2013年10エロパロ557: 麻生優子妄想同盟(夢幻戦士ヴァリス) 第八幕 (755) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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麻生優子妄想同盟(夢幻戦士ヴァリス) 第八幕


1 :2010/08/30 〜 最終レス :2013/09/07
1980年代を席巻した肌も露な美少女剣士たち!
その代表作たる「夢幻戦士ヴァリス」を中心にヒロインたちの淫らな宴を妄想するスレだ!
スレタイになっている麻生優子はいうに及ばず、時代を彩ったその他の『露出系美少女剣士』たちも
想うままにやってしまおう!
陵辱、触手、和姦、純愛、レズ大歓迎。
「その格好で本番ナシですか?」そう想って悔し涙を流した諸君!もう遠慮はいらない。
今こそその熱い思いを語り合おうではないか!
そんな熱い血潮を持つ文書きさん&絵描きさん募集中!!!

2 :
前スレ
麻生優子妄想同盟(夢幻戦士ヴァリス) 第七幕
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1213084169/
麻生優子妄想同盟(夢幻戦士ヴァリス) 第六幕
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1163513404/
麻生優子妄想同盟(夢幻戦士ヴァリス) 第五幕
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1128908547/
麻生優子妄想同盟(夢幻戦士ヴァリス) 第四幕
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1092315770/
麻生優子陵辱同盟(夢幻戦士ヴァリス) 第三幕
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1069947331/
麻生優子凌辱同盟(夢幻戦士ヴァリス)第二幕
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1051025031/
麻生優子凌辱同盟(夢幻戦士ヴァリス)
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1012/10128/1012804864.html
【これまで投下されたSSの保管庫】
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/
「ゲームの部屋その2」に保管されています

3 :
○名無しさんへお願い3カ条
一、スレの栄枯衰退の鍵は名無しさんが握るということ
  過度の職人依存をしない。名無しさんが楽しく雑談していればスレが活性化する。
  逆に職人を叩いたり、投下物をスルーしたりすればスレが衰退することを認識すべし。
一、派閥争いせざること
  ネタ論争歓迎。ただし引き際を心得たること。○○派と派閥名乗らざること。
  ○○好きと名乗るべし。
一、荒らしはスルーすべきこと
  職人叩きやコピペ荒らしなど、いずれはこのスレにも荒らしが来る可能性がある。
  荒らしには「かまわず、きれず、レスつけず」を守るべし

4 :
スレ立て乙でございます。

5 :
保守

6 :
>>1
スレ立て有難うございます〜。
これより、『戦士集合!』第5章の投下を開始させて頂きます。
なお、本章に登場する主な登場人物は、以下の通りです。
麻生優子、桐島麗子、ヴァルナ・・・・日本テレネット『夢幻戦士ヴァリス』シリーズより。
『戦士集合!』は、PC版『夢幻戦士ヴァリスU』終了の数ヶ月後、という設定です。
従って、麗子は夢幻界の住人として転生を遂げています。
本能寺飛鳥・・・・竹書房『変幻戦忍アスカ』より。
『戦士集合!』では、麗夢やライディと共に、優子や陽子たち夢幻界側の<戦士>の敵として登場します。
シルキス・・・・二次元ドリームノベルズ『白翼の姫騎士ナイトスワニィ』より。
朱鷺田茜、紺野藍子、竹川みどり・・・・フランス書院『ブレイブガールズ〜異世界戦士・茜』より。

7 :
(1)
――――夢幻界。ヴァニティ城。
「はぉおおッ!!うぁッ・・・・あォおおおッッッ!!!!」
沐浴場の壁面に響き渡る、あられもない叫び声。
大理石のタイルで覆われた床に這い蹲らされ、牝犬のように腰を高々と持ち上げられた屈辱的な姿勢で、
肛虐の苦痛と快感に全身を打ち震わせているのは、この城の主の側近たる<ヴァリスの戦士>・・・・桐島麗子。
小綺麗に切り揃えた赤毛を無様に振り乱し悶絶するその横顔に、冷やかな眼差しを注ぎつつ、
白桃色の尻肉の間で、汗と腸液にまみれている恥ずかしい排泄器官を容赦なく責め立てているのは、
メタリック・シルバーの生体装甲に身を固めた、<変幻戦忍>・・・・本能寺飛鳥。
そして、彼女に命じられるがまま、両手両足を押さえ付けているのは、
淫術に敗れ、子宮に植えつけられた魔蟲によって意志を封じられた<戦士>たち・・・・
ララマザーの<白翼の騎士>シルキス王女と、<アルテナの三守護者>朱鷺田茜、紺野藍子、竹川みどり。


8 :
(2)
「フフ、あたしの術を喰らって、まだ屈服しないなんて、大した精神力ね」
半ば本気で驚嘆しながら、
飛鳥は、足元で苦吟する黒衣の<戦士>と、蕩け切った表情を浮べている4人を見比べる。
「こいつらなんて、膣内に蟲を捻じ込んでやったらあっという間だったのに。
・・・・さすがに、<ヴァリスの戦士>は鍛え方が違う、ってトコロかしら?」
辛辣な嘲弄に、シルキスたちの眉が、ピクン、と跳ね上がる。
・・・・だが、次の瞬間、彼女達のささやかな矜持は、
肉壷の奥から込み上げてきた淫靡な波動の前に雲散霧消してしまった。


9 :
(3)
「ハハハッ、ムダな抵抗はやめときなよッ!!
お前らみたいな三下に、あたしの術が破れるもんかッ!!」
嘲りの言葉に反論すら出来ず、
少女たちは情けない喘ぎを漏らし、全身をびくつかせる。
各々の身に纏った4色の甲冑――――シルキスのパール・ホワイト、茜のワイン・レッド、藍子のダーク・ブルー、みどりのエメラルド・グリーン――――の股間部分は、
まるで失禁でもしたかのように、半透明な蜜液にぐっしょりと濡れそぼっていた。
「あああッ、ダ、ダメ・・・・ダメですぅッ!!」
「無理だわ・・・・口惜しいけれど、あたしたちには無理・・・・!!」
「ひあぁあッ!!ア、アソコが熱くて、蕩けちゃいそうッ!!」
「お、お願いですッ!!も、もう逆らったりしませんから、この疼きをどうにかしてぇッ!!」


10 :
(4)
「フン、ザコの分際で楯突こうとするからよ。
まぁ、いいわ、今回だけは許してあげる。
余計な事は考えずに、おとなしくあたしの言うとおりにしてなさいッ!!」
その言葉と同時に、4人の子宮内で暴れ回っていた蟲たちがおとなしくなる。
ほっと安堵の息を漏らした少女たちは、なるべく麗子と目を合わさないように下を向いたまま、
命じられた通りに手足を押さえ付け、自由を奪った。
「く、くうぅッ・・・・!!」
唯々諾々と敵の命令を受け入れるしかない、<戦士>たちの惨めな姿に愕然となりながらも、
懸命に歯を食いしばり、肉体を蝕む魔悦に抵抗を試みる赤毛の少女。
すでに肌は滲み出した脂汗の粒でヌルヌルに濡れまみれ、
大きく左右に割り拡げられた太股の間からは生温かい愛汁が溢れ出して、
大理石のタイルの上に淫靡な水溜りを形作っていた。

11 :
(5)
「ウフフ、さすがに限界が近いようね。
もうアソコの中は催淫液でメロメロのハズ・・・・
ほら、クリトリスも肛門もこんなにプックリと赤く膨らんで、今にも破裂しそうじゃないッ!!」
ニヤニヤと笑いつつ、女忍者は、手にしたバイブを、ペロリ、と舐めた。
先程まで排泄器官を抉っていた責め具の先端は、
大腸壁から滲み出したネバネバ液に濡れそぼり、てらてらと妖しいぬめり気を帯びている。
「はぐぅッ!!・・・・あ、甘く見ないで・・・・これしきの責めで、私は堕ちたりしないッ!!」
気が遠くなりそうな快感の大波に流されまいと、
必に理性を振り絞り、抵抗を続ける<ヴァリスの戦士>。
・・・・だが、気丈な口ぶりとは裏腹に、彼女の防戦は終局に近付きつつあった。
膣口と尻穴の両方から体内へと侵入した恐るべき魔蟲は、
今や子宮と直腸の奥深くに根を下ろして、強烈な催淫効果を帯びた体液をせっせと分泌し続けている。


12 :
(6)
「はぁはぁはぁッ・・・・あんなになってるのに、まだ堪えられるなんてッ!?」
麗子の右腕を固めていた<三戦士>の一人・・・・朱鷺田茜が、驚愕の声を漏らす。
両手の前後腕に巻きつく黄金細工の篭手に、膝下を守る銀製の脛当て。
『胸当て』の名前通り、着用者の乳房を隠すだけの面積しかない胸甲に、
ビキニタイプのアーマー・ショーツとパレオを思わせるスカート。
燃え上がるような真紅の色調で統一された甲冑は、しかし、今や、涙と汗と唾液とでぐじゅぐじゅに濡れそぼり、
バスケ部で鍛えた肉体は、酒に酔ったようにピンク色に上気している。


13 :
(7)
(ダ、ダメだッ!!我慢出来ない・・・・ま、また、イッてしまうッ!!)
三人の中では最も<戦士>としての適性に富み、使命感も責任感も人一倍だった彼女は、
他の二人が屈した後も、最後まで諦めず、魔性の快楽に対して抵抗し続けたものの、
何時果てるともなく押し寄せる肉悦の大波の前についに屈服し去り、
今では、完全に快楽の虜と成り果てて、命じられるがままに黒衣の少女の自由を奪っていた。
おぞましい触手生物に乗っ取られてしまった子宮が、ビクン、ビクン、と、あさましく飛び跳ねる度、
えもいわれぬ快美な電流が下半身全体を駆け巡り、熱く沸騰した愛液を生み出している。


14 :
(8)
「く、口惜しいですけれど・・・・わたくしにはとても真似できない精神力ですわ」
荒い吐息の下から相槌を打ったのは、
流れるような黒髪を夜叉の如く振り乱しながら、麗子の左肩を押さえ付けている、紺野藍子。
彼女の甲冑は、茜のものと良く似た形状だったが、
色は濃紺で、胸元やビキニラインの切れ込みも深く、際どいデザインとなっている。
その上、前はV字にがっちりと食い込み、後ろは尻の割れ目にぴったりと嵌まったアーマー・ショーツは、
秘所から溢れる大量の蜜汁を吸って、恥ずかしいデルタ地帯をギリギリと喰いしばっていた。


15 :
(9)
(あああ・・・・わ、わたくしには、とても耐えられないッ!!
恥ずかしい・・・・口惜しい・・・・で、でも、やっぱり、わたくしには・・・・!!)
数日前、衆人環視の中で大立ち回りを演じて以来、
赤毛の少女に対して、執念深くライバル心を燃やしていた<フッカイチョー>だったが、
必に気力を振り絞っても到底堪え抜けなかった、淫ら忍術の秘技に、
これほどまでにしぶとく抵抗し続ける彼女の姿には、嫉妬心を意識せざるを得ない、という心境らしい。
もっとも、その想いは、麗子に負けてなるものか、と自分を叱咤する方向には働かず、
反対に、堪え性も無く肉欲に流されてしまう、弱い己れを蔑み、責め苛んで、
結果的に、自分自身を更に追い込んでいく悪循環へと追いやっていたのだが・・・・。


16 :
(10)
「あああ・・・・だ、だめぇッ!!手が・・・・勝手に動いて・・・・止まらないッ!!」
あられもない叫び声を放ち上げながら、
碧色の鎧の隙間から突き入れた指先で、ぐっしょりと蜜に濡れた秘所を掻き回しているのは、
<三戦士>の最後の一人・・・・竹川みどり。
三人の中で、最も発達したプロポーションを誇る彼女は、
同時に、性的興奮に対して最も耐性が少ない――――つまり、感じ易い体質の持ち主だった。


17 :
(11)
(ま、また・・・・暴れてるッ!!アソコの・・・・子宮の中で、触手がぁッ・・・・!!)
Dカップ、いや、Eカップはあるだろうか、高校生離れした巨乳が、
生汗を跳ね飛ばしつつ、ブルン、ブルン、と激しく揺れ動く。
茜や藍子の甲冑と違い、みどりのそれは、
上半身部分と下半身部分を守るパーツが分離していない、ワンピース水着の様な形状をしていた。
だが、いま現在、上半身の防具は自らの手で剥ぎ取られており、
下半身部分もまた、愛液に濡れそぼった指先を秘裂に出し入れする際の妨げとならないよう、定位置から大きくずらされてしまっている。


18 :
(12)
「ああッ・・・・申し訳ございません・・・・麗子さん・・・・で、でも・・・・わたくしには・・・・ひぁああッ!!」
ポロポロと大粒の涙をこぼしながら、謝罪の言葉を並べるのは、
<白翼の騎士>こと芸術王国ララマザーの王女、シルキス。
<アルテナの三戦士>たちより、やや年下であるためだろうか、
聖なる白鳥の力で物質化した純白の魔法甲冑に包まれたその身体は、
しなやかで均整の取れたプロポーションには違いないものの、
女性としての発育ぶりは、まだまだ、と言わねばならないものだった。


19 :
(13)
「あうう・・・・だ、駄目なんです・・・・!!
こんなコトいけないって・・・・耐え抜かなくちゃならない、って分かってても・・・・!!」
王族として己れの身を厳しく律する教育を受けてきたせいだろうか?
快楽に流されまいとして必に抵抗を試みたシルキスだったが、
欲情に打ち克てなかった絶望も、その分だけ大きかった。
今や、白い肌を淫熱に赤く染め、華奢な手足を震わせながら無力さを呪うしかない彼女の中では、
完膚なきまでの敗北によって目覚めさせられてしまった被虐の快感が急速に勢力を増し、魂を蝕みつつある。
――――無論、それは、他の三人にも共通していた。


20 :
(14)
「そ、そんな目で見ないでよぅ・・・・」
「わたくしたちだって、抵抗はしたのよ・・・・でも・・・・」
「ダメなの・・・・どんなに頑張っても、この快感には・・・・」
屈辱感に身を震わせながらもなお、
媚肉を貫く魔性の喜悦には抗えず、咽び泣くだけの三人の<戦士>。
シルキスと同じく、少女たちの双眸は、厚く垂れ込めた絶望に覆い尽くされ、
刹那の快楽――――たとえ、敵に強いられての行為によるものであっても――――に耽る事によってしか、
性の奴隷と化した惨めな現実を忘却出来ない悲惨な精神状態へと追い込まれている。


21 :
(15)
「アハハハッ、それでいいのよッ!!
所詮、アンタたち三下は、ムダな抵抗などせずにヨガリ狂ってる姿がお似合いよッ!」
敗残の<戦士>たちの慟哭に、嗜虐の笑みを満面に浮かべる<変幻戦忍>。
汗粒にまみれた麗子の背中に、どっか、と腰を下ろすと、
尻穴にめり込んだ極太バイブを、これでもか、とばかりに、深々と押し込んだ。
魂も凍りつかんばかりの悲鳴を発して、床に崩れ落ちた赤毛の少女は、
想像を絶する苦痛と快楽に、呼吸すらままならず、
張り裂けんばかりに開いた唇を陸に打ち上げられた魚のようにパクパクさせる。


22 :
(16)
「ぐがッ・・・・はがぁあああッッッ!!!!」
「そぉら、お前も、もうイッちまいなッ!!
絶頂に身を任せて、何もかも全部忘れちまえッ!!」
失神寸前に陥りながらも、必にかぶりを振る<ヴァリスの戦士>。
忌々しげに舌打ちを漏らすと、飛鳥は、ビショビショに濡れまみれた後ろ髪を掴み、
万力のような膂力で、タイル張りの床面へと押し当てた。
汗と涙、唾液、鼻汁、誰のものかすら判然としない膣液が渾然一体となったの汚れ汁の中に、
まるでボロ雑巾のように押し付けられ、引き摺り回される、赤毛の少女・・・・。
僅かばかりの酸素を得ようとして開かれた口元にさえ、容赦なく入り込んだヌルヌル液の感触が、
呼吸困難によって引き起こされる意識の混濁をさらに加速する。
――――――――そして・・・・。


23 :
(17)
ブシャアァァァッ!!!!
情けない破裂音と共に、括約筋の守りが決壊した。
膣襞に溜め込まれていた大量の愛潮が鉄砲水の如く噴出し、
断末魔の痙攣に喘ぐカラダの下に、巨大な水溜りを形作っていく。
凄惨を極めた闘の最後にふさわしい、壮絶な屈服の瞬間を迎えた宿敵の上で、
勝利者たる女忍者は、狂ったような笑いを放ち上げた。
「アーハッハッハッ!!ついにやったわッ!!
これで、アンタはあたしの奴隷、ヴァルナも、夢幻界も、全てあたしのモノよッ!!」


24 :
(18)
――――その、刹那。
「させないッ!!!!」
凛、とした声に続いて、強烈な剣圧が、アスカの身体を横薙ぎに払う。
うっ、と呻きながら、反射的に体を反らし、
自ら床に転がり落ちる事で、かろうじて直撃だけは免れる、<変幻戦忍>。
・・・・もっとも、さすがに無傷とまでは行かず、
白銀と黒で彩られたディフェンス・スーツが肩口から脇腹にかけて大きく切り裂かれ、
グレープフルーツ大の乳房が、無様にまろび出てしまっていた。


25 :
(19)
「だ、誰だッ!?」
愕然として周囲を見回す飛鳥だったが、
答えを待つまでもなく、自分をこんな目に遭わせた人物の目星はついていた。
沐浴場の周囲に張り巡らせていた結界をものともせずに侵入に成功したばかりか、
いかに麗子への責めに没頭していたとはいえ、
<変幻戦忍>たる自分に充分な回避の暇すら与えず、斬撃を叩き込める人間など、
この城には――――否、おそらく、全ての多元宇宙を探したとしても一人しかいないだろう。


26 :
(20)
「優子ッ!!貴様の仕業かッ!!」
はだけた胸元を隠そうともせずに、アスカは、眼前に姿を現した、蒼髪の少女を凝視する。
対する<ヴァリスの戦士>は無言のまま、
静かに呼吸を整えて、いつでも第二撃を繰り出せる体勢を崩さない。
さらに、各々の武器を手に、彼女の両翼を固める<戦士>たち・・・・。
「あたしたちも一緒よッ!!」「よくも麗子をこんな風にッ!!」
「タダじゃ済まさないんだから、覚悟してよねッ!!」
<レダの戦士>朝霧陽子、<魔物ハンター>真野妖子、<ラルの聖戦士>キャロン。
クッ、と奥歯を噛み鳴らしたツインテールの少女に、銀色に輝く投げ短剣が襲いかかる。
反射的に、大きく後ろに跳躍して回避する<変幻戦忍>・・・・
その動きにタイミングを合わせて、
真紅の鎧に身を包んだもう一人の<戦士>が今まで彼女のいた場所へと駆け寄ると、
力尽きて床に倒れ伏していた麗子の身体を抱き起こした。


27 :
(22)
「――――大丈夫、気を失っているだけよ」
素早く脈を取り、無事を確認したのは、銀髪の少女・・・・<カナンの銀の勇者>レムネア。
的確な行動に、優子、そして、仲間たちの表情から、初めて、険しさが消えた。
「チッ、あたしとした事がッ!!」
レムネアにしてやられた、と気付き、激しく舌を打ち鳴らすアスカ。
「・・・・ヴァルナさまにお願いして、空間転移は封じて貰っているわ。
もう、何処にも逃げ場は無いわよ。おとなしく、武器を捨てて降伏しなさい」
対する蒼髪の少女は、<ヴァリスの剣>を油断無く構えたまま、極力感情を押しした声を発した。
・・・・だが、その語尾は、最愛の親友を傷付けられ、嬲り者にされた怒りによって小刻みに震え、
眼差しには、この場にいる人間の誰一人として目にした事の無い、苛烈な光が宿っている。

28 :
(23)
(くそッ、さすがに分が悪いな)
形勢逆転を悟る、<変幻戦忍>。
シルキスと<三戦士>は未だコントロール下にあるとはいえ、
彼女達が束になってかかったトコロで、優子には到底太刀打ちできないだろう。
麗子の身柄を押さえていれば、人質にとって動きを封じる手も使えた筈だったが、
レムネアの機転によってそれも不可能となってしまった。
・・・・となれば、残るは逃げの一手しかないのだが、
先程の言葉通り、周囲の空間には、この城の主によって何重にも結界が張り巡らされ、
突破するのは事実上不可能な状態にある。
――――だが、彼女には、まだ奥の手が残されていたのだった。


29 :
(24)
「残念、逃げ道ならあるわよ・・・・ほら、こんな所にねェッ!!」
甲高く叫んだアスカが、後方に大きく跳躍する。
予想外の行動に、5人の少女は、ばかな、と、一瞬、自分の目を疑った。
女忍者の背後には、沐浴場の壁とそこに貼られた大きな鏡しか無い。
――――だが、次の瞬間、少女達の鼓膜に響き渡ったのは、
クリスタル・ガラスの鏡面が粉々に砕け散る破砕音ではなく、
飛鳥から発せられた、けたたましい哄笑だった。


30 :
(25)
「な、何ッ!?」「ただの鏡じゃなかったのッ!?」
交錯する驚愕の声を尻目に、
鏡の中の<変幻戦忍>は、スーツの裂け目からまろびでた双乳を惜しげもなく晒しつつ、胸を反らした。
「フフフ、転移結界の力も、ココにまでは及んでいないみたいね。
・・・・フン、でもまぁ、今日のところはこれぐらいにしといてあげる。
次に会った時は、お前たち全員、あたしの蟲でヒィヒィよがり狂わせてあげるから、覚悟しておくんだねッ!!」
捨て台詞を残して、鏡の奥へと消えていくツインテールの少女を、
居並ぶ<戦士>たちは、為す術も無く、見送るしかなかった・・・・。


31 :
(26)
――――数刻後。
「・・・・どうなんですか、ヴァルナ様、麗子の容態は!?」
病室から回廊に出るなり、駆け寄ってきた優子を気遣ってのものだろう、
夢幻界の女王は、深い疲労を滲ませつつも、努めて穏やかな口調で返答する。
「大丈夫です。取り憑いていた悪しき存在は取り払いました。
今は疲れて眠っていますが、しばらくすれば元気を取り戻すでしょう」


32 :
(27)
「良かった・・・・」
心から安堵した面持ちの、蒼髪の少女。
そこには三界最強と謳われる<ヴァリスの戦士>の表情は無く、
親友の無事を喜ぶ、十七歳の女子高生としての素顔が浮かんでいた。
「シルキスたちも、落ち着いています。
休んではどうかと勧めたのですが、麗子が目を覚ましたらすぐに謝りたい、と言って聞きませんので、
ベッドの傍に付き添って貰っていますわ」
「そんな・・・・彼女達だって消耗し切っている筈なのに」
そうは言ったものの、優子には、同じ<戦士>として4人の気持ちも理解できた。
いかに不意を打たれたとは言え、飛鳥の忍術によって一方的にあしらわれ、
あまつさえ、目の前で苦しんでいる仲間に対して、何一つ助けを差し伸べられなかった無力な自分が、
口惜しくて、情けなくて、とても寝てなどいられない気分なのだろう。


33 :
(28)
「・・・・それで、鏡の奥に消えた、あの女忍者は、やっぱり・・・・」
ややためらいがちにヴァルナに問いかけたのは、
間一髪のところで、麗子を捕囚の運命から救い出した、銀髪の女勇者。
問いかけられた女王は、表情を固くしながら、慎重に答えを返した。
「ええ、残念ですが、行方の分からなくなっていた一人、
<変幻戦忍>こと本能寺飛鳥に間違いないでしょう・・・・」
「ま、まさかッ!?」「信じられないわッ!?」
「それが本当の事だとしたら、もしかして、ライディや麗夢たちも!?」
異口同音に驚愕の声を上げる、<ラルの勇者>、<レダの戦士>、<魔物ハンター>。
生まれた<世界>と<戦士>として選ばれた経緯は違えども、
<明>の力の加護を受けて、各々の使命を果たしてきた仲間が、敵となって襲ってきた事実への、
恐怖とショックが、彼女たちの心を冷たく鷲掴みにしている。

34 :
(29)
「確実にそうだ、と断定は出来ませんが、
ライディや麗夢たち、消えた<戦士>たちもまた、
我々の敵に与している、もしくは、与する事を強制されている可能性は否定出来ません・・・・」
見て下さい、と、<幻想王女>は空中を指差した。
指し示す先に、淡いエメラルド色の光点と同じ色の光条が現れ、
幾重にも交差しながら、蜘蛛の巣のような立体映像を描き出していく。
「・・・・これは?」
「平行世界の相対位置と相関関係を視覚化したものです。
平たく言えば、<現実界>を構成する無数の<世界>の地図・・・・
そう、あなた方の言葉で言えば、『天球儀』のようなものですわ」


35 :
(30)
「無論、ここに映し出されているのは、平行世界の中でも主だったものだけ。
<現実界>の名で総称される<世界>の総数は、わたくしですら正確には知り得ません。
――――もしかしたら、母上ならば、正確な数を把握されていたのかもしれませんが・・・・」
小さく嘆息を漏らす、当代の<幻想王女>。
先代の女王であり、実の母でもあったヴァリアの跡を襲ってしばらく経つが、
未だ<夢幻界>の勢力は小さく、結果として、時空は常に不安定に揺れ動いている。
「ログレス、メガスとの戦い、そして、彼らが滅んだ後、現在に至るまで続く<暗黒界>の後継者争い。
それらがもたらした混乱によって、多元宇宙の均衡は大きく崩れつつあります。
無論、わたくし達は努力を続けていますが、一度傾いてしまった天秤を元に戻す作業は容易ではありません。
今こうしている間にも、時空の何処かで、幾つもの世界が消え去り、あるいは、生まれ出ようとしているのです」


36 :
(31)
「・・・・・・・・」
無言のまま、優子は、エメラルド色に光り輝く天球儀を眺めやった。
己れ自身、そして、麗子を守るための戦いだったとはいえ、
ログレスやメガスを打ち破り、彼らを永劫の闇へと帰した事が、
<明>と<暗>の均衡を乱し、新たな危機をもたらしてしまった、という皮肉な現実は、
胸の奥に小さなトゲとなって突き刺さっている。
強大すぎる<ヴェカンタ>の力が<現実界>を混沌へと引き摺り込むのと同様に、
強大すぎる<ヴァリス>の力もまた、危険極まりない存在となり得るのだ――――と。
「・・・・あまりにも漠然とした話で申し訳ないのですが、
わたくし達は、今回の一連の事件と関わりのある<世界>があるのでは?と分析しています」


37 :
(32)
「関わりのある、<世界>?」
思わず、身を乗り出す<戦士>たち。
夢幻界の女王は、慎重に言葉を選びつつ、重大な事実を告げる。
「残念ながら、現時点では特定できていません。
・・・・ですが、手がかりならばあります。
わたくしによって召喚された訳でもないアスカが、どのようにしてこの城に潜入出来たのか?
わたくし達はその方法を突き止めたのです」
「!!」
「<鏡面世界>・・・・鏡の中に存在する世界を通って、彼女は幾つもの次元を行き来しているのです」

――――――――TO BE CONTINUED.

38 :
以上、第5章をお送りいたしました〜。
お楽しみ頂けたのであれば、幸いに存じます。
次回は、一時中断していた『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』に戻り、
優子と麗子の最終対決からログレス軍のサザーランド侵攻までをエロパロ化して執筆したいと考えています
(と言っても、今回は比較的エロ成分少なめとなる予定ですが・・・・)。
完成・発表は10月末を予定していますので、しばらくの間お待ち下さいませ。
それでは、今夜はこの辺で〜。

39 :
毎度毎度お疲れ様ですっ。

40 :
乙です。

41 :
保守

42 :
新刊情報
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860329791/k1040041-22/ref=nosim/

43 :
表紙いいな

44 :
でも3巻の収録話はエロ分控えめ

45 :
少しはエロあるん?

46 :
なぜZOL氏でエロ無しなのだろうか・・・本当に悔やまれる。

47 :
2巻のパンツ切られるシーンは、エロ過ぎた

48 :


49 :
o

50 :
保守

51 :
皆様、お待たせしました〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第21章、本日完成いたしました。
今夜22:00頃から投下作業を開始いたしますので、
お手空きの方がいらっしゃいましたら、連投規制回避のための支援をお願いできないでしょうか?

52 :
全裸で待機してるからよろしく!
前スレの埋めも考えなくてはいけませんね。
これ以上ARCH DUKEさんに負担を欠けるのは心苦しいですし。

53 :
wktk

54 :
お待たせしました〜。
只今より、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第21章の発表を開始します。
なお、本章の内容は、コミック第3巻のP.52〜P.66までをエロパロ化したものです
(ただし、エロ部分の描写は殆ど私のオリジナルで、
それに合わせてストーリー展開も多少変更していますが・・・・)。
それでは、お楽しみ下さいませ〜。


55 :
(1)
――――回想の中。
「・・・・大きくなったな、麗子。前に会った時は、まだ赤ん坊だったが」
(イラン人たちに声をかけられたのとは別の)静かな公園。
ベンチに腰を下ろした赤毛の少女は、些か居心地の悪そうな表情で、
黒革のコートを身に纏った白人男性を眺めやった。
一体、何処の国の人間なのだろうか?
外見だけを見れば、青年の容姿は明らかに日本人離れしていた。
肩口まで伸ばしたプラチナ・ブロンドに、エメラルド・グリーンの双眸、
すらりとした長身は、ゆうに180センチを越えている。
それでいて、彼の操る言葉は、アクセントにも語彙にも全く非の打ち所の無い、
今時、生粋の日本人でさえ、話せる者はまずいない、と感じられる程の完璧な日本語だった。


56 :
(2)
「父の、お知り合いなんですか?」
幾分、緊張した口調で青年に話しかける。
目の前に佇む、一見優男風の若者は、穏やかで紳士的な言動とは裏腹に、
あのオンボロ・アパートに単身乗り込み、準構成員と舎弟のチンピラ2人をあっという間に叩きのめしてしまった腕前の持ち主だった。
(いったい、何者なの?)
口には出さないものの、少女の中では、急速に疑念が膨らんでいた。
たしかに父はやり手の実業家であり、各方面に多彩な人脈を広げてはいるが、
これほど武術に長けた人物、しかも、外国人と知り合いだというのは、俄かには信じ難い話である。
その上、流暢な日本語を操るこの青年の話し振りからすると、
物心つく前の自分を見知っている、としか考えられないのだが、
彼の年齢は、どう見ても30を越えているようには思えなかった。


57 :
(3)
「ああ、もう随分と長い付き合いになるね。彼にはとても大事な仕事を任せていたから」
「仕事を任せていた?」
ますます訳が分からなくなる。
仮に、この外国人の話が本当だとしたら、
自分の父親とは単なるビジネス・パートナーではなく、
エージェントとクライアントの関係にある、という事になる。
日本を代表する大企業のトップという訳ではないにせよ、
自分の父はビジネス界では名の知れた実業家であり、
二回り以上も年下の若者から指図を受ける姿など到底想像し難い。
それとも、彼は、世界でも指折りの大資産家の一族か何かで、
あの尊大な父親でさえ、へりくだって接さざるを得ない身分だとでもいうのだろうか?
まさか、そんな筈はないだろう、と、心の中でかぶりを振る麗子。
・・・・だが、青年が次に発した言葉は、彼女を凍りつかせるに十分なものだった。


58 :
(4)
「――――君を育て上げる、という大事な仕事をね」
「!?・・・・あ、あの、それってどういう意味なんでしょうか?」
唐突に、話題が自分に及んで来た事に目を丸くする赤毛の少女。
一瞬、薄いクチビルの端を皮肉っぽく歪めた優男は、
彼女にとってこれ以上はないくらい、衝撃的な一言を、
場違いと思えるほどに平然とした口ぶりのまま、言ってのけた。
「言葉通りの意味さ。
まぁ、多少、火遊びが過ぎる性格になってしまったきらいはあるが、
それでも、彼らは、概ね私が希望した通りの娘に君を育ててくれたよ」


59 :
(5)
(な、何を言い出す気なのッ!?)
謎の青年の口調に潜む、途轍もなく不穏な響きに気付いて、無意識のうちに表情を固くする麗子。
フフッ、と薄く笑った、プラチナ・ブロンドの異邦人は、ラベンダー色の双眸をじっと覗き込む。
「君は何も知らされずに育ってきた。
そうした方が良い、と、私が判断し、二人にはきつく命じておいたからね。
――――しかし、それも今日限りだ。
今より君は、この世界、いや、全ての時空の行方を左右する存在となる。
<アンチ・ヴァニティ>の力を以って戦う<戦士>に、ね」


60 :
(6)
(・・・・<アンチ・ヴァニティ>?<戦士>?)
何をトンチンカンなコトを、と言いかけて、ハッ、と息を呑む麗子。
青年から放たれる、圧倒的なまでの存在感、
それが、自分の中に在る何か――――今まで無意識の底に封じられ続けてきた、真実の存在――――に向かって、
呼びかけ、叩き起こし、無理矢理に引き摺り出そうとしている!!
(い、厭ッ!!それだけは、駄目ッ!!)
本能的な恐怖が、少女の心を鷲掴みにする。
急いでこの場から逃げなくては、と思うものの、
両足は、まるで石と化して地面に張り付いてしまったかの如く動かない。
蛇に睨まれたカエルのように、身動き一つ叶わないまま、
ただひたすら、眼前の男を凝視する事しか出来ずにいる<現実界>の少女。
――――次の瞬間、彼女の額に向かって、白くしなやかな青年の指先が突き出され、
途轍もなく冷え冷えとした感触が、少女の記憶に施された封印を引き剥がした。


61 :
(7)
(ああッ・・・・あああッ!?)
押し寄せてくる、イメージの奔流。
巨大な黒い影・・・・不吉な漆黒の長衣・・・・無機質な黄金の仮面・・・・神聖ならざる気配に満ちた異形の支配者・・・・。
彼の前に跪き、自分達の王として奉戴する5つの影・・・・。
重厚な甲冑に身を包んだ、大地の巨人・・・・『ガイーダ』・・・・。
双翼を操り、天空を自在に飛翔する、氷雪の魔女・・・・『キーヴァ』・・・・。
紅蓮の炎で敵対するもの全てを焼き尽くす、業火の魔人・・・・『ベノン』・・・・。
雷の魔力を操る、双頭の古竜・・・・『ヴォルデス』・・・・。
そして・・・・もう一人、フードを目深に被り、素顔を隠した魔道士・・・・。
背後では、無数の怪物たちが雄叫びを上げ、自分達の神であり王である男の名を連呼している。
『ログレス』!!『ログレス』!!『ログレス』――――!!
彼らの中の一匹が両手に捧げ持ち、今しも、暗黒の支配者への生贄に供そうとしている嬰児――――あれは・・・・あの少女は!?

62 :
(8)
「<暗黒界>に転生した君を探し出すのに、随分と手間取ってしまってね。
あと一歩遅かったら、下賎な連中の腹に収まっていたところだったよ・・・・」
ガクリ、と、地面に膝を落とし、
震え慄く己の体を、か細い両腕で精一杯抱き締める赤毛の少女。
人のように蒼冷めた面貌は原初の恐怖によって固く引き攣り、
何時失神してもおかしくはないほど、生気が失せている。
「・・・・・・・・」
その様子を冷然と見下ろしていた黒衣の青年は、
何を感じたのか?唐突に耳元に顔を近付けると、囁くように語り掛けた。
「――――もうじき、ログレス陛下は、配下の軍勢を総動員して三界統一の大事業に乗り出される。
君には我々の尖兵となって働いて貰う・・・・それこそが君の運命、この世に生を享けた理由なのだから」


63 :
(9)
「・・・・そん・・・・な・・・・こと・・・・って・・・・どうして・・・・わたしは・・・・」
蹲ったまま、ブルブルと震え続ける麗子。
ショックのあまり、思考がオーバーフローを起こしたらしく、
壊れかけたテープレコーダーのように、同じ言葉を何度も呟き続けている。
ふむ、と、小さく首をかしげたプラチナ・ブロンドの異邦人は、
まぁ、今はこの辺りで良いだろう、と独りごちると、赤毛の少女に背中を向けた。
「じゃあね、近いうちにまたお会いしよう。
くれぐれも皆を失望させないでくれたまえよ、可愛い<戦士>さん」
乾き切った哄笑を後に残して、黒衣の青年は掻き消えるように気配を消した。
現れた時と同様、何の前触れも無く、
――――そう、あたかも魔術でも用いたかの如く、忽然と。

64 :
(10)
――――桐島邸。麗子の寝室。
「はッ・・・・うくッ・・・・んッ・・・・んふぅッ!!」
カーテンを閉め切った薄暗い室内。
電気も付けずに潜り込んだベッドの上で、一心不乱に自慰に耽る赤毛の少女。
窓の外は酷い雨で、時折、ゴロゴロという不気味な雷鳴が木霊している。
「ううッ・・・・んはぁッ!!」
欲情に濡れた秘裂のビラビラを己れ自身の指で浅く掻き回し、
返す刀で、先端を尖らせた肉豆を、ぷるん、と軽く弾くと、
恥丘全体を電気が走り抜け、切ない吐息と共に、湿り気を帯びた恥ずかしい声が込み上げてきた。
割れ目の奥、甘蜜の滲み出す子宮口が、どうしようもなくもどかしく感じられて、
更なる刺激・・・・もっと激しく、乱暴なタッチを乞い求めてしまう。


65 :
(11)
ぐちッ・・・・ずちゅるッ!!
敏感な場所に触れるたびに、
心地よい電流が弾けて、背中がギクギクッと反り返っていく。
全身が熱く灼けつき、腋の下や耳の裏側から甘酸っぱい汗が噴き出してくる。
(あくぅッ!!こ、この、私が・・・・<戦士>ですって!?)
馬鹿げた作り話だわ、と強くかぶりを振りつつ、少女は自慰の動きを更に加速させた。
ヌルヌルの秘貝の間に挿し込んだ指先が、
にちゃ、ぬちゅ、と、まるで別の生き物のであるかのように動き回り、
意識がフワフワと浮遊し始める。
(――――あの外国人、一体、どういうつもりなのかしら?
そんな荒唐無稽なホラ話を私が信じるとでも・・・・はふぅううッ!!)


66 :
(12)
「あくッ・・・・んむぅ・・・・うくぅううッ!!」
人差し指と中指とを蜜壷に突き入れ、
膣道の天井付近にある小さな窪み
――――週刊誌の記事で知った快楽の中枢部、俗に言うところのGスポット――――を刺激する。
親指は、肉莢から飛び出したピンク色のクリトリスを慎重にまさぐり、
さらに左手を使って充血粘膜を弄びながら、甘酸っぱく香る愛蜜をピチョピチョと掻き回す。
(きひぃッ!!き、気持ち・・・・良いィッ!!!!)
細指に掻き乱される肉孔で生まれた熱い感覚が、
子宮へと流れ込み、さらに増幅されて、下腹部全体へと広がっていく。
悪魔の悪戯で、意識と牝穴とが直結されてしまったかのように、
潤み切った花びらが粘り気のある水音を奏でるたびに、
瞼の裏側で火花が飛び散り、頭の中に心地よい旋律が響き渡った。


67 :
(13)
秘裂のヨロコビに共鳴したのか、乳房がじんわりと熱を帯び始める。
両腕を絞り、胸の脹らみ同士を寄せ合わせると、
汗ばんだ双乳が擦れ合って甘い気持ちが湧き上がってくるものの、
その程度ではとても満足感は得られそうに無かった。
「うッ・・・・くぅ・・・・くふぅッ!!」
柔らかなブラジャーの裏地に、固くしこり立った乳首が食い込んでいる。
息をするために肩を上下させるだけで、
キュウ、キュウ、と、先端が擦れて、淫靡な熱感が閃いた。
それでも我慢していると、
やがて、胸元全体が小さな虫の群れが這いずり回っているかのようなむず痒さに包まれ、
両手を使って乱暴に揉みしだきたい、という欲求が爆発的に高まってくる。


68 :
(14)
「が、我慢・・・・できないッ!!」
愛液に濡れた左手をそろそろと上げ、ブラの上からそっと被せる。
途端に、歪んだ乳肉に喜悦が弾け、下着と擦れ合った乳首に電流が走り抜けた。
クレバスの奥を抉っていた右手の筋肉が、思わず、ビクッ、と引き攣り、
予想だにしなかった快感に打たれた下半身が浅ましく跳ね躍る。
――――むぎゅ・・・・ぎゅう・・・・ぎゅぎゅうッ!!
ブラを取り払うのさえもどかしく、赤毛の少女は胸の脹らみを揉みしだく。
大きく捲ったセーラー服の下で、
やや小ぶりだが形の良いふくらみが熱く火照り、香汁に蒸れた谷間が、むきゅっ、むきゅっ、と擦れ合った。
カップごと捏ね回されている敏感な先端部分は、
柔かい裏地に巻きつかれ、締め付けられて、今にも破裂してしまいそうなくらい、固く勃起している。


69 :
(15)
(くああッ・・・・ひくぅッ!!むぁあッ・・・・はくぅうううッ!!)
激しくかぶりを振る麗子。
生汗が飛び、牝のフェロモンが部屋中に撒き散らされた。
全身の血液が沸き立ち、心臓の鼓動がやたら甲高くなるのがよく分かる。
執拗に掻き回されている恥裂には蜜が溢れ、
指先は勿論、手の平までビショビショの状態だった。
ただでさえ感度の高い粘膜がますます敏感になって、
くぽっ、くぽっ、と、粘っこい楽の音を奏でるたび、視界全体が真っ白な光で覆われていく。
恥丘の中央では、赤々と色付いた陰核が精一杯背伸びして自己の存在を主張している。
ガチガチにしこった肉粒の繊細な粘膜がはちきれんばかりに張り詰めて、
脇をかすめただけでも、快感の波動が下半身全体を打ち震わせてしまう。


70 :
(16)
(ああ・・・・と、止まらない・・・・手も・・・・指も・・・・ふぁはあああッ!!)
エクスタシーの瞬間が近付いているのだろう、全身の神経が鋭敏にささくれ立っていく。
肉欲に流される一方の淫らな己れを恥じつつも、
自慰の動きはますます速く、激しくなる一方で、止める事など到底不可能だった。
――――じゅぽッ!!ちゅぷッ!!じゅちゅるるッ!!
見事な弓なりに反り返った背筋が、ひんやりとしたベッドの背もたれに触れる。
たったそれだけの行為が、ゾクッ、とする程の性的刺激を生み、麗子を悶え狂わせた。
我知らず、胸元を揉み回していた左手に、ぎゅううっ、と力がこもり、
汗だくの乳房もろとも、ガチガチに硬くしこった乳首を押し潰してしまう。
強烈な電流となって双乳を駆け回る、快感の暴風。
媚肉の脹らみが燃え上がり、白桃色の乳肌にとろりとした汗の粒が滲んできた。
喰いしばった口元から子犬のような声が漏れると同時に、
背もたれに預けた背中がしなやかに捻れ、
大きくV字型に開いた両脚が突っ張って、腰がクゥッと浮いてしまう・・・・。


71 :
(17)
「あひッ!!はぁひぃぃぃッ!!!!」
熱くぬめる蜜孔に潜り込んでいた指先が『く』の字に曲がり、秘穴を吊り上げるように動いた。
引っ張られた膣口が愛蜜を垂れ流しながら、くばぁッ、と大口を開けると同時に、
粘膜襞が冷たい空気に撫でられて、信じ難いほどの喜悦が湧き起こってくる。
肉悦の集中する小さな窪み――――俗に言う、Gスポット――――が強烈に疼き始め、
柔らかな腹を陰核に添えた親指の動きもどんどん卑猥さを増していった。
頭の中に極彩色の電気火花が飛び散るたびに、
だらしなく緩んだクチビルの端から、半透明な涎の糸が流れ落ちる。
仰向いた頬は淫靡に蕩け、涙で潤んだ瞳にはもはや殆ど何も映ってはいなかった。


72 :
(18)
(ああ・・・・私ったら・・・・なんて、恥ずかしい声をッ!?)
寝室内に響いた自分の声があまりにもいやらしく、爆発するような羞恥心に意識が煮え滾る。
張り詰めていた心の糸が、プツッ、と切れて、
もう我慢する必要など無いのだ、という悪魔の囁きによって魂の全てが支配し尽くされてしまう。
「ふぁッ・・・・ぁふうぁあああッッッ――――!!!!」
秘裂へと挿し込んだ指先が至上の快楽を追い求めて、
トロトロに蕩けた媚肉の間をのた打ち回る。
胸乳に被せた掌がパンパンに張った脹らみを捏ね回し、
今にも千切れそうなくらい硬くなった乳首を、ぎゅうう、と捻り潰した。
エクスタシーに打ち抜かれて、ギクギクギクッ、と、極限まで反り返った背筋を、
えも言われぬ性感の大波が猛烈な勢いで駆け抜けていく・・・・。


73 :
(19)
――――プシャアアアッッッ!!!!!!
絶頂に達した瞬間、パックリ口を開けた淫裂の奥から、
沸騰した体液が噴水のように迸り、シーツの上に恥ずかしい水溜りを形作った。
見事な放物線を描いた淫水は、ベッドを飛び越えて室内を半ば横断し、
クローゼットや鏡台など、部屋に置かれた調度品の表面に、あさましい水玉模様をペイントする。
弓なりにしなるカラダをベッドの背もたれに預けた、赤毛の少女。
息を止めたまま、無意識のうちに股間を高々と突き上げて、めくるめく法悦に酔い痴れ
――――そして、唐突に、目の前が何処までもクリアになっていくのを感じた。
(んあッ!?これは・・・・一体ッ!?)
『・・・・さあ、覚醒するのだ、麗子――――我が最高傑作よ。
<ヴェカンタの戦士>として、いや、私自身の<戦士>として』


74 :
(20)
(ああッ!!な、何ッ!?)
響き渡ったのは、若い男の<声>。
夕暮れなずむ逢魔ヶ刻、忽然と現れた、あの外国人のもの。
(――――だ、誰なの!?あなたは、いったい・・・・!?)
『私の名前?・・・・君は、もう知っている筈なんだが?
さぁ、封じられた記憶の底から探し当ててごらん――――君自身の意志で!!』
青年の<声>が途切れるや否や、
意識の中に、夕暮れの公園で視たのと同じ、イメージの奔流が流れ込んでくる。
地の果てまで続く化け物たちの列、空を埋め尽くした異形の軍船、彼らを統べる暗黒の王、
そして、玉座の傍らには5つの影――――その、一柱。
薄い水色の長衣に身を包んだ、プラチナ・ブロンドの魔道士・・・・。
(・・・・ア・・・・イ・・・・ザード・・・・?)


75 :
(21)
――――――――コンッ、コンッ。
ドアをノックする音が、少女の意識を現実へと引き戻した。
エクスタシーの余韻に浸りつつ、かすれかけた声で「気分が悪いの、静かにして頂戴」と返事する麗子。
多分、使用人の誰かが伝言でも持ってきたのだろう――――そう判断し、仮病を決め込もうとしたのだが・・・・。
ガチャリ。
ドアが開いて、一対の人影が室内に滑り込んでくる。
主人の寝室に許しも無く足を踏み入れる、無礼な使用人たちに向かって、
苛立たしく叱責を飛ばそうとした赤毛の少女は、次の瞬間、はっ、と目を瞠った。
「・・・・お母さま、それに、お父さままで。海外に出張中ではなかったの?」
愛娘の問いには答えず、少女の両親は、無言のまま、
シーツに出来た真新しいシミと、未だ汗ばみ、上気したままの娘の肌を眺め回した。
ぶり返してきた羞恥心で顔を真っ赤に染める麗子。
もしかして、昼間の一件がバレたのか?と、一瞬、身を竦ませたものの、
すぐに、この二人が、それぐらいの事で、大事な旅行や海外出張を中止して帰宅する筈がない、と思い直す。


76 :
(22)
(でも、だとしたら、何故・・・・?)
訝しげな表情の麗子。
そもそも、同じ屋根の下に同居してはいるものの、
両親は、すでにずっと以前から夫婦の関係は冷え切っており、
最近では、仕事だの出張だの社交だのカルチャー教室だのと理由をつけて、
お互いに顔を合わせる事さえ避けているような状態だった。
彼ら二人が揃って娘の許に現れるなど、一体、何年ぶりの事だろうか?
――――だが、(少女の予想に反して)その答えは、すぐに明らかとなった。


77 :
(23)
「お会いしたんだね、あの御方に」
どちらからともなく、話し始める父と母。
その口調は、努めて平静を保とうとはしていたが、
同時に、湧き上がってくる興奮を抑え切れずにいる様子がありありと看て取れるものだった。
「・・・・お前が戸惑うのも無理は無い」
「・・・・でも、これはどうしても必要な事だったのよ」
「・・・・ログレス様がお作りになる、新たな世界のために」
呆然としたまま、二人を見上げる赤毛の少女。
それをどう受け取ったのだろうか、得体の知れない笑みを浮かべた二人の男女、
・・・・否、牡か牝かの区別さえ定かではない、二匹の人妖は、
愛娘の凝視する前で、かりそめの肉体を脱ぎ捨て、本来の姿形へと変容を開始した。
皮膚が裂け、肉が割れ、内臓が裏返り・・・・内側から、隠されていたグロテスクな真実
――――あの悪夢に出てきた怪物と同じ、いや、より醜怪な異形の正体――――が曝け出されていく。
ものの一分もしないうちに、桐島家の当主とその令夫人の姿は視界から掻き消え、
彼らの佇んでいた場所には、異臭を漂わせる二体の化け物が出現していた。


78 :
(24)
(な、なんて醜い化け物なのッ!!)
絶句する麗子。
頭と胴体の境目さえはっきりしない、ずんぐりとした体格。
アメフラシを連想させるヌラヌラとした体表はフジツボ状の突起物に覆われ、
時折、血管だか内臓の一部だか分からない不気味な物体が不規則に脈打っていた。
一応、手足は、体の左右に1本ずつ付いてはいるものの、
指先は得体の知れないゴム状の器官と化し、鋭い鉤爪と蛙の様なヒレが生えている。
「・・・・まったく、お前には苦労させられたよ」
「・・・・ああ、本当に手のかかる子供だった」
眼前の怪物たち――――ほんの数分前まで、父として母として自分に接していた者達は、
今や、口は耳まで裂け、喉も声帯も、発声を司る器官の全てが人間のそれではなくなってしまっていた。
にもかかわらず、まるで性質の悪い冗談であるかの如く、
声質も、発音も、話し方も、言葉遣いも、両親を演じていた時のそれと寸分違ってはいない。


79 :
(25)
(・・・・信じられない。私は、今まで、こんな奴らを家族だと思って暮らしてきた、っていうのッ!?)
吐き気を催すような現実が赤毛の少女を打ちのめす。
まるで、休日の朝方にTVで放映されている、子供向けの特撮番組から抜け出してきたかような、
見るからに邪悪で、不快感を呼び起こされずにはいられない、怪物たち。
・・・・だが、少女にとっては、彼らそのものよりも、
むしろ、今の今まで、何の疑いもなく、この二匹を、実の両親と思い、接し続けてきたという事実の方が、
よりおぞましく、忌まわしいものに感じられてならなかった。
(アイツが、言っていたのが・・・・)
脳裏に蘇る、プラチナ・ブロンドの青年の言葉。
『――――彼にはとても大事な仕事を任せていたから』
『――――君を育て上げる、という大事な仕事をね』
『――――君は何も知らされずに育ってきた。
そうした方が良い、と、私が判断し、二人にきつく命じておいたからね』
(・・・・まさか、本当の事だったとは)


80 :
(26)
「しかし、<ヴェカンタの戦士>の育ての親、という栄誉のためならば、何程の事も無い」
「そうともさ、これでわしらの地位は約束されたようなもの。
ハハッ、せいぜい出世して、お父さんとお母さんに楽をさせておくれよ、麗子」
意識してのものだろうか?それとも、無意識の行為なのだろうか?
桐島夫妻を演じていた時と全く同じ話し方のまま、
二匹の化け物は天を仰ぎ、両腕を振り回しつつ、けたたましく笑い合った。
(・・・・・・・・)
無言のまま、異界の者たちの振る舞いを眺めやる、赤毛の少女。
この数年間、自分の父母として過ごしてきた時には、
ただの一度たりとも見せた事の無い、親密そうな素振りが、
少女の心に出来た傷口を更に深く抉り抜き、修復不能なまでに押し広げる。
いつしか、ラベンダー色の瞳の奥では、深い喪失の痛みがやり場の無い怒りへと変わっていき、
きつく噛み締められた奥歯からは、ぎりり、と鈍い軋ばみの音が漏れ始めた・・・・。


81 :
(27)
――――次の瞬間ッ!!!!
「・・・・そうね、感謝しなくちゃね。お義父さん、お義母さん・・・・」
どす黒い瘴気となって少女から立ち昇る、憤怒の炎。
怒り、絶望、憎悪――――圧倒的な負の感情が、
周囲にあるもの全てを破壊し尽くしたい、という強烈な衝動となって、麗子の魂を漆黒に染め上げた。
「これが、私なりのお礼よッ!!」
振り上げた右手の中に集い、凝縮していく暗黒の波動――――<ヴェカンタ>。
自分達の頭上に降り注ぐ、巨大なの気配を、二匹の怪物たちは、はたして知覚出来ただろうか?
歓喜の表情を浮べたまま、ほんの数分前まで、麗子の両親だったモノは、
真っ二つに切り裂かれて、ぞっとするような体液にまみれた肉の塊りへと姿を変じた。
「うぉおおおおおッッッ!!!!!!」
魂を揺さ振られるような、絶叫を放ち上げる<ヴェカンタの戦士>。
叫び声に共鳴するかの如く、より一層、濃密さを増した闇が、
徐々に、一振りの<剣>の形へと変化し、物質としての実体を帯びていく。
漆黒の輝きを宿した切っ先から立ち昇った、神聖ならざる赤黒い瘴気が、
逆巻く紅蓮の炎となって、彼女の部屋を、生家を、
あたかも<人間界>での痕跡そのものを残らず消し去るかの如く、舐め取り、焼き尽くしていった――――。


82 :
(28)
――――サザーランド。現実の風景の中。
「・・・・三つに分かたれた<戦士>の魂ですって?」
それが、一体、何だっていうのよ?」
両の眼を血走らせながら、麗子は苦々しげに言い捨てた。
そして、かけるべき言葉を見失い、沈黙を続けるしかない、かつての友に向かって、
血を吐くような呪詛の叫びを吐きかける。
「私が、これまで、過ごしてきた時間は、一体、何だったの?
――――ねぇ、優子、アンタに私の気持ちが分かるッ?
過去の全てを失った・・・・いや、過去と思っていた全てがまやかしに過ぎない、と知った、私の絶望がッ!?」

――――――――TO BE CONTINUED.

83 :
以上、第21章をお送りいたしました〜。
ご支援頂いた方、有難うございます。
次の第22章は、今回の続きから始めて、
優子と麗子の対決と和解まで(コミック3巻のP.67〜P.105)を描きたい、と考えています。
完成・発表は、来年の1月上旬の予定です。
しばらくお待ち下さいませ。
それでは本日はこの辺りで〜。

84 :
いつも乙です。

85 :


86 :
いつも読んでるけど、今回すっごくエロかった、ちょっと感動
擬音の使い方も濃いのを適量って感じで素晴らしい
なんか悟りでも開いたのかしら

87 :
保守

88 :
ヴァルキリーの更新きたけど、サイトがリニューアルされててヴァリスの
ページ紹介が見れなくなってる・・・

89 :
麗子亡フラグ勃った

90 :


91 :


92 :
>>83
文章うまいですね
っていうかヴァイスが18禁ゲームになっているということを
はじめて知った。
もともとエロいとおもっていたけど・・・

93 :
ARCHDUKEさまがんばっておいでですね。
今年もよろしく〜
ttp://nhkgfile.s4.x-beat.com/cgi-bin/source3/Yellow_2873.jpg

94 :
年賀宝物
キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!

95 :
皆様、あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いいたします〜。
エロパロSSの方ですが、あと2週間前後で完成の予定です。
発表まで、もうしばらくお待ち下さいませ。
>>93
いつも素晴らしいイラストを有難うございます〜。

96 :
保守

97 :
皆様、お待たせしました〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第22章、本日完成いたしました。
明日の夜22:00頃から投下作業を開始いたしますので、
お手空きの方がいらっしゃいましたら、連投規制回避のための支援をお願いできないでしょうか?

98 :
お待たせしました〜。
只今より、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第22章の発表を開始します。
なお、本章の内容ですが、コミック第3巻のP.67〜P.86前後までをエロパロ化したものです
(当初の予定では、P.105付近まで一気に書き進むつもりだったのですが・・・・
続きは次章に回す事にいたします)。
それでは、お楽しみ下さいませ〜。


99 :
(1)
――――サザーランド。
剣を抜き放ち、対峙する二人の<戦士>。
漆黒の甲冑に身を包んだ赤毛の少女は、やり場のない怒りを気に変えて煮え滾らせ、
黄金の鎧を帯びた蒼髪の少女は、かつての友の変貌の真実を知った衝撃に、動揺を隠せずにいる。
「どうしても、やるの?」
「くどい!」
問いかける声は、かすれかけ、弱々しい。
対する、返答の言葉は、絶対零度の冷たさを纏っていた。
「ウソだらけの過去なんて沢山よッ!!
私は、三つに分かれたカケラの一つなんかじゃないッ!!
今、それを証明してやるわ・・・・優子、アンタを倒してねッ!!」


100 :
(2)
――――次の瞬間。
「こ、これはッ!!」
「空間が、歪められたッ!?」
「麗子ッ!!」
優子、ヴァルナ、ヴォルデス、三者の叫びが重なり合う。
だが、<ヴェカンタの戦士>に届いたのは、目の前にいる少女の発した問いだけだった。
夢幻界の王女と暗黒五邪神のそれは、
空間を歪曲し、外部からの一切の干渉を撥ね付ける強大な<暗>の力場によって打ち消され、
<戦士>たちが耳にする事は叶わない。
「一体、何が起きたのですッ!?」
血相を変えてヴォルデスに詰め寄るヴァルナ。
彼女よりは落ち着いた表情で、中年男は自分に言い聞かせるように答えた。
「二人だけで決着をつけたい、手出しをするな・・・・か。
どうやら、我々は待っているしか無さそうだな」


101 :
(3)
(――――くッ、なんて禍々しい気配なのッ!?)
ねっとりと絡み付いてくる<暗>の瘴気に悪寒を感じながら、
優子は、半ば本能的に、正眼に構えた<ヴァリスの剣>をぐっと握り締めた。
「これで、もう何処にも逃げられないし、助けも呼べないわよ。
フフッ、色々と便利に出来てるわね、<アンチ・ヴァニティ>の力って」
くつくつと不敵な笑みを浮かべつつ、
麗子は、油断なく、眼前の宿敵を睨み据える。
ぬばたまの輝きを宿した切っ先からは、
<ヴェカンタ>の赤黒い霊気が、燃え盛る地獄の業火のようにメラメラと立ち昇っている。


102 :
(4)
「れ、麗子」
悲しみに満ちた瞳で、赤毛のクラスメイトを見つめる<ヴァリスの戦士>。
事ここに至っては、自分の言葉が届くとは思えなかったが、
それでもなお、胸の奥にわだかまっている想いを口にせずにはいられない。
「たしかに、あなたのご両親については、わたしに何か言える資格なんてない。
でも、わたしたち二人が過ごしてきた時間はウソなんかじゃない筈よ」
じわり、と熱いものが瞼の奥から込み上げてくる。
ほとんど嗚咽に近い、くぐもった声で、優子は訴え続けた。
「今だって・・・・これからだって、
わたしはあなたのそばにいたい・・・・友達でいたいのッ!!」


103 :
(5)
「ハッ、お笑い種だわッ!!」
――――半ば予期していた事だったが――――悲痛な叫びにも<ヴェカンタの戦士>の心は動かず、
返ってきたのは痛烈な皮肉だった。
「友達も何も、アンタと私は敵同士じゃない!!
こうして剣を向け合って、おまけに、<アンチ・ヴァニティ>なんて力で引き裂かれてッ!!」
「・・・・・・・・」
がくり、と肩を落とし、押し黙る優子。
周囲の闇が、一層、濃密さを増したように感じられる。
手にした<ヴァリスの剣>が、とても重く、冷たい。
「さあ、おしゃべりは終わりよ。覚悟は良いわねッ!!


