2013年10レズ・百合萌え334: 【職人さん】こーださん×寶兒タソ2【いらっしゃい】 (569) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【職人さん】こーださん×寶兒タソ2【いらっしゃい】


1 :2007/03/21 〜 最終レス :2013/06/13
例のアレの二本目です。
前スレ落としてゴメナサイorz
※図々しいお願い※
sage推奨でお願いいたします。

2 :
仕事は無事にこなせた。
でも泣いた後だったから、今日の取材の写真は相当ブサイクに違いない。
「なんでこんなにブサイクやねんな〜!」
きっと“彼女”はそれを見て、そうからかうに違いない。
私は一応、ポーズで怒って拗ねてみせる。
そして“彼女”は必に私のご機嫌をとる。
私は様子を窺いながら、とびきりの笑顔で“彼女”を許す。
こんなこと、もう二度とできないんだ・・・。
携帯の液晶画面に小さなアイコンが点滅しているのに気付く。
留守電のメッセージが届いてる知らせ。
―新しい メッセージは ありません この メッセージは 保存期間が 過ぎています―
冷たいアナウンスの後に、懐かしい声が流れた。
『もしもーし!くうちゃんでーす んーと・・・お仕事中ですか?・・・』
本当に最後に残っていた“彼女”の声だった。
「ごめんなさい!どうしても寄りたい場所があるの!ここで降ろして!」
運転席のマネージャーに声をかける。
驚いた顔をしながらも、すぐに車を停めてくれた。
「おつかれさま!」
挨拶だけしてドアを閉める。
気付くと私は走りだしていた。
あの思い出の場所に。
次の角を曲がれば見えてくるはず・・・。

3 :

私の目に飛び込んできたのは、何もない更地だった。
がらんとした空き地に、そこにあったはずの喫茶店はなく
『売り地』と書かれた看板だけが無情に立っていた。
「どうして・・・」
ぼうぜんと立ちすくむ。
近所の住人らしき女性が通りかかって、私は思わず呼び止めた。
「・・・あの、ここの喫茶店って・・・」
「ああ・・・少し前にそこのおばあちゃん亡くなってねぇ・・・」
「・・・亡くなった?」
「ええ なんだか身寄りがないとかで、お店継ぐひとがいなかったんですって
雰囲気のあるお店だったからなにも取り壊さなくても・・・ねぇ・・・」
「ええ・・・そうですね・・・」
軽く会釈をして、その女性は去っていった。
私は彼女とここで過ごした時間を思い出していた。
雨に打たれた 思ったよりもコーヒーが熱くて舌を火傷した
クッキーをおまけしてもらった ペーパーナプキンに落書きして遊んだ
生クリーム鼻につけて笑った 人目を忍んでこっそりキスをした・・・
数え切れないほどあったはずの思い出が、私の目の前から無くなっていた。
いつの間にか降り出した雪が跡地にうっすら白布を掛ける。
春先に降る雪。なごり雪。
「お願い・・・やめて・・・」
降り積もる雪が私の目の前から全てを消そうとしてるように思えて、私は空に向かって泣いた。

4 :
「ただいま・・・」
そこからどう自宅まで戻ったのかは憶えていなかった。
玄関を開けると、彼女がパタパタと走ってくる。
「おかえりー!急に雪降って大変だったでしょ?ご飯できてるよ」
「うん・・・ありがと」
部屋の奥から漂ってくる匂いと温かい空気に、何故だか泣きそうになる。
「今日の晩御飯はクリームシチューですよ」
テーブルにつくと、スープ皿とパン、人参のサラダが並んでいた。
「いただきます」
「どうぞ!」
手を合わせて、シチューを一口流し込む。
その温かさが心に痛いくらいに沁みた。
ぽたりとシチューに何かが落ちる。
自分の涙だった。
ぽたりぽたり。次から次へと雫が落ちる。
「・・・ボアちゃん?」
彼女が心配そうにこちらを窺ってるのがわかる。
「あの・・・コレ・・・美味しくて・・・」
ぐしゃぐしゃの笑顔で嘘をついて笑ってみせた。
「・・・おかわりなら・・・あるからね」
優しく微笑んで、彼女はそれ以上何も言わなかった。
お皿が空になるころには、シチューはだいぶしょっぱくなっていた。

5 :
「じゃあ、明後日の件は明日また連絡するから!」
「うん、お疲れ様!」
突然の雪で、帰りの道はかなり混雑していた。
あたしを下ろした車が、小さなクラクションとともに走り出す。
小さくなるまで見送ってから回れ右。
エントランスの植え込みに、誰かがこっちに背を向けて座っていた。
「なーにやーってーんのー?」
声をかけると、その背中が振り向いた。
「あ・・・おかえり」
「ただいま っつかさ、頭、雪積もってるよ」
あたしが指摘すると、彼は笑いながらニットキャップを手で払う。
「いやさ、雪降ってるからクミ困ってるんじゃないかと思ってさ」
「そう思ってるなら会社まで迎えにきてよ」
「だって俺、クミの会社の場所知らないもん」
ポケットに手を突っ込んで肩をすくめる姿がなんだかかわいかった。
「じゃ、部屋戻るか 暖房入ってるし、お湯も沸いてるし・・・」
先導するように彼が歩き出す。
「ねぇ!」

6 :
「ん?」
“彼女”に祝福されてから、ずっと考えていた。
スタッフと打ち合わせをしながら、ずっと考えていた。
車の中から雪が舞い落ちるのを見ながら、ずっと考えていた。
「あたしのこと・・・幸せにしてくれんの?」
振り返った彼が、わざとらしく目を丸くしてみせる。
「・・・幸せになりたい?」
「・・・うん」
願って不幸になりたがる人間なんていないと思うけど・・・
「じゃ、俺がんばるわ」
そう一言言うと、くるりと前を向いて彼はすたすた歩き出す。
「ちょ・・・ちょっとぉ!」
普通、こういうのってもっとドラマチックでロマンティックなもんじゃないの?
でもそういうところが彼らしくて嬉しかった。
じゃれるように背中に飛びつく。
ちょっぴりよろめきながらも、あたしをぶら下げたまま彼は歩く。
「あ・・・忘れてた・・・」
「ん?」
「もう、俺に牛乳噴きかけないでね?」
あたしは笑いながら、まわした腕に力を込めた。
遠くでシャッター音が鳴ってたなんて
全然気付かなかったんだ。

続く

7 :
前スレ突然消えててびっくりしましたw
またスレ立って良かったです。頑張ってください!

8 :
次スレたってた(゚∀゚)
前スレ落ちたの見たとき泣きそうになったよ(ノД`)無事次スレたっててよかった
中身さん超GJ!!!!

9 :
中身さんGJ♪ホンマ安心したょ
安心と感動をありがと〜(^∇^)人(>∀<)ノ

10 :
おつかれさまです
超ドラマチック(;´Д`)
中身さん、やってくれるね〜!
このドキドキ感‥ありがとうございます

11 :
ところで前スレのログとってたシトいませんか?
blogとかないですか…
あうぅ(つ_;)

12 :
中身さ〜ん!あすこにうpして下さい(ノω・、)

13 :
中身さん『あすこ』にうーぷ
私からもお願いします(ー人ー)

14 :
中身さん忙しい中『あすこ』にうpありがとうございます!
嗚呼…読み返して益々続きが楽しみです。・゚・(ノД`)・゚・。

15 :
『あすこ』ってどこなんですか?
教えて下さい(´・ω・`)

16 :
>>15
つttp://k.excite.co.jp/hp/u/imakan

17 :
>>16
親切にありがとうございます。
見れました。゜(゜´Д`゜)゜。

18 :
中身さんありがと〜♪
ヽ( "∀")人(>∀< )ノ

19 :
あたしと彼のツーショットが週刊誌に掲載されるらしい。
あたしの目の前にはいわゆる「倖田組」がずらり。
うそ、マネージメント関係のスタッフ数名のみ。
校了待ちっぽい原稿のコピーが、会議室のテーブルの上に置かれた。
「コレ・・・本当のことなんだよね?」
「・・・はい」
写真の人間は、間違いなくあたしと彼。
記事にはご丁寧に彼の略歴まで書いてある。
カメラマンとはいえ、彼はまだほぼ無名だ。
目線の入れられた犯罪者みたいな写真を、少し申し訳なく思う。
「まぁ、あなたの場合は『恋愛体質』が売りでもあるからね・・・」
彼女が笑いながら記事を指先で叩いた。
「結婚は・・・どうすんの?するの?」
「あくまでも・・・電撃、目指します・・・」
あたしの答えに小さな笑いがおきる。
その雑誌は予定を変更することなく、3日後に発行された。

20 :
会社の廊下でぱかーんといきなり後頭部を叩かれた。
「痛っ!・・・誰やねんな!」
怒り心頭で振り向くと、そこには丸めた雑誌を手にそれを振りぬいた友人の姿。
「伴ちゃ・・・っていうかいきなり何?!」
実のところそんなに痛くはないんだけれど、わざと顔を顰めてみせる。
無言の彼女に襟首を掴まれて、あたしは放り込まれるように誰もいない会議室に入った。
彼女は無表情であたしにその雑誌を投げてよこす。
あたしと彼のツーショットがばっちり掲載された週刊誌。
「浮気してんの?二股なんて信じられない!」
「はぁ?」
「ボアちゃん、どした?コレ見てなんて言った?」
「いや・・・別に何も・・・」
コレ撮られたのは別れた後だから、“彼女”の知ったことじゃない。
「ほぉ、愛想尽かされて捨てられた?それとも捨てた?」
吐き捨てるような彼女の口調にあたしは段々苛立ちを感じる。
「彼女には関係ないよ」
「なんで!」
「別れたから」
あたしの一言で彼女が黙った。
自分で決めたはずの“結果”なのに、言葉にした途端、何故だか胸がズキンとした。

21 :
「・・・コレが・・・原因?」
「ううん それの少し前に喧嘩別れしたの」
「・・・なんで?」
「なんでって・・・別に伴ちゃんに関係ないじゃん」
今まで散々恋愛相談に付き合ってもらっておきながら失礼な話だと思ったけれど、
これは彼女とあたし、そしてあたし自身の問題で、伴ちゃんには全く関係ない。
「そう・・・ね 関係ないね・・・」
少しだけ悲しそうな彼女の顔は見ないふりをした。
「結婚・・・するの?」
「一応極秘ってことで・・・」
「そう・・・」
「じゃ、そういうコトだから」
あれ・・・なんで笑顔で報告できないんだろう?
その理由を探ろうとしたら、また胸が痛んだ。
なんだかそれに耐えられなくて、あたしは彼女に背を向けた。
「・・・あのさぁ」
踵を返してドアノブを握ったあたしの背中に声がかかる。
「あんた、無理してない?」
「はは・・・別に?何が?」
肩をすくめて笑ってみせた。
「・・・何でもない 式場決まったら教えてよ、花くらい贈らせて」
「うん、じゃぁ・・・」
幸せなはずなのに、胸がチクリチクリと痛むのは何故なんだろう。

22 :
非常階段を上がったいつもの場所で、私は煙草に火を点けた。
ちりちりと音を立てて巻紙と葉が赤く燃える。
「関係ない・・・か」
確かに私には関係ないことだ。
彼女らが誰と別れようが、結ばれようが。
でもなんでだろ、私は彼女らを放っておけない。
背後でギィと扉の開く音がした。
「おつかれさーん!」
仕事終わりなのか、それとも仕事を抜けてきたのか、彼女は少し疲れた顔をしていた。
「・・・おつかれさまです」
私の横に並んで、彼女も煙草に火を点ける。
「とみちゃんさぁ・・・」
「はい」
「何か悩んでるでしょ?」
「えっ?」
「ココ、皺寄ってる」
彼女の人差し指が、私の眉間を突付いた。 

23 :
「ちょっと・・・ 友達関係で・・・」
「ふーん・・・」
「なんっていうか・・・どうしても放って置けない友達がいるんですけどね
ちょっとそのこが悩んでるみたいなんですよ・・・」
彼女から言い放たれた『関係ない』の一言が、私の胸に風穴を開ける。
「相談とか・・・今まで色々乗ってやったのに、『関係ない』って・・・」
自分でその言葉を口にしたら、もっと寂しくなった。
「別に・・・そんな恩着せがましく思ってるとかそんなんじゃないんですけど・・・
それに、本当にそれはそのこ自身の問題だから私は本当に関係なくて・・・
ていうか、『悩んでるみたい』ってのも単なる憶測でしかなくて・・・
私の思い過ごしかもしれないし、ものすごいお節介なのかもしれない・・・」
涙が出てきた。ぽろぽろ落ちた雫がコンクリートに染みを作る。
今まで彼女の前で感情的に泣いたこと、一度もなかったのに・・・。
「なんで・・・こんなに悲しいんでしょうね・・・全然関係ないのに・・・」
「うーん・・・きっとねぇ、とみちゃん、そのお友達のことが大好きなんだと思う」
彼女がそっと涙を拭ってくれた。
「そのコが大好きで大切だから、助けてあげたくて仕方ないんだよ
ほんのちょっとの変化でも気になって気になって仕方ないんだよ」
「でも、今回は本当に関係ないことで・・・」
「じゃあ・・・助けてはあげないんだね?」
「・・・そのつもりです 関係ないんで・・・」
私は求められてる役者ではない。舞台上に登場する必要はない。
余計なおせっかいならしない方がいい。
「そうだなぁ・・・あ、賭けしようか!」
「・・・は?」
私を元気付けようとしているのか、彼女がおかしなことを言い出した。

24 :
「えっとねぇ・・・もし、とみちゃんが今回そのコを助けなかったら・・・アレ買ってあげる!」
「・・・何です?」
「んーと、なんて名前だっけ・・・欲しがってたなんとかってバイク」
「・・・メグロ?」
「そう、それ!買ってあげる!」
「・・・はっ?!」
「いいよ、買ったげる!約束する!」
にっこり笑って、強引に小指を繋ぐ。
「なんでまた・・・」
「私自信あるんだもん とみちゃんは絶対、そのコを助けると思う」
そう言って私の頭をくしゃくしゃと撫でまわす。
「あなたのそういうトコ、好きになったんだもん」
照れくさいのを、鼻をすすって誤魔化した。
「じゃあ、バイク欲しいから絶っっっっ対に助け舟出しません!」
「さぁ、どうかな〜?」
涙を拭うように頬に触れた唇がくすぐったくて笑った。

それから程なくして式の日取りのみのそっけないメールが届いた。
「なんだよ・・・急だなぁ・・・」
当日まで二週間もなかった。


続く

25 :
過疎

26 :
中身さんGJ!
ひさしぶりにあの方登場で嬉しいww

27 :
新曲のBUTのテーマは同性愛なんだって

28 :
くぅちゃんのLIVEDVD買ったんだけど、お客さんの女の子とハグとかチュウとかしてた〜
うらやま(´□`;)

29 :
くぅちゃんってテレビ出演時の態度改めたんですか?

30 :
中身さんGJですた♪
そろそろクライマックスぽいねε=(@ω@*)
くぅちゃんの『YOU』の歌詞がよぎった

31 :
待ちきれない!(^ω^)

32 :
んだ。

33 :
フレー!フレー!
な〜か〜みっ!!

34 :
プロポーズを受けてから挙式の予定が完全に固まるまで、さほど時間はかからなかった。
『電撃』を目指すため、誰にも口外しないでいるのはちょっとつらい。
まぁ、伴ちゃんには教えちゃったんだけど。
まず二人だけで教会にて挙式、写真撮影。
その後婚姻届を役所に提出して、挙式時の写真と入籍したことをマスコミに報告。
これで夢の『電撃結婚』の完成!
親に報告しないのは少し心苦しいけれど、肉親からバレてしまうこともけっこうあるらしい。
念には念を入れ・・・だ。
サロンの鏡の前に、純白のドレスに身を包んだあたしが映る。
ドレスに袖を通して心が弾むのを感じると、自分が女の子であることを改めて認識する。
やっぱり女の子なら一度は憧れるもんなんですね・・・。
ニヤニヤしながら鏡の前でポージング。
くるっと360度まわってみたら鏡越しに彼と目が合った。
笑いをこらえているのか、口元に手の甲を押し当てて肩を揺らしていた。
「・・・なにみてんの?」
「・・・フィッティングしたいから付き合えって言ったの誰だよ」
完全に口元が緩んでる。
嬉しそうなその笑顔に、こっちも思わず微笑んでしまう。
「えへへ・・・似合う?」
裾を少し持ち上げてポーズをとったら、彼は笑いながら小さく頷いた。
再び鏡に向き直る。
幸せな気持ちの中に、一瞬だけ違う顔がよぎる。
ほんの一瞬、ほんの一瞬だけ、彼女のことを思った。
彼女なら、この姿を見て何て言ってくれるかな・・・。

35 :
「あ、ついでに何か甘いもの買ってきて!」
「はいはい」
コーヒーを飲もうと思ったら、ミルクが丁度きれていた。
私はブラック派だから全然問題ないのだけれど、彼女はほんの少し甘めの方が好きらしい。
コンビニへ行こうと靴を履く私の背中に彼女の声がかかる。
甘いもの・・・ねぇ・・・
チョコレートで問題ないかな?
もう季節はすっかり春らしくなってきていて、
夜の外出も薄手のジャケット一枚羽織っていればほぼ問題ない。
とはいえ夜風はまだ少し冷たい。
ポケットに手を突っ込んで、コンビ二までの道のりを早足で辿る。
煌々と不健康そうな蛍光灯の光に照らされた店内。
有線で自分の歌がかかっていた。
嬉しさと気恥ずかしさが入り混じった気持ちで店内を歩く。
入り口近くの雑誌コーナーは、用がなくてもつい立ち寄ってしまう。
きっちり並んだ表紙の中に、彼女が笑顔を振りまいているものを見つけた。
男性向けのストリート誌。
みんなが夢中になるこの笑顔を、今私が独り占めしていることを考えて少しにやけた。
以前、彼女が表紙の雑誌を購入して帰ったことがある。
「もう!恥ずかしいからやめてよ〜!」
袋から取り出して、これみよがしに読んでみせたら彼女は顔を赤くして言った。
その恥ずかしそうな笑顔が見たくて、私は何度か同じことをしてみせる。
一度だけ、恥ずかしいのを我慢して水着姿の彼女が表紙の漫画雑誌を買って帰ったら
さすがにそれは怒られてしまった。
「これなら怒られないよね・・・」
あの笑顔を思い浮かべながら籠に入れる。
籠の中で笑う彼女に微笑みかけてから、再び雑誌の列に目を戻した。
視界の隅に、どうしても忘れられない文字が映る。

36 :
―倖田 來未―
漢字が苦手な私でも、この四文字はすぐ読める。
ゴシップ記事の多い写真週刊誌。
逃げようと目を伏せる心とは裏腹に、私の手はその雑誌をラックから引き抜く。
薄い紙をパラパラめくると、モノクロ写真が目に飛び込んできた。
―倖田 來未(25)半同棲の彼と深夜の抱擁― 
白抜きの角ゴシックがものすごく下品に見える。
写真は若干逆光ぎみで、表情が分かりづらいけれど、
この横顔は絶対に見間違えない自信がある。
間違いなく“彼女”だ。
“彼女”は背の高い男性の背中に抱きついていた。
多少画像が荒いものの、幸せそうな笑顔ははっきりわかる。
そっか・・・ 私がいなくてもこんないい顔で笑えるんだ・・・
それとも・・・私がいないから笑えてるのかな
記事の方は漢字は苦手だからと自分に言い聞かせ、読まずにラックに戻した。
狼狽してるのか苛立っているのか、段々落ち着きがなくなってくる。
目的だったミルクを籠の中に放り込んでさっさと会計を済ませた。

37 :
「おかえり! 遅いから心配してたんだよ?」
心配そうな顔で出迎えてくれた彼女を無理やり抱き寄せた。
指先から、雑誌とミルクの入ったレジ袋が滑り落ちて音を立てる。
「ちょっと・・・どうしたの?」
慌てたような彼女の問いには答えずに唇を塞ぐ。
こじ入れた舌先を、彼女は拒まずに受け入れる。
リビングへもつれるようにしてなだれ込む。
ソファーに押し倒した。
服を剥いで彼女を空気に晒す。
舌を這わせると、彼女が鼻にかかった声を上げた。
唇の柔らかさも
キスの仕方も
肌の質感も
喘ぎ声も
“彼女”とは全然違う。
それでも私は彼女を貪る。

涙が止まらなかった。


続く

38 :
中身タソお久しぶりです。今回もGJ!!くぅチャンもBoAチャンも最近髪ばっさり切ったみたいで(´∀`*)妄想は膨らむばかり・・・

39 :
中身さんお疲れです
いつもネ申SSをありがとう
2人とも早く気付けばいいのに‥
自分の本当の気持ち(・_ゝ・)
手遅れなんてないよね?
2番目に好きな人との無難な幸せより
痛くても苦しくても1番好きな人を想っていたい
これからその道を選択するのはすごく難しいし
色々な人を傷つけることになるけど
幸せは必ず誰かの犠牲や不幸の上に成り立つものだし‥
お互い別の人と愛し合った身体を許せるかも難しいけど
どうか、どうか報われますように‥


40 :
>>38
一昨日コンサート行ったけどBoAちゃんは髪切ってなかったですょ☆

41 :
ボア×純に萌えている自分がイル…

42 :
なんでやねん..(;-д-)

43 :
昨日のHEYHEY!で見たけどBoAタソはカツラでショートカットなんですね◎

44 :
うんうん(´▽`)
えがったー!安心した
ヘイのOPでロングやったからホッとした♪
新曲PVでマイケルみたく踊るBoA子は
変態チックで好きやわ〜

45 :
PVいいですね!
なんかカコイイ色気が・・・(*´◇`*)

46 :
続きどーんと希望

47 :
福山をはさんで両サイドに座るくぅ×BoA..
Mステにて

48 :
Mステ2人ともショートで出てきたと思ったら、後半では2人ともロングになってましたね。仲良しだな(´∀`*)

49 :
昨日のMステといえば、一瞬だけどBoAチャン&くぅチャンのツーショット見れたしね♪

50 :
夜中に目が覚める。
隣で私に背を向けて眠る彼女の肩がゆっくりと上下していた。
首にかかる細い髪の毛をそっと指先で払って
暗闇に浮かぶような白さのうなじに、私は唇を寄せる。
強引に自分から求めた日から、私は“彼女”の記憶を彼女で埋めていく。
「ん…」
小さく彼女の肩が震えた。
「あ…ごめん 起こしちゃった…?」
「うん… 起きた…」
眠そうなふにゃふにゃした声が可愛くて、私は華奢な背中を抱き寄せる。
首筋に顔を埋めて深呼吸すると、自分と同じシャンプーの香り。
今はこれが一番落ち着く。
再びじゃれるようにキスをすると、くすぐったいのか彼女はクスクス笑った。
「ねぇ…」
「ん?」
「前につきあってたヒトと…なんで別れちゃったんだっけ?」
「…えっ?」
唐突な質問に私は思わず固まってしまう。

51 :
「前に…話さなかったっけ?」
「喧嘩別れってとこまでは聞いたよ 私が知りたいのはその理由」
でも、今となっては過去のこと。気兼ねなく話せる。
「うーん… 色んなものが積み重なっちゃったからかな」
「色んなもの?」
「うん 我慢したり、相手を信じられなくなったり…素直に…なれなかったり…」
「…素直になれなかったんだ?」
「…うん」
「…なんで?」
幼い子供のように質問を繰り返す彼女を強く抱きしめる。
「…素直になるのが怖いくらい好きだった…のかもしれない」
「なにが怖かったの?」
「…素直になりすぎて嫌われるのが…怖かったの…かな…?」
「そんなに好きだったんだね…そのヒトのこと…」
「…多分ね」
「私の前だと驚くくらい素直なのにね…」
少しだけ棘のある言い方にギクリとなる。

52 :
「はは… まぁ、もう…昔のことだし…」
誤魔化そうとしているのか、彼女は小さくアクビをした。
「昔のことなんかじゃない…」
「えっ?」
もう耐えられなかった
「今でも…そのヒトのこと好きなんじゃないの?」
心の底から好きになってもらえないことも
「素直になるのが怖いくらい…好きなんじゃないの?」
自分が彼女に無理を強いていることも
今、私を抱きしめている温もりでさえ
辛くて耐えられなかった。
彼女は答えない。でも、その無言が答えになる。
「気付いてないかもしれないけどさ、ボアちゃんたまに私の顔見てガッカリしてるんだよ」
朝目覚めたとき、隣にいるのが私だと気付いた瞬間の顔。
キスをして、唇が離れた後の顔。
抱きしめる瞬間の顔。
「そんなにガッカリするんだったらさ、私なんかといなけりゃいいじゃん」
ここまで言っても、彼女は黙ったままで否定すらしなかった。
涙腺のあたりがじわじわ熱くなってくる。
「明日から少しあっちに戻るんだよね?疲れたらかわいそうだから今日は泊めてあげる
でも…帰ってきたらもう…二度と来ないでね…」
ベッドが軋んで、私を包んでいた温度が引いた。
しばらくの間、背後で衣擦れの音がする。
衣擦れの音が止んで、再びベッドが軋む。
彼女の手のひらが私の肩に置かれた。
「…ごめんね」
正直、一番聞きたくない言葉だった。
ドアの閉まる音と同時に涙が溢れてきた。

53 :
あのこの挙式当日は、お日柄もよくなんとやらだった。
約束どおり花を贈る手配をするため、愛車にまたがって都心を走る。
走りながら考えていた。私はどうするべきなのかを。
結婚するという報告を素直に喜べないでいる自分。
祝福してあげたいという気持ちのある自分。
本当に幸せになって欲しいという願いをもってる自分。
『伴ちゃんには関係ないじゃん』
彼女の言葉が再び胸をつく。
赤信号で車を止める。
「そうだよ…関係ないことだもん…」
自分に言い聞かせるように呟いた。
彼女が幸せだと言うなら、それで問題ないじゃないか。
だけど…
寂しそうな顔をして笑う彼女の顔を見るのは辛い。
彼女の笑顔の扉を開くための“鍵”を私は知っている。
とは言っても、あくまでも自分の推測なんだけれど…。
でもそれはほぼ間違っていない…と、思う。
信号が青になった。
自分がいる反対の車線を行けば、その“鍵”にたどり着ける。
思い切り車体を倒して旋回した。
アクセルターン。
突然の行為に対して鳴らされた騒がしいクラクションは無視する。
「ちぇっ…バイク買ってもらおうと思ったのに…」
誰に言ったわけでもない文句は風にかき消された。

54 :
空港の駐車場からターミナルへ向かう道を歩く。
あと2時間程度で私はまた日本から離れる。
もう日本には「行ってきます」も「ただいま」も言う相手がいなくなってしまった。
それを少しだけ寂しく思う。
でも全部自業自得。自らが招いた結果、自分が導いた結果・・・。
とぼとぼと歩く私の横に、一台のバイクが並走した。
「ボアちゃん」
聞き覚えのある声。私と彼女の共通の友人で先輩で・・・昔、二人を繋いでくれたひと。
「久しぶり!」
「・・・とみこさん!」
「おいっす!」
彼女はにっこり笑って片手を挙げた。相変わらず笑顔がかっこいい。
「どうしたんですか?」
「うん、お見送りでもしようかと思って」
「ふふふ、ありがとうございます」
「おみやげのリクエストもしておかなきゃ」
「それが本当の目的?」
「ははは、正解!」
冗談混じりの会話に、ほんの少しだけ気分が明るくなる。
「あと、報告しとかなきゃいけないことがあるんだ」
うって変わって急に彼女が真顔になった。
「なんですか?」
「くう、あのコ結婚するってね」
「ええ・・・そうみたいですね・・・」
忘れようとしていた出来事をむしかえされて、心がぐらりと揺れる。
私は必にポーカーフェイスを気取る。
「ちゃんと、彼女から報告は受けてます 私も心から祝福しています」
最後の言葉が少し震えた。

続く

55 :
面白かったです!続き楽しみにしてます♪

56 :
あたいは切なかった..
今回BoAタン目線が多くて嬉しかった
純と切れてホッとしたし伴ちゃんカッコえ〜し♪なんか回りだしたー!てかんじ━(゚∀゚)━━!!
中身さんはgenius!

57 :
くうぼあが好きなんだけど…
好きなんだけど…
純ちゃん切ない(´Д`)
中身サンさいこーだよ

58 :
やばい…
自分もぼあ純に萌えてしまった…
夏川さんが個人的にすきだからかなw
しかしくぅぼあ以外でこんなに萌えさせる中身さんはやっぱりすごい!

59 :
スレ通り私はやっぱくーぼあ好きだ
腹黒い夏川あっちいけだ!せいせいした
中身さんありがとう

60 :
子供か

61 :
毎日続きが恐ろしく気になる。。

62 :
まだか‥orz

63 :
「式、今日だって」
「へぇ・・・」
「教会で、本当に極秘にやるんだって」
「ふぅん・・・」
無関心を装うけれど、彼女の言葉が心の波紋をどんどんかき乱す。
「変なこと聞くけどさ、ボアちゃんはそれでいいの?」
「何言ってるんですか・・・ もう彼女とはなんでもないんですよ?
別れたのだって、ちゃんと話し合って二人で決めた結果なんですから」  
「じゃあ一緒にお祝いしに行こうよ」
ぐっと彼女が私の手を引いた。
「いやです!」
思わずその手を払いのけてしまう。
我ながら『心から祝福してます』なんて、よく言えたものだ。
“彼女”の幸せを願っているのは確かだけれど、そんなこと…できるはずない。
そんな私を見て彼女が笑った。
「本当に…あんたら素直じゃないよね」
「…そんなことないです」
「変なところばっかそっくりでさ、見てるこっちは楽しくてしょうがないんだよ」
「そんなこと…」
「ある! たくさんある ポーカーフェイスがヘタクソなところとかさ、
弱いところ隠そうとして必に強がっちゃうところとかさ…
面白いくらい、あんたら似てるんだよ」
「だとしても…とみこさんには全く関係ないじゃないですか…」
「それ…あのこにも同じこと言われたよ」
やれやれといった顔で、彼女は肩をすくめてみせる。
「第三者に痛いところ突かれるの、苦手でしょ?」
その一言で、私は何も言えなくなる。
図星だ。

64 :
「だからつい『関係ない』って言っちゃうんだよね…
確かに私は関係ないよ 二人があーなろうが、こーなろうが知ったこっちゃないよ
でもさぁ、赤の他人の全く関係ない私から見てさ、二人ともめちゃめちゃ無理してんだもん
お互いのこと大好きで心配でどうしようもないのに、必にそれを押し隠してさ…
お互いのウソを一生懸命信じ込んでその気もないのに祝福してさ、
なんっつーか…ボクシングとか格闘技みたいな攻防戦じゃなくて
まんま幼稚園児同士の喧嘩みたいになってきてるんだもん
何の駆け引きもない、ただの殴り合いだよ、それ 後には何も残らないよ…
どれくらいの期間、二人が距離を置いたのかは知らないけれど、
もし今素直になれなかったら、そのつらい時期が単なる暗い記憶で終わっちゃうよ
きっと彼女を好きになったことさえ後悔しちゃうと思う
誰かを好きになるって素晴らしいことなのに、それを悔やむのなんて悲しすぎると思わない?
悪いけど…私はそれを見て見ぬふりはできないよ…」
彼女が大きなため息を一つついた。
「悪いね、好き放題言っちゃって」
「いえ…別に…」
恐ろしいくらい、彼女は私達を見ている。
自分が認めたくない…いや、認めようとしなかった部分まで。
彼女の存在の大きさを知ったとき、なんであんなに泣いたのか。
どうして彼女の代わりに誰かを愛せなかったのか。
結婚の話を聞かされたとき、なんであんなに胸が詰まったのか。
自分が女であることを、なんであんなに後悔したのか。
思い出の場所が消えて、なんであんなに寂しかったのか。
週刊誌の下品な見出しに、なんであんなに苛立ったのか。
なんで必に彼女を忘れようとしたのか。

私 彼女のこと 好きなんだ

65 :
認めるしかない、揺ぎ無いたったひとつの答え。
「じゃ、私伝えることは全部伝えたから…帰るね」
彼女がスロットルを回した。軽快な音がコンクリートに響く。
「…とみこさん!」
走り出そうとした彼女の背中に叫ぶ。
「ん?」
「これから…どうするんですか?」
「花屋行って、あのこに贈る花注文しに行く予定」
「あの…」
「…だからなに?」
じれったそうに答える。
きっともう、彼女は私がどういう行動に出たがってるか分かってる。
「そのお花の代わりに…私の素直な気持ちを届けてもらえませんか?」
「…そうこなくっちゃ!」
かっこいい笑顔のまま、彼女がヘルメットを投げてよこした。

66 :
「とみこさん!」
「んー?」
背後から私を呼ぶ彼女の声。
エンジン音が少し邪魔で、ちょっとだけ大声で喋る。
「なんで、私達のコト、応援してくれるんですか?」
「なんだっていいでしょ!」
「なんだっていいことなのに、空港まで来てバイク飛ばしてるんですか?」
「・・・あんた達が大好きだからだよ」
照れくさくて大声では言えなかった。
「なんですか?」
「なんでもない ほら、もう少しで到着するよ!」
いつか二人に恩着せがましく言ってやるんだ!なんて。
信号が青になる。
車の間を擦り抜けるように走る。
立ち並ぶ住宅の隙間から目的地がちらちら見え始めた。
もう少し、もう少しだ!
一気に土地が開けて、目的地の敷地にさしかかる。
焦燥感からか、猫が通りに飛び出してきたことに私は気付かなかった。
黒猫だった。金色の目がギラリと光る。
不吉の象徴・・・

67 :
「危ないっ!!!!!」
「・・・っ!!」
耳を劈くブレーキ音と、体が宙に投げ出される感覚。
世界がスローモーションで回転する。
雪崩のように、自分がこの世に生まれてから今日までの記憶が脳裏に浮かぶ。
これが走馬灯ってやつか・・・
ああ、とんでもないコトにとみこさん巻き込んじゃったなぁ・・・
パパ、ママ、先立つ不幸をお許しください・・・
もう一度、彼女と会いたかったなぁ・・・
この世に飛び出して、初めて立って、歩いて、喋って・・・
歌うお仕事するようになって、彼女と出会って、笑って、抱き合って、キスして・・・
最後に頭に浮かんだのは彼女の泣き顔だった。
ごめんね・・・泣かせちゃってごめんね・・・
ごめん・・・
遂に私の体が地面と接触した。

68 :
リノリウムの床を、耳障りな音を立てて通るストレッチャー
慌しく頭上を行き来する難しい言葉
金属製の器具が立てる鋭い音
不規則なリズムの電子音
息苦しさの中で
意識が朦朧と
私もう



続く

69 :
んー、とりあえず続き早急に希望
話がつ●んなくなってきて・・ないよね
応援してます

70 :
やべー続き超気になる!

71 :
早くぅ〜(;´Д`)
気になってしょうがない…BoAタソの想いはくうちゃんに届くの…?

72 :
中身さんGJです♪ほんまにヨカター!
BoAタンが自分の気持ちに気付けてやれやれ
伴ちゃんサマサマって奴ですな(´∀`)
ぬなよぉ2人とも〜
ほんで中身さんムリせんよ〜にね(ー人ー)

73 :
むうぅ…息が詰まるくらい真剣に読んでしまう!
中身タン、GJ!!

74 :
中身さんGJです!
続きが気になるわー

75 :
ペースどんどん遅くなってきた?
中身さん大丈夫?
今の状況じゃ新しい職人いても投下しづらいだろうし
まー新しい職人いないだろうけど(T_T)
更新無くても顔出してほしいな
ファンとしては心配だよ!

