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2012年7月エロパロ404: アンタッチャブル 事件記者 鳴海遼子その3 (247)
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アンタッチャブル 事件記者 鳴海遼子その3
- 1 :11/09/08 〜 最終レス :12/06/13
- ドラマ「アンタッチャブル〜事件記者鳴海遼子〜」のエロパロスレです。
奇跡の3スレ目突入。
エロなしも歓迎。
鳴海兄妹でも鷹藤でも、妄想して萌えましょう。
前スレ
アンタッチャブル 事件記者 鳴海遼子 その2
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1291718059/l50
初代スレ
ドラマ アンタッチャブル〜事件記者・鳴海遼子〜
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1261533345/
保管庫
ttp://www22.atwiki.jp/loveuntouchable/
- 2 :
- >>1
スレ立て、乙です!
本当に奇跡の3スレ目ですねw
今後も、職人の皆様の投下を全力でお待ちしております!!!!
- 3 :
- スレの即回避SS投下。
もしもお兄ちゃんと関わったばかりに人生の転落スタートの史郎ちゃんがダークサイドに落ちたら…。
暗いし無理やり描写満載なのでそういったものが苦手な人は読まない方がいいかもしれない。
遠山と遼子じゃラブラブ系が難しかったんでいつものダーク系になってしまった。すいません。
- 4 :
- 遠山はブラインドを細く開けると、窓から外を見た。
しかしガラス窓の外の景色を見ようにも、激しく打ち付ける雨のせいで滲んで見えない。
時折走る稲光でようやく雷が起きているのがかろうじてわかるが、そうでなければ気付かない程、この部屋に
屋外の音は入っていなかった。
「外は凄い雨なのに、全く音がしないだろう?ここは音楽家専用マンションなんだ。夜間に楽器をかきなら
してもいいように、こちらの音も外に出ないし、外の音もこちらには入って来ない。
音楽家専用とは言っても不埒な目的のために借りている者も多いらしいけどね。音が漏れないんだ、
何でも好きなことを出来るだろう?」
スーツのジャケットを脱ぎ、ネクタイを外したシャツとスラックス姿の遠山がベッドの上の遼子に話しかけた。
少し血走った眼、こけた頬…、そしてその手には強い酒の入ったグラス。
今の遠山は『名無しの権兵衛』事件で父を弔うこととなり、ジャーナリストとしての信念も名声も全て失った男にふさわしい顔をしていた。
「僕はね、正直に言うと、以前の君には女性としての関心は抱いてはいなかったんだ。だからあんな風に冷たく
君をあしらうこともできた」
遠山は手にしていたロックグラスを傾けた。琥珀色の酒を煽るように一気に喉奥に流し込む。
ベッド脇のスタンドライトが遠山を照らしていた。
その表情は喉をアルコールで灼かれたせいなのか、それとも別の理由からか微かに歪んでいる。
もともと整った顔立ちの男であったが、やつれたにも拘わらずその表情のせいで遠山の横顔はある種の美しさを
感じさせた。
「でも今は…。僕も君もあの頃とは変わってしまった」
遠山が手を伸ばし遼子の揺れる漆黒の髪を優しく撫でる。
「僕は…僕は君の兄さんのせいで人生の敗者となった。いや…、君の兄さんが見せてくれたのかな、僕の中に
ある弱い部分を。おかげで自分自身というものを厭と言う程知ることになったよ。自分の信念を失わない者へ
の羨み、妬みそれが僕の中で渦巻いている。…僕にもこんな心があったなんてね。僕からすると、今の君は
眩しい位だ。兄に人生を狂わされ、他人から罵られ謗られても顔を上げて生きている君が。だから君に無関心
でいられなくなった」
遠山が遼子を見つめる。
いつもであれば、遠山の言葉に相槌を打つなり、うるさく一方的に自分の想いを話すはずの遼子は天井を向いたままだ。
遼子は今、遠山の傍らのベッドにいつも着ているシンプルなシャツとスカート姿で大の字になって横たわっていた。
枕の横には少々くたびれた革のボストンバッグが置いてある。
そして遼子の両手両足には鎖。
鎖はそれぞれベッドの支柱につながれ、目元には黒革のアイマスク、そして口元には猿ぐつわがつけられている。
遼子が動かないでいるのは抵抗する気力をそがれる程の長い間、こうして繋がれたせいだった。
当初の抵抗を示すようにひとつに束ねられた髪の毛はほつれ、幾筋か汗で顔に張りついていた。
ベッドの両脇に置かれたスタンドライトの灯りが革のアイマスクで隠された横顔を浮かびあがらせている。
- 5 :
- 「君に関心を抱いた理由はもうひとつあるけど…それは君自身が考えてみるといい」
遠山は遼子の足元に移動すると、スカートの中に手を這わせる。
遼子の太腿が震え、抵抗を示すように鎖がこすれて微かな音を立てた。
しかし鎖できつく拘束され、抵抗もそれまでだ。
脚は無情なまでに大きく開かれたままだった。
遠山は手の平でゆっくりと太腿をさすり、その感触を楽しみながら、スカートの奥へ奥へと手を伸ばしていく。
遼子は唯一自由になる首を激しく振り、猿ぐつわの横から拒絶の呻き声を漏らした。
遠山はストッキングの股の部分に手を掛け、一気に引き裂いた。
ストッキングの下のラベンダー色のショーツが露わになる。
「いい色の下着だね」
遼子は遠山の冷たい声音に震え、顔を背けた。
「次はどこがいい?この下着も裂いて、すぐに君自身を見てもいいかもしれないな」
遠山が今度はショーツに手を掛ける。
遼子がまたも首を振った。痙攣するかのように速く。
「んんんっ」
唸り声ともつかぬ声を上げ、遼子は必に拒絶の意を示す。
それを見た遠山は口元をほころばせた。
「じゃあ、楽しみは後に取っておこう」
スカートを腰までたくしあげたままで、遠山が遼子の腰に馬乗りになった。
遼子の清楚な白いシャツの襟元を掴むと、それを一気に引きちぎる。ボタンが弾け飛び、遼子のラベンダー色の
ブラが露わになった。
「僕は君に今後のことで相談に乗って欲しいって連絡したんだけどな…。結構な下着をつけてくるなんて、君の
中には別の期待でもあったのか。じゃあ、無理に鎖に繋ぐこともなかったかな」
遠山がのしかかるようにして遼子の耳元に唇を寄せると嘲るように囁いた。
そしてブラの上から双房を手で包み、ゆっくりと撫でまわす。
遼子の呻き声が大きくなる。
そんな声などお構いなしに、遠山は胸を上から下へと揉み続ける。
乳房全体を弄んでいた親指が、コリッとしたものに触れた。
「鳴海君、この硬くなっているものは何だい?」
遠山が意地悪く答えが判り切った質問をしながら、ブラの中に人さし指を忍び込ませ、しこったそれを指先で弾いた。
「んっ」
遼子の躰が跳ねた。
「声が変わったね」
ブラをずり上げ、乳房を露わにすると欲望の存在を示すように先端は屹立していた。
「いやらしいね、君は。嫌がっている割に、ここをこんなに硬くして頬だって赤く染めて。もう男が欲しいのか」
遠山が親指で執拗に乳房の先端を弄くりながら遼子に囁く。
まだ遼子は唯一の意思表示の手段として首を振っているが、時折魚のように躰が跳ね、快楽からか揺らめいて
いた。
「僕がやってもいいんだけど、もっといい方法がある」
遠山はそう言って、遼子の傍らに置いてあったボストンバッグを手に取った。
その中からピンクローターを二つ取り出すと、遼子の乳首の上にバイブ部分が当たるように置いた。
ずりあげたブラを少しおろしてそれを挟み、満足げな笑みを浮かべると遼子の猿ぐつわをとった。
「史郎ちゃん…どうして?お願いもうこんなことやめて!!!」
遼子が切迫した声で遠山に懇願する。
「鳴海君、僕がこれを取ったのは君のそんな言葉を聞きたいからじゃないんだ」
「駄目よ…今なら…わたし誰にも言わな…やっああああっ」
遼子がのけぞった。
- 6 :
- 遠山が手元にあるリモコンのスイッチを入れたのだ。強度のダイヤルはまだ弱に合わせている。
敏感になった先端に訪れた刺激は、まだ弱いものでも遼子を翻弄するには充分すぎる程だったようだ。
「だめだめだめ…っ。ああんっ」
鎖の擦れる音と、快楽を堪え切れず忍び啼く女の声。それは妙なる調べだった。
革のアイマスクで覆われた清艶な頬を歪ませ半開きにして喘ぐその唇に、遠山は吸い寄せられるように
して唇を重ねた。
遼子の胸の奥からの甘い吐息と共にその柔らかな舌を遠山の舌が絡め取る。
「ふっ…んっ」
遼子の口内を蹂躙していた遠山の舌先に鋭い痛みが走る。
「っつ…!」
遠山が反射的に唇を外すと、赤い糸が二人の唇の間で橋を作った。
「昔は僕を追いかけまわしていたのに、年下の恋人が出来た途端簡単に宗旨替えか。寂しいもんだ」
唇の端から流れ落ちる血を遠山は手の甲で拭うと、ダッフルバックを手に取った。
それを逆さまにすると中身を遼子の横にぶちまける。バイブレーター、ローター、ローション、手錠、首輪、
ハサミがベッドの上でバウンドした。
「史郎ちゃん今の何…?」
眼隠しで周囲の様子が見えない遼子が怯えた声で聞いた。
「君の為に買ってきたおもちゃだ。買い物は楽しかったよ。こんな世界もあるなんて今まで知らなかったからね。
年下の恋人に操を立てて僕のことを受け入れる気が無いと思ったから用意したんだ」
鈍感な遼子でも、流石にこの状況下で遠山が言った『おもちゃ』の意味はすんなりと理解したらしい。
快楽で紅潮していた唇は色を失い、微かに震えていた。
「いや…やめて…だめ…お願いよ、いつもの史郎ちゃんに戻って」
遼子の声が湿り気を帯びていた。眼隠しの下から涙がこめかみを伝って耳の上を落ちていく。
「『いつもの史郎ちゃん』はもういないよ。君の知る僕はもういないんだ。知っているじゃないか、君だって。
僕の人生は君の兄さんに破壊されたんだ。父も、キャリアも、自信も全て…」
「そんなこと…史郎ちゃんはそれでもすぐに立ち直って…」
遼子の言葉を最後まで聞くのが面倒になった遠山は、ピンクローターのリモコンの目盛を「強」に合わせた。
「ひゃああっ」
乳房への刺激に、涎をまき散らしながら遼子が首を振り悶える。
「相当いいみたいだね。でももっと良くしてあげよう」
「やっああっ」
鎖を鳴らし、ベッドでのたうつ遼子には遠山の言葉に答える余裕はないようだ。
遠山が鋏を手に取った。
遼子のスカートのすそを掴むと一気に下から上へと鋏の刃を滑らせる。なんのストレスも無くスカートは一枚の
布と化し、遼子の腰の脇へ落ちた。
そしてそれが覆い隠していた下半身が露わになる。
「服は後で買って返すよ」
「きゃっ…やああっやめっああっ」
拒絶しようにも、遼子が言葉を紡ぐ前に漏れ出るのは淫らな喘ぎ声ばかりだ。
遠山の視線から下半身を隠そうと遼子が脚を動かすが、冷たい鋼が無情に拘束し離さない。
遠山はストッキングを股の部分で二つに引き裂き、それぞれを太股の中ほどまでずり下げた。
遮るものが無くなり、ラベンダー色のショーツのクロッチ部分が湿って変色しているのが良く見えた。
「鳴海君、濡れてるじゃないか」
遠山が中指で湿った部分を強く押した。
- 7 :
- 「ひゃっ」
「ぐしょぐしょじゃないか。でもこれだけじゃ足りないだろ?」
遠山が鋏でショーツの端を挟んだ時、遼子が抵抗する素振りを見せた。
「怪我はさせたくない。動かないでくれ」
冷気を帯びた遠山の声に、遼子が動きを止めた。
遼子の沈黙から、遠山の鋏の動きに集中しているのがわかる。
鋏が乾いた音を立てて、ショーツの一端を切り落とす。
焦らすようにゆっくりと遠山が鋏を動かし、もう一端を両断した。
遠山が布と化したものを取り除けると、遼子の秘裂が現れる。
程良い濃さの叢の下にある花の芯はぽってりと膨らみ、花弁は蜜に塗れていた。
本人の意思に反して、男の本能をくすぐる雌の匂いがそこから立ち上っている。
「もっと良くなるよ、これで」
遠山が上からローションをたっぷりと垂らす。
「ひっ」
眼の見えない中での、突然の感触に遼子が怯えた声を出す。
股間だけでなく、太ももまでしとどに濡れる程垂らすと、今度はローターで震え続ける乳房にもたっぷり垂らしてやる。
遠山は男根を模したバイブレーターを手に取り、その先端でローションに塗れた遼子の躰を撫でまわし始めた。
バイブレーターの根元には丸い小さな突起が2センチ幅の環となって付いている。
淫らな遊びをするためだけの意匠だ。それで頬を撫でた時、遼子が顔を逸らした。
「何…いやっ…」
声が震えを帯びていた。
「根元はこんな形をしているが」
遼子の半開きの唇にそれをねじ込んだ。
「んっ…ふっ」
遼子が激しく首を振り、それを吐き出した時、遼子の唇はわなわなと震えていた。
「先のほうは君の大好きなものの形をしてるだろ」
嗜虐心を満足させた遠山は、今度は羞恥の中に遼子を叩きこむことにした。
ローションでてらてらと光る遼子の秘裂に遼子の唾液で濡れたバイブレーターをあてがった。
「やぁっ!駄目なの、お願い…あっああっ熱いの、熱い!!!!」
ローションと蜜が立てる卑猥な水音とともにバイブレーターは遼子の中にずぶずぶと呑み込まれていく。
「感覚が敏感になる薬が入っているんだよ、このローション。使い心地はどうだい?」
そう言いながら遠山が遼子の胎内を長い張り型で掻きまわす。
遠山に蹂躙されるうち、初めは硬かった遼子の花弁が本能のままに熱く蠢き始めていた。
「まだまだ良くなるよ…」
抜き差ししながら、バイブレーターのスイッチを入れた。
ゆっくりとうなりを上げて、張り型の先端が胎内でしなるように蠢き、それと同時に根元の突起が回転し膣道の
入り口をひたすら責める。
電流が走るように遼子の躰が痙攣した。
「ひゃ…やんっ…あああああっあっ…あ…あああんんっ」
遠山の血が混じった涎を流しながら、喉を晒し遼子は快楽に震えていた。
「いやあっ…ああっ…ああああんっ」
目隠しされたせいで、ただでさえ躰の感覚が鋭敏になっていた上に、薬とバイブレーターで狂わされ遼子は悶え乱れる。
「ローションのせいだけじゃない、君の中はとろとろだよ…知らなかったよ、こんなにいやらしい女だったなんて」
じゅぼじゅぼと音を立てバイブレーターを抜き差しすると、胎内から白濁した蜜が掻きだされあたりに飛び散った。
それはシーツだけでなく遠山のシャツの袖をもしとどに濡らす。
- 8 :
- 「はぁっんんんっ」
抜き差しのリズムを上げると、遼子の呼吸のリズムも同調し始めた。
遼子の躰がのけぞり始めたのを見て、遠山はバイブレーターを引き抜いた。
「はぁっ、はぁっ…あっ…えっ…」
肩で息をしながら、遼子が物欲しそうな声を漏らした。
「いきそうだったんだろ?無理やりやられていたくせに…」
「違っ…」
狼狽しきった様子で遼子が反駁した。
「違わないさ。君のあそこからローションだけじゃないものが沢山垂れているんだから。泡立って白く濁ってる
ものがさ。感じてなきゃ、あそこからこんなものが出ないだろ」
「違う違うっ」
この状況で昇りつめようとした自分への羞恥から遼子が激しく否定する。
「本当に?」
遠山はそう言うと、乳房の先端をローターの上から強く押した。
「ひっ!?…やああああああぁっ」
寸前で絶頂から引きずりおろされても、快楽に慣らされた躰の火照りは静まっていないようだ。
逆に更に激しく快楽を求めているようにも見えた。
「君の躰は欲しがっているじゃないか…」
遠山が遼子の眼隠しを外した。
光に慣れるまでしばしぼんやりした後、遼子の黒目のはっきりとした瞳が遠山を捉えた。
「史郎ちゃん……やめ…て…こんなの史郎ちゃんのすることじゃないよ」
「まだそんなこと言うのか。…だったら言えなくしてあげよう」
遠山は屹立した自身を遼子に見せつけるように下着を下ろす。
遠山の端正な顔にそぐわない脈打つ凶暴な大きさのものを見て、遼子が眼を見開いていた。
「いや…助けて…鷹藤君…おにい…」
泣きながら顔を歪めて遼子が助けを求めた相手。
それこそが遠山が憎んで止まぬ相手だった。
それまで遼子を甚振りながらも遠山の心は冷たく澄んでいた。
しかし、その言葉を聞いた遠山の血が、沸騰しそうな程滾りはじめた。
遠山は意地悪く微笑むと、遼子の耳元に唇を寄せた。
「どうして君を抱くか教えてなかったね。君が『運命の女』だからだよ。それも君の兄さん―――鳴海洸至の」
「運命の女…?」
訳がわからないと言った顔で遼子が遠山を見た。
「君が全てを狂わせたんだ」
その遼子の瞳を、遠山は憎しみを籠めて見つめ返した。
―――君が奴の妹でなければ。
奴が君を憎しみ抜いていれば。
そして奴が運命の女に狂おしい程の想いを抱かなければ。
ほとんどの事件は起きずに済んだ。
それまでどおりの僕の生活は今も変わらず続いていたはずだ。
父もなずに済んだ。
キャリアもそれまでの自分を失わないでいられた。
周りの人間全てを巻き込み、その生活と人生を破壊した――鳴海洸至の運命の女。
しかし運命の女と言うには遼子は天真爛漫で翳りなく、邪気のない女だった。
兄により塗炭の苦しみを味わわされても、芯にある純真さを失わないでいた。
遠山はその邪気の無さを激しく憎悪した。
遠山や周りの人間全ての運命を変えておきながら、翳りを帯びずそれまで通りにいられる遼子が心底憎かった。
もしかしたらこれは憎悪と言うよりも嫉妬なのかもしれない。
常に人の上に立ち、他人より優れ見下ろしていた自分が転落したとき初めて憶えた嫉妬。
自分が失った輝きを持ち続ける遼子への羨望。
それは遠山の心を灼き、黒く変えた。
- 9 :
- だから、遠山が遼子を抱くのは情欲の為ではない。
遠山の運命を破壊した者に対する、僅かばかりの復讐だった。
その男が愛してやまないものを穢す。
遠山は遼子の足元の鎖を緩めた。自由になった遼子の足を逃げられぬように抱えると、遠山は遼子を一気に貫く。
「あっああああっ」
遼子のそこはすんなりと遠山を受け入れ、快楽をもたらすように遠山自身を締めあげる。
「欲しかったんだね、ここに。すごい締め方だ」
「ふぅっわたしっ…締めてない…ああっ」
激しく抜き差しされながら、遼子は口ではまだ抗っていた。
だが躰の方は素直すぎる程の反応を見せている。
悦楽のせいでこめかみに汗が浮き、唇から間断ない喘ぎ声。
遼子の足についた鎖が淫らなリズムを刻む。
「口ではいくら言っても、自分から腰振ってるじゃないか」
「んっ…んんっ…違うの違う…あああっこんなのお願い止めて…!どうして…ああんっ」
腰を激しく叩きつけながら、遠山は胸のローターを取ると、遼子の乳房にむしゃぶりついた。
取ったローターは遼子の花芯にあててやる。悦楽に溺れる遼子の媚肉が締まり、遠山を快楽で苛む。
「ああっああっあああああああっ史郎ちゃん、…だめ…もうだめ…やめて…史郎ちゃんこんな人じゃない…」
か細い抵抗の声。しかしそれは遼子を襲う悦楽の波にかき消されようとしていた。
乳房と秘裂、花芯を同時に責められ押し寄せる快楽のせいで遼子は啼いていた。
啼きながら、せつなげにすがめた眼で遼子は遠山の心を射ぬく。
それは何故と問うていた。
こんなことは遠山がすることではないと訴えていた。
かつての遠山に訴えていた。
良心があったころの遠山に。
その視線に耐えられなくなった遠山は遼子の唇を唇で塞いだ。
今度は噛まれなかった。
遠山の舌が遼子の舌を絡め取り吸う。抵抗を忘れ、遼子はなすがままだ。
遼子に噛まれた傷口から溢れる血を分けあたえるように激しい口づけで遼子の口内を犯していく。
「んっんっああっ」
塞がれた遼子の唇から甘い声が漏れ出る。拒絶の言葉は忘却の彼方に置いてきたのだろう。
またも絶頂への階段を昇りはじめた遼子の媚肉が、遠山の樹液を催促するように蠢く。
終わりを感じた遠山が汗を滴らせ、湿った音を立てながら腰を叩きつける。
憎しみと嫉妬と憧れと眩しさとが遠山の中で混ざり合い身体を満たしていた。
それに追い立てられるように、遠山は遼子の中で猛り狂った。
「やぁっ、あつ、いやっ、あ、あ、あ、あ、あ、あ…いく…いくっ…」
遼子が昇り詰めていく。
のけぞり始めた遼子の細い腰に遠山は片手を廻し、深く密着するようにしながら遼子の顔を覗きこむ。
遼子は、まだ遠山の理性へ訴えかけるような眼でこちらを見ていた。
次の瞬間、その瞳が潤んで揺れた。
「だめ…おかしくなる…!!!!!!」
遼子の眦からは一筋の涙。
「おかしくなれよ…!おかしくなればばいいんだ」
遼子が揺れるほど激しく遠山が腰を動かし胎内に精を放つと、遼子は悲鳴にも似た啼き声をあげ果てた。
- 10 :
- 気を失った遼子の秘裂から遠山の精が溢れ静かに流れ落ちている。
まだ半裸の遼子に対して、身支度を終えた遠山がその光景を昏い表情を顔に浮かべ見つめていた。
突然、何かの発作のように笑い始めると遠山は顔を手で覆った。
この結果はわかっていたはずだ。
満足などできないことを。ただ心の飢えや渇きが酷くなるだけだということを。
鳴海洸至と関わった時から始まった永い夜の日々から逃れられない。
汚れの無いものを引き摺り下ろしても、以前いた場所へは還れはしないのだ。
…ならば、この音の無い部屋で遼子の魂が黒くなるまで自分の身中にある汚濁を塗り籠めてやるまでだ。
穢れた決意を胸に遠山が遼子の元へ歩き出した時だった。
リビングのドアが大きな音を立てて開いた。
遠山が振り返りそこを見ると、男が立っていた。
男が着る黒い貫頭型レインコートからは雨が滴り落ちている。
濡れたレインコートが鴉の羽根のように蛍光灯の光をうけ鈍く光っていた。
「意外と早かったね。あなたを待っていたんだ。待つ間、少々楽しませてもらったよ」
遠山が突如入ってきた男に驚きもせずに言った。
レインコートのフードをかぶる男の鼻から上は影になっており表情は窺えない。
だが、微かに顎が震えている所を見ると男は奥歯を軋む程噛みしめているようだった。
「主賓の登場だ。鳴海君に何かがあればきっとあなたは現れると思っていました。
連絡先がわからないので、不本意ながらこの方法をとるしかなかった」
遠山はベルトの背中側に挟んでいたベレッタを取り出した。
爽やかな微笑みを口元に湛えながら撃鉄を上げると、遼子に向けた。
麻薬を密売している男たちから買ったものだ。今の暴力団は銃よりも携帯電話で金を稼ぐ。
携帯電話で稼げないような知恵のないヤクザたちは銃を売り、廃業するか薬に溺れるかだ。
そのせいで銃は闇の市場でダブついていた。だから遠山のような素人でも簡単に手に入れられる。
「持っているんだろう銃を?下に置いてもらおう」
遠山に命じられた男が銃を取り出すと、抵抗もせず床に置いた。
「いくら防音でも銃の発射音なら漏れるんじゃないか」
銃口を向けられているというのに、男は意に介する様子もない。
世間話をするような調子で遠山と話していた。
「漏れてもいいさ、目的さえ果たせれば。手を上げて動かないで。もし動けばあなたの大事な妹から撃つ」
「…慣れないことは止めておけ。遠山」
男は素直に両手を上げた。
「僕は全てを失ったんだ。あなたのせいで。あの事件以来、僕はずっと夜の闇の中をはいずり回るような日々だ。
自信も、信念も誇りも仕事も肉親も全て失った…。あなたを撃って、僕の夜を終わりにしたい。」
「できるならな」
その言葉を合図に、遠山は男に銃口を向け躊躇わず引き金を引いた。
発射音が部屋に響く。音のあまりの大きさで遠山の世界から音が消える。
何度か屋外で練習したのでその音に慣れているはずだった。
しかし閉め切った屋内、それも機密性が高く、音を閉じ込める構造の部屋での銃の発射音は全く違うものだった。
轟音となって押し寄せたそれに、遠山は鼓膜を打たれ反射的に眼を閉じていた。
次に眼を開けた時、銃口の先には誰もいなかった。ほんの一瞬で視界から男が消えた。
遠山が恐慌をきたし首を巡らせた時だった。
- 11 :
- 音の無い世界に漆黒の羽根が翻る。
そう思えるほど優雅に素早くレインコートの男の腕が動いていた。
右手に耐えがたい痛みが走り、遠山は思わず銃を落としていた。
次に鳩尾に衝撃。
遠山の息が止まる。胃の中のものがせりあがる。喉奥に不快な酸味と苦みが拡がる。
反射的に身をかがめた遠山の後頭部に男の肘が叩きこまれ、遠山は床に勢いよく崩れ落ちた。
遠山は、今自分を襲った衝撃よりも叩きつけられたフローリングの床の冷たさに驚いていた。
その後に全身を襲う痛みと吐き気がやってきた。
床に落ちた銃をレインコートの男がすかさず蹴り、部屋の隅に飛ばしたのを遠山はぼんやりと見ていた。
躰は動かなかった。今遠山を支配しているのは恐怖と痛みだけだ。
それが遠山を凍らせた。
男は伸縮式の特殊警棒手にして立っていた。
袖口に隠し持っていたのだろう。
遠山に飛びかかると同時に袖から出し、瞬時に警棒を伸ばすと長さを活かして遠山の手首を打ったのだ。
「さすがは元警官だ…。それにしても慣れないことはするもんじゃないな」
だらりと垂れた手首を押さえながら遠山が立ちあがろうとしたが、片膝をつくのがせいいっぱいだった。
徐々に遠山の耳も機能を取り戻したのか、雨水を滴らせながら歩く男の濡れた足音が聞える。
男は遼子の足元にあった毛布を手に取ると、汗と体液に塗れた妹の躰にそっとかけた。
最後に男は、遠山の銃を手に取ると傍にやってきた。
「…僕をすのか」
遠山が男を見上げると、静かな怒りを湛えた瞳が遠山を見ていた。
「さないさ。お前のような男でもしたら遼子が泣く」
「せよ。その方が楽だ。あんたのせいで僕の人生は滅茶苦茶だ」
遠山の人生を破壊した男――鳴海洸至が口元を歪ませた。
「俺のせいで…?そうじゃないさ、お前の中に元々あったものだ。遼子を餌に俺をおびき出すつもりなら、
さらうだけでいいだろう?道具まで使って遼子をいたぶる必要が何処にある?お前が言う夜の闇ってのは
お前がずっと抱えていて、お前はそれを知らない振りをしていただけだ。やりたかったんだろ、女相手にこんなことを」
「そんな訳はない。僕は…そんな人間じゃない」
「俺に関わったのに自分を失わなかった鷹藤といまのお前と何が違うかわかるか?
