまでも年末年始の気分でいられないことは重々承知の上だが、寒さは相変わらず
で朝が辛く、菅野宗一は白い溜息を吐いた。
「寝坊するのが嫌なら早く寝ればいいんですよ」
 隣を歩くのは一つ年下の水奈。長髪を隠す黒いコートに手袋、首元にマフラーを巻い
て上半身は完全防備の状態だ。……しかし、彼女は言葉の後に欠伸を漏らした。
「もう二月だが、三月までまだあるもんな……」
「普通は他の月より日数が少ない事をプラスに捉えるはずなんですけど、にいさんの思
考は分かりませんね」
 妹の言葉は所々に棘がある。朝も「せっかく起こしたのに遅刻したら意味がないじゃ
ないですか」と言われ、口撃を受けたのは今日ですでに二回目だ。
 それなら一人で先に行けばいいのに、彼女が良しとしないので宗一もたった今の発言
をそっくり返す事ができた。
「二月というと、そろそろ受験の時期なんだよな」
 呟くと、水奈も頷く。お互い直接は関係しないものの、季節がら連想しやすいものだ
った。
 宗一としては下校中に付近では見かけない学生服を目撃できて少し嬉しいところだが、
幸いにして妹はそれを悟ってはいないようだ。
「クラスに五人兄妹の長男がいるんだけど、ここを受けたときの合格祝いは結構派手に
やったらしいぞ」
 近所の家族をも巻き込んで……とは本人の談だ。近所づきあいが広い家庭だからこそ
できるもので、しかし宗一は真っ先に面倒そうだと思ってしまった。自分たち一家だけ
でもそれなりの事ができればいい気がしてならない。
「……水奈?」
 まるで興味がないのか、いっさい反応せずに歩き続ける水奈。歩調も遅くなって訝し
む宗一だが、それでも別の話をすることなく足を進めた。

 それは、寒さも厳しい冬の出来事。
 進路が決まって両親と喜びを分かち合い、その余韻も冷めやらぬうちに兄の部屋を訪
れた水奈。
 まだ寝ているかとノックをせずに扉をゆっくり開けると、宗一の姿は机にあった。
「にいさん」
 椅子ごと振り返った兄。どちらともなく距離を詰めて、一気に近くなる。
 一つ年上の異性は居間での騒ぎを聞いて目を覚ましたらしく、髪が無造作に広がって
いた。
「頑張ったな、水奈」
 それゆえ理解しきった表情で頭に手を乗せてきた。軽く叩くようにして、それから撫
でる動作に変わる。普段なら子供扱いはするなと言うところだが、嬉しさでいっぱいの
少女は何も口にしなかった。久しぶりに兄の体温を感じる事ができて目が細くなる。
 背中にまわった手で後ろ髪を梳いて、次第に抱き寄せられる風になっても受け入れて
いたが、
「じゃあ、お祝いをしないとな」
 耳元でそんなことを言われて状況が一変し、水奈はさすがに慌てた。
「そ、それはまだ早い気が――んぅっ!?」
 言葉が出切るより先に口を塞がれ、パニックに陥ったところへ舌をねじ込まれる。さ
れるがまま口内を犯される少女の喉奥から、ぐぐもった悲鳴が上がった。
「ん、ふぅっ! んっ……!」
 最中、兄は胸をまさぐってきて、それが口から発される淫猥な音と合わせて水奈の意
思を呑み込んでいく。学生服の上からでも触られていると分かると、咄嗟に掴んだ手か
ら力が抜けて抵抗も空しい。
「う、ん……んんっ!」
 がさがさと衣擦れをさせる手が寄越す弱電流に、足から力が抜けそうになる。それで
も水奈が崩れ落ちないのは宗一が腰を支えてくれるからで、熱と一緒に優しさも伝わる。
「……ん、あっ」
 長めのキスを終えると不足した酸素を補おうと呼吸を始める。ふたりが密着していた
せいで周りの空気はとても熱い。

23 :
 
 まだ落ち着かないが、水奈の裡にある『普段の姿』が反撃を練り上げていた。
「わたし、帰ってきたばかりですよ」
 返事の代わりに強めのホールド。最初の口付けで雰囲気に流されている彼女の中で、
その立場は弱く追い詰められている。息を漏らしたのと同時に後ずさった気さえした。
「二人ともいるんですけど」
 一緒になって喜んだ両親が居間にいる。階が違うとはいえ変に騒げば不審に思うはず
だ。
 しかし、兄の返事は言葉ではなく行動だった。顎を取られて唇が軽く重なり、すぐに
離れる。
「構うもんか。好きなんだから」
「すっ……!?」
 大声を出しかけ、咄嗟に口を押さえる水奈。
 随分と自然に言ってくれたように聞こえて、そのじつ兄も照れ臭そうだった。
「んっ!」
 隠すようにしてキスを一回。先程よりも強く押し付けられた唇は乾燥して、お互い舌
で拭う動作も一致する。
「『こっちの話は聞かないのか』って顔だ」
「『訊くまでもない』って言いたそうですね」
 机の電灯を脇目に顔を合わせて一秒、二秒――。
 読心などという便利な能力は持ち合わせていない。だが宗一の考えていることは何と
なく解かり、それは彼も同様らしかった。
「んぅ……」
 他にすることがないのかと思うほど、短時間で数回のキスを重ねる。繋がったところ
で舌を擦り合い、水奈はようやく行き場のなかった手を兄の腰にまわす。
「や、あっ」
 その後、慣れた手つきで学生服の内側に兄の手が滑り込む。熱が少し近くなり高い声
が漏れた。
「に、にいっ、さんっ、やっぱり……!」
 片手で器用にブラウスのボタンを外し、肌どうしが触れあう。しかし水奈は僅かに抵
抗した。宗一の部屋は無音で、自分が出す声をどうしても意識してしまう。
「あ、あんっ! んん……っ!」
 瞬く間に下着に隙間を作り、覆い隠されていた箇所をつつく。
 途端に全身を駆け巡った電流は、まるで触られるのを待っていたように甘い痺れをも
たらし、意思とは無関係に肩を震わせた。
「にい、さ……んっ! き、っ、こえ、ちゃ……!」
 階下に両親がいるという事を完全に切り離す事ができず、発覚する可能性を兄に理解
してもらおうとして無駄だった。胸を守っていた布をずり上げて、充血した突起をこね
くり回され喘ぐしかなくて――。

「でも、ちょっと強引なにいさんも好きです!」
 妹がとつぜん振り向いてそんなことを言うものだから驚くしかできない。
 雲が流れる青空の下、静寂に包まれて一秒、二秒……十秒。
「…………何の話だ?」
 聞き返すも理解が追い付かない宗一。
 直前までぼうっとしていたらしい黒髪の少女が口を開くまでには時間を要した。
「――っ!! ばか! 忘れてください!」
 つい昨日も交わったのに、えっちな合格祝いを妄想していただなんて言えない。
 呆気にとられている兄を置いて先を歩く。
 少女はまだまだ多感な学生だった。

24 :
以上
一年って早いね、もうそんな時期か……

25 :
水奈ちゃん久しぶりじゃないか、GJ!
バレちゃいけないってのはどうしてこうも萌えるシチュなんだ

26 :
 どうしてこう、素直じゃ無いんだか。
 ……一周回って、素直だけどさ。
 そんな風に茶化した俺の声に、少しだけ丸くなった菜由の声が刺さる。
「……うっさい、ばか。黙ってわたしに、やられてろ」
 はいはい、わーってますよ――そんな風に答えるしかないから。
 畳に座る俺の膝の上で、腰を落とした菜由を撫でてやる。
「……も、もっとちゃんとやられてろっ、ばかかずっ」
 背中を見せたまま振り向いてくれないんだから、一体どんな顔してるのかわからない――わけもなく。
 つきあいも長くなれば、自然と相手を察することもできる。
 刺々しい言葉は、いつも寂しく鳴く子猫のようで。
 痛いくらいに切ないから、釣られてこっちも手が伸びてしまう。
「……ぅう、くぅっ」
 だから、耳を見せたショートカットを、指先で梳くように撫でてやる。
 その線の細い黒髪の一本にまで神経が通っているかのように、菜由の背筋が小さく震えた。
「……ほ、ほんとおまえはヘンタイだよなっ! い、いいっ、いい歳してっ、わ、わたしのことっ、ガキみたいに扱ってさっ!」
 負けず嫌いの菜由にしてみれば、俺は『菜由の尻に敷かれたへたれやろー』ということになっているらしい。まあ、尻に敷かれてるのはその通りですが。
 ……そんなへたれに甘やかされて、ふにゃふにゃになってるのはどこのどなたさまでしょうか、お嬢様?
「お、お嬢様とかっ、ばっ、ばっかじゃねーの……」
 ……ぷるぷる震えている菜由の背中が、猫のように丸くなった。
 背中越しに伝わる熱が、どんどん火照っているのが肌でわかる。
 言葉は決して馴れ合わないのに、声も体も、全身が訴えてくる。
 ……どうしてこいつはこう――思わず、抱きしめたくなるんだ。
「ふひっ!? な、なにやってんだバカカズっ!? ちょ、やめろよっ、そ、そんな襲うとかっ、やっ、やだぁっ!」
 うっさい、ばかなゆ。おとなしくだっこさせろ。
「だ、だっこってっ! が、ガキじゃねーんだしっ、そ、そんなの、わたしに似合わねーしっ」
 ああそう、じゃあもう一生しないけど?
「ふぇっ!? そ、そんなの――や……やだぁ……」
 強気な声に怯えが混じる。まるでまだ乳離れも出来ないうちに親から引き離された子猫みたいだ。
 そーいや、昔飼ってた猫がそうだったっけ。そのせいで、大人になっても母猫の乳を飲むときの癖が抜けなかったのを覚えている。
 ……こいつもまた、そうなんだろうか。
 だったら大人しく……甘やかされてろ、ばかなゆ。
「あ……あまえてんのは、そ、そそっ、そっちのほうだろっ……」
 ほんとにこう、素直じゃないのか――素直なのか。
 ちょっと俯いた菜由の頭が、寂しそうな子猫に重なって見えたから。
 もう一度、手櫛で髪をなでてやる。
 怯えたようにびくっ、と震えたけど。
 構いやしない。何度でも甘やかしてやる。
「……うぅ、ばかっ、ばかかずぅ……ばーか、ばーかぁ……はぅぅっ」
 泣きそうだったか細い声も、甘い音色に変わっていく。
「も、も……もっ……うぅぅ、あうぅぅ」
 はいはい、もっとなでなでちまちょーねぇ。
 赤ちゃん言葉で甘やかしてやると――予想通り。
 真っ赤な涙目の顔が振り向いてきた。
「だっ、だからやめろっていってんだろそーいうのっ! わ、わたしはっ、べつにあ、赤ちゃんなんかじゃ……!」
 わーってますよ。菜由ちゃんはおねえちゃんでちゅもんねー。
 そんな分かり切った挑発で、菜由の顔からぼっと湯気が立つ。
 わはは、こいつおもすれー。
「や、やめろよぉ……やめ……あふっ、うぅぅぅ……」
 裏腹な言葉を遮るように、ようやく俺に向き合った菜由を、ぎゅっと抱きしめてやる。
 熱っぽいのは顔だけじゃなくて、体の芯からそうだった。
「……ばー、か。ばかかず……ばか、ほんと、ばかやろーだ……」
 鼓動の音さえ聞こえるんじゃないかと錯覚するほど、近い距離で。
 俺の目から逃げるように、胸に顔を埋めた菜由が呟く。
「……お、おまえがそ、そんなに、わたしのこと、す、すきならっ! わ、わたしもその……す……しゅっ、す…………きぃっ……」
 最後の言葉は静寂にかき消されるほど小さかったけれど。
 同じ言葉を、俺も耳元で囁いてやる。
 ……こればかりは、俺だって恥ずかしいんだけど。
「……っ! カズっ、かずぅぅっ!」
 刺々しかった彼女の声が、抱き留めた腕の中であふれ出す。
 丸っこい棘の雨に打たれて、俺の熱も、信じられない程上がっていた。

27 :
GJ
朝からいいもの見た! 寝る!

28 :
GJ
素直じゃない甘えんぼうかわいいなあ

29 :
なんすかツンデレっすか
GJだちくしょう!

30 :
もうすぐ終わるけど今日は布団の日
甘姉さんの肉布団が恋しい季節だ

31 :
甘えっ娘が贈るチョコは歯が溶けるほど甘いんだろうな…

32 :
少し前に動物園で育児放棄されたシロクマを人の手で育てるっていうのやってたの思い出したんだ
それを見る限りではもう家で飼えないぐらいの大きさになってもまだ育ててもらった人に甘えようとしていたんだ
そして、俺はシロクマが動物園でしか飼えなくなって檻の中において行かれたが
擬人化して抜け出して独身の育ててもらった飼育員さんのところに行って甘えるというのを思いついたんだが
飼育員さんに対する呼び方がどうもしっくりこない、なんて呼べばいいと思う?

33 :
>>31
お兄ちゃん、とか苗字にさん付けとかかな、『他の職員に呼ばれていたから』なんて理由にすればかなり色々使えるし。

34 :
>>33
それも考えたんだけど育ててもらったわけだからパパ、とか、おとーさん、とかもいいんだよなぁ・・・

35 :
>>32
はじめは「パパ」でねんごろな関係になったら「あなた」って呼ばれたい

36 :
いろいろ考えているんだけど呼び方変えるといろいろ変えなきゃいけないんだよなぁ

37 :
マンボウ系甘えっ娘

38 :
>>37
でかくてのんびりで子だくさんなのか?(マンボウは約三万個ぐらい卵を産みます)

39 :
3億だろ
無事に成長するのは1ケタだが
まんぼうと言うと17才の人しか浮かばないから困る

40 :
ハムスター系甘えんぼう(陸上部)
「一緒に走って、汗かこう? え…ゆ、ユニフォーム?」
「うん。べ、別に君に見せたくて着てきたとかじゃなくて、動きやすいからだよ」
「でも、じろじろ見られるのは、なんか恥ずかしいかも」
フクロウ系甘えんぼう(航空同好会)
「今度、スカイダイビングとか、やってみないか?」
「あ、お前は初心者だろうから、ペアで――ん? ああ、こう密着するんだ」
「密着か……えっ、いや別に変なことは! 顔赤くなんてしてない!」
マンボウ系甘えんぼう(水泳部)
「プールでデートかぁ。ほわー、良いかも〜」
「楽しみだなぁ……あ、そうだ〜。その時に着る水着、一緒に選んでくれないかな?」
「え? 行っても良いけど、いつもの競泳水着も好き? そうなのかぁ……むふふ」
三毛猫系甘えんぼう(バスケ部)
「悔しかったら私のボール、奪ってみせな。にゃっはっは」
「ほらほらどうした――って、にゃあっ!? どこ触ってんだ!」
「うー、思いっきり揉んだなぁ。なに、ボールと間違えた? こらー!」
スライム系甘えんぼう(科学部)
「今飲ませた液体? んーとね、媚薬、かな」
「あなたが私だけを見てくれるように――なんて、嘘よ。本気にした?」
「でも、私はあなたに身も心もとろけて…この可愛いスライムみたいに、なりそうよ」
小鳥系甘えんぼう(ラジコン同好会)
「お兄ちゃんイスに座って操縦するの気持ち良いなー。それ、一回転」
「あまりぐりぐり動かすな? 何で? …あれ、何かお尻に固いのが…ふわっ!?」
「……私が退くと思って、抱き締めちゃった? うん、別に良いよ! このまま…えへへ」
それらのハーレムを可能にするピンクのシャツを着たイケメン
え? 妖精系甘えんぼう(演劇部)と友人系甘えんぼう(美術部)がいないって?