104 :
(6)
「――――ぬあぁあああッッッ!!!!」
怒号と共に、強烈な突きが繰り出されてくる。
唸りを上げて襲い掛かる漆黒の刃を、紙一重のところでステップを踏んでかわす優子。
艶やかな蒼髪の幾筋かが寸断され、ユラユラと宙に舞う。
チッ、と小さく舌打ちを漏らした麗子は、
最小限の動作で体勢を建て直すと、<影の剣>を水平に薙ぎ払う。
ガシィィィンッ!!!!
金属同士が打ち合わされる、甲高く澄んだ音が響き渡り、細い手首を微かな痺れが走り抜ける。
毒蛇の如く獲物を求めた神聖ならざる切っ先は、
清浄な白銀の輝きを湛えた刀身によって行く手を遮られ、
<ヴァリスの戦士>を切り裂く事は叶わなかった。
「ふんッ、前に会った時より、多少は使えるようになったじゃない。
でも、防いでばかりじゃ、勝負は付かないわよッ!!」
吼えながら、赤毛の少女は、剣を握っていない方の腕を振り上げた。
<ヴェカンタ>の瘴気が手の中に集まり、どす黒く濁った闇のムチとなって襲い掛かる。


105 :
(7)
「あぐぅッ!!」
脇腹を打たれて、<ヴァリスの戦士>はくぐもった叫び声を漏らした。
<ヴァリスの鎧>の守りに弾かれたのだろう、
打撃そのものは大したダメージをもたらさなかったが、
甲冑の力でも中和しきれなかった暗黒の魔毒が、生白い肌を黒ずんだ紫色に変色させていく。
「ククッ、剣の腕前は上達しても、トロ臭いのは相変わらずねぇッ!!」
けたたましい哄笑を放ち上げながら、麗子は闇のムチを振りかざした。
さらに、愛剣にも暗黒のエネルギーを注ぎ込み、
漆黒の刀身をムチ状に変形させて、目の前の少女を執拗に追い回す。
二匹の闇の蛇に代わる代わる打ち据えられた優子の身体は、
見る間に傷だらけになっていき、そして――――。


106 :
(8)
「うぐッ・・・・あああッ!!」
強烈な一撃を利き腕に浴びて、蒼髪の少女は、<ヴァリスの剣>を取り落としてしまった。
カラン、という虚ろな音を立てて足元の地面に転がり落ちる聖なる<剣>。
激痛を堪えつつ伸ばそうとした指先も、冷酷なムチさばきによって弾かれてしまう。
「勝負あったわねッ!!」
黒革のブーツに包まれたしなやかな爪先が、
優子の愛剣を手の届かない場所へと蹴り飛ばし、
続けざまに、少女の鳩尾深く、突き刺さる。
ぐふッ、と、弱々しく呻くと、<ヴァリスの戦士>は、胸を押さえて崩れ落ちた。
「他愛も無いッ!!やはり、<アンチ・ヴァニティ>の力が相手だと、手も足も出ないみたいねッ!!」
勝ち誇った表情の赤毛の少女。
閉鎖空間の向こうで、ヴァルナが驚愕に蒼ざめ、
ヴォルデスでさえ驚きを隠せずにいるのを横目で眺めつつ、天を打ち仰ぎ哄笑する。
自分の勝利だ、これでウソだらけの世界ともおさらばできる、と。
――――だが。


107 :
(9)
「違う・・・・それは違うよ・・・・」
苦しげな息の下から囁くような擦れ声で反駁する蒼髪の少女。
まだ抵抗する気なの?と、些か鬱陶しげに足元を見やった麗子だったが、
彼女の目に映ったのは、傷付き、憔悴しつつもなお、
凛とした輝きを失わずにいるディープ・ブルーの双眸だった。
「どういう事よ、一体、何が違うって言うのッ!?」
内心の動揺を押し隠しつつ、
<ヴェカンタの戦士>は少女の髪を掴み取り、グイッ、と乱暴に引っ張り上げた。
対する優子は、苦痛に顔面を歪めてはいるものの、
毅然とした態度を崩す事無く、真っ直ぐな視線で麗子を見据え、
――――そして、そのラベンダー色の瞳を凍りつかせるに充分な一言を言い放つ。


108 :
(10)


「<アンチ・ヴァニティ>の力なんて存在しない・・・・そんなものは幻だよ」





109 :
(11)
「・・・・・・・・」
一瞬、重く押し黙る、<暗黒界>の<戦士>。
何を馬鹿な、一笑に付そうと試みはしたものの、
目の前の少女の眼差しには、それを許さぬ気迫が満ち満ちていた。
「よく聞いて、麗子。
たしかに、あなたと戦った直後、わたしは力を出せなくなって、
アイザードの放った魔物に追い詰められて瀕の重傷を負わされたわ。
でもね、その後、当のアイザードによって、わたしは救われたのよ。
・・・・何故だか、あなたに分かる?」
「そりゃ、アイツの事だから、色々下心があったんでしょうよ。
例えば、思ったよりも良いオッパイだった、とか――――」
わざと茶化そうとした麗子だが、自分から言葉を切り、考え込む。
言われてみれば、確かにアイザードの行動には矛盾があった。
優子を地から救ったのは、無論、彼なりの打算によるものだろうが、
ならば、あの時の彼女にどんな利用価値があったというのか?


110 :
(12)
(まさか、あの時、本当は力を失ってなどいなかった、というのッ!?)
――――いいや、そんな筈は無い、と、心の中で大きくかぶりを振る。
現に、優子は、アイザードに<ファンタズム・ジュエリー>を奪われた挙句、
自分や暗黒五邪神などよりも遥かに格の劣る雑兵相手に惨めな敗北を喫したのだ。
力を喪失していたのでなければ、到底、説明がつかない。
「アイザードも、最初はそう考えたんだと思うわ。
魔物たちに襲われて虫の息だったわたしを捕獲し、徹底的に調べ尽くすまでは」
「な、何だとッ!?」
驚愕に息を弾ませる麗子。
対する蒼髪の少女は、クラスメイトから視線を逸らさないまま、語り続ける。
――――結論から言えば、あの時、わたしは<戦士>の力を失っていた訳ではなくて、
一時的に使えなくなっていただけだったのよ。
わたしの身体と精神を隅々まで調べて、それに気付いたアイザードは、きっとこう考えたんだと思う。
『<アンチ・ヴァニティ>の力では、<ヴァリスの戦士>の能力を一時的に封印は出来ても、完全に奪い去る事は出来ないのだ』


111 :
(13)
「アイザードは、わたしたち三人の素となった、<戦士>の魂を創造した魔道士よ。
だから、わたしたちに関する事柄で自分に理解不能なものなど無い、と認識してたんでしょうね。
・・・・その想いが、の直前まで彼の目を曇らせていたのよ!」
(アイザードが状況を見誤っていた、というのッ!?)
無意識のうちに、ゴクリ、と息を飲む、赤毛の少女。
世迷い事を、と笑い飛ばしてしまうのは簡単だったが、
もしも、優子の言葉が真実だとすれば、たしかに、あの時の彼女の敗北は、
単に、自分の持つ<アンチ・ヴァニティ>の力によるものではない、というだけでなく、
そもそも、<アンチ・ヴァニティ>なる力の実在そのものを疑わせるに足る証拠となり得る。
そして、その可能性を否定し切れるだけの確信は、麗子も持ち合わせてはいなかった。
「本当はね、怖かっただけなの・・・・わたしの中にある力が。
一歩間違えば、友達をしていたかもしれない、
あるいは、世界も何もかも破壊し尽くしてしまうかもしれない、
――――そんな強大な力を宿してしまった、という事実が、ね」


112 :
(14)
「・・・・・・・・」
無言のまま、じっと優子の瞳を見つめる麗子。
語るべき事を全て語り終えた蒼髪の少女もまた、
静謐な表情で、かつての親友の眼差しを受け止める。
「変わったわね、優子」
先に視線を逸らしたのは、<ヴェカンタの戦士>だった。
手にした<剣>の漆黒の切っ先を僅かに下げ、呟き声で話しかける。
「修羅場を潜り抜けてきて、逞しくなったのかしら?
フフッ、以前は、いつも何処かオドオドして周囲の顔色を伺う様なところがあったのに。
――――いいわ、アンタの言う事が正しいかどうか?試してみようじゃないッ!?」


113 :
(15)
「試す、って?」
鸚鵡返しに訊き返す、<ヴァリスの戦士>。
赤毛の少女は即答せず、ニィィッ、と歪んだ笑みを向けた。
そして――――。
「こうやるのよッ!!」
<ヴェカンタの戦士>の叫び声と同時に、
周囲を覆い尽くした闇の瘴気が膨れ上がり、
強大な<暗>の波動が、優子に、さらには麗子にまで襲い掛かってくる。
「な、何ッ、一体、何をする気なのッ!?」
「アハハハッ!!
簡単な話よ、私とアンタ、どちらかが先に倒れるまで、<ヴェカンタ>を受け続けるのッ!!
万に一つ、いや、億に一つ、先に私の方が意識を失ったら、
<アンチ・ヴァニティ>の力なんて存在しない、って認めてあげるわッ!!」


114 :
(16)
明らかに音程の狂った、けたたましい哄笑と共に、
暗黒のエネルギーが無数の触腕となって二人の少女を絡め取っていった。
慌てて逃れようとする優子だが、
<ヴァリスの剣>を失った身では抵抗もままならず、瞬く間に手足の自由を奪われてしまう。
「フフフ、闇の気配が心地良い・・・・ゾクゾクするわ」
同じく、漆黒の魔縄に縛められた麗子が、うっとりとした表情を浮かべた。
神聖ならざる闇の牢獄にあって、なお一段と黒く、不吉な色合いに染め抜かれた、ぬばたまの甲冑。
それによって護られている、白大理石のような柔肌の各所――――
頭に、首筋に、腹に、腕に、太股に、物質とも霊体とも判別出来ない、不気味な触手がまとわりつき、
ズルズルと這い回って、おぞましい粘液を擦り付けてくる。
意志の弱い者ならば、それだけで精神に異常をきたしかねない体験となっただろうが、
<暗>の力に慣れ親しんだ赤毛の少女には、逆に、この感触が何とも言えず心地良かった。


115 :
(17)
「うッ・・・・ぐッ・・・・んぐぅッ!!」
一方の優子は、苦悶の表情を浮かべ、早くも呼吸を荒らげてしまっていた。
目の前で相対している麗子と同様に、
蒼髪の少女にも、周囲の闇を凝縮したかのような触手の群れが襲い掛かり、
寄ってたかって五体の自由を奪い去り、乙女の柔肌を思うがままに蹂躙している。
無論、彼女は、<ヴェカンタ>の妖気に慣れたかつてのクラスメイトとは違って、
間違っても、このような行為を心地良いなどとは思わなかったし、
そもそも、<明>の力をエネルギーの根源とする<ヴァリスの戦士>にとって、
彼らの発する<暗>の波動は、致命的ではないにせよ、着実に生命を削り取っていく妖毒に他ならない。
(うぐ・・・・くぅううッ!!く、苦しい・・・・身体が締め付けられて・・・・)
ただ単に、苦しい、というだけではない。
邪悪な魔力を帯びた蛇縄が全身に食い込み、情け容赦なくギリギリと締め上げてはいたが、
その動きは、単純に自分を窒息させたり、縊りしたりする目的のものではなく、
もっと陰湿で、嗜虐的な意図さえ感じさせる性質を帯びていた。
喩えて言うならば、囚人にたっぷりとの恐怖を味わわせ、苦痛と絶望の底に突き落としながらも、
決して生命までは奪おうとはしない、冷酷で、熟練した拷問吏の技のような・・・・。


116 :
(18)
「ウフフフ、どうしたの、優子、随分と辛そうじゃない?
<アンチ・ヴァニティ>の力なんて存在しないんじゃなかったのかしら?」
からかうような麗子の声が、追い討ちをかける。
必に言い返そうとする少女だったが、
身体中を這い摺り回るおぞましい肉蛇に、言葉を発する事もままならない。
腰まで伸びた豊かな蒼髪に潜り込まれ、うなじを撫でられる感触に肌が粟立ち、
丈の短いプリーツ・スカートの中に入り込んだ触手に、
内股をピチャピチャと舐めしゃぶられる恥辱には、顔全体が、かあっ、と朱く染まった。
(ううッ・・・・き、気持ち悪いッ!!
で、でも、負けないッ・・・・絶対に、負けを認める訳にはッ!!)
必にかぶりを振り、執拗にカラダを嬲る不快さに耐える<ヴァリスの戦士>。
――――だが、この時既に、邪悪な暗黒の分身は、
それまでの戦いによって消耗しきっていた<鎧>の加護を打ち破り、
本来ならば、彼ら程度では束になっても果たせなかった筈の、
聖なる黄金の甲冑に護られた乙女の肉体そのものへの侵略にも成功しつつあったのである。


117 :
(19)
「んはぁッ!?や、やめ・・・・ッ!!」
じゅるり、と湿った感触が、優子の頬筋を舐め上げ、さらにクチビルへと這い進んでくる。
咄嗟に口を閉じ、歯を食いしばって抵抗する少女だったが。
「あうう・・・・はぐぅううッ!!」
別の一匹に喉元を締められ、苦しさのあまり、口を開けてしまう。
途端に、どす黒い肌をした、アメフラシのような触腕が滑り込み、
生臭い匂いを放つドロリとした体液で、狭い口腔の中を一杯に満たしてしまった。
「はふぅ・・・・んぐ・・・・ふぐぅ・・・・」
歯茎の間を這い回る触手の動きに、
思わず、意識を蕩けさせてしまう<ヴァリスの戦士>。
その瞬間を待ち構えていた暗黒界の魔生物たちは、
呼吸を合わせて、一斉に動き出していた。


118 :
(20)
「んむ・・・・むぐぐッ!!」
胸元を襲った違和感に、慌てて視線を落とすと、
先端部分をドリル状に尖らせた触手生物が、
胸当てと乳房の間に出来た隙間からカラダをねじ入れようと試みていた。
無論、黄金色の魔法金属とふくよかな肉の脹らみ、両者が重なり合う僅かな間隙に異物が入り込めば
撓められ、押し凹まされるのは後者の方である。
「くふッ・・・・むふぅううんッ!!」
暴れ回る淫蛇に口腔内を好き放題にされながらも、
優子は必に身を捩り、身体を揺らして逃れようとする。
だが、雁字搦めに緊縛された手足は元より自由に動ける筈も無く、
その上、着実に乳房を這い進んでいく侵入者は、
タコの吸盤のように皮膚に吸着して、払い落とす事など到底不可能だった。
程無く、先端部は完全に胸当ての内側に潜る事に成功し、
脹らみの中心、淡いピンク色に色付いた小さな突起の周囲をピチャピチャと舐めしゃぶり始める。


119 :
(21)
(い、嫌ッ・・・・いやぁあああッッッ!!)
生理的な嫌悪感に顔を歪める優子。
肌が粟立つような感覚に、理性が失われ、負の思考がとめどなく溢れ出す。
このままでは負けてしまう、という焦り。弱く惨めな自分への怒り。
穢れを知らぬ乙女としての羞恥心、そして――――。
びくんッ!!!!
不気味なぬめりを帯びた触腕に撫で上げられて、
豊満という程の大きさではないが、美しく整った形の良い乳房が、
黄金の胸甲の中で、いやらしく跳ね上がった。
最初のうちは気持ち悪いとしか思わなかった、卑劣な侵入者の愛撫が、
時間と共にジワジワと馴染み始め、今では不思議なくらい心地よい。


120 :
(22)
(だ、だめ・・・・心を、弱くしては・・・・ふはぁあッ!?)
悲壮なまでの決意とは裏腹に、
柔肉の中心、固くしこったピンク色の突起を突かれるたび、少女の抵抗は大きく揺らぎ、
止める事は勿論、無視する事さえ出来ない衝動が、みずみずしく張った双乳を駆け巡る。
「んむぅ・・・・ふへゃあああッ!!」
次第に敏感になっていく反応を楽しむかの如く胸元を弄んでいた赤黒い触手が、
にゅううッ、と、圧迫を強くして脹らみを締め上げ、
同時に、屹立しきった乳首を甘噛みするかのようにじんわりと押し潰していった。
途端に、別の一匹によって蹂躙されていた口元から、
喘ぎとも呻きともつかない、弱々しい悲鳴が漏れ、
湿り切った吐息と共に溜まっていた大量の唾液がだらだらと流れ落ちる。
口内でビチビチと跳ね回る異形を感じつつ、
蒼髪の少女は、己れの肉体が快楽に溺れつつある事実をはっきりと認めざるを得なくなっていた。


121 :
(23)
(はぁ・・・・はあっ・・・・はああっ)
舐め転がされる乳首は、自分でも明確に知覚できるくらい、熱くしこり切っていた。
敏感さを増した突起を包み込む感覚も、
もはや疑う余地など無い、甘く、心地よいものへと変化を遂げている。
それは、無数の触手によってまさぐられ、あるいは、締め付けられている、
太股でも、腹でも、背中でも、それどころか、腕や指先のような場所でさえ、同じだった。
じゅるり、と撫でられ、にちゅり、と粘汁が塗り込まれるたび、
嫌悪に由来するものとは明らかに異なる、鋭敏な震えが全身を覆い、びくつかせる。
肉縄が卑猥なピストン運動を繰り返すたびに、淫靡な水音が耳の奥に直接響き渡り、
僅かに残ったなけなしの理性に嘲笑を浴びせるかの如く、頭蓋骨の内側で共鳴し合った。
肩当ての内部へと潜り込んだ触腕が、半形状の防具を、ぐぐっ、と押し上げると、
黄金の甲冑は呆気ないほど簡単に外れて、美しいカーブを描く肩口のラインが露わになる。


122 :
(24)
「んんッ!?むぐぅ・・・・んむぅううッ!!」
熱い涙滴にふやけかけていた優子の目も、さすがに大きく見開かれた。
聖なる加護によって守られている<ヴァリスの鎧>は、
その主である自分が命じるか、少なくとも、外部からの干渉を拒絶しない限りは、
何があろうと剥がれ落ちたりはしない筈である。
これが、いとも簡単に引き離されてしまった、という事は、すなわち――――。
(あああ・・・・だ、だめ・・・・だめぇッ!!!!)
涙ながらの抗議も空しく、
身体の各所から、守りの力を失った金色の甲冑がもぎ取られて、
ドロドロの体液にまみれた乙女の柔肌が曝け出されていく。
肩当てに続いて、肘当て、膝当て、ブーツからベルトに至るまで、
手当たり次第に引き剥がされ、生まれたままの姿へと変えられていく<ヴァリスの戦士>。
――――勿論、ふくよかな双乳を覆った黄金の胸甲も例外ではない。


123 :
(25)
(あうう・・・・や、やめて・・・・これ以上はッ!!)
胸元をかすめた異様な感触におそるおそる目をやると、
防具を外され、ぷるん、とまろび出た二つの乳房が、
色とりどりの粘液にまみれて妖艶に揺れ動いていた。
一瞬、自分の置かれている状況を忘れて、反射的に両手で覆い隠そうとする優子だったが、
無論、彼女の五体を拘束している触手はビクともしない。
程無く、柔らかな脹らみは悪辣な魔縄によって幾重にも巻き取られてしまった。
「んぐッ・・・・ふぐぅ・・・・ふはぁああッ!!」
屈辱感に咽び泣きながらカラダをよじる少女の胸乳が、
鱗の無い蛇によって、ギュウギュウと締め付けられては緩められ、
グニュグニュと揉み込まれては、また引き伸ばされて、自由自在に捏ね回されていく。
肉の悦楽に侵食された腰椎がガクガクと揺れ動くたび、
忌み嫌うべき感覚が次から次へと生まれ出で、じっとりと湿り気を帯びた喘ぎ声となって空気を震わせた。
気が付けば、身体は地面から50センチ近くも持ち上げられ、
両脚をアルファベットのMの字の形に開かされた、恥ずかしすぎる格好で責め嬲られ続けている。
そこで身悶える姿は、まるで触手で出来た電気椅子に座らされた刑囚のように見えた。


124 :
(26)
――――ブチィンッ!!!!
股間から響き渡った小さな破裂音に気付いて、顔を動かすと、
触手の一匹が、端が破れた小さな白い布切れを、勝ち誇った様子で咥え、振り回している。
・・・・その切れ端が、大事な場所を覆っていたショーツの残骸であると気付いたのは、
恥丘を撫でた生温い空気の感触によって、だった。
(ひぃぃッ!!いや・・・・嫌ァアアアッッッ!!!!)
乳房を曝き立てられた時とはまた異なる、圧倒的な恥辱感が、優子の心を満たしていく。
愕然と、あるいは、茫然と、血の気の引いた表情で、
今や、秘所を守る最後の砦――――と言うには、あまりにも頼りない存在だったが――――となった、
丈の短いプリーツ・スカートを見下ろす蒼髪の少女。
視線の先では、猛り狂った生ける槍先が、数本、いや、数十本、
無防備状態の秘密の谷間の方向を向いてひしめき合い、進軍の時を今や遅しと待ち構えている。


125 :
(27)
「あ・・・・ああ・・・・うあああッ!?」
声にならない悲鳴を漏らしながら、
<ヴァリスの戦士>は、自由を失ったカラダを力なく打ち揺らした。
圧倒的な敗北感が心に重く圧し掛かり、恐怖の色に染め上げていく。
(ひぃッ!!)
獲物の感情を感じ取ってのものだろうか、
肉蛇の群れの中から、ひときわ胴回りの逞しい、優子の手首ほどの太さもあるモノが立ち現れ、
敵を威嚇するコブラのように鎌首をもたげて這い進んでくる。
同時に、少女の下半身を絡め取っていた異形たちも、
幾重にも巻き付いて自由を奪っている太股を股関節の許すギリギリの角度まで大きく割り広げる一方、
腰の位置を押し下げて、近付いてくる巨大触手の真正面にクレヴァスが占位するよう姿勢を改めた。


126 :
(28)
「んひッ・・・・うぐぅ・・・・うぎゅうううッ!!」
プリーツ・スカートが難無く捲り取られて、
未だ完全に生え揃ってはいない茂みに飾られた恥丘が露わになる。
王者の風格さえ漂わせる、野太く逞しい触手は、
毒々しい分泌物に濡れた先端部分を、ぐぐっと持ち上げたかと思うと、
そのまま何の躊躇いもなく乙女の花園へと踏み込んで、サーモンピンクの秘花弁を左右に押し開いた。
じゅちッ・・・・ずちゅる・・・・ずりゅるるるッッッ!!!!
熱く脈を打つ感触が、こじ開けられた大陰唇を抜けて膣口へと触れた。
たちまち、ビクビクッ、と鋭い痙攣が花びらの間を走り抜け、
信じ難いほどの快感の衝撃波が腰椎の底から脳天の先まで一気に駆け昇っていく。
にゅるり。
淫液まみれの亀頭は、何の障害も無く、簡単に入り口を広げていった。
不思議な事に、全身の筋肉は、皆、無意識のうちに硬直し力みきっているというのに、
肝心の場所だけは、全くと言って良いくらい、力が入らず、
まるで不埒極まる侵入者を歓迎しているかの如く、一切の抵抗を拒み続けている。


127 :
(29)
(ひぃッ・・・・ひっく・・・・な、何、これぇ・・・・ぁひぃ・・・・ひはぁああッ!!)
膣内をゆるゆると這い進む触手の先端から、
半透明な体液が引っ切り無しに湧き出し、肉襞の間に染み渡っていく。
強力な鎮痛作用と、そして、催淫効果をもたらす魔液の効き目は絶大で、
常人ならば、処女の証を破られた直後ですら、激痛を忘れて性の快楽に狂奔する程の威力を誇っていた。
ましてや、優子は処女ではなく、(不本意極まる状況下に於いてとはいえ)今までに何度も、
暗黒界の怪物や暗黒五邪神たちによって牝のヨロコビを肉体に刻み込まれてきている。
「あうう・・・・うぶぅ・・・・むふぁうん!!」
どくん、どくん、と、心臓が高鳴り、
カラダの芯が、ぼうっ、と熱く燃え上がった。
抵抗し難い、甘美な痺れが、全身の毛穴をザワザワと粟立たせ、
芳しい汗の粒が一斉に噴き出してくる。
脊髄の間を、ぞっとするようなゾクゾク感が走り抜け、
手足の不随意筋が、ピクピクピクッ、と、一斉に出鱈目なリズムで動き始めた。


128 :
(30)
(はぁう・・・・ら、らめぇ・・・・おさえられない・・・・はひぃあああッ!!!!)
ユサユサと揺れ動く乳房が、一回り大きく膨らんだように感じられ、
触手の先端で軽くブラッシングされただけで、パァン、と破裂してしまいそうな錯覚に囚われる。
逞しい肉槍を咥え込んだままの秘裂はジクジクと熱を孕んで、
トロリとした愛汁を湧き立たせ、垂れ流し続けていた。
どれだけ必にかぶりを振り、躍起になって否定しようと試みても、
自分のカラダが淫らな波動によって覆い尽くされつつある現実を認めない訳にはいかなかった。
凛々しさを失った目許には、トロン、と酒に酔ったかのような濁った光が浮かび、
ゆっくりとしたリズムでピストン運動を繰り返す、口の中の生臭い侵入者ですら、
時間の経過と共に舌に馴染んで、今ではすっかり心地良くなっている。
それによって蓋をされているせいで、外に漏れ聞こえる事の無い呟きも、
今や大部分は意味のある言葉ではなく、支離滅裂な単語と叫び声の寄せ集めと化してしまっていた。


129 :
(31)
じゅちッ・・・・にゅじゅるッッッ!!!!
そろそろ子宮にも届こうかという所まで到達した触腕が、
突如、方向を変えて、膣壁を、ぐにゃり、と押さえ込み、あらぬ形に変形させる。
「くがっ・・・・あぐぁあああッ!!!!」
声にならない絶叫を放ちつつ、悶絶する優子。
両の眼を張り裂けんばかりに見開いて天を仰ぎ、
肉の磔刑柱に絡め取られた手足を見苦しくバタ付かせて、のた打ち回る。
(あぁあッ!!も、もう・・・・らめぇッ!!
あ、アタマの中が・・・・グシャグシャで・・・・ひ、ひんじゃう・・・・おかひくなりゅううッ!!)


130 :
(32)
――――と。
「フフフ、どうしたの?もしかして、もう降参とか?」
嘲りの笑いに顔を上げると、異形たちの群れの向こうで、
自分と同じく全身を肉縄に覆い尽くされた麗子が、
陶然とした表情のまま、ニヤニヤとこちらの成り行きを眺めていた。
優子のものよりも幾分小ぶりだが、形の良さとみずみずしさでは優るとも劣らない乳房と尻たぶを、
惜しげもなく曝け出し、色とりどりの触手を何本も受け入れながらも、
その態度は余裕に満ち溢れ、むしろ、自らの置かれた状況を愉しんでいるかのようにさえ見える。


131 :
(33)
「んあぁッ!!あくぅ・・・・あふぁうううッ!!」
触手たちによって掻き回される快楽に頬を緩めつつ、
艶めかしく濡らした唇から突き出した舌先が卑猥な動きで円を描く。
求めに応じ、野太い槍先が幾度と無く突き立てられるたび、
総毛立つようなゾクゾク感が走り抜け、子宮の奥が熱く燃え盛った。
はだけられた胸元――――漆黒の胸甲はとうの昔に剥ぎ取られて、足元に転がっていた――――では、
生白い乳房が何本もの肉縄によって掬い上げられ、ギチギチと巻き絞られて、
カチコチに充血した先端部分だけを、ぐにゅうッ、と限界まで引っ張られていた。
愛撫と言うには、あまりにも乱暴極まる締め付けだったが、
すでに、赤毛の少女の発する叫び声も表情も、
痛みと恐怖ではなく、赤裸々な欲望と強烈な性の喜悦によって覆い尽くされている。


132 :
(34)
「あああッ、す、凄い・・・・気持ち良いッ!!!!」
肩口で切り揃えられた、自慢の赤毛を振り乱し、
押し寄せる快感にあられもない嬌声を上げる<ヴェカンタの戦士>。
べっとりとこびりついた半透明な分泌液が、
すらりと伸びたスレンダーな体躯の上で妖しく濡れ光っている。
――――どぴゅッ、びゅくびゅくッ!!
彼女の腕回り程もある、極太の淫蛇がいやらしく脈打ち、
先端部から腐りかけのヨーグルトのような白濁した汚汁をぶちまける。
躊躇いも無く、指先で掬い取った麗子は、
強烈な牡臭を放つそれを、己の秘所へと運び、
肉莢の間からまろび出たピンク色の真珠玉・・・・陰核の表面に塗りたくった。
「きひぃッ!!あぎぃいいいッッッ!!!!」
途端に、気も狂わんばかりの衝撃が子宮を直撃し、
頭蓋骨の中身がグチャグチャに攪拌されて、意識全体が真っ白になっていく。


133 :
(35)
「・・・・・・・・」
凄絶なまでのアヘ顔を晒しながらエクスタシーの頂きへと昇り詰める友の姿を、
優子は、信じられない、とでも言いたげな表情を浮べて、見つめ続ける事しか出来ないでいる。
ほんの一瞬、脳裏をかすめかけた勝利の予感
――――より正直な表現をすれば、麗子がこのまま自爆するのではないか?という密かな期待感――――は、
連続絶頂にイキ狂いつつも、決して自分から逸れる事の無い視線の前に、呆気なく萎んでしまっていた。
むしろ、これほどの快楽地獄に身を置いてなお、
決して自我を見失わない<ヴェカンタの戦士>の強靭な精神力を思い知らされた気がして、
殆ど敗北感と言っても過言では無い程の暗澹たる感情さえ湧き上ってくる。
――――さらに、そこへ追い討ちをかけるかのような、辛辣な一言。
「はぁはぁ・・・・でも、いくらアンタが口先だけの人間でも、
うくッ・・・・あれだけの大口を叩いておいて・・・・まさか、本当に降参って訳はないわよねぇ、優子?」


134 :
(36)
(く、口先だけの人間・・・・この、わたしがッ!?)
グサリ、と、少女に突き刺さる、言葉の刃。
馬鹿な、自分は決してそんな人間ではない、という反発心と、
もしかしたら、その通りなのかもしれない、という弱気さとが葛藤を呼び、
束の間、心の中を嵐が吹き荒れる。
――――だが、激しく揺れ動いた天秤は、
この時はまだ、かろうじて優子の側に踏み止まったのだった。
(ち、違うッ!!わたしは・・・・口先だけの人間なんかじゃないッ!!
そうよ・・・・わたしのこの考え、この気持ちはッ!!)
強くかぶりを振って、込み上げてくる衝動を押し留める<ヴァリスの戦士>
忘却の彼方へと飛び去ろうとしていた理性が息を吹き返し、
トロトロに蕩けかけていた薄青色の双眸に、
肉欲に押し流されまいとする抵抗の意志が、久方ぶりに姿を現した。


135 :
(37)
(フフッ、そう。まだ、楽しませてくれるのね)
眼前の様子を眺めやる、<ヴェカンタの戦士>。
クチビルの端を吊り上げ、ニィィ、と、小さくほくそえむ。
(――――くくッ、まぁ、簡単に堕ちたんじゃあ、楽しくないからね。
ええ、そうよ。私に向かって、あんな大口を叩いたからには、この程度の責めで終わらせるもんですか。
今から、本当の地獄を見せてやるから、せいぜい覚悟しておくことねッ!!)

――――――――TO BE CONTINUED.


136 :
以上、第22章をお送りいたしました。
ご支援頂いた方、どうも有難うございました。
コミック本編の真剣勝負が触手責めガマン大会になってしまいましたが(苦笑)、
次章は、今回の続き、コミック第3巻のP.87〜P.105までに相当する部分をエロパロ化したい、と考えています。
なお、完成・発表は、3月末から4月初めを予定していますが、
(毎年の事ですが)職場の異動・配転等の理由により、遅れる場合がございます事をご了承下さいませ。
それでは、本日はこの辺で〜。

137 :
お疲れ〜
>コミック本編の真剣勝負が触手責めガマン大会
吹いたw

138 :
保守

139 :
GJ!!

140 :
ほす

141 :
hoshu

142 :
保守

143 :
ageなくても大丈夫なんだっけ?

144 :
ヴァルキリーの更新きて、今月号のチラ見したけど・・・
なんであんなにゾロゾロ出てくる!?

145 :
近況報告です。
残念ながら、人事異動のため、先月末から十分な執筆時間が取れない状況が続いています。
大変申し訳ございませんが、エロパロSSの公開の方は4月末まで延期させて頂きたく存じます。
>>144
購入後、確認しました。
あのヴァリスの戦士の大群、優子がログレスを倒した後は、一体どーなるんでしょうか?(笑)

146 :
>>145
生きていた時代から離れてしまった娘もいるだろうに、
自分の都合で復活させといて、
「後の身の振り方は自分で考えてね」
と言わんばかりのヴァリア様は中々の鬼女ですな。

147 :
あー、エロマンガ出ねーのかな

148 :
本当だわ
エロこそZOLに描いて欲しい

149 :
ほほす

150 :
150

151 :
皆様、大変お待たせいたしました〜。
本日やっと、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』エロパロSS・第23章の完成に漕ぎつける事が出来ました。
明日の22:00前後から投下作業を開始いたしますので、
お手すきの方がいらっしゃいましたら、支援の方を宜しくお願い申し上げます。
それでは、明日の夜までもうしばらくお待ちくださいませ〜。

152 :
お待たせいたしました〜。
只今より、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』エロパロSS・第23章の投下を開始いたしますので、
お手すきの方がいらっしゃいましたら、支援の方を宜しくお願い申し上げます。


153 :
(1)
――――サザーランド。暗黒の決闘場。
<ヴェカンタ>の闇に閉ざされた漆黒の空間。
半ば物質、半ば霊体の、不浄な生命によって埋め尽くされた牢獄の中で、
蜘蛛の巣に囚われた蝶の如く、四肢を揺らす二人の<戦士>・・・・。


154 :
(2)
一人は、周囲を覆う魔道の障壁と同じ、
<暗黒界>の加護を受けし甲冑に身を包んだ少女・桐島麗子。
トレードマークは、肩口で切り揃えた、燃えるような赤毛。
磨き抜かれた白磁の壷を思わせる、美しい、だが、温かみではなく冷たさを感じさせる整った顔立ち、
分けても、理知的な輝きの奥に、密やかな欲望と残忍さとを隠し持つラベンダー色の双眸が印象的だった。
その表情は、<暗>の力の発現たる無数の触手に全身をまさぐられ、
最も恥ずかしい場所に乱暴極まりない陵辱を受けてなお、微動だにせず、
むしろ、己れの置かれた境遇を愉しんでいるのだろうか、薄い笑みさえ浮べている。


155 :
(3)
もう一人は、<ヴェカンタ>とは対極に位置する<明>の力、
<ヴァリス>によって守護されし聖なる黄金の輝きを帯びた甲冑を身に纏う、麻生優子。
・・・・とはいえ、いま現在、防具の多くは、
漆黒の闇より生まれた魔生物によって剥ぎ取られ、彼女の足元に散乱していた。
代わりに、大小さまざまな触腕から滲み出した色とりどりの体液が、
護りを失った、健康的な柔肌を覆っている。
本来ならば、主である<夢幻界>の<戦士>が拒み続ける限り、
外部の者の意志によって、身体から取り去る事など決して出来ない筈の黄金の聖鎧。
それが、こうして無様に剥ぎ取られて、放り捨てられているという惨状は、
執拗な責め嬲りの前に、少女の心が折れかかっている事実を如実に物語っていた。


156 :
(4)
全身を隙間無く覆う醜悪な異形の群れ・・・・、
彼らを構成している<暗>のエネルギーは、<ヴァリスの戦士>にとっては忌むべき存在であり、
致命的とまでは言わないまでも、確実に己れの生命を吸い取っていく魔毒に他ならない。
ましてや、彼らが這いずり回っているのは、未だ青い果実に過ぎない乙女のカラダ。
目の前にいる赤毛のクラスメイトとは異なり、
<現実界>にいる間は、異性とのセックスはおろか、デートの経験さえ無い少女にとっては、
(<暗黒界>の怪物や五邪神との性交を強要されたとはいえ)恐怖と羞恥を覚えずにはいられなかった。

157 :
申し訳ございません。
上の(4)は、投稿ミスです。

158 :
(4)
(くううッ・・・・ま、まだよ・・・・あうッ・・・・わたしは、まだ負ける訳には・・・・はくぅうッ!!)
たしかに、間断無い責めにも良く堪えていた優子だったが、
その表情は(麗子のものと比べれば、明らかに)切迫し、追い詰められていた。
体力が限界に達している事は、黄金の防具を剥ぎ取られた胸丘の上で、
豊満とまでは言えないものの、未だ高校生に過ぎない彼女の年齢を考えれば、十分に発育した二つの乳房が、
肩で呼吸するたびに大きく弾んで、生汗の滴を飛び散らせている事実でも明らかである。


159 :
(5)
全身を隙間無く覆う醜悪な異形の群れ・・・・、
彼らを構成している<暗>のエネルギーは、<ヴァリスの戦士>にとっては忌むべき存在であり、
致命的とまでは言わないまでも、確実に己れの生命を吸い取っていく魔毒に他ならない。
ましてや、彼らが這いずり回っているのは、未だ青い果実に過ぎない乙女のカラダ。
目の前にいる赤毛のクラスメイトとは異なり、
<現実界>にいる間は、異性とのセックスはおろか、デートの経験さえ無い少女にとっては、
(<暗黒界>の怪物や五邪神との性交を強要されたとはいえ)恐怖と羞恥を覚えずにはいられなかった。


160 :
(6)
(フフフ、意外と頑張るじゃない。でも、本番はこれからよッ!!)
にんまり、とほくそ笑む麗子。
一瞥を受けて、ひときわどす黒く濁った肌合いの触手が猛々しく鎌首をもたげ、
生ける牢獄に繋がれた美しい獲物へと襲いかかる。


161 :
(7)
「こ、今度は、何ッ!?」
色とりどりの淫液にまみれた顔面を固く強張らせる、蒼髪の少女。
すでに何本もの肉槍によって深々と貫かれ、掻き回されているにも関わらず、
本能的に両脚を閉じようと足掻く様子は滑稽ですらあったが、本人は真剣そのものだった。
・・・・だが、哀れな女囚の予想に反して、
狡猾な陵辱者は、大きく割り拡げられた太股には見向きもせず、
野太い胴をうねらせながら秘部の下を通り過ぎると、背後へと回り込んでいった。


162 :
(8)
(・・・・た、助かった・・・・)
――――そう、思った瞬間。
触手生物の先端部分が、もはや襤褸切れ同然に汚れ切ったスカートの下、
ショーツを剥ぎ取られて、生まれたままの姿を晒している尻たぶへと突き立てられる。
「あひぃッ・・・・ま、まさかッ!?」
反射的に手をやろうとする優子だったが、
無論、ぬばたまの拘束具に阻まれて、空しく両腕を揺らしただけに終わった。


163 :
(9)
(お尻の穴を・・・・いやぁッ!?)
最悪の事態への恐怖に、たちまち表情を凍りつかせる蒼髪の少女。
正確には、不浄の穴にもすでに先客がおり、
非常に緩慢な動きながら、狭苦しい肛門を抜けて直腸にまで達しようとしていたのだが、
そんな事は頭の中からすっかり消え去ってしまっていた。


164 :
(10)
(ああッ・・・・だ、駄目ェ、挿入って来ないでッ!!)
弱々しくかぶりを振りたくり、かぼそく震える声で抗議の言葉を漏らす
・・・・勿論、<暗黒界>の怪物に、そのような哀願が通じる事などありはしない。
むしろ、彼は、獲物の反応を愉しむかのように、ゆっくりと臀部を這い進み、
適度に引き締まった桃尻の脹らみをいやらしく愛撫していった。
ぎゅむ・・・・にゅぬぬぬ・・・・。
不浄の排泄器官へと到達した異物が、
すぼまりに向かってジワジワと蛇体を押し付け、突き入れようとする。
すでに狭穴を埋めていた同胞は、しぶしぶながら、といった様子で獲物を諦めると、
腸液にまみれた身を引き抜いて、何処かへ消えていった。

165 :
(11)
極太触手による侵入が本格化するまでの僅かな時間、
<ヴァリスの戦士>は下半身に残された全ての力を振り絞って、括約筋を引き締めようと試みる。
途端に、膣内を犯していた異形たちがジュボジュボと卑猥な水音を立てて抜き差しを再開し、
同時に、子宮の奥壁に催淫効果のある粘汁を吐きかけて、
腰椎全体に、快美な熱感と甘い痺れをもたらし始めた。
抗い難い性感に、我知らず、抵抗を忘れて腰を浮かせてしまう蒼髪の少女・・・・。
気が付いた時には既に遅く、迫り来る陵辱者を防ぐ手立てはもはや何一つ残されてはいなかった。


166 :
(12)
「んふぅううッ・・・・ダメ・・・・お尻の穴が・・・・拡がっちゃう・・・・」
囚われの少女には直接目にする事は叶わないが、
侵入を図る魔生物は、先端の部分を人間の男性器に酷似した形状へと変化させ、
ズリズリとすぼまりの皺を延ばしつつ、狭隘な穴の中へと身を乗り入れてくる。


167 :
(13)
押し寄せてきたのは、秘唇への突入を許した時と同じ感覚。
最初に覚えた痛みや異物感は完全になくなりはしないものの、潮が引くように薄らいでいき、
代わって、悪寒にも似たゾクゾクが下腹部を満たしていった。
先刻まで、別の触手に侵入を許していたせいだろう、
一度中に入ってしまえば、アナルにもそれに続く結腸部にも、膣内ほどの吸着感は無く、
すんなりと奥の方まで貫通してしまう。
異物の側も興奮してきたのか?本物の男根の如く脈打ち、
生温かい腸壁に包まれて、ビュクン、ビュクン、と妖しくひくつき始めた。


168 :
(14)
(ふあぁああッ!!な、なに、何なのッ!?
も、もしかして・・・・わたし、感じてるの・・・・こんなトコロでッ!?)
下半身で発生した異変を受けて、
先刻まで真っ青に蒼褪めていた優子の顔色は、今や羞恥心で真っ赤に染まっていた。
妖しい快楽に翻弄され、理性は完全に掻き乱されてしまっている。
自分がどんな事を口走ったり、あるいは、思い浮かべているのかさえも、全くと言って良いほど分からなくなり、
ただただ拘束された身体を捩り、くねらせ、卑猥極まるダンスに打ち興じるだけ。
表情はだらしなく蕩け崩れ、<戦士>としての凛々しさなど微塵も無くなっていた。


169 :
(15)
「ひぶッ!!はぁうッ・・・・んぅぐ・・・・あむゅうううッ!!」
後ろからだけでなく、前からも、ずんずんと突き上げられて、
背中が弓なりに反り返り、ギシギシとしなっていった。
脊髄を突き抜けて、脳天と子宮の間を何度も何度も行ったり来たりする快楽電流が、
思考を痺れさせ、ショッキング・ピンクの光彩で埋め尽くしていく。


170 :
(16)
(はぁっ・・・・はぁっ・・・・カ、カラダが・・・・熱い・・・・焼けんでしまいそうッ!!)
幾つもの快感と衝動が肉体の奥で激しくぶつかり合い、
荒々しく攪拌されて、より巨大で容赦の無い疼きへと収斂されていった。
下半身に喰い込んだ異物の存在を意識させられるたびに、
下腹の底で、解放を待ちわびる欲情が澱のように沈殿し、脹らみ続けていく。
(だ、だめぇッ!!このままじゃ、わたし・・・・わたしィ・・・・!!)


171 :
(17)
――――『絶頂』という言葉が脳裏をよぎる。
カラダを犯され、ココロを穢された挙句に味わう、
天に向かって放り投げられた次の瞬間、地の底まで突き落とされる、禁断の感覚。
暗黒五邪神たちやヴェカンティの魔物たちによって、
幾度となく刻み付けられた恥辱を、今度はお尻の穴で・・・・、
そう、直感した蒼髪の少女は、恐怖に両目を見開き、息を荒らげずにはいられなかった。


172 :
(18)
(だ、だめよ・・・・あれだけはッ!!
麗子の前で・・・・あんな醜態を晒すのだけはッ・・・・!!)
チラリ、と視線を送り、数メートルを隔てて向かい合う、元クラスメイトの表情を盗み見る優子。
自分と同様、触手生物を尻穴に迎え入れた<ヴェカンタの戦士>は、
陶然とした顔付きのまま、間断なく排泄器官を嬲られていた。
肛虐のヨロコビに頬を緩めたばかりか、
艶めかしく濡らした口元からは雌犬のようにはしたなく舌先を突き出しながら・・・・。


173 :
(19)
(あああ・・・・麗子・・・・なんて気持ち良さそうなのッ!?
ううッ・・・・だ、だめ・・・・目が離せないッ!!)
欲望の赴くまま、己れの性癖を惜しげもなく披瀝する赤毛の少女は、
同性である優子にとってさえ、ぞっとするほど官能的で蟲惑的だった。
(――――このまま責めを受け続けたら、わたしも・・・・。
いや、むしろ、あんな風になれたなら、どんなにか気持ち良いだろう・・・・)


174 :
(20)
僅かな瞬間、脳裏をかすめた黒い考えを、
<ヴァリスの戦士>は必にかぶりを振ってかなぐり捨て、頭の中から追い払った。
少女の肉体は兎も角、精神の方は、
未だ快楽に流されつつある自分を素直に認める程には堕ち切ってはいない。
・・・・だが、それは、魔生物によって、強制的に引き摺り出された肉欲の滾りが、
発散の機会を妨げられ、行き場を失くしてしまう、という事でもある。
そして、それを見逃す程、<暗黒界>の女使徒は、快楽に浸かり切っていた訳ではなかったのだった・・・・。


175 :
(21)
(あううッ!?な、何ッ・・・・お腹の中に何かがッ!?)
唐突に、強烈な違和感が下腹部を襲う。
肛門の奥・・・・ピクピクと脈動する直腸壁に向かって、
触手の先端部から、ドロドロとした淫汁が放出されているのが分かる。
それ自体の気色悪さは勿論だが、
男性器による射精を連想させずにはおかない、放出時のビクビクという痙攣が、
理性を直撃し、生理的な嫌悪感を呼び覚ました。


176 :
(22)
「いやぁああッ!!やめてぇ・・・・お願い、もう出さないでェッ!!」
拘束されたカラダを弱々しく打ち揺らし、悲痛な哀願の言葉を発する蒼髪の少女。
言葉が通じた訳ではないだろうが、
肉ミミズは侵入を一旦中断し、すぼまりに突き入れた身体をゆっくりと引き抜き始めた。
束の間、安堵に包まれる優子の相貌。
・・・・だが、少女の表情が、更なる絶望に覆われるまでにさしたる時間は要しなかった。
<暗黒界>の陵辱者は、亀頭部分の全てをアナルから取り去ろうとはせず、
逆に、これまでに放出したヌルヌル液と彼女自身の腸管から滲み出した分泌液を潤滑油代わりにして、
本格的なピストン運動を開始したのである。

177 :
(23)
「ひぎぃいッ!!ら、らめぇ・・・・やめて、もうやめへェええッ!!」
奥は角張ったエラで抉られ、出口は太幹でこそぎ取られていく。
獣根を押し込まれる時は、尾てい骨の辺りまで圧迫感が上昇し、
反対に引き抜かれる際には、排泄の原始的な喜悦が尻穴を駆け抜けた。


178 :
(24)
もっとも、今の優子は、<ヴァリスの戦士>として<夢幻界>に召喚されて以来、
飲食物の摂取によってエネルギーを得る必要のない存在となっている。
必然的に、<現実界>に戻った際にも食事らしい食事をしていなかったために、
腸内には糞便のひとかけらさえ残っていなかったのが、せめてもの救いと言えた。
とはいえ、排泄行為そのものに対する羞恥心が消えるまでには至っていなかったし、
また、この種の行為によって、性的な快感を覚えてしまう事へのタブー意識も、根強くこびりついている。
麗子が触手生物に命じた責め嬲りは、まさにその点を衝くものだったのである。


179 :
(25)
ぬちゅッ!!ぐちゅッ!!ぬちゅるるるッ!!
粘り気を帯びた水音が、体感的な抽送運動と絶妙にシンクロしつつ、
白濁しつつある意識の内側で幾重にも響き合った。
どんなに強くかぶりを振って、否定の言葉を並べ立てても、
はちきれんばかりに膨張した異物が行き来するたびに、
菊門からは蜜が溢れ出し、尻たぶを、太股を、ドロドロに汚していくのを止められない。


180 :
(26)
(あああッ!!どうして・・・・どうしてなのッ!?
こんなトコロ・・・・あくぅッ・・・・感じて、気持ちよくなっちゃうなんてェッ!!)
真っ赤に焼けた鉄の棒で、体の中をゴリゴリと抉られるような感覚。
それでいて、痛みは殆ど無く、快美感のみがどんどん大きくなっていく・・・・。
排泄物をひり出すための不浄の穴を、野太い触手に穿ち抜かれて、
にも関わらず、嫌悪や苦痛よりもずっと強い悦楽を覚えているという事実が、
優子の心をグチャグチャに掻き乱し、打ちのめしている。


181 :
(27)
(と、止めて!!ああッ・・・・お願い・・・・もう、これ以上はぁッ!!)
止まる所を知らず、高まり続ける官能の大波、
それが、何時、理性の堤防を乗り越え、矜持の城壁を粉砕して、自我を呑み込んでしまうのか?
想像するだけでも恐ろしく、気力が萎え縮んでいく。


182 :
(28)
寒気がして、ぞわり、と鳥肌が立つ。
爪先立った両足はピクピクと痙攣し続け、背筋はギシギシと限界まで反り返っていた。
心臓はバクバクと早鐘の如く動悸を打ち、
呼吸は乱れ切って、吸い込む空気の量と吐き出す量のバランスが完全に狂ってしまっている。
不浄の窄まりが捲れる都度、ハラワタが灼き千切れんばかりに燃え盛り、
衝撃波となって押し寄せる法悦が、少女の意識をエクスタシーの頂に向かって押し上げていく。


183 :
(29)
「はぁッ、はぁッ、はぁッ!!・・・・き、きもちいいッ!!
オシリの穴・・・・ふはぁああッ・・・・熱いのが止まらないよぉ・・・・ひはあああッッッ!!!!」
いつしか、優子の肛門は、邪悪な陵辱者によってただ突き回されるだけでなく、
自らも異物の動きに合わせて蠕動し、収縮を繰り返すようになっていた。


184 :
(30)
淫槍の先端部分が押し込まれてくれば、
これを拒むのではなく、進んで括約筋を解きほぐし、直腸まで迎え入れる。
存分に粘膜を掻き回し終えたら、彼の意志で後退するのを待たず、
まるで、排泄物をひり出すかのように狭穴全体が力ばんで、肉の塊りを押し戻していく。
亀頭冠が引っ掛かるところまで捻り出したら、ベクトルを逆転させて、今度はズブズブと引き摺り込み、
力の続く限り暴れ回らせてから、またひり出す・・・・。
――――もはや、どちらが触手を動かしているのかも分からない。
回数を重ねるたびに喜悦は強く、甘美になって、熱にうなされる頭の中をトロトロにしていった。


185 :
(31)
どぴゅッ・・・・じゅぴゅッ・・・・ぷしゃああッ!!
時折、触手生物は、亀頭の先端部分から白濁した体液を放出し、
腸管の内面をドロドロに染め上げるのも忘れなかった。
放出された液汁の多くは粘膜襞の間に浸透していくのだが、
あまりにも粘り気が強すぎて、すぐには吸収できないものは、
タール状の蓄積物となって留まり、少しずつ少しずつ、容積を膨らませていく。


186 :
(32)
(ふあああッ!!お、お腹がぁ・・・・ゴロゴロ鳴ってるぅッ!!)
時間と共に、腹腔内での存在を増していく体内ヘドロに圧迫されて、
少女の下腹からは地鳴りにも似た不気味な音が響き始めていた。
極太の肉蛇によって犯されているアナル発の熱感とはまた異なる、
切迫したゾクゾク感が、下半身全体をガクガクと震え慄かせる。
『便意』という名の新たな脅威は、肛虐の苦痛や快楽とは異なり、未知の感覚という訳ではなかったものの、
それだけに一層、感情を掻き乱し、恥辱感を増幅させずにはいなかった。

187 :
(33)
――――ぎゅるる、ぐぎゅるるるぅッ!!!!
鋭敏な痙攣に包まれた下腹部から、粘り気を帯びた水音が間断なく響き続ける。
今の所、咥え込んだ逞しい剛直が栓となっているおかげで、
腸奥で煮え滾っている汚物が外に溢れる事態だけは避けられていたが、
その分、排泄への熱望とそれが満たされない事から来る苦しみは倍増していた。


188 :
(34)
(はぁぐうううッ!!く、くるしい・・・・お腹が破裂しそう・・・・くはぁああッ!!)
大小様々な触手が群れ集って形作られている奇怪な磔刑台の上で、
肛門を行き来する異形のピストン運動に合わせて気をやりながら、
同時に、身体をモジつかせ、原初的な欲求に苦吟する蒼髪の少女。


189 :
(35)
執拗なピストン運動に屈して、アナルで絶頂に達するのが先か?
あるいは、排泄欲求が限界を越えて、尻穴の中身をぶち撒けてしまうのが先か?
ドロドロに白濁した意識の内にある思考は、もはや、この二つだけ。
腸内を満たした汚汁とガス圧とで、
自分の腹が妊婦のように脹れ上がり、醜くせり出している現実さえも自覚出来てはいなかった。
・・・・だが、この期に及んで、狡猾な淫魔の責めは、未だ留まる所を知らなかったのである。


190 :
(36)
「あッ・・・・ああッ!?」
太股の間に感じた違和感が、
(皮肉な事に)久方ぶりに少女を正気付かせ、現状把握の能力を蘇らせる。
もっとも、本人にしてみれば、認識など出来ない方が幸福だったかもしれない現実ではあるのだが。


191 :
(37)
(い、嫌ぁッ・・・・そ、そんな所まで・・・・あああ・・・・だ、だめぇッッ!!)
囚われの優子に更なる絶望をもたらしたのは、
先程、漆黒触手によって尻穴の既得権を奪われてしまった小触手。
転んでもタダでは起きない、とばかりに、乙女の全身を隅々まで愛撫した末、
仲間達の誰もまだ手を付けていない穴を探し当てる事に成功していた。
俗に、『蟻の門渡り』と呼ばれる、前後の牝穴を結んだ人体の最も奥まった部分。
発見した処女地とは即ち、排泄物を放出するためのもう一つの器官・・・・尿道口に他ならない。


192 :
(38)
「ひぎッ・・・・いぎぃいいいいッ!!」
正確には、彼の同胞たちも、この小穴の存在は既に把握していた。
ただ、膣口や肛門、あるいは、乳房、口腔粘膜、耳朶、うなじなどと異なり、
人体のこの部分には、通常、性感帯と呼べるものは存在していない、という事実を、
本能的な感覚によって感知して、陵辱の対象から外していたというだけである。
だが、アナルからの立ち退きを余儀なくされた肉ミミズにしてみれば、
(もし、彼に感情や思考があったとすれば)この際贅沢は言っていられない、という心境だったに違いない。

193 :
(39)
――――みにゅうッ、みちみちみちぃッ!!!!
先端部分をこより状に細く捻らせて、
きゅッ、と固く口を結んだ窄まりを穿ち破るや否や、狭い管の中を猛然と突き進んでいく小触手。
対する優子は、身体の真ん中に焼け火箸を突っ込まれたかのような激痛に、悲痛な叫び声を放ち上げた。
いくら胴を細くしたと言っても、侵入者は自分の指よりも太く、
普段の内径は、せいぜい1、2ミリに過ぎない尿道に強引に侵入されて痛みを感じない訳は無かった。
ましてや、その場所は、今までどの触手も敢えて手を出そうとはしなかった、未開発の器官である。


194 :
(40)
(や、やめて・・・・オ、オシッコの穴が、破けちゃうううッ!!)
灼けつくような激しい痛みが脳髄を貫き、意識を激しく攪拌する。
一瞬、否、数瞬の間、蒼髪の少女は、
子宮を埋め尽くした肉蛇も直腸を責め嬲る肉槍も忘れ去り、
尿道を穿り進む肉ミミズの動きに、全身の神経を集中させた。
――――そして、次の瞬間。


195 :
(41)
プシャアアアアアッッッ!!!!
強引に尿管を遡り、膀胱にまで達した陵辱者の前に、
排泄器官はいとも簡単に限界を迎えてしまった。
伸びやかな手足が、ピーン、と突っ張り、感極まって小刻みに震える中、
黄色く色付いた生臭い飛沫が、床を埋め尽くした異形たちの上に、勢い良く迸る。
耳朶が赤く染まり、焦点を失った瞳はユラユラと揺れ、喘ぐ唇からは涎の糸が垂れ落ち、
激痛と恐怖に引き攣っていた表情が恍惚に蕩けて、だらしなく弛緩していく・・・・。


196 :
(42)
(あはぁ・・・・オ、オシッコまで・・・・漏らしちゃったぁ・・・・)
くなくなと頭を振りたくりながら、優子は、トロン、と酒に酔ったような眼差しを、
前方・・・・自分同様、触手の群れに肉体を貪られている赤毛の元クラスメイトに向かって投げかける。
すでに焦点が合わなくなってしまった双眸では上手く像を結べなかったが、
おぼろげに映る顔には、最大限の軽蔑と嘲笑が浮んでいるように感じられた。


197 :
(43)
(ああ・・・・ダメだわ・・・・わ、わたし・・・・もう・・・・)
尿道口から最後の一滴が流れ出すのと同時に、
役目を果たし終えた肉ミミズが、ズルリ、と抜け落ちる。
激痛が急速に鎮まり、代わって、全身を覆った性感が息を吹き返した。
少女の意向を全く顧みない、遠慮容赦ない暴虐の直後でもあり、
それらの愛撫は、皆、とても優しく肌に馴染むかの如き錯覚を生じさせる。
――――いや、たとえ単なる錯覚、まやかしに過ぎない、と分かっていたとしても、
彼らの行為が(先程の尿道責めと同じく)愛情など欠片も含んでいない、という事実を、
受け止める事が出来るだけの意志の力は、今の彼女には残ってはいなかった。


198 :
(44)
「あッ、ああッ・・・・ふはッ・・・・んはぁああッ!!」
あさましい律動が止まらない。
触手によって突かれるたびに子宮が激しく跳ね回り、
下半身全体がねっとりとした熱感に覆われていく。
生ける磔柱に抱き留められた背筋が悩ましくくねり、頭の中がピンク色の靄に包まれていった。


199 :
(45)
(らめぇ・・・・き、きもちいい・・・・きもちいいのが・・・・ガマンできないよぉ・・・・)
触手というよりは繊毛と呼ぶ方がふさわしい、朝顔のツルほどの太さしかない肉ミミズが、
包皮から、ぷるん、とまろび出した陰核の根元へと巻き付き、
キュルキュルと締め付けつつ、ぐぐぐっ、と引っ張り上げた。
花芯を犯された秘裂が、縦に引き伸ばされ、
野太い魔茎を口一杯に咥え込んでいる膣孔も、円から楕円へと変形する。
普通の人間であれば、神経の塊りである突起を千切れんばかりに吊り上げられたなら、
激痛のあまり、失神に至ってもおかしくないところだが、
皮肉にも、<ヴァリスの戦士>である優子には、(この状況下では、むしろ、救いとも言える)それすらも許されないのだった。

200 :
(46)
「ひぁあッ!!ひへぁあああッッッ!!」
しなやかなカラダを弓なりに逸らしながら、情けなくよがり啼く蒼髪の少女。
張り裂けんばかりに大きく開かれた口元からは、
栓を抜かれた直後のビールの如く白泡が溢れ返り、
痙攣した舌先が、ビクッ、ビクッ、と、奇怪なダンスを舞い踊っている。


201 :
(47)
無慈悲に犯し尽くされた秘唇は、すでに少女らしい慎ましさとは無縁な存在となり果てていた。
襞という襞、溝という溝に、透明な蜜を滲ませ、
小刻みに波打つ秘粘膜で出入りする陵辱者をしゃぶり立てている。
粘り気を増した愛液がメレンゲ状に泡立てられ、
擦れ合う淫肉の狭間で卑猥極まりない楽の音を奏で続けていた。
――――そして・・・・。


202 :
(48)
ぷしゃああああッッッ!!!!
先程、黄金色の小水を放出したばかりの尿道口から、
今度は、半透明な愛潮が噴き上がった。
沸騰したドロドロの蜜汁が、綺麗な放物弾道を描いて高々と宙を舞い、
地面を埋め尽くした触手の波間へと降り注ぐ。


203 :
(49)
「はひぁあッ・・・・あはぁあああああッッッ!!!!」
伸びやかな手足が、ピーン、と突っ張り、感極まって小刻みに打ち震える。
一瞬だけ閃いた羞恥の表情が、たちまち恍惚に蕩けて、淫猥に弛緩していった。
耳朶が赤く染まり、瞳からは焦点が失われ、唇からは涎の流出が止まらない。
意識はとうに弾け飛び、真っ白な光に覆い尽くされた視界一杯に、
極彩色の火花が何度も何度も大輪の花を咲かせていた。


204 :
(50)
「はぎひぃいいッ!!い、イッちゃうぅうううッ!!!!」
限界を超えた領域まで堪え続けていた反動なのだろう、
理性の箍が外れ、肉欲の暴走を止めるものがなくなったエクスタシーは、留まる所を知らなかった。
下半身の何処かが痙攣するたびに灼熱した快感が迸り、絶頂感が全身を波打たせる。
ピン、と反り返った背筋を、高圧電流を流されたかのような衝撃が何度も往復し、
喩えようも無く快美な衝動が生み出されては、哀れな女囚を悶え狂わせた。


205 :
(51)
どぴゅッ・・・・びぴゅッ・・・・びぷしゅるッ!!
凛とした相貌は愉悦に蕩けきり、もはや、見る影も無かった。
しなやかな<戦士>の肉体を護っている美しい黄金の甲冑も、
無数の触手が吐き出した、色とりどりの分泌液によってドロドロに穢されて、輝きを失ってしまっている。
勿論、汚濁した淫汁は、甲冑に覆われていない乙女の柔肌にもべっとりと塗り込まれていた。
リズミカルに弾む胸乳も、薄い腹筋に囲まれたアーモンド形の小さなお臍も、
半ば襤褸切れと化したスカートの下で敏感にひくついている尻たぶも、
饐えた異臭を放つ魔生物に容赦なく舐めしゃぶられ、隠された性癖を容赦なく暴き立てられている。
そして、徹底的に嬲り抜かれた前後の牝穴は、絶え間ない絶頂を繰り返していた・・・・。

206 :
(52)
「あああッ!!ま、またぁ・・・・イッちゃう、ひはぁあッ!!飛んでいっちゃうううッ!!
ダ、ダメぇッ!!イクのが止まらないいいいッ!!ひぎぃあああああッッッ!!!!」
頚椎の許容する限界ギリギリまで大きく頤を突き出し、絶叫する優子。
常人ならば、既に廃人と化していてもおかしくないほどの回数、二穴絶頂を迎え続けた末に、
彼女の心は完全にへし折られ、打ちのめされていた。


207 :
(53)
犯し抜かれた膣襞がおぞましくも甘美な感触に痙攣する。
生物とも非生物ともつかない、<暗黒界>の化け物が、
子宮の中で、びくん、びくん、と蠢き、ドロドロの粘汁で蜜壷を満たしていく。
自分の手首ほどもある、野太い剛直に貫かれている肛門でも、
情け無用の陵辱ショーは最高潮に達している。
黒ずんだ肉ブラシが直腸粘膜を擦り上げるその都度、括約筋の締め付けが失われて、
腸奥に溜まったガスが、ぶぴッ、ぶじゅぴッ・・・・、と泣き声を漏らし始めていた。
(・・・・も、もう、だめ・・・・わたし・・・・もう・・・・もう・・・・)

208 :
(54)
――――しばらくの後。
(くくくっ・・・・散々、大口を叩いてくれただけあって、盛大なイキっぷりだったわねぇ)
ラベンダー色の双眸に冷笑を浮かべつつ、
赤毛の少女は、目の前でぐったりと脱力している優子の全身を眺めやった。
凄絶なまでの絶頂地獄を経験したにも関わらず、
かろうじて意識を失わずにいる点は、賞賛に値する、と言っても良いかもしれないが、
この状況では、その事実にさしたる意味があるとも思えない。


209 :
(55)
(まぁ、良く頑張った、と誉めてはあげるわよ。
・・・・ふふふ、そうね、さすがは<ヴァリスの戦士>、とでも言ってあげるべきかしら・・・・?)
くつくつと低く笑った麗子は、
未だ自分のカラダに巻き付いたままの触手の群れに向かって、『もう良いわよ』と念を送った。
ご主人様の命令に忠実に、シュルシュルと解け落ちていく肉ミミズ達の感触を背中に感じて、
<ヴェカンタの戦士>は少しばかり名残惜しげな感覚を覚えつつ、
ゆっくりと前に踏み出そうとし――――唐突に、躓いた。


210 :
(56)
「な、何ッ!?お前たち、もう良い、と言ったのが分からないのッ!?」
驚きを表情に滲ませながら、
足首に絡みついたまま離れようとしない触手生物を見下ろす麗子。
――――だが、次の瞬間、その驚愕は恐怖へと急変する。


211 :
(57)
「ヒィッ!?は、離せッ!!私の言葉が聞こえないのッ!?」
予想外の事態に、金切り声を上げる<戦士>を無視して、
異形たち――――中には、先程彼女の命令に従い、拘束を解いたばかりのモノも含まれていた――――は、
猛然と上位者への反逆に邁進し始めた。
手足を絡め取り、力ずくで抵抗を抑え付け、地べたに這い蹲らせる。
・・・・そして、交尾に臨む雌犬の如く、下半身を高々と持ち上げた屈辱的なポーズを強制し、
つい先刻、哀れな捕囚に行ったのと同じ、前後の牝穴に対する徹底陵辱を開始するのだった――――。
「ば、莫迦な・・・・いったい、何が起こって・・・・あくぅうッ!?ひぐぁああああああッッッ!!!!」

――――――――TO BE CONTINUED.


