2013年10エロパロ340: 【クェイサー】吉野・佐藤健悦作品でエロパロ 3【舞・舞乙】 (273) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【クェイサー】吉野・佐藤健悦作品でエロパロ 3【舞・舞乙】


1 :2013/04/06 〜 最終レス :2013/10/02
アニメ化したクェイサーのスレも立っておらず、舞シリーズのスレも残ってないようなので総合スレとして立ててみました。
扱う作品は聖痕のクェイサー、舞、舞乙、VITAセクスアリスなどです
なおアニメ脚本としての吉野作品は入れない方向にしたいと思います。
舞作品につきましても基本的にコミックスの内容に触れたものでお願いします。

2 :
聖痕のクェイサーアニメ公式
ttp://www.qwaser.jp/
舞-HiME・舞-乙HiMEシリーズ公式
ttp://www.my-zhime.net/

3 :
保守ついでにwiki参考にした作品紹介
聖痕のクェイサー
特定の元素を操ることができる能力者クェイサーたちのバトル漫画だが
クェイサーが戦闘するためには聖乳(ソーマ)という物質が必要になるが、これが女性の乳から分泌されるもので得るためには搾乳行為が必須となり
エネルギーを補給するという建前で乳を吸うことを正当化している変態漫画である

4 :
舞HIMEの一部の作品の保管庫
ttp://green.ribbon.to/~eroparo/
その他のジャンル、ノンジャンルの部屋のメディアミックスの部屋

5 :
前スレ 
【クェイサー】吉野・佐藤健悦作品でエロパロ【舞・舞乙】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1269775167/l50
【クェイサー】吉野・佐藤健悦作品でエロパロ 2 【舞・舞乙】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1347787388/

6 :
前のスレッドで書き込みをさせていただいていた者です。
再び
「ERROR:このスレッドは512kを超えているので書けません! 」
というエラーメッセージが出たので、新たにスレッドを立ち上げました。
前のスレッドからのつづきになっています。

7 :
午前1時

ビジネスホテルの一室

「はぁ、はぁ、はぁ…おおっ!!出すぞ鴇羽!!今度は胸に…そのデカパイに出してやるぜ!!」

「あぁあ〜〜あぁ〜〜〜もうダメ〜〜〜やめてぇ〜〜〜はぁあ〜〜〜あぁあ〜〜〜♪」

「はぁ、はぁ…流石に疲れたぜ…はぁ、はぁ…」

「だらしね〜〜〜な!!今度は俺だ!!」

他の2人が疲労感を見せる中…福田は舞衣の脚を大きく開き、再び舞衣を犯し始めた…

「あっ!あっ!あぁあ〜〜〜お願い、もうやめてぇ〜〜〜堪忍してぇ〜〜〜はぁあ、はぁあ…」

「はぁ、はぁ…しねーよ(笑)テメーはずっと犯されつづけるんだよ!!」

「あぁあ…あぁあ…イヤぁ…そんなのイヤぁ!!あぁあ〜〜〜どうすればいいの!!?あたしどうすれば
いいの!!?んひぃいいいいいいっ!!?痛いっ!!痛いっ!!」

福田は舞衣の乳首をおもいっきり引っ張りながら悪戯な笑顔で呟いた。

8 :
「テメーは笑顔でアンアン喘いでたら幸せになれるんだよ!!」

「ヒック…えぐっ…ふぇえ…ほ、本当にぃ〜〜?本当にそうなの〜〜〜!?」

既に舞衣の思考回路はおかしくなっていた…

「プッ…あはははは!!鴇羽もう壊れる寸前じゃね!!?」

田島は立ち上がると、舞衣の表情を撮影し始めた。

だらしなく開いた口…白目をむく寸前の目からは涙を流し…
笑っているのか…泣いているのかも分からない…壊れた表情…
田島は悪戯な笑みを浮かべた。

「よしっ、アンタ等疲れてるでしょ?今からさ、他の男連れてきな!!『タダマンできる女がいる』って
知ってる男連れてきなよ…あっ、鴇羽の名前出したら同級生とか結構来るかも♪」

田島は携帯片手に、風華学園時代の同級生の男子に連絡を始めた…
男達も、知り合いの男達を呼ぶために連絡を取り始めた…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

9 :
午前3時

ビジネスホテルの一室


「ち〜〜〜っす!!マジでタダマンやらせてくれる女って、いるんスか〜〜?」

「ど〜〜せブスとかっしょ?ま〜〜タダならいいけど(笑)」

「うぷっ…クセ〜〜〜(笑)テメーら犯ってる真っ最中だったのかよ!!」

ガラの悪い男達が部屋に集まる…

「な、なぁ…鴇羽がここにいるって聞いたんだけど…」

「その…鴇羽とヤラせてくれるって聞いたんだけど…」

「ほ、本当に…3万円で…鴇羽さんと…セックスできるんだよね?嘘じゃないよね?」

田島が呼び寄せた風華学園時代の同級生男子たち…
真面目そうな普通の男子も、舞衣の名前を言えば集まってきた…
悪戯な笑みを浮かべ満足そうな田島…

「あ〜〜みんな夜中にご苦労様〜〜♪とりあえず順番に並んでね〜〜♪」

10名近く集まった男達は順番に並ぶと、既に精液まみれの舞衣を披露した。

「おおっ!!結構いい女じゃね〜〜かよ!!」

「てか、もうドロドロじゃね〜〜かよ(笑)」

「うわっ!!ととと、鴇羽さんだ!!本当に鴇羽さんだ!!」

男達の反応は上々だった。

10 :
「ほらっ、鴇羽さ〜〜ん♪もう辛いのはイヤなんでしょ〜〜?どうすればいいのか、わかるよね〜〜?」

田島は舞衣に話しかけると…舞衣は壊れた笑顔で男達に挨拶を始めた…

「えへへぇ〜〜♪みなさ〜〜〜ん♪あたしでタダマンして気持ちよく射精してくださ〜〜い♪」

焦点の定まらない視線…
涎をたらす口元…
壊れた笑顔は男達を興奮させた。

「じゃ、まずは俺から〜〜♪」

・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・

11 :
舞衣は10人の男達に…その瑞々しく綺麗な身体を惜しげもなく差し出し…朝まで犯され続けた…
オレンジ色のショートボブの髪の毛も…
顔も…胸も…肩も腕も…
太ももも脚も…
全身を、男達の唾液と精液で汚されてしまった…

膣を犯され…アナルを犯され…口を犯され…
我慢できない男達に、胸の谷間や太もも…腋の下も射精の道具にされ…

全身を汚されて…意識を完全に失ってしまった…

「あぇえ〜〜〜あぁあ…あへへぇ〜〜〜〜♪も、もうダメぇ〜〜〜♪」

朝の6時までタップリ犯され…失神した舞衣を楽しそうに撮影する田島…

「よ〜〜〜し!!いい写真がタップリ撮れたし〜〜そろそろ終わりにしようかな♪」

舞衣とそれぞれの男達との2ショット写真を撮り終えた田島は、満足そうに部屋を後にする…

「じゃ〜〜ね、鴇羽さ〜〜〜ん♪風邪ひかないでね〜〜(笑)」

部屋には舞衣ひとりだけ残され…朝を迎えた…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

12 :
7月29日    午前8時

ビジネスホテルの一室

「んぁ…んんっ…んっ…ふぁあ〜〜〜あ…」

既に朝日は昇り…部屋に日光が差し込む…
荒らされた部屋…精液まみれのシーツ…
男達の汗臭い香りとムッとした精液の香りが充満する中…
舞衣は目を覚ました…

「ふぅ〜〜あっ、いたた…身体が…痛い…それに…臭い…」

目覚めた舞衣は辺りを見回す…
そして、自分が全身精液まみれで寝ていた事に気づいた。

「…これって…あぁ…そういえば…」

舞衣は昨日の夜から朝方にかけて輪姦されたことを、ゆっくりと思い出した…
アルコールによって曖昧になってしまった記憶を、一つ一つ思い出し…整理する…

「…あたし…あの後…あぁ…またやっちゃった…ダメだな〜〜あたし…お酒が入ると…」

13 :
酒での失敗は、初めてではない…
また起こしてしまった酒でのトラブル…舞衣は自己嫌悪に陥った。

その時…舞衣の携帯の着信音がワンコール鳴った。

「んっ?メール?誰から…」

携帯を確認すると…メールの差出人は田島…

『昨日はお疲れ様!いい写真いっぱい撮れたよ〜〜♪』

メールには、舞衣の痴態が収められた写真が添付され…
その写真を見た舞衣は、無言で携帯を閉じた。

「…ふぁあ…まだ眠いし…身体中痛いし…もう少し寝ようかな…シャワーも…目が覚めてからにしよう…」

疲労困憊な舞衣は、男達の汗と唾液と精液にまみれた身体のまま、再び眠る事にした…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

14 :
割と舞衣好きだったから読んでて情けなくて泣けてくるわ

15 :
14さん
ごごごご…ごめんなさい!!
所詮は二次創作なので、舞衣ちゃんの事は嫌いにならないで下さい!!
フライングゲッ…ゴホンゴホン…
まぁ、軽い気持ちで読んで下さいね。

16 :
別に謝る必要はまったくないよ。好きなもんを好きなように書く板なんだし

17 :
もうアフターピルと性病検査は忘れるなくらいしか言葉のかけようが…。
というかDVD流出されてんだし、猛烈に嫌っている同年代の同性がいるくらい
自覚しろと小一時間ry
とりあえず千絵の知恵を借りる機会もしばらくなさそうだし…。

18 :
本編の舞衣ってさすがにここまで馬鹿じゃなかったけど、既にアルコールやドラッグが頭を破壊し始めてるのか

19 :
風俗の世界にどっぷり漬ってるみたいで痛々しい…そういや弟のためにソープに沈む覚悟してたっけあの娘?

20 :
午前11時

ビジネスホテルの一室

「…ちゃん!舞衣ちゃん!」

んっ?誰かしら…
疲れ果てて…裸で眠るあたしに…誰かが声を掛けてくる…

「…ふぁあ〜〜あ…今何時〜〜?」

あたしは呼びかけてくる声に目を覚ますと、ムクリと起き上がり…身体を伸ばしながら大欠伸した。

「ふぁあ…あれっ…碧ちゃん…どうしてここに?」

「あっ、やっと起きた!!も〜〜〜心配したんだから!!何度も舞衣ちゃんの携帯に連絡しても出ないし
、部屋をノックしても出ないからフロントに連絡して開けてもらったの!!もしかして倒れてるんじゃな
いかと思って!!それにしても…どうしたのよ、その身体!!」

声の主は碧ちゃん…
やっぱり…聞き覚えのある声だな〜〜って思ったのよね。
そして、あたしは自分の体に目を向ける…

21 :
「あっ…これは…ちょっとね、あはは…」

「あはは〜じゃないでしょ〜〜!!これって精液だよね!?もしかして…乱暴されたの!!?」

いけない…そういえば、あたしシャワーも浴びずに寝ちゃったんだ…
徐々に意識がハッキリしてくると…鼻を突く汗と精液の匂いに、あたしはむせ返った…
昨日の失敗は…本当に反省してる…
だから…これ以上事を大きくしたくない…
あたしは碧ちゃんへの言い訳を考えた。

「え〜〜っと…昨日あたし一人でお酒飲みに行ったんだけど…飲んだ先で男の人にナンパさちゃって〜〜♪
そのままここでエッチしちゃって(笑)ううん、乱暴とかじゃなくて、お互い合意の上だから♪」

「ナンパされて…って…でもこれ酷いよ!?身体中ドロドロだし…何人かに乱暴されたんじゃ…」

「だから〜〜心配しなくてもいいわよ…3人の男の人とエッチしちゃって(笑)」

「…3人…舞衣ちゃ〜〜ん…ストレスとか溜まってるのは分かるんだけどさ〜〜一応彼氏もいるんだから、
そういう事は控えないと…彼を悲しませないようにしないとね…」

碧ちゃんの言葉に…胸が痛んだ…
ゴメンね…祐一…

「う…うん…酔ってて…よく分からなくて…うん…反省してる…」

心配してくれて…わざわざホテルまで来てくれた碧ちゃんに謝った。

「ところで連絡って…何かあたしに用事でもあったの?」

「あっ、そうそう…これを書いてもらいたいんだけど〜〜」

碧ちゃんは書類を一枚取り出す…

22 :
学費支払い延期届

「今回の件で、巧海くん…舞衣ちゃんが口座に振り込んでくれた学費や生活費の殆どを使っちゃったの…
下半期の支払いが近いし…舞衣ちゃんもイキナリ大金を払うなんて無理だろうから、一応学園側には支払い
の延期をお願いしたの。で、今日は舞衣ちゃんにサインを貰おうと思って…」

あたしは碧ちゃんから書類を受け取る…
そして、2枚目の書類に書いてある支払いプランをじっくり読んだ。
あたしが書類に目を通していると…碧ちゃんは、あたしの横顔をじっと見つめてる…

「う〜〜ん…卒業後の支払いもいいのよね?って…碧ちゃん、あたしの顔…何かついてる?」

「えっ?あぁ…ごめんね…いや…舞衣ちゃん、何か疲れた顔してるな〜〜ってね…」

「はいっ?あたしが?あはは…いろいろあったしね〜〜(笑)」

「ううん、そういうのじゃなくて…何かこう…表情が疲れてるって言うか…昨日から気になってたのよね…」

「そう…なんだ…あたし、疲れた顔してるんだ…あはは、自分じゃ分からないわよね〜〜(笑)」

23 :
…気付かなかった…そうなんだ…疲れた顔してるんだ…
しょうがないわよ…いい事ないんだし…
支払いプランを選んでサインすると、あたしは碧ちゃんに書類を手渡す…

「はい、卒業後一年以内の支払いね」

碧ちゃんは書類を受け取ると、改めてあたしの身体に視線を向けた。

「舞衣ちゃん…確かに女同士だけどさ〜〜裸はマズイんじゃない?」

「あっ、いけない!そういえばあたし…あはは!」

「も〜〜〜舞衣ちゃんは〜〜(笑)身体、気持ち悪いでしょ?シャワー浴びて綺麗にしておいで♪」

裸でいる事に気付いたあたしは、思わず恥ずかしくなり…胸を両手で隠しながらバスルームに向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

24 :
ビジネスホテル  バスルーム

「あ〜〜〜気持ちいい♪」

身体中にこびりついた…男達の精液や唾液を洗い流す…
少し乾燥して…ベットリと張り付いた精液は、なかなか落ちない…

髪の毛についた精液をシャンプーで洗い流し…
身体中の精液を、ボディソープで洗い流し…
バスルームから出たあたしは、やっと綺麗になった身体を鏡に映す…

「…また…汚れちゃったな…あたしの身体…」

「舞衣ちゃん何か言った〜〜?」

あたしが思わず呟くと、部屋にいる碧ちゃんに聞こえちゃったみたい…

「ううん、何でもないよ〜〜」

ドライヤーで髪の毛を乾かしていると…今度は碧ちゃんから話しかけてきた…

「あっ、そうだ!ねえ舞衣ちゃん、明日時間ある?私、明日オフだからさ〜〜ちょっと一緒に出かけて
みない?舞衣ちゃんに是非教えたい観光スポットがあるんだよね〜〜♪」

「はいっ?あたしにピッタリの?」

「うん、疲れてる舞衣ちゃんにピッタリの場所があるの♪ねえ、どう?行ってみる?」

25 :
「どうしようかな〜〜明日は何も無いし…うん、いいよ碧ちゃん♪」

「オッケーー♪じゃ、明日の朝11時に、私が車で迎えに来るからヨロシク♪」

成り行きから、あたしは碧ちゃんと出かける約束をした。
久しぶりに遊びに行くのもいいかもしれないわね…
何だか楽しみ♪

バスタオルだけ巻いた格好で、あたしは碧ちゃんの前に座り…暫くお話した…
すると…碧ちゃんの携帯が鳴る…

「な〜〜に〜〜?折角いい所だったのに〜〜♪って、あっ!学園から!!」

碧ちゃんは、何だか他にも仕事があったらしく、急いで学園に戻っていった…

「明日の朝11時ね…よ〜〜し!今日は早く寝ようかな♪」

シャワーを浴びサッパリしたあたしは、うんっと身体を伸ばす…
そして、ふとテーブルの上に視線を向けると…あたしがサインした書類が目に入った…
あ〜〜あ…碧ちゃん…書類忘れて行っちゃったんだ…

「も〜〜〜碧ちゃん…相変わらずそそっかしいんだから〜〜(笑)」

あたしは簡単にお化粧を済ませ身支度を整えると、碧ちゃんに書類を届ける為に風華学園へ向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

26 :
アル中、ヤク中、元底辺風俗嬢、彼氏居るのに体中精液まみれで帰ってきて爆睡・・
碧ちゃんも元生徒とはいえ、よくこんなのと関わってくれるよ
普通なら5m以内には絶対に近寄って欲しくないタイプだろ

27 :
晶君とか千絵はかっこいいのに

28 :
午後1時

風華学園 高等部校舎前

「いやぁ〜〜〜私とした事が!!ごめんね〜〜舞衣ちゃん!!」

「いいわよ〜〜でも、相変わらずそそっかしいんだから(笑)」

「あはははっ♪何かさ、舞衣ちゃんとお出かけできると思ったら嬉しくて♪完全に忘れてたわ〜〜(笑)」

夏の日差しが照りつける昼間…
舞衣は碧が置き忘れた「学費支払い延期届」の書類を届ける為に、風華学園を訪れた。

「舞衣ちゃん、折角来たんだから〜〜職員室でお茶でもどう?」

「ありがとう…でも、あたし…職員室はちょっと…」

校内放送事件のことを思い出し…舞衣は職員室に向かう事を拒んだ。

「あ…うん、分かった♪じゃ〜〜明日、楽しみに待っててねっ♪」

碧は舞衣の心境を理解したのか…笑顔で舞衣を見送った。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

29 :
風華学園高等部 中庭

「それにしても…暑い…」

舞衣は直射日光と夏の蒸し暑さに唸りながら、暫く学園内を散歩した。

校庭からは、部活動に励む生徒達の声が聞こえ…
プールを眺めれば…懐かしい水着に身を包み、水しぶきを上げる少女達の声が聞こえ…
校舎の窓を覗くと…吹奏楽部の部員達が一生懸命練習している姿が見えた。

生徒達は、それぞれ思い思いの夏の一時を過ごしている…

「部活動…か…あたしは毎年、夏はバイト三昧だったなぁ〜〜(笑)」

懐かしい自分の学園生活を思い出しながら歩いていると…いつの間にか中庭に辿り着いていた。

「わぁ〜〜懐かしい!ここでよく、アイツと一緒にお弁当食べてたわよね〜〜」

高等部時代…お昼休みになると、いつもこの中庭で楽しい一時を過ごした舞衣と祐一…

当時を思い出しながら周囲を見回す…
花いっぱいの花壇…春には満開に花咲く桜の木々…そして綺麗な芝生…
見るもの全てが懐かしい…

当時と変わらない懐かしい光景に…舞衣は思わず見入ってしまっていた…  
そんな懐かしい風景を眺めていると…舞衣の視界に一人の男性が映った。 

30 :
「あれっ?…もしかして…あの人…」

その…ずんぐりとした肥満体型に、もっさりとしたアフロヘアのような髪型…
体型に似合わない小さなメガネに、特徴的な髭…
汗だくになりながら、まるで花を愛でるように花壇を造っている男性の姿に、舞衣は思わず目を留めた。
舞衣の姿に気付かず…ひたすら花の世話をする男性に近づく…

