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2012年09月エロパロ133: 【朝ドラ】梅ちゃん先生でエロパロ (332)
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【朝ドラ】梅ちゃん先生でエロパロ
- 1 :2012/06/16 〜 最終レス :2012/09/07
- 下村家それぞれの恋愛模様もあることですし、いかがでしょう?
- 2 :
- 松岡×梅子お願い
- 3 :
-
松岡敏夫が明日からは一人で書いてくださいと言いだしたのは、論文作成が終盤に差し掛かった時だった。
「ええ?困ります」
下村梅子は論文を書く手を止めた。
梅子に論文指南をしてくれている松岡は急に妙な事を言いだすことがあった。
それは松岡自身の中ではきちんと成立している理論なのだろうけれど、他人には理解できない事が多い。
「困りますと言われてももう決めましたので」
「決めたって言われても困ります」
梅子は食い下がる。正直言ってここまでの松岡の協力は大きいものだったし、一人で論文を完成させられるとは思えない。
「我儘な人だなあ」
「どっちが我儘ですか!論文終わるまで見てくださる約束でしょう?」
解せないという顔をする松岡に、梅子は唇を尖らせた。
「もう終わりでしょう?あとは今までの序論各論を踏まえて総論を書くだけじゃないですか。簡単です」
「松岡さんには簡単でも私にはそうじゃないんです。せめて、どうして明日からは駄目なのか教えてくれませんか」
「それは、先ほど僕が梅子さんに接吻したいと思ってしまったからです」
松岡の言葉の意味が一瞬頭に入らず、梅子は首をかしげた。少し考えて、やがて目を見張る。
「えぇぇ?」
「分からないでしょう?僕も何故そんなことが頭を過ぎったのかよく分からないんです」
松岡は気真面目に頭を傾げた。実験の結果が思わしくなかったかのような顔をして眉根を寄せる。
「接吻は恋愛関係にある交際中の男女がするものでしょう?僕と梅子さんは違います。だから僕の頭にそんなことが浮かぶ方がおかしい。
おかしいから先ほどから理由を考えているのですがどうにも結論が出ません。理由が分からない以上、明日からは会わない方がいいのではと」
「で、でも……」
なぜ松岡の脳内にそんな驚くべき事が浮かんだのか。松岡の頭の中は梅子には不明である。
不明ではあるが、そんなよく分からない事で論文指導を投げ出されてしまう方が梅子には問題だった。
「でも、今は思っていないんでしょう?」
何とか松岡を翻意させるべく梅子は食い下がる。松岡は暫し天井を睨み、そうですと答えた。
「なら、過ぎてしまった事は良いじゃないですか」
「よくありません。僕の疑問が全く解消されていない」
「私の論文だって全く終わっていません」
「分からない人だなあ。先ほどの理由が解明しないまま指導を続けて、また僕が接吻したくなってしまったらどうするんですか。
梅子さんは僕に接吻されても良いのですか」
「だ―――駄目ですッ」
「でしょう?」
(しまった……)
梅子は頭を抱えたくなった。松岡はだから言ったでしょうという顔をしている。このままでは一人で投げだされてしまうのは確実だ。
必に考えを巡らせて、やがて梅子はあることを思いついた。
- 4 :
-
「きっと人間って時々よく分からない事を考えるんだ思います。私だって先生のお髭を引っ張ってみたいと思った事はあります。
けど、やってみた事は有りません。思う事と実際にやる事は別ですから。きっと松岡さんも同じですよ」
「……髭を引っ張るのと接吻するのは同じ扱いでいいのでしょうか」
必の梅子に松岡は首を傾げる。
もうひと押しだ。理論で納得してくれれば松岡は容易に自分の考えを変えてくれる。
「同じです。それとも松岡さんは接吻したいと思ったら誰にでもしているんですか?」
「失敬な!僕が接吻したいと思ったのは梅子さんだけですし、実行だってしていません」
「ほら、同じじゃないですか」
「―――確かに」
松岡は虚を突かれたという顔をした。天井を睨み、考えを纏めているようだ。
「なるほど、梅子さんの言う事も一理ある」
「でしょう?」
「しかし、他に新たな疑問も生じました。何故梅子さんは僕に指導を続けさせたいのですか?
