2013年10エロパロ342: 【吊り橋効果】助けたことがキッカケで《エロパロ》 (83) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【吊り橋効果】助けたことがキッカケで《エロパロ》


1 :2011/03/05 〜 最終レス :2013/09/18
<吊り橋効果(吊り橋理論)とは何ぞや?>
カナダの心理学者の実験で実証されたとされる理論
実験は、18〜35歳までの独身男性を集め、渓谷に架かる揺れる吊り橋と揺れない橋の2ヶ所で行われた。
男性にはそれぞれ橋を渡ってもらい、橋の中央で同じ若い女性が突然アンケートを求め話しかけた。
その際「結果などに関心があるなら後日電話を下さい」と電話番号を教えるという事を行った。
結果、吊り橋の男性はほとんど電話があったのに対し揺れない橋の男性は一割くらいだったというものである。
揺れる橋での緊張感を共有した事がキッカケとなり、恋愛感情に発展する場合があるという事になる。
似た言葉に「ゲレンデマジック」がある。
○これは男性で実験したものですが、このスレッドでは性別年齢の制限はしません
◎もちろんシチュエーションは吊り橋限定ではありません
●例:お化け屋敷で助けた,人犯から助けた,仕事のミスからかばった,事故にあった人を助けた,落し物を拾った...何でも構いません!
とにかく『主人公が助けたことがキッカケ』なら何でもOKです
◆関連スレ
女の子と二人きりになってしまった 4回目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1235573165/
金の力で困ってる女の子を助けてあげたい 4話目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1254942129/

2 :
2

3 :
>>1さん、乙


4 :
関連スレおちてるやn
女の子と2人きりスレだれか立ててくれないかなぁ保守

5 :
>>4
同志よ!ここでやればいいのでは?

6 :
       __
     '´   ,_ ヽ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     iNi リリリ"lリリ   |
    ! (!|゚ ヮ゚ノ!|   < ……ありがとうございます
    ノ' ⊂)夭iつ   |
   (   / __j リ   \_____
      `.じヲ

7 :
誰か暴漢に襲われそうになっている女の子助けてイチャイチャ

って書いてくれんかな

8 :
初めて長め文章を書いたので、至らない点があると思いますが、投下します。
女が助けます。

9 :
はあー
自分の溜息がやけに大きく聞こえてびっくりした。
今、私はバイト中。まあ、安い自給でプールの監視員
なんてやってるんだけどね。高校まで続けていた水泳
のつてで回ってきたバイトだった。私は今、看護の勉強
をしてる大学一年生で、ちゃんと泳げるプラス救急の知識
があるってのはうってつけだったか。しかし、働かされすぎだ。
さすがに週5はないと思う。確かに、救急のイロハもわからない
ような高校生(私以外のバイト)にやらすよりは、ある程度、その
あたりの心得がある私にシフト回そうって考えるのはわかるけど。
なんか、もう最近は、完全にルーチンワークになってて面白みの欠
片もない。最初の頃は、来る人のことを観察して、このひと、
普段なにしてんのかなあとか、あのひとかっこいいなあとか考えて
たけど、今日のように平日だと、会社帰りのサラリーマンやら
ダイエット目的のおばさんとか・・・って面子がほぼ固定されていて
面白くもなんともない。ときどき、おじさんが私の足の方にまとわり
つくような視線を向けてくるが無視をきめこめば、なにもしてこない。
ここの制服は、青のTシャツにライトブラウンのハーフパンツだから
ふくらはぎが丸見えなのもいけない。そういえば、私は足を褒められることが多い、
顔は標準だが、腰から下への称賛は知人はやたらと語る。教授のはセクハラに近い。
はあー
面白くない上にいやなことまで思い出した。あの教授、一回、
警察の人と薄暗い密室で親睦を深めてほしい。そんなことを
ボーッと考え、勝手に落ち込んでいると、子供プールに向かう
成人男性が一人。男性の身長は175くらいでおそらく、
子供プールに入れば体のかなりの部分が水から上に位置するだろう。
なにやってんだか。しかも、ご丁寧に入念に準備運動をしている。
そして、大きく深呼吸。なにしてんだか。
「大人の方は、あちらのプールをご使用ください」
私は監視台のうえから、彼に呼びかけた。すると、彼は、ヒッと情けない声をあげこちらを振り返った。不安げな顔をしてこちらを見上げる姿に何かの小動物を思い出す。なんだか、かわいいなと思いつつ、成人用のプールを指さす。
「・・・でも、混んでるし悪いかなあと・・・」
「明らかに2レーン余ってますよ」
「・・・・・・あ!準備運動がまだでした。そちらを先にしてからにします。」
「さっき、思いっきりやってましたよ。」
「・・・解りましよ!あっちいけばいいんでしょ!!」
なぜか彼は半ギレになって、成人用のプールに向かう。
途中で滑って、転びそうになっていた。相当に鈍くさいと思われる。
きっと体育の評価は振るわないだろう。まあ、体育と家庭科しか、
さほど良いと言われる成績を残していない私が言っても馬鹿らしいが。
私はそんなくだらないことを考えながら、またボーっと泳ぐ人達を眺める。
今日もつつがなく、業務が終了することだろう。本当に退屈ということばが
似合う状況だ。・・・晩御飯どうしようかなあ。