「こんにちは♪あの〜〜迫水先生…ですよね?」

「っと…はい、何でしょう?」

肥満体型の男性は舞衣に声を掛けられ、我に返ったように気付く…
そして舞衣の姿を確認すると、思い出したかのような表情を浮かべ、舞衣に言葉を返した。

「あぁ〜〜あなたは確か…鴇羽巧海くんのお姉さんの〜〜」

「はいっ、鴇羽舞衣です♪巧海が中等部の頃は、本当にお世話になりました♪」

「やっぱりそうですか〜〜はいはい、巧海くんのお姉さんの舞衣さんですね〜〜♪えぇ、覚えていますよ、
いやぁ〜〜お久しぶりです…こうやってお話しするのは、かれこれ3,4年振りじゃないですかねぇ?」

31 :
そう…この肥満男性は「迫水開治」

彼は風華学園中等部の教師で、巧海は3年間彼のクラスに在籍していた。
舞衣はオーファン事件絡みで迫水とは面識があり、特に巧海が2、3年生の時は、巧海の保護者という
立場から何度も顔を合わせ、巧海の今後について話し合っていた。
再び巧海の病状が悪化した3年生の時、親身になって考えてくれたのも彼だった…
そんな当時を思い出しながら、舞衣は笑顔で迫水に挨拶する…

目の前の女性が舞衣と気付くと…迫水も笑顔で挨拶を返した。
スコップを置き、身体に付いた土を手で払うと、迫水は立ち上がる…

「いやぁ〜〜折角久しぶりに会えたのに、こんな身なりで申し訳ない」

「あはは♪いいですよ〜〜気にしないで(笑)相変らず好きなんですね〜〜そういうの」

「まぁ〜〜私の趣味みたいなものですよ(笑)」

しかし…次の瞬間、迫水の表情は暗くなる…

「しかし…この度は大変でしたねぇ…巧海くん…」

迫水は巧海を心配しているのか…巧海を気遣う言葉を口にする…

32 :
この5月に起きた…お昼の校内放送事件…
風華学園中等部の教師である迫水も、当然事件を知っていた。

「あっ…そうですね…何だかあたし、学園中に迷惑かけちゃったみたいで…すみませんでした…」

校内に流された映像の主人公が自分だと知っていた舞衣は、思わず迫水に謝った…

「いやいや!別にあなたが謝るべき事じゃないですよ!あなたは巧海くんの為に一生懸命頑張った…
ただそれだけですよ。形はどうであれ…今、巧海くんが健康を取り戻して…風華学園の編入試験を
飛び級で合格して、彼が憧れていた風華学園高等部に進学する事ができたのも、全てあなたの頑張り
があったからこそですよ。それを…あぁいう風に晒し者にする輩がいるとはねぇ…許せないなぁ〜〜
いや本当に…少なくとも私は許すことは出来ませんよ…」

迫水は淡々と語る…
風俗で働いて、巧海の手術費用を稼いだ舞衣の行動を、迫水は正当化した。

「で、巧海くんの様態はどうなんですかねぇ…その…繊細な子だから心配で…」

「はいっ、今はもう大丈夫です♪体調も元に戻ったみたいで…安心しました♪」

「そうですかぁ〜〜〜良かった良かった♪」

笑顔を取り戻した迫水は、地べたに腰を下ろす…
そして鞄から水筒を取り出すと、お茶をがぶ飲みし始めた。

迫水の言葉を聞き、舞衣の脳裏にある疑問が浮かんだ…

33 :
『誰が…DVDを放送室で流したの?』

巧海の精神状況や体調ばかりを気にしていて、舞衣は事件の核心…犯人について初めて考え始めていた。

「…あの…迫水先生…今回の事件…犯人はまだ分からないんですか?」

舞衣の表情は険しくなる…

「う〜〜〜ん…何処まで話していいのかなぁ〜〜」

迫水は悩みながら話し始めた…

「生徒や教師の証言から…もう大体特定できてるんですよねぇ〜〜実際…でもねぇ〜〜疑いをかけて
取調べとかすると…今の時代、結構問題になっちゃうんですよ…教師よりも生徒の立場の方が強い時代
ですから…逆に生徒に訴えられたら教師は手も足も出ないんですよ〜〜だから、確実な証拠を掴もうと
してるんですけどねぇ〜〜〜これがなかなか見つからない…」

迫水は既に犯人を特定しているかのような口調で語る…
迫水の言葉を聞き…舞衣の表情は更に険しくなっていった。

巧海を…唯一の家族…巧海を絶望のどん底に陥れた犯人を…舞衣は許せなくなっていた…

「まぁまぁ〜〜そう気負いせずとも…犯人はいずれ見つかりますよ!」

舞衣を気遣う迫水の言葉に、舞衣はハッと我に返った。

「あっ…ごめんなさい…今あたし…凄く怖い顔してたかも…やだなぁ〜〜(笑)」

場の雰囲気を暗く痛々しいものにしてしまったと思った舞衣は、苦笑いしながら迫水に謝った。

「あはは…この話、もう止めましょうね…」

校庭から聞こえる生徒達の声や、セミの鳴き声が聞こえる中…沈黙が続く…

すると、舞衣は思い出したかのように口を開いた。

34 :
「あっ!そういえば、なつき!!なつきは今どうしているんですか!?」

懐かしい名前を口にする…

「あの子確か2年生になって「母親と同じ科学者になってみる…」とか言い始めて、勉強頑張り始めて…
出席日数は相変らずでしたけど(笑)やっぱりどこかの大学に進学したんですか?流石にもうこの近くに
は住んでませんよね〜〜?」

オーファン関係の事件が解決した後も、何かとお互いを意識し合っていた…舞衣となつき…
親友…と言う感じではなかったが、舞衣は玖我なつきの事が常に気になっていた…
勿論…自身が風華学園を退学して…なつきが卒業した今も…

思い出したかのように、舞衣は笑顔で迫水に尋ねてみた。
すると…意外な言葉が返ってくる…

「あぁ〜〜彼女ね、いますよ…まだこの辺に(笑)今も風華町に住んでるんじゃないですかね〜〜」

「はい〜〜〜っ!!?そうなんですか!?なつき…風華町に住んでるんですか!!?」

「あぁ〜〜もしかして、知りませんでしたか?」

「はい、ちょっとビックリしました(笑)あの子理系に進みたいって行ってたから…てっきり県外の
大学に進学したのかと思って…他の同級生に聞いても、みんなあの子の進路は知らないって言ってた
から…やっぱりあの子、卒業後は理系の大学に進学したんですか?」

すると…迫水はため息をつきながら話し始めた。

35 :
「いやぁ〜〜それがですね…確かに彼女、母親と同じ科学者の道を目指していたんですけどね…
肝心の学力の方が全然足らなくて…結局大学受験は失敗しちゃったんですよね〜〜(笑)」

「あっ、分かった〜〜!今も浪人中だとか!?」

「いえ…大学受験失敗の後、彼女は科学者の道をキッパリ諦めたんですよ。その後がよろしくなくて…
風華学園卒業と同時に、ずっと別居していた父親からの援助が途絶えたらしく…貯金を切り崩して生活
していたらしいんですよねぇ…しかも…卒業後は進学も就職もせず…働きもせず…挙句、どこで覚えた
のか…毎日毎日パチンコ・パチスロ三昧という生活を送っていたんですよ…約半年位ですかねぇ〜〜」

「そ…そうなんですか…あはは…何か意外ですね…」

「舞衣さんご存知ですかねぇ〜〜彼女の母親は、私の元同僚でしてねぇ…彼女の事をよく知っている分
何だか放って置けなくて…何もせずブラブラしている彼女をどうにかしようと思いまして…私は彼女に
探偵職を勧めたんですよ…」

「はいぃ〜〜っ!!?た、探偵職!!?なつきが…ですか!!?」

36 :
「はい…彼女は高等部時代から、母親の仇を探す為にいろいろやってましたからねぇ〜〜(笑)この辺の
裏事情にも詳しいし、情報網にも詳しい…何より、情報収集はお手の物ですからねぇ〜〜彼女(笑)それに、
私立探偵という職業は、場合によっては自由業みたいなものですから…彼女には合いそうだと思いましてね…」

「なつきが探偵に…似合ってませんよね〜〜(笑)あの子、上手くやってるんですか〜〜?」

「まぁ、何とかやってるんじゃないですかねぇ(笑)そうそう、2ヶ月前にも会いましたけど…最近では
探偵の域を超えた範囲の仕事も引き受けているらしいですよ(笑)まぁ、いろいろ大変みたいですよ(笑)」

「探偵の域を超えた仕事って…何か気になるけど…まぁ、元気でやってるのなら心配ないわよね(笑)」

なつきが今も元気で過ごしていると聞き、安心した舞衣は笑顔を取り戻した。

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・

もう暫く会話した後、舞衣は中庭を後にしようとする…

「何かあったら連絡ください、私でよければ相談に乗りますよ」

「はいっ、ありがとうございます♪」

最後に一言、声を掛けてくれた迫水に、舞衣は笑顔で挨拶して、その場を去った。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

37 :
午後2時

風華町 市街地

ホテルまでの道程を、一人歩いて帰る舞衣…

「それにしても、なつきが探偵ね〜〜(笑)本当に似合わないわよね〜〜〜♪てっきりランジェリーショップ
の店員さんになってるかな〜〜って思ってたんだけどな〜〜〜(笑)」

なつきの現在を知り、スーツ姿で聞き込み調査をしているなつきの姿を想像しながら微笑む舞衣…
高等部時代の一時を共に過ごした相手が健在である事を知り、舞衣は一安心した。

嬉しそうな舞衣は足取りも軽く…鼻歌交じりで気分よくホテルに到着した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

38 :
おぉ、なつき登場かぁ・・
でもこのご時勢、大学ぐらい行け、と静留が許さない気もするが

39 :
保守させて下さい

40 :
午後6時

市街地  ビジネスホテルの一室

ホテル内のレストランで一人早めの晩御飯を食べた後、舞衣はベッドに寝転がり呟く…

「…それにしても…一体誰が巧海に…あんな酷い嫌がらせを…」

なつきの健在を知り、一時は機嫌が良かった舞衣…
しかし、暫く落ち着いて頭に浮かんできたのは…やはり犯人に対しての憎しみだった。

「誰なの…一体誰が…あっ!もしかして…田島さん…?」

舞衣の頭に浮かんだのは…舞衣に一方的な敵意を持つ田島の顔…
田島の顔を思い浮かべた瞬間…昨日の夜から朝にかけての出来事を思い出す…

「あ〜〜〜ダメダメ!!あれは失敗だったわ!!本当にあたし…お酒がらみの失敗多いよね〜〜」

初めてではない酒がらみの失敗に、後悔の念が込み上げてくる…
同時に、舞衣の携帯に送られてきた脅迫とも思えるメールと、添付された陵辱写真を思い出し…
舞衣は言い知れない恐怖に怯えた。

41 :
「…あの写真で…あたしを脅そうとしているの?」

脅迫されたら…逆らえない…
あの写真が…知り合いに見られたら…
もしも…巧海に見られたら…

そんな事を考えていると、心は落ち着かない…
様々な不安が頭を過り…舞衣は悶えた。

「あ〜〜〜もうっ!!どうすればいいのよ〜〜〜!!」

枕に頭を埋めて脚をバタバタさせ悶える…
散々悶えて考えた結果…舞衣はある結論に達した。

「…気晴らしに…ちょっとだけ飲みに行こうかな…」

まだシャワーを浴びる前だった舞衣は、そのままホテルを後にして、繁華街に向かった。

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42 :
午後6時30分

風華町  繁華街

風華町の中で一番華やかな場所…繁華街…
その繁華街の中でも、独特な雰囲気を醸し出す通りにある飲み屋街…
高等部時代には踏み入った事のない場所に、舞衣は一人向かう…

「ふ〜〜ん、こんな風になってたんだ〜〜♪」

繁華街の奥には比較的大きな通りが2つあり…

一つは飲み屋街…
そして、もう一つは…風俗店が立ち並ぶ通り…

どちらも、学校では絶対に行ってはいけないと言われていた場所…
その一つの通りに踏み入った舞衣は、興味深く周囲を眺めた。
ネオンに照らされ、人で賑わう通りは、気晴らしを求める舞衣を楽しそうな雰囲気で引き込んだ…

「こんなにいろいろお店あるんだ〜〜何処で飲もうかなぁ〜〜♪」

辺りを見回し、自分にあったお店を探していると…背後からポンポンと、軽く肩を叩かれる…

43 :
「はいっ?」

肩を叩かれた舞衣が後ろを振り向くと…そこには二人の男性の姿…
中年肥満のアフロヘアの男性に…白髪の初老の男性…

「おやおや、また会いましたねぇ〜〜舞衣さん」

「あっ、迫水先生!!あはは、また会いましたね♪それに…あの…沢田先生ですよね!?」

「おぉ!!鴇羽クン!久しぶりだな!!どうかね、元気にしていたかね!!」

「わぁあ!!やっぱり先生だ!!はいっ!本当にお久しぶりですねっ♪」

バッタリ出会った男性は、二人とも風華学園の教師…

一人は、昼に再会を果たした迫水…
そしてもう一人は…舞衣が風華学園高等部に転校してきた当初の担任、沢田靖弘…

沢田は、舞衣が転校して暫く1−Aを担当していたが、オーファンの被害に遭い休職…
代わりに担任を務めたのが、あの杉浦碧だった。
高等部2年生時は、再び舞衣のクラスの担任を務めた沢田…
巧海が再び病に犯され…舞衣が学園を自主退学する事を決めた時、出来るだけ給料のいい職を探してく
れたのも、沢田だった。
恩がある沢田に再会する事ができ…舞衣は嬉しそうに握手を交わした。

44 :
「いやぁ〜〜感激の再会の所申し訳ないんだけど(笑)舞衣さん、こんな所でどうしたんですか?」

「ちょっと…一人で考え事してたら…何だか辛くなっちゃって…一人でお酒飲みに来たんです」

「あぁ〜〜いけませんねぇ〜〜でも…分かりますよ、そういうの…」

「鴇羽クン、未成年がお酒を…って…そうか〜〜もう君は二十歳だったね(笑)」

「はい♪あの〜〜先生達は…こんな所でどうしたんですか?」

「実はねぇ、私達も飲みに来たんですよ(笑)そうだ舞衣さん、どうです?我々と一緒に飲みに
行きませんか?この先に行き着けの店があるんですよ」

「いいですね!行きましょう♪」

「教え子と酒を飲むなんて…う〜〜む…迫水君、少しマズイのでは…」

「まぁまぁ、いいじゃないですか(笑)この際固いことは言わず…」

そして舞衣は迫水たちと一緒に、彼らの行きつけのスナックに向かった。

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45 :
午後7時

繁華街に立ち並ぶ飲み屋の中では一番小さい建物…
個人経営の小さなスナックに3人は入る…

「おっ、いらっしゃい先生方!おぉ〜〜今日は女連れですか!?」

「ははっ、彼女は元生徒ですよ(笑)」

「先ほど教え子と偶然再会してね…」

「こんばんは〜〜♪いい雰囲気のお店ですね♪」

狭い店内には3人以外お客はいない様子…
3人は席に着くと、カウンター越しにマスターと話しながらお酒を飲み始めた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

46 :
1時間後…

「ヒック…でぇ〜〜あたしぃ…巧海にお金以外の事…何もしてあげられなかったんです〜〜ヒック…」

「ま、まぁまぁ…舞衣さん、それはしょうがないんじゃないですかねぇ〜〜離れ離れだし、直接会う
事もできなかった訳だし…舞衣さんは最善を尽くしたと思いますよ〜〜」

「…実は私も…少しだけ後悔しているんだよ…君にもっと給料の良い仕事を探してあげる事ができれば…
そう考えていたのだよ…そうすれば…君はもっと楽な人生を歩めたと思ってね…」

「先生方…みんな…ヒック…あたしの事心配してくれてたんですねっ♪ヒック…ふぇえ…嬉しい…」

未だお客は3人だけ…
カウンター席に座り、ウイスキーの水割りを飲む教師二人…
そして、焼酎のロックをチビチビ飲みながら、ほろ酔い加減の舞衣…

酔って饒舌になった舞衣は、巧海に対しての気持ちを存分に語った。

47 :
いつもの悪い癖…
酔いに任せて、思っていることを語り…自虐する…
そして宥められ…感激する…
酒に酔った舞衣の悪い癖が、今日も露になった。

「でもぉ〜〜ヒック…巧海が編入試験合格した時…会いに行けばよかった…ヒック…会って
「おめでとう!!」って…褒めてあげればよかった…あんな事があったとはいえ…久しぶりに
再会して…イキナリ巧海を怒鳴って…叩いて…クスン…あたし…最低…クスン…ううっ…」

一昨日…巧海との数年ぶりの再会を…自分の怒鳴り声と平手打ちで飾った舞衣は、教師二人に
後悔していると告げた…

「そんな事が…でも、巧海くんの事を本当に大切に想っているから…舞衣さんは巧海くんを叱った…
確かに、巧海くんはあの時、傷ついたかもしれませんよ。でも、1日…2日…日が経つと巧海くんも
、舞衣さんがどういう気持ちだったのか分かってくれますよ。彼は賢い子ですから、分かってくれる
筈ですよ…」

「しかし…まったく何処の誰があんな心無い事を…安心しなさい、鴇羽クン!あの事件の犯人は、
我々が絶対に捕まえてやる!!仲の良い姉と弟を傷つけるなんて…許されないことだよ!!」

「クスン…あっ、ありがとうございます〜〜〜♪こんなあたしに…クスン…」

48 :
後悔する舞衣を励ます教師二人…
そして…感激する舞衣…

「ヒック…本当にありがとうございます…あはは…あたし、優しくされるのって、馴れてないんです(笑)」

舞衣は涙を浮かべながらも、笑顔で教師二人にお礼を言った。

「お嬢ちゃん、良い先生達に出会えたんだな…アンタ等…良い先生だよ…まったく…」

この店のマスターは涙もろいのか…目に涙を浮かべながら笑顔で舞衣や沢田たちに話しかけた。

「おじさんも、ありがとうございます♪あはは、何だか凄く嬉しいから…お礼したくなってきちゃった♪」

舞衣は酔っ払い頬を紅潮させながら笑顔を見せる…
笑顔で一人うんうんと納得したような表情を浮かべると、着ていたTシャツに手をかける…
そして、3人の男性の目の前にもかかわらず…躊躇することなく一気にTシャツを脱ぎ捨てた。

「ちょ!ちょっと待ちなさい鴇羽クン!いっ、イキナリ何を!!?」

「おおっ!舞衣さん!何なんですか一体!?」

驚く男性3人…
そんな男性達の表情を面白そうに眺めながら、窮屈なブラを取り払う…
かつての担任や、お世話になった教師…そして初対面の中年男性の目の前に自ら豊満で見事な巨乳を露にした…

49 :
「ヒック…あはは!お礼で〜〜す♪あたしを励ましてくれたお礼に、おっぱい触り放題で〜〜す♪」

あっけらかんとした笑顔を浮かべながら、舞衣は自ら乳房を晒しアピールする…

「いやぁ〜〜舞衣さん、凄いですねぇ〜〜(笑)高等部時代から、大きいなぁ〜〜とは思ってたんですけど
ねぇ〜〜♪いやいや、本当に見事なオッパイですねぇ〜〜♪」

鼻の舌を伸ばし、ニヤニヤしながらジックリと舞衣の乳房を眺める迫水…

「なっ、なな…何だねイキナリ!!?鴇羽クン!や、止めたまえ!服を着なさい!!あぁ〜〜元教え子の
裸を見ることになるとは…ダメだダメだ!!私は教師なんだ!こんな事は…」

