2013年10エロパロ227: 【高津カリノ】WORKING!!エロパロNo.8 (820) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【高津カリノ】WORKING!!エロパロNo.8


1 :2010/09/11 〜 最終レス :2013/09/22
ヤングガンガン連載中のファミレスバイト4コマ漫画WORKING!!の他
web上で連載中のブタイウラ/WORKING!!などの高津カリノ作品の総合エロパロスレです。
【スレ住人達のお約束】
・かりのん(現隠しページ)は簡単に見つかります。がんばって。
・旧隠しのログは現隠しのどこかにうpされてます。
・が箱はサイトのどこかにあります。
・同人誌、裏設定、隠し、旧隠しの話題のネタバレOK。
・うろん内のアドレスを貼るのと現在見られない画像のアップはやめましょう。
・801ネタはヤオイ板でお願いします。
・荒らし、煽り、誹謗中傷等はスルーでお願いします。
・sage進行でお願いします。
・エロパロ、恋パロ以外のパロの投下もOKです。
・絵はまとめサイトかまとめwikiの絵板に投下してください。
・投下された作品の転用、転載はやめてください。
◇前スレ◇【高津カリノ】WORKING!!エロパロNo.7
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1275622770/

2 :
                    ___________________________
                      f
    , ⌒ r ― ― -- 、      | 【YG版WORKING!!】 (通称犬組)
   /          ` 、     | ヤングガンガン連載中の働かないファミレス4コマです。
   l    /ハルWVNwv !    |
   |    _l、┃  ┃ r´  _ < 【うろん版WORKING!!】 (通称猫組)
  ノ   ( ヽY  r┐〃!ヽi/ノ  | うろんなページ連載中のやっぱり働かないファミレス4コマです。
  i     i リー ゝ' -イ,. リ/    ! 犬組と微妙にリンクしてたりします。
  !ハ    | <)\‡‡jV〈 /      |
  ヽ`l  .ノ | _|,    Y .       | 【サーバント×サービス】 (通称鯖)
  、__ノ 「 ̄Τl ォ゙  ''i゛         | 増刊ヤングガンガンに掲載の公務員4コマです。
   ̄ ! |.  | | |||""`ゝ、       |
    リト‐-∪」l  ノノミ      | 【ブタイウラ】 (通称ブタ)
     <三三三彡イー'.     | うろんなページ連載中のサーカスしてないサーカス4コマです。
         |::::| |::::|         |
         |::::| |::::|         | 【がはこ】
         l::/. ヽ::! .       | 高津カリノと同一人物です。
                     ヽ___________________________

3 :
◇原作本スレ◇
【WORKING!!】高津カリノ総合part88
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/comic/1282651412/
◇アニメスレ(流れが速いのでしばしばURLが変わります)◇
WORKING!!68品め【ワーキング!!】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1283956576/
◇桃色の雑談がIDなしでできるスレ◇
なくなってた

4 :
◇次スレへの引継ぎについて◇
450KB を超えたら残り容量に注意しながら投下してください。
480KB を超えたら次スレが立つまで投下は控えてください。
    f  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
    | ☆外部サイトもよろしくねっ!!                            |         _
    |                                               |   匚 ̄|┌(_・)
    │ ○WORKING!!データベース                                |   // l 、\  l´'‐┐ l`7  / 7
    │  ttp://51209.web.fc2.com/                                    |  ( (   丿 ノヽ! _| l二 .| L  /_/
    │ ○高津カリノのパロディまとめwiki(関連スレログに過去ログがあります)   |   ヽ、二 /   i´o ,‐┘ レ'´
    │   ttp://wiki.livedoor.jp/gahako_uron/d/FrontPage                 |            ` -―‐- 、
    │ ○偽ヵ(お絵かき掲示板)                                   |         /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:..ヽ
    │   ttp://netgame.mine.nu:10017/lpbbs/f1173696302/             |         _/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::..゙、
    ヽ_______________________________/   _.. -:':':"::::::::::::::::::::::.. :;;;;;;;;;;;;;;::..'、
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                                                 !  l リ l:::::i  ┃        ┃  〉:::::!;;;;;;;;,:::i =―
                                                 |   ! ハ:;;イ  ┃        ┃   !::ソ;;;;;;;;;;:N ≡三
                                                i.   |  '( | 〃   ┌┐    〃 i^);;;;;;;;;;;;;::!−‐―

5 :
>>1の神様、乙です
職人さんも戻ってきてくれ〜

6 :
>>1
もう立たないかと思ってたよ

7 :
>>1
GJ

8 :
てst

9 :
>>1
誰か保管庫も更新してくれまいか

10 :
>>1おつ
前スレ 1 2010/06/04(金) 12:39:30〜843 2010/09/04(土) 09:19:06 のdatなら持ってる

11 :
即判定とか大丈夫だっけ?

12 :
もうんでいる

13 :
葵フラグたった?

14 :
スレ移行に失敗するとこんな過疎るのか

15 :
たかいな話を期待してます

16 :
保守がわりの小ネタ
種島「こんなに頑張ってるのに、なんで背が伸びないんだろう…」しゅーん
小鳥遊「しゅーんってなってる先輩可愛い!」
種島「もー! カタナシくん、 私は真剣に悩んでるの!」
小鳥遊「すみません、先輩。では、罪滅ぼしにお手伝いさせていただきます」
種島「ほんと!? でも、どうやって?」
小鳥遊「ほぅら、高い高ーーーーーい」
種島「もーーーーーっ!!」

17 :
Windows 7の謎のプチフリーズ
タスクバーのアイコンをポイントして。小型ビューアを表示するときに、
たまに数秒間、画面が固まる事があります。XPのプチフリーズに似ています。

18 :
お前はだめだ

19 :
さとやちを待ってます。

20 :
保守

21 :
いまの原作いなみんが小鳥遊以外の男に迫られるとどうなっちゃうんだろう

22 :
今は殴るより気絶するみたいだから、その間に手をワイヤーで縛られてあんな事やこんな事を…

23 :
相馬さん相手に殴りそうになって、デイジーが犠牲になっただろ
小鳥遊は殴りたくないから我慢して気絶する
他の相手じゃそこまで我慢することはできないから殴る

24 :
デイジー…
いたましい事故だったよね…

25 :
>>21
小鳥遊が切れて警察にいろいろやばいもの持ってる相馬さんが捕まる
かわいそうまさん
>>24
でもデイジーは強いし大丈夫

26 :
ところでエロが書けないけど投下してもいいの?

27 :
どんとこい

28 :
投下してくれたらナデナデしてやろう。

29 :
むしろエロ無しの絡みが好きだ

30 :
どっちでも構わないです

31 :
今日はオンリーの開催日か
サークル参加の人も一般参加の人も良い一日をノシ

32 :
@Reply>>18
だめと言われたため、やっぱり一本いっとく?
そう言って、左手のワイシャツの袖をまくり上げて、
医療用メスの刃を自分の左手首の内側に当てて、さくっと…。
♪テレレレ〜テ〜レレテ〜レレテ〜レ〜♪

33 :
お蔵入りにしてたさとやち投下
糖分控えめ。つまり佐藤控えめ
お店で実際こういう事をするのかは知りません

34 :
 痩せたかもしれない、と八千代は思った。
(どれくらい減ったかしら?)
 何故かあったヘルスメーターを引っ張り出してきて床に置く。八千代は太ってはいない。むしろ少し痩せ型だろう。
 八千代理論はこうだ。
 若い頃は痩せていても、三十を超えると肉がつきやすくなるという。そうぼそりと杏子が呟いていたのを聞いたことがある。
 ということは太る前に出来るだけ痩せておけば、貯金になるのではないだろうか。
 あの行為は全身運動だ。減って軽くなっているかもしれない。
 つま先がヘルスメーターの上に乗り、数字が動いたところで八千代は固まった。
 それはつまり、減った分だけ行為を行った。ということにならないだろうか。
 このところ続く朝の行為を思い出し、八千代は全身の血が沸騰した。
「ち、ちが」
 そういうつもりではなかった。あの人が望むからしたことで、決して自ら進んでやりたいわけでは――つまり積極的に喜んでいるのではない、と声を大にして言いたい。
 ここは大事なところだ。八千代は喜んでいません。八千代は喜んでいません。
「違うのよ!」
「何がだ」
 べし、と頭を叩かれた。気がつけば、傍には呆れた顔をした佐藤が立っていた。
「あら佐藤くん」
「あら佐藤くん、じゃねー。サボってないで働け。休憩終わっただろ」
「そうね、そうするわ。ごゆっくりどうぞ」
 そそくさとヘルスメーターをしまい、八千代は仕事場へと急いだ。
 休憩室を振り返ると、佐藤は煙草に火を着けた所だった。ぐったりと椅子にもたれかかっている。大分疲れている様子だ。
 佐藤の姿を認めると、八千代はまた血が集まるのを感じた。
 そう、今朝も佐藤とふたりで――
「違うの!」
 思わず口走ると、ホールスタッフがぎょっと足を止めた。
 丁度、皿を下げてきた松本が不安げに言う。
「何かミスでもありました?」
 八千代は焦った。
「ち、違うの。そうじゃなくて、こっちの話」
「そうですか?」
 松本は不思議そうな顔をしたがそれ以上追求してこなかった。
「それにしても盛況ですね」
「そうね。大変だけど、ありがたいわ」
「頑張ってますもんね。キッチンスタッフも、チーフも」
 松本の言葉に、八千代はびくりと震えた。
「そ、そうね」
 青ざめ狼狽えたり真っ赤になって照れる八千代をなるべく見ないようにして、松本は言葉を続けた。
「毎日うどんを打つ、なんて言い出した時はどうなることかと思いましたが」
「え、ええ……本当にね」
 今度こそ八千代はのた打ち回りたくなった。

35 :

 そう、このところ毎朝、八千代は佐藤達とうどんを打っていた。
 連日の重労働の為か佐藤は日に日にやつれていく。しかし一度も休まない。佐藤はああ見えて真面目な青年なのだ。
 八千代は手打ちうどんを楽しみにしていた。何をやらせても器用な佐藤に教えてもらいながら、懸命に打った。最初は上手くいかなかったが、このところ次第に形になってきた……ような気がする。
 杏子にも褒められた。八千代の作った駄目なうどんも杏子は食べてくれる。そのことを佐藤に報告すると、ひどく疲れた様子で「良かったな」と言ってくれた。
 うどんを打つと全身運動になり、痩せて、杏子に褒められる。八千代は俄然張り切っていた。
 佐藤と会うことを楽しみにしているわけではない。佐藤のことは好きだが、そうじゃない。違う。
「そうなのよ。違うんだから」
「えっと、チーフ? お客様がお待ちですよ」
「あ……っ! 今行くわ」
 松本の怪訝な視線が痛い。
 テーブルに向かいながら、八千代は心の整理を始めた。
 朝のうどん打ちは杏子が食べたいと望むからしたことで、本当は惰眠を貪っていたい。決して自ら進んでやりたいわけでは――つまり積極的に喜んでいるのではない。
 客の前に立つと、八千代は反射的に笑顔になった。
「いらっしゃいませ、メニューを伺います」
「えーと、私はキツネうどん1つと――」
「……うどんっ」
 八千代の肩が小さく震えた。同時に腰の剣が揺れ、客がびくりと怯えた。
「お、オレンジジュース1つと……」
 身体をこわばらせた客の注文をとりながら、八千代もまた動悸が治まらなかった。
 うどんを玉にする際、八千代の作った塊は力が足りなくて不恰好になってしまった。杏子にたくさん食べてもらおうと欲張ったのがいけないのだろう。
 佐藤は黙々と自分の作業をこなしていたが、見かねて最後は手伝ってくれた。
 佐藤は優しい。そのことを最近強く意識するようになってきた。
「繰り返します――」
 ……体重が減った分だけ、佐藤との逢瀬を喜んでいたような気がする。
(ち、違うわ! 私は杏子さんが一番なのよ。佐藤くんだって好きな幽霊さんがいるもの。だから、だから……佐藤くんは違うの!)
「――では出来上がるまで、お待ち下さいませ」
 テーブルを離れると、八千代は全身上気していことを自覚した。
(私ったら仕事中に佐藤くんのことばかり……どうしちゃったのかしら)
 杏子への好意ならいくらでも叫べるのに。杏子のことならいつでも考えていると胸を張って言えるのに。
 それが佐藤になると、どういうわけか恥ずかしくてたまらない。服を着ているのに裸を見られているような、隠したくてたまらない気持ちでいっぱいだ。
 なのに大声で佐藤の名前を呼んでみたい。どんな風に振り向いてくれるのか、佐藤の反応が知りたくてたまらないのだ。
 気持ちを八千代は中々認めることができなかった。認めてしまえばあっという間に呑み込まれてパニックに陥りそうだから。
 抜き差しならない程の思いに急成長しそうな予感がする。そんな気持ちは処理できない。こわい。それなのに佐藤のことを考えることをやめられない。
(ちがうのよ……)
 不思議な微熱は小さな痛みを持って胸の奥に根付き、どれだけ否定しても冷めることがなかった。

36 :
終わりです
相馬妃か桐生&小鳥遊伊波かミリの話が読みたいです

37 :
超GJです!!!!
これでスレが復興してくれたらいいなぁ

38 :
すごくいいっすね〜w
八千代かわいい世や千代

39 :
投下しまっす。
さとやちだけど八千代と小鳥遊しか出ないというw
八千代がおかしくて、小鳥遊が相馬っぽいけどよければドゾー

40 :

「さとーくんかわいい」
「あのー……チーフ?」
「だって今日だってね、さとーくんがね、さとーくんはね、さとーくんでね……」
 珍しくチーフと二人で裏で作業をしていた俺はいきなり始まった惚気にあっけに取られて固まっていた。
 佐藤さんがチーフに片思いをしているのは知っているが、チーフはその想いを微塵も感じていなかったはずだ。
 俺の主観では少なくともこんな感じだ。
 それなのにチーフは店長ではなく、佐藤さんの惚気を次から次へと文字通りマシンガンのように語っている。
 
 ……ここまで語られると。
 佐藤さんには申し訳ないが、俺も目の前にある好奇心に確信を突く質問をしてみたくなる。
 すみません佐藤さん!
「ちょっといいですか?」
「その時のさとーくんがしゅんとしていてかわいくて……うん? 何かしら小鳥遊君?」
「佐藤さんの事、好きなんですか? その……異性として」
「そうやって言われると恥ずかしいけど。そうね、男の人として好きよ」
 俺の質問によって改めて認識をしたようで、紅く染まった頬を手で押さえながら答えるチーフ。
 これはしかし意外というか、想像もしていなかった展開だ。
 
「俺が言う事じゃないかもしれないですけど、佐藤さんもチーフの事が好きですよ」
 我ながら山田を怒れない程の口の軽さだと思う。
 それでも言いたかった。
 ぶっきらぼうに見えていつも優しくて良い人な佐藤さんが少しでも報われてほしかったのかもしれないし、興奮した好奇心の延長だったのかもしれない。
「知っているわ」
「え? じゃあ……」
「でもね。ふふ、それは言ってあげないの」
「どうしてですか?」
「だってさとーくん、すごくかわいいんだもの!」
 さっきから言っているが、どういうところが可愛いと言うのだろう?
 もう何だか佐藤さんがやっぱり不憫としか思えない方向に片足を突っ込んでいるような気がするが、今更チーフを止めるのは無理だ。 

 








 

41 :

「それは……どういう時ですか?」
「私と話している時とか、ちょっと頑張っている時とか、他にもたくさん」
「そうですか……」
「もっと積極的でも私は全然構わないのよ? でもヘタレなさとーくんもかわいいの」
 佐藤さん、貴方の想い人は貴方の想像以上に黒いというか悪女かもしれないです。
 俺も内心、ちょっとショックです。
 後、やっぱりチーフから見てもヘタレみたいです。
 しかもそこが可愛いらしいです。
 いや、そこも、か。
「じゃ、じゃあチーフから佐藤さんに何か言うという事はないと……?」
「言おうと思えば言えるのよ? だけど、今の関係やさとーくんも好きだし……」
 すごく……漢前です……
 ヘタレて乙女やっている場合じゃないですよ佐藤さん。
「それにね?」
「それに、何ですか?」

 ────ピンポーン

「あら、お客様ね。私が行ってくるわ」
「すみません、ありがとうございます」
 計ったかのようなタイミングで鳴ったベルは、会話を切り上げさせるのに充分な理由となった。
 最後まで聞いてみたかったような気がしないでもないが、後からぶり返す程の事でもないと思う。
 俺の好奇心もここでおしまい……かと思われた。

「いいのいいの。それとね小鳥遊君、さっきのベルが鳴る前の話なんだけどね」
「は、はい」
「やっぱり好きな人から言われたいじゃない。そういうのって」
 最後の最後でチーフはさっきのあの漢前から一転して、大多数の女性が望むような、好きな人から告白されたい、との願望を口にした。
 その表情は先ほどの紅を保ちつつ、一人の人を想うはにかんだ乙女のようで。
 きっとチーフには。
 好きだからこそ、不器用ながらも有りのままの想いを伝える格好良い佐藤さん、が見えているに違いなかった。




「だから小鳥遊君もまひるちゃんを待たせてちゃダメよ?」
「え、えぇ!?」
 やはり俺はチーフが苦手みたいだ……


42 :
タイトルは「さとーくんかわいい」で。
漢前八千代と乙女佐藤が書きたかったのですが、斜め上の方向に軟着陸してしまいましたorz
次は書き易い付き合っている設定で書こうかなと言うだけ言ってみる
新スレになって過疎っているみたいですが、どんどん盛り上げていきましょう!

43 :
GJ!
佐藤があわれすぎるが、そこがまたいい!
新スレになって過疎ってるかと思いきや、エンジンかかってきましたな!

44 :
乙!
男前と乙女っていうと
「佐藤くんは会うたびに素敵になるわね」
「ついさっき会っただろう」
*・゜゚・*:.。「その間に素敵になったのよ」..。.:*・゜
「えっ…///」ドキーン
※ただしイケメンに限る
(某映画パロ)

45 :
GJ!!
シュガーかわいそうすぎるw

46 :
SSスレにとって500KB超えで止まるのは御の字なんだけどなぁw
今回は無警戒だったね

47 :
アニメの恩恵もあったし、お題の人の投下も凄かった

48 :
逆で考えてみよう。
小鳥遊 宗太=岸谷 新羅
佐藤 潤=平和島 静雄
相馬 博臣=折原 臨也

49 :
前スレはまだ纏められてないんだね…読みたいのがあるんだけど…

50 :
>>50
グーグルキャッシュかタイトルなどでググる
投下したのを自分でまとめている人もいるみたいよ

51 :
猫組で進藤が志保を……したのに静かだのう。

52 :
>>51
その話題でみんな本スレにいってるんだろう

53 :
(志保はかわ…可愛嘘! じゃない可愛いな)
 もじもじ人差し指を合わせ、こちらの反応を伺っている志保。真っ黒の瞳が熱で濡れていた。
 生まれたてのタテゴトアザラシのようにふるふる震えていて、つついたらきゅうきゅう鳴くかもしれない。
 なんと心揺さぶられる姿だろうか。
 ごくり…
(はっ――いかんいかん。良く考えろ)
 一時の感情に流されてはいけない。あれは本性S女だ。札束で殴られたこともある。
 いくら可愛い志保に本気告白されたって忘れるな。あの屈辱の日々を。よく見ろ、絶対何か企んでる。
(…………)
 頭の天辺からつま先まで志保はカタカタと揺れていた。つついたら鳴く前にくにゃりと崩れ落ちてしまいそうだ。
 タテゴトアザラシのようだった白い肌が今はベニイロフラミンゴのようで、志保をそんな風にさせているのが俺だと思うと
なんだまぁ悪い気はしないような……待て!! そっちは明らかに亡フラグ方面だ。今旗が立ちかけた。父親たちの星条旗並に立ちそうだった。
 惑わされるな。眼を閉じて考えろ。何がベストか? どうしたら生き残れるのか? 簡単だ。
 志保を上手くあしらいつつ、逃げる。これだ。
 少々気が咎めるが、それは志保が今ちょっと可愛いように見えるからだ。大丈夫、今までのお返しだと思えば余裕だ。
 さあ、憎め! 憎悪するがいい俺!! こいつは、こいつは――


「ふ、あぁう」
 本能が(ry

54 :
うおおおおおおおおお!
よし、よくやった!
はやく本能の続きを頼む!
ユータ×志保のせいで日曜日がニヤニヤの日になっちまったぜ

55 :
>>53
gj!!
志保ちゃんが可愛いすぎる…ユータ君もっと本能に従って!

56 :
ユー志保で盛り上がっているところ悪いけど投下しておk?

57 :
大丈夫

58 :
じゃあ注意事項
・佐藤と種島の話
・さとやち要素のぽぷ→さとだから苦手な人はスルー推奨
それでは投下

59 :
 あなたはショートケーキの苺、先に食べますか? 後で食べますか?

「あれー? さとーさんも休憩?」
「おう種島。悪かったな俺も休憩で」
「そんな事を言うからさとーさんはいぢめっこなんだよ」
「背が高いから狭くなってしまってすまんな。でもお前は小さいからバランスが取れてちょうどいいだろ?」
「んもー!」
 ある日のお昼過ぎ。
 珍しく忙しくて、お昼御飯を食べていなかった私は、遅い休憩に入ろうとしていたところを休憩時間が被った佐藤さんと出くわした。
 いつも通りと言えばいつも通りのやり取りをすると、私はお昼御飯をどうしようかと考える。
 普段なら家から持ってきたり賄いを作ってもらったりするけど、佐藤さんは休憩中だし、他の人に頼むのもあの忙しさの後では気が引ける。
「お昼、どうしようっかな」
「用意してないのか? 何か作るか?」
「ううん、いいよ。さとーさんも休憩中だし。お菓子か何か食べるよ」
 こういう時や友達と食べたりする時の為に、鞄の中にはちょっとしたお菓子が入っていたりする。
 今日は夕方までのシフトだし少しぐらい我慢しようかな。
「俺を労わるとは良い心掛けだな種島。そんなお前に御褒美をやろう」
「なになに?」
「ほら、これだ。開けてみろ」
「もしかして……うわぁー!」
 鞄を取りに行こうとすると佐藤さんは、まるで初めからそうしようとしていた、と言わんばかりにその理由を棒読みすると、紙袋から手提げの付いた白い箱を取り出して開けるよう促してきた。
 その箱が何を容れる為の箱なのか認識した瞬間、心が躍らんばかりの気持ちで私は中身を確認しようと開けていた。
「苺ののったショートケーキだ! これどうしたの!?」
「あ? あぁー……えっとな、ここに来る前に実家に用があって寄った時に貰った」
「ふーんそうなんだ。ねえ食べていいの?」
「いいから、さっさと皿とフォークを持ってこい」
「はーい」
 佐藤さんの嬉しいサプライズに思わず顔が綻んでしまって、上手く喜びが隠せなくて。
 だって、そうでしょ?
 好きな人からのプレゼントはどんな物でも形でも、例えそれが八千代さんとは違う感情だとしても、嬉しいから。 

 その反面、佐藤さんの優しい嘘にどこか冷めた気持ちの自分がいて、上手く哀しみが隠せなくて。
 だって、そうでしょ?
 好きな人からの嘘はどんな物でも形でも、例えそれが私への気遣いだとしても、寂しいから。


60 :

「いただきまーす!」
「どうぞ」
「はい! う〜ん……美味しい!」
「そりゃ良かったな」
「うん! そう言えばさとーさんは食べないの?」
「自分の分の食器しか持ってこなかった奴が今更言うセリフかよ」
「う、仕様がないじゃん。さとーさん何も言わないし、言ってくれたら今からでも持ってくるよ?」
「いや、俺はもう食べたからいいんだ」
 皿とフォークを持ってきて箱から移して。
 卵黄色のスポンジに真っ白なクリームにそれに映える目を惹く赤い苺。
 そのケーキ部分を一口。
 感想は空腹と相まってただ一言の感嘆。

「さとーさんはさ、ショートケーキの苺、先派? 後派?」
「後、かな」
「私も! 好きな物って最後まで取って置きたくなるんだよね」
「それで俺に食べられると」
「ダメだよ! さとーさんでもこれはあげない!」
 ショートケーキを食べる時によく話題になる、苺の食べる順番。
 先に食べる人は好きな物は先に食べて、後で食べる人は好きな物を後に取っておくタイプっていうアレ。
 佐藤さんはどうやら私と一緒で後派みたい。
 こんな細かくてどうでもいい事でも、今の私にはとても大切にしたい事だ。
「取らねえよ。あんまり好きじゃねえから、どっちも。食べられる事は食べられるが他に誰かいたらあげるな」
「こんなに美味しいのに? 八千代さんにあげたりするの?」
「……そうだな。八千代は先派らしいから」
 言ってちょっと後悔して、聞いた後で追い討ちでもっと後悔。
 佐藤さんと八千代さんは付き合っている事を隠しているわけじゃない。
 八千代さんはバイト中でも佐藤さんを名前で呼んだりするし、佐藤さんと話をしている時は心の底から楽しそうな笑顔をするし、惚気話をしている時は幸せに溢れていると思える。
 佐藤さんの方はというと。
 なるべく公私混同をしないように気を使っていて、特に私と一緒にいる時は八千代さんの話題を出さないような気がする。
 ほら、今だってばつが悪そうな顔をしている。

61 :

 何故だろう? 
 佐藤さんが私に気を遣う必要なんて何もないのに。
 八千代さんも好きだから、悩みなんか話してくれて、それでアドバイスなんかしちゃったりして。
 それが、良いのに。
 それで、良いのに。
 
 だから私は。

「へえーじゃあ二人は相性が良いんだね」
「そうなのか……?」
「そうだよ。もう、ダメだなぁさとーさんは」
「ダメな俺の方が背は高いけどな」
「だから背は関係ないでしょ!」
 
 だから私はこれで良いんだと思う。

 佐藤さんは後で苺を食べて。
 私も後で苺を食べて。
 八千代さんは先に苺を食べて。
 相性が良い二人には必然の結果で。
 好きな人との心地良い関係が壊れるのが怖くて後回しにした私には当然の結果で。
 私はまるで。
 このもろくて崩れやすいショートケーキのよう。
 一人で最後まで残った苺のよう。

「種島」
「なーに?」
「今度は俺が選んだのを持ってきてやるよ」
「……うん! でも出来ればさとーさんの手作りが良いなぁ」
「作れん事はないが……そう言えば知り合いに、ケーキを買いに行くのが恥ずかしいから自分で作ったバカがいたな」
「すごいね!?」
 
 けれど、ねえ佐藤さん。
 どれだけ平気に振舞っててもやっぱり助けてほしいよ。
 この永遠の片想いから助けてよ!

62 :
タイトルは Strawberry On the Shortcake で。
ぽぷ→さとなんて原作でも否定されちゃったほどの誰得ですけど、でも正直堪りませんw
このスレも他のカプももっと盛り上がっちゃえばいいよ!

63 :
原作カプ萌えの俺としては辛い
けどGJ

64 :
お久しぶりに参上です。
「衝動ごと抱きしめて」「名前を呼んで」「こっち向いてハニー」「花火大会に連れてって」の作者です。
というわけで、また行き帰りの電車で携帯電話をぽちぽちして書いてた小鳥遊と伊波の話の続きです。
私にしては自重した長さで、5分割です。
よろしければお読みください。

65 :
「ねえ、宗太くん」

伊波まひるは、マジックハンドを挟んだ、奇妙な距離感の下、隣を歩く少年、小鳥遊宗太に声をかけた。

「何ですか、まひるさん」

小鳥遊宗太が慣れた様子でにこりと微笑むと、伊波は胸を高鳴らせる。
数々の強力なまでの物理的接触を重ねてきた2人は、紆余曲折あって晴れて好き合う仲になれた。
その結果、お互いを下の名前で呼ぶようになり、以前に比べてぐっと中睦まじい様子を見せるようになった。
とはいえ伊波にしてみると、まだ小鳥遊とのその関係性が自然なものではなく、
気を抜くと見惚れたあげく腰まで抜けてしまうのが頻発するようになっているため、余計に気を張ってしまう。
一緒にいられること自体はうれしくても、体力と気力がすり減る矛盾が最近の伊波の悩みの種だったりする。
が、彼女が今どきどきと胸を鳴らせるのはそういったときめきだけではなく、別に気になっていることがあるためだ。
それが災いして今日はバイト中もミスが目立った。
その最たるは、ぼんやりと歩いていたため同僚の種島ぽぷらにぶつかってしまい、

『あ、ごめんね、見てなかった』

と、背の低いことを痛く気にしている彼女に小さくて見えなかったと思わせるような発言をしてしまったことだ。
一瞬泣きそうになったぽぷらの顔で我に返って弁解したため、ややこしいことにはならずに済んだとはいえ、
自らのこんな調子が長く続くのはあまり喜ばしいとは言えるはずもない。
だからこそ伊波は一念発起して、小鳥遊に自分の疑問をぶつけることにしたのだ。

「宗太くんは私とエッチなことしたい!?」

意外と小鳥遊の足は止まらなかった。
正直こんなことを聞いてしまうなんて、はしたない女だと思われて引かれてしまうのではと恐がっていたのだが、
未だに微笑みを絶やさずいてくれる彼に一瞬安心した。
けれど、すぐに妙なことに気がついた。
小鳥遊の微笑みは確かに変わらずそこにあるが何歩歩いても、一切表情が動かないのだ。
それこそ凍り付いてしまったかのように。
一抹どころではない不安が伊波の中に生まれたところで、小鳥遊が表情を崩さないまま告げる。

「 ナ ニ ヲ イ ッ テ イ ル ノ デ ス カ ?」

その様子から伊波ははっきりと小鳥遊の動揺を悟った。
そしてあまり芳しい反応ではないことも。
それ故、伊波は弁解しなければと口を開く。

「あの、その、さっきのはね。変な意味とかではなくて、たた単純に興味があって知りたかったと言うか、
あ、これじゃ私がそういうことしたいみたいになってない? じゃなくてね、えっと、えーっと…」

とはいえ、テンパリスト伊波にスマートな切り返しができるわけもなく、状況は全く進展しない。
が、そんな彼女を見ていて、小鳥遊の方が冷静さを取り戻していた。
自分の知っている伊波まひるは男が苦手で、奥手で恥ずかしがり、だけどそれよりも優しい人だ。
だからきっとこんなことを聞いてくるのは自分のためなのだと何となく察した。

66 :
「まひるさん」
「はひっ!?」
「何かあったんですか?」
諭すような彼の声に伊波も落ち着きを取り戻し、一度大きく深呼吸してから頷いた。

「う、うん…。この間、宗太くんの家に行ったじゃない」

言われて小鳥遊はその時のことを思い出し、少し顔を赤くする。
伊波が帰りぎわにキスしてきたことを思い出してしまったせいだ。
けれどそれを蒸し返すと自分も彼女も照れてそれどころではなくなり、
話が進まないのが予測できたため、すぐに返事をすることにした。

「あの時はお世話になりました。おかげでしっかり休めました」
「あ、いいよ、そんなの。気にしないで」

手をぱたぱたさせて、何でもないんだからと伊波が言うと、小鳥遊が次いで質問する。

「それで俺の家がどうかしましたか?」

ズバリ聞かれた伊波は頬を紅潮させるが、慌てまではせずに何とか答える。

「う、うん…。あの日ね、宗太くんが起きる前に家のお掃除もしておいたんだ。って言っても片付けくらいなんだけど」
「ああ、そういえば覚えがないのに整理整頓されてました。まひるさんがやってくれてたんですね、ありがとうございます」
「いいの、手持ちぶさただっただけだから。えっと、それで宗太くんの部屋も勢いで触ってたんだけど…あの…その時…見つけちゃって」

そこまでで止まる彼女の言葉。
小鳥遊は焦らせはしないように出来る限り優しく質問を重ねていく。

「何を、ですか?」

問われるのは予測できていたものの、口にするにはやはり恥ずかしく、
伊波は小鳥遊にじっと見つめられ続けている時のように顔をゆでダコにする。
小鳥遊はゆげゆげとする彼女に無理はしなくても、と伝えるが、
伊波は熱を冷ませるように首を振り大丈夫だと告げてから本人にしてみれば禁断の領域を口にする。

「ぇ、ぇぇ、え、エッチな本…」
「えっ!?」

またも小鳥遊は背筋が凍るような錯覚にとらわれる。
果たしてまずいことなのかどうか、とりあえず小鳥遊の知識のデータバンクには存在しえない情報だ。
伊波が怒っている様子はないけれど、心中穏やかではないことはまず間違いはないだろう。
先ほどのような質問を伊波からしてきたのは自分が、本当は姉の梢が勝手に持ってきたものなのだが、エロ本を所持していたことが原因なのだから。
それゆえ、何と言ったものかと頭を悩ませていると、俯いたままで伊波がまくし立てる。

「べ、別に持ってたのが嫌とかじゃないの!
ただ…その…宗太くんもいろいろもっと、したいとか…あるのか気になって…」

67 :
そこまで聞いて小鳥遊はごくりと唾を飲み込む。
いくら伊波に慣れているとはいえ、眼前でもじもじしながらそんな発言をされては精神と肉体が疼かずにいられるはずもない。
それでも手が出そうになるのを理性の縄で縛り付けて何とか会話を続ける。

「い、いろいろですか?」
「う、うん。…き、キスだけじゃなくて、もっと先のこととか…」
「あー、えー…」

気のない返事をしつつ、小鳥遊は煩悩という名の本能がこれ以上膨張しないようにするので精一杯だった。
それが伊波にとっては不機嫌にさせたように見え、慌てて言葉を接ぐ。

「ご、ごめんね、無理に答えないでいいから! わ、私が知りたいだけだし!」

わたわたしながら手を振る彼女を前にして、小鳥遊は嘆息するしかなかった。
伊波は自分のためを思って慣れない話題を持ちかけてきたのだ。
であれば、それに誠心誠意答えるのが自分に課せられた使命なはずだ。
それが伊波のためなのであれば、余計な雑念など振り切って答えてみせなければならない。

「……知りたいんですよね?」
「え、あの…?」
「まひるさんは俺がどうしたいか知りたいんですよね?」

先ほどとは打って変わった様子の小鳥遊に戸惑いつつ、伊波は小さく頷く。

「は、はい…、知りたい、です…」

すると小鳥遊は一拍置いてから、伊波の目を捉えて力強く言ってみせた。

「ぶっちゃけるとしたいに決まってます!」

その宣言により少女は腰が抜けそうになるが、どうにか近場の電柱に手を置いて踏ん張る。

「ふえぇぅぇ!?」

が、少年からすればその反応は予定調和であったらしく、落ち着いた様子で言葉を続ける。

「だってまひるさんのことが好きですから」
「あ……」

優しい声だった。
何よりうれしい一言だった。

「好きな人に触れたいと思うのは当たり前じゃないですか」
「……」

彼の言う通りだ。
私だって、この人のことが好きだ。
だから、一緒にいたいと思うんだ。

68 :
「ですから手もつなぎたいし、キスもしたいです。その延長線にあるエロいこともガンガンにしたいです!」
「あ、ぅ……」

だけど、そんなことを高らかに言わないで!恥ずかしくなるから!
そう思いつつも、目はそらせなかった。
きっと真正面から見ていたかったのだ。
小鳥遊の自分への改めての言葉を告げてくれる彼を。

「だけど、急ぐ必要なんてないです。俺はまひるさんと並んで歩きたい。ただそれだけで十分楽しいですから」
「宗太くん…」

伊波は幸せだな、と思った。
世界で一番幸せかどうかなんてわかりようもない。
それでも今が人生で一番幸せだ、それは間違いなかった。
今までも小鳥遊といる時はいつもその連続で記録を更新してばかりだけれど、それでも今が一番幸せなのだから仕方ない。

「ありがとう、宗太くん」
「いえ、とんでもないです。まひるさんこそ俺のためにありがとうございます」

溢れだしたうれしさからこぼれた伊波の笑顔。
今日も見られてよかった、と少年は思った。
彼女と付き合い始めてわかったことがある。
伊波はあまり素直に笑わない。
周りに合わせた笑顔というか、手放しに喜ばないというか。
とにかく自分だけでいい気分に浸ったりするのが上手ではない。
きっと付き合う前は自分との会話でこんな笑顔を見せてくれたことはほとんどないのだろう。
でも今は違う。
楽しそうに、純粋に笑ってくれる。
小鳥遊にはそれが何よりうれしいことだった。
だから、他人から見ればマジックハンドを挟んだ奇怪な距離感でも構わない。
一番近くでこのまぶしい笑顔を浴びるのは自分だけなのだから。

69 :
「宗太くん」
「はい」
「私、がんばるから」
「一緒にがんばりましょう」
「ちょっとずつでも宗太くんに近づきたいから」

そう言って伊波はマジックハンドの柄を掴む手を緩め、握りこぶし一つ分小鳥遊と距離を縮める。

「今日は、これで…」

何かに耐えるように、はにかむ彼女。
気付いているだろうか、と小鳥遊は思う。
あなたはずいぶん前から自分から何かをしようとして、俺を殴ることはしなくなったことを。
気恥ずかしさが勝って、身動きが取れなくなっているだけなことに。
気に病む必要なんてないほどに、しっかりと一歩ずつ前に進んでいる。
だから俺は何にも苦しくはありません。
あなたが手をつないでくれるのを待つ、ただそれだけのことなのだから。

「また一つ前進ですね」
「小さいけどね」
「いいんですよ、それで」
「小さいから?」
「というより、前みたいに心の準備もないままにキスとかは流石に俺がもちませんから」
「ご、ごめんね、何か気持ちが先走ると歯止めがきかなくて…」

心底申し訳なさそうに謝る伊波を見て、小鳥遊は堪え切れずに声を出して笑う。

「そ、宗太くん?」
「まひるさんは気持ちのままに動いてくれればそれでいいですよ。俺は全部受けとめますから」

けろりと言ってのける彼を見て、心が軽くなった気がした。
好きになってよかった、伊波はそう思った。

「どうかしました?」
「ううん、何でもないよ。ただ…」
「ただ?」
「宗太くん、大好き…」
「!」

それだけ言うと、伊波は朱を帯びた顔で、えへ、と微笑んでみせる。
それを目の当たりにした小鳥遊は再び唾を飲んでから、前言撤回をするしかない、と苦笑する。
あなたから出るその言葉はやすやすと理性を飛び越えて、自分の深くにある急所に突き刺さる。
その度生まれる堪えがたい衝動に、自分は果たしてどこまで抗うことができるのやら。
だけど、こんな悩みを持てるのもまた満ち足りたことなんだろうな、そう思って小鳥遊は伊波とまた同じ道を歩き始めるのだった。




70 :
以上ですー。
キスしといて手はつなげんのかい、と思いつつも、きっと伊波のテンションがMAXまで高まった時にだけ
二人はそういった行為を行うことができるんだ、と自分でフォロー。
今回の話はラブロマっていう漫画のオマージュをしていたりします。
まあ、中途半端な感じにやっていて気づきにくい感じですが。
WORKING!!とは毛色は違いますが、あれもいい2828できるものでした。
さて、そろそろ次あたりで話をちゃんと進めようかと思います。
そのためにはせめて2、3日休みが欲しいところですが…。
そして、伊波と志保がかわいすぎて生きているのがつらい…。

71 :
GJ!
盛り上がってキタ―――(・∀・)――――!!!!
邪道?カップルもいいが、やっぱり正統カップルもいいな!
はやく小鳥遊がユータ君みたく本能に従って行動する話が
読みたいです。
職人の皆さん乙です

72 :
GJ!
ラブロマ良いですよね。バイク屋の息子×チュッパとか他のカプも好きですw
見てみると☆ネギとたかいなって重なる部分がありますね
これは近い内にみかんフラグですね分かりますw

73 :
GJ!
相変わらず萌えにそうな話をありがとう!

74 :
「た、小鳥遊くんって誰かとおつき合いした事とかって…あるの?」
「それは…男女交際という意味ですか?」
「う、うん…」
「ありませんよ。…急にどうしたんですか?伊波さん」
「ちょっと気になったの。ありがとう」
「ちなみに伊波さんは…って、そのご病気だと無理ですよね?」
「うん。まだ…」
「その…好きな人とは…最近どうですか?」
「どうだろう?難しいかも…」
「そうですか。頑張って下さいね」
「…え?」
「もしも、その相手と駄目になってまた男嫌いが悪化すると俺も困りますし」
「…うん、そうだね」
「あ、でも駄目になっても落ち込む事ないですよ。伊波さんはご病気さえなければ気遣いが出来る優しい年増だと俺も思いますから!」
「えっ!」
「あっ!…いや、その…」
「…小鳥遊くん」
「はっ、はい!」
「まだ…告白とか出来そうもないから…もう少しお世話になってもいいかな?」
「はい、伊波さんの係は俺ですから」
「ありがとう。いつか、頑張るから」
「…ゆっくりでいいですよ」
「うん。ありがとう、小鳥遊くん」

75 :
新スレにやっと気づいたので、勢い投下。
自分の過去にはこんな高校時代なかった!
ちくしょおおお!

76 :
>>45
よくやった

77 :
>>76
間違えた(´・ω:;.:...
>>75
よくやった(`・ω・´)

78 :
山田、頑張って保守します!

79 :
>>78
働け山田

80 :
最新号の妄想佐藤さんが素晴らしい。
素晴らし過ぎます。

81 :
保守

82 :
「ないいなみの日って、何がないんですか?」
「えっ!?小鳥遊くん急に…何で?」
「山田が以前言っていたのが気になって」
「なっ、ないしょだよ!」
「どうしてもですか?」
「うん…恥ずかしいもん」
「?恥ずかしいことなんですか?」
「だって……ちいさいから…」
「小さいことはいいことです!!」
「えっ?」
「よくわかりませんが、小さい事の日なんですね?」
「えーっと…そう、かな?」
「じゃあ、いい日ですね。伊波さんがちいさくてもいい日です!」
「小鳥遊くん…」
「あ、でも小さいのとないのはやっぱり違いますね」
「ひっ…ひどい!小鳥遊くんのばかっ!」
ばこーん!だだっ(殴って逃げる)
「いてて…結局なにがないんだよ…」

83 :
保守したかっただけで意味はないです。

84 :
いや、素晴らしい。いい感じにかみ合ってない。

85 :
本編にありそうな噛み合わなさだw

86 :
GJ ありそうだな〜
このスレ職人さんはあまりいないけど見てる人はたくさんいそうだな

87 :
いなみんかわいそうw
GJ!

88 :
>>86
少数の職人さんで固定化されていると勝手に思っているよ
ここ、ピクシブ、ノベリスト、ガンガンサーチに登録している個人サイトを見ておけば同人はほぼ把握できるほど狭い
そのうちの何割かは上記で被っているんじゃない?

89 :
山相がみたい

90 :
「山田さん、あんまりそうべたべたされると……」
「異性として意識しますか!? 山田にときめきましたか?」
「いやそれはないけど……邪魔っていうか」
「邪魔というほど胸はまだ……これから成長余地ありです」
「そうじゃなくて、相変わらず話をきかないなぁ」
「それにここだけの話、伊波さんよりはありますよ」
「あぁ、そうかもね……」
「な、なぜ知ってるんですか? さては……」
(いやしょっちゅう抱きついてきてるし……伊波さんはああだし……)
「相馬さん、まさかそんな目で山田を……」
「見てない見てない」
「す、少しぐらいだったら山田も興味ないわけじゃありませんし……あ、相馬さんそんな大胆な!」
「おーい、もどってこーい」
「もう、大胆すぎです! 厨房からみんな見てるじゃないですか……」
「え? ……どこでいつなにをしてる設定なの?」
「そ、相馬さんのマニアック!」
「いや君だよ!」
「えぇ? そんなことまで!? 私たちは兄妹ですよ!? 相馬さん!!!」
「兄妹違うから」
「もー相馬さん酷いです! 想像の中とはいえ……あんなことまで……
もう山田は相馬さんの妹になるしかないじゃないですか」
(何をしたんだ想像の中の俺ーっ っていうかなんで妹なんだ……)

91 :
これはうざい(※誉め言葉です)
そして相馬はもっと不幸になれ(※誉め言葉です)

92 :
ユータ君はおでこにキスしてたが
両手はしっかり志保の頭に添えていたな
ということは、そのまま唇→舌→胸(ry

93 :
それなら手は頭から肩に移動してエプロンをずらして(ry


94 :
ほっ、保守っ!!!

95 :
ヤンガンの展開にwktkがとまらない
ついにさとやちにもエロパロ妄想可能な展開が来るか…!?
今まで妄想しようにも手を出すシュガーが想像できなくて_だった

96 :
さとーはやるときはやる(※ただし、片言に限る)

97 :
さとー君がやるのは
本音ぶちまけ

え?

