2013年09月エロパロ330: 7THDRAGON/セブンスドラゴンでエロパロ 第六帝竜 (45) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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7THDRAGON/セブンスドラゴンでエロパロ 第六帝竜


1 :2013/04/13 〜 最終レス :2013/08/28
ここはDS/PSPのRPG「7THDRAGON/セブンスドラゴン」シリーズの二次創作スレッドだ。
成人向け創作を発表するハントマンが数多く訪れるこのスレッドは、
冒険(性的な意味で)の拠点として、重要な意味を持つ場所となるだろう。
なおSSを投下予定のハントマンは、後進のハントマンに配慮して
ネタバレの有無を投下前に明記する事を強く推奨する。
全てのエロを語りつくせ!
公式(無印)
ttp://dragon.sega.jp/
公式(2020)
ttp://dragon2020.sega.jp/
公式(2020-II)
ttp://dragon2021.sega.jp/
wiki(無印)
ttp://www24.atwiki.jp/7thdragon/
wiki(2020)
ttp://www10.atwiki.jp/7d2020/
前スレ
7THDRAGON/セブンスドラゴンでエロパロ 第五帝竜
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1260383454/
過去スレ
7THDRAGON/セブンスドラゴンでエロパロ 第四帝竜
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1245725580/
7THDRAGON/セブンスドラゴンでエロパロ 第三帝竜
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1240392763/
7THDRAGON/セブンスドラゴンでエロパロ 第二帝竜
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1238463258/
7THDRAGON/セブンスドラゴンでエロパロ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1233975381/
保管庫
ttp://7thep.x.fc2.com/index.html
仮保管wiki
ttp://www29.atwiki.jp/nanadorakari/

2 :
>>1
ぬるぽ

3 :
>>2
ガッ

4 :
発売記念

5 :
イクラクンの耳さわさわしてぇ

6 :
ずーっと規制中で全然書き込めないんだけど、
ウィキに直接投稿するしかないかな…●を導入すべきなのか?
なんか金出してにちゃんってのも癪なんだが

7 :
というわけで、ウィキに投稿しといた。
2020のゴスロリちゃん。ハード目だから注意。

8 :
wikiの空腹ルシェシリーズをスレ番毎に整理しました。
シリーズのタイトルとしては『外伝』で合ってるのかな?
261さん達が帰ってくる日を待ってます

9 :
>>7
遅れながらGJ!
リーダーとミイナ、エメルの絡みももっと見れたら、それはとっても嬉しいなって
2020時代と無印時代って、やっぱり竜の知能値も違うのかな?
ニアラさまもフォーマルハウトも片言混じってるし、帝竜は台詞まったく無いし…

10 :
ここって無印の話でもおk?

11 :
おkでしょ
それはそうと5スレ目までに載ってたSSを全て保管庫にまとめることができました
うpロダごとんでて回収できなかった『駆け出しローグの日記 ネバンにて』だけが心残りですが

12 :
保管庫更新乙ー
俺も過去ログはとってあったけど、ロダの方は未確認だったわ……
書き手さん本人が戻ってきてくれるのが一番早いんだがなぁ。他の連載中だった人たちも。
そして新規の人も来てくれるとなおいいんだがなぁ……

13 :
人いなさそうだし、ひっそりと投下してみる。
・2021時代
・導入部分、エロ無し
・侍♂・(福山声)×ルシェ♀(竹達声)を予定
・上記が無理な人は『知られざる13班』をNGお願いします

14 :
――ムラクモ13班――
西暦2021年、日本においてその名を知らない人間はほとんどいない。
東京を中心に各地を侵攻したドラゴン達を、一匹残らず殲滅してみせた人類の希望。
子供たちはその武勇伝に目を輝かせ、13班に助けられた者たちはただただ感謝の言葉を述べる。
そんな、英雄と言っても過言ではない13班ではあるが……
「ええい、鬱陶しい!」
現在の構成員が、侍の青年ひとりだけであるということは、一部を除いてあまり知られていない。
僅か1年で再来した無数のドラゴンと魔物を屠っているのも、彼一人だけだと言われても、一般市民はそれを信じることはできないだろう。
「……ふん、その程度か、ドラゴン。俺一人にも勝てぬようでは……ぐっ……」
その唯一の英雄が数匹のドラゴンを切り伏せる度に、瀕の状態に陥っているなど、さらに信じられないはずだ。
「……一度帰還して、立て直すか」
ぬつもりはなく、しかし幾度となくの淵に立つ青年――レオンはかつての13班のリーダーであった。
かつての彼の仲間は――もうこの世にはいない。
昨年の戦役の元凶であった真竜ニアラとの闘で、彼らはその命を散らせ……
唯一生き延びたレオンもまた重い後遺症が残り、それでもなおこうして再び竜を屠り、新たに現れた真竜の首を狙っているのだ。