一方、沢田は、上半身裸になり見事な巨乳を晒す舞衣を目の前にオロオロと取り乱す…

「まぁまぁ〜〜いいじゃないですか、沢田先生(笑)」

迫水は沢田を宥めながら、隣に座る舞衣の乳房に手を伸ばした。

「おお〜〜っ!これは…大きくて柔らかくて…それでいて見事な弾力ですねぇ〜〜♪」

最初は右手で…次第に両手で舞衣の乳房を揉み始める…
舞衣が高等部に在籍していた頃から密かに眺めていた一部分を、思う存分触ることが出来てご満悦の迫水…

「あっは〜〜〜ん♪迫水先生のエッチ〜〜♪もう手つきがヤラしいですよ〜〜(笑)」

舞衣は抵抗する事もなく…迫水に好き放題乳房を触らせる…
頭の上で両腕を組み…笑いながら乳房を晒し…迫水に乳房を触らせる…

50 :
「とっ…鴇羽クン…破廉恥な…何て破廉恥な…ハァ、ハァ…ハァ…」

笑顔で豊満な乳房を晒し、迫水やマスターに好き放題触らせる舞衣の姿を見て、沢田は既に勃起していた。
ズボンの股間部を膨らませ…唖然とした表情で舞衣の姿を眺めていた…
そんな沢田の姿に、舞衣は気付く…

「あっ、あははっ♪沢田センセイ〜〜〜勃起してる〜〜〜(笑)大丈夫ですよ〜〜♪あたしが、おちんちん
楽にして差し上げますね〜〜♪」

そういうと、舞衣は椅子に座る沢田の前に膝立ちになる…
そして、沢田のズボンの上から股間を撫で回し刺激し始め…
次第に、慣れた手つきでズボンと下着を脱がし始めた。

「あっ!だ、ダメだ鴇羽クン!流石にそれは…淫らな気持ちになった事は謝る!だから…ああっ!!」

「あははっ♪先生のおちんちん、大きいですねぇ〜〜♪ヒック…あたし…こういう事しか取り得がないから…
こういうお礼しか出来ないんです…ヒック…あはは♪何泣いてるんだろ…あたし(笑)先生、こう見えても
あたし、フェラが得意なんです♪学園を中退した後、あたしがどれだけ頑張ったか見てくださいねっ♪」

目に涙を浮かべる舞衣は、晒された沢田のペニスを笑顔で咥え…口で愛撫を始めた…

51 :
「あむぅ〜〜〜むっ、んちゅっ♪ちゅぱちゅぱんちゅっ♪んっ、んっ、んちゅっ、んっ♪んちゅ、じゅる…
ちゅぱじゅる…ちゅっ、ちゅく、んっ♪んちゅっ、んっ♪んちゅちゅく、じゅるじゅぷちゅぱじゅる♪」

唇をすぼめ…頬を凹ませ…上目遣いで沢田が快感に喘ぐ姿を確認しながら…舞衣はペニスを愛撫する…

「じゅぽじゅるっ♪ちゅぱっ♪んちゅ♪んっ♪んちゅ♪ちゅぱ♪じゅる♪ちゅぱちゅぱじゅるっ♪んっ♪
んふぅ〜〜んっ♪んっ、んっちゅ♪ちゅぱ♪んふぅ〜〜〜れろれろちゅぱちゅるじゅるっ♪」

「あっ!!あぁ…ハァハァ…あっ!!止めたまえ鴇羽クン!!ああっ!!ダメだ!!私は教師失格だ!!」

超一流のフェラの技術を披露する舞衣に、沢田は喘ぎながら自分を責める…
長年連れ添った妻ですらしてくれなかった口での愛撫…
沢田はあまりの快感に意識を朦朧とさせながら舞衣に話しかける…

「だっダメだ!!鴇羽クン!!もっと…自分を大切にしなさい!!こんな事は…あああっ!!?」

こんな事は…の後に何を言おうとしたのか…
その後の台詞を話さないまま…沢田は舞衣の口の中で絶頂に達した。

52 :
「んっ♪ゴクッ…ゴクッ…んっ…んっ…んはぁ〜〜〜♪どうです〜〜?気持ちよかったですか〜〜?
ヒック…沢田センセイお年の割に精液の量が多いじゃないですか〜〜♪若〜〜い♪」

沢田の精液を一滴残らず飲み干すと、笑顔で沢田に話しかける…
すると舞衣の目の前に、既に下半身を曝け出した迫水が現れ…

「沢田先生は、もうグッタリしていらっしゃる(笑)では舞衣さん、私のもお願いできますかねぇ〜〜?
私にも見せて下さいよ〜〜♪学園を中退してからの頑張り…中退した後、必に生きる為に、大切な人を
守る為に磨いてきた技を…巧海くんを救う為にどんな事をしてきたのか…あぁ〜〜そうだ、今日はまだ
入浴してないから〜〜かなり蒸れて汗臭いけど…大丈夫ですよねぇ、舞衣さん(笑)」

見事な太鼓腹と、黒々としたペニスを晒す迫水は、舞衣の口元にペニスを押し付ける…

「クスン…えへへ…見てくださいね♪あたしが…どれだけ頑張ったか…巧海の為に…どれだけ頑張ったか…」

巧海の名前…そして「苦労」 「頑張る」などの言葉を出され、酔っ払った舞衣は感極まって涙を浮かべる…
そして、迫水の期待に応えるように…ペニスを咥えた…

53 :
「はむぅ…んっ♪ちゅぱっ♪んちゅっ♪んっ、んっんちゅっ♪んちゅれろちゅっ♪れろっ♪んっ♪」

まるでヒョットコのような顔を晒しながら、舞衣はフェラチオを続ける…
瑞々しい唇で圧迫しながら、舌をペニス全体に絡め…唾液で潤う口内からは卑猥な水音を立て…
額に汗を浮かべながら必に頭を上下させ、濃厚な口での愛撫を続ける…

「んちゅっ♪んちゅっ♪ちゅく♪んっ♪んちゅっ♪じゅるっ、ちゅるじゅるっ♪んっ、んっ♪」

「あっ、ああっ!!凄い!!凄いですよ舞衣さん!!さすが…元風俗嬢…はぁ、はぁ…これは堪らん!!
はぁ、はぁ…あんな快活な高校生だった貴女が…こんな風に…誰のものでも咥える職業についていたとは…
はぁはぁ…ううっ!!もうダメだ!!ああっ!!こ、このっ!!ス、スケベ奨学生ぃぃいぃ〜〜〜っ!!」

高等部時代の舞衣の面影と…今現在、痴態を晒す舞衣の顔を照らし合わせ…興奮する迫水…
言葉に言い表せない快感に悶えながら…迫水は高等部時代の舞衣を思い浮かべ、思いっきり射精した。

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54 :
午後10時
飲み屋街  個人経営スナック前

「とっ…鴇羽クン!!すまなかった!!私とした事が!!」

「イヤァ〜〜鴇羽さん、私、ちょっと調子に乗っちゃいましたねぇ〜〜(笑)申し訳ありません…」

「お嬢ちゃん…俺にもしてくれるなんて…舞衣さん…だったかな…アンタ良い娘だよ…」

若干酔いが覚めた3人の男達は、揃って舞衣に頭を下げていた…

「あはは♪いいんですよ〜〜(笑)これって、あたしの癖なんです(笑)」

3人の男達は、舞衣に2度3度口で絶頂に導かれる度に、酔いが覚めて行った…
舞衣も、3人の男達のペニスを咥えて愛撫しているうちに、自然と酔いが覚めていった…
若干正気を取り戻した4人は、何故かお互い遠慮していた…

「…あっ!もう遅いから…あたし、帰りますねっ♪今日はご馳走様でした〜〜♪」

「…あぁ、気をつけて帰りなさい!あと…何かあったら、すぐに私に相談しなさい!いいね!!」

「は〜〜い♪ありがとうございま〜〜す♪」

3人の男達に手を振りながら笑顔で繁華街を去って行った。

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55 :
午後11時
ビジネスホテルの一室

宿泊先のホテルに着いた舞衣は、すぐにシャワーを浴び…
ショーツ一枚姿のままベッドに寝転がった。

「あぁ〜〜〜またやっちゃった…あたしの悪い癖…はぁ…優しい言葉に弱いのよね〜〜あたし…」

時間が経ち…更に正気を取り戻した舞衣は、自分が取った行動に後悔していた。
酔った挙句、優しい言葉をかけてくれた男性のペニスを咥える…
舞衣の悪い癖…決して初めての過ちではなかった…

「巧海の元担任に…あたしの元担任の先生に…見ず知らずの男の人に…はぁ…気まずいなぁ〜〜
次に出会った時、あたしどういう顔すればいいのよ〜〜(笑)」

苦笑いする舞衣…

「怒ったり…笑ったり…泣いたり…情緒不安定よね…やっぱりあたし…疲れてるのかな…はぁ…」

何かあれば深く考え込み…嫌気が差し、お酒に逃げる…
自分の心が若干荒んでいる事に改めて気付く…

「あっ、そうだ…明日は碧ちゃんと待ち合わせだから…早く寝ないと…」

寝転がっているだけで…徐々に眠気に包まれる…

「ふぁあ〜〜あっ…そういえば…祐一に連絡しとかないと…まぁ…明日でいいわよね…」

欠伸しながら一旦は携帯を手にする…しかし、眠気には勝てず…枕元に携帯を置いた。

「…碧ちゃん…明日、何処に連れて行ってくれるのかな…」

舞衣は、明日の外出を楽しみにしながら、ショーツ一枚姿というだらしない格好でいつの間にか寝息を上げていた。

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56 :
仮に詩帆とか悪人が滅んでも、舞衣のこの愚かさは治りようが無い
どうせアル中か性病になってぬし、巧海を悲しませないためにも
晶君がひとおもいにしてあげたほうが・・

57 :
7月30日   午前11時

ビジネスホテル前

「あぁ〜〜〜アタマ痛い…流石に2日続けてお酒飲みすぎたらキツイわ…」

日差しが強くなり始めたお昼前…
舞衣は、ここ2日間で起こした自分の自棄ぶりに自己嫌悪しながら、二日酔いによる頭痛に唸る…

自分に悪意を持つ同級生の罠に嵌められ…輪姦され…
あられもない姿を写真に撮られ…
酒に酔い…羽目を外して…顔見知りの男性のモノを咥え…

「…あたし…何やってるんだろ…あ〜〜〜ダメダメ!!しっかりしないと!!」

自分が注意深く行動していれば、未然に防ぐことが出来た災難…
舞衣は、自分の無防備さに自ら呆れていた…

「それにしても碧ちゃん、今日は何処に連れて行ってくれるのかな…」

そう…今日は碧と外出する約束の日。
舞衣はホテルの玄関口で、夏の日差しを避けるようにして碧の到着を待った。

数分後…
一台の軽自動車がホテルの前に停車する…

58 :
「お待たせ〜〜〜舞衣ちゃん!!ちょっと遅くなっちゃった〜〜ゴメンね〜〜♪」

颯爽と現れた碧は、満面の笑顔で舞衣に挨拶する…
いつもと変わらないラフな格好の碧は、舞衣を車に招き入れる…

「ゴメンね〜〜ちょっと学園で一仕事済ませてきたら遅くなっちゃった(笑)もしかして、待った?」

「ううん、大丈夫。あたしも今降りてきたばかりだから♪」

舞衣は車の助手席に座る…
エアコンが効いている車内の空気は冷たく…舞衣の体の汗は一気に引いた。

「んふふ〜〜♪二人でお出かけなんて初めてだよね?何だか楽しみだなぁ〜〜♪」

「ねえ碧ちゃん、今日は一体何処に連れて行ってくれるの?」

「それは着いてからのお楽しみ〜〜〜♪じゃ、行こうか♪目的地に向かって、しゅっぱ〜〜〜つ!!」

ニッコリ笑顔を浮かべた碧は、前方を指差すと元気よく声を上げ、アクセルを踏む…

「とりあえず港まで飛ばすねっ♪」

「安全運転でお願いね〜〜!」

碧が運転する車は、舞衣がまだ知らない目的地に向かって走り始めた。

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59 :
ちょうど同じ頃…

午前11時30分   

風華町 市街地   喫茶店

ここは、とある喫茶店…
狭い店内には4つのテーブルが並べられ…
一番奥のテーブルに座っているのは、2人の女性…

「本当にありがとうございました!本当に…何とお礼を言っていいのか…」

一人は…少々肥満気味の、派手に着飾った中年女性…

「…では、今回の件は「解決」と言う事で…成功報酬を頂きたいのだが…」

そして…もう一人は、黒いスーツに身を包んだ若い女…

「はい♪成功報酬…3万円でしたよね?どうぞ♪」

中年女性は、スーツ姿の女に封筒を手渡す…

「それにしても…クスン…本当に…本当に…行方不明になったアンナちゃんと再会できるなんて…
もう二度と会えないと思っていたから…嬉しくて…本当にありがとうございました!!」

感極まり涙を浮かべる中年女性…

その中年女性の喜ぶ姿を見届けると、若い女は席を立つ…
そして、長い髪の毛を手でをかき上げると、中年女性に優しい笑顔を向ける…

「…それでは、私は次の仕事に向かうので…」

そう一言告げると、スーツ姿の女は喫茶店を後にした。

60 :
モデルのようにスレンダーな体型ながらも、要所に女性らしい膨らみを維持した見事なスタイル…
そして印象的な…深い青色がかった…ストレートの美しいロングヘア…
口数も少なく…正にクールビューティーという言葉がピッタリの女…

この女の職業は…私立探偵…
そして…事件を一つ解決して、成功報酬を受け取った彼女が向かった先は…
風華町でたった一軒あるパチンコ店…

「…ふふっ…ふふふっ…見てろよ…今日の私は多分ツイてるぞ…」

不敵な笑みを浮かべ…女は騒音激しいパチンコ店内に消えた…

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61 :
午後1時

愛媛県 某 田舎町

風華町の港から定期船で15分…
舞衣と碧は、風華町の隣に位置する町を訪れた。
到着後、港のレストランで食事を済ませた二人は、歩いて町を散策する…

「へぇ〜〜〜風華町の近くに、こんな所があったんだ〜〜♪」

「静かで、空気も綺麗でいい所でしょ〜〜?」

町…というよりも、村と言った方がいいような…自然に囲まれた地域…
埋め立てられ、近代的に整備された人工的な造りの島である風華町とは対照的な場所…

「あら、お嬢ちゃんたち、いらっしゃい♪」

町の通りを歩いていると、年配の女性が舞衣と碧に挨拶する…

「おばあちゃん、こんにちは〜〜♪」

「こんにちは、静かでいい所ですね♪」

舞衣と碧も、年配の女性に挨拶を返した。

一番栄えているであろう港町のメインストリートは、人が少なく…
しかも、出会った人たちは全員お年寄り…
ここが過疎化に悩む町だと言う事を、舞衣は何となく肌で感じた。

62 :
徒歩で20分…

二人は山間に辿り着く…
緑に囲まれた山間は、風華町よりも若干涼しく感じた。

より一層、緑が生い茂り…
清流と言えるような…綺麗な川が流れ…
人里離れたような…そんな景色が広がる…

「ねえ、碧ちゃ〜〜ん、まだ歩くの〜〜?」

「そろそろ着くよ〜〜ほら、見えてきた!!」

綺麗な川に架かる橋を渡りきった先に見えたのは…何かの施設のような建物…
その鉄筋コンクリート造りの小さめの建物の入り口には、大きな看板が掲げられていた。

舞衣はその建物の前に辿り着く…

「…介護老人ホーム…うたやま荘?」

舞衣は看板を読み上げた…

「あはは、舞衣ちゃ〜〜ん♪今日の目的はそこじゃないよ〜〜♪」

碧は笑いながら舞衣を呼ぶと、その建物の隣を指差した。

63 :
「はいっ?ここじゃなくて…あそこ?」

碧が指差した先には、近代的な老人ホームとは対照的な…古く小さな木造の小屋…
その小屋の向こう側は、木製の塀で周囲を囲み…
そして、塀の向こう側からは、若干の湯気が立ち昇っていた。

「あ〜〜っ!分かった!!ここってもしかして…温泉!?」

「ピンポ〜〜ン♪正解!!ここは秘境の露天風呂!!温泉好きには堪らないベストスポットなのよね〜〜♪
何年か前に教授に教えてもらったんだけどさ、私、休みの日とか、疲れたらここに来るようにしてるの。
ほら、舞衣ちゃん…何か疲れてるみたいだし…一緒に温泉に入って疲れを癒そうかな〜〜と思ってね♪」

碧はバッグからタオルを二枚取り出すと、一枚を舞衣に手渡した。

「へぇ〜〜温泉って、あたし初めてなのよね〜〜♪ちょっと楽しみだなぁ〜〜♪」

「ふふ〜〜ん♪それはよかった♪じゃ、早速温泉、入りましょうか♪」

夏の太陽が照りつける…
しかし、緑に囲まれたこの場所は、暑さを若干緩和してくれていた。
二人は汗を流し、疲れを癒すべく、自然に囲まれた露天風呂に向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

64 :
古く小さな木造の小屋…
しかし外観とは裏腹に、室内は清潔的な脱衣場になっていた。
そんな古い温泉の脱衣場の中に、似合わない若い二人の女の姿が…

「舞衣ちゃんビックリするよ〜〜♪本当に景色が凄いんだから!」

笑顔で話す碧は、既に一糸纏わない全裸姿…
あっという間に脱いだ衣服を木造の棚に入れると、肩にタオルをかけ、惜しげもなく裸体を晒した。

「あはは…碧ちゃん丸見え…」

羞恥心も無く裸体を晒す碧に、舞衣は呆れて苦笑いした。

「ここは温泉だから良いんだよ〜〜(笑)ほらほら、舞衣ちゃんも早く脱いで脱いで!!」

舞衣に早く脱衣するよう即す碧…
舞衣はやれやれといった表情で、服を脱ぎ始めた。

「わぁ!!舞衣ちゃん、やっぱり胸大きいよね〜〜(笑)」

衣服を脱ぎ終えた舞衣…
一糸纏わない全裸になった舞衣は、僅かに羞恥心があるのか…股間辺りをタオルで隠す…
その舞衣の身体をジックリ眺める碧は、その見事な大きさの乳房に感嘆の声を上げた。

「あはは…やっぱり胸なんだ(笑)」

再び苦笑いしながら、舞衣は自分の胸を持ち上げてみせる…
小学生時代から、修学旅行や林間学校などのお風呂の時間…体育やプールの着替えの時間など…
肌を晒す機会がある時は必ずといっていいほど注目される、舞衣の胸…
既に注目される事にも慣れている舞衣だったが、流石に今でも苦笑いしてしまう…

「だって凄いじゃない!大きいし、形もいいし!トップだって綺麗だし〜〜うらやましいなぁ〜〜♪」

「碧ちゃんだって凄くスタイルいいじゃない♪あたしなんかより腰周り細いし、脚も長いよね〜〜!」

65 :
舞衣も負けず碧のスタイルを褒めた。
既に27歳になったにもかかわらず、数年前と変わらないスタイルを維持する碧…
舞衣とは対照的な、どちらかと言うとスレンダーな体型に、舞衣にも負けない見事な巨乳…
お腹や腰周りなど…全身の何処にも無駄な贅肉はなく、若干不摂生な生活を送りながらも、
美容には気を使っていることが伺えた。