内心の慌てがばれないようにフォロー
ちっこい頃の回想から察するにすでに↑が様式美の域に達してる気がするんだ

98 :
以外と姉モノないんだな。期待してきたが

99 :
そもそも作品が少ない気がする。
それはそうとユータは結局臓器を売る羽目になるのか、というか売る場合は親父のだろうが。
お花畑でもやっぱり志保は志保だな。原因はユータだから自業自得だが。

100 :
向い合って正座している佐藤と八千代
佐藤おもむろに八千代の刀を抜き
ベッドの中央に刺す
「これより先には一歩も出ない。断じて。だから安心して寝ろ」
「佐藤くんったら……。ベッド1つしかないんですもの、はみ出すのは仕方ないわ」
「……。ちょっとは気にしろ、お前は」
そんな命がけ初夜

101 :
>>100
そこで空気を読まずドアから顔を出す杏子さん
「八千代ー、腹へった」

102 :
>>101
そして店長の要望に答えるべく笑顔で部屋から出て行く八千代

103 :
パフェ作ってきます♪
------ v-----------
EXIT|λ † orz
いっそ台所で

104 :
八千代の裸にパフェを盛ったら2人とも食べられるんじゃね?
食事的な意味と性的な意味で

105 :
誰が盛る役をやるんだよ・・・

106 :
山田

107 :
えろなしでもおkらしいので投下。さとやち小ネタ。
やまなしおちなしいみなしやおい注意ですよー

108 :
「さとーくん。さとーくん」
 八千代が何時もと変わらない、朗らかな笑みを浮かべて無愛想な金髪の名を呼ぶ。
目つきの悪い男は、相貌に違わない素っ気無い声でそれに応じた。
「何だ」
「……」
「八千代?どうした」
 振り返り、視線を合わせた。何時もなら、ここからひたすらに長い長いネバーエンデイングストーリーが始まるはずなのに。
彼女は何故だか黙って青年を見上げていた。彼の返事は聞こえていたようだが。
八千代は、ゆっくりと口を開いた。
「さとー、くん」
「だから、何だ」
 少しばかり急かすような彼の口振りに、八千代はごめんなさい、と呟いた。
「なんでもないのよ。ただ、……呼びたかっただけなの」
「は?」
 訳がわからない佐藤。彼女は困ったように笑った。その頬は、いくらか赤らんでいた。
「……えっと。その、ごめんなさい。私、浮かれてるみたい」
 細い指先が、佐藤の袖口をそっと摘んだ。彼女の思惑に、やっと気付く。
それは、佐藤にとっても嬉しいことだった。思わず緩みそうになる口元を押さえて、短く返事をする。
「そうか」
「さとーくん」
「何だ」
「顔。赤いわ」
 思わず手が伸びた。佐藤が八千代の頭を押さえつける、無論手加減はしているが。
おかげで簡単に退けられ、彼女の熱い視線は彼にブッ刺さるばかりである。
「見るな」
「いや。見てる」
「お前な」
「さとーくん」
「……何だ」
 短い沈黙は諦め混じりだ。

109 :
「すき」
「そうか」
「さとーくんは?」
 小さく首を傾げる彼女に、脅威を覚えるのはこれで何度目か。
もはや考えるのも馬鹿らしい。
「知ってるだろう」
「聞きたいの」
「……、耳。貸せ」
「はい」
 八千代が背伸びして、耳を彼の口元へ近づける。
 かぷ。
「っひゃ、や、何するの!」
 甘噛みされた耳を押さえ、真っ赤になりながら八千代が飛びのいた。
「知らん」
「もう、さとーくん!すきって言ってくれないなら……」
「なら、何だよ」
「私、ずーっと好きって言い続けてやるんだからっ」
「おい、やち」
「さとーくんすきさとーくんすきさとーくんすきさとーくんすきさとーくんすきさとーくんすきさとーくんすき……」
 ノンストップに流れる言葉。これは精神的ダメージが計り知れない。
「八千代。分かった。言うから、代わりに一個条件がある」
「ほんと?で、何かしらっ?」
「耳貸せ。……もう噛まねーから」

110 :
「って感じでどうかな山田さん」
「そーですねー。そんなに上手く行くと盛り上がりに欠けると山田思います!」
「あ、やっぱそう思うー?でもさ、散々焦らしてるからいい加減スムーズに行ってくれないとさぁ」
「それもそうですね。まあ仕方ないです、だって」
「だって。……ねぇ?」
 うんうん、としたり顔で頷くふたりだった。
「ところで、このあとはどうなるんですか?」
「ん?ないしょー」
「えー!何でですか!山田はずれですか!」
「いや、だってほら山田さんじゅうろくさいだし」

111 :
おわり。以上ほしゅ代わりですが、これにて失礼します。
酒に飲まれたやちがさとーさんに迫っちゃうネタもなんとか形にしたいんですがねー

112 :
犬組があんなに盛り上がってんのに投下0か

113 :
>>110
GJ!

114 :
>>111
GJ
えろなしおちなし『いなみ』なしに見えたのは俺だけだろうか

115 :
>>114
たしかに伊波には「ない」けどなww

116 :
ば、ばかにして!
ばかにしてー!

117 :
何を言ってるんですか
伊波さんには充分ありますよ!

力こぶという山が!

118 :
はい、シーン

119 :
ゲマのドラマCDで
山田にブラのホックを外されたことに気づかず
そのままキッチンに行ってしまった八千代さん(とさとーさん)のその後が気になる…!
職人様ぁぁぁぁぁぁ!職人様はいらっしゃいませんかぁぁぁぁぁぁ!!

120 :
なにそれエロい

121 :
プリンターを手に入れて浮かれているので何か御題をください><

122 :
>>121
I wanna marry you

123 :
>>122
そ、そんな事を急に言われても恥ずかしいです><
頑張って書いてきます

124 :
できたー投下ー

125 :

「じゃあこの訳は?」
「えっと『私は何者でもない』かな?」
「正解です。では次は?」
「うーん……『あなたは気付かせてくれた』?」
「正解です」
 ワグナリアの休憩室。
 今日のシフトが終わって着替えた私は宗太君と英語の勉強をしていた。
 対面に座って、宗太君が出題して私が答える。
 本来ならゆっくりと休みの日に二人切りでしたいところだけど、今の私にはそのような余裕はなかった。
 その理由は。
「ありがとう宗太君。この調子なら明日の小テスト、何とかなるかも」
「いえ、まひるさんの役に立てて俺としては嬉しい限りですよ」
「そ、そう? ありがと!」
「はい、どういたしまして」
 明日に差し迫った英語の小テストを乗り切るという、何とも忙しい理由だったからだ。
 単語の暗記なら家に帰ってから一人でもしやすいけど、リスニングや文章問題は二人でやった方が効率がいいから。
 なんて、理に適っているのか適っていないのかよく解らない理由を並べ立てて、一緒にいたいだけだったりもする。

「あと一問やって帰りましょうか。店の方も慌しくなってきましたし」
「うん、そうだね」
 折りしも時間は夕飯時。
 フロアやキッチンの方に耳を傾けると、八千代さんのオーダー確認の声や佐藤さんのフロアスタッフを呼ぶ声も聞こえてくる。
 自分達のシフトが終わっているとはいえ、店が忙しい中でずっと休憩室に居座り続けるのは気持ち良いものでもないし。
 この二人切りの僅かな時間の勉強会もそろそろ終わりかな。


126 :

「ではテキストを見てください。これの訳は?」
「この接尾語は名詞と合わせると『ない』を意味するから……『愛なき世界』かな?」
「はい、正解です」
「……何か悲しいね。そんなの」
「そう、ですね……」
 答えておいて、何かちょっと引っかかって。
 それを口にして、微妙な空気になってしまって。
 この言葉を最初に考えた人も、それを訳した人も、出題した宗太君も悪いわけじゃないのに。

「ごめんね。帰ろっか」
 居た堪れなくなった私は机に出していたノートやペンケースを鞄に片付けると、宗太君に帰宅の声を掛けた。
 帰り道はきっと気まずいんだろうな、と思いながらも。
 私がよく読む小説にはあまり出てこないような、その人の愛のない世界の在り方、が心を巡る。
 それを踏まえた上での、悲しい、なのかな?

「……まひるさん。もう一問あるのですが、答えてもらえますか?」
「え? うん、いいけど」
 鞄を持って通路まで出かかっていた私を呼び止めるように言うと。
 目を瞑り一呼吸し、意を決したかのように宗太君は流暢な発音で出題して。
 
 直前までの勉強の成果なのか、私はそれに答えていた。
 私達の関係の幼さから考えてみれば反則的なまでに段階を飛ばしたその決め台詞に。
 私は、答えて、応えて、いた。
 

「あら、二人ともまだ帰ってなかったの?」
「おお八千代。お前もサボりか?」
「潤君、いくらさっき少しだけ忙しかったからってすぐにサボりにくるのは良くないと思うわ」
「はいはい分かった分かった。それで、だ。小鳥遊、伊波、八千代も来た事だしもう一回頼む」
「どうしたの? 小鳥遊君もまひるちゃんも真っ赤な顔しちゃって大丈夫?」

 まさかすぐそこにサボりに来た佐藤さんがいたなんて。
 まさか宗太君があんな事を言うなんて。
 まさかそれに対して訳じゃなくて普通に答えてしまうなんて。
 あんなプロポーズみたいな言葉に!

127 :
以上です
また書き忘れていましたが、たかいなです
私はあなたと結婚したい、との事ですが、私と結婚しませんか? とはまた一味違ったストレートなニュアンスの言葉ですよね
強いて言うなら、私と〜はプロポーズっぽい言葉ですが、私は〜の場合はその後にあまり良くない意味が続きそうな感じもします
さとやちだと結構リアルになってしまう感じがしたのと、結婚を考えさせるような話はまだまだしたくないかなと勝手に思ったので、たかいなになりましたw
たかいなだと年齢も若くどうしてもこういった言葉は合わないですが、そこから更に遠ざけて弄くってみました
愛があるだのないだの、結婚がどうだの(直接それを議論したわけではないですが)年少組の伊波と小鳥遊が言ったところでどうなんだよ? みたいな
まぁその結果がこれですがww
次は正統派なさとやちが書いてみたいような、書きかけを消化しなきゃみたいな感じです

プリンター買ったからコピー本つくってイベント出てみたいと思いつつプリンターを置くスペースがないorz
そして未だにSSの記憶媒体はフロッピーディスクという罠w
長々と書いてしまいましたが、少しでも活気が出ますようにノシ


128 :
GJ!
仕事が早い!

129 :
お題の人GJ
話の雰囲気とか、繰り返しや韻を踏む?みたいな表現が好きだ

130 :
保守

131 :
山田age

132 :
こっそり投下。
山田と相馬さんがちゅっちゅしてるだけ
えろくない
というかエロありで書いてたのが、導入部長くていらっとしたのでちょっと切ったブツ。
単品でも問題はないはず、多分

133 :
 ある日のワグナリア。閉店時間を過ぎ、遅番だった相馬は私服に着替え、店長に挨拶をしに行った。
封の切られたお菓子やら空っぽのグラスに囲まれた背中に、声をかける。
「お疲れ様です、店長」 
「相馬、……んー。お前ならいいか」
 相変わらずぼんやりした顔の店長こと白藤杏子は、何か考えるようにデザートスプーンを口元にくっつけていた。
それから相馬に向かって、空いている方の手を握りこぶしにして差し出した。
相馬が小首を傾げていると、軽くこぶしを振って『手ぇ出せ』と早口で告げる。
言われるまま手のひらを広げると、硬くて冷たいものが落とされた。
「これ、やる」
「店の鍵ですね」
「今日は焼き肉オゴリだから、お前閉めといてくれ」
 店長としての危機管理が云々、なんて言っても無駄だし、面倒くさい。
だから相馬は常と変わらない曖昧な笑みを浮かべて、鍵を受け取るのだった。
「はあ。まぁ、構いませんけど」
 答えを聞く前に、杏子は姿を消していた。相馬は鍵を片手に、天井を見上げた。
「山田さん。今日はもう店閉めるよ?」
 がたん、と物音がして。天井から居候が顔を出す。
「そーまさんっ」
 軽い足取りで屋根裏から飛び降りた山田葵は、何時も通り、相馬にしがみ付く。
「そーまさん!今日は山田、相馬さんのおうちに泊めて欲しいです」
 そして何時もと変わらぬ意味不明な妄言を吐くのだった。答えなんてひとつしかない。

134 :
「やだ」
「即答ですか!?山田いじめ反対です」
 きゃんきゃん喚く山田。これが小鳥遊や佐藤あたりなら、五月蝿いと鉄拳制裁になる頃合。
さて、相馬の手札は。
「パジャマパーティーがしたいなら女の子同士でしなよ」
「むっ、違いますぅ!相馬さんは山田のお兄さんですもん」
 僅かに言いよどんだのを見逃すはずはない。先日、ぽぷらが八千代の家に泊まったのだ、と雑談していた。
ダブル天然砲でその場に居た佐藤がボッコボコにされていたわけだが、そこに山田も居た。
ちなみに、その日相馬はシフトを入れてなかったが、それは些細なこと。
 良くも悪くも単純な彼女らしい欲求だった。ただ『お泊り』がしたいなら、女性スタッフに頼めばいいのに。
ぽぷらの家には泊ったことがあるらしいが、他の子たちだって彼女を嫌がるとは思えない。
というか、男の家に泊まりたがることがそもそもおかしい。
「意味がよくわからないな」
「兄妹がひとつ屋根の下、普通にありですよ」
 彼女の『設定』なら、そうなのかもしれないが。
「ないって」
「やだやだ、山田ひとりいやです〜!!」
 そう言ってしがみ付き、髪を振り乱す。長い髪が当って、地味に痛いなと相馬は考えていた。
「あのね。だから俺は山田さんを妹と思ってないから。危ないよ?」
「危ないって、何がです?」
 本気で分かっちゃいない。というか、そんなの言わずとも分かってるはずだったのに。
どうにか言い聞かせなきゃならないのは。言葉以外の手段がろくでもないから。……だが、無理らしい。

135 :
「そー、ぅんっ?」
 彼女の白い頬に手を乗せて、逆の手で腰を捕まえる。そのまま引き寄せれば、至近距離に互いの顔があった。
今更躊躇いなんざない。開きかけていた唇を舌でこじ開けて、彼女の舌に絡みつかせる。
「ん、っふ……んんん……」
 息が、できない。体が熱い。もう秋も中ごろで、薄暗い店内は寒いはずなのに。
「そ……ん!ぅあ……っ」
 熱いのは、相馬さんの熱が、伝わってくるから。なんだ、なら別にいいか。
目を閉じる。それでも、まだ夢は覚めなかった。
「ん、は」
 彼女の唇から、ふたり分の唾液が筋になって垂れていた。山田は呆然と、そーまさん、と口にした。
相馬は山田の頭を撫でて、おやすみと告げ店を出て行った。
「そうまさん」
 誰も居ない店内で、山田が呟いた。
「……相馬、さん……」
 呼ぶ声は、届かない。山田自身、声を発したことに気付いてすらいない。
指先が唇をなぞる。まだ、熱は消えそうにない。

136 :
おしまい。別に相馬さんは山田に惚れてるわけじゃないし、山田も相馬さんはお兄さんで見てるはず。
でもやることやったっていいじゃないみたいな、そんなスタンスでした。

137 :
この後、これが禁断のきんしんそーかんと一人盛り上がる山田を幻視した。
GJ

138 :
長谷部ルーシーの エロ所 望 ・・・・

139 :
前スレにあった、長谷ルーの良作が保管庫に入ってなくて泣いた…
長谷部が送り狼で子供の名前がスージーのやつ、もう読めないんかなぁ…

140 :
そういやまとめサイトは前スレまだなんだっけ

141 :
たかいなマダー?

142 :
足立の元カノ特徴
・告白されて強引に付き合ったことにされた(うろ覚え)
・気が強い?
・明るくて押しが強い
・やらしい体型
もしかして梢?
押しに弱いからOKしちゃったけど
梢が脱ぎだした所で我に返ってお断りしたとか

143 :
>>142
高校ぐらいかバンド関係で出来たのかと思っていたけどな
今の足立は実家が寿司屋でほぼ継ぐだろうとは思われるけど、実質フリーターだからそういうのを気にしない梢だと考えると……

144 :
足立が振られたって言ってんだから梢じゃねーってば

145 :
足立がいつまでたっても煮え切らないから振られたって言ってなかったっけ?

146 :
元カノが梢だとしたら、泥酔状態で
「足立くん可愛いっ。年下でもいいわ、お付き合いを前提に結婚してください!」
「えっ…、ええー…困ります」
「私じゃだめっ?ダメな所あるなら直すから言ってください!」
「あ、…いえ、駄目なところなんて…」
 足立、親しくない人物への社交辞令的態度をとるものの、
 梢思考(ダメなところはない→私でもOK→好かれてる→両思い→Happy Wedding♪)

「幸せになろうね!愛してるわダーリンっ!!」
「!?!!」
 足立思考(今断ったよな…?あれ?いやでも誤解させた俺が悪いのか。きっとそうだな…今彼女いないしまぁいいか…)
こんな感じで付き合い始めたんじゃないだろうか

147 :
梢は振られるけど振りはしない

148 :
いつまでも手を出されなくて
煮え切らない足立の態度を
振られたと梢が解釈したとか

149 :
捏造きもい

150 :
>>149
捏造スレでそんな事言われても

151 :
ほら、ここは特に公式色が強いから
余程トンデモじゃない限りは色んな組み合わせでも良いと思うけどね

152 :
杏子×小鳥遊もあるくらいなんだしそんなに公式色が強いってわけじゃないだろ
強いて言うならがはこが生む組み合わせが俺たちの妄想回路にドストライクなだけだ

153 :
>>149
相馬×山田、佐藤×種島、小鳥遊×種島
捏造気持ち悪いですよね^^

154 :
本編やサイトで絡んでないキャラは流石にねつ造じゃねって
話じゃないの まぁ何でもいいけど

155 :
本編絡んだ絡まない関係なく公式以外は捏造
今はカップルじゃないとか言い訳もいらね
がはこがカップリングしようとしている意思は本編から十分読み取れる
ただし、ここは妄想スレ。本編絡んだ絡まない無関係
好きに妄想すればいい
捏造ダメなら今後一切 相馬×山田、佐藤×種島、小鳥遊×種島 不可だろ^^
捏造キモイし不愉快だもんな>>149

156 :
今号のヤンガン出るまで、やちを佐藤の魔手から庇うべく美月がしゃしゃり出てきて、あーだこーだと言い争いになった挙句に、気がついたら佐藤と美月が朝チュン、という妄想をしてた。

157 :
相馬×山田を投下したら叩かれた事あったなぁ・・・
特に相馬は妃嫁原理主義者っぽいのがいる気がするw

158 :
それ公式カップル原理主義者
小鳥遊×伊波とか公式を崩すと激怒するファン多いから

159 :
自分が好きじゃないカップリングでも文句を言わない、というエロパロスレの暗黙の了解みたいなのを意識すれば良いと思うけどな
そんなに捏造カップリングが嫌なら自分で公式?カップリングを書きまくれば良いんじゃね

160 :
「トンデモな組み合わせ」も「絡みがある」のも等しく捏造カップル
仲良くやれば良いのに

161 :
そもそも現状じゃエロいことする時点で公式非公式関係なく捏造だしなぁ

162 :
とは言っても、たかいな&さとやちの大黒柱は崩しようがないと思う

163 :
>>161
それ言い出したら二次創作なんて全部捏造だが
そういう事言ってるんじゃない、というかそういうことで話をひっくり返そうとするのはあんまりよくない

164 :
さとたねは結構好き

165 :
エロパロで何を必になってるんだ

166 :
過疎ると次に始まるのはロム同志の不毛な荒れた議論なのはどこのスレでも大体同じ

167 :
伸びてると思って期待して覗いたらこれだよ
俺のwktk返せw

168 :
公式カップルスレと捏造カップルスレわけたら?

169 :
こんな過疎地でさらに分けてどうするんだよw
いいから長谷部ルーシーのエロ読ませてくれよ!なぁ!

170 :
>>168
捏造とか言ってるやつはエロパロなんかこなきゃイイだけ

171 :
ここだからわざわざ文句を書き込んでいるんでしょ?
まさかいい歳して個人サイトやSNSで捏造止めろふじこlp;@:! なんて言ってないよね
というかこんなに人いるなら投下あった時も今くらい感想なりレスしろよww

172 :
公式カップル原理主義者
 原作でエロ見れないからせめて2次で
 ↓
 スレに捏造カップルの話題発見
捏造カップルスキー
 原作より2次妄想を愛している。原作カップル大嫌い。特に相手の決まっている伊波・八千代が憎い

173 :
公式も捏造も好きな節操無しの俺は
双方から非難の嵐が来そうだww

174 :
俺もどっちも描いてるよ

175 :
× 小鳥遊×伊波と佐藤×種=公式も捏造も好き
◎ 小鳥遊×伊波、佐藤×伊波、相馬×伊波、空気×伊波etcなんでもOK
実際のところ後者はほぼ皆無

176 :
にしても、アニメやってた頃はものすごく密度高かったなぁ…
次にあんな感じになるのは何時になるんだか

177 :
2期あればな

178 :
さとやち
無難路線の映画をみるつもりだった佐藤
手違いで海賊アニメを見ることに
佐藤やたら観客にジロジロ見られるが佐藤も八千代もロビンに釘付け
手を握るとかそんな雰囲気じゃない
八千代は終始笑顔で、佐藤はお通夜状態
「楽しかった!また行きたい」
「次から映画はナシだ」
そんな映画デート妄想くらいしか考えつかない
華さまなら人の金でポップコーン食べまくってるだろうなとか

179 :
さとやち投下
・エロなし
・場所は佐藤くんの部屋
・付き合ってる設定
少女漫画風再チャレンジ
タイトルは「八千代の勝負ラ」です

180 :
 こういう時、女というのは下着を揃えるものだと思っていた。
 清楚な装いの下に何を身につけているのか。
 今まで一度も想像したことがないなんて言えない、だが想像したことがあるとは絶対に言えない。言えるわけがない。
 だが想像しないわけにもいかないし、それは仕方のないことで、彼女を汚す意図はなく、しかし今なら許されるのか?
 佐藤は段々混乱してきた。
 日差しは橙色。暗すぎず明るすぎず、微妙な陰影を落としている。見なれた光景なのにどこかファンタジックだ。
 何となく無口になり、互いに見つめ合っていると、たまらなくなった。
 髪をそっと撫でてやると、八千代はびくりと震え、それからはにかんで微笑んだ。
 何もかも許すような優しい笑顔に勇気をもらい、頬に指を添えると、八千代はそっと目を閉じた。
 夕食よりお前を食べたいということではなかったのだが、シーツは清潔だし、八千代は逃げようとしなかった。
 しかし何故。まさか。
 屈折××年、神秘のヴェールが剥がされ、念願のいろいろが叶うという今この時、佐藤は固まっていたのだった。


181 :
 下着が気に食わないわけではない。女はこだわるのかもしれないが脱いでしまえば皆同じ。ラッピングより中身が重要だ。
 とはいえ、自分の為に八千代が準備してくれたのなら、それはそれで嬉しい。気持ちが嬉しい。
 初めて口づけを交わしてから一年、部屋に誘った日から数えて半年、合鍵を渡してから三カ月。
 スローテンポでもいつかは。そう思っていたのは八千代も一緒だったと思えるから。
 服を脱がしながら、触りたいだけ触って、白い肌に唇を落として。
 ワンピースの中に手を入れ、先に下から脱がしてやろうかと思ったが、彼女の様子を見て少しだけ猶予を与えることにした。
 それに服をしわくちゃにしたら困るだろうから。
 じれったさと興奮を必で押しとどめ、丁寧に脱がしていく。怖がらせてはいけない。
「……八千代」
 スタイルが良いのは知っていたが、八千代は本当に綺麗だった。
 形の良い胸を隠すそれは情熱の色、深紅。そして眩い腰に引っかかっている細い紐を辿れば純白のレースが。
 上下不揃いなのも彼女らしくて可愛らしい、が――
 しかし一応確認を取る。
「借りてきたのか?」
 不揃いなのはどうでも良い、問題はブラだ。挑発の色、深紅。これは八千代のイメージじゃないだろう。
 ということはだ。
 最後まで油断してはいけない、ということだ。
 食い入るように見つめると八千代はうろたえた。
 うるんだ瞳は子犬のようで嗜虐心を微かに煽る。熱を持った肌は吸いつくようで、しっとりと汗をかきはじめていた。
 震えながら身体を委ねてくる八千代。今すぐ壊れる程突いてかき乱してやりたいような、鳥籠にしまって誰にも見せたくないような。
 愛しさが込み上げて、下腹部にずんとくる。
 だが、ここだけはハッキリさせておきたい。
 なんというか、もしそうだとしたら、本当に勘弁して下さい。
 その下着は店長からの借り物ですか、八千代さん。
 八千代は真っ赤になりながら答えた。
「やだわ、サイズが合わないじゃない……」
 言いながら八千代ははたと目を見開いた。
「あっ、そうだったのね。気付かなかったわ、ごめんなさい……!」
「いや、ちがうな。おそらく違う」
 長年の付き合いで培われた勘が告げる。八千代、それは違う、と。
 おろおろと八千代は続けた。
「むね……杏子さんみたいに大きくなくて、がっかりしたでしょう。そうよね、だって杏子さんのサイズは」
「ちがう。断じて違う」
 八千代の勘違いは今に始まったことではないから良いとして、あいつの下着じゃないなら良いんだ。本当に良かった。
 もしそうなら完全に萎えてしまって、八千代の前で大恥をかくところだった。
 うろたえる八千代と青ざめる自分自身を想像してみると、それだけで心底ぞっとする。
 よかった、よかった、よかった。よかった――。
 ひとしきり喜びを噛み締めていると、腕の中で八千代がもぞもぞと動き、きりりと宣言した。
「努力するわ」
「だから違うと言っている」
「佐藤くん、優しいのね」
 八千代が申し訳なさそうに胸を押さえた。
 ほっそりした指先が深紅のブラに眩く、欲望を煽られ眩暈がする。
 なんでそんなイメージの合わない下着を付けているんだ……。
 天然のくせに意表を突くのが天才的だ。

182 :

 参った。彼女には勝てない。我慢できない。
 服を脱がされ調理台にあがった鳥は食べるものだ。脚も、胸も。
 八千代の指をすくいとり、口に含む。
 繊細な指は柔らかくて、奥歯で噛み砕けそうなほど頼りない。
 丁寧にしないと壊れてしまう気がする。早くしないと溶けてしまう気がする。
 頭の中が熱く濁って、何も考えられない。ただ組敷いた肢体の柔らかさと熱が、ほとんど暴力的な衝動へと駆り立てていく。
 律動したい。気が済むまでむさぼりたい。駄目だ、壊すな、大切な人だ――。
 人差し指を前歯で甘噛みしていると、八千代がうめいた。
「さと、う…くん、あの、はずかしいから」
「恥ずかしい?」
 何だか愉快な気分になって、小さく笑う。
 やはり八千代はアホだ。これからもっと恥ずかしいことをするつもりだし、それは彼女も承知だろうに。
 店長の邪魔が入るかもしれないという危惧が消え去った今、八千代の何もかもが愛おしい。
 普段ならツッコミを入れてしまうアホな台詞でさえも、気にならない。
 最高に良い気分だ。
「俺も恥ずかしい。お互い様だ」
「そ、そうなの? 私ばっかり恥ずかしいのかと……なんだか佐藤くん色っぽいんですもの」
「……」
「男の人にこんなこと言うのはヘンかもしれないけど、佐藤くんきれい」
 照れているのか、よく喋る。
「……髪の毛さらさらね」
 前髪がかき上げられて、彼女の姿が良く見えるようになった。そのことに気付いたのか八千代は慌てて身をよじった。
「こら」
 逃げる両手首を捕まえ拘束すると、八千代は大きく息を呑んだ。上下する胸が煽情的だ。首の付け根から口づけを落とす。
「やっ、佐藤くん、知らない男の人にみえる……んっ」
 胸の間に顔をうずめ、鎖骨の下をなめると八千代は肩をすくめた。
「くすぐったいわ」
 不満を訴える顔も可愛い。瞼に唇を落とし、鼻先を軽く噛む。
 すると八千代は照れながら微笑んだ。
 誇らしさと劣情と愛しさが腹の底を熱くさせる。
「……」
 唇を重ねるその瞬間も、八千代は照れ笑いをしていた。
 それは彼女がただ一人だけに見せる笑顔で、他の誰も知らない。自分だけの八千代。
「佐藤くん、だいすき」
 この瞬間を何にでも良い、心から感謝したい。

183 :

事の顛末
「勝負服ってなにかしら」
「ユニフォームのことっすね。お嬢は競馬に興味がおありで」
「この雑誌に書いてあるの。『勝負服に着替えて待ち合わせ。今年の流行は赤』競馬のことなのね」
「……そいつは果し合いでもするのか? それなら特攻服のことだろう。そうか、あれに流行なんてものがあるのか」
「さすが杏子さん。そういうことなら分かるわ!」
「感動したっす! 自分まだまだっす」
「デート編…『お洒落の基本は下着から。勝負ブラで彼を虜にしちゃおう! 谷間くっきり小悪魔のブラ』」
「お嬢、なんてものを読んでるんですか。低俗です」
「今まで男の人と付き合ったことないから、勉強中なの。美月さん、勝負ブラってなにかしら」
「えっそ、そりゃ……特攻服の下着バージョンでしょう。脱いでも気を抜くなという意味じゃないでしょうか」
「下着姿でも喧嘩上等なのね」
「そうです、デート中であろうと、どんな時も戦いを挑まれたら受けてやるのが仁義。
 返り血を浴び、服がずたぼろになっても、好いた男を守れて一人前と言えるでしょう」
「私、佐藤くんを守れるようにがんばるわ……!」
「『今年の流行は赤』……。一般人の女にも骨のあるやつがいるんですねえ」

184 :
終わりです
八千代の下着を変態的に妄想してたらこうなりました
思いついたのが前半だけで後半無理やり感漂って何かすみません

185 :
GJ!
エロなしといいながら、十分エロかったよ
久々の投下ありがとう

186 :
「佐藤くん、あのね?きょーこさんが…」
はい本日も客が来るまで無制限一本勝負が始まりましたー。
実況はアホで鳥で世界を狙える八千代に惚れたもっとアホな俺、佐藤潤に
解説ついでにフライパンでのされる脳内かわいそうまが

・ファミリーレストラン『ワグナリア』
・おっぱいひゃっほい『うろんなページ』
・ちっちゃくないよ!『ポプラノドン』
・六法フル活用!!『小鳥遊法律事務所』
の提供でお送りしてしまいます

さて、今日の八千代は店長攻撃主体だな
いい笑顔で佐藤君の精神を切り刻んでるねーいたっ
おっと、ここで店長が八千代の視界に入ったー
これはコンボ来るねー あいたっ
「きょーこさん、後ろ姿も凛々しい…///」
これは大きいな…胃薬許容ゲージがごりごり削れた
しかし鉄面皮は崩れなかったね あだっ
おっとここで反撃のアホ発言開始だ、一時的な精神力回復を兼ねてるな
でも次の轟さんの攻撃がぐーんと上がる危険性があるよねーごがっ
「佐藤くんは急にアホとか鳥とか言い出すわよねぇ」
セーフ、これはラッキー。ほわほわモードで回復倍、さらに時間も稼げた。
佐藤君なんとか次に繋がったねーごふっ
なんとか八千代を平常モードに戻せたな
今はこの前飲みに行った時の話になってるねーあづっ
おっとここで急にもじもじしだしたな
回復しながら削られてる佐藤君が輝く時間帯だねーがっ
「で、帰り際のことなんだけどね?あれって…」
おおっと僕が知らない情報だー!しっかり聞かないとぶっ!?…
おっとここで客来店、佐藤潤なんとか逃げ切ったー
解説のかわいそうまもKOされたことだし試合終了だ。
つ、次は佐藤君がタイトル防衛をかけて種島さんとガチンコだよ…バタリ

「…という風にして佐藤さんは八千代さんの猛攻に耐えてるんだと山田は思います。かわいそうまさん過ぎます!」
「わかったから仕事しろ山田。」
「小鳥遊さんはわかってません!山田はかわいそうまさんを慰めなきゃいけないんです!やまやまやまやま…」

って感じのSSを誰か書いてくださいお願いします

187 :
お前が書けw

188 :
>>186じゃなくてごめんね!

「あのね、佐藤君」
 午後三時。ファミレスが最も暇な時間帯。……ここワグナリアで暇も糞もない、とは無粋なので言及しないでおく。
さて、鈴を転がすような声で無愛想なキッチンスタッフを呼ぶのは、我らがフロアチーフ、轟八千代嬢。
相対するは、休憩中の一服を楽しんでいたヘタレこと佐藤潤。ふたりきりの密室である。
「……どうした」
 僅かに間を置いて、佐藤が応える。何故躊躇う?簡単だ、暗い未来しか見えていないのだから。
「今日もね、杏子さんが格好良いの。特に後ろ姿がね」
 一頻り喋らせて、佐藤は煙草をもみ消して呟く。
「そうか、お前はアホだな」
「さとーくんは急にアホとか鳥とか言い出すわよねぇ」
 ほわーんとしたリアクション。普通はもっと怒るなりなんなりするだろうに。佐藤には怒れる八千代の想像は付かないが。
佐藤は取り敢えず突っ込まないでおく。薮蛇というヤツで。ヘタレている、というのは重々承知であるが。
しかし、得てして蛇と言うヤツは勝手気ままににょろりにょろと出てくるのだ。
「そうだ、この間はありがとね?飲みに連れて行ってくれて」
「あぁ」
 先日の、ふたりきりで外出。それ自体は上々だった。問題はその後。
「で、帰り際のことなんだけど……」

189 :
 その先を遮るように。カーンと金属音が響いた。
「うきゃああ?」
 間抜けた悲鳴と、どさどさと何かが落ちる音。八千代が中途半端に空いた口に手を当てていると、目前には薄っすら埃を被った山田が転がっていた。
最初の金属音。灰皿を佐藤が投げた音。自分の吸殻はマイ携帯灰皿に捨てた。それは天井に向かっていた、その先には。
次の悲鳴。勿論山田葵嬢のもの。天井に潜んでいた彼女は、思いも寄らぬ攻撃に怯み、バランスを崩してしまう。
最後。落下の衝撃音。つまり、そういうことである。八千代には理解できなかったが。
クエスチョンマークを頭の上に三つも四つも浮かべる彼女を尻目に、佐藤は『休憩上がるわ』と告げて立ち上がった。
「お、お疲れ様佐藤君。葵ちゃん、大丈夫?」
「だ、だいじょーぶじゃねーですよぉ……あんのヘタレ……ふがががが!」
「さとーくん!?女の子のほっぺた抓っちゃ駄目よ!」
「こいつは女である前に山田だ」
 余計なことを口にした山田を引き摺り、彼は部屋を出て行った。残されたのは、八千代ひとり。
「……聞きそびれちゃった」
 何処か、安堵を含んだ声色だった。
「というわけで、すみませんですそーまさん!相馬さんの可愛くてキュートな妹はミッション失敗です!」
「可愛いとキュートって意味被ってるよ山田さん。まあ想定範囲内だけど、お疲れ様」

190 :
らくがきのルーシーが性的過ぎたのでちょっといたずらしてみた
http://petite-soeur.dyndns.org/cgi-bin/up2/src/ps21691.gif

191 :
長谷部爆発しろ

192 :
これは…爆発だな

193 :
うらやまけしから


ふぅ

194 :
キリオ×松本とか
妄想膨らませ過ぎですかね

195 :
むしろ松本×桐生で

196 :
松本が振り回されてながら情が移っちゃって見捨てらんない感じかねw

197 :
それは…シンヤのいとこだな

198 :
>>139
保管庫にあるよ、それ。
作者別SSで
PRpFTyRR8k氏の作品・自分の発言には気をつけろ

199 :
氏はどこに行っちゃったんだろうか…
長谷部ルーシーの話の先読みっぷりがパネエのに…

200 :
>>197
シンヤって?

201 :
松本「普通にしてなさいよ!」
桐生「普通なんてつまらない!人生は刺激に満ちてないと!」
松本「あー、もー!アンタはー!!」
松本(前にも誰かとこんなやりとりしたような…)

202 :
>>200
ブタイウラの店員
アリが愛してやまないパーツ持ち
(外見=アレス+リナカ)+(性格=ルース+セリアー)=八千代って言ってたけど
(外見=ルース+セリアー)+(性格=アレス+リナカ)=佐藤かな
だとしたら
八千代は佐藤の前髪で三つあみを編み、佐藤は医者になる
わけがないけど誰か書いて下さい><

203 :
改めてみるとやちは確かにそのとおりのキャラだなあ
アレスの糸目とリナカの外ハネロング
ルースの好きな人には盲目でぶっそうなところとセリアーの生しっぷり
しかし佐藤の性格にアレス成分はあってもリナカはないだろうw

204 :
佐藤「轟の言う事は全部正しい」

205 :
やち「さとーくんの言う事は全部正しい」
の方が一般的である

206 :
好きな人を全肯定しちゃうのは八千代だろうね
佐藤なら
「お前の言うことは全部間違っている。
一番間違ってるのは俺だがな…!(嫌われることいってどうすんだ!!)」
客観的事実を冷静に分析するけど、感情が伴わずに葛藤してそう。無表情で
佐藤のリナカ成分は愛されキャラ度?
セリがルースの他に愛してるのはリナカってことで

207 :
てst

208 :
2ch規制

209 :
保守

210 :
「きゃあーー!?」
「しまったぁーげぶぉ!」
さぁやってまいりました、来客まで無制限一本勝負
伊波マンイーターまひるVS小鳥遊ことり宗太
実況 家族募集中山田と何故か佐藤さんにやられてる脳内かわいそうまさんが
働いてない?なんのことやら…ファミリーレストラン『ワグナリア』
よく切れます、骨までも…包丁から日本刀まで『轟刃物店』
潰れそうに見えるけど品質最高!…『進藤精肉店』
トイチから取り立てまで何でもヤります!…『鎌倉金融』
作者の挙動にすら病み付きになるあぶなっかしさ…『うろんなぺーじ』
の提供でお送りしたりしなかったりします。

「ごめんなさーい!」
早速伊波さんが泣いてますね
好きな人を自分の手で…てのは何回やってもショックなんだろうねぇ…あだっ
「あー、久々にやられましたね…伊波さんに。なんとか攻撃範囲読めるようになったのが過信に繋がったんでしょうか…」
山田的視点が確かなら小鳥遊さん、あっちに居る種島さんに声かけようとして気配探知を怠っただけのような…
まあ、普段から伊波さんは気配してるからねぇ…佐藤君、首締めはダメだぐぇ
「まぁ最近は重いもの持たないように気を付けてるみたいですし…何故目をそらす」
冬ようのマフラーや手袋見せてもらったんですが重り入りでしたよ…山田あんなの常備したら腱鞘炎になってしまいます。そうまさん看病してください!
いや、腱鞘炎って看病するような症状無いしうぼぁ
「まったく、大人しいと思ったら何やってんですか?まず…」
説教タイム始まりましたね
伊波さんは悲しそうだけど嬉しさ混じりだね…ふっ……
佐藤さんに通じる幸せと不幸のハーモニーですね…かわいそうまさんは山田の脳内で佐藤さんにKOされてしまいました。
ちょうどお客様が来たようですしここらで失礼しますね
試合結果
・お説教中に来客、時間切れ
・かわいそうまさん

211 :
こそーり、今なら誰も居ない。投下のチャンスだ!
・さとやち
・本番?
・佐藤視点
・台詞ほぼなし
以上の点OKな方のみどうぞ、題名は「初めてのこと


212 :
1.
じっと八千代を見詰めている自分を自覚する。動こうと思えば動けるし嫌がられたら我慢するだけの気力もある
だがそんな気は一向に起きない。コレが惚れた衝動と言うのだろうか…
そんなことを考えてると八千代は準備と言うべきか、覚悟の儀式らしき事を終えてこっちに来た。
「えっとね、その……さとーくん…そのね?……だいすき!」
八千代が普段人前で見せない妙に甘えた態度で抱きついてきた。
この役得は、暫く誰にも見せないようにしよう。密かに思いながらこちらも腕に力をいれた

まずはぎゅと抱き締めてお互いを暖めあう。これは気分も盛り上がるしキスに移り易いから重要テクニック…らしい
普段控えめな子も今の八千代みたいにでれーって脱力するから攻略しやすい…とのこと。本の受け売りだし実際がどうかは知らん
と考えてたらから八千代からキスしてきた。これは予想外のナイスハプニング。
ちゅっちゅっと触れるだけのを何回も続けながら背中をさする。
くすぐったそうにして身を捩じらせるうちはこれを維持、グッと我慢の子、大丈夫、この程度の我慢は慣れている
2,3分続けてると互いに息が荒くなってきた。まぁそうだろう、ここいらでちょっと一息入れよう。
あまり動かしてなかった手を前の方に持ってきて身体をなぞるようにさする感じで。
すると感覚鋭い場所が分かってくるとそうだ。これで文字通り全てを丸裸に出来るというものだ…本によると
さて、こっちの息落ち着いたし再開。手は継続させながら今度はじっくり唇をあわせる
じっくりだから口の中もじっくり丹念に。甘露なので何度もお代わりしつつ堪能する
と、すこし息苦しそうなので休憩。糸引いてるけど絶景なのでそのまま放置、羞恥の赤面がツボだ
まぁいつまでも口だけだと苦しいだけなので顔全体にキスをおとしてみる。まずは定番のおでこから始め、うなじ、首元に移していき耳もとに戻す、耳たぶがおいしそうだったので齧ったらことのほか反応がよかった。
手の方は掴みがいがあるクッションがあったので服の上から握ったりつまんだりする。
なにやら服の上からでも硬さが分かるスイッチがあったので押してみたら、全身がびくっとなった。捻りに変えたら悲鳴を上げて涙目で睨んできたので責めるのは断念した。


213 :
2.
手持ち無沙汰になったのでキス再開ついでにふとももをさすってみる。今度はいい感じなのでスカートの上から丹念に撫でる
ふら付いてきたので八千代を膝に乗せ後ろから抱き締める。これで安定するだろう
変に力入ってると色々と大変になってくるらしいので出来るだけ脱力してもらうことにした。
服の中に両手をツッコミへそ周りを撫でる。ついでにスカートの合わせを気付かれないよう緩めておく
個人的にはズボンも脱がしてみたいがスカートは素晴らしいので意識の外に追いやる。また別の機会もある
そんな事を考えながら左手はズボンのボタンを外しを、右手は下着に手を差し込み胸を直接弄る
はじめのうちはさとーくんくすぐったいわ。だの、まって、そこは!だのと声を荒げて抵抗もしてきたけど段々と慣れてきたのか良い声を出すようになってきた。
へそ周り担当の左手を少しずつ下げていってスカートをおろしていく。何か言いそうな度に乳首弄ったら涙目でこっちを睨みつけてきたので防御下げる代わりに上着脱ぎつつ深いキスをする。
ただし左手は留まらずに御仕事御仕事膝中まで下ろして太股直接なでなで、柔らかくておいしそうだ。
膝撫でてると収まり悪そうにもじもじしてきたのでその動きにあわせて下までスカートを下ろす。生脚が犯罪級の芸術美だな
こちらも上を全て脱ぎながら八千代の服を剥いで行くショーツ一枚になると流石に手で押さえつけてきた。
すこし時間をおくことにする。
互いにベッドに寝っ転がりハグしたりキスしたりしていちゃつく。何もしないのは冷めてしまうらしい
気分落ち着いたところで改めて八千代を抱き締める。今度は身をゆだねる事にしたらしくショーツを下ろされる事に抵抗はしなかった。
流石に晒すのは恥かしいのか手で隠しはしたが…それもまたそそるシュチュエーションだと言う事にこの雛女は気付いてない
くるものがあったので感情に任せて手をどけて秘部に手を伸ばした。…ところで部屋備え付けの電話が鳴った。
仕方なく受話器を取り通話に出ると、
「あと10分程でお時間となります延長なさいますか?」という受付の連絡が来た。
少し考えて延長するか?と八千代に尋ねると頬を染めて首を縦に動かしたのでその意に従う事にした。

214 :

以上です。
Q.なんて半端なところで…
A.お互いシャワー浴びた後で八千代が葛藤したんですよ。
Q.何故最後まで書かない
A.それがさとやちというものだ諸兄。
Q.続きはどうする気だ
A.脳内補完でよろしく
Q.貴様ー!
A.寸止めはエロスの正義!最高裁まで争える
確認はしましたが誤字、脱字があった場合は申し訳ないです。では…

215 :
WORKING!!を4月に知って5話くらいまで観てから放置プレイだったので、
昨日全話見終えて8巻を買ってきた。
>>214
いいSSだ、もっとやれ。というかやってください。

216 :
>>214
きさまー!
なんという所で終わってしまうんだ!絶対に許さねえ!
よし、そっちがその気なら最高裁までやってやんよ!
・・・うそですGJですすごくよかったですできれば続きが読みたいです
マジGJ!

217 :
佐藤 「」
小鳥遊「へぇ、そんなことがあったんですか。チーフ可愛いですね」
伊波 「ふぇぇぇぇ」
小鳥遊「い、伊波さん?どうしました?」
伊波 「い、いま小鳥遊君可愛いって」
小鳥遊「あぁ、伊波さんの方が可愛いですよ」
伊波 (マッカ ユゲユゲ)
小鳥遊「・・・胸が」
伊波 「胸がっ?!」

218 :
やちは好きな人に積極的だからなー
これで酒が入ったらさらに倍率ドン

219 :
「保健体育の勉強という名目で宗太のイチモツを観察しようとするなずな」
ひらめきはしたが後が続かない…書けないorz

220 :
私のお兄ちゃんにあんなものが付いているはずがない

221 :
アリスさゆりんとうさぎ足立で追いかけっこからタックル→押し倒し→途中から立場逆転で…
とか思ったけど下手したらイメクラにしかならないのでやめた。

222 :
たかいなマダ−?