あの時、銃を手にした鷹藤にも復讐という選択肢があったはずだ。しかしあいつは俺に復讐することなく
遼子を信じて全てを託し終わらせた。その上、新党設立パーティーで警官に撃たれそうになっても、
自分の命を掛けて他人の命を救おうとした。とことん追い詰められても踏みとどまって、自分よりも
他人のことを思って行動したんだよ。今だって、この雨の中遼子を探して街中を走り回っている。
どうしようもない馬鹿とも言えるが…」
洸至の全てを見通すような眼が遠山を捉えた。
「だがな、お前は俺に秘密を握られあっさり信念を捻じ曲げ手を汚した。保身のためだけに。そうだろ?」
「僕には守るべき父がいた…だから仕方なく」
- 12 :
- 「仕方がないなんて言いながら、悪事に手を染める人間は結局は悪党なんだよ」
右手の打たれた部分が赤黒く腫れあがり、遠山を痛みで苛む。
それよりも、洸至の言葉の方が遠山の心を責め立てていた。
「いましたことは欲望からじゃない、純粋な復讐だ。僕はただ穢してやりたかっただけだ。あなたの大事なものを」
洸至が口元を微かに歪ませた。
「穢す…?こんなことをしても遼子に憐れまれているお前が、あいつを穢せるわけがないだろ」
遼子の方から啜り泣く声が聞こえてきていた。
ベッドの上で鎖が擦れる音がした。先ほどの発砲音で遼子が意識を戻したのだろう。
「ごめんね、史郎ちゃん…辛い想いさせてごめんね…私たちのせいで…ごめん…」
啜り泣きに混じって、遼子が呟いた。
あれだけ凌辱されたにも関わらず遼子は遠山のために泣いていた。
んだはずの兄に、自分を助けに来た兄に声を掛けるよりも先に、遠山に謝っていた。
本当は遼子が遠山に謝ることなどない。
遼子を快楽の底に落として、汚濁の中に叩きこんだつもりが―――結局は自分が更なる闇に堕ちたことを自覚
させられただけだった。
「俺やお前が手にできる女じゃないんだ」
洸至が自分に言い聞かせるように呟いた。
「運命の女、か…」
自嘲気味に笑いながら遠山が洸至を見た。
洸至が特殊警棒を振りあげる。
首筋を強く打たれ、遠山の眼の前が暗転した。
床に崩れ落ちる遠山のところに馴染み深いいつもの闇がやってくる。
冷たく昏いそれを恐れていた遠山はもういない。羨むように見上げた光も今は眩しいだけだ。
しばらくは光など目にしないでいたかった。
闇に抗うことを止めたいま…それは心地よく遠山を包んだ。
本当に長すぎてすいません。お兄ちゃん、いつも微妙に間に合わないのがデフォルトにw
遠山×遼子エロ、こんなのしか書けなかった…orz
- 13 :
- 遠山×遼子、GJです!!
遠山さん、SS初登場にして超ダーク!
イイヨイイヨーーーw
- 14 :
- 新スレ、乙です!
そして、新作もありがとうございます!
ダークサイドに堕ちた史郎ちゃん…ドキドキ(*´∀`*)
- 15 :
- いつのまにか新スレが!!
スレ立て、ありがとうございます☆
遠山×遼子も新鮮で良いですね!!
でもこの2人は、ラブラブエロは難しいのかな?
- 16 :
- >>15
遠山×遼子でラブラブエロとなると、鷹藤が可哀想なことにw
鷹藤好きな自分としてはそんなこと…あれ?
ラブラブ遠山×遼子&不幸な鷹藤、面白そうじゃないか!
ということにいま気付いたw
鷹藤は悲惨な境遇でこそ輝くからなあw
- 17 :
- ラブラブな鷹遼と、暗めな鷹遼、なんか両極端なのが浮かんだ…。
- 18 :
- >>17
両方プリーズ!!!!!
- 19 :
- 鷹遼ラブラブ(?)verを投下。
鷹藤先生の個人事業〜課外授業編〜もちょっと入ってますw
「流星群?」
「ああ。ほら、例の宇宙探査機とかでちょっと天文ブームって事で、ウチも雑誌でも
それに便乗した記事載せるらしいんだけどさ、そのネタ関連。」
「そういえば、映画とかも色々製作されてるもんね。」
「で、ちょうど『オリオン座流星群』っていうのが今夜観られるらしいんだよ。」
ハンドルを握りながら、鷹藤が答える。
深夜0時を過ぎた街を、2人を乗せた車が走り抜ける。
「こんな夜中に出発だから、何の張り込みかと思ったら…」
「悪かったな。深夜2時から3時ぐらいがピークらしいからさ。
ネットでも中継画像は見られるけど、せっかくなら直に見たほうがいいかと
思ってさ。俺も、写真撮れるなら撮りたかったし。」
「私、流星群って見るの初めて!小さい頃とか、楽しみにしてるんだけど起きていられなくって。
アラーム掛けて真夜中に起きようと思っても、いつの間にかアラーム止めちゃって、
気付くと朝だったりして。お兄ちゃんに『何で起こしてくれなかったの?!』って
怒った事もあったっけ」
高速に入り、遼子が楽しそうに話を進める。
「大丈夫。今日は眠っちまったら、ひっぱたいて起してやるから安心してくれ。」
「…ひっぱたかれるのはイヤ…」
「じゃあ、キスの方がいい?お姫様?」
「…何言ってるの、バカ!」
照れたように窓の外を見た遼子の反応に、鷹藤は思わず笑みがこぼれた。
高速を降り、しばらく車を走らせると、もうすでに2時近くになっていた。
都会から2時間も車を走らせれば、都会との喧騒とはかけ離れた闇一色の世界が広がる。
さらに車を走らせ、民家も信号も無い山奥にたどり着いた。
鷹藤がフロントガラスから夜空を見ると、時々天をスーッと星の軌跡が横切る。
「おい、着いたぞ。外見てみろよ。」
フロントガラス越しに鷹藤が空を指差す。
「え?何?着いたの?」
と、遼子はその指の動きを視線で追った一瞬後に「うわあ…」と感嘆の声を上げた。
- 20 :
- 「すごい!星がいっぱい!」
都会では見られない満点の星。
「あっ!見て、鷹藤君!ホラ、流れたよ!!」
遼子が満面の笑みで、鷹藤に振り向く。
「え?あぁ。」
鷹藤はその眩しすぎる笑顔に思わず見とれ、気が抜けた返事を返してしまう。
「もう!ほら、鷹藤君も早く願い事唱えなきゃ!!」
「まさかアンタ、そんな迷信信じているんじゃあ…」
「だってこれだけいっぱい流れているのよ?1回ぐらいはお願いできそうじゃない?」
鷹藤の方に振り向いていた遼子が、再び空を見上げる。
鷹藤はそんな無邪気な遼子の様子に笑みを浮かべながらも、一応は本来の目的である
仕事もきちんと全うしようとカメラを構える。
天文写真は専門外ではあるが、付け焼刃でも多少は勉強したので
何とかそれらしい写真をカメラに収めることができた。
「ま、どーせ専門誌に載せるんじゃねーからな。」
そう独りごちてふと隣の遼子に視線を向けると、まだ星空を見上げていた。
「なぁ…」
「んっ?なに?」
鷹藤がそっと問いかけると、視線は夜空を見上げたままで遼子が答える。
「アンタの願い事って?」
「口に出して言っちゃうと効力がなくなっちゃうから教えない。」
遼子がイタズラっぽく言う。
「でもね、私欲張りだから、一つに絞れないんだよね。一流のジャーナリストになるとか、
売り上げ倍増とか、それから…」
「それから?」
「一番大事な願い事は、口に出して言わないの。」
その言葉と同時に見せた、ふとした遼子の寂しそうな表情。
しかしそれは一瞬だけで、再びフロントガラス越しに、次々と流れる星に
遼子は目を輝かせながら見つめている。
「ん!」
そんな遼子を見ていた鷹藤が、運転席から手を伸ばして方を引き寄せ、柔らかい唇を奪うと
不意を疲れた遼子が小さく声をあげた。
唇を離して、鷹藤が遼子の瞳を覗き込むと、ビックリしたような目をしている。
「遼子…」
さらにキスを深くしようと、肩を抱き寄せたまま唇を求めるが、遼子は顔をそらせて俯いてしまう。
「ダメ、ここ車だし。それに今は仕事中…」
「誰も来ねーよ。それに、もう流れ星は十分見ただろう?」
「でも…」
「黙ってろ。」
反論の言葉を塞ぐべく、助手席に覆いかぶさるようにして遼子の身体を抱きしめ、唇を深く重ねる。
- 21 :
-
くちゅくちゅと舌を絡ませあう音が狭い車内に響き渡る。
吐息を貪るようにキスを激しくしながら、遼子のブラウスの下から右手を忍ばせて柔らかい胸を
掌に包み込むと、遼子は「んんっ!」と声をあげ身を震わせ、遼子を抱きしめていた鷹藤の身体を
両手で押し返す。
「これ以上はダメ!」
「ここまで来て止められるわけねーだろ?」
始めからそのつもりがあったわけではない。(100%無い…というのもウソになるが。)
しかし、一度熱くなってしまった身体の炎を鎮める術はこれ以外になく、拒否するように
首を振る遼子をキツく抱きしめる。
「ね?鷹藤くん?ここ、車の中だし…ね?」
「そう言えば初めてだな、車の中でするの」
「!!そーゆー問題じゃ…!」
なおも抵抗しようとする遼子を尻目に、鷹藤はすばやく運転席のシートを後ろにスライドさせて
空間に余裕を作ると、遼子の身体を横抱きにして自分の膝に乗せた。
「きゃっ!何?」
「何?って。わかってんだろ?」
言いながら遼子の鼻先にチュッとキスをする。
「仕事は?」
「一時休止。」
そう言いながら、遼子のブラウスをたくし上げる。
「やだ!やめて!」
本当に嫌がっているような遼子の声に、鷹藤の動きが一瞬止まる。
「…本気でイヤか?」
「だって…こんな所だし…外から見えちゃう…」
「だから、誰も来ねーよ。」
「でも、もし誰か来たら」
反論する遼子のスカートの裾から手を忍ばせて、下着の上から秘所を探ると、
鷹藤の指先には遼子の熱が感じられた。
「あっ!」
「コレでも本当にイヤなのか?…もう濡れてるじゃん。」
「鷹藤君の意地悪!!!」
遼子の正直な身体の反応に鷹藤は笑みを浮かべ、遼子は真っ赤になる。
そんな遼子の耳を食みながら、鷹藤は再び胸を探る。
「…あ…」
遼子もその気になってきたのか、鷹藤の手の動きに合わせ吐息まじりの甘い声が上がり始める。
鷹藤はブラジャーを押し上げると、激しいキスをしながら、少し荒々しく胸を揉みしだき、
胸の柔らかさを手で愉しむ。
チュッと音を立てて長い口付けから遼子を解放すると、遼子は大きく息を継ぎ、困ったような顔で
鷹藤を睨む。
互いの唾液で濡れた口元が、妖しい光を帯びている。
- 22 :
-
鷹藤はそんな遼子の目線をあえて無視して、胸の先端の蕾を指先でつまみあげると、
遼子はその刺激に反応し、鼻にかかった甘い声をあげて首を反らせる。
「は…あん…」
その首筋に紅い所有印を刻み込みながら、指の間に蕾を挟みこんで再び胸を揉む。
「車ん中じゃイヤだったんじゃないのか?」
「だって…言っても…無駄…じゃない。」
吐息交じりで途切れ途切れに言う遼子の瞳が欲望に揺れている。
「正解」
鷹藤はそう言って笑うと、わざと音が聞こえるように胸の蕾を吸い上げ、甘噛みする。
それに合わせて、遼子が甘く泣きながら小さく身を震わせた。
そして鷹藤が乳首を舌先で転がしながら、腿を撫でていた手でそっと下着の上から秘所を探ると
先ほどよりも濡れていて、下着越しに鷹藤の指を湿らせた。
「んっ!」
遼子の身体がピクンと震える。
「さっきよりすげー濡れてる」
そう言いながら鷹藤が湿った指先で遼子の唇を撫でる。
「もう!…言わないでよ…」
遼子は鷹藤の言葉を塞ごうと、遼子から口付ける。
鷹藤はその口付けを受け止めながら、下着の上の方から指先を忍ばせ、
茂みを掻き分けてその奥の熱い泉を弄ぶ。
「ふっ」
クチュっと濡れた音と遼子の吐息が同時に漏れる。
舌で舌を探り絡ませあう深い口付けをしながら、鷹藤は下着の中に入れた指を動かして花弁を開いていく。
そして邪魔な下着を片足から抜き取ると、遼子の中に指を埋めていく。
柔らかく温かな肉壁を指先に心地よく感じながら、鷹藤はさらに舌を激しく吸い上げる。
「ん…ふぅ…」
「気持ちいい?」
指の動きに合わせて喉をそらせて啼いた遼子の耳元で問うと、遼子は小さく頷く。
「そっか」
鷹藤は遼子の素直な反応に気を良くして、遼子の中の一番敏感な部分を探してさらに指を動かしていく。
身体を重ねるうちに、過去に何度か行き当たったその場所。
「ひぁっ!!」
その場所を指先で擦り上げると、遼子がビクン!と大きく震えた。
- 23 :
- 「あっ!!ダメ!!鷹藤君、そこ…ダメぇ!!!」
遼子は鷹藤の指を外そうと、腰を振って逃れる。
「させるかよ。」
中を探る右手の肘で開いた遼子の足を押さえながら、逃さないように空いた左手で腰をしっかり抱きしめる。
「イヤっ!ダメ…なのっ!」
その場所を擦り上げる度に遼子の身体は大きく跳ね、絶頂が近い事を示す。
遼子は首を左右に振って快感を逃そうとするが、鷹藤の指は容赦なく攻め立てる。
「ほら、イっていいぜ。」
「あ…あ、あ…いや…あっあっ…鷹…藤…くん!」
遼子の甘い声を聞きながら、鷹藤が外側に添えた親指で、腫れあがった遼子の肉芽を中を
擦るのと同時に撫で上げると、遼子は大きく首を反らせて身体を硬直させた後、脱力した。
「良かった?」
「…バカ!」
大きく息をしながら呼吸を整える遼子に鷹藤が問うと、潤んだ目で鷹藤を睨む。
「でも…まだ足りないんじゃねーの?」
遼子の中に埋めた指を抜き、愛液に濡れた指を舌で拭いながら、鷹藤がニヤリと笑う。
そして、ズボンのジッパーを下ろすと、遼子を欲して猛る鷹藤自身が顔を出す。
「鷹藤君…本当に最後までココでしちゃう…の?」
わざとソレを見ないようにしているのか、遼子が視線を泳がせながら聞く。
「ここまで来て止められるわけねーだろ。…それより、そこからダッシュボードに手届くか?」
「え?あ、うん。」
遼子は鷹藤に言われるまま、手を伸ばしてダッシュボードを開ける。
「そこにゴム入ってるからさ。」
「うん……え?」
「着けてくれねぇ?」
「え?え?え?ええっ!!わ、わ、私が?!」
遼子が素っ頓狂な声を上げる。
「他に誰がいるんだよ。」
「そ、そんなの自分でやりなさいよ!…い、いつもは自分でやってるじゃない…」
そう言って鷹藤にダッシュボードから取り出したモノを押し付ける。
「着けてくれないんだったら、今日は生でOKって事だな。」
遼子の耳元でそう囁くと、達したばかりで紅潮していた遼子の顔が、更に紅く染まる。
「な、何言ってるのよ!そんなのダメに決まってるでしょ!」
そう言うと、ぷいっと横を向いてしまう。
- 24 :
- 2人の間に、気まずい時間が流れる。
これ以上機嫌をそこねてしまうと、せっかくのこの甘い雰囲気までも冷めてしまいかねない事を
遼子との付き合いで学んだ鷹藤は、頑なに拒む様子を見て、あきらめて遼子の唇に軽くキスしながら謝る。
「……冗談だよ。悪かったな。」
すると、遼子がまだ頬を染めたまま、鷹藤に向き直る。
「……るわよ!」
「へっ?」
「着けて…あげるわよ!」
「マジで?」
鷹藤が驚いている間に、遼子はソレを手に取ると、ピリピリと外包を震える指で開けていく。
拗ねたような顔で鷹藤に一瞥した後、下の方に視線を落とし、そっとゴムを鷹藤の先端に宛がった。
鷹藤は、目の前にある遼子の艶やかな黒髪にそっと唇を寄せる。
「なぁ、着け方知ってるのか?」
「…い、いつも鷹藤君がやってるの見てるから、何となくは…」
そう言いながらゴムの先端を摘んで丸まっている部分を引きおろそうとするが、
上手くいかずに四苦八苦している。
「ちょっ…ヤダ!鷹藤君、動かさないでよ!」
先端でモゾモゾと動く遼子の指の刺激が心地よく、思わず鷹藤自身が反応してしまったのに驚いて
遼子が顔を上げる。
「いや…そんな事言われても…って、ソレ裏表が逆」
「…えっ?」
慌てて付け直す遼子の指先の刺激を堪能しながら、鷹藤は遼子の作業が終わるのを待った。
「これでいいの?」
言われて鷹藤が遼子の手元を見ると、作業は完了していた。
「ああ、上出来。」
そう言いながら、鷹藤は膝の上に両足を揃えて座っていた遼子の右足を外側に引っ張ると、
お互いが向き合うような形で足の上に跨がせる。
「来いよ。」
「ん…」
細い腕が鷹藤の肩に回され、先端が遼子の秘所に宛がわれる。
「そのままゆっくり腰を落として」
遼子は言われるまま、恥ずかしそうに目を閉じてゆっくりと腰を落とした。
「ふっ!」
「っく」
ズブっという濡れた卑猥な音とともに遼子の暖かい中に包まれる快感に、鷹藤からも思わず声が漏れる。
「遼子…」
奥まで到達したのを感じると、鷹藤は耳元で愛しい名を呼び、その腰を手で支えて、
より深く繋がるように互いの身体を密着させる。
「あっ…そんなにしたら…っ」
遼子は鷹藤の首にまわした腕で、さらにしがみつく。
- 25 :
- 鷹藤は下から突き上げながら、開いた手でレバーを引いてシートの背もたれを倒す。
「きゃあ!」
突然倒れこんだ身体に驚いて、遼子が思わず悲鳴を上げる。
「これならもう少し動けるからさ。」
仰向けになった鷹藤の上に遼子が馬乗りになるような形になり、初めて経験するその体位に遼子は戸惑う。
「え…ちょっと…こんなの恥ずかしいよ…」
「そんなの直ぐに気にならなくしてやるよ。」
少し身体を背もたれの上の方にずらし、遼子の腰を両手で掴んで引きつけると、
下から大きく突き上げる。
「ひあっ!」
ガクガクと小刻みに突き上げると、遼子の唇からは「あっ、あっ、ああっ!」と
動きに合わせて啼き声が上がる。
初めて下から見る遼子のその淫らで美しい姿に、鷹藤はさらに突き上げる速度を上げていく。
「やぁっ!…すごい…のぉ!」
遼子はその快感に耐え切れず、起していた身体を倒し、鷹藤の身体と密着する。
「いつもより締まってる…。車の中だし、初めての体位で興奮してんじゃねーの?」
「やぁ!そんな…こと…な…ひあぁん!」
会話の最中も動きを止めず、遼子を隅々まで感じたくてその身体を抉るように大きく突き上げる。
「なぁ」
「な…に…あっ!」
「アンタも動けって。」
「んんっ!」
遼子は目を開けると、再び身体を起す。
そして戸惑いながらぎこちなく腰を振り始める。
「こ…こう?」
困ったような顔で伺うように訊く。
「そう、その調子。自分で気持ち良いように動いていいから。」
そう言いながら鷹藤は少し身を起こすと、遼子の胸にチュッと口付け、
さらに吸い付きながら軽く先端に歯を立てる。
「あん…ダメぇ!おかしくなっちゃう…っ」
遼子の目から涙が溢れ、綺麗な雫が鷹藤の胸に降る。
「泣くなよ…今、イかせてやるから。」
左手は遼子の腰を掴んだまま、無防備に晒された肉芽を右手で刺激を与える。
「やぁっ!!やだっ!…もう…」
「『もう?』…何?」
「もう…っ…っちゃうっ!」
遼子の身体が震え、絶頂が近い事を物語る。
「一緒に、イこうぜ」
「ひっ…あぁぁっ!
