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2012年5月エロパロ353: 日常でエロパロ (445) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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日常でエロパロ


1 :11/04/27 〜 最終レス :12/05/02
需要あるかな?

2 :
ないかも

3 :
お、やっと日常スレ建ったか!

4 :
なのなのなのー

5 :
すげぇ!待てども誰もこねーw

6 :
エロは厳しいだろ

7 :
多分誰も存在に気付いてない

8 :
やっぱりゆっこと麻衣かな本命は

9 :
男たちの…宴

10 :
ちゃんみお趣味の人がいる!

11 :
需要あるなら多分もっと前にスレ立ってるだろうなw

12 :
半角二次元も立たないし、エロ需要ないのか?

13 :
大工×関口考えてる
出来たら投下するつもり

14 :
>>12
ハルヒ・らきすた・けいおんを生み出した京アニでアニメになってるというのは
もしかしたら都市伝説なのかもしれん

15 :
>>13
本命ktkr
楽しみに待ってるぜ!

16 :
いつも遊び吹っかけてる主人公?から凄まじい受けのかほりが……

17 :
そして無表情のまま攻めまくるメガネですね

18 :
笹原と立花みさとのドツンデレHがみたい…です

19 :
121 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 Mail: sage 投稿日: 2011/05/05(木) 21:41:44.12 ID: Xy8t9oTt0
みさと「ちょっと、笹原! 何ここで服脱いでんのよ!?」バキューン
笹原「何でと言われてもな。今から身体測定だ」
みさと「そ、そうだけどっ……体育館に行ってからでいいじゃない!」ドドドド
笹原「立花みさとよ。この高校は身体測定は男女混合だぞ」
みさと「! ――ッ……し、知ってたわよ! そんなこと周知の事実だし!」ズゴゴゴゴ
笹原「そうか」
みさと「ぬ、ぬいで……やるわよ……」ピキッ ドカーン

20 :
もう出来たんか?wwww

21 :
>>19
誰か続きつくってよ
本番なし展開でいいから(個人的には本番なしの少年誌的エロの方がありがたいが)

22 :
>>19
続き書いてみた。こういうの余りしたこと無いので出来はお察し
笹原「立花みさとよ」
みさと「な、何?身体測定だから脱いだだけなんだから!文句ある?」
笹原「いや、なぜ全裸になっているのかと思ってな。女子は下着で良かったのではないか?」
みさと「!…ーーっ!!」ドカーン
笹原「……」
みさと「か、勘違いしないでよ!べ、べつにあんたに裸を見せたかったわけじゃないんだからね!」
笹原「そうか」
みさと「な、何ジロジロ見てんのよ!後ろ向いてなさいよ、変態!」
笹原「すまない。不快だったのであれば謝罪する。後ろを向いておこう」
みさと「あ、で…でも、どうしてもっていうなら、その…見てても…いいわよ…」
笹原「わかった」

23 :
みさと「ね、ねえ、笹原…」
笹原「どうした、立花みさとよ」
みさと「いつもあんたを撃ったりしてごめんね…」
笹原「ああ、気にするな。済んだことだ」
みさと「でも撃ったことは事実だし、目には目をっていうし…だからその…笹原のマグナムで、私を…打ち抜いて!」
笹原「?私は銃など持っていないが?」
みさと「言わせないでよバカ!笹原の…その…お…おちんぽ…を私にぶち込んでって言ってるの!!」

24 :
なんか短いし中途半端だけど、本番書けないんでこれで終わる
それに日常にガチエロは合わんと思うし

25 :
>>24
おお素晴らしいハァハァ……
ガチエロじゃない方がきっとエロいと思う
みさとにおちんぽとか言わせない方がエロいと思う

26 :
ウェボシーフェッちゃんレイプものです。レイプもの苦手な人は注意してね!
フェッちゃん「ウェボシーおはよー」
ウェボシー「おはよー…ってちょっとフェッちゃん!スカート!スカートどこいった!?パンツまるだしじゃんか!」
フェッちゃん「あっ、ホントだ…いや、これで今日は涼しく過ごせるよ。逆によかったじゃん♪」
ウェボシー「よかないよ…そんな他人事みたいに…」
フェッちゃん「何事もね、ポジティブに考えた方が上手くいくもんだよ」
フェッちゃん「落ちたスカートに感謝☆」
DQN1「おいそこのねえちゃん」
DQN2「ちょっと俺たちと遊ばない?」
フェッちゃん「ふぇー、それって私たち?」
ウェボシー「いや私たち学校いかなきゃだし…そんなナンパつきあってる暇ないんで」
DQN1「何だと!パンツまるだしで誘惑してる癖に!」
DQN2「襲ってくれって言ってるようなもんだぜ」
ウェボシー「くっ…やっぱりろくな事にならないじゃないか!」
フェッちゃん「いや…街中で二人の男にナンパされる…モテ期到来!!」
ウェボシー「違うわ!」
DQN1「まあちょっとこっち来いよ」
DQN2「俺たちといいことしようぜ…」

27 :
ウェボシー「なんか廃工場に連れてこられた…やばい…どうしよう…」
フェッちゃん「大丈夫だってウェボシー!ほら、ポジティブポジティブ!」
ウェボシー「よくこの状況でそんなこと言えるな!逆にすごいわ!」
DQN1「さて、そろそろ始めようか」ガシッ
DQN2「そうだな」ガシッ
ウェボシー「やっ…はなせ!」
フェッちゃん「な、何するの?」
DQN1「こうするんだよ!」ビリイッ
ウェボシー「い、いやあああ!」
DQN1「何だよ、ずいぶん貧相だな」
DQN2「でも俺はこれくらいのが好みだぜ」
ウェボシー「うう…ちくしょう…」
フェッちゃん「ウェボシー、どうせいつかは好きな人に裸見せるんだよ?これは予行演習って考えれば…」
フェッちゃん「好きな人じゃないから問題なんだ!それに裸見せるだけならまだいいけどこの流れは…」
DQN1「その通りだぜ」
フェッちゃん「ふぇ?」
DQN2「お前等の初めてを頂くぞ。淫乱女共」
ウェボシー「共!?」
DQN1「オラ、まずはしゃぶれよ」
ウェボシー「んむぐっ…やえろ…」(やめろ)
フェッちゃん「んむっ…ほれをはいふあほおおえあ…」(これをアイスだと思えば)

28 :
DQN1「あ?何言ってんのかわかんねーよ!ぐっ…もう出る…!」
DQN2「俺も…出る!」
ウェボシー「んんんー!?げほっ…うう…苦い…」
フェッちゃん「うぐ…豆乳だと思えば…」
ウェボシー「思えねーよ!」
DQN1「さて…そろそろ本番いくか…」
ドゴーン!!!
DQN1「何だ!?」
DQN2「爆発音!?」
みさと「あんたたち…私の友達に何してんのよ!!!」
ウェ、フェ「「みさと!」」
DQN1「なんだてめーは!」
DQN2「お前も犯してやろうか!」
みさと「うるさい!」
ドゴーン!!!
DQN1、2「「ぐはあーっ!」」
笹原「ふむ…やりすぎではないか、立花みさとよ。事前に避難していなかったらあの二人もんでいたぞ」
みさと「大丈夫なことが分かっててやってるんだからいいのよ!」
ウェボシー「みさと…笹原君…ありがとう。私の大切な初めてを奪われるとこだった…」
笹原「何、礼には及ばん」
みさと「あんた何にもしてないじゃない!」
フェッちゃん「助かってよかった…今日のこの出来事はああいう連中には気を付けろっていうことを神様が教えてくれたんだね…」
フェッちゃん「今日の出来事に感謝☆」
ウェボシー「まだ言うか!」

29 :
以上で終わりです。
どうしてみさとと笹原がここにいるのかとか、細かいことには突っ込み無用でお願いします。

30 :
さすがに日常ではエロは厳しいか?

31 :
28 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします Mail: 投稿日: 2011/05/11(水) 00:10:30.75 ID: yTkh8ZFC0
エロくしようとするとエロくなくなる
エロっていう言葉が、
「性的に興奮できる」という意味と「性的描写過多である」という意味の両方があって、
その二つを制作者側がごっちゃにしているからだと思う

32 :
そりゃ難易度高すぎw

33 :
26歳童貞の高崎の参戦でエロパロに幅が出来たな

34 :
ゆっころがしでエロパロ描いて欲しい

35 :
囲碁サッカー部の二人が素敵だ

36 :
みさとと笹原で
このスレの雰囲気とは違うかもしれないけど

37 :
某月某日。
その日、長らくの間、立花みさとの高校生活に懊悩を与え続けていたとある問題に呆気無く決着が着いた。
「好きだ、立花みさと」
「えっ?えええっ!?」
放課後の校舎の屋上で切り出された笹原幸治郎のその言葉に、みさとはいとも簡単に平静を失った。
笹原はそんなみさとに対して、切々と自分の想いを語って聞かせた。
「突然で不躾な話だろうとは思う。だが、私はそれを伝えずにはおけなくなった……」
「……な、な、何いきなり勝手な事言ってるのよ!ふざけてるんなら、早く黙らないと…っ!!」
「巫山戯てなどいない。私は橘みさとに惹かれている……」
「あ…うぅ………」
笹原が一歩、みさとの方に踏み込んできた。
ずっと待ち望んでいた言葉の筈なのに、まっすぐに自分を見つめる瞳が近づいてきて、みさとは思わず後ずさった。
怖かった。
笹原の言葉に、気持ちに真っ向から向きあう事が恐ろしくてたまらなかった。
迂闊に触れてしまえば、全てが夢物語のように溶けて消えてしまうように思えて、笹原の前から逃げ出したくてたまらなくなった。
「……っ迷惑…なのよ!…いつも私があんたの起こす問題を注意してあげてたのを勘違いでもしたの!?」
「………そう、なのか?立花みさと…」
「…そうよっ!…そうに決まってるじゃない!!…それ以外ある訳ないじゃないっ!!!」
止めどなく沸き上がってくるのは心にもない拒絶の言葉。
それを聞いた笹原の…あのいつも超然として何があろうと動じない筈の彼の顔が…悲しげな色に曇っていくのがたまらなく辛かった。
それでも、みさとには自分の言葉を止める事が出来ず………
「…いい?…もう二度と、そんな馬鹿な事、話しかけてこないでよ!!」
ヤケクソ気味に最後にそう怒鳴りつけると、そのまま笹原の前から脱兎の如く駆け出し、逃げ出そうとした。
その時だった……。
「……うわ!!」
自身のキャパシティを遙かに超えた目の前の出来事だけで頭がいっぱいになっていたみさとは、周囲の状況が目に入っていなかった。
進路上にあった椅子にいとも簡単に蹴躓いた彼女の体は宙に待って、そのまま教室の机の、ちょうど角の辺りに激突してしまう……その筈だったが。
「…立花みさと!!」
必に自分の名を呼び、叫ぶ声に遅れて、力強い腕にみさとの体は包まれていた。
直後、幾つもの机が倒れてぶつかる派手な音と共に、みさとを庇う形で抱きとめた笹原の体はその机達に思い切り、容赦なく激突した。
「あれ?……痛くな………さ、笹原っ!!!」
笹原の腕の中でしばし呆然としていたみさとは次第に自分が何をやってしまったのかを理解して、血相を変えて飛び起き、床に倒れた笹原に向けて叫んだ。
「ああ、立花みさと…大事はないようで幸いだ」
「あんた…っ!バカなんじゃないの!?…こんな…無茶してあんた怪我でもしたら……」
「立花みさとに怪我を負わせるよりは余程ましだろう?……不本意な話を聞かせて、前方不注意にさせてしまったのは私だが……」
少し寂しそうにそう言いながら、笹原は体を起こし、改めてみさとに怪我がない事を確認すると嬉しそうに笑った。
流石に毎日みさとによる銃撃・砲撃の雨にさらされているだけあって、笹原の方も特段怪我らしい怪我は見当たらなかったが、
みさとは自分を庇い、崩れて倒れた机と椅子の真ん中に倒れた笹原の姿を見ているだけで、ぼろぼろと溢れ出す涙を止める事が出来ず……
「…………っ!!」
無我夢中で笹原に抱きついた。
背中に腕に強く抱きついて、笹原の胸元に顔を埋めた。
もはやろくに喋る事も出来ず、自分にしがみついて離れないみさとの姿に、笹原は愛しげな眼差しを向けて
「……付き合ってくれないか、立花みさと?」
耳元で告げて、みさとの背中にふんわりと腕を回した。
笹原の問いに対して、みさとは無言。
だが、笹原の背中に回されたみさとの腕にぎゅっと力が込められて、それが答えとなった。

38 :
こうして、笹原とみさとは恋人として付き合い始めた。
しかし、何しろ相手は時定高校随一の変人・笹原幸治郎である。
毎度の彼のペースが変わるはずもなく、みさとはそんな笹原に一切の容赦もなく、銃弾を、砲弾を、ロケット弾を、爆撃の雨あられを食らわせた。
恋人らしくデートにも出かけたが、待ち合わせ場所に現れた笹原にヤギに乗るように言われてまたしてもみさとはブチギレ。
いつもの如く、笹原のマイペースが炸裂し、みさとの銃弾が乱れ飛んだ。
それでも、笹原に並んで街を歩けば、周囲の景色は色を変え、少ししょぼくれた近くの遊園地のアトラクションがすこぶる楽しいものに感じられた。
大事にされていると、そう理解できた。
笹原の隣にいて、みさとはこの上なく幸せだった。
と、ここ最近のあれこれをみさとが語り終えた所で、みさとの友人、ウェボシーとフェッちゃんはもうお腹いっぱいといった感じで深く息を吐いた。
「で、惚気はそこまでなの、みさと?」
呆れ顔のウェボシーが真っ赤な顔で俯きながら話していたみさとに尋ねた。
「何か相談があるからって聞いてたけど、いい加減本題入ってくれないと独り者の我々としてはすこーし辛いんだけど?」
「う…うう……」
「聞いた感じだと、みさと、笹原くんと上手くいってるみたいじゃない」
続くフェッちゃんも少し不思議そうに問いかけた。
「そう……なんだけど、さ?」
それに対して、それまで恥ずかしがりつつも、割と饒舌に笹原との交際についてのアレコレを語っていたみさとは言葉を詰まらせて……
「………私、何にもしてないな、って……そう思って…」
「何も?…さっきもデートに行ったって…」
フェッちゃんはますます不思議そうに首を傾げる。
「……さっきまでの話聞いて分かったでしょ?全部、アイツから、笹原からなの
……私は好きって言われて受け入れて、だけどそのままちゃんとした言葉で応えてもいない。
デートだって誘ってきたのはアイツだった。アイツはいつも私の事で、何か言ったり、行動してくれたり、それなのに私は自分から何もしてない……」
「……なるほど、そりゃあ気が引けるよね。まあ、ずっと笹原の事好きだったみさとだから、気持ちは分からなくもないけど……」
ぽつりぽつりと語るみさとの言葉に、ようやく納得がいったと言うようにウェボシーが頷く。
「このままじゃ、ダメだと思う。私は笹原の好意を受けるだけで……でも、どうしたら良いかも分からなくて……」
「うーむ…色々複雑なんだねえ……でも…」
「…それって何をするにしても、最終的にはみさとが勇気を出さなきゃ、どうにもならないと思うよ?」
フェッちゃんとウェボシーの答えはみさとも半ば予想していたものだった。
結局はみさとと笹原の問題。
みさとがどう動き、何を言うのか、決められるのは自分だけなのだから……。
二人に相談したのは結局のところ、その後押しをしてくれる力が少しでも欲しかったから、なのだろう。
そんな自分が情けない、そう感じていると、みさとの頭の上にぽふっとウェボシーの手の平が置かれて
「大丈夫だよ、みさとなら。あんたがどれだけ笹原の事好きなのかは、私も分かってる」
「みさとなら、きっと自分で伝えられる、動けるよ」
「ウェボシー…フェッちゃん………」
ぼんやりと涙で滲む視界の向こうの二人に頷きながら、みさとは強く思った。
笹原だけじゃダメなのだ。
恋人は二人足並みを揃えてこそ、笹原だけを一人で歩かせる訳にはいかない。
今度こそ、自分の番なのだと。

39 :
夕暮れの迫る校舎の一角、カラカラと扉を開けて2年P組の教室に足を踏み入れた笹原はきょろきょろと辺りを見回してそこにいる筈の人物の姿を探した。
「ふむ?少し来るのが早すぎただろうか?」
「ううん、遅かったぐらいよ、笹原」
顎に手を当てて、呟いた笹原の背後から耳慣れた声と、教室の扉に鍵が掛けられる音が響く。
「何だ、そこにいたか、立花みさと。いるならばいるで、すぐに声をかけてくれても良いと思うが?」
振り返り、そこに顔を俯けた恋人の姿を認めた笹原はつかつかと彼女に歩み寄る。
以前よりも少しだけ近い距離、親密な空気。
「話というのは何なのだ、立花みさと?確かにここならば鍵をかけてしまえば邪魔も入らないであろうが…」
「……気づいてないんだ。バッカじゃないの?」
「ふむ?」
いつもは笹原の方から近づいてきて、ついには零になる二人の間の距離。
だが、今日のみさとは残された最後の一歩分の距離を、自分の足で踏み出し、笹原の胸元に縋りついた。
「…自分から告白しといて、付き合うって言って、それなのに自分が大事な言葉を聞いてない事にも気づいてないんだ。いい加減にしなさいよ」
俯いていた顔をなけなしの勇気で上げて、至近距離から見下ろしてくる笹原の眼差しを、みさとは真っ向受け止める。
この期に及んで、憎まれ口だらけの言葉しか出てこない自分に呆れながら、それでも逃げないで……。
「ちゃんと言ってなかったから……」
「……?」
跳ね上がり、飛び出してしまいそうな心臓。
笑う膝。
それでも、みさとはその想いを言葉に変えて紡ぎ出す。
「好き、って………私があんたの事、大好きだって……!!」
そのまま、瞼をぎゅっと閉じて、精一杯のつま先立ちで自分の唇と、笹原の唇を重ね合わせる。
付き合い始めてから数度、笹原にリードされて、幾度かキスをした事はあった。
いつも心臓の高鳴りに邪魔されて、その味も分からなかい口づけ。
今回も、無我夢中のみさとには味も何も分かったものではない。
ただ、初めての自分からのキスを、笹原が受け止めて、背中を抱きしめてくれた時、
単なる唇や舌の触れ合いでしかないそれを”甘い”と形容する理由が分かったような気がした。
「はぁ…あ…笹原ぁ……」
「立花…みさと………」
笹原が手近な机の上に腰をおろし、みさとはその膝の上に乗るようにして幾度も接吻を繰り返した。
いつもみさとがどれだけ怒鳴ろうと、銃火器の嵐を吹かせようとどこ吹く風の笹原が、今は自分だけを見て僅かに顔を赤くすらしていた。
それが少し可笑しくて、とても嬉しくて、もっと笹原の唇を求めてしまう。