223 :
ヒント:「不思議の国のアリス」に出てくるウサギは白ウサギと三月ウサギの二種類
ヒント2:ウサギの発情期は三月

224 :
今週号のたかいなに2828

225 :
(性的な意味で)だらしない泉という電波を受信したが
よく考えるとそれって髪の長い梢にしかならないよな

226 :
小鳥遊がデレるの時間の問題になってきたな
伊波も胸があつくなるなw

227 :
誰もいない投下するなら今のうち

突発たかいな最新号ネタ。コミックス派は注意。多分3〜4レスくらい。
それではドーン

228 :

 小鳥遊宗太は混乱していた。
 これは全て、伊波まひるのせいだと。
 小鳥遊宗太は思い詰めていた。
 それは全て、伊波まひるのせいだと。
 バイト上がりの休憩室。
 変な事を口走った山田桐生を倒した宗太は着替えた後、一人で頭を抱え込んでいた。
「いったい今日は何なんだ……」
 本来ならばこのまま速攻で帰り家事をしなければいけないところだが、今の宗太にはそれすらも後回しにさせる程の懸念事項があった。
「俺は、俺が、伊波さんの事を……その……」
 その先が。肝心のその先が言えない。
 不本意とはいえ一度は思ってしまったモノをもう一度そう易々とぶり返せる程、宗太のミニコンに対する熱い思いと年増に対する冷めた考えは安いものではないらしい。
 しかし、如何にそうとて。
 根が真面目な宗太だからこそ認めざるを得ない、気がするのも事実。
「俺の中での可愛いものの定義について考え直す必要があるな」
 根が真面目な宗太だからこそおかしな方向に考えが行ってしまうのも、また事実だった。


229 :

「あれ、かたなし君? まだ帰ってなかったの?」
 私的可愛いもの定義について絶賛更新中だった宗太に、たまたま通りかかった種島ぽぷらは疑問をもって話しかける。
 ぶつぶつと呟きながら顎に手をやり焦点の合わない瞳で虚空を見つめていた宗太はぽぷらの声で我に返り、すぐさまいつものミニコン全開に戻った。
「やっぱり先輩は可愛いなぁ!」
「かたなし君!? さっきといい何だか今日はおかしいよ!?」
「……はっ! すみません先輩! くっ、こんな小さい子に心配を掛けさせるなんて俺は……」
「小っちゃくないよ!!」
 ある種、いつものやりとりを終えた後。
 ややあって静かになると宗太は、独り言かと錯覚してしまうくらいの音量でぽつりと言った。
「伊波さんの事で悩んでいるんです」
「伊波ちゃんの事で?」
 ぽぷらはそれを聞き漏らさずにしっかりと受け止めると確認するように反芻した。
 頼れる先輩としてこの心優しき悩める後輩の力になりたい、その一心で。
 その話題が宗太に想いを寄せる伊波まひるに関してだったから何か後押しをしたいという、考えも多分に含まれていて。
「今日、伊波さんを可愛いって思っちゃったんです。こんな事、普段の俺なら絶対に有り得ないのに……」
「それでかたなし君、様子がおかしかったんだ?」
「そうなんです。だからどこかイラッとする所があると思ってずっと伊波さんを見ていたのですが……探せば探す程……」
「探す程?」
「なんかこう、モヤモヤしてきたんです……どうすればいいですか先輩?」
「そっかー……うーん」
 今の会話を聞いてぽぷらは宗太に何をさせるべきか、考えあぐねていた。
 宗太の意識はどうやらまひるにいっているようで、しかもその内容がこれとなると良い兆候だとも思う。
 けれど今のぽぷらには。
 いくらこの悩める後輩の力になりたくとも。
 いくらこの悩める後輩に片想いをする友人の力になりたくとも。
 二つを上手く丸めて解決するだけの知恵が浮かんでこない。
 こんな時、轟八千代ならどうアドバイスするだろうか?
 折りしもつい最近、八千代の立場になって行動をする機会があった。
 その時を思い出して、八千代のように――――

230 :

「そうだよかたなし君。ダメだよ」
「え、は、何がですか?」
 塞ぎ込むように頭を垂れていた宗太をぽぷらの言葉がすくい上げた。
「イラッとする所なんて探しちゃダメだよ」
「でも先輩、」
「かたなし君は確かに、その、年上の人が苦手というか嫌いなのかもしれないけど……他人の嫌な所ばかり探すようなのはダメだよ!」
「先輩……」
「だからね。伊波ちゃんの良い所、探してみようよ」
 きっと、きっと八千代なら笑顔でこう言って優しく諭すに違いない。
 普段からの心配りでその人に合った最善の解決方法を導いてくれるに違いない。
「良い所、ですか?」
「うん。伊波ちゃんの良い所、かたなし君ならもう知っているよね? だから……」
 そこまで出掛かって、不意にフロアからぽぷらを呼ぶ声がした。
「ぽぷらちゃーん。ちょっとこっち手伝ってもらえるかしらー?」
「はーい八千代さーん。今行きまーす」
「……ありがとうございます先輩。俺、考えてみます」
「うん! じゃあねかたなし君」
 ぽぷらが本気で自分を心配してくれて、本気で答えを出してくれたのを汲み取った宗太は、憑き物が落ちたかのような表情で礼を述べる。
 その顔を見て真意と誠意が伝わった事を確認するとぽぷらは晴れた表情でフロアの方へと戻っていった。


231 :

「さて、伊波さんの良い所か……」
 再び一人になった宗太は声に出す。
 先程ぽぷらに言われた時は、すぐにでも何個でもまひるの良い所が上げられそうな気がしたものだが。
 いざ一人で冷静になってしまうと、その気概も何処へやら霧散してしまったようだ。
「ダメだダメだ。こんなんじゃ先輩にも伊波さんにも失礼じゃないか」
 それならばとその冷静を逆手にとって、我侭ばかりのミニコンと年増への嫌悪を今ばかりは押さえ込んで。
 替わりに奥底に隠していた今日のまひるの行動と、ストーカーもとい観察での所感を並べてみる事にする。
「殴らない伊波さんはか、わ……ぃいと思ってしまって」
 まだまひるを可愛いと声を大にして言えない辺りはアイデンティティが許さないのだろうか。
 こもりながらも続けて口に出していく。
「年増は一枝姉さんのように横暴だと思ったら、割とおっとりとした伊波さんが浮かんできて」
「泉姉さんのようにだらしないと思ったら、掃除もきちんとやっていて」
「梢姉さんのように乱暴かと思ったら、最近は殴らない」
 一つ一つを身近な年増である姉と比較していっても、どうしてなのだろうか。
 何も悪い点が浮かんでこない。それ所か良い点ばかり。
「圧迫感がない……背が低いから? ……何故だろう凄く失礼な事を考えているような気がする」
 やはり考えれば考える程、良い所ばかりで。
 殴られない現状を垣間見ると何一つとして不満はない。
「俺はもしかして伊波さんをきちんと見ていなかったのか」
 パイプ椅子の背もたれに体重を預けながら天井を仰ぐと溜息を吐き。
 眼鏡を外し目頭を押さえ、そのままぼんやりと目を開くと更に白を曝け出す。
「あいつが……山田さんが変な事を言うから……」
 瞬間、何かに気付いたかのように顔色を僅かに変えると。
 眼鏡を掛けて立ち上がり椅子を正し、鞄を掴み従業員用出入口の方へと歩き出す。
 その顔は赤く茹だっているかのようで。
 足早に去ろうとする所を見るに何か結論に達したのかもしれない。
 それはもしかすると、宗太にとっては気付きたくなかった事なのかもしれないし、むしろ良い薬となり得るような発見なのかもしれない。
 しかし幸か不幸か、それはまだまだとても不安定なように思える。
 だってそれは。

「伊波さんの顔を思い浮かべる度に笑顔しか浮かんでこないなんて……」
 だってそれは、その感情は。まだ生まれたばかりなのだから。
「これではまるで俺が伊波さんを好きみたいじゃないか!」 

232 :
以上でっす。レスへの詰め込み方がおかしくてすみません。
タイトルは「これではまるで」です。
最新号に(良い意味で)むしゃくしゃしてやった。たかいなならなんでも良かった。反省はしていない。
さとやちもいいけどたかいなもね! それでは!

233 :
GJ!!
本当にありそうで困るw

234 :
>>232
GJ!
小鳥遊のモヤモヤする姿が2828を加速させるなw

235 :
貴様よく投下してくれたなGJ!!

236 :
突然だけど公務員東田×ルーシーって需要ある?

237 :
かまわんよ、というか、
その二人の絡みは好きだがあまり数ないから期待


238 :
では早速公務員東田×ルーシー投下いたします
時系列的には鯖の本編の数カ月あとで、性格は東田はエロ公務員、ルーシーは本編基準となっています
結構久しぶりのSSなので読みにくかったらごめんなさい
(あと自分ではエロ描写を書く力量はありませんでしたのであしからず)
ではどーぞ

239 :

「久しぶり山神さん」
「お久しぶりです東田さん」
久しぶりに会う長いアホ毛を垂れ流した黒髪の女性の名は山神ルーシー(略)。
彼女とは入社後別々の職場に勤めていたが、この度自分が急遽山神さんの職場に配属されることになったので
久々だから一緒に飲まないかと誘ったところ、お互いの職場近くの飲み屋で会うことになった。
「向こうではどう、彼氏とかできた?」
「いえ、まだ…って、なんですかいきなり?!」
「なんとなく、あと河野さんが「とめちゃんからおもしろい話があったら教えて」って」
「おもしろいって…、それより東田さんはどうなんですか、まだ前の彼女さんとは付き合ってるんですか?」
「うん、普通に」
「普通ですか…」
「しかし山神さんは全然変わらないね」
「そうですか?」
「うん、というかおもしろい」
「なんですかそれ?!今の職場でも言われるんですけど私ってそんなにおかしいですか?」
「う〜ん…天然というかうちの彼女と同じ系統ぽい」
「東田さんの彼女さんって天然なんですか?」
「いや、どちらかというと馬鹿」
「私馬鹿なんですか?!!」
「山神さんは違う、天然馬鹿というか天然にさらに天然を2乗した感じ」
「それってどういう意味ですか?」
「これ以上いない天然みたいな感じ」
「それって誉められてないですよね」
「いやいやそんなことないよ」
やっぱおもしろい。
某ホテルで働いてる某彼女は馬鹿としての天然部分がいろいろ面白いが、山神さんは常識を持った上での天然部分が絶妙におもしろく
研修時代から大いに楽しませてもらった。
今でも現在働いてる職場の話を聞かせてもらってるが、明らかにそれはセクハラやからかわれてるだろうという話にも
彼女はそれにも気付かず普通に話してくるので、つっこむべきかそうじゃないべきかそれらを考えてるだけで時間があっという間にすぎてしまった。

240 :
「久しぶり山神さん」
「お久しぶりです東田さん」
久しぶりに会う長いアホ毛を垂れ流した黒髪の女性の名は山神ルーシー(略)。
彼女とは入社後別々の職場に勤めていたが、この度自分が急遽山神さんの職場に配属されることになったので
久々だから一緒に飲まないかと誘ったところ、お互いの職場近くの飲み屋で会うことになった。
「向こうではどう、彼氏とかできた?」
「いえ、まだ…って、なんですかいきなり?!」
「なんとなく、あと河野さんが「とめちゃんからおもしろい話があったら教えて」って」
「おもしろいって…、それより東田さんはどうなんですか、まだ前の彼女さんとは付き合ってるんですか?」
「うん、普通に」
「普通ですか…」
「しかし山神さんは全然変わらないね」
「そうですか?」
「うん、というかおもしろい」
「なんですかそれ?!今の職場でも言われるんですけど私ってそんなにおかしいですか?」
「う〜ん…天然というかうちの彼女と同じ系統ぽい」
「東田さんの彼女さんって天然なんですか?」
「いや、どちらかというと馬鹿」
「私馬鹿なんですか?!!」
「山神さんは違う、天然馬鹿というか天然にさらに天然を2乗した感じ」
「それってどういう意味ですか?」
「これ以上いない天然みたいな感じ」
「それって誉められてないですよね」
「いやいやそんなことないよ」
やっぱおもしろい。
某ホテルで働いてる某彼女は馬鹿としての天然部分がいろいろ面白いが、山神さんは常識を持った上での天然部分が絶妙におもしろく
研修時代から大いに楽しませてもらった。
今でも現在働いてる職場の話を聞かせてもらってるが、明らかにそれはセクハラやからかわれてるだろうという話にも
彼女はそれにも気付かず普通に話してくるので、つっこむべきかそうじゃないべきかそれらを考えてるだけで時間があっという間にすぎてしまった。

241 :
「すみません、こんなに長々とお話を聞いてもらって」
「全然構わないよ、ていうか山神さん終電大丈夫?よかったら泊ってく?」
「ええっ?!」
なにを想像したかを一瞬気になってしまったが自分はそれほど野暮ではない(あいつの場合だったら普通に聞くんだろうけど)
「いや、うちじゃなくて彼女が働いてるビジネスホテルで、いろいろサービスしてくれるし」
「あっ?そうですか・・・でもなんかご迷惑になりませんか?」
「別に大丈夫でしょ、俺も彼女に用があるし」
「ではお言葉に甘えて・・・」
どうせ明日は祝日だしこのまま帰らせるよりはいいだろう。
ついでにこっちも帰るのがめんどくさくなってきたからあいつの家にでも泊っていくことにした。

「えっ?今あいつここにいないんですか?」
「はい、他の店舗の急な深夜ヘルプで」
「今日あいつの家に泊ろうと思ってたんだけど、しかも合鍵は今持ってないし」
仕事が入ったら入ったらで連絡しろよあのホテル女。
しかしどうするか、漫画喫茶とかにしてもうるさいやつとか時々いるからあんまり行きたくないし。
「どうしますか?東田さんもここに泊りますか?」
「う〜ん、じゃあそうしようかな」
「すみません今空いてる部屋一つしかないんですよ」
「「えっ?」」

242 :

なんだかんだでこうなってしまった…。
「あの、なんかごめんね山神さん」
「いやいや、大丈夫ですよ、私こそすみません、相部屋にさせてしまって」
「いや、全体的に悪いのはこっちだから」
ちょうど2人部屋が空いてたのが幸か不幸かその場の流れでこうなってしまったが
今よくよく考えてみると・・・この状況はやばい、しかも自分の彼女の働いてるホテルで他の女と二人きり。
このことがあいつにばれたらいろいろめんどいことになる(あいつだったら普通にごまかせそうな気もするが)
あとでまたフロントの従業員にはフォローをしておかないと。
「東田さんってよく彼女さんとこういうところに来たりするんですか?」
「まったくないね、大体はどっちかの家で一緒にいるし」
「そうなんですか、かくいう私もこういうところに泊るのは初めてで…」
「…山神さん、無理そうだったらやっぱり俺でていこうか?」
「そんなんじゃなくて、あの…同僚の長谷部さんからいろいろ聞いたもので」
「何を?」
「こういうところで異性が一緒にいると…え、えっちをするものなんだと…」
山神さん、この状況でその発言は全然笑えない。
「山神さん、やっぱ俺出る」
「あっ、いや、東田さんは彼女さんがいるし全然大丈夫だなってわかってますから」
わかってるってそれ本当にわかってるって言わないから。
結局この夜はお互い別々のベッドで背を向けながら寝ることになった。
しかし落ち着かない。
時々彼女の背中をチラ見する、なにを意識してるんだ俺は!
しかしあいつの場合あんな無防備な状態でちょっかいだしたら、相当おもしろい反応するんだろうな
しかし相手は山神さんだ、あいつじゃない、でも山神さんの反応も気になる
でもやったらやったらで確実にセクハラ該当するし、いやでもそんなこんなで考えてるうちに無性にやりたくなってきたし

少しぐらいいいんじゃないか。
一回、一回だけちょんと背中を触るぐらいなら別に相手もそんなに気にならないだろうし、こっちのもやもやも晴れるだろう。
そう一回だけ、ほんのちょっと一回だけ……。


243 :

「やってしまった…」
山神さんの反応あれは反則だ。
ほんの少し触っただけで裏声で声を上げ、一度こっちを見たと思ったらほほを染めたまま目を潤ませこちらを見つめてくる、もう駄目だった。
しかも相手は初めてなのに、相当高度なプレイを要求してしまった。
しかし違う相手にやらせるといままで意識はしていたが自分が改めて「変態」だということに自覚をもってしまった。
「あの山神さん、本当にごめん」
「…東田さん」
「はい」
「あのぉ…責任とってくださいね」
「…はい」

あれから数カ月、山神さんの職場に転勤した俺は周りの同僚ともなにも問題もなく仕事をおこなっていった。
いや、ある人物に関しては多大な変化をもたらしてしまったようで
「ルーシー〜、おはよう〜〜♪」
「やめてください長谷部さん、セクハラで訴えますよ」
長谷部さんが彼女の肩を揉もうとしたところにこの発言、確かに流れは間違っていない。
しかし以前の山神さんだったらけして気にするようなことではなく
あのような無表情で性犯罪者を見るような目は絶対にしなかっただろうと目を向けられた長谷部さん本人は嘆いている。
「なにがあったんんだろう山神さん」
すみません千早さん、全部自分のせいです。
あれ以来山神さんとの関係は続き、高度なプレイを要求させ続けてしまった結果それらの刺激に慣れてしまったらしく
その影響あってか精神にまで変化をもたらせることになってしまい、すっかり無感情な風貌に移り変わってしまった。
しかし行為を求めてくるときは常に彼女からで、最中の時も以前のような羞恥の表情は見せはしないが
口では説明できないよりそそられる表情を見せるときがある。
そんなこんなで自分も自分でそのような生活に慣れてしまい、特に問題ない(わけではないが)日々を送っている。
まぁ、時々心配な部分も出てくるが。
「あっ、山神さんおはよう」
「おはようございます、東田さん、今晩彼女とご予定はありますか?」
「んっ、ないけど」
「じゃあ、今晩もよろしくお願いします」
「…うん」


244 :

そしてまた別の日常では
「東田、お前ラブホ行ったことがあんのか?!すげぇな」
「お前が言ったことないんだから、俺もないっつの」
ラブホに行ったことはないのは確か、いつも行くのはこいつが働いているまた別の系列のビジネスホテル。
これに関しては嘘ではない、浮気に関してはなにも答えられんが…そう答えられん…。

245 :
これにて終了です
最初の二連続投下はすみませんでした
自分も東田とルーシーの絡みは好きなので話が増えてくれることを期待しています

246 :
>>245
萌えた
今まで全く想像したことのなかった組み合わせだったけどこりゃイイ
>>242>>243の間kwsk妄想することにします
寝る前に小ネタ投下
さとやち1本たかいな1本。どちらもエロ成分皆無

247 :
「佐藤くん、顎にクリームが」
「ここか? 取れたか?」
「ううん。取れてない」
 八千代は笑いながら背伸びをした。
 (ヤバい)と思う間もなく、右顎下に柔らかい衝撃。
 リップ音がやけに響く。
 急いで八千代を引き剥がし、周囲を見渡した。
 目が合ったやつから順番に睨んでいく。
 独り身の同僚と目が合う。やつは唇の動きだけで「シ・ネ」という言葉と温い微笑みを返してきた。
 八千代は他人の視線を気にする癖に、「どう思われているのか」ということには鈍感だ。
 だからこうして、犬のようにいつでもどこでもペロペロと舐める触る懐く。
 叱ろう。
 今日こそ、この鳥頭に公衆マナーというものを理解させねばならない。
 公開羞恥プレイは本当に勘弁してくれ。
(エチケットのないバカップルだと思われてたまるか)
 きつく見下ろすと、八千代は花が綻ぶように笑った。
 濃密な甘い空気があたり一面に充満する。
 同僚の視線が痛い。
「八千代。お前に言いたいことがある。いいか、よく聞け」
「はいっ」
「……」
 ……眩しい。
 彼女自身が発光しているんじゃないだろうか。きらきら艶々と輝いている気がする。八千代の笑顔は眩しい。
 そして可愛い。
「休憩時間終わったぞ…」
 そういうのが精一杯だった。

248 :
 更衣室から出てきた八千代さんは佐藤さんに飛びついた。
 予期していたのか、佐藤さんは蹌踉めきもせず受け止め、ため息を吐いた。
「危ないだろ…」
「十二分振りの再会ね!」
「ソウデスネー。で、忘れ物ないな? もう行くぞ」
 口ではそっけなく言いながら、佐藤さんは八千代さんの手から荷物を受け取った。
 ごく自然でさりげない動きだった。
 自分の手から荷物が消えたことに八千代さんは気づいていないかもしれない。
「……佐藤くんなんだかいい匂い」
 ぼんやりしているかと思ったら、八千代さんは佐藤さんの腕の中でくんくんと匂いを嗅いでいた。
「コーンスープ?」
「コーンポタージュだ。……じゃ、小鳥遊と伊波。お先」
 謎の会話をしながら、佐藤さんは八千代さんをずるずる引っ張り出て行った。

 一部始終、黙って見つめていた小鳥遊くんは盛大にため息をついた。
「チーフってマイペースすぎるな。聞いてるこっちが疲れる」
「え、そう?」
「……いやまぁ、嫌いって程じゃないですけど。いい人ですよね。仕事出来るし、綺麗だし」
 渋い顔で小鳥遊くんは言う。
「ただ苦手なんです。好みが真逆なせいかもしれないし、あの独特の雰囲気に脳髄が溶けそうになるせいかもしれません」
「小鳥遊くんの好みって……」
 意外な言葉だった。
 小鳥遊くんにも、好みの人物像というものがあったんだ。
 恋愛対象じゃないにしろ、石の裏にびっしりくっついたダンゴムシに向かって「つついただけで丸まってしまうなんてシャイな子達だ」と呟いていたのを聞いたことがある。
 仕事は出来るし、しっかり者なのに。かっこよさが霞んで見える程、小鳥遊くんは変な人だ。
 この人に女の子の好みなんてあるわけない、と思ってたけど。
 八千代さんを綺麗だといった。ということは普通の感覚も持ち合わせてるってことだ。
(どんな女の子が好みなんだろう)
「小鳥遊くん。八千代さんの着ているようなワンピースってどう思う?」
「花柄ですね」
「そーじゃなくて……」
「なんですか?」
「小鳥遊くんはどんな服が好き?」
「着ませんよ」
 小鳥遊くんの眼鏡がギラリと光った。
「女装は金・輪・際お断りします」
「え? え、えっと、そうじゃなくて。ワンピース好きなのかなって」
「……」
 聞き方に失敗したみたいだった。
 その瞬間、暗黒の湯気のようなものが小鳥遊くんから立ち上った。気がする。
 そういえば今日は種島さんがお休みで、元々小鳥遊くんのあまり機嫌が良くなかった。
(あああ怒らせちゃった!? どうしよう。えーと、えーと)
「小鳥遊くんも興味があるのかなって……あああ違う、誤解しないで。そういう意味じゃないの。今のナシ!」
 小鳥遊くんは口元にうっすら微笑みを貼りつけた。
「堪忍袋の緒が切れると、どんな音がするか聞いてみたいんですか? 伊波さんは」
「ちちがうよー!」
「実に不愉快」
「違うってば! 八千代さんみたいな格好したら、小鳥遊くんに綺麗って言ってもらえるかなって思っただけ!」
「へえ、そうですか。伊波さんがね。俺に綺麗と言ってほしかっ…………」

249 :

 小鳥遊くんが沈黙した。
「きゃああごめん高望みでした! そうよね、八千代さんは素材が綺麗だもんね。変な質問してごめんなさい!」
「……」
 小鳥遊くんは何も言わない。
(相当怒っている! ごめんなさい、ごめんなさい)
 ペコペコ頭を下げていたら、軽い咳払いが聞こえた。
「……頭上げてください。別に最初から怒ってません。ちょっとからかっただけです」
「――ホント?」
「ええ」
「よかったぁー」
 胸を撫で下ろしていたら(どうでもいいけど残酷な言葉だよね…)、小鳥遊が何事かを呟いた。
「……と、思います」
「え、今なんていったの? 小鳥遊くん」
 小鳥遊くんは空中に目を泳がせた。
「なんでもありません」
「『伊波さん』っていわなかった?」
「い…ってません」
「怪しい! 悪口? やっぱり怒ってるんだ」
「怒ってません」
「小鳥遊くんったら。なんて言ったの?」
「さて仕事仕事」
「もうっ」
 結局、どれだけ問い詰めても小鳥遊くんは教えてくれなかった。
***
 静かになった休憩室。
 天井がパカリと開いた。
「山田聞いちゃいました。小鳥遊さんったら『伊波さんはそのままでいい』なんて。ダ・イ・タ・ン」
 いやーん。
 忍び笑いを漏らしながら、天井は再び閉じられた。

250 :
山田てめぇふざけんな褒めてやる

251 :
WORKING!!のエロ同人誌は100冊近く出てるのに、なんで触手本が一冊も無いんだああああ
腹ボコやふたなりは少なからずあるのに…!

252 :
全然関係ないが恐ろしい事に気がついた
今の時期から東田・宮越編だとバレンタインデーに重なるわ

253 :
>>251
店長(ムシャムシャ)
八千代「まぁ杏子さん、拾ったもの食べるとお腹壊しますよ」
佐藤「というよりなんか動いてるぞ、それ」

254 :
>>253
さっさと書け

255 :
>>253
吹いた
らくがきまんが9を思い出すw

256 :
WORKING犬組・猫組・ブタイウラ年齢設定
SS材料にどうぞ
39歳 村主母
37歳 音尾夫妻
36歳 宮越母
31歳 一枝
28歳 榊/杏子・泉
26歳 田坂(鎌倉家SPグラサン)/真柴兄弟
25歳 梢/グラン
23歳 サズ
21歳 ハル
20歳同盟 妃・斉木・足立・河野・斉藤(鎌倉家SP白髪)・村主(同年19)/佐藤・八千代・相馬/アリ
19歳 鎌倉・進藤/シンヤ
18歳 松本/ルース
17歳 種島・伊波・桐生/セリアー・アレス
16歳 東田・宮越・ミリ・永田/宗太・葵(仮)/リナカ・エリカ
14歳 ヒシン
12歳 なずな/リリザ
8歳 ソルガ&ソシア
1歳? 姫
不明 東田一家・宮越父・鎌倉父・村主父・近藤父/伊波夫妻・小鳥遊母・峰岸/ナサヤ

257 :
>>256
東田妹は1歳年下だから15歳だろ。
あと村主父と妃父は同い年で村主母より年上のはず(正確な年齢忘れた)

258 :
妃の想い人って村主父かな
・浮気者だが実は奥さんをこよなく愛してる中年男性
・さゆりは軽薄な父親を軽蔑してる
・妃の片思い。最初から諦めてる

259 :
姫ちゃんのお父さんのことなら違うぞ

260 :
妃はどこかの中年おっさんが好きだったじゃないか
相手は誰かなと
てか相馬が妃好きな理由が未だに良く分からない
自分より頭がいい女だからってどういうことだろ
相馬は世界で一番自分が頭良いと思ってた→高校いったら上がいた
→学年主席の妃を観察していたら不倫の噂があった→賢いのに破滅的な彼女が心配になった
→からかってたら本気になった
てことかなぁ…

261 :
好きだったんじゃなくて、エンコーしてただけじゃね?

262 :
きーちゃん何考えてるかよくわかんないからな・・・
本編で出来る話でもないだろうし

263 :
no.261の最後のコマが良い
何だかんだ言って東田華はいちゃいちゃいちゃいちゃ仲いいな
「好みじゃない」と断言してるくせに
華に振られると切れちゃう東田が妙に可愛い

264 :
いやーあのパンチとばか…は反則ですよねー

突発たかいな最新号ネタ。でも小鳥遊でてこない。コミックス派は注意。多分2〜3レスくらい。
『ごめんなさいよりも大切な事』
それではドーン

265 :

「はぁ……もうどうしよう……」
 種島ぽぷらが出勤してきた事によって逃げるように休憩に入った伊波まひるは、溜息を吐き一人ごちた。
 罪悪感と自己嫌悪。その原因と要因。
 何も知らない小鳥遊宗太に自分勝手をぶつけてしまった事。
 せっかく褒めてもらえたのに、それを無碍にする行為をしてしまった事。
 それらがごちゃ混ぜになって先ほどからずっと尾を引いている状態だ。
「素直になるって、案外ムズカシイ」
 誰もいない、誰も聞いていない。
 けれど、言葉に出していないと自分が保てなくなりそうで怖い。
 その思いでまひるは椅子の上で膝を抱えて震えていた。
「今までだってあんな風に言われた事はあるのになぁ。何でだろう」
 気丈を装って明るい声色で言ってみても今はそれが虚しく響き。
 乾いてきたはずの涙が再び眦を不穏に濡らし始める。


「まひるちゃん、大丈夫?」
「……八千代さん?」
 どれ位の時間が経っただろうか。俯いて涙を耐えていたところで意識が少し遠くなっていたようだ。
 その姿を偶然にも通り掛かった轟八千代に見つかり、声を掛けられた。
 顔を上げ返事をする。悟られぬように涙を拭う事を忘れず。
「はい、大丈夫です。ちょっと寝ちゃってました」
 いくら笑顔で元気に言ってみても、きっと目は真っ赤で顔は蒸気しているだろう。
 それでも。この場を、このふわふわしたチーフを切り抜けるには充分だとまひるは思っていた。
 何か問われたところで、眠かったから目を擦った、顔を埋めていたので温度が上がった、それで押し通せるとそう思っていた。

「ごめんなさい、小鳥遊君の事?」
「……っ!」
「その、全部を見聞きしていたわけじゃないんだけど……何かあったみたいだから……」
「いいんです。私が悪いですから」
 まさかいきなり核心を突かれるとは思わずびくりと体を震わせてしまうものの。
 その後に続く言葉で確信を得ると早々に認めて謝罪に移る。
「だから、あの……ごめんなさい」
「まひるちゃんはどうしたいの?」
「私、殴っちゃったし酷い事も言っちゃったけど……出来れば小鳥遊君にもっときちんと謝りたい、です」
「そう。じゃあきっと次にしなきゃいけない事は解っているはずよ」
 一言一言その口調が優しく、まひるの弱った心を梳くようにしっかりと掬い上げていき穏やかに満たしていく。

266 :

「でも何を言えば良いのか……今は何を言っても空回っちゃいそうなんです」
「言葉にする必要はないんじゃない?」
「え……? じゃ、じゃあどうやって?」
 言葉にする必要はない。
 事ある毎に手が出てしまうまひるにとって言葉以外というのは、とても不思議な選択肢だ。
「あのねまひるちゃん、さっき小鳥遊君に後ろからぎゅっとしようとしていたでしょう? 私はそれで良いと思うの」
「え、ええー……何でですか……」
「杏子さんはぎゅっは友情の証って言っていたんだけど、私はぎゅっとされた時にそれ以上の気持ちがこもっていると感じたから、かしら」
 言いぶりから白藤杏子からされたのではなく、別の誰かからされたものだと推測でき。
 それが出来そうな、しそうな人物というと、ぶっきらぼうで優しい金髪長身のキッチンスタッフ、佐藤潤。
 そこから導き出される結論は、すっかりと想いが通じ合った二人の光景。
 この早計な一人合点はささくれだったまひるの心を柔和にしていった。
「言葉も大事よ。けどそれ以外でも想いは伝えられる、心がそこにあれば。おかしいかしら?」
「い、いいえ! そんな事ないです! ありがとうございます八千代さん。何だか元気が出てきました」
 想像以上の八千代のアドバイスにまひるは面を食らったものの、それはもちろん悪いものではなく。
 曇天の空に太陽光が射してきたような、晴々とする気分にいつの間にかなっていた。
 惜しむらくは佐藤と八千代の関係性に対する認識に語弊が残ったままだという事だが。

「仕事してきます。迷惑をかけてすみませんでした」
「うん。頑張って」
 お辞儀をして出て行ったまひるを見送る。
 元気が出て良かった、そう心の底から思う。
 八千代自身、自分の佐藤に対する心のモヤモヤや、好きな人がいるはずの佐藤の最近の行為には頭を悩ませてばかりだ。
 少し前にもぼんやりしていてみんなに迷惑を掛けた。
 そんな後だからこそ、誰かの力になりたいと、気持ちが迷走しているまひるの力になってあげたいと、そう心の底から思った。

「ごめんなさい……これも大切だけど、もっとしなくちゃいけないのは――――」
 八千代の思いは確かに届いていた。
 その目は赤くとも、涙はなく。
 その顔は赤くとも、笑みを湛えており。
 誰がどう見ようともまひるは力に溢れていたのだから。

267 :
以上でーす。
本当に次号からどうなっちゃうのか伊波んのない胸がドキドキですよ。
それにしても一週間経ってから突発だなんて結局笑いものってわけよ。
しかもタイトルが超酷い。意味わからん。だれかセンスください。

268 :
よくやった研修バッジを外していいぞ

269 :
GJ!
たかいなイイヨイイヨー

270 :
超乙

ある意味次がわからない今だからこそ書けるものってのもあるよね
俺の書きかけも間に合うのかどうかw

271 :
>>245
東田ルーシー・・・
そういうのもあるのか!
GJ興奮した

272 :
東ルーは両方冷静な分、劣情が走る時にエロスが倍増するので大好きだ。
店長佐藤とかの冷静コンビも誰か書かないかなあ?

273 :
それなら葵・桐生で
「あなたは山田の兄じゃないです」
「そうか。実を言うと妹の顔忘れてしまったのだ」
「バカじゃないですか?こんなに可愛い子を忘れるなんて」
「ふむ、確かに君は可愛い。胸がたりないが」
「胸は成長期です。ちゃんと大きくなってますよ!ほら!」
「揉むと大きくなるというな。どれ胸を貸してみろ」
「ちょ、やぁっ…」
天然お馬鹿×天然お馬鹿とか
宗太・種で
「私は小さくないよ。心は…カタナシ君を好きな心だけは大きいよ!」
「あははっ、先輩は可愛いなぁ。告白ごっこですか?」
「ちがうよ!本気だよ!」
「お手紙よく書けましたね。花丸あげましょう」
「怒るよ!!!ラブレターだよ!!!!」
みたいなのが読みたい

274 :
ほす

275 :
やまやまもえた

276 :
バレンタインだな

277 :
かりのんの伊波が実に不憫だな

278 :
あだむらペアルック、だと…?!

279 :
ペアルックどうこうより
楽書きで服が同色だから足立の姿勢がわかりづらいけど
足立の右腕がさゆりんの首元を通って
下に伸ばされてるんだよなこれ
かなり密着してて、下手したらさゆりんのささやかな胸の感触が…
…理性を保てよ足立
いや保つな

280 :
もはや雑談スレ

281 :
御題の人も来なくなっちゃったね…

282 :
了の人とかもな
それでも俺は毎日このスレをのぞき続ける!
足立爆発しろ!

283 :
保守!!
自分に文才があったらよかったのにorz

284 :
諦めるにはまだ早い
ここで練習すればおk

285 :
たかなしくんはどうやって性欲処理してるんだろうか

286 :
そんなもん身内の性欲処理を手伝うついでにだろ

287 :
誰か山田で書いてくれー

288 :
相馬×山田で書くと怒られるしなぁ

289 :
じゃあ桐生×葵で

290 :
>285
ことりちゃんに決まってるだろJK

291 :
さとやちに飢えてる
誰か!卵焼きを「あ〜んv」するさとやちをオラに恵んでくれ!!

292 :
>>288
俺が許す

293 :
公式カップル
音尾×山田葵
これもお願いします

294 :
あのルーシーの頬にぷにられた指が
いつの未来かに胸にぷにられるかと思うと

295 :
名前の話題に持ち込んだら今でもぷにれそうだ

296 :
>>288
むしろそれが読みたい

297 :
でも俺はちっとも読みたくない

298 :
>>297
「相馬×山田」「相馬」「山田」「そうやま」「相山」「ソウヤマ」「souyama」
これ全部NG登録して連鎖あぼ〜んすりゃいいだろ
ちゃんと宣言すれば誰も怒らないから
投下したい人は投下すればいいよ
以前何で怒られたのか何も考えず
捏造だから迫害されてるなんて被害者意識丸出しだから嫌われてるんじゃない?
山田といったら相馬×山田しかないと思い込んでるのは何で?
>>288の書き方じゃカチンとするわ
ただでさえ捏造あまり好きじゃないのに
まぁ腹は立ったが書きたければ書けば良い

299 :
山田ァ!

300 :
俺のことを呼んだかね?

301 :
さゆりんは「足立君に隠し事されるといや」と問い詰めるべき

302 :
>>298
ウザ

303 :
今、桐生×ぽぷらで書いてるんだけど需要ある?

304 :
あるある

305 :
新刊読んで真柴兄妹と梢の美月総受け3Pもありなんじゃないかと
あとあれだ、泉姉さんのお眼鏡にかなう人は弟のバイト先にもいるw

306 :
かりのん見て美月→榊がありなんじゃないかと…

307 :
ご無沙汰です640 ◆3MFGpvlfBEっす。うっかりトリップ忘れたんで変えました。
4月バカの猫組アニメ化企画にたぎってあださゆ書いてます。需要がありそうなら続きも書くよー
・初めてのお泊まり的な話にしたい
・微妙にパラレル。一年後くらい
・昔の少女マンガテイスト。クサい
それでも良ければどうぞ。


308 :
『私をスノボに連れてって』

「ええっ、行けなくなった?」
 恒例の画材購入デートの帰り道。
 携帯に出るなり、足立正広は珍しく声を張り上げた。
「そんな、今朝佐藤からも来られないって連絡があったのに……。
 佐藤もダメでお前もダメなら、中止するしかないじゃないか。」
 電話の向こうで平謝りの友人に、深いため息で応える。
「……仕方ないなあ。じゃあ、俺がキャンセルしておくから。」
 気にするなよ、また今度な。 そう言い添えてから切ると、そばにいた恋人が物問いたげな視線を向けてきた。
「今の、赤井くん?」
「いや吉……そう、赤井なんだけど」
 片手で画材を抱えなおし、彼女──村主さゆりの手を引いて歩きながら、足立は再びため息をついた。
「明後日から三人でスノーボードに行く予定なのは話したよね?」
「ええ。泊まりがけらしいわね。」
 そのせいでデートが今日に前倒しになったのだ。
 不満そうにちょっと唇を尖らせる彼女に気付かず、足立はがくりと頭を垂れた。
「ドタキャンされちゃったんだ。」
 丁寧にボードの手入れをしていた自分が虚しくなってくる。
 ちなみに二人とも、恋人絡みの用件なんだそうで。
 ──俺はちゃんと村主さんに訳を話して、デートをずらしたんだぞ?
 例によってフォークでチクチクやられながら、である。 おまけに後で徴収するとはいえ、宿のキャンセル料も払わねばならない。
 何だかしだいに腹が立ってきて、彼は恋人を振り返った。
「明日と明後日、空いてたよね?」
「え? ええ。 シフトも入ってないわ」
「なら、俺と行かない? 滑りに」
 はりきって予約した設備の良いコテージ、ふいにするのはもったいない。 初心者向けのゲレンデも近いし、彼女にも楽しんでもらえるだろう。
 何より今は雪のコンディションが最高だ。
 そんな事を呑気につらつら話しながら、車の停めてあるパーキングへ向かう。
「初めてならもちろん教えるよ。 俺もたいして上手くないけど……
 ──?」
 不意に、繋いだ手をギュッと握られる。
「二人で?」
「うん。」
「……二人だけ、で?」
「そうだよ? え?」
 しばし間があって。


309 :

「ああっ!?」
 付き合って一年半。 お互いの性格もあり、二人はかなりゆっくりしたペースで関係を築いてきた。
 スキンシップは多少増えたものの、今までそういう機会も場所もなく──長めのキスを交わしたのも数えるほどなのだ。
 とんでもなく大胆なお誘いをしてしまったことに気付き、足立は首まで真っ赤になった。
「ち、ちがっ、違うよ! そういう意味で誘ったわけじゃ──あっでも普通そっちに取るよね!?」
 恋人と初めてのお泊まり。 面と向かって“いただきます”と宣言したようなものである。
「いやっ、これははその、そんなつもりじゃなくて──」
「……ないの? “そんなつもり”」
「ないよ!
 あ、いや、全然なくはないよ? でも今のはほんとに違っ」
「いいわ。行く」
「!」
 どさっ。
 足立はとうとう抱えた荷物を取り落とした。
 俯いたままの彼女の表情が、全く読めない。
「連れてって? スノーボード、やってみたい」
「い、今の流れでOKなの……?」
「…………。」
「村主さ──」
「来てほしいのほしくないのどっちなの。 ねえどっち。 あとはやく荷物拾って。 濡れちゃう」
「ご、ごめ、ゲホッ! き、来てほしいよ!」
 ぎゅうぎゅうとマフラーを締め付けられ、慌てて雪道にうずくまる。
 ちらりと見上げると、顔を背けた彼女の横髪から覗く耳も、やっぱり赤くなっていて。
 足立は顔面から雪に突っ込みたくなるのを懸命にこらえた。

           〈続く…予定〉

310 :
GJ!
なんという生し…
は、はやく続きを書くんだ!さもないと俺がぬぞ!

311 :
GJ!!
ああああ続きを・・・続きを書いてください
全裸待機中で風邪引きそうだ

312 :
うわ、即レスあざす。明日また書けたとこまで投下しにきますー

313 :
生しの天才きた!

314 :
          *  *  *

 それから当日まで何をして過ごしたのかほとんど記憶にない。 バイトにも行ったはずなのに、やることなすこと上の空で。
 気付けば約束の日の早朝、まだ半ば他人ごとのような気分で、足立は恋人の家の前に静かに車を停めた。
 連絡を入れてしばし、かなり眠そうな面持ちの村主が出てくる。
「──おはよう足立くん。 時間通りね。」
「おはよう。
 ごめんね、早すぎた? 着くまで少し眠るといいよ」
「ありがとう、そうさせてくれる?」
 昨日はあまり眠れなかったの、そう小さく呟くのが聞こえ、足立は赤くなって首をすくめた。
 こっちだっておんなじだ。 ただ逆に恐ろしく目が冴えているだけで。
「……そうだ。 あの、ご両親は?」
 荷物を車に積んでやりながら、辺りを伺う。
「母と悟はぐっすり寝てるし、父も例によって出張中。
 どうして?」
「いや、一言ご挨拶するべきかなって」
「いいわよ。 どうせまた余計なことしか言わないんだから。」
 前日にさんざん冷やかされでもしたのか、ぷっと膨れる村主。
「あとこれ。 母が必ず渡せって」
 手渡された封筒を開けてみると、案の定お札である。
「『事前に枕の下へ貼っとかないとぬわよ』とか何とか……意味がわからないわ。」
 ──わー! 何もかもお見通しですか! というか、謹んで貼らせていただきます。
 赤くなったり青くなったりしながら、足立はそれを内ポケットにねじ込んだ。 ごまかすように早口で礼を述べ、助手席のドアを開ける。
「じ、じゃあ、行こうか。 乗って?」



315 :
          *  *  *

 ゲレンデでの楽しい時間は飛ぶように過ぎて行った。
 午前中は基礎練習。 お昼を挟んで、短い滑降。
 足立の丁寧な指導の甲斐あってか、日が傾く頃には、運痴の彼女もあまり派手には転ばないようになっていた。
「すごいよ村主さん。 スケートよりこっちが向いてるんじゃない?」
「そうかしら? 相変わらず転んでばかりのような気がするんだけど……。」
 ぼやきながらも、嬉しさを隠せない様子の村主。 ──足立は知る由もないが、スケートと違ってウエアを着ているおかげで、フラつく体をためらいなく支えてもらえるのが嬉しいのだ。
「初心者にしてはいい調子だと思うよ。」
 ゴーグルを上げた優しげな眼差しが、直接彼女に微笑みかける。 無意識に炸裂する〈スキー場三割増しの法則〉。
 珍しく赤らんだ頬を隠すように、村主はぷいと横を向いた。
「……何だか悪いわ。」
「なにが?」
「だって足立くん、思いっきり滑る予定だったんでしょ? 私に付きっきりで一日潰しちゃって……」
「俺が誘ったんだし、気にしないでよ。
 それに……、」
 いつも翻弄されるばかりの彼女──その彼女が四苦八苦する様を、ちょっとだけ楽しんでいたなんて。 口が裂けても言えない。
「…………なあに?」
「い、いやぁ、なんでもないよ!
 さあ、そろそろ汗を流して夕食にしよう!」
 何か感づいたように睨む恋人の手を引いて、宿へと引き上げる。
 空には幾つか気の早い星が瞬きはじめていた。



316 :

 近場のレストランで食事を済ませ、再び部屋に戻ったところで、足立は忘れていた緊張感を一気に取り戻した。
 寝室の扉にちらりと目をやる。 彼女は今、中で荷物の整頓中だ。
 時刻は八時過ぎ、これから明日のスケジュール確認を兼ねて、お茶でもしようというところである。
 今夜は正真正銘の二人きり。
 一緒に来てくれた時点で、全て承知の上なのか──かと言って、無理強いして嫌われたら眼も当てられない。
 もし、少しでも嫌がる素振りを見せたなら、居間で一晩明かす覚悟はできている。
 するならもっとマシな覚悟をしようよ、と自分に突っ込みながら、彼は干したスノーウエアの皺をもじもじと伸ばした。
 そうして湧きあがる煩悩を追い払っていると、ドア越しに何やら、か細い声がして。
「──くん、あだちくん……」
「村主さん?」
「足立くん……。ちょっといい?」
 明らかに彼を呼んでいる。
「どうしたの? 開けるよ?」
 遠慮がちに部屋に入って、足立はすぐに後悔した。 頭にカッと血が上る。
 襟ぐりの開いた柔らかなワンピースをまとった彼女が、枕を抱いてベッドにうずくまっていて。
「あのね、足立くん……」
 ──こ、こここれは、お誘いなのか? “今”ってことなのか?
 潤んだ瞳に見つめられ、思わず唾を呑みこむ。
「ごめんなさい……私、もうだめ。 我慢できない……。」
「なにが……!?」
 声が掠れてひっくり返る。
 彼女の長い睫毛がゆっくりと伏せられて、世界の全てがスローモーションになり。
「……少しだけ、」
「う、うん!?」

317 :

「すこし、だけ、……ねかせ、て……。」
 ぱたり。──くうくうすやすや。
「………………。」
 ──ああ……まあ、普通そうだよね、寝不足だって言ってたしね。 あれだけ慣れない運動したら、そりゃ疲れるよね……。
 がっかりしたような、ほっとしたような、酷く複雑な心境のまま、突っ伏して眠る恋人に毛布をかけてやる。
 ついでに彼女が安眠できるよう、例のお札をそっと枕の下に忍ばせた。
 少し雪焼けした寝顔を見つめているうち、不意にいろんなものが込み上げてきて。 口を押さえ、足立は肩を震わせながら寝室を出た。
 備え付けの冷蔵庫から缶ビールを取り出し、ウッドチェアに腰を下ろす。
「ぶっ……くくっ……」
 惚れた方が負けなんだよ、とぼやいていたのは友人の佐藤だったか。
 ──今、心底お前の気持ちがわかるよ……。
 笑いを噛みしながら、のぼせた体に冷えたビールを流し込む。
 こうなったらとことん彼女のペースでいいじゃないか、そう決めたとたん、全てが急に楽になった気がした。


           〈続く〉


318 :
石を投げないでください。お客様石を投げないでください。
生しの人と言われたからには、全力で生さねばならない的な意地。
次はすこし間が空きますが、どうにか色っぽい展開になるよう頑張ります。
直接的な描写は苦手なので先にあやまっておく。ごめん。

319 :
GGJ!
思わず更新ボタンを連打してしまったぜ…
こちらも生し尽くされる覚悟はできとります
投げつける米を用意しながら続編期待しております

320 :
ここでこの生しぃいをいをいを。

321 :
すんません補足
〈スキー場三割増しの法則〉ってのは、「スキーやスノボがうまいひとはスキー場で三割増しにかっこよく見える」っていうちょっと胡散臭い定説です
本当か嘘かは知らぬ
感想レスあざす!励みになりやす。

322 :
加えて、ゴーグルやネックウォーマーなどで顔がよく見えないから勝手に脳内補正してしまうらしいです

323 :
厚着してるから体型も誤魔化されるのかもしれんぞ

324 :
いなみん「冬はいい…」

325 :
>>324
ママー、あのお兄ちゃんかっこいいね!