総論を纏めるくらいなら僕のような上気道の専門じゃなくても出来ますよ」
松岡の言葉に梅子は目を瞬く。もっともな疑問だ。
「何故って……私は松岡さんに教えてもらいたかったから」
「ですから、それは何故ですか?何か僕でなければいけない理由があるのですか」
そう言われると何故だろう。梅子は自分の心を探る。
どうして他の人を頼る事を思い浮かばず、松岡が居なくなったら困ると思っていたのか。
上気道の専門家だからか。違う要因が有るのか。
何度考えても思いつかず、梅子は煩悶してしまった。
「……まあ、お互い明日にしましょうか」
梅子が頭を抱えて唸っているのを見かねたのか、松岡が優しい声を出した。
「それぞれの疑問を今日は持ち帰って、明日解答を披露すればいい。互いの疑問が解決すれば梅子さんも僕も論文に集中できるでしょう」
「はいッ」
どうやら松岡は明日も来てくれるようだ。この調子だと論文の最後まで見てくれそうである。
嬉しくなってえへへと笑うと、疑問ばかりなのに笑うなんて梅子さんは変な人ですねと松岡も笑った。
結局一晩考えても結論が出なかった二人は翌日山倉と弥生にそれぞれ相談し、それはもうニヤニヤされる羽目になるのだが―――
それは、また別の話である。
≪了≫
- 5 :
- スレを立てた身なので一本。
速攻で書きすぎて文章が荒くて申し訳ないです。
あと全くエロが書けずすみませんw
このド天然コンビの会話は書いてて楽しいですが難しいです。
- 6 :
- >>5GJGJ!
この二人本当いいわあ〜w
- 7 :
- スレが栄えると良いなあ〜
ageておきます。
- 8 :
- >>1スレ立て&初投下乙です!
ラブラブな二人が読めて嬉しい。
スレ盛り上がりますように。
- 9 :
- 松岡と梅ちゃんならド天然コンビだし
ノブと梅ちゃんなら姉弟のような微笑ましいお雛様コンビだし
竹男と咲江さんならツンデレ同士のコンビだし
松子と真田さんでダメンズとのドロドロ昼ドラ不倫も可能
よりどりみどりですねw
- 10 :
- >>5
松梅読みたかったので嬉しいです〜ありがとう!
- 11 :
- 「僕の研究に協力しているいただきたいんですが……よろしいですか?」
松岡の真摯な表情にうなずく梅ちゃんでした
**************
「え!? あっ……んん………ん……ん」
「声を出していただかないとどこが気持ちよかったのかわかりませんよ」
「あっソコっあぁ……もっと」
「こうですか?」
「あぁ―――っ」
松岡の手技に翻弄される梅ちゃんでした
こんな感じのやつキボン
- 12 :
- スレ立て乙です
>>5
松と梅に萌えました。GJ!
- 13 :
- あげ
- 14 :
- スレたて乙
まさか梅ちゃんスレがここにあるとは思わなかったけどwww
松梅のピントずれた会話がものすごく好きです、GJ!
- 15 :
- >>1おつ!!
忘れられているだろうけど竹兄×あかねさんがもどかしくて大好きだった
- 16 :
- 雪子と弥生の美少女レズで
- 17 :
- >>16
板チじゃない?
私には需要あるけどwww
- 18 :
- >>16
恋愛経験豊富な雪子がウブな弥生の身体を弄ぶ
- 19 :
- 今朝のドーナツの穴で妄想したな
- 20 :
- 734 :公共放送名無しさん:2012/06/22(金) 08:08:39.11
ドーナツ=梅子
ちくわ=松岡
ドーナツの穴にちくわを入れるという隠喩
- 21 :
- 左手キメられたままホールドされる松岡にわろたwww
遠慮がちに背中に手を添えたのは良かったね。
- 22 :
- 抱擁で始まるお付き合いって、進展はやいんじゃ…
もう辛抱たまらんだろw
- 23 :
- まってたよー
幼なじみ枠拡張希望
- 24 :
- プチバレ
ノベライズをチラ見したんやが、来週……………
ちょっと喧嘩腰の梅子を、人気のない所へ連れ込んで宥める(?)松岡ってシチュエーションがあるみたい………………
思わずエロい事期待して私は建造パパに叱られてきますww
- 25 :
- >>24
一気に2、3年時代が飛ぶらしいけど、
ずっと付き合っていたんなら松岡の成長が期待できるねw
- 26 :
- のぶ頑張れー
- 27 :
- 山倉と弥生も好きなんだよな
ふたりで立ち聞きとか、もーおもいらくっついちゃいなさい
- 28 :
- ノブはどうなるんだろ…
- 29 :
- どうにかなるんだから視聴してろよ。
とネタバレ知ってる自分が言ってみる。
- 30 :
- ノブageはこれからじゃん
工場は大きくしたし、恋人もできるみたいだし
- 31 :
- ノブと梅ちゃん推しの人も、松岡と梅ちゃん推しの人も
山倉と弥生さん推しの人も、竹兄とあかねさん推しの人も
皆とりあえず書いてみればいいと思うよw
- 32 :
- 書いてみようと思ったら忍者帖のレベルが低すぎて無理だったw
ROM専はROM専に徹しようw
- 33 :
- ……ってもしかして書いたのかな?