40 :
そしてふと気付く。
(そういえば、笹原、今までも私とデートに行った時なんかこんな顔ときどきして…見てた筈なのに、気づいてなかったんだ、私……)
思えば、笹原と恋人同士となってからも、みさとはいつもどこかで及び腰だった。
それは笹原へ想いを伝える事への恐れや、それが出来ない事への申し訳なさ、そういう諸々の集合体。
あれだけずっと好きでいたのだ。
その気持ちが大事で大きすぎて、みさとは笹原にそれをどうぶつければいいのか、きっと見失っていた。
だけど、笹原はこうしてみさとの気持ちを受け止めてくれた。
みさとの心を縛っていた鎖は千切れ飛んで、今は笹原の心のもっとずっと近くにいられる気がする。
もう恐れる必要も、自責の念に苦しむ必要もない。
今はただ、囁く言葉と、重ねる唇で互いの気持ちを奏で合わせよう。
「好き……笹原ぁ、好き、だから……」
「ああ、立花みさと…私も……」
みさとと笹原、二人の熱情は互いに互いを高めあい、高鳴る鼓動と切れ切れの息の間でみさとはそっと笹原の手の平を自分の胸元に導いた。
「いいのか?」
「いい。…何度でも言うけど、私は笹原が好きだから、笹原の全部が欲しいと思ってるから……」
心も、体も、みさとの全てが笹原を求めていた。
もう止まれないし、止まるつもりもない。
笹原は頷き、みさとの胸を愛撫し始める。
二つの膨らみが笹原の手の中でぷにぷにと揉まれて、尖り始めた先端を制服の上から撫でられただけで、甘い痺れが駆け抜ける。
迸る快感と同時に、自分の乳房が笹原の指先のされるがままに揉まれるその様子そのものに、みさとは強い興奮を覚えてしまう。
「あ…はぁ……でも…ちょっと、気になるんだけど……笹原、あんた妙に上手くない……その…こういうの慣れてるの?」
「…ああ、確かに余人よりはこういった事には精通しているであろうな…」
ふとみさとが尋ねた疑問に返ってきた笹原の予想外な答え。
みさとは笹原がこれまでにも手慣れるほどに女性とこういった交わりを持ったのだろうかと、不機嫌な表情を見せるが……
「農家である笹原家の長男たる私が、羊の乳も絞れないようでは沽券にかかわる」
「…く…うぅ……あんた…ねえ……」
後に続いた笹原らしいズレた言葉に、ここは一つ行為を中断して鉛玉をぶち込んでやろうかと考えるが……
「それより、立花みさと……」
「ふえっ?うわ!…何?笹原……!?」
笹原の膝の上に乗っていた自分の体が抱え上げられて、再度、いくつか繋げられた机の上に仰向けに寝かせられて、みさとは思わず驚きの声を上げた。

41 :
「先ほど、私を求めてくれたな、立花みさと?」
「う…うん……」
「…私も同じだ。立花みさとに惹き寄せられて、触れたくて、肌を重ねあわせたくて、たまらない……構わないだろうか?」
「あ……笹原……」
熱を帯びた視線がみさとを見下ろしていた。
見つめられるみさとには、もはや頷く以外の選択肢はなく、笹原の手によってみさとの上着は簡単に脱がされてしまう。
その鮮やかな手並みにやはりいかがわしい経験が多数あるのではとちらり疑念がよぎるが、
次の瞬間にはブラを外されて無防備に晒された乳房に笹原の指が沈み込み、首に鎖骨に落とされるキスの雨に言葉もまとまらなくなる。
「…ん…うぁ…ああっ!!…笹原ぁ…ふあっ…や…乳首、そんなされたら……」
荒れ狂う快感、笹原の指先に触れられる興奮、それらが全てを押し流してしまう。
笹原の指先は繊細で的確にみさとの性感を高めてゆき、
乳房を揉まれ、乳首を転がされ弄られる度にその場所がじんじんとした痺れに包まれて、その快感の強さだけでどこかへ魂ごと吹き飛ばされそうになってしまう。
その指先が今度は晒されたみさとの肌の上を滑って、敏感な箇所を撫で回し、全身が刺激の渦から逃れられなくなっていく。
「…きゃ…ふ…うん…さ…さはらぁ……!!」
「……立…花………」
息継ぎでもするように、幾度キスを繰り返しただろう。
唇も、肌も、全てがじんじんと刺激に震えて、まるで宙に浮いているかのようだ。
そしてやがて、笹原の指先はそんな刺激と熱が渦を巻き、内側から湿りを帯び始めたみさとの下腹部へと伸ばされる。
「…あ…笹原の…ゆび………」
スカートをずらされ、露になったショーツに笹原の指先が潜り込み、みさとがまだ誰にも触らせた事のなかった割れ目を探り当てる。
割れ目に沿うように幾度か撫でられた後、笹原の指先がクレヴァスの内側へと進入する。
既にしとどに溢れていた蜜を絡めながら、笹原の指先が自分の一番敏感な箇所に抜き差しされる快感に、みさとは身震いする。
「ふぁ…くぅんっ!…あっ…ああっ…笹原のゆびが…ひう…ああっ!!」
今までの行為で十二分に敏感になっていた秘所を、笹原はみさとの反応を見ながら、より大きな快楽を与えようと責め立てる。
蜜が絡むほどに進入してくる指先も深く長くなり、そのまま内側からかき混ぜられれば、なるべく小さく抑えようとしていた筈の声も次第に大きくなっていく。
「…ひぅ…ああんっ!!…あっ…あああっ!!…だめ…も…だめぇええええっ!!!」
蜜はもう笹原の手をぐしょぐしょに濡らすほどに溢れかえって、ぴちゃぴちゃと響く淫靡な水音の恥ずかしさがみさとをさらに追い詰める。
笹原の指先の動きは次第にスピードを増してゆき、そしてついには、みさとはそのまま軽く達してしまう。
「く…ひぅんっ!!!…あ…ふああああああああああっ!!!!」
ビリビリとみさとの強張った全身に痙攣が走り、意識が一瞬白く霞んだかと思うと、ぐったりと力が抜け落ちる。
笹原もそこで愛撫の手を一旦休めて、涙と汗と蜜に濡れて、荒く息を切らすみさとの艶姿に見入る。
「……美しいものだな、立花みさと……」
「…な…なによ……はぁ…だしぬけに妙な事……」
「妙な事…などではない。…こうして改めて向きあって、思い知る。立花みさとという女性の美しさを」
「ば…ばかなこと……そんな適当な事言って、またあんた……!」
だしぬけに言われた言葉にみさとは顔を真赤にして言葉を返すが、笹原は言い切る。
「適当、ではない。本当の事だ。……本当に私が感じた事だ」
「あ……………」
まっすぐに見つめてくる眼差しの色合い、それだけで今のみさとには分かってしまう。
笹原が今、みさとの事をどれほど美しく、そして愛しく感じているのか。
その言葉には欠片ほどの嘘が介在する余地もない。
「………………ばか」

42 :
やがて、みさとの呼吸が再び整い始めた頃、彼女は笹原の目を見て告げる。
「きて、笹原……笹原のが、全部ほしい……」
「わかった。私も……」
笹原も自らの硬く大きく張り詰めたモノを取り出し、みさとの秘部の入り口にあてがう。
正真正銘、初めての経験。
笹原の分身が果たして平均的なものと比べてどの程度の大きさなのかはみさとにも分からないが、
少なくとも小さく狭い自分の大事な部分に受け入れるには、それはたくましく、大きすぎると感じられてしまう。
だが、みさとの下腹部のあたりにキュンと疼く何かが、それを求めてやまない。
笹原と一つに繋がりたいと、全身の細胞が、みさとの心が声を上げている、そう思えた。
「ゆくぞ、立花みさと……」
「うん………」
小さく言葉を交し合って、頷き合って、そして挿入は開始された。
「……痛ぅ…っ!…っあ…っあ…っあああああああ!!!……ささ…はらぁ……っ!!!!」
笹原はみさとを気遣うように慎重に進んでいくが、肉を裂かれるその痛みは体の内側からみさとの神経を焼く。
「……立花みさと、慌てる必要は…くっ……ないのだぞ?」
「だいじょぶ……だから……へーき…だから……おねがい、もっと……もっと奥にきて…ささはらっ!!!」
処女膜が破れ、破瓜の血が接合部から流れ出る。
笹原のモノは狭くとじた柔肉をこじ開けて進み、ついに根本までがみさとの膣内に挿入される。
「…あっ……ああっ…ささはらぁ……やっと……やっと、ひとつに……」
「そうだな……」
瞳に涙を溜めながらも嬉しそうに笑って見せたみさとに、笹原も優しく微笑む。

43 :
「…痛いの…思ったよりへーき…だから…このまま笹原の…思うように動いて………あ、でも…や、やっぱり、あんまり乱暴にされるのは…怖いけど…」
「言われなくとも…最愛の相手を無下に扱うほど、この笹原幸治郎、愚かではないぞ?」
「あ…うう…最愛って……」
「…他の言い方が良かっただろうか?…我が至上の愛を捧げる唯一の女性…唯一無二の我が恋人……」
「あ、ああっ!わかった…わかったわよ最愛でいいわよ………。私も最愛の人と…もっと深く繋がって、感じ合いたい……」
事此処に至っても自分のペースを崩さないのは流石笹原と言ったところだろうか?
積み重ねられる赤面もののワードを強引に押しとどめて、みさとは真っ赤な顔で笹原の耳元に囁く。
笹原は、それに小さく頷き……。
「…っく…うあ…あはあっ!!…ささはらっ!!…ささはらぁああああっ!!!!」
破瓜の痛みと、粘膜同士が擦れ合う性感の刺激が渾然一体となって、みさとの中でとめどない熱量へと変化する。
痛い筈なのに、その刺激を、熱を体は求めてやまず、突き入れられる度にみさとの口からは悦びの声が漏れ出る。
「…ふあ…ささはら…あつい…あついよぉおおおっ!!!…こんな…ふぁああああんっ!!!」
「立花みさと……」
幾度も繰り返される前後運動の合間にも、二人の唇は惹かれ合うように何度も重なって、唾液の糸が沈みかけの夕日の光に輝く。
突き上げの回数が重ねられるほどに、みさとの肉体は刻み込まれる刺激を貪欲に求めて、行為に没入していく。
今、みさとが受け入れているのは笹原自身の熱と質量、それに内側からかき混ぜられるほどに、みさとは乱れていく。
「ささ…はら……おねがい…手……にぎって…もっといっしょに……いっしょに…なりたいのっ!」
「わかった……私も…もっと立花みさとと…ひとつに……」
少女と少年の手の平が重なりあい、指先が絡みあう。
数を忘れるほど繰り返したキスと、流れる汗、とめどなく上がっていく体温、そして繋がり合った場所で渦巻く熱が二人を一つにしていく。
もはや快感とも痛みとも判別のつかない熱の奔流の中に、みさとは溺れて、笹原と共に身も心も溶け合って、その熱を高めていく。
肉槍が秘所をかき混ぜて、擦れ合う粘膜の刺激はさらに快感神経を鋭敏にして、歳若い少女と少年をその坩堝の中に呑みこんでいく。
「ささはらっ!!ささはらっ!!…わたし…もう……!!…ああああああああああああっ!!!!!!」
「……立花みさと…私も……」
やがて、止めどなく加速していく行為の刺激は二人の中で最大の高みへと到達しようとする。
白い光が視界に幾度も瞬いて、快感が電流のように全身を貫く。
既に心も体も限界を振り切っているはずなのに、行為は止まる事なく加速を続け、やがて極限まで高まった熱がみさとと笹原の中で弾けた。
「好きだ…立花みさと……っ!!!」
「ああっ!!…好きっ!好きっ!!私も……ささはらぁあああああああああああっ!!!!!!!」
次の瞬間、全身を貫く激しい絶頂感にみさとは華奢な体を弓なりに反らして、体を震わせ、そしてその膣内に笹原の白い熱が放たれて波打った。
笹原は力尽きたみさとの体を抱き起こすと、優しくその背中を抱きしめてやる。
そして、絶頂の余韻も去ろうかという頃、顔を上げたみさとと、見下ろす笹原の唇は再び惹かれ合い、二人はもう一度、深いキスを交わしたのだった。

44 :
おおぉお!キタ!!

45 :
それから、服装を直したみさとと笹原。
みさとは笹原に今日まで自分が何を考えてきたか、どんな想いで笹原を呼び出し、あのキスを敢行したのか、思うところを打ち明けていた。
「最初はどうなるかと思ったけど…でも良かったわ。やっぱり、あんたに言わせっぱなしで自分の気持ちを黙ったまんまなんてね……」
しみじみと呟きながら、みさとが微笑む。
「やっぱりさ、好き合ってるなら、一緒に並んで歩けなきゃ…寂しいものね」
「そうだな……。だが、立花みさと、考えて見れば、今日ぶつけられたその気持ち、私はずっと前から感じていたと、そう思う」
「えっ?」
「何度も面倒をかけて、世話を焼かせた。それでも、立花みさとの瞳は私をずっと見つめてくれていた。
それが心地良かった。暖かかった。……だから、惹かれた。好きになった………」
それは、みさとが打ち明けられない気持ちを抱えたまま、それでも笹原の背中を追いかけ続けたあの時間の事。
言葉にならずとも、伝わった想いが少しずつ、雪が降り積もるようにして重なり、やがては笹原とみさとを繋ぐ道となった。
「な、な、何恥ずかしい事言ってんのよ!!」
さらりと言い切った笹原に赤面したみさとはまた得意の銃火器を取り出そうとするが
「事実だ。仕方がないであろう」
そう言って、からりと笑ってみせた笹原の表情に、みさとの肩の力も抜けて、いつしか二人は一緒に笑っていたのだった。

46 :
ガチエロはちょっと違うという方もいらっしゃったようですが、とりあえず個人的には楽しんで書けました。
みさとと笹原は良いものです。

47 :
乙!気持ちがほっこりした
いいなぁ

48 :
>>46
抜かしおる

49 :
誰が上手いこと言えと

50 :
>>48
わろた

51 :
脱がしおる

52 :
このスレは非18禁はなしで行くかい?

53 :
非18禁はことわりいれたらいいんじゃない?

54 :
1年Q組のメイン三人でエロ書きたいけど誰と組み合わせて書けばいいのかわからない
ゆっこ、みお、麻衣の三人の組み合わせで絡めてもいいけど、それは百合の方のスレの仕事だし
相手役のキャラをでっちあげるのも気乗りしない
陵辱物は好きだけど全部それってのも嫌だしなあ
悩みどころが多すぎる
とりあえず、なのは博士の発明に体を色々されちゃう展開が鉄板かしらん

55 :
誰かをふたなりにするのはエロパロのほうだね

56 :
ふたなりは注意入れてね
>>26-29みたいなのってエロに入る?

57 :
とにかく、その日の立花みさとの剣幕たるや、いつにも増して激しいものだった事を笹原はよく覚えている。
放課後の校舎、クラスで割り当てられた委員の仕事を終えた笹原は、課せられた責務を果たす事の大切さを胸に改めて胸に刻みこみつつ、生徒用の玄関に向かって歩いていた。
その時、背後に気配を感じた笹原が振り返ると、いたのだ。
いつも以上の銃火器で身を固めた立花みさとが。
「おお、立花みさと…そちらも今が帰りか?」
「おお、じゃないわよ。さ〜さ〜は〜ら〜ぁあああああああっ!!!!」
乱れ飛ぶ大口径の銃砲弾、爆発の炎と衝撃のさなかで追い打ちにように叩き込まれたミサイルに、さしもの笹原でさえ一瞬意識が危うくなった。
そして、激しい攻撃がようやく終わり、もうもうたる煙の中で立ち尽くしていると誰かが彼の手を引っ張った。
ふらふらの笹原は引かれるがままに廊下の曲がり角、ちょうど周囲の窓や教室などからは角となる場所まで連れてこられる。
煤に曇ったメガネのガラスを拭えば、そこに立っていたのは先ほどまで自分に攻撃をしかけていた立花みさとだった。
「どうしたのだ?先程の剣幕、私がした事で何か困らせてしまったのだろうか?」
少し心配げに尋ねれば、今度は一転、真っ赤な顔でうつむいたみさとは笹原の制服の裾をちょこんとつまんで
「………どうしたのだ、じゃないわよ。さっきからずっと呼んでたのに、笹原が全然立ち止まらないのがいけないんだからね……」
「そうか、それは済まなかったな、立花みさと」
「………うぅ、いや、それはいいのよ。私もちょっと声が小さかったし、大事なのは伝えたい要件だから」
実際のところ、みさとが笹原に呼びかけた声は遠すぎの小さすぎでとても聞きとれる物ではなかったのだが、今更それは言えないみさとである。
そもそも、みさとがこんな風になってしまったのも、その「要件」のせいだった。
「要件か。様子を見るに急ぎのものらしいな」
「うん………明日の事…だからね……」
いつになく、みさとの言葉は歯切れが悪い。
「明日?明日は土曜日で学校は休みだ……何か個人的な事なのか?」
「あ………うぅ……そうよ……その通りよっ!!」
変人奇人で通っていても、笹原は本質的には頭も良く、周囲の状況も見えるタイプだ。(見えた状態で斜め上の妙な解釈をする事はあるが)
みさとも笹原と接してきた時間は短くない。
観念して、みさとは笹原にその要件とやらを伝える。
「都合が悪くなきゃ……で良いんだけどね」
「ふむ……」
「ほら、笹原の家、農家だからお休みでも手伝いとかあるんじゃない?……もし、そうでなければ、なんだけど……」
「手伝い、というより笹原の家に生まれた者として、当然の責務を果たしているだけだがな」
「うん。だから、無理は言わないんだけど………」
つま先立ちのみさとが、笹原の耳に触れるか触れないかのギリギリまで唇を近づけて、小さく、恥ずかしげに囁く。
「明日、家に来て………泊まって行ってほしい……」
なけなしの勇気を振り絞ってそれだけ伝えると、みさとは緊張に耐えられなくなったのだろうか、そのままくるりと踵を返して走り去ってしまった。
照れ隠しとばかりに、ピンを引き抜いた手榴弾を床に転がしておいて………。
(い……言っちゃった………ついに言っちゃったよ、どうしよう………!?)
完全にパニック状態のみさとの背後から手榴弾の爆発の衝撃が遅れてやってくる。
そして爆発音の残響がようやく消えた頃、みさとは確かに聞いた。
「承知した。立花みさと、明日、そちらの家に向かおう」
白煙の中でも相変わらずの笹原の声がそう答えてくれたのを………。