10 :
視界の隅では、さっきの彼が鉄の梯子をつかみながら
(相当、力が入っているのか腕の血管が遠目に確認できる)、
地獄に落ちていくかのような面持ちで足を水に入れていた。
片足が完全に水に入りこんだ状態で一時停止し、深呼吸をしている。
鈍くさいうんぬんの前に腹がたってきた。とっとと入りやがれ。
深呼吸が終わったのか、もう片足も水にいれようとしている。
私のなかで亀というあだ名が決定した。
ズルっ バシャーン
豪快な音とともに梯子から滑り落ちた。
まあ、あのプールの中央の方なら多少深いが、
梯子が位置する端の方なら溺れるなんて心配もないし
・・・すんごいもがいて手やら足やらが水面に浮上し
ては沈降していくが、足つくから大丈夫だよね。
・・・・・・・いやいやいや!めっちゃやばいよ。
明らかに溺れてるよ。なんのシンクロだよって動きしてるし!
私は監視台から飛び下りると、滑らないように足に力をいれながら走る。
わたしが向かっている途中から、動きがのろくなり、
心なしか先ほどまで大量に浮かんできていた泡が見えない。
完全に沈んでしまった。

11 :
プールの側までたどり着くや否や、飛び込んだ。
普段は飛び込み禁止とか入水前には準備運動をとか、
自分でいってるが無視!!
バシュ
小さめの飛び込み音がプールに響き、私の体が水に飲み込まれていく。
ともかく、プールサイドにあげることが先決だ。
私は彼の背中から脇を通って、腕を差し込み、
羽交い絞めする格好で彼の頭を水から出した。
悲しいことにさほど身長の高くない私が彼を抱えなが立ったところで、
彼の頭しか水から出すことができない。そんな状態では、
明らかにプールサイドにあげるなんてことはできなくて。
どうしようかと一瞬、考えた時には、おじさんが手伝いますと
声を掛けてくれた。
どうにか、丘にあげることに成功した私だが、気付いたことが2つ。
うすうす勘づいていたが、意識がない、そして、彼の胸が上下していない。
最悪だ。急いで、耳を彼の胸部に押し当てると、幸い、とくとくと音がした。とりあえず、心臓はOK。じゃあ、自律呼吸ができない状態だから、次は人工呼吸だけど・・・
「すいません、スタッフに救急車呼んでもらえるよう言ってき
 ていただけますか」
そうわたしが、おじさんにいうと彼は急ぎ足で、去って行った。
ふーっ
母さんのせいでキスとかそういうの汚いと思ってた私としては、
かなりこの手の事に初心で・・・じゃないよ。救命活動なの!!
意を決して、気道を確保し、空気が漏れないように、唇を密着させ
て息を吹き込む。
・・・やわらかい
そう思った。単純に思ったほど嫌悪感がなかったのは必至だったからか、
悪印象をもっていない相手だったからか・・・
人工呼吸を数回繰り返すと、ゴホっと盛大なせき込みとともに
意識を回復した彼は視線をせわしなく左右にふってから、天井を
しばしみつめながら、息を整えていた。
そんな彼をみて、私の鼓動はやっとおさまっっていった。
遠くから救急車のサイレンが聞こえる。彼が若干、うつむきながら言った。
「あの、お名前、聞いてもいいですか」
「え?なんでですか?」
「その・・・命の恩人だし・・・」
「はあ、三谷 恵理 です」
「佐原 浩輔です。よろしく」
「よろしくって、また来る気ですか?」
「駄目ですか?」
「・・・溺れないでくださいね」
お互いに笑いがこぼれた。
久しぶりにバイト中に笑った。


