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2012年7月エロパロ13: 【古典部・氷菓】米澤穂信作品でエロパロ【小市民】 (442) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【古典部・氷菓】米澤穂信作品でエロパロ【小市民】


1 :12/05/01 〜 最終レス :12/07/06
〈古典部〉シリーズ
〈小市民〉シリーズ
〈S&R〉シリーズ
ボトルネック、インシテミル、etc.
米澤穂信作品でエロパロ小説を書きましょう。

2 :
@過去スレ
【小市民】米澤穂信作品でエロパロ【古典部】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1168939470/
米澤穂信作品でエロパロ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1267891861/
@保管庫
2chエロパロ板SS保管庫
http://red.ribbon.to/~eroparo/
 →ENTER →ライトノベル、その他小説の部屋 →その他小説の部屋

3 :
アニメではイメージしてた以上に可愛くなってたな

4 :
えるが近すぎて俺の性欲がマックスなんだが?
だれが責任取るの?

5 :
立ったのか。
にわかで知って、前に過去ログ見たら面白いの何本かあったな。
盛り上がったらいいな。
他力本願で申し訳ないが。

6 :
福部と伊原で頼む

7 :
前スレの◆g6L9hfHG6M氏はまた来てくれないだろうか

8 :
なんか復活してた

9 :
古典部とか本当に大好きだから、エロ書くのためらうな

10 :
全然見ず知らずの人に痛めつけられる系は嫌だな
薄い本でも
甘々なほうがいい

11 :
今更アニメ化したのに驚いた
五年以上昔にホータロー×えるのエロ小説をコミケで出したがちっとも捌けなかった
今なら売れるだろうか?

12 :
>>11
俺が買う

13 :
もっと原作が面白ければはかどるが、この人のは大概が半端な出来なのが残念だ
絵がいいのが救い

14 :
うん?

15 :
アニメから入った者ですが、省エネ主人公でエロパロがあるってびっくりした(いい意味で)

16 :
なんでも貼ってくれていいのよ

17 :
冬期限定は出す気あるのか?

18 :
男性の体がどうなってるのか、
私、気になります

19 :
包太郎がですな

20 :
盛りあがらんな

21 :
投下するときってトリつけたほうがいいの?

22 :
>>13
『折れた竜骨』とか『犬はどこだ』あたりを読めばいいんじゃね
絵はないけど

23 :
絵とか言ってる時点で……

24 :
アニメで気になって読んだけど、原作結構読みやすくて面白かったけどな
原作が小説な分、SS書くのは難しそうな気がするけど

25 :
>>21
トリより、名前欄に題名と分割数を入れてくれた方がありがたい。

26 :
福ちゃんが好き過ぎて摩耶花が……

27 :
せっかくスレが立ったのに投下作品がないな
勿体ないので俺の妄想でも垂れ流そう
今回エロはない
わがままですまないが、甘々なのが好きなんだ。だからエロい事する前にちゃんと恋人同士になって欲しいので
時系列は『遠まわりする雛』直後くらい
※二人の距離の〜は未読
早く読みたい

28 :
「こんにちは、折木さん」
「ああ」
 放課後の地学講義室、すなわち古典部の部室に入ると先にいた千反田が声をかけてきた。
 俺は鞄を机に置き、開いてる窓のそばの席に座る。
 三月にしては今日はかなり暖かい方でそよいでくる風が心地良い。
「今日は摩耶花さんも福部さんもいらっしゃらないそうです」
「? そうか」
「だから、今日は、二人、ですね」
「? そうだな」
 千反田が少しおかしい。
 いや、おかしいのはいつものことか。つまりいつもと様子が違う。
 基本的に古典部はこれといったまともな活動をしていないので、誰が来ようと来まいとどうでもいいのだ。
 だから改めて誰がどうとか伝えないし、今まで俺と千反田の二人だったことも幾度となくある。
 それをわざわざ確認するということは。
 俺がそっちを見ると、今までこちらを見ていたであろう千反田がさっと顔を背ける。
 また何か話があるのだろう。厄介事か、相談事か。
 しかし一向に話し掛けてはこない。落ち着きなくそわそわし、時折こちらを窺ってはまた目を逸らす。これでは呑気に本を読んでいられる状況ではないだろう。
 かと言って自分から水を向けるのも信条に反する。
 ならば。
「さて、帰るかな」
「え、も、もうですか!?」
 読んでいたペーパーバックを閉じて立ち上がると、案の定千反田は焦った声を上げた。
 かと思うと一度大きく深呼吸をして何かを決心したかのようにぎゅっと目を瞑り、カッと見開いてこちらにずかずかと寄ってくる。
 その勢いに思わず後ずさるが、千反田は密着するぐらいに身体を近付けてそのまま唇を合わせてきた。
 …………え?
 唇を合わせてきた?
 誰が? 千反田が。
 誰に? 俺に。折木奉太郎に。
 つまり俺は今、千反田にキスされているのだ。
 すっと身体を離した千反田が茫然とする俺を見つめながら口を開いた。
「好きです、折木さん」
「…………順番がおかしくないか?」
 突然の千反田の告白に混乱し、見当外れな言葉を返してしまう。
 千反田の大きくて真っ直ぐな瞳は冗談を言っているのではないことを証明するかのようにキラキラと輝いている。
 綺麗だなとか思ってしまうあたり、まだ俺は混乱状態から抜け出してないようだ。
「あー、千反田」
「はい!」
「その、なんだ、聞き間違えたかもしれん。もう一度言ってくれないか?」
「……折木さん、私ものすごく勇気を出して言ったんですが」

29 :
 ということは聞き間違いではないのか。
 それでも千反田は再び俺を見ながら言う。
「私、折木さんが好きです」
 ご迷惑でしょうけども、と前置きをして言葉が紡がれていく。
「初めて会った時から気になって、色々折木さんに助けてもらい、気が付いたら好きになっていました。折木さんは強く、優しく、素敵な人です」
「……買い被り過ぎるなと以前に言ったはずだが」
「私がそう思っているだけですから」
 やれやれ。この頑固なお嬢さまには何を言っても無駄か。
「ごめんなさい。でも、どんなに迷惑に思われても、この気持ちを伝えたくて」
「別に謝らなくていい、驚きはしたがな」
「いえ、突然こんなことを言われたら戸惑うのも当然です。本当にすみません」
「謝るなと言っているだろう」
 俺は椅子に座り直した。
「好きなやつから告白されて迷惑などと思うものか」
「そうですか、それは良かっ…………え?」
 千反田の目が大きく見開かれる。
 俺は自分の台詞に恥ずかしくなってそっぽを向いた。
「お、折木さん、今なんて言いました?」
「知らん」
「折木さん!」
 千反田は先程のようにずかずかと寄ってきた。
 顔をずいっと近付けて問い詰めてくる。
「折木さん!」
 あー、うるさい。
 俺は千反田を強引に黙らせた。
 千反田がしてきたように今度は俺から。
 自分の唇でもって相手の唇を塞ぐ。
 すぐに離れ、再びそっぽを向く。千反田を直視できない。
「まあ……そういうことだ」
「…………はい!」
 いつも以上に元気溌剌な返事がくる。
 そのまま俺の真横に椅子を用意して、千反田はそこに座った。
 そっと身体を寄せられて俺の心臓がどきんと高鳴る。
 この雰囲気はまずい。俺が耐えられない。
「あー……いきなりキスされるとは思わなかったぞ」
「す、すみません! 私も色々混乱してしまって……」
 まあ、さっさと話をさせるために混乱させたのは俺なのだが。まさか告白されるとは思わなかった。
 ちら、と千反田を窺うと、少し紅潮しながらもにこにこと笑顔を俺に向けている。
 その笑顔に吸い込まれるように俺は顔を近付けていく。
「お、折木さん?」
 千反田が戸惑った声を出すが、俺は構わずさらに接近する。
 そして。
「……んっ」
 三度俺たちの唇が重なった。
 互いの背中に手を回し、抱きしめ合う。
オープニング終了
エロいのはまた今度
奉太郎って性欲あるのかしら?

30 :
きゃわわ
GJすぎる
一応、摩耶花に蔑んだ目で見られるようなものはちょっとd

31 :
切れた…
ちょっとだけ部屋にあるらしいね

32 :
>>29
おおおおお!こっ、これは…!
GJ!続きも頼む

33 :
>>29
グッジョブ!
> 奉太郎って性欲あるのかしら?
奉太郎が無気力気味というか省エネ主義なのは、賢者モードになっているからではないだろうか?
だから家では猿のように……

34 :
姉に性的にも振り回されていたので振り回されてないと興奮しない性癖に

35 :
 その日、放課後の部室には俺と千反田しかいなかった。
 里志はどうも伊原とともに先に帰ったらしい。二人が連れ立って階段を降りていくのを
俺はさっき偶然にも目撃している。声をかけなかったのは少し距離があったためだ。特に
用があるわけでもないのに大声で呼び掛けるのは、省エネ主義に反する。
 まあ近くにいたとしても、おそらく声はかけなかっただろう。
 しばらく前から二人は交際を始めた。中学の頃からアタックし続けてきた伊原の努力が、
ようやく実を結んだのだ。そんな長年に渡ってはぐらかし続けてきた里志の神経を、俺は
正直こころよくは思っていなかったが、お互いにとっていい結果になったのなら何も言う
ことはない。
 そんなわけで声をかけなかったのも当然といえば当然なのだ。誰が好んで新米カップル
の邪魔をする。いや、そういう下世話な暇人もいるかもしれないが、俺には無縁の行動で
あることは間違いない。面倒だし、伊原に噛みつかれるのも避けたいし。
 俺は窓際の席に座って文庫本を流し読みする。いつもの定位置ではないが、今日は暑い
から。
 ふと、顔を上げる。
 千反田は黒板左前の席に着いて、なにやら考え込んでいるようだった。
 いつもなら千反田は読書をしているか予習をしているか、伊原がいれば談笑しているか、
大体そのあたりに落ち着いている。
 しかし今日の千反田は、読書も予習も、当然談笑もしていない。ただ一人で何事かを考
えている。
 俺は声をかけなかった。なんとなく、嫌な予感がしたのだ。
 お嬢様の好奇心は、常日頃からあらゆる方向に発揮されていて、ちょくちょく俺も巻き
込まれてきた。できれば俺はこの古典部で、何事も変わらぬ日々を平穏のまま過ごしたい
のだが、やつが抱く疑問と好奇心がどうにもそれを許してはくれない。
 触らぬ神にたたりなし。こちらから近づいてわざわざ苦労をする必要はない。ただでさ
え千反田の好奇心の対象は、めんどくさい話であることが多いのに。
 そう思って、俺は手元の文庫本に再び視線を落とした。いや、落とそうとした。
 だが、その寸前、千反田がこちらを向いた。
 落とそうとした視線が、千反田のそれとぶつかる。
 しまった。そう思ったときには、千反田は大きな瞳に強い光を灯して、椅子から立ち上
がった。そのままこちらに向かって近づいてくる。俺は逃げ出すこともできずに、その瞳
を見つめることしかできない。
 席の前に立って、千反田は口を開いた。
「あの、折木さん。折り入ってお話があるのですが」
 その前置きに、俺は少し違和感を覚えた。いつもとは調子が違う。
 そこで気づいた。目の調子が違うのだ。確かにその大きな瞳には、強い光を宿している
が、いつもの好奇心に満ちたきらきらしたものとは違って、もっと憂いを帯びていた。声
の調子も、うきうきした風ではなく、少しトーンが低い。
 俺はその様子を見て、居心地が悪くなった。何の話かはわからないが、ちょっと無視で
きない気がする。
「とりあえず座ったらどうだ」
 とりあえずそう言ってみる。
 千反田はうなずくと、前の席に静かに腰掛けた。こういうときの千反田の所作はどこと
なく洗練されていて、育ちの良さを感じさせる。楚々とした雰囲気は、黙っていると本当
に深窓の令嬢を思わせる。
 千反田は小さく息を吐き、話し始めた。
「実は、摩耶花さんのことでお話があるんです」
「伊原?」
 伊原がどうかしたのか。今日はもう里志と一緒に帰った。そのことを千反田は知らない
かもしれないが、俺たち古典部員は、部室に毎日顔を出しているわけではない。だから伊
原が今日来ていなくても、何か問題があるわけではないはず。つまり、今日来ていないこ
ととは関係ない別の話なのだろう。
「伊原がどうかしたのか?」
「いえ、その……」
 言いよどんで、千反田はなぜか目を伏せる。どうにもらしくない風だ。こういう態度を
見せられると、いつもとは勝手が違って俺は落ち着かなくなる。
「……折木さん。ひょっとして摩耶花さんは、何かの病気にかかっているのではないでし
ょうか?」
「……はあ?」
 俺は予想外の言葉にあっけに取られた。

