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サムスピ総合エロ萌えSS 4


1 :2006/11/20 〜 最終レス :2013/09/28
ここはサムライスピリッツシリーズの
萌えSSやエロSSを書き込むスレッドです。
サムライスピリッツ天下一剣客伝公式
ttp://www.snkplaymore.jp/official/samurai_tenka/

2 :
前スレ
サムスピ総合エロ萌えSS 3
http://sakura03.bbspink.com/eroparo/kako/1135/11359/1135936225.html
*これまでに投下されたSSの保管場所*
2chエロパロ板SS保管庫
http://s1.artemisweb.jp/sslibrary/
(サーバーが重くて繋がりにくいです)

3 :
建ててみました。
3Dが出てからの方が良かったのかな。
64さんのリムSSの続きが読みたいです…

4 :
11月23日オープン 日本初の出会い系!!
<即愛便> <ラヴメール> 会員制 ¥1.000で使い放題!!
オープン記念先着100名様 年間会員が!!なんと!! 20%off
お早めに!!100名様限り!!

5 :
保守。かつての住人が戻ってきてくれますように。

6 :
さっそく落ちそうだな…orz

7 :
なんで いろはのSSがないのだろうか・・・。

8 :
ほしゅ

9 :
いろははビジュアル重視ってことかもな

10 :
保守。スレ立て乙ー。

11 :


12 :
こないだ確認したときはスレがなくて、したらばのリムスレで捜索願出そうとしてたとこだった。
>>1乙。そしてとりあえず保守。

13 :
保守
一番ネタに恵まれてそうな慶寅が、全然出てきてない件

14 :
保守

15 :
かっての神職人さんたちが速く戻ってきてくれますように

16 :
保守
ここってキャラ同士のカプネタがいいのか、
オリキャラとかの妄想系がいいのか?

17 :
どちらでも大歓迎です

18 :
287 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/07/13(木) 10:35:46 ID:6WkDYtPQ
ガルフォードとヤンタムゥ二股かけてたのがばれて、
二人に性的な意味のお仕置きを食らうナコルルキボン
↑これマダー?
今なら大之介も加わってさらに過激〜

19 :
いろはと俺的趣味で美形の旦那様のSS、まだ途中なんだけど投下してみる。
 
 
「・・はあ・・・・」
その、娘の、可憐な声音と共に、漏れた、ため息が、悩ましく豊かな両の乳房の、谷間の辺りに、そよぐ。
絶世の美女、と形容しても追い付かない、この世のものとは思えない程の美貌でありながら、近寄り難さを感じさせないのは、
その、大きく円らな瞳が、どこか幼く感じられる程に、無垢で、澄んでいるせいだろうか。
だが、いつもは無邪気な微笑みに彩られている娘の面差しは、今は、どこか戸惑い、頬に紅が過ぎり、
先程から何度も、小さなため息が、可憐な唇から零れている。
娘の名は、いろは。
 
いろはが、「旦那様に幸せになって頂く願いを叶える為」、出場した、「駿府御前試合」は、いろはの優勝に終わった。
突如姿を現した、「魔界を制したる我旺」をも、その命を奪う事なくして倒し、
「自分は本来鶴だから旦那様を幸せに出来ない」、と、思い込み、自ら身を引こうとしたいろはを、
「御前試合」の主催者、徳川慶寅が諭して、いろはの「旦那様」である若者の元へ戻らせて、
無事、いろはと若者は、何の気兼ねも無く共に幸せに生きていける様になったのだった。
 
しかし、いろはには、ひとつ、悩みがあった。
 
(・・旦那様が、伽を求めて下さいません・・・・)
 
「旦那様」にだったら、抱かれたい。
いろはとて、一切無欲な聖女という訳では、ない。
男女の交わりにもそれなりに関心はある。無論、相手は「旦那様」に限っての事だが。
「旦那様」を誘惑してみたい気持ちも正直有り、大胆に肌を晒した衣装を身に纏ってみたりもし、
「旦那様」も、時々頬を染めて、いろはの白い柔肌に視線を投げ掛けてみたりもするのだが、すぐにその視線は他所へと去り、
二人の清い関係に未だ進展は、無い。
 
(・・・私、魅力無いんでしょうか・・・・?)傍の者が聞いたらあきれ果てそうな独白が、いろはの胸を、過ぎる。
無垢で清楚ないろはの面差しと、とてつもない色香が溢れて匂い立つ、優美な曲線を描いた、要所要所が形良く豊満な、いろはの肢体は、
あまりにも対照的で、この上なく魅力的である。
その辺りの自覚に今一つ欠けているのが、いろはらしくもあるが。
「旦那様」の、おとなしく、優しい、穏やかな、整った美貌が、いろはの意識を、過ぎる。
(・・・まさか旦那様、女より殿方の方が・・、何て事は・・・・?)
近所の村人が悪気の無い冗談で、「旦那様」の事を、「御稚児様顔だなあ」などと、笑って言っていたのを思い出し、
思わず妙な想像をし掛けて、泡を吹いてひっくり返りそうになり、
慌てて子供染みた仕草で勢い良く頭を左右に振り、その想像を打ち払ういろはであった。
(・・でも、だったらどうして・・・・?)
暫し、考え込み、
(・・よおし・・・!)何事か意を決して、いろはは、一人、頷いてみたりした。
 


20 :
 
「・・はあ・・・・。」
湯殿にて、
いろはの沸かしてくれた心地良い湯加減の風呂につかり、いろはの「旦那様」である若者は、思わず、溜め息を、漏らした。
いろはの贔屓目を除いても、掛け値無しに、容貌肢体共に美しい若者である。
心持ち撥ねたおとなしめの髪が頭部全体を包み込み、印象は少年めいているが、
彼も、男である。
いろはの、色香に、可愛らしさに、いつも、心惑ってしまう。正直な所、思わず、押し倒したくなる。
「いろはには、僕のお嫁さんになって、僕の子供を産んでもらいたい」と、心底思っている。
だが、それが言えない理由が、若者には有った。
「・・はあ・・・」押さえ切れぬ憂いが、若者の面差しを、過ぎる。
 
戸板一枚隔てて、あえかな、衣擦れの音が、若者の耳に、届く。
(・・え・・・・!?)
(・・・ま、まさか・・まさか・・・まさか・・・・・!!?)
一気に若者の面差しが真紅に染まり、同様のあまり、湯が、激しく音を立てて、乱れ散る。
「・・・あの、・・旦那様・・・・」躊躇いがちに、恥ずかしげに、いろはの、声が。
「・・・な、何・・・・?」若者が、焦りまくって。
 
「・・・・お、お背中を、お流し致します・・・・・」
戸板が、そっと、開かれて、
あどけなく面差しを真紅に染めて、純白の布の髪飾り以外、一糸纏わぬいろはが、姿を現す。
思い切りさらけ出されたいろはの白い柔肌までも、健康優良を示す美しい血色に染められて、なまめかしく、紅潮していた。
 
今にも火を噴きそうな程に、若者の頬が、熱く。
 
数瞬、いろはも若者も、言葉が出ず、
「・・・っ、いっ、いい一体、な、何を・・・!!?」漸く若者の口から出た言葉は、乱れ放題で、
「あ、あの、で、ですから、お背中を・・・!!」懸命に応えるいろはも、どうしようもなく取り乱して、片腕を胸元にあてがい、身をよじり、震えて、
村人達が「雪の様に白い」と形容し、その実、雪には無い溢れる生気に光り輝くいろはの澄み切って白い柔肌が、熱い疼きに、
耐えかねて、痛々しい程紅く染まり、悶える様に、ほのかにくねり、
羞恥に、瞳に大粒の涙をためて、それでも、いろはは、若者に、迫る。
 
「・・だっ、だめだ・・・っ!!」顔を背けて、若者が。「・・そっ、そんな事されたら、理性が・・・っ!!」
「旦那様・・・どうか・・遠慮・・なさらないで・・・・」風呂桶の淵に、いろはの、華奢で優美な手指が。
「そ、そんな事言われてもっ・・!!」
わずかに、唇を噛み締めて、「しっ、失礼致しますっ・・・!!」意を決して、いろはが、若者の両脇を両手で支えて、
背中を流す為に風呂桶から出てもらおうと、若者の肢体を、持ち上げる。
 
若者の、すでに猛り狂っている雄根が、湯を弾いて、その姿を現す。
 
「!!!!」
 
愕然と、いろはの腰が抜けて、豊満で悩ましいいろはの尻の丸みが、風呂場の床板の上に、落ちる。
茫然と言葉を失ったいろはの眼前に、若者の雄根が。
 

21 :
 
その、雄根は、恐ろしい程の体積を、有していた。
胴体部分でもいろはの二の腕程の太さがあり、いろはの肘から握った拳の先端まで程の全長があり、
雄根の先端部の大きさはいろはの握り拳に匹敵する。
優男で華奢な印象のある若者の肢体とは、あまりに対照的な、あまりにも巨大で獰猛な、凄絶な雄根であった。
 
若者の心臓が、激しく、熱く、鼓動が、全身を揺さぶる。
腰を抜かしたいろはの両脚が、左右に、股間を谷間として二つの山を連ねた様に、大きく、開いてしまっており、
微かな産毛に飾られた殆ど無毛の、幼い印象の、淡く薄紅を刷いた可愛らしい可憐ないろはの秘唇が、
どうしようもなく、完全にさらけ出されてしまっている。
獣欲が、若者の全身に、荒れ狂い、震えて、
雄根が一層酷く、猛り狂って、さらに少し体積を増してしまい、
思わず、若者が、顔を背けて。
 
「・・・お願いだ。・・このまま、・・出ていって・・くれないか・・・・。」若者が、ぽつりと。
「・・旦那様・・・・」
「・・・分かっただろ?。・・こんな・・だから・・、僕は、女の人を・・抱く事は・・出来ないんだ・・・・」
「・・・旦那・・様・・・・・」
「・・もし・・理性を・・無くして・・いろはを・・・襲って・・しまったら・・、いろはを・・壊して・・しまう・・・。・・して・・しまうかも・・・・!」抑えた、若者の声に、
悲痛な叫びが、少し、混じり、震えて。
「・・・旦那様・・・・・」泣きそうな顔で、いろはが。
「・・分かったら・・・・出て行ってくれ・・・・っ・・!」
 
「旦那様っ・・!!」いろはが、思わず、叫ぶ。
「・・いろは・・・・」
「・・旦那様・・・わたしを・・・・抱いて下さい・・・っ!!」涙を、紅潮した可愛らしい頬に伝わせて、震えながら、懸命に。
「・・駄目だ・・・っ・・!!!」若者が、激しく首を左右に振る。
一層激しく荒れ狂う獣欲と戦いながら、懸命に。
「・・・お願いです・・・旦那様・・・・」少し、泣き崩れてしまいながら、いろはが。
「こんなものをいろはに入れたらどうなるか分かるだろう!!?、駄目だと言ったら駄目だっ!!!」
思わず顔を上げて、「!、抱いて頂けないのなら、この場で自害させて頂きますっ!!!」と、いろはが、少し怒った様な顔までして、酷く泣いてしまいながら、必に。
「・・いろは・・・・」若者が、途方に暮れて。
「・・・大丈夫です・・旦那様・・・・、・・ご心配・・なさらないで・・・・」涙で濡れそぼった面差しで、懸命に、微笑んで。
「・・大丈夫だなんて・・、・・何の根拠があってそんな事を・・・・!」
「・・と、とにかく大丈夫ですから・・・!」
「・・・いろは・・・・・・」
 
長い様な、短い様な、時間が、過ぎて、
 
耐えかねる様に、風呂桶から出て、
どうしようもなく、いろはを抱きしめてしまう、若者。
熱くうずく肌に、熱くうずく肌が、触れ合って。
「・・もう・・止められないぞ・・・・・」小さな声で、きっぱりと、若者が。
「・・・止めないで・・・、・・・遠慮しちゃ・・・いやですよ・・・?」微笑んで、いろはが、そっと、若者の背中を抱いて、若者に身をゆだねる。
若者の雄根の先端が乳房の下半分に当たり、下腹からみぞおちへ、さらにその上へと掛けての肌に、押し付けられているのを、感じて、
震えながら。
 

22 :
いろはキタコレ
世間でどう言われようと、可愛げのあるこのキャラは大好きだ。
って旦那様sugeeeeeeeeeeeeeeeeee!?

23 :
hoshu

24 :
旦那様こええw

25 :
続き!続き!

26 :
書けてる分だけでも投下。
19〜21の続きです、はい。
******
ふと、若者が、
そっと、いろはの可愛らしい唇を、優美な唇と舌で、愛撫する。
「!」驚いて、身を震わせて、「・・だ、旦那様・・・!?」頬を真紅に染めて、とろけそうになるいろはの、
その、頬を、若者の舌が、子犬の様な仕草で、優しく、愛撫する。
「・・だ、旦那様・・・・・・」あまりの心地良さに、我を忘れてしまいそうないろはを、
そっと、風呂場の床の上に寝かせて、
いろはの首筋に、若者が、唇と舌を、丁寧に、伝わせる。
若者の手指が、いろはの右の脇から右の乳房の裾野辺りに掛けて、そっと、愛撫する。
「ひゃあん・・・っ・・!!?」激しく、震えて、いろはの白い裸身が、大きく、のけぞる。
いろはの輝く漆黒の髪が、舞い、瞳の端から、涙が、飛び散る。
「ごっ、ごめんっ・・!、・・いや・・だった・・・?」若者が、慌てて手を離して、気遣って、少しうろたえて。
「!、いっ、いえ!、・・あ・・その・・・気持ち・・良くて・・・・」いろはの頬が、一層、紅く。
「・・いろは・・・・」若者の頬も、一層、紅潮して、
思わず、いろはの左の乳首に、唇と舌を、あてがう。
「・・ぁあんぅ・・・っ・・!!」一瞬で心臓に染み入った愛撫の感触に、絶頂寸前の感覚に、いろはが、泣き悶える。
 
若者の手指が、いろはの、内股を、脇腹を、手指を、乳房の裾野を、白い柔肌を、ひたすらに、愛撫し続ける。
いろはの、全身の白い柔肌に、若者の唇と舌が伝い、何度も、何度も、いろはの左の乳首を、愛撫し、
時折、若者の澄んだ瞳に見詰められながら、身体中に、身体の奥深くにまで、心臓にまで、若者の愛撫の感触が、絶頂が、反響して、
成す術も無く、どうしようもなく、いろはが、翻弄されてしまって、身をよじり、肢体をくねらせて、
「・・あ・・はあん・・っ・・!!・・だ・・旦那様あ・・・っ・・ぁ・・あ・・ぁあ・・・あぁんぅ・・・・っ・・・!!!!」面差しを染めて、幼女の様に、泣きじゃくって。
 
不意に、いろはの可愛らしいさね(クリトリス)に、若者の唇が、優しく、触れて、若者の舌が、丁寧に、愛撫して、
「ぁあん・・っ!!」いろはの柔らかな裸身が、絶頂に、弾んで、「だっ、旦那様っ!!?、だ、駄目です・・そこ・・・汚い・・・・・!!」
子供の様にいろはが泣いて取り乱して、
そこへ、「・・いろはの・・ここ・・・とっても・・・素敵だ・・・・」と、見惚れ尽くした眼差しで、若者が、優美に頬を染めて、呟いて、
「そ、そんな・・・・」頬を真紅に愛らしく染めて、いろはが、一層、戸惑って、
「・・だっ、駄目です・・っ・・!!」
「・・ごめん・・、・・やっぱり・・いや・・・?」
「いっ、いえっ!、あのっ!、その、これじゃ、わたし・・ばっかり・・気持ち良く・・なっちゃって・・・・、
わっ、わたしにもご奉仕させて下さいっ!!!」
「・・・え・・・・?」
いろはと、若者の、瞳と、瞳が、見つめ合い、
「・・あ、あの・・、仰向けに、横になって、・・頂けますか・・・?」
 

27 :
 
面差しを染めた若者が、素直に、いろはの傍らに横たわり、少し戸惑いながら仰向けになると、
その、両脚の間に、いろはが入り、
若者の巨大な雄根を、間近に、見つめる。
(・・すごい・・・・・)
少し怖く感じているのに、どうしようもなく、見惚れてしまって、
そっと、いろはの唇が、若者の雄根に、触れる。
心地良過ぎる唇の感触に、「あ・・っ!」と、若者の雄根が、耐えかねて、打ち震えて、
その、獰猛な脈動に、「きゃっ・・・!?」と、思わずいろはが、小さな悲鳴を上げる。
「あっ、あのっ、ごめん・・!」「すっ、すみません・・!」と、若者といろはがほぼ同時に、思わず謝ってしまって、
「その・・、いろはの、唇が、すごく・・気持ち・・良くて・・・」
「・・あ、あの、わ、わたしが、変な事しちゃって・・、いやじゃ・・ないですか・・・?」
「・・・正直、何か、すごく・・うれしい・・、でも・・」
「何ですか・・?」急にいろはが心配そうな顔をする。
「ぼっ、僕ばっかり気持ち良くなるの、悪いから・・!、」
「・・旦那様・・・・」いろはの胸が一層熱くなってしまう。
「だから、その、・・僕の顔の上に、またがって・・・・!」
真摯に自分の瞳を見つめている若者の瞳に、何だか、逆らえずに、
いろはが、「あの、・・失礼・・します・・・・」と、面差しを真紅に染めて、四つん這いに、若者の肢体を跨いで、
若者の優美な面差しのすぐ上に、いろは自身の秘所を、そっと、あてがう。
思わず、若者が、唇と舌で、いろはの優美な薄紅の秘唇を、愛撫する。
「あん・・・っ!!」どうしようもなく、絶頂に身を震わせてしまい、少しのけぞって、泣いてしまって、
懸命に、いろはが、若者の雄根の胴に、丁寧に、舌を伝わせる。
「・・・っ・・!」あまりの心地良さに身震いしながら、若者の唇がいろはの秘唇に伝い、
同時に、若者の右の人差し指が、いろはのさねを愛撫し、左の手指が、いろはの白い内股の紅潮した感じやすい柔肌を、そっと、愛撫し、
「あ・・っ・・ぁあん・・っ・・・!!!」絶頂にたまりかねて、泣いて、いろはが身をよじり、
一層、懸命に、いろはの、唇が、舌が、若者の雄根の先端部に伝って、ひたむきに、愛撫して。
 
無心に、いろはと若者が、お互いを愛撫し合いながら、暫く、時間が過ぎて、
「・・も、もう、出ちゃうよ、いろは・・・!」快感にたまりかねて、若者が、ほんのわずか、腰を引く。
「・・・あ、あの、旦那様・・・・・」四つん這いのいろはが振り返り気味に、面差しを真紅に染めて、蕩けてしまって、若者の瞳を見つめて、
「・・どうか・・わたしの・・・中に・・・・、・・・旦那様の・・・御種を・・・・・」と、瞳の端に涙を溜めたままで。
 
風呂場の床の上に、仰向けに、いろはが横たわり、両太股を開いて、
その間に、若者が、そっと、入り、
いろはの、愛液で濡れそぼっている秘唇に、雄根の先端を、あてがう。
「あ・・・っ!」ほのかに、獰猛に震える、巨大な雄根の感触に、
不意に、恐ろしさが蘇り、いろはが、震える。
(・・・壊れちゃう・・・・・・・・)
「あ、あの、いろは・・・」ふと、動きを止める、若者に、
「・・っ、やめないで下さい、旦那様・・・!」思わず、いろはが。
(・・・・こわいけど・・でも・・・・)
(・・・今・・結ばれ・・なかったら・・・永遠に・・旦那様と・・・結ばれる・・事が・・無い様な・・気が・・・・っ・・!)
(・・・・そんなの・・・っ・・!!)
「・・・・いろは・・・・・・・・」泣きながら自分の瞳を見つめているいろはの瞳に、若者が、言葉を、失い、
 
「・・・っ・・・・・!」若者が、いろはの秘肉を割り裂きながら、雄根の先端を、突き入れる。
 

28 :
OK!いいよいいよー

29 :
>2 のサイトが両方とも 404Not foundに なってる...。

30 :
>>29
http://red.ribbon.to/~eroparo/

31 :
シャルロットが好きなんだけど人気があんまり無いな・・・

32 :
約一年ぶりですが。年明けあたりから続きをやらせて下さい。

33 :
復   活   万   歳

34 :
あなたを待つ為にスレを建てさせて頂きました
保守して良かった…

35 :
リムSSまだー

36 :
。・゚・(ノД`)・゚・。ヤッホーイ

37 :
おお、陸捨肆氏のSSをまとめで見てずっと続きが読みたいと思ってたんだ
素でうれしいわ

38 :
みなさまこんにちは。ご無沙汰しております。
遅くなって申し訳ありませんでした。
さて、再会するのですが
「カムイの森の中で、リムルルがシカンナカムイを蹴り倒すところ」
からお話が始まります。
どんな話だったかお忘れになられた方、私含めいらっしゃるかと思います。
ここまでのあらすじを>30のアップロード掲示板に置いておきましたので、
興味のあられる方はどうぞ。

39 :
「ぐっ……お……!」
とび蹴りを食らい、シカンナカムイは派手に草花の上に叩きつけられ、ごろごろ転がって
ようやく止まった。
「どうだッ!」
地面に着地したリムルルは、かなりの手応えを感じていた。空中から戻ろうとするコンル
に振り向いて、人差し指と中指を立てた手を突き出す。こちらの時代で覚えた、勝利を
意味するものだ。
「ナコルルねえさまに酷いことしたんだ、こんなじゃ済まないんだから!」
だが当のナコルルは、シカンナカムイの束縛から解かれてはいなかった。何の未練も無く
罪人しの鎖を手放すと、リムルルの横を素早く走りぬけ、あろうことかシカンナカムイに
寄り添い、立ち上がる手助けを始めた。
「ね、ねえさま!」
リムルルが袖を掴むこともできず、コンルが足元を凍りつかせる隙も無いぐらい、ナコルル
の動きは俊敏だった。恐らく、ナコルルにかけられている呪いは、シカンナカムイのそばを
離れられないようになっているのだろう。
ナコルルの肩を借り、シカンナカムイがゆっくりと起き上がる。
「あんなにすぐに動けるなんて……。思いっっきり蹴ってやったのに!」
あまりに頑丈な相手。
自分はとんでもない事をしようとしている――リムルルにはその自覚がある。
シカンナカムイはパセカムイ(尊いカムイ)の中のひとりだ。空を自由に飛びまわり、
力に溢れた光と音を地面に降らせるカムイの中カムイ。カムイコタンに、最強の剣技と
優雅な舞踏を伝えた偉いカムイ。
そのカムイに、単なる人間の自分が挑もうとしているのだ。何て恐れ多いことだろうか。
でも、そのカムイは最大の罪を犯している。
同じカムイのシクルゥに怪我を負わせ、邪悪な武器を手にして優越に浸り――
姉の命と身体を、魂までも弄んだのだ。
コンルとは全然違う。もう、シカンナカムイはパセカムイではない。
「コンル……あいつは、ウェンカムイはやっつけなきゃダメだね。絶対に許せない」
地面を蹴ろうとしたリムルルの前に、コンルがふわりと躍り出た。ぴしりとリムルルに
向けて小さなとげを突き出し、止まるようにと言う。
「ちょ、コンル!どうして」
「く……ふふ。すっかり忘れておったわ」
長い髪をばさりと掻き揚げ、シカンナカムイが立ち上がった。
「いや、忘れていたのではない。あまりに取るに足らぬゆえ……お前の存在など、眼中に
無かった。これこそが正しきところよの。のう、人間に与する愚かなカムイ……コンルよ」
シカンナカムイの威圧的な金色の眼光が、コンルへと向けられた。コンルも負けじと冷気を
放つ。怒っているらしい。
「ナコルルに付き従うなら話も分かろう。しかし何故、そのような娘の憑き神などになった」
袖についた汚れをナコルルに払わせ、襟を正しながらシカンナカムイが尋ねた。
「コシネカムイ(位の低いカムイ)はコシネカムイらしく、卑俗な巫女を選んだとでも?」

40 :
「ちょっとあんた……いい加減にしなさいよ!」
シカンナカムイの言葉に、リムルルは頭に小石を投げられたようにカチーンときた。
「コンルは愚かなんかじゃない!」
「貧弱な冷気を操るしか能のないコシネカムイの、どこが愚かでないというか」
「バカ!やめなさいよそのコシネカムイっていうの!」
リムルルは今にも飛びかかりそうな勢いで叫んだ。
「カムイはみんな大切なんだ!それにコンルはわたしの大事な友達で、家族だよ!アンタが
何て言っても知らない。コンルはわたしの一番のカムイなんだから!現にアンタだって
驚いてたじゃない」
「左様」シカンナカムイが手を挙げ、ナコルルを後ろに下げさせた。
「全く持って、の。我としたことが甘く見ておったわ。人間に『友達』やら……まして
『家族』呼ばわりされるにまで堕ちたカムイに、これ程の力があったとはの」
「許さない……もう許さない!あんたはやっぱりカムイなんかじゃない!」
リムルルが腰の後ろに結わいたハハクルを抜こうとした、その時だった。
『シカンナカムイさま……あなたは、本当に、そう思われるのですか』
いきなり頭に飛び込んできた、少しもたついた女性の声に、リムルルはびくっとした。
『仰るとおり、人間は、カムイを奉り、尊んでくれます……。私達が、アイヌモシリに
もたらした……恵みへの感謝と、親愛の……念を込めて』
誰のものか分からない女性の声は静かに、少したどたどしく、リムルルが良く知るカムイと
人間の繋がりを説く。ハハクルを抜くことも忘れて、リムルルはきょろきょろと声の主を探した。
『だから、その親愛の気持ちが……その、絆の一つが……仮に、仮に友情の形に、家族の
形になって表れたとしても……私はおかしくはないと思います。この、立派な、アイヌの
戦士が言うように』
リムルルは、目の前に漂う氷の形をした友人を見た。コンルはいつに無く白い冷気を強め、
もうもうと地面にまで届かせている。いつもならきらきらと輝いている幾何学的な形の身体が、
冷気にさえぎられて見えなくなるほどだ。
「こ、コンル……?」
「ほおう」相棒の様子にうろたえるリムルルをよそに、シカンナカムイが鼻で笑った。
「何も知らぬコンルカムイごときが、我に道理を説くか」
「コンル!やっぱりコンルなの?何で……いつもと違う」
『リムルル。そう、私。ごめんね、心配させて』
大人の女性の声で謝られて、リムルルはさらに困惑した。コンルは明らかに様子が違って
いる。声色はおろか、言葉遣いさえ全然違う。いつも頭に直接とどいてくる声はもっと
打ち解けていて、同い年の友達みたいに話しているというのに。
「どうしたコンル。お前の積み重ねた友情とやらが揺らいでいるではないか」
「うるさいうるさい!コンル、何のつもりなの?どうしたの??」

41 :
コンルは何も答えないまま冷気だけを発し続け、ぽっかりと浮かんだ雲の中に紛れるように
してついに姿が見えなくなった。漂い降りてくる冷気の中にある草花とリムルルの靴にまで、
真っ白な霜が降りている。
「ねぇコンル!コンルってば!!」
ただならぬコンルの雰囲気に強い不安を感じたリムルルは、冷気の漂う中に両手を伸ばし、
氷の友人を掴んだ。
「やめて、コン……」
しかし、強力な冷気にかじかむ指が探り当てたものは、いつもと手触りが違っていた。
冷たくて滑らかな心落ち着くあの感触ではなく、冷気の中に存在するのがおかしいぐらい
に温かな何かがリムルルの指に絡まり、きゅっと力を感じさせた。
人間の、指だった。
「この子に危機が訪れたなら、私が必ず守る……あの日、そう誓ったのです。そして
今こそがその時……私が闘わねばならない時!」
大人びた女性の声が、今度は頭にではなく耳に直接届く。さあっと冷気が引いてゆく。
「これ以上、この子からは何も奪わせない。それがパセカムイであったとしても、です」
コンルが居たその場所には、ひとりの女性が屈んでおり、リムルルの手を取っていた。
手を結んだまますっくと立ち上がるその女性を、リムルルはあんぐりと見上げた。
すらりと背の高い、豊満な女性らしい身体を包む純白の晴れ着。雪の結晶をかたどった、
薄青色の刺繍の帯。シカンナカムイのものよりもずっと白く、柔らかそうな腰までの銀髪。
「リムルル……。そんな顔しないでね」
視線に気づき、白い肌の女性がリムルルに顔を向けた。
優しさを形にしたような、重たげな二重まぶたが下がり、にっこりと微笑む。
「どんな姿をしていても……私は私。ずっと一緒だからね。リムルル」
「コンル、コンルだよね?」
「そう。私はコンルカムイ」
リムルルの頭をそっと撫で、美しい女性となったコンルはシカンナカムイに向けて言った。
「私はこの子ひとり、その幸せのために生きる事を誓った、愚かな氷のカムイです」
――こ、この人が……コンル?
リムルルは、優しい中に精悍さを湛えた人間の姿の相棒に見入っていた。
驚かないはずは無かった。さっきまで親しみ深い氷の姿だった相棒が、今は自分より、
レラやナコルルよりも背の高い美女に変身しているのだから。もはや初対面と言えなくも
無い状況だ。
なのに、沸き上がるこの親近感は一体何なのだろう。
友人だからか、家族だからか。幾つもの闘いを共に超えてきた仲間だからだろうか。
頭を撫でられただけで、兄や姉がしてくれたのとは違う、感じたことの無い安堵が胸に
広がる。少し笑いかけられただけで、初めて見た顔のはずなのに、ずっと昔から知って
いたような、そんな懐かしさを感じる。
戦いの場に似つかわしくない、柔らかな印象のコンルと、自分の抱いている感情。
――わたし……ずっとずっと、こんな人と一緒に過ごしてきたんだ。

42 :
「コンル……」
リムルルがコンルの横に立ち、何かを言いかけたその時、ぱちぱちと拍手が聞こえた。
「見事!見事みごと!いやはや……今日は驚くべきことの多き日よの!」
わざとらしく手を打ちながら、シカンナカムイが笑う。
「よもやコンルカムイがアイヌモシリで人の形を取ろうとはの。コシネカムイらしからぬ
力量、それもお前が言うところの『絆』のなせる業かの?」
「何の罪悪感も無く人間を陥れ、同胞をも傷つけるあなたに、お分かりになるとは思え
ません」
あくまで折り目正しく、しかしコンルの言葉は厳しかった。
「カムイの暴走は、カムイが止める。それが道理というもの。シカンナカムイさま……
今一度お伺いします。何故ナコルルさんを利用し、このような無意味な土地をお作りに
なられたのですか」
「無意味と言うか?」
「私の目は節穴ではございません」
ふうっと、コンルが白いため息をつく。
「リムルルと共に降り立ったこの土地で、私が異変に気づかないとお思いですか?多くの
カムイ達が苦しんでいるというのに、なぜ彼らを癒すためのナコルルさんの力をあのような
大樹へと……?彼らを、アイヌモシリという土地を見捨てるような行為を、なぜ」
「少し褒めてやれば、生意気を言いよるわ……」
高慢な性格のシカンナカムイには、コンルの態度が気に食わないのだろう。邪魔者に対する
冷たい目つきが、彼の性格を物語る。だがシカンナカムイは何を思ったか、ふんっと鼻で
笑うと、
「良かろう……考えが変わったわ。我の崇高なる思索、そこまで知りたいとなれば、まずは
昔話をせなばなるまいの」
悪賢そうなたくらみを含んだ声色で、シカンナカムイは話し出した。
「その昔。この世界には人食いの刀があった。何者の手によって作り出されたかも知れぬ、
人の背よりも高い巨大な妖刀よ。人であろうと、カムイであろうと、それを手にした者は
瞬く間に心を壊され、戮の限りを尽くすようになる。あらゆる命を冥界へと導くその刀は、
アイヌモシリを滅びへと向かわせ、いずれはカムイモシリをも蝕むであろうと危惧されておった」
シカンナカムイはそこで足元へと手を伸ばし、美しい赤い花を茎ごと一輪摘み取った。
「人間の悲鳴を聞いた我ら尊きカムイの祖先たちは、大軍を成してアイヌモシリの大地へと
降り立ち、幾年にも渡る激闘の末、ついにその人食い刀を……真っ二つに折った!」
花の茎がシカンナカムイの手でぷちりと折られ、左右の手に分かたれる。
「さて、残されたのは真ん中から折られた刀。妖しき力も二分されたかと思いきや、鋭く
尖った切っ先の方へは、力が残らなかった。そこで我らは、切れ味を残すのみとなった
その折れた先の方へ番人を宿らせ、一振りの宝刀として鍛えなおし……人間に与えた」
シカンナカムイは、手のひらの上にある折られた茎のうち、花のついた方を、リムルルに
向けて差し伸べた。
「力無き心の者には抜くことさえ許されず、正しき心を持つ戦士の手によれば、ありと
あらゆる魔を払う。力というもの……その在るべき姿を示しつつ、アイヌモシリに平穏を
もたらす刃。それが、宝刀チチウシよ」

43 :
「えぇ?」
リムルルは思い切り疑いの声を上げた。
「でたらめじゃ無いでしょうね……って、そんな話関係ないじゃない!今は――」
「待って、リムルル」
つっかかろうとするリムルルを、コンルが制した。
「あれは恐らく本当の話よ」
「でもっ!今は関係ないじゃない!」
「それがそうでもないのだ。リムルルよ。面白いのはここからだぞ?ナコルル、花は好きか」
後ろで棒立ちになっていたナコルルが、素直に首を縦に振った。
「よろしい……美しき女子に、美しき花……これが似合わぬはずがあろうか」
シカンナカムイは折り取った花を、ナコルルの赤い鉢巻に挟んで耳元に飾り、黒髪を
さらさらと指で滑らせた。
「うむ……美しい!おお、待たせたの」
一瞬だったが、シカンナカムイは確実にリムルル達のことを忘れていたらしい。にやけた
顔で振り返ると、もう片方の手を差し伸べた。手のひらの上には、花を失った茎だけがある。
「さて、妖しき大剣の先端はめでたくも、アイヌモシリを守る秘宝として生まれ変わった。
では残された方は如何か?アイヌの戦士よ、チチウシを受け継ぎし者よ……。お前に分かるか」
「ふん、知らない。そんな話は初耳だよ」
リムルルは強い疑惑を胸にひっかけたまま、考えもせず無愛想に答えた。
「残された刀は、象徴とも言うべき切っ先を失って幾ばくか衰えたものの、未だ妖しき力を
充満させておった。再び人の手に渡れば、今度こそアイヌモシリの破滅は免れぬ。そこで
我らが祖先は、その危険な武器を大岩の中に封じ込め、アイヌモシリの何処かにある底なし
沼の深くへと沈めた。こうすれば誰の目にも留まらぬ上、岩に施された強固な封印により、
妖気が外に漏れる事もない」
「めでたしめでたしってわけね……もうお話は終わりでしょ」
「じき終わると言うておろうが。かくもせっかちな娘に育つとは、躾のなっとらん事よ」
足元をじりっと踏み固める仕草をするリムルルを見て、シカンナカムイが呆れた顔をした。
「まったく、親の顔が見たいと言うものだ……のう、コンル?」
よくある類の皮肉だと、リムルルは大して気にもしなかった。実の両親はどこにも居ない
が、そんな事は何の引け目にもならないぐらい、素晴らしい家族に囲まれて暮らしてきた
からだ。しかし、
ぎゅっ……
繋ぎあった手が固く握りしめられるのを感じ、リムルルは傍らのコンルを見上げた。
「……コンル?」
コンルの唇が小さく動き、白い息がすぅっとこぼれて消える。声は聞こえなかった。
でも、リムルルにはコンルがこう言ったように見えた。
まさか、と。

44 :
「さて、時は経ち、今を遡ること数百年まえ――」
「まさかとは思っておりましたが……やはりそういう事なのですね」
コンルの美貌に一瞬、驚愕の色が刺し、さっと暗い影に沈んだ。
「それが真実だとしても……シカンナカムイ様、あなたがあの大樹をお作りになってなさ
ろうとしている事と、この話の続きとは、何も関係が無いはずです。はぐらかさず、私の
質問にお答え下さい」
「数百年前のある夜、山の中に、突然ひとつの白い光が走った――」
「もうそれ以上、このお話はおやめ頂けませんか」
氷のカムイであるはずのコンルのきつく握られた手に、じわりと汗が感じられる。
「ねえ、どうしたのコンル?あの昔話がどうかしたの?」
心配するリムルルをよそに、シカンナカムイはこう続ける。
「山の麓にあるコタンの男が山に輝く白い光を見つけ、異変に気づき駆けつけると、かつて
は底なしの沼だったというくぼ地にある大岩がひび割れ、その間に何か細い、マキリの柄の
ようなものが隙間から飛び出ているのが見えた――」
「この子に伝えるべきことは、私のこの口から必ず伝えます……ですから、どうか!」
触れられたくないものがあるのか、コンルは冷静に見えて、言葉尻に焦りを隠せずにいる。
「ちょっと、何だか知らないけどコンルが嫌がってるでしょ!やめてよ!」
陳腐な皮肉をシカンナカムイが口にしてから、コンルの様子が明らかにおかしい。仲間を
放っておけないリムルルは、何が何だか分からないまま抗議した。
しかし、二人の声など聞こえないかのようにシカンナカムイは話を先に進めてしまう。
「光に誘われた男が近づくと、岩のひび割れから声がしたという。『お前にこの世の全てを
与えよう。お前達……この世の全てが欲しているものを』と――」
「いけません!それ以上は!」
「コンル……」
髪を振り乱して叫ぶコンルの姿に、リムルルは当惑せずにはいられなかった。
人の姿をしたコンルの、この慌てようは一体どうしたことだろう。氷のコンルはいつも
冷静で、こんな風に大きな声を出したりすることなど稀だったというのに。
「どうか、もう!この子には必ず私から伝えます!」
悲痛なコンルの叫びに、シカンナカムイの語りが一瞬止まり、口が弓のように吊り上った。
「甘い誘惑に満ちた声に魅せられた男が、その取っ手をつかんだ瞬間……男の身体は」
「それ以上は……絶対に言わせませんっ!」
叫びとも悲鳴ともつかない声を上げ、コンルがシカンナカムイ目がけてごうっと加速した。
きらきらと光る氷の結晶を撒き散らしながら、宙に浮いたコンルは花々の上を滑るように
行く。リムルルが全速力で走るよりも、ずっと素早い。
「ちょっとコンル!わたしも――うわっ」
リムルルも後を追おうとした。だが、意志に反して足が動かない。透明な氷が、リムルルの
靴をまるごと固めて放さないのだ。

45 :
「ど、どうして!?」
「人の話を聞かぬのも、躾のなっていない証拠よの……リムルル、コンルは言うたで
あろう?」
シカンナカムイが、人差し指を立てた右手をゆらりと空にかざしながら言った。
「カムイ同士の闘いに人間の手出しは不要!『カムイの暴走は、カムイが止めねばならぬ』
と!コンルカムイ!我に楯突くは正しく暴走!お前の狼藉……万に値するっ!」
シカンナカムイの瞳の奥に光の線が走り、天を指した指が、ぴゅっと下に振り下ろされた。
ジジッ……ズダァン!
頭上に、布を裂くような音がした。コンルがぐっと加速した直後、金色の光柱が
重い爆発音と共にコンルの背後に落ちる。リムルルを跳ね飛ばし、シクルゥを一撃で行動
不能に陥らせた稲妻だ。地面がえぐられ、大きな魚が川面に跳ねたときのような、土煙の
しぶきが上がる。
「避けたか……ではもう一発」
立てた指を、シカンナカムイは手首の振りを利かせて右から左へと抜き払った。
猛烈な破壊の可能性を持つ光の帯が、軽やかな指の動きをなぞるように、直進するコンルを
横から襲う。
しかし、次の手を考えていたのはシカンナカムイだけではなかった。立ち止まったコンル
も右手を真横に伸ばすと、
「鏡っ!」
小さく念じるように叫んだ。
右手から冷気が放たれ、ぶ厚い氷の鏡がコンルの半身を覆った。シカンナカムイの電撃が
鏡に衝突し、ばあんっと四方に弾ける。
「ほほう……ではもう一発」
「鏡!」
「もう一発!」
「跳ね返せ!」
あらゆる方向から狙いを定められても、コンルはその電撃をことごとく鏡で跳ね返した。
「なかなか、やるの」
「私の氷は……純粋透明な意志の塊は……雷撃などには負けません!」
シカンナカムイが攻撃の手を止めた隙に、コンルが再接近を図ろうと前傾した時だった。
「うあっ!」
コンルが小さく叫び、顔が苦痛にしかめられた。二・三歩よろめき、左手で右の腕をかばう。
「やだ……こ、コンル――ッ!」
リムルルは思わず叫んだ。晴れ着から覗くコンルの右手に大きな亀裂が走り、肘から下が
ぼろりと落ちたのである。落ちた腕は、地面を待たずに原形を失い、粉々になって風に
押し流された。
「う……くっ……はぁ、はぁ、はぁっ!」
「成る程、お前ごときがアイヌモシリで人の形を取れたのはやはり、その『絆』のなせる業か」
肩を大きく上下させ、苦しげに真っ白な息を吐くコンルを見て、シカンナカムイが意地
悪く言う。
「その小娘を思いすぎるが故に、カムイとしての自覚を失い、ついには命をも捧げよう
とは……。『絆』、かくも愚かなるものよ」

46 :
――命?!
シカンナカムイと対峙するコンルの背中を見つめていたリムルルが凍りついた。
「コンル……命なんて嘘でしょ?そんなの嘘!!」
「嘘なものか。コンルは我とは違う。人間の夢の中でしか真の姿を現せぬ程度の力しか
持たぬカムイが、アイヌモシリで実体を晒し、あまつさえ我の攻撃を受け続けるなど……
ふん、自に等しいわ」
「コンルやめてぇ!早く……早く元に戻ってよぉ!!」
「そうは……いきません、リムルル。はぁ、はぁっ……私は……誓ったのだから!」
激しく乱れた呼吸の合い間に、コンルが言葉を繋げる。
「あなたからは、誰にも何も奪わせないと……あなたが悲しみにくれることなく生き
られる世界をと!」
「そんなの知らないよバカぁ!コンルが……コンルがいなきゃ……うああああ!」
リムルルはハハクルを抜き、足元の氷の足かせに振り下ろした。言葉にならない動物の
ような声を上げながら、何度も割ろうと試みた。しかし、コンルの氷は冷たく硬かった。
傷一つつけられなかった。
リムルルの叫びも思いも、決して聞き入れないかのように。
「コンル……コンル!コンルぅ〜!」
リムルルはハハクルを落とし、その言葉しか知らない赤ん坊のようにコンルの名を呼び
続けた。
「リムルル、ごめん……ね」
コンルが弱弱しく言いながら振り返った。どんなに辛いか分からないこの状況でも、二重の
奥に収められた青い瞳は、痛いぐらいにリムルルを優しく見つめている。
「これは、約束なのです……あなたと、あなたの大好きだったお父様との」
「とうさまと?」
「そう。あなたを苦しめるものは、絶対に許さないと……あなたの幸せを、祈り続けると。
私のカムイとしての誇り、どうか遂げさせて」
柔和そうな太い眉毛を下げて、コンルは嬉しそうだった。片腕を失い、命を削りながら、
どうしてあんな顔が出来るのか、リムルルには想像もつかない。胸が苦しい。締め付けられる。
なのに、どうして。
あの青い眼が、どうしてこんなに安らぎを与えてくれるのだろう。
このままではコンルが――かけがえの無い家族が身を滅ぼそうというのに。
手の届かない、遠いところへ行ってしまうのに。
それなのに。
――何?この感じ。ずっと……こうしてたい。そうやって、見つめててもらいたい。
人の姿をとったコンルの瞳から伝わってくる優しさは、悲しみよりもずっと強くリムルルを
包んで離さず、一夜にして全てを失ったあの悪夢の時よりもさらにさかのぼった、記憶に無い
時代を強く意識させた。
今を生きるリムルルが、確かに過ごしたはずだったその時代の事は、誰も教えてはくれな
かった。父親でさえも。
それでも。
抜け落ちた過去――母親との時間――を埋めるかのように、その人は笑顔で自分を見つめて
くれている。

47 :
「コンル、コンルは……わたしの……」
「リムルル、もう、何も言ってはいけませんよ。私にはそう呼ばれる資格は……無いのです」
コンルの細められた左目の下に、小さな輝きが生まれた。
「私は……あの時……あなたの大好きなお父様が犠牲になられたあの日……」
コンルは一瞬ためらい、そして言った。
「私は、あなたと、あなたのお父様を残して……逃げたのだから」
コンルの左目をこぼれて離れたその輝きは筋となり、頬を伝い、顎に届いて――
ばきっ。
音を立てて、深く蒼いひび割れを美しい笑顔に残した。
金色の稲妻がコンルの服の上を蛇の如く駆けめぐり、ふくよかな身体を締め上げる。
「――!!」
リムルルは、あまりの驚愕に声を失った。
「償いの時は十分に与えてやったのだ……感謝せい、コンルカムイっ!」
シカンナカムイが伸ばした右手を握り締めると、一段と高い炸裂音と閃光が彼の手から
発射された。コンルの周りに咲いていた花々が次々と焦げんでゆく中、コンルは一人その場に立ち尽くす。
「……リムルル、本当にごめんなさい」
電撃の中、コンルは自分の顔に生じた亀裂を愛しそうに指でなぞった。その笑顔は曇る
どころか、何か重いものの下から開放されたかのような、安らぎさえ含んでみえる。
「リムルル……最期まで、私を信じて、友と……家族と慕ってくれて……ありがとう」
「あ、あぁ…………か……かあさ……」
リムルルのわななく唇が言葉を伝えるのを待たずに、コンルは背を向けた。
「貴女が未来に進むために失うものの最後が、どうか……私でありますように!」
コンルは落雷を身体に浴びながら、残された左手をシカンナカムイに突き出した。
「我こそはコンルカムイ!」
はぁーっと白く大きな息を吐き、瞳の青を強く輝かせ、コンルが名乗りを上げた。
「雪と氷に閉ざされし大地……蒼く美しき永久(とわ)を万物に!」
コンルの身体がしゅうっと透きとおり、身体の表面を蠢いていた稲妻が動きを徐々に緩め、
ついには止まってしまった。シカンナカムイの稲妻は、コンルの冷気によって透明な氷の
結晶へと姿を変えていたのである。
それはさながら、コンルの身体に巨大な植物のつるが巻き付いてゆくようだった。そして
氷となった稲妻のつるはコンルの全身に及び、シカンナカムイへと向けられた腕を放れても
成長を止めることなく、稲妻を生み出している主に絡み付こうと伸びてゆく。
「光であろうと……稲妻であろうと!凍てつけ!コンルノンノ!」
コンルの振り絞った声が響き、シカンナカムイへと向かう氷のつるの先端がつぼみのように
膨らみ、氷の粒子を撒き散らしながらぐばっと八方に開いた。幾重にも重なった花弁の
ような氷の刃は、繊細さと凶暴さに溢れている。
冬にしか咲かない、鋭利な氷の大輪が、自らの成長を阻むものを跳ね飛ばそうとシカンナ
カムイに迫る。

48 :
「氷の花――冬にしか咲かぬ花。ふむ、美麗絶頂……」
シカンナカムイが、自分の視界全てを多い尽くす氷の花を前にしてつぶやいた。
「コンルカムイよ、かくも珍しき花を咲かせるとは……。まずいのう。神聖なるカムイ
同士の戦いの最中に、かような美しい光景をナコルルに見せては」
黒い影が、卑しく笑うシカンナカムイの後ろから躍り出た。
「何せナコルルは花が……『花摘み遊び』が大好きだからのう!!」
影――ナコルルが駆ける。巨大な氷の花の横を駆け抜ける。
その細い右の腕には、大きな花を摘むには丁度よい、異常なほどの大きさと鋭さを持つ
魔界のかぎ爪「あざみ」。
冬にしか咲かない花は、当然ながらそこを動くことは出来ない。
「花の一生は短いというのう」
シカンナカムイが見守る中、ナコルルが、氷の花の一番の根元に黒光りする爪を伸ばす。
「されども人知れず咲いていれば、もう少し長生きできるものを、の……」
じょきり。
金属の擦れ合う音と共に、ナコルルの花飾りがぱぁっと散った。
シカンナカムイを飲み込もうと猛り狂っていた氷の花も、その目前で動きを止めた。
「リム……ルル……」
「コンル……かあさま」
「誇り高きアイヌの戦士よ、私はひと時でも、貴女の……母となれて……幸せでした」
「嫌あああぁぁぁ!!かあさまあああああああ!!!!」
胸を五つの爪に貫かれ、ナコルルの花飾りと共に散りゆく間際。
コンルという名の氷の花は、最期の最期まで笑顔だった。

49 :
コンル…。・゚・(ノД`)・゚・。
楽しい話をありがとう64様
あなたはパセカムイの一人です。
それにしても、背景から設定から凄すぎます。
オリジナル設定なことを忘れそうになるくらい。

50 :
クオリティ高いな、作者乙

51 :
保管庫が繋がらん・・・。
消えちまったのかな・・・?

