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頼む!誰か二次元物の百合小説を


1 :2005/05/30 〜 最終レス :2013/04/09
書いてくれ!

2 :
余裕過ぎるスキップしながらも目に涙をいっぱいためながら自ら2げっと

3 :
>>1

職人再開したいが腕がないyo・・・orz
誰かおながいします。

4 :
二次創作だとなあ――
二次じゃなければあれなんだけど

5 :
二次元物って どんなの?

6 :
エロパロってことになるのかな?

7 :
もう、オリジナル物でもいいんじゃない?
増えてきたなら、改めてスレ分ければいいし

8 :
二次つーてもいろいろあるだろ
二次ならなんでもいいわけ?

9 :
百合カプスレ@エロパロ板 4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1108536012/

10 :
つーかよくみたら
二次創作、ではなく、二次元のもの、なんだな
だからオリジナルでも問題ないだろ

11 :
じゃあ明日まで待ってくだちい

12 :
エロはなくてもええのよね?

13 :
ジャズ板で職人してたけど、こっちに引っ越すかどうか迷っている。

14 :
>>13
そ、それは関口だな!!
関口に違いあるまい!!

15 :
山形弁の変換が手間かかる・・・

16 :
そんだず
がんばんず

17 :
 高い位置からお茶を注ぐ。
 おいしくお茶が入るよう。
 注がれた湯はざぷざぷと、硝子の急須にかき混ざる。
 注がれた湯はさらさらと、乾いたお茶をかきまぜる。
 蒸された茶。なんていい色。
 ふわふわ浮く茶葉沈む茶葉。
 ららら、鼻歌。午後の日差し。
「上機嫌だね」と独り言。
 トーストが、今日のお茶請け。
 狐色のトースト、おいしいトースト。素敵なトースト、はいどうぞ。
「焼き立てだ」
 彼女は笑ってかぶりつく。私は微笑んで茶を飲んだ。
 緑の囁く初秋。それはじきに、枯れ葉の歌に変わる。
 世界は浅く入れた、カフェオレの色になる。
 今はさくさくと、トーストを齧る音に、髪をすくようなさらさらという小雨の音。雨粒が緑と囁く微かな音。

18 :

 何事も無いのに、一緒に居るのはいい。
 用が無くても一緒に居られるのは、私が彼女を好きだから。二人で、ただ本を一緒に読む。それだけで良い。特に土曜と祝日の午後は。
「目玉焼きがあったら、もっといいな」
「いやしんぼだねぇ、あんたは。またお腹すかせてるの? 」
 トーストを齧りながら浜崎は、欠食児童ですからなどと、おちゃらけた。だったら、焼いてくるね、サニーサイド? ターンノーバー?
「ううん、そんな、いいよ」
「いいわよ、立っちゃったから、もう」
 私はそんな手間は惜しまない。たった数メートルの距離だから、リビングとキッチンは。
 フライパンを温めて、卵を一つ用意して。
「ねえ、よかったのに、別に」
 そろりと彼女が近寄った。キッチンとリビングは、たった数メートルの距離だから。
 え? なに? 私はわざと聞き返す。よかったのに、別に、わざわざ作ってもらわないでも。あ? あんだって? 聞こえねーな。
「もう! ちょこちゃんったら!! 」
 かまわず私はガスに火をつける。オリーブオイルの蓋あけて、一さじ。煙を立てるフライパンにもう一さじ。ねえ、もう、呼びかける浜崎。無視する私。
「ねぇ。ちょこちゃん、怒ってるの? 」
「なんで?」
 だって、と力ない声で彼女。そんな風にされると困ってしまう。かわいくてかわいくてしかたないから。だから。
「あーあー、あんたのそういう態度、好きじゃねーなー」
「え? ごめん、ごめんなさい」
「あたしの高校のころって、こんなにいじけてたっけか」
「ごめん、あの……」
「気にすんなよ、バーカ。何泣きそうになってんだおまえ」
「だって、卵……」
「目玉焼きくらい、すぐ出来る」
 でも、と彼女は上目遣いに私を見る。大きな瞳が私を見つめる。
 コツコツ、卵の殻を割って中身をお碗に移し、黄身を壊さないようにフライパンへ。
 シャアッと白身のはぜる音。

19 :
「ねえ、チョコちゃん……」
ああ、もう!
なんでわかんないのかなあ、私の気持ち!!
「……嫌いなやつに飯なんか食わせてやんないっつうの――! 」「え? なに? 」
ああ! もう、この鈍感!!
あたしの十代の頃って、こんなんだったっけ?
かりかりしながら、白身のふちをカリカリに焼く。
じゅうじゅう。
かりかり。
「おい、浜崎」
「へ? 」
焼き上げた目玉焼きを皿にのせて、私はすれ違いざま彼女の唇にキスをした。
「わあい」
 そう、それ。
 満面の笑顔。
かわいいじゃねーか。
 茶海の底にひらひら、船が浮かんでいる。
ガラスで出来た、透明なポットの底の底。
金色の茶の海が、ガラスポットの中輝く。
ぼんやりと光った底、優しい香りがする。
君山銀針の滑らかな味。柔らかな燻焙香。
筆の穂先で朱を軽くのせたような黄金色。
白い陶器の中でとろりと溶けていて。

20 :

 リビングの床に二人で座る。
 ねえ、ちょこちゃん、フォーク。自分でとんな。え? だって私、お客様だよ。誰がお客様だよ、あんたが?
 えーそんなぁ、情けない声を鼻先で笑い飛ばして私は。
「指でつまんでさ、トーストに乗せて食ゃあいいじゃないのよ」
 なるほど、そう言って彼女の形よい指は、あちちと目玉やきの端を持ち上げる。塩コショウの味付けで、コショウやや多め。ふちはカリカリ、黄身は芯だけ半熟。
「いっただっきまーす」
 この娘は本当においしそうに食べる。
 空になった碗に、私は次の茶を注ぐ。彼女の碗に茶を注ぐ。パンを噛む音、さくさく。
「おいしい」
「そいつぁよかった」
 二学期が始まって、三週目の土曜日。
 生徒が教師のマンションに、忍んで会いに来る昼下がりにちょうどいい小雨の土曜日。
「夕方からどしゃぶりだって」
「浜崎は、傘持ってるの? 」
「ううん。帰るとき、貸して? 」
「送ってくよ、車で」
「じゃあ、ドライブで、デートだね」
 乾いた口元を茶で潤して、彼女は言って、私はちょっと困って笑った。
「なに困ってるの? 」
「ん? 困ってないよ」

21 :
 私は大人の嘘をつく。
 生徒と関係している教師だから。
 夫を持っている妻だから。
 女と女で、交わる者達だから。
「……なりなりたらざるところに、我がなりなりあまれるぶぶんを」
 浜崎の呟きに、今度は私がなにそれ、と尋ねる。え? 古事記の一説だよ、ちょこちゃん、知らないの? ああ、そう言えばそんな部分があったねぇ。
 私の親指は、彼女の口元をごしごしこする。こびりついたぱん屑が、もろもろと零れる。
 この娘は食べるのはおいしそうに見えるけど、上品な食べ方とはとてもいえない。ぐいぐい親指を押し付けていると、浜崎は目をとろんとさせて、私の手首を握り、親指を吸った。
「浜崎、おめー、その目は止めたほうがいいわ」
「ろーして? 」
 親指を咥えたまま彼女は尋ねる。だって、それ、なんか凄くエロいから。
 ふふふ。
 浜崎は含み笑いして、懸命に親指を吸う。そこから走る電気。私は奥歯を噛んで耐える。
 雨はさあさあと降っている。
 彼女の前歯は私の手首を噛む。
 私のもう片方の手が、彼女の首に絡みつく。
「ちょこちゃんのからだ、もうすっかり反応しちゃって」
「……ったくよ、ぉ」
 私は荒い息をつく。力の抜けている腕を、浜崎は存分に蹂躙する。
 近寄ってきた唇、彼女の頭の重量を、私は自分の頬に感じる。小さな舌が、首筋を這う。私はゆっくり目を閉じる。
「京介さんさぁ、いつ帰るの? 」
「んー、夕方には、帰るかなぁ」
 そうかぁ、呟きはキスの後、濡れた首筋を這っていく。ふふふ、と小さな笑み。子猫のような舌使い下りてくる、私の顎に首に鎖骨に。
「私は、夫を、裏切ってる」
 そう言いながら私の言葉に罪悪感はない。ただの確認だ、今は。罪悪感は、私が一人でいるときの訪問者だから。そんな私の告白に、彼女は優しく目を細め。
「大丈夫だよ。あたし、ちょこちゃんの幸せ、壊さないように気をつけるもの」
「つったってさー、なんかさー」
 肉の喜びに、私は肌をぶるるっと震わせてから、まーいーやいーや仕方ねーやな、もう、と言った。なにがまあいいの? 尋ねる浜崎をぎゅっと抱きしめる。

22 :
「ちょこちゃんの、おっぱい、やぁらかい」
 普段は肩こりの原因にしかならない乳房を、彼女は服の隙間からそっと撫でて、乳首をつまむ。ふ、ふ、と漏れる私の声。調子に乗って、服のボタンをはずす浜崎。
 露わにされた胸、待ち望んでいた胸元。
 その歯と舌が、勃った乳首を愛撫する。
 く、ちゅ、唇の音と無音の甘噛みの音。
「あああ」声が漏れる掠れた声が漏れる。
 ぴりぴりと身体中に電気が走って私の。
 背筋から後頭部までの筋肉が、突っ張った。
                                        (了


23 :
気兼ねせずみんなもっと書けよあげ

24 :
二次創作ありですか?セラムンでもいいですか?さらにみちはるなんですけどありでしょうか?