そう言いながら鷹藤が下から大きく突き上げると、遼子の身体は大きく仰け反り、
そして中で強く締め付けられた鷹藤も頂点に達した。
- 26 :
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「流星群、もうほとんど終わっちまったな」
助手席でぐったりしている遼子に言うと、ムッとした顔で睨む。
「誰のせいよ…」
「ま、ちゃんと写真は撮れたからさ」
「もう…まだちゃんとお願い事言ってなかったのに」
「また次回来た時にお願いすればいいじゃん」
「…今度は純粋に仕事だけ、Hは無しだからね!」
「さぁ、それはどうだろうな?」
窓の外に目を向けると、東の空がだんだんと白んできていた。
無駄に長くてすみません…。
「車内プレイ」「ゴム付け」「騎乗位」・・・ちょっと鷹藤先生張り切って教えすぎ?ww
流星群は色々ありますが、せっかくなので「オリオン座」にしました。
ちなみに今年は10月21日あたりに見られるそうです。
駄文、失礼しました。
- 27 :
- 鷹遼ラブラブGJ!です!
鷹藤くん、欲情しすぎ?w
ダークな鷹遼も待ってます(*´∀`*)
- 28 :
- 爽やかバカップルの車内エロGJ!!
ダッシュボードにゴムを入れているあたり、最初から車内プレイ狙いだったな
鷹藤wwwww
BGMは「流星群」でも「Orion」でもいけそうな…w
ダーク鷹遼も楽しみ過ぎる!
- 29 :
- 鷹遼のダークっぽいverを投下。
ダーク鷹遼を楽しみにされている読者様の期待に全く答えられている自信もなく…。
そして、ラブラブバカップル鷹遼がお好きな方は、スルーしてください。
スキナヒトガデキタ
そう彼女の口がつげる。
ダカラ、ワタシトワカレテ
最初は何を言っているのかわからなかった。
それに、なんで彼女はそう言いながらその瞳は潤んでいるんだ?
涙を堪えた顔。それが、彼女の本音を物語る。
「ごめん…鷹藤君…私…好きな人ができたの…」
鷹藤は言葉を失った。そしてしばらくの沈黙の後、言葉を搾り出す。
「……嘘だ」
「嘘じゃないの。もう決めたの。だから……」
鷹藤は遼子の言葉を遮り、肩を掴んで声を荒げた。
「駄目だ……!だったら何でアンタ泣いてるんだよ?急にそんな事言われたって
はい、そうですかって言う訳無いだろ?」
「ごめん、鷹藤君。何も聞かないで、私と別れて。お願い。」
「そういう訳にはいかないだろ!俺は、アンタと……!」
喉元まで出掛けた言葉。勢い余って口走ろうとした言葉を、鷹藤は咄嗟に呑み込んだ。
自分は、遼子と一緒に歩む未来を描いていた。
それは遼子も同じだと思っていた。そう信じていた。
だが、それは違っていたのか? だたの自分の独り善がりな考えだったのか?
今、ここから、自分の前から遼子がいなくなるという現実。
そして、失いかけることで自覚する、独占欲、嫉妬。
自分にもこんな黒い感情があふれてくるのかと鷹藤は戸惑いながらも、やがてその闇は徐々に心を染め始める。
「んっ!!」
考えるよりも早く、身体が動いた。衝動に任せて深く口付ける。
しかしどれほど深く口付けようとも、遼子は逃げようとはしなかった。
その態度から読み取れる、彼女の覚悟。
遼子は、本当にこれを最後に自分から身を引く覚悟でいる。
呼吸を求めて逸らされる唇を押さえ、舌を絡め、互いの粘液を交えた。
息苦しさから胸に手を添えられても、決して離さない。
無理やり顔を逸らされても、決して逃がすまいと執拗に遼子の唇を追った。
- 30 :
- 時間だけが流れていた。長い口付けを終えても、遼子の表情には変わらず哀愁が漂う。
無理に引き止めることもできるが、彼女の意志を変えなければ何の解決にもならない。
どうしたら良いか。どうすれば、彼女の意志を変えられるか。
何故、こんな事になったのか。
その時ふと、今まで自分がずっと恐れていた事が起きたのではないかと思い当たった。
鳴海洸至。
鷹藤の家族を奪った張本人。「名無しの権兵衛」。そして、遼子の兄。
海に沈んでんだはずの男が蘇り、今度は鷹藤から遼子を奪いに来たのではないか。
あの日から、いつかそんな日が来るんじゃないかと、心のどこかで恐れていた。
そして遼子は、もし兄が生きている事を知れば、そして兄と出会ってしまったのなら、
鷹藤のためと自らの身を引くという選択肢を選ぶだろう。
「…まさか、アンタの兄さんの事が関係あるんじゃないよな?」
恐る恐るその言葉を口に出す。一瞬、遼子の瞳が揺れる。
「……違う…お兄ちゃんは…関係…ない。」
「だったらどうして!」
「だから…好きな人が…」
「嘘だ!」
湧き上がる不安を払拭するかのように、鷹藤は突然遼子を抱き上げベッドに倒し、
無理やり唇を押し付けて動きを封じながら、彼女の衣服を乱した。
これから何をされるのかを遼子はすぐに察し、慌てて脱出を試みる。
仮にもこれを最後としているなら、素直に身体を許しても良いだろうに。
不満を覚えつつ、唇を塞いだまま遼子の内腿を膝で割り、指を忍ばせる。まだそれほど濡れてはいない。
付近をなぞりながら、唇を彼女の胸の膨らみへと移すと、遼子は哀しげな声で弱音を吐いた。
「やだ、やめて…。今、こんなことされたら…」
離れられなくなる。今にも泣き出しそうな遼子の顔が、そう言っている。
ならば、離れられなくしてやるまでだ。
引き金を引かれたように遼子の胸に吸い付き、突起を舌で転がしながら、指で秘裂を撫でる。
「いや!お願い!鷹藤君、やめて…」
遼子からは変わらず、鷹藤を拒む切なげな声が聞こえるが、関係ない。
早く遼子を滅茶苦茶にしてやりたい。抱けば抱くほど、未練を植え付けることができるのだから。
舌を使い、確実に彼女を快感に浸し、湿りを帯び始めた花芯に触れつつ指を秘所へと差し入れた。
既に蜜があふれるその中を指の腹で撫で回し、彼女を十分に昂らせる。
- 31 :
- 「あ……、ね、やめて……。もう私達別れるんだから、こんなことしちゃ、ダメ……」
「……誰が決めたんだよ、そんなこと。」
「あ、会えなくなるわけじゃ、ないよ。……ね。」
「…………」
「それに…」
「それに?」
「私…鷹藤君に抱かれる資格なんて…無い…の…」
快楽に奔走されながら、遼子が切なげに言葉を紡ぐ。
「何だよ、『資格』って。何があったんだよ、なぁ!」
「ん…ごめん、鷹藤君…ごめん…もう…」
遼子がそばにいない世界で生きていくなんて、んだのも同然だ。
あの爆発で家族を亡くしたとき、全てを失ったと思った。
しかし今は違う。
自分の人生を共に歩んでいって欲しい、歩んで行きたいと思うパートナーができた。
今、目の前に在る。
失いたくない、離れたくない。
突如荒々しく遼子の中を掻き回し、逃げる唇を捕らえ、重ねた。
最も蜜の滴る場所に指を押し当てて往復させ、その動きに合わせて親指で花芯を愛でる。
舌を絡め取られ思うように声を出せず、それでも悩ましげに息を漏らす遼子を目前に、
鷹藤は最早抑えが利かなかった。
鷹藤は唇を離すと、遼子の脚を強引に開いて抱え込み、我慢の限界に達した自らの欲望を
遼子に無理やり捻じ込んだ。
「ぅあぁっ!あ、あっ……!だ、だめっ!」
いつも以上に激しく腰を打ち付ける。緩急などつけず、急激に速度を上げた。
その動きに情けや容赦は一切なく、本能的な荒々しい動きだった。
突き上げながら膨らんだ胸の先を指で捻ると、遼子は甘い吐息を漏らして身を捩り、ただ拒否の言葉を繰り返す。
「好きなんだ……アンタを離したくない!」
鷹藤の、怒りを抑えるような、悲しそうな低い声が響く。
「なんで…なんで分かってくれないんだよ。」
ぎちりと、肉壁が擦れていく。乱暴に腰を動かし、力任せに突き動かす。
そして、遼子の白い首筋に征服の証として歯を立て、強く肌を吸って跡をつけていく。
「や、やめて……、鷹藤……くん!」
拒絶の言葉を口にする度に一際大きく啼かせ、それでも意志を変えない遼子に募る苛立ちを叩き付ける。
遼子は固く目を閉じ、首を振って悶え、必に何かを訴え続けていたが、それすら耳に入らない。
鷹藤は、ただひたすら滲み出る焦燥感を誤魔化すように、夢中で突き回す。
気付かぬうちに、相当な快楽を与えていたのだろう。
突如上がった絶叫に、鷹藤は遼子が達したことを知った。
- 32 :
- 「もう…や…」
「……やめてほしいなら」
達したばかりの荒い息で懇願する遼子に、ただ一つの解放条件を提示する。
「絶対に離れないと言ってくれ。俺のそばにいると約束するんだ。」
「ダメ……なの…。お願い、わかって…鷹藤君……、いやっ……ぁああっ!!」
その言葉を聞くなり、鷹藤はすぐさま腰を打ち始め、その言動を戒める。
遼子の口から発せられた「別れる」という言葉を撤回するまで許さない。
思うままに何度も貫き、遼子を乱し、深い快楽で服従を強要する。
身体を揺すられながら、遼子は泣いていた。涙が頬を伝う。
「わ、私……だって、本当は……!」
しかし、その先の言葉は続かなかった。
漏れる苦しげな吐息と共に、遼子の身体が再び震え出す。二度目の限界が近いのだ。
鷹藤は容赦することなく絶頂寸前まで追い込むと、遼子の耳元で逃げ道を囁いた。
「俺はなんと言おうとアンタを離すつもりは無い。」
「あ、あぁっ……!だ、め……な…の…」
交渉の決裂と同時に最奥まで貫き、乱暴に腰を押し回す。
痛烈な絶頂に抗い切れず、上げられた悲鳴。
鷹藤は暫らくの間何も考えずにただ腰を打ち、その声を聞いていた。
「……どうして。」
「……ごめん、なさい……」
遼子は息を切らしながら、涙を湛えた瞳で鷹藤を見つめる。
欲しいのはそんな言葉ではない。
「謝るくらいなら……!」
三度目の狂おしいほどの絶頂を与えるべく、身体を反らして喘ぐ彼女を抱き竦め、
遠慮のない抽送を続けた。
「いやぁ!お願い、やめ……、はぁっ、あぁ……!」
何を言おうとも耳を貸さない。聞き入れるのは、鷹藤の求める答えのみ。
遼子の声に煽られ、鷹藤も徐々に昂りを覚えていた。
取り乱したように泣き喚く遼子を取り押さえ、一心不乱に犯す。
やがて限界に達すると同時に、遼子は鷹藤をもその境地へと引き摺り込んだ。
「も、もう、やっ……!あ、ぁあああっ!!」
苦しげな叫びと共に放たれる欲望を、全て彼女の中へと注ぎ込む。
虚ろな瞳を鷹藤に向けながら、遼子は震えた声で悲鳴を上げた。
「もう……いいでしょ……?」
「……もう…いい…だって?」
吐精直後にも拘わらず、再び支配欲に火が灯った瞬間、自然に腰が動き出した。
「い、いやっ……!!」
瞬く間に増大する快楽に、遼子は再び悲痛な訴えを繰り返す。
どれほど責め苦を与えても折れる気配を見せない遼子の様子を見て、
鷹藤の心を蝕む焦りと苛立ちは、最早限界に近かった。
- 33 :
- 「遼子……、俺と一緒に……」
「鷹藤…君!…だめ……、お願い、わかっ……」
「ダメだ!!」
彼女の涙ながらの訴えを遮る、怒りを交えた命令。
堰を切ったように、鷹藤は遼子を猛然と嬲り始めた。
何度も名を呼びながら許しを乞う遼子を更に叫ばせ、彼女が最も乱れるただ一点のみを
腰を押さえて執拗に突く。
遼子は半狂乱に泣き狂い、鷹藤の手により戒められた身体を涙を零して暴れさせた。
「いやああぁっ!鷹藤くんッ!いやぁっ……ぁぁあああっ!!」
身体中を蝕む快楽に、咽び泣きながら苦しむ遼子を無我夢中で突き立てる。
涙を流して果てる度、照準を外さず一際激しく突き上げ、擦り上げ、掻き乱した。
ただ一度だけで良かった。鷹藤の言葉に一度でも頷いてくれさえすれば。
それなのに、遼子の意思は変わらない。
それで鷹藤は思い知らされる。
遼子は否定しているが、あの男が係わっているのは間違いない。
家族を奪ったあの男に、また今度は遼子まで奪われるなんてまっぴらだ。
渡さない、渡さない。
遼子が欲しい。堪らなく愛おしい。
乱れ、悶える姿を見れば見るほど彼女の決意の固さと共に、自分の心の底を思い知る。
どれほど全力を以って彼女を犯しても飽き足りない。
あらゆる角度から突き立てては掻き回し、彼女の身体を無理に捩らせ、前から後ろから何度も貫く。
最早彼女の声は鷹藤には届いていなかった。彼女を求める心のままに、終わりの見えない陵辱を
時間を忘れてただひたすら繰り返した。
欲望に従い、何度精を放ったかわからない。
身体を襲う気だるさから、鷹藤は遼子から自身を引き抜いた。
涙に濡れた頬に触れ、気を失った遼子を労うように唇を重ねるも、心は満たされない。
遼子は結局、最後まで鷹藤の要求を呑むことはなかった。
「絶対に、離さないからな…」
いつ居なくなるとも知れないこの腕の中のぬくもりを決して手離すまいと、
鷹藤は遼子の体を強く抱き締め、そっと目を閉じた。
大したダークでもなく、ただヤッてるだけですみません。
何で別れを遼子が決意したのかのきっかけもなくすみません。
きっかけエピソードも考えていたんですが、その前にこちらが出来てしまったw
(ダーク史朗ちゃんにヤラれたエピがきっかけでもOKかなー?と他力本願な事も考えておりますww←作者様、勝手にごめんなさい。)
- 34 :
- うわっ!GJすぎる!!!!ダーク鷹藤!期待以上ですよ〜!
素晴らしい!
しかも、こんなにも早く投下してくれて嬉しい!
エロい上に狂暴、禍々しい熱に追い立てられる鷹藤いい!
ダーク史郎エピと絡んだとしたら、こんなに光栄なことはないですw
遼子と鷹藤が別れることを心から望んでいる兄は喜びそうだが、
別れる前にこんなにやりまくられたら腹立てるだろうなあww
- 35 :
- きゃ〜〜〜、鷹遼ダークが投下されてる〜〜〜!
GJ!!です!