52 :
>>51
http://red.ribbon.to/~eroparo/

53 :
↑のアドレスをアドレスバーに直接コピペ汁

54 :
保守age……
ああ、コンル・゚・(ノД`)・゚・。

55 :
今ちらっと保管庫見たんだが、すげぇなぁ64さん。
長すぎて読みきれないが、もうどこぞのファンタジー巨編じゃないかッ
おれもいつかそんなの書いてみたいぜ
ガンバって

56 :
刀の残った方がハハクルになったってことなのかな。

57 :
あぁぁコンル…(;ω;)本当に文章力がすごい。
ところで誰ぞシャルロットを書いてくれませんか。好きなのに乏しくて乏しくてorz

58 :
息苦しいまでの瘴気に浸された薄暗いカムイの森に、またしても青い火花が飛び散った。
二つの影が木々の根の上を飛び回り、かち合っては光りを産み、また離れてを繰り返す。
「イイっ……ぜえェ!姉ちゃん!!フッハハハハハ!」
聞くに堪えない、気が狂っているとしか思えない羅刹丸の叫びが、レラの前を右から左に
流れる。その声だけを頼りに次の動きを予測して、レラは音も無く木々を縫い、いきなり
羅刹丸の前に躍り出た。
そのまま、がら空きの胸を狙ってチチウシを突き出す。
角からの風切音に羅刹丸は濁った目を丸くしながらも、ぶら下げるように握っていた
屠痢兜でその攻撃を簡単に打ち払った。レラもチチウシを叩かれた勢いをしてまで
追撃は狙うことはせず、美しい宙返りですぐに羅刹丸の範囲から退く。
「すばしっこいじゃねェーか!」
羅刹丸が走りこみながら、屠痢兜を振り回した。
レラが羅刹丸のほうを向いたまま、ひょいひょいと後ろへ飛び退く。光の無い刃の軌跡が、
レラの居た場所に漂う深紫の霧を次々に切り裂いてゆく。
「おら!おらァ!!」
諦めずに追いすがる羅刹丸の攻撃を、レラは静かに後ろへ、左右へとかわし続ける。
チッ、と、羅刹丸が舌打ちをしたのが聞こえた。業を煮やしたのだろう、太刀筋を変えてきた。
両手で振り回すのをやめ、速度に乗せて屠痢兜を突き出してくるのである。片腕を眼一杯
伸ばして、射程を広げようというのだ。片手だろうと、レラの身体ぐらいなら十分に貫く
だけの自信があるのだろう、木々の根っこから根っこへと飛び回るレラの身体のど真ん中に向け、
羅刹丸は突きを放ち続ける。屠痢兜それ自体が獣のようにレラの胸を執拗に付け回し、徐々に
その距離を縮め始める。突きつける。
と、レラが失速した。苔むした木の根に滑ったか、つまずいたか。がくんと姿勢が低まった。
「もらったぜェ!」
全体重を屠痢兜に預け、羅刹丸は強く踏み込んでレラの胸を射抜く体勢に入る。
しかし、レラは低めた姿勢を直そうとしなかった。それどころかさらに素早く上体を落とし、
半ば地面に寝そべるようにして羅刹丸の突きをくぐるようにして避けた。そして、どたどた
走りこんでくる羅刹丸の下に潜り込み、手と足でくるりと羅刹丸の身体を支え、巴投げの
ようにしてそのまま後方に流した。
「おあぁぁ?!」
勢い余った羅刹丸はレラの上を綺麗な円を描いて飛び越し、顔面から大木に激突した。
「ぐお〜〜〜〜〜〜〜ッ!おおう、おぉッ」
ずるりと地面に落ちた羅刹丸は、鼻頭を押さえながらのた打ち回った。木の幹に、鼻血の
落書きが上から下へとこびりつく。
「魔界の男でも、やっぱり顔面は痛いものなのね」
「こんの……あまァ!」
背中の汚れをぱっぱっと払いながら皮肉るレラの声にぴくりと反応し、羅刹丸はすぐに鼻を
押さえて飛び起きた。
「糞アマがァ……!今度こそ絶対にす!」
鼻血を流しつつ、鬼の形相で駆け寄ってくる羅刹丸の背負っている気が、一段と強まった
のをレラは感じた。

59 :
漆黒の軌跡が、またしてもレラの居た場所を切り裂いて回り始める。
「ちっ、何だァおいッ!どうしてそんなに焦らすんだおいッ!かかって来いコラァァ!!」
思い切り振りかぶり、羅刹丸は全身を使って上段から屠痢兜を振り下ろす。途方も無い剣圧が、
刀と指一本分の間だけ横に身をかわすレラの頬にびりびりと刺激を与えた。
切っ先が届く寸前、しかも何の捻りも無い上からの一太刀だが、その存在感と意は空間に
まで影響を与えるほどだ。
このやりとり、切迫する一撃を肌で味わうのは、これが何度目だろうか。
決闘が始まってどれだけ経ったか。時の流れさえ、この虚ろな空間の中では歪んで感じる。
その中で刃を交えては、つかず離れず。これを幾度も繰り返している。
一時は抑えきれない激情に走りかけたレラも、既に落ち着きを取り戻し状況も理解できていた。
羅刹丸は迂闊に近寄れない相手でもあるし、軽く揉めるというわけでもなかった。馬鹿な
ことばかり言うくせに、思った以上にこの男はできる。鉛玉を打ち込んでやった時に膨れ
あがったあの邪気は、決して嘘ではなかった。
生を分ける一撃が頬をかすめるのを横目に見ながら、レラは思う。
――ねえリムルル、ナコルルと出会えた?
それとも、羅刹丸の仲間がいたとして、別の闘いに巻き込まれているのだろうか?
カムイの恩恵深いこの土地に、これだけ腐った悪が踏み込んでいるのだ。強い邪気の中心
はここ(羅刹丸)のような気がするものの、この世を支えるナコルルのところにまで毒牙が
届いていない保証などない。魔を払う宝刀を所持しているのは自分だ。シクルゥやコンルを
はじめとしたカムイ達がきっとリムルルとナコルルを守ってくれるだろうが、切り札たる
自分が抜けているのは好ましい状況ではない。
――この男の望む通り、そろそろ決着を。
レラが意を決すると同時に、止まりかけていた時間が動き出した。
羅刹丸は、大きな一振りをちょうど終えた姿勢だった。レラはその後ろにすかさず回り
こみ、ぼさぼさの後れ毛に隠れた首に向けてしなやかな蹴りを放つ。
決まりきった繰り返しからの、突然の変化。
そこに一石を投じることで生じる隙を狙い澄ました一撃。決まらないはずは無い。
だがそれを、羅刹丸はごろりと前転して避けた。
「うるアァ!」
そして起き上がって振り向くのに合わせ、羅刹丸は片手だけで刀を思い切り薙ぎ払った。
――嘘っ!?
応えの無かった脚をレラが慌てて踏みしめると同時に、辛うじて間に合った盾代わりの
チチウシを屠痢兜がまともに捉えた。レラはやむなくその一撃を受け止める。
「くうッ!!」
虚空をぐにゃりと歪ませるほどの一撃は、並ではなかった。
爪が弾け飛びそうなぐらいの衝撃、肩が外れそうなぐらいの威力。
――これがもし、不意打ちじゃなく正面からの攻撃だったら……?!
嫌な想像をもみ消すように両足でぐっと踏みとどまり、レラは羅刹丸の顔を睨みつけた。

60 :
「嬉しいぜェ……やっとやる気になったってか。隙もなにもあったモンじゃあねえがなァ」
刃と刃を十文字に合わせたまま、羅刹丸はあごを突き出して笑った。
「あんなションベンの臭いしかしねえガキなんかよりずっといいなァ。ベッピンで、ズル
賢くて、しかもかなりのし甲斐ときたもんだぜ」
「さっきから何を馬鹿なことを」
左手を添え、正面でしっかりとチチウシの峰を押さえながら、レラがさも下らなそうに答えた。
「何でそんなに余裕綽々でいるのか私には分からないけど、あなた、ここでぬのよ?」
「ッ?ほぉ……ヘヘ」
羅刹丸が一瞬驚きの顔をし、すぐにへらへらとニタついた。
「ぬってか、この俺様が!ほおう、ほう……ひっ、ヒヒハハハ!」
「どうして笑うのかしら」
「おお、悪ィ悪ィ。姉ちゃんは剣の腕だけじゃねェって思ってなァ。口も達者だ。あん
まり面白くてよ、こっから先のこと考えるとついついニヤニヤしちまうのよ!」
羅刹丸の腕の筋肉がむくりと膨れ上がり、強烈な馬鹿力が刀を通してレラの身体に迫る。
「っく……!」
「おうおうその顔だ。いいぜェ……耐えながら聞いてくれよな。俺ァな姉ちゃん。強えェ
奴には目が無ェんだ」
羅刹丸が赤く濁った目を細めた。
「そのわけってな、ひとーつ、し甲斐がある。ふたあつ、なかなかしぶとい。みぃー
っつ、苦労しただけ血酒が香り立って、臓物が舌の上でとろけるってなモンでな?」
「そして、よっつ……」レラが言葉を継いだ。「そのおごりが祟って、自分の命が失われる
とは思わなかった。こういう結びでいいかしら?」
「その減らず口がたまらねえんだって言ってんだよ俺アァァァァ!!」
まだ余力を残していた羅刹丸の腕力がにわかに呼び起こされ、レラの身体をいとも簡単に
押し切った。羅刹丸の周囲に渦巻く魔界の毒気にやられて枯れ落ちた草花の上に、レラの
身体が投げ出される。
「おおおおおおおおおらァ!旋風波あッ!」
レラが身を起こす頃には、力を溜めた羅刹丸の地を払う一撃が、叫びと共に完成していた。
屠痢兜に穿たれた単なる土くれが魔力を叩き込まれた無数の散弾となり、レラに牙を剥く。
「うあっ!!痛ぅ……!」
とっさに近くの樹木の裏に避けようとしたものの、レラはもう一歩のところで砂つぶてを
右のふくらはぎに浴びてしまった。下穿きの一部はぼろぼろに破け、そこからのぞく肌には
鋭く細い血の流れが幾つも走っていた。皮膚を覆うような熱い痛みが広がり始める。
「それで逃げたつもりかよォ!おいコラ!」
背にした巨木の向こうから、笑いを交えた羅刹丸の叫びが聞こえた。
とてつもなく嫌な予感を覚えたレラは、息つく間もなく、背中を預けていた樹木の陰から跳んだ。
レラが振り返ると、あんなに太かった樹の幹が、根元から斜めに滑り落ちて横に倒れた。
ずどぉ……!
ただの一刀によって伏せられた枝葉が地面を叩き、もうもうと土煙が立ち上がる。
その煙の中に赤く禍々しい二つの目が霞んで見え、血の色をした一筋の残像が輝いた刹那――
目の前に広がり消えてゆくはずの土煙が、いきなりレラに向けて圧縮するように迫った。

61 :
「俺様をなすとかって冗談は、こいつを食らってまだ言えんなら聞いてやらあなあァッ!」
今度こそ、避け切れなかった。竜巻に姿を変えた煙に捉えられたレラは、乱暴にぐるぐると
かき混ぜられながら、静か過ぎる森の空へと上っていった。
「うっ……あぁぁぁ!」
もう、右脚の心配をしている場合ではない。まぶたを閉じていなければ眼をやられることに
なるだろう容赦の無い砂嵐が、レラの衣服に穴を開け、引き裂き、柔らかな肌を次々と傷つけて
ゆく。身体のいたるところが焼けるような痛みを訴え始め、レラはぎゅっと目を瞑ったまま
苦渋に顔をしかめた。
空はどっちか、地上はあちらか。方向感覚がどんどん薄れ、思考が揺らぎ始める。
「へっ、ハハハハハハハハハアァ!」
遠くなる意識の底にまで響く、羅刹丸の狂った高笑いを聞きながら、レラは思う。
――強い。この男は、強い!
隙を突いたはずの攻撃が裏目に出た。そこに転がり出たほんの一瞬の好機を、羅刹丸は見逃さ
なかった。
――瞬きひとつでも見逃してしまう攻守逆転の境地……あの男はそれを知っている!
攻撃をしかけていたのは常に羅刹丸だった。それにレラが対応するかたちで、戦闘は進んでいた。
一目で分かる力の強さと、それに頼ったぶっきらぼうな流儀。力に劣る者が相対するには、
素早さで翻弄するのが一番だ。決定打を決められない状況に相手が十分に焦れ、油断し、自棄に
出たところを一突き。これが理想だった。
捉まらなければ、何も恐れることは無かった。だが――
それが、このざまである。
――私が……踊らされていた?
そう、闘いは対峙したときにもう始まっていたのだと、レラはようやくにして気づいた。
羅刹丸は下らぬ話術でレラを勘ぐらせ、言葉巧みに心を熱くさせ、焦れて当然の単調な
刃のやりとりでさえ、あろうことか楽しんでいたのだ。この結果を待ちながら。
全ては羅刹丸の計算づくだったのかどうか、それは定かでない。あれは生粋の馬鹿なのだと、
レラはこうやって四肢を痛めつけられるしかない今もそう思っている。
しかしその馬鹿の術に、レラはすっかりはめられていたのだ。
妹とアイヌモシリに仇をなす宿敵に挑みかからんと、無意識に逸った自分が甘かったのか、
それとも純粋に羅刹丸の力量が自分の遥か上を行っているのか。
相手を本気でいたぶり抜き、すことに喜びを見出している馬鹿。
そんな馬鹿に、今まで会った事はなかった。
そしてここまで自分を追い詰めた敵にも。
魔界の者。忌むべき存在。カムイの森を荒らす無法者。妹を苦しめた、絶対に許せない男。
なのに、どうも妙だ。
こんなにも痛めつけられ、許せないはずなのに、男の置かれた境遇を思い描けば描くほど、
胸を燃やしたあの怒りがどんどん沈んでゆくのである。

62 :
――何かしら?なんだか……
身体と心の両方にすうすうした新しい心地を感じて、レラはゆっくり目を開いた。
いつの間にか竜巻は掻き消えており、砂にまみれた身体はただ空中に放り出されていた。
涼しいはずである、服はもう単なるボロでしかない。肌の露出のほうが多くなっている
のではないか。そんなことを思うレラの眼球は虚ろに動き、その視線は、自然と一点に
吸い込まれた。
赤く大きな三日月を手にした羅刹丸が自分の身体の上に踊りかかり、今まさにその三日月
を振り下ろさんとしていた。
――すごい。
レラは息を呑んだ。それは、純粋な血の色で塗り固められた天体のような刀だった。
どれだけの数の人間の血を塗りたくればそんな色になれるのか、そんな疑問さえよぎるほどに
真っ赤な真っ赤な月――屠痢兜――が、羅刹丸の振り上げた手の中に固く、きつく握り締め
られている。
その顔の、嬉しそうなことといったら無い。無邪気、そんな言葉が何よりも似合う満面の笑みだ。
本当の満足が目前にある一瞬、何にも変えがたい一瞬なのだ。彼にとって。
この私の血肉を、あの三日月に捧げる瞬間を待つこの時こそが。
――わからない。どうしても。
絶命の瞬間を前に、レラの心にまたも疑問がよぎる。
もしかしたらこの男と同じぐらい、自分も人間の命を奪ってきているのかもしれないと、
レラはこれまでの生き方を振り返る。カムイを苦しめる者なら、魔界の者も、愚かな人間も、
どれもこれも同じように、平等にポクナモシリ(冥界)へと導いた。自然の痛みを知らしめた。
だが、笑顔で敵を葬ることなどした事が無い。
世の中に命ほど重く大切なものは無い。それを笑顔で扱おうなど、人間のする事ではない。
それは屠られる方も同じだ。どんなにこの世にあってはいけない命の持ち主であろうとも、
どこまでも生命に執着し、泣き叫んで奪われまいとする。戦いの最中に笑っている者もいたが、
そんなのは虚勢だ。蓋を開けてみれば、最期はどれもみな同じに泣き喚くのが常だった。
しかし羅刹丸は違う。あんな顔は虚勢では出来ない。
この闘いに、レラの命を奪うことに、全てを賭けているのだ。
その目的や理由が何であれ。
羅刹丸にとって「命」が何であれ。
彼に今課せられているものは一つ。とにかくすことなのだ。心から。
しこそ、全て。それが羅刹丸という男。
仕置こそ、全て。それが私という女。
レラの心に、二つの言葉が重なる。
チチウシを手にシクルゥに跨って、大切なものを……アイヌモシリを、尊いカムイ達を。
リムルルを。
家族を。
その笑顔を絶やさないために、この世に生まれたばかりの幸せを守り抜くために、レラは
闘うのだ。そしてカムイと人とが暮らす、本当に平和な大地を前にしたとき、きっと自分
にも笑顔が。
この身を切り裂こうとしている魔界の男と同じぐらいに、満ち足りた顔で自分も笑うこと
ができるのだろう。
そのための闘い。
そのためのし。
またしても言葉が重なる。

63 :
――ああ。
頭の中を二転三転するレラの思考はいつしか、ひとつの結論へと達していた。
――なるほど。そういうことなのね、私。怒りも蘇らないわけだわ。
その結論を認めていいものかなどと、レラはここに来て迷いはしなかった。
――この男、似ているんだ……私と。
自分の使命のために、してして。そうして生きてきた。そう生きるしかなかった。
――私もそう。し続けたわ。闘い続けてきたわ。本当に、そのために生きてきたの。
ならば、レラは魔物だろうか。断じて違う。いくら似ているとはいえ、羅刹丸と自分は
根本的に違うのだと、レラは確信している。同じ使命を背負っているからこそ、ここで
負けるわけにはいかない。あの赤い刃の餌食になどなってはならない。
――私は、この魔物とは違う。私には、背負ったものがある!誓ったことが!!
負けられない。
「断 空 裂 斬 ッ ! !」
羅刹丸のつんざくような叫びが、耳に聞こえた。
レラは瞬きを一つ、それだけで瞳に生気を取り戻し、自分の額に怒涛の勢いで迫りくる
赤い刃を認めると、思い切りチチウシを振りかざした。
間一髪、空中でふたたび十字にかち合った刃と刃から、赤い三日月を彩る火花の星を散らす。
羅刹丸の恍惚としかけた目が、間抜けなぐらいにまん丸になった。
レラは片手だけで、屈強な羅刹丸の一撃を受け止めていたのである。
「何って……力だこと。私の命、そんなに欲しかった?」
握力の限界を超え、手の切傷から滴る血液に自らの顔を染めながら、レラが言った。
「でもダメね。あなたが欲しいものは、私をしても手に入らないわ。私の妹でも、コウタ
でもない……誰の命でも満たされないわ、きっと。だけどね?」
レラは自然な落下を全身に感じながら、言葉を継いだ。
「あなたさっき自分で言ったわね。この剣を受けた今なら言っていいって」
低い声で、レラは言った。
「あなたはすんじゃなく……されたいのでしょ」
一緒に落ちゆく羅刹丸の刃から、圧力が抜けた。顔は呆けたままだった。
レラはしのぎを削っていたチチウシを屠痢兜からそっと放し、手の中でくるりと回すと、
逆手から順手へと持ち直した。
「叶えてあげるわ、あなたが望むこと。今ここでね……になさい!」
血の滴る右手に強く握られた聖なるチチウシが、羅刹丸の左わき腹深くへと突き刺さった。
その瞬間だった。

64 :
ど く ん っ
一瞬ではあった。ほんの一拍ではあった。
しかし、地上を、海を、この星全てを揺るがすかのような鼓動が、世界を駆け抜けた。
ど く ん っ
その鼓動は、人間の作った地下室を歪めんばかりに。
「だーからコウタもっと呑めぁうお!?」
「うわった、地震か?!」
「おおお、あれ……止まった?つか呑み過ぎ?俺ら呑み過ぎか、なあコウタよ!なあ!!」
「いや、チゲ鍋こぼれてるから結構大きかったぞ、今の地震……ってやめ!口移しは絶対だめ!」
「ほーらほら、バードキス!フレンチキス!舌入れるぞ舌!!」
「らめぇ、絶・対!!」
ど く ん っ
その鼓動は、祝祭の空気を漂わせるアイヌモシリを揺らがせんとばかりに。
「大学生、真っ昼間から地下の飲み屋にて宴会中。メンバー、開催内容にも特におかしな
所は……おっ、柳生さん、これ……?」
「地震だ」
「大きいですね……」
「……ああ。何か、あるな。よし佐川」
「はいっ」
「コーヒーとあんぱん買ってこい」
ど く ん っ
その鼓動は、カムイが作り出した地上の楽園を引き裂かんとばかりに。
「ふん、散りおったか。コシネカムイごときがしゃしゃり出るからよの……うむッ?」
胸をナコルルに貫かれ、安らいだ笑みを浮かべたまま冷たい氷像となっていたコンルが、
地震のような強い振動によって一瞬で瓦解した。
優しかった笑顔が、艶やかだった髪が、温もりを感じた手のひらが、花々が咲き乱れる
カムイの土地へと崩れ落ち、リムルルの目の前で粉々の氷の破片となり、消えてゆく。
どくん……
木々が拍を打つようにざわめき、地上さえ揺るがしたのが、空中にいるレラにも伝わって
きていた。空気を通し、そして、羅刹丸のわき腹に埋まったチチウシを通して。
チチウシは、脈動する周囲の風景に同調するかのように、力強くレラの手の中で踊って
いた……いや、チチウシの変貌と同時に、この世が揺れ始めたのだろうか。魔物の肉体に
突き刺さり、毒々しい血に塗れたことで、その本来の力を取り戻そうとしているかのように、
チチウシはカムイの森に漂う魔界の空気を射抜く光を強めていた。アイヌモシリを汚す魔界の
者を狩ることこそが、この刀を受け継いだ者の宿命だと、そう告げているかのようだった。
しかし、生きる事に関して既に狂っている魔界の男は、絶望的な傷を負ってなお、にやりと
余裕さえ感じさえる笑みを浮かべていた。
「やっ……てくれるじゃねェか!ねえちゃんよぉぉッ!」

65 :
怒声にも歓声にも聞こえる叫びを上げた羅刹丸は脚を屈め、レラの腹部に乱暴な蹴りを放った。
チチウシが肉の手ごたえを残して羅刹丸のわき腹からずるりと抜け、逆にレラの腹に、重い
重い圧迫感と衝撃が広がる。自由落下に蹴りの勢いを加えられたレラは地面のすれすれで
体勢を立て直して着地したものの、立ち上がれずにそのままうずくまった。
「へっ、へへ……驚いたぜ!」
胴着の左わき腹に、毒々しい藤色の血液の染みを瞬く間に広がらせながら、羅刹丸がどすん
と両足で着地した。
「何を言うかと思えば、アァ?この俺様が……にてェだの抜かしやがったなァ!」
「違うの……かしら?」
ずたぼろになった服を引きずり、レラは痛みと吐き気をこらえて立ち上がった。
「その刀……ずいぶん人をして来ているみたいだけど、何のためにしてきたっていうの
かしら?」
「んなの決まってんだろうがァ!快感なんだよ!すのが!!バカ共をばらッばらにすんのが
楽しくて仕方ねェんだよ!悲鳴が!血の味がなァ!心地よくって仕方ねェんだ!!」
「嘘をおっしゃい……」
子供のように自分の主義を訴える羅刹丸をなだめすかすような口調でレラは言った。
何故かやはり、あの強い敵対心が帰ってこない。
「確かにあなたは、すことで快感を得ているのかもしれない。私にその刀を振り下ろそうと
したときのあなたの顔、忘れられないわ。心からすことを……私の命を奪うことを幸せに
感じていた。そういう表情だった」
「そうさ。姉ちゃんの生きのいいドタマかち割ったら、どんな絵になるかってなァ!」
「哀れね……」
剣を交えた相手に、こんな感情を抱くのはおかしかった。しかし、戦いの最中に感じたものは
彼女にとって絶対だった。命の際でむき出しになったものが、偽りのはずは無いのだ。
「私は、この世界を邪な者達から守るために闘っている。そのためにし続けてきた。
大自然とその中で生きる人々のためにね。そして、私自身も生き抜くために。ひとりには
しないと――あの子にそう誓っているからね。だからあなたを追っていた。でもあなたは
どうかしら」
いつしか羅刹丸は黙りこくっていた。わき腹からの出血は、道着の下にまで及んでいた。
「快楽を得るためにすなんて嘘ね。そんな輩はこんなに強くない。あなたほどの腕前を
持つ者が、そんな下らない目的のために人をしているはずがない。だったら何?守るものも
無く、得るものも無いままにここまで生きてきたのは何故?不身に任せて漠然と?違う
のでしょ」
不思議だった。この男を説き伏せて何の意味があるのか。
相手は魔界の男だ。さないわけにはいかない。
でも、どうしてもレラは羅刹丸に知って欲しかった。思い出して欲しかったのだ。ぬ前に。
自分が闘う本当の意味を。
レラは思いよ届けと、羅刹丸に言い放った。
「本当にしたいのは……自分でしょ。にたいのでしょ。あなた、自分でした人の
姿に自分を重ねているのよ。本当に欲しいものが目の前にある……だからあんなに楽しそうに」
「一秒でも、姉ちゃんの話を聞こうとした俺が間違いだったぜ」
うそぶいてばかりだった羅刹丸の口調が、ここに来て冷酷さと険悪さを帯びた。

66 :
「その講釈……急に胸糞悪くなってきやがった。ちったあ出来るから、もっともっとしっかり
いたぶってそうかと思ったんだがなァ!」
「本当のことを言われると腹が立つものよ。いよいよ図星のようね」
「生意気が過ぎるンだよ……脆い人間の癖によォ! 俺様がぬだァ? 抜かせ!!」
羅刹丸の肉体から発せられる気が、ぶわりと増幅した。節くれた手の中の屠痢兜が、
かたかたとを誘う声で泣き、高々と掲げられる。
「俺様に一太刀浴びせたその腕に免じてなァ、一瞬で消えてなくしてや……ごほッ!」
彼なりの念仏を唱えようとした羅刹丸の口から、唐突に血が吹き出した。
「ごほ!うげッ、ぐあ……がはっ、はっ」
背中を丸めて口元を押さえるが、指の間からは滝のように血が滴り落ちている。
レラはその様を、細めた目で見つめていた。
「チチウシは、あらゆる魔を絶つ刀。あなたの不身もそこまでよ」
穴と擦り切れだらけになった襟巻きを口元にたくし上げ、レラは言う。
「あなたがにたい理由は知らないわ。だけどしだけの人生を送ってきた者同士、その
哀れさに免じて……あなたの思い、すぐに遂げさせてあげるから」
レラは一瞬目を伏せたが、チチウシを握りなおしてすぐに羅刹丸へと歩き出した。
「ぐほっ、あん……だと?口に当ててる布切れが邪魔で聞こえねェんだよ……ぺッ」
血の唾を吐き出し、羅刹丸は前かがみのまま、わき腹の傷口に触れた。吐血に加え、
さらなる出血が羅刹丸の震える手をどす黒く染め上げている。
「血が出てッ……うぅ、傷が塞がってねェ!何だか知らねェが……こりゃッ、と、とんでも
ねェ感覚だ……ぜ!」
魔物の口元がにんまりと開き、赤黒い涎がどろどろと流れ出す。
「姉ちゃん……悪かったな。前言撤回だ。やっぱり姉ちゃんは最高だァ!!ヒィッヒヒヒ
アハハハハァ!!ゴホッ、ゴホ!」
天を貫く木々にさえぎられた空に向かって、羅刹丸は狂った高笑いを放ち、咳き込んだ。
たちの悪い酔っ払いのようだ。
「おい、すぞ!姉ちゃん、テメーはすぞッ!けどな、すけどぬなッ!!ずっとその
ワケのわかんねえ、飛び切りの刀を振り回して俺と闘え!んでも立てよォ?」
「……ふっ、ふふ」
いつの間にか立ち止まっていたレラは、何故笑ってしまったのか、自分自身でも理解に苦しんだ。
してもぬなだの、んでも立っていろだのと、羅刹丸は、本当に命というものがよく
分かっていないらしい。心臓に鉛を撃ち込まれてもななかった身体に、ついに滅びが忍び
寄っていると言うのに、それさえ楽しんでしまっている。もしかしたら、羅刹丸は自身が
にたがっているという真実が、本当に身に覚えの無いものなのかもしれない。
あまりに馬鹿げ、狂っている。
放っておけないほどに。

67 :
「……ふふ、いいわ」
――何がいいんだか。
思いながら、レラはマフラーを解いて羅刹丸に投げた。羅刹丸は掴んだマフラーと、レラの
顔とを交互に見た。
「さっさと傷口に巻きなさいな」
――敵に塩を送るようなことを。
思いながら、レラは羅刹丸がもろ肌を脱ぎ、さっきまで自分の口元を覆っていた布切れが
彼の身体に巻きついてゆくのを見ていた。どういうわけか、唇が熱い。
「私はね、大自然の戦士なの。ふふ、言っておくけれどね……あなた、私が今まで何回心臓を
貫かれて、何回蘇ったと思っているの?」
――馬鹿がうつるって、本当ね。
思いながら、レラは羅刹丸が満足そうにわき腹をさすってニヤつくのを見た。何故だかまた
しても頬が緩んでしまう。
「さあ、楽しみましょうか」
――戦いは遊びじゃないわよ。
思いながら、レラはチチウシで羅刹丸のことを指差した。闘いの最初に、羅刹丸が自分に
向けてやったのを真似てやったのだ。
羅刹丸がぞろりと舌なめずりをし、屠痢兜をレラの心臓に向ける。
全くつやの無い血塗れの刀の不気味さか、レラの胸がどきりと高鳴った。既に貫かれている
ようだった。
今から再び開かれる、更に激しさを増すであろう戦いへの言い知れぬ期待に、戦士の血がたぎる。
レラは祈る。
「カムイ達よ……」
「あァ〜ったくよぉ!もうやめろよ姉ちゃん、その念仏みてェのよォ!」
せっかく差し向けた屠痢兜を下ろして、羅刹丸が脱力しきった声で言った。
「な、何よ」
「あのな。姉ちゃんはじめに言ったろォ?何だっけか、ああ……『戦士の宿命に従い』
ってなァ。これ以上なんの遠慮がいるってんだァ?」
レラもチチウシを下ろして、自分がこの闘いの火蓋を切ったときの事を思い出し、
「ああ……そういえば言ったわね。それにこうも言ったわ。『狼藉を許して』とも」
「そういうこったなァ」
「そういうことね」
――そういう……ことね。
笑いあったお互いの胸に刃が向けられてから火花が散るまで、瞬きをする間もなかった。

68 :
いやはや・・・この長さでエロでもない物を全く飛ばさずに読ませるとは
陸捨肆 ・・恐るべし

69 :
レラ編も懐かしいなぁ
次はコウタつの話かな?

70 :
静かやネ

71 :
2億年前のようにネ

72 :
白亜紀から俺が来ましたよ〜
レラでエロを書き出したんだが
まださわりなんで……
相手複数です
暇つぶしに、あまりなさげなカプでもあげないか?
アイヌと和狆とか

73 :
閑丸×ミヅキ
あえてミヅキ受で

74 :
受けとは違うけど
ウシチチでコスプレ監禁されてるミヅキつーのを思い出したな

75 :
陸捨肆さんの傑作の後だと投下しにくくて仕方ないんですが(汗)、
いろはで小ネタ思い付いたので、投下してみます。
時代設定完全無視の上、エロありません(大汗)。
******
navy & ivory  (ネイビー アンド アイボリー)の歌う、指輪という曲がある。
いろはと、旦那様である若者と、二人、この曲を聞いていたら、
いろはが泣き出してしまった。
「・・うぅっ・・・・この曲酷いです・・・っ・・・・」
「う・・・まあその・・・確かに君を泣かせてしまう事もあるなんて言っちゃうのは・・・」
「そんな事で怒ってるんじゃないです!。
そりゃ、ずうっと一緒にいたら、喧嘩しちゃう事とか、泣かされちゃう事とか、あってもいいです!。
旦那様に泣かされるんだったら、私、構いません!」
「・・だったら・・何で・・怒ってるの・・・?」
「・・・僕が・・・さ・・先に逝っても・・・悲しまないで・・・笑ってて・・・なんて・・・、
・・そんなの絶対無理です・・・っ・・!!!!。
・・も・・・もし・・・・旦那様が・・・・私より・・・先に・・・・・・んじゃったら・・・・、
・・私・・生きていけません・・っ・・・!!!!」
いろはが号泣してしまう。
「!!、あの、分かったから、その、・・そんなに泣かないで・・・!!」
若者が、涙の止まらないいろはを、そっと、強く、抱き締める。
「・・分かったから・・・、・・約束するから・・・・、
・・・いろはを残して、僕はなない・・・。
・・ねないよ・・・・。」
「・・・絶対ですよ・・・約束ですよ・・・?」
幼女の様に、瞳にいっぱい涙を溜めて、少し拗ねた様な表情で、いろはが、若者の瞳を見上げる。
「・・絶対だ・・、・・約束する・・・・。」
「・・・・」
若者の胸に面差しをうずめて、また、いろはが、泣いてしまう。
「・・・その代わり、いろはも、約束してくれないか・・?」
「・・何ですか・・?」
「・・僕の幸せの事を思って・・御前試合にまで出てくれて・・・、
・・いろはの気持ちは、とても有り難く思っている・・、
・・でも、
もう二度と、僕の為に危険な事はしないで欲しいんだ・・・。
・・いろはに万が一の事があったら、
・・そんなの、絶対嫌だ・・!!。」
「・・・旦那様・・・・」
「・・もし何かあったら、今度は、僕がいろはを護るから・・!」
「・・旦那様・・・・」
いろはの頬が、紅く、染まる。
「・・あの、そりゃ、僕よりいろはの方がずっと強いし、僕なんかじゃ役に立たないかもしれないけど、
でも、それでも、・・僕はいろはを護りたい・・・!!」
「・・・旦那様・・・・」
「・・だから・・約束してくれ、
・・もう二度と、危険な事はしないと・・・。」
「・・分かりました・・、・・お約束・・します・・・・」
(・・すみません、旦那様・・・、
・・私今、嘘を、ついてしまいました・・・・。
・・もし、何か、あったら・・・、
・・その時は、私が旦那様をお護りします・・・、
・・この命に代えても・・・・!)

76 :
萌えた

77 :
某にこにこに絶命奥義・女キャラにばっかかけてる動画が続けてうpされてる
今んとこミナ→リム→レラの順に視聴者(=米)多い
悲鳴あげてる視聴者も多いが興味津々としかとれない連中も負けずに多い
そこで閃いたこと
いろはをバラしまくるゲームを作れば絶対売れる

78 :
・・・そりゃ、俺も考えないじゃなかった。
旦那様が義経の立場で、いろはが弁慶の立場で、
いろはが大軍相手に旦那様を護って奮戦し、
(実はいろはの方は相手を戦闘不能にするだけで、一人もしていない。
『暴力はいけないと思います!』という、いろは自身の言葉に従って。)
立ったままぬ、っていうの。
でも、いろはがされまくるゲームは、罪悪感が・・・・。
やっぱりいろはは、バカップルで良いので、
旦那様と幸せに過ごして欲しい。
ハッピーエンドが良い。

79 :
>>78
つまらんこと言ってすまんかった
やはし恋の電子手帳が一番いいのかもな
問題はいつ出るかだがw
ところでサムスピエロで近親相姦は需要内の金アイヌ以外で
風間兄×葉月とか
タム×チャムとかww

80 :
>>79
公式設定では兄妹だけど、外見的にはとても血がつながっているようには見えないなw

81 :
ここで書いてはいけないストーリーはある?「強姦」「野郎同士」「サムスピ×その話だけのオリキャラとのH」等か?

82 :
あ、いや、79さん、謝って頂かなくても・・。
俺のはあくまで個人的意見であって、
77さんの発言に対して強過ぎるアンチ発言にも読める様に書いてしまったのは、
俺の不徳の致す所、逆に謝ります、言い過ぎでした、済みません。
近親相姦需要の件だけど、
風間兄X葉月は良いなあと俺は思いますです、はい。
81さん
キャラを貶める様なのは避けた方が良いかも・・、とは、俺は思う。
強姦でも、
そのキャラクターを尊ぶ気持ち、
実は愛しているからこそ、逆にそのキャラクターを犯しているシーンを書いている、
そういったものが伝われば、問題無いかな、とも思う。
このスレは萌えスレでもあるわけだから。
まあ、これも俺の個人的意見です。無理に押し付けるつもりはありません。

83 :
ナコルル人気ねーな

84 :
リム閑希望

85 :
今さら、という気もしますが、19〜21、26、27、の続きです。
まあ、気が向いたら読んで頂けたら。
 
********
 
「・・ぁうぅ・・っ・・!!!」無理矢理に秘唇を押し広げられる苦痛に、いろはが、のけぞる。
「・・いろは・・・!」心配そうに、少し震えて、のぞき込む若者に、
「・・とっ、止めないで下さい・・っ・・!!」懸命に、いろはが、涙に濡れて、頬を染めて。
「・・っ・・・!」思わず、若者が、腰を進める。
膣肉を酷く圧迫されて、苦痛が増して、「・・ぁぅ・・っ・・・!!」いろはが身をよじって、悶え、泣きじゃくる。
そっと、若者が、いろはのあどけない頬に、手指を、あてがう。
「・・・ぁ・・・・」ときめいてしまって、一層頬を紅潮させて、若者の瞳を見つめて、ほのかに震える、いろはの、
左脇から心臓の辺りから左の乳房の下半分に掛けて、若者の手指が、優しく、熱く、伝う。
「・・ぁあ・・っ・・!!!・・・ん・・ぅ・・・・!!!」あまりの快感に、絶頂に、のたうつ、いろはの、
膣肉に、一層深く、若者の雄根が、もぐり込む。
「ぁんうぅ・・・っ!!!!」快感とも、苦痛とも付かない、激しい感触が、いろはを、あえがせ、震えさせ、のけぞらせて、
一呼吸、二呼吸程して、いろはの瞳から、また、新たな涙が、溢れ、伝う。
「・・・大丈夫・・?」また、心配になって、のぞき込む、若者に、
「・・・旦那様・・・・わたし・・・・・」
「・・・どうしたの・・・・?」
「・・わたしの・・・身体・・・・生娘の・・・印が・・・・無いみたいです・・・・」
「・・・いろは・・・・・」
「・・・やっぱり・・・わたし・・・・元々・・・鶴ですから・・・・・」
純潔を捧げた、その、証を、立てる術が無い、その事が、いろはの胸を苛む。
「・・・・・・」何と応えたものか、言葉が見つからず、若者が、困惑する。
「・・っ・・・あのっ・・!・・・でも・・っ!!」懸命に、いろはが、若者の瞳を見つめて。「・・わたし・・っ!!、
鶴だった・・時も・・・人の姿に・・なってからも・・・誰ともつがった事なんてありませんっ・・・!!!!」
泣きじゃくりながら、やがて、力無く、「・・・・信じて・・頂け・・無くても・・・仕方・・無いですけど・・・・・・」面差しをそむけて、泣き崩れてしまう。
「・・・・・」
不意に、若者の唇が、優しく、いろはの頬を愛撫し、伝う涙を、ぬぐう。
「!」胸に、衝撃が走って、ときめいてしまって、若者の瞳を見つめてしまっているいろはに、
微笑んで、若者が、「・・いろはが嘘つくなんて、思わないよ・・・・・」優しく、告げる。
「・・・だ・・旦那様・・・・・」頬を真紅に染めて、震える、いろはに、「・・それに・・・・、
・・たとえ・・・いろはがもう誰かとつがっていたとしても・・それでも・・、
・・僕は・・いろはが・・好きだ・・・・!」ささやく様な声と対照的に、この上なく熱く、強く、若者が、想いを告げる。
「・・・旦那様・・・・・」
「・・好きだ・・・好きだ・・!・・大好きだ・・・・!!!・・・・もう絶対離したくない・・・!!!!」いろはの華奢な肢体を、強く抱きしめながら、
若者が、また、腰を進める。


86 :
子宮頸部を若者の雄根で突かれ、子宮を雄根で押し上げられる。
若者の、想いに、心臓まで揺さ振られる。
絶頂に、どうしようもなく、「・・ぁあん・・・ぅ・・・!!!!」いろはが、泣いてのたうち回る。
苦痛までも快感になって迸ってしまって、身悶えてしまう。
(・・・どうしよう・・・うれしいのに・・・涙が・・出ちゃう・・・・うれし過ぎる・・・・・・・・)
若者に抱きしめられたまま、震え続けて、暫く、時が、過ぎる。
「・・・もう・・奥まで・・届いちゃったみたいだね・・・・」はにかむ様な、若者の声に、
いろはが、改めて、若者の雄根がいろは自身の中に入ってきている深さを、意識する。
若者の巨大な雄根は、まだ、6、7割程、いろはの中に入る事が出来ずにいる。
また、不安が、蘇って、震えてしまって、
それでも、頬を染めて、「・・・あの・・旦那様・・・・」
「・・何・・?」
「・・・旦那様のを・・全部・・わたしの中に・・入れて下さい・・・・・!」きっぱりと、いろはが、若者に。
「・・それは・・・・幾ら何でも・・・・・!!」
「・・お願いします・・・っ!!!」熱い、うずきに、耐えかねて、紅を刷いた白い柔肌を、あえかに息づかせて、泣き震えながら、いろはが。
一、二瞬、戸惑い「・・・・!!!!」突き上げてくる熱い衝動に、どうしようもなく、いろはを抱いて、
若者が、腰を、突き込む。
いろはの子宮頸部を押し広げて、いろはの子宮内に、若者の雄根が、もぐり込む。
「ぁあうぅ・・・っ・・!!!!」苦痛と、衝撃が、突き上げて、絶頂を増幅し、いろはが、身をよじって、泣きあえぐ。
入ってきてはいけない所まで、若者の雄根が入ってきてしまっている事を、子宮肉で、思い知らされる。
(・・・壊れる・・ぅ・・・っ!!!!)
恐れを感じているのに、止めて欲しくない。
身体の、肉体の、子宮の、もっと奥で、もっと深い所で、旦那様を感じたい。
耐えかねてのけぞり、酷く、震えて、「・・・っ・・・・ぅ・・・・・ぁ・・・・ぁ・・・・ぁあぅ・・・ぅ・・・・っ・・・・・!!!!」苦痛と、絶頂に、嬲られ続けて、あえいで、
かろうじて息をして、「・・・ぁ・・・・ぁ・・・・はぁ・・・っ・・・・・ぁ・・・・だ・・・旦那様・・・・ぁ・・・・っ・・・!!!!」それでも、
いろはの瞳は、一心に、若者を、見つめる。
「・・・いろは・・・・・」胸を打たれて、そっと、いろはを抱きしめながら、若者は、また、そっと、腰を進める。
若者の回す様な腰遣いに伴って、子宮肉を、若者の雄根で、なぞり回されて、愛撫されて、
「・・ぁあん・・っ・・!!!!」増していく苦しみが、なぜか、とてつもない快感に、とてつもない絶頂になって、一層頬を染めて、いろはが泣きじゃくる。
「・・・っ・・・・ぅ・・・・・!!」いろはの、甘く、可愛らしい、泣き声に、思わず、若者が、雄根でいろはの子宮肉を愛撫し、なぞり続け、
優しく責めて、嬲り続ける。
少しずつ、少しずつ、さらに奥へと、いろはの子宮肉の中に、若者の雄根が、捻じ込まれていく。
いろはの驚く程華奢な胴回りを、若者の腕が、強く、想いを込めて抱いて、
時折、脇腹を、丁寧に、優しく、若者の手指が愛撫する。
色香に満ちて豊満で優美ないろはの乳房の丸みに、若者の手指が伝い、そっと掴まれて、愛撫されて、責められる。
若者の唇が、いろはの唇を、愛撫する。
心地良過ぎる感触に、たまらない快感に、翻弄されながら、さらに、若者の雄根で、子宮肉を、深く、深く、責められ続けて、
「・・・ぁあ・・っ・・・!!!!・・・ぁ・・・んぅ・・・・ぅ・・・ぁ・・・ぁあ・・・ぁぁ・・・・ぁあ・・・っ!!!!」何度も、何度も、絶頂に追い詰められてしまって、
苦しくてたまらないのに、気持ち良くて、気持ち良過ぎてたまらなくて、いろはが泣いて身悶え続ける。
紅潮したいろはの面差しを、涙が濡らし続ける。
いろはのなめらかで美しい背筋のなだらかな曲線が、延々と続く絶頂の波に、のたうち、ほのかにくねり、震え続ける。
「・・・いろは・・・・僕は・・・・・・!!」
「・・ぁああっ・・!!!!・・・だ・・旦那様ぁ・・・っ・・・・!!!!」
「・・・僕は・・僕は・・・こんな・・酷い・・・事を・・・・っ!!!」若者の熱い声音に、切なさが込められて、震える。
「・・・ぁ・・・っ!!!!・・・だ・・旦那様・・・ぁ・・・・っ・・!!!!・・ぁ・・・ぁあっ・・・・!!!!・・も・・もっとぉ・・・っ・・・・!!!!」
いろはが、無心に、泣きあえぐ。
「・・いろは・・ぁ・・・・っ・・!!!!」若者の雄根が、一層、猛り狂い、延々と、腰を突いてしまう。
 

87 :
 
「・・あ・・っ!!!!・・・ぁ・・ぁぁ・・ぁあ・・っ!!!!・・・ん・・っ・・・く・・・ぅ・・ぅぁ・・・ぁあ・・ああ・・・っ!!!!」
延々と、絶頂に苦しみ続ける、いろはに、
若者が、少し強く、腰を撃ち込み、
若者の巨大な雄根が、ついに、根元まで、いろはの体内に捻じ込まれて、
いろはの二の腕程の太さの雄根の、いろはの握り拳程の大きさの先端が、いろはの豊かな乳房の下半分側の裾野辺りまで、届いてしまう。
子宮肉を若者の雄根に限界を遥かに超えて圧迫され、押し広げられ、突き上げられる感触に、衝撃に、
「・・うぅぁあ・・っ・・!!!!」とてつもない苦しみに、この上ない、絶頂に、激しく、のけぞり、
いろはの裸身が、酷く、震える。
「・・・ぁ・・・あ・・・ぁあ・・・・っ・・!!!!・・・・ぁ・・・・ぅぁ・・・ぁ・・・・ぁ・・・ぁぁ・・・・っ・・・・!!!!」
そのまま、延々、激しい絶頂に苛まれ続けて、何度も、何度も、のけぞり、打ち震えて、
「・・・ぁ・・・・ぁ・・・・ぁぁ・・・っ・・・・・・・・!!!!」力尽きて、いろはの全身が力を失い、あえぐ。
その、いろはの肢体を、若者が、そっと、強く、抱き締めて、
暫くそのまま、時が過ぎる。
「・・・・ぁ・・・・だ・・・旦那様・・・・・・?」息も絶え絶えに、半ば放心していた、いろはが、漸くの事で、言葉を漏らす。
「・・・いろは・・・・・・・・」若者の瞳が、心配そうに、いろはの瞳を覗き込んでいる。
「・・・旦那様・・・・・・」ふと、恥じらって、いろはが頬を紅く染めて、はにかむ。
「・・・・」若者が、雄根を抜き始める。
「ぁ!、だ、旦那様・・!!」
「・・・いろは・・?」
「・・や、やめちゃ駄目です・・・・!!」新たな涙を瞳に浮かべて、いろはが、精一杯、告げる。
「・・・いろは・・・・・・」若者が、途方に暮れる。
「・・・だって・・・旦那様は・・・まだ・・満足・・なさって・・ないのに・・・・!!!」
若者の雄根が、まだ、精液を放つ事無く、さらに獰猛に猛り続けているのを、いろはは、子宮肉で、思い知らされ続けている。
「・・・・でも・・・・・・」
「・・・私・・ばっかり・・・気持ち良く・・・なってしまって・・、・・旦那様が・・・満足・・なさって・・ないなんて・・・、・・絶対駄目です・・・っ・・!!!!」
「・・・いろは・・・・・」
「・・・私に・・・旦那様の・・・御種を・・・下さい・・・っ!!!!、・・お願いです・・・っ・・・・!!!!」
いろはが、泣きながら、懸命に。
「・・・・いろは・・・・・!!!!」
若者が、どうしようもなく、腰を、突き込む。

88 :
熱い、若者の雄根に、深く、子宮肉を突かれ、嬲られて、「・・ぁああ・・っ!!!!」あまりの苦しみに、激し過ぎる絶頂に、いろはが、泣きじゃくる。
(・・・・壊れちゃう・・・・・・・・っ・・・!!!!)
(・・・もう・・・・駄目・・・・・・んじゃう・・・・ぅ・・・・っ・・・・!!!!)
(・・・・・・・・・・・・)
(・・・駄目・・・・・)
(・・・まだ・・・んじゃ・・・・駄目・・・・)
(・・・旦那様に・・・満足して・・頂く・・までは・・・!!!!)
ふと、若者の唇が、いろはの可愛らしい頬を、愛撫する。
いろはの左の乳房に、若者の手指が伝い、優しく、揉みしだき、左の乳首を、そっと、なぞり、いとおしむ。
果てし無く心地良い感触が、いろはの心臓に、響いて、揺さ振られて、
そこへ、激しく、何度も、何度も、若者の雄根が、いろはの子宮肉に、限界を遥かに超えて深く、撃ち込まれて、
「・・ぁあん・・っ!!!!・・・ぁ・・・ぁ・・・・はぁ・・・・っ・・・・・!!!!・・ぁ・・!!!!・・・ぅぁ・・・!!!!・・んぅう・・っ・・ぅぁ・・・ぁ・・あ・・・ぁあ・・
・・ぁあああ・・・・っ!!!!」可憐な頬を紅潮させて、苛烈な絶頂に翻弄されて、苦しみ抜いて、いろはが、泣いて、のたうち、身悶え続ける。
若者の雄根が、いろはの子宮肉を、獰猛に、激しく、愛撫し続ける。
「・・・うぁあ・・・っ!!!!・・ぁ・・ぁ・・・・ぁぁ・・・・っ・・!!!!・・・っ・・ぅ・・ぅあ・・あ・・!!!!・・・ぁ・・・ぁ・・!!!!・・ぁ・・ぁっ・・!!!!・・
・・んぅぁあっ・・!!!!」
延々と、限界を遥かに超えた絶頂に、責め嬲られて、凄まじい苦しみに、いろはが、たまりかねて、泣きじゃくり、裸身を酷くくねらせ続ける。
 