41 :
友人系は帰宅部だと思います!
「ねーねー今日も一緒にかえろーよー」
「あ、そんなに車道によってたら引かれちゃうよ、ほらもっとこっち寄って」
「別に気にしてなんかないよ、むしろ......ううんなんでもない!」

42 :
 
 連休にはどこかへ行くというのが定石だが、そういった予定のない場合は趣味に費や
すのもいい。
 ところで、少年は違っていた。日ごろの肉体的な疲れを解消するために惰眠をむさぼ
っている。時計を確認する理由も無く、ただ眠いのでベッドから出ずのままだった。
 うんと伸びをしようと手を動かし、それが壁とは反対側なのに何かとぶつかった。
「……あ、帰ってたんだ」
 少年には姉がいた。
 手の甲に触れた、ぽよんとしたものは隣に寝ている彼女のものだった。偶然とはいえ
ぶつかったことに謝り、その感触をいっしゅん疑問にして、また目を瞑る。
「ど、どうしてここにいるの!?」
 跳ね起きた拍子に、真下のばねが軋む。
 掛け布団の中が普段より温かかったのは気のせいではない。本来ひとりで寝ていると
ころに二人でいるのだから当然のことだった。明け方に寝なおしたのでこれで三度寝に
なるが、その時に気付かなかっただけでだいぶ前から潜りこんでいたのだろう。そして、
そういう場合は女性の帰りが夜遅く、おおかた部屋を間違えたとか――理由さえわかり
やすい。
「……んー……!」
 無防備な寝顔に皺ができ、周囲を確認しないで振りまわされる姉の手に捕まる少年。
腕を掴まれ、普段のおっとりした様子からは考えられないような力で引きずられ、片手
が言うことを聞かなくなった。
 けっきょく質問には答えてくれず、代わりに理解したのは彼女が上半身に最低限のも
のしか着けていないことだった。
「え、えっ?」
 そうした理由から、手繰り寄せられる風にされて少年は手のやり場に困った。黄緑色
の下着が覆っていてメロンと勘違いする様な胸の一つに触れたまま、姉がこちらの服を
引っ張ってきては堪らない。
 ちぎられても困るので、やむなく体を崩す。ところが、それでも隣で寝ている女性は
少年を布団と勘違いして、反対側の手を使って我が物にしようとしていた。しかし、ぐ
いと引かれた後、今度は相手の方が寄り添ってきた気さえする。
「う、わあっ……」
 最終的には寝がえりをうつ途中の様な姿勢になった姉と向い合せに抱き合う格好。意
図せず触れている胸のもうひとつも体にあたって、少し視線を落とせば豊満なバストが
作る谷間や、それが形を変えるほど大きく柔らかい様子まで丸わかりだ。
「……ぐっ」
 その状態でなお、少年には強烈なホールドがかけられた。ただでさえ緊張している体
を締め付けられ、痛い事この上ない。
 広がり放題な黒い髪からは、酒、煙草……職場の付き合いで持ち帰ってくる臭いの原
因が混ざり合って、家にいる時の香りとは全く異なった印象を与える。普段は飲酒して
いる様子さえ見たことがないので、酔っ払っているかという判断すらできない。
 次いでストッキングなども着けていない脚が下半身に絡みつき、いよいよ身動きが取
れなくなってしまった。
「んぅ……」
 それに対して密着と拘束の状態になっている女性の方はというと、無防備に寝息を立
てていた。疲れを感じさせない表情でいて、呼吸に体が動くたびに少年には柔らかな感
触が伝わる。
 掛け布団ではなく抱き枕と間違えられている気がしてきた少年だが、無機物になりき
れないので手が動いてしまう。――まだ、姉の胸に当たっている状態だった。
 心拍数が上がりっぱなしで体温がまとまっている内側は汗が滲み、布団が覆っていな
い首から上だけが不自然に冷たいまま動けない。かといって抜けだしたいかと聞かれる
とそうではなくて、却って疲労が溜まっていった。
「お腹いっぱい……」
 そんな状況で寝言を聞いてしまい、少年は思わず噴き出す。しかし、姉はまるで気付
いた様子もなく静かに息をして眠ったまま。
 ふとした拍子に手が胸を押してしまうのを危惧しながら、もういちど寝ようとして深
呼吸を始めた。逃げ場がない事に対する諦めもあれば、柔らかい異性の感触を堪能した
いという男性の欲求もあったからだ。

43 :
以上
寝起きがまだ寒いってどういうことなの……

44 :
>>43
冬は寒い時も有るぞ

45 :
人間湯たんぽができる季節もそろそろ終わるのか……

46 :
そして春眠暁を覚えずの季節が始まる

47 :
おまえら寝てばかりだな、働け
働けばまだ見ぬ甘えっ娘との出会いが待っているかもしれんぞ

48 :
「♪き〜けば〜んこっくの〜ろ〜ど〜しゃ〜♪
と〜どろっきわたる〜め〜で〜のぉ〜♪」
…どこで覚えたのか、メーデー歌なんぞ歌いつつ僕の膝に乗っかってゴロゴロ喉を鳴らして甘えている幼なじみ。
「…ささめ。もう勘弁してよ。いい加減疲れて来た。」
「♪い〜まや〜に〜じゅう〜よ〜じか〜んのぉ〜♪
か〜いきゅ〜せんわ〜きたり〜けり〜♪」
「…おーい。ささめさ〜ん。聞いてますか〜」
「♪む〜さん〜のたみよ〜けっきせよ〜♪って、ケンちゃん!」
「はい。」
「ささめの要求にたいする回答がまだです。」
「だから言ったでしょ。大学受かったし、入学式の日まで毎日会いに来るから。」
「それじゃ足りないとささめはさっきから言ってます!」
受験勉強の間構ってあげられなかったせいで拗ねたささめをなだめる為に働く日々が始まりそうです。

49 :
>>48

50 :
>>48
GJ

51 :
最後の書き込みからもうすぐ2週間になるな、もう少し放置して甘えっ娘の禁断症状が出るまで待つか・・・

52 :
もうすぐホワイトデーだしな
何が欲しい?って聞かれて「あなた」って答える甘えっ娘の話が是非とも読みたい

53 :
やばい、ホワイトデーまで放置するつもりだったが甘えさせたい病の禁断症状が出そうだ

54 :
簡単ですが、ホワイトデーネタ。
ちゃんとお返しは買っておいたか。買ってないなら今から買ってこい。マッハで。

「明日、ホワイトデーだねぇ」
すぐ横に座る彼女が、話を切り出すのはいつだって唐突だ。
「ああ、そうだったね」
「……明日だよ?明日」
「何度も言わなくても分かってるよ」
僕は彼女に笑いかけて見せた。
「分かってないよぉー」
いつもなら、応じて笑い返してくれるのに、彼女は口をとがらせて不満そうな表情を浮かべた。
「はて……」
彼女がこういう表情をするのは、珍しい事じゃない。対称に、僕が自分でその原因を察知できることは珍しい事だった。
「私、あげたよね?」
「……?」
「バレンタイン!あげたでしょう!」
「ああ、チョコね。うん、貰った」
貰ったのは結構大き目のチョコレートケーキだ。年々、お菓子のクォリティが上がってきている気がする。
「もう、自分で食べちゃうの我慢して君にあげたのにさー」
「それはどうも。それで、何か僕に不備が?」
「……お返し用意してないでしょ!」
「あ、そういえばそうだ」
「やっぱりぃ〜……」
彼女は虚空に向かって大きく溜息をついて、それから、諦めたような表情をした。
「ま、期待してなかったけど。毎年のことだし、ね」
寂しさを紛らわすように、彼女は僕の手を握った。
「悪いと思ってるよ」
僕は彼女の手を優しく引き、彼女の小さい体を抱き寄せた。
「ごめん」
「何」
「本当は……今年もこれで済ませる気だった」
「ずるい」
「だから謝ってるじゃないか」
「そういうところがずるいの」
「……今から二人で買いに行こうか」
「うん……でも、もうちょっとこのまま」

55 :
>>54
大丈夫だ、作ってあるバレンタインにもらったチョコケーキの三倍の大きさのチョコレートケーキをな

56 :
もらってないのに誰に返せばいいんですか!(涙目)
0の3倍返しはいくらになるっていうんですか!(血涙)

57 :
>>54GJ
>>56
育ててもらった恩を親に返せばいいんじゃねえの?

58 :
>>57がいいこと言ったのでちょっと濡れた

59 :
甘えんぼうとぼた餅食べてまったりしたい

60 :
無口なあまえんぼうにくっつかれたり抱きしめられたり抱きしめたりしてるうちに休日終わる生活したい

61 :
甘えっ娘と一日中ベタベタしながら過ごしたい

62 :
確かに甘えっこはインドアなイメージがあるな
ここはあえてアウトドアな甘えっこというのはどうだろう

63 :
お花見でべたべたするんですね分かります

64 :
お酒が入ってデレが全面に出る、みたいな感じか

65 :
ただでさえ甘えっ娘なのに更にデレるのか……胸焼けどころか、糖尿病になる勢いだな……

66 :
え、男の方が酔ってデレになるんじゃないの?
甘えっ娘とデレ男・・・(´・ω・`)

67 :
>>66
つまり甘々バカップルか!

68 :
男は通常ツンで、飲んだらデレになるとw

69 :
むしろ甘えっ娘がツンになっちゃうみたいな

70 :
エイプリルフールだからと甘えっ子が嘘ついてきたらその嘘を信じたふりして逆に甘えっ子を振り回したい

71 :
え、男が嘘吐いて甘えっ子を振り回すんじゃないの?

72 :
>>71
つ 符丁

73 :
も・げーろ

74 :
ここは基本一次?
二次はお呼びでない?

75 :
該当する二次スレがなければ注意書きさえしとけばいいんじゃね?

76 :
甘えんぼうさん♪甘えんぼうさん♪
あそこにばら印の白砂糖があるでしょ〜?

数分後の私の姿だ

77 :
シュガーマンズレポート

78 :
小学校の体育の授業は男女合同で、昔は男子は短パン女子はブルマ
それでペアを組んで肩車をさせられることがあったね
懐いてる甘えっこがちょうど身長が近く、よく一緒になるとして
「○○くん、かたぐるまだよ」
なんて嬉しそうにしてる前でしゃがんで、跨ってもらう訳だ
「しっかりつかまってろよ」
「うん」
甘えっこは落ちないようにしっかり足を男の首に巻きつけて、頭に両手を置く
ブルマだから、太股が首から鎖骨のあたりにかけて、肌にじかに触れるんだよな
布のところと違って、柔らかくて少しひんやりしてて、これが気持ち良い
境目から首筋に面した布地の部分も、布越しとはいえ甘えっこの股が押し当てられてる訳で
子どもの時はそこまで浸る余裕ないというか深い知識はないから、それだけじゃあまりピンと来ないか
立ち上がると、甘えっこの体の安全は全部、男に預けられてしまう訳で、不安だよね
そこをしっかり支えながら立ち上がって歩いてあげると
「○○くんって頼もしいなぁ」
と、ある意味”つり橋効果”みたいなものなのかな。褒めてもらえたりね
で、そう言われると年頃の男子は妙に照れ臭がる訳で
ちょっと悪ふざけで激しく動き回ってやってみたりして
「やーもうっ!」
と恐がってしがみついてくるのが、また特別な感覚
「おかえしっ!」
慣れてくると甘えっこも調子に乗って目隠しとかしてきたりもする
支えてる側にはちょっと恐いが、髪の毛だし顔とか、まぁ軽くならあるとしても
よほど仲が良く日常的にスキンシップが盛んみたいな異性でもなければ
自然にこうやって触ってもらえること、あまり多くないから嬉しいんだよな
少し大人びてると、恥ずかしがったりもするからそれがまた良い
「…んっ」
肩車は動くと乗ってる人にダイレクトに振動が伝わる
さっきから男の首筋で微かだけどこすられ続けて、感じてきた甘えっこ
首上でもじもじされると男も意識しだして、上と下で二人して顔赤らめてる
「はい、肩車終わり」
先生がそう告げたので、男はもう一度しゃがんで甘えっこを下ろしてあげたら
「…もうおわりかぁ」
甘えっこが少し物足りなさそうにして、立ち上がった男を見つめるのが可愛い
「えへへー」
結局、自分も消化不良な感じがあった男は、甘えっこを捕まえて、ぎゅー
柔らかくて幸せな一体感に、さっきより鼓動が早くなって、もう周りが見えず二人の世界
「わーこいつらまたイチャつき始めた」
「うらやましいなー」
「せんせー砂糖吐きそうです!」
「うー、先生だって恋人いないのに授業中にもカカワラズ……もげろぉ!」

肩車って良いよね

79 :
GJ
ちょっ、先生w
・・・もげろ!いやマジでw

80 :
ふと思ったんだがもげたらそいつは女になるのか?そして百合百合な光景になるのか?

81 :
去勢されるだけだろgkbr

82 :
よく訓練された甘えっ子なら相手にナニがあろうがなかろうが甘える気がする
もう、ナニも怖くない……

83 :
・後輩を黙って抱きしめてみた。
ふと後輩を困らせたり抱きしめたいという衝動に駆られたので
唐突に後輩の手からドクターペッパーの赤い缶を取り去り、
そして彼女の身体をこちらに向かせ両手で包み込んだ。
包み込まれた後輩は何が起こったのか判断できていないらしく
腕の中で「え?え?」と混乱しているようだった、包み込んだと
言ったところで彼女がちょっと抜けようとすれば簡単に抜けられる、
そのことに気付いたのか少し落ち着いた彼女は
「えっと、先輩どうしたんですか?」
と耳まで真っ赤になりつつ聞いてくる、それに対して白々しく
「なにがー?」
と、まるで何もないかのように答えるとしばらく両手をぎゅっとしながら
「え、これはもしかして ちゃんす というやつですか!?」
などと小さく一人言を言っていたがやがて意を決したらしく小さく
「えいっ!」というかけ声とともに強く抱きしめ返してきた。
強く抱きしめられたのでこちらも今より強く抱きしめ返す、そうすると
向こうもより強く抱きしめ返してきたので今度は頭もなでてやるすると
「えへへー」
などとかわいらしい反応をしてきた。
そんなこんなで後輩のかわいさをしばらくの間堪能した。

84 :
GJ
場所何処だw
店ならその後お持ち帰り決定だろ

85 :
規制解除来た!
けど、またいつ規制されるか分からない。ちゅっちゅっちゅーしたい。
「ただいまー」
暫くの間、少なくとも一か月か二か月かはそこに入らなかった。いや、入れなかったのだ。
手に伝わるドアノブを回した時のがちゃがちゃという金属の感触が、ひどく懐かしかった。
あまり頻繁に開閉されるドアではないからか、開けると少し埃が舞い、金具がぎぃぎぃと呻きをあげる。
中に入って、後ろ手にドアを閉める。室内はしんとしていて、何とも言えない違和感を感じた。
「帰ったよ。いないのか?」
呼びかけても声は返ってこず、僕は寂しい気持ちになった。ああ、彼女の温もりが恋しい。
僕は何度か同じように呼びかけたが次第に待ちきれなくなり、靴を脱いでせわしなく彼女の部屋に向かった。
「入るよ」
ノックもそこそこに部屋のドアを押し開ける。果たして、彼女は自分のベッドで小さく寝息を立てていた。
起こすのも悪いかと思ったが、久しぶりに会うのだ。ちょっとくらい、わがままに付き合ってもらうのもいいだろう。
彼女の小さく柔らかな身体を揺すり、起きろと彼女の耳元で呟く。
「んぅ……」
彼女は少し身をよじらせ、布団の中に潜り込み、また寝息を立て始めた。
起きるまで待ってもいいが、僕はいつまでここに居られるか分からない。少々強引に布団を引っぺがす。
「んぇっ……!」
ごろごろとベッドの上を彼女は転がり、小さく悲鳴をあげた。そして、不満げに目を擦り、身体を起こした。
「おはよう。ごめん、寝ている所」
出来るだけ優しい声で挨拶を投げかけると、半分閉じていた彼女の目が少し間をおいてから完全に開き、驚いた様子で僕を上から下まで見た。
口をぱくぱくさせて、何を言うか迷っているようだった。
暫くして、漸く発した言葉は間の抜けたものだった。
「……本物?」
思わず吹き出すと、彼女は頬を膨らせた。僕は慌てて取り繕う。
「ごめんごめん。久しぶり。どのくらいぶりかな」
「分かんないよ」
「……待った?」
「待ちくたびれちゃった」
「寝ちゃうくらいだもんね」
「ばか」
彼女はそっぽを向いて、小さく溜息をついた。僕は屈んで、しぼむ様子を見せない彼女の頬を指先で撫でた。
「ごめん」
ふん、と鼻を鳴らし、中々機嫌を直さない彼女の顔に懐かしさと愛おしさを感じた。胸の奥が柔かく、暖かくなる。
頬を撫でていた手を首から肩へ滑らせ、ゆっくり彼女を抱き寄せた。
「訳があって来れなかったんだ」
「…………それで」
「それで……うん、だから、ごめん」
漸くこちらを向いた彼女の顔に向かって申し訳なさそうな笑みを作ると、彼女は少し顔を赤くした後、その細腕でもって僕の身体を床に押し付けた。
「ばかばかばか!寂しかったんだから!」
彼女は力一杯僕を抱いた。僕は自分の胸に押し付けられた小さな頭を撫でる。
彼女の髪に顔をうずめて深く呼吸をすると、肺の中、身体の中、が全部彼女で満たされたような気分になる。
こうやってじゃれあうのも、もうずっとしていなかった。
彼女の頬に手を寄せて、唇を重ねる。何度もついばむように。次第に深く。
唇と唇を愛撫しあい、舌と舌とを絡め、互いの口内を掻き撫でる。
唾液が口から伝い、ぽたぽたと床に滴る。
部屋を水音と荒い呼吸音と、彼女の小さい喘ぎが満たしていた。自分たち以外の音はまったく存在していない。
暫くして、交わらせていた舌を離した。互いの口を銀の糸が繋いでいた。
互いの恍惚とした表情を見つめあった。
「そろそろ行かなきゃ」
「……ずっと、ここに居てよ。」
「そうもいかないのは君だって分かってるだろ」
「…………」
「また規制されるまでは毎日来るよ」

86 :
毎日ちゅっちゅっちゅー

87 :
ちゅっちゅっちゅー

88 :
ちゅちゅっちゅー

89 :
多少(いや結構かなり)鬱要素多かったけど
ハヤカワSFのパオロ・バチガルピ「ねじまき少女」がいい甘えしてた。
ただ上下巻で一冊の価格が高いんだよな

90 :
「先輩のことが好きです。付き合ってください」
「ありがとう、嬉しいよ。でも、悪いけど無理だ。僕のようなネガティブで卑屈な男に君は勿体無い」
「そんなことないです。それとも、他に好きな人でも」
「誰かを伴侶にするつもりはこの先、ないんだ。それなのに君と付き合うのは失礼だと思う」
「そんな、先のことが前提じゃなくても良いんです。ただ、しばらくそばにいて、先輩のことをもっと知ることができたらと」
「僕は君に嫌われるのが怖い。節度を保った距離でいられる今のままではダメかな?」
「意気地なし。それでも私は諦めきれません」
「……じゃあ、そうだな」
「何ですか、急に財布からお金を取り出して」
「バイト代が入ったばかりで今、僕が自由に出来る金額。ちょうど一万円」
「まさか、これで手を退いてくれと?」
「いや、これでお試しをしてみる、というのはどうかと」
「え、意外とあっさり良いんですね」
「この一万円が、君と付き合う時間の代わり。二人のデート代だと思ってくれ」
「これが全部なくなったら、お付き合いは終わりということですか」
「そう。このお金は共同管理だが、使い方は君に任せよう」
「一応聞きますけど、このお金を元手に増やすとかは?」
「なし」
「じゃあ、節約していかないとですね。テレビの企画みたいで面白そうです」
一日目
「家デートならお金は使いません。ほら、その代わり私を楽しませてください」
三日目
「思った通り、優しい先輩。もっと撫でてくださいよ」
五日目
「安いけどこれいけるんじゃないですか? ん、美味しい。先輩も、あーん」
十日目
「今日はちょっと贅沢して、外食ですよ。使う時は使うのも大事です」
十三日目
「バザーで洋服を買ったり、試食をしたり。こういうイベントを回るのも意外と楽しめるものですね」
十九日目
「公園で見る夕焼けが、こんなにきれい。……キス、したいです」
二十三日目
「ちょっとした遠出、楽しかったですよ? また、来ましょう?」
三十日目
「ホテル、入りませんか? もう残り少ないですが、思い出を作らせてください」
「先輩、大好きです」
「……離れたくないです」

「おばあさん」
「何ですか?」
「その一円玉、ずっと持っているんだね」
「それは、これが無くなったら私たちの関係は終わりですからね」
「増やすのはダメでも、他のお金は使ってはいけないとは言ってない、最終的にゼロにしなければ良い、か。盲点だったよ」
「あなたが言い出したことですからね。それに、本当は私を試していたのでしょう?」
「……さてね」
「……まあまあ」
「こんな僕とずっと歩んできてくれて、ありがとう」
「どういたしまして、先輩」

91 :
GJ
胸焼けしてきた

92 :
GJ!!
ああ、こんな娘さんがテレビから這い出てきてはくれんかなぁ。

93 :
ほっこりした後ににたくなった!