もう一気に読んじゃいました!(//▽//)
「名無しの権兵衛」事件ではダークサイドに堕ちなかった鷹藤だけど
そんな彼の中にもある「闇」が見られて新鮮でした。
きっと遼子は、ダーク史郎ちゃん事件の後、
兄に鷹藤君との別れについて、上手いこと
言いくるめられちゃったんでしょうね。
- 36 :
- ダークじゃない史郎ちゃん出来ました。史郎×遼子です。
でもちょっと暗いかも。いうなればグレー史郎ちゃん。いつも通り長すぎてすいません…。
「鳴海君、ワインはどうだい」
「ありがとう。いただいちゃおうかな。史郎ちゃんのおうちにあるワイン、どれも美味しいのね〜。」
ダイニングテーブルに置かれた蝋燭が遼子の柔らかな笑顔を照らしていた。
蝋燭の微かな灯りでも遼子の顔が酔いで紅潮しているのがわかる。
遠山がアンタッチャブル編集部から離れたのちも遠山と遼子・鷹藤コンビとの交流は続いていた。
報道の仕事を離れた自分のことを心配してのことらしかったが、二人はそんなことをおくびにもださず、
遠山と飲む酒や会話を楽しんでいた。
今回もレストランやバーでの会食になるはずだったが、今日は遼子の記者協会賞受賞を祝うために遼子のたっての
希望で遠山が自宅で料理の腕を振るうことになったのだ。
一本目のワインは既に空になり、ダイニングテーブルに並べられた遠山の手によるイタリア料理――美しく盛り
つけられた前菜は見る影もなく食べつくされ、アクアパッツァもイサキの骨が残るのみだ。
3人前は作ったはずのポルチー二茸のパスタが盛られた大皿には皿の底に茸の残骸と数本のパスタだけが乗っていた。
「酔い潰れるまで飲まないでくれよ。そうなると仕事中の鷹藤君を呼びださなきゃならなくなる」
遼子にワインを注ぎ終えた遠山が瓶の口をナプキンで拭きながら言った。
「べ、別に、鷹藤君とつきあっている訳じゃないし、鷹藤君を呼ばなくたってひとりで帰れるから大丈夫よ」
遼子が照れくさそうに笑う。
遼子のこの答えからすると、二人はまだつきあってはいないようだった。
遠山は、その答えを聞いて安心していた。
本来なら鷹藤もこの場にいての楽しい酒を三人で交わしていたはずだ。
ところが急遽他の仕事が入り、鷹藤は来られなくなった。
男の部屋に遼子をひとりで寄越すということは、自分が手を出したりしないと相当信用されているらしい。
この自分が男として安全な奴だと思われるとは、と思い遠山は心の中で自嘲気味に笑った。
確かに、鷹藤にそう思われても仕方がない。
少し前までは遼子に一ミリたりともそのような気を起したことなどなかったのだから。
国民ジャーナルに遼子が入社してきた時、先輩として遼子を教育した遠山に遼子は懐いた。
懐きすぎた。
こうと決めたら突撃する姿勢は記者として欠かせないものだが、男女間ともなると話は別だ。
遠山の本能が告げていた。彼女は地雷だと。
覚悟を決めずに手を出したらやけどどころではすまないと。
だから、遼子に気が無いことを遠山は露骨に態度に出し鈍感な遼子にもわかるように明確に告げていた。
あのままであれば自分と遼子の運命は交わることなく、男女としてはもちろん記者としても平行線のまま
だったはずだ。
しかし、名無しの権兵衛事件が自分たちの関係も遠山の人生も全て一変させた。
- 37 :
- 遼子の兄、鳴海洸至の起こした事件の数々。この中でそれぞれが肉親を失っていた。
大事なものを無くしていた。
遼子は兄との絆。鷹藤は家族を全て。遠山は父と記者としての誇りと信念を。
遠山はこの事件の後記者であることを辞め、外資系証券会社に再就職していた。
保身のために信念を曲げたあの行為の記憶が自分の中で棘となり、記者でいることを許せなかったのだ。
あの事件を知ったうえで他の通信社が声をかけてくることもあったが、遠山には再就職する気は起らなかった。
いまは株価や為替の波を読み、世界の政治経済軍事の動きに注視する。それだけで良かった。
他人から見ると難しく見える仕事も、遠山からすれば何の苦労も必要のない仕事だ。
記者の頃のノウハウと情報網そして生来の頭脳の冴え、これがあれば失敗することなどない。
入社数カ月で遠山は充分過ぎるほどの成果をあげ、次の契約交渉では年棒の上乗せがかなり期待できそうだ。
自分の能力をもってすれば記者以外でも充分に成功できる。
だが簡単すぎて手ごたえのない日々に、遠山は少し退屈していた。
人々の思惑や欲望、政治的な意図が絡みあいそれが時に縺れ事件の形をとることがある。
その糸を解きほぐしていく時の充実感。困難な壁にぶち当たった後、それを乗り越える時の爽快感。
いまはそれがない。
それが信念を捨てた自分への罰なのかもしれない。
鳴海洸至の深い闇に触れてからの自分は、常に夜の闇の底を歩いている。そんな気がしていた。
「ねえ…史郎ちゃん」
「なんだい?」
酔っていたはずの遼子が真剣なまなざしで遠山をじっと見つめていた。
「史郎ちゃん、もう記者に戻る気はないの?」
遼子が言葉を切ってワイングラスに眼を落した。
「ないな。あの生活にはもう未練はない」
嘘だった。
「今は今で充実しているんだ。それにね、記者の頃より給料も上がったし急な呼び出しでプライベートを
掻き乱されることもない」
遠山は笑みを浮かべて、グラスの中のものを喉奥に流し込んだ。
芳香も味も何も感じなかった。ただ喉から胃へ流れ落ちるアルコールの熱だけを感じていた。
「そう…でも私、史郎ちゃんの記事が好きだったの」
その言葉に遠山の心の棘が疼いた。
「記者協会賞を貰った君にそう言われて光栄だね」
口から皮肉な言葉が出てしまった。
遼子が記者協会受賞したのは兄についての記事―――週刊アンタッチャブルに連載した名無しの権兵衛事件の
ルポルタージュだった。
記者としての道から外れた遠山から見ても見事な記事だった。記者としての才能と、粘り、そしてこれを書き
あげた遼子の精神力に遠山は感嘆した。
「私はみんなの助けがあったからあの記事がかけたの。鷹藤くんや、もちろん史郎ちゃんの…。だから私の力
じゃないわ」
「謙遜しなくてもいい、君の力さ。僕がペンを手放さなかったとしても、僕はこの事件に関する記事は書けなかった
だろう。父が深く関与しすぎていたし、僕は君のように客観性を維持する自信がない。
それに信念を曲げた僕にもうペンを持つ資格はないんだ」
「そんなことないよ」
遼子の大きな瞳が力強く遠山を捉えた。
- 38 :
- 「そういう経験をしたからこそ、きっといい記事が書ける記者になれるはずよ」
「失くしたんだ。もう何かを書く気持ちは無くなったんだ」
遼子は何も言わなかった。
「お兄さんが起こした事件を間近で見て、それでも憎悪にも恐怖にも染まらず、記者として信念を貫き通した。だから書けるんだ君は。君はあの事件で信念だけは失わなかった。だから言えるんだ。
君は肉親を失ったが、自分の一番大事なものは結局失っていないのさ。それが僕と違うんだ」
「もう、取り戻すことは出来ないの…?」
遼子の瞳が揺れている。
遠山から肉親以上に大事なもの、記者としての信念を失わせたのが遼子の兄だったからだ。
自分にも責任の一端があると思っているだろう。
やさしい遼子らしかった。
「君がどうこうという問題じゃない。僕の問題なんだ」
テーブルに置かれた遠山の手に遼子の手が重なる。
「何か助けになれるなら言って。史郎ちゃんの為に何かできることがあれば」
遼子の掌から温もりが伝わる。
懐かしい温もりだった。女たちと遊びで抱きあった時には伝わらない類の温もり。
遠い昔、母に甘えた頃に感じた温もりだ。
もっと温もりが欲しくて、その手を遠山の手が上からまた包んだ。遼子が驚いて顔をあげる。
「史郎ちゃん…?」
遠山は身を乗り出すと、遼子に口づけた。
「んっ…!」
軽く重ねて、遠山は唇を離した。突然のことに遼子は呆然としたまま固まっている。
その遼子の横へ歩み寄ると、遠山は遼子を抱きしめた。
「史郎ちゃん…」
「少しだけ…こうさせてくれ」
遠山は眼を閉じ、遼子の躰をきつく抱きしめた。
冷え切った心、理想も夢も失った心に温もりを与えて欲しかった。
遠山の頬に遼子の柔らかな唇が触れた。
遠山が遼子を見下ろすと遼子の瞳がこちらを見つめていた。
「鳴海君…」
遼子の頬に指を這わせ輪郭を撫で上げ、後れ毛を梳いて顔がはっきりとわかるようにした。
今度はどちらともなく唇を重ねる。重ね合わせた唇から伝わる遼子の温もりと心。
その温かさで凍えていた遠山の心が溶けていく。
遼子の唇が解け、遠山を誘うように開いた。
遠山が遼子の舌を吸うと、切なげな吐息とともに腕の中の遼子の力が抜ける。
遠山の舌を迎えおずおずと動く遼子の舌の頼りなげな感じが経験の少なさを窺わせ、それが逆に遠山の心を
燃え上がらせる。
遊び慣れた女にはない新鮮さに遠山はわれ知らず夢中になっていた。
遼子の背に廻した腕に力を籠め躰を密着させる。
ひとしきり口内を貪ったあと、遠山は唇を離した。
- 39 :
- 「史郎ちゃんはわたしにそんな気なんかないって…ずっとそう思っていたのよ」
「前はね」
「…お兄ちゃんが史郎ちゃんにあんなことしたのよ…?」
「だけどお兄さんが事件を起していなければ、こうはならなかったよ」
また唇を重ねる。
遼子の下唇をついばみながら、遼子の躰をきつく抱きしめた。
「あっ。史郎ちゃん…!」
「駄目…?」
遼子の温もりも、躰も心も全てが欲しくなっていた。
腕の中で遼子が当惑気味に遠山を見上げる。
「僕を助けてくれ…」
遼子が眼を見開いた。
女を抱きしめながらこんなことを言うなんて甘えた男だと思う。
傍から自分を見ていたら呆れ果てていただろう。
「史郎ちゃん…」
少しの間の後、遼子が遠山の首に手を廻した。
遼子は全てを―――遠山の甘えた心でさえ全て受け入れるような優しさをもって遠山の首を抱いた。
遼子を横抱きにしてベッドルームまで運び、遠山のベッドにそっと横たえた。
純白のベッドリネンの上に遼子の黒髪がさざ波のように拡がる。
ベッドサイドライトのほのかな光の中、微笑む遼子は美しかった。
鷹藤の隣で微笑んでいる遼子に対して自覚しないようにしていた想いが遠山の胸を満たす。
「鳴海君…」
鷹藤がいない時に掠め取る真似など最低だと自覚していた。
しかし遼子の美しさに魅せられたようにその唇を求める自分を止める術などなかった。
遼子の両手が遠山の頬を迎える。そして自分から口づけてきた。
清純な口づけが、遠山の舌が入ることによりすぐに淫らな口づけへと変わる。
舌を絡ませあい、思いを確かめあう。
唇だけでは飽きたらず、遠山は遼子のシャツの下へ手を這わせた。
指先を奥へ滑らせ、ブラの上から乳房をゆっくりと揉み始めた。
「ふぅっ」
記憶が確かならば、そして鷹藤が遼子に手を出していなければ遼子は男を知らないはずだ。
遠山の予想通り、処女ならではの素直な反応を遼子は見せていた。
「怖がらないで」
囁きながらブラの中へ指を潜り込ませる。先端の蕾は存在感を増し、固い感触が指に伝わる。
人差し指で円を描くようにして刺激を与えると、遼子が軽く身をよじった。
「ああっ」
シーツの上で遼子の漆黒の髪が踊る。躰は跳ねるが、時折声を漏らす以外は唇を噛んで堪えているようだった。
初めてなのにこんな声を出す自分に恥入っているのだろう。
その恥じらいが新鮮で可愛らしかった。
「鳴海君、恥ずかしいことじゃない…素直に感じてくれればそれでいい」
遼子の肌に唇を落としながら洋服を脱がせ、ブラとショーツのみとなった遼子の裸体を眺めた。
「…そんなに見ないで」
恥ずかしそうに胸とショーツを手で隠している。
誰も触れたことのない清らかな肌は驚くほど滑らかで美しい。
ゆっくりと腰に手を這わせ、肌触りを楽しみながら臍のくぼみに唇を落とした。
そこから上へと舌を這わせていく。
小さな刺激にも遼子の躰が素直に震え、微かな声が快楽を伝えていた。
「んっ」
片手でブラのホックをはずすと、拘束から解き放たれた柔らかな肉が弾けるように露わになった。
屹立した蕾は薄紅色に染まり、白い肌と好対照をなしている。
「きれいだよ」
「恥ずかしい…」
- 40 :
- 遼子が自分の両肩を抱き、外気に晒された肌と乳房を隠した。
その手を遠山はひとつひとつ取ると、遼子の顔の横に己が手で縫いとめた。
遼子の恥じらいに満ちた抵抗を封じると、遠山は乳房の蕾を口に含んだ。
「あああっ」
それだけで遼子は顔を打ち振り、嬌声をあげる。
その反応に気を良くした遠山は蕾を舌で嬲り始めた。
遠山に腕を封じられ逃れようのない快楽に身をよじらせ遼子は悶える。
「あんっ、あああっ」
遼子の動きを封じていた片手を外し、わき腹から腰へ指を這わせ叢を手で覆った。
「やあっ、そこ駄目!恥ずかしいところなの」
遠山は叢へ中指を潜り込ませると軽く撫で上げた。
「ひっ!?」
「ここは恥ずかしがってないよ。素直に僕を欲しがってる」
遼子に見えるように、遠山は蜜に塗れた中指を掲げた。そしてそれを自分の口に含む。
甘露な蜜。遠山は音を立てながらそれを嘗めた。
遠山の淫らな仕草に、遼子が信じられないものを見たように目を見開いた。
「美味しいよ。君も味わってみないか」
蜜の味の残る唇を重ねた。
「んんっ」
舌を絡めて蜜を味わわせる。舌の動きから遼子の混乱と当惑が伝わる。
舌先に遼子の意識が集中した隙を見計らい、遠山は中指を叢の奥、秘裂に這わせた。
驚いた遼子が太股を閉じようとしたが、遠山はそれを膝で封じた。
「きゃっ」
初めての官能的な冒険に怯え、遼子は自分が何処へ誘われるか恐れるかのように遠山の肩を掴む。
遠山が中指をねんごろに動かし、花芯にある粒を責めると遼子の吐息が上がっていく。
遠山の肩を掴む指に力がこめられる。
「はあっあっ」
羞恥心の言葉よりも快楽を示す啼き声が部屋に満ち始めた。
指の股まで潤う程蜜が溢れたのを感じて遠山は中指を遼子の秘裂の中へ入れた。
「あああっ」
遠山の肩に痕がつくほど強く、遼子が肩を握った。
「熱くて狭いね…」
指一本ですらようやくの隘路に指を沈めていく。
「怖い…史郎ちゃん…怖い…」
「大丈夫だから…君が僕を受け入れられるようにしてあげるから、力を抜いて」
指の根元まで咥えこんだ秘裂をほぐすように、指をゆっくりと抜き差しし始めた。
ちゅぷっ。
喘ぎ声の合間に、遼子の秘裂が立てる水音が響いた。
「わかるかい?鳴海君、すごく濡れてるんだよ…」
「いや…言わないで」
遠山の肩に顔を埋め、遼子が顔を隠した。
取材の時は臆面もなく質問をし、時には食い下がる遼子が見せる恥じらいの姿は普段とあまりにも違う。
そのギャップが逆に男の征服欲をかきたてる。もっと喘がせ啼かせてみたい。
恥じらいを忘れて悶える姿が見たい。
その想いに煽られ遠山は指を抜きさしする速度をあげる。
ちゅぷ、ちゅく、ぬちゅ、ぐちゅっ…。
溢れる出る蜜のせいで、水音が変わっていく。
「あっあっあっ…」
抜き差しのリズムに合わせて嬌声が上がる。
「感じてるね…僕にもっとその声を聞かせてくれ」
遠山は躰を起すと、遼子を本格的に責め始めた。指を二本に増やし、空いた方の手で乳房の蕾を弄ぶ。
遼子は恥じらうよりも先に、快楽に翻弄され震えることしか出来ないようだった。
「やんっ…はぁっ、すごい…!あああっどうしよう…ああああんっ」
押し寄せる初めての快楽に戸惑いながら、遼子はそれに順応し始めた。
躰に汗が浮かび、吐息が荒さを増す。行き過ぎた快楽のせいで顔は苦悶に歪んでいるようにも見える。
- 41 :
- 「だめっ…あ、おかしく…おかしくなりそう…」
更なる激しさで抜き差しし、花芯の粒をも親指で責める。
水音が部屋に響き、シーツが濡れるほど蜜が溢れ飛び散った。
遼子の太股の筋肉が震え、遠山に絶頂の訪れを告げていた。
「やあっあっああああああああんっ」
大気を求めて遼子の口が開かれ、背をのけぞらせた。
「史郎ちゃん…わたし…」
「恥ずかしがらないで。きれいだったよ」
遠山はベッドの上で気だるげに横たわる遼子の前でゆっくりと服を脱ぎ、躰を重ねた。
お互いの温もりを分けあうようにして裸で抱きあう。
遼子の太股を抱えると、遠山の屹立したものをあてがった。
その感触に遼子の躰が緊張からか固くなった。
「少し痛いかもしれない。我慢できるか」
「大丈夫。わたしも史郎ちゃんと早くひとつになりたい…」
潤みきった瞳が遠山を見ていた。
見つめあったまま遠山が遼子の太股の間に自身を埋めていく。
遼子の秘所は狭く熱い。
「ふっ」
あまりの快楽に、遠山は思わず息を漏らした。
肉壁が遠山を押し包み、奥へと侵入させるだけで射精感が煽られる。
他の女ではない感覚だった。
理由は遼子が処女ということだけではないだろう。
二人の躰があらかじめそうなる為に創造されていたかのような、そんな一体感を遠山は感じていた。
「鳴海君、ひとつになれたよ」
眉間にしわを寄せ身を裂かれる痛みをこらえながら、遼子が微笑んだ。
「嬉しい…」
その表情を見て、せつなさと愛おしさが胸から溢れそうになる。
「君が好きだ…」
「わたしも史郎ちゃんが好き」
吸い寄せられるように二人は唇を重ねた。
重なり合った躰だけでは足りず、淫らに舌を絡ませ合い想いを伝えあう。
「んっ」
唇を重ねたままゆっくりと律動し始める。遼子の肉壁が遠山を引き離さぬかのように絡みつく。
意思を強固にしないと溺れてしまいそうな程の快楽を憶えていた。
快楽を堪える遠山の全身に汗が浮く。
遼子の躰もしっとりと汗ばみ始めているが、こちらは快楽からではなく痛みを堪えた結果の汗だ。
「終わるまで、少し堪えられる?」
「大丈夫…痛いけど嬉しいから」
理性で本能を押さえ、激しい律動を堪えていた遠山だったが遼子のその言葉で本能を開放した。
遼子の太股を両腕に抱えると、激しく腰を送る。
「はぁっああっ」
痛みのせいか遼子が白い喉を晒し、枕の上で首を打ち振っていた。
遼子の苦悶に対して、熱い遼子の肉壁は遠山の快楽を煽り狂わせていく。
「あんっあっあああっ」
遠山は歯を食いしばり、射精感を堪えながら躰を打ちつけ続けていた。
「やあっあっああっあっ」
- 42 :
- 遼子の嬌声が遠山の動きに同調し始めた。悲鳴にも似た痛みの声の中に甘さが増していく。
二人の合わせ目から更に蜜が溢れ、潰れるような水音が部屋に響いた。
「また…またおかしいのっ…ああっいいっ」
遼子の見開いた目から涙が溢れている。
「僕もだ…!」
自分の全てが包まれ、許される感覚に満たされるこんな抱擁は体験したことがなかった。
虚ろだった心と躰があたたかいもので充ちていく。
そのまま遼子の中で全てを解き放ちたかったが、遠山の中にわずかに残っていた理性がそれを押しとどめた。
遼子から自身を引き抜くと、遠山は遼子の腹の上に精を迸らせた。
全てを出した後、遠山は自分の頬が濡れていることに気付いた。
涙だった。
冷蔵庫からミネラルウォーターを取りベッドルームに遠山が戻って来た時、シーツを躰に巻きつけた遼子が
ぼんやりと天井を見ていた。
「信じられない…」
「何がだい」
遠山に声をかけられ、遼子が跳ね起きた。
「し、しろうちゃんと私あんなことやこんなこと…したのよね」
「したよ。君さえ良ければいくらでも続きは出来るよ」
遠山は遼子にミネラルウォーターを手渡し、頬に口づけた。
「いまからだって。これからもずっと、いつでもしてあげよう」
横たわる遼子の上から覗き込み遠山は微笑んだ。
「そ、そんなこと考えてないわよ。一回寝たくらいで結婚式の招待客のリストを考えるようなそんな遊び慣れて
いない女じゃないもの。ずっと、ずっと傍に居たいなんてそんなこと考えてないから…」
遼子が顔を赤らめシーツに顔を隠した。
「これっきりだったとしても、大人の女だから平気だわ」
「僕は小心者なんだ。君とこうするのに何の覚悟もなくすると思うかい?」
シーツの下から遼子がおずおずと目だけを出して遠山を見た。
「覚悟って…?」
「それはおいおい話すよ。それより鷹藤君に悪いことをしたな」
「えっ?」
「抜け駆けしたことになるだろ?彼だって君のこと…」
「そ、そんなことないわよ。だってずっと傍にいるのにそんなこと何も言ってなかったし」
たぶん鷹藤は遼子と間にあるものを大切に育て過ぎて機を逃してしまったのだ。
「鷹藤君らしいな」
鷹藤は傍に寄りそい遼子を見守り続けていた。きっと深い思いを胸に秘めて遼子の傍に居たはずだ。
その想いに遼子は気付いていなかったのだろう。
兄、鳴海洸至の想いに気付かなかったように。
それを知りながら遼子をかすめ取った自分は酷い男だと思う。
だがそこまでしてでも遼子のことが欲しかった。
いま、遼子を手にして心に今まで持ったことのない温もりが灯っている。
僕は変われる。
きっと変われるはずだ。この夜の日々を終わらせるための光を僕は手にしたのだから。
シーツの上から遼子の躰に手を廻すと、遠山は縋りつくようにして抱きしめた。
- 43 :
- ドラマの史郎ちゃんって悪い人じゃなかったのですが、私がSSにするとどうも悪人っぽくなってしまうwww
遠山ファンの方すいません。
で、鷹藤がまたも悲惨にwwww
遼子をめぐって兄、鷹藤、遠山が微妙な関係になるのも面白そうだなあ。
色々あれば3人兄弟…wwww
- 44 :
- 待ってました、遠山×遼子ラブラブver!
GJです!!!
遠山と遼子がくっついたら、鷹藤はどうでるんだろうww
- 45 :
- 史郎ちゃん×遼子、ぐっじょぶです!(≧▽≦)
お兄ちゃんは、史郎ちゃんが相手でも、全力で阻止してくるのかな?w
そろそろ、お兄ちゃんにも愛の手を…
- 46 :
- >>44
遠山と遼子がくっついたことを知って、ダーク鷹藤が遼子を・・・な
妄想がw
- 47 :
- 史朗ちゃんの中の人が、結構な肉食男子で共演者を次々と・・・という記事を読んだw
その後、ダークやグレーな史朗ちゃんの作品を読むと、また違った味わいがww
- 48 :
- >>19にでてきた「オリオン座流星群」が、今夜から明日の明け方が
ピークのようですね!
が、あまり天候が良くない地域が多いようで…。
かくいう自分の地元も大雨…orz
- 49 :
- 遼子(の中の人)のメイド姿、キター!ミター!