36 :
 病気? 伊原が?
 どういうことだ、と問う前に千反田が語りだした。
「実は先日、摩耶花さんを街中で見かけまして。そのときわたしは調べ物があったので図
書館に向かう途中だったのですが、いえ、それだけじゃなく文具店にも用事がありました。
シャープペンシルの芯と、コピー用紙を買う必要があったので。……えっと、それで摩耶
花さんの姿が見えたので、わたしは声をかけようとしたんですが、摩耶花さんはその前に
建物の中に入っていきました。最初は気づかなかったんですけど、よく見るとその建物は
病院だったんです」
「……恋合病院か?」
「え? あ、いえ、入須さんのところではありません。もっと小さな病院です。そこに摩
耶花さんが入っていったので、もしかして風邪にでもかかったんじゃないかと思ったんで
す。一昨日のことでした。土曜日ですね。でも今日は何事もなく学校に来ていました。そ
こで摩耶花さんに一昨日のことをお尋ねしたのですけど、風邪ではないと言うんです。じ
ゃあどうして病院にと訊くと、ちょっと困った様子になってしまって、言いたくないこと
なら無理に訊くことはないと思い直して、そのときはもうそれ以上訊いたりしませんでし
た。でも、何も用事がないのに病院に行くことなんてあるんでしょうか。もしかしてわた
しにも話せないような難病にかかっているのでは……そう思ったらだんだん不安になって
きて、わたし、心配なんです。もちろん摩耶花さんが話したくないことなのはわかります
し、それを詮索するのはいけないことだと思うのですが、もし摩耶花さんが深刻な病気に
かかってしまっているのであれば、何か力になれないかと思うのです。何事もなければそ
れに越したことはありませんが、病院というのがどうしても気になってしまって……折木
さん。こういう場合、どうすればいいのでしょうか」
 そこまで聞いて、俺は思わずため息をついてしまった。
 聞くんじゃなかった。そんな思いにとらわれる。重い話だからではない。本人にとって
は深刻かもしれないが、俺にとってはそう重い話でもない。どちらかというと重いという
より気まずい話だ。伊原にしては迂闊なことだ。いや、里志にしては、か?
 さて、どう説明したものやら。とりあえず無難なところから話していくか。
「まず考えられるのは、その病院に入院している知人がいて、見舞いに行った場合だな。
それなら伊原は病気にかかっているわけではないことになる」
「それはわたしも考えました。ですが病院に入っていくとき、摩耶花さんはバッグ以外何
も持っていませんでした。摩耶花さんはとても気の利く方ですから、お見舞いならそのた
めの品を持っていくと思うのです。バッグは小さなものでしたし、何か品物が入っていた
とは思えません」
 やつが気が利く人間かどうかは俺にはわからないが、手土産の一つも持たずに見舞いと
いうのも気が引ける話だ。見舞い説の可能性は低いかもしれない。
 元々通院するような身の上だとしたらどうか。伊原に持病やアレルギーの類はなかった
と思う。この一年風邪をひいた様子もない。俺よりもずっと仲のいい千反田の方が、やつ
の事情には詳しいだろうから、千反田に心あたりがない以上病気ではないと思われる。つ
まり通院の必要はない。
 そうなるとやはりもう一つの説が有力だ。しかし話しづらい。特に千反田には。

37 :
「……まあ、たぶん病気ではないな」
「本当ですか?」
 千反田がぐっと顔を近づけてくる。俺が顔を心持ち引くと、千反田も居住まいを正した。
「元気に学校に来たんだ。深刻な病気じゃないだろうよ。自己管理はできるやつだろうし、
深刻な病気ならお前にも話すさ」
「そうでしょうか? 心配をかけたくないから、無理をするということも……」
「他のやつにならそうかもしれない。だがお前になら、もう少し腹を割って話せると俺は
思う。お前は口が堅いから、人に言えないことでもお前になら話せるさ」
 むしろ全部話しておいたほうが、いらん好奇心を煽らずに済むしな。言わないが。
「そこまで摩耶花さんに信頼されているとしたら、とても光栄なことです。でも、それな
らどうして今回のことは話してくれなかったのでしょう」
「お前がさっき言っただろう。話したくなかったからだ。たぶんお前だけじゃなく、誰に
対しても話しにくいことだ。特別お前に話さなかったわけじゃない」
「折木さんはもうそのことの見当がついているんですか?」
「まあな……ちょっと話しづらいが」
「よかったら、聞かせてくれますか」
 気が進まない。できることなら話を切り上げて帰りたい。だが俺を見つめる二つの目が、
そんな逃亡を許さない。こいつはどうして俺にそんな期待の目を向けてくるのか。俺は期
待なんかされたくないのに。
「……気は進まんが、まあいいか。言っておくが、間違っている可能性もある。絶対の正
解だとは思わないでくれ」
「……。はい」
「納得したら、今後このことには触れるな。気まずいからな」
「あの……そんなに気まずい話なのですか?」
 千反田は首をかしげる。
 そこまで難しい話ではないと思うが、千反田は気づかないのだろうか。
「……避妊薬だ」
「は?」
 小声になってしまったか。俺は気まずさを振り払うように、開き直って繰り返した。
「避妊薬を処方してもらったんだ。たぶん」
「……………………」
 千反田は放心したように、しばらく固まっていた。
 こういう話題に不得手だろうことは十分予測がついた。かく言う俺の方もどちらかとい
うと苦手な話だ。だから言いたくなかったのに。
 やがて金縛りの解けた千反田が、顔を真っ赤にして叫んだ。
「そ、それは、あの、ええっと」
「里志と付き合っているんだ。そういうこともあるさ」
「それは、そうかもしれませんけど、ということはつまり、その、」
「いや、あいつらが避妊に失敗したとは限らない。さっきは俺もそう考えたんだが、単に
より確実な方法を選んだだけかもしれない。確かなことはわからんが、そういうことには
慎重だと思うぞ」
 コンドームとピルを併用すれば、避妊効果はより高まるという話を聞いたことがある。
費用に関してまでは知らないが。
「……わたし、摩耶花さんを困らせてしまったかもしれませんね」
 俺は肩をすくめる。まあ親しい友人だからこそ、そういうことは話しづらいだろうしな。
「さすがに配慮が足りませんでした……。察するべきだったのに」
「まあ気にするな。気にしても仕方ないぞ」
 俺としてはもうこれ以上話題にしたくない。千反田が納得したのならこれで打ち切りだ。
心なしか、つい早口になってしまう。

38 :
 ふと、目が合った。
「……」
「……」
 気まずい沈黙。
 放課後の部室で、本人のいないところでプライベートな部分に触れてしまって、なんと
も言いがたい空気になってしまって、果たしてこういう場合一番適切な行動はなんだろう
か。
 千反田の頬が恥ずかしそうに赤く染まっている。
 俺も少し顔に熱を感じる。赤くなっているかどうかはわからないが、たぶん目の前のお
嬢様とそう変わらない色に染まっているだろう。
「……」
「……」
「……あの、折木さん」
「……なんだ」
「ありがとうございます。おかげで、疑問が解けました」
「……いや。俺の方こそすまん。もう少しましな言い方があればよかったんだが」
「いえ、相談を持ち込んだのはわたしですし、摩耶花さんも心配いらないことがわかりま
したから、本当にありがとうございます。それと、ごめんなさい」
「いいさ。気にするな」
 すると千反田は、席を立って窓際に近づいた。
「……わたしも、もう少し経験を積むべきなのかもしれません」
「……何の話だ」
「摩耶花さんをもっと見習うべきだという話です。わたし、摩耶花さんみたいにはがんば
れませんから。……少なくとも、今のところは」
「……伊原みたいに口が悪くなったら、俺は困るぞ」
「そういう意味じゃありませんよ」
 振り返って、微笑む。
 その微笑をたたえた顔に何も言えなくなり、大きな瞳から逃げるように、俺はそっと目を逸ら
した。

39 :
すみません。ちょっと番号間違えました。

40 :
いいねいいねェ、二人のやりとり最高だぁ
えるはその後摩耶花に会うたびにちょっと意識しちゃうんだろうな
過去のまとめとか見たけどここはエロなしでもいいのかな?
だとしたら書きたい話がそれなりにあるんだが
んで、>>28で三月って書いたがよく考えたら雛って4月の話じゃねーか!すまん
>>34
だったらえるは奉太郎にぴったりじゃね?

41 :
俺の知るかぎりでは、エロなしでも歓迎!というスレが多いね
古典部のSS自体少ないだろうし、いいんじゃない?

42 :
>>22
そこまで行ってやっと面白い感じ?
>>23
絵はアニメの話で、作画がいいから見てられるなあってこと。一話見てからすぐに原作読んだら、こういう感想になった。

43 :
http://nullpo.vip2ch.com/ga12299.jpg
http://nullpo.vip2ch.com/ga12300.jpg

44 :
原作がどうのとか作者がどうのとかどうでもいいからエロいのをはよ

45 :
>奉太郎って性欲あるのかしら?
「省エネ主義で他人や数多の事柄に無関心に見える折木さんはむっつりなのかそうでないのか……。
 つまり性欲があるのかないのか……わたし気になります!」
「そうだね。確かに疑問ではある」
「わたしは別に……それよりふくちゃんが、その、わたしに……」
「とは言え、どうすれば良いのでしょうか?」
「根本的な事から確認しよう。まず、ホータローは勃つのか勃たないのか?」
「成る程。機能するのかしないのか、からですね」
続きません。

46 :
>>45
続こう

47 :
続けてもいいのよ?

48 :
続きはどこにあるのでしょう?わたし気になります!

49 :
摩耶花かわいすぎる続けてください

50 :
エロなしでもいいなら心置きなく
>>29の続きってことで
「ちーちゃんってさ、なんか最近ずっと機嫌いいよね」
「何か良いことでもあったんじゃないかな」
 放課後の地学講義室、つまり古典部部室で里志と伊原がそんな話題を口にした。
 もし千反田がこの場にいたらさぞかし慌てふためいたことだろう。
「ホータローは何か知らない?」
「知らん」
 ペーパーバックから目を離さずに俺は里志に答えた。
 当然俺は理由を知っている。というか機嫌のいい理由がこの俺だ。要するに俺と千反田が付き合い始めたからなのだが。
 『二人に気を遣わせたりするのはどうかと思うのでこのことは秘密にしておこう』という言葉に、千反田は一瞬だけ不満そうな表情を浮かべたが、すぐに破顔して頷いた。
 喜びを他と共有出来ないのは残念だが二人だけの秘密ができて嬉しい、といったとこだろう。
 …………いつから俺は千反田専門心理学者になったのやら。
 ふう、と溜め息をつくと里志がにやにやと話し掛けてくる。
「駄目だよホータロー、溜め息を一つつく度に幸せは逃げると言うよ」
「逆だろう、幸せが逃げると溜め息をつくんだ」
「なるほど、つまり」
 里志は大仰なポーズをとる。
「少なくとも今のホータローは逃げるくらいの幸せを持っているということだね」
「お前のポジティブ思考がうらやましいよ」
 まあ確かに。
 幸せと言えば幸せなのだろう。
 適度な学校生活を送り、適度な私生活を送り、好きな人がいて付き合っている。
 平均的に見ても灰色というよりは薔薇色よりの高校生活だ。
 特に薔薇色なんぞ求めていなかった俺が、だ。
 思わず苦笑してしまう。
「……折木、気持ち悪いわよその笑い」
 奇遇だな。俺もそう思う。
「さて、そろそろお暇しようかな」
「あ、あたしも」
 里志が鞄を手に取ると伊原も立ち上がる。
「ホータローは?」
「もう少しでこれが読み終わる」
「まだいるってことね」
「じゃあ戸締まりは頼むよ」
「ああ」
「千反田さんが来たらよろしく言っといて」
「……ああ」
 里志は何か気付いているのだろうか。いや、勘繰り過ぎだ。
 しかし。
 二人が出て行ってあと、窓の外を眺める。
 まだ完全下校時間には余裕があった。それでも大した内容ではないペーパーバックの続きを一気に読んでしまおうという気にはならない。
 つまるところ俺は。
 千反田が来ないか期待しているのだ。
 そして。