94 :
>>92
ドンガバチョ「ん?呼んだかね。」

95 :
>>90
GJ

96 :
うずうず
黄金週間、つまりGWも明日で終わりということで
学生たる私こと理沙は幼馴染で、その、こ、恋人でもある宗太と課題を済ませているのだけれど…
うずうずうず
互いの両親は久しぶりに揃って出かけて二人っきり
まさに甘えたり!いちゃいちゃしたり!さ、さらにはその先も…!という絶好のシチュエーション!
……にも拘らず私はそれを実行できないでいる
その理由はというと
「なぁ、この問題どうやって解くんだっけ?」
「どれ?あぁ、それはここを…」
「ほほぅ、そうやるんだな。さんきゅー完璧転校生」
「…その呼び名、嫌いなんだけど」
「そういうなって、理沙。成績優秀運動神経抜群でクールな美少女転校生とくればいろいろと特別視したくもなるんだろうさ」
「特別視ねぇ…」
「俺だって最初は驚いたからなー、昔と印象がぜんぜん違ったからさ」
「私はすぐ宗太だって気づいたのに、気づいてくれなかったもんねぇ〜」
「ま、まぁ何だかんだでこうやって一緒にいるんだし、結果オーライだろ」
「もう、調子いいんだから」
つまり私は宗太と離れていた一時期に『冷静な人物』を演じるようになった
そして演じている私に再会し告白してくれた宗太
彼に素の私を見せたら幻滅されてしまうかもしれない
宗太に甘えたり出来ない理由がそれなのだ
うぅーなんでクールキャラを演じようと思ったの!?バカ!3年前の私のバカー!!

97 :
うずうずうずうず
「やっとおわったー!」
「お疲れ様、飲み物もって来るね」
あぁ、課題も終わって今日はもうこのままお開きかなぁ…
「いや、その前にさ」
「?なに?」
「理沙、今まで我慢してただろ。ほれ」
そう言って胡坐をかいた足のをポンポンと叩く宗太
えっと、そこに座れってこと?でも急になんで?
動揺して迷う私に苦笑しながら宗太は
「ガキの頃もそうだったけどくっつきたいのを我慢してる時のうずうずする癖、変わってないな」
「えぇ!?そうなの!?」
というか、そんな癖が私にあったなんて…じゃあ…
「じゃあ、宗太にもっとくっついてもいいの?」
「おう」
「頭撫でてもらったりしてもいいの?」
「いくらでも」
「ぎゅーってしたりぎゅーってしてもらってもいいの?」
「当然、俺はお前の恋人だぞ」
「そーたー!」
「うぉっ!
嬉し過ぎて私は座ってる宗太に飛びついちゃった
もう我慢しなくていいしね!
「…座ってる時に飛びつくのは危ないから無しだな」
「えへへ、ごめん。ねぇ宗太」
「ん?」
「大好き!」

98 :
電波受信したので投下してみたよ
久しぶりに書いたから大目に見てね
目汚しスマソー

99 :
あらまあかわいい

100 :
何処のバカップルだゴルァGJ

101 :
>>97
こいつはいい甘えんぼうだ!
GJ!!

102 :
「という訳で」
「はい」
「GWの間私をほったらかした罰を与えようと思います」
「GWは仕事だと前から申し上げていたはずですが」
「異議を却下します」
「横暴だ!」
「電話すらしてくれなかった人に人権はありません」
「メールはしたじゃん」
「あんなのは数の内に入りません」
「つまり俺にどうしろと?」
「そんなものは自分で考えてください」
「何その無茶振り」
「いいからさっさとしてください」
「えー…じゃぁ、とりあえず撫でる」
「5点です」
「10点満点?」
「100点満点で、です」
「頬緩んでるのに?」
「5点は5点なんです!」
「では、ぎゅっと」
「ふわぁ…」
「如何でしょ?」
「に、20点です…」
「採点が厳しくないか?」
「こんなんじゃ足りないんですからぁ…」
「ならキスしちゃおう」
「んむっ…っはぁ…もっと、お願いしますぅ…」
「あれ、点数は?」
「そんなのいいですからぁ…いっぱいしてください…」
「仰せのままに」

103 :
眠れないので気紛れに書いた
何も考えずに書いたのでアレかもしらんがお許し願いたい

104 :
>>103 GJ ぎゅーってやっぱりいいねぇ 温かい気持ちになる

105 :
気紛れGJwww

106 :
GJ
投下した後で、俺の書いたやつ全然甘えっこじゃねーなと思うことが多々あって申し訳ない気分になる

107 :
ほんのり甘いのも良いもんだよ

108 :
同級生から誕生日プレゼントをもらった。
嬉しかったが、自分の誕生日を知っているクラスメイトはいないと思っていたので、もらった直後、僕はあっけにとられ何も言葉を返せなかった。
後日、改めてお礼を言うと彼女は照れた様子など微塵も見せず、お礼を言うより先にプレゼントを使ってほしいとツンとした顔で言った。
まだ開けてないことを話すとものすごい形相で憤慨したが、包装が可愛らしくて開けるのがもったいなかった、ともっともらしいことを言うと顔を赤くしてそれきり何も言わなくなった。
家に帰ってからなるべく丁寧にプレゼントを開けた。中身は手袋だった。
手袋はモダンなデザインで、左右で色と模様が異なっていた。少し変わった手袋だと思った。
次の日の朝手袋を着けて学校へ行く途中、通学路で彼女に出会った。驚いたことに、彼女も同じ手袋を着けていた。
何で同じものを、と聞くと、彼女はいつものツンとした顔で、こうしてればいつでも手を繋いでるみたいでしょ、と言った。
彼女の言葉に思わず顔を熱くすると、彼女は僕の顔を眠たげな眼で一瞥した後、鼻を軽く、得意げに鳴らした。

あんまり甘くないし、短いけど。
甘甘にしようと思ったんだけど、あんまり綺麗にまとまっちゃったんで……

109 :
遅くなったがGJ
それとなんとなく浮かんできたので投下してみる
結婚して3年になる嫁がいるんだけど、いつになってもべたべたと俺に甘えてくる。
今はまだ小さいとはいえ、子供がいる手前あまりそういうことはよくないんじゃないかって思って
この間少し控えてほしいって頼んだんだ。そうしたら、
「私たちは確かに○○(子供)の親。でも、それと同時に私は貴方の妻。
 女としての私は貴方と抱き合いたいし、妻としての私は貴方に寄り添いたい。
 そして、母としての私は両親の仲がいいって○○に教えたい」
なんて、妙な気迫で言ってくるから、そんなこんなでやっぱりその日はべたべたしながら一日を過ごし、
たぶん明日もその先もべたべたしながら過ごすんだろうなぁ……と今日も昼寝中の子供を横目で見ながら腕の中で甘える妻の頭を撫でている。

素クールや結婚スレっぽくなって正直ここに投下していいものかと思いつつも理論武装して甘えてくる女の子っていいよねということでひとつ。

110 :
二人ともGJ

111 :
こんなのも理論武装に入るのかしらん
「そろそろ離れてくれると嬉しいのですが」
「何でです?私はくっつけて嬉しい、貴方は胸が当たって嬉しい。どこに問題が?」
「人の目に俺の心が耐えられない事かと思われます」
「このままでいるのと、この後ずっと不機嫌なのと、どっちがいいですか?」
「…このままでいいです」
「よろしい」
くっ、でんぱが たりない!

112 :
まあまあこれでも飲みなされ
つ【大ジョッキいっぱいのメイプルシロップ】

113 :
なんだよ最近豊作じゃないか
みんなにGJ

114 :
ちょっとSM色が強いのはスレ違い?
お尻ペンペンくらいなんだけど

115 :
今日誕生日なんだが作品書こうと思ったがむなしくなったのでやめた、俺のために誰か書いて

>>114
お仕置き程度ならOKじゃない?甘えるの禁止って言ったのに甘えたのでその罰とか

116 :
「い、いーち……」
パンッ
「きゃぁぁ!……に……ぃ」
「声が小さいですよっ」
パンッ
「あぁぁ!ご、ごめんなさぃ」
「ほら、次いきますよ」
「あぅぅ……ね、ねえ……私も反省してるからね?……も、もうやめよう?」
「ダメです、そんな事言うのはキチンと反省してない証拠です。
ほらほら、ちゃんと数えないとやり直しですよ?」
「やぁぁ!……ちゃんと数えるからぁぁ」
先ほどから俺の膝の上で涙目になりながら折檻を受けている彼女。
元々は高校の先輩だったがつい一年ほど前に俺の方から告白して付き合う事になった。
凛々しい顔立ちでいかにも年上のお姉さんといった風貌の彼女は、
年上好きである俺のストライクゾーンにド真ん中直球だったので、
数ヶ月に及ぶアプローチの末、見事口説き落とすことに成功したというわけだ。
しかし付き合って見ると、一見真面目でしっかりしていそうな彼女は、
実はとんでもなく甘えん坊でオマケにだらしない私生活を送っていた。
当初は俺もそんな彼女が可愛らしく感じていたし特に口を挟むことはなかったのだが、
定期考査で赤点を連発し、いよいよ進級が危なくなったと聞いて自分の過ちを悟ったのだ。
かくして、一人暮らしの彼女の部屋で勉強会を開くことになったのだが…
当の彼女は全くやる気がなく頭を撫でてだのチュウしようだのとベタベタ引っ付いてきた。
勉強しようと説得したけれど仕舞いには構ってくれないと拗ねて手当り次第に物を投げてくる始末だった。
そうした彼女にとうとう堪忍袋の緒が切れた俺はこうしてお仕置きをしている次第である。
「き、きゅうぅ……」
パンッ
「きゃぅぅ!!……はぁはぁ……あぅぅ…もぅ無理ぃ…」
「はい次っ」
「じゅ、じゅう!」
パンッ
「ひゃぅぅ!!……ごめんなさい……ごめんなさぃぃ……ひぐっ……」
遂に彼女は涙を流し始めた。少しやり過ぎたか、しかしここで下手に出ては彼女の為にならない
「これからはちゃんと勉強できますか?」
俺はあえて冷たい口調で彼女に問いかける。
「うん、うん……ちゃんと……します……だ、だからぁ」
「じゃああと10回頑張れますね?」
「えっ!……やだやだやだぁ!……もう無理ぃ絶対無理ぃ」
「ユウくん私のこと嫌いになっちゃったんだぁ……だからこんなひどいことすうんだぁぁ……うぇぇん……」
本格的に泣き出してしまった。これは本当にやり過ぎた。今までの反動で厳しくなり過ぎてしまった。
「そ、そんなことないですよ!俺が先輩を嫌いになるなんてあり得ません」
「嘘だ!舞ちゃんから聞いたもん!ユウくんは年上のお姉さんが好きだって」
舞とは俺の幼馴染だ。
全くあいつめ余計なことを……
「年上のクセにわがままでだらしなくて彼氏にお仕置きされるような子は嫌いになっちゃったんだ」
そういって泣き出す彼女があまりに愛おしく思えてお仕置きの途中だが彼女の額にキスをしてしまった。

117 :
「へっ!?」
「さっきも言ったように俺が先輩を嫌いになるなんてあり得ませんよ」
「確かに先輩の本性には驚きましたが今はそんな甘えん坊のところもわがままなところも大好きですよ」
「……ほんと?」
子犬の様な目でこちらを見上げてくる。
ああ、もう可愛すぎる!
「先輩に嘘は付けませんよ。先輩の全部が好きです」
「あぅぅ」
今度は額を両手で抑えたまま俺の膝の上でジタバタしだした。そんな彼女の頭を優しく撫でる。
「先輩が憎くてやってる訳じゃなくて俺の大好きな先輩にキチンと進級して欲しいからやってるんです」
「愛の鞭というやつです。本当はこんなことしたくないんですよ」
「……うそだ……ユウくんちょっと楽しそうだった」
ポツリと呟く。
「ん?なんか言いましたか?」
「な、なんでもないよ…あはは……」
「じゃ、じゃあさ……私がお仕置きちゃんと我慢できたらいっぱいチュウしてくれる?」
「ええ、いいですよ」
「ちゃんと頭もナデナデしてくれる?」
「ええ、いいですよ」
「あ、あと………………えっと」
何か言いたそうな彼女。下を向いてモゴモゴと呟いている。
「どうしましたか?」
「えっと……あの……ふ、ふたりの時は……その……け、敬語は……やめて欲しいなぁ……って」
顔を真っ赤にしてそんな事を言う彼女。やはり彼女には敵わないな。
勉強させるどころかどんどん甘える口実を与えてしまっている気がする。
「はぁ……全く、分かりました。これからは二人の時はタメ口にしましょうか」
「や、やたっ……や、約束だからね?美咲って呼び捨てだよ?」
嬉しそうにニヤける顔を見ると怒る気力もなくなってくる。
つくづく可愛い先輩に俺は手も足も出ない、完全にお手上げ状態。
だがそんな状態すら楽しく感じるほど俺は先輩に惚れ込んでるようだ。
「それじゃあ、あと10回と言いたいところですがまけにまけて後5回頑張りましょうか!」
「なんでそんなにキラキラしてるの……」
「ん?」
「は、はい!……お、お願い……します」
「11からですよ〜」
「じゅ、じゅういちっ!」
パンッ

あの後先輩を存分に甘えさせた結果、結局勉強会はお開きになり、先輩は見事に追試に落ちたが、
学校にはキチンと通っていた先輩を、先生方は留年させるつもりは毛頭なかったらしく、
三度に及ぶ追試の末、無事に進級を決めたらしい。
ちなみにお仕置きの後彼女の下着が少し湿っていたことは秘密にしておこう。

118 :
初投稿
改行が出来なくて読みにくいかも・・・

119 :
これより、3レスほど投下
本来、投下を被せるのは避けた方が良いってのは分かるが、>>115のバースデーに免じて許してくれ……
本番はないが、兄妹物が嫌いな人は鳥かタイトルでのNG推奨

120 :
 仕事が一区切り付き、彼が腕時計を見ると既に二十二時を回っていた。
「やれやれ、遅くなったものです。……寝ていると良いですが」
 自分でもまるで信じていない希望的観測を口にし、彼は喫茶店を後にした。
 彼は自宅に到着し、玄関の扉をそっと開く。音がしないように、そっと。だが。
「おにーちゃん、おっかえりー!」
 僅かな物音を捉えたのか、妹が彼の胸に飛び込んできた。
「……ただいま」
 避けるのは簡単だったが、かつて壁に激突して鼻血まみれにさせたことがあっただけに、素直に受け止めた。
「元気な挨拶は結構ですが、兄は早寝を心がけるように言ったと記憶していますよ?」
「おにーちゃんがいないのに、私が一人で眠れるとでも!?」
 妹は無闇に堂々と言い放った。
「……威張って言うことですか」
 知らず、彼はため息を吐いた。
「ため息なんか吐かないで、早くご飯食べよーよ。おにーちゃんの好きなオムライスだよ」
 妹が主張すると同時、腹の虫が豪快に鳴った。妹の顔は真っ赤になった。
「やれやれ、遅くなった時は先に……」
「お、おにーちゃんもお腹ぺこぺこなんだね!」
 勝手に“犯人”にされ、彼は一人で苦笑した。

121 :
「どう、美味しい?」
 真剣そのものといった表情で妹は兄を見つめていた。
 オムライスは中々に美味だったが、素直に認めるのは癪だと思った。
「好物を作り、不味いと言わせたのなら逆に凄いと言わざるを得ません」
「ということは、美味しかったんだ!」
 兄の捻くれた言い方を無視し、妹は無邪気に喜んだ。
「ふ、ふん。この程度で慢心しないことです。母の域には遠く及びません」
「でもママ、私と同じくらいの時はこんなに出来なかったって言ってたよ!」
 兄の心境を無視し、妹の気分は天井知らずに上がっていた。
「(……まあ、たまには良いでしょう)」
 夕餉に好物が出たせいか、兄はやや甘い考えになった。
「少しこちらに来て下さい」
 兄がそう言って手招きすると、妹は素直に寄ってきた。
「最近、兄は仕事に感けて妹を甘やかしていない気がしましてね」
 その言葉に妹が目を丸くした。
「たまには甘やかすのも悪くないと思った次第ですが、どうしますか?」
「甘やかすべきだと思います!」
 妹は力強く宣言し、兄に抱きついた。
「おにーちゃん、さいこー!」
 妹は彼の胸元に顔を埋めているため、表情は見えない。

122 :
 それでも、満面の笑みを浮かべているのは想像に難くなかった。
「(甘えてくるうちくらい、甘やかしても構いませんよね……)」
 そう考えると兄は目を細め、自身に抱きつく妹の後頭部を撫でた。