※ ※ ※ ※ ※

「俺、いつか絶対13班に入ってみせます!」
「ふん、無理な話だ。貴様が俺の領域に達することなど、未来永劫不可能なのだからな」
「おいレオン、お前また一人で狩りに行ってたのか? あんまり無茶すんなよな」
「誰に言っている? 力無き者を同行させたところで足手まといなだけだ。俺に余計な遺体回収をさせろというのか?」
「確かに俺たちじゃあせいぜい魔物の駆除が精一杯だが……
 ほら、最近はS級の力を持った新人ムラクモが何人か13班に志願しているっていうし。
 この前すれ違った奴は色々すごかったぞ。なんでも歌って踊れて戦える、ちょっとうるさいアイドル――」
「必要ない」
「お、噂の13班を発見! どうだい、戦力増強にこのスーパースターである僕を――」
「帰れ」
疲労を全く感じさせない足取りで、レオンは拠点である国会議事堂を歩く。
かけられる声は早々に切り捨て、向かうのは自室。
人で溢れかえるこの議事堂において、唯一気を張らずに済む場所だ。

15 :
「ふぅ……」
部屋に入り、扉を閉めると同時に大きく息を吐き出す。
やっと一人きりになれたと、全身に込めていた力も抜く。
「まだ……本調子には程遠いな……」
押し寄せるは、尋常ではない疲労感。
任務に復帰して以来、こういったことは日常茶飯事であったが、未だ慣れることはできないでいた。
真竜との戦いで負ったダメージは思いのほか深刻であり、今出せる力は当時の半分以下だろう。
その病み上がりの身体で、単独で雑魚はおろか帝竜まで相手どらなければならない。
かつて戦った叫帝竜と同じように、手負いであった晶帝竜にとどめを刺すのさえ一苦労した。
そんな苦労も知らず、人々は帝竜が倒れたことを喜び、『13班なら大丈夫だ』と期待を寄せる。
それを裏切るわけにもいかず、人々の前では常に気を張り、傲慢なほどに己の力を誇示する。
連日これでは、心身共にくたびれて当然である。
「弁当は……今日は無いか」
部屋の左隅に設置されたテーブルをみやるが、特にめぼしいものはない。
ムラクモの仲間からの差し入れは密かな楽しみであったが、なければないで礼を言いに行く手間も無い。
そう考えたレオンは、一気に重たくなった身体で最終目標地点へと向かった。
ふっかふか……というわけでもないのだが、何故かやすらぎ眠れる寝台へと。
「少し仮眠をとったら、いい加減にあの砂漠のドラゴンを殲滅せねばなら……ん!?」
ふとんをめくりあげた瞬間、レオンの動きはぴたりと止まってしまった。
「すぅ……すぅ……」
そこには、すでに先客がいたのだ。
穏やかな寝息をたてて眠る、白銀髪の少女が。
完全に無防備であり、短いスカートからは柔らかそうな脚やら、さらにその奥地までもが覗き……
「す、すまん! 部屋を間違えた!」
程なくして、掴んでいたふとんを放り投げ、レオンは凄まじい勢いで少女の部屋を飛び出した。
かつて奥義を会得するために戦った兎以上に、文字通り脱兎の如く、なりふり構わずに、だ。
その様子に、近くを通りかかった作業班の面々が何事かと驚いているが、それを気にかける余裕もない。
(お、俺としたことが、部屋を間違えるとは……!
 いくら疲れていたとはいえ、なんという体たらくだ! 俺は一体、どこの部屋と間違えた?
 フロアの右隅……という点においては問題ない。ということは、階層を間違えたのか!?
 信じられん……どこまで抜けているのだ俺は……ん?)
頭を抱え、飛び出した部屋の扉にかかったプレートを見てみる。