「んふふ〜〜ん♪その大きい胸を自由にできる楯くんは幸せ者だねぇ〜〜♪」

「はい〜〜っ!!?ここでそれを言うかな〜〜(笑)」

碧の言葉に、舞衣は思わず赤面した。

「碧ちゃんだって、美人だし〜〜スタイルいいし〜〜どうせ彼氏とかいるんでしょ?」

「ん〜〜〜キツイ質問!!黙秘権つかっちゃおうかな〜〜(笑)」

舞衣も興味本位に、碧のプライベートを探る…

「実はさ〜〜〜1年前に教授と別れて以来…フリーなんだよね〜〜(笑)」

「あっ、そういえば大学の教授さんと付き合ってたんだよね?別れちゃったんだ…」

「ま、別れたっていうか…一方的に私が慕ってたんだけどね(笑)で、1年前にコンビ解消と共に、
自然別れって感じで…今明かしちゃうけど、彼には奥さんがいて、家族がいて…元々無理な恋愛
だったんだけどね〜〜(笑)」

「ちょ、ちょっと!それって不倫じゃない!?」

「あはは!そんなつもりは無かったんだけどね〜〜(笑)やっぱりそうなっちゃうよね〜〜(笑)
私は、ある程度引いて付き合っていたつもりなんだけどね…やっぱり罪悪感もあったかな…あっ!
言っとくけど〜〜健全なお付き合いだったんだからねっ!!師匠と弟子って感じ!?」

「ふ〜〜ん、健全なお付き合い…その教授さんって、紳士だったのね〜〜」

「そうなの!!だから良かったの!!でもさ〜〜ここにフリーのイイ女がいるってのに、どうして
男が寄って来ないのかな〜〜(笑)何してんのよ男共はっ!て感じだよね〜〜(笑)」

66 :
年齢の離れた女性が二人…
「元担任」 と 「元教え子」
在学中は教師と生徒の壁に阻まれ、ある程度の距離があった二人…
しかし今は、その二人が何も阻まれずお互いのプライベートを笑顔で話している…
二人は不思議な感覚に包まれながら、笑顔で会話を交わした。

・・・・・・・・・・・・・・・

しばらく会話していると、脱衣場の向こうのドアが開き、露天風呂から人が現れる…

「ふぅ〜〜いいお湯だった…あら、お嬢さん方、いらっしゃい」

「あっ、こんにちは〜〜お邪魔してま〜〜す♪」

目の前に現れたのは初老の女性…
笑顔で挨拶すると、タオルで体を拭きながら話し始める…

「本当に珍しいわ〜〜あなた達みたいな若い女の子達が、こんな温泉に来てるなんて」

「そうなんですか?やっぱり若い人は少ないんですか?」

「そうね〜〜少ないわ…ふふっ♪これは後から来るジジイ達が喜ぶわねぇ〜〜♪」

「じじい達〜〜って、あれ?ここって確か、少し前まで女湯と男湯で別れてた筈だけど〜〜?」

「そうそう、露天風呂内を仕切る大きな壁、あったでしょ〜〜?あれ、無くなっちゃったの。
露天風呂を維持する為に、あれは良くなかったらしくてねぇ、取っ払って混浴になったのよ」

この露天風呂が混浴になった事を伝えた初老の女性は立ち去る…

67 :
「…あはは…舞衣ちゃ〜〜ん、ここ混浴になっちゃったんだって(笑)」

予想もしていな出来事に、思わず苦笑いする碧…

「どうする〜〜舞衣ちゃん、流石に抵抗あるよね〜〜?私は、昔から発掘調査先の温泉とか浴場で
混浴は慣れてるからいいけど…温泉初心者で混浴はちょっとキツイよね〜〜?」

「うん、大丈夫♪あたしは平気♪」

「え〜〜っ!?本当に?舞衣ちゃん無理してない?何か無理強いしてて悪い気がしちゃうよ〜〜(笑)」

「そんな事ないよ、あたし…人前で裸になるの、元のお仕事で慣れてるし(笑)それに折角碧ちゃんが
勧めてくれた場所だし、あたしこの温泉に入ってみたいの♪この際だし一緒に入ろうよ♪」

舞衣を気遣う碧とは逆に、舞衣は温泉に入りたい様子…

「あはは…そう来たか(笑)痛々しい理由だけど…まぁ、舞衣ちゃんがそういうなら…いいかな♪」

碧は肩にかけていたタオルを頭に巻くと、体を一切隠すことなく露天風呂の入り口に向かった。

「じゃ、折角だし!いいお湯といい景色を存分に楽しみましょうか!!」

二人は山の景色といいお湯を楽しむ為に、露天風呂に向かった…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

68 :
もう幸せにしたってや

69 :
ごめんなさい
まだ書きたい事がたくさんあるので、
もう少しだけ書かせて下さい。
というか、読んでくださってる方いるんですね(笑)
ありがとうございます

70 :
キャラのいいところも描いてやってほしいなー、なんて。
現状、肯定的に描かれてるのって晶君ぐらいだし。

71 :
迫水先生…今回の事件…犯人は…

72 :
午後2時

混浴露天風呂

「うわぁ〜〜〜結構広いわね!」

「でしょ〜〜?ほら見て!景色も凄いんだから!!」

「本当にいい景色…でも、何か壁が低すぎない?周りから丸見えな気がするんだけど〜〜(笑)」

「まぁまぁ、そこは気にしない気にしない(笑)」

脱衣場のドアを開け、露天風呂内に入る二人…
目の前には、田舎によくある「共同露天風呂」の光景が広がっていた。
しかし、中は意外と広く、視線を少し上げれば周囲の山々が見渡せる絶景の景色を味わう事ができた。

舞衣が一歩進もうとすると、碧は舞衣の歩みを止める。

「チッチッチッ!舞衣ちゃ〜〜ん!温泉のマナーを知らないね〜〜?」

すると、碧は舞衣をビシッと指差すと、声高らかに諭しはじめた。

「温泉のマナー!!お湯の中にタオルは入れちゃダメ!!よってタオルで隠すのは厳禁!!」

碧は、タオルで股間あたりを隠す舞衣を指差した。

「はい〜〜〜っ!?隠しちゃダメって…それって丸見えじゃない!?」

「舞衣ちゃんは、いつもお風呂で隠したりするの〜〜?しないでしょ?これは温泉のマナーなの!!
はいはい!マナー通りにタオルはそこのカゴに入れようね〜〜♪」

「あ〜〜んもう分かったわよ〜〜!!」

舞衣は渋々タオルを露天風呂入り口にあるカゴに入れる…
一糸纏わない全裸の舞衣と碧…
両手で股間辺りを隠す舞衣…
堂々と惜しげもなく裸体を晒す碧…
二人は見事な巨乳をユサユサと揺らしながら、岩盤を平らに整えた床面を歩き、奥まで進んだ。

73 :
「ぉぉ…っおぉぉ…へぇぇ…ぇぇ…ぁれ…誰カノ?」

「あっ、こんちゃ〜〜♪お邪魔しま〜〜〜す♪」  

「ひゃっ!!?あ、あはは…こんにちは〜〜♪」

暫く奥まで進むと、二人はお湯に浸かる先客…小柄な老人と出会った。
笑顔で挨拶する碧…
そして、若干照れながら挨拶する舞衣…
二人の態度は対照的だった。

「ぃらっシャゃぃ…ぇふぅ…ぇぇ…ぁぁ…ヮぁしぃ…っょっト…」

見事な裸体を晒して歩く二人の女を目の当たりにする老人…
ほんの少しでも性欲がある男なら、視線を釘付けにしてしまうような状況…
しかし老人は二人の姿を見ると、恥ずかしかったのか…離れた場所に移動してしまった。
そんな事もあまり気にせず…二人は身体に付いた汗を流すべく、かけ湯を始めた。

そして、ゆっくりとお湯に浸かる…

「んはぁ〜〜〜!気持ち良いっ!!今日も良いお湯だねぇ〜〜〜♪」

「あぁ〜〜〜本当に気持ち良い…はぁ…温めでいいお湯…思ったより熱くないのね」

「そうなの、だから夏でも結構気持ちいいでしょ〜〜?」

お湯の心地よさに、二人は思わず声をあげた。
うんっと腕を伸ばし、心地よさそうに唸る碧…
目を閉じ、暫く無言でお湯の心地よさを味わう舞衣…

その透明のお湯は温度も低く、ぬるま湯と言った感じで、夏の疲れを癒すには最適のお湯だった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

74 :
風に揺れる山の木々や小鳥の鳴き声が響く中…
暫くの沈黙が続く…

心地よさそうな吐息を漏らす碧…
碧の様子を伺いながら、舞衣は口を開いた。

「…あの〜〜今更だけど…今回の件は本当にごめんね…」

舞衣の言葉を聞き、碧は思わず噴出した。

「あはははっ!どうしたの〜〜?舞衣ちゃん、今更〜〜(笑)」

舞衣の真面目な表情が面白いのか…碧は笑いながら舞衣に尋ねる…

「うん…あのね、今回…巧海が学校で迷惑かけたじゃない?あれって、根本は…あたしのせいよね?
あたしが…あんなお仕事してたから…あたしが…もっと普通のお仕事で稼いでたら…あんな事には
ならなかったと思うの…巧海まで傷つけちゃって…はぁ〜〜〜何かあたし、最悪よね…」

ため息混じりに、自分を責める舞衣…
そんな舞衣を見て、碧もため息混じりに話し始めた。

「考え過ぎだって〜〜!舞衣ちゃん!!」

碧は頭の上で腕を組み、脚を伸ばしながら語り始めた。

75 :
「舞衣ちゃんはさ〜〜ただ一生懸命頑張ったんだよ…大切な巧海くんの為にね…確かに、お仕事の
内容はアレだけど…でも舞衣ちゃんの努力の甲斐あって、巧海くんは助かったじゃない?だから…
これでよかったんだと思うよ…」

碧は何とか舞衣を励まそうとする…
そして碧の口から出た言葉は、昨日の夜…迫水が口にした内容と同じだった。

「…巧海が逃げ出した時…碧ちゃん、本当に巧海の事心配してくれて…ありがとう」

「あはは♪いいって!!こういう事は、教師やってたらしょっちゅうだからね♪それに、こういう
お節介な事が好きだから教師なんてやってるんけどね(笑)」

「ありがとう…そう言ってもらえると…ちょっと安心したかな」

舞衣はほんの少し心が楽になったのか…若干笑顔を取り戻した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

76 :
「巧海…学校でクラスのみんなと上手くやってる?」

「そうね〜〜巧海くんは転校初日からクラスに溶け込んでる感じだったよ〜〜」

「そうなんだ…よかった」

「そりゃ〜〜異例の「飛び級編入試験」を合格した優等生だもん♪みんなからは羨望の眼差しを受けてるよ〜」

「あはは(笑)本当に?巧海が?何か信じられないわね〜〜(笑)」

「男子からも女子からも人気ある…良い子だよね〜〜巧海くんって…」

「ねえ、碧ちゃんから見て、巧海ってどんな生徒なの?」

「そうねぇ〜〜」

碧は少し考え…間をおいて話し始めた…

「基本良い子だと思うよ〜〜本当に。素行面は問題ないし…素直で性格もいいし…成績も優秀だし?
そうそう、この前の中間テスト、巧海くん学年トップだったんだよ〜〜♪いやぁ〜〜クラスの担任
として鼻が高いわ♪」

「本当に〜〜?何か褒めすぎじゃない?」

自分の弟が…しかも、唯一の肉親である巧海が褒められれば、舞衣も悪い気はしない。
しかし次の瞬間、碧の表情は一瞬暗くなる…

77 :
「でもね…巧海くん…ちょっと精神的に脆い部分があると思うんだ…」

「精神的に…脆い部分?」

「うん…療養中も医大への夢を諦めずに、独学で勉強を頑張って…風華学園に転入して…病気が治ったとは
いえ、多少のハンデはあるけど…それを理由に甘えない、彼は芯の強い子だと思う…芯の強い子だけど…
ほんの少しだけ、心に弱い部分があると思うんだ…舞衣ちゃんにも似たところがあると思うんだけど…
分かるでしょ?」

図星だったのか…碧の言葉を聞き、舞衣は内心驚いた。
そして同時に、碧の視線が自分の二の腕あたり…多くの注射針の傷痕に注がれていることにも気付いた。

精神的な弱さ…

何か極端に辛い事があると、何かに逃げてしまう…
今までも、アルコールやドラッグに逃げてしまった自分を思い出し、舞衣は驚きながらも納得していた。

「あはは…やっぱり姉弟だよね〜〜(笑)そういう所似ちゃうんだ…」

舞衣は思わず腕の注射針の傷痕を手で隠した。

「…あっ!ゴメンね!そういうつもりじゃなかったんだけど…思わず見ちゃった…」

碧は視線を舞衣の腕から顔に移すと、苦笑いして謝った。

「…舞衣ちゃん、やっぱり…退学してから辛い事ばかりだったの?」

「まぁね〜〜(笑)辛い事には慣れてるつもりだったけど、いろいろあって辛かったわね(笑)」

「…クスリ…使っちゃう程?」

「こ、これは…ほんの数ヶ月前使っちゃったの…それまでは、真面目に一生懸命働いて頑張ってたんだから」

「うん…もう使ってないんだよね?陽子から話は聞いてる」

首を振り、もう薬物は使ってないことをアピールする舞衣…
そして、笑顔でそれを聞き入れる碧…

78 :
「話は戻るけど、やっぱり巧海くん…心に弱い部分が少しだけある子なの…だから…彼には心の支えに
なってくれる人がいればいいな〜〜って私は思ってたの。特に、いろいろあった今は…」

碧は立ち上がると、お湯の中を少し歩き…岩場に腰掛ける…

「実はさ、今日舞衣ちゃんをここに誘ったのは、他に目的があったの」

「はいっ?目的?」

「舞衣ちゃんさ〜〜夏休み中だけでいいから風華町に滞在して、時々巧海くんに会ってあげて欲しいの」

「はいぃ〜〜〜っ!?風華町に住んでって…あたしが!?」

「うん、今の巧海くんには舞衣ちゃんが必要だと思うの。教師とか、友達とか…他人じゃ出来ない心のケア
が必要だと思うし、巧海くんも凄く心強いと思うんだよね〜〜」

「う〜〜ん…確かに、出来ればいいんだけど〜〜いろいろ問題あるじゃない?住む所とか〜〜」

舞衣も、暫く巧海の側に居てあげたいと思っていた。
特に、巧海が自分のせいで心を傷つけてしまった今は…
しかし今宿泊しているビジネスホテルも、使用期間はもう数日と聞いている今、いろいろと問題があった。

79 :
「そこなんだけどさ、この温泉の隣に、老人ホームがあったの見た?」

「あ、うん、あったよね」

「あの老人ホーム、今、臨時のアルバイトを募集してるんだよね〜〜」

「バイト募集?」

「うん、住み込みで働けるバイトの子を募集してるんだって。だからさ、ここで住み込みで働いて、時々
巧海くんに会ってあげるといいんじゃないかな〜〜と思ってね。ほら、舞衣ちゃん料理とか得意だし、
面倒見がいいし、人のお世話とか得意そうじゃない?だからピッタリだな〜〜と思って♪」

「住み込みで…う〜〜ん、どうしようかなぁ〜〜確かに、今あたし何もしてないから…ありがたいんだけど」

「じゃあさ、ここで働いちゃいなよ舞衣ちゃん!ここから学園の寮まで、大体1時間で着くじゃない?3日
に1回でもいいの…巧海くんに会ってあげる事できるといいんだけど〜〜お願いっ!」

碧は手を合わせて舞衣にお願いしてみる…

「うん…ちょっと考えさせてね…」

舞衣は返答を保留した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

80 :
また悪い予感が

81 :
「ま、確かに…いきなり決めるなんて出来ないよね〜〜(笑)」

答えを保留した舞衣に笑顔を向ける碧…

「でもさ、ここ結構過ごしやすいと思うんだけどな〜〜うんっ…あぁ〜〜〜気持ち良い♪」

碧はお湯に浸ける身体を心地よさそうにうんっと伸ばす…

「ほら、舞衣ちゃんってさ…高等部時代も毎日バイト三昧だったし、巧海くんの看病とかで忙しかった
じゃない?3年生の春で中退した後も、やっぱり毎日忙しかったんでしょ?お仕事も…大変みたいだった
し…のんびりした時間とか、そんなに無かったと思うんだよね〜〜」

碧は舞衣の背後に回る…
そして、舞衣の露になった肩を両手で優しく揉み解す…

「まぁね〜〜確かに忙しくて…お友達と遊んだり、部活動とか…ちょっと憧れてたけどね〜〜(笑)
それに…学校辞めた後も大変だったし…って…ひゃっ!?えっ?碧ちゃん…何?」

突然の碧の行為に驚く舞衣…
しかし、その肩揉みの心地よさに舞衣は脱力する…

82 :
「いろいろ大変だったと思うんだよね…だから…この辺でさ、ちょっと一休みとかどうかな〜〜ってね♪」

「はいっ?一休み?」

風華学園在学中から、舞衣の苦労を知っていた碧…
他の生徒達には無い苦労を一身に背負い、直向に日々を過ごす舞衣の姿を知っているからこそ出た言葉だった。

「昔からさ…舞衣ちゃんは頑張り過ぎなんだよね〜〜(笑)まだまだ人生は長いんだから、ここら辺で
一休みなんかどうかな〜〜って♪人生の…ほんの一時…ほんの一ヶ月だけでもさ…こういう静かな所で…
ゆっくり働いて…毎日いいお湯に浸かって…のんびり過ごして休養するのもいいんじゃない?」

「のんびり過ごす…か…どうしようかなぁ〜〜」

一休み…
正直舞衣は悪くないと思った。
自分の半生を振り返ると…何となくそう思えてきた。

その時…

83 :
チャプチャプとお湯が波立つ…
音の聞こえるほうを向けば、先ほど遭遇した小柄な老人がお湯から上がる姿が見えた。
老人はお湯から上がると、木の小さな椅子に腰を下ろす…
そして、ボディソープをスポンジに垂らして身体を洗い始めた。

「ぁぁ…ェンャコラ…エンヤコラ…エヘェ〜〜」

独特な旋律をうわ言のように呟きながら歌う老人は、スポンジを身体に当てゴシゴシと体を洗う…
腕や胸板、お腹や脚を洗う老人…
そして、肩や背中を洗おうとした時…

「セナカ…手ガトドカナい…アァ…アッ…」

老人は、泡立つスポンジを床に落としてしまった…

「トドカナイ…エイ…トドカナイ…アァァ…」

小さい椅子に座る老人は、座ったまま床に手を伸ばす…
しかし、老人はスポンジを拾うことが出来ない…
オロオロする老人…

84 :
「あはは…しょうがないわね〜〜(笑)」

それを見かねた舞衣は立ち上がる…
そしてお湯から上がると、木の椅子に座る老人に歩み寄った。

「はい、おじいちゃん♪」

舞衣は床に落ちたスポンジを拾ってあげると、笑顔で老人に手渡した。

「アァ…リガトオ…アリガトォ…ジョウチャン…リガトォ」

小柄な老人は照れながら舞衣にお礼を言う…

「どういたしまして♪っていうかおじいちゃん、お背中流してあげましょうか?」

舞衣は笑顔でそういうと、老人の手から泡まみれのスポンジを受け取る…
そして中腰になると、椅子に座る老人の背中をスポンジで擦り始めた。

「んしょ、んしょ…っと、どうです〜〜?気持ちいいですか〜〜?」

老人の小さい背中を洗い終えると、次は腕を丹念に洗い始める…

「は〜〜い、次は腕を洗いましょうね〜〜♪ふんふんふ〜〜ん♪は〜〜い、次は右腕〜〜っと…よいしょっと
んっ…んっ、んっ…は〜〜い♪次は腋の下洗いましょうか〜〜♪ちょっとバンザイしてくださいね〜〜♪」