58 :
そして、翌日、土曜日。午後1時過ぎ。
この日、立花家の人間は諸々の都合によって皆家にいなかった。
両親は揃って旅行に出かけ、明日の遅くまで帰る予定はない。
いつもは土日返上で剣道の練習に明け暮れている妹もたまには息抜き、という事で仲の良いクラスメイトの家にお泊り。
誰もいないリビングのソファにみさとはクッションを胸元に抱えて、落ち着かない時間を過ごしていた。
「………うぅ…でも、失敗だったわ。いくら慌ててたからって、いつ来るのかとか、時間も決めずに帰っちゃうなんて……」
昨日のみさとは笹原に、泊まりに来て欲しいと伝えるのが精一杯でいつ頃笹原が来るのか、それとも外で待ち合わせでもするのか、何一つ決めていなかった。
しかし、そのみさとの懊悩もそう長く続く事はなかった。
リンゴーン。
玄関の呼び鈴が鳴らされた。
脅かされた猫のように跳ね上がったみさとは、ソファから転がり落ちるようにしてフラフラと立ち上がる。
リビングの扉からひょっこり顔だけを出して、玄関へと通じる廊下から様子を窺う。
玄関のドアに阻まれて、向こうからはこちらの様子など見える筈はないのだが、そこにいる筈の彼の存在をどうしても意識してしまう。
「そもそも、時間は決めてないんだから、笹原のヤツとは限らないんだし……アイツだったらアイツで招待したのは私なんだから、私が出なくちゃおかしいし……」
抜き足差し足、こっそりとあくまで気配をして、ようやく玄関口にたどり着いたみさとがドアを開ける。
その向こうにいたのは、案外とこざっぱりした私服姿の…だけど、首もとにはやっぱり例のひらひらをつけた笹原だった。
「おお、立花みさと、いたのだな。時間の約束していなかったのを失念したまま来てしまったから、場違いな時間に来てしまったかと心配したのだが……」
「いいわよ。忘れてたのは私も同じだし。…さっさと上がんなさい」
「うむ、邪魔をさせてもらう」
一礼して、毎度の無駄に優雅な動きで立花家の玄関をくぐった笹原。
ドアが閉じると、ついに本当に笹原と二人きりだ。
ちらりと横を見れば、隣に立つ笹原が柔らかな微笑みを返してくれる。
その眼差しの前に立っているだけで、みさとの顔は真っ赤になって、体はガチガチに硬直して……
「どうしたのだ?立花みさと、あまり具合が良さそうではないが?」
「う、うるさいわね。そんな事ないわよ!私はいつもどーりに……」
「そう力むな。私とて緊張しているのだ。想い人の家を初めて訪れるともなればな」
「おも……っ!?」
笹原が僅かに照れたように、しかしさらりと言ったその言葉でみさとの体中の血液が沸点を越えてしまいそうになる。
「では、案内してもらえるか?立花みさと」
笹原の手がみさとの手を握り、みさとに先立って歩き始める。
「こ、こら……っ!案内しろって言っておいて、先に歩くなっ!ていうか、人の家に勝手にっ!!」
慌てて笹原を追い越してリビングへと彼を引っ張っていくみさとの顔には、嬉しそうな笑顔が浮かんでいた。
というわけで、立花家リビングルーム。
まるで自分の家にでもいるかのように、堂々とソファに腰を下ろしている笹原の態度には、もはやみさとも諦めているのかツッコミはなし。
というより、今のみさとの頭の中はそれどころではなかったりする。
(参ったな……学校ではもう少しぐらいはちゃんと、笹原と喋れてたと思うんだけど……)
喉の奥が詰まったように、言葉が出てこない。
笹原が家に来て、さしむかいになれば、話したい事なんていくらでも湧いてくる。
というか、そうやって笹原とゆっくり語り合う時間を前々から欲していた筈なのに……。
しかし、一方の笹原は先ほど「緊張しているのだ」なんてどの口が言ったのやら、みさとが出したお茶をすすりながらすっかり寛いでいる。
「ほっ………」
お茶を飲み終えた笹原が満足気に息を漏らしたところで、流石にみさとの方もこちらの気も知らずのんびり気分のこの男への怒りが湧いてきた。
ガツンと言ってやる。
結局いつもの学校でのやり取りと同じになってしまうが、構うものか。
このままだんまりを続けるよりは余程マシだ。

59 :
「ちょっと笹原っ!」
「どうした、立花みさと?せっかくのお茶が冷めるぞ?」
「そのお茶は私が淹れたものでしょうが!」
「うむ、美味だ。流石だな、立花みさと」
「……お、美味しかったんだ………って、そうじゃなくて、人の家まで来ていつものでっかい態度、いい加減にしな……むぐっ!?」
勢い任せに叫ぶみさとの口に何やら丸いものがねじ込まれて、みさとの言葉が止まる。
「ほれ…はまい……ほまんひゅう?(これ…甘い……おまんじゅう?)」
「まずは甘い物でも口に入れて、少しは落ち着け、立花みさと」
それは、みさとがお茶菓子にと出したまんじゅうの一つだった。
「むぐ…もぐもぐ…はひいっへんのよ(何言ってんのよ)…ごっくん。お茶もおまんじゅうも私が用意したものでしょ」
「うむ、饅頭の方も立花みさとが選んだ物なのか?」
「そうだけど……」
「どちらも美味だな。それとも、味の嗜好が同じなのだろうか?……ともかく、もう一杯お茶も欲しいところだな」
「笹原と……同じ嗜好……」
何となくその言葉が恥ずかしくて、勢いを失ったみさとはぺたりと再びソファに座り込む。
しかし、何故だろうか?さきほどまであった、喋りたくても言葉が出てこない、強張りのようなものはいつの間にかみさとの中から消えていた。
そんなみさとに、くすくすと笑いながら、笹原が少し嬉しそうに話しかけてくる。
「すまんな。いつも、立花みさとには助けられる」
「何よ、私は別に……」
「正直、先程まで会話の糸口を掴めずにいた」
「えっ!?」
意外な笹原の言葉にみさとがぽかんと口を開けていると、笹原は不思議そうに
「さっきも言ったではないか。緊張している、と。」
「でも、そんな風には全然……どっちかというと堂々とし過ぎて憎たらしいぐらいで…」
「表面を取り繕うのに精一杯だっただけだ」
実際にその言葉を聞いても、どうしても信じられないみさとに、からり、笹原は笑って見せて
「立花みさとの言葉はいつも私の懐深くまで斬り込んでくるようだ。油断すれば即一本奪われる」
「それって、褒めてるの?」
「そのつもりだ。御蔭で必に言葉を返すしかなくなった私は、今はこうしていつものように立花みさとと話せている」
少なくとも、みさとの視点からは精一杯だったのはむしろ自分の方で、先程の叫びはどう話していいかわからないモヤモヤを、なりふり構わずに笹原にぶつけただけ。
しかし、笹原も実のところ同じ壁に突き当たっていて、意図せずとはいえ、みさとの声が、言葉が、それを打ち破る事になったというのなら……
(ちょっと……嬉しいかも、しれない……)
何だか照れくさくて、少しそっぽを向いて前髪なんぞいじりながら誤魔化していると、笹原はソファから腰を浮かせて、みさとの座っている側の近くまで移動してきて
「やはり、立花みさとといっしょにいる時間は、楽しい」
みさとの方に微笑みかけて、そう言った。
「……………何よ、馬鹿…」
「立花みさとは、楽しくないのか?」
「………………………」
みさとはその問いに言葉では答えなかったが、自分も腰を浮かせてソファを移動し、少しだけ笹原に近い位置に座りなおした。
さっきよりも幾分砕けた空気、雰囲気の中、どちらともなく互いに相手の方を見たみさとと笹原の視線が交錯する。
笹原はそれからみさとの手を見て
「どうやら、相変わらず練習にぬかりはないようだな、立花みさと」
みさとの手の平、親指と小指の辺りに出来ているタコを笹原は見逃さなかった。
何しろ、彼もかつては同じ道を歩み、練習に明け暮れた過去を持っているのだ。
「…あんまり見ないでよね。ちょっと、気にしてるんだから」
「しかし、それは剣道部員としての立花みさとの努力の証左であろう。誇るべきものだと思うが?」
「あのね。気にするのよ、女の子は!そりゃあ、好きでやってる剣道だけどさ」
練習熱心なみさとの手の平に残されたタコは、みさとの悩みの種でもあった。
男の人というのは、もっと柔らかくて小さな、女の子らしい手の平が好きなのではないか?
しかし、その手の平を彼女のまさに意中の少年の手がそっと包み込む。

60 :
「私は、こういう立花みさとの手が好きなのだがな」
「そ、そうなの……?って、勝手に触らないの!!気にしてるって言ったそばから……っ!!」
この手の平を好きだと言ってくれる、その笹原の言葉は真摯でまっすぐで、みさとは文句を言いながらも彼の手を振り払う事が出来ない。
「剣道部の方、調子はどうなのだ?」
「…………ん、それなりにはね。流石に長野原さんみたいにはいかないけど、部員のみんなの気合も十分だし大会の頃にはいい感じに仕上がってると思う」
「懐かしいな。私も少し前までは夢中になって竹刀を振っていたが……」
「今の笹原じゃ私の相手にはならないわよ?それに、そっちこそ演劇部、どうなのよ?」
今度はこちらの番だぞ、とばかりにずずいと身を乗り出したみさとが尋ねてくる。
「…ああ、こちらは次の脚本が上がったばかり、まだ練習も序の口といった所だ。ただ、新入部員がなかなか慣れぬようでな」
「あんたもそれなりには苦労してるんだ。まあ、演劇部の部長ってのも大変よね」
「私は苦労などとは思わぬがな。それに、公演に向けて奮起しているのは私だけではないものでな」
「ふーん」
何やら誇らしげに演劇部の事を語る笹原の横顔を眺めながら、みさとの顔に笑みが浮かぶ。
変人・奇人と呼ばれても、笹原幸治郎の心根はいつだってまっすぐに前を向いている。
それをずっと間近で見続けてきたみさとには、演劇部部長として情熱を燃やす笹原の姿が、言葉が、たとえようもなく嬉しいものだった。
「ま、精精舞台で恥かかないように頑張りなさいよ」
照れ隠しに頭をわしわしとしながら、笹原に告げれば
「勿論だ。そちらも、悔いのないようにな、立花みさと」
ふっと、相変わらず気取った笹原の笑みが返ってくる。
それから二人は、最近の学校での出来事、読んだ本の事、テレビやニュースの事、その他もろもろ、雑多な話題を取り上げては二人きりの会話を楽しんだのだった。
さて、時間はさらに経過して夕刻。
「そろそろ、夕飯の準備をしなきゃね。笹原、あんた何を食べ………」
「ふむ、この材料はビーフシチューだな。私の好物とは……これを天祐と言うのだろうか?」
夕食を作る為に立ち上がったみさとはいつの間にやらキッチンに入って、材料の吟味などをしている笹原の姿を見て顎が外れそうなほどに驚く。
「ちょ……あんた、いつの間にっ!!それに、人の家の台所に勝手に入ってっ!!」
「何を言う。そろそろ夕方だろう?今から作り始めないと、夕食が遅くなってしまう」
「いや、だから、どうしてあんたが……っ!?」
叫ぶみさとの前でどこから取り出した物か、笹原はいそいそとエプロンなどを付け始めて……
「だから、夕食の支度だと言っているではないか、立花みさと」
ようやく笹原のしようとしている事を理解して、納得したみさとだったが、その表情はかなり不機嫌である。
本当ならば、みさとが丹精込めて作ったビーフシチューで笹原の舌をうならせてやろうと、そう考えていたのだ。
それなのに、その笹原が調理に参加するのでは、計画はご破算である。
しかし、まさかそんな事を考えているとは口に出す訳にもいかず、ジト目のみさとは精一杯、笹原に抗議する。
「あんまりあんたに勝手に動き回られても困るんだけど?ビーフシチュー、せっかく材料用意したのに、失敗したらどうすんのよ?」
「ふむ、信用がないな。ならば、立花みさと、そちらの指示に従って手伝おう。これなら問題はないのではないか?」
「むぅ………」
建前上は、確かにそうかもしれない。
しかし、みさとの目的はあくまで自分一人で作ったビーフシチューを笹原に食べてもらいたい、この一点に尽きるのだ。
一体、どうやって笹原にキッチンから出ていってもらうか、それを考えている内にいつの間にやら当の笹原は勝手に包丁やまな板の用意なんて初めていて
「立花みさと、玉ねぎはこちらで切っておく。そちらは人参を……」
「あ〜も〜、わかったわよ。好きにしなさい、笹原!」
すっかりあきらめ顔のみさとは仕方なく自分もエプロン着用で調理に加わるのだった。
みさとにとっては誠に悔しい話ではあるが、笹原が参加してくれたおかげで調理はすこぶるスムーズに進んだ。
何しろ本格的に作ろうとするとやたらと手間暇のかかる料理である。
が、みさとが調理を進める合間合間に笹原が別の作業をやってくれるので、その行程はトントン拍子に進んでいく。
「というか、やたら手馴れてるわね。こういうの、苦手だと思ってたんだけど?」
「何を言う、立花みさと。同じクラスで同じ家庭科の授業に参加しているのを忘れたのか?」
「むむっ…確かにそうだけど……」

61 :
考えて見れば、確かに笹原だって家庭科の調理実習は普通に受けている。
毎度、あの正体不明の執事らしき人物のサポートを受けているからそればかりが印象に残ってしまうが、
その助けが無ければ何も出来ないなどという類の人物でない事は確かだ。
「そもそも、農家である笹原家の長男が食材もまともに扱えないなど、冗談にもならんであろう?」
当然だ、と言わんばかりの表情の笹原はシチュー鍋にじゃがいもとマッシュルームを加えて、煮込みも最終工程に入ろうとしている。
そもそも、ふつうの農家の長男坊だろうと以前笹原にツッコミを入れたのは他ならぬみさとである。
そこまで分かっていて、それなのに笹原という男子を見誤っていた自分がみさとは何だか悔しかった。
ただ………。
「うむ、そろそろだな。立花みさと、食器の用意は…」
「言われなくてもとっくよ。サラダももうテーブルに運んだわ」
「さすがの手際だな。感服する」
笹原の素直な賞賛の言葉に耳を赤くしたみさとは、食器棚を探るふりをして彼から赤くなった顔を背ける。
すっかりと予定を狂わされてしまったみさとではあったが、正直に言って笹原と一緒に料理をしていたこの時間はすこぶる楽しかった。
これだけすんなりとビーフシチューを作れたのには、一つにはみさとが料理に手馴れていることもあるだろう。
もう一つには笹原の意外な料理スキルのこともある。
しかし、きっとそれ以上に重要だったのは、同じキッチンに立った二人の呼吸が驚くほどぴったりだったことだろう。
みさとがこれをしてほしい、と思ったときには先回りして笹原が準備を進めてくれていて、
同じようにみさとも笹原がしてほしいことが何となくではあるが、分かってしまう。
単に料理をしているというよりは、同じリズムの曲に合わせてダンスでも踊るように、二人で一つの作業に専念する。
そんな時間の全部がみさとにとって心地良く幸せなものだった。
「……さて、こんなものだろうか?最後の味見、頼んでも構わんか、立花みさと?」
「はいはい。あんただけに任せておくと心配だからね」
笹原から渡された小皿を受け取り、味見をする。
「………美味しい」
これ以上は望めないほどの上出来だった。
気が付けば、その出来栄えに、笹原と互いに笑顔を交わしていた。
(これで…良かったのかも……)
そして、シチューを皿に盛りつけながら、みさとは少しだけ想像する。
今から数年後、大人になった二人が同じようにキッチンに立って、また一緒にビーフシチューをつくっている、そんな光景を。
ダイニングのテーブルを囲んでの、二人の夕食は賑やかだった。
みさとも、笹原すらも気づいていなかっただろう。
笹原が家にやって来て以来、二人の間で交わされる言葉の量はごく自然に増えていた。
もしかすると、一緒に作ったビーフシチューのお陰もあるのかもしれない。
ともかく、今はみさとにとって笹原の声は心地良く、笹原にとってみさとの言葉は好ましく耳に響いていた。
しゃべることにいつまでも飽きなかった。
「しかし、美味だな」
「あーはいはい、わかったわよ。美味だ、ってそれ何回目?あんたの料理の腕前はさっきのでよく分かったから」
「……?私の腕前…というが、これは二人で作ったシチューだろう?」
「………………っ!?」
ただ、笹原が時折恥ずかしげもなくこんな事を言うので、ときどきみさとは返答に困ってしまうのだが。
ともかく、充実した夕食が終わり、みさとは食器を片付けながら笹原に声をかける。
「食器の方、私が洗っておくから、笹原は先にお風呂使っちゃいなさい」
「後片付けも手伝うつもりだったのだが……」
「いーから、行く。どうせふたり分の食器なんだし、すぐに洗い終わるから、今度こそお客さんらしくこの家の人間に従いなさい」
それならば……と頷いた笹原は持参した荷物の中から着替え一式を取り出してバスルームへと向かう。
その着替えを見てみさとは改めて実感する。
(今日、笹原、ウチに泊まっていくんだ。笹原と一緒に、笹原と同じ夜を過ごす………)
急に色々意識してしまい、めくるめく妄想が止まらなくなりそうになったみさとは、誤魔化すように食器洗いに専念する。