51 :
「あ、折木さんまだいらっしゃったんですね」
 ガラガラと扉を開けながら千反田が入ってきた。
「ああ。用事は済んだのか」
「はい」
 古典部部長として何らかの集会に参加していたらしい。ご苦労なことだ。
 千反田は後ろ手に扉を閉め、真っ直ぐこちらに寄ってくる。
 そのまま俺の隣に座り、黙ったままにこにこと笑顔を俺に見せた。
 この無邪気に向かってくる好意が俺は苦手だ。簡単に言うと気恥ずかしいのである。
 俺たちの関係を秘密にしているのも単に俺が恥ずかしいからというのが大きな理由だったりするのだ。
 少し俺が身を引くとその分千反田が身体を寄せてくる。
「あんまりくっつくな、離れろ」
「えー、いいじゃないですか。誰も見てませんし」
 何というか、こいつには危機意識はないのだろうか?
 普段から省エネ省エネ言ってまるで枯れてる扱いをされてはいるが、俺だって一介の男子高校生なのだ。
 ここは少しお灸を据えておかねばなるまい。今後の俺の平常心のためにも。
 俺は千反田の肩に手を回し、ぐいっと抱き寄せる。
「きゃ……」
 小さな悲鳴が上がるが抵抗はない。驚いただけのようだ。
 ならば。
 俺は千反田の身体を撫で回し始めた。
 とはいっても背中や頭、腕あたりだが。
「お、折木さん?」
 特に避ける素振りは見せない。
 頬や首筋、そして服の上から鎖骨や腹などを指でなぞっていく。
「う、うう……」
 これでも逃げないとは驚きだ。
 が、これ以上はさすがに可哀相だろう。俺は両腕を離し、千反田を解き放つ。
「わかったか?」
「え、な、何がですか?」
「あまりくっつかれると俺が変な気分になる。少しは気を遣え」
「え、えと、わかりましたっ!」
 突然ぐっと拳を握り締めたかと思うと、千反田はいきなりがばっと俺に抱きついてきた。
「! お、おい千反田!?」
「わ、私で変な気分になってしまったからきちんと責任を取れってことですね!?」
 違う! 全然違う! 苦しいから離れろ!
 しかし思ったことに反し、言葉が口に出てこない。
 いい匂いがしたりいろいろ柔らかかったりで思考が混乱する。
 それでもどうにかこうにか千反田を引き剥がした。
「お前、意味が分かって言ってるんだろうな」
 その言葉に千反田は両手の指を絡めながらもじもじする。
「その、はしたないかもしれませんが……折木さんになら、いいです」
 その顔は真っ赤に染まっていた。
続かない

52 :
>>51
続こう

53 :
>>45を続けてみた
「折木って名前からして機能してないんじゃ……って何言わせるのよ……」
「名は体を表す、ですね」
「ふたりとも手厳しいね。しかし、機能すればあるも同然。
 機能するからあるのか、あるから機能するのか、順番はさておき連動しているからね」
「ふくちゃんはその機能をわたしに……」
「機能の有無を確認するにはどうすれば良いのでしょうか」
「対象が能動的になることが望めない以上、五感の……視覚・聴覚・触覚に訴える事かな」
「視覚と聴覚と触覚に訴える……」
「嗅覚と味覚はいらないのですか?」
「その二つは傾向として特殊だから、まずは除外だね」
「ふくちゃんは特殊ってことは……ないよね?」
「僕はノーマルだよ。ホータローはどうだか分からないけど」
「折木さんはノーマルでない特殊な性癖を持っている可能性もあるということですか」
「まあ、折木だしね」
続きました(過去形)

54 :
流れを読まずにとりあえず、出来たので。
 俺は、常々省エネを心がけており、無駄なことをせずに静かに過ごして、地球に優しい
人生をしていこうと思っている。そんな俺に、海外に出張している姉から手紙が届いて、
廃部になりそうな、古典部に入部して欲しいというのだ。
 部員が一人も居ないので好きにやってもいいというので、職員室から部室の鍵を借りて、
夕方の旧校舎にやってきた。鍵を開けて入ろうと思ったら、開かない。
 もう一度鍵を回してみると開いた。ということは施錠してなかったのかもしれない。
 まあ、廃部寸前の部室だから、そういうこともあるのだろうと思って入ってみると、
窓際に一人の女生徒が居た。まさか、部員が居たのか?
「あの…、古典部の人ですか?」
 夕焼けの逆光の中、さらさらのロングヘアの美少女がこっちを振り向いた。
「…いえ、この場所が気に入っているので。あなたが古典部の人ですか?」
「ええ、自分一人だけだと思いますが」
 すぅっと彼女は俺に近づいてきた。瞳のきらきらした好奇心に満ちた目、淡い色の唇。
「わたしは、千反田えると言います。あなたは?」
「僕は、折木奉太郎です」
 彼女は俺に抱きついてきて、匂いをかいでいる。
「いい匂いがします。えるって呼んでください、奉太郎さん。わたしも古典部に入って、
いいですか?」
「いいけどさ、急に抱きつくなんて……悪い気はしないけど」
 手触りの良い髪の毛を撫でてしまう。彼女の体温が上がった気がした。
「わたし、気になるんです。どうです?小さいでしょう?」
 えるは、セーラー服の胸を張って自分の乳房を示す。
 確かに俺の胸に当たってる感触は柔らかいけど、小ぶりかな。
「わたしの乳房は、いろいろやってきましたが、いっこうに大きくならないので、
好きな相手に"性的"に刺激してもらうと大きくなるって言うのを試したいんです」
「それって、こういうことかな?」
 あまりに距離感が近いので自然と乳房を手の平で包み、感触を試してしまった。
「ふぅ…。やっぱり、あなたです。えるの乳房を大きくしてくれるのは!」
「なんで、俺なんだ?」
「第一印象と匂いで決めました」
 えるは、机の上に置いた部室の鍵を持って行って、部屋の鍵を閉めてしまった。
 俺は、何となくイスに座って、落ち着こうと思った。

55 :
「刺激は、直接の方がいいと思うのです。だから…」
 そう言って、えるはセーラー服の横のジッパーを開いて、脱ぎ、フロントホックの
ブラジャーを取った。夕方の暗い光の中でさえ輝くような肌の小ぶりな乳房と愛らしい
乳輪とちょこんとした乳首が現れた。
 イスを引いてきて、俺の対面に上半身裸のえるが座った。
「奉太郎さん、どうぞ。えるの乳房を弄んでください」
 性的に、か。こういうことをするには、まずはキスからと聞いたことある。
 えるの前に立ち、腰をかがめて、宝石のように輝くえるの瞳を見ながら、唇を重ねた。
 そして、舌を入れると生暖かい舌が迎えて、おずおずと吸い合った。
「なぜ…キスを?」
「いきなり乳房からでは、性的では無いからだ。キスをして、心の準備をして、そして」
 俺は、えるの乳房を手の平で包んだ。直なので吸い付くような肌と例えようのない
柔らかさにしばし、夢中になって感触を堪能してしまった。
 えるは、乳房の刺激に、あっ、ふぅとか軽く喘いでいた。
「可愛いよ、える。いい乳房だ」
「奉太郎さん…。えるは、興奮してきました」
 俺は、床に膝をつき、えるの乳輪を舐め、乳首を吸った。乳臭いというのはここから
出るんだろうな、やはり。左の乳首、右の乳首を舐めながら、乳房を揉んでいるとえるは、
びくり、びくりと反応するようになり、俺の頭を抱きかかえるようにしてよがっている。
 しばらく、そうしていただろうか。えるは、太ももをもじもじさせ始めた。
 俺は、スカートの中に手を入れて、その奥にある熱く湿った場所を探った。
「あっ、あの、今日はここまでにしますぅ」
「えっ? ああ、ごめん。つい、調子に乗ってしまった…。」
「いえ、大変気持ちよかったです。ただ、まだ初日ですし」
「そうだよな。乳房の成長のためだものな、える」
「はい、奉太郎さん」
 俺は、何かばつが悪くなって後ろを向いている間にえるは、下着を着け、セーラー服を
着直した。
そして、後ろから抱きついてきて俺の股間をまさぐってきた。
「わたし、気になるんです。実際、どうなっているか」
 さっきまでのことで俺のはフル勃起だったし、先が濡れて敏感になってるんだから、ヤバイ。
「そ、それも含めて、また明日かな」
 俺は平静を装い改めて、えるに向き直った。
「俺、彼女とか居なかったので判らないけど、これからよろしくな、える」
「はい、よろしくお願いします、奉太郎さん」
 何となく抱き合った。すごく心地よい。温かでいい匂いだ。一緒に部室を出て、職員室に
鍵を返し、校門まで一緒に来た。
「じゃあ、また明日」
「はい、ごきげんよう」
 お互い、住んでいる家の向きが違うようだ。違う方向に帰った。

56 :
 危なかった。ズボンの中で暴発は避けたかった。
 早足で帰宅し、自室に直行してもどかしく制服を脱いで、えるの乳房の感触、股間をまさぐら
れた時の感触を思い出し、何度か抜いた。
 冷静に考えて、学校の部室なんて危険すぎた。不意に突入してくる体育教師に見つかったら
さぞかし殴られ、停学とかになるんだろうな。明日は、何か手を考えねば。
 翌日、里志と無駄話をしつつも無事、授業を終えて、気もそぞろで古典部部室に向かった。
 職員室に古典部室の鍵を撮りに行くと、すでにえるの名前で貸し出してあった。心拍数が上がる!
 俺は、平然を装いつつ、やましいような気持ちなので後ろを振り返り、誰か付いてこないか?とか
警戒しつつ、部室の扉を開いた。
「あ、奉太郎さん! 待ってました」
「やあ、える! 来て、良かったのかな?」
 たたっと駆け寄ってきて、昨日のように抱きついて来て、ふわっと髪の毛からいい匂いが。
「あのさ、提案があるんだ」
「何ですか? わたし、気になります」
「今日は、俺の家で刺激を行わないか?」
「奉太郎さんの家にお邪魔していいんですか?!」
 俺は、えるの耳元で小声になり、
「…学校だと、教師に見つかったら大変だぞ?だから、さ」
「…たしかに、うかつでした。でも、もう、ブラジャー外して準備してたんですよ?」
「…ノーブラかよ! ともあれ、俺の家に行くぞ。いいな?」
「はい!」
 来たばっかりだが、部室に施錠して、職員室に鍵を返した。
 駐輪場まで一緒に歩き、お互いの自転車を引っ張り出して、俺の先導で帰ることに。
「じゃあ、行くぞ」
「はい!」
 いつもよりゆっくり目に、えるがちゃんと付いてこれるスピードで家路を急ぐ。時折、振り返ると
えるがニコニコしているのがいいな。しばらくして、家に着いた。
「誰も居ないから、気軽にしていいよ」
 俺は、ドアの鍵を開けて、玄関に入る。
「おじゃましまーす」
 後ろから、えるが付いてくる。階段を上がって、自分の部屋に入る。
「まあ、散らかってるけど、好きなところに座って」
「はい。男の人の部屋に入るなんて、初めてです」
 えるは、ベッドに腰掛けて、きょろきょろしていた。
「お茶でも持ってくるよ」
「あ、お構いなく」
 俺は、部屋を出て下に降りて台所に行き、お湯を沸かして二人分のコーヒーを入れて、部屋に戻って
きた。ドアを開けるとえるは、何か本を読んでいるようで、びくっとしていた。テーブルにトレイを置き、

57 :
「何を読んでるの?ゲッ、隠して置いたエロ本じゃ無いか!」
「ベッドの隙間に本が落ちていたので、拾い上げたんです。とても、性的ですね!」
「そりゃーそうだよ!あのさ、恥ずかしいんだが?」
「昨日、あんなことしたのに?」
 えるがいたずらっぽく微笑んでる。
「昨日のは、何だ、バストアップトレーニング?的なことだろ?」
「でも、うふふ。 あ、今日もちゃんとしないと。とりあえず、脱ぎますね。奉太郎さんも脱ぎませんか?」
「俺も? 揉むだけなら、必要ないんじゃ…」
「裸の方がより、性的です。わたし、知りたいんです。奉太郎さんのおちんちんを!」
「ず、ずばり言うなよ」
 
 えるは、ベッド上でさっさと裸になってしまったので、俺も裸にならざるを得ない。
 裸になり、えるに振り向くと、あのきらきらした宝石のような目が俺の股間を凝視していた。
「あ、あぁ、これが奉太郎さんのおちんちんですね。想像してたのと全然違います」
「お、おい、そんなに握ったり、撫でたりするなよ」
「痛いですか?あ、先から透明な液体が。ぬるぬるしますね」
「痛くないけど、まあなんだよ、えるの乳房を大きくしなくちゃな!」
 暴発だけは避けたかった。男子のプライド的に。
「はいっ!よろしくお願いします」
 調子狂うが、俺もベッドに乗り、可憐なえるの唇にキスをする。部室と違って落ち着くな。
 キスを重ねるうちにえるの頬は赤くなり、くたりとベッドに寝転がった。ふぁさっと広がるえるの黒髪
がきれいだ。さて、早速、乳房の成長を促さねばな。えるの横に座り、小ぶりだが弾力のある乳房をそっと
手の平に包み、やさしくほぐしていく。すべすべした肌がなんて心地よいのだろう。やがて、乳首が立って
きて手の平に当たってきたので、指先でやさしく捏ねたり。
 えるは、俺をぽぅっと見つめつつ、されるがままになっていて、喘ぎ始めている。
「える、どうかな?」
「はい…性的な気分です。ほかのところも触ってくれませんか?」
「いいよ」
 乳房を揉みつつ、手の平でやさしく首筋、腕、脇、なだらかなお腹。だんだんえるが甘い息を漏らすよう
になってきた。そして、腰から太ももへ、太ももの付け根へ。
「あっ…」
 昨日は阻まれてしまったその奥へ。淡い茂みは熱くなっていて、そこを包むと湿っている。
「奉太郎さんのも…」
 えるの細く頼りない指が俺のを握ってしごいている。じゃ、いいんだよな。えるの太ももを広げて、
やさしく刺激していくと膣口からとろりとした愛液がこぼれて来たので、指をそっとそこに馴染ませ、
出し入れしていく。
「片方の乳房ばかりじゃ、いやです」
「ああ、それじゃあ」
 俺は、えるの太ももの間に体を割り込ませ、両手で乳房を愛撫し、股間を舐めるとえるはびくっと背を
反らせて、反応した。
「あぁっ! 奉太郎さん、わたし、ひとりでするときは…最後までいけないんです」
「そうなのか、える。じゃあ、俺が最後までしっかり面倒見てやるよ!」
「お願い…しますぅ」