「アッ、エ、エエヨ…モウエエヨ…アッ、アェエ…エエヨ…エッ?バンザイ?」

最初は照れていた老人も、次第に舞衣に身体を任せ始めた。
老人は心地よさにうっとりとした表情を浮かべる…

85 :
「ふんふ〜〜ん♪夏はここにいっぱい汗かいちゃうでしょ〜〜?綺麗にしましょうね〜〜♪」

慣れた手つきで老人の身体を洗う舞衣の姿を見て、碧はうんうんと納得したような表情を浮かべる。

「うん、やっぱりさ〜〜舞衣ちゃん、性格的にそういうの合ってると思うんだけどね〜〜」

老人の身体を丹念に洗ってあげていると、背後から人の気配が…
老人…男性の声がワイワイと聞こえてきた。

「おぉ〜〜〜こりゃ〜〜ベッピンさんが2人も居るわ!!」

「こんな田舎の温泉に珍しいのぉ〜〜」

「あはは、零三じいさんはベッピンさんに背中さ流してもらっとるか(笑)」

現れたのは、3人の老人…
小柄な3人の老人は、舞衣と小柄な老人の周りを取り囲むと笑顔で二人に話しかけた。

「あっ、あはは…こんにちは〜〜お邪魔してます♪」

「アァ…ゲンサンヤ…オソイゾイ…」

堂々と全裸姿を晒しながらジロジロと大きな乳房を眺めてくる老人に、舞衣は引きつった笑顔を向ける。
老人達は、零三と呼ばれる老人と言葉を交わしながら、お湯に浸かり始めた…

86 :
「こんちゃ〜〜♪お邪魔してま〜〜す♪」

碧は堂々と身体を晒したまま笑顔で老人達に挨拶した。

「ほほぉ〜〜この娘もおっぱい大きいわい!」

「こりゃ〜〜天女様のようじゃ!福眼じゃのぉ〜〜♪」

「オナゴの裸なんぞ10年ぶりに見たわい…」

老人達は、あっけらかんと裸を晒して笑顔で話す碧を目の前に鼻の舌を伸ばす…

「あはは、おじいちゃん達は隣の老人ホームに住んでる人たちなんですか〜〜?」

碧は老人に話しかけてみる…

「あぁ〜〜そうじゃよ、ワシ等この時間が入浴時間なんじゃよ」

「いつもこの時間に風呂にくるんじゃが…こんな事は初めてじゃぞい、へへへ♪」

そんなやり取りをしていると…また一人、露天風呂に人が現れる…
無言で入ってきたのは、初老に近い女性…
タオルで股間辺りを隠す初老の女性は、舞衣の姿を興味深そうにジックリと眺めた…

87 :
「は〜〜い、泡を洗い流しましょうね〜〜♪」

舞衣は泡にまみれた老人の身体をお湯で洗い流してあげる…

「綺麗になりました〜〜♪お疲れ様で〜〜す♪」

笑顔で老人に話しかける舞衣…
その姿を見て、お湯に浸かる老人の一人が舞衣に話しかける…

「お嬢ちゃんや、ワシも身体洗ってもらえんかのぉ〜〜?」

「はい〜〜っ?しょうがないなぁ〜〜(笑)いいですよ〜〜♪」

舞衣は額の汗を手で払いながら、笑顔で答えた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

88 :
「おぉ〜〜〜ええんかいなぁ!!恥ずかしがって嫌がると思ったぞい(笑)」

「あはは!!もうずっと丸見えだから、関係ないですよ〜〜(笑)」

「ほほぉ、元気のエエ娘っ子じゃわい!ワシ等も洗ってもらえるかのぉ?」

「はいっ、いいですよ〜〜(笑)この際3人共お背中流してあげます♪」

「じゃ、まずはワシからお願いしようかのぉ〜〜」

床に正座する舞衣は、老人達の前に裸体を露にしたまま…
その大きく張りのよい乳房も、オレンジ色の陰毛も晒したまま、笑顔でそう答えた。
一人の老人がお湯から上がると、さっそく木の風呂椅子に座る…

「お嬢ちゃんや、このヘチマで強めに擦ってもらおうかのぉ〜〜」

「はいっ、わかりました〜〜強めですねっ♪」

舞衣はヘチマたわしにボディソープを垂らすと、老人の背中に強くたわしを押し付ける…
そして、ゆっくりと力強く老人の背中を洗い始めた。

「んしょ、んしょ、んっ♪よっ、よっ♪こ〜〜んな感じですか〜〜?」

「おぉ〜〜エエぞエエぞ!!エエ感じじゃ〜〜♪」

老人の背中は泡立つ…
心地よい感触に、老人は歓喜の声を挙げた。

89 :
「んしょ、んしょ、よっ、んっ、んしょ♪ふぅ〜〜おじいちゃん、普段は自分で身体洗ってるんですか〜〜?」

「そうじゃよ〜〜背中なんて誰も流してくれんしの〜〜おっ?おほぉ〜〜お嬢ちゃん!背中にお嬢ちゃん
のデカイお乳が当たっとるが♪どうせならお乳で背中を流してくれんかのぉ〜〜(笑)」

背中を擦った後、腕をゴシゴシと擦り始めた舞衣は知らず知らずのうちに、その大きな乳房を老人の
背中に押し付けていた…

「あはは!そんなエッチな事しませんよ〜〜(笑)はいっ、次は前を洗いましょうね〜〜♪」

風呂椅子に座る老人の前に回りこむと、舞衣は老人の至近距離に巨乳を晒しながら、老人の胸板を洗う。

「おほぉ〜〜お嬢ちゃん、本当にデッカイおっぱいしとるのぉ〜〜♪鏡餅の如くデッカイおっぱいしおって!
お嬢ちゃんが動く度にユサユサ揺れおるわい(笑)しかも、先っちょの乳首はほんに桃色の綺麗な乳首しとる
わい♪ちょ、ちょっとだけ…触ってもええかのぉ〜〜?」

老人はニヤけた顔で両手をワキワキと動かし始める…

「ダメですよ〜〜(笑)見るだけで我慢してくださいね〜〜♪」

しかし、舞衣は老人の手を払うと笑顔で宥めた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

90 :
30分後

「ふぅ〜〜〜3人共終わり〜〜〜っと!はぁ〜〜疲れた〜〜!!」

3人の老人の身体を洗い終えた舞衣は、全身に汗を浮かべながら額の汗を拭いため息をつく。

「あはは♪舞衣ちゃんお疲れ様〜〜(笑)疲れたでしょ〜〜(笑)」

「疲れたわよ〜〜(笑)こういうの久しぶりだったし〜〜」

「こういうのって?」

「えっ?あっ、あはは…忘れて忘れて(笑)」

老人の身体を洗ってあげるという全身を使った作業に、舞衣はソープ嬢の仕事を少しだけ思い出していた。
舞衣の老人に対する態度や会話、そして慣れた手つき…
碧は舞衣がどういう風にソープで働いていたのか容易に想像できるような光景だった。

風呂桶にお湯を掬い、汗を浮かべた体にかけ湯をすると、舞衣は再びお湯に浸かる…

「でも舞衣ちゃんさ〜〜よくやるよね〜〜(笑)私だったら断ってるわ〜〜本当に」

「ふぅ〜〜♪確かにちょっと疲れちゃったけど(笑)でも、結構楽しいのよね〜〜こういうの♪」

疲れた表情ではなく…何処か充実したような…そんな表情を浮かべて碧と会話する舞衣…

時間も経ち…お湯から上がろうとした二人…
そこに、先ほど露天風呂に現れた初老の女性が舞衣に近づいてくる…

「ちょっといいかしら?」

若干細めの…どこか品のある初老の女性は、舞衣に話しかけてきた。

91 :
「はいっ?あたし…ですか?」

話しかけられた舞衣は、老人達の身体を洗う姿を見られていたことを思い出し、若干照れながら応えた。

「そう、アナタ…3人の身体を洗ってあげて、大変だったでしょ〜?」

「えっ?あはは、ちょっと大変でした(笑)すみません、ちょっと騒がしかったでしょう?」

「ううん、大丈夫よ。それよりも…アナタ若いのに偉いわね〜〜あんなジジイたちの身体洗ってあげる
なんて…優しいのね…お名前、聞いてもいいかしら?」

「鴇羽です、鴇羽舞衣です」

「鴇羽…舞衣さんね。私は隣の老人ホームで働く者なんだけど、今さっきジジイたちのお風呂の見張りを
しようと思ってここに来たら…アナタがジジイたちの身体を洗ってあげててヒックリしたわ(笑)あっ、
申し遅れたわね…私は高木、高木満子よ♪」

舞衣の顔をジックリ眺め微笑みながら語る初老の女性…

「ジジイたちの相手も上手だし、馴れた手つきだし…もしかして、介護のお仕事経験者なの?」

「え〜〜っと…介護じゃないですけど…こういうお仕事は前にしてたんです(笑)」

「そうなの?じゃ、少しは経験してるという事よね?」

二人の会話を聞き、碧が割って入る…

92 :
「そうなんですよ〜〜♪この子、老人ホームで働こうかな〜〜って迷ってるんですよ。」

碧は舞衣の肩を持ち、笑顔で舞衣を紹介した。

「あら、そうなの?」

「え〜〜っと…はい、ちょっと悩んでて…住み込みとか…条件が結構いいから…」

突然の碧のフォローに、舞衣は少々戸惑いながらも本音を呟く…

「そうね〜〜うちは住み込みで働けるわよ。アナタみたいな子が居てくれるといいわ〜〜♪うちのホーム
には何人も若い子が来たけど、長続きしないのよね〜〜(笑)お風呂の監視やお世話するだけの「お風呂役」
だけでもいいのよ。アナタ、うちで働いてみない?」

初老の女性は舞衣の手を取ると、熱心に舞衣を誘う…

「う〜〜〜ん…そうね〜〜やってみようかな〜〜」

「まぁ!ありがとう、助かるわ〜〜♪」

「よし、決まりだね〜〜舞衣ちゃん♪喜べおじいちゃん達〜〜!!これから暫く舞衣ちゃんとお風呂入れるよ〜〜♪」

碧の言葉に、老人達は訳も分からず喜んだ…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

93 :
午後4時

老人ホーム うたやま荘

「では…8月いっぱいの1ヶ月契約で、その後はアナタの希望次第で延長もあり…という事でいいわね?」

「はい、よろしくお願いします!」

露天風呂の隣にある老人ホーム 「うたやま荘」
その老人ホームの事務所で、舞衣は雇用の説明や契約の手続きを済ませていた。
ソファーに座り、書類へのサインなどを終えた舞衣は、壁に飾られている額縁を眺める…
額縁には、スーツ姿の…小柄で白髪の老人が凛々しく映っていた。

「あれ?…あの写真の人…何処かで見たことあるような…」

写真は、普通にどこにでも居るような老人の写真…
しかし舞衣は、その写真の老人に見覚えがあるような…そんな気がしてならなかった。

「あの写真の人って、誰ですか?」

「ん?あの写真?」

気になって仕方なかった舞衣は、初老の女性…高木に写真の老人について尋ねてみる…

「あの写真は、この老人ホームの創立者よ」

「創立者…ですか?」

「そうよ、ここの創立者…歌山虎次さん。歌山グループって知ってるわよね?」

「歌山虎次さん…歌山グループって…はいぃ〜〜〜っ!!?歌山って…あの!!?」

「この辺じゃ建設業や不動産業で有名よね〜〜♪この人は元社長で、今は相談役をやってる人なんだけど…」

94 :
『歌山グループっていったら…ノブヲくんの実家よね…』

舞衣は歌山グループと聞いて、すぐに「歌山ノブヲ」の姿を頭に浮かべた。

約1年前…場末の歓楽街から抜け出す時、自らを犠牲にして銃弾から守ってくれたノブヲ…
あの日以来、連絡を取っていない「命の恩人」の事が気になり始めた。

『歌山くん…今どうしてるんだろ…会ってみたいな…あたし…あの日のお礼が言いたい…』

舞衣は歌山ノブヲの携帯番号を知っていた。
ポケットの中の携帯をキュッと握り締めながら、舞衣は近々連絡してみようと決意した。

老人ホームで働く手続きを終えた舞衣は、外で待たせていた碧と共に部屋を後にした…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

95 :
ちょうど同じ頃…

午後4時
風華町  市街地

「バッカやろぉ〜〜〜〜〜〜〜ぃ!!!」

市街地のパチンコ店前で、女は叫ぶ…
感情を露にしたロングヘアの美女は、周囲の視線も気にせず怒りに任せて叫んだ…

「ふざけるな!!今日の稼ぎが全額飲み込まれるなんてありえるのか!!?」

その日受け取った成功報酬を全額パチンコに使い、全てを失った女は愚痴をこぼす…
そして長い時間路上駐車していたバイクに跨ると、颯爽とその場を後にした。

・・・・・・・・・・・・・・

バイクに跨る黒いスーツ姿の女はアクセルを吹かす…
猛烈なスピードで、市街地を駆け抜け…あっという間に海岸線に辿り着く…

「…無一文だ…グスッ…明日から…私はどうすればいいんだ…」

女は涙ぐみながら、夕日に照らされる海岸線を爆走した…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

96 :
午後8時

市街地  ビジネスホテル

「もしもし、祐一?」

宿泊先のホテルで、舞衣は携帯片手に祐一と会話中…

「ちゃんと食べてる〜〜?うん、こっちは大丈夫…うん…一段落着いたから…うん…」

舞衣は巧海の停学の理由や、ここ数日で起こった出来事を祐一に説明した。
同時に、巧海の為に1ヶ月だけ風華町へ滞在することも伝えた。

「…うん…ごめんね…ワガママ言っちゃって…うん…ありがとう…」

祐一も巧海の事がとても心配だったらしく…舞衣が巧海の為に風華町へ残ることには賛成という事だった。

「そうね…分かった…うん、巧海の事は任せて…うん…祐一も、勉強頑張ってね…うん…」

また落ち着いたら連絡すると伝え、会話を終える…

「よ〜〜し!!明後日から新しいお仕事…頑張らないと!!」

舞衣は2日後から始まる新しい生活に備えて、ゆっくり休む事にした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

97 :
7月31日      午前9時

ここは、風華町の最西端に位置する場所…
市街地から遠く離れた場所にあるアパート…

築数十年と言わんばかりの古い2階建ての建物…
近代化が進んだ風華町に、未だにこんな物件があるのかと疑ってしまうような古いアパート…

その一室のドアには、小さな表札が掲げられていた。

『久我探偵事務所』

既に日は高く昇り、夏の日差しがさすように照り付ける中…
その表札の掲げられているドアの前で、このアパートの大家らしき中年女性が、朝から呼び鈴を鳴らす…

「久我さ〜〜〜ん!!いるんでしょ〜〜?久我さ〜〜〜ん!!」

呼び鈴を鳴らしながら、この部屋の住人を呼ぶ大家…

「久我さ〜〜ん!!今日こそ3か月分の家賃滞納分、払ってもらいますからね〜〜〜っ!!」

ドンドンとドアを叩きながら呼ぶが…一向にこの部屋の住人は現れない…
聞こえてくるのは…セミの鳴き声だけ…

「…ふぅ…本当に居ないのかしら…バイクはあるのに…また来ますからね〜〜っ!!」

諦めた大家は、渋々その場を去った…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

98 :
「…去ったか…」

私は布団に包まり大家が去るのを待った…
居留守…
今の私はこの手を使わざるを得なかった…

ショーツ一枚姿の私は、起き上がるとタオルで体の汗を拭く…
そして、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、喉の渇きを潤した。

「ふぅ…折角成功報酬を得たというのに…ほんの数時間で水の泡…か…」

何気にちゃぶ台の上に置かれた自分の名刺に視線を向ける…

『久我探偵事務所 代表 久我なつき』

「探偵業なんて…止めておけばよかったな…」

住居権事務所として使っているアパートの一室で、私は自分の人生に若干後悔しながら、日々を過ごしていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

99 :
玖我なつき…
職業…私立探偵…

風華学園在学中、静留が関西方面の大学に進学した事で、私達の関係は自然消滅した…
そして、オーファン事件解決後…私は母親と同じ科学者の道を歩む事を決意する。

2年間…私は馴れない勉強を頑張ったが…結果は散々だった…

大学は全て不合格…
所詮私には無理だった…

大学受験失敗を境に、私は母親と同じ科学者の道をキッパリと諦めた。

一応風華学園は卒業したが…卒業後の事など何も考えてなかった私は、どうすればいいのか分からず…
ただ暇つぶしの日々を過ごした。

部屋で少女漫画を読み漁り…
それに飽きたら街に出てウインドウショッピング…
金に困れば…パチンコ三昧…

そんな日々を過ごしていたが…ある日を境に生活は辛くなった。

愛人を作り…家を出て行った父親からの仕送りが途絶えてしまったんだ…
確かに、仕送りは学生の期間のみと約束していたが…正直辛かった…

そして、暇つぶしの日々を過ごしていくうちに…貯金も少なくなり…
そんな時、久しぶりに迫水に出会った。
私の現状を見かねた迫水は、何故か私に探偵職を勧めてきた…

100 :
私が探偵?