76 :
中身さ〜ん(゚∀゚)
そろそろ…。。。

77 :
・・・アちゃん、ボアちゃん・・・
誰かが私の名前を呼ぶ。
きっと天国と地獄の門の番人だ。なんかの本で読んだことがある。
そこで私はにかけられて、天国行きか地獄行きか裁かれるんだ。
はたして私は善人であっただろうか。
重大な犯罪は犯してないけれど、たくさん彼女を泣かせてきた。
「地獄・・・かな?」
そう思った瞬間、むなぐらを掴まれて強引に上半身を起こされた。
ぺちぺちと頬を叩かれる。
ボアちゃんってば!
乱暴な扱い。地獄へ行く人間の扱いなんてこんなものか。
「おい!こら!起きろ!」
ぱしん!刺すような頬の痛みと、怒鳴り声でやっと目が覚めた。
「あ・・・れ・・・?」
「叩いてごめん、生きてる?」
「・・・とみこ・・・さん?」
脳震盪でもおこしてたら、彼女どうするつもりだったんだろう?目の前がものすごく眩しい。
「これ何本?」
現状をあまり把握できてない私の目の前に、彼女が指を突き出す。
「んっと・・・3本?」
「これは?」
「・・・5本」
「よしっ!」
ぐいとそのまま引かれて立ち上がる。
幸か不幸か、着陸(?)したのは柔らかい芝生の上で、
奇跡的に手のひらを擦りむいただけで私は生きていた。
とみこさんは植え込みに突っ込んだらしく、体のあちこちに葉っぱをくっつけていたけれど
私と同じように擦り傷だけで済んだみたい。

78 :

「・・・神の御加護ってやつかもね」
私越しに後ろを見る。
振り返ると、決して大きくはないけれど威厳たっぷりの教会が聳え立っていた。
「そこだよ くうが居るの」
彼女が顎でしゃくる。
「今しがた神様に助けられたとこなんだけどさ、その恩を仇で返す勇気はあるよね?」
そう言ってニヤリと笑った。
「花嫁奪還、しにきたんでしょ?」
「・・・はい!」
「ほら、早く行かないと 彼女神様に誓っちゃうよ!」
「はい!あの・・・ありがとうございます!行ってきます!」
「うん!」
ぱんと彼女が背中を押した。
私は教会に向けて一直線に歩き出す。
「そうだ!ボアちゃん!コレ、帰りの足!!」
その声に振り向くと彼女が私に向けて何かを投げた。
「ここに用意しとくから!」
それは放物線を描いて見事に私の掌に収まる。
何かの鍵?
「しっかりやんなよ!!」
私がそれを受け取ったことを確認するように彼女が叫んだ。
バイクを起こして跨り、スターターを思い切り踏み込む。
ついさきほどのアクシデントもなんのその、エンジンが轟音を立てた。

79 :
「えっ・・・とみこさん・・・帰っちゃうんですか?!」
「当たり前じゃん もう私いらないでしょ?私の出番はおしまい」
「でも・・・」
急に心細くなる。ここまで来る決心がついたのは彼女がいてくれたからだ。
「もし・・・断られたら・・・」
かけたエンジンを一旦切って、彼女がこちらへ戻ってくる。
「ボアちゃん ちょっと後ろ向いてて」
「はぁ… !!! いっ…たぁっ!!!!!」
後ろを向いた途端、お尻を思い切り蹴飛ばされた。
「いいからとっとと行ってきな!」
初めて聞く彼女の怒鳴り声。
「あんたがものすごいバカタレだってのは知ってるけれど、こっからは自分で歩くの!!!
ここまで来て何やってんの!素直な気持ち伝えにきたんでしょ!
今まで何度それ躊躇って失敗してきた?もういいかげんにしなよ!」
でも、叱咤の中に深い愛情が込められてるのが分かる。
「『後悔先に立たず』って言葉くらい、いいかげん覚えな!あんた頭いいんだから!バカ!!!」
乱暴な言葉の嵐が嬉しかった。思わず泣きそうになった。
「ありがとうございます!」
「いいから!早く行っておいで!」
「・・・はい!」
彼女にお辞儀をして入り口へ続く階段を駆け上った。

80 :
入り口の木造扉を開くと白系統の色で統一されたエントランスホールが広がる。
奥に見える扉がどうやら礼拝堂らしい。
さして長くもない距離を、私はゆっくり歩く。
これから自分がしようとしていることを考えると、緊張で足がなかなか進まなかった。
喉もカラカラで、心臓が口から飛び出しそうだ。
ゆっくり歩きながら、私はある映画のワンシーンを思い出していた。
入り口のドアを恋人の名前を呼びながら叩く主人公。
それに気付き振り向く恋人と、彼を阻止しようとする恋人の親族。
それを振り切って、手に手を取って二人は教会を飛び出す・・・。
果たしてその主人公みたいに自分は彼女を連れ出せるのだろうか。
入り口から見えた小さな扉は、目の前にしたら意外と大きく見えた。
扉の手摺を握って深呼吸。
きれいな木目越しに、賛美歌が聞こえてくる。
手摺を握る手に力を込める。
扉は想像してたよりも重く、めいっぱい押してもほんのわずか隙間が開くくらいだった。
その隙間をじりじりと広げるように体重をかける。
扉に全体重をかけた瞬間だった。
入り口の扉を開けたときに内圧の差でも生じたのか、扉がバタリと大きな音を立てて開いた。
それに体を預けていた私は、引っ張られるようにして中に入る。
足がもつれて、敷居のわずかな段差に躓いた。
「わぁっ!!!!!」
咄嗟に手を突くことができなくて、私は思いっきりバージンロードとキスをする。
ものすごく格好悪い登場の仕方。
・・・最悪。

81 :
「うっ・・・ いたたたた・・・」
鼻っ柱をしたたかに床に打ち付けたせいで、鼻の奥がジンジン痺れてる。
痛いときは反射的に涙が出るもので、目じりから雫が何滴か搾り出された。
鼻血は出なかったけれど、口の中に薄く鉄の味が広がる。唇が少し切れたみたい。
痛みに顔を顰めながらなんとか立ち上がる。
「あ・・・!」
目をまんまるに見開いて、驚いた顔をした彼女と目が合った。
全身の血液がサーッと一気に足元に流れ落ちる。
それと同時に顔が熱くなるのがわかる。
そんな私を神父さんが笑顔で手招く。
気付けば参列席には誰もいなくて、礼拝堂の中には神父さん、聖歌隊、
そして夫婦になろうとしてる二人だけしかいなかった。
神父さんは私を参列者だと思っているらしい。
「どうぞこちらへ・・・」
その誘いに私は首を横に振ってみせた。
「ごめんなさい!彼女にどうしても伝えたいことがあるんです」
少し戸惑ったような表情を見せて、神父さんが咳払いを一つした。
「・・・あの・・・その・・・」
あまりにも喉が渇いたせいか、声が少しかれていた。
私も咳払いを一つ。
「くうちゃんの淹れるコーヒー…あまり美味しくないんだよね・・・」
自分の口から出た言葉に自分で驚いた。

82 :
あれだけ頭の中で何度もシミュレーションしたのに
「悪いけどさ、私アメリカンの方が好きなんだ」
私の口から出る言葉は
「あと、くうちゃんの作る肉じゃが、少し甘すぎない?」
愛の言葉でもなんでもなくて
「それに私が作った料理、首傾げながら食べないで 正直ムカつく」
今まで鬱積していた『文句』だった。
「使ってる香水も、正直私の好みじゃない あ、カーコロンもそう 好きじゃない
運転の仕方荒すぎ あれじゃぁ酔っちゃう っていうか何度か酔ってるし」
素直になるってこういうことじゃなかったのに・・・
「お風呂の入浴剤だって・・・たまには私に選ばせて それに歯磨き粉、あの味はもう飽きました」
言いたいことはもっと違うことなのに・・・
「くうちゃんが好きなあの俳優、ずっと黙ってたけど、私大ッ嫌いなのね」
こんな状況に置かれても、素直になれない私。
  
「たまには私の見たい映画…見せてよ・・・」
そんな自分が情けなくて、自然と涙が零れ始める。

83 :
「嫌いなところも・・・《いっぱい》あるけど・・・」
どんどん零れる涙が、私の言葉のあちこちに歯止めをかける。
思考に日本語の語学力が追いつかなくなってくる。
「《本当》に時々《頭》に・・・《くる》んだけど・・・」
言いたいことが日本語にうまく変換できなくて、私はちゃんぽんで喋り続ける。
「《私》・・・のこと・・・全然《頼って》くれないけど・・・」
普段使ってる単語ですら出てきにくくなってきていた。
「本当は・・・もっと頼って《欲しいん》だ・・・」
滲んだ瞳の向こう側に移る彼女は、私に背中を向けていた。
純白のヴェールが邪魔して、横顔すらうかがえない。
もう、きっと・・・多分・・・、こっちを向いてくれることはないんだろうな。
そう思ったら、もっと涙がぼろぼろ零れた。
抑えようとしていた泣き声が喉から漏れる。
今まで伝えられなかった愛しい思いが心の器をどんどん満たしては
容量に収まらない分がどんどん溢れて滴る。
こんなに好きなのに・・・
なんで私・・・
どうして私・・・
とめどなく涙を流しながら、私は『後悔先に立たず』という言葉を身をもって学んだ。

84 :
「《き・・・嫌いなところばかり・・・だけど・・・》」
もっと前から素直でいたら
「《それでも・・・私は・・・ くうちゃんのことを・・・》」
彼女は今も隣にいてくれたのかな・・・
「《心の底から・・・愛してます・・・》」
最後のほうは日本語すら出てこなかった。
横隔膜に変な癖がついて、私はリズムの狂った呼吸を繰り返す。
彼女はこちらを見向きもせずに、俯いたままだった。
もう・・・私の顔を見るのも嫌なのかな・・・
そうだよね・・・ 結婚式、横槍いれちゃったんだもんね・・・。
謝罪と、とりあえず気持ちを吐露させてくれた感謝の気持ちを込めて
彼女の背中に向けて深くお辞儀をした。
回れ右をして、入り口に向かう。
「・・・ごめんね」
私の背後で彼女の謝る声が聞こえた。
こっちこそ・・・ごめんね。

すっと横を通り過ぎた風が、私の腕を掴んで引っ張った。


最終話へ続く

85 :
あれ、おかしいな…
目から液体が出てくるよ。・゚・(ノД`)・゚・。

中身さんGJです!
ついに最終話。楽しみに待っています!

86 :
いやーBoA子!よく頑張った(´∀`)ノ
中身さんもGJですた♪とみこバンバンもご苦労さん
続きwktkで待ってます
やっぱ中身さんはネ申〜

87 :
GJ!
だけど前レスでは病院に運ばれたっぽかったけどいきなり式場?あたしの解読力が足りないのな…
兎に角、続き気になる!

88 :
>>68
たぶんBoA子の妄想。
病院?病院?と見せ掛けて

草の上
みたいな。

ダトオモウ、よ?

89 :
「・・・・・!」
肌触りの良いシルクの手袋 背中が大きく開いたウエディングドレス
純白のヴェールが風になびいて私の頬をかすめる。
彼女だった。
「く・・・くうちゃん?!」
呆気にとられている私をよそに、彼女は手を引いたままどんどん走る。
「ちょっと・・・あの・・・結婚式は?!」
私の質問を完全に無視して、そのまま教会の入り口を飛び出る。
さっき登ってきた階段を転がるように駆け下りたところで、ようやく彼女は止まった。
「あの・・・」
「・・・いんだよ・・・もう」
ぜえぜえと肩で息を切らしながら、彼女が何か呟いた。
「・・・なに?」
「・・・そいの・・・んとに・・・」
荒い息にかき消されて、よく聞き取れなかった。
「ごめん・・・もう一度・・・」
「遅いの!遅すぎるの!ホントにもう!!!」
彼女がキッと私のほうを向いた。
「あたし・・・結婚しちゃうところだったじゃんか!!あほっ!!!」
「・・・はぁ?!」
とんちんかんなことを言われて、私は思わず変な声を出してしまった。
「しちゃうとこって・・・えぇっ?!する気なかったの?!」
「バリバリする気だったけどさぁ、ボアちゃんの言葉でなんか・・・あー・・・もう!!!
久しぶりに顔見ちゃったしさぁ、ていうかなんか遅くない?ていうか何しに来たの?!」
興奮してるんだか逆上してるんだか、まくしたてるように喋る。

90 :
「あの・・・」
「もー、ほんとにもう・・・!!!」
どん!
「痛っ!ちょっと・・・」
彼女が俯いたまま、私の肩を手のひらで押す。さっきのさっきで少し痛む。
「アホっ!!!」
どん!
今度は両手で胸元を押された。たまらず後ろへひっくり返りそうになる。
「くうちゃん?!」
「言いたい放題言い過ぎ!!!」
怒りを露にした顔で彼女が怒鳴る。
どん!!
体当たりをするように胸に飛び込んでくる。
私はよろめきながら彼女を受け止めた。
「・・・なんで…もっと早く言ってくれなかったの?」
「・・・ごめん」
か細い声に胸が詰まる。また私は謝ってしまう。
「なによ!いつもごめん、ごめんって…」
私を睨む、しっかりとアイメイクの施された瞳から大粒の涙がぽろりと落ちた。
地面に落ちた音が聞こえそうなくらい大きな雫。
「謝る…くらいなら…」
その雫がどんどん数を増す。
「あほぉっ!!!!」
彼女が手を大きく振りかぶった。

91 :
バチンと大きな音がして、私の頭に星が散る。
頬に走るのは痛みというか、熱さというか…
こんな風に私の頬を叩いたのは今までで彼女だけ。
両親にだってここまで叩かれたこと・・・ない。
「い…ったいな!!!!何よ!!何で叩かれなきゃいけないの?!」
突然叩かれて怒らない人間なんていないと思う。
もちろん私もそんなことされたら当然怒る。
っていうか、今日は何回痛い目を見たんだろう。
ヒリヒリする頬を押さえながら思わず怒鳴った。
怒り心頭の私とは裏腹に、彼女はものすごい顔でぼろぼろ涙を零す。
正直、コレはファン減っちゃうなぁ…って顔。
懸命に涙をこらえているのか目をぎゅっとつぶって
唇をきっと噛みしめて、への字に曲げて
恐らくウォータープルーフであろうマスカラは
無残にも彼女をパンダ目にして…
押ししたような声が唇から漏れ始める。
一つ深呼吸をして、彼女は子供のように大声をあげて泣き始めた。
うえーん!!!冗談ではなく、本当に彼女はそう泣いていた。
「本当に…本当に…会いたかった…」
うわーん!!しゃくりあげながら途切れ途切れに喋ると、再び大声をあげて泣く。
その泣き顔があまりにも、ありえないくらいブサイクすぎて…
可愛くて、なによりも愛しいと思った。

92 :
もう、嬉しいんだか悲しいんだか楽しいんだか・・・
あたしはワケが分からなくなるまで泣いて泣いて泣きまくった。
涙って枯れないんだなぁと思いながら泣いた。
どんどん溢れる雫を拭う手を、温もりが包む。
ずっとずっと、一番感じたかった彼女の温度。
「あーあ びしょびしょじゃん」
笑いながら涙に濡れた手袋をあたしの手から抜く。
顔をあげると、滲んで見える彼女の笑顔。
それを見たらもっと余計に涙が出てきた。
「あらららら・・・」
彼女は少しだけ困った笑顔で頬を伝う雫を拭ってくれる。
「こんなに泣いておかしいんだ 子供みたい」
「うっさい!!」
さっきボアちゃんだって泣いてたの、知ってるんだから。
「言っとくけど、今すっごくブサイクな顔してるよ」
「・・・ほっといて!」
「でもさ・・・」
ぎゅうっと抱きしめられた。
痛いくらいの抱擁が、すごく嬉しい。
「私にとっては可愛いし、綺麗だし・・・とても愛しい」
その言葉にまた涙が零れる。
「・・・すっごいブサイクだけどね」
「もう!」
付け加えられた余計な一言に、あたしは彼女の胸を叩いた。
「いって〜!」
舌を出していたずらっ子のように笑う。
大好きなその笑顔に、あたしはまたまた涙を流した。
「クミ!」
大声で名前を呼ばれて振り向く。
白いタキシードを着た彼が、ゆっくり階段をおりてきた。

93 :
ポケットに手を突っ込んで、ゆっくりゆっくり・・・
靴底を鳴らすようにして、ゆっくりゆっくり・・・
下唇を突き出すのは、怒ってるときのサイン。
「『ごめんね』って・・・何だよ・・・」
あたしが彼に酷いことをしてるっていうのは充分分かってる。
彼が怒るのも仕方なかった。
「っつーかさ、何その顔?俺の前でそんな顔したこと一度もねーじゃん・・・」
悔しそうに呟いて、彼は地面を蹴る。
「俺さ、今モーレツに頭きてるし、めちゃめちゃ妬いてるんだけどさ・・・」
深いため息をつく。
「そんな顔してるの見せつけられたら・・・何も言えねえよ・・・」
自嘲的に笑う姿に、ちょっぴり胸が痛んだ。
「なんかしんねーけどさ、クミの隣にそのコがいるの、俺、違和感感じてないんだわ
そんなにいい笑顔で・・・しかも思いっきりわんわん泣いてるし・・・
ホントはスゲー悔しいよ、マジで でもやっぱ・・・いい顔してんな・・・」
彼は再び深いため息をつく。
「なんか・・・わかんねーけど・・・
他の男がきても負ける気はしねーんだけど・・・そのコには俺、勝てない気がする」
「えっ・・・?」
「クミにそんな顔させるヤツだぜ?」
あたしの横で彼女が恥ずかしそうに俯いた。
長い沈黙の後、彼が彼女に声をかける。
「なぁ!」
「あ・・・はい・・・」
突然呼ばれて驚いたのか、彼女は『きをつけ』の体勢をとる。
「クミのこと・・・好き?」

94 :
「はい!」
即答だった。またちょっと泣きそうになった。
「んーと・・・今日のは仕方ないとして・・・二度とそんなふうに泣かさないって誓える?」
「誓うことはできないけれど・・・精一杯努力します」
「そっか・・・んじゃ、俺神父さんに挨拶してくるわ・・・」
くるりと回れ右をして彼が歩き出す。
「ちょ・・・ちょっとぉ!」
こんなときまで彼は彼らしくて、決してドラマチックじゃなかった。
めんどくさそうに彼が振り向く。
「最後くらいかっこつけさせろ!」
そう言ってニヤリと笑った。
「クミのこと、よろしくな!」
「はい!!」
彼女の手が、あたしの手をしっかり繋ぐ。
それを確認するように見届けてから、再び彼は歩き出す。
「ありがとう!」
その背中に大きな声でお礼を言う。
あたしたちに背中を向けたまま、彼はひらひらと手を振った。
「・・・くうちゃん」
「ん?」
照れたように頬を赤く染めた彼女。
「『花嫁奪還』の続き・・・してもいい?」

手を繋いだまま、あたしたちは走り出した。

95 :
「えっ・・・『足』って・・・コレ?」
目の前には前にかごの付いた自転車。
俗に言う“ママチャリ”が一台、植え込みの脇に停められていた。
ずっと握り締めたままだった鍵に目を落とす。
受け取ったときは確認すらしなかったけれど、これはどうみても自転車の鍵だ。
格好よくスポーツカーで花嫁を奪取!の絵がガラガラと音を立てて崩れていった。
「・・・・・・どうしよっか」
唖然として肩を落とす私を見て、彼女が笑った。
「いいんじゃない?」
そう言って彼女がリアに座る。
「ほら、あたしを奪いに来たんじゃなかったの?」
「・・・自転車で?」
「仕方ないじゃん!これしかないんでしょ?早く!」
即されるがままに自転車に跨ると、彼女の腕が私の腰にまわった。
「じゃあ・・・行きます」
「うん!」
思い切りペダルを踏み込む。
途端、耳障りな音が背後から響いた。
「えっ!何?!」
ぎょっとして二人で振り向くと、なんと空き缶を括りつけた紐が幾本も自転車に結ばれていた。
上手い具合に植え込みの影に隠されていたらしい。
コレって・・・ハリウッド映画でよく見る“アレ”だよねぇ?
してやったりの顔で笑っている“仕掛け人”の顔が頭に浮かんで、私は苦笑した。
「・・・どうしよっか」
「いいんじゃないの?」
ものすごい迷惑な悪戯に、彼女は満足そうに微笑んでいた。
「ま・・・いっか!」
「うん!」
彼女の笑顔に、私もつられて笑った。

96 :
再度ペダルを踏み込む。
頬に当たる風が心地よい。
「ねぇ 香水変えた?」
「別れた直後あたりにね・・・ あれ、ボアちゃん、この香り嫌い?」
「ちょっと嫌いかな・・・」
「前に使ってた大不評のやつと比べたら、まだ好みに近いと思うんだけど・・・」
「前の方が全然いい!」
「・・・なんで?」
「好みじゃないけど好きな香りだから」

「あのね、私、このあとまた韓国に戻っちゃうんだけどさ、1週間後には帰ってくるのね」
「うん」
「帰ってきたらさぁ・・・ またドレス着てくれる?」
「・・・なんで?そんなに似合ってる?」
「それもそうなんだけどね・・・」
「ん?」
「あのね・・・ 写真・・・撮りたいんだ くうちゃんと・・・」
「あたしと?」
「うん あのヒトみたいに上手くは撮れないだろうけど・・・」
「んじゃぁ・・・ ボアちゃんタキシード着るの?」
「何で?! やだ! 私もドレス着る!」
「それじゃどっちが花嫁かわかんないじゃん」
「でもタキシードはやだ!」
「いいじゃん きっと似合うよ」
「やーだー!」

97 :
少し重いペダルも、騒々しい空き缶の音も、腰に回された彼女の腕も
全てに幸せが満ちているような気がして嬉しくて、私は立ちこぎをする。
後ろで彼女が小さな悲鳴を上げてしがみつく。
思わずバランスを崩しそうになって、フラフラ走る。
二人で笑いながら悲鳴を上げた。
「くうちゃん!」
「んー?」
「後でちゃんと、誓いのキスしようね」
「うん!」

二人分の幸せを乗っけて、私はぐんぐんペダルをこいだ。


fin

98 :
「うわ・・・タンクべっこべこ・・・」
バイクをパーキングに停めた時点で、私はダメージの大きさを始めて知った。
ビシッとかっこよく去り際をきめたくて全然見向きもしなかったけれど、
私の愛車はなんだかかわいそうなことになっていた。
ウインカーとミラーは変な方向向いちゃってるし、タンクもへこんでる。
カウルもなんか・・・あれ、ヒビが・・・。
それに折れてはいないと思うけれど、思い切り打った腰がかなり痛い。
「かっこつけすぎたかなぁ・・・」
別にそのときはそんなこと考えもしなかったけれど、
自分がとった行動を思い返すとなんだか恥ずかしい。
えーと、花嫁奪還をそそのかして、2ケツしてバイク飛ばして(横転したけど)、
歯の浮くような台詞で説教して・・・なにやってるんだ、私は。
ため息をついてわしわし頭をかくと、私をからかうように木の葉がちらちら舞い落ちた。
そんな私を誰かが背後から抱きしめる。
「・・・おかえり」
「うん・・・ただいま」
彼女だった。私の肩に顎を乗せる。
「・・・助けてあげたんだね?」
私は無言で頷いてみせた。
「やっぱり!とみちゃんいいこ〜」
わしわしと私の頭を子供にするみたいに撫でる。
「なんか惚れ直しちゃった・・・」
「・・・なんです?」
「・・・聞こえてるでしょ?」
「聞こえてません」
照れの二乗でそっけなく返事してみせた。
途端、ぐいっと耳朶を引っ張られる感覚。彼女の顔が更に近づく。
うっ、まさか大声で叫んだりしないよね・・・?
耳元で彼女が深呼吸をした。思わずぎゅうと目を閉じる。

99 :
次の瞬間、私の頬に暖かいものが押し当てられた。
押し当てるというか、押し付けるというか・・・彼女の唇だった。
「ご褒美っ!」
満足そうな笑顔が、ひしゃげたミラー越しに見える。
漫画で見るような立派なキスマークが頬に残っていた。
私も思わず笑う。
「ありがとうございます」
「あれ・・・これでいいの?」
ぺこりと頭を下げたら彼女が拍子抜けした声を上げた。
「・・・こんなんじゃなくて、バイクよこせー!とか言われると思ってた」
「そう言ってほしかったんですか?」
「そうじゃないけど・・・」
「じゃあ・・・一つお願いがあります」
「バイクは買わないよ?」
・・・即答ですか。結局買う気はなかったんですね・・・買ってもらう気もないけど。
「あと、このコの修理代も出さないよ?」
愛車を指差す。だからそんなことさせませんってば・・・。
彼女の方に向き直る。
「今さっきのコレを・・・」
頬に残されたキスマークを指で突付く。
「・・・こっちにも」
その指で自分の唇を指差した。
「・・・どういう風の吹き回し?」
彼女が怪訝そうな顔をする。
「いや・・・他人にばかり『素直になれ!』って言うのもどうかと思って」
あんな大見得切った本人がへそ曲りじゃあカッコつかないし。
ちょっと飛び出せたのは彼女達のおかげかな?なんて。

100 :
少し考えるように彼女が目を伏せた。
「じゃぁさ・・・」
「はい」
「目・・・閉じて・・・」
「・・・はい」
言われたとおりに目を閉じる。
ゆっくりと彼女の体温が近づくのがわかる。
あと少し・・・あと・・・少・・・
ん・・・?
もう触れてもいいはずの唇がなかなか触れなくて、私は焦れて片目を開ける。
当然ながらすぐ目の前に彼女の顔があった。目が合う。
「愛してる」
そうはっきり囁いて、彼女は腕を私の首に回す。
「・・・どういう風の吹き回し?」
「誰かさんに感化されたの」
彼女の真似をしてみせたら、照れたように小さく笑う。
「とみちゃんは?」
私の真似なのか、片目をつぶってみせた。
「そうだなぁ・・・」
少しだけ考えるフリをしてから、私は答える代わりに唇を重ねる。
遠くの方で騒々しい空き缶の音と、明るい笑い声が聞こえたような気がした。

ほんとうに、おしまい。

101 :
どもー、本当にお久しぶりです。中身です。
ほんとにもう・・・ここまで長くなるとは・・・orz
長々とお付き合いいただき、本当にありがとうございますた。
もうホント、遅筆だし展開グダグダだし、反省しまくりです。
しかも最後の最後で規制に引っかかってるし。
なんっつーか・・・肩の荷がドサァッと・・・(笑)
素直な感想を色々いただけて幸せでした。
もうちょっと精進してからまた来ますノシ

102 :
寝る前に来てみたら、素晴らしいものが!!
相変わらずGJです
長編お疲れさまでした(´∀`)

103 :
中身さんGJ!!
長い間お疲れ様でした
最後はやっぱりHAPPY ENDで言うこと無しです!!(*^_^*)
本当にお疲れ様でした

104 :
いやー、、圧巻ですね。
ここまで書ける人いないよなかなか。ほんとに。
お疲れさまでした。

105 :
GJ!!
ちゃんと二人が素直になれてよかったよ
くぅぼあに戻ってよかった(´∀`)
中身さん、おつかれ!!

106 :
中身さんお疲れさんでした!いや〜何回読み返した事か..
そんでその度ドキドキハラハラしてたり
2人が離れてる期間は精神的にかなり落ちてました
あんな風に作品を組み立てれる頭脳..
もしや中身さんは世に出るべき人なのでは!?
と感じたのは私だけじゃないはず(*-∀-)
さっそく次回作wktk♪

107 :
始めの方はドラマチックで過去最高傑作か?!って感じだったけど
後半ネタギレか誰でも予測できるパターンで、残念でした
前半ドキドキハラハラだっただけに期待し過ぎたからかな‥
でも中身さんの作品にしては後半は中途半端で内容の薄い、無駄にダラダラ
だったような気がしました。伴チャンの方には最近やたら力いれてるようだけど
中身さん的にもうくーぼあは下火というか堕ちた存在なんでしょうか‥
本当に今回はがっかりでした
※あくまでも個人的な感想です

108 :
>>107サソ
ありがとうございます!
こういった感想、大歓迎です。
いやぁ〜耳が痛い(笑)
ダラダラ気味なのは、推敲する度に加筆したのが原因です。
もう、本当にこればかりは…
筆ノリがいいと、調子にのって書いてしまうんです。
もちろん、何度もチェックしてから投下しています。
今回においては、削る箇所と加筆する箇所を間違えていたかもしれないですね…。
大反省です。
言い訳はしたらキリないのでしません。
次回は107サソにも納得していただけるような作品を書けるように努力します!

109 :
中身さんおつかれさま!
そしてありがとう
>>107
中身さんくーぼあに飽きたんじゃなくて、住人のリクエストに答えて伴もやってくれてるのでは?
個人的には伴好きなので大歓迎

110 :
GJでした中身さん!
凄く引き込まれました!
その後の二人の番外編とか最後に頂きたいなぁ…。。。とか我が侭ですが、ちと期待!

111 :
GJでした!
でも番外編としてでもいいから
BoAちゃん夏川、くー元彼が付き合うまではいいけど
その後、結婚って形じゃなくて恋愛模様的ならどうなるのか
って形でもう1つのストーリーを希望です

112 :
中身さん、長編お疲れ様でしたm(_ _)m
確かにありきたりなラストだったかもしれないけど
読んでてドキドキしたし、凄く切なくなったし、泣いたりもしちゃいました!
中身さんやっぱすげぇって改めて思えた作品です。
本当にお疲れ様でした&良い話をありがとう!

113 :
でもありきたりであればあるほどその人の腕が分かるよね。
中身さん、すごく良かったです。

114 :
wktk

115 :
花嫁を奪ったのはいいけど‥あれから1ヵ月
お互い忙しくてまともに会う時間がない
週に1回ご飯食べに行く程度。
勿論、電話とメールはしてるけど
でも問題は、そんな事じゃなくて。
彼女を想えば想う程に募る不安っていうか‥
電話して声聞いてハグして欲しいなって思うと湧出る
ご飯行った時、キスしたいなって思うと湧出る
あの彼ともしてたんだ‥って。私で大丈夫かなってさ‥
私も夏川サンとしてたわけだけど。すごく勝手だけど
わかってるけど妬いちゃう自分が消せない――

116 :
やっとの偶然で明日は2人とも午後からだから
一緒に食事した後、コンビニ寄ってお菓子と飲み物調達
そのまま一緒にくーチャン家に向かう
変なモヤモヤが消えないけど、やっぱり会えるのはすごく嬉しい
久しぶりのくーチャン家
ちょっぴり懐かしい“くーチャン家の匂い”
久しぶりの2人っきり‥密室
考えてドキドキしてくる
その後ですぐうかんでくるモヤモヤな感じ
(彼も来たんだよね‥)
部屋にとおされる
ソファーを見ると(彼と座ってキスしたのかな)
ベッドルームの方を見て(彼と‥してたんだよね)
モヤモヤモヤモヤ邪魔なくらい湧出てくる思い
「どした?座らないの?」
くーチャンが立ったままの私の顔を不思議そうに覗く
「ん?!何でもない^^」
私は頭の中に湧出て浮かんでる色んな思いを
頭の中に消すスイッチを思い浮かべて押して消した

117 :
うわキタコレ何?
チョー嬉し〜♪
続きカモン(屮°□°)屮

118 :
wktk

119 :
wktkしてもイイデスか?(;´Д`)

120 :
私はソファ‥じゃなくてカーペットに座った
『そっちなんだ?w』
「うん、こっちの方が落ち着くから」
とっさに言い訳。本当はくーチャン家のソファ最高なんだけど。
『じゃあたしもっ』
そう言ってニコって笑って、くーチャンが隣に座った
その笑顔にドキっとする
コンビニの袋から買った物を出してテーブルに並べる
くーチャンは烏龍茶、私はお酒、18時以降禁止のお菓子、くーチャン用さきイカも
テレビをつけて、まったりタイム
お互いの出来事とか日常の何でもないような話
話してる時の横顔、仕草、烏龍茶を飲む時の唇、目に入る度にドキドキしちゃって
とにかく今日は何だか意識してしまう。
そのドキドキが気付かれないように自分の中で変に焦ってお酒が進んでしまう
『ちょっとBoAチャン、ペース早すぎじゃない?』
「そんなことないよ平気平気!」
‥じゃないみたい。頭の中が少しポーっとしてきた。「くーチャンもたまにはこっち飲む?」
『フフッ飲まな〜い。っていうかどしたの今日?何かあった?』
「ん?何もないよ。どして?」
『ん〜なんとなく。何かさっきから』
「ねぇくーチャン」
彼女の話を遮るように呼んでみる。
このドキドキにもモヤモヤにも焦りにも何も気付かれないように‥
って、すでに変に見えてるみたいだけど

121 :
wktk(゚∀゚)!