25 :
フィクションであればなんでもOK

26 :
新作きぼんぬ

27 :
 天井から垂れた雫が湯船にはぜて、済んだ静かさを風呂場に齎した。はるかは豊満な胸に、
水分を多く含んだ酸素を吸い込む。掌で湯を撫でると、たぷりと心地良い音がした。
「はるか、私も入るわよ」
脱衣場からするみちるの声を、はるかはちらりと見やっただけで答えない。衣擦れの音が
響く。はるかは又湯を掻き混ぜ、豊かな乳房は波と一緒に揺れた。
 カラリと扉が開き、髪を頭の上にタオルでまとめたみちるが入ってくる。
「今日、新しいボディソープを買ったの。」
とてもいい香りがするのよ、みちるは上機嫌に言って肩から湯を掛かる。濡れた細い肩が、ライトの
光を反射してきらきらと光る。「貴女を洗ってあげる。」
鈴を転がすような声の波紋が収まった時、再び雫が落ちた。はるかは、その音だけを辿っていた。
「やっぱりいい匂い。」みちるはタオルにボディソープを垂らして感嘆の声を上げた。
「はるか、洗って頂戴」
やはりはるかは無言だ。視線を少し斜めにずらして俯いたまま、湯船から上がった身体はほのかに
赤みを差している。その頃にはみちるも、はるかが不機嫌である事を悟っていた。
 はるかは差し出された細く白い足首や、薄く儚げな肩に泡を塗りつけていく。この美しい肌を、自分以外
の者が触れたのか?みちるはそれを許したのか?自分以外に?そう考えてると、鼻の奥を刺すような
痛みが走り、視界が否応無くぼやけた。
「ちょっと、痛いわ、はるか」
必要以上の力で擦られたみちるは振り向いて瞠目した。彼女の後ろで、はるかは声をして涙を
流していたのだ。「どうしたの、何か辛い事でもあったの?」
 みちるの目を避けてはるかは俯く。顔を拭うと、赤い鼻の頭に泡が載った。

28 :
 強くて逞しいはるかの涙など、共に住んでいてもそう見るものでは無かった。みちるは
椅子から降りてはるかを抱きしめた。「どうしたの?何か辛い事でもあった?」
 慣れぬ涙に自身ですら収拾を着けられなくなりながら、はるかは蚊の鳴くような声で
ずっと気にしていた事を口にする。「あいつは誰だ」
「あいつ?」
みちるははるかの滑らかな背中を撫でてやりながら問う。答えるはるかの声は、みちるの
胸に抱かれてくぐもった。
「昼間の・・・男・・・」
「男?昼間の?」
「俺の単車の近くで何か喋ってただろう。楽しそうだった」
「ああ!」
昼、みちるははるかに飲み物を買いに行かせた。はるかの居ない間、彼女は単車の番を
していたのだが、その磨き上げられた単車に惹かれたのか、それともみちるの匂うような
美しさに惹かれたのか、痩身の男性が一人、彼女に話しかけてきたのである。
 みちるに気に入られようとするだけの者と違い、その男はまず単車の美しさを褒めた。
はるかがいつも指先を油塗れにして整備しているそれを褒められて、みちるが嬉しく無い
訳が無い。それでいつもとは違い、二言三言談笑しただけだったのだが、それでもはるか
にとっては充分過ぎる程ショックだったようだ。
「馬鹿ねえ、そんな事気にしてたの?ずっと?」
額と額を付けて瞳を覗き込む。それでも逃げようとする顎を捉え、みちるは形のいい唇に
自分のそれを重ねた。
「私が愛してるのは貴女だけよ。」
呟いて又唇を重ねる。今度は深く。風呂場の暖かい空気のせいで、絡み合う舌は幾分か
冷たく感じた。

29 :
めちゃくちゃ文章ウマいですね。プロの方?
セラムン興味なかったのに思わずひきこまれちゃったよ。
他にはどんなの書いていらっしゃるんですか?

30 :
「ん・・・」
繋がった口の中で、はるかの声は直接みちるへと響く。舌を擦り合わせ、
口内の全てを確かめながらみちるははるかのしなやかな背をなぞる。
腰まで手を下ろし、下腹を撫でて、期待するように吐息を漏らすはるかに
小さく笑うと、みちるは細く美しい指を彼女の胸へと這わせた。期待が胸で
はぜるような甘苦しい感触に、はるかはみちるの唇を逃れた。
「あぁ・・・」
「はるか、可愛い。」
あなたが私を信じるまで、何度でも言うわ。バスタブに背を預け、与えられ
る快感に素直に声を上げるはるかの小振りの耳に、みちるは噛んで含める
ように囁く。「私が好きなのははるかだけよ」。みちるのほっそりとした首に回
されたはるかの腕に、切ない程力が篭った。
 みちるのなめらかな爪が、色の薄いはるかの乳首を引掻く。俯き加減に喘
ぐはるかの唇は赤く潤んでいて、みちるはまたそこへ唇を落とした。
「はるか」
長い睫毛の筋が振るえ、薄らと開いた濃紺の瞳はみちるを求める。あ、と子
猫のような声を上げて、再び安心したようにそれは閉じられた。
「すき。・・・」
彼女の稚拙に背を撫でる動きは、みちるを破裂する程の幸福で満たした。
ええ、知ってるわ、みちるははるかの乳房を嫋やかに撫で上げた。
 秘め事の吐息を、天井から湯船へ飛び込んだ雫が割った。

>>29
こんな即興の文に、身に余るほめ言葉です。
勿論プロでもありませんしw、文を投稿するのも初めてです。

31 :
訂正 振るえ→震え

 みちるははるかの首に口付けた後、熱く濡れた吐息を繰り返すはるかを見上げた。
形の良い乳房から鳩尾、引き締まった腹を辿り、そして茂みを掻き分けて一際体温の
高いそこへと手を当てた。既に充分潤んでいるそこに、みちるは小さく笑った。
「もうこんなに濡れてるわよ。」
「うるさ・・・あっ、あ・・・」
みちるは中指で粘液を掬うと、それをクリトリスに塗りつける。はるかは浴槽に背を凭れ
させ、幾度も形の良い腿を強張らせた。彼女の開かせた足の間に蹲り、みちるは膝の痛
さを感じながら腿に歯を立てる。怯えたように「痛い」と言うはるかに、最高の愛撫を与え
ながら。
「・・・入れていい?」
穴の入り口を中指で掻き出すように撫でながら秘密を打ち明けるように聞くと、はるかは
小さく頷いた。ゆっくりと指を進めていき、その長い指を全てはるかの中に埋めてしまう。
はあ、はるかはゆっくりと息を吐いた。
「はるかの中、温かい。」
指を入れたままみちるが言うと、「いや」と恥ずかしそうに呟いて、はるかはみちるに顔を
押し付ける。みちるはゆっくりと指を動かし始めた。指の”ひら”で柔らかい、粘液に守ら
れた内壁の形をゆっくりとなぞり上げて行く。

32 :
「あぁ・・・ん、あ・・・」
まるで子犬が鼻を鳴らすような甘い声が、みちるの耳を擽る。この夜の姿を、はるかは
一体私の他の誰に晒す事があるだろう?独占浴や征服欲と言ったものが”愛”に形を
変えて、恐ろしい程の勢いでみちるを満たした。白昼の許、ZZRの化け物のようなエネ
ルギーを捻じ伏せて、何人たりとも自分の視界を遮らせない彼女の腕は、今やバイオ
リンを奏でる為に創られた体にまきつき、縋り付いて震えているのである。みちるは指で
はるかの中の柔らかいところを撫で上げつつ、親指でぬるつくクリトリスを愛撫する。
そして乳首を口に含んで軽く歯を立て、舐めた。
「ああ、あ、んあ、・・・・う・・・」
はるかの腹にぐうっと力が篭り、みちるの指が締め付けられる。みちるはすかさずはる
かの唇を塞ぐ。愛撫する手も止めない。みちるの中で、はるかの余裕の無い声が響く。
苦しさにみちるの唇を逃れ、「ああー・・・」と搾り出すような声を上げると、はるかはぐっ
たりとみちるに凭れかかった。みちるは弛緩しきった彼女の中を、再び掻き混ぜる。
「あっ、あ、あぁっ」
整えようとしていた呼吸が詰まり、はるかは体をがくがくと震えさせてみちるの肩に爪を
立てた。
「何故解らないの?私はあなたをこんなに愛してるのよ」
「あぁ・・・っ、は、あ、あぁぁー・・・ぁ・・・・」
二度目の絶頂は直ぐに訪れ、耐え切れずはるかはバスルームの冷たいタイルの上に
体を横たえた。