12 :
投下終了
改行の失敗は申し訳ございません

13 :
>>8-12

いいよー!いいよー!どんどんやってくれぃ!

14 :
>>12
乙!

15 :
>>8-12
GJ!

16 :
SS来ないかな……誰かこの孤独感から救ってよ

17 :
被災者ネタはさすがにヤバいよな…なにも書けねぇ…

18 :
被災ネタで書くならせめてハッピーエンドにしろよマジで

19 :
被災、というか電車は止まり、食料もない中、気分屋の上司がお金くれて「みんなの分、何か食べ物買ってきなよ」と言われたのにはぐっときてしまった

20 :
ゲームの絶体絶命都市とかスレタイ的なネタのオンパレードだな
時期的にちょっとあれだけど……

21 :
この暗い雰囲気を変えるために俺が一つ書かせてもらう

22 :
期待してる!

23 :
某都知事「被災者には耳障りかもしらんがこの災害は天罰だと思うよ」
鬱だ……鬱だ

24 :
一番天罰をくらわなきゃならない老害が何ほざいてんのか

25 :
×天罰
○天誅

26 :
夢にまで出てくる。つり橋効果恐るべし。どっぷりハマってしまってるではないか

27 :
誰か被災者の方々を元気づけるSSを書いて……書いてよ

28 :
幼馴染みを庇って命を落とした少年の話をしようか・・・・

29 :
そういえば助けたことがきっかけというと電車男とかまさにその典型例だったよな

30 :
>>29
あとアクション映画もヒロイン助けてる作品もあるね

31 :
支援

32 :
ロボット物で良くあるシチュエーションだよね

33 :
ある意味王道のパターンだと思う

34 :
スピード……

35 :
・被災ネタ、というより私の身近で起きた被災後のネタを日記風にアレンジしたもの。
・ハッピーエンドではない
・エロ少ない
注意:比較的被害少ないって言っても、地震がめちゃくちゃ怖くてを覚悟したくらいだった。怖かったのは津波がきた地域だけじゃないんだ、それを分かって欲しい
では、どうぞ

3/11、日勤。
今日、大きな地震が二回も来た。最初は小さいからすぐ収まると思ったから患者確認しようと廊下にいた。揺れが大きくなって、閉まる病室のドアを押さえるのが大変だった。
外来は映画で見る被災地の救急外来みたいだった。だから他人事に思えた。
電車が止まったと聞いて、私は帰宅難民になってしまった。病院に泊まることにした。
それと夜勤の先輩が来れないから少しだけ夜勤もやった。
3/12、休み
朝の5:00、医療PHSが呼ぶナースコールで起きた。起きなければあの夢の続きがみれたはず。
昨日のことがあったからか、つい変態的な夢だった。
先生の白衣を脱がし、服に手をかけて。キスして抱き合っていた。先生の声が艶っぽく、私を捕らえる。私の名前を呼んだところでナースコールだ。いい加減にしろ患者。
電車動いたから帰れた。