裂ける程に、激しく、若者の雄根に子宮肉を突かれて、
裂ける程に、激しく、若者の膨大な精液を子宮肉に注ぎ込まれて、
「・・・んぅうぁあ・・・っ・・・・!!!!」限り無い、絶頂に、いろはが、涙を飛び散らせて、酷く、震え、のけぞる。
「・・・・・いろは・・・・・・っ・・・・!!!!!!!!」若者の腕が、いろはの肢体を、思わず、強く、抱き締める。
一切逃げられない様にされて、凄まじく深く、容赦無く、子宮肉を雄根で圧迫されて、押し広げられて、
猛々しく震える雄根に子宮を揺さ振られながら、延々、精液をぶちまけられ続けて、
最後の一滴まで注ぎ込まれた精液に、一層、子宮肉を責められて、
「・・・ぁ・・・・ぁ・・・・・ぁぁ・・・・・はぁ・・あ・・・・・・・・!!!!」延々と、限界を遥かに超えた苦しみが、無限の絶頂が、子宮から全身へと響いて、
何度も、何度も、のけぞり、泣き悶えて、いろはが、白い柔肌を、震わせ、うねらせ続ける。
「・・・・・ぁ・・・・ぁ・・・・・ぁぁ・・・・・・・・・」んでしまいそうな程の衝撃に、肉体の深淵から揺さ振られて、力尽きて、かろうじて、いろはが、泣きあえぐ。
 
不意に、若者の肉体の、最深部から、凄まじい波動が、響き、溢れて、
若者の雄根からいろはの子宮肉へと、いろはの全身へと、波動が伝わって、反響し、
いろはをさらに、内側から揺さ振り、震えさせる。
 
 
(・・・・・イズコジャ・・・・・・・イズコニオル・・・・・・ッ・・・・・・・・!!!!!)
隔絶された空間の深奥で、声音が、響く。
いろはも、若者も、その事をまだ知らない。


89 :
お久しぶりです。久しぶりに覗いてみたら何時の間にか新スレが出来ていた事に気付かず早半年以上。
今週の金曜日までには一つ投下出来る様に努力します。
陸捨肆様
お帰りなさいませ。お久しぶりです。読ませてもらいました。
コンルの命懸けの攻撃に悲しみ、レラが羅刹丸に少なからず
自分と似たような境遇を理由に少なからず同情しているところに驚愕しました。
D.A様
ちなみにいろは大好き派ですw
旦那様一筋に愛するいろは。いろはの為に精一杯愛する旦那様に感動しました。
(・・・・・イズコジャ・・・・・・・イズコニオル・・・・・・ッ・・・・・・・・!!!!!)
この台詞は羅将神ミズキの匂いがさりげなく<汗

90 :
おかえりなさいませ。
建ててから二日に一回自分で保守してたかいがありました…

91 :
ある日、自分のアパートの前で一人の女性が倒れていた。しょうがないと思いつつも介抱したのはいいが実は只の女性ではなかった。
何と、リムルルと言う女性と一緒に過去から現代に降り立ったという。
そしてその人物は人間ではなく「氷の精霊」だと答える。
そして本来は人間みたいな姿ではないらしい。不可不思議な出来事に混乱しながらも彼女の為に出来る限りリムルル探しの協力をする事を約束する。
しかし彼女自身が一人で抱えているもう一つの悩みがある事をまだ知らない。

原作 陸捨肆様「リムルル」より
サムライスピリッツ外伝 もうひとつの物語
第二章「二日目」
第五話 「始まりの朝」

長かった夜は終わりを告げた。いつもより早くユウキが布団から起き上がる。
今日は日曜日。外に出て彼女に色々とこの時代の事を教えながらリムルルを探す事にしよう。
リムルルを探すのは何故か後者に当てはめているユウキ。
すっと、起き上がるユウキ。ふと横を見る。
「あっ、おはようございます。ユウキさん」
「・・・」
一瞬の沈黙、まだしっかりと目覚めてなかったユウキにとって
腹の底から出てきた言葉はとても失礼な言葉であった。
「うわああっ!!」
「きゃあああっ?」
驚いたのはユウキだけではなかった。
目の前で驚かれて反射的に悲鳴を上げたのはコンルも同じであった。
悲鳴を上げながらもゆっくりと相手を確認し、それがコンルだと分かると頭を下げる。

92 :
「ご、ごめん」
「ど、どうしたんですか、いきなり?」
「いや、コンルに驚いたんだよ!」
自分の目の前に人(但しコンルなので精霊)がいたら誰だってびっくりするのは当然だと主張するかのように言う。
「そ、そんな、私を見たぐらいで驚かないで下さい」
いきなり驚かれてちょっと傷付いたのかコンルの顔が曇る。
「いや、言い方が悪かった。コンルの顔に驚いたんだよ」
言い終わった瞬間だった。ユウキの頭に小さな氷が落ちる。
コンルが何も言わず氷を落としたのだ。眉が少しつりあがっていた。
「いててて、何でそんなに怒るんだよ」
「怒ってません!ただ、ちょっと不機嫌になっただけです!」
あんまり変わらないんじゃないのかと言いたかったのだが、
また怒りそうなので黙るユウキ。
「ところでいつここに戻って来てたの?」
まさか、本当に扉を使わずに戻ってくるなんて。ふと首飾りを見つめる。
世の中には本当に常識では考えられない事ってあるものだと感じるユウキ。
既に過去から現代にやってきたと言うコンルをみると尚更である。
こういうのをマスコミに報告したら間違いなく「大問題」になるか、「ガセネタ」と言われるかのどちらかだろう。
まあ、それはいいとして・・・
「数時間くらい前ですよ。ユウキさんが起きるまでずっとユウキさんの寝顔を見てました」
「ヘッ?」
「私は十分に休みましたからこれ以上無理に休む必要は無いと思いましたので」
何か、コンルにうなされてる夢を見た感じがしたが、その原因がようやく分かったような気がした。

93 :
「人の寝顔を見てるなんて君も暇なんだね」
「いえ、とても眠れる気持ちではありませんでしたから」
穏やかな表情を見せるコンルとは裏腹にまだしっかりと眠そうに目をこするユウキ。
ふと、頭の中で何かがよぎった。
(眠れる気持ちではなかった)
と、言うのはどういう事だろう?寝ている余裕もないくらい考え事でもしてたのだろうか?
昨日散歩しただけで・・・?
それよりもまだ、意識がしっかりしていない。
「仕方ない。出掛ける前に朝風呂にでも入っておこうかな。折角だから、コンルも入っていったら?汗臭いでしょ?」
我ながら女性に凄く失礼な言い方だったかもしれないが、コンルは気にしていない様子だった。
ユウキは失礼を承知でコンルの肌の匂いを嗅いで見た。
「うっ」
それを見て「はぁ」と溜息をつくコンル。
「ちょっと、ユウキさん。いくら何でも大げさではありませんか?」
逆だった。ユウキが驚いたのはコンルが汗臭かったからではない。
この女性の匂いから言葉に表せない優しい匂いがした。
自然の匂い。特に木の匂いと花の匂いが鼻をかすめた。
現代の言葉で言うなれば「歩く大自然の香水」である。

94 :
「俺の時代とは程遠い所に住んでるんだな。この時代を見ればきっとがっかりするだろうな」
「えっ?」
「後でゆっくりと見せるよ。ちょっと風呂の用意してくるからそこで待ってな」
少し曇った表情をしたユウキをコンルははっきりと見た。立ち去ったユウキを見送った後、
無言で隣の窓を見た。朝日が綺麗である。朝の始まりを象徴するかのようにコンルを照らす。
「大丈夫よね?リムルル・・・・」
ぼそりと口にしてしまう言葉。この数日間の間に、それも氷邪よりも先に見つけ出さないといけない。
すーっと、深呼吸しながら目を閉じるコンル。
「確かにユウキさんの言うとおり、空気の匂いが違うかもしれませんね。でもそんなに気にする事はないと思いますよ」

しばらくしてユウキが顔を出した。
「あれ?もう準備が出来たのですか?」
現代の時代は楽になったんだと、ふふりと笑うコンル。だがユウキは首を振った。
「いや、もう少し時間が掛かるから、その間に簡単な朝食を取っておこうかと」
ユウキが冷蔵庫を開ける。材料からして昨日と一緒になりそうだとつぶやいた。
だが、相手がコンルである以上彼女の為にも昔ながらの料理も悪く無いと思った。
同時に経費の節約にもなる。
ご飯は昨日の残りがあるし、味噌汁もまだ今日の分が残ってる。
楽に済みそうだとユウキは鼻で笑った。
ガスのスイッチを入れ、味噌汁を温める。テーブルの上にコンルの為の氷の袋を置いておく。
テーブルの横でちょこんと座っていたコンルが「いつもすいません」と頭を下げる。
「テレビでも見るかい?」とコンルに促してみた。
「てれびって何ですか?」と当然の返答が返って来た。
しまったと、頭を抑えたユウキ。過去から来てるのにいつもの癖で何気なく話してしまった事に気付く。
仕方なくテレビのスイッチを入れる。やがてぼやけていた画像から人物が映し出されていく。
「ええっ?こ、この人達は何処から出てるんですか?」
テレビの画像を見たコンルがそれに取り込まれたようにして見詰める。
当然の反応だよな、と温まった味噌汁をお椀に寄せながら見守っていた。
「詳しくは分かりませんが、私達が考えもしなかった発明や、知恵がこの時代では大いに生かされているのですね」
「そんな事はないさ。コンル達の様な過去の時代を生きた人々が居たから今の時代があるんだよ。
その知恵や歴史の繰り返しがなければ今の時代は出来上がっていなかったはずだし」

95 :
時代と言われて一つコンルが気になった事があった。
本来、過去の人間がその後の事を聞くのは未来を変えてしまう危険がある事は知っていたが、差し支えのない程度に聞いてみた。
「徳川幕府は今も健在なのでしょうか?」
さりげなくコンルが口を開いてみた。案の定ユウキが言葉を詰まらせていた。
「結末は知っているがそれはコンル自身の目で見たほうがいいよ。俺が喋ったらコンルの時代に何らかの影響を与えるかもしれないし・・・」
「ええ、分かってますよ。だからこれ以上の追求もしませんし、ユウキさんが答える必要もありませんよ」
コンルには分かっていた。徳川幕府が鎖国をして他国との接触を断り続けてもいつの日にか終わりが来る事を。
鎌倉幕府、室町幕府が滅びたようにいずれ江戸幕府もなんらかの形で。
そしてユウキさんの様に何時の日にか一人一人が自由な生き方を出来るようになる
時代が来る事を。
自分が心配するまでも無いと。
必要なのはその時が来るまでの「時間」なのだと・・・

96 :
第六話「不思議な力」
ご飯と味噌汁、(コンルの場合はおかずに氷を)差し出され手を添えていただきますとコンルが合掌した。
本当に律儀な人だよな、まじまじと素直なコンルを見やる。
「ユウキさん」
不意にコンルが自分の名前を呼んだ事に気付く。
「折角なのでかき氷食べますか?氷があれば私の力でかき氷を作る事が可能ですから」
その前に突っ込むべきかどうか悩んだ。こんな真冬にかき氷、本当に状況を省みず発言するよなと、ユウキが気付く。
そしてもう一つ。自分の氷を使えばいいのでは?
待てよ。自分の氷を使うと自分に負担がかかるからか・・・
だが、そんな言い方をするのも可愛そうなのであえてコンルの誘いに乗る事にした。
それにどんな風にかき氷を作るのかも見物である。
「それじゃあお願いしようか。コンルにそんな特技があるなんて。かき氷事態の発想がコンルらしいや」
「その前に空いたお皿はないでしょうか?」
ああ、と言いながらユウキが小さな戸棚から予備のお皿を取りにいく。そしてそのお皿をコンルに手渡す。
自分の掌に氷をいくつか取り出す。そして包み込むようにして皿の上から掌を広げた。
まるで砂の粒のようにさらさらと小さな音を立てながら皿の上に盛り付けられていく。
それをコンルは二度繰り返した。それにより手ごろな量になった。
「そのまま食べてもおいしいですよ。ちなみにリムルルもかき氷を作る事が出来ますよ」
ユウキは想像していた。その場合はコンルの力を使ったかき氷なんだろうなと・・・
リムルルには申し訳ないがそれはコンルの身を削って作り上げた命懸けのかき氷じゃないのかと・・・
箸でかき氷をつまみ上げゆっくりと口の中に流し込んだ。
じ〜っと、試験の合格発表を待つかのようにコンルの青い瞳がユウキを見詰めていた。
胃の中に流れた瞬間だった。不意にユウキの箸が止まった。

97 :
「ユウキさん?」
コンルは見た。彼の目から涙が零れ落ちるのを。もしかしておいしくなかったのだろうかとコンルが内心焦り始める。
「ち、違うんだ。何と言うかただの氷の筈なのに凄く美味しい。すごく懐かしい味がした。
大げさに言うとまるでお袋の味だよ。ちなみにお袋って言うのは「お母さん」って意味だから」
「そうですか、母親の様な味でしたか・・・」
一瞬、コンルが楽しげに笑ったように見えた。
凄く心のこもった味がした。何だか愛情の、もしくは人に喜びを与えてくれる味だ。
コンルも一口、口に含んでみた。しかし一瞬にして首を傾げてしまった。
「おかしいですね。私にはいつも通りの味なのですが・・・」
作った本人には只の氷にしか感じられないのだろうか?何度も何度も納得のいかない表情を浮かべながら、かき氷を口に含んでいく。
答えは同じであった。
かき氷の皿をユウキの位置に戻す。
「例えお世辞でもおいしいと言っていただけると嬉しいですよ」
「いや、お世辞じゃないよ。本当においしかったから」
このままじゃかき氷だけで満腹になってしまいそうだ。
かき氷を食べている間はしばらく涙を止められないユウキを見て「泣くか、食べるかどちらかにして下さいね」とコンルに念を押されてしまうのであった。

98 :
第七話「入浴」
食器を片付けた後、風呂場を確認し、準備万端になった事をコンルに伝える。
「えっ?お風呂ですか?」
少し悩んだ末、コンルが首を横に振った。
「私は入るときっとのぼせてしまうか、体が溶けてしまいそうですから辞めておきます」
「溶けてしまうって・・・氷じゃないんだから」
コツンと頭に氷が落ちてきた。思わず「うっ」と小さな声を上げてしまう。
「思い出しましたか?」
「・・・」
もう一度コンルが氷を落とそうと手を上げようとしたので慌てて静止する。
何度も頭の上に氷を落とされたら自分の頭がいくらあっても足りない。
「入らないんだ。ちょっと残念だな」
「何が残念なのですか?」
はっと、息を呑んだ。思わず口が滑りすぎたことに気が付いた。
「じゃあ、しばらくそこで待ってて。しばらくしたら戻るから」
「はい。私の事は気にせずゆっくりと入ってきてください」
コンルに背を向けてゆっくりと風呂場へと向かう。何となく後ろを向いてみた。
コンルが手を振っていた。まるで自分が出稼ぎをしにいく夫を見送る妻のように。
「俺は旦那様か・・・」
彼女に聞こえないように小さくつぶやいた。

自分の衣服を脱いだ後、ゆっくりと風呂場の戸を開く。カラカラカラと、昔ながらの音がした。
もう一度風呂の温度を確認する。ちょうどいい湯加減だ。
入る前にシャワーで一通り体を洗ってからゆっくりと足元から入る。
少し親父臭いが頭にタオルをのせながら。
「ふーっ・・」
眠気覚ましの朝風呂は最高だとご機嫌になるユウキ。普通は朝シャンだけだがお風呂まで入れるのは少し贅沢だったかもしれない。
さて、色々と動き回って出掛けたらリムルルって女性を見つけられるだろうか?
等と考えながら石鹸で体を洗う為に立ち上がろうと思った瞬間だった。
カラカラカラと、突然誰かが戸を開けたのだ。慌てて座り込むユウキ。

99 :
白い湯気に隠れながらうっすらとコンルが顔を見せる。ちょっと、戸惑ったようにユウキを見る。
「あれ、風呂には入らないんじゃなかったの?」
風呂場の中でタオルでちゃんと隠すべき所を隠してからコンルに質問する。
(入る気にでもなったのかな?)
「い、いえ折角ですのでせめてユウキさんの体だけでも洗って差し上げようかと・・」
いきなりの願ってもない要求に考える前に口が先に動いてしまった。
「ああ、構わないよ。お言葉に甘えてお願いしようかな。でもここに入るときは靴は脱いで入ってね」
今、気付いたのだがこの人は土足で部屋の中を歩いていたようだ。自分の世界でもこんな事をしているのだろうか?
タオルで前を隠し湯船からあがるユウキ。何の疑問を持たず見つめるコンルに思わず自分が恥ずかしくなる。
「え、えっと・・・この時代ではどんな風に体を洗うのですか?」
「いや、特に基本は変わらないと思うからコンルの好きにしていいよ」
そういってコンルにタオル(勿論予備の)と石鹸を渡す。取り敢えず、この時代の機械は説明しないと分からないよな。
「このタオルで石鹸をこうやって擦ると泡が出て来るからそれで体を洗ってくれればいいよ」
「はい」
「えっと、ここの「お湯」って書いてあるボタンを押すと、お湯が出てくるんだ」
「はい」
「で、ここの「水」って書いてあるボタンを押すと、水が出てくるの」
「はい」
「最後にこのシャワーってボタンを押すと・・・」
ユウキが、引っ掛かっている別個になっている機械の道具を取り出す。そこの蛇口から細かい雨のような感じでお湯が流れてきた。

100 :
「本当にユウキさんの時代は不可不思議が多すぎます。私もびっくりしました」
(あんた自身も不可不思議な所が多いと思うけどね・・・)
「取り敢えず最低限の説明はしたからこれで大丈夫かな。分からない所はある?」
「ユウキさん・・・」
「ん?何か分からない所があった?」
ちょっとだけカッコつけて先生気分になっているユウキとは裏腹に少し困ったそうにユウキに質問するコンル。
「もう一度最初から説明してもらえませんか?」
「・・・・」
ユウキは心の中で溜息をついた。
(それって、分からないんじゃなくて人の話を聞いてないんじゃ?)
「ふふ、冗談ですよ」
この人は、とうとう冗談まで言うようになった。徐々に打ち解けているのが自分でも分かった。

101 :
第八話「転倒」
初めてのはずなのにまるで慣れた手つきでタオルに石鹸をこすりつける。
「こんなものでしょうか?」
「ああ、それでいいよ」
タオルを四つ折りにたたみ背中に密着させて擦り始める。少し強い。
「ご、ごめん、もう少し優しく、少し痛い」
慌ててコンルが手を止める。
「ご、ごめんなさい。大丈夫ですか?」
「いや、加減してくれれば大丈夫だから」
苦笑しながらコンルを見る。少し力を弱めもう一度何かに挑戦するかのようにコンルが背中を擦る。今度は自分が普段洗っているよりも少し弱いくらいであった。
それでも言う事はない。ちょうどいい。
ふと、鏡を見た。曇っていて完全に見えるわけではないがコンルが楽しそうにタオルを動かしているのが見えた。
ふと、コンルから声が掛かる。
「あの・・・、このお湯は使っては駄目なのでしょうか?」
コンルが指差したのは湯船のお湯だ。ちゃんと確認するんだなと、苦笑する。
風呂場の扉は何の確認もせず開けていた事を思い出す。
「ああ、使っても構わないよ」
「分かりました」
「おっと、お湯を汲むのならそこの桶を使ってね」
本当はもっと別の言い方があったかもしれないがコンルに分かりやすく伝える為にあえて桶と伝える。

102 :
白い桶を手に取ったコンルがお湯を汲む。そしてそのまま背中に掛け湯をするものだと思っていた。
しかし、現実は甘かった。何のためらいもなくコンルがユウキの頭の上から掛け湯をしたのだ。頭の上から始まり全身にお湯の雪崩が注ぎ込まれる。
軽い水しぶきがコンルの晴れ着に付着するがあまり気にした様子は見られなかった。
それくらいであれば差し支えはないのかもしれない。
「・・・」
「まだ、落としきれてませんね」
まるで他人事の様に独り言のようにつぶやきながらもう一度お湯を汲みユウキの頭から掛けていく。
コンルは全然ユウキの表情に気付いていない。さらに念押しでもう一度掛け湯をしようとする。
咄嗟にコンルの手を掴む。驚いたコンルが桶を床に落としてしまう。
「えっ?」
頭をびしょびしょに濡らしたユウキが目を閉じながらコンルにつぶやいた。
「やっぱり、体の洗い方の時代は変わってるかもしれない・・・」

「い、いいよ。そこまで洗わなくても」
「いえ、折角ですから私に任せて下さい。ユウキさんは何もしなくてもいいですから」
俺の目の前にコンルが楽しそうな笑顔を振りまいて俺の体を洗っている。
当然、自分の大事な所はタオルで隠してある。
後ろにいるときはいいが、こう、自分の目の前に立たれると何処に目を向ければいいのか分からない。
それだけではない、彼女の動きにあわせて豊富な胸が上下に動く。ますます目を合わせられない。
不自然な目の動きにコンルが気付く。不思議そうにユウキを見つめる。
「どうかしましたか?先程から目が泳いでますが・・・」
「そんな事はないよ、そんな事は・・」
「じゃあ、顔はしっかりとこっちを見ててくださいね」
そういってユウキの顔にコンルの両手が触れる。真っ直ぐに体勢を合わせようとする。
コンルの青い瞳が自分を捉える。完全に自分の目とコンルの目が近距離に迫る。
ご、拷問だとユウキは心の中で悲鳴を上げた。
「変な、ユウキさん」

103 :
(あんた、自分で誘惑してるって気付いてないのか?)
体中が赤くなり精神的に限界が訪れる。そりゃ、昔、姉貴と入った事はあるがあくまでも子供の頃の話だ。
今は違う、ここにいるのは子供ではない。言うなれば新婚夫婦が風呂に入っているようなものだ。まして恋人と付き合ったり、同棲した事もないユウキにとっては女性と一緒に風呂に入る行為・・・
それはまさに、例えるならコンルは沸騰した鍋、ユウキはその中に入っている蟹そのものであった。今のユウキは茹で上がった蟹である。
蟹はついに限界の悲鳴をあげる。
「な、なあそろそろ風呂から上がろうか。もう十分洗ってもらったし」
「えっ?しかしまだ、胸と後ろの背中しか洗ってませんよ」
この状況でまだ何処を洗うつもりだったんだろう。その時コンルがタオルから石鹸を落とす。慌てて拾おうとするが床に足を滑らせる。
「あ、危ない」
慌てて、転倒しそうになったコンルを見て抱きかかえようと一歩動いた時だった。
踏み出した第一歩が床に落ちていた石鹸と重なった。当然ユウキも体勢を崩す。
そのまま体の体勢を整えられないまま二人は体ごと湯船の中に落ちてしまった。
大きな水しぶきと共に・・・

104 :
すいません。深夜に自宅に帰って来た為に金曜日に投下出来ず、さらに久しぶりの投下なのにエロなしです。来週までには何とか一つ作りますので。

105 :
567様GJ

106 :
友と敵、両方が居なければならない。
友は忠告を与えて、敵は警告を与える。 BY ソクラテス

原作 陸捨肆様「リムルル」より
サムライスピリッツ外伝 もうひとつの物語
第九話「着脱」 (軽い性的表現あり)
先に意識を取り戻したのはユウキであった。びしょ濡れになりながらも辺りを見回す。
「!!」
自分のすぐそばでコンルが気を失っていたのだ。湯船の中で浮かんだまま・・・・
さらに、晴れ着が透けてコンルのやわらかな膨らみと突起部分が浮き出てくる。
「こ、この人。まさかつけてない・・・・」
数秒、想像してしまう。すぐに現実の状況に頭を切り替える。そんな事を考えてる場合じゃないと・・・
「ほ、本当にのぼせてしまったんだ。まさか溶けてしまったんじゃ・・」
かなりまずい状況だと悟ったユウキが慌ててコンルを抱き抱える。少し、軽くなった感触を身に感じた。
水滴がぽたぽたと零れ落ちている。急いで部屋に戻り、抱き抱えながらもタンスの中から数枚のバスタオルを取り出す。それをベットの上に敷いてからコンルをゆっくりと寝かせる。
そこでユウキが自分の置かれた立場に気付く。全裸で歩きまわっていた事に。
思わず、気を失ってくれてて良かったと思いながら、コンルには悪いと思いつつ、先に適当な衣服を探し出し着替え始める。

「着替えさせないと駄目だよな」
さすがにこのままの格好はいくら氷の精霊でも風邪を引くだろうと思いコンルに声賭けをする。
「う、う〜ん・・」
白い息と共にコンルが声を出すがまだ完全に意識を取り戻していない。閉じた目はまだ現実と夢の中を行ったりきたりしているのかもしれない。

107 :
一瞬迷った。自分がしなければならないかどうかに・・・
「仕方ない、ちょっと抵抗があるが俺が着替えさせるしかないな。ごめんコンル、脱がすからね」
「・・・」
返答はない。徐々に彼女の息が荒くなってくる。もう、ああだ、こうだ言ってられないぞ。
「姉貴、あんたの衣服が役立つ時が来たわ。この人の為に使ってもいいよな。少なくとも俺は女装は嫌だからな」
しかし、コンルに何を着せればいいのか分からない。女性の服装の格好何て分からないぞ。
姉貴の置き忘れた衣服をあさる。無難に考えながらも厚手の衣服と、下着を持っていく。
「姉貴の奴、下着まで置いていくなんて、何考えてるんだよ・・・もう」
皮肉な事にそれが役立ってしまうのが悲しいユウキに溜息を吐かせた。
再びベットの前に辿り着く。最終確認でコンルに声を掛ける。それでも彼女からの返事はない。
念には念を入れて自分の横に救急箱を置いておく。
但し、これはコンルの為ではなく自分の為である。万が一コンルが途中で起きてしまったら、どんな理由であろうと最悪の事態(最低平手打ちと氷落としは確定だろう)に発展するのは間違いないので、半分覚悟を決めたユウキ自身の為の救急箱である。
だったら、着替えさせなきゃいいだろと思われそうだが、それではあまりにも可愛そうなので犠牲を覚悟した着替えになる。
「何だか、命懸けの着脱だよ」
コンルの濡れた衣服を見る。長い銀色に染まった髪。
ふと思い出した。あえて口にはしなかったが初めて彼女を見つけた時、身に付けていた衣装がアイヌの服ってすぐに気付いた事。
歴史の本で似たような感じの服装を見てたからである。
と、言う事は「蝦夷=北海道」の人なんだろう。
覚悟を決めて、まだ意識の戻らないコンルとは裏腹に心臓の鼓動が早くなったユウキがコンルの薄青色の帯に手を掛ける。
「あっ・・・」
(わっ・・・!)
いきなりのコンルの声に驚いたユウキが反射的に帯から手を離す。不意をつかれた声にユウキの心臓の音がさらに大きくなる。
(た、頼むから変な声を出さないでくれよ)
少し、深呼吸をする。自分を落ち着かせる為に。もう一度コンルの帯を捉える。風呂から転落した際の弾みだった為か帯が緩んでいた。簡単に動かすだけでしゅるしゅると帯の形が少しずつ結び目のない一直線の紐になっていく。それをゆっくりとたたんで横に置く。
(さて、問題はここからだ。ここからは直接コンルの衣服に手を掛ける事になるんだよな)
そっとコンルの胸元に手を掛ける。現実だと俺は確実に逮捕されてるな。
いや、コンルに訴えられても逮捕されるなこりゃ・・・

108 :
触れた瞬間ある事に気付いた。この晴れ着、上下別個じゃない。と、言う事はこの晴れ着を脱がしたらコンルは生まれたままの姿になってしまう。
よく考えたら、精霊だからきっと現代で言うブラジャーとショーツは付けているだろうと踏む。
ファンタジー本とかでも精霊はちゃんと付けてるし穿いている。心配は無用。
それでも手の動きが止まる。すぐに着替えさせよう。最悪、裸の状態で起きてしまったら「平手打ちと氷落とし」だけではすまなくなるぞ・・・
一応、女性の配慮を考えて小さいタオルを二枚持ってくる。コンルが軽く首をこちら側に動かした。
しかしまぶたは閉じられたままだ。まだ起きてないようだ。
意を決意してもう一度コンルの胸元に手を掛ける。
触れられた瞬間、コンルが声を漏らした。
その大きな胸の膨らみがユウキを求めるかのように、誘うかのように反応する。
「ああん・・・」
(が、我慢、我慢・・)
そのままゆっくりとコンルの右腕から脱がしていく、しかし仰向けのままでは自分の技術では、到底全部脱がせるのは不可能なのでコンルを起こす為にユウキがベットの上に乗る。
慣れている人なら出来るかもしれないが。
コンルの上半身を起こし、再び倒れないように両膝を使いコンルの背中を支える。
言うなれば今のユウキはコンルの後ろで正座している状態である。
左手でコンルの両胸を押さえる。しかし慌てて抑えたので反射的に強く揉んでしまう。
「やっ、そんなっ・・・強くしないで・・・」
ユウキにも見える、コンルの熱い吐息が・・・声と共に発せられる熱を帯びた息が。
(こ、この人起きてないよな・・・寝言か?)
しかし、右腕は脱がせてしまったので落ち着いて考えると左手で彼女の体を支えるのは不自然である。これではあまりにも脱がせにくい。

109 :
止む無く支える手を交代する。
「あ、ああっ、だめっ・・・んっ!」
どうも、また支える手を左から右に変えたときに彼女の胸を揉んでしまったらしい。
そこから右手で彼女の胸を支えつつ、左手で彼女の左手を軽く持ち、胸を支えながら右手を使い彼女の左袖を脱がしていく。これで後はゆっくりと脱がしていけばよい。
背中から晴れ着をゆっくりと下ろしていく。そして見た。
(な、何て白い背中、透き通るようにきれいだ・・・)
少し強引に「ごめん」と耳元でささやきながらコンルのお尻を起こす。起こしている間に晴れ着の下の部分をこちら側に引き寄せる。そしてコンルの体から晴れ着を引き離す。

(はあ〜〜〜っ・・・)
ここで一つの達成感を感じたのかユウキは溜息を漏らした。しかし休んでもいられない。頭の脳が危険信号を常に送らせている。これは夢ではない。起きたら「」を覚悟しなければならないと・・・・
その前にコンルの晴れ着を用意しておいたハンガーに掛けておく。ストーブに燃え移らないように距離に注意しながら干しておく。
すっと横を見る。そして思い出したようにユウキの神経と顔が赤くなる。
そこには生まれたままの姿のコンルが・・・
(こ、この精霊はつけてないし、穿いてない)
やはり、過去の時代はまだ下着と言うものが開発されていなかったか・・・
コンル見たいな精霊でも例外ではないんだな。
慌てて現実に戻る。用意した二枚の小さなタオル。勿論一枚はコンルの大事な部分を隠す為に、もう一枚はふっくらとした柔らかそうな二つの乳房に・・・
ふと思った。まだコンルの体は濡れている。このままじゃ着替えさせても風邪を引く恐れがある。
(タオル、一枚足りないな)
仕方なくタンスを開ける。しかしこういう時に限って現実は残酷なのだと実感させられる。

110 :
(もう、タオルがない・・・どうしよう)
激しい罪悪感を感じながら、それでもこうするしか出来ないと自分に言い聞かせ・・・
(コンル、本当にゴメン)
さすがに下のタオルを手に掛ける事は出来なかったので、止む無く膨らみの宿る両胸に置いたタオルに手を掛ける。
「ああっ・・」(あっ)
二人が同時に声を上げた。思わず我を忘れてコンルの胸に見とれてしまった。
そりゃ、中学生くらいの時にコウタ先輩に誘われて初めてエロ本を読ませてもらった時、二人で「生涯、恋人は出来ないだろう」と半分諦めたままエロ本で癒されていたなあ。
でも、本で見るのと現実の女性を見るのとでは刺激の感じ方が全然違う。
こんなにも、女性の体の作りって男と違うんだと実感させられる。
自分の下半身を見た。馬鹿見たいに恐る恐る見た。己の欲求は取り敢えず抑えられている。
でも、理性が保てなくなったら壊れてしまうかもしれない。
(取り敢えず体、拭いてあげないとな・・)
コンルの左右の乳房をなるべく見ない様に(よけいに興奮してしまう為)顔から優しく撫でるようにして拭いてあげる。次に長い銀色の髪を丁寧に拭いていく。
(昔っから髪は女の命って言われてるからな)
そこまでは良かったが、いよいよ問題点に到達する。上半身の周りを拭かないといけない。
コンルの視線を見ないように自分の感覚で強くしないように拭いているが胸の突起部分に触れた時に、我慢できなかったのかコンルがまた声を上げる。
「あ、ああっ、ふあ・・っ・・」
その吐息がユウキの顔に掛かる。必に体から湧き出る欲望を押さえ込む。
「はあっ、はあっ、ユウキさん、そ、そこは・・・」
とうとう、名前まで呼ぶようになってしまった。もう、起きてるのか寝てるのか寝た振りしてるのか見境が付かなくなる。
恐らくまだ眠ったままである事に可能性を掛ける。
しかし、その甲斐あってまずは上半身の体はふき取った。後は・・・
(わざとじゃないからね)
そう、コンルに(勝手に)了解を取ってから大切な部分をそっと撫で始めた。
「だ、だめええっ、そんなに強くしないで・・・んんっ・・」
あまりの大きな声にたじろいでしまったユウキ。やっぱ、精霊でも感じる所は感じるんだなと・・・
しなやかに、そして氷のように透き通って見える肢体、特に両足の部分は彼女の女の部分を守るかのように大切に、そしてきつく閉じられている。
ちょっとだけ股の部分に触れてみた。なぞる様にしてコンルの透き通った脚に到達してその手を離した。びくんとコンルの体が動く。
「くっ・・・んっ・・」
どんどん、コンルの顔に赤みが増していく。何かよけいに体温を上昇させているのかもしれない。最後に脚の周りも丁寧に拭いておく。
「やぁん、くすぐったい・・・」
さらにコンルの甘い響きの入った声がユウキの耳を揺さぶった。
人の気も知らないで楽しそうに、それも甘い声だけは喘ぐ様にして出すんだなぁ・・
(よし、後は下着を着せて服を着せるだけだ)
もう一度取り出した下着を確認する。

111 :
(姉貴め・・・俺に内緒でこんなのを穿いてるんだ・・・)
コンルの白い肌に等しいように純白な白のブラとショーツのセット。真ん中には可愛らしいフリルもついている。
(まさか俺は、適当に取ったと言うより、この人に穿いてもらいたい下着は「これだ!」って気持ちで選んでいたかもしれない)
最低だ・・・と頭の中で落ち込みながら、まずはショーツから穿かせる。
両足を通し、コンルのお尻を上げる。
「ひゃん・・・」
一瞬、瞳の閉じ方が強くなったような気がした。軽く強張った表情を見せる。
何とかショーツのサイズは姉貴と同じくらいだった。ぴったりと彼女の女の部分を守る。
(次はブラか・・・)
タオルを取り、もう一度彼女のはっきりと映し出された思わず掴みたくなりそうな大きな乳房。自分の感覚でブラを当ててみる。
「んっ・・・」
ふくよかに、しかし少し触れただけでその胸は左右に動く。
(あ、姉貴より大きいぞ、この人・・・まさかリムルルも大きいのか?)
などと考えながらも胸にブラを当て、背中に通した後ホックを掛けようとする。
中々通らないので一度立ち上がる。
しかし、ふとした油断でバランスを崩す。倒れないように右手で適当な掴み場所を探す。
ちょうど、やわらかみのある場所を見つける、確認もせずユウキはそこに手を掛ける。
「ああっ、あああん、だ、だめ・・・ええ・・・」
何と、掴んでいたのはユウキの手に収まるか、収まらないくらい微妙な柔らかい胸だった。
思いっきり、押し付けるような感じで触れた為、その重さに支えきれないコンルの胸が形を変えながら沈んでいく。
「あううっ・・・ユ、ユウキさん。わざとですね・・・」
(ち、違う、わざとじゃない・・・)

普通、柔らかい壁、床があるわけがない。ここにあるとすればふかふかのベットくらいである。

最後に、ネックのついた長袖の上着を着せる。この人は多少の寒さでも大丈夫って言ってたから一枚でもいいかもしれない。万が一寒ければもう一枚着せればいいだけだし。
水色に染まった何処にでもある一般的な衣服。しいて特徴をあげるならば、後ろに英語でこう書いてあるのだ。
「ICE GIRL」と・・・まさにコンルそのものを象徴している。
そのまんまじゃないか。いや、姉貴は周り中の男性に「私は冷たい女」近寄らないで下さいとアピールしてたのか?
それとも同情を誘っていたのだろうか?同時に姉貴の服のセンスも分からなくなる。
気を取り直してコンルの前に行き、背中を起こし、頭からかぶせていく。次に両方の袖を通す為にコンルの衣服に自分の腕を通しコンルの腕に通るように引っ張っていく。

112 :
「あっ、そこ・・そこはっ・・・」
どうしても胸に触れてしまう為に過剰に反応するコンルの声からは逃れられない。コンルの前に立っているのでその熱い吐息が顔に掛かる。
自分自身の体温も上がっていることに気が付いた。このまま限界を超えると良心がなくなるかもしれない。
(俺、この人の胸にばっかり触ってるよな・・・)
両袖を通し、彼女の上半身が水色の衣服に包まれた。現代の衣服も似合っているかもしれない。見た目だけでは誰もこの人が精霊だと気付きもしないだろう。
(後は、下か・・・)
お揃いのほうが無難だと思い、水色のロングスカートを持ってきた。
しかしスカートの裾の部分に違和感を感じた。手に触れてみる。
(何だこれ?何で裾のまわりに安全ピンがついているんだ?それも一つじゃない。最近の女性のアクセサリーの一種か?それとも姉貴独断の代わり映えした趣味か?
今の女性の考えている事は分からねえ・・・)
などと考えながら、両足から通し、お尻の部分を持ち上げる。

113 :
(よいしょっと・・・)
「ひゃん・・・」
またコンルが反射的な声を漏らした。ユウキの耳にもそれは伝わった。
この人は感じやすいんだと認識しながらも、もうこの人の甘い声を聞くこともないだろうとベットの上に乗る。
コンルの右横に座り、上手い具合にピッタリと収まったスカートのボタンを留める。
(ふ〜〜っ、終わった〜〜)
「んっ・・・」
(えっ?)
一瞬気を許した瞬間であった。いきなりコンルが寝返りをうったのだ。
完全に油断したユウキとコンルの立場が逆になる。何も知らないコンルがそのままユウキに覆いかぶさってしまったのだ。
まともにコンルの大きな胸がユウキの両手に収まりきらない大きさがユウキの顔に埋め尽くされた。
(う、ううううん、)
その大きな果実のような胸はユウキの顔を埋め尽くすだけでは満足せず、鼻と口の呼吸を妨害させる。このままではコンルに窒息させられてしまう。
(じょ、冗談じゃないぞ・・・)
ユウキが必の抵抗を試みる。全く息が出来ない為、徐々に力が抜け始めてきた。柔らかくも掴むと、ふよふよともっと触れたくなってしまいたくなるコンルの胸を両手で押し上げる。
「んっ・・ふぁ・・ぁぁっ・・・そ、そんな・・ひゃぅ〜〜」
(む、むごい)

114 :
瞳を閉じたコンルの赤く上気した表情、その口元から溢れ出す白い吐息、止めは男を刺激させる色気の声がユウキの両手の力を奪っていく。抵抗むなしく、とうとうユウキは力尽きた。
再びコンルの胸がユウキの顔を覆いかぶさる。
(も、もういいよ。どうせ、この人が起きた後、半しにされるのならここでこの人の胸の中で息絶えてもいいや。でも、出来る事なら胸よりも腕の中で息絶えたかった)
(こ、コンルの胸だけに「無念」・・・・)

左右の手をベットに下ろす。そのまま惨めな最後の時を迎える準備を待った。


・・・さん
何かが俺を呼んでいる。
・・キさん・・・
誰だろう?夢の中で誰かが呼んでいるのかな?
ユ・キさん・・・
ユキさん?いや知らないぞ?どっかの近所の女の子の名前だったっけ?
起きてください、ユウキさん・・・
その瞬間、一瞬にして散らばっていた欠片が一つにつながった。思考回路を一瞬にして回復させる。目を開けて現実へと舞い戻る。

気が付くとベットの上にコンルがいた。心配してずっと見守っててくれていたのかもしれない。

115 :
少し曇りがかった不安そうな表情が、いかに自分が気を失っていたかを物語る。
しかしそれは一瞬であった。徐々に穏やかないつもの彼女の表情が戻っていく。この人と言う存在は一言で言うなれば「笑顔」がもっとも似合う人かもしれない。
しかし、同時に一つの悪夢が現実を呼び覚ます。思わず、口にするのも怖い。
このままもう一度気を失ってしまいたい。
諦めてベットから降りるユウキ。
「あの・・・」
先にコンルの口が動いた。言い訳しようか、どうしようか、逃げるか?この状況では逃げる事も出来ない。
「ユウキさんにいくつか聞きたいのですが、この服装は一体何なのでしょうか?」
やはり、そう来たか。ユウキの心臓の鼓動が一段と早くなった。口を紡ぐユウキ。
「言い訳をしないで正直に答えてもらえないでしょうか?」
先手を打たれてしまった。下手に嘘をつけば全てが終わる。だが、本当の事を言ってしまっても全てが終わるような気がする。ならば取るべき行動は限られてくる。
「さっき、一緒に風呂場から落ちちゃったでしょ」
「はい」
「で、コンルがずぶ濡れだったもので、このままでは風邪を引いてしまうと思ったから・・」
「はい」
こういう時の返答の答えが「はい」だけっていうのも怖い。何を考えているか分からないから下手な刺激は命取りにつながってしまう。
恐る恐る、親に成績の悪いテストの答案を見せるかのようにユウキが目を伏せながら説明する。
「仕方ないから悪いと思いながらも、コンルの服を脱がせて代わりの服を探して着せたんだ」
「・・・」
手元に救急箱を用意する。生まれて初めて母親と姉貴以外の女性に怯える自分がいた。
正確には自分のやった行為は犯罪スレスレ、もしくは犯罪そのものであるので逆らう事が出来ない。

116 :
コンルが胸に手を当てて何かを考えるかのように言葉を捜していた。何だろうと考えるまでもなかった。服を着せ替えたと言う事は同時にこの人の裸を見たも同然なのだから。
落ち着いたように目を開けたコンル。「ふぅ」と、少し小さな溜息を漏らす。
もう一度閉じていた口を開きだす。
「と、言う事は見たんですね、私の体を・・・」
「う・・・」
思わず冷静に、静かな言葉ゆえに言葉を詰まらせる。返答出来ない・・・
「あ、あの・・・」
「見たんですね!!!」
その容赦ない念押しの言葉の前に縮こまってしまったユウキはただ黙って頭を下げるしかなかった。
「そうですか・・・」
もう一度諦めたかのようにコンルが溜息をつく。まるで自分だけの秘密にしておいた宝物を他人に見られてしまったかのように。
「あ、あのさ・・・」
何でもいいから少しでも会話で状況を打破したかった。しかしこの状況をコンルは許してくれなかった。
「ユウキさん・・・」
コンルがユウキに詰め寄る。その目は真剣そのものであった。もう、無傷ではいられない。
ユウキの背筋から血の気が引いていくのが分かった。
(誰か助けて・・・)
完全に硬直してしまったユウキが全く表情を崩さないコンルを見た。もう、耳を塞いでしまいたかった。
「ユウキさんにお願いがあります。どうか私の体の事は絶対に秘密にしてもらえないでしょうか?」

「???」
何か、すごい意表をつかれたような気がした。何で怒らないの?
「ユウキさんの友達には勿論、ユウキさんの家族にもです!」
「え、ええっ?い、いやコンル。ちょっと聞きたい事が」

117 :
質問する前にコンルがさらに追い討ちの一言を発した。
「いいですね!!」
「は、はい・・・」
一切の反論も許されず只、一方的にこの人の言う事を聞くしかなかった。何で体の事を秘密にしないといけないんだろう?
別に刀で斬られたような傷跡も、特におかしい所もなかったぞ。
それどころかすごく綺麗な裸体だった。だからよけいに不思議に感じるのだ。
いくら思い出しても隠さなければならない心当たりが思いつかなかった。
「約束していただければ、それ以上私は何も言いません」
ゆっくりと深呼吸して、言いたい事を言い終わったかのように気持ちを落ち着かせ始めたコンル。
(な、何で怒らないの?折角救急箱まで用意するくらい覚悟を決めてたのに)
逆に、本調子に戻ってるコンルを見てほっとする自分が本音なのだと溜息をつくしかなかった。
だが、はっとして何かを思い出したかのように話し出した。
「忘れてました。私が迷惑を掛けたばかりにこのような変わりの服まで用意させてしまって本当にごめんなさい」
「あ、ああ別に構わないよ」
どうせ、姉貴のだし。
まあ、それに関しては別に言っても言わなくてもいいだろう。
「ユウキさんは女装もこっそりしたりするのですか?」
「その衣服は俺の姉ちゃんのです!!!」
はっとしてコンルが口を紡いだ。どういう基準で俺を見てるんだ?
「そうですか。ユウキさんにもお姉さんがいるのですね。実はリムルルにも尊敬する姉が一人いるんですよ」
「えっ?そうなんだ」
姉もリムルルの様な似たような性格をしているのであろうか?