と、当時は思ったが…迫水の説明を聞き、何となく出来そうな気がして…
私は私立探偵事務所を開設することになった。

迫水は、他の探偵事務所や興信所に弟子入りする事を進めてきたが、私は拒んだ。
自分ひとりで…自由で気ままな生活を続けたかったからな…

で、まぁ…私は私立探偵を始めたんだが…
現実は甘くなかった。

探偵業と言えば聞こえはいいが…
入ってくる仕事といえば…浮気調査が殆どで…
ストーカーや、変質者、覗きや痴漢など…性犯罪者の証拠確保など…「汚れ系」の仕事が多い。

最近ではそんな仕事すら少なくなり…安い仕事を多く請け負っている。
最近請け負っている仕事といえば…

行方不明になった飼い犬や飼い猫の捜索…
小中学生がちゃんと学校に通っているか見届け、親に連絡する監視役…
徘徊老人の捜索と確保…
近所同士のケンカの仲裁…など等…

中には溝掃除の仕事を依頼してくる輩もいる。
それは便利屋の仕事だろう…

昨日、成功報酬を受け取った仕事も、行方不明になった愛犬の捜索依頼だった。

仕事も少なく…収入も少ない…だから当然…生活も苦しい訳だが…
私は何とか食いつないでいる…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

101 :
「しょうがない…家賃分くらい…稼いで来るか…」

私は立ち上がると、洗濯機の中を漁る…
そして、汚れ物の下着を数枚取り出した。

汗で蒸れ蒸れのブラジャーに、汗とオリモノがべったりこびりついたショーツ…
自分の下着の匂いに咽ながらも、綺麗に畳みビニール袋に入れる…

「ふぅ…これで…3万円は固いな…」

可愛い下着集めが趣味の私にとって、下着を売る事には抵抗があったが…
生きていく為には仕方が無い…
ここ数ヶ月で、私の下着コレクションは殆ど無くなり…
残るは数枚の地味な安っぽい下着のみ…

「いつか大金が入ってきたら…可愛いのいっぱい買ってやるっ!!それまでの我慢だ…」

そして、私はクローゼットから衣装を取り出す…
大切に保存してあった…風華学園高等部の制服…

「もう馴れたつもりだが…流石に恥ずかしいな…」

もう何度目だろう…
21歳にもなって、高等部の制服を着る羽目になるなんて…
誰も居ない部屋で恥ずかしがりながらも、私は制服を着る。

「よしっ!まだまだ大丈夫だな…多分…まだまだイケる…」

鏡の前で自分の制服姿を映しながら、自分で納得すると、私は下着の入った袋を持ち部屋を出る…

「ふぅ…今日も暑くなりそうだな…」

照りつける太陽の光を手で遮りながら空を見上げる…
そして…風華学園高等部の生徒に変装した私はバイクに跨ると、周囲の目を気にしながら
繁華街に向かって走り始めた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

102 :
なつきって出席日数は足りないけど頭脳明晰のはずだぞ
そもそも二年浪人してどこも引っかからないってこの大学定員割れの時代に
しようとしてもできないような快挙だ

103 :
はわわわ…頭脳明晰でしたね、そういえば
なつきちゃんって、ちょっとクールな登校拒否の子っていうイメージがあったので(笑)
設定無視しちゃいました〜〜すみません。
というか、指摘してくれてありがとうございます♪
読んでもらえてるみたいで嬉しいです♪

104 :
あっ、あと〜〜「2年間、馴れない勉強を…」というのは〜
一応なつきちゃんが高等部2,3年生時という感じで書きました。
改めて読むと「2浪」に見えちゃいますね…これ…
私の説明不足でした、すみません…
文章書くのって難しいです…

105 :
午前11時

ここは繁華街の奥…風俗店が立ち並ぶ怪しい通り…
その一角にひっそりと立つ…大人のおもちゃ屋…
その店内に…なつきの姿はあった。

「あのぉ〜〜♪私の下着を買い取って貰いたいんですけど〜〜〜♪」

卑猥な玩具が所狭しと並べられ…
非合法の無修正DVDが棚にぎっしりと並び…
そして…ビニール袋に梱包された下着や制服が、目線を入れた少女の顔写真入りで陳列されている…
その異様な雰囲気の中、中年男性の店員に若干引きつった笑顔で可愛い女子高生を演じるなつき…

「あ〜〜〜買取ね…本当に高校生?生徒手帳見せてくれる?」

中年男性は鼻に落ちたメガネを直しながら、制服姿のなつきを頭の先からつま先までジックリと眺める…

「せ、生徒手帳ですか〜〜?はいっ、これでいいですか〜〜?」

普段の…若干低めの声とは打って変わって…無理やり高い可愛い声を意識しながら話す…
そして、自身の在学時の生徒手帳を若干偽造した物を手渡した。

「え〜〜っと…玖我…なつきさん…ねぇ…風華学園高等部3年生…はい、いいよ〜〜」

生徒手帳を返すと、なつきから受け取ったビニール袋を開ける…
そして、なつきが実際身に着けていたブラやショーツを取り出し、ジックリと品定めし始めた。

106 :
「う〜〜ん…結構時間経ってるね〜〜う〜〜ん…」

『うっ…そんなにジックリ見るな!!触るな!!気持ち悪い!!』

自分が身に着けていた下着をジックリ見られ…なつきの表情は引きつる…
自分の汗の匂いがタップリ染み込んだブラのカップ…
汗やオリモノ…その他の汚れもタップリ染み込んだショーツのクロッチ部分をジックリ見られ…
なつきは思わず顔を手で覆ってしまう…

「あっ、あのぉ〜〜お幾になりますか〜〜?」

最後の一絞りの可愛い声で、なつきは男性に買値を尋ねた。

「うぅ〜〜〜ん、全部で5千円って所かなぁ〜〜」

「ふっ、ふざけるなぁ〜〜!!」

想像していたよりも、かなり安い値段に…なつきは思わず本音を口にした。

「わぁああ!!ビックリするじゃないか!!あのねぇ〜〜これ、いきなり渡されても…君本人の物って
保障はないからね〜〜〜!!まぁ、今この場で…君がブラジャーとパンツを脱いで手渡してくれるのなら、
高値で買い取らせてもらうけどねぇ〜〜」

「よしっ!!わかった…」

なつきは納得したのか…目を閉じ、うんっと頷く…
そして、制服の前のボタンを外すと…ブラの肩紐を取り…袖からブラをするりと抜いた…
そして、ショーツに手をかけ…ゆっくりと下ろし…足首から抜く…
なつきは、身に着けていたブラとショーツを赤面しながら手渡した。

107 :
「ふんっ!これならどうだ!!」

照れ隠しなのか…腕組みをして胸を張り、これでどうだと強気に迫った。
結局、なつきは自分の下着と引き換えに、2万円を得る事に成功した。

「は〜〜い、写真撮るよ〜〜笑って〜〜〜」

「え…えへへ…」

店長はデジカメでなつきの顔写真を撮ると、その写真にマジックで目線を入れ…
ピンク色のマジックで、慣れた手つきで「私の下着買ってください♪」と書き…店に陳列する…

「…邪魔したな…」

なつきは、少々病んだ気分になりながらも、店を後にした。
何も履いていない…ノーパンの馴れない感触にモジモジしながら、なつきの姿は路地裏に消えていった…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

108 :
同じ頃…

午前11時30分

「ふぅ〜〜〜結構いっぱい買っちゃったわね〜〜♪」

市街地にあるデパート前…
人通りの多いデパート前には、大きい買い物袋を抱える舞衣の姿があった。
舞衣は、明日から始まる新しい生活の為の買出しを済ませた…
歯ブラシやタオル、ボディソープなどの生活用品や化粧品…
そして、Tシャツなどの衣類…
特に夏場という事もあり、風華町に来てから下着類に不自由してた舞衣は、ブラとショーツを多めに
購入して、明日からのバイト生活に備えた。

「それにしても…2年間で本当にこの辺、変わっちゃったよね〜〜」

舞衣は改めて人で賑わう市街地を見回す…
デパートは2年前に比べ店舗自体が大きくなり様変わりしていて…
友人達とよく遊んだカラオケ店は無くなり…
見たことも無いような店が多く立ち並んでいた。

「ここで…よく買い物して…お弁当の材料買って…ここで機種変更して…アイツとお揃いの携帯にして…」

高等部時代の懐かしい出来事を思い出しながら、舞衣は市街地の大通りを進む…

109 :
そんな時…

「ね〜〜彼女!平日の昼間から一人でどうしたの〜〜?」

スーツ姿の軽薄な男が、舞衣に話しかけてきた。

「はいっ?」

呼び止められた舞衣は、すぐに一枚の広告を手渡される…

「あのさ〜〜ウチの店で働いてくれる女の子を募集してるんだよね〜〜」

馴れ馴れしい男の口調にうんざりしながら、舞衣は広告の内容に目を通した…

『お酒を飲んで、お話するだけでOK 誰でも簡単にできる接客業です』

安っぽい広告の謳い文句を読み、ため息をつくと…馴れ馴れしい男に広告をつき返した。

「ごめんなさ〜〜い、間に合ってま〜〜す」

スカウトの男を無視すると、舞衣はそのまま通りを進む…

暫く歩き…

「あれっ…ここって…」

いつの間にか、舞衣は風華町唯一の歓楽街に辿り着いていた事に気付いた…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

110 :
正午
風華町 歓楽街

風華町の歓楽街には、2つの大きい通りがある…

一つは、飲み屋が立ち並ぶ「飲み屋街」
そして、もうひとつは…
性風俗の店が立ち並ぶ…怪しい「風俗街」

「一昨日も思ったけど…本当に風華町に…こんな場所があったなんて…」

舞衣は、その怪しい雰囲気に引き込まれるように「風俗街」の通りに入っていく…

通りを進み…路地を曲がり…
様々な看板を眺め…更に路地を曲がり…

個室マッサージ…    ファッションヘルス…    ピンサロ…    ソープランド…

性風俗の店が、所狭しと立ち並んでいた。
昼間から、派手な看板やネオンが毒々しく目立つ街並み…
舞衣はその怪しい雰囲気に、何故か懐かしさに似たものを感じていた。

111 :
「何処にでもあるんだ…こういう所…」

欲望ひしめく通りを歩く男達を遠くから眺めながら、舞衣はある事を思い出した…

「この通りに…巧海が行ったお店が…あるのよね?」

自分のせいで巧海が自棄を起こし、風俗通いして現実逃避していた事を思い出してしまった…

「この通りにある…何処かのお店に…巧海が…」

巧海が起こした「無期限停学処分」に心を痛めていた舞衣は、余計な事を思い出してしまったのか…突然の
目眩に襲われた。

「…ダメダメ…深く考えちゃダメ…はぁ、はぁ…帰ろう…もう帰らないと…」

その場に座り込みそうになりながらも、舞衣は何とか正気を保ち…この通りから出ようと試みた。
しかし…

「あれっ?あたし…どこ通ったのかな…確か…この路地を曲がって…」

意外に入り組んだ風俗街の道筋に、舞衣は既に迷子になっていた。
来た道を帰ろうと、舞衣は曖昧な記憶を元に、路地をさまよう…

「え〜〜っと、ここを真っすぐでいいのよね〜〜?んっ?こっちかな〜〜〜」

昼間にもかかわらず薄暗い通りを、ネオンの明かりを目印に進む…

112 :
そんな時…

「あれっ…今の…女の子?」

路地を進む舞衣の視線の先に、一瞬少女の姿が映った。

「…今の子…風華学園の制服着てたわよね…って事は…高校生!?」

舞衣の視線の先に一瞬映った少女は、風華学園の夏の制服に身を包んだ少女だった。
恐らくは、巧海と年齢が近い少女…
巧海の顔が再び舞衣の脳裏に浮かんでくる…

「高校生が…しかも女の子が何考えてるのよ!!援助交際?売春?ダメダメ!!そんなの絶対ダメ!!」

舞衣は、一瞬姿を見かけた風華学園の制服姿の少女を呼びとめようと小走りで道を進んだ…

「見過ごすなんて出来ない!ここは年上の女性としてビシッと注意しないと!!」

ビルの谷間を小走りで進み…舞衣は何とか制服姿の少女に追いつく事ができた。

「はぁ、はぁ…ちょっと、そこのアナタ!!待ちなさいっ!!」

舞衣は制服姿の少女を呼び止めた。

風華学園の夏の制服姿の少女…
紫色がかった…黒髪のストレートロングヘアの少女…
スラリとしたスレンダーな体型…しかし、女性特有の箇所は豊かに成長したスタイル抜群の体型…

後姿からでも美人と分かる少女は、呼び止められると舞衣の方を振り向く…

「んっ?何だ?」

少女は振り向いた…
その瞬間、お互いはお互いの姿に驚き固まってしまう…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

113 :
「なっ!!?なっ…お前…ま…まさか…舞衣!!?舞衣…なのか!!?」

「へっ?えぇ…?はっ…はいぃぃ〜〜〜〜〜っ!!?なっ…なつき!!?…アンタ…なつきなの!!?」

「舞衣…やっぱりお前…鴇羽舞衣なのか!!?そうだな!?間違いない…お前…どうしてここに…」

「やっぱり…あっ…アンタこそ…今更、風華学園の制服なんか着て…一体何やってんのよ〜〜〜〜!!」

そう…お互いは顔見知りだった。
舞衣の目の前に現れた制服姿の女…
その正体は…風華学園時代、オーファンと共に戦った「元HiME」…

「玖我なつき」 だった…

舞衣に制服姿を問われると、バツが悪そうな表情で思わず顔を背けるなつき…

「こ…これには!!ちょっと深い事情が…」

「昔の制服着ないといけない事情って何なのよ!!?訳分からないし!!」

その時…ビルの谷間を、強い風が勢いよく吹き抜けた…
その瞬間…制服姿のなつきのミニスカートは強風で捲り上がり…
何も身に着けていない…ノーパンの股間部分を見事に晒してしまった。
処理を怠った陰毛や、ワレメ…あられもない秘部を舞衣に晒してしまったなつき…

114 :
「ひっ!!?あっ…あぁ…こ、これは…その…ううっ…っ!!」

ヒクヒクと表情を強張らせながら、なつきは目に涙を浮かべる…

「なっ…なつき…アンタ…パンツは…?」

舞衣は唖然とした表情で、なつきの下半身に視線を釘付けにしてしまった。

そして…

「きゃあああああああ〜〜〜〜〜っ!!イヤぁああああああああああぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」

ビルの谷間に、乙女の甲高い悲鳴が響き渡った…

「はいぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!?一体何なのよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!?」

同時に…両手で頭を抑え、訳が分からず混乱して叫ぶ女の声が響き渡る…

舞衣…なつき…数年ぶりの、衝撃の再会だった…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

115 :
なんでHiMEすぐ汚れてしまうん?

116 :
午後1時

市街地   ファミレス リンデンバウム

「ぷっ…あははははっ!!はぁ、はぁ、あっははははははっ♪ひぃ…ひぃ…苦しい〜〜(笑)」

ここは、舞衣が高等部時代バイトしていたファミレス 「リンデンバウム」
お客で賑わう店内に、舞衣の姿はあった。

「…何だ…まだ笑ってるのか…失礼な奴だな…」

相変らず高等部の制服姿のなつきは、トイレから出てくるなり笑っている舞衣に文句を言う…

「ひぃ、ひぃ…あはははっ(笑)って、あっ、ゴメンゴメン(笑)」

目に涙を浮かべながら腹を抱えて笑う舞衣は、なつきの姿に気付くと、呼吸を整えながら謝った。

「…下着…すまなかったな…というか…お前ちょっと笑いすぎじゃないのか?」

なつきは照れながらスカートの前を押さえつつ、席に着く…

「だって〜〜久しぶりに再会したら、制服姿でノーパンだなんて…ぷっ!!あははははっ(笑)」

「ばっ、馬鹿っ!!声が大きいぞ!!」

リンデンバウムのトイレで、舞衣から貰った新品のショーツを身に付けたなつき…
そして、先ほどの出来事を思い出し大笑いする舞衣…
二人は席に着き向かい合った…

117 :
「流石にブラはサイズが違うから無理だけど〜〜パンツはプレゼントしてあげるから(笑)」

「ふんっ!いつか新品を返してやるから、安心しろ!」

「それにしても…ぷっ…あはは!!はぁ、はぁ…ゴメ〜〜ン(笑)20歳過ぎて、あんな場所で
制服姿で…しかもノーパン(笑)アンタ一体何やってたのよ?」

「いろいろ訳ありでな!!お前こそ…あんな場所で何やってたんだ?」

「はいっ?あたしは〜〜〜ちょっと買い物ついでにね…あはは♪」

意味深な発言をするなつき…
そして、曖昧な答えを返す舞衣…

「それにしても…本当に久しぶりよね〜〜♪っていうか、聞いたわよ〜〜♪迫水先生から!アンタ高等部
卒業した後、探偵始めたらしいじゃない?」

「なっ!?どうして知ってるんだ!!?迫水め…余計な事を話したらしいな…」

「探偵なんて凄いじゃない!あたしは似合ってると思うな〜〜♪やっぱり儲かってるの?」

「冗談じゃない!!儲かるどころか…もう廃業寸前だ!!」

「へぇ〜〜〜そうなんだ〜〜〜♪」

「…お前…何か嬉しそうだな…そんなに儲からない私の姿を見て楽しいのか?」

「はいっ?ううん、そうじゃなくて〜〜何か久しぶりに会えて…楽しいな〜〜ってね♪」

「…そうか?…そんなに…私に会えて…嬉しいのか?」

118 :
二人は暫く会話を続けた…

久しぶりに再会できた嬉しさからなのか…舞衣はウェイトレスが運んできた紅茶を飲むのも忘れ、
笑顔で会話に没頭する…

それとは対照的に、コーヒーを飲みつつ終始受けに回り、舞衣の笑顔に照れながらも徐々に笑顔を
見せ始めたなつき…

なつきも舞衣との再会は、満更でもない様子だった。

・・・・・・・・・・・・・・

暫く会話した後…今度はなつきから口を開く…

「私も…迫水から聞いたぞ…弟くん…大変だったみたいだな…」

なつきの一言に、舞衣の表情は強張った…

119 :
「あ…あはは…何だ…知ってるんだ…」

「あぁ、一応な…迫水から、学園で起こった事件の解決に協力してくれと頼まれてな…」

「そう…なんだ…うん、その件で学園に呼ばれて…あたし、風華町に戻ってきたの…」

「やっぱりそうか…で、弟くんは大丈夫なのか?」

「…うん、いろいろ大変だったけど…今はもう大丈夫…」

「…そうか…よかったな…」

「ちなみに…同窓会の噂…聞いてる?」

「…あぁ…大体な…」

「あはは、それも知ってるんだ…」

「下衆な話だな…まったく…」

会話を交わす二人から、笑顔が消える…
苦笑いの舞衣…
舞衣を気遣うような表情のなつき…

「…相変らず苦労が絶えないようだな…」

なつきの口から同情の言葉が漏れる…
高等部時代の舞衣なら、この時点でなつきに食ってかかっていたに違いない…
しかし、今の舞衣は違った。

「あははっ、お気遣いご苦労様♪」

自分を落ち着かせるように、少しため息をつくと…舞衣は笑顔でなつきに答えた。

120 :
「確かに辛い事もあったけど、今はそれなりに充実してるんだから♪」

舞衣は暗い雰囲気を打ち消すかのように、明るい話題を振り始めた。

「実はね〜〜あたし、1年位前から祐一と東京で同棲してるの♪」

「なっ!?同棲って…一緒に暮らしているのか!!?」

「そうなの♪あたし、高等部中退したでしょ?あの後、辛い生活が続いたんだけど…縁があって
アイツと再会できて…アイツに誘われて…一緒に暮らしてみよっか…って事になってね♪」

「そうなのか…よかったな…安心した…」

「はいっ?安心?」

「あぁ…何でもない…気にするな…」

舞衣が不幸な事ばかりに巻き込まれていた訳ではない事を知り…
なつきは、優しい笑顔を見せた。
舞衣と目を合わせようとせず…どこか照れたような…安心したような…優しい微笑み…

『へぇ〜〜なつき、こんな表情できるんだ…』

なつきの…こんな表情を見るのは初めてだった。
高等部時代にも見たことが無い優しそうな表情に、舞衣は思わず見入ってしまっていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

121 :
二人は暫く会話を続けた…

そして舞衣は何気に、なつきにある思いを伝えた。

「なつき…今回の事件、迫水先生から依頼があったんでしょ?」

「…あぁ…犯人の特定を依頼された…断ったがな」

「あたしからもお願いするわ!なつき、お願い!!今回の事件解決に協力して欲しいの!!」

少し大きめの声で…舞衣はなつきにお願いする…
対面に座るなつきに…テーブルに額を付けてしまうほど深く頭を下げ、舞衣はなつきにお願いした。

暫くの沈黙の後…

「…舞衣…頭を上げてくれ…」

なつきは口を開いた…

「申し訳ないが…それはできない…」

自身の感情を押しすように…なつきは舞衣に言葉を返した。

122 :
「申し訳ないがな…私はもう探偵業を辞めようと思っていたんだ。それに…いろいろあってな…私は
もう風華学園とは関わり合いたくないんだ…」

「…そう…なんだ…」

舞衣にとっては残念な結果だった…
しかし、それを表情に出さず…次の瞬間舞衣は笑顔を見せた。

「あはは、うん、ごめんね〜〜無理言っちゃって。そうよね…ワガママよね、こういうの…」

痛々しい…作り笑顔…
高等部を卒業して、自分を抑える…自分の感情を押しす術を得たのか…
舞衣はなつきの心中を悟ったのか…
なつきに無理強いをしなかった。

「ごめんね、あはは!忘れて忘れて!!今のはノーカウント!!あはは!!」

「忘れて!」と両手をバタバタと振る仕草をする舞衣は、すぐに話題を切り替えた。

「へぇ〜〜探偵辞めちゃうんだ。じゃ、次はどういうお仕事するつもりなの?」

「あっ、あぁ…ラ、ランジェリーショップの店員とか…考えてるんだが…」

「あはははっ!あたし正解っ!!そう来ると思ってたわ(笑)やっぱりなつきは下着屋さんよね〜〜(笑)
いいじゃない♪可愛い下着売り放題の買い放題(笑)」

「そうか?あはは…」

明るい表情を見せる舞衣…
しかし、どこか空元気のような…無理やり明るい表情を見せる舞衣の姿は痛々しかった。

そんな時…舞衣の携帯の着信音が鳴る…

「あっ、メール…誰から…?」

舞衣は携帯を取り出し、メールを確認する…

123 :
「っ!?嘘…」

メールを開いた瞬間、舞衣の表情は強張る…
驚いた表情…メールの文章を追う視線…
その視線が進む度に…舞衣の表情は、何かに怯えるような…恐怖するような表情に変わった。