58 :
 えるは汗ばみ、乳房をわしづかみすると身をよじり、股間はもうお尻の方まで濡れていて、膣をひだを
なめ回しているとはっはっと息が荒くなってきて、頭を出したクリトリスを舐め続け、ひくひくする膣に
入れた指をかき回して刺激していくとやがて、んーっと息を詰まらせ、背筋を反らし、
「あっ…!」
 とイったようだ。
「はぁ…こんなのはじめて。ここまで来たのなら、わたし、知りたいんです。セックスを」
「俺もだよ。この機会を逃したくない」
 俺は、こんなこともあろうかと、というか、時々オナニーにも使っているコンドームを隠し場所から
取り出し、もどかしい手つきでもうヌレヌレになってる自分のに根元までしっかり装着した。
「用意が、いいんですね。でも、それなら安心です」
「ああ、える、入れるぞ」
「奉太郎さん、どうぞ…やさしくして」
「もちろんだよ」
 さっきまで弄っていたそこに自分のを当てて、良く馴染ませて、ぐっと押し込むとえるは、うっと苦痛
の表情だ。それでもじわじわと熱く柔らかな肉壁を押し進み、根元まで入った頃には、俺のはえるの中に
一体化したような何とも言えない快感に包まれた。
「える…、痛いか?」
「少し、でも、奉太郎さんがあたしのなかで一杯です」
 やさしくキスをして、えるを抱き締めた。えるのこわばりが溶けるまでこうしていようと思った。
 やがて、体の緊張が解けてきたのでそろそろと腰を使って行くとえるは、あっあっと絶え間なく声を
上げるようになり、大きくなれよと乳房を刺激していると甘い声が漏れるようになってきた。
 体が馴染んできたのでもっと腰を大きく使って行くとなんかもうえるの中は堪らない感触で、もう、
どうしようもなく高まってきて、えるも俺に抱きついてきて、絶え間なく声を上げ、俺はがむしゃらに
腰を使って、
「もう、そろそろなんだけど、えるは?」
「はぁはぁ、もう、いきそうです。だから…」
「ああ、判った、じゃあ!」
 悲鳴のようなえるの喘ぎ声に合わせ、俺はぐっとえるの奥に向けて、びゅう、びゅうと射精した。
 射精のたびにえるは、息を詰まらせ、身を固くしていた。
「わたし一人では出来ないことが、奉太郎さんとなら、こんなにも…」
 えるは、涙を流していた。俺は涙を拭って、優しくキスをした。
「実は、古典部に絡むことでわたしの伯父から何を聞いたか思い出したくて、でも、そのつてが無かっ
たんです。奉太郎さんなら、どうしても気になってることを解決してくれる気がするんですが」
 俺はもう、えるの言うことなら何でも聞いてやる気分だった。
「ああ、俺の姉が古典部のOGだし、力になってやれると思うよ。里志の奴も協力させれば、たぶん、
何とかなると思う」
「ほんとうですか!!」
 えるの瞳はまたも宝石のように輝き、その微笑みは俺を魅了するのだった。
 まあ、そんなわけで俺は、33年前の謎解きに付き合わさせられるんだけど、えるの心の引っかかり
を取り除いてやれることが出来るんだから、いいじゃないか。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
終わり。

59 :
俺は別スレで>>51の人を知っている。
だからなんだかんだで続きを書いてくれると信じてる。
お二人の初体験早くお願いします!

60 :
ちょっと賑わってきたかな?

61 :
みんな流れちゃうもんね
http://mymp.cc/?i=o

62 :
>>59
少し気になるなkwsk

63 :
「不毛です!」
「パイパンのことか?」
「それは無毛です」

64 :
>>63
うまいw

65 :
何度か見たネタだな
まとめにもなかったか?

66 :
>>58 の続きです。
・「氷菓」の内容を自分なりに再構成して改変しましたので、ご了承を。
・里志x摩耶花
・18禁
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 翌日、謎解きには文集が必要なのでそこにあるんじゃないか?とえると一緒に図書室に来た。
「あら、折木じゃない。相変わらず陰気な顔してるわねって…、その子は、誰なの?」
 今日のカウンター当番は、幼なじみの伊原摩耶花だった。小学校以来の付き合いなんだけど、ちょっと
大人びた整った容姿なので普通なら引く手あまたな筈なんだけど、この毒舌で近づく奴は撃退される。
 それを知っているだけに俺は敬遠気味だけど、何のつもりか、俺には相変わらず突っかかってくるが、
今日の摩耶花は様子が違うな。
「ああ、同じ古典部部員なんだ」
「はい、初めまして。千反田えるです」
「そうじゃないの!何か、雰囲気というか、あんた、その、まさか…。」
 妙に摩耶花が動揺している。あの強気な態度がすっかり崩れてる。
「ああ、恥ずかしながら、俺とえるは付き合ってるんだよ」
「はい。まだ、日が浅いですが、そういう関係です…。」
 恥じらっている、えると目線が合って、つられて俺まで赤くなってしまう。
「じ、冗談よね?千反田さん、こんな男に何か弱みでも握られているの?それなら…」
「いいえ、奉太郎さんは頼りになる素敵な男性ですよ」
 えるは、俺に寄り添い、腕を組んでくる。
「おいおい、ホータローじゃないか。何騒いでるんだよって女子と腕を組んでる?!」
「千反田さんだ。俺の彼女だよ。あいつは、友人の福部里志だ」
「初めまして、福部さん」
「あ、ああ…、初めまして、千反田さん」
 里志は、摩耶花を凝視している。その視線に気づいたのか摩耶花も見つめている。摩耶花は恋愛ごとに
疎い俺から見ても明らかに里志に求愛しているように思えるが、里志はどういうつもりかはぐらかし続け
ている。
「ここじゃ、何だし、書庫に来て」
 図書室は静粛にしないといけないので、ややこしいことになりそうな俺たちを摩耶花は書庫へ誘った。
「あんたたち、いつ付き合ったのよ。あたしの知らないうちに」
「幼なじみだからといって、そんな言い方しなくてもいいだろ。姉からの手紙で古典部に入るように言わ
れてさ、部室に行ったら、千反田さんが居たんだ。それでいろいろあってな?」
「はい。奉太郎さんとは意気投合しまして、その…深い仲に」
 えるは、もじもじしている。具体的に言うなよ?、あれとかそれとかと目線で伝えるとうなずいた。
「はー、ばっかじゃないの。これで清々したわ。肩の荷が下りる気分よ。お幸せにーだ!」
 ほんっと、摩耶花の毒舌は相変わらず、突き刺さるな。
 そんな中、里志は重大な何かを決意したような気合いで、
「あのさ、摩耶花。俺、正直、摩耶花は奉太郎とは何か、入り込めないような感じで、俺には気持ちを伝
えて来るけど、それは、鈍い奉太郎への当てつけなんじゃ無いかと思ってたんだ」
 摩耶花は、唇を噛んでうつむいてる。

67 :

「それで迷ってたんだよ。単なるポーズじゃ無いか?とか。でももう、そんなややこしいことは必要ない。
俺は、いつの間にかお前のことが好きになっていた。今、はっきりした。俺と付き合ってくれ!」
 摩耶花は涙を流し、くしゃくしゃの顔だった。
「何よ、馬鹿じゃないの。さんざんアプローチしたのにそんなこと思ってたの?奉太郎とは偶然、幼なじみ
みたいになってるけど、恋愛感情なんて無いわ。改めて言うわ。あたしも里志が好き!大好きよ!」
 二人は抱き合ってキスしていた。収まるところに収まった様な、平和な光景だ。
「あの…奉太郎さん?ほんとは、摩耶花さんのこと、好きだったんじゃないですか?」
 えるがなんかふくれてるよ。
「マジでそんなことないって。あの二人が勘違いしてただけだよ、アハハ」
「「笑うな!」」
 摩耶花と里志に怒られてしまった。
 その後、えるが古典部の文集で知りたがっている事を説明したら、二人とも妙に興味を示して、謎解きに
参加してくれる事となった。
「カウンターに誰もないの?」
「あ、ヤバイ。司書の糸魚川先生が戻ってきた」
「司書?それなら、古典部の文集の在処を知っていそうだな」
「それを探していたの?じゃあ、聞いてみましょうよ」
 書庫を出て、みんなでカウンターに戻り、先生に聞いた。
「ああ、"氷菓"ね。たぶん、理科準備室の薬品金庫にしまってあるんじゃないかしら」
「なんでそんなところにあるんですか?」
 司書の先生が何でそこまで知ってるんだ?と文集に関わりがあるのかな?
「部室を移動するときにそのままになってる気がするのよ。無かったら、また聞きに来てちょうだい」
「はい、どうもありがとうございます」
 俺たちは、あっさり在処が判ったので、理科準備室に向かった。なぜか理科準備室を私物化している
先輩の妙な抵抗にあったが、無事、氷菓のバックナンバーを手に入れたので古典部の部室に戻った。
「というわけで、えるの気になっているモノをゲットできたんだが、どうする?」
「まず、わたしがどれを読んでショックを受けたか判らないとだめですよね…あ、2号からしかない」
「1号がないのはナゼなのかしら。普通、第1号って大事にされるわよね」
「だよなあ。ホータローは、どう考える?」
「誰かが大事に持ってるんだろうな。とりあえず、えるが最初に読んでもらって、順次、俺たちが読
めば効率が良さそうだな」
「あっ!この兎と犬の表紙、これです!2号だったんですね」
 ズッコケる思いだ。それにしても兎と犬がお互いの身体を咬み合うという絵柄は穏やかだが、何かの
争いごとがあったのを表してるんだろう。
「あ、そうそう、これに関連するかもしれないけど、学校史が毎週借り出されてるのよ。1回2週間
借りられるのに」
 図書委員の摩耶花が疑問を挟む。貸し出しカードの履歴を見ていると特に意図があるように思えない。
「要するに1号を持っている先生が、この学校に何があったかを生徒に教える授業でもしてるんじゃな
いか?」
「そういう風に考えると辻褄が合うな。ホータローの発想だけはいいと思う。司書の先生って糸魚川
養子ってフルネームじゃなかったっけ?」