118 :
「ああ、衣装で思い出したけど、コンルの晴れ着、そこに掛けて置いたから」
ふと、コンルが横を見た。そこにはハンガーでしっかりと自分の大切な晴れ着が掛けられいた。帯もしっかりと掛けられていた。
自分の目で確認した後、無言で頭を下げる。
ふと、何かを気にするようにコンルがしきりに胸を押さえる。
「先程からずっと思ったのですが何か布のようなものがまとわり付いているみたいで・・・」
(ちなみに下着の方もね・・・)
さすがにそれを答えるわけにもいかないので、とりあえず胸の方だけ説明する事にした。
「この時代では女性は胸を隠さないといけないから、見られると恥ずかしいでしょ」
「しかし、私は精霊ですから必ずしも女性と同じとは限らないと思いますよ」
な、何でこの人、精霊と言う言い方にこだわり続けてるんだろう。その辺は女性っぽくすればいいのに・・・
さらにこの人の謎が深まっていく。何だか嫌な予感がしたので、もう一つ質問をする。
「そういえば、風呂から落ちてしまった後の記憶は覚えているかい?」
「いえ・・・あの後は全く記憶に残ってません。気が付くと・・・」
どうも、覚えてないらしい。寝言にしてはかなりありえない発言だらけだし。
じゃあ、あの声は何だったのだろうか?現時点で最大の謎だぞ。でも、質問する事自体禁句だぞ。

「どうして私はユウキさんの上に乗っかっていたのでしょうか?それに私はともかくどうしてユウキさんは気を失っていたのですか?」
「・・・あっ・・・」
こればっかりは一番説明のしにくい状況だと、脂汗を流しながら困り果てるユウキであった。

しかし、ユウキはふとした油断からコンルの体を事を話してしまう事になる。
しかし、それが最後の最後である事は言うまでもなかった。

119 :
陸捨肆様の続きを期待して待っている今日この頃です。

今日という一日は、明日という二日の、価値を持つ BYベンジャミン・フランクリン

原作 陸捨肆様「リムルル」より
サムライスピリッツ外伝 もうひとつの物語
第十話「出発」
「体調はもう大丈夫なの?」
「はい、ユウキさんのおかげでもう大丈夫ですよ」
簡単な後始末を終え、戸締り、ガス、風呂の電気、ストーブ(弱火にしておけば大丈夫だろう)も消してある事を確認する。
普通に見ればこの時代の住人にしか見えないコンルと一緒にアパートの外に出る。
すがすがしい朝とはこういうことをいうのだろう。気付かれないようにコンルを横目で見た。
「?」
不思議そうにコンルが首を傾げた。別にユウキが声を掛けてくれそうな感じではない。
あっさりとコンルはユウキの仕草に気付いてしまった。
思えばここでコンルが倒れていて、不思議と彼女を介抱して、精霊だと言われて拍子抜けしてしまい、思考回路が可笑しくなってしまった事もあった。

120 :
アパートから駐車場までそんなに距離は離れていない。ついでに自転車小屋もある。
その自転車小屋の自転車と一緒にユウキ愛用のバイクが置いてあるのだが、今回は違った。
あの時コンルを連れてそのままアパートの中に入ってしまったのでバイクをそのまま放置してしまっていたのだ。
雪まみれになった愛用のバイクはご主人に見捨てられたかのように悲しそうに埋もれてしまっていた。
さっと雪をどかした。コンルもそれを見て手伝う。コンルから見れば見たこともない物体。
見た事もないからくりである。
ふと、コンルが見た事もない物体が気になったので声を掛けようとした。
「これはバイクといって、まあ簡単に言うと自由に出掛ける事が出来る最高の乗り物さ。
まあ、コンルの時代で言えば馬を何倍にも早くした感じだと思えばいいよ」
「はい」
聞きたい事を質問しようとしたが先にユウキが答えてしまったのでコンルが開いた言葉は相槌のみであった。
バイクと呼ばれる乗り物。前と後ろに丸い何かが取り付けられている。どのようにして、どんな移動をするのだろうか?少しだけコンルの胸を高鳴らせる。
ユウキがもう一度バイクの点検をする。雪に埋もれていたが異常はない。このままエンジンを掛ければ動くはずだ。
すっと、ユウキがバイクのキーを取り出す。
「何ですかそれ?」
間髪入れずにコンルが尋ねる。ユウキがコンルにそれを見せながら答えた。
「鍵だよ」
「何のですか?」
「バイクの鍵だよ」
コンルが驚愕した。まるで扉の鍵を開けるみたいだと。
「夜中に言っていたドアのノブと呼ばれるもの見たいなのですか?」
「まあ、そんな所かな」
感心しながら一つ一つ納得していくコンルを余所目にユウキが鍵を差し込んだ。
その時、まるで命が吹き込まれたかのようにバイクのエンジン音が鳴り出した。

121 :
「きゃっ・・・」
生まれて始めて聞く音に反射的に小さな悲鳴を上げてしまった。ユウキがさぞ、無理もないかと言わんばかりに楽しそうに見ていた。
「乗って。今から少し現実世界を見せてあげるよ。リムルルを探すがてらね・・・」
「乗ってと言われても・・・・」
コンルが少し困った表情を見せた。どのようにして乗れば・・・・

ふと、コンルの頭の中で何かが走った。バイクを別の方向で想像してみる。カムイコタンの時代で例えるならこの乗り物は何に近いか・・・
バイクの形をもう少し柔らかく考えていく。そしてユウキの乗っている形。あれはまるで・・・

(シクルゥ・・・・)
完成した自らの想いに納得したコンルがシクルゥに乗る要領でユウキの後ろに座り込む。
「・・・」
何かバツが悪そうに黙り込んだコンル。ユウキがそれを見た。
「どうしたの?」
「いえ、何でもありません」
じゃあ、何でそんな顔をするのかユウキには分からなかった。
(このバイク、シクルゥのようにふかふかではないです・・・)
精霊による、小さな愚痴であった。

「おっと、乗る前にこれを・・・」
ユウキから丸い何かを手渡される。見た事もない物体にきょとんとしたあどけない表情を見せる。
「それはヘルメットといって頭を守るものだよ。こうやって頭を守るんだ」
そう言って、手本を見せるかのようにユウキが自分のヘルメットを頭に被る。
なるほど、と納得したコンルが同じ要領でヘルメットを被った。
(やっぱり、基本は姉貴と同じ体型だな。胸は姉貴より大きいけど)
(わ〜〜、へるめっとと呼ばれるものを被ると同じ視界でも全く別世界になるものなのですね)
最後にアクセルを掛ける前にもう一度コンルに注意を促した。

122 :
「少し、飛ばしていくから慣れない間は俺の体に捕まってた方がいいよ。もしかしたら落ちちゃうかもしれないから」
「はい、分かりました」
ヘルメット越しから響きの入ったコンルの声が返ってきた。それと同時であった。
むにゅっとした感触がユウキの背中に密着した。
「あっ・・・」
ふいに声を上げてしまった。忠告どおりにユウキの体を抱き締めたコンルが不思議そうに見つめる。
「どうかしましたか?」
「い、いや何でもない」
抱き締められた瞬間、彼女の胸がユウキの背中を押し付けたのだ。背中越しから感じる彼女の胸の感触。姉貴のはあまり感じないのにどうしてコンルにだけ・・・・?
身内と他人の違いかと、自分に納得させユウキはストッパーを外しバイクのアクセルを動かした。
「行くぞ!コンル!」
それに答えるかのようにコンルも返す。
「はい、いざ尋常にお願いします」
やっぱり、時折間のずれた事を発言するが、それがこの人の個性でもあるのだから・・・
コンルから映る新しい現実世界がゆっくりと動き出す。多少の雪が地面に積もっていたがユウキのタイヤはそれを無視するかのように地面にタイヤの跡だけを残していった。
(馬よりも早い・・・これが現実の乗り物・・・)
自分の胸をユウキに押さえながらまずは落ちないように、しっかりと彼の体に自分の腕を、そして体を添えるのだった。

第十一話「出発、そして冒険へ・・・」
すっと、横を見た。辺り一面が田んぼである。時代は変わってもちゃんと米や作物を育てているんだとちょっとだけ安心した。
最初は怖くて中々、目を開ける事が出来なかったが徐々に慣れてきた。
ユウキの後姿が何だか羨ましい。思わず見とれてしまい手の力を抜いてしまう。
次の瞬間ユウキがバイクのスピードを緩め停止する。驚いたコンルが慌ててユウキの体に捕まるが、不意に体勢を崩し前のめりに倒れてしまう。さらに彼女の胸がユウキの背中の中でクッション代わりのようにふわりと揺れる。
びくんと、ユウキの心臓の高まりを増大させた。この人の胸は時として危険だと・・・
「どうしたんですか?」
いきなりの停止に目的地に到達したのかと思い辺りを見回したがこれといって変わったところはない。

123 :
「いや、信号機といってここではしばらく止まらないといけないから」
ユウキの顔が上を見上げていた。コンルも空を見上げてみた。空は青い、空気も悪くない。
「もう少し顔を下にしてね。空に信号機はないから・・・」
「あっ・・・」
少し恥ずかしそうにコンルの目は空からもう少し下に視線を合わせた。
ユウキの後姿と共に三つの異なる色の物体を見つける。あれが信号機なのだと自分で納得させた。今は赤色の光が強くなっている。しばらくの間、無言の状態が続いた。
表情一つ変えないユウキ。赤色の光から青色の光が強くなった。
「また、動くから捕まっててね」
ユウキに促され再び動き始めるバイク。再びユウキの体に捕まるコンル。
しばらく、色々な道を回り、何度か信号機と呼ばれる物体と停止を繰り返す。
徐々に田んぼ道から見慣れない景色へと場所が映し出される。ユウキのバイク以外にも見た事のない乗り物が二人の間を交差したりすれ違ったりする。
あれは、「乗用車」、もっと大きいのが「トラック」、で、あそこの子供が乗ってるのは「自転車」と、一つ一つユウキがバイク越しから教えてくれる。
とても勉強になる。もっとこの時代を学びたい。まるで子供に帰るかのようにコンルの好奇心が胸を熱くさせる。
しかし、それを崩してしまう一面もあった。
ユウキ達の前に立ちはだかったトラックから吐き出された白黒の煙。ちょうど、信号機で停止していたのでまともに浴びたコンルが大きく咳き込んだ。
心配そうにユウキがコンルを覗く。苦しそうな表情をしながらも何とか返事を返す。
「これくらいなら大丈夫ですから、気にしないで下さい」
言い終わった後また咳き込んでしまった。仕方がないのでしばらくの間息を止める。
(この時代での生活、やはり思っていた以上に馴染むのは容易ではないかもしれませんね)
バイクが動き出した後再び深呼吸をする。鼻がムズムズして今度はくしゃみをしてしまう。恥ずかしそうに顔を伏せ、顔を赤らめるコンル。
(もしかして気付かれているのでしょうか?)
「別にくしゃみで恥ずかしがる必要はないよ」
まるで心を読まれたようにコンルの顔が驚きの顔になる。

124 :
(ど、どうして後ろを向いていないのに私の表情が分かったのでしょうか?)
コンルは知らなかった。ユウキのバイクミラーからコンルがはっきりと映っている事を・・・
(時代は変わっています。一人一人が自由に生活している時代。過去を生きる私達にとってはそれが正しい結末であるのか・・?
そして多くの家や街が増えれば増えるほど新たな道を切り開く為に自然が伐採されていくのもまた事実・・・それが少しだけ悲しいです)
コンル一人ではその答えを出す事は出来なかった。一人一人の意見が必要であると。

いよいよ、コンルの知らない世界が広がり始めた。徐々に人並みが多くなり始める。
ユウキの話によるとここは商店街と呼ばれる所でこういう休日になると特に人ごみで賑わうらしい。
ユウキが駐輪場でバイクを止める。自分のヘルメットとコンルのヘルメットを外す。
ついでに今更過ぎる質問をしてみた。
「寒くないかい?」
「いえ、これくらいならばまだ少し暑いくらいですよ」
さすがだと思った。自分は寒いので二枚着てるのに、この人は一枚しか着ていない。
しかもこの冬に暑いときたものだ。
「とりあえず、この商店街を簡単に探索してみるかな。もしかしたらリムルルが迷子になっているかもしれないし」
「はい!」
いつもよりも元気のいい声が返ってきた。しかしふと表情を変える。
「ユウキさん。迷子でふと思ったのですがこんな人ごみの中では私達もはぐれてしまうかもしれませんから・・・」
ユウキの手を掴みしっかりと自分の手と重ね合わせる。氷の精霊なのに何だか手から伝わる温かい体温が感じられる。
「こうやって一緒に手を繋ぎながら歩くのはいかがでしょうか?」
普段通りの態度を見せるコンルとは反対に少し恥ずかしそうに返答に困るユウキ。
若いカップルが手を繋いでいる。恐らくコンルはそれを見て思いついたのかもしれないが、
基本的に手を繋ぎながら歩くのは男女のカップルや家族連れである。いざ手を握られるとこれほど恥ずかしいものなのかとユウキは思い知った。

125 :
「ユウキさん・・?」
ふと黙り込んだユウキを見てコンルがユウキを横から覗き込む。ユウキが自分の置かれた立場を思い出し、はっと我に返った。
「ああ、ごめん。じゃあ、一緒に歩こうか!」
「はい!」

第十二話「憧れの先輩」
がやがやと人通りが多くなる。見慣れない人々、服装が自分やユウキに近い格好ばかりである。
着物や、ざんばら髪、ちょんまげ、刀を帯刀している者。色々と探しては見たが、やはりこの時代にはいなかった。
しかし、坊主頭や、金髪の男性、女性はいくつか目撃した。中には髪が生えていない男性もいて驚くコンルであった。
(この人ごみの中でリムルルを探すのはとても難しいですね
まだ気配を感じない。少しでも断片的な気配があれば・・・)
もし、外で感じないのであれば建物の中にいる可能性がある。
数十分、人ごみの中を耐えながら歩き回ったが見つからなかった。
「ここにはおりそうかい?」
コンルに聞いてみた。残念そうに首を振るコンル。
「何か特徴見たいなのはないか?何でもいい」
「そうですね・・・最初にユウキさんと出会った私のあの姿の服装でしょうか」
「って、事はアイヌ民族が着てる服装って事だね」
「えっ?どうして知ってるんですか?私はユウキさんには一言もアイヌだと・・・」
間髪入れずユウキが口を挟ませた。
「いや、本で君達の服装を見た事があるからね。それでちょっとね・・・」
(やっぱり、ユウキさんは鋭いですね。やはり現代の人は何でも知っているのですね。でも、忘れないで下さいね。ユウキさんもアイヌにあたるのですよ)
クスっ、と、コンルが鼻で笑った。
「もしもリムルルの服装がアイヌのままなら見つけやすい筈なんだけど・・・。最悪警察署にいるかもしれない」

126 :
「けーさつ?」
「ああ、黒い服を着たおじさん達。まあ分かりやすくいえば役人みたいなものだよ」
「それは大丈夫です」
不安を他所にコンルが言葉を返した。
「私達はそのけーさつから脱獄してきたのですから・・・」
(だ、大丈夫じゃねええええ)
お、大騒ぎになってるぞ。どうするんだよ。しかもどうやって脱獄したんだろう。想像するのが怖い。
「とりあえず、場所を変えよう。もしかしたら建物の中かもしれない」
「はい・・・」
少し笑顔が曇り始めた。場所を変えて少しでも落ち着かせないといけないな。
「一つ大きい建物があるからもしかしたらそこをうろついているのかもしれない」
不安そうな顔を隠しきれないコンルの手を引っ張って再び駐輪場へと向かった。

バイクに乗って数十分。国道沿いの有名なショッピングモールに足を踏み入れる。
そこはコンルから見れば夢の世界そのものであった。たった数百年でここまで変わるものなのかと・・・
いや、数百年だからこそこれだけの時代が変わるものだと。
既にコンルの言葉は失われていた。ただ、ユウキに引っ張られて一歩一歩足を踏みしめるだけだ。
「うっ・・・」
コンルがその場に座り込んだ。それをみたユウキが心配そうに覗き込んだ。
「ううっ・・・・はぁっ、はぁ・・・」
口元を押さえる。少し苦しそうだ。もしかして・・・
「ごめん、休憩もしないでコンルに無理をさせすぎたから」
しかしユウキの答えとは裏腹にコンルは首を振った。疲れているわけではないらしい。
「違います。ただ、急激な匂いが襲ったので。少し堪えました・・・」
「匂い?」
その辺の匂いを嗅いで見た。少し空気が悪いかもしれない。それだけではない。
このショッピングモールの密閉された空間、さらに周辺から煙草の匂いが思った以上に充満している。
慣れないコンルにとっては煙草の匂いほど辛いものではない。
「長居はしない方がいいな」
「そ、そんな事はありません。だ、大丈夫で・・・うっ・・・」
またコンルが口元を押さえた。座り込みながら何度も呻き声を漏らす。

127 :
周りの人々の目線が痛い。しかし誰もが気にするだけであり、すぐにまた自分の世界に戻ってしまう。
結局の所それが現実でもあるが。しかし素通りする中にどうしても聞き捨てならない言葉もあった。
「嫌ね、最近の若い連中は。きっと「つわりよ」ほら、今流行ってるじゃない。えっと・・・そう・・「出来ちゃった結婚」よ!」

ユウキは耐えがたい屈辱を受けながらも心の中で叫んだ。
(それだけは違う!!!)と・・・

ようやく体調の落ち着いたコンルを連れてエスカレーター前に来た。自動的に動いている不思議なからくり、人が上に上がったり下がったりしている。
「怖がらなくてもいいよ。一緒に乗れば大丈夫だから」
「あの、ユウキさん。今からこのからくりで上に向かうのですか?それとも下に向かうのですか?」
からくりと来たか。いかにもコンルらしい。
「ああ、とりあえず上に向かおうかな」
「そうですか。それでしたら・・・」
コンルをエスカレーターに乗せようとした時であった。コンルが右隣の階段を指差した。
「上に向かうのでしたら階段で行きましょう。よく見るとからくりで上に向かっても階段で上に向かっても目的地の場所は同じみたいですから」
「えっ?」
思わず、拍子抜けした。
「それに、階段を使って歩いた方が足腰にもいいですし、あのからくりは私達のような元気な人よりも体が不自由な人の為にある様な気がするんです」
「こ、コンル・・・・」
「さあ、行きましょう。ユウキさんはもっと足腰を鍛えるべきですよ。あっ、待たせて御免なさい。私達は階段で行きますのであなた達はこのからくりで行って下さい」
「からくりって言っちゃダメ・・・」
唖然としている後ろの男女をよそに、言うが早いかコンルがユウキの手を引っ張ってそのまま階段へと駆け出した。
(す、凄い。一瞬でこの周りの空気を理解してコンルなりに行動してる。やっぱりこの人は現代に馴染んでいく人だと・・・)
不思議だ。俺がこの時代を伝える為にコンルを引っ張ってる筈なのに今初めてコンルに動かされている。

コンルに引っ張られながら階段をのぼりきった。一階とは違うまた別の雰囲気にコンルは息を呑んだ。江戸の町を遥かに越えている。恐らく徳川家の財力よりも・・・
もっと知りたい。コンルが身を乗り出そうとした時だった。

128 :
「あうっ・・・」
また、座り込んでしまう。ユウキが周りを見渡した。そして落胆した。
「何てこった。ここら一体全部喫煙室そのものじゃないか」
たしかに横の案内図を見ると「喫煙は出来るだけここで行って下さい」と書いてある。
最近は煙草を吸う人が増えたのかご丁寧に個人の喫煙室まで置いてある。
(個人の喫煙室なんて始めて見たぞ。それに余計な部分に金を掛けるなよ・・・)
いくら密閉された部屋の中が喫煙室でも、そこから漏れてくる煙の匂いにコンルが耐えられるはずもない。
一階の匂いよりも少し強い。店側は時折この部屋の清掃をちゃんとしているのか不安になった。
まわりにお客達の座る為のベンチが置いてあったのでそこにコンルを座らせる。
苦しそうに息を吐きながらそれでも口を開くコンル。
「さ、さすがにこの辺りを調べるのは私には難しそうです。お願いがあるのですが・・・」
「ああ、コンルはそこで休んでて、ここにリムルルがいるか捜してくるよ」
「はい、宜しくお願いします」
言い終えるとコンルが目を閉じてゆっくりと休み始めた。あまり長居は出来ないな。
俺は急いでアイヌの服装を着ている女性を探し始めた。

「こんなショッピングモールだと目立つからすぐに見つかると思うんだが」
辺りの専門店を見るがそれらしい女の子を見かけない。既に見慣れた現代人の衣服のみがユウキとすれ違う。半ばいないと諦め来た道を戻りだす。そしてふと下着売り場を見た。

129 :
「えっ?」
そこには見慣れた人影があった。何であの人がこんな所にいるんだろうと疑問に思いながらも声を掛けた。
「コウタ先輩!」
声に反応した青年が後ろを向いた。少し慌てた様子だったがすぐにいつもの表情を見せた。
ユウキにとってコウタ先輩は憧れの存在でもある。
「あれ?どうしてユウキがこんな所にいるの?」

第十三話「贈り物」
「ちょっと人探しを・・・」
「お前のお母さんか?」
思わず、顔をむっとさせるユウキ。
(この年で迷子に何かなったりしません)
「冗談だよ、でも、奇遇だな。そうだ、お前ちゃんと宿題してんの?」
いつも通りの会話が発生した。まあ、無理もないと思った。普段は何気ない会話や大学の事についてだし・・・
「もう終わりました。今年はいつもより早く冬休みに入ってます」
はぁ、とコウタが溜息をついた。何だか嫉妬しているみたいだ。
「いいねえ、後輩は。俺はこの後レポートを書かないといけないし、記憶が確かなら期末テストも残ってるよ。まあ後になったらテストの存在を忘れてるけどね」
「大丈夫です。コウタ先輩はいつも追い詰められた時に実力を発揮する人だと知ってますから」
「他人事だと思いやがって」
バツが悪そうにユウキを睨む。ふと思い出したような顔でユウキを見た。
「そういえば、おまえこの前二十歳になったんだよな」
「あっ・・・」
以外にも覚えててくれた事に涙が出てきそうなくらいじ〜〜んと来る。
「ちょっと待て。特別に先輩からプレゼントをやろう」
「わお!」
思わず、声が漏れた。その時コウタが一度何かを確認していた。
(まだ、リムルルはマネキンに夢中になってるな。今くらいなら目を離してもいいだろう)
そのままコウタが自販機に向かった。ユウキがふと下着売り場を見ていた。
「何だか見慣れない小さな女の子がマネキン人形できゃぴきゃぴしてる・・・。子供だなぁ・・・マネキンで悪戯してるよ。無邪気だなぁ」
そうこうしているうちにコウタが戻ってきた。

130 :
「ほらよ!」
「これは?」
「見て分からないか?二十歳の記念の「ビール」と「煙草」だよ」
「・・・・」
確かに、法律上、二十歳になれば両方ともOKだけど。無理してるコウタを見て何だか申し訳ない事をしたような気がしたユウキ。
観念したようにコウタが切り返した。
「先輩として正直に言おう。貧乏学生でスマン・・・」
ユウキが否定の首を振った。
「ありがとう先輩。このプレゼント、大事にします」
(ユウキ・・・煙草はいいがビールは大事にしたらマズイだろ。冷蔵庫にすぐに入れろよ)
ユウキが大事そうに迷彩服の上着の左右についているポケットの中にしまう。
ふと、コウタもポケットをあさった。そして一つの何かを取り出した。
「それは?」
「煙草を吸うのにライターがないと始まらないだろう。どうせ俺はアクセサリーで持ってるだけだからやるよ」
そういってコウタが手渡したものは「火縄銃の形をしたライター」のキーホルダーだった。
「それはライターだけではないぞ。ある愛の言葉が込められてるんだ」
「何ですか?」
興味心身でコウタの目を見るユウキ。まるで食いついた魚を放さないようにコウタが話を続けた。
「火縄銃の火薬の匂いは?」
「臭いです・・・」
「そう、臭いだけに「クサい台詞で女の子を射抜け!」って意味があるんだよ!」
ユウキが「はぁ」と小さな溜息をついた。
「どうせ、俺の台詞は誰にも受けないんだよ・・・」
「すねないで下さい先輩。それに、普通は女の子を射止めるのは銃ではなくて弓矢だと思うんですが・・・」
「し、知ってるさそれくらい」
言葉をはぐらかすコウタ。それを楽しそうに見つめているユウキ。ああ、いつも通りのコウタ先輩だと。
「まあ、それは冗談だが、その火縄銃のキーホルダーの本当の意味はな、ほら、火縄銃ってのはポルトガル人によって日本に伝わった銃の原点だろ。だから・・・」
「常に原点を忘れるな。立ち止まったら原点に戻る事」
ユウキは笑った。コウタも笑った。
コウタ先輩は時折、すごくカッコイイ事も言う。決して不器用な性格でもない事を知っている。
しかし、別れの時間が近づいてきた。

131 :
「悪い、ユウキ。そろそろ俺行かないと行けないから」
「あっ、すいません。でもどうしてコウタ先輩この下着売り場にいたんですか?」
「い、いいじゃないかそんなこと」
凄く困ったそうにコウタが答えた。気になるが嫌がる質問をするのも失礼だ。
「じゃあな!ユウキ!」
「はい。コウタ先輩」
(そういえばアイツ、首元に首飾りみたいなのを付けていたが、アイツ恋人でも出来たのだろうか?どう見てもあれは女性が付ける首飾りだな。
あいつ、俺以外からもちゃんとプレゼントをもらってるじゃん)
コウタが心の中で自らの考えをはぐらかした。
最後にコウタがそのまま立ち去るのを見送った。
そしてユウキは見た。決定的瞬間を。
コウタがマネキン人形で遊んでいた小さな女の子を連れて再び下着売り場で何やら品定めをしていたのを・・・
思わず、唖然としてしまったユウキは持っていたライターを落としてしまう。
(こ、コウタ先輩。とうとう未成年に手を・・・・)
ユウキがぶるぶると首を振った。
(見なかった事にしよう)
コウタ先輩は自分の中で「憧れの先輩」である。決して援助交際はしない、未成年にも手を出さないと・・・
「おっと、コンルを待たせてるんだった。早く行かないとな」
取り敢えずコンルの前で煙草なんか吸ったらされるぞ。コウタ先輩には申し訳ないが煙草はまだ先になりそうだと苦笑いした。
「残念ながら、ここにはリムルルはいなかったな。皆、現代の服ばかりだよ」
そして落としたライターを再び拾い胸ポケットにしまうと、人込みの中を駆け抜けながら再びコンルの元に戻るのであった。

132 :
こんにちは。
横着して、続きをうpろだに投稿しましたので、よろしくお願いします。
板で読みたいという方がいらしたら、こちらにも順次投稿します。
では。
>567氏
懐かしい気持ちになりました。

133 :
陸捨肆様
新作お疲れ様でした。じっくりと読ませて頂きました。
徐々に明かされ始めた、リムルルとコンルの過去。
そしてシカンナカムイの野望。羅刹丸の下ネタ発言に思わず爆笑してしまいました。
陸捨肆様に個人的な質問で申し訳ないのですが、
リムルル達は何年ごろの時代からタイムスリップしてきたのでしょうか?
単に自分が鈍いだけかもしれませんが(汗
零リム時代なのか真リム時代なのか。
コンル編の小説を書いていて、コンルが「自分は○○年から現代に来た」
と言うシーンを描写に入れようか迷っていたので。
やって来た年代そのものが、パラレルであればあまり深くは考えませんので。
それでは失礼します。

134 :
>567氏
リムルルは「真」の世界の直後からやって来た設定です。
ナコルルも光にその身を変えたまま、現代まで眠っています。
ですが、リムルルについては
・精神年齢・外見年齢の低さ
・ナコルルとは血が繋がっていない
これらの点は、個人の趣味で「零」ベースです。
うpろだに続きを少しだけ置いておきました。手土産程度ですがどうぞ。

135 :
保守age。職人様お疲れ様です。

136 :
ttp://www.cosplex.jp/img/pg/ayane/20070327/index.html

137 :
保守

138 :
ネタ切れてるし誰も居ないし保守するのさえ痛々しいな
ここは落としてSNK作品総合に合流する方が得策だろう

139 :
じゃあココからSS落しはダメ?

140 :
陸捨肆様や新人567様の続き投下の場は絶対必要だと思うのですが・・。

141 :
俺は毎日テカテカしながら待ってるんだよ!
がんがってくだちい

142 :
スイマセン。今までネットが全く繋がらなくて、つい先程ネットが直りました。
うむむ。自分も中々書く時間が大幅に少ないため、中々顔を出す事が出来ません<汗
出来る限り最後まで書きあげるように努力します。

143 :
不幸になる人は、自分の喜びばかりを考えている
人を喜ばせることを考えなさい、その憂鬱は消える  BYアルフレッド・アドラー

原作 陸捨肆様「リムルル」より
サムライスピリッツ外伝 もうひとつの物語
第十四話「気配」
コンルの元に戻ってきた。どうもまだ気が付いていないみたいなのでコンルの肩を揺さぶった。
ゆりかごの様に左右に揺れながら、ゆっくりとコンルが目を開ける。そして見た。
ユウキを見た瞬間分かった。
そこにいたのは笑顔のユウキではなかった。がっくりと肩を落とした感じであった。
恐らく・・・
「やはり、いませんでしたか・・・?」
「ゴメン、期待の収穫を得られなくて。自分の顔見知りしか会えなかったよ」
どうも、目の焦点が合ってない。
まだ、コンルの意識は回復していないみたいだ。よっぽど眠りこけていたんだな。
「ふふ、ユウキさんのお友達に会えたんですか。良かったですね」
「ああ、それにその人から誕生日の贈り物をもらったよ・・・」
そこでコンルが誕生日と聞いてユウキを見た。
「そうですか、ユウキさん、おめでとうございます。私からも祝福しますよ」
そういってコンルが氷を頭に落とそうとした。
「だぁぁっ、ダメだよ。頭に落とされても痛いし、こんな所で氷なんか落としたらそれこそここが混乱するよ」
はっと、思い出したようにコンルがその手を止めた。この人は自分から目立ちたいのだろうか?
「あと、それにさ・・・・」
そこまで言った瞬間だった。
「!!!!!」
コンルの体中から電流が走った。僅かな断片を繋ぎ合わせ、一つの終着点を指し示した。
「見つけました!」
コンルの意識もはっきりと回復した。煙草の匂いも構わずに立ち上がった。

144 :
「微かですがリムルルの気配がしました」
「ホント?」
早歩きで駆け出しながら気配のした方向へと突き進む。それは、自分が先程コウタ先輩と出会った道の流れであった。
右、左と顔をキョロキョロしながら動き回るコンル。それはさながら迷子の子供を捜す母親のようだ。
ふと、コンルが立ち止まった。そして立ち止まった場所を見渡した。
ユウキが少し遅れて到着した。あまりに早く動くので中々追い付けない。
「ここで気配がしたのですが、今は徐々に消え始めています」
思わず、ユウキは唖然とした。コンルが立ち止まった場所。
(コウタ先輩がいた下着売り場じゃないか)
女性陣の下着が置かれているのをまじまじと見てしまったユウキの顔が赤くなる。
「何でリムルルがこんな所に?」
コンルに問い掛けた。胸を押さえながら、白い息を一度だけ吐いた後、言った。
「それは私にも分かりません。しかしここにいたのは間違いありません」
「どうも、少しばかり遅かったみたいだね。まだ気配はする?」
その質問とは裏腹に、残念そうに首を横に振った。
「駄目です。気配がどんどん消えていきます。恐らく、この周辺にはもういないでしょう」
収穫はここまでか。リムルルって言う娘はここで下着でも買おうとしてたのだろうか?
しかし、現代のお金も持っているはずがないのにどうやって?
「くそっ!せめてリムルルが誰かと一緒にいれば・・・」
ユウキが悔しそうに拳を握り締める。

(誰か・・・・)

またコンルの体に衝撃的な何かが走った。思わず掠れた声がコンルの喉から零れ落ちる。
「あ・・・あ・・・・」
まともな声も出ないまま、不器用な声。それでも無理矢理に、必で声を上げた。
「私・・・私ユウキさんに・・・・」
その慌てふためいた声。まるで重要な何かを言い忘れてたかのように。
すっとユウキの顔を見据えた。びっくりしたような顔でコンルを覗き込む。
「ユウキさんに大事な事を話していませんでした・・・」
「何を?」
「私、リムルルをある男性に託したんです。だからリムルルは一人ではないはずなんです」

145 :
さすがのユウキも度肝を抜かれたかのように、腰を抜かしそうになった。
それを最初に言ってもらわないと。
ユウキにしてもリムルルは一人でずっと迷子になっていると思っていた為にずっと一人ぼっちの女性を探し続けていた。
取り敢えず、また、話がややこしくなりそうだから、今は、どうやってその男性を託したかは考えない事にしよう。
恐らく、コンルが託した男性なら大丈夫だろう。多分・・・・
「コンル!それは最高の手掛かりだよ。で、その男性はどんな・・・」
しかし、折角の手掛かりを思い出したのに再びコンルが首を振った。
「ごめんなさい、私も名前は分からないのです。特徴もこの時代の服装でしたので、どのように説明すればよいか・・・顔を見れば思い出すのですが・・・」
ユウキが残念そうに首を傾けた。コンルも申し訳なさそうに俯いて小さな溜息をついた。
「手掛かりは男性・・・」
その男性の写真を見せれば恐らくコンルも思い出すかもしれないが、どんな男性か、俺自身も分からないのに探すのは容易ではない。
と、なるともう一つの手掛かりは・・・
「その男性はどんな感じの男性かな?子供とか、青年とか、おじさん、おじいさんとか」

もしも、この時男性と言う言葉を思い出して、コンルがリムルルの体つき、見た目の特徴をユウキに話していれば状況はさらに変わっていたかもしれない。
残念ながらその説明をユウキに伝える事をコンルは見逃していた。

ふと、コンルが目を閉じて考え込むように頭をうならせた。そして数秒・・・
すっ、とユウキに向かって人差し指を突き出した。
「?」
「ユウキさんぐらいの人でした。若い男性です」
「そうか。もしかしたら家に連れ込んでいるかもしれないな。でも、悪い奴だったらリムルルを捕まえて身代金を要求してないか不安だ」
コンルが安心そうに付け足した。
「大丈夫です。それだけはありえません。その人からは一切の敵意、悪意を感じられませんでしたから。包容力のある方です。そう、こんな風に・・・」
不意にコンルが笑みを浮かべながらユウキを包み込む様に優しく抱き締めた。
周りの客がニヤニヤしながらこちらを見ている。「若いねえ・・」と聞こえてくる。
なりふり構わず、そして周りの環境を考えずに色々と実行するのはやめて欲しい。

146 :
何も考えないコンルを自分の体から引き離す。
「あっ・・・」
思わず、コンルが声を上げた。ユウキが困ったように顔をしかめる。
「それに万が一リムルルに手を出そうとしてもきっと返り討ちに遭いますよ。子供の頃から護身術みたいなものは身に付けていますから」
コンルが笑って答える。それはさながら楽しそうな話し方である。
(護身術か・・・コンル本人は、俺に体を見られただけだと思い込んでるはずだから、
そんな無防備なコンルの体を色々と触った自分は、ばれたら半しじゃ済まないだろう)
まずは、リムルルと一緒にいる男性に敵意はない事だけは分かった。さて、問題はここからどうやってリムルルを探し出すか。
その男性が分からない以上どうしようもない。
コンルの元に歩みよろうとした瞬間、再びコンルが膝をついた。
「ううう・・・神経を集中させすぎて、気を許した瞬間にこの匂いに耐えられなくなりました」
そうだった。ここは喫煙ゾーンだから他の場所に比べて煙草の匂いがひどいんだった。
「取り敢えず、一度外に出ようか・・・」
「は、はい・・・・」
苦労して返事をするコンルを余所に俺はコンルの手を引っ張り階段を下り、出口へと向かった。

第十五話「幸運」
ショッピングモール入り口前に戻った。
取り敢えずリムルルがまだ無事だっただけでもよしとしよう。
「大丈夫かい?」

147 :
さっきまで手で鼻を押さえていたコンルの肩をさする。しばらく辛そうな顔をしていたが外の空気を吸う度に元気を取り戻していく。
「はい、もう大丈夫ですよ。ご迷惑ばかりかけてごめんなさい」
「大丈夫、気にしなくていいから。俺の方こそリムルルを見つけられなくてゴメン」
「いえ、気配がしただけでも無事だと言う事がはっきりしましたので気になさらないで下さい」
ふと、コンルが横を見た。そしてそこに書かれている建物の看板を見た。
「あら?」
何かをまじまじと見ていたのでコンルの見た方向をのぞいて見た。
「江戸は富くじ、そして今は宝くじ、よってらっしゃい、買ってらっしゃい」と、書いてある。
「この時代にも富くじと呼ばれるものがあったのですね」
「まあ、今は宝くじって名を改めているけどね」
折角なので試しに二十歳を記念して買ってみようと思い前を歩こうとしたがコンルに肩を掴まれる。
その力に逆らえず、体勢を崩したユウキがコンルの足元で尻餅をつく。
「あっ、ごめんなさい」
「いいよ。で、何?」
間髪入れず、話し掛けたユウキに答えるようにコンルも間髪入れず話し掛ける。
「ユウキさん、賭け事はほどほどにするべきですよ・・・と、言いたい所ですがこの時代ではユウキさんが一番偉いので少しだけなら目をつぶりますよ」
立ち上がりながら肩から手を離したあどけない表情を見せるコンルを見て思った。
(偉い割にはこの人が財布の紐を握り閉めてそうな台詞じゃないか)
苦笑いしながら、すぐに結果が分かる宝くじを10枚注文する。
別名「スクラッチくじ」と呼ばれる。
愛想のいい中年の店員から10枚分の券をもらい、今では滅多に見られない2千円札で支払う。
「小判じゃないんですね」
誰かさんのポツリと漏らした声が聞こえた。

148 :
「さすがに2000両(但し、実際は1両=1円ではない)の小判を出されてもここじゃあ、かさばって困るだけだしね」
10枚のうち5枚をコンルに手渡す。コンルが不思議そうにこちらを見ている。
「いきなり、渡されてもどうすればいいか分かりませんよ」
当然の返事が当たり前のように返ってきた。
「えっと、とりあえず、「壱」「弐」「参」「肆」「伍」の五つの数字があるでしょ」
「はい」
「それを全部削るだけでいいから、当たりかはずれかは調べてあげるから。ちなみにこれで削ってね」
ユウキが簡単な削り方をコンルに見せる。こうやるんだよと言わんばかりに。
納得したコンルに、削る為の5円玉を渡す。それをまじまじと眺める。
(この丸い穴の開いたお金、まるで私達の時代にいた銭を投げて悪党を退治する正義の味方を思い出しますね)

取り敢えず、「壱」「弐」「参」「肆」「伍」の数字を削り一つでも「当」の漢字が出ていれば5等が当選する。当然、全部「当」であれば1等である。
ユウキが「当たりますように」と宝くじ売り場の台の上で一生懸命削っていた。コンルもコンルなりに一つ一つ削っていた。幸いお客は自分達だけなので人目や順番待ちを気にせずに楽しめる。
今のコンルは取り敢えず、言われた事に従うのみである。
賭け事はカムイコタンではご法度に近い。そもそも賭け事自体、好きな者はいない。賭け事は人の心を変えてしまう最大の落とし穴である事をコンルは知っているからだ。
しかし、それは過去の時代。今は時代が違う。この時代であれば少しくらいは多めに見てもらえるだろう。
(こういう緊張感があるからみんな賭け事をしたくなるのかもしれませんね)

先に、ユウキが全てを削り終えた。結果は全部はずれ。やっぱり、世の中上手く行くわけないか。せめて5等の一つが出てもいいのに。
横目でコンルを見た。まだ彼女は、削り終わってない。終わるのを待つ。
そしてはずれた無念を背負い、肩を落としながら店員に話し掛けた。
「やっぱ、一等って当たるものではないですね」
「そりゃ、そうでしょ、一等なんて全国でたったの五枚しかありませんから」
「そう言われると、他県に行って挑戦しないと駄目ですね」
分かりきった事を話し合う。世の中そんな簡単にお金なんか当たるわけがない。
宝くじで大金持ちになったら誰も仕事をしなくなってしまうよ。
でも、よくよく考えてみると、実際は仮に一億が当たっても一生遊んで暮らすのは難しいらしい。

149 :
などと、考えているうちにコンルが削り終えたみたいだ。きょろきょろと困った素振りを見せる。
「その人の見てあげてもらえないですか?ほら、店の人に渡してあげて」
コンルが店の人に届くように渡した。店の人が一枚一枚丁寧に確認をしている。
途端にガタガタと店の人が震え始めた。一枚一枚、まるで健康診断で余命を宣告されたかのような・・・
「あの驚きはまさか一等でも当てたのか?」
「ユウキさん。私にはそんな運なんてありません。賭け事何て程遠い時代に生きてますから」
途端に、静寂を一瞬でかき消す五月蝿い鐘の音がなった。実際には店員がそこに置いてあるベルを鳴らしただけなのだが。
「おめでとう、1等当たったよ!」
「えっ?」
コンルが声を詰まらせる。ユウキは唖然とする。
「う、うそ、本当に1等を当てちゃったの・・・」
何て強運を持ってるんだ。あまりにも予想していなかった。ユウキが震える唇を動かしながら店員の返答を待った。
「あ、あ、あ・・・」
「ユウキさん、声が裏返ってます」
しかし、コンルの強運を思い知らされるのはその後の店員の信じられない一言であった。
「あなた、どんな強運の持ち主なんですか。どんな方法を使えば一等を五枚連続で当てられるのですか」
コンルがさらに口元を押さえて驚いた。ユウキはさらなる衝撃発言により、道端であるにも関わらず、座り込んでしまった。
「な、何なんだ・・・この人は・・・全国の人々の夢の可能性を全部「強運」と言う代金で買い占めたみたいだ」
「ふふ、ユウキさんの誕生日のいい贈り物になりましたね。でも、お金は本当は良くありませんが、ユウキさんの誕生日と言うことで今回だけ私が許します。大事に使って下さいね」

150 :
「いきなり言われても使い道なんて・・・思い付かない」
店員がコンルにご祝儀袋で手渡す。
「一等が十万だから五枚分で五十万。もってけ泥棒」
「私、泥棒ではありません」
例えすら真に受けてしまうコンル。泥棒と呼ばれて余程悲しかったのか視線をユウキに向ける。
「その、何かを求めるような目をしないでね・・・」

その後、その宝くじ売り場は大繁盛する事になったらしい。看板には「幸運の女神。一等を買い占める」と・・・
ただ、実際その店で買うと当たるのかどうかは俺も知らない・・・

第十六話「大金の行方」
「はい、私からユウキさんへの贈り物です。仮に私が持っていても使い方なんて分かりませんから」
五十万円入りのご祝儀袋を手渡される。袋を上に上げながら頭を下げる。
「有難う、この時代を代表して受け取らせていただきます」
「はい。ところで50万はこの時代では大金なのですか?」
「1万円でも十分、大金な時代だよ」
何を基準として代表なのか分からないがまるで殿様から褒美を受け取った武士のようだ。
コンルが一つの達成感を感じたのか、落ち着いた気持ちで白い息を吐いた。この人の体だけではなく、その息から漏れてくる匂いすらも香水の様に自然の香りがする。

151 :
アダルト雑誌で男性が女性の吐息にハァハァする理由がなんとなく分かった。
「折角だから、コンルに一つ自然が綺麗な所を見せてあげようかな」
「是非、見せて下さい」
じゃあ、バイクに乗ってと声を掛けようと思った時だった。ショッピングモールの十メートルくらい先で何か声が聞こえた。
「赤い羽根共同募金にご協力下さい」
街頭募金・・・恵まれない子供の為に。そういう事は全く気にしていなかったユウキ。
福祉やボランティア関係を勉強してるわけではなかったから当然といえば当然だが。さらに、人生において一度も募金した事はない。
「あれは何ですか?」
若い男女が何やら箱を持ちながら道行く人々に声を掛けていく。まじまじと見つめながら箱の中身を気にするコンル。
「あの箱の中には何が入っているのですか?」
「お金だよ。正確には募金といって簡単に言うと、飢えで困っている人や、病気を治す為の費用として役立っているんだ。
それを自分達みたいな通りすがりの人が、善意があればあの箱の中にお金を入れているんだよ」
コンルが疑問を投げ付けた。
「この時代の人はその箱の中にお金を入れてくれるものなのですか?」
「・・・どうだろう。まあ気持ちで入れていると思うし、見て見ぬふりをする人もいるよ」
「そうですか・・・」
コンルが残念そうに顔を曇らせた。
(大金の使い道、決まったな。元々ここには存在しない他人の強運で手に入れたお金。ここで使うのも悪くない)
意を決意したように、募金活動をしている人に向かって歩き始めた。歩く途中で1万円だけ抜き取る。神様、コンル様。せめて食費だけはお許し下さい。
一万円だけ財布に挟んだ後、募金活動をしていた女性の前にご祝儀袋を差し出した。
何事か分からず、ユウキの顔を見上げる女性。少し遅れてコンルもやってくる。
「それ、全部寄付します。ちなみにその中には49万円入ってますのでどうか少しでも役立てていただければ」

152 :
(ユウキさん、凄く勇ましいと思ったのですが・・・数字で例えると「49の男らしさと1の金銭の誘惑」に負けましたね)
あえて、嫌味もこぼさず黙って見守るコンル。元々誕生日の贈り物であげているので嫌味を言う事自体間違えていると思ったからだ。
そのかわり、わざとらしく白い息を吐いた。はっきりと人の目に映るくらい白い息を。
募金の女性達は普段ありえない大金に最初は驚いたが感謝の気持ちを込めて頭を下げる。
中には49万の大金を寄付してくれた男性に感激して、しくしくと泣き出す女性もいた。
お礼に手ごろな赤い羽根を二枚受け取る。その場を後にしてバイクの置いてある所に歩き出す。
バイクの前でコンルを呼び寄せる。何事か分からず、ユウキの元に近付く。そっとユウキが赤い羽根を取り出した。
「折角だから、胸に付けてあげるよ。元々これはそういう飾りみたいなものだから。取り敢えず動かないでね」
そっとコンルの胸ポケット部分を軽く掴み針を通し、軽い調整をしてから出来たよと伝える。
「似合いますか?」
少しだけ上着を寄せながら羽をまじまじと眺めている。羽のさらさらした部分を楽しそうに触れている。
「ああ、似合ってるよ」

153 :
「ふふ、有難うございます。じゃあ、私もユウキさんに付けてあげますね。先程の羽を下さい」
自分から手を差し出してきたコンルにもう一枚の羽を手渡す。
(何か照れるなあ・・・)
コンルも同じ様にユウキの右胸に針をそのまま・・・
突き刺した!!!
その瞬間、ユウキの衣服を貫通し直接、胸へと針が数ミリ程刺さったのである。
それは腕に注射を刺し、中々抜き取って貰えない様な状況であった。
脳に痛みを伝え、体がそれを認識し、悲鳴を上げるようにと命令される。
「痛ってええええええええっ!!!」
「きゃああああっ???ユウキさん?」
情けない青年の悲鳴と同時に思わず、コンルまで悲鳴を上げる。コンルが全ての原因に気付いたのはユウキが数秒うずくまり、
ユウキが「頼むコンル!今すぐ羽を取ってくれ」と訴え、
自分の羽を抜き取り「馬鹿!自分のじゃなくて俺の羽だよ!」とユウキに注意を受け、
あたふたと慌てながら「ユウキさん御免なさい。ちょっと待って下さい」ともう一度自分の胸に赤い羽根を慎重に通し(この時にようやく自分が羽を突き刺したからユウキが悲鳴を上げた事に気付く)
終わってからユウキの羽を抜き取る瞬間までであった。
(こ、今回で俺はこの人に二度されそうになったぞ・・・)
三度目は起こりませんようにと必で目の前の精霊にではなく神に祈るユウキであった。

154 :
以上です。それでは失礼します。

155 :
hosyu

156 :
保守代わりにこっちにも陸捨肆氏の作品投下して欲しいな……

157 :
今はどこに投下してるの?

158 :
誘導
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1172931061/

159 :
d
規制にひっかかってレス遅れスマソ

160 :
>>158
こっちにもって、ここには陸捨肆さんの作品ないけど

161 :
あげ

162 :
サムスピっていったら和月

163 :
神様達急にこなくなっちゃった…

164 :
閃の情報早く出て来いあげ
>162
零時代、和月がデザインしたのミナじゃねーかって推測があってな

165 :
和月はセクシー系描けないだろ

166 :
っ尖角

167 :
今はどうか知らんが、当時は女キャラのエロ衣装にはとんと無縁の男だったからなぁ<和月
自キャラの水着シーン描くのすら恥ずかしがるような御仁だから
さらに性的なミナのコスチュームなんてデザインできるとは思いにくいなw

168 :
ほしゅ

169 :
もうエロだけじゃなくてもよくね?

170 :
ほす

171 :
妊娠ネタで短いの書いてます
反面と色にしようかと思ってるんだけど
他に希望カプあります?

172 :
んじゃあガルとナコとかキボンヌ

173 :
>>172
剣サムパピーEDのシチュで俺も便乗キボンヌ

174 :
わしもそれ見たい

175 :
>>171
そのまま色で書いてくれよこんちくしょう!!

176 :
色のSSがないのはいただけんな

177 :
覇王丸がシャルロットを選ばなかったわけが分からん
おかげで生涯処女でいれたけどさ・・・

178 :
3Dのサムスピが3作品のうち1作もPS2に移植されないな

179 :
一番下だよ

180 :
ナコルルの陵辱エロって、需要ないですか…?

181 :
いや普通にあるんじゃない?
俺は凌辱は好きです
でもガルナコはもっと好きです なだけだが

182 :
陸捨肆様を裸で待ち続けたら風邪ひいたっぽい。
僕を暖めてリムルル。

183 :
シャルロット好きなんだが、全然人気無いんだな

184 :
俺の中ではぶっちぎりで最萌だからいいよ

185 :
サムスピ閃ロケテに、いろはどころかミナもレラもリムも閑丸も出てなかった記念age

チクショウ!!

186 :
閑丸は四度もポリサムに出られん宿命か…。

187 :
だが鈴姫はかなりイケそうじゃないか
アンジェリカは微妙

188 :
アンジェリカって色黒にした色って感じがしてならない。
鈴姫はそこまでインパクトは強くないが、無難に可愛いと思った。

189 :
ゲーム内で堂々とシャルロットのパンチラが拝める時代が来たぜ。
鈴姫もパンチラありらしいが、ナコルルはズボンだからな…

190 :
鈴姫を見てカプコンファイティングジャムの
イングリッドを思い出した俺…
イラスト描いたのは森気楼だけど、
元々は北千里キャラだし。

191 :
閃は誰がでるんすか?
ロケテ行った人、教えてくらさい。

192 :
>177
剣サムのED見る限り、二人の間に何もなかったなんて
  あ り え な い 。
愛人でいいじゃん

193 :
まだイケないのに・・・

194 :
hosyu

195 :
保守

196 :
ho

197 :
ho

198 :
保守

199 :


200 :
リムしずに未来はないよね・・・

201 :
それはもう諦めた方がいいかもしれんぞ。
閑丸があまり出てきてない上に、リムルルがねえ様命だからな。絡みも何もあったもんじゃない。
そもそもこの二人が出てからもう数年も経つのに、話すらしてないのが現状だからな…
新作にも閑丸は出なさそうだし。
もうこの際、壬無月詩織が閑丸の相手でいいよ。同じ鬼を飼う者同士ってことで。

202 :
>>200
だからココがあるんじゃないか

203 :
あげ

204 :
え、詩織が斬紅郎の娘だからって即鬼飼いですか
公式にそんな設定ないってか意識もされなさそうだなー
剣までは名前しか存在なかたし。
しかしリム閑といえば斬天の頃は単に年が近しいだけで
あちこちでカプされてたが冷静に考えたら201の言うとおりなんだな
公式じゃ斬のときポスターにいっしょに書いたりしといて
天になるとリム閑それぞれの好みのタイプをなんとか一致させないように
してたりとか妙に掌返してたような気がするがw

205 :
>>204
斬紅郎の娘だからじゃなく、元々水無月一族は生まれながらにして鬼を飼うらしいよ。
折り合いは自分でつけろって、斬紅郎が閑丸に言ってた。
まあ剣での話だから、多分後付けだと思うけど…そうじゃなきゃ色々と大変そうだし。

そういやリムって斬ではそこまで姉様言ってなかったけど天で酷くなったな。
蒼紅あたりでは姉様とずっと一緒〜みたいな歌を歌ってたし。
そう考えると、SNKは閑丸とリムをくっつけたくなかったのかもね。

206 :
ヲタ向け仕様にしたんだな。

207 :
その結果リムルルは目も当てられないロリに堕落したと。
閃はちっとはマシみたいだけど。
閑丸リムルルでググると一応SS出てくるのな
しかしあすこは個人的に文章が受け付けないし
進展遅いしでちょっとなあ
このスレで神が出てきてくれぬものか

208 :
サム閃の公式ページ初めてみた
鈴姫の好みのタイプ
:美形で優しくて、つおい人
これって誰なんじゃろ?
まさかガルフォードさんじゃないよな?

209 :
前二つには該当してるけど最後の条件がちょっと……

210 :
初代はともかく、最近の作品では強くなってると言えなくもない。
猛千代と鈴姫がカプなのかと思ったら、どうも猛千代は妹と鈴姫を重ねてるっぽいな。

211 :
きっとガルフォードさんだよ!
そしてなんだかよくわからないけれど、モヤモヤした気持ち(嫉妬)に悩む
ナコルルが見られるわけですね!わかります。

212 :
いつのまにかナコルルは20歳になってたんだな

213 :
ガルナコマダー?(AA略

214 :
鈴姫見てると某魔法少女のフェイトさん
連想する俺はもう駄目だ

215 :
鈴姫はどう見ても、ガル好みのヤマトナデシコからは程遠いわけで…
あまりにも慎みがなさ過ぎるからな。
でも>>211の展開は見てみたくもある。
しかし今回のナコルルは、好きなタイプを考えないナコルルなので
ガルナコには期待しない。

216 :
>>215
ガルナコ期待しないなんて・・・
なんのためにサムスピ待ってるか
わかんなくなるZO!!!

217 :
キリアンとシャルロットにも大いに期待してる。
キリアン危険でいいよキリアン

218 :
>>207
俺はリム閑といえば学校パロをやってたSSサイトが好きだった。
SSの量と質でいえばかなりいい部類だったと思う。
たしかサイト名が「少年少女」だったか「少女少年」だったと思うんだが
誰か消息知ってる人いる?