         【ムラクモ13班本部 許可のない者の立ち入りを禁ずる】

間違いなく自室だった。

16 :
「貴様あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
突然飛び出してきたかと思えば、今度はそれ以上の速さで、叫びながら部屋に突入。
レオンの奇怪な行動に、作業班の面々は頭にさらに疑問符を浮かべるが、彼らの疑問に答えてくれる者は誰もいない。
本人に聞くのが一番手っ取り早いが、修羅のような形相且つ、帯剣した彼に迂闊に近づいて貫付けされてはたまったものではない。
今見たことは忘れようと、作業班はそれぞれの仕事に戻る。
そんな作業班の優しさなぞ知る由もなく、レオンはずかずかと寝台に近寄っていた。
「むにゅ……」
「く……」
そこには相も変わらず少女が気持ちよさそうに眠りこけていた。
悪意など微塵も感じ取れず、ともすれば子供のようなその寝顔は、思わず起こすのを躊躇ってしまうほどである。
とはいえ、レオンが部屋を間違えたわけでもなく、事実少女が眠るこの場所こそがレオンの寝床なわけで。
僅かに良心が痛んだが、きつい戦闘から帰還した身体はもっと痛んでいる。
ここで休まねば、自分は倒れてしまう。風呂を沸かそうにも燃料は底をついている。
もし、この場に第三者がいたならば、きっとこう言うだろう。
『大人しく別のところで寝ろ。3つ用意してあるんだから』と。
本来三人一組で行動することを想定されている13班。
建築班の計らいで、その居室にも当然3つの寝台と、僅かながら各人用のテリトリーも確保されている。
……のだが。
生憎とこの青年は、枕などが変わると寝付けなくなる面倒な体質だったのである。
「ええい、何者だ貴様は!?
 俺の崇高なる休息を妨害するとは、大した度胸だな!?」
「ふみゅ!?」
心を鬼にし、『起こす』と決めたレオンの行動は早い。
抜刀時のような力強さで、マットレスを鷲掴み。
居合時のような素早さで、それを一気に引き抜く。
かつて披露したテーブルクロス引き芸を応用した、神業である。
当然、突然そんなことをされた少女はたまったものではない。
寝心地は布地から一気に骨組みの冷えた金属へ、しかも枕まで奪われて後頭部を強打。
彼女はなんとも最悪な目覚めを迎える結果となった。
「いつつ……な、なんなんですかぁ、一体!?」
「なんだとはこっちの台詞だ!
 この部屋に入ってもいいのは、弁当の差し入れか緊急事態の時だけだ!
 だというのに、弁当は無し! 暢気に眠り込んでいた貴様が緊急の要件を抱えてるとは思えん!
 とっとと――っ」
「あ、お弁当ですか? すぐに支度しますね!」
「な、おい貴様!?」
頭をさすりながら起き上がった少女は、起きるなりすぐに表情を変えて調理場へと駆けていく。
あまりの会話の噛み合わなさにレオンは頭をおさえ、少女を止める機会をも失ってしまった。
実のところ、会話の噛み合わなさ以上に、少女の頭部にあった――獣の耳に目を奪われたことの方が大きかったのだが。
(あの耳は……)
勝手に部屋の調理器具まで使い、本格的に弁当の作成にとりかかった少女はもはや止められない。
一瞬の隙から追い出すチャンスを無くしたレオンは、仕方なくその少女の後ろ姿を眺めることにした。

※ ※ ※ ※ ※

17 :
「でひまひたー!」
「味見で舌を火傷する馬鹿がどこにいるというのだ……いや、目の前にいたか。
 とにかく、だ。これを食べたらすぐに俺の部屋から――!?」
この食料難の時代に、用意された食事を廃棄するほどレオンは馬鹿ではない。
さっさとたいらげて、さっさとこの謎の少女を追い出そうと考えていたのだが、彼はテーブルから立ち上がることができなくなってしまった。
(う、美味い……だとぉ……!?)
その味は、凄まじい衝撃だった。
確かに、材料はそれなりにいいモノを使っているはずだ。
各地の特選品というわけではないが、入手難易度を考えれば一流の食材と言って相違ない。
一般市民や自衛隊ですら、食事のほとんどはレトルトや缶詰の類なのだから。
問題なのは、この食材を使って自分がかつて料理した時と、あまりにも味が違いすぎることだ。
自分が作った時は、全て一流の食材だからと油断したのも大きかったが、出来上がったのは……
 ● 
こんな感じのブツだった。もう少し後ろが尖がれば、魔物と見間違えるレベルの代物だった。
それがどうして、こんな立派な料理に化けるのだろうか?
「……おい、この料理……まだあるか?」
「んー、まだありますけど……これ以上食べるとお弁当に詰める分が無くなっちゃいますよ?」
「構わん。元から弁当を持っていくつもりではなかったからな」
「そうですかー。なら、お夕飯ってことにしちゃいます? すぐに追加のおかずも作りますから」
「そうだな。さすがにこうも戦い詰めだと腹も……って違う!」
危うく当初の目的を忘れかけ、出された味見分の料理を完食すると同時にレオンは正気に戻った。
「大丈夫です! お塩と砂糖を間違えるような初歩的なミスはしてませんよ!」
「そこじゃない! くそ、何故こうも俺の思い通りに会話が進まんのだ……!
 貴様、一体何者なのだ。この俺の部屋に不法侵入した以上、ただでは済まさんぞ!」
「あ、そういえば自己紹介がまだでしたねぇ。私の名前はクランといいましてー――」
「そうか。では問おうクランとやら。見たところ君はルシェのようだが、ならば来る部屋を間違えている。エメルの部屋は――」
「エメル総長より直々に、本日づけでムラクモ13班に所属することになりましたー!
 というわけですので、以後よろしくお願いします! でも、13班の部屋はここだと思ったんだけどなぁ……」
「なん……だと……!?」
間の抜けた声と、苦虫を噛み潰した表情から生み出される苦悶の声。
全く異なる声が漏れると同時に、レオンは刀を持って再び部屋を飛び出した。
向かう先は、ムラクモ本部――総長エメルの場所だ。