33 :
みちるは引き抜いた指を丹念に舐め、はるかを抱え起こす。
「私を守ってくれるでしょう?王子様」
はるかは重い瞼を持ち上げ、潤んだ瞳でみちるを見た。私が愛してるのは誰か、解って
くれたかしら、そう言って笑うみちるにバカ野郎と呟く。キスを躊躇うみちるに、構わないと
首を引き寄せて深く口付けた。
「私はあなたのものなのよ」
「ああ・・・」
「そう言えば、はるかの泣き顔って可愛いのね」
「・・・」
あれが最初で最後だ。美しい眉を寄せてそう言うはるかに、そう?と、みちるは意味深な
笑みを向けた。
「私、美しいものが好きだけど、可愛いものも好きになったわ。」



34 :
乙です。とても文学的ですね。その文体好きです。
誰かきらきらひかる書いて・・・
杉先生が絡んでればなんでもいいです。

35 :
age

36 :
キャピキャピしてなくて、はるかとみちるの雰囲気にすごく合ってる。キレイでした。乙です。

37 :
保守age

38 :
発売されてたらダメなのかな?
宝塚の轟悠と作者の恋愛の実話が下地になっているという噂
『愛をめぐる奇妙な告白のためのフーガ』

39 :
すみません。いちご100%の向井こずえと浦沢舞の話を投下させてください。

40 :
放課後。今日は塾がない日なので、二人は教室でおしゃべりしていた。
今日もこずえは右島の話ばかり。またノロケか、と思って聞いていると、こずえは急にもじもじし始め、昨夜の塾の帰りに右島との間に起こった出来事を話し始めた。
「あのね、右島さんと初めて…キス、しちゃったんだ。。。」
すぐに真っ赤になってうつむくこずえ。
向井の言葉に舞はショックを隠し切れなかった。

41 :

小さい頃から同じ女子校に通い、いつも一緒だったふたり。
ずっと女子の中にいるせいか、いつのまにか男性恐怖症になっていたこずえ。幼い顔の割に色っぽい体付きのせいか痴漢にも狙われ、そのためさらに異性を怖がり、高校生になってからは塾で男子に話し掛けられただけで椅子からころげ落ちる程だった。
そんなこずえを舞は横から守っていた。
しかし高二の秋に真中に出会い、真中に恋したこずえ。
なんとなく嫌な予感はしていたが、ついに初恋を打ち明けられたときは呆然とした。とられてしまうのが怖かった。
しかし高三の秋に泉坂の文化祭に行き、真中の彼女の存在を知ったとき、舞は落ち込むこずえを見ながらも内心はほっとしていた。

42 :
それなのに。
こずえは失恋後右島に助けられ、立ち直ったのだ。そして二人は付き合い始めた。
そして、ついに初の口づけを交わしたのだ。
「…舞ちゃん?」
こずえが何も言わない舞を不思議そうに見る。
舞はすぐにいつものクールなふりをして、笑った。
「なぁんだ。何かと思ったら、まだキス?
…でも、よかったね。」
こずえが照れながら頷く。
本当は全然喜べない。
右島なんかよりあたしを見てほしい。
これから二人はきっとさらに関係を深めるだろう。そしてその話をこずえから聞くのだろう。痛くて苦しいこの時間。
だけどあたしはこずえから離れられない。
こずえが好きだから。
あたしはいつまで苦しむんだろう。

43 :
終了です。かなり自己満なお話ですみません。
共感してくださる方がいたら嬉しいです。
ありがとうございました。

44 :
3/32

45 :
m

46 :
保守!! (´・ω・`)
新作キボン(`・ω・´)b

47 :
保守!! (´・ω・`)
新作キボン(`・ω・´)b

48 :
百合姫最新号読んで。
アタシのイチバン萌え萌えな森永みるく先生の瞳×奈々のお話をどこかで書き
たいなとか思ってるんだけど、ここに描いちゃまずいでしょうかね? 2次元??
おもいきし、エロ職人なのですが…。(*゚∀゚*)

49 :
>>48
個人的には全然OKです。

50 :
>>48
バッチコーイッ!!!
つうか、おながいしまつ

51 :
森永みるく先生の単行本「くちびるからためいきさくらいろ」百合姫Vol3,4参照。
これは、幼馴染にずっと恋をしていた少女と、彼女の切ない気持ちに気づかないま
ま惹かれていく少女たちの甘〜いお話です。よろしければいくつか載せたいなと
思ってます。
エロ推奨ですので、森永先生のふわふわな世界観がお好きな方にはお勧めしません!
では。

52 :
彼女を特別に意識したのは、あの日だった…。
―――夢をみた。
また同じ夢だ。体育館のとまり木の下で、奈々が熱心にマンガを読んでいる。
彼女は、いつもそうして、部活を終えるアタシを待つ。
アタシは、そんな親友をシュート練習の順番待ちをしながら、こっそり眺めるのが
日課だった。
風通しのために開けていたドアの隙間から、ボールがゴロゴロと転がり落ちていった。
階段をトントントンとジャンプして、そのまま奈々の足元で着地する。
奈々が、それに気づいて、そっと顔をあげる。
茶色いボールを持ったまま鉄のドアの傍で立ち尽くすアタシを見つけて、ふわりと
お花のように微笑んだ。
「瞳ぃ!」
――あぁ奈々だ。奈々がアタシに微笑みかけている。アタシのための笑顔。
うれしくなって手を振ると、彼女の顔はサッカー部のユニフォームを着た男子の背
中に立ち塞がって見えなくなった。
「小林、好きだ…。」
カレは、唐突に言ってのけた。
アタシが、ずっと言えなかった言葉をいとも簡単に。
――やめて、やめてったら。奈々はアタシのなのよ。アンタになんか渡さないわ。
「俺と付き合ってほしい……。」

53 :
彼をぶっ叩いてでも、奈々を守りたかった。でも、アタシは、なぜだかその場で動
けなくなって…。
鉄の扉を掴みながら、呆然と立ち尽くすしかなかった。
黄色い背中に隠された奈々の顔が、いま、どんなふうになっているのか見えない。
奈々が、彼になにを言ったのかさえ聞こえなかった。
――お願いやめて。奈々はアタシのものなの。誰にも渡さない。アタシの奈々。
どこへも行かないで奈々。好きよ奈々、奈々を愛してるの…。
「いやよっ、奈々ッ!!!」

54 :

布団を蹴飛ばして、ガバリと跳ね起きた。
ハァハァとマラソンを終えたときのような荒い息を吐く。
呆然と自室の壁に貼ってある子猫のカレンダーと目が合う。そして、夢であったこ
とをようやく知った…。
シーツにまで染み渡るほどぐっしょりと、厭な寝汗をかいていた。
カーテンの隙間から、朝の日差しが差し込んでいる。
ふと壁に掛かる時計をみると午前5時を指していた。新聞屋さんのバイクの音が
やけに大きく響いている。
ガシガシと長い髪を掻き毟って、ギュっと唇を噛みしめた。
頬に冷たさを感じて、眠りながら、泣いていたことに気づかされる。
「…………奈々、もう限界だよ…。」
ブルーのタオルケットに向かって呟いた。

55 :

この胸の気持ちを伝えたら、奈々が傷つくかもしれない。
でも、奈々のことをよく知りもしない男なんかに取られるくらいなら、彼女を
傷つけてでもこの手で奪い取りたかった。
あんな顔だけの男になんか絶対に渡すものか。だって、奈々はアタシのものだ。
負ける気はなかった。奈々の中でアタシが一番なのだと分かっているつもり。
でも、それは、仲のよい親友としての位置づけだった。
どうして、アタシは女の子に生まれちゃったんだろう。
こんなこと思うだけでも罪だ。14年間も大事に育ててくれた両親が知ったら、ひ
どく悲しむと思う。
それでも、アタシが男の子だったら、奈々を恋人にして、奥さんにして、一生宝物
のように大切にするのに…。
そんなことは決して思ってはいけないこと。でも、思わずにはいられなかった。
そんな悪循環に苛まれる。

56 :
それでもアタシはやっぱり奈々が好き。もう、この気持ちを抑えることなんて
出来そうになかった。
好きなんだよ、ねぇ、奈々。アナタのことが好きすぎて、毎日、こんな夢をみるく
らい頭がおかしくなっているんだよ。
ねぇ、奈々。奈々は、アタシのことどう思ってる…?
やっぱり親友? それとも……。 