62 :
が、それも終わってしまえば、今度こそみさとの暴走する妄想を止める手立てはない。
みさと以外、他の家族は誰もいないこの家に招かれた意味は笹原だって分かっている筈。
みさとは今更ながらに、自分の行動が早まったものではなかったのかと、湧き上がる不安にパニックになってしまいそうになるのだが……。
(しっかりしなさい、私!もう今から後戻りする事なんて出来ないんだから……)
既に賽は投げられたのだ。
それに、この家に来てから笹原の見せてくれた表情は、学校で見るものより幾分か柔らかで、楽しげで、それがみさとには嬉しくて……
(まあ、ちょっとはクールダウンしとかないと、この後がもたないわよね)
そう心中密かに呟いてから、みさとは少し気分を切り替えようと洗面台で顔を洗う事にする。
が、彼女の頭はやはりいっぱいいっぱいだったようだ。
みさとはとんでもない事を失念していた。
みさとが使う洗面台の背後の扉一枚向こうはバスルームで、そこには今まさに入浴中の笹原がいるのだ。
「ん……これで少しは頭も冷えたかな?」
呟いた言葉に覆いかぶさるように、浴室から声が響いた。
「立花みさと?そこにいるのか?」
「ふえっ!!?」
自分がどこにいて、何をしているのか、ろくに把握もしていなかったみさとにその声は強烈すぎた。
しかも、振り返った先に見えたのは、湯船に浸かった笹原の、磨りガラス越しの肌色のシルエット。
「あっ!えっと…その、これは違うのっ!…別にそういう意味じゃなくて……!!」
みさとはもはやひたすらに慌てる事しか出来なかった。
勿論、こんな形で笹原を自宅に招いたのだ。
そういった類の期待がなかったという事はない。
しかし、たった今みさとを襲った事態はあまりに突然で、しかも彼女は不意打ちに弱かった。
みさとがうっかり寄りかかった浴室の扉は、彼女の身軽な体でもたやすく押し開けられてしまい……
「うあ…………」
「……………む…」
転がり込んできたみさとと、笹原の目が合う。
両者とも、言葉を失う。
笹原ですら、目の前で起こった出来事に目を丸くしている。
半ば倒れるようにして浴室に転がり込んだ為、ちょうど浴室の床に這い蹲る形になり、湯船の中の笹原の全身を直視せずに済んだのは不幸中の幸いか。
しかし………。
(終わった。何もかも……)
この状況、どんなふうにみさとが弁解しても不自然なものにしかならない。
本当に、みさと自身だって信じられないくらいぼんやりしていたのだから。
(どう見たって、どう考えたって、これって私が笹原のお風呂、覗きに来たようにしか見えないわよね………)
ついさっきまで、あれほど楽しく話していたのに、一緒にシチューを作っていたのに、何もかもがご破算だ。
だが、笹原が次に口を開いたとき、出てきた言葉は予想もしなかったもので……
「立花みさと、服がずぶ濡れではないか」
「えっ?……あ、ああ……」
濡れた浴室の床に転がった上、湯船からも飛び散ったお湯がかかったせいで、みさとの服はずぶ濡れで、お湯でびしょびしょの服の布地はぴったりと彼女の肌に張り付いていた。
笹原はそんなみさとの姿を見つめながら、顎に手を当ててしばらく沈思黙考。そして……
「このまま、外に出てもらって、濡れた服で立花みさとが風邪を引くというのも考えものだな。
………いっそ、このまま二人一緒に、風呂に入るというのはどうか?」
みさとは一瞬、笹原の言葉を理解できず、呆然。そして……
「えっ?えっ!?えぇええええええええええええええええええっ!!!?」
これ以上無いくらいの驚きの声を、浴室に響かせたのだった。
そこそこの大きさはある筈のみさとの家の浴槽だったが、流石に二人が一緒に入るとなれば狭い。
服を脱いで、体を洗って、その浴槽に入ったみさとは笹原に背中を向けて、その胸元あたりに頭を預けるようにしてお湯に浸かっている。
「……何が一緒に風呂に入るよ。笹原がこんな変態だったなんて、私も流石に思ってなかったわよ」
「さて…私はあの時考えられる妥当な解決策を提案しただけなのでだがな……」
みさとのセリフにも悪びれもしない笹原の態度に、彼女はお湯の中に顔の半分までつけてふてくされてしまう。

63 :
しかし、言葉の上ではどう言おうと、笹原に体を委ねて、その胸板に後頭部をのっけた今の体勢はみさとにとって心底からリラックスできるものだった。
時折、笹原の指先が手ぐしでみさとのショートヘアを弄ぶのを、くすぐったく感じながら、みさとは次第に強張った体から力を抜いていく。
たぶん、ここ以上に、みさとの心が安心を感じられる場所なんて世界のどこを探しても存在しない。
一方の笹原は相変わらずの嫌味なほど落ち着いた様子で、みさとの髪を指に絡めながらふいに口を開く。
「しかし、変態か……。確かにそれを問われれば、言い逃れできないのも事実ではあるな」
「…………自分で認めちゃうんだ?」
「十代のただ中の男子である自分に、欠片の性欲もないと言い張るほど私も厚顔無恥ではない。
こうして、触れて、見て、感じている立花みさとの姿は、やはり魅力的だ。美しいと、そう思う。もっと触れていたく鳴る自分の心の猛りも感じる……ただ」
(確かに……こいつは顔の皮は分厚いけど、恥を知らない訳じゃないから……ね)
魅力的、美しい、そういう言葉を何のてらいもなく使えるのも、また笹原幸治郎だ。
そういう言い方をされるては、みさとの方も言い返すより恥ずかしさの方が先に立ってしまう。
「ただ……きっと、それだけの理由でもないのだろうと、そう思うのだ、立花みさとよ」
「それだけじゃない………って、あんたが自分で認めた変態性以外に何があるってのよ」
「その通りだ」
みさとの背後から笹原の腕が回されて、みさとの上半身がぎゅっと抱きしめられる。
みさとの背中と笹原の胸元の辺りが密着して、背中越しの彼の鼓動を感じてしまう。
「立花みさとの家に、誘われてはじめは戸惑った。いざ来てみても、何を話すのか頭に浮かばなかった。それが立花みさとの一声で動き出して……」
改めて、みさとは思い出す。
そういえば、この家に来た当初、笹原はろくに何も話さず茶などすすっていた。
いつも通りの余裕の態度と見えたのは、それは表面上の事だけで、みさとが思い切って叫ぶまでは何をどう話していいか分からず、緊張していたという。
「……それから、たっぷりと話した。学校でも嫌というほど言葉を交わしているつもりだったのだがな、話題が尽きないとはああいう事を言うのだろう。
共に料理をして、食べて、笑って……そうして、今は同じ湯船の中だ。立花みさとにこうして触れていて、ホッとする、幸せだと思う。
もういい加減のぼせてしまいそうだというのに、まだ離したくないと、もうしばらくこのままでいたいなどと、馬鹿な事を考えてしまう」
それはちょうど、みさとが感じていたのと同じ感覚、気持ち。
色々と予定通りにいかない事も、戸惑う事もたくさんあった。
それでも、今日一日を心から楽しく過ごせたのは、今も傍らにいる彼の存在のおかげだ。
(そうだ……私も……私だって………)
そうして、みさとは笹原と同じ浴槽に入って以来、ほとんど初めて自分から大きく体を動かした。
自分を抱きしめる笹原の腕を少しだけ緩めさせて、彼にせなかを向けていた自分の体をくるりと反転させる。
細い腕を笹原の背中に回して、視線を上に上げれば見下ろしてくる彼の視線とまっすぐにぶつかる。
「ささ…はら………私も……」
ただでさえ裸だった体、今度は笹原の胸板と自分の胸の二つの膨らみが触れ合ってしまう。
でも、それでも構わない。恥ずかしいのも関係ない。
ここは、どこよりも、誰よりも、幸せでいられる、みさとの大好きな人の一番近くの場所なのだから。
「私も…このまま一緒にいたい………笹原……」
みさとの腕、笹原の腕の両方にどちらともなく力が込められて、湯船の中、生まれたままの姿の二人の体がぴったりとくっついて……
「そうだな、立花みさと……このまま、一緒に……」
二人の唇が重ね合わされた。
「ん…くぅ…んんっ……んちゅ……はぁ…あ……笹原……」
「熱い…な…立花みさと……こうして湯船に浸かっているというのに、それよりも体の奥から熱が湧き上がるようだ……止められん」
ただひたすらに求め合う。
互いの唇の感触を、唾液の味を、濡れた肌の手触りを……その奥で燃える熱を、とめどもなく求め続ける。
一度唇を重ねてしまえば、息継ぎなど忘れて、笹原の舌はみさとの舌にからみついてゆく。
二人の唾液をかき混ぜるようにして、くちゅくちゅと淫靡な音を立てながら口腔内を撫で回し、歯列をなぞり、みさとの口の中を味わい尽くす。
そして、みさともそれに必で応えようと、無我夢中で伸ばした舌で、まるで別の生き物であるかのように動く笹原の舌の感触全てを感じ取る。

64 :
「……っはぁはぁ…また…息止まるかと思った……すごく心臓に悪そう、これ……」
「ならばやめるか、立花みさと……?」
「…はぁ…こっちにそのつもりがないって分かってて、わざわざ聞かないの、馬鹿」
「そこをあえて言わせたくなるのも男心だ」
なんて事を言って悪びれもせず笑う笹原の額に不意打ちでキスをする。
すると、お返しのつもりなのだろうか、今度は笹原の唇がみさとのうなじや首筋、耳元、鎖骨から肩にいたるまでのなだらかなライン、その全てに数えきれないキスを落としていく。
「…ひ…はぁ……や…笹原…そんな……ひ…きょうよ……」
笹原にキスをされた場所はどこも、彼の唇が離れた後もじんじんと熱を持って痺れて、みさとの神経をざわつかせ、興奮させる。
笹原のキスはそこからなおも続き、肩から腕の先、胸元、それから器用に背後に回りこんで背中にまで、いたる所にマークを刻んでいく。
互いの唇を求め合うばかりだった先ほどまでから一転、みさとは笹原のもたらすキスの刺激にただ声を上げるばかりになっていた。
「あっ…くぅん…はぁ…ささはら……そこ…ひゃめ……かんじすぎて…わたし……」
「その声を聞かされては…止まれるものも止まれなくなるというものだ…立花みさと…」
「ば…かぁ……あ…や…そんな…胸まで…は…ふあああああああっっ!!!」
キスの嵐の中で湯船へとへたりこんでしまいそうな体を、笹原の肩にしがみついて必に堪えるみさと。
すると、今度は笹原の手の平がみさとの胸のふくらみを包みこみ、丹念にこねまわすようにその全体を揉んでくる。
胸全体があの熱と痺れに揉みくちゃにされている内に、ふくらみの先端部分までが硬く尖り初めて……
「乳首も硬くなってきたようだな。……薄桃の…可愛らしい色だ……」
「…こ…言葉に出して言うなぁ!…って、ひゃああんっ!…はぁ…あっ…吸わないで…歯、立てないでぇ……っ!!!」
片方の乳首を笹原の唇と歯に、もう片方を笹原の指先に責められて、みさとはショートカットを振り乱してビクビクとその刺激に体をくねらせ続ける。
そして、圧倒的な刺激と快楽の中で、耳に届いた笹原の言葉に改めて意識してしまう事があった。
(そうだ…今、私と笹原、こんな明るい場所でえっちなことして………)
以前、初めて笹原と肌を重ねあわせたのは夕暮れの学校の教室の中での事、あの時は教室の明かりもろくに点けず薄暗いままだった。
だが、今は違う。
こうこうと灯されたバスルームの明かりの下では、みさとのなめらかな肌の、上気した色も、細やかな体のラインも全てが丸分かりだ。
見られている、そう意識してしまうと、恥ずかしさと照れくささは二乗倍になってみさとの心に襲いかかってくる。
そして、それは彼女を腕に抱く笹原に対しても同じ事。
明かりの下で露になった笹原の、十代の少年らしいしなやかな筋肉を備えた肉体、その印影、輪郭。
それらが笹原のもたらす快楽で朦朧としてしまうみさとの頭の中に否応もなく流れこんで、彼女のドキドキをさらに加速させる。
(…だめ…笹原の体から……目、逸らせない……頭、ぼんやりして…おかしくなってく……)
立ち上る湯気はみさとの視界を覆い、さらに彼女の見る全てから現実感を奪い去って、全てがふわふわと夢に浮かぶ幻影にすら思えてくる。
だが……
「ひはぁ…ああんっ!!…っく…うああっ…ささはらぁ…や…きもち…よすぎ………はぁああああっ!!!」
電流のように駆け抜けた鮮烈な快感が、それが夢でも幻でもないと教えてくれる。
笹原の指先がいつの間にやらみさとの秘所に触れて、その密やかな割れ目を押し割って内部に侵入してきた。
みさとの秘所の浅い部分に幾度も笹原の指先が抜き差しされて、クレヴァスをくちゅくちゅとかき混ぜられる。
クリトリスを撫でられて、摘まれれば駆け抜ける衝撃と快感にみさとはひとたまりもなく、一瞬ばかり意識を手放し、そして次の快感によって再び覚醒させられる。
その繰り返しの中、かろうじてみさとが崩れ落ちずにいられるのは、笹原の体にぴったりと身を寄せてしがみついているからだ。
(笹原…………!)
しがみついた笹原の背中はとても頼りがいがあって、肌を触れ合わせているだけで安心できる。
笹原のそばにれば、きっと何も心配はいらない。
(……こんなえっちな事しながら…こんな事考えるなんて、私やっぱりおかしいのかな……?)
ふと頭をよぎる疑問もすぐにどうでもよくなる。
笹原の腕が指先が、唇が舌が、そして触れ合えば伝わる彼の鼓動が、求めるのはただみさとだけだと、今の彼女には実感できるのだから。

65 :
「…ごめ……ささはら…わたし…もう……っ!!!」
「わかった。立花みさと……っ!!」
そして、ついにみさとの体の奥、貯めこまれた快感をせき止めていたダムが崩壊を始める。
息も絶え絶えの声で笹原に呼びかければ、彼の左腕が彼女をささえるようにぎゅっと体をだきよせてくれる。
そして、秘所を激しく撹拌する指先の動きに、ついにみさとはあられもなく達してしまう。
「ふあっ…っ!!あああっ!!!…ささ…はらぁ…っ!!!…あああああああああっ!!!!」
張り詰めていた糸が一気に切れて、力の抜けた体を、みさとは笹原の体に寄りかかって支える。
笹原も同様にみさとを優しく抱きしめ、彼女をクールダウンさせるかのように、先ほどまでとは違う、そっと触れるだけのキスを肌に落としていく。
(………あんなに大きな声出しちゃうなんて……でも、お風呂場で良かったのかも…ここなら外にはあんまり響かないし、それに………)
みさとは下腹部にじんじんと残る、絶頂の余韻を感じながら、顔を赤くする。
(この分だと……きっと、外でやってたら、アソコ……びしょびしょで大変な事になってたから………)
それから、少しばかりみさとの呼吸が整った頃、みさとはふと湯船の中に見つけたソレに顔を赤くして固まった。
(いやいやいや……別に見るのは初めてじゃないけど……けど………)
熱くたぎる血によって硬く大きく膨張した笹原のモノ……以前見たのは夕焼けの薄明かりの中でこうまではっきりとその形を見るのはみさとも初めてである。
流麗な曲線で構成された人間の肉体の中ではあまりに異質なその肉塊。
ただ、それがこうまで張り詰めているその原因が自分にあるのだと思うと、みさとにはどことなく愛しく、可愛らしいものにも思えてきて。
「……ねえ、笹原…ちょっと、立ち上がってくれない?」
「……立花みさと?…それは構わないが、大丈夫なのか?」
「いいから…早くしてよ!」
今から自分がしようとしている事を意識すると、何気なく尋ねてくる笹原の声さえもが恥ずかしくて……
「この前もそうだったけど…ずっと、あんたの手で感じさせられっぱなしで……ちょっと癪なのよね…だから」
「………?……そこは…!?」
流石に突然に触れられて、笹原も僅かに驚きの声を上げる。
「…こ、今度は私があんたのを……気持よくしてあげるんだから!……あ、あんまり何回も言わせないでよね!!」
「立花みさと………」
しかし、実際に手に握り、脈動する肉の手触り、重さを感じ取ると、ソレが自分の手や口で処理できる物なのかみさとは少し不安になってしまう。
それでも勇気を振り絞り、まずは両の手の平を使ってみさとは笹原のモノをしごきはじめる。
「…く…あ…熱い……触ってる…だけなのに………」
みさとが手の平を前後に動かす旅にびくりと反応する笹原のモノ。
しかし、主導権を握り、快感を与えているのはみさとの側の筈なのに、彼女は早まっていく鼓動を止める事が出来ない。
(びくびくって脈打ってる…けど…ちゃんと気持ち良いのかな?もっと積極的にいかなきゃ、駄目なんじゃ…)
僅かに話に聞くばかりで、正確なやり方も知らないこの行為。
手指や口で刺激を与えればなんとかなると思っていたが、やはりみさとには分からない部分が多すぎる。
ならば、当たって砕けろとばかりに、肉棒の先端にくちづけてみると……
「……っく………」
僅かに笹原が声を漏らした。
なにはともあれ、みさとの行為は笹原にある程度の刺激と快楽を与えているようだ。
少しだけ自信をもった彼女は今度は唇を開き、笹原のモノを自分の口の中に導いていく。
「…んむぅ…ささ…はらぁ…ほむ…くちゅくちゅ…ぴちゃ……」
しかし、脈打つ肉塊は思っていた以上の大きさでみさとの口を埋め尽くし、圧倒する。
それでも、みさとは必に舌を絡め、口を前後させて、笹原に少しでも快感を与えようと口淫に専念する。
「はむぅ…む……んんっ…んっく………ふぅ…はぁ…」
「…立花…みさと……あまり…無理をするな……」
無我夢中、といった様子で笹原のモノをしゃぶり、奉仕するみさとの様子を気遣って笹原が声をかけてくるが、今のみさとにはそれを耳に入れる余裕さえない。

66 :
(熱い……おっきい……こんなの…どうしたら……)
圧倒的な質量・熱量にただ、唾液を、舌を絡ませる事だけで頭がいっぱいになって、みさとはいつの間にやら吾を失い肉塊にしゃぶりつくので精一杯となる。
「…ふむぅ…んんっ…はぁ…んく……ふぅ……」
いつ終わるとも知れず延々と続けられるその行為、だが早まる脈動、高まる熱はそこに終わりが近付いている事を知らせていた。
笹原は、限界を感じ取りみさとの口淫を止めようとするが………
「立花みさと……そろそろ、出る……もういいっ!」
「…はむぅ…んちゅ…んんっ…く…ふむぅ………ささ…はら…?…あ、ふあああああっ!!!?」
しかし、行為に夢中になっていたみさとはそれに気づかず、彼女が笹原の下腹部を駆け上ってくる熱の奔流に気づいたときには全てが遅かった。
「…っ!?…わぷっ…ふあ……ああ、…出て…る……!!?」
最初に口の中に放たれた白濁に驚き、思わず唇を離すと今度は白濁が雨となってみさとの顔に降り注ぐ。
みさとは顔も口の中も、笹原の白濁にまみれて、汚されてしまった。
(これが…笹原の味…におい……熱くて、べとべとして……苦い………)
みさとは呆然としつつ、口元に触れて、そこに飛び散った笹原の糸を引く白濁を指先にもてあそぶ。
隠しようもない濃厚な牡の匂いと、粘着く感触は話に聞いた通りで、それに塗れたみさとはいつもの自分ならば笹原に対して怒っていたのだろうな、とぼんやり考える。
だが、今はそれよりも、頭を支配するぼんやりとした熱と、笹原を気持よくしてあげられたという満足感の方が強くて、さして気にならない。
(…それに、笹原も途中でちゃんと言ってくれてたし…今もほら……)
笹原は湯船の中にぺたりと座り込んでしまったみさとを心配そうに見下ろして、肩に手を置いて支えてくれている。
正直、今回の笹原への奉仕は満点なんてとても言えないだろう。
それでも、コイツは構わず私に付き合って、心配しさえしてくれる。
それが嬉しかった。
「……ささはら……キス…して…」
そんな事を考えていたら、想いがそのまま、言葉に変わってしまった。
笹原の唇が、キスが欲しい。
止めようのない想いにかられたまま、みさとは笹原に向けてくちづけをねだる。
しかし、そこで彼女はようやく思い出す。
(そうだ……今、私…笹原ので口も顔も汚れてて……)
慌てて差し出しかけた唇を、みさとは引っ込めようとするが……
「んむ……んんっ………ぷはっ……笹原…どして……?」
それよりも早く、笹原の唇が彼女の唇に覆いかぶさっていた。
「全く、無理をするなと言ったであろうに……あのように求められて、応えずにいられない男などいないぞ?」
苦笑いを浮かべて、笹原がみさとにそう言ってみせた。
必に自分のモノに奉仕し、今度はうっとりとこちらを見上げて、笹原のキスを求めてきたみさと。
その瞳に笹原の姿だけを映したみさとの眼差しに、笹原は惹き寄せられるようにしてキスをしていた。
自らが出したものの苦みも、それが立花みさとも味わったものであると思えば、さほど気になるものではなかった。
「もっと触れさせくれ、傍にいさせてくれ、立花みさと……」
「うん…私も……笹原といっしょに………」
そうして、二人は再びのキスを交わした後、今度はみさとが笹原の下に来るように体勢を変えて、さらなる行為へと没入していく。