18 :
とりあえずここまで。何か問題がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします

19 :
>>11
乙 ネバンにては俺も読み損ねてたんだよね
ここで後の展開においての重要なフラグが立ってるっぽいから残念でならない
>>18
書いてくれる人がいるだけでありがたい
続き待ってるよ

20 :
NG安定

21 :
>>18

ルシェ♀好きだから楽しみ

22 :
>>11
更新乙!
ローグ日記を全て回収できなかったのは残念だけど、仕方がないか……
ところで、第5帝竜の終わりのほうにPTSSの人のSS二本が別ロダにあがってるようだが
それも回収して保管庫にいれておくべきかね?
>>18
乙!
このスレの作品の多くに言えることだが、エロよりもストーリーの続きの方が気になるぜ
ただ、固有名ある時は最初に書いてくれると助かるかな。ルシェ子の職業も抜けてるっぽいし

23 :
テスト

24 :
復活してる……だと……
エロパロ板から離れていたせいで気づきませんでした、復活おめでとうございます。
「駆け出しローグの日記 ネバンにて」を書いたものです。
該当のデータはこちらの手元からも失われておりまして、
つまりその……冥福を祈ってやってください。
ちなみにネバンにてはざっくり言えば
「千人砲ですっかりどん底の空気になってしまったネバンプレスで、
 志願者の一人の遺書を見つけた主人公のカエラちゃんが遺書を書くとは
 どういうことか、命をかけるとはどういうことなのかを仲間に相談して回った末
 自分なりの結論を出してサクリファイス習得を決める」という話です。
記憶はあるので書き直せないこともないですが、幕間色の強い話なので
書き直すほどのこともないかなと……
それよりも未完作品のほうが気がかりでした。
あと一月半くらいはPCにもろくすっぽ触れない環境なのですが、それが終わったら
また新しいのを書くので読んでいただけたらそれはとても嬉しいです。

25 :
Oh…スゲー良さそうな話なのに勿体無い……。
新しい作品楽しみに待っとるよ。

26 :
>>24
ローグ日記シリーズ大好きでした
ネバンにて読みたかったから残念ー
次の作品も待ってます!

27 :
ふわふわ系女の子のモルちゃんとモルモルしたい。

28 :


29 :
ホッシュ

30 :
投下します

31 :
・セブンスドラゴン2020−U終盤
・エロなし
・NGは「左側の部屋で」

0,
2021年、東京。人と竜との戦いが続く世界。
人類の拠点たる国会議事堂の地下2階にある、政府の特殊機関『ムラクモ』の居住区。
そこにある、人類の刃たる『ムラクモ13班』のマイルーム。……の、同じ並びにある一室。
通称『左側の部屋』。

そこに、今は失われた種族の2人がいた。

32 :
1,
「……」
「……」
室内で、2人は無言だった。
ひとりは女。
少女と言っていい年頃に見える、白いふわふわした獣耳をもつルシェ族の女が、
部屋に備え付けられたベッドに腰掛けて虚空を眺めていた。
もうひとりは男。
少年と言っていい年頃に見える、浅黒い肌と尖った耳を持つルシェ族の男が、
ベッドから見える位置にあるテーブルについて何かの資料を読んでいた。
ルシェの女が口を開いた。
「ねえ、ミツツグ」
ミツツグと呼ばれたルシェの男が応えた。
「なんだ?」
ルシェの女が言った。
「今日のご飯、なにかな」
「……」
ちょっと考えて、ルシェの男は答えた。
「これまでの経験から、缶詰と水の可能性が高いんじゃないかと思う」
「そうだね」
「……」
「……」
ルシェの男が口を開いた。
「なあ、アユム」
アユムと呼ばれたルシェの女が応えた。
「なに?」
ルシェの男が言った。
「今日の夕食は何時って言っていたかな」
「……」
少し記憶を遡って、ルシェの女が答えた。
「17:30だったと思うよ」
「そうか」
「……」
「……」
しばらくして、ルシェの女が口を開いた。
「ねえ、ミツツグ」
ルシェの男が答えた。
「なんだ?」