68 :
「確かそうだけど、それがどうしたのよ、里志」
「ああ、そうか。この2号の執筆者の郡山養子って名前と糸魚川養子って近いよな?そして、さっき、
あっさりこの文集の場所を教えてくれたんだから、間違いなく関係があると思う」
 俺は、里志のアシストで腑に落ちる説明を思いついた。
「すごいです!、奉太郎さん、里志さん。早速、糸魚川先生に聞きに行きましょう」
 というわけで、俺たちは、また図書室に引き返した。
「糸魚川先生、ちょっとお話を聞きたいんですがよろしいですか?」
 氷菓の2号を持って話しかけると、やっぱりねという顔で頷いた。準備室に招かれて、説明を受けた。
「当時、学園紛争とか起きていて、この学園も荒れていたのよ。先生方は文化祭を平日5日間も必要ない
から2日にしよう、生徒は、俺たちの自由を奪うのかが、一番の揉め事だったかな。その生徒側で、リー
ダーとされていたのがこの文集を作った、関谷純という人で」
「あ、その人がわたしの伯父なんです。わたしが氷菓を読んだとき、衝撃的なことを教えてくれたはず…」
 えるが思わず立ち上がって、声を上げた。
「そうなの?それで、生徒の授業ボイコットやキャンプファイヤーとかしているときに偶然だと思うんだ
けど、火の粉が格技場に燃え移って、消防車が消火したんだけど焼け落ちてしまったの。生徒は先生側が
放火したと言い、先生側は生徒がわざと火の粉を飛ばしたと大騒動になったとき、関谷さんが、先生側に
話を付けに行って、リーダーである自分が不注意で格技場を燃やした事にして退学します、しかし、文化
祭5日間の要求を飲んでもらえば、この騒動に終止符をつけると。」
 そんな経緯があったんだと俺らは感心して聞いていた。
「というわけで、先生方は警察沙汰になるのを嫌い、要求通り文化祭の期間は今まで通りとなったわけ。
実際は、関谷さんは表のリーダーであって、裏で動いていた、真のリーダーが居るんだけど、それは不明
のまま、彼は全ての負い目を負って去ったわけ。その心中をこの"氷菓”に記したのよ。その後、彼は英雄
扱いされ、文化祭がカンヤ祭と呼ばれるのは、関谷を音読みして当時を忍んでいるからよ」
「ヒドイ話ですね。それで、える、何か思い出したか?」
「…伯父さんは、わたしが小さいからもっと簡単に説明したと思うんですけど、当時の苦悩が彼を怖い顔
にして、"強くなれ、弱かったら悲鳴も上げられぬ日が来る。そうしたら生きたままぬことになる"と聞
いて、"生きたままぬ"なんて理解できなくて凄く怖かったんです。思い出しました」
「結局、スケープゴート(生贄)にされただけで、関谷さんは何の得にもならない英雄扱いされただけ、か。
先生、この表紙なんですがどういう意味なんでしょうか?」
 摩耶花がさっそく毒舌を吐いたよ。
「権力の犬の先生側と、か弱い存在の兎の生徒に例え、その争いを描いたのでしょう」
「言葉が過ぎるぞ、摩耶花。それにしても文化祭にそんなエピソードがあったとは思いませんでした」
 一応、里志がたしなめた。
「わたしは、伯父の話を聞いて怖くなり、よく判らない仕組みに巻き込まれて酷い目に遭わないように、
物事の仕組みやシステムに興味が行くようになったんです。モヤモヤしていた事が、ほんとすっきりし
ました。皆さん、有り難うございます」
 えるは、深々と頭を下げている。
「える、その、関谷さんは、その後、どうなったんだ?」
「はい。マレーシアに渡航して、インドのベンガル地方で消息を絶ってそのままです」
「壮絶な人生だな。良かれと思ってしたことで人生を誤ったのか」
「私から話せる事は、これくらいよ。他に質問がなければ、これでおしまいにします」
「糸魚川先生、どうも有り難うございました。一生の悩みと思っていたのが解決しました」

69 :
「では、あなたたちもがんばってね」
 先生は、仕事に戻ったので、俺たちは、部室に戻ることにした。
「さて、えるの悩みも解決したことだし、今日はどっちの家で刺激する?」
「そうですね、わたしの家で、致しましょう」
 すっかり、えるの乳房を弄るのが日課になってしまって居た。気のせいかもしれないが、
じわじわと大きくなってきているようなのだ。
「なになに?その刺激って、すごく、あやしいわ」
 摩耶花は顔を赤らめながら、胸元をガードしている。
「奉太郎さんにわたしの乳房を大きくしてもらうために刺激してもらうのです」
「そ、それってエッチなことなんじゃないの?」
「そうですよ?性的じゃ無いと効果が無いんですから。摩耶花さんも里志さんに刺激して
もらえば、きっと大きくなりますよ!」
 えるよ、あまり平然と話すなよ。異常者に思えるじゃ無いか。
「えっと…何の話をしてるのかな?俺にはついて行けないんだけど…」
 そういえば、摩耶花も貧乳だなあと思っていたら、慌ただしく、
「もう、いいから、里志、あたしの家に行くわよ。じゃあね、また明日」
「おいおい、摩耶花、強引だな〜じゃあな、ホータロー、えるさん」
「ああ、また明日な」
「お二人とも、ごきげんよう」
 まあ、毎日セックスまでしてないさ。キスして、優しく愛撫するだけ。でも、詳しく説明
してない、摩耶花と里志は、どうかな。まあ、気にならないが。
「ねえ、里志。本当にあたしのこと、好きになってくれたの?ねえ、本当に?」
 甘えてくる摩耶花なんて、想像したことも無かったよ。摩耶花の部屋で二人っきりで。
「本当だよ。僕って奉太郎より背が低いし、実は臆病だから、もし、勘違いだったら立ち直れないので
誤解でもいいから、摩耶花が僕に言い寄ってくれることだけで満足してたんだ」
「そんなの、変よ。どうしたら伝わるか、色々考えてて、もう…」
「ごめんな。僕に勇気があったら、踏み出せていたのにな。奉太郎が恋人を作るまで勢いが付かなかっ
たよ」
 抱き締めた摩耶花の髪の毛を撫でながら、優しくキスをした。熱く、甘い吐息が漏れる。
「里志、あたしを抱いて。はっきりと思いを感じたいの…」
「摩耶花、愛してるよ!」
 舌を絡め合うディープキスをするとすごく気持ちがいい。徐々に摩耶花と深く繋がっていく想い。
 お互いの服を脱がしていき、肌があらわになって行くに従って、お互いのわだかまり、壁が取り除か
れていって、全裸になった。これが摩耶花、そのものなんだ。温かく包まれるような思いだ。
「おっぱい、小さいかな…。」
 上目遣いに摩耶花が僕を見ている。
「小さいは小さいけど、将来性がありそうだよ。僕には、とても魅力的に思えるよ」
 可憐な乳首にキスをして、舌で舐めるとぴくんと摩耶花が反応した。そっと摩耶花をベッドに寝かせ
て、摩耶花の上になり、惹かれる匂いがする耳の後ろ、首筋とキスをして、手の平で乳房を包んでやわ
やわと愛撫して、乳輪を捏ねて、起った乳首をやさしく舐め、吸っていると摩耶花は陶然としている。
 胸の谷間にキスをして、すべすべしたお腹、脇、腰と優しく撫で、しっとりした太ももに手を伸ばし、
太ももの間に手を滑り込ませていくと摩耶花は感じ始めたのか、身をよじっている。
「摩耶花、どうかな。いつまでも触っていたいくらいだけど」
「…里志、すごくいい気持ちよ。しあわせかも」
 太ももに滑り込ませた手を熱く湿った根元まで上げて、手の平で包んでやわやわと愛撫するとぬるり
と愛液がこぼれた。そこに指をそっと入れると摩耶花の背筋がぞくっとした。乳房を愛撫し、キスして、
そして、膣の中を探っていくと徐々に喘ぎ声が漏れてきて、肌が汗ばんでくる。そんな摩耶花の姿に、
僕は幻惑され、僕の物は自分のじゃないくらい勃起していた。
 摩耶花のを直接舐めたくなったので頭を股間までずらし、両太ももを広げて、もわっとして透明な愛
液を垂らすそこを舐めると摩耶花は抗うような喘ぎ声を上げた。
「里志のも舐めてみたい」「じゃあ、こうしようか」

70 :
 お互い、反対側に添い寝するようにして、お互いの性器を舐め合った。摩耶花の舌で張り詰めた亀頭
を舐められたら、電気が走るような快感で危うく射精しそうになったので深呼吸した。
「里志ったら、うふふ」
 きっと意地悪い顔してるんだろうなと思いながらも僕も負けてられないさ。膣に舌をねじ込み、愛液
を吸い、なめ回した。頭を出し始めたクリトリスを弄りながら、夢中で愛撫していると摩耶花も僕のを
咥えて、出し入れしながら舐めているもんだから、堪らなくなってきた。負けじとがんばっていると、
摩耶花もだんだん息が荒くなってきて、どちらとも無くイってしまった。
 起き上がってティッシュで摩耶花の口元と自分のを拭って、いつもの巾着袋からこんなこともあろう
かと入れておいたコンドームを取り出し、装着した。
「あんたの巾着袋、ほんとに何でも入ってるのね」
「何でもって訳じゃないよ、摩耶花。じゃあ、入れるよ」
「うん、里志。来て」
 熱くぬめったそこに自分のを押し当てて、ぐっと押し込むと熱い肉壁が僕のを飲み込み、奥へと誘い
痛くならないように慎重に根元まで挿入したら、目の前がぱっと開けるような気分になった。摩耶花と
深いところまで繋がったんだなあ。摩耶花ともっと密着したくなったので覆い被さると摩耶花は僕の背
中に手を伸ばし、抱きついてきた。気遣うようにゆっくりと腰を使って出し入れすると敏感に摩耶花の
体は反応して、はっはっと息を漏らす。
「痛くないか?」
「…案外、大丈夫そう」
 その言葉を信じて、更に腰を使って行くとだんだん体が馴染んできて、僕のは何とも言えない快感に
包まれ、腰が止まらない。そして、摩耶花は甘い声を漏らすようになり、喘ぐ唇が愛おしくなり、その
唇を貪ったりしていると背中を抱き締めていた両腕はだらりと下がって来たので、両腕をつかんで更に
激しく腰を使って行くと、摩耶花は更に高まってきて、やがて、両足が俺の腰を締め付けてきて、我慢
の限界が来る頃、
「里志、もう、ダメ、あぁっ」
「そろそろなんだな、じゃ、俺も!」
 がむしゃらに腰を使って行くと、摩耶花は悲鳴のような声を上げ、僕もその勢いのまま何度も激しく
射精した。摩耶花は唸ったまま、息を詰めたり、荒い息を吐いたりしている。
 一瞬、眠ってしまったような気がするけど、爽やかな気分だ。
「摩耶花…」と優しくキスをした。
「里志、あたし、あたし、うれしくて…」
 涙を流す摩耶花が愛おしい。このまま、ずっと抱き締めていたい。
 親が帰ってくる前にこっそりと二人でシャワーを浴びに行き、服を着た。
「恋人が出来ると、こんなに気持ちが充実するんだな」
「あたしもそんな気分よ。まだあなたが中に居るみたい」
「そんなこと言うと照れるよ。僕も摩耶花に包まれてるような気分だけどさ」
 帰り際に名残惜しさのキスをした。
「じゃあ、これからもよろしくな、摩耶花」
「うん、ずっと一緒だからね、里志。おやすみなさい」
「おやすみ、摩耶花!」
 手を振って、自転車で帰った。これからもホータローやえるちゃんと変なことに巻き込まれていく
んだろうけど、摩耶花が居るから何とかなるさ!と根拠のない自信に満ちて僕は帰宅したのだった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
おわり

71 :
ふくちゃんの一人称が一部俺になってるな

72 :
>>71
ホータローも一部、僕になってるし。ホント、チェックしたつもりなんだけど困ったもんです(^^;

73 :
ちょっと奉太郎とえるたそのキャラがブレすぎかもね

74 :
奉太郎×える エロなし
アニメから入った新参者ですが、どうぞよろしく
とりあえず書いてみたので投下します。と思いきや規制中
代行スレからの投下なので、万が一被ってしまった際にはご容赦のほどを

75 :
「わたし、気になります」
 またか。
 今までに何度も聞いた彼女の台詞が、俺の頭の中を駆け巡る。
 イントネーションを変えると、「わたし、木になります」
 ギリシャ神話で言い寄ってくる神様から逃れるため、木に変化した少女の逸話があったな。
確か月桂樹だったか。いっそのこと本当に物言わぬ木になってくれれば、こんな風に煩《わずら》わされ
ることもないだろうに。
 身勝手な妄想で現実逃避していると、いっそう大きな声が耳元で聞こえた。  
「折木《おれき》さん。聞いてます?」
 仕方なく、斜め読みしていた文庫本から顔を上げる。俺の視界いっぱいに、好奇心に満ちた
大きな瞳を持つ少女――千反田《ちたんだ》えるの顔が飛び込んできた。
 案の定、顔が近い。首を少し傾《かし》げて覗き込むように俺を見つめてくる。烏の濡れ羽色をした
長い髪が、窓から差し込む夕陽を浴びて光り輝いている。その光景に俺は思わず息を呑んだ。
 それと同時に気まずい感情が湧き上がる。ギリシャ神話に登場してもおかしくはない、その
端整な顔立ち……スマン、言い過ぎた。日本人がギリシャ神話に登場したらさすがにおかしい
よな。それでも十分、いや十二分に美人の部類に入るであろう清楚なお嬢様が、ここまで顔を
近くに寄せてくると、俺の心はざわめき、落ち着かなくなってしまうのだ。

76 :
 放課後の古典部部室――地学講義室には、俺と千反田の二人っきりだった。同じ部員の里志
と伊原は委員の仕事があるらしく、挨拶だけ済ませて帰っていった。まあ、文化祭が終わった
今となってはここでやるべきことなど何もないのだが。
 それでも俺はここ最近、ほぼ毎日欠かさず古典部に顔を出している。部活の楽しさに目覚め
た、というわけではない。帰宅しても特にやることがないからだ。身も蓋もない話である。
 俺はいつも通り窓際の席に着き、古書店で安く購入したペーパーバックを静かに読みふけっ
ていた。千反田もひとり静かに本を読んでいたはずだったが、それに飽いたのか、気づけば隣
に立って話しかけてきた。俺は本から目を離さず、お嬢様の他愛ない話に適当に調子を合わせ
ていた。ここまではいい。
「そういえば――」
 思わず口走った俺の不用意な発言が、千反田の好奇心をいたく刺激したらしい。
 興味を逸らすため、会話の軌道修正を試みるものの時すでに遅し。いつものアレが発症して
しまった。――――キニナル病が。
 好奇心旺盛なお嬢様は声高らかに宣言した。
「わたし、気になります」