123 :
これにて投下完了
>>118の作品に被せる形になってすまん
おそばせながら>>116-117にGJを

124 :
>>123
ありがとう、本当にありがとう・・・それしか言葉が見つからない
そして、>>116GJ

125 :
皆GJ

126 :
GJでおじゃる
  ,彡ニ三三三三三三三ニ=ヾ;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:i'
  ,彡ニ三三三三ニ三三ニニ;〃ヾ、;:;:;:;:;:;::;:;::;:::;:/;:;:/
 ,彡彡,'',ニ=ミミミ三三三三ニニ彡  `゙゙''ー-、;:;:;:;/;:;/
 ',彡'/ r' ノヽヾミ三三三三三彡'   _,,,,,,、ヽ;:;ィ''|
  彡'|.|(‐'''" 'iミニニ三彡"´ ̄     `゙゙ー'  ;;;:|   _,,,,._                、-r    r--,      、-r
.  彡i、ヾ ('  ヾミニ三'          __,,、 ....ノ   / .,','" ̄',〈... _,,,_   _,,,_   _,,,,,| |     ~`l |  _,,,_   | |,,,,,_
  彡ゝ `'' "  |ミミミ'       ‐'"ひi,;'´  ,ィ;;ァ'  { {   ,___ ,'r⌒!゙! ,'r⌒!゙! ,.'r⌒| l      .| | ,'r⌒!゙! ..| |⌒','i
   '彳`ー‐i  |ミミミ'          `゙ーシ'   |、ニ'  .ゝヽ、 ~]| ,i i  i l i l  i i .i i  .i .i      .| | i i  i l  .| i  .i |
 --、/    i  |ミミ         .,,r‐''"   | ノ    `ー-‐'"  ゞ_,.'ノ ゞ_,.'ノ ゞ__,.',、'ュ     .l l  ゞ_,.'ノ.. .L、-_,'ノ
 く'ノ    :i  ミミ         ´  ., '   |'                              (~'-'ノ
 、\     .l  ヾ            .ノ(_,,、.   |                            `~~
 :\ヽ,   ヽ          /   `t‐一'        __
 ::::ヽ ヽ   `::.       ,; '      .:i          〈  ヽ
 :::::::ヘ ヽ    `::.        ''"⌒゙''一ノ           |   }
 ::::::::::ヘ.ヽ    ヽ、       ` ー'ーノ            !>'⌒ヽ、
 ::::::::::::::ヽヘ     `ー┬‐一;;''""´           /ヽ、 ,  )
 \、:::::::::ヽヽ      /::ヘ ) `゙'ー、_         /:::::::::Τ  ̄ `l
 〃`゙ー、;;;;\\   /i:::::::丿 ' , ' , '`゙ヽ、      /:::::::::::┼‐- -ノ

127 :
>>126
このスレで久々にAA見た気がするwww

128 :
                         〈::::::::::::::::::::`丶、/_:_:_:_:_:_:::::::::::::::::::::::::::
                         /ミ了`ー- 、::::::/:::::::::::::::::::::::: ̄:::::`::::―‐
                          lミミ   (三シ`‐---  ___:::::::::::::::::
                           lミシ  ,.        ヾ三)    }三三三
                        fi7  . "  `、 :     _ _    ヾ三ミ三
                        | !  ' 、==z、ヽ|:  , '"  丶   `}ミミミ
                        |i|  ` `二彡/    、ー==、、:   |ミミミ
                        lリ      _/     `二ニ``   |ミミ/
                ,. ''´ ̄ ̄ ̄`ヾ!:、    f´'′  :^ヽ        ,.lミ/
              /         l ` :r '´`^'、__,.-、ノヽ、    ,. " }シ
             /      _,. -‐ '゙´ヽ { 、-- 、:.:__   ヽ...  '   /}\
         ___/ _,. -‐ ''"´     /,ハ ヾ`ヾエエェェェ>-     , 'ノ   ハ、
     _,. - '"´  //'´        ,. -, {{(  ヽ `丶`二ニ´      /´   | |
 ,. '´     / /          i //ヽヽ、 ,ヘ          , '´     //
'´      /  /           、ヾ、 \\| ヽ、       ,. -,:'´     //
       /  /          /ヽ、``ー`、_`丶>---_彡'"´     //
       /  /         /   ` ‐- 、` ‐--`ニ==----――'´/

129 :
麻呂が出てくる甘えネタか
果たして甘える側になるのか甘えられる側になるのか・・・

130 :
麻呂って結構位が高かったような気がする
つまり、時代物で権力争いに巻き込まれ唯一気が許せる男の前でだけ甘える甘えん坊とかどうだろうか

131 :
6月に入ってから露骨に目の前でゼクシイを読み始めるようになった甘えっ娘

132 :
「今から準備したら早くても10月くらいかな」
「!?」

133 :
>>132
すぐ婚ナビは?

134 :
「すぐ婚ナビを使えば何とか…」
「ならないと思うよ…そんなにジューンブライドがいいの?」
「もちろんだよ!私の夢だもん!」
「でも今から式場確保できたとして、資金は問題ないけど今月挙式で準備や打ち合わせをやるとどうなると思う?」
「うーん?…忙しくなる、かな」
「そう忙しくなるね。仕事しながらとなると、確実に」
「そこは二人の未来のために頑張ろうよ!」
「もちろん頑張るよ。でも我慢できる?」
「我慢?」
「忙しいってことはつまり甘えてる暇もないってことだよ?」
「!?」
「さぁ、選んで。A・結婚式が終わるまで甘えるのを我慢するのか」
「うぅっ」
「B・甘えながらじっくり準備して結婚式をやる…どっちにする?」
「……B」
「うん。物分りが良くてよろしい。ご褒美にハグしてあげよう」
ぎゅっ
「えへへ、あったかい」
「それじゃあ来年の6月に向けてしっかり準備しないとね」
「うん。頑張ろうね!」
「頑張る。だから僕と結婚してください」
「はい!喜んで!」
電波受信しますた。しかし甘えが足りない!
※準備に関してはあくまでイメージです。ご了承ください

135 :
いいね!

136 :
うん、爆発すればいいよ末永くw

137 :
く、くそぉ!祝ってやる!

138 :
 ある日。俺は悪友から聞き捨てならない話を聞いた。
「そういやアイツ、……子だが、いなくなるらしいぜ」
「え? おい、どういうことだよ」
「いや、俺も詳しくは知らん。そんな話を小耳に……」
 詳しく知らないならコイツと話す時間がもったいない。直接彼女から聞き出す!
 ……と、意気込んで探したはいいが。
「……何処にいるんだよ」
 走り回って探して見つからなかった。疲れたのでベンチに横たわり、目を閉じた。
 元々、何処に住んでいるかなんて互いに話したことはなく、彼女と出会った場所を虱潰しに探したが見つからなかった。
「なんだかんだで色々な場所で会ってたんだな」
 いざ探すとなるとエンカウントした場所が多く、移動中にここでも会ったな、と思い出す有り様だった。
 そして、それは思い出の数とそのまま等号で結べる。俺を呼ぶあの声が、無性に懐かしい。
「あ、久しぶり〜」
 そう、こんな声で、
「元気にしてた?」
 こんな言葉で、
「……みたいでもない? ダメだよ、体は大事にしなきゃ」
 こんな台詞を……。俺はふと瞼を開く。探していた彼女がすぐそこにいた。
「何故ここにいる!?」
「あなたを見かけたから……」

139 :
 いや、俺が聞きたかったのはこんなことじゃない。
「……子がいなくなると聞いた。本当かよ?」
 彼女の顔がさっと曇る。
「……誰から聞いたの?」
「悪いが、質問しているのは俺だ」
「……親の都合で、ね」
 成程。激しく不本意極まりないが、あのアホの言葉は真実だったか。
 なら、俺はどうする? 彼女を引き留める? どうやって? 不可能だ。
 じゃあ、彼女と会えなくなって、そのまま諦められるのか?
「……」
 俺はノートの1ページを破き、連絡先と住所を書いて彼女に突きつけた。
「……暇な時にでも電話なり手紙なり書いてくれて構わない。なんなら直接家に来てもいい、じゃあな」
 そこで俺は彼女に背を向け、走り去った。情けないことに、それ以上いたら泣きだしたのを見られてもおかしくなかった。
 翌日、俺は仮病で学校をサボった。気分的には人生ごとサボりたかったが、彼女が会いに来るか細い可能性のおかげでそれは耐えた。
 親が女の子が訪ねてきたと言って俺に来るよう要求。
 正直、彼女以外の女の子と会う気分でもなかったが、時間帯からしてプリントでも持ってきたのだろうし、しかたなく玄関に向かった。

140 :
「あ〜、ゴメン。昨日の今日で回復してるわけもなかったね。今日はもう帰るね」
 玄関で待っていたのは彼女だった。
「うーん、とりあえず2、3日したらまた来る。じゃ」
「いや、待て!」
 帰ろうとする彼女の肩を掴む。帰路と自宅で泣き通した酷い顔から体調が悪いと判断したらしいが、寧ろ泣きつかれてぐっすり眠ったお陰で身体的には漲っている。
「親の都合で引っ越すんじゃなかったのか?」
「引っ越し? いや、しないし予定もなかったはずだよ?」
「昨日、親の都合でいなくなるとか言ってたのは誰だ?」
「いなくなるのは頼撫怒阿保管子(らいぶどあ ほかんこ)、別に私はいなくならない」
 いや、それがお前の名前……。
「……双子の姉妹とかいる?」
 双子の姉妹と情報が錯綜した。俺に考えつくのはこのくらいだった。
「双子以前に一人っ子だよ?」
 じゃあ、どういうことだ?
「親の都合で名前が刺鋳裟保管子(しいさ ほかんこ)になるだけ。別に引っ越したりしないよ」
「本当、なのか」
「うん、本当」
 その言葉に力が抜け、思わず膝を付く。そのまま涙腺が勝手に決壊。
「な、泣く程嫌だったの!?」
「うるせぇ、人の心を散々弄びやがって……」

141 :
「よ、よく分からないけどゴメン……」
「謝れなんて言ってねえよ、それによく分からないで謝るな、取り合えず謝れば許してもらえるとでも!?」
「あっ、いや、そうじゃなくて、“いつ”弄んだのか分からなくて、その、弄んだことを……」
 声音に違和感を感じ、保管子を見る。彼女も軽く涙目になっていた。
「あー、俺も言い過ぎた。お前がいなくなると思ったら冷静に思考できなくなってな」
「……?」
「だから、昨日と今日のことは忘れてくれ」
「家に来るのとかも?」
「……言葉と態度は忘れろ。ただ、何故か連絡先を知っていたとしてもそれは知らん」
「そう、良かった……」

 その後。保管子が登校時から下校時までべっとりとくっ付き、冷やかされるのはまた別の話だ。
 まあ、俺としても悪い気はしないわけだが。
 完

142 :
保管子見てたら運営が変わることを知って伝波を受信して書いた
今では反省している

143 :
隣の娘がすぐ婚を読んでいたと思ったら妊すぐだった
わけがわからねーと思うが

144 :
>>143
来年には家族が増えるんじゃねえか?

145 :


146 :
そろそろプールの時期だけど、甘えっ子は人前でもはばからずベタベタすんだろうなあ

147 :
水着で胸を押し付けられて不覚にもおっきするんですね分かりますw

148 :
なんか危険な目にあって(事故とか誘拐とか性犯罪未遂とか・・・)それを助けられてそれ以降べタベタ甘えてくる甘え娘って想像しかけたんだけど
途中で「あれ?これ甘えん坊じゃなくて依存じゃね?」って思ってしまい依存と甘えん坊の境界がわからなくなってきてしまった・・・

149 :
そばにいないと不安なのが依存
そばにいると嬉しいのが甘えんぼう

150 :
裾を掴んで離さないのが依存
ピトッとくっついて離れないのが甘えんぼう

151 :
この右の娘のイメージでだいたい良いのかな?
ttp://hitotsuki.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_332/hitotsuki/7a226211-1dbf3.jpg

152 :
左の娘がくっついてくるのもいいと思います

153 :
でも結局ダメキャラになって「お姉ちゃん疲れたよー、〇〇君とくっついてるのー」とか言っちゃうんですね分かります

154 :
Twitterで甘々恋愛postを監視するのは最高だぜぇ……

155 :
こなさんみんばんわ
お久しぶりです、名前のないアレの人です
エロあり、グロスカその他注意事項多分なし
ただし甘え成分少ないと思います
ではどうぞ

156 :
「アキ君」
 スンスンと鼻を鳴らしながら彼女が擦り寄ってくる。
「ね?」
 何が『ね?』なのだろうか。とにかく俺はすごく疲れているので早く眠りたいのだけど。
「……分かってるくせに」
 そりゃあ分かっている。でも分かっていても付き合えるかどうかは別なわけで。
「私、もういつでもアキ君を受け入れる準備は出来てるんですよ?」
 大学を卒業したし、今は完全にフリー。アキ君さえ良ければいつでもいくらでもいつまでもあなたのモノにな
れちゃうんですよ。彼女はぎゅう、と抱き締めてくる。
 そんな発言を、3Iって名前のキャッチコピーにしたらどうだ、などと適当に流しつつ、頭をワシワシと撫でつ
けてやる。
「えっと、『いつでもいくらでもいつまでも、あなたの3I、ミドリちゃんです』?」
 言われたとおりにしなくてもいいのに。同棲し始めてからどんどん間抜けになってきてはいないか。高校時代
は学校きっての才嬢って扱いじゃなかったか、コイツは。
「抜けてるところがあっても、アキ君が埋めてくれますもの」
 酷い買い被りだ。面倒なときは相手をしなくなるのを、彼女だって知っているだろうに。
「だから相手をしてくれるときに、思い切り甘えるようにしているんですよ? ね、アキ君?」
 しつこいとか言ったら絶対怒られるよなぁ、と思いながら黙ってやり過ごすことに決めた。頭を撫でながら
ちょっとだけ抱き寄せてやる。
「……ズルいなぁ」
 実際自分でもそう思う。彼女が大学を卒業してこの数ヶ月、結論を出さないままここまで来てしまった。何か
きっかけがあれば解消もされるのだろうが、もうすぐ同棲丸4年。今更一体何をきっかけにすればいいのだろ
う。出来ちゃった結婚くらいしか思いつかない自分の頭の弱さに頭痛がする。
「ホント、ズルい」
 言って彼女が身体を起こす。散らばった自分の髪をゴムで結わえると立ち上がった。
「食器、片付けてきますね」
 彼女は散らかしていた食卓の食器を手早くまとめて台所へ立った。

157 :
 向こうのほうで水道が軋む音を聞きながら、俺も身体を起こした。
 俺だってちゃんと考えなくてはと思っている。正直なところ、外堀という外堀は完璧に埋められているのだ。
俺の両親も彼女の両親もこの同棲を始めるときに話し合って了承を得ているし、それ以来何も言ってこないこと
を考えるとこの生活を続けていても構わないと思われているのだろう。むしろ今更『結婚しようかと思う』なん
て言ったら、どれだけ笑いの種にされるか分かったもんじゃない。だからといってそういう報告をしないわけに
もいかないし、どうしたものか。
「アキ君、難しい顔をしてどうしたんですか?」
 そんな顔をしていた覚えはなかったのだが、彼女には見抜かれていたらしい。それとも俺と彼女しかいないこ
の空間に気を抜いていたか。
 俺がそんなに難しいことを考えていると思うか、と訊くと、そんなわけないですよね、なんて失礼なことを言
いながら隣に収まった。
「でも私、アキ君の真剣な顔好きですよ?」
 じゃあこれからはなるべくおちゃらけた顔をしていよう。
「それ、普段の顔とどこが違うんですか?」
 こいつも遠慮がなくなってきた。昔は俺に真っ向から口答えをするようなことさえなかったのに。
 安心しているんだろう。少々のことでは俺が愛想を尽かさないという自信があるのだ。付き合い始めた頃は、
我侭を言う割りに意見の対立は殆ど無かった。上手く言い包められることが多かった、とも言うが。そんなに俺
に依存するなんて変わった奴だ、と今でも思う。
「普段の顔も、笑顔も、怒った顔も、泣いてる顔も、全部好きですけどね」
 俺がいつお前に泣いた姿を見せたんだ。男が涙を見せるべきでない、なんて美学は持ち合わせていないが、そ
れでも彼女の目の前で泣いた記憶なんてない。逆にわんわん泣かれた記憶はあるが。
「ありましたよ。ほら、同棲するしないってときに。アキ君、『もらい泣きだ』って言い張ってました」
 ……覚えていない。
「嘘吐き」
 こうやって私が涙を掬ったじゃないですか、と彼女が目尻を指で擦り上げる仕草をする。だがなんと言われて
も、断じて記憶に無いのだから仕方がない。
「……嘘吐き。私、本当に嬉しかったんですよ? ああ、先輩が私に弱みを見せてくれるなんて何年に一度のこ
 とだろう、これは奇跡だって」
 それは初耳だ。そんなこと、本当に初耳だ。
 彼女は俺のことを誤解している。俺はそんなに強い人間じゃない。少なくとも泣いたことを指して奇跡呼ばわ
りされるような鋼鉄の精神は持ち合わせていない。
「一応言っておきますけど、アキ君が血も涙もない人間だなんて思ってないですよ? だけど、そのときは本当
 にそう思っていたんです。それだけ私が弱くて、相対的にアキ君が強く見えていただけなのかもしれないです
 けど」
 彼女が弱いだなんて、こちらはそう思ったことなんてない。依存症の傾向はあるが、その分好きだ好きだとや
たら押しが強かったじゃないか。あれだけ粘り腰なら、間違っても弱いなんて言葉は当てはまらない。
「見解の相違ですね。私は弱いです。アキ君は私より強いです。私が泣き崩れることがあっても、アキ君はそん
 なことなさそうだなって思う程度には、アキ君のほうが強いです」
 キラキラと俺のことを信じきった瞳で見上げてくる。そんなに期待されても涙一粒だって出ないぞ。そう言う
と彼女は身体を捩り、声を上げて笑った。