326 :
ハズいから深夜に書き逃げ。
繰り返すけど少女漫画ですよ。(あまり読んだことないけど)

327 :


 ひやり。
「──ふあっ!?」
 首筋にべったり押し付けられた冷気に、足立は声をあげて跳ね起きた。
 顔を上げると、ぼやけた視界に浮かぶ白い人影、長い髪。
「……ゆ、雪女……?」
「失礼ね。」
 ぺちっと額をはたかれ、完全に目が覚める。
「あ、村主さん……。」
「明かりがついてたから。
 そんなところで眠ったら風邪ひくわよ?」
 どうやらあのままうとうとしてしまったらしい。 強張った肩をほぐしながら、のろのろと立ち上がる。
「ええっと……。 俺もだいぶ疲れてたみたいだ。 今何時?」
「丑三つ時かしら。」
 雪女呼ばわりに地味に臍を曲げているらしい。 無表情のようでいて、微かにむくれた横顔が、いつにまして可愛く見える。
 照明にうっすら透けた彼女の輪郭が眩しくて、足立はそっと視線をそらした。
 昼間ウエア越しに触れた感触がまだ掌に残っている。
 こんなに誰かを“欲しい”と思ったのは初めてだった。
 転んだところを助け起こすたび、ありがとう足立くん、と耳をくすぐる囁き声も──ついでに隙あらば襟元に雪を詰めようとする茶目っ気も。
 ひどく喉が乾いているのは、暖房のせいだけではなくて。
「──足立くん?」
「うん!?
 ああ、はい! 起きてるよ? 起きてます!」
 寝ぼけているならもう一度、と首筋に伸びてくる冷えた手のひらを、慌ててやんわり遮る。
 ……だけの、つもりだったのだが。 指先が触れ合った瞬間、きゅっと握りしめてしまっていた。
 沈黙。
 そして発熱。
「……、……」
 彼女の唇が、何か言いかけてやめる。
「村主さん、……。」
 そのまま腕を引くと、彼女は抗わなかった。


328 :

 自分にこんな大胆なことができるとは思わなかった。
 熱に浮かされたように彼女の呼吸を奪いながら、そういえば今日初めてのキスだな、とぼんやり考える。 機会なら今朝からいくらでもあったはずなのだ。
 そういうことだけが目当てだと思われたくなくて、無意識に避けていたらしい。
 ──俺って……、俺たちって、つくづくめんどくさいなあ!
 これから幾つ夜を過ごしても、いつか同じ家に帰るようになったって、ずっとこんなやりとりが続いていくのだろう。
 吐息に苦笑いが混じって、彼女が不安そうに首を傾げる。
 ようやく唇を離して、足立は額を擦り合わせた。
「──いいの?」
 なにが、とは訊かない。
「こわいわ。」
 絡めたままの指を強く握って、彼女も目を逸らさない。
「……でも、あなたがこわいんじゃない。」
 雪の女王の氷を溶かすのは、いつだって恋人の体温だと決まっている。



329 :

「──っふ、ぁ、」
 少し早い吐息の向こうで、ぼんやりと窓が白んで見える。
 カーテンの隙間から差し込む雪明かりを、彼女ははじめひどく恥ずかしがったが、彼はこっそり天に感謝した。 正直、真っ暗闇では何をどうしていいかわからない。
 少しずつ暴かれてゆく恋人の肌は、ゲレンデの粉雪のようにひんやりと白く、滑らかで──次第にほんのりと熱を帯び、淡い桃色に染まってゆく。
 うぶな二人は文字通り、薄闇の中を手探りで進むしかない。
 大切にしたいのに、めちゃくちゃに壊したい。 相反する衝動に振り回され、足立は奥歯を食いしばった。
「……その、つらかったら、言って?」
「そ、んなこ……っ、いわれたら、なにもかもつらいわよ……!」
 ばか、と罵る言葉に、責める響きは無い。
 悲鳴の代わりに首筋に噛みつかれ、全身の血が泡立った。 強引に奪ってしまいたいのを必にこらえて、お互いの身体が馴染むのを待つ。
 溺れたようにもがいていた腕が、ようやく背中に落ち着いて。
 ──さてそのほかは、みな狂気の沙汰。



330 :
「そのほかはみな狂気の沙汰」でググるなよ、絶対ググるなよ!石が飛び交うぜ…!
なんかこういろいろすげぇぼかしててすんません。
あとは後日談をちょろっと書いて終わるつもりです。

331 :
GJ!続きktkr
十分エロいので問題無し!
後日談全裸待機します

332 :
>>331
そう言ってもらえて嬉しいです。8の4行目は書き手の本音っす。こいつら奥手すぎてめんどくせw
今日はレスだけで失礼。
二期が始まったらまた書き手さんや住人が増えるといいなあ
>>324-325
あんたら鬼や…ww

333 :
>>332
さとやち書くときよりはまだマシだと思うの

334 :
まとめwikiはなんで更新されてないの?

335 :
>>330
おっと気づかなかった
乙!

336 :
書けたよー。
伏線回収しようとしたらオチがついたでござる。

337 :
          *  *  *


 耳元でくしゅん、とちいさな音がして、意識がゆっくりと浮上する。
 窓辺から差し込む光のなか、寝不足の頭でぼんやり発信源を探すと、すぐそばにむき出しの白い肩があった。
 思わず声をあげかけて、口元を覆う。
 ──夢……、じゃ、ないよな。
 枕から外れてシャム猫のように丸まった身体。 くったりとシーツに伏せた細面を、色素の薄い髪が守るように覆っている。
 隙間から覗く頬に涙の跡を見つけ、昨夜の顛末に思い至り。 足立は耳まで真っ赤になってうなだれた。 嬉しさと恥ずかしさと申し訳なさで気が変になりそうだ。
 刹那、華奢な身体がふるっと震えて。
「……ん……」
 二三度身じろいで、彼女はゆっくりと目蓋を持ち上げた。
「──……。 ……あだち、くん?」
「……お、おはよう。」
 茫洋とした瞳が彼の顔の上をさ迷い、やがて焦点が合うと、──無言で頭からシーツに潜ってしまう。
「……え。
 あの、……村主さん……?」
 呼べど頼めど出てこない。
「ぐ、具合が悪いの?」
 もぞもぞ、と横に掛布が揺れる。……首を振ったらしい。
「……寒いの?」
 ややあって、頷く気配。
 それだけじゃないのは明らかだったが、少し迷ってから、足立はそれを免罪符にして恋人を掛布ごと引き寄せた。
「──!」
 慌てて突き放そうとした手のひらが彼の裸の胸に触れ、びっくりしたようにひっこむ。
「うわ。 ほんとに冷え性なんだね。」
 昨夜の熱情をすっかり忘れてしまったような低い体温が、少しだけ癪に障った。 こっちは今も湯気が出そうなほどのぼせているというのに。
 この熱を全部彼女に移してしまいたい。 照れくささを振り切って身を寄せると、やがて彼女の身体からも力が抜けて。
「……足立くんのえっち。」
 首筋でこもる声に、彼は今度こそ本当に頭に血が昇ってくらくらした。



338 :

          *  *  *

「──足立くん、このへんでいいわ」
 彼女の家の少し手前でそう告げられ、足立は慌てて路肩に車をつけた。
「どうしたの? 何か買い物?」
 店まで送るよ、と視線で問えば、小さくかぶりを振られる。
 訳がわからないままドアを開けると、村主は素早く荷物を取りに後部座席へ回った。
 ──何か気に障るようなことしちゃったかな?
 思い当たる節といえば、今回それこそ山のようにあるわけだが。
 バックミラー越しに見つめる不安気な視線に気づき、彼女はまたいそいそと助手席へ戻ってきた。
「ええっと……。 今回は誘ってくれてありがとう。 すごく楽しかったわ。」
「いや、こちらこそ。
 ……その、来てくれてありがとうっていうか」
 仲良くなってくれてありがとうというか。
 言いよどんだ残りを察して、二人して赤い顔で下を向く。 そのまま吸い寄せられるように、触れるだけのキス。
 静かに唇を離すと、村主は赤らんだ頬を隠すようにして車を降りた。見送ろうと後に続く。
「家まで持とうか?」
 重たげなスキーバッグを抱えた背中に声をかけると、彼女は振り向いてまた小さく首を振った。 曰わく、自分も家の前まで送ってもらいたいのは山々だが──
「なんだか嫌な予感がするの。」
「──それは大変ね。」
 ぎゃあ、と、思わず叫んでいた。
 恋人の背後からにょっきり現れた、最凶の母、村主沙衣子40歳。
 その娘といえば、顔面蒼白のまま硬直している。
「そろそろ帰ってくるころだと踏んで、このあたりで待ってたのよ。」
 大人の階段を昇ったカップルが、どんな顔して帰ってくるのか見てやろうと思って。
 恐ろしく無表情のままそう言うと、彼女は娘の肩を軽く叩いた。
「やあね、冗談よ。」
 ──ちっとも冗談に聞こえません……!
 ともあれ挨拶くらいはせねばと、足立は震える喉を励まして頭を下げた。
「あの、今回は外泊を許していただいて──」

339 :
「そう、本題はそれよ」
「ありが、……え?」
「お札、役に立ったでしょう?」
 緩みかけた空気が再び凍る。
 今度こそ声も出せずに固まった二人をよそに、沙衣子はコートのポケットからうきうきと大量のお札を取り出した。
「あなたに渡したこれ、とあるお寺に頼まれて作った試作品だったの。 ものすごく厄介な怨霊に一枚で効くやつはないか、って。
 それで、ちょうどいい機会だから試してもらったんだけど──」
 言葉を切って、彼女は頭のてっぺんから足の先まで、じっくりと足立を見た。
「ふむ、五体満足……と。 ちゃんと効いたみたいね。」
 得体の知れない怖気が背筋を這い上がる。 そうだった、村主さんはそういうご家庭の娘さんだった。
 ──でも、待てよ。 俺、あのお札使ったっけ?
 恥ずかしいやら恐いやらで混乱する記憶を必にたどると、……思い出した。 疲れて眠り込んだ彼女の枕の下に、軽い気持ちで滑り込ませて、その、あと、は。
 そうだ、二人は、"彼女のベッド"で──
「お、……お母さん! いいかげんにして!」
 ようやく我に帰った村主が、怒りと羞恥に真っ赤になりながら母親の手を引っぱる。
 子牛のように引かれていきながら、沙衣子は残りのお札を足立に握らせた。
「もう無くても大丈夫だと思うけど、念のためあげるわ。」
「はあ……」
「大事にするのよ。」
 それはお札のことなのか、それとも娘のことなのか。
「お母さんやめてったら。 足立くん、それ捨てちゃっていいからっ。」
「いや、うん、ええと……ありがとうございます……。」
 別れを告げる暇もなく、二人の背中が遠ざかってゆく。
 ──これは、認めてもらったってことでいいんだろうか?
 恋愛成就の甘酸っぱい感慨が、ようやく少しだけ戻ってくる。
 足立は車に寄りかかって深々とため息をついた。 次の機会がもしあったとして、このお札を使うべきか、使わざるべきか。
 明るい男女交際への道は、まだまだ前途多難である。



340 :
使わないで試してみればいいと思う。
終わりです。だらだらと続けて申し訳ない。お付き合いありがとうございました。
感想とかちょこっとレスもらえたら嬉しいっす。
書いといてなんだが朝チュン長すぎイチャイチャしすぎ。足立爆発しろ。

341 :
ミ米
GJ!
楽しませていただきました!
いちゃいちゃしやがって…足立爆発しろ

342 :
なんか余計な話を思いついちゃったので置いておきますね
・野郎共の会話
・微妙に下ネタ
・佐藤がふびん

 私をスノボに連れてって 〜男たちの挽歌〜

 とある居酒屋のとある一室にて。
「足立、こないだは悪かったな」
 注文が済むと、向かいに座る佐藤が開口一番にそう言った。
「キャンセル料いくらだったんだ」
「そうそう! ごめんなー足立ー。
 ユイちゃんがどうしてもその日に会いたいって言うもんだから俺、友情より愛情をとっちゃっげふっ」
 早速ドラムスティックをくらう吉田を横目にお絞りを配る。
「あ、いや……あれはもういいんだ」
「いいってお前、三人で割るのがスジだろ。」
「だから、その……俺、行ったから……」
 自然と声が小さくなる。
「あ?」
「行ったんだ、スノボ。 か、彼女……と」
「そうか。 短い付き合いだったな。」
 さらば友よ、と爽やかに手を振られ、足立は慌てて言い募った。
「いやだって、あのゲレンデ、あのコンディションだよ? コテージだって予約に苦労──」
「みなまで言うなお別れだ。 達者で暮らせよ。」
 真顔で言うのがいちいち怖い。
 佐藤は佐藤で、付き合いだしたばかりの恋人と何かあったらしいのだが──つまり、スノボの先約を反故にするほどの何か、だ──この様子では訊くに訊けない。
「えっなになに! 足立、ムラヌシサン誘って行ったのー?」
 全く空気を読まず無邪気に絡んでくる吉田に、思わず顔が引きつる。
「そ、そうなんだ。」
「マジで! ほかには誰か連れてったの?」
「いや……誰も……」
 煙草を取り出して火を付けた佐藤の目が、どんどん荒んでいくのがわかる。
「ええーっ、ってことは、二人っきり!? 一緒の部屋で!?」
「う、うん……」
 ──あああ、頼む、それ以上訊かないでくれ……。

343 :
 やがてビールが運ばれてくると、吉田はノリノリでジョッキを掲げてこう言い放った。 “彼女と一泊旅行した足立に乾杯。” この状況ではもちろんさっぱり嬉しくない。
「そうかー、足立はあの全体的に白い彼女さんとひとつのベッドで──」
「ちょ、吉田、」
「手ぇ繋いで寝たりとかしたんだ!」
「……、……。」
 足立は浮かせた腰を静かに下ろした。
「足立エロい!」
 何も答えないのを肯定と取ったらしい。 きゃっ、とお馴染みの仕草ではにかむと、吉田は伸びた袖口をパタパタ振った。
「佐藤ー! 足立がやらしいよ!」
「そうだな。 足立はやらしいな。」
 すぱーっ、と多量の煙を吐き出し、深々と頷く佐藤。
「きっと指とか絡めてるぞ。」
「ぎゃーっマジで!? さすが足立ちょうエロい!」
「佐藤……。」
 思わぬ方向からの攻撃に、足立はがくりと肩を落とした。 今日はどうやら集中砲火らしい。
「それどころか、手以外のところも繋いでるかもしれん。」
 ぶーっ。
「えっそうなの? そうなの足立? どこ繋いだの!? てか何をどうするの!? 足!?」
「げほ……げほっげほっ!
 さ、佐藤……!」
 盛大に噎せながら、足立は噴いてしまったビールをお絞りで拭った。 眉一つ動かさず際どいことを言う友人に、さすがの彼も鼻白む。
「どうしたんだよ?」
 そんなこと言うキャラじゃないだろう。 視線でそう告げると、佐藤は組んでいた腕をゆるりとほどいた。
「──聞きたいか?」
 立ち上る煙草の煙が禍々しいオーラに重なる。
「お前が彼女といちゃ☆いちゃナイトを堪能しているまさにその時、俺がどんな酷い生しの目に遭っていたか……」
 しつこくきゃあきゃあ騒いでいる吉田を一撃で黙らせ、ジョッキの残りを一息で干し、完全に据わった目が足立を捕捉する。
「──じっくりゆっくり聞いてもらおうじゃないか。」

            〈続かない〉

344 :
なんかこう……もうすこしで、ってところで寝ちゃったりあの日になったりしたんじゃないですかね。知らんけど。
>>333
さとやち難しいっす。プロットをいじりまわしてるけどどうにもならんです。手ごわすぎ。
>>341
ありがとうございます!
なんか人が少なくて寂しいですが、これからもたまに出没したいです。

345 :
GJ!
どんな酷い生しの目に遭っていたか、
じっくりゆっくり聞かせてもらおうじゃないか。

346 :
みんなひがみやをお忘れなく
最近の二人はがちゃくちゃくとパラレルに向かって突き進んでいるよ

347 :
公式がエロパロを超えてきそうな勢いで/(^q^)\

348 :
長谷ルーがエロ過ぎて辛い

349 :
エロパロにネタ投下した方がかはこをアオれるんじゃないかと疑うこのごろ

350 :
しかしエロパロには活気が無いと言う

351 :
そんな中一人密かに偽ヵを懐かしむ俺

352 :
さとーさんがへたれを脱却する日を願って

353 :

                          ,. -‐==、、
             ,. ===、、 o   ○o.  i       :::ト、
           _,/      `ヾ´´`ヽ、 ゚ .l       :::ト、\
           //      .::::/  :::::!===l      :::|ス. ',
             /./       .::::/   ::::l    |  __ ..... _::::|} ヽ l-、
.           ,ィク ,'..__    .::::/    ::::l    :l '´    `)'`ヽ ヾ;\
       /::{゙ ヽ、 ``丶、;/‐‐- 、::::l     `'::┬‐--<_   } ./;:::::\
     /::::::::!   ,>---‐'゙ー- ...__)イ ,. -‐‐-、ト、   |l::ヽ /;';';';';::::\
.     /|::::::;';';'\/} (ヽ、  _/|   (´    _,.ィ!::ヽ.  ヾー'´;';';';';';';';';:: /ヽ、
   / ,ノ:::;';';';';';';';';'/  /ヽ、二ニ-イ   ヾT ¨´ ,/;';';::`、. \';';';';';';';';';';〈::...
. /  i::;';';';';';';';';';'/ ,イ.:::::::::::::::::: !    ヽ`ー‐'";';';';';';';ヽ   \';';';';';';';';';!:::::

354 :
ユータ君ってやっぱ肉食だよなぁ

355 :
東田ー!

356 :
ほしゅ

357 :
縛る以外のいちゃエロたかいなは成立しないのか

358 :
ちょっとずつ触る練習をするたかいなとかどうよ

359 :
>>358
あー、そういうの好きだ
時間とかどこまでするかとか、何かしら制限をつけたりしてじっくり慣れていく過程がたまらん
だが書いてると長くて集中切れる

360 :
試行錯誤しているうちに
手が無理なら口だけで・・・と
余計エロいことになるたかいなを想像した

361 :
だれか文章にしてくださる神はいないのだろうか

362 :
ども、以前にあださゆ本編のやりとりを勝手に盛ってあげた者です。
雑記にいいネタが上がってたのでちみちみとまた文章化してみたので投下します
・あださゆ
・エロなし
・さゆりさん視点
・マジ恋する女の子
・大幅加筆あり
・勝手な解釈多数
以上の点を許容できない方は飛ばしてください

363 :
某日…
私は朝から上機嫌だったと思う。
何せデーt……二人ででかけようって足立君が誘ってくれたから。
もう思わず満開の笑顔になって近所の黒猫が転びながら逃げてった位…
ボロを出さないように待ち合わせ場所では平然とすることにした。
…えぇ、何処の馬の骨とも知れないチャラい男達を無表情に論破撃退するのも程よい楽しみになったし…
そんな感じに待ち続けたのだけど足立君が来ない。
遅刻と言うか来る気配すらないし、1時間前から3分おきにメールを送り、15分前から2分おきに電話をしてるのに反応もない
…まさか、足立君の身に何かが?
内心の恐怖と焦りを誤魔化すため、また寄ってきた男達の足を踏み抜きつつ、一応無事を確認するためにか…彼の家に行くことにした。


364 :

お家に伺うと足立君のお母さんが出てきた。和服美人…これが寿司屋の力だというの…!?
…何の準備もなしにお伺いしてしまったのでテンパって口数少なくぶっきらぼうになってしまった
そしたら足立君のお母さんもなんだかテンパってしまい以下のような怪しいやりとりをすることに…
「あ、え…む、息子ったらまだ寝てて……;。0(息子、まさかの面食い!?)」
「生きてるんならいいんです。失礼します。0(よかった、無事で…疲れたし帰ろう…)」
「ちょ、ちょっと待って!;。0(朝無理言って手伝わせちゃったし、門前で帰したらご近所さんの噂に…!!)」
なんだかかみ合ってなかったような気もするが押し切られたので上がらせてもらうことになった。
しかし、まさか足立君が寝てる部屋に通されるとは…あれか、押し倒してしまえと…なんて積極的な…!


365 :
とりあえずお茶をいただいて落ち着いたので。寝てる足立君にスキンシップで乗ってみた。あ、悲鳴がいい低音、かわい♪
しかし足立君はなかなか起きない…鳩尾に体重かかるように乗ってるけど身じろぎもしないし…
でもうっすら汗がにじむ足立君。格好いいわね…水かけた時みたいに水の滴るいい男、て感じかしら
これはもう起きそうにないわね。さゆり、此処は反撃よ。この前私のは、初めてを奪った足立君に復讐のせっ、キスをするの!
そう、このまま身体を前へ傾ければ自然と顔が近づいてうわ近い格好いいっていうか可愛い何これ上手く表現できないけどこれを言葉にすると
うわもう目と鼻の先にちょっと濡れた唇が近い近い近いちk
「う…お……重い…・・・;」
はぁ?


366 :


あら足立君、首元が不自然に出っ張ってるわ。直してあげる。その性格ごと、ね
まっすぐに伸びた手が足立君の喉元に吸い込まれていく。
だって吸い込まれるんだもの、仕方ないわ
「とう」
「ごふっ!?」
あ、足立君が起きた
「!?、村主さ…げほ、えっ あっ」
まずは挨拶ね、楽しい挨拶
「おはよう足立君。家にまで来る気持ちも重ければ体重も重いおもいで一杯村主です」
「えっなっ何か上手い事言った!?」
おっと、つい本音も出てしまった。でも好きだから仕方ない。でも許さない
「いやあのちがっごめ…ととりあえず降り……て」
え、足立君。なんでその手は胸を…胸…え?
「キャーーー!!」
私が悲鳴をあげる前に足立君が悲鳴をあげた…これはどういうこと、ねぇ、足立君?


367 :

「あの……明け方店を手伝って寝たら目覚ましかけてなかったみたいで……すみません……」
「そう」
足立君
「その…心配かけたみたいですみません」
「別にいいわ。生きてたし」
顔を見せてよ
「あと……あの………………」
でないと
「私より先に悲鳴を上げた件については?」
「土下座したいんで降りてくれませんか」
「断るわ」
土下座足立君なんて可愛すぎるじゃない
「足立君」
「はいっ」
「私って重い?」
「そんなことないです軽いです!!」
そう、いい表情ね。でも許さない
「そうね。男の人の部屋に軽々と入るし」
ふっ あぁ、自然と満面の笑みが浮かぶわ
「さぞかし軽い感触だっただろうし軽い女よ私は」
「お願いだから土下座させて!!!!」

368 :

……なんだか自己嫌悪と気まずさで何もいえなくなった
足立君もなんだか静かになっちゃったし
「「あの………」」
なぜかハモってしまった…
「どうしてこんな俺と付き合ってるの?」
「どうしてこんな私と付き合ってるの?」
カラオケでしたかったけど、ユニゾンしちゃった。
気分が落ち着いてきたし、これ以上足立君が近いと顔に出そうだから降りることにした。
「あ あの……」
と、部屋の本棚に私を引き付ける物があった
「その……何というか…冷たそうでいて優しい所とか……」
「………」
ちょっと聞いててゾクゾクするので気を紛らわせるために本棚をよく確かめる
「ちょっと…かなりほっとけない所とか………その他にも色々…だから…」
きゅんときてしまった自分を不甲斐なく思うが此処は我慢よさゆり。

369 :
…足立君」
これを手にしなければ負け。だから攻め立てるの!
「ここにあるアルバム、ごそっと借りてもいいかしら?」
「駄目絵えええええええええええええええええ!!」
勝ったわ。足立君がこっちに来る。ついでだから一つ意趣返し。
「村主さん返し…」
「私は足立君の…」
足立君の言葉をアルバムで押さえつける。そして口の位置に自分の唇を押し当てる
窓越しのキス、というには少し間抜けな感じね。直接する勇気はまだないから仕方ないけど
アルバムを退けると彼は豆鉄砲を食らったような顔をしていた
「………」
可愛い
「何だかんだで断れない所が楽しくて付き合ってるわ」
(何だかんだで気配ってくれる所が好きで付き合ってるわ)
本音はまだ言ってあげない。

370 :

足立君は観念したのか「お持ち帰り下さい……」
と、快く貸し出しに応じてくれた。涙も流してくれたので気分がよくなったから許してあげよう
「ありがとう。お邪魔しました。」
まだ寝足りない感じがするので帰ることにした
「お疲れみたいだから二度寝してね?」
そしていつもの足立君になってね
わたしはうきうきしながら足立君の家を出て帰路についた
家に帰っても足立君と一緒だし、ね

371 :
数日後…
今日のバイトは荷物が多い。足立君に借りたアルバムを返すためだ
「足立君。」
アルバムを持って足立君のところへ行く
「どうしたの?…うわ」
「アルバム、返すね?」
うん、おまけつきで返すわ
「私的にかわいかった足立君の写真にふせんつけといたから」
足立君の青ざめた顔はいいわね。今日も一日バイト頑張れるわ
……
…ふせんつけた写真に一個ずつキスしたのはずっと秘密にするわ
……知られたらはずかしいもの

372 :
投下完了です。お目汚し失礼しました。誤字脱字ある場合は脳内変換で対応お願いします。
しかし東田もうっかりデレしやがってネタが飽和状態とはこれいかに!?
て感じで困ってます。遅筆なもので
いいネタがあがったらまたいつか投下したいと思います。では

373 :
あださゆはいいもんだ

374 :
.

375 :
てst

376 :
九巻の続きのYGを読んでると何となく分かるような、読んでなくても特に問題ない、たかいなで短いの投下

377 :

 日が暮れて数時間、すっかりと濃紺の世界に様変わりした住宅街。
 その中で、眼鏡を掛け詰襟を着た男子高校生と特徴的なヘアピンで髪を留めるブレザーを来た女子高生が、子供一人分程の距離を開けながらも肩を並べて歩いていた。
 見る者によってはその距離感は、適度な立ち位置を覚え始めた恋人達にも互いに一方通行の恋愛感情を意識する男女にも見える。
 男女は取り留めの無い会話をしていたがややあって、ふと訪れた沈黙との境目で話題を見つけあぐねていた。
「伊波さん、手を繋ぎませんか?」
「え、ええぇっと」
「男嫌いを治す為の訓練ですよ。最近はマジックハンドも使っていないですし、殴ったり気を失ったりしていないじゃないですか」
「そうだね。うん、小鳥遊君がそう言ってくれるなら頑張ってみる」
 男は本来の意図を思い出したかのように提案をした。あくまでこれは訓練だと言い聞かせながら。
 女は最初、唐突な申し出に我を失い声を上げてしまいそうになるが、すぐに続いた男の言葉で自己を強く保ち、その信頼に足る。
「準備はいいですか?」
「う、うん……」
 何事もないといった体の男と緊張の色を隠せない女。
 ただ手を繋ぐ、それだけの事がこの若き男女にとってはこれからの人生を決定づけてしまうかのような重大なものなのかもしれない。
 女は躊躇いを含みながらも男からの提案が満更でもないらしく。証拠に頬を緩ませ、えへへと言葉を漏らしている。
 男は提案が受け入れられた事に安堵した風で。証拠に頬の朱を気取られぬよう平生を装っている。
「意外に繋げましたね。自分で言っておいて、殴られると思っていました」
「そうだけど……でもすっごく緊張してるよ。手、熱く……ない?」
「熱いですよ。ですが訓練に付き合うのならこれくらいは我慢するのが覚悟ってやつですから」
 建前を並べ立て自身の心内の感情に気づかぬように。コンプレックスを楯に自身の感情を気づかれてしまわぬように。
「これ以上遅くならないうちに急ぎましょう」
「う、うん。そうだね」
 急いで、この時間が長くは続かない事を知り名残り惜しく思うは女。そうだね、この時間が短くとも続く事を確信し愛おしく思うは男。
 
 街灯、生活灯、自販機の照明、時折通り掛かる車のヘッドライト、月灯り。
 それらに照らされて伸びる二つの影は昨日までよりも近く、それぞれの右腕と左腕が重なるように融け合っていて。
 二人を繋ぐ指の絡まりが尚一層の事その影を一つにしようとしていた。

378 :
タイトルは「慣れ合いスキンシップ」で。
キャラソンにイベントにBDBOXに一期再放送に二期。期待でいなみんの胸も厚くなるね!

379 :

>期待でいなみんの胸も厚くなるね!
筋肉の間違いですね、分かります

380 :
今日もワグナリアは通常営業だ。
「おい、レジの所のねーちゃん…」
「おっぱいでけー。声かけてみるか?」
「…お客様、お命頂戴してよろしいですか?」
「うわー!!やめろ!なんだこの店!!」
「なんで店員が刀なんて持ってんだよ?二度と来ねーからな!」
またチーフが店長目当てのお客様を追い払っている。
悲しい事に俺はそれに慣れてしまっていた。
しかし、チーフはいくら年増店長が好きだからと言って、あんな風に男を寄せ付けないのはどうだろう?
万が一男が寄って来たってあの店長ならば充分得意分野の暴力で追い払うだろうに。
恋愛すると、そういうものなんだろうか。
独占欲というやつか。
俺には理解できないが、恋するチーフはいつも大変そうだなぁ。

381 :

「なぁ、あそこでオーダーとってるピンつけた女の子」
「ん?まぁまぁかわいーな」
「俺、ああいう大人しそうな子、好きなんだよなー」

「伊波さん」
「わっ!びっくりした。どうしたの?小鳥遊くん」
「ストローと紙ナフキンの在庫、見て来てもらえませんか?」
「えっ?いいけど」
「あと消耗品も全部。お願いします」
「ぜ、全部?結構あるよね?」
「お願いします。俺がその間ホールみておきますんで」
「う、うん…じゃあ、行ってくるね」
「時間かかってもいいので、正確にお願いします」

「あれ?かたなしくん、伊波ちゃんは?」
「伊波さんなら消耗品の管理してもらってます」
「珍しいね。そういうのいつもかたなしくんがやってくれるのに」
「……人助けですよ」
「え?」
「お客様が殴られでもしたら大変ですからね」
「かたなしくん?」
「別に深い意味なんてありませんから!」
「かたなしくん、顔あかいよ…?」

382 :
独占欲というやつか。
俺には理解できないが、恋する小鳥遊はいつも大変そうだなぁ。

383 :
まとめの更新って一年も止まってるんだね

384 :
wikiだから、誰でも更新できるんだっけ?

385 :
保守

386 :
>>381
小鳥遊に萌えるとは・・・不覚w

387 :
藤林丈司は変態

388 :
藤林丈司

389 :


390 :
ブタ読んだらたぎってきた
久しぶりにアレリナなんぞ良いんでないかい

391 :
そういや最近は豚のエロパロってあんまりみないね
完結済てのもあると思うけど原作がなかなかエロいからもっと需要持つかと思ってた。

392 :
保守

393 :


394 :
保守(^O^)

395 :


396 :
保守
たかいなマダー?

397 :
豚でよければ以前からちまちま書いてたのがもうすぐ終わりそう
ルーセリアレリナ両方あるけど

398 :
待ってます

399 :
うわああ

400 :
鯖がエロパロみたいな展開になった件

401 :
鯖も犬も単行本楽しみだなあ
>>397
いつまでも待ってます

402 :
東田宮越エロ公務員とエロホテル女に至る途中と見て。
現在の展開から数ヶ月後のふたりの初めてのときを妄想してみる。
宮越視点です。オリジナルの展開との違いもまたいとをかし。
「東田ー、今日仕事終わったらうち来ないかー。料理食わせてやるよ」
掃除用具を持った東田に声をかける。
「料理…」東田が思わず固まったのが見える。
「なんだよー、ちゃんとおかんが作ったやつだぞ。あれ以来私は料理してないからな。
外で食べる時もちゃんと割り勘してるし、文句あるなら言ってくれよ」
「いや、つい以前の記憶が…。すみませんでした。伺います。どうせ送って行きますし」
よし。
料理を食べさせるために東田とつきあい始めたのに、
自分の料理の人性を自覚して料理を作らなくなってからも、なぜか東田との交際は続いている。
あんな料理を食べさせ続けた責任はもちろんとらなければならない。
でも、どうしてよいか分からなかった。私はばかだから。東田が望むなら別れようと思った。
けれど、東田がそれを許さなかった。
「責任、とってもらいますからね」
そう言っただけで、あの悪夢の日のあとも以前と変わらず、
仕事帰りには私を家に送り届けてくれるし休日は一緒に過ごしている。

403 :
でも、私はまだ責任をとっていない。
どうやったら責任をとれるのだろう。
そこで思い出したのが、バレンチヌス様だった。
恋人どうしだけに必要なものがあると。
ただ、今まで決心がつかなかった。
「宮越さん、こちらは終わりましたよ。行きましょうか」
東田が声をかけてきて、ふと我にかえった。
「ああ、ちょっと待って、これ片付けてくる。それで終わりだから」
なんだか緊張する。
帰り道はあまり話ができなかった。
「なんか、今日の宮越さん、大人しいですね」東田がいぶかっている。
「そ、そんなことないぞ」
家に着いた。
「あれ、電気がついていませんね」
「あ、今日おかん出張でいないから、適当にあがって。ご飯だけ作っていってくれた」
「なるほど」
最近では割とよくあることなので、東田も驚かない。
「れいぞうこに入っているのをあたためてくれって。
悪いが、電子レンジに入れてくれないか」
「はいはい、分かりました」
私は電子レンジに入れて温めることすらできない。なぜか爆発するから。
それで、あの日のあとは、おかんがいないときには外食か、作ってくれたものを冷たいままで
食べることで食事をのりきっていたのだが、
東田にお願いすればよいと気づいたのはごく最近だ。

404 :
今日は和食ですね。煮物とおひたしか。
メインを刺身にしているところにお母さんの宮越さんへの気遣いを感じます。
もうお皿に取り分けてあるので煮物はレンジでいいか。みそ汁くらい僕が作りましょう。」
「おお、ありがとう。おかんが東田に世話になっているから今日はご飯食べてけ、って言ってたのに
急にテレビの収録の予定が変更になったとか学校帰りに連絡が来てな。
ファミレスメニューは見たくないだろうから和食にしてたのに、とか言ってた」
「…その最初の予定のところ、普通、今日の帰りではなくもっと前に俺に伝えませんか」
何か聞こえた気がする。
バイト先に向かう途中でおかんから来た電話。それで決心がついたんだ。
2人でご飯を食べる。
「さすが、宮越さんのお母さんの料理はおいしいですね。煮物が絶品です」
「だろー」
あまり言葉が続かない。

405 :
「お茶、いれますね」食後、東田が慣れた様子で立ち上がる。
「ああ、悪いな」
ほっと息をつく。私、何もしてない。でもなにかすると東田がぬ目に遭うから何もできない。
「私、私…」やかんに火をかけた東田に思わず後ろから抱きつく。
「うわ、なんですか、宮越さん」東田が驚いている。でも止まらない。
「私、彼女らしいこと何にもできない、料理もできないし馬鹿だし。
ずっと東田に私の料理を食わせ続けてきた責任もとれないしどうやってとっていいか分からないし、
でも東田は別れないって言うし、どうしたらいいんだよ」
そう、私が決意したこと。それは東田の本心を聞くこと。
こいつは何を考えているのか、全く分からない。
いくら考えても分からない。
だから聞くしかないのだ。私がどうやって責任をとればいいのか。

406 :
「面白い、ですよ。」
ぽつんと東田が言って、私はぽかんとする。
「は?」
私に背中を向けていた東田が、火を消し、東田にまきついていた私の手を掴み直して向き直る。
「宮越さんは、料理なんかしなくても馬鹿でも見ていると面白いです。
だから、別れるより別れないほうが、僕にとっては日常生活がより豊かなものになります。
まあ、責任をとる方法については、とりあえず宮越さんにはこのまま料理せずにいてもらって、
俺を楽しませながら自分で考えてもらいましょうか。そうでないと意味がありませんから」
ひょうひょうとした語り口でよどみなく言われた。
「でも、その責任のとりかたは、いくら考えても分かりそうにないんだが」
私の方はもう消えたい気持ちになっている。だから敢えて聞く決心をしたんじゃないか。

407 :
…続けて大丈夫でしたら、後ほどまた投稿します。
このあと15禁。ただ、18禁も可能といえば可能。

408 :
わっふる!わっふる!
15禁でも18禁でも大歓迎ッス

409 :
待ってるサー

410 :
ふっと、東田が息をついた。
「しょうがないなあ。もっと先でもよいと思っていたけれど、
宮越さんがあまりに思い詰めて静かな状態が続くと俺が面白くないので、
責任のとりかたを体で教えてあげましょうか」
え。
考える間もなく、東田の顔がいきなり近くなった。
唇が合わさる。体に電気が走った気がした。
数秒後か数十秒後か分からない、しばらくして、唇を割って舌が入ってくる。
歯茎を刺戟され、舌先でこちらの舌をつつかれる。
何が起きているのだろう。
口の中だけの出来事なのに、全身が震える。
永遠かと思われるような時間のあとにやっと解法された。
私は膝ががくがくしてうまく立てない。
キスとかするの、初めてだぞ?何だ、今のは。
これがキスなのか?

411 :
「かわいいなあ、華ちゃんは」
華ちゃん?なんだ、その呼び方は。今までそんな呼び方一度もしたことないじゃないか。
「…、あ、あ、…」
物も言えない私を見て、東田がふっと笑う。
「じゃあ、責任、とってもらいますね。宮越さんの部屋に行きましょうか」
そこで我にかえった。
「ちょっと待てよ、お前、私とそういうのはありえないって言っていたじゃないか。
どうなってるんだ!第一こっちはキスだって初めてなんだ。…お前だって、あのときしていないなら、大事なものなんだろ…。
これ以上責任とれないぞ、いいかげんにしろ」
初めては大事なんだ(とがくしゅうした)。
それに、バレンチヌス様の言っていた「恋人のすること」はこいつがとっくに自分から120%否定しているんだ。
そのうえで「<彼氏に対する>思いやり」が何なのか私はさっぱり分からないんだ。だから聞いた、それだけだ。
なのになぜこうなる。

412 :
「…ああ、そんなこと言ったこともありましたね。今は気が変わっていますが。
しかし、そもそも責任のとり方を教えて欲しいといったのは華ちゃんのほうじゃないですか。
俺の好きにして文句あります?」
…こいつ…。思わず殴りかける。
「ぬ目にあうような料理を食べさせられた責任として、
普通の恋人どうしがする行為を行うのがそんなに嫌なほど、宮越さんは俺が嫌いですか?」
手が止まった。そんなことを言われたら殴れない。
呼ばれ方がくるくる変わる中、なぜか「宮越さん」と呼ばれることの方を寂しく感じる。
「嫌いじゃない…」
サイボーグみたいで、何考えているか分からないやつだけれど、
東田をそんな風にしたのは私の料理だけど、でも、私は東田を「嫌いじゃない」。
「宮越さんの部屋に行っても、いいですか?」
頷くしかなかった。

413 :
東田は私を抱き上げた。「ぎゃっ、何するんだ」
「逃げられないように。さあ、行きましょう」
部屋に入ると、ぽんっとベッドの上に放り投げられる。
「もっと丁寧に扱えよ!」
「それは失礼しました。」
隣に座ってきた東田がそっと髪を撫でる。気持ちいい。
思わずうっとりしていると、髪にキスをし始めた。
キスがだんだんと肌に近付き、耳と首筋に無数の口づけが降りてくる。
「…は、あ」思わず息が荒くなり、目を閉じる。
「華」
東田の呼びかけに答える余裕もない。
口づけはどんどん降りてくる。
ブラウスのボタンを外しながら、胸のほうへ、そして、ホックを外される。
「ま、まって」というこちらのか細い声は無視される。
その途端、衝撃が来た。乳首から全身に駆け巡る感覚。
「…あ」
その衝撃で、私は東田に体を預けた。

414 :
「気持ちいい?」
東田の声で、目を開ける。東田はふっと笑っている。
「そんなんじゃない、普通の声で聞くなよ」悔しい。
「まったく、華ちゃんは素直じゃないな」
東田の手がつーっとお腹をなぞって、ショーツに伸びた。
「ま、まって」
「待たない」今度は返事が来るが、意味がない。
「あっ」その手がショーツの中心に触れ始めた途端、体がとけるかと思った。
気持ちいい…。
そこからは、あまり記憶がない。
ただ、溶けそうな感覚に身を任せ、喘いでいたことだけを覚えている。
そして、その後にやってきた痛みを。
「華、好きだ」とはっきりと初めて口にした東田の真剣な表情を。
「わ、わ、私も…」と精一杯口にしたときに東田が見せた表情の変化を。
そして、最中には全く私は気づかなかったのだが、
終わったあと、きちんと避妊具を始末して(どこから取り出していつそういうことになっていたのか謎だ)、
力の入らないままの私の体を綺麗に拭いていたときの
東田の表情の優しさは目の裏に焼き付いている。

415 :
朝早く、東田は慌ただしく帰って行った。起きてからいつも以上に素っ気ない態度で時計を見ながら
「では、またバイトで。体調のことがあるでしょうから無理しないでください。フォローします。
それと、今度の日曜あけておいてください」と言い残して。
責任がとれたのか、私はまだ分からない。
多分、答えを見つけるまで一緒にいると思う。
別れ際、玄関先でふっと東田が寄せてきた唇に答えたいから。
**
これで終わりです。なんか華ちゃんが女の子になりすぎた。
長文妄想失礼いたしました。

416 :
ハレンチぬすさま

417 :
ありがとうありがとう華ちゃんかわゆす

418 :
402ー406、410ー415です。
表記上の誤りがいくつかあったので訂正に参りました。
失礼します。
まず、全く投稿慣れしていないため、
名前欄に何も入れないままで失礼いたしました。
タイトルは、「せきにんのとりかた」(平仮名記載)で。
404 最初の 「 が抜けました。
405 「やかんに火をかけた」→「やかんを火にかけた」
410 2段落め 「解法」→「解放」
412「ぬ目にあうような料理を食べさせられた責任として」
→「ぬ目にあうような料理を食べさせた責任として」。
まだあるかもしれません。すみません。
ただ、明らかに華ちゃんの思考や台詞の言い回しと思考回路の
ぶっとんだところは、意図的な華ちゃん仕様です。
ご寛恕くださいませ。
本来はあださゆ好きです。

419 :
>>418
細かいフォローありがとう
この華好きだー
あださゆも待ってます
気が向いたら投下してね

420 :
直前の東田宮越を投下したものです。調子に乗って、あださゆも投下します。
エロなし村主視点です。
***
「足立くん」
バイトが終わり、足立くんが帰り支度を終えるところで呼びかける。
「何?」その振り向き様に頬に人差し指をつきさす。
ぷにっとその顔が変形する。かわいい。
「村主さん…」
間髪はいれない。
「夏は終わったし雪が降るのはまだだから」
氷も雪も使えない、だから他のいたずらで、と言外に意味を込める。
「…村主さん…」
足立くんがちょっとあきれの混じったうろたえ顔を見せるのを、じっと見つめる。

421 :
「ところで、次の休みなんだけれど」本題に入ろう。
「あ、どこか行く?」
「悪いんだけれど、ちょっとお願いしたいことがあって」
「何?」
「モデルになってくれない?」
「え、ええ???ごめん、俺、そういうのは…」なんか挙動不審よ?
あら、変ね。心の声が届いたのかしら。足立くんがいっそう青ざめた。
「嫌かしら?」バッグから取り出したシャープペンシルを足立くんの胸につんつんと突き刺してみる。
「いや、ただ…」
絶賛うろたえ中の足立くんに、「あ、先に言うことを間違えた」と続ける。
「心配しないでいいわよ。手だけの、それも練習用モデルだから。
 よく手のデッサンの練習をしているのだけれど、男の人の手って、自主練習で描く機会がなくて上達しないの」
「なるほど」ほっとしている表情をまた見つめる。
「足立くんの家に行ってもいい?」少し首を傾げてお願いする。
「あ、別にいいよ。でも、画材持ってくるの大変じゃない?」
「今回は鉛筆だけのデッサンだから。…それに、うちだと足立くんが落ち着かないでしょ?」
笑顔のまま冷や汗を浮かべて固まるのを尻目に、
「さ、いきましょ」と鞄を持ち直す。

422 :
当日。足立くんの家を訪ねると、お母さんが足立くんの部屋に案内してお茶を運んでくれた。
せっかくだからとデッサンの前にいただく。
…それに、もうひとつ、今回は目的がある。
ひとくちお茶を飲む。
「おいしい。寿司屋のお茶って、特別なものを使っているの?」
「いや、普通だよ。お茶がおいしすぎると舌に影響するからかえってよくないんだ。
 でも、今日はいつもよりいい茶葉使っているみたいだね」
お茶菓子は羊羹。
「これもおいしい。さすが寿司屋ね。もしかして足立くんが作ったの?」落ち着く感じ。いつもこんな感じなのかしら。
「あ、一応。せっかく来てくれるから、って思って。羊羹は難しくないしね。
 でも、なんか、前から言おうと思っていたんだけれど、村主さん、寿司屋を誤解というかなんというか…」
足立くんの挙動不審が発生している。なんだろう。
「ところで、聞きたいことがあるんだけれど」早く二つ目の目的の本題に入ろう。
「古賀さんって誰?」
「え?知らないけれど、村主さんの知り合いか誰か?」
なるほど。了解。ほっとする。同時に少し楽しみの芽がめばえる。

423 :
「あら、中学の同級生を忘れたの?」
ちょっとごめんね、と言いながら、アルバムを置いてある本棚に向かった。
中学の卒業アルバムを取り出す。
足立くんの眼の前に持って来て、あるページを開いた。
なんということのない体育祭の写真。
スタートラインに立つ組が大きく写されていて、その1人に足立くんが入っている。
こういった学校関係のアルバムの中で足立くんの写真は極端に少なかったのだけれど、
これは逃げられなかったようだ。
でも今はそちらではない。
私は応援している生徒の一群の中で割と大きめに写っている1人を指差した。かわいらしい女の子だ。
「この子」
視線がはっきりと足立くんに向いている。

424 :
らくがきの あださゆの 補完 はやく

425 :
>らくがきあださゆ
明日は経緯明されることを願って…
とりあえず足立はそのままのぼせたさゆりんをおいしく頂いちゃえばいいよ。

426 :
すみません、間があきました。
続きます。
***

他の人は気づかないかもしれないし、偶然かもしれないけれどなんとなく気になっていた。
「3組の子でしょ。後ろの個人写真に組と名前が載っていたわ」
「あ」何か思い出したようだ。途端に足立くんが青くなる。
「あ、いや、それは…その子とは話した事もないよ、本当に」
まあ、そうでしょうね。ここまでの反応だと、相手が勝手に足立くんに好意を抱いて、
足立くんが何かのきっかけでそれを知っただけで、進展ゼロといったところでしょう。
そもそも何かあったかなんて聞き出すつもりもないし、
あったとしても、私は中学時代の出来事に目くじらたてるほど物わかりが悪いわけではない。
ただ、ちょっと、視線が気になっただけ。そんなにうろたえる必要、全然ないのに。
…でも、うろたえてくれて嬉しい。

427 :
まあ、目的のひとつは達成した。別に目的というほど大仰だったわけではないけれど。
「そんなの分かってるわよ。知り合いとして会う機会ももうないくらいでしょ?
そんなに挙動不審にならなくていいじゃない。
ただかわいい子だなあって。…なんだか、ごめんなさいね?そろそろ始めましょうか」
黙っていたことを勘違いしたのだろうか、
ずっとうろたえていた足立くんがほっとした笑顔を向けてくれる。
「あ、うん。俺はどうすればいい?」
「そうね。最初は、手の甲を自然にテーブルの上に乗せて。両手よ。
 それが終わったら、今度は手のひら側で両手。右手は何かを掴むかたちで、完全には握らないで、左手は広げて。
 本当は色々なポーズをやりたいのだけれど、あまり時間をとっても悪いから」
少し勉強モードに入らせていただきます。
「あ、うん、分かった…。大変なんだね」
「その間、足立くんは何もできなくなってしまってごめんなさい。好きな音楽でも聞いていて。私の耳には多分入らないから」
ちょっとの間、邪魔しないでね。

428 :