67 :
みさとによって一度射精に導かれた後も、笹原のモノは硬度も熱も失う事なく、脈動しながらその存在を誇示していた。
それが求める事はただひとつだけ、最愛の者の肉体と深く繋がる事のみである。
「…そろそろ大丈夫か、立花みさと……?」
「…さ…さっさとしなさい……このまま待ってるのだって、結構恥ずかしいんだから……」
「それはすまなかった。ならば……」
両脚を開いて露になったみさとの秘所、その入口にあてがわれた笹原のモノにぐっと力が込められる。
「いくぞ………」
「うん……笹原…きて…」
狭く閉じた柔肉を押し割って、脈打つ怒張がその先端をみさとの膣内に埋めていく。
これまでの行為で既に甘い蜜で溢れかえっていたみさとのアソコは、粘着く粘膜と粘膜の小擦れ合いにほとばしる快感でびくびくと震えてしまう。
「あっ…くぅ…ふあっ……はぁはぁ…ささはら……ささはらぁ……っ!!!」
笹原のモノが体の中を前後する度、駆け抜ける快感の電流にみさとは自分の体を支えきれなくなってしまいそうになる。
しかし、みさとが不安を感じる事はない。
みさとの背中を支える笹原の腕も、笹原の背中にしがみついたみさとの腕も、きっと絶対に緩む事はないと、みさとは無意識に確信していた。
だからこそ、今はただ熱く硬い杭に膣内をかき混ぜられ、肉と粘膜が絡み合う快楽にひたすらに溺れていく。
求め、求められて、交わしたキスの回数は数えも切れず、粘つく唾液が二人の唇を糸で結ぶ。
「…ささはら…好き!…ずっと…ずっと好きだったんだからっ!!…離れないで…傍にいて……ねえ、笹原ぁっ!!!!」
「問われるまでもない。…私も立花みさとと共に……っ!!!」
正面から向かい合った二人が瞳に映すのは互いの姿ばかり。
他のあらゆる全ては背景へと変わって、みさとと笹原は愛しい人の体温と肌触り、そして止めどなく湧き上がる快楽のみを共有して、乱れていく。
笹原の腰の動きは大きくなり、それにともなって反応するみさとの動きも激しくなる。
加速していく二人の行為は湯船の中は波打ち、湯船から溢れでたお湯が床とぶつかり飛沫を散らす。
「あっ…ふあっ…はあっ…ささはらっ!!…もっと…もっと強くしてっ!!…もっと…ささはらのでわたしのなか、めちゃくちゃにっ!!」
迸る快感と欲情、そしてそれすらも凌駕する笹原幸治郎を求める熱情がみさとを叫ばせる。
笹原もそれに応えて、より深く、より強く、みさとの肉体を肉やりで貫き、引きぬいては、再び子宮の入り口を叩くほどに強く突き入れる。
熱く燃えるみさとの膣内に、それと同等の熱をまとった肉杭が繰り返し抜き差しされて、熱と快楽を高めていく。
あられもなく髪を振り乱し、濡れ肌を照明に輝かせて声を上げるみさとの姿は淫靡に欲情をそそり、笹原によるピストンは止まるところを知らずに加速していく。

68 :
「はうっ…くあ…あああっ!!…だめぇ…あたま…まっしろになっちゃうよ…ささはらっ!!…ささはらぁっ!!」
燃え滾る体に落とされる幾度ものキス。
それはじんじんと甘い痺れを運んで、みさとを快楽の熱い泥沼の奥底にさらに深く引きずり込んでいく。
笹原の歯先がみさとのピンと屹立した乳首を捉え、甘噛みされればその刺激に、みさとの口からまた一つ、甘い悲鳴がほとばしりでる。
笹原の指先が、舌が体中を這いずって、内側から、外側から、みさとの肉体は快楽でとかされてしまいそうだ。
「…だめぇ…きもち…よすぎるぅ……っ!!おかしく…なるぅ!!…しんじゃうっ!!しんじゃうよぉおおおっ!!!」
快楽のあまりに「おかしくなる」「んでしまう」……あまりに大げさとも思えるその表現の意味を、みさとは今身を持って実感していた。
注がれる熱と快楽によって、体は愛しい人だけを求めるものへと変化していく。
心も体も何もかもが塗り替えられて、以前の自分から変えられていく……「おかしくなる」
とどまる事を知らない快感の連鎖は幾度も小さなピークを迎え、その度にはじけ飛ぶ意識はまるで体がバラバラになるような衝撃で、
「んでしまう」、その言葉を叫ばずにはとてもいられない。
みさとは笹原の色に、笹原はみさとの色に染まって、意識を吹き飛ばすほどの快感の爆発の中で溶け合い、混ざり合っていく。
それでも、互いを求める熱情は止まる事など知らず、笹原は、みさとは、遙かな高みを目指してさらに登りつめていく。
「ふあっ!…ああっ!!…ささはらっ!!…ささはらぁあああっ!!!…わたし…もうっ!!!!」
「立花みさと……っ!!私もだ……受け止めてくれ!!!」
「うんっ!!…ささはらの…ちょうだいっ!!…ささはらのあついので…わたしのなか…いっぱいにっ!!!」
ただお互いを見つめて、呼び合い、求め合う二人の中で貯めこまれた熱が限界を超える。
最大級の快感の衝撃が全てを押し流す勢いでみさとの全身を駆け抜けて、意識は千々に砕け散る。
それでも、その腕だけは最愛の人の背中に回されたまま、彼を求めるかのように、一層の力が込められる。
「出すぞっ!…立花みさと…っ!!」
「あああっ!!ささはらっ!!…ふああっ!!…いくぅううううううううううぅううっ!!!!!!!」
ビリビリと駆け抜ける絶頂感に弓なりになって震えるみさとの膣内に、吐き出された笹原の白濁とその熱が、波打ってさらに衝撃を与える。
意識は真っ白に消し飛んでしまいそうで、無我夢中で笹原の背中にしがみついたみさとは、その一瞬、何よりも近くに笹原の事を感じていた。
そして、やがて、熱と快楽の余韻が笹原とみさと、二人の間から消え始めた頃……
「笹原っ……」
「…立花みさと……」
額をくっつけて、微笑みかけてきたみさとの表情に、笹原も柔らかい笑みを浮かべて、名前を呼んで応えたのだった。

69 :
ながっつww

70 :
………というわけで、風呂上りの二人。
熱い風呂の中にたっぷりと浸かり、その上、激しく愛を交わした疲労は大きく、みさとはソファにぐったり体を沈め、
一見平静を保っているかのように見える笹原も、時折頭に手を当てて、ふらつく体を倒れないように堪えるのが精一杯という有様だった。
「……そもそも、笹原があんな無茶してくるから悪いのよ?」
「確かに、今回はすまなかった……」
笹原もうっかりバスルームの前まで来てしまったみさとに、「一緒に風呂に入ろう」と持ちかけた事にそれなりに責任を感じている様子ではあった。
「まあ、私も調子に乗ってたけどさ……でも、本当はこの後も、夕食の前みたいに、笹原とたくさん話したかったのにな」
「うむ………」
その点はみさとの意見も笹原の意見も一致していた。
気兼ねなく言葉を交わし、互いの心により深く近づけたあの時間をもう一度と、二人ともそう考えていたのだが………。
「この状態では無理だな。全身がのぼせて、疲れ切っている………正直に言うと、実は先ほど一瞬、目を閉じた時、深くいざなわれかけていた……」
「ああ、やっぱりさっき、少し眠りかけてたんだ……眠るんならせめてベッドの中にしなさいよ。いくら私でも男子一人運ぶのは大変なんだから…」
「いつもの銃火器を運ぶのに比べれば、さほどの労力とも思えんが…」
「なんか言った?」
「………いや、何でもない」
ともかく、二人にとっては名残惜しいことこの上ない話だったが、これ以上起きているのは肉体的に限界のようだった。
「ほら、笹原も立ってよ。そのまんま寝ると風邪ひくんだから」
「うむ、世話を掛ける……」
みさとに手を貸されて、立ち上がる笹原。
みさとはそのまま笹原の手を引いて、自室のある二階へと階段を登っていく。
「……………」
そして、自分の部屋のドアの前に来ても、みさとはその手を離さなかった。
「なによ……文句あるの、笹原?」
「いいや、理にかなった判断だと思うぞ。立花みさと…」
少し恥ずかしげに、笹原の方を振り返ってみさとは尋ねる。
笹原はその問いに毎度の余裕の表情を浮かべて答えて……
「まだまだ話し足りないが、もう時間も体力もさほど残されていない。ならば、眠りに落ちるまでは同じ寝台の上で…おかしな事など何も無い」
「………わざわざ声に出して言うな」
そして、顔を真赤にしてうつむいたみさとの手の平を、笹原はぎゅっと握って
「言ったであろう?私も立花みさとといる時間が楽しいと、出来る限り傍にいたいと、ならばこれは願ってもない話だ」
「………………だから、わざわざ言わないでよ……お風呂であんな事しといてなんだけど……やっぱりまだ、照れくさいんだからさ、笹原」
それから、手と手を握り合った二人が二階の廊下から消えて、果たして立花みさとの自室でどんな夜を過ごしたのか、それは分からない。
ただ、夜が明ける頃、挿し込む日の光に照らされた二人の表情が心から安らいだものであった事を見れば、それは語るまでもない事なのだろう。

71 :
これで終わりです
色々考えてた筈なのに、結局またみさとと笹原書いてる
どうも私はこの二人の虜にされたようです
では失礼しました

72 :
GJ!!
虜で上等!

73 :
何がうまいって二人それぞれの心情推移を二人分を追跡できていること
純愛エロごちそうさまでした!

74 :
エロパロやりやすいのはやはりこの二人か

75 :
行為真っ最中のところを目撃してしまった
ちゃんみおのハートを埋めるのは俺の役目だ

76 :
なんのことだよ。

77 :
麻衣×ゆっこで書きました。
麻衣ちゃんがふたなりになっております、ご注意ください。

78 :
さて、どうしてこんな事になったものやら……。
眼前に起こった異常事態を目の前にしても、麻衣の態度はそれなりに落ち着いたものだった。
……しかし、元が無口な彼女である。
元来肝の座った性格であった事もあって取り乱したりする事はなかったが、それでもやはり途方に暮れていた。
こんなもの、どうしたらよいのだろう?
彼女がそれに気付いたのは今朝の事、布団の中で寝返りを打った彼女は下腹部に違和感を感じてゆっくりと布団の上に体を起こした。
布団を払いのけてみると、薄暗い部屋の中、見慣れない影がある。
眼鏡をかけてみると、それは彼女の下腹部からピンと張り出して、パジャマの布地をテントのように押し上げていた。
麻衣は首を傾げつつ、ゆっくりと手を伸ばして、テント状の頂上部分に触れて……
「ひぁ…あんっ!?」
彼女らしくもない、甲高い悲鳴を漏らした。
ほんの僅かな力で、そっと先の部分を撫でただけ、ただそれだけの事で麻衣の下腹部から前進を貫く快感が電流となって駆け抜けたのだ。
「…っはぁ……何?」
パジャマのズボンを、ショーツをずらして、その内側にある物を、異変の正体を見極めようとする麻衣だったが、布地が擦れるその刺激さえ彼女を惑わす強烈な刺激へと変わってしまう。
ようやくの事でズボンとショーツの内側から、姿を表したそれを見て、流石の麻衣も目を丸くした。
「………これ、やっぱり……」
長く太い、隆々たる肉の塊。
触れれば甘やかな刺激と共に、手の平に火傷しそうなほどの熱を感じる。
脈動する血管、丸みを帯びた先端、見間違えようがない。
しかし、それでも一夜の内にそれが自分の下腹部に現れた事実はやはり驚愕すべきもので、麻衣はしばし呆然とそれを見つめ続けた。
「…男の人の……どうして私に……?」
その存在感をこれでもかと見せつける男性のモノはどれだけ時間が経過しても消えるどころか萎える事さえなく、結局その日の麻衣は学校を休まざるを得なかった。
「しっかし、麻衣ちゃんが風邪で休むなんて珍しいなあ」
そして、その日の放課後、ゆっこは麻衣の家に向かう道を一人歩いていた。
今日の授業やホームルームで配られた各種プリント類を麻衣の家まで送り届ける為である。
みおも同行する筈だったのだが、桜井先生に呼び止められて、別の頼みごとをされてしまい、仕方なくゆっこ一人で麻衣の家に向かう事となったのである。
鞄の中にはプリント、そして片手に引っ掛けたコンビニの袋には差し入れになれば、と奮発して買ったプリンが入っていた。
「これを食べてもらうからには、麻衣ちゃんには責任持って元気になってもらわないと」
無表情、無口な麻衣であるが、そこは女の子、甘いものはやはり好きである。
きっと喜んでもらえるだろうと思いながら、ゆっこはついに麻衣の家の前に。
「すみませ〜ん!相生です」
玄関の呼び鈴を押してから、元気な声で呼びかけた。
が、誰も出てこない。
「あれ、病院に行ってるのかな?」
玄関前で首を傾げるゆっこは手元のプリンに視線を落とす。
プリントは郵便受けにでも入れておけばいいけれど、プリンを玄関に置いておく訳にもいかない。
麻衣の病状も気になるし、出来るなら顔を合わせるか、もしくは家族から様子を聞きたかったのだけれど、それも諦めなければならない。
「せっかくだけど、仕方ないか……」
諦めの表情のゆっこはとりあえず、届ける筈だったプリントを取り出そうと鞄を開けるのだが……。
「…………ゆっこ?」
いつの間にやって来たのだろう?
玄関のドアが少しだけ開いて、そこから麻衣が顔を覗かせていた。
「あ、麻衣ちゃん。そっか…ごめん、家に一人だけだったんだね」
「うん………」
ドアからひょっこり出した麻衣の顔は赤い。
風邪で寝込んでいる麻衣を、玄関まで引っ張り出してしまったのだろうか?
無理をさせてしまった…そんな気持ちに胸を絞めつけられるようで、思わずうつむいてしまったゆっこ。
その時、ドアの隙間から伸びてきた麻衣の腕がゆっこの手首を掴んだ。
それも病人とは思えない、凄まじい力強さで。
「ふえっ?…まいちゃ……!!?」
驚き、声を上げるゆっこを麻衣の腕がひっぱり、もう少しだけ大きく開いたドアの隙間からゆっこは麻衣の家の中に引きずり込まれてしまう。
そして……バタン……大きな音を立てて、麻衣の家のドアは閉ざされたのだった。

79 :
「うわ…ぷっ…いきなり何するの、麻衣ちゃん……!!?」
麻衣の突然の行動に、ゆっこは抗議の声を上げた。
「ごめん…でも、どうしても…ゆっこに上がって行ってほしかったから……相談したい事、あったから……」
「……でも、顔赤いよ?何か話があるなら、せめて風邪が治った後でも……」
「違う。……ホントは風邪じゃ…なくて……」
無口ではあっても、言う時にはしっかり言う麻衣の言葉が今日はどうにも歯切れが悪い。
怪訝に思ったゆっこはうつむいた麻衣の視線をなんとなく辿って……
「えっ!?」
その異変に気付いた。
「えぇえええええええええええええっ!!?」
パジャマ姿の麻衣のズボンの中で苦しげに頭をもたげているそれが何か、一瞬遅れて…真逆と思いつつも驚きの声をあげたゆっこ。
彼女はそれでも必に平静を取り繕って……
「えっと…その…麻衣ちゃん……これも、いつもみたいなボケ…だよねえ?」
恐る恐る聞いてみる。
しかし、麻衣は静かに首を横に振るだけで……。
「ど…どういう事?…どういう事なの?」
ゆっこだって歳相応にそういった話を耳にしたり、保健体育の授業で習ったりした事はある。
だが、まいの下腹部に屹立するそれは、本来男性のものの筈だ。
(…麻衣ちゃんって…男の子…だったとか?…違うよね…だって、そうだとしても…こんな突然に出てくるなんて……)
やはり、これが異常な事態である事は間違いない。
ほとんどパニック状態のゆっこはそれでも、麻衣の手をとってこう言った。
「よく分かんないけど…よく分かんないけど、これって…お医者さんに診てもらった方がいいよ、麻衣ちゃん……」
「………うん…それは、分かってる。……私が相談したいのは、もっと別の事……」
別のこと?
今のこの状況以上に何が問題なんだろう?
疑問を浮かべるゆっこの手を、麻衣は引っ張る。
「来て……」
麻衣に引かれるまま、ゆっこが通されたのは彼女の自室。
見ると、掛け布団は乱暴にはだけたまま、敷き布団にも先ほどまで誰かが横になっていたようなシワと、ぬくもりが残されていた。
恐らくは、麻衣は今朝異変に気付いてからずっと、部屋に閉じこもり、布団をかぶって過ごしていたのだろう。
麻衣が勉強机の椅子に腰掛けて、ゆっこも座布団を借りて畳の上に座る。
改めて正面から向きあうと、麻衣の体に起きた異変……下腹部のソレは隠しようもない存在感で己を誇示していた。
「……ホントに、どうしてそんな事になっちゃったのかな……?」
「分からない。ただ…ゆっこが言ったみたいに、きちんと病院に行って、手術とかして…そうすれば、何とか出来ない事じゃないと思う」
未だ戸惑いの抜けないゆっこに対して、麻衣の言葉は存外、淡々としたものだった。
が、その言語の調子が少し変わる。
「……………でも…だけど……ゆっこも知ってるよね?…男の人がこうなるのは、どういう時なのか?」
「あ……えっと……」
ゆっこが言葉に詰まる。
そんな事、とてもじゃないが、麻衣の目の前で言う事なんて出来ない。
そして、その躊躇いは麻衣の側にもあるのだろう。
だんだんと声のトーンを落としながら、途切れ途切れの言葉で、麻衣はようやくそれを語る。
「…朝、起きた時は…驚いて……部屋から出ずに…この先、どうしようって…そればかり考えてた…だけど……」
その異変はいつも超然として動じない麻衣をしても、頭を抱えさせるものだった。
そんな麻衣が途方に暮れ、布団の中で考え事に耽っていた時、二度目の変化が生じた。
そのきっかけは些細なもの。
「学校では…みんなどうしてるだろう……そう思って…みおちゃんの事考えて…それからゆっこの事を思い浮かべて…そうしたら……」
ゆっこの顔を何気なく頭に浮かべた、その瞬間だった。
ドクン。
脈動と共に下腹部のモノが強い熱を帯びて疼き始めた。
ついさっきまでは、麻衣の方から刺激を与えさえしなければ、沈黙を守るだけだったそれが麻衣の脳裏に浮かぶゆっこの姿に合わせて、
痛いくらいの強烈な刺激と、自分を見失わせてしまいそうな興奮へと麻衣を引きずり込んでいった。