57 :
それは、3年の夏休みのことだった。
担任から、山ほどの課題を出された。
それをみんなでやっつけようと新築の亜紀の家で、アタシと優と舞とそして奈々の
5人で取り掛かることになったんだ。
夏休みを前に、都大会出場の夢を果たせなかったバスケ部3年は、そのまま引退の
形となった。
あと一歩のところで力が及ばなかった。
雨の中なのに、わざわざ観に来てくれた奈々の寂しそうな顔が、いまも忘れられない。
「あちぃ。つーか、すごいね、ここ。東京なのにセミが鳴いてるわ。」
「…うっさいな。どうせ人里離れた田舎だよ。」
揶揄るように優が言うと、亜紀はつまらなそうに唇を尖らせた。

58 :

アタシたちは南第三中学の3年生。小中とほとんど一緒のクラスで過ごした特に仲
良しの5人組だった。
3年といえば、もう一つの肩書きに『受験生』という文字がつくわけなんだけど。
周りが言うほど、さほど『受験受験…』と目くじらを立てるほどのものでもなかった。
そこそこの高校を出て、そこそこの短大にでも滑り込めればいいかなくらいにみん
な思っている。将来の夢なんて、まだ漠然としすぎていて、いまいちピンとこなかった。
さすがに冬休みにでもなれば、そうも言ってられないんだろうけど、まだ、夏休み
の中間地点のアタシたちは、それはそれは、呑気なものだった。
そんなのんびりしすぎの生徒を見兼ねたのか、担任は、嫌がらせのように膨大な宿
題を出してきたというわけだ…。

59 :
亜紀は、新築の家を構えるためにアタシの住んでいる近くのマンションから2ヶ月
ほど前に引っ越していったばかりだった。本来ならば学区外で、別の中学に転校す
るはずなのだけど、一応は受験生だし、あと一年もしないで卒業だから…という
わけで、彼女は30分ほどの距離を電車通学していた。
都心からちょっと奥地に入った変わりに、広いお庭と12畳にもなる大きなベ
ランダ付きの個室が与えられた。
優は、それにひがんで、いつもこうして亜紀を揶揄っているのだ。
まだ、どこか新築の木の香りが漂う。
家の周りが木々に囲まれているせいか、風が涼しく感じられた。
ガーデニングが趣味らしいおばさんの影響なのか、亜紀の部屋にも女の子らしい
花が見事に咲き誇っていた。

60 :

「でも亜紀ちゃんチ広くていいなぁ〜。アタシの部屋なんて、ベットと机置いたら
いる場所ないからね。」
あははと、隣で奈々が笑う。奈々からふんわりとお菓子のような甘い匂いがする。
でも、確かに奈々と言うとおり、そこそこ成長期の5人が入っても息苦しさは感じ
なかった。
話もそこそこに、とりあえずは手分けして宿題に取り掛かることにする。
それでも、5人は多すぎだったのではないかと、誰が言わなずとも気づいた。
一人が脱線してしまうと、みんなに伝染していって、誰もがシャーペンを投げ出した。
しまいには、なんのために集まったのかもすっかり忘れてしまうくらいたわいもな
い話で盛り上がる。

61 :

「あー、せっかくの夏休みに、女だらけで、こ〜んな人里離れた村に来るなんて
超寂しすぎる〜。」
「ちょっと、優、村は言い過ぎだっつーのッ!」
また、優と亜紀のやりとりが始まった。
アタシタチは、ケタケタと笑いながら傍観する。
「でも、女だらけつーのは、やっぱ寂しいよね。あぁ、アタシも早く彼氏欲しい〜!」
「んな恥ずかしいこと叫ぶな! 近所迷惑になるだろ!」
「えっー。お隣さんなんかぜんぜん見えないじゃんよォ、亜紀ちゃん!」
「うっさい優! つーか、舞も。アンタは、またそれかよ…。もう、だったら、
クラスの男でも誘ってどっか行けばよかったじゃん。」
亜紀が、二人にすかさず突っ込む。
こういうとき、なぜかアタシと奈々は蚊帳の外になるんだ。

62 :

「クラスのなよなよした男は趣味じゃないって言ってるじゃない。じゃなくてさ、
もっと、こう、運命的な出会いが…。」
「出会いね…。はは、ま、頑張れよ。」
テーブルに手を組みだして遠くを見つめ出す舞に、亜紀はポンポンと華奢な肩を叩
いて宥めた。
女の子が5人も集まれば、ファッションの話や、食べ物の話、テレビの誰それの
悪口、それに男の子の話にと話題には事欠かない。
そんなとき、アタシだけはちょっと後ろめたい気分に駆られる。
ふと、隣の奈々を見ると、彼女もアタシの視線に気づいてニコリと微笑む。
胸が、甘酸っぱくきゅんてなった。
可愛い可愛いアタシの奈々。そっと伸ばせば届く距離にある愛らしいちいさな手。
すいと伸ばしかけて、寸前のところでピタリと止めた。
唇を噛み締めて、この胸のドキドキをどうにかやり過ごす。

63 :

「ところで、ねぇ、奈々。3組の菅野くんのことどーするの?」
「…エッ?」
奈々のことなのに、アタシのほうがビクンてなる。
みんな奈々を一斉に注目していたから、アタシのそんな反応には誰も気づいていな
かった。
「ちょっと、なによそれ、菅野くんって、サッカー部の…?」
「それが実はそうなのよ。ちょいと聞いてよ、みなさん、この奈々ちゃんたらね、
こないだサッカー部一押しの菅野くんに告られたんだってー。たく、もー、アン
タも水臭いんだからそれならそうとアタシたちに言ってよねッ!」
「え、ちょ、おばちゃん、亜紀ちゃん? てか、待ってよ。なんでそれ知って
るの…?」
みんなに注目されて、奈々の白い肌が、急激に赤くなる。
アタシの目の前も真っ赤に染まった。

64 :

「はは。実は3組の友達に聞いたんだよ。あの菅野が告ったって、もう有名だっ
て話よ!」
「えっ、ウソー。奈々、菅野くんに告られたの? あのサッカー部でモテモテだっ
ていう?」
「エーっ。すごいじゃん。奈々もついに彼氏持ちかぁ…。先越されちゃったな。
でも、ま、おめでと、奈々。」
みんなに追求されて、顔を真っ赤に染めながら奈々が俯いた。
奈々の膝の上の指が、ギュっと握られているのが見えた。
アタシは、この胸の怒りが爆発してしまうんじゃないかって、それと必に戦って
いた。
「ちょ、ま、待ってよ。そんな、おめでとうって優ちゃん…。アタシ、まだ、
付き合うって決めたわけじゃないしぃ…。」
「エー。……じゃ、断っちゃうの? なによそれ、もったいないよ〜。」
五人の中でも一番面食いな舞が、奈々に詰め寄った。

65 :

「も、もったいない…かな…?」
「うん。菅野くんて言ったら、南三中一のちょうモテ男のイケメンクンよ。菅野く
んが彼氏だったらチョー自慢じゃん…。」
「……そう。そ、だよね? カッコいいとはアタシも思うけどね。でも、アタシ、
菅野くんと同じクラスになったことないし、よく知らないしぃ…。」
「はあぁ? んなの、これから、知ってきゃいいんじゃん!」
「そ、そうだよね…はは。」
どうにも耐え切れなくて、バンてテーブルを叩いた。
ほとんど飲み終えていたみんなのグラスがガタガタに揺れる。
みんなが、一斉にこっちをみる。
アタシは、背中からぎゅうと奈々をかき抱いた。

66 :

ちいさな奈々。アタシの腕の中にすっぽり入っちゃう。いい匂い。サラサラな髪に
顔を埋めてグリグリしたくなる。
「……ちょ、ひ、ひとみったら、急に、どうしたの?」
奈々が、アタシを見上げながら上ずった声を上げた。
アタシは、奈々の渦巻きを見ながら、フッと大きく息を吐いて。
「もうだめよ〜。奈々はまだアタシのなんだから〜。いい、奈々。男はみんなオオ
カミだっていつも言ってるじゃないのォ〜? 野獣よ…男はみんな野蛮なのよ…。
こ〜んなちっちゃい奈々なんてあっという間にぱくっと食べられちゃうんだからね。
そんなのは、まだダメなのよ〜。」
そう言ってグリグリと肩におでこを寄せる。
ふざけておかま口調のアタシに、奈々は笑いながら、アタシの頭をよしよしと撫でた。
「カーっ、またそれかよ! ちょっとちょっと奈々いいの? このまま瞳を野放し
にしといたら、アンタ、ホントに一生彼氏なんかできないって!」
3人の肩が、やれやれと同時に下がった。

67 :