212 :
以上、第23章をお送りいたしました〜。
ご支援を頂いた甲斐あって、一度も連投規制に掛かる事無く、スムーズに投下を完了できました。
有難うございます〜。
なお、連投規制には引っ掛からなかったのですが、
どうやら、最近になって、1レスあたりの書き込み可能な文字数が以前よりもかなり減らされたらしく、
『本文が長すぎます』というエラーが頻発しました(いつもよりも各パートが短いのはそのためです)。
次回からは気をつけよう、と思います。

213 :
さて、次回ですが、『3VエロパロSS』の続きは一回休みとさせて頂き、
不定期連載の『戦士集合!』第6章を執筆したい、と思います。
完成・発表の時期ですが、7月初め〜中旬頃を予定しています。
またしばらく間が空いてしまいますが、どうかご容赦の程お願い申し上げます。
それでは、今夜はこの辺で〜。

214 :
すげえ!GJ!
1レスの文字数が少なくなったのはつらいですね

215 :
hoshu

216 :
ほすす

217 :
ほしゅあげ

218 :
ヴァルキリーコミックス連載の「夢幻戦士ヴァリス」はひどいな。
「夢幻戦士ヴァリス」とは思えない、おおよそスター性の無い、影の薄い薄幸女性「優子」が主人公。
これはもはや「夢幻戦士ヴァリス」じゃない、「夢幻戦士ヴァリス」の皮を被った魅力度0のエロ漫画。
いやエロ漫画にすらも成り切れなかった、訳の分からない、存在意義の無い、出来損ないクソ漫画だと私は思う。
要するにこの漫画の全てが「中途半端」なんだよね。
「中途半端は何も生まない」という、正にこれはそのいい見本のような作品だ。
「夢幻戦士ヴァリス」というゲーム作品を出発点にした文化の中で、これは明らかなる「汚点」だと思う。         

219 :
そぉ?
もともと別物だと思っているので気にならんよ。

220 :
(漫画版作者のブログから転載)
ヴァリス第30話入稿。
仕上げ作業に時間を食われすぎ。
月刊化以降は毎号16pを目安に描くことになった。


・・・もしかして、ログレス倒した後も連載続くのか?

221 :
中途半端じゃない方向に突っ走った結果がXなんじゃ・・・

222 :
ZOL氏の絵はヴァリスにぴったり
なのになぜエロマンガにしなかったんだか。
そしたら別物でもすんなり楽しめるのに。

223 :
保守

224 :
雑魚モンスターに嬲られて犯されそうになるシーン入れるだけでいいんだけどなあ
アイザードと妖精みたいなのに犯されそうになったけどあれじゃねえ
夢の中の触手もセーラー服姿だったし
ヴァリススーツ姿でボコボコにやられて犯されそうになるシーン入れておくれよ
漫画が続いてメガスまでやってくれるなら絶対にパソコン版の卑劣メガスでやってくれ
PCエンジン版のメガスはただの男前だからつまらん

225 :
本当それは全力で同意

226 :
優子にスター性はねぇだろ、普通の女子高生設定がウリなんだぜ
特にPC版の2なんてビジュアルシーンのたびにオドオドしながら
「・・・ワタシは・・・ワタシは・・・」
とか言いながらバッタバッタと敵をなぎ倒し、
最後に突然開眼して愛がどうとか説教始める・・・
そんなゲームだ

227 :
せっかくいい感じの化けもんが出てきたと思ったのにでっかくなっちゃったorz

228 :
あいかわらずレイプピンチないのか
リョナもコレジャナイ感が溢れてるし
ヴァルキリーで連載してる意味が…
絵が相当いいだけに惜しい
連載開始当初と比べても実にいい感じに絵柄が進化してるし
担当にはヴァルキリー編集部内で相当なむっつりをつけて欲しい

229 :
「ゲームオーバーの後」のところが
ヴァリスで新作作ってるみたいね

230 :
皆様、大変お待たせいたしました〜。
不定期連載SS・『戦士集合!』第6章、たった今、完成いたしました。
本日の22:00前後から投下作業を開始いたしますので、
お手すきの方がいらっしゃいましたら、支援の方を宜しくお願い申し上げます。


231 :
お待たせいたしました〜。
只今より、『戦士集合!』第6章の投下を開始いたします。
お手すきの方がいらっしゃいましたら、連投規制回避のための支援を宜しくお願い申し上げます。


232 :
(1)
『――――うあぁ・・・・あああッ!!』
秘唇に食い込んでくる、荒縄の感触。
未だ完全に生え揃ってはいない、初々しい恥毛に飾られた割れ目が広がり、
鮮やかなピンク色の花弁が曝け出されていく。


233 :
(2)
『何をグズグズしているの、優子。さっさと前に進みなさいよ!』
ぴしッ、と、革鞭が打ち鳴らされて、『優子』と呼ばれた少女が、ビクン、と身をすくませた。
・・・・そして、非常にノロノロとではあるが、太ももの間に深く食い込んだ野太い股縄を手繰り寄せ、
一歩、また一歩、と、よろめくように歩き始める。


234 :
(3)
『ほら、立ち止まるんじゃないよッ!!コブを咥え込むんだ!!』
再び、鋭く鞭が打ち鳴らされる。
ううっ、と、くぐもった声を漏らすと、『優子』は、下半身に力を込め、
荒縄を結わえて作られた、握り拳ほどの大きさの結び目を、己自身の恥ずかしい場所で包み込んだ。


235 :
(4)
――――あうッ!!とくぐもった呻き声を漏らしつつ、頤を突き上げ、真っ白い喉元をさらす、蒼髪の少女。
身に纏っていた甲冑は、肘当てと脛当て、それに、腰周りを覆う丈の短いスカートを除いて、残らず剥ぎ取られ、
代わりに、丈夫な革紐が、形の良い乳房をはじめ、全身の急所をきつく締め上げている。
両腕は後ろ手に緊縛され、分厚い木製の手かせまで嵌められて、ピクリとも動かせず、
足元では、赤錆の浮いた鉄製の足かせが自由を奪い去っていた。


236 :
(5)
『ああッ・・・・んはぁああッ!!』
そして、何よりも、少女の五体の自由を封じ込め、抵抗の意志さえ萎えさせているのは、
秘裂の内側、サーモンピンクの襞の一枚一枚に丹念に塗り込まれた、強力な催淫液。
その効果は凄まじく、膣内はタバスコでも擦り込まれたかの如く、じんじんと火照り、
何百匹もの地虫が這いずり回っているかのようなむず痒さが下半身全体を覆っている。


237 :
(6)
――――魔液の効果はそれだけではない。
革紐によってきつく結わえられた二つの乳房はぐっしょりと生汗に覆われ、
桜色の乳首は、つん、と尖り切って、フルフルと小刻みに震えていた。
スカイブルーの双眸は妖しげに濡れて、
潤んだ眼差しが、股間に深々と食い込んだ縄目と、所々に作られた醜いコブに釘付けになっている。
口元はだらしなく半開きになり、はぁっ、あぁっ、という熱い吐息が、引っ切り無しに漏れ出していた。


238 :
(7)
最も恥ずかしく、大切な場所を、強くこすりつけながら、ゆっくりと縄の上を進んでいく『優子』。
通過した後の股縄には、半透明な恥蜜がねっとりと絡み付き、
腰の高さに張られた縄がミシミシと軋むたび、
コブを呑み込んだ下半身が貪欲にうねり、むっちりとした尻たぶが汗粒を撥ね上げながら揺れ動く。


239 :
(8)
『ほら、休むんじゃないッ!!次だ、次ッ!!』
少女の背後で革鞭を構えて、
ほんの少しでも体を休めようとするたびに怒声を張り上げ、
時には実際に、むき出しの背中に向かってしたたかな一撃を振り下ろしているのは、
年の頃ならば彼女と殆ど同じ年代の、やや赤みを帯びたブラウンの髪をサイドポニーに括ったスレンダーな娘。


240 :
(9)
緊縛こそされていなかったが、彼女もまた、胸と腰の甲冑を剥ぎ取られ、
やや小ぶりだが、形良く整ったバストと程よく引き締まったヒップとを露わにさせられていた。
『優子』と同じく、両肘に残されたラピス・ブルーの防具、それに、しなやかな脚部を包んだ同色のブーツが、
生汗の浮いた白い柔肌と絶妙なコントラストを描いて、淫猥さを引き立てている。


241 :
(10)
『ひはぁああッ!!』
突然、サイドポニーの少女が甲高い悲鳴を上げて、その場に崩れ落ちた。
見れば、こんもりと茂った逆三角形型の恥毛に覆われたクレバスから、
無数のイボイボが突き出した、ニガウリのような形状の張り型が半身を覗かせている。
随分と長い間、膣内に咥え込まれていたせいだろう、表面は大量の蜜に覆われ、
外に押し出された時の反動で、下腹部にも太腿にも、潮を吹いたかのような大量の愛液が飛び散っていた。


242 :
(11)
『・・・・ハァイ、残念でしたね〜。
我慢出来なくなっちゃったから、『陽子』、アナタにも縄を跨いで貰うわよ〜』
ふるふると肩を震わせながら蹲るサイドポニー娘に向かって、場違いな程に陽気な声が掛けられ、
彼女と同じく、胸と腰の甲冑を剥がされた女戦士たちが駆け寄ってくる。
そして、有無を言わせず、脱力した少女のカラダを抱き上げると、
張り型を引き抜き、太股を開脚させて、未だ愛液の湧出の止まらない秘裂に淫縄を跨らせた。


243 :
(12)
『ふあぁあッ!!だ、駄目・・・・下ろしてェッ!!』
責める側から一転して責められる側となった『陽子』が、
イッたばかりの身体をガクガクと震わせながら、情けない悲鳴を上げる。
つい先程まで、奇怪な張り型を根元まで咥え込んでいた花弁に、
媚薬をたっぷりと塗り込まれた縄目が深々と食い込み、擦り上げていく。


244 :
(13)
『くひぃッ・・・・ひあぎぃいいいぃッ!!!!』
『んうぁああッ!!き、気持ち良いよぉぉぉッ!!!!』
『優子』と『陽子』、裏返った二つの声が木霊し合った。
一方が荒縄を喰い締めた牝膣を淫猥に揺り動かすと、
その動きが伝わって、もう一方も、むっちりと盛り上がった尻たぶをぷりぷりとうねらせる。
『優子』の愛液をたっぷりと吸った結び目の上に、『陽子』の秘唇が重なり、
ゴツゴツとした表面を、二人分の蜜がいやらしく彩っていく・・・・。


245 :
(14)
『ああッ!!い、いやぁああんッ!!』
『優子』と『陽子』が股縄踊りを披露している傍らでは、別の淫舞が繰り広げられていた。
オレンジ色の髪の毛を後ろで括り、肌に張り付く真紅の戦衣を身に纏った娘が、
M字の形に開脚した姿勢で拘束されている太股の間、大きく横にずらされたクロッチの中に、
『陽子』に挿入されていたのと同形のバイブを咥え込まされて、激しく喘いでいる。


246 :
(15)
年の頃は、『優子』や『陽子』よりも若干下、およそ14、5歳といったところだろうか?
未だあどけなさを残した相貌に、エメラルド・グリーンの瞳が良く似合っている。
身に帯びているのは、彼女たちのような甲冑ではなく、短いショールの付いたレオタード風の戦衣だったが、
胸の部分は無残に破り取られて、まだ発育の途上にある事が一目で分かる、小ぶりな乳房が露わになっていた。
両腕は後ろ手に縛められ、割り開かれた太股も閉じる事が出来ないよう、きつく緊縛されている。


247 :
(16)
『やめてェ・・・・もうイヤ・・・・イヤなのォッ!!』
豊かなオレンジ色のポニーテールを打ち揺らしながら、
あられもない悲鳴を上げて泣きじゃくる半裸の少女・・・・『キャロン』。
未だ一本の恥毛も生えてはいない(その事は、彼女にとって密やかなトラウマとなっていたのだが)、
聖らかな谷間は、半透明な牝汁に濡れまみれ、
その真ん中では、ピンク色の真珠玉が包皮を割ってまろび出ようとしている。


248 :
(17)
『ああッ、お願いよ・・・・もう、こんな玩具なんかじゃイヤなのッ!!
オチンチンが、熱くて硬いオチンチンが欲しいの・・・・ふあああッ!!!!』
狂ったようにかぶりを振りながら、『キャロン』は腰を撥ね上げた。
イボイボ付きのバイブがうねり、サーモンピンクの陰唇粘膜から大量の愛潮が溢れ出る。
発育途上のカラダがビクビクと震え、グレープフルーツを一回り大きくしたぐらいの大きさの胸乳が痙攣して、
・・・・その直後、全身から、ガクン、と力が抜け落ちて、手足の筋肉が弛緩する。


249 :
(18)
『・・・・あああ・・・・お願い・・・・欲しいの・・・・。
オチンチン・・・・本物のオチンチンで・・・・あたしをイカせて・・・・もっと・・・・もっとォッ!!』
エクスタシーの余韻に浸りつつも、弱々しい声で訴え続ける『キャロン』。
ゴトリ、と重い音がして、締め付けを失った股間から異形の張り型が地面に転げ落ち、
ドロドロとした愛汁が、みずみずしく健康的な下半身を卑猥に飾っていく・・・・。


250 :
(19)
「・・・・フン、やっぱり、こんな人形共の茶番では物足りないね」
冷やかな視線を、目の前で繰り広げられる痴態とそれに参加している『人形』たち・・・・
『優子』『陽子』『キャロン』他、オリジナルの<戦士>を模して作り出された複製人間に投げ付けると、
メタル・シルバーの生体装甲に身を包んだ<変幻戦忍>は、吐き捨てるように言い放った。
余程苛立ちが強まっているのだろう、足元に傅いていた複製<戦士>の一人・・・・、
艶やかな赤毛を肩口のところで切り揃えた、ラベンダー色の双眸の少女を、野良犬か何かのように蹴り飛ばす。


251 :
(20)
「おやまぁ、随分とご機嫌斜めな様子だねぇ」
アスカの蹴りをもろに喰らって、数メートルあまりも飛ばされた複製人間・・・・
『麗子』に、チラリと一瞥を投げかけながら、エルス大陸の<雷の戦士>がくつくつと笑う。
その言い方がカンに障ったのか、ツインテールの女ニンジャは、
目の前の女戦士をキッと睨みつけると、更に声を荒らげた。


252 :
(21)
「当ッたり前でしょッ!?
あたしが欲しいのは、こんな出来損ないの肉人形なんかじゃないッ!!」
「おお〜、コワイコワイ」
からからと打ち笑い、
赤茶色の豊かな髪の毛をパンダナと黄色いリボンで纏めた女戦士・・・・ライディは肩をすくめた。
その仕草に少しだけ怒気を抜かれて、チッ、と舌打ち鳴らす<変幻戦忍>。


253 :
(22)
「まぁ、そういつまでも引き摺りなさんなって。
麗子を仕留めるチャンスは、近いうちに必ず訪れるわよ」
僚友を慰めながら、ライディは手近にいた複製人間を引き寄せると、
赤いチャイナドレスの胸元から零れていた片方の乳房を無造作に掴み取り、ムニュムニュと揉み回した。
艶やかな黒髪を頭の両側で円を描くように結い上げた少女の口元から、
たちまち、アアッ、という艶かしい喘ぎ声が漏れ、色白の手足がブルブルと敏感に震え始める。


254 :
(23)
「・・・・あたしが何を引き摺っているだって?そんな訳ないだろ!?」
(・・・・充分、引き摺ってるように見えるけど・・・・)
そう感じたものの、エルス大陸の女戦士は自分の思いをストレートに口にする事は控え、
代わりに、そうか、それは悪かったな、と返した。
心にも無い謝罪の言葉だが、アスカの機嫌を直すには充分だった。
やれやれ、ニンジャのくせに単細胞なヤツね、と、胸の奥で毒づく<雷の戦士>。


255 :
(24)
「そう言えば、麗夢の姿が見えないが?」
そうとは知らず、<変幻戦忍>は、先程足蹴にした赤毛の少女を手繰り寄せながら、問いを発した。
『麗子』はと言えば、おびえた表情を浮かべはしたものの、
複製人間の悲しさ、感情は有していても、主の命令には逆らえず、ノロノロとアスカの傍へと近付いてくる。
「麗夢なら、アンタと入れ違いでヴァニティ城に向かったよ。
女王と居残り組の連中を悪夢の底に引きずり込むんだってさ・・・・」


256 :
(25)
「居残り組、だと?どういう意味だ?」
「ああ、つい先程、ヴァニティ城からの次元転移反応をキャッチした。
何人かの<戦士>が、複数の世界を経由しながら、この鏡面世界へと向かってきている。
多分、アンタがココに転移したのに気付いて、女王が<門>を開いたんだろうな」
ライディの言葉に、思わず身を乗り出す<変幻戦忍>。
はずみで、引き寄せたばかりの『麗子』の体を、今度は思い切り突き飛ばしてしまう。
「それで、あの娘はッ!?」


257 :
(26)
「さすがに、誰が出撃したか?までは調べようが無いよ」
そう言って軽くいなしたものの、
<雷の戦士>は、少なくとも、現時点で自分達の許に向かっている者の中には、
目の前の女ニンジャが執着する赤毛の<戦士>の姿はないだろう、と予想していた。
(何とか凌ぎ切ったとは言え、アスカの秘奥義を受けてタダで済む者など居ない。
・・・・クククッ、あの技は、女には特別に良く効くからねぇ)


258 :
支援が要りそうですね。


259 :
test

260 :
(27)
「チィッ、なら、麗夢に聞くまでだ。
ヴァニティ城に残ってる奴らの中に、あの<ヴァリスの戦士>はいるのか?って」
言い捨てるなり、アスカは、くるり、と踵を返し、
蹲ったままの『麗子』には目もくれず、大股にその場から立ち去っていく。
そんな事する必要ないのに、と思ったライディだが、
いい加減、女ニンジャの相手をするのも面倒になってきた事もあって、口には出さなかった。


261 :
(28)
(・・・・まぁ、あの子のお守りは麗夢に任せるとしましょ。
あたしは、もうじき、ここにやってくる連中を歓迎する準備をしなくちゃ)
リズミカルに乳房を揉み込んでいく指の動きに耐え切れ無くなったのだろう、
赤いチャイナドレスの少女が甲高い嬌声を上げる。
心地よい響きに、たっぷりと唾液を絡ませた赤い舌先で形の良い唇を舐めながら、
ライディは琥珀色の双眸に陰湿な光を浮かべ、ほくそえんだ。


262 :
(29)
「――――鏡面世界?」
聞き慣れない単語に、何人もの<戦士>たちが聞き返してくる。
――――ええ、そうです、と答えた<夢幻界>の女王は、
その直後、彼女たちからの質問の集中砲火を浴びて、たじたじとなった。
「それって、鏡の中の世界ってコト?」「どこにあるの?どうやって行くの?」
「どんな世界?」「教えてください、ヴァルナ女王ッ!!」


263 :
(30)
「ちょっと、あなたたち、静かになさいッ!!」
大声を張り上げたのは、つい先刻、どうにかベッドから起き上がる事が出来たばかりで、
未だ全身に疲労が色濃く残る、赤毛の<戦士>。
ヴァルナに詰め寄らんばかりだった少女たちも、さすがに気勢をがれて、静まり返る。
「質問は一人ずつ、順番になさい。
前の人の話が終わらないうちに、話かけるのも禁止。分かったわね!?」


264 :
(31)
「は、はい・・・・」「ごめんなさい、麗子」「分かったから・・・・そんなムリしないで」
互いに顔を見合わせながら、口々に軽率な言動を謝罪する少女たち。
ふう、と小さくため息をついた、黒衣の<戦士>のこめかみを、生温い汗の滴がゆっくりと流れ落ちていく。
かろうじて人前に出れる程度には回復したものの、
未だ本調子には程遠く、むしろ、こうして立っているのがやっとの状態だった。
本来ならば、居並ぶ<戦士>たちへの説明も、彼女の役目なのだが、
それすらも思うに任せないため、やむなく、主君であるヴァルナに負担を強いる仕儀となってしまっている。


265 :
(32)
(くぅッ、なんて情けないッ!!)
歯噛みする思いの麗子だが、
<変幻戦忍>から受けた秘奥義のダメージは心身の奥深く沈殿して、
完全に取り除くにはまだまだ時間が必要だった。
無論、アスカを追って鏡面世界に向かう事など不可能だったし、
それどころか、今、あの女ニンジャが襲ってきたら、一人ではまともに戦う事すら困難だろう。


266 :
(33)
「ええと、皆さん、そもそも鏡面世界というのは――――」
麗子をアテにできないせいだろうか?何処となく、心細そうなヴァルナの声。
それでも、<夢幻界>の女王としての責任感に命じられるまま、
懸命に言葉を絞り出し、詰め掛けた<戦士>たちの質問に答えていく。
(・・・・申し訳ございません、ヴァルナさま・・・・)
無力感に苛まれながら、自分を責める麗子――――と、その時。

267 :
(34)
「・・・・・・・・」
関節が白く浮き出るほど、きつく握り締めた拳の上に、そっと重ねられる掌の温もり。
目を上げると、スカイブルーの双眸に穏やかな光を湛えた蒼髪の親友が、
気遣わしげな、けれども、決して押し付けがましくは無い微笑みを浮べつつ、じっと自分を見つめていた。
(・・・・優子・・・・)


268 :
(35)
「そんなに自分を責めないで・・・・麗子」
赤毛の少女にだけ聞こえるように、そっと囁く<ヴァリスの戦士>。
我知らず、胸の中が、じぃん、と熱くなった麗子は、
こみ上げてくる感情に抗し切れず、親友の腕の中に己れの身体を投げ出すと、
・・・・今にも嗚咽を漏らしそうなほどの弱々しい声で、囁き返した。
「ご、ごめん・・・・優子、ちょっとだけ、このままで居させて」


269 :
(36)
(・・・・・・・・)
返事を返す代わりに、蒼髪の<戦士>は、
目の前の、黒いバンダナで纏められた艶やかな赤毛をそっと指で掬い、撫で下ろした。
ほうっ、という安堵に満たされた呟きを漏らしながら、
母親に甘える赤子のように優子の体の温もりを求める<夢幻界>の少女。
<現実界>の少女もまた、無言のまま、彼女の髪を撫で続ける――――。


270 :
(37)
・・・・・・・・しばらくの後。
「・・・・・・・・えーと、まだ良く分かんないんだけど、
とにかく、そのキョウセンメカイってトコロに行けば、敵の手がかりが見付かるかもしれないんだよね?」
場違いな程に明るく、溌剌としたキャロンの声に、
その場に居た大多数の者は、今まで一体何を聞いてたのよ?と、げんなりとした表情を浮べたものの、
惑星ラルの守護者たる<リバースの剣士>は、どこ吹く風とばかり、意に介さない。
元より、細かい事は気にしない性分だし、
何より、長ったらしい議論を重ねるよりも、実際に自分の足で現地に赴き、自分の目で確かめる方を好む性格なのである。


271 :
(38)
「じゃあさ、とにかく一度、みんなで見に行けば良いんじゃない?その、キョウセイメンカって場所を・・・・」
「キ・ョ・ウ・メ・ン・セ・カ・イ、よ・・・・いい加減、ちゃんと覚えなさいってばッ!!」
口を尖らせたのは、胸の部分に陰陽和合のシンボルを染め抜いた、真紅のチャイナドレスの少女・・・・
第108代魔物ハンター・真野妖子。
大胆なスリットの入った腰に手を当てながら、
オレンジ色の髪の毛をポニーテールに束ねた、ラルの<戦士>を睨みつける。


272 :
(39)
「まぁまぁ、そんなに大声出さなくても・・・・」
半ば呆れたような口調ながらも、妖子を宥めにかかったのは、
ラピス・ブルーの甲冑を身に纏った<レダの戦士>・・・・朝霧陽子。
一方、真紅の甲冑に身を包んだ銀髪の少女――――カナンの<銀の勇者>レムネアは、
女王ヴァルナと二人の<ヴァリスの戦士>に向かって、どうしたものか?と、目で問いかける。


273 :
(40)
「そうね・・・・さすがに、私たち全員でここを空ける訳にはいかないわね。
シルキスと茜たち三人には、ヴァニティ城とヴァルナさまを守るために残って貰わないと」
レムネアの言わんとする所を正確に看て取り、
即座に答えを発したのは、漆黒の鎧を身に纏った女王の側近。
――――だが、続いて発した言葉には、口では言い表せぬ無念さが滲んでいた。
「・・・・それに、私もね。
残念だけど、この身体では皆に同行するのはムリ・・・・足手まといになるのがオチだわ」


274 :
(41)
「・・・・そんな、足手まといだなんて・・・・」
反射的に反論を試みる優子。
だが、赤毛の夢幻界人は、静かにかぶりを振ると、
一呼吸置いて、きっぱりと言い切った。
「認めるのは癪だけど、アイツ・・・・飛鳥の術の影響は、私の体の奥深くにまで達しているわ。
今の状態では、とてもじゃないけど、まともには戦えない・・・・鏡面世界行きは諦めるしか無さそうね」


275 :
(42)
「・・・・・・・・」
押し黙る優子。
陽子や妖子たちも・・・・キャロンでさえ、言葉を失って、沈黙に沈んだ。
半ば予想していた事とは言え、麗子が同行できないのは、純粋に戦力的な面だけを考えても非常に痛い。
「・・・・分かったわ。残念だけど、麗子がそう判断したのなら、仕方が無い」
唯一人、感情に流される事無く、冷静な口調を崩さなかったのは<銀の勇者>レムネアだったが、
彼女とて、その表情は暗く翳り、不安を隠せない様子なのは皆と同じである。
――――と、重く沈みかけた空気を振り払うかのように、
麗子の叱声が彼女たちの・・・・とりわけ、優子の耳朶を激しく打った。

276 :
(43)
「ちょっと、何、黙り込んでいるのよ。
私が行けない以上、優子、あなたには皆を引っ張って貰わないといけないんだから、しゃんとなさいよッ!!」
「ええッ・・・・わ、わたしが!?」
目を丸くしつつ聞き返す、蒼髪の少女。
だが、赤毛の親友は、当たり前じゃないの、とにべもなく言い放った。
考えてみればその通りで、<戦士>としての実力から言っても、また、ヴァルナからの信頼度から言っても、
今、この城の中にいる人間の中から麗子の代役を決めるとしたら、
同じ<ヴァリスの戦士>である優子がまず第一の候補者として挙げられるだろう。

277 :
(44)
「ううっ・・・・で、でも・・・・わたしに、そんな大役が務まるかしら?」
不安を隠し切れない様子で、周囲の仲間たちの顔を見回す優子。
・・・・だが、彼女の心配は杞憂だった。
「優子がリーダーなの、それ、賛成ッ!!」
「あたしも、優子なら良いわ」
「そうね、わたしも優子が適任だと思う」
「よろしくお願いするね、リーダー!!」


278 :
(45)
(・・・・ふふッ)
口々に優子を支持する<戦士>たちの姿に、微苦笑を禁じ得ない赤毛の少女。
強いリーダーシップの持ち主という意味では、多くの点において、
ややおっとり型で、人前で自分の意見を強く主張するよりも、
一歩引いたポジションで皆の意見をよく聞き、妥協点を見出そうとするタイプの優子よりも、
アグレッシブな性格で、言いたい事はズバズバ言い放ちながら、皆を先導していくタイプの麗子の方に軍配が上がるだろうが、
同時に、リーダーシップに恵まれている、という事は、必ずしも、周囲から認められる人望の持ち主である事とイコールではない。

279 :
(46)
(・・・・結局、いつまで経っても、優子、貴方には敵わないわね)
ぽつり、と小さく呟くと、
麗子は、親友の背を押して、仲間たちの輪の中へと飛び込ませた。
・・・・そして、彼女を半ば揉みくちゃにしている仲間たち一人一人に向かって、信頼を込めた眼差しを投げかける。
(皆、優子の事、頼んだわよ。必ず、全員無事で戻ってきて・・・・)


280 :
(47)
「―――来たか、<夢幻界>の<戦士>ども」
耳障りな警告音・・・・空間転移による侵入者の存在を知らせるアラームを聞きながら、
<雷の戦士>は、にんまり、と邪まな笑みを浮かべた。
その視線は、目の前で繰り広げられている複製少女たちの痴態に、じぃっと注がれている。
「フフフ・・・・さあ、お前たち、仕事の時間だよ。
奴らを一人ずつバラバラにして、鏡面世界の迷宮に閉じ込めてやるんだ。
ククク、現実と虚構の狭間にある無限の牢獄に、ねぇ・・・・」

――――――――TO BE CONTINUED.

281 :
以上、第6章をお送りいたしました。
お楽しみ頂ければ幸いです。
なお、途中、バーボン規制に引っ掛かって作業が中断いたしましたが、
何とか無事に投下を終える事が出来ました。
ご支援頂いた方、感謝いたします。
次回ですが、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』エロパロSSの第24章をお送りする予定です。
9月の中旬から下旬ごろの完成・発表を目指していますので、またしばらくお待ち下さいませ。
それでは本日はこの辺で〜。

282 :
ついにきた!

283 :
今月号のアイザードさんGJ

284 :
構図とかセリフとか色々エロかったな
つか触手が貫いている場所を胸からマ○コに描き変えるだけで
エロ同人として出せるんじゃね?w

285 :
保守

286 :


287 :
巨大ロボ戦とは斜め上だわ

288 :
あれってPCE版のハイパースーツだよな?

289 :
スパークうたまろ

290 :
普通にハイパースーツ姿が拝めるのかと大変楽しみにしてたのに…

291 :
PC版Uの裸エプロンスーツの出番は無しですか、そうですか。

292 :
どんなエロコスに変身してくれるんだと期待してたんだが
合体ロボのコレジャナイ感が凄い

293 :
こんなのが発売されるみたいだが
今度もスパークうたまろがパケ絵担当するんだろうか?
http://www.amusement-center.com/project/egg/special/package_valiscompleteplus/index.html

294 :
>>293
こんなんより新作を作って欲しい
勿論優子主役で

295 :
ゲームオーバーの後7、出来はいいんだけど、ニーソや長手袋とかの
妙なアレンジはしないでほしかったな。
あと、優子がツリ目すぎ。

296 :
>>295
ニーソとかはたぶんボーダフォンのヤツなんじゃね?

297 :
レイナやレダもアルティアナも、制服や私服は今風に
なるのかな

298 :
皆様、お待たせしました〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』エロパロSS第24章、本日完成いたしました。
只今より投下を開始させて頂きます。


299 :
(1)
――――因果律の彼方。時間と空間の狭間。
(クククッ、残念だったね、麗子。
今、優子になれては困るんだよ、色々とね)
黒っぽい靄のような霊体・・・・
かつて、三界の者からは、アイザード、と呼び習わされていた存在のなれの果てが、
輪郭のぼやけたカラダをゆらゆらと揺らす。
(フフフ・・・・君も同じだよ、デルフィナ。
しかし、ドラコの奴も随分と過激な施術をやってくれたものだな、
・・・・私が手を貸さなければ、どうなっていた事か・・・・)


300 :
(2)
――――サザーランド。ニゼッティーの神殿最上階。結界の内側。
「は、離せッ!!私の命令が理解できないのかッ!!」
必の叫び声にも、漆黒の触手の群れは何の反応も示す事無く、
暴れ回る赤毛の少女の手足を絡め取り、締め付けていく。
怒りと狼狽、そして、紛れも無い恐怖に駆られて、無我夢中で抵抗を試みる麗子。
・・・・と、次の瞬間、その顔色が、サアッと蒼褪め、次いで、真っ赤に染まった。


301 :
これで書き込めるようになったかな?

302 :
どうにか書き込めるようになりましたが、
規制がここまで厳しくなると、投下作業もままならないですね・・・・。
とりあえず、今夜はここまでにして、続きは10月10日(月)の夜に行います。

303 :
乙かれでござる

304 :
只今テスト中。

305 :
(3)
「はぁうッ!?」
くぐもった悲鳴を漏らしながら、
我知らず、全身を硬直させる<ヴェカンタの戦士>。

306 :
丈の短いプリーツ・スカートを捲り上げた、<暗黒界>の魔生物が、
恥ずかしい谷間を隠す、黒いショーツを巧みに脇へとどかせる。

307 :

そして、彼女の最大の弱点であり、快楽神経の中枢でもある菊門へと触れたかと思うと、
何のためらいも無く、すぼまりを刺し貫いて、奥へと突き進んでいく。


308 :
(4)
「あぐッ・・・・か、はぁアアアッッッ!!」
下半身を襲った激痛と、それを遥かに上回る快感とに堪え切れず、
自慢の赤毛を振り乱し、あられもない嬌声を放ち上げる。


309 :

ミチミチと軋んだ音を立てつつ、
肛門をこじ開け、直腸の奥へと這い進んでいく、漆黒の肉蛇。


310 :

思わず膝をつき、交尾する雌犬さながらに腰を高々と振り上げた黒衣の少女の背筋を、
ゾッとするような悪寒が走り抜け、ヌルヌルとした生汗が噴き出してくる。


311 :
(5)
「ひ、ひィィッ!!ど、どうして、急にコントロールがッ!?
ふひゃああッ!!ダ、ダメッ、深すぎるぅッ・・・・!!」
先程までの余裕は雲散霧消し、<ヴェカンタの戦士>は混乱の極みに達していた。

312 :

肛門を押し開いて侵入してきた槍先に直腸を限界まで引き伸ばされるたび、
あるいは、窄まった尻穴と蠕動する肉縄とが擦れ合うたび、
排便が連続で行われているかのような感覚が頭の中を駆け巡り、愉悦の涙を溢れさせる。


313 :
(6)
適度な成熟ぶりと未だ残るあどけなさとが絶妙なバランスで均衡を保つ桃尻を、
ぬばたまの触手が、代わる代わる、執拗に撫で回す。


314 :

不気味な粘液によってヌルヌルとなった尻たぶの狭間では、
真っ赤に腫れ上がったすぼまりに、野太い怒張が激しく突き込まれて、
皺深い小穴は本来の大きさの数倍まで拡張されていた。


315 :

括約筋はとうに抵抗力を失い、ぐぼぐぼに成り果てているのだが、
それでも、突き入れられた淫棒はあまりにも逞しく、充血したアナルは今にもはちきれそうである。


316 :
(7)
「あああッ!!ら、らめぇ・・・・お腹の内側、ゴリゴリしないれぇッ!!」
肛虐のヨロコビに我を忘れ、
涙と涎をとめどなく流しながら、ろれつの怪しくなった口調で絶叫する麗子。


317 :

その痴態に興奮を覚えたのだろうか、肛門を犯している魔生物は更に深くまで侵入し、
ハラワタの間を好き勝手に這いずり、蹂躙していく。


318 :

未だ一指も触れられてはいない筈の膣口から、熱く煮え滾った愛液が溢れ出し、
まるで失禁でもしてしまったかの如く、体の下に卑猥な水溜りが形作られていった。


319 :
(8)
ずるるッ・・・・ぬるッ・・・・じゅるりゅるるッ!!
下半身を這い回る異形の群れが、さらに動きを激しくする。


320 :

ビチビチと蠢きつつ肛門を犯し続ける肉蛇たちは、
哀れな獲物の身体がどうなろうと知った事ではない、と言わんばかりに暴れ回り、
凄まじい激痛と快感とを交互に浴びせていた。


321 :

普通ならば、とうの昔に失神していてもおかしくない状況だったが、
暗黒界随一の優秀な拷問吏たる淫獣たちは、
彼女の意識が遠のき始めるのを察知する都度、責めを弱めて、気を失わせるようなヘマは決して犯さない。


322 :
(9)
「い、いひゃあ・・・・ひゃめて、もう、ひゃめてぇッ!!」
情けない悲鳴を漏らし、ガクガクと全身を痙攣させる。

323 :

無論、冷酷なる陵辱者たちは、獲物の哀願など一顧だにせず、
無慈悲なピストン運動により、少女の尻穴を貪り尽くしていった。


324 :

さらに、これまで無視していた膣孔、そして、尿道まで、
新たに毒牙にかけんと、何本もの魔手を繰り出してくる。


325 :
(10)
「あああッ!!もう、らめぇッ!!お尻が灼ける・・・こわへるぅッ!!」
肛門に突き刺さった肉槍が、びゅくん、びゅくん、と大きく脈を打ち、
膨張した先端部分から、火傷する程熱く煮え滾った真っ黒な体液が吐き出された。


326 :

スベスベとした直腸の粘膜に、ネバネバと糸を引く汚濁汁が迸り、
ぞっとするような感触が、押し広げられた狭穴の隅々にまで拡がっていく。


327 :

腸内に入り切らなかった淫液は、決壊寸前の排泄穴に向かって逆流し、
極太触手と肉襞の間にある僅かな隙間から、真っ黒な鉄砲水となって噴き上がる。
――――それとほぼ時を同じくして、麗子の理性は限界を迎えた。


328 :
(11)
「ひぎぃいいいッ!!イクッ・・・・絶頂ッひゃううううッッッ!!!!」
アナルの奥で弾けた灼熱の感触が、
想像を絶する快美な波動となって、全身へと伝播していく。

329 :

意識が吹き飛び、目の前が真っ白い閃光に包まれた。
雷に直撃されたかの如き衝撃波が頭の中を無茶苦茶な勢いで駆け巡り、
理性も感情も何もかも一緒くたにして、混沌の大渦へと引き摺り込んでしまう。


330 :
(12)
「・・・・・・・・」
エクスタシーの大波に呑み込まれた<ヴェカンタの戦士>が、
白目を剥き、口泡を噴きながら、無様に崩れ落ちていく。
ほぼ同時に、彼女によって作り出された淫獄の結界が消失し、
漆黒の触手たちも、仮初めの肉体を構成していた魔力を喪失して、元の瘴気へと立ち戻っていった。
――――後には、失神寸前の蒼髪の少女と、
完全に失神して白目を剥いた赤毛の少女の二人だけが残された。


331 :
(13)
――――サザーランド。アイザードの研究施設。実験棟。
「デ、デルフィナ・・・・!!」
粉々に砕け散った培養槽。
部屋中に飛散した強化ガラスとセラミック合金の破片、
そして、毒々しい光沢を湛えた液状の魔法金属――――<ヴァリス・オア>。
・・・・それらの中心に、ブロンドの女エルフの白い肢体が横たわっていた。


332 :
(14)
「大丈夫かッ!?おい、返事をしろッ!?」
意識の無い彼女の肩を揺さ振るのは、緑色の鱗に包まれたベビー・ドラゴン、ドラコ。
彼の表情は、いつになく必、というより、完全に狼狽しきっていた。
無論、自分の行った施術が如何に危険なものであるか?は十分に知悉していたし、
何よりも『患者』自身の承諾を取り付けた上での行為だったのだが、
目の前の惨状は、事前に予想した最悪の展開を遥かに超えている。
・・・・と、一瞬、金髪の戦士の睫毛が、ピクリ、と動いた。


333 :
(15)
「デルフィナッ!?」
破滅的な事態からの奇跡的生還に我を忘れて、友の体に抱きつく風の小竜。
・・・・だが、薄目を開けた彼女の唇が、未だ意識が完全に回復し切らないうちに呼んだのは、
付き合いの長さという点では確実に優っている筈の、目の前のドラゴンではなく、
今この場には姿の無い、現実界の少女の名前だった。


334 :
(16)
「よく頑張った、よく頑張ったよッ!!」
幸いにして、その呟きは感涙に咽び泣く小竜の耳には入らなかったらしい。
驚嘆と安堵の入り混じった表情で、
同志であり戦友でもある金髪美女を抱き締め、温もりを確かめるドラコ。
フッ、と声を立てずに笑った女エルフは、
珍しく、彼の抱擁を許容しながら、の淵からの生還を果たした己れの身体を眺め回した。


335 :
(17)
(これが・・・・私のカラダか?)
一見した限りでは、施術前と比べて、特に違いは見当たらなかった。
変化らしい変化と言えば、ベノンの瘴気に冒されて黒々と醜く変色していた右腕が、
元の白絹のような白さと健康的な色艶を取り戻している事ぐらいだろうか。
――――だが、五感は、全身に無数の違和感を感じ取っていた。
確かに自分の体であるにも関わらず、同時にもはや自分の体とは思えない、二律背反的な感覚・・・・。
まるで、作り物の体の内部に、魂だけを移し変えられてしまったかのような、
如何ともし難い居心地の悪さが全身を覆っている。

336 :
(18)
(・・・・これが、人の身で<ヴァリス・オア>を取り込んだ代償、か)
いや、人の身ならば、<ヴァリス・オア>を注入された途端に、ぬか、廃人と化していた筈だ。
自分が生き残れたのは、アイザードの手によって、後天的にとは言え、調整されていたため。
つまり、優子のような、真正のものではないにせよ、
彼女と同じ力のいくつかを肉体と魂とに付与され、それに近い形質を有していたがために相違ないだろう。
そこまで考えたところで、デルフィナはかぶりを振り、それ以上の思索を打ち切った。
そして、自嘲を含んだ微笑を浮かべつつ、心の中で呟きを漏らす。
「フフ・・・・まぁ良いさ、理由はどうであれ、いま少しの間、私はこの世に留まれる。
そう、たとえ、<戦士>もどきに過ぎないとしても、私はまだ戦える・・・・あの娘のために」

337 :
テスト終了。
どうやら、コツが掴めてきたようです。
なお、SSの残りは今夜中に投下いたしますのでもうしばらくお待ち下さい。

338 :
投下作業を再開します。

339 :
(19)
――――夕暮れなずむ、ニゼッティーの祭儀場。
がっくりと肩を落としたまま、無機質なコンクリートの床に突っ伏した麗子。
その正面に立ち、無言のまま、かつてのクラスメイトを見つめる<ヴァリスの戦士>。
やや距離を置いて、夢幻界の王女と暗黒界の雷龍の化身が並び立ち、
事態の推移を固唾を呑んで見守っている。


340 :
(20)
「うっ・・・・うっ・・・・」
がくがくと肩を震わせつつ、くぐもった嗚咽を漏らす赤毛の少女に、
優子からの決闘の申し入れを受けて立った時の不敵さは、微塵もない。
「なんで・・・・なんでよぉ・・・・」
蒼褪めた頬筋をびしょびしょに濡らす、幾筋もの涙。
絶望に打ちひしがれ、弱々しくかぶりを振り続けながら、
こんな筈じゃ無かった、こんなのは何かの間違いよ、
と、壊れかけたテープレコーダーさながらに、何度も何度も繰り返す・・・・。


341 :
(21)
「よく見て、麗子・・・・これが現実よ」
一方、足元に蹲った元クラスメイトと同じく、大きく肩で息をしつつも、
蒼髪の少女は、しっかりと、大地を踏みしめて立ち、
凛然とした表情で、目の前に広がる世界の風景を静かに見据えていた。
「目を背けちゃいけない、現実よ」


342 :
(22)
「イ、イヤッ・・・・嫌ァあああああッッッ!!」
泣き叫びながら、立ち上がる敗残の<戦士>。
自慢の赤毛を振り乱し、半狂乱の態で優子に掴み寄り、殴りかかる。
・・・・だが、阿修羅の如き必の形相とは裏腹に、
腕にも拳にも、全くと言って良いほど、力は入っていなかった。
「もう、おしまいよぉッ!!何もなくなっちゃった・・・・何もかもなくしちゃったッ!!
アンタの・・・・アンタのせいよ、優子ぉッ!!
アンタのせいで・・・・わ、私・・・・もう何もかも・・・・全部、無くなっちゃったァッ!!」


343 :
(23)
「・・・・・・・・」
一瞥と沈黙。そして、次の瞬間――――。
パァンッッッ!!!!
麗子の白い片頬が乾き切った音を発し、
その直後、糸の切れたマリオネットのように華奢な身体が崩れ落ちて、トスン、と尻餅をつく。


344 :
(24)
「あ・・・・あうっ・・・・」
紛れも無い恐怖の表情を浮かべる、赤毛の少女。
平手打ちを受けた頬が赤く腫れ上がり、熱さを伴った痛みが激情を忘れさせる。
一方、<ヴァリスの戦士>は、片手をゆっくりと下ろすと、驚くほど静かに口を開いた。
「・・・・何も無い、なんて事はないよ。
何も無い人なんて、何処にもいないわ・・・・そんな人、何処にもいないッ!!」


345 :
(25)
「うっ・・・・ううっ・・・・」
くぐもった嗚咽を漏らした赤毛の少女は、
胸の奥で、半ば鸚鵡返しに、蒼髪の少女の言葉を幾度も反芻し、
・・・・そして、弱々しくかぶりを振った。
(嘘よ・・・・所詮、私たちは出来損ない・・・・。
最高の<戦士>になり損ねた存在の・・・・惨めなカケラに過ぎないわ)


346 :
(26)
(なのに・・・・どうして?)
・・・・だが、それでいながら、
ラベンダー色の双眸は、これまでになく激しく揺らいでいた。
涙腺が緩み、熱い液体が、じんわりと視界を浸していく。
(・・・・どうして、優子、あなたは、
そんなに毅然として、胸を張っていられるの・・・・!?)


347 :
(27)
(――――私は、今まで、あなたを倒す事だけを考えてきた。
あなたを倒せば、自分はあなたとは違う、と・・・・
あなたのような出来損ないなんかじゃないと証明できる、ってッ!!)
優子、あなたは私とは違うの?
ならば、あなたは何のために戦ってきたの?
「・・・・確かに、私たちはカケラかもしれない。
最高の<戦士>になり損ねた・・・・失敗作なのかも」


348 :
(28)
「――――でも、それが、一体、何だっていうのッ!?」


349 :
(29)
(・・・・ッ!?)
優子の言葉に、雷に打たれたかのような表情を浮かべる麗子。
間髪を入れず、駆け寄ってきた蒼髪の少女がクラスメイトの華奢な体を抱き締める。
熱い血汐の滾りと高鳴る心臓の鼓動が伝わってきて、
少女の心を覆い隠した分厚い氷壁が焙り溶かされていく・・・・。
「完全な人なんて、何処にもいないわッ!!
欠点があるから、足りない所があるから、
・・・・だから、助けたり、助けられたりして、大切な人が出来ていくんでしょうッ!?」


350 :
(30)
「ゆ・・・・ゆう・・・・こ・・・・」
涙で言葉が詰まり、声にならない。
優子の抱擁がただひたすら温かく、心地よかった。
(ああ・・・・ゆう・・・・こ・・・・)
「欠点だらけの私だったから、ここまで来る事が出来たのよ。
今まで戦ってきて、何度も何度も、挫けそうになったり、諦めそうになったり・・・・でも」


351 :
(31)
「そのたびに、麗子ともう一度分かりあいたい、心から笑い合いたい、って願い続けたッ!!」
――――だって、私にはあなたが必要だもの。
同じ<戦士>から分かたれた存在かどうかなんて関係無く、
今までだって、これからだって、ずっと、ずっと一緒に・・・・。
「ああッ!!優子・・・・優子ォ!!!!」
感極まり、無我夢中で目の前の優子にしがみつく麗子。
彼女の温もりが、冷たく凍えきっていた心を溶かし、
とうの昔に失くしたと思っていた、光り輝く希いを思い出させる。
・・・・その瞬間、少女の視界は、この上なく清浄な、純白の光によって満たされた――――。

――――――――TO BE CONTINUED.

352 :
以上で投下作業は終了です。
忍法帖の使い方に不慣れだったせいで、
かなり時間がかかってしまい、申し訳ございませんでした。
なお、次回は、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』エロパロSS第25章(今回の続き)を予定しています。
12月末〜来年の1月初めの完成を目指して執筆を続けていますので、またしばらくの間、お待ちくださいませ。
それでは、本日はこの辺で〜。

353 :
弱い麗子もいいですね!
もっと書き込みできる量が増えると書きやすいし、読みやすいのに

354 :
麗子ヴァルキリー版みたいに和解するのか?

355 :
すげえ長期連載だな。

356 :
保守

357 :
hoshu

358 :
ヴァルキリーのヴァリス漫画次号で終わりなのか

359 :
約4年続いたんだよな、あの漫画。

360 :
あの人にはまたいろいろレトロヒロイン物を同人でもいいから描いてもらいたい

361 :
マドゥーラの翼とか、まだやってないけど描いて欲しいな。

362 :
アルティアナとか剣狼伝説のレイナとかその前のヒロインも
この人はレトロヒロインの魅力知っている

363 :
皆様お待たせいたしました〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』エロパロSS第25章、たった今完成いたしました。
本日22:00頃より投下作業開始の予定ですので、ご期待下さい〜。

364 :
お待たせいたしました〜。
只今より、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』エロパロSS第25章の投下を開始いたします。
なお、本章は、概ね本編のコミック第3巻P.99〜P.102及びP.160〜P.166に該当する部分をエロパロ化したものです
(その間にあるログレス軍との戦闘シーンは・・・・エロパロ化するのが困難だったため、文章化自体を見送る事にしました)。
それでは、お楽しみ下さいませ〜。

365 :
(1)
――――時空の狭間。<暗黒界>へと続く次元の回廊。
無数の光と無限の闇とが連なる混沌の大河を一条の光芒が駆け抜けていく。
<ヴァリスの戦士>たる現実界の少女・優子、同じく夢幻界の王女・ヴァルナ、
そして、暗黒界の女剣士・デルフィナと大気を司る竜族・ドラコ。
数奇な運命によって出会った彼女たちの目指すのは、
漆黒の闇に閉ざされし絶対的な<暗>の領域・ヴェカンティ。
・・・・だが、そこには、決して欠けてはならない筈の<戦士>の姿が欠けていた。


366 :
(2)
(お願い、麗子・・・・生きていて!!)
ともすれば、不吉な方向にばかり向かいがちとなる思考を幾度と無く打ち消しながら、
前方・・・・次第に深くなる闇の気配の集中する漆黒の空間を見据える、蒼髪の少女。
いつもにも増して、厳しく険しい眼差しは、
時折、脳裏をかすめる不安を完全に振り払えてはいない事の裏返しだった。
(・・・・あの時、わたしが傍を離れなければ・・・・)
胸の奥で、何度、自問を繰り返しただろうか・・・・?
こうして問い続けても詮の無い話だ、と重々承知の上であっても、
深い悔恨の念故に思い返さずにはいられない、あの戦い――――。


367 :
(3)
――――数刻前。サザーランド上空。
「フフ・・・・」
虚空に浮かび、と破壊に覆い尽くされた世界を傲然と見下ろす、仮面の王。
夜の闇よりもなお深い、漆黒の長衣から覗く青白い手には、
片腕と片足をもぎ取られ、意識を失った少女のカラダが絡め取られている。
血糊のこびり付いた華奢な肢体に一瞥を投げかけ、
黄金の仮面の奥で笑みを発した彼――――暗黒王ログレスは、
冷やかな視線を、おっとり刀で駆け付けて来た、もう一人の<戦士>へと向けた。
「身の程を知らぬ者共・・・・実に憐れなものだな。
・・・・そうは思わぬか、<ヴァリスの戦士>よ?」


368 :
(4)
「ログレス、麗子を放してッ!!」
夜空に木霊する、甲高い叫び声。
<レーザスの剣>を構え、宙空に浮かぶヴェカンティの支配者を睨み付ける優子。
その表情は、最愛の友を傷付けられた怒りによって、醜く歪んでいたものの、
同時に、宿敵の、圧倒的なまでの威圧感を前にして、容易に近付く事が出来ずにいる。
彼女の様子を眺めやり、<暗黒界>の支配者はほくそ笑んだ。
「お前に何が守れるというのだ、<ヴァリスの戦士>よ?
<現実界>はおろか、自分の周りに近しき者ですら――――
たった一人の小娘ですら、救えぬお前に・・・・?」


369 :
(5)
「くうッ!!」
口惜しげに唇を噛み締める優子。
ククッ、と低く喉を鳴らした暗黒王は、
己の無力を痛感している少女の姿をしばし愉しむと、
優越感を滲ませた口調でおもむろに言い放つ。
「助けたいか、この裏切り者を?
ならば、来るが良い、予の城へ・・・・来れるものならば、な」
・・・・待っているぞ、気長にな。
最後にそう言い残すと、ログレスは転移門を開き、
気を失った麗子の体を抱えたまま、次元の狭間へと身を躍らせた。


370 :
(6)
「あッ・・・・ま、待てッ!!」
弾かれたように飛び出した蒼髪の少女を嘲笑うかの如く、
時空の門は、目の前で、ピシャリ、と閉じられ、消失してしまった。
一人取り残され、切歯扼腕する<ヴァリスの戦士>・・・・
その哀しみも冷めやらぬうちに、更なる悲劇が追い打ちをかけてくる。
「ヴォルデス!!しっかりしろ、ヴォルデス!!」
悲痛な叫びに振り返ると、
瀕の重傷を負った雷竜に向かって、デルフィナとドラコが必に呼びかけを繰り返していた。
優子よりも一足早く駆けつけたヴァルナが急いで回復の呪文を唱えようとしていたが、
もはや手の施しようが無いのは誰の目にも明らかだった。
双頭の片方は根元から無残に断ち折られて、跡形も無く千切れ飛び、
もう一方の頭も深々と手傷を負って、流れ落ちる血液が黄金色の鱗を黒々と染め上げている。


371 :
(7)
「もう構うな・・・・どのみち、助からん」
苦しい息の下から精一杯の声を絞り出す、雷のドラゴン。
巨大な体を鎧う黄金色の鱗は醜く切り裂かれ、焼け爛れて、
夥しい量の血液によって見るも無残な有様と化してしまっている。
「・・・・」
肩を落とし、悄然と立ち尽くす優子に向かい、
ヴォルデスは、に瀕したカラダに残る生命の最後の一滴を振り絞って、言葉を紡ぐ。
「行ってくれ・・・・<暗黒界>へ・・・・。
もう・・・・時間がない・・・・麗子を・・・・頼む・・・・」


372 :
(8)
「う、うん、必ず・・・・必ず助けるからッ!!」
声をつまらせながら答える、蒼髪の<戦士>。
その返事を聞いて安堵したかの如く、
ドラゴンの双眸から静かに光が失われていく・・・・。
「優子・・・・己れを、見失うな・・・・。
目に見えるものに・・・・惑わされ・・・・る・・・・な・・・・」
(ヴォルデス・・・・)
末期の息を引き取った老竜の肉体が、ゆっくりと実体を失い、塵と化していく。
わずかな時間でしかなかったが、志を分かち合い、共に戦った友の散華を目の当たりにして、
生き残った者たちの間に重苦しい沈黙が垂れ込める――――。


373 :
(9)
――――ヒュオオオオ・・・・。
大地に流された血と炎に焙られた鉄の臭いを大量に孕んだ熱風が、
廃墟と化したサザーランドの市街地を吹き抜ける。
赤々と燃え盛る業火が照らし出す中、
悲しみに沈む少女たちの目の前で、最後の暗黒五邪神は無情にも消滅し、
・・・・同時に、彼の骸によって視界から隠されていた、もう一つの無残な光景が姿を現した。
「・・・・ああ・・・・あれは・・・・」


374 :
(10)
上腕部の丁度真ん中辺りから断ち切られた、麗子の右腕。
血の気の失せた指先は、戦いの前に貸し与えられた<ヴァリスの剣>をきつく握り締め、
戦闘中に取り落としてしまうのを懸念してのものだろう、
上から更に、愛用のバンダナを巻き付けて、剣の柄に固定されていた。
「・・・・・・・・」
風に揺れる布切れを無言で見つめる、蒼髪の少女。
かすかに震える細い肩と青白く引き攣った頬筋とが、受けた衝撃の深さを物語っていた。
凄惨な光景に、ヴァルナもデルフィナもドラコもかけるべき言葉を失い、
沈鬱な表情で互いの顔を見交わすばかりで口を開こうとする者は誰もいない。


375 :
(11)
――――ジャリ、ジャリ。
熱に焙られて脆くなった瓦礫を踏み締めながら、
まるで墓標の如く大地に突き立てられた親友の腕へと近付いていく優子。
「もう、ここから先は・・・・」
錆びた鉄のような血臭と冷たく硬直した肉の感触に僅かに眉根を寄せつつも、
<ヴァリスの戦士>は地面に突き刺さった愛剣を引き抜いた。
血糊のこびり付いた麗子の腕を胸元に掻き抱くと、
抑え込んできた感情が堰を切って溢れ返る。
くぐもった嗚咽が、重く垂れ込めた沈黙の帳を引き裂いて漏れ出し、
瞼の裏側に溜め込まれていた涙滴が、銀色に光り輝く水流となって頬筋を伝う。
「・・・・無傷じゃ済まないでしょうね・・・・」


376 :
(12)
(・・・・ぬかもしれない)
涙を浮べたまま、優子は仲間たちを振り返る。
ヴァルナ、デルフィナ、ドラコ・・・・生まれた世界は異なれど、心を通わせた大切な戦友たち。
彼女たちが、麗子やヴォルデスのように、無残に切り裂かれ、四肢を?がれて、
血の海に横たわっている様子を想像し、身体の震えが止まらない。
心優しき現実界の少女にとって、それは、自分自身の以上に、辛く恐ろしい事なのだから・・・・。
(それでも・・・・)
胸に抱き締めた、麗子の一部にそっと目を落とす。
硬く強張った手指が、あたかも、これだけは守り通さねばならないのだ、と言わんばかりに、
今もなお、握り締めたまま放そうとしない、聖なる<剣>。
――――その輝きは、未だ失われてはいなかった。


377 :
(13)
「行って・・・・ケリをつけなきゃ」
躊躇いを振り払うかのように、決然と眦を見開く、優子――――<ヴァリスの戦士>。
覚悟を決めた眼差しを注がれて、同志たちもまた、顔を上げた。
「ああ・・・・分かっているさ。
ヴェカンタニア、敵の本拠地に乗り込むんだからな」
三人を代表して、金髪の女エルフが口を開く。
何を理解しているのか?は、敢えて問うまでもない。
他の二人・・・・夢幻界の王女と暗黒界の風のドラゴンも、無言で頷き合った。
ありがとう、と小さく呟いた少女は、まだ濡れたままだった目許を拭い去ると、
黒雲に覆われた虚空を静かに見つめつつ、澄み切った声を放ち上げる。
「行きましょう、<暗黒界>へッ!!」


378 :
(14)
――――帝都ヴェカンタニア。ログレスの居城。地下空間。
青白く揺らめく、不浄な炎に照らし出された地底の暗渠は、
牢獄というより、むしろ、墳墓の玄室を連想させるかの如き不吉な静寂によって満たされている。
「・・・・お前たち、<戦士>は・・・・」
漆黒の中、周囲の闇よりもなお深い、神聖ならざる気配を漂わせながら佇む、暗黒の王。
禍々しい仮面の視線の先には、古めかしい石造りの祭壇。
――――その上には、右腕と右足を失い、
大量の出血によっての淵に瀕した、赤毛の少女が横たわっていた。