勿体ない!w
この板って投下代行スレみたいなの無いのかな。
他のSS系板だと有ったりするんだけど……
自分も大したレベルではないがちょっとくらいなら投下の手助け出来ると思うよ
……参考までに誰の話なのか教えていただけると……
- 34 :
- >>33
松岡×梅子 前提の 信郎×梅子 みたいなやつです
代行して頂いてまでして投下するレベルではないです…。とても断片的でしたし。
せっかくの申し出…ありがとうございます。すいません。
また機会があれば投下します〜。
- 35 :
- 山倉ー弥生はないな
恋愛に奥手臆病な弥生には梅子と美少女レズがお似合い
うぶな身体を梅子のマイペースぶりで診察
まったく開発されてない身体をいじられて弥生悶絶
- 36 :
- 建造が倒れて精神的にまいっている梅子を
松岡がなぐさめる……みたいなのをどなたか書いてください〜
でも家族全員で病室に押しかけとか、容態はそこまで深刻じゃないんだろうかw
- 37 :
- 如何せん松岡さんが萌えづらいのだが…
- 38 :
- 空気読まずに投下
ファーストキスで
資料室でいつものように論文を書いていた二人
「そろそろ帰ろうか」
「そうですね」
本を片付けようと立ち上がる梅子
「梅子さん」
続いて松岡も立ち上がり、梅子の二の腕を捕まえた。
「え?」
身を屈めた松岡の唇が梅子の唇に重ねられた
それはすぐに離れたが、突然の出来事に梅子の目が泳ぐ
「嫌…でしたか?」
不安そうな顔をして松岡が聞く
「…嫌じゃ、ないです…」
俯き加減で答えると、梅子はそのまま松岡の温かい胸に頬をうずめた
携帯からだとこれぐらいしか書けん
お粗末さまでした
- 39 :
- ありがとう、微笑ましいw
抱きつかれてあんなに固まってしまった松岡さんは
梅ちゃんの隙突いて唇を奪うという高等技術を使えるのかなw
- 40 :
- >>39
どうも〜
奥手な松岡ですがスイッチ入ったらポンとやっちゃうかなと思いました。
- 41 :
- おおっ♪GJ♪
松梅のほのぼの萌えましたww
- 42 :
- GJ!
逆バージョンもあったら楽しい
- 43 :
- >>38
待ってましたGJ!
でも資料室はみんなのチェックが入ってるかもしれないのでやばい!w
梅子の反応を確認→少しずつ大胆になる松岡なんかいいかも
- 44 :
- 38です。
実のところ二人の距離はどれくらいなんでしょ
キスぐらいはしていてほしいという願望です
- 45 :
- 深夜の資料室で論文を書くのに勤しむ二人であった
だが梅子がふと見た過去の論文に「殿方の自慰」というのがあり思わず見入ってしまう
(ええ?男性って蒟蒻をそういう事に使うの?!)
頬を真っ赤にして梅子は更に見入る
しかもそれを松岡に見られ何を考えていたのかまで知られてしまった
「わ、私は、男性のこういうのは無知ですから…」
「ま、それはそうでしょうね……」
二人は口付までは経験済みだが性器には服の上からも触れた事はなかった
「あ、あのですね、松岡先…生、じゃなく、松岡さん」
「は、何でしょうか、梅子さん!」
「今度、松岡さんのを見せて貰えませんか?」
「はい???」
「だって医師として、坂田先生のところに来る女性からも、私に相談を受ける事があるです」
「そ、それは、知っておかないといけませんね」
いきなりのお願いに松岡の顔はトマトの様に赤くなる
「では、今度のお休みに、私は荻野式だとしない日に当たりますから…」
「わ、わかりました。綺麗な逆さクラゲをさがしておきます」
などと初めての約束をした二人であった
おそまつ
- 46 :
- センセー
逆さクラゲがわかりません
- 47 :
- >>46
ラブホテル
- 48 :
- >>5
凄く良いです!是非また松梅をお願いしますっ
本編ではもう見れそうにない、幸せな二人が見たいです…
- 49 :
- 「ハァ‥坂田せんせえ」弥生は靴下以外全裸になり、ベッドに横たわった
小振りなおっぱいを右手でもみ、女性生殖器を左手でいじるとクチュクチュ音がする
「濡れてきた‥」恋愛同様に弥生はオナニーの経験も疎い
- 50 :
- ・松岡と梅ちゃんです。
・書くのに時間がかかって若干本編と内容がずれました。
・松岡が有り得ないくらいの理屈馬鹿になってしまいました。
・エロとか皆無です。
・それでも許せるという方はお付き合いください。
目の前にうず高く積まれた資料に、下村梅子は目を丸くした。
「で、これが糖尿病患者が脳軟化症を起こした場合におけるストレスの影響を考察した論文、と」
最後にやたらと分厚いドイツ語論文を積み重ね、松岡敏夫は満足そうな顔をした。
梅子が資料室に行くなり、待ち構えていたらしい松岡が嬉々として一つずつ積み上げた資料は一尺ほどの高さになっている。