36 :
3/13、休み
昨日の夢の続きか、同じように、しかも先生に抱かれている夢を見た。
でも最後までなかった。そんなもんかね。
3/14、日勤
カッコ良く見えた旨を先輩に言った。この先輩は先生の当たり散らしどころっていうこともあって、「大丈夫?地震でおかしくなっちゃったんじゃない?」と言われた。誰にも賛成してもらえなかった。おかしいな。
3/15、夜勤、前半
先生が通り過ぎる姿を見ただけでやる気がみなぎる。
カレンダーを見てるふりして見続けた先生は、年を重ねた大人の色気が立ち込めていた。
あの体に触れたい。先生に抱かれたい。
3/16、夜勤、後半
さっきそう思ったが、やはりこの病院の跡取りだ、あまり簡単に関わらないよう、しつけられてるし、何より私よりかなり美人が彼女と噂ではないか。
ヤバいヤバい、この業界で色恋沙汰は転職してもつきまとうからな、注意しないと。
3/17、休み
病院に行かないからもちろん会えない。

37 :
3/18、日勤
颯爽と現れた先生、しかし今日は機嫌が悪いのであまり話さないでおいた。
そしたらコピー機にキレてて、投げる勢いだったから、ちゃんと直した。危ない。そしたらやっぱり機械の扱いいいね、って言ってもらえた。先生見るだけでやる気出るのに、言ってもらえた。明日からも頑張ろう。

38 :
意味が分かりかねますが

39 :
意味が分からない上に終わりなら終わりと書いて欲しい

40 :
ハッピーエンドがいい

41 :
ストックホルム症候群とかはスレチかな?

42 :
>>41
「助けたことが」だったからな…
例えば、その犯罪者が泥棒で偶然非情な両親から逃げたがってた娘と逃避行とかならアリかも知れんが
犯罪者が人鬼だったらこのスレ向きじゃないと思う
犯罪者から助けたなら王道のパターンだけど

43 :
age

44 :
支援

45 :
誰か助けて…このスレを助けてよ

46 :
age

47 :
震災以降、テレビでよく耳にする「きずな消費」ってあるじゃん
家族で一緒に過ごせる系のサービスやグッズが売れ行き好調だったり
婚約指輪の売り上げが四割増えた店があったり
これって何か、吊り橋効果っぽいよね?

48 :
>>47
さぁ!それをもとにSSを書きましょう!

49 :
age

50 :
過疎ってるんだ

51 :
映画でよくあることだね
女性を助けて敵を倒してラストでキス

52 :
age

53 :
age

54 :
助けてくれたおまわりさんと女子高生のイチャイチャが見たいです

55 :
age>>54
その妄想を具現化するんだ

56 :
>>54
さあ想像力を働かせるんだ

57 :
エロ薄ですが。
緑の木々の中にもちらほらと紅葉が見え始めた季節。
こんなに本格的に山歩きをするのは高校以来だなと思いながら、僕は額の汗をぬぐった。
「疲れてない?」
振り返って連れに声を掛ける。
「……平気、です」
あまり平気ではなさそうに、声が絞り出される。
無理もないだろう。
僕よりも一回り小さな華奢な身体。
細い足は山歩きどころか自宅から歩いて出た事があるかどうかも疑わしい。
着ている登山服はまっさらな新品だ。
朝、顔を合わせた時「足の線が出る服を着るのは初めてです」と言っていた事を考えると、
ズボンを履く事自体生まれて初めてだったのではないか。
「こんなに、はしたない格好でないと山歩きは出来ないのですね」と泣きそうな顔をしていた。
ただのズボンなのに。
「ちょっと休憩しようか」
「いいえ、もう少し登ってからです」
「でも」
「わたくしに従ってください」
きん、とグラスを弾いたような声に僕は肩をすくめ、彼女の荷物を担ぐ従者に苦笑いを投げた。
従者はにこりともせず僕の笑みをはねかえす。
不平をこぼさないだけ感心だと褒めてもいいのだが、ここまで完全に仏頂面である。
自分から言い出した“デート”で、何故こんなに過酷な場所を選んだのだろう。
彼女に何度か問いかけたのだが、“着けば解ります”の一点張りで会話にすら応じてくれない。
“デート”に誘われた当初は、家同士を結びつけるための縁談とはいえ、デートに誘うくらいの好意は持っていてくれたのかと思っていたのだが、期待外れだったかもしれない。



