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2013年10女向ゲー大人160: 選択肢を選んで1000レス目でED@大人板 (149) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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選択肢を選んで1000レス目でED@大人板


1 :2007/07/18 〜 最終レス :2012/10/21
・リレー形式で話を作れ
・話の最後には主人公の次にとる言動の2択〜4択の選択肢をつけること
・選択肢は1つのみ選ぶこと(複数選択不可)
・次に進める人は選択肢を選んだ後それにあった話を作り、1000レス目でエンディング
・途中にキャラ追加、話まとめなどO.K.
・誰とくっつけさせようが話を作る人の自由
・話を続けるときは名前欄に通し番号を入れること(何レス目かすぐに分かるように)
・流れを読めない人の途中EDは無効
初期設定
吉川 真理(ヨシカワ マリ):主人公
佐久間 洋(サクマ ヨウ):主人公の幼馴染 超ポジティブな思考回路の持ち主

一般版にあったので立ててみる。
落ちなかったら次スレは>>970 か 480MBで

2 :
<OP>
先日、女手一つで私を育ててくれた母がんだ。
母の残した遺産がそれなりにあり、相続税を支払っても卒業まで学校に通い生活することが出来ると、弁護士さんが言っていた。
まだ学生の身だから保護者になってくれる人が必要だけれど、今の所名乗り出てくれる親戚はいない。
「おい真理、大丈夫か?ちゃんとメシ食ってるか?」
ぼんやりとしているといつの間に来たのか、幼馴染の洋が私の顔を覗き込んでいた。
「玄関、鍵あいてるぜ?呼んでもでてこねーし、しっかりしろよ?っていっても、今はまだ無理か」
洋はため息をつきながら、私の隣に座る。
「ここにいるのが辛いなら、しばらく俺んち来いよ?母さんもお前のこと心配してる」
@「大丈夫、心配しないで」
A「そうしようかな…」
B「少し、考えさせて」

3 :
一般版見てきた、てかすでに向こうは500レスになろうとしてるね。
しかも話が壮大になってるw
こっちはどうなるのかちょっと楽しみだ。
とりあえず
B「少し、考えさせて」
私は洋に少し笑ってみせる。
洋は私の言葉に少し苦笑すると、ぐしゃぐしゃと私の頭を撫でる。
私を元気付けるときの洋のクセだ。
「それじゃ、今日はメシだけでも俺ん家で食えよ。母さんがお前連れて来いってうるさいんだ…」
顔をしかめて洋が言う。
おばさんにもすっかり心配をかけているみたいだ。
@「それじゃあ、ご飯だけ」
A「今日は遠慮するよ」
B「そんなに心配しなくても大丈夫だって」

4 :
>>1だけど、こっちもちゃんとつながっていけばいいとおもう。

@「それじゃあ、ご飯だけ」
私が頷くと、洋はニッっと笑って勢いをつけて立ち上がった。
「よし!そうと決まったら家いこうぜ!」
私は目を丸くする。
行くといってもまだ昼の3時を過ぎたばかりで晩御飯にはだいぶ早い時間だ。
@「もう行くの?」
A「5時位になったらいくよ」
B「やっぱりやめようかな…」

5 :
@「もう行くの?」
驚く私に、洋は当たり前だという顔で言う。
「思い立ったが吉日っていうだろ?」
「確かにそういうけどさ…」
相変わらず思ったら即行動の幼馴染に私は苦笑するしかない。
「ほら、行くぞ」
洋はまだ座ったままの私の腕を掴むと強引に立たせ、引きずるように引っ張る。
@「痛いって」
A「逃げないからそんなに引っ張らないで」
B「仕方ないなぁ」

6 :
B「仕方ないなぁ」
こうなると洋をとめることは難しい。私は肩をすくめておとなしく洋の後に続く。
「おい鍵どこだ?」
玄関まで引きずられるようについて来たが、洋に言われすっかり鍵のことを忘れていたことに気づく。
こんな事を忘れるなんて自分で思っているほど、大丈夫じゃないのかもしれない。
鍵は確か…
@リビングのキーボックスの中
A玄関の靴箱の上
B自分の部屋の机の上
C玄関の外の植木鉢の下

7 :
@リビングのキーボックスの中
家の鍵はすべてキーボックスの中にまとめてある。
「リビングにあるから取ってくるよ」
「おう、早くしろよ」
洋を玄関に残し、私はリビングへ行く。
キーボックスから、家の鍵を取り玄関へ戻る。
洋はすでに靴を履いて立っていた。
私の姿を見て確認するようにたずねてくる。
「他んとこも戸締りは大丈夫だろうな?」
@「うん、大丈夫」
A「もう一回確認してくる」

8 :
@「うん、大丈夫」
靴を履きながら返事をすると、洋は頷いて外に出た。
続いて私も外に出て、鍵をかける。
洋の家は私の家の左斜め向かいにある。
それこそ小さい頃はお互いの家に良く行き来していて、ご飯を食べたり互いの家に泊まったりしたものだ。
「ただいま」
数歩の距離を移動して、洋は自宅の玄関の戸を開ける。
「おじゃまします」
「おかえり、あ、真理ちゃんもいらっしゃい」
洋の声に奥から顔を出したのは…
@洋の兄
A洋の父
B洋の母

9 :
@洋の兄
洋の兄の海(カイ)が私を見て声をかけてくる。
いつも眠そうな顔でぼんやりした話し方をする人だ。
私とは2つ違いの幼馴染。
「お、兄貴帰ってきてたのか」
「うん、さっき」
そういえば母の葬式でも海の姿を見なかった気がする。
ショックでお葬式のことをほとんど覚えていないから確かなことはいえないけれど。
@「どこに行ってたの?」
A「今は何をしてるの?」
B何も言わない

10 :
@「どこに行ってたの?」
海は誰にも言わずにふらりとどこかに出かけてしまうクセがある。
しばらく姿を見ないな、と思うときは大概どこかへ行っているときだ。
「木を見に」
そう言って、海はほやんと笑った。
「木?そんなもん見て面白いか?我が兄ながら相変わらず変な奴だな」
海の言葉に、洋が理解できないというように肩をすくめる。
歯に絹を着せない洋に私は…
@たしなめる。
A同意する。
B無視して海に話を聞く。

11 :
@たしなめる。
「洋そんな言い方ないでしょ?」
「へいへい」
洋は気分を害したように、ふいっと顔をそらした。
そんな洋にはお構いなしに、マイペースで海はおいでおいでと手招きする。
「お土産があるんだよ」
「…そんなん後でもいいだろ。真理、俺の部屋行こうぜ」
@お土産を見る
A洋の部屋にいく
Bおばさんに挨拶に行く

12 :
ごめん、sageわすれたorz

13 :
つーかこれってエロ入れていいの?
Bおばさんに挨拶に行く
「待って。わたし、おばさんに挨拶してくる」
「それこそ後でもいいだろ。ホラ、行こうぜ」
洋は私の手を掴んだ。意外に痛い。
まったく、こういうとこ昔から変わらないんだから・・・
@「わかったわよ。いきましょ」
A「もう!聞き分けないこと言わないで!」
B「海くん、なんとか言ってよ」

14 :
>>13いいんじゃない?大人版だし。
まあエロなしでも面白ければ私はいいとおもうけど。
A「もう!聞き分けないこと言わないで!」
私は腕の痛みに顔をしかめながら洋をにらんだ。
「おばさんが私に会いたがってるって言ったのは洋だよ?」
「そんなん、メシのときでも会えるだろうが」
「だからって、挨拶しなくて良いってことにはならないでしょ?」
「まあまあ、二人とも喧嘩しないで」
言い合いを始めた私たちを、海がどうでもよさそうに止めてくる。
@「海、もっとビシっといってやってよ」
A「とにかく、挨拶をしてきうるから」
B「なんだってそんなに部屋に行きたがるのよ」
C「はぁ、もう帰ろうかしら…」

15 :
Aの選択肢
挨拶してきうるから×→挨拶してくるから○ です

16 :
>>1だけど、そういう流れになったらエロもおk

A「とにかく、挨拶をしてくるから」
私がそういったとき、台所からおばさんが顔を覗かせた。
玄関先でこれだけ騒いでいれば当たり前といえば当たり前だ。
「あら、真理ちゃん!いらっしゃい」
おばさんはエプロンで手をふきながら、玄関までやってくる。
「こんにちは、おじゃましてます」
「来てくれてうれしいわ!…あら、ちょっと痩せたんじゃない?」
「そうですか?自分ではわからないですけど…」
「お母さんが亡くなってつらいのは分かるけれど、ちゃんと食べないとダメよ?」
「はい…」
「母さん、そんな話後でいいだろ」
話が長くなりそうだと思ったのか、洋が口を挟んでくる。
「あら、洋、真理ちゃんを独り占めする気?ずるいわよ」
「ねえ、真理ちゃんお土産いらない?」
@洋の部屋に行く
Aおばさんと話をする
Bお土産を見る

17 :
@洋の部屋に行く
「おばさん、ごめんなさい…」
洋の不機嫌そうな顔に、ついおばさんに謝ってしまう。
「まったくこの子は…。仕方ないわね、食事のときにでもゆっくり話をしましょう。ね、真理ちゃん」
おばさんはあきれたように肩をすくめると、台所へ戻っていく。
「よし!それじゃ行こうぜ!」
途端、機嫌のよくなる洋に思わず…
@笑う
Aあきれる
B怒る

18 :
Aあきれる
「もう…」
私はため息をついた。だが洋はそんなことまったくおかまいなしで、先に立って歩いていく。
同じ歳のはずなのに、弟みたいだ。私はまた小さくため息をついて、洋についていった。
洋ががちゃりと部屋のドアを開け、中に入る。勝手知ったる幼なじみの部屋、ここは相変わらず
@「ちらかってるわね…いつから掃除してないの?」
A「さすが、いつも綺麗にしてるよね」
B「あれ、模様かえしたの?」

19 :
B「あれ、模様かえしたの?」
「おう!どうよ?」
前回来た時とは様相がすっかり変わっていた。
以前は何が良いのか、どこが気に入っているのかわからないようなものがたくさんおいてあった。
それが今はえりすぐりと思われるものだけが残され、綺麗にすっきりと片付いている。
@「前の部屋のほうが好きだな」
A「居心地よさそうね」
B「なんか心境の変化でもあったの?」