「あのう松岡さん、これは」
「見ての通り、脳軟化症に関する資料を可能な限りかき集めたんだが。……要らなかったかな」
恐る恐る尋ねた梅子に、松岡は不思議そうな顔をする。もっと喜ぶと思ったのだろう。
「ううん、ありがとう。けどお父さんの担当は私じゃないから、私が治療法を勉強しても仕方がないわ」
梅子は病室の父の姿を思った。家族として医者として何か父の役に立ちたい事は確かだが、医師としてまだ未熟な梅子に出来る事は少ない。
もっと経験も知識も豊富な先生に任せた方が、結局は父の為なのだ。
「それは違うな」
俯く梅子に、松岡が鋭い声を出した。
「君が担当医じゃないからと言って何もできないと思うのは間違いじゃないだろうか。患者の回復に家族の支えが必須なのは君だって知っている筈だ」
「そんなの分かっているわ」
梅子は唇を尖らせた。身近な者の愛情が病人にどんな好影響を及ぼすのか。梅子は何回も目の当たりにしたのだ。「家族の支え」はとても大切だ。
けれど、梅子は只の家族ではない。医者なのだ。なのに何もできない自分が、とても歯がゆい。
「分かっていないな。君は医者なのだから単なる家族としてだけではな無く医者としてのアプローチを試みるべきだ。
主治医じゃ無くたって出来る事がある―――それに」
人の感情を全く理解できない割に梅子の心の核心を松岡は突く。松岡は言葉を切って梅子の目を覗き込んだ。
「梅子さんは蒲田で開業したかったんだろう?父親が倒れたから開業自体を止めましたというんじゃ蒲田の人達はどうなる。
そんな程度の甘い気持ちで開業を考えていたのなら蒲田の人達に失礼なのではないだろうか」
松岡の言葉はあくまで論理的で辛辣だ。梅子は痛いところを突かれ言葉が出なかった。
「それに下村先生にも失礼だ。このまま君が開業を諦めたら下村先生は娘の夢を諦めさせるために言葉で話し合うのではなく、
都合よく倒れる事で娘の口を封じたという卑怯者になってしまうだろう」
梅子は下を向き唇を噛んだ。常に正しい松岡の言葉は、とても痛い。そこには理論のみが存在し情の入る余地は無い。
耳に優しい言葉も心に優しい言葉も、松岡の中には存在しない。
「だからこそ、下村先生の回復に君は全力を注ぐべきだ。
僕は論理的ではないと思うけれど、君が父親が回復しなければ開業を考える気にもなれないと言うのならば、
一刻も早く下村先生に回復していただいて、それからじっくりと開業について下村先生と考える事が出来るよう努力しなくては。
それこそが下村先生と蒲田の人達の為に、医者としての君が出来ることだと僕は思う」
松岡は滔々と語る。
何も言えず俯く梅子に、松岡は少しだけ口調を和らげた。
「それに、この資料を君一人で解析しろとは言っていない。僕も協力しよう。僕だって下村先生に早く治って欲しいと思っている」
(―――ああ、そうか)
梅子は急に目の前の堅物を理解した。
多分松岡は、彼なりに梅子を励ましているのだ。そして梅子が夢を叶える事が出来るようにと考えてくれているのだ。
なんて下手な励まし方だろう。
なんて不器用な応援なのだろう。
けれどそれが松岡だ。
周囲がどれだけ浮足立っても、周囲がどれだけ方向を見失っても、松岡はきっと揺るぎなく松岡なのだ。
梅子が妙に安心したその途端に、何故だか目から大粒の涙が落ちた。
- 51 :
-
「そ―――その涙はつまり、僕の口調が君を責めているように聞こえたということだろうか」
松岡がうろたえた声を出す。そういえば、松岡の前でこうやって涙を流すのは初めてだ。
「ううん、違う……と思います」
「思いますと言われても困るな。はっきりしてくれなければ。不本意ながら君を責めていると思われたのならば、謝らなければいけない。
しかし他の要因ならば僕に謝る必要性は生じないじゃないか」
「だって、理由が分からないから」
多分、色々な要因が関わっているのだ。
父が倒れた心細さと。
なのに医者として何もできない情けなさと。
やっと見えたと思った夢を、けれど諦めると決めてしまった悲しさと。
松岡の相変わらずの変人ぶりが可笑しいのと、揺るがずそこに居てくれることへの安心感と。
全てがごちゃごちゃになり、何故泣いているのか自分にもよく分からない。
「分からないのか……なら仕方がないな……」
松岡は言葉通り受け取ったようだ。居心地が悪そうにする松岡が少し面白かったけれど、それでも涙は止まらない。
そわそわとしながらも何かを考えていた松岡は何かを思いついた顔をし、それからしばし周囲を落ち着かない動きで歩き回った挙句に梅子の眼前に立った。
「松岡さん?どうし……」
梅子の疑問を、珍しく松岡は無視した。梅子の背中に腕を回すと、ぎこちなく胸に抱き寄せる。
びっくりして梅子が身を固くすると、松岡もぎくりと身体を強張らせた。