158 :
「……もう、笑わせないで下さい」
 目尻に涙が浮かんでいた。こんなことで泣くんだから確かに弱いのかもしれないな、と彼女の涙を掬う。
「馬鹿。……女の子を泣かせるなんて最低なんですよ? 私はしょっちゅうアキ君に鳴かされてますけど」
 頭をはたく。どっちが馬鹿なんだか分かったものではない。そう言うと今度は嬉しそうに笑う。
「それで、何を考えていたんですか?」
 ひとしきり笑い終えると彼女がしがみついてくる。頭を、こちらの肩に擦り寄せてきた。こうして視線を合わ
せなければ恥ずかしがらずに言えるだろう、と言わんばかりだ。
「私の考えてること、言わなくても分かりますよね? ……眠い、じゃないです」
 もうおねむなのかな、なんて適当に返すと、少しだけ怒った調子で更にしがみついてくる。俺が答えるまでこ
の体勢のまま待つつもりらしい。
「……分かってますよね?」
 待つつもりはあっても、俺が本当に彼女の意図を組んでいるかどうかは自信がないようだ。一体何のことなん
だろうな、と彼女を引き剥がす。息を吸い込み、目を覗きこんで……言えない。
「言って下さい。私は待てますから」
 思わず笑ってしまった。俺を操る方法を心得ている。
 こうなっては仕方がない。……まったく、こんなことで口を割られるなんて。

159 :
 * * * * * *
 彼女の反応は、案外さっぱりとしていた。もっと取り乱したり、大騒ぎするのではないかと予想していたのだ
が、至って冷静だった。
 しかし物足りない。こちらも一応は一大決心をしての発言だったのだから、もう少し大袈裟なリアクションを
してくれたって良かったではないか。俺の緊張を返してくれ。
「何ヶ月、何年待っていたと思っているんですか? 大学出てからだってもう4ヶ月ですよ? どれだけ、いつ
 言ってくれるのかなって考えていたと?」
 真面目にプロポーズして怒られるとは思っていなかった。ならさっきの発言は取り消していいか、と訊くと、
グーで叩かれる。酷い奴だ。
「酷いのはアキ君です。絶対に取り消させません」
 だってこんなに殴ってくるような奴に、結婚してほしいなんていうものじゃないだろう。言うんじゃなかった
よ。そんなことを言うと、彼女は不満そうな顔を作って見せた。
「アキ君は、自分の言ったことに責任を持って下さい。……そういえば、そういう意味ではちゃんと責任取って
 くれましたね」
 彼女の処女を貰ったのは確かだし結果として責任を取るような形になったのも確かだが、別に結婚したってい
つまでもその関係が続くなんて保証されているわけではないことを彼女は分かっているのだろうか。
「分かりません。今からそんなこと、分かるわけがありません」
 プロポーズを受けた直後にそんなことを考えるほど私は馬鹿ではありません、と睨まれた。
 確かに、こんなタイミングでそんなことを考えるのはただの馬鹿だ。でも、いつまでも全く頭にないのも問題
だ。彼女はきっと、彼女が俺のことを嫌いになるなんて考えたこともないのだろう。そして、俺から嫌われない
ようにだけしていれば幸せはいつまでも続く、そう考えているに違いない。
 でもそれは違う。俺はお前のことをいつでも嫌いだと跳ね除けることが出来る。その上で今、俺のことを受け
入れてほしいと言ったのだ。もし選択肢がなければそれはただの恫喝になってしまうし、俺は彼女を脅すつもり
なんてない。逆に彼女に、求婚を半ば強制されていたくらいじゃないか。
「私こそ強制なんてしていません。アキ君がこっちを向いてくれるまで、待ってただけです」
 それならそれでいい、待たせて悪かったな。そう返すと彼女は、待たせすぎだ、と怒った口調で柔らかく体当
たりをしてきた。素直にベッドへ押し倒されてやる。
「待っているのも辛いんですよ? アキ君は、私がアプローチかけるからぐーたらしてるんだって自覚あるんで
 すか?」
 何の話だか分からない、と肩を竦める。俺だって、本当にこちらからのアプローチが必要なときくらいは心得
ているつもりだ。
「やっぱり、自覚ないじゃないですか」
 それは、今までそういうタイミングがなかっただけだ。ついさっきのアレだって本当に今が正しかったのか自
信がない。
「正解は、いつでも良かったんです。なんだったら私がアキ君に付き合って下さいって告白したときでも良かっ
 たんですよ? そのときから、アキ君と一緒になりたいって考えていたんですから」
 思い込みが激しいのは知っていたが、ここまでとは知らなかった。今日は新しい発見が色々ある日だ。
「そうですよ、今日は特別な日なんです。……私にとっても、あなたにとっても」
 そんなものなのだろうか。
「そんなものです。アキ君が特別にしてくれました」
 俺は特別なことなんて何もしていないんだがな、と頭の上へ視線を逸らすと目覚まし時計が視界に入る。体当
たりからこっち、俺の腹の上に寝そべったままだった彼女も釣られて時計を見たようだ。
「……今日が、あと2時間で終わっちゃいます」
 彼女の言う特別な日がもう終わってしまう、という落胆からか、軽い溜息と共に彼女が呟いた。ずっと今日の
ままがいいのか、という問いに彼女は首を振った。
「もし明日、目が覚めてアキ君の顔を見ておはようって言ったとき、この幸せな気持ちがどこかに行ってしまっ
 たらどうしようって考えてしまって……ちょっとだけ怖いんです」
 彼女のほうへ振り向くと、恥ずかしそうに笑ってみせた。
「だから、ね?」
 今日は私を寝かせないで下さい、という言葉には、多分に照れ隠しが含まれていた。

160 :
 彼女の唇が首筋から這い上がってくる。頸動脈を舐め、喉仏を吸い込もうとしながら、鼻息を荒くしている。
実に楽しそうな彼女を抱き寄せると、こらえきれないようにクツクツと喉の奥で笑った。くすぐったいのかとも
思ったがそうではないらしい。
 本人曰く『思い出し笑い』。楽しくて嬉しくて仕方なくて、自然と笑いがこみ上げてくるのだそうだ。
「だって、アキ君と一緒にいてもいいって約束をもらったようなものじゃないですか。例えばこんなことをして
 も――」
 軽くお腹をつねられた。
「――追い出されたりしないってことでしょう?」
 今までだってそんなことはしなかった、とちょっとイラっとする。
「そうですか? 前に『家に帰るか?』って訊かれたことありますよ?」
 そんなことは籍を入れようがどうしようが言えるじゃないか。それに本気で言っていたわけではないのは彼女
だって分かっているはずだ。
「どうでしょう? 内心ではすごく動揺していたかもしれません」
 お前がそんなタマか。軽く触れてくる唇がくすぐったくて顔が歪むが、彼女はそんなことは気にも留めない。
真っ直ぐな視線を寄越しながら、こちらの唇をついばみ始めた。唇で引っ張って舌で舐め回す。
 彼女はもうスイッチが入っていた。ここからは頭を使ったまともな会話は出来ない。正確にはする余裕が無
い。お互いがお互いの僅かな反応を手がかりに、お互いを高め合っていく時間になってしまった。
 さっき彼女を抱き寄せた腕でそのまま包むようにすると、ちょっと驚いたような表情が返ってきた。そんなに
変なことをしたつもりはなかったが何やら驚かせてしまったらしい。
 だがこれは反攻にはちょうどいいきっかけだった。相手の身体ごとぐるりと一回転。襲いかかる体勢が整う。
「アキ君も、やる気ですね」
 おうとも、なんて威勢よく返事をする。
 今日は特別な日なんだから、たまにはこちらから攻めないといけないだろう。たまに、本当にたまにならこう
いうことがあってもいい。普段から彼女に言い寄られて身体を寄せられているばかりというのもバランスが悪い
ではないか。
 彼女は何事か考えこむように俯くが、こっちはそんなこと知ったことではない。彼女も言った通り、こっちは
既に十分ヤる気なのだ。今夜は寝かせないでくれと言うならたまには頑張らねば。
「……分かってるんですよね?」
 何の話だ。
「私達、その、夫婦になるってことですから」
 何が言いたいのか気づいた。思わず固まる。
「今日は周期外しちゃってます。残念です」
 溜息を吐いた。覚悟はしていたが、夫婦になるってことは彼女からますますせっつかれるということだ。
「……アキ君は?」
 買い溜めてあるコンドームが無駄になったかな、と言うと、彼女は恐る恐る俺の顔へ両手を添えた。
「ホントに?」
 本当だ。むしろ求婚云々を考えたときに真っ先に上がる懸念材料じゃないのか。まあ貯金も何もない今、すぐ
に作るような余裕はないが。
「ホント?」
 しつこい奴は嫌いだ。さっきのプロポーズ、やっぱり取り消そうか。彼女は今更何を言っているのか、と相手
にしてくれなかった。

161 :
「はぅ、ふ、あぁっ……ん、くぅっ……」
 ベッドの縁に腰掛けた俺に重なり、背中を預けた彼女が喘ぐ。今日に限っては一方的にやらせてくれていた。
 その代償か、パジャマ代わりに着ていたTシャツは酷くよれていた。彼女の胸をさするたび、応えるように裾
を握りこまれるのだから、こんな使い古した安物ではすぐに首周りが伸びきってしまう。
「あ、アキ……くん……、うしろから、もう、いいよぉ……」
 顔が見たい、と後ろ手にこちらを目指す。だが残念ながらこちらとしては恥ずかしいので見せてやるつもりは
毛頭ない。彼女の身体に密着して臍に指を引っ掛けて弄る。荒い息を吐きながら軽く爪を立てるようにして頭を
引き寄せようとするので、耳朶に噛み付いて黙らせる。
「や、あ……耳、よわい、のに」
 知っている。
「アキ君の、舐めるの……ダメ、なのに」
 知っている。
「ていこ、う、できなくなっちゃ……あ……」
 知っている。だが今日だけは抵抗させる気はない。
 今日くらいはさせてくれ。こっちの決意とか、そういう諸々の事情があるので我慢してほしい。
「がまん……やぁ、です。アキくんと、いっしょが、いいです」
 そんなことは知らない。首筋を舐めて、鎖骨を撫でる。
「わた、ばっかり、きもちよくなっちゃう、よぉ……」
 気持ちいいならそれでいいじゃないか。半ば八つ当たりになっているのは自分でも分かっている。でも今日だ
けは甘えさせてほしい。
「甘えるのは、わ、たしの、やくめぇ……」
 それならそれでいい、存分に甘えてもらおうじゃないか。そう言うと彼女は戸惑いながらも頷いた。
 ショーツの中に侵入した手指がぬかるみの端を捉える。ぴくん、と腹に力が入った。普段なら時間をかけて周
りから中心へ推移していくが、今日はダメだ。膨らみで、軽く指を弾ませた。
「あぁっ……! いきなりなんて、おかしく、ぅうっ……」
 首を反らせて、なんとかこっちの顔を睨みつけようと頑張っている。
 可愛い奴だ。未だに自分の相方になるなんて信じられない。俺なんかにはもったいないんじゃないか。だから
俺と同じレベルまで堕としてやりたい、と思うのは、ちょっと行き過ぎた思考かもしれない。
「あ、きくん、わたし、もう……」
 欲しい、と言われても俺はまだだ。もうちょっと興奮したい。
「それなら、ね?」
 後ろから抱きすくめられていた彼女が腕を振りきるとこちらに向き直る。正面から、真っ直ぐに見つめられて
息が詰まった。
「……興奮、しちゃった?」
 小首を傾げてこんなことを言い放つ。お前の顔を見ただけで興奮が増すわけないだろ、と笑ってしまった俺の
負けだった。
「んっく……ひぅうっ、これ、ほしいの……」
 彼女の平坦な胸を弄り、大事なところを弄る。俺も自身を彼女に握られ上下されているから心臓が締めつけら
れるようだ。
「なんでも、アキくんの言う通りに、するからぁ……」
 なんでもなのか、と訊き返す。そんなの前からだったじゃないかと思わないこともなかったが、訊き返さずに
はいられなかった。
「なんでもです。だから、ね?」
 この『ね?』というのが彼女の癖になっている。こうすれば俺が簡単に折れてくれると誤解しているのだ。確
かにこちらを見上げるようにしてねだってくるのは、それはそれで相当な破壊力があるのだが。
「どうし、た、の?」
 どうもしていない、ただお前の困った顔がそそったんだ。そう言うと嬉しそうに俯く。
「アキくん、ホントひどいなぁ」
 目尻を下げた笑い顔で身体を揺らした。
「私、そんなにイジめたくなる人ですか?」
 知らなかったのか? いつも凛としているからこそイジめたい。俺のモノにしたい。心の中でも一番暗い部分
の独占欲だった。
「そんなこと考えなくても、随分前からあなたの、ですよ? 私の心も、身体も、全部」
 以前にもそんなことを言っていた。嘘ではないと思う。
「だから、今日は私の一番奥までシて下さい? ね?」
 自分でそこに指をあてがって広げる。粘度の高い液体がとろりと流れ落ちた。彼女の準備はもういらない。
「アキ君も、もういいでしょう?」
 幾度となく経験して知っていることだというのに一応確認してくるのは、俺に覚悟を問うているのかもしれな
い。そんなもの、もうとっくに済ませているのに。

162 :
 彼女を仰向けに転がして、腰の高さを合わせる。
「っあ――」
 突き入れると、お互いに声が漏れた。彼女はいつも通りの反応。俺は邪魔のない感触に負けてのものだった。
「――アキ、くんも、興奮してるんだ……?」
 少し勘違いしているらしいがわざわざそれを訂正してやる必要はない。それに興奮しているのも間違いではな
いし。このまま動かしたらすぐに果ててしまいそうだ。
 ギチギチに張り詰めた自分の分身が埋まっている辺りへ掌を置く。その上に彼女の掌が重ねられた。彼女の表
情を伺うと、無表情に見えた。
「……やっと、ですから」
 本当に、子供を作ろうとする行為は初めてだった。彼女の言葉を信じるならそういう周期は外れているらしい
が、それも絶対ということはない。
 何事にも事故や例外はある。
「これが、アキ君の、ですね。……いつもと変わりないかな?」
 当たり前だ。大きさが特別変わってるわけじゃない。最近の避妊具は数mmの出来なのだから、かさ上げをされ
ているなんてこともない。
「ですよね。……うん、いつも通り、ですよ?」
 いつもと違ったら困る、と言うと、彼女は薄く笑った。こうして挿入されたままでも焦れずに動かずにいるの
は、彼女も思うところがあったのだろう。
「大丈夫。……大丈夫です。私、あなたを受け入れてます」
 そんなの見れば分かる。そんな一言をやっと返すと、彼女は、ですよね、と顔を歪めた。
「ちょっと怖いです。アキ君がここまでしてくれるの、初めてだから。一つひとつ確認しないと、これが夢なん
 じゃないかって」
 これが夢なら、随分手の込んだ淫夢を見ていることになる。
「私、欲求不満だから、そんな夢を見ることもあるかもしれません」
 だから満足させて下さい。このふわふわした幸せが本物だって、分からせて下さい。
 彼女の求めに応えることにした。

163 :
 腰を押し付ける度、目の前が眩むような錯覚を覚える。ほとんど忘れていた快感だった。
 女の子の身体を組み敷き、自分の分身を彼女に埋め、喘がせ、鳴かせ、泣かせ。
 そんなの、長続きするはずがない。
「あ、きくん……あっひあっ、っく、ふくっ……」
 早くも限界に来ていることを伝えると、いつでもいい、と返ってくる。いつもなら一緒にイきたいだの言う癖
に、随分せっかちだ。
「だ、だって、今日、わた、し……ねない、からぁっ!」
 時間はたっぷりある。それなら満足するのは後でもよく、結果が欲しかっただけらしい。
「あき、く、んっ! ……ちょうだ、ちょうだい? あなた、を、ちょうだ、い?」
 一番奥に。私の身体で唯一、まだアキ君の色に染められていない場所を、汚して。
 俺のことを仕草や反応で追い詰めた上に、こんなことまで言う。
 長続きするはずがない。
「あっ、あきくぅっ……!」
 彼女が身体を反らせて感じ入る。枕辺りのシーツを掴んで、ガクガク揺さぶられる自分の身体を支えて耐えて
いた。
 俺が、こんなにしているのだ。こんなにしても、許してくれているんだ。そんな想いが俺を簡単に追い詰め、
あっけなく放ってしまった。力の逃げどころを探して、彼女の身体を抱き締める。
「ふぁっ、アキ、くっ……ぅんっ……! あっ、ふぁあぁっ……――」
 抱き締めて、腰を一番奥に押しつけ続ける。奥に注ぎ込むつもりで軽く腰を送り込んだ。
「――な、んか、でてる……のかな。……あぁっ!?」
 軽く揺すって得られた刺激が、挿したままで少し力を失っていた俺自身に再び力を戻していく。肩で息をする
くらいに全力を尽くした動きだったが、そっち自体の体力はまだ大丈夫だ。
 それに、彼女はまだ満足していないはずだった。
「……おちついて、きゅうけ、しても?」
 いっちょまえに俺のことなんて心配しやがって。生意気だ。密着させていた腰を少し引くとぬちゃりと音が
立った。
「やぁ、待って、アキくん」
 俺の腰の後ろで組まれた彼女の足が邪魔をする。
「……ちゃんと出した?」
 まるで幼児へトイレの成否を聞くような口調だ。そんな彼女の上目遣いの顔面を掴んで締め上げる振りをす
る。なんでそんなこと、疑っているんだ。
「だって、いつもより……早、くて。その、済みません」
 反論出来ない。実際いつも以上に早かったのだから。ただその理由を説明するのは面倒だし、ナマのほうが俺
も感じているなんて知った彼女の暴走を考えると頭が痛いので伝えるつもりもない。その代わりに軽く睨んでお
いた。
「アキ君も、気持ちいいの? ――いいんだ。よかった」
 私で満足してもらって安心した、と呟いている彼女の顔をこちらへ向ける。
「……うん。ありがと」
 彼女は彼女で葛藤でもあったのか、一人で勝手に頷いて、勝手に礼を述べられた。礼を言われるようなことは
何もしていないはずなのだが。
「分からないなら分からないでいいです。私が勝手に感謝しているだけですから」
 言いながら彼女が俺のことを呼ぶので顔を近づけてやると、恥ずかしそうに耳元に顔を寄せてくる。
「今日はまだ、眠りたくないな……」
 そんな風にワザとらしく囁いてきた。そうすれば、すぐにヤる気が回復するだろう、と言われているようだ。
 分かっている、いつもヤり始めたら3回戦までは勝ち進むだろう。そう苦笑しながらからかうと彼女も釣られ
て笑った。