80 :
「……だから、今日はずっとゆっこの事、考えてた。…我慢しても、止まらなくて…頭の中がゆっこのいやらしい想像でいっぱいになって……」
「………麻衣ちゃん……」
「きっと…コレ自体を病院で切ってしまうのは…きっと不可能な話じゃない。
……だけど、そうやって外見だけ元に戻しても、…頭の中のいやらしい部分は残ってしまったら?
友達の事を……ゆっこを……そういう目でしか見られなくなって……それがずっと続いたら………?」
いつの間にか、なるだけ平静を保とうとしていた筈の麻衣の声は悲痛な響きを帯び始めていた。
椅子に座ったまま、自分の体をぎゅっと抱きしめる麻衣。
その肩が小さく震えている事に、ゆっこは気付いた。
「私は……怖い……」
最後に小さくつぶやかれたその言語は、麻衣の心底からの叫びだったのだろう。
麻衣は怯えていた。
変化してしまった自分に、それが友達を傷つけかねない危険なものである事に。
ゆっこも何と言ってあげれば良いのかわからなかった。
麻衣の抱えている問題に対して、ゆっこはあまりに無力だ。
ゆっこは医者でもなければ、まして麻衣の心の中を覗ける訳でもない。
ゆっこに出来る事の中で、今の麻衣の直接の助けになるものは皆無だろう。
ただ、それでも……
「……ねえ、麻衣ちゃん………?」
それでも動かずにいられないのも、また相生祐子なのだ。
ゆっこは立ち上がり、椅子に座る麻衣の目の前まで進み、麻衣と目を覗き込むように片膝をついた。
「…そんなに怖がらないで…麻衣ちゃんなら大丈夫だよ」
「…ゆっこ……ゆっこは分かってない…私は朝からずっと一日中頭の中で……」
「…そうだね……でも、それでも大丈夫……麻衣ちゃん、気づいてないの?」
左手を麻衣の肩に、そして右手で麻衣の頭を撫でてやる。
何度も繰り返し、優しげな手つきでゆっこの手の平に撫でられて、麻衣は少しだけ心が安らいでいくのを感じた。
それまで、己の劣情の対象にしてしまったゆっこを直視するのが怖かったのだろう、覗き込んでくるゆっこから少し逸らされていた麻衣の視線が再びゆっこを真正面から捉える。
「私の事をさ……えっと…その…えっちな目でしか見なくなったていうのが本当なら……今、麻衣ちゃんがこんなに悩む訳ないもの……」
何か確たる証拠がある訳じゃない。
言ってみれば単なる推測以上の何者でもない。
しかし、ゆっこはさも当たり前の事だとでも言うように、麻衣に語りかける。
「麻衣ちゃんは凄く悩んで…でも、こんな誰にも相談できない事、最初に私に打ち明けてくれたんだよ?そんな麻衣ちゃんだもの、大丈夫」
「…ゆっこ……」
「だから、怖がらなくていいよ。ちょっと困った事にはなっただけで、他は何も変わらない。麻衣ちゃんはやっぱり私の親友だよ」
「…うん、ありがとう………」
にっこりと笑うゆっこの笑顔に、つられたように麻衣も、いつしか微笑んでいた。
切羽詰ったような不安・罪悪感…そんなものが麻衣の心から溶けて流れだしていく……。

81 :
ようやく、麻衣の周囲に覆いかぶさっていた重たい空気が晴れて、とりあえずの落ち着きを取り戻した…そんな風に見えた、その時であった。
「あっ…くっ……ふあっ!?……あああっ!!」
「…ま、麻衣ちゃん!!?」
突然、下腹部のモノが凄まじい熱と疼きにさらされ、さらに同時に津波のように押し寄せたとめどない欲望の波に思わず麻衣が悲鳴を漏らした。
椅子から崩れ落ちて膝を付き、ふるふると体を震わせる麻衣に血相を変えたゆっこが手を貸そうとするが……
「だめ…ゆっこ…今、触られたら…きっと、押さえられなくなる………」
麻衣は息を荒げながらも、ゆっこを手の平で制した。
今の麻衣は、傍らのゆっこを押し倒し、思う存分にその肌を重ねあわせ、肉欲を貪りたい……そんな劣情に支配されようとしていた。
それでも、こんな風になってしまった自分を、「変わらない」とそう断言してくれたゆっこを、そんなものの餌食にはさせる訳にはいかない。
だが、そんな必の麻衣の体をゆっこの腕が包み込んだ。
「…麻衣ちゃん…よく分からないけどさ…辛いんだよね?」
「…あ…ゆっこ……だめ…だめなのに………」
「心配いらないよ。さっきも言ったでしょ。これくらいの事で麻衣ちゃんの全部が変わっちゃう訳じゃない……だから…その、やり方はよく知らないんだけど、ね」
うずくまった体をゆっこの腕に支えて起き上がらせて、麻衣はちょうどゆっこと真正面から抱き合うような形になる。
「私にぶつけて、それで麻衣ちゃんが楽になるなら、ぜんぜん嫌じゃないよ………」
にへら、いつも通りのゆっこらしい笑顔に、麻衣も知らず知らずの内にゆっこの背中をぎゅっと抱きしめていた。
「ごめん…ゆっこ…ゆっこ……」
「だから、ほら、そんなに辛そうな顔しないでって……うあっ…はぁ…ほら、大丈夫だよ」
いつの間にか動いていた指先がゆっこの背中や、おしりの辺りを愛撫し始めていた。
くすぐったい…だけど、言い表しがたい熱のこもったその感触に、ゆっこは思わず声を上げる。
「…っはぁ…ああ…ゆっこのからだ…やわらかくて…あったかくて……」
「ひや…ああっ…まいちゃんの…ゆびがぁ…ああああっ!!!」
ゆっこの背中をなぞるようにして滑り降り、今度は体の前面に回って這い登り始めた指先が制服の上からゆっこの乳房に触れる。
細く繊細な麻衣の指先の中で揉みくちゃにされて、ゆっこの口から甘い吐息が漏れる。
その声は麻衣をさらに興奮させ、麻衣はいつしか腰を細かく動かし、
パジャマの中で窮屈そうに存在を主張する自らのモノをゆっこの太ももに擦り付けたり、ショーツ越しに秘所にあてがって先端をぐりぐりと押し付けたりした。
(…すごい…これが麻衣ちゃんの……熱いの…当たって…やけどしちゃうよぉ……)
幾重にも重ねられた布地越しの刺激、それだけなのに、ゆっこの秘所は麻衣のモノに感化されたかのように熱く湿りを帯びて、次第にゆっこの神経までが高ぶり始める。
「…うぁ…ああっ!…ゆっこぉ…ゆっこ…ゆっこ……!!!…ダメ、止まれないっ!!!」
「ひゃ…ああんっ!?…ああっ…麻衣…ちゃん……っ!!!」
互いに愛撫を繰り返し、敏感な部分をこすりつけ合う行為は、やがていとも簡単に二人の理性を溶解させていった。
滲み出る汗、愛液、麻衣のモノの先端から滲みでた粘着く液体、涙……あらゆる体液が混ざり合って、ぐちゅぐちゅといやらしい音が響き渡る。
その中で、行為に没入するゆっこと麻衣は心も体もひたすらに溶けて崩れて、お互いが混ざり合ってしまうかのようだった。
やがて、秘部を繰り返し突きあげられる刺激に腰砕けとなったゆっこが麻衣の布団の上に崩れ落ちるように横たわると、
その上に麻衣が覆いかぶさり、さらなる熱の交わりを求めて、さらにゆっこを責め立てる。
「…はぁはぁ…あ…ゆっこ…かわい……ん…ちゅ……」
「ふあ……麻衣…ちゃ……はああっ…」
麻衣はゆっこの制服の上着をはだけさせて、ブラジャーをずらし、そこに隠された柔らかな膨らみを露にする。
大きさは歳相応といった所だろうか?
瑞々しい果実のような双丘の片方に口づけて、もう片方を手の平で揉みながら、次第にピンと立ち上がり始めた薄桃の乳首を指先でいじめる。
吸いつくような手触りが、舌先で転がす度にゆっこの口から漏れ出る甘い悲鳴が、麻衣をさらに夢中にさせてしまう。
パジャマ越しの肉槍はゆっこの敏感な箇所を性格に捉えてショーツの内側の秘所を刺激し、さらに動きを加速させる事で自らも果てしなく昂ぶっていく。

82 :
「…っはあ…ゆっこぉ…好き……好き……うああああっ!!!」
そんな最中、麻衣の口から感情のままに零れ出た言葉に、快感に身悶えながらもゆっこは少し驚くが……
「…うん…麻衣ちゃん…私も……好き……好きだよ……」
小さく頷いてから、麻衣の耳に届くようハッキリとそう告げて、ゆっこはにっこりと笑って見せた。
そして、彼女は麻衣の額にそっとキスをして、応えるように麻衣もゆっこの額に、そして見つめ合った二人はそのまま引き寄せられるように唇を近づけて……
「…ん…くちゅ…んぅ…ぷあ…ああっ……ゆっこ……」
「…くちゅ…ぴちゃ…はぁはぁ……麻衣…ちゃん……」
熱を帯びた潤んだ瞳で見つめ合う二人には、既に周囲の事など目にも映ってはいなかった。
麻衣はパジャマの上着のボタンを外し、下着を捲り上げて、同じく柔肌を晒すゆっこと重ね合わせるように抱き合う。
二人の少女の膨らみが互いに押し潰し合い、麻衣が腰を動かす度に熱い肌がこすれ合って、ゆっこも麻衣も甘い吐息を漏らす。
「…ぁああっ…麻衣ちゃんっ…麻衣ちゃんっっ!!…わたしのからだ…あつくて…おかしく……」
「…ゆっこのはだ…すべすべして…あったかくて…ふあああんっ!!!」
止めどなく拡大していく快楽に溺れて、乱れていく二人の少女。
しかし、パジャマの内側の麻衣のモノは未だ、その内側に秘めた欲望を放つ気配さえ見せない。
先走りだけは麻衣のパジャマを濡らす程に溢れているのに、その硬度と大きさ、そして熱は衰える事がない。
そんな状態がいつまで続いただろう、ついに激しすぎる動きの為に、麻衣のモノを覆っていたパジャマとショーツがズレて、外に晒されてしまう。
そして、むき出しの肉槍がそのままゆっこの秘所に触れて……
「…ひゃんっ!?…あっ…うあ…ああっ!!…麻衣ちゃんのが…はあああっ!!!」
「…はぁ…ああんっ!!…私の…ゆっこに直接触れて…もっと熱く…あああっ!!」
さらに鋭敏な刺激に、ゆっこと麻衣は全身をビクビクと震わせて、声を上げた。
そして、どちらからともなく、二人は見つめ合う。
自らの体に起きた異変、そのために生じた抑えがたい熱情を開放した麻衣も、それを受け止めたゆっこも、
互いに互いの熱が伝播したかのように、今はその快楽に溺れて、ひたすらに互いの事を欲していた。
いつも無口な親友は自分を苛むゆっこへの欲望の為に、見たこともないような悲しい表情を浮かべていた。
ゆっこはそれを受け止めて、抱きしめてあげたかった。
いつも明るい笑顔の親友は、突然の打ち明け話に驚きつつも、決して麻衣を拒絶する事なく、包みこんでくれた。
麻衣はそんな彼女と最後まで重なりあいたいと、強く願っていた。
「…ゆっこ…私……」
「…いいよ、麻衣ちゃんなら……」
見つめ合う二人の間で、短く交わされた言葉。
それだけでもう十分だった。
二人の気持ちは一つ。
(……同じ女の子の前だけど…やっぱり恥ずかしい……ていうか、これって麻衣ちゃんが相手だから、こんなにドキドキするのかな?)
ゆっくりと、自らの手でショーツを下ろし、脱ぎ捨てながら、ゆっこは頭の隅で考える。
(……どうして、ゆっこだったんだろう?…男の人の欲望を向けるだけなら…他の誰だって良かった筈……それなのに私は……)
それを待ちながら、ドキドキと胸を高鳴らせる麻衣も、頭の隅でその可能性について考えていた。
面白いくらいに正反対な二人。
周囲に振り回されて、声を上げて叫んで、騒々しいくらいに元気なゆっこ。
超然としたマイペースを崩さず、時にはゆっこをその独特のノリでからかったりもする麻衣。
だけど、二人はどこかぴったりとはまり合ったパズルのピースのように、いつしか互いが互いにとって欠くべからざる存在となっていた。

83 :
「…麻衣ちゃん……麻衣ちゃんの全部、受け止めさせて……」
「うん…いくよ……ゆっこ……」
脈打つ麻衣のモノの先端が幾度かゆっこの秘所の入り口を擦って、甘い刺激がまた少し二人の鼓動を早める。
そして、ゆっくりと挿入され始めた麻衣のモノ、その熱と質量がゆっこを内側から埋め尽くしていく。
「うあ…っく……痛い…けど……それより…麻衣ちゃんの…熱くて…硬くて…ふあああっ!!」
「ゆっこのなかも…すごく熱くて…うあ…だめ…私の…溶けるぅ…………っ!!!」
あまりに鮮烈な挿入の熱と快楽だけで、ゆっこと麻衣は思考回路が焼ききれそうな心地を味わう。
しかし、そんな二人の意思とは関わりなく、互いの肉体はさらなる快楽を求めて動き出してしまう。
破瓜の赤い血のまじった愛液が麻衣のモノを包みこんで、ぬめる感触が擦れ合う粘膜同士の刺激をさらに高めていく。
「っはぁ…はぁ…ああっ……ゆっこっ!…ゆっこぉ!!!…だめ…腰…とまらなくて……ふああああっ!!!」
「…麻衣ちゃん…すごい…すごいよぉ……わたし…こんなの…もう……ひあっ…あああああっ!!!!」
あられもない嬌声を上げて、ただ快楽の奔流の中で無我夢中に腰を動かし、叫ぶばかりのゆっこと麻衣。
二人ともあまりの快感の大きさ、強烈さの為に互いの背中をぎゅっと抱きしめているが、襲いかかる快感はそんな二人を軽々と凌駕し幾度も意識が白く飛んでしまう。
もはやゆっこと麻衣の意識の介在する余地もないまま、二人の腰はさらなる快楽を求めて激しく動き、
下腹部から全身へと駆け抜けて、神経を灼いていくようなその痺れに麻衣とゆっこの体はビリビリと震える。
「あっ…あっ…ああああっ!!…ゆっこっ!!…ゆっこぉ!!!!…わたし…へんになる…なっちゃうよ……!!!!」
「…ああっ!麻衣ちゃ……わたしも…なるっ!…へんになっちゃうっ!!!…だから…麻衣ちゃんもいっしょに……っ!!!!」
抗う術のない快楽の濁流に飲み込まれた二人は、泣きじゃくるようにしながら、互いの名前を呼び合い、
せめてこの熱と快感の中で一緒にその高みを極めようと、次第に呼吸を合わせて体を動かし始める。
ゆっこの膣壁を擦り上げる麻衣のモノはより熱く、硬く、太く、二人の高ぶりに合わせてその存在感を増して、さらなる刺激でゆっこと麻衣を乱れさせる。
何度も突きあげて、突き上げられて、子宮の入り口を麻衣のモノが叩く感触に悲鳴を上げて、泣きじゃくり、嬌声を上げ………
「ゆっこ…ああ……私…もうっ!!…出るっ!!…出ちゃうっ!!!!」
「…麻衣ちゃん…いいよ……ぜんぶ、麻衣ちゃんの…私のなかにぃっ!!!」
もはや限界を突破した快楽と熱、それでもゆっこの、麻衣の腰は止まる事なく加速し続け、やがて二人を快楽の高みへと押し上げる。
「…ゆっこっ!!…ゆっこっ!!…ゆっこぉおっ!!!…あああああああああああっ!!!!」
「…ふあっ…あああっ!!麻衣ちゃんっ!!!…麻衣ちゃんっ!!!!!」
激しすぎる絶頂がゆっこと麻衣の全身を貫き、臨界点を突破した麻衣のモノから膨大な量の白濁が、凄まじい熱を伴って放たれる。
それはゆっこの膣内を激しく波打ち、収まりきらずに接合部から溢れでて………。
「……うあ……ゆっこ…わたし…ゆっこのなかに……」
「…まいちゃんのが…わたしのなか……いっぱいにして……」
そうして、その激しい絶頂の余韻に引きずられるように、重なりあったままのゆっこと麻衣はそのまま意識を失ったのだった。
それから、麻衣が目を覚ましたのはしばらく後の事だった。
けだるい体をゆっくりと起こした麻衣は、最初朦朧とする頭を抱えて周囲の様子を見回していたが、ふと傍らに眠る半裸のゆっこの姿を認めて
「ゆっこ……そっか、私……」
ようやく、自分とゆっこの間に何があったのかを思い出す。
そして、麻衣は恐る恐る自分の下腹部に視線を落として………
「なくなってる………」
いつの間にやら、麻衣の下腹部に屹立していたモノが綺麗サッパリ姿を消している事に気付いた。
同時に、麻衣をあれほど悩ませた凄まじい衝動・肉欲も彼女の中から消えていた。
「ゆっこが…受け止めてくれたんだ……」
麻衣は小さく微笑んで、すやすやと寝息を立てる、ゆっこの安らかな寝顔を覗き込み、そっと頭を撫でた。
だけど、そこで気がついた。
確かに、麻衣の中からはあの男性のモノと共に、それに伴う性欲も消えてしまったけれど……。
「ゆっこ………」
全てを受け止めて、受け入れてくれたゆっこへに芽生えた淡い感情、その萌芽だけはしっかりと麻衣の胸の内に根づいているのだと。