219 :
ほしゅあげ

220 :
>>216
ガルナコってリム閑以上にSNK側が黒歴史にしたがってるようにしか見えないんだけど
いつ頃からこんな感じになってしまったんだろう
単体でアイドル化をプッシュしだしてあの変なナコルルゲームが出たくらいから?
コブつきだとギャルゲー路線とは噛み合わんだろうしなぁ

221 :
>>218
残念ながら閉鎖したよ
Wayback探してまだあったような無かったような

222 :
その割に天下一では今更になってナコの方からアプローチさせてるしなあ・・・
ワケワカンネ

223 :
閃ではナコルルは二十歳か…天下一のことを考えると
もうガルの子を妊娠出産しててもおかしくないな

224 :
>>222
しかもガルがそれを振るときた。どうなってんだよって話だ。
でも、DOMとかみても、製作側は本当はヤンタムゥをプッシュしたかったんだろうなと思う。
だもんで、自分は本当にガルナコに期待するのはやめたよ。
閃サムでは、キリアン×シャルロットに期待してる。危険な男wktk

225 :
ヤンタムゥは…マジで勘弁して下さい…orz
ガルナコに期待する。

226 :
【中国】スター三人、無修正写真流出「セックス?スキャンダル」
02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[?思慧]-37P-
http://av.idol-photo.com/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_2.shtml
http://av.idol-photo.com/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_1.shtml
http://av.idol-photo.com/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63187.shtml
02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[梁雨恩]-40P-
http://av.idol-photo.com/page97.php?tid=13/2008-2-9/63186_2.shtml
02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[??思]-10P-
http://av.idol-photo.com/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63185.shtml

227 :
ここってガルナコスキーなヒト結構いるのか?

228 :
それが為にここを覗いてるようなものさ

229 :
俺もそうだな

230 :
火月のストーリーを見る限り、閃は天草の後のようだな

231 :
圭殿も結婚してるしな。
>>224
ガルストーリー以外はカップル成立してるのばっかりだから
ガルストーリーはポリのお返しみたいなのかもしれん。

232 :
ナコの設定年齢に矛盾が生じてしまったな
真→18歳 閃→20歳
歴史の流れとしては恐らく閃→真

233 :
>>232
何で矛盾?
閃は真というかポリの後だぞ。
圭殿が結婚してたり蒼月に頭領就任の話が来てたり
火月と葉月が同居中ってあたりから確定してるよ。

234 :
まあ矛盾と言えば新章のナコリムがどうあがいても成立しない所かw

235 :
>>233
総合ストーリーの発表がまだだからポリの前か後かわからなんな

236 :
>>235
総合ストーリー、公式サイトではまだだけど雑誌では出てなかったっけ?
なんで閃がポリより前だと思いたいのかわからないけど、
現在でているキャラストーリーや、ナコルルどころか他のキャラ全員の年齢から考えて
閃がポリ以前だったらびっくりだよw

237 :
とは言え、>>232の言うように年齢の矛盾があるからそこのところは何とかしないのかな?

238 :
>>237
どこがどう矛盾なのかがわからないんだけど……
ナコルルは1771年生まれで、真は1789年で18歳、
閃は状況証拠から1791年だから20歳で問題なしだと思ってたんだが、
何か見落としてる?
閃が1791年じゃないと言い出したら、他のキャラも軒並み間違ってることになるよ?
閃ではリム17歳、ガル23歳なんだし。
>>234の言うようにナコ聖霊化は?という意味なら矛盾だけど
>>232はそういう意味じゃないっぽいしなぁ。

239 :
風間兄×葉月が読みたい

240 :
誰もいない…

241 :
かつては結構賑わったのだがな。いちおう4代目だしな、このスレも。

242 :
まあとりあえず閃が稼動してからだな

243 :
夢路はもう期待できないですなぁ…残念

244 :
昨日閃やってきた、鈴姫かわいいな

245 :
でも閃ってストーリーが・・・
ガルフォードとかさ、ナコルルとの絡みすらないような

246 :
今回は全体ストーリーがないんやね。
一人一人が主役ってことか…

247 :
とりあえずガルナコスキーとしては
蒼紅は無かったことになった方が都合が良いw

248 :
>>247
だからまだそこに辿り着いてねぇんだって
蒼紅はすべてのサムスピのおよそ20年後の話なんだから

249 :
だーから閃じゃナコの聖霊化とリムの氷付けが成立しねぇんだよ
姉妹の非人間化はアスラ直後の設定だろ
閃はアスラの翌年だか2年後だかで
ナコ20歳リム17歳になってんだから

250 :
閃はいらない子。
零キャラ消して悠紀編を無かったことに。
でもプロフィールは零のやつで、蒼紅どころか全SNKシリーズ無かったことに。
ゲーム的にも微妙。
でも鈴姫はいる子。

251 :
鈴姫なー
好きな人にゃ悪いが自分はあまり
つか猛千代と鈴姫、
ヤンキーと高飛車娘って組み合わせはサムスピ的には新しいと言えるが
個人的に萌えの範囲外

252 :
おまえの萌えなんぞ知ったこっちゃねぇ

253 :
まあまあ
とんがってないで閃のエロパロでもageて
スレを活性化させてみては?



書けねえんだろ?
無能がwww

254 :
>>253
まず隗より始めよ

255 :
ここでも吉野凛花はいないか……

256 :
吉野凛花てな誰じゃな?

257 :
凛花スキーには悪いけど
『蒼紅の刃』はガルナコスキー的に要らない子

258 :
ナコりものと並ぶ2大黒歴史だな。
まあナコりものは、代わりにガルがマナリをいただけば万事解決だけど。

259 :
待ってくれ!
むしろそのままマナリとヤンタムゥがくっつけば良いだけじゃないか!?
あれさぁ、マナリが可哀相すぎるよね…

260 :
武士道列伝はまだですか?

261 :
ガルナコの流れぶった斬って風間投下↓
気が向いたら続き書きます。
多分蒼月が葉月にあんなことやこんなこryなので
兄妹ネタ嫌いな人スルー。
あと空気読まず天下一剣客伝後
だって近場のゲーセン閃入荷しないんだw

262 :

ある日のことだった。葉月は兄の着物を繕っていた。任務ですぐにボロボロになってしまうのでそのサイクルは非常に短い。
特に赤い着物の持ち主はよく着物をボロボロにして帰ってくる。葉月は破れたところを縫いつけながら微笑んだ。当の本人は
現在、用事で出かけていていない。傍らに置かれている白い着物の持ち主もだ。こちらは損傷が少ない。性格がモロに出てし
まっている着物を見比べ、葉月は再び微笑を浮かべた。
「葉月」
急に名を呼ばれて吃驚した葉月が振り向くと、白い着物の持ち主。すなわち長兄の蒼月が立っていた。どうも早く帰ってきた
らしい。
「蒼月兄さん、早かったのね。火月兄さんは今日中に戻るって言ってたけれど、まだ帰ってこないの。」
針を動かしながら葉月は言う。その手を見て蒼月はなにやら不思議な気持ちになる。彼女が縫っているのは自分の物ではなく、
弟の物だ。しかも自分の着物はまだで傍らに放り出されている。何故だかは分からないが、それを見たとき彼はイライラした。
自分らしくはないと思ってみたものの、正直弟には常日頃から多少の嫉妬心がある。手合わせに勝ってはいるものの、内に秘
められた力が恐ろしく、また疎ましい。そして何よりも直球的に妹に対して愛情を示す彼に対して自分は冷めた態度で、且つ
遠回しにしか愛情が表現できない。もしかしたらイライラの原因としては、後者の方が勝っているのかもしれない。自分より
火月にべったりなのはあからさまに分かることだ。
「今日の御夕飯、どうしようかなあ。火月兄さんは牡丹鍋がいいって言ったけど、猪捕ってこれるか分からないもんね。」
無防備な背中。高度な任務には到底つけない。葉月は人がいいから警戒心が薄い。この前炎邪に攫われたのもそれが原因だ。
ましてや自分の兄弟に警戒など決してしないだろう。例えそれが邪な心を持ったとしても彼女は人を信じている。
「ねえ、蒼月兄さんはどう思う?」
葉月がこちらを振り向いた瞬間、無邪気なその顔を見た途端、彼の中で何かが動いた。そして突然、葉月を抱きしめた。通常
の彼の態度からすればありえないことである。火月なら大いにありうるかもしれないが。
「そ…蒼月兄さん?!…どうしたの…?!」
あらぬ事態に葉月は動揺し、狼狽する。当然のことといえよう。そんな葉月に冷たい笑いを浮かべながら彼は言葉を発した。
「葉月、そういえば貴女にまだ付けていない修行がありましたね。」
「え…?」
葉月の目が驚きで大きく見開かれた。

さあ、あとはイノシ課長頼んだぞ。


263 :
wktk

264 :

↓続きできたんで投下。表現下手でサーセン。

「あの…蒼月兄さん、修行って私、たいがいのことはもう教えてもらったけれども…?」
どこまでも彼女は無邪気なようだ。しかし、目が泳いでいるあたり薄々感じているらしい。そこは流石にくの一といった
ところであろうか。蒼月も火月も顔立ちは悪くない(むしろ蒼月はかなりいい方だろう)ためにそういった関連で朝に帰っ
て来る日が度々あったため、葉月もなんとなく、それは理解してたのだが、自分がそのような任務に就くことは想像してい
なかったし、そのための修行をするなど頭に浮かんだことが無かったのである。もっともそれは兄達がそうしないように葉
月を庇っていたからだし、葉月は魔を封じる力があるために、そちらの任務に集中するよう月心斎から言われていたからで
ある。
「物わかりが悪いですね。わざわざ言わなければわからないのですか?」
「そっそれは、その……」
葉月の顔がうつむいてみるみるうちに赤くなる。
「それに、兄さんとだなんて……」
「おや、知りませんでしたねえ。葉月に好きな男がいるだなんて、初耳ですよ。じゃあその人に頼みましょうか。」
「ちっ違うよ!だって……」
「ならどうしてです?よく分からない男とそうしたいのですか?それとも私でなくて火月が良いのですか?」
そこまで言うと葉月の顔が一瞬さらに赤くなり、手を後ろにしてモジモジしはじめる。やはり葉月をからかうのはやめられ
ない。我ながら悪い兄であると思うが、楽しい。
「ちょっと、何でそこで火月兄さんが出てくるの?!」
「だって葉月は私より火月にばかり懐いているじゃありませんか。」
「それは火月兄さんの方が世話がかかるもの。蒼月兄さんは傷だらけになったたり、着物破いて帰ってきたりしないし…」
「では私でも構わないと思うのですが。そうですか、他の人がいいんですね、葉月は。」
「そうじゃなくて!それとこれとは違う…って…きゃっ!」
葉月の背中が床に着いた。目の前に自分の兄の目が移っている。その目がこんなに冷たい目だとは思わなかった。
(他の男になんか、葉月の相手はさせませんよ。)
蒼月は口元は微笑んではいるが、目はギラギラと冷たく光っていた。葉月はそんな顔を戦闘でしか見たことがなかった。
怖い、とそう感じてしまう。
「…ねえ…蒼月兄さん、やっぱり私にはまだ早いよ…やめようよ…ねえってば。」
弱々しく葉月は講義するものの、蒼月は手早く葉月を襦袢一枚に仕立て上げた。年頃の娘らしく膨らんだ胸と引き締まった
細い腰と白い肌が翡翠色の髪に映えて美しい。やはり他の男にやるには非常にもったいない。
「何を今更言っているのです。同じ年頃の子はみな済ませているというのに。」
「…だって、怖いし、恥ずかしいよう…それに火月兄さんが帰ってきたらどうするの……」
「ではその時は火月にも手伝ってもらいましょうか。」
「えええっ!そんな、そんなのやだよっ!」
顔を真っ赤にして葉月は抵抗したものの、すでに襦袢の紐も緩められており、もう後には戻れない。蒼月はフッと自嘲的な
笑いを一瞬浮かべた後、葉月の襦袢の隙間から手を差し入れた。
「うわあっ!」
「手を入れただけでそんなに大声を上げないでくれませんか、葉月。先が思いやられます。」
「じゃあ今すぐやめてってば……きゃあっ!うむ…むぐ…」
葉月の口が蒼月の手によって封じられた。必でもがく葉月だったが、蒼月の手はびくともしない。
「全く、触れただけで…少しは我慢しなさい、葉月。外まで聞こえるじゃありませんか。」
そのままゆるゆると揉んでやると、葉月の真っ赤で熱をもった頬がいっそう熱くなっていくのを手越しに感じる。


265 :
これは良いよくやった!

266 :
しばし待て

267 :
ほゆ

268 :
燃ゆ

269 :
保守

270 :
ガルナコ分が足りなくなってきた。誰か頼む!

271 :
保守

272 :
「なんだかとっても遅くなってしまったけど、ナコルル誕生日おめでとう!」
初めはキョトンとした表情が理解した瞬間、パァッと華やぐ。
「覚えていてくれたのですねガルフォードさん。」

273 :
ささいな会話でも萌えた
>>272 GJ

274 :
保守

275 :
「もうすぐ朝ごはんできますから、待ってて下さいね。」
そう言うとナコルルはまな板の方に向き直り、手にした包丁で食材を刻み始める。
「〜♪♪」
ガルフォードからかけられた言葉が余程嬉しかったのか、ナコルルは軽く鼻歌を歌いつつリズミカルにゆらゆらと身体を動かしている。
ナコルルが身体を動かすと、身に着けている調理用前掛けの後ろで結んだ紐が左右にゆらゆらと揺れて、それをガルフォードは猫じゃらしを見つめる猫のような眼差しで少し離れた食卓から惚けたように目で追っていた。
ゆらゆら、ゆらゆら。
紐のその先にはナコのお尻。
ゆらゆら、ゆらゆら。
瞬間、
ガルフォードは今までのニンジャ修行の成果を全て出し切るかのような動きで、楽しそうに料理を作るナコルルの背後に音も無く立っていた。

276 :
「〜♪♪」
がばッ!
「!?ひゃあッ!?」
後ろからナコルルのことをギュッと抱きしめる。
「なななななな…っふむ!」
驚いて振り返ろうとした彼女の唇をマウスツーマウスでふさぐ。
「むー!むー!」
これからの行為を考えるとあらゆる意味で一番のネックになるであろう包丁を、彼女の唇をふさいだまま冷静にそっとその手から取って安全な場所に置く。
ナコルルはよく、大きく開いた袖口をした衣装を身につけている。そこから時折見えるワキとか、ガルフォードはもぬすごく好きだった。今回はそこから手を差し入れて乳房を触る。
「やっ!ダメッ!」
彼女はそれにもまた驚いて、慌てて唇を離して抵抗しようと身をよじる。
「好きだよナコ」
耳元でそう囁くと、そのまま耳を甘噛みする。
「やぁ…ダメェ!」
首筋をゆっくりと舐める。
「ん…」
ふるふると腕の中で震えて少しずつ抵抗が弱くなってゆく。

277 :
今度は両の手でナコルルの乳房を服の上から揉んでいく。その間ナコルルは恥ずかしそうにうつむいている。
「ナコ」と声をかけると潤んだ瞳をこちらに向けてくれた。接吻への初動をとるとナコも了解したのかそうしやすくなるよう顔を向けてくれる。
「ん…」
ナコルルの乳房を手の中で弄びながらバードキスを繰り返し、やがて口の中に舌を入れていく。彼女の舌がそれを避けるように逃げていくが、そちらには気にせず口内を舐めていく。
綺麗に並んだ歯、歯ぐき、やがて逃げ惑っていた舌を捕まえて強く吸ったりする。
「ふむ!」とナコルルが大きく脱力する。
そうして片方の手を、ナコルルの身体の中心へと滑り込ませる。
ナコルルの身体の中心を触れるか触れないかの瞬間、後ろから抱きすくめられていたはずのナコルルが一気に身を翻し、「あっ」という間にガルフォードの喉元に冷たい感触が走る。
手にしたチチウシを喉元に当てられているのだとガルフォードは気づいた。散々身体をまさぐっておいて一体どこに隠し持っていたのか皆目見当もつかない。
ナコルルは先程までの上気した頬や潤んだ瞳、時折上げていた愛らしい声など微塵も感じさせずに、その目は真っ直ぐにガルフォードを見ていた。その瞳の中には冷たい光が宿っている。
「ガルフォードさん。」
「はい。」
「レラにも、同じ事言って、同じようなこと、したでしょ?」
「…。」
「私、知ってるんですからね。」
「…はい。」
「彼女や、私の気持ちを弄ぶようなことばかりしないで下さい。」
「だって…二人とも好きなんだもん…。」
「大自然のおしおきです!」
「ノオオオオォォォォォウウウゥゥッ!!」

278 :
ナコ怖いよナコ((((゚Д゚; ))))

279 :
あるぇ〜?
すっごくかわゆく書いたはずなんだw

280 :
これは可愛い。言葉様的な意味で。

281 :
h

282 :
女体乱舞の方々は需要無いんだろうか?
折角の新婚さんだのに

283 :


284 :
「勝負あり!」
その声が響いた瞬間、三人は地面に苦悶の表情を浮かべながら地面に倒れこんだ…。
■妖怪腐れ外道という妖怪を相手に、3人1組でチームを組み、ルール無しの一本勝負。
 参加年齢や性別は不問。誰でもどこでも自由に駿府城内南広場に来たら参加可能。
 勝利の暁には、好きな望みを一つだけ叶えられる勾玉が授与されるのであった。
 ただし、負けてしまうと外道に好き勝手にされてしまうという条件つき。
 食われても文句は言えない。が、3人なら勝てるという油断が……
〜これぞ最近巷で話題になっている名物、外道狩り一本勝負である〜
ことの始まりは昨日の事だった。
-----
閑丸「ありがとう…今日も泊めてくれて…」
リム「えへへ、いいのです!だっていつも一人で寂しそうにしてるもん!」
ナコ「お家への帰り道がわからないんでしょ?ずっと泊まっていてもいいのよ」
閑丸「本当に…ありがとうございます…」
そう、閑丸と呼ばれた色白の幼い少年…。
彼には記憶喪失のクセがあり、年に1度ほどのペース記憶がとんでしまうのだという。
どうやら最近、家までの帰り道がわからなくなり、ナコリムの家に現在居候中なのだ。
レラ(←何故か一緒にいる)「……ねえ」
ナコ「なんですか?レラさん」
レラ「…その男の子に、これ…どうかしら…」
閑丸「えっ?」

285 :
レラが取り出した巻物には「外道狩り一本勝負概要」と書かれていた。
閑丸「なになに…3人1組となって、戦うんだ…けど僕は戦いなんて……」
レラ「…よく見てみなさい。賞与を…」
リム「わっ!何でも一つだけ好きな願いが叶う勾玉がもらえるの!?ほしいほしい!」
ナコ「それじゃ、閑丸くんの記憶を戻して、家への帰り道を思い出させる事だって…!?」
レラ「…ええ。私が言いたかったのは、それ…」
リム「外道は苦手だけど、閑丸くんのためだ!大自然のおっしおきだぁ〜!!」
レラ「気をつけてね。それじゃ、私は観戦しておくわ…ふふっ…」
ナコ「で、でも誰が…?」
レラ「実はもう申し込んでおいたの。あなたにリムルル、閑丸の三人ってね…」
ナコ「は…はぁ…」
レラ「さあ、わかったらさっさと駿府城内南広場へ向かいなさい!」
-----
三人なら勝てる。それは甘かった。
外道は反確には10割獲物狩りを決めてくるなど、もはや全一以上の強敵だったのだ。
今やその三人は、外道の前にダウンしているのである。
外道「うひっ♪みんなうまぞうだあ…」
三人には余力はもう残っておらず、ひざで立つことすらままならぬ状態だ。
色白の男の子、同じく幼い女の子、そして一人だけ年頃の若い娘。
外道にとってはどれもご馳走に見えて仕方がなかった。
三人とも、その綺麗な肌を露出させているのである。
外道「うひ♪」
狙いを定める外道。しかし、意外な行動に出た。
悪霊呼びである。発生こそ遅いものの、ガード不能で相手の動きを封じる技だ。
外道はその技を使い、悪霊を地面から召喚した。力尽きた三人は、悪霊につかまる。
閑丸「…ぁあ…っ……や、やめて…そんなとこ…あ…んっ…」
リム「ひゃっ!? ね、ねえさま…助け…やだよ〜!!」
ナコ「ああん…リムルル、ごめんね…私がレラさんを止めておけば…」
外道「うひ♪」
悪霊に身体中まとわりつかれた三人。
外道は笑みを浮かべ、じわじわと近寄っていくのだった…!

286 :
おわりかい

287 :
もっと!

288 :
保守

289 :
ラキキキ…

290 :
保守

291 :
保守

292 :
まだ生きていたのか

293 :
ラキキキ…

294 :
ではわしが投稿
紫ナコルルネタ
スト3の3rdのQのエンディングの方々も友情出演

295 :
『戮女神』
 「ううっ…」
 赤いリボンをした少女が切り裂かれた。切り裂かれた所から少女は煙のよう
におぼろげになっていき、消えた。
 「か、勝った…。」
 切り裂いた方の少女が緊張を解いた。
 (さてと、まだ優しい所があるあの子に代わってちょっと過激に頑張ろうか
。あの子が復活してまたわたしがやられる前に。)
 ドイツ屈指の自動車会社「フェルディナンド」本社で、ヘルムートは残業し
ていた。バブル崩壊が日本の自動車会社に与えた損害は想像以上に少なかった
。それどころか新型エンジンの開発も各社で競い合って急速に進めていると言
う。弱点だった乗員保護も改善しつつある。
 (油断できん。)
 ヘルムートは深呼吸をしてまた机に向かった。画期的な新工場建設の指揮が
ヘルムートの担当だった。稼動すれば新型車を既存の工場より高効率で生産で
きる様になる。失敗すれば「フェルディナンド」社の計画に大きな影響が出る
のは間違いない。重責と多忙で心身ともに疲労していた。
 またヘルムートが一息ついた。もう室内には誰もいない様だ。席を立って背
伸びをした。その時意外なものが目にうつった。
 少女がいる。それも、扇情的な衣装でいる。ありえない事だった。ヘルムー
トは自分でも驚くほど冷静な対応をした。
 「お嬢さん、どこから入ったか知らんが一緒に保安課まで来てもらうよ。」
 だが少女は動かなかった。無視して仕事に戻るにも、職場を引っ掻き回され
てはたまらない。ヘルムートは少女に近づいた。どうやら東アジアの人間のよ
うだ。肌はやや黒い。見た目の幼さとまるで娼婦の様な衣装は不釣合いだった
。近づいたヘルムートに少女が笑いかけた。足が止まった。まるで脳を直接い
じくられるような刺激的な笑みだった。
 「あの、お嬢さん、よく聞いてくれ。」
 「おじさん、おつかれさま。おじさん頑張ってるんでしょ。わたしおじさん
にご褒美あげる。」
 何かと思って困ったヘルムートに少女が近づいてヘルムートの足元にかがみ
こんだ。ズボンのジッパーを器用に下ろして肉茎を取り出した。

296 :
『戮女神』 (続き)
 「おおっ。」
 ヘルムートは驚いた。だが、手が出なかった。驚いてる間に少女は取り出し
たそれをやわらかく手で包む。優しい手だった。それが包みながら前後した。
 「うっ、おお…。」
 肉茎が立ち上がってきた。少女が片方の手で睾丸をさする。さすって軽くも
み、くすぐる。また軽くこする。
 「お、お嬢さん!!」
 優しい手だった。肉茎を包んで上下していた手が、肉茎の先端に軽く触れる
。触れて、離れて、また触れる。ヘルムートの心臓はマラソンの鼓動を打って
いる。
 ヘルムートは信じられなかった。目の前の少女はまさに純粋無垢と言う言葉
が似合う。少なくとも見た目はそうだった。だが、快楽の技術は大人顔負けだ
った。少なくとも、妻には決して負けない。若い頃遊んだ娼婦と比べても劣る
ところが見当たらない。人間離れしていると言った方がいい。
 「おじさん、気持ちよさそうだね。」
 ヘルムートの中に一つの疑念が浮かび上がってきた。この少女は生身の人間
なのだろうか。そもそも仕事に没頭していたとは言え気配も無く部屋に入って
きたのだ。明らかに部外者の彼女がここまで来れたのも尋常ではない。そして
この技量だ。おまけに、ドイツ語の流暢な事と言ったら教師並みだ。
 「おじさん、何考えてるの?もっと楽にして。」
 また少女が笑いかけてくる。まるで見透かされているようだ。汗が垂れた。
冷や汗が雫となって落ちるより先に、少女が息を肉茎に吹きかけた。
 「うおおっ。」
 これほどまでに興奮しながら、何故かヘルムートは少女を押し倒すと言う発
想が無かった。ただ、少女に為されるがままだった。
 「おじさん、横になってくれる?」
 少女が笑いかけながら指でヘルムートの机を指し示した。ヘルムートが机の
上に仰向けに寝た。その上に、少女が馬乗りになった。
 「あのね、わたしこれから、おじさんに一番で、最後のご褒美あげるの。だ
から、ちょっと目を閉じていてもらえるとうれしいな。」
 少女はヘルムートに顔を近づけて言った。軽く、少女の吐息が顔にかかる。
ヘルムートは待ち遠しくてたまらなさそうに顔を輝かせてうなずいて目を閉じ
た。もはや、ヘルムートの中に浮かんだ疑念は欠片もなくなっていた。

297 :
『戮女神』 (続き)
 「おじさん、もう目を開けていいよ。」
 ヘルムートの前に、少女が馬乗りになっている。少女の衣装が変わっていた。
極東の着物のような物に変わっていた。髪に紫色をしたリボンをつけている。少
女が馬乗りになっている位置は、性交するには、あまりにも上だ。手には、短刀
が握られている。顔は、冷酷に、笑っていた。
 「いくよおじさん。」
 少女が振りかぶり、勢いよく短刀を振り下ろした。狙いをたがわず、短刀は骨
の隙間を通ってヘルムートの胸に深々と刺さった。
 「自然の怒りを受けなさい。」
 「被害者はドイツの自動車メーカー社員。新工場の計画を担当していました
が書類は血まみれ、パソコンも使い物になりません。」
 「後、何件あるのデイビッド?」
 「後35件だ。昨日の時点でなジュリアン。この後に続く被害者も工業会社
、観光産業の観光地開発、不動産会社の住宅地やマンション建設、建設会社、土木
会社、大規模農場経営者、油田採掘業者と共通して環境保護団体の抗議の対象と
なり得る仕事に関わっていました。」
 「推定犯行時刻と犯行現場を見ると、とても移動にプロペラ機を使っているよ
うには見えないわね。垂直離着陸のブラックバードでも持ってるのかしら。」
 「犯人は体の検分から推測される凶器と体格から見て間違いなく同一人物か
。時間当たりの件数と予想される目的から見て放置できんな。ご苦労だった。」
 デイビッド達は部屋を後にした。だがデイビッド達の上司は解明されるとは期
待していなかった。ファイルを見る。そこには今回の事件と酷似した報告が記載
されている。同じような報告は過去に何度も何度もあったようだ。だがどれもこ
れも大勢を害した後まるで「心変わり」したかのように事件は途絶えたとされ
る。それからまた再発する。
 「二つの心か。」
 上司はつぶやいて帰宅しようとした。その時、気がついた。電気を消し忘れて
いたのだ。血相を変えて電気を消した。自分までされたらとてもかなわない。
 「オイ君達、今日からうちは臨時環境週間だ。裏を使っていい紙は積極的に
メモ帳にしろ!!水道の蛇口はきちんと開け閉めして用途も大事にしろ!!それと使
わない時は電灯や電化製品の電源を切っておけ!!」
(完)

298 :
紫ナコルルの髪の毛の長さはご想像にお任せします

299 :
ムラナコエロいよムラナコ…それ以上に怖いよ!w
何はともあれ乙

300 :
非エロほのぼの投稿します
女の子+子供+?と妖怪腐れ外道

301 :
 閑丸は風邪をひいて鼻がつまってしまいました。
 (なかなか治らないな…あれ?)
 風邪に困ってる閑丸が前を見ると、巨大な赤い小さい丘の様な何かが
デンと横たわっていました。
 (何だろう…。まさか、赤福かな。)
 そう思いながら閑丸は赤い何かに近づきました。どうやら餡子ではな
いようです。
 (何なんだろう。ちょっとつっついてみようかな。)
 閑丸は人差し指で赤い何かをツンツンとつっついてみました。
 (や、やわらかい。気持ちいいなあ。)
 「閑丸くん何してるの?」
 「あ、リムルルさん。これ触ると気持ちいいんですよ。」
 リムルルも風邪をうつされて鼻がつまっていました。リムルルも閑丸に
倣って赤いなにかを突っついてみました。
 「うわあ、気持ちいい。」
 「わたしは、チャンプルの手触りが一番だからいい。」
 「パクパクどうしたの?気持ちいいよ。」
 「不思議な物体ですね。確かに、楽しいですね。」
 「旦那様にもつっつかせてあげたい。」
 「リムルル、変な物を…わぁ…。」
 いつの間にか赤い大きな何かに大勢が近づいてつっついていました。
 「わたしも触らせてもらおうか。」
 シャルロットも来ましたが突っつける場所が無いので裏側に回ろうとし
ました。
 「うっ!」
 シャルロットが、まるで忠臣蔵で吉良邸の庭の壁を登ったら水壕を見つ
けたかのような、弓矢で狙撃されたような声を出して固まりました。我に
返ったシャルロットはそろりそろりと皆の突っついてる方に戻ってきまし
た。
 「ひそひそ…つまり…ひそひそ…静かに静かに…ひそひそ…遅れないよ
うに…ひそひそ…。」
 皆忍び足で慌てず急いで赤い何かから離れていって、遠くまで来ると走
って逃げていきました。
 ずいぶん時間が経って、赤い何かがビクっビクっと動きました。赤い何
かはゆっくりと回って、足で蹲踞しました。
 「あ゙あ゙あ゙あ゙、よ゙ぐ寝゙だな゙あ゙。」
(おしまい)

302 :
腐れ外道wなんてオチだよw
でも笑った、乙!

303 :
また非エロでもうしわけないが投稿
右京の追っかけと夢路と右京

304 :
 我旺の乱が終わってから一年が経った。黒河内夢路は今、旅に出ている。
 夢路は意を感じた。尋常ならざる意だった。あたり中からあちこ
ちから感じられて避けられそうにない。
 (まさか関係者の掃討?)
 夢路は密かに用意をした。意が、意の主がもう見えそうな所にく
る程近くなってきた。姿を現したのは、おおよそ荒事とは縁がなさそう
な女性ばかりだった。
 (何故こんな方々があんな意を?)
 意は一向に収まっていない。夢路は神経を研ぎ澄ました。その夢路
ですら対応できない速さで女達が縄を投げて、夢路の首に、手首に絡み
ついた。
 「くっ、何故、このような事を。」
 「あなたが右京様の寵愛を一身に受けている事位もうわかってるのよ。」
 「あなたみたいな男だか女だかわからない得体の知れない剣士は右京
様にふさわしくないの。」
 「あなたなんかに右京様は渡さない。」
 口々に女達が罵った。
 「ただじゃ済まさないわ。」
 「後悔なさい。」
 (一体どこで勘違いを…。それにしても、抜けられそうにない…。)
 夢路が観念した時、縄が一斉に断ち切られた。
 「右京殿!!」
 「右京様!!」
 風に吹かれて木の葉が舞うように右京が着地した。
 「そんな、右京様、そんな奴をかばって…。」
 「…。夢路殿は…、私の親友…。あなた方の想いは知っている…。だ
からこそ…、同じく慕う者を…傷つけないよう頼みたい…。」
 「あっ。」
 女達の手が開いて震えた。
 「私達、凄くひどい事を!!」
 「ごめんなさい夢路様!!」
 「許していただく為なら何でも!!」
 「いえ、解放してくださればもう結構です。」
 右京が安心して一息ついた

305 :
 (あんな事もあったな。)
 今右京は失意の中、恐山で目が覚めた。魔界の中心に咲くと言われる
本当の究極の花をとって来ようとしたが、ついにできなかった。
 (もう二度とこんな好機は来ないだろうな。圭殿を喜ばせるはずだった
が、無念。)
 とぼとぼと歩き出した右京は気がついた。
 (いない!!)
 いつも自分を追いかけていた彼女達が、どこにもいない。
 (まさか、んでしまったか、魔界に閉じ込められてしまったか。)
 圭殿を幸せに出来なかっただけでなく他の人々に取り返しのつかない不
幸を与えてしまった。右京の顔が一層暗く沈んだ。その時、右京の後ろの
方で何かが割れる派手な音がした。振り向くと、真っ黒な穴から女達がド
サドサと落ちてきた。あの自分を追いかけていた娘達だ。
 「右京様!!」「確かにとってきました!!」
 「究極の花です!!」「途中で怖くなったけど、最後まで頑張りました
!!」「どうぞ右京様!!」
 右京は隠す事無く苦笑していた。見ると、女達の手は傷だらけだった。
次いで花を見た。
 「あ…。カトレアだ…、これ…。究極の花じゃない…。」
 「そ、そんな。あんなに苦労したのに…!!」
 「ありがとう…。大変だっただろう…。」
 右京のねぎらいの言葉で女達は狂喜乱舞した。それを尻目に右京は花を
見つめていた。
 (究極の花の代わりに、何かいい贈り物は出来ないだろうか。) 
 (おしまい)

306 :
乙です

307 :
ガルナコ分が足りなくなってきた
誰か頼む…

308 :
おぉ!303乙!!
右京と夢路(女の子だと嬉しい)の組み合わせ好きなんだが、もう公式じゃないのかね…

309 :
自家発電するしかないのか

310 :
設定の説明無いし、かなりおいてけぼりな感じなだ

天下一武闘会が終わった。
決勝戦は覇王丸と殿様の対決となり、結局覇王丸の優勝となった。
自分が途中敗退してしまったのは口惜しいがまぁ、順当な結果だろうと思う。
それに子供の頃からずっと憧れていた服部半蔵その人と本気で戦り合えたことに、
優勝できなかった口惜しさよりも充足感を強く感じていた。

全ての戦いが終わった後、彼女は不思議な力を失っていた。

そのまますぐ故郷へ帰ると言う彼女に、一緒に着いていくことにした。
彼女の妹がそのことに対して不満を露にしていたが、ごまかしごまかし彼女らに着いていった。
自分でもなぜそう感じたのかよくわからないが、このまま彼女と別れてしまったら
もう一生会えなくなるのではないか、そんな不安があった。
だから彼女の妹が露骨に嫌そうな顔をしていても、無理にでも着いていこうとしたのだ。
そんな妹を彼女が優しくなだめているのが、無理に着いていこうとしている俺を彼女が肯定してくれ
ているようで勝手に嬉しく思っていた。
経験上、容姿の所為意外にも他所から来たということだけで謂われなき迫害を受けることには慣れていた。
今回もその覚悟を決め、初めて彼女の故郷へ足を踏み入れた。
自分の容姿を見て、最初はよそよそしかった人達もどこから来たのかという問いに答えた途端、一変。
村中一気にお祭り騒ぎになり、物凄い歓待を受けたのだ。
これには拍子抜けした、というよりも驚いた。
挙句の果てには年頃の娘の中から嫁を選べとまできた。
その中に彼女の姿が無いのが残念で仕方が無く、丁重にお断りしておいた。

311 :
新たな投下を待ちつつ上げ

312 :
小ネタ投下
「始まりましたねシャルロットさん。」
「覇王丸と橘右京。斬鉄閃とツバメ返し。名勝負になりそうだなナコルル。」
「あ、覇王丸さんが弾いた!!」
「あの目にも留まらぬ斬撃を弾くとは、覇王丸やるな。」
「右京さん刀落としたのに慌ててないですね。」
「右京はいつも外に表さないからな。」
「覇王丸さん飛び込んだ!!あ!」
「右京が蹴り飛ばした!?うまいな…それにしても…。」
「…。今度は攻め方に迷ってた所に蹴りが!!…。」
「う、右京は意外と蹴りが上手だな…。」
「守りに入った覇王丸さんが崩されて転ばされ…追い討ちが…。」
「…。」
「また、追い討ち…。シャルロットさん風邪ひいたんですか?凄く熱っぽいですよ。」
「な、なんでもない!!それよりナコルルこそ真っ赤だぞ。」
「え?いや、これは、その、あまりにも…。」
「言わなくていい。私はわかってる。ん?誰だ?何だあれは?」
「げ、幻十郎!?ちょっと待て俺は今右京さんと…。」
「右京!!そんなに脚を見せびらかして…俺を誘っているつもりかッッ!!」
「…。(圭殿〜〜〜〜〜ッッ!!!!)」
(終わり)

313 :

そういえば幻十郎って公式で男女問わない好色家なんだっけ

314 :
>>312


315 :
もしも腐れ外道の食欲が性欲だったら大変なことになるなぁとか考えてたら
「子供ぐいでぇ」
腐れ外道がロリコンにしか見えなくなってしまった。

316 :


317 :
鈴姫ネタはどう?

318 :
ドラコとアースクエイクと妖怪腐れ外道と三九六が
神様をチェーンソーで脅して売春させるSSがサガシリーズのスレにある…

319 :
名前は出てないからセーフだけど

320 :
>>317
強姦されそうなトコを猛千代が助けるってネタしか思いつかん

321 :
夢路の没ボイスで思いついた ちょっと背徳でスマヌ
噂でしか知らないのでどんな声なのかわからないが
夢路×シャルロットとミナ

322 :
『「いい体ですねえ」』
 廃寺に白い裸身が蠢いていた。金髪が波打つ。傍らの人影は静かだった。
 シャルロットは怪しい剣士と決闘して敗れ、その意に従う事になった。主君
の為に有能な人材を探していると剣士は言う。剣士にシャルロットは従って進
むほか無かった。
 二人は廃寺に入った。人の気配に気づいたシャルロットが目を向けると、暗
い顔をした若い女が座っていた。
 「お前も、あの剣士に敗れて連れて来られたのか?」
 「…チャンプルごめん…。もっとしっかりしていれば見失わなかった…。」
 しかし女はこちらに目もくれず、何かを呟くばかりだった。
 「さあ、こちらに。今日あなたにやってもらう事はまだあります。」
 言われてシャルロットは剣士に寄った。
 「いつも甲冑をつけているという必要は無いでしょう。」
 丁寧だが抵抗を許さない意思を感じさせる言葉だった。しぶしぶシャルロッ
トが甲冑を脱ぎ始めた。
 「見た目は合格でした。これからは、直に調べさせていただきます。決して
暴れないように願います。」
 何をするのか怪しむシャルロットに剣士が近づいた。そして、胸に手をやっ
た。
 「な、何を!?」
 「暴れないように願います。」
 剣士の手は止まらなかった。服の上から胸の形をなぞっている。静かで優しい
手つきだった。剣士は両手を左右の胸の曲線に沿って動かしていた。縦と横に、
同心円を描くように丸く、左右の中間を往復もした。
 「形はわかりました。では、よりしっかりと調べさせていただきます。」
 剣士がさらに正面から近寄った。近寄って、胸をはだけさせた。さすがにシャ
ルロットが顔をゆがめる。相変わらず丁寧で柔らかな手が遠慮なく向けられた。
乳首を美しい指が触れている。押して、離して乳首が上下した。乳首が、気の
せいか盛り上がった。盛り上がったその乳首の周りを指が回った。自然と、口が
閉じて奥歯をかみ締める。シャルロットの鼻息がかすかに荒くなった。

323 :
『「いい体ですねえ」』(続き)
 「どうかなさいましたか。まさか、いえ失礼。」
 シャルロットは軽く咳をした。落ち着こうと努めたが、高ぶりはおさまらな
かった。
 剣士の手が胸にかぶせられ、軽くつままれた。
 「うっ。」
 押しした声が漏れる。軽くつまんだまま、指を細かく動かしている。
 「うっあっ!!」
 声がやや強くなった。剣士がまた口を開いた。
 「私は、ただ調べているだけです。よこしまな考えは微塵もありません。」
 たまらずシャルロットが叫んだ。
 「お前の意図など聞いていない!!お前の心中がどうであろうとお前のしてい
る事は無礼で猥褻な事でしかない!!」
 そう叫んだ隙に剣士が後ろに回りこんだ。背後から手を回して、胸を包んだ。
優しく軽くもんで、そのまま微かに上下に動かした。振りほどこうとするが、相
手は器用に動いて離れなかった。そのままシャルロットの動きは鈍くなり、やが
て膝を突いてしまった。されるがままになった。
 荒い息を吐きシャルロットは座っていた。消耗し切って余裕は全く無い。相手を
窺う事もできない。相手はシャルロットの横に座っていた。その手が、シャルロット
を更に脱がせた。抗うどころか、相手が何をしているか察する事もシャルロット
はできなかった。半裸にされたシャルロットに、抱きつくようにして剣士が手を
伸ばした。シャルロットの体中を剣士の綺麗な手が這い回った。
 剣士黒河内夢路の吐息がシャルロットの頬にかかる。一段と熱い喘ぎが起こった
。夢路に興奮の様子は欠片も無かった。まさにその真っ黒な瞳のごとく、全く心を
持たないように、冷たく丁寧で親切な侵略が続いた。
 「お前が、お前が女の私を…。」
 「調べているだけです。」
 「何の為に!!」
 夢路の心中を予想する事は全く不可能だった。本当に任務の為なのか。それとも
倒錯した欲望の為なのか。シャルロットはわからなかった。あのミナですらわから
ないのだから当然だった。
 「彼女もそうでしたが…。」
 「あっうっうっあっうっ…。」
 「いい体ですねえ…。」
 その時、廃寺全体が揺らいだ。夢路が飛び退って辺りを見回した。凄まじい揺れ
が廃寺を襲った。隙を見てシャルロットが着衣を直して甲冑をかき集めると廃寺を
飛び出した。夢路も逃げた。ミナもまた舞い上がる煙から逃れた。
 (もしかしたら…、んでいた方がよかったかな…。)
 歩きながらうつろな目でミナは考えていた。
 (それにしても一体…。)
 その時、目の前に何かが飛び出した。
 「ああ…チャンプル!!」
 「チャン!!」
 ミナは、ミナを思うあまり村中の人をめてしまう事もある、幼い未熟なシーサ
ーを抱き上げた。
 (おわり)

324 :
>>323
ミナ編プリーズ

325 :
しまった先にミナの方を出した方がよかった

326 :
『「いい体ですねえ」ミナ編』
 強い邪気を追うミナの前に現れたのは美しい、しかし妖しい剣士だった。
 「…様に仕えるに値するか、試させていただきましょう。」
 鋭い居合いと変幻自在の奇妙な技の前に、ミナは敗れた。敗れたミナに丁寧
に剣士が言葉を投げかけた。ミナの心情を考えることなく。
 「では、行きましょうか。」
 「チャン…プル…。ごめん負けちゃった…。」
 「さあ。」
 「みいぃなあぁ。」
 チャンプルに伸ばした手は届かなかった。剣士の言葉に縛られて、ミナは
剣士に行く先もわからないまま歩かされた。しばらくは追って来るチャンプ
ルの姿が見えた。しかしふと前を見て向き直った時、もうどこかわからなく
なってしまっていた。剣士はそれに構わず歩み続けた。剣士は丁寧に、しか
し相手の事情に構わない。
 ミナを引きつれて剣士黒河内夢路は歩き続けた。歩くうちに周りの風景は
煌びやかに、しかしいかがわしさを漂わせた物に変わって行った。見るから
に乱暴そうな者が行き交うが、二人に近づく者は誰もいない。夢路を見た何
か武術の心得がありそうな者が、そうでない者に注意している所が時々見えた。
 二人が入った宿には誰も客がいなかった。夢路が主人に何か話して二人は
奥に進んだ。
 「お疲れの所すみませんが、まだ少しやってもらわねばならないことがあ
ります。ご協力していただけますね。」
 丁寧な言葉だった。しかし最初から拒否を許さない言葉でもあった。
 「チャンプルを、探しに行ってはダメ?」
 人に慣れないミナの、迷いながらの精一杯の言葉だった。しかし夢路は冷
淡だった。
 「やってもらわねばならないことがあります。」
 そう言って近寄った。心が無いような、何かに心の全てを預けて今は一切
残していないような、真っ黒で無を思わせる目だった。
 夢路の手がミナに近づく。ミナの体が激しく震えた。痙攣と言っていい震
えだった。息が混乱し、汗が噴出す。顔面は蒼白になっていた。目が揺れ動
いて定まらない。
 ミナはチャンプルを除いて他者が苦手だった。会うのも避けたい。話すのは
苦行に近い。触れるなど、論外だった。
 倒れて転がった。転がって壁際までたどり着いた。いよいよ息が上がって、
ミナは気を失った。

327 :
『「いい体ですねえ」ミナ編』(続き)
 「いい体ですねえ。」
 目が覚めたミナに夢路はそう告げた。夢路はミナに服を着せ直し終わった所
だったようだ。ミナは倒れた。うつ伏せになって震えた。両肩を抱いて、言葉
にならない嗚咽を繰り返した。
 「もうお休みなさい。」
 夢路が布団を用意していた。布団を引っ手繰って、自分で敷き直してからミ
ナは眠りに就いた。
 夢路は気絶したミナの胸に手のひらを這わせた。手のひらは曲面を思わせる
軌跡を描いて、胸の表面を余すことなく動き回った。反応は無かった。夢路の
手の奇跡はミナの胸の形を、そして大きさを示した。
 胸を測量し終わった夢路は、ミナを裸にした。小さくない胸があらわになっ
た。その胸に直に手を触れさせた。もしもミナが気がついていれば、をも覚
悟で抗ったに違いない。もっとも、ミナは普段でも時ににたがるのだが。
 夢路の指がミナの胸の弾力を証明していた。弾みかえるような胸である。繊
細な動きで夢路の指がミナの胸を変形させては元に戻らせた。決して傷つけた
り、痛がらせる事が無いように夢路の指は動いた。誰も見ている者はいない。
しかし情交を好む女が見ていれば、夢路に抱かれようと押しかけに行くような
愛撫だった。だがミナは気絶している。反応は、無い。触れられている事さえ、
後で言われなければ気がつきもしないだろう。疲れも手伝って深い気絶だった。
時折、夢路の手で揺れ動く胸全体の揺れを増幅して乳首が振動した。完全に外
の光がさえぎられた部屋で、部屋の光に照らされるミナの胸が影を揺らした。
 胸だけでなく、全身を触れて回る夢路の手。ミナが抵抗しないだけ、その手の
働きぶりははかどった。異様な程に夢路の手は働いた。脚に、腰に、足に、そ
して、両足の付け根にまで…。そのいずれもが、相手を気遣わない丁寧で柔ら
かい手つきで行われた。ミナの肌を女性の様な手が滑った。部屋を照らす光に
ミナの肌が光り、夢路の手が映える。
 夢路の手がミナの体を堪能している。しかし夢路は何を思っているのか。快感
か。それとも義務の面倒くささか。義務の充実感か。誰にもわからない。黙々
と夢路の手は動き続けた。
 「さあ行きますよ。」
 返事は無い。翌朝二人は町を発った。起きてもミナに生気は無かった。夢路に
手を引かれてミナは廃寺にまで来た。
 「ここで待っていなさい。と言ってももう動けないか…。」
 「…。」
 夢路はミナを廃寺に残して出かけた。夢路の目に一人の尼が映った。背が高い。
男としても高過ぎる。そして、いい足取りだった。夢路にはわかった。何者か
はわからないが資質のありそうな人間だ。突如頭巾が飛んだ。尼の仮装をしていた
大女と夢路はお互いに飛び退って向かい合った。
 (おわり)

328 :
>>327
言葉責めだと思ってた。

329 :
保管庫が更新されてないのが気になる…

330 :
保守代わりの小ネタ ナコルルとリムルル
 「あああひゃっひゃっひゃっひゃ!!篝火…ふぉおおお!!」
 まるで普通の人間じゃないみたいに顔色が悪い人が裸の女の人を連れて飛び上
がったりカクカク痙攣しているのをナコルルとリムルルはじーっと見ていました。
 「大きいですねえ」
 「大きいですねえ」
 ナコルルに次いでリムルルもそう言いました。ナコルルの視線はふわふわ浮かんでい
る女の人の胸に釘付けになっていました。
 「リムルル、わたしの胸揉みなさい」
 「ええっ!?揉むと大きくなるって姉様信じてるの?あんな噂…」
 「いいから揉みなさい」
 リムルルは慎重にナコルルのむき出しになった胸に手を伸ばしました。
 (元がコレじゃ揉んで大きくなってもあの人には敵わないよ)
 そんな事を思いながらリムルルは揉みました。ナコルルは色々と注文を出しました
がリムルルの揉み方に満足していないようでした。
 「もう、そうじゃない」
 「姉様の言う通りの揉み方したつもりなんだけど…どうやればいいの」
 「しかたないわね…こうするの」
 そう言うとナコルルはリムルルの胸をはだけて揉み始めました。
 「ひゃっ!いきなり…あ…」
 「どうしたのリムルル?わかったでしょう早くこの通りにやりなさい」
 「は、はあい」
 リムルルは顔を赤くしてナコルルの胸を揉みました。
 「はうっ…ひっ…リムルル…」
 「姉様のやった通りにしてるだけだよ。こんな感じがすると思わなかった?」
 「う、うん」
 「姉様やっぱりやめようよ」
 「ううん…続けて」
 リムルルは困った顔をしながら揉み続けました。ナコルルの吐息に熱がこも
りだしました。目が潤み、切なげに口を開け、そして…。
 「いやああああああ!!」
 「どうしたの姉様うわああああああ!!」
 「ゔま゙ぞゔだ」
 ビックリした二人は大慌てで逃げ去りました。獲物に逃げられた妖怪腐れ外道
が辺りを見回すと、あの裸の女の人が顔色が悪い人の傍にふわふわと浮かんでし
た。血の気は無いけれどそれでも妖怪腐れ外道にはとても美味しそうに見えました。
 「い゙だだぎま゙あ゙ず。あ゙れ゙?あ゙れ゙?」
 確かに触ってるはずなのに何も手ごたえがありませんでした。腐れ外道はその
まましばらく女の人を捕まえようと無駄な試行錯誤をしていました。
 (おしまい)

331 :
>>317
「襲おうとした自分が宝剣でペシャンコにされている姿が見えましたッッ!!」

332 :
保管庫の人乙です
ありがとうございました

333 :
女体乱舞…

334 :
age
何か書きたいけどいまいちまとまらぬ

335 :
俺もだ

336 :
まとまりそうでまとまらぬ

337 :
小ネタ ナコルルと羅将神ミヅキ
 一度やればナコルル相手に迂闊に飛び込む者はいない。しかしミヅキは考えるより先に
ついつい超反応してしまう性質だった。飛び込んだミヅキをあっさり「ナコ昇竜」が撃墜
した。
 「ラキ!!しくじった…はっ!!」
 「うわあ、凄く大きい」
 ミヅキは気がついて隠しましたがナコルルは見逃さなかった。装束で隠れてはいたがミ
ヅキの胸は、それはそれは巨大なものだった。
 「よ、寄るな!!何だその目は!!行っておみくじでも引いて来いラキ!!」
 「あの両胸の隙間に耳を突っ込んだら、幸せになりそう」
 呟きながらナコルルはミヅキに向かっていった。振り回す爪をまるで霧か霞の様にかわ
してナコルルはミヅキの正面に立った。
 「ああ、やっぱり、し、あ、わ、せ」
 「やめろ!!こら抜き差しするなって!!あはんアンブロジア様あああん」
  (終わり)

338 :
>>337
に触発されて小ネタ ミヅキとガルフォード
 正義のヒーローガルフォードはついに悪の本拠地にたどり着いた。しかし!!
 「どう思うパピー?確かにここがそのはずなんだけど、凄い雰囲気の神社とたくさん
の水晶と一対の石があるだけで、悪者はいないんじゃないか?」
 ガルフォードは辺りを注意深く見回すが何も見つからない。バッとガルフォードは向
き直った。
 「仕方ない。ではこの石だけでも取り返そう」
 サッと石に手を伸ばしかけて気配に気がついたガルフォードは振り返った。そこにい
たのはなんと巫女だった!!
 「やあこんにちは。僕は正義のニンジャでガルフォードさ。ここに悪者がいるらしい
んだけど知らないかい?」
 「う〜む知らないラキ。それより悪者と戦うならこのお守り持ってるといいラキ。」
 「サンキュー巫女さん!ありがたく持っていくよ!」
 (フフフ…私が作った出鱈目な悪戯のお守りとも知らずに…何が起こるかは私ですら
わからないラキ…どんな目に遭うか楽しみラッキー)
 だがガルフォードがお守りを身に着けてから、ただの巫女のふりをしていたミヅキに
異変が出た!!それはミヅキですら戸惑うものだった。
 (ど、どう言う事じゃ…あいつを見てると、ドキドキしてくるラキ)
 「巫女さん大丈夫かい?そう言えば爪も妙に伸びてるしなんだか普通じゃない気配も
するし大体こんな神社の巫女さんって…」
 「ほ、欲しい!!お前が欲しいラキ!!」
 「Noォ!!やめて巫女さん!!」
 ミヅキはいきなりガルフォードの服を切り裂くと抱きつこうと飛び掛った!!
しかしガルフォードは身軽にすり抜けて後退りした。
 「も、もしかして、こいつがミヅキ!?でもそれより…」
 「抱いて!!抱きしめて!!」
 「Noォ!!それだけは勘弁してくれ!!好きな人の為にとっておきたいんだ!!」
 ガルフォードからだいぶ遅れてたどり着いたナコルルが見た物、それは裸で逃げ回る
ガルフォードと、それを追い回す妖気をまとった巫女だった。
 (あれがミヅキ!!それにしても…何やってるんだろう。)
(完)

339 :
ナコルル誕生日おめでとー!