「舞衣、どうした?具合でも悪いのか?」

「えっ?あっ…ううん…何でもない…」

舞衣の表情の変化に、なつきは気付いていた。
明らかに何かに怯えているような…そんな舞衣の心の変化を…なつきは読み取っていた。

「ごめんね、なつき…あたし、ちょっと用事が出来ちゃった…」

「用事?そうか…仕方ないな…」

「うん、折角久しぶりに会えて、もっと話したかったんだけど…また今度ね♪」

「あぁ…私も楽しかったよ…またな…」

舞衣は強張った表情ながらも、なつきに精一杯の笑顔を向け…リンデンバウムを去った…

124 :
舞衣が店を出た瞬間、なつきは立ち上がる…

「…あの表情…何かあったな…」

頭脳明晰…勘の鋭さから勘付いたのか…
舞衣が一瞬見せた「恐怖に怯える表情」を、なつきは見逃さなかった。

「何かに怯えているのか?それとも…脅迫…?強要…?ツイてない女だな…」

なつきは店を出ると、舞衣に気付かれないように尾行を始めた。
前を歩く舞衣から充分距離を取り…バイクを押しながら尾行した。

「はぁ…私は何をしてるんだろうな…まったく、お人好しだな…私は…」

自分を「お人好し」と自虐し苦笑いしながら、なつきは舞衣の尾行を続けた。

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125 :
午後2時

風華町 市街地

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鴇羽さんに命令!
今から鴇羽さんが泊まってるホテルの
ロビーに来る事!
別にイヤなら来なくていいけど〜
アタシ、鴇羽さんの弟くんと、
彼氏の楯くんのメールアドレス
知ってるんだよね。
この前の写真と動画、良く撮れてたから
見てもらおうかな〜〜
----------------------------------------

田島さんから届いたメール…
このメールを読んだ瞬間、あたしは思わず恐怖で固まった…
あの日…酔っ払って乱暴された夜…
携帯を弄られたとは思ってたけど…
まさか、巧海と祐一のメールアドレスを知られてたなんて…
あたし…どこまで馬鹿なんだろう…

126 :
「はぁ…しょうがないわよね…行くしかない…」

自分に呆れて…あたしはため息をつく…
あんな写真や動画を…巧海に見せるわけには…
勿論、祐一にも…
もう終わった事を後悔しても…何も始まらない…
これ以上、巧海に辛い思いをさせたくはない…
祐一にも…馬鹿な女だと思われたくない…
あたしが…あたしが我慢さえすれば…あたしが耐えれば…丸く収まるはず…

あたしは恐怖に怯えながら、宿泊先のホテルに向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

127 :
午後2時15分

市街地 ビジネスホテル

「もう、遅いよ〜〜〜鴇羽さん♪」

ホテルのロビーには、田島さんと3人の男子…
同級生の、名嘉島くんと伊園くん…そして、福田くん…
あたしに乱暴を働いた3人がソファーに座って待っていた。

「…うん、ごめんね…ちょっと遅くなっちゃった…」

「あっ、買い物してたんだ〜〜」

「あはは…ちょっとね…」

「まぁ、立ち話も何だしぃ〜〜〜鴇羽さんの部屋に行こうよ♪」

「…うん…そうしようか…」

あたしと田島さん達4人は、あたしが宿泊している部屋に向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

128 :
ビジネスホテルの一室

「っていう事で〜〜アタシ、こんな不況の中、職を失っちゃったんだよね〜〜!!」

「…うん、本当にゴメンね…巧海も謝ってたし…あの子は許してあげて欲しいの…」

ソファーに座る田島さん…
ベッドに座る男子3人…
そして、田島さんの前に立ち…一方的に苦情や文句をぶつけられ、あたしは謝罪を続ける…

「欲しい物もいっぱいあるし〜〜〜ローンも沢山残ってるから、大変なんだよね〜〜!!確かに弟くん
には罪はないけど〜〜!アタシは正直かなり迷惑してるんだよね!!」

「…うん、だから…あたしに出来る事なら…出来る限り協力するから…」

その瞬間…田島さんの口元が歪んだ…
何か酷い事を考えてる…
あたしには分かった…

「鴇羽さん、この前の写真と動画!凄くイイ感じに撮れてたよ〜〜♪」

「っ!!?写真って…あたしが…乱暴された…」

「乱暴〜〜?人聞き悪いよね〜〜(笑)求めてたのは鴇羽さんの方だったよね〜〜?」

「そうそう!!鴇羽、凄かったぜ!!」

「マジ凄かったわ〜〜鴇羽ってマジでスケベだよなぁ〜〜〜!!」

「おちんちん頂戴!!って、AV女優みたいだったよな(笑)」

男子達は面白おかしく、あたしが乱れていた事を笑いながら話す…

129 :
「嘘ッ!!そんな訳ないっ!!あたし…そんな女じゃないわよっ!!」

正直…あの日の事はあまり覚えてない…
でも、あたしは全力で否定した。

「ま、スケベ女でも何でもいいんだけど〜〜ぶっちゃけさ、風華学園にいた頃からアタシ、あんたの事が
嫌いだった…メッチャ嫌いだったんだよね…」

「…どうして?どうしてあたしの事が?あたし…田島さんに何かした!?」

確かに…転校してきたばかりの頃、あたしは田島さんから陰湿なイジメを受けていた。
その後、クラスのみんなと馴染めて、学校にも慣れてきた頃には、イジメられる事はなくなった…
でも田島さんが、あたしを嫌っている事は、何となく分かっていた…
どうして?どうしてあたし…田島さんに嫌われていたの?

「うるせぇ!!黙れよ淫乱女!!」

田島さんの表情は豹変する…
憎しみのこもった田島さんの言葉に、あたしはは思わず一歩後退りした。

「とにかくアンタの事、学園時代から嫌いだったから!!とりあえず鬱憤を晴らさせてもらうわ…」

田島さんは名嘉島くんに目で合図を送った…
名嘉島は、バッグから何かを取り出す…
あれは…ビデオカメラ!?
何かを撮影するの!?

130 :
そして、田島さんは、何かが書かれた紙を取り出す…

「とりあえず、アンタにはさ〜〜〜アタシ等に「奴隷宣言」してもらうわ♪」

「ど…奴隷…宣言!?」

「そ♪奴隷宣言!!詳しくはその紙に書いてあるから、読んで覚えな!」

「っ!!?何よ…何よこれ…そんなの無理よ…冗談よね?…田島さん…こんなの無理よ!!できない!!」

何よこれ…何なのよ…信じられない…こんな事…言える訳ない…
あたしは、紙に書かれた奴隷宣言の内容に唖然とし絶望した…
酷い…酷すぎる…あまりにも…酷すぎる内容…
何とか辞めてもらおうと、あたしは田島さんにお願いした。
しかし、田島さんはただ見下した表情であたしを見るだけ…
あたしは言葉を失った…

「出来ないの〜〜?ま、しなくてもいいんだけど〜〜♪そのかわり…弟くんと楯にあの写真と動画…送っちゃ
おうかなぁ〜〜♪あっ、アタシ意外と同級生の携帯のメールアドレス詳しいんだよね〜〜(笑)鴇羽、同級
生の人気者になっちゃうかもね〜〜♪」

「てかさ〜〜今時、携帯のロックの仕方も知らない奴も珍しいよな〜〜ぎゃははは!!」

「鴇羽〜〜ナイスボケ!!ひゃはははは〜〜〜!!」

「とりあえず〜〜アタシの命令に従わないと…鴇羽さん、大変な事になっちゃうよ〜〜〜(笑)」

田島さんの脅迫に、あたしは屈するしかなかった…

131 :
「…分かったわ…する…奴隷宣言する…だから…巧海と祐一には…」

「よ〜〜〜しOK!!じゃ、名嘉島!!カメラ準備して!!」

「へへっ…待ってました〜〜!!」

名嘉島くんは、イヤらしい笑みを浮かべビデオカメラを準備する。

「あと、鴇羽さんは〜〜〜奴隷らしく、服脱いで裸になってね〜〜♪」

やっぱり…そうよね…予想してた通り…
悔しくて…恥ずかしくて…仕方ないけど…
あたしは服に手をかける…
悔しい…悔しい…恥ずかしい…
でも…あたしさえ我慢すれば…無難に済む筈…

あたしは悔しさに唇をかみ締めながら服を脱ぐ…
ノースリーブのシャツに手をかけ…
スカートを脱ぎ…
ブラを取り…ショーツを脱ぎ…
あたしは4人の前で裸になった。
名嘉島くんがカメラを準備する間、あたしは田島さんに言われるがままに、紙に書かれた台詞を覚えた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

132 :
なつきが助けてくれる・・はず・・

133 :
悪人どもが早く制裁されてスカッとしたい

134 :
a

135 :
ビジネスホテルの一室

全裸で立ち尽くす舞衣…
ソファーに座り、ニヤニヤと悪戯な笑みを浮かべながら舞衣の姿を眺める田島…
そして、その舞衣を取り囲む…3人の男達…

「じゃ、鴇羽さん♪撮影始めるよ〜〜♪」

田島が合図を送ると、名嘉島がカメラを構える…
そして、田島が舞衣に合図を送った。

「み…みなさん…あの…私…鴇羽舞衣は…」

「は〜〜〜い!ダメダメ!!」

羞恥心と屈辱で震える舞衣は、たどたどしい口調で…覚えた台詞を口にする…
しかし、すぐに田島のダメ出しが入った。

「鴇羽さ〜〜ん!もっと笑顔で元気よく喋ってくれないと困るんだけど〜〜!!これを見るのって、
アタシ達だけじゃないんだからさ〜〜!自分から望んで奴隷になるって所を見せないと!楽しくない
じゃない?明るく元気にお願いねっ!!」

136 :
―テイク2―

「みなさん…わ、私…鴇羽舞衣は…今日から…」

「はい、ダメ〜〜〜!!」

再び田島のダメ出し…

「声の大きさはいいんだけど〜〜表情が固いんだよね〜〜!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・

137 :
―テイク8―

「はいダメ〜〜〜!!鴇羽さん、やる気あるの〜〜!?」

度重なる田島のダメ出し…
立ち尽くす舞衣は俯き加減…
ソファーに座る田島は、煙草の煙を舞衣に吹きかけながら舞衣に不満をぶつける…

「鴇羽さ〜〜ん、やる気無いんならさ〜〜止めてもいいんだけど〜〜〜?」

すると、田島は携帯を取り出し…舞衣に液晶ディスプレイを見せ付ける…

「この前撮った鴇羽さんの写真…一斉送信しちゃおうかな〜〜〜(笑)巧海くんも…楯もビックリ
しちゃうよ〜〜(笑)あっ、もしかして〜〜巧海くん…お姉ちゃんの裸で抜いちゃうんじゃない?」

「イヤッ!!止めて、お願いっ!!それだけは止めてっ!!」

舞衣は田島に歩み寄り哀願する…

「ま、止めてあげてもいいけど〜〜〜それは鴇羽さんの演技次第だよね〜〜〜(笑)」

自分のあられもない姿を巧海や祐一に見られてしまう…
そんな恐怖心が、舞衣を決意させた。
舞衣は意を決した表情になると、羞恥心を振り払い…ぎこちない引きつった笑顔を作った。

138 :
―テイク9―

「みなさ〜〜〜ん!!私、鴇羽舞衣は〜〜〜今日から田島恵利子様の奴隷になりま〜〜〜す♪」

精一杯の笑顔で、舞衣は屈辱的な台詞を語り始めた。

「今まで〜〜田島様に不快な思いをさせてきた罰として、私は田島様の奴隷になることにしました♪」

身体を震わせながら…屈辱に耐えながら…舞衣は覚えた台詞を語り続ける…

「今日から田島様の奴隷になる為に、私は3つの約束を宣言しま〜〜す♪」

言葉に詰まりそうになりながら…舞衣は必で笑顔を保つ…
今すぐにでも、カメラのレンズから身体を隠したい…顔を背けたい…
そんな衝動に耐えながら…舞衣の奴隷宣言は続いた…

「ひとつ!明日から私は、風華町のソープランドで「ノースキン、中出しOK」のソープ嬢として週5日働い
て、そのお給料を全て田島様に上納させて頂きま〜〜す♪」

「ふたつ!私は田島様の命令で、誰とでもセックスする「精液便所」として、田島様に仕えさせて頂きます♪
田島様の命令なら、何処でも誰とでもエッチな事をさせて頂きます♪」

「みっつ!!私は…田島様の命令で…今付き合っている彼氏、楯祐一と別れて…一生独り身の独身女でいるこ
とを約束させていただきます♪もし間違って赤ちゃんができても〜〜絶対に結婚はしません!!」

139 :
舞衣は意を決して、台詞を言い切った。
言い切った瞬間…舞衣の目には若干の涙が浮かぶ…
あまりの屈辱的な言葉の数々に…思わず微かな笑い声すら出してしまった…

しかし…まだ撮影は続く…

「以上の3つの約束を守り、私は田島様の奴隷になる事を宣言します♪」

そして、舞衣はソファーに座る田島の前に跪く…

「今から私が奴隷になった証拠を、田島様に見てもらいます♪」

ソファーに座る田島は、悪戯な笑みを浮かべながら図太い脚を舞衣に向ける…
田島の…ムチムチの太い太腿と脹脛…
夏にもかかわらずブーツを履く田島…
そのブーツに、舞衣は手をかけた…

140 :
「失礼します…」

舞衣は丁寧に田島のブーツを脱がせる…
両方のブーツを丁寧に脱がせると…舞衣の目の前には田島の素足…
汗で蒸れた素足の匂いが舞衣の鼻を突く…

「っ!!」

舞衣は一瞬田島を睨んだ…
どうして…高等部の頃から、この田島にイジメを受けないといけないのか…
理不尽な横暴に、思わずキツイ視線を送ってしまった。

「ん〜〜〜?どうしたの〜〜〜〜?今の視線、気に入らないんだけど〜〜〜?」

田島は舞衣の視線に気付いたのか…不機嫌な表情を向ける…
そして、同時に携帯のディスプレイを舞衣に見せ付けた。

「…何でも…ありません…」

舞衣はぎこちない引きつった笑顔を見せると、田島の汗で蒸れた臭い足を両手で持ち上げた。
そして、田島の足の親指にゆっくりと顔を近づける…

「…失礼…します…」

田島の足の親指に…ゆっくりと舌を這わせ始めた…

「ぺろっ、ぺろっ、れろっ…ぺろっ、れろっ…れろれろ…んぐっ…れろっ…」

汗で蒸れた田島の足の指を一本一本丁寧に舐めて綺麗にする…

「ちゅぷ…ぺろっ…ちゅう…ちゅぷ…れろっ、れろれろ…ちゅっ…れろっ…」

舌を這わせ…綺麗に舐め…一本一本の指を口に含み…指の股にも舌を這わせる…

「あははははっ!!舐めてる〜〜〜!!鴇羽が!!あの鴇羽が!!アタシの足を舐めてる!!」

141 :
田島は高笑いした。
今まで舞衣に対してコンプレックスしか持っていなかった田島は、舞衣の屈服した姿を見て、思わず
笑い声を上げてしまった。

人気  人望  
スタイル  容姿  
男子からの人気…そして、彼氏持ち…

全ての面において、田島にとって舞衣の存在はコンプレックス以外の何物でもなかった。
その舞衣が…跪いて自分の足を舐めている…
田島の中で…コンプレックスが解消された瞬間だった…

両足の…足の指から足の裏まで丁寧に嘗め回した舞衣…
約10分間…舞衣に足を舐めさせ笑い続けた田島は満足したのか…舞衣に新たな命令を下す。

「ま、鴇羽さんが〜〜そこまで奴隷になりたいって言うのなら仕方ないよね(笑)アタシの奴隷に
してあげる♪じゃ、早速命令なんだけど〜〜〜」

田島は舞衣に後ろを振り返るよう顔で合図する…

「えっ…何…って…はいいっ!?ちょ、ちょっと3人とも…えっ!!?」

142 :
後ろを振り向き、舞衣は驚き声を挙げた。
舞衣の目の前には、いつの間にか全裸になった3人の姿が…
3人とも既に勃起し、その固く大きくなったペニスを舞衣に向け見せ付けていた。

「何今更驚いてるの〜〜?鴇羽さん、コイツ等もう我慢できないらしいからさ〜〜〜鴇羽さんが今から
口で抜いてあげてよ♪あっ、でも〜〜タダ抜いてあげるだけじゃ面白くないから〜〜〜ちょっとした
ゲームしちゃおうか♪今から一人3分以内でイカせる事〜〜〜!!出来ない場合は〜〜〜一斉送信!!」

「そんな…3分なんて…お願い!そんな意地悪しないで!田島さん!!」

「あはははっ!!何言ってるのよ〜〜鴇羽さん!意地悪じゃないでしょ〜〜?今まで散々男のチンポ
咥えてきたんだからさ〜〜〜それ位出来るでしょ〜〜〜?はいっ、それじゃ〜〜〜スタート!!」

有無を言わさず強引に…田島は理不尽な遊びを始めた。

「ちょっと待って!!そんなイキナリ…」

「鴇羽ぁ〜〜〜俺もう我慢できね〜〜〜よ!!一発頼むわ!」

舞衣の前に立ちはだかる伊園…
伊園は強引に舞衣の口元に勃起したペニスを押し当てた。

143 :
「むぐっ!?んっ…んん〜〜〜〜っ!!?んっ…ちゅぱ…んっ、んっ、んっ♪」

無理やり口にペニスを突っ込まれ…思わず咽ながらも…舞衣はペニスを口で愛撫し始めた。

「んちゅ、んちゅっ、んちゅっ、んっ、ちゅぱ、ちゅぱ♪んちゅっ、ちゅぱちゅっ♪」

長年で身に付いた風俗嬢としての習性は相当なもので…
舞衣は口での愛撫を始めると、夢中になりペニスに快感を与えようと試みる…

「んちゅ、ちゅぱじゅるっ♪んちゅ、んっ♪んっ、んっ、じゅる、じゅぷ、ちゅぱ…んっ♪」

唇をすぼめてペニスを咥え…舌を絡めてペニスに快感を与える…
時間を気にしながら、必に頭を前後に動かし…卑猥な水音を立てながら口での愛撫を続ける…

「あむぅ〜〜んちゅっ♪れろっ、れろっ、んちゅ…んっ♪んちゅっ、んちゅ、んっ♪んっ♪」

「あぁ〜〜〜〜スゲ〜〜〜よ…鴇羽…フェラ上手すぎ!!ああっ…ヤベ…俺もう…んぁああ!!」

「ちゅぱちゅぱ…じゅる…ちゅぱちゅぱ…んっ、んっ…んぐぅ…はぁはぁ…はぁ…やっ!!?」

舞衣の必の口愛撫により、伊園は早くも絶頂に達した。
絶頂に達した伊園は舞衣の口からペニスを抜くと、手でペニスを扱き…舞衣の顔目掛けて射精する…

「あっ、ああっ!!顔に…顔にブッかけてやる!!あっ、ああっ!!」

「んんっ!!やっ…んんっ…やぁあ…はぁ、はぁ…目に…はぁ、はぁ…」

舞衣の顔は大量の精液で汚される…
熱く…白くネバネバした白濁液は舞衣の額や鼻…頬を汚し…卑猥な匂いを立ち昇らせる…
好きでもない男の精液で顔を汚され…
ネバネバとした不快感と何ともいえない不快な匂いに、舞衣はむせ返った…