20 :
A「居心地よさそうね」
私は洋の部屋に入りながら、答える。
少なくとも、前のごちゃごちゃした部屋よりは落ち着く。
「そうだろ!?」
洋はうれしそうに笑う。
その笑みはとても洋らしい笑い方だったけれど、変わった部屋は洋らしくない気もして、別の意味で落ち着かない。
私は
@いつもの場所に座る。
A机に近づく。
B動くのをためらう。

21 :
@いつもの場所に座る。
家具の配置が少しかわって物が少なくなっても、ミニテーブルの位置は変わっていなかったため、私はいつものように、その前に腰を下ろす。
洋は部屋のミニ冷蔵庫を開けて、コーヒーとミルクティの缶をとりだすと、ミルクティを私に放ってよこす。
「ほら、いつもんやつ」
「ありがとう」
私はそれをキャッチして…
@すぐに飲む
Aテーブルに置く

22 :
@すぐに飲む
私はすぐに口を開けると、一口、口に含む。
(うわ…)
冷たいミルクティーが体の中を落ちていくのがわかる。
そういえば、今日は朝ごはんを少し食べただけで他は何も口にしていない。
(これじゃ洋やおばさんに心配されてもしかたないか…)
一口だけ飲んだ缶をテーブルに置く。
それにしても、洋はなんでこんなに私を部屋に連れてきたがったのだろう。
@率直に聞く。
A遠まわしに聞く。
B洋が言うまで待つ。

23 :
@率直に聞く
「ねえ、洋」
「なんだ?」
「なんでそんなに部屋に行こうって誘ったの?何か相談事でもあるの?」
私ははっきりと聞いた。
気になることはすぐに確かめないと気がすまない性格は昔から変わらないな
と自分で思う。
「いや・・・まぁ、その・・・なんつーか」
どうも歯切れが悪い洋に内心ちょっとイラつきながら
@「何?私でよければなんでも言って?」
A「あ・・・ごめん。また悪い癖が出ちゃったね。嫌ならいいよ、言わなくて」
B「もしかして恋の悩み?彼女のこと?」

24 :
@「何?私でよければなんでも言って?」
率直に何でも言う洋にしては珍しく、口ごもっている。
「あー、えっと…今こんなこと言うのもなんだっておもうんだけどさ」
「なに?」
私が促すと、洋は一気に話し始める。
「お前、これからあの家に一人だろ?女一人って言うのも不安だし、これから俺ん家で暮らさないか?あの家にお前の思い出とかいっぱいあって離れがたいっていうのは分かるけど、俺心配なんだ」
「洋…」
洋は洋なりに、私のことを考えてくれたらしい。
@「…わかった」
A「考えさせて」
3「せっかくだけど…」

25 :
A考えさせて
私は、この洋の提案に思わず飲んでいた紅茶を噴出しそうになった。
洋はやっぱり子供だ。
よくよく考えもせずに、こういう大切なことを簡単に切り出す。
まあ、心配してくれているのはよく判るんだけど…。
「ねえ、今のこと叔父さんや叔母さんに相談したの?」
「い、いいや」
「洋はいつもそうだね。後先なんてお構いなし」
「そんな言いかたは無いだろ。俺はお前が心配で…。だから…」
洋は顔を真っ赤にして拗ねている。年齢より幼く見える顔がますます幼く見える。

@(ちょっと、言い過ぎたかも…)
A(この顔見ちゃうと虐めたくなっちゃう)
B(お話にならない)

26 :
@(ちょっと、言い過ぎたかも…)
まあ、私を心配してくれているのは良くわかる。
拗ねる洋に思わず苦笑してしまう。
そのとき、洋が良いことを思いついたというように、パッと笑った、
「そうだ!逆なら良いだろ?俺がお前んちに行く!」
「は?」
「お前んちになら何回も泊まってるし、父さんと母さんもダメって言わないだろ。女の子一人で心配だっていうのは母さんも言ってた事だし」
そうだそうしよう、と洋は笑う。
@「ちょっと、勝手に話を進めないでよ」
A「洋、そんなに私と一緒にいたいわけ?」
B「それなら…、いいかな?」

27 :
@「ちょっと、勝手に話を進めないでよ」
私は慌てて洋を止める。
「なんだよ、良い考えだろうが」
「さっきも言ったけど、いま洋が勝手に考えただけでしょ?おじさんやおばさんにちゃんと聞いて…」
「もちろんちゃんと聞くさ。二人が良いっていったら、決定な!」
私の言葉を最後まで聞かず、洋はそう言って、コーヒーを飲み干す。
@「私の意見は聞かないの?」
A「私は嫌よ」
B「おじさんとおばさんが良いって言うなら、いいわ」

28 :
@「私の意見は聞かないの?」
洋の強引さに呆れながら、その無邪気さを羨ましく思った。
そんな気持ちを悟られまいと、ワザと大きな溜息を吐いて見せる。
「じゃあ、お前の意見を言ってみろよ。俺と住むのが嫌なわけ?」
拗ねた声で尋ねる洋は、持っていた缶をゴミ箱に投げつけた。
入り損ねた空き缶が、乾いた音を立てて壁にぶつかる。
「そんな事言って無いじゃない。ただ…」
「ただ何だよ」
「洋は大事な事を忘れてる」
「大切な事って?」
私はそこで言葉に詰った。
(そりゃあ、私たちは幼馴染で、小さい時は一緒に寝たり、お風呂にも入ったけど…)
「洋は男で、私は女だよ!」
自分で言った言葉の恥ずかしさに、体がカッと熱くなる。
洋も見る見る間に顔を真っ赤にしていく。
短い沈黙すら苦しくて、次の言葉を続けようとした時、ノックもなしに部屋の扉が開いた。
そこに居たのは、
@叔母さん
A海
Bねこ

29 :
A海
「兄貴…」
「海…」
「ねえねえ真理ちゃん、これあげるよ」
相変わらずマイペースな海は、一枚の写真を私に差し出した。
「兄貴、入るときはノックくらいしろよ」
我に返ったのか、洋が海に食って掛かる。
「うん、でね、これかわいいでしょ?」
「兄貴…」
洋の言葉を軽くながし、海は私に写真を見せてくれる。
洋はあきらめたのかため息をついて、私の後ろに回ってくると写真をのぞきこんだ。
海が持ってきた写真は、花の写真だった。
木に咲いている花とそのつぼみがアップで収まっている。
その背景は、抜けるような青空でとても綺麗だ。
@「この花は?」
A「これが見に行った木?」
B「わぁ、綺麗」

30 :
A「これが見に行った木?」
白い花はどこかで見たような気もするけれど、何の木なのか分からない。
「そうだよ。丁度花の時期だったからね、実がなる時期には又行きたいな」
海はそう言って目を細める。
「何の木なんだ?」
洋が海から写真を取り上げると、まじまじと眺める。
「りんごだよ」
「へえー」
「りんご、真理ちゃん好きだよね」
@「うん、大好き」
A「良く覚えてるね」
B「まさか、だからわざわざ行ってきたの?」

31 :
B「まさか、だからわざわざ行ってきたの?」
「そうだよ」
海はそういってあっさり頷くと、洋が持ったままの写真を取り返し私の手に移す。
「だからこれは真理ちゃんに。そうだ、実が生る時期になったら今度は真理ちゃんも一緒に行こうね。どう?少しは元気になった?」
海はそういってにっこり笑った。
どうやら海は母がんで元気がなくなった私を慰めようとして、わざわざ写真を撮りに行った様だ。
海は相変わらず他の人が考え付かないような行動をする。
にしても…
@(どこまで写真を撮りにいったんだろう?)
A(他にも好きなものはあるのに何でりんご?)
B(海にはいつもびっくりさせられるな…)

32 :
B(海にはいつもびっくりさせられるな…)
たとえそれが普通の人には理解されない行動でも、一応意味はある。
海はこうやって良く写真を撮ってくる。
今はフリーのカメラマンだ。
もっぱら風景ばかり撮っているが、知り合いに出版社に勤めている人が居るらしく、ちょくちょく使ってもらっているらしい。
今では海の写真のファンからファンレターが届くときもあると、おばさんが話していた。
(ただ、これをもらって元気になるかといわれれば…)
@ならない
A微妙だ
Bなる、かな?

33 :
A微妙だ
わざわざ私のためにというのはうれしいが、うれしい=元気ではない。
確かに、気分は少し上昇するけれど…。
「ありがとう、うれしいよ」
とりあえず、写真を受け取った写真にお礼を言う。
「どういたしまして」
海は立ち上がって扉に手をかけ、ふと思い出したように振り返った。
「真理ちゃん、昔の約束覚えてる?」
唐突に言われた言葉に、私は首を傾げる。
昔とはいつのことだろう…?
海と洋は幼馴染だ、昔から約束はたくさんしている。
ありすぎて覚えていないものもあるだろう。
@「いつ頃の約束?」
A「どの約束?」
B「覚えてないかも?」

34 :
A「どの約束?」
約束といわれても、すぐに思いつくだけでも3つある。
今のこの状況で当てはまりそうな約束といえば、
『いつでも甘えること』
『つらいときは我慢しないこと』
『何かあったら頼ること』
どれも似たような約束だけれど、甘えるのが苦手で意地っ張りな私に、海は何かあるたびにこんな約束をさせた。
どれだろうと考える私に、海はいつもどおりの眠そうな顔で言う。
「うん、俺のお嫁さんになってくれるって約束」
「あー…」
そういえば、そういう約束もしていた。もちろん小さな子供の頃の話だ。
  ガッターン
後で大きな音が聞こえて、振り返ると真っ赤な顔をした洋が海を見ていた。
「兄貴、いつの間にそんな約束…!」
「うーん?いつだっけ?」
本気で答える気がない海に業を煮やしたのか、洋は私に顔を向ける。
えっと…
@「小学校低学年くらい?」
A「なにそんなに真剣になってるのよ」
B「……いつだっけ?」