379 :
(15)
「・・・・希望、にすがって戦うが故に・・・・」
無残に焼け焦げ、ひび割れた肩当ての下、上腕部の半ばを残してもぎ取られた右腕、
そして、脚部を守るブーツもろとも、ふくらはぎ真ん中から断ち切られてしまった右脚。
他にも、麗子の身体には大小の傷が至る所に走り抜け、
合計すれば致量に達するほどの夥しい血液が、祭壇を伝って滴り落ちていた。
元々、透き通るような色白の肌の持ち主だった彼女だが、
今やその相貌は血の気を失って蒼白に蒼褪め、相さえ浮かび出ている。


380 :
(16)
「・・・・絶望からは逃れられぬ・・・・夜の海の如く、暗い絶望からな・・・・」
憎悪に満ちた冷笑も、聞こえているのかどうか。
あるいは、かろうじて耳にだけは入っているとしても、
それを意味のある言葉として知覚し得る力は、
燃え尽きようとしている生命の内には残ってはいないのかもしれなかった。
フン、と鼻を鳴らした黒衣の支配者は、
長衣に包まれた両腕を祭壇の上に掲げ、短く呪詛の祭文を詠唱する。


381 :
(17)
「暗黒界に生を享けた者が、易々と<ヴェカンタ>の頚木から逃れられるものか。
簡単にねると思うなよ、麗子」
混濁しかけた意識の中に、どす黒い魔性のエネルギーが滲み込んで来る。
皮肉にも、その衝撃で正気を取り戻した赤毛の少女は、
自分の置かれている状況に気付くと、声にならない悲鳴を発しつつ本能的に抗おうとする。
(い、嫌ッ!!<ヴェカンタ>に染め上げられるのは、もう嫌ぁッ!!)
自我を冒し、感情と思考を呑み込んでいく魔性の力。
恐怖に慄きながらも、必に自分を保とうとする麗子。
闇に呑み込まれまいとして足掻き続ける彼女の脳裏に、
ログレスの呪縛から解放され、真の自分を取り戻した瞬間の記憶がフラッシュバックする――――。


382 :
(18)
――――清らかな光の中。正面から向かい合う二人の少女。
「これって、<ヴァリス>の・・・・」
茫然と呟きを漏らす、赤毛の少女。
自らの五体を包んだ甲冑を驚きの目で眺めやり、
ぬばたまの漆黒から燦然たる黄金へと変わっていく、変貌の光景に心を奪われる。
<ヴェカンタの戦士>の象徴であり、<暗黒界>に忠誠を誓った証であった筈の漆黒の鎧が、
見る見るうちに、色褪せ、ガラスのように透明になり、
眩いばかりの光を放つ金無垢――――目の前の<ヴァリスの戦士>が身に纏う甲冑と同じそれ――――へと変じていく。
驚きのあまり、声も出せないでいる麗子・・・・と、彼女の手を優しく包容する感触があった。


383 :
(19)
「・・・・おかえり、麗子」
戸惑う親友の手をとり、固く握り締めたのは
――――薄青色の双眸に涙を浮べた、蒼髪の少女。
「きっと、それがほんとの気持ちだよ・・・・」
「優子・・・・」
気が付けば、赤毛の少女の目元も熱い涙に濡れている。


384 :
(20)
トクン・・・・トクン・・・・トクン・・・・。
高らかに響き合う、心音のリズム。
――――共鳴し合う、心と心。
抗い難い衝動が二つの魂を衝き動かし、引き寄せ合う。
「あ・・・・ぅん」
どちらからともなく顔を近付け、唇を重ねる優子と麗子。
何処までも優しく、蕩けるように甘い口付けの感触が、
無意識の底に封じ込められた創生の記憶を呼び覚ましていく・・・・。


385 :
(21)
(そうよ・・・・あの頃、わたしたちは一つだった・・・・)
(一つの存在になるべくして生み出され、育まれていた・・・・)
「ふぁ・・・・ん・・・・あふ・・・・ふはぁッ」
少女の唇が、熱く柔らかく、もう一人の少女の口元へと絡み付き、
甘く蕩ける唾液にまみれた舌を滑り込ませてくる。
熱い吐息を吹きかけながら、優しく口腔を攪拌する味蕾の感触・・・・。
甘美なる電流が頭の芯を痺れさせ、くねり始めるカラダを止める事が出来ない。


386 :
(22)
「んッ・・・・はぁふッ」
恥ずかしげに瞼を閉じながら、呻く声。
頬は赤く染まり、背筋を甘い震えが走り抜ける。
「はぁはぁ・・・・ん・・・・ふぅん」
束の間離れた唇の間に、蜂蜜のような唾液の糸。
背後に回された指先に髪を梳かれて、心地よさに思考が働かなくなり、
抗う事を忘れて抱擁に身を委ねる。
心の臓だけがトクントクンとせわしない律動を刻む中、
母親の乳を求める赤子さながら、ひたすら目の前の相手を欲し続ける二人・・・・。


387 :
(23)
(・・・・ああ・・・・優子・・・・)
(・・・・うくっ・・・・れ、麗子・・・・)
艶めかしく弛緩した手足を摺り寄せつつ、
愛欲に濡れた眼差しで互いを見つめ合う、魂の姉妹たち。
カチャリ、という小さな音がして、胸元を覆う黄金の胸当てが外れ、
未だ成熟の極みには達していないものの、均衡の取れた美しさに恵まれた双乳が姿を現す。
「あぁ・・・・んッ・・・・そ、そこは・・・・ッ!!」
うっすらと汗の滲んだ乳房が触れ合うたび、
切ないため息と鼻にかかった喘ぎとが交互に漏れ出して、
快美な気配が脹らみの奥からじんわりと湧き上ってくる。
硬くしこったピンク色の乳首同士が擦れ合うと、
全身が感電したかの如く、ビクビクッと痙攣し、ゾクゾク感が腰椎の間を駆け巡る。


388 :
(24)
(はぁはぁ・・・・お願い・・・・麗子・・・・)
(はふぁ・・・・来て・・・・優子・・・・)
うなじを、つぅ〜〜〜ッ、と舐められ、恍惚とした表情を浮べる少女たち。
腋の下から臍穴にかけての敏感な場所を小指の先でなぞられると、
腰から、すぅ〜〜〜ッ、と力が抜け落ちて、足元がふわふわと怪しくなる。
「はぁふッ・・・・くすぐったぁい・・・・」
「ひぃん・・・・だめ・・・・はずかしいよぉ・・・・」
乳房をぷにゅぷにゅと捏ねられるだけでも気が遠くなりそうなのに、
もう一方の手は、臍から更に下へと這い進んでくる。
くすぐったい、はずかしい、などと言って誤魔化そうとしても、
喘ぎ声に混じる甘い上擦りは明らかにそれ以上の感覚への反応であり、期待の表れに他ならなかった。


389 :
(25)
「あぁ・・・・か、感じちゃう・・・・」
「んくぅ・・・・もっと・・・・触ってぇ・・・・」
浅いプリーツの入った、丈の短いスカートが捲り上げられ、
太股の内側にある秘められた花園に向かって、しなやかな指先が忍び込んでくる。
極薄のショーツは、既に湧き出した愛蜜によってしとどに湿りそぼっていたが、
布地の上からやんわりと圧迫されると、ヌルヌルの体液が、じゅわぁ・・・・、と溢れ返り、
手の平の辺りまでビショビショに濡らしてしまう。
蠕動する肉穴からは絶え間なく蜜汁が噴出し、
ぶじゅっ、ぶじゅっ、という淫靡な水音が絶え間なく鳴り響いていた。


390 :
(26)
(ああ・・・・麗子・・・・いっぱい、濡れてちゃってる・・・・)
(とても敏感なのね・・・・優子・・・・もっと、気持ちよくしてあげる・・・・)
ますます興奮の息を弾ませながら、秘裂をまさぐり合う。
ショーツの縁を捲って這い進んできた指が充血し熱を帯びた大陰唇に直接触れると、
呼吸が止まるような衝撃が下半身から突き上げてきて、頭の中で、バァン、と炸裂する。
「ひぁああッ・・・・!!っぁあぁああッ・・・・!!」
重なり合う悲鳴と嬌声。
その間にも、少女たちの両手は、
休む間もなく、サーモンピンクの花弁をまとわりつかせつつ、クチュクチュと膣内をかき混ぜている。
力を入れ過ぎて痛くならない程度に弱く、
かと言って、物足りなさを感じる事の無い程度には強く、
絶妙な強弱を付けた蠕動運動で性感帯を掘り起こしてくる。


391 :
(27)
「んふはぁッ!!そ、そこ・・・・もっと、お願いッ!!」
「はぁうううッ!!いいわ・・・・もっと激しく、掻き回してぇッ!!」
本来、一つの存在となるために生み出された者同士のためだろうか?二人の相性は抜群だった。
相手の肉体の何処をどう刺激してやれば、
どのような反応が返ってくるのか、直感的に理解出来る・・・・。
「はぁッはぁッ!!・・・・凄い・・・・優子のアソコ、大洪水だわ・・・・!!」
「んぁあッ!!・・・・れ、麗子の方だって、おツユが足元まで垂れて、びしょ濡れじゃない・・・・!!」
くぱぁっ、と女陰を開帳されると、濡れそぼった秘唇に空気が触れて、
下着を脱がされた訳でもないのに無防備な不安と羞恥心がこみ上げてきた。
乳房全体をねちっこく揉みしだいていくと、直接触れてもいないのに乳首の感度が倍増して、
指の間でビクンビクンと卑猥なダンスを踊り始める。
留まる所を知らない愛欲に煽られるままに、エクスタシーの頂を目指して突き進んでいく恋人たち・・・・。


392 :
(28)
「ひぁああううッ!!!!く、来る・・・・何か、凄いのがぁッ!!」
「あああ・・・・こ、怖いよ・・・・!!ダメッ、もう、ダメぇえええッ!!」
潤滑蜜をたっぷりと絡ませた指で、秘裂を上へとなぞっていくと、
被っている包皮を今にも脱ぎ捨てそうになっている、ショッキングピンクの肉粒へとぶつかる。
女体の快感の中枢・・・・陰核だった。
「・・・・」「・・・・」
――――刹那の沈黙。
ゴクリ、と息を呑み、視線を交差させる優子と麗子。
ここを触れば、性感は爆発し、理性の箍は完全に弾け飛んで、
昂ぶり狂う衝動が支配する、愛欲の嵐の真っ只中に踏み込む事になるだろう・・・・。


393 :
(29)
(・・・・本当に良いの?)(後悔・・・・しない?)
無言のまま、覚悟を確かめ合い――――そして、次の瞬間。


394 :
(30)
「あぁッッ、アァアアァ――――ッ!!!!」
脳裏が眩くスパークし、歓喜の衝撃波が幾重にも押し寄せた。
びゅくん、びゅくん、と、狂ったように陰核が跳ね回る中、
同じく充血の極みに達した乳首が、膣壁が、激しく波打ち、戦慄する。
全身の毛穴という毛穴から、沸騰した汗粒が官能臭を甘く漂わせながら滲み出し、
脈打ち続ける子宮へと快美な感覚をもたらしてくれる衝動を引き入れようと、
陰唇粘膜が愛液の分泌をいや増しながら緩み開いていく・・・・。
めくるめく快楽の大渦巻きに飲み込まれ、
肉体も精神もバラバラになるほど激しく攪拌されながら、
二人の少女は互いの魂が溶け合い、一つになっていくのを確かに感じ取っていた――――。


395 :
(31)
・・・・再び、闇の中。
「金無垢の<ヴァリス・オア>か・・・・お前には不似合いな衣装だ」
パキィン・・・・!!
甲高い音を立てて、麗子の身体から光を失った甲冑が剥がれ落ち、
ログレスの邪悪な手の中へと集まっていく。
全ての感情を消し去った眼差しで、
宙に浮かぶ鎧の断片と、祭壇に横たわり、恐怖に歪む赤毛の少女の表情とを見比べる、暗黒の王。
「もう一度、思い出させてやる・・・・<ヴェカンタ・オア>の力をッ!!」


396 :
(32)
「あ・・・・ああ・・・・ッ!?」
黒衣から伸びた禍々しい鉤爪の間で、清浄な黄金色の輝きが不浄な瘴気に包まれていく。
戦慄する<戦士>の瞳が絶望の色に染まっていくにつれ、
<ヴァリス>の加護を受けていた筈の聖なる鎧は、漆黒の輝きを放つ多面体の結晶へと変わっていく。
やがて、その先端部は、今にも破裂せんばかりに激しく脈を打つ心臓の真上にまで到達した。
「お前に最後の役目をやろう。予の盾となる名誉を、な・・・・」
絶対零度の宣告を発する暗黒王ログレス。
直後、漆黒の大槍と化した<ヴェカンタ>の化身に両手を添えて、
何の躊躇も無く、一気に少女の胸を刺し貫く。


397 :
(33)
「ひぃ・・・・ぐぎぃあぁあああああッッッ!!!!!!」
闇を引き裂く、絶叫、絶叫、絶叫――――!!
魂も凍りつかんばかりの恐怖と苦痛の中、三たびの変容を遂げていく麗子。
三界のうちで、最も愛しく想い、全てを擲ってでも守り抜きたいと願った、少女の名を叫びながら、
彼女の意識は二度とは戻れぬ暗黒の底へと沈んでいくのだった・・・・。

――――――――TO BE CONTINUED.


398 :
以上、第25章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存じます〜。
久しぶりに優子と麗子のレズSEXを描きたくなり、
麗子が<ヴェカンタ>の呪縛から解放されて<ヴァリスの戦士>として覚醒する感動的なシーンをエロパロ化してしまいました(笑)。
最初はヴァルナも交えて3Pにしようか、とも思っていたのですが、
3人の<ヴァリスの戦士>による3Pはもっと後のシーンをエロパロ化する際のためにとっておこう、と考え、
今回は優子と麗子のラブラブな2Pに仕上げました。
次回ですが、『3V』は1回お休みさせて頂き、
代わりに、不定期連載作品である『戦士集合!』第6章を発表いたしたい、と思います。
発表時期ですが、来年の2月下旬から3月上旬を予定しています。
また少しお時間を頂く事になりますが、どうか楽しみにお待ちくださいませ。
それでは、本日はこの辺で。
(まだ少し早いですが)皆様、良いお年を〜。

399 :
いつも乙です

400 :
おつおつ〜〜良いお年を〜

401 :
あけま〜
ttp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=24061668

402 :
>>401
あけおめ〜

403 :
>>401
今年もよろしく
ヴァリスVのハイパースーツも見てみたい!

404 :
剣を取り上げて赤い首輪で地面につなぎ、拘束した優子を、視姦しながら言葉責め、
顔や露出した肌が火照って来た辺りで、スーツの下に手を滑り込ませ、
精神的に責めながら、全身にローションを塗って敏感な反応を楽しみ、
顔を付き合わせて正面からずっと表情を眺めながら、
股間を責め抜いてて愛液を股間から流させたい
プライドを傷つけられて涙目でこちらを睨む優子に、
今度はしゃがんで両足に枷をハメて立てなくし、
背中を向けさせて、羽をむしるように肩のアーマーを剥ぎ取る
肩や胸を必で押さえて抵抗する優子の両手を縛り上げ、
ブラからはみ出した大きな乳房のラインを指でなぞる
下乳に両手をあて、ゆっくりと上へ揉みながらずらして行くと、
プルンと形の良い乳房が姿を現し、その先端の乳首を指でつまむ
背中からがっしりと両乳房を掴みながら、乳首先端を責め
呼吸の荒い優子に言葉責めをしながら、今度は正面を向かせ
唇を奪おうとするが、かたくなに口を結んで開かない優子
ふくらんで戻らない乳首を痛がるほど引っ張ると声を上げ侵入を許してしまう
しばらく吸い続けると、呼吸はさらに荒くなり口が開いたままになる
荒い呼吸のまま仰向けに寝かせて、閉じた膝をこじ開けようとすると、
抵抗を試しみる優子のスカートの下へ手を差し込み、
愛撫しながら緩んだ膝の隙間に手を入れ閉じた脚を割ってから、
最後の砦のショーツを横へズラして股間に指を入れる・・
ショーツを破り取り、胸のアーマーも取り払われ、睨んでも抵抗しても蹂躙され、
口を閉じても開かれ、脚を閉じても股間を責められ
それでも、ヴァリスの戦士としてのプライドで抵抗していた優子だったが、
快楽に負け、唇を奪われ、乳房を揉みしだかれ、乳首に食いつかれ吸われ続け
下半身をピストン運動で突き上げられ・・髪は乱れ、大粒の涙を溢れさせる・・

405 :
さあ本格的な執筆に入るんだ

406 :
hoshu

407 :
ついにヴァルキリー版が終わってしまったな。
あのエンディングじゃUへ繋ぐのも難しそうだし。
もう、このスレにしか夢は存在しないのか。

408 :
今度はエロバージョンでぜひ
無理かなやっぱり

409 :
あんまピンチにならんかったな
ヴァリススーツ姿で敵に嬲られてくれないと!
2やるならメガスはパソコン版のエロ親父verでやってほしい
PCエンジン版だと武人タイプだからエロくならん

410 :
非力な小娘が足掻くのは
とか台詞もエロいんだよね
精神的ダメージを与えるときの台詞

411 :
ヴァルキリーはいまいちエロくない

412 :
漫画や映像より文章のほうが心情描写がしやすいのもあるからね
コミックアースみたいに
テキスト形式併用にすればまた変わってくるよ

413 :
編集とか雑誌の方針がダメすぎだったと思うな。
途中までストーリー通りで、二巻で中盤過ぎぐらいでコミック三冊にまとめろとかで方針変更。
無理だとわかると四巻まで引っ張るべくオリジナル超展開に方針変更。
月刊化してもすぐ隔月に戻るとか、見通しの甘さと無計画さは同人レベルだよ。
韓国の完結してる漫画で半分埋めてるんだから、他の雑誌より編集楽だと思うんだが。
ヴァリスを連載してくれたのはありがたいけどさ…
いろんな意味でZOL先生お疲れ様でした。

414 :
ああそれはありますな。
お疲れの先生には、またレトロ系でマシンロボのレイナとかマドゥーラのルシアやスペースハンターのアルティアナとかを、また同人あたりで描いて下さることをキボー

415 :
ZOL氏にはなんとかヴァリスのアダルト版を描いて欲しい

416 :
優子がろくにエロピンチになってないのが問題だと思ったよ
微妙なシーンはあったけどさぁ…
ヴァリススーツ姿で敵にぼこぼこ嬲られて犯されそうになってくれないと
微妙だったが2面の犬くらいじゃねえか!
3面だと食われそうになってやがるし
夢の中のセーラー服のシーンとかアイザードに素っ裸で犯されそうになっても嬉しくないです

417 :
>>416
かなり同意だな
序盤の触手に絡まれたり、犬に襲われたりはそこそこ良かったんだが、
アイザードに夢で翻弄されるシーンまでかな
その後、デルフィナが出てきて誰?みたいな感じだったし、
麗子が良い子ちゃん過ぎてレズや調教シーンも期待出来ず
期待してたのは、ゲームのあのシーンがエロピンチシーンに!みたいなので、
1なら、ファミコン版のイラストみたいなエログロキャラとの絡みが欲しかったし、
2の人質取られて脱衣とか、3の船に乗って駄賃に体要求されたりみたいなのだったわ

418 :
>>416
ビキニ鎧が魅力的なのに脱がすのはさすがにないよな

419 :
ヴァリスのエロゲもな
貴重なレイプ破瓜シーンが触手でしかもセーラー服とか頭沸いてるのかと思った
ヴァリススーツ姿で人型or獣型モンスターに嬲られてから犯されろよ

420 :
ホッシュ

421 :
皆様お待たせいたしました〜。
『戦士集合!』第6章、完成いたしました。
本日22:00頃より投下作業開始の予定ですので、ご期待下さい〜。

422 :
乙〜

423 :
wktk

424 :
大変お待たせいたしました〜。
只今より、『戦士集合!』第7章の投下を開始いたします。
なお、>>421に第6章とあるのは、私の数え間違いでした。
訂正してお詫び申し上げます。

425 :
(1)
――――鏡面世界。某所。
『ククッ、<人形>を追って、ここまで来たか、<戦士>共め・・・・』
周囲の暗闇よりも、なお暗く、不吉な色の長衣に身を包んだ男が、
絡み付く毒蛇を象った銀細工に縁取られた、黒曜石の大鏡の前に佇んでいた。


426 :
(2)
目深に被ったフードの奥に、顔は無い・・・・あるのは、朽ちかけた骸骨だけ。
ぽっかりと空いた二つの眼窩の奥には、瞳の代わりに、神聖ならざる炎が燃え盛っている。
――――男の名は、<鏡使い>。
無論、本名ではない。
本当の名前・・・・彼が、定命なる者として生れ落ちた際に付けられた名前は、
己が魂を代償として不浄なる生命を宿した際に捨て去ってしまっていた。


427 :
(3)
『いま少し、時を稼げておれば、<人形>共の数も揃うて、
圧倒的に有利な状況で迎え撃つ事も叶った筈なのじゃが・・・・』
独りごちながら、邪悪な視線を黒い大鏡から外し、背後を振り返る。
そこに居並ぶのは、無数の姿見と・・・・中に封じ込まれた、生気の無い少女たち。
エルス大陸の<雷の戦士>ライディ、夢守りの民の末裔・綾小路麗夢、<変幻戦忍>本能寺飛鳥、
更には、鬼獣淫界に囚われの身となっている筈の天神子守衆の双子姉妹・天津亜衣、麻衣や、
異世界シェオーリアの邪神バァル・ベオルと皇子イオの性奴隷に堕とされてしまった筈の<レヴィアスの戦士>朝霞涼子の姿までもがある。


428 :
(4)
『まぁ、良いわ・・・・こやつらが我が手の内にある限り、<人形>共は幾らでも作り出せる』
くつくつと笑う、<鏡使い>。
白骨化した指先を、姿見に囚われた少女たちへと伸ばし、
指の先で、冷たく凍えきった頬筋を軽くなぞり上げる。
『<闇の女王>よ・・・・今しばらく、お待ちあれ。
ククッ、貴女様の復活を妨げる者共全て、封印してご覧に入れましょう程に・・・・』


429 :
(5)
――――夢幻界。ヴァニティ城。女王ヴァルナの私室。
「あッ・・・・うッ・・・・くふぅッ!!」
薄絹のカーテンを引いた、豪奢な天蓋付きの寝台の上で睦み合う、二人の少女。
一人は、部屋の主である<夢幻界>の<幻想王女>。
そして、もう一人は、彼女が片腕と恃む忠実なる側近――――
現在、鏡面世界の探索へと赴いている麻生優子と並ぶ、<ヴァリスの戦士>桐島麗子だった。


430 :
(6)
「んんッ・・・・あッ・・・・くふはぁッ!!」
鼻に掛かったような切迫したよがり声を発しつつ、
全身を小刻みに痙攣させる、銀髪の女王。
麗子の舌先が敏感な場所を捉えるたびに、ほっそりとした手足がビクビクと跳ね、
透き通るような白い柔肌から滲み出した透明な汗粒が、敷き詰められたシーツへと滴り落ちる。
いつもは丸みを帯びた特徴的な形状に結い上げられている、青みがかった銀色の頭髪は、
見る影も無く乱れ、ぐっしょりと生汗に濡れそぼって解けかかっていた。


431 :
(7)
「ハァハァ・・・・ひッ・・・・くぅ・・・・んあぁあッ!!」
一方、赤毛の<戦士>の方は、と言えば、
主君の華奢なカラダを絡め取った上で、
巧みな指遣いと舌先の妙技によって性感を巧みに昂ぶらせ、煽り立てていた。
こちらもまた、汗に濡れた肌をほんのりとピンク色に上気させ、
はぁっ、はぁっ、と、気忙しく息を注ぎながら、荒々しい呼吸を繰り返していたのは同じだったが、
身体の下に組み敷いた主とは異なり、目元は悦楽に蕩けきってはおらず、理性の光が十分に保たれている。


432 :
(8)
(・・・・一体、どうされたのかしら、今夜のヴァルナさま。
まるで、何かに怯えていらっしゃるかのような・・・・?)
銀髪の少女の秘所から溢れ出る蜜液で口元をベトベトに濡らしつつ、小首をかしげる麗子。
先代の女王ヴァリアの治世から側近として仕えてきた彼女にとって、
ヴァルナは、主従の関係を超えて、(優子とはまた違った意味で)気持ちの通じ合う仲の人間だった。
こうして寝所でカラダを重ね、肌を触れ合わせていれば、何を考えているか?おおよその見当はつくのだが、
今夜に限っては、どうにもしっくりとしない。
(たしかに、優子や陽子たちが城を離れているのは心細いでしょうけど、それだけかしら?)


433 :
(9)
「ああッ・・・・はぁくぅッッッ!!!!」
考え込んでいたせいで、指先の微妙な加減を誤ってしまったのだろう、
夢幻界の王女は、ガクガクと全身を痙攣させて、激しく気をやり・・・・白目を剥いた。
しまった、という表情で主君の顔を覗き込む赤毛の少女。
幸い、失神にまでは至らなかったらしく、しばらくして気が付いたヴァルナだが、
先刻にもまして顔色はすぐれず、何かを必に堪えているかのような苦悶の眼差しさえ浮かべている。


434 :
(10)
「ヴァルナ、さま?」
ただならぬ雰囲気を察して、口調を改める<ヴァリスの戦士>。
・・・・と、唐突に、銀髪の少女はほっそりとしたカラダを起こし、抱きついてきた。
「・・・・れ、麗子、麗子ッ!!」
忠実な側近の名を呼びながら、ひし、と、胸にしがみ付いてくる主に、
訳も分からないまま、だが、今この瞬間、自身の存在が強烈に求められているのは直感的に理解して、
麗子は、不用意に力を込めたならば、ぽきり、と折れてしまいそうなくらい華奢な、その肢体を抱き締める。


435 :
(11)
「いったい、どうなされたのです?
お加減が優れないのなら、今宵はもうお休みになられては・・・・」
「ちがう、違うのです・・・・!!」
今にも嗚咽を漏らしかねない表情のヴァルナ。
困惑しつつ、兎に角、落ち着かせようと背中をさする麗子の胸に顔を埋め、
母親に乳をせがむ赤子のように身を震わせつつ、必に声を搾り出す。
「不安なのです・・・・何か、途轍もなく恐ろしい事が近付いている。
理由は皆目見当もつきません・・・・でも、言葉では言い表せないほど不吉な予感がして、それで・・・・」


436 :
(12)
(まさか、優子の身にッ!?)
脳裏をよぎった不安に、思わず、顔色を変える麗子。
かろうじて言葉に出す事だけは自制できたものの、
銀髪の少女には十分に気持ちが伝わったらしく、背中に回された小さな手に、ぎゅっ、と力が込められる。
「ええ・・・・上手くは言えないのですが、<鏡面世界>で何かとても恐ろしい事が起きようとしている。
そんな不吉な予感がしてならないのです・・・・」


437 :
(13)
「・・・・ッ!?」
さすがの<ヴァリスの戦士>も、今度は動揺を隠し通せなかった。
いくら理由は定かではないとはいえ、三界の調和を司る、<夢幻界>の幻想王女ヴァルナが、
ここまでの不安を覚えるのは、おそらく、只事ではない。
・・・・否、この場合はむしろ、理由が分からない、という点そのものが、
現在起こっている事態の深刻さを物語っていると言っても過言ではないだろう。


438 :
(14)
(やはり、私も同行すれば良かった・・・・)
悔恨の念に駆られる麗子だが、時すでに遅く、鏡の内側へと続く魔道門は閉じてしまっていた。
今から新たな門を開けるとなると、どんなに急いでも、儀式の準備に半日は必要だし、
加えて、術者、すなわち、目の前の主君に更なる負担をかけてしまうのは必定である。
第一、自分までこの城を離れれば、
後に残るのは、未だ手痛い敗北の後遺症を引き摺る、<アルテナの三戦士>とシルキスだけ・・・・、
<変幻戦忍>や彼女に匹敵する戦闘能力を有する敵に襲われたならば、おそらく、ひとたまりもないだろう。


439 :
(15)
(優子・・・・お願い、無事でいて・・・・)
(お母さま・・・・どうか、優子たちをお護り下さい・・・・)
表情を曇らせ、無力感に苛まれつつ、
祈る事しか出来ずにいる<夢幻界>の少女たち。
青白い月明かりに照らし出される、不安に満ちた二人の横顔を、
寝台の脇に置かれた水晶細工の水差しが静かに見つめ、
――――まるで、姿見のような光沢を帯びた、冷たい面へと写し取っていた。
『・・・・フフ、そんなにあの娘たちが気に掛かるの?
だったら、会わせてあげるわ、昏く閉ざされた悪夢の迷宮で・・・・』


440 :
(16)
――――その頃、<鏡面世界>。
「ねぇ、妖子、ここって、間違いなく、キョウセイメンカイなの?」
「キャロン、何度言えば分かるの。あたしたちがいるのは<鏡面世界>、キ・ョ・ウ・メ・ン・セ・カ・イよ」
「あれ、そうだったっけ?長い名前って覚えにくくって・・・・キョウカイセイメンね」
「・・・・だから、違うってッ!!」
掛け合い漫才のような会話を交わし合う、<ラルの剣士>と<魔物ハンター>。
緊張感を欠いたやり取りを前にして、<ヴァリスの戦士>と<レダの戦士>、それに<銀の勇者>は、
苦笑とも困惑ともつかない面持ちで、互いに顔を見合わせずにはいられなかった。


441 :
(17)
各世界から集った5人の<戦士>たち・・・・優子、陽子、レムネア、妖子、キャロン、が、
ヴァルナの開いた魔道門を抜けて、鏡の中の世界に足を踏み入れてから、小一時間が経とうとしていた。
最初のうちこそ、麗子洗脳に失敗して姿をくらませた<変幻戦忍>本能寺飛鳥や、
彼女の仲間――――おそらくは、<夢守りの民>綾小路麗夢と<雷の戦士>ライディの二人を含む、消息を絶った者たち――――の待ち伏せを警戒して、気を張り詰めていた少女たちだったが、
恐れていた襲撃もなく、また、特に変わった地形や生物に出会う訳でもなく、時間だけが過ぎていくうちに、
いつしか、当初の緊張感は消え失せ、弛緩とまではいかないにせよ、気分に変化を生じ始めていた。


442 :
(18)
「・・・・それにしても、何だか薄気味の悪い場所ね」
改めて周囲を眺めやりつつ、肩口まで袖をまくった、真紅のチャイナドレスの少女が呟きを漏らす。
その点に関しては同感だったらしく、オレンジ色の髪をポニーテールに纏めたラルの王女も何度も大きく頷き、
油断なく愛剣を構えた銀髪の女勇者も、美しく輝く黄金の甲冑に身を固めた蒼髪の<戦士>も、
言葉は発しなかったものの、各々の仕草で賛同の意を示した。


443 :
(19)
「何て言えば良いのか、ちょっと思い付かないけど、とてもイヤな感じね。
まるで、見えない何かに、じっと見張られてるような・・・・」
<破邪の剣>を抜き放ったまま、気を鎮め、精神を集中する妖子。
<魔物ハンター>の嫡流・真野家に生まれた彼女の体に流れる血には、
魔を打ち払うだけでなく、怪異の気配を感知し、居場所を突き止める力も宿っている。
――――だが。


444 :
(20)
「――――ダメ。やっぱり、何も感じ取れない」
弱々しくかぶりを振り、口惜しげな表情を浮べる妖子。
先程から幾度となく試行を繰り返しているのだが、
己れの血に宿る霊力、そして、左手に嵌めた<アイベックス・リング>の加護の力を以ってしても、
この地の何処かに隠れ潜んでいる筈の邪な存在を探り当てる事は出来ないでいる。
「あたしの力が不足してるから?
それとも、土地自体に、あたしの力を打ち消す結界のような何かが張り巡らされているせいかも・・・・」


445 :
(21)
「ねぇ、陽子はどう思う?」
理由を考えあぐねて、妖子は、傍らにいた<レダの戦士>に声をかけた。
う〜ん、と低くうなり、眉間に皺を寄せながら考え込む、サイドポニーの少女。
妖子が身に纏う真紅のチャイナドレスとは対照的な、ラピス・ブルーの甲冑に身を包む<レダの戦士>は、
純粋な戦闘能力に於いては、<魔物ハンター>に優るとも劣らないが、
魔を封ずる一族の血を宿した彼女とは異なり、それ以外の点ではごく普通の女子高生と大差ない。


446 :
(22)
(ヨニやリンガムがこの場にいればなぁ。
・・・・きっと、何か役に立つ助言をしてくれるに違いないのに・・・・)
残してきた仲間たちの顔を思い浮かべ、小さくため息を漏らす。
アシャンティの大地を守護するという<レダの女神>に選ばれた<戦士>とはいえ、
陽子自身は、偶然、時空の狭間に迷い込んだだけの異邦人であり、
特別な知識や技能を持ち合わせているという訳では全く無い。
レダ教徒の女祭司であるヨニと森羅万象に通暁した遍歴の神学者・リンガムの助けがなければ、
アシャンティの中ですら、右も左も分からないのが実情である。
ましてや、<鏡面世界>の事など分かる道理が無かった。


447 :
(23)
(・・・・せめて、城とか遺跡とか、目に付くようなモノでもあれば、
探しに行ってみようか、って気にもなるんだけど・・・・)
独りごちながら、周囲を見回す陽子だったが、
360度どちらを向いても、広がっているのは暗灰色をした岩だらけの荒地だけ。
遥か遠くの方には、うっすらとだが白く霧のかかったような風景が広がっているものの、
どれだけ眼を凝らしてみても、それ以上のものは何も見当たらず、
何処をどう探せば良いのか?手がかり一つ掴めない状況である。


448 :
(24)
「どうするの、優子?」
考えあぐねた様子の仲間たちを見かねて、リーダーである蒼髪の少女に意見を求めたのは、
燃え盛る炎を写し取ったかのような真紅の甲冑に身を固めた、<カナンの銀の勇者>レムネア。
美しく整った中に精悍さを感じさせる面立ちは、
隣にいる<ヴァリスの戦士>や<レダの戦士>のように、
ある日突然、超常の力を得るまでは、何処にでもいる年頃の少女に過ぎなかった者たちとは異なり、
幼少の頃から戦火と危険の渦巻くカナンの地を放浪し続けてきた、言うなれば、生粋の<戦士>の証。
こうして優子達と話をしている間も、理知的な輝きが宿った濃紺の双眸は、周囲を油断無く見張って異変に備えている。


449 :
(25)
「そうね・・・・たしかに、このままじゃ、埒が明かないわね」
レムネアの問いかけに、蒼髪の少女は、細く白い指先を顎に当てると、
しばらくの間、目を伏せて黙考に沈んだ。
(おそらく、敵は、わたしたちの出方を窺っている・・・・
あるいは、何も見付からないのに焦ったわたしたちが、
いくつかのグループに分散して探索範囲を広げるのを待っているのかもしれない)
(・・・・だとしたら、今、戦力を分けるのは敵の思う壷だわ)
(・・・・でも、上手く行けば、隠れている敵を誘い出すチャンスにもなり得る)
思考の中で火花を散らす、相反する選択肢。
――――そして、<ヴァリスの戦士>が選んだのは・・・・。


450 :
(26)
「二手に分かれましょう」
リーダーの口から発せられた言葉に、驚きの視線を向ける<銀の勇者>。
だが、優子は、半ば反射的に、待って、と言い掛けた彼女を片手で制し、
一言、分かってるわ、と小声で答えると、他の三人へと向き直った。
「レムネアが考えている通り、
敵は、きっと、わたしたちが分散するのを息を潜めて待ち構えている筈よ。
・・・・だから、敢えてその手に乗ったフリをして、誘い出すの。
たしかに危険を伴う作戦ではあるけど、このまま、何のあてもなくこの世界を彷徨っている訳にはいかないわ」


451 :
(27)
「なるほど」
「たしかに、今の状況では他に策が無いわ」
「さっすが、あたしたちのリーダーねッ!」
異口同音に賛意を示す、陽子、妖子、キャロン。
三人の様子に、最後まで逡巡していたレムネアも、
皆がそうまで言うのなら、と、リーダーの案への同意を決めた。
「ありがとう、みんな。
・・・・じゃあ、陽子はわたしと一緒に来て。
レムネアは、妖子とキャロンをお願いするわ」


452 :
(28)
――――再び、<鏡使い>の間。
『クックックッ、<戦士>共め・・・・なかなか思い切った策を仕掛けて来よるわ。
・・・・まぁ良かろう、ワシもそろそろ退屈してきたところじゃ』
瘴気を宿した眼窩の奥で、青白い炎が揺れ動く。
<鏡面世界>のあらゆる場所を映し出す大鏡を通して、
憎むべき敵であり、美しき獲物でもある者たちの動きを確認した<鏡使い>は、
くつくつと低い笑いを漏らしつつ、傍らに立つ巨大な黒曜石の柱に向かって肉の削げ落ちた手の平をかざした。


453 :
(29)
『お望み通り、<人形>共を差し向けてやろう。
・・・・おっと、麗夢は、すでに一体をヴァニティ城に忍び込ませておるか。
まぁ、<夢守りの民>の小娘ならば、もう一体ぐらい搾り出してもどうという事はあるまいが、
忍び込んだネズミ共の相手は、ライディと飛鳥、貴様ら二人の役目としておこう』
漆黒の石棺を連想させる雰囲気の魔石へと注ぎ込まれた邪悪な闇の魔力が、
封じられている虜囚の身体を浮かび上がらせる。
<雷の戦士>ライディ、そして、<変幻戦忍>本能寺飛鳥・・・・。
(・・・・や、やめろ・・・・やめろぉ・・・・)
(・・・・うう・・・・これ以上、あたしの魂を刈り取らないで・・・・)
石棺に閉じ込められた二人の少女の表情が苦痛に歪む。
次の瞬間、黒曜石が強大な妖気を放ったかと思うと、
彼女たちの精一杯の抵抗を嘲笑うかのように、<鏡使い>の求めに応じて、
囚われた<戦士>たちの体――――正確に言えば、物質化した魂の一部――――を、魔牢の底から押し上げた。


454 :
(30)
(・・・・く、くそ・・・・う・・・・)
(・・・・ああ・・・・また・・・・また・・・・抵抗できなかった・・・・)
生きながらにして魂魄を切り裂かれたショックで、生気無く立ち尽くす二人。
既に幾度と無く同じ術をかけられているのだが、未だその不快感に慣れるという事は無かった。
――――程なくして、彼女たちの肉体は黒曜石の魔鏡の奥へと沈んでいき、
<鏡使い>の前には、少女たちから強制的に切り分けられた後、
神聖ならざる闇の秘術によって仮初めの肉体を与えられた分身だけが残される。
<鏡面世界>の影の支配者は、朽ち果てた髑髏の面を僅かに歪めて、邪まな笑みを浮かべ上げた。
『・・・・さあ、従僕どもよ、狩りの時間じゃ。
まずは、<魔物ハンター>と<ラルの剣士>を狩って来い。
そして、他の<戦士>共に気付かれぬよう、我らが<人形>と入れ替えてやるのじゃ、ククク・・・・』

――――――――TO BE CONTINUED.

455 :
以上、第7章をお送りいたしました。
敵側の設定等に文章を費やした結果、いつもより若干エロ成分が少なくなってしまいましたが、
お楽しみいただけたのであれば幸いに存じます〜。
次回ですが、『3V』の第26章を予定しています。
・・・・ただ、現在、仕事の都合により、
5月頃までまとまった余暇を取れない状況が続いています。
出来るだけ早く完成出来るように努力いたしますが、
完成予定は6月にずれ込む可能性が大となります。
大変申し訳ないのですが、どうかご容赦の程お願い申し上げます。
それでは本日はこの辺にて〜。

456 :
乙〜ゆっくりマイペースで書いて行ってね!
しかし初期はビキニアーマー括りだったのに今や女戦士系スパロボみたいな大所帯ですね
そして東映まんがまつりみたいな対決まで

457 :
洗脳好きな自分としては期待の展開ですね

458 :
いつも楽しく拝見しています。
少し、お疲れの様では...
この際、ゆっくり充電して下さいな。
次回も楽しみにしています。

459 :
保守

460 :
ほしゅ

461 :


462 :
まだかな、まだかな

463 :
ゆっくり待とうや

464 :
皆様、大変長らくお待たせいたしました。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第26章、只今より発表を開始いたします。
なお、普段ですと、第1稿の完成後、1〜2回程度は原稿全体を見直して、
誤字脱字や文法の誤りを修正しているのですが、
今回はあまりにも長くお待たせしてしまったため、この作業を最低限に留めました。
読みづらい箇所等が存在するかもしれませんが、ご容赦の程お願い申し上げます。


465 :
(1)
――――帝都ヴェカンタニア。ログレス城地下。漆黒の中。
『お前達は、絶望から逃れる事は出来ない・・・・』
一体、何千年前からこの場に置かれているのだろうか?途方も無い年月を経た、石造りの祭壇の上。
太古の魔神に捧げられる生贄の如く、横たえられた赤毛の<戦士>を見下ろしながら、
<暗黒界>の支配者は感情を消し去った声音で語りかける。
『夜の海の如く、暗い絶望からは、何人も逃れられぬ・・・・』
右腕と右脚を喪い、全身に口を開けた大小の傷口から今も血液を流し続けている<ヴァリスの戦士>は、
痛みと消耗のために意識も希薄となり、顔面には相さえ浮かび上がっていた。
戦う事はおろか、今や、指一本動かす力さえ失われたその肉体からは急速に体温が奪われていき、
心臓の鼓動さえも徐々に弱まりつつある。
だが――――彼女が望む平穏・・・・人としての最期を与えるつもりなど、ログレスには毛頭無かった。


466 :
(2)
『簡単に、ねるなどとは思うなよ・・・・麗子』
おもむろに両手をかざし、無機質な光沢を放つ仮面の奥で何事かを呟く、暗黒の王。
禍々しい気配が祭壇の下から湧き上り、
動く事すら出来ぬ少女のカラダの中に異形の力が流れ込んでくる・・・・。
「あ・・・・あっあ・・・・ぐぅう・・・・うう・・・・」
<暗黒界>の森羅万象の根源たる闇の因子<ヴェカンタ>が、
に瀕した麗子の肉体へと侵入し、猛烈な勢いで浸蝕していく。
皮膚が、筋肉が、骨が、内蔵が――――否、全身の細胞の一片一片が、
異形で異質なエネルギーによって黒く染め上げられていくのが分かる。
恐怖に駆られて抵抗を試みる赤毛の少女だが、
いくら<ヴァリス>の加護を享ける身とはいえ、衰弱しきった肉体と精神では、
暗黒界の支配者たるログレスその人が司る<ヴェカンタ>を押し退ける事など到底不可能だった。


467 :
(3)
「あぅ・・・・ぐ・・・・・あああ・・・・ぁうぅぅ・・・・ぐふぅ・・・・」
闇の波動が押し寄せるたび、麗子の体内には煮え滾る溶岩流のような熱い感覚が迸り、
魂そのものを打ち震わせるかのような衝動が湧き上ってくる。
『シタイ・・・・奪イタイ・・・・壊シタイ・・・・何モカモ全テヲ・・・・!!』
時間の経過と共に、少女の心身からは<ヴァリス>の清浄なる力は失われていき、
<ヴェカンタ>の禍々しいエネルギーへと置き換えられていく。
必の抵抗も空しく、刻一刻と黒く染まっていく己れのココロとカラダを、
為す術も無く見つめているしかない、赤毛の<戦士>。
・・・・その周囲を、無数の影が取り囲んだ。


468 :
(4)
『貴様が手にかけてきた、<暗黒界>の雑兵共よ。
貴様の帰還を言祝ぐために、冥府の底より這い出てきたものと見える。
・・・・ククク、<夢幻界>の<戦士>共が此処に辿り着くまでの間・・・・それが叶えば、だが・・・・せいぜい楽しむが良い』
「・・・・ぐぅ・・・・ま・・・・待て・・・・うう・・・・」
かろうじて発する事の出来た麗子の声には答えず、
くつくつと笑いながら、ログレスは闇の中へと消えていった。
姿は消えても気配はまだ感じ取れるため、この空間を離れた訳ではないだろう。
・・・・高見の見物、といった所が正解だろうか。
代わって、少女の前に姿を現したのは、無数の魔物たち。
・・・・それも、ボロボロに朽ち果てた甲冑を身に纏い、全身から臭を漂わせたゾンビの群れだった。
ある者は、胸に大穴を穿たれてどす黒く濁った血を垂れ流し、
ある者は、脳天をかち割られて頭蓋骨の中からピンク色の脳漿をはみ出させ、
またある者は、腹を切り裂かれて傷口から臓物を溢れさせている。
姿を消す間際、暗黒王が口にした言葉の通り、
かつて、自分が生命を奪い、地獄へと叩き落した、<暗黒界>の軍兵の成れの果てに違いない。


469 :
(5)
「・・・・ううっ・・・・くッ・・・・!!」
なけなしの力を振り絞って祭壇の上で身を捩る麗子。
・・・・と、ゾンビたちの環を掻き分けて、
ひときわ無残に切り裂かれた、雌雄二体の魔物が近付いてきた。
『・・・・ググ・・・・麗子・・・・麗子なのかい・・・・?』
『・・・・ギギギ・・・・ああ・・・・あたしたちを覚えてるかい・・・・麗子・・・・?』
「ひぃッ・・・・ま、まさかッ!?」
赤毛の少女の表情が驚愕に歪み、次いで、恐怖に引き攣った。
声にならない悲鳴を上げながら、その場から逃げようともがくものの、
<ヴェカンタ>に冒された手足はもはや意のままにならず、
石肌に縫い止められでもしたかの如く、祭壇の上からピクリとも動かなかった。


470 :
(6)
『覚えてて・・・・くれたようだねェ・・・・?』
『そりゃそうだ・・・・ずっと・・・・一緒に暮らしてきた・・・・家族だものなァ・・・・』
青白く燃え上がる、不浄の灯火に映し出されたのは、
麗子にとって忘れる事も出来ない、二人の妖魔。
片方は、腐りかけ、斑の浮かんだ屍肉の上から、ボロボロに朽ちかけたねずみ色のスーツを羽織り、
もう片方は、どす黒く変色した甲殻やら触手やらを、ズタズタに切り裂かれたエプロンドレスの中に無理矢理詰め込んでいる。
暗黒五邪神が一柱、アイザードの命を受けて<現実界>へと赴き、
桐島家の当主とその妻を密かにして成り代わった上、
まだ赤子に過ぎなかった麗子を自分達の娘として守り育てつつ、
成長の様子を逐一アイザードに報告していた密偵たち。
・・・・彼ら二人、いや、二匹こそ、<ヴェカンタの戦士>として覚醒を遂げた麗子によって、
真っ先に生命を奪われ、奈落へと叩き落された、最初の犠牲者に他ならない。


471 :
(7)
「い・・・・いやぁあああッッッ!!!!」
魂も凍りつくような絶叫が放ち上がる。
恐慌状態に陥り、意のままに動かない手足に必になって言う事を聞かせようと、無駄な足掻きを続ける麗子。
周囲を取り囲んだゾンビ兵士たちがくぐもった笑い声を上げる中、
両親の衣服を身に着けた醜悪な化け物たちが祭壇の傍らに歩み寄り、
恐怖に蒼ざめた赤毛の少女のカラダに触れる。
『・・・・ググ・・・・聞き分けの無い娘には・・・・お仕置きが必要だねぇ・・・・』
『・・・・ギギ・・・・そうとも・・・・甘やかすだけではなく・・・・時には愛のムチも必要だった・・・・』
『・・・・グググ・・・・そうしていれば・・・・あたしたちを・・・・』
『・・・・ギギギ・・・・こんな目に遭わせるような・・・・非道い娘には・・・・育たなかった筈だ・・・・』
目玉だけがギラギラと異様な光を湛えた、腐りかけの顔面を歪めて、奇怪な笑いを浮べるゾンビ両親。
――――次の瞬間、スーツとエプロンドレスが弾け飛んで、
その内側から、腐汁と汚液にまみれた醜悪な肉体が露わとなった。


472 :
(8)
まず、麗子に襲い掛かったのは、スーツを羽織っていた方のゾンビ・・・・かつての父親だった。
ゾンビにしては俊敏な動作で、祭壇の上へと飛び乗るやいなや、
少女の上体を跨ぐ格好で、防具を剥ぎ取られてむき出し状態の胸の狭間に、
腐りかけた青白い生殖器を通し、そのまま口元へと突き入れてくる。
「うぐぅッ!?」
ブヨブヨとした腐肉の感触と共に、ぞっとするような臭が気道へと流れ込んできて、
喉の奥から強烈な嘔吐感がこみ上がってきた。
思わず噎せ返った赤毛の少女の顎にゾンビの両手が伸びて、
がっちりと挟み込んだと思うと、万力のような力で動きを封じてしまう。
そのまま、ピストン運動を開始する父親妖魔。
息苦しさのあまり、舌先がピクピクと舞い跳ねて、
心ならずも、口内に突き込まれている肉先に舌を這わせる格好になってしまった。
苦しさと屈辱感とで頭がぼうっとなり、眼尻から大粒の涙が溢れ出す。
無論、口内の汚物を吐き出そうと懸命の努力を重ねてはいるものの、
ゾンビの両手は頭の両側から閂を掛けられたかのようにがっちりと顎を固定し、微動だにしない。


473 :
(9)
『・・・・ギギ・・・・いいぞ・・・・麗子・・・・その調子だ・・・・』
腹の底から搾り出すように呻いた父親ゾンビは、
通りを良くするために、強引に顎を反らせて口から喉までが一直線になるようにした上で、
口内を蹂躙していた陰茎を喉の奥までガシガシと突き入れ始めた。
白く細い麗子の喉元が、剛直が突入してくるたびにボコンボコンと膨れ上がり、
唇からは口腔内に滲み出している、得体の知れない粘汁が飛び散り続けている。
<ヴェカンタ>の作用なのだろうか、喉の奥まで犯され、苦しくてたまらないというのに、
意識は一定レベルに保たれたまま、酸欠状態にも陥らない。
それどころか、肉棒がガシガシと擦っていく口腔粘膜が、肉同士の摩擦によって快感を発生させていた。
丁度、飲食物を嚥下するときの、咽喉越しの快楽に似た心地よさが口の中を妖しく包み込んでいる。


474 :
(10)
『・・・・グギギ・・・・ノドの奥で・・・・締め付けやがる・・・・』
声を僅かに震わせながら呻くゾンビ妖魔。
体であっても官能を感じる事はできるのだろうか、かなり興奮しているようだった。
先程から、麗子のやや控えめなサイズの胸乳の間で、剛直の根元がぶるぶると震動し続けている。
――――と、次の瞬間。
どぴゅッ!!
肉先が口の中で激しく爆ぜ、白濁の粘塊を弾き出した。
仰け反らせている<戦士>の顎の裏に勢い良く直撃し、粘っこく飛散する。
突入を受けてボコボコと膨らんでいる白い喉の中を、生臭い濁液が走り抜けていく・・・・
「んんッ・・・・ぐふぅんッ!!」
半ば性感帯と化している喉奥粘膜に熱い汚濁をぶちまけられて、
麗子は、我知らず、屈辱の肉悦に総身を震わせてしまった。
きつく閉じていた瞼を薄く開けると、
涙滴越しに、自分の口腔を思うがままに犯しながら身悶えている、
父親ゾンピの醜悪きわまりない表情が視界に入る。


475 :
(11)
・・・・一方、エプロンドレスに身を包んでいた方のゾンビ・・・・母親役の妖魔の成れの果てが狙ったのは、赤毛の<戦士>の下半身だった。
衣服の下に隠されていた、大きさも色合いも様々な触手が繰り出され、
ビチャビチャと卑猥な水音を奏でながら、一糸纏わぬ麗子の花園へと襲いかかる。
おぞましいヌルヌル液を分泌しながらのたくり回る肉縄にカラダの上を好き勝手に這い回られると、
人間の舌先の滑らかさと勃起した陰茎の生硬さとが一体となったかのような独特の感触で、全身に鳥肌立つ悪寒を生じてしまう。
「あうッ・・・・うぐぅ・・・・ぐごぎゅう・・・・!!」
口の中を父親ゾンビの剛直によって占領されているため、喘ぎ声こそ聞こえてはこないものの、
与えられる刺激に対して、肉体が敏感に反応し始めているのは明らかだった。
<ヴェカンタ>による肉体への侵蝕と再構成を受けて、力と感覚を取り戻しつつある麗子のカラダは、
全身にたっぷりと唾液を吐きかけられて、それを肉ブラシで塗り延ばされているかの如き触感を得て、
抗い難い淫熱に火照り、びゅくん、びゅくん、と不規則な痙攣を発し始めている。


476 :
(12)
「うぶゅッ・・・・ぐぼぎゅううッ・・・・!!」
ぞっとするような感触に声が震える。
無数の触手たちが餌に群がるウナギのように少女の股間に集中していく。
下半身全体をくまなく覆い尽くさんばかりの触手の大群はその姿だけでもこの上なくおぞましく、
正気の人間ならば、数分を待たずして精神の平衡を失いかねない代物だったが、
<ヴェカンタ>によって支配されつつある麗子の心は、その感触に沸き立ち、疼きさえ感じてしまっていた。
ビチュッ・・・・ビチャチュッ・・・・ジュビチュルッ!!
ぬるぬると這い回る肉蛇たちが、まるで全身を舐め回す舌の大群のように肉悦の昂ぶりを押し上げていく。
恐怖と嫌悪感は薄れるばかりか、ますます増大する一方なのにも関わらず、
肉体の用意は完全に出来上がり、陵辱の瞬間を今や遅しと待ち焦がれているかのようである.。
――――そして、次の瞬間ッ!!!!


477 :
(13)
一斉に、赤毛の少女の蜜壷へと雪崩れ込んでくる、大小の触手たち。
ほんの一瞬だけ、恐怖感が<ヴェカンタ>のもたらす官能への期待感を上回って、
反射的に両脚を――――正確には、左脚と右脚の膝から上の部分を――――閉じようとする麗子だが、そんな事はもはや到底不可能だった。
僅かに閉じかけた太股がこれ以上無いほど大きく割り広げられ、緊縛される。
「ぐッ・・・・ぐぼォおおおオオッッッ!!!!」
髪を振り乱しながら仰け反る麗子。
皮肉にも、父親ゾンビの強制イマラチオのために顔面を左右から固定されていたせいで、
大事にこそ至らなかったものの、
それが無ければ、あるいは頚椎を損傷していたかもしれない程の激しい動きだった。
相前後して、想像を絶する性の快感に絶叫が放ち上げられ、
まるで壊れかけた自動人形のように、全身が無茶苦茶に跳ね回る。


478 :
(14)
燻され続けていた官能が、その中心である女性器への侵入を受けて爆発した。
子宮から脳天に向けて、稲妻のような快感が駆け抜ける。
その快感を更に押し上げようとするかの如く、全身を這いずる触手たちの動きも活発化する。
まだ無事な左腕と左脚は勿論の事、無残に断ち切られた右腕と右脚にも複数の肉縄が絡み付き、
<戦士>の四肢をぬるぬると締め続けている。
大きく仰け反り、快楽信号が駆け巡っている背筋でも無数の肉蛇が愛撫を続け、
別の一団は、膣内に到している無数の同胞もろとも、少女の腰をぐいっと持ち上げて、
丸みを帯びた尻たぶを祭壇から浮き上がらせ、ヌメヌメとした筒先で撫で回していた。
――――そこへ更に、上半身を犯している父親ゾンビが追い討ちをかけてくる。


479 :
(15)
『ギギギ・・・・飲み干すんだ・・・・父さんの精を・・・・一滴残らず・・・・!!』
ゴロゴロと喉を鳴らしながら、血走った眼で愛娘を見下ろす、かつての父親。
同時に、口腔内に突き入れられていた怒張が、びぎッ、と硬直し、
一呼吸置いて、ぶるるッ、と小刻みに揺れ始めた。
「げはぁッ!?」
麗子の喉奥目がけてブチ込まれる、白濁粘液。
細い喉が流し込まれる精液によって内側から押し上げられ、ビュクビュクと膨れ上がる。
声にならない呻き声を上げて悶絶する赤毛の少女・・・・
<ヴェカンタの戦士>として覚醒する以前、
目の前の怪物を本物の父母と信じて桐島家の令嬢としての生活を送っていた頃に経験した事のある、
人間の男の射精とは比べ物にならない量と勢いを備えた汚液の奔流が口の中に流し込まれてくる。


480 :
(16)
『ギギッ・・・・グギギィ・・・・ギギグェギギィ・・・・!!』
少女の上で、狂ったように己の体を揺らしながら、意味不明な叫び声を放ち上げるゾンビ妖魔。
延々と放たれる生臭い精汁の大半は、喉奥から食道へと流れ落ち、胃袋へと溜まっていくが、
流れ切れない分は狭い喉の内側を逆流して、口の中へと溢れ返り、
腐臭を放つ陰茎を咥え込んでいる唇の隙間から、ブバァッ、と飛び出してしまう。
「げほッ・・・・んげへぇッ・・・・ごはぁああッ!!」
生臭い匂いが口腔から鼻孔へと抜けて、麗子は呼吸困難に陥った。
既に<ヴェカンタ>の魔力が全身の細胞の殆どにまで行き渡っているため、
たとえこのまま窒息しようとに至る事は無いが、同時に、息が出来ない苦しさも止まる事は無い。
喉は、内も外も父親ゾンビの吐き散らす濁液にまみれてドロドロになり、
そのおぞましさに火照ったうなじがゾクゾクと震えている。
まるで、未来永劫続くかのような怒涛の射精がようやく終わりを迎える頃には、
麗子は、陸に打ち上げられた魚のようにピクピクと力なく痙攣を発するばかり、
生きているのかんでいるのかさえ覚束ない態で白濁した粘液の中をのた打ち回っていた。


481 :
(17)
『ギギギ・・・・まだだよ・・・・麗子・・・・まだ終わりじゃない・・・・』
『グググ・・・・そうとも・・・・可愛い麗子・・・・もっともっと・・・・お母さんたちを愉しませておくれ・・・・』
崩れかけた顔面を奇怪に歪めながら、冥府から黄泉返った両親が愛娘の顔を覗き込む。
それを合図にしたかのように、今まで少女の下半身を思い思いに陵辱していた触手たちが、
一時的に彼女の体から離れ、母親ゾンビの体内へと舞い戻っていった。
支えを失って祭壇の上へと崩れ落ちる麗子のカラダ――――
それを抱き起こしたゾンビ妖魔たちは、父親が前に、母親が背後に陣取って、
胡坐座になり、それぞれ少女の前後の穴に狙いを定めて、再び男根と触手とを這わせていく・・・・。
「あぐッ・・・・あああッ・・・・ひはぁ・・・・くはぁああんッ!!」
強制的に意識を引き戻された麗子の口元からは、程無くして声が漏れ始めた。
父親ゾンビの怒張によって口元を封じられていない分、
先刻までと異なり、喘ぎ声ははっきりと周囲に響き渡り、苦痛も官能も明瞭に聞き取れる。


482 :
(18)
剥き出しのままの胸乳には触手が絡み付き、二つの乳首をきつく絞り上げていた。
首筋へと巻き付いた淫蛇はうなじから鎖骨にかけて思う存分這いずり回り、
手足を絡め取っている肉ミミズは指の間にまで入り込んで、ヌルヌルとした体液を塗り込めてくる。
全身を襲う、おぞましくも魅惑的な肉の感触が、女性器を突き上げられるヨロコビと渾然一体となり、
めくるめく快楽の波動を生み出し続けている。
一方、触手の一部は、麗子の臀部へと向かい、
程良く引き締まった<戦士>の尻たぶを、感度を確かめるかのように這い回り始めた。
「っ!?」
未知の感覚に仰け反る、赤毛の少女。
肛門性交は初めてではないが、
牝膣を責め立てられながら同時にアナルを抉られる、いわゆる二穴責めは経験した事が無かった。
しかも、一方は男根、もう一方は触手、という異なる得物を用いたダブルの刺激である。


483 :
(19)
「あが・・・・あぐぅ・・・・あうぁううう・・・・!!」
触手の先端が、肛門を丸く押し開いて、すぼまりの中へと侵入してきた。
大量に分泌されている粘液が潤滑剤の役割を果たしているのか、さしたる痛みは感じない。
そのままグボグボと突入を開始した肉の槍先が、
何処までも深く潜り込み、直腸を限界まで引き伸ばしていく。
喘ぎ声が急速に切迫し、熱を帯びていく。
窄まった尻肉と蠕動する肉縄とが擦れ合って生まれる妖しい喜悦が、
<戦士>の涙腺を緩ませ、随喜の涙を溢れさせる。
うっすらとピンク色に上気した生尻を、どす黒い触手に撫で回され続け、
粘っこい体液によってヌルヌルに汚されながら、その中心部にある肛門を激しく責め嬲られている赤毛の少女。
皺深い子穴が触手の内径の太さまで押し拡げられて、皺が完全に延び切ってしまっている。
・・・・そして、女性器を犯している父親ゾンビの剛直と肛門を穿り返している触手たちの動きが、
腹の肉壁を隔てて擦れ合い、共鳴し合う。


484 :
(20)
「ひゃ・・・・ひゃめて・・・・もう・・・・もう・・・・!!」
麗子の叫び声など何の力も持たなかった。
つがいのゾンビたちは前と後ろから肉穴を責め立て、激しく突きまくる。
彼女のカラダがどうなろうとも構わない、という暴力的な性交・・・・
本来ならば、激痛によって意識を失っていても不思議ではなかったが、
<ヴェカンタ>の魔力は、少女の全身を敏感な性感帯へと変貌させてしまっていた。
どんなに乱暴な責めも痛みを感じる前に官能へと置き換えられ、肉の悦びへとすり替えられてしまう。
「あ・・・・あが・・・・うぐがぁあッ・・・・!!」
引き千切られるのではないかと思える程、乳首がきつく締め上げられる。
体中を這い回っていた触手たちがぎゅうぎゅうと手足を引き絞った。
逞しい男根を咥え込んだ大陰唇がわなわなと震え、
大量の触手が到した肛門から、彼らの体液とともに半透明な腸液が滴り落ちる。
すでに頭の中は真っ白な光によって埋め尽くされ、
ピンク色の靄がかかった瞼の裏側では極彩色の電気火花がバチバチと舞っていた。


485 :
(21)
『ギギギ・・・・さあ、仕上げだ・・・・父さんの精を・・・・受け入れろォッ!!』
『グググ・・・・お母さんも・・・・お尻をメチャクチャにしてあげる・・・・覚悟しなァッ!!』
ゾンビ妖魔たちが咆哮すると同時に、
麗子の身体の上でのたくっていた触手という触手が、一斉に鎌首をもたげて射精の構えに入った。
・・・・どぴゅッ!!どぴゅぴゅぴゅうッ!!どびゅうううううッッッ!!!!
無数の肉先から白濁した粘液が迸った。
膣内を抉り抜いている父親ゾンビの肉槍も、勿論、射精を開始している。
先程、あれほど大量の精汁を喉奥に放ったばかりだというのに、
疲れを知らない妖魔の剛直からはまるで連発式の打ち上げ花火のように次々と射精が繰り出され、
あっという間に狭い膣道内に溢れ返ったばかりか、子宮までも一杯に満たしてしまった。


486 :
(22)
母親ゾンビの触手も負けてはいない。
充血して赤く腫れ上がった窄まりを引き裂かんばかりに押し広げて、
十数本もの肉縄を強引に肛門へと突き入れた上、
直腸壁を代わる代わる嬲り回し、じゅくじゅくと溢れ出す腸液を搾り取っていく。
菊門に入りきらなかった触手たちは、仕方なく、尻穴の周囲を撫で回し、
アナルから漏れ出したヌメヌメ液を舐めしゃぶっていたのだが、
やがて、女陰部へと向かう狭い割れ目・・・・俗に言う、蟻の門渡りに沿って移動を開始し、
途中にあるもう一つの排泄器官――――膀胱へと目を付けて、瞬く間にこれを蹂躙してしまう。


487 :
(23)
「アアッ・・・・ウアアア・・・・アッアッ・・・・アウァアアアッッッ!!!!」
人体が耐え得る限界を遥かに超越した、凄まじい快感の嵐に、
麗子は獣のような唸り声を放ち上げながら絶頂に達した。
意識は完全に吹き飛び、視界は真っ白な闇に閉ざされてしまう。
脊髄の間を壮絶な快感が駆け巡り、
全身がバラバラになりそうな程の衝撃が頭蓋骨の中身をグチャグチャに攪拌した。
吐き出され続ける汚濁液のあまりの量と勢いに子宮が悲鳴を上げるものの、
その苦痛でさえも今の彼女にとっては快感に他ならない。
発狂しそうなくらいの喜悦の波動が何度も何度も執拗に押し寄せてきて、
少女の精神を粉々に打ち砕き、完膚なきまでに叩き潰してしまう。
――――と狂気に満ち満ちた、快楽地獄の真っ只中へと放り込まれた麗子の存在は、
逆巻く<ヴェカンタ>のアギトの底へと呑み込まれ、否も応も無く、変貌を遂げていった。
<暗黒界>の支配者が望む、暗黒の<戦士>、闇の奴隷、最強にして最後のゲームの駒へと・・・・。

488 :
(24)
『――――グウアアア・・・・ウガァアアアアアッッッ!!!!』
獣の雄叫びを上げて、麗子は、
・・・・否、かつて麗子だったモノは、石造りの祭壇から跳ね起きた。
禍々しく伸びた右腕を一閃すると、傍らにいたゾンビ妖魔のカラダが、グラリと傾ぎ、
次いで、グロテスクな笑いを満面に張りつけたままの二つの生首が、ゴロン、と転がり落ちる。
『グギァアアアアッ!!』
奇声を上げながら、<暗黒界>の戦士は祭壇の周囲を取り囲んでいた異形の者共に襲い掛かり、
その全てを、瞬く間に切り裂いていった。
戦いの中で喪われた筈の右肘から先の部分には、
竜のような鱗と禍々しい鉤爪を有する新たな腕が生え変わり、
右ひざから下には、奇怪にねじくれた猛禽のそれのような下肢が継ぎ足されている。


489 :
(25)
『ススススス・・・・・・・・』
理性を失い、戮と破壊への欲望によって支配された瞳の中で赤黒い焔が燃え盛っていた。
身に纏う甲冑は、<ヴァリス>の祝福を享けた黄金の鎧でもなく、<ヴェカンタ>の加護の宿る漆黒の鎧でもなく、
戦場での機能のみを考えて生み出されたかのような、およそ優美さの欠片も無い、無骨な戦闘装備に過ぎない。
『ククク・・・・』
漆黒の瘴気の中に響き渡る、くぐもった笑い。
『そうだ・・・・麗子。
今の貴様には、その闇そのものを封じた戦装束こそがお似合いよ。
もはや、<ヴェカンタの戦士>ですら在り得ぬ、不浄なるケダモノに過ぎぬ貴様には、な・・・・』

――――――――TO BE CONTINUED.