「いいもんね〜。そのときは、アタシが奈々をお嫁さんに貰ってあげるから。」
「もう、瞳ったらっ!」
やだなぁと言いながら、バシッと肩を叩かれた。
それでも、さっきよりもうれしそうに笑う。
アタシはホッとして、奈々をますますぎゅっと抱きしめた。
ねぇ、奈々。
アナタは、ぜんぜん気づいてないかもしれないけどね。
アタシが、こうして冗談のように節々に入れる言葉には、全部本気が含まれて
いるんだよ?
奈々をお嫁さんにしたい。そしたら、一生、傍にいられるのに。
奈々を誰にも渡したくない。
アタシの腕の中に閉じ込めて、こうして閉まっておきたい。
怖いよ、奈々。
奈々が、別の人のモノになっちゃったらと思うと怖くて眠れなくなる。
奈々が、アタシの知らない誰かの腕の中に埋もれるのを想像するだけで嫉妬の
炎で焼ききれそうになる。

68 :

それでも、この気持ちは自分の胸の中に頑丈な鍵を掛けて閉まっておこうと思って
いたんだ。
奈々のあの姿をみるまでは……。
「ねぇ、ちょっと、それよりみんな、実は今日は、すっごい物あるんだ。ふふん。
ジャーン。これ、観たい人ォ〜?」
「ギャー、なによそれ、ヤダー。観たい観たーい!!」
ジャジャーンとドラえもんのような効果音つきで取り出された物にみんなの視線が
一気に釘付けになる。
舞と優の甲高い声が、「ギャォー」と、雄たけびを上げた。
奈々を見ると、アタシの腕にちいさく包まれながら、ぶわって耳たぶまで真っ赤に
なっていた。
そんな奈々を見下ろしながら、アタシは、本気でこの子を手に入れたいと我慢がで
きなくなったんだ。
もう親友でなんかいられないよ。
ごめんね奈々。でも、大好きだよ奈々。

69 :

今日のところはこの辺で。
この先も、ご要望があれば続けていきたいと思ってます。
ずっと大ファンだった森永センセイのシリーズパロです。
シリーズ全部好きだけど、特に大好きな瞳×奈々編でした。
これは、瞳と奈々の中学の頃のお話を妄想してみました。マンガのほうは奈々
ちゃん視点な感じなので、報われない瞳のほうを…。(*^∀^*)
実は、アタシ、リアルな小説しかやったことがなく、創作モノは初めてだった
ので、いまいち勝手が分からず、こんなんでいいのかしらんと。(^o^;)
感想とかいただけたらうれしいです。

70 :
>49さん
>50さん
ありがとうございます。
お言葉に甘えてさっそくやっちゃいました。テヘ(*^-^)b

71 :
(・∀・)イイ!
この調子でおながいしまつ。

72 :
49です。
ハルヒさんGJ!。続編期待してます。

73 :
age age

74 :
みるく作品ャベ━━━━━(・∀・)━━━━━!!
ハルヒさま。
続きを続きを…待ってますゾヨ。(・q・)/ヨダレ。

75 :
センセイ本人?
てくらいヤベー!!!!!!!!!!
神!!!!!!!!!!

76 :
おかわりまーだー?(´・д・`)<マテナイヨ。

77 :
待ってマース

78 :
このごろね、奈々と初めて逢った日のことをよく思い出すんだ……。
奈々と出逢ったのは、ちょうど8年前の春だった。
前の晩に降り続いた雨のせいで、せっかく咲いた桜が散ってしまうんじゃないかっ
てお母さんが、ひどく心配してた。
でも、一夜明けてみればウソみたいな快晴で、それほどの被害も遭わずにすみ、ア
タシは両親に両手を繋がれて、桜満開のピンク色のトンネルを歩いたっけ…。
ちょっとおめかしした囚われの宇宙人のような親子連れがたくさんいるなか、
奈々は、桜の木の下で写真を撮っていたね。
(―――なんかあの子、ずいぶんちっちゃいけど、おんなじ一年生なんだよね…?)
幼稚園のなかでも群を抜いて大きかったアタシは、その愛らしい小動物のような少
女にすっかり釘付けになった。
奈々は、お姫様が着るみたいなふわふわなピンク色のワンピースを着てた。
肌は透き通るように白く、それと対称的に唇はまっ赤だった。
くるくるとよく動く黒い瞳。カメラを構えるお父さんに向かって、ピースサイン
をしながら微笑みかける。まるで自分に笑いかけられたみたいに、胸が変なふう
にドキドキいった。

79 :
衝撃だった…。だって、こんなお人形さんみたいな可愛い女の子をはじめてみたから。
見蕩れるままその場に呆然と立ち尽くすアタシにはまったく気づかずに、彼女は、
お父さんに手を引かれて目の前を通りすぎていった。
真新しい真っ赤なランドセルが重たそうで、ランドセルを背負っているというより
は、ランドセルに背負わされているといったふうだった。
そのとき、突風が吹き荒れた。満開の桜の花びらが紙ふぶきのようにひらひらと舞
い落ちる。光沢のある少女の黒髪もさらっと靡いた。日差しに反射され、てっぺん
には、ドーナツみたいな丸い輪っかが浮かび上がった。
(わぁ、天使さまだ……。)
大好きでよく読んでいた絵本の中に出てくる天使さまは、きっとこんな感じなので
はないかと思った。
彼女の微笑みは、天使のようにやさしくて、背中がなにかとてもキラキラとして
みえた。ふと、その黒髪に映えるようにピンク色の花びらがちょこんと落ちて
いるのに気づいて。
アタシは、思わず声を掛けてしまっていた。
「あっ、ね、ちょっとまって!」
「えっ…?」
少女が、お父さんに手を繋がれたままゆっくりと振り返る。
キョロキョロとあたりを窺ってから、自分以外誰もいないと分かったのか、
「アタシ?」と、自分の顔のほうに人差し指を向ける仕草をする。
アタシは、コクンて頷く。

80 :
とうとう少女の視界の中に入ってしまい、全身が緊張でピキンと硬直した。
真近でみると、ますますその可愛さに圧倒される。
こんな可愛い子みたことないよ。幼稚園にもいなかった…。
勢い余って声を掛けてしまったものの目の前の子のあまりの愛らしさにすっかり
呆気に取られて、アタシは、そのまま言葉を失ってしまっていた。
アタシが呼んだきりなにも言わないものだから、少女は、こてんと首を傾ける
仕草をする。
それがますます可愛らしさに拍車を掛けて、アタシの心臓がこのまま大爆発を
起こすんじゃないかってくらいドクドクと波打っていた。
「……あ、あのォ…なに?」
わーっ!
声も可愛いんだ。
「……あ、あのぉ……。」
「うわっ!!……ご、ごめん。えっ、んと、その、お花が…、頭にね、お花が
ついてるよ…?」
そう言うと、奈々は、シャンプーをし終えた子犬がブルブルするみたいに頭を
振った。でも、ペタリと貼りついたそれは、なかなか落ちることはなく、だか
ら、そっと手を伸ばして取ってあげる。
ホントにちいさいんだ。アタシと頭一つぶんくらい違うよォ…。
なんかいいなぁ〜。ちっちゃいのって…。
アタシも、こんなカワイイ女の子になりたかった。

81 :

ちいさなピンク色の花びらを手のひらにのせた。
「……あ、どうもありがとう。――えっと、ひとみちゃん…?」
「うん。どういたしまして。……って、あれ?」
初めて逢ったのはずなのに、どうしてアタシの名前を知っているの?
問いかける前に、彼女の目線がちょうど自分の胸の高さになるのだと気づいて、
名札を見たからなのだと解釈する。アタシもお返しに、彼女の胸に掛かる長方形
の札をジッとみた。
「えっと、こばやしなな…ちゃん?」
「うんっ♪」
彼女は、うれしそうにちいさな頭を前に倒してコクンて頷いてみせた。
その仕草がいちいち可愛らしくて、胸がきゅんきゅんする。
“ななちゃん”って、名前もすっごく可愛いー。アタシは、こっそりと胸の中
でその名前を繰り返した。
こばやしなな…こばやしなな…って。絶対に忘れないように、何度も……。
お母さんたちは、頭の上で「お天気がよくなってよかったですね〜」みたいな
世間話をしていた。
可愛いなぁと思ってた子に、思いがけずしゃべりかけることができて、アタシは、
すっかり舞い上がっていた。
なんだか急に、顔を見るのが恥ずかしくなって、モジモジと彼女の胸の辺りを
みていたら、その札に、同じ数字が並んでいることに気がついた。

82 :

「わあっ、ななちゃんも、一年一組だ!」
「あっ、ひとみちゃんもだ…。同じクラスだね?」
「そうだね。ねぇ、ななちゃん、お教室まで一緒に行こう?」
「うん。行こう!」
奈々は、目の前に真っ白な手を差し出してきた。五本の指がじゃんけんするとき
みたいに大きく広げられいる。ピンク色でちっちゃくて、なんか紅葉みたいだと思った。
手を繋げることがうれしくて、バッとお母さんの手を離すと、目の前にあるその手
をギュって掴んだ。
奈々の手はやわらかくて、でも、すごく温かった。
「ななちゃんって、かわいいね。」
「……えっ?」
同じクラスになれたうれしさと、手を繋げたうれしさですっかりのぼせきっていた
アタシは、気づいたら頭の中で思っていたことが口からするりと零れてしまっていた。
彼女が、不思議そうな顔でジッと見上げてくる。
アタシは、ハッとしながら慌てて。
「い、いや、その、あの、お洋服が…。ピンク似合うね。すっごくかわいい…。」
「ありがとう。ひとみちゃん。」
「うんっ♪」
それからというもの、奈々のアタシの中でのイメージはピンクだ。
あの日の桜の花びらのピンクと、ふわふわのピンク色のワンピースが、強烈に
インプットされた。