164 :
 さて。
「……離しませんよ?」
 先手を打たれた。よっこらせ、なんて掛け声をかけて彼女を腰から抱き上げる。正常位から座位に直接抱き上
げるのは結構しんどいのだが、彼女は分かっているのだろうか。
「ふ……っく」
 軽く顔を歪めたが、不満だからというわけではないようだ。溜息と共に抱きついてくる。
「ふ、うぅ、んっ……あふ、うっく……」
 もう言葉は要らないだろう、と腰をスライドさせてきた。耳元で喘ぐのだからこっちもその気になる。スライ
ドに合わせて押し上げる。
「あ、あぅ……あき、くん……んぅ……」
 ぞわぞわと腰の奥が持ち上げられたように感覚が鋭敏になる。この体位なら普段からヤりなれているし、何よ
りついさっき満足したばかりだからまたすぐに達してしまうということはないと思うのだが、それでも彼女の吐
息と体温が俺の興奮を引き上げる。
 名前を呼ぶと、彼女はこちらを見ない代わりに胴体に回した腕を更にきつく締めてくる。
「ふぅっく、ひゃぁっ、は……ひっ、く……」
 彼女は意味のある言葉を吐き出さない。
「うぐ、っあ、あぅ……ふ、ひっく……」
 徐々にえづくような声が混じってきた。顎が肩に刺さって痛い。後頭部を軽く叩いて、肩に刺さっている、と
文句を言うと、幾分湿っぽい声で、それくらい我慢してくれ、と言われる。
「……あ、きくっ……んぁ、あふっ!」
 抗議のつもりで首筋へ噛み付き、舌を滑らせて彼女の弱点、耳の穴へ。
「や、やぁ……うぅ、んあぁっ!」
 どうせ一晩寝ずに睦み合うつもりなのだ、まずは彼女にも満足していただこう。でなければこちらが先に枯れ
果ててしまうかもしれない。
 抱き上げたばかりの彼女に覆い被さり、再びベッドへ押し付けるように体重を移動させる。だがそれを察した
彼女は体重をこちらに移してきた。先程の体位は嫌なのだろうか。
「う、くぁん……っあ、あきくんっ……!」
 意地悪をしないでくれ、と文字通り縋り付きながら懇願してくる。さっき言った通りに絶対に離れないつもり
なのだ。正常位では上半身が離れてしまう、と愚図る。
「も、ちょっと、だか、らぁ……うぁっ、ん、くんぅ……」
 イきたい、アキ君でイきたい、とそんなことをうわ言のように呟きながら、腰のスライドが力強くなってい
く。
 再度名前を呼ぶ。耳元だけで聞こえるように囁くと、もっと呼んでほしいと彼女が求めてくる。
「あ、き、くっ……あっ、あぁっ! ああぁっ! ふあぁぁっ!」
 ガクガクと腰を揺すり、涎を垂らしながら彼女が達した。こちらも我慢する必要はない。遠慮無くぶちまけ
る。自分の分身が脈打ちながら彼女の奥を汚しているのが分かる。
「……あっふ……あ、きくん」
 彼女は俺が同じように身体を震わせているのに気がついたらしく、嬉しそうに吐息を漏らした。

165 :
 * * * * * *
 数回戦を終えて幾分ぐったりした彼女を抱き上げ、首筋を舐め上げる。
「ひぃっ!? ……もう、くすぐったいじゃないですか」
 不意打ちに機嫌を悪くした彼女がこちらの首を絞めるような所作をする。舌を出しておどけると、仕方がない
な、と笑われた。
 お互いの身体が汗ばんできていた。風呂に入るか、と提案するもやんわり却下される。
「ん……もうちょっと、このままがいいです」
 身体中、汗だけではないお互いの体液だらけで不快だろうに。俺も自分の精液とお前の愛液が混じったものが
まとわりついて気持ちが悪い。
「気持ち悪いなんて失礼な人です。……ごめんなさい。私も、身体流したいかな」
 申し訳なさそうにこちらの表情を伺う彼女に、風呂とシャワー、どちらがよいか尋ねる。
「アキ君はどっちがいいですか?」
 俺は風呂のほうがいい。正直疲れた。ゆっくり浸かりたい。
「ならお風呂。私も一緒に入ります」
 ……余計に疲れるじゃないか。そんな俺の視線に彼女は力尽きた演技をする。そんなつもりはないとアピール
しているつもりなんだろうが、そうはならないのは分かり切っているじゃないか。
 やれやれとベッドから腰を持ち上げると腕を引かれた。お前も身体を流したいんだろうに邪魔をするな、と振
り返ると、彼女は何かを言いたそうに固まっていた。
 一体どうした、どこか痛いか。そう訊くと何も言わずに隣に座るように促された。
「……あの、今気がついたんですけど」
 俯いて口ごもる。どうしたのだろうか。
「私、……してなかったなって」
 よく聞こえない。大事なことならはっきり言ってくれればいいのに。
「だから、あの――」
 意を決したようにこちらの顔を見つめる。
「――私も、あなたが好きです。不束者ですがよろしくお願いします」
 ……プロポーズの返事をされていなかったなんて忘れていた。彼女が断るはずがないという思い込みのせい
だ。さっき選択肢がどうこうと偉そうなことを言っていたのは一体誰だったんだ。
 それに今更、好きだ嫌いだと言うのを恥ずかしがるな。こっちが恥ずかしい。俺の呟きに彼女が微笑み、釣ら
れて笑ってしまう。
 ……いかんいかん、こんなことでニヤついてしまうなんてただの気持ち悪い人だ。まるで俺に甘えてくるとき
のコイツではないか。
「私が気持ち悪い人みたいな言いかたはやめて下さい。失礼な人ですね」
 そう言ってはいるが彼女の顔は怒っていない。
「ホント、失礼」
 持ち上がっていた頬をぐいぐい引き下ろしていたら目が合った。まだ何か言い忘れていたことでもあるのか、
と促すが、彼女はそれ以上喋ろうとしない。
「……失礼ですよ」
 確かに本人の言う通り弱いのかもしれないな。そんなことを考えながら、何故か泣いている彼女の頭を抱きか
かえてやった。

166 :
と以上です
自分に都合の悪い記憶はキンクリする主人公のスキルが欲しい
他所のスレから始まって、6年越しくらいでこのお話はおしまい
もし万一最初から読んでいた方、いらっしゃったらありがとうございました
そうでない方も、甘え分少ない駄文にお付き合いいただきありがとうございました
それでは、失礼しました

167 :
>>166
伸びてるなと思ったら貴殿でしたか
おかげでいい糖分補給をさせて頂きました
新作ができるのを楽しみに待ってます

168 :
>>166
GJ! いい糖分補給でした
以前のものは未読ですが探して読ませてもらいますよ

169 :
神様GJ!!!

170 :
小ネタ投下

「そうすけさん、そうめん持っていきますから、食器とか出してください」
「はい。あ、ゆかりさんワサビつかいます?」
「そうですね……辛いのは苦手ですが、たまには挑戦してみましょうか」
「わかりました。量には気を付けてくださいね」
「ちょっと子ども扱いしてません?」
「いいえ、滅相もありません」

「ごっふ、ごほっごほっ」
「あーあー。ゆかりさん、はいお茶」
「あぃがとぅごらぃまぅ……ふー」
「気を付けてと言ったのに。顔真っ赤じゃないですか」
「違います、今日は暑いからです。断じてわさびのせいではありません」
「冷房効いてますよ?」
「……」
「……」
「……訂正します。顔が赤いのは、大好きなそうすけさんと一緒にいるからです」
「ごっふ!?ごほっごほっ」
「ほーらそうすけさんだって、わさびで真っ赤じゃないですか。はいお茶」
「ワサビじゃないですよ……それに、ゆかりさんだって更に赤くなってます」
「……も、もう少しそばに行ってもいいですか?」
「……ええ」

「……そうめんなのに、そば……」
「ゆかりさん?」
「あっいえ、なんでも……」

171 :
そうめんは生姜じゃないですかね……
つまり蕎麦の食い直しだな

172 :
そうめんならツルツルだけど
そばに行ったらズルズルとなし崩しに…

173 :
そこでチューかそばでくっついているのかの二択を迫ってくる大陸系娘の投入ですよ

174 :
なんで二択なんで大陸と思ったがそういうことかw

175 :
>>174
分からん
解説頼む(´・ω・`)

176 :
チューかそばでくっついてるか
ちゅーかそば でくっついてるか
 中華そば

177 :
これだけじゃなんなので、くっつき防止にゴマ油絡めましょうかね
「なんかぬるぬるするんですが」
「はい、あなたが元気になるようにセサミエキス入りのオイルマッサージをして差し上げようと思いまして」
「……ゴマ油だよねこれ」
「はい、セサミエキス入りのオイルです」
「モノは言い様って知ってる?」
「はい、あなたのモノはイイ様子です」
「なんでそんな軽くカタコトなのさ。あと変なところ触らない」
「あなたが大陸系娘キャラが好みと聞きまして」
「……めんどくさいのでいつものあなたでいいです。あと変なところ触らない」
「せめてマッサージをと思いまして」
「いいからお風呂でゴマ油を落としてきなさい」
ニンジンだかダイコンだかのお化けが出てきそうなネタになってしまった、反省

178 :
>>177
そこから「じゃあ一緒に入って下さい」っておねだりするんだよ
背中とか自分では洗えないからってお願いするんだよ

179 :
甘えっ子にとって「一緒にお風呂」とはどんなものですか?

180 :
片時も離れたくないから一緒に入るのであって、いやらしい考えは一切ありません

という建前

181 :
片時も離さないための既成事実が必要なのであって、風呂釜にお湯は一切ありません

という本音

182 :
一緒にいるのが当たり前であって、お風呂程度で離れる必要性が一切ありません
という思考

183 :
なるほどこれが甘えっ子の常識かw

184 :
甘ったれんな!

185 :
甘いのが垂れるなんてもったいないので舐めますね(prpr

186 :
甘えっ子は鳥の雛に似ている

187 :
砂糖水

188 :
鳥で思ったけど、この板閑古鳥スレ多いのに、ここって何気に人いるよね

189 :
甘党も左党もいるからね、ストライクゾーンは広いよね

190 :
撫憧党という保守派

191 :
>撫憧党
ああ、ブドウ糖かw だれうま

192 :
俺、甘党でも酒飲みでもないから、ブドウ党に乳糖もとい入党するわ

193 :
まったく、ショ糖部は最高だぜ!

194 :
唐突にさしすせそ砂糖文
さ「さっさとくっつけばいいでしょっ!」
と「と、とにかくぎゅーってしなさむぐっ!?」
う「うまいこと言ったって…だまされな、あぅ…」
あ「明日は別に…空いてる、けど…」
ま「また、ぎゅってしてくれる、なら…」
い「い、言っとくけどアンタなんて、そ、そんなに好きじゃな、んっ!?ちゅ…ぷはっ…ば、ば、ばかぁ…っ!」
次のお題は「あいすでぇと」でどうぞ。

195 :
ツンデレと甘えっ子の境界線が分からん(^^;

196 :
>>195
VIPのツンデレスレが盛況だった頃は割と仲が良かった記憶が

197 :
大雑把に括ればツンデレって甘えっ子の中の一例なんじゃないの?

198 :
塩スイーツ的な

199 :
>>198
ものすごく納得したww

200 :
甘えっ子「もっとぎゅってしたいです」
ヤンデレ「もっとぎゅってしたいです」

201 :
>>200
甘えっ子「もっとぎゅってしたいです。もっと、もっと…(キュ」
↑だんだんふにゃふにゃになってく
ヤンデレ「もっとぎゅってしたいです。もっと、もっと!!(ガシッ」
↑だんだん力が入っていく

202 :
恋人の献身的な愛情を受けて病んでた心が溶け、甘えっ娘になっていくSSはよ

203 :
 旦那様が企画された納涼会に、ご家族の皆さんと、特別に僕達使用人が集まっておりました。広く、よく手入
れされた庭を望む別邸の座敷に、皆さんそれぞれが寛いでお酒を頂いております。
 僕はというと、現在お嬢様に絡まれておりました。お嬢様はもう随分お酒をお召しのようです。
「ちょっと、聞いてるの?」
「はい、聞いております」
「それならそこに座りなさい」
「既に座っております」
 もう三十分、お嬢様はこうして正座をした私の膝の上にいます。所謂膝枕という奴です。
「ちーがーうーのー! 足を崩しなさいって言ってるの!」
「しかしお嬢様、今足を崩しますとお嬢様の頭が床に叩きつけられてしまいますがよろしいのですか?」
「そんなの叩きつけられないようになんとかしなさいよ」
 素面では至って真面目でいらっしゃるお嬢様なのですが、何故アルコールが入っただけでこんな性格になって
しまうのでしょうか。
 困った顔で周囲を見渡しても飲酒したお嬢様の性質の悪さをご存知の皆さんはこちらを遠巻きに眺めているだ
けです。手を貸してくれそうにありません。
「あなたも一人前の使用人なら、困ったことがあるなら自分で解決なさい」
「困らせているという自覚がおありでしたら止めていただけますか、お嬢様」
「なんでよ! 面白くなくなっちゃうじゃない!」
 脇腹の辺りを握り拳で叩かれました。これはアルハラでパワハラではないでしょうか。
「足も大分痺れてるでしょ? さっさとなんとかしてみなさい」
「……では、失礼します」
 お嬢様の頭を持ち上げるため、ちょうど都合よくくっついていた取っ手を掴んで持ち上げます。
「耳! 耳痛い! 痛たたたたたた!」
「少し静かにしていただけますか? 足が痺れているので上手く動かせそうにないんです。膝で殴ってしまいま
 すよ?」
 周囲の旦那様方がドン引きしていますが、まあいいでしょう。僕もお酒を随分飲まされましたし、少しばかり
酔ってしまっていますから。
「多少の無礼はお許し下さい。何分酔っておりますので」
 痛いくらいに痺れた膝をなんとか組み直して言われた通りに足を崩しました。持ち上げたままだったお嬢様の
頭を床にそっと下ろします。
「これでよろしいでしょうか」
 これ以上なく慇懃にそう言うと、すっかり大人しくなったお嬢様が涙目でこちらを見上げていました。
「……そこに正座なさい! あなたは私をなんだと思っているの!」
 収まったかと思ったのも束の間、再び元気になったお嬢様はやおらに身体を起こしてお説教を始めました。足
を崩せと言ったり正座をしろと言ったり、朝三暮四で支離滅裂な方だと思います。
「お嬢様の仰る通りになんとかしてみましたが、何か問題がありましたか?」
「問題大有りよ! なんで耳を引っ張るの!」
「ちょうどいい取っ手がありましたので、つい」
「ちょうどよくない!」
 お嬢様が飛びかかって来ました。耳たぶを摘まれてそのまま引っ張られます。
「痛いでしょ? 痛いと言いなさい」
「痛いです」
 そんなやり取りをしている僕達を横目に、旦那様方は寝所へ戻ります。迷惑な酔っ払い、もといお嬢様の処理
は僕に一任されたようです。
「いーや痛くない、私はもっと痛かった」
「お嬢様は僕の痛みが分かるんですね。すごいです。万国びっくりショーに出演されてはいかがですか?」
「あなた、私に喧嘩を売っているの?」
「まさか。ただ正直に本音をお伝えしただけですよ」
「なお悪い!」
 旦那様も奥様も先輩方も、苦笑いしながら座敷を後にされました。