490 :
以上、第26章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存じます〜。
・・・・それにしても、今回は本当に難産でした。
3月から5月という、(私の職場で)一年で一番忙しい時期にあたっていた上、
公私共にストレスの溜まる事が連続して起き、心身のバランスを崩しかけたり、と大変でした。
何とか完成に漕ぎつける事ができて、私自身、ほっと胸を撫で下ろしています。
次回は、今回の続き(『3V』第27章)の予定です。
発表時期は、ひとまず8月中、とさせて頂きます。
それでは今夜はこの辺で〜。

491 :
本当にお疲れ様でした。お体を大切に。

492 :
ゾンビ姦って腐汁とかおぞましさで女に与えるダメージはでかいんだけど見ている側にもダメージがでかい

493 :
保守

494 :
鯖落ち対処

495 :
tes

496 :
皆様、大変長らくお待たせいたしました。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第27章、本日完成いたしました。
明日の夜22:00頃より投下を開始いたしますので、宜しくお願いいたします〜。。

497 :
皆様、お待たせいたしました〜。
只今より、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第27章の投下を開始いたします。
なお、本章は、ZOL先生の『夢幻戦士ヴァリス』本編の、
コミック第4巻P.15〜P.81に相当する部分の内容を適宜抜粋し、エロパロ化したものです。
それでは、お楽しみ下さいませ〜。


498 :
(1)
――――サザーランド。ニゼッティーの神殿。地下部分。
カツ、コツ・・・・カツ、コツ・・・・。
磨き上げられた大理石を模した、セラミック・タイルの回廊に、規則正しい靴音が木霊する。
足音の主は、黒いフロックコートに身を包む、痩せこけた老人・・・・
ログレス軍の侵攻を受け、と破壊によって覆い尽くされた、この<世界>――――サザーランドの管理者たる、賢者ニゼッティー。
全てを合わせれば、数キロ近くも続いているだろうか?長大な円軌道を描く回廊を、
杖の助けを借りて半周し、目的の場所へと到達する。
「ついに・・・・最後の時が来た、か・・・・」
呼吸を整えながら、ゆっくりと視線を巡らせる黒衣の老人。
目の前に広がるのは、回廊の内径一杯を使って構築された、巨大な球状の魔道装置。
セラミックと金属の構造材が、あたかも、巨人の内臓であるかの如く、複雑に組み合わさったその外観は、
人工の物体であるのは明らかにも関わらず、何処か、現実離れした雰囲気を帯びていた。
しばらくの間、老いた双眸を凝らしつつ、
ニゼッティーは、数百年の長きに渡って稼動を見守ってきた、
サザーランドの存在意義そのものとも言える魔道機械を、愛しげに眺めやる。
――――と。


499 :
(2)
『何をするつもりなのですか、ニゼッティー?』
何の前触れもなく、老人の眼前に顕現したのは、純白の神衣を纏った女性の姿。
この地より遥か遠く、幾つもの時空と次元障壁とを隔てた彼方にある、<夢幻界>を統べる超越的存在、<幻想王女>ヴァリアの思念によって生み出された、巨大なホログラムだった。
「ヴァリア様・・・・」
静かに頭を垂れ、立体映像の送り手への畏敬の念を示す老賢者。
・・・・だが、表情には驚きの色は微塵も無く、
彼女の突然の来訪も既に織り込み済みであった、とでも言いたげに落ち着き払っていた。
『ここは、サザーランドの中枢、次元を超えて行き交う無数の魂が集う場所。それが、最後、とは?』
均衡と調和を司る女神の思念にも、老人への詰問や制止を目的とする様子はあまりない。
むしろ、彼の行動を確かめた上で追認を与えようという意図の下に発せられているかのような、
何処となく、淡々とした調子を帯びている。
対するニゼッティーは、問いかけへの答えをすぐには口にしようとせず、
手にした白銀の杖を持ち上げると、数世紀にわたる使用によって磨耗しかけている握り手の部分に力を加え、静かに捻り込んだ。


500 :
(3)
――――ジャラリ。
取り外された杖本体の中から現れたのは、
創られて以後、一度も使用を経ていないのが遠目にも明らかな、クリスタルの鍵。
長年にわたって本来の用途を衆目から隠し通す役目を果たしてきた杖を傍らの壁に立てかけると、
黒衣の賢者は、清冽な輝きを湛えた駆動キーに視線を落としつつ、はじめて口を開いた。
「貴女さまも薄々はお気付きだったのではございませぬか?
<暗黒界>の軍勢が来ようが来るまいが、サザーランドは既にんだも同然だった事に」
『・・・・・・・・』
女神の立体映像の、瞳孔の無い双眸が僅かに翳りを帯びる。
水晶の鍵を手にした老人は、無言のまま、更に数歩、回廊の終着点に向かって歩みを進めると、
そこに鎮座している制御台に穿たれた黒い穴――――コントロール・キーの差込口に向かって先端部を押し込んだ。
「もう何年も前から、サザーランドに新たな魂が転生してくる事はなくなっていました。
おそらくは・・・・優子たち三人を生み出した、アイザード卿の一連の実験が、
この<世界>の持っていた特殊な形質を変容させ、それを利用して行われていた、<戦士>の転生システムを機能不全に陥らせてしまったのでしょう」


501 :
(4)
「この<世界>・・・・サザーランドは、もう、とっくに役割を終えていたのです」
――――ガシャンッ!!
些かの躊躇いも無く、コントロール・キーを半回転させる、ニゼッティー。
更に、老人の皺だらけの手指が、制御台の上にあるスイッチやレバーを次々とONにしていく。
ゴウゥウゥゥゥンンン・・・・!!!!
地の底から湧き上がってくるかの如き重苦しい音が魔道装置の内奥から漏れ始め、
地鳴りのような低周波振動と、古くなって錆付きかけた蝶番が軋むような耳障りな金属音がその後に続く。
まるで、破滅の淵に瀕したサザーランドそのものが発する断末魔の喘鳴の如く、
苦悶に満ちた響きを背にしながら、黙々と操作を続ける黒衣の賢者・・・・。
「加えて、<暗黒界>の次元侵攻艦隊による今回の攻撃・・・・。
即座の壊滅は免れましたが、魔道機械を維持するためのシステムに致命的な損害が生じ、
残念ながら、回復する手段はございません。
完全停止の前に、まだ残っている全ての魂を解放し、転生させる――――それが私の最後の務めとなるでしょう」


502 :
(5)
『・・・・何と言って詫びれば良いのでしょう・・・・私は・・・・』
意外にも、ヴァリアが発した言葉には、深い悔恨の念が滲んでいた。
多元宇宙を律する数多の法則のうち、<明>の領域に属する全てを司る<夢幻界>の支配者のものとは信じ難い程に弱々しい、思念、そして、想い。
「詫びる、と仰いましたか?」
静かな声で問い返す、黒衣の老賢者。
その間も、コンソールを操作する手は休む事無く動き続けている。
しばしの間、口篭った女神からは、やがて、苦渋に満ちた思念が返ってきた。
『――――<暗黒界>は、いわば私の半身。
遥か昔、己れの中に在る<ヴェカンタ>を、忌まわしきものと看做し、否定し、葬り去らんとして、
私は、あれを、遠い次元の彼方に封じました。
時空の安定のためにはこうするしかない、と考えた上で。
しかしながら・・・・今にして思えば、本当にあのやり方で良かったのか?
もっと他にやりようが在ったのではないだろうか?と――――』


503 :
(6)
「フム・・・・貴女様といえども、そのようにして、ご自分をお責めになる事がお有りなのですかな?」
最後のレバーに手をかけながら呟いた、ニゼッティーの言葉は、
もはや耳を聾するばかりにまでなった騒音と振動によって半ば掻き消されている。
だが、老人は、己れの意志があらゆる時間と空間を超越して、<夢幻界>の神座へと届いている事に微塵も疑いを抱いてはいなかった。
「――――時には、ご自分の決断を振り返ってみるのも良いでしょう。
しかし、過去の出来事に囚われているだけならば、
それは結局のところ、堂々巡りに過ぎないのではございませぬか?」
老いさらばえた腕に残った力が振り絞られ、ゆっくりとレバーが押し下げられていく。
途端に、それまで周囲を煌々と照らし出していた人工照明が、パッ、と消え去り、
非常電源に切り替わった事を知らせる赤色灯が、切迫した間隔で明滅を繰り返し始めた。
聳え立つ魔道装置のあちらこちらで、ロックが外れ、隔壁が開放される騒々しい大合唱が始まり、
途方もない負荷に耐えかねた一部の構造材がひしゃげて、砕け散っていく。


504 :
(7)
「さぁ、そろそろお別れです・・・・ヴァリア様」
額に滲んだ汗粒を袖口で拭ったニゼッティーは、
女神の立体映像に向き直ると、背筋を伸ばして直立不動の姿勢をとり、
次いで、黒衣に包まれた老体を折って、深々と一礼した。
背後で、轟音を発する魔道機械が真ん中から分離し始め、
開口部分から飛び出してきた、無数の光・・・・転生の道を閉ざされたまま、空しく時を過ごしていた<戦士>の魂魄が、無秩序な軌跡を描きながら、二人の周囲を踊り回る。
「・・・・彷徨える魂たちを、どうか、お導き下さい。
そして、手を差し伸べてやって下さい。
たとえ、闇雲にであろうと、ひたすら前に進み続けようと希い求める者達に――――」
『ニゼッティー・・・・』
黙礼したまま動きを止めた黒衣の賢者の姿が光の渦の中へと呑み込まれ、消えていく。
幾世紀にも渡る使命を果たし終えた老人の最期を看取ったヴァリアの思念体もまた、
託された数多の<戦士>の魂と共に、サザーランドの大地を離れ、時空の彼方へと飛び去っていく。
内部に封じられていた全ての魂を解き放った後、誰からも顧みられる事のなくなった魔道機械は、
やがて、力尽きたかのように動きを止めると、自らの生み出した負荷に耐えかねて圧潰し始めた。
前後して、装置を維持し、<戦士>たちの魂を守るために、かろうじて保たれていた機能が停止し、
<世界>そのものが虚数の海へと呑み込まれていく。
――――それが、サザーランド・・・・三界の狭間に位置する黄昏の世界の、終焉だった。


505 :
(8)
――――因果地平の彼方。何処とも知れぬ、薄明の世界。
(フフ・・・・ニゼッティーも逝きましたか。
しかも、あんなに沢山の置き土産を残してとは、些か驚かされましたよ)
かつて、美貌と強壮を誇った肉体は滅び去って久しく、
かろうじて冥府に没する運命からの脱出には成功した魂魄も、
いつ終わるとも知れぬ、幽閉同然の日々によって徐々に衰弱し、
すでに、幽鬼としてすら、自己の存在を維持出来なくなりつつある。
それでいて、<彼>の意志は磨耗するどころか、益々堅固さを増していた。
・・・・妄執、否、もはや、確信と言っても過言ではないだろう、
最近では、<彼>は、はっきりと自覚するようになっていた――――己れが、新しき神となって、全ての時空を手中に収め、睥睨する姿を。
(まぁ、良いでしょう。
いずれ、この私の血となり肉となって、新たなる秩序を創り出す源へと生まれ変わる者達なのですから。
ククク・・・・ニゼッティー、あなたからの最後の贈り物、せいぜい有難く使わせて頂くとしますよ・・・・)

506 :
(9)
<暗黒界>。帝都ヴェカンタニア上空。
(――――もう、何も・・・・誰も失いたくないッ!)
至る所から炎と煙を噴き上げ、暖炉に投げ込まれたコークスのように燃え盛る魔都。
空中には、散々に撃ち減らされたにも関わらず、今なお数百隻に及ばんとする数の艦艇がひしめき合い、
後方に鎮座するログレスの王城
――――すでに地上構造部分の大半は破壊し尽くされ瓦礫の山と化していたが――――を、
それでもなお、守せんと迎撃を試みている。
「時間が無い・・・・あの裂け目から城内に突入するぞッ!!
城の地下まで、一気に突き破るッ!!」
残存艦隊によるに物狂いの弾幕射撃をものともせずに、
背中の蝙蝠羽根を一杯に拡げ、風鳴り音を轟かせながら、急降下していくドラゴ。
後続するのは、二人の<ヴァリスの戦士>・・・・優子とヴァルナ。
次元の回廊を通り抜けて、暗黒王の支配領域に突入した時の人数から、一人が減っていた。


507 :
(10)
(・・・・デルフィナ・・・・)
涙で霞んだ優子の視界。
映っているのは、美しいブロンドをなびかせた女エルフの、在りし日の姿。
少しはにかんだ微笑みを浮べつつ、握手を求めて利き手を差し出している、もはや、三界の何処にも存在しない彼女。
<ヴァリスの戦士>である自分とヴァルナの進路を切り開くため、
己れの身を<ヴァリス・オア>に捧げて散った生粋の<戦士>と、はじめて心が通じ合った瞬間の記憶だった。
――――――・・・・。
「さらばだ、ドラゴ。地獄で待っているぞ・・・・」
ドラゴンの背中から空中に身を躍らせた時、デルフィナの肉体はすでに限界に達していた。
炎邪ベノンの呪詛に蝕まれた心身を保たせるために縋った禁断の施術、
<ヴァリス・オア>の注入によって、かろうじて生命永らえはしたものの、
優子たち三人を誕生させた実験と基本原理を同じくするアイザードの技術により、<戦士>としての形質の一部を後天的に移植されていたと言っても、
結局のところ、彼女は真正の<ヴァリスの戦士>では有り得なかった。
注入された<ヴァリス・オア>は体内で安定する事無く、
ベノンの毒に冒された部位だけでなく、正常な体組織までも喰らって、癌細胞のように増殖を続けている。
これまでは、意志の力で何とか暴走を抑え込んで来たのだが、
ヴェカンタニア上空におけるログレスの軍団との激闘に次ぐ激闘は、
女戦士の精神を疲弊させ、<ヴァリス・オア>の侵蝕に抗い得るだけの余裕を奪い去っていた。


508 :
(11)
天空を埋め尽くすかの如き大艦隊の艦列を削り取りながらじりじりと前進を続け、
ログレスの居城まであと僅か、という地点に達した時には、
すでに<ヴァリス・オア>による侵蝕はデルフィナの右半身全体に及ぼうとしていた。
右腕の肘から先と右脚の膝から下は、得体の知れないクリスタルによって完全に覆い尽くされ、
残りの部分も、細胞組織の変容が内臓器官にまで達しようとしている。
優子たちと出会う遥か以前の戦闘によって視力を喪失した右目
――――仲間たちの前では、刀の鍔を模した眼帯で覆っていたが――――は、赤々と光り輝く紅玉によって取って代わられ、
その周囲の面立ちも、有機物とも無機物ともつかない、不気味な物質への変成が進行しつつある。
(もはや、これまでか・・・・)
変わり果てた自らの容姿に、最後の覚悟を固める女エルフ。
自分でも不思議な事に、口惜しさや未練といった感情は殆ど無く、心の中は晴れやかに澄み渡っている。
たしかに、最後まで優子の傍で戦えないのは残念だったが、
すでに自分の肉体はボロボロの状態で、ドラゴの助けなしでは移動さえままならない。
どう考えても、このままでは足手まといになるだけなのは明白だった。
あの<現実界>の少女の友として、いや、それ以前に、一人の<戦士>として、
そんな無様な有様となってまで生に執着する姿を戦友たちの眼前に晒すのは、恥辱以外の何物でもない。


509 :
(12)
(お別れだ、優子、ヴァルナ。短い間だったが、一緒に戦えた事を誇りに思うぞ)
視力の衰えた隻眼を懸命に凝らし、
蒼髪をなびかせつつ<ヴァリスの剣>を振るう優子と、
杖をかざし、一心不乱に呪文を詠唱するヴァルナを遠目に眺めながら、別れの言葉を呟くデルフィナ。
次いで、未だ完全に侵蝕が及んでおらず、指先の感覚が残っている左手で、
緑色のウロコに覆われた、風のドラゴンの背中を、愛しそうに撫で上げ、肌触りを記憶に刻み込む。
(――――さぁて、それじゃあ、最期に、に華咲かせて貰うとするよ)
目線を上げて、周囲を見回す。
すでに<ヴァリス・オア>による侵蝕が視神経にまで達しているのだろう、
まるで、太陽に飛び込んだかのように、視界全体が真っ赤に染まっていた。
肉体の変容ぶりは更に凄まじく、クリスタル化した体の一部は物質としての実体さえ保てなくなって、
膨大な量のエネルギーを吐き出しながら、自壊を始めている。
(最後の相手くらい、ゆっくりと選ばせて欲しいものだが・・・・そういう訳にもいかないようだね)
軽く舌打ちを漏らしたデルフィナは、手早く周囲に視線を巡らせて、最後の獲物を物色する。
・・・・幸か不幸か、獲物を発見するのに時間は要さなかった。
真紅に染まった視界に浮かぶ、最も大きく、禍々しいシルエット・・・・
ログレス城の直上を守る、おそらくは<暗黒界>側の総旗艦、地獄への道連れにするには、まさにうってつけの存在だ、と言って良いだろう。


510 :
(13)
「――――あとは、上手くやれよ・・・・優子ッ!!!!」
「デ、デルフィナァアアッッッ!!!!」
天空の戦場に木霊する、二人の<戦士>の叫びと叫び。
に行く者と生き続ける者、両者の想いが、時間と空間を超越して交錯し
――――その直後、圧倒的な熱と光が全てを呑み込み、掻き消してしまう。
「し、城がッ!?」
<ヴァリス・オア>と半ば融合した女戦士の、文字通り、生命を燃やし尽くした特攻によって、
グロテスクな形状をした巨大戦艦は一瞬にして火達磨と化し、轟沈する。
その爆発は周囲に展開していた大小の艦艇を巻き込んだだけでなく、
直下に聳え立つ暗黒王の居城に向かって、燃え盛る流星へと変じた無数の破片を降り注がせた。
これには、堅牢無比と謳われた<暗黒界>の王城も、無傷では済まなかった。
天を衝いて聳え立つ尖塔も、幾重にも張り巡らされた城壁も、ボール紙のように引き裂かれて、無残な瓦礫の山へと変わっていく・・・・あたかも、城の真ん中で、小さな星が爆発を起こしたかの如く。


511 :
(14)
(デルフィナ・・・・)
頬を伝う涙が、銀色の光となって流れ落ちていく。
彼女との出会いはほんの数日前の出来事だというのに、
しかも、出会った直後は、互いに少なからぬ誤解と反発を抱き合い、
全て帳消しにして分かり合うまでに幾度となく衝突を繰り返した筈なのに、
もう何年もの間、ずっと一緒に過ごしてきたかのように感じられてならないのは一体何故だろう?
『お前の事が気に入った!――――それだけじゃ、不足かな?』
<現実界>と<暗黒界>、生れ落ちた<世界>の壁を乗り越えて、友情を誓い合った、
あの時のデルフィナの笑顔、そして、握り締めた手の温かな感触は未だに忘れられない。
考えてみれば、彼女は、自分が心を通わせ合う事に成功した最初の異世界人だった。
彼女と信頼関係を構築出来たからこそ、
ヴァルナをはじめ、ドラゴやヴォルデスとも、あんなにもスムーズに手を取り合えたのだし、
麗子との和解という、限りなくゼロに近い可能性に賭けてみる、
傍目には、暴挙としか映らない決断に踏み切る勇気も持てたのかもしれない・・・・。


512 :
(15)
「それだけじゃない・・・・」
――――加えて、もう一つ、今の優子には良く理解出来る事がある。
デルフィナは、戦いに・・・・その結果、好むと好まざるとに関わらず、他人を戦いに巻き込み、傷付けてしまう事に怯え竦み、
<戦士>の心を失いかけていた自分を彼女なりに気にかけ、優しく包み込んでくれていた、という事実。
多少、やり方が強引だったのは間違いないし、そのせいで彼女の真意を随分と誤解したりもしたのだが、
今、振り返ってみれば、あの行為は自分の不安を消し去り、励ましたいと考えてのものだったに違いない。
(・・・・そうだよね・・・・デルフィナ・・・・)
そっと瞑目し、在りし日の記憶を掘り起こす蒼髪の少女。
瞼に浮かぶのは、彼女と出会った直後の出来事・・・・
ベノンの追撃を避け、身を潜めていた安ホテルの一室で、
負傷した腕を治癒させるための『治療行為』という名目で耽溺した、めくるめく愛欲の思い出に他ならない。


513 :
(16)
「胸当てが邪魔だな。外すぞ」
そう、ベッドの上に組み敷いた優子の耳元に向かって囁きかけながら、
デルフィナは、黄金の輝きを放つ胸甲の曲線を人差し指でそっとなぞった。
実際には、素肌はおろか、鎧の表面にさえ触れられていないにも関わらず、
指の動きを感じただけで、呼吸を弾ませ、悩ましげな喘ぎ声を漏らしてしまう、蒼髪の少女。
カチャリ、と小さな音がして、留め金が外れ、形の良い脹らみを優しく包み込んでいた防具が取り払われると、
これまで執拗に繰り返された前戯によって、たっぷりと汗に濡れ、ピンク色に上気した乳房が曝け出された。
「フッ、大きさは今一つだが、綺麗な乳だ・・・・どれ、少し味見させてくれ」
妖艶な微笑を湛えた女エルフのクチビルが、目の前の生白い果実へと近付いていく。
無論、今一つの大きさ、というのは、彼女自身のバストサイズと比較しての話であり、
お行儀良く並んでいる少女の双乳は、
同じ年頃の<現実界>の娘たちと比べて、平均以下のボリュームしかない、とは到底思えなかった。
むしろ、未だ発育の途上にあるにも関わらず、
これだけの豊かさを誇っているのは大健闘と評しても過言ではない筈である。


514 :
(17)
「フフ、見られただけで乳首が硬くなってきたぞ?随分と感度が良さそうじゃないか・・・・」
興味津々な眼差しが、ほのかな桜色に染まった乳輪とその中央に位置する乳頭に向かって注がれる。
クチビルが触れるか触れないかの所まで来て、一旦停止し、生温かい息をそっと吹きかけると、
顔面を真っ赤に紅潮させた蒼髪の少女は、焦れったそうに眉を寄せて、睫毛の先をピクピクと震わせた。
「あうう・・・・そ、そんなコト、言わないで・・・・恥ずかしい・・・・」
ビンビンに張り詰めた、左右の脹らみが、緊張に耐え切れず、不規則な痙攣を発し始めると、
その先端部、ピンク色の乳輪から突き出した可愛らしい突起物に向かって、
くすぐったいような、むず痒いような、明状し難い感覚が流れ込んでいく。
こみ上げてくる疼きに耐え切れず、普段は小指の先ほどの大きさしかない乳首が、
みるみるうちに隆起し、カラダをカチカチに強張らせていくにつれ、
胸郭の内側で律動を刻む心拍が、異様に甲高く、せわしなく鳴り響き、
口をついて漏れる吐息も、荒々しく、熱っぽいものに変わっていった。


515 :
(18)
「もう、先っちょが尖り始めてるな。もう我慢が利かなくなったのか?」
少し意地の悪い笑いを浮べながら、片方の乳房をすくい取った女エルフは、
親指の腹を使って、ピンク色の突起の根元にサワサワと優しく刺激を加える。
途端に、ひゃあッ!?という素っ頓狂な悲鳴を漏らした<ヴァリスの戦士>は、
勢い良く頤を跳ね上げ、生白い喉下を惜しげもなくさらけ出した。
たたでさえ硬くしこりつつある乳首は、巧みな愛撫によって送り込まれる性感に耐え切れず、
じんじんと熱く火照りつつ、まるで別の生き物であるかの如く、勝手に蠢き始めている。
「どうした?舐めて欲しいんだろう?
だったら、こう、声に出して言ってみろ。
"わたしのオッパイを口に含んで、噛んで、しゃぶって、吸い尽くして下さい"・・・・と」
――――ちゃんと最後まで言えたら、その通りにしてやる、と金髪美女は悪戯っぽく囁いた。
同時に、刻々と変化する優子の表情を観察しつつ、強弱や間隔を調整し、左右の脹らみをリズミカルに揉み込んでいく。
時に甲高く、切迫した、時に低く、伸びやかな、官能を滲ませて響き渡る喘ぎ声のトーン、
痙攣に包まれた手足の筋肉が飛び跳ねる間隔、秘裂の奥から湧出する愛液の量と粘つき具合・・・・、
敏感さを増した肉体は、みずみずしい胸乳に加えられる僅かな力の加減に対しても、各々異なるリアクションを返し、責め手の好奇心を飽きさせなかった。
いつの間にか、少女の背筋は見事な半月形のアーチを描いて反り返り、
甘い痺れに覆われた全身の汗腺からは、甘酸っぱさの中に牝のフェロモンが程よく溶け込んだ汗粒が無数に噴き上っている。


516 :
(19)
「ハァハァ・・・・わ、わたしの、オッパイをッ、
く、口に含んで・・・・噛んで・・・・ああッ・・・・だ、だめぇ・・・・ッ!!」
卑語を言葉にしているうちに完全に我慢できなくなってしまったのだろう、
蕩けきった目元に大粒の涙滴を溜め込んだまま、まるでむずかる赤子の如く、イヤイヤを繰り返す優子。
もはや一刻の猶予もならないのか、今にも泣きそうな表情を浮かべている。
だが、それでも、ブロンドのエルフは焦らし責めをやめようとはしなかった。
「フフフ、ダメだ・・・・最後まできちんと言えないなら、舐めてはやらん。
ほら、もう一度だけチャンスをやる、今度はちゃんと言ってみろ。
そぉら・・・・あと、5秒だ。4、3、2、1・・・・」
「う、ううっ・・・・わたしの、オ、オッパイを――――」
全身を苛む性感の疼きよりも、デルフィナの脅し文句への恐怖の方が優ったのだろうか?
蚊の鳴くような弱々しい声で、要求された通りの卑猥なセリフをなぞる<現実界>の少女。
途中、何度となく、しゃくり上げて来る喘ぎによって中断しながらも、
どうにか最後まで言い終えると、もう辛抱堪まらない、とばかりに、
自分から乳房を突き出して、約束の履行を催促し始めた。


517 :
(20)
「フフッ、しょうのないヤツだなァ」
ニヤリ、と、ほくそ笑んだブロンド美女は、目の前で弾む生汗の滲んだ双乳へと手を伸ばした。
途端に、少女の口から、くはぁあッ!!という、あさましい嬌声が迸り、
純白のプリーツ・スカートの奥の谷間から
――――ちなみに、すでにショーツは摺り下され、ロングブーツの爪先にかろうじて引っ掛かっている状態だった――――、
ムッとするような濃密な牝花の匂いが立ち昇る。
「そ〜ら、お待ちかねのご褒美だよッ・・・・存分に味わいなッ!!」
言うが早いか、デルフィナは、たっぷりと焦らされて限界寸前までしこったピンク色の突起にしゃぶりつき、
反対側のそれには細長くしなやかな指を絡めて、キュッ、キュッ、とテンポ良く扱き立て始めた。
左右の乳首へと襲い掛かる舌先と指先、各々触感の異なる、
だが、巧緻を極めたテクニックという点ではどちらも甲乙付け難い、快美な刺激・・・・。
「んぁあッ・・・・あくぅ・・・・はぁうんんッ!!」
トロトロの唾液を含ませた真っ赤な肉ナメクジが動き回るたび、
ザラザラとした味蕾が性感帯へと触れて、甘美な電流が背筋を走り抜け、
不随意筋が、ピクン、ピクン、と、活発に震えを発して、硬直と弛緩を繰り返す。
もう一方の、ツン、と身を尖らせている乳首に対しては、
強過ぎず弱過ぎず、絶妙な塩梅の指技が繰り出され、限界を超えた次元まで欲情を昂ぶらせていた。
執拗な焦らし愛撫によって極度に感じ易くなっていた肉ボタンは、
すでに直接触れられなくても、何かが近くを通過しただけで気配の変化を察知し、
ビクン、ビクン、と、あさましい脈動を発するまでに至っている。


518 :
(21)
「くはぁッ!!ふひゃあぁああッ!!」
次の瞬間にも絶頂へと昇り詰めかねない勢いで、
あられもない悲鳴が室内に響き渡り、備え付けのダブルベッドがギシギシと軋む。
水分を含んでぐっしょりと湿ったシーツを破り千切らんばかりにきつく握り締めて、
蒼髪の少女は高々とアーチを描く背筋をガクガクと揺すぶった。
捲れ上がったスカートの下から、失禁でもしたかのように大量の愛汁に濡れそぼった恥丘が姿を現し、
甘酸っぱさの奥にたっぷりと蒸されて凝縮された淫蕩なフェロモンの混じる牝臭を撒き散らす。
「クククッ、お次は、乳首と陰核、どっちを触って欲しい?」
「あああ・・・・い、いやぁッ・・・・そんな恥ずかしいコト、訊いちゃダメぇッ!!」
丹念に唾液を塗り込められつつ舐め転がされる乳首に、生温かい吐息まで吹きかけられて、
顔面を真っ赤に紅潮させ、駄々っ子のようにかぶりを振る<ヴァリスの戦士>。
淫猥極まる衝動が全身をあさましく波打たせ、毛穴という毛穴が、ザワザワッ、と、一斉に鳥肌立つ。
「フフ、ココをこんなに濡らしおいて、今更、恥ずかしいも何も無いだろう?
さぁ、素直に答えるんだ。オッパイとオマ○コ、どちらでイキ狂いたい?」
あううっ、と羞恥に打ち震えながらも、この上なく卑猥な二者択一に頭を悩ませる優子。
そうして迷っている間にも、デルフィナの指先は、隠された性感帯を的確に探り当てては、
場所ごとに異なる感度に応じて絶妙な緩急を加えた愛撫を送り込んでくる。
弱々しく響く喘ぎ声は、すぐに切なげな擦れ声へと切り替わり、
さらにもうしばらくすると、本格的なよがり泣きへと変貌を遂げていった。
半分伏せられた瞼の裏側で、極彩色の花火が大輪の花を咲かせるたび、
うなじの辺りが、じぃん、と熱っぽく痺れていくのが、自分自身でも良く分かる・・・・。


519 :
(22)
「・・・・オッパイ・・・・乳首で・・・・絶頂せて・・・・」
限界ギリギリまで迷った挙句、
優子は、精根尽き果てたかのような返答の言葉を絞り出した。
・・・・別段、陰核で達するよりも乳を弄られてイク方がマシだ、などと思案した上での決断ではない。
単に、昂奮してビンビンに感度が高まっているとはいえ、
未だ、直接、舌や手で触られた訳ではない、ピンク色のクリトリスの方が、
ほんの僅かばかり、欲情の度合いが少ない、というだけの理由に過ぎなかった。
実際、ぷっくりと充血した大陰唇は、じゅくじゅくと湧出する大量の愛蜜でトロトロの状態だった。
それどころか、発情させられてぷっくりと膨らみ、厚ぼったさを増した恥丘の傍を、
女エルフのむっちりとした太ももが通り過ぎただけで、ゾワゾワと甘い電流が背筋を駆け抜ける始末。
肉莢からまろび出た淫核は、まるで、胸ばかり弄ばれるのは不満だ、と主張するかの如く、
ピクピクと微細な痙攣を発しつつ、発情のシグナルを発信し続けている。
――――だが、徹底的に焦らされ、極限状態に留め置かれた上で、
一転して、一気呵成の責めにさらされた双乳を襲っていた昂ぶりは、それを遥かに凌駕していたのである。


520 :
(23)
「んくっ、ふぐぅぅッ!!」
搗きたてのお餅よろしく柔かく揉み解された脹らみが無造作に持ち上げられて扱き立てられる。
同時に、デルフィナの妖艶なクチビルが、左胸の先端に有る、真っ赤に充血した突起へと吸い付き、
白くしなやかな手指が、反対側にあるカチコチにしこったそれを摘み取った。
たちまちのうちに、胸乳に溜め込まれた情欲の滾りが熱い衝動と化し、今にも爆発しそうになる。
(くうぅぅッ・・・・弄ばれてる・・・・わたしのオッパイ、オモチャ扱いされて・・・・ひぁああぁッ!!)
偽りの授乳感覚がもたらす女の喜悦に、背筋がゾクゾクと粟立った。
乳首は勿論、至る所に無数の快感神経が集約されている乳房を、
ブロンド美女の磨き抜かれたテクニックが、驚くほど甘く、優しく、愛撫してくる。
右手は、ちゅうちゅうと卑猥な水音を放ちながら吸い立てられている乳輪をテクニカルに揉みしだき、
左手は、右の乳房と乳首を巧みに愛撫して、性感を昂ぶらせていた。
黄金の胸甲を剥ぎ取られ、押さえる物の無くなった脹らみが根元からグニグニと揉み込まれるたび、
たっぷりの牝汁が詰まった瑞々しいフルーツが、タプン、タプン、と揺れ動く。
勿論、若く、張りのある乳肉は、どんなに乱暴に捏ねくり返されようとも、
圧迫に屈する事など知らないかの如く、すぐに元の美しい曲線を取り戻すのだったが。


521 :
(24)
ぴちゅッ・・・・ちゅぱッ・・・・ぶちゅるるッ!!
形の良いクチビルに吸い付かれた乳首の方も、
オッパイ以上の官能の波に晒されて、熱い痺れに包まれていた。
猫科の愛玩動物を思わせる、女エルフのざらついた舌先が表面に触れるたび、
極細の乳腺にまで刺激が伝わり、内側からの疼きがじんじんと高まっていく。
その上、両手による揉み回しと連動する形で、脹らみが大きく弾んだ瞬間に、
コチコチに勃起した突起が口元に咥えられたり、軽く歯を立てて甘噛みされたりして、快楽が倍加されてしまう。
「きひぃいいッ!!き、気持ちいいよぉッ・・・・オッパイが・・・・ふはぁあ・・・・ヘンになっちゃうッ!!」
巧緻を極める乳責めに、表情を蕩けさせつつ悶え狂う、蒼髪の少女。
桜色に染まった乳果にはたっぷりと唾液を含んだ口腔粘膜が奇怪なツタ植物のように絡み付き、
次から次へとエクスタシーの波動を送り込んでくる。
手前から奥へ、そして、また手前に、グルグルと渦を巻き、グネグネとうねる波紋を描きながら、
執拗でありつつ、同時に、動きが単調に陥らぬよう、細心の注意を払って這い回る肉ナメクジは、
ピクピクと跳ね踊る淫蕩なサクランボを舐め転がし、美味しそうにしゃぶり続けている。


522 :
(25)
「はぁひぃぃッ!!んふぁあッ・・・・あくぅううッ!!」
客室中に響き渡る、喜悦の色濃く滲んだ、あられもない嬌声。
ヌメヌメとした舌先に敏感なポイントを集中攻撃されて、
蒼髪の少女は切迫した悲鳴を漏らし、総身を打ち震わせた。
肉のナメクジが動き回るたび、えも言われぬ快楽電流がしなやかなカラダの内側を駆け巡り、
鼻先に小さな星屑が舞い散って、僅かに残っていた理性さえ粉々に打ち砕いていく。
・・・・乳房を掴み取る。揉み回す。締め付ける。
・・・・乳輪をくすぐる。摘む。捻り、引っ張る。爪の先で引っ掻く。
・・・・乳首にキスする。口に含む。しゃぶり上げ、舐め回す。やんわりと歯を立てる。
一連の動作を、リズミカルに繰り返されていくうちに、
大量に分泌された脳内麻薬の働きで頭の中身が真っ白になっていき、
全身の血液が瞬時に沸騰してしまったかの如く、煮え滾る灼熱感が体の隅々にまで広がっていく。
乳房と乳輪と乳首・・・・各々異なる肉悦を発する三箇所の快楽中枢を刺激されるたびに、
優子は欲情にまみれた喘ぎを迸らせながら、
壊れかけの自動人形のように背筋を波打たせ、手足の筋肉をガクガクと不規則に痙攣させるのだった。


523 :
(26)
「アアッ・・・・もう・・・・もう、だめェッ!!
胸が・・・・オッパイが熱くて・・・・あああ・・・・爆発しちゃうぅぅッ!!!!」
しこりきった乳首にデルフィナの舌先が生き血を啜るヒルのように喰らい付き、容赦なく扱き立てた瞬間、
目の前の視界全体に真っ白なフラッシュが爆ぜ、今までに感じた事の無い激烈な喜悦が少女の五感を包み込んだ。
豊かさとしなやかさとが程よく調和した肢体が女エルフの下でビュクビュクと跳ね回り、
胸元から発した快楽の波動がカラダの隅々まで伝播していく。
ぷしゃああああッッッ!!!!
牝唇に達した衝撃波が子宮を揺り動かし、大量の愛潮を噴き出させる。
魚のクチバシ状に先端を尖らせた尿道口から放ち上げられた蜜汁は、
半透明な弾丸となって卑猥極まる放物弾道を描きつつ、
ベッドの背もたれを飛び越え、客室の壁を、女体の陥落を知らせる淫らなシミで飾り立てていく。
徹底的に焦らし抜かれた末に迎えた絶頂に、
美しく整った優子の相貌はトロトロに蕩け、欲情にまみれながら、訳も無く泣き崩れていた。
滝のように流れ落ちる熱い涙を指の腹で優しく掬い取ったデルフィナは、
呆けかけた表情を浮かべている<現実界>の少女に妖艶に微笑みかけると、
性的絶頂の真っ只中に投げ込まれて、声にすら出来ない叫びに満たされた口元に、己れの唇をそっと重ね合わせる。


524 :
(27)
「あむッ・・・・んん・・・・うむぅん・・・・っ・・・・」
少女のクチビルを包み込む、生温かくネットリとした感触。
それでいながら、デルフィナの口付けは決して不快なものではなかった。
反対に、どこまでも心地良く、淫熱に冒された心に沁み入って来るかのような、甘美な味わいを伴っている。
(・・・・デル・・・・フィナ・・・・)
ぼうっとした眼差しで、数センチと離れていない所にある、エルフの貌を見上げる優子。
ブロンドの女戦士は、(少なくとも、少女の前では)一度も見せた事の無い、慈愛に満ちた微笑を浮かべていた。
(・・・・ああ・・・・この女性って・・・・こんな優しい笑い方も出来るんだ・・・・)
エクスタシーの余韻に浸りつつ、
あたかも母親の乳を求める赤子であるかの如く、デルフィナのクチビルを求める蒼髪の少女。
無意識のうちに、両腕はパートナーの背中へと回され、
たゆまぬ鍛錬と戦闘によって、しなやかに引き締まったカラダを、ひしっ、と、掻き抱いていた・・・・。


525 :
(28)
(――――あの時、デルフィナが本当に癒そうしていたのは、
自分の腕じゃなくて、私の心の傷だったのかもしれない・・・・)
あの時の女エルフの仕草を真似て、
目元に溜まった涙を指の腹でそっと拭い去る、<ヴァリスの戦士>。
勿論、彼女のは辛く、悲しかったが、
それ以上に、最後の瞬間まで、誇り高い<戦士>として振る舞い続けた事、
そして、志を同じくする友として、文字通り、生命を燃やし尽くしてくれた事に対して、
心からの感謝と敬意を感じずにいられなかった。
(約束するわ。あなたのを決してムダにはしない、って!!)
<ヴァリスの剣>と<レーザスの剣>、
三界を調和へと導く力と変化をもたらす力を具現化した、二振りの<剣>を両手に握り締め、
戦友が、生命と引き換えに切り開いてくれた道を、ひたすら突き進んでいく優子。
薄青色の双眸からは、すでに涙は消え去り、
かけがえのない者から引き継いだ使命を生命を賭してやり遂げねば、という固い決意が、
最下層に近付くにつれてどす黒さを増していく闇の気配にもたじろがない、清明な光となって輝いている。
「見守ってて頂戴、デルフィナ・・・・麗子は、必ず救け出してみせる――――!!!!」


526 :
(29)
――――<暗黒界>。ログレス城地下。最深奥部。
『地上は、随分と騒がしいようだな。カトンボ共が・・・・』
漆黒の闇の中に佇む、暗黒の支配者。
無機質な光沢を湛えた黄金色の仮面の奥で、<ヴェカンタ>がチロチロと赤黒い焔先をのぞかせている。
地上部分に築かれた城塞では、今頃、側近や将軍たちが、
時空の回廊を抜けて<暗黒界>への突入を果たした、<ヴァリスの戦士>とアイザードの残党を迎撃すべく、
全軍に召集をかけ、蜂の巣を突付いたような騒ぎになっている筈だが、もはや、自分の知った事ではなかった。
(どのみち、城などは飾りに過ぎぬ・・・・軍団や艦隊とて同じよ。
せいぜい、時間稼ぎにでもなれば良いわ)
フン、と鼻を鳴らしつつ、ログレスは頭上を仰ぎ見た。
聳え立つのは、巨大な黒い壁――――否、見上げる程に巨大な黒水晶の塊・・・・。
物質としての実体を得て、<ヴェカンタ・オア>と化した<暗>の魔素と、
そして、それを幾重にも縛めている朽ちかけた鎖、だった。
赤茶色の錆びに覆われた縛鎖を構成する、無数の鉄環の一つ一つには、
太古の昔より現在に至るまで忌々しい封印の力を宿し続けている、呪紋がびっしりと刻み込まれ、
気の遠くなるような長い年月を経て、<ヴェカンタ>に曝され続けるようになった今日もなお、
内部に閉じ込められた邪悪な存在の解放を頑強に阻んでいた。


527 :
(30)
『奴らの好きにはさせぬ。
あと一歩・・・・あと一息なのだ・・・・』
――――ドクン、ドクン、ドクン・・・・・・・・。
低く囁くようなログレスの声に応じるかの如く、
周囲を覆う常闇よりもなお、暗く、黒々とした、<ヴェカンタ・オア>の結晶の中から、
巨大な"何か"が息づく禍々しい胎動が、
<夢幻界>の支配者たる<幻想王女>ヴァリア自らの手によって施され、
暗黒王その人の力を以ってしても、未だ触れる事さえままならない封印を越えて伝わってくる。
どんな妙なる楽の音よりも美しく響き渡る、力強い闇の鼓動に耳を澄ませつつ、
<暗黒界>の支配者は高々と両腕を掲げ、<暗>の御子に向かって讃頌の言葉を呟くのだった。
『目醒めの刻は、もう間近い。
古の封印が解け、アレが産声を上げた瞬間に、
旧き<世界>は残らず滅び去り、新たなる天地創造が始まるのだ・・・・』


528 :
(31)
(そのためには、今一度だけ、彼奴の働きが要る・・・・不本意ではあるがな)
仮面の下で、不快げに表情を歪める暗黒の王。
本来であれば、<ヴェカンタの戦士>として力を与えられた身でありながら、
己れの本性を見失い、事もあろうに<ヴァリスの戦士>として再覚醒した者など、
最下級の奴隷としてさえ、生かしておきたくはなかったのだが。
だが、ヴァリアによって<現実界>から召喚された、優子という名の小娘によって、
彼が盤上に揃えていたゲームの駒――――-<暗黒五邪神>は悉く喪われ、
現時点で手許に残っているのはあの赤毛の裏切り者だけだった。
好むと好まざるとに関わらず、
もう一度、麗子を己れの<戦士>として戦場に送り出さねばならない理由が、ログレスには存在しているのである。
(・・・・とはいえ、所詮は負け犬、過大な期待などしておらぬ。
要は、<ヴァリスの戦士>を釘付けに出来れば良いのだ。古の封印が破れ、アレが目を醒ますまでの間だけ。
――――その後はあのようなクズなど用済みよ。
予の創り上げる新たなる天地に、彼奴の居場所などありはせぬわッ!!)

――――――――TO BE CONTINUED.

529 :
以上、第27章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば、幸いに存じます〜。
今回は、デルフィナ亡回とあって、どういった演出にするか?ちょっと悩みましたが、
第12章及び第13章での優子とのレズシーンを大幅に描き直し、
より愛情のこもったセックスに書き改めた上で中心に据えてみました。
コミック本編のような、壮絶な闘の末の自己犠牲という形にしようか?とも思ったのですが、
前章が麗子へのゾンビ姦で、次章が狂戦士化した麗子と優子の戦い、そして、麗子亡、という予定のため、
重苦しく陰鬱なシーンばかりがずっと連続するのもどうかな?と考え、今回のデルフィナ殉職は敢えてこういう描き方にしています。
さて、その次回ですが・・・・麗子亡、という『夢幻戦士ヴァリス』最大のクライマックス・シーンを描く前に、
『3V』は一回お休みを頂き、『戦士集合!』の第8章をお送りいたしたい、と考えています。
今のところ、10月の中旬から下旬にかけての完成・発表を目指していますので、しばらくの間、お待ち下さいませ。
それでは、今夜はこの辺で〜。

530 :
乙です〜デルフィナもんだけど優子たちにはいい思い出?を残しましたね

531 :
ログレスさん別に戦士として役に立たなくても別方面で役立たせればいいのに

532 :
すげー面白かった
乳描写がすごい

533 :
hoshu

534 :


535 :
皆様、お待たせいたしました〜。
『戦士集合!』第8章ですが、
予定していた時期よりも少し早く、本日、完成に漕ぎ着ける事が出来ました。
早速、投下作業を開始いたします。
それでは、お楽しみ下さいませ〜。

536 :
(1)
――――<鏡面世界>。
「あぐッ・・・・あぁあああッ!!」
青白いスパーク光が少女の華奢な身体を包み込み、
髪の毛の焼ける異臭が、石壁に囲まれた牢獄の中に広がっていく。
びっしりと汗粒の浮かんだ顔面を激痛に歪めながら、銀髪の<戦士>――――カナンの<銀の勇者>レムネアは、全身を襲う高圧電流から逃れようともがき続けていた。
・・・・だが、しなやかに伸びた色白な手足は、赤錆の浮いた鉄製の枷と鎖によって、背後に設えられた磔柱へと繋がれており、
どれだけ必に力を振り絞ろうとも、拘束を脱する事は叶わない。


537 :
(2)
「ククッ、なかなか良い声で啼くじゃないか。ゾクゾクしてくるよ」
苦悶に歪む虜囚の横顔を眺めつつ、陶然とした表情で囁きかけるのは、
拷問牢の主である紅毛の看守――――エルス大陸の<雷の戦士>ライディ。
二つ名の示す通り、雷の力を自由自在に操る特殊能力を持つ彼女は、
磔刑台に縛められた獲物が、気を失ったり、限界を超えた負荷によって精神に異常を来したりしないよう、
絶妙な加減で体内に流し込む電流のエネルギー量を調節しつつ、苦痛と恐怖だけを与えている。


538 :
(3)
「ハァ・・・・んぐッ・・・・ハァハァッ・・・・うくぅう・・・・」
何度目かの電撃を放ち終えた拷問吏は、衰弱しきった様子の囚人の姿に、電圧を最低出力にまで引き絞った。
この辺りで少し休ませなければ、さしものレムネアも耐え切れなくなる恐れがある。
実際、息も絶え絶えの有様で、白目を剥きかけている<銀の勇者>のカラダからは、プスプスと幾筋もの白煙が立ち昇り、
心なしかくすんで光沢を失っているようにも見える防具の表面では青白い火花がバチバチと飛び跳ねていた。
長時間にわたって、高電圧の電撃に曝されたせいだろう、
十字架に懸けられた四肢の筋肉はビクビクと不規則な痙攣に覆われている。


539 :
(4)
「少しだけ休ませてやるけど、まだまだ責めは序の口だよ、勇者サマ。
アンタには、もっともっとブザマにのた打ち回って貰うから、せいぜい覚悟しとくんだねッ!」
憎々しげに言い放つと、電撃使いは、囚人の胸元に向かって手を伸ばした。
激しい拷問によって半ば外れかけている深紅の胸甲に指をかけると、
ぐぐっ、と力を込め、強引に引き剥がす。
現れたのは、サイズは標準的だが、形の良い曲線に恵まれた美しい乳白色の双果・・・・
その片方を無造作に鷲掴みにすると、今度は一転、ねっとりと絡みつくようなタッチで揉み始める。


540 :
(5)
「ああッ!?」
「おやぁ、どうしたんだろうねぇ?乳首がどんどん硬く尖っていくよ?
・・・・ははぁ、もしかして、アンタ、責められて感じるタイプかい?」
「ち、違・・・・ッ!わ、わたしは、そんな・・・・くはぁあッ!!」
必にかぶりを振りながら否定に努めるレムネアだが、
乳房全体を、ぎゅうぎゅうと形が変わるほど、捻り込まれると、
堪らず、悲鳴と嬌声とが半々にブレンドされた叫び声を放ち上げてしまった。
たちまち湧き起こる甲高い嘲りの笑いが、銀髪の少女のプライドを深々と抉り、踏みにじる。


541 :
(6)
「アーッハッハッハッ!一体、何が違うってんだい、<勇者>サマ?
ほらほら、遠慮してないで、マゾの悦びを堪能したらどうだいッ!?」
言葉で責め嬲りつつ、拷問吏は更に指先に力を加えていく。
徐々に高まっていく圧迫感に苦悶の表情を浮かべる銀髪の<戦士>。
だが、乱暴極まりないタッチで揉み回されているにも関わらず、
生汗に濡れそぼった脹らみはあさましく打ち震え、その中心に位置する淡いピンク色の突起はカチコチにしこりきっている。


542 :
(7)
「フフッ、乱暴にされた方が燃えるんだろ?小綺麗なカオして、まったく、とんでもない淫乱だねぇ。
それとも、カナンじゃあ、そういうのが流行ってるのかい?」
まるで別の生き物であるかの如く、ピクピクと跳ね回り始めた乳首が摘み上げられ、
キュッ、キュッ、キュッ、と根元からしごき立てられる。
「んぅッ・・・・くううッ」
一瞬、脳裏にフラッシュバックしたのは、
<銀の勇者>としての天命を知る以前、カナンの各地を放浪していた時期に味わった屈辱。
同じ村で生まれ育った幼馴染であり、初恋の人でもあった<青銅の勇者>――――アッシュを探す旅の中で、
不覚にも囚われの身となった奴隷商人の根城での、恥辱に満ちた数日間の監禁生活、
そして、邪悪な闇の魔法によって意志を奪われ、抵抗する術を奪われた状態で受けた、数々の非道な仕打ち・・・・。
出来れば二度と思い出したくなかった悪夢のような記憶が、今、自分が置かれている状況と重なり合い、
悔しさのあまり、カナンの乙女は、我知らず、目元に涙を滲ませてしまう、
――――と、そこへ、もう一人の看守が姿を現した。


543 :
(8)
「随分とお楽しみじゃない、ライディ。そんなにコイツが気に入ったの?」
足音はおろか、気配すら殆ど消したまま、牢内に入ってきたのは、
メタリック・シルバーとブラックのシンメトリーが特徴的なプロテクト・スーツに身を包んだ女忍者。
屈辱に打ち震える囚人の様子に嗜虐の焔を燃え立たせている相棒に向かい、コケティッシュな笑みを浮かべると、
自慢のツインテールをなびかせつつ、磔刑台の周囲を一周する。


544 :
(9)
「アスカか、傷の具合はどうだい?」
「アステクターのリジェネレーション能力を甘く見ないでよ。もう行動に支障は無いわ。
今からアイツの所に行って、たっぷりとお礼をしてあげるつもり」
ニヤリ、と、陰険に微笑む<変幻戦忍>。
よくよく目を凝らせば、ほとんど修復が完了した状態ではあるが、
プロテクト・スーツの肩口から脇腹にかけて、袈裟懸けに斬り裂かれた跡がうっすらと残っている。
そのダメージは、レムネアの捕縛に成功した戦闘の最中に負わされたもの、
大した事はない、という本人の言とは裏腹に、
あともう数ミリ傷が深く、回復に時間が必要となる、と判断されていれば、
<鏡使い>に見切りを付けられ、廃棄処分とされていた可能性もあり得た程の深手だった。


545 :
(10)
「ったく、容赦なくやってくれたものね、アンタのお仲間。
たしか、ヨーコって名前だったっけ、あの青い鎧のヤツ?
『絶対にすな』っていう命令があるから、生命までは取らないけど
――――代わりに、んだ方がマシって思い、味わせてやるんだからッ!!」
愛くるしささえ感じさせる面立ちにはおよそ似つかわしくない冷酷な口調で言い放つと、
ツインテール忍者は細くしなやかな手指をひらめかせた。
「何だ、ソイツは・・・・暗器、いや、毒針の類か?」
「まぁ、平たく言えばね――――そうね、ちょっと実演してあげるから、場所代わって頂戴」
相棒の返事に、一瞬、渋い表情を浮かべるライディだったが、
好奇心には勝てなかったらしく、レムネアの脹らみから手を離し、次いで、半歩後ろに引き退った。
アリガト、と短く礼を言って、前に出た忍術使いは、
不安に顔を強張らせる女囚を、壁際に追い詰めたネズミを甚振る性悪猫のような視線で睨み据える。


546 :
(11)
「さて、と・・・・カナンの勇者サマ、正直、アンタにはさほどのうらみは無いんだけどさ、
まぁ、恨むんだったら、あの<レダの戦士>を恨んでちょうだいなッ!!」
言うが早いか、<変幻戦忍>は、手にした鋼鉄製のニードルを、
先程、ライディによって防具を毟り取られ、一糸まとわぬ姿をさらけ出している双乳の中心
・・・・ツンツンに尖り切った勃起乳首に向けて、突き立てた。
「ひぎっ・・・・あぎぃいいいいいッッッ――――!!!!」
最も敏感な場所を正確に抉り抜く鋭い痛みに、絶叫するレムネア。
数センチメートルにも達しているだろうか、
肉突起の真ん中を刺し貫いた真っ黒な凶器の先端が乳房の奥深くにまで潜り込み、
灼熱感を帯びた激痛と共に、おぞましい異物感を撒き散らす。


547 :
(12)
「本能寺忍法・往生針。
――――コイツを突き刺された奴は、押し寄せる法悦の中、命果てるまでイキ続けるんだ。
まぁ、今回は、狂いにはしない程度に手加減してるケドさ」
「おいおい、マジかよ?ぬまで続くアクメなんて!?」
よもや自分たちの会話が聞こえた訳ではないだろうが――――そんな余裕は微塵も無い筈だった――――、
苦痛と異物感、そして、それらに倍する恐怖に襲われて、
拘束された体をガクガクと揺らしつつ、駄々を捏ねる赤子のようにかぶりを振る銀髪の少女。
彼女の悲痛な叫びをバックコーラスに、プロテクト・スーツの忍術使いは、得意顔で説明を再開する。
「外から見ただけじゃあ、ちょっと分からりづらいだろーけど、
実は針の内側は空洞になっててね、クスリが仕込んであるの。
時間が経てば経つほど、面白いモノが色々と拝見できるようになるわ――――ホラ、こんな具合にね」


548 :
(13)
「な、何ッ!?胸・・・・オ、オッパイがぁッ!!」
まだアスカの言葉が終わらないうちに、
引き攣っていたレムネアの表情の中に戸惑いの色が浮かんでくる。
困惑と不安に満ちた視線の先には、どす黒い鉄針によって串刺しにされた、生白い胸元。
それだけでも目を背けたくなるほどの無残な光景だが、ここに来て、更なる異変が生じていた。
往生針に深々と貫かれている肉突起の周り、普段は直径1センチにも満たないサイズの乳輪が、
異物が突き刺さって腫れているというだけでは説明がつかない程に大きく拡がり、根元からぷっくりと盛り上がっている。
カチコチに勃起した乳首自体も、このまま破裂してしまうのではないか?と思えるぐらい、体積を増大させ、
長大な針を咥え込んで、ビュクン、ビュクン、と卑猥なダンスを踊っていた。
――――と、次の瞬間。

549 :
(14)
ぷじゅッ・・・・ぷしゃぁあああッッッ!!!!
水風船が破裂したかのような不快な音と共に、肉突起が暴発した。
ジンジンと疼く乳腺を脈打たせつつ、後から後から噴き上がってくる、ねっとりとした白い液体を、
驚愕の眼差しで凝視するカナンの乙女・・・・。
「ど、どうしてッ!?一体、わたしに何をしたのッ!?」
恐怖に表情を歪める銀髪の少女。
信じ難い事だったが、自分の胸から放出されている粘汁は、見た目といい、匂いといい、母乳に相違ない。
だが、妊娠中でも無い自分の乳から、突如、母乳が噴出するなどという事が起こり得るのだろうか・・・・?