83 :

ねぇ、奈々知ってる?
あれが、アタシの初恋の想い出なんだよ。
あのときの桜の花びらをいまも大切に持っていると知ったら、奈々はどう思うかな?
あれから、8回桜の季節を迎えた。
進級するたびにクラス替えがあったのに、なぜか私たちだけ、毎回とも同じクラス
になれた。
アタシが、初詣に行くたびに“奈々と今年も同じクラスになれますように”と
願掛けているおかげなのかどうかは分からないけど、それも、今年で8年連続だ。
“ここまでくれば運命だよね〜!”
二人で見合って、クラス替えの掲示板の前でいつも笑う。
来年も同じ高校に行って、大人になっても奈々とはずっとずっと一緒にいよう。
それになんの疑問も抱かなかったはずなのに……―――。
◇ ◇ ◇ ◇

84 :

奈々の体は、なんだかお菓子のような甘い匂いがする。
ふざけながら、彼女を後ろからギュっと抱きしめていたときだった―――。
「もう、アンタたちは相変わらずなんだから〜。ねーっ、そんなことより、実は
今日は、すっごくいいものあるんだ。ジャーン。これ観たい人〜!」
本来の目的であったはずの夏休みの宿題もそっちのけで、お菓子を食べながら
雑談しているとき友達の亜紀が、唐突に言ってきた。
舞が食べかけていたポテチを「ごふっ」と喉に詰まらせる。
優は、半開きに口をぽっかりと開けていた。
私たちは、亜紀が右手に大きく掲げるものにすっかり目が釘付けになった。
彼女が持つDVDのパッケージには、見たこともない女の子の写真があった。
着衣はほとんどなく、お淫らなポーズと卑猥なタイトルをひと目見ただけで、その
中身までわかってしまうような代物だった。
宿題の多さにうんざりぎみだった舞と優は、すぐにそれに飛びついた。
「ぎゃーお。なにそれやらし〜。てか、どうしたのよ、亜紀?」
「えへへ。実はさ、昨日、兄貴のベットの下こっそり覗いたら見つけちゃって……。」
見つけちゃってって、わざわざそんなところをそういう目的で探さなければ覗かな
いだろうという突っ込みは、どこからも聞こえてこない。
亜紀には、6つ違いになる大学生のお兄さんがいた。
サークルやら、コンパやらでなにかと忙しいらしいらしく、一度だけ遭ったこと
のある彼は、さわやか系のカッコいいお兄さんだったと記憶してる。
「うっそー。あのお兄さん、こんなの観るんだ…。うわっ、なんかアタシ、超
ショックだよ。亜紀のお兄ちゃんちょっとカッコいいから狙ってたのにぃ……。」 
「…って、人の兄貴狙うなッ!」
舞の相変わらずの反応に、亜紀がすかさず突っ込みをいれる。

85 :

「でも、アタシもちょっとショックかも。てか、亜紀のお兄さんってロリ……。」
「いやぁっ! ち、違うって。なんか、これ、友達に借りたっぽいしぃ……。」
優の呟きを兄の沽券に関わるとでも思ったのか亜紀は慌ててフォローにまわる。
「………やっぱし、男って、誰でもこういうの見るんだねぇ〜…。」
清潔そうだったお兄さんに本気で惚れてたわけじゃないのだろうけれど、舞の呟き
が、部屋に重く響いた。
シーンと静まり返る室内。セミの鳴き声が遠くのほうから聞こえてくる。
「……ていうか、みんな、観たくないわけ〜?」
「いや〜んっ。観たい、観たい!!」
優と舞が両手をバンザイながら、ヒューヒューと変な奇声を上げる。
お兄さんのことを散々非難したわりに、その変わり身の早さにアタシは呆れて、
やれやれとおばあちゃんのように肩をトントンした。
ふと、腕の中の子が無反応なことに気づいて見下ろすと、奈々は、赤い唇をわなわ
なと震わせていた。完熟トマトのように赤く腫れあがった頬。耳たぶまで器用に染
めている。
アタシは、そんな親友の顔を見下ろしながら、なんともいえない気分になった。
だって、いまどきアダルトビデオごときでこの反応…?
あまりの初々しさにこっちのほうが、照れてしまいそう…。

86 :

エッチビデオは、前に一度だけ見たことがあった。
アタシの場合も、やっぱりお兄ちゃんの秘蔵品だった。
兄とは一回り近く離れていたから、彼は、すでに独立していて都内で、リーマン
なんかをしているのだけれど、アタシが小学生のときに、何気なく開けた箪笥の
一番下の引き出しの奥にやっぱり隠してあったのを偶然見つけた。
あのお兄ちゃんがこんなものを観るなんて最低…と、当時思春期でもあったので、
大好きだった兄を軽蔑しそうになったりもしたけど、それよりも好奇心のほうが
格段に上回っていた。
親の居ない隙を狙って、こっそりと観た。
だからというわけじゃないけど、そっち系のものには多少なりの免疫はあった。
でも、奈々は一人っ子だし、そういうのを一度も見たことがないのだろう…。
(生まれて初めてのえっちビデオ鑑賞か…。)
いまの奈々の感情がダイレクトに伝わってくる。
ただでさえ潔癖ぎみなところがある奈々は、こういう類の物が一番苦手だ。
しかも、みんなのいるところで観なくてはいけないなんて……。
でも、友人たちがひどく盛り上がっているところを、「見たくない」なんて、
いまさら水を挿すようなことを引っ込み思案の奈々が言えるはずがなかった。
奈々とは長い付き合いだから、顔を見ただけでも心の内側が読めてしまう。
それにしてもなんだかひどく困ったようにしているから、みんなに「やめようよ!」
「アタシはいいわ」なり、いつものように助け舟を出してあげるつもりが、今日の
アタシは、どこかおかしかった。
おどおどしている彼女の反応があまりに可愛らしくて、悪戯心がムクムクと沸いて
きてしまっていたのだ。
(奈々が、これを観てどうなるか見てみたいかも……。なんて。)
悪趣味だけれど、奈々が恥ずかしがって泣きそうになる顔がみてみたくなった。
あぁ、ごめんね、奈々。

87 :
レンタルビデオ屋で借りてきた映画をみんなで観る時みたいに、部屋を暗くして、
ミルクティもグラスに並々と継ぎ足した。テーブルの上には、ポテチとアタシの好
きな激辛カラムーチョの袋を大きく広げていつでも手が伸ばせるように準備万端に
置いてある。
いつもと違うのは、外部からの侵入をシャットアウトするために、ドアには厳重に
鍵を掛け、窓もカーテンに至るまでビッチリ締め切った点だろう。
今から悪いことをしようとしている自覚は、(一応は)あるらしい。
強めに設定をし直したクーラーのゴウンゴウンという音が、やけに大きく響いていた。
銀盤の丸いドーナツが、亜紀の手によって機械の中に吸い込まれていく。
ほどなくして、「18歳以下はダメよ」という掲示が流れた。
ここにいる全員が、れっきとした18歳以下だけど、もちろんそれに誰も何も言わない。
始まった内容は、さきほどの優の発言のとおり、それが彼の趣味なのかと疑いたく
なるような制服を着た女の子がたくさんでてくる学園ドラマだった。
初めは、たいくつな芝居が永遠と続いた。小学生の演劇発表会みたいに棒読みな
のが映画を観るときと違って、なかなかその世界に入り込ませてくれない。まぁ、
内容なんてあってないようなものだから、そんなのは、誰も求めていないのだろうけど…。
「くく。ちょっと、ねぇ、こんなオヤジがクラスメイトなんてありえなくない?」
「あはは、どうみても30はいってるよね。てか、この胸超すごすぎっ! これっ
てやっぱ、豊胸ォ〜?」
「絶対そうだって。この身体で、こんなおっぱいなんてありえないもんっ!」
演技が下手すぎだとか、男優がオヤジばっかでどこが高校生なんだよとかみんなで
観ている恥ずかしさもあってか、言いたい放題、終始そんな感じで野次ってたけど、
行為が佳境に入るころには、誰もお菓子には目もくれず無言のまま食い入るように
四角い画面に没頭していた。
アタシはというと、テレビには興味がなく、横で泣きそうになりながら必に画面
と戦っている奈々の顔ばかり眺めていた。
(うふふ…。あんなに真っ赤になっちゃって奈々ったら可愛いー。)

88 :