「い、以前恋愛映画を研究していた時に」
梅子ではなく明後日の方向を見ている松岡の声は、心なしか上ずっている。
「泣いている女を男が抱擁して泣きやませるという事がよく有った。最初は抱擁されたぐらいで泣きやむのは非論理的だと思ったけれど、
よく考えてみれば抱擁により与えられる安心感が泣いている原因だった精神的素因を解消したのかもしれないと思った。
それに、心理学的に見れば包み込まれることにより母体回帰したかのような安定を得られるという事ではないかと―――」
あまり論理的とは言えない事を早口で言う松岡の動揺が手に取るようで、梅子は吹き出した。
「松岡さん、暖かい」
「熱とは筋肉が産生しているのだから、筋肉量が多ければ熱量も増える。梅子さんより僕の方が筋肉量が多いのだから暖かくて当然じゃないかな」
松岡がいつもの気真面目な声を出した。
変わらぬ彼に妙に安心した梅子の緊張が解けたのが伝わったのか、松岡も少し動揺が収まったようだ。
梅子は松岡の胸に耳を付けた。松岡は一瞬びくりとして、それでも梅子のしたいようにさせてくれた。
とくとくと規則正しい音がした。
松岡が命を紡ぐ音だ。
今は分厚く暖かだけれど、ほんの数年前まで松岡のココは結核に冒されていたのだ。
……なんだか、とても泣きたくなった。
- 52 :
-
「梅子さん」
より一層激しく涙が出てきた梅子に再び動揺したらしい松岡は、困ったような声を出した。
「はい」
「梅子さんが泣きやむどころかより一層泣いているという事は僕の抱擁のやり方に問題があるのでしょうか」
「そうは……思えませんけど」
「いえ、きっとそうです。僕の抱擁が下手だから梅子さんが安心感を得られず涙が止まらないに違いない」
「抱擁に上手いとか下手とかあるの?」
「あるのでしょう。こうなったら何が何でも梅子さんを泣きやませてみせる」
何故か闘争心に火が付いたらしい松岡は、梅子を抱きしめ直した。
梅子の頭を胸に抱え、反対側の身体を抱く腕に力を込める。
梅子の身体は松岡にぴったりとくっついた。松岡の息を肌で感じるほどだ。
先ほどの柔らかい抱擁と違い、とても力強い。……それはもう、骨がきしむくらいに。
「……松岡さん」
「涙は止まりましたか」
「痛い、です」
「―――えッ」
物凄く意外そうな声を出して松岡は腕の力を弱めた。松岡の中では完璧な力具合だったらしい。
心地よい強さになって、梅子は再び松岡の胸に耳をくっつけた。
「加減が難しいな……それともこの場合は抱擁では駄目なのか……他の方法なんてあるだろうか」
松岡がぶつぶつと思案する声を、梅子は遠く聞く。
梅子は松岡の胸の音を聞いていた。
とくとくとく。とても心地のいい音。
梅子達医者は、ただ目の前に居る人のこの音を続けさせるために存在しているのだ。
入院患者の。父の。蒲田の人達の。
―――全ての生ける人達の、この愛おしい音を聞くために。
梅子の目からまた涙が溢れてきたことに気が付いたらしい松岡は、困った顔で思案を続けていた。
松岡が何かを思いついた顔をした途端、その心臓がどくんと大きく跳ねた。
「松岡さん?どうしたの?」
「い、いや、なんでもない」
顔を覗き込んだ梅子からあからさまに目を逸らして松岡は呟く。しかしその鼓動は早さを増すばかりで、今や早鐘を打つようだ。
「嘘なんて言わないで。なんでもないって顔じゃないもの」
「……恋愛映画の研究をしていた時に」
ちょっと怒った顔をしてみせると、松岡はしぶしぶ口を開く。
「男が接吻して泣きやませる映画も有った事を思い出した」
「―――」
「し、しかし考えてみれば」
何か言おうとした梅子を遮り、松岡は早口で続けた。
「外国人にとって接吻は挨拶なんだから、接吻で泣きやませるということは日本人でいえば挨拶して泣きやませる事に相当する。
ならば僕が梅子さんに挨拶をすれば泣きやむのかと言うとそれは疑問だが、かといって文化の違う日本にそのまま接吻を持ちこんで良いモノなのかどうか。
むしろ日本の場合弱みに付け込んで不埒な好意をしたいだけだと思われる可能性も有り―――」
松岡は再び上ずってしまった声で破綻気味の論理を展開する。
きっと自分が思いついてしまった事に相当の動揺をしているのだ。治まる気配の無い鼓動の強さと速さがそれを示している。
「良いですよ」
「え?」
論理の構築に必になっていた松岡は、梅子の声を聞き逃したようだった。
「良いですよ、接吻を試してみて」
「う、梅子さん、それは」
「だって、私の涙が止まるかもしれないじゃないですか。私だって何で泣いているんだかよく分からないんだもの。
何が効くのか分からないわ。分からない以上は試してみるべきだと思うの。松岡さんは何が何でも私の涙を止めてくれるんでしょう?」