340 :
そういえば格ゲーで女のラスボスはミヅキが初めてなんだっけ?

341 :
今更鈴姫にハマった
ってか鈴姫発育良すぎワラタ
可愛いなぁ

342 :
>>340
豪血寺とどっちが早かったっけ?
ババァは女に入りませんかそうですかw

343 :
>>342
調べてみたらギリギリで豪血寺の勝ちだった

344 :
唐突ですまんが投下
エロ無し
三九六達と猛千代と鈴姫とドラコとゴルバ

345 :
 「晒し者のガンマン」
 荒野に立つ町に二つの人影が並び立っている。片方は絵に描いたようなダサ
い田舎モンの剣豪気取りで、もう片方はワルぶった半端モンの腰抜けがその主
だった。二人はついさっき決闘を始めたところだったが、腰抜け散弾銃の方が
見くびって軽口を言い出した。
 「勇ましいガキだ。カノジョにいいとこ見せてやれよ」
 そう言って飛び退ると腰抜けはいかにも腰抜けらしく二階に飛び上がって部
屋に飛び込んだ。田舎モンが見苦しく慌てて小屋の下に駆けつけると同時にあ
の半端モンが飛び降りてきた。肩に担いでるのは、絵に描いたような上玉のベ
ッピンだった。
 「お知り合いか?」
 「てめ…この…」
 ヒヨコッコのガキ剣客が、いかにもバカな小僧らしく顔を真っ赤にして、あ
のちっとばかし大き目の木刀を叩き捨てると、あの余裕だけの腰抜け散弾銃が
ニヤニヤと笑った。
 「こいつは可笑しい。俺は捨てればどうするとは何も言っちゃいねえはずな
んだが」
 一杯食わされたガキが見てらんねえ滑稽な顔してから犬みてえに吠えて飛び
掛ったがもう遅い。腰抜けの鉄砲でガキは倒れた。
 「一丁上がりっとぐわっ!」
 腰抜け散弾銃はうつむくと片膝を地面につけ、そして倒れた。
 銃口を振って風を切り、まだ昇っていた煙を消したその男、その男こそが稀
代の色男にして怪力無双、神算鬼謀の風雲児、萬三九六だった。
 「あ、あなたは、もしや、あなたが噂の三九六様!?」
 転げ落ちたベッピンは三九六のもとへ、腰抜け散弾銃を足蹴にし、ガキ剣客
を踏み越えて駆け寄った。三九六を見上げる目は潤み、銀河を湛えていた。
 「お慕いしていた三九六様に会えるなんて、それも助けていただけるなんて
…こんな幸せは他にありません!!ぜひともお礼を!!」
 「なかなか物分りがいいじゃねえか。おめえら今日はツイてるぞ!!」
 三九六に仕える三人の忠実な下僕が歓声を上げた。

346 :
 「晒し者のガンマン」(続き)

 「三九六様!!三九六様!!」
 「何だぁ葡萄酒のおかわりか…ってここはどこだ?」
 二四に起こされた三九六を驚いた顔で東欧風の装いをした壮年の男が見ている。
 (確かにこいつ、全身全霊を掛けた一撃を二度も受けたはずだが)
 三九六はアメリカの野心家の噂を聞きつけて馳せ参じ、自分を腹心に迎え入れる
よう熱心に説き伏せようとしたのだが、怒りやすい事で恐れられているゴルバは三
九六の自画自賛に怒りが爆発してサーベルを抜くと斬りかかったのだった。
 (常人ならもう立てなくなるはずだが)
 巨大な妖怪にも匹敵する三九六のしぶとさにゴルバは驚いた。しかし端々からに
じみ出る三九六の本性は、やはりゴルバの我慢を超えていた。
 (雇えんな)
 「三九六様いかがします?」
 三人が心配そうな顔で見上げている。
 「こいつは俺様の実力がわからねえ小者ってわけだ。我旺以下だな!!こんなの
にとっつかまって一秒一秒すらが値万金の俺様の人生を無駄にしなくてよかったぜ
。いくぞおめえら!!」
 実際には、我旺は三九六などアテにはしていなかったのだが。
 そして三九六はゴルバのアジトを後にしたのだった。
 一方その頃荒野に立つ町では、屋根に引っかかっているドラコを猛千代が見つけ
ていた。
 (何だあいつ?)
 「オイそこのガキ何見て笑ってやがる!!」
 「あいつね、つい先日来たお姫様にブンブン振り回されてあんな所まで飛ばされ
たんだよ。今まで散々悪行重ねた極悪人だから丁度いいお仕置きになると思ってそ
のままにしてるんだ。」
 猛千代にボソッと町の保安官が言った。
(劇終)

347 :
鈴姫はガードしててもよろめかされるあのパワーの怖さが更に引き立てていると思う

348 :
小ネタ
ナコルルと羅将神ミヅキ
 ミヅキが玉串をふるうとナコルルの胸がはだけて丸見えになってしまい
ました。
 「哀レナ事。オ話ニナリマセヌ」
 ミヅキはそう言って高笑いしました。ムッとしてナコルルが言いました。
 「そっちだって全然大きくないじゃないですか。まるで膨らみを感じませんよ」
 ミヅキはふふんと得意げに鼻を鳴らすと上着を脱ぎ捨てました。
 「ソレハ着テイル物ノセイ。トクト目ニ焼キ付ケテオケ。コレガ我ガ豊乳
ジャ!!」
 ミヅキの胸はシャルロットの胸に勝るとも劣らない立派な物でした。誇らしげに
ポーズをあれこれととってみせるミヅキは飛び掛るナコルルに対応できませんでし
た。
 「何ヲスル!?離レロ!!」
 「うわぁ…気持ちいい…」
 小さな小さなナコルルはミヅキの胸にしがみついてほお擦りしました。
 「アッチ行ケガキンチョ!!」
 しかし、ナコルルはまるで子泣きジジイのようにまとわりつき、どんなに
もがいても離す事が出来ませんでした。
 「なんだか、赤ちゃんになっちゃったみたい」
 「オイヤメロ!!幾ラ幼ク見エルカラッテ…ヤッテイイコトト悪イ事がアル!!
アンッ!!」
 ナコルルは目をつぶって吸い始めてしまいました。勿論何も出ません。
 「んぐっんぐっあっチャムチャムちゃんも吸う?」
 「ん〜吸う!!パクパクにも後で吸わせてやるぞ」
 「畜生ニマデ吸ワレルナンテ…アンブロジア様ァ〜ン」
 (おわり)

349 :
やっと書き込めるかな?

350 :
最近ポリサム旧2作のプレイ動画見てるが意外といいな
ブンブン振り回して足引っ掛けて転ばしたり後ろから思いっきり押して転ばしたりで
ユガみたいなシリアスなのが負けると萌える

351 :
hisabisani toukashimasu

352 :
小ネタ シャルロットと天草四郎
 「ああ、生き返るようだ」
 立ち昇る湯気の向こうに波打つ金髪と白い裸身が見え隠れする。その
豊満な胸も。
 珍しい物が並ぶ市がもうすぐ終わると聞いて道を急いだシャルロット
は迷ってしまったが、そのお陰でこうして温泉に浸かっている。森の奥
に孤独に湧いてる温泉に近づくものは彼女一人だった。
 湯から上がった手が顔を拭い、肩を拭う。その一挙一動の度に豊かな
胸が水面から顔を出しては沈み、新たに水面に波を増やした。湯の下には
、今は隠れて見えない脚線美が沈んでいる。
 突然、シャルロットは動き出した。剣を握って辺りを見回す。
 (確かに感じる)
 シャルロットはただならぬ気配を感じていた。全裸に剣だけを携えて
シャルロットは湯の中で沈黙をしばらく保ち、一気に突いて斬った。
 しかし手ごたえは無かった。斬りつけた空間には明らかに湯気とは異
なる靄が浮かんでいた。
 「さすがだな」
 靄は更に言葉を続けた。自分、天草四郎はまた近いうちに姿を現すと。
そして誰にも止められないだろうと。止められない事がわかっているか
ら敢えて予告してやっていると。どこか事務的な演説だった。
 「さらばだ」
 「ちょっと待て!」
 意外な呼び止めに靄が消えるのをやめた。
 「お前、その、なんとも思わないのか?」
 「何がだ?」
 「だから、湯浴みしている裸の私の前に現れて…」
 「ああ、許せ」
 「そうじゃなくて!!」
 怒り始めたシャルロットに靄が見るからに困ったような素振りを見せた。
 「もしかして女として見なかったのが悪いのか?お前がそう望んでいる
んじゃないのか?」
 「違う!私は女だからああだこうだと私に決め付けるのが嫌いなだけだ
!!こうもあからさまに女でないように見られて良い気分なわけがあるかっ!!」
 シャルロットの怒りは湯のぬくもりも手伝って見る見るうちにその体を
白から赤へと染めていった。その胸もその胸の頂上も。
 「大体お前達はいつもそうだっ!!胸の大きい色気女とみなしたかと思ったら
男と同類のように私を見るっ!!特にお前だっ!!まるで子供か男を見るような…」
 「…めんどくせ…」
 つい思わず洩らしたその言葉が更にシャルロットの怒りを燃え盛らせた。
 「今何と言った!!」
 とうとう嫌になって天草の靄は一瞬で消え去った。
 「これだから卑しいものどもは困る」
 天草はため息をついた。遠くを映す水晶玉の中で、シャルロットは天草の
靄が消えた所に向かってしばらく怒鳴り続けたが怒りが収まってまた湯に浸
っている。
 天草は大きな姿見の前に立った。右に身を振り、左に身を振り、微笑を浮
かべた。シャルロットは知らない。天草が誰を愛しているのかを。

353 :
(終)

354 :
何故か半蔵×楓さんの初夜話を創作中。
楓さんの過去を妄想したらやたら長い前置き長編ストーリーになってしまった。
エロの割合が少ないかもだけど
来週辺りに投下しやす。

355 :
>>354
それは激しく期待

356 :
また一つ楽しみなものが出来た 期待してます

357 :
354でつ。
数日に分けて今から投下しやす。
捏造、妄想が禿げしい上
オリキャラ出るんで苦手な人はスルー推奨。
エロまでの道のりがめちゃめちゃ長いんで
エロしかイラネの人もスルー推奨。
マイナーすぎるカプだが
お口に合えば幸いッス。

358 :
「秋風」
青年は若いながらも「服部半蔵」の名を襲名し、既に数々のお役目を果たしていた。
冷静沈着さと判断力、忍術、体術、剣技、統率力は歴代の「半蔵」達と引けを取らないどころか
それ以上と言われている。
しかし、半蔵は成人しているというのに未だ伴侶を迎えていない。
伊賀の里の者達がそれを放っておくはずもなく
年頃の娘がいる者達はこぞって半蔵に縁談を持ちかける。
が…、肝心の半蔵はそれを全て流していた。
「お主、まさか男色ではあるまいな?」
里のご隠居に問われ、常に感情を表に出さない事でも有名な半蔵だが
想像だにしない事を問われ一瞬目を見開いた。
「ご隠居様、冗談にも程がございます…。」
「お主、猿丸の娘との縁談も断ったそうじゃな?あそこの娘は器量良し、控えめのええ女子じゃ。
それにその前に断った佐助の娘。あそこの娘はくの一として有能じゃ。
どれもお前にとって申し分ない縁談ばかりの筈、何が不満なんじゃ?」
「拙者はまだ未熟者でございまするが故、伴侶を持つなど…」
「もう18位であろう?お前と同じ歳の者達はお前以外既に伴侶を迎え子を成しておる。
お前ほど優秀な者の血は後世に残す義務がある。それは即ち徳川幕府の御ため。分かっておるな?」
ご隠居様と呼ばれる伊賀忍頭領の老人は白く長い髭を撫でながら、厳しい目つきで半蔵を見やると同時に
半蔵の目前の囲炉裏の炭がパチンと弾けた。
「…否、女人が嫌いという訳では…。」
「つまり、お前の目に叶う女人がこの里におらぬという事か?」
「否、そのような事は…」
少々は図星だったようだ。
動揺すると表情が一瞬崩れる。まだ「心」が未熟だったかと老人がため息をつく。
そんな半蔵を見たのは子供の時以来だろうか?
鬼の半蔵も女人の事で心を乱すようではまだまだという事か…。
半蔵の人間らしい部分を久しぶりに見た隠居の顔が呆れながらもほころびる。
「三月やろう。それまでに伴侶を決めなければ里の意思に従ってもらうぞ。」
「御意。仰せの通りに…」
その一言を残すと半蔵は煙と共に消える。
隠居の屋敷を出、自分の屋敷に戻る途中に半蔵の肩に緑色を残す紅葉がひらりと舞い落ちる。

359 :
「お前のモズ落としはいつ見ても最高だな!」
とても忍とは思えない落ち着きのない男が半蔵に話しかける。
声をかけた男は半像と幼少の頃からの幼馴染であり、
度々仕事を組む相棒の「弥彦」である。
下人だが幼馴染という事もあり、「半蔵」という名を襲名してからも
昔と変わりなく接してくれる数少ない友人でもある。
今回のお役目は吉原に出没する女郎を狙った辻斬りを二人で闇に葬る事であった。
一瞬のうちに半蔵の制裁を受け、首がへし折られた浪人の亡骸を夜が明ける前に手早く処理すると
伊賀の者が経営する、吉原での拠点となる廓へと向かう。
表通りから少し奥まった一軒の店の裏口の門を弥彦が叩くと扉がすっと開く。
中には中年の気が強そうな小太り女が傅いている。
吉原内でお役目を果たす時は常にここが拠点となる。
「半蔵殿。弥彦殿。お帰りなさいませ。さあ、中へ。」
女は伊賀の者だが、ここ吉原では一軒の薬商屋のおかみという顔を持つ。
この吉原ではこの女以外にも何人かの伊賀者が傍らに商いを開き常駐しているという。
彼女らのもっぱらなお役目は「情報収集」である。
吉原には侍や大名、老中が出入りする事も多く
酒の席や枕の中でうっかり情報を漏らす者も少なくない。
その時のための「草」である。
幕府にとって有益な情報、無益な情報。全てが使いを通じて幕府の隠密達に知らされる。
吉原の朝は早い。
遠くから大勢の女人達の声が聞こえてくる。
忍装束から侍袴に着替えた所で、この店の主人が起床した。
「おお、もう帰ってきていたか。おえんの一番上の姉の次男の弥彦殿と、二番目の兄の末子の半蔵殿だったかな?
昨日は廓で遊んだようだな。それにしても朝帰りとは元気なものよのう。」
主人は言いたい事を言い終えたのか、かっぷくの良い体をひきずるように奥へと消えていった。
主人は忍ではない。おそらく自分の女房が忍だという事はこれから先も知る事はないだろう。

360 :
おえんの出した茶を一口飲んだ後、半蔵は昨日の夜から疑問に思っていた事を口に出す。
「昨日の浪人…。確かに多少は腕がたつ者だったが、お主と拙者の二人もいらなかったのではないか?
お役目に与えられた日数は四日。だが一日もあれば充分なお役目だ。
そして支給された経費の額が多すぎる。」
半蔵は懐から金子三枚を取り出し、卓袱台の上に置く。
おえんは弥彦と目くばせすると、後方から書状を取り出す。
書状には十数名の女人の名前が書き連なっている。
「これは何だ?」
半蔵は自分の前に置かれた書状の意味が分からなかった。
「お前、他の事にはこれでもかって位敏感なのに、どうしてこういう事には鈍感なのかねえ…。」
弥彦が大きなため息をつく。
半蔵の眉が少し動く。どうやら不快に感じたようだ。
「半蔵様にはこれから里に帰り、三月かけてこの女人達と見合いをしてもらうという命が伊賀から届いてまして。
三月後にこの中から嫁を選ぶようにーとの事でございます。」
おえんがにやりと笑う。
名前をよく見ると年頃の娘を持つ伊賀の権力者者達の名前が各女人の横に書かれている。
ーしてやられた。ー
三月の猶予は自分で嫁を見つける猶予ではなく、この中から選ばなければならないという猶予だったのだ。
三月以内にこの中から決められなければ、里が選んだ女人と添い遂げなければならぬという事を意味する。
「各地に散らばってる伊賀の者達がここぞとばかりに自慢の娘達を連れてやってくるらしいぜ。」
「弥彦。お主知っておったのか?!」
半蔵が卓袱台を叩くと湯のみが大きく揺れる。
「そう怒るなよ。で、その金子と残りの三日は里の相談役達からの素敵な贈り物ってことだ。」
弥彦は金子の一枚を取ると半蔵の目の前に突き出す。
「贈り物とは何だ?」
半蔵は目の前の弥彦の手を金子と共に振り払うと眉間に皺を寄せる。
明らかに怒っている。
「だーかーらー、三日間は吉原で好きに遊べって事だよ。お前に与えられた最後の青春ってやつだ。」
半蔵が頭をかかえたのと、弥彦が腹をかかえて笑いだしたのは同時だった。

361 :
日がちょうど真上にきた頃、半蔵と弥彦はおえんから近辺の廓について説明を受けていた。
「…で、この廓は技が、ここは芸を売りに…って、聞いてます?」
おえんの説明を熱心に聞いてたのは弥彦のみだ。
「弥彦…、お主、先月初子が産まれたばかりではなかったか?」
半蔵が少し怪訝な表情を浮かべる…と言っても傍から見ればほとんど変わらない。
「何お堅い事言ってるんだよ。吉原に来たからには女を買わなきゃ男が廃るってもんよ。
俺はお前の付き添いでここまで一緒に来てやってるんだからこれくらいの恩恵を受けたって罰はあたらねえよ。」
どうりで今回のお役目はやけに乗り気だったわけだ。
お役目より色事優先とは情けない。だが、それが弥彦の持ち味でもある。
その後、おえんに追い出されるように外に出ると
二人はあてもなく通りに出る。
昼見世が始まり、各廓の格子窓にはきらびやかな羽織をまとった女郎達が鎮座する。
通りを歩く男達の気を引くために格子の中から手招きをしている。
以前にも何度かお役目がない時に弥彦に連れられて吉原に来た事はある。
女達は皆手厚い対応をしてくれ、男の性もあり満足しなかったわけではないが
情事の後、偽りの情と何ともいえない虚しさが半蔵には心地が悪く感じるようになり、
ここ最近は吉原への誘いを断っていた。

弥彦が一軒の廓の格子窓の前で足を止める。
その前にはふくよかな女郎がお福人形のような笑顔をみせている。
なるほど。弥彦の妻にどことなく似ているかもしれない。
「って事で俺はこの店に決めたから、お前も好みの女見つけてさっさと楽しめよ!」
棒立ちの半蔵を残したまま、弥彦は店の中へと消えていった。

362 :
さて…、どうしたものか。
弥彦に言われた通りに覚悟を決めるか否かを考えていると、どこかで揉めている声が耳に入る。
常人では聞き分けられないだろう。
聴覚を頼りに入り組んだ裏の路地へと入ると
若い女人が五人のごろつき達に囲まれている。
紅い着物を着ているという事は女人はかむろであろう。

「いいかげん通していただける?姐さんのおつかいの帰りなだけで、私…暇じゃないのよ?」
女人が淡々とした口調で静かに、強く言い放つ。
後ろ向きで顔までは確認できないが、赤みを帯びた茶色でくせのある髪の毛を高い位置でくくっている。
首をかしげるとくせのある長い後ろ髪がゆらゆらと揺れる。
「ちょっと変わった毛色だが、えらくべっぴんで色っぽいかむろだなぁ。」
「こんな裏路地歩いてるおめえが悪いんだぜ〜。」
「オレ達がおめえの水揚げの相手になってやるよぉ!」
「今なら賭博に使ってる部屋空いてるしなあ。」
「こっち来いよ!」
ごろつきの一人が女人の腕を掴む。
物陰から様子を伺っていた半蔵が懐から手裏剣を取り出すと同時にごろつきが宙を舞う。
男達は何が起こったのか暫く理解できなかったようだ。
半蔵でさえ、一瞬目を疑ったが女人が大の男を受け流して投げ飛ばしたは間違いない。
「気安く触らないで欲しいわ。この身体は売り物でありんす。
私を抱きたいなら廻船問屋の旦那が水揚げ代として出す
金百両を超える額を用意していただかないと。」
女人がごろつきに捕まれた部分をさすり、大きなため息をつく。
「何だあ?!この女。」
男達が腕を振り上げ女に襲い掛かるも、あっというう間に五人のごろつき達が地に転がる。
紅い着物の裾がめくり上がり、白くしなやかな脚が舞い、羽のような手刀が空を斬る。
まさに蝶のようで「見事」という他なかった。
何人かは腕なり足なりの骨が折れたかヒビが入ったのだろう。
地面の上でうめき声をあげている。
南の地方の武術だろうか。かなりの使い手と見た。
半蔵はただ、その流れるような動きに見とれているしかなかった。

363 :
「これでも手加減してあげてよ?」
女人は着物の裾を直し、転がった男達の間を通ると
比較的動けるごろつきが懐から刀を取り出し、再度女人に襲いかかる。
「ぶっしてやる…!」
「キィイン…」という金属同士のぶつかる音が辺りに響くと
ごろつきの持っていたドスが転がっている仲間の頬を掠め、地面に突き刺さる。
反射的に飛び出た半蔵は左手で女人を庇うように抱え、
右手でごろつきのドスを自分の刀で弾いたからだ。
ごろつき達はその威圧感に圧倒され冷や汗を流す。
怪我人数名で刀を持った武士に勝ち目がないと判断したようで
動ける者は重傷の者を引きずる形で無言でその場を逃げ出した。
半蔵は男達が去ったのを確認すると、刀を降ろし、女人を見やる。
先ほどは癖のある前髪で顔がよく見えなかったが
なるほど。整った目鼻立ちにぽってりした唇。
そして意思の強そうな茶色の瞳はどことなく妖艶さを感じ、
半蔵は思わず女人に見とれる。
腕の中の女人の体温が僅かに上昇したのを感じると、女人が眉をひそめる。
…パァァン…!
女人から頬をはたかれ、半蔵は動揺する。
「いつまで私の胸を掴んでいるつもりなのかしら?…助兵なお人。」
半蔵はその時初めて抱えた女人の胸を掴んでいる事に気がつき、慌てて手を離す。
「す、すまぬ。わざとでは…!」
「それに、誰が助けを請いましたの?あれ位の太刀捌きなら避けられましてよ。」
お礼を言われるどころか、顔をはたかれた上に文句を言われ、さすがの半蔵も気分を害したようだ。
眉間に皺を寄せる。
「それは悪い事をした…!」
大人気ないと思いつつも語尾が強くなる。
女人は茶色の髪の毛をゆらゆらゆらし、数歩歩いてから足を停める。
「…一応、助けて貰ったのは間違いないから礼をしませんと。
姐さんから駄賃を貰ってますから、そこの茶屋でよろしいなら団子でもご馳走しますわよ。
…嫌なら構わなくてよ。」
女人は半分振り返ると流し目で半蔵を見る。
つまり、あまのじゃくのような表現だが
女人は半蔵に感謝しているというのは間違いないらしい。
歳はおそらく半蔵よりも年下だが
妙に艶っぽい。
掴みどころがない所にも興味が沸く。
「…馳走になろう。拙者は半蔵と申す。そなたは?」
「今は『お蝶』と呼ばれてますわ。」

364 :
半蔵はこの不思議なかむろに誘導されるまま、茶屋の長椅子に腰をかける。
「半蔵殿。ここの団子は口に合わなくて?」お蝶が茶色の瞳で半蔵を見つめる。
「否…。」
お蝶を見ていて好物の団子の存在を忘れていたようだ。
「お蝶殿、武術の心得があるようだが…?」
半蔵が団子を一つ口に入れる。
「ここに来る前はもっと南の地方に住んでましたの。
父はそこそこ名の知れた武術家でしたのよ。」
お蝶の瞳に影がさす。ここ吉原にいる女郎は皆理由あって売られてきた者だという事を半蔵は思い出す。
「悪い事を聞いてしまったようだな。…すまぬ。」
沈黙は突然破られる。
女のかん高い叫び声が通りに響く。
「嫌ぁ!放して!誰か助けてー!」
通りで男二人に抱えられた女郎がかなきり声をあげている。
その傍らに人相の悪い男が数名、通りから見る者を睨みつける。
「見せものじゃねぇ!」
通りを歩く者達が一行を避けるように道を広げる。
人の間から見えた女郎の顔は腫れていた。
抵抗したのか髪は乱れ、着物は土で汚れている。
半蔵が無意識に刀に手をかけるとお蝶が半蔵の手を抑える。
「何をなさる気?あの女郎はここの禁を犯して罰を受け、
これからもっと酷い罰を受けるだけの事…ここでは日常茶飯事。」
茶屋の主人が通りを歩く浪人に話しかける。
「また足抜けかい?」
「そうらしい。でも、一緒に逃げた客の男は足が早い奴だったらしく、何処にもいなかったらしいぜ。」
「女を置いて逃げたのか。後味悪いねえ。」
「大門を抜けて外に出れば追手に連れ戻され見せしめのためにされる。
私達女郎が大門を出るには身請けされるしか方法が無いのよ。」
目の前を過ぎた一行は女郎を引きずりながら近くの廓へと入っていった。
あの女郎が日の目を見る事はもうないだろう。
足抜け女郎と抜け忍、立場は違えど辿る道は同じ。
半蔵は何とも言えない気分になる。

365 :
「半蔵殿、お国に良い人はいまして?」
「…否。だが、このままいけば意に添わぬ女人と婚姻せねばならぬ…。それもまた運命かもしれぬな。」
半蔵が自嘲をふくめて静かに笑う。
「では、私と同じ…。私達は常に意に添わぬ殿方達と毎夜枕を共に。それも運命でしょう。」
冷たい風がふき、楓の髪が舞う。
秋がまた一段と深まったようだ。
半蔵が串とみたらしの蜜だけになった皿を店の主人に渡す。
皿が横に傾き、みたらしの蜜が半蔵の指にかかる。
「お客さん、すみませんねえ。」
「構わぬ。」
半蔵が指に付いた蜜を舐めとろうとした時、横から出た白い手が半蔵の腕を取る。
「お蝶殿、一体何を…?」
お蝶は無言で半蔵の指に絡みついた蜜を舌で舐めとり始める。
舌先で丁寧に。器用に。
…くちゅ。…
親指についた蜜を取る時は更に入念に。
まるで男根を扱うかの如く。
舌が指に絡みつく度、淫音が発せられる。
お蝶の艶のある視線もあり、情事の最中かと錯覚する。
身体の芯が熱い。
「…はぁ…」
半蔵の指から口を離すと、お蝶は自分の唾で濡れた指を手ぬぐいで拭き取る。
「勘違いしないでくださる?お礼のおまけよ。
私達かむろは姐さんが客を待たせてる間、お客様の時間潰しに指を一物に見立ててしゃぶるの。
たいしたことじゃなくてよ。」
顔を少し赤らめたお蝶が長椅子を立ち、茶屋の主人を呼ぶ。
「そろそろ帰らなきゃ…。私、明日から忙しくなるから。」
お蝶が茶屋の主人に銭をわたす。
気がつけば日が傾き始めていた。
「…また、逢えるか?」
半蔵は思わずお蝶の手を掴んだ。
何故そうしたのか、分からなかった。
自分の手も、お蝶の腕も熱い。
「明日から扇屋の『茜』という名前の花魁になるのよ。私。
本当は金子の山を三回積まなければ口も聞かない所だけど
半蔵殿が扇屋に来てくれるのなら…
…私が自分の花代を出しましょう…。
…嫌なら構わなくてよ。」
半蔵の手を軽く払うと、顔を見る事なくお蝶が人混みに紛れて行く。
吉原慣れしていない半蔵はお蝶の言っている意味が分からなかった。
ー客としてなら逢っても良いという事だろうか。
今まで感じた事のない感情が半蔵の胸を締め付けた。

366 :
>>357
待ってました!
時代物の雰囲気がいいなあ。
続きが楽しみです

367 :
354でつ。
今日はここまでッス。
これから続きをまた創作して
明日投下しやす。

分かりにくい表現使っててスマンお。
かむろ(禿)→女郎見習い。(処女)
引き込かむろ→おいらんになれる素質を持つ将来有望なかむろ。
水揚げ→かむろがお金で処女買われる事。これを経て一人前の女郎に。
※誰でもおいらんになれるわけじゃなくて
教養や芸事をそれなりに身に付けないとなれなかったらしい。

368 :
>>367
ありがとん。

今から続き投下しやす。
既に間違いを色々発見してしもうたorz
2話→「吉原での拠点となる廓へと向かう」×
「吉原での拠点となる薬屋へと向かう」○
8話→「冷たい風がふき、楓の髪が舞う」×
「冷たい風がふき、お蝶の髪が舞う」○
ではよろしくお願いしやす。

369 :
おえんの薬屋に戻るとせがれの番頭が昨夜、辻斬りに襲われかけた女郎が
二人の黒い人影に救われたという噂が広まっているー
という噂話を、薬を買いにきている客と話していた。
息子も母親が忍という事はこれからも知る事はないだろう。
番頭に軽く会釈し部屋に入ると、困った表情を浮かべているおえんと、
にやけた弥彦が茶をすすっていた。
「お前、清純系の正統派なヤマトナデシコ的おなごが好みとばかり思ってたが
艶っぽいそそる女が好みだったんだなぁ。里にも色っぽいのが何人かいるが、ああいう華のある女いねえもんな。」
「見ていたのか?!」
半蔵の顔が真っ赤になる。
「団子食べながら鼻の下伸びてたぜ〜。」
弥彦に見られていた事にきづかなかったとは不覚極まりない。
「扇屋は敷居が高い廓で有名でしてね。一緒にいたのは「お蝶」でしょう?
明日、水揚げされ一人前の花魁になるそうですよ。
ただ…ね。普通の女郎ならともかく、お蝶は昔から名を馳せる花魁になると言われていますから…
金三枚では門前払いでしょう。
それに明日は廻船問屋の旦那との水揚げが決まっているのはここらでは有名な話です。
他にもたくさんおなごがいますから…ね。」
遠まわしにお蝶はやめておけ。という事らしい。
普段はあまり飲まない酒を弥彦と交わす。
お蝶の事を考えると胸が熱くなる。
気を紛らわせようと酒を仰いだはずが、気がつくと弥彦にお蝶の事ばかり話していた。
「お前、その女郎に惚れたのか?」
「分からぬ…、只、お蝶殿の事を考えると胸が苦しい。これが俗に言う恋患いという病気か?
…それにまだお蝶は女郎ではない。かむろだ。」
半蔵が何度も大きな溜息をつく。
弥彦が畳に寝そべる。
ーこれは重症だ。ー
お役目に関しては里一番の手錬れのくせに、おなごに関しては下人の自分以下。
まあ、そのうち嫁でも貰えば多少の免疫もつくだろう。
半蔵の若い青年らしい部分を垣間見、弥彦は皮肉を込めて笑う。
「…しかし、拙者は忍。お蝶殿は吉原の女人。住む世界が違いすぎる。その上、拙者の片思いだ。」
「そうだ!良い事思いついた。」
弥彦が起き上がると満面の笑みを浮かべる。
弥彦がそんな顔をする時は決まってよからぬ事を思いつく時だという事を半蔵は知っていた。

370 :
癖のある髪の毛を椿油で固め花魁髷に結い上げる。
かんざしをさし、煌びやかな羽織に身を包み
三つ指をたて、しなを作り男を迎える。
「お蝶」は昨日の引き込かむろ時代の名前。今日からは花魁の「茜」が自分の名前。
水揚げ用に造られた離れの座敷で初めての相手を待つ。
「旦那様。今夜はたくさん可愛がってくださいまし…。」

父が信頼していた兄弟弟子に騙され、多額の借金を背負ってしまい
自暴自棄になった父は自決。母や兄、姉達と共に毒を服した。
その前に食した物と一緒に毒を吐いてしまい、自分だけ生き残ってしまった。
借金を取りにきた輩にそのまま人売り引き渡された。
毛色が変わっているとこんな遠くの地に売られ今に至る。
父親から教授された技や捌きの鍛錬は怠らなかった。
毎夜、廓の者達が寝ている時に父親の姿を思い出し型を練習する。
吉原では武術など必要ない。
只、父の生きた道を残したかっただけだ。生きた証を…。
それは幾度となく自分を助ける事になるとは知らずに。
少し変わった毛色で他のかむろから馬鹿にされる事も多かったが
根っからの負けず嫌いの気性で踊り、琴、三味線、茶道、歌を極め
将来有望の引込かむろして期待される。
いかにして男の気を引くか、喜ばせるか、興奮させるか
姐女郎達の情事を隠し窓から見ては
目線、しぐさを一人勉強した。
水揚げ代も相場では異例の金百両。
吉原に名を馳せる花魁になり、吉原で一花咲かせる。
その後はどこかの金持ちに身請けされて大門を出る。
夢も希望もないここでの唯一の道だ。
姐女郎から貸して貰った本を読み漁る。
ここでは味わえないような恋愛が綴られている。
こんなものは絵空言。
ここでの情は全て仮初め。
恋は身を滅ぼす…。

だが、出会ってしまった。
一目で恋に落ちてしまった。
黒い髪、黒い瞳。端正な顔立ちに影があるものの、どこか純粋さを持った瞳。
自分の気持ちを悟られぬよう思わずはたいてしまった。
つい気持ちと裏腹な事を口にしてしまう。
すぐにその場を離れるつもりだったが、もう少しだけ一緒にいたいという気持ちが勝ってしまった。
口数は少ないが、正義感と優しさを秘めている。
その男に抱かれる事を想像しながら指を吸った。
いつか自分の元を訪れてくれる事はあるだろうか?
あの男は生真面目な男。
嫁を貰えば廓に足を踏み入れる事はないだろう。
今夜から毎夜、好いてもいない男を迎える。
あの男に抱かれている事と考えれば…きっと耐えられる。

371 :
「茜〜。もっとちこう寄れ。ささ、もっと酒を注げ!」
古狸のような風貌の廻船問屋の主人・荒川が茜の肩を抱き自らの方に寄せる。
「旦那様。酒も良いですが琴などいかがです?わちき、今日のために練習しましたの。」
「音楽なんぞどうでも良い良い。はようお主を味わいたくてワシの愚息がウズいておるわ。」
茜の耳に酒とヤニ臭い息がかかる。
「その前にちょっと厠に行ってくる。良い子にして待っておれ〜!」
「旦那様、早く帰ってきてくださいまし。」
荒川は席を立つと赤ら顔でいやらしい表情を浮かべ、襖を閉め外に出ていく。

下品な人…。
これから毎夜、こんな日が続くのだから慣れなくては。
茜は大きな溜息をついた。
暫くすると、荒川が部屋に戻り茜の隣に座る。
…?
茜は先程と何か違う違和感を覚える。
「夜風に当たってちょと酔いが覚めた。何か一曲弾いてくれんかのう。」
離れから見事な琴の旋律が響く。
廓の主人は琴の音を聞きながら、荒川から渡された金百枚を数え、その後の予定を打算する。

おかしい…。
先程まで楽に全く興味を示さなかった男が今は奏でた曲について風流な感想を述べた。
先程のようにしつこくまとわりつかず、一定の距離を保っている。
酒もあまり進まない。
「旦那様。そろそろ…。」
茜が布団の敷かれた隣の部屋に目を向ける。
荒川に違和感を覚えつつもさっさと終わらせてしまいたい気持ちでいっぱいだった。
煌びやかな羽織が何枚も畳に落ちる。
肌着一枚の姿になり寝所に足を踏み入れる。
この男があの方だったら…。
ありえない事を思いながら布団に腰を落とす。

372 :
「明かりがあってはそちも恥かしかろう。灯を消してやろ…。」
荒川が行灯に手をかけようとすると茜が言葉を遮る。
「お待ち下さい。その前にもう一口お酒を…。」
寝所に用意されている徳利を出すと茜は右肩の肌着を下にずらす。
年相応ではない大きめの胸がこぼれ出る。
とれたての桃のようだ。
徳利を鎖骨のくぼみに少したらすと溢れ出た酒がほのかに赤みを帯びた胸の中心に流れ落ちる。
「さあ…わちきの器でお酒を楽しんでくだしゃんせ…。」
茜が妖艶な笑みを浮かべると荒川は術にかかったかのようにゆっくりと茜に近づく。
茜の前に膝を落とすと茜の右肩を抱くとゆっくりと口を鎖骨に近づける。
酒と共に茜の鎖骨を口に含む。
こんなに美味な酒を口にした事はない。
荒川の体温が一気に上昇する。
茜の甘い息が耳にかかった。
「…そのお姿で私を抱くおつもりですか?半蔵殿。」
…!…
荒川が一瞬にして茜から離れると大きく跳びながら外に通じている障子まで下がる。

373 :
「…何故、分かった?」
姿は荒川だが声が半蔵の声に変わる。
「厠から戻ってからの荒川様と身なりは同じでも中身は別人…。
それに荒川様は廻船問屋。常に川の傍にいるので川の水…それにタバコの香りがします。
でも、…今の荒川様からはほのかに火薬の香りがします。…半蔵殿と同じ香り。」
ふうっ…と荒川の姿をした半蔵が小さなため息をつき、立派な羽織を脱ぎ捨てると
一瞬のうちに変わった着物の逞しい青年の姿になる。
「常人に見破られるとは、拙者の変装もまだまだのようだ…。見ての通り、拙者は忍。
…恥ずかしながら、荒川氏に化けたままそなたを夜這いするつもりだったが
正体を見破られてはもうここにはおれん。それに…拙者はそなたの客にはなれぬ。」
何より、そなたに本気で懸想しているから…この姿では抱けぬ。
とは、言葉に出せなかった。
踵を返すと障子に向かう。
「荒川様は…?」
「眠り薬で夢の中だ。厠近くの物置にいる。すぐこちらに戻すから安心されよ。」
「…でしたら、荒川様はしばらくそのままに。今、この場にいる者が私を抱く権利がありましてよ。
半蔵殿の事ですから、分かっていなかったかもしれませぬが、女郎が自分の花代を出すというのは
本当に慕ってる殿方のみだけ…。」
それは即ち、この女も自分を慕ってくれているという事なのか?!
半蔵が後ろを振り向く。
布団の上に座った茜が肌着をめくるとゆっくりと脚を開き、一指し指と中指でゆっくりと未発達な花弁を広げる。
…くぱぁ…
「この花の蜜を吸うてみたいとは思わないのかしら?」
この機会を逃したらこの男とはもう逢えないという事を本能で感じていた。
ならば、姐女郎が客を虜にするという奥の手で…。
艶を帯び、泣きそうな表情を浮かべた茜が流し目で半蔵を見つめる。
行灯の弱い明かりに照らされた小さな花弁から蜜が一滴流れ布団を濡らす。
何かが切れたような気がした。
半蔵は気がつくと着ている忍衣装束を脱ぎ捨て、女人を布団の上に組み敷いていた。
「茜殿…。」
「『楓』と呼んでくださる?…私の本当の名前…。」

374 :
「かえで…。」
「半蔵殿…。」
楓が半蔵の首に手を回し、どちらともなく唇を合わせる。
…ちゅ…。くちゅ…。
お互いの舌が絡む。それだけで二人の体温が上がる。
半蔵が器用に楓の帯を解き、肌着を脱がす。
形の良い胸が二つ踊り出る。
半蔵は唇から首、鎖骨に舌を這わせると左の楓の胸の中心を口に含む。
右の胸は揉まれる度に形を手のひらで変え、先をつまむとわずかに楓の身体が跳ねる。

「では、次は私が…。」
楓は半蔵の上に馬乗りになると白い指を身体に這わせる。
「逞しい身体…。」
身体のいたる所に細かい傷が見える。
指は胸から腹、下へと下りていく。
既に半蔵の男根は堅く脈打ち上を向いていた。
「男性は皆、荒ぶる刀を身体にお持ちなのね…。」
間近で男根を目にしたのは初めて。
しかし、どうすれば良いかは分かっている。
両の手で男根を優しく包むと股間に顔を沈め、亀頭を口に含む。
舌を絡めながらゆっくりと頭が上下すると
半蔵の男根は更に堅く太く、熱を上げていく。
舌は的確に半蔵の快楽のツボを抑えている。
ちゅ…ちゅば…じゅる。
そろそろ快楽の波が近づき、半蔵が腰を引くが楓は半蔵を放さなかった。
…!…
楓の口の中にこれまで口にした事のない苦く、どろりした液が広がる。
半蔵の男根から口を離すと楓の口の端から白い液が流れる。
「無理をしなくても良い…!吐き出せ。」
昔、性技の指南を受けた年上のくの一から男の精液は苦く不味いものだと教えられたのを思い出す。
楓の喉が鳴る。どうやら飲んだようだ。
心配そうな表情を浮かべる半蔵を横目に、楓は口の端から流れた白い液を指でぬぐい取り、口へと運ぶ。
…ちゅぱっ…
「姐さん達は不味いと言っていたけれど、半蔵殿の味…、私は嫌いじゃなくてよ。」
楓が色っぽく、優しく笑いかける。
その顔を見て、半蔵の男根はすぐに熱を取り戻した。

375 :
「そなたの花の蜜を吸うてみたい。」
半蔵は楓の腰をかかえ脚を開かせると楓の秘所に口をつける。
小さな花から少しずつ蜜が溢れてくる。
どことなく甘く感じる。
「そなたの蜜はとても美味だ。」
楓の顔が真っ赤になる。
姐女郎達が毎夜客に囁いていた言葉がこんなにも卑猥な事だったと知る。
花の芯を舌で刺激すると楓の息が荒くなるのに気付く。
芯に吸い付き刺激をあたえ続けると、やがて楓の身体が大きく跳ねる。
「あっ…。」
一瞬、目の前が白くなった。
これが姐女郎達が言っていた「極楽」というものだろうか。
更に蜜で湿った花の小さな穴に半蔵の指がねじ込まれる。
「きゃっ!」
楓の顔が苦痛に歪む。
「すまぬ…!」
慌てて楓の中から指を抜く。
今まで生娘を相手にした事がなかったため、加減が分からない。
どうしたら良いかと固まっていると、楓が半蔵の指を舐め、自らの花へと導く。
「もういちど…。」
半蔵が少しずつ楓の中に指を入れ、優しく出し入れする。
何度も出し入れすると、一定の場所をこすると反応する箇所をみつける。
そこを何度もこすると楓の身体がもう一度大きく跳ねる。
「あぁ…。」
半蔵が指を抜くとそこから更に多くの蜜があふれ出る。
半ば惚けた眼を半蔵に向ける。
「女は花の中に殿方の荒ぶる刀を納める鞘があると言います…。…貴方様の刀を私の中へ…。」
半蔵は小さく頷くと荒ぶった自分の刀を楓湿った花にあてがう。
くちゅり。と蜜が溶け合う音がする。

376 :
大きく、堅く、熱いものが楓の中に進入し始める。
目鼻立ちの整った綺麗な顔が苦悶の表情を浮かべ、首をふるとかんざしがぽとりと布団に落ちる。
楓が半蔵の背中に爪を立てる。
女人達が初めての時と出産の時は気が遠くなる程の痛みを伴うという。
だが、頭では分かっていても身体が言う事を聞かない。
根本まで楓の中に静めると中の肉壁が半蔵の男根を締めあげる。
その時、今まで味わった事のない快楽が半蔵の中を電流のように駆け巡る。
「…くっ…」
思わず声が漏れる。
女の中には「名器」を持つ者がいるという。
それは膣の中に数の子を持っていたり、みみずを千匹飼っていたり、巾着を持っているという。
半蔵を締めつける楓の中は沢山のみみずがいるかの如く、肉壁が男根を這い、締め上げる。
男根を出し入れする度に電流のような快楽が支配し、やがて楓の鞘の中に欲望を解き放つ。
だが、楓の鞘が締め付けると、すぐに中で大きさを取り戻す。
楓を四つんばいにすると更に後ろから責める。
身体が揺れ、またひとつかんざしがふとんに散る。
初めは痛み以外感じなかったが、楓の中に少しずつ快楽の波が押し寄せる。
半蔵が貫く度、少しずつ。
…ぬっぷ…じゅぷ…
卑猥な音と腰を打つ音、二人の荒い息使いが部屋に響く。
「はぁ…ん、はんぞ…殿。…あぁ…ん。わた…し、もう…、あっあっ…!」
楓の身体さ大きくのけぞり、同時に半蔵をきつく締め上げると、再度半蔵は楓の中に欲望を流す。
後ろから楓を抱き込むとそのまま二人で布団に突っ伏す。
楓の中から自身を抜くと、太ももをつたい白い液と紅い血が流れる。
二つの液は途中で交わり、布団に桃色の染みを作る。
「かえで…殿?」
緊張が切れたのと疲労と痛み、初めての快楽によりそのまま寝入ってしまったようだ。
楓の目には涙が浮かんでいた。

377 :
快楽の中、夢を見た。
これが極楽の夢なのだろうか?
可愛らしい二人の童達が自分を母と呼ぶ。
自分は台所で食事の用意をする。
ふり返るとその先には大きな背中の男。
愛する私の旦那様…。

目を開けるとそこは暗闇。
障子を抜けた月の光が部屋をぼんやり照らす。
自分には来るはずのない幸せな夢を見ていたようだ。
ゆっくりと身体を起こす。
少し身体がだるい。そして所々が痛む。
辺りにはかんざしが散らばっていた。
布団をめくると汚れていた自分の身体が綺麗になっている事に気がつく。
だが、隣には誰もいない。

「行ってしまったのね。」
楓が寂しそうに一人呟く。
せめてもの先程の事が夢でなかった事に安堵する。
もう逢えないと思っていた。
けれど逢いにきてくれた。
抱いてくれた。
これ以上の事は望んではいけない…。自分は吉原の女だから。
隣の部屋からかすかに明かりが漏れている。
枕元に丁寧にたたまれた肌着に袖を通すと襖を開ける。
部屋の中央には変わった着物を着た半蔵が正座で鎮座していた。
「もうすぐ夜が明けますわ。そろそろ荒川様も帰していただかないと…。」
まだ男がいた事に喜びを感じつつも、現実に戻らなければならないと自分に言い聞かせる。
「楓殿。そなたに頼みがある。」