58 :
木々の間を抜けた時、僕は何故彼女がここをデートの場所として選んだのか解ったような気がした。
視界に広がる秋の山々、遥か下を涼やかに流れ落ちるせせらぎ、その間を一本に貫く吊橋。
陳腐な表現だが、まさに心が洗われるような景色だ。
そして僕は、その景色の中に立つ彼女の姿を見つめる。
ばら色の頬、白い肌、長いまつげに飾られた深い瞳を持つ彼女は真っ直ぐに立ち、
橋の先を見据えている。
まるで一幅の絵画のような彼女に見とれていると、むっとした顔を返された。
「荷物、わたくしが持つわ。おまえは下がりなさい」
従者に荷物を背負わされ、彼女は少しよろける。
支えようとした僕に“触らないで”と言い捨て、彼女はゆっくりと吊橋に足を踏み入れた。
「ね、ねえ。お付の人、帰しちゃっていいの?」
「……」
「まだ山頂まで距離があるし」
「……」
「帰り道だってあるんだよ」
「あなたは黙ってて下さい! 集中できないでしょう!」
怒られた。
彼女は脂汗を流しながら、すり足で進んでいく。
きっと吊橋を渡る事も初めてなんだろうな、と僕は彼女の背中に溜息をついた。
吊橋の中央で彼女は立ち止まり、そろそろとしゃがみこんだ。
「ど、どうしたの!?」
やっぱり限界だったのだ。怖くて先に進めなくなってしまったのだろう。
情けないが、僕は周囲を見回して彼女の従者が残っていないか確かめてしまった。
自分ひとりで、橋を揺らさずに彼女を支えて渡りきる自信がなかったのだ。
彼女に手をかけるとまたしても冷たい声で“触らないで下さい”と返される。
「でも」
「ここで休憩にしましょう」
「そんな……あとちょっと頑張って、橋を渡ろうよ」
「いいえ。このプランを立ててから、吊橋の上で休憩すると決めていましたから」

59 :
僕はしばらく口の中で言葉を転がし、出来るだけマイルドなものにしようと苦心した。
「え、ええと……何故吊橋の上? 確かに景色はきれいだと思うけど」
「景色なんて問題ではありません」
彼女はきっと眉毛を逆立てる。
「ところで、何故あなたは立っているのです?
わたくしが座しているところを見下したいのですか?」
そんな態度にも文句を言えないのが辛いところだ。
僕はそろそろと腰を下ろし、眼下に迫ってくる急流に密かに唾を飲んだ。
「ねえ、人が来たら邪魔になるし」
「人払いくらいしています。わたくしをそこまで気が回らない女だと思っているのですか?」
ならば何故普通の街中や公園でデートしようという方向に気を回す事が出来なかったのだろうか。
二人で座って、橋の上で秋の山々を眺める。
僕は体育座り、彼女は正座だ。
季節柄、尻の下が冷たい。シートを敷けばよかった。
自分が知っているデートと、大幅に違う。
確かに彼女は名家の令嬢であるから、遊園地に行ったり
映画館でポップコーンを食べるようなデートはしないのだろうとは思っていた。
初めて顔を合わせたのは料亭で、彼女は京友禅の振袖姿。
成金の三男坊である自分とは、住む世界が違う女性なのだと覚悟はしていた。
それにしても……
「あの、そろそろ、何故ここをデートに選んだか教えて欲しいんだけど」
「解りませんか」
解る訳ねーだろボケ、と言いたい気持ちを押さえ込む。
彼女は彼女で、くっと何かを噛み締めるような顔をしていた。
「あなたと、健全な夫婦生活を営むためです」