77 :
 そして今現在の状況に至ったわけである。面倒なことになった。
「俺は別に気にならん」
 いつものようにやんわり断るが、こいつがここで引き下がるわけもなく――。
「わたしは気になるんです」
 俺の意思を尊重してくれない。不公平だ。
 千反田は椅子に座る俺の上から、覆いかぶさるように詰め寄ってくる。
 だから顔が近いって。
 千反田のパーソナルスペースは常人よりも狭いらしく、思わず身を引いてしまうほどに身体
を寄せてくる。前々から思っていたのだが、男に対して無防備過ぎだ。
 わかっているのだろうか。俺がその気になれば、そのほんのり色づいた薄い唇を奪ってしま
えることを。もし実行に移した場合、千反田はどんな反応をするだろう。泣いてしまうだろう
か、それとも――。
 いやいや、もちろんそんなことはしない。その後のことを考えると想像するだに恐ろしい。
省エネ志向のこの俺が、膨大なエネルギーを使う羽目になる行動を取るはずもない。
 頭の中でそんな不埒《ふらち》なことを考えている間にも、千反田は仔犬のように純粋な目で見つめて
くる。おい、やめろ。そんな目で俺を見るな。
 後ろめたさで胸の鼓動が早くなるのが自分でもわかる。
 よくない兆候だ。
 いつもならここら辺で彼女の眼力に耐え切れなくなり、視線を外してしまう。そして結局、
無駄な抵抗をしてエネルギーを浪費するよりも、さっさと問題を解決するほうが手っ取り早い
と、俺のほうから折れてしまうのだ。折木なだけに。……スマン、今のはナシ。
 だが今日は違う。断固拒否してやる。
 思えば少し甘やかせ過ぎたのかもしれない。野良猫に一度餌を与えると癖になって何度でも
せがむようになってしまう。例えが悪過ぎるか。まあ、いい。きっぱりと断る前例を作りさえ
すれば、今後は千反田も自重するようになるはず。余計なエネルギーを使うような気がしても
大局的な目で見れば、総エネルギー消費量は少なくなる計算だ。

78 :
「今日はそんな気分じゃない」
 俺は千反田の目を見据えたまま立ち上がった。見下ろされた状態だと分が悪いからだ。交渉
ごとは優位な立場でするに限る。千反田も女にしては背が高いほうだが、それでも俺のほうが
頭半個分ほど勝っている。これで心理的に有利になったはずだ。
「お体の具合でも悪いんですか?」
 千反田は心配そうな表情で見つめ返してくる。むぅ、上目遣いをされると破壊力が数段増し
たような気がする。立ち上がったのは失敗だったか。
 それでも俺は、千反田の視線に何とか耐え切った。天晴れ、と自分を褒めてやりたい。目を
逸らしたら負けなのだ。
「そういうわけでもない」
 仮病を使う手もあるが、それはフェアじゃない気がする。出会った頃に、作り話で千反田の
興味を逸らしたこともあったが、あれは妙に後味が悪かった。
 できるだけ正々堂々と、真っ向からぶつかって勝たないと意味がないのだ。
「なあ千反田。世の中には知っておかなきゃならないこと、知らないほうがいいこと、そして
知ってても知らなくてもどうでもいいこと、この三つの事象がある。お前が今訊いているのは
この中のどれだ?」
「知っておかないといけないことです」
 千反田は躊躇《ちゅうちょ》なく即答した。こいつ、わかっててトボけてやがる。       
「違うだろ。知ってても知らなくてもどうでもいいことだ。そんなことに付き合わされる俺の
身にもなってくれ!」
 少し興奮して語気を荒げてしまった。千反田は一瞬首をすくめた後、愁《うれ》いを帯びた顔になり
俯《うつむ》いてしまう。きつく言い過ぎただろうか? 後悔の念がチクリと胸を刺す。
 謝るべきかどうか迷っていると、俯いていた千反田がすっと顔を上げた。俺を見つめる少し
不安げな瞳に、思い詰めたような眉、何かを言いたげな薄い唇。その表情には見覚えがあった。
 そう、いつぞや喫茶店で俺に告白しようとした、あの時の顔だ。

79 :
 俺は慌てた。が、よく考えてみるとあの時は頼みごとをされただけだった。落ち着きを取り
戻した俺は、とりあえず千反田が口を開くのを待つことにした。しばらく逡巡していた千反田
だったが、ようやくその薄い唇から言葉が漏れ出した。
「わたし、折木さんに謝らなければなりません。わたしの我侭《わがまま》に何度もつき合わせてしまって
折木さんを困らせていたみたいですね。ごめんなさい」
 深々と頭を下げる千反田。俺は両手で押し止めて、お辞儀をやめさせた。
「いや、俺の言い方が悪かった。そんな風に謝らなくていい。別にそこまで嫌だったわけじゃ
ないんだ。ただ――」
 俺の弁解を遮《さえぎ》るように激しく首を横に振って、千反田は言葉を続けた。
「それだけじゃないんです。本当はわたし、謎を解明する折木さんが見たかっただけなのかも
しれません。推理を披露してくれる時の折木さんは、いつもと違って格好良くて……、とても
す、素敵ですから……」
 最後は消え入るような声になり、千反田の顔は見る見る赤くなってゆく。もしかしてこれは
愛の告白なのだろうか。そう考えた途端に、頭が沸騰しそうな感覚に陥《おちい》る。おそらく俺の顔も
目の前の千反田同様、赤くなっているに違いない。窓から差し込む夕陽の色で、上手く誤魔化
せればいいのだが。俺は照れ隠しに冗談めかしたツッコミを入れてみた。
「いつもと違うってことは、つまり、普段の俺は格好良くないってことか」
 揚げ足取りのような俺の質問に慌てふためく千反田。本当に『慌てふためく』の言葉通り、
手はバタバタ、頭はブンブンと、見ていて滑稽《こっけい》なほどの動揺っぷりを披露してくれた。
「ち、ち、違います。確かに普段の折木さんは、それはもう横着者と言うか、怠け者と言うか
どうしようもない人かもしれませんが――」
 違います、と否定しておいて、この言い様はどういうことだ。
「普段の折木さんも素敵ですよ(ハァト)」的な言葉を期待していたのに。何だか無性に悲しく
なってきた。
 俺の顔から落胆の色が見て取れたのか、千反田はまた謝り始めた。
「わあ、ごめんなさい、ごめんなさい。――それでもそんな折木さんが、いつも頼みを聞いて
くださるので、わたし、とても嬉しかったんです。それに毎回、思いもよらないような推理を
披露してくださるので、わたし、とても楽しかったんです。ですから、わたし――」
 そこまで一気に喋り一呼吸置いた後、千反田は少し寂しげな微笑みを浮かべた。
「――折木さんの優しさに、甘え過ぎていたんですね」

80 :
「今までご迷惑をお掛けしました。本当にごめんなさい。もう無理は言いませんから」
 千反田は丁寧に一礼した後、そそくさと自分の鞄を置いてある席に戻ろうとした。
「ちょっと待て」
 俺は去り行く千反田の手首を掴んで引き止めた。らしくない行動だと自分でも思う。
 ついさっきまで千反田の頼みを上手く断る算段を考えていたはずなのに、いざそうなると、
こうして引き止めてしまう。矛盾しているだろう。心の中で自問自答する。
 謎を解く俺が素敵だと言われたからか? 確かにそう言われて嬉しかったのは事実だ。でも
そうじゃない。俺が今まで千反田の頼みを断りきれなかったのは、こいつの悲しむ顔を見たく
なかったからだ。その千反田が今、泣きそうな顔で俺の前から立ち去ろうとしている。
 放っておけるわけがないだろ!
「なあ、千反田。自分ひとりで勝手に喋って、ひとりで勝手に納得するな」
 俺は千反田の潤《うる》んだ瞳を見つめながら、ゆっくりと諭《さと》す。
「確かに俺は、お前が興味本位であれこれ知りたがることにうんざりしていた。正直、面倒だ
とも思っている。それでも俺は、お前のことを迷惑だなんて思っちゃいない」
 俺の言いたいことがいまいち伝わらないのか、千反田はきょとんとしている。
「ゴホン! あー、つまりだな。面倒なことはなるべく勘弁してもらいたいが、どうしてもと
言うなら考えてもいい。そのことでお前を嫌いになったりなんかしない。だから、甘え過ぎて
くれても、俺は一向に構わん!」
 随分おかしなことを言っているな、と自覚はしている。それでもこれが今の俺の嘘偽りない
本心だった。黙って聞いていた千反田の顔にも、ようやく笑顔が戻った。目元を指先で拭《ぬぐ》って
俺の顔をじーっと見つめてくる。
「折木さんって、ツンデレさんですね」
 お嬢様の意外な発言に、思わず耳を疑う。
「ツンデレって言葉、知ってるのか?」
「はい。摩耶花《まやか》さんから教わりました」
 伊原の入れ知恵か。オタク用語をお嬢様に教えるんじゃない。心の中で悪態をついた。
「別に俺はツンデレなんかじゃないぞ」
 ぶっきらぼうに返答すると、千反田はクスッと笑って言った。
「そういうことにしておきます」

81 :
「それじゃあ、行くとするか」
 千反田が気になると言っていた謎を解明しに行こう。俺の頭の中では何となく見当はついて
いた。あとは検証するだけだ。自分から動こうとするなんて俺らしくもないが、これは千反田
を泣かせてしまった罪滅ぼしのつもりだった。
 俺が部室から出ようとすると、千反田が後ろから声を掛けてくる。
「どこへ行くんですか?」
 俺は振り向いて、不思議そうな顔をしている千反田に言ってやった。
「なんだ。さっき言ってたことは、もう気にならないのか?」
「ああーっ! 気になります! 気になります!」
 千反田は慌てて俺の隣に駆け寄ってきた。寄り添うようにピタリと身体をくっつける。
 コラッ、歩きにくいじゃないか。
「千反田、くっつき過ぎだ」
「先ほど折木さんは、甘えても良いと仰《おっしゃ》いました」
「そういう意味で言ったんじゃない」
 咎《とが》めるような視線を向けるが、千反田は微笑み返してくるだけだった。
 まあ、いい。
 それならこちらにも考えがある。俺は千反田を振り切るように歩《あゆみ》を早めた。
「あぁん、待ってくださいよぅ」
 後ろから呼びかける千反田の声に、俺はほくそ笑む。しかしすぐに自分の過《あやま》ちに気づく。
 これは省エネ主義に反する行動ではないのか、と。
 いつも通り、のんびり行くか。
 省エネモードに切り替えた俺は、ゆっくりと歩き始めた。
 別にこれは千反田を待っているわけではない。そう自分に言い聞かせながら。

82 :
 ほどなく千反田も追いついて、黙って後ろをついてくる。俺に気を遣っているのだろうか、
遠慮気味に距離を置いている。流石《さすが》、お嬢様は物分かりがよろしい。いつもこれくらいの距離
感を保ってくれればいいのだが。
 そう思った矢先に、千反田は俺のすぐ隣へと身体を寄せてきた。前言撤回。聞きわけのない
困ったお嬢様だ。文句の一つでも言ってやろうかと思ったが、上機嫌な千反田の笑顔に、その
気も失せた。
 そんな俺の心の機微を知ってか知らずか、千反田は嬉しそうに話しかけてきた。
「やっぱり折木さんは、優しい方ですね」
 何か勘違いしてやいないか? そんな風に言われる覚えはまったくないのだが。
「そんなことはない」
「優しいです」
「優しくない」
 押し問答が延々と続く。このままでは埒《らち》が明かない。
「だいたい俺のことを優しいって言う奇特な奴は、お前ぐらいなもんだ」
「じゃあ、わたしにだけ優しいってことですね?」
「そういうことにしといてやる」
 先ほどの台詞を、そっくりそのまま返してやった。その答えを聞いて、千反田が笑う。つら
れて俺も顔がほころぶ。ひとしきり笑った後、千反田は意味ありげな視線を向けてきた。
「どうして折木さんはわたしに優しくしてくれるんですか?」
「それは――」
 一瞬、返答に詰まる。俺はその答えに何となくだが気づいていた。
 しかし――。
「それは言えない」
 それは、まだ、言えない。その言葉を口にするには、もう少し時間が必要だ。
 いつかその時が来れば必ず――。
 俺は千反田の笑顔を見つめながら、心の中でそう誓った。
                                      おしまい

83 :
素晴らしい
みんな上手いなあ

84 :
上手いけど、エロ無しでエロパロ?