梅子の言葉に、松岡は壁を睨んで考え込んだ。こういう顔は難しい論文を考察している時と変わらない。
「なるほど、確かに一理ある。―――ならばさっそく試してみましょう」
松岡は真顔で頷いた。
理屈が全ての松岡は、理屈が通っていると思えば切り替えは早いのだ。
- 53 :
-
長身の松岡は少し身を屈め、梅子と顔の高さを合わせた。
とても緊張した顔をしていて、梅子もなんだか緊張してくる。
松岡は慎重に一瞬だけ唇を合わせ、素早く離れて梅子の様子を窺う顔をした。
「どうでしょうか」
「ううん……」
「駄目ですか」
「駄目みたい」
「おかしいな……」
松岡は顔をひねる。どうしても解けない難問と闘っているような顔だ。
梅子は二人で観た恋愛映画を思い出してみた。何か参考になる事は無いだろうか。
「松岡さん、外国の恋愛映画の接吻って大体もっと長いでしょう?今のは一瞬だったからいけないのかも」
「時間か。それは考慮していなかった」
梅子の提案に松岡は頷く。しかしすぐに首をひねった。
「長いと言ってもどのくらいなのかな。そういう数字は収集していないからよく分からない」
「ええと」
梅子もそんな事を気にした事は無い。というか接吻場面は恥ずかしいので大体まともに見ていない。
「涙が止まるまで、で良いんじゃないでしょうか」
「―――なるほど、合理的です」
思いついた事を言っただけだったのだけれど、松岡は嬉しそうに笑った。きっと理に叶っているのが嬉しいのだ。
松岡は真剣な顔に戻ると、梅子の顎をそうっと持ち上げる。
「私、映画のように目を瞑った方がいいですか?」
「僕はどちらでも。梅子さんの好きなように」
梅子は目を閉じてみた。なるべく映画に近い方がこの涙も止まるかもしれない。
目を閉じると何故だかわからないが急に緊張してきた。暗闇は人を緊張させるのかもしれない。
強張って梅子が変な顔になっているのか松岡が少し笑う気配がして、やがて梅子の唇に松岡のそれが丁寧に重なった。
優しくて、暖かくて、なのに何故か胸が苦しい。本当にこんなことで涙が止まるのだろうか。
- 54 :
-
一秒。
また一秒。
何秒経っただろう。
やがて梅子の背中に回った手が小刻みに震えている事に気が付いた時、梅子より松岡の方が遥かに緊張していることに気が付いた。
(優しい人なんだ)
誰もが認める変人で。
理屈馬鹿で。
研究馬鹿で。
人の気持ちの全く分からない。
なのに、梅子を理解しようとそして梅子の為にと全力で努力をしてくれる人。
現れ方が物凄く分かりにくいけれど、他人の為に努力と苦労を出来る人は間違いなく優しい人だ。
松岡敏夫は、優しい人なのだ。
梅子はなんだか嬉しくなって、松岡がこれだけ努力をしてくれているのだから自分も映画にように松岡の首に手をまわしてみようと思った。
―――が、手が掛かるその瞬間に松岡があッと呟いて梅子から離れた。
「止まりましたよ梅子さんッ」
「……そうですか」
「あれ、何を怒っているんですか?ようやく涙が止まったのに」
「何でも有りませんッ」
頬を膨らませている梅子を見て、松岡は全く解せないという顔をした。
梅子は分かるまで教えてやらないつもりである。多分ずっと分からないのだろうけれど。
やがて重大な事を思いついたという顔をして松岡は梅子の顔を覗き込んだ。
「それより梅子さん、今後他人の前で泣くのは勧められないな」
「どういうことです?」
「梅子さんが泣くたびに泣きやませるために男に接吻されるのは、なんとなくいかがなものかと。―――ああいや、僕も含めて、ですが」
膨れ面を作っていたはずの梅子は真面目な松岡の言葉に吹き出した。
「分かりました、今後は人前で泣かないようにします。……もし泣くときは松岡さんの前にしておきます」
「はい―――えッ」
「なんでもないですよ」
梅子は動揺しっぱなしの松岡がおかしくてくすくす笑った。
梅子がようやく笑ったのが嬉しかったのか、やっぱり梅子さんは面白いなと松岡も笑った。
やっぱり蒲田で医院を開こう、と梅子は思った。
尊い命の音を紡ぐため目の前の人を救うため他人への努力を惜しまない、そういう優しい医者に下村梅子はなるのだから。
≪了≫
- 55 :
- >>3>>4が粗すぎたので真面目に書いてみました。
まあ真面目に書いても我ながら言いたい事は色々ありますがw
自分にはこれが限界です。
えー前回も今回も全くエロなしで申し訳ない。
エロ神様の召喚へのお供えとなれれば幸いですw
ところで自分は松岡が好きだから松岡書いてるけど
ノブ梅でも竹男とあかねさんでも弥生さんと山倉でも、どのカップル推しでもいいから
もっとみんな来ますよーにw
- 56 :
- 素晴らしい。
いい日曜になりました。ありがとう。
- 57 :
- >>50-55
GJ!!!!