60 :
彼女の真っ赤な顔を、僕はしばらく呆けたように眺めていた。
「何ですか。わたくしは真面目にお答えしているのですよ」
きっとした声で返されて我に返る。
「……ごめん、やっぱりよく解らない。詳しく説明して」
彼女の頭の中はどうなっているのだろう。住む世界が違うとここまで言葉が通じないものなのか。
ふう、と彼女は溜息をついた。
「わたくしは、あなたとの結婚を定められています。あなたもそうでしょう?」
彼女の冷たい声に、改めて鉛を呑まされた気分になる。
僕と彼女の関係は、家同士が定めた縁談だ。
今までに一回しか会った事はないし、仮にこのデートをしなくても二人の関係はそのまま続き、
互いの好意の有無を無視して結婚に辿り着くだろう。
僕も彼女も縁談を断る自由は与えられていない。
「縁談を厭うている訳ではありません。この家に生まれた以上、
従うのは義務だと考えていますので」
道楽者の三男坊に対するあてこすりだろうか、と考えてしまう自分が嫌だ。
「しかし、義務だけでは出来ない事もあります」
彼女の顔がまた赤くなる。
「互いに……好意を持つ事です」
わからない。
これは普通に、互いに仲良くなる為のデートなのだろうか。
そんな僕の疑問を置き去りにして、彼女は言葉を続ける。
「もちろん、結婚さえしてしまえば互いの気持ちは関係ないかも知れません。
ですが、その結婚には危険も伴います」
「危険?」
「……わたくしの兄は結婚して二年後に、使用人と心中しました」

61 :
「義姉は美しい人であり、兄は真面目な人でしたが、二人は何故か上手くいきませんでした。
そんな時に出会った使用人と兄は恋に落ち、心中に至ってしまったのです。
周囲は“兄と同じ間違いをするな”と言い、
わたくしは自分なりに間違わない為の方法を考えました」
「その方法というのが、“互いに好意を持つ事”?」
「そうです」
ええと、と僕は言葉を捜す。
「確かに、お互いに好きで結婚するのが一番だとは思うよ」
「そうでしょう」
「じゃあ、これからもこんな風にデートしようよ。君の事、もっと知りたいし」
彼女はふっと眉を曇らせる。
「解っていないのですね」
何が? と尋ねる僕に、彼女は冷たい視線を向けた。
「世の中の数多の男女が、デートとやらをしても別れてきたではないですか。
わたくしの兄と義姉だってしていました。何度も。
生まれる前からの許婚同士だったから、互いに知らない事など無かったでしょうし」
だから、と彼女は一度言葉を切ってから、一息に言い切る。
「あなたには今日、吊橋の上でわたくしに好意を持ってもらいます」
僕は彼女をまじまじと見た。
橋に辿り着いた時よりも上気した顔で、真っ直ぐに僕を睨んでいる。
「今日?」
「今日、というよりは、今、です」
ううん、とうなり声を上げてしまった。
咎められるかと思ったが、彼女は表情も変えない。
「無理だ、と思ったでしょう」
「い、いや」
「こんな生意気な小娘に好意を持つ事なんて出来そうにない、と思っているでしょう」

62 :
相槌をうつ訳にもいかず、黙り込む僕の顔を彼女はじっと見つめる。
「だから、わたくしも考えました。
……わたくし達は、“吊橋効果”で互いに好意を持つしかありません」
せせらぎの音が大きくなった。
いや、大きくなった訳ではない。ちょっと、耳が自分の身体から離れていただけだ。
「こういう事、言い辛いんだけど……」
「試す前から不可能だと言うのですか?」
彼女が身を乗り出し、吊橋がぐらりと揺れる。
きゃっと悲鳴を上げて倒れそうになる彼女をかろうじて捕まえる事が出来た。
胸がどきどきする。
いや、これは危険に際して動悸が激しくなっただけの事であり、決して腕の中にある彼女の柔らかな身体や、艶やかな黒髪の匂いや、想定していたよりは大きかった胸の弾力に反応した訳ではないのだ。決して。
「は、離してください」
赤くなっている彼女のうなじを眺めていると、むくむくといたずら心が湧いてきた。
「ねえ」
「何ですか」
「君はこれから僕と仲良くしていくつもりなんだよね」
「そのつもりですが」
「だったらこのまま……」
目を閉じ、唇を寄せる。
彼女の息が鼻にかかる距離で止めてみた。
動きがない。
てっきり平手打ちか、冷たい言葉がとんでくると思ったのに。
薄目を開けると、彼女はぎゅっと目をつぶり、歯を食いしばって震えている。
頬に手をあてるとひっと息をのんだ。