550 :
(15)
(ま、まさか、この針のせいだというのッ!?)
ずくん、ずくん、ずくん、と、重い疼痛感が乳房の内側に広がるたびに、
濃厚な乳液が見事なアーチを描いて飛び出していく。
不思議な事に、ミルクを溢れさせているのは、二つある脹らみのうち、魔針を打ち込まれた方だけで、
残る片方は、いつもよりも若干張りを感じる程度で、射乳の気配は全くなかった。
その事実は、レムネアの予測の正しさを指し示すものだと言って良いだろう。
「どう、凄いでしょ?」
「ああ、たしかに。一体、何がどうなってるんだ?」
目を丸くするライディの前で胸を張る、<変幻戦忍>。
ひとしきり噴出が収まり、がくり、と脱力する女剣士を横目に
――――未だ針の根元付近からは粘り気を帯びた液体がチョロチョロと漏れてはいたが――――、得意満面で質問に答える。


551 :
(16)
「詳しくは、本能寺忍法の秘伝中の秘伝なんだけどさ。
要は、針に詰まってる薬の成分には、人体に作用して、その働きを活発化させる効き目があるってワケ」
手の中の兇器――――今しがた使用したのと同じものがあと数本残っている――――を指先でクルクルと回転させながら、
女忍者は饒舌にまくし立てた。
「今回は胸に使ったから、オッパイがああなっちゃったけど、本当はもっと色んな使い方が出来るんだよ。
モチ、媚薬成分も含まれてるから、場所によっては、もっとタイヘンなコトになっちゃうし。
たとえば、女のコの一番大事なトコロ、とかさ」
そう言い放つと、忍術使いは、意味ありげな視線を、拘束された少女の下半身
・・・・未だ何とか腰にへばりついている紅色のアーマーショーツによって保護されている、デルタ地帯へと向ける。


552 :
(17)
「・・・・ひ、ひぃっ」
粘ついた眼差しに気付いた銀髪の囚人が、磔刑台の上で小さく悲鳴を上げる。
クスクスと忍び笑みを漏らしつつ、ゆっくりと彼女の傍に近付いていくツインテール忍者。
「オイオイ、まさか本気じゃないだろうな。
そんなトコロに打ったら、ホントにんじまうぞ?」
思わず、不安げな表情を浮かべた相棒を尻目に、
磔柱のすぐ傍まで歩み寄った女看守は、粟を生じてカタカタと震える太ももを魔針の尖端でゆっくりと撫でつけ、
・・・・わざとらしくため息をついて、肩をすくめてみせた。


553 :
(18)
「分かってるわよ。あの御方の命令にだけは逆らえない、ってコトぐらい。
第一、さっきも言った通り、あたしはコイツにはそこまでの恨みは持ってないんだしさ。
・・・・ってコトで、あたしはそろそろ退散するから。
ああ、往生針は刺したままにしとくから、適当に遊んでやってちょうだいな」
小さく鼻を鳴らすと、<変幻戦忍>は、往生針の端を、人指し指の先で、ビン、と弾いた。
漆黒の筒先へと伝わる振動が、乳肉の奥深く潜り込んだ魔針をブルブルと揺り動かし、
かろうじて小康状態を保っていた乳腺細胞をグチャグチャに掻き回す。
「ひぎぃッ・・・・イ、イヤアァァアアァァァッッッッ!!!!!!」
再び、狂ったような絶叫と大量のミルクを放ち上げ、白目を剥きながら悶絶する囚われの少女を後に残して、
けたたましい哄笑を響かせながら拷問牢を退出していくアスカ。
橙々色の双眸には、自分を破滅の一歩手前にまで追い込んだ<戦士>に対するとめどない復讐の欲求が、
炎の竜となってとぐろを巻き、赤々と燃え盛っていた――――。


554 :
(19)
――――小一時間ほど前。
「きゃあああッ!!」
甲高い悲鳴と共に、華奢なカラダが地面に叩きつけられる。
「キャロンッ!!」「だ、大丈夫ッ!?」
相前後して発せられた、仲間の様子を気遣う声は
少し離れた所にいる二人の少女
――――カナンの<銀の勇者>レムネアとアシャンティの<レダの戦士>朝霧陽子のもの。
叶う事ならば、すぐにでも駆けつけて、無事を確かめたいのだが、
それが出来ないのは、各々、眼前に容易ならざる難敵を迎え、武器を向け合っているからに他ならない。


555 :
(20)
「クククッ、他所見してる余裕はないぜ」
「そうそう、他人を気にかける前に、自分の心配をした方が良いわよ?」
ニヤニヤしながら、異口同音に挑発の言葉を口にする、二人の<戦士>。
レムネアと対峙している方が、
要所要所を金属製の防具で強化した、黄色いボディ・スーツを身に着け、
青白くスパークする電気火花を帯びた長剣を構える、<雷の戦士>ライディ。
陽子の正面に立ち塞がっている方が、
シルバーとブラックの配色が美しい、プロテクト・スーツ<アスタクター>を身に纏う、<変幻戦忍>本能寺アスカ。
電撃能力を有するパワー型のファイターと変幻自在の忍術を駆使するニンジャという違いこそあれ、
二人共、歴戦の<戦士>であるレムネアや陽子とも互角に渡り合える戦闘能力を持つ、恐るべき敵に他ならない。


556 :
(21)
――――そして、彼女たちの向こうには。
「うう・・・・」
全身を襲う痛みに呻きつつも、
<リバースの剣士>は、愛刀を杖代わりにして、何とか地面から体を引き起こそうとする。
短いマントの付いた深紅のボディ・スーツは勿論、
トレードマークのポニーテールも、未だ随所にあどけなさの残る面立ちも、
土埃にまみれて、不潔な泥が方々にこびりついてはいるものの、
惑星ラルの大地の力を宿した<リバースの剣>の加護によるものだろうか?
今の所、骨が折れたり、内臓器官が傷付いたりするような、大きなダメージは受けていないようである。
・・・・だが、邪悪な襲撃者は、すぐ傍にまで迫っていた。


557 :
(22)
「へえ〜、チビのくせに、意外と丈夫じゃないの」
ふらつきながらも、ようやく立ち上がったキャロンの前に現れたのは、
禍々しい笑みを満面に張り付けた、黒衣の双剣使い。
オレンジ色の髪房を乱暴に掴むと、有無を言わさず、引き摺り上げ、
もう一方の手に持った邪剣の柄で、容赦なく、鳩尾を殴り付ける。
ひゅう、という掠れた声と共に、再び吹き飛ばされ、地面に叩き付けられる小さな身体。
「うぐッ・・・・あああッ!!」
「キャハハハッ、いいザマねッ!!
ホラホラ、さっさと立ちなさいよ。今度は、その顔をボコボコにしてあげるからッ!!」


558 :
(23)
二本の剣をヒュンヒュンと振り回しつつ、悠然と歩を進めてくる黒衣の処刑人。
その容貌は、キャロンの良く知る――――だが、決してこの場にいる筈のない、少女に酷似していた。
女王ヴァルナによって<夢幻界>へと召喚された、<戦士>の一人、
ララマザー芸術王国の王女、<白翼の騎士>シルキス。
年の頃も剣士としての腕前もほぼ同じ、
加えて、奇しくも一国の王女として生を享けた、という出自までもが共通しているものの、
生後間もなく都を追われ、辺境の一農夫の孫娘として自由奔放な子供時代を過ごした自分とは異なり、
彼女は、王宮の中で、両親や家臣たちの細やかな愛情と配慮に包まれて、
いずれ一国一城の主、もしくは、その伴侶となるべき者としての教養と心構えを教わりながら育った、まさしく正真正銘のプリンセス・・・・。
この戦いが終わって、故郷に戻り、再建されつつある王都ゴモロスの王宮に入るとしたら――――無論、あくまで仮定の話であるが――――
『自分もこんな風になりたい』と願わずにはいられない、優しく、落ち着きのある、知勇兼備の姫君だった。


559 :
(24)
(ううっ、ち、違う・・・・アイツはニセモノ、あのコとは断じて違うッ!!)
体中がバラバラになりそうなくらいの激痛に表情を歪めつつも、
<リバースの剣士>は、キッ、と、強い視線で目の前の敵を睨みつけた。
本物のシルキスは、この<キョウセイメンカイ>には同行せず、ヴァニティ城を守っている筈。
いや、それ以前に、<白翼の騎士>の双剣は、気高く清浄な魔法剣で、
眼前にたたずむ魔剣士が纏っている、漆黒の邪剣などでは断じてない・・・・!!
「ま、負けるもんか、アンタみたいなニセモノなんかにッ!!」
思いがけない気勢をぶつけられた二刀流使い・・・・<鏡使い>によって作り出された魔生物は、小さく息を呑んだ。
半ば無意識のうちに、一、二歩、後ずさり、ハッと我に返って、ようやく踏み留まる。


560 :
(25)
(・・・・よし、その調子よ!)
女忍者の身体越しにキャロンの健闘ぶりを眺め、心の中で盛大なエールを送る陽子。
勿論、状況は悪いままだが、彼女の闘志は些かも衰えてはいない。
この分ならば、もうしばらくは一人でも頑張れるだろう。
(その間に、何とかして、この二人を突破しなければッ!)
レムネアもまた、ライディに向かって油断なく剣を構えつつ、キャロンを救う手立てについて思考を巡らせる。
オリジナルの<白翼の騎士>に比べれば、偽王女の剣筋は明らかに荒っぽく、
攻撃の素早さや正確さではなく、パワーで押しまくるタイプに見える。
いくら、本物と同じ、二刀流の使い手とはいえ、
自分か陽子のいずれかが加勢に駆けつける事が出来れば、おそらく、さほど苦労せずに倒せる相手だろう。


561 :
(26)
(陽子、行ける?)
短く、アイコンタクトを送る、銀髪の女剣士。
カナンとアシャンティ、<戦士>として歩んできた戦場は違えども、
幾度となく線を乗り越えてきたベテラン同士、
いざという時には、会話に頼らずとも、意志を通じ合わせる事は決して難しくはない。
(うん。あたしが行く。サポートをお願い)
(了解。私が連中の注意を惹き付けるわ)
一秒にも満たない、僅かな時間、
実際の動作と言えば、ほんの2、3回、互いの目を覗き見ただけに過ぎなかったが、
少女たちにとってはそれだけで十分だった。
ラピス・ブルーの甲冑を纏った<レダの戦士>は、いつでも突進を掛けられるように下半身にバネを貯め込み、
深紅の鎧に身を包んだ<銀の勇者>は、意図を悟られないよう、ごくさりげない動きを装いつつ、
じりじりと二人の敵のほぼ中間地点へと体を移動させていく。


562 :
(27)
(仕掛けるわよッ!!タイミングを外さないで前に出てッ!!)
陽子に最後の一瞥を送った次の瞬間、レムネアは大きくステップを踏み込み、
正面にいる<雷の戦士>ではなく、<変幻戦忍>の胴に向かって白刃を突き出した。
意表を衝かれたアスカだが、さすがは忍者というべきだろうか、反射動作だけで強烈な突きを躱してのける。
・・・・だが、それはカナンの<戦士>にとって想定内の事態だった。
「くそッ、お前の相手はアタシだろうがッ!?」
うなりを上げて振り下ろされるライディの豪剣。
銀髪の少女は、後ろ跳びで後方へと避けながら、
剣を握っているのとは異なる手から、隠し持っていた短剣を放り投げる
狙いは、正面の紅毛の<戦士>ではなく、向こう側にいるツインテール少女
・・・・ただし、彼女を倒すのは自分のこのフェイント攻撃ではない。
キンッ!!
案の定、カナンの女剣士の放った短剣は、アスカが構えたクナイによって弾き返される。
この程度の小細工になど引っかかるものか、と薄笑いを浮かべる女忍者
――――だが、次の瞬間、その表情は凍りついた。


563 :
(28)
「てりゃあぁあッッッ!!!!」
裂帛の気合いと共に飛び込んできたのは、愛剣を大上段に掲げた<レダの戦士>。
サイドポニーを打ち揺らしつつ、猛ダッシュで斬りかかっていく彼女こそが、本当のフェイントだった。
忍術使いの口元が、しまった、という形に動いた刹那、
女神の加護を享けた聖剣の切っ先が一陣の旋風となって振り下ろされ、
メタリック・シルバーのプロテクト・スーツを、右肩から左脇腹にかけて深々と切り裂いていく。
「なっ、ア、アスカッ!?」
血飛沫の代わりに、黒々とした瘴気を噴き上げつつ、地面に倒れ込む<変幻戦忍>。
激昂に駆られたライディは、長剣の剣先に雷霆を纏わせ、
相棒を斬り倒したアシャンティの女戦士に怒りの斬撃を浴びせようとするものの、
一呼吸早く、美しく輝く白銀の髪をなびかせた女剣士が彼女の正面に割って入り、壁を作った。


564 :
(29)
「て、てめぇ、図りやがったなァ!!」
目の前の少女にまんまと一杯食わされてしまった、と気付いて、歯ぎしりするエルス大陸の電撃使い。
だが、こうなってしまっては、キャロンの救援に駆け付けようとする陽子を阻むのは不可能だった。
それどころか、偽シルキスが倒されるまでに<変幻戦忍>の戦闘復帰が叶わなければ
――――そうなる可能性は高いと言わざるを得なかったが――――
三人を相手に戦う羽目に陥るのは必至、もはや、自分に勝ち目は無いと断言して良いだろう。
(チィッ・・・・舐めたマネをッ!!)
怒り心頭に発しつつも、<雷の戦士>は、一秒毎に敗北の気配が濃厚になっていくのを肌で感じていた。
<レダの戦士>の接近に気付いた黒衣の双剣使いからは、
一体何をやってがるんだ!?という凄まじい罵声が飛んでくるが、もはや、言い返す余裕すら無い。
傷付いた女忍者を庇いながら撤退するか?あるいは、見捨てて自分だけで逃げ延びるか?
電撃使いの頭を占めていたのは、不面目極まりない二者択一だけだった。


565 :
(30)
(よし、ひとまずは上手くいったようね)
レムネアの口元に、はじめて小さな笑みが浮かぶ。
無論、相対する女戦士を見据える視線には些かの緩みも生じてはいなかったが、
身のこなしには、明らかに、先刻までとは打って変わった余裕が生まれていた。
(・・・・あとは、彼女をこの場に足止めし続けるだけでいいわ)
――――だが、その直後、事態は再び急転する。
レムネアの全く予期しなかった存在からの、想像すら出来なかった手段での介入によって・・・・。


566 :
(31)
『――――ククッ、<戦士>共め、予想外に健闘しておるようじゃな』
遠見の鏡の前にたたずみ、遥か彼方の荒野で戦いを交える少女たちの姿を眺めている、<鏡使い>。
髑髏面に穿たれた禍々しい眼窩の奥に、陰鬱な笑いが浮かび上がる。
『・・・・・・・・』
姿見に向かって白骨化した両手をかざし、肉の削げ落ちた口蓋の内側で何事かを呟くと、
奇怪に捻じくれた指先から赤黒く濁った瘴気が滲み出し、
鏡に映る被造物の一人――――魔力によってシルキスの姿形と能力を写し取った、ドッペルゲンガーへと染み渡っていく・・・・。


567 :
(32)
「な、何ッ・・・・これは一体ッ!?」
陽子が異変に気付いた時には、既に手遅れだった。
否、どれだけ気を張って、起こり得る事態全てに備えていたとしても、
こんなフェイント、いや、"反則技"を見抜くのは不可能だったに違いない。
僅か数回、剣を合わせただけで圧倒する事に成功した偽王女の全身が、
突如、風船のように膨らみ始めたかと思うと、驚く間もなく、バァン、と弾け飛んだ。
中から飛び出してきたのは、大量の血反吐と臓物ではなく、
魔生物を創造し、仮初めの生命を吹き込んでいた何者かの悪意そのものが具現化したかの如き、漆黒の瘴気。


568 :
(33)
「ヨ、ヨーコッ!!」
咄嗟に駆け寄ろうとしたキャロンに向かい、来てはダメッ!!と、声を限りに制止する陽子。
同時に、手にした<レダの剣>を放り投げる。
・・・・それが、残された時間でサイドポニーの少女が取る事の出来た行動の全てだった。
「に、逃げてッ!!優子と妖子にこの事を・・・・お願い、早くッ!!」
最後にそう叫ぶと、<レダの戦士>の身体は、
<鏡使い>のどす黒く濁った思念に捉えられ、呑み込まれていく。
直後、無我夢中で拾い上げた友の剣を胸に掻き抱いた惑星ラルの王女が呆然と立ち尽くす目の前で、
彼女の体は、強大な魔力が空間を捻じ曲げて作った次元断層に吸い寄せられ、
何処とも知れぬ地へと強制転送されてしまった。


569 :
(34)
「そ、そんな・・・・」
先刻までの優位が一瞬にして崩れ去る光景を目の当たりにして、
愕然と目を瞠るしかなかったのはもう一人の<戦士>・・・・レムネアも同じだった。
無論、その好機をむざむざと見逃すほど、
彼女と対峙している<雷の戦士>は、お人好しでもフェアプレイ精神の持ち主でもない。
――――意識を失う直前、銀髪の少女の双眸が最後にとらえたのは、
(おそらくは、敵の卑劣さと己れの無力さに対して悔し涙を滲ませながら)全力疾走で戦場から遁走していく、
キャロンの小さな背中だった・・・・。


570 :
(35)
――――<鏡面世界>。レムネアの牢とは異なる、拷問部屋。
「はぁう・・・・くッ・・・・ううう・・・・くはぁあッ!!」
乙女の柔肌を容赦なく責め苛む異様な感触に、
サイドポニーの少女は、悲鳴とも嬌声ともつかない激しいえずきがこみ上がるのを感じた。
より正確に言えば、悲鳴が7割、嬌声が3割、といった所だろうか?
あの黒い瘴気を浴びて気を失い、この部屋で目を覚ました時、
すでに自分のカラダは悪辣な拘束具によって緊縛され、完全に自由を奪われていたのだが、
それ以降、徐々にではあるが、後者の占める割合が上昇してきているのがよく分かる。


571 :
(36)
(く、悔しいッ!!)
ハァハァと荒く呼吸を注ぎながら、陽子は恨めしそうに全身をきつく食い縛る拘束具を眺めやった。
アシャンティの大地の守護者・女神レダの加護の象徴である、レダ戦士の甲冑・・・・
だが、今、彼女の瞳に映っているのは、神秘的な光沢を帯びたラピス・ブルーの色合いではなく、
その表面をすっぽりと覆い隠している、クリスタルガラスの反射光だった。
外見は、鏡というより、粉々に砕いたガラス片を接着剤を使って一塊に繋ぎ合せたような感じに近い。
乱雑に並んだクリスタルの結晶が、めいめい勝手に光を乱反射してキラキラと輝いている姿は、
遠くから眺めればそれなりに美しく映るかもしれないが、
すぐ近くにいる者にとっては、単なるガラス屑の寄せ集め以外の何物でもなかった。
そして、肌に突き刺さるその拘束感は、おぞましい、の一言に尽きた。
おそらくは何らかの邪悪な魔力によるものだろう、紺碧の鎧の持つ加護の力は阻害され、
防御力は勿論、外部から与えられる苦痛を緩和する機能さえ、一切働かなくされてしまっている。
代わりに、もたらされたのは、ぞっとするような冷たさと重苦しさ、何より、容赦なくギリギリと皮膚に食い込んでくる、不快な感覚。
――――その上、更に。

572 :
(37)
「う、ううッ・・・・あぐぅううッ!!」
時折、口元をついて漏れ出してくる苦悶の呻きは、全身の生命力が吸い取られていく故に他ならない。
<鏡使い>の闇の秘術は、女神の加護を失った<戦士>の心身を蝕み続け、
生命の最後の一滴まで根こそぎ奪い尽くそうと貪婪な牙を剥き出していた。
(くうう・・・・ダメ、抵抗できない・・・・こ、このままじゃあ・・・・)
どうやら、一度に吸引出来るエネルギーはさほど多量ではなく、
また、さほど頻繁な間隔で実行可能という訳ではないようだった。
だが、力が奪われるたびに、苦痛に対する抵抗力、更には抵抗の意志そのものが、
弱められていくかのように感じられ、陽子の心を寒からしめている。


573 :
(38)
おそらく、全身を拘束している魔水晶の感触が時間の経過と共に薄れていき、
自由が奪われている、という感覚自体が鈍磨しつつある事実とも無関係ではないだろう。
このままでは、肉体の生命力が残らず吸い尽くされるのを待たず、
精神の方が追い詰められて、完全に屈服してしまうかもしれない――――。
(も、もしかして・・・・ライディやアスカもそれが原因であんな風に!?)
完全な正答ではないものの、彼女の推理はほぼ正鵠を射ていた、と言っても良かった。
・・・・惜しむらくは、その事実は現状の改善に何ら寄与するものではなかったが。
こうしている間にも、魔水晶に覆われた体からは生体エネルギーが啜り取られ、
心からは光と熱が失われて、徐々に消耗させられていく。


574 :
(39)
『ククッ、どうやら真相に辿り着いたようじゃの。
・・・・じゃが、最早手遅れじゃ。ほどなく、お主も我が意のままに動く人形の一つとなる』
姿見に映し出された捕囚の表情を眺めやり、薄笑いを浮かべる<鏡使い>。
ライディのたっての願いによって、しばらくの間、生体エネルギーの吸引を猶予しているレムネアの方も
――――エルス大陸の電撃使い(のコピー)の言によれば、
『エネルギー吸引中の人間に拷問を加えた場合、反応が今一つ物足りない』という事だった――――
さほど遠くない将来には、目の前の少女の後を追う事になるだろう。
『ラルの小娘を取り逃がしたのは残念じゃが、まぁ、さしたる問題はあるまいて。
<夢幻界>に潜り込んだ麗夢の方も、そろそろ首尾を上げ始める頃合いよの。
クックックッ、哀れな<戦士>共め、
万に一つ、この世界から逃げおおせたとしても、最早ヴァニティ城には戻れまい・・・・』

――――――――TO BE CONTINUED..

575 :
以上、第8章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば幸いです〜。
なお、今章は、優子も麗子もヴァルナも登場しない回になってしまいました。
ストーリー展開の都合上致し方なかったとはいえ、
楽しみに待っていらっしゃった方々には申し訳ございませんでした。ご容赦くださいませ。
次回は、いよいよ『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第28章、麗子昇天編をお送りいたします。
『夢幻戦士ヴァリス』のストーリーの中でも、最も悲しく、そして、感動的なシーンを扱うだけに、
いつもよりも執筆期間を少し長めに取って、完成・発表時期は来年の1月末頃の予定とさせて頂きます。
また、しばらくの間、お待ち下さいませ。
それでは、本日はこの辺で〜。

576 :
乙です〜。Sなアスカもいいもんですね

577 :
hoshu

578 :


579 :
o

580 :
あけおめ優子

581 :
あけおめ〜
ttp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=32845415

582 :
>>581
基本的にPC版のパッケージだけど微妙に構図を変えてるね、カッコいい!

583 :
(ちょっと遅くなってしまいましたが)皆様、あけましておめでとうございます〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第28章、本日完成いたしました。
明日の夜21:00頃より投下作業を開始いたしますので、お楽しみに〜。
>>581
イラスト有難うございます〜。
凛々しく可憐な優子と周囲を圧する威圧感を漂わせるログレスの対比が素晴らしい。
敢えてPC版そのもののデザインにせず、PCエンジン版風のアレンジにしているのも面白いです。

584 :
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +

585 :
皆様、大変お待たせいたしました〜。
只今より『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第28章の発表を開始いたします。
・・・・ついに、『夢幻戦士ヴァリス』最大の見せ場、麗子昇天回がやって参りました。
かなり以前に、このシーンをエロパロ化した時もそうでしたが、
この場面は『ヴァリス』シリーズの様々なエピソードの中でも、個人的に一番感動的な話だと感じていますので、
特に力を入れ、時間をかけて描かせて頂きました。
それでは、お楽しみ下さいませ〜。

586 :
(1)
『――――彷徨える魂たちよ』
漆黒の闇の中、駆け抜けていく幾千もの光芒・・・・。
<明>と<暗>の狭間に位置する黄昏の都、サザーランドに封じられていた、<戦士>の魂魄に向かって、
彼女――――多元宇宙の均衡を司る女神であり、<夢幻界>を統べる女王たる、<幻想王女>ヴァリアは、
静謐さを湛えた口調で語りかけ、その行く先を指し示す。
『還るのです、<現実界>へ。本来、貴女達が存在する筈だった<世界>へ・・・・』

587 :
(2)
『・・・・そして、力を貸して下さい。彼の地で戦っている<戦士>たちに・・・・』
瞳孔の無い双眸に浮かんでいるのは、
かつて、冒した過ちに対する深い悔恨・・・・
そして、己の行いが招き寄せてしまった事態を糺し、
多元宇宙に存在する数多の<世界>をあるべき姿に戻さなければならない、という決然たる眼差し。
そのための手段は、今は無きサザーランドの管理者にして調律者であった老人が、
己れの全存在と引き換えにして提供してくれた。
然程遠くはない昔、自らの手で放逐したあの野心家――――アイザードの腹心であり、
主が<暗黒界>に去って後も、その遺産とも云うべき魔道装置を維持し続けてきた老賢者。
彼の本当の気持ちが奈辺にあったのか?今となっては知る術とてないが、
最期に吐露してくれた言葉は、おそらく、真情であったに違いない・・・・。
であるからこそ、女神は自己の過ちと正面から向き合う覚悟を決める事が出来たのだった。
『・・・・これで良いのですね、ニゼッティー・・・・』

588 :
(3)
<現実界>。東京都心部。
『・・・・ザザ・・・・東京都内で発生した謎の地殻変動は・・・・
現在に至るまでまったく終息の気配を見せておらず・・・・被害は更に拡大しています・・・・』
携帯型のラジオから聞こえてくる、雑音混じりのニュース音声に、
三々五々集まってきた避難民たちから、疲労に満ちた嘆息が漏れる。
先だっての直下型大地震とマグマ噴出
――――<暗黒五邪神>が一柱、炎邪ベノンによってもたらされた災厄である――――の傷も癒えぬうちに、
立て続けに襲いかかってきた天変地異によって東京は壊滅的打撃を受け、
生き残った人々は疲れ切った身体を寄せ合うようにして、何時来るかもしれぬ救援を待ち続けていた。
『・・・・政府は非常事態宣言を発令し・・・・』
『・・・・通信・交通の寸断は、首都圏のみならず全国に及んでおり・・・・』
『・・・・世界各地で頻発する地震や火山活動の活発化について、国連は・・・・』
無論、彼らには知る由も無い事だが、
<暗黒界>の中枢から発した歪みは、既に三界に存在する全時空へと波及し、その根幹部分を着実に蝕んでいる。
幾つもの<世界>が次元断層に呑み込まれて消滅し、
かろうじて潰滅の運命を免れた<世界>も、刻一刻と勢いを増大させていく<暗>の諸力により変容を余儀なくされて、
生命のに絶えた不毛の地へと変わりつつあった。

589 :
(4)
パアァアアア――――ッ!!!!
突如として周囲を明るく照らし出す、純白の輝光。
本能的に上空を仰ぎ見た人間たちは、
無数の光点が、幾層にもわたって重々しく垂れ込め、光を遮っている暗雲を突き破り、
彗星のように長大な尾を引きながら地上に降り注いでくるのを目の当たりにした。
「お・・・・おい、今度は何だよッ!?」
「隕石でも落ちてきたのか?」
「もしかして、ミサイル・・・・核攻撃かッ!?」
一瞬にして、パニックに陥る人々。
殆どの者は、蜘蛛の子を散らすようにして逃げ惑い、
少しでも安全だと思える場所を探して、半ば廃墟と化したビルや建物の下へと潜り込む。
・・・・だが、群衆の間には、その場から動けず――――あるいは、動かずに、
天空から迫り来る不可思議な光芒をじっと見つめ続けている者もいた。
多くは、年若い女性・・・・より具体的に言えば、10代後半の、最も感受性の強い時期にある少女たち。
彼女たちの耳、否、頭の奥には、光の中から語りかけてくる、神々しいまでの威厳に満ちた<声>が響き渡っていた。
『・・・・<現実界>の者達よ――――わたくしの名は、ヴァリア・・・・』

590 :
(5)
<暗黒界>。ログレスの居城地下。最深奥部に程近い、鍾乳洞。
「れ・・・・麗子?麗子なのッ!?」
ヴァルナの掲げる杖の先、青白い魔法の灯りが照らす、闇の奥――――、
足を止めた人影に向かって、蒼髪の少女・・・・優子は、
膝下近くまで溜まった地下水の水溜まりの中を、バシャバシャと音を立てつつ、駆け寄ろうとする。
「待て、優子!様子が変だッ!」
背後から制止の声を発したのは、もう一人の仲間である、風のドラゴン・ドラゴ。
<暗黒界>に生を享けた者として、
彼の両眼は二人の<戦士>たちよりもずっと暗闇に慣れ親しんでいる。
―――次の瞬間、
彼の言葉を掻き消さんばかりの巨大でおぞましい咆哮が、
不浄な瘴気に閉ざされた洞窟内の空気を震撼させた。

591 :
(6)
――――ヴァアアアアアッッッ!!!!
野獣のような、いや、野獣そのものと言って良いうなり声と同時に、黒い人影が跳躍する。
直後、周囲を覆う闇のヴェールよりもなお昏い、<暗>の気が膨れ上がったかと思うと、
強烈な衝撃波となって<ヴァリスの戦士>へと降り注いだ。
ガキィィィン!!
間一髪のタイミングで、愛剣を構え直して斬撃を受け流す優子。
だが、発動した防御障壁は、巨大な剣圧の全てを防ぎ切るには不充分だった。
相し切れなかった衝撃波が後方へと抜け、仲間たちに襲い掛かる。
「きゃあああッ!!」
吹き飛ばされ、水飛沫と共に地下水の中へと倒れ込む銀髪の魔道士。
咄嗟に詠唱した防御呪文が間に合ったため、それ以上のダメージを受ける事はなかったが、
もう一人の仲間・・・・ドラゴの方は、彼女ほどの幸運には恵まれなかった。

592 :
(7)
「ぐはァッ!!」
苦悶のうめきを発して、ドラゴンの巨体が崩れ落ちた。
根元から断ち切られた片方の蝙蝠羽根が、肉の裂ける鈍い音を立てながら落下していき、
傷口から勢い良く溢れ出した竜族の青い血が水面を真っ青に染めていく。
「ドラゴッ!!」
地響きを立てて倒れ込む戦友に、異口同音に叫び声を上げる<戦士>たち。
紙一重の差で急所からは外れているものの、
翼を失った竜は、もはや、二度と天空を舞う事は叶わない。
事実上、戦闘能力の全てを失ったに等しい、と言っても過言ではなかった。
「ぐガぁアアアアッ!!!!」
たった一撃で、ドラゴを半身不随の状態へと陥らせた黒い怪物が、
勝ち誇るかのような雄叫びと共に、両腕を振り上げる。
――――その禍々しい姿は、麗子であって麗子ではなかった。

593 :
(8)
優子とヴァルナが身に纏っているのと同じ物であった筈の黄金の甲冑は、
かつて、ログレスから与えられた装いと同様の、漆黒の肌合いへと変貌を遂げていた。
・・・・否、<ヴェカンタの戦士>の防具は、
たしかに、<ヴァリスの戦士>のそれとは対極に位置する、神聖ならざる雰囲気を漂わせてはいたものの、
同時に、ぬばたまの光沢を放つ黒曜石を彫り込んで作られたかの如き優美さをも兼ね備えていた。
だが、今、赤毛の少女の全身を覆っているのは、
流れ出した血が凝固して出来たかのような、どす黒く濁り切った戦装束・・・・。
見る者に与える印象としては、戦場に赴く戦士が着用する鎧というよりも、
むしろ、怪しげな妖術に手を染めた魔道士が身に帯びる呪術的な装身具のイメージに近い。

594 :
(9)
・・・・加えて、彼女のカラダ自体、もはや五体満足とは言えなかった。
サザーランド上空での敗北の代償として失った右腕と右足は、
義手と義足の代わりに、先程、ドラゴの片翼を薙ぎ払った斬撃を生み出した、奇怪な形状の邪剣へとすげ替えられている。
生身の肉体との接合部分には、金属とも皮革ともつかない材質の、触手めいたパイプ状の器官が何本も走り、
少女から強制的に搾り取ったエネルギーをおぞましい刀身へと供給し続けていた。
戦闘では無事だった筈の左腕にも、猛禽類の鉤爪を思わせる鋭利なクローと不気味な籠手が装着されており、
かろうじて、元々の四肢の形状をとどめているのは左脚のみ、という状況。
何より、優子を慄然とさせたのは、妖気を帯びた双眸だった。
磨き抜かれた紫水晶を連想させる、ラベンダー色の瞳は血の色に染まり、
物静かで理知的な光を湛えていた眼差しは跡形も無く消え失せて、
代わりに、覗き込んだだけでぞっとする、狂気と憎悪を孕んだ眼光が熾火のように燻っている。

595 :
(10)
「い、一体、何があったのッ・・・・!?」
悲痛な面持ちで問いを発する蒼髪の少女。
変わり果てた姿の親友から返ってきた答えは、人剣と化した右腕の一閃だった。
「ううっ!!」
明確な意を帯びて襲い掛かってくる、暴風のような斬撃を、
<ヴァリスの戦士>は、双剣を用いて受け止める。
背後では、<夢幻界>の王女が、ドラゴの傷に杖をかざして、一心不乱に治癒呪文を詠唱していたが、
<暗黒界>の中心ともいうべきこの場所では、<明>の力は阻害されて、効果を発揮し難く、治療は遅々として進まない。
やむを得ない、と判断した優子は、<レーザスの剣>を右手で保持したまま、
左手に構えた<ヴァリスの剣>をコンパクトに振り払った。
切っ先から放出されたエネルギー波が目の前の漆黒の<戦士>をとらえ、胸元で爆ぜる。
斬撃の威力自体は(意図的に)低くしていたものの、
眩く輝く光に目を射られたらしく、身体を仰け反らせて苦しげに呻いた怪物は、
態勢を立て直すべく、後ろ跳びに大きく跳躍して洞窟の天井へと後退を図った。

596 :
(11)
「麗子ッ!?わたしよ、分からないのッ!?」
鍾乳洞の壁面に木霊する、哀切な叫び。
だが、剣と化した右足を岩盤へと突き刺し、蝙蝠のように洞窟の天井にぶら下がった赤毛の少女からは、
ヴヴヴ・・・・、という押し潰れたうなり声が返ってきただけで、返答は無かった。
その挙動は、返事をする意思が無いというよりも、
むしろ、自分に向かって何らかの呼びかけが行われた事実そのものを把握出来ていない、と形容する方が適切かもしれない。
「無駄だ、優子・・・・」
背後から掛けられた言葉に振り返ると、
ようやく傷口が塞がったドラゴが、幽鬼のような表情を浮かべていた。
片翼を?ぎ取られたダメージが完全に癒えた訳ではないらしく、声音は非常に弱々しい。
「あの姿は、おそらく、<ヴェカンタ・オア>と融合したんだろう。
真正の<戦士>としての適合性がある分、デルフィナよりもっと深い所まで同化が進んでしまっている」

597 :
(12)
「そ、そんな・・・・」
プラチナ・ブロンドの女エルフの最期を思い出し、絶句する<ヴァリスの戦士>に、
風のドラゴンは感情を押しした口調で冷酷な現実を宣告する。
「残念だが、もう手の施しようが無い。
ああなってしまっては、最早、彼女は――――元には戻れない」
「・・・・・・・・」
両の眼を大きく見開いた蒼髪の少女から、言葉にならない喘ぎが漏れた。
凍りつくような悪寒が全身を走り抜け、一瞬、目の前が真っ暗になる。
何とか理性を保ち続けるためには、意志の力を総動員しなければならなかった。
「ま、まさか・…嘘でしょう!?」
今にも泣き出しかねない面持ちで問い質すヴァルナ。
優子ほどには麗子との付き合いが長い訳ではない銀髪の魔道士だったが、
さすがに受けたショックは大きいようだった。
・・・・だが、ドラゴは沈痛な面持ちでかぶりを振っただけ。
彼の判断の正しさを証明するかの如く、
鍾乳洞の天井では、再び禍々しい瘴気に包まれた異形の<戦士>が犬歯を剥き出しにして敵愾心を露わにしている。

598 :
(13)
――――ヴぁアアぁアアアッッッ!!!!
奇怪な叫び声と共に、岩盤を蹴って急降下してくる、黒衣の少女。
「麗子ォォッ!!」
哀しみに打ちひしがれた絶叫を放ちつつも、
優子は、半分以上反射的に、<ヴァリスの剣>を持ち上げ、迎撃姿勢をとった。
・・・・だが、ショックのせいだろう、ほんの一瞬、否、半瞬だけ、動作に遅れを生じてしまう。
十分に展開し切れなかった防御障壁を掻い潜り、無防備な喉笛へと迫ってくる、必の鉤爪・・・・。
ドンッ!!
何かに背中を押されて、蒼髪の少女の身体は前のめりに傾き、
そのまま、足元の水たまりへと叩き付けられた。
直後に、彼女の頭のあった位置から、グサリ、という肉を抉る鈍い音が響き渡り、
ドラゴンの青い血液が倒れ込んだ<ヴァリスの戦士>の上へと降り注いでくる。
僅かに遅れて、ヴァルナの呪文が聞こえ、杖の先から迸った不可視の力が、
水の中の優子に第二撃を振り下ろそうとしていた黒衣の<戦士>を打ち据えて、後方へと弾き飛ばした。

599 :
(14)
「ヴぁアアアアッッッ!!!!」
解き放たれた<明>の魔力に全身を灼かれる、異形の怪物。
苦痛に満ちたうなり声を上げながら、地面をのた打ち回る。
その隙に水面から半身を起こした優子は、愛剣を支えに素早く体勢を立て直した。
真っ先に視線を巡らせ、安否の確認を試みたのは、
自分の身代わりになって麗子の一撃を受け止めてくれた、風のドラゴン――――。
「ま、まさかッ!?」
驚愕のあまり、言葉を失ってその場に立ち尽くす、<ヴァリスの戦士>。
駆け付けてきたヴァルナも、魔法の灯火で傷口を照らし出し・・・・思わず、息を呑む。
<ヴェカンタ・オア>の鉤爪は、強靭な鱗と分厚い筋肉によって守られていた筈の胸郭をいとも易々と貫き、
心臓にまで達する、瀕の重傷を負わせていた。
流出した血液の量は、先程、片翼を?ぎ取られた時の比ではなく、
足元の水辺はおろか、周囲の岩肌にまで、青色のペンキをブチ撒けたかのようにベットリとこびり付いている。
奇跡的に即は免れていたものの、もはや、手の施しようが無いのは明らかだった。

600 :
(15)
「・・・・ユ、優・・・・子・・・・」
最後の力を振り絞り、何かを伝えようとする瀕のドラゴン。
半ば反射的に、その傍らに膝をついた蒼髪の<戦士>の目元からは、
銀色に輝く涙の滴が斑に覆われ始めた戦友の相貌の上に零れ落ちる・・・・。
「・・・・に・・・・して・・・・やるん・・・・お前・・・・の・・・・で・・・・れ、れい・・・・」
おそらくは『麗子を』と言ったのだろうが、
最後の単語は、ゼイゼイという荒い吐息に掻き消されて、少女の耳には届かなかった。
直後、緑の巨体がゆっくりと傾ぎ、己れ自身の血で青く染まった冷たい水面へと沈み込んでいく。
(・・・・ドラゴ・・・・)
デルフィナに続いて逝った、異界の友の亡骸の前で、
瞑目したまま、両手をきつく握り締め、肩を震わせる、<ヴァリスの戦士>。
全ての音がに絶えた世界の中で、最期の言葉が虚ろに響き渡る・・・・。
『楽にしてやるんだ。お前自身の手で――――・・・・を』

601 :
(16)
「・・・・優子」
事切れたドラゴを見つめたまま動こうとしない、<現実界>の少女に向かって、
躊躇いがちな口調で声をかける、<夢幻界>の王女。
かけがえのない同志であった風のドラゴンを喪ったショックは察するに余りあるが、
彼の命を奪った黒衣の怪物が、態勢を立て直して反撃してくる可能性を考慮すれば、
いつまでも悲嘆に暮れているのはあまりにも無防備すぎる。
加えて言えば、彼女の背後・・・・鍾乳洞の最深奥部においては、
<古の封印>に封じられし魔の解放が秒読み段階に突入している筈だった。
もはや事態は一刻の猶予も許されない、と言っても決して過言ではない。
――――そのように思考した上で、ヴァルナは、
優子の感情を慮りながらも、彼女の意識を現実へと呼び戻そうと試みる。
その意図する所に気付いたのだろう、蒼髪の<戦士>は、
半ば体を引き摺るようにしてドラゴの遺骸の傍から身を起こすと、
(依然として背中を向けたままではあったが)静かに口を開いた。
「分かってる――――だから、お願い、先に行って・・・・もう、時間が無いわ」

602 :
(17)
「ッ!?」
<ヴァリスの戦士>の漏らした、呟きにも似た言葉に、
<夢幻界>の少女は、一瞬、雷に打たれたかの如く全身を硬直させた。
・・・・あの怪物は自分が引き受ける、
だから、ヴァルナは先に進んで、<古の封印>を破壊して欲しい・・・・。
優子は、そう言い放ったのである。
常識的には考えられない話だった。
たしかに、自分たちが、犠牲を払いつつ、<暗黒界>の中枢にまで侵入したのは、
<古の封印>を破壊し、封じられた邪悪な存在が完全復活を遂げる前にこれを叩き潰すためである。
魔の解放が間近に迫っている今となっては、一刻も早く<封印>の許へと辿り着かねばならず、
戦力の分割自体は、やむを得ない判断だと言えなくもない。

603 :
(18)
――――だが、それならば、この場に残って麗子・・・・であった異形の<戦士>を引き付けておくのは自分、
そして、<古の封印>に向かうのは優子、という分担こそが最善の選択の筈である。
麗子を足止めに送り出したからには、<封印>を守っているのは、<暗黒王>ログレス自身。
いくら自分が<幻想王女>ヴァリアの娘であり、<ヴァリスの戦士>として覚醒を遂げた身であるとはいえ、
容易に勝利できる相手ではない。
加えて、もし仮に、彼の撃破に成功したとしても、
母ですら消去し切れず、封印するしかなかった存在を、自分一人で何とか出来るとは到底思えなかった。
どう考えても、任にあたるべきなのは、
<ヴァリスの剣>と<レーザスの剣>、すなわち、<三界>に並び立つもの無き聖魔の双剣を携えた、彼女の方だろう。
(それぐらいの事は重々承知している筈。なのに、何故・・・・?)
背を向けたまま振り返ろうとしない目の前の少女を、じっと見つめる<夢幻界>の魔道士。
黄金の肩当ての尖端が小刻みに上下しているのは、震え
・・・・どう堪えようとしても決して押し隠せない、動揺の故に違いない。
では、それは、一体、何によってもたらされたものなのだろうか?

604 :
(19)
(・・・・ドラゴを喪った哀しみ?)
いや、違う。
無論、優子の心中は、眼前で散った戦友のを悼む感情に満ち溢れているに相違ないが、
同時に、それが為に、戦いの行方に関わる重大な選択を見誤る程、彼女の心は脆くは無い筈だ。
(・・・・ドラゴの生命を奪った存在への怒り?)
あり得ない話ではない。
自分だって、彼をした麗子、
否、彼女を人マシーンに作り変えた<暗黒界>の支配者への怒り
――――<夢幻界>の住人であるヴァルナにとって、最も忌避すべき負の感情――――で煮え滾っているのだから。
・・・・でも、そうであるのならば、ログレスとの戦いに赴こうとしないのは何故だろう?
(・・・・仲間を守れなかった悔しさ?それとも、自分に向けた憤り?)
どうだろうか?
確かに、自分の知る限り、優子ほど仲間を大切に思う<戦士>はいない。
ヴォルデスやデルフィナを喪った時の彼女の強い自責の念は、傍にいた自分にもひしひしと伝わってきた。
そして、今もまた、目の前の少女は、ドラゴをに至らしめたのは己れの無力さ故だ、と考え、
自分を責め苛んでいる事は想像に難くない・・・・。
――――だが、本当にそれだけなのだろうか?

605 :
(20)
(もし、いずれでも無いとしたら・・・・)
もう一つの可能性に思い当たった瞬間、
黙りこくったままの優子を見つめていたヴァルナは、心の中で、あっ、と小さく叫び声を上げた。
立ち上がりはしたものの、背中を向けたまま、
一言たりとも発しようとはしない、彼女の真意とは、すなわち・・・・。
(そうか・・・・きっと、あの震えは・・・・恐怖のため)
麗子を手に掛けねばならない――――その事自体への恐怖。
そして、もはや、す以外に麗子を止める手段が存在しない以上、
その役目を果たせるのは、自分しかいない、
否、麗子害という十字架を自分以外の誰かに負わせたりは出来ない、という・・・・覚悟。
綯い交ぜとなったその二つの想いを前にしては、
三界最強の<ヴァリスの戦士>といえども、戦慄する以外に為す術を知らないに相違ない・・・・、
少女の内面に思い至った銀髪の魔道士もまた、掛けるべき言葉を見失い、押し黙るしかなかった。

606 :
(21)
――――ヴアアアアアッ!!!!
少女たちの沈黙を押し破ったのは、
怒りと苦痛によって、より一層、禍々しさを増した咆哮・・・・。
直後、凝縮された意の塊が、鍾乳洞の岩肌を蹴り立てこちらに向かってくる。
「お願い、ヴァルナ・・・・私もすぐに行くから」
途方も無い自制心を働かせて、全ての感情をしつつ発せられた言葉には、
<夢幻界>の魔道士に一切の反論を許さないだけの力が込められていた。
(優子・・・・)
いたたまれなくなったヴァルナは、悲しげな表情を浮かべたまま、踵を返し、
ごめんなさい、と、消え入りそうな声で謝罪しながら、タンッ、と地面を蹴った。
恐るべき気を撒き散らして突撃してくる黒衣の少女とは針路が交錯しないように迂回しつつ、
洞窟の奥に向かってひたすら突き進んでいく。
伏せられた目元に、蒼髪の<戦士>を想う涙を貯め込んだ、彼女の胸を満たしていたのは、
今となっては、彼女の悲壮なまでの願いを叶えるしかない、という決意と、
全ての決着を優子一人に押し付けてしまう事への慙愧の念。
――――ログレスや封じられた魔とどう戦うか?など、もはや些末事でしかなかった。

607 :
(22)
「これって、運命、なのかな・・・・」
ヴァルナの姿が見えなくなったのを確認した<現実界>の少女は、
独りごちるような口調で、眼前に着地した漆黒の怪物に向かって語りかける。
<夢幻界>屈指の術者である銀髪の少女の放った、強大な<明>の魔力を相すべく、再活性化した<ヴェカンタ・オア>の作用により、
かつてのクラスメイトの身体は、文字通りの意味での異形へと変貌を遂げていた。
「・・・・違う、よね?」
<レーザスの剣>を足元へと突き立て、<ヴァリスの剣>を両手で構え直した優子は、
改めて、麗子・・・・であった存在と正面から相対する。
その表情は、悲しみを突き抜けた先にある、ある種の諦観にも似た境地に達しているようにも見受けられた。
「運命、なんて言葉では片付けたくない。
だって、わたし達、自分の・・・・自分たちの意志で、ここまで辿り着いたんだから。
たしかに、ログレスやアイザードやヴァリアさまの思惑に散々振り回されてきたのは事実だけれど、
それでも、結局、最後の最後は、わたし達自身で判断し、選択してきた・・・・筈よ」
「ヴ・・・・ヴヴヴ・・・・」

608 :
(23)
「・・・・だから、その結果も、自分自身で引き受けなくちゃならない。そうでしょ、麗子?」
唯一つ、赤みを帯びたダークブラウンの頭髪を除いて、
全身の殆どが<ヴェカンタ・オア>に侵蝕され、変わり果てた姿と化した親友と対峙しつつ、
それでも、蒼髪の少女は、変わる事無く、彼女の名前を呼びかけた後・・・・おもむろに愛剣の切っ先を向けた。
ヴァあああァああああッッ!!!!
狂ったような雄叫びを上げて、漆黒の怪物が跳躍する。
先程、優子に向かって放った――――そして、身代わりとなったドラゴの心臓を撃ち抜いた――――のと同じ、
右腕と一体化した邪剣と左手の鉤爪とが同期した、必必中の二連突き。
対する<ヴァリスの戦士>は、愛剣の一閃で、急降下攻撃の突進力をぎ落とすと、
間髪を入れず、実体化させた<風の盾>
――――アイザードの持っていた<ファンタズム・ジュエリー>の力によって生成された円形の小盾――――を、
円盤投げの要領で、彼女の胴を目掛けて投げ付けた。

609 :
(24)
ゴぉがァあああァァッ!!
狙い違わず、怪物の胴に命中した<風の盾>から、強力な大気の魔力が放出されて、
どす黒く濁った色合いの結晶に覆われた四肢を絡め取る。
必に抵抗を試みる異形の<戦士>だが、
<ヴェカンタ・オア>とは対極の性質を有する聖なる宝玉が変じた<風の盾>が相手では分が悪いらしく、
不可視の力場に抑え込まれた手足は微動だにしない。
「・・・・許して、麗子」
溢れ返る涙で視界を曇らせながらも、
呼吸を整え、精神を集中して、<ジュエリー>のパワーを引き出し、蓄えていく、蒼髪の<戦士>。
薄青色の双眸には、もはや、一片の迷いも躊躇いも存在していなかった。
ビュオオオッッッ!!
魂の奥底から湧き立つような、強大な<明>の霊気が、
地水風火雷、五大元素のエネルギーの奔流となって、少女の華奢なカラダを押し包んだ。
暗闇に閉ざされた地の底には存在する筈のない、逆巻く疾風に煽られて、
長い蒼髪がバサバサとはためき、大天使の率いる軍勢の掲げる旌旗の如く、宙空を駆け巡る・・・・。

610 :
(25)
「わたしが・・・・わたしが、全部、背負うッ!!
全部背負って、必ずみんなを救ってみせる!!・・・・だからッ!!」
身体から溢れる、かつて一度として経験した事の無い程の圧倒的なまでのパワーが、
神聖不可侵なる力場を形成して、重く垂れ込めた<暗>の気を斬り払っていく。
<ファンタズム・ジュエリー>に由来する諸力をコントロールするのは、
最強の<ヴァリスの戦士>にとっても容易ではなかったが、
全ての感覚を極限まで研ぎ澄まし、意識を集中し切った彼女は、見事にその大任を果たしていた。
その一方で、<ヴァリスの剣>の刀身は眩いばかりの輝きに包まれ、金床で打たれる玉鋼のように赤熱している。
許容限界を遥かに超えたエネルギーを受け入れたせいで、
<ヴァリス・オア>の組成までもが自壊しかけているに違いなかった。
この状態で、限界を超えて内部に溜め込んだ力を放出しようとしたならば、
<剣>は勿論、己れ自身にも反動が襲い掛かり、最悪、もろともに吹き飛んでしまうかもしれない。
――――それでも、優子は、最早立ち止まろうとはしなかった。

611 :
(26)
「地よッ!!我が許に集い、我が敵を討てッ!!」
裂帛の気合いと共に、地邪ガイーダの残した<ジュエリー>の力、<アースクエイク>が解き放たれる。
ゴオオオッ!!という地鳴りと共に、凄まじい衝撃波と化した膨大なエネルギーが、
幾層にも積み重なった鍾乳石の地面を破砕しながら、怪物の許へと突き進んでいく。
――――グガぁアアアぁアアアアッ!!!!
衝撃波からの回避も防御も出来ぬまま、
直撃を受け、魂も凍るような悲鳴を発する、異形の<戦士>。
濛々と立ち込めた砂塵と巻き上げられた大小の石片によって視認は叶わなかったが、
<ヴェカンタ・オア>との融合によって形成された、漆黒の甲殻には、
随所に大きなヒビが入り、一部は毀たれて、防御力の大半を喪失してしまっていた。
(ごめん、麗子・・・・)
胸の奥で、最後にもう一度だけ、謝罪の言葉を口にする優子。
続く攻撃は、全身を鎧う神聖ならざる黒衣を剥ぎ取るだけでは済まないだろう。
少女が今から味わう、肉を裂かれ、骨を断たれ、臓腑を潰される、地獄の責め苦を想像すると、胸が張り裂けそうになる。
――――それでも、彼女には、もはや、攻撃の手を緩める事は出来なかった。

612 :
(27)
「----凍てつく水よッ!!我が許に集えッ!!
風よッ!!火よッ!!雷よッ!!我が敵なる、不浄の闇を討ち滅せッ!!」
掛け声のたびに、胸の奥で<ファンタズム・ジュエリー>が光と熱を発し、
開放される膨大なパワーが、ガクン、ガクン、と恐るべき負荷となって、<ヴァリスの剣>へと跳ね返ってくる。
それに必に堪えながら、ひたすら精神を集中し、宝玉の力を集束させて、前方へと撃ち出していく優子。
ほんの少しでも気を抜けば、エネルギーへのコントロールは失われ、
魔力は拡散して消え去るか、あるいは、暴走して術者の心身を喰らい尽くしてしまうかもしれない。
いかに<ヴァリスの戦士>であろうと、<ジュエリー>を複数個並立、しかも、連続して発動させるなど無茶も良い所であり、
彼女の前にヴァリアによって召喚された<戦士>たちの誰一人として、
(たとえ、それが可能な状況であったとしても)試みようさえしなかった、言わば、『禁じ手』と言って良い。
(・・・・それでも、やらなくちゃならない。
たとえ、この身が砕け散ろうと・・・・麗子は、わたしが・・・・わたしが・・・・)

613 :
(28)
「うあああああッッッ!!!!」
怒号とも嗚咽ともつかない叫びと共に、優子は真っ赤に燃え盛る愛剣を擲った。
我が身に宿った力の最後の一滴まで注ぎ込んだ切っ先は、
大気の魔力で動きを封じていた<風の盾>もろとも、黒衣の少女のカラダを貫き、大爆発を引き起こす。
すでに、<アースクエイク>や<アイスフェザー>をはじめとする、波状攻撃を浴びて、
満身創痍の状態だった異形の肉体が、
凄まじいエネルギーの奔流に押し包まれ、灼き尽くされていく・・・・。
「グぁアアアアッッッ!!!!」
目も眩むような純白の閃光の中から断末魔の悲鳴が響き渡った。
相前後して、度重なる負荷を受け容れ続けて、限界に達していた<ヴァリスの剣>が、
ボロボロと崩れ去り、物質としての実体を失って、光へと還っていく。
幾星霜にもわたって、数多の<戦士>の手を渡り、共に<暗黒界>との激闘を繰り広げてきた
――――それは同時に、彼女たち全員のを看取ってきた、という事でもあるが――――
<明>の聖剣の最期を脳裏に焼き付ける、蒼髪の少女。
薄青色の双眸は、新たに湧き出した涙によって濡れそぼり、キラキラと輝いていた・・・・。

614 :
(29)
――――ボゴォッ!!
勢い良く崩れ落ちた岩盤の中から身を乗り出した銀髪の少女・・・・<夢幻界>の王女にして<ヴァリスの戦士>たるヴァルナは、
眼前に広がる光景に、思わず、言葉を失った。
目の前に聳え立つ、巨大な黒曜石の一枚岩。
ぬばたまの光沢を帯びた表面には、一つ一つの鎖の輪が自分の背丈ほどもある鉄鎖が幾重にも巻き付けられ、
びっしりと赤錆の浮いた地金の奥からは、弱々しい燐光
・・・・限りなく弱体化してはいるが、未だ消滅してはいない魔力が内包されている証しがまたたいている。
「信じられない。これが、全部、<ヴェカンタ・オア>で出来ているなんて」
神聖ならざるモノリスの根元は、
地表に姿を現している部分の外周だけでも数十メートル。
地上に向かって屹立しているその高さに至っては、何処まで伸びているのか?想像すら及ばない。
女王ヴァリアの娘として生を享けて以来、
様々な流派の魔術――――無論、<明>の領域に属するものに限られるが―――を修めてきた、彼女だったが、
これ程までに巨大な魔法物質に遭遇した経験は一度も無かった。

615 :
(30)
「・・・・これが、<古の封印>!!」
圧倒的なまでの存在感を放つ、漆黒の巨大モニュメントに威圧されるヴァルナ。
さいわい、母の施した封印は、弱まってはいるものの、未だ無に帰してはいないらしく、
<ヴェカンタ・オア>の発する瘴気には、少女の前進を妨げる程の力は存在しなかった。
その事を確かめた上で、勇気を振り絞り、一歩一歩、慎重に近付いていく。
・・・・だが、<封印>の刻み付けられた鉄鎖まであと少し、という地点まで接近したところで、
彼女の足は、一歩たりとも前に進む事を拒否してしまった。
――――ドクン、ドクン、ドクン・・・・。
漆黒の闇の奥から聞こえてくる、否、頭蓋骨の内側に直接響き渡る、禍々しき胎動。
そして、一切の光を遮り、透過を許さない、ぬばたまの棺よりもなお黒々とした、
途轍もなく不浄で邪悪な気配を漂わせる何者かの影が、
銀髪の<戦士>の原初的な恐怖を呼び覚まし、
まるで金縛りにあったかの如く手足を縛めて、進退の自由を奪い去ってしまう。

616 :
(31)
「くうっ・・・・ど、どうしてッ!?
<古の封印>まで、あともう少しなのに・・・・あの<封印>さえ、破壊すれば!!」
予想外の出来事に、取り乱した表情を見せる<夢幻界>の魔道士。
だが、何とかしなければ、という意志とは裏腹に、
両足は地面に縫い付けられてしまったかの如く、微動だにしない。
――――ドクン、ドクン、ドクン・・・・。
邪悪なるモノリスから放たれる波動が、
意識の中に直接入り込んできて、ぞっとするような楽の音を掻き鳴らす。
戦慄のあまり、息苦しさを覚えながら、弱々しく喘ぐヴァルナ。
・・・・その刹那。
周囲を取り囲む暗闇よりも、なお昏く澱んだ、漆黒の思念が、
呪詛の如き、憎しみのこもった<声>となって、少女の心臓を鷲掴みにする。
『破壊すれば、どうだと言うのだ?』

617 :
(32)
「ひ、ひィっ!!」
恐怖に顔面を歪めつつ、背後を振り返った銀髪の王女。
魔道士としての第六感は、
敵の本体は目の前には無く、聞こえてきた<声>はまやかしに過ぎない、という事実を、
半ば本能的に察知して、警告を発しようとしたものの、
それよりも早く、<声>の持つ、途轍もない禍々しさが、理性を圧倒してしまっていた。
『・・・・無力な小娘よ、お前に何が出来るというのだ』
あたかも、周囲の闇そのものが一斉に吼えかかってきたかの如き、
耳を聾する哄笑が哀れな獲物の五感を席巻し、暗黒の色に塗り潰していく。
自我の全てが侵食されるかのような、おぞましい精神攻撃は、
たとえ幻覚に過ぎないと頭では理解出来ていても、到底平静でいられるものではなかった。
恐慌に駆られ、冷静な判断力を失ってしまった少女は、
かつて、<暗黒界>に足を踏み入れて間もない頃に優子が経験したのと同様の幻・・・・
四方八方から押し寄せる無数の触腕によって、絡み付かれ、自由を奪われる、
現実と見紛うばかりのリアルな幻覚の中に、為す術もなく呑み込まれていく――――。

618 :
(33)
「ひィッ・・・・や、やめてぇ・・・・」
無慈悲なる黒い腕によって足首を掴み取られ、高々と持ち上げられた、ヴァリアの愛娘は、
絶望と嫌悪に表情を引き攣らせながら、弱々しくかぶりを振った。
太股の付け根に位置する、乙女の最も大事な場所を守る丈の短いプリーツ・スカートが、
重力の法則には逆らえずに、下側・・・・逆さ吊りにされた上半身の方向に向かって垂れ下がり、
視界の端でヒラヒラと揺れ動く。
(い、いやぁ・・・・こんな恰好、恥ずかしいッ)
どのような原理によるものか?まではヴァルナ自身にも判然としなかったが、
こんな切羽詰まった状況下であっても、乙女としての羞恥心は正常に働いているのだろう、
半ば本能的に、銀髪の少女は、少しでも股間の露出部分を少なくしようと試みる。
もっとも、別々の触腕によってがっちりと拘束されている両腕は如何ともし難く、
せめて膝を閉じようと続けた涙ぐましいまでの努力も、何の成果も生み出す事は無かったのだが。

619 :
(34)
「ああッ!!」
ささやかな抵抗など意に介する事無く、猛々しい漆黒の凌辱者たちは、
左右の足首を掴み取ったかと思うと、一切の躊躇いなく、がばぁッ、と大きく割り拡げた。
膝までを覆う黄金色のブーツに包まれたしなやかな両脚が、伸びやかなV字を描き、限界まで引き延ばされる。
恥ずかしさのあまり、かぁっ、と頬を赤らめる<夢幻界>の王女。
元々決して十分な面積とは言えない腰布は完全に捲れて、目隠し布としての機能を放棄してしまい、
全くの無防備状態で曝け出された純白の下穿き越しに、
澱んだ空気の感触がふっくらと盛り上がった畝肉を包み込んでいる。
(はうう・・・・み、見られている。わたくしの大事な場所が・・・・)
目元から溢れる羞恥の涙が視界を薄ぼんやりと曇らせる。
<暗黒界>の支配者は、あれっきり、<声>を発する事無く、沈黙を守っていたが、
圧倒的なまでの存在感は周囲の空間内に満ち満ちていた。
飾り気の無いシンプルなデザインのショーツ越しに、
羞じらいに火照る秘裂が透かし観られているようにさえ感じられる。
――――と、まるで、秘めやかなるその想いを読み取ったかの如く、新たな触腕が近付いてきた。