二人が微笑ましすぎww
エロ無しだけど、エロがある二人が想像しづらいw
あるとしたら、またすごい清純なエロなのかなと思うw
- 58 :
- >>50
大作ですね素晴らしい!
恋愛映画観といて良かったね、松岡w
>>57
清純なエロwきっとそうだw
- 59 :
- 医療器具が使えるので 何かとヒントが浮かびやすいスレだな
- 60 :
- GJです!
理屈っぽいけど優しい松岡を理解してくれる梅子イイヨイイヨー
ところで松岡、何本恋愛映画を観たのか?
映画館の人に「また来てるよ、あの学生さん」とか言われていたかもしれないw
- 61 :
- >>50
GJすぐる!!!素晴らしい
場面と松岡×梅子の口調が目に浮かぶようです
そしてあの説明不足な脚本を補完してくれてありがとうw
- 62 :
- 咲江をバックから犯したい
長いスカートめくってたぶん純白のパンツずり下ろして挿入
「やめてください!痛い!」ってたぶん処女だと思う
佐津川自体はヤリマンだろうけどね
- 63 :
- 上げとくかー
結婚でもマニュアルから入る松岡w
本のタイトル忘れたけどとりあえず女心も理解しようとしていた気がするw
- 64 :
- 「完全なる結婚」と「現代女の解剖」は確認
あともう1冊はなんだったかな
- 65 :
- 坂田医院に通い詰めの弥生に
いい具合に山倉が嫉妬してるなw
- 66 :
- 梅子と松岡の初夜希望
- 67 :
- 希望だけじゃなくて是非自家栽培もしてくれw
- 68 :
- 松岡が坂田医師に連れられて遊郭で初体験する設定きぼう
- 69 :
- >>50-55
GJ!松岡と梅子の雰囲気が素晴らしい!
先生の次回作、お待ちしています!
- 70 :
- 酔っ払い松岡面白かったw
理屈くさいまま酔っぱらうのか、面倒だなあw
- 71 :
- でも二日酔いの姿は男くさくてちょっとドキドキした
- 72 :
- ありゃsage欄間違えた
- 73 :
- >>71
しかも下からアングルの方がイケメンだったよね
- 74 :
- うん。
あの角度と距離から見上げてみたいもんだ
- 75 :
- エッチw
- 76 :
- 腕まくりに萌えた。
松岡さん、いつもきっちり着込んでるから余計に。
梅子はああいうの見てドキドキしないんだろうか。
- 77 :
- 静脈切開シーンは神だった
腕まくりとスーツ脱いだ背中が…
そういえば切開しましょうの台詞も下からアングル?
- 78 :
- 奥二重だから下から見上げた方が
二重がよく見えて綺麗だよな
- 79 :
- なら梅ちゃんは良い角度から見てた訳だな
- 80 :
- ノブもあっさりフリーにw
まあノブは最初から梅ちゃん好きだったからなあ。
舞踏会で松岡に梅ちゃんかっ攫われたりしてたけどw
松岡再登場確定らしいので三角関係にニヤニヤしながら観ることにする。
下がり過ぎなので上げます
- 81 :
- っと上がっていないw
- 82 :
- ドラマでは俄然ノブ梅モードになってきたけど、
こちらにはノブ梅の職人さんはいらっしゃらないのだろうか?
個人的には山倉弥生がいいんですが、なんか忘れられた感じw
- 83 :
- 自分が松岡ばっかり書いてるからノブ梅好きさんが来にくいのだろうか……
申し訳ない。
ちなみに自分のイメージだとノブ梅はお雛様みたいな可愛らしいカップルで
松梅は「天然カップルって怖いよね……」みたいな感じw
ところで山倉と弥生さんはまた出てくるらしいよ
山倉も先生に嫉妬して弥生さんへの恋心を自覚しただろうし
そろそろお得意のプロポーズ癖を炸裂させる時期だなw
- 84 :
- ノブ梅好きなんでいっちょ考えてみようかな…。
シリアスっぽいのでも受けるでしょうか。
- 85 :
- 待ってる!
- 86 :
- 流れぶった切りでゴメン
本編無視で松梅初夜のさわりだけ
パラレルみたいなもん
暗黙の了解でひと組だけ敷いた布団
その傍らに松岡と梅子は緊張の面持ちで正座をしていた
俯いて膝に揃えた手を見つめる梅子
一方松岡の手は硬く握りしめられ、じっと布団を睨むようにしている
夫である自分がイニシアチブをとらなければならない、
しかしあの本に何と指南してあったかもうパニック寸前で思い出せない
梅子は梅子で迷っていた
松岡が色恋事に不器用なのは嫌というほど分かっている
青森から帰って来たあの時のように、自分から示さなければならないのだろうか…
二人の沈黙が続く
- 87 :
- 続きまだ全く考えてないですし、ノブ梅さん是非是非投下して下さい!
書き込む前にリロードすれば良かった
空気読まなくて申し訳ない…
- 88 :
- >>86,87
GJ!!以前も投稿してくれた方かな?
二人の雰囲気が凄くいいです!