「わたしたち、13班だよね?」

33 :
2,
ルシェの男は答える。
「そうだな」
「なんでわたしたち、やることがないんだろう」
ルシェの女の問いに、ルシェの男はやはりよく考えてから答えた。
「俺たちは、創られた……生まれてからあまり長い時間が経っていない」
「うん」
「同じムラクモの先生に引率してもらわないと、ちゃんと行動できるか自信がない」
「うん」
「13班は予備員を含めて11人いるけど、そのうち9人は作戦行動に出ている」
「うん」
「残り2人である俺たちに引率がつけられない」
「うん」
「だからだと思う」
「あー」
ルシェの女は納得しかけたが、納得はしなかった。
「できるよ? ちゃんと行動」
「できるか?」
「……」
「……」
「できないかも」
ルシェの女は納得した。
「モトコ、また教えてくれないかな」
少し間を置いて、ルシェの女が言った。
モトコとは13班の一員である。
彼女は潜在的な身体能力がまったく普通ではない普通の女子学生だったが、一年前にムラクモ採用試験に呼び出されて以降
数奇な運命に導かれてドラゴンと戦う道へと踏み入り、立ち塞がる竜を斬って斬って斬り続けた挙句
ついには真竜の頭蓋をも貫いて地球から追い払う最後の一手を決めたというエース中のエースである。
さらに言うと一年後の今大戦でも最初から活躍し続け、帝竜を屠り、多くの命を救い、
そして連れ去られかけた最も特別な少女をアメリカの特殊部隊から取り戻し、その特殊部隊と一緒に議事堂に帰還して、
『あの……サクラバ兄妹との戦いでムキになりすぎちゃって何箇所か大事な腱が切れちゃった……』
と報告して彼女に人類の希望を託す関係者一同を未曾有の大パニックに陥れた張本人でもある。
議事堂襲撃の際、13班の同僚達は生存の不安よりも
絶対戦えない体で出撃したがる彼女をなだめるのに苦労しなければならなかった。
そんな彼女は療養中、新しく13班に入った2人の教育係として自分の技術を教え、あるいは一緒に技術の習得に励んだ。
現在では完全には体は元に戻らなかったものの、快復した彼女は戦闘スタイルをアイドルに転向、
丹田法で鍛えた発声と開発班の超技術メガホンを組み合わせ、並みいる敵の脳天をぶち抜く人間音響兵器と化している。

34 :
ベッドに体を投げ出し、ベッドの下をごそごそやりながらルシェの女が言った。
「モトコに刀の使い方を教えてもらうの、楽しかった」
鞘に納まった日本刀を引っ張り出し、膝に乗せたルシェの女は
お気に入りのぬいぐるみをそうしたようにリラックスして耳をぴこぴこさせた。
ルシェの男が言う。
「モトコがアユムに教えてる間、俺は一人でさびしかったな」
「モトコがミツツグと研究区に呼ばれて、能力開発してる間はわたしがさびしかったよ?」
「一緒に来てたのに?」
「モトコともミツツグともおしゃべりできないから……」
「そうだな」
ルシェの男は頷いた。
「俺もアユムとモトコが練習してる間さびしかった」
「でしょ?」
「そうだった」
「……」
「……」
ルシェの女が言った。
「今は2人でいるけど」
「ああ」
「誰にも呼ばれないと、まだちょっとさびしいね」
「俺もそう思う」

3,
「スキルの練習、しようかな」
ルシェの女が言った。
「……」
アイドルのスキル開発の資料に目を戻していたルシェの男は、
日本刀を持ってベッドからぴょんと降りたルシェの女の方を見た。
「スキルの練習をしておけば、呼ばれたらすぐみんなの役に立てるよね?」
「そうだな」
ルシェの女の言葉に、ルシェの男も少し乗り気になってメガホンを手に取った。
「こうやって……」
「……」
「……」
ルシェの女は日本刀を持った手を腰に当て、構えを取り、そして室内では
武器の抜刀が厳禁であることを思い出した。
ルシェの女は練習するのをやめた。
「………………」
ルシェの女の耳が力なくうなだれた。