ちょっと、と言いつつ結局、私の気の向くまま、思う存分足立くんの手を描かせてもらい、
練習用のノートは結構なページを費やすことになった。
足立くんを見ていたら、もう少し、もう少し、と思ってしまって。
だって受け入れてくれるのだもの。
それに、足立くんの手を見ていると、なんだか、うずうずするのだもの。
ようやく満足して、口をきく余裕が出てきた。
「ありがとう。これで本当に終わるわ。長時間ごめんなさい」
「ううん、全然。村主さんが満足なら」
…このひと、どこまでこうなのかしら。
「でも、男の人の手って、やっぱりすごいのね。指の質感が全く私のものと違うし、骨の感じも、長さも、ほら。
右手で足立くんの手をとって、足立くんの左手と私の左手を合わせる。
「ひゃ」足立くんが悲鳴をあげる。冷たい…と心の声が聞こえる。
私の方は、温かさを感じているのに。
手のひらの大きさは私より少し大きいくらいだけれど、指が長い。
「大きさもかたさも全然違う」
これでは、自分の手のデッサンの練習をしたからといって男の人の手の形を描くのが上手になるわけがない。

429 :
足立くんの手は私の手より骨ばって、少し節がごつごつしている。
腕相撲で瞬されるのはあたりまえだわ。
手のひらも、自分の手をスケッチするときには厚みが全然ないのにふわっとした肉感を出すのに苦労していたのに、
足立くんの手のひらは、逆に細い中にしっかりと肉が凝縮されているようなイメージを受ける。
料理人の手はみんなこうなのかしら。
考えていたら、知らず知らずのうちに、足立くんの指を私の指でなぞり、手のひらを端から端まで探検して
くいくいと触感を確かめていた。
「む、村主さん…」
あ。我を忘れていた自分に気づく。
「ごめんなさい。冗談よ」
手を離す。
「うん、冗談だよね」足立くんは何かを納得させるように頷く。

430 :
でも。
「冗談よ」
言いながら、今度はぎゅっと手を握った。一本一本の指を絡ませて。
足立くんが色々な思考でいっぱいいっぱいになっているみたいだけれど、私はそれは知らない。
でもその足立くんの表情は好き。他意はない。向き合う姿勢でじっと足立くんを見つめる。
唇、私より色が濃いのね。感触をもういちど確かめたい。
「冗談よ」
その唇を奪う。
あなたと過ごす時間が大好きだから、この時間ができるだけ長く続けばいい。
このまま、ずっと。
唇を離し、見つめ合う。
何か言いたげな足立くんに思いっきりの笑顔を向けた。
さすがに耐えられなかった足立くんがそのまま気絶する。
…足立くんの、バカ。
でも、足立くんの家でよかったでしょう?
さて、メッセージを残して帰りましょう。
なんて書こうかしら。

431 :
これで終わりです。温泉のあださゆ、いいですね。
ちょっとずつ村主が艶っぽさを増していって生しの寸止めが何度も続いて
ものすごくきわどくなったあげく足立が覚醒すればいい、というのが個人的な願望です。
ちなみに、村主が残したメッセージには、そのまま「足立くんのバカ」と書かれています。
目覚めた足立が、自分が彼女の笑顔で気絶した事実に気づいて青ざめて
一生懸命フォローを考えるところまで彼女には見えています。
この状況での笑顔に耐えられないのは分かっていたので本気の不機嫌にはなりません。
この気絶をネタに何をしようかうきうき中です。

432 :
あださゆGJ、投下ありがとう
いいなあ、やっぱりあなたの文章好きだ
男女の手比べっていいよね

433 :
すみません。また重大なミスをやってしまいました。
7/9。足立の「右手」としなければ村主の「左手」と合わさらない…。
物理的意味だけではなくこのss的にも結構重要な部分でした。すみません。
***
優しいおことばがとても嬉しいです。
おわびと勢いでユー志保短編、
時系列現在ファミレス寝泊まり中エロ要素ゼロを書いてしまいました。
エロ系は一番想像しやすいカップルですが、
ちょっと展開を待ちたい。短いです。
今まで女性視点できたので今回も志保視点で。


434 :
「進藤さんと鎌倉さんって、今ここで寝泊まりしているんですよね」
あら、東田君。勤務中に話しかけてくるなんて、
というかむしろ人のことに興味持つなんて珍しいのね。
最近は宮越さんの対応に追われているかと思っていたのに。
志保、いまとってもしあわせなんだから、変なことは言わないでよ?
「これからどうするんですか」
…言わないでっていっているのに。
「おじさまの借金が返済されるまで、ここにいるわよ?ユータ君と」
これ以上、聞かないで。
「いつ返済されるか分からないのはともかくとして、
返済されたらどうするんですか?」
聞かないで。

435 :
「…それが東田君に何の関係があるの?」思わず声を低め刀をちらつかせる。
「…いえ、ただ心配になって。鎌倉さん、いちど家に帰った方がいいんじゃないですか?」
心配。なにそれ。東田君が最初に宮越チョコを食べて以来、そんな言葉が東田君の口から志保に対して出てくるなんて。
しかも刀の効き目ないし、志保もユータ君以外に切っ先は.向ける気ないし。
…また何か宮越さんに食べさせられてパワーアップしたのかしら。
「心配なんていらないわよ。志保にたてつく気?」
「いや、すみませんでした。っていうか、きちんとはしたほうがいいかと。少なくとも従業員的に見て」
うるさいわね。なんなのよ。
「…文句ある?」
東田君の目を侮蔑の視線で射抜こうとした瞬間、
「ひがしだー、ちょっときてくれー」
という宮越さんの声に救われた。
分かってるわよ。…いつまでもこうしてはいられないことも、
チーフの宮越さんに迷惑をかけていることも。
でも、家を出たら、志保には行き場がない。
みんなにかける迷惑に対する罪悪感以上に、ユータ君と一緒にいたい。

436 :
みんなが帰ったあと。
「これ、従業員価格で志保が買ったやつだから一緒に食べよう、ユータ君。
あまったポテトだけじゃだめだよ」 
志保、ユータ君と一緒なら草食べても生きていけるし、草探すのもユータ君と一緒なら楽しい。
でも、志保はからだが小さいから大丈夫だろうけど、草じゃユータ君、今まで足りなくなかったのかなあ。
…なんでユータ君、こんなにおっきくなれたのかな。
志保がいっぱいいじめても絶対めげないくらいに。
…なんで今になって「志保」って、また呼び捨てしてくれるようになったのかな。
志保が夜だけはお花を咲かせていられるくらいに。
「志保」
分かってる。
考えさせないで。
「なあに?ユータ君」
このしあわせ、みださないで。
10年以上、この時を過ごすためだけに生きてきた。
これからのこと、いっぱいいっぱい考えなければいけないのも知ってる。
でも、今だけお花咲かせさせて。

437 :
「…これおいしい。」
「しなびたポテトよりはいいでしょ?
 帰り際に河野さんにお願いしてつくってもらったから。」
…志保も料理勉強してみようかな。
今でもちょっとは作れるけど、でも、ちゃんと自信持てるように。
***
これで終わりです。
志保がきちんと幸せになりますように。

438 :
>>437
志保ちゃん切ない。いつもこんなこと考えてるなら堪らないっすわ。ほんと幸せになってほしい。
以下あださゆの隙間創作です。エロ無し超短編。さゆりんはいかにして旅行の許可を取ったか、村主家の会話。

439 :

「悟。温泉旅行のことなんだけど」
 自宅の食卓にて。
 夕飯を食べ終えてから、村主さゆりは努めてさり気なく口を開いた。
「うん、足立さん喜んでくれた?」
「それがね、足立くんちもお店があるから行けないそうよ。」
「そっかあ。」
 そこで「残念ね」と誤魔化してしまえば済む話なのだが。
 子供らしからぬ諦めた表情の弟を見ると、とてもそんな嘘はつけない。
「……でも、もし悟が行きたいなら。
 自分が連れて行こうか、って」
「え、ほんとう!?」
 一瞬ポカンとして、みるみる頬を上気させる弟から、村主はそっと目をそらした。問題はここからだ。
「うわあ、僕行きたい! いいでしょお母さん!」
「そうねえ。」
 話を振られて、村主沙衣子が小さく首を傾げる。
「普通ならちょっと考えるところだけれど……まあ足立さんだしね。」
 ずず、と無表情にお茶を啜るさまが小憎らしい。
「……どういう意味かしら」
「あわよくばさゆりとイチャイチャ──なんて一切頭に無くて、“単に悟のために”誘ってくれたんでしょうから」
「あ、そっか。姉ちゃん、僕お邪魔?」
「……!」
 悟でもすぐ気が付くのに、あの寿司屋の倅ときたら!
「ええっと、あの、僕はいいから二人で……」
「悟が当てたんだから、置いていくわけないでしょう。」
 きっぱりそう言い切ってから、村主は赤らんだ顔を手で覆った。にそうに恥ずかしい。
 それもこれも全部、あの残念なくらい優しい恋人のせいだ。
 娘の困惑をよそに、母はそわそわしている息子の肩をポンと叩いた。
「それならいいわ。二人とも気をつけて行ってらっしゃい。」
「やったあ! 姉ちゃんありがとう!」
「ちゃんと足立さんにもお礼を言うのよ。
 ──鈍い相手で良かったわね、悟」
「?、うん!」
 沙衣子の揶揄にも、無邪気に喜ぶ弟にも、怒る気力すら湧かず。村主はただただ無言で椅子に沈みこんだ。
 恋人への苛立ちと、少しの嬉しさを抱えながら。

     おわり

らくがきの続きwktk!

440 :
酔った勢いで悟を犯ってしまう鬼畜足立を希望してみる

441 :
801板へどうぞ

442 :
意外にも801スレはないっぽい

443 :
過疎気味だなぁ
俺も書きかけのをあげたいんだが
いまタクシーで帰宅、明日も出社だからしばらくは無理ぽ

444 :
長谷部ルーシーのエロを待ってる

445 :
作者のホームページのらくがきがちょっとエロいことになってるよー。

446 :
ちょっとってレベルじゃないw

447 :
公式が大手すぎて辛い/(^q^)\がはこにかなう気がしない/(^q^)\
以下レスお借りします。あださゆでエロ無し短編、二人の進展に気がつく人たち。

448 :

「よう足立、おはよ」
「おは──っつ!」
 河野に挨拶代わりにど突かれて、痛みに背中を丸める。
「悪ぃ、そんな強かったか?」
「違う違う。昨日、背後から自転車が突っこんできてさ」
「マジで!? 大丈夫かよ」
「うん……」
「それ、ずいぶん大きな痣になってたから。
 今日にでも病院へ行った方がいいわよ。」
 横を通り過ぎながら釘を刺す村主さんに、チラリと目礼する。
 ──昨日はありがとう。
 ──どういたしまして。
「まあ、別に骨とか折れてないし、すぐに治るだろ。」
 気を取り直して仕事に取りかかる俺を、河野が何故か胡乱げな目つきで睨んだ。
「お前らさあ……」
 半歩近づき、声を潜めて。
「……『ゆうべはおたのしみでしたね』……?」
「はあ!?」
 な、なんで!? あ、さっきの一言か!
「え、や、彼女も居合わせたから!
 普通は怪我の具合を見てもらうだろ!?」
「ほー、この薄ら寒いのに? 外で? 服をめくって肩からわき腹を?」
「……う、」
 実際、近くの薬局で湿布を買い、近くの休憩所に寄って、それはそれは丁寧に手当てをしてもらい──
 それだけでした、と平然と言い切れる図々しさは俺には無い。
「くだけちれバカップルー。
 くそーいいないいなー、彼女欲しいー」
 げっそりと倉庫に去ってゆく河野を、火照った顔で見送る。
 入れ替わるように、近藤さんがカウンター越しにふらりと近づいてきた。
「足立。」
「な、なに?」
「しくじったらす。」
「……気ヲツケマス。」
 何を、とは言わないしこちらも訊かない。
 ──とんだ計算違いだ、こんなに手の早い男だったとは。
 そう独りごちる近藤さんに全く反論できず、俺はうなだれたまま粛々と業務を再開した。
 いや、まあ……正直、自分でも割とびっくりしてます……。

     〈おわり〉

449 :
お初は済んで数ヶ月あたりを想定しました。
ではまた

450 :
二次妄想を上回る本家のイチャイチャに打ちのめされる
某スレ住人達も幾度となく味わった経験だw

451 :
作者が一番変態っていうね

452 :
温泉の興奮が覚めやらないまま需要がない気もしますが、
なんとなく作者が発展させずこのままの距離をたのしみそうなところを
ほんのちょっとだけ発展させてみました。
河野ミリエロなし。
***
「コーヒーちょうだい、ミルクいらない」
マフラーはとらずにいつもの席に座ってからヒガシーに注文する。
「あと、河野のにーちゃん、休憩時間になったら貸して…」
「…はあ、分かりました。伝えておきます」
今日はながたんが来ない。
ヒガシーによると委員会のあと用事があって帰ったらしい。
「ヒガシーは用事たのまれるような友達いないの…」
と聞いたら「家の用事だそうです!」とヒガシーに怒られた。
なんだかぼーっとしてしまう。

453 :
「よっ、ミリっち。どーした?」
あ。
河野のにーちゃんがコーヒーを二つとオムカレーを持って立っていた。
「ちょうど休憩に入るところだったからさ。東田君に頼まれた。
 俺、昼飯食う暇なかったから今ここで食っていい?」
「よいよ。でも、ながたんがいなくてつまらないからあそんで…」
河野のにーちゃんは、私に学校行けって絶対言わないから好き。
初めて会ったよ。私に自ら普通に接してくれる人。
「あはは、ミリっちは寂しがりやだなあ」
いや、そんな子ども扱いしなくても。
「オムカレー食べてる人に言われたくない…」
「それ関係あるの??」
きちんと反応しすぎ。あいかわらず答え方が生真面目だなあ…。

454 :
「まあ、この店カップルだらけで俺も寂しいっちゃあ寂しいけどな」
話題があらぬ方向に向かっている。
「河野のにーちゃん大学生で文学部なんでしょ?女の人いっぱいいるんじゃないの?」
「いやあ、俺サークル入らないでバイトしてるし、大学って授業外の交流は意外とないよ?」
大学生活。全然想像つかないや。私は大学には行けないかな。高校にすら足が向かないのだから。  
「ふーん」
「まあ、女友達くらいはいるけどさ、一応。でもみんな彼氏もち。別にそれで楽しいしいーけど」
なんか、河野のにーちゃん、気に入った人に声かけてある程度まで仲良くなって肝心なところで失敗するタイプだよね。
でどっちかっていうと女の人の恋愛相談に乗ったりしてそっちのほうで重宝されてそう。
「負け惜しみだね」
「うわあ。ミリっちに言われた。いや、自分でも分かってるからいいけどさ」
「いいんだ」
「ん?」
「私にこんなこと言われていいんだ」
「や、別にいいよ?ミリっちだし」
そっか。いいんだ。
「負け惜しみ」
「二度いうなよ!」ふふ。

455 :
「ねえ、河野のにーちゃん」
「ん?」
「それひとくちちょうだい」
「あ、ああ。いいよ。スプーンもうひとつ持ってこようか」
立とうとした手首をつかむ。
「や、このままでいい」
「でも」
「今さらだよ…だいじょうぶ」
皿に置いたままのスプーンを手にとってひとくち口にいれる。
ほんわり甘い卵の味とカレーのスパイスの香りが脳に届く。
「オムレツとカレーの味がする…」
「あはは、そりゃそうだ」
やっぱり真面目だなあ。

456 :
「ミリっち」
かちゃっと音を立ててスプーンを戻したところに声をかけられる。
「ん?」
「次の日曜、どっか行かない?」
「引きこもりにそれ聞くのかい?」
私に何にも言わないでそれ聞くんだ。河野のにーちゃんは。
「んー、やっぱだめか。じゃあ、気が向いたときで「よいよ」
「え?」
「よいよ。引きこもりに日曜は関係ないからいつでもよいよ。
どっかってどこ?」
「いや、急に馬見たくなって。ちょっと牧場で馬とにらめっこしてこようかと」
「『馬の耳に念仏』が本当かどうか試せるね…」
「あはは、そうそう」
「それで何を企んでいるの…」
「はは、ミリっちにはばれたか。いや、ちょっと初心者が馬に乗ったところを激写したいなって」
「それはおことわり…」
「まあ、それは冗談として、行くのは大丈夫?」
「見るだけなら」
「よし、決まりね。」
私ごときを相手にそんなはりきらなくても。
まあ、いいけど。

457 :
「河野のにーちゃん」
「ん?」
「私、にーちゃんのこと、好きだよ」
「ぶっ???」河野のにーちゃんがご飯粒を吹き出してフリーズした。
「汚いなあ…。や、そういう意味じゃなくて。」
言いながらキッチンペーパーを河野のにーちゃんに渡す。
「じゃ、どういう意味さ???」
どこまでも真面目だなあ。
「んー。分からないようじゃまだまだだね」
そうじゃないんだ。
そういうんじゃないんだ。
河野のにーちゃん、本当にまだまだだなあ。

458 :
こんな時間に乙w

459 :
時差あるから…。

460 :
ほしゅってどの位の頻度が良いのかな?ほしゅ

461 :
河野が意外にサラッと口説いててワロタ
NOと言わせる隙を与えないイケメントークwww
らしく無い所がまた良い

462 :
鯖の表紙のルーシーにものすごくエロスを感じる

463 :
長谷部送り狼バージョンはここのまとめで読めるな

464 :
なずなにときめいた俺はロリコンなのか!?始めてみたとき高校生だと思ってたんだが。

465 :
妃さん可愛い

466 :
なぜエロパロで言うし

467 :
TOP絵で妄想を膨らませるんだっ!
姫ちゃん可愛いよ

468 :
八千代さんと付き合ってHとかする段になったら一人じゃ不安とか言い出して結局店長交えた3Pになりそう

469 :
それで書いてみるかな

470 :
えっと、トップ絵で榊妃いきます。昼なのでエロなし。
***
「わあ、今日、姫ちゃんピンクだ。かわいい。黒猫の髪留めも似合ってるよ」
出勤早々榊がうるさい。
「ヴィトンくれ」
てっと榊に手を差し出す。
「え、な、なんで…」
使えないやつ。
「忘れたのか。11月は私の誕生日だからだ」
「だ、だめだよ、そんなの」
「そうか」
もはや「ヴィトンくれ」は単に挨拶代わりなので別にいい。

471 :
「悪い、煙草吸ってくる。姫抱いてて」
鎌倉に姫を頼んで外に出た。
「…なんでお前がついてくるんだ」
邪魔するな。
「髪留めが姫ちゃんとおそろいだ」
これは美智子が勝手にやったものだ。
「わざわざ仕事につけてきたんだね」
うるさい。
「新しい髪留めくらいだったら買ってあげるよ。姫ちゃんとおそろいで」
「あ?」冗談じゃない。こいつの趣味に任せられるか。
「今から買いに行こうか。今の時間お客さん来ないし。
鎌倉さんに姫ちゃん懐いたみたいだし」
はあ?
「店の買い出ししろって宮越さん昨日からうるさかったし、手伝ってよ。たまには仕事しないとお給料出せないよ?」
ぐ…。
「分かったから。でも姫は連れて行けばいいじゃん」
「荷物多くなるから無理だって。アクセサリー売り場に姫ちゃんいたら色々危ないし」
仕方ない。

472 :
結局榊と買い物に行くことになった。
そのままでもいいのだが一応着替える。
私服を見た途端に榊が笑い出した。
「本当におそろいだー。」
「てめえ、すぞ」
大学の後期休学届け確認書類と印鑑片手に美智子が今朝は譲らなかったんだよ。
全く人にこんな恥ずかしい思いをさせやがって。
「じゃあ行こうか」
こうしてなぜだか2人で出かけることになった。
照明や掃除用具の洗剤のストックなどの店の買い物は適当に済ませた。
安いティーン向けのアクセ売り場に向かう。
「あれ、ブランドじゃなくていいの?」
「姫にそんなものつけさせるな。教育上悪い。おもちゃで十分だ」
「でも妃さんのは」
「私はもうつけないからいらない…ここで待ってろ。私が姫のを選ぶ。金」
榊から1000円札をもぎとり売り場へ向かった。
まあこども相応のものでいいだろう。ただフリルとレースは避ける。今は美智子をこれ以上喜ばせたくない。
…これ、いいな。
大きめのシンプルなボンボンのついたヘアゴム。姫に似合いそうだ。
安いから数色買おう。

473 :
会計をすませて戻ってみると榊がいない。
あれ?と思いながら煙草を吸っていると息せき切ってやってきた。
「はい」なんだ?
「妃さんの誕生日なんでしょ?姫ちゃんのだけ買ったら本末転倒だよ」
お前よく「本末転倒」って漢字で言えたな。ほめてやろう。
「いらないって言ったじゃん。何買ったんだよ…」
って、また猫かよ。
宝石の小箱を開けるとゴールドのオープンハートの中に猫が座っているネックレスが入っていた。
「お前はあほか。こんなもの私に買ってどうするんだ」
「姫ちゃんのパパになれるなら、たかられてもいいかなっていう発想の転換?
ヘアアクセはつけなくてもこれならつけられるし?」
「お前なんかお断りだ」
第一こんな雑踏の中でする会話じゃない。
「帰るぞ。姫が待ってる」
榊が動かない。
「おい」
「今日だけそれつけて仕事してくれない?」
はあ?
「アクセサリー禁止だろ。店長の癖に何言ってるんだ」
「んー、そうか。仕方ないなあ」
「行くぞ」声をかけて再び歩き出した。
…突き返すのと売り飛ばすのだけは思いとどまってやるよ。

474 :
おぉそういやお揃いで黒猫の髪飾りつけてたな
あの母子は幸せになってほしいもんだ

475 :
「ひゃうっ!」
休日でもそこまで人通りが多いわけでもない街中で軽い悲鳴が上がる。
男が苦手な女子高校生、伊波まひるが自分の近くに男性がいることに
驚いてしまったためだ。
「もー、まひるー、何やってんの」
伊波の友人で今日街へ遊びに行こうと誘いだした北原律子が呆れたように言う。
「まあまあ、しょうがないよ、周りに被害が出なかっただけマシだし」
そしてもう一人、にこにこと微笑みながら鈴谷桃香が
地面にへたりこんでいる伊波に手を差し出して立たせてやる。
「あ、ありがと…」
伊波としては腰が抜けるかと思うほどにびっくりしたようで、
しばらく周りに男性がいないかを確認してから深呼吸で息を整える。
「そんなんじゃいつまで経っても男と付き合えないぞー」
「わ、わかってるよ…」
「そうだよー、好きな人いるんでしょー、がんばってよー」
「か、からかわないでよー」
何となく足が止まったことで、伊波がそういえば、と質問する。
「りっちゃん、今日何か買いたいものとかあるの?」
「何? 藪から棒に」
「だって、今朝急に呼び出すんだもん、びっくりしたよ」
「あー、ごめんごめん」
律子の事情として正しいのは、今日やることないなー、
暇だなーと考えていると、そういえばまひるのやつ、今日バイトないとか
言ってたし、時間あるよなー、今日はまひるをいじって…
一緒に遊ぼうかなー、と思い立って、今に至る。
(それで私はりっちゃんに便乗したわけ)
と、桃香が誰に宛てるわけでもなく、心の中で今日街に来た理由を付け加える。
「あー、喉渇かないか? ちょっと買いに行ってこようか、桃香」
「うんー、行こー」
「えっ、じゃあ私も…」

476 :
そこで友人二人の向かおうとした先のジュース屋を見ると、
多くの男性女性の入り混じった列。
口で言われるまでもなく、伊波は、待ってます、と道の端っこへと移動した。
それを見て、深く突っ込まれなくてよかった、
と律子と桃香はそそくさとジュース屋の列へと歩いて行った。
(やっぱり街は得意じゃないなぁ…)
伊波はとりあえず視点を上にして、男性が映らないようにして気分をごまかしてみた。
それでもやはり気を抜いては、迷惑をかけてしまうので、すぐに戻すのだけど。
(出てくるまでも大変だし、帰るのも一苦労だし。
 まあ、男の人があんまり通らない道順知ってるから、そこまで危険じゃないはずだけど…。
 それでも疲れちゃうなぁ…)
遊びに来ているはずなのに、こういうことになるのは自分だけじゃなく、
友達だって面倒だろうと思うと、申し訳ない気持ちになる。
こんなことだったら、バイトでも行っていた方がよかった気にもなる。
(そしたら、小鳥遊くんにも会えるし…)
ふとバイト先、ワグナリアでの同僚、小鳥遊宗太のことを思い出す。
男性恐怖症を克服するため、自分についているパートナーが彼だ。
パートナーという単語に少し頬が熱くなるが、
肝心のその小鳥遊は自分のことを飼い犬程度にしか思っていない、と伊波は感じている。
それは伊波が彼がそう言っていたということをそのまま真に受けているからなのだが。
(もっと私が勇気を出せればいいのに…)
自分のために精一杯のことをしてくれている彼に、
想い人にただ一言、好きです、と伝えられたらどれだけいいだろう。
その勇気が持てないのは、拒絶されるのが怖いからなのか、
今の関係が全てなくなってしまうのが嫌なのか、
きっと全部なんだろうな、と伊波はため息をつく。
(こんなだから、いつまでも治らないんだよね…)
と、そこで少し向こうから声がするのに気付いた。
そちらを見やると、案の定、男子学生くらいの背格好の集団が歩いてきていた。
ぼーっとしていて気づかないで、大惨事にならなくてよかった、
と伊波は一旦向かい側に移動しようとする。
しかし、幾分か慌てていたのか、道の小さな段差につまづいて、転んでしまう。
「きゃっ」

477 :
小さく声をあげたのと同時に、当然のように注目が彼女へ集まる。
男性恐怖症が高じて男が近づき次第殴るとはいえ、そんなことを知らない
人間からすれば伊波は、特に白ランを着こなすような男子高校生からすれば、
可憐な出で立ちの少女なのだ。
そんな彼女とお近づきになりたいと思ってしまうのが男の性というものだ。
けれど、そんな状況が無論伊波にとって好ましいわけもなく、
彼女自身、やってしまった、という激しい後悔に襲われていた。
(は、早く立って、大丈夫って伝えないと…)
なのに、思いの外したたかに足を打ちつけてしまったのだろうか、
足がしびれて上手く動いてくれない。
少しすれば引く類の痛みであることは自分としては明白なのだが、
そんなことは自分にしかわからないわけで。
「大丈夫ですか、伊波さん」
親切心に満ち溢れた男の人がそう声をかけてきてしまった、と
伊波はごめんなさい、と俯く。
きっとあなたの優しさを私は拳を以って粉々に打ち砕いてしまいます。
それはきっと許されないことなのはわかっています。
でもでも、それを止められたら私もこれまで苦労していないと言いますか。
もー、何て言っていいのかわかんないんですけど、許してください!
「伊波さん、俺です、小鳥遊です」
「え?」
伊波が高速で聞こえもしない陳謝をしている間に聞こえていた声は
確かに伊波がよく知っている声で、さっきまで思いを募らせていた男の子その人だった。
「た、小鳥遊くん…? なんで…?」
「友人に遊びに誘われて、そこのジュース屋に行ってて、俺はそれを待ってたんです」
「わ、私とおんなじ…」
「で、まあ、声がしたと思って見てみたら伊波さんがいたわけです」
「そ、そうなんだ…」
「立てそうですか?」
そう言いながら、小鳥遊はどこから取り出したのかマジックハンドを伊波に差し出す。
「も、持ってきてたの!?」
伊波はまさかと思うが、小鳥遊は顔色一つ変えずに答える。
「もしかしたらってこともありますしね。
 というか本当に役に立ったからよかったですよ」

478 :
マジックハンドを使って、立たせてもらう。
まだ少しじんじんするけど、平気、と伊波は微笑んでみせる。
言われても、小鳥遊は表情を崩さない。
心配してくれてるのかもと思うと、伊波の胸はちくりと痛んだ。
「ちょっと、まひる、大丈夫!?」
「っていうか、そこの人危ないですよ!」
伊波のことに気付いた律子と桃香がこちらに駆けてきながら、声を上げる。
「だ、大丈夫。小鳥遊くんは、その、友達で、割と我慢できるっていうか…」
そう言われて、伊波の友人の女子二人は本当かよ、といった驚きの目を小鳥遊に向ける。
「伊波さんの言うとおり、心配いらないですよ。
 それに最近はもうほとんど男殴ることなくなってますし」
「へー、あの伊波がねー、こうして成長した姿を見るとちょっとうれしくなるなー」
「だねー、手塩にかけたワンちゃんが芸を覚えたというか」
「気が合いますね、それには俺も同感です」
「ちょ、ちょっと何でみんなして犬扱いなの?」
そんな風にやいやいと話していると、
「小鳥遊ー、お待たせー」
「って、おい、お前何? ナンパしてんの?」
小鳥遊の友人だろう男子たちがジュースを持って近づいてきた。
さすがにこれには伊波もたじろいで律子の背中に回る。
「誰がするか、そんなこと」
一見その反論をした小鳥遊は硬派ともとれなくはないが、彼の言葉の真意としては、
誰が好き好んでこんな年増連中に自分から声かけなきゃいけないんだ、という
その言葉からだけでは類推しにくいものがあった。
「だよなー」
「小鳥遊だもんなー」
ははは、と笑っているのを、伊波が見ているのを、
さらにその伊波を律子と桃香が目ざとく見ていた。
「ねえ、りっちゃん」
「ああ」
声にあまり出せない状況だが、伊波の様子が明らかにおかしいのに気付いたのだ。
あの小鳥遊という男に対する彼女の目はとろんとしていて、
しがみつかれている律子が背中が簡単に汗ばむほど、伊波の体温が上がっている。
そのことからこれは間違いなく、伊波が言っていた好きな男が
この男子だということを指しているに違いないと判断させた。

479 :
その結果、10分後には伊波と小鳥遊はカラオケボックスの一室に二人きりで座っていた。
「えーっと、飲み物どうしましょうか?」
「えっ、あ、うん、ど、どうしよう、考えてなかった、すすぐ決めるね!」
「あんまり慌てなくてもいいですよ、時間はたっぷりあるんですし」
その時間がたっぷりあるという自らの発言に小鳥遊は息を吐きたくなった。
何故か、伊波の友人二人がここで会ったのも何かの縁だし、
いっしょにカラオケに行かない?などと言い出してきたのだ。
小鳥遊がそのことに対する考えを何か言う時間など一瞬すらなく、
自分の友人のバカ二人はいいっすよ!と軽く返事してしまった。
もちろんそうなってしまった以上、自分も伊波もその輪から抜けるのは難しい。
しかし、伊波を男のいる密室状態に放り込むなど正気の沙汰ではない。
そもそも自分が正気を保てるかが不安だった。
近頃の伊波のことを、小さいものに比べたらそれこそ遙か彼方に追いやっても
足りない程の差はあるというのは当たり前で考えるまでもないことだが、
可愛いと思っているがために。
それがあるために他の男が伊波に近寄るというのが二重の意味で恐ろしかった。
それ故に部屋の割り振りに関してはスムーズにこうなった。
伊波の友人たちもそれはわかってくれていたらしく、むしろこの部屋割りに関しては
彼女たちが提案してきてくれたのだ。
それに乗っかる形で小鳥遊は自分の望む形を手にしたはずなのだが。
(なんか、落ち着かないな…)
こうして伊波と二人でいること自体は少なくないはずなのだが、
休日にしかも密室で二人きりという状況は初なのだ。
そもそも部屋があまり広いわけでもなく、普段話す距離よりも近いような気がしていた。
「じゃあ、あの、オレンジジュースを…」
おずおずと言ってきた彼女の声に、小鳥遊ははっとして、応答する。
「わ、わかりました、じゃあ頼みますね」
「う、うん、お願いします…」
小鳥遊が注文を済ませると、何とも言えない沈黙が部屋に満ちる。
お互いにそれが嫌というわけでもないが、何かもどかしさを覚えるようなそんな沈黙だった。
その静寂を破ったのは無論、ドリンクを持ってきた従業員の声だった。
運の悪いことにそれが男だったために、小鳥遊も伊波も気が気じゃなく、
その従業員が立ち去るまで戦いに臨むような緊迫感が部屋を支配していた。

480 :
その異様な感じを察した従業員はさっさと出て行き、
今度は安堵するような息をほぼ同時に二人が吐いていた。
ちらりと見るとばちっと目が合った。
またお互いに気恥ずかしさに悶えるような空気になりそうになるが、
ここで小鳥遊が言葉を絞り出す。
「な、何か歌いましょうか、カラオケなわけですから!」
その提案に伊波も
「そ、そうだよね、カラオケなんだもんね、歌わなきゃね!」
無駄に意気込んで答えた。
とはいえ、引っ込み思案な伊波はなかなか曲を決められずに迷う。
まあ、そうなるよな、と思っていた小鳥遊は
とりあえずこれでいいかと曲を入れた。
そして、曲が始まると伊波はどこかで聞いたことあるなーと思い、
何だったかな、と考えつつも、小鳥遊くん結構歌上手だなー、とか
歌ってる小鳥遊くんもかっこいいんだなーとか聞くということを何気に堪能していた。
曲が終わると、伊波がぱちぱちと拍手で出迎える。
「小鳥遊くん、歌上手いんだね、聞き惚れちゃった」
「そ、そうですか、それはどうも」
歌を聞いてるうちに気分が高揚したのか伊波は普段よりも饒舌で楽しそうな様子だった。
「今の曲ってあれだよね、小学生くらいのころにやってたアニメの主題歌」
「ええ、よく覚えてますね、っていうか見てたんですね」
「うん、お友達と遊んだりはできなかったから、
 家で本読んでるか、テレビ見てるかくらいしかしてなくて…」
明らかにそれを言っている内に伊波のテンションが下がっているのが小鳥遊にはわかった。
というか、誰が見ても落ち込んだのがわかるくらいに露骨に悲しそうな顔と声だった。

481 :
それをフォローしようと、小鳥遊がとっさに自分がこの曲を知ったというか
覚えていた経緯を話し出す。
「お、俺がこの曲覚えてたのって、小さなころなずながですね」
「一緒に見てたの?」
「あ、いえ、ちょっと違うんです。
 あのアニメ、なずなが好きで、見せてる間はテレビに釘付けだったんですよ。
 で、その間に俺はその後ろで皿洗ったり、アイロン掛けたりしてました」
「…た、大変だね」
「ちなみに、梢姉さんも一緒に食い入るように見てました…」
「こ、梢さんらしいよね、うん…」
今度は明らかに小鳥遊の声のトーンが落ちていた。
自分から話し出したのはいいが、思い出している内に少し悲しい気持ちになってしまったようだ。
「よ、よし、じゃあ次は私が歌うね!」
この負の連鎖を断ち切ろうと、伊波が曲を入れる。
テレビで聞いた有名歌手が歌っていた応援ソング。
ただ単に自分が好きな歌だからと入れた曲だったのだが
(何かこの曲、がんばってとか元気を出してとか励ますような歌詞多いな…。
 もしかして伊波さん、俺を元気づけてくれてるのか…?
 何と言うか、今更だけどやっぱり伊波さんっていい人だな…)
小鳥遊には受けていた。
(それに、伊波さんの歌ってる姿が一生懸命な感じで、悔しいけど可愛いし…
 すごく上手いわけじゃないけど、声が何か好きかも…)
それもかなり。
「お、おそまつさまでした…」
歌い終わった後に恥ずかしそうにする伊波に、よかったですよと小鳥遊は言ってやった。
顔をまっすぐ見て言うのはさすがにできなかったが。
それでも伊波にしてみれば、小鳥遊に褒められたことがよほどうれしかったのか、
満足したようにえへへ、と笑みをこぼしていた。

482 :
それ以降は、お互いにおしゃべりを交えながら、カラオケを楽しんでいた。
そして、残り15分くらいに差し掛かったほどで、入れていた曲が全て終わった。
「結構歌いましたね」
「2人だとペース早いよね」
「ですね」
「最初はどうなっちゃうかと思ったけど、楽しかった。
 小鳥遊くんとカラオケなんて何ていうか夢みたいっていうか…」
「え?」
その言葉は伊波からすれば単純に素直な気持ちがそのままこぼれただけだけで、
しかも意識が緩んでいたのか本人も言ってからも自覚していない。
が、それは小鳥遊を揺さぶるのには十分すぎた。
(伊波さん、今夢みたいって言ったよな?
 俺とカラオケできて夢みたいってそれって…)
体温が急激に上がっている気がした。
だけど、今回は伊波は普通にしている。
普通にしても頬は少し赤くしているけれど、体温が熱くなっている様子はない。
(ということは体温が上がっているのは俺!?
 な、何だ、俺は。伊波さんを意識してるのか?
 っていうか意識してるって何だ? どんな風に!?)
「小鳥遊くん…どうかした?」
様子がおかしいので、伊波が心配して顔を覗きこんでくる。
そのせいでまともに伊波の顔が映り込んでしまい、更に心臓が早鐘を打ち始めるが、
それでも、冷静になれ、落ち着けと言い聞かせて、大丈夫ですよ、と笑ってみせる。
「そう? ならいいんだけど…」
「ええ、全然問題ないです!
 二人っきりでカラオケとかデートみたいとか全然普通ですから!」
「で、でーと!?」
しかし一切冷静さを取り戻せはしなかった結果、
余計な混乱を伊波に伝染させてしまった。

483 :
「ま、待ってください、今のは言葉の綾というか」
しまったと思って、必に取り繕おうと小鳥遊が言葉を探すが
「わた、私と小鳥遊くんがカラオケで歌ってデートでそれってつまり…?」
伊波ももはやオーバーフローを起こしてしまって、どうしようもなかった。
「でもそれは小鳥遊くんの粋な言葉の綾でありまして…
 要するに冗談みたいなあれで…ってこと…?」
不意に伊波の声が弱くなる。
別にそんなことは言っていないのに、そんな風に思ってしまった。
でも、小鳥遊くんだって私の望むようなことを思ってなんかないよね、と思うと、
ごめんね、取り乱しちゃって、と苦笑いを小鳥遊に向けていた。
それを見せられた小鳥遊は何か考えるより先に口が勝手に動いていた。
「楽しかったです」
「え?」
「俺は、伊波さんと一緒にカラオケできて楽しかったです。
 それこそゆ、夢みたいな時間だったっていうか…」
「た、小鳥遊くん…」
そんなことを言ってもらえるなんて思っていなかった伊波はただただ驚いていた。
もしかしてこれは全部自分が見ている夢で、
目を覚ましてベッドの上に自分ひとりでいるんじゃないかと。
だけど、これは現実で。
こんなに素敵な、さっきまでも素敵だったのに、それを肯定してくれる
彼が好きで好きでたまらなくて、涙があふれてこぼれそうだった。
「その、と、とにかく、俺は伊波さんといられて…ん?」
小鳥遊がさらなる決定打となる言葉を言いそうになったその時。
ドアの部分からガツンという音がした。
何だ?とそちらを見やると、伊波と小鳥遊の友人らが聞き耳を立てている姿がそこにはあった。
そして、数瞬の後、伊波は絶叫し、小鳥遊は激怒することになるのだった。

484 :
帰り道。
散々からかわれた結果、小鳥遊は伊波を送っていくことになった。
マジックハンドで手をつないで歩く。
奇妙な距離感で、やはり取り除けないもどかしくて恥ずかしいような沈黙。
「すいませんでした、何か今日はおかしかったです」
「う、ううん、そんなことない、気にしないで」
交わす言葉もぎこちなくて、本当に言いたいことは飲み込んでばかり。
それでもお互いに隣にいる人と歩く帰り道、手を放そうとは考えなかった。
少なくとも少女はずっとこの時間が続くのも悪くないかも、と思って、微笑んでいた。




485 :
以上です。
仕事に追われ続ける日々に光明を見出すために書いてみました、たかいな最高!!
ちょっと連続投稿で規制されたり、再起動してくださいとかなって焦りました。
正直一発書きしたものをそのまま貼っただけで推敲とかしてませんので、
クオリティはそんなに高くありません。そこに関しては申し訳なく思います。
というか、ここに顔を出すのはむちゃ久しぶりです。
覚えている人いるのかしら。失踪気味ですいませんでした。
というか覚えている人がいなくてもいい! 少しでもニヤニヤしてもらえればそれで!

486 :
素晴らしいSS乙です〜
本編並みの甘酸っぱい展開は大好物です!

487 :
乙!ニヤニヤした!

488 :
猫組、たかいなのこのビッグウェーブに乗るしかないですよね!
なので、さとやちで御題ください!1↓

489 :
おお、あなたが神か
カラオケってどうでしょうか

490 :
>>489
ありがとうございます。さっそく行ってきます

491 :
ただいま。
投下するけど二つ注意ですよ
・イチャイチャしてないよ(どうしてこうなった)
・オナニー臭がひどいよ(自己満足的な意味で)
それでもよければどうぞ

492 :

「さぁ次は佐藤君の番よ。すごく楽しみだわ」
「あんまり期待はしないでくれ」
 防音が効いているのかどうか微妙な、よくあるカラオケチェーン店の室内で二人きり。
 八千代が歌い終わり、続いて目前のマイクの電源をオンにしてのやりとり。
 まったく苦手かと思いきや率先して歌い、英語の曲を歌うのは意外だった。
 どうして俺達がカラオケに来ているのか。それにはちょっとした御膳立てもとい、御節介があったからだ。

 今日の昼過ぎ、バイト先。いくら客の来ないファミレスと言われていようが休日には自由な時間での食事を楽しもうとするのだろう、それなりに繁盛はする。
 本日も御多分に漏れず忙しいわけだが、もう一人のキッチン担当は会話を楽しみたいようで頻繁に話を振ってくる。
「佐藤君、知ってる? 今ね、小鳥遊君と伊波さんが二人っきりでカラオケデートしているんだって。興味ない?」
「口を動かす前に手を動かせ。それと何でお前が非番の小鳥遊と伊波の行動を知っているんだ気持ち悪い」
「気持ち悪いってひどいなぁ。佐藤君は轟さんとカラオケデートしてみたいと思わないの?」
「は? 話が繋がってねえだろ」
「いいからいいから、今日は轟さんと同じ夕方上がりでしょ。そのまま轟さんと一緒にカラオケ行ってきてね」
「何言って……」
「はいこれ、地図ね。予約は取ってあるし轟さんに話はしてあるから」
「おい、待て相馬!」
 食えない飄々とした笑顔で必要な事だけ伝え置いていくと、フロアの方へフラフラと消えていく。
 オーダー分は出来上がっているところを見ると、伊波がいないのを良い事に種島や山田をからかいに行ったのだろう。
 そしてキッチンにはカラオケ店への地図を持たされた俺一人。
 この後のシフトが上がってから店に着くまでの車内での八千代との応酬は想像に難くないだろう。
 やれ友達とはカラオケに行くものだと相馬に教えられただの、まひるちゃんは小鳥遊君とのカラオケを楽しめているかしらだの。
 杏子さんが高校生の時には私と杏子さん、陽平さんと美月さん、それともう一人の男の人とで何回か行った事があるのよ。杏子さんは滅多に歌わなかったけど。
 結局、カラオケ店の御飯は冷凍だし高いしで、いつの間にか行かなくなっちゃったわ。
 そう話してくれた横顔は、良き思い出を振り返る懐かしさを物語っていた。

493 :

 予約の旨を受付に言い、通されたのはごく普通の部屋。ディスプレイがありそのラックには本体と思われる機械が数個、重なるように収納されている。
 大学の友人と来ると人数が多くなって大部屋に通されるから狭く感じるがこれはこれで悪くはない。
「最近のカラオケってすごいわね……佐藤君これは何かしら?」
 入室するなり数年来のカラオケの進化ぶりに目を見張っていた八千代はある物を見つけて尋ねてきた。
「それはタッチパネル……フロアのハンディターミナルみたいなものだ。いちいち本を調べて番号を入力しなくてもこれで検索すれば簡単に入力できる」
「…………爆発しない?」
「しねえよ」
「襲ってこない?」
「そこまで科学は進歩してねーよ」
 いつだったかにもした会話は緊張を解きほぐしていたようで、先に歌おうかと考えていた俺をよそに八千代はぎこちない手つきでパネルを操作していく。
 あれだけレジ操作やターミナルに苦戦していたのが嘘のようだ。これは携帯電話を使い始めた事にも関係あるのかもしれないな。
「出来たわ。送信、でいいのかしら?」
 ピピッと入力するとディスプレイが宣伝から受付完了画面に切り替わり、タイトルと歌手が表示された。
 時代劇の主題歌辺りが無難だと煙草を吸いながらぼんやりしていた俺は度肝を抜かれる。
「お前……本当にこれを歌うのか……?」
「え、え? おかしいかしら?」
「いやだってこれ、英語だし……この歌手、かなり難しいんじゃないか?」
「私あまりカラオケで歌うようなの知らないから……これなら美月さんに聴かせてもらった事があるから多分……」
 歌えると思う、と続けた八千代の選んだ曲は北欧の歌姫の物だった。
 ……頭が混乱してどうにかなりそうだ。
 ただでさえ英語とは無縁の人間なのにそれに加えて、歌のリハーサルを嫌いそれをセックスの前にリハーサルなんてしないと同義で考える歌手の歌を歌うなんて。
 俺は実は八千代に騙されていて本当は、えぇー八千代ちゃん分かんなーいとか言うようなタイプなのかもしれん。
 
 イントロの電子音とドラムに続いて八千代の声が入って来た時、その馬鹿げた妄想も吹っ飛んでしまう事になるわけだが。

494 :

「……おかしくなかった?」
「あ、あぁ。すごく上手かった」
「本当に? 初めてだったから何とか真似して歌ってみたけど、上手に出来て良かったわ」
 初めてでこれかよ。上手いってレベルではないな。
 しかし冷静に考えてみれば英語で歌い方の難しい曲とは言っても、これで器用な部分もあるからな。それが上手く作用したのか?
「さぁ次は佐藤君の番よ。すごく楽しみだわ」
「あんまり期待はしないでくれ」
 急かされてパネルを操作して見つけたのは……これにしよう。
 期待に応えるべく英語曲には英語曲を。
「佐藤君も英語の曲なの?」
「お前に対抗してみたくなったんだよ」
「ふふ、歌詞は分からないけど頑張って聴くわ」
 既のところで一本線のようなストリングスイントロが始まり、ほぼ同時にあぁ頼むと耳に届くか微妙なボリュームで返事をする。
 聞こえていなくてもいい。大切なのはこれを歌う事だ。
 理解されない曲を歌うなんて馬鹿かもしれない。
 ましてやこの曲は好きな人と二人きりの状況で歌うようなのものではなく、どちらかと言えば酒が入った状態で友人達と歌うと盛り上がるような曲だ。
 解釈は人それぞれだが甘ったるいラブソングでもない。
 曲はやがてうねるようなシンセサイザーが主導権を握っていき否が応にも高揚を感じさせられる。
 思えばこの曲を歌っている時は必ず八千代の顔が浮かんでいた。
 名前を呼ぶようになった時、飲みに行った時、進展とも後退とも停滞とも判断のつかない出来事があった時。
 好きだと言った瞬間を、抱き締めた瞬間を。絶対に忘れはしない、絶対に後悔しない。
 咄嗟にいった謝罪はもう言いたくない。言わなくても良い関係になりたいんだ。
 
 もうそろそろ、限界ぎりぎりなんだ。
 


495 :

以上です。やっぱり御題があると書きやすいですね。
ですが今回はあまりにもひどいので補足を書かせてください…

八千代の歌ったのは It's in our hands/bjork
カラオケがまず無理じゃねとかそこもあるのですが更に超補正というか超理論というかw美月もbjorkは聴かないでしょう。
やちの中の人が芸達者なのでこれくらいは出来るんじゃないかみたいな願望? 八千代ちゃん分かんなーいも中の人ネタですねw
歌詞は幸せは身近にあるという青い鳥のような歌詞です。それをやちが歌うのは皮肉というか面白いというか。
佐藤の歌ったのは Closer to the edge/30 seconds to mars
これは歌いそうかなと。歌詞は決意のような感じなんですかね。
さとやちのようでそうでない、ちょっと佐藤よりの歌詞だと思います。

補足があっても伝わらないオナニー臭全開ですみませんでした精進します。
最後に、 了の人 ◆6KaVOxqPLs 氏の設定をパクって申し訳ないですこれこそ本当にすみませんでした。
それでは!