122 :
たぶん嫉妬。っていうか絶対。
見れば見る程、話せば話す程に愛しくて
好きで好きで、でもそう感じる程に“彼とも‥”って考えちゃってイライラ‥
自分の事は棚にあげて。
誰にイライラ?自分に?くーチャンに?
嫉妬のせいかお酒のせいか、自分の頭の中ぐるぐる意味不明。
彼女の話を遮った私の呼びかけに
当然のごとく彼女は話を止めて私を見てる
優しい目で すごく優しい目で‥
『な〜によ?』
「え?!」
『えってBoAチャンいま呼んだじゃん』
「うん。えっと忘れた。何言うか忘れちゃったw」
『うっわ何ソレwっていうかBoAチャン酔ってる』
「酔ってないよ」
『酔ってる人ほど酔ってないって言うんだよ』
そう言って笑う彼女。
優しい笑顔。私のモノだよね?
今のその笑顔は、私だけのものだよね?
急に不安と独り占めしたい気持ちに襲われた

123 :
隣に座る彼女の肩に片方の手をかけて、私は彼女にキスをした
ほんの少し触れるだけのキス――
気持ちを確かめるように唇を離して彼女の顔を見ると
彼女の視線がゆっくりと上がって目が合った
どうしようもなく溢れるスキの気持ち‥今すぐ押し倒して彼女を感じたい
それと共に湧出るモヤモヤの嫉妬心が私に変にブレーキをかける
「彼とも?」
『えっ?!』
驚いた表情の彼女に私はまたキスをする
知りたい、知ってるけど、知りたくない
彼女が何も言えないように‥
そのまま唇だけじゃなくて舌で彼女の言葉に蓋をする
『っん!!』
彼女の腕が私を押し離した
「イヤ?」
『違うよ。BoAチャン酔ってるし』
「酔ってたら何?」
『お水持ってくんね』
「いらないよ!」
そう言ってお酒の缶を口にする私から彼女が缶を取り上げる
そしてそれをイッキ飲み‥
『はいっ。お酒おしまい^^』
そしてまた優しい笑顔を私に向ける

124 :
私は何だか無性にイライラしてきてた
自分への嫌悪感‥ケンカなんかしたくないのに
どうしても自分の中の嫉妬心が邪魔して素直に接しれない
くーチャンが好き、大好き。ただそれだけなのに‥
その優しい目も唇も手も体全部あの人に触らたんだって思うと何かさ‥
一生懸命自分を落ち着かせて、またモヤモヤ消しスイッチを押した
お酒が口に合わなかったのか烏龍茶を飲んでる彼女に話しかける
「くーチャン?」
『ん?』
「大スキ」
『うん』
「私、酔ってないよ?」
『ん、わかった』
「だからチューしたい」
彼女は何か考えているのか無言のまま‥
彼女の返事を聞かずに私はまた触れるだけのキスをする
1回‥
2回‥
3回目のキスをしようと態勢を変えようとするとトポントポン――
彼女の持ってた烏龍茶にぶつかってカーペットと私の服はビチョビチョ。
「ゴメン」
『ううん、それより服、大丈夫?』
彼女がすぐにタオルを持って来てくれて拭いてくれたけど
どうやら着替えなきゃダメな感じ。

125 :
『あ、BoAチャンお風呂入っておいでよ。
風邪ひいたら大変だし。着替え出しとくから』
「ん〜。じゃぁくーチャン一緒に入ろ?」
『えぇ〜w私はいいよ後で入る。ここ片付けちゃうから』
「やーだ!一緒に入ろ?私とじゃもうイヤ?」
あぁ・・また余計な事いっちゃった。抑えて抑えてスイッチPUSH・・
彼女はうつむいてる。ヤバイかも・・このモヤモヤ嫉妬バレちゃったかな?・・
『わかった。じゃぁここだけ片付けてから行くから先入ってて?』
「うん!」
私はシャワールームに向かった。脱衣所の洗面台をフと見ると男物のヘアWAX
あの人の忘れ物。当たり前の事なんだけど胸がギュっと痛んだ。
言いたい事はいっぱいある。でも言わない。言えない。
だって全部私の勝手なワガママな思いだから。
《私の事想ってくれてたなら何で彼としたの?あのソファでも?
あのベッドでも?一緒にお風呂も入った?
やっぱり男の人との方がよかったから結婚しようとしたの?
私にしてくれてたこと全部、彼にもしてあげてたの?》
モヤモヤはキリがない。本当に自分の幼稚な嫉妬心に情けなくなるほど。
色々考えながらももう髪も身体も洗顔も歯磨きまで洗い終えた
くーチャン遅いな・・ そう思いながら湯船につかった
カチャ 彼女が入ってきた


126 :
「くーチャンおそーい!!」
『ゴメンゴメン、マネージャーから電話でさ。
BoAチャン全部洗い終わったんだ?背中流そうと思ったのに^^』
「え〜?洗っちゃったよ。くーチャン遅いんだもん
あ、くーチャンは私が全部洗ってあげるよ!!」
お風呂だから当然のごとく裸なわけで
自分から一緒に!って誘ったわりには
久しぶりの彼女とのお風呂は何だかすっごく照れくさくて
恥ずかしさからテンションがやけに高くなる。
目線を何処のしたらいいのかわかんないし。
とりあえず、彼女の髪を洗う。
照れ隠しに泡だらけの髪を色んな髪型にして遊んだりして2人で笑った
トリートメントも忘れずに。その間にくーチャンは自分で歯磨き。
トリートメントを流して今度は身体を洗う。スポンジを泡立てて背中から・・
鏡越しに彼女を見る。胸またちょっと大っきくなったかも
あの人にいっぱいしてもらったからかな?そうまたモヤモヤ浮かんできて
私の中の嫉妬心が、私をイジワルな嫌な奴にしていく。
一通り身体を洗ってシャワーで流す。
『ありがとっ^^』
「まだだよ」
お礼を言って湯船に入ろうと立ち上がる彼女を引き止めた
「座って?」『?うん・・』




127 :
どなたか存じませぬが..wktkであります(@ω@*)

128 :
つ…続き…!wktk(゚∀゚)

129 :
彼女を座らせて引き止めた腕を離す
「さっきの続き!」 『え?・・』
驚いてるのか嫌なのか何も言わないまま少し俯く彼女。さっきからこの表情何回目かな?
彼女のこの顔は何か考えている時・・だけど今の私には察して気遣う余裕もない
気付かないふりする意地悪モードな私・・
彼女の足を開いてその間に私が座る
彼女は恥ずかしさからか、さっき飲んだお酒のせいか
もしくはシャワールームの暑さのせいか 頬が少し赤い
まだ何も言わないままの彼女の濡れた唇がすごくセクシーで
指先でなぞってみる 少し俯いてた顔を上げて彼女が私を見る
どこか寂しげなその表情になぜか胸がギュっと痛んだ
私はそのまま彼女の唇にキスをする 深く深く彼女の口内を犯す
片方の手で彼女の柔らかい胸を揉みながら人差し指で
胸の先端の硬くなった部分を転がすと彼女の体がビクっと反応した
足りない もっと欲しいもっと、もっと・・ 彼女の唇が欲しくて堪らない
だけど彼女は私の舌を受け入れてくれても彼女の舌を私に感じさせてくれない
興奮して真っ白な頭の中に、また色んな思いがフラッシュバックする
さっきのWAXが頭を過った時、私の中のどうしようもない黒い思いが爆発した
唇を離すとまた目を伏せたまま少し息を切らせている彼女。
「くーチャン?」『・・』まだ苦しいのか返事してくれない彼女にイラっとする
「彼ともこうやってしてたの?」『BoAチャン・・』
私はシャワーを出して彼女の下の蕾にあてて刺激する
私の体で閉じられないのにどうにか閉じようと抵抗する彼女の
片方の足を押さえて、シャワーを離したり近づけたり揺らしたりする
彼女の息がハァハァとどんどん荒くなる
『っん・・っあっ・・ヤ・・ダ・・』
「あのソファでもした?」
『・・んっ・・ャ・・ハァハァ・・』
「あのベッドでもそんなふうに感じてたの?」

130 :
(・∀・)イイ! wktk♪

131 :
切ない…(ノω・、)
くうちゃんの想いは…?

132 :
神発見!

133 :
今日は更新ないのかなぁ…('A`)
wktkなんです(;´Д`)ハァハァ

134 :
『んっ‥‥ぁ‥ボァチャ‥んっ‥』
感じながらも私の腕を止めようと彼女の手が私の腕を握るけど
力の入らないその腕が私が握るシャワーの動きを制止できるはずもない‥
抵抗しながらも時おり体をビクっ反応させて感じてる
『んぁッ‥ヤ‥‥』
フと視線を横にやるといいものが目に入った
彼女がCMしてるレディースシェーバー。ボタンがついていて、押すと振動する仕組
私は彼女の足を抑えていた方の手をさっとのばしてそれを手にした
替刃が外してあったから危なくないしボタンを押して振動させてみる
――ブ−ン――
振動音がシャワールームに響く
一端シャワーを止めて、ブルブル細かく動くその物体の柄の部分を彼女の中に入れてみる
『‥っんぁ‥ボァ‥チャ‥ヤメ‥テ‥っン‥ハァン‥』
いまだ嫌がる彼女の声も今の私には興奮の糧でしかない
気持ちは拒否していても今の彼女の身体は全身が性感帯のよう
すんなりと入ったソレで一度奥まで突く
『ぁんっ‥‥ハァハァ‥』
今度はゆっくりと出したり入れたりしてみる
『ハァハァアッ‥ン‥ン‥ハァハァ‥』
こらえながらも漏れる彼女の喘ぎ声と
クチュクチュと彼女の中の濡れたイヤらしい音が
振動音と共にシャワールームに響く
彼女の中をかきまぜるように動かすと彼女の息使いが一層荒くなった

135 :
そのままもう片方の手で再度シャワーを出して彼女のビンと充血した蕾にあてた
『ンァッ‥アァァッ‥ンァ‥ハァッ‥ハァッ‥ンンッ』
堪えきれず喘ぎながらシャワーの動きに合わせて腰を動かしている彼女
その動きがすごくいやらしくて私の興奮に拍車をかける
振動物はゆっくり出し入れしながら蕾へのシャワーでの刺激を激しくする
『ンァァァ‥ン――ッ‥‥!!』
彼女の体がビクンッビクンッと動いて快楽の頂点に達した‥
ハァハァと肩で息をしながらシャワールームの壁にもたれかかる彼女
水しぶきが涙か、彼女の目から透明のものがポツンと流れるのが見えた
私は急に罪悪感に襲われて彼女の顔をまともに見ることも
何か声をかけることもできなくて、ただ彼女の熱った体をぬるめのシャワーで流した
暫くの沈黙の後、最初に声を発したのは彼女だった
『BoAチャン‥』
「ん?」
『‥ホントの事言って。‥私の事‥好き?』
そう言って真っ直ぐに私の目を見る
その問いかけに、また胸がギュッと痛んだ。なぜか涙が頬を伝う
『‥BoA‥チャン??!』
言いようのない自分への嫌悪感‥情けなさから彼女の真っ直ぐな目を見る事ができない
「ゴメン‥上がろっか」
うつ向いたままそう言うのが精一杯で、私は彼女の手をひいてシャワールームを出た

136 :
シャワーから出て着替える
脱衣所の洗面台に置かれたあのWAXにフと目が行く
その視線に気付いたのか、彼女がソレのある方を振り返る
気付いたかな? 気付いてないかな?
今の私の気持ちもそう
知って欲しい。でも知られたくない。
次の瞬間、何も言わずにソレをゴミ箱に捨てる彼女を、私は見て見ぬフリをした
髪の毛をタオルで拭く私の背後に温風があたる
「いいよ」
『いいから‥』
ふりきってリビングに戻ろうとする私の腕をひいて
無言のまま私の髪をドライヤーで乾かしてくれてる
優しい‥私、酷い事言っちゃったし無理矢理あんな事までしちゃったのに‥
彼女の優しさに、自分への嫌悪感がどんどん‥どんどん募る
『はい、乾いた』
「ん‥ありがと‥」
アルコールが醒めたせいかな、さっきまでの自分より自分自身が小さくなった感じ
自分の髪を乾かし始めた彼女をおいて私は1人リビングへ戻った
テーブルの上も、濡れたカーペットもキレイに片付けられてる
今日どうしよう‥
なんか居づらいし‥自分が悪いんだけど‥
くーチャン戻って来たら帰ろう
そんな事を考えていると彼女が戻ってきた

137 :
『何か飲む?』「ん、いい。くーチャン、この服借りてってもいい?」
『うん』その時、私のケータイが鳴った。サブ画面には《夏川純》の表示・・
「はい」
《もしもしBoAちゃん?久しぶり!今平気?》「う・・ん」
《どうしたの?元気なくない?あ、彼女とまだ上手くいってないの?》
「ううん。そんなことないよ大丈夫」
《私の方はいつでも戻って来ていいからね〜^^》
「アハハ・・ありがと。でも大丈夫」
《冗談はおいといて、家にね、忘れてたのBoAチャンの服とか色々。
だからとりあえず宅急便で送っておいたから》
「あ、うん。助かる。ありがと」
《うん。・・ねぇ、BoAチャン、彼女の事、そんなに好き?・・》
「うん。スキ・・」
《そっか^^。ならよかった。ゴメンね急に。とりあえず宅急便の報告でした!》
「うん、わかった。ありがと」
《うん。じゃぁねっ!! 頑張ってねBoAチャン。オヤスミ!!》プツッ・・・
サブ画面見られてたかな?何も悪いことはしてないのに何かドキドキした。
彼女はソファに座ってTVを観てる・・
「くーチャン、私、帰るね」『え?!・・・・う・・ん』
ケータイやら着てきた上着やら身支度を整えて玄関に向かう
靴を履いてドアノブに手を伸ばそうとすると
『BoAチャン!!』
リビングから彼女が駆け寄ってきた


138 :
GJ!超GJなんだけど……「チャン」→「ちゃん」にしてほすぃ

139 :
これ中身さんの続き?
書いてるの中身さんじゃないよね?

140 :
wktk×100(゚ω゚三*゚∀゚)

141 :
wktk(゚∀゚)!
BoAタソ早く素直な気持ちを…!

142 :
GJGJGJ

143 :
続き〜!wktk('A`)

144 :
『やっぱり、ダメ』
「え?」
『帰らないで』
真っ直ぐに私に向けられた彼女の視線
そんな目で見られたら断れないじゃん‥
「‥うん」靴を脱いだ途端少し強引に私の手を引いてリビングに向う彼女
私をソファに座らせて、その隣に自分も座った
沈黙の中、つまらないテレビの音だけがリビングに響く
『許せない?私の事』
「え?」
『したよ彼と。このソファでも、あのベッドでも』
胸が痛い。2人でいるのに1人ぼっちみたいに寂しい
「‥うん。わかってる」
突然、彼女の顔が近づく。私はとっさに彼女の肩を押し離れた。
『もう私とはイヤ?‥彼女が恋しい?』「違うよ‥」
『BoAちゃんだって‥あの子としてたんでしょ‥
あの部屋で‥何回くらいしたの?』
「くーちゃん‥」
『さっきだって!‥さっきだって‥彼女と比べてたんでしょ?
彼女の方がよかった?』
「違うよ」
『電話で(スキ)なんて‥だから帰るんでしょ?
帰って会いに行くんでしょ?!』
次第に声を荒げて話す彼女

145 :
GJ!GJ!
wktk…(゚∀゚)!

146 :
もう無理なのかな‥
1度離れた事で出来た溝はもう埋められないのかな‥
過去は消せない。でもいま(好き)だけじゃダメなのかな‥
どうしてだろう‥言いたい事は沢山あるのに言葉が出て来ない
『いいよ』
少しの沈黙の後、彼女がボソッと呟いた
『ごめん‥行っていいよ』
言葉の意味が理解できなくて彼女の顔を見る
彼女はうつ向きながら、胸に手をあてて1つ大きく深呼吸して
それから今度はゆっくりと優しい口調で話し始めた
『私、BoAちゃんのこと大好き
だからBoAちゃんが幸せならいいと思ってる
‥ごめんね引き止めて‥早く行って^^』
そう言って私に笑顔を向けた彼女の表情はどこまでも深く優しく
まるで聖母のようで、その目にはうっすらと涙が滲んでいた
私は胸が痛くて張り裂けそうだった。
違う‥違うのに‥素直になれない言葉に出来ない自分。涙で目が滲む。
また同じ事を繰り返すのかな‥ 嫌だ‥そんなの絶対にイヤだよ
「違うよ。‥違うの」

147 :
oh!来てたー(〃∀〃)ノ
いいですよ〜♪ドンドンいっちゃってくらさい!!

148 :
萌える

149 :
続きは…?Σ(゜д゜;)
毎回wktkです…('A`)

150 :
しっかりsageて待ちますンで
何卒よろしくお願いいたします(ー人ー)

151 :
こりゃ〜いいねぇ(〃∀〃)
wktk♪

152 :
『?』
「さっきの電話は夏川さんに“彼女の事好きか”って聞かれて、だから好きって‥」
『え?‥じゃぁどうして』「違うの‥私、くーちゃんに悪くて あたし‥
くーちゃんとあの彼の事‥やきもち‥妬いて
くーちゃんの事好きで、大好きで
私だけのものにしたくてだから‥だから無理矢理あんなこと‥
もう嫌われちゃったかなって‥こわくて‥だからいられなくて」
うまく日本語になってたかもわからないけど
私は自分の中にある思いを夢中で言葉にのせた
『‥私もだよ』
「へ?」
『BoAちゃんが‥彼女とキスしたり‥セックスしてたなんて‥
勝手だけど今でもすっごく嫌だ
さっきも比較されてるのかなって‥それで彼女を選ぶのかなって怖くて
BoAちゃんを誰にも触れさせたくない‥私以外の誰にも』
「うん‥」
自然と涙が頬を伝った。
そして胸の中の色んなモヤモヤが消えていく感じがした
『だけどそんなのただの私の我儘。BoAちゃんはBoAちゃんで私のモノじゃない』
近くに感じ始めた彼女がまた遠のいていく気がして彼女の話に割って入る
「私は‥
私は我儘でもくーちゃんを私だけのものにしたい!
誰にも触れさせたくないし、私だけのくーちゃんでいて欲しい」

153 :
2人の視線がぶつかる‥
どちらからともなくキスをした
優しい、少ししょっぱいキス
『いいの?』
唇を離して彼女が問いかけた
「なにが?」
『許せないんじゃないの?』
「もういいの。くーちゃんは?嫌じゃない?」
『うん、嫌だ。許せない』そう言ってチュッっとキスをする
『だからやっぱり私のものにする』
そう言ってキスしたあと抱きしめられた
『もう誰にも触れさせない』
「うん‥」
あったかい‥何とも言えない彼女の温もり
『さ〜てとっ!』彼女が体を離して言う
「ん?」
『教えてもらうかなBoAちゃん。キスは?』
「え?」
『何回くらいした?』「そんなの」
『じゃぁエッチは?』
「じゃぁくーちゃんは?」『ん〜と‥』
「あ〜!くーちゃん今あの彼とのエッチ思い出してる!!!
‥ムカつく。やっぱりヤダ!私も許せない。だから‥」
彼女の肩を押し倒す
「もう絶対離さないから」
―チュッ―チュッ―チュッ―
照れ臭く笑いながらキスを繰り返す
そのうちクルっと巧く体勢を変えられ彼女に組敷かれた
『彼女より感じさせてあげる‥』
イタズラっぽくそう言った後で私にキスをする
優しく、深く、時に荒く、激しく。その夜、私達は再び繋がった。それまでで1番熱く強く。  end

154 :
期待させて(してない?!)最後ありきたり。
中身さんの真似してみました。
ごめんなさい、ちょっとだけ
中身さんに意地悪したくなったので書いてみました
だけど中身さんの大変さもわかりました
失礼いたしました。

155 :
154 GJ!お疲れさまでした!最後もうひと押し欲しかった〜(゚∀゚)でも良かったです!今後、短編でも書いてみては?!

156 :
GJ!!ごっつ満足やっちゅーの♪
ありがとう! そしてお疲れさん(*^∀^)ノ

157 :
ごちそーさま!

158 :
>>154
そういうつもりで投下してたんなら正直萎える
とりあえず乙

159 :
どんなつもりでもよくない?
投下してくれるだけでありがたいと思う
職人さんがこないなか投下してくれた謎の人に感謝!
乙でした!

160 :
中身タンはそろそろきっとくるよねっ(´∀`)♪

161 :
そう信じたい(・_ゝ・)

162 :
う〜

163 :
嫌がらせってのがね
なんか。当て付けって意味だったのかね。
作品がなかなかよかっただけに、締めがこれで
かなり残念。

164 :
上の人ながせよ〜
そんな話を長引かせるな
その言舌糸冬 了 o
気分良く投下を待ちましょう

165 :
みんなずっと待ってるょ

166 :
くだらないSS書いてみたんで、投下します。
中身さんが来るまでの暇潰しにでも読んでください(^^)

167 :

今日は久々に彼女とデート。彼女の家でまったりいちゃつく予定……だったんだけど、さっきから私の前には明らかに不機嫌な彼女。
普段は絶対読まないような本なんか読んだりしちゃって、完全に自分の世界。
への字に曲げてちょっと突き出した唇がかわいいなぁ、なんて思いながら彼女の膨れた頬をつついてみる。
「ぼーあーちゃん♪」
彼女は目だけでこっちを見る。
『……何?』
冷たく聞かれたって気にしない!私は笑顔で返した。
「くうちん暇やねんけど。構って!」
はぁ、なんて、大袈裟なため息をついて彼女は視線を本に戻す。
『私、本読んでる。』
私の方を見ないまま彼女は言う。
「そんなこと言わんで遊ぼーやー。」
『本読んでる。』
即答。でも負けじと反論。
「本なんか後で読んだらええやん!」
彼女は何も言わない。いい加減私もいらついてくる。

168 :

「なぁ、ボアちゃんが何にいらついてるんだか知らんけど、ふたりで会ったん久々なんやから機嫌直しーや。」
『‥‥‥。』
「なぁボアちゃ『夢のうた』
沈黙をきめていた彼女が急に呟きだした。
『Cherry Girl』『BUT』『それからライヴDVD。』
「?」
淡々としたボアちゃんの言葉を私は理解できず、頭の中は?でいっぱいだった。
『何で私が機嫌悪いかって?』
「‥‥‥。」
沈黙をきめるのは、今度は私の番。
『何でなのか知りたいなら、今言ったDVD見てみれば?』
今言ったDVDって‥‥‥夢のうたとCherry GirlとBUT、ライヴDVD?
自分のDVDなんて飽きるほどに見たから今更見なくても、内容くらい覚えてる。
私はそのDVDの内容を思い返してみる。

169 :
wktk(゚∀゚)!
続き楽しみにしてます!

170 :
ヤタ━(゚∀゚)━━ッ!
wktkなんで続々と投下よろしく♪
最近2人ともメディアに登場しないから
寂しぃんだょね(ノω・、)

171 :
>>168つづき

ん?
まさか‥‥‥いや、違うよね?
でもやっぱり‥‥‥

私は恐る恐る口を開いてみる。
「あ、あのー、」
『なんか用?』
彼女の視線はまた本にいってて。でもさっきと違って、私の次の言葉を待っている。
「えっと‥‥その‥‥」
『何?』
早く言えとばかりに鋭い視線が私に突き刺さる。
でも、私の口からはうまく言葉がでてこない。沈黙が続く。
『‥‥くうちゃんさぁ、』
見兼ねた彼女が沈黙を破る。
『そんなにキスが好きなの?』
う‥‥。やっぱり彼女が怒ってるのってそれが原因だったんだ。
『いっつもいっつもキスしてるよね!それ見たときの私の気持ちわかる!?
くうちゃんが仕事頑張ってることはわかってる、わかってるけどっ‥‥!』
何も言い返せない。きっとボアちゃんはずっと思ってたんだ。だけど、私のために言わないでいてくれたんだ。
PVやライヴだからって、もしもボアちゃんが他の人にキスしてるのなんて見たら、私は耐えられないだろう。
それを、ボアちゃんはずっと我慢してきてくれたんだ。
私はいつもボアちゃんを傷付けてばかりだ。
もう‥‥‥自分、最悪や。

172 :

「ボアちゃん‥‥ごめん。ごめんね。」
他の人とキスしたことよりも、ボアちゃんの気持ちを考えてあげられなかったことが情けなくて、自分が不甲斐なくて、言葉と一緒に涙が零れた。
そんな私の髪を、いつの間にか隣に座っていた彼女が撫でてくれた。
『くうちゃん。』
なだめるような優しい声。
『くうちゃん、』
私の大好きな大好きな声で、もう一度私を呼んだ。
『ごめんね、違うの。私、くうちゃんのこと責めたいんじゃないの。
ただ、私寂しくて。他の人がくうちゃんに触れるのが悔しくて。』
彼女の淋しげな横顔に、また涙が溢れてくる。

173 :

『でもね、私くうちゃんのこと応援したいの。くうちゃんのこと大好きだけど、同じくらい“倖田來未”が好きだから。
だから、応援するって決めたのに‥、、くうちゃんがいろんな人とキスするから、、、つい怒っちゃった。』
ごめんね?決まりが悪そうに苦笑する彼女がおかしくて、鼻水垂らして泣いてる自分がおかしくて、吹き出したのはほぼ同時。
やっぱりボアちゃんは淋しそうな顔より笑ってる方がいい。
この笑顔を曇らせたくないって、そう思った。

でも、
「仕事に対して妥協はしたくないし、良い作品を作りたいから‥‥」
また他の人とキスしちゃうかも。
なんて言ったらデコピンがとんできたけど、ギュッとつぶった瞼にキスも降ってたから痛いのに頬は緩んでしまって。

誰とキスしてたって、いつだってもボアちゃんのこと考えてるから安心してな?
〜END〜

174 :
くだらなくてスマソ(´Д`)
最近こーださんがPVだとかライヴだとかでキスしまくりなので、ボアちゃんは泣いてるんじゃないかと思って書いてみたんたけど……
んー……微妙(・_・。)

175 :
訂正
>>173 最後の一文
×いつだっても
〇いつだって

176 :
GJです♪(-∀-)ノ
実は私も気になってたんだょね..
くぅちゃんのDVDとかPV
『BUT』のキスは、まだ許せても
LIVE DVDにはヽ(`Д´)ノウガッてなった!!
また投下して欲しいな♪

177 :
GJ
中身サンも待ってますよ
LIVEDVD、お客さんのほっぺにちゅー
ダンサーさんとちゅー
……くぅちゃんw

178 :
中身さん…ひと月以上放置て
どんだけ〜!!

179 :
もう無理なんじゃないの?
ネタ切れか書く気なしか、なんにしろ
スレたてたけど器じゃなかったってこと
待ってるの知ってるはずでも放置ぷれいだし
だから皆あぼ●あろに流れてく
そのうち伴スレでもだすんじゃない?

180 :
前回の話で最終回とか言ってたよね?
もう終わりだと思ってたよ。

181 :
。。。そぉなん???
知らんかったわ
てか私気付いてへんくて
ずっと。。。待っててんケド
私アホみたいや(ノω・、)
中身サン!!
くう×BoA大好きでした
あー今も好きやのにー!!

182 :
「ちょっと!んっ・・」
『ん?』
「んっ・・やめ・・たらイヤっ・・」
『知ってる・・・わー!すごい!』
「あっ・・んっ・・もぅっ・・はぁんっ!!」
『ココ?へ〜ここがいいんだ?で、こんなすごいんだ〜』
「あっ・ううん・・そっ・・そんなっ・・こと・・なっ・・」
『へ〜くうちんはここがいいんだぁ』
「んっ・・んっ・・はぁっ やぁっ・・あっ・・んーっ・・」
『いきそ?まだやだっ!まだまだくうちんのエッチなとこ見たいのに・・』
「もっ・・無理っ!あっ・あっ・・・えっ?
・・やめ・るの?」
『うん!いやなの?してほしい?』

183 :
おひさしです。中身です。
もう叩かれようが何言われようが仕方ないと思っています。
どんな仕打ちでも受ける覚悟で書き込んでおります。
言い訳にしかならないのですが、ここのところかなり多忙であります。
時間があまりないんです。
まぁ、自分の力量不足が原因ですね…
合間々々に少しづつ書いてはいるのですが、他スレで似通ったネタのSSを発見した場合、
書いていたものを即ボツにしてしまっているのも遅筆の大きな原因です。
もう見捨てられても仕方ないとは思っていますが、
まだまだ書き続けるつもりでいます。
長々申し訳ありませんでした。

184 :
中身さんこんばんは。
書けなくなる苦悩つらいですよね
書いてる最中にサキヨミレスされて興ざめしちゃったり
展開が読めてしまったり。
アップのタイミングも難しいですよね。
性描写なんて似通ってしまうのに、真似とかいわれてしまったりするし。
納得の行く作品じゃないとあげられない気持ちよくわかります。
くれくればかりであげたら文句っていうのも悲しいですよね。
のんびりでいいんですよ。
中身さんのくうぼあ素敵だと思います。
二人が生きてて。
読んでて暖かい気持ちになれる。
私は大好きです。
ここで待ってますね。
某書き手より

185 :
雑音は気にせずいこうよ、中身さん。
ここまで盛り上がったのは中身さんのおかげだけど
決してここは中身さんの専スレじゃないしさ。
他の職人さんも書いてくれてるみたいだし。
中身さんが叩かれるのは筋違いってもんだ。
中身さんのペースで投下してくださいな。
長くてごめん。

186 :
1ヵ月レスなしの中身さんに対して不満に思う人もいるかもしれないし、仕方ないかもしれないけど
中身さんにだって事情はあるんだし、他の職人さんもちらほら来てくれてるんだからまったり待とうよ

187 :
同意。
ダラダラ駄文垂れ流されるよりは、クオリティーの高い1本のSSが読みたい。
そんな中身さんの姿勢も含めてファンですので。
ゆっくり待ってます!

188 :
>>182
続きは…?Σ(゜д゜;)

189 :
やったやった〜^∇^)ノ゛終わってないんやん♪
もーね中身サンのレス見た途端叫んだっちゅーの
あ〜もぉサイコー!
たった今からwktk mode
多忙な中身サンにつきましてはお体大事になさってくらさぃ(´∀`)ノ
気合い入れて待ちます!!

190 :
職人さんって大変だね。
投下しないと今回みたいに文句言われるし、かといって急いで投下しても「質が落ちた」とか「手抜き」とか言われちゃうんだから。
中身さんまったり待ってますから、中身さんのペースでどうぞ。
でもたまにレスだけでもしていただけると、私たちは安心して待っていられると思います。

191 :
(´・ω・`)

192 :
(*-∀-)ニヒ♪

193 :
今夜あたりに投下させていただく所存でございます。
宣言して自分のケツ叩いておきます(笑)

194 :
待ってた……。

やったー!!!!!!!!!

195 :
ヤターヾ(≧∇≦)〃
予告投下なんて〜♪
起きてよ〜っと(^▽^人)

196 :
*Star*
コーヒーを飲み干すと、彼女は無言でベランダへと出て行った。
家主のいなくなったリビング。私は一人でゆっくりカップの中身をすする。
一週間前に生放送の音楽番組で共演して以来、お互いにかなり忙しくて
メールも電話もろくにできなくて・・・
だから会えて嬉しいはずなのに、彼女は玄関で私を迎えてからずっと不機嫌。
話しかけても時折「うん」とか「せやな」とか短く相槌を打つだけ。
当然話題は広がらないし、沈黙ばかりが続く。
いつもなら堪りかねてガツンと一言言っちゃって、ガツンと彼女も言ってきて
わーって一喧嘩して、なんだかんだ仲直りして、はいおしまい。
なんだけどなぁ・・・
彼女が不機嫌な理由を私はちゃんと知っている。
その原因が自分だということも・・・
あの余計な一言と、未だに言えずにいる一言。
空っぽになったカップは、私から“リビングに居る理由”を消す。
振り返るとガラス戸越しに見える彼女の後姿。
もう背中から不機嫌のオーラがもわもわ出まくってるのがわかる。
触らぬ神になんとやらだけど、このままでいるのもやだ。
気合を入れるように深呼吸してから私は立ち上がった。

197 :
カラカラとわざと戸音を立てて来たことをアピール。
「おっじゃましまーっす!」
おどけたように言ってみせても彼女はこっちをちらりとも見てくれない。
手すりにもたれかかるように頬杖をついて、じっと前を向いたまま。
私も彼女と同じような体勢で手すりにもたれた。
目下に走る道路を眺めるふりをしながら、横目で彼女をのぞく。
不意に通り過ぎた夜風が彼女の短い髪をなびかせる。
ちらりと見えた耳元にピアスが揺れていた。
遠くを見つめるちょっと垂れぎみの目。
先が丸いけど、好きな形の鼻。
ふくれてるせいで突き出た唇。
その頬杖をついている見慣れた横顔に胸が高鳴る。
髪を切った彼女の新しい魅力が私を虜にする。
横顔が少しだけ私のほうを向いた。
「かぶって悪かったね・・・」
ドスの聞いた声で彼女が言った。

198 :
彼女がショートにしたがってたのは前から知っていた。
雑誌やテレビにショートヘアの似合う女優さんが出るたびに
「あたし、こういうカンジにしたいんだけど似合うかな?」
そう言いながら、長い髪の毛を後ろで一つにまとめて私に見せていた。
ウィッグで髪の短くなった彼女は何度か見たことがあるけれど、
実際に髪の短い彼女がどんなものか、なかなか想像はつかなかった。
そしてつい先日のことだ。
『髪切りました!』
彼女からのたった一行のメール。
当然私はどうなったのか知りたいし見たいのだけれども
『ナマで会える日までのお楽しみ』だそうで・・・
私はしばらくおあずけをくらう。
で、やっと会えたのがその“生放送の音楽番組”。
「やっと会える!(見られる?)」とは思っていたものの、
新曲が久しぶりのダンスチューンということもあって
リハもランスルーも私は自分のことでいっぱいいぱい。
正直、彼女のことは頭の片隅に追いやってしまっていた。
そして本番直前。
今回はプロモーションにおいて全てがボーイッシュ。
メンズライクなジャケット、ウィッグですっかりショートヘアに変身。
出番を待つ私の肩を誰かが叩く。
「ん・・・?!」
ショートヘアの彼女がそこにいた。

199 :
自分が想像していたのよりも遥かに短くなった髪。
いつもどおりのはにかんだ笑顔。
「おそろいだ・・・」
嬉しそうに呟いた言葉。
私のウィッグの毛先をいじる細い指。
ふんわり漂う甘い香り。
明らかに私の感想を待ってる子犬みたいな瞳。
そんな彼女を「かわいいな」と思った瞬間、急に胸がギュッと苦しくなって、顔が熱くなった。
“惚れ直した”とでも言うのかなぁ・・・?
完全に彼女にときめいて胸キュン状態。
ふつふつ湧く、恥ずかしいような照れくさいような妙な気持ち。
ドキドキしながらも、それを素直に口に出すのを躊躇う素直じゃない自分。
「・・・私とかぶるじゃん」
なんでこうも素直に気持ちを伝えられないんだろう。
つい天邪鬼な部分がポロリと出てしまった。
その一言で彼女の表情が一転。
それまでの笑顔は消えて、むっとした顔で私を見る。
しまった!と思ったけれど、もう後の祭り。
「アホっ!!」
一言私に投げつけて、彼女はそれ以上口を聞いてくれなかった。
それが今に至るわけで・・・。
まぁ、それでも会う約束はしてくれたし、現に今彼女の隣にいられるわけだから
そんなに怒ってはいない・・・?のかな?
でも、『おじゃまします』の後に『かわいいよ』って言うのも変だし、
コーヒー飲んで『ごちそうさま』の後に『かわいいよ』って言うのも変だ。
・・・なんてタイミングが掴めないのを言い訳にして
言いそびれた言葉をずっと引っ張ってる自分もバカなんだけど。

200 :
彼女の顔が再び正面に向き直る。
その怒った横顔もかわいいと思うし、愛しい。
なんで素直に言えないのかなぁ・・・私。
「なんで・・・一番褒めてもらいたいヒトにあんなこと言われなあかんの・・・」
彼女がぽつりと呟く。
「えっ?」
やっと彼女が私の方を向いてくれた。
怒り顔ではなくて寂しそうな顔。
「気に入ってくれるかなぁ?ってずっと考えててさ、
でも写メじゃなくてちゃんと見てほしかったから見せたいの我慢してさ・・・」
今にも泣き出しそうな顔に胸が痛んだ。
すん、と彼女が鼻をすする。
「やっと会えた!って思った矢先に『かぶる!』だもん・・・やんなっちゃう・・・」
「・・・ごめん」
素直じゃない上に、言葉を選ぶのがだいぶヘタクソな自分。
日本語がまだなんとなく不得手っていうのは言い訳にすらならない。
「一番好きなヒトに・・・ヒドイこと言われてるんだから・・・」
「ごめん・・・」
「『ごめん』じゃない!マネージャーとか友達とかスタッフに『かわいいね』って言われても
そんなのどうでもいいの!関係ないの!ボアちゃんが言ってくれなきゃしょうがないの!!」
「ごめん・・・ね ほんと・・・ごめん・・・」
「もう『ごめん』は聞き飽きた」
彼女がしょんぼり肩を落とす。
「似合ってないならそう言ってよ・・・ 変ならちゃんと言って」

201 :
〜素直に『かわいい』って言ってあげなよ〜
もう一人の自分が私の説得にかかる。
「・・・変ではないよ?」
〜だからそうじゃなくって、『かわいい』でしょ?〜
「似合ってない・・・わけじゃない・・・ っていうか似合ってるよ・・・うん」
「ん・・・そっか・・・ そんな無理して言わなくてもいいよ」
一つため息をついて、彼女は伸びをする。
「これから一生懸命髪伸ばさないとね・・・」
向けられた寂しそうな笑顔。
〜ほら!今だ!今しかない!〜
もう一人の自分に背中を押され、私はつんのめるように彼女を抱きしめた。
「ど・・・どしたん?」
両手を上に上げた伸びの体勢で彼女は固まる。
「ごめん 本当にごめん・・・」
抱きしめた腕に力を込めた。
「いいよ そんな気にしてないから」
慰めるように私の頭をそっと撫でる。
「そうじゃなくってさ・・・」
「ん?」
「初めてショートにしたくうちゃん見たとき、頭真っ白になったのね」
「うん・・・」
彼女の首筋に顔を埋めた。
短くなった髪の毛が、私の頬をくすぐる。
「もうホントに思ってた以上にかわいくてさ、すごく似合ってるし・・・
惚れ直したというかなんというか・・・ もう『好き!』って思っちゃったら
急に照れくさくなってきて・・・ なんていうか・・・ ごめん・・・
ひどいこと言って・・・ごめん」
今更言い訳したって彼女を傷つけた過去が変わるわけじゃないけど。

202 :
「ふーん・・・ そんな理由であんなこと言ったんだ・・・」
ふてくされた口調でそう言って、彼女が私を突き放す。
やっぱり怒らせちゃったな・・・。
「ごめんなさい・・・」
「だから『ごめん』は聞き飽きたって言ったでしょ?」
「はい・・・」
今度は私がしょんぼりする番だ。
「『ごめん』以外で言うことない?」
「えっ?」
「『かわいい』とかさ、『かわいい』とかさ、『かわいい』とか」
ニヤリと微笑む彼女。
「あ、『かわいい』でもいいよ!」
「全部一緒じゃん・・・」
「言ってくんないならもう知らない!」
彼女はぷいと私に背を向ける。
あー・・・・もう!!!!
「かわいい・・・んじゃない?」
「聞こえなーい」
顔に血が上るのがよくわかる。
「かわいい・・・ですよねー」
照れくさくて冗談っぽく言ってみる。
「・・・誰が?」
「・・・くうちゃんが」
「本気でそう思ってる?」
「本気でそう思ってます」
再び彼女が回れ右。腕を組んで、少し斜に構えて、ふくれっつらで。
「だったら態度で示して」
ふくれながらも微笑んでるのは、もう怒ってない証拠。
安心すると同時に、やっぱり彼女をかわいいと思う。

203 :
「どうすればいい?」
「そうだなぁ・・・ あたしの目を見て、『かわいいよ』って言った後にちゅーは?」
うっ・・・なんか想像しただけで照れるんですけど。
「・・・できなかったら?」
「一生口きかない」
「それは困る!」
大げさに頭を抱えてみせたら彼女が笑った。
「くうちゃん・・・」
「ん?」
笑顔の彼女を抱き寄せて、片手で短くなった髪を梳く。
「ショートヘアも似合ってる・・・ かわいいよ・・・」
うぅ・・・やっぱり恥ずかしい・・・けど、約束どおりに唇を寄せる。
途端、パッと彼女が両手で顔を覆った。
「・・・ちょっと!」
キスの空振りは、『かわいい』よりも恥ずかしかった。
「ごめん・・・ なんか・・・照れる・・・」
「はぁ?!」
指示したのはくうちゃんでしょ?!彼女が私の腕からスルリと逃げた。
「顔赤いから見ないで〜・・・」
「ちょっと・・・! キスできないじゃんか!」
「う〜・・・ やっぱり照れくさいからいい!」
「よくない!ちゃんとキスさせなさい!」
「やだ!」
「あー!逃げるな!」

したかしなかったかは、皆様のご想像にお任せします。

204 :
こばわー、中身です。
長らくお待たせした挙句、エロ無し&へタレBoAタソで申し訳ないですorz
しかもネタが古すぎる・・・
前作で多くの方を失望させてしまったので、
それを返上するべく、少しずつですが色々書いてます。
今までとは多少毛色の違うものにも挑戦していこうと考えてます。

あと・・・やっぱり他の住人さんが書いたくう×ぼあも読みたいです!
自分には絶対に書けないような二人が登場するので楽しみなんですよ。
これからもよろしくお願いします!