35 :
ルシェの男は構えるのをやめたルシェの女を不思議そうに見たが、
すぐにその理由に気付いた。
「……」
気まずかったのでルシェの男は自分も練習するのをやめにしようと思った。
思ったが、ルシェの男の目にふと部屋においてある観葉植物の植木鉢が目に入った。
「……」
なんとなく、ただなんとなく、ルシェの男は
腕をぐるぐると回してその観葉植物に人差し指を向けた。
次の瞬間、突撃グルーヴに操られたルシェの女が観葉植物を真っ二つに斬り飛ばした。

4,
「なにかして、みんなの役に立ちたいね」
飛んできた研究員にしばらくの間日本刀を没収されることになったルシェの女が言った。
「そうだな」
頭にたんこぶを作ったルシェの男が応えた。
ルシェの2人は少しの間考えた。
ルシェの男が言った。
「お弁当を作るのはどうだろう」
「お弁当?」
「働いたあと、おいしいものが食べられると嬉しい」
「そうだね」
「きっと喜んでもらえる」
「うん、役に立てるね」
控えめに表情を輝かせたルシェの女が、ルシェの男に聞いた。
「料理の材料、ある?」
「……」
ルシェの男は少し考えて、言った。
「無い。アユムはあるか?」
「……」
聞き返されてルシェの女は少し考えた。
「これ、できるかな……」
そう言ってルシェの女は『手作り弁当』を出した。
何かのために研究員がルシェの女に持たせていたものだった。
「……」
ルシェの男は差し出されたそれを見た。
それは料理の材料にするのではなく、そのまま仲間に差し入れすべきものだった。
ルシェの男は言った。
「食べ物だから、たぶんできるとおもう」
『普通、料理として完成しているものは更に調理したりはしない』
という知識を、ルシェの2人は持ち合わせていなかった。
ルシェの2人は『弁当』を調理して弁当を作ることにした。

36 :
調理台の前に並んで、そしてルシェの男は言った。
「お弁当はおいしい」
「おいしいね」
「そして回復する」
「回復?」
ルシェの女が聞き返した。
「戦闘中に使うと、3人の体力が回復するらしい」
「どうして?」
「……」
ルシェの男は少し考えて、言った。
「おいしいと力がわく」
「そうだね」
「だから回復する」
「そうだね」
「……」
「……」
「どうしてお弁当は1つなのに3人の体力が回復するのかな」
「……」
「あと戦いながらご飯食べられるかな」
「……」
ルシェの男は煙が出そうになるほどよく考えて、言った。
「1人でお弁当を食べる嬉しさを1とする」
「うん」
「アユムと2人で食べると、2倍くらい嬉しいから2になる」
「うん」
「1つのお弁当を2人で食べると、半分しか食べられないから嬉しさが半分になる」
「うん」
「2倍の半分だから1になる。1つのお弁当を2人で食べると2人とも1嬉しい」
「うん」
「3人で食べると3人とも1嬉しい。3人とも回復する」
「そっか」
ルシェの女は納得した。
「あと」
「うん」
「人がお弁当を食べているのを邪魔するのは、いけないと思う」
「怖かった」
「怖かったな……」
ルシェの2人は何かを思い出して同意しあった。
「だから、お弁当を食べているときは攻撃されないと思う」
「戦いが止まるね」
ルシェの女は納得した。

37 :
ルシェの女が言った。
「じゃあ、料理しよう」
「うん」
「……」
「……」
「料理のしかた、わかる?」
「……」
ルシェの男は少し考えた。
「『しおやき』は知ってる」
「そっか」
「アユムは?」
ルシェの女は少し思い出した。
「『からあげ』ならしってるよ」
「そうか」
「この材料をからあげとしおやきにすればいいんだね」
「そうだな」
ルシェの2人は料理をした。
ダークマターが出来た。