35 :
B「……いつだっけ?」
かなり昔の話だ。
それこそ私が小学校低学年のあたり。
その頃には2歳年上の海はそれなりに分別もあったはずだが、どんな経緯でそんな約束につながったのかは覚えていない。
むっとしたままの洋に、私は苦笑する。
「良く覚えてないくらい昔の話だよ。子供の頃の」
「なんだ……」
「俺は、本気なんだけど?」
私の言葉に、洋がホッとしたようにため息をつきかけたとき、海が心外だといわんばかりに口を挟む。
「え!?」
思わず驚いた私と洋の声が重なった。
「こ、子供のころの話じゃない!」
「でも、約束は約束だよ?」
海はそういって微笑む。
@「確かにそうだけど…」
A「そんなの無効にきまってるじゃない!」
B「じ、冗談よね…?」

36 :
B「じ、冗談よね…?」
微笑んだ海に恐る恐る尋ねる。
海の表情は動かない。
「え、えーっと…」
そういえば海は冗談をいうタイプではなかった。
口ごもる私をみて、海はふと表情を消す。
いつもの眠そうな顔に戻るとドアノブをまわす。
「今は、そういうことにしておいてあげる」
そういって、何事もなかったかのように出て行った。
パタンと扉の閉まる音が、静まり返った室内に響いた。
「おい」
「…なに」
「兄貴、本気だぞ」
「……」
それはなんとなく分かる。
@「でも、物心付く前のことだし…」
A「まぁ、海だったら良いかな?」
B「何とかあきらめさせよう」

37 :
@「でも、物心付く前のことだし…」
そんな昔のことを今更持ち出されても正直困る。
確かに海のことは好きだ。初恋は海だったような気もする。
だけど、まさか本気で結婚だなんて・・・
嫌なわけではもちろんないけれど。
「まぁそんな昔のこと言われてもな・・・覚えてたの、兄貴だけじゃん」
「そうよね・・・」
黙ったわたしを見て、洋もちょっと真剣な口調で言う。
「とかなんとか言って、真理もまんざらじゃねーんじゃねーの?」
「うーん・・・嫌、ってわけじゃないのよ?でも・・・」
「まさか、お前好きなヤツいるの?」
@「いないわよ、そんなの」
A「いることはいるけど・・・・」
B「洋には関係ないでしょ」
C「・・・洋は?どうなのよ?」


38 :
@「いないわよ、そんなの」
私はため息を付く。
もし好きな人がいたら、いくら幼馴染とはいえ男の家になど来ない。
いらない誤解を生むだけではないか。
「じゃあ、『でも』なんなんだよ」
疑問に顔をしかめる洋をみて、ふといたずら心が芽生える。
@「海と結婚したら、洋が義弟になるのよね…」
A「海と結婚したら、おばさんがお義母さんになるのか…」
B「海と結婚したら、一日中私から離れなさそうだよね」

39 :
@「海と結婚したら、洋が義弟になるのよね…」
わざとらしく見えないように、ため息をついてみせる。
「…嫌なのかよ、………いや、喜ばれても…それは……けど…」
一瞬悲しそうな顔をして、すぐに思い直したようにぶつぶつと言っている。
それからなにか思いついたように顔を上げると、にっと笑う。
「それじゃ、逆はどうだよ?」
「逆?」
「俺と結婚したら、兄貴がそれこそ義兄になるんだぜ?」
海がお義兄さん…
@「…違和感ないような?」
A「…嫌かも」
B「どうと言われても…」

40 :
@「…違和感ないような?」
今も海は兄のようなものだ。
さっきの「でも」の続きもそうおもったからだ。
海と恋人らしい付き合いはまったくしていない。
確かに海は私に甘いけれど、それも恋人に対するものとは違う気がする。
(…彼氏いない暦=年齢だから、実際はどうかわかんないけど…)
自己ツッコミして、少し落ち込む。
「へぇ?」
落ち込む私には気付かず、洋は急に機嫌がよくなる。
「なによ?」
「べつにぃ?」
にやにやと笑う洋は、こたえる気はないらしい。
こういうところは、海に似ている。
@「あ、そう」
A「言いなさいよ」
B「隠してもムダ。考えてることわかってるわよ」

41 :
@「あ、そう」
私はあっさりと引き下がる。
途端、洋が面白くなさそうな顔をする。
海と洋が違うところといえば、こういうところだろう。
海ならばこんな態度をとっても、内心はともかく、表面に現れることはない。
洋は自分の思い通りに物事が進まなければ、途端不満そうな顔になるのだ。
「なに?」
「…なんでもねえよ」
こういう態度がかわいらしいと思ってしまう。
(そう考えてしまうって事は、洋が義弟でもぜんぜん問題ないのかも)
「なんだよ、にやにやして、気持ち悪いな」
考えが表情に出てしまったらしい。
@「なんでもないわよ」
A「気持ち悪いってなによ」
B「かわいいなーとおもって」

42 :
B「かわいいなーとおもって」
「なっ…かわいいってなんだよ!?」
言った途端、案の定真っ赤になって言い返してくる。
「そういうところがかわいいのよ」
「…っ」
洋は思い切り言葉につまり、それからぐっと拳を握り締める。
「それは、男に言うセリフじゃないだろ!?てか、侮辱だ!」
そう言って力説する姿さえかわいい。
(うん、やっぱり弟がいたら、洋みたいな感じかも)
ムキになって向かってくるあたり、同い年とは思えない。
それに…
「洋って、男っていう以前に…」
@「幼馴染なんだよね」
A「犬、みたいな?」
B「うーん、やぱり弟?」

43 :
A「犬、みたいな?」
「そして、海は猫かな」
「はー、何だよそれ。俺達を動物扱いするな!」
ますます怒り心頭の様子だ。
真っ赤な顔で怒る、洋の素直な反応に思わず笑みがこぼれる。
「そうやって、すぐムキになる所が子犬っぽいの」
私は洋のおでこを軽く弾いた。
「やめろよ。そうやって、直ぐ人をバカにする」
「あはは、ごめん」
「ふざけるなよ!人が真剣に話をしているのに」
傷ついたのか、洋は俯いてしまった。
足元を見つめたまま、こちらを見ようともしない。
その時私は
@もう一度でこピン
A言い過ぎたと反省
B冗談だと笑う

44 :
A言い過ぎたと反省
(あ、言い過ぎちゃったかな…?)
言ったことはほぼ間違いなく本心だが、からかいすぎたかもしれない。
「ごめんごめん、バカにしたわけじゃないんだって」
足元を見つめたままの洋を下から覗き込む。
一瞬目が合ったが、洋はその目をそらした。
「…ほら、親しみやすいって意味で言ったのよ?それに私、子犬って大好きだよ」
にっこり笑って言うと、洋が視線を戻してきた。
それから、大きくため息をつくとぎゅっと私に抱きついてくる。
「え!?」
驚く私の肩にあごを乗せて洋がつぶやいた。
「ったく、俺がお前に気を使わせてどーすんだよ…駄目だな」
「…洋?」
「真理が一番つらいときなのに、なんかしてやろうと思っても結局こうなる」
@「どうしたの?いつもの洋らしくないよ」
A「特別何もしなくても、洋たちがいれば大丈夫だよ」
B「今のでも十分元気になったよ」
C「よ、洋、離れてっ」

45 :
C「よ、洋、離れてっ」
段々、抱きしめられていることが恥ずかしくなって思わず体を離してしまった。
「あっ…。わりー」
洋は伸ばした手を所在なさげに引っ込めた。
と、突然、家の呼び鈴が鳴った。
私たちは誰だろうと顔を見合したところでおばさんが一階から私に声をかけてきた。
「真理ちゃん! あなたにお客様よ」
(洋の家にいるのに、私に客?)
不審に思いながら玄関まで下りると、見たことの無いスーツの男性が立っていた。
「あのー。どちらさまでしょうか?」
スーツの男性は一つ咳払いをすると、深々と頭を下げてきた。
「お探ししておりました。吉川真理様」
(は?…)
私は状況がうまく飲み込めず、目を丸くしてしまった。
@「どういった用件ですか?」
A「わ、私?」
B「あなた、もしかして…」

46 :
@「どういった用件ですか?」
思わず警戒してしまう。
きっと不審者を見るような目になっている私に、男はスッと名刺を差し出して来た。
私は、それを受け取って見る。
(清水和明(シミズカズアキ)…)
「弁護士…?」
シンプルな名刺には、この清水という男が弁護士であるということしかかかれていない。
普通、名刺には事務所の住所やら電話番号やらが書かれているものではないのか?
困惑する私に、清水は口を開く。
「私は、ある企業の専属の弁護士をしております」
@「ある企業って?」
A「その弁護士さんがなにか?」
B「企業の名前、名刺に書いてないですけど?本物なの?」

47 :
A「その弁護士さんがなにか?」
私の言葉に、清水と名乗る弁護士の眼が鋭く光る。
「吉川様、冷静に聞いていただきたいのですが…。あなたのお父様が先日亡くなられました。私はお父様である当社会長の遺言執行者として、ご親族に代わり、相続のご相談に上がらせて頂いたのです」
一気にそこまで言うと、清水は私の様子を伺うように中指の腹で眼鏡を上げた。
冷たい視線を受けながら、私の頭が真っ白になる。
(この人何をいっているの?私の父さんは私が生まれる前にんだ筈では…)
私はその疑問を清水にぶつけた。
「私の父は、私が生まれる前に亡くなったって母から聞いていました。だから、人違いではありませんか?」
声が震えるのを止めることが出来ない。
その言葉を予想していたかのように、にやりと清水は薄笑いを浮かべる。
「私共も、今回の遺言書の開封まであなた様のことを知りませんでした。しかし、色々調査をさせて頂いた結果、あなた様は間違いなく会長のご息女であられます。認知はされていませんでしたが…。あなたも何も聞かされていないようだ」
事務口調を崩さず、訳知り顔で話すこの男のことが段々頭にきた。
「バカなことばかり言わないでください。いきなり来て何を言っているんですか!」
感情を止めることが出来ずに、思わず怒鳴ってしまった。
「ですから冷静にと…。まあ、感情的にならず話を聞いてくれませんか?」
@「だって、あなたがヘンなことばかり言うから…」
A「は、はい。事情を説明してください」
B「もう嫌!だれか助けて」