微笑ましい松岡×梅子、引き続きお待ちしています
もっと読みたいよー
- 89 :
- >>87さん
いえいえどうぞ続きをお願いします。
まださわりしかできてないんで。
- 90 :
- >>86
>しかしあの本に何と指南してあったかもうパニック寸前で思い出せない
やばい、余裕で脳内再生www松岡しっかりぃぃぃぃw
- 91 :
- 物凄く真面目にお勉強したんだろうにねw
- 92 :
- 86です。前に初キス投稿した者です
相変わらず携帯でぽつぽつ書いてます
続き出来次第投下します。でもエロはほとんどない感じ…
上手く書く自信はないのであまり期待しないで下さい
ノブ梅さん、楽しみにしてます〜
- 93 :
- いったい何分経ったのか、やはりこのままでは何も進まない
ごくりと息を飲むと松岡は、布団を見据えたままだが片手を伸ばし、
隣の梅子の膝にある白い両手を握った
結婚する前でも、ぎこちないながらも手を握ったり、肩を寄せ合ったりと
互いの体に触れ愛情を確かめ合うこともあるにはあった
しかし今の松岡の手はこれまでのどの時よりも熱く、汗ばんでいる
梅子はそっと顔を上げ松岡の様子を伺った
緊張で張り付いた表情が痛々しいほどだ
目はこころなしか充血し唇は固く結ばれていて、
まるでこれから悪い行いでもするかのような、思い詰めた顔をしている
医師である時はどんなに深刻な状況でも取り乱す事はないのに
梅子の中にあの告白の時と同じ愛しさが込み上げて来る
- 94 :
- 強く握られた手はそのままに松岡の肩にもたれかかる
すべて委ねている…そんな意思表示のつもりだが、臆病すぎる夫は
ちゃんと答えてくれるだろうか
体を預けられた松岡はさらに硬直する
半ば恐る恐る今日妻となった梅子の顔を見てみるが、さっきのように俯いてはいなかった
目は閉じているがしっかりとこちら側を向いていた
これは口づけるべきなのか、
自分より幾つも若い梅子がそうして欲しいと言っているのか…
いつもの癖で思考を張り巡らせようとしたが、ちょうどその時
ああそういえば…あの指南書にまずは抱き締めあって接吻云々と
記されていたと思い出す
そう、きっと事は順調に運んでいるのだ
少し冷静さを取り戻した松岡は、空いていたもう片方の手で梅子の肩を軽く引き寄せ
そっと口づけをした
- 95 :
- やっと触れ合うことの出来た唇
梅子はこのまま止まらないで欲しいと思う
このまま自分を松岡のものにして欲しいと思う
しかし余裕のない松岡は、いつまでこうしていればいいのかと
次に取るべき目の前の行動を考えてしまう
そろそろ息も出来なくなるだろう
そう思い一旦離れようと決意したが、
梅子が、握られていた両手をほどき、
松岡の背中に回し、抱き付いた
薄い浴衣を通して互いの体温が通い合う
程なくそれは一つの温もりとなり熱に変わり高まっていく
ああ、そうか…
きっともう、離れてはいけないのだ
梅子の思いも感じとった松岡は、
あらためてそのやわらかな体を抱え込み、ゆっくりと布団の上に横たえた
- 96 :
- 真新しいシーツに長い髪が広がった
膝を抱えて体全体を布団の上に横たえた
不思議と先ほどまでの緊張が消えつつあった
寒くないようにと上掛けを引き寄せてから松岡が見下ろすと
梅子がゆっくりと目を開けた
「松岡さん」
「なに?」
今はもう互いのすべてが愛おしい
「私、松岡さんが大好き。松岡さんと結婚できて…嬉しい」
恥ずかしがる様子もなくそう言って微笑んだ
「僕も」
梅子への思いが溢れて涙まで出そうなほど目が熱くなる
「君が好きだ。これまでも、これからもずっと」
梅子はこくりと頷くと両手を松岡の首に回した
引き寄せられるように覆いかぶさり熱い口づけを交わす
次に衿元に手を滑らせ細い首すじにも唇を寄せてみる
すると、は…と梅子の口から吐息がもれた
その瞬間、始まったのだ、と二人それぞれが心の中に思う
学生時代から昨日までの恋人という関係は終わったのだ
今この時が、夫婦という、二人の新たな人生の始まりなのだと
白い耳元に口づけながら、松岡の手は梅子の浴衣を優しく辿り、
帯を解いた
END
- 97 :
- >>93-96
続きの投下来てたーー!!!ありがとう!
初々しくも優しい愛に溢れていて凄く良いわぁ
さらに、私的に松梅ではベストなタイミングで描写が終わっていて最高w
- 98 :
- 続き投稿乙です!!
丁寧な心情の描写が良かった!
絶妙な所で終わるのいいね〜キュンキュンしたよw
ノブ梅も期待!
- 99 :
- >>93-96
いいね、この寸止めがこのカプにぴったりだw
乙でした!
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