496 :
保管庫更新するか新しく作るかしてくれないか?

497 :
>>495
乙!ニヤニヤできたぞ

498 :
>>495
お題の人乙。短時間で書いてお題があるほうが書きやすいとかすごいw
音楽ネタも好きだよ

499 :
>>495
GJ!!
久々のお題SSにニヤニヤしました
30 second to marsってwww
若干の中二臭はさとーさんと通じてるかも
あっ、ディスってるわけじゃないですよ
大好きですし

500 :
六スレ目のログ持っている人いたらくれさい

501 :
さとやちで今日も妄想

502 :
なんかアニメ二期始まってから、さとやちえろ妄想しやすくなった気がする
何故だ

503 :
さとやちエロ大好物、ひがみや・あだむらもどんと恋なんだが
たかいなエロだけは想像できん
あの二人は初々しくて可愛らしい

504 :
松本さんが桐生にほだされて付き合ったら
バカだけど松本さんの望む普通()をきっちりやるやつで
何回かデートとかするけど後日友人に
そんだけデートやっててまだしてないの?
普通そろそろやらないと男の子もかわいそうじゃない?
とか言われて焦るSSが見たいと思ったので今週末ぐらいに投下します。

505 :
本家更新からこれで宮がホテル女に進化するのかと思ったら
いろいろ滾った

506 :
えろ無しのさとやちが至高だろ

507 :
>>504
期待しています
かたなし・佐藤・足立は相手を思いやって丁寧な付き合い方しそうだけど
本能に圧されてしまいそうなゆたしほのエロもちょっと気になる
ひがみやは公式が最大手すぎて妄想する気になれぬ

508 :
エロもいいけどエロにたどり着く寸前のやきもき感もいい
さとやちは何やってても萌える

509 :
そうだねー
行為そのものよりもそこにたどり着く過程というか
ギリギリのとこまでいって結局やめちゃうヘタレ佐藤も又良し

510 :
今日中に全部書き上がるか微妙な感じになってきた&やたらとながくなってきたので、
今週は出来た導入部の部分を投下する事にします。また、一度で投下しない上長いのでコテつけます。
書きたいシーンがとびとびなので場面転換多いです。すみません。

511 :
とある日のファミリーレストラン"ワグナリア"の、スタッフ通勤用の裏口。
メガネにくるりと巻いたくせ毛で、赤い鼈甲フレームのメガネをかけた少女が箒を使い周辺を掃いている。
そこに、白い学ランにハートマークにも見える双葉の校章をつけた少年がてこてこと歩いて来る。
少女は「またか」と内心いらつきながらも、彼が近寄るのを牽制することなく佇んだ。
「松本さん!やっぱりこっちにいたか!」
「変人に呼ばれる筋合いはないんだけど」
「変人?……そうか、そう言えば自己紹介はしていなかったな!ならば不審に思うのも仕方あるまい。俺は山田桐生だ!」
「別に名前を尋ねたわけじゃないわよ。 一応知ってるわ。山田さんのお兄さんでしょ?しかも兄妹揃って偽名らしいじゃない」
「まぁまぁ。そう名前の一つ二つでカリカリしていると寿命が縮んでしまうぞ」
はっはっは と、桐生は笑う。そういうやたらと"普通"からずれた部分こそを、松本が自分を嫌っている部分だと気づいていないようだ。
しかし、普段ならもうちょっと続く笑いは、すぐに彼の表情から消える。
桐生は松本の目に自分の視線をしっかりあわせ、普段の声のトーンよりは少し緊張したような声で本題を切りだす。
「松本さん、俺と付き合ってはくれまいか?」
「……は?」
「実は先日"この店の女子は大体かわいいな、恋する姿も可愛いし通える口実が出来て良かったな"という事を考えたのだが」
「…………はぁ」
「どうしても松本さんに関しては、他の人に恋する姿を想像すると可愛さよりも嫉妬が上回ってな。自分から告白することにした」
「あんた頭沸いてるんじゃないの?そんな普通じゃない告白受けるわけがないでしょ」
松本麻耶は、普通を大事にする少女だ。彼女にとって"普通でないこと"の集大成のような山田兄妹は天敵にあたる。
「……では、松本さんにとって普通の告白というのはどういうものだ?」
「どういうって…………そりゃ、普通にラブレターとか……ロマンチックな雰囲気とか……って、聞いてどうするのよ」
「無論実行する! というわけでラブレターを書いてくる!」
「えぇっ?!」
「さらばだ!また後日!」
だだだだだー と、緊張感のない擬音を伴いながら桐生は松本のいぶかしげな表情に一切構うことなく走り去って行った。
「……なんなの?アレ」

512 :
____
それから一週間後、ぐったりとしている松本が夕方の職場にやってきた。
「こんにちは……」
「ま、松本さん?大丈夫?なんだかお疲れに見えるよ?!」
「ああ、種島さん……ここ最近ずっとあの変人に告白されつづけて断るのにつかれてきちゃって……」
「で、でも昨日とは顔色が明らかに違うよ?!体調悪いなら無理しないで!」
この店で最も小さい少女種島の言うとおり、松本の顔色は冴えなかった。
しかも、昨日までの松本は桐生の告白も受け流せていた。
今日になって唐突にそれを嫌がって顔色まで悪くしているとは誰にも思えなかった。
その様子を見ていた店長も、松本のそばにやってくる。
「松本、無理せず帰れ。今日は小鳥遊妹が来ると言ってるし、平日だからそこまで人手もいらん」
「で、でも、急に休むなんてそんな普通じゃない事……」
「無理して倒れるほうが店も困るし普通じゃない」
「う……わ、わかりました。今日は失礼します」
頭を下げて、店から出る松本を種島が見送る。
「松本さん、気をつけて帰ってね!」
「店長も、種島さんもありがとう……次来るまでには、なんとかします」
「うむ」
二人を見送りを背に受けながら、松本は罪悪感を感じていた。
本当に、風邪や食あたりで体調が悪いわけではないからだ。
彼女の顔色が悪いのは、カバンに入れっぱなしだったラブレターを友人に見られたせいだ。
この一週間の間に、何度も桐生から告白を受け、その際に受け取った手紙等から相手の素性も見えてきた。
名門大学付属高校の空手部主将。その肩書があろうがなかろうが松本にとっては桐生は普通の生活から離れた変人だ。
しかし、それを理由に付き合うべきだと、友人たちは松本の崇拝する「普通」という観念をもってぐいぐいと後押ししてきた。

513 :
彼女の耳に、その時の会話が通り過ぎて行く。
  「麻耶、多少へんなとこがあったって付き合うのが普通だって!」
 「強くてカッコイイ彼氏とかみんな欲しがるもんじゃん。付き合っちゃいなよ」
   「学校もちょっと遠いけどいいとこだし、どんなにブサイクでもあそこに通ってるって理由で付き合ってる子もいるしさー」
松本は一瞬立ち止まったが、またふらふらと歩き出して、つぶやく。
「……付き合うって、そんなことじゃないよね……でも、普通か……」
彼女の恋愛に対する"普通"という感覚は、少し古くて夢見がちなものだった。一昔前の少女漫画のような感覚に近いだろう。
だからこそ、友人たちの提示する「所有物としての良さ」に納得がいかないのだ。
しかし、友人たちと違う価値観を押し通して普通でなくなるのも、彼女の自己を蝕んでしまう。
そんな板挟みにされた思考を巡らせながら歩いていると、 ぼすっ  と、正面から誰かとぶつかってしまった。
「あっ……す、すみません」
「すみませんじゃねーよ!」
おそらく、不注意でなくとも絡まれざるを得ないだろう、道を3人で横に広がり占拠するような配置のチンピラ達が、松本につめよる。
普段ならそこを指摘できる気の強さを持っている筈だが、松本は先ほどまでの思考と今の状況のギャップについていけない。
「おねーさん優等生っぽいねー?でも女があやまるならもっとセクシーにあやまろうぜ」
「えっ? えっ?」
「結構スタイルいいよね?このぐらいなら普通にあそんでるんじゃない?俺達と遊んでお詫びってことにしようぜ?な?」
チンピラは松本を値踏みするように見て笑ったがすぐに松本の良く知る顔が割って入った。
「こらこら君たち、道の真ん中で固まるとは非常識だぞ。通してくれたまえ……って松本さん!今日はバイトじゃなかったのか?!」
「え……か、顔色悪いから帰れって……」
「なんだてめぇ、俺達この子にぶつかられたんだよ。入ってくるんじゃねーよ」
「俺は君たちの後方を先ほどから歩いていたんだが……道をあける気の全くない奴らがぶつかられたと言っても納得しかねるな」
「あ?」
奴らのガンつけなど全く意に介さない桐生は、松本に手を差し伸べる。
「確かに顔色が優れないようだな。またどこかでぶつかっても困るだろうし、俺も葵を迎えに行くので家まではいけないが、途中まで送るよ」
「うん……」
桐生は取り囲む不良をぐいっと押のけて松本を引き出す。
チンピラ達は、見た目よりも強い力で押しのけられたことでひるんだのか、追ってこずにぽかんと彼らを見送った。

514 :

「電車に乗るなら、駅までになるが大丈夫か?」
「……平気よ。……ああいうの、怖くないの?」
「ああ、一応空手やってるからな!それに、あいつらは押した時鍛えてる感触じゃなかったからもし喧嘩になっても勝ったと思う」
「そう。  まぁ、ありがと。…………恋人でもないのに、手を繋いでるっていうのは、普通じゃないわよね?」
桐生は松本を助け出した時のまま、彼女の手を引いていた。
「……好きになってやれるかは……わかんないけど……付き合ってもいいわ。そのほうが、ふ、普通だし」
桐生の顔がぱぁっと明るくなる。松本も、まだ桐生に対して心境が整理されたわけではない。
ただ、彼女の思う普通の恋愛の要件を、桐生が今の事でやってのけてしまっただけだ。
ピンチを助けてくれる人には好意を抱くべきだし、それが何度も思いを伝えてくれる相手なら"普通は"ほだされる。
ここで付き合うと伝えるのは多分普通の事だ。相手が変人だろうと、近い状況における普通を優先するのが、普通のはず。
それでも、さっきまではただ青いだけだった松本の頬は、少しだけ赤くなっていた。

先ほどの場所から最も近い駅に到着する。
桐生と松本はそこで携帯電話の番号とメールアドレスを交換して、電車が来るのを待った。
「松本さん、松本さんを名前で呼んでもいいか?」
「いいけど……私の名前教えたっけ」
「赤外線通信で電話帳に登録したからな!ちゃんと入ってる」
「あ、そっか。私のにもフルネームで登録されてるわね   ……えっと…」
そんな話をしていると、アナウンスとともに松本の乗る予定の電車がホームにやってきた。
電車にのりこむ松本に、桐生が声をかける。
「じゃあ、気をつけて帰るんだぞ ま…… 麻耶」
流石に照れくさいのか、少し顔をうつむけて赤くなる桐生。
麻耶も、名前を呼ばれた事に照れてしまい、ろくな返事が出来ないままドアがしまった。
____
その晩、ちょっと早まったかもしれないと思った麻耶のもとに桐生からメールが届いた。
『初めてのメールになるな。無事に帰りつけていると思うが、まだ無茶はしないように。
 それと麻耶の調子が良くなってきたらどこかへ一緒に出かけてみたいと思うのだが、希望の場所はあるか?』
「……やっぱり、付き合いだした……のよねぇ」
あまり実感がわかないんだけど、と思いながら麻耶もメールの返事を打つ。
その後、何回かのやりとりで明確な目標はないが、来週の日曜日に街にいこうということになった。
『じゃあ、そろそろ寝るわ。おやすみ』
『おやすみ。明日には良くなってるといいな』
「……調子悪かったの、覚えてるのね」
調子が崩れたのも桐生が発端と言えば発端なのだが、
それでも優しさに弱い麻耶は、少しだけ桐生との付き合いに身を入れてみようと思った。

515 :
____
2日後、麻耶はワグナリアにそこそこ良い調子で出勤できた。
この間も桐生からのメールは折に触れるごとに送られてきており、
人によっては若干ウザいと感じるだけのメールが麻耶の携帯に残されている。
勿論、人からのメールを無視するなどという普通でない行動がさくっとできるわけではないので麻耶もそれに律儀に返信していた。
「松本さん、体調はもういいの?」
少し心配そうに、種島が松本の顔を覗き込む。
「もう、平気よ。心配させちゃってごめんなさいね」
「ならいいんだけど……今日も桐生くん来るみたいだし、もしほんとに桐生くんが原因ならどうしようって思ってて」
「……それも、もう平気よ。あんまり公言したくないけど……」
「二人は付き合い始めたそうですよ」
「「きゃああぁ?!」」
屋根裏から、桐生の妹の葵がべろんっと出現して言う。そして腰を抜かした松本と種島の近くに、降り立ち話を続ける。
「松本さん、山田のお姉ちゃんになってくれるのは非常に嬉しいですが、流石に考え直した方がいいと思います」
「……まだ山田さんのお姉さんになるわけじゃ……」
「山田、(元)おねえちゃん候補に道を踏み外してもらいたくはありません。種島さんもそう思いませんか?」
「えっと……えっ?!桐生くんと?!」
山田登場の衝撃で状況把握の遅れていた種島がやっと反応する。
そして、少々微妙な空気が流れる。
「…………私も、最初断ってたし二人の言いたいことは判るわ。でも、付き合うって決めた時とか、その後のメールとか……や、優しいのよ?一応」
「松本さん……そっか、なら、私は見守る事にするよ。桐生くんは変な人だけど、悪い人でもないしね」
「ありがとう種島さん。変な奴なのは、このさい仕方ないと思う事にするわ」
「松本さん……もしあいつに愛想つかしても、山田の事は妹と思って下さいね?」
「いや、後半は無いわ」
「何故ですか?!山田なのに!?」
わいわいやっていたが、来店のチャイムが鳴る。松本が真っ先に、逃げ出す為でもあるのかその場を離れ接客に当たった。

516 :

それから数日は、女性陣の話は松本の恋の話が中心になってしまった。
基本的に「相手がアレなのはちょっと残念だけど良かったね松本さん」という空気になるので、松本はあまり話に乗り気ではなかったが。
「私の方も、のろける材料とか特にないしね。毎日ちょっとしたことでも話してくれたりするぐらいで」
「毎日ですか?いいなぁ……」
「あれ?伊波さんは小鳥遊君とメールしたりしないの?」
「す、するけど、いつも何話していいのか判んなくって。動物の写真が取れるとちょっとだけ話し易いんですけれど」
「そう。そういえば彼そんな趣味だったわね…………私も、女の子の写真撮れば話し易くなるのかしら」
「……それはしない方がいいと思います」
「そうね、一瞬思考が迷子になってたわ」
桐生から麻耶に対しては日々のメールが多いのだが、麻耶は桐生に話したい事が余り思い浮かばない。
大半のメールの開始点は桐生で、終点は麻耶だった。
「伊波さんはメールの内容に困らなさそうね」
松本は話を伊波の側に逸らす。
「その、そうでもなくて……何話したらいいのかな、とか、こんなことでメール送っていいのかな、とか」
もじもじと赤くなりながら話す伊波を見ると、松本はまだ自分が桐生との付き合いにどっぷりとハマっていないのだなと感じる。
恋と「付き合う」の差を感じながらも、松本は伊波が照れながら話すのをほほえましいとおもいながら相槌を打っていた。
____

伊波と話した翌日、付き合う事にした晩に決めたデートの日がやってきた。
麻耶は待ち合わせの時間5分前に待ち合わせていた公園に到着し、桐生を待つ。
「この服、大丈夫かしら」
麻耶は、もこもこのファーがついたコート、中は小さい花柄をちりばめたワンピースに色タイツという組み合わせで来ていた。
デートに対して気合を入れるのが普通だろう、と、相手がそれを行うかどうか不明な変人かどうかはさておいて彼女なりに気合を入れたらしい。
時刻丁度に桐生が麻耶の所に駆け寄ってきた。
桐生も普段見る白い学ランではなく、柄物のシャツのうえにニットジャケットをはおり、ブーツカットのジーンズを履いていると言う
普通に街を歩ける恰好をしており、麻耶がいつも桐生に対して抱いていた変人のイメージはかなりカットされていた。
「麻耶ーーーー!!おはよう!」
「人前で名前叫ばないでくれる?変人だと思われるでしょ」
言動はいつも通りだった。

517 :
「はっはっは、すまんすまん。またせてしまったかね?」
「待ってないけど……普通はそれ逆じゃない?」
「うむ、少々駅で時間をとられてな……そうだ!」
そういうと、桐生はベンチに麻耶を座らせ、その横に備え付けてある自動販売機で温かい缶ココアを購入した。
「寒いし、麻耶の手もひえてしまったことだろう。ココアでも飲みたまえ」
「そうね、ありがと」
手渡されたココアで暖をとりながら、麻耶はふとある事を考えた。
そう言えば、これまで偽名の「山田」や「アンタ」とかの少し投げやりな2人称でしか桐生を呼んだ事が無い。
対して、桐生は自分の事をずっと名前で呼んでいる。この状態は、ちょっとおかしくないだろうか。
麻耶はそれを考えながら、缶を開ける。温かくて甘いココアを口に含みながら、なんと桐生を呼べばいいのか迷う。
それでも、缶の半分ほどをのみくだしたココアとともに決心して、桐生を呼ぶ。
「き……桐生…く」
「なんだ?」
「あ……呼び捨てでいいのね。君付けにするかどうかでちょっと悩んでたんだけど」
「はっはっは、なかなかカワイイ悩み事をするのだな!」
「なっ、なによ!アンタのことで悩んだのにそんな余裕ださないでよ!恥ずかしいでしょ!」
顔を赤くして叫び気味に言う麻耶の姿を見て、桐生はより嬉しそうに笑う。
「いやいや、すまなかった。迷ってもらったとこすまないが、俺は呼び捨ての方が距離が近くて嬉しいぞ」
「じゃあ、呼び捨てにするからねっ!」
そういって、麻耶は恥ずかしさとともに残ったココアを飲み干す。
缶を両手でくっと握っていたが、桐生が飲み終わった缶を捨てると言ってそれをとりあげた。
カランカランと、金属音が連続してなったあと、麻耶は再び会話を試みる。
「そういえば、アンタ名前呼び始めてからずっと呼び捨てよね?距離が近くて良いって言ったけど縮め過ぎとは思わなかったの?」
「うーん……麻耶に対しては、付き合いたいと思った時に名前で呼び合うのって良いなと思ったから、自分から呼ぶ事にした」
「……そ、そう。そう言えば、一番最初はきりお……も、照れてたわよね」
「うむ……今でも、やはり照れるぞ」
そこまで言って、会話が続かなくなる。二人とも頬が赤い。
互いに、互いがどんな顔をしているのか見るのも気恥ずかしいらしく、うつむいたり目を背けたりしている。
「その……どこか……寄ろうか。ずっと公園にいるのも、冷えるだろう」
そういって、桐生は麻耶に手を差し伸べる。麻耶は、顔をさっきより深くうつむけて、手を取った。
「……そうね。立たせっぱなしも悪いし。ショッピングモール近いし、ちょっと見に行きましょう」
二人して公園を出ると、麻耶の位置が道路側になっていた。桐生は「失礼」と一言かけて、自分と麻耶の位置を変える。
対抗になる歩道で歩くカップルは、あまりそんな事を気にしてはいないし、麻耶も街を歩いて男女の位置を気にしている風の歩き方はあまり見ない。
それを思うと、麻耶の中の熱はまた少し高くなった。

518 :
モールにつくと、休日なせいもあってか、人がかなり多く居た。
桐生が手を普段握っている時よりも少し強く握っているためはぐれる心配はないが、まだ手を握りかえすことは麻耶には出来なかった。
麻耶のみたい店は2階の少し奥まった場所に出店している。それを聞いた桐生は、店内の地図を頼りに麻耶の少し先を歩いて連れて行った。
「麻耶、ここ誰かが飲み物こぼしてて危ないから避けるぞ」
「え、そ、そうなの?みえないんだけど」
「俺の後について来れば大体大丈夫!ただ、広がった分はどうしようもないから、ちょっと足元に注意してくれ」
「わかったわ」
二人とも、特に転んだりせずその場を抜けて店へ向かう。
麻耶の普段から来る洋服屋だが、季節の変わり目ということもあってか新商品も入荷されていた。
「これかわいいわね」
「麻耶ー」
「人前で名前単品で呼ぶのやめてくれない?」
「つれないなぁ 所でこの服などどうかね?麻耶と今来ているコートにぴったりだと思うのだが」
桐生の持ってきた服を試着すると、確かに言われた通りコートと麻耶に合っていた。
「よくこんなのすぐに判ったわね」
「妹の私服も見るし、街中で可愛い女子と服の組み合わせを見るのも好きだからな!」
「(でも彼女の前でこういう事を言うのは微妙だわ……)」
その日のデートは、桐生の些細な立ち振る舞いを含め、麻耶にとってはとても楽しい物だった。
麻耶の考える「普通の恋人」を、桐生が多少古臭い言動を除けばほぼ行ってしまっていたというのもあるだろう。
一つの物を分け合ったり、同じものに夢中になったり。友人でも出来る事ではあるのだが、互いに少し照れて距離を詰め切れないでいる。
麻耶は、桐生が好きかと言われるとまだ答えに詰まるが、一緒にいてきゅっと心が掴まれる瞬間があるのは確かだと感じていた。
そして夕刻。今度は、桐生を麻耶が駅から見送る。
「……今日は、楽しかったわ。結構引っ張り回しちゃった気がするけど、嫌じゃなかった?」
「俺もかわいい麻耶を沢山見れて充分楽しかったぞ」
「なっ……いきなり可愛いとか言わないでよ」
「いやー、前から可愛いのは気付いてたが近くにいるというのはいいものだな!」
「馬鹿じゃない?!人もそこそこいるとこで馬鹿じゃないの?!」
赤くなる麻耶に対して、桐生はまた嬉しそうに笑う。朝とほぼ同じ構図だ。
「じゃあ、明日には次行くとこを決めておくからな」
「はいはい  って、次?!」
「うむ、今日は満ち足りて次を考え切れるか判らないから、明日考える。 おっと、もう電車が来るな」
アナウンスと到着のベルが駅構内に流れる。やたら大きく手を振る桐生に、麻耶も赤く憮然とした顔で小さく手を振る。
ドアがしまったあと、手を下ろした桐生と麻耶の目がしっかりと合ってしまい、互いに少し恥ずかしそうなかおをした。
電車が発車すると、麻耶は足早に家に帰る。あまり多くの人に、桐生によって動かされた感情を読まれたくなかった。

―――その晩のメールは、いつもよりも長く続いた。
その中で、今回の食事がファーストフード店で持ちかえりにした事に対しての反省が出たため、
次はちゃんと一緒に席について食べようと言う事になった。
『じゃあ、また明日ね。おやすみ』
一通り予定が決まった後、今日のメールの締めくくりになる挨拶を送信する。
結局、すぐに次の予定が決まってしまったが、麻耶はそれを悪い事だとは思わず、むしろ楽しそうに目を細め、幸せそうに眠りに就いた。

519 :
今週はここまでです。
来週もう一回、デレ松本、病み松本、イケメン桐生でできた後半部分置きに来ます

520 :
おぉぉGJ!
桐生がイケメンだぞどういうことだ!!?
というわけで続き待ってるぜ!

521 :
Gj!
まやかわいいよまや

522 :
今週号のworking見て桐生に
おめーには松本がいんだろ
とか思っちゃったw

523 :
こんにちは。続きを持ってまいりました。
エロ描写も少々ありますが、やってる事はほぼ病み麻耶VS己と戦う桐生です。
では、またしばらく場をお借りします。

524 :
付き合いだしてから、ひと月が経過した。
ここ最近も、店における桐生の行動はあまり変わらないのだが、店に入った時の第一声が「伊波さーん!」である頻度は少なくなっていた。
かわりに、松本がシフトに入っているときは「麻耶ーー!」と呼んで叱られるということがおきるようになってきた。
「松本さん、あんなのとよく長持ちしますね。山田、松本さんの粘り強さにびっくりです。納豆級です」
休憩室で、山田と松本が休憩中に山田が松本への称賛を口にした。
一ヶ月が長いかどうかはさておき、松本は山田に返事する。
「納豆級?ま、まぁ……桐生は付き合う分には特に問題ないわね。ちょっと変人だけど」
「ちょっと……?」
山田の、妹目線からのツッコミに、松本は軽く咳払いをして続ける。
「たしかに、未だに女好きだけど……優しいし…サプライズとか好きみたいで嬉しい驚かさせかたとかしてくるし……」
「山田そういう行動をあいつがするのは初耳です」
「山田さんは家族だからわかんないのよ。……判られても嫌だけど」
頬を染めながら、ついっと嫉妬をこぼす松本を見て、山田はによによという擬音が近い表情でにやける。
それは、いつだったか松本が理想の家庭について話した時の表情によく似ていた。
「何よ、その顔は!?」
「なんでもないですよー♪えへへ、でも松本さんがやまだまやになる日が近いと言うのは嬉しいですね!」
「山田じゃないでしょ」
「やまっ?!」
____

525 :

それからさらに、1ヶ月と数週間たった。
毎日、メールが続いた。時には一緒に出かけるし、バイトに行かない日は電話で声を聞くようにもなった。
麻耶にとっても、少し夢見がちな普通を埋める桐生はいつのまにか大切な存在になってきている。
それでも未だに、キス一つですら、戸惑いが優先して言いだす事が出来ずにいた。
「麻耶、もしかして付き合うのうまくいってないの?」
昼休み、友人たちと弁当をつついているとその中の一人がこんな話題を振ってきた。
「上手く行ってないって事は無いわよ。……不本意だけど一緒にいると楽しいし」
「ラブレターくれた人と付き合ってるって言ったよね?」
「その話からもうだいぶ経ってるのに、まだエッチい感じのノロケとか聞いた事無いんだけど」
「なっ?!ま、まだしてないわよ?!」
赤くなって否定する麻耶に、友人たちはちょっと怪訝そうな目を向ける。
「付き合ってどのぐらいだっけ?もう3ヶ月ちかいよね?」
「……来月で3ヶ月よ それが?」
「だったらさー、そろそろお堅いのやめないと、男の子だってしんどいんじゃない?」
「まー、麻耶はまじめだからねー。バイトとかしてても勉強に支障出ないし」
「でも、普通はちょっとぐらいエッチな事してると思うよ」
「いくら相手が告白してくれた方だからって、麻耶にあわさせてばっかなのもねー。いい人っぽいし、麻耶から言いだしてあげたらー?」
固まる麻耶。桐生といるときは、恋人としての形の「普通」が麻耶の理想に近くて特に無理をしないで済む。
しかし、友人たちの言う普通と麻耶の普通は大きく違う。そして大多数の普通の方が、普通としては有効になる。
彼女達が麻耶をからかって嘘をついていると言うよりは、さらりとその事を口に出しているのも麻耶には効果があった。
「……か、かんがえて……みる」
麻耶には、絞り出すように言うのが、精一杯だった。
そして、急いで弁当をあけて、教室を出る。昼休みに予定があるわけではないが、桐生の何気ないメールで落ち着けると思った。
一人にはなれないものの、それなりに静かに過ごせそうだと思った図書室の前まで来て、麻耶は携帯を持ってきわすれていた事に気づく。
教室には戻りづらいが、不安定な心境のまま午後の授業を受ける気にはなれないし、授業中に携帯をいじるような事もしたくない。
意を決して、教室に戻る。室内に友人がいないかどうか、一応廊下から聞き耳を立ててみると
「麻耶のことだけどさ、男の子に遊ばれてるだけとか……無いよね?」
「えー、何ソレ?」
「どうして麻耶が遊ばれてる事になるのー?」
「だって煩悩ありまくりのはずでしょ?私たちと同年代の男子って大体そうじゃん。遊びだから手を出さないってコトもありうるかなって」
「あ、本命がいるから手を出さないって男の話なら姉ちゃんにされたことある〜」
それから先の、友人の姉の話までは聞けなかった。友人たちも、その子の姉の話にシフトしている。
麻耶は、再び教室から離れ、午後の授業が始まる直前まで戻ってこなかった。

526 :
____

その日の晩、麻耶は初めて桐生からのメールを無視した。
メールには目を通したが、返事はおもいつかなかった。
電話は出たが、それも「今日は調子悪い」と一言で切ってしまった。
「……私……むり……させてたのかな」
麻耶は、自分と桐生の関係を改めて考えるのにその晩を費やした。
そもそも、麻耶にとって桐生は妹探しという名目で伊波あるいは小鳥遊に会いにこようとする変人だった。
それが妹探しから妹のお守になってもやってる事は何一つ変わらず、気付いたら部外者の癖に休憩室にまで上がり込む変人だ。
裏口から入ろうとするのを退治している所まで、店内の関係が変わろうと一切本人は変わらず非常識な行動をとっていた。
最初から付き合うまで一貫して、単なる変人でしかなかった。惹かれる要素なんてそれまでに関しては一切ない。
じゃあ、どこを基準にして彼との関係を続けたのか?
彼の居る学校には興味ない。空手部の主将というのも、別にどうだっていい。顔も良い方だが、それも別にどうでも良かった。
突き詰めると、想われてそれを示されたから、想い返してみようとしただけだ。
麻耶の喉から「うぅ」と声が漏れる。
いつも「相手から想われたから返す」という事しかしていないと、麻耶は気付いた。
麻耶から桐生に何かするという事が、今まであまりに少なかった。
一緒にいることは苦にならないが、それは桐生にとってもそうだったんだろうか?
いつも楽しそうにしている姿を見ているから、桐生が満足しているんだろうと勘違いしてしまってただけじゃないのか?
ずっとずっと、受けている想いにこたえ切れていないんじゃないか?
麻耶の思考は暴走する。
彼女の中の普通が、目の前で見せられた多数からの否定でゆらいでいるせいもあって、どんどん過激になっていく。
普通は、男の子なら、女の人とエッチな事もしたい……わよね。桐生も、多分そうよね?
それを、気を使って言いださないなら、私が桐生にちゃんと応じる事が出来ないって思わせてるって事で、
まだ、私は桐生の理想の彼女になれていないってことでしょ?彼女と言っても、ただ遊ぶだけの女友達でしかないってことでしょ?
そんな状態を続けてしまってたら、桐生はいつか私に愛想をつかせてしまうんじゃないかしら?
いつもしているメールが途絶えて、私のことなんかフツーに忘れていって、でもたぶん馬鹿だから店にはいつも通り来るんだわ。
それで、今は「麻耶ー!」って呼んでくれるのが、「伊波さーん」とか言う感じに戻って、小鳥遊君にシメられてもまた来て、
私が追い払っても前と同じように追い払われるだけになって、麻耶って呼んでくれなくなって、また別の人を好きになってしまうんだ。
そうだ、私に飽きたら、きっと私と付き合ってた事なんか忘れてしまう。
私と付き合ってた事を忘れて、他の人と付き合って、また他の人に私にしてくれたように……その人の名前を呼ぶの?
……私にしてくれたように、温かいココアを分け合おうとか言うの?人ごみではぐれないよう手を握るの?
少しだけ前を歩いて、危ない時は声をかけるの?服を見たら、服だけじゃなくて、着る人と併せて見るの?
割り勘にしたらあとでこっそりプレゼント用意したりするの?細かい不調を覚えていて、心配するの?
毎日メールして、互いの事を話すの?夜に電話して、おやすみって言うの?
目があった時、少し、恥ずかしそうにするの?
 いや。 嫌。 そんな事になったらヤダ。

527 :
自分の身体をぎゅっと抱いて、麻耶は嫌な考えから逃れる術を探す。
自分が桐生の望む事をすればいいというのは判っているが、それがあってるかどうかは判らない。
もし、先走り過ぎて変な女だと思われてしまったら麻耶には立ち直る術が無い。
それでも、普通は既に恋人として進むべきなのだとしたら……麻耶は自分に巻き付けていた腕を緩め、布団に立て置き上がる。
枕元に置いていたメガネをかけて、机に向かう。
深夜に近い時間帯だが、パソコンを立ち上げてカタカタと検索を開始した。
彼女が開いたのは、少々過激な内容のアダルトサイトだった。
普段は、仮にリンクを踏んでも赤面して閉じる内容を、一字一句逃さぬように目に焼き付ける。
――嫌われないために、きちんとおぼえないと。
関連する動画を再生する。修正がかかっていて、肌色の多い動画に赤面するが、それもかぶりをふって真剣に見つめる。
いままでは、相手もいないのにこんな事を知っているのなんて普通じゃないぐらいエッチな子になってしまうと思って、
彼女はずっと男女の営みに関する知識に立ち入らないようにしてきた。
流石にどういう事をするかぐらいは、流石に教科書にも載っているし知っているが、
具体的にどうすれば相手が喜ぶのか、等の知識は無視してきた。
彼女が開いた関連に、フェラチオの項目があった。捨てられる恐怖に駆り立てられている麻耶は、それを見て自分の人差し指を咥えてみる。
手のひらを自分に向けて、根元から舌でツツっとなぞる。妙なくすぐったさに「これでいいのかしら?」と軽い疑問は持ったが、
男性器の感覚はもっと違うんじゃないかと思いそれ以上考えるのは止す事にした。
次に、指先を口に含んで、なめまわす。もっと深く咥えて吸い上げ、血がじゅわりと指先に集まるのを感じる。
これを、桐生に。麻耶はそのときになって、自分の指では細くて練習に向かないのではないかと気づく。
しかし今台所に入って、親や祖母に見つかるのも嫌だ。
仕方なく、次のページに移動する。
普通と表現するには激しい内容を含んだページだったが、それまで基礎以外を無視していた麻耶にはそれがアブノーマルだとは認識出来なかった。
このページの関連動画も再生する。一人では再現できないので、自分がされている所を想像するしかない。
縄で縛られ、自由を奪われ、好きなようにされる。
動画と同じぐらい指が喰い込むように自分の胸を握ろうとするが、服の上からの上、もむと言うよりは掴むというのに近い状態で快楽は無い。
「……痛い」
ぽつりともらした声に、晩酌をしていたらしい父が廊下から声をかける。
「麻耶ー!早く寝ないと明日バイトだろー?!」
何を見て、何を言ったのかまでは想像がつかないらしい。
これまでも何回か部屋に入る時位ノックしろと言っているからか、部屋との境をあけたりもしない。
麻耶はブラウザを閉じ、「はーい」と、ぼんやりした声で返事した。
再び布団にもぐる前、ずっと返事を出さずにいたメールの一つに返信する。
『ずっと返事しなくてごめんね。もうおちついた。
 明日、何するか決めてなかったよね?
 桐生の家に行ってみたい。
 じゃあ、おやすみ』
____

528 :
翌日。土曜日で麻耶のシフトは午前中だ。
午後は、桐生が麻耶を迎えに来てデートの予定だったが、
昨日麻耶の送ったメールにOKという返事が来ていたので、恐らくは桐生の部屋に向かう事になる。
午前中はパートの主婦達と、山田、あとは店長とフロアチーフの轟で店を回している。
「良く働く普通のバイトの子」として、麻耶は昨晩の焦燥を隠して松本として立ちまわる。
いつもどおり、普通に、普通に過ごそうと思う麻耶を不審に思う人はいない。
普通という状態を意識しすぎている行動が、コンプレックスから来るものか、別の異常からきているのかを知る術を持つ人はいない。
少なくとも、この店で唯一そういうことをやりかねない男のシフトは麻耶と入れ違いになっている。
「松本さーん!今日は相馬さんが午後からなので、午前中は山田をお姉ちゃんとして甘やかして下さい!」
「甘やかすだけがきょうだいじゃないわよ?私は厳しい方になるわよ?」
「パートの鈴木さん!!山田を甘やかして下さい!」
山田を軽くいなし、仕事に集中しようとあくせくしていると、次第にバイトを上がる時間が近づいてくる。
時間がもっと遅くなって欲しくもあるし、もっと早くなって欲しくもある。
じりじりと焦れるような時間も、きっちりいつも通りに流れて行く。
麻耶と入れ替わりになる予定の一人、小鳥遊が着替えてフロアにやってきた。
「あれ?小鳥遊君ちょっとはやくない?」
「家事を早めに終わらせてしまったので。それと、今日は伊波さんとも同じですからね。早めに来て男性を余り近づけないように誘導しようと思って」
「ふーん。私はもうすぐ終わりだけど、ちょっとなら手伝うわよ。女性案内する時はどこにまとめたら良い?」
軽く流して、伊波が男性客に被害を出さないための配置作りを手伝う。
その後は上がりになるまで、二組の客と、麻耶を迎えに来たついでに飲み物を頼んだ桐生が来ただけだった。

私服に着替えて、タイムカードに記録する。
今更になって気付いたのだが、麻耶は桐生の家に行く事にしたと言うのに下着もその他の準備もほぼノープランだ。
シャンプーやリンスをかえたりという、普通ならすると思われる身支度での工夫もしていないし、
それどころか避妊具の準備も全くできていない。今日の麻耶は、悪い意味で普通に過ごし過ぎてしまった。
桐生に直接、その旨を伝えてしまってもいいが、思考が暴走状態にある麻耶でも流石にそれを言いだすのはためらわれた。
「麻耶、お疲れ様」
着替えの間に頼んだ物は飲み干してしまったらしく、桐生が麻耶に声をかけるのと入れ違いで轟がカップを下げていた、
昼食時等、店員割引を利用するために客としてフロアに入ることはよくあるが、あまり長く居たくない。
「早く行きましょ」
「まぁまぁ、昼食を食べてからでも良いではないか」
「……それはそうかもしれないけど…」
麻耶は、ちらりとスタッフようの通用口を見る。
明らかに好奇心に満ちた視線の山田がチラチラと見える。
「明らかに面白がられてるから、落ち着いて食事できないもの」
「はっはっは、麻耶は照れ屋さんだな。……しかし……そうだな、俺もやはりちょっと照れるな。出ようか」

529 :

笑い飛ばそうとしてみて、明らかにぎくしゃくとした動きで桐生が席を立つ。
肩を並べて店を出る時も、いつものように繋いでくる手も少し動きがかたい。
やはり少年らしく期待しているのだろう。麻耶は、ぼかして言ってみる事にした。
「……家に行きたいって言ったけど、私、何用意すればいいかわからなくて、何の準備もできてないんだけど……」
「えっ!あっ、ああ。 大丈夫、な、なんとか……多分する!」
やはりテンションが高い。
しかし、桐生の機嫌の良さとは逆に、麻耶は桐生を普通の男子だと認識するごとに意識が切羽詰まってゆく。
やはり今まで我慢させ過ぎていたのかもしれない。
ずっと楽しそうにふるまってくれていたけど、本当は違ったのかもしれない。
今まで麻耶が理想の恋人としての「普通」と感じていた物はすべて、単なる虚像だったんだという思いが強まる。
本当に理想通りに行くのなら、どちらか片方だけが無理をするなんてことは、ありえない。
____

麻耶の家とは逆方向の路線を使い、電車に20分ほど揺られる。
電車を降りて、今度は徒歩で5分ほどすると。大きめの一戸建てに到着した。
「ようこそ!」
「おじゃまします……広いわね」
「ああ、家族が多いわけでもないのだがな。母は仕事だし、とりあえず居間で休んでいてくれ」
桐生はそわそわとしながらも居間へと麻耶の手を引く。
麻耶は、桐生に物事を用意してもらうまでただ待つのも負担をかけるような気がして、頼みごとをする事にした。
「そうね……シャワー、あびていい?バイトでちょっと汗かいちゃったから」
「え?俺はそのま……いや!うん!わかった!」
何を言いかけたのかは無視する。
風呂場に案内してもらい、バスタオルを出してもらう。桐生は、そうしながらも、時々麻耶の事を見ていた。
「……麻耶?」
「ん?何?」
「その……なんというか……ずっと表情がかたいが、無理してないか?」
桐生の問いに、麻耶は微笑む。心境はどんどん悪化して行くが、微笑むしか返す顔が無かった。
「ううん   緊張してるだけ……準備、お願いして良い?」
「あ、ああ……上手くいくかわからんが。というか、……そういうことでいいのかという意思確認も、まだなんだが……」
「言わせる気?」
「いや!俺からさそう!一応ってことになるけど!」
「じゃあ、楽しみに待ってるから  いってらっしゃい」
「ああ、多分ちょっと遅くなるから、あがったらゆっくりしておいてくれ!」

530 :
桐生は少し駆け足で玄関に向かって行った。
麻耶は服を脱ぎ、浴室に足を踏み入れる。家に見合った大きめの作りで、親子そろって入れるような設計だった事がうかがえる。
シャワーで汗を落としながらも、麻耶はぐるぐると、暗い方向に下り落ちる心を引きとめられない。
「無理していないか?」と問わせるほど、私は桐生を不安にさせてしまってるんだ。
優しさだけ搾取して逃げていくかもしれないと怯えさせてしまっているんだ。
そんなことないよ、って。わたしだって、あなたが居ないと駄目なんだよ、って。
そういう風に伝えないと、私は本当に理想の恋人にはなれない。普通の恋人にもなれない。
桐生に答えられるようにならなきゃ普通にも理想にもなれない。
ただの嫌な奴になってしまうのは、嫌。
桐生に嫌われたくないし、不安にもさせたくない。
私がちゃんと桐生に応えてあげられれば、もう作り笑いでごまかさないで済む。
本当はもっと前にそうなっているべきだったんだ。
延ばせば延ばすほど、先送りにするほど、高校生としては清く正しくても恋人同士としてはおかしくなっていくんだわ。
でもかまわない。嫌われる方が嫌だ。恋人でいられなくなってしまう方が嫌。
人として多少汚れたって、それも普通なんでしょ?だから、みんな私がおかしいっていうんでしょ?
それだけで済むどころか、そのせいで、桐生がただ遊んでるかもしれないって、思わせてしまったんでしょ?
キュッ と音を立てて、湯を止めた。思考は未だにポジティブな方には向かないでいる。
あがって、バスタオルで身体を拭く。長い髪も、ドライヤーを探すのに家探しするのをためらいタオルに水気を吸い取らせる。
完全に乾燥はしていないが、雫の落ち無い程度になったあたりで、麻耶は居間へと戻った。
桐生からも葵からも連想できないような、整った居間だった。ソファーにすわり、室内を見回す。
部屋の一角に賞状や写真が飾ってあったので、麻耶はそれに近づいて何なのかを見てみる。
葵の七五三の時に撮ったとみられる家族写真や、桐生の所属する空手部の集合写真、そしてそれに関する賞。
彼らの両親の賞もあるのだろうが、その中でも麻耶は部活の集合写真に目を留めた。
殆どは男性だが、マネージャーらしい女子も端の方に並んでいる。
写真の日付はが1年ちょっと前なので、まだ桐生も一部員なのか端に近い位置に並んでいた。
「ただいまー!麻耶!待たせたな!」
桐生が大きな声を上げて帰宅する。麻耶のいる居間に、コンビニの袋を片手にさげてもってくる。
「飲み物を買ってきたのだが、炭酸とお茶どっちが良い?」
「……お茶。それよりも、この写真」
「あ!それか! えへへ、この写真ははじめて大会に出た時の写真だな」
「そうなの。最近のは?」
「最近の写真は、アルバムの中だな。流石に何枚も似たような物を張り出すわけにもいかないしな」
写真の解説に近づいてきた桐生が、とても誇らしげに話す。
麻耶はそれを聞きながら、隣に女子がいる写真だからではないと言う理由に少し安心していた。
「ちなみにそこにいるマネージャーだがな」
「?」
「当時の副主将と付き合ってたから、俺とは麻耶が心配するようなことはなにもなかったぞ!」
「そう、良かった」

531 :
桐生は、麻耶の様子を腑に落ちない様子で見ていた。
麻耶はまだ写真をぼーっと見ている。桐生からすれば、麻耶の反応は異常だった。
普段なら「そっ、そんな事心配しないわよ!」等と返してくれるはずだ。それが、妙に浮き足立って、緊張していると言うよりは切羽詰まっている。
そこまで気付いていながらも、桐生は麻耶になんと声をかけるべきかいまいちつかめなかった。
桐生は今までの付き合いから、今麻耶につっかかると嫌っている証拠ととらえてしまいかねない事を察知していた。
「とりあえず、これでも飲みたまえ」
きゅむ、と麻耶の頬に温かいペットボトルをあてる。麻耶は桐生からそれを受け取ると、ソファーに座って素直にふたを開けた。
桐生も麻耶の横に座り、炭酸飲料の蓋を開けて、麻耶の性格と今の状況の分析を続ける。
桐生が見る限り、麻耶はかなり潔癖な性格だ。一種の完璧主義者でありながら、目指すものが中間地点であるから様々な自己矛盾を起こす。
そこをつつかれたときの慌てっぷりも潔癖な性格を乗り越えたときにみる照れも、桐生の好きな麻耶の姿なのだが、
今の麻耶はその慌て方も、照れ方もできてない。ファミレスバイトの松本さんであった時のような、妙な壁がある。
そして、その壁は普段麻耶の嫌う大声でも、嫉妬を煽る冗談でも取れなかった。
どちらの吐息だろうか、ペットボトルから口を離した時に「ぷは」と小さく音が鳴る。
桐生は麻耶に視線を向けるが、麻耶はペットボトルに目をおとしたまま、俯いている。桐生は再び思考を巡らせた。
自分だって、できれば、やってみたいと思っている。というかコンビニまでダッシュしてコンドームも買ってしまった。
だが、麻耶がこんな風に距離を置いたままでそういうことをするというのは、恋人とするというよりは行きずりの他人とするようなものだろう。
かといって今拒否するのも、麻耶の状態を打破するとは思えないし、この状態の麻耶を帰すのも非常に心配だ。
……やはり、ある程度は進まないとどうしようもないか。
「麻耶……俺の部屋に行こう。ここだと、玄関にちょっと近過ぎる」
「ええ、わかったわ」
桐生は自室に麻耶を連れていく。彼の部屋は、多少本棚がごちゃっとしている事を除けばシンプルな部屋だった。
折り畳み式のスプリングベッドを広げてシーツを掛けると、桐生は麻耶にベッドにすわるよう手招きする。
麻耶がベッドにこしかけると、ギシ…とベッドがきしんだ。
「あまり、雰囲気が作れているわけではないが……麻耶、俺と……」
桐生は、一旦言葉を切る。このまま言えば麻耶の状態が悪いまま、欲望に流されるかもしれない。
しかし引くわけにはいかない。いま引いたら、自分が暴走する場合よりも麻耶がひどい事になるのは容易に予想できる。
「おれと、セックスしてくれないか。麻耶の事を、もっと知りたい」
あえて、直接的な表現を行う。桐生は麻耶が少々夢見がちであることを知っている。
ここで麻耶が嫌がれば、今までの感覚も杞憂だったと笑える。次は自分の欲望に素直になってもいいと判る。