205 :
いつもROMってるけれども。
今日は黙っちゃいられない!!!
中身さん、ありがとう!!!
本当に本当に、おかえりなさ〜い(=^▽^=)
もうエロいとかエロくないとか関係ないから!!そりゃあれば嬉(ry

206 :
キタ―――(゜∀゜)―――!!
中身さんJGです!!

207 :
GJでした

208 :
「下駄ってちょっと歩きづらいんだね・・・」
「うーん、じきに慣れるよ」
カラコロと軽快な音を立てながら二人並んで歩く。
今年も夏祭りの季節がやってきた。
去年と同じ場所、同じ道のり、ほぼ同じ日程。
違うのは二人の装いだけ。
彼女は紺地に白抜きの紫陽花の模様、えんじ色の帯。
あたしは淡い青地に金魚が泳いで、濃い桃色の帯。
どうしても着てみたい!という彼女のリクエストにお答えして、今年の夏祭りは浴衣デート。
初めて着る浴衣が相当嬉しいらしく、彼女は何度も立ち止まっては自分を見る。
あまり違和感を感じないのは同じアジア人だからかな。
本当に嬉しそうな笑顔に、こっちまで嬉しくなる。
ゆるく編んだおさげを弾ませながら、彼女が数歩あたしの前に出た。
下駄を鳴らしてくるっと一回転。
「どう?似合う?」
袖を持ち上げてポーズ。その質問、何回目だろう。
そんじょそこらの女の子よりはるかに可愛いと思うのは、恋人故だからかな?
あたしは頷いてOKサインを出す。
「ありがとっ!」
えへへと照れたように微笑んで、彼女はあたしに手を差し出す。
「手ぇ!」
あたしは指を絡めるように手を繋ぐ。
「なんか恋人同士っぽいですねぇ」
冗談めかして彼女が言う。超ゴキゲン。
カラコロ カラコロ・・・
ざわざわとした喧騒が聞こえてくる。お祭りらしい香りも漂ってきた。
途端、彼女がぱっとあたしの手を離す。
「焼きそば買ってくるぅ〜!」
かなりハイテンションな彼女の後姿を、あたしは笑顔で見送った。

209 :
あまり大きなお祭りではないにもかかわらず、老若男女、けっこうな人だかり。
屋台めぐりを済ませて、境内の石段に並んで腰掛けた。
「いっただきまーす!」
彼女は満面の笑みで焼きそばを口に運ぶ。
本当に美味しそうに食べるなぁ・・・。
あたしも焼きイカに齧りついた。
「ふーふゃんほやひいはもひょーらい!」
「もう!飲み込んでから喋りなさい!」
笑いながらイカを差し出すと、彼女はがぶぅとほおばる。
「ろっほーはん!」
「あ・・・こら! あたしが食べる分ほとんどなくなっちゃったじゃん!!」
イカの大部分が、綺麗に半円状になくなっていた。
「いはふはいいーひゃんは!」
「だから喋るのは飲み込んでから!」
両頬のエクボが可愛らしいけど、滅多にないちょっとお行儀の悪い彼女の姿。
おいおい、せっかくの浴衣姿が台無しですよ。
少し遠くの方で太鼓の音が聞こえ始める。
「間もなく盆踊り大会を始めます ぜひ奮ってご参加ください」
仮設の柱に括り付けられたスピーカーからアナウンスが流れる。
それに合わせて、まわりのヒトたちがぞろぞろと動き始めた。
そういえば、お知らせの張り紙に盆踊りのことも書いてあったかも。
久しぶりにあの輪に入ってみようかな?もちろん、彼女も一緒に。
いつものダンスと勝手が違うから、きっとボアちゃんあたふたするぞ・・・
焦る彼女を想像して、思わず微笑む。
「ねぇ、ボアちゃんも一緒に行かない?」
「むー!!」
彼女は口をもぐもぐさせながら、焼きそばのお皿を指差す。
ああ、まだ残ってるのね。
とりあえず、彼女が完食するまで待つあたし。
彼女が最後の一口を口に入れる頃には、あたしたちの周りには誰もいなくなっていた。

210 :
「ごちそーさまでした!」
満足そうに微笑んで、ぱちんと両掌を合わせた。
「じゃぁ・・・行こっか」
立ち上がろうとするあたしの手を彼女が掴む。
「ん?どした?・・・わっ!!」
顔を覗き込んだら、ちょっと強引に抱き寄せられた。
「くうちゃん・・・」
「ん?」
彼女が耳元で囁く。
「今・・・二人っきりなんだよ・・・」
その艶めいた声と、清楚な浴衣姿のギャップにあたしは息をのむ。
「なんか・・・今日のくうちゃん、いつもに増してすごく色っぽい・・・」
「・・・そう?」
誘うような視線があたしの唇に注がれる。
「ダメって言われてもキスするからね・・・」
なかば強制的に、あたしの答えを微塵も待たずに彼女の唇が触れた。
その後は、もう欲望の赴くがままに・・・といきそうなんだけれど、あるものが邪魔をする。
「ボアちゃん・・・」
「・・・ん?」
「めっちゃソースの匂いするんだけど・・・」
「えぇっ?!」
さっき彼女が食べてた焼きそばのソースだと思う。
青海苔が付いてなかっただけマシというか、なんというか・・・。
彼女は慌てたように掌に息を吐いて、匂いを確認する。
「あ・・・ホントだ・・・」
目をぱちぱちさせながら、彼女は何度も確認する。
「もう・・・ 色気もなんもないやんかぁ〜!」
なんかおかしくて思わず笑ってしまった。
そんなあたしを彼女は真顔で再び抱き寄せる。
「じゃぁ・・・ もっと色気のあることしよっか」

211 :
「ん?・・・!」
流れるようなキス。
食むような唇の動きが胸の鼓動を早める。
肩から腕、胸元・・・ゆっくりと彼女の掌が浴衣越しにあたしの体を撫でる。
「ん・・・っ・・・」
柔らかい舌が唇を割る。
ほんのりソースの味がしたけれど、それはすぐに彼女の味に変わっていった。
その舌先があたしを弄ぶ。
彼女の掌は、衿元を少しだけ彷徨ったあと、スッと腰へと下りていく。
腰、太腿 少しだけ冷たい指先が、裾の中へと侵入してきた。
ゆるゆると内腿を撫でる指先は、誘導するようにあたしを開く。
「ちょっ・・・・と・・・」
他に誰もいないとはいえ、公の場でこんなフラチなこと・・・
でも、すでにキスで火のついた体は拒むことを拒否する。
「イヤだったらそーいえばいーじゃん」
ちょっぴり意地悪な彼女の甘い囁き。
あたしが拒めない状態になってるの、絶対分かってるクセに・・・。
「素直じゃないトコもだーい好き」
彼女の唇が首筋を辿る。
「ねぇ・・・」
「・・・ん?」
「もっと・・・ヤラシイことするね・・・」
疑問系でも許可を求めるわけじゃない。
すでに彼女の中では決定事項。
「あほ・・・ぉ」
そう言いつつも、抱きしめ返して許可をする。
途端、彼女の体ががっくりとあたしにもたれた。

212 :
「ど・・・どしたの?」
「う〜・・・雰囲気ブチ壊しだぁ・・・」
ものすごく悔しそうに彼女が呟く。
「えっ・・・ えっ?!何?!」
肩すかしをくらって急ブレーキをかけた欲望に変な汗が出る。
「このBGM・・・やだ・・・」
彼女が親指をくいと上に持ち上げた。
はぁ〜 おどりお〜どるなぁ〜ら〜
少し遠いスピーカーから流れる東京音頭。
あたしは割と耳なじみだから大して気にはならなかったのだけど
そうではない彼女からしたら、確かに雑音の域に入ってしまうかもしれない。
「ヨイヨイ!じゃない〜!!よくない!!」
やり場のない怒りをどうにか抑えようとしているのか、ぎゅっとあたしを抱きしめる。
音頭にツッコむ彼女が面白くてあたしも彼女を抱きしめ返した。
「んじゃさ・・・」
「ん?」
上げた顔が本当に悔しそうで、また笑った。

213 :
「あたしんち、帰ろっか・・・」
膨れた頬にキスを落とす。
「帰って・・・ヤラシイこと、しよっか・・・」
急に無言で彼女が立ち上がった。
あたしも強引に手を引かれて立ち上がる。
手を引いたまま彼女が走り出した。
裾がめくれ上がるのも気にせずに彼女は走る。
「ちょっと!!危ないってば!!」
石畳のちょっとした段差に足をとられて転びそうになるあたし。
彼女自身も転びそうになってるけれど、それでも止まろうとはしない。
「もー!とっとと帰って、ヤラシイことするのー!」
たまにリズムの狂う下駄の音が境内に響いた。
欲情まっしぐらな下駄の音。
ちょっぴりやらしい下駄の音。
愛してるって証拠の下駄の音。

214 :
こばわー。中身です。
うーん、やっぱり季節モノは書いてて楽しいなぁ(デキはさておき)
>>205サソ
ありがとうございます!
「おかえり」って言葉、嬉しいです!
>>206サソ
キタヨ―――(゜∀゜)―――!!
>>207サソ
ありがとうございます!

本当にのんびり投下で申し訳ないです。
もっとパキパキと質のいいもの書けたらなぁ・・・
精進します。
ではまた〜ノシ

215 :
GJです〜

216 :
おお〜来てたのか
GJです

217 :
恐喝されてたらしいなぼあ

218 :
みんな元気〜?

219 :
>>214
遅くなりましたがGJです!
夏らしくていいですね☆
エロぼあktkr

>>218
元気で〜す!
暑い日が続きますが、頑張っていきましょー。

220 :
(´・ω・`)

221 :
ちわ、中身です。
ご無沙汰してます。
来週中には一本仕上げます。
本当に遅筆という名のマイペースorz
宣言してケツ叩くこと再び…(笑)
レスは投下時にさせていただきます。
無愛想で申し訳ないス(´・ω・`)

222 :
中身さん待ってました!

223 :
いいのです(*´∀`)
我々はマターリ中身さんを待っておるのです
出来上がり楽しみにしております

224 :
こばわ、中身です。
週も半ばを過ぎまして、まだ6割がたしか書けておりません・・・
情けないですorz
が、ぶつ切りでうpしちゃうぞー!もう!
こうでもしなきゃ自分書けませんから・・・

225 :
―YOUR LOVE IS QUEEN―
「あ・・・れっ・・・?」
隣に彼女の温もりがないことに気付いて目が覚めた。
あたしの隣で眠っていたはずの彼女の姿がない。
慌てて時計を見る。
「あ・・・!」
時計の針は午前8時5分前を指していた。
彼女の言ってた時間は午前7時。
もうすでに一時間近く過ぎている。
「寝過ごしちゃったんだ・・・」
なんとも言えない悔しさがこみ上げてくる。
ふとサイドボードの上にメモを見つけた。
〜くうちゃんへ〜
おはようございます!BoAちゃんです!
ぐっすり■ねむっているようなので、■起こさないことにしました。
■ね顔、ちょーかわいい♪
ずっと見ていたいけれど、飛■行■きの時間におくれると困るので
■がまんすることにします。
すぐ帰ってくるからね!
■はなれててもあいしてる!!!
BoAでした!
書き間違えたのか、所々黒く塗りつぶされた手紙。
「漢字覚えるの、もうやめた!難しすぎるよこんなの・・・」
ぶつくさ言ってた割には漢字覚えてるじゃん。
ふくれっつらで電子辞書とにらめっこをしている彼女を思い出して少し笑った。

226 :
今朝から彼女はしばらく韓国へ帰る。
「・・・どれくらいで帰ってくる?」
『帰る』とはいうものの彼女の国籍はあっちにあるし、
むしろ『来る』の方が正解なのかもしれないけれど。
「うーん、3週間後にこっちのお仕事あるから・・・ 3週間弱かな」
「・・・そっか」
長いときには数ヶ月帰ってこないこともあるから、今回はまだ短いほうだ。
もう何度も経験はしているから、彼女が日本にいない寂しさにも慣れてきた。
まぁ、慣れても寂しいことには変わりないんだけど・・・。
思わずため息が出る。
「そんな寂しそうな顔しないでよ・・・」
「そんなんじゃないよ・・・大丈夫」
ちょっとだけ困ったような優しい笑顔に、あたしはなんでもないよと笑ってみせた。
「じゃぁさ・・・向こう戻る前日に、くうちゃんち泊まりに行くよ」
「えっ?」
突然の言葉に驚くあたしの頭を、子供にするみたいに撫でる。
「そうすれば、出発するギリギリまで一緒にいられるでしょ?」

227 :
「でも・・・朝早いんじゃないの?」
自宅のほうがリラックスできるだろうし、たぶん空港へも近い。
それに・・・なにをするってわけでもないけれど、なにかをしちゃうかもしれないし・・・
嬉しいけれど、あたしの我侭で彼女に負担をかけるわけにはいかない。
「ううん 飛行機の中で眠れば充分!」
心配するあたしをよそに、彼女は笑顔でvサインをむける。
「・・・本当に?」
本気で心配してるんですよ、あたし。
「平気だよ」
おどけてマッスルポーズをする彼女。
「本当の本当に?」
「うん」
「本当の本当の・・・」
「しつこい!」
子供みたいな掛け合いに終止符を打ったのは、彼女の不機嫌そうな声だった。
明らかに苛立っている顔。
会えなくなる前の喧嘩は避けたかったのに・・・。
「・・・なんちゃって・・・」
しばらくの沈黙の後、ぽつりと彼女が呟いた。
「ここにもう一人、離れるの寂しく思ってるヒトがいるんですけど・・・」
ちょっぴり不服そうな笑顔で、自分を指差した。

228 :
「ねぇ、車進みそうもない?」
「うーん・・・ 時間かかるなー・・・こりゃ」
「なんとか・・・できない?」
「・・・イチ芸能人のマネージャーに何かできると思う?」
「・・・ごめん」
仕事は予定時刻をかなり押して終わった。
「おつかれさまです!」
スタジオを後にして、すかさず携帯チェック。
『くうちゃんちに着きました!まだお仕事中?いいこにして待ってるね』
今から2時間くらい前に届いてたメール。
もう日付はとっくに変わっていて、あと2時間もしないうちに朝日が昇る。
急いで帰りの車に乗り込んだ。順調な走り出し。
「あと30分くらいで到着するかな・・・」
渋滞のメッカでもあるこの太い道路も、この時間帯ならヒトも車もまばら・・・なはずだった。
「えぇっ?!何コレ!!!!」
延々と、何処までも続いていそうな真っ赤なテールランプの列。
どうやら大規模な事故があったらしい。
カーラジオから緊急ニュースが流れてるようだけど、あたしはそれどころじゃなかった。
刻一刻と、彼女と過ごせる時間が減っていくのだ。
しかもあたしは甘えた上に待たせてる立場なわけで・・・

229 :
「うわ〜、飲酒運転と玉突き事故だってさ」
ラジオに耳をかたむけていたマネージャーが逐一事故の情報をあたしに教えてくれる。
「事故処理と見物渋滞だねぇ、こりゃぁ」
「へぇ・・・」
適当に相槌を打つ。
「おっ!『奇跡的に重軽傷者ナシ』だって!」
「・・・そう」
誰も傷ついてないなら一安心。
でも車は進みそうにもない。
「あのさ、こっから一番近い駅ってドコ?」
「はっ?!どーすんの?」
「電車で帰る・・・」
「よく考えてみなよ 終電はとっくのとうに出ちゃったよ」
「・・・ごめん」
自宅に辿りついたのは、それから一時間後だった。

230 :
「ただいま・・・」
玄関の明かりは点けてあったけれど、リビングは真っ暗。
・・・寝ちゃったのかな?
でも責める気は全くないし、むしろ悪いのは自分だし
抜き足、差し足でベッドルームに入る。彼女はちゃんとそこにいた。
ベッドに横になってこっちに背を向けて、規則正しい寝息をたてていた。
そうだよね・・・ ボアちゃんだっていっぱい働いて疲れてるんだもんね・・・
「・・・ごめんね」
ベッドサイドに寄り添ってそっと彼女の髪を撫でる。
一緒にいるって約束してくれたのにね・・・ ごめんね・・・
どうしようもないことなんだけれど、本当に申し訳なくて・・・
「ん・・・ くうちゃん・・・?」
眠そうな声があたしを呼んだ。
「あ・・・ごめん・・・ 起こしちゃった?」
「んーん・・・ へーき・・・」
ころんと彼女があたしの方に寝返りをうった。
「おかえり・・・」
「ん、ただいま・・・」
半分以上眠ってる笑顔に心が痛む。
「ごめんね・・・ ねちゃって・・・」
「ううん こっちこそ遅くなっちゃってごめん」
おでこに唇を寄せると、彼女がくすぐったそうに小さく笑った。
「いっしょにねよーよ・・・」
眠りに落ちるのを懸命に堪えているような声。
「ん、先に顔洗って着替えてくるから」
「・・・うん」
洗面所へ向かうあたしに彼女は小さく手を振った。
大急ぎでメイク落として、パジャマ代わりのキャミソールとボクサーショーツを身につける。
脱ぎ捨てた服は明日なんとかしよう。
ベッドルームに戻ると、彼女はもう夢の中にいた。

231 :
あたしも彼女の隣にもぐりこむ。
「ん・・・ おやしゅみ・・・」
ちょっとだけ夢の中から顔を出した彼女は、子供のようにあたしに腕をまわす。
「おやすみ あ、明日何時に出る?」
せめて一緒に起きて、一緒に朝ごはん食べて、いってらっしゃいのキスくらいしたい。
「んー・・・ しちじくらい?」
限界が近いのか、呂律が回らなくなってきてる彼女。
「ん、わかった おやすみ」
もう彼女の返事はなかった。
枕もとの時計を見ると、彼女が家を出る時間まであと3時間もない。
今晩は彼女を送るまで起きてよう。
今から眠って起きられる自信は正直あまりない。
彼女が起きるまで、ずっと寝顔を見ていよう。
でも皮肉なことに、彼女の温もりがあたしを眠りに誘う。
彼女が起きるまで・・・
仕事と渋滞に巻き込まれた疲労が一気にあたしに襲い掛かる。
彼女が・・・起きる・・・まで・・・
彼女の寝顔が段々とぼやけてくる。
彼女・・・が・・・

慌てて目を覚ましたときには、隣に彼女の姿はなかった。

232 :
とりあえず前編ってところでしょうか・・・。
タイトルはSADEの「YOUR LOVE IS KING」をもじったものです。
イントロのサックスがなんとなくエロい曲です。←馬鹿
トリアーエズ、今週中にはまたふらっと来ます。
ってか来るようにします!ノシ

233 :
残された手紙を読んで、あたしはものすごい自己嫌悪に陥っていた。
疲れてたとはいえ、彼女の優しさを無碍にした自分に腹がたつ。
昨晩あたしが脱ぎ捨てた服は、きっちりと畳んで置いてあった。
手紙の内容が、あたしに対する不満だったらどんなに楽だっただろう。
大好きな寝顔。
まわされた腕と、消えてしまったその温もり。
不甲斐ないあたしに対する彼女の優しさ。
急に襲ってきた寂しさの波。
「はぁ・・・ 最低、あたし・・・」
深いため息が沈黙の中に消えていく。
沈んだ気持ちのまま、ベッドから抜け出した。
リビングのドアを開ける。
静まり返ったそこは自分の家なのにそうじゃないみたい。
もういないはずなのに、まだ彼女がいそうで・・・
『寝坊? しょうがないなー・・・』なんて
笑顔でコーヒーカップ差し出してくれそうで・・・
ソファーの前のローテーブル。
ホントだったら今朝彼女とそこで朝ごはん食べるはずで・・・
『ふーひゃん! ばはーほっへ!』
口をもごもごさせながら、あたしに怒られるのを待ってそうで・・・
ボアちゃん、ちゃんと朝ごはん食べたのかな?
見た感じキッチンを使った形跡はない。

234 :
パンケーキでも焼いてあげたかったな・・・
ぽたり ぽたり・・・
涙が出てきた
ぽたり・・・
もう二度と会えないわけでもないのに・・・
ぽたり ぽたり・・・
またすぐに会えるって分かってはいるけれど・・・
寂しいのと、自分が情けないのと、自分が腹立たしいのと・・・
立ち尽くしたまま、あたしは子供みたいに泣いた。
やっぱり少しでも離れるのは寂しくて・・・
慣れたつもりが全然慣れていなくて・・・
せめて一言二言交わしたかった。
「ボアちゃん・・・」
ここにはいない彼女を呼んだ。
「・・・ボアちゃん・・・」
返事なんて返ってくるはずがない・・・
「あ、くうちゃん おはよー」
・・・はずだった。聞こえてきたのは間違いなく彼女の声。
「あれ・・・ なに泣いてんの?」
「・・・えっ?」
驚いて顔を上げる。
ソファーの後ろから、シリアルボウルとスプーンを手にした彼女が顔を出した。

235 :
「おはよう」
再び挨拶をして、彼女はシリアルを口に運ぶ。
「・・・なんでいるの?」
「ん?出発するまで一緒にいるって約束したじゃん」
きょとんとした顔で、シリアルをもう一口。
「だって・・・7時に出るって・・・」
確かに彼女は昨晩(今朝?)そう言った。
「7時ぃ?! 1時だってば 13時!」
『しちじ』と『いちじ』・・・ あ・・・あたしの聞き間違いってこと?!
「じゃあ・・・あのメモは・・・?」
「だってくうちゃんいつ起きるか分からなかったんだもん」
何度かあたしに声をかけてはみたものの全く起きる気配がなかったらしい。
さらに不得意な日本語を書くのに時間がかかるので
余裕があるうちにメモを書いて残しておいたとのこと。
ごちそうさま。 食器をシンクに置いて彼女がソファーに座る。
「起こしてくれたっていいじゃん!!」
「だってくうちゃん昨日遅かったでしょ?疲れてるのに無理させたくないもん・・・」
「でもあたしが嫌なの!!!」
本当は怒れる立場でもなんでもない。
気を遣うのと遣われる立場が逆転しちゃってるのがなんだか気まずくて、少し恥ずかしくて・・・
「ボアちゃんに『おはよう』って言えないのも、
『いってらっしゃい!』のチューができないのもヤダ!!」
気付けば子供みたいなこと言い出してるあたし。
「ボアちゃんが『おはよう』って言ってくれないのも、
『いってきます』ってチューしてくれないのもヤダ!!」
そんなあたしを彼女は笑顔で手招きする。
「わかったからこっちおいで」
大好きな笑顔で両手を大きく広げる。
「出発するまでだっこしててあげるから」
迷うことなく、あたしは彼女の腕に飛び込んだ。

236 :
「あはは!危ないって!」
飛び込んだ瞬間、勢い余って一瞬ソファーが後ろに傾いた。
「だってだっこしてくれるって言ったじゃん!」
彼女の膝の上を陣取る。
腕をまわして、まずは『おはよう』のキスを一つ。
ちょっぴり甘い彼女の唇。
「ボアちゃんの唇、なんか甘いんだけど」
「シリアルの砂糖じゃない?」
「そっか・・・」
確かめついででもう一度キス。
「ん〜、甘いねぇ」
「そんなに?」
確認するように彼女は自分の唇を舐める。
「あ!やだ!!」
「ん?」
あたしの声に、舌をぺろりと出したまま彼女が固まる。
「それはあたしの仕事なの!」
「はいはい」
笑いながら彼女が唇を差し出した。
「えへへへ・・・いただきます」
ゆっくり唇に舌を這わす。
残っている甘味を丁寧に舐め取る。
下唇から上唇。厚すぎず、薄すぎず。形のいい唇。
「ちょっとくすぐったい」
彼女が小さく笑う。
「がまんー!」
もう甘くもなんともないんだけど、もう少しだけ味わっていたい。
「仕上げのチューまでがまんしてて」
当分する予定のないキスの『予告』
あたしってちょっとズルいかもしれない。

237 :
「そういえばさぁ、さっきなんで泣いてたの?」
まだ涙の後が残っているらしい。拭うようなキス。
しょっぱい!と顔をしかめて彼女が笑った。
「だって・・・朝起きたらボアちゃんいないんだもん」
まぁ、自分の勘違いだったんだけど・・・。
「しかも『寂しい』って言い出したのあたしじゃん?
せっかく来てくれたのにほとんど会わなかったら余計寂しいじゃん」
小さく彼女は頷いて、ぎゅっとあたしを抱きしめた。
「あー・・・やばい・・・」
あたしの胸の辺りに顔を埋める。
「『寂しい』って言った瞬間のくうちゃん、ちょーかわいいい・・・」
わざとらしい深いため息の後、彼女がクスクス笑った。
「・・・なにそれ」
「ごめんね・・・」
彼女が顔を上げた。ちょっぴりばつの悪そうな顔。
「そんな顔してくれるんだったら、寂しい思いさせるのも悪くないなー・・・って」
明らかな冗談。
「もう!そういうことばっかり言うならあっち行かせないからね!」
だからあたしもポーズで怒る。
「じゃあ・・・私が行かせてあげるよ」
彼女がニヤリと笑った。
「なんか日本語おかしくない?」
やっぱりまだ日本語難しいのかな。
時々文法や単語の選び方がおかしくなるときがある。
「あたしを『行かせて』どうすんのよ」
「だから『いかせてあげる』って言ってるの」
抜き足、差し足でキャミソールの中に侵入してくる曲者発見。
おなかからわき腹を通って、背中を撫で回しているのは間違いなく彼女の手。
「あ・・・! そっち・・・の・・・?」
「えへへ・・・ うん、そう こっちの『イかせてあげる』」

238 :
真っ向勝負の○○がこんなに難しかったとは・・・
パワーダウンしたと思われても仕方ないですね・・・orz

また来ます。

239 :
GJ!!!!

240 :
GJ!!!
これで終わり?続くの?
どっちにしてもよかた(´∀`)

241 :
「なんか・・・もう・・・ すけべだなぁ・・・」
「すけべだもん」
大好きな温度があたしの背中を滑る。
「『だっこしててくれる』んじゃなかったんですか?」
「『だっこ』されてるだけでいいんですか?」
たしなめるように言ったら質問返しされた。
・・・うーん そりゃぁ、まぁ・・・ねぇ・・・
「んっ・・・!」
突然の刺激に思わず腰がはねた。
背骨を辿る指先。ぞわぞわした快感がそれに続く。
「くうちゃんって背中弱いんだよね」
嬉しそうに彼女は呟いて、指先を何度も往復させる。
「ねぇ・・・『だっこ』だけでいいの?」
耳元で囁く意地悪な質問。分かってるくせに・・・。
「・・・あほっ」
答えの代わりに触れるだけのキスをした。
腰に回された手が、あたしをもっと引き寄せる。
されるがままに体を密着させた。
「朝からお盛んですこと・・・」
掌の温度がちょっとだけ高くてドキドキする。
触れるか触れないか ギリギリのタッチ。
カタチを確かめるように、掌があたしの体を撫でる。
「はぁ・・・っ・・・」
吐息の漏れた唇。その隙間を狙うように彼女が侵入する。

242 :
触れる唇の隙間から濡れた音が響く。
「ん・・・ぅ・・・」
包み込むようでいて、ちょっぴり強引な舌先。
その強引さがあたしの胸を高鳴らせる。
キスの仕方・・・なんかやらしくなってきたなぁ・・・
焦らすようにあたしを絡めては離す。
弄ばれる舌を伝う彼女の唾液は、甘さすら感じた。
唇が触れ合うたびに体温が上昇する。
「っは・・・っ・・・」
息苦しくなると絶妙のタイミングで彼女はあたしを解放してくれる。
その息苦しさも興奮するためのスパイスになってたりして。
名残惜しむようについばむキスを繰り返して、ようやく体が離れた。
唇から離れた雫があたしの胸元に落ちる。
彼女の柔らかな舌がそれを拭うように這う。
「っ・・・」
わざと痕を残すような唇の動き。
でもなんだか・・・今のあたしには拒めない。
っていうか、彼女の痕跡を少しでも体に残してたい。
彼女の手がゆっくりキャミソールをたくし上げる。
「ばんざいして・・・」
「うん・・・」
言われるがまま、あたしは従う。
露になった胸元に、雫を拭った『シルシ』がぽつり。
彼女がそれを舌先で突付く。
「この『シルシ』がなくなる前には戻ってくるからね・・・」

243 :
妖艶さを含んだ優しい微笑み。
その表情、あたしがたまらなく反応するって知ってる?
「なんか・・・やらしい顔・・・」
この言い方、ちょっと語弊があるかな。
「・・・しょうがないじゃん」
よっ・・・と!彼女は笑いながらあたしの体を横たえた。
「やらしいこと考えてるんだもん」
指先が髪を梳くようにして耳朶を辿る。
首筋を通って肩、腕・・・あたしの手を取る。
指を絡めるように握ると、手の甲にキスを落とす。
彼女にはナイショにしてるんだけど、最近そこも感じるようになってきた。
まぁ・・・彼女にだったらなにされても気持ちいいんだろうけど・・・。
さらさらの髪がおなかのあたりをくすぐる。
顔を見ていたくて、遮っている彼女の髪をかきあげた。
「ん?」
指触りのいい毛束の隙間から、可愛い瞳がこちらを見る。
この頃かなり大人っぽくなってきたけど、ずっと変わらない瞳。
「あたしのこと・・・好き?」
答えは知ってる。でも聞きたいの。
「うん」
おでこにキスを落として彼女が微笑む。
「好きっていうか・・・愛してる」
『じゃあ、愛してる?』
次に用意していた質問は、すっかり無駄になってしまった。

244 :
彼女の掌が胸を包む。
「ん・・・」
丘陵の形を崩さないくらいのソフトタッチ。
それでも充分な刺激はある。
彼女の唇が頂点に触れた。
それまでに与えられていた刺激で硬くなったそこを舌先が弾く。
「ぅ・・・んっ・・・」
じわりじわり、腰のあたりに快感が蓄積されていく。
唇の立てる音がそれを煽る。
「・・・かわいい」
徐々に息の上がるあたしを見て、彼女は嬉しそうに呟いた。
掌が脇腹を撫でる。
「あ・・・っ・・・」
くすぐったさの入り混じった快感に思わず腰が動く。
お尻が浮いた瞬間、彼女はあたしの脚からショーツを抜いた。
「もう・・・ ほんっとーにすけべだなぁ・・・」
そのあまりも鮮やかなの手際の良さに、ちょっとだけ恥ずかしくなる。
「くうちゃんほどじゃないよ」
ふふんと彼女が鼻で笑う。
「くうちゃんほどじゃ・・・ありません!」
「わっ!」
するっと膝下に潜り込んだ手が、あたしの脚を押し開いた。

245 :
恥ずかしい部分が思い切り外気に晒される。
「ちょっと・・・やだっ!!!アホっ!!!」
さすがに慌てた。
別に初めてされるってわけじゃないけど、やっぱり恥ずかしい。
「じゃぁ、抵抗すれば?」
しれっとそう言いながら、彼女は片手で膝を押し上げた。
彼女の視線が熱いくらいにそこに注がれてるのがわかる。
「ヒトのこと、散々『すけべ』って言ってるけどさ・・・」
「ん・・・っ!!」
指先がそこに触れた。濡れた音が響く。
これ、なーんだ?指先に絡んだ『証拠』をあたしに見せる。
ぬらぬらと光るそれに、思わず顔が赤くなった。
「くうちゃんのココの方が『すけべ』な状態なんだけれども・・・」
意地悪くニヤリと笑って、彼女は指先の『証拠』を舐め取る。
「・・・どうする?っていうか、どうされたい?」
指先が再びそこに触れた。焦らすように、焦らすように蠢く。
入り口のあたりを彷徨って、快感の核をくるりと撫でた。
「・・・っ!!」
強弱をつけないゆるゆるとした指先の動きがあたしを熱くする。
指先が動くたびに聞こえる水音。
「ねぇ・・・ どうしてほしい?」
彼女の指先が入り口で止まった。
もしここで抵抗しても、彼女は続行するに決まってる。
勿論、抵抗するつもりは一切なくて、むしろ続行しててほしくて・・・
「ボアちゃんがしたいこと・・・して・・・」
自らおねだりするのが恥ずかしくて、あたしはちょっと逃げた。
・・・ずるくてごめんね。

246 :
それを感じたのか、彼女が小さく苦笑した。
「すけべな上に、ずるいんだから・・・」
「あ・・・んっ・・・!」
ゆっくりと彼女の指が侵入してくる。
指先が快感のスイッチに触れた。
「んっ!!」
「したいことしていいって言ったのはくうちゃんだからね?」
今度は焦らすこともなく、彼女は的確にあたしを攻める。
指先がそこに触れるたびに、快感の波が頂点にむけてあたしを押し出す。
断続的に聞こえる水音が卑猥。お尻の方に伝うのがわかる。
「どんどん溢れてくるね・・・」
「ふぅ・・・っ!!」
彼女の唇が音源に触れた。
柔らかい舌が、軟体生物のようにそこを這う。
溢れ出る雫を音を立てて彼女が啜る。
全身の産毛が逆立つような快感。
軟体生物が核をつつく。
「あ・・・っ!!」
「ダメだよ・・・ そんなに締めたら指動かない・・・」
あたしの体は意思に関係なく的確な反応を示す。
クライマックスまであともう少し。
この快感に浸っていたいけれど、体が一刻も早く辿りつきたがる。
快感を貪るように勝手に腰が揺れる。
「はぁ・・・や・・・・・・ぁっ!」
「イきそう?」
彼女の唇が立てる音
体の奥からおこる快感の波・・・
「イ・・・っ ! あぁぁんっ!!!」
頂点まで、あたしは一気に駆け抜けた。

247 :
荒い息を整えるあたしを、彼女は優しく抱きしめてくれる。
包み込まれるような温かさに、何故だか涙が出た。
「ん?どうしたの?」
そっと髪を撫でてくれた。
「なんか・・・またちょっと寂しくなった・・・」
愛されたばかりだし、今もこうやって抱きしめてもらってるけど・・・
あと少ししたら彼女としばらく会えなくなる。
「大丈夫 すぐに帰ってくるから・・・」
「ん・・・わかってる・・・」
瞼に触れた唇がなんだかくすぐったくて少し笑った。
それからあたしたちはずっと無言で抱き合っていた。
言葉よりも何よりも、お互いの体温が存在していることを教えてくれる。
ボアちゃんの傍にあたしがいて、あたしの傍にボアちゃんがいて・・・
遠くでコチコチと時計が時を刻む音が聞こえる。
もう少しだけ・・・もう少しだけ・・・
どれくらい過ぎたのだろう。
ゆっくり目を開けると、時計と目が合った。
もう彼女が出発する時間。
「ボアちゃん・・・」
寂しいのはやまやまだけれど、彼女を引き止めるわけにはいかない。
「時間が来ちゃいました・・・」
触れるだけのキスをした。

248 :
「じゃぁ・・・ 行ってきます」
「うん 行ってらっしゃい」
玄関で改まったように彼女が言った。
もっとギリギリまで一緒にいたいから、本当は空港まで送ってあげたい。
でもそれは彼女に止められた。
今のあたしはすっぴんだし、下着姿だし・・・
「何よりも『あたし、しました!』って匂いがするからダメ!」
笑いながら彼女がそう言った。
エントランスまで行くのもダメだって言うから、結局玄関でお別れ。
「あたしは全然かまわないのに・・・」
「私が嫌なの!」
確かに。言われてみれば逆の立場だったらあたしも嫌だ。
なんだか顔見たら泣いちゃいそうで、あたしは下を向く。
そしたらぎゅうって思いっきり抱きしめられた。
「その可愛い顔・・・禁止・・・」
「・・・うん」
「その顔見たくて寂しい思いさせると、こっちも寂しくなるから禁止!」
強がりじゃないような強がりに、思わず笑った。
「じゃぁ・・・」
なんだ・・・彼女も寂しいんだ・・・
「ん?」
「寂しい思いさせた分・・・帰ってきたらちゃんと愛してね」
「約束する・・・ っていうか、やっぱくうちゃんの方がすけべだよ」
しばしの間、お別れのキス。
その約束、ちゃんと守ってもらうからね。
fin

249 :
おはようございます、中身です。
夜中に空腹で目が覚めて、その勢いで書き上げてしまいますた。
久しぶりに露骨目のエロ書きますたが、ダメですね。
書き方すっかり忘れておりますわ・・・orz
亀ですが、返レスさせていただきます。
>>215サソ
ありがとうございます!
>>216サソ
予告もなしにごめんなさいです・・・
>>217サソ
らしいですね・・・
>>218サソ
おなか壊し気味ですたが、元気ですよ!
>>219サソ
中身自身が夏女なので、イメージ沸きやすいんですわ〜。
BoAタソが発情期迎えたぽ(笑)
>>220サソ
(`・ω・´) シャキーン
>>222サソ
>>223サソ
お待たせしました!
マターリしすぎで申し訳ないです・・・
>>239サソ
ありがとうございます!
>>240サソ
続きますた!