- 50 :
- >>49
兄じゃなくてもイケナイことをしたくなる…w
グレー遠山に遼子を盗られた鷹藤を、優しい人が慰めてくれる話が出来ました。
燈火の続きです。しかもエロなしごめんなさい。
- 51 :
- とあるスポーツバーのカウンターに鷹藤は居た。
ダーツやビリヤード、そしてホール中央にある大画面では有名リーグのサッカー中継が楽しめる所で、
サッカー好きな鷹藤が常連として通っている店だ。
平日だが客の入りも悪くなく、数グループがそれぞれダーツやビリヤードに興じていた。
本気で酒を飲もうという客はあまりいないのかカウンターにいる客は鷹藤ひとりだけだ。
カウンターに覆いかぶさるようにして飲んでいるところからも、鷹藤が相当酔っているのがわかる。
普通のバーであればここまで酔い潰れた客は追い出されてもおかしくないが、鷹藤が深酒する事情を知っているのか
バーテンダーは酔い潰れた鷹藤をそのままにしていた。
「テキーラ、もう一杯」
アルコールでふやけきった声を絞り出すようにして鷹藤が言った。
大分酔いも回っているらしく、眼を開けるのも億劫そうだ。
「さすがに飲み過ぎだよ、俊一君」
カウンターの向こうにいるバーテンダーが顔をしかめてたしなめた。
「頼むよ、あと一杯だけだからさ」
バーテンダーは首を振るとしぶしぶといった様子でテキーラをグラスに注いだ。
「その代金は俺がもとう」
鷹藤の隣のスツールに黒いスーツ姿の男が座った。
上背があるが華奢ではなくがっしりとした体格の男だ。
「あんた…」
眼があかない状態の鷹藤が声の方向を向くが、酔いのせいか瞼はしっかりとは空かないようだった。
「そんな状態の君でも声だけで俺のことがわかるのか」
この声を忘れるはずはない。
同僚の兄であり、事件が次々と起こり危険な状況に何度か直面した同僚と自分を幾度か守ってくれた
頼れる存在だった。
だが彼こそが一連の事件の黒幕であり、警察官でありながら人者そしてテロリストであった男。
そして鷹藤と同僚の家族をした男。
それが鷹藤の横にいる男―――鳴海洸至だった。
「俺にはモヒートを」
酔っ払いから解放されたバーテンダーが洸至に軽く会釈すると酒を作りにいった。
「相当飲んでいるようだな」
洸至が突然現れることにも鷹藤は慣れた。
妹が危機にある時常にこの男は現れた。最も大切に思う者を守るため闇の中から現れる。
ならばいまここに居るのは全くのお門違いだった。
洸至の妹、鳴海遼子はいまフリーランスのジャーナリストとして返り咲いた遠山の恋人となり彼のマンションで
同棲している。
編集部に遼子が来てから一年近く傍に居たのに、鷹藤は彼女への思いを告げていなかった。
大事にしすぎて言えなかった。言わなくてもわかってくれると思っていた。
しかしそれば鷹藤のうぬぼれにしかすぎなかったのだ。
友達とも恋人ともつかぬ心地よい距離感に自分は甘えていた。
そのうぬぼれや甘えで失ったものを忘れたくて鷹藤はいま浴びるように酒を飲んでいた。
それをこの男は冷笑しに来たのだろう。
「あんた俺の家族の仇だってこと忘れたのか?俺が通報するかもしれないんだぜ」
鷹藤がテキーラを飲もうとグラスに手を伸ばした。
が、酔いのせいで手元がおぼつかない。鷹藤はグラスを掴み損ね、グラスが傾く。
倒れかけたグラスを洸至が掴んだ。
「これだけ酔っている君の言うことを真に受ける人間が果たしているかな。それに俺は別に君と事を構えにきた
わけじゃない」
言い終わると鷹藤の前にグラスを置いた。
- 52 :
- 「じゃ、俺の前に何しに現れたんだよ。あんたの妹ならいま遠山さんの所だぜ」
「そのようだな」
バーテンダーがモヒートを持ってきた。
洸至は札をカウンターに置くと、バーテンダーに眼で席を外すように合図した。
「君とこうして飲むのは初めてだ。乾杯でもしないか」
「何に乾杯するんだよ。あんたの復活を祝えってのか」
鷹藤がテキーラを一気に煽り、度数の高さにむせかえる。
それを横目で見ながら洸至が二人の間にグラスを掲げた。
「遼子のかりそめの幸せと…遠山の策略に乾杯」
カウンターにだらしなく寝そべっていた鷹藤がその言葉を聞いて体を起した。
「今なんて言った?」
「遼子の…」
「そっちじゃない」
鷹藤が真顔で遮った。
「からかって悪かった。遠山の策略、だ」
悪戯っぽい笑みを浮かべると洸至はモヒートを一口含んだ。
「いい味だ」
「策略…って何だよ」
鷹藤が空いたグラスをバーテンダーに見えるように振る。バーテンダーが洸至の方へ視線を送る。
洸至が眼で肯くとしぶしぶと言った様子で鷹藤のグラスにテキーラを注いだ。
「遠山が君に仕掛けた策略のことだ」
「俺に?」
「あの二人が恋人となった夜だよ。君が遠山の部屋での食事に行けなくなった日があったろう?」
この男の前に秘密など意味をなさない。
下手をすると鷹藤について鷹藤が知る以上のことを知っていることすらある。
洸至の言うあの夜、鷹藤は遠山の部屋に遼子と共に訪れるはずだったがアンタッチャブル編集部から急に呼び
出され夜明けまで現場に釘づけになっていた。
あれは城之内が掴んだ政変スクープだった。
この記事はアンタッチャブル独占スクープとなり、その号は部数も普段の数倍以上に伸び、鷹藤は城之内と二人
で社長賞を貰ったのだ。
カメラマンとしてのちっぽけな栄誉と引き換えに鷹藤は最も大切なものをあの夜に失った。
「タイミングが良すぎると思わないか。まるで君が不在になるのを知っていたかのようだ」
「まさか」
酔いで紅潮していた鷹藤の顔が一気に蒼ざめた。
「そのまさかさ。城之内に政変スクープを流した相手は誰なのか。情報の糸を辿って行った先に居たのは遠山だった。
君だって知っているだろ?遠山の情報網がどれほどのものか。記者を辞めた後でもあいつはそれを利用し続けている。
表の仕事でも、君相手にしたことでも」
「嘘だろ。なんで遠山さんがそんなこと」
「欲しいものがあったからだろ」
洸至はこともなげに言ってグラスを傾けた。
「お前を出し抜いてまで欲しいものが」
口元に笑みを浮かべて洸至は鷹藤を見たが、目は笑っていなかった。
- 53 :
- 「でもそんなにタイミングよく進むはずねえよ」
鷹藤は戸惑いながら洸至の言葉に反駁した。
「君がいなくなるかならないかは賭けだ。それも緩やかな賭けだ。別にあの夜その賭けに勝たなくてもいい。
もし失敗しても機会ならそれから先も自分が作るつもりでいただろうからな」
「どうしてそんなことを俺に教える?あんたの常とう手段だよな、誰かに情報を流して自分の
都合のいいように操作するのは。俺に何をさせたいんだよ」
「何も」
グラスの中のライムを指で弄びながら洸至が言った。
「俺は事実を告げただけだ。信じられないなら裏をとればいい。あとはお前が好きにしろ」
鷹藤が怪訝そうな表情を浮かべ洸至の横顔を見た。
「あの男は俺に似ているんだよ。だからわかる。奴にとって人間は二種類しかない。利用できる人間と、
利用する価値のない人間だ。そんな奴が遼子を幸せに出来ると思うか。あいつは遼子を貪るだけだ。
何も与えられない」
「あんたの妄想だろ。そんな人じゃない」
吐き捨てるように鷹藤が言った。
「遠山の行動を振り返ってみろ。違うと言えるか?」
洸至が冷ややかに笑った。
「あいつが決めたことだ。兄貴だったら祝福してやれよ。念願の彼氏ができたんだからさ」
自分の言葉に胸が疼く。
遼子の隣に自分がいないことを思い知らされる。酒で消そうとした痛みが躰中に拡がり鷹藤を苛む。
「言ったろ。これは遼子の選択じゃない。遠山の策略だったんだ」
「きっかけはそうでも今あいつは一緒に暮らしている。俺の出る幕は無いだろ」
鷹藤はテキーラを一気に煽り喉奥に流し込んだ。
「お前にとって遼子はその程度の女ってことか。無駄足だったな」
洸至が低い声で言うと席を立った。
「何で…何で俺にこのことを教えたんだよ」
唸るように鷹藤は言った。
「敵の敵は味方っていうだろ」
「ふざけんな」
鷹藤がスツールから立ち上がり洸至に殴りかかった。
店内が一瞬どよめく。
だが泥酔した鷹藤の拳が洸至を捉えられるわけもない。
洸至はこともなく避け、その腕を掴むと勢いあまってつんのめった鷹藤に足払いを掛けた。
鷹藤の躰がふわりと宙に浮く。
激しい音たてて背中から落ち、朦朧としている鷹藤を洸至がのぞきこんだ。
「飲み過ぎだ。それで俺を撲れる訳がない。もし遼子を取り戻したいのなら酒に逃げるな」
「うる…せえよ」
頭を打ったうえに酔いが周り、鷹藤はもう立ち上がることすら覚束ない。
洸至を引き留めようと服を掴もうとしたがその指は空を切るだけだった。
「意地があるなら見せてみろ」
洸至はそう言うと立ち上がり、バーテンダーに鷹藤のことを頼むと店を出ていった。
床に寝転がり、天井を見つめながら鷹藤はさっきの言葉を反芻していた。
緩やかな賭け――。
洸至にとってもそうだ。鷹藤が動くか動かないかは賭けだ。
動かなければ次の手を打つ気なのだろう。
ともかく、賭けの賽は投げられた。
これから何かが起こる。暴力的な何かが。破滅的な事件が。
それは身にしみてわかっている。
鳴海洸至が動くと言うことはそういうことだ。
- 54 :
- それを遠山に告げれば、遠山も身を守れるかもしれない。
酔いがまわり手元が揺れるが、鷹藤はどうにかして携帯を操作し遠山の電話番号を呼び出した。
しかし発信ボタンを押そうとした時に指が止まった。
遼子を奪われたのは俺が間抜けだったからだ。
遠山を憎んではいない。羨んでもいない。
結局、遼子とは離れる運命だったのだ。仕方のないことだ。
諦めるしかない。
いままでそう思い込んでいた。いや、思いこもうとしていた。
鷹藤は遠山の電話番号が表示さたままの携帯をしばらく見つめてからそれを消して、ポケットにしまった。
無理をして抑えこみ蓋をしていたどす黒い思いが溢れ出し、躰に満ちはじめたのを鷹藤は感じていた。
この後、兄と鷹藤が二人で超ダークに…w
- 55 :
- うわぁ、なんか素敵な予兆が来た――!!
兄と鷹藤のWで超ダークなんて…wktk
続き、正座してお待ちしてます!
- 56 :
- >>50
遼子がお金持ちの屋敷にメイドとして潜入取材して、
そこで坊ちゃまにイケナイ事をされそうになって、
お兄ちゃんが突入してくるんですね、わかりますww
そして「お兄ちゃんと鷹藤くんが二人で超ダークに」って
どうなっちゃうんですか?!
これで色々あって3人兄弟??ww
- 57 :
- 超ダーク…じゃないかも(汗)
期待させてしまってすいません。
マンションの上層階にある遠山の部屋は日当たりが良い。
朝早く日も高くならないうちから、リビングには陽光が満ち溢れ遠山のセンスであろうデザイナーズ家具を照らしていた。
遼子がリビングに続くアイランドキッチンの中で忙しそうに立ち働いていた。
遠山と交際する前はどこか野暮ったい服装をしていた遼子だが、今は躰のラインを美しく見える上品な仕立ての
シャツとスカートを身につけ大人の女性らしい落ちついた雰囲気が漂っている。
コーヒーメーカーはコポコポと音を立ててコーヒーを抽出し、部屋に芳しいコーヒーの香りが立ち込めている。
遼子が熱したフライパンに卵を二つ落とした。
兄と暮らしていた頃には全く上達しなかった料理も、遠山の指導により今ではチキンラーメンとレトルトカレー以外に、
簡単な料理くらいは出来るようになっている。
ダイニングテーブルにランチョンマットを敷きマグカップや皿を並べようとした時、手を滑らせた遼子が
マグカップをひとつ落とした。
「あーあ、やっちゃった」
大分手際よく出来るようになったと自負していたのに、ときどきうっかりしてこんな失敗をしてしまう自分に遼子は
ため息を吐いた。
かがんでカップの欠片を拾い集めていた遼子が人の気配に気づいた。
「史郎ちゃん?ごめんね、いま綺麗にするから」
欠片をいくつか集めた遼子が立ちあがり振り返った。
遼子の細く長い指から拾い集めた欠片が落ち、床の上に音を立てて散らばった。
「おにいちゃん…!」
眼の前に遼子の兄、鳴海洸至が立っていた。
少し乱れた漆黒の髪、意思の強さを感じさせる目元からは射抜く様な視線を放ち、スーツと同じ色の黒のネクタイが
いつものように少し緩んでいる。
一緒に暮らしていたころのままの兄がそこに居た。
を偽装して遼子の前から姿を消したが、遼子が危機に直面すると必ず助けに来てくれる優しくも恐ろしい兄。
「どうして…」
いつも夜の闇から浮かび上がるようにして現れる兄が、陽光ふりそそぐ朝のリビングにいることがしっくりこない。
それも安全な遠山の家にどうして来る必要がある?
闇の世界で生きることを止め、全ての罪を償う決意でも固めたのだろうか。
しかし口元に笑みを浮かべているが能面のように強張った兄の表情、その奥で光る視線の冷たさがそうではないことを
物語っていた。
「幸せそうだな」
再会を喜ぶ声音ではなかった。
太陽の恩恵を受け陽光がふりそそぐ部屋なのに、遼子は寒気がした。
それ程兄の声は冷たかった。
洸至がコンロへと足を向けた。
- 58 :
- 「朝食が台無しだ」
洸至は焦げかけていた卵が入ったフライパンを覗きこみ、火を止めた。
「コーヒーもらうぜ」
遼子は後ろから投げかけられたその声に驚き小さな悲鳴を上げ、振り返った。
自分の背後に鷹藤がいた。
「鷹藤くんも…!いったいどうしたの?」
鷹藤はそれに答えずコーヒーメーカーが置いてあるカウンターへ向い、カウンターにあったマグカップに
コーヒーを注ぐと、遼子の正面のダイニングチェアに座った。
「二人とも、どうして…どういうことなの?」
混乱した遼子が悲鳴にも似た声で二人に問いかけた。
「お前が幸せそうで嬉しいよ」
兄がネクタイを緩めながら遼子の元へ歩いてくる。
凶器など手にしていない。なのに兄が恐ろしくてたまらない。
兄の歩みにあわせて遼子が後ずさる。
「史郎ちゃん…起きて、史郎ちゃ…!」
叫び声をあげようとした遼子の口を、洸至の大きな手が抑えつけた。
そしてそのまま遼子を抱きしめる。
洸至は泣き喚く子供をあやすように、シーッと耳元で囁いた。
「遠山さんなら来ないぜ」
コーヒーを飲みながら鷹藤が言った。
「あいつなら俺が縛っておいたよ」
洸至が囁く。
「んっ…」
遼子が洸至の手の中で暴れ、遠山の元へ行こうとするが洸至が抱きしめ離さない。
この抵抗ですら楽しんでいるのか、笑みを浮かべている。
鷹藤に助けを求めようと、躰をひねり遼子は相棒の方を見た。
鷹藤と遼子の眼が合う。
その瞳の奥には普段の彼にはない澱みがあった。
「安心しろって。遠山さんならベッド上に転がしておいたから。暴れて床に落ちなきゃ怪我もしないさ」
鷹藤はそういうとキッチンの収納扉を開け、何か探しはじめた。
いまの状況は遼子の理解を越えていた。優しかった兄が、そしていつも自分とともに危機を乗り越えてきた
かけがえのない同僚が遼子と遠山の住まいで傍若無人にふるまっている。
ありえないことだ。信じたくなかった。
ただ現実には対処しなければならない。
何か事情があるに違いないが、この状況は打開しなければならない。
―――兄と鷹藤から遠山を助け出さなければ。
遼子は自分の口を覆う兄の手に噛みついた。
「くっ」
洸至が一瞬怯んだ。その隙を見逃さずに遼子は叫んだ。
「助けて!…誰…」
言い終わらないうちに、力強い手が遼子の首筋を抑えつけダイニングテーブルに押し付けた。
「いやっ!」
「あったぜ」
鷹藤が目当てのものを見つけたらしく、洸至に投げた。
それが遼子の眼の前に落ちる。
遠山と遼子が二人で選んだ、欧州製のキッチンクロスだった。端には二人のイニシャルが入れてある。
「まるで新婚気取りだな」
受け取った洸至がそれを見て冷やかした。
- 59 :
- 身をよじり振り返る。兄が遼子を見下ろしていた。
兄の眼に宿る昏い熱。
これから起こることを直感した遼子が、ダイニングテーブルの上で暴れるが洸至に首を抑えつけられそれも
空しい抵抗に終わる。
洸至が遼子をダイニングテーブルの上で仰向けにし、遼子の腰の上に馬乗りになった。
「誰か…助けて助け!」
「別にあんたに変なことしようって訳じゃないんだからさ」
ダイニングテーブルに押し付けられた遼子に鷹藤が顔を近づけ囁いた。
遼子を落ち着かせるように髪を梳く。
「ただあんたが遠山さんとしてることを俺達もするだけだから」
その言葉で遼子が眼を見開いた。
理解できない。
兄や鷹藤のすることじゃない。こんなことがあっていい訳がない。
怒りと失望からの涙で遼子の視界が潤む。
「泣くなって。俺達はお前を傷つけにきた訳じゃない」
そう言うと洸至は遼子の手首を一方は解いたネクタイでもう一方はキッチンクロスで縛り、それを鷹藤が
ダイニングテーブルの支柱に括りつけた。
これから磔刑されるように両手を伸ばし横たわる遼子を二人の男が見つめていた。
兄は優しげに微笑み、鷹藤は全くの無表情だ。
「嘘よ…こんなの嘘…助けて…史郎ちゃん…誰か!」
遼子の眼からとめどなく涙が溢れ出る。
それを洸至の親指が優しく拭った。
「叫んだって無駄だよ。ここには誰も来ない」
洸至の顔が近づく。唇をかわそうと遼子が顔を背けた時、兄の手が遼子の顎を掴んだ。
叫び声をあげようとした遼子の口に洸至が唇を重ねた。
それまでの暴力的な行為に反してあまりにも優しく甘美な口づけだった。
固く閉ざされた唇の上を洸至の唇が優しく撫で、頬に首筋に触れるか触れないかの口づけを落とす。
「駄目…そんな風にしないで…」
荒い吐息の合間に、遼子が切れ切れに言った。
「こんな風にされると?」
「あっ」
「いつも遠山にこんな風にされてるんだろ?」
「違うの…あっ」
遼子の両手を拘束しダイニングテーブルの上で兄が無理やりに始めた行為だったが、兄の唇の繊細な
動きは凌辱と言うより愛の行為そのものだった。
「傷つけに来たんじゃないって言ったろ…」
「兄妹なのよ…お兄ちゃん、眼を醒まして…」
「眼を醒ますのはお前だよ。俺達はその為に来たんだ」
遼子の首筋に口づけを落としながら洸至が囁き、その指は遼子の胸の上を滑る。
「やっ…」
乳房の先端の敏感な場所で指先を震わせる。
それ以上の行為をやめさせようと暴れる遼子の腕を鷹藤が掴んだ。
馬乗りになった洸至に抑えつけられ、手はネクタイと鷹藤に拘束され動きようのない遼子の躰を、洸至の指が
愛おしげに撫でまわす。
「駄目駄目!やめて!あ…」
拒絶の声の合間に遂に甘い声が漏れ出てしまった。
血を分けた兄との暴力的に始まった行為。心は拒絶しているのに、余りに優しい愛撫に躰がほどけていく。
恐ろしかった。
この行為に許される要素など一切ないのに、自分の躰は―――もしかしたら心も―――それを受け入れようとしている。
兄が恐ろしいのか、鷹藤が恐ろしいのか、それとも遠山以外の男を求める自分の心と躰が恐ろしいのかもうわからない。
ただただ恐ろしくて遼子の眼から涙が溢れ出た。
- 60 :
- 遼子が両手を押さえる鷹藤の方を見た。
鷹藤はダイニングチェアに座り、無表情で遼子と洸至のことを見つめていた。
「鷹藤君…そんな眼で見ないで…!」
鷹藤は何も言わずにただ遼子を見つめ返すだけだった。
その間も兄の愛撫は続く。
もうブラウスのボタンは全て外され、その下のブラが露わになっている。
ブラの上から先端を撫でまわしながら洸至が囁いた。
「固くなってきたな…」
首筋から唇を離した兄が、遼子の様子を見下ろしながら言った。
「やっ…お兄ちゃん…こんなことやめて!」
返事はない。
その代わり先端だけへの愛撫が、乳房全体への愛撫へと変わる。
ブラのホックをはずし、外気へと解放された乳房を洸至がゆっくりと揉みあげる。
「兄妹なのよ!いつもお兄ちゃん私の事守ってくれたじゃない。それなのに…!やっ」
妹の白肌の上に咲く固く屹立した蕾を洸至は唇に含んだ。
ダイニングにちゅぱ…ちゅぱ…と赤子が立てるような音が響く。
「どうして…あっ…どうしてなの!」
抗い、理由を問いながら遼子の吐息は更に荒さを増す。
汗で艶めかしく光る躰をくねらせ、遼子は精一杯の抵抗を示そうとした。
「それで嫌がってるつもりか?あんた自分の腰が揺れているのに気付いてないんだな…」
鷹藤らしくない平板な声音だった。
そこに感情がないことに気付いて、遼子は泣きたくなる。
「鷹藤君…どうして、なんでこんなことになったの…教えて…お願いよ…あんっ」
愛撫されながら遼子が訴える。
「理由はあんたが一番わかってるだろ」
鷹藤が遼子に顔を近づけた。
「守られることに慣れて、守る側がどんな思いでいたか気付かないふりをした罰さ」
「一体何の…」
「それすら気付いていなかったなんて言う気じゃないよな」
鷹藤の声にようやく感情が滲む。
その声に込められたのは明らかな失望だった。
「答えなんぞわからなくてもなくてもいいさ。今は遠山からお前を取り戻せればそれでいい」
洸至が耳たぶに吐息がかかる程近くで囁いた。
「きゃっ」
洸至が遼子の耳を舌で撫で上げながら、スカート中へ手を入れる。
「遼子の肌は本当に柔らかいな。ずっと一緒に居たのに知らなかったよ」
「やんっ!」
洸至は中指で遼子の太股をしばらく愛撫しつづけた。
触れるか触れないかの動きで、遼子の渇望をかきたてる。
「だめ…だめ…」
繰り返される拒絶の言葉は、兄へというより自分へ向けられたものに変わり始めていた。
求めてはいけない快楽を、もっと深い悦楽を求め始めた自分への戒め。
しかしそのか細い戒めの鎖は渇望の前にもう千切れそうだ。
「んっ…」