85 :
奉太郎もえるの存在で灰色から確実にバラ色になりつつありますね(^^)
ほほえましかったです。

86 :
文集の行頭の文字を横に読むとポルノ小説になっていて
それが各号ごとにリレー小説となっていることを発見し
どんな展開が良いかを議論する古典部

87 :
>83乙
月並みな感想だがすげー面白かった。えるたそ可愛い
でも埒があかないとか摩耶花とか流石とかはいくらなんでもルビいらないw

88 :
さすがにルビ振りすぎだろ

89 :
>>82
乙。こういうのが読みたかった。

90 :
>>74
乙、面白かった
古典部が所謂最近のラノベ的な文になるとたぶんこんな感じだろうなって思った
いい意味でね

91 :
>>66 の続きです。
・愚者のエンドロールを改変してあります。
・奉太郎xえる、里志x摩耶花
・18禁
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
"ちゃんと入れたようね。こんなことを頼むのは心苦しいけど、表に出られないから"
"鍵付きなんて、ドキドキします。事情はだいたい伺ってます。わたし、知りたいんです、その結末を"
"あいつらが暴走しなければ、すんなり解決したのに。大事なポイントは覚えてるよね?"
"はい。あの人なら、きっと何とかしてくれるはずです"
"じゃあ、よろしくね。期待してるから。後でバレないよう、発言を削除しておいて"
"フォロワーから漏れたら台無しですものね。がんばります"
 えるの悩みを解決した後、部室で古典部の文集にはちょうどいい題材だったのでそれを元に編集して
いたところに遅れてきたえるが、
「あ、みなさん居ますね。ちょっと大事なことがあるので来てください」
「何だ、える。また、何かあったのか?」
「ええ、そうなんです。みなさんの力が必要です」
 こういう時のえるに逆らえないのでそれぞれ、ため息をつきつつ、全員でえるの後に付いていった。
「ここです、視聴覚室。失礼します」
 コンコンとノックをして、えるが視聴覚室のドアを開いた。
「済まない、呼び出したりして。とりあえず、そこのイスに座ってくれ」
 少し吊り気味な涼しげな目元の冷厳そうな雰囲気の人だ。訳がわからないまま、俺たちはイスに座った。
「実は、文化祭の出し物として、ミステリー風の映画を撮っていたんだが、不測の事態が生じて、肝心の
ところで頓挫してしまったんだ。まずは、このビデオを見て欲しい」
 HDDレコーダーにセットされたディスクを再生し始めた。
 劇中の生徒たちも、文化祭の出し物のために鉱山の廃村に向かい、そこを題材に映画を撮るらしい。
 いい具合に枯れている廃村は、魅力的な風景だが、廃墟マニアでない限り、地味すぎた。
 そこにくたびれた劇場を発見する、が、もう夕方となり、帰りのバスもないということで、この中で
夜露をしのごうということになる。劇場内はあちこちに資材が積みっぱなしになっていたりして、落ち着
けるような部屋を探すうちに事務室からキーボックスを発見したので、手分けして部屋を探すことにした
ようだ。薄暗い劇場内は、不気味で誰かがドアを開ける音にも怖気が走る。
 そして、ホールの方で絶叫が上がり、大きな物音がしたのでびっくりして、ホールの扉を開けると、
腕がもげて無残な姿になったガタイの良い海藤君を発見する。
 ふと見ると右手の奥が光っていて、誰か扉を開けて、出て行った。
 といったような、大変、中途半端なところでビデオは終わっていた。
「こんな具合で、ここから解決編になるらしいのだが、脚本担当は、体調不良となって現在、音信不通なんだ。
千反田さんによると君らは、何ともよくわからない彼女の悩みを見事、解決したというではないか。誠に申し
訳ないが、責任者として、この状態で展示するわけに行かないので、助けて欲しい」
 まるで女王様のような人が真摯に頼んでくると頼みを受けざるを得ないような気にさせられるが、
「千反田の悩みは、偶然解けた物で正直、このビデオを見る限り、その」
「待ってください!奉太郎さん。わたし、気になるんです。ここまで脚本を書いた人が、何故、止めてしまった
のか。だから、相談を受けてしまったのです」
 また、えるの悪い病気のせいだったんだな。
「一応、参考になる資料も用意した。現場までの地図も作成しておいたから、見に行くことも出来るだろう。
どうだろうか?」
 俺を見つめる、えるの瞳の輝きがまばゆいばかりだ。そして、里志も摩耶花もなんで俺を見るんだ?これは、
はめられたと言うこと、何だろうな。はぁ。
「何の役にも立たないかもしれませんが、ここまでしてもらったので、努力してみますよ」
「そうか!もし、成功したなら、映画のエンドロールに君らの名前を入れることを約束しよう!」

92 :
 文化祭の映画のエンドロールなんて、誰も注視しないと思うが、名前が残るのはいいじゃないか。えるも喜
ぶだろうしさ。俺たちは、資料とディスクを持って部室に戻った。
「さて、提案なんだが、資料も多いし、もう、下校時刻だ。いったん帰宅して夕飯後、この案件を持ち込んだ、
えるの屋敷で検討会をしないか?」
「わたしの家なら、大丈夫です。親は旅行中なので気兼ねなくできますよ?」
「さっきのビデオのことですっかり気になってることだし、僕は付き合うよ。摩耶花は?」
「えっ?!あたしは、興味ないけど、里志が行くなら」
「では、みなさんをお待ちしております」
 そんなわけで、えるの屋敷にぼちぼちと集まってきた。ビデオを50インチはあろうかという液晶テレビに
映し、資料を検討しつつ、あーでもない、こーでもないと議論し、あとは翌朝、現場の廃村に向かおうという
ことになったが、日付が変わるような時刻になってしまった。
「念のため、聞いておくが親には泊まりだって言ってきた?」
「僕は、里志の家に泊まりに行ってることになってるよ?」
「あたしは、ここにパジャマパーティ的な感じで」
「じゃあ、問題ないですね。露天風呂があるので、みなさんで入りましょう!」
「お、おい、える。俺とおまえはいいけど」
「わたし、他の人の裸も知りたいです」
 俺と里志は、思わず目線が合って、お互いの恋人の裸を見られたくないと思いつつも知りたいような微妙な
牽制があったが、
「あたしは、かまわないわよ。減るもんじゃないし」
「摩耶花、あの、いいのか?」
「乱交はイヤよ? でも、一緒にお風呂に入るくらいいいじゃない」
「ば、馬鹿言うな、僕は、摩耶花だけだからな!いくら親友でもムリだから」
 そんなこと言うから、ヤバイ気持ちが一気に強まったじゃないか。でも、気になるな。
「はいはい、仲良くお風呂に入りましょう!」
 またも、えるの好奇心に押し切られて、俺らは露天風呂に向かうのだった。
 脱衣所で、お互い、裸になるのに慣れているとは言え、何だろうこのいけない気持ち。
 はしゃいでる、える以外、黙って服を脱ぎ、タオルを持って、湯気がたなびく石造りの露天風呂に出た。
「まるで、温泉のようだな」「さすが、豪農だけあるな、見事な石造りと風景だ」「ひろーい!」
 落ち着かない気持ちで手桶に湯を取り、体に流して、俺とえる、里志と摩耶花と並んで岩風呂に入った。
 温泉だし、広くて、のびのび出来る。その上、女の子と入るなんてなんか元気が出てくるな。
 なんて思っていると里志がえるの胸元を見ている。どうだ、俺が育てたんだぞとか思いつつ、俺も摩耶花の
胸元を見ると手の平のすっぽり収まるようなかわいらしい乳房が見えて、新鮮だ。
「何か、みんなの目線がいやらしいんですけど」
「そ、そんなことないよ、摩耶花」
「ああ、いい温泉だな、える」
「いえ、奉太郎さんのは性的にみなぎってきてます」
「握るなよ、える!」
「あ、里志のも。どうしてかしら?」
「そりゃー摩耶花がとなりにいるからだよ。ほーたろーだってそうだろ?」
 里志の声がいつもより高めだ。嘘のつけない男だな。
「ま、まあな。あ、体を洗おうかな」と湯から立ち上がる。
「俺も、そうしようっと」と里志も立ち上がったところ、二人の女性の目線が股間に注がれた。
「里志さんのおちんちん、太めです」
「奉太郎のが長いみたいね」

93 :

 何かこの混浴、イヤ。シャワー前のイスに座って、ボディーシャンプーをプッシュして体に伸ばしていると
「奉太郎、背中流してあげるわ」
「えっ?!なんで……」
「お互い、裸なんて機会、そうそう無いし。童貞じゃ無いんだから」
「そうだけどって、えるまで!」
 向こうでは、えるが里志の体を洗っている。
「うふふ」
 摩耶花の手が俺の体を洗ってくれるのはうれしいんだけど、里志も困ってるみたいだな。でも、隠すことが
出来ないし、お互いの恋人がこの場に居るんだからと思うときが楽になってきた。と手が前に伸びてきて、俺
のをしごくように洗い始めた。
「前は、洗えるから。それだけはダメだ」
「けち。えるちゃんは、これを入れてるんだー。さて、あたしも洗ってよ」
 ギブアンドテイクって奴か。
「仕方ないな」
 えるより華奢な摩耶花の体。こいつは本当に里志だけを思ってたのかなとふと、思ってしまう。
「……奉太郎、ちょっと、そんなとこばかり洗わないで」
「ごめん、うっかりした」
 いつものクセでえるを刺激するような洗い方になってしまった。横でえると里志がキャッキャうふふしてい
るし、どうにかなりそうだったのでお互いの体をシャワーで洗い流して、岩風呂に入った。
 里志たちも俺たちに気づいて、洗い流し、岩風呂に入ってきた。
 お互いの顔が赤いのは、温泉だからだけじゃないよな、やはり。落ち着かなくなってきたので、
「そろそろ、上がろうか?」「そうだな」「…うん」「あがりましょう」ともう、始まっちゃってる感じで、
脱衣所に向かい、用意してあった浴衣に着替えた。
「里志さんと摩耶花さんは、右手の寝室を使ってください。では、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」「おやすみ〜」
 俺とえるは、手をつないで寝室に入った。2つくっつけた布団に枕が並べてあり、枕元にはコンドームまで。
「なんかさ、える。もう、我慢できないよ」
「わたしもです。奉太郎さん……」
 お互い、ゆかたをするりと脱いで、湯上がりのほんわりといい匂いがするからだを抱き合うとさっきまでの
興奮のせいか、電気が流れるような感じだ。
 貪るようにキスをして、熱い吐息がこぼれる。布団の上に移動するとえるが俺を押し倒すように上に乗り、
俺の頭をまたぎ、
「奉太郎さん、えるを舐めて」
 俺の顔に熱い陰部を押し当てるので思わずしゃぶりつく。えるは俺の頭を押しつけてよがっている。
「摩耶花さんといちゃいちゃしているのを見て、あぁ…どうしようもない気持ちになって、わたしもう」
 あふれ出る愛液をすすり、ひくひくする膣に舌を差し入れてなめ回すと腰ががくがくして、頭を出した
クリトリスを弄っているとえるは、甘い声を上げはじめ、自分で乳房を弄りながら高まり、背中を反らして
イった。
「摩耶花、僕は、おかしくなりそうだったよ。奉太郎にあんなことされて色っぽい表情になって」
「里志、あたしが誘ったわけじゃないのよ?でも、あなただって、その、もう…」
 摩耶花は僕のをむしゃぶりつくようにフェラチオをはじめた。いつものような遠慮しがちな感じじゃ無く、
荒々しいような舌使いで舐め、吸い付くように咥えたり口の中でなめ回したり。そんな淫らな摩耶花の顔を
見つつ、俺の手にすっぽりと馴染む乳房を揉み、乳首をつまんだり、捏ねたり。
「いつもより里志のが大きくなってる」
 熱い吐息で摩耶花が陶然と僕のをしごきながら淫らなことを言ってる。