204 :
「……なんでいつもあなたは私のこと、バカにするのよ」
 襖の向こうに誰もいなくなったと気配で分かると、お嬢様は少しだけ怒りを収められました。もしかしたら、
単に耳の痛みでお酒が抜けただけかもしれません。
「バカになどしておりません。お嬢様はいつも素敵な方だと思いますよ」
「そういう心にもないことを言うんだから」
「正直に、本音をお伝えしただけです」
 そう言いますとお嬢様は赤面なさいました。やはりお酒は抜けていないようです。
「……酔った。運んで」
「畏まりました。ところで、どのように抱き上げましょうか? おんぶに肩車、肩に担いで運ぶ、とありますが
 いかが致しましょう」
「そんなの嫌だわ。普通に抱き上げてよ」
「存じております。ただ腕を使うものでは万一にも廊下でお嬢様を落としてしまうかもしれません」
「そんなに重くないわよ、私」
「そうですね、四十――」
「そこから先は言わなくていい」
 今日一番の気が含まれておりましたので口を噤みます。
「――失礼致しました。お嬢様を腕で支えること自体は何と言うことはないのですが、いかんせん寝所までの距
 離が長いのです」
 大奥様、旦那様と奥様、若旦那様、そしてお嬢様は座敷のある別邸から渡り廊下の向こうの母屋に寝所がござ
います。しかも若旦那様とお嬢様のお部屋は二階。運び切る自信がありません。
「ですから」
「分かったわ。じゃああなたの部屋で休ませて頂戴」
 僕達使用人に割り振られた部屋はこちらの別邸にございます。移動距離は半分以下になるでしょう。
「僕の部屋ですか? しかし使用人の部屋はお嬢様にお休みになっていただけるつくりになっておりませんが」
「……ハナから眠るつもりなんて無いわよ」
 納涼会では僕を含む使用人の面々は普段の仕事着か私服でしたが、旦那様方は皆さん浴衣でいらしました。お
嬢様の浴衣は白を基調とした生地でした。抜けるように白い肌と合わせて、とてもよく似合っておいでです。
 そんな浴衣でざらりという音を立てつつ、お嬢様は僕に抱きついていらっしゃいました。
「酔いが醒めるまで、少し休むだけよ。ここだって片付けなければならないでしょう?」
 使用人も参加しての納涼会とは言っても、僕達が後片付けをしなければならないことに変わりありません。担
当の者は一旦姿を消していますが、暫くすればここに戻ってくるでしょう。
「だから……その、私を抱っこしなさい」
「畏まりました」
 お嬢様の仰る抱っこというのはお嬢様抱っこのことです。以前抱きあうようなかたちの抱っこをしたときに、
お前は分かっていないと散々お叱りを受けたことがありました。お嬢様には腕の輪を僕の首にかけて頂き、僕は
背中と膝の裏を持ち上げます。
「どう? 重い?」
「いいえ、お嬢様が暴れなければ途中で落とさずにお運び出来ると思います」
 意識的に回答をすり替えましたが、お嬢様はお気づきでないようでした。機嫌がよいようで何よりです。
「あなた、今夜は付き合いなさい」
「一応お伺いしておきますが、付き合わない選択肢はありますか?」
「無いわね」
「でしたらご命令頂かなくても分かっておりましたよ」
「だってあなた、言わないと分かってくれないじゃない」
 お嬢様は僕と二人きりになると、急に抱きついてきたり、抱っこしろといったご命令をなさいます。
 使用人の先輩には常々『ご命令を頂くのは未熟の証拠』と教えられております。旦那様方のご要望が分からな
い僕に落ち度がある、ということです。
「すみません。ただ僕も夜は左利きですから」
 笑顔でそう申しますと、お嬢様は身体を固くされました。顔も真っ赤にしております。
「はぁ!? ば、バカじゃないの!?」
「確かにお嬢様に比べれは僕は利口ではありませんが……お嬢様も僕も、左党ではありませんか」
 お嬢様の顔色は今にも火を吹きそうになりました。
「……っのバカ! だからあなたは分かってないなんて言われるのよ!」
 肩の辺りで罵倒を並べ立てるお嬢様の仰ることを半分聞き流しながら、僕は酔いに若干ふらつく身体をゆっく
り進めたのでした。

205 :
と以上です
>>189きっかけで小ネタ
昔読んだ本に最後のネタがあったのを思い出したので書いちゃったテヘペロ(・ω<)☆
が、>>198言うところの塩スイーツちっくになってしまったのは否めない

206 :
乙&GJ!
なんか夜ご飯が済んだら謎を解く話が頭よぎるw

207 :

ワロタ

208 :
おつ

209 :
夏祭り

「ゆかりさん、準備できましたか?」
「はい、お待たせしました」
「おぉ……浴衣、よく似合っていますよ」
「そんな……そうすけさんこそ、浴衣姿、とっても素敵です」
「ははは、なんか照れますね。さ、行きましょうか」
「はい」
・・・・・・
「私、電車なんて久しぶりです」
「そうなんですか?でも今日は2駅だから、すぐですよ」
「歩いて行ける距離ならもっとよかったんですが……」
「まあまあ、その間にゆかりさんの浴衣姿を楽しみますよ。祭り会場は混雑して、余裕ないでしょうし」
「……っ、そう、ですね……」

「さあ、降りますよ、ゆかりさん」
「だ、だめっ、降りないでください!」
「え……?あ、扉が……」
「あ……すみません、そうすけさん!私ったら、何をして……」
「いえいえ、大丈夫ですよ。次の駅で降りましょう」
「……はい、すみません」
・・・・・・
「そうすけさん、先程はすみませんでした」
「大丈夫ですよ、怒ってなんていませんから。でも、どうしてあんなことを?」
「さっき、お祭りは混雑するから、余裕ないって。
折角そうすけさん浴衣なのに、あんまり見れないのかなって思ったら、体が勝手に……」
「……それは男冥利に尽きますね。僕も、浴衣姿のゆかりさんが少し独り占めできて、嬉しいですよ」
「私のこと、はしたないって思わないんですか?」
「とんでもない!むしろ、もっとくだけてもらってもいいくらいです!……あ」
「……ふふっ、そうすけさんったら。では、お言葉に甘えて。手をつないでください」
「喜んで。じゃあ、ゆっくり会場まで行きましょうか」
「はい。絶対、離さないでくださいね?」

「まさか本当にひと時も離さないとは……」
「ふふ、今日の私はくだけてますので」
「も、もうそれ忘れて下さい……」

210 :
 最近暑いね。
 こんな日にはシャワーを浴びて汗を流すに限る。
 そして短パン姿になって畳に寝転がり、扇風機に当たって涼む。
「パパ」
 すると彼女がやってきて隣に座り、俺の顔を覗き込んできた。
 彼女は俺のことを何故かパパと呼ぶ。
「どうした?」
「構って」
「きついっす」
 そう言うと、つまらなさそうに唸り、俺の上に被さってくる。
「こら、暑苦しい」
 引き剥がそうとすると、怒る。
「膝なら貸してやるから、上は風に当たらせて」
 了解したのか、のそのそと下に移動する。
「パパ、さらさら」
 俺の太股に頬擦りしながら、彼女が言う。
 普段跳ね気味の短髪が、肌に擦れて結構くすぐったい。
「甘えんぼうだな、お前は」
 俺は上半身を起こして、彼女の頭に触れる。
 タンクトップとホットパンツ姿で、中学生くらいの外見。
 成長途上の胸だが、遠慮のないチラリズムだ。
「ん……すん」
 顔を太股から短パンの方に寄せ、埋める彼女。
 そして枕のようにすりすりしながら、臭いを嗅いでくる。
 変態的だが、これは彼女なりのスキンシップであり、変な下心はない……と思う。
「パパ」
「何だ?」
「パパの体、みんな好き。触れてると、安心する」
「俺は、俺を好きと言っていつでもくっついてくれるお前が好きだ」
「退けようと、したのに?」
 少し意地悪く笑いながら、聞いてくる。
「まあ、素直じゃないんだ。ツンデレって奴?」
「ツンデレ、か」
 彼女は少し膝側に転がって、仰向け気味に俺の方を見る。
「ずっと、私を好きでいて? パパ」
「どうかなー」
「分かってる、ツンデレだから」
 体を起こし、今度は俺の太股に跨ってきた。
「でも、分からない時も、あるから……その時は、はっきりして?」

 俺と彼女はいつものように、求め交わっていた。
 布地の少なく無防備な夏服は、今は下着やゴムと同様に周囲に散らばっている。
「ん……ちゅ」
 盛り過ぎかもしれないが、こんな愛情深く際どいキスやハグをされれば、あっさりケダモノに堕ちてしまう。
 誰にも見せたくない、秘めた営みとその後の優しい時間。
 汗まみれでせっかく浴びたシャワーが空しいが、それでも理性に勝てず抱き締めている。
 上気した肌を扇風機の風に撫でられているのが、せめてもの暑さ凌ぎだ。
「ふぁ……、パパ」
「ん?」
「あのね、子どもできたら、喜ぶ?」
「ああ。今はいろいろ大変だが、いつか、な。楽しみにしてるよ」
「うん。そしたらパパは、本当のパパになって、家族、いっぱい……どうしよう、そんなの嬉しすぎる……うあぁ」
 何だろうな、この可愛い生き物は。

というお話だったとさ

211 :
皆GJ

212 :
いいね♪ いいね♪

213 :
 暑気払いに温泉旅行とは、以外と悪くない選択だったらしい。
 一日の終わりを露天風呂で迎えるのは、なかなかに風情がある。
星も月も見える空に、源泉掛け流しの湯。風呂から上がれば料理も待ってるし、言うこと無し、である。
 ただ、一つだけ贅沢を言うならば。
「やっぱり、狭いねえ」
 湯気の立つ水面にちゃぷんと波が立つ。
 風呂付きの個室のある旅館を選んだとはいえ、湯船が家族風呂ほど大きくないのは誤算だった。
 お陰で、二人で入れば寿司詰めだ。大浴場に行けば広々とした空間を存分に楽しめる、とは一応主張してみたのだけど。
「だから言ったろ。無理に入ることないって」
「ううん。……こーゆーのがよかったんだよ。えへへっ」
 旅行計画の首謀者たるほたるさん的には、まんざらでもないご様子。
 二人膝をついて向かい合って浸かった湯船の中、頬を緩めてご満悦。
「次は混浴のあるとこにしような」
「それでも……一回は、こんな風に入りたいな。よーたと一緒にっ」
 伸ばした両手を俺の腕に重ね、ちゃぷちゃぷと揺らしていた。
 ……昔からスキンシップの多い奴だとは思っていたけど。
「……なんか、この旅行で余計に進行しそうだな」
「ん、なにがー?」
「甘えグセだよ、ほたるの。俺離れ出来なくなるぞ」
「なんだ、そんなこと心配してたんだ? んふふ、だいじょーぶだよっ」
 にやけきった顔のまま自慢げに胸を張られても、やな予感しかしない。
 結構大きめな双房が揺れる様は、それはそれで堪能させてもらったが。
「よーたをわたし離れできなくさせれば、問題なしっ」
「自分がどーにかなるという発想はねえですか!」
「ねえです!」
 ……ドヤ顔で『これからもいちゃつきますが何か?』と主張されても。
 ほたるの自分が決めたらテコでも動かない所は、結構手強い。
 わがままをいう訳ではないのだけど……その、なんというか。
「……離れる必要がないじゃん。ずっとぎゅっとするって、約束したし」
 お気楽な笑顔から一転、物憂げな瞳が懇願の視線を対面に向けてくる。
 こうなるともうダメだ。結局甘えたがりが進行するんだろうけど。
「……一緒に決まってるだろ」
「えへへ。よーたも結構あまえただよねー。わたし離れできないよー?」
「ほたる離れ出来なくするんだろ? いーんじゃね、それで」
「あー、照れてる照れてる! かあいいなぁ、もー! もーもー」
 上からのしかかるみたいに抱きついてきた、頬を寄せてぐりぐりと乱暴なハグ。
胸板にむにゅんと触れたやわかい山が大変素敵ですけども!
「……一つ、提案なんですけど」
「何だよ」
「家に帰っても……こーして一緒にお風呂入りたいなぁ……なんて」
 ……やっぱり、甘えグセは進行するらしい。
「わぷっ。ちょ、よーたっ、ぎゅってするの強すぎだよおっ」
「……強いの、好きなクセに」
「す、好きだけど……好きに決まってるけどお……くぅん……」
 甘えたがりも、甘えられたがりも。
 きっとふたり一緒に、離れられなくなってゆくんだろう――。

214 :
>>179から小ネタなど
甘えっこと一緒にお風呂入りたいお

215 :
素晴らしい!
これは素晴らしい!

216 :
GJ!GJ!!

217 :
いいかんじだぉ

218 :
爆発

「そうすけさん、『りあじゅー』ってなんですか?」
「え……愛し合える人がいる幸せな人、ですかね?」
「じゃあ、私たちは『りあじゅー』ですか?」
「ええ、まあ、そうですね。なんか照れますけ……」
「た、大変です!爆発します!!」
「はあ!?何が!?」
「『りあじゅー』は爆発するんです!どうしましょう!?」
「ああ、そういう……。……!」
「そうすけさん?」
「ゆかりさん。俺は爆発する破目になろうと、変わらず貴女を愛します」
「え!?え!?」
「そしてもし天国へ行っても、ゆかりさんを愛し続けたい」
「そ、そんなの私だって、生まれ変わってもそうすけさんが大好きですっ!!」
「ゆかりさん……」
「そうすけさん……」
「……」
「……爆発、しませんね」
「するわけないでしょう」
「…………え?」

「ゆかりさーん、すいませんでしたー!俺が悪かったからトイレに引きこもらないで下さーい!」
「そうすけさんの、おたんこなすー!すっとこどっこーい!爆発し……しちゃだめですけどー!
 もー!あんぽんたーん!おたんちーん!」

219 :
書き込みすぎ?間隔もっと空けるべき?

220 :
GJ
2828したw
個人的にはカマワヌヨ(・ω・)

221 :
 二大精糖のでもくらしー
 右と左、革新と保守。相対する信念が拮抗する世界――とはいかなかったこの国で。
 えらい人らが夢想した対立の社会は、実は密かに実現していたりする。
 もっとも、舞台は超絶小規模な一つ屋根の下。
 高砂家の夕食後のリビングでは、今宵も論戦の火花が散っていた。
「今日こそ言わせてもらうぞ、希海っ! いい歳して、そっ、そんなにベタベタ
してっ! 恥ずかしいだろっ!」
「えへへっ。だってね、莉緒ちゃん。晴斗にぎゅーってされるの、とってもきも
ちいいし……すっごく、どきどきするんだもんっ」
 どうしたものかと戦況を見守る家主、ソファーに腰掛けていた高砂晴斗の眼前
で、舌戦繰り広げるは二人の少女。
 真っ赤な顔で両手をぶんぶん振って、道徳とかモラルとか奥ゆかしさを訴えて
いるのが藤枝莉緒。
 そんな訴えも何処吹く風、自分の欲求には一直線とばかりに晴斗の膝上にちょ
こんと座って幸せいっぱいに笑顔を見せるのが天野希海。
 相対する二人は容姿も性格も正反対だった。そんなボーイッシュで潔癖な莉緒
と、ガーリィで怖いもの知らずの希海がぶつかれば――。
「ど、どきどきとかっ! そんなにやけたはしたない顔、晴斗に見られていい
のっ!?」
「でも、でもねっ。…………あー、やっぱ、むりだー。うれしい気持ち、止められな
いよおっ」
 希海は晴斗の両腕を、まるでシートベルトみたいに身体に絡ませ、愛おしげに
ぎゅっと抱きしめてははふぅと甘いため息を吐き。
 莉緒は赤い顔をもっと真っ赤にして、瞳にはかすかに涙まで浮かべながら一層
狼狽してしまっている。
 自由意思の成せる業と言わんばかりに素直な希海の姿は、割と奥ゆかしい古風
な莉緒にとっては許容しがたいものらしい。
「いつまで続けてんの、二人とも。ほら、喧嘩はなし。仲直りしなー」
 いちゃらぶと貞淑の狭間で板挟みな晴斗も助け船を出してはみるものの。
「だ、だってっ、希海が……。大体晴斗もだらしないんだぞっ! すぐに止めない
からっ、こ、こんなに破廉恥なことに……」
「んふふ。晴斗さん、もっといっぱいぎゅーってしてください。今日は、莉緒
ちゃんの分までっ」
 躊躇い恥じらう恋敵に見せつけるように希海が更に晴斗に身を寄せれば、助け
船もあっという間に波間に呑まれて消えてしまった。
 幸せそうに眼を細めて、その身に絡めた腕をまるで宝物のようにぎゅっと両手
で抱く姿は、莉緒の焦燥を大いに煽っているようだ。
 わなわなと身を震わせて羞恥と羨望の狭間で悶える莉緒が面白いのか、幸せに
頬を緩ませる希海の暴走も徐々にギアを上げていく。
「んなっ!? ぼ、ボクの分までとかそんなのずる――じ、じゃなくてっ! とにか
く破廉恥なのはだめに決まってるっ!」
「破廉恥じゃないですよ〜。はぐもちゅーも親愛のスキンシップです。わたし
も、晴斗さんが好きだから――んぅっ」
 くるんっ、と座っていた膝の上で半身を捻り、ぷるんっと瑞々しい唇で、つい
ばむように晴斗の元へ。
「あははっ、くすぐったいな」
 ほんの児戯、いたずら混じりのスキンシップも希海にしては造作も無いこと、
だが。
 その時莉緒に電撃走る――と言わんばかりに一瞬、ぴたりと彼女の時が止まって
しまった。蒼白に染まる顔面は、瞬く間に紅潮を見せる。

222 :
「わーっ! わあああっ! キスとか何やってんだよおっっ!? 晴斗とキスとか
そんなのボクも――ち、ちがうくてっ! はっ、晴斗がイヤがってる だろっ!?」
「いや、別にイヤっていうかくすぐったいだけで」
 晴斗にすれば、まだ兄離れの出来ていない妹のようなものだから――そう、大し
たことではないとやり過ごすものの。
「ちゅ……んちゅ、れぅっ……はふぅ……。晴斗さんにちゅーすると、わたし、ぽわぽ
わしちゃいます……はぅぅっ」
 希海だってもう、十分『いい歳』の女の子であり。
「あははっ、こら希海っ、犬じゃないんだから」
 頬に降らせた口吻の雨は、親愛より深い意味を帯びている。
 それは、莉緒にも一目瞭然だった。
「あ、あぁ……晴斗が取られちゃう……やだ、そんなのヤダっ……ボクだって、ボク
だってぇ……っ」
 震える手をおそるおそる伸ばして、掴もうとする健気な仕草。
 堪え続けた理性を破り、抑えきれなくなった『甘えたがり』な想いは、晴斗の
一身に向けられてゆく。
「こら、希海。あんまり莉緒にいじわるすんな」
「うふふ。晴斗さんだって、分かってるくせに」
「い、いや……それは、そのっ。俺がしたいのと、莉緒がしたいのとは違ったら、
莉緒に悪いし……」
 言葉ほど確かでもないから――それだけで躊躇っていた晴斗を、希海がくすくす
と笑った。
 恋敵の気持ちは同類だからこそよく分かる。
 甘えたい――ただ、それだけだから。
「……何が悪いんだよっ。晴斗の、うわきものっ」
「う、浮気って」
 おそるおそる探り合い、確かめるような会話を重ねて、一歩、また一歩と莉緒
が晴斗の元へ近づいてゆく。
 目線も泳ぎ、伏し目がちになりながらも、それでも進む。
 どくん、どくん、胸に弾む鼓動の音に合わせるように。
 こちらへどうぞ、と身体をずらし、莉緒の座る場所を作った希海の前で。
「ぼ、ボクだって……そんなの、ボクだって! し、したっ――したいって……思って
るしっ……」
 胸元に飛び込むように、莉緒が晴斗の身体にしな垂れかかる。
「……莉緒。甘えたいなら、遠慮すんな」
 ぽん、ぽんっと、赤ちゃんを安心させるように背中を優しく叩いてくれた晴斗
のせいで、莉緒の表情も綻んでいく。
 甘えちゃいけない、はしたないのはダメ――そう自分に言い聞かせてきた葡萄党
な少女も、やっぱり甘い女の子だから。
「うぅ……こ、こんなの繰り替えしたら……ボクまで希海みたいな、甘えんぼうに
なっちゃうじゃないかよおっ……晴斗のバカぁ……」
 細いショートヘアーを手櫛で梳かれる快感で、まるでネコのように丸くなって
ゆく。
「くすくす、莉緒ちゃんはもうずっと前から甘えんぼさんだと思ってましたけど
ねー」
「そ、そんなんじゃないもんっ! そんなんじゃ……うぅ……」
 愛しい人を半分占領している隣の少女のからかいで、はっとまた頑なな態度を
取り戻そうとするも。
 一言。晴斗が呟くそれだけで。
「……俺は莉緒に甘えられるの、好きだけど」
 ムキになっていたしかめっ面が、まるで蕩けるように変わってゆく。
 瞳に星が輝き、頬がだらしなく緩んでゆく。
 それは、心の底で求めていた、願いだから。
「……そんなの、ボクだっておなじなんだからなっ」
 最後は、莉緒もぎゅっと抱きしめた。
 そんな風に、甘えんぼの論戦は、いつだって幸せに幕を閉じてゆく。

223 :
小ネタ失礼しました
甘えっ子に清き一票を!