532 :

「うん。抱いて」
麻耶は、笑顔で答えた。
桐生は笑えなかったが、そのかわりに、麻耶の肩に両腕をまわして抱きしめて、頭を少し撫でた。
このまま、やってしまってもいいんじゃないか?
桐生の頭に、そんな考えがよぎる。麻耶がどんな状態であっても、桐生とのつながりを求めているのは事実だ。
麻耶の心理がどういうものであれ、桐生が麻耶を抱いても周囲からは特に疑問を投げかけられることは無い。
桐生本人も、麻耶と付き合い始めた時に麻耶が少々弱っていた事を自覚していた。
それが、初めての行為でもおこるという、ただそれだけのことではないか?
麻耶を抱きしめる力は、先ほどよりも少し強くなった。今抱きしめている彼女を性的に見ている部分はある。
だがやはり、それでは只の外道ではないか。
桐生は一度目をしっかりと瞑って、またあける。そして麻耶の耳元で、囁いた。
「麻耶……どこを触って欲しい?」
「えっと、どこ……って」
「俺とて女子は好きだが、こういうことははじめてだ。そういう時は、相手に聞くのが一番じゃないか?」
桐生の問いに、麻耶は戸惑う。彼女の練習も、予習も、すべて服を脱いだうえでの物だ。
今はまだ、ふたりとも衣服を身につけておりまた愛撫をねだるのも麻耶の予習には入っていなかった。
「よ、よくわからない……桐生の好きにして?」
「……なら、本当に好きにするぞ」
桐生は、麻耶に嫌がってもらうにはどうしたらいいか考えた。
彼女が「松本さん」から桐生の良く知る「麻耶」に戻らせる方法がそのぐらいしか思い浮かばなかった。
暴力をふるったりは出来ない。となると、恥辱を感じさせる方法か?
どういうことをすればいいのか桐生はしばらく迷い、そして麻耶の背後に移動した。
麻耶はベッドの淵に腰かけ、桐生はその後ろに覆いかぶさるように、膝で立っている。
「桐生?」
「好きに……といったな?こういうのが好きっていったら、どうする?」
桐生は片腕を、麻耶を拘束するのに使い、もう片方の腕で麻耶のシャツをめくりあげ前をはだけさせる。
麻耶は、激しい物を見て予習していたので、そこまではあまり動じない。
次に桐生はブラジャーをつけたままの胸に指を這わせた。麻耶は、くすぐったさに「んん…」と、むずがる。
想像して、予習はした。だが、桐生の行う行動は麻耶の見た物に近いのに、それよりもずっとずっと優しくて痛みなど無い。
這わせた指は、ブラジャーのなかに侵入する。しばらくは、くすぐったかったのに突起にふれられてまた麻耶は声を上げてしまう。
ブラジャーに侵入していた指は抜き取られ、ブラを外すのではなく、ずらされる。
腋に近い所や、乳の下側はまだおおわれているが、鎖骨から突起にかけてさらけ出される形になった。
そして、今度は先端を指先でつまみ、転がされる。
「ぁっ……ぅ……」

533 :
麻耶は気持ち良さと恥ずかしさで身をよじるが、桐生にされるがままだ。
まだ湿り気の取れていない髪が、桐生が前を除きこむ時に自身の乳房に触れるのももどかしい。
太股を閉じて、ぎゅっとすり合わせる。背中に、温かさと熱さを感じるのも、もどかしさを際立たせた。
くすぐったさと快楽が、触れられている場所で収まらず、体中をむずむずと動き回っている。
だが、まだ繋がったわけじゃない。極論で言うならば手をつないだことの延長までしか行えていない。
麻耶の焦りが、快楽ともどかしさにつつかれて次第に膨らんできていた。
一方、桐生も麻耶をベッドに押し付けてしまいかねない衝動にかられていた。
上から覗き込む麻耶の胸も、触れる感触も、それに感じて上げる声も、スカート越しながら確認できる脚をもどかしげに動かす様子も、
すべて思春期の少年にとっては扇情的だ。この姿を写真に収めたならそれだけで数日は何のとは言わないがおかずに困るまい。
ごくりと唾を飲み込む。すでに男性としての部分は熱を持ち、半勃ちになっている。それでも桐生は自制を保とうとした。
このまま乱暴に扱う事だけはしてはいけないと、強く自身に言い聞かせるうちに、
麻耶への拘束がいつしか動けないように抑えつけるというよりは、抱きすくめるというのが近くなっていた。
身体を密着させるようにしているため、麻耶にも桐生の状態は伝わっていた。
麻耶は与えられる淡い刺激にもだえながらも、桐生の鼓動とそれが釣り合っていないような気がしていた。
痛いぐらいの拘束は、拗ねた時に抱きしめてくれるような強さに変化している。
なら、なぜ最初からこうしてくれなかったんだろう?なぜ、痛い事を予感させるような事をしたんだろう?
桐生が麻耶を優しく扱おうとするほどに、麻耶は混乱する。
むずがゆい快楽で思考のレベルは落ちているのに、混乱により今に至った原因の言葉達が頭を巡る。
―――「でも、普通はちょっとぐらいエッチな事してると思うよ」
今の状況は"ちょっとぐらい"には十分すぎるほどあてはまる。
―――「だったらさー、そろそろお堅いのやめないと、男の子だってしんどいんじゃない?」
なのに、もう押し倒されたって構わないのに、桐生は麻耶に対して緩い刺激しか与えない。桐生も、もうこんなに熱くなってきてるのに。
―――「遊びだから手を出さないってコトもありうるかなって」「あ、本命がいるから手を出さないって男の話なら姉ちゃんにされたことある〜」
麻耶は、思い至った恐怖に身を竦める。
どうすれば今の考えを否定できる?桐生は、そんなことしない。私の事を好きでいてくれてる。別の人が好きでただ遊んでるなんて事……
麻耶の脳裏に浮かんだのは、自分よりもずっと明るい髪色の、伊波だった。
だが、彼女に思い至ったのは嫌な予感の否定ではなく、嫌な予感の肯定に繋がる。
桐生が伊波に冗談を言ったり、その内容が褒めしだったりしているのは知っている。麻耶自身が桐生にその件を聞いてみた事もある。
伊波が同じくバイトの小鳥遊に恋をしているのは知っていて、小鳥遊に対してそれを認めさえすればいいのにと笑っていた。
……でも、もしも……
それ以上を考えてしまう前に、麻耶は桐生の腕を振りほどいて、向き直り、桐生をベッドに突き落とした。
唐突な出来事だった上に、意識が自分との戦いに向いてしまっていた桐生は麻耶の想うとおりベッドに仰向きに倒れ込む。
「うわっ?!」
「桐生……もう、我慢できない。安心、させて」
麻耶は桐生を抑えてそう言うと、桐生の足を伸ばさせて、膝の上に座り込む。
そして、彼のズボンのボタンを外し、ファスナーに手をかける……

534 :

「麻耶、何か焦ってるだろう?」
桐生の声に、麻耶は動きを止める。彼の眼をみるが、いつものように照れたりせず真剣な面持ちだ。
「俺は、焦った麻耶とこういう関係になっても、嬉しくないぞ」
「……じゃあ……じゃあ、どうすれば……いいの?」
麻耶の眼は怯えたようになっていた。麻耶には桐生の言葉が理解できなかった。
普通なら、普通ならすでに、こういうことをして、互いに互いの身体を知ってて当然で、桐生も男ならそれが出来ないのに苛立ってる筈で、
だから、喜んでくれていたんじゃないのか。だから、抱きしめていてくれたんじゃないのか。
「俺は……麻耶をそんなに焦らせて、不安にさせるような事ばかり、してたのか?」
桐生は、麻耶が肉体関係を求めなければ絆が無くなると思う程、ひどい事をしていたのかと心を痛め、哀しげな顔をする。
恐らく、麻耶が一番見たくなかった表情の桐生だった。
「……なぜ、哀しそうな顔してるの?なんで?なんで私のこと喜んでくれないの?」
麻耶は混乱のあまり、思考をそのまま口に出してしまっていた。
黙って考えると言う事が出来ないほど、麻耶の中の焦りが桐生の表情で肥大化していた。
「さっきまで、抱きしめてくれたのに ぎゅって、してくれてたのに。何か間違った?
 私、普通になりたかったのに、桐生と普通の恋人になりたかったのに、いままでふつうじゃなかったから、
 やっとふつうになってよろこんでくれるとおもっ」
「麻耶……普通だから、やりたいなんてのは……俺が好きじゃなくても、言える事じゃないか」
ぐらりと、座っているはずの麻耶の足元が崩れる気がした。それと同時に、ぼろぼろと涙がこぼれ出してくる。
桐生の言葉に否定された物がなんなのかもよくわからないが、感情が抑えられない。
「だって……もうっ……もうしてるのが ひぅ… 普通だって……っ!そんなっ…なんもないと、恋人じゃ……ないって……」
「……なんというか、だな、こういうことの普通の定義は、人によって違うものだと思うぞ。それに俺は、ずっと麻耶を俺の彼女だと思ってる」
「で、でも……そろそろ、付き合ってる方もきついよって……私……桐生が辛いの…嫌…だしっ、わたし、桐生の……かのじょで…いたくって」
泣きじゃくる麻耶を、桐生は上半身を起こして抱き締める。
左腕を肩にまわし、右手は、麻耶の頭を優しく撫でた。
「俺は、こうやっているだけで幸せなんだがな」
「…………ほんと?」
「ああ。だから、麻耶とずっと付き合ってるし、麻耶が、彼女でいてくれていつも嬉しいんだ」
麻耶は桐生の腕の中で、声を隠さず泣いた。
哀しさや怒りの涙というよりは、安堵の涙だと判ったので、桐生も麻耶の気が済むまで、ずっと彼女を抱きとめたままでいた。

535 :


どのぐらい時間がたっただろうか?窓からの光はすでに赤みがさしている。二人とも、一番乱れていた時よりは着衣をなおしている。
「……今日は…ゴメンね?」
「いやいや、俺は麻耶と分かり合えたり麻耶を触れちゃったりで結構良い目を見れたと思ってるぞ!」
「……ま、まぁ、私も……私も、桐生とこういうこと、突っ込んだとこまで話せたのは怪我の功名だと思うけど」
怒るわけではなく、照れてもじもじとする麻耶に、桐生は言った。
「俺に恋してくれている麻耶は、世界一かわいいな。他の人に取られなくてホントに良かった」
赤くなって桐生の方を向く麻耶。桐生と麻耶の視線が合うが、桐生はそのまま言葉を続ける。
「麻耶。これからも、俺の彼女でいてくれるか?」
「……喜んで」
愛を確認するのは、言葉でも出来ることだった。
ずっと「好きだ」と言ってもらっていながら、そこに気付かなかった事を麻耶は恥じた。
そして、今更になって自分から彼に愛の言葉を送っていない事に気づく。
「私も……桐生の事、好きよ。多分、ずっと……っ」
さすがに恥ずかしくなって顔をうつむける。桐生も、麻耶からのこういう表現に慣れていないのか同じように少し目をそらす。
だが、またすぐにどちらからともなく見つめあった。
オレンジ色になった部屋のなかで、二人の影が軽く交わった。

536 :
終わりです。長くなりすぎました。申し訳ないです…。
そんな中で見て下さった方、途中でGJ下さった方、本当にありがとうございました。

537 :
>>536
ちくしょう桐生のくせにカッコいいなんてくそっくそっ
GJ!!

538 :
  |    ,. ≦  ̄, ̄:.:..ミ:.. .
  |   / .:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:..\
  |  / . /: ..:. ..:.:.:. .:.: : .:.:.:.:.:.:.ヽ
  | ′/.::′:/:.i:.:.:.:.:..:..  :.:... :. :. :∧
  |/..:.:′|.:.:/ .:.|:..i:.:.:.:.. :. :i:.:.:. :.:.:.. ハ
  | ..:.:|:.:.:i:./|:../|:.:|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.i:. :.i
  | :r┤:.:N丁:ト|_i|:.:.:.:.:.:.:.i|:.:.:}:.:.:.|:.:.:.:|
  | :{ il .:.ir示ミ<廴___リ|: イ :.:.:|:.:i:|
  |八.|..:.{ ヒ:ツ`   ≦zミ'{:.i:.:.:|:.ハ }
  | .:.イ .:l          ビシノ'入_ム'ノ′
  |:./:|:.:.|     '     /:.:. i
  l ̄i!:. |\   _     人|:.:|
  |  |!:.:「\>  ,--r<:: ノ!:.: |
  l 小 :{  {  イ} 〉 | ヽ|:..|
__j__|': ト、>ォノ⌒} .′ / |:..|
 ̄ ̄| | トV イト、\/ ,′/ i} :. }
    | { ‘弋//j:::i∨ { ノ  j|:.: .′
    | `ー/:/__|::|ノ  爪  |}イ/
__|   /:/  |::|   ′  { ノ′
  |   ∨  └'  /     |
七二`Y/      イ    /
.とニ }     .∠ --┬‐┘
‘ーf 人__ イ /   /
  「_    ̄`ヽ  /
  |ノ> 、    ノ

539 :
山田仕事しろ

540 :
今週号読んで佐藤が八千代の誕生日知らなかったことに驚いたと同時に妙に納得してしまった。

541 :
>>540
十巻読んでない?
八千代のこと結構知らないのが判明してるよ

542 :
>>541
アニメからはいったんで3巻くらいまでしか読んでない。

543 :
>>542
原作も萌えしにかかってくるから気をつけてw
佐藤は二十で八千代は二十一だと想像するとかなり萌えるんだが

544 :
>>543
どっちも二十歳です

545 :
やちが誕生日迎えたからでしょ

546 :
八千代がプレゼントのお返しをしようと思って佐藤に誕生日を聞いてみたら
とっくに過ぎてたってオチもありそうだが、はたして……

547 :
包丁をプレゼントされるとか

548 :
杏子さんグッズだったりして

549 :
ユータ君と志保ちゃんのお泊まりデートキター(゚∀゚)ー!!

550 :
散々ファミレスで寝泊りしてたのに今更何を

551 :
公式が一番エロいっていう……
エロSS職人いなくなったなー…

552 :
わかる! >公式が一番エロい
公式のエロさがちょうどいいってのもあるが

553 :
公式が最大手は書く(描く)側からすると嬉しい悲鳴だよなぁw

554 :
無表情冷酷店員がエロ公務員に至る迄
調k…改造される過程を具体的に要求するッ

555 :
小鳥遊は性欲を持っていない、もとい自覚したことがないのではないだろうか
ということは、まさかのいなみん主導の初体験ということになってしまうのではないだろうか。一応年上だし

556 :
自分から部屋に誘うなんて志保ちゃんはとんだ淫乱お嬢様ですね

557 :
>>555
小鳥遊と伊波の初体験にはマジックハンドが使われるに違いない
って妄想してるのは自分だけじゃないはず

558 :
桐生×松本が公式にキター

559 :
そういえば本編でなずなの学校シーンまだないな。どんな感じなんだろ?
・・・やっぱり男子を「役立てて」いるんだろうかwww

560 :
コミケ、
たか×いなとさと×やちどっちが盛り上がるかなぁ。

561 :
公式のユー志がヤバイ

562 :
ぽぷらってワグナリアの中でも巨乳の方だよな。

563 :
なにをいまさら 

564 :
>>563
ロリキャラなのにパイズリが出来る・・・最高じゃないか。

565 :
何で俺に言う
パイズリして欲しいのか?

566 :
いや文才ないからできれば書いてほしいなーって・・・

567 :
さとやちは成立したら佐藤がバイト辞めちゃいそうだな・・・

568 :
やちからバイトメンバーに自分のことを惚気られる事を恐れて
結局残留するよ

569 :
ユータくんは図体がでかいからあっちも馬並みなイマゲ
小柄な志保ちゃんが心配だ

570 :
ユー志保いきます。
なんからくがきみて、あの花って物理的に目視可能だったんだ、とか
志保の天然は遺伝だったんだ、とか色々目からうろこが落ちている訳ですが、
それでも志保父の態度の軟化がとてもうれしい。
1回目は長いかもしれません。
***
「ユータくん」
年明けの忙しさも落ち着いたこのごろ。
お客さんがいなくて志保ひま。厨房の中に下がっていたらユータ君が通りかかった。
とことこと近づき、きゅっとシャツの裾を握る。
うれしいな。もうずっと一緒なんだ。
でもひとつだけちゃんと聞かなきゃ。
「志保のベッド、眠れない?」
なぜかそばにいた足立さんがざざーっと後ろに下がっていった。
???
「志保、そういう話は2人だけのときに…」
「だって、斎藤が邪魔する…」
今だって陰から見ているのは分かってる。勤務終わったら志保すぐに家に連れて帰られちゃうし
志保が寝ちゃってから、ユータくんとは、パパの許可を得て初詣には行ったけれどいつも斎藤が見張ってる。
ー今度は寝かさないからー
そうユータくんは言ったんだ。
そして志保は、眠るまでユータくんにずっとぎゅっとされていたら、幸せだろうなって思う。
だったら、ユータくんにとって志保のベッドのいごこちが悪かったら困る。
「どういうベッドだったらユータくんがいごこちよいかなあ」
あまりにも暇で他にも何人か厨房に来ていたらしい。
志保が言ったとたんにもとより厨房にいた河野さんがジュースを吹き出す音ではっとしたとき
東田君がばたっとメニューをとりおとし、振り向くと宮越さんが口をあんぐりと開けていた。 
ユータくんもこころなしかかたまっている。
「足立くん。足立くんはどんな枕が好き?綿?羽毛?そば殻?ビーズクッション?やっぱり昔ながらの固いやつ?」
あ、足立さんも戻って来ていたんだ。村主さんにフォークで刺されている。
「はい、お嬢。なんか斉木さんがお客さん来て困っているからあっちで手伝ってあげてね」
斎藤はやっぱり邪魔だと思う。

571 :
数日後。
「志保、外泊の許可って親父さんからとれる?」
「??うーん…。斎藤?」
「進藤様、にたいんですか」
「いや、そうじゃなくて…ただ、なんというか、ここに志保と行きたくて。」
差し出されたチケットは、関東での牡丹展のもの。
「借金はまだ利子しか払えていないけど、まだ全然だし、稼いだ分は全部もっていかれるし弟たちもいるし。親父はあれだし…。
でも、年末ホストの稼ぎがいつもよりよくて、ていうか志保ごめん。ホストでは本当になにもしてない。
ただ窮状を訴えるともらえるってだけで。
どっちにしても最低だけど。
で、何が言いたいかというと、なんかこのチケットを河野さんがくれて。親戚かららしいんだけれど興味ないし旅費ないって。
それで、冬でも咲く花っていうのが面白いな、と思ったら自然に手元に2人分の旅行料金を確保してしまっていて…
ここだと日帰りは無理だからその分も…。借金返す方が先なのにごめんなさい」
??なんかユータくん必だ。意味は分からないけれどなんか志保と一緒に過ごすために頑張ってくれたみたい。うれしい。
「…はあ、分かりました。伝えてはみます」
斎藤は協力してくれるのかな。

こんな会話があったさらにその翌日。
「外泊許可、出ました」
あっさり斎藤が言ってのけた。
「奥様がお好きだったイベントだったようで。
ただし、お嬢を傷つけたら、どうなるか分かっていますね」
「はい…」
そんなこんなで牡丹園に行くことになった。

572 :
すみません。このあとについては来週また来ます。

573 :
おおおおユー志保来てた…!
後半はもちろんユータくんのベッドになる志保ちゃんを見られるんですよね?!

574 :
ユー志保が来て幸せだ……

575 :
来週といいつつ、やっぱりできた順から出していきます。すみません。前振りが長いです。
全体的にも長くなりそうです。
前回番号付け忘れましたが、今回で3つ目と4つ目出します。
***
パパが、旅費はこちらで出すから飛行機はファーストクラスにしろって斎藤を通じて言ってきたのに、ユータくんは頑として聞かなかった。
「自分が出せるもので娘さんを満足させられないならきっぱりと身を引きます」って言っていたのを聞いた。
斎藤はそのことばに引いていたけれど。
ホテルに関しても同じような攻防があったみたい。
パパに出してもらえばいいのに、と志保がユータくんに言うのは今回はやめたほうがいい気がした。
「というわけで、志保、ごめん。旅行のレベルは志保から見ればかなり低いけど大丈夫?もしどうしても辛かったら
志保は途中からでも親父さんの言う通りにして」
「?志保は平気だよ?」
志保はユータくんといられればなんでもいい。
「これがエコノミークラスの座席なのね」
「俺は飛行機自体初めてだよ…」
初めての座席はいつもの席より小さくて、普通にしていてもユータくんと腕や足が触れるのが少し嬉しい。
後ろの席にはしっかりと斎藤たちがいるのがやっぱり邪魔。これだけはパパが譲らなかった。
「寒い…」
「お嬢、毛布です」
「コーヒー飲みたい」
「どうぞ」
やっぱり邪魔でもないのかな。荷物持ちに便利だし手続きも全部やらせられるし。
毛布の下でユータくんと手が触れた。
ユータくんは窓の外を見ている。
初めてだっていうからユータくんに窓側になってもらったの。
そっと手を重ねたら握ってくれた。
何となく安心して少し眠ってしまった。

576 :
「これが愚民のホテルなのね」
なんだか素っ気ないホテルだ。誰もお出迎えしてこない。
「愚民いうな。これが俺の精一杯だ。あと部屋は二部屋とってあるから心配するな」
え…。一緒に眠れると思ったのに。
「部屋一緒だなんてしれたらされるだろ」
もうそれはないと思うけれど。
「お嬢ーっ」やっと2人がついてきた。
「お前一泊なのに荷物多過ぎ。何入っているんだ」
「うるさいわね。斎藤が非力なのがいけないのよ」
「ところで部屋なんですが…我々が進藤様の予約された二部屋を使いますので
代わりにこちらを使ってください、とのことです」
差し出されたキーは最上階のもの。ああ、スイートね。
「いや、そういうのはきちんとお断りしたはずですが」
「妥協したのはホテルまでです。娘を不憫に思う父親の気持ちを分かってください。
だいいち、長旅で疲れたお嬢がひどい部屋で体調を崩しでもしたら進藤様含め我々がされます」
んー。志保はどちらでもいいけれど、こっちにすればユータくんと一緒の部屋なら、それがいいな。
「…志保はどっちがいい?」
「ユータくんと一緒の部屋がいい」
はあ、とユータくんがため息をついてキーを受け取った。
時間はお昼前。
荷物をおいて早速でかける。
こっちの地理に志保もユータくんも慣れているわけはない。
ユータくんは「あれ、えっと…」と地図や路線図を確かめる。
ー斎藤に任せればいいのに。タクシー使ってもいいし。
とはやっぱり言わないほうがいいと思った。
多分後ろもそう思っていて、2人が今にも介入してきそうな気配を感じる。
邪魔されたくないので釘を刺しておこう。
「電車で行くから、2人とも余計な口は出さないでね?」
2人に口を出させる代わりに「見せて」とユータくんの後ろから一緒に地図を覗き込む。
「今ここ?で、目的地はこっちなのね。うーん。この電車に乗る?」
「そうだな。それでこっちの乗り換えが近いか」
車で行けば何も考えなくていいし早いのは知ってる。でもこうするのはなんだか楽しい。

577 :
ユー志保かわいいよユー志保

関係ないけど鯖一巻のif(?)ネタ。拾いものだけど。
エロパロでなんだけどエロ注意。
http://pc.gban.jp/m/?p=634.jpg

578 :
エロ同人が似合う女だなルーシー……
長谷部は爆発しろ

579 :
スタジオN.BALLの針玉ヒロキかな?

580 :
相手長谷部じゃなかったりして

581 :
>>579
ぐぐってみたらそうだったわ。
なんか有名っぽい人なのにこんなマイナー作品で描くことあるんだね。
読んでみたいけど総集編の一部らしくて本が高いわ…

582 :
巨乳なうえに天然ボケで一見地味だけど巨乳なメガネっ子だもんな >ルーシー

583 :
しかも、セクハラに抵抗がない…というか、セクハラをセクハラと気づいてなかったりするしな

584 :
ルーシーにえろいことするモブキャラになりたい
って書いてて思ったけど、このスレってモブ×原作キャラ(逆も) ってありなん?

585 :
エロなら梢姉さんとモブをこのスレで読んだことあるよ

586 :
>>580
今日売ってたから買って見たけど長谷部じゃなかったわwww

587 :
長谷部さんにお茶をお出ししろ!

588 :
>>586
あそこの同人誌は相手モブばっかで漫画内でのきちんとした相手であることはないよ

589 :
>>588
うん、全部読んでみたけどそんな感じだったなw
知らん作品も多いからわからんけど
鯖に限っては原作ほぼ最新まで読んで描いたみたいだし
オチもアレだったし
原作信者の俺もそこそこ満足できた。ステマじゃないよw

590 :
お題をくださいな

591 :
お題の人ですか?!
花束とかどうでしょう

592 :
>>591
ありがとうございます。書いてきます

593 :
できたよー
注意
・短い
・いつもよりイミフ
・オチていないオチ(無茶オチ)
一レスでいけるかな?

594 :

「轟さん轟さん、ちょっといいかな?」
「何かしら相馬君」
「これ、よかったら貰ってくれないかな? 人助けだと思ってさ」
「これって……」
 平日の昼間の事。高校生の子達はまだ学校で葵ちゃんも非番で、スタッフは私と杏子さんとパートのおばさま達。
 そこに出勤してきた相馬君は私を見つけるとある物を差し出してきた。とても綺麗で、でも何か事情があるような、とある物を。
「そう、花束だね」
「え、あの、でもこれは」
「いやいや、申し訳ないけど轟さんにプレゼントする為に持ってきたわけじゃなくてね」
「じゃあどうして?」
「突っ返されちゃったんだ、その花束。具体的には俺が押し付けようとしただけなんだけれど」
 いつも笑みを絶やさない印象の相馬君は寂しそうに困った笑顔を繕いながら続けた。
「葵ちゃんにあげるのは……?」
「うーん、出来れば山田さんじゃなくて第三者の誰かがいいかな。妹とか家族とかそういうのは今は……ね?」
 普段、滅多に自分を晒け出さない相馬君の何かが垣間見えたような気がして、見てはいけないものを見てしまった時の驚きより罪悪感が勝って胸の辺りがチクリとしてしまうのは臆病な性格のせいなのかもしれない。
「貰っていいのかしら?」
「いいよいいよ。何なら俺が轟さんにあげた事は伏せてさ、佐藤君にプレゼントしちゃえばいいんじゃないかな?」
 男だって花束を貰ったら嬉しいよ、佐藤君が轟さんに貰えるなら人一倍だと残して更衣室に行ってしまった。
 私の腕の中には所在無さ気な面持ちの、けれど人を笑顔にする小さな幸せを束ねて出来た花束。
 どれもみんな綺麗な色とりどりで顔を埋めて匂いをかいでみると、子供の頃に杏子さん達と遊んだ河原や公園の草木や太陽や土の懐かしい思い出が連想された。
 そうだ、これを佐藤君にプレゼントする時はたった今感じた気持ちを伝えてみよう。
 そして杏子さんの事はもちろん、美味しい賄い御飯をいつもありがとう、面白い時代劇のテレビを見たわ、陽平さんと小鳥遊君のお姉さんって結婚しそうなくらい仲が良いわね、他にもたくさん。
 毎日の色々な事、他愛のない事だって佐藤君に教えたいし知って欲しい。
 あんな事もこんな事も、相馬君の様子が少し違う事もそれで勝手に怯えて痛んだ私の心も、全部を話したいの。
 分かち合いたい人がいる幸せ、それが佐藤君だという幸せ、別の事を考えていてもいずれ最後は佐藤君に連想されていく幸せ、全部を話したいの!


595 :
以上です。八千代が頭の弱い子か躁みたいに情緒不安定w
花束ということで元ネタはKOKIAの幸せの花束です。歌詞はさとやちな感じですが、相馬もあの人といずれは幸せな形に収まってほしいですね。
アニメも終わって猫組も今年中に終わるらしいですがまだまだ盛り上がっていきましょう!
遅くなりましたが本年も御題をよろしくおねがいします。
それでは!

596 :
ユー志保の人の文章なんだか独特で癖になるな
エロがどんなふうになるか楽しみだ

597 :
お題の人きてれうー
相馬さん(´;ω;`)ウッ…

598 :
八千代ちゃん( ;´Д`)躁で情緒不安定可愛いよ

599 :
すみません、私事で忙しくて遅くなりました。今回二つです。
次いきます!だれてもよくないし、二つ目でいきなりメインとばして夜になりますが、
あとでちゃんと出てくるのでだいじょうぶです。
***
電車の方向を間違えそうになりつつも無事に目的地の駅に到着した。
「先にお昼食べるか」
うーん。志保この状況でなに食べていいか分からない。
「食べられる草はあまり生えていないねー」といったらユータくんに頭ぽんってされた。
「旅行中は店で頼む…」
「じゃあファミレスがいい。うちの系列ではないけれどあそこに何かあるし」
パパと一緒の時と違うし他に思いつかないし、いつもどおりがいい。
少し混んでいたけれど、無事に座って、ポテトだけ頼もうとしていたユータくんにハンバーグセットを頼んでもらった。
志保、グラタン食べたかったんだけれど、ハンバーグも一口だけ食べたかったから。
お金はユータくんに渡した。
カードも斎藤から多分パパのいいつけで返されているけれど、バイト代のあまり持ってきたからカードを使うまでもないし、
お食事は志保が出すのがいいなあって。
「一緒に旅行しているのに全部ユータくんだけお金出すのは変だよ。これパパのお金じゃないし」
ユータくんは困っているけれど、
「電車代も帰りは志保が出すね」と重ねた。
コーヒーを飲んだ後。
「…あのー、お嬢…」後ろの席にいた2人が困惑している声でやってきた。全部聞いていたのは分かってる。
「文句ある?」と言ったら黙った。
一瞬の沈黙。
「…じゃあ、ディナー予約してくれる?どこか個室のあるところ見繕って。和食がいい。このカード使って。
4人分で、個室は二名、あとは好きにして」
なんかパパがかわいそうになって、そう告げ、ユータ君を見上げた。お願い。
はあ、とユータ君がため息をついた。

600 :
「志保」
石けんの香りがふわっと漂ってくる。薔薇の香りだ。胸の鼓動がとまらない。
「バスローブなんて初めてだ。ていうか風呂広すぎ。タオルないんだけれどこれどうするの?」
無言でまだ首筋などがぬれているユータくんにタオルを差し出した。
目をぎゅっとつむって背中を向けてうつむく。
「志保。ちょっと立って」
反射的に立ち上がった。いつの間にか眼の前にユータ君がいる。
髪が撫でられる。
「いい匂いがする」
「ちょ、ちょっとだけコロンつけたから」
「こっち向いて」
え、と顔を上げると唇が重なった。
「次は背伸びしろって言ったろ」

昼間のことを思い出す。
冬牡丹は寒牡丹とは異なるらしい。
人の手で早く咲くようにした寒牡丹ではなく見に行ったは自然に冬に咲く品種の冬牡丹だった。
藁の傘をかぶって寒さに耐え咲き誇る、白や紅の大輪の花がなぜか今頭にちらつく。

601 :
続き待ち

602 :
旅行にしたのが敗因でした。すみません。終わらないのでとりあえずできたところを。
できるだけ長期間にならないようまとめます。しかも今回改行多いです。
***
「あ、これきれいねー。志保、こういう濃いピンクの八重の好き」
ユータくんは、白の千重が似合うと思う。
なんだか、花を見るとうきうきする。今まで意識したことはなかった。
ところでなんだかユータくんの視線が気になる。なんか志保の頭と花を交互に見ているみたい。
???
見上げたら、頭をぽんってされた。
「花咲いているのもいいな」
?????
***
「花」唇を離してユータくんが言う。
「…きれいだったね」
「違う」
え?
「志保が」
なに? また唇を塞がれた。
酸欠になりそうになってようやく解放される。
「ユータくん」
呼びかけたらぎゅっと抱きしめられた。顔が見えない。
「…志保、ユータくんがいい。
 …ユータくんじゃなきゃ、だめ」
ベッドにそのまま押し倒される。
いけない。ここのベッドはスプリングが志保のベッドに似ている。
「ユータくん、だめ」
ユータくんの身体がいたくなったりしてはいけないから。
「だめじゃない」
大丈夫なのかな。ところでここからどうなるんだろう。

603 :
名作の予感にwktk
でも出来るなら投下はまとめてくれたほうが嬉しいかな
細切れだと感想付けにくいし他の人が投下しにくいし

604 :
ごめんなさい!書きたい人、お先にお願いします。
今また忙しいので、まとまったら次は一気に終われるように来ます。

605 :
なぜか睡眠削って最後まで一気に書いてしまったので終わらせます。
途中で駄目にならないところまで全部いきます(8から15で終わりです)。
また用事があるため、規制(?)されたら残りは後にします。
***
斎藤に写真をとらせたりしつつ、あちこち探索していたら
短い日はすぐに傾いてきた。
「あ、雪」
「珍しくもないだろう」と、ユータ君は雪に反応した志保をいぶかる。
冬牡丹の咲かない北海道ならそうだけれど、
藁の傘だけでは、花が寒そうで何だか心配。
北海道ではあまり見ることのない水っぽい大粒の雪がどんどん降りてきた。
「…牡丹雪」
「ん?ああ、そう呼ぶんだっけ」
牡丹の花びらに似ているから?よく覚えていない。
服の上に降りてはとけていく。
***
「志保、色白い」
そ、そうかな。と思っていたら
「ひゃ?」
ユータ君がおおいかぶさったまま首筋にキスをしてきた。
なんだかぞくぞくする。
「…昼間は濡れなかった?」
「大丈夫だよ。ユータくんのおかげで」
しゃべっているとくすぐったい。


606 :
志保、濡れたら風邪引く。行こう」
屋根のあるところまで腕を引っ張っていかれた。
園内の休憩所。売られていた甘酒をユータくんが持ってきた。
「はい、身体あっためて」
まだ握られた腕に感触が残っている。
雪はどんどん激しくなる。
花、大丈夫かな、と外から目が離せない。
ユータくんが側にいないのも気づかなかった。
ぽん、と肩を叩かれた。
「タクシー来るから時間ぴったりに園の出口に行くようにして、それまでここで待っていよう」
実はここから駅までは少しの距離がある。
あ、でも帰りは志保が出して電車でって。
「いいから。志保が風邪ひいたら俺が困る」
…。。。。
志保は今とても幸せ。でも。
「じゃあ、志保が、えっと」
「…タクシー代はいいから…」
「あ…」
志保が先に気づけばよかった。
***
「ごめんね」
「何が?」
「ユータくんが無理したか、パパに何か頼んだかしたでしょう」
先に志保に言ってくれればよかったのに。
ぽんっと頭を叩かれた。
「ああ。まあ、娘がかわいいんだろうし、風邪ひかせるよりはましだと思って」
あー、パパのほうか。何か言われたかな。
「志保は考えなくていいから」
またキスで口を塞がれる。

607 :
タクシーに乗って、料亭に向かった。
ー 志保着替えたいんだけど。ちょっとぬれたし ー
普段なら普通に言う台詞がなぜか出て来ない。
「志保」ユータくんによばれる。
「しおれてる」
なんで分かったんだろう。
「あ、ちょっと元気になったかな」
なんで分かるんだろう。
***
すっとバスローブの帯が解かれた。
緊張で胸がばくばくしている。
「志保、身体の力抜いて」
「だって」
「そんなに震えたら散っちゃうから」
???思わず顔を上げた。
「緊張…してる?」
なんで分かるんだろう。
今、部屋には薔薇の香りが漂っている。
志保、ユータ君が好き。
でも、どうしていいのか分からない。

608 :
料亭ではお酒ぬきのコースにしてもらった。
志保普段自分で選ばないし。
「これはなに?」ってひとつひとつ味を確かめているユータくんがとてもかわいい。
志保も全部分かるわけじゃないから、分からないものは仲居さんに教えてもらった。
斎藤ってば、だいたいにおいて質はいいところを予約する能力はあったのね。志保満足。
ユータくんは旬の甘鯛の焼き物が気に入ったみたいだ。
あ、うっかりしていた。
もっとお肉をしっかり食べられる場所のほうがよかったかな。
ユータ君と二人になりたくて、つい和食って指定しちゃったけれど…。
次は気をつけよう。
「ね、こっちもおいしいよ」
「うん」
もきゅもきゅ、といった感じで炊き込みご飯を食べている。かわいいな。

***
耳にキスをされて何が何だか分からなくなる。
ただ耳からの感覚だけが鋭敏になって自分が消えるような。
刺激が強くて、ずっとしていてほしいような、でも自分がなくなりそうでこわいような。
お酒は飲んでいないはずなのに酔ってしまったみたいな前後不覚状態。
「…あっ…あ、は…」
「…感じすぎ」ざ
え。
「へ、へんなのかな…」
「変なことなんて何もない」
何がどうなったのか分からないまま、初めてユータ君の素肌を感じて抱き合った。
いいしれない安心感はどこから来るのだろう。

609 :
あ…都会の雪はいつの間にかやむんだ。
花を思い出して少しほっとしつつ仲居さんに丁寧に挨拶をされて店を出た。
「電車で帰ろう?志保が出すね」
ん、とユータ君がうなずき、斎藤たちはなにも言わなかった。
斎藤たちがいるから、手はつなげない。
ホテルに戻るまでみんな無言だった。
***
身体中のどこを触られてもいいしれぬ陶酔感に襲われる。
声が出る。
「ゆ、ユータくん…」
たまらずにしがみつく。
「な、なまえ、よんで」
「しほ」
ゆっくりと耳元で発音したその声がいつものトーンとまるで違っていて、その甘さにふわっと力が抜け、ベッドに身体を預けた。
首筋をユータくんの指がなぞる。
「ふ…」なんか、熱い…。
ユータくんの身体からも熱を感じる。
ユータくんの指が首から少しずつ、少しずつ降りていって、新しい場所に触れられる度に声が出る。
胸をすぎ、お腹をすぎ、たどり着いた場所に
「…あっ」
一番大きな声が出て、そのまま目をつむり、与えられる感覚に没頭した。

610 :
ユータくんを受け入れる覚悟はできていて。
でも、こわい。
ほとんど志保、目をつむって、他の全ての感覚に集中していた。
電気ついていたままだったから見るの恥ずかしかったし。
「志保、こっちむいて」
初めて目を開けた。
「いい?」
こくっとうなずくと身体の内部に衝撃がやってきた。
ただ熱くて痛いし思考が書き乱されて何も分からない。
無我夢中で耐えた。
「大丈夫?」
ん、と頷く。志保は大丈夫。だから、最後まで。
そのままぎゅっと目をつむっていた。我を忘れて。
しばらくして、何かが爆ぜたような気がした。

611 :
はっと目が覚めた。
いつの間にか朝になっている。
ユータ君は?
起き上がったら隣でユータ君が目をさました。
「んー、おはよう」なんかのんきだ。
「あ、え、えっと、おはよう。あの、ベッド。えっと…眠れたの?」
あれ?
「あー、うん、なんか眠れた」
???何が志保のベッドと違うんだろう。
「あーまあ、ベッドが違うとかじゃなくて、いや、まあそれはもちろんあるんだけれど」
なんで志保の言いたいこと分かるんだろう。
「まあ、なんかちゃんと眠れるみたいだし、何とかなるさ」
???志保のベッドでも眠れるのかな。
「ちょ、おおっぴらにあそこに出入りするのは待って…」
だからなんで志保の言いたいこと分かるんだろう。
なんか頭見てるし。
???
どぎまぎしていたら、また頭ぽんってされた。
ほわっと嬉しくなって、ユータ君を見上げて背伸びした。
キスが降ってきた。

612 :
「ねえ、河野さん」
「え?」
びくっとしている。
「なんでわざわざお金のないユータ君に旅費かかるチケットあげたの?」
なんかたじたじしている。
「えっと、いや…」
なんで志保の頭見ているんだろう。
口を開きかけた河野さんを、なぜか隣にいた足立さんが羽交い締めして口をおさえていた。
非常に珍しい光景が面白くてどうでもよくなった。
志保、今ご機嫌だから。
今日もワグナリアは平和だ。

613 :
>>604
続き来てた!
お花畑な志保ちゃんの脳内ってこんな風なのかなって思わせる文章がとても素敵でした
GJ!

614 :
すみません、訂正にまいりました。
11に二カ所入った「ざ」って何だ…。雰囲気台無し。
あと、9の最初の「 が抜けました。
途中から場面転換激しくて読みづらかったらすみません。
***
本編を見て、斉木と永田の組み合わせも(カップルまではいかないとしても)可愛いなあ、
と妄想してしまいました。
未だ時に空耳アワー炸裂する斉木に笑顔で対処する永田。
それを唖然と見守る周囲。で永田の開放感のままデート。
それはともかく他の結末が見えてきた中やはり最終的に妃がどうなるか気になります。
みんな幸せになーれ。
こそっとサーカス落書き待っていたりもしつつ。

615 :
小さいことは気にするな。よくやった。

616 :
小さいことは気にするな。よくやった。いつか犬組も頼む。

617 :
お題くださいな

618 :
節分

619 :
>>618
おk

620 :
出来ればさとやちで。

621 :
>>620
お、おう。内容までは保証できないけどな

622 :
出来たよー投下するよー!