5,
「なにかして、みんなの役に立ちたいね」
食べ物を粗末にした罰として頭にたんこぶを作ったルシェの女が言った。
「そうだな」
普通食べてはいけないものを食べたことによる腹痛からようやく復帰したルシェの男が言った。
目を伏し、頭を傾げ、ルシェの女が言った。
「じりじりする……」
「……」
「どうして、こんなにみんなの役に立ちたいんだろう」
手を組み、深く物思いに沈んで、ルシェの男が呟いた。
「血……」
「え?」
「誰かが、何かしろと言ってる気がする」
「誰か……」
「体の、中で」
ルシェの男が続ける。
「頭の、中で……」
目を閉じ、耳を伏せて、ルシェの女が言った。
「……わたしにも、感じる」
「感じる?」
「体の中を、めぐってる。頭の中にも」
「ああ」
「これが、ルシェの血?」
今は失われた種族の遺伝子を受け継いだ女が、言った。
「そうかもしれないと、思った」
今は失われた民の血を引き継いだ男が、応えた。

38 :
「モトコが言ってた。ルシェという種族のこと。俺たちを創った人が……エメルが言っていたって」
「わたしもマリナから聞いた。マリナは、エメルと会ったことがあるって」
ルシェ族。
かつて存在した海洋帝国にルーツを発する、今は失われた民。
その最大の特徴は、鉱物の声を聞くことが出来る耳でも、優れた頭脳と身体能力を併せ持つことでもない。
その最大の特徴は、地球に存在する命を繋ぐために種の未来を捨てた、その精神性。
他の命を繋ぐために自らの犠牲をいとわない。
その精神性を、ルシェ族は遺伝子に刻み込まれた特性として持っていた。
マリナ。
ルシェの女王の記憶を引き継ぐ、もう一人のルシェの少女。
実のところ13班の2人は、マリナに会う機会はあまりない。
それでも13班の2人にとって姉のような、守ってあげなければならないような、
不思議な血の繋がりを感じる相手でもある。そして、創られた命であると言うことも共通している。
そして、エメル。
アメリカで、そして日本で、ドラゴンを滅するために全ての智恵と技術を振るった科学者。
彼女の憎悪は、竜の力を持って竜を破壊する人類がドラゴンに打ち勝つための牙を生み出した。
また彼女の憎悪は、生命の禁忌に触れる研究で命を『創った』。
しかしその結果としてマリナや2人はこの世に存在し、また憎悪で出来ているはずの彼女が遺した
憎悪以外の何かは、マリナに、そして13班に受け継がれている。
そしてエメルがいなくなった後に、2人は目覚めた。
「ルシェの血が言ってるんだ」
ルシェの男は呟いた。
「自分の近くに居る命を守れって」
「わたしにも、聞こえる」
ルシェの男は続けた。
「この血の声を……そして、エメルの意思を引き継ぐ。それが、俺の生まれた意味」
「……」
「そのために、生きているんだと思う。この気持ちは、生きる理由を教えているんだと思う」
「そうかな?」
ルシェの女が言った。
「それは、きっと、ちがう」
「そうか」
「そう。だって、マリナも、ミロクも、ミイナも、何かのために生きているわけじゃない」
ルシェの男の脳裏に、よく笑い、よく喋り、よく熱を出し、自分達より
背が小さいのにお兄さん、お姉さんのように自分達に接する2人の姿が浮かんだ。

39 :
ルシェの女が続けた。
「オリハルコンを作るため。ナビをするため。そのために、生まれた。そのための力がある」
「うん」
「その力を使って助けたい仲間がいるから、使ってるんだと思う」
「うん」
「そのために生きてるから、って、その力を使ってるんじゃないと思う」
「うん」
ルシェの男が言った。
「そうだな」
ルシェの女が言った。
「生きてることに、理由なんてない。生まれたから生きてるだけ。それだけで、すごく嬉しい」
「そうか……」
「うまく言えないけど」
「いや、わかる」
ルシェの男が言った。
「何かしたいと思うのは、生きてるからなんだ。せっかく生きている、この気持ちを、未来に繋ぎたいんだ」
「……そっか」
ルシェの女は言った。
「やっと、言葉になった。わたしにもわかった」
「うん」
「ねえ、ミツツグ」
「なんだ?」
「わたし、ルシェの血の声を、大切にしてあげたい」
「……うん」
「ルシェは、命を残すために、一回は消えちゃった。でも、もう一度この星に戻ってこれた」
「ああ」
「せっかく戻ってこれた、この、ルシェの心……ルシェの誇りを、わたしは受け継いであげたい」
「……俺も、そう思う」
ルシェの男は同意した。
「ルシェの思いと、俺の思いは、同じだ」
「うん」
「自分の思いを未来に繋ぎたい。自分が大事に思うことができた大切なものを、未来に残したい」
「わたしの思いも、ルシェの思いと同じ」
ルシェの女も続けた。
「わたしは、戦う力をもらって生まれてきた。戦えないみんなのかわりに、戦える力」
「ああ」
「だから、戦いたい。戦えないみんなに、わたし達は負けないってつたえたい」
「ああ」
「……できるよね」
「できる、絶対に」
確かめ合うように、2人は声を合わせる。
「みんなの命と、思いを守る。この名前にかけて、きっと『希望を繋いで』みせる」
光継という名を自分につけた男が言った。
「わたしも……みんなの願いを形にしてみせる。みんながくれたこの名前にかけて、『絶対にくじけない』」
歩という名を仲間に貰った女が言った。
ルシェの2人はお互いをまっすぐに見て、言った。
「これが、『わたし達の意志』なんだね」
「これが、『俺たちの意志』なんだな」