今年はエイネにBoAタソ出ないのか・・・
また来ますノシ

250 :
GJです!!
全然だめじゃないっす!
めっちゃよかったです(´∀`*)

251 :
萌萌(´∪`)ノ

252 :
>>250サソ
そう言っていただけるだけでも嬉しいです(´∀`)
ありがとうございます!
>>251サソ
喜喜(≧ω≦)
ありがとうございます!

さて、夏本番も近づいてきました。
御中元の季節でございます。
ナメクジ並みの遅筆さと、まとめサイト不調のお詫びを兼ねて、
久し振りにリクエストでも受け付けちゃおうかなと!
確実に誰も期待してないだろうけど
図々しくリクエストに応えちゃおうかと!


……本当に申し訳ないス

253 :
リクエストキタ━(゚∀゚)━
お言葉に甘えてリクエストしてしまいまっせ!!
どちらかがツンデレっぽくて、でもそんな所も好き!
みたいな設定にしてほしいっす。
書けそうだったらお願いします。

254 :
リクエスト
Hな場面、くーちゃんをもっとまったり、ものすごーくHに攻めてほしいなぁ ぼあちゃんいつの間にかこんな…大人になった?みたい感じ。読んでみたいです

255 :
さげ

256 :
さげ

257 :
リクエスト
くぅちゃんが攻める方が好きだったりします(。-_-。)

258 :
図々しいお願いだってのは分かってます。
sageで。

259 :
リクエストするならせめて下げようよ。

260 :
ちょっと強引にBoAタソを抱く
くぅちゃんが良いです(ノ∀`)

261 :
さげ

262 :
あたしも
くぅ×ぼあ
がいいな
くぅちゃん攻めの方がナチュラルに読める。

263 :
下げましょうよ

264 :
さげ

265 :
機嫌悪いボアちゃんを強引に抱いちゃってほしい(´∀`*)

266 :
>265
良いww

267 :
こんちは〜、中身です。
まとめサイト、いつの間にか復活したようですね。
皆様の食いつき方に素でワロタ
>>253サソ
ググってみますたが、ツンデレって意外と難しいんですね。
単に拗ねるわけでもないし、天邪鬼になるわけでもないし・・・
でも面白そうなので、そのうちネタとして使わせていただきます。
>>sageにご協力いただいた皆様
ありがとうございます。
上がってる状態で駄文を投下するの、気が引けちゃうんです。
だったら自サイト持てよってハナシなんですがね・・・^^;

さて、構想自体がもう少しで固まりそうです。
皆様に気に入ってもらえるとうれしいなぁ・・・。

268 :
期待sage!(゚∀゚)

269 :
中身さん待ってるお〜

270 :
こばわ、中身です。
リクSSですが、ちょいとばかし筆の進みが予定より遅く、
先週中には書き上げるつもりでいましたが、
ごめんなさい。もう少しかかりそうです。
今週中には上げるように尻叩いておきますので、
今しばらくお待ちください。
お待たせしてる皆様…
本当に申し訳ないですm(__)m
夏バテには気をつけてください。
中身でした。

271 :
待ってますよ^^

272 :
またーりまたーり

273 :
おはようございます。、中身です。
今の今までPCに向っておりましたが、全然進んでいませんorz
ごめんなさい、もう少しだけ猶予をください。

中身ですた。

274 :
待ってますよ〜

275 :
くうたん受けが読みたいです

276 :
BoAちゃんの手が大好き(*‘ー‘*)
おっきくてすごくきれいなんだよ。

277 :
今日あたりどうですかね、中身さん。

278 :
中身さん中毒だわ(*´Д`)

279 :
こばわ、中身です。
書き上げたので、早速うp行くぞこんちくしょー!
…と思いきや、
思い切り規制食らって書き込めません…
素で落ち込んでます…orz

お待たせしてる皆様、本当に申し訳ありません。
どうやら生意気にもスランプだったようです。
そして更に申し訳ありません。
リク受け付けておきながら、書き上げたのはこっちではなく、
御中元用で書いていたサブSSでございます。
文句はいくらでも受け付けます、マジで。

PCからだとかなり読みづらくなりますが、
あっちの方にうpでも問題ありませんか?
それが自分的には一番の悩みどころなもので…
…どうしましょう?

280 :
あっちに書いていただけると嬉しいです。
お中元、楽しみにしてま〜す。

281 :
sageてなかった

282 :
あっちとは?
ずっと待ってたのにあっちなんて・・・
知らない人は読めないってことですね・・・

283 :
さげ

284 :
このスレを頭からずっと読んでいれば
「あっち」の場所が明記してある
なので知らない人でも目が見えて文字さえ読めるなら読めます
そんなに待ってたのなら1度くらい頭から読み返すこともできたと思うけど・・・

285 :
昨日の今日です。中身です。
なかば拉致られるかたちで、出張中ですorz
とりあえず今日の仕事は終了しました…
疲れてヒマなとき(今)、皆様からのプレッシャーが温かく感じます(笑)

>>保存庫をご存じのない皆様
大変ご迷惑おかけしてます。
「保存庫」というのが憚られるほどチープなものなので、
あえてURLを書いておきませんでした。
携帯向けサイトなので、PCからだと見づらいと思います。
http://k.excite.co.jp/hp/u/imakan

皆様からの御意見を受けてからうpするつもりですた。
が、突然の出張でうpする間もなく東北に…
何故か帰社の日時が未定になってますorz
帰らせないつもりか!○○っ!(`д´)ノ
帰ってきたら即うpします。
多分2〜3日そこそこで帰れるとは思いますが
上司が電話に出てくれないのが非情に気になります。
ごめんなさい、もう少しだけ、もう少しだけ待っててくださいね…

こーださんが…
いいネタ…かな?ニヤリ

286 :
中身さーん無理せず頑張ってくださいね(´∀`)
ワクテカしながら待ってます!
くぅちゃんの熱愛報道・・・。(つД`゚)。ウワァァァン

287 :
出張がんばってください。

288 :
さげ

289 :
なっ!!!!

290 :
氷結しよっ!

291 :
さげ

292 :
さげ

293 :
くぅちゃんだよ!!!

294 :
やたらスレが浮上してるのを見ると、思わず夏を感じてしまいますね…。
にゃんと!明日帰社できる予定です!(≧∀≦)イェイ!
帰宅して即しなければ、明日中に投下します。
ここまでくると、「スレ上がってるからヤダ」とは言えませんから(笑)
では、明日〜(予)
中身でしたノシ

295 :
待ってますよー

296 :
お仕事頑張ってください〜

297 :
さげ

298 :
おつかれですかね?

299 :
(´・ω・`)

300 :
〜しあわせなからだ〜

「あっ・・・・つぅ・・・」
愛車を降りての第一声。
今年はなんとか現象の影響で、猛暑ならぬ酷暑らしい。
口に出せば出すほど暑苦しくなるのは分かってるけれど、
冷房の効いた快適な車内と一転して、熱気のこもった地下駐車場。
そりゃぁ思ってなくても口に出る。
とりあえず、彼女に電話。
『もしも〜し!』
きっと快適な室内にいるのだろう。元気な声。
「今駐車場 これからくうちゃんち行くから」
喋ってるだけで、汗がどっと噴きだす。
『おっけ! “暑中お見舞い”と待ってるね!』
明るい声を残して電話は切れた。
空調の効いたエントランスを抜けて、エレベーターに乗り込む。
「なんだろ?“暑中見舞い”って・・・」
ぼんやりと階数表示を見上げる。
今朝、私は彼女からの電話で起こされた。
「“暑中お見舞い”用意したから遊びにおいで!」だって。
ま、彼女に会えるならなんでもかまわないんだけど。
エレベーターを降りて、三つ目のドア。そこが彼女んち。
インターフォンを押す。
「いらっしゃ〜い!」
モニターからも、ドア越しにも聞こえる彼女の声。
がちゃりとドアが開く。
「おは・・・ ! ちょっと!!!」
出迎えてくれた彼女の出で立ちに、私は思わず絶句した。

301 :
「ちょっと!何その格好!!!」
慌てて玄関に彼女を押し戻してドアを閉めた。
そんな格好、誰かに見られたら大変!
「ん?なんか変?」
「『なんか変?』じゃないよ!もう!!」
なんっつー格好してるんですか、あなたは!
少し浅黒い肌に、鮮やかなライムグリーンのビキニ。
部屋着にしては変だし、っていうかその格好で玄関から出ないでよ・・・
「なんで家の中で水着なわけ?」
「ん?これが“暑中お見舞い”だから」
・・・この暑さでくうちゃんおかしくなっちゃったのかしら?
そりゃぁさ、あなたのこんなセクシーなお姿を拝見できるのは嬉しいですよ。
でもね、私はこれ以上にセクシーなお姿を知ってるわけで・・・えっへっへ・・・
って・・・そうじゃなくて・・・!!!
「こっち、こっち!」
色々な思考を巡らせる私の手を彼女が引く。
開け放されたベランダの前。
「これが“暑中お見舞い”です」
そこには水の張られた子供用のプールが鎮座していた。
「ボアちゃん、夏苦手だって言ってたじゃん?」
プールの脇に氷と缶ビールが入ったバケツ。
「でもさ・・・一緒に夏を楽しみたくてさ・・・」
ふと気付くと、私の足元に小さな水溜り。
きっと水を張るときに零しちゃったんだろうな・・・
ホースかバケツか、どっち使ったか分からないけど、
額に汗しながら準備をする彼女を想像したら、なんだか胸がキュンとした。

302 :
「くうちゃん・・・」
「ん?」
「嬉しいんだけどさ・・・」
彼女は肝心なことを忘れている。
「私、この格好のままプールに入るわけにはいかないんだけど・・・」
Tシャツにデニム。
勿論着替えなんか持ってきてないし、全裸なんてもっての他だ。
第一、水着を着るほど自分の体に自信が・・・
「はい、コレ」
ぽいと紙袋を渡された。
「何?コレ・・・」
まさか・・・
「ん?ボアちゃんの分の水着だよ」
やっぱり・・・
渡されたってからには着なきゃダメなんですよね?
まぁ、着ないとプール入れないのは分かってるんだけど。
水着かぁ・・・水着ねぇ・・・
バスルームの脱衣所を借りて着替える。
黒のホルターネックのビキニ。
彼女が選んだものだから、センスはいいし可愛いのは確かなんだけど・・・
ちょっと・・・これは・・・ 布の面積が少なすぎやしませんか?
自分の体が彼女と違って色っぽくないのは充分に分かってる。
幅もあるし、筋トレのおかげであまり可愛らしくない形の肩。
ダンスのときに全然邪魔にならない胸。
写真を修正されてしまったくらいに鍛えちゃった腹筋。
唯一、私の体の中で女らしいお尻。
こんな体でこんな姿。
ジャストサイズだけど、晒しちゃっても大丈夫なのでしょうか・・・

303 :
「こ・・・こんなん出ましたよー・・・」
おずおずと灼熱のプールサイドに私参上。
彼女はすでにプールに浸かって、缶ビールに口をつけていた。
「・・・ん? おぉ〜っ!!! いいじゃん!!!」
プールの中でスタンディングオベーション。
「うわ〜!!!超かわいいんだけど! どうしよう!鼻血出る!」
水しぶきを上げながら地団太踏むくうちゃんも、超かわいいです。
そんな大げさな彼女の反応がなんだか照れくさくて、そそくさと水に浸かる。
彼女と並んで三角座り。
暑い空気の中、水の冷たさが心地いい。
ゆらゆら揺れる水面に反射する太陽の光がとてもキレイ。
「ほい、乾杯!」
「かんぱーい!」
渡された缶ビール。一気に喉の奥に流し込んだ。
暑い空気がこれまたビールを美味しくする。
真昼間っからビール。なんて贅沢なんだろう。
幸せってこういうこと言うんだろうなぁ・・・ うん!
「本当にイイ顔するねぇ・・・」
そんな私を見て、彼女は嬉しそうに笑う。
「そう?」
「うん なんかこっちも嬉しくなる」
口角の上がった唇が私の頬に触れた。
その感触がくすぐったくて私も笑った。
「じゃぁ・・・もっと幸せになっちゃいますか!」
「おー!!!」
二本目の缶ビールは、一本目よりもぐっと美味しかった。

304 :
ゼンマイ仕掛けのアヒルを泳がせたり、水のかけあいっこしながら次々と缶を空ける。
ほろ酔い気分と水の温度が本当に心地いい。
隣に並んで座っていた彼女が急に立ち上がった。
「ん?どしたの?」
「えへへへ・・・」
ざぶん!彼女は笑いながら私の背後に座りなおす。
足の間に私が入る、一緒にお風呂入るときのスタイル。
遠慮なく彼女にもたれかかる。
「幸せだねぇ・・・」
のんびりと彼女が呟いた。
「幸せだねぇ・・・」
私も真似して呟いた。
「空はいい天気だし、ちっちゃいけど屋外プールだし、昼間っからお酒飲んでるし・・・」
腰に回された腕が、ぎゅっと私を抱き寄せる。
「何よりも・・・こんなイイ女をこの腕に抱きしめてる」
囁くように言われた耳元が照れくさくてむずがゆい。
彼女の唇がゆっくりとうなじを這う。
いつもより少しだけ熱い唇。
「その水着・・・よく似合ってる」
「ん・・・ありがと」
選んだのはくうちゃんだけどね。
「あまり自分の体、自信ないからさ・・・ これ着るの少し怖かった」
褒められたついでにカミングアウト。
「くうちゃんみたいに色っぽいわけでもないし、胸もないし・・・」
「そう? あたしはこの体、大好きだけど」

305 :
『大好き』 
酔ってるせいなのか、聞きなれてるはずの言葉に胸が苦しくなる。
「好きなのは・・・体だけ?」
照れのカモフラージュで変な質問を投げかけた。答えは分かりきってるんだけど・・・
「ンなわけないじゃん・・・」
小さく笑って肩にキスを落とす。
「自信持てないとこも、妙に自信満々なとこも・・・」
こっち見て・・・。私の顔を自分へ向くように誘導する。
「褒められるとすぐ照れちゃうところも大好き・・・」
唇が触れた。
何度も何度も、触れるだけのキス。
「だからさ・・・もうちょっとちゃんと見せて」
囁き方がなんかやらしい。
彼女の方に向き直って膝立ちで上半身を起こす。
かえって恥ずかしいな・・・
私を見上げて彼女は満足そうに微笑んだ。
「・・・ちゃんと見せてね」
太腿からお尻の辺りをゆるゆる撫で回す。
「いいお尻してんじゃん!」
「失礼な!」
その言葉にふくれてみせたら彼女が笑った。
「褒めてるんだけどなぁ・・・」
私の皮膚に指を埋めるようにして、ゆっくりと背中まで辿る。
「このおへそのかたちも、好き」
おなかに彼女の唇が触れた。
水滴を舐め取るように動く舌がくすぐったい。
思わず体を離したら、少し強引に抱き寄せられた。

306 :
「ちゃんと見せてって言ったでしょ?」
「っていうか見てないじゃん」
彼女の視線は水着に向いてるようで、全然向いてない。
「・・・バレた?」
たしなめるような私の言葉に彼女がぺロリと舌を出した。
「だって・・・ホントに見たいのは中身の方だもん」
ぱちんと音がして、急に胸の締め付けが緩くなった。
「・・・あーっ!こらぁ!」
背中のホックを外されて、トップスが宙ぶらりんになる。
慌てて直そうとしたのも束の間、あっという間にうなじの蝶結びも解かれた。
「わ・・・わっ!」
「もーらいっ!」
あたふたしてる私の手から、彼女は易々と水着をさらう。
取り返そうにも片手は胸を隠してるから、上手く彼女の手を捕らえられない。
「さよーならーっ!」
笑いながら彼女が水着を放り投げる。
見事にベランダの手すりに引っかかった。
「もう!いじわる!」
「いいから・・・」
水着に手を伸ばす私を、彼女は後ろから抱きしめる。
「あたししか見てないんだから・・・いいでしょ?」
耳元で囁かれた。その声・・・ずるい・・・
少しだけハスキーな声は、私が一番感じる声。
私を包む彼女の体が少し熱い。その温度に胸の鼓動が早くなる。
「・・・ね?」
それは決して私の了解を得るための質問ではなくて、
私の心を溶かすための言葉。

307 :
彼女の唇が耳朶を食む。
「ぅん・・・っ」
アルコールのせいだ。いつも以上の刺激が背筋を走る。
「今日は反応がいいねぇ・・・」
嬉しそうに囁いて、うなじに歯を立てた。
「っ・・・」
思わず腰が跳ねる。
それを見てクスクス笑う彼女。
「ごめん 今日“も”の間違いだ・・・」
抱きしめるように胸を隠す腕の隙間から、細い指先が侵入する。
「なんであたしの前で隠すの?」
指先が頂点に触れた。ゆっくりと円を描くように動く。
「やだ・・・っ こんな・・・とこ・・・で・・・」
恥ずかしい吐息が唇から漏れていく。
自分の意思に反して、体は快感に従順な反応を示す。
「『こんなとこ』だからいいんじゃない?」
誰からも見えないよ・・・ いたずらっぽく言う。
「そう・・・じゃ・・・ なくて・・・」
太陽の真下という開放感が羞恥心を煽る。
「ちゅーしたいからこっち向いて」
私のハナシなんて全然聞いてない。
でも・・・例え今彼女を拒んだとしても、その願いが通じないのは分かってる。
そして私も受け入れてしまうに違いない。
何故なら、本当はそうされることを望んでいるから・・・
ゆっくりと首を向ける。
待ちきれないように、彼女の唇が触れた。
唇をノックする柔らかな舌。
決して自分からこじ入れようとはしてこない。
私が受け入れることを彼女はちゃんと知ってる。

308 :
お互いの体温が絡む。
『貪りあう』というのとはほど遠い深いキス。
アルコールを纏った彼女の吐息が何かを加速させる。
「ん・・・ んっ・・・・」
息継ぎで唇が離れてしまうのがもったいなくて、彼女の首に腕をまわした。
露になった胸の膨らみ。彼女の掌がそっと包む。
敏感な部分を掌で転がされて、体に甘美な刺激が走る。
「あ・・・っ・・・」
「・・・きもちぃ?」
私の反応に彼女が微笑む。
優しい笑顔に、また胸が苦しくなる。
「好き・・・」
大好き・・・
苦しくなっちゃうほど、恥ずかしくなっちゃうほど
どんなことでも受け入れちゃうほど・・・
彼女が くうちゃんが好き。
「あたしも大好きだよ・・・」
おでこにキスしてくれた。
あ・・・ なんか・・・ その・・・ 言葉だけでビリビリくる。
そういう感覚が、なんだか嬉しい。
指先が体の正中線を辿る。
胸元からゆっくり下りて、アンダーの縁で止まった。
「もっと・・・触ってもいいよね?」
私は無言で頷いた。

309 :
もうすでに水以外の液体で潤ったそこを、彼女はゆっくり撫でる。
一番敏感な部分を・・・
一番感じる方法で・・・
「は・・・ぁ ・・・んっ・・・」
なんかもう、脚に力が入らなくて。
完全に腰が砕けちゃってるのかもしれない。
そのせいではしたなく脚開いちゃってる自分。
でも、その恥ずかしさが快感を煽る。
「水入っちゃうといけないから、今はココだけね」
「ん・・・っ・・・」
そう言いながらも、入り口の付近を焦らすように指先を這わせる彼女。
「くぅちゃん・・・」
思わずねだるように名前を呼んでしまった。
滑るように彼女の指が動くたび、背筋を走る快感。
蓄積されていくその波に、頭がぼぉっとする。
「物足りないなら・・・後でベッド行こ・・・」
甘い淫靡な誘いに、私は頷くのが精一杯だった。
徐々に息が上がる。
上昇する体温、照りつける陽光とその熱。
そして彼女から与えられる快感が私を溶かす。
「水に濡れてるのにね・・・」
「・・・・ん?」
快感に溺れそうな私の耳元で囁く。
「ここ・・・『濡れてる』のがよくわかる」
少しだけ意地悪な囁き。
でも、それにすら反応してしまう自分の体・・・
「もっと・・・ して・・・」
これはお酒の勢い・・・じゃなくて、自分の本心。

310 :
「なんか・・・すっごくやらしいね」
嬉しそうな彼女の声が遠く聞こえた。
「んっ・・・ あ・・・っ・・・」
「腰・・・動いてる・・・」
貪欲になった体が自分の本心以上に快楽を求める。
体が動くたびに、水の音がちゃぷちゃぷ響く。
それに合わせて水面の光が私の顔を照らす。
じわりじわりとした快感に体が焦れる。
この感覚が、たまらなく好き。
彼女もそれを知ってるから、せっついて私を押し込もうとはしない。
ゆっくり、ゆっくり・・・愛してくれる。
「ボアちゃん・・・」
「・・・ん?」
「・・・愛してる」
その囁きに胸の鼓動が早くなる。
喉がヒリヒリするくらい渇く。
クライマックスは近い。
あ・・・れ・・・?
ダメ・・・かな・・・
今日・・・は いつもより・・・少し・・・早・・・
「あ・・・っ! もう・・・ダ・・・・・」
快感の波にさらわれそうになって、彼女の腕にしがみついた。
その瞬間、けたたましくインターフォンが鳴り響いた。

311 :
突然の出来事に、本気で心臓が止まるかと思った・・・。
「くうー!いるのー?開けてー!!!!」
ドンドンと扉を叩く音と、外から聞こえる叫び声。
立ち消えた甘い空気に我に返る。
・・・・・あっ!水着、水着!!!!
慌ててぶらさがってたそれをひっつかんだ。
「おーい!呼んでおいてそれはないんじゃないのー?」
叫び声が止む気配は一向にない。
ドンドン、ドンドン!
これって近所迷惑にならないのかな・・・?
それにしても・・・なんかどっかで聞いたことのある声・・・
「あ・・・!! うわ〜・・・ 完っ璧に忘れてた・・・」
しまった!と、掌で顔を抑える彼女。
「えっ・・・ な、何?」
がっくりと肩を落として、彼女は深いため息をつく。
「あのね・・・ 伴ちゃん呼んでたの、すっかり忘れてた・・・」
「えぇぇっ?!」
いいところだったのに!と言いそうになるのを慌てて押さえた。
申し訳なさそうに顔の前で手を合わせると、
彼女は体を拭くのもそこそこに玄関へ出て行く。
「ちわーす! あ!ボアちゃんも来てるの?」
玄関から聞こえる底抜けに明るい声。うぅ・・・なんかムカつく。
プールに浸かる私を見て、彼女は笑顔で手を振った。

312 :
「・・・おひさしぶりです」
「おー!久しぶり! 水着似合ってるじゃん!」
私がちょっと機嫌悪いのを彼女は全然気付いてない。
いつもは余計なところまでしっかり見てるくせに・・・
びっくりするくらいしっかり空気読んでるくせに・・・
「とみこさん・・・」
なんで今日に限って・・・!!!!
「ん? ・・・うわっ!!!!」
思い切り腕を引く。ざぶんと大きな水しぶきが立った。
「ちょっと・・・酔っ払ってんの?!」
プールの中にしりもちついて、面白いくらいにずぶ濡れの彼女が笑う。
「とみこさんが悪いんだもん!」
ビール冷却用の氷を彼女の背中に放り込んだ。
「私なんにも・・・ うひゃぁ!!!」
ばしゃばしゃしぶきを上げて、笑いながら彼女が飛びはねた。
「ひ〜! 冷たいって!!!」
「許さない!」
「だから何が?!」
「知らない!!」

そんなやりとりを見て、彼女が笑ってた。
「あ・と・で・ね」
唇だけで囁いた。
きっと今夜も熱帯夜。

313 :
こんにちは。中身です。
長々お待たせしてしまって、本当にごめんなさい。
昨日の夜には関東へ戻ってきてますた。
で、一旦会社戻って、帰宅して、シャワー浴びて、PC立ち上げて・・・
規制が解かれてて、さぁ!いざ!・・・で記憶が途切れてます。
ごめんなさい、出勤時間ギリギリまで爆睡してますた。
お待たせした挙句にこんなのうpしちゃうのもどうかと思いますが、
少しでもみなさまの暇つぶしになれば是幸いです。

ところで・・・コレだけは書くな!ってものありますか?
そんなの読みたかねーよ( ゚д゚)、ペッ みたいな。
いわゆる逆リクみたいなもんですが、ちょこっと意見聞きたいです。
では、また来ます。
中身ですた。ノシ

314 :
これは傑作だろ常考…
乙!

315 :
中身さんの文章って読んでるとカラダが熱くなってくるんだよね〜
やめれない、とまらない♪

316 :
さっすが中身さん!!
ご馳走様〜"q(`▽´#)p"

317 :
中身さん完全復活だね。おめ!
やっぱエロがずば抜けてうまいなあ。これからも期待してます!

318 :
超GJです!!!
エロの表現もとても素敵でこっちまでウットリしちゃいます(つ∀`*)

319 :
逆リクはないですね、私の場合。文章がすばらしいので、何でもすんなり受け入れられちゃいそうなんで…
ということで、今日あたり来てくれたりしないかなぁと期待してます。

320 :
こばわ〜、中身です。
なかなかうpできなくてごめんなさい。
>>314サソ
ありがとうございます。
「常考」の意味が分からなくて、調べてしまいました(笑)
>>315サソ
ありがとうございます。
なんか照れますね・・・
これから涼しくなりそうなので、是非!(笑)
>>316サソ
ありがとうございます。
そして・・・お粗末さまですた(・ω・)
>>317サソ
ありがとうございます。
そうですね・・・やっと筆が乗ってきたような気がしなくもないです^^;
>>318サソ
ありがとうございます。
そう言っていただけると、また調子乗れます(笑)
>>319サソ
ありがとうございます。
本当に・・・遅筆でごめんなさい・・・
続きます。

321 :
リアルタイム↑↑+(0゚・∀・) + ワクテカ +

322 :
今、保存庫として使用しているエキ○イトのサービスが
来月末で終了してしまうそうです。
それに伴い、保存庫も閉鎖させていただきます。
アクセスしてくださる方が多いので、もちろん自主閉鎖はしません。
サービス終了自体を待つかたちにします。
それに代わるスペースの立ち上げも考えてはおりますが、
何卒素人のため、かなり時間がかかると思います。
ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解&これからもよろしくお願いします。

そして>>313に書いた逆リクの件です。
コレ自体がフィクションではあるのですが、
もっとフィクションらしいもの(パラレル等)も
そのうち書いてみようかなと考えています。
住人さんの中で、そういったものが苦手な方がいらしたら
申し訳ないなー・・・と思い、回答を求めた次第です。
以前と比べて、かなりマイペースになってきてるという自覚はあります。
不愉快に思われても仕方ないと反省しています。
それでもROMってくださる皆様、レスをくださる皆様・・・
本当にありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。

P.S.
ちょっと予告
こーださんがじゃれたいお年頃のようです。

323 :
>>321サソ
ごめんなさい。
今日は業務連絡だけです。
「だれるから長くても書き上げてからうp」
以前、長編を書いたときの教訓です。
もう少しだけお待ちください。
中身ですた。

324 :
待ってますよ(´_ゝ`)
あっち閉鎖されちゃうんですか?
毎日覗いてニヤけてたのに残念
中身サン、何か気にしてます?
前の長編の時のバッシングとか…
何も気にしないで大丈夫だからね
私たちは中身サンが大好きだよ

325 :
中身さんのSS大好き!中身さんも大好き!
まったり待ってるから自分のペースで頑張ってね(・∀・)b

326 :
とうとう来週のテレビで久しぶりの、くぅちゃん&BoAちゃん見れるね♪

327 :
自分が気分屋だってのは分かってる。
思ってることがすぐ顔に出ちゃうくらい、悪い意味で素直すぎるってのも分かってる。
逆に変なところで素直じゃないってのも分かってる。
あんな些細なことでイライラするのは馬鹿げてるって分かってる。
イライラしている自分に対してイライラしてるのは、もっと馬鹿げてるって分かってる。
そして、彼女に八つ当たりするのは最低だってことも分かってる・・・つもり。
「ボアちゃん」
「・・・ん?」
「アイス食べる?」
「いらない」
私の機嫌をとろうとしてるのがよくわかる。
ここのところ暫く会えてなかったからなぁ・・・
一緒にいられる時間を仲良く過ごしたがってるのがひしひしと伝わってくる。
まぁ、そりゃぁ・・・私もそうしたいのはやまやまなんだけれども・・・
今はなんだかそういう気分になれない。
イライラが胸につかえてて、おなかの方に落ちてってくれないから。
彼女がいるのと反対側。 ソファーの端に深く体を預けて足を投げ出した。
「じゃあ・・・アイスコーヒーでも飲もっか」
彼女の気遣いが聞こえないフリをして、バッグから読みかけの小説を取り出す。
小さくため息をついて、彼女はキッチンへ向かった。

328 :
「はい、どうぞ」
「・・・ん」
お礼もろくに言わないで、私はグラスを取る。
活字から目を離さずに、そのまま一気に飲み干した。
「ねぇ・・・」
かまってほしそうな彼女の声。
「・・・ん?」
本当に、今はそういう気分じゃない。
「なーに読んでるの?」
ぴったり寄り添うように、彼女が座りなおした。
私は無言で表紙を見せる。
「・・・ハングルじゃわかんない!」
「あ、そう」
答えを教えるわけでもなく、私はそのまま読書を続ける。
「・・・なーんかヤなかんじぃ!」
ふて腐れたような彼女の顔も見て見ぬフリ。
視界の隅でちらちら動く影。
「ボアちゃんってばぁ・・・」
頬をつついたり、袖を引っ張ったり・・・
「ねーってばぁ・・・」
落ち着きのない子供のように、彼女はちょっかいを出す。
怒る気にもなれず、私はそれを無視し続ける。
その影がスッと消えた。

329 :
「おじゃましま〜す」
「うわっ!」
途端、背中にのしかかる重さ。
「ちょっと・・・何してんの?」
ソファーと背中のほんの僅かな隙間に、彼女が体をねじ込んできたのだ。
「・・・何?」
「ん?だっこしてんの」
細い腕を私の体にまわして、彼女は体を密着させた。
「暑いって・・・」
彼女の体温が、服越しにじわじわ伝わってくる。
「・・・暑いからやめて」
本当はそうでもないんだけれど、首だけ回して睨んでみせた。
彼女はふて腐れたまま。
クーラーのリモコンに手を伸ばして、わざわざ私の目の前で温度を下げる。
「これで暑くないでしょ?」
体にまわされた腕に力がこもる。
是が非でも私から離れるつもりはないらしい。
段々と下がる室温に、彼女を離す理由がなくなる。
わざと大きなため息をついてから、私は再び活字に目を戻す。

330 :
「ねぇ・・・」
暫くの沈黙の後、我慢しきれないように彼女が口を開く。
「・・・ん?」
小説の世界に浸っていたのに、急に現実に戻された。
苛立ち半分で適当に返事をする。
「しりとりしよっか」
「はっ?!」
「じゃ、あたしからね ぼ"あ"」
私のことはおかまいなしに、彼女がゲームをスタートさせた。
「・・・やらない」
「"や"らない じゃなくて、"あ"だよ」
急かすように背中を突付く。
うわ・・・意地でも私としりとりあう気だ。
子供は大好きだけど、"大きな子供"は勘弁してほしい。
嫌みったらしく大きなため息を一つ。
「・・・あんぱん」
しりとりのルールはもちろん知ってるけれど、強制終了。
「ちょっとぉ!!」
不満タラタラの声。お願いだから耳元で叫ばないで・・・
「ルール知ってる?! もっかいいくよ?  じゃぁね、こうだく"み"」
「・・・みかん」
「もう!!」
さすがに頭にきたらしい。
ふん!と鼻で息をすると、彼女は黙り込んでしまった
・・・と思いきや
「ボア先生!質問です!」
背後だから見えないけれど、絶対に挙手してる。
あー・・・もー・・・
「はい、こうださん」
少しだけ・・・乗ってあげた。

331 :
「最後に会ったの・・・どれくらい前でしょう?」
何を言い出すのかと思ったら・・・
「一週間以上なんじゃない?」
逆算するのも面倒で、適当に答える。
「・・・10日前です」
「ああ、そう・・・」
自分でも驚くくらい、私は苛立っている。
あんな小さな棘が、ここまで深く刺さってるとは・・・
「じゃあさ・・・ 最後にえっちしたの・・・どれくらい前でしょう?」
「はぁ?」
空気を読まない発言に、思わず言い方が荒くなる。
「今それが何か関係あるわけ?」
「・・・あほっ!」
背後から伸びた手が、私の手から本を取り上げる。
「あっ・・・!ちょっと!返してよ!」
取り返そうとする私の手をかいくぐって、彼女はそれをソファーの後ろへ放り投げた。
「さっきからなんなの?!」
振り返って彼女を睨む・・・間もなく、あれ・・・あれれれ?!
「わっ!」
視界がぐるりと回る。
見事な体捌きで、気付けば私は彼女に組み敷かれていた。

つづく

332 :
やあ (´・ω・`)
ようこそ、バーボンハウス『中身』へ。
このズブロッカはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん、「まだ」なんだ。済まない。
実は最後まで書き終えてない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらお・・・
・・・
・・・・・・本当に遅くなりもうしたm(__)m
今回は久々に少し長くなりそうなので、少しづつうpしていきます。
>>324サソ
ありがとうございます。
それなりに気にすることは多々あるわけでして・・・
今は「如何にして住人サソを萌えさせるか」が課題です。
そればっか気にしてます(笑)
これからもよろしくお願いします。
>>325サソ
ありがとうございます。
マイペースで好き勝手やらせていただいてる割には
どうしても他スレのペースが気になる小心者なのでございます。
もうこれは持ってるものの違いと諦めておりますが・・・orz
これからもよろしくお願いします。
>>326サソ
しかも二人ともバラードっすわぁ・・・(笑)
まずは音楽駅から♪
近いうちにまた来ます。
中身ですたノシ

333 :
ズブロッカなんて飲んだら落ち着けるどころか
くわ〜ってなって興奮してきますが‥
言ってること違うじゃーん中身さん
それでまたずーっと待たせるつもりでしょ?意地悪!!