奈々は、画面を見ることに必で、アタシが見てることになんてまったく気づいて
はいない。
『…あっ、あんっ、やんっ、だめ…。いふっ、あんっ……』
わざとらしいくらい大きな喘ぎ声が響く。実際に、半分は演技なんだろうなと思った。
でも、初めてこの手のビデオをみる奈々に、それが演技過剰などとは気づくはずが
なく、女の子が甲高い嬌声をあげるたび、眉間の皺がギュっと捩るのが見て取れた。
そのうち、気分が悪そうに手で口元を覆ったので、アタシは思わず声を掛けてしまっ
ていた。
「……奈々?」
奈々が、大げさなくらいびくっと身体を揺らして、おそるおそるといった感じに
アタシのほうへ振り返った。
ぷくぷくの頬を紅色に染めて、その大きな瞳にはうっすらと水膜ができていた。
(―――だ、だいじょうぶ?)
3人に気づかれないように、口ばくで問いかける。
彼女は、困ったように目を虚ろにさせて、それでも気丈にコクンて頷いてみせた。
その子犬のような可愛らしい反応に、アタシは、奈々のほうへそっと手を伸ばした。
彼女のちいさな紅葉を軽く握り締める。
奈々もきゅっと握り返してきた。5本の指が複雑に絡み合う。
それで心丈夫になったのか、彼女の視線は、アタシから画面のほうへと映っていった。
画面は、ちょうどベタな体育倉庫でのシーンに変わっていた。いかにもな感じで
置いてある跳び箱の横にベット代わりの薄汚いマットを敷いた上で、裸の男女が
激しく絡みあっている。

89 :

荒い息を「ハァハァ」させて、少女の背中のほうから腰を突付く男の姿はやたら
獣じみてみえた。
男の汚いお尻がクローズアップされる。
アングルは、下のほうから卑猥な部分を映し出す。
二人が一つに繋がる部分をカメラが永遠とズームする。
絡まる奈々の指先がピクンと反応したことに気づいた。
奈々は、耐え難い画面から目を逸らしかけて、でも、がんばって戻すを何度か繰り
返した。アタシは、そんな親友がだんだん可哀想に思えてきて、だいじょうぶだよ
と抱きしめてあげたい衝動に何度も駆られた。
別に誰に強制されているわけでもないのだから、厭ならば見なければいいいのに…。
でも彼女は、絶対に目を逸らしちゃけないのだと強迫観念に迫られているかのよう
に必だった。
アタシは、画面とそんな奈々のことを交互に見つめながら、だんだん、画面のなか
で男と絡みあっている少女の姿が、親友とだぶってみえてきた。
そして、彼女の背後に覆いかぶさる30男が、奈々に告白したサッカー部の彼に
思えてきて、咄嗟にギュって目を瞑った。
違う…。なにを考えているのよ。そんなわけが、そんなのあるはずがないじゃない。
違うってば。あれは奈々じゃない。汚れを知らない奈々が、こんなことするはずがない。
でも、一度思い込んでしまった頭が、思うように言うことを聞いてくれなかった。
妄想がますますエスカレートする。

90 :

『…あぁんっ、ひゃん、あぁ、やだっ、だめよっ。いう、ふっ、………。』
男の腰の動きに比例するように、女の声もどんどん大きくなっていった。
そんな甲高い声でさえも奈々の声に思えてきて、アタシは、咄嗟に耳を塞ぎたくなった。
こんな純粋培養で育ったような奈々だって、好きな男が出来れば、いつかはこう
いうことをするんだ。
いや、いや、いやよ。そんなの絶対にいや。
奈々が、アタシの知らない男のものになるなんて、そんなの耐えられない。
奈々は、このアタシが大切に育ててきたバラの蕾なんだ。
そんな大切な子を男の汚い垢にまみれた手で、荒らされたくなんてない。
知らない男に攫われるくらいなら、いっそのこと、このアタシが……。
たったいま、自分の考えたことにハッとして、隣に座る奈々の横顔をジッと見た。
深い霧の張ったモヤモヤのまま、自分の気持ちから目を逸らし続けてきたことが、
明るみになってしまったようだった。
私たちは、友達だから。
私たちは、親友だから。
私たちは、女同士だから。
そんなのはただの言い訳だった。
いま、胸の中にあるこの気持ちに気づいてしまった。
アタシは、そういう意味で奈々が好きなのだって……。
男の子たちといっしょで、そのちいさな身体を丸ごと欲するくらい愛しているのだと。
ギュと目を瞑る。そういえば、前にも似たような思いをしたことがあった。

91 :

いつか一緒にお風呂に入った日のことを思い浮かべる。
お互いの家を泊まりっこするときは、子供の頃からの流れで、一緒にお風呂に入る
のが恒例だった。
そのころの奈々は、自分になかなか第二次性徴が見られないことをひどく悩んでいた。
アタシが、周りより成長が早かったせいか余計に焦ってるみたいだった。
「いいなぁ、瞳は……。」
「えっ?」
洗った髪をシャワーで濯ぎながら、湯船に浸かる彼女を見る。
食後のデザートに食べたリンゴみたいに赤くなったふくふくのほっぺたがなんか可愛い。
「…おっぱい、膨らんでて。毛も…。アタシって、どっかおかしいのかな?」
「奈々、なにを言っているの?」
アタシはアタシで、性器にうっすらと毛が生えてきてしまったことがショックで。
それが、汚らしいと思っていたから。
まだ汚れていない奈々のほうが、うらやましくてしかたがないと思っていたのに。
「だってぇ……。瞳さ、もう生理きたんでしょ?」
「…うん。まぁ…。」
「亜紀ちゃんも……、優ちゃんもこないだ来たって言ってた。――アタシだけだよ?」
そう言って、赤い唇を尖らせる。
あぁ、ホントに可愛いよ。
肩まで浸かったせいか、毛先だけが濡れていて、おもむろに手を伸ばして撫で撫で
してあげたい気分だった。
でも、大人になりたがっている彼女にそれは、逆効果だと分かっているから、
伸ばしかけた手を引っ込めた。

92 :

「そんなの…。そんなの、こないほうがよかったよ。お腹とか痛くなるし……。」
少しだけ濡れた息を漏らして、彼女に笑い掛ける。
「そうなの? そうなんだ……。」
奈々は、それっきり、むっつりと黙り込んでしまう。
アタシは、シャワーで身体にまとわりつく泡をさっと洗い流して。
「奈々、交代しよ?」
「…うん。」
シャワーのコルクをキュと締めると、彼女が湯船から立ち上がった。
胸はまだ膨らんでいないけれど、そこに飾られているピンク色のちいさめな乳首が
奈々によく似合って、すごく可愛いらしかった。
肌の色をした綺麗な性器をこっそり盗み見しながら、アタシは、大きく息を呑んだ。
まったく、なにを言ってるのよ奈々は…。
そんなのぜんぜん気にすることないのに。
奈々は、可愛いすぎる。
奈々のそこも、奈々と一緒ですっごく可愛いのに……。
変なふうに胸がドキドキしてた。胸がドキドキというより、おへその下のあたり
がなんだかムズムズする感じ…。
いつも一緒にお風呂に入るとき、奈々の身体を見てもそんなことなかったのに…。
どうしたんだろうアタシ……。
あのとき、自分の変調に気づいたけど、アタシはそのままにした。
奈々の幼い身体をみて発情してたなんて、知りたくなかったから……。

93 :

初めて出逢ったころの奈々は本当に小さかった。
ずっと、『前習え』は、腰に手をあてる役だったと記憶している。
小学生の頃は、それが原因でよく苛められていたりもしてた。
「チビチビ」と中傷的な言葉で囃し立てる男の子を当時流行ってた戦隊ヒーロー
にでもなったつもりで、やっつけるのがアタシの使命だった。
当時から、ミニバスをやっていたせいで小学生の頃までは、男子よりも大きかった
から、恐れられていたんだ。
奈々は学年が上がっても、相変わらず揶揄られやすい対象だった。
外見は大人しい感じなのに、意外に芯は気の強いところがあって、泣かされても折
れることをしないから男の子は、泣かせたくてムキになってやるのだ。
男の子からの身体を貶す揶揄のイジメは相変わらず続いて、それも、だんだん年を
追うごとに彼らの目つきが変わっていくことをアタシは敏感に気づいていた。
可愛い奈々を揶揄って、自分のほうへ気を惹かせたいという姑息さがありありとみ
て取れた。それが、無性に腹立しかった。
なぜ女のアタシに彼らの気持ちが分かるのかといえば、私も彼らと同じ感情だった
からなのだろうと今なら思える…。
「アタシ、男の子って大キライ。大きくなったら瞳と結婚するっ!」
泣かされるたびに、奈々はそう言ってアタシに抱きついてきた。
そういえば、先にプロポーズしてきたのは奈々だって、きっと彼女は覚えてないよね。
でも、奈々は知らないんだ…。
そのとき、アタシが、本当はどう思っていたかなんて。

94 :