48 :
B「もう嫌!だれか助けて」
(認知されていなかったって…、それを今更!)
淡々と話を進める清水の言葉を冷静に受け止めることなんてできるわけがない。
私は何も聞きたくなくて、そのまま耳をふさいで座り込む。
(お父さんは私が生まれたことを知ったのに、ずっと放って置かれたんだ)
母が妊娠を隠して父に告げなかったのとは違う。
私のために何か援助してくれたという覚えもない。
母はいつも身を粉にして働いていた。
私だって母の負担を軽くしたくて、学校の許可を得て中学のときからバイトをしていた。
でも、母は過労が原因でんだも同然なのだ。
せめて母が生きている間に来てくれれば…!
「…困りましたね」
清水がつぶやくのが聞こえたが、私はもう何も聞きたくなかった。
いつもの私ならばこんなことはなかったかもしれない。
けれど、隠してはいてもやっぱり母ので弱っている心は冷静な思考を奪ってしまう。
そのとき、ふわりと抱きしめられた。
のろのろと顔を上げると、私をいたわる視線とぶつかる。
それは…
@洋
A海
B清水
Cおばさん

49 :
A海
「真理ちゃん、大丈夫?」
「う、うん……。ありがとう」
海は私の肩をやさしく抱きしめると、清水の方に向き直って口を開いた。
「話は全部聞きました。うちの嫁になにをするんですか」
(ちょっ…か、海!)
私の動揺を他所に、海は話を続ける。
「弁護士だか、執行者だか知りませんが…母親が亡くなったばかりの真理ちゃんを追い詰めるのはやめてください」
普段はぼんやりとした海の視線が鋭く弁護士の清水を捕らえている。
「事は急を要しています。ご息女のお気持ちも察しますが、これは真理様だけの問題ではない。それをご理解されるべきだ」
清水と海の視線がぶつかり合い、お互い譲ろうとはしない。
「とにかく……今日のところはお引取りください」
海は弁護士の清水にきっぱりと言い切った。
@「そうです。帰ってください!」
A「海、ありがとう」
B「もう二度と来ないで!」

50 :
@「そうです。帰ってください!」
「父の遺言?そんなの関係ないわ!
 認知されてなかったって事は、私を娘と認めてなかったってことでしょう?
 それを今更何だって言うの?もうんだ人だからって遺言なんて勝手なワガママに付き合ってあげる義理はないわ。
 私はあなたが言う会長とやらを、父を認めませんから!」
言い切って肩で息をする私の背を海が優しくさすってくれる。
「ということで、帰ってください。母さん、塩!」
「はいはい」
「ほら、出て行けよ」
海の言葉に、おばさんが台所へと入っていって、洋が玄関を開けて清水を出て行くように促す。
「…仕方ありませんね、今日のところは帰りましょう」
清水はそういって出て行った。
「はいはい、もう二度とこの家に来るんじゃないよ」
塩をもって戻ってきたおばさんはそういって、塩を盛大にまく。
「真理大丈夫か?」
海に抱きかかえられている私を、洋が覗き込む。
@「大丈夫、ありがとう」
A「…ごめんね」
B「お父さんなんて…いまさらよ」

51 :
B「お父さんなんて…いまさらよ」
呟いた私の頭を、洋がなだめるように撫でる。
「真理ちゃん立てる?ほら、リビングに行こう」
海がはそう言って私を支えてくれる。
リビングのソファに腰を下ろすと右側に海、左側に洋が座る。
「はい、真理ちゃん、お茶をどうぞ」
おばさんがそう言って入れてくれたお茶を受け取り、それを一口飲む。
そうして一口飲むごとに落ち着いていく気がる。
私がそうしてお茶を飲んでいる間、海も洋もおばさんも何も言わずに私を見守ってくれていた。
少し経って大分落ち着いた私は先ほどのことを思い返す。
@清水のこと
Aある企業のこと
B父とその親族のこと
C海の言葉

52 :
@清水のこと
ピシッとスーツを着こなし、いかにも仕事が出来そうな出で立ち。
専属の弁護士と言っていたが、年のころは30半ばに見えた。
けれどどこか人を見下したような態度が言動の端に見え隠れしていて…。
(私は好きになれそうもないな…)
そして、清水の持ってきた話。
相続についてと言っていた。私だけの問題ではないとも。
ということは、きっと私のほかにも相続人が居るということだ。
「遺産の相続って、放棄できるのよね…?」
ぽつりと呟いた私に、洋は首を傾げ、海が頷いた。
「うん、確か三ヶ月以内に家庭所に届けるんじゃなかったかな」
「…兄貴なんでそんな事知ってるんだよ?」
「常識」
「…いや、ぜんぜん常識じゃないから……」
私を挟んで交わされる会話に、少し笑う。
「真理ちゃん、ちゃんと話を聞かないうちに決めてもいいの?」
おばさんが、心配そうに言う。
けれど他に相続人が居るなら、今まで存在すら知らなかった娘がいくらか相続するというだけで不快になるだろう。
@かまわない、放棄する
Aちゃんと聞いてから考える
Bやっぱり貰う

53 :
Aちゃんと聞いてから考える
やっぱり安易に貰うとか放棄するとか決めるべきではないだろう。
私が生まれても認知すらしてくれなかった、存在すら知らぬ父親が
私に遺産を遺そうとしたのは何か理由があるにちがいない。
それに本音を言えば、くれるものは貰いたいという気持ちもある。
わたしはこれから一人で生きていかなければならないのだ。
大学を卒業するまでまだ間はあるし、どんなに綺麗ごとを言っても生きていくのにお金は必要だ。
「やっぱり、ちゃんと話を聞いてみます・・・本当の父というのも気になるし」
「そうよね。これからのこともあるし、ちゃんと話を聞いてから決めたほうがいいわね」
「くれるってもんは貰っとけばいいんじゃねーか?」
「洋!あんたって子は・・・!」
相変わらず無神経な発言をする洋を、おばさんがたしなめる。
「いいんです、おばさん。やっぱり現実問題としてお金は必要ですし。
明日にでもこの清水って人に連絡して、会ってきちんと話を聞いてきます」
「真理ちゃん、俺、ついていこうか?」
海が言った。
「兄貴が行くんなら俺も行く!真理のこと心配だし」
@二人についてきてもらう
A海にだけついてきてもらう
Bやっぱり自分の問題だから、一人で行く

54 :
注    文    書 注  文  請  書
注文番号 14-108
平成 19年 6月 20日 平成    年    月    日



金  額 ¥ 420,000 ー 金  額 ¥ 420,000 ー

うち消費税を除く金額 ¥ 400,000 ー うち消費税を除く金額 ¥ 400,000 ー
取引にかかる消費税 ¥ 20,000 ー 取引にかかる消費税 ¥ 20,000 ー


会社名 有限会社 伊藤組 御中 工事名称 (仮称)ハイアット台原外装改修工事

住所 登米市米山町字善王寺中新田134-1 注文内容 解体工事

工事名称 (仮称)ハイアット台原外装改修工事 工期 自 平成19年 6月 20日    至 平成19年 8月 25日

注文内容 解体工事 施工場所 仙台市青葉区台原3丁目29-7

工期 自 平成19年 6月 20日    至 平成19年 8月 25日 支払条件 毎月25日締切 出来高90% 翌々月 5日現金払
消費税は最終請求時にまとめて一括請求とする
施工場所 仙台市青葉区台原3丁目29-7
        有限会社 コ ー シ ン 御中
支払条件 毎月25日締切 出来高90% 翌々月 5日現金払
消費税は最終請求時にまとめて一括請求とする
有限会社 コーシン 請  負  者 住  所

仙台市青葉区一番町1丁目8-1 氏  名
東菱ビルディング3階
代表取締役  鈴木 博

55 :
↑素で間違ったorz
スマン こっちで
A海にだけついてきてもらう
こういうことに洋を連れて行くと、感情的になりやすい洋は事態を悪化させる危険がある。
「海だけで大丈夫だよ」
「なんだよ、俺じゃ役にたたないっていうのか?」
「事実でしょ」
私に食って掛かる洋に、おばさんがお茶をすすりながらばっさりと切り捨てる。
「う…」
うなだれる洋。
「あれ、でも真理ちゃんどうやって連絡するの?名刺には連絡先書いてないよ?」
マイペースな海は私が持ったままの名刺を覗き込んで首を傾げる。
そういえば、そうだった。名刺には連絡先は書いていない。
@向こうが連絡してくるまで待つ
Aどう考えても怪しい、信用しない
Bみんなに意見を聞く

56 :
ちょwwwwwwなんなんだよ一体wwwwwwww

57 :
すまん、某板の
「今コピーしてあるものをペーストするスレ」に投下しようと思って間違ったんだ…

58 :
wwwドンマイ
Bみんなに意見を聞く
「どうしましょう…」
困った私は海、洋、おばさんと視線をさまよわせる。
海は名刺を私の手からテーブルの上へと移動させた。
それを洋とおばさんも覗き込む。
「今のヤツ、新手のいやがらせとかじゃないのか?」
洋は胡散臭そうに名刺を見ながら言う。
「嫌がらせうけるような覚えないんだけど?」
私は洋を横目でにらみながらため息をつく。
今日一日で何度目のため息だろう。
「あら…、ここにロゴみたいなのが浮き出しになってるわよ」
おばさんが名刺の隅を指差して言う。
「あ、本当…」
私はそのロゴを良く見ようと名刺を手に取った。
「あれ、このロゴ…よく見るよな?」
洋が私の手元を覗き込み言う。アジサイだろうか花をデフォルメしたロゴだ。
「…都坂グループのマーク」
海が呟く。
「都坂グループ!?」
都坂グループといえばあらゆる方面に進出している日本屈指の企業だ。
そのロゴが入っているということは、父は都坂グループの会長だったということなのか?
@「やっぱり、いたずらかも…」
A「都坂グループの会長がんだってニュースになったっけ?」
B「お父さんって、もしかしてすごい人?」

59 :
>>52都坂って、トサカ?ミヤサカ?