334 :
>>332
中身さんの書く文章の何が好きかって
映像が頭に浮かびながら流れるように読める所なんだよね
状況描写、心理描写含めて、スラスラ読める
良い仕事してまんな!

335 :
他スレのペースなんて気にしなくてもOKですよ。私たちはまったり待っております(^^)

336 :
ソファーの背もたれに首を乗せて、頭を思いきり天井に向けた。

目を閉じて、耳に流れる音に集中する。

自分と、自分の為に駆け回る人達。それから自分を観ている人達。何度も繰り返し頭にイメージする。

もうすぐ始まる大きな仕事。全国を飛び回ってひたすら歌う。考えるだけで嬉しくて、ゾクゾクする。


ふと、閉じていた目に射すかすかな光が遮断された。と同時に唇が小さな刺激を受けた。

『何してんの?』

「いえ何も?」

目を開くと、見えるのは天井ではなく、この悪戯娘のニヤけた顔。

337 :
『何してはるの?』

わざと同じ質問を、ニュアンスを変えて言う。

「ですから何もしていませんが。」

負けじと彼女も言い返す。

こんな時は、最初に声を出して笑った方の負け。どちらかが笑うまで何度でも言い合いをする。

もちろんいつも負けるのは彼女。しかし今回はそうはいかなかった。

5回戦目。

『あたし鼻毛生えた事ないねん。』

最初の質問から掛け離れた、もはや質問ですらなくなった言葉を真顔で言う。いつもなら、このぐらいで彼女が降参。

338 :
私が勝ちを確信した瞬間、彼女が口を開く。


「チューした」

今更最初の質問への返答。おまけに舌を出してテヘッ★みたいな顔で笑っている。思わず『アハッ』と声が出た。

その笑顔に勝てるわけがなく、負けても悔しいわけがない。

途端に彼女への愛しさが胸にこみあげる。何でこの人はこんなにも私の心を掴むのだろう。

愛しくて、可愛くて、切なくて、キューっと締め付ける胸の痛み。

けどどこか心地良い痛み。

感情につき動かされて、スッと手をのばす。人差し指から順番に彼女の唇に触れていく。

339 :
小指が唇を撫でた頃に、顎をクッと上げて合図をした。それに応えるように、彼女の唇が触れる。離れては触れて、また離れて、触れる。

時々髪を耳にかける仕草が色っぽい。何度も角度を変えて、唇の潤いがなくなるまでキスをした。

そして私は、愛しい人の名前を呼ぶ。

『奈美恵・・・って呼んでもいい?』

彼女が微笑む。

「いいよ。」

2人で見つめ合って笑った。

夏が終わりに近づいて、外には少し冷たい風が吹いていた。

イヤホンからは照れ臭い程の愛の唄が流れていた。

340 :
こんばんわ、中身ファンの一人です。
くぅ×ぼあ
あむ×ぼあ
ときたら、あむ×くぅやってやろうジャマイカ!と、勢いだけで書きました。
中身さん待ちの暇つぶしにでも読んでください。
また、不愉快な思いをされた方がいたら申し訳ありません。

それから、中身さん。マターリ待ちます!いつもGJ!応援してます。

341 :
ビックリした〜。
普通にくぅぼあと思って読んでたら
>『奈美恵・・・って呼んでもいい?』
のところで
えっ!って思わずスレタイ確認したわw

342 :
「それはこっちのセリフだよ・・・」
私を見下ろしたまま彼女がぽつりと呟く。
馬乗られて、肩口を押さえ込まれてるから身動きがとれない。
「久しぶりに会えたのに何?その態度・・・」
・・・かまってほしいオーラを無視し続けたことに対して逆ギレですか?
付き合って日が浅いわけじゃないんだから、今の精神状態くらい察してほしい。
かといって、ここで一喧嘩するのもめんどくさい。
「はいはい・・・ わかったから、そこどいて」
「やだ」
唇を尖らせたまま子供のような返事。
「このままじゃ・・・なんかムカつく・・・」
「はぁ?!」
「今日はてってーてきにベタベタしてやるんだから・・・」
私に言い聞かせるように囁くと、彼女は腕の力を抜いた。
やれやれ・・・ やっと自由になれる。
「・・・って・・・ちょっと・・・!」
彼女の手が、体を撫でるようにシャツの裾を捲くり上げる。
私は慌ててそれを制した。
「ん?」
「『ん?』じゃなくてさ、何やってるの?」
わざとらしく彼女は目をぱちくりさせる。
「さっき、てってーてきにベタベタするって宣言したじゃん」
「・・・それで?」
「だから、てってーてきにベタベタするの」
・・・答えが答えになってないんですけど。
「悪いけど、今はそういう気分じゃないの」
彼女の手を押さえつけるようにして、捲り上げられた裾を戻す。
「悪いけど、今はそういう気分なの」
彼女が負けじと私の手を押し返す。

343 :
「あのさ・・・余計な喧嘩して体力の無駄遣いするの、やめない?」
まぁ、体が資本の仕事してるから、喧嘩するくらいの体力はあるけどさ・・・
でもこの一言で彼女の動きが止まった。腕組みして、眉間に皺を寄せる。
「そっか・・・ それもそっか・・・」
何度も小さく頷く。やっと分かって・・・
「ボアちゃんが折れれば早いんだよね」
・・・ないですね・・・
「・・・『自分が折れる』って方法論はないわけ?」
「じゃぁさ、こんなのどう?」
はーい、はい!笑顔で挙手。
・・・また人の話聞いてないし。
「ボアちゃんが折れたら、あたしの勝ちってことで」
「はぁ?!何言っ・・・」
強引に唇を塞がれた。
体と体が密着する。
「んっ・・・ んぅ〜っ・・・!!!」
ぶちゅーって音が聞こえそうな、唇を押し付けるだけのキス。
離したくても本気で体重かけてくるからにっちもさっちもいかない。
彼女とキスするの、もちろん嫌じゃないし、むしろ大好きなんだけど・・・
可愛さがあるわけでもなし、溶けてしまいそうな色気があるわけでもなし。
普通こういう時って、相手の本能に訴えかけて、
『あん・・・もう!好きにしてぇ!』ってなるようにするもんじゃないのかな。
これとは全然別物だけど、バラエティ番組で見たキス魔のおばちゃんを思い出した。
ゲームに失敗すると、罰ゲームと称して敗者の唇を強引に奪うんだ。
されてる方は本気でジタバタして、おばちゃんはそれを屁とも思わないで・・・
さっきまでの苛立ちを棚に上げ、自分の滑稽さに思わず笑いがこみ上げる。
笑いたい私と、知ってか知らずかそれを押さえ込もうとする彼女。

344 :
「う・・・ んうひぃ・・・」
喉の奥までせり上がってきた笑いと、彼女の重さが段々苦しくなってきた。
ぱたぱた彼女の肩を叩く。ごめんなさい・・・ギブアップです・・・
やっと彼女が開放してくれた。
我慢しきれずに、私は声を立てて笑う。
「あっは・・・ははははは!! 何?今の!!」
まだイライラしてるんだけど、なんかおかしかった。
へ〜んな気持ち。
よくよく考えると、インパクト勝負でさほど面白くもないのに笑いが止まらない。
今度は笑いすぎて苦しくなってくる。涙も出てきそう。
「折れた?」
いたずらな笑顔が私を見下ろす。
悪いけど、今はそんな気分になれないんだってば。
っていうか、まだそんな気分になれない。
折れる以前にあんなキスじゃね・・・。首を横に振って見せる。
「じゃ、どうすれば折れる?」
その粘り強さに思わず苦笑。
笑って歪んだ唇に、彼女がキスを落とす。
「折れるまでチューしててもいい?」
もう私の答えなんてどうでもいいらしい。
返答をする間もなく、再び唇を塞がれた。

345 :
子猫がミルクを飲むみたいに、柔らかな舌先がちろちろと唇を舐める。
「うふ・・・んふふふ・・・」
いつもだったら気持ちいいことも、気分乗らないとくすぐったいだけなんだなぁ・・・なんて。
唇から漏れた笑い声を聞いて、ばっと彼女が体を起こす。
「折れた?」
嬉しそうに私の顔を覗きこむ。
それがまぁ、本当に期待に胸膨らませた顔で・・・
かわいいなぁ・・・なんて思ったり。思わずにやけそうになる。
無理に取り繕った無表情で、また首を横に振って見せた。
次は顔中にキスの雨が降り注いだ。
「折れた?」
〆のキスを頬に落として再び私に問う。
さっきと同じように、私は首を横に振る。
「ふぅん・・・」
私の胸の上で腕組みして顎を乗せる。
唇をとがらせて上目遣いでちらりと私を見た。
「どーしたら折れてくれるのよぉ・・・」
眉尻が徐々に下がり始める。
「今日は諦めたら?」
「う〜・・・」
私の言葉に不満そうに唸る。
小さなため息をついて、放り投げた本を拾ってくれた。
「ん・・・」
唇をとがらせたまま、私に突っ返す。
「じゃぁさ、折れなくていいからさ・・・ずっとだっこしててもいい?」
寂しそうに彼女が呟く。
ちょっと冷たくしすぎたかな・・・
それでも『いいよ』と言葉で許可するのがなんだか癪で
私は無言で背後にスペースを作った。

346 :
こばわー、中身でがんす。
もう全裸で寝るのがキツい季節でございますな。
やれやれ。
>>333サソ
ありがとうございます そしてごめんなさい・・・。
今回は書いてる時点で楽しくなっちゃって、
思わずうpしてしまった次第です・・・。
たまにあるんです、書きあがりを自分自身が楽しみにしちゃうことが。
住人さんに「早く読んでもらいたい!」

書きあがったとこからうp

結局遅筆でグダグダ
・・・って展開は自分でも分かってるんですけどねorz
悪意は全くないです。
ごめんなさい。
>>334サソ
ありがとうございます。
実はSSを書くにあたって、描写は不安な点の一つだったんです。
内容が薄すぎないか、逆に濃すぎないかは自分以外の誰かに
判断をゆだねるしかないもので・・・。
そう言っていただけると嬉しいです。励みになりますね^^
これからもよろしくお願いいたします。
続きます。

347 :
>>335サソ
ありがとうございます。
いやぁ・・・気にはなりますよ・・・^^;
永遠の課題ではありますな。
これからも“まったり”よろしくお願いいたします。
>>340サソ
ありがとうございます。
素で「ご・・・誤爆かっ?!」と焦ってしまいますた(笑)
あむ×くぅですか。なんかちびっこコンビってカンジですな^^
思わずいつも以上にまったりしてしまいました。
自分は行間使うのが苦手なので、こういうの読むと勉強になりますね。
これからもよろしくお願いいたします。

最近、こーだ病サソお見かけしないのですが、お元気かすぃら?(´・ω・`)
マターリしすぎて愛想つかされちゃったのかしら・・・
では、またきまーす。
中身ですたノシ

348 :
>>341
本当駄作で申し訳ないす。ビックリしていただいただけでも少し嬉しかったです。

>>中身さん
やはり中身さんの文章力流石です!自分の文章力あまりにも恥ずかしくて軽く鬱です(笑)
改行多いのは、PCじゃなく携帯で書いてるから必然的に・・PC修理費すら賄えない私の駄目ぷり、笑ってやって下さい。


P.S.
自己紹介が遅くなりましたが、私、ヒマつぶし@と申します。またの名を

こーだ病と申します(笑)

349 :
>>348
こーだ病さん!!最近見ないからどうしたのかなーって思ってたんですよ。お元気そうで何よりです。

350 :
Mステのぼあちゃんなんか機嫌悪そうにみえた
やっぱくうちゃんの恋愛報道で怒ってるのかな(・ω・)

351 :
>>82
あざーす!ホント暑かったですよね、今日は。どうした×2!?みたいな。
体調には気を付けないといけない年頃です、私。はいw
>>83
最後の締めはかなり悩む事が多くて、あまりにも思い浮かばない場合は
しばらく放置しておくんですね。それでも思い浮かばず、どうしたものか?
ってゆう時もあって。多分これ、そのパターンだったのかもしれません。
書いたのが前なので、記憶は定かじゃないのですが・・・力つきたのかもw
お言葉、胸に刻みました(`・ω・´)
>>84
どもです!いや〜、恐縮しつつ素直に嬉しいお言葉、dです!
オリコンstyle、私も気になります!
>>85
仕返し・・・は、特になしです、スマソ(;^_^
今ですね、Mステ見てまして。ミニステで素晴らしい2ショットがありましたねw
BoAタン、ちょっと疲れてるのかな?そんな感じがしました。まぁ疲れるか、そりゃ。
そして、アンジェラさん・・・安室タンと同い年かよ・・・ビビったよ・・・
あと今更って感じですが、ベビドンのPV、あれ私服なんですね。今日初めて知りました。
二人の情報に、追いつけませんw

今回のSS、これを使用させて頂いてます。よろしければご参考までに!
               ↓
ttp://www.youtube.com/watch?v=BPoheruuZEw&mode=related&search=          

では、投下!

352 :
>>349
いやー気にかけていただいてスイマセン(´Д`)
気が滅入っててなかなか顔出せなくて…。
これからも末永く宜しく頼みます!

>>350
確かにBoAタソ元気なかったですね。私的には、くぅちゃんが横で別の方とジャレてるのが嫌なのかなーと思ってますたw

>>アール子タソ
もしや私の腐れSSに目をやられて間違っちゃったんですかね。やっぱ慣れない事はするもんじゃないなw

それでは本日も期待のsage!

353 :
あれ・・・カキコしたのになんで?
って思ってたんです。ここにカキコしちゃってて・・・ホントごめんなさい・・・
今の今まで素で気付いてませんでした・・・orz
中身さんのSS好きで拝見させて頂いてるんですが、バレてしまいましたねw
素で誤爆しました、ホントごめんなさいです(__;)では!

354 :
彼女に抱きしめられたまま、読書を続ける。
打って変わって、今度は私の肩に顎を乗せてたまま、じぃっと大人しい。
規則正しい呼吸音が耳元で聞こえるだけ。
こうも対極的に接されるとどうしていいのか分からなくなるわけで
徐々に難解になるストーリーとは関係なく、私の頭を悩ませる。
しょうがなしにとりあえずポーズでページをめくり続けた。
素直に『意地張ってごめんね』と言うか・・・
はたまたひょうきんに出てみるか・・・
うーん・・・どうしよう・・・
折れるに折れられな・・・
「・・・こらっ」
彼女の手が、むんずと"あるところ"を鷲掴んでいる。
「さっきからドコ触ってんの?!」
「ん? ボアちゃんの胸ですよ」
私の胸を掴んだその手が楽しそうにわきわき動く。
「あのねぇ・・・」
「だって、あたし『胸触らない』とは言ってないもん」
私の言葉は彼女の屁理屈でかき消される。
「それに・・・」
止める間もなく、指先がシャツのボタンを滑るように外す。
「本気で嫌なら最初のベタベタで拒否るはずだもん」
「う・・・」
正直・・・ちょっと図星です。
イライラしてるのもホントだし、そういう気分じゃないのもホントだけど
彼女からこういうふうに甘えられるの、大、大、大好きだったりする。
「そっちがその気なら、あたしも容赦しないから」
耳元で聞こえた挑発的な囁きに背筋がゾクゾクした。

355 :
「だから今日はホントに・・・」
「じゃぁ、ずっと本読んでていいよ」
彼女が下着に手をかけた。
「あたしはあたしで勝手にするから」
今日に限ってフロントホック。その締め付けが緩くなる。
「・・・ちょっと!」
庇う間もなく露にされた胸元を彼女の熱い掌が這う。
「いいよ あたしに構わないで続けて」
そんなこと言われても・・・
「だから・・・ホントに・・・」
「なら本気で抵抗してみなよ」
無理だろうけど・・・。意地悪な囁き。
指先が頂点を起こすように柔らかくはじく。
「ん・・・っ!」
「あれ・・・ 『そういう気分じゃない』んじゃなかったっけ?」
クスクス笑いながら、何度も繰り返す。
こういうとこだけ素直すぎるというか・・・快感に弱い自分の体が憎らしい。
「く・・・っ・・・」
首筋を辿る唇が熱の烙印を落とす。
声が漏れるのが恥ずかしくてひとさし指の背を噛んだ。
「だぁめ そんなことしちゃ」
うっすら歯型の付いた指を唇からやんわり引き剥がす。
「我慢しないでよ・・・」
赤く残った痕。彼女が口に含む。
痕を拭い去るように舌が這う。
ただそれだけでも体の芯が熱くなる。

356 :
『乗り気じゃない』と口にしながらも、徐々に体が彼女を求めはじめる。
読むはずだった小説も、ポーズを保持するのが難しくなってとうとう落としてしまった。
「あらら・・・ 飽きちゃった?」
そんなわけない。途中から集中できなくなってるんだから。
「じゃ、あたしと遊ぼっか」
片手で胸を弄びながらもう一方の手で器用にデニムのフロントを開けると
なんの躊躇いもなく、彼女は掌をショーツの中に侵入させた。
「ちょっと待っ・・・」
抗議をしようと振り向いた瞬間、私の唇はあっさり彼女に塞がれる。
指の侵攻を妨げようと下半身に力を入れてみるものの、
太腿に絡んだ彼女の脚がそれを許さない。
少し強引に脚を開かされる。
指先がそこに触れた。
「・・・っ」
自覚はしてな・・・嘘、してるんだけど、彼女の指の滑り方から充分に潤ってるのがわかる。
彼女の唇が嬉しそうに歪んだ。
「そっか・・・ そういう気分じゃないんだもんね・・・」
私の状態を確認しつつ、しれっと言う。
「残念だなぁ・・・」
「ん・・・!」
焦らすように一撫でして、彼女は掌を抜いた。
「あ・・・」
指先にまとわりついた私の体液。それを嬉しそうに眺める。
弄ぶように指を動かすと、雫が糸を引く。
「そっかそっか・・・ ごめんねぇ、乗り気じゃないのに・・・」
意地悪な笑みを浮かべたまま、彼女は私から体を離した。

つづく

357 :
こばわー、中身どすえ。
思ったよりも長くなりそうで、自分自身がビックリですわー。
>>ひまつぶし@サソ
ありがとうござ・・・ていうかちょ・・・ おま・・・!!!!
んもー!!!こーだ病さんたらぁ!!!どこまでお茶目サソなのよう!!!
ちょっとー!本気で心配してたんだからもー!!プリプリ!
以前入院してたと伺ったもので、気になってたんですよ・・・
お元気そうで一安心です^^
>>350サソ
Mステ前の「ミニステ」にて、
こーださんの「ボアが大人になってまう〜!!」発言

「もう大人だもん!」ミニステ終了後、拗ねるボア子

「せやな、ここはもう『大人』やもんな・・・げへへへ」こーださん、セクハラ

「あっ・・・ やだっ! もう・・・えっちぃ〜」まんざらでもないボア子

「本番入りまーす」空気読まないADの声に慌てて乳繰り合うのをやめる二人

不完全燃焼による欲求不満で不機嫌になるボア子
こんなところではないでしょうか。
続きます。

358 :
リアルターイム!
こーださんも中身さんもじらしプレイですかw

359 :
>>アール子サソ
思わぬところで飛び入り参加ですね。
コラボだ〜!!!(笑)
では近いうちにそちらのスレに・・・ 冗談です^^
いいSSが書けるように、お互い精進しましょう!

保存庫もなんとかしないとな・・・
では、また来ます。
中身ですたノシ

360 :
>>358サソ
>こーださんも中身さんもじらしプレイですか
本当に・・・ ごめんなさいorz
じらしてるつもりのない、じらしプレイですわ・・・

361 :
GJ中身さん
続き期待sage(゚∀゚)

362 :
http://www.youtube.com/watch?v=6pI1_7PIKMs

363 :
>>中身タソ
そんなに心配をしてくれちゃったわけ?!やだぁん〜嬉し〜。
実は車にガツンとやられまして入院してました´`しかしもうピンピン!

今日もマターリ期待のsage。

364 :
今ヘイで並びが隣同士だね!

365 :
まだほうちかよ〜
またしばらくこのままかね
ゆーげんじっこーできないなら
はじめからいわなきゃいーのに
中身さんだらしなくなってない?
うらぎらないでよ

366 :
「えっ・・・ うそっ・・・」
「ん?何が?」
いつもだったら「嫌よ嫌よもなんとか〜!」って言いながら
なんだかんだ私のこと丸め込んじゃうくせに・・・
「だって、そういう気分じゃないんでしょ?」
はい。 落とした本をぽいと渡された。
悔しいけれど・・・ 本当に悔しいけれど・・・
カラダに火が点いちゃってるのは言うまでもない。
彼女も実際触れて、見て、それを知らないはずがない。
「ごめんね・・・」
「ひぁっ!」
唇が耳朶を掠める。思わず変な声が出た。
燻ってるときに、その刺激は強すぎる。
「・・・どした? ん?」
明らかに彼女は私の反応を楽しんでる。
「乗り気じゃないなら仕方ないよねぇ?」
なだめるように肩から腕をさする。
その掌が胸の頂点を掠めた。
「・・・っう」
首筋に熱い吐息が吹きかけられる。
内股をゆっくりなで上げる掌。
髪を梳く指先。
耳元で意味のない謝罪を繰り返す唇。
砂の山を崩すように少しづつ、少しづつ・・・
確実に彼女は私の理性を貪っていく。

367 :
心拍数も、体温も徐々に上昇していく。
乗り気か否か以前に、もう理性が白旗を振りそう。
彼女の香りが鼻腔をくすぐる。
急に胸が苦しくなった。
「あの・・・」
意地悪な指先、掌
「ごめん・・・」
意地悪な唇、吐息
「だから・・・」
意地悪な彼女
「うん」
分かってるはずなのに、彼女は頷いただけ。
意地悪な微笑みになんだか切なくなってくる。
「・・・くうちゃん」
何て都合のいい人間なんだろう。
あれだけ自分の感情で振り回しておきながら、こんなときだけ縋るなんて・・・
自分を情けなく思うと共に、もしかして快楽主義なのではと疑う。
「お願い・・・」
普段なら口にするのも躊躇うのに、もうどうしようもない。
体が一番素直。
かといって相手は誰でもいいわけじゃなくて、彼女じゃなきゃダメで・・・
つくづく私は彼女のことが好きなんだと痛感。
「・・・いいよ」
願っていた言葉に体が震える。
「ひとりでできたら・・・ その後であたしがしてあげる」

368 :
「えっ・・・?」
「だから、ひとりでしてみせて」
その言葉に痛いくらい胸が高鳴る。
羞恥心と、期待と・・・
「・・・・やだ」
やっぱり・・・ さすがに・・・ それは恥ずかしいです。
「そんなの見たって・・・面白くないよ・・・」
「あれ・・・ そんなこと言ってていいのかな?」
頬を寄せるようにして、耳元に唇を寄せる。
「したくてたまらないくせに・・・」
「そんなこと・・・ないもん・・・」
体を撫で回す掌は、敏感な部分を上手い具合に外れて通る。
再び彼女の指が下半身へ向かう。
期待に胸が高鳴るけれど、私の望んだとおりにはしてくれない。
今度はショーツの上から指先で辿るだけ。
布越しとはいえ、彼女の攻めかたはあまりにも的確で、泣きたくなるくらい体が焦れる。
早く・・・ ちゃんと触ってほしい 感じさせてほしい・・・
「あたし、これ以上のことはしないよ」
でも、彼女は柔らかな口調で私を突き放す。
「ボアちゃんがイきそうになったら、遠慮なく止めるからね・・・」
頬に触れた唇が、私の中の何かを押した。
「・・・ぅ・・・ちゃん・・・」
「ん?」
「・・・あとで・・・してくれる・・・?」
「ちゃんとひとりでできたらね」
言われるがまま、私はおずおずとショーツに指をしのばせる。
押されたのは・・・  情欲

つづく

369 :
こんばんは、中身っすわぁ・・・orz
>>361サソ
ありがとうございます。
そして、sageがとうございます!
>>362サソ
ありがとうございます。
そうです!これです!
こーださんの妙なテンションと、BoAタソの温度差がツボりますた。
sageがとうございます。
>>ヒマタソ
いつもありがとうございます。
つーか、なんっつー略し方!(笑)
しかも車にガツンて!ΣΣ(゚Д゚;)
何はともあれ、sageがとうございますです。
>>364サソ
ありがとうございます。
HEY×3は録画しっぱなしでまだ見てないんですよ・・・。
sageがとうございます。
続きます

370 :
>>365サソ
ありがとうございます。
そして、本当に申し訳ないです。
言い訳にならない言い訳なのですが、
この後の展開をかなーりこと細かく書いておりまして、
それに連なり手前の部分も足したり引いたりしておりました。
だらしないのは認めます。
有言実行といいますか、今回のことに関しては
「中身の気持ちが逸りすぎ」の一言で片付けてはいただけないでしょうか。
無理でしょうね。
はい、無理だと思います。orz
裏切りはしません。
最後まで全力投球させていただくつもりです。

これじゃダメだってのは分かってるんですけどね・・・
文句や苦情はいつでも受け付けます。
中身ですたノシ

371 :
> 文句や苦情はいつでも受け付けます。
大人だなぁ。
またいいトコで止めやがって・・・w乙
でも私はまだまだ待てますよ!待ってでもクオリティ高いやつ読みたいですし!

372 :
中身さんぐじょーぶ
神展開ですよ

373 :
好展開GJ!!!
書籍化してほすぃ位のクオリティの高さだわw

374 :
マターリ

375 :
恥ずかしくなるぐらい潤ったそこに、自己主張をする一番敏感な部分。
快感の証を絡めて、指の腹でそっと撫でる。
「ん・・・っ・・・」
あまりの刺激に思わず声が漏れた。
彼女の視線を感じる。
「へぇ・・・ いつもそうやってるの?」
腰をするりと撫でた手に、嫌じゃない鳥肌が立つ。
「は・・・ ぁ・・・」
いつもなら淡々と終えてしまう行為。
快感に長く浸れるように、わざと焦れるように触れた。
円を描いたり、軽くはじいたり・・・
その度に体の奥がジンと熱くなる。
「あ・・・ はぁ・・・」
押しせるはずの声が、どんどん漏れていく。
「ん・・・ んっ!」
小さな波に、腰が跳ねた。
自分の体じゃないような反応をする私を、彼女はきつく抱きしめる。
「ちゃんと・・・あたしのこと考えながらしてね・・・」
言われるまでもなく、私の頭の中は彼女でいっぱいで・・・
今まで彼女にされたこと、彼女にしたこと。
彼女の声、温度、香り、肌の滑らかさ。
そして、彼女に言えないような情欲に塗れた妄想も・・・
この指は私の指だけど・・・彼女の指でもあって・・・
この掌は私の掌だけど・・・彼女の掌でもあって・・・
「こっち、かまっててあげる」
「あ・・・」
両の掌が胸を包む。
首筋に触れる唇が体温を上げる。

376 :
脚を強引に押し広げられて、私は彼女にそこを晒す。
『ここでしょ?きもちいいの・・・』
頭の中の彼女が、そこを柔らかく揉みほぐす。
何故か第三者の視線から見ている自分の痴態。
短い呼吸を繰り返し、喘ぎながら、その私は彼女に縋る。
縋る私をしっかり抱きしめて愛してくれるその彼女。
『もっ・・・とぉ・・・』
彼女の首に腕をまわして哀願するその私。
『いつからこんなにやらしくなったの?』
微笑みながら、その彼女は何度も頬にキスを落とす。
『もっともっと・・・ きもちいことしてあげる』
細い指先が、熱を帯びた場所をかき分けるように開く。
舌なめずりをして、彼女はそこにべったりと舌を這わす。
響く濡れた音。大きくなる自分の喘ぎ声。
軟体生物は一番敏感な部分を捕らえて離してはくれない。
自ら脚を開いて、その彼女の頭をそこに押し付ける。
その彼女も私の腰をしっかり抱え込む。
『ボアちゃんのここ・・・ 大好き』
嬉しそうに呟くと、その彼女は音を立てて雫を啜る。
イタズラのようにお尻に舌を這わす。
『そっち・・・ やだ・・・』
言葉では拒みながらもそれさえ快感で、その私は脚を突っ張らせる。
『こっちまで零れてるよ・・・』
お尻の谷間を幾度も辿る舌に、私の限界も近づいてくる。
つーっと舐め上げられて、その私は短い悲鳴を上げた。

377 :
指先が滑ってしまいそうなほど、どんどん溢れてくる。
下着越しでも指を動かすたびに聞こえる淫らな音。
胸を弄ぶ彼女の掌がそれに拍車をかける。
「ここ、硬くなってる」
「んっ・・・!」
胸の頂点を指先でじわりと押す。
自分も、それに合わせて少しだけ強く撫であげた。
「きもちいいんでしょ」
首筋を辿る舌に快感が続く。
爪先まで痺れそうな刺激に、深く目を閉じて彼女にもたれた。
「その顔、すっごく可愛い・・・」
こめかみの辺りに柔らかいものが触れる。彼女の唇。
うっすらと目を開くと、優しく微笑む彼女と視線が絡む。
見られていることを再認識して急に恥ずかしくなるけれど
それと同時に少し大きな快感の波が押し寄せた。
「は・・・ぁ ・・っ」
徐々に刺激を強くする。
羞恥よりも快感を求める貪欲さのほうが強くて、自分を止められない。
声にならない短い喘ぎ声がどんどん唇から漏れる。
「イきそうなの?」
あと少し もう少し・・・
呼吸がどんどん浅くなる。
「あの・・・・っ もう・・・ダメ・・・か・・・も・・・っ!」
早く頂点へ辿りつきたい。
早く・・・早く愛してもらいたい。
「あっ・・・ ダメ・・・っ!」
彼女の腕の中で 自ら快感に身を投じた。

つづく

378 :
もうダメっすわー・・・
あ、こにゃばんわ、中身どすえ。
散々っぱらお待たせしておいて、こんな内容でごめんなさい。
今回は本当に悩みながら書きました。
例によって、苦情はいくらでも受け付けますorz
>>371サソ
ありがとうございます。
ええ・・・本当にムカつく寸止めですよね・・・orz
自分がされたら怒り狂いますわー、ほんと。
駄文投下するのと、苦情受け付けるくらいしかできませんから・・・。
これからもよろしくお願いします。
>>372サソ
ありがとうございます。
展開というか・・・もう半ば逃げです(泣)
これからもよろしくお願いします。
>>373サソ
ありがとうございます。
書籍化は・・・限りなく不可能に近いですね。
お言葉だけ頂いておきます。(笑)
これからもよろしくお願いします。
>>374サソ
ありがとうございます。
そしてマタ-リdd
これからもよろしくお願いします。
では、また来ます。ノシ

379 :
中身タソGJ━━━!

エロ満開でいいですよー。でもやっぱ待たされすぎるのはキツイかも…。(エロは特に)

でも最近は待たされるのが快感になっちゃってたりして…orz

380 :
そろそれ続き投下期待(^^)v

381 :
ぐじょーぶ!!!エロ最高です!!!
ハァハァせずにはいられない・・・(*´Д`)

382 :
指先に自分の熱と拍動を感じる。
その拍動に合わせて、雫がとろりと溢れた。
呼吸を一つする度、徐々に波が抜ける。
じんわり背中に汗が浮かぶ。
そこに添えたままになっていた私の手を、彼女がショーツから抜いた。
「そーとーきもちよかったんだねぇ・・・」
妖しく光る雫を纏った指先を、彼女は嬉しそうに眺める。
「約束・・・守らなきゃね」
指先が温かいものに包まれた。彼女の唇。
時折小さな音を立てながら丁寧に雫を拭う。
指に触れる柔らかな感触と、彼女の妖艶な表情が再び私の情欲を煽る。
ゆっくり私をソファーにうつ伏せた。
シャツが剥がれて露になった背中を、彼女の唇が辿る。
「んっ・・・」
一度達したせいなのか、いつもよりも敏感になってる気がする。
覆いかぶさるように抱きしめたまま、私の腰を持ち上げる。
「ちょっと膝立てて・・・」
言われるがままにすると、彼女は下着ごとデニムを引き下ろした。
「あ、ショーツに糸ひいてる・・・」
「もぅ・・・ やだぁ・・・」
「だってホントのことだもん」
顔見えない・・・っていうか、恥ずかしいから見えないほうがいいんだけれど
絶対嬉しそうに笑ってるんだろうな。
「なんか・・・ ちょーやらしい・・・」
お尻の山を撫で回すと、谷間の部分で外側に押し開く。
自分の熱い箇所が外気に晒される。
「あっ・・・!!ちょっと!やだっ!!」
されてることだけじゃなくて、この体勢もかなり恥ずかしいことに気付く。
咄嗟に上体を起こそうとした瞬間、体中に快感がはしった。

383 :
「ぁ・・・」
まだ熱を帯びたそこに触れる柔らかい唇。敏感な部分を丁寧に舐る。
「や・・・だぁ・・・」
達してからさほど時間が経ってない。
刺激が強いし、それに・・・まだお風呂に入ってない。
覆い隠したくて脚の間へ手を伸ばした。
「ん?」
彼女の動きが止まる。
残念な気もするけど、今は・・・ちょっと。
「まだ一人でし足りないの?!」
背中越しに頓狂な声が飛んできた。
「・・・違うよっ!」
私の『手』の意味を、彼女はちゃんとわかってるはず。
「それなら仕方ないよね・・・」
添えられた彼女の手が、私の手を導く。
「ん・・・!」
敏感な部分に触れる、自分の指先。
「そっちは自分でかまってあげて・・・」
「そうじゃな・・・ あっ・・・」
彼女が、私の中に侵入した。

384 :
「く・・・ ふぅ・・・っ」
遠慮のない指先が私を堕とそうとする。
快感の波が立つ度、とめどなく溢れる雫。
自分の指先まで滴り落ちる。
「あ・・・ ぁ・・・」
「指、動いてないじゃん」
彼女の眼前で・・・
快感でもやのかかった頭でも、それが恥ずかしいことだっていうのは充分分かる。
「自分でしないなら、あたしはやめるよ?」
「でも・・・っ」
彼女の指が、ゆるゆると後退する。
『約束と違うじゃん!』
この言葉は恥ずかしすぎて懸命に飲み込んだ。
結局 私は快感に弱いんだ・・・
ゆっくり指先を動かした。
「・・・っ!」
強い快感に恥ずかしいくらいに腰が跳ねる。
「じゃ・・・ ご褒美ね・・・」
小さな円を二回描いたところで、再び彼女は指を埋めた。

つづく

385 :
こばわ、中身どす。
中途半端なところで止めて、本当に申し訳ないです。
本当はもう少しうpする予定でいました。
が、描写が気に入らず書き直しているうちに時が経ち
なんか明日から2,3日忙しいみたいなので、
書けてるうちでキリのいい分だけ落しておきます。
>>ヒマタソ
ありがとサンサーンス♪
待たせちゃってごめんなす。
放置プレイはリアルにやるには高度なテクを要するらしいです。
これからもよろしくお願いします。
>>380サソ
ありがとうございます。
そして・・・いつも期待裏切って本当に申し訳ないですorz
これからもよろしくお願いします。
>>381サソ
ありがとうございます。
まだまだ未熟な上、試行錯誤でございます。
目指すは「読んでるだけで濡れるSS」でございます。
言ってみただけ・・・ 言ってみただけでございます。
これからもよろしくお願いします。

また来ます。
中身ですたノシ

386 :
わーい◎後ろから前からってかっ!
読んでるだけで・・ました〜gのj

387 :
期待sage

388 :
なかみ=Rこ
ならすべてがなっとくいく

389 :
中身さん待ち

390 :
非常にお寒うございます。中身です。
三徹がこんなにつらいものだとは思ってもいませんでした。
・・・っていうか、年とったなぁ、自分orz
案の定体調崩しました。
SSの件ですが、今回は「本気のエロ」がテーマでして、
どこまで書けるかちょっと試験的な部分も含めてうpしております。
ただ、勢い任せで書いてみたところ、
「コレ、なんてフラン○書院?」状態、若干エグくなりました・・・。
素で自己嫌悪です。さすがに○○○はやりすぎです。
あと・・・ちょこっと思うところがありまして・・・
これはどうしようもないといえばどうしようもないですし、
叩きつけることもできなくもないことなのですが、
一応大人なので黙ってることにします。

お見苦しいでしょうが、続きます。

391 :
>>386サソ
ありがとうございます。
あ、そっか・・・。住人さんは女性だけじゃないんですよね・・・。
これからもよろしくお願いします。
>>387サソ
ありがとうございます。
そして、期待裏切ってごめんなさい。
これからもよろしくお願いします。
>>388サソ
ありがとうございます。
残念ながら、あのヌレ主さんは私ではございません。
納得いただけないようでしたら申し訳ないです。
これからもよろしくお願いします。
>>389サソ
ありがとうございます。
そして、待っていただいた結果が最悪な状態で申し訳ありません。
これからもよろしくお願いします。

推敲と、心の整理にもう少しだけ時間をください。
本当に申し訳なく思っています。

中身

392 :
このペースで慣れたから苦にはならないんだけどなぁ(嫌味じゃなくて)
毎回クォリティが高いから満足できるし。
ダラダラ文章になるくらいならマターリ待つ方がいい。
>>中身さん
元気になったらふらっと帰ってきてくださーい。

393 :
人間だから(という括りは間違ってるかもしれませんが)いつでも万全な体勢じゃないですよね。

それだけ真剣に書いてる作品読めるのはこちらからすれば嬉しい事です。

中身タソファイトー!