94 :
「離れた部屋なのに、えるちゃんの喘ぎ声が聞こえるね……。どうしようか?摩耶花」
 摩耶花は、四つん這いになり、僕に尻を向けておねだりしてきた。
 その熱くぬらぬらした陰部をなめ回すと尻がぴくりとし、もう充血しているクリトリスを弄りながら、
膣に舌を入れて吸ったりかき回したりしていると、摩耶花は堪らず、こっちを向いて、
「里志、もう、どうしようもないくらいしたいの。来て!!」と尻を突き出した。
 枕元に添えてあったコンドームのパッケージを破き、ぎんぎんにみなぎってる自分のに装着した。
「摩耶花、愛してるよ!」
 もう、ぬるぬるになっていたそこに亀頭を押し当て、後ろから強引に奥まで押し込むと摩耶花は悲鳴の
ような声を上げて肉壁が僕のを締め付け、数回腰を使っただけで背筋を震わせながら軽くイってしまった
ようだ。
 そんな摩耶花の顔を横に向かせて、ディープキスをした。
 バックのまま、柔らかな尻を掴みながら腰を使い、ふるふるしている乳房を揉み、摩耶花のまとわりつ
いてくる肉壁の感触に何度もヤバくなり、摩耶花の体を起こして、両腕を掴みながら激しく後ろから突い
て、その勢いのまま、射精した。
 まだ、ムラムラが治まらないので、コンドームを交換して、正常位で摩耶花と汗だくになりながら、
お互いの名前を呼びながら、びっくりするほどの量で射精した。摩耶花もぐったりとしている。
 えるを仰向けに寝かせ、俺はえるのはぁはぁと喘ぐ唇に自分のを押し当てた。今日は、こうしてやらな
いと気が済まなかった。えるは、ちろりと舌先で亀頭を舐め、唇を開いたので口の中に入れると舌が竿に
そってぬめぬめと蠢き、生暖かい口中は例えようも無く気持ちよく、俺を見つめるえるの目は、発情して
いて、亀頭や竿を舐めるえるの舌があっという間に淫らな気持ちを急速に高めて、結構な勢いで射精して
しまった。腰が溶けるような快感だ。えるは、精液を飲んでしまったのか、むせている。
「ごめん、える。つい、口の中に出してしまった。吐き出してくれ」
「けふっ、いいんです。これが奉太郎さんの精液の味なんですね」
 口中の精液の残りをくちゅくちゅと舐め取っている、えるがすごく淫らに思えて、我慢が出来なくなっ
た俺は、枕元のコンドームを取り、いらいらとパッケージから出して、出したばかりで敏感な自分の物に
装着して、えるの両膝を広げて腰を上げさせ、熱い股間に自分のを押し当てたら、飲み込まれるように中
に入って、えるがしがみついてきた。
「える、俺は、お前が好きだ」
「奉太郎さん、わたしもです、ずっと好きです」
 いつもより、乱暴になってしまうが衝動が止められない。あっ、あっというような悲鳴のような低い喘ぎ
をする、えるの乳房を揉み乳首を舐め、甘く噛んだりしつつ、隣からかすかに聞こえる摩耶花の高い喘ぎ声
を聞くと負けていられない気分だ。えるの体を起こして、座位になり、えるの尻を掴みながら下からずんず
んストロークを大きくして突き上げていると、えるが激しくよがる。
「奉太郎さんのが、子宮まで届いてます。入り口から奥まで、すごいことに……」
 快感に震えるえるを抱き締めつつ、更に高めていくとえるの腰がぐいぐいと動き始め、自分の腰使いと相
まって我慢のならない高ぶりが止められず、えるのかすれたような喘ぎ声の高まりに合わせて、射精した。
 何度も何度も出すたびにえるの腰が動き、背筋がびくりびくりとした。
「える、俺のが全然治まらないんだ。もう一度、していいか?」
「気の済むまでしてください。わたしのだって疼きが止まりません」
 そういう、えるを布団に寝かせて、使用済みのコンドームを縛り、新しいのを装着した。
 熱くほてった膣に俺のを挿入するとまた、堪らない一体感が戻り、汗びっしょりの肌を合わせて抱いて
いると、全身で感じ合っているかのようだ。思うがまま、腰を使い、愛撫し、唇を貪って、最後はお互いの
指を絡み合わせ、これでもかと激しく求め合い、えるの喘ぎ声に合わせて、一番奥で激しく射精した。
 汗をかいたのでえるを連れて裸のまま露天風呂に向かうと、里志と摩耶花に出くわした。
「なんか、気が抜けるな」
「ああ、賢者モードってやつかもな。あはは」
 邪気が抜けた感じで、シャワーを浴びて汗とか落として、岩風呂に入ると大変心地よく、眠くなる。
「寝ちゃダメですよ、奉太郎さん」
「ん……ああ」
「里志さんも摩耶花さんも起きてください!」
 えるに起こされて、俺らは湯から上がり、てきとーにバスタオルで体を拭いて、寝室に戻ってんだ
ように寝た。

95 :

 翌朝、目覚めると一人だった。何かいい匂いがするのでそっちに歩いて行くと、台所にたどり着き、
「おはようございます、奉太郎さん」
「ああ、おはよう。おにぎり作ってるのか?」
「ええ。今日は撮影現場に行くんですよね」
「そういえば、そうだな…。」
「あ、おにぎりだ!おはよう」
「ふわー、えるちゃんは、朝早いわね」
 みんな起きてきたので、朝食となった。味海苔で巻かれたおにぎりは、見た目が変だが大変うまい。
「おにぎりがヤケにうまいな」
「うちで収穫された新米を使ってますから。お口に合ったようで良かった」
「そうか、米の味が違うんだね」
 里志も納得だ。それぞれ、朝食を食べ終えて、支度をしてから出かけた。
 バス停までの間に飲み物を補充し、バスに乗った。うつらうつらしながら終点まで行き、そこから
1時間ほどすると廃村に着いた。すっかり日が高い、というかもうお昼だ。
「まだ、何にもしてないけど、昼飯にするか」
「そうですね。それにしても昼間なのに寒々しい風景です」
「鉱山としては、まだ細々とやってるらしいよ。今は夏休みだから誰も居ないだろうけど」
 早速、下調べしてきた里志が知識をひけらかす。
「その辺のベンチに座って、食べましょうよ」
 おにぎり、鶏の唐揚げ、たくあんというようなセットでえるから配られ、夏の日差しで唐揚げが
いい具合に温まって大変うまい。程なく食べ終えたので、撮影場所の劇場に向かう。
 10分ほど歩くとその劇場が見えてきた。外壁が相当痛んでいるようだが雨風が入り放題になる
ほどじゃないらしい。周囲は夏草がみっしり生えていて鎌を持ってこないと入れないと警告された
通りだ。俺と里志は劇場には入れるだけのスペースを空けるため、鎌を持って草刈りだ。
 いい汗をかいた頃、薄暗い劇場内に入ることが出来た。
「これは、倉庫として使われているのか?」
「ああ、本来ならホール周囲は、ぐるっと開いている筈なのに左側が資材等で入れなくなってるね」
「事務室に合い鍵があったわ」
「お、気が利くな、摩耶花は」
「えるが居ないぞ?あ、勝手にホールに向かってる」
 慌てて俺たちはライトを片手に、えるを追いかけた。
「こら、単独行動は、危ないって」
「あ、奉太郎さん。ビデオの海藤さんがんでいた場所を早く確かめたくて」
 ホール内も乱雑な物だった。アルミサッシが積んであって、一部は派手にガラスが割れてるし。
「とりあえず、俺とえるは、ホールをチェックしてみるよ。里志たちは通路とか外回りを見てきて
くれないか?」
「判った。何かあるといけないから、1時間後にこのホールに集合しよう」
「ああ、その方がいいな」里志たちは、ホールから出て行った。
 出入り口が右に2つ正面に1つあって、右奥のドアが開いてビデオのラストで光が見えたんだろうな。
「わたし、気になるんです。何故、海藤さんはホール中央で倒れていたんでしょう?」
「俺もそれは疑問に思った。誰かに害されたなら、害後、目撃されることを恐れて、壁沿いとか
逃走しやすい場所にするよな」

96 :

 えるは、ふらふらと歩き回り、天井から下がっているロープにつかまろうとぴょんぴょんしていたので
俺は何か気になったので、えるでは届かなかったロープは俺の身長だと届いた。
 ロープの上を見るとレールがあって、舞台上まで繋がっているようだった。俺はロープを引っ張って、
舞台上まで上がって考えた。いつのまにか、えるも隣に座っていて、
「やっぱり、このロープが怪しいですよね、奉太郎さん」
「ああ。今、考えているのは無邪気さと単純さの両方なんだが…」
 ホール入り口から里志と摩耶花が入ってきて、舞台上まで上がって来た。
「おーい、ホータロー、何やってるんだ?」
「あのさ、里志、このロープにつかまってターザンみたいに向こうへ跳んでみてくれないか?」
「えっ?面白そうだから、やってみるよ。いっくぞー!」
 里志は、ロープにつかまり、助走を付けてびゅんと宙を飛び、中央付近に積んである資材にかすって
レールが中央で止まっているのでロープがふり戻って、里志は、ずるずると落ちた。
「あっぶねー、なんだアレ、アルミサッシ?すれすれだったよ」
「ちょっと、奉太郎、里志になんてことさせるのよ!」
 摩耶花に睨まれてしまった。
「いや、俺の推理だと海藤先輩が里志がぶつかる予定の場所で派手にぶつかった筈だから、当たらない
だろうと思ってさ、済まんな、里志」
「どういうことなんだ?ホータロー」
 里志を少し怒らせてしまったようで険悪な表情だ。
「通路や外回りは、特にめぼしいところ無かったろう?」
「ああ。僕の見た限りでは、資料通りに窓は雪害対策で打ち付けてあるし、使えない部屋が多かったよ」
「あたしが見たところ、何か仕掛けとか工作したような所も無かったわ」
「奉太郎さん、どんな推理が出来上がったんですか?」
「事故と害の両面がありそうだなってさ。単純に事故の場合、ガタイが良くて体育会系の海藤先輩
なら、さっきの里志みたいにターザンのまねごとがしたくなってもおかしくない」
「そういえば、資料のノートに丈夫なロープってありましたね。あ、ロープが途中でつないであるから
それに使ったのかしら」
 えるが補足してくれた。
「それで、事故の場合、身体能力の高い先輩がスゴイスピードで舞台から助走し、積んであるサッシに
激突、割れたガラスで腕が切り落とされ、衝撃で首でも折ったのか、それでんだ場合と害の場合、
誰かが害を計画し、当たりやすいようにサッシ等を積み上げ、ロープの長さ等を調整して、海藤先輩
をそそのかし、右奥の扉から逃走した、とすると大ざっぱだけどつじつまが合う」
「でも、なんでそうなったのでしょうか?」
 えるがもっともな疑問を挟む。
「おおかた、撮影現場でロープ遊びが止まらなくなり、これで行こうぜ!とかなって別の目的でロープ
を使おうと思った脚本の本郷さんが呆れたとかじゃないか?」
 里志が撮影現場を見てきたように推測した。
「いかにもあり得そうねえ。どの時点でそうなったかは、判らないけど、腕がもげるトリックのために
ロープが使われる筈だったのかもしれないわ」
 摩耶花があきれ顔で意見を言った。
「入須先輩の依頼は、あの中途半端なところで頓挫したミステリー?を何とかして欲しいということだ
ったので、ロープの本来の使用目的は解決しなくていいんじゃないか?」
「うん、きっと本郷さんもこれでいいと言ってくれると思います。大丈夫…な、筈です」
「入須先輩じゃ無くて?まあ、いいや。えるがそう言うなら、これをまとめて提出しよう」
 そんな感じで、あとはこのいい具合に廃れた劇場の雰囲気で何とかなるだろうさ、と俺らは廃村を出
て、バスに揺られて今日は、解散となった。
 翌日、昨日のことをまとめたレポートを入須先輩に読んでもらったら、大変喜んでくれて、これなら
まだ間に合うと礼を述べて、クラスに戻っていった。

97 :
 俺としては、文集の編集に戻りつつ、省エネな生活に戻ってきたのでほっとした。
 入須先輩のクラスのビデオは、後日完成し、古典部にディスクが届けられたので再生してみた。
 あの中断した部分から解決編に入り、再現映像で海藤先輩が奇声を上げながら、豪快にロープに飛び
つき、見ている人が心配になるくらい激しくアルミサッシにアタックするところが爆笑だった。
 エンドロールに Thanks として古典部一同の名前が載っていたので、俺は満足した。
"ホント、感謝します。あなたたちのおかげで何食わぬ顔で学校に出られるようになったわ"
"いえいえ、楽しかったですよ。検索してたら、偶然、先輩のつぶやきを見て、興味が出ただけですし"
"あのロープ、結構予算を食っていたから、どうしても使わないと行けなかったから。それも生かして
くれたし"
"そこは、彼に気づいてくれるよう、あれこれしちゃいました"
"クラスの馬鹿共が暴走しなければ、あたしが引きこもりになることも無かったのに…あ、これはあなた
には関係ないわね"
"ともあれ、今度、あなたたちに何かあったら協力するから。今回は本当にありがとう。でわ"
"はい、先輩。では、ごきげんよう"
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
おわり
ミステリーとかそういうのをロクに読んだことないのでご容赦ください(^^;

98 :
>>82
追加して。雛までの4巻分の要素が見え隠れしているな。
あと個人的にOPの曲がタブってしまう。
あれは奉太郎のことらしいけど、(過去になる前に見つけにいこう/見つける)
アイツの優しさを見せる相手は限られている。
なんで優しいのかを、何故何を気にする人が言ったら面白いななんて思っていた。
話の時期は高1の3月以降になるのかな?
>>97
乙。愚者にエロを加えるのは大変だったと思う。

99 :
さよなら妖精のお話も読んでみたいな
と要望してみる

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