224 :
乙ワロタ
どっちにも一票入れたいんだが(・ω・`)

225 :
おいおい甘えっ娘選挙とか
日本が溶けるわ

226 :
しかもボクっ娘とかw

227 :
それぞれ彼氏や好きな人がいる甘えっこが
集まる女子会という電波が来た
アドバイス合戦や自慢大会になるんだろうか

228 :
女子会(彼氏同伴@膝の上)ですねわかります

229 :
ファミレス女子会

「ゆかりのとこってお互い敬語なんでしょー?」
「うん、そうだよ」
「なんで?そうすけ君そんなに厳しいの?」
「ぜーんぜん。私はそうすけさんのこと尊敬してるから敬語なんだよ」
「で、そうすけ君もアンタを尊敬して敬語……あー、お熱いこって」
「ふふん。でもねぇ、アオイだってマモル君と話す時ふにゃふにゃだよ?」
「な!?し、仕方ないでしょ、あんな優しい目で見られたら……」
「はいはい。もう、早く告白しなよ」
「そんな機会ないわよ。だいたい……」
「あ、そうすけさん達帰ってきた」
「うぇっ!?」
「ただいま、ゆかりさん、アオイちゃん」
「ただいまー」
「お、おかえり」
「おかえりなさい。そうすけさん、ごにょごにょ……」
「ほぅ、了解です……。マモル、アオイちゃん。悪いけど用事が出来たから、俺たち帰るね」
「さようならマモル君、アオイ」
「えぇ!?ちょ……」
(アオイ……これが、機会よ!)
(待て待て待て!)
<アリガトウゴザイマシター
「そうすけ達、嵐のように去ってったね……」
「う、うん。そうだね……」
「……」
「……」
「「……あのさ!――」」

230 :
ファミレス男子会(お手洗い)

「そうすけ達ってさぁ、なんで敬語なん?」
「そりゃあ、お互いを尊敬し合ってるから、さ!」
「ドヤ顔やめろや……」
「時にマモル。お前のアオイちゃんを見る目は慈愛に満ちててキモいな」
「う、うるせえ。仕方なかろーが、あんなに可愛く笑うっちゃけん……」
「あーはいはい。さっさと告白すれば?」
「しかしお前、タイミングってのがだな……」
「いいから、戻るぞ」
「お、おう」
「ただいま、ゆかりさん、アオイちゃん」
「ただいまー」
「お、おかえり」
「おかえりなさい。そうすけさん、ごにょごにょ……」
「ほぅ、了解です……。マモル、アオイちゃん。悪いけど用事が出来たから、俺たち帰るね」
「さようならマモル君、アオイ」
「えぇ!?ちょ……」
(マモル……タイミングとは、今だ!)
(……わかった。サンキュー)
<アリガトウゴザイマシター
「そうすけ達、嵐のように去ってったね……」
「う、うん。そうだね……」
「……」
「……」
「「……あのさ!――」」

231 :
初2レス組
>>227の妄想力に乾杯

232 :
乙。
>>231の具現化力に脱帽

233 :
後日談もぜひ(´Д`;)

234 :
こんなに誰もいないと甘えっ娘が寂しがってしまう

235 :
独りぼっちで寂しい甘えっ娘が一人遊びを始める。

236 :
世間ではあまちゃんなるものが流行ってるようだな
海女な甘えっこ…・・・難しいテーマだ

237 :
日記

○月△日
うわあぁぁぁぁぁぅおおうぅおおおわああぁ!
○月×日
昨日の日記は今見ると頭おかしいと思う。落ち着いて書こう。
昨日マモル君に告白した。いや、された。いや、した。そこはどうだっていい。
両想いだった。うれしい。顔が熱い。もう寝よう。すき。
○月◇日
ゆかり曰く、今の私は顔にしまりがないらしい。私からすればお前のその妙に
母親じみたような表情の方がよっぽど腹立たしい。今日はマモル君に会えなかった。
明日も忙しいらしい。少し寂しいけど、大丈夫。だって私はマモル君の彼女なんだから。
○月▼日
前言撤回。すごくさみしい。せっかくおつきあいできたのに、
これじゃ片思いのときと変わらない。さみしい。
アオイ、しっかりしろ。彼に迷惑かけちゃいけない。もう寝る。明日は会える。
○月◎日
今日はマモル君とたくさん話した。お昼もいっしょ。彼のコーヒーを一口もらった。苦かった。
それを伝えたらワッフルをあーんしてくれた。スマートにやったつもりなんだろうけど、
顔が真っ赤になってた。ふと目に入った窓に映る私は、そんな彼よりもっと真っ赤だった。
○月☆日
デートに誘われた。週末がこんなに待ち遠しかったことはない。遊園地楽しみ。
今から服を考えなくては。正直もうゆかりをバカにできないほど舞い上がってる。
でも私はあいつほど頭が彼氏一色にはなってないと思う。なんだか眠れない。
○月□日
特に私がものを食べているとき、マモル君は優しい目で私を見つめている。
包まれている感じがする。ぽかぽかして、ふわーっとする。マモル君も私を見てこんな気分に
なっているのだろうか。そうだったらうれしい。すき。明日はデート。

「おはよーっ!待った?」
「ぜーんぜん。あっと、その、服、かわいいよ」
「……へへ、ありがと。さ、行こ?」

238 :
甘えっ娘エピソード0か、いいねいいね
スイッチが切り替わるときは見ててほっこりする
>>236
彼氏がついてないと潜れないのか

239 :
>>237
GJ

240 :
いいねえ

241 :
残暑
「おーい」
「…………」
「……おーい」
「……」
「〇〇さーん」
「ふにゃ?」
「前に約束しましたよね」「なにが?」
「30度超えた日のぎゅーは一時間までって」
「……10時間までじゃなかった?」
「一時間」
「ちぇ。でも今週から無制限になったよね」
「たまたま29度とかになっただけだ。今日は暑いからもう終わり」
「わたし、そんなに器用じゃないんで。急に止まれないんで」
「なぜそこで胸を張る……」
「そもそもはわたしが暑い暑いぬるぬるするーっていうのに××くんが汗ばんだ肌を押しつけてきて」
「記憶が書き換わっている……」
「そんなもんで断腸の思いでルールを作ったのはわたしだからわたしは破っていいんです」
「おまえ、便利だな」
「へへーん」
「褒めてないぞ」
「今日だって、××くんが『涼しくなるまでが一日だ』とか変なこと言ってくっついてくるから仕方なく……」
「だめだこいつ」

242 :
ぬるぬるの甘えっ娘…グレイトォ!!

243 :
>>241
良いね
暑さ寒さも彼岸まで、甘え盛りに区切りなし

244 :
>>241
漏れが許すのでもっとべたべt(ry

245 :
お前ら人のとこの甘えっ娘ばっか見てないで、自分のそばの甘えっ娘を可愛がってやれよ!
いない?違うね、気づいてないだけだ。ほら、早く見つけてやれ、この幸せ者!

246 :
お月見

「そうすけさーん、お団子できましたよー」
「はーい」

「お疲れ様です、ゆかりさん。晴れてよかったですね」
「はい。虫の声が綺麗ですね」
「……ゆかりさんと出会ったのも、今ぐらいの時期でしたね」
「なんだかもう、ずうっと昔のような気がします」
「俺は昨日のことのように覚えてますよ?」
「まぁ……歳をとると、そう感じるらしいですよ?」
「失礼な……」
「ふふふ、ごめんなさい」
「…………ねぇ、ゆかりさん」
「……はい」
「……月が――」
「……」
「――美味しそうですね」
「……意気地なし」
「ははは……面目ない。今日のところは、これで許してもらえませんか――」
「――んっ……。ひとまず、ですからね。私、待ってますから……」
「はい。必ず……」

「へっくしゅっ!」
「あぁ、二人して完全に風邪ひきましたね……ごほっ」
「そうすけさんが悪いんですよ!ずっと、その……いちゃいちゃする、から……」
「歳をとったから耳がとおくなったなぁー」
「……もー!」

247 :
いちゃいちゃをもっと詳しく書くんだ!
それにしても月が綺麗ですねが言えなくて
ちゅーはできるって順番違わないかw

248 :
微糖です

……月が僕たちを見守っている。
クサい表現だけど、まん丸になって見下ろしてくるお月さまを見ていると、似合いの言葉に思えてくる。
初彼女ができて二週間、3回目のデート。
待ち合わせのときも、ランチのときも、試着に付き合ったときも、とにかくかわいさに悩されっぱなしだった。
彼女の家までこうして二人で歩いていても、意識していないと思わず顔がニヤける。
この子が僕の彼女で、横を歩いていてくれると思うと、それだけでドキドキしてしまう。
今日のデートは、けっこうステップアップできたと思う。
だけど、よく考えてみると、映画館で手をつないできたのも、お揃いのストラップを買おうって言ったのもこの子からだ。
どっちも嬉しすぎて挙動不審になっちゃって、とびきりの「?」顔(これがまたかわいいんだ)を2回させてしまったし。
これは少し情けない。
一応告白したほうとして、もうちょっと男らしく攻めたほうがいい気もする。
でも今日の僕には一つ、秘策がある。
マンションの前まで来て、立ち止まる。
彼女が振り向いて、笑ってくれて。
「今日、楽しかったよ」
う、嬉しい。
「僕も。ずっとかわいい子と一緒だったし」
「……やだぁ」
よし。可愛いなあちくしょう。
さあ、告白よりも前に漱石先生の話をして張っておいた伏線が……
「また明日ね」
……今だ!
「じゃあね、『つk 「愛してるよ」
………………。
…………ええーっ!?
彼女が僕の胸に顔をうずめて、ぎゅう、と抱きついていた。
(…………いい匂い)
じゃなくて。
いや心臓はバクバクだけど、絶対彼女にも聞こえてて恥ずかしいけど。
それより…………。
……もうどうでもいいや。
彼女のちっこい頭を見下ろす。
おずおずと、僕も手を回す。
(……やらかい。細い。ちまい)
腕の中にすっぽりと収まってしまう。
心なしか、抱きついた腕の力が強くなった気がする。
そしたら彼女は、顔を上げて「あいしてる」ともう一回言って、ふにゃ、と笑った。
ずっとそのままでいたいぐらいだったけど、彼女はパッと体を離すと、急に顔を赤くしてエントランスに駆けていく。
かなわないな、と思った。

249 :
一枚上手の甘娘かわいい!

250 :
セーター「そろそろ私の出番?」

251 :
甘えんぼうA「セーター?彼にくっつけばあったかいし、いらない」
甘えんぼうB「いや、クリスマスにプレゼントするために編むとかさ」
甘えんぼうC「え?クリスマスなら『プレゼントはわ・た・し』ってやるのが定番でしょ?」
甘えんぼうA・B「「それはない」」
甘えんぼうC「えーゼッタイ喜んでくれるのに…」
甘えんぼうA(まぁ、既に去年…)
甘えんぼうB(使っちゃったネタだしねぇ…)
って感じの会話が電波になって飛んできた

252 :
入り口が二つある手袋の中で手を繋いで、
「なんでいつまでも手ぇ繋いでんすか」
「手を出したら寒くなっちゃうから」
「……じゃあ手袋譲るから」
「手を出したら君の手が寒くなっちゃうだろう?」
「じゃあ手袋諦めて」
「手を出したら寒くなっちゃうから」
ていうループ

253 :
甘えんぼうD「2着の袖がつながったセーターなら街中で脱げなど言えまい!」
一方甘えんぼうEは二人羽織仕様セーターを編んでいた

254 :
二人羽織でアイス→ほっぺにベチャッ→ぺろぺろ
まで見えた

255 :
甘えっ子的には膝枕をするのとしてもらうのはどちらがジャスティスなのだろうか

256 :
してもらってからの回転→抱きつきがデフォなんじゃないの
「負けたほうが勝ったほうに膝枕する!」と勝負を挑むものの意外に敗れてしまい、
ちょっとがっかりするけど、ももに乗っかる重みにどきどきし始める甘えっ娘、ってのもあるな

257 :
甘えんぼうに小動物系のイメージを持つ派としては、乗るより乗せる方かな
でもたまにお姉さんぶって、膝枕してあげる、とか言ってくれると嬉しいね
膝枕中に逆さキスされたい

258 :
>>257
そんな、甘えん坊なアメリカ系ナイスバディな人がいてもいいじゃないですか? 
小っちゃい彼氏を背後から抱きついて摺り寄せるくらいに甘えちゃうタイプがいてもいいじゃないか!

259 :
膝枕ねぇ
エロなし1レスに込めてみよう

260 :
 今日は俺の彼女と親友とその彼女の四人で、温泉に入りに来た。
 山の中にあって時間帯が早いからなのか、主な利用者は地元のご年配方がぽつぽつといったところ。
 時折家族連れも見かけたが、そこそこ浸かって今出てきたばかり。
「……」
 温泉のロビーって何でこんなに居心地が良いんだろうか。
 少しして、親友の尋が男湯の暖簾を潜って出てきた。
「ふー、えがったえがった。温泉なんて久しぶりだったわぁ」
「で、ついつい調子に乗ってサウナと冷水をリレーしていたのか」
「そしたらくたびれちゃった訳よ。座敷の休憩室でしばらく横になってるわ」
「飲み物買ってくる。牛乳、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳、その他、どれが良い?」
 コーヒーを所望され、ビン牛乳の自販機の所まで来ると、奥から声がした。
「もう上がってたんだ」
 茶混じりのセミロングにワンピースの女の子、清那が嬉しそうに向かってくる。
 大学生なのに見た目は10代前半に見えるほどあどけないが、湯上りのせいか艶っぽく大人びて見える。
「男前だね、京介くん」
「サッパリシマシタヨー」
 その後から金髪碧眼の女の子、ミーシャも、周囲の視線を集めつつ合流した。
 長身でグラマーないかにもアメリカンスケールという感じで、シャツとホットパンツ姿が似合っている。
「二人も何か飲むか?」
『うん!(イエス!)』
 結局三種類買って、二つを女子たちに手渡し、三人で休憩室に行く。
「ダーリン! 一緒ニオ風呂入リタカッタヨ!」
「おわっ、牛乳こぼれるぞ!」
 親友と彼女はウチとは逆の女高男低の身長差カップルだ。
 それでいて彼女の方からべったりなのは、母性的なものでもくすぐられるのだろうか。
 牛乳を飲ませたら、皆で座敷に座って世間話などをした。
「でね、京介くんったら面白いんだよー」
 俺の話をする彼女の横顔は、何となく見入ってしまうほど感じが良い。
「……どしたの?」
 清那はきれいな顔しているな、と褒めてやったら一気にデレデレになった。
「ふぇへへ……あ、そうだ。ちょっと膝枕して?」
 公共の場で寛ぎすぎだろと思うが、まあ良いか。
「グッドアイデア! 私タチモシマショウ!」
 デーブルを挟んであちらはあちらで乗り気の様子。
 俺は正座をしてどうぞとぽんぽんすると、清那はすぐに体を横にして頭を乗せてきた。
「ん、京介くんの感触だ。……特等席だよ、良いでしょミーシャ」
「私ハ、ダーリンニ膝枕スル方ガ好キデス」
 ミーシャも尋に膝枕をして、髪とか顎とか撫でくりまわしている。
「これ、人前では恥ずかしいな。見られてるよな絶対」
 しかし気にも留めないアメリカン、今度は顔にぎゅっと巨乳を押しつけていた。
「……ひょっとして、羨ましい?」
 視線を下に戻すと、清那の顔が俺を見上げていた。
「いや、面白い光景だから生暖かく見守ってあげようと」
 ああいうのも良いかもしれない、と少しは思ったが。
 反省しつつ、俺も頬を軽く撫でてやると、清那は気持ち良さそうに息をついた。
「ありがと。でも」
「こんな小っちゃい私で良かったら……今度は私がしてあげても、良いよ?」

おわり

261 :
素晴らしい!素晴らしい!
これはエッチな展開も希望したいw

262 :2013/10/01
>>260 乙ー
お互いに自分のパートナーしか眼中にないのがすごく萌える!
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