623 :

「おはよーさん……って何を食ってんだよ」
「ふぉうふぁふぉーふぁ。ふぉれはやらんふぉ」
「おはよう潤君。これは廃棄予定の恵方巻きセットなの」
 出勤してきて事務室で店長と八千代の姿を見つけた俺は、いつも通り何かを食っている店長を無視しつつ挨拶を済ませようとしたところで、いつも通りではない何かを食っている店長に気を取られて足を止めた。
 八千代が言うには数日前までキャンペーン展開していた節分の恵方巻きセットの余った廃棄品なのだとか。こういったキャンペーンの場合、専用の食材をまとめて入荷する為、期間が終わると通常メニューに応用できないものは必然的に廃棄になってしまう。
 それを建前にしてむさぼり食うのはどうかと思うが。関西発祥の風習が北国のファミレスで提供されるというのは雑多に過ぎやしないか。
「何だ物欲しそうな眼をして。これはやらんぞ。どうしてもと言うなら炒豆と落花生を少しやろう。お子様ランチ用の鬼のお面もな」
「まあ潤君! 杏子さんが食べ物を誰かにあげるなんて滅多にない事なのよ。良かったわね」
「物欲しそうな眼をしてねえし豆もいらん。そのお面はお子様な種島にやれ」
「お子様じゃないよ!」
 勘違いから食いたくもない豆とお面を押し付けられそうになったが丁重にお断りをしておいた。
 どうせなら種島にお面を付けさせて俺が豆を投げてもよかったのだが、そうするとあのお子様は俺の事を鬼だ何だと騒ぎ立てるから却下
 俺が豆を投げたいのは店長だ。それか八千代と二人きりになりたいから豆と諸共に外に投げてやろうか。

「それで? 何で俺がわざわざ廃棄の恵方巻きを、わざわざ客じゃない店長の為に作らなければいけないんだ?」
「ね、お願い。頼みをきいてあげて? 私も手伝うから」
 わあわあと騒ぐ種島を適当にあしらいつつ着替えを終えてキッチンまで出てくると、次の面倒事が控えていた。
 店長に飯を作る事は不本意ながらよくある事だし、そこに八千代が加わっている事もまた最近の常だ。
「はいはい鰯の頭も信心からってな」
 リクエストの鰯の叩き入り恵方巻きを作るべく、刺身御膳用の鰯を拝借して二本の包丁で程良く刻む。
 今回のように他の食材を使っても何事も無く過ぎていくのは、客が少ない事と八千代や音尾のおっさんが入荷と廃棄の帳尻を上手く合わせているからだろうか。
 生姜と葱を一つまみずつ入れて軽く混ぜ合わせると出来上がりだ。これでも充分に美味そうで俺が食いたい。小鉢に盛りつけ卵の黄身をのせて醤油を垂らせば白い御飯のお供には最高だろう。
「しかし恵方巻きに鰯なんて、分かっているんだか分かっていないんだか」
「どうして? 食べ合わせが悪いのかしら?」
「詳しくは知らねえけど、鰯の頭を何かの木の枝に挿して魔除けにするんだとよ」
「へえ、面白いわね。はいこっちも完成よ」
 喋りながらの作業ももう慣れたもので、大皿には鰯の叩き入り恵方巻きがうず高く積まれている。これを全部食うのか? ……食うんだろうな。
 客の分の御飯や海苔は常識の範囲内で残してあるものの、そういえば他のスタッフの賄い分はどうなのだろうか。
「メシがまだの奴はいるのか?」
「ええと、相馬君と葵ちゃんとぽぷらちゃんは食べていたけど」
「すると伊波と小鳥遊とお前がまだなのか」
「杏子さんの分が減っちゃうし私はいいわ」
「そういうのは感心せんな八千代。ほら、一つでもいいから食え」
 店長の取り分が少なくなると遠慮する八千代にずいっと有無を言わせず恵方巻きを差し出す。以前なら意地でも食わなかっただろうが今はそうでもない、その心境の変化が嬉しい。
 元々貫き通すつもりはなかったのかもしれない、八千代はしようがないわねと笑顔で提案を受け入れてくれた。

624 :

「はい、あーん」
「えっ」
「あーん」
「あの、轟サン」
「食べさせてくれないの?」
 男しの異名を持つ天使が小首を傾げて俺を誘惑する……足立の野郎、実家が寿司屋だからといって彼女とこんないかがわしい真似をしている可能性があるのか。滅びろ爆発しろ。
「は、はい、あーん」
「あーん……はむ、ん、んはぁっ、はぁ……んむぅ、はぁっ」
 律儀にも作法に則って、俺の太い恵方巻きを声を出さず眼をつむって丸かじりをする表情はひどく扇情的で。
 嘘みたいだろ。ただ恵方巻きを食っているだけなんだぜ……? 尚も艶っぽい声を繰り出して必になっている姿に俺は誘われているのかと勘違いもしたくなる。
 したくもなるが……無理だろうな。
「やあ佐藤君、轟さん。どうしたのかな?」
「あ、相馬君」
「やっぱりな」
「何がだい?」
「いつから見てたって言ってんだよ」
「佐藤君が俺や他のスタッフの賄いを心配してくれていたあたりかな。でも安心してね、その後は見ていないから。具体的には轟さんがあーんをせがんだ辺りからは痛い痛い暴力反対だよ佐藤君!」
 相馬が覗いていないわけがないのだから。救いなのは先の現場を見ていないらしい事と、わざとらしくではあるが八千代が完全に食い終わってから来た事か。
「何をしに戻ってきたんだ?」
「小鳥遊君と伊波さんが休憩に入るから賄いを作ろうと戻ったんだけどね。何ならこれで良いか」
「あの相馬君、それは杏子さんの……」
「うん、そうだね。でもさ轟さん」
 そこで区切ると相馬は俺から見えない角度と聞こえない声量で何事かを伝える。その途端、八千代は伊波のようにボンと音が聞こえるくらいに頬を赤くし蒸気して俯いて黙りこくった。
 口を締めて眼線をきょろきょろと動かしエプロンとスカートを固く握り締めて肩で呼吸をする仕種も可愛いものだが、俺としては相馬に余計な事を吹き込まれたのではないか心配だ。
「おい相馬、八千代に何を言った」
「何でもないわよ潤君!」
「ほら、轟さんはこう言っているよ。そうだ、俺は今からこの恵方巻きを持って行ってキッチンも回すから二人で倉庫の備品チェックでもしてくれば良いんじゃないかな?」
 暗い倉庫で、二人きりで、俺が轟さんにナニを言ったか雑談でもしながらさ。と相馬が結ぶと、八千代はびくりと体を震わせ潤んだ瞳で俺のコックコートの腕を掴む。
 おいおいこれではまるで勘違いもしたくなる……そうか、間違っていないのか。
 間違っていないのなら。
「分かった相馬。じゃあ俺達は倉庫で備品チェックをしてくる。集中したいから誰も近づけさせないでくれ」
「うん。でもそうだなぁ、俺一人でキッチンを回して倉庫に人を近づけさせないとなると一時間が限度かな」
「一時間か。それでチェック出来るか八千代」
 うん、と蚊の鳴くような消え入りそうな声で返事をした八千代の手を引っ張ると、相馬のごゆっくりという言葉を聞き流して足早に倉庫へと向かう。
 何をやっているのだろう。ナニをヤるのだろう? 店でコトに及んだ憶えはないと言えば嘘になる。だがこれでは熱に浮かされすぎている。
 これもまた一つの情熱だと言うのは美化しすぎだ。でも常温のままではいつまでも上辺の飾りの部分しか見えてこない。
 ならば今はその美化した情熱とやらを信じよう。八千代がそう教えてくれたのだから。

「健全なんだか爛れているんだか分からないよ、あの二人は。まあいいか。さて、小鳥遊君と伊波さんにこの恵方巻きを持って行ってあげなきゃね。ついでに正しい食べ方を教えてこっちの二人も面白くなってもらおうかな」


625 :
以上です。上げてしまった…
 イ チ ャ イ チ ャ 成 分 が 足 り な い 
しばらく休載なのがつらい。きっと休載中もたかいなさとやちはイチャイチャしているよね!
それでは!
Knockin' on the door of my heart/globe

626 :
イイヨイイヨ!
そしてさりげなく足立爆発しろw

627 :
志保ちゃん訓練されすぎだろ…
いったいユータ君にどんな調教されたのやら

628 :
エロパロ&文章創作板から検索でかなくなってるけど何かあったのかな。

629 :
ぶっちゃけ猫組もアニメ化すればいいのに

630 :
アニメが終わると過疎るなぁ・・・落ちなきゃいいけど

631 :
次は猫組を頭から完結までじっくりアニメ化してくんないかなぁ…
猫組→犬組→豚→犬組→鯖→犬組→なつめ→犬組
こんな感じで延々アニメやってくれりゃあ個人的に大満足。

632 :
何年かける気だよw

633 :
もしかしてプロポーズの流れだろうかあださゆ

634 :
先走ったか妄想で終わるか分かりませんが、ふっと書いてしまったため置いていきます。
寿司屋の嫁。
***

「村主さん」
「え?今何か言った?」思わず包丁を向ける。
「あ、ご、ごめん…えっと…さゆりさん…危ないからそれ向けないで。
あの、ちょっと、食器の位置教えるからこっちに来て。
配膳や洗い物もお願いすることになると思うから」
「分かったわ…」 あなた、とどうしても言えなくて、うつむいてことっと包丁を台に戻す。
寿司屋の朝は早い、というか夜中からだ。
私は市場には行かなかったけれど、朝の店内の掃除などの仕事をおかあさまに教わっていた。
おとうさまと市場に行っていた足立君はもっと疲れているだろう。
軽く朝の仕込みを終えておとうさまとおかあさまはしばし休憩している。
私はまだ見ていない調理場を少し見たいと、足立君に案内を頼んだのだった。

635 :
「おかあさま、朝は和服ではないのね」
「ああ、今着替えていると思うよ。さすがに早朝の掃除は洋服のほうが楽だからね。
む、…さゆりさんも今日は初日だから動きづらいだろうしあれだけれど、
ものの位置とか覚えてお客さんの前に顔を見せるようになったらすぐにでも着つけも教わっていくと思う」
なるほど。
「あ、湯のみはここね。隣がビールグラスでその隣が徳利。寿司桶の棚はこっち。
注文ごとの皿の分け方は、今日は一日裏で母さんのを見ててもらったほうが分かりやすいと思う。
あとこっちに醤油の小皿やなんかがあって。まあこれも少しずつ慣れてもらえばいいし」
「分かったわ」


636 :
「後は何か聞きたいことある?」
そうね。
「あの魚はどうするの?」
水槽を、鯵かしら、何か魚が泳いでいる。
別の水槽にはおおきな海老がいる。
「あれは活け造り用。希望があったらあそこからさばくんだ。
本当は市場で仕入れてしっかり仕込んだやつのほうが味はいいんだけれど、
活けがいいっていうお客さんはいるから」
水槽を見つめる。海老と目があった気がした。
「ごめんね」後ろから足立君の声がする。
「…何が?」振り向かずに答える。
「新婚旅行から帰ったばかりなのに初日から大変な思いさせて。…手も荒れるし」
「…別にいいわ。私が決めたんだもの」振り返ってつっとその首に手を伸ばす。
「つめたっ。村主さん!あっ…ごめん」
「許さない」
見つめ合った2人の唇が近付いていく。
「おーい。正広。そろそろ包丁の手入れしとけよ」
「さゆりさん、今のうちに注文票の書き方教えちゃうわね」
おふたりの声が聞こえて、私たちはさっと離れた。

637 :
***
「おつかれさま。大丈夫?」
入浴を終え寝室に戻ったのは夜中だった。
今日は本当にめまぐるしい一日だった。
私はまだほとんど何もできないとはいえ少しでも早く仕事を覚えようと終始緊張していた。
「ええ。…そちらこそ疲れたでしょう」
今日はお客さんが多く、足立君はおとうさまとてんてこまいだった。
「まあ、俺は慣れているから。
…慣れる暇がなくて悪いけれど、明日定休日だから、少し朝ゆっくりしていいって。
母さんが、…さゆりさん、の着物合わせたいって。」
「分かったわ」
着物。ちょっと楽しみだ。
「ありがとう」
「え?」
「来てくれて」
「そういうのやめてってば…もうやすみましょう」
思わず斜め下を見てしまう。
「…うん」
電気を消して並んだ布団に横になる。

638 :
…布団、冷たい。
足立君の方によって足をつけた。
「村主さん!冷たい」
「あ」
「ごめん…びっくりするとどうしても」
「許さない」
…私は一度も足立君を呼んでいないことを10メートルくらいの高さの棚に上げて、手をその首筋にやる。
「…さゆりさんってば」
その手を掴まれた。
「寒かったでしょう」と抱きしめられる。
「あったかい」
「よかった」と足立君が言う。どちらからともなく唇が触れ合う。

639 :
いとしいひと。
唇を何度もついばんでキスを返す。
浴衣の背中に手を回す。
足立君は私の浴衣の肩を軽く開いた。そこに、そっと、そっと、触れるようなキスが重ねられる。
切なさに、思わず足立君の背に回した手を動かして撫でた。筋肉の感触が分かる。
「さゆりさん」
「……え?」
「…何でもない」
飲み込むの、悪い癖ね。
「どうしたの、…あなた」

640 :
足立君がむくっと起きあがったので驚き、つられて上半身だけ少し起き上がった。 
その浴衣の合わせを完全にはだけられ、帯を解かれる。
そこからは言葉はなかった。
肌がすいついていくように足立君を求める。
足立君の手が、誘導されるように私へと伸びる。
耳元の荒い息づかいに私もまた高まる。
「…ん、んうう」
やってきた充足感に声を必で押しして唇を噛みながら、それでも足立君の顔が見たくて目を向ける。
足立君の、必な,半ば苦しげな表情に胸が甘くうずく。 
私を満たして。もっと。
それができるのは足立君だけだから。
「…っさ、さゆりさん…。…くっ…」
「あ…」

641 :
2人で布団に倒れ込んだ。
息がまだ切れている。
しばしして先に復活したのは私だった。電気をつける。
「…風邪ひくわ。ちゃんと着ないと」
「うん…明日が休みとはいえさすがにもう寝ないとね」
「…着れた?電気消すわね。おやすみなさい…あなた」
「…っ…おやすみなさい、…さゆりさん」
明日もまた新しい一日になるのだろう。
すぐに眠りに落ちた足立君の寝息を確かめる。
おやすみなさい。………まさひろ、さん。

642 :
GJ!!

643 :
ふおおお、GJGJ!
まだお互いの呼び方に慣れてないって、イイ!

644 :
しかし本編の方、囲うってwww

645 :
本編のさゆりの笑顔がヤバい。

646 :
足立爆発しろ!!

647 :
鯖のエロお待ちしてます

648 :
うろんなページのネタが妙に凝ってるんだけどwww

649 :
公式がエロすぎて俺らの想像力が追いつかない・・・

650 :
公式wwwさすがっすwww
「エイプリルフールでした」って言われんでも分かるわwww

分かるわ……

651 :
座椅子形枕YAMADA欲しいなwww

652 :
本誌での着信件数67が伊波の胸囲を暗示しているとしか思えない
某アイドルが72なことを考えると、作者に「ない」とまでいわれた伊波は67もあり得るのではないだろうか

653 :
ナ、ナンダッテー>ΩΩ
てか本スレでよくね?荒らし除けにもなるし

654 :
おまいら内輪では揉めるが外敵には最強だなw

655 :
本スレは流れが早いし宗教みたいな雰囲気がどうも苦手

656 :
ここはヲチスレじゃねーぞ

657 :
梢姉さんは真柴兄妹をさらりと夜のお相手しそうだな…

658 :
水遁依頼ってどうやるんだ?
くだらなすぎてダメージはないが猫組フィナーレを汚されたくない

659 :
>>651
目覚めから腹立つなんて嫌だw

660 :
作中では過小評価されてるけど山田(妹)って可愛いよな?

家族作ってあげたい

661 :
さて、本編はどこに着地させるやら。

662 :
ふむ…

663 :
うわお本家が

664 :
おいおい本編・・・
えんだあああああああ

665 :
いつか犬猫がコラボしないかな

666 :
あの流れでヤるとしたら千早さんは
いちみーの飲むか中に出してもらうかだよなぁ
…と、たまにはピンク板らしい事を書いてみる

667 :
アニメ化したら性活保護とかいう同人誌が出るよ

668 :
やめてくれw

やめてくれ…

669 :
いなみんNTRエロが見たい

670 :
伊波は恋のキューピッドだったな!(棒)

671 :
>>669
よそでやれ

672 :
アニメ化とか否定派だったけど
犬ものの絵とかが見たいから最近はアニメ化して欲しくなってきた

673 :
>>669
なぜかその一文で伊波が他の男にやられちゃうけど
女たらしと化していた小鳥遊が裏で指示してたというのが思いついた
なぜだ

674 :
いや、むしろ伊波の男性恐怖症を治すためには
もっと他の男との接触を持たせたほうがいいという純粋な善意からだな

675 :
いなみんが小鳥遊にいわれて他の男に会ってる時
高梨は先輩と…

676 :
最近全巻読んではまったww
小鳥遊×伊波さんにすげえ萌えてるんだがww

677 :
>>676
今週のYG は読んだかい?

678 :
>>677
いや、俺コミックス派なんで…

679 :
うろんの隠しページが最近ェロイ
志保父と志保母の馴れ初めだけど肌色率高い…
想像力がほとばしるううううう

680 :
足立のあのいざという時の大胆さは何なんだw

681 :
1〜2年ぶりに裏らくがきまとめ読みした。
杏子さんと榊のヤンキー時代の話で
美月が食べるだのどーのこーの言ってたけど
やっぱダブル店長は学生時代一部から
そういう関係だと思われてたのかねえ。

682 :
区民になってルーシーのけしからん巨乳を難癖つけて揉みしだきたい

683 :
普通に揉ませてくれそうだからあの子は困る

684 :
隠しページー
薄いと逆にェロい気が

685 :
小鳥遊姉妹

686 :
ルーシーの広辞苑になりたい
お胸をのっけされたい

687 :
保守

688 :
しかしどんなパンツはいてたんだろ?

689 :
workingの新巻読んだけど、もう小鳥遊と伊波さん両想いじゃないかww

690 :
スカトロとかは自重したほうがいいですか?

691 :
どうしてもって言うなら別スレ投下後にURLだけ貼り付けで

692 :
>>691
構わなくていいよ。こいつ所構わずエロパロスレ荒らしてる奴だから

693 :
>>689
普通なら想いが通じ合った時点で終了だが
がはこ漫画はむしろ両思いになってからが本番

694 :
あださゆ欲復活したのでこっそり。
2年後の冬の終わり。
***
からから、と音がして扉が開いた。
「いらっしゃいま…」
思わず凍る。
「よー。村主。元気か?」
「…こんばんは」
なぜこのふたりが寿司屋に。
「二人とも大学に合格したからまわらない寿司食いにきた」
…よく宮越さんの入れる大学があったわね…
「定員割れの大学でよかったですね、宮越さん。
今は私立の大学は経営が厳しくて生き残りが大変らしいですよ」
解説ありがとう、東田君。日本語若干うまくなったわね。
「なんだよ、合格したんだからいっしょだろ?国立だからって文句つけんな」
「うちは国立でなければもともと無理ですから…」

695 :
「村主さん?お客様お通しして…わ、東田君に宮越さん?」
立ち話を不審に思った足立君が出てきた。
「よー、足立。くいにきてやったぞ。うまいの頼むな」
「…すみません、宮越さんがここにくるってきかなくて…」
「足立が握ってくれる?」
あ。足立君はまだ調理補助がメインでお客様にはお寿司を出していない。
どうしよう。
「この様子ならいけんだろ?頼むよ」
…宮越さん、こういうのは鋭いわね。
今いるのは常連さんが二組だけ、足立君のおとうさまがつききりでお相手している。
足立君のおかあさまは風邪をひいて今日は休んでいる。
思わず足立君と顔を見合わせた。
「…あ、じゃあ聞いてくるよ」
足立君がおとうさまの方へ向かっていったのではっと我に返る。
仕事しなきゃ。
「ではお荷物お預かりします」

696 :
「ああ?正広の友達か。いいよいいよ。大学合格だって?めでてえじゃないか」
結局二人の相手を足立君と私ですることになった。
「どうぞ」
お茶をお運びする作業は慣れたものだ。
「さんきゅ。中トロ握って」
「あ、俺は白身でおすすめなんかお願いします」
…このひとたちは。
とりあえず無言で席に通す。
「ところで、村主は今大学で何してんだ?」
「…最近は、昼間就職先の研修に行っているわ」
私がここで働き始めてから、足立君は何も言わない。
大学で周りは就職活動を始める。
流れでいくつか回ってみたら、このご時世ながら相当運が良かったのか、内定をもらってしまった。
以前から気になっていたところではあった。相性がよかったのかもしれない。
なんとなく流れのまま、しばらくここのバイトと就職先の研修、卒業制作で非常に忙しい日々を過ごしていた。

697 :
「ホタテ、おいしいですね」
宮越さんが質問を重ねようとしたところ、東田君が間に入ってくれた。
「ああ、今は旬だからね。トキシラズで氷頭もしこんだよ。
俺が作ったのはまだお客さんには出していなくて家で消費しているんだけど、よかったらお茶うけにしてくれる?」。
カウンターから足立君が答えたので、小皿を用意する。 
「おお、こりこりしてうまい」宮越さんのお母さんはさすがに寿司屋関係のものは作らないのだろう。
「ほら、宮越さん、そんな風にしたら醤油こぼしますよ」
東田君がすっかり世話やきになっている。
…いま、東田君が微笑んだ?
「村主さん、何見てるんですか」
「…何でもないわ」
「あ、村主さん、こっちお願い」と足立君に呼ばれて会話が中断される。
「はい、ただいま」
「村主さんこそ」
「何よ…」東田君は鋭いのか鈍感なのか分からない。

698 :
「じゃあな、足立、村主。うまかったぞ」
「ごちそうさまでした」
ひととおり寿司を堪能して二人が帰って行った。
「ふう」
足立君のお父様の方はとっくに一段落して、
この珍客の厨房の後片付けを足立君とふたりでするようにおおせつかっている。
「おつかれさま」
足立君はいつもの笑顔だ。
…なんとなく気に障ったから、黙って氷を冷凍庫から出してくる。
「いや、何、村主さん、やめて」
絶対やめない。氷づけにしてやりたい。
私の状況、私逐一伝えているわよね。
氷じゃ足りない。先ほど研いだ包丁はどこにおいたかしら?

699 :
「…あだちくん?」
柳刃包丁を片手に、地の底を這うような声が出たと思う。
「…はい…あのさ」
何よ。
「俺のことそんなに信じられない?」
え?
あまりにも予想外な答えに拍子抜けした。

700 :
足立くんは本当にひどいひとだ。
「…あだちくん?」
ものすごく甘い声が出たと思う。
「言っている意味、分かるかな」
…やっぱりだめだ。
「それじゃ分からないわ」
「だからさ」
そういかける足立くんの唇に、そっと私の人差し指を押し当て、首を横に振った。
ぐっと足立くんが息を飲むのが分かる。
まだだめ。心臓の音が止まらなくて私が内側から壊れそう。
まだ数えられる日にちくらいは、私も考える余裕はあるから。
明日も、ハードスケジュールだ。

701 :
小鳥遊「ちっちゃくねーよ!」

702 :
今はじめてスレ読んだんだがエロ減りすぎだろ

703 :
WORKINGってあんまりエロ合わない気がするからじゃね?

704 :
そうなのかな
保管庫を見てみると初期はけっこうエロもあったみたいだし
近ごろの原作の展開のせいのような気もする

705 :
原作とらくがきで満たされてしまうんだ

706 :
原作が最大手を地でいくからなあ
アニメ化してから来た身だけどあのころは投下が多かったね

707 :
そりゃスレでエロイラネエロイラネっつってたら投下なくなるだろうよ

708 :
でもそれは「投下されない」ってだけだろ?
もし書きたい人がいるならエロスレが別に立ってもいいわけだし
書きたい人自体ほぼ絶滅してるってことなのかな

709 :
>>708
違うよ?エロ投下したらほぼ無反応で
非エロ投下したら「GJエロいらんな」の流ればっかだったからだよ?

710 :
そうなのか…
それだとほぼ質の問題じゃなさそうだな
つまりエロである以上、よほどの良作でないと無反応っていう

711 :
保管庫見たらエロい作品も結構あって楽しめたけどなあ…

712 :
エロパロ板なのに…
種島とか杏子とかルーシーとか超エロゲ体型なのに…

713 :
ルーシーは超エロいおっぱいしながらアホの子すぎて警戒心ゼロすぎて異常に心配
悪いおじさんに騙されて輪姦されるのがこれほど向いてる子もいない

714 :
子どもをエロ要員とかねーわ

715 :
描かれてない部分でえろいことしてるだろ
がはこたんもそういうの匂わせてるし

716 :
このスレのエロ担当は佐藤君だろうに…生し歴ン年の熟成されたエロ力(ぢから)は半端じゃないに違いない

717 :
>>716
佐藤さん優しいから無理やり襲うとかは絶対にしなそうだからな
梢さんの佐藤さんが八千代さんレイプする妄想してた時も引いてたし

718 :
鯖はエロ読みたい
凌辱系はアレだがw

719 :
ルーシーは真面目だから
ラブホのAVやべさんのエロゲ鵜呑みにして
実績してくれそう

720 :
読書家はエロい

721 :
まあエロはいらんよな…
エロ無しSSの方がレヴェル高かったりするし
個人的にはBL系のSSも読んでみたいけど

722 :
エロは大事だよ
いらなくなんてないよ
エロパロ板なのにエロが書き込みにくくなるようなこと書かんでくれよ…

723 :
まあ確かに不要だなぁエロは、もっと健全に行こうぜ。
むしろ自分も男キャラ同士の作品を書いてみたかったりする。

724 :
エロパロスレでエロいらんとか何言ってんだ
>>723
そういうのは801版でやってくれ

725 :
>>724
あくまでプラトニックな内容なんだけど
それでも向こうでやるべき?

726 :
>>725
>>1
・801ネタはヤオイ板でお願いします。

727 :
>>726
ごめん、俺勘違いしてたわ…
性行為無しならBL展開でもこっちでやっていいものだと思ってた。

728 :
そもそも何でローカルルールで801禁止にしちゃったの?
板的には801も認められてるよね…声の大きい一部の層がゴリ押ししただけなんじゃない?

729 :
荒れるから

730 :
(腐女子のせいで)荒れるじゃなくて、(アンチ801が暴れて)荒らすじゃないの?
荒らしてほしくなかったら801を禁止にしろって言ってるようにも聞こえるけど?

731 :
これだから>>730みたいな腐女子は嫌なんだよ…

732 :
801にスレがないからさ、譲歩を求めるつもりだったんだけど
やっぱりホモは嫌われるのかな(´・ω・`)

733 :
自分で立てろ

734 :
腐女子が嫌われる理由がこれだよ

735 :
BL排斥論そのものがおかしくないかな?
スレのルールを変えるべきだよ

736 :
シュガーがうっかりつまずいて八千代の胸を触っちゃったらどうなるのっと

737 :
>>735
しつけえな。出てけよババア
>>736
多分佐藤さんは黙って離れて落ち込むと思うww

738 :
>>737
なんで?
この作品で一番多いのは腐女子のファンでしょ?
エロ禁の流れになったのも腐女子が多いからだと思うし
少数派が多数派を排除するなんておかしいよ(´・ω・`)

739 :
>>737
>>735,738はスカトロ大好きなプラゴミっていう荒らしだから徹底放置でよろ
詳しくは愚痴スレ、プリキュアスレ、寝取られスレとか見ればわかるから
>>736
その場は「すまんな」とか淡々と謝りつつ
後から胸を触った手を控えでじ〜っと見つめている佐藤さんまで想像した

740 :
>>739
何いってんだお前?

741 :
>>738が荒らしだったとしても
BLも受け入れるべきだということには何も変わらんがなと思う俺腐男子

742 :
>>739
いや、多分そいつだったら問答無用でそういうの書き始めるから違うと思う。
普通に質悪い腐女子だと思うわ
つーか、>>1読めよ。マジでそういうのは勝手に801スレとか作ってそっちでやってくれ
こっちでやるな迷惑だ

743 :
>>742
スレを作ったところでなぁ…
見ている人がいるところで作品を投下したいってのが俺の考えだったりする

744 :
男女エロと百合禁止、801推奨にすればスレはもっと賑わうはず

745 :
>>744
お前>>738だろ。バレバレなんだよ

746 :
なに言ってんだこいつ
賑わう自信があるなら自分で別なとこでやればいいじゃないか
見てくれる人もたくさんいるだろ

747 :
仲間を増やしたいんだよね
801にスレ立てても腐女子しかいないし
言ってみれば布教活動ってやつかな? お前も腐男子になろうぜ

748 :
なんで腐同士で仲良くできないの? 2ch上でさえコミュ障害なの?

749 :
高津作品でホモとかやめろよ気持ち悪い

750 :
>>749
そんなこと言われても……心狭いって言われんか?
アニメから入った腐女子腐男子は多いと思うぞー

751 :
スルーしよう。こいつどう見ても荒らしだ。構うとつけあがる

752 :
まあ801については賛成
支持する声があるなら硬直的にルールを押し付ける必要もないだろ

753 :
この手の奴はスルー=肯定とみなすから性質が悪い

754 :
女男エロに限定してるからここは過疎ってるんじゃねーのか?

755 :
O/L5u1is=Tk25CQO8=QV4WDV++=J0Lf+6WI
腐女子マジで消えてくれ。

756 :
イコールじゃないって
希望票の多さに目を瞑って現実逃避の自演扱いは…ないわ

757 :
>>756
じゃあ、なんで一日に同じIDの奴だけしかそういう事言わないの?
違うIDならわかるけどさ
要はIDが変わる一日毎におんなじ奴が文体変えてわめいてるだけ。

758 :
自演でない書き込みほど自演認定される
これエロパロの法則な

759 :
構えば居なくなってくれるとでも思ってんのかお前は

760 :
まあ、スルーだな。これからはいない者として扱おうぜ
>>739で言ってる奴もそんな風な扱いだし

761 :
こうして荒らしに構いまくったマヌケのおかげでスレは廃れたのでした

762 :
と、荒らしが他人のせいにしてます

763 :
俺荒らしじゃないんだけどなーwww

764 :
自分も801SSに期待してる

765 :
勝手に「一番読んでるのが腐」とか勝手に決めつける所が腐の嫌いな所

766 :
サーバントのエロはないか(´・ω・`)

767 :
アニメ始まったからね。ルーシー(以下略)エロかったな

768 :
サーバントで今考えてる
近親相姦になるけどもw

769 :
うさぎと花音か…

はせるしは初期べさんに乗せられてヤるのも
ちょい病みべさんに同意レイプでもおいしいな

770 :
とりあえず、書けてる分だけ投稿します
近親相姦は近親相姦でも、課長親子ではないですよw
今日アップ分ではまだエロに入りません。
個人的には駄文と思ってるので、期待はあまりしない方がいいかもしれませぬ。

それでもOKなら↓へ

771 :
「ただいま」
「お帰り、お兄ちゃん」
少し大きな箱と袋を手に、一宮大志は帰宅した。
12月24日
巷では俗に云うクリスマス・イブと呼ばれる日。
街中をカップル達が行きかい、一部では聖夜ならぬ性夜とも言われている。
ただし、それはあくまで巷の話。
大志にとって、12月24日は、クリスマス・イブという認識ではない。
「塔子、誕生日おめでとう」
「…あ…ありが…とう///」
大志の妹、一宮塔子の誕生日。
大志はこの日をそう認識しているのである。
「塔子、ケーキとこれ…欲しがってた奴なんだろ?」
「あっ!!一番新しい社会保障法令便覧…」
大志は、袋から取り出した社会保障法令便覧を塔子に渡す。
受け取った当の本人も満更ではない様子で、笑みを零していた。
妹が喜んでくれる事が、大志にとっては一番嬉しいことである。
そんな事を大志が考えている時に、塔子が囁いた。
「…でも…もっと欲しいもの…あるんだけどなぁ…」
「ん?なんか言ったか、塔子?」
「!?なっ、何でもないわよ!!バカ!!」
「バカ……」
(やっぱり………塔子は俺の事が嫌いなのかな……)
大志は、塔子が自分の事を嫌いだと、ずっと思っている。
しかし、実際は全く逆であり、塔子は大志の事が大好き、ブラコンの領域に収まるか微妙なラインという重度のブラコン患者。
それぐらい、塔子はお兄ちゃんLOVEなのだが、性格がツンデレというだけに、強がった態度をとってしまい、お兄ちゃんに自分の事が嫌いなんだ、と思われている。
「さてと、塔子、プレゼントはおいといて…夕飯食べるか」
「う…うん!!」
たった2人での夕食、そして、ケーキ。
ケーキに突き刺さったロウソクの灯を消す時の哀愁感。
大志には何だか悲しく思えてきた。
そして、ふと、妹に話しかけた。
「なあ、塔子」
「何?」
「お前は…寂しく…ないのか?」
「何がよ?」
「その…あくまで今日はお前の誕生日なんだし、俺だけにしか祝ってもらえないのは寂しいんじゃないか?」
「もう…お兄ちゃん…私の誕生日なのに、心配しないでよ…バカ」
「いや、真面目に考えたんだけど…」
「私は家族から忘れられなければ、それでいいから!」
「そうか…」
慰めるつもりが、逆効果。
大志は胃が痛くなった。
が、ここで途切れるわけにはいかない。
兄としての威厳を見せないと、妹にまた嫌われてしまう。
そう思った大志は、意を決してこんなことを聞いた。
「なあ、塔子、お前が一番欲しいものってなんなんだ?」

772 :
「!?お…お兄ちゃん!?まさかさっきの…!」
「…すまん、聞こえていないフリをしていたんだ」
「…バカ」
塔子が一番欲しいもの。大志は、どうしてもそれが気になっていた。
緊張からか、大志の胃は更に痛む。
「私が…本当に欲しいものは、もうこの家にあるの!!」
「どういう事だ…?」
欲しいものは既にこの家にある。
塔子の発言を、大志は理解できなかった。が、塔子の異変に気付いた。
塔子が顔を赤く染めていた。
「塔子?顔赤いけど、大丈夫か…?」
「だっ、大丈夫よ!!熱は無いから!」
「ならいいや、で…塔子」
「何…?」
「正直に言ってくれ、塔子が一番欲しいものってなんなんだ?」
「………お兄ちゃん」
「…は!?」
「お兄ちゃんが欲しいのよ!!バカっ!!」
「塔子!?それって一体!?」
大志は脳を回し続けた。妹の欲しいもの、それは、兄。
言い換えてみれば、塔子が欲しいのは、大志。
そこでようやく意味を知った。
「塔子……お前…欲しいものって…俺の事だったのか…?」
「……そうよ、私が欲しいのは…お兄ちゃん…大志お兄ちゃんよ!」
「でも、欲しいって…一体俺の何が欲しいんだ!?」
「…そういう事女に言わせるの!?バカ!!」
「体が…って事なのか………?……塔子…?」
「……///」
更に赤くなる塔子の顔。
その顔を見ていると、大志の顔もいつしか赤く染まってきていた。
「な…なあ塔子」
「何?…お兄ちゃん」
「塔子は…俺の事が嫌いじゃないのか?」
「お兄ちゃんのバカ!!私は…ずっと好きだったのに!!」
「そう…なのか…?」
十数年間、妹は自分の事が嫌いだと思っていた。
が、大志の誤解は妹本人の告白によって、解けた。
しかし、ここからが本当の正念場である。
「塔子…今までごめんな…」
「バカ!バカ!ずっと…お兄ちゃんの事…好きだったのに気付かないなんて…!!」
「今回は俺に否がある…塔子の言う事…聞いてもいいぞ…」
「…本当に…?」
「ああ、俺の失態は俺が責任を取らないといけないからな」
「…ありがとう…お兄ちゃん…!!」
「ああ、お礼なんむっ!?」
大志が喋ろうとした所で、大志の口は塞がれた。
大志の目の前には、顔を真っ赤に染めた妹、塔子。大志は、妹にキスされた。
<続く>

773 :
BLかエロ無しじゃないとおもろないわー。腐女子舐めんな
消えろ、続きはいいから

774 :
>>774

続き待ってるよ

775 :
間違えた
>>774じゃなくて>>772です

776 :
>>771
GJ。どんどん書いて

777 :
妹とのキス。
高校生とはいえ、まだまだ子供な塔子の唇と自分の唇がくっついている。
大志は塔子の表情を見た。
塔子は、顔を真っ赤に染めて、唇を必に当て続けている。
そんな妹を見て、大志は妹を素直に受け入れることしかできなかった。
唇が引っ付いて、1分、ようやく唇が離れた。
「塔子…」
「お兄ちゃん……愛してる」
「…えっ…?愛してっ…!?」
「私、お兄ちゃんの事………男として意識してるのっ!!」
妹のカミングアウトと共に、大志は理解した。
妹は、自分の事を兄として、そして1人の男として…好きでいてくれる事。
大志は、妹が愛おしく思えてきた。
そして、それをすぐに行動に移した。
「塔子!」
「お兄ちゃんむぅっ…んん…んぅん…」
「んんっ…んん…んむぅ…ん」
大志からのキス。
そして、今度は離れないように栓をした。
2人の栓は複雑に絡み合い、ちゅぱちゅぱという音を出している。
大志も、塔子も、顔を真っ赤にして、栓を求めあった。

778 :
「んんっ…ぷはっ…大丈夫か、塔子…」
「んん…大丈夫、それより…続き…しよ…?お兄ちゃん」
「…分かった」
「じゃ…じゃあ……その…お兄ちゃんの大きいの…見せて…」
「ちょっと…恥ずかしいな…」
「しょうがないわね!…私が下してあげるわよ…バカ…」
顔を真っ赤に染めた塔子が、大志のズボンを下げる。
ズボンを下げただけでも、隆起している肉棒。
塔子は多少怖くはなったが、意を決して、大志の下着を下した。
「お…大きい…お兄ちゃん…立派なもの持ってるんだね…」
「妹に言われると、なんか嬉しいな」
「私も嬉しいよ、お兄ちゃん、んんっ」
「あっ…ああ…塔子…」
塔子は、大志の肉棒を舐め始めた。
そそり立つ棒の根元から先端まで、ゆっくりと舌を動かす。
大志には、その動きが刺激として体に伝わる。
その刺激のたびに、大志は声が漏れた。
「あぁ…いいよ…塔子…」
「気持ちいい?お兄ちゃん?」
「うん、最高だ…」
「じゃあ…もっと気持ち良くしてあげるわ」
そう言うと、塔子は舐めていた肉棒を小さな口で頬張った。
そして、前後に顔を揺らし始めた。
「あっ…ああ…と…塔子…気持ちいいぞ」
「うれひぃ…おにいひゃん…」
「大体これなんて、何処で覚えたんだよ…」
「それはおにいひゃんの為に…私もある程度知っておかなきゃと思って…」
「そんなに塔子は俺想いなんだな…くうっ…塔子…俺…ヤバい…」
「んんっ…んん…わたひの…口で…出していいよ…」
「うっ!」
ビクン、と体がうねり、大志の肉棒から塔子の口に白液が放出された。

779 :
「ご、ごめん…やりすぎたか塔子」
「けほっ…けほっ…お兄ちゃんの苦いわ」
「ここに吐いとけ、かなり大量に出したから」
「ううん、大丈夫よ、全部飲めるから…それよりお兄ちゃん…」
「…俺に…何してほしいんだ?」
「私の…体…弄って…」
「どこか言わんとわかんないぞ」
「私の!胸とか…おまんことか…みんな弄ってよ!!」
「よく言えました」
「ひゃうっ!?」
大志は塔子が卑猥な言葉を言い終わった瞬間に塔子の服や下着を一気にはぎ取った。
そのため、塔子が抵抗する暇もなく、塔子は全裸になった。
無防備な塔子の様子を見て、大志は、妹の性器に顔を近づけ、舌を引っ付けた。
「!?んぁっ…」
「塔子、感じてるの?」
「感じてなんかぁあん…あぅ、お兄ちゃん…」
「気持ちいい?」
「…うん…気持ちいい…」
「それは良かった…じゃあこっちも」
大志は、まだ控えめな感じの塔子の胸を揉みしだいた。
塔子は、下からくる刺激と胸を揉まれる刺激の板挟みで、甘い声を漏らす。
「ああんっ!あっ…お…にいちゃん!きもちいい!」
「塔子、可愛いよ」
「お兄ちゃん…///ああっ…私…もう…」
「イっていいよ、塔子」
「んんんっ!!ダメぇっ、お兄ちゃん!!ああああっ!!」
塔子の体が宙に上がり、塔子は快楽の限界を超えた。
それでも、塔子の体は、まだ快楽を求める。

780 :
「お兄ちゃん…お願い…私もう…ダメ…我慢の限界なの」
「…あくまで俺達は兄妹だけど、本当にいいんだな?」
「うん…だから、早く…処女は…お兄ちゃんに捧げたかったから…」
「分かった、後悔しないなら、俺も塔子としたい」
「あの…お兄ちゃん…生でも…いいよ」
「そうか…じゃあ遠慮なくいかせてもらうよ」
大志は、塔子を寝かせて、その上から覆い被さった。
そして、妹の蜜壺に肉棒を挿し込む。
「あっ…あああっ…」
「んん…」
途中でコツンと邪魔するものに当たった。
しかし、この先へ進まないと快楽は得られない。
大志は、意を決して一気に挿れた。
「あああああっ!!!」
「塔子!!大丈夫か?」
「痛い…いたいよぉ…おにいちゃぁん…」
「我慢できるか?後もう少しで全部入るけど」
「…痛いよ…でも…頑張るから、挿れて…」
「無理はすんなよ…」
大志は、肉棒を更に奥へ押し込んだ。
そして、全てが塔子の中に納まった。
完全に、兄妹で合体してしまったのだった。
「塔子、全部入ったぞ!」
「お兄ちゃん、痛み引いたから…動いて…お願い」
「分かった、ゆっくり動くから、痛かったら言えよ?」
「うん…」
大志は、ゆっくりではあるものの、腰を動かし始めた。
肉棒が奥まで入るたびに、パン、パン、という腰のぶつかる音がする。
結合部では水のピチャピチャという音が鳴る。
そして、快楽により、一宮兄妹の声が漏れる。

781 :
「あぁ…ん!あん!お兄ちゃぁん!いいよっ!」
「塔子…気持ちいい…もっといけるか!」
「うん!もっとぉ!つよくっ!」
大志は、腰を振るスピードを上げた。
結合部の音は更にいやらしくなり、グチャグチャという音をし始める。
一宮兄妹の興奮度も最高潮にまで成り上がった。
「ああん…ああん!!あぅん!気持ち…いいよぉ!!!」
「塔子!塔子!!」
「お兄ちゃん!おにいちゃぁん!!ああん!はぁん!」
「塔子、俺…ちょっとヤバい!」
「お兄ちゃんんっ…中で…出しても…いいよ!」
「塔子!もう出る!!」
「ああん!!おにいちゃん!!!!!」
「くっ!」
「ああああああああああああっ!!お兄ちゃん!!!イっちゃうううううううっ!!」
ドクッ、ドクッという音がするぐらい、大志は塔子の中に白い弾丸を撃ち込んだ。
その弾丸に撃たれたか、塔子もその後すぐにイってしまった。
「はあ…はあ…大丈夫か、塔子」
「大丈夫…よ…お兄ちゃん…」
「塔子…これで…よかったんだよな」
「当たり前じゃない!……バカ///」
一宮兄妹の奇妙なクリスマス・イブは、静かに終わりを迎えた。
〜おわり〜

782 :
これで終わりです
途中で数字間違えてしまいました、すいません
また暇さえあれば書きたいと思います。

783 :
速報:千早さんDカップ

784 :
ちょうど塔子ちゃん出てたけどお兄ちゃん好きすぎて萌えた

785 :
アニメでまた盛り上がるといいなあ
ルーシーちゃんがストライク過ぎて辛い

786 :
妹ちゃんかわいいgj

787 :
どうでもいいけど
はせ×やま、じゃなくて
はせ×るし、なんだな
どうでもいいけど

788 :
ルーシー何カップ?

789 :
GからJの間

790 :
「いやぁ・・・・・・あ・・・・・・や、やめ、て・・・・・・」
「どうした、ルーシーちゃん、感じるのかい。フフフ、敏感なおっぱいだな。じゃあ、こうすれば、どうかな」
 男は可憐ともいえるルーシーの乳首を、触れるか触れないかの微妙さでスッ、スッと擦ったり、
円を描くようにして細かく刺激を与えたりと、巧みで変化に富んだテクニックでルーシーを翻弄する。
 敏感なルーシーの乳首はたちまちのうちに固くしこり、とがりはじめた。
「あッ、いや・・・・・・いやぁぁぁ」
 ルーシーは身体の奥から甘いうずきが芽生え、下腹部で熱いものが溢れ出しそうになるのを感じた。
「フフフ、やっといい音色で鳴りはじめたな、ルーシー。でも、まだまだだぜ。もっといい音色を出してやる」
 男はそう言うとルーシーの前に回り、今度は乳房にしゃぶりついていった。両手でタプタプと揉みしだきつつ、
技巧の限りを尽くして舌と歯、唇でルーシーの乳首をいびる。
「うう・・・・・・や、やめて、お願い・・・・・・あッ」
 市役所につめかけた男たちの間からどよめきと歓声が沸き起こる。
「こんな公務員のお姉ちゃんがいるなんてたまらねえぜ」
「フフフ、あとでムッチリした尻に、たっぷりと磨きをかけてやるからな、ルーシー」
「これだけいい身体していることを、後悔させてやるぜ」
 男たちは血走った眼で食い入るようにルーシーの裸体を見つめながら、口々にはやしたてた。
「い、いや・・・ゆ、ゆるして、もう、ゆるして下さい・・・」
 うなだれるルーシーの背後へと回り込んだ全裸の若者が、いきなり両方の乳房を鷲づかみにした。
 そしてルーシーの腰に、真っ白い尻の割れ目に熱く固い肉棒を押し付けていた。
「いやぁぁぁぁっ!!だ・・・だめっ!!!」
「欲しくて、欲しくて堪らないんだろ。ほら・・・・、言うんだよ。『私のおま○こに、熱いチ○ポを
ぶち込んで下さい!』ってね。」
 若者はそう言うと、ルーシーの乳首をグリグリと揉み潰した。
「あぐぅぅぅぅっ!!」
 乳首に激し過ぎるほどの快感が襲いかかり、ルーシーは一瞬、頭の中が真っ白になっていた。
「痛い思いをするのも好きなようだな。ルーシーちゃんよぉ」
 周囲から男たちが投げかけた嘲笑がルーシーの嗜虐心に火をつけた。
「お願いっ!!・・・ううぅぅぅっ!助けてっ!!」
 執拗に乳首を強く揉まれ、痛みが凄まじい快感へと変わっていく。
 ルーシーはその快感に負けそうになり、必で哀願しつづけた。
「市役所であまり大きな声を出されても困るからな・・・」
「おごぉぉぉっ!!」
 ルーシーの半開きの口に、プラスティックの玉が無理矢理押し入れられた。
 身体の自由を奪われ、視覚も奪われ、さらには抵抗する言葉すら奪われた恐怖から
ルーシーはその裸体が小刻みにプルプルと震えるのをとめることができずにいた――。

791 :
ルーシーの下着ってやっぱり3枚500円のショーツとか500円のブラ&ショーツセットとかそんなんだろうか
似合いそう

792 :
だがちょっと待て
下はともかく上はそんな安く売られてるもんなのか
実際知らんけど

793 :
ルーシーならLISE CHARMELとか似合いそう

794 :
倉庫で一宮さんに迫る千早さんが素敵過ぎる

795 :
作品の性質上BL以外は読む気しねーな
書き手はちょっと空気を読んでくれ

796 :
札幌といえば偽装肉返金事件で集まったどーみてもアレな連中を思い出す
生活保護の不正受給者とかに輪姦されるルーシーたんとかいいよな

797 :
>>794
あれで興奮したww
あの二人いいよね
>>795
氏ねババア

798 :
千早さんの欲求不満が解消される日は来るのだろうか

799 :
>>798
久々に二人きりで会った時とかすごそうだな…(色んな意味で)

800 :
職場でのプレイに定評のある千早さん

801 :
あんまり千早さんのこと「エロい」とか「欲求不満そう」とか言うとお母さんに怒られそうでなあw

802 :
いちはや夜は激しそう
黙々とヤッてるイメージ

803 :
黙々とやった後に賢者タイムになったいちみーが
謝りまくって千早さんが機嫌悪くなってそう

804 :
「今日塔子友達の家に泊まるんだって」
「知ってます。本人に聞きましたから」
「あぁそう……で、恵、もし良かったらウチに……」
「一宮さん。今夜は寝かせませんから」

805 :
頭撫でてもらえるからフェラ好きとかだと可愛い

806 :
でも怒らせると齧られる恐れが

807 :
薫さんは激しいんだろうなぁ
結婚相手とのなれそめ見ても、薫さんが食った感じだし

808 :
つか彼女と姉の3Pとか言っちゃう人だしな>薫さん

809 :
さすが成年誌なだけあって結構エロいシーン多いよな鯖はw

810 :
別に対象年齢はYGと変わらんぞ

811 :
キャラ平均年齢高いからなぁ

812 :
>>810
そうなのか…WORKINGはそんなにエロネタなかったからさ…
いや、ないことはないけど

813 :
急激な快感が俺を襲う。
俺はあいつの頭をなでてやる。
俺が痙攣するとともに、あいつは吸い付き飲み込む。
吐きそうになっているのが分かる。
はじめのころは、頭を離してやろうとした。
が、あいつは、俺が動けなくなっている瞬間に却って積極的になった。
最後の一滴まで吸い込み、俺の硬直が解けてからでなければ離してくれない。
そのあとに、ひとしきり、苦しそうに顔をゆがめ、咳き込み、ティッシュを渡しても拒否する。
息を整えるまでには時間がかかる。
そして、そのあとで、俺に向かって最高の微笑みを投げかけるのだ。
苦しいとも何とも言わずに。
罪悪感で俺はいたたまれなくなるが、あいつを止めることができず、行為は繰り返される。
***
気持ちいい?…よかった。うふ。
苦しいのなんて、なんでもないわ。
あなたの表情が好きだから。

814 :
ヒャッハー
久しぶりのさとやちだぜー

815 :
まとめサイト見たけどやっぱり原作準拠で小鳥遊×伊波が創作数トップなんだね。

816 :
ぽぷらェ……

817 :
ぽぷらちゃんはなんか想像しにくいんだよねえ…
小鳥遊は酷い事なんかしないだろうししいて言えば佐藤さんとかとはできそうだが

818 :
漫画長谷部をベースにして妄想するとそうでもないんだが
アニメ長谷部をベースにすると何か語尾が伸び気味になる何故だ

819 :
種島はなあ、かたなし君もさとーさんも二人してお子様としか思ってねえから
二人とも性的な目で見たことが1回もないからしょうがない。そういう対象じゃない

820 :2013/09/22
>>819
胸は大きいんだけどな…
コミックスのおまけかなんかでおっきくなったぽぷらちゃん見た時は「めっちゃかわいい!」と思ったわ
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