84 :
これで終わりです。
コミックス読んだらゆっこ好感度が上がって、何だかゆっこを良い子に書きすぎて、全くゆっころがされてなくて申し訳ない。
でも、やっぱりゆっこは素敵。
麻衣ちゃんとの絡みの方も、今後とも期待したいところ。

85 :
GJすぎる
俺はこの二人が世界一好きだよ

86 :
テスト終了で結婚宣言しちゃった二人に何かtktkする…

87 :
またしても、笹原とみさとで書いてきました。

88 :
「全くなんで私がこんな事………」
ある日の昼休憩真っ只中、立花みさとは廊下を行き交う生徒達の間をすり抜けて早足で歩いていた。
彼女は現在、昼休みに入るや否やどこかへと姿を消してしまった笹原幸治郎を捜し歩いていた。
何か用事があるらしく、笹原を尋ねてやって来た三年生女子の先輩。
しかし、上述の通りその時には既に笹原は教室にはいなかった。
ところが、困り果てた先輩に対して、ウェボシーとフェッちゃんに勝手に推薦したのだ。
笹原のいる所を見つけるには、みさとこそが適任であると。
『ちょ…どうして私がっ!!』
思わず反論しようとしたみさとだったが、
『あれ、もしかして、君、あの立花みさとさんなの?……なるほど、それなら笹原も捕まるかもね』
という訳で、みさとは先輩と二手に別れて、一緒に笹原を探す事になってしまった。
教室には、笹原が教室に戻って来た場合の連絡役としてウェボシーとフェッちゃんが待機中。
30分探して見つからなかったら、一度教室に戻る事を決めて、みさとと先輩は笹原探索に出発した。
「ホントにウェボシーもフェッちゃんも………笹原探すには私が適任ってどういう意味よ………」
ぶつぶつと呟くみさとの顔は赤い。
あんな言い方をされては、まるで自分が笹原の事をいつも追いかけているみたいではないか。
……実際、それは誰に言われても否定しようのない事実なのだが、みさと本人だけはそれに気づいていない様子だった。
「さてと…自転車置き場のヤギのコジローのところも、屋上も、富岡先生のとこも全部見てみたけど、笹原のヤツいないわね。……となると、後考えられるのは……」
思いつく限りの笹原のいそうな場所を探し尽くしたみさとが最後に向かったのは、演劇部の部室である。
部室といっても、演劇で使う小道具・大道具の類で埋め尽くされた半ば物置みたいな場所なのだけれど。
「失礼しまーす、と。笹原以外の部員もいないのね。いたら、笹原の事知らないか聞きたかったんだけど………」
演劇部部室はたくさんの物がある為に一見すると狭く見えるが、何気に奥が深く入り組んでいる。
ちらっと覗いた様子では誰もいないようだったが、もしかすると笹原が奥で何か作業でもしてるかもしれないと、みさとは部室の隅々までをチェックする。
ベニヤ板の書き割りが衝立代わりになって、隠れてしまっているその向こうにも誰もいない事を確認して、みさとはため息一つ。
「いない、か……。ホントにもう、笹原のヤツどこに行ったのよ………」
壁にもたれかかってぼやきながら、再度、部室内を見渡す。
部室の隅にはいつぞや、文化祭のクラスの出し物を決める為に笹原と教室に居残った時、彼が役作りの為などと言ってかぶっていたクマのきぐるみの頭も転がっていた。
それを見つけたみさとは、なんだかクマの瞳に自分の心のなかまで見透かされているような気がして、ついついそこから目をそらしてしまう。
そして、彼女は偶然にもそれを見つけた……。
「あれ?何だろ、これ……?」
無造作に置かれた紙袋。
中には何やら衣装でも入っているようだ。
みさとはほんの好奇心でその中を覗いてみたのだが………

89 :
「な、な、な、何よ、これ………っ!!!?」
入っていたのは何やら衣装らしきもの……。
本来ならば、きちんと広げでもしなければ、全体像など想像も出来ない筈なのだが、数瞬でみさとはその正体に気付いた。
「これって……あれよね?……バニー……ガール?」
折りたたまれた衣装一式の上に置かれたウサミミが全てを物語っていた。
それはバニースーツだった………しかも、パーティーグッズなんかの安物ではない、かなり本格的な代物のようだ。
演劇部には様々な衣装・小道具が用意されているが、少なくとも高校の部活の舞台でこれを着る馬鹿はいない。
「…………演劇部にあるって事は、これも笹原の用意したものよね?何考えてんのよ、アイツっ!!!」
顔を真赤にして、わなわなと震えるみさとはバニースーツ一式をそれが入れてあった紙袋ごと持ち出した。
どういうつもりかは知らないが、学校にこんな物を持ち込む非常識が許される筈はない。
「笹原の目の前でこれを見せて問いただしてやるんだからっ!!!」
と、叫んだ所でみさとはふと考えた。
どういうつもりも、何を考えているもない。
衣装とは着られる為に存在するのだ。
即ち、笹原はこれを誰かに着せようと考えていたという事で………。
(そんな……笹原だって、そりゃ男子だし、こういうのに興味がないとは思わないけど……幾ら何でも衣装まで用意するなんて……)
この衣装は、もしかしなくても、笹原個人の趣味嗜好によるものなのだろうか?ならば……
(………一体、誰に着せるつもりだったの?……もしかして、演劇部の後輩の子とか………)
そこまで考えが及ぶとみさとの中では怒りや戸惑いよりも、不安の方が大きくなっていく。
このバニースーツは誰の為のものだったのだろう?
笹原はその人に対してどんな事を思って………。
そんな事で頭がいっぱいになっていたせいだろうか、みさとはガラガラと部室の扉が開けられる音にも気付かなかった。
「立花みさと?」
彼女がそれに気付いたのは、扉を開いたその人物に声をかけられてからだった。
「さ、さ、笹原……!!?」
みさとと先輩女子の探し人、笹原が三つ重ねて抱えたダンボール箱の陰からこちらを見ていた。
ちなみにいつもの執事っぽい人も同じようにダンボールを抱えている。かなり重そうなのだが、いたって涼しい表情、従者の鑑とは彼の事を言うのかもしれない。
「一体どうしたのだ?演劇部に何か用があるのか?」
「え?…あ?…ああ、その、三年の先輩が笹原の事探してて…それであんたの事探してたのよ」
バニースーツを見て頭に膨らんだ妄想が消えてくれなくて、みさとは咄嗟にバニースーツの紙袋を背中側に隠してしまった。
一方の笹原はそんなみさとの様子を訝しがっていた。
いつもならばここでみさとが『どこ行ってたのよ、馬鹿っ!!』なんて言いながらロケットランチャーの一発もぶちかます所だろうに、今日の立花みさとはどうしたのだろう?と。
「とにかく、先輩も教室で待ってると思うから、さっさと戻って来なさい、笹原っ!!」
「ああ、わかったが……」
そうして、笹原の脇を通り抜けて、みさとは演劇部の部室を飛び出してしまった。
不思議そうな顔で見送る笹原には見えないように、胸にぎゅっと件の紙袋を抱きしめたまま………。

90 :
そして、その夜遅く……。
「どうしよう、結局持って帰って来ちゃった………」
笹原に対する追求もおざなりに、みさとは鞄の中にねじ込んだバニースーツを家まで持ち帰ってしまったのだ。
部活疲れの妹も、階下の両親もみな今は夢の中である。
誰にも見られる心配はないこの時間まで待ってから、みさとはバニースーツを取り出してみた。
改めて眺めてみると、それはまさに一級品といって良い仕上がりのものだった。
色は白、布地には上品な光沢があり、縫製のレベルはかなり高い。
「………笹原のヤツ、本当に何を考えて……」
バニースーツの高い品質自体は、妙な所で独特のこだわりを見せる笹原の凝り性とも考えられなくもない。
しかし、笹原とバニースーツという二つの要素がどうしてもみさとの中で結びつかない。
なんというか、アイツのイメージじゃない。
それでも、現としてみさとの目の前にあるバニースーツは夢でも幻でもない。
誰かが持ち込んだのか、それとも自分で用意したのか、どちらにせよそこには笹原の部長としての判断がある筈なのだ。
笹原が、このバニースーツを望んだ………。
そのまま、バニースーツとのにらめっこを続けていたみさとだが、ふいに思いつく。
「私でも……着られるかな?」
それは、笹原の前でこのバニースーツを着るかもしれなかった誰かへの対抗心もあったのかもしれない。
みさと以外の誰かが、このバニースーツを着て、笹原がそれを見て満足そうに笑っている。
そして、高校生にはいかがわしすぎるこの衣装を着て、それだけで終わる筈はなくバニー姿の誰かさんと笹原は……………。
そんな光景、想像したくはなかった。
「…………ちょっとだけだから…それなら、きっと問題ない」
自分に言い聞かせるように呟いてから、みさとは着替えを開始した。
今まで着た事もない衣装に戸惑いながらも、網タイツやレオタード、飾り襟やカフス、ノースリーブの上着を身につけて、最後にウサミミを頭にのっける。
果たして、バニースーツは立花みさとにすこぶる似合っていた。
白を基調としたスーツを、そこかしこに配された黒のネクタイやボタンが引き締める。
網タイツに包まれた脚は鏡の前に立った自分から見ても何だか非常にセクシーで大人っぽくて、自分でも戸惑うくらいだった。
スーツの白い色はみさとの髪の赤とも絶妙にマッチしており、まるで最初からみさとの為にあつらえたかのような出来栄えだ。
と、そこでみさとは恐るべき事に気付いた……。
「な……なんで、このバニー服、私にサイズぴったりなのよ!?」
腰も胸も、上着にも、それどころか頭につけたウサミミのカチューシャさえ恐ろしいほどにみさとにフィットしていた。
「もしかして、笹原がこれを着せようとしていた相手って…………」
導き出された結論に、みさとは愕然。
そりゃあ、笹原が他の誰かのバニー姿にニヤニヤしているよりは幾億倍マシかもしれないが………。
「私なの?……笹原のヤツ、私にこんな格好させようって、そう考えていたの?」
膝をついた白うさぎのみさとは呆然と呟く事しかできなかった………。

91 :
とにかく、あのバニースーツを返さなくては……。
みさとが演劇部の部室からバニースーツの紙袋を持ち去ってからその後、数日が経過していた。
笹原の方は見た感じ変化らしい変化はない。
バニースーツが紛失している事について気がついている筈なのだが……。
「まあ、バニー服知らないか?なんて聞いて回れる筈もないしね………」
みさとはあれから何度も笹原にバニースーツを返そうと機会を伺っていたのだが、いざ紙袋を手に笹原に話しかけようとすると、
あの夜、バニースーツを身につけた時、鏡に映った自分の姿が思い出されて、あれを笹原が望んでいるのかと考えると頭がいっぱいになって身動きが取れなくなってしまう。
結局、みさとは鞄の中にバニースーツを入れたまま、今日もその勇気を奮い立たせる事が出来ずに一日を終えようとしていた。
「本当、コレどうしたら良いんだろう………?」
放課後、剣道部の練習が終わった後、練習に熱中していて忘れていた重たい事実を思い出して、みさとは深くため息を吐いた。
今日は練習がかなり長引いた上、試合に向けて顧問の教師とのミーティングをなどもこなしたみさとの帰りはかなり遅くなっていた。
急いで帰らなければ、と早足で歩くみさとだったが、その時ふと気がついた。
「あ………演劇部室、灯りが点いてる」
そういえば、先日バニースーツを持ち出した際に運んでいたダンボールといい、笹原も部活で何か忙しい事があるのだろうか?
ともかく、これはチャンスだった。
今の時間、学校にいるのは居残って仕事をしている教師ぐらいのもので、バニースーツを返すにはこのチャンスを逃す手はない。
「仕方ない。私も覚悟を決めなくちゃ……笹原が何考えてるのかも聞いときたいし……」
という訳で、みさとはくるりと踵を返し、演劇部の部室へと向かって行ったのだった。
演劇部の部室前までやって来たみさとは扉越しに中の様子を伺った。
やはり何やら作業をしている様子だが、どうやら中にいるのは一人だけのようだ。
聞こえていくる声でそれが笹原であるのも確認済み。
これならば、問題なくバニースーツを返して、さらには笹原が何のつもりでそれを用意したのか、問いただす事も出来る。
ごくり、緊張しながら演劇部室の扉を開けると、何やらベニヤなどを組み合わせて舞台道具を作っている様子の笹原が振り返った。
「む?立花みさとか、どうしたのだ、こんな時間に?」
「……べ、別にいいじゃない、時間なんかどうだって……それより、笹原、胸に手を当ててみなさい。何か私に言う事あるんじゃないの?」
「ふむ……?話が見えないな」
「これよ、これっ!!」
みさとの遠まわしな問いかけにもとぼけた顔の笹原に、鞄の中にしまっていたバニースーツの紙袋を取り出し、これでもかと見せつけた。
しかし、それを見ても笹原の顔に浮かぶのはクエスチョンマークばかり。
「その紙袋がどうかしたのか?」
「……し、しらばっくれるんじゃないわよ!これに見覚えがないとは言わせないわよ!!」
笹原のそんな態度にムキになったみさとは、袋の中からバニースーツのウサミミとレオタードを取り出し、笹原に見せつける。
すると今度こそ、僅かばかりであるが笹原の顔に驚きの表情が浮かんだ。
だが、その次に彼の口から出てきた言葉は………
「立花みさと……存外と大胆な趣味だったのだな」
「へっ!?」
みさとが予想していたのとは全く違うセリフ。
「な…何言ってるのよ?これ、この部室にあったのよ?こんな物持ち込むの、あんたぐらいでしょ?」
「演劇で使う必要があるなら、何十着だろうと持って来るが、少なくとも私はそんなものを持って来た記憶はない」
「い、言い逃れしないのっ!!こんな妙な事やらかすの、あんたぐらいでしょ!!大体、どうして私にぴったりのサイズなのよ!?」
「ぴったり………着たのか、立花みさと?」
「あ…………!?」
気が付けばガシガシと、それはもうすごい勢いで墓穴を掘っていた。
これではみさとが自分で自分の為にバニースーツを用意したみたいではないか。
いや、実際一度ばかり試着はしちゃった訳だが………。

92 :
ぐうの音も出なくなったみさとと手に持った紙袋を交互に眺める笹原は、ふむ、と一つ頷いて
「…繰り返すが、私がそれを持ち込んだ記憶はない。……が、立花みさとが言うなら、それはこの部室にあったものなのだろう。何より、こんな嘘をつく必要はないであろうからな」
「……あ……う、うん……」
「持ち出した理由も、まあ分からないでもない。再びここに持ってくるまで日にちが開いたのも……真面目だからな、立花みさとは……」
言ってから、笹原はみさとの手から紙袋を受け取り、中身のバニースーツを少し取り出して
「この縫い方……なるほど、おおよそ事情は分かった。これを置いていった者の見当も……しかし、何故、立花みさとピッタリのサイズだったのだ?」
「……知らない…わよ。…それに、見当ついたってどういう意味よ?…本当にあんたが持ち込んだんじゃないんでしょうね?」
「……恐らくはこちらの身内の仕業だな。……それに、これが立花みさと用のものだというなら、私ならば部室などに置かず直接……」
そこまで言いかけて、今度は笹原の方が固まった。
「…な、な、何いってるのよ!ちょ、直接……どうするってっ!!!」
「……直接、手渡していただろう、そう言うつもりだった。立花みさとに…着用してほしい、と」
今度、墓穴を掘ったのは笹原の方だった。
一見するといつもと変りない彼であったが、みさとには笹原の声が若干小さく、ぎこちなくなっている事が理解できた。
会話の流れでついポロリと零れ出てしまった、それは笹原の本音だったのか。
思いがけない言葉に、みさとと笹原の間になんとも気まずい空気が流れる。
そして、しばしの沈黙の後………
「すまない、な。立花みさとがこれを身につけたらしいと知ったら、少し見てみたくなったのだ……
…笹原家の長男といえど、結局は一介の凡夫という事だ。……不快にさせてしまったな、立花みさと……」
笹原はあっさりとそれを認めて、みさとに頭を下げた。
「べ、別にいいわよ。私も……その…これがあんたの物じゃないって…何となくわかってきたし…そもそも、持ち出したのは私なんだから………こっちこそ、疑ってごめん」
謝られてしまったみさとはバツが悪そうにそっぽを向いて、こちらも素直に謝罪する。
こういうストレートな所が笹原の美点であるが、今のこの場面でこんな風に言われてしまったら、みさとだって敵わない。
それから、互いの心の内側の少し恥ずかしい部分を晒してしまった少女と少年は互いに顔を見合わせてくすりと笑い合う。
まあ、まだ多少気まずい空気は残っていたが、一応はこれで一件落着といった所だろうか。
さて、こうして多少気持ちが落ち着いてくると、みさとの中でもう一つの事が気になり始めた。
あつらえたように、みさとにピッタリだったバニースーツ、サイズも色合いも完璧だった。
自惚れかもしれないが、着用したみさと自身が鏡の前で息を飲むほどに。
だからこそ、考えてしまう。
(もし、これを着て見せたら、アイツは、笹原は…………)
笹原はさっき確かに言った。
みさとのバニー姿を「見てみたくなった」と。
「笹原……っ」
一歩、目の前の笹原に対して距離を詰める。この時、既にみさとの心は決まっていた。
「………着てみても…いいんだけど、それ…」
「む?」
「……その…バニーの衣装、着て、笹原に見せてあげてもいいって言ってるの!」
恥ずかしげに顔をうつむけながらも、上目遣いに笹原の表情を窺う。
相変わらず動じた様子は見てとれないが、紙袋を持ったまま硬直した有様は笹原が驚いているのだと、十二分に教えてくれた。
そんな笹原に対して、みさとがさらに追い打ちをかける。
「……見たく、ないの?……私じゃ不足、笹原?」
「不足…という事はない。…立花みさとが、それを着るというのなら……」
笹原はためらいがちに、言葉を途切れさせながらも、頷き、
「…見てみたい」
確かにそう、みさとに告げた。
答えを言った笹原と、答えを聞いたみさと、二人の間になんとも言えない気恥ずかしい空気が流れる。
みさとは、笹原の手からバニースーツの紙袋をひったくると、そのまま小走りにベニヤの書き割りの裏に隠れて
「絶対に…覗いたりしないでよっ!!」
照れ隠しにそう叫んでから、いそいそとバニースーツに着替え始めた。