620 :
(35)
「ひぁッ!?」
我知らず、その場所へと意識が向いていたせいだろうか、
いやが上にも鋭敏さを増していた恥丘に、硬くて冷たいモノが押し当てられた。
四肢に巻き付いているものより一回り細く、ゴツゴツと節くれだった黒い手指が、
薄布に守られた割れ目に食い込んできて、無遠慮に這い回ろうとする。
「いや・・・・ぁあッ!!」
湧き上がってくる異様な感覚に抗う、<夢幻界>の王女。
押し流されてはならない。気をしっかり持たなければ――――
だが、そう思えば思うほど、刺激を受けた秘裂の奥は熱く疼いて、少女の心を悶え狂わせた。
柔らかな谷間が異物によってグリグリと圧迫を受け、下着の布地で肉畝がしごかれるたび、
花弁の粘膜が、ピクン、ピクン、とひくつき、敏感な戦慄きを返してしまう。
陰核を収めた細い莢が揉み込まれ、股布の中央に深い皺が刻まれると、
布目の奥から半透明な粘っこい液体が滲み出てきて、恥ずかしい染みが徐々に面積を広げていく。

621 :
(36)
「あ・・・・ああッ・・・・あう・・・・あぁうッ・・・・!!」
天地が逆さにされた身体が羽交い絞めにされ、細いウエストがガッチリと固定された。
背中が押し上げられ、代わりに腰がゆっくりと引き下げられていく。
今から自分の身に何が起きようとしているのか?本能的に察知して、表情を凍りつかせるヴァルナ
・・・・だが、両腕も両脚も漆黒の触腕によってきつく縛められ、持ち上げる事も縮める事も叶わない。
(ああッ・・・・も、もうダメぇ!!)
絶望に打ちひしがれる魔道士の目の前に、
<暗黒王>の物言わぬ僕たちの中でも、ひときわ猛々しく、醜怪なフォルムをした一体が姿を現し、
大蛇のようにのたくりながら、身動き一つできない哀れな獲物のカラダを這い進んでいく。
ビリィイィッ!!!!
か細い破断音と共に、内股から幾分かの湿り気を帯びたショーツが破り取られた。
ねっとりと凪いだ空気が無毛の恥丘を愛撫し、生白い尻たぶの表面を細かく粟立たせる。

622 :
(37)
「い・・・・いや・・・・いやぁ・・・・」
赤黒く燃える不浄の焔が、未成熟な秘裂の輪郭を浮かび上がらせる。
巧みな愛撫によって生み出された内奥からの熱は、
既に幼い蕾を三分咲き程度に開花させ、花弁の表面を愛液の滴でうっすらと光らせていた。
――――キュッ、キュルッ、キュルルッ・・・・!!
いつの間にか、反転した肉莢の内側から頭を覗かせていた豆粒台の真珠玉が、
ゴツゴツとした指先に挟み込まれ、扱かれるようにして弄ばれる。
先刻までの下着越しの愛撫とは比べ物にならない、喜悦のわななきが、花弁一杯に広がっていき、
膣壁粘膜が、じわわっ、と潤みを帯びていった。
「はッ・・・・ぁあうッ・・・・んはぁ・・・・!!」
意志の力では押し止める事の出来ないゾクゾク感が、切迫した喘ぎ声となって口をつく。
グロテスクな黒い手は、容姿とは裏腹に、なかなかのテクニシャンぶりを発揮して、
初心な少女を昂ぶりへと導き、濡れそぼらせていた。
三分咲きに過ぎなかったピンク色の花びらは、
五分咲き、七分咲き・・・・と、加速度的に開花速度を増大させていき、
湧出する体液も、ドロリとした粘度の高い蜜汁から、サラサラの愛潮へと変化していく。

623 :
(38)
(アッ・・・・くはッ・・・・ヒハぁアッ!!)
次第に快楽の虜となっていく、銀髪の王女。
そして、涙に覆われた視界が眩い輝きによって満たされ始め、
うなじの少し後ろ辺りにチリチリするような熱さを感じた――――その時。
グリィィィッ!!!!
トロリとしたヌメリに覆われた秘裂を漆黒の触腕が無理矢理に押し開き、
はちきれんばかりの己れのカラダを奥に向かって突き入れた。
あまりにも太く、あまりにも硬く、
そして――――ぞっとするほど冷たく凍えきった、まるで鋼鉄の塊の如き異形の器官が、
マシュマロのような陰阜を強引にこじ開けて、女膣へと潜り込んでくる。
「いひっ!?・・・・ヒギィいいいィィィッッッ!!!!」
一瞬にして、天国の雲の上から無間地獄の底へと叩き落とされる、少女の五感。
程良く湿りかけていたとはいえ、セックスの経験など皆無に等しい
――――それ以前に、<夢幻界>の住人として生を享けた彼女は、
<現実界>の男女の間で営まれる生殖を目的とした性行為自体に馴染みが薄かったが――――、
ヴァルナの膣孔にとっては到底耐えられる刺激では無かった。

624 :
(39)
「うぐッ・・・・くッ・・・・ああ・・・・ぐあああッ!!」
カラダがバラバラになるような激痛が、
灼熱感を帯びた衝撃波となって、猛烈な勢いで脊髄を駆け昇っていく。
無慈悲な肉クサビの尖端が子宮口を押し破り、更に奥へと突入してくると、
視界全体が真っ赤に染まって呼吸が出来なくなってしまう。
(こ、壊れちゃうッ!!)
有無を言わせず、グイグイと押し込まれてくる異物によって、お腹の中身が荒々しく押し広げられていく。
意識をグチャグチャに掻き回す、どっしりと重い存在感。
カラダの内部に感じるソレは見てくれ以上に太く硬く、ゴツゴツと節くれだっていた。
暴力的な、否、暴力そのものと言って良い、凌辱によって、膣襞が磨り潰され、こそぎ取られていくたびに、
粘膜洞の中で蠢くグロテスクな拳のシルエットが、白く清らかな恥丘に、モコリ、モコリ、と浮き上がる。
フィストファック、などという卑俗な言葉は知る由も無い<夢幻界>の乙女にも、
今、自分が強要されているこの辱めが真っ当な性の営みではではない事ぐらいは容易に理解出来た。
痛みは勿論だが、それ以上に、際限なく膨張する恐怖が、彼女の心を容赦なく蹂躙し、打ちのめしていく。

625 :
(40)
「あ・・・・ぐぅう・・・・ゆ、優・・・・子・・・・た、たすけ・・・・て・・・・」
半ば白目を剥き、口元からは白泡を吹きながら、必に助けを呼ぶヴァルナ。
心臓は早鐘のようなリズムでせわしなく脈動を刻み、
全身の血管を流れる血液は、今にも沸騰せんばかりに熱く燃え盛っていた。
心の中は失神していないのが不思議なくらいの負の感情で満たされ、
毒々しく濁りきった<ヴェカンタ>の焔によって舐め尽くされようとしている。
――――そして、
王女の遠のきかけた意識の内奥には、
<暗黒王>の二つ名に恥じない、ログレスの黒々とした思念が入り込み、
侮りと蔑みのこもった嘲笑を放ち上げるのだった。
『・・・・フン、仲間を呼びたくば呼ぶがいい。
たとえ幾千幾万の軍勢が来ようと何程の事も無いわ。
ヴァリアの救けとて、<暗黒界>の地の底までは届くものか・・・・』

626 :
(41)
「麗子・・・・麗子・・・・」
鍾乳石の上に横たわる異形の少女・・・・
必に取り縋る優子の双眸は涙に濡れ、名を呼び続ける声は掠れ果てて、
今にも消え入りそうな程に弱々しい。
「お願い・・・・目を開けて・・・・返事をしてよ・・・・」
意識を失ったまま横たわる赤毛の親友の左手
――――つい先程まで指先を覆っていた、鉤爪付きのガントレットは実体を喪失して剥がれ落ちている――――を、
関節が白く浮き出る程に固く握り締め、肩を震わせながら咽び泣く、蒼髪の少女。
見る影も無く、憔悴しきった表情からは、
<ヴァリスの戦士>としての使命感に裏打ちされた勇猛さも凛とした美しさも完全に消え失せてしまっていた。

627 :
(42)
「・・・・っ・・・・」
何回目、あるいは、何十回目の呼びかけの後だろうか、
もはや永遠に閉じられたまま、微動だにしないのでは?とさえ思われた、短い睫毛が、ピクリ、と動いた。
泣き腫らした目を瞬かせつつ、親友の顔を覗き込む優子。
「れ、麗子ッ!?」
「おっきな声出さないでよ・・・・傷に響くわ・・・・」
血の気の失せた相貌を僅かに歪めて、囁くような呟きを漏らした赤毛の少女は、
慌てて口を閉じる優子の仕草に微かな可笑しみを覚えて、すっ、と目を細くした。
もう少しカラダに力が残っていれば、破顔と共に吹き出していたに相違ないが、
<ヴェカンタ・オア>との強制的な融合によって、辛うじて神の振り下ろす鎌から逃れていた彼女は、
それを失った今、起き上がる事さえ叶わぬ身となり果てている。
こうして瞼を持ち上げ、言葉を紡ぐだけでも、意志力を総動員しなければならない現状は、
自分に残された時間が決して多くはない、という冷酷な現実を自覚させていた。

628 :
(43)
「来て・・・・くれたのね」
ヒタヒタと迫り来るの実感に堪えながら、声を絞り出す麗子。
全身が石と化したかの如く重く沈み、冷えきっている中、
おそらくはほんの少しばかり残っている<戦士>のパワーが懸命に損傷部位の回復を試みているらしく、
両脚と右腕の傷口だけが妙に熱を孕んでいるかの如く感じられる。
(きっと・・・・この傷の痛みが消えた時が・・・・私の最期ね・・・・)
そう、直感した少女は、四肢のうちで唯一失われずに残っている左手に僅かに力を込めて、
殆ど食い込まんばかりにきつく握り締められている親友の手指をそっと握り返した。
「あ・・・・ううっ・・・・」
感極まったのだろう、自分の上に倒れかかり、号泣を始めた優子を見やりつつ、
普段だったら、暑苦しい真似はやめて、と即座に撥ね退けるトコロだけれど、
と、赤毛の少女はいささか苦笑気味に表情を変化させた。
無論、そんな邪険な態度を取ろうにも、今の自分は消耗の極に達していて、
母親の乳を求める赤子のように抱きついてくる親友を振り払う事など、到底不可能である。

629 :
(44)
(・・・・まぁ、いっか。最後ぐらいは、ね・・・・)
クスッ、と、微苦笑めいた笑みを浮かべた麗子は、
そっと肩の力を抜き、蒼髪の少女の抱擁に身を任せた。
気が付くと、光彩を失いかけたアメシスト色の双眸が、大粒の涙によって覆われようとしている。
(フフ、私も、随分と涙腺が弱くなったみたい・・・・一体、誰のせいかしら?)
すでに瞳孔は拡散を始めていたものの、
幸いな事に、そのスピードは未だ緩やかで、意識には清明さが残っている。
全身の感覚は殆どなくなり、生の境界を分かつバロメーターと位置付けた、傷口の痛みさえも徐々に希薄になりつつあるが、
終局の刻が到来するまでには、もう少しだけだが、余裕がありそうだった。
最期に何を言い遺すべきか?しばらくの間、瞑目して自らに問いかけた赤毛の少女は
――――やがて、意を決したかのように両眼を見開くと、静かに言葉を紡ぎ始めた。

630 :
(45)
「泣くのはやめて・・・・優子」
――――我ながら、月並みなセリフだな、と思わないでもなかったが、
麗子には、やはり、それを言い遺さずに逝く事は出来なかった。
<ヴェカンタ・オア>に冒されて、身も心も暗黒に染め上げられてしまった後の記憶は曖昧だったが、
正気を失い、ログレスの暗示に操られるまま、目の前の少女と戦っていたのだけは憶えている。
挙句の果てに、<ヴァリスの剣>によって刺し貫かれ、こうしてを待つばかりの状況に追いやられて、無二の親友を更なる悲嘆に暮れさせている・・・・、
斯様なまでに情けないに様を晒した<戦士>が、今まで存在しただろうか?
(何よりも口惜しいのは、あの約束を守れなかったコト・・・・。
<ヴァリスの戦士>として生まれ変わった時の、もう二度とあなたを悲しませないって・・・・あの誓いを・・・・)
だからこそ、最後にこれだけは言い残しておかなければならないのだ。
もうすぐ出の旅路の第一歩を踏み出そうとしている自分に対して、責任を感じる必要は無い、と。
自分のこのは、全て自らが招き寄せた因果の結果であって、
優子は最後の場面に居合わせただけに過ぎない、という事実を・・・・。
(・・・・そう、あなたの事だから、ちゃんと伝えておかないと、いつまでも気に病み続けるでしょ?
もっとも、きちんと伝えたトコロで、簡単に納得してくれるような、聞き分けの良い性格のあなたじゃ無いってのも知ってるケド・・・・)

631 :
(46)
「いいのよ・・・・優子・・・・あなたのせいなんかじゃない・・・・。
何もかも・・・・全部・・・・私自身が招いた事・・・・なんだから・・・・」

――――案の定、蒼髪の少女は、その言葉を耳にするなり、
うっううっ・・・・、と、ひときわ激しく嗚咽しながら、盛大にかぶりを振り始めた。
予期した通りの反応に、胸の奥でひそかに苦笑を漏らす麗子。
もはや、間近にある筈の優子の顔すら明瞭には映し出せなくなった瞳を中空に彷徨わせながら、
に瀕した少女は、短いようで結構長かった、今までの人生を振り返る。
始まりは、暗い闇の底・・・・
サザーランドの実験施設に据え付けられた、巨大な魔道装置の奥で生成された、うすぼんやりとした魂の原型・・・・
やがて、三つに分かたれた、その中の一つが、自分・・・・。
<暗黒界>・・・・アイザード・・・・与えられた偽りの両親・・・・
桐島家という名の牢獄、あるいは、実験用モルモットの飼育小屋・・・・
Rape・・・・アイザードとの再会・・・・告げられた真実・・・・<現実界>との別れ・・・・
ログレス・・・・<ヴェカンタの戦士>・・・・。
「そう、悪いのは・・・・いつだって私の方・・・・あなたは、ちっとも悪くなんてなかったのよ・・・・」

632 :
(47)
「・・・・で、でもッ!!わ、わたしは・・・・アナタを・・・・!!」
全く泣き止もうとする気配の無い分からず屋の親友をどう説き伏せたものだろうか、と思案顔になる赤毛の少女。
可能であれば、とことんまで時間を費やして、認識の誤りを正してやりたいところだったが、
残念ながら、手持ちの砂時計の砂粒は絶望的なまでに残り少ない。
・・・・優子との邂逅・・・・戦い・・・・<アンチ・ヴァニティ>・・・・
アイザードの策謀とその末路・・・・ヴォルデス・・・・サザーランド・・・・ニゼッティー・・・・
沈みゆく夕陽の中で迎えた、決着の時・・・・。
「救ってくれたじゃない・・・・私を・・・・」
「・・・・救った・・・・?」
涙でグショグショになった相貌を持ち上げて、自分の言葉を反芻する蒼髪の少女。
何はともあれ、泣き声が止んだ事に胸を撫で下ろし、
に瀕した少女は、蒼白を通り越して土気色へと変色しつつある唇を僅かにほころばせた。
敗北・・・・<アンチ・ヴァニティ>の否定・・・・
浄化される魂・・・・<ヴァリスの戦士>としての覚醒・・・・ヴァルナ・・・・
ログレスへの叛旗・・・・ヴォルデスとの別れ・・・・捕囚と再洗脳・・・・<ヴェカンタ・オア>・・・・
最後の戦い・・・・そして、今――――刻一刻と近付いている、終焉の瞬間。

633 :
(48)
(・・・・今までずっと・・・・私なりに・・・・運命から逃がれようと、足掻き続けてきたつもりだったけれど・・・・
――――結局のところは・・・・逃げてばかりの一生、だったわね・・・・)
学校からも・・・・両親からも・・・・桐島家からも・・・・<現実界>からも・・・・ログレスからも・・・・アイザードからも・・・・
何より、自分自身からも・・・・。
深い悔悟の念を滲ませつつ、独りごちる麗子。
学校にも、家庭にも、社会的立場にも、世界そのものにも、安らぎを見出せず、
それら全てをかなぐり捨ててまで手に入れた筈の、<ヴェカンタの戦士>の座にも満足できなかった・・・・一生。
――――だが、今にして思えば、自らの行動の全ては、結局のところ、単なる逃避に過ぎなかったのではないか?
確かに、三界に生を享けた時から課せられていた運命は、この上なく過酷なものだった。
だが、自分は、運命を嘆き、最大限抗っているフリをして自分自身を納得させつつ、
実際には、運命との戦いを放棄してより安易な道へと逃げていただけではなかったのだろうか・・・・?
(・・・・そう・・・・サザーランドで、優子の言葉を聞いて、その心に触れるまで・・・・私はずっと逃げてきたわ・・・・。
もしも、優子に出会わなければ・・・・私は・・・・今も逃げていたかもしれない・・・・
運命を口実にして・・・・自分自身を欺きながら・・・・)

634 :
(49)
「・・・・優子・・・・あなたに会えて・・・・良かった・・・・」
万感の想いと共に、感謝の言葉を口にする赤毛の少女。
すでに手足の感覚は完全に消え失せ、痛みも熱も何も感じなくなってしまっていた。
全身の体温は急速に下がり始め、胸郭の内側で脈打つ心臓の律動も頗る緩慢なものとなっているのが自分自身でもよく分かる。
(・・・・そろそろ、刻限のようね・・・・)
底知れぬ深淵へと意識が引き込まれていくのを覚えながら、麗子は今生最後の息を啜った。
ああ、これがというものなのか・・・・
きっと、この僅かな呼気を吐き出した瞬間に、自分の魂は肉体から追い立てられ、
因果地平の彼方に向かって押し流されてしまうのだろうな、と直感的に悟る。
――――と、不意に、視界が、パァッ、と明るくなり、
何処までも清浄で、暖かな純白の光が、もはや何も映らなくなったラベンダー色の双眸を満たし始めた。

かつて、一度だけ経験した事のある、あの光・・・・。
<暗黒界>の桎梏に囚われた私の魂を解き放ってくれた、あの光・・・・。
運命に絶望して、あらゆるものから逃げ続けてきた私に、自分自身の心と真摯に向き合う事の大切さを教えてくれた、あの光・・・・。
<明>の・・・・<ヴァリス>の・・・・否、違う・・・・この三界のうちで唯一人、最後の最後まで私を信じ抜いてくれた、少女の・・・・光。

「・・・・ゆ・・・・ゆうこ・・・・」

635 :
(50)

「ありが・・・・と・・・・う・・・・」


――――――――TO BE CONTINUED.

636 :
以上、麗子昇天編をお送りいたしました。
麗子の最期についてですが、
どうしようか?とあれこれ考えた末に、ZOL先生の漫画版とはかなり違ったものにしました。
漫画版の方は、亡の次の回に復活、という超ハイペースでストーリーが展開していたためでしょうけれども、
亡シーンもかなりあっさりした描写になっていましたが、
その点は、PC版やPCエンジン版のビジュアル・シーンや私がこれまで書き連ねてきたSSの内容などを踏まえて、
大幅にイメージを膨らませてみました。
お楽しみ頂けたのであれば、幸いに存じます〜。

637 :
なお、次回は、不定期連載SS『戦士集合!』第8章をお送りしたい、と思っています。
完成・発表は、2月の末から3月の初め頃を予定していますが、
仕事の状況によっては完成時期がかなり遅れる事も予想されますので、その際にはご容赦下さいませ。
それでは、今夜はこの辺で〜。

638 :
乙〜

639 :
GJ!

640 :
hosu

641 :
優子の誕生日なので久しぶりに2ch覗いたのに、レトロゲーム板、ゲームキャラ落ちちゃってるのね。
なんか哀しいわ。(´・ω・`)
ttp://www1.axfc.net/uploader/so/2814309

642 :
>>641
頂きました。有難うございます〜。
NOQさんってまだヴァリス作品を手掛けていらっしゃったんですね。驚きました。

643 :
続いてお知らせです。
不定期連載SS『戦士集合!』第8章、本日完成いたしました。
本日22:00頃より投下を開始しますので、お楽しみに〜。

644 :
ここが最後の砦。ARCH DUKEさん今後もガンバってちょ。
NOQは下月重吾に名前を変えて現在もも活躍中。

645 :
お待たせしました〜。
只今より、不定期連載SS『戦士集合!』第8章の発表を開始いたします〜。

646 :
(1)
<夢幻界>。ヴァニティ城。
「つぅ・・・・優子ったら、少しは手加減してくれたって良いじゃない・・・・」
鳩尾の少し下、ぬばたまの光沢を帯びた胸甲が途切れて生白い肌が露出している辺りをさすりつつ、
赤毛の<戦士>は苦々しげに独りごちた。
先刻――――正確に言うと、数時間前の話になるが、蒼髪の親友からお見舞いされた当て身技は、
自室のベッドの上で意識を取り戻した後も、深紅の打撲痕となって彼女の腹部に残っている。

647 :
(2)
(そりゃあ、私も、ちょっと意固地になり過ぎてたのは認めるけど・・・・)
ぶすっ、とした表情のまま、傍らの小卓に置かれたクリスタルの水差しを手に取り、
コップを使わずに、直接口元に流し込む。
バラの香りの漂う、程好く冷えた清らかな水が五臓六腑に沁み渡り、痛みと疲労を和らげてくれたものの、
心の中の苛立たしさまでは取り除けなかった。
「・・・・帰ってきたら、たっぷりとお返ししてあげるんだから、覚悟してなさいよッ!?」

648 :
(3)
――――事件(という程の深刻なものではないが)が起きたのは、数時間前。
<変幻戦忍>アスカの逃走先が<鏡面世界>だと判明し、探索隊を送ると決定した時だった。
出撃メンバーに自分を加えるように主張した麗子に対し、
仲間たちからの推挙によって探索隊のリーダーとなった、優子
・・・・彼女とは最も深く信頼し合い、自他共にベストパートナーと認める仲だった筈の<ヴァリスの戦士>は、
その要求をすげなく斥け、あまつさえ、なおも執拗に食い下がろうとした彼女を、
議論はここまで、とばかりに強烈な当て身を放ち、昏倒させる、という、
およそ、普段の温厚な性格からは想像のつかない、荒っぽい解決法を用いて強制退場させたのである。

649 :
(4)
・・・・無論、優子とて、何の理由も無く、親友のたっての願いを無下にした訳ではない。
あの時点での麗子には、<変幻戦忍>の秘奥義を受けたダメージがまだ残っており、
万全を期して臨むべき<鏡面世界>への探索行に参加させるには不安があった。
加えて、優子以下、陽子、妖子、キャロン、レムネア、といった錚々たる面々が出撃すれば、
ヴァニティ城の守りが手薄となるのは避けられない、という理由もある。
誰かが城に残り、探索隊には選抜されなかった――――要は、戦力としては二線級の<戦士>たちを束ねて、
ヴァルナ女王を守らねばならないのは自明の理だった。
勿論、それぐらいの事情は、赤毛の少女とて理解していた。
――――だが、聡明な彼女にしては珍しく、納得まではしていなかった事
・・・・これこそが『事件』の原因だったと言って良いだろう。

650 :
(5)
(・・・・それにしても、今頃、どうしてるかなぁ・・・・優子たち)
今もって完全に得心がいった訳ではなかったが、
毒を吐いたせいで、幾分かは胸の中のモヤモヤが薄らいだのか、
水差しをテーブルに戻した赤毛の少女は、
寝台に腰を下ろし、膝の上で頬杖をつきながら、ラベンダー色の瞳をぼんやりと中空に彷徨わせた。
ヴァルナの開いた次元回廊は、探索隊が<鏡面世界>へと渡った直後に閉じてしまっている。
再びこちら側から回廊を開くためには、長時間にわたる複雑な魔術儀式が必要であり、
女王の負担を考えれば、最低でも一日程度は間隔を空けなくてはならないだろう。

651 :
(6)
(無事でいるわよね・・・・きっと)
漠然とした不安と事態の推移に直接関与できないもどかしさが、胸の奥に沈殿していく。
今は仲間たちを信じて待つしかない、と頭では分かっているのだが、
心は容易にそれを受け付けてくれず、感情はどうしても乱れがちだった。
「これで、無事に帰って来なかったら、承知しないんだからね。優子・・・・」
相変わらず、不機嫌な面持ちを崩そうとはしない麗子。
だが一方で、彼女の両手は無意識のうちに寄り合わさり、祈りの姿勢へと変化している。
そして、ラベンダー色の瞳の奥では、小さな涙の粒が銀色の光を放ちつつ瞬いていた・・・・。

652 :
(7)
――――同時刻。城内。朱鷺田茜の居室。
「はぁっ・・・・はぁっはぁっ・・・・」
純白のシーツを敷き詰めたベッドの上で、
スポーツで鍛えたスレンダーな肢体が、生汗を飛び散らしつつ跳ね回っている。
朱鷺田 茜(ときた あかね)。
赤みがかったショートヘアがトレードマークの17歳。ミッション系の私立校・白風館高校の2年生。
勉強は少し苦手だが、スポーツ万能で、陸上部やバスケ部、女子サッカー部等、いくつもの部活を掛け持ちし、
快活で親しみやすい性格から友人も多い。
どのような巡り合せによるものか、同じ学校に通う紺野 藍子(こんの あいこ)、竹川 みどり(たけがわ みどり)と共に、
異世界アルテナの『灰色の魔術師』と黒猫のドナによって地球から召喚された彼女は、
『邪なる黒』と呼ばれる邪悪な存在と戦う、<アルテラの三剣士>に選ばれた、と告げられ、
その日以来、剣と魔法の支配する異世界でハードな戦いの日々を送っていた。

653 :
(8)
現在は、(優子や陽子たちと同様)女王ヴァルナによって<夢幻界>に召喚され、
全時空において<明>の<戦士>たちを次々と襲撃している正体不明の敵との戦いに加わる身である。
・・・・とはいえ、<戦士>としての力量は平均的で、
<ヴァリスの戦士>には遠く及ばないのは仕方ないとしても、
彼女たちに準ずる水準にある<レダの戦士>や<ラルの剣士>とさえ、互角であるとは言い難かった。
侵入したアスカの秘奥義の前に、さしたる抵抗も出来ないまま敗北を喫してしまったのは記憶に新しい。
そのため、茜と藍子、みどりの三人は、危険が予想される<鏡面世界>への探索チームには選抜されず、
麗子やシルキスと共にヴァニティ城の守りに残されていたのだったが・・・・。

654 :
(9)
「あうう・・・・んうぅうッ!!」
恥ずかしげも無く、M字に股を拡げて、敏感なポイントに指先を這わせる。
中指を使って、肉莢から剥き出した真珠珠を、下から上にコリコリと掻き上げると、
ピリピリとした快感が秘裂の間を駆け巡り、
こんもりと生い茂った縮れ毛で飾られた、淫靡なあわいを深いピンク色に染めていった。
部活の際に邪魔にならないよう、短く切り揃えられたショートヘアは、
汗に濡れてキラキラと輝き、この年代の少女特有の甘酸っぱい芳香を漂わせている。

655 :
(10)
「ああッ・・・・くッうンッ・・・・はくッ・・・・あくうぅううッ!!」
こりこりこり・・・・。
転がせば転がすほどに、揉み込めば揉み込むほどに、硬度を増していく、いやらしい宝玉。
茜は自らの一点を執拗に掻き毟る。
己の一番弱い場所を剥き上げ、擦り回し、弄り続けるうちに、
性感はいよいよ昂ぶり、自制心は消え失せて、あさましい牝の欲情が赤裸々に暴き立てられていく・・・・。

656 :
(11)
(あああッ・・・・ど、どうして!?
手が勝手に動いちゃう!!アソコが疼いて、熱いのが止まらないッ!!)
もうかれこれ小一時間近くもの間、
ショートヘアの少女は自分の指先で秘蕾を慰め続けていた。
絶頂に達し、蜜壺から噴水のように潮を噴き上げたのも、一度や二度の話ではない。
にも関わらず、スポーツで鍛えた引き締まった肉体は火照りを増す一方で、充足感を覚える事は無く、
むしろ、昇り詰めるたびに更なる衝動が湧き出してきては、より強く、甘美な刺激を求めてしまう。

657 :
(12)
「だ、だめぇッ!!イ、絶頂く・・・・また、絶頂っちゃうううッ!!」
細長くしなやかな人差し指が、包皮ごと陰核を押し潰した瞬間、
サーモンピンクの充血粘膜がビクビクッと痙攣を発し、甘い雫が鉄砲水の如く溢れ出した。
膣奥に鎮座する聖なる肉の炉に火が入り、燃え盛る欲求が臨界点に達する。
「あひゃああぁあああッッッ!!!!」
眉間に皺を寄せて絶叫する<アルテナの剣士>。
切れ長の眼尻から大量の涙が溢れ、全身の産毛が一気に萌え上がる。
体中の血管を、シュワシュワと白い気泡が走り抜けていく感覚。
頭の中では迸る性の喜悦が真っ白な光となって渦を巻き、物凄い勢いで高速回転している。

658 :
(13)
「ううっ・・・・うく・・・・あくぅううッ!!」
ベッドの上で上体を大きくのけぞらせたまま、
ショートヘアの女子高生は、陸に打ち上げられた魚のように口をパクパクさせた。
健康的な柔肌は内側からの熱によって朱を帯び、
毛穴から浮かんできた無数の汗粒がキラキラと光り輝いている。
『フフフッ、他愛も無い。
アナタのカラダもココロも、もはやあたしの操り人形。
永遠に覚める事の無い夢の中で、生命果てるまで踊り狂うがいいわ・・・・』

659 :
(14)
・・・・一体、何時から部屋の中にいたのだろうか?
不敵な笑みを浮かべつつ、茜の痴態を眺めやる小柄な少女。
年の頃は13、4歳。
ディープ・ブルーの瞳に、腰まで伸ばしたエメラルド・グリーンの髪。
額には神秘的な光沢を湛える輝石が嵌め込まれた美しいティアラ、
身体に纏っているのは、黄金の縁取りで飾られた深紅の甲冑。
その容姿は、<夢守りの民>あるいはドリーム・ガーディアンと称される、
太古の昔より、人類社会の闇に潜む夢魔たちとの戦いを繰り広げてきた異能の一族の末裔、
<ドリームハンター>綾小路 麗夢に酷似していた・・・・寸分違わない、と言っても差し支えないほどに。

660 :
(15)
『・・・・』
だが、自慰に耽る<アルテナの剣士>に向けられたその視線は、
<明>の陣営に属する<戦士>にはおよそ似つかわしくない昏い翳りを帯び、クチビルには酷薄な笑みが浮かんでいる。
――――数週間前、麗夢は、本来存在していた時空から、何の痕跡も残さず、忽然と姿を消している。
同時期に失踪したライディや飛鳥たちと同様、<鏡面世界>の奥深く、幾重にも巡らされた鏡の迷宮に囚われの身となった彼女は、
邪悪な<鏡使い>の力によって、これまで数度にわたり、魂の一部を吸い取られ続けていた。
今、茜の居室に忍び込み、部屋の主の痴態を冷ややかに眺め下ろしている少女・・・・
ヴァニティ城内に潜伏し、先に侵入した<変幻戦忍>が果たし得なかった、城内の攪乱と女王ヴァルナの拉致を企図している張本人は、
奪い去られた魂の欠片を利用して生み出された魔道生命、オリジナルから複製されたダミー人形に他ならない。

661 :
(16)
『アスカの忍術は、強力な幻覚をもたらす媚毒を用いて標的の神経を冒し、暗示にかかり易い状態とするもの。
即効性があり、効き目も抜群な点は認めるけれど、
術をかけられた相手の自我を完全にコントロールは出来ないし、
並外れた精神力の持ち主であれば幻覚成分への抵抗も可能だわ・・・・麗子のようにね』
ひときわ甲高く放ち上げられた嬌声に、妖気を宿した双眸がすっと細められる。
『その点、あたしの能力は、狙った獲物の無意識下の思考域へと侵入し、情報を自由に書き換えられる。
相手に気付かれる可能性はまず無いし、
万に一つ、気取られたとしても、無意識の世界・・・・夢の中で自由に行動する術を持たぬ者にはどうする事も出来無い・・・・』

662 :
(17)
『・・・・まぁ、代わりに、あたしの能力が力を発揮するのは、意識が覚醒していない相手
――――つまり、眠っている人間に限られるんだけどね』
少しばかり、難しそうな表情になる麗夢。
・・・・だが、すぐに彼女はかぶりを振り、くくッ、とくぐもった笑い声を立てた。
およそ三界に生きとし生ける知的生物に、
睡眠という行為を全く必要としない者は殆どいない、と言っても過言ではない。
亡霊や吸血鬼のような知性を有する不の怪物や自律思考可能なAIを備えたアンドロイドでも無い限り、
いわゆる『人間』と総称される者――――妖精や魔族のような亜人を含む――――であれば、
ほとんど例外なく、一日の内少なくとも一度は、睡眠を摂らねばならないのである。
それは、目下遂行中の"狩り"における"獲物"・・・・各世界の<戦士>たちとて例外ではなかった。

663 :
(18)
『それだけじゃないわ。
生きていく上で眠りを必要としているのは、この城の住人――――<夢幻界>だって同じ』
未だ幼女の面影を多分に残す、少女の貌に、
数百年を生きた魔女の如き老獪な表情が浮かび上がる。
麗夢自身もその理由までは知悉していないのだが、
生命活動を維持するために、飲食物を通じて水分や栄養分を摂取する必要も無く、
衣服や冷暖房によって暑さや寒さを防ぐ事や呼吸によって心肺に酸素を取り入れる事さえも不要な、<夢幻界>の住人であっても、唯一、睡眠だけは必要としていた。
事実、このヴァニティ城には、<戦士>たちがやってくるまで、
台所も食堂も風呂場もトイレも、それらの部屋に備え付けられている各種の設備や消費財も一切存在せず、
各世界から召喚された少女たちを大いに困惑させたものだったが、
寝室と寝具に限っては城内にも在り、機能の面でも、今日に至るまで特に不満が生じた事はなかったのである。

664 :
(19)
『・・・・とはいえ、いきなり、ヴァルナや麗子みたいな大物の夢に侵入して無意識下の思考を書き換える、って芸当は、
いくらあたしでも簡単じゃないケドね』
――――だが、目の前の少女の如く平凡な力しか持たない<戦士>や女王に仕える侍女共ならば、
さしたる困難も無くやってのける自信はあった。
実際に、ここに来る以前、茜の二人の仲間、紺野藍子と竹川みどりは、
睡眠中の夢の中に忍び入り、一切気付かれる事無く、支配下に置くのに成功している。
今現在は、眠りから覚めて、意識が覚醒した状態にある為、マインドコントロールは働いていないが、
再びまどろみの底に落ち、無意識が意識に取って代われば、
改めて術をかけ直さずとも、意のままに動くマリオネットと化すように細工を施していた。

665 :
(20)
『フフフ。麗子やヴァルナが気付く頃には、城内はあたしの"お人形さん"で一杯になってるわ。
それにしても・・・・』
ベッドの上で痴態を繰り広げているショートヘアの女子高生を、蔑みの眼差しでねめつける麗夢。
淫夢の捕囚に堕ち、飽きる事も倦む事も知らず、ひたすらオナニーに没頭している姿に、
公園を散歩していて、落ちている犬猫のフンを見付けた時のような嫌悪感を露わにする。
『まったく、コイツらときたら、三人共揃いも揃って、とんでもない雌犬ぶりね。
簡単に堕ちてくれるのは有難いけど、あさましいったらありゃしない。
普通は、いくら意識が働いていなくても、多少は恥じらいだの理性の抵抗だのが残っているハズなんだけどね・・・・』

666 :
(21)
「アッアッ・・・・イイッ!!気持ちイイよぉっ!!」
<ドリームハンター>から"雌犬"呼ばわりを受けた<アルテナの剣士>は、
無論、自分がマインドコントロールされているという事実など知る由も無く、
欲情に蕩けた表情のまま、ひたすら己の秘所を掻き回し続けていた。
麗夢の異能の技によって無意識の底から引き摺り起こされ、焦点を失った瞳に次々と映し出されていくのは、
まだ<剣士>として召喚を受けて間もない頃、右も左も分からなかった時期に、
<邪なる黒>の下僕達――――その正体は、<邪なる黒>によって生命力の源である"源素"を奪い取られたアルテナの住人たちだった――――から受けた、凌辱の光景・・・・。

667 :
(22)
――――ヘンタイオンナ!
――――イヤラシイメスブタ!
――――サイテイノインバイメ!
周囲を取り囲む人垣から、嘲笑と侮蔑のこもった罵りの言葉が口々に吐きかけられる。
与えられたばかりの甲冑を剥ぎ取られ、乳房と陰部を暴き立てられたスポーツ少女は、
自分の優に倍以上も背の高い、プロレスラー並の屈強な体躯を誇る奴隷たちによって、
両手首と両足を押さえ付けられ、屈辱的な開脚姿勢を強いられて、口惜しさと恥ずかしさに総身を震わせていた。
今いる場所からでは角になっていて視認する事は叶わないものの、
共に捕囚の身となった二人の仲間、藍子とみどりも、広い刑場の何処かに引き据えられて、
同じく開脚を強いられ、乙女のカラダの中で一番恥ずかしい場所を衆目に曝しているのだろう、
時折、異形の人波の向こうから、弱々しい叫び声が木霊してくる。

668 :
(23)
「ああっ!!見ないで・・・・お願い、後生だからッ!」
「は、恥ずかしい!!こんな仕打ち、もう耐えられないッ!」
蜘蛛の巣に絡め取られた蝶々の如く、
拘束された肢体を弱々しく打ち揺らしながら、羞恥に声を震わせる仲間たち。
幸か不幸か、その無残な有様を茜が直接目にする事は無かったのだが、
彼女たちの股間は、未だ初潮を知らぬ、幼児の時分に戻ったかのような、ツルツルスベスベの惨状を呈しており、
ぷっくりと隆起した恥丘の脹らみ具合も、その真ん中に穿たれた大陰唇の形状も、一目瞭然だった。
つい先刻まで、恥ずかしい谷間を覆っていた縮れ毛の繁りは、冷酷非情な剃刀の刃先によって残らず剃り落され、
今やサーモンピンクの陰唇の周囲に、僅かな産毛を残しているだけ。
――――そして、二人の女囚への恥刑を終えた剃刀使いは、
最後の仕上げ、とばかり、残るもう一人の獲物・・・・茜の方に向き直ると、
鈍い光沢を放つ剃刀を手に、ノソリノソリと近付いてくるのだった。

669 :
(24)
「あ、ああッ!!だ、だめ・・・・お願い、ゆるしてェッ!!」
最初のうちこそ、一切言葉を発する事無く近付いてきた男の意図を量りかねて、訝しげな眼差しを向けるだけだった茜だが、
彼が手にする鋭利な剃刀――――刃先には、藍子とみどりから刈り取った陰毛が未だ張り付いたままだった――――を一瞥した途端、
先に二人の身に起こった・・・・そして、今から自分に降りかかろうとしている、恐るべき災厄を悟り、思わず目元から涙を溢れさせてしまう。
無論、<邪なる黒>の忠実なる下僕は、涙ながらの懇願など一顧だにせず、
大きく割り拡げられた股間の前に顔を寄せた。
そして、懐中から、どす黒く濁った、得体の知れないローション状の薬液の小瓶を取り出すと、
慣れた手つきで、眼前に広がる生白いデルタ地帯・・・・
とりわけ、その一番奥まった場所に位置する茂みへと注ぎかけ、塗りたくる。

670 :
(25)
「ひあッ・・・・あ、熱いッ!?アソコが・・・・オ○ンコが、熱くなってきたッ!!」
恥丘を覆う赤みがかった縮れ毛に蜂蜜色をした媚毒ローションが絡みついていくにつれ、
スレンダー少女の声が徐々に熱を帯び、裏返っていった。
てらてらと輝く黄金色の淫液は、こんもりと繁る恥毛の群生を水浸しにしたかと思うと、
真下にある柔肌を潤し、秘裂へと流れ込んで、最も敏感な粘膜の間に浸み通っていく。
「やめてッ!!これ以上はもう・・・・くはぁあああッ!!」
恥も外聞も無く泣き叫びつつ、哀願の言葉を並べ立てる茜。
だが、<黒>によって意志を奪われた木偶人形にそんな泣き言が通じる筈も無く、
やがて、気も触れんばかりの快美な感覚を伴った狂熱は、割れ目の奥深く、膣孔の中にまで達してしまう。

671 :
(26)
「く、苦しいッ!!オマ○コが、熱くて、疼いて、変になりそうッ!!」
顔面を真っ赤に紅潮させながら、呻き声を漏らす。
既に剃毛刑を受刑し終えた藍子とみどりも、同じように恥裂に媚毒を塗られ、
容赦なく襲ってくる快楽に身悶えしつつ、拘束された手足をいやらしく打ち振っているのだろうか?
宵闇のしじまに響き渡る三者三様の喘ぎは、切迫したトーンを増していく一方だった。
――――と、次の瞬間、
鈍い光沢を放つ薄刃の刃物が、密生した恥毛の真ん中へと押し当てられる。

672 :
(27)
「ひぃうッ!?」
最も敏感な場所の真上へと突き付けられた、冷たく研ぎ澄まされた刃の感触に、
一瞬にして表情を凍りつかせる、<アルテナの剣士>。
だが、両手両足はがっちりと拘束されており、
逃走はおろか、身体を捩って刃先を躱す事すら不可能である。
ぞりっ、ぞりりりりっ!!
ひんやりとした鋼の薄刃が股間に当てられ、滑るように引き寄せられると、
たったそれだけで、深い茂みの一部が大きく刈り取られ、薄青色の剃り跡が剥き出しになる。

673 :
(28)
「あ、ああ・・・・やめて・・・・やめてぇ・・・・」
剃刀が無慈悲に振り下ろされるたび、
縮れ毛の繁りは、じょり、じょり、と剃り落され、面積を狭めていく。
茫然とその惨劇を見つめながら、悲しげに鼻を鳴らし続ける事しか出来ないショートヘアの少女。
――――も、もうだめだ・・・・。
<剣士>として選ばれた自分が、為す術も無く囚われの身となり、
大切な乙女の純潔をこんな卑劣極まりないやり方で穢されていく、屈辱感、そして、無力感。
堪えようも無い哀しみが心の中に絶望を生み出し、抵抗の意志をいでいく。

674 :
(29)
(・・・・もう、どうなってもいい)
敗北に打ちひしがれ、ついに目を伏せてしまう茜。
・・・・だが、たとえ瞼を閉じようとも、
振るわれ続ける剃刀の感触を五感から消し去る事など出来る筈もない。
陰核を取り囲むデルタ部分を丁寧に一掃した後、
襞の左右、猫の額ほどの面積も無い、皺だらけの地肌を清め、
更には、短い毛がみっともなく生えている肛門の周辺までも。
何重にもKOされてしまった少女に、最後の仕上げとばかり、淫液ローションが注がれる。
無残に剃刀を当てられ、殻を剥かれたゆで卵の如き沃野と化した恥丘には、
もはや、その流れを押し留める何物も存在せず、
魔性の媚薬は、一滴も余さず、粘膜の奥へと吸い込まれていく――――。

675 :
(30)
「あうう・・・・んんッ!!あむぅ・・・・んふぅうううッ!!」
喪失の悲しみが少しずつ消えていく。
代わって、少女の感覚の支配者となったのは、
カラダの奥底からじゅくじゅくと湧き出してくる滾り、そして、熱い疼き。
「ふはぁああんッ!!あ、熱いィッ!!オマ○コがぁ・・・・火傷しちゃいそうッ!!」
顔を火照らせ、大きく胸を弾ませる。
陰唇粘膜が焼け付くような灼熱感に包まれて、
未だかつて経験した事の無い、性への渇望に啜り泣いている。

676 :
(31)
――――オカセッ!オカセッ!
――――モットハズカシメロッ!モットナキサケバセロッ!
――――ヘンタイオンナヲオカセッ!インバイノホンショウヲアバキタテロッ!
情け容赦なく暴き立てられたあさましい痴態に、周囲を取り囲んだギャラリーも湧き立ち、
ありとあらゆる種類の嘲りと蔑みの言葉が投げ付けられる。
(ううっ、く、口惜しいッ・・・・恥ずかしいッ!!でも・・・・あああ、でもォッ・・・・!!)
眉間に深く皺を寄せて、ショートヘアの女子高生は苦しげに呻く。
完全にスイッチが入ってしまった肉体は潤いを渇望していた。
その飢えを満たす手段は、<剣士>としてのプライドも、乙女としての純潔も、何もかもをかなぐり捨てて、
おぞましい凌辱者たちの情けを乞い願う事でしか得られない・・・・。

677 :
(32)
「ダ、ダメッ!!止められないッ!!これ以上、もう・・・・もう・・・・ッ!!!!」
一本も余さず恥毛を剃り落されて、生まれ落ちたままの姿となり果てた、己れの股間を見下ろしながら、
完全に打ちのめされた茜は、フラフラと正体も無くかぶりを振りたくっている。
恥刑を終えた剃毛吏が、相も変わらず無言のまま、だが、片頬にチラリと満足そうな笑みを浮かべつつ、後ろに下がると、
間髪を入れず、今度は全身筋肉の塊と見紛うばかりの、屈強な奴隷が進み出てきて、
申し訳程度に前を覆っていた、粗末な股布を取り払った。
現れたのは、はちきれんばかりに怒張した、赤黒い肉棒。
表面にはミミズのような太い血管を浮き立たせ、ビュクン、ビュクン、と、荒々しい律動を刻み続けている。
加えて、禍々しく聳え立つ牡の兇器は、
饐えたような、それでいて、途方も無く蠱惑的でもある、何とも形容し難い薫香に包まれていた。

678 :
(33)
「あ・・・・ううッ!?」
グロテスク極まりないシルエットを一瞥しただけで、
少女の理性は、僅かに残っていた羞恥心と共に、粉々に砕け散ってしまった。
「あああ・・・・ほ、欲しい・・・・それ、欲しいよぉッ!!」
トロトロに蕩け切った視線で目の前の逞しいイチモツを凝視しつつ、
あさましい欲情に身を委ねる、<アルテナの剣士>。
青々とした剃り跡に囲まれてヒクヒクと息づく艶めかしい二枚貝・・・・
既にその表面は愛蜜に濡れそぼり、てらてらと卑猥な光沢を湛えていた。

679 :
(34)
「お願い、オチ○チ○、挿入れてェッ!!
このぶっといのを・・・・早くッ・・・・あたしのオマ○コ、オマ○コにィッッッ!!」
拘束されたカラダを、狂気に駆られたかの如く、ガクガクと打ち揺らす茜。
理性のタガが外れて、性への衝動を抑えられなくなった彼女は、
自分がどんなに恥ずかしく、あさましいセリフを口にしているのか?すら理解できないままに、
赤裸々な欲望を次々と連発し、全身を灼き焦がしている熱を鎮めて欲しい、と訴えかける。
――――オカセッ!ツラヌケッ!ブチマケロッ!!
怒号とも歓声ともつかない、淫獣たちの大合唱が響き渡る中、
<邪なる黒>の忠実なる下僕は、黒光りする巨大な男根を振り立てつつ、悶え泣く獲物にゆっくりと近付いていき、
おぞましい肉の破城槌をサーモンピンクの潜り戸へと押し付ける。
「あひぃッ!!くあッ・・・・あくうぁあああああッッッ!!!!」
恐怖と歓喜とがグチャグチャに入り混じった絶叫が、
闇に閉ざされたアルテラの夜空へと放ち上げられ、幾重にも垂れ込めた黒雲の奥へと吸い込まれていった・・・・。

680 :
(35)
『・・・・ハイ、一丁上がり。もう少し時間が必要かと思ったけど、存外呆気なかったわね・・・・』
ベッドの上に大量の愛液を飛び散らせ、大の字になって気を失っている茜。
その痴態を見下ろしつつ、碧髪の女戦士は冷ややかにクチビルの端を吊り上げた。
これで、目の前の少女の意識の奥底には、消え去る事の無い肉奴隷の焼き印が刻み付けられ、
自分の命令には決して逆らえない、否、もはや、命令に逆らおうとする考えすら浮かばない、
木偶人形の仲間入りを果たしたという訳である。
『フフフ、あと、城内に残っている主な<戦士>は、シルキスとかいう王女騎士とあの赤毛娘だけ。
順調に行けば、今夜のうちに女王を淫夢の虜にするコトだって十分に可能だわ・・・・』

――――――――TO BE CONTINUED.

681 :
以上、第8章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば、幸いに存じます〜。
・・・・よくよく考えてみたら、
『戦士集合!』の中で麗夢をきちんと描いたのは、今回が初めてですね。
『他人の夢の中に侵入できる』という特殊能力をどのように描くか?
考えているうちに、かなり登場が遅くなってしまいました。
ちなみに、その麗夢の異能力の犠牲となる、朱鷺田 茜は、
フランス書院美少女文庫『ブレイブガールズ〜異世界戦士・茜』(黄支亮 作)
に登場する、ビキニアーマー女戦士です。
アニメ化もゲーム化もされていない、マイナーな作品ですが、
戦いに敗北して辱めを受けるうちに次第に被虐の快感に目覚めていく少女たちの心理がきめ細かく描写されており、
個人的に非常に気に入っています。

682 :
さて、次回ですが、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』の第29章をお送りする予定です。
ただ、毎年、3月から5月にかけての3か月間は、
仕事が一年で最も忙しい時期にあたり、執筆時間が殆ど取れなくなるため、
完成・発表は6月下旬から7月初めとさせて頂きます。
大変申し訳ございませんが、御辛抱下さいますよう、お願い申し上げます。
それでは、本日はこの辺で〜。

683 :

なんともすごい作者だ

684 :
hoshu

685 :
保守

686 :
がんばれtest

687 :
hoshu

688 :
皆様、大変お待たせしました〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第29章、完成いたしました。
本日22:00頃より投下を開始しますので、もうしばらくお待ちくださいませ〜。

689 :
お待たせしました〜。
只今より、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第29章の投下を開始いたします〜。

690 :
(1)
――――泣かないで。
たとえ、この身体は滅んで・・・・
魂だけになったとしても・・・・
あなたを見守っているわ・・・・
・・・・だから、お願い・・・・
前を見て、前に進んで――――優子ッッッ!!

691 :
(2)
<暗黒界>。帝都ヴェカンタニア地下。最深奥部。
「あくッ・・・・んくぅ・・・・うううッ」
饐えた臭気を漂わせる、無数の黒い触腕が、銀髪の魔道士の華奢なカラダに巻き付き、締め上げている。
もはや抵抗を試みようとする気概すら枯れ果てて、邪悪な縛めに絡め取られた四肢を無気力に打ち揺らす、<夢幻界>の少女・・・・ヴァルナ。
色素の薄い柔肌に深々と食い込んだ漆黒の魔縄の暴威を前にしては、<戦士>の誇りも王女のプライドも何の役にも立たず、乙女の純潔は脆くも穢し尽くされてしまっていた。
『フン、他愛も無い。ヴァリアの娘といえど、始原なる<ヴェカンタ>が相手では、所詮、この程度か』
哀れな捕囚を眺めやりながら、無感動に言い放つのは、<暗黒界>を統べる絶対者にして、<暗>の諸力を司る闇の司祭・ログレス。
鈍い光沢を帯びた黄金の仮面の奥から放たれる冷ややかな眼光が、脱力し切った身体を、まるで品定めでもしているかの如く、じぃっと睨み据えている。

692 :
(3)
『――――ひと思いに縊りしてやっても良いが・・・・まぁ良い、予も無聊を囲っておる。
大して慰めにもなるまいが、少しばかり、遊んでやるとしようか』
<暗黒王>が闇を凝縮したかのような漆黒の長衣の袖を陰気に揺らすと、
両腕を後ろ手に拘束された身体が高々と空中に引き摺り上げられ、・・・・そして、上半身から地面へと叩き付けられた。
「あぐッ・・・・がはぁッ!!」
無様に悲鳴を上げる、囚われの少女。
そんな事にはお構いなく、<ヴェカンタ・オア>の瘴気が実体化した漆黒の腕は、
ぐったりと弛緩した両手両足を割り拡げて四つん這いの姿勢を強要する。
更に、弓なりにしなる背骨が許容出来るギリギリの高さまで腰を持ち上げ、
かろうじてまだへばり付いていた丈の短いスカートの中から、
フィスト・ファックによって無残に痛めつけられた丸尻を容赦なく暴き立てた。

693 :
(4)
「あうう・・・・今度は、な、何を・・・・」
剥き出しになった臀部に感じる、ねっとりとした空気の肌触りに、我知らず、語尾を震わせてしまう。
先程の暴虐の記憶が甦ったのだろう、
野太い触腕が傍を通り過ぎただけで、全身の毛穴が総毛立ち、冷や汗が滲んでくる。
「い、いやぁッ!!お願い、もうやめてッ!!」
少し着やせするタイプなのだろうか?
スカートの下から覗く桃尻は、
麗子は言うに及ばず、優子と比べても決して見劣りしない程の、ボリュームと適度な弾力に恵まれていた。
その、ふくよかな稜線の表面を、ログレスの魔力によって実体を得た瘴気の塊は、
あたかも味見でもするかの如く、やわやわとまさぐり撫で付ける。
柔肌を這い回るおぞましい感触に、表情を歪めつつ必に堪え続ける、<夢幻界>の王女。

694 :
(5)
「んうぁあッ!!ダ、ダメ・・・・あくうううッ!!」
一方、大蛇のようにのたくる無慈悲な凌辱者の幾本かは、早くも肉付きの良い太股の間を抜け、
前方――――半分以上毟り取られて、殆ど衣服としての用を為さなくなっているプリーツ・スカートの間から見え隠れしている、秘密の谷間へと突き進んでいった。
半ば本能的に股を閉じ、乙女の花園が再び汚されるのを必に防ごうとするヴァルナだったが、
無論、雁字搦めに拘束された手足にそんな芸当が出来る筈も無い。
己れの肉体の中で、最も気高くあらねばならない筈の場所が、一度ならず二度までも踏み荒らされていく屈辱に、
弱々しい悲鳴を漏らしつつ、羞恥の涙で頬を濡らすしかない、銀髪の魔道士。
(あ・・・・あううッ!!たすけて、優子・・・・優子・・・・!!)
今の彼女に可能だったのは、心の奥底で、必に彼女の名を呼び、助けを求める事だけだった。

695 :
(6)
無論、<ヴェカンタ・オア>との融合によって、身心共に怪物と化した麗子と闘を演じている筈の蒼髪の少女が、
この場に駆け付けて来る事など出来る筈も無いのは、彼女とて重々承知していた。
・・・・だが、サザーランドのニゼッティー神殿で出会ってから、まだ殆ど時間は経っていないにも関わらず、
優子の存在は、ヴァルナにとって――――ある意味においては、母であるヴァリアを凌ぐ程に――――大きなものとなっている。
<ヴァリスの戦士>としては勿論、一人の人間としても、親しみと同時に憧憬にも似た感情を覚えずにはいられない、
信頼のおけるリーダーにして同志、それに・・・・。
『フフ、あの小娘に随分とご執心のようだな。・・・・良かろう』
ここに来る筈は無い、と頭では分かっていて、それでもなお、縋らずにはいられない、
少女の中の矛盾した心理に気付いたのだろうか、
黄金の仮面の下から、僅かに嗜虐の喜悦を滲ませた、低い笑いが漏れた・・・・その直後。

696 :
(7)
『・・・・ヴァルナ・・・・』
「ッ!?ゆ、優子ッ!?」
突如、背後からかけられた声に、ビクッ、と身体を痙攣させ、反射的に後ろを振り返ろうとする<夢幻界>の少女。
全身に絡み付いた触腕に妨げられて、その望みは達せられなかったものの、
視界の端に、チラリ、と映った人影は、紛う事無き彼女のものだった。
(ど、どうして、優子がここにッ!?)
一瞬、麗子との決戦を制して、駆け付けてくれたのだろうか?とも思ったが、
さすがのヴァルナも、すぐにその考えを打ち消した。
今このタイミングでの到着はどう考えても早過ぎる上に、
万に一つ、本当に優子がこの場に現れたのだとしたら、
ログレスによって辱めを受けている自分をこのように放っておく筈が無い。
(――――だとしたら、答えは一つ)

697 :
(8)
「こんな子供騙しの幻術に、わたくしが容易く引っ掛るとでも思ってるのですかッ!?」
気力を振り絞り、前方に立つ<暗黒王>を睨み据える。
その眼には、よりにもよって、最も敬愛する友を利用して、自分を弄ぼうとした相手への精一杯の怒りが宿っていた。
もっとも、黒衣の魔王の仮面の奥の眼差しは、その程度では微動だにしなかったが。
『ククク、さて、本当に子供騙しか否か?断定する前に味わってみるがいい・・・・』
「なッ!?い、一体、何をする気・・・・はぅうッ!?」
声を嗄らしながら叫び返した魔道士の敏感な場所に、しなやかな指が這い寄ってくる。
反射的に、ビクンッ、と大きくカラダを揺らし、切なく喘ぐ<夢幻界>の王女。
正直すぎる反応を確かめつつ、指先はゆっくりとした動作で恥裂の上端部へと侵入し、
ピンク色の肉莢に包まれたポイントへと触れた。

698 :
(9)
「ひゃうッ!!・・・・いやぁッ・・・・そ、そんな所、弄らないで、優・・・・」
『優子』と危うく言葉に出して言いかけてしまい、慌ててかぶりを振る。
恥ずかしさのあまり、顔面は真っ赤に染まり、心臓はバクバクと激しい鼓動を響かせている。
『・・・・子供騙しの幻術などには動じぬのではなかったのか?』
「うう・・・・くううッ」
痛い所を衝かれて、反駁の科白を飲み込む、囚われの<戦士>。
その間にも、彼女の性感帯には執拗な愛撫が注がれ続けている。
<暗黒界>の支配者は、冷ややかな視線を浮かべて、少女の煩悶ぶりを眺めやりつつ、
邪悪な魔力を凝らして作り上げた指先を肉莢に絡め、
内部にくるまれた真珠玉もろとも、キュッ、キュッ、キュッ、と緩急を付けて揉みしだいていく。
そのたびに、甘ったるい痺れが背筋を駆け巡り、
未だ快楽に身を任せようとはせず、実る筈の無い努力を続けている乙女の口元から、あられもない悲鳴を迸らせた。

699 :
(10)
(ううっ・・・・ダ、ダメ・・・・幻なのは分かっているのに、カラダの反応が止まらない・・・・)
ゾクゾクと背中が戦慄き、ヴァルナは、拘束された姿勢のまま、頤を反り返らせてブルブルと震えた。
引き攣る細い首筋を汗の滴が、つうう〜、と流れ落ちていく。
幻術によって生み出された『優子』の手指は数を増やし、
陰核への責めを続けながら、大陰唇を捲り返し、膣前庭の内側へと侵入を試みる。
下半身全体を覆い尽くした切ない疼きが、
既に相当の湿り気を帯びてしまっている、喘鳴をますます懊悩に満ちたものへと変えていった。
(くはぁあッ!!く、口惜しい・・・・で、でも、我慢できないッ!!)
押し寄せる快楽の大波に呑まれまいと、必に自分への叱咤を繰り返す。
だが、時にやんわりと、時に荒々しく、喜悦のツボに送り込まれてくる愉悦の波動は、
元より性に関しては素人に等しい少女を翻弄し、着実に追い詰めていく。
(ああ・・・・優子・・・・優子ぉ・・・・)
瞼に浮かぶのは、凛々しく、勇ましく、そして、慈愛に満ちた温かな微笑みを常に絶やさない、蒼髪の<戦士>の姿――――。
こんな幻覚に惑わされてはならない、と、どれだけ理性を振り絞って打ち消そうと試みても、
彼女の声で耳元で淫語を囁かれ、彼女の指先の動きで敏感な粘膜を弄ばれると、
何よりも、肉体が勝手に反応して、熱い疼きがこみ上がってくる。
同時に、頭の中には妖しいピンク色の靄が立ち込めて、
己れの秘所をまさぐる指先が、己れのうなじに吹きかけられる甘い吐息が、本物の優子のものであったならどんなにか素晴らしいだろう、
と、あさましい欲情と淫靡な妄想が次々に溢れ出してくるのだった・・・・。

700 :
(11)
びゅくびぁく・・・・びゅくんッ!!
肉付きのよい腰が、まるで別の生き物であるかの如く、卑猥なダンスを踊り始めた。
無毛の恥裂がぱっくりと口を開き、
ぐじゅぐじゅに湿った花弁の間から生暖かい愛蜜が滴り落ちているのが自分でもよく分かる。
『ウフフ、ヴァルナったら、感じているのね?』
「ち、ちが・・・・そんなこと・・・・ありま・・・・せ・・・・ひはぁあッ!!」
かろうじてかぶりを振った銀髪の魔道士だったが、
伏せられた瞼の裏では眩い火花が飛び散っていた。
ニセ優子の指は初々しい膣孔を抉り立て、更に奥へと進んでくる。
それを阻む筈の処女の肉膜は、
先程の――――暴力そのものと形容しても過言では無い程の――――強引窮まるフィスト・ファックによって引き裂かれ、無残な残骸を晒すのみ。

701 :
(12)
「ハァ・・・・ハァ・・・・あはぁ・・・・ンっ・・・・」
甘ったるい痺れが下半身全体を包み込み、すらりと伸びた両脚から次第に力が抜けていく。
もはや、どれだけ躍起になって歯を食いしばり、気力を振り絞って抵抗を試みようとしても、
一度火のついてしまった肉体は、意志とは無関係に与えられる性のヨロコビを貪り喰らい、耽溺して憚らなくなっていた。ヌチャヌチャと湿り気たっぷりの卑猥な水音が響き渡るたび、だらしなく半開きになった口元からは熱い吐息が吐き出され、艶めかしい喘ぎ声が後に続く。
(ううっ・・・・ダ、ダメぇ・・・・幻覚を・・・・打ち消せない・・・・。
心は拒んでるのに・・・・カラダが・・・・言う事を・・・・)
『クックックッ、ヴァリアの娘ともあろう者が情けないものだな。
それとも、貴様にとって、あの<現実界>の小娘は、それ程までに特別な存在だったのか?』
ログレスの嘲笑も、もはや、耳には入らない。
大量の脳内麻薬が分泌されてあやふやとなった五感が、唯一、明瞭に感じ取る事が出来るのは、膣内を掻き回される感触のみ。
だが、それとても、下半身全体を襲う嵐の中では霞みがちだった。
細く、しなやかな、それでいて、限りなく情熱的な侵入者によって深々と身を抉られるたび、
じぃんと背中に痺れが走り、意識がぼうっと遠退いていく。