378 :
楓は半蔵の前に腰を下ろす。
くせのある前髪と、情事でほどけた後ろ髪がゆらりと揺れる。
半蔵は一度大きく深呼吸をすると畳に額をつける。
後ろに縛った黒い髪が首から畳へと落ちる。
つまり、土下座である。
「拙者の嫁になってくれ…!」
楓は想像しなかった願いに驚きの表情と共に目を見開く。
「拙者はこの通り、忍の者。影で生まれ、影にぬ。
お役目で長く留守にする事もあり、いつ命を落とすかも分からぬ身。
だが、武家以上の暮らしは保証する…!
「半蔵殿…?面を上げてくださいまし。」
「逢って一日だが、拙者はそなたに懸想…いや、愛してしまった!
これから先、他の男がそなたを抱く事を想像すると拙者の胸が張り裂けそうになる。
男達を片っ端から闇に葬る鬼と化してしまいそうで自分が恐ろしい。
そなたが少しでも拙者を想っているというなら…頼む!」
半蔵の耳までもが真っ赤に染まった。
楓がそっと半蔵の肩に手を置く。
てっきり今晩の事は忘れてくれと頼まれるものだと思っていた…。
「分かりましたから、面を上げてくれないかしら?」
「楓…殿?」
半蔵がゆっくりと顔を上げる。
楓が困ったように笑っていた。
「私も逢って一日ですが、貴方を愛しております。
貴方様が初めての相手で本当に良かった。
…ひとつ、約束してくださるかしら?…私より、先になないで…。」
もう残されるのは嫌だから…。
半蔵が楓の手をとる。
「では…!」
楓が顔を赤らめながら小さく頷く。
「ふつつか者ですが、よろしくお願いします…。あなた…。」
半蔵が強く楓を抱きしめると、楓の頬を一滴の涙が伝った。

379 :
スパーン…!
小気味良い音と共に目の前の障子が大きく開く。
半蔵と同じ変わった着物を着た男が荒川を抱えて部屋に入る。
「弥彦…。もう少し空気を読んでくれぬか?」
半蔵が弥彦と呼ばれる男を見ずに言い放つ。
「お前がお楽しみ中、俺はこの狸おっさんと狭い物置の中で一夜を過ごしたんだぞ!」
手際よく荒川の肌着をはぎとり、裸にすると寝所に蹴り込む。
薬が効いているのか荒川は大いびきで布団に転がる。
「おい、そろそろ用意しろ。連れて帰るんだろ?そろそろ夜が明けるぞ。」
弥彦が荒川の肌着を放り投げる。
「かえでど…楓。何か持ち出したい大事な物はあるか?」
楓が首を横にふる。
「では…。御免!」
楓の首にちくりと痛みが走ると意識が遠のいていく。
楓の肌着を手早く脱がせ荒川の着物の近くに放りなげる。
「弥彦。こちらを見るでない。」
自分の忍着物の上着で楓を包む。
こりゃ、嫉妬深い旦那になるな。と弥彦は心で思った。
弥彦が二つの風呂敷を半蔵に投げる。
「一つはお前の荷物。もう一つはおえん殿から。
中には女人の旅着物、草履等一式が入っているらしい。女の勘ってすげーな!」
おえんはこうなる事を予想していたのだろうか?
半日前、冗談半分に
「そんなに好きなら水揚げ相手に化けて夜這いすればいいだろ。どうせ相手が誰でも違いねえんだから。」
と、軽く言った事が大事になってしまった。
夜這いした花魁をそのまま嫁に決めてしまったのだから。
これは大変な事になるなと思いつつ、これから里で起こる事を想像すると笑いが止まらなかった。

その朝、一人の女郎が吉原から消えた。
女郎の持ち物や着物はそのまま。情事の痕跡もある。
だが、相手の男は厠に行ってからの記憶がないという。
人々は口々に「神隠し」だと噂したという。

380 :
外から鳥の鳴き声と多くの人が行き交う声が聞こえる。
楓が再度目を覚まし見渡すと、見知らぬ部屋の天井が見えた。
「ここは…?」
部屋に急須と湯飲み、ささやかな朝げを盆に乗せた人の良さそうな老婆が部屋に入ってくる。
「おや、目をさましたのかい?気分はどうだい?」
老婆の後ろから半蔵が姿を現す。今は武士の着物を着ていた。
老婆は半蔵に軽く会釈すると襖を閉めて出ていく。
「ここは里近くにある宿。今から出れば昼刻には伊賀の里に着く。」
宿…?!
楓は布団から出ると近くの窓から外を伺うと
外には旅の路を行き交う大勢の旅人達や馬を連れた者達。
近くの山々は紅く色付いている。
ここは「外」。
大粒の涙が楓の頬を伝っては着た覚えのない山吹色の着物を濡らす。
「…どうした?どこか痛むのか?…ここまで来るのにいくつかの関所があり
荷物と共にそなたを運ぶ必要があり、少々眠って貰う必要があったのだ。許せ。」
表情はあまり変わらないものの、困っているようだ。
風が部屋に吹き込み楓の髪が上に舞う。
日光が当たったその髪はより赤みを増して見え
まさしく大きな「楓」となり風に乗る。

宿を出て、山に入り獣道を暫く登ると開けた場所に出る。
「ここで少し休むとしよう。ここからもう少し先に行くと伊賀領に入る。」
自分を気遣っての事だろう。
さりげない優しさに楓の胸が熱くなる。

381 :
水を飲むと楓は袖をまくり、着物の裾をまくし上げ裾を帯に入れる。
白く長い手足が外気にさらけ出される。
楓は半蔵の前に進み出ると構えた。
「何を…?!」
「毎日鍛錬を忘れた事がなかったのよ。昨日までは…ね。組み手の相手になっていただける?」
半蔵は無言で頷くと侍袴から忍装束へと一瞬のうちに着替える。
「手加減は無用。真剣になさらないと骨が折れましてよ。」
楓がにっこりと妖しく笑う。
拙者はこの顔に弱いのかも知れぬ…だが!
忍び刀を地面に置くと半蔵も構える。
「いざ…尋常に…!!」

女人だからと心のどこかで軽く考えていたのかもしれない。
だが、彼女の繰り出す技はまともに受ければ間違いなく自分の骨をも砕く。
隙を付き、寝技に持ち込めば…!
楓の身体を掴んだはずが、空を掴む。
半蔵の手から逃れ、白い脚が半蔵の脚を払い、地面へと転ばすと
体制を立て直した楓のかかとが空を斬り、そのまま半蔵の顔へと降り落とされる。
「参った…!」
楓のかかとが半蔵の鼻の先で動きを止める。
手をぬいたわけではない。
刀と忍術を使わなければ今、この女には勝てないだろう。
我ながらとんでもない女に惚れてしまったと思いつつも
まだまだ武術に関して修行が足らないと静かに笑う。
「久しぶりに手応えのある人と組み手ができて、私…楽しかったわ。」
白い脚が半蔵の目前にくる。
一昨日の夜の事を思い出し、半蔵の身体が急激に熱くなる。
無意識に楓を立ったまま木にもたれかけさせるとそのまま乱暴に唇を奪う。
「すまぬ…我慢できぬ。」

382 :
着物の前合わせを乱雑に広げ、踊りでた桃のような胸にしゃぶりつく。
「あ…なた…。」
指が楓の花をそっと撫でると中に進入する。
一昨日よりも滑らかに進入する事ができた。
そのまま傅くと楓の右脚を肩にかけさせ、指を中に進入させたまま花の芯を吸う。
…ちゅり。…
「昼…に、こん…な場所で…、ダメよ…あんっ!」
楓の身体が跳ねる。
「はあ…。でも、嫌じゃないわ…。私…。」
熱っぽい視線を投げかける。誘っている目だ。
…ずりゅ…。ぬぷ…
荒ぶった自身を忍袴の隙間から取り出すとそのまま楓の中を貫く。
またもや電流のような快楽が身体じゅうを走る。
木に背に立ったままもたれかけさせ、右脚を抱え腰を打つ。
今この場に刺客が現れれば、間違いなく討たれるだろう。
だが、それでも止められない。
身体が揺れるとその振動が木を伝わり枝をかすかに揺らす。
二人の上に紅葉がひらひらと降り注ぐ。
半蔵の動きがいっそう速くなると楓の息も激しくなる。
「はぁん…!あな…た。私の中に…出し…て!」
更に大きく身体が揺れると再び半蔵を中から締め上げる。
それと同時に半蔵の男根が大きく脈打ち、楓の中に自分自身を全て吐き出す。
楓の中から抜くと白くどろりとしたものが脚を伝い足元の落ち葉に落ちる。
紅い紅葉に白い斑点が広がる。
楓はゆっくり半蔵の前に腰を下ろすと自分の蜜と半蔵自身の体液で汚れた男根をしゃぶり、綺麗にする。
「綺麗にしないと。その黒い着物が汚れてしまうわ。」
「も、もう良い…!」
これ以上刺激を与えられたらまた抱きたくなる…!とまでは口に出せなかった。
急いで楓から離れると身支度を整える。
あのまま吉原にいたら、間違いなく名を馳せる花魁となっていただろう…
と、半蔵は身を持って実感する。

383 :
二人が出羽山中にある伊賀の里に着いたのは夕刻を過ぎていた。
隠居の屋敷の広間で大勢の相談役達が到着を待ちかねている。
先に里に着いた弥彦から、事の次第が報告され
先代半蔵が甲賀のくのいちを連れて戻った時以来の衝撃が里を取り巻いた。
里の相談役や、娘を嫁にと企んでいた者達が
自分達の目論見が崩れ、思い思いに愚痴を吐いていた。
先代半蔵の時もこんな事があったなと隠居は思い返していた。
現半蔵の師である先代半蔵も同じく、端正な顔立ちだったが、
今の半蔵と違うのは女人に対して手が早かったという事だった。
里の女はもちろんの事、吉原の遊女や町娘、どうやらとある大名の側室まで手を出していたというのだからタチが悪い。
それが事もあろうかお役目を邪魔してきた甲賀のくのいちにも手を出した。
そのくのいちが本気になってしまい、押しかけ女房のような形で伊賀に居着いてしまったのだ。
くのいちは勝気な女で、文句を言う輩達やくのいち達に腕比べを申し込み
力と技で捻じ伏せた。
「さっさと娘に半蔵殿の床に夜這いをかけさせれば良かった。」
「ふんっ、お主の娘は顔がいまいちじゃから勃たんじゃろ。」
「何を?!」
「誰が半蔵殿に吉原を薦めたんじゃ?!」
「まさか花魁の色仕掛けに落ちるとは…。」
「そろそろ静かにせんか!!」
隠居の声と共に人々が一斉に声を噤む。
「服部半蔵、只今戻りました。」
襖が開き、半蔵と若い女人が部屋へと入る。
誰もが連れてきた女を穴が開くほど見つめる。
「その女がそなたの嫁か?」
茶色の髪の毛をゆらし、ゆっくりと頭を下げる。
「楓と申します…。よろしくお願いいたします。」
再びゆっくりと面を上げると流し目で周りの者達を見やり
艶を含めた瞳で妖しげに笑みを浮かべる。
相談役の男衆達が喉を鳴らした。
面白い…この場にいる男衆達を色仕掛けで落としよった。
隠居はにやりと笑うと静かに口を開く。
「約束は約束じゃ。三月以内に嫁を決めたのじゃから、その女を嫁にするが良い。
半蔵よ。今以上にお役目に励めよ。…以上じゃ。」
「御意。」
小さく安堵の息を漏らすと半蔵が深々と頭を下げた。

384 :
隠居はいまだに不満を漏らす一部の者達を部屋に残すと、そのまま縁側に出て月を仰ぐ。
暗闇を丸い月がぼんやりと照らす。
先代半蔵は甲賀の手錬れくのいち。
今の半蔵は吉原の花魁。
それぞれ面白い女を嫁に迎えたものだ。
では…、次に半蔵の名を襲名する者は一体どんな女を嫁にするのか。
「まだまだ長生きせねばならんのう…。」

半蔵の屋敷へと歩いている途中、半蔵は自分の首巻を外すと優しく楓の首に巻く。
「秋の風が一段と冷えるようになった。風邪などを召さぬよう…。」
「ありがとう…ございます。」
「新しいお役目を先程拝命した。一週間後に発ち、暫く留守にする…大丈夫だ。お主より先には逝かぬ。」
「あなた…。私に忍術とやらを教えていただけないかしら?私…、負けず嫌いなのよ?
それに…一方的に待つのは好きじゃなくてよ。」
「分かった。」
半蔵は優しく楓の肩を抱き、自分の方に寄せるとゆっくりと再び歩き出す。
秋の冷たい風が吹き、楓の首巻を空へと舞い上げるが
二人の心と身体は暖かかった。
半蔵の肩に真っ赤に染まった紅葉がひらりと舞い落ちた。
―もうじき冬が来る。

(終)


〜おまけ 数年後〜
「父上、はやくかえってきてね!」
楓に良く似た子供が心配そうに半蔵をみつめる。
半蔵に似た子供も楓の腕の中から心配そうな瞳を半蔵に向ける。
今回のお役目は三月かかると言われている。
「真蔵。わがままを言って父上を困らせてはいけませんよ。」
優しく諭すと腕の中の子供を下に下ろす。
「あら、あなた、肩に糸くずが…」
楓が半蔵に近づき、糸を払う仕草をしながら耳元で囁く。
「あなた…。早く帰ってきてくれないと、私…寂しくて、違う刀を私の鞘に刀を納めてしまうか…も。」
その後、三月かかるであろうと言われたお役目は、一月という異例の早さで遂行されたという。

385 :
354でつ。
何とか終了できやした。
名前がコロコロ変わったのは
かむろ時代とおいらん時代では別の名前をつけられるからでつ。

この連休はヒッキーしながら
半蔵×楓の初夜話ずっと創ってたお。
でも後悔してないんだぜ!(`・ω・´)

386 :
間違ってあげてしもうた。
早速間違い発見。
24話おまけ→「違う刀を私の鞘に刀を納めて」×
「違う刀を私の鞘に納めて」○
他にも誤字脱字とか
ちょっとおかしい部分が色々あるかもしれない。
申し訳ない。

387 :
>>354
乙でした!
初々しい二人の交流とエロをごちそうさまでした
>私より、先になないで
に真サムEDを思い出してじんわり来ました

388 :
>>387
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
真サムのキャラ設定イラストを初めて見た時から
自分の中での楓さんのイメージが「えっちな奥さん」なもので
またいつか短編エロを投下するかもしれないです。

389 :
久々に覗いたら凄く面白そうなのが投下されててよかった
明日読み始めるのが楽しみだ

390 :
投下乙
ありがとう、面白かった
gjです

391 :
いい物読ませてもらったぜ

392 :
陸捨肆氏のリムルルシリーズ、もうあれ(保管庫掲載分)で完結なのか?何度読んでも続きがあるようにしか見えないんだが…続きあるなら帰ってきてほしいなぁ…

393 :
保守あげ

394 :
投下が少ないから書いちゃった
色とリムルルと閑丸

395 :
「おててで白目」
 振り向いた女の目はんだ魚や人形の目のようにも見えるどこか奇妙
な目だった。錯覚を起こさせる奇妙な目は狙いを定めると動きを止めた
。女の目が捉えたのは、緋雨閑丸だった。
 無関心を閑丸は装う。しかし、あるかないかの一瞬の戸惑いに動揺が
表れていた。それでも無関心を敢えて貫こうとする閑丸は、ふと目を女
に向けた。女はまだ目を離していなかった。相変わらずあの調子の目だ
った。
 「何を、していたの」
 「何を、って…何も」
 「何を、していたの」
 どこかこの世の物ならざる様に、あるいはカラクリ人形の様に女が
問いかけてきた。喋れる事を意外に思いつつもはぐらかそうとした閑丸で
あったが、女には通じなかった。
 「何をしていたの」
 閑丸の中に不思議を超えて恐怖の感情がわきあがった。ただの美しい大
人の女かと思ったが、とんでもない存在に遭ってしまった。
 「ごめんなさい!!あなたがあまりにもきれいだったから、ついもう
少し長く見ていたいと思って追いかけてしまいました」
 傘も放り出して閑丸は頭を下げた。何度も頭を上げては下げている間
に、恐ろしい予感がした。
 (許してくれないのかな)
 「そうなの。わかった」
 閑丸の悪い予感は裏切られた。女は相変わらずの無表情だがかすかに
和らいで見えた。閑丸が安心している間に、女の視線が下がった。閑丸
の股間は盛り上がっていた。
 「それで、何をするつもりだったの。私を見た後何をするつもりだったの」
 「え?そ、それは…」
 「わからないのね。教えてあげる」
 感情を持たない女の動きに閑丸は後れを取った。女の手は閑丸の股間
の逸物を取り出すと、閑丸の手をとってそれに沿わせていた。
 「いや、その、…知って…ます」
 閑丸の声は段々と小さくなって蚊の鳴く様な声になっていった。女の
手に引かれて閑丸の手はその閑丸自身の股間を緩くにぎって摩る。女が
背後に回っても手は休む事が無かった。そして
 「うわぁっ!!」
 閑丸は体をこわばらせて身震いすると股間から迸らせていた。目は白
目を剥いていた。

396 :
「おててで白目」(続き)
 「あれ?リムルルさん?」
 「閑丸くん目が覚めた?」
 気がついた閑丸はリムルルに介抱されていた。
 継げる言葉が見つからなかった。既に乱れた衣は直されていた。あの
女は影も形も残っていない。しかし言葉が見つからない。
 (言えるわけないよな。きれいな女の人を追いかけたら捕まってあん
な事されたなんて)
 リムルルの顔が赤みを増していったが二人は無言だった。揃って口を
開こうとするが閑丸の口もリムルルの口も結局閉じたままだった。
 (いいのかな。このままリムルルさんに黙ったままで)
 閑丸はそう思ったがやはり黙ったままだった。
 「あのね、閑丸くん」
 真っ赤になったリムルルが恥ずかしげに切り出した。
 「閑丸くんおなか出して倒れちゃったけど、あの女の人と何してたの?
遠くて見えなかったけど」
 そこまで言った時閑丸は駆け出していたが滑って転んだ。いつの間にか
地面が光っていた。
 「言わなきゃダメなんですか?」
 リムルルはうなずいた。逃げる事は出来そうに無い。観念した閑丸はた
め息をつくと語り始めた。
 「あの女の人がね、僕の…あそこを取り出して…、…そしてこうやって
僕の手を…」
 「もう一回やってみて」
 興味津々なリムルルに心底困りながらも、閑丸はため息を更につくと股間
の逸物を取り出して摩り始めた。
 「すごいすごいどんどん大きくなってってる!!どこまで大きくなる
のかな」
 「やめて…」
 息も絶え絶えな閑丸の声を無視してリムルルは楽しげに閑丸の股間を遠慮
せず摩り始めた。間もなく
 「まだいけないのにいっ!!」
 閑丸は再び身を固まらせて激しく身震いすると、白目を剥いて股間から迸
らせていた。
 「うわっ!!また白目剥いちゃった!!閑丸くん!!閑丸くんしっかり!!」
(終わり)

397 :
誰かまた投稿して欲しいのう

398 :
354ですがエロパロまとめの方修正ありがとうございました。
gjくれた方もありがとう。投下した甲斐がありました。
マイナーで申し訳ないですが半蔵×楓ものをあと3本
くの一×真蔵 筆おろしもの1本 をいつか投下する予定です。
現在創作中なので2月〜3月辺りに1本投下させていただきます。

どうでも良い事ですが、自分の中でのイメージは
楓さん→杉●彩
真蔵→タ●キー だったりします。

399 :
3月が楽しみになった

400 :
あるぇ、次男は??
半蔵似はどうみても勘蔵の方だと思いますが。

401 :
公式年表みると楓は10代で真蔵、勘蔵産んでるみたいだなw

402 :
10代というか年表や公式設定から推測すると
出生〜15歳(推定 →不明、忍出身ではないがすぐに忍術マスター)
16〜17歳(推定 →真蔵 出産 忍者業引退)
17〜18歳(推定 →勘蔵 出産)
32〜33歳(推定 →去)
今で言えば女子高校生が…というようなもんだ。

403 :
真蔵と勘蔵は年子じゃないだろ、幼いから厳しい忍の修業できない年齢てあった。だけど楓んだあと普通に修業してる謎。

404 :
真蔵が16歳位だとして
勘蔵は真サムのグラ見る限りそんなに歳離れてないかと。
弟の発育が良かったとしても2歳違い位か?
厳しい修業をするボーダーラインが15歳以上からとか。
エロパロ的には若かりし頃の半蔵が
15、16歳位(場合によっては14とか)のおにゃのこな楓にあんな事や
こんな事をし尽くしたという事が年表から判断できる事が重要だろ。

405 :
スレの容量って512MBが限界だっけ
まだまだ大丈夫だな

406 :
>>404
だが、楓は半蔵より歳下は確かだが、一つ違いの可能性もありw半蔵夫婦は10代で親なったのは間違いないな。
勘蔵はリムルルより一つ年下ぐらいだからそんなもんか

407 :
>>406
もっとロマン持ってくれw
オイタしてから出産までに10ヶ月かかる事を忘れてはならんぞ。
ましてや1回で懐妊するとは限らんしな。
新米くノ一のまだ何も知らない純情娘の楓(リムルル位の年齢、でも巨乳)が
修業の一貫だからと言いくるめられて半蔵に色々開発されて
段々とエロ素質を開花する話を妄想してたんだよ(´Д`;)
文章にできないけどな。

408 :
真蔵16歳、勘蔵14歳と仮定した場合、最初の4年間はラブラブだった半蔵夫婦だったが、その後14年間セックスレスとなりました

409 :
ここは携帯大丈夫ぽいな
次は真蔵に弟ができる話しですねwお待ちしております

410 :
おちちゃうよage

411 :
>>401
時代的には10代でケッコンスサーンなんぞ当たり前だろ

412 :
おシャル様で何か書きたいけどうまくまとまらん
これがスランプか

413 :
保守兼ねて
羅将神ミヅキと閑丸で

414 :
「羅将神は悪さ大好き」
 (うわぁ、なんだか凄い所に来ちゃったなぁ)
 閑丸はイタコの口寄せに興味が出て恐山に登りました。しかし登ったは
いいものの、上に行くほどどんどん辺りの様子がおかしくなってきてしま
いました。水晶が立ち並び稲光のような光が走っている中を閑丸はそれで
も登っていき、水晶の群れの中の神社に辿りついたのでした。
 (すごい神社だなあ)
 神社の真ん中には二つの玉がふわふわと浮いていて、そこにきれいな女
の人が一人立っていました。
 「あのう、イタコの人はどこへ行けば会えるんでしょうか」
 女の人はとても不機嫌で鬱陶しそうに言いました。
 「ええいお前の魂は必要なのじゃないラキ!いや待てよ…」
 怒鳴られた閑丸が驚いていると女の人が玉串を振りました。すると閑丸
の体が宙に浮いてしまいました。
 「いい暇つぶしになりそうラキ」
 浮かばせられた閑丸に近寄ると、女の人は閑丸のおちんちんを引きずり
出しました。
 「やめて…」
 「やめないラキ。これは楽しくなりそうラキ」
 怖がる閑丸のおちんちんを、女の人はいきなりしゃぶりました。
 「うっ」
 「ふふっさては女をあまり知らないか、全く知らないなラキ」
 閑丸は顔が赤くなりました。その間にも女の人は、もっとビックリする
ような事を始めました。
 「あっ」
 女の人は飲み下すような勢いで喉の奥にまでおちんちんを吸い込んでから
外に出しました。女の人がとてもきれいなだけに、閑丸はとてもドキドキし
ました。
 (こんなきれいな人に、おちんちんしゃぶられて、こんな事されるなんて、
恥ずかしい。でも、少し気持ちい…)
 「うああっ」
 女の人は舌をからめておちんちんをいじりました。閑丸は耐えれなさそう
になりました。
 「本当にやめてください!!」
 しかし女の人は全く耳を貸しませんでした。女の人の唇はとてもきれいで、
あの口の中であんな事をされていると思って、閑丸は更にドキドキして頭の
中が真っ白になりそうでした。
 「あのすみません!もう出ちゃいそうなんですけど」
 「何!?もう出る!?お前早過ぎるラキ!!もう少し恥ずかしがって抵抗
しろラキ!!せっかくおもしろか…」
 「ごめんなさい!!もう行きます!!」
 そう言うと同時に、真っ白な液体がミヅキの顔に噴きかかりました。しばら
く呆然としていたミヅキは我に返るとカンカンになって怒りました。
 「小僧ぉぉぉ!!引き裂いてくれる!!」
 「そそんな!!勝手に悪戯しておいて出しちゃったら怒るなんてワガママ
すぎますよ!!」
 「黙れ小僧!!」
 閑丸はほうほうの体で逃げ出しました。ひたすらに逃げて気がつくと、空が
青く澄み渡り、水晶も稲光もどこにも無くなっていました。
 「何だったんだろう」
 でも夢ではありませんでした。閑丸の足は自分の白い汁でまだ少し汚れてい
ました。
 (終わり)

415 :
書きたいのにうまくまとまらない
寝不足だとダメなのか

416 :
保守かねてシャルロットとナコルル

417 :
「はるかなる山女壁女」
 「はあ」
 ナコルルの脳裏にまた胸が浮かぶ。あのフランスから来た摩天楼の様な大女
の胸はナコルルの心を乱した。他にも胸の大きな女はいたのだが、あの胸が忘
れられない。
 (あの人の胸に比べて私の物は)
 ナコルルが胸の小ささをこれほど気にしたのは初めてだった。
 (揉めば大きくなるって)
 「あ…」
 自然と手が動いていた。薄い胸の上にかぶせられた手が動く。沈めれるほど
の豊かさが元々無い。薄い胸にかぶせられた手が、指を押し付けて、離す。押
し付けて、動かす。
 「ううん…」
 衣をはだけて直に触れた。薄さが痛々しい。しかしいずれは大きくする。し
かし大きくなるのか。本気で大きく出来ると思っているのか。
 「あっはぁっ」
 乳首がいつの間にか起き上がっていた。白い裸身は赤みをほのかに帯びてい
った。その裸体に、手が触れた。
 「!!」
 シャルロットがいた。すぐそばにいたのだろう。それにも気がつかないほど
熱中していた事を察してナコルルが赤くなった。目にあの大きな胸が映る。更に
顔が赤くなった。
 「私も、手伝ってやろうか」
 大きな手が直に胸に覆いかぶさった。足が震える。息は湿り、温もりが高まる。
 「シャルロットさん、すごく、いい」
(終わり)

418 :
もうすぐ4年か…w懐かしいスレをみつけたもんだ
その間に3回就職活動経験したのぜ、全部潰れたけれどな

419 :
保守代わりに投下
シャルロットと閑丸で

420 :
「異人との遭遇」1of3
 「和尚様、あの田んぼの向こうには何があるんでしょうか」
 「あの向こうは、長いこと行っていないが、こうなっている」
 「わあ凄い。山の向こうもあの山の向こうも町の向こうもこうなっていたんですか」
 「そうじゃ閑丸。世界はとても広い。一生の間には恐らく歩ききれない程度にな」
 「和尚様、じゃあ海の向こうは海だけなんでしょうか」
 「そうではないのだ。この地図だけが世界なら一生をかけずとも歩ききり、船を使えば
渉りきれるだろう。だが世界はこの地図に描かれていない所がとても広いのだ。そこには
お前が見たことも無い人が住んでいる。雪の様に白い肌の人もいるし漆のように黒い肌の
人もいる。真っ青な衣の染料が染み付いて青い肌をした人もいるそうだ。火を吹くほど辛
い物を毎日食べる人がいるかと思えばどうやって作るのかわからないほど甘いおやつを食
べる人もいる。おっとこれ以上はやめておこう。国の外に出るのはご法度じゃからな」
 閑丸の遭遇した相手は見たことも無い肌と髪をしていた。何より閑丸を驚かせたのはそ
の背丈であった。まさしく外国人だった。
 「なんだその目は」
 「す、すみません」
 見上げるような大女は、しかしとても美しかった。奇妙な剣を弾き飛ばして油断した所
を、痛烈な浴びせ蹴りを受けて閑丸は敗れたのであった。
 「まったく敗者の身で、負け惜しみどころか怪物を恐れるような…」
 「とんでもない。こんな綺麗な方をそんな風に見るだなんて」
 「何!?怪物扱いかと思ったら娼婦扱いか!?」
 何とも扱い辛い美女に閑丸は困った。
 「ち、違います!!でも、本当に…あ!!いやその…」
 うつむいた美女が黙った。怒りをこらえているように見える。怒りで前後不覚になった
ようにも見える。閑丸が怯えた時美女がくすくすと笑った。
 「ふふ、最初は腹が立ったが、あまりに可笑しいうろたえ方だからどうでもよくなったよ」
 気が抜けてしりもちをついた閑丸を見てまた美女は笑った。
 (それにしても)
 視点が下がった閑丸は自然にシャルロットの足を見ていた。
 (綺麗な足だなぁ)
 「もう立つのか」
 シャルロットに言われて勃起しているのに閑丸は気がついた。慌てて隠そうとする
その手を大女がつかんで止めた。
 「今日は少し意地悪をしたいんだ」

421 :
「異人との遭遇」2of3
 「や、やめてください」
 「お前、もう自分でしてるのか?」
 「そ、それは…」
 「くくっ、お前は本当にかわいいな。言い寄ってくる女はいっぱいいるだろう?」
 「いえ、あんまり。あ!!」
 「ますます大きくなったな」
 閑丸は異人に男根をつまみ出されて揉まれていた。シャルロットもあまりそれを見たこ
とが無かった。好奇心が暴走していた。
 「やっぱり気持ちいいか?」
 「き、気持ちいいです」
 「現金な奴め」
 「ごめんなさい!!」
 「ますますかわいい奴だな」
 不慣れな手つきで面白半分にやっているのだが、しかし気の強い異国の大美人にされる
と言う衝撃的な体験に閑丸は十分に興奮した。
 「うわぁ、こんなになるのか」
 「お、お願いです。もう、やめて…」
 シャルロットは面白そうにそそり立つ男根を眺めた。幼く見えて、思った以上に立派な
物に膨れ上がらせた閑丸に更に没頭する。シャルロットの意地悪は度が過ぎていた。しか
しもう止まらない。
 「お前、触った事はあまり無いようだな。どうだ?」
 甲冑を外すと、シャルロットは閑丸が見た事も無い豊かな胸を見せた。見事なその胸に
自然に伸びた手を美しい手が払った。
 「誰が触っていいと言った」
 「ごめんなさい」
 「ふふふ、触っていいぞ」

422 :
「異人との遭遇」3of3
 閑丸は頭が真っ白になっていた。柔らかい。とても柔らかく、しかし柔らかいだけでは
なく弾み返るような固さもあった。艶もある。陶磁器を思わせる艶だ。触れるたび、正気
が隠れた。
 「あ…あ…」
 「おいおいぬなよ」
 閑丸の頭は火にかけたことを忘れた釜も同然だった。湯気が絶え間なく吹き上がり、中
身が白一色になる。あるのは、胸の感触と恍惚だけだった。
 「おっぱい…おっぱい…」
 その手は宙をさまよっていた。
 「もう触ってないぞ。大丈夫か?しまったなぁやりすぎたか」
 ばつの悪い顔をしていたそのシャルロットの顔に、むき出しになっていた閑丸の男根から
勢いよく白濁が飛んだ。しばしシャルロットは何が起きたかわからなかったが、真っ赤にな
りかけておさまった。
 (完全に失神してるな)
 閑丸は白目を剥いて倒れていた。怒る気も失せて、シャルロットは静かに立ち去ることに
した。
 気がついた閑丸は、直されていた衣に赤面しながら心中で感謝していた。
 (あんな事させた上に気絶した後の面倒まで見てもらって、本当にごめんなさい)
 どこかで、あの異人にまた笑われたような気がした。

423 :
GJ

424 :
妖怪腐れ外道×レラ

425 :
 「悪霊呼び」1/2
 (並の人間なら、立てなくなるどころか三人はぬくらいしたのに!!)
 「ぎゃ゙お゙ゆ゙ら゙」
 「でも当たりはしないか」
 一瞬臆したものの気をとりなおして易々と骨槍をかわす。この怪物は底
知れない胆力があるらしい。しかし最初に比べればだいぶ消耗したらしい。
 (もう少しか)
 「ぐゔぐゔぐゔゔゔ!!!」
 遠めに離した怪物がいきなり地面を叩き出した。それも、酷く恐ろしい
顔で。
 (一体何を)
 「あ!!」
 気づいた時は遅かった。地面から無数の腕が飛び出してきた。あの怪物
と大きさはまるで違うが、どこか似た、業の深さを思わせる腕が無数に。
 「やだ!」
 身動きが取れない。足が、腿まで腕につかまれてる。なんて禍々しい気
持ち悪い腕だ。嫌悪感で震え上がりそうになる。
 (こ、こいつら!!)
 ただ掴んでるだけじゃないのに気がついた。気持ち悪く足にまとわりつ
いてくる。撫でたり、擦りついたり、ゆるく包み込んだりしてくる。業が
深い腕らしいことだ。怒り半分気持ち悪さ半分だ。
 「えい!!」
 抜け出さないと。刃を振るって腕の茂みを抜け出そうとする。見えなく
ても見えても刃を当てられて腕が退いていく。いい調子だ。
 (このまま、しまった!)
 手が捕まってしまった。もう刃を振れない。後はもがいて振りほどくし
かなくなってしまったというのに、なかなかほどけそうにない。そうして
いる間にも手が、気持ち悪く足に触れてくる。
 「やめろ!!シクルゥ…バカ!!」
 助けを呼ぼうとしてみると、シクルゥは既に自分の背後で捕まっていた
。なんとも情けない顔をしている。情けなくて声一つ出せなかったらしい。
もう後は、何が何でも悪あがきするしかなくなったと言うわけだ。

426 :
「悪霊呼び」2/2
 「この!えい!あっ」
 無我夢中で暴れてる隙に、また腕が気持ち悪く触ってきた。両足の内側を
絶妙な手つきで。
 「や、この!!」
 恥ずかしさと怒りがこみ上げるが、だからと言って優勢になるわけでは
ない。それどころかますます足に嫌らしく触れてくる。
 「あっ、く…ひぃ」
 手が伸びてもっと上に迫ったが限界らしく縮んで下がった。しかし他の手
まで背伸びをやり始めた。一瞬の触れが尻に、腰に、腹に、胸にまで来た。
 「や、やめろ!!」
 足が震えてきた。
 「やめて…。い…。う…。ああ…。」
 震えが、変わってきた。足の間が熱くなってきている。精神が頼りにな
らなくなり始めた。理性と気合が急速に弱まって、代わりに、恥ずかしい
感情が浮き上がってきた。それがすれ違ったら終わりだ。いつの間にか目
の前にあの妖怪変化が蹲踞していた。舌なめずりをしているが、食欲を忘
れて見入っているようだ。犯すと言う発想は忘れても助平心はまだ残って
いるらしい。
 「くうん!ああっあああ!!」
 膝を地面につけた途端、今まで一瞬触れるだけだった腕が上半身にまで
じっくり触れてきた。胸にまで。下半身は勿論なすがままになった。一番
大事な所にまで指の腹が、優しくいやらしく触れてくる。もう、私は…。
 「え…?」
 「ごろ゙じでや゙る゙ゔゔゔ!!」
 気がつくとあの怪物は退散していた。頭や背中に深々と矢が刺さってい
る。相当な勢いのある矢らしい。
 「あれ…?」
 色黒の女の子が立って怪物の逃げた先を見つめていた。こっちの醜態に
気がつかないでくれたのが幸いだった。ようやく気がつくと、とても驚か
れた。
 「あの、ありがとう」
 女の子は言葉が見つからない様子で何かを拾うと走り去ってしまった。
 「変な子だな。お礼を言ってやったのに」

427 :
GJ
ガルナコ不足
脳内自家発電だけじゃ足りなくなってきた

428 :
ガルフォードとナコルル

429 :
「偽者で御縁」1/2
 地上からの高さは測ったように15フィート。木の枝に凧が乗っている。
しかし枝は細く登るには心もとない。
 「どうしよう」
 そう悩んでいた子供達の間を一人の若者がすり抜けると、いつの間にか
凧を持って差し出した。
 「お兄ちゃんありがとう」
 不気味な妖術使いと岩から出た悪魔をめぐる冒険譚に比べれば実に小さい
が立派な正義だ。青い忍者は犬達を連れて手を振って後にした。
 船が何艘も浮かぶ港を、ぼんやりとガルフォードが眺める。
 「えっ?」
 パピィの一言に慌てる。
 「あの小さい女の子に会いに港に来たんだろうって?」
 パピィがまた一声吠えた。
 「違う違う。たまたまさ。偶然気が向いて、気が付いたらここにいただけ」
 しかしパピィは騙せない。だがそこはパピィだった。納得したフリをして
やる。ガルフォードはまた船を見ていた。
 ガルフォードは気が付いた。気配がする。覚えがある気配がする。いや、
忘れるわけがない。
 「ナコルル!!」
 あの赤い大きなリボンの少女が転がるように走ってきた。
 「どうしてここに?」
 「それは、ガルフォードさんに会いたくなったから!」
 そう言うなり飛びついてきた。軽い体重が胸にかかる。
 「え!?え!?」
 驚いたけれどうれしかった。少し恥ずかしいけれど誇らしい。
 「ずっと会いたくて…」
 ナコルルの目が輝いてる。見てるだけで空が桃色に染まって落ちてきそう
な気分だ。
 「あの、ちょっとこっちに来てくれませんか」
 「うん」

430 :
「偽者で御縁」2/2
 「実は、ガルフォードさんにですね」
 つばを飲んで続きを待つ。
 「いや、やっぱり言えない。ああでも言わなきゃ。実はですね、私の、大事な
人になってもらいたいんです」
 そこまで聞いて全身がしびれた。立っているのが危なくなる。
 「それで、それで、ガルフォードさんと、今日はその、一緒になりたいんです」
 目の前がかすむ。今顔は上を向いてるんだろうか。それとも天を仰いでるんだ
ろうか。気力を振り絞って正気に返った眼前に、薄い胸を露にしたナコルルが
立っていた。最大の衝撃だった。柔らかそうなその肌。今まで夢にも見なかった
全裸のナコルル!!なんてかわいらしく、正気を失わせるに十分な姿か。
 「ガルフォードさん…裸になって…来て…」
 言われるままに、人形のように、ゆっくりと服を脱いだ。それにしても、どう
してあの短刀を手放さないんだろう、と思った時、ナコルルが消えた。後には
ナコルルに似た服と海草と竹細工、そして粗末な短刀が落ち、その上に忘れも
しないあの赤いリボン、緑の黒髪、ナコルルが着地した。
 「ガルフォードさん!!あれは偽者!!大丈夫?」
 「あ…あ…」
 「よかった…間に合って」
 そっと足下に寄って装束を持ってくれた。
 「私でもビックリするくらいそっくりだったんです。それの後を追っていたら
ここに」
 「そうなんだ。ありがとうナコルル!!」
 あ、と気が付いて顔が赤くなる。目の前にいるのはナコルルなのだ。
 「そういえば、ガルフォードさんここで何してたんですか?」
 「ううむ、それはそれは、それはね」
 「ううん、いいんです。会えてよかった」
 「そ、そうだね」
 焦りを滲ませた照れ隠しの笑みが出た。

431 :
↑GJです。
このスレには様々なシチュエーションと
多くの組み合わせネタを考えられる
凄い書き手様がいるみたいですね。

432 :
小ネタ
シャルロットと覇王丸

433 :
 (目の前の敵すべてを、斬る!!)
 閉じていた両目を見開いた。両目を見開いた剣豪はその頑丈そうな愛刀を
手に、会心の一刀を放った。
 ややあって、剣豪覇王丸の両側にあった石灯籠に線が入ると、それを境に
石灯籠はずれていき、真っ二つになってきれいな断面を晒した。
 (いい、一刀だった)
 河豚毒を握り締めて覇王丸はしばし余韻にひたった。
 (うぬぼれなんて馬鹿馬鹿しいとは思うが、この一撃には我ながらほれ込
みそうだ。いい、一刀だった)
 一刀両断された石灯籠の間に立って余韻にひたるざんばら頭の大剣豪。その
後ろに立つのは見事な桜の木。その桜の木が風に揺れている。かすかにその
揺れが大きくなった。揺れ幅はさらに大きくなり、幹にかすかな断面が見え
た。やがてずれははっきりとした物になり、その断面から上が動き出した。
下半分の上面が見え、その上面は次第に広さを増していった。それは離れて
見てもわかるようになった時、大きな影が覇王丸に飛び掛った。
 「危ない!!」
 大女が肩を掴んで手繰り寄せるが早いか、桜の木は覇王丸の立っていた跡に
倒れ込んだ。
 「なんて無用心なんだ。あと少しで潰される所だったぞ」
 「す、すまねえ」
 シャルロットの腕はまだ覇王丸を離さなかった。
 (痛いんだけど)
 言いかけて止まった。
 (これ、胸か!?)
 さっきまで感じていた柔らかさの正体に気がついて覇王丸は驚いた。今ま
で甲冑を着けているところしか見たことがなくて気がつかなかった。シャル
ロットがこんな大きな胸をしていたなんて。まさかこんな大きな胸をした女
がいたなんて。

434 :
 (すげえ大きさだな)
 シャルロットが力強く掴んで離さない。甲冑を着けていないシャルロット
の大きな胸ははっきりと覇王丸に密着していた。
 (気持ち、いいかも)
 「おい聞いているのか?お前は大した使い手だがまだ甘い。それに自分の
強さを実際以上に強いと思ったり弱いと思ったりしているからこんな目に…」
 シャルロットがお説教をしているがもう上の空だ。大体当たっている所が
強烈だ。あまりにシャルロットが大きいから、覇王丸のアゴに触れんばかりに
なっている。それにしても、硬いようで柔らかくて、そして何より、大きい!!
 (もう少し背が低かったら、窒息してるな)
 「まさかどこか打ったのか?」
 (いや、それもいい気持ちかも)
 魅惑の曲線は覇王丸に当たって少し形を変えている。服越しだがその甘美な
感触はこのままでは、窒息しなくても、気を失いそうな…。
 (むにゅって音がしそうだけど、しねえんだな)
 「まったく、自業自得だが、しょうがない。すこし寝かせてやろう」
 あっと思った時には終わっていた。覇王丸の頬は、同じくらいに柔らか
い何かに乗っていた。
 (何やってんだよお前!!)
 まちがいなくふともも、シャルロットの柔らかい逞しいふとももだ。柔ら
かくて、初夏の日差しのような温かさがある。
 (シャルロット…そこまでしなくていいって)
 覇王丸に見えないが、大女はとても頬を赤くしながらも嬉しそうだった。覇
王丸は、そもそもどうして自分を助ける近さにシャルロットがいたのか考えて
る余裕がなかった。
 「あ…」
 声を洩らしたシャルロットが立ち上がって覇王丸は頭を打ちつけた。見る
と、シャルロットの視線の先に、視線の先に、お静が立っている!!
 シャルロットもお静もそして覇王丸も、顔を真っ青にして立ち竦んでいた。
 (終)

435 :
ガルナコも覇シャルもGJ!GJ!
漲る

436 :
354です。
数ヶ月前からずっと規制に巻き込まれてます。
PCからはもうダメポっぽいのでPCから転送して携帯から投下するので不自然に切れる所があったり
時間かかるかもしれないですが 以下、半蔵×楓ものを投下します。
・前回のオリジナル設定をそのまま踏襲した続編です。
・今回もオリキャラ満載。
・エロ少なめ。なのにやたらと話が長い。
・女社会のドロドロとした戦いあり。
・伊賀のくノ一がレイ−Pされる描写がちょいとありますので苦手な方は気をつけて
くれ。
それでもOKって方はどぞ。
お口に合えば幸いであります。

437 :
「雪解け」

楓が伊賀の里に来てから既に一年が過ぎていた。
武術を嗜んでいたため「基礎」が出来ていたからか
半蔵や師の妻であり、甲賀の「くノ一」だった綾女から忍術の指南を受け
負けず嫌いの気性もあってか、既にそれなりの忍術を身に付けていた。
最初こそは出が花街という事で周りからは疎まれていたが
元が忍の出でないにも関わらず、短期間でくないの扱いや忍術を身に付けた事や
学があり、三味や琴、お茶と言った芸事にも秀でた事が幸いし
里では楓を蔑む者もまだ少なくないものの、「半蔵の伴侶」として序々に認められた
存在へ変わりつつあった。

半蔵がじき里に戻るという知らせを聞いたのはつい先刻のこと。
早ければ明日の昼刻だという報告を聞き、楓の心は浮き足立っていた。
もう一月も半蔵には会っていない。
一緒になってから遠方でのお役目でこんなに家を空けたのは初めてであり
乾いた心と身体をやっと潤す事ができる事を想像すると、楓の全身を熱い血が駆け巡る。
「半蔵」の名を持つ者に与えられる屋敷は迷い込んだ外部の者から見れば武家屋敷そのものであり
家族のいない半蔵は楓を娶るまで一人で暮らしていたという。
二人で暮らしても充分過ぎる広い屋敷の中で、楓は孤独に苛まされる事も少なくなかった。
翌日のために料理の下拵えを終えた後、床に入り行灯の明かりを消した時点で楓が人の気配に気付く。
「あなた…?じゃないわね。どちら様かしら?」
癖のある長い前髪を掻き分け、目をこらすが半蔵のように夜目は利かない。
明かり一つない部屋の中、そっと立ち上がると集中して気配を探る。
その一瞬の隙をつかれ、楓は何者かに後ろからはがいじめにされそのまま布団へと組み伏せられた。
「一晩で良いから今晩は私と…!」

438 :
何者かが寝巻きの前合わせの隙間から手を中へと滑らせ、楓の胸を乱暴に掴みあげる。
荒い息が耳元にかかり、首筋に熱い息とぬるっとした感触を同時に感じる。
おそらく首に吸いつかれたのだろう。
「いけない人ね…。」
楓は何者かの腕を掴みそのまま身体を回転させ腕に力を込めると
「バキッ」と鈍い音ととともに何者かがうめき声をあげる。
「そんな…!は、話が違う…!それに体術に長けてる話なぞ…!」
楓は息を整え暗闇の中立ちあがり、手伝いに雨戸を確認すると静かに外に続く戸を開ける。
開かれた雨戸の隙間から月の光りが差し込み、侵入者を照らしだした。
三日ほど前に総帥にお役目の状況を報告しに来た、地方でお役目を担っている若い忍の男であった。
「今晩の事は忘れましょう。腕を外しましたから、夫や里の者に知られたくなければ
朝一で里の整体師に治して貰いなさい…ね。
…先生は他言するような方ではなくてよ。」
「かたじけない。今回の事は何卒お許しを…。」
若い忍の男は深く一礼すると、外の闇へと消えて行く。
このような事は初めてではない。
伊賀の中では「半蔵の妻は元遊女。半蔵の留守に訪れれば誰とでも寝る。」という噂が一部で回っているという。
楓の存在を疎ましく思う者達が流布した作り話を真に受ける者達が後を絶たない。
そして夜這いに来る者達は逆に返り討ちに遭い、自らを恥じて口を噤むため噂だけが一人歩きする事となる。
他の男に身体を許したとあれば不義密通により半蔵の妻という立場を追われる事は間違いない。
その後添えに伊賀の娘を取り立てるという目論見もあるからであろう。
里に来て「服部 半蔵」という名を継いだ者の存在の大きさと背負っているものの重さを知る事となったのだ。

439 :
「消えないわ…。」
昨夜、男に乱暴されかけた痕跡が昼刻になってもくっきりと首筋や胸に残っている姿が姿見に映る。
自分に負い目などない。しかし、痕跡を見れば何があったかは一目瞭然。
半蔵は有無を言わさず乱暴した男を見つけ出し、自ら闇に葬る事だろう。
しかし、里の者達の結束を重視する伊賀の中で
一々妻に手を出す者達を構っているようでは伊賀での士気が下がり「半蔵」として下の者達に示しがつかなくなるのは明白だ。
里の意思に逆らってまで自分を娶り、周りから口を出させないよう
更に危険なお役目を自ら引き受け続けている半蔵に負担をかける事だけは避けたかった。

着物を整え、首筋の跡を隠すために髪の毛を下ろす。
土間に降り草履を足を入れた所で視界に黒と赤の色が目に入る。
視線をそのまま上に移すと、待ちに待った人物が玄関に佇んでいた。
冬の冷たい空気が家の中へと流れていく。
「今、戻った…。」
最愛の人であり、夫であり、「半蔵」の名を与えられた男である。
大きな傷を負っている様子はないものの、黒い忍装束には斬った者達の返り血がこびりついている。
忍頭巾の隙間から見える目は通常の帰還時より酷く荒んでいるようにも見える。
こんな時はいつもより更に多くの人を斬った後だという事を楓は薄々感づいていた。

「あ、あなた…!おかえりなさいませ。私ったら全然あなたの気配に気づかなくて…。
夕げの支度をしようと思っていた所だけれど、湯の準備の方がよかったかしら…?」
無事に帰還した嬉しさを伝えたくとも、身体の跡が気になりぎこちない出迎えになってしまった事を楓は後悔した。
せめて夜までは、跡が消えるまでは悟られてはならない。
「湯を沸かしますから、あなたは部屋で休んでいて…。」

440 :
忍頭巾と額を覆っている鉢がねが土間の床にどさりと落ちる。
常人では想像もできないようなお役目を成し遂げた後とは思えない程に半蔵は汗の跡
ひとつなく、髪の乱れもなく、無表情のまま楓を見つめている。
「留守の間、大事なかったか?」
「あなた?ええ…、いつも通りでしてよ。周りの方達からも良くしていただいているわ。」
肩あてや防具が次々と床に転がり、その度半蔵は楓の前へと歩を進める。
いつもと様子が違う半蔵に驚きを隠せない楓が後ずさると、玄関の段差につまづき床板に後ろから倒れ込む。
衝撃は無い。細い腰を半蔵の右腕が支えていた。
ゆっくりと床板に寝かせられると闇のような漆黒の瞳が楓を見つめていた。
「今すぐそなたが欲しい。」
そう言い終えるか否かのうちに半蔵は楓の着物の裾と引き広げ、強引に両脚を広げると
まだ男を迎える準備の出来ていない楓の花弁に半蔵は荒々しく自身の剣をねじり込ませた。
「ひぃあ…!あなた、やめ…!」
楓の口を塞ぐように半蔵が楓の唇を貪る。
顔は無表情だが、半蔵の舌は楓を探すかの如くうごめき絡まる。
半蔵は大きなお役目を終えた後、決まって楓を激しく求める。
それはまるで人らしからぬ事を成し遂げた後、自身が人である事を確認するかのように。
衝動的な半蔵に驚きつつも、おそらく、夫婦になってからの一番の大仕事を成した後なのだと楓は悟った。