拒絶を紡ぐ遼子の唇を洸至の唇が封じた。
腕を戒められたままの遼子の細い腰に手を廻し二人の躰を密着させながら、洸至は深く口づけた。
兄の柔らかな舌を遼子の舌が迎え入れる。
もう戒めなど意味をなさなかった。
封じられていた欲望が遼子を満たし、ただ眼の前の男を貪りたいと思っていた。
- 61 :
- 激しく舌を絡ませながら、洸至が遼子のスカートを掻きあげ下着を露わにした。
「あんっ…」
洸至は躊躇することなく指を下着の奥に潜り込ませる。
「嫌がっていたくせに、濡れまくっているじゃないか」
叢を撫でてやると、遼子の吐息が一段と荒さを増した。
「言わないで…」
「これだろ、お前が欲しいのは」
洸至が中指を一気に秘所に突きいれた。
「ひゃああ」
それだけで遼子は背をのけぞらせる。
下着の中で洸至の指が律動しはじめた。
微かな水音と共に、恥ずかしい程の雌の匂いがそこから立ちこめる。
「俺の指が溶けそうだ。お前のここ、熱くて濡れて…」
「違うの…違うのぉっあああっ」
洸至は下着を剥ぎ取り、叢の奥で泉のように潤む秘所へと唇をつけた。
「んんっああああっ」
音を立てて秘所からの蜜を吸い、そうしながら指で膣道を責め立てる。
ダイニングテーブルの上に蜜を滴らせながら遼子は喘ぎ続けた。
拘束された為に逆に感覚が鋭敏になったせいか、それとも禁じられた行為のせいなのか遠山との情事以上の
快楽が押し寄せている。
「いい…」
悦楽の中で遼子は思わず呟いた。
「いけないことなのに…すごく気持ちいい…」
遼子の眼から涙が溢れ出る。
「ずっと…欲しかったの…!」
男二人は答えなかった。
洸至は行為に没頭し、鷹藤はそれを冷静に見つめていた。
「や…ああっいきそう…!」
抜き差しのリズムが上がるとともに遼子の快楽のボルテージも上がっていく。
「ここか…」
洸至が膣道を責めながら中で指を蠢かせ遼子が最も乱れる点を見出した。
「ここだろ?」
指を曲げ、そこに当たるようにして指を激しく抜き差しさせる。
「ひゃっ…ああっ、いい…いく…いくっ」
洸至が遼子の固くしこった花芯に吸いついた。
快楽を求め敏感になっていたそこへの激しい愛撫は遼子の躰をまた狂わせる。
痺れるほどの悦楽がそこから全身を包み、首を打ち振り遼子は啼いた。
「見せてくれよ俺達に、お前がどんな風にしていくのかをさ」
「だめ…いや恥ずかし…ああああんっ」
羞恥がまた悦楽に火を注ぐ。理性はその火で焼き尽くされた。
理性にせき止められていた快楽が一気に押し寄せる。
洸至の指の律動が遼子の脳髄を揺らし躰が悦楽で燃える。
おとがいを天に向け、遼子はか細い泣き声を上げながら身を震わせ達した。
「わかってるだろ、まだまだ終わりじゃないぞ」
洸至が遼子の太股を抱えると、屹立した洸至自身を押し当てた。
悦楽の波が去らぬうちに、男の欲望が突きいれられる。
放心状態の遼子に別種の快楽が訪れ、それは一気に脳髄を貫いた。
「ああんっ…すごい…大きい…!」
遼子の脚を肩に乗せ洸至が腰を大きなストロークで送る。
濡れた破裂音を響かせながら、洸至の腰が遼子の秘所に打ちつけられ荒々しいリズムを刻んだ。
「締めすぎだ…」
洸至が眉間に皺を浮かべ、切なげに呻いた。
- 62 :
- 「だって欲しかったの…」
「これがか?」
「…寂しかったの…」
「抱いてくれれば誰でもいいのか。…淫乱すぎるよお前は」
洸至が腰を動かしながら遼子の耳元に唇を近付ける。
「淫乱なお前にお仕置きしないとな」
洸至は大きなストロークから小刻みなストロークへと変え、律動のリズムを上げると更に激しく遼子を責める。
「きゃあああっ」
押し寄せる快楽で狂いそうな遼子が鷹藤を見た。
「お願い…鷹藤くんも…来て…」
鷹藤は熱の籠った眼で見ていたが何も答えなかった。
「いやらしい躰だ。俺だけじゃ足りないのか」
前髪を揺らしながら、洸至が腰を打ちつける。
ダイニングテーブルの上に、泡となった蜜が飛び散った。
「ひゃっあっ・・・あんっ!お願い…来て…」
遼子が鷹藤を求めてもダイニングチェアに座ったまま鷹藤は動かない。
遼子の躰がもっと更なる快楽を求めていた。
快楽だけじゃない。
鷹藤が欲しかった。
鷹藤が遼子に何も告げない寂しさから、遠山の抱擁に流されたあの夜。
あれから遠のいた二人の距離。それが自分のせいだとわかっていても、鷹藤を求めずにはいられなかった。
「来て…来て…」
快楽で脳髄が白熱するなか、うわ言のように鷹藤を求め続ける言葉を呟く。
「遼子、これがお仕置きだ」
結合部を抉るように腰を送りながら洸至が囁く。
「お前は…欲しいんだろ…鷹藤が…」
「欲しい…欲しいの!」
「だからやらない。お前が狂いそうになるほど欲しがってもお前には与えない。それがお前への罰だ」
酷くいやらしい音を立てながら、洸至が激しく腰を送った。
「…鷹藤君!ごめんね…私が…きゃあああああっ」
洸至の律動に責め立てられ、啼きながら遼子が戒められた腕を精一杯鷹藤の方へ動かした。
「こんなことになったのも、全部あんたのせいだ…」
鷹藤が立ちあがりダイニングテーブルの脇に立った。
これだけの淫らな行為を見ながら、鷹藤は昂ぶっていなかった。
ただ、憐れむような表情を浮かべて遼子を見下ろしていた。
「またっ…やっお兄ちゃんいきそう…」
快楽と後悔が涙となって遼子の眼から溢れ出た。
「淫乱なお前を見てもらえよ。誰にでも抱かれて、誰に抱かれてもイクお前の姿をさ」
「ごめん…ごめんね…やああっあああっ」
遼子は絶頂から唇を開き、涎を流しながら啼きつづけた。
「もう中に…出すぞ」
洸至が呻くと、最後に数度遼子を突きあげた。
それから腰を深く密着させ精を妹の胎内に放った。
全身を快楽に包まれた遼子の意識が遠のいていく。
かすれていく視界。上から哀しげな鷹藤の顔が近づいてくる。
そっと鷹藤の唇が遼子の唇に触れた。
淡い清らかな口づけだった。
求めてももう、手の届かない口づけ。
遼子が一筋の涙を流した。
今度は悦楽でも後悔でもなく哀しみの涙だった。
- 63 :
- 広いクイーンサイズのベッドにひとり縮こまるようにして眠っていた遼子が眼を醒ました時、自分が泣いていることに気付いた。
ひどく淫らで、ひどく哀しい夢を見ていた気がする。
遠山のマンションでのひとり寝にももう慣れたと思っていた。
今夜も何の連絡もない。
遠山にメールを送っても返事は来ない。
きっと誰か他の女のところに行っているのだろう。
遠山と遼子の仲を知った者たちの悪意ある忠告で遼子はそのことを知った。
遼子を手に入れた途端遠山がまた方々の女に手を出していることを。
美鈴はそれを遼子の耳に入れないように気を使っていたようだが、容姿と能力、そして財力を兼ね備えた男を
手に入れた女への嫉妬ややっかみの前にはささやかな善意では守り切れなかった。
遠山と一夜を過ごしたあと後、遼子と遠山は付き合い始めた。
それからまもなく、ひとり暮らしをしていた遼子に遠山が同居をもちかけた。
デートを何度か繰り返した後の急な申し出に遼子は少し戸惑ったが、しばし逡巡したあと遼子はそれを受け入れた。
兄と暮らしていたあの部屋はひとりで棲むには広すぎ、また思い出が多すぎた。
二人が暮らし始めてから、遠山は遼子に以前ほど関心を払わなくなった。
同居前のように食事に行くことは少なくなり、二人で出掛ける回数は激減した。
遠山は遼子が仕事以外ででかける事にはいい顔をしない癖に、自分は他の女のところへ行く。
そのことに遼子が怒っても笑ってはぐらかす。
しかし、仕事で行き詰ったり、事件の記憶が蘇った時だけは別人のように遼子に甘えた。
先週も遼子に縋るようにして抱きつき、その後空が白むまで遼子を求め続けた。
優しさのかけらもない、ただ欲望だけの荒々しい行為。
それは情事と言うより遼子を貪り奪うようなものだった。
そして躰が満たされると、躰じゅうが痛み放心状態の遼子を部屋に置いたまま、自信に満ちた顔をしてそのまま
出て行ってしまう。
そうなるとしばらくは連絡を入れる気すら起こらないようだった。
遠山に思いを告げられた時、どうして止まれなかったのだろう。
心のどこかで、事が進むのが早すぎると思っていたのに、自分は深く考えずに遠山へと流されていった。
自分に何も告げないままの鷹藤に対して焦れていた部分もあったのかもしれない。
ただ誰かから愛を告げられ求められることで満足してしまったのだ。
遠山と遼子が付き合い始めたのを知った時に鷹藤の顔に浮かんだ狼狽と悲しみ。
その表情が浮かぶとわかっていて告げた自分は残酷だ。
良かったな、鷹藤はそう言った。
その後に無理して作った鷹藤の笑顔を見て、遼子は自分が鷹藤へ抱いていた思いがどれだけ深いものかを思い知った。
もう少しで夜が明ける。
朝になればまた鷹藤と同僚のふりをしなければならない。
それは全て自分の愚かさのせいだ。寂しさに負けた自分への罰。
一番大切なものを手放した自分への罰だ。
無理にでも眠ろうと眼を瞑った遼子の頬をまた涙が一筋流れ落ちた。
妹の無意識下でも兄がド変態扱いでしかも鷹藤インポかよとか、
遼子が酷い女だとか、遠山が嫌な男すぎるとかああもうすいません。
力量不足です。
遼子はああいう夢を見そうにない気もしますが、あの人の妹なだけに・・・w
- 64 :
- GJ!!です。
兄と鷹藤がダークかと思いきや、遼子もダークなんて。
いいぞ、もっとやれw
- 65 :
- 兄&鷹藤のWダーク待ってました!
グッジョブですっ!!
兄、エロいなぁ…(//▽//)
鷹藤の目の前で遼子を頂くなんて、さすがですww
せっかくだから3人兄弟になれば良かったのに……げほげほ
>>56
すでに脳内では、遼子が坊ちゃまにイケナイ事されておりますww
- 66 :
- >>65
確かに3人兄弟もいいな…w
遼子が坊ちゃんにどんな事されているか詳細プリーズ!
- 67 :
- ウチの地域で、一昨日まで再放送していて、それですっかりハマりました!
まとめとかも一気に読んじゃいましたw
素晴らしい作品ばかりですね!!
これからもたくさんの作品が読みたいです。
- 68 :
- >>67
わーい、新しいお仲間が増えた〜(*´∀`*)
先日まで再放送とは羨ましい限り。
兄のヤンデレぶりと兄妹イチャイチャをテレビで見たいな〜。
そしてまたファンが増えれば御の字。
- 69 :
- >>68
再放送は昼前の時間だったんですが、最終回での
お兄ちゃんのあのエロさは、昼間には刺激的でした(//▽//)
またお兄ちゃんと遼子が共演してくれないかなぁ。
恋人役とかだったら嬉しい♪
- 70 :
- >>67
ようこそいらっしゃいました〜〜。
それにしても、再放送だなんてうらやましい…。
DVDも持っているけど、再放送したら絶対観るのに!!!
>>66
ただメイド姿の遼子に「いけません、ぼっちゃま!」と言わせてるだけの
妄想ですが、OKですか?ww
- 71 :
- CMメイドの遼子はちょっといじわるっぽい感じだから
坊ちゃまに対してはプチ女王様で、坊ちゃまをMっ子にして虐めて遊んでる
なぜかそれをお兄ちゃんは知っていて
「遼子、お前は虐められるほうが好きだと思っていたんだが…意外だったなぁ」
「…が、お前の言葉責め、どっかで聞いたことがあるんだよなぁ…
いや、聞いた、というよりは俺が誰かさんに聞かせていた…というほうが正しいか(にやり)」
「で、明日は、どんな風に虐めるつもりだ?聞かせてみろよ」
みたいなのが頭の中でぐるぐるとw
- 72 :
- >>71
を読んで盛り上がり勝手に続きまで妄想。
「だけど本当はお前がそうされたいんだろ?お坊ちゃんだと物足りないよな」
そう言いながら背後に回った洸至が遼子の黒髪をかき上げ、息がかかるほど近くで囁いた。。
そして手にしていたメイド服を妹に渡す。
「着替えて来いって。俺が命令してやるから」
みたいな…!
- 73 :
- >>71
>>72
なんて素晴らしき妄想!!!
ぜ、ぜ、是非とも続きを!!
もちろん、遼子とぼっちゃまのプレイ(?)もお待ちしております!!!
- 74 :
- 三人兄弟にしたら真っ暗すぎる話になっちゃいました。
そういうのが苦手な方はスルーしてください。
遠山もダークすぎるので遠山ファンの方ごめんなさい。
しかも超長い!すいません。何日かに分けて投下します。
- 75 :
- 冷たい床に遼子の吐息がかかる。遼子の頬を床に押し付けながら、遠山は後ろから貫いていた。
尻に手をかけ、激しく腰を打ちつける。
遼子を戒める手錠がそのリズムに合わせて鳴る。
遼子の躰が揺れ、その拍子に床に置いてあったローションが転がった。
「んっ!あっ」
濡れ方が足りない。遼子の口から漏れ出るのは嬌声ではなく苦痛の声だ。
遼子の女壺と遠山自身が軋みを上げる。
遠山が遼子を抱き始めた最初の頃は呆れるほど床やシーツを濡らしたのに、遼子の秘所は潤うことを忘れ、
今ではローションの助けがなければ遠山は快感を得られないでいた。
だが、つながりあった粘膜が快楽をもたらさなくても遠山は別種の快楽で高揚していた。
白い背中をくねらせ、眉根を寄せながら苦痛に耐える遼子の横顔を見て征服欲が満たされる。
遠山は右ひざ立て、腰を動かしやすいようにしてから更に遼子を追いこむ。
「やっ!あああっ」
遼子の背に汗が浮かぶ。それでも痛みの声など上げようとしない。
つまらない。堪えられる程度の苦痛ではまだ足りない。
もっと。もっと。
遼子を貫く前に散々飲んだアルコールと怒りで遠山の脳髄が狂熱する。
まだまだ追い込み足りない。
俺も追い込まれたんだ。お前だって―――。
「誰が僕を陥れた?」
遼子を後ろから貫きゆすぶりながら遠山が問いかける。
「知ら…ない」
「緋山のネタ、ガセだと知っていたら僕に忠告ぐらいできただろ?」
遼子が国会議員の緋山のお気に入りで、そのルートから時折情報を仕入れているのを遠山は知っていた。
恋人同士といえど雑誌記者でもある二人は自分のネタ元を譲ったりしないし、もちろん目下取材中の
ネタについても明かしたりはしない。
遼子の知らないところで遠山は緋山が新興宗教団体と繋がっていることを掴んだ。
教祖と思しき女のいるマンションに通い、その助言通り動いているらしい。そして、その教祖の持つ土地の
再開発計画で口を利いたことを内通者から告げられ、遠山はある程度の裏を取り記事にした。
しかし―――。
「知らないの…史郎ちゃんが緋山さんを追っていたのは…やっ…知って…でも…知らない…!ああ」
遼子が知らないと言う度に、遠山が手の平で遼子の白桃のようにたわわな尻を打つ。
遠山の掌の跡が白桃に赤く咲いた。
「嘘つくなよ。全部知ってたんだろ?」
国会議員、それも今飛ぶ鳥を落とす勢いの若手議員のスキャンダルだ。
宗教、金。大衆が飛び付く要素に満ちていた。個人の利益の為に議員としての権力を濫用したのだ。
社会正義の観点から見てもいける記事だ。
そのせいで急ぎ過ぎたのかもしれない。裏の取り方が甘かった。
内通者の出した資料は偽物だった。
クロスチェックしていた相手も前言を翻した。
一大スキャンダルが発覚した緋山が火だるまになるはずだったが、気付いてみれば足元に火がついていたのは遠山
の方だった。
- 76 :
- 「この記事を掲載した僕は記者としていい笑い物だ。その僕を君は嘲笑っている。違うか?」
「そんなことない…だって史郎ちゃんは私の…」
「そうだよ。大事な君の恋人だ」
遠山は遼子の髪をかき上げうなじに口づける。腰を止めたことで苦痛から解放された遼子が、ほっとした表情を
浮かべた。
「その恋人が陥れられるのを黙ってみていた君にはお仕置きが必要だ」
遠山は床に転がっていたローションを手に取ると、遼子の双臀の上から零れるほどたっぷりと中身を垂らした。
「やっ冷たい!」
遼子が眼を見開き遠山を振り返る。
遼子が知っていようと知らなかろうとどうでもよくなっていた。
ただ陥れられた遠山の体内を巡る怒りをぶつけるための口実になればそれでよかった。
遼子の秘裂から自身を引き抜き、その上にある褐色のすぼまりにあてがった。
これから突きいれる先での快楽を予想してか、遠山自身は遼子の秘裂の中にいたころよりも逞しさを増していた。
「だめ、そこは駄目!」
慌てる遼子が逃げられぬように臀をしっかりと抑えこむと、そこにあてがい一気に突きいれた。
「きゃあああああああっ」
文字通り身を裂かれて遼子が悲鳴を上げた。
都内の一等地にあるだけでなく、防音面での施工もきちんとされているので借りたマンションだ。
遼子が悲鳴を上げたところで誰の眼を気にする必要はない。
「前と違ってすごい締め方だ」
抵抗する遼子のすぼまりを無理やりに押し広げながら遠山自身を奥へ到達させた。
「痛い…!お願いやめて」
「苦しくないと、お仕置きじゃないだろ?」
涙声で遼子が訴えても、遠山はお構いなしに腰を送り始めた。
「はあっあんっでも…知らなかった…のぉ」
遼子の声の中に甘さは全くなかった。苦行の中で空気を求め、荒い呼吸の合間に声が漏れ出るだけだ。
「苦しいか」
「もう…やめて…もうだめ…」
床の上の遼子の手がきつく握られ手甲骨が白く浮いた。
ほぐされることもなく、菊門をいきなり男根で犯され身を焼かれる程の苦痛に苛まれているのだろう。
嗜虐心が遠山にまた新たな力を送り込む。
遠山は動きを止めた。
「残念ながら僕はまだまだいきそうにない。早く僕をいかせれば苦痛から解放されるよ。どうする」
目尻に涙を浮かべて、遼子が遠山を振り返り見た。
「やめてくれないの…」
目尻から一筋の涙。その清らかな涙は遠山の嗜虐心を燃え上がらせるだけだった。
遠山は答えず爽やかそのものの笑みを浮かべた。それを見た遼子が泣きながら腰をゆっくりと動かし始めた。
「…っ。痛い…」
快楽をもたらすには程遠いあまりにもゆっくりとした動きだ。
しかし遠山を拒絶し、押し戻そうとする遼子の肛道の締めつけが遠山に震えるような快楽をもたらしていた。
射精感を煽られ、遠山の内腿に汗が浮く。
- 77 :
- 「ほら、もっと動かないといつまでも苦しいままだよ」
「どうして…」
泣きながら遼子が腰を動かし始めた。しっとりと汗が浮く遼子の背筋は陶器のような美しさを湛えている。
苦痛の中ですら美しさを増していく自分の恋人が愛おしく―――そして憎らしくてたまらない。
静かに揺れ動く遼子の臀を掴むと、遠山は音が立つほど腰を激しく打ち付け始めた。
「いやっああああああっ」
激しい動きに伴う苦痛が遼子を襲う。あまりの痛みに遼子は躰を支えられなくなり上半身は床に崩れ落ちた。
今は遠山が抱える臀だけが高々と掲げられ床から浮いていた。
遼子が悲鳴を上げる。それが遠山の情欲に火を注ぐ。
痛みのせいで菊門が激しく遠山を締めつける。遼子の秘裂以上の締めつけと快楽が遠山を襲う。
射精感が高まり、遼子の中で遠山自身が大きく膨らむと樹液を遼子の中で全て吐き出した。
床の上で横たわる遼子の隣で、遠山がスコッチを瓶から呷っていた。
あの後痛みから遼子は気絶していた。閉じられた瞼の上にある睫毛が涙で濡れている。
それを見た遠山の心がほんの少し痛んだ。
遼子をいたぶったところで、遠山の状況が変わる訳ではない。
それはわかっている。
明日の朝になればまた編集部の人間からは笑われ、自分の記事の尻ぬぐいの為に方々を歩いて頭を下げねば
ならない。
記者に復帰してからは順風満帆だったはずだ。なのにあっさりと自分はまたも転落した。
何かに足をすくわれるようにして。
その何かがわからない。わからないものに対しての怒り、そして転落した自分を憐れむように見つめる遼子の
視線が耐え難く遠山は浴びるように酒を飲んだ。
そして遼子を床に押し倒すと凶暴な力に突き動かされるようにして遼子を犯した。
気を失った遼子の頬を撫でる。
遼子が目覚めたら今度こそは…。最初はこんなはずではなかった。
遼子の心に触れ、その温もりを手に入れ自分を取り戻した。それなのに、遼子の傍に居れば居るほど飢餓感が
ひどくなる。遼子の嫌がる姿が見たくて、手錠まで買った。それで夜毎戒め犯す。
まるで底なし沼だ。遼子への愛の――憎しみの底が見えない。
憎しみを打ち消そうと、また酒を呷った。喉奥を熱い液体が流れ落ちていく。
遠山の視界が揺れる。飲み過ぎたせいで、眩暈がした。
酔いに任せて遠山も遼子の隣で仰向けに横たわった。
そして遠山はまどろんだ。
- 78 :
- 最初は微かな物音だった。それで遠山は眼を醒ました。衣擦れの音。
遼子が目ざめて、服でも着ているのだろう。遠山はまた眼を閉じた。
再び目ざめたとき、遼子の甘い囁き声が聞こえた。
「たかふじくん…」
その声を聞いて眼を見開いて、声の方を向いた。
毛布にくるまれ眼を閉じた遼子が鷹藤にもたれかかっていた。
後ろから遼子を温めるように遼子を鷹藤が抱きしめている。そして漆黒の髪を鷹藤がいとしげに指で梳いていた。
「遼子!鷹藤…なんでお前がここに!」
眼にした光景に驚き、遠山が跳ね起きようとした。手錠の鎖が乾いた音を立てた。
遠山が自由にならない右手を見ると、手錠がはめられおり手錠のもう片方の輪はダイニングテーブルにつなげられていた。
「起きたか」
遠山の上から黒い影が話しかけた。
大鴉が自分にのしかかっている。遠山はそう思った。
「ずいぶんと酷いことをしてくれたな。遠山君。恋人だったら何をしてもいいとでも?」
全身黒ずくめの男が嘲るように言った。
鳴海洸至―――遼子の兄。
そして今遼子を抱きしめているのは、鳴海洸至に家族を奪われた鷹藤だ。
鷹藤から見れば洸至は仇だ。何故この二人が一緒に居る?