63 :
「ごめん。その、冗談だよ」
彼女は涙で重くなった瞼を上げ、僕を見つめた。
「あなたは、破廉恥な人です」
彼女はそう唇の間から漏らして僕の隣に正座する。
こころなし、二人の距離は広がったようだ。
「あの、さ」
僕が話しかけても、彼女はせせらぎに目をやったままだ。
「もし、僕が」
「何か話して下さい」
彼女の声が僕の言葉を遮った。
「何か、って?」
「何でも、です。あなたの事を」
「君は僕に興味ないのかと思ってたけど」
ちょっと嫌みを込めた口調にも彼女の表情は動かない。
「あなたは、興味ありますか、わたくしの事」
返す刀で斬られたような気がした。
そうだ。僕は彼女の事を何も知らない。
知ろうとも思わなかった。
ただ面倒だけど結婚しなくてはいけないというだけの相手だ。
そんな僕の内心に気付かず、彼女は言葉を続ける。
「わたくしは、あなたの興味をひく要素を何も持ち合わせていません。
茶道も舞踊も人並み程度にしか出来ませんし、正直に言えば学歴もありません。
父から大学に進む許しを得られなかったものですから。
容姿も十人並みですし、体格も……その、女性らしいというには足りないと自覚しています。
わたくしの特徴と言えば、財産と歴史を持つ家の一員という、それだけです」
僕は彼女の横顔を見つめる。
形のよい額、瑞々しい唇。真っ直ぐに伸ばした背、膝の上で揃えられた細い指。
何でも持っていて、何でも手に入れられるはずなのに。

64 :
「……僕だってそうだ」
彼女は何も言わず、僕の顔を見つめた。
「最近、車を買ったんだ。今はそれを飛ばすのが一番楽しい。
自分の力で、どこまでも行ける様な気がする。
でも、その車を買う金を出したのは親だ。
あと、絵を描くのが好きだ。
仲間内で見せ合うだけの楽しみだけど、褒められると自分の力を認められたようで嬉しい。
でも“これは道楽だから”と頭のどこかで言い訳してる。
父親の事は煙たく思っているけど、家を捨てて自活しようなんていう気概も無い」
乾いた笑いが青空に溶けていく。
「君にふさわしい男じゃないな、やっぱり」
言おうとしていた言葉が喉に引っかかった。
彼女が話す前までは、すんなり喉から出ると思っていたのに。
「君が、嫌なら、吊橋効果の力を借りなくてはいけないほど嫌なら、なしにしようか」
僕は彼女の顔を見れなかった。
見たら、この先の言葉を続けられない。
「僕は、素行も悪いし、縁談から逃げてどこかに行ってしまっても、
みんなまたあいつか、としか思わないよ。
だから」
彼女が突然立ち上がる。
と、同時によろけて倒れ掛かってきた時、僕は抱きとめて橋にしがみつくのが精一杯だった。
揺れる。
揺れる。
右に、左に
実際は僅かな時間だったはずだが、僕は何時間も彼女を抱きしめていたような気がした。
なのに揺れが収まってみると、もう彼女を離さなくてはいけないのかと思う。

65 :
彼女は僕の胸の上からそろそろと身を起こし、また隣に正座した。
「今のは、わざとではありません」
耳まで真っ赤になっている。
「ちょっと、足が痺れただけです」
「足を崩せばいいのに」
彼女は困ったように眉を寄せる。
「……だらしがないと思われませんか?」
「そんな事言ったら、俺なんか」
だらしなく足を伸ばして見せると、彼女はふっと笑った。
「あ」
「何ですか?」
「今、初めて笑った顔見た」
「わたくし、笑っていましたか?
……申し訳ありません。あなたの事を笑ったりして」
「笑った顔が、可愛い」
「可愛くないです」
ぷいとそっぽを向く姿も、可愛らしい。
だから余計に、ここが吊橋の上なのだという事を思い出してしまった。
彼女は、僕のことを好きではない。
仮に僕と彼女が結婚しても、彼女の心が手に入る訳ではない。
むしろ彼女の為を思うなら、この吊橋を渡りきったら姿を消し、破談にするのが一番なのだ。
「わたくしは、可愛くないです」
彼女は秋の山々に向いたまま口を開く。
「ずるくて、あざとい人間です。
好意を持ってもらうために、吊橋効果に頼るような」