A「都坂グループの会長がんだってニュースになったっけ?」
都坂グループほどの大企業の会長が亡くなったなら、ニュースや新聞で取り上げられるはずだ。
少し前まで母の葬式などで忙しかったため、その当りよく覚えていない。
「…記憶にないわね」
おばさんが言いながら、首を傾げる。
「次の会長が決まってから発表するんじゃないかな。決まるまで伏せてるのかも」
海の言葉になるほど、と思う。
「それじゃこの弁護士が言ってた、事は急を要すってのはさ、遺言に次の会長は真理だって指名してたから、とかだったりしてな」
洋はソファに深く腰掛けなおし、冗談交じりに言う。
@「ちょっと、冗談でもやめてよ」
A「あはは、そんなわけないでしょ」
B「だったら今、都坂グループは面白いことになってるかもね」

60 :
スマン 都坂=ミヤサカ のつもり
A「あはは、そんなわけないでしょ」
洋の言葉を笑い飛ばす。
大体まだ学生の小娘に、大企業の会長なんてつとまるわけがない。
それは会長を務めた本人が一番よく分かっているはずだ。
(学生で会社立ち上げる人も居るけど、それとはまた別だしね…)
「まぁ、あの清水ってヤツが都坂グループの弁護士ぽいってのは分かったけど、どうするんだ?」
「また来るって言ってたし、明日にでも来そうだけどね」
洋と海が言う。
「うーん…」
@都坂グループ本社に電話してみる
A清水が接触してくるまで待つ

61 :
そして、通し番号わすれたor2
↑54です

62 :
ミヤサカ了解!
てか、ここ二人しか書き込みしてないんか…?
少し前まで夜に書いてくれてる人も居たけど…寂しいな。ちょっとあげてみよう。

@都坂グループ本社に電話してみる
「本当に清水って人が、専属の弁護士で在籍してるのかも確認したいし」
「そうだね、今の世の中何があるか分からない。用心に越したことはないよ」
「でもさ、さっき出て行ったばっかりだぞ。まだ戻ってないんじゃないか?」
「それもそうね…」
実際清水が本社に戻るか分からない。もしかしたら近場の支店や、関係グループのどこかへ寄る可能性だってあるのだ。
「まあ、電話は明日の朝にでもかければいいよ。その前に都坂グループの事について少し調べてみたらどう?」
「そうだな。戦う前に敵の事を調べるのは基本だぜ!」
「私は別に、都坂グループと戦いたいわけじゃないんだけど…」
洋の軽口に苦笑する。
でも、都坂グループの事を調べるというのはいい考えかもしれない。
@洋にパソコンを貸してもらう
A海にパソコンを貸してもらう
B携帯電話で検索する
C自分の家に戻る

63 :
私もたまに書いてるお
少なくとも3人はいるねww
てかトサカだと思ってた・・・
C自分の家に戻る
「じゃあ帰ってゆっくり調べることにするわ。
もしかしたら母も何かわたしの出生に関すること、のこしてるかもしれないから
それも探してみようと思って」
「そうね。じゃあとりあえず食事にしましょう。お腹すいてるでしょ?」
おばさんが立ち上がってキッチンに向かう。
「あ、手伝います!」
「いいのいいの。真理ちゃんはお客様なんだから座ってて」
「でも……」
「母さんにまかせとけばいいよ、真理ちゃん」
立ち上がろうとしたわたしの腕を海が掴む。
「それより、ほんとに何も聞いたことないの?自分の父親について」
「うん…母は何も教えてくれなかった。『お父さんはんだ』の一点張りで。
わたしも自分の父親のことはずっと気になってたけど、母はその話題嫌がったから
あまり聞かないようにしていたし」
「そうか…」
そのとき、突然携帯が鳴った。
@わたしの
A海の
B洋の

64 :
通し番号間違えた・・・orz
56ね

65 :
少なくとも3人か…
せっかくだからもっと参加して欲しいなw
B洋の
「ん?俺か……げっ」
洋はディスプレイをみて嫌そうに顔をしかめつつ電話に出た。
「もしも……っ」
『おいっおまえ!今どこで何してる!?』
「っ!!!大声で叫ぶな!」
出た瞬間、大音量で声が聞こえてくる。
洋はとっさに耳から携帯電話を離して怒鳴り返している。
こっちまではっきり聞こえるからすごいものだ。
洋はあわてて音量を最小に操作し、携帯を耳に当てなおす。
「はぁ?なに言ってるんだボケ!…………へ?………なんで俺?」
音量を低くしたせいかもう相手の声は聞こえなかったが、洋の様子から急な呼び出しでもかかったのだろうと推測する。
@洋の様子を観察する
A海と話をする
Bやっぱりおばさんを手伝う

66 :
最低3人か…
ここ参加しにくいかね?

A海と話をする
洋の電話を聞き流しながら、私は海に話しかける。
「ねえ、海は都坂グループのことなんか知ってる?」
「うーん、そうだなぁ…」
海は私の問いに、少し首を傾げる。
「一般的なことだけかな。
 もともとは玩具メーカーで子供をターゲットにしてたんだけど、
 そのうち大人でも楽しめるものを、って幅広く分野を広げていったって、誰かに聞いた気がするよ」
ぼんやりとした口調で、海は言葉を紡ぐ。
いつも眠そうで、ぼんやりしているように見えるけれど、海は博識だ。
海が一般常識だといった今の情報でさえ、私は知らなかった。
(私がものを知らないだけかもしれないけど…)
「あ、そうそう…この花、アジサイに見えるけど、オオデマリっていう花だよ」
「オオデマリ?」
名刺の浮き出しのマークを指差して海が言う。花に詳しくない私は首を傾げた。
「アジサイに良く似た白色か桃色の花なんだ。アジサイとは種類がまったく別なんだけどね。
 きっと、会社を設立した人が、誰かと大切な約束を交わしたんじゃないのかな」
「え?」
時々海は良く分からないことをいう。
「別名、手毬花。英名はリーブススピリア。ヤブデマリを品種改良して出来た花で…」
「ちょ、ちょっと海…」
私の疑問を、どう受け取ったのか、つらつらと説明を始める海に、私はあわてる。
「オオデマリの花言葉は「私は誓います」「約束を守って」「天国」「華やかな恋」」
海を止めようとした私は、続いた言葉に静止の言葉を飲み込む。
「あぁ…だから、大切な約束をしたって…」
「…約束ってなんの話だ?」
その時、電話が終わった洋が私たちの会話にわずかに眉をひそめる。
@「都坂グループの話だよ」
A「電話はもういいの?」
B「花言葉の話よ」

67 :
そうでもないと思うけどね。
まだ話も始まったばっかりで、あんまり伏線とかないし。
A「電話はもういいの?」
何か急ぎのようだったが、洋はどっしりとソファーに座ったままだ。
「ああ、たいした事じゃない。まったくくだらないことでいちいち電話するなっつーの」
文句を言いながら肩をすくめる洋。
けれど、嫌そうな顔をしつつもちゃんと電話に出ていたことを思うと、仲のよい友達なのだろう。
もしかしたら私も知っている人かもしれない。
洋とはずっと同じ学校に通っているから、洋のバイト関係以外の友達は私も知り合いであることが多い。
@誰から電話だったか聞く
A海との会話にもどる
B洋のさっきの疑問に答える

68 :
とりあえず今までの登場人物だけまとめ
【現在までの登場人物】
吉川 真理(ヨシカワマリ):主人公。最近、母を亡くした
佐久間 洋(サクマヨウ) :真理の幼馴染で同い年 超ポジティブな思考回路の持ち主
佐久間 海(サクマカイ) :洋の二歳年上の兄で真理の幼馴染 いつも眠そうでぼんやりしているが博識
                 子供の頃、真理と結婚の約束をした 現在カメラマン
洋と海の母         :母親を亡くした真理を心配している
清水 和明(シミズカズアキ):真理の父の遺言執行者として真理の前に現れる
                  都坂グループの専属弁護士らしい
真理の父          :母にはんだと聞かされていたが、実は都坂グループの会長だったらしい
                 最近亡くなり遺言を残す
真理の母          :真理を女手ひとつで育てた 働きすぎで過労が原因で亡くなった
                 生前、真理の父はんだと言いつづけ、父親の話を極端に嫌った

69 :
A海との会話にもどる
洋の相手が気にもなったが、本人がたいした事じゃないと言うのなら、それ以上の詮索は止めておくことにした。
それより海が話してくれたオオデマリの花言葉が私の心に引っかかっている。
(小さい頃、お母さんから同じような話を聞いたことがあるわ…)
「海、実は私、オオデマリの花言葉を、お母さんから聞いたことあるの」
「おばさんが?」
「うん。まだ私が小学校一年生の頃よ。どうしてそんな話になったんだっけ…」
古いの記憶を思い出すために、そこで会話が途切れた。
「思い出せないのか?」
我慢出来ずに洋が身を乗り出して尋ねる。私のために必になってくれているのだろう。
海は静かに私の次の言葉を待っている。
(あ、名前…)
「そうよ、名前だわ!確かその頃、自分の名前の由来を話すのが学校で流行ったの」
「そうだ。そんなことあったな」
洋はぱっと顔を明るくして相槌をうつ。私はそれに頷くと話を続けた。
「私もお母さんに聞いたのよ。私をどうして真理と名づけたか。そしたら、お母さんオオデマリの話を始めたの」
「他に何か思い出したことはないのか?」
洋の言葉に真剣さが滲む。
「うん。お父さんから貰った大切な名前よって…。何時も仕事ばかりで地味なお母さんが、とっても華やかに笑っていた」
話している最中、胸に熱いものがこみ上げてきて、あふれ出る涙をどうしても止めることが出来なくなった。
ふと、優しく背中を撫でられた。
振り向くとそこに居たのは
@海
A洋
Bおばさん

70 :
d切って申し訳ないが主人公って高校生?大学生?
やっぱり大人板だし大学生が妥当だろうか・・・

71 :
まだはっきり出てないし、最初に誰かが大学生って明確にしたら大学生になるし、高校生って書いたら高校生になる。
すべては、最初に書いたもの勝ち。と思われる。

72 :
>>1だけど設定は書いたもの勝ちで。
@海
海は私と目が合うと優しく笑った。
「泣けるときには泣いたほうが良いよ。真理ちゃんまだちゃんと泣いてないでしょう?」
言いながらあやすように私の背中をぽんぽんと叩く。
だから余計に私は涙が止まらなくなる。
海の言うとおり母がんでから私はちゃんと泣いていなかった。
母がんだことが信じられなくて呆然としている間に、お葬式の準備なんかでバタバタと忙しくなったからだ。
そうしてお葬式の間には、母のを受け入れてはいたけれど持ち前の意地っ張りを発揮して泣かなかった。
「うんうん、真理ちゃん良くがんばったね」
海は私が泣いている間ずっと背中をなでてくれ、洋はだまって隣に居てくれた。
しばらくして落ち着いた私は…
@ありがとうと言う
Aごめんなさいと言う
B何も言わない