「そんなにおかしいか?俺と鷹藤が一緒に居るのが」
遠山の表情を読み取った洸至が遠山の眼を見ながら言った。
口元は笑っているが眼は全く笑っていない。
「不法侵入だ」
遠山が洸至に挑むように言った。
「俺達はお前に用は無い。遼子だけだ。それが嫌なら女のように叫んで警察でも呼べばいい。家賃も相当な
マンションだから、そう簡単に他の部屋に声が届くかわからんがな」
洸至がダイニングチェアを遠山の真横まで引きずり、そこに腰かけた。
「何がしたい…何をするために現れた」
洸至が無言で煙草に火をつけた。
ゆっくりと煙を吐き出す。
その煙の先に、遼子と鷹藤がいた。
鷹藤にもたれかかる遼子が鷹藤の方へ顔を向けた。まるで遠山の存在すら忘れているようだった。
遼子が鷹藤に向き直ると、鷹藤の頬を両手で包んだ。
白い指が、いとしげに鷹藤の頬の線を辿る。
「鳴海君…何を…」
遼子は遠山の言葉など意に介さず鷹藤に口づけた。
遠山を流し見ながら、遼子は鷹藤の唇を赤い舌で舐める。
「ごめんね。鷹藤君…ずっと好きだったのに私…」
「いいから…いまはいいから」
鷹藤は愛撫を求める遼子の唇から逃れようと顔を背けた。
しかし遼子が鷹藤の首筋を抑えつけ自分の方に引き寄せる。二人の距離が縮まる。
二人の唇が触れあった時、鷹藤の中で何かが決壊したようだった。
鷹藤が遼子の背に手を廻し、深く口づけた。
二人の口の繋ぎ目から、チロチロと赤い舌が見え隠れしている。
「やめろ!やめてくれ!」
耐えきれずに遠山が叫んだ。
「散々遼子をいたぶったんだ。今度はお前が苦しめよ」
遠山の耳元で洸至が囁く。
「この部屋のカギは遼子が開けた。お前に散々いたぶられて、耐えきれずに鷹藤に電話してきたんだ。
心当たりあるだろ?」
遼子が鷹藤の首に手を廻した時に、その手首に赤い筋がついているのが眼に入った。手錠の傷だ。
凍りつく遠山の前で、遼子の鷹藤への愛撫が激しさを増していく。
- 79 :
- 「あんた…待てって。ここじゃ駄目だって!」
遼子が鷹藤のベルトに手をかけたのを鷹藤が慌てて制しているが、遼子の手は止まらない。
「どうして?こんなになっているのに」
デニムを突き破りそうになるほど昂ぶっているものを遼子の手が艶めかしく撫でた。
「こんなつもりじゃなかった…ただ、こいつを連れ出そうとしただけだったんだ」
鷹藤が困惑の視線を遠山に送る。
「ねえ、鷹藤君。お願い好きにして…」
遼子が遠山に流し眼を送りながら哀しげに囁いた。
「史郎ちゃんはずっと私に酷いことしかしなかった…」
その言葉で鷹藤の表情が変わった。鷹藤が遠山を睨みつける。
「知ってたよ、ずっと。あんたの手首に赤い痕があるのを見た時からずっと。だから俺、あんたを助けに…」
「ねえ、史郎ちゃんに見せてあげて。本当の愛し方を」
鷹藤から困惑は消え、その表情には何かの決意が浮かんでいた。
「ああ。見せつけてやるさ」
鷹藤が遼子を押し倒し覆いかぶさる。
遠山と洸至の眼の前で二人が音を立てながら口づけを始めた。
「君たち、何をしているのかわかっているのか?」
ダイニングテーブルに繋げられたまま遠山が投げかけるが、遼子と鷹藤は答えない。
二人は行為に没頭していた。毛布を剥ぎ取り、遼子の白く光る乳房に鷹藤が吸いつく。
遼子が嬉しげに喉をさらし、愛撫を甘受する。
自分との行為の時にこんな表情を見せたのはいつのことだろうか。
遠山はもう思い出せないほど遥か昔のような気がしていた。
口づけの音を響かせながら鷹藤の頭が、遼子の乳房から臍へ、そして遠山が貫いていた所まで下りていく。
遼子の右脚を抱えあげ、鷹藤が遼子の秘所へ舌を這わせ始めた。
「あっ…ああっ」
悲鳴ではなく、耳をくすぐる甘い声を遼子が上げていた。
「妹のこんな姿良く観ていられるな…兄なら止めたらどうなんだ」
「いい光景じゃないか。黙って見てろよ」
洸至はそう言うと遠山の顔の横で灰を落とした。
「人前で何てことを…」
「人に知られないと安心して、やりたい放題やったお前に言う権利はないさ」
洸至は全てを刻みつけるように凝視していた。
「あんっ…やぁっ」
鷹藤が秘裂で指を抜き差しさせながら、遼子の汗の浮いたわき腹に口づける。
臍のくぼみが汗で光っていた。
快楽でしっとりと汗を浮かびあがらせる遼子の肢体。仄暗い部屋の中で美しく浮かび上がる。
「いいの…」
遼子が鷹藤の手を求めて動かすと、鷹藤がその手に自分の空いている方の手を重ねた。
二人の指が絡まりあう。
眼前の光景が遠山の胸を嫉妬で焼き尽くす。
「やめろ…やめてくれ!」
遠山の眼の前の床に洸至が煙草を押しつけた。
「遼子だって何度もそう言ったんじゃないか?」
睨みつけながら洸至がそう言うと、スーツのポケットに手を入れた。
「お前の部屋でこれを見つけたんだよ。これ、使い方わかるよな」
革のベルトの中央に穴のあいた赤い卓球用のボール状のものがついている器具だった。
遼子の悲鳴を封じるために時折使っていた洋式の猿ぐつわ――ボールギャグだ。
洸至が膝を遠山の背に乗せ抑えつけ暴れるのも構わず遠山の口にそれを装着した。
「黙って見てろよ」
眼を逸らそうと顔を動かした遠山の頭を洸至の手が抑えつける。
ボールギャグをかまされ、開いたままの遠山の口から涎が流れ落ちた。
- 80 :
- 「鷹藤君来て…」
遼子が足を開くと、鷹藤が無言でデニムを下ろし覆いかぶさった。
「あっ…」
肉が潰れる音と共に鷹藤が腰を動かす。
「いいっ…やあっあああっ」
床に転がされている遠山の前で、遼子が啼いていた。
嬌声を上げ、嬉しげに貫かれている。
自分では上げられなかった啼き声。
どうしたらいいかわからなかったのだ。遼子を愛して―――憎んで。
天秤はいつも極端に振り切れ、優しく愛することなどできなくなっていた。
遼子の傍に居れば居るほど自分の抱える闇――嫉妬心、虚栄心、羨望が浮かび上がる。
翳りの無い遼子の心が愛おしく、そして疎ましかった。
だから憎んだ。しかし遼子の温もりから離れられなくなっていた。
遼子をどれ程貪っても足りなかった。温もりを享受するだけで自分では与えられない。ただ貪るだけだ。
遼子の傍に居れば居るほど飢餓感が深くなった。
自分では遼子にはなれない。光は―――自分の中にはない。
傍にいればそんな当たり前のことを痛感させられるのだ。
記者としての才能も到底彼女には及ばない。
鷹藤から遼子を掠め取ったやましさから来ているのかもしれないが、遼子はそんな遠山の心を見越して
憐れむように微笑んでいるように感じる。
だから夜は遼子を蹂躙した。
蜜を飛び散らせ、啼かせ、あまりの快楽からもうやめるように懇願されてもますます猛り狂い遼子が狂乱し
失神するまで追い込んだ。それだけでは足りなかった。
縛った。嬲った。責め続けた。
その結果が、今眼の前で繰り広げられている光景なのだ。
「好き…好きなの…鷹藤君…!もっと…」
鷹藤が遼子の両足を肩に乗せ、更に激しく腰を動かす。
深く繋がりあっただけでは足りず、二人は深い口づけを交わしていた。
「はぁっ…あああんっ」
あまりの快楽に遼子が唇を離すと喉を晒し、首を打ち振る。
「俺も…あんたが好きだ…」
切なげな表情を浮かべる鷹藤の額から滴り落ちた汗が遼子の頬に落ちた。
鷹藤が抉る角度を変え、遼子の嬌声がひときわ大きくなる箇所を見つけるとそこをしつこく付き始めた。
遼子の秘裂から蜜が溢れ、床に飛び散った。
「やあっああっああああ…いく…いっちゃう…」
遼子の肌に鳥肌がたった。太股から足先までが緊張し、伸びる。
絶頂に行く時の仕草だ。
自分の眼前で自分の女が他の男に抱かれ絶頂に達するのを見るのはとてつもない屈辱だった。
「俺も…」
鷹藤が遼子の中から鷹藤自身を慌てて引き抜いた。
遼子が身を起して鷹藤にのしかかり、先ほどまで自身の秘裂を掻きまわしていたそれにむしゃぶりつく。
「あんた…やめろって!」
鷹藤の制止の声も聞かずに遼子が恍惚の表情でそれを口に含んだ。
「…っ!」
その瞬間鷹藤も達したらしい。腰を震わせながら遼子の口内に欲望を放った。
遼子が喉を鳴らしながらそれを全て飲み込む。
- 81 :
- 行為が終わった後、洸至が遠山のボールギャグを外した。
「これもお前が教え込んだのか」
洸至の声が冷たい熱を帯びていた。
「あんたの妹は酷い淫乱女だ。知らなかったのか?」
眼前の光景に心を抉られた遠山が吐き捨てるように言った。
衝撃。
洸至の拳が遠山の頬に叩きこまれる。一度。二度。そのたびに白い火花が眼の前を飛んだ。
「お兄ちゃん、やめて!」
三度目が叩きこまれようとした時遼子が洸至に声をかけた。
「そんなことより、お兄ちゃんもこっちに来て」
遼子が艶然と微笑んだ。
「まだ足りないの…」
「遼子…お前…」
呆然とする遠山を残して、洸至が遼子と鷹藤の元へ歩いていく。
傍にかがんだ洸至に妹が縋りついた。
「寂しかったの。お兄ちゃんが居なくなって」
洸至のスーツの襟を遼子が掴み、洸至の顔を引き寄せた。
「もう離れないで、私から。そして史郎ちゃんの所から連れ出して」
「りょ…」
洸至が言い終わらないうちに、遼子の方から唇を重ねた。
洸至が遼子の裸の肩を掴み、自分から引き離そうとする。
「お兄ちゃんの気持ち、ずっと知っていたの。だからいいのよ…」
その言葉で洸至が動きを止めた。洸至の顔じゅうに遼子が口づけを落としても為すがままだ。
そして、鷹藤の体液が残るはずの妹の口づけを洸至は受け入れた。兄妹の舌がすぐに絡み合う。
「狂ってる…」
ほんの少し離れた場所に居るはずの二人に遠山の声は届いていないようだった。
洸至が遼子の細い腰を抱き寄せ、更に口づけを深くした。
戸惑いを浮かべる鷹藤に遼子が手を伸ばす。また鎌首をもたげ始めた鷹藤自身を遼子の白い掌が蔦のように包んだ。
眼前で繰り広げられている光景はまさに狂宴だった。
兄妹が唇を貪りあい、兄の手が妹の乳房を愛撫している。
洸至に愛撫されながら遼子の手は鷹藤自身をしごき、昂ぶらせていた。
あまりの淫らさに、遠山は慄いていた。だが慄きつつも、遠山自身も凄まじい熱を帯びていた。
誰に触られた訳でもないのに痛いほど勃起し、先走りすら滲ませている。
四つん這いになった遼子が洸至の肩を押して床に倒すと、その上にのしかかり口づけながら兄のベルトを
はずして洸至自身を引き出した。
遼子が臀を挑発するかの如く高く掲げ、丸見えになった秘裂に鷹藤が顔を近づけ、舌を這わせた。
指で透明な涎を吐き散らす秘裂を掻き乱し、滴る蜜を舐め取る。
「ああっ」
幸福そうな啼き声を上げる遼子の指が洸至自身に絡みつき扱く。
ぬかるみをこねるような音が響く部屋に雌の匂い、そして鷹藤が放った雄の匂いが立ちこめていた。
官能的すぎる光景。おぞましい程淫らな匂い。
遠山の脳髄が熱くうずく。
「君たちは…本当に狂ってる!」
僅かに残った理性を働かせ、遠山はそう叫んだ。
しかし、自分もそこで溶けあいたいと心のどこかで望んでいた。
この狂熱を帯びた空間で、遠山だけがひとり隔てられていた。
- 82 :
- 「来て…二人とも来て…」
うわ言のように遼子が囁くと、洸至が遼子の腰を抱え下から突きいれた。
「ああああっ!大きい…」
子供のように顔を輝かせながら遼子が兄を飲み込んでいく。
「すごいよ、お前の躰は。最高だ…」
その言葉に、遼子が嬉しげに微笑んだ。
洸至がゆっくりと腰を動かし始めると白い背をうねらせながら遼子もその動きに同調した。
「はぁっ…」
眉間に悦楽からの皺を浮かべ、微笑む遼子は美しかった。
遠山の胸が痛む程しめつけられる。満ち足りた遼子の表情が自分と共にいた時のそれとはまるで違っていた。
「きれいにしてあげるね」
再び血管が浮き出るほどいきりたった鷹藤の陽物に遼子が細い指を絡ませ、口に含む。
頬が変形する程深く吸いつき、啜りあげる。巧みに鷹藤自身の根元を手で扱きながら口唇で愛撫した。
「すげえ…」
鷹藤がため息とともに呟いた。
鷹藤が遼子の黒髪を掻き上げ、自身に舌を這わせる愛しい者の表情を見つめていた。
視線を感じた遼子が音を立てて更に激しく鷹藤自身を吸う。鷹藤が目を閉じ、感に堪えないといった感じの吐息を漏らした。
遼子が艶めかしく指を蠢かせながら、舌を駆使して鷹藤を官能の果てに追い込む。
鷹藤の息が荒くなる。
遠山が教え込んだ性技が、遠山以外の男に使われていた。
嫉妬が遠山の心を黒く燃やし尽くす。
「んっ」
遼子の眉間の皺が深くなった。洸至が腰の動きを速めたのだ。
「んんっ」
遼子はそれでも吸いついた鷹藤自身から口を離そうとしない。
洸至が下から突きあげ、遼子の脚の付け根とぶつかりあう濡れた肉の音が部屋に響いた。
遼子はローションなどなくとも潤い、歓喜の蜜を飛び散らせながら自らも腰を動かし始めた。
「お前のここが絡みついてくるぞ」
洸至が囁く。
その言葉で鷹藤のものを根元まで咥えこみながら遼子が目を細めた。
3人が汗を飛び散らせ、蜜に塗れ吐息を交わしていた。
淫らだが、眼前で繰り広げられているのは遠山が遼子に為したような貶める行為ではなくお互いの躰を認めあい
享受し合う行為だった。
遠山の眼の前で3人の躰がもつれ絡まり乱れ溶けあう。
「獣だ、君たちは獣だ。いや、獣だってこんなことはしな…」
そう言いかけた遠山の脳裏に自分の行為が過ぎる。
慈しむことなく、愛するものをただ貪り続けた自分の行為は―――それこそ獣ではないのか。
「もう駄目だ…!」
鷹藤が腰を震わせ、先ほど精を放ったばかりなのに遼子の口内に長く打ちこみ続けた。
遼子はそれを口で受け止め、満足げに微笑んだ。
「今度はこっちをいかせてくれよ…」
洸至が遼子の腰を掴み強く突きあげた。
「やっ…」
遼子の顔が悦楽から歪む。
力が抜けた遼子と洸至が躰を入れ替えた。
上になった洸至が更なる激しさで遼子を責め立てる。
「ひゃあっ…ああああんっすご…い…やああっ」
「遼子…遼子…」
洸至が遼子を抉りながら唇を重ねる。
「おにい…」
遼子が兄の背に手を廻し、洸至が貫きながら遼子を強く抱きしめた。
- 83 :
- 眩暈がした。
怒り、羨望、嫉妬、そして欲情――狂おしい熱に駆り立てられ、遠山の視界がぐにゃりと歪む。
自分の中を駆け巡る赤黒い感情に引きずられ遠山の意識は闇に落ちた。
酷い汗で遠山は眼を醒ました。手には空のスコッチの瓶を握ったままだ。
目を巡らせるだけでも酷く目の奥が痛む。
どうにかして遼子がいた場所に目を転じると、そこには毛布と手錠だけが残されていた。
部屋に人の気配はなかった。遠山にあれ程の事をされて、流石の遼子も出ていったのだろう。
「飲み過ぎたか…」
身を起した鷹藤の頭が割れるように痛んだ。スコッチを一本開けたのだ。
頭痛に見舞われるのも当然と言えば当然だった。
半身を起した遠山が右手首を見た。手錠で繋がれた痕などなかった。
この部屋で繰り広げられたあの狂宴は悪い夢だったのだ。
恋人である遼子を凌辱した罪悪感と酒が見せた束の間の幻。
遼子が人前であんな淫らな行為をするはずはない。ましてや兄と。
自分のくだらない妄想を思い出して遠山は薄く笑った。
遼子に電話をして遠山が甘い声で謝れば、また以前どおりの二人に戻れるはずだ。
今度こそは―――あの妄想の中での鷹藤や洸至以上に優しく抱いてやろう。
携帯電話を探して遠山が立ちあがりかけたとき、床に煙草の灰が落ちているのが目に入った。
遠山はもちろん遼子も煙草は吸わない。
視界が廻る。
遠山は立っていられなくなり、床の上に手をついて額を押さえた。
さっきまで観ていたのが夢か幻なのか、わからなかった。
遼子がもう帰って来ないことだけは何故か確信できた。
いまはただ、眩暈がした。
結局一気に投下してしまいました。お目汚しすいません。
4Pになると待機している人が出ちゃうので、結局こういう形になりましたw力量不足です。
真っ黒すぎてごめんなさい。遠山がどんどん酷いことになってしまいました。
ちなみに「燈火」の続きです。
- 84 :
- おおおお!GJ!!!
目の前で遼子を取られる史朗ちゃんよりも哀れではありますが、
せっかく遼子を手に入れたのに、速攻で兄にかすめ取られる
鷹藤のことを考えると涙がでてくるのは何故だろうww
4P、後ろと前と口でやればでき・・・おや、誰か来たようだ。
- 85 :
- ダーク!
エロい!
3P!
3兄弟!
素晴らしいです!
力量不足だなんてとんでもない!