702 :
(13)
指の腹でくちゅくちゅと充血した粘膜を擦り上げられ、爪の先で敏感な肉豆の表面をチクチクと刺激されると、
目の前に真っ白な靄が立ち込め、キーンという鋭い耳鳴りが頭の中で反響し合う。
淡いピンク色に上気した肌からは大粒の汗が滲み、濃厚なフェロモンが分泌される。
張り裂けんばかりに大きく開いた口元からは、たっぷりと湿り気を帯びた艶めかしい吐息が引っ切り無しに溢れて、辺りを桃色に霞ませていく。
そして――――。
「んあッ!!あっあっ・・・・あああああ――――ッ!!」
秘泉から湧き出す愛の蜜に濡れまみれた指先が、ひときわ強く、クリトリスを摘み取った瞬間、
乙女の視界は真っ白な輝きに包まれた。
きつく緊縛されたしなやかな裸身に、がくん、がくん、と激しい痙攣が襲い掛かる。
弓なりに背筋を反り返らせ、生白い頤を惜しげも無く跳ね上げながら、
めくるめく快感の頂きへと昇り詰めていく銀髪の少女。
ほんの一瞬だけ、脳裏にぼんやりと母であるヴァリアの像が浮かんだものの、すぐに掻き消えて、
その後は、あたかも、巨大な瀑布の上から滝壺目掛けて投げ落とされているかの如き、圧倒的な衝動によって、
五感と思考の全てが席巻され、無秩序に掻き乱されていくだけだった・・・・。

703 :
(14)
「はぁ・・・・はぁっ・・・・くはぁ・・・・はぁっ・・・・はぁくうっ・・・・」
未来永劫続くかのような、エクスタシーの暴風がようやく過ぎ去った時、
ヴァルナは、相変わらず尻だけを高々と振り上げた格好のまま、
あまりの口惜しさと恥ずかしさに表情を失って、ぼんやりとした視線を周囲に彷徨わせていた。
強烈な快感の余韻は未だ全身のそこかしこに残っており、手にも足にもまるで力が入らない。
柔肌にきつく食い込んだ漆黒の拘束具の感触さえもおぼろげにしか感じ取る事が出来ず、
カラダ全体が、まるで風船と化してしまったかの如く、フワフワと頼りなく思えてならない。
『フフフ、可愛いわ、ヴァルナ。あなたのそのカオ、最高よ』
「はっ!?んふぅ・・・・んんぐぅ!?」
唐突に上体が宙に浮き
――――触腕によって引き摺り上げられたのだ、と咄嗟に気付ける程には思考は回復していなかった――――、
視界一杯に、『優子』の穏やかな笑顔が大映しになる。
驚愕する暇も無く、唇が重ねられて、
ふんわりとした花びらのような感触と共に、トロリとした甘い唾液が流入してきた。
まさしく天にも昇るかのような心地良さに、
これが忌まわしい<ヴェカンタ>の力によって生み出された幻である事実すら忘れて酔い痴れる、<夢幻界>の魔道士。
・・・・否、たとえ、幻覚だと分かっていたとしても、もはや、彼女には抵抗し打ち消す事など不可能であったに違いない。
何故ならば、目の前にあるのは、最愛の友であり、最も信頼する同志であり、
傍に居てくれるだけで温もりと安らぎを覚えずにはいられない、かけがえのないパートナー。
そして、曇り一つない最高の微笑みを湛える一方で、
全てを吸い尽くさんばかりの貪欲さで自分を乞い求めてくる、そのクチビルだったのだから――――。

704 :
(15)
(ああ・・・・嬉しい・・・・優子が・・・・こんなにもわたくしを求めて・・・・欲してくれるなんて・・・・)
先程、淫核を弄ばれて絶頂に達した瞬間とは似て異なる、甘美な悦びに恍惚となる。
蒼髪の少女は、クスッ、と妖艶な微笑みを浮かべると、
生暖かい唾液をたっぷりと含ませた舌先を伸ばして、
完全に力の抜け落ちた王女の口腔内を、ピチャピチャと美味しそうに舐めしゃぶり始めた。
「ふぁう・・・・はぁん・・・・あはぁううんッ!!」
薄青色の双眸を、トロン、と蕩けさせたまま、口唇への愛撫を受け容れる。
上顎から下顎へ、前歯から奥歯へ、歯の表側も裏側も、それどころか、歯茎に至るまで、
余す所無く丹念にブラッシングされ、吸い尽くされた。
「はぁ・・・・はぁっ、はぁっ・・・・ふはぁああっ・・・・!!」
蕩け切って一つになっていた唇同士がゆっくりと離れ、
『優子』の形の良い舌が、銀色の糸を引きつつ、名残惜しそうに引き抜かれていく頃には、
無論、ピンク色の舌は、緩急をつけて幾度となくまさぐられた挙句、
表側にも裏側にもたっぷりと唾液を塗り重ねられて、トロトロにされてしまっていた。
大きく息を弾ませながら、その唾液をコクコクと嚥下し、飲み干してしまうヴァルナ。
『・・・・・・・・』「・・・・・・・・」
しばしの間、瞬きも忘れて互いの瞳を見つめる、二人の少女。
――――やがて、どちらからともなく、口元を、クチビルを重ね合う。

705 :
(16)
『ハァハァ・・・・素敵よ、ヴァルナ、すっごく素敵・・・・!!』
欲情に濡れまみれた『優子』の視線の先には、じっとりと蒸されて汗粒に覆われた、生白い丸尻。
勿論、拘束された魔道士には後ろを振り返る事など不可能だったが、
食い入るように自分の臀部を・・・・その谷間の奥に鎮座する禁断のすぼまりを、
じぃっと凝視している粘ついた眼差しははっきりと知覚できた。
(あああ・・・・み、見られている・・・・わたくしの、不浄の穴・・・・いやらしい目で・・・・)
殻を剥いた直後の茹で卵のように白くなめらかな尻たぶが、
羞恥に耐え切れず、プルプルと打ち震える。
深い背徳感を伴った被虐のわななきが背筋を駆け上り、
ピンク色に染まった意識の内側に新たな衝動を湧き立たせた。
むっちりとした柔肉の狭間から、時折、恥ずかしいあわいがヒクヒクとひくついている様子が垣間見えると、
こちらも興奮の度合いを増しているのだろう、優子の息遣いも、次第に荒く激しいものへと変化していく。

706 :
(17)
『ウフフフ、ヴァルナのお尻、とっても美味しそう・・・・』
「ああっ、いやぁッ!!」
口をついて迸ったのは、かすれかかった悲鳴だろうか?それとも、隠し切れぬ期待感を滲ませた嬌声だろうか?
蒼髪の少女の両手が汗ばんだ柔肉を鷲掴みに掴み取り、乱暴に押し広げる。
そして、この世に生を享けてよりこの方、一度として陽の光に当たった事の無い深皺の集まり
・・・・きつく食い縛った菊座の姿を暴き立てたかと思うと、
あろう事か、不浄の秘孔に鼻先を押し当て、クンクンとその匂いを嗅ぎ始めた。
「ああッ!?そ、そんな・・・・くッふはぁッ・・・・やめて・・・・そこは、きたな・・・・ひはぁあんッ!!」
薄青色の双眸に大粒の涙が浮かび上がった。
心の臓が、今にも破裂しそうなくらい、バクバクと飛び跳ね、全身の毛穴から冷たい汗が噴き出してくる。
ちなみに、生命活動の維持のために食物や水の摂取を必要としない、<夢幻界>の住人たるヴァルナだが、
『排泄』という行為そのものと全く無縁という訳では無い。
<現実界>の人間のそれとは多少意味合いが異なるものの、<夢幻界>の人間にもまた、この種の生理現象は存在しており、
そのための器官――――肛門や尿道口も、(排泄行為についての禁忌ないしは羞恥の意識と共に)備わっていた。

707 :
(18)
『フフ、汚ない、だなんて・・・・ヴァルナのカラダは何処も綺麗よ。アヌスだって例外じゃないわ』
「ひゃうッ!?し、舌が・・・・ふはぁああッ!!」
指で触られたり、吐息を吹きかけられたりするのとは明らかに異なる、粘ついた感触に、
甘い汗に濡れ光る裸身がひときわ大きくびくついた。
ピチャピチャと淫蕩極まる吸着音を響かせながら、
『優子』の舌先はすぼまりの周囲を這い回り、じっとりと滲んだ汗を舐め取っていく。
それだけで、銀髪の乙女はすっかり恐慌状態に陥ってしまい、
泣きじゃくる幼児の様に激しくかぶりを振りたくりつつ、蒼髪の凌辱者から逃れようと無駄な足掻きを繰り返した。
『ウフフ、怖がる必要なんて何処にも無いわ。手足から力を抜いて、リラックスなさい。
すぐに、天国に連れて行ってあげるから・・・・』
「ヒィッ・・・・だ、だめぇっ!!いくら優子でも、そこだけは・・・・ひゃはぁああッ!!」
・・・・・・・・ねろっ。
必の懇願を無視して、『優子』の肉ブラシが、ついに菊華の花弁をとらえた。
興奮して体温が上昇したらしく、繊細な肛門には堪え難い程の熱さを纏った異物が、
細かな皺に沿ってチロチロと微細な刺激を与えつつ、ゆっくりと這い蠢く。

708 :
(19)
「いや・・・・ぁんッ!!や、やめ・・・・くはっ・・・・お、お願い・・・・だからぁッ!!」
恥辱の極みにある筈なのに、チロリ、チロリ、と舐めくすぐられる都度、全身の産毛がゾクゾクと鳥肌立ってしまう。
ぞっとするような、それでいて、必ずしも不快という訳ではない・・・・むしろ、妖しい心地良ささえも覚えてしまい、
少女は濡れた睫毛をはたと伏せて吐息を震わせた。
体中の不随意筋がピクピクと勝手に動き出し、汗腺からはほんのりと甘い芳香を放つ脂汗が滲んでくる。
『ククッ、もう、感じ始めてるのね。いやらしいお尻だこと』
放射状に窄まった縦皺を、一本一本、圧し延ばすかのように丹念になぞっていく。
敢えて、菊座の中心を外し、周辺部からジワジワと責め立てていく狡猾な手法の前に、
汚れを知らぬ乙女の心身は簡単に手玉に取られてしまい、
一時は何物をも通さぬとばかりにきつく食い縛っていた括約筋は、すでに力が抜け落ちてユルユルの状態だった。
頭の中身も同様で、不浄の場所の味をじっくりと堪能されている、という羞恥心で一杯になり、
まともな思考は完全に隅に追いやられてしまっている。

――――そして、ついに、甘美なる敗北の瞬間が訪れた。

709 :
(20)
『充血したアヌスが可愛らしく咲き誇ってるわ・・・・とっても綺麗よ、ヴァルナ』
「い、いやぁあ・・・・言わないで、そんな事・・・・はぁううッ!!」
満を持して、たっぷりと唾液を塗り含ませた唇が、濃厚なピンク色に上気した皺孔へと吸い付いてくる。
途端に、じぃん、と背筋が灼け、息を詰まらせてカラダを反り返らせる銀髪の少女。
窄まりの中心を強く吸引されると、思わず、粗相をしてしまいそうになり、
反射的に五体を力ませ、肛門括約筋を引き絞ろうとするのだが、
結果から言えば、その行動も、凌辱者を喜ばせただけだった。
ねっとりとした舌先が小刻みに蠢き、ピンク色の菊門をねぶり回すと、
形ばかりの守りは呆気なく蕩け崩れて、ビクンビクンとあさましい反応が返ってくる。
(はぁっはぁっ・・・・だ、だめぇッ!!
ダメなのに・・・・イヤなのに・・・・お尻の穴、感じちゃうぅ・・・・どうしてぇ!?)
顔面を真っ赤に染めて、淫猥な疼きを打ち消そうとする囚われの乙女。
だが、ペチャペチャ、ピチュピチュ・・・・、という派手な水音が鼓膜をノックし、頭の内側で響き渡ると、
高々と掲げられた下半身が別の生き物の如く痙攣を発し、跳ね動いてしまう。
その様子を、時折、チラチラと確かめながら、『優子』は、しっとりと柔らかな尻肉の谷間に顔を埋め、
恥らうアヌスをねちっこく舐め上げて唾液まみれにしては、ジュルジュルと吸い尽くそうとする。

710 :
(21)
『ほぉら、ヴァルナ、もう我慢出来なくなってきたんでしょ?
正直に認めたらどうなの?自分は、お尻の穴で気持ち良くなってしまう変態娘だ、って』
「なっ・・・・くはぁッ!?
んんッ!!わ、わたくしは、そんなはしたない娘じゃあ・・・・あひィいいいッ!!」
絶え間なく繰り返される、いやらしい吸引。
張り裂けんばかりに大きく見開かれた少女の双眸は、蛍光ピンクの靄によって包み込まれていた。
肛門愛撫の虜となりかけている惨めな女囚に更なる辱めを与えるべく、
自在に動き回る肉ナメクジは、先端をドリル状に巻き絞ると、すぼまりの奥へと突き進んでいく。
なけなしの力を総動員して括約筋を引き締めようとする少女だったが、
熱い舌先が小刻みに震え始めた途端、息を呑んで全身を硬直させてしまった。
「ひ、ひはぁッ・・・・んん・・・・んふあぁあッ!!」
散々に弄ばれ、味や匂いを堪能されるうちに、いつしかその行為に馴らされ、悦びさえ覚えてしまうようになった菊穴から、
くすぐったさと心地よさとが綯い交ぜになった痙攣が発生し、背筋を妖しく這い登ってくる。
括約筋はキュンキュンと収縮を繰り返し
――――無論、『優子』の肛門愛撫を拒むためではなく、その動きをより深く、貪欲に味わい尽くそうとしてのものである――――、
濡れまみれたアヌスは敏感さを増して、皺の中心を責め立てる侵入者の動作の一つ一つに対し、正直すぎる反応を返してしまう。
恥ずかしい排泄孔に切ない痺れが渦を巻くたびに、柔肌に汗の粒が噴き上がる。
口元をついて飛び出してくるのは切迫し切った喘鳴と湿り気を帯びたよがり声だけで、
意味のある単語は発するのは勿論、思い浮かべる事すらも困難になりつつあった。
瞼の裏側にチカチカと眩い光点がまたたき始め、
胸の奥で早鐘を打ち鳴らしている心臓の鼓動がやけに甲高く感じられる。

711 :
(22)
『フフフ、ほら見て、エッチなお汁で、肛門がビチョビチョになってるわ。
これじゃあ、前の穴と変わらないじゃない』
舌先でアヌスの周囲を舐め回しつつ、器用に片手を操って肛門の表面を刺激する『優子』。
指の先に絡み付くヌメヌメの腸液を掬い取り、銀髪の少女の口元へと運ぶ。
甘酸っぱい中につんと鼻を衝くような刺激臭の混じる淫ら汁を含まされて、ヴァルナは、かぁっ、と首筋まで赤くなった。
こんな淫靡な体液が自分の不浄の穴から漏れ出しているのかと思うと、
恥ずかしいやら情けないやらで何も考えられなくなり、大粒の涙がポロポロと溢れてくる・・・・。
「やぁ・・・・ち、ちがうの・・・・わたくしは・・・・あああ・・・・こ、こんなコト・・・・」
軽い眩暈を覚えて、くなくなと首を振りながら咽び泣く。
辱めを受けて随喜の涙を流す――――本当の自分はそんなはしたない娘だったのだろうか?
にたくなる程の恥ずかしい想いをしているにも関わらず、
胸が甲高く高鳴り、息が弾んでしまうのを、どうやっても止められない。
勿論、そうやって情けない自分を責め立てている間にも、排泄器官への責めは過激さを増す一方で、
鼻先に散る火花もどんどんその大きさを増していく・・・・。

712 :
(23)
「だ、だめぇ・・・・抵抗できない・・・・んああッ・・・・くはぁあああッ!!」
敏感さを増した肉のあわいは絶え間なく掻き回され、強制的に発情させられて、灼けつくように熱い。
・・・・いや、熱を孕んでいるのは恥裂や肛門だけではなく、
下半身全体が、煮え滾る溶鉱炉よろしく、カッカと燃え盛っていた。
淫熱に煽られて、毛穴という毛穴から甘い香りの汗が滝の如く噴出し、拘束された身体の下に水たまりを作っていく。
粘り気たっぷりのいやらしい水音が響き渡るたびに、裸身がくねり、ビクビクとあさましく痙攣する。
背骨が折れてしまうのでは?と思えるくらいに反り返った背筋がじんじんと震え慄き、
こみ上がってくる甘く狂おしい衝撃波が頭蓋骨の中身をグチャグチャに撹拌し続ける。
『フフフ、それはねぇ、あなたが、心の底では、わたしを愛してるから。
仲間として、<ヴァリスの戦士>としてなんかじゃなく、一人の女として、いいえ、一匹の牝として・・・・』
銀髪の少女の耳元に囁きかける『優子』。
無論、性感の集中するポイントに向かって容赦無い色責めを繰り出しながら、である。
敏感な膣襞を目一杯押し広げつつ指先を突き入れたかと思えば、熱く蕩け切った粘膜を指の腹でやんわりと撫で付け、
切なく疼く子宮口にねっとりとしゃぶりついては、溢れ返る愛液でびしょ濡れの会陰部に生温かい吐息を吐きかける。
プルプルとひくつく可憐なアヌスは既に幾度にも渡って抉り抜かれ、凌辱の槍先は直腸部に達しようとしていた。

713 :
(24)
『知っていたわよ、ヴァルナ。あなたが、時々、熱い眼差しでわたしを見つめてたのを。
発情した雌犬のように血走った目で、わたしのカラダを追いかけていたのを・・・・』
(・・・・ッ!)
赤裸々な指摘に、<夢幻界>の王女は、思わず、表情を失う。
無論、『優子』の発した言葉は真実を都合良く歪曲したものであり、
本物の彼女に対してヴァルナが抱いていた感情は、
もっと純真で、ピュアな――――プラトニック、と言い換えても良いだろう――――ものだった。
・・・・だがしかし、おぞましい幻術によって、絶え間なく劣情を煽り立てられている今の彼女は、
もはや、己れ自身に対してさえ、そう主張する事が出来なくなっていたばかりか、
『優子』の嘲笑に惑乱した挙句、(彼女の言う通り)自分自身では明瞭に知覚していなかっただけで、
<現実界>の少女に対する憧れの奥底には、ある種の不純な成分も含まれていたのかもしれない、
という錯誤に基づいた自己嫌悪にさえ、陥ってしまっていた。
『どう、ヴァルナ、図星でしょ?』
(ああッ・・・・やめてッ!!もう、言わないでェッ!!)
耳元を嘲弄の囁きがくすぐるたび、
濃厚な恥蜜が飛び散って、辺りに漂う性臭をより一層濃くしていく。
頭の芯まで毒気に当てられてしまったのだろう、乙女にはもはや恥じらいなど残ってはいなかった。
引っ切り無しに細い喉を鳴らして喘ぎつつ、
挿入される指を、舌を、自らカラダを開いて受け入れようとする・・・・。

714 :
(25)
「あああッ!!だ、だめぇッ・・・・んはぁッ・・・・気持ちいい・・・・気持ち良すぎて、おかしくなりそうッ!!」
長くしなやかな指の群れが、悦楽に屈してしまった女囚の媚襞をぬちゃぬちゃと掻き回す。
唾液は勿論、己れ自身の秘裂から溢れ出した濃厚な愛液によって幾重にも濡れまみれた挿入物は、
びゅくびゅくと脈動しつつ、執拗に前後の肉孔を穿ち、抉り抜こうとしていた。
水気たっぷりの抽送音が次第に加速していくにつれて、瞼の裏でパチパチと爆ぜる星々がどんどん数を増していき、
眩く輝く光芒が意識全体を包み込むまでに強く激しいものへと変化していく。
(あッ・・・・あッあッ・・・・あああッ!!
だめぇッ!!頭、おかしくなりそうッ・・・・あああ・・・・こわい・・・・怖いよぉッ!!)
今にも張り裂けんばかりに大きく開かれた口元が、空気を求めて、陸に打ち上げられた魚のようにパクパクと動く。
総身を焼き尽くす、圧倒的な灼熱感だけを残して、
身体から五感が一つずつ失われていき、音も光も消えていく。
そして、次の瞬間――――!!

715 :
(26)
「あああッ!!あッあッ・・・・あはぁあああ――――ッ!!!!」
巨大な手で全身を鷲掴みにされ、空中高く放り投げられたかのような衝撃がヴァルナに襲いかかった。
キィィィン、という甲高い耳鳴りが響く中、意識は真っ白な光の爆発の只中に向かって引き込まれていく。
膣奥を深々と抉った『優子』の指先が、
まるで別の生き物であるかの如く、のた打ち回り、蕩けかけた淫肉を激しく嬲り続ける。
縛り上げられた裸身を弓なりに反り返らせたまま、
銀髪の少女は、ビュクン、ビュクン、と大きく腰を揺らし、快楽の絶頂へと昇り詰めていく。
ねちっこいピストンは容赦なく繰り返され、未だ使い込まれていないサーモンピンクの花弁を徐々に押し広げていく。
普通であれば、凌辱者がいかに巧みなテクニックの持ち主であったとしても、激痛を伴わずにはいられない筈の行為だったが、
幻術によって痛覚を封じられてしまっている彼女は、
悲鳴を発する代わりに、あさましいよがり声に喉を震わせ、雌犬のように涎を垂れ流すのみ。
その痴態は、あたかも、激しくざわめきながら『の』の字を描いて突き上げてくる、おぞましい肉の兇器の動きと同期して、
心までもがいやらしく掻き回されているかのようだった。
捏ね回されているのは秘裂だけではない。
肛門、そして、直腸からもまた、背中を焼き尽くさんばかりの心地よい痺れが伝わってくる。
間断なく襲い掛かってくる快楽の大波に呼吸が追い付かず、
顔面は真っ赤に染まり、息はせわしなく弾んでいた。
まるで、葛湯を満たした大桶の内側で両の掌を開けたり閉じたりし続けているかのような、
粘り気と水気たっぷりの吸着音が、辺りの空気まで淫靡に湿らせていく。

716 :
(27)
「んん・・・・ハァハァ・・・・うっく・・・・フハァ・・・・」
――――失神していた意識が戻るまでに、一体、どのくらいの時間が必要だったのだろうか?
身体を大きく揺さぶられて、ようやく正気を取り戻したヴァルナ。
(ううっ・・・・ゆ、優子・・・・)
未だ視界には星屑がまたたき、前方にいる筈の<暗黒王>の姿もはっきりと像を結んではいなかったが、
何とか瞼を持ち上げる事だけは出来た。
その状態にあってもなお、半ば本能的と言っても良い衝動に衝き動かされて、
『優子』の位置を確かめようとした少女を、頭上からの声が呼び止める。
『フン、あさましいものだな。
散々にイキ狂って気を失った挙句、目を覚ました途端に、またあの小娘を追い求めるとは』
その声に、ようやく我を取り戻し、無言のまま、きつく唇を噛みしめる<夢幻界>の王女。
未だ心身のそこかしこにはエクスタシーの余韻が色濃く残っているものの、
それらを全て合計したものよりも、絶頂を極めた直後のぽっかりと穴のあいたような虚脱感の方が遥かに大きい。
皮肉にも、そのお蔭で、性の暴風によって掻き消され、
跡形も無く雲散霧消してしまった筈の理性も僅かずつにせよ回復を始めていた。
そう、つい先程までは実在を毛ほども疑っていなかった『優子』が、
ログレスによって作られた幻に過ぎない、という事実を思い起こすまでに・・・・。

717 :
(28)
『ならば、特別に見せてやろうではないか。
貴様が小娘と信じ、股を開いていたモノの正体を、な』
(・・・・い、いやッ!!そんなコト、見たくない、知りたくないッ!!)
<暗黒界>の支配者のねっとりとした言葉に、
ぞっとするような悪寒が、背筋を這い登ってくる。
反射的に目をつぶり、かぶりを振って、真実の瞬間から遠ざかろうとするヴァルナだったが、
ログレスが、パチン、と指を鳴らすと、不可視の力によって、閉じようとした瞼はこじ開けられ、
左右に打ち振られようとした頭は正面に固定されて、眼球さえもが己の意志で自由に動かせなくなってしまう。
為す術も無く、中空の一点を凝視する囚われの<戦士>の前に、
『優子』――――と信じ切っていたモノが醜悪極まる正体を現したのは、その直後の事だった。

718 :
(29)
「あああ・・・・そ、そんな・・・・そんなぁ・・・・」
戦慄に見開かれた薄青色の双眸が恐怖の色に染まった。
視線を外す事すら忘れて、呆けたように曝け出された真実の光景に見入り続ける銀髪の魔道士。
眼前に現れたのは、優子とは似ても似つかぬグロテスクな怪物
――――否、正確に言えば、何百何千もの不定形の半透明な原形質の塊。
握り拳大から子供の頭ぐらいの大きさのものまで、大きさも形状もまちまちな、軟体生物たちの集合体。
スライム、と総称される、<ヴェカンティ>で最も原始的で下等な生命体で、
その生態の多くは謎に包まれ、<暗黒界>の住人ですら知る者は少なかった。
「あ・・・・ああ・・・・あああっ・・・・!!」
がくり、と肩が落ち、弱々しい喘ぎ声が口をつく。
触腕によって手足を拘束されていなければ、地面に崩れ落ちていたに相違ないだろう。
あまりのショックに呆然自失となり、壊れかけのゼンマイ人形の如く、くなくなと首を振りたくる。
――――否、たしかに、幻覚と現実の落差は大きかったが、それ以上に、<夢幻界>の少女を打ちのめしたのは、
幻を幻と認識出来ず、みすみすログレスの陥穽の中に飛び込んでしまった自分への絶望だった。
「ひ、非道い・・・・こんなの・・・・あんまりです・・・・」
かちかちと歯の根も合わぬ程に震え慄きながら、やっとの思いで言葉を絞り出したものの、
顔面は蒼白を通り越して土気色に近く、表情は完全に打ちひしがれている。

719 :
(30)
『クックックッ、なかなかに良い眺めだ。
大して期待はしていなかったが、座興としてはまずまずの出来だったな、誉めて取らすぞ。さて――――』
不意に、<暗黒王>の声音から、元より豊かとは言い難かった感情が全て消失した。
目の前の女囚へと注がれていた眼差しからも嘲りの色が消え去り、
まるで一切の関心を失って、心底どうでも良くなった存在を見下ろしているかのような、無機質な眼光へと置き換わる。
相前後して、漆黒の触腕の一つが音も無く少女へと近付いたかと思うと、
生白い細首へと絡み付き、徐々に力を加えて締め上げにかかった。
『そろそろ、本物の優子の方も、麗子に仕留められた頃合いか。
もう良い・・・・貴様も、小娘の所に送ってやろう』
「あ・・・・あ・・・・かはっ・・・・ああっ・・・・!!」
冷酷無比な宣告と同時に、漆黒の肉縄が一段と輪を狭め、頸動脈を圧迫する。
この時になって、やっとショックから立ち直り、
己れの置かれている状況を認識出来たヴァルナだったが、抵抗を試みるにはあまりにも遅すぎた。
もはや、彼女を待ち受ける運命は、外部からの圧迫によって気道が完全に塞がり窒息へと至るか、
それとも、万力の如きパワーに頸骨が耐え切れず、ポキリ、とへし折られるか、そのいずれかであるに相違ない。
(た・・・・すけて・・・・ゆう・・・・こ・・・・たす・・・・け・・・・て・・・・)
朦朧とする意識の中、銀髪の少女に可能だったのは、
うわ言のように最愛の友の名を呟きつつ、奇跡の訪れを願う事だけだった・・・・。

――――――――TO BE CONTINUED.

720 :
以上、第29章をお送りいたしました。
今章の内容ですが、実は、ZOL先生の単行本で言うと、
第4巻のP.113からP.115までのたった3ページ分をエロパロ化したものに過ぎません。
ただ、その分、いつもよりも妄想を膨らませています。
コミックの中でも、ログレスの幻術に嵌って自分で自分の首を絞めていたヴァルナですが、
SSの中では、更に徹底的に嬲り抜き、文字通り、身も心も弄んでみました。
ついでに、(幻とはいえ)普段はまず描く機会の無い、レズプレイの攻め役に回る優子の姿も描写しています。
また、次の第30章では、長きにわたってこのSSの影の主役を務めて来られたログレス陛下も、ついにご退場の予定ですので、
今章には、ログレス最後の(エロ方面での)活躍シーン、という意味合いもあります。
お楽しみ頂けたのであれば、幸いに存じます〜。

721 :
さて、次回ですが、不定期連載SS『戦士集合!』の第9章をお送りする予定です。
完成・発表の時期は8月下旬から9月初めとさせて頂きますので、
またしばらくの間お待ち下さいませ。
それでは、本日はこの辺で〜。

722 :
GJ!
作者さん凄いよ
もう10年近く投下してんだからね
久々に覗いてまだ続いていているからびっくりした

723 :
>レズプレイの攻め役に回る優子
とても良かったです

724 :
ほす

725 :
hoshu

726 :
大変お待たせしました〜。
不定期連載SS『戦士集合!』第9章、完成いたしました。
明日22:00頃より投下を開始しますので、もうしばらくお待ちくださいませ〜。

727 :
お待たせしました〜。
只今より、『戦士集合!』第9章の投下を開始いたします〜。

728 :
(1)
――――淫夢の中。芸術王国ララマザー。王都の一角にある噴水広場。
(ああっ・・・・も、もう、ダメ・・・・こんな辱め、もう堪えられないッ・・・・!!)
戦い、と呼ぶ事さえ殆ど不可能に近い、一方的な戦闘の末に敗北を喫した惨めな姿を、
周囲を取り囲んだ無数の臣民たちの目に曝しつつ、<白翼の騎士>・・・・ララマザーの王女シルキスは弱々しくかぶりを振った。
白銀色の光沢を帯びた細身の双剣
――――戦う術を持たない王国の民衆を、邪悪な魔道の秘義により召喚されたモンスターたちから守護してきた武器は、
片方は無残にへし折られ、もう片方は、恐るべき魔力によって、まるで飴細工の如く、グニャリ、と捻じ曲げられている。
愛剣と同様、身に纏う純白の甲冑の大部分もボロボロに破壊され、切り刻まれており、
普段は衆目に触れる事など決してあり得ない、汚れを知らぬ裸身が白日の下に曝け出されていた。

729 :
(2)
・・・・淫夢に囚われた、王女騎士・シルキス。
<鏡面世界>へと探索に赴いた、優子をはじめとする<戦士>たちから、ヴァニティ城と女王ヴァルナの守りを託された彼女の精神は、
他者の夢に侵入し、思いのままに思考や記憶を書き換える能力を持つ、<ドリームハンター>の前に、脆くも敗れ去ろうとしていた。
「クスクス。・・・・肉溝の長さは約8センチメートル、といったところかしら?」
自分たちのカリスマであり救世主と信じた乙女が為す術も無く敗北し、
騎士として、いや、人間としての尊厳を踏み躙られている衝撃的な光景を呆然と見つめる、善良なるララマザーの民草たち。
その様子を眺めやりながら、黄金の縁飾りで縁取られた深紅の鎧に身を包んだ魔道剣士・・・・<夢守りの民>の末裔たる綾小路麗夢は、
羞恥に涙ぐむ乙女の無毛の恥丘を人差し指の先でねっとりとなぞり上げた。
新たに暴露された秘密に、周囲の人垣から盛大などよめきが巻き起こり、無垢なる少女の心を深々と抉り抜く。

730 :
(3)
(あうう・・・・み、見られている・・・・)
華奢なカラダを覆う純白の甲冑は、元よりごく限られた面積を覆うだけだったのだが
――――通常の鎧と異なり、防御力の殆ど全てが内部に秘められた魔力に起因しているため、分厚い装甲版やなめし皮で全身を覆い尽くす必要がないためである――――、
今や、防具としての堅牢さはおろか、肌を覆い隠す衣服としての機能すら奪い去られてしまっていた。
無残に毀たれ、切り裂かれて出来た破孔からは、瑞々しい胸の脹らみや初々しい恥唇が惜しげも無く顔を覗かせている。
そして、その一部始終は、屈辱的な四つん這いの姿勢を強要された身体の下に置かれている魔法の大鏡に映し取られ、
禁断の秘術によって、広場の中央、大噴水の水面へと大写しにされているのだった。
無論、広場に集まった何百人もの市民たちの多くは、気高き騎士を襲った突然の悲劇に胸を詰まらせ、沈痛そうに顔色を曇らせている。
・・・・だがしかし、人垣の奥には彼らとは異なる表情
――――具体的に言えば、好奇と欲情に満ちた、ねばついた笑いを浮かべている者達も散見される事実に、聡明な王女は気付いていた。
息遣いも荒く、食い入るように自分を凝視している肥満体型の中年男性、眼光だけが異様に鋭く輝いている痩せぎすの青年
・・・・ズボンの下からテントを張って屹立しているイチモツを握り締めて離さない不埒な輩も、一人や二人では無い。

731 :
(4)
(い、いやぁ・・・・お願い、見ないで・・・・見ちゃダメぇッ!!)
恥ずかしさのあまり、悲鳴が漏れそうになるのを必に抑え込む、<白翼の騎士>。
レンズに大写しになった秘密の谷間は、剥きたての茹で卵のように生白い柔肉の双丘とサーモンピンクの極細溝により構成されていた。
処女の隆起は、産毛はおろか毛穴さえも存在しないスベスベの肌に包まれており、ほんのりと桜色に色付いている。
王宮で生まれ、色恋沙汰や性の営みからは注意深く隔離されて育ったシルキスといえども、すでに十五歳、
女としての自分の肉体や感覚について無関心ではいられない年頃に達しようとしていた。
彼女にとって、未だ恥毛の一本も生えてくる気配のないこの場所は密かなコンプレックスの温床であり、
あまつさえ、恥ずかしくて誰にも打ち明けた事の無いその真実を、何百人もの市民たちに強制公開させられている現状は、
単なる恥辱以上の苦痛となって精神を苛んでいる、と言って過言では無い。

732 :
(5)
「フフ、白騎士サマのお子様性器――――奥の方は、一体どうなってるのかしら?」
酷薄な笑みを浮かべたまま、<ドリームハンター>は、パチン、と指を打ち鳴らした。
途端に、広場の中央、惨めな女囚剣士の姿が映し出された大噴水の脇の空間が歪み、
石畳の下から浸み出してくるかの如く、十数本もの触手を生やした不定形の軟体生物が出現する。
「ひ、ひいっ!!」
思わず、顔面を引き攣らせる、双剣使い。
ビチュビチュという湿り気たっぷりの吸着音を響かせながら近付いてきた醜悪なモンスターは、
別の召喚獣の触腕によって拘束され、身動きを封じられた少女に絡み付くや否や、
遮るモノとて存在しない無抵抗な肢体を汚らわしい半濁液で穢しつつ、無毛の秘裂に向かって一斉に這い進んでくる。

733 :
(6)
「い、いやぁッ!!来ないで、気持ち悪いィッ!!」
広場の空気を切り裂いて響き渡る、悲痛な叫び声。
無論、召喚獣には人語を解するだけの知能など存在しないし、
もし仮に、存在していたとしても、自分をこの世界に呼び出した術者の命令に逆らってまで、懇願に耳を貸したりはしないだろう。
異形の肉蛇は、無残に切り裂かれたロングブーツに包まれた脹脛をねぶり回し、
膝裏を汚液まみれにしながら通り抜け、しなやかな太腿を経て内股へと近付いてくる。
その感触は、絶望的な状況にあってもなお、しぶとく抵抗のチャンスを窺ってきた、白騎士の心を、徐々に、だが、確実に、追い詰めていく。やがて――――。
・・・・ぴちょり。
無人の野を往くが如く侵攻を続けた十本もの触手が、<白翼の騎士>の花弁を射程内に捉えた。
全ての侵入者が思い思いの角度とコースから突入を試み、
抵抗の意志とは裏腹に、昂奮の度合いを増してピンク色に充血しつつある秘唇に向かって到してくる。
相前後して、周囲を取り囲んだ人波が大きく上下に揺れ、
オオオッ、という地鳴りのようなどよめきが少女の鼓膜に激しく打ち寄せた。

734 :
(7)
「ひ、ひいっ!!・・・・ひくあぁあああ――――ッ!!!!」
直径三メートル近い魔法のレンズ一杯に、今まさにこじ開けられようとしている、初々しい二枚貝が拡大された。
おぞましい凌辱者たちの前では、サーモンピンクの媚唇が初めて受ける外界の空気と日光に怯えすくんで、
ヒクン、ヒクン、と活発な収縮を始めている。
秘裂の上端部分で、身に纏う包皮を脱ぎ去るべく、懸命な努力を続けている小さなクリトリス、
そして、可憐な蕾の如く、ほころびかけた小陰唇。
左右の花びらに挟まれた柔肉の中央部分には、針孔状に窪んだ尿道口が鎮座し、
媚溝の下端近くには、ちょっと見た目にはそれと区別がつかないほど良く似た、汚れを知らぬ処女の膣孔が息づいている。
絶え間ない刺激に曝されてきた粘膜は、うっすらと恥蜜を纏いつつ、ヒクヒクと淫猥な戦慄きを発していた。

735 :
(8)
「あう・・・・あああ・・・・あうううッ・・・・!!」
忌まわしい触手によって、己れのカラダの中で最も大切な、同時に、最も恥ずかしい器官を押し拡げられ、
群衆の眼前に曝け出されるという辱め・・・・。
今日までの人生で一度として味わった経験の無い屈辱に打ちのめされたシルキスは、
我知らず、瞼を閉じると、眉間に深く皺を刻みながら、ふるふると頭を振りたくる。
生まれて初めての徹底的な敗北に、少女の心は見る影も無く踏み躙られ、
何時、ポキリ、と音を立てて砕け折れてしまったとしても不思議ではない所まで、追い詰められていた。
その彼女にトドメを刺すかの如く、<ドリームハンター>の嘲笑が冷酷に響き渡る。
「ウフフ・・・・今日はトクベツ。ココの秘密も大公開してあげるわね」
途端に、群衆の間から、オオオッ、というどよめきが、
再度――――今度はより興奮の度合いを増して――――湧き起った。
その声が聞こえた訳では無いだろうが、醜怪な召喚モンスターは、
ブヨブヨとした不定形の、いかにも鈍重そうな身体つきに似合わない、迅速な動きを披露する。
みずみずしい柔肌を弄んでいた触腕の尖端が枝分かれしたかと思うと、ミミズのように細長い無数の小触手が股間へと到。
あっという間に、包皮に包まれた小さな肉芽を巧みに剥き上げて、根元から扱き始める。

736 :
(9)
「ひゃひぃッ!?きひぃいいいいッッ・・・・!!!!」
未成熟な身体が雷に打たれたかのように硬直し、次いで、ビュクビュクと激しく痙攣する。
豆粒ほどの大きさしかない、本当に小さな一点に過ぎないというのに、
そこに巻き付かれると、まるで、全身が幾重にも絡め取られたかの如く、呼吸が詰まり、身動きが取れなくなってしまう。
加えて、ほんの少しでも締め付けが強まったり、逆に緩められたりしただけで、
食いしばった口元からは、鋭い悲鳴だけでなく、艶めかしい吐息までもが放ち上げられてしまうのだった。
「陰核の直径は、およそ3ミリ・・・・標準的なサイズよりも少し小さめ、ってトコロかしら?
小陰唇の高さは6ミリ、長さは2センチ少々。こちらもやや控えめな数字ね・・・・フフフ」
乙女の大切な場所の機密情報が、淫夢の支配者によって正確に計測され、冷酷に読み上げられていく。
恥ずかしすぎて耳を塞ぎたいくらいだったが、無論、拘束された両腕に叶う筈はなかった。
「クリトリスからオシッコの穴までが2センチ半・・・・尿道口から膣孔までが7ミリ・・・・肛門までだと、3センチ強、といったトコロかしら。
シルキスちゃんは、陰核だけじゃなく、アソコの造りそのものが、全体的にこじんまりとして、まだまだ発展途上みたいねぇ・・・・」

737 :
(10)
(ううう・・・・非道い・・・・こ、こんなに大勢の人たちの前で・・・!!)
「うわぁッ!!な、何だ・・・・あれはッ!?」
唐突に、誰か男性の声が耳朶を叩いて、
囚われの双剣使いは半ば反射的に閉じていた瞼を見開いた。
――――そして、次の瞬間、瞳に映り込んだ光景に言葉を失う。
(そ、そんな・・・・そんなぁ・・・・!!)
自らの幼い秘部を映し取っている魔法のレンズに、食い入るような眼差しを浮かべた無数の人々の顔が浮かんでいた。
どうやら、おぞましい工芸品には、対象の様子を捉えて術者の望む場所に拡大投影するのみならず、
映像を目にしている人々の意志に反応して、被写体をとらえる角度や倍率を自動調整する能力も備わっているらしい。
無論、哀れな虜囚にとっては、まるで秘唇の近くにまで顔を寄せられて、観察されているのと同じ事である。
事実、<白翼の騎士>を最終的な屈服へと誘ったのは、
自分の痴態を凝視し続ける人々の視線によってもたらされた、気が遠くなるような羞恥と絶望の感情だった。

738 :
(11)
(・・・・うくっ、も、もう・・・・ダメ・・・・!!)
これ以上は無い程の精神的打撃を浴びて、精神的に何重にもノックアウトされてしまった、女囚騎士。
だが、シルキスが意識を失いそうになったと感じ取るや否や、
<ドリームハンター>の指先が、そうはさせじとばかり、半ば剥き出しとなった胸元の双乳にググッと食い込み、
秘所とは相対的に、適度なボリュームと瑞々しい張りに恵まれた脹らみをタプタプと揉み回して、悩ましい性感の波動を送り込んでくる。
(あああっ・・・・も、もう、許してッ!!お願いッ・・・・気が変になっちゃう・・・・!!)
気絶さえ許されず、恥辱の女性器測定を受け続けるしかない、ララマザーの王女。
弱々しくかぶりを振りたくる事しか出来なくなった白騎士への責め嬲りは、
麗夢の好奇心が目の前の下半身の秘密を残らず暴き立て、文字通り、丸裸にしてしまった後も、延々と繰り広げられる。
凛とした気迫に満ちていた瞳は、いつしか、どんよりと暗く翳り、焦点を失って空中を彷徨い歩いていた。
魔法の大鏡は、少女の痴態を肴に怒張したイチモツを扱き立て、自慰に耽る市民たちのあさましい姿と、
彼らに対して抗議する気力すら消え果てた、哀れな王女自身の、泣き腫らした相貌を、いつ果てるともなく映し続るのだった――――。

739 :
(12)
<鏡面世界>。
「――――陽子ォッ!!レムネアァァッ!!」
見渡す限り、赤茶けた色の大地がひたすら広がっている、単調極まりない風景の荒野に、
優子と妖子、そして、二人を先導してきたキャロンの叫び声が幾重にも響き渡った。
殊に、己れを犠牲にして自分を逃がしてくれた、カナンの少女の名を呼び続ける<リバースの剣士>の声音には、
未だあどけなさを残すその容貌とは相容れない、鬼気迫るかの如き焦燥が滲んでいる。
(レムネア・・・・お願い、無事でいてッ!!)
今にも泣き出しそうな表情で地平線の彼方を見つめる、惑星ラルの王女。
<銀の勇者>の決の機転で何とか戦場離脱に成功し、優子と妖子の許に辿り着いたポニーテールの<剣士>が、二人を連れてこの場所に舞い戻ってきた時、
既に仲間たちの姿は何処にも無く、彼女たちと剣を交えていた<変幻戦忍>と<雷の戦士>もまた、撤収を終えた後だった。
状況から考えて、二人を捕縛したアスカとライディは、
捕虜の処置と戦闘で負った手傷の治療のため、ひとまず、目の前に広がる荒涼たる景色の中の何処かにある拠点へと戻った、という推測で間違い無いだろう。

740 :
(13)
「・・・・問題は、彼女たちの隠れ家をどうやって探せばいいか?ね」
連れ去られた二人の安否を気にかけつつも、懸命に自分を落ち着かせ、冷静な思考の確保に努める<ヴァリスの戦士>。
探索チームのリーダーとして下した、敵を誘い出すために敢えて隊を二分する、という判断が、結果として裏目に出たのは明らかだった。
キャロンから報告を受けて以来、どうしてあんな決断を下してしまったのだろうか?と悔やむ事しきりだった蒼髪の<戦士>だが、
今は後悔していても始まらない。
「妖子。二人、いや、四人の後を追跡出来る?」
傍らに立つ、チャイナドレスの少女に向き直り、質問を発する。
その眼差しは、<魔物ハンター>の武器であり象徴でもある<破邪の剣>を持つのとは反対側の手
――――より正確に言えば、細くしなやかな中指に嵌められた、山羊の頭部を象った指輪へと注がれている。
「分かった・・・・やってみる」
小さく頷くと、妖子は右手に携えた斬魔刀を下げ、
代わって、ノースリーブのチャイナ服から伸びた左腕を水平に突き出した。
そして、色白な手の甲に張り付くようにして鎮座している、古めかしい指輪――――アイベックス・リングへと意識を集中する。
体内を流れる、真野一族の血脈・・・・その内に受け継がれた霊妙の力が指輪へと流れ込み、
太古の昔に封じられた叡智の精霊を呼び覚ましていく。

741 :
(14)
(・・・・本当は、あんまり得意じゃないんだけどなぁ・・・・)
仲間たちには聞こえないよう、胸の奥で小さく呟きを漏らす、黒髪の<戦士>。
勿論、真野家の嫡流、第108代目の<魔物ハンター>として、
霊力を用いた探索活動・・・・残留思念の追跡は一通りこなす事は出来る。
だが、正直な所、妖子自身はこの種の行動があまり得意ではなく、
どうしても自分一人で行わねばならない必要がある場合を除いて、見習いのあずさや先代のマドカのサポートをアテにする事が多かった、
・・・・というより、事実上彼女たちに頼りきっていた、と言っても過言では無かった。
(――――でも、今は、あたしがやるしかない)
そう、独りごちたチャイナ服の退魔師は、すうっ、と息を深く吸いながら、雑念を振り払った。
一心不乱に精神を集中し、心をクリアにして、陽子とレムネア、そして、アスカとライディの存在の残滓を辿っていく。
如何に苦手にしていようと、今この瞬間、頼れるのは己れのこの能力以外には存在しない。
二人の仲間が固唾を呑んで見守る前で、朝靄の垂れ込めた海の中にポツポツと浮かび上がる漁り火の如く、
よくよく注意を凝らさなければたちどころに見失いかねない、僅かな思念の痕跡を、必に追いかけていく妖子・・・・。

742 :
(15)
「見つけたわッ!!あたしについて来てッ!!」
ややあって、高らかに響き渡った叫び声に、優子は、束の間、考え込むような表情を浮かべた。
目の前の少女が、この種の追跡行動を必ずしも得意とはしていないという事情を、蒼髪の<戦士>は薄々ながら承知していた。
その彼女がこうもあっさりと残留思念を辿れた、という事実は、
あるいは、勝利を得た敵に油断が生じた故なのかもしれないが、その一方で、自分たちを誘う撒き餌である可能性も捨て切れない。
慎重を期した状況判断が求められる局面である。
――――だが、逡巡の時は、さほど長くは続かなかった。
(・・・・たとえワナだろうと、陽子とレムネアを救出するためには飛び込んでいく他無い)
行く手にはどんな悪辣な陥穽が待ち受けていようとも、
自分の判断ミスの結果、捕囚の境遇に落ちてしまった友の身を案ずるならば、
撤退など、優子には到底受け入れ難い選択肢だった。
躊躇いを振り払った<ヴァリスの戦士>は、
眦を決して、チャイナドレスの裾をはためかせながら疾駆する退魔師少女の後を追いかけていく。
彼女のすぐ後ろを、惑星ラルの王女がオレンジ色のポニーテールを翻しつつ、随走していった。
無論、二人の犠牲によって、からくも虎口を脱したキャロンとて、抱く想いは優子と全く変わらない。
いかなる危険が待っていようと、二人を助け出さねば、という不退転の決意に背中を押されるまま、
<第108代魔物ハンター>と<ヴァリスの戦士>、そして、<リバースの剣士>は、
<鏡面世界>の荒涼たる大地の奥深く分け入っていくのだった――――。

743 :
(16)
――――同時刻。<鏡面世界>。最深奥部。
『クックックッ・・・・愚かな連中よ。罠と知りつつ、向かってくるとはのう・・・・』
姿見に映る、三人の<戦士>たちを眺めやる<鏡使い>
・・・・陰鬱な髑髏面に黒々と穿たれた眼窩の奥に蔑みのこもった嘲りの笑いが張り付いていた。
――――彼がそのように断じたのも無理は無いだろう。
傍らに居並んだ、全部で13ある不吉な黒曜石の石棺の中では、
つい先刻、新しくその列に加わったばかりの二人を含めた、4人の虜囚・・・・本能寺飛鳥、ライディ、朝霧陽子、レムネアが、
意識を封印された状態で、深いまどろみに落ちている。
もう一人、綾小路麗夢の棺もあるが、彼女だけはかろうじて意識を保っていた。
とはいえ、漆黒の牢獄を破る力などとうに無く、<鏡使い>の意のままに、強制的にエネルギーを絞り取られる身となってからすでに久しい。
彼女から奪い取られたエネルギーは、<夢幻界>に赴いた<ドリームハンター>
――――正確に言えば、麗夢の魂の一部を邪悪な魔道の技によって本体から吸い出し、仮初めの肉体へと移して作り上げた"人形"――――へと供給され、活動を支えている。
その『麗夢』からの最新の報告では、ヴァニティ城の守りについていた<戦士>達についても、
逃走に成功した麗子以外の4人を悪夢の牢獄に閉じ込めるのに成功した、とある。
何かと小うるさい<夢幻界>の女王への抑えとして『麗夢』は残しておく必要があるとしても、
程無くしてこの場に転送されてくる筈の4人を併せれば、優子たちの迎撃に仕える手駒・・・・"人形"は8体に達するのである。

744 :
(17)
『・・・・魂の座も、残るは4つ・・・・最早、埋まるのは時間の問題、と言っても差し支えあるまい・・・・』
(・・・・くっ・・・・)
肉の削げ落ちた頬をカタカタと揺らしながら、<鏡面世界>の魔道士がくぐもった笑い声を立てるのを、
碧色の髪の少女は、幽閉されている黒曜石のガラスケース越しに眺める事しか出来ないでいた。
こうしている間にも、邪なる魔道の技によって、全身からは絶え間なく生命力と精神力が奪われ続け、
時空を超えて、自分の魂と肉体を複製して作られた"人形"の許へと注がれている。
どうやら、コピーが活動している間は、本体の方も一定の意識レベルを保っていなければならないようだが、この状況では脱出も抵抗も到底不可能だった。
実際、ライディや飛鳥とほぼ同じ時期に囚われの身となって以来、幾度となく、力を奪われるために強制的に覚醒させられ、
その度に、考えつく限りの方法で、魔牢からの脱出を試みてきた麗夢だったが、
努力が部分的にでも実を結んだ例しは、今現在に至るまで一度も無い。

745 :
(18)
『・・・・我が主、偉大なる<影の女王>よ・・・・』
大仰な身振りで、<鏡使い>は、
(麗夢自身を含む)美しき囚人たち――――同時に、生贄でもあるが――――の封印された5つと、
未だ空っぽのままの8つの石棺が、環状列石のように取り囲む闇の中心を振り仰いだ。
漆黒の闇を湛えた眼窩の内部で、不浄なる炎がいつになく烈しく燃え盛っている。
酷薄無比なる不者にも、長年にわたって待ち望んだ瞬間を目前にして、
生身のカラダを失った時に忘却の彼方へと打ち捨てた筈の喜悦の昂りが舞い戻ってきているのかもしれない。
『・・・・時は満ちつつございますれば、どうぞ、心安らかにお待ちあれ。
今しばらく、今しばらくのご辛抱にござりますれば、何とぞ、何とぞ・・・・』
生ある存在全てに対する憎悪に支配された眼差しが見据えるのは、ひときわ巨大でおぞましい姿の黒水晶の岩塊。
聳え立つ漆黒のモニュメントは、周囲に設けられた13基の生贄台から絶え間なく放射される、負のエネルギーを吸収して、
その奥深くに封印された何者かの許へと送り続けていた・・・・。

746 :
(19)
――――<夢幻界>。ヴァニティ城。女王ヴァルナの居室。
「今です、ヴァルナさまッ!!早く封印をッ!!」
追手を振り切って室内へと駆け込んだ赤毛の少女が、
白亜の光沢を帯びた両開きの大扉を乱暴に締め、ガチャリ、と錠を下ろした。
相前後して、切迫した口調で、封印の呪文が詠唱されたかと思うと、
一瞬、宙に浮き上がるかのような感覚が全身を包み込む。
「・・・・もう、扉から離れても大丈夫ですよ、麗子。
この部屋の空間自体を、城内の空間から切り離して隔離しましたから・・・・」
部屋の主・・・・<幻想王女>ヴァルナにそう言われて、ようやく緊張を解く、<ヴァリスの戦士>。
実体化させていた、ぬばたまの愛剣を静かに下ろすと、
大量の魔力を放出したせいで呼吸を弾ませている主君の前に片膝をつき、謝罪の言葉を口にする。
「申し訳ございません。私が、もっと早く城内の異変を把握していれば、こんな事態には・・・・」

747 :
(20)
「麗子は、まだ傷が癒えずに臥せっていたのでしょう?貴女の責任ではありませんわ」
気遣わしげなヴァルナの眼差し。
――――だが、黒衣の<戦士>は首を横に振って、なおも自分を責めるのをやめなかった。
「・・・・たしかに仰る通りですが、だからと言って、警戒を緩めるべきではありませんでした。
警備責任者である私のミスです。まったく、優子たちに合わせる顔がない・・・・」
口惜しそうに下唇を噛み締める、赤毛の少女。
目の前の主君の顔に弱り切った表情が浮かぶのには気付いていたものの、
生真面目な性格の彼女は、それぐらいの事で、取り返しのつかない過誤を犯してしまった自身の迂闊さを許す気持ちにはなれなかった。

748 :
(21)
――――変事が起きたのは、小一時間ほど前である。
始まりは、ヴァニティ城に詰めていた侍女たちの何人かが、自室で休息中だった麗子の許を訪れ、
城内の回廊を走り抜ける怪しい影を目撃した、と告げた事だった。
後から考えれば、シルキスや茜たちにではなく、傷を負って休養中の自分にそんな報せを持ってきたという話自体、違和感を覚えねばならなかった所だったが、
<変幻戦忍>を撃退した直後で、心のどこかに緩みが生じていたためだろうか?
さして気にかけるでも無く、彼女たちの案内で城の一角へと足を運んだ<ヴァリスの戦士>
・・・・そこで見出したのは、正体不明の侵入者ではなく、女王の傍らで警護任務に就いている筈の<白翼の騎士>と<アルテラの三剣士>の姿だった。
異変を悟り、短いが激しい戦闘の末に、4人の仲間を昏倒させて
――――無論、回復不可能なほどの手傷を与えた訳では無かったが、さすがに正気を取り戻させる時間的余裕までは存在しなかった――――、
全速力で主の許へと駆け戻った黒衣の<戦士>。
少女のラベンダー色の双眸に飛び込んできたのは、今まさに主君であるヴァルナの身柄を拘束せんとしていた侍女たち
・・・・生まれながらにして女王に忠誠を誓う、忠良なる臣下であった筈の<夢幻界>の住人の一斉蜂起だった。

749 :
(22)
「・・・・全ては私の責任です、ヴァルナさま。
私がアスカの逃走に気を良くして、
もう一人の刺客・・・・おそらくは、<ドリームハンター>綾小路麗夢が、城内に潜伏している可能性を見落としていた油断こそが、今の窮地を・・・・」
途中まで言いかけたところで、ううっ、と、苦しげに呻き、脇腹を押さえる。
<変幻戦忍>との闘による消耗から回復しきれていない身体で、4人もの<戦士>を相手に戦い、全員の戦闘能力を奪い去った後に、
彼女たちよりは遥かに技量は劣るとはいえ、数においては圧倒的に優る侍女たちを残らず昏倒させてのける、という離れ業を成功させた代償は、
麗子の全身に無数の傷跡となって残っていた。
華奢なカラダを覆う漆黒の甲冑にはあちこちに斬撃の痕が走り、
防御フィールドを以てしても防ぎ切れなかったダメージが乙女の柔肌に紫色の痣を生じさせている。

750 :
(23)
「いけません、麗子。すぐに傷の手当てを!」
駆け寄ってきたヴァルナが、傷口に手をかざし、口早に治癒の呪文を唱えた。
流れ込んでくる清浄な癒しの力に、<ヴァリスの戦士>の表情から苦痛の色が消えて行く。
深い悔恨と自責の念までは消え去りはしなかったものの、その口調は幾分和らいだものへと変わっていった。
「うくっ・・・・か、感謝いたします、我が君・・・・」
未だカラダの各所に残る、不快な疼痛感に悩まされながらも、
<ヴァリスの剣>を杖に立ち上がり、呼吸を整える、女王の側近。
対する<幻想王女>は、彼女がようやくいつもの落ち着きを取り戻してくれた事に、胸の奥で小さく安堵の息をついた。
自分たち二人を取り巻いている状況が何ら改善した訳では無かったが、
黒衣の<戦士>がこうして傍らにあって、ラベンダー色の双眸で静かに見守ってくれるだけで、
たとえ何が起ころうと大丈夫だ、という安心感が湧き上がってくる。

751 :
(24)
(・・・・ヴァルナ、さま・・・・)
主君の気持ちに思い至ったのだろう、麗子は、少し面映ゆそうに微笑みを浮かべ、
そして、湧き上がってきた感情を誤魔化すかの如く、軽く咳払いを発した。
主の心遣いは有難いが、いつまでもそれに甘えている訳にはいかない。
まずは、今からどう動くべきか?を早急に決定しなければならなかった。
(空間ごと外部から切り離した以上、室内にいれば、いくら<ドリームハンター>でも手出しは出来ない筈だわ。
代わりに、私たちも外界には介入できないけれど・・・・)
腕組みをして考え込む、黒衣の少女。
籠城を続けて、<鏡面世界>に赴いた仲間たちが帰還してくるのを待つ、というのも一つの戦術ではある。
だが、麗夢とて、それぐらいは予想しているだろうし、
加えて、この部屋以外のヴァニティ城の全てを掌中に収めた今、
自分たちが留守にしている間に本拠地が陥落していようとは露程にも予期していない筈の優子たちを待ち伏せし、罠にかける方法など幾らでもあると言って良い。
――――もっとも、(さしもの麗子も、そこまでは考えが及ばなかったのだが)この時、アスカを追って<鏡面世界>へと出撃した優子以下の探索隊は、
巧妙に張り巡らされた罠に嵌り、<夢幻界>に帰還するどころではなくなっていたのであるが。

752 :
(25)
(何とかして、城内の状況を皆に伝えなければ・・・・でも、一体、どうやって?)
目の前の主君に余計な不安を与えまいと、努めて冷静さを保とうと試みる赤毛の<戦士>だったが、
困惑の表情を完全に隠し切るのはどうやら出来ない相談のようだった。
優子たちに急を知らせるためには、安全が保証されているこの場所を離れて、一旦、通常空間に出なければならない。
通常空間に出て、通信を送った上で、再度、外界と隔絶されたこの空間に戻ってくる事も理論上は不可能ではなかったが、
その間ずっと、狡猾な<ドリームハンター>の目を誤魔化し切れる自信は、さしもの彼女も持ち合せてはいなかった。
隠蔽と隠密行動は自分の十八番だが、同時に、<夢守りの民>の末裔である麗夢の得意とする分野でもあるのだから・・・・。
「・・・・麗子・・・・」
重苦しい沈黙を破ったのは、幾重にもわたって思案を重ねる赤毛の側近を、無言のまま、じっと見つめていた<幻想王女>の一言。
色素の薄い唇が静かに動き、囁くような声――――緊張の為だろう、微かな震えを帯びていた――――を絞り出す。
だが、同時に、薄青色の双眸には、今まで麗子が殆ど目にした経験の無い、決意に満ちた視線と強い意志を感じさせる光が宿っていた。
<夢幻界>の女王であり、同時に、<ヴァリス>の力を司る<明>の最高司祭でもある者としての、威厳と叡智に満ちた眼差しが、
ハッ、として顔を上げた少女の瞳を射抜き、迷走に迷走を重ねていたその思考にはっきりと道を指し示す。

753 :
(26)
「構いません、麗子。貴女の判断に、全てを委ねます。
・・・・<夢幻界>、そして、多元宇宙に存在する、全ての<世界>の運命を・・・・」
(・・・・ッ!?ヴァルナ・・・・さまッ!!)

――――――――TO BE CONTINUED.

754 :
以上、第9章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば、幸いに存じます〜。
各世界の<戦士>たちが、(敵も味方も)一カ所に集まり始め、
文字通り、『戦士集合!』という形になってきました。
さすがにその全員を、同時に、かつ、平等に描写するのは困難ですので、
その中の何人かにスポットを当てて描くしかないのですが、
なるべく多くの<戦士>たちに、少なくとも一度は活躍シーンを割り振りたいな〜、と考えています。

755 :2013/09/07
さて、次回ですが、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』の第30章をお送りする予定です。
11月中の完成・発表を目指していますので、またしばらくの間、お待ち下さいませ。
それでは、本日はこの辺で〜。
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