93 :
それから少し後。
流石に一度試着しただけあって、みさとの着替えは比較的すんなりと終わった。
(何というか、勢いで言っちゃったけど、改めてみるとやっぱりバニーって露出度すごい……)
白のバニーとなったみさとは書き割りの裏で棒立ちのまま、バクバクと音を立てる心臓の辺りを押さえていた。
一人で試着した時も十分に恥ずかしかったが、これからこの姿を笹原に見られるのだと思うと、もはやその恥ずかしさはこれまでと比較にならない。
それでも、みさとは思う。
(でも…だけど……見たいってアイツは言ってくれた)
そして、笹原がそう望んだように
(…私も…見て欲しい……)
やがて、ようやく覚悟を決めたみさとはまずはひょっこりと書き割りの裏側から顔を出し
「あの、笹原……着替え、終わったんだけど……」
笹原にそう呼びかけてから、ゆっくりと歩を進めて、書き割りの陰から、笹原の前へと歩み出る。
みさとは恥ずかしさに真っ赤になった顔を俯けたまま、笹原に問いかけた。
「こんな感じ…なんだけど……どうかな?」
「…………………」
しかし、対する笹原は沈黙したまま。
みさとの中で不安が膨らむ、やっぱり自分なんかにはこの衣装は早かったのではないかと。
だが………。
「………っと、すまない。少しばかり…言葉を失っていた」
思い出したように口を開いた笹原の声に、みさとは顔を上げて、こちらをまっすぐに見つめてくる笹原の瞳と目があってしまう。
笹原は一歩、みさとの方に歩み寄り、そっと彼女の髪の毛をなでると
「見惚れていた。………とても、似合っている、立花みさと」
どこか夢でも見ているような、少しふわふわした口調で、みさとに率直な感想を告げた。
「あ、うん……ありがと……やっぱり、あんたがそう言ってくれると、嬉しい……」
笹原のそんな様子に、みさとの方もいつもの照れ隠しを差し挟む余裕などなかった。
確かに、それはすこぶるみさとに似合っていた。
バニースーツの胸周りは歳相応のみさとにぴったりとフィットして、その内側に実る果実の存在を匂わせて、見る者の心を釘付けにする。
剣道で鍛えられてくびれた腰、可愛らしいおしりのラインも強調され、露出の多いアダルトなデザインとまだ高校生のみさととのギャップが絶妙な魅力を醸し出していた。
網タイツに包まれた脚はその陰影を際立たせ、少女の細い脚を艶めかしいものに見せる。
飾り襟やカフス、蝶ネクタイのフェティッシュな魅力。
そして、何よりも頭で揺れるウサギの耳は恥ずかしがり屋の立花みさとという少女の胸中をそのまま表現したようで……。

94 :
「立花みさと……」
「ふえ?……さ、笹原……」
それは笹原幸治郎を動かすにも十分な破壊力だった。
むき出しの肩を笹原の手の平で掴まれて、強く抱き寄せられ、みさとは訳もわからぬまま笹原の腕の中へ。
「笹原…ちょ……いきなり何よ?」
「あんなものを見せられれば、こうせずにはいられなくなる」
どうやら、みさとのバニー姿は笹原のどこかのスイッチをオンにしてしまったらしい。
笹原の唇がゆっくりとみさとに近づいて来て、半ばパニック状態の彼女は、それでも彼に応えて唇を重ねた。
「……ん…んんっ……ささ…はら……」
「可愛いものだな、立花みさと………」
「可愛いって……そんな……」
どこかの歌の歌詞にあるように、世の男性は全て狼、という事だろうか。
みさとの体は近くの椅子に腰掛けた笹原の膝の上に抱き抱えられて、もう身動きも取れない状態である。
それはさながら狼に捕らわれ、食べられる時を待つ白ウサギのようで。
「…っささ…はらぁ……!!…はぁ…ああんっ!」
「相も変わらず甘やかだな、立花みさとの肌は……」
「ばかぁ…そんなとこ…舐めないで……ふああっ!」
飾り襟以外守るもののないバニースーツのみさとの肩周りは無防備そのものだった。
キスを終えたばかりの笹原の唇が首筋に、鎖骨に痕を刻んでゆき、ちろちろと動く舌先が肌を刺激する。
みさと自身もバニー姿でいる事に普段にない興奮を感じているのだろうか。
いつも以上に笹原の舌先の動き、指使いに声を上げて、彼の腕の中で身悶える。
「…っこのぉ…笹原がこんな…はうっ…へ、変態だったなんて、思わなかったわよ……ああっ…あんっ」
「それを言われると立つ瀬がない。しかし、こう愛らしいウサギを目の前にしてはな」
「ひあ…ばっ…かぁ……そんなちくびばっかり…ああああんっ!!!」
むき出しの肩口から手を滑らせれば、そのまますぐにバニースーツの内側、みさとの乳房に触れる事が出来る。
手の平にしっとりとなじむ柔肉の感触を楽しみながら、笹原はしばらくみさとの胸を揉み、乳首を指先で転がしてから
「ふあっ!…だめ…そこっ!…そんな、口をつけられたら…ひあああああっ!!!」
ピンと尖り、硬度を増したみさとの乳首を、バニースーツをめくって露出させ、その二つともに順に甘噛みをした。
そのタイミングはまるで、みさとの両乳房の先端の疼きが臨界点に達するのを見計らったかのようで、みさとは強烈な快感にあられもない声を上げてしまう。
みさとの乳首は笹原による甘噛みから開放されても、再び彼の指先に捕らわれて徹底的に弄られて、いじめられ、刺激の虜にさせられ、
その間にも肌に降り注ぐキスの雨、肌の上を滑る舌先の残す唾液の痕に、みさとはただただ声を上げるばかり。
そして、両乳首への疼きが再び最大限に達した瞬間に
「やっ…また……ささはら…だめぇ!!…ふあっ…ひうぅううううううっ!!!!」
再度の甘噛みにビリビリと乳首は痺れて、みさとの声はさらに大きくなってしまう。
そして、またしても再び、笹原の指先がみさとの乳首を責め始め、この執拗な責めはローテーションとなり、ぐるぐると周回を重ねてより一層みさとの乳首を敏感にしていく。
「うあ……おっぱいのさき……じんじん…するよぉ………」

95 :
もう何回、それとも何十回、この繰り返しに翻弄されてしまっただろう。
絶え間なく乳首を襲う刺激と快楽に、みさとは乳房だけでなく、全身から力が抜けて笹原の肩に捕まっているのが精一杯になっていた。
腰は砕けて、バニースーツの内側の大事な場所は蜜をしとどに溢れさせ、乳首が、肌が、刺激を受ける度に抑えようのない声が上がってしまう。
そして、そうやって開いた唇に、笹原の唇が重ねられて、差し込まれた舌がみさとの口の中をくちゅくちゅと巧みな動きで愛撫する。
みさともそれに応えるように、夢中になって笹原の舌に己の舌を絡ませて、唾液の音を部室に響かせながら、キスの味わいに夢中になる。
「んぷ…ん…はぁはぁ……ああ、ささはら……ささはらぁ……」
「…立花…みさと……」
見つめ合う二人の瞳に映るのは、ただお互いの姿のみ。
バニー姿で、しかもよりによって学校でこんな事をしているという背徳感も、二人の間の熱を際限なく高めていく。
唇を離せば、再び狙いすましていたように、笹原がみさとの乳房に吸いつき、乳首にまた甘噛みをする。
もう何度目とも知れない凶悪なほどの快感にみさとは両脚を跳ね上げて、つま先までピンと伸ばした脚をビリビリと震わせる。
そして、その脚までもが笹原の手に捕まって
「こんな所まで、私の責めに震えているのだな。……どことなく、こそばゆい」
「あ……ささはら……また…そんなとこ…なめられたら……ああああああっ!!!1」
網タイツ越しのみさとの滑らかな脚のラインの上を、笹原の舌先が滑っていく。
絶え間ない責めに痺れて力の抜けた脚をそんな風に弄ばれ、さらなる快感の追加攻撃に晒されたみさとの体がびくびくと大きく震える。
そして、みさとの片脚を笹原の舌が舐めている間に、もう片方の脚を笹原のゆびさきがつーっとなぞってゆき………
「…や…ささはら…いま、そこにさわられたら………」
指先の動きに気付いたみさとが制止する間もなく、笹原の指先がバニースーツ越しのみさとの秘所に触れる。
これまでの愛撫で既に快感に蕩けきっていたみさとの肉体にとって、それはこれ以上ない刺激だった。
「…はうっ…ああっ…だめっ……ささはらのゆびが…わたしのアソコ…さわって…はあああああんっ!!!」
バニースーツの布地越しに笹原の指先がみさとの敏感な場所を探り、くちゅくちゅと恥ずかしいくらいの水音と共に責め立ててくる。
その間も笹原は、首筋や鎖骨にキスを落とし、乳首を甘噛みして、脚にも舌先を這わせて、間断ない快楽でみさとを翻弄する。
その内に、外側からだけでは物足りなくなったのだろうか?
笹原の指先がバニースーツの隙間から差し込まれて、網タイツをぷつりぷつりと絶ち切ってできた隙間からみさとの内側にまで指先を侵入させてくる。
「……ああああああああ!!!…ささはらのゆびっ!!…わたしのなかで…あばれてっ!!!!」
笹原のみさとの秘所への責めはいつになく激しいもののように思えた。
より深く、大胆に、動きまわる指先のもたらす強烈な快感にみさとはもう耐える事が出来ない。
髪を振り乱し、全身を震わせ、悦びの悲鳴を上げて、ひたすらに快感の中で身悶える。
(体中…きもちよくておかしくなる……このままじゃ、もう、わたし………)
肌が、胸が、脚が、アソコが、どこもかしこもじんじんと痺れてひたすらに熱い。
その熱はみさとをギリギリのところで押しとどめていた何かを、いともたやすくドロドロに溶かして、そして強烈な衝撃と共に何かがみさとの中で弾けた。
「……ふあああああああああっ!!!…ささはらぁ…わたし……イクぅ……っ!!!!」
あられもなく声を上げて、絶頂へと導かれるみさとの心と体。
全身を震わせて達した彼女からはぐったりと力が抜けて、笹原はみさとが転がり落ちないように一旦彼女の体勢を返させて、自分の腕の中に収めるが……。

96 :
「……だめ、よ……ささはら……」
「立花…みさと……?」
みさとはそんな笹原の腕をやんわりとどけながら、自分で体勢を変える。
そして、椅子に座る笹原の膝の上に、彼と向かい合うようにまたがり、笹原の首もとに腕を回して……
「…わたしも…とまれなくなっちゃったの……バニーのかっこうで…ささはらにもっとめちゃくちゃにされたい……」
うっとりと微笑む表情には、いつにない艶めかしさが漂っていた。
「ささはらのこと…もっとほしい…ほしいの……だから………」
「……私もだ。立花みさと……もっと、その声を聞かせてくれ。ぬくもりを感じさせてくれ……」
そのままうっとりと見つめ合う二人は、どちらともなく深いキスを交わし、二人の行為はさらなる熱と快楽の渦中に沈み込んでいく。
先ほど、笹原がみさとの秘所を指で責めた際に開いた網タイツの穴、バニースーツの股間の部分をずらし、露になったその場所から、みさとの秘所に笹原のモノがあてがわれる。
「っは…あ…うぅ……ささはらの…あついよ……」
「私も…立花みさとに触れているだけで、全て溶けてしまいそうだ……」
接触しただけで、二人の敏感な場所に伝わる熱と疼き。
ただそうしているだけで溢れでてくる蜜が、触れ合った部分から笹原のモノに伝い落ち、彼の分身をぬるぬるに濡らしてゆく。
そして、どちらともなく、笹原とみさと、互いが腰を動かして、みさとの膣内に笹原のモノがずぷずぷと沈み込んでいく。
「…あ…あああああっ!!!…ささはらの…すごい……あつくて…かたくて…わたし……っ!!!」
「……っく…立花みさと…動くぞ……」
「…うん、ささはらので…わたしをうちがわから…めちゃくちゃに…………っああ…ふあああああああっ!!!!」
笹原は自身のモノを、みさとの膣内奥深くまで到達させてから、腰を動かし始める。
最初はゆっくりとしたその動きは、しかしすぐに加速してゆき、激しく愛蜜を飛び散らせ、いやらしい水音が部室中に響くほどになる。
そして、みさとも笹原に呼吸を合わせるように腰をグラインドさせ、さらなる熱と快楽を求めて無我夢中で行為い没頭する。
何度も何度も、腰と腰を叩きつけるように激しく、みさとと笹原は快感をむさぼり、そしてその中に溺れていく。
「……うあっ…ささ…はらっ!…やあ…そこ…そんなふうに突かれたら…わたし、へんに……っ!!!」
「それで構わない。私はもっと、立花みさとの可愛い姿を見てみたいぞ……」
「…ばかぁ…ああんっ!!…ささはらっ!…ささはらっ!!…うああっ…これ、すごすぎるよおおおおおっ!!!!」
一心不乱の前後運動の最中でも、笹原はみさとの膣内の感じ易いポイントを把握して、的確に、執拗に、そこを自身のモノで突き上げた。
それはまるで捕らえたウサギの極上の部位を味わう狼のように。
しかし、そのウサギもまた突き立てられる牙に悦びの声を上げて、その餌食となる歓喜に震えていた。

97 :
弱い場所を突き上げられて、今にも快感に崩れ落ちそうな体を必に笹原の肩にしがみつかせて、みさとはより大きな快感を得るべく腰を動かす。
笹原のモノを包みこむみさとの柔肉は、彼の肉槍をきつく食いしめ、存分にその感触を、快楽を味わい尽くす。
「あっ…ひぃ…ふああんっ!!…ささはら…ささはら…きもちいいよぉ!!ささはらぁ!!!!」
激しく、それでいて巧みに突き上げる笹原の腰の動き。
それに反応して艶めかしくくねるみさとの肉体。
みさとが笹原と交わる快楽に夢中になるほど、頭のウサミミは揺れて動いて、その愛らしさが笹原をさらにヒートアップさせる。
入り口の部分から膣奥まで一気に貫かれる感覚に、みさとの頭の中で白い閃光が弾ける。
そして、奥の部分から引き抜かれる快感には、まるでそのまま自分の魂までも抜けだしてしまいそうで……。
行為が加速するほどに、快感をさらに強烈な快感が塗りつぶして、みさとの心も体も全てがその色に染め上げられていく。
「ささはらっ!!ささはらっ!!ささはらぁああああああっ!!!!!」
「立花……立花…みさと……っ!!!!」
我を忘れて叫ぶのは、ただただ愛するその人の名前ばかり。
激しすぎる行為は余計なものを全てそぎ落として、二人が真に求めるものを浮き彫りにする。
ほとばしる汗も、キスで糸を引く唾液も、狂ってしまいそうな熱と快楽も、全てが二人の行為を加速させ、クライマックスへと導いていく。
「…ささはらっ…も…だめ…だめなのに…とまんないっ……からだがとまんないっ!!…ささはらのが…ほしいっ!!!」
「私も…私も同じだ、立花みさと!!……このままいっしょにっ!!!」
やがて心と体の限界が近づいても、みさとも笹原も一切行為のスピードを緩める事はない。
無我夢中に背中を抱きしめ合って、腰を激しく動かし、打ち付けあい、粘膜と粘膜が擦り切れるほどに激しく交わり続ける。
そして、我を忘れて互いを求め合う二人は、限界を振り切って行為を加速させ続けたまま、ついに絶頂へと昇りつめる。
「……立花みさとっ!!!!!」
「……ひああああああああっ!!!!ささはらっ!!!ささはらぁああああああっ!!!!!」
次の瞬間、絶頂に達したみさとのしなやかな肉体が弓なりに反らされて、びくびくと激しく痙攣した後、笹原に覆いかぶさるようにぐったりと脱力する。
そして、笹原も己の白濁をあます所なくみさとの中に注ぎこんでから………
「立花みさと………」
「…………?……はぁはぁ…なに、ささはら?」
「やはりその衣装、立花みさとにとても似合っている」
耳元にそんな事を囁いてみせた。
みさとはその笹原に呆れたような、しかし優しげな微笑みを浮かべて
「ばか……今になって言うこと…?」
そう言って、そっとキスをしたのだった。

98 :
そして、翌日。
「………つまり、全部あの先輩の……」
「ああ、恐らくは仕込みだったのだろう」
みさとは笹原から、今回のバニースーツ事件の裏で糸を引いていた人物の正体を知る事になる。
それは、あの日の昼休み、笹原を探してくれるようにみさとに頼んだ3年生女子の先輩だった。
「彼女はほとんど天才的な服飾の腕前の持ち主だからな。演劇部の衣装の一部も彼女の手によるものだ。あのバニーの衣装を見た瞬間、彼女の作品だとすぐに分かった」
「じゃ、じゃあ、私はあの先輩に乗せられて………」
「バニーの衣装はそれなりに目立つ場所に置かれていたからな。明らかに餌を撒いて、相手が釣れるのを待っていたのだろう。
あの時間帯、私が芝居道具の材料を取りに校舎の外に出るのも知っていたようだったからな」
つまりは、あの先輩はみさとならば、必ずあのバニースーツに食いつくと、しかも試着してみるに違いないと、そんな所まで読まれていたのである。
要するにからかわれてた、悪戯をしかけられたという事か。
しかし、みさとは先輩に対して怒る以上に、押し寄せる恥ずかしさを堪えるので精一杯だった。
どういう裏があったにせよ、バニースーツを持ち出したのは他ならぬみさと本人なのだから。
「うぅ…でも、からかわれたまんまっていうのも、何だか悔しいなあ………」
正直、例の先輩に詰め寄って、怒りをぶつけたい気持ちもあったが、面と向かって話したら、それだけで恥ずかしい記憶が蘇ってフリーズしてしまえる自信がある。
「私も、立花みさとのバニー姿に夢中になった側だからな。果たして、どう話して良いものか……」
あの先輩にせめて何がしかのペナルティを。
そう考えて頭を悩ませるみさとは、ふとある事を思いついた。
「ねえ、笹原はあのバニー衣装、気に入ってたみたいだけど、他に何か私に着てもらいたいものってある?」
「む?」
「私はね、ちょっと着てみたいのがあるんだけど………」
そう言ってから、みさとは笹原にごにょごにょと耳打ちする。
「それは、さぞ立花みさとに似合うだろうな」
「えへへ、もうここまで恥ずかしい思いをして、恥ずかしい事もしちゃったんだから、いっその事ね」
そして、みさとと笹原は互いに照れくさそうに微笑みを交し合った。
「今回は向こうのいたずらにこっちが乗ってあげたんだから、今度はこっちのリクエストにも応えてもらわないとね」
その後、立花みさとが”新しい衣装”を例の先輩から受け取ったのは、それからしばらく経ってからの事だった。

99 :
単にみさとにバニーになってもらいたかっただけなのですが、例によって前置きばかりが長くなってすみません
でも、みさとに白バニーはきっと似合うと信じてる

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