40 :
6,
「……なあ、アユム」
ルシェの男が口を開いた。
「なに?」
「13班は、仲間だよな?」
「仲間だよ」
「……」
少し沈黙して、ルシェの男がまた言った。
「ムラクモのみんなも、議事堂のみんなも、日本もアメリカも……みんな、仲間だよな?」
「仲間だよ?」
「みんなを守って、みんなの未来を繋ぐことができれば、『俺の意志』は貫けたことになるよな……?」
「……」
ルシェの女は、ルシェの男を見て、柔らかな声で言った。
「どうしたの」
「……」
「どうしたの、ミツツグ」
ルシェの男は静かに語り始めた。
「ドラゴンを追い払えば、この星は未来へ残る」
「うん、そうだね」
「マリナも、モトコも、ミロクとミイナも、人間の希望と歴史を、繋ぐことができる」
「うん」
「だけど」
ルシェの男は言った。
「ルシェは、繋がらない」
ルシェの女は言った。
「どうして?」
「数が少なすぎる」
現在、地球に3人しかいない種族の男が続けた。
「生き物には、種を存続させるために必要な絶対数がある」
「うん」
「俺たちは、3人しかいない」
「うん」
「どうしても、足りない」
ルシェの女は、小刻みに相槌を打ちながら、ルシェの男の話に耳を傾けていた。
「ルシェは、人間との間に子供を作れない」
「……うん」
「ルシェは、人間に混じって、一緒に命を繋ぐことができない」
「…………うん」
「ルシェは、俺たちと一緒に、もう一度消える」
「………………」
未来の閉ざされた種族の男が、そう言って黙った。

41 :
「……」
「……」

「……じゃあ」
未来を閉ざされているはずの種族の女が、口を開いた。
「わたしと作る? ……子供」

「……」
ルシェの男は、ぽかんとしてルシェの女を見つめ、しばしの間沈黙した。
「ええと……」
ルシェの男は言葉を選びながら、説明しようとして口を開いた。
「存続に必要な数とかは、そういう問題じゃなくて」
「うん」
「ええと」
「でも」
ルシェの女は、言った。
「子供ができたら、その子がいる間、ルシェは続くよ」
「……」
「子供を作らなかったら、それで終わり」
「……そうかもしれない」
ルシェの男は考えながら言った。
「『ルシェを残す意志』がなければ、ルシェは残らない」
「うん」
「『ルシェを残す意志』があれば、なにか、いい方法が見つかるかも……」
「そうだよ」
「そうか」
「そんなかんじのこと、言いたかったんだよ」
「そうか」
テーブルを挟んで向かい合うルシェの2人は、お互いを見た。
「それで……」
「ああ」
「どうする?」

「……」
ルシェの男は、よく考えて、言った。
「……今、戦わないといけない俺たちは、子供を作るのが難しいと思う」
「あ」
ルシェの女は今気付いたように声を上げた。
「そっか」
「ああ」
「そっか……」
「ああ」
二度同じやり取りが繰り返された。

42 :
「じゃあ」
「うん」
「ドラゴンを追い払ったら、どうする?」
「……」
「……」
ルシェの2人は向かい合ってしばらく考え、やがて同時に首を傾げた。
「どうしようか」
「どうしようか」

7,
『左側の部屋』のドアの前で、アメリカの特殊部隊の現リーダーの女が言った。
「あいつらなんて話を……っていうかなんでここに? 部屋に入れない……」
〈終〉

43 :
投下完了。ものすごく遅れてごめんなさい。
未完結作品については現在大規模に編集を行っています。
才能の限界を感じまして……SSらしいテンポのいい感じに直したいです。
そのため短編をひとつ投下してお茶を濁させていただきました。
本当に申し訳ありません。もうしばしお待ちください。

44 :
ほしゅ

45 :2013/08/28
ほしゅっ
折角エロパロスレ復活したのに...
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