441 :
ぬちゅり…ぬちゅり…。と
最初こそは痛みの方が勝っていたが、何度も秘所を貫かれる度に敏感な場所を刺激され
蜜と花弁が入口で男根を絡めとり、快楽を再度求めるために男根を締めつけては引き入れる。
「あふぅ…ん、…はぁ…」
いつしか口の端から漏れる声は淫靡なる歓喜の声だった。
一月、この時を待ち望んでいた。
一度ついた火はすぐに消える事はない。
自分もずっとこの男の男根を欲していたのだから。ー
打ち付けられる度に快楽が全身を支配していく。
乱暴の跡を見られる不安な気持ちさえ忘れて、ただ、色欲を満たすために上と下、両方の口から半蔵を貪る。
妻を貪っているようでいて、逆に貪られている事に半蔵も、楓自身も気がついていない。
「あなた…愛して…る…わ。」
楓は自ら白く長い脚を半蔵の腰に絡め、絶頂を迎えると同時に身体の中と外から半蔵を締め上げた。
一瞬、視界が白くなるのと同時に中に熱いものが注がれた後、半蔵が自身を抜いたのを感じる。
息が上がっている楓の上の半蔵の顔は涼しいままだ。
「大事なかったかと問うた筈だが…?」
半蔵の指が楓の首筋を優しく撫でる。そこは間違いなく乱暴されかけた痕跡のある場所だった。
「あなた、これは…!」
赤みを帯びた箇所を楓は慌てて押さえるが、半蔵は無言のまま楓の手を軽く払い楓の着物を勢いよく開いた。
弾力のある大きく形の良い胸が勢いよく躍り出て揺れる。
白い胸に、人の手形のような跡がくっきりと浮かび上がっていた。
半蔵が大きな溜息をつき、同時に片方の眉が上がり眉間に少し皺がよる。
「妻の異変に暫く気づけぬとは、拙者もまだ夫として至らぬという事か…。して、その跡を付けたのはどこの者だ…?」
先ほどま本能の赴くままに女を抱いていたとは思えぬほどに、半蔵からは冷たい気が漂っていた。

442 :
「あなた…聞いて…!」
「拙者はそなたが男を招き入れたとは考えておらぬ。里の者とはいえ、その跡のけじめをつけさせねば。」
これは間違いなく相手の男を闇に葬る気だろう。
「乱暴されかけただけで、私は無事だったから…相手ももう二度とこんな真似はしない筈だから、この話はもう…。」
「そなたの危惧している事はある程度理解しているつもりだが、
拙者は「半蔵の伴侶」や「伊賀のくノ一」にするためにそなたをここに連れてきたわけではござらぬ。」
楓の肩にかけた半蔵の手に力が入る。
楓は半蔵の手に自分の手を添えると髪を揺らしながら静かに微笑む。
「あなたの足を引っ張る真似はしたくないの…。それに、私はあなたの役に立ちたいだけ。
今回はたまたま隙をつかれただけで、いつもは肌に触れさせる事さえなくてよ。
だから…お願いします。「半蔵」たる者、この程度の事で仲間を手打ちにするのはお止めください…!」
楓が真剣な眼差しで半蔵を見つめる。
「そなたの根も葉もない噂の事は知らぬわけではなかったが…、ここまでとは。
その件については拙者で対処する。しかし、そなたを手にかけようとする者は一人や二人ではなかったのだな?」
半蔵の口角が少し上がり、全身から発せられていた気が序々に引いていく。
ー妻は美しく、艶かしい。忍の道を究めんとする自分の心さえも時としてかき乱す。
妖艶なこの女を自分の物にしたくない男なぞいるものかとさえ思ってしまう程に。ー
「今回はそなたの拙者を想うてくれる気持ちに免じ相手の男を問わぬが、次回からは何か問題があれば申してくれぬか?」
すぐにでも男を葬りに行くかと思ったが、予想に反して冷静な反応を見せる半蔵に楓は安堵の溜息をつく。
ー夫の事を理解しているようでまだ理解していない。自分も妻としてはまだまだ至ら
ない。ー

「あなた…分かったわ。」
楓は半蔵の首の後ろに手をかけ、自分へと引きよせると耳元で囁く。
「早速、問題が起きたわ。…まだ、私は満足していなくてよ。」
「…。」
「次は…優しく抱いて…。」
淫靡な笑顔に惹かれるままに、半蔵は再び楓の中へと身体を沈めていく。

443 :
山道の白い地面に男と女の雪駄跡が続く。
3月に入ったというのに珍しく雪が降り積もったのだ。
半蔵の前を歩く楓の後ろ髪が大きく揺れる。
長い間、外部と遮断された世界にいたため、積もった雪がよほど嬉しいのだろう。
雪に足跡をつけては子供のように笑っている。
「…良いのか?相談役達には拙者から申す故、無理にお役目を引き受けなくとも良いものを。」
「帰ってきてまだ七日も経っていないというのに、またすぐに次のお役目…
今回は私の方があなたよりずっと適任でしょう?…それに、一緒にいられるもの。」
半蔵の方に振り返ると、茶色の瞳は大きく孤を描き、三日月の形に変わる。
太陽の光が雪に反射し、その光りが妻の美しさをより一層際立たせた。
その笑顔の妻とは対極に、半蔵の顔は無表情ながらいつもより曇っているようにも見える。
妻と一緒にいられるのは喜ばしいものの、今回も仕事の内容を考えると半蔵は心底喜べなかったからである。

夜も更けた頃に大きな街に入り、一軒の置屋へと忍び込む。
木戸を開けると片手ほどの人数の男、二十名ほどの女達が忍装束に身を包み、肩膝を床に付け頭を垂れていた。
半蔵の後ろに立ち尽くす楓は息を呑む。
このような光景を目にするのは初めてではないが、「半蔵」という名を持つ者の偉大さを改めて実感する。
ここは表向きは芸者を手配する「置屋」だが、中にいる者達が全員伊賀の者だという。
花街にいる者達同様、「情報収集」が主な役目である。
半蔵はこの置屋のおかみと見られる神経質そうな中年の女や番頭の男達と会話した後、直ぐに任務遂行のため発ってしまった。
お役目の中では夫婦も恋人も関係ない。
一旦、お役目に入ると夫ではなく伊賀頭領の「服部半蔵」に徹する事を楓はよく知っていた。

444 :
奥の部屋に通され、一通りの段取りをここのおかみから説明を受けた後、一人部屋に取り残される。
ここ最近、毎夜求めあったがため疲れているのか、心地よくうつらうつらと睡魔へと誘われる…が、
沈黙を掻き消すかの如く「ばさり」と頭上から布のような物が落ち、楓は現実へと引き戻された。
慌てて頭上の布をはぎ取ると布には立派な牡丹の刺繍が施されていた。
目の前には楓とそう歳の変わらない忍び装束に身を包んだ年頃の女が二人。
楓を睨みながら仁王立ちで佇んでいる。
「お駒、見たか?これがあの「半蔵」殿の奥方だそうだ。」
切れ長の目をした女が口を開いた。
「お滝殿、わらわ達の気配にも気づかず、居眠りしてしまうようなこのおなごがか?」
たれ目の女があっけにとられている楓のあごに手を添え、上へと向かせる。
「髪の毛は癖がある上変わった毛色だが、なるほど。顔は男達が噂してる程の事はあるのう。」
やっと事態を飲み込んだ楓はお駒と呼ばれた女の手を振り払う。
「一体、なんの用かしら?」
「私達は今回、お前と芸者として組む事になったのさ。私がお滝、そっちがお駒。
着物を届けるついでに、「半蔵殿の伴侶」に挨拶しておこうと思ったが…」
「半蔵殿がただの遊女を嫁に迎えたという噂は本当だったようじゃのう。
しかも半蔵殿の留守時には男を招き入れている相当な好き者とか。
伊賀最強の男も、女を見る目だけは持ち合わせていなんだか。実に口惜しい事じゃ。」
二人のくノ一がけらけらと楓を嘲笑う。
「何度か半蔵殿と大変なお役目を果たしたと聞いたが、この様子では色事しか役に立たぬだろう。
むしろ、色事に役に立つからお前を伊賀に連れてきたのではないのか?
それにその目…。人をまだめた事がないと見える。「覚悟」さえも持てないようだな。」
お滝が楓の瞳を覗き込む。
「わらわも聞いた事がある。どこぞの貴族が企てた反幕の密書のありかを吐かせ、半蔵殿と追っ手の忍二十余を葬ったとか。
人もめられぬようなおなごに何ができる?どうせ身体を使って密書のありかを吐かせた後は半蔵殿の後ろに隠れていただけじゃろう?
色事で役に立つ分、そこらの町娘よりは多少はましかもしれぬが、わらわ達の足を引っ張る真似だけは困るのう。」
お駒が眉を八の字にひそめた。

445 :
「短期間で下人程度の忍術を身につけたという噂も眉唾ものだな。
私達は上忍だよ。忍出身でない上に下忍以下の中途半端な心意気のお前と一緒にされては困る。
それに、半蔵殿の伴侶とは言え、お前を守る義理は私達にはない。
何より私達はお前を半蔵殿の奥方として認めてはいないのを忘れるな。」
「自分の身は自分で守るのでご心配なく。あなた達の足を引っ張るようでしたら捨て
置いて結構でしてよ。」
楓がお滝の瞳を真っ直ぐに見つめる。
場の空気が一瞬にして凍りつくのを三人は肌で感じた。
「私達の邪魔はするなよ。お前はせいぜい男を咥え込んで時間稼ぎをする事に尽力する事だ。」
お滝とお駒は障子へと踵を返す。
「ええ。自分の役目は存じ上げていてよ。…でも、あなた達は少し勘違いしているわ。
男は咥え込まなくとも落とす事は可能なのよ。私が咥え込んで落としたのはだた一人、夫だけですもの…。」
お滝とお駒が振り向くと、楓がくすりと笑う。
その瞬間、見えない火花が空中で激しく散った。

二人が部屋を出、襖が乱雑に閉められると再び静寂が辺りを支配する。
二人のくノ一はおそらく、里が選んだ半蔵の嫁の候補だった女子達なのだろう。
あの様子では「半蔵」という名だけではなく、二人共に男として狙っていた事は明白だ。
女の世界で生きてきただけの事もあり、女達が自分をどれほど疎ましく思っているのかもよく分かるが
誰とでも寝る身持ちの軽い女としての言われ様には先日の件もあり少々頭に血が上っていたようだ。
一呼吸つくと、お滝の言葉が気にかかった。
楓は亡き父が「人をめると人の目は鬼の目に変わる」という話をしていたのを思い出した。
これまで自分が担ったお役目で何度となく忍や侍達と闘う事があったが
結果、一度も直接的に人をめた事はなかった。
剣の技術が無い者達の手や足をへし折り、手裏剣やくないで相手の隙をつく。
腕のたつ侍達の相手や楓に手負いにされた敵の息の根を止めていたのは半蔵であった。
半蔵の役に立っているつもりであったが、半蔵に護られていただけなのかもしれない。
少しは忍らしくなった気でいたが、やはり本物の忍からしてみれば忍にはほど遠いのだろう。
忍にもなりきれず、普通の女としても生きられない。
やり場のない思いを抱きながら、楓は見事な刺繍がほどこされた着物に顔を埋めた。

446 :
高級料亭で女達のけたたましい笑い声や三味の音が響く。
料亭の入り口には煌びやかな彩色が施された籠と大勢の侍達。
中にいるのが要人だという事が安易に想像つく。
いくつかの名のある置屋から選りすぐりの芸子達が一人の中年の男を取り囲み踊っていた。
反幕の組織を密かに編成している疑いがある大名と懇意にしている松井という家老である。
松井が反幕に関わる内容の書かれた密書を大名から預かっているという情報が入ったのだという。
今回のお役目はくの一達が芸子に扮し、松井に取り入り屋敷に招いて貰った後
秘薬を飲ませて密書のありかを聞き出し、それを手に入れて屋敷の外に待機している仲間に密書を渡す事である。
松井の屋敷は手錬の忍び達が雇われ屋敷内を取り囲んでいるため、相手の忍と鉢合わせすれば闘いは避けられない。
万が一にも密書が存在しなければ逆に大事になってしまう。
密書が存在するという確かな証拠がなければ伊賀忍としては堂々と力を発揮できないという。
だからこそ、松井を落とし、二人きりになる必要があるのだ。
「おおっ、先ほどの三味、見事であったぞ。名はなんと申す?」
「石井屋の楓と申します。以後、ごひいきに…。」
芸子髷に髪を結った楓が艶やかに微笑みながら松井の猪口に酒を注ぐ。
「大した玉だが初めて聞く名だ。お主ほどの美貌と芸があれば少しは名を聞いていてもおかしくないのだが…。」
松井の膝にそっと楓が手を添える。
「以前は田舎街の芸子でしたの。有名になりたくて江戸に上がりましたのよ…。
私、まだ旦那様がついておりませんの。松井様みたいな方が旦那様として力添えしてくだされば…。」
上目遣いに松井を見つめると、松井は既にその気になっていた。
「近々、儂の屋敷に呼んでやろう。お主の尽力次第では力になってやろうぞ。」
「まあ…、楽しみですわ。」
楓の白い指が松井の無骨な指を絡めた。
「家老を落とすには暫くかかるかとも思うたが、花街出身の事だけはあるのう。それにあの三味、本物じゃった。」
他の置屋の芸子達と綱引きを興じながらお駒がお滝に話し掛ける。
「そのためにあの女が呼ばれたのだろ?家老はあの女に任せて私達は私達で密書を探せば良い。
密書さえ見つかれば私達のお役目は終了だ。あの女を置いていっても責められはしない。」
お滝とお駒が綱を引くと、何人かの芸子達が畳に転がる。
「あっちは二人、こっちは六人なのに何で勝てないのかしら…?」
畳に転がった芸子の目にはほくそ笑むお滝とお駒の姿が映る。
二人の視線の先には家老にしなだれかかる一人の芸子に向けられていた。

447 :
数日後、松井は約束通り楓達を屋敷へと招き入れた。
お滝とお駒と共に三味を弾いた後、楓は松井の寝所へと誘われる。
「あとの二人は配下達への酌の相手を申しつけた。そなたとは今後について話し合わねばならぬからな。」
松井が楓の腰へと手を回す。
「まあ、松井様ったら…夜は長いですのよ?まずはお酒を…。」
酒には伊賀秘伝の特殊な薬が混ぜてあり、その薬の効果により密書のありかを吐かせる手筈となっている。
薬の入った酒を口にしてしまえば後はこちらの思い通りである。
虚ろになった家老は簡単に口を開く。大抵、大事な物は寝所に隠すものである。
家老の懐から鍵を見つけ出すと掛け軸裏の隠し棚に入った箱に刺す。
予想通り、中には密書の巻物が入っていた。
後はこの巻物を屋敷の外で待機しているであろう伊賀の者に渡すのみ。
楓はそっと寝所を抜け出すと音を立てずに廊下を駆けた。
ここから外に通じる塀が一番近い場所は厠裏である。
その時、楓は短い悲鳴をあげると廊下に倒れ込んだ。
屋敷内の使用人と鉢合わせしてしまい、ぶつかってしまったのだ。
「旦那様がお招きした芸子と見受けしますが、こんな夜分に何処へ?」
人の良さそうな中年の使用人に助け起こされた楓は一瞬困ったような表情を浮かべ顔を赤らめる。
「ごめんなさい。厠へと急いでいたものだから…。」
つられて使用人の顔も赤くなる。
「それは大変失礼しました。厠はこのまま真っ直ぐ行き、突き当たった所を左です。
明かりが至る所にあるとはいえ、暗いですからね。お気をつけて…」
使用人に助け起こされた楓は軽く会釈をすると再び小走りに駆け出す。
辺りには芸子が所持する香り袋独特の残り香が漂っていた。

厠へと続く廊下へと足を踏み出すと同時に楓の前に二人の忍が闇から姿を現す。
剣先が楓に向けられている。
と同時に後ろの首筋に冷たく固ものいがあてられたのを楓は感じた。
「どこに行くつもりだ?さあ、密書をこちらに渡せ…。」
後ろにももう一人。
楓の首に剣先をあてていた。

448 :
ーこういう事態を想定しての心構えや性技修行をしてきたが、実際は想像以上に屈辱的なものだ。ー
松井の部下達の酒に眠り薬を混ぜ、一同が眠りについた後にお滝とお駒は密書を探しに出たまでは良かったが
松井の雇っているお庭番の忍達に隙をつかれ捕まり、薄暗い地下牢に軟禁され陵辱の限りを尽くされていた。
本来ならば松井の部下達の注意をそらせる楓の補助が任務であったが
上忍故の誇りの高さから補助の役回りに徹せず、慢心から敵の力量を見誤った結果である。

口には猿轡を噛まされ自害もできず、両手は後ろで荒縄できつく縛られ身動きもままならない。
四人の男達に代わるがわる陵辱され続ける仲間の姿を向かいあって見せつけられるのは、更に二人の精神的苦痛を深めていた。
顔も分からない男がお滝の中を乱暴に突き続ける。
その度に身体と張りのある胸が揺れる。
目の前のお駒も同じ様に敵の忍の男に突かれ続けている。
精神的にも、体力的にも限界に近づきつつあるのはお駒も一緒のようだ。
「あっちの女もお前もつまらねえ女達だな。泣くなりよがるなりして少しは反応を見せろよ。
後で薬漬けにされて俺達の玩具になるんだしな。飽きればすぐにあの世に行けるぜ。」
お滝を突いている男が髪の毛を掴んで顔を上げさせると
敵の忍達が肌着一枚の楓を担いで地下牢に入るのが視界に入った。
(任務は失敗に終わったのか…?!)
お滝とお駒を陵辱している男達が男根を引き抜きぬくと、二人の股の間からはどろりと大量の白い欲望の固まりが流れ、
冷たい石牢の床に身体と共に落ちる。
男達は手早く忍袴を整えると、牢に入ってきた男の一人に跪いた。
楓を担いでいた男が楓を床に降ろし、そのままお滝達の方に突き飛ばすと香の香りが湿った地下牢に広がり
周りの者達の鼻をかすめていく。

449 :
「頭、やはりこの女達と一緒に来たその芸子も伊賀のくノ一でしたか。」
お駒を陵辱していた男が前に出て楓の腕を掴み、身体を起こさせる。
「松井様の部屋の周辺を見張っていたら、案の定この女が密書を持って出てきてな…。
おそらく厠付近で仲間と落ち合う手筈だったのだろう?
残念だが周辺には誰もおらんかった。我々が動き出したのに勘づいて恐れをなして逃げたのだろう。
任務に失敗したお前達は仲間達に見捨てられたのだ。徳川家自慢のお庭番、伊賀の忍も大した事ないものよ。」
「そん…な…。」
楓はうな垂れるとはらはらと涙を流す。
(情けない…!!)
任務に失敗すれば捨てられてもおかしくない。
これ以上、醜態を晒したくないお滝とお駒は最後いかに「伊賀の誇り高き忍」として綺麗に散れるかを考えていた。
楓の涙を見せる「弱い女」を主張する行為は二人を逆上させるには充分だった。

「お頭、こいつら仲間割れですかね?二人してこっちの女を凄い形相で睨んでるが…。」
お滝を陵辱していた男が三人の女の顔を交互に覗き込んだ。
「お前、このくノ一達とは少々違うようだな…何者だ?」
お頭と呼ばれた男が膝をつき、楓の顎を掴む。
「私はただ、報酬を沢山くれるって言われて協力しただけ。…ねえ、お願い助けて…
!」
楓の白い指が「お頭」と呼ばれている男の腕を掴む。
茶色の瞳が不安そうに忍頭巾の隙間から覗く大柄な男の目を見つめる。
ー松井が一つも警戒せずに寝所に引き入れた事だけはある。ー
「お前を助けて我々に何の得がある?」
見た所、体型的にも筋肉が非常に発達した通常のくノ一達とは違う。
目も我々のように影で生きてきた者の目とは違う花街の女達独特の目。
薬漬けにして捨てるには少々勿体ないかもしれない。
男の「敵の女は陵辱した後始末する。」という信念が揺らぎ始めていた。

450 :
楓は妖艶な笑みを浮かべゆっくり立ち上がるとうなだれているお滝とお駒の間を通り過ぎる。
そのまま地下牢の奥へと進むと七人の忍の男達が背中の忍者刀の柄に手をかけた。
「お前、何をするつもりだ?下手な真似をすると…」
男の一人が楓に向かって踏み出すと、楓は後ろ向きに立ち肌着をそっと腰まで落とす。
「薬なんて使わなくても、あなた達全員を沢山楽しませてあげてよ…。伊賀最強と言われる服部半蔵でさえ私の中では只の男でしたのよ。」
楓が少し振り返ると大きな二つの胸が、押さえている腕の中から窮屈そうにはみ出していた。
くびれた腰から形の良い尻に肌着がかかり、今にも下にずり落ちそうである。
誰かが唾を飲んだ音が地下牢に響いた。
「お前、あの服部半蔵と寝たのか?!」
服部半蔵の名は忍ならば誰もが知っているが、実際にその姿を見た者はほとんどいない。
年齢や容姿など全てが謎に包まれている伊賀忍最強の忍、服部半蔵に興味を抱かない忍はいない。
「ええ…。私の中を大層お気に召してくれたのよ。すぐに果ててしまったけれど…。
あなた達は半蔵殿と比べてどれ位もつのかしら?」
男達が次々に自らの忍袴の帯びを緩め始めた。
「ここは寒いのね…。早く誰かこの身体を温めてくださらない?そこにいる筋肉だらけの堅い身体の女達には飽きたでしょう?」
身体を少しひねると、柔らかそうな胸が大きな谷間を作る。
「私…寒いわ。」
楓は熱っぽい流し目で男達を見つめると妖しく微笑んだ。

451 :
一人の男が我先にとばかり楓に飛びかかろうとするが、頭の男が腕で制する。
「勝手に手を出すな…。我が性技が半蔵を凌駕する姿を見ているが良い…!」
ーこの女は俺のものだ…!!ー
頭の男が楓の肌着を剥ぎ取り、身体を掴む…が、手は空を切り、地下牢の湿った岩壁を掴む。
足元にまだ温もりを残した肌着が舞い落ちた。
「なっ…!女は…?!」
その瞬間、後方で大きな音が二つ。
頭の男が振り返ると仲間の忍が二人、冷たい床へと倒れ込み即座に血の水たまりを作る。
その後ろには先ほどまで猿轡を噛まされ陵辱されていたくノ一が二人。
一糸纏わぬ姿で忍者刀を構えていた。
「いつの間に…?!」
頭の男は背中の忍者刀を抜くと次は横から骨が砕けたような鈍い音が響いた。
悲鳴をあげながら男が地面にのたうち回っている。
その後ろには目の前にいた筈の芸子が一人。
これまた一糸纏わぬ姿で脚を高く振り上げていた。
楓は素早く振り上げた脚で更に近くにいる男を高く蹴り上げ、拳を男の顔に打ち込む。
細い腕から繰り出されたとは思えない程に男の身体が簡単に跳ね飛ばされ、頭の男の前に転がる。
残り二人の忍達はくノ一達と剣の小競り合いを始めていた。
「お頭…,助け…!…」
「役に立たぬ部下はいらん…。」
頭の男の袴を掴んだものの、その頭の刀に男は胸を突かれ崩れ落ち、新たに血の水たまり作り出した。

ーこんな筈はない…!ー
自分達は伊賀の精鋭達に引けを取らないという自負があった。
ましてやここにいる部下達はその中でも腕の立つ者ばかり。
だが、たった一人の芸子をここに連れて来てから何かが変わった。
いや、そもそも本当に芸子だったのか…?!

452 :
「女は…どこだ…?!」
頭の男がもどかしそうに剣を振り上げると後ろから笑い声が聞こえてくる。
後ろで芸子が美しい裸体をさらけ出し,腕を組みながら相変わらず妖艶な笑みを浮かべていた。
ただ、その数は二人にも、四人にもぶれて見える。
「知ってるでしょう?極度の興奮は人の冷静さを失わせるのよ…。」
楓が手を開くと砂らしきものがさらさらとこぼれ落ち、辺りに独特の香が充満する。
………!!………
そこで初めて頭の男は自分達が香を使った忍術にかかっている事に気がついた。
「この香は人を極度の興奮状態に陥れ幻覚を見せるけれど効果の時間が短くて…でも、丁度良い頃合のようね。」
その言葉通り、頭の男から見える楓の姿は一人に戻りつつある。
「許さん!!」
頭の男が楓めがけて刀を振り下ろすが、寸前の所で下から剣を弾き返される。
男の足元には剣を構えた松井の使用人がいた。
腰から上がまるで男の影から生えているかのように。
(まだ幻術にかかっているのか…?!)
頭の男が一歩下がると使用人が全身を現す。
その淡い色の着物にはついたばかりと見える返り血が大きな染みを作っていた。
「お前は松井の使用人ではないな…?」
男が刀を構える。
「本当の使用人は数日前から蔵の中で眠っている…拙者は…」
使用人が着物を脱ぎ捨てると一瞬のうちに黒い忍装束に赤い首巻をした忍に姿を変える。
「服部半蔵。参上仕った。」

453 :
(これが伊賀の服部半蔵…?)
変装の名人だとは聞いた事がある。確かに使用人と入れ替わっていたというのに違和感を持った者は誰もいなかった。
しかし、何故松井の部屋から出た芸子と鉢合わせた時に何故助けに入らなかったのか?
「…まさか?!」
男が楓から取り上げた密書の巻物を片手で懐から取り出すと勢いよく開く。
開いた巻物は白紙であった。
芸子と鉢合わせ、ぶつかったふりをして巻物をすりかえた。
芸子は密書が本物かを確認するための時間稼ぎのおとり…?!
最初からそれも計画のうちだったという事に気づいた時、男の血の気が引き、額から油汗が一雫落ちる。
「本物の密書は我が伊賀の精鋭部隊が既に幕府へと届けに出ている故、今更追っても無駄な事よ。」
半蔵と名乗った男は近くに落ちていた肌着を拾いあげると後ろの芸子に投げ渡す。
「我が部下達が周辺を護っている筈だが…?まさか…」
「反幕の密書が実在した以上、我らが本格的に動いて問題はない。残るはお主と横にいる…」
その瞬間、ごろりと大きな石のようなものが二個ほど石床に転がり、二人の忍の男達の身体が地面に倒れ新たな血の水たまりを作り出した。
「一対一ならこんな男に負けるものか!」
お滝が跳ねた首を素足で踏みつける。
「こいつら本当に下手くそじゃったのう…!伊賀の男達の方がいくらかましじゃ!」
お駒も跳ねた男の首に唾を吐きかけた。
「残るはお主一人。覚悟されよ…!」
半蔵が忍者刀を構える。

楓は闘いの邪魔にならないよう、牢の端に下がる。
先ほどまで陵辱されていたとは思えないくノ一達の気持ちの切り替えの早さと
迷いもなく人をめる「覚悟」に驚愕していた。
これが「伊賀のくノ一」なのだ。
ふと、足元を見ると楓にあばら骨を折られ、虫の息も絶え絶えの忍がかすかに動いている。
この男はやがてぬだろう、その時、自分も鬼の目に変わるのだろうか?
楓は初めて人をめるという事に恐怖を覚えた。

勝負は一瞬のうちについた。
男の剣術は半蔵の足元にも及ばず、忍術の一つも出す隙もなく一太刀浴びせられた後、
半蔵の繰り出した爆炎龍で黒い炭へと化したのだ。
男が火柱となり地下牢を照らし出した時、半蔵は隅で楓に手負いにされた虫の息の男の胸に
ためらいもなく無言で剣を突き立てる。
「これにて任務完了とする。」
七人の男達の屍、血の海。
地下牢は地獄へと変貌を遂げていた。
立ちつくす三人の刀から血がしたたり落ち、人の燃える明かりが照らし出す影はゆらゆらと蠢く。
振り返った半蔵と二人のくノ一の目は冷たい輝きを放っていた。
ーこれが鬼の目ー

454 :
伊賀の忍達がお滝とお駒を担ぎ外へと出て行く。
ほとんど気力だけで闘っていたのだろう。
二人は緊張の糸が切れたかのように倒れ込んだのだ。
楓が外に出るとまだ辺りは夜だった。
月明かりが庭の積もった雪の光りを反射して青白く光っている。
所々黒く輝く染みは葬られたお庭番達の血液だろう。
忍達の体は既に処理されていた。跡形もない。
薬で眠らされた者達が大半を占めているが、屋敷の者は誰一人起きてこない。
夜が明けた後、松井は何が起きたのか知るだろう。
そしてこれから先、自害しか道が残されていないという事も…。
風がいつもより冷たく感じる。
積もった雪のせいだろうか?それとも…
ー本当の鬼の目を知ってしまったためだろうか…?ー
屋敷の塀に手をかけた瞬間、楓の意識は途切れた意識と共に積もった雪の中へと墜ちていく。
それと同時に腹の中で何かが大きく脈を打ったような気がした。

455 :
「噂通り、美しい奥方ですな。見た目より丈夫だからと言って、今後あまり無理をさせてはなりませぬぞ。
雪の中を肌着一枚にさせるぞもっての他!」
伊賀者の老いた医者が侍姿の半蔵の肩を軽く叩く。
「今、女達が奥方に用があると入って行ったのでもう少し経ってからの方が良いかもしれぬよ?」
「楓はどこも悪くないと申すのか?」
医者は満面の笑みを浮かべ右手を上げるとそのまま置屋の玄関へと向かって行ってしまった。
半蔵は楓のいる部屋の方をちらりと見やると、脇にある小皿の上の胡麻団子に手を伸ばす。

「今度はなんの用かしら?」
楓が半分身を起こした布団の横にお滝とお駒が立つ。
「我ら、そなたに問いたい事があってのう。」
「武術に長けているとはいえ、その細腕であのような威力を出す事は不可能な筈。どのような術を使った?」
お滝とお駒が不思議そうに楓を見つめる。
最初の時のような敵意は感じられない。
「身体に流れる『気』と技を上手く使うと骨を簡単に砕く大きな力を出す事が出来てよ。」
「その『気』とやらは我らも修行すれば上手く使う事はできるのか?」
「普通の武術家なら数十年、過酷な修行が必要と聞いたけれど…。」
お滝とお駒は更に目を丸くする。
ーつまり、この女は凡人にあらず。とんでもない才を持っていたという事か…
それに、あの時の幻術は下忍どころか上忍の高等忍術。最初から全てにおいて敵わなかったのだな。ー
二人のくノ一が楓を見つめると大きな溜息をついた。
「では、本題に入る。」
急に周りの空気が張り詰め、くノ一達の顔が険しくなる。
「半蔵殿は今回の我らの失態を不問にした上、更にお役目に励むようにと申された。」
「わらわ達はこれからも半蔵殿に従い、幕府のために命を賭けようぞ。」
楓にはその時、お滝とお駒が少し笑ったように見えた。
「まさかお前に助けられる事になるとは思わなんだ。…だが」
二人がそのまま膝をつき、楓に対して頭を垂れる。
「色仕掛けと合わせた忍術、それに体術も実に見事であった…!最初は我々も演技と知らず騙された。」
「わらわ達はお主を服部半蔵の奥方として認めたのじゃ。」
「…では、我らは新たなお役目を拝命している故、これにて失礼する。」
再びあっけにとられている楓を残し、襖も開けずに煙と共に二人が姿を消すと
二人の気配がなくなったのを感知したかの様に半蔵が襖を静かに開ける。
「容態は?」
半蔵が楓の傍らにそっと腰を落とす。
「何も問題なくてよ。…あなたに大事な話が二つございます。」
楓の長い前髪が揺れ、色素の薄い瞳の中心が半蔵の姿を映す。

456 :
「申してみよ。」
半蔵もわずかな笑みを浮かべると楓の瞳を真っ直ぐに見つめる。
「一つ目は…今回のお役目をもって前線に出るのは最後にします。
今まで伊賀での自分の居場所を求め、自分の力量以上に無理をしていたようです。
私は忍の真似事はできても、真の忍にはなれませぬ。
今回あなたが最後に葬った忍、私は近くにいても結局とどめを刺す事はできませんでした。
私にはあなたや他の忍達のように幕府のために躊躇なく人をめる「覚悟」がございませぬ。
今まではそれでも上手く物事が進みましたが、今後それがあなたの足枷になる事もあるでしょう。」
ーそして、自分は幕府のために命をかけ、命を奪う「覚悟」さえもないという事にも気づいてしまった。ー
「…弱い妻で申し訳ございません…。」
楓は半蔵から視線をずらすとゆっくりと頭を下げる。

「…それで良い。」
半蔵は楓の言葉を聞き、内心安堵していた。
自分の身を護れる程度の忍術ならばと忍の技を指南したが
剣技はからっきしだったものの、幻術系の忍術に関しては予想に反して才を開花させてしまった。
試しにさほど危険を伴わないお役目に同行させた所、期待以上の働きをして見せた。
以後、相談役達から主に色仕掛けを必要とする仕事の依頼が来るようになり、楓もそれに従っていたが
半蔵自身は楓が「伊賀のくノ一」としてお役目を担う事を快く思っていなかった。
楓の身体能力の高さと頭の回転の速さには絶大な信頼を寄せており、
何度か一緒に組み遂行した仕事の中には、半蔵でさえ危うい所を助けられた事もある。
だが、他の忍と違い特別な情があるが故、服部半蔵としての冷静な判断を楓によって誤ってしまう時がくるやもしれない事を心のどこかで常に危惧していたからだ。
お役目とはいえ他の男が妻に触れる事は正直我慢ならなかったが
何より、万が一お役目に失敗した際に今回のくノ一達のような目に遭わすのを避けたかったというのも理由にある。

「ありがとうございます。今後は里の子供達に芸事などを教え、裏からあなたと伊賀を支えたいと思います。」
ー自分が「覚悟」を決意できる日が来るとしたならば、決して「徳川幕府」でもなければ「服部半蔵」のためでもないだろう。
きっと目の前にいる「夫」と、そして新たにー。
「二つ目の大事な話とは…?」
半蔵が胸元で腕を組む。
里の事までも楓が考えていてくれた事について、感慨にひたっている最中であった。

「…やや子を授かったようです。」
楓が頬を少し赤らめながら、そっと自身の腹を撫でた。

457 :
暫しの間沈黙が続く。
その沈黙を破ったのは外から鳴り響く鶯の声であった。
この置屋の庭にある木にでもとまったのだろう。
そしてその鶯の声は放心していた半蔵を現実へと引き戻した。
「それはまことか?」
身に覚えはありすぎるが、半蔵は確認せずにはいられなかった。
「実感はまだないけれど、早ければあと四月位…夏頃には生まれるかもしれなくてよ?」
半蔵は再び驚かされ思わず楓の方に身を乗り出す。
「四月とは…?!未だ全然腹が膨れてないではないか?」
(確かに先月に比べ、ほんの少々肉付きがよくなったとは思ってはいたが、それにしては腹回りはくびれたままではないか。)
「先ほどお医者様に診断されるまでは私も全く気づかなかったのだけれど、思い返して見ればずっと前からその兆しはありましたの。
腹がほとんど前に付き出ない女もごく稀にいるようで、私はそれに当てはまるのではと…でも、もう少々経てば少しは腹も出るでしょう。」
思い起こせば月のものが半年位来ていなかった。
話に聞くつわりがなかったため全く自覚がなかったが
妊娠の兆候と言われる極度の気だるさや眠気、集中力欠如などには身に覚えがあった。
そして雪の中に落ちる時、初めて腹の中で何かが動いたのを感じた。
「そうであったか…楓よ。拙者の子を宜しく頼む。」
自分の血を分けた子が妻の腹の中で命を宿している。
正直、どういう顔をすれば良いのか、どんな言葉をかければ良いのか分からない。
ーだが、新しい家族が増えるとは、何とも不思議な事であり、喜ばしい事である。ー
「ええ。玉の様な子を産んでみせるわ。」
楓は自分の居場所をやっと見つけたような気がした。
ーこの子のためなら、きっと私は命を賭けられる。私の「覚悟」は母としての「覚
悟」。ー
春を告げる鶯の鳴き声を聞きながら、暫しの間二人は新たなる幸せを噛み締めていた。
伊賀に戻ると楓の懐妊は既に里全体に知れ渡っており、
女性達の情報網の力故か、楓が体術に長けていた事や高等な忍術を扱える事さえも広まっていた。
楓を蔑む者はもう誰もいない。
そして何より、半蔵の留守時に楓に夜這いをかける者がいなくなったという。
女達の噂では、半蔵が楓の話を流布した者の枕元に立ち、「恐ろしい釘」を刺したからだというが
半蔵は多くを語らない故、真相は不明である。

それから四月後、残暑の頃に楓に似た玉の様な男子がこの世に生を受けた。
この子供が後に伊賀や世界を巻き込み、歴史の流れを大きく変える運命を担っている事をー
ー今は誰も知る由もない。ー

 (終)

458 :
〜おまけ・後日談〜

半蔵が無言で楓にそっと着物を差し出す。
楓が着物を広げると、藤色の忍衣であった。
男の忍が着用する胸元があまり開かない型と同様の旧型のくノ一用忍装束である。
楓が口元に手をあて、静かに笑う。
傍らには先程眠りについたばかりの茶色の髪の幼子が寝息をたてていた。
「…その忍装束では相談役達の気が逸れ、話に集中せぬ故…。」
楓は前線を退いた後、「伊賀のくノ一」の忍装束では「色気」が足りず戦場で敵の男を惑わせられないと意見し
胸元が大きく開く忍装束を提案した結果、それは大きな成果をもたらした。
今では年頃の娘達や前線に出るくノ一がその着物を纏っている。
そして今も楓は大きく胸元が開いた忍衣を着用していた。
大きく開いた楓の胸元からは乳を含み更に大きくなり、今にでも着物から溢れんばかりの胸が揺れていた。
伊賀の長老会時には総帥の話ではなく、楓の胸元に集中する輩も少なくない。
「この着物、気に入っていたのだけれど…いいわ。これからはこちらに袖を通しますわ。」
楓は優しく半蔵の左の頬を撫でると、妖しく笑いかける。
「本当は他の男に私の肌を見せたくない。独り占めしたい…っと顔に書いてありましてよ。」
「…せっ、拙者は…。」
表情に乏しいため一見分かり難いが、図星を付かれた半蔵が明らかに動揺している事を楓は見抜いていた。
「真蔵もやっと眠りましたし、お望み通り独り占めして結構でしてよ。…今夜は上の口、下の口、どちらがよろしいのかしら?」
「………。」
「どちらも…と顔に書いてありましてよ。」
半蔵は涼しい顔で平常心を保とうとしているが、耳の先は鬼灯のように赤みを帯びていた。
楓は淫靡な笑顔を浮かべながら、自身の帯を解き始める。

伊賀の夜は長いー

(終)

459 :
「第二夜」はこれで終了です。
・そこらへんの娘が超短期間で忍者になれるわけねーだろYO!
・元々くノ一じゃなかったのになんであんなに妖艶なんだYO!
・外部から嫁に来たというなら伊賀の者達が最初から楓を歓迎するわきゃねーだろYO!
公式が中途半端に楓さんの設定を公開しなかったもんで、上記の疑問を補うため妄想に妄想を重ねた結果こういう設定になりますた。
だが楓は超短期間で忍者になれたのだから、伊賀の者達が納得する何か秀でた力、
もしくは基礎体力と技を培える剣術か武術(かなりの腕前)を元々身に付けていた事だけは確かだと思われ。
あと考えられるのは
・斬紅郎の縁者?半蔵の旧友という公式設定から。血筋的にとんでもない力を秘めていたとか?
・クイーンズゲイトで異世界から来た美闘士の一人? 
真相は不明すぎるので只の妄想に過ぎないですが…。
因みに芸者にとっての「旦那様」は夫じゃなくて「スポンサー」の意味だと思ってくれ。
次の「第三夜」は一気に初代サムスピの時代に飛びます。
PCと携帯規制されてなければ7月〜8月辺りを目安に投下したいと思います。

460 :
GJ待ってました
なんとなく昨日覗いたら丁度投稿中だったなんて運がよかった

461 :
最近投稿が多くておいちゃんうれしいよ

462 :
小ネタ
羅刹丸×シャルロット 羅刹丸×リムルル
 聞き慣れない不快音が轟いた。金属を貫く音だ。発せられた元は女傑シャルロット
の鎧である。その鎧に、太く逞しい腕が先端を潜り込ませている。軽く工夫された鎧
だが、それでも鎧だ。しかし音を立てて鎧は穿孔されてしまった。
 「へへ…」
 その鎧を貫いた腕の持ち主が不気味に笑う。
 「ぞくぞくするぜぇ!!」
 シャルロットの顔は恐怖に青ざめた。予想だにしない恐怖に勝てなかった。言葉を
出す事を忘れるほどの驚愕と恐怖に体が痙攣していた。
 鎧に突き込まれた腕が動く。鎧に隠れて見えないその先端が、中で動き回っている。
掌は、目指す物を捉えたらしい。
 「いいねぇ…」
 「あっ!」
 シャルロットが声を上げた。真っ黒な羅刹丸の手が、物体に触れる。丸みを帯びた
その物体の表面を、いとおしげに禍々しい手が這い回った。
 「あ、ああ…」
 「たまんねぇな」
 柔らかいが、強い弾力を以って押す手を跳ね返してくる。揺れる様が鎧に隠れてい
ても感じ取れる。豊かな質感を手に感じていた。
 「いいねぇ…この感触!!」
 「うあ!!」
 豪腕の手が物体を掴んだ。そして、シャルロットが絶叫した。
 「この…、この…スケベ!!」
 シャルロットの鉄拳が音を立てて羅刹丸のアゴを打った。
 「どこを触っている!?」
 「臓物じゃなかったか?」
 「恥を知れ恥を!!キィイイ!!」
 顔を真っ赤にしたシャルロットは更に羅刹丸を殴りつけて踏みつけた。
 (こいつ…腹の中空洞か!?)
 「姉様この人何やってるの?お医者さんなの?」
 「いやあ!!リムルルから離れて!!」
(終わり)

463 :


464 :
乙age

465 :
書きたいのになかなか書けない

466 :
ナコルル誕生日おめ!

467 :
age

468 :
誰か閑丸×リムルル書いてくれ
俺には文才がない

469 :
スレの容量は512KBだっけ?

470 :
あり? そうだっけ
保守

471 :
64さんの生存報告だけでも聞きたい……ッ!!

472 :
リム閑が読みたいニャン。

473 :
復帰

474 :
一行SSでもやるといいんじゃね

475 :
>>472
エロパロ保管庫にあるよ

476 :
>>475
アレでは足りぬ

477 :

※こっから先はうるし原閣下の絵で想像してください

「綺麗だなぁ……ほんと」
少し大きな赤毛の少年はそう言った。

「閑丸様?」
青い頭巾を被った少女は自分の上に被さってる赤毛の少年の言葉に首を傾げる。

「なんていうかさ。 氷みたいっていうか……こう……女の象徴っていうか?」
「一体、何を?」
「君のこと言ってるの」
「は?」
彼女に少年の言葉の意味が分からなかったようだ。

一刻後


「閑丸、様……ぁん♪ リムルルは……やらしゅう……」
「うん。 やらしくて、綺麗だ」
「え……あっ、ひゃぁん!?」
「この声も……その小さな胸も……この締め付けも……全て綺麗だ。 全ての女は君を見習うべきだ」
「そ、そんな……私のような……」
「愛している、リムルル」
(ぁ……)
少女はその言葉だけで絶頂に達してしまった。

閑丸様……ぁはぁぁぁっ!
リムルル……んんっ、くぁっ……

478 :
>>477
読み返してみたら少々意味がわからないと思った
急ぎすぎたか
数行ですましてみる
「閑丸様……わたし……」
「リムルル……好きだ」
「閑丸様……♪」
「閑丸様……わたし……閑丸様の事大好き」
「僕も、愛してる」

そういや、とらのあな漁ってたら「大自然のおしおきです」6って同人誌があったな……あれどこで見れるか知ってる?

479 :
リムルル誕生日おめ!
>>477&478
甘ったるいわヴォケー!!でも乙w

480 :
あ、保守ageし忘れた…

481 :
効果音と台詞だけでお楽しみ下さい

むにゅ
「ぁっ……」

「柔らかい……」
むにむにゅ
「やぁん」

「リムルル……」
ちゅ
「んっ!?」

くちゅくちゅ……
「はぁ……はぁ……」
「んちゅ……ん……」


「閑丸……きて……」
「うん……いくよ……」

ぱんぱん
「あぁっ! はっ、あはっ、あぁん!」
「リムルル、好き! すごく好き、大好き!!」
「そんな事言われたら……私……イッちゃ……」
「イクよ……」
どくっ
「!」
どくっどくっ
「あ……あぁっ……」
どくどくっ
「あぁぁぁぁぁっ!!」
「閑丸……大好き」
「うん……リムルル、好きだ」


482 :
えー、サムスピの新作パチスロで出ました
ナコルルなどのキャラデザがリアルすぎて人気でそうにありません
俺は好きですが
そのせいか?
鬼のキャラデザがひどかったから、みんなサムスピ熱が冷めてしまったのか!?
おのれィ、ならばこの俺がこのスレを閑リムスレにしてやる!

483 :
>>482
私は一向に構わん!

484 :
「リムルル……」
ちゅっ
「んっ……」
「んっ」
「んっ……」
「んはぁ」
くちゅ……
「はぁ……」

「ぷはっ……苦しかった〜」
「はぁ……はぁ……」
「閑丸」
「なに?」
「……出し挿れ、しよ♪」
「…うん」

485 :
「ナコルル……」

そう呟いたのは銀髪の忍者、ガルフォード。
先程呟いたのは今は亡き愛しの少女の名前。
小さながらも頼れる相棒パピーは鬼籍には入り、今は一人。
今は己が正義に殉じ、世のため人のため、悪事を働く者共を成敗している。
しかし……

「俺の正義は……本当に正義なのか?」

ガルフォードの成敗とはす事。 つい最近自分がした悪党の息子に刺された。
幸い命に別状はなかったが、それ以来、子供の投げた言葉が頭から離れない。
ガルフォードの正義とは強さを挫き、弱さを助け、悪を許さぬもの。 しかし、人をすことは悪ではないのか? ならば、自分の正義は、本当に正義なのか……?
そう迷っていた。

「むっ?」

ふと森から人の気配を感じ、ガルフォードは背中の刀の柄に手をかける。
出てきたのは……


486 :
>>485の続き
「待ってよ、リムルル!」
「へへーんだ、追いついてごらんなさーい♪」

(あれはナコルルの妹の……)

森から出てきたのは赤毛の少年と青い頭巾をかぶった茶髪の少女。
顔を見た時、思わず隠れてしまったガルフォードはあの二人の子供を知っている。
一人は“鬼”と呼ばれた剣士“壬無月斬紅朗”にまつわる事件で知り合った傘使いの少年。
もう一人は、自分が愛した少女の妹。
何故、あの二人がここに……
そう思ったガルフォードの耳に二人の会話が入る。

「もう……あれから何発出されたと思ってるんだよ……」
「え? 何がー?」

何発? 出された? 何を?
そう思ったガルフォードの耳に衝撃の言葉が!

「ぎょっ、玉茎の! その……せ、せーえき……」

衝撃のあまり思わず倒れそうになったガルフォード。
無理もない、子供の口から大人しか知らない言葉が出てきたのだ。

(ということはこの二人……)

まさか!と思ったガルフォードの耳に頭巾の妹の声が流れる。

「いーじゃんいーじゃん、そんな細かいこと。
さっきで七回目でしょ、小作りごっこ」
「ごっこじゃなくて、ホントの小作りでしょ!」
「だってアタシ、妊娠してないもーん」

予想はしていた。 まさか愛した少女の妹がこんな事をしていたなんて……。


487 :
>>486の続き

(しかし、ここは叱ってお……)

そう思った時、脳裏に自分を憎んだ子供の顔が。

(何故、あの子の顔が……)

そんな時、またも二人の会話が耳に入る。

「もし子供出来たらどうするのさ!」
「んー……その時は閑丸がお父さん!」

かぁぁぁっと赤面し、大声でばかーーっと叫ぶ赤毛の少年。
その姿を見て、相棒と共に自分が助けた夫婦の顔を思い出した。

『どうも助けて頂いてありがとうございます』
『どうお礼をすれば良いか……』
『いえいえ、気にしないでください。 正義の味方に見返りはいりませんから!』

そんな事を思いだし、どこか気持ちが晴れた気がした。

「少し続けていくか……正義の味方」

そう言うと、夫婦のようにじゃれ合う二人の子供に、

「幸せにな」

そう呟くように言うと、どこかに飛び去っていった。


「ハッ! 叱るの忘れた」

488 :
http://doujinlist.info/samuraispirits

489 :
>>488
悪いが、俺の望んでいる閑リムはなさそうだ……クソッ
残るは都築さんの描いたヤツのみ……

490 :
ほしゅ

491 :
陸捨肆氏のリムルル話・・・
ハッピーエンドを期待していたので、とてもむなしい。
この板を昨日見つけ、二日で全部読んだが、とてもすばらしいと思った。
もう最後の投稿から早四年となってしまったが、元気にしてるだろうか。


492 :
ほしゅろう

493 :
ゲームの方は、新作はもう望めないのかねー

494 :
ほしゅ

495 :


496 :
来年

497 :
保守

498 :
保守

499 :2013/09/28
>>491
もう5年か…リムルルの人、どうしてるのかね…
とつぶやきつつ保守
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