73 :
Aごめんなさいと言う
「ごめんなさい…」
「なんで謝るの」
「え…泣いたりして迷惑かけたから…?」
私の言葉に海が深くため息をついた。
「あのね、真理ちゃん。俺が迷惑なんて思うわけないでしょ。
そーゆーときは、謝るよりもありがとうって言ってくれたほうが嬉しいな」
「う…ごめんなさ…」
「ほらまた!違うだろ?」
「あ…ありがとう…」
「よく出来ました」
海がくしゃくしゃと私の頭を撫でる。
目が合うとにっこりと微笑んでくれた。
その優しい微笑みに、胸にあったかいものがこみ上げてきて、私もつられて微笑み返す。
「ごはん出来たわよ〜」
おばさんの声が聞こえ、洋にぱしっと頭をはたかれた。
「ほら、いつまで二人の世界つくってんだよ!メシだってよ。行こうぜ!」
@「痛いなぁもう!聞こえてるわよ。行きましょ」
A「洋、先に行ってて」
B「ふ、二人の世界って何よ!」

74 :
@「痛いなぁもう!聞こえてるわよ。行きましょ」
気恥ずかしさもあって、勢い良く立ち上がる。
そんな私の様子に洋はあきれたようにため息をつき、海はクスッと笑う。
そんな二人を軽くにらむと、洋は肩をすくめ先に歩き出し、海は微笑んで私を促した。
ダイニングに入ると、今日はどうやら中華らしい。
シュウマイに春巻き、チンジャオロースにエビチリまである。
相変わらずおばさんの料理はすごいと思う。
「さあ、座って座って」
促されるまま席に着き、改めてテーブルの上を見る。
あまりのすばらしさにため息しか出ない。
私だって母の助けになるように家事全般はやっていた。
だから料理だって同じ年頃の女の子と比べれば上手だと自負している。
けれどおばさんには絶対にかなわない。
「さあさあ、召し上がれ」
「いただきます」
ニコニコと差し出された茶碗を受け取り、春巻きをつまむ。
揚げたての春巻きにやけどしないように注意しながら、齧る。
サクッっとした皮、中から程よく味付けされた具。
@「おいしい!」
A「熱っ」
B「くやしいな」

75 :
B「くやしいな」
「ん?どうしたんだ?」
シュウマイをつまんでいた洋が私の呟きを耳にして首を傾げる。
「うん、私だって料理はそこそこだと思うけど、おばさんには絶対にかなわなくて、くやしいなって」
「あら、真理ちゃんのご飯だってすごくおいしいわよ?」
おばさんは言いながら微笑む。
「うん、俺は真理ちゃんの作るご飯、母さんのより好きだよ」
海が口に入っていたご飯を飲みこんでにっこり笑う。
「あら、海ったらひどいわ。…でも、そうね、真理ちゃんのためならいくらだってお料理教えちゃうわよ」
「お、それ良い考えだな。真理これから一人で寂しいだろ。
 料理の勉強ついでにこれから毎日家で晩飯作って、家で食べていけば良い」
洋が名案とばかりに、言う。
「まあ、洋にしては、良いこというわね。是非そうして」
「俺にしては、ってひでーな…」
洋ががっくりと肩を落とすのを見ながら私は…
@頷く
A断る
B考える

76 :
A断る
「いえ、お気持ちだけで十分です。さすがにそこまでしていただくわけにもいきませんし…」
毎日夕食、とひとことで言うが、一人増えるだけでかかる金額も増える。
もちろん一回の金額は微々たるものだけどそれが毎日積み重なるとなると…考えただけで恐ろしい。
いくら幼なじみとはいえ真っ赤な他人なのだ。そこまでしてもらう道理はない。
かといってお金を払う、なんていうのはいやらしすぎる。
「真理、何遠慮してんだよ」
「そうよ真理ちゃん。一人増えるも二人増えるも一緒じゃない。それにおばさん、娘がほしかったのよ。
娘にお料理教えたりいろいろ一緒に家事やったりするのが夢だったし」
「いえ、ほんとにお気持ちだけで……」
「そう…?残念だわ……」
私の言葉におばさんはしゅんとする。
なんとなく胸が痛んだが、私ももう来年は成人なのだ。いつまでもまわりに甘えてばかりではいけない。
「何をそんなに遠慮すんのかしらねーが、真理だってこれからずっと一人でメシ食うのなんてやだろ?
うちに来りゃ一人で食わずにすむしついでに母さんに料理も教えてもらえるし一石二鳥じゃん」
洋の台詞におばさんも顔をあげた。
「そうよ、真理ちゃん。うちはなんにも気にしなくてもいいのよ?ね?」
――こういうとこ、洋とおばさんはほんとに似てると思う。一度決めたことはなかなか引き下がらない。
別に母が生きていたときだって、仕事が忙しかったり私だってバイトや学校関係で忙しくてあまり食事を一緒にとることはなかったのだけど…

@ここまで言われたら頷くしかない
Aやっぱり断る
B週に一度くらいならいいかな?

77 :
B週に一度くらいならいいかな?
ここまで言われて断るのも気が引ける。
「それじゃあ、週に1回くらいなら…」
おずおずと私が答えると、おばさんはちょっと寂しそうな顔をしてからすぐにいつもの明るい笑顔になった。
「週一でもうれしいわ!真理ちゃんのバイトのない日がいいかしら?」
「そうですね…」
私は答えながら、バイトのシフトを思い浮かべる。
来週は確か火曜日と金曜日が休みだったはずだ。
「火曜日か金曜日ですね」
「確か土曜日は朝からバイトだったわよね?」
私は頷く。土日はフルでバイトに入っている。
「それじゃあ、金曜日はゆっくり休んだほうがいいでしょうから、来週は火曜日にしましょう」
「はい」
おばさんは私の返事に満足したのか、うれしそうに食事を再開する。
その後は取り留めのない会話で食事が進み、テーブルの上のものがきれいに片付いた。
「ごちそうさまでした」
「おそまつさまでした。あ、そのまま置いておいてちょうだい」
「あ……はい」
食器を流しに運ぼうとした途端、おばさんがそれを止める。
「真理ちゃん向こうに行こうよ」
食器をそのまま置いておくということに、なんとなく抵抗を感じて動きを止めた私を海が促す。
@片づけを手伝う
A海について行く
B家に帰る

78 :
↑通し番号間違えた
56じゃなく66です 

79 :
B家に帰る
「ごめん、そろそろ帰るよ。調べ物ももあるしね」
「そう?それじゃ、すぐそこだけど送るよ。ちょっと行きたいところもあるし」
「真理、もう帰るのか?」
「うん、都坂グループのこと調べたいしね」
「そっか。俺も調べておいてやるよ。なんか面白いことでも分かったら連絡する」
「ありがとう。それじゃあおばさん、今日はありがとうございました」
「いいのよ、来週の火曜日、待ってるからね」
おばさんにお礼を言って玄関で靴を履いていると、なにやら大きなスポーツバッグをもった海がやってきた。
「じゃあ行こうか」
海はそういってサンダルを引っ掛けると、玄関の戸を開ける。
斜め向かいの私の家に向かいながら、海はふと後を振り返る。
それから何事もなかったかのように正面を向いて、私の家の前で止まった。
「それじゃあ真理ちゃん、ちゃんと戸締りするんだよ。女の子一人じゃ危険だし。それから、宅配便なんかもすぐに戸を開けちゃダメだよ。戸を開ける前に、俺か洋に電話して」
「え?」
「取り越し苦労だと良いんだけど、一応ね。それじゃ」
そう言って、海はスポーツバッグを持ち直して歩いていってしまった。
私は海の言葉に…
@(過保護すぎるわ)
A(海の言うことは聞いておこう)
B(何か気になることでもあったのかな?)

80 :
A(海の言うことは聞いておこう)
ぼんやりしていても的確な答えをくれることの多い、海。
すこし過保護すぎだとは思いつつも私のことを心配してくれてのことだと思うし、忠告は素直に受けておくことにした。
「待って、海。連絡は必ず入れるよ。それと、送ってくれてありがとう」
「言い忘れていたけど…今日のことはあまり気にしちゃ駄目だからね」
さりげない気遣いの言葉が、今の私には何よりうれしいくてもう一度「うん。ありがとう」とお礼を言った。
「ところで…海、スポーツバッグを持って何処に行くの?」
気になった私は、立ち止まったままの海に向かって尋ねた。
「ええっと……ないしょ、かな」
「教えて。気になるよ」
「ダメ。ミステリアスな男のほうが惹かれるでしょ?」
海は眉をひそめながら顎に手を当てて、ミステリアスな男の真似をしてみせた。
(悲しいほど、似合ってないし)
「幼馴染に今更、ミステリアスも無いでしょ。まあいいわ。引き止めて、ゴメンね」
「いい写真が撮れたら、すぐにプレゼントするからね」
そう言って、海はスポーツバッグを掲げあげた。
「海。今の海を見たら、誰だってこれから写真を撮りに行くってわかってしまうよ。
せっかくのミステリアスが台無しだね」
海は瞳をさまよわせて、「あっ」と呟く。
「それもそうか…。今、気付いたよ」
やっぱりどこか抜けいてる海がおかしくて、ついつい笑ってしまう。
頭を掻きながら残念そうにする海に、笑顔で手振りながら扉を閉めた。
さて…
@自室で都坂グループのことを調べる
A寝る
Bお風呂に入る

81 :
@自室で都坂グループのことを調べる
玄関の鍵を閉めて、私は自分の部屋に直行する。
とりあえず机の上のノートパソコンに電源を入れて、一度部屋を出た。
鍵をキーボックスに戻し、キッチンで紅茶を入れて部屋に戻る。
「さて、と」
紅茶を一口飲んで、パソコンを操作する。
とりあえず、都坂グループのHPを検索して、会社の概要を読む。
(結構古い企業なんだな…)
会社の設立はおよそ百年前、小さな玩具メーカーから始まっている。
それが三十年くらい前から各種方面へ進出を始め、今では町を歩けば必ず都坂グループ系列の店にぶつかるほど業種を広げている。
会社概要を読んでも分かることはこれくらいしかなかった。
(うーん、まあ公式のHPなんてこんなものかな?)
これ以上HPを調べても、あまり意味がないような気もする。
どうしよう…?
@それでも、隅々まで公式HPを見る
A都坂グループに関する掲示板を探してみる
B都坂グループの会長の名前で検索してみる
Cネットはやめてテレビをつける