66 :
せせらぎの音がうるさい。いや、耳が自分の身体から離れただけか。
「ねえ」
「なんでしょうか」
「その、君が僕を好きになる為に、吊橋効果を使おうとしてたんじゃないの?」
「いいえ」
実にきっぱりした答えが返ってきた。
だがその次の言葉は引っかかって中々出てこないようだ。
「あなたは、軽蔑するかもしれません。
一度しか会っていなくて、内面も何も知らない相手の事を好きになるなんて、
自分の外見しか見ていない馬鹿な女だと思うでしょう。
それでも、吊橋の上の、心理的な詐術でも、あなたにとって好ましい女性に見えたら」
風が彼女の涙をぱらぱらとせせらぎに散らしていく。
「つまらない話をして、申し訳ありません。
……吊橋効果なんて、やっぱりありませんね」
「そうだね」
「もう行きましょう。頂上にはケーブルバスがあります。そこからならすぐに戻れますから」
彼女は今度は慎重に立ち上がり、僕に背を向けた。
僕もゆっくり立ち上がり、彼女の小さな背を抱きしめる。
「離してください」
「嫌だ」
彼女のあごを掴み、無理矢理こちらを向かせる。
「次は、危険なんて何もない、すごく退屈なところでデートしよう。
僕が君を好きになったのが吊橋効果なんかじゃない事を証明して見せる」
甘い香りのする唇を貪ってから初めて、彼女が化粧をしていたのに気付いた。
耳を撫でると食いしばっていた顎の力が抜ける。
それをいい事に、小さく震える舌を弄んだ。
もう何も考えられず、このまま吊橋から落ちてもいいとさえ思う。
ここで二人でんだら、心中という事になるのかな、とふと思った。

67 :
「あなたは破廉恥な人です」
彼女は涙を浮かべて僕から身体を離した。
「否定はしないよ」
「他の、人にもいつもこんな事をしているのでしょう」
「経験はある。でも、好きな相手にしかしない。これからは君にしかしない」
「だいたい、順番がおかしいです」
彼女は涙を拭った手を僕に差し伸べた。
「手も繋いだ事も無い相手に接吻なんて、正気の沙汰とは思えません。
まず、手を繋いでください。全てはそこからです」
僕は彼女の小さな、冷たい手を握り、その手を引き寄せて二回目のキスをした。
余談だが、僕と彼女の三回目のデートはドライブだった。
“他の女性を車に乗せたことがありますか?”と訊かれたので、僕は慌てて否定した。
“なら良かったです”と彼女は溜息をつく。
“あなたの運転では、乗った人は概ね吊橋効果を体験することになってしまいますからね”と。

68 :
GJ!面白かった

69 :


70 :
このスレにストックホルム症候群は含むのか?

71 :
>>70
>>41-42

72 :
>>67
今さらだけど小咄みたいに洒落たオチとかもあって話作り上手いな
GJ

73 :
保守。

74 :
>>67
良かったGJ

75 :
保守

76 :
>>75
消去。

77 :
>>67 GJ!
この後日談だったらエロく出来そうな気がするぉ

78 :
行きずりセックル

79 :
保守

80 :
吊り橋を車で渡ってみた
http://www.youtube.com/watch?v=jd2BMX-84mA

81 :
>>67
GJGJ!
面白かった
両想いになって良かった!
そして書き込み日を見て驚いた
一昨年からほとんどスレ進んでないのか

82 :
あげ

83 :2013/09/18
あげ
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