394 :
マタ-リ マタ-リ
ついでにさげ
中身タソ がんばって

395 :
中身さんなんかあったのかな?
体がいちばん大切だから、焦らず中身さんのペースでやってくださいね。
「本気のエロ」期待してまたーり待ってます!

396 :
ご迷惑おかけしまくりの中身です。
今週末にはなんとか復活します。
期待せずに今しばしマターリお待ちを…

397 :
マターリ マターリ

398 :
期待さげ

399 :
期待さげ

400 :
「ちゃんとしなきゃ、またやめるからね」
「ん・・・ はぁ・・・っ」
私のカラダを知り尽くしてる指先。
快感の波が起こる度、濡れた音がいやらしく響く。
「きもちい?」
聞かなくても分かってるクセに。
口を開いたらとてつもない喘ぎ声が出ちゃいそうで、無言で何度も頷いた。
驚くくらい濡れてるのが自分でもよくわかる。
自分の手の甲、ソファーに接してる膝のまわりが少し冷たい。
そこまで・・・零れてるんだ・・・
なんとか腰を持ち上げてる膝も、ちょっとした拍子に崩れ落ちてしまいそう。
「ほら・・・ 指、止まってる」
「う・・・ん・・・」
与えられる刺激に没頭したくても、彼女がそれを許してくれない。
もうすでに理性なんか半分吹き飛んでる。
体は快感に従順で・・・
私は彼女に愛されていたくて・・・
彼女の目の前で、私は自分を慰め続ける。
あ・・・『慰める』っていうのは語弊があるかも。
愛される為に、愛してもらう為にしてること・・・。
ひとりでするときみたいな、単なる『処理』じゃない。
間違いなくコレは、『愛の行為』
でも・・・このまま続けたら、確実にヘンになる・・・
体は焦れてるけれど、登りつめるのが少しだけ怖い。

401 :
「あっ・・・」
不意にいつもと違う感覚が押し寄せた。
彼女の指が動くたび、体内へ感じる快感と・・・
っていうか・・・ あ・・・ コレ・・・ ちょっと・・・
「く・・・ちゃん・・・」
このままじゃ・・・ 私・・・ あの・・・
「ん? どした?」
お尻越しに見えた彼女の表情は、明らかに体の変化を知ってる顔。
口元に浮かんだ薄い笑み。
指先がある一点を柔らかく押す。
「そこ・・・ やだ・・・っ」
「・・・ふぅん」
どうにもならない快感と圧迫感。
私の抗議を彼女はあっさり受け流す。
「何が嫌なの?」
分かってるくせに・・・ 意地悪。
「で・・・ ちゃ・・・う・・・」
「へぇ・・・」
『止めて』と言えないのは、それに快感が伴ってるから。

402 :
「あっ・・・・ やだぁ・・・!」
せり上げるような波。
快感の証とは違う熱い飛沫が太腿を伝う。
「は・・・ぁ・・・」
彼女の指の動きに合わせてびちゃびちゃとはしたない音が響く。
「あ・・・」
恥ずかしくてどうにか抑えたいけれど、飛沫はどんどん溢れる。
「や・・・だぁ・・・」
共に迫る波が私の理性を飲み込む。
「『やだ』じゃないでしょ?」
「いや・・・ぁ・・・」
彼女の指に合わせて体が揺れる。
まるで快感を絞りつくすように。
自分の唇から漏れる声は、果たして誰のものか・・・
「いいよ・・・」
登りつめちゃっても・・・
彼女からの“許可”。
このまま波に身を委ねたら、何処までも堕ちてしまいそうで怖い。
でも・・・もう・・・ブレーキがきかない。
「も・・・ ダメぇ・・・っ!」
絶頂と共に熱い飛沫が迸った。

403 :
なかなか抜けない快感の波と、どっと押し寄せた脱力感にぺたりとお尻が落ちた。
「う・・・」
肌の触れた布地が冷たい。
そのひんやりとした温度に、先ほどの自分の痴態を思い出す。
情欲の赴くままに・・・とはいうものの、割としっかり憶えているもので・・・
ある程度知識はあるから・・・ えと・・・その・・・"お漏らし"じゃないのは分かってるんだけど・・・
どう逆立ちしてもやっぱり恥ずかしい。
「あーあ・・・ ソファーがびちゃびちゃだ・・・」
こっちも・・・。 彼女は笑いながら指に絡んだ雫を振り払う仕草をした。
満足そうな笑顔がちょこっと憎らしい。
「あほぉ・・・」
「・・・よくできましたっ」
嬉しそうに囁いて、お尻のほっぺにキスしてくれた。
「もぉ・・・」
感触がくすぐったい。
気だるくてどうにも動けない私を、彼女はそっとあお向ける。
包み込むような優しいハグと、顔中に降り注ぐキスの雨。
その唇が、顎、鎖骨、胸の間を通っておへそのあたりで留まった。
「くうちゃん・・・」
「ん?」
私の声に、彼女が顔を上げた。

404 :
「今日はもういいよ・・・」
もうたくさん・・・って言い方はなんか変だし、もっと愛されたいのは事実だけど・・・
なんか、今日は恥ずかしいことでおなかいっぱいすぎて・・・
波が抜け切らないうちの愛撫もちょっと辛いんだ。
「何か勘違いしてない?」
「・・・えっ?」
「これはペナルティー」
唇の端だけ上げて、意地悪く微笑む。
「『ちゃんと指でしてて』って言ったのに、最後の方で弄るの止めたでしょ?」
「それは・・・」
あんな状況で言われたとおりにしてるのは難しいと思うけど・・・。
「これ・・・ おしおき、だからね・・・」
彼女の唇は、そのまま真っ直ぐ茂みの方へ下りていく。
彼女がゆっくりと私の膝を持ち上げた。
情欲の熱が抜け切らないうちに与えられる刺激はとても強くて・・・
愛されてるのに切なすぎて・・・
それでも体は一直線に頂点へ向かって・・・
「ねぇ・・・ もう・・・」
予想に反して、唇はそこを外れて右の太腿を辿る。

405 :
「・・・っ!」
そこに触れたわけでもないのに・・・
余韻がまだ残っているからか、びりびりと背筋に刺激が走る。
「どうしたの?」
太腿に残る飛沫の粒を、彼女は丁寧に唇で拭う。
跡を残すような、食むような唇の動きが、燻った情欲に再び火をつける。
彼女もそれを分かっているのか、音を立てるように雫を吸う。
「んっ・・・」
「そんなにきもちい?」
柔らかい舌が脚の付け根からひざの辺りまで唾液の線を描く。
その線を辿るように、再び唇がそこに近づいた。
そして・・・
今度は左の太腿を辿る。
雫を唇で拭って、舌を這わせて・・・
右側と線対称に同じ行為を繰り返す。
彼女は触れてくれない。
もうキャパシティを越えたはずの体が再び焦れ始めた。
「ね・・・ くうちゃん・・・」
「ダメ おしおきなんだから・・・」
私の願いをあっさり一蹴して、彼女はそこを指で押し開く。
言葉と裏腹の行為に胸が高鳴る。
「ぁ・・・っ!」
触れたのは、彼女の唇でも、舌でも、指でもなかった。

406 :
敏感な部分に、少し冷たい吐息が吹きかけられた。
「あっ・・・ は・・・」
一定のリズムでそこをなで上げる。
何かが触れたわけでもないのに、激しく疼く。
「これがきもちいいんだ?」
再び吐息がそこを撫でる。
「んぅ・・・・っ」
達するには程遠い快感がじりじり燻る。
気が狂いそうなほど体が焦れる。
体をひねれば、“そこ”に彼女の唇が触れるはず。
腰を少しだけ浮かした。
「ダメだってば・・・」
単純な思考は完全に見抜かれていて、彼女は皮一枚のところでかわす。
「我慢できない?」
恥ずかしいけど・・・ 首を縦に振った。
「どうされたい?」
うぅ・・・ 言わなきゃダメ?
えっと・・・
「・・・ごめん」
少しの沈黙の後、彼女がぽつりと呟いた。
「なんかあたしの方が我慢できない・・・」

407 :
ゆっくり私の腰を持ち上げる。
彼女の唇がそこを覆った。
「んっ・・・!」
流れ出る雫を拭うように舌が這う。
どんどん溢れるのが・・・ 自分でもわかる。
「は・・・ぁ・・・」
敏感な部分を柔らかく包む唇。
時折聞こえる濡れた音が快感に拍車をかける。
私の体で、そこだけがものすごく熱い。
「く・・・ちゃん・・・」
今すぐにでも達してしまいそうで、指を絡めて手を握った。
「もうイってもいいからね」
唾液と私の雫で顎を濡らした彼女が微笑む。
「どんどん気持ちよくなっていいから・・・」
ゆるゆるとした優しい刺激は私が一番好きなこと。
あとはもう・・・
この波に上手く乗せられるだけ・・・
恥ずかしいくらいに体が彼女を求める。
でも、彼女はちゃんと受け止めてくれるから。
もっと・・・ もっと・・・ もっ・・・と・・・
痺れるような快感に頭の中が白んでくる。
「ダメ・・・ぇっ・・・!!」
再び熱いものが伝う。
体の奥から湧き上がる快感が私を飲み込んだ。

408 :
「ちょっと無理させちゃったかな・・・?」
反省してるようなのは言葉だけで、顔はずっとにやけっぱなし。
「もぉ・・・」
照れくさくて肩を小突いた。
「恥ずかしいことばっかだよ・・・」
ふて腐れた頬に、彼女は笑いながらキスを落す。
「そういえばさ・・・」 
「ん?」
「さっきなんであんなに機嫌悪かったの?」
そうだった・・・
一番最初、私物凄く不機嫌だったんだっけ・・・
その理由は・・・
「・・・ちょっと耳かして」
「二人っきりなのに?」
「いいから」
彼女の耳元に手をかざして、そっと理由を打ち明けた。
「・・・はぁ?!」
その驚いた顔・・・ちょっと笑える。
「えっ?!そんなことでヘソ曲げてたの?!」
「・・・うん」
もう今思い返せば、本当に小さなことだけど・・・
「だってしょうがないじゃん 本当に頭きてたんだから・・・」
「『しょうがないじゃん』って・・・ えぇ?!あたしそんなことに振り回されてたの?!」
悔しい!と言わんばかりに髪の毛をかきむしる。
「もう・・・」
ボサボサの頭のまま、彼女がそっぽを向いた。

409 :
「もー!なんやの!」
仕草が可愛らしくて思わず笑った。
「ちょっと・・・なに笑ってんの?」
そんな私をじろっと睨む。
「・・・なんか言うコトありませんか?」
「・・・ごめんなさい」
「違う違う違う〜!!!」
子供みたいに首をぶんぶん横に振る。
「あたし今、めっちゃ機嫌悪いのよ・・・」
「うん・・・」
「だから・・・どうやったら折れるか考えて・・・」
打って変わった甘えるような言い方に、思わずドキドキしてしまう。
「なんか・・・ ボアちゃんが気持ちよくなってるトコ見ててさ・・・」
彼女がごそごそ動く。
「あたしも気持ちよくなりたいなー・・・なんて」
目の前にひらりと落ちてきたのは、間違いなく彼女の下着。
「えへへへへ・・・」
照れ笑いをしながら、彼女は私の手をある場所へ導く。
濡れた音と、熱い柔らかなものが指先に触れた。
「早く、あたしのこと折れさせて・・・」
「しょうがないなぁ・・・」

とりあえず、手始めにキスから・・・

fin

410 :
こばわ、中身です。
散々待たせた挙句、こんなん出ましたよ・・・orz
一気にうpしてごめんなさい。
そして、BoAタソの誕生日にこんなの書いててごめんなさい。
こーださんの誕生日には、もっと可愛らしいの書きます。
>>392サソ
ありがとうございます。
そしてお待たせいたしました。
SSを書き始めた当初は、ものすごいペースで書いてましたからね。
もう2年目くらいになるのですが、何も成長しないままです・・・。
むしろ劣化してます(笑)
これからもよろしくお願いします。
>>ヒマタソ
ありがとうございます。
なんか今回は・・・ちょと色々やばかったぜ(苦笑)
いつも温かい言葉、ありがとう。
これからもよろしくお願いします。
>>394サソ
ありがとうございます。
そして、sageがとうございます。
これからもよろしくお願いします。

続きます。

411 :
>>395サソ
ありがとうございました。
なんか・・・肉体的にも精神的にも色々ありすぎて・・・(笑)
もう大丈夫です。
そして、こんなん出ましたよ・・・orz
これからもよろしくお願いします。
>>397サソ
ありがとうございます。
マターリさせすぎてごめんなさい。
これからもよろしくお願いします。
>>398サソ
ありがとうございます。
そしてsageがとうございます。
ご期待に・・・添えたでしょうか?
これからもよろしくお願いします。

>>399サソ
ありがとうございます。
そしてsageがとうございます。
『期待さげ』って言葉、いいプレッシャーになりますね。
これからもよろしくお願いします。
バンバン批判しちゃってください。そうしないと自分、伸びないので。
Rhythm Nation、参戦しようかな。
二人とも別にコラボっちゃってるカンジだけど・・・
中身ですた。ノシ

412 :
中身タソGG〜J!
いつもと一味違ってグッとキタ━^^

個人的にSなくぅちゃんど真ん中で・・

今週末のコンサートがより一層楽しめる予感がします(笑)

413 :
中身タソGJ!
中身タソのSSいつみても、いいですな
文章とか表現とか、私はとっても好き
これからもがんばってください

414 :
中身さんぐっじょぶ!もうニヤニヤニヤニヤしっぱなしだおw
全然劣化してないよ。めちゃめちゃ良かった!

415 :
こーださんかなりのテクニシャンですねw
相変わらずGJですた!

416 :
さげ
中身タソ、元気ですか?
無理せずにそこそこにがんばってくださいな

417 :
〜scissors-paper-rock〜
「じゃーんけーん・・・」
「わっ!」
読書してたら突然目の前を握りこぶしが横断した。
「ちょっと・・・心臓に悪いからやめてよ・・・」
たしなめるように言っても、彼女はぺろりと舌を出すだけ。
「ほら、じゃーんけーん・・・」
ぽい!
つい手を出してしまうのは、関西人特有のノリのせいなのか・・・
とりあえず、あたしの勝ち。
で・・・?コレなんですか?なんの勝負なんですか?
勝敗を分けた自分の手をじっと見つめて彼女は一つため息をつく。
そして・・・おもむろにあたしの頭をそっと撫でた。
「えっ・・・?なに?」
「じゃーんけーん・・・」
気を取り直したように、説明も何もないまま次の勝負。
ほい!
今回もあたしの勝ち。
「でさ、ボアちゃん・・・」
再び彼女があたしの頭を撫でる。
「コレ、何の勝・・・」
「じゃーんけーん・・・!!」
ほい!
またあたしが勝った。
「もー!!!!」
今度はわしわし撫でられた。
しかもかなり悔しそう。

418 :
「だから、何の・・・」
「じゃーんけーん・・・!!!」
ほい!
あ、負けちゃった・・・。
勝利のVサインをあたしに向けると、彼女は頭のてっぺんをずいと寄せる。
「・・・どしたの?」
「ん〜!!!」
頭突きをせんばかりの勢いで、ずずいと寄る。
なんか猪みたい・・・。
「撫でて!」
「は?」
「私が勝ったんだから、撫でて!いいこいいこして!」
めちゃめちゃ強気な口調に対して、言ってることがなんかかわいい。
そのちぐはぐさに思わず笑った。
ああ・・・ そういうことね。
さらさらとした髪の触感を楽しみながら、なんとなく勝負のルールを理解する。
じゃんけんして、勝った方が負けたほうにナデナデしてもらう・・・ってことか。
かなり甘えん坊なゲームだけど、こういうのって好きな相手とだからしたいんだよね。
いいよ、その勝負、乗りましょう!
「じゃーんけーん!」
ほい!
目がなくなっちゃうほどの満面の笑み。
こんな笑顔が見られるなら、負けるのも悪くない。
さて、いいこいいこしてあげよう・・・と、掌を彼女へ伸ばす。
彼女はあたしに頭を・・・

419 :
「あのさ、頭出してくれないとナデナデできないんだけど・・・」
・・・向けず、瞳を閉じて顔を寄せる。
何をしてほしいのかは言わずもがななんだけど、一応聞いてみる。
「いいこいいこされるんじゃないの?」
ぱちりと瞼が開いた。
「ルールを変更することにしました」
生真面目に言い放って、再び彼女は瞳を閉じる。
待っているのが恥ずかしいのか、くふんと小さく鼻で笑う。
にゅっと唇が突き出てきた。
その仕草があまりにもかわいくて、意地悪くしばらく放置。
「ほら・・・」
片目を開いてまた閉じる。
「くうちゃんってば・・・」
再び開いてまた閉じる。
それを見ながら、なんっていうか・・・ホント、あたしこのコが大好きなんだなぁなんて思ったり。
面白いから写メ撮っちゃおうかな。
「・・・もーっ!!!!」
携帯に手を伸ばした瞬間、彼女が飛びかかってきた。
「わぁ!!」
「またルール変更!!!」
あたしを組み敷いて顔を両手でしっかり固定する。
「チューしたいからします!!」
何の宣言なんだか・・・
反論する間もなく、彼女の唇が触れた。

で、これってどっちの勝ち?負け?

420 :
い〜しや〜き・・・
あ、こばわ。中身です。
遅ればせながら、こーださん、お誕生日おめ!!!
本当はBDに合わせてうpするつもりでおりましたが、
風の噂で「25の誕生日に入籍か?!」なんてーのがありまして、
なんとなく怖くて尻尾巻いておりますた・・・。
久しぶりに短めのエロなし書いてみましたが、
勝手にほっこり&元カノ思い出してorzしてますた。
がんがれ自分。
>>ヒマタソ
ありがとうございます。
自分で書きながら「こーださんS杉ジャマイカ?」と少し心配だったのよ。
コンサートは楽しめたのかしらん?
レポ待ってます(笑)
これからもよろしくお願いします。
>>413サソ
ありがとうございます。
そういっていただけると大分救われます(笑)
これからもよろしくお願いします。
>>414サソ
ありがとうございます。
ニヤニヤしていただけると、中身もニヤニヤしてしまいます。
まだまだ未熟なところも多いのですが、これからもよろしくお願いします。
続きます。

421 :
>>415サソ
ありがとうございます。
でもねー・・・まだまだなんですよね、色々と・・・。
もっと皆様を濡らせるように、勃たせるように努力します。
これからもよろしくお願いします。
>>416サソ
ありがとうございます。
なんかご心配おかけしてるみたいで申し訳ないです。
多少鼻ズルズルやってるくらいで、割と元気なのでご心配なく!^^
これからもよろしくお願いします。

皆様も、風邪など召されないよう、ご注意あれあれ!
中身ですたノシ

422 :
中身タン乙!
甘〜いww

423 :
あまりに過疎すぎ
さみしいっす

424 :
過疎上等。

過疎ってナンボじゃないっすかねぇ?皆さん(´∀`)

中身タソ、遅ればせながらマターリGJ!たまにマターリあるからこそ、エロエロでもそんなに具合悪さを感じないんです。勃ちまくりのSSさりげなくまってますよ〜。

くぅライブレポはまた後日(笑)

425 :
きもい

426 :
sage

427 :
くぅははっきりいってこんなにきもくない。何がみなさんを濡らせるように?きもすぎる。

428 :
キモイ

429 :
さげ

430 :
アッゲー

431 :
あげあげ

432 :
くぅのライブ最高でしたぁ!あげあげ

433 :
中身さん待ってます。

434 :
さげ

435 :
すいません!さげってみなさんしてるんですけど、どーやってやるんですか?優しい人教えて!

436 :
なまえのところにfusianasanと入力すればいいですよ

437 :
>>436は間違い
メールのところにsageといれればいい

438 :
さげ

439 :
>>437
ありがとうございました!

440 :
sage

441 :
ここきもい

442 :
私のくぅはこんなにきもくない!

443 :
さげます

444 :
あげあげ

445 :
メリークリスマス。イヴですよー。
中身タソクリスマスプレゼント待ってます。

446 :
ホクロにメリークリスマス

447 :
期待sage

448 :
遅刻してます!
年内には何か届にきますノシ

449 :
期待sage!

450 :
待ってます!

451 :
期待sage

452 :
〜Nothing's gonna change〜
「今晩がピークらしいよ」
「へぇ・・・」
流星が織り成す、一夜限りの天体ショウ。
都心から車で一時間ほどの場所にある小高い丘。
高層ビルもネオンサインも遥か遠くに見える。
明かりといえば、道沿いにある街灯くらい。
もう時間はてっぺんを過ぎていて、私は何度もあくびをかみす。
冗談半分で持ってきたシュラフの中の心地よさと
溜まってる疲労、そして地面に芋虫の如く転がってる体勢が眠気を誘う。
そんな私を見て彼女が笑った。
「ボアちゃん、あくび我慢する必要ないんじゃない?」
見られた気恥ずかしさで、私は無言で首を横に振る。
「いっぱい流れ始めるまで寝てる?」
「いい、起きてる」
今だってちらちら星が流れてるんだし、
ここで寝てしまうのはもったいない気がする。
「だいじょうぶでちゅよ ちゃんと起こしてあげまちゅよー」
露骨な子供扱い。でも冗談だってのは分かってる。
怒ったふりして肩を小突いたら彼女は笑いながら逃げるように体をあお向けた。
夜空を見上げる彼女の横顔。
彼女も少し眠いのか、瞬きの数が多い。
「あ!今の凄い!」
彼女が声を上げた。

453 :
その声に私も視線を夜空に戻す。
夜中でも煌々とネオンサインが点る都心と比べると
やっぱり星が多く見えるような気がする。
小さい星が二つ三つ、つられるように流れた。
「くうちゃんさぁ・・・」
視界めいっぱいの黒。白い光が点々。
じっと見つめていると夜空の暗闇に飲み込まれてしまいそうで・・・
もし、ふと気付いて隣に彼女がいなくなったら怖い。
そんなことないとは思うけど、そんなの本当にやだから。
確認したくて声をかけた。
「ん〜?」
耳になじんだ、のんびりした返事に安心する。
「UFOって信じる?」
「ゆーふぉー?」
「うん、UFO あと宇宙人」
話の内容なんてなんだっていい。
ただ、彼女の存在を感じていたい。
「・・・これだけ星があるんだもんねぇ」
いてもいいんじゃない?
「だよね そうだよね・・・」
同意してもらえても、反論されても
さほど輪を広げられるほど知識を持っていない話題だということに気付く。
「じゃぁさ・・・」
再び細い閃光が流れて消えた。
「私が『実は宇宙人です』って言ったら・・・どうする?」

454 :
「ボアちゃんって・・・宇宙人なの?」
「ううん 違うけど・・・」
ちゃんと、地球人です。
「・・・つめたっ!」
ほっぺたが冷えた掌に包まれて、彼女の笑顔が視界を遮った。
「宇宙人じゃないんかーい!!」
笑いながら私の顔をこねくり回す。
「そういう話題の振り方は事実のときだけ使うの!」
「うひゅーじんのひょーがよかっふぁ?」
最後に鼻をひょいとつまむ。
「ボアちゃんならいいや」
正体がなんだろうが、中身があなたならいいですよ・・・だって。
「ほらさ、あの・・・こういうエイリアンいるじゃん」
口からちっちゃい口が出てくる怖いやつ。
「うん」
「例えばあんなのだったとしても、ボアちゃんだっていうならいいよ」
「もっとかわいい『例え』にしてよ・・・」
最近流行ってるあのキャラクターとかさ、かわいい宇宙人なんていっぱいいるじゃんか。
『例えば』にしても酷すぎる。
「だからあくまでも『例えば』って言っ・・・」
そこまで言って、言葉が途切れる。
あ・・・笑ってる?
「何がおかしいのよ・・・」
顔を伏せたまま、肩を小刻みに揺らして笑う。
「あの・・・そのね・・・」
ちらと私の顔を見て、再び彼女は声を押しして笑う。
「エイリアンがね・・・『リッスントゥマイハー』って・・・ 踊ってるの想像したの・・・」
もう・・・!

455 :
段々光の流れる量が多くなってきた。
もう数えるヒマもないくらい。
瞬いては吸い込まれるように消えていく星達。
それが『スゴイ!』っていうか・・・なんだか切なく感じた。
その正体は、いわゆる“宇宙のちり”なんだろうけれど
それがこうして一瞬の輝きのためだけにうまれてきたものならば・・・
こうして輝かなければ一生“宇宙のちり”で終わっちゃうのかな。
私たちの目に映ることもなく、誰かの願いを背負うこともなく
誰にも知られないまま、ずーっと漂っているのかな。
それとも、一瞬だけ輝いて儚く消えるくらいなら、ずーっと漂ってるほうが幸せなのかな。
ふと自分に重ねあわせる。
こういうお仕事で、第一線で活躍できるのは嬉しい。
好きなだけ歌えるし、踊れるし
小さいころからの夢がかなってるわけだし。
でも・・・
一年の半分を日本で過ごして、家族とも離れ離れで
ろくにお休みももらえなくて、やりたいことはありすぎて
「自分って何やってるんだろう」って悩んで
過去の私が目指す“私”はまだまだ遠い場所にいて・・・
こういうお仕事してなければ、もっと羽伸ばせたのかな?とか
ずっと家族のそばにいられたのかな?とか
普通の女の子みたいに学校行って、バイトして・・・
私が“BoA”である限り
輝くということの代償の重さはいつまでも付きまとう。

456 :
「くうちゃんさぁ・・・」
「んー?」
細い閃光は降り注ぐように落ちていく。
「自分が“倖田來未”でよかった! って思う?」
「うん」
『なんで?』とか『どしたん?』とか、詮索もなにもなしに即答。
「・・・なんで?」
予想してた言葉は自分の口から出た。
ふんと鼻で笑う。再び私の顔を包む掌。
「こーだくみじゃあかんのかーい!!」
あたたかな唇が額に触れた。
「こればっかりはもうね、やめられませんよ」
「・・・ん?」
もぞもぞとシュラフの隙間に忍び込んだ冷たい指先が、私の掌をしっかりと握る。
「ボアちゃんが隣にいてくれて、こうして一緒に星空眺められるんだもん」
これ以上の幸せは、ないっす!!
彼女は微笑んで夜空を見上げる。
あたしさ、思うんだけどね・・・
あたしが『あたし』じゃなきゃ・・・
あぁ・・・『あたし』って、歌唄ってる今の自分のことね
逢えなかったような気がするんだ、ボアちゃんと
この道選んだこと、今まで何度後悔したかわかんないんだけどさ、
もし違う道選んでたなら、こうやって手を繋いで夜空見上げてるなんてことないし・・・
っていうか、あたし以外に誰が『倖田來未』になれる?
あたし以外に誰がボアちゃんと手を繋げる?
ご機嫌斜めなとき、誰がご機嫌取れる?
あんなひどい寝相、誰が耐えられる?
なんてね・・・ こんな幸せ、他にないよ

457 :
白い吐息が唇の動きにあわせて闇ににじむ。
語りかけるふうでもなく、自分に言い聞かせるわけでもなく
彼女はゆっくりと言葉を紡いでいく。
「ほんま・・・ おおきに・・・」
ぽつりと呟いた、彼女の素の言葉。
「うん・・・」
段々と温かくなる指先をぎゅっと繋いだ。
見上げた夜空に流れ続ける光。
「輝いてるね・・・」
「うん・・・」
東の空が白くなるまで、私たちは手を繋いだまま空を眺めていた。

あなたが『あなた』でいてくれて、ありがとう
ほんま
おおきに


〜fin〜

458 :
こばわ、中身です。
今回は、くだらない会話の中にある愛情というか
なんでもない会話してて、そこから広がるマジ会話というか・・・
とにかく「会話」を中心に何か書きたくて。
半ば実験的なものを散々待たせた上でうpするのもどうかと思いましたが
やはり皆様の辛辣な(笑)ご意見を頂きたく、うpするに至りました。
何卒よろしくお願いします。

今年一年、色々ありました。
あった割には何も書いてないんですけどね・・・
来年もこんなペースで牛歩の如くだと思いますが
生温かく見守っててくだちい。
今年は大変お世話になりました。
皆様が素敵な2008年を過ごせますように・・・。
よいお年を〜!!
中身ですたノシ

459 :
遅くなりましたが、中身さんGJ!!

460 :
いろんなとこ荒らしといてのこのこ投下するな!

461 :
荒らしてるのは自作自演のあいつだよ。
そうやってとばっちりとばすな。

462 :
GJ!!中身さん今年もよろしくお願いします!

463 :
あけましておめでとう!
今年もまったり投下待ってます。

464 :
皆さん明けましておめでとうございます!
中身さん、GJ!
くだらない話からマジ話へ転換する流れは私も大好きです。
新年初の中身さんのお話は素敵でした。
今年もよろしくお願いします!

465 :
中身タソGJ!そして皆様明けましておめでとうございます。
今年もマターリのんびりこのスレが続くのを祈ります。

466 :
今年こそ終わってくださいね!

467 :

アール子帰れ。

468 :
なにこのキモいスレ!
ボアはレズじゃないし!

469 :
それは本人にしか分からない

470 :

アール子
これは本人以外でもわかる

471 :
sage

472 :
sage

473 :
>470
あら残念人違いよw

474 :
アール子ってだれ?
このスレがキモいのと関係あるの?

475 :
BoAと安室奈美恵で書いてる、
批判来ると作者が噛み付くスレッドがありますよ。

476 :
さげ

477 :
さげ

478 :
↑このスレがキモいのと全然関係ないじゃん!
私はこのスレがキモいって言ってんだけど!

479 :
>>478
キモいなら来るなとマジレスしてみるテスト
キモいキモいとたかるのは蛆と同じとか言ってみるテスト

480 :
もっとキモいスレあるからそっちいけってことだ
つか何故百合にいる
そのほうがキモい

481 :
中身ってなに?名前?きしょ。

482 :
さげ

483 :
そろそろ落ち着いた?

484 :
ん?なにが?

485 :
さげ

486 :
もう書かないのかな?

487 :
さげる事しか思いつかん。

488 :
さげ

489 :
ネ申は来るさ( ´∀` )

490 :
さげ待ち

491 :
そろそろ何か…ね!
中身さ〜ん('A`)

492 :
くぅちゃん復活と共に中身復活!
に、期待。

493 :
朝起きて、横にあなたの寝顔があると幸せなの。
いつもの大人っぽさを落とした幼い寝顔。
目覚める直前の顔全体に皺が寄ったあの顔はブサイクすぎて笑っちゃうんだけど
やっぱりこの目鼻立ちは美人の部類に入るよなーって思ったり。
ちょっとだけ開いた口がヒヨコみたいだなーって思ったり。
どんな夢見てるのかなーって思ったり。
あなたが起きる前、こうやってずっと見つめてるの、知ってるかな。
たまに幸せ噛みしめすぎちゃって泣いちゃうの、知ってるかな。
「大好きなんだからね」
鼻の頭にキスを落とす。
目覚める前のあのブサイクな顔をして鼻をポリポリ掻くと、あなたはあたしに背を向ける。
さらさらの長い髪が滑るように肩から落ちた。
落ち着きが悪いのか、なんどか頭を枕に置き直してから静かになる。
あー・・・イジワルなんだ・・・ あたしに寝顔見せてくれないんだ・・・
いいもん・・・別に寝顔だけが楽しみなワケじゃないんだもん・・・

494 :
普段やらせてくれないことやっちゃうもんね
そっと、そっと、気配を消して彼女の背中に寄り添う。
髪の毛越しにうなじに鼻をうずめて思い切り深呼吸。
昨日、彼女が疲れきっててシャワー浴びてないの、知ってる。
汗とシャンプーと整髪料と香水の混じった香り。
あたしはこの香りが大好きだ。
なんていうか・・・彼女の体臭は非常に居心地がいい。
特に汗をかいたあとが非常にいい。
一度頭をがっちり掴んで思い切り嗅いだらめちゃめちゃ怒られた。
なんだかすごく照れくさいし恥ずかしいんだって。
普段ばれないようにコッソリ嗅ぐことしかできないから、今がチャンス。
ちょっと変態っぽいのは分かってるんだけど、好きなんだもん。仕方ない。
ひとーつ、ふたー・・・つ・・・、み・・・っ・・・

495 :
背中になにかがこつんとぶつかった。
その気配で私は目覚める。
すぐ横に彼女の寝顔。
あー・・・、やられた・・・
まぁ、いつものことだからかまわないんだけど。
どうやら彼女は私の匂いがお気に入りらしい。
それはそれで嬉しいんだけど、恥ずかしさのほうが勝っちゃって、一度叱ったことがあった。
それ以来、彼女は私にバレないようにこっそり楽しんでるつもりらしい。
そのバレてないと思ってるところがなんだかかわいくて、黙認。
たまに吹きだしそうになるのを必で堪えてることを彼女は知らない。
そして、こうして自分の気配で私を起こしちゃってるのも彼女は知らない。
「しょうがないなぁ・・・」
私の髪を指に絡ませたまま眠る彼女を抱き寄せた。
おでこにキスを落とす。
「大好きなんだからね」
                           fin

496 :
スレの浮かび具合に春を感じてしょうがない中身です。
ご ぶ さ た !
ちょと自分の身を置いてた世界が変わっちゃったことや、
例のこーださんのこともあって、少し離れておりました。
待っててくださった方もいらっしゃるんですね。
感謝の気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいです。
神様じゃなくてこんなの来ちゃってごめんなさい。

久しぶりに書くにあたって、今回は一切会話を排除してみました。
・・・どっちがどっちだか分かるかなーorz
辛辣な批評、お待ちしております。

中身ですたノシ

497 :
>>中身タソ(´∀`)
おーかーえーりー!