82 :
A都坂グループに関する掲示板を探してみる
ネット上にある巨大掲示板サイトを見てみることにする。
色々な方面に進出していて、系列会社もたくさんあるから検索をかけたら膨大なスレが引っかかった。
「うわ〜……」
思わず驚きの声が漏れる。
「多すぎだって」
私はため息をついて、パソコンの電源を落とした。
今ので一気に調べる気力がなくなってしまった。
机から離れて、ベッドに倒れこむ。
「……お父さん、か」
さっきHPで見た都坂グループの会長の写真をみても、何の感慨も浮かんではこなかった。
(以外に若く見えたけど……)
いつ取られた写真なのか分からないが、都坂グループの会長はまだ50代くらいに見えた。
組織の会長というイメージから、かなり年のいった男性をイメージしていたのでその点は純粋におどろいたが。
「ま、明日本社に電話して、清水ってひとに詳しく話を聞く!」
私は勢いをつけて、ベッドから起き上がる。
さて…なにをしよう
@着替えて寝る
A風呂に入る
Bテレビを見る

83 :
忘れ去られたスレ発見
話の流れだと、暴力方向でも18禁になりそうだなw
そしてageついでに、続けてみる
A風呂に入る
「お風呂入ってさっぱりしよう」
私は着替えをもって、バスルームへ向かった。
真っ先に浴槽にお湯を入れる。
(20分くらいかな〜)
お湯がたまるまでもう少し時間がかかる。
脱衣所に着替えを置いて、キッチンへ向かう。
冷蔵庫を開け、いつも飲んでいるミネラルウォーターを取り出そうとして、それがないことに気づいた。
「あれ、切れてるか」
そういえば、最近なにもやる気が起きなくてあまり買い物にもいっていなかった事を思い出す。
近くのコンビニなら行って帰ってくるのに15分かからない。
お風呂のお湯も溜まってちょうどいい頃になるだろう。
うーん、どうしよう
@コンビニにいく
Aコンビニに行かない

84 :
@コンビニにいく
(ちょっとそこまで、という距離だし……)
私はサイフを握ると家をでた。
コンビニへは家を出て左へ歩いて5分かからない。
(水と……)
コンビニで目的の水を真っ先にカゴに入れる。
それから、あしたの朝ご飯にパンを買う。
会計を済ませコンビニを出ようとしたところで、見知った顔を見て思わず足を止めた。
それは……
@バイト先の後輩
A清水和明
B同級生の女の子

85 :
@バイト先の後輩
「藤くん…」
そこに立っていたのは、バイト先の後輩である、藤 草太郎くんだった。
後輩と言っても、彼は1つ歳上の大学生だ。
今のバイトを高校時代から3年は続けている私に対して、彼はまだ勤め始めた
ばかりということで、彼は私を「先輩」と呼んでたててくれている。
しかし、大柄な割に小器用で、どんな仕事でも教えた端からそつなくこなす彼に
まつりあげられるのはキツくもある。
学校での成績も悪くはないみたいだし、嫌味なほど「できるヤツ」すぎる上に、
愛想笑いという言葉からも程遠いし、はっきり言って、仕事以外の部分では
関わりたくないタイプだ。
もちろん、表向きはいつもニコヤカに良き先輩で居られるよう努めているケド。
「吉川先輩…こんな時間に、何やってんすか」
「そ、それはこっちのセリフよ! …もしかして、バイトの帰り?」
「はぁ、まあ、そぉっすけど…」
彼のシフトからすると、だいたい仕事終りの時間だったので、そう聞き返してみる。
でも、確か家はこっちの方角じゃなかったような…?
「あ、あの、私、お風呂の水貯めてる途中で出てきたから、急いで帰らないと。
 じゃ、また、バイトでね」
「はぁ…」
そそくさとコンビニから離れようとする私に、藤くんは返事なんだか相槌なんだか
分からない声をだしながら、横に並んで歩き出す。
「藤くん…?」
「…途中まで、送らせてもらっていいですか」
「え? だって、コンビニに寄ったんじゃなかったの?」
「いや…」
さすがに目的が分からず、怪訝そうな表情が顔に現われてしまったんだろう。
彼も足を止めて、一度大きく息を吐き出す。

86 :
ごめんなさい、長くなりすぎたorz


(ため息つきたいのはこっちよ)
そう思っていると、彼は顔をそらしたまま、いつものように低い声でぽつりぽつりと
しゃべり始めた。
「最近、先輩がバイト休み続けてた理由…今日、初めて聞いて…」
「…ああ」
そういえば。
母が倒れてから、葬儀に事後処理などで過ぎた怒涛のような数日間、バイトは
休み続けていた。藤くんとは、まだ母が元気な内にバイトで会って以来だ。
「お焼香だけでもと思ったんですけど、ただのバイトの後輩がこんな時間に伺っても、
 と思って、引き返そうとしてたトコロなんです。
 だから、コンビニに用があるわけじゃ、ありません」
「え…」
「でも、先輩がこのままバイト辞めるわけじゃない、ってことが判っただけでも良かった」
そう言うと彼は一瞬、常にない柔らかい表情でほほ笑んだ。
(うわ…っ)
その笑顔を見た途端に、今まで彼に対して(嫌味なヤツ〜)と抱き続けていた嫌悪感
や対抗心が氷解した。
その無表情から誤解していただけで、本心から先輩として慕ってくれていたのかも。
つられるように私も顔をほころばせて、言葉をつぐ。
「うん、週末からは復帰するから! 辞めないわよ」
「…やっぱり、先輩くらいの天然ボケが居ないと、安らがないっすよ。あの職場」
「…言ったわね〜」
もうっ、ちょっと気を許すとコレだ。
@じゃ、またバイトでね
Aこれから、お焼香にきてくれるの?
Bそうだ、都坂グループ、って知ってる?

87 :
度々すみません… 訂正してたらレス番抜けましたorz

88 :
Bそうだ、都坂グループ、って知ってる?
唐突な私の質問に、表情も変えずに藤君は頷いた。
「……バイト先の隣のレンタル屋がそうですね」
「あー……」
言われてそういえばさっき調べた関連会社の一覧に名前が載っていたことを思い出す。
(本当に身近なんだな、都坂グリープって……)
「都坂グループがどうかしましたか?」
「あ、ううん、なんでもないよ、ふと思っただけ」
「そうですか……ところで戻らないんですか? お風呂にお湯……」
「あ!」
「送っていきます。先輩も一応女性ですから」
「……一応って」
すぐそこだし大丈夫と言おうとしたが、軽く背中を押されて口を噤む。
行きと同じく帰りも5分かからずに、家の前に着いた。
「家ここだから……」
「……」
「藤くん?」
「ここまできたし、お焼香もいいですか?」
そういえば最初は、お焼香目的で家に向かってるって言ってたっけ。
@頷く
A断る

89 :
@頷く
「……うん、いいよ、入って」
私は鍵を開けて、藤くんを招き入れた。
「ちょっとまっててね、お湯止めてくるから」
「……」
私は急いで靴を脱ぐと、真っ先に風呂場へ向かう。
覗くとお湯は丁度いい具合に溜まっていた。
(よかった)
お湯を止めて蓋を閉め保温ボタンを押して玄関に戻ると、所在無げに藤くんが立っている。
「おまたせ、こっちだよ」
仏壇の置いてある部屋まで案内する。
「ごめん、私ここに入ると浮上するのに時間かかっちゃうから適当にやってきて」
こんなこと失礼だとは思うけれど、今はこの部屋に入りたくない。
明日からはちゃんとしなくてはいけない。
今入ったら、きっとまたぼんやりと過ごしてしまって、明日しなくてはいけないことも手につかないだろう。
「……」
藤くんは私をしばらく見つめたあと、頷いて部屋に入っていった。
私は無意識のうちに止めていた息を吐き出す。
(ちゃんと、しなくちゃ……)
私は、内心気合いを入れる。
(そうだ、わざわざ様子見に来てくれたみたいだし、お茶くらい出したほうがいいかな?)
@お茶の準備をする
Aお茶の準備をする
B藤くんに聞いてからにする

90 :
たぶん@かAがしないだとおもうから、Aをしないで話をすすめる

Aお茶の準備をしない
(うーん、でも、引き止めるのもなんだし、やめとこう)
そう思いなおして、私は部屋から少し離れた場所で待つことにした。
しばらくして、藤くんが部屋から出てくる。
「ありがとうございました」
「ううん、こっちこそわざわざありがとう」
藤くんを玄関まで送る。
ぼんやりと藤くんが靴を履くのを見ていると、不意に藤くんが振り返った。
「吉川先輩」
「え?」
「………」
「なに?」
呼ばれたものの、そのまま沈黙してしまった藤くんを見上げる。
「……いえ、週末からバイト出るんですね?」
「うん、そのつもり」
「そうですか」
小さく頷いた藤くんの手が、不意に伸びてくる。
「え?」
あわてて身を引こうとしたが、藤くんのほうが早かった。
両脇に手を差し込まれ、まるで子供が高い高いをされるように持ち上げられる。
「ちょ、ちょっと!?」
「やっぱり……」
小さく呟いて、藤くんは私を降ろす。
「な!?」
「先輩、かなり痩せたみたいです」
「え?」
「以前より軽いです。ちゃんと食べてますか?」
「え、あ、うん、今日はちゃんと食べたよ……」
「そうですか、なら良いですけど。うちのバイト体力勝負なんですから、ちゃんと食べないと駄目です」
「う、うん」
「………」
「?」
「……では、失礼します。次はバイトで」
「うん、週末に」
突然のことに呆然としたままの私に静かに会釈をして藤くんは出て行った。
藤くんが出て行って、どれくらい時間がたったのか、やっと立ち直った私はため息をつく。
(急に持ち上げられたら驚くって……。でも体力落ちてるかなぁ?前の私ならさっきのも避けられたよね……)
体力が落ちて、反射神経も鈍くなっていたら目もあてられない。
(まぁ、前にも不可抗力で持ち上げられたことはあるけれど……)
あの時は……
@バイトの時
A飲み会の時
B偶然会った時