奈々には可哀想だけど、もっとひどいことを言って、奈々を泣かせてしまえばいいと
思ってた。
だって、そうすれば、アタシのところに助けを求めてくる。
アタシは、奈々を抱きしめてあげることができる。アニメのヒーローのようにカッ
コよく思われたい。奈々の見方はアタシだけだよ、って…。
最低だよ。信頼されていた奈々の気持ちを裏切っていた。
身体ばかり大きかったけど、中身は子供と一緒だよ。ていうか、子供だったんだ。
あのときと今とでは、どう違うんだろう…。ほとんど変わっていない。
奈々を苛めていた男の子たちは、ちゃんと成長して、それを恋と呼ぶのだと気づけ
たのにね……。
奈々を苛める男の子はもういない。
身長もとっくに追い越されて、彼らは、知らない間に大人の男になっていった。
なんか、アタシだけ置いてけぼりにされた気分だった…。
最初の頃は、女の子に生まれて本当によかったって思っていた。だって、女の子で
いられたから、奈々の一番の親友になれたんだし、いつだって、彼らより優位に立
つことができたから。
でもいまは、そのことがひどく重くなってきている。
ずっと、奈々の隣を独占していたからその報いなのかな…?
アタシが、もし男の子だったら、この悩みが一気に解消されるなんて皮肉な話だ。
「瞳、……瞳、ねぇ、瞳ったら!!」
「うわっ!!」
少女のどあっぷに目を丸くする。
可愛かった頃の奈々を想像していたから、目の前に大きくなった奈々が現れてアタ
シは大げさに仰け反った。

95 :

「ゴ、ゴメン瞳。なんか驚かせちゃった…?」
「や、だいじょうぶ。…ちょっとぼけっとしてた…。」
ビデオ鑑賞会は、アタシが瞑想している間にとっくに終わってしまっていたようだ。
すっかり明るくなった部屋で、お菓子を摘みながら今度は品評会が始まっている。
奈々だけが、ひどく心配そうにアタシの顔をジッと見つめていた。って、これじゃ、
さっきの逆だよ。
なにも知らない小学生の頃のほうがずっとよかった。
そしたら、ただ奈々と愉しくしていられたのに…。
ずっと、奈々の一番近くにいられたのに……。
大人になんかなりたくなかった。けど、時計の針は、自分たちの思い通りには
止まってはくれない。
「でも、いつかは、アタシタチもするんだって…。」
「えっー。アタシはヤダな。だって、すっごく痛そうじゃない、あれ?」
「……痛そうだったけど、気持ちよさそうでもあったよね…?」
「あれは、AV女優だからだよ。だって、最初のときはぬほど痛いつーじゃない?」
「舞、ぬほど痛いのヤダー。」
「つーか、何回もすれば痛くなくなるものなのかな?」
「わかんない。――てかさてかさ、うちのクラスで、もうした子とかいるのかな?」
「――麻生は? もう童貞じゃないってこないだ自慢してたの聞いたよ?」
「ゲッ、んなの、どーでもいいー。」
3人のあけすけな会話が聞かずとも耳に入ってくる。
奈々は、会話にも入れず困ったように俯いていた。
そこへ、場違いなほど陽気なドラえもんの着メロが鳴り響く。
アタシは、慌てて目の前の携帯を取ってメールボックスを開いた。

96 :

「――――あ、ごめん。お母さんからだ。なんかもう帰って来いってさ。」
「エー、そうなの? な〜んだ、もう一本あるから観ようって言ってたのに〜。」
亜紀の言葉に内心うんざりしながら、左手を目の前に立てた。
「ごめん。また今度ね…。―――アタシは帰るけど、奈々は?」
どうする? と、視線で尋ねると、彼女は、ひどくホッとしたように肩で息をついた。
「……帰る。アタシも夕飯までに帰るって言ってきちゃったから…。」
そう言って、よいしょと立ち上がった。
 
亜紀のウチからの帰り道、奈々は、ずっと無言だった。
アタシは、どうでもいい話を一人でしゃべっていたけど、それもすぐに行き詰った。
最寄の駅で降りて、徐々に電灯のともりはじめる道すがら、ずっと黙ったまま
だった奈々が唐突に言ってきた。
「…あの、あのさ瞳、アタシね…。菅野くんのこと断ろうと思ってるんだ…。」
「そう……。」
頷いたきり、どう言ったらいいのか分からず沈黙が続く。
自転車のおじさんがコキコキ言わせながら私たちの横を通り過ぎていった。
なんでも一番に相談してくる彼女が、告白を受けたことだけは黙っていた。
でもそれは、奈々がアタシに秘密にしようとしていたわけでなく、アタシのほうが、
相談させる隙を与えていなかったせいだった。

97 :

そんな話、奈々の口から聞きたくなかった…。
だいたい、そんなこと聞かされて、アタシはなんて答えればいいわけ?
よかったね、おめでとう、って?
そんなこと口が裂けても言えないよっ。
それに、聞いてしまったあとで、また一人になって悶々と悩むのが厭だった。
全部、アタシの勝手な想いだ。
ようやく親友に言えたと、奈々は、どこかホッとしているようにみえた。
「…菅野くんのことぜんぜん知らないし、男の子のことまだちょっと怖いっていうか、
――なんか、ああいうことしなきゃいけないのかと思ったら、ちょっと…て、思っ
ちゃって…。」
「そうだね…。」
その気持ちよく分かるよ。
アタシが、あのビデオを観ながら、奈々のことを想像したように、きっと奈々も
あの子を自分と置き変えて観ていたのだろう。
奈々の言葉を聞いてひどくホッとしたような、でも、内心はやっぱり複雑だった。
薄暗闇を無言のまま並んで歩く。
真っ直ぐなアスファルトだけれど、なんだか急に足元を掬われるような感覚に
襲われて、そっと手を伸ばした。
奈々の温かい紅葉が当たり前のようにきゅっと握り返してきた。
子供の頃と同じ体温になんだかホッとする。
手を繋いで歩くこの道は、あの頃からなにも変わらないはずなのに風景だけが
違ってみえた。
あの頃と今とでは、身体の大きさも違うんだし、それは、当たり前のことだけど…。
でも、亜紀のおかげで自分だけが、あの頃のままじゃないことを知ってしまった。
いや、あのビデオは気づかされるきっかけだったにすぎない。だって、奈々へのこ
の想いは、もう何年も前からずっと胸の内側にあったことなのだから…。

98 :

アタシだって、あんなふうに。
奈々を抱きしめたいよ。
奈々とキスしたい。
奈々を裸にして、汚してしまいたい。
奈々の初めてを奪いとりたい。
奈々が、どんなに嫌がろうとも……。
奈々も知らないところを暴いて、メチャクチャにしてしまいたい…。
可愛い奈々。アタシの奈々。
アタシが、いまこんなこと思ってるなんて知らないだろう。
こんなのホントの親友なんかじゃないよ…。
でも、奈々が可愛すぎるからいけないんだよ?
たとえ彼とのことがこれで白紙になったとしても、それで安泰でないことぐらい
十分すぎるくらいに分かっていた。
こんなにも可愛い奈々が、次は誰の目に留まるかなんてそんなに遠い話じゃない
だろう……。
そして、そのたびにアタシは、またあの悪夢にうなされ、その人が現れるのをビ
クビク待ち続けるんだ。
そんなの厭だ。アタシの性分に合わないよ。
奈々の隣に居られるだけで十分シアワセだと思っていた自分は、消えていなくなった。
こうして手を繋いで歩けるだけで満足だなんて思えない。えっちなビデオを観ながら、
恥ずかしそうにしていたあの顔を今度は、アタシの腕の中でみてみたいと思っちゃう。
ひどく昂ぶった体の熱は、あのビデオのせいなのか、隣に奈々がいるからなのか分
からなかった。

99 :

アタシの気持ちは、初めて逢った桜の木の下からまっすぐに奈々へと向かっている。
でも、奈々は……?
そんなのわからない。奈々の気持ちなんてわからないよ…。
それでも、アタシは、奈々が欲しいんだ。
でも、この気持ちを伝えるということは、いままでのやさしい関係を壊すというこ
とでもあった。
奈々に後ろを向かれるのがなによりも怖い。アタシは、そうなったらんでしまうか
もしれない。
どうしよう……やっぱりヤメル? 彼女への恋しさと不安で、胸の中がごちゃ混ぜ
になる。
そのとき、ふと足元が明るくなった。
遠くのほうから流れる車のヘッドライトが二人を照らしていた。
アタシは、奈々をガードするように手を引いて、車が通り過ぎるのを待つ。
眩いライト。それが、いまはなんだか希望の光のように思えた。
そんなのやってみなければわからないじゃないか。
きっとだいじょうぶだよ。うん。なんか、だいじょうぶな気がする…。
だから、伝えよう奈々に…。
今まで胸の中に温めていたこの想いを……。アナタが好きだと伝えよう。
奈々が好き。大好き。
心の中でそう決心して、明日、伝えることに決めた。
思わず力んでしまい、奈々にひどく痛がられた。
結局、その日の晩は、興奮しすぎてほとんど眠れなかった――。

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