堪能させて貰いました(//▽//)
ボールギャグ…そんなプレイまで…ハァハァ
- 86 :
- 遼子×坊ちゃんの言葉攻め女王様プレイSSできました。
でもエロくできませんでした…。
とある屋敷の前に鷹藤の車が止まっていた。
ハンドルに顎を乗せ少し心配そうな表情を浮かべ、鷹藤は屋敷入り口の固く閉ざされた門扉を見つめていた。
しばらくそうしたあと、鷹藤は車を発進させ走り去った。
鷹藤が見つめていた屋敷――。
そこの入り口では薔薇の花が芳しい香りを漂わせながら、アーチを作り門扉を彩っている。
アールデコ風の門扉を開けると車一台がやっとの小道が折れ曲がりながら坂の上へ続いていた。
坂の途中には西洋式に手を入れられ栗鼠や白鳥といった生き物を象った植木が小道の横に立ち並び、来るものを
館へと誘う。
それらオブジェが立ち並ぶ西洋式庭園の向こうに白い洋館が立っていた。
ここだけ見ると、日本ではなく欧州の別荘地に迷い込んだようだ。
その洋館の回廊を、黒と白の制服を着たメイドが紅茶の茶器と菓子を載せたワゴンを押しながら歩いていた。
大理石の廊下を、音を立てずにワゴンは静かに進む。
メイドは、ひざ丈の黒のワンピースに白のフリルのエプロンをつけており、豊かな黒髪をひとつにまとめ額の
上にはホワイトプリムをつけている。
メイドの足が止まる。大きな扉の前に来ると、美しい横顔に一瞬翳りが浮かんだ。
大きく息を吸いこんでから、2メートル半はあろうかという華やかな装飾をされたドアをメイドは控えめにノックした。
「おぼっちゃま、お茶のお時間です」
鈴の音のような、透き通る声の持ち主だ。
「入れ」
メイドがドアを開けると、30畳程はあろうかという広大な部屋に入った。
金で装飾されたアンティーク家具がところどころにおかれ、中央には直径2メートル程の大きさの猫足のテーブルがある。
きれいに整えられたブロンドの髪と、深緑色の瞳を持つ人形のように美しい顔立ちの男がそのテーブルについていた。
男の顔には少年から青年になりかけるころの、瑞々しくもどこか男らしい雰囲気が漂っている。
テーブルの上には組み立てている途中のカードハウスが載っていた。長く細い指で青年はカードを載せ、一段、
また一段と積み上げていく。
4段目の途中まで出来たところで青年は手を止め、メイドを見た。
「もうそんな時間か」
日本人の顔立ちではないが、青年は完璧なアクセントの日本語でメイドに話しかけた。
「ええ」
「今日は何をして楽しませてくれるんだい?」
そのメイド―――鳴海遼子はぎこちなく微笑んだ。
「今はお菓子の時間ですわ」
遼子が青年の横までワゴンを押し、紅茶の茶器や菓子類をテーブルに並べ始めた。
「じゃあ、僕に食べさせてくれ。いま手が塞がっているんだ」
その言葉を聞いた遼子が、菓子が載った皿からチョコビスケットをひとつ指でつまむ。
ゆっくりと二人の間にそれを掲げる。
青年が餌を待つ小鳥のように口を開ける。
すると、遼子は主の口ではなく自分の口の中へ入れた。
- 87 :
- 「おいしいよ」
無邪気な残酷さ漂う笑みを浮かべ、遼子はゆっくりとチョコビスケットを味わった。
「僕には食べさせてくれないの…?」
青年が唾を飲み込み、艶めかしく動く遼子の唇を見つめていた。
「ただで味わえるとお思いですか?おぼっちゃま」
背筋を正し、手を腰のあたりで組み合わせ遼子が青年を睥睨する。
主従が逆転し、あたかもこの場を支配する女王のような風格すらその姿からは漂っていた。
「今日は…どうしたら僕にお菓子をくれる」
青年が喘ぐように言う。
「くださいますか?じゃないのかしら。それにそんな高いところから私にお願いするなんて間違っているわ」
遼子が冷然と言い放つ。
「も、申し訳ございません」
青年は椅子から飛び降り、床に額をこすりつけるようにして許しを乞うた。
その姿を見下ろす姿はまるで女王だが、その実、内心では遼子は狼狽しきっていた。
―――メイドの連続失踪事件を調査しろ。
名無しの権兵衛を追いかけるあまり、暴走しがちな遼子に対してお灸代わりに樫村が言い渡した仕事がこれだった。
とある屋敷で勤務していた若いメイドが連続して失踪していた。
家族は捜索願を出したが、事件性はないとして警察は取りあおうとしなかったらしい。
そこで家族は伝手を頼って城之内にこの件を持ちこみ、そしてそれが編集長の耳へ入ったのだった。
この記事に、グラビアアイドルにメイド服を着せた巻頭グラビアを載せた『メイド総力特集号』として売り出し、
部数を伸ばす目論見のようだった。
グラビアアイドルのメイド服姿を想像してにやける樫村の顔を見る限り、それは部数の為といった職業上の理由
だけではなく、彼の趣味も多分に反映されているように見えた。
「メイドなんて今更…それより名無しの権兵衛を追う方が…」
白けきった声で遼子が反論すると樫村がこう遮った。
「そういや言っていたな、マンションの敷金礼金が欲しいって。ボーナスが出れば、それも夢じゃないぞぉ。
…ボーナスが出れば、の話だけどな。言っておくが、この取材しなければボーナスは無いぞ」
遼子はいやいやその屋敷のメイドに応募することとなった。
採用されるわけがないと思っていたのだが、何故かあっさりと書類選考も通過しその屋敷のメイドとして採用された。
そして今は日中のみ、この青年専属のメイドとして勤務している。
「―――わかればいいのよ」
這いつくばる青年へ遼子が言い放つ。
甘いお菓子の時間のみの危険なゲーム。主従を逆転させ、主となった者が従者を言葉で虐げる。
これが遼子を雇うにあたって出した、青年の条件だった。
君なら完璧にこなせるはずだ、青年は遼子の履歴書から眼を上げた時満足げな顔をしてこちらを見ていた。
元々裕福な家庭に生まれ育ち、その上天才的なゲームデザインの才能を活かし巨万の富を得た青年だったが、
丈夫ではないために外に出ることはほとんどない。
メイドを雇うのも実利的な目的よりも、日々屋敷に閉じ込められた鬱憤を晴らし、生活に潤いをもたらすためだ。
そして彼が望む行為―――それがこのゲームだった。
遼子がサディスティックに振舞えば振舞う程青年の眼が輝き、蒼白い顔に赤みがさしていく。
人形のような冷たい顔立ちに命が宿る。
体に手を触れないことが、このゲームの最低限のルールだ。
遼子もそのルールがあるからこそこのゲームをすることができるのだ。
それにこのゲームにメイド達の失踪の鍵が隠されているような気がして、遼子も付き合っているのだが―――。
最近では自分でもわからない衝動がこみあげてくる時があった。
今もそのスイッチが入りかけている。
- 88 :
- 「お願いします。私にお菓子を…」
「お菓子、お菓子って食べ物のお話ばかり。いじきたないわ」
遼子が今度はチョコレートを口に運んだ。
普段は男性と、しかも遠山並みかそれ以上という美形の男性と二人っきりであればしどろもどろになってしまう
のだが、彼をいたぶる言葉を吐くときはまったくつかえることなく言葉が出てくる。
「あなたが選んだチョコレート、とってもおいしい」
チョコレート専門店のチョコレートだ。一粒1000円近くする。普段の遼子なら決して味わえないチョコレー
トをゆっくりと食べていると、遼子の口元を凝視していた青年の喉が鳴った。
「誰がそんな風に音を鳴らしていいと?」
「申し訳ございません」
「言葉ばかりじゃあなたの気持が見えないわ。もし、本当に申し訳ないと思うならあなたの気持を見せて」
普段は食べられない高価なチョコレートを頬張ることに気をとられ、深く考えないで放った言葉だった。
しかしそれを聞いた青年の眼が妖しく光った。
「僕の気持ちですか」
「わたしにお願いするんだから、何か気持ちがわかるものを見せてもらわないとわからないわ」
「よろしいのですか」
青年が乾いた唇を舐めた。
「で、ではご覧ください」
青年が頭をあげ、背筋を伸ばし正座した。
が、その股間に隆々とした膨らみがある。
「えええええっ…」
遼子が初めて目の当たりにする男性自身を隆起させた姿。
あまりの禍々しさに遼子は顔を手で覆った。
初めての衝撃に叫び声をあげたいところだったが、記事の為に遼子はそれを堪えた。
ここで逃げたら今までの苦労が水の泡だ。
「これが私の気持ちです…」
青年が陶然とした声で言った。
「きゃあ!いやあっ!わたしにそんなもの見せないで!」
遼子がボウルからチョコレートをわしづかみにすると、そこに投げつけた。
バラバラと音を立てて丁度そこを弾くように当たる。
「うっ」
痛みというより快感の甘い呻きを青年が漏らした。
「そのチョコレートをあげるからそれを元に戻して!」
遼子が眼をそこから眼を逸らしながら言った。
「それが簡単に戻らないんです。遼子さま」
青年が膝でにじりより、遼子のふくらはぎに両手で縋りついた。
いままでこんな風に男に触られたことなど無かった遼子の頭が真っ白になった。
「離してよおお!」
縋りつかれた足を遼子は思わず払ってしまった。
足蹴にされた青年は床に仰向けに転がった。
だが股間の隆起したものはそのままだ。
「お願いです、遼子さまが戻してください」
触れてはいけない―――。
このルールが崩れたいまゲームは終わったはずだ。
「ご、御主人様は私に触れたんですよ。ゲームはおしまいです」
遼子の口調は元のメイドものへ戻り、丁寧語で主に呼びかけた。
「違う。今からゲームは変わったんですよ」
青年は仰向けのままで遼子を見つめた。眼には妖しい光が宿っている。
「あなたが変えたんだ。またひとつ上のゲームに」
- 89 :
- 「でもお約束と違います。私にはもうできません」
怯えきった遼子は眼に涙を浮かべながら言う。
「本当に?僕はやめられそうにない」
青年が身を起し、またも遼子の足に縋りついた。
「きゃあっ」
遼子が硬直した時、青年が遼子のふくらはぎに舌を這わせる。
「や…やめて…やめなさい!」
主従を忘れて、遼子は上から下へねっとりと舌を這わせる青年の髪を鷲づかみにしていた。
「誰が私に触れていいと?」
青年に顔を近づけ囁くとき、遼子はゲームの時の詰問口調に戻っていた。
―――違う。私こんな人間じゃないのに。
心の奥でそう思っていても、遼子の舌はそれとは裏腹に動く。
「そこをそんな風にするだけでなく、私に縋りつくなんて許されるとでも?」
遼子が吐き捨てると青年の眼が更に輝く。
「では私はどうしたらいいですか、遼子さま」
「自分でどうにかなさい。できたらご褒美をあげるわ」
―――ご褒美なんて考えついていないのに、どうしてこんなこと言っちゃうの私。
遼子の心は乱れに乱れているのに、何故か言葉は滑らかに出てくる。
青年がデニムのトップボタンを外し、ジッパーに手を掛けた。
隆起したもののせいでスムーズにはいかなかったが、青年がジッパーを下ろしきると筍のようなものが
下着を突き破らんばかりの勢いで飛び出した。
しかも隆起した先端には染みがついている。
「そんなもの私に触れって言うの?」
冷然と遼子が言い放つ。しかし内心では―――。
―――いやあっ。何よあれっ。染みがついている!汚い!お、お洸至ちゃん助けて〜!!!!!
その洸至も同じものを持っていることなどすっかり忘れて、初めて見るものに狼狽しきりだ。
遼子の心中と口先との乖離がどんどん酷くなっていく。
「では…私が…」
「当り前じゃない。そんな汚いもの触れないわ」
遼子に蔑まれる度、青年の表情が輝きを帯びる。
青年は喜びを顔に浮かべながら下着に手を掛け下ろした。
下着から解放された青年自身が、跳ねかえり青年の腹に当たる。
少年らしさの残る顔立ちには似合わない程、大きく怒張したものの表面には血管が浮いていた。
―――ひえええええええええええ。
初めて見る男根だった。
いや、まだ小学校にあがる前、洸至と風呂に入っていた時に可愛らしいものを見た憶えがある。
しかし、今目にしているものはそんな可愛らしいものではない。
遼子の意識が白く飛びそうになっている。
今、意識を支えているのは記者としての職業意識と、何故かこれを見届けたいと願う妖しい衝動の二つだ。
それがなければとっくに倒れていただろう。
青年が自分自身の亀頭を親指と人差し指で挟み、擦り始めた。
「はぁっ…」
見るからに控えめな動きだが、青年は相当な快感を憶えているらしい。
陶然とした視線を遼子に送る。
「早く終わらせなさい」
遼子は早いところこれを終わらせて、この屋敷を後にしたかった。
が、この言葉が逆に青年の心に火をつけた。
5本の指でしっかりと自分自身を握ると、音が立つほどの勢いで擦り始めたのだ。
- 90 :
- 「はっ…!はぁっ」
青年の顔から人形めいた美しさが消えた。
とろんとした眼に涎が垂れそうなほど開いた唇。
理知的な普段の表情からは想像もつかない情痴に溺れた人間そのものの顔だ。
青年が自身を激しくしごくと、先端からにじみ出る透明な液もあたりに飛び散った。
今まで嗅いだことのない男の体臭が部屋に濃く立ちこめる。
眼前の光景はおぞましく、激しく嫌悪しながらも遼子は喉の渇きを憶え思わず舌舐めずりしていた。
その遼子の舌の動きを青年の眼が捉えた。
と、彼の手の中のものが大きく膨らむ。
「はぁっ…あああっ」
青年が腰を震わせ、激しいエクスタシーの中で樹液を迸らせた。
1メートル程離れた場所に立っていた遼子の顔にまでそれが飛び散る。
「ひっ…」
頬に飛び散ったそれを遼子は触ることもできない。
慌てふためく遼子と、青年の眼が合った。
「…私の顔にこんな汚らしいものをつけて!自分の始末は自分でつけなさい。あなたがこれを取るのよ」
仁王立ちの遼子の元へ青年が股間を剥き出しにしたまま歩み、遼子の頬へ手を伸ばした。
が、青年の手は頬ではなく遼子の首根を抑えみ、そのまま引き寄せる。
「な、何するの!」
遼子が身を固くした時、青年の絹のような舌が頬に触れ樹液を舐め取った。
それだけではなく、遼子の唇をさっと舐める。
「いやっ…」
驚いた遼子が青年を押すと、青年は抗うことなく床にへたりこんだ。
体から力は抜けているが、青年の剥き出しの男根はまた天を指していた。
「仰る通りきれいにしました。お願いです、またご褒美を…」
青年が縋るような眼で、遼子を見た。
だがこの時遼子は青年の言葉を聞いていなかった。
初めて見る男根、その上男性の樹液で頬を穢され、しかも初めてのキスが男の樹液のついた舌。
これらの出来事で遼子の脳は限界を超えた。
頭の中が完全に白く飛んでいた。
気付いた時遼子は靴を脱ぎ、ストッキングを履いた足で青年の男根を踏みつけていた。
「ああっ」
遼子の下で青年が女のような喘ぎ声をあげている。
この光景を見た瞬間、遼子の躰を得も言われぬ快感が貫いた。
「これがご褒美。どう?」
「す、素晴らしいです」
足でゆっくりと青年の男根をなぞった。
足の裏が亀頭部から男根の付け根、そして柔らかい陰嚢に触れる。
陰嚢の上に足を置き、遼子はじわじわと力を籠めた。
「痛い…」
「嬉しい癖に」
「ふ…」
快楽の為か青年の躰が震えている。
「こんなのがご褒美なんて変態ね」
足の親指と人さしを少し開き、男根を指の股でしごき始めた。
「あああっ」
遼子の言葉でいたぶられ、青年の息が荒さを増していく。
「女みたいに喘いで。みっともないわ」
遼子が足に力を籠め踏みつけた時、青年の腰がまた震えた。
「いっ、いくっ」
そして先ほど出したばかりの樹液を、またも迸らせた。
今度は遼子に抑えつけられていたせいで、白濁した液は全て青年の顔に飛び散った。
顔を樹液で穢しながら、青年は陶然とした表情で横たわっていた。
- 91 :
-
鷹藤の車が夕陽を浴びながら首都高を走っていた。
助手席には普段通りの服装の遼子が乗っている。
鷹藤が運転しながら遼子を横目で見ているが、何か考え込んでいる風情の遼子はその視線に気づいていないようだった。
鷹藤がわざとらしく咳払いをした。
遼子がようやく気付き鷹藤の方を見る。
「なんか悩んでんの?」
「な、なんでよ」
「潜入取材してからあんた変だぜ」
「別に変じゃないわよ。頭の中で記事をまとめていただけよ」
「あ、そ。それならいいけどさ」
先日のゲームの後、遼子は暇を貰った。
青年が引きとめたがこれ以上ここにはいられないと思ったのだ。
汚らわしいゲームに関わるのがおぞましかったのもあるが、これ以上深入りすると後戻りできないような気がしたのだ。
やめた理由のもう一つは記事への突破口が見えたことだった。
青年との最後のゲームをしていた時、ひらめくものがあったのだ。
事情通の中原から情報を得ながら遼子は見当をつけた場所を調べてみた。
遼子の予想通り失踪したメイド達全てが、SM系風俗店に転職していた。
その世界では皆トップクラスの女王様になっていた。
青年とのゲームの中で自分の中に秘められていたサディズムに目覚め、その世界にのめり込むことにしたのだった。
彼女たちは家族のことも忘れ、プレイに没頭していた。
―――ああいう奴はさ、支配されているようで逆に支配してるんだよ。
家族を捨ててまでプレイにのめり込む彼女たちのことを洸至と話していた時、洸至が言った言葉だ。
もちろん遼子自身そのゲームをしていたことは伏せた上でこれまでの経緯を話したのだ。
洸至が言うには、力関係では遼子たち責める側が上のようで、結局責められる側の望むがままに動かされている
ということらしい。
そして自分の内なる衝動も目ざめさせられ、人生までが狂わされる―――。
訳知り顔でそう言った洸至も経験があるのかと遼子が訝しげな視線を送ると、俺に経験はないよ、と笑った。
―――俺とお前の関係もそうだろ。俺が兄貴なのに、結局お前の言うなりだ。
冗談めかして洸至が言うと、遼子も思わずつられて笑っていた。
記者としての意識がとどまらせたのか、遼子は彼女たちのように染まりきっていない。
しかしあの時自分の中を駆け巡ったもの―――、そして遼子がとったあの行動―――。
自分の中にもそんなものがあったとは思わなかった。
あの空間でだけ起きた異常な精神状態のはずだ。
だが…。
- 92 :
- 「ねえ、鷹藤君」
「なんだよ」
「やっぱりわたし、変かな」
遼子がぽつりと呟いた。
「そうかもな」
瞬時に肯定された。
遼子が驚いて鷹藤を見る。
「あんたが変なのはいつもだろ。別に今更悩む事じゃねえって」
遼子の力が抜けた。
「ふざけないでよ!こっちは真面目に聞いているのに。聞く相手間違えたわ」
「はいはい。そう思うんなら勝手にしろって」
遼子が窓の外へ眼を転じしばらく黙りこんだ。
「…ねえ。変な女でも相棒でいてくれる」
ベイブリッジから望む水平線に夕日が沈もうとしている景色をしばらく眺めた後、遼子がこう呟いた。
「あんたの相棒は俺しかいないだろ。他に面倒見れる奴なんかいないだろうし。それに俺、そういうのを含めた
全部があんたなんだって思ってる」
「…ありがとう」
鷹藤はそれに答えず、ドリンクホルダーにあった飲みかけの缶コーヒーを差し出した。
「これでも飲んで落ち付けって」
遼子は缶コーヒーを手に取り、口に含んだ。
それは少し苦く、そしてとろけるように甘かった。
またも長すぎてごめんなさい。エロく出来なかった…!
やっぱり遼子は責めるのより、責められる方が似合いますね。
- 93 :
- メイド遼子キテターーーー!!(゚∀゚)
女王様プレイ、ハァハァしながら読ませていただきました!
そして今度は鷹藤相手に女王様プレイが復活するんですね、わかりますw
- 94 :
- メイドさんと坊ちゃまとのプレイ、お待ちしておりました!
GJ!!
ありがとうございます!!
遼子の責める姿も、新鮮で良かったです♪
その後、お兄ちゃんに存分に責められるが良いw
- 95 :
- >>94
IDがSMってなんかすごいw
>>86-92
確かに遼子は責められる方が似合いますが、
攻めの遼子メイド様も良かったですよ〜〜。
そろそろCMも第2弾が流れるんでしたっけ?
また色々妄想できますようにww
- 96 :
- 最近、メイドCMが見られなくなって寂しい…。
- 97 :
- 明日から新潟で再放送が始まるらしい。
観たいーw
- 98 :
- >>97
今日代休で会社休みで、まさにたった今再放送見ました!w
いや〜懐かしい
最終回の放送される日、会社休みたいww
メイドCMは見かけなくなったけど、亀梨くんとのCMやってるね
これは綺麗なお姉さん系だから、年下の子を誘惑しちゃう遼子って感じかな…?
- 99 :
- >>98
再放送をご覧になったんですね〜!うらやましい!!
もしこちら(関東)で再放送されたら、最終回会社休みそうな自分がいますw
(そして最終回のエレベーター場面で悶えたいww)
そして、遼子の中の人の新らしいメイドCM見ました!!
ちょ・・・カメラプレイとか・・・
これは、坊ちゃまを鷹藤に置き換えろって事か?!
遼子のあんな表情や事やこんな仕草をカメラに納めようとする鷹藤・・・
うん、悪くないww
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