91 :
@バイトの時
あの時は在庫が切れたものを取りに倉庫へ行った。
いつもの場所に脚立が無くて、皆で探し回ったけれど結局見つからずどうするか悩んでいたのだ。
その時のメンバーで一番背の高い藤くんですら、もう少しと言う所で手が届かない場所だった。
困り果てた私たちを藤くんは見回すと、すっと私の前に立ち、そのまま屈み込んで、私の膝の当りに手を回して固定すると一気に持ち上げた。
「きゃぁぁ」
急に高くなった視界に驚いて、とっさに藤くんの頭にしがみつくと藤くんのぼそぼそとした声が、聞こえた。
「先輩、これで届きませんか?」
(結局、藤くんの機転のおかげで、無事にものは取れたけど……)
その時一番早くて確実な方法を取ったのだと分かるけれど、口数が少ないくて必要なことも一言で済ませてしまったりするため、何を言っているのか理解するのに時間がかかったりする。
(まぁあんなに何でも器用にこなして、愛想まで良かったら嫌味だよね)
あれで更に愛想が良い藤くんに先輩と呼ばれたら、本当にいたたまれない。
「さて、お風呂にはいろうかな」
玄関を離れて脱衣所に向かう。
服を脱ぎ、浴室へ移動してざっとシャワーで汗を流してから浴槽へ。
「ふぅ……」
お湯に浸かるとホッとする。
お湯につかりながらぼんやりしていると、ふいにガタンと音がした。
「え?」
外からではない、家の中からだ。
家の中には当然誰もいない。そのはずだ。
(あ……、私、藤くんが帰ってから玄関の鍵……かけてない!?)
泥棒だろうか? それとも、海か洋が来たのだろうか?
どうしよう……
@風呂からでて確認する
A怖いからじっとしている

92 :
たまに(´∀`∩)↑age↑
@風呂からでて確認する
音を立てないようにそっと湯船からあがり、手早くバスタオルを手に取る。
そこで足音が聞こえた。
あわてて、手に取ったバスタオルを身体に巻く。
(なにか、武器になりそうなもの……)
もし泥棒なら相手の隙をついて逃げなければならない。
私は当りを見回す。
けれど当然脱衣室には、武器になりそうなものなんてない。
(ないよりマシか……)
わたしは、バスタオルをもう一枚手に取る。
(泥棒ならこれを投げつけて、海の家に逃げよう)
私は息を潜める。
足音はだんだんこちらに近づいてきた。
時々止まるのは、部屋を確認しているからかもしれない。
(もうすぐここまで来る……)
足音はピタリと脱衣所の前で止まった。
戸がゆっくりと開く。
顔を出したのは……
@知らない男
A海
B藤くん

93 :
A海
「か、海?!」
「うわっ、ゴメン!!」
タオルを投げつけようと腕を振り上げたところで目が合ったのは、なんと海だった。
私の姿を見ると、すぐさま戸を閉め、そのまま寄りかかったようだった。
「な…なんで…?」
緊張が解けた反動と混乱で、気の抜けたような声を絞り出すのがやっとだ。
「洋のヤツが、ちゃんと俺が真理のコト送り届けたか確認するつもりで電話してみたら、
 真理が居ない、って携帯で怒鳴りつけてきたんだよ。
 俺もすぐかけ直してみたら、やっぱり出なかったから、心配で戻ってきたんだ」
「あ…」
もしかしたら、さっきコンビニへ出掛けていた間の話かもしれない。
「そしたら…ドアの見えるトコまできたら、こんな時間なのに知らない男が部屋から
 出て行くところだし、部屋の明かりは着いてるのに、声かけても応えないし」
だんだんと海の声が低くなってきた、と思ったら、戸と服がこすれる音がして
声が聞こえてくる位置も低くなる。
「何か…悪い考えが頭をよぎったら気が気じゃなくなっちゃって。
 冷静に考えたらわかったかもしれないけど… 驚かせて、ゴメンね」
言い終えると、深いため息が聞こえた。
普通に振舞っていたつもりだけど、そんなに心配かけてしまうほど、今の私は
頼りなく見えているのだろうか。
本当に、頑張らなくては。
「…私の方こそ、ごめんね。…ありがとう」
「………うん」
「ところで、さっきの男は、何」
@ただのバイトの後輩
A藤くんという知り合い
Bえ〜と…

94 :
@ただのバイトの後輩
「バイトの後輩がなんでこんな時間に?」
「お母さんの事を聞いて、お線香あげにきてくれたの。私がバイト休んでる理由知ったみたいで」
「そっか……ところで真理ちゃん、まだお風呂途中だった?」
「え、あ、うん……」
言われて、自分の格好を思い出す。
(うわっ!)
「じゃあ、鍵も開きっぱなしだったし出るまでリビングにいるよ」
「ご、ごめんね。いつもの場所に鍵あるし、鍵かけたらそのままポストに入れてくれれば……」
「心配だからだめ。あれだけ注意してって言ったのに、ぜんぜん言う事きけてないし」
「う……」
そういわれると、反論出来ない。
「す、すぐ上がるから」
「ゆっくりでいいよ。風邪ひかないようにちゃんと100数えてでてくるんだよ」
「ちょっと……海……」
海の物言いに私は思わず脱力する。
@「わたしそんなに子供っぽい?」
A「子供扱いしないで」
B「もう子供じゃないんだから……」

95 :
B「もう子供じゃないんだから……」
思わずすねた口調になってしまう。
案の定、それを聞いた海が笑う気配がする。
「そうだね、もう子供じゃない。だからこそもっと気を付けてほしいな」
結局はそこに話が戻ってしまう。
「は〜い。それじゃあ100数えて来ます!」
私はわざと子供っぽく返事をして、浴室に戻る。
暖かい湯船に再度浸かり、なんとなく頭の中で数を数え始める。
(いーち、にー、さーん)
小さい頃はこうして海と洋と三人で数を数えていた。
のぼせやすい洋が、真っ先に我慢出来なくなって上がっていた。
(きゅじゅうはち、きゅうじゅうく、ひゃーく)
なんとなく頭の中で数を数えて、風呂から上がる。
海を待たせているので、手早く着替えてリビングに向かった。
「海、ごめんね……あれ?」
声をかけながらリビングに入るが、海の姿が見えない。
キッチンだろうかとそちらも見に行くが、やはりいない。
玄関を確認すると、靴はきちんとあった。
(トイレかな? ……あ)
リビングに戻ってソファへと回ると待っている間に眠ってしまったのだろう、座ったまま体制が崩れた状態の海がすやすやと寝息を立てていた。
(なんか、寝違えそうなんだけど……それに風邪ひいちゃうよ)
どうしよう
@起こす
A毛布を持ってくる
B観察する

96 :
A毛布を持ってくる
(起こすのもかわいそうかな?)
私は毛布を持ってくると、そっと海にかける。
一瞬顔を顰めた海に目が覚めるかなと思ったけれど、すぐにまた穏やかな寝息を立て始めた。
(疲れてるのかなあ?)
なんとなくソファの横に座りこみ、海の寝顔を観察してしまう。
子供の頃から見慣れている顔。
海も洋も結構整った顔をしているのは知っている。
海と洋と幼馴染だと言ったら、うらやましがる子もいたくらいだ。
(それにしても寝てたほうが、起きてるときよりキリッとしてるって変だなあ)
普通逆じゃないだろうか、と思わず苦笑してしまう。
とりあえず海はしばらく起きそうにない。
そうえいば、海は洋に私が見つかったことを連絡したのだろうか?
@洋に電話する
Aもう少し海を観察する
B部屋に戻る

97 :
@洋に電話する
部屋に戻り、置きっぱなしの携帯を取ると、ずらっと洋と海の着信履歴が残っていた。
「二人とも心配性なんだから……」
思わず苦笑する。
確かに最近の私は普通の状態とは違ったけれど、ここまで心配されるほどひどかったのだろうか?
(ひどかったんだろうな……)
私はボタンを押して洋に電話をする。
と、1コールもしないうちに繋がった。
「おい、真理! おまえ今どこにいるんだ!?」
途端、洋の怒っているような声が携帯から流れる。
「どこって……、家にいるけど」
「なんだって? さっきはいなかっただろ!」
「コンビニ行ってただけだよ。 その後お風呂入ってたから、携帯なってるのに気付かなかったの。 海も心配して家に来てくれたよ」
「兄貴がそこにいるのか?」
「リビングで寝てるよ。 私がお風呂から上がるのまってたら、寝ちゃったみたい」
「はぁ? なんだそりゃ?」
あきれたような洋の言葉の後の方で、車が行きかう音がする。
「ところで洋、いま外なの?」
「お前を探してたんだよ。とりあえず、今そっち行く。兄貴も引き取らないといけないしな」
そう言って洋の電話は切れた。
私は、切れた携帯電話を持ってリビングに戻った。
海は熟睡しているようだ。
洋はどのくらいの時間でここに来るのか分からない。
さて、どうしよう……
@リビングにいる
A部屋に戻る
B髪を乾かすために洗面室へ行く

98 :
コレ18禁BLダタラアットユーマニEDナキガス

99 :
止まってるので初投下しつつageてみるわ。
@リビングにいる
なんとなく手持ちぶさたになって部屋を見渡してみる。
目に入ったのは小さなテーブルと二つだけの椅子。
(これ選ぶ時、お母さんと意見が分かれちゃって大変だったなぁ)
あれがいい、これがいいって二人でケンカして…結局じゃんけんで決めたんだよね。
じゃんけんに負けた私はしばらく文句言ってたけど、段々愛着が湧いちゃった。
恥ずかしくて言い出せなかったけど。
椅子に腰掛けて膝を抱えてみる。
お母さんが見たらだらしないって怒るような格好。
(ほらお母さん、いつもみたいに叱ってよ…)
でも、どれだけ耳をすませてもお母さんの声は聞こえない。
時計の針が刻む音だけがやけに大きく感じられて、胸が詰まる。
(お母さん…私まだお母さんに色々教えてもらいたかったよ…)
私は込み上げてくる涙をこらえ切れず、膝に顔をふせた。
しばらく泣き続けていると、ふと目の前に人の気配を感じる。
そこにいたのは…
@洋
A海
Bそれ以外の人

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