お待ちしてましたよ。待ってる事しかできなくてスイマセン。

今回もGJ!私の好きな中身ワールド全開でもう最高ッス。

498 :
中身さんキテター!!

499 :
GJでした!春ですね〜。
次を期待して春爛漫(゜∀゜)

500 :
>>中身さん
今さらですがGJです!
前半がボアちゃんで後半がくぅちゃんでしょうか?
時間が経っても中身さんの世界観がそのままでよかったです!

501 :
>>500
> 前半がボアちゃんで後半がくぅちゃんでしょうか?
逆じゃない?

502 :
他の人の作品も含めて前から思ってたんだけど
最初からどっちがどっちなんだかわかんないのって結構疲れるんです。
読者は頭のなかでイメージをつくりながら読んでるわけなので、
どっちだ、どっちだ?って思いながら文章を読むのっていらいらするし、
途中でわかって、また頭から読み直す手間が無駄になるっていうか・・・
せっかくいいSS書かれてるのに、枝葉末節な部分で(しかも冒頭で)マイナスイメージもたれるのって
もったいないなと思うんです。
今回はそういう趣旨のようだから、直接関係はないのですが
気になっていたので一言いわせてもらいました。

503 :
中身さーん!!
ありがと、戻ってきてくれて^^
完全復活期待してます★

504 :
>>502
それがまた面白くて良いと思うけどな。

505 :
中身さ〜ん(゜∀゜)

506 :
中身さん
待っています
おそらくあたしを含めて何人も…

507 :
同じく待ってます。

508 :
〜ある愛のかたち〜
「ねぇ、くうちゃん・・・」
あたしを呼ぶ声は、はるか遠くから聞こえるようで近い。
両腕の自由は拘束されて、視界はアイマスクで塞がれて
うつぶせのまま上半身はシーツに突っ伏して・・・
あたしは一番恥ずかしい部分を彼女に晒していた。
「もっとお尻上げて ちゃんと見えない」
言われるがままに、あたしは腰を持ち上げる。
「ん、そんなカンジ」
お尻にに両手を添えると彼女はそれぞれを左右に押し開いた。
視界が塞がっていても、今の自分がどんな姿かはわかる。
ちょっとだけアブノーマルなところに足を突っ込んでいるというのもあるんだろう。
あたしは確実に興奮していた。
ゆらゆら上昇し続ける熱と情欲を、彼女の掌が、指先が、唇が、“あたし”に形成する。
見えない点があたしの体を這う。
その点は線に、線は面に。
それだけが、あたしと彼女の接点。
鼻腔をくすぐる甘い香りは見えない彼女の輪郭。
見えないけれど、じっとりとした視線を感じる。
それだけで体の芯が疼く。
「濡れてるねぇ・・・」
少し冷たい指先が、入り口をかき広げた。
「う・・・・・・く・・・」
あたしの中を探るように、彼女が侵入してくる。

509 :
「ん・・・っ」
ゆっくり、ゆっくり・・・
「なんか指食べちゃってるみたい」
嬉しそうな声。
「見える? って・・・あぁ、見れないか・・・」
だよねぇ。
きっと、唇の端だけ持ち上げた、あのイジワルないやらしい顔してるんだ・・・。
彼女はあたしのMな部分をくすぐるのがものすごく巧い。
羞恥を快感へ導く術を何故か知ってる。
その根本にあるのが自分への愛情だって分かってるから
あたしはすぐに溶けてしまうのかもしれない。
「くうちゃんのココってすごくかわいい」
侵入した彼女の指が、あたしの中をかき混ぜる。
残った指の腹が陰核をそろそろ撫で上げた。
「っ・・・・・・!」
思わず腰が跳ね上がる。
「いつもより感じやすくなってるね」
なんかやらしいね。
蠢く指は、あたしを一気に堕とそうとはしない。
堕とさずに漂わせ続ける。
びちゃびちゃと卑猥な音が聞こえる。
その音を立ててるのはあたし以外に他ならない。
「こーゆーコトされんの、実は大好きだったりして・・・」
「ちが・・・っ・・・」
「・・・説得力、ないね」
耳元で囁く声が、またあたしを骨抜きにする。

510 :
「これ、くうちゃんのだよ・・・」
わかる?
口元につきつけられている彼女の指。
「きれいにしたらごほーびあげる」
それから漂うのは、あたしのオンナの部分の香り。
その香りが理性をどんどん麻痺させる。
おずおずとさしだした舌に、彼女は指先を埋めた。
けして美味しいもんじゃない。
でも何故だか止まらない。
吸い付く音が響く。
これは・・・媚薬だ。
唾液が顎を伝う。
飲み込むたびに体が熱くなる。
優しく髪を撫でる手が切ないくらいに愛しい。
味のしなくなった指を、あたしは舌で愛する。
細くてかたちの綺麗な指。
あたしの体を知りつくしたやらしい指。
そして・・・誰よりも愛しいひとの指。
「ね、くすぐったいよ・・・」
たしなめるような声に、あたしは指先を解放した。
「・・・しぃ・・・」
「ん?」
「ほし・・・い・・・」
その指先で、あたしを愛して。

511 :
「そだね、約束は守らなきゃ」
アイマスク越しの優しいキス。
「今日はいろんなことしてみたくてさ・・・」
含みのある言い方。
「んー・・・、コレ、経験あるかなぁ?」
入り口にあてがわれた低い温度の塊。
「これだけ濡れてればへーきだね」
「・・・っ!!」
あたしのソコを割って侵入してきたのは彼女の指ではなかった。
これって、大人の・・・
「や・・・やだ・・・ これ・・・ちょっとぉ!!」
「大丈夫、痛くしないから」
カチリと硬い音の後に、虫の羽音に似たノイズ。
その塊があたしの中を文字通り機械的に掻き乱す。
「あっ・・・ はぁ・・・・・・っ!!」
猛烈な快感の波が走る。
腰に上手く力が入らない。
「痛く“は”ない・・・でしょ?」
強引にあたしを絶頂へ導く。
機械に犯されているような感覚が、あたしの理性を狂わせる。
でも・・・
あたしが本当に望むのは・・・
「お願・・・っ !!」
言葉を伝えるよりも、快感の波があたしを飲み込むほうが早かった。

512 :
一度目の絶頂を迎えてからあたしは立て続けに何度もイった。
彼女はあたしの痴態を明瞭に教えてくれる。
あたしも恥ずかしい言葉でそれに応える。
背中のラインを辿る彼女の唇。
お尻と恥ずかしい部分に降るキスの雨。
でも・・・
そうじゃなくて・・・
なんとか掴んでいる細い理性の糸を必に手繰る。
「お願い・・・だからぁ・・・っ・・・」
キモチイイのは嫌いじゃない。
でも・・・
あたしが本当に望むのは・・・
「ボアちゃん・・・に・・・ イ・・・かせてほしい・・・ の・・・っ」 
彼女の気配が止まる。
押し付けるような優しいキスが頬に一つ。
ずるりと機械が抜かれた。
「そんなかわいいコト言っちゃうんだ」
アイマスクを外す手。
急に視界が明るくなる。
逆光でぼんやりしてるけれど、大好きな優しい笑顔が見える。
気づけば腕の拘束も外されていた。
「そのお願い、ちゃんと叶えてあげるから・・・」
私のことを抱きしめながら、
私の顔をちゃんと見てながら、
おかしくなるくらい感じて。
出された交換条件に、あたしは無言で何度も頷く。
突き抜けるような快感がほしい。
でも、それを与えてくれるのは彼女じゃなきゃダメ。
優しくて深いキスを交わしながら彼女の手があたしの体を撫でる。
胸の谷間を通り過ぎた手を、そのまま快感の渦中へ導いた。

513 :
「あれ、“こっち”よりもそっち?」
彼女がぺろりと舌を出した。
「だって・・・ それじゃぁキスできないじゃん・・・」
イジワルな顔して笑うから、あたしは精一杯拗ねてみせる。
「やらしいことされながら・・・ キスしたいの?」
「やらしいことされながら、感じながら、キスしたいの」
あたしの言葉にまんざらでもないように微笑む。
指先が入り口に触れた。
あたしをじっと見つめながら彼女はそこを辿る。
「ココのことよくわかんないから・・・」
もう完全に、あたし彼女の術中にはまっていた。
「・・・自分で挿れてみて」
彼女が欲しくて欲しくてたまらないことを、彼女は知っている。
受け入れやすいように両足を大きく開いた。
ゆっくりと、自ら彼女をなかに誘う。
「ん・・・っ」
あたしのカラダは容易に彼女を呑みこんだ。
もう、これだけで満たされそう。
「気持ちよさそーな顔・・・」
「・・・実際きもちぃもん」
髪を梳く細い指。
「じゃ、もっときもちぃくなろっか・・・」
その甘い囁きだけで、もうどうにかなってしまいそう。
優しいキスが全ての合図。

あたしのことが好きでしょうがないんでしょ?
あたしもあなたのことが好きでしょうがないんだから・・・

〜fin〜

514 :
こーんばーんはー。
お久しぶりです、中身です。
遅くなってごめんなさい。
そしてこんなん書いちゃってごめんなさい。
以前自分が書いてみたのを読み返してみますたが、
そっちの方がまだ読めるかも・・・orz
>>ヒマタソ
たーだーいーまー。
精進しないままでゴメナサイ。
>>498サソ
帰ってキタヨ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
>>499サソ
ありがとうございます。
季節はすっかり夏に移行しようとしてますね・・・
>>500サソ
ありがとうございます。
残念ながら逆なんですね〜。
>>501サソ
ありがとうございます。
正解です。

続きます。

515 :
>>502サソ
ありがとうございます。
こういったご意見、本当に嬉しいんですよ。
今回はそれも意識して書いてみました。
まだまだ下手ですね・・・
>>503サソ
ありがとうございます。
完全復活・・・ がんばります(笑)
>>504サソ
ありがとうございます。
色々な意見が頂けるので嬉しいです。
>>505サソ
は〜い〜。
>>506サソ
ほんとーに、ほんとーにお待たせしました・・・
>>507サソ
お待たせして申し訳ないです・・・

まだ続きます。

516 :
なんだかね、書きたいネタは山ほどあるんです。
今回は何本か並行して、進むネタだけちまちま書いてますた。
なんだか書けば書くほど自分の文章力に納得いかなくなってまして・・・
冒頭数行書いただけでデリートしたものもいくつかあります。
あと、遅筆過ぎてネタのシーズンが過ぎてしまったものもあります。
やっぱりまだまだですね。
悩みながら、ほとんど実験的な内容で書いているにもかかわらず
目を通してくださる方がいらっしゃることを、心から嬉しく思います。

追伸
今回のネタ、苦手な方がいらしたらごめんなさい。

では、また来る・・・ハズです(笑)
中身でした。

517 :
>>516
リアルタイム来てたー!
だいぶ待たされましたよwでもファンはしぶとく待っているのだw
書けば書くほど自分の文章力に納得いかないということですが、
どんどん書いて投稿してみんなの感想を持ってブラッシュアップ(笑)していけばいいと思うよ!
なんてねw
でも個人的には昔のガンガン投稿されてたときの作風が一番すきなんです。
てなわけで早速次もお待ちしておりますw
(自分の意見のせいで中身さんが来なくなったのかとビクビクしていた502でした。)

518 :
きてたー!GJっす!
中身さん保管庫ってどうなったんですか?

519 :
ついに来たわねwww
いやいや マターリ待ってて良かったー
今夜は良い夢見られそうです ありがとございますwww

520 :
どうせ次はまた半年後
期待しても裏切られるだけ( ´_ゝ`)

521 :
中身さーん(ノ_・。)

522 :
〜Sugar Rain〜
「あちゃー・・・雨だ・・・」
買い物を終えてスーパーを出ると、外は大粒の雨。
『傘持ってけば?』
彼女の言葉を流した自分をちょっと呪う。
でもこういう時、携帯電話があるって本当に便利だ。
いいや、くうちゃんに迎えに来てもらおう。 
「・・・あれ?」
ポケットの中で指先が空振った。
頼みの綱の携帯が、そこには存在していない。
「あれ?!あれぇっ?!!」
あらゆるポケットと、バッグの中を探ってみたけれど、
望みのものは一向に顔を出さない。
多分、彼女の家のリビングだ。
無くても困らないと思っていたけど、実際無いと困る。
傘買っちゃおうか、どうしようか。
さほど高いものじゃないけど、何故だかみみっちく悩んでしまう。
「だから言ったでしょ?」
背後から聞こえる耳になじんだ声。
「あ」
見覚えのある、スカイブルー。
振り向けば私が求めていた物、傘をさした彼女がそこにいた。

523 :
「『あ』じゃないよ、もう!!」
『渡りに船』ならぬ、『急な雨に傘を持ってきてくれた恋人』。
「だから言ったじゃんか ヒトの話聞かないんだから」
でも傘は彼女がさしている一本だけ。
「さ、帰るよ」
「ん・・・私の傘は?あれ?歩き?」
てっきり車で迎えに来てくれたのかと思った。
私の言葉が気に障ったのか、眉間に皺を寄せて彼女は自分の傘を私に差し出す。
「持ってて」
私が傘を受け取ると、もう一方の手から買い物袋をさらう。
傘を持つ私の腕に彼女の腕が絡む。
「・・・分かってないんだから!」
一本の傘の下に、二人で身を寄せた。
「たまにはこういうのもいいかな?って思ったの!!ていうか『ありがとう』は?」
怒ったように早口で喋るときは、彼女が照れてる証拠。
そういえば私が車の免許を取ってから、雨の日に二人で歩いたことがあまりない。
雨の日だけじゃない。二人並んで歩くこと自体久しぶりかもしれない。
彼女の方が少しだけ歩く速度が早い。
ちょっと引っ張られるような形で私は歩く。
斜め後ろから見える彼女の横顔は、子供がするみたいにふくれていた。
ロケットで月へ行ける時代。
電話は掌サイズで持ち運べる時代。
それなのに、人間は傘でもないと雨を防げない。
でも傘は便利なようで不便なところも山ほどある。
だから・・・というわけでもないけれど、車のほうが断然便利だよなぁなんて思いつつ
その不便さゆえの温かみを、傘を持った自分の腕に感じる。
一緒に歩いてるんだなぁ、彼女と。
傘の表面を叩く軽い音を聞きながら、そんなことをふわんと考えた。

524 :
「そういえばさぁ」
迎えに来てくれたお礼、まだ言ってない。
一緒に歩けてるお礼、まだ言ってない。
それを教えてくれたお礼、まだ言ってない。
「傘って凄いよね さすだけで二人だけの空間ができちゃうよ」
持ち手を握る掌を緩める。
滑るように下りた屋根の部分が私たちを覆う。
二人だけの、空間。
雨が降り注ぐ中で、私たちのまわりだけ青空。
「冷たっ!!・・・ちょっと!」
傘から落ちた雫が彼女の脚を濡らしたらしい。
抗議の目が私に向いた。
見つめ合って、互いの足が止まる。
「あのさぁ・・・」
ここまで簡単で難しい言葉、そうそうないよ。
「・・・ありがとう」
私の言葉を飲み込むのに時間がかかっているのか、彼女は何度も瞬きする。
「ありがとう」
もう一度、はっきりとした言葉で残す。
きっと百回言っても気持ちは完全につたわらないだろうけど・・・

525 :
だから、私なりに考えて、私にしかできない方法で・・・
傘を低く持った理由、もうなんとなく気付いてるんじゃない?
「ここ、外なんですけど・・・」
そうですよ。
「だからこうしてるわけですよ」
何か言おうとしたのか、彼女が小さく息を吸う。
「あ・・・」
あきらめたように頭の音だけで言葉を飲み込んだ。
何て言おうとしたのかな
『あほっ!!』?それとも『ありがとう』?
『あいしてる』・・・かな?
小さな疑問は唇の温度が溶かしてくれた。


〜fin〜

526 :
こんばんは おひさしぶりです 中身です (5-7-5)
なんか雨が絡んだネタ書くの好きみたいですね。
今回はBoAチャソの朋友でもある某クリケイさんの歌からのイメージです。
「パクりやんけー!!」なんて言わないで…orz
>>517サソ
ありがとうございます。
もう、ほんとに、毎度毎度申し訳ないです。
あの投下ラッシュしてた時期、自分もなかなか楽しかったですよ。
ちょうどこの過疎板でも単独SSスレがぽつぽつ立ち始めて
おお!!(・∀・)人(・∀・)ナカーマと喜んでいました。
が、他のさくーしゃサソの作品読んで、自分の文章の荒さに愕然。
それから悩みに悩んだ上で某駄菓子の如く
練りに練りまくり進みが遅くなってきたんですね…。
まぁ、練っても練っても元が駄菓子なんで、決して美味しかぁないですが。
そういったご意見、本当にありがたいです。
これからもよろしくお願いします。

続きます。

527 :
>>518サソ
ありがとうございます。
保管庫…ごめんなさい、全然進んでないです…m(__)m
ここじゃぁ書きづらいネタもあることはあるので
いつになるかは未定ですが、それなりの形にはします。
これからもよろしくお願いします。
>>519サソ
ありがとうございます。
ええ…本当に長らくお待たせ過ぎですよね…
毎度毎度反省してます。
改善できてないけど…orz
こんな中身ですが、何卒よろしくお願いします。
>>520サソ
ありがとうございます。
そんなにお待たせしませんよっ!!!!ヽ(`Д´)ノ
…と、反論できないのがちょっと悔しいです。
内容は裏切ってばかりですが、これからも長い目で見守ってやってください。
よろしくお願いします。
>>521サソ
(=゚ω゚)ノぃょぅ

苦情、いつでも受け付けてますので…
中身でしたノシ

528 :
中身さんGJ

529 :
きた〜〜〜〜〜!
エロなしもあいかわらずお上手ですが
そろそろ極エロなんか期待していいっすか?
いつまでもまってます

530 :
中身さぁぁぁぁん…(´・ω・`)


待ってます(`・ω・´)

531 :
あぁー…

出遅れた。

お帰り中身タソ。よかった生きてて(рДT)

532 :
中身さん、そろそろじゃないべか?

533 :
BoAちゃん誕生日おめでとう(^O^)/

534 :
まだかいな('A`)

535 :
中身さんもう12月だよ…

536 :
催促より先にGJじゃないか?
というわけでマターリ待つです

537 :
毎日寒いですねぇ。。
中身さん、風邪などひいてませんか??
まったり小説待っています★

538 :
ん〜…
今日もため息かぁ。

539 :
まだあったのか、このスレ

540 :
中身〜
空っぽかよ

541 :
〜円〜
<tigress side>
私の胸元に顔を埋めると、彼女は何度も深呼吸をする。
「くうちゃん、ちょっと嗅ぎすぎ」
肌の上を行き来する空気の流れがくすぐったい。
「だってぇ…」
甘えた声。
「しょーがないじゃん、大好きなヒトのにおいだよ?」
上目遣いの彼女はこれ以上ないほどかわいい。
おでこに唇を落とすと、目を細めて再び胸元へ。
「この匂い、大好き…」
洋服の前を全てはだけた私。
そんな私を膝の上にのっけて満面の笑顔の彼女。
かわいい。なんとなく何でも許してしまいそうでズルい。
ん?大きく胸元の開いたカットソーから、ちらりと見えた彼女の下着。
「豹柄…?」
指先で襟の部分をちょっと引っ張って覗きこんだ。
わ…いつ見ても迫力あるな…
豹柄に包まれた二つの大きな山。
なんとか星人じゃないけど、やっぱり釘付け。
「ボアちゃん、ちょっと見すぎ」
「えへへ… うん」
我ながらいやらしめの無遠慮な視線を注ぎながら、考えたことが一つ。
「…私が着るとしたら、虎柄がいいのかな?」
思わず口に出た。

542 :
<trainer side>
寅年で、さそり座で、AB型。
彼女曰く、生まれながらにしてあるアクの強い部分。
あたしはそんなこと一切気にしないのだけれど、
彼女自身はどうも気になるらしい。
「そんなに気にしてるの?」
あたしにとっちゃ些細過ぎること。
そこも彼女の魅力だし。
「ん… うん… 気になる」
首筋にキスを落とすと、彼女は甘い吐息を漏らす。
感じやすいところはわかってる。
「確かに…」
強引に彼女の顎を引いて、そのまま唇を味わう。
あたしを誘うように薄く開いても、ちょっと知らん振り。
焦らして、焦らして、こっちからは侵入しない。
我慢ができないのか、彼女があたしの肩を掴んで体を寄せた。
侵入してきた舌をやさしく受け止めて、堪能する。
あたしのこと、求めてるんだね。
頬を撫でながら、指先でやわらかい耳朶の縁を辿る。
彼女の体が小さく震えた。
混じる唾液が甘い。
「っは…」
ゆっくり離れた唇を繋ぐ透明な糸。
うんうん…
「やっぱり、虎っぽいとこあるよね」
あたしの言葉に対して、彼女がみせた表情に効果音をつけるとするならば
まさに、ガーン。

543 :
<trainer side>
「怖い…とか?」
完全に眉尻の下がった顔が可愛くて仕方がない。
ていうか、さっきからちょっと痛いんだよね…
「あんまり爪立てんといてぇ…」
無意識かもしれないけれど、キスしたあたりから、ずっとあたしの肩を掴んでいる彼女。
はっとしたように手を離した。
今回だけじゃない。
官能的に興奮すると、彼女はあたしの体に爪を立てることが多い。
もちろんあたし的には嬉しいことなんだけど。
そこがなんとなく、虎っぽいというか…猫?
「こんな可愛い虎だったら、あたし大歓迎」
じゃれるように首筋に噛みついた。
「…っ」
言葉にならない声は感じてる証拠。
首筋を触られると弱い。
そういうところも…ね…
ちょっとだけ苦しそうに漏れる吐息が色っぽい。
軽く瞳を閉じて、あたしが与える快感に集中してるみたいだ。
何度も体を重ねるうちに、彼女はどんどんヤラしくなってきた。
これももちろん、あたし的には嬉しすぎる誤算。
快感にビクつくような初々しさも可愛かったけど。
なんとなくサーカスの虎を思い出す。
ご褒美のお肉が欲しいがために従順になる。
快感が欲しくて従順になる…。

544 :
<trainer side>
もちろん色情狂とか快楽主義とかそんなんじゃなくて
相手があたしじゃないとダメなのは重々承知で。
調教?そんなんじゃないよ。
お互いを求めている結果。
「上、脱いじゃおっか…」
言葉で返事をせずに、彼女は無言で袖を滑らせる。
シンプルなシャツが小さな音を立てて床に落ちた。
潤んだ瞳と視線が絡む。
ひざの上で、ネコ科の彼女が小さくのどを鳴らす。
欲しいんだ。あたしのこと、欲しがってるんだ。
しなやかな体のラインを撫でる。
頬、首筋、肩、腕、腰。
滑らかな肌。
再び唇を重ねる。
腕がゆっくりと背中にまわされた。
まるで獲物を捕らえるみたいに。
触れるだけのキスを何度もくりかえす。
あたしからは仕掛けない。
柔らかい舌先が、何度も唇の上を往復する。
唇の隙間を辿る舌先は、欲望の流れ着く場所を求めてる。
それはあたしの中。
薄く唇を開くと、関を切ったように彼女が流れ込んできた。
ちょっと強引だなぁ…。
収まりきらない欲望が、唇の端から透明な線を描く。
顎の先端から落ちそうな雫を、彼女は毛づくろいをする猫のように舐め取る。
深い、ヤラしいキスをしながら
「やっぱり可愛いな」
あたしはそんなことを思っていた。

545 :
<trainer side>
掌を胸のふくらみへ滑らせた。
一瞬、あたしを弄ぶ舌の動きが止まって、また動く。
指の腹で頂点を撫でると、何かに抵抗するように肩を掴んだ。
ああ、また爪立てられちゃってる…。
それだけ彼女はあたしに夢中なんだと、自意識過剰に思う。
「ふ… っ」
蕩けるような甘い声を漏らしながら、あたしの口腔内をかき回し続ける。
攻め立てられてるあたし以上に、彼女は興奮してる。
ふと、ずっと上を向いていたことに気付く。
膝にあたしより身長の高い彼女を乗せてるわけで、
ずっとキスしてるから、自然と顔は上を向く。
集中していないわけじゃないけど、ちょっと首が痛い。
かといってキスは中断したくない。
誤魔化すように、唇を顎へずらした。
「嫌…」
僅かに離れた隙間から聞こえた彼女の声。
一度捕らえた獲物は絶対逃さない。
再び唇が重なる。
『奪われた』と言う方が正しいかもしれない。
舐めて、甘噛みして…
彼女もあたしと似て非なる気持ちでいたみたい。

546 :
<tigress side>
彼女が唇を少しずらした。
私は欲張りなんだと思う。
体温が行き来するくらい密接してても、ほんのちょっとの隙間が許せない。
「嫌…」
私から離れないで…。
彼女の唇を追って、少し強引に口づける。
舌先で、柔らかい部分をゆっくり崩して歯を立てる。
快感よりも何よりも、私は『彼女』に貪欲で。
奪えるものなら、全てを奪いつくしたい。
奪われるものなら、全てを奪われたい。
それだけ私は彼女に夢中なんだと思う。
漏れた吐息を飲み込むように、キスを深くする。
二つの唇が奏でる音が、いやらしく部屋に響く。
ちょっと前まで、こんなキスできなかったのに。
触れ合えることだけでも充分だったのに。
彼女がこういう私を望んでるから…っていうよりも、
やっぱり私が欲張りなのが原因なんだろうな。
私が望んだ分、ちゃんと彼女が与えてくれるのを知っちゃったから。
色情狂って言われてもいいよ。
快楽主義って言われてもいい。
でも、そうさせてくれるのは彼女だけ。
没頭できるくらい溺れさせてくれるのは彼女だけだから。
だからお願い、もっと溺れたいの。

547 :
<trainer side>
彼女のベルトに手をかけた。
バックルの金属音に、ジッパーを下げる 鈍い音。
「あとは…やる…」
膝からおりて、あたしに見せつけるようにゆっくりデニムを抜く。
徐々に露になる細い腰と、そこからすらりと伸びた脚。
あたしの大好きなライン。
ショーツに手をかけて…
彼女は少し考える。
そして、何か思いついたように再びあたしの膝の上に戻ってきた。
ソファーの軋む、硬い音。
「やっぱり脱がせて」
挑発的な視線であたしを見下ろす。
一体、いつの間にこんなにヤラしくなったんだろ。
あたしの髪を指で優しく梳きながら、アクションを待ってる。
耳を立てて、尻尾を立てて…
喉を鳴らしながら甘えてる。
そのうち『にゃ〜ん』って鳴きはじめたりして…
そんなことを思いながら、彼女の背中に手を回した。
ゆっくり、ゆっくり、肌の質感を堪能しながらお尻の方まで辿る。
「ん…」
瞼を落として薄く唇を開いた表情がやらしすぎる。
彼女に快感を与えることに、あたしはもう夢中。
求められるのが嬉しくて、何でも与えてしまいたくなる。
早いハナシ、あたしは彼女のことを、ものすごく愛してるんだ。

548 :
<tigress side>
彼女の指が、ショーツにかかった。
ゆっくり、ゆっくり焦らすように下ろす。
それがとてつもなくヤラしくて、嬉しい。
これから何をされるか、何をするか分かりきってるはずなのに、
心臓が痛いくらいに早鐘を打つ。
薄い布地が脚を通り抜けた。
多分、ていうか確実に濡れてる。
胸の辺りに触れた彼女の唇。
軽い音を立てながら何度もキスを落としてくれる。
その温度が心地よくて、彼女の頭を抱き寄せた。
自然と鼻をくすぐるシャンプーの甘い香り。
それが私の情欲に拍車をかける。
熱い唇が、胸の頂点を掠めた。
期待通りの快感に、私は吐息を漏らす。
柔らかい舌先が、そこをそっと転がす。
一番私が感じる方法で。
愛撫されるたび、彼女の愛を実感する。
時折意地悪な表情をみせる彼女の『端末』。
それでも気持ちが良くて、嬉しくてしょうがないのは
触れている部分から彼女の愛情が痛いくらい伝わってくるからだと思う。
烙印を押すようなキスを数回肌の上に落として、彼女は呟く。
「もっと深ぁく愛したい…」

549 :
<tigress side>
そんなこと、いちいち了解得なくてもいいのに。
聞いておきながら、彼女は私の答えを待たない。
お互いにもう、なんていうか…愚問?
大好きな指先が入り口をゆっくり辿る。
「あーあ、びちょびちょじゃん」
うん、分かってる。
なんでだろうね?誰がしたんだろうね?ちょっとキスして脱がされただけなのにね。
「っ!!」
ぴりっとした快感に体が奮えた。
一番敏感な部分を優しく撫でる指。
その動きに合わせて響く濡れた音。
「ねぇ、どうされたい?」
火のついた情欲に、質問ではなく答えの分かりきった『命令』。
優しい微笑とは裏腹な私を従順にさせる甘い声。
体の芯に蓄積される快感が私を堕としていく。
焦らすとか、焦らさないとか。そんなことより一刻も早く一つになりたい。
「き…て… きて…」
その気持ちはお互い一緒。
「早くおいで」
耳元で彼女の唇が紡ぐ甘い言葉。
そこに、軽く指を立てる。
お互いされるがまま?するがまま?
見つめあったまま、私はゆっくりと腰を落とす。
だって、その方が興奮できるから。
「は…ぁ」
少し温度の低い指先が、私の中をゆっくり溶かしていく。

550 :
<trainer side>
あたしの指は、根元まですっかり彼女に呑みこまれる。
熱くて柔らかい部分が音を立てて絡みつく。
愛しい感覚。
それを堪能する間もなく、彼女がゆっくりと動き始めた。
溶けてしまいそうな甘い声を堪えながら、ゆっくりと。
彼女はあたしとの視線を外さない。
その方が興奮できるって知ってるから。
紅く上気した頬は彼女を幼く、可愛らしく見せる。
でも、その頬の持ち主が投げかけるのは妖艶な微笑み。
胸が高鳴る。
あたし、ホントに好きなんだなぁ。
今まで幾度も掛けられた鎖は簡単には緩んでくれない。
思わずごくり、と、あたしの喉がなった。
箸休めのような啄ばむキスを何度も繰り返す。
その合間も、彼女は動くことを止めない。
彼女の柔らかい壁は、あたしを奥へ奥へと導く。
漏れる甘ったるい声は、いつもあたしを切なくさせる。
あたしの肩に顔を埋めて、熱い吐息を吐きつづける。
「つっ…!!」
不意に走る肩の痛み。
ああ、今度は噛み付かれた。
でもその口元はすぐ肩口から離れる。
可愛らしい声で喘ぐために。

551 :
<tigress side>
自分ってこんなにやらしかったんだ…。
恥じらいなんか、すでにどっか飛んでっちゃってるし。
声を堪えるのがなんだかもったいなくなって、
私ははしたない声で喘ぎ続ける。
その声が私の情欲に拍車を掛けて、私はさらに喘ぐ。
それに煽られるがまま、腰を揺らし続ける。
昇りつめたいのか、まだ浸っていたいのかも分からない。
その葛藤ですらキモチイイ。
小さな波が寄せてきた。
さらわれないように、私は彼女にしがみつく。
その波に従うほうが楽だけど、求めているのはそれじゃない。
我ながらだらしなく開いた唇を彼女が塞いだ。
再び絡まる舌と舌。
ヒワイな音が空気を濡らす。
少し前まで、恐怖すら感じていた絶頂感。
今の私はそれを掌握、乗りこなした上に楽しんでいる。
程なくしてわたしは一気に昇りつめた。
荒い息を整えながら彼女を見下ろす。
なかに挿入ったままの指も、私がイったのをわかってるはず。
してやったりな笑みを湛えた瞳を見つめたまま、私はまた動き出す。
くうちゃん、ゴメン。
これじゃぁ全然足らないの…。
だから、もっと、もっともっと…。
一瞬驚いた表情を見せた彼女。
その瞳に揺らぐ誘惑の炎。
そういえば、彼女も…。
押し倒されながら堕ちていく自分を感じた。
堕ちるって、キモチイイ。

552 :
<trainer side>
まだ快感を貪ろうとする彼女を押し倒した。
脚を押し開いた手に、するりと指が絡められる。
つい先ほどまで自分が掻きまわしたそこは、すっかり濡れそぼっていた。
あたしはたまらず唇を寄せる。
熱い、熱い。
音を立てて啜ると、彼女が一際高い声を上げた。
絡めるように握った指を決して離すことがなく、
絡めるように握られた指は決して離されることがなく。
何かを訴えるように私の唇にそこを擦りつけ、何度も腰をしならせる。
「もっと… もっとぉ…」
うわ言のように繰り返される懇願の言葉。
あたしは躊躇うことなくそれに従う。
何度目かの歓喜の声が頭上から聞こえた。
枯れることのない雫を味わいながら頭をよぎったこと。
寅年で、さそり座で・・・
喘ぐ彼女と目が合った。
瞳の奥に揺らぐ誘惑の炎。
ああ、そっか。
そういうことか。

甘い毒で堕ちていくのも悪くない。

〜fin

553 :
ども。中身です。
一年以上ぶりでございます。
ね、まったく上達してませんねorz
投稿途中でさるさんに引っかかった…。
久しぶりに視点を換えながら書いてみました。
最初はこーださん視点で書いてたのですが、
同じ内容で寶兒タソ視点Verも書きつつ
コラージュしてみたらこんなんできますた。
ちなみに<tigress side>が寶兒タソ、<trainer side>がこーださん。
タイトルは「サーカス」の語源でございます。
誰にも気づかれなかったら、それはそれで面白いと思ってます。
では。
中身ですたノシ

554 :
(´ω`)b

555 :
やっぱ戻ってきた。GGGJ!…興奮したから彼女んとこ行ってきます。

556 :
待ち続けた甲斐がありました!ありがとうございます(≧▼≦)
また是非、素敵な作品読ませてください!

557 :
お久しぶりです中身さん!
私も二年ほどここから離れていたもので
久しぶりに中身さんのssに触れる事ができてとても嬉しいです!
やっぱりスゴさは変わらないなって思ったのは
二年ほど百合小説サイト巡りなる事を続けているのですが
えっち描写だけでなくて感情の伝え方が秀逸ですよ中身さんは勿論えっちも素晴らしい表現力なのは、ここの皆さん感じてらっしゃる事ですが―。
お話の本筋とえっちのバランスが取れているというのかな…
お気に入りサイトより引き込まれますね!
中身サイトがあれば、私きっと延々入り浸ります(笑)

558 :
待って
待って
待ち続けてました。
すぺしゃるGJ

559 :
わーーーー!中身さん!!
もう来ていただけないのかと思ってました。嬉しくて目から水が…(乗り遅れたけど)
やっぱり中身さんの書く文章が大好きです。
これからもお時間ありましたらよろしくお願いしますm(__)m
(携帯が壊れてメモリが全部消えてしまったラフでした)

560 :


561 :
ほしゅ

562 :
中身さ〜ん(´д`)

563 :
http://adultbody.info/ に別タイトルの同動画があって困ってるんだけど。正しいのどっち?

564 :


565 :


566 :
中身さん元気かな

567 :
保守してみる

568 :
      _
      |O\
      |   \ キリキリ
    ∧|∧   \ キリキリ
ググゥ>(;⌒ヽ    \
    ∪  |     (~)
     ∪∪   γ´⌒`ヽ
     ) )    {i:i:i:i:i:i:i:i:}
     ( (    ( ´・ω・)、
           (O ⌒ )O
            ⊂_)∪

569 :2013/06/13
保守
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