144 :
「…はぁ、はぁ…時間…大丈夫よね?」

「スゴ〜〜〜イ!!1分30秒!!鴇羽さん、やるね〜〜〜!!」

携帯のタイマーで時間を計っていた田島は、面白そうに舞衣を冷やかした。

「おらおらぁ!!まだ休んでいいって言ってないだろうが!!」

大柄な福田が舞衣の前に立ちはだかる…
そして、既に勃起したペニスを舞衣に見せ付ける…

「鴇羽のエロい身体見てたら…もう我慢できなくてよ〜〜〜(笑)ほら、頼むわ!」

「…うん…わかった…」

ペニスを差し出されると、舞衣は従順にペニスを咥えた。

「あむぅ〜〜〜んちゅ…あむぅ…んちゅっ♪んちゅ、んっ♪んっ、んちゅ♪んっ♪じゅる、んちゅぱ♪」

ペニスを咥えると、初めから激しく吸い付き、舌を絡めて強い快感を与えようとする…
唇で圧迫しながら、亀頭を舌で舐めあげ快感を与える…

「じゅるじゅぷんちゅぱじゅるっ♪ちゅぱじゅるるれろちゅぱっ♪んちゅじゅるぢゅる♪れろれろじゅるっ♪」

「あっ!!マジでスゲ〜〜〜よ!!はぁ、はぁ…さすが元風俗嬢…はぁ、はぁ…フェラ上手いな…ああっ!」

ペニスを手で支えながら、髪の毛を乱し頭を激しく前後に動かす…
早い動きに髪の毛を乱しながら、口愛撫を続ける…
額からは汗を流し…全身にうっすら汗を浮かべる舞衣…
激しい頭の動きに、舞衣の大きな乳房はユサユサと揺れ動き、その乳房に福田は膝を当て感触を楽しんだ。

145 :
「あっ!!ああっ!!はぁ、はぁ…も、もうダメだ…出るっ!!鴇羽…飲めよ!!あああっ!!」

「ちゅぱじゅるれろっ…ちゅぱじゅるっ…んんっ!!?ケホケホっ!!ゴホッ!!ゴホッ!!」

絶頂に達した福田は、舞衣の口内に精液を放った…
ネバネバとした精液が喉に絡み…舞衣は咳き込む…
そして舞衣は福田の命令通り、その青臭いネバネバとした感触の精液をゆっくり飲み下した。

「ごくっ…ごくっ…ケホケホッ…はぁ、はぁ…お願い…ちょっと飲み物…喉がヒリヒリして…はぁ、はぁ…」

「惜しい!!2分50秒!!って、はぁ?何言ってるの〜〜〜?そんな暇ないよ〜〜鴇羽さん(笑)」

面白そうに舞衣を見下しながら話す田島…

「ケホっ、ケホっ…はぁ、はぁ…そんな…酷い…お願い…はぁはぁ…」

「ダメよ〜〜〜!!ほらっ!3人目!!名嘉島が我慢できないって(笑)」

ビデオカメラを構えていた名嘉島は、カメラを伊園に手渡すと、舞衣の前に立つ…

「ふぅ〜〜っ…やっと交代かよ〜〜〜(笑)鴇羽頼むぜ!!」

舞衣は無言で頷くと、ペニスを咥えた…

「ずちゅっ♪じゅるじゅぷっ♪んちゅっ♪じゅるっ♪じゅるっ♪じゅぱじゅるっ…」

「はぁ、はぁ、はぁ…あぁ…鴇羽…スゲー顔…頬凹ませて…マジひょっとこ顔だよな…はぁ、はぁ…」

時間を気にしながら、夢中でペニスに吸い付く舞衣の顔に、周囲の3人は指を刺し笑う…
その…ヒョットコのような卑猥な表情は、まるで女を捨てた格安売春婦の姿そのものだった…

146 :
「はぁ、はぁ…AVでも見れないぜ!こんなイヤらしい顔…ああっ!!もう出るっ!!あああっ!!」

舞衣の口内に、3発目の精液が放たれた…
舞衣は無意識にゆっくりと精液を飲み下す…

「1分20秒!!名嘉島ぁ〜〜〜アンタ早すぎだっての!!もうちょっと我慢しなよ〜〜〜(笑)」

「はぁ、はぁ…はぁ…出来るわけねーだろ!!はぁ、はぁ…そんなの無理だって!!」

3人のペニスを口愛撫で射精させた舞衣は、疲れ果てその場に座り込む…
しかし、田島は容赦しない…
田島はビデオカメラを受け取ると、舞衣にレンズを向けた…

「鴇羽さ〜〜ん!何へばってるの〜〜〜!?まだまだ本番はこれからだよ〜〜(笑)」

「…はぁ、はぁ、はぁ…本番…って?」

「決まってるじゃない!!アタシの奴隷になった記念の乱交パーティーが今から始まるんだから!!」

「はいっ!?乱交…パーティー!!?」

「そうよ〜〜〜!!今日は記念すべき鴇羽さんの「奴隷記念日」なんだから♪」

田島の一言で、男達は舞衣にジリジリと歩み寄る…
そして、3人の男達は一斉に舞衣の体に襲い掛かった。

「ちょっと待って!!イヤよ!!そんな…イヤァアアあああああああぁ〜〜〜〜っ!!」

密室に…舞衣の悲痛な悲鳴が響き渡った…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

147 :
午後2時30分

風華町 市街地

「離せっ!!さっきから言ってるだろう!!これは私のバイクだ!!」

「嘘をつくんじゃない!!女子高生がこんな大きなバイクに乗ってるわけがない!!」

まったくツイてないな…
ここは舞衣が入っていったホテルの前…
バイクを押して舞衣を尾行していたのだが…失敗だった…
いや…風華学園の制服を着ていたのが失敗だったのか…

それなりに大きいバイクを制服姿の女子高生が押していたら…当然目に付く…
私は人通りの多い路上で、パトロール中の中年警官に呼び止められ、職務質問を受ける羽目になってしまった。

「どうして私が警察の世話にならないといけない?私が一体何をしたと言うんだ!!?」

「だからね〜〜そのバイクだよバイク!!」

「だから、これは本当に私のバイクなんだ!!」

「さっきから言ってるように、この辺で最近バイクや車の盗難が頻繁に起こってるの!君を疑っている
わけじゃないんだけど、ちょっと話を聞こうかな〜〜と思ってね」

「充分疑っているじゃないか…」

「とりあえず、免許証見せてもらおうかな?」

148 :
「免許証…くっ…」

免許証…その言葉を聞き、私は焦った。
免許証を見せたら…バレてしまう…
何がって…決まっているだろう!!
私が…高校生でもないのに風華学園高等部の制服を着ていることが…
絶対に怪しまれる…
絶対に…軽蔑されてしまう…

どうすればいい…私は…どうすればいいんだ…

「ほらっ!免許証、持ってないの〜〜?免許証不携帯で罰金払ってもらう事になるよ〜〜〜」

「罰金」の言葉に、私は戸惑った。
せっかく下着を売って稼いだ金が…罰金の支払いで消えてしまうなんて…
私は無駄な出費を抑えるために…恥を忍んで免許証を差し出した。

149 :
「え〜〜〜っと…玖我なつきさん…ですね…え〜〜っと生年月日は〜〜っ!?今…21歳!?」

驚く警官の視線が私に向けられる…

そして…警官は携帯で何処かに問い合わせている…

「確かに…君のバイクらしいけど…君、学生証ある?」

私は意を決した…

「こっ…これは…その…彼氏に頼まれてコスプレしてるんだ!!」

「はっ!!?コスプレ!!?」

「そっ…そうだ!!彼氏が…こういうの好きなんだ…だから私は…今から彼氏の家に向かう途中だったんだ…」

私は、一瞬で考えた嘘をその場の勢いに任せて話した。

「…彼氏の趣味でコスプレ…ねぇ…はぁ〜〜〜分かった分かった…いいよ…もう…」

事情を知った警官は、まるで見下すかのような視線を向け…ジックリと眺める…
おそらく…これから私がこの制服姿で何をするのか想像でもしているのだろう…
私は嫌悪感を覚え…顔を背ける…

「彼氏の期待に応えるのもいいが…いい大人なんだから、制服遊びも程ほどにしなさい…いいね?」

「…くっ!余計なお世話だっ!!もういいだろう!!?」

警官の捨て台詞とも取れる言葉に、私は赤面しながらその場を立ち去った。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

150 :
午後3時      

ビジネスホテル ロビー

やっと…辿り着いた…
舞衣がホテルに入ってもうどれくらい経っただろう…
あの女…名前は忘れたが…舞衣と同じクラスの女だった筈…
そして、男3人は…風華学園でも素行の悪かった奴等だったな。
奴等に…絶対脅迫を受けている筈…

可能性は低いが…無事だといいんだが…

私はフロントに向かうと、早速受け付けの女性に舞衣の部屋を訪ねた。

「あのぉ〜〜〜私、このホテルに泊まってる鴇羽舞衣の妹なんですけどぉ〜〜姉が泊まってるお部屋は
何号室ですかぁ〜〜?」

恥ずかしいが…私は必に「鴇羽舞衣の妹」を演じて見せた。
得体の知れない他人よりも、親族だと名乗れば何の疑いもなく部屋を教えてくれるだろう…

「はい、鴇羽舞衣さんのお部屋ですね〜〜」

私の制服姿もあって、フロントの女性は何の疑いもなく私に部屋の号室を教えてくれた。

「ありがとうございましたぁ〜〜〜♪」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

151 :
エレベーターに乗り込み、5階のボタンを押す…
そして、私はエレベーター内の鏡に映る自分の姿を見ながらため息をつく…

「…はぁ…制服姿で…こんな事をする羽目になるとはな…」

私は呟きながら、制服のポケットに入れていた携帯を取り出した。

「…迫水か?」

『おやおや、お久しぶりですねぇ〜〜何か用ですか?』

「今、何をしている?」

『今ですか?いやぁ〜〜いつものように高等部の中庭で花を愛でているんですけどねぇ〜〜』

「今すぐ中止しろ…花の世話は明日にしろ…」

『はぁ…突然ですねぇ〜〜〜あっ!もしかして…また仕事の手伝いをヤラされるんですか?勘弁して
欲しいですねぇ〜〜正直…一応私も教師なんですから、あまり裏の仕事は…』

「違う!単刀直入に言う…鴇羽舞衣がピンチだ!」

『…舞衣さんが?なるほど…何だか物騒な話ですねぇ…』

「女1人、男3人に拘束されて…宿泊先のホテルの部屋に入った…」

『4人ですか…大丈夫なんですかぁ〜〜?アナタ一人で…』

「だから連絡したんだ…今から私は部屋に突入して舞衣を助けに行く。迫水、私を援護してくれ」

『しょうがないですねぇ〜〜〜はいはい、わかりました…で、今何処にいるんですか?』

「市街地のビジネスホテルだ…場所はわかるな?」

『はいはい、わかりますよ…近くで待機してますから、どうぞご安心ください♪』

「もし1時間経っても連絡が無い場合は…頼むぞ!」

『はいはい、任せてください♪では…ご武運を…』

152 :
迫水に援護役を依頼しているうちに、エレベーターは5階に到着した。

「…学園のクズ共が手を組んで脅迫…か…」

まったく…私はお人好しだな…
こんな事に首を突っ込んでも…依頼料は貰えないのに…

「下着の借りは、今日のうちに返すからな…舞衣…」

私は部屋の前に立つと、深呼吸して心を落ち着かせ…懐に忍ばせていたスタンガンを手にした…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

153 :
頑張れヘタレなつき

154 :
ビジネスホテル  5階

部屋の前 

「きゃあああああああああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜っ!!」

ドアの向こうから聞こえる…絹を引き裂くような女の悲鳴…
その声は、明らかに聞き覚えのある人物の声だった。

「くっ!!舞衣か!…舞衣なのか…っ!」

ドアの向こうでは、舞衣が乱暴を受けている…
なつきの体は震えた…
女なら分かる…その恐怖と屈辱…
女性としての尊厳を犯されている人物が、顔見知りの女性なら尚更…
舞衣が陵辱されている事を想像するだけで、なつきは既に居ても立ってもいられない気分だった。

「はぁ、はぁ…待ってろ…舞衣…今すぐ…今すぐ…」

なつきは自分を落ち着けようと深呼吸しながら…ドアに耳を密着させ、部屋の状況を音で確認し始めた。

聞こえてくるのは…舞衣の悲鳴と暴れてきしむベッドの音…
そして…下衆な男達の下品な会話と笑い声…
耳を覆いたくなるような…屈辱的な光景を容易に想像できた。

「…一箇所に集まっているみたいだな…距離的には少し離れているか…恐らく…少し離れた別の部屋…」

声や音の伝わり方を聞き分けながら、なつきは部屋の構造や相手の位置を予測しつつ、作戦を考える…

155 :
「まずは…どうやって侵入するか…だな…」

なつきはドアノブを確認する…

「ふんっ…カードキー方式の…オートロックシステムか…厄介だな…」

そう…このホテルの部屋のドアは、全てオートロックシステムが施されていた。
一旦ドアを閉めれば、自動的に鍵がかかる…オートロック…
つまり、この時点で部屋のドアは、鍵が閉まった状態だった。

「仕方ない…もうひと演技するか…」

なつきはドアの前で小さく咳払いする…
そして、今まで数回演じてきた…可愛い女子高生の声を出しながら、部屋のドアをノックした。

「こんにちは〜〜〜♪あのぉ〜〜〜♪お姉ちゃんいますか〜〜〜?」

普段のなつきの声からは想像もできない…可愛く甘ったるい女の子の声…

「お姉ちゃ〜〜〜ん♪居るんでしょ〜〜?お姉ちゃ〜〜〜〜ん♪」

ドアを強めにノックしながら、甘く可愛い声を張り上げるように…中にいる男達に呼びかける…
執拗にノックと呼びかけを続けたなつき…
自分でも『こんな声、よく出せるよな…』と思いながらも、何とか男達を誘き出そうと務めた。

156 :
「お姉ちゃ〜〜ん!!居るんでしょ〜〜〜!!出なさいよ!!サッサと出ろ!!」

呼びかけること5分…

耳をドアに着け、中の音を探っていると…足音が聞こえてきた…
そして、ダルそうな男の声が近づいてくる…

「来たっ!!」

なつきはドアから少し離れた場所でスタンガンを構える…

「…ドアはオートロック…一度締まったら終わりだ…チャンスは一度だけ…」

緊張の面持ちで、なつきは男がドアを開けるのを待った。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

157 :
「ったく、ウルセーな!!誰だよ!!」

上半身裸に下着だけを身に着けた名嘉島が、金髪の髪の毛をかき上げながらドアを開ける…

「あれっ?何だよ…誰もいね〜〜し!!?」

『今だっ!!』

なつきは瞬時に、そのガラの悪い男の背後に回り口元をハンカチで押さえた。

「なっ!!?何っ!!?むぐぅ…むぅう!!?」

そして、一瞬の隙を突いてスタンガンを名嘉島の背中に押し付け、電流を流した。

「むぐっ!!?んぐぐううううぅぅ〜〜〜〜!!んぐっ!!?ぐぁあ!!むぐぅ〜〜〜〜!!?」

約10秒間…名嘉島の身体に、スタンガンの電流を流し続ける…
口元を押さえられた名嘉島は唸り声を上げながらその場に倒れこんだ。

『…よしっ…まずは一人目…』

気を失った名嘉島をストッパー代わりにして、ドアが閉まらないように支える…
何とかドアを開ける事に成功したなつきは、物音を立てず…気配を消しながら部屋に侵入した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

158 :
部屋への侵入に成功したなつきは、物音を立てず…ゆっくりと玄関から部屋に向かう…

「いやぁああああぁ〜〜〜っ!!いやぁ!!止めてっ!!離してっ!!」

目を覆いたくなるような光景…

両手をタオルで縛り拘束され…目隠しをされ…身体に卑猥な落書きをされ…

ベッドで全裸の男達に襲われる舞衣の姿が目に飛び込んできた。
二人の男達はニヤニヤと笑いながら、舞衣の身体を弄ぶ…

「くっ…下衆共が…っ!!」

物陰に身を隠しながら、なつきは男達の隙を探る…

『まだだ…まだ…もう少し…』

なつきは、足元に置いてあった焼酎の瓶を右手に持つと、ターゲットを長髪の男…伊園に絞った。

『よしっ!!今だっ!!』

なつきはベッドルームに飛び込むと、焼酎の瓶で思いっきり伊園の後頭部を殴りつけた。

「あがっ!!…あぁ…あげぇ…うぅ…」

相当ダメージが大きかったのか…
伊園は、あまり声も出さず…その場に倒れ込んだ…

159 :
「うわっ!!なっ!!?何だテメェ!!?」

大柄でガタイのいい…スキンヘッドの福田は、突然の出来事に動揺する。

「ひぃい!!?なっ…風華学園の制服!!?」

田島は制服姿の女の登場に驚きを隠せない…
しかし、その制服姿の女の顔を見た瞬間、思い出したように叫んだ。

「ああ〜〜〜っ!!アンタ…玖我…玖我なつき…」

「玖我なつき!!?誰だよそれ!!?」

「忘れたのかよ!!ほら!あの風華学園の…クールビューティーの…玖我なつきだよ!!覚えてないのかい!?」

「あっ!!あぁ!!思い出したぜ!!あの、クールぶってスカしてた女かよ!!?」

なつきは二人の前で腕を組んで堂々と構える…

「…屑共が…卒業後もロクな人生を送っていないようだな!!」

険しい表情で…二人を威圧するように睨みつける…

160 :
「あぁ!!?何だよ!!?そんなのアタシ等の勝手だろ!!?てかさ、何だよその格好!!イメクラのバイト
でもしてんのかよ!!それともデリヘルか(笑)部屋間違えてんじゃね!!?とりあえず〜〜〜ウチらお呼び
じゃないんだけど〜〜〜(笑)」

田島は恐怖に震えながら、なつきの格好…風華学園高等部の制服姿を指摘して笑う…

「…貴様等…これは犯罪だ…タダで済むと思うなよ…」

なつきは田島を睨みつけながら、一歩一歩近づいていく…

「ひっ!!?ちょ、ちょっと福田!!何やってんのよ!!やれよ!!ヤッちまいなよ!!言っとくけど、
こんなチャンス滅多にないんじゃね!!?ほら!!高等部の制服姿の玖我なつきだよ!!?アンタ高等部
の頃、犯りやいって言ってたじゃん!!ボコボコにして、制服プレイ楽しみなよ!!ほらっ!!」

「いや…ちょっと待て…待てって!!押すなよ!!」

なつきに怯える田島は、大柄な福田の背中を押す…
しかし、当の福田は…なつきの尋常ではない気を感じているのか…逃げ腰の状態…

「ヤッちまえよ福田!!このままじゃアタシ等、犯罪者になっちゃうよ!!」

「そんな…ちょっと待てよ!!絶対バレないって言ってたじゃねーかよ!!」

「はぁ!!?知らね〜〜〜よ!!ヤレよ!!玖我を犯っちまって…弱みを握って…証拠隠滅するしか方法が
無いんだよ!!ほらっ!!玖我を犯っちまえよ!!男だろ!!行けよ!!」

161 :
「わ、分かったよ!!行けばいいんだろ!!?はぁあ、はぁあ…あぁ…そういや高等部の頃、マジで犯した
かったんだよなぁ…へへぇ…制服似合ってんじゃん…はぁはぁ…テメェからここに来たんだからな…はぁはぁ
…輪姦(マワ)されても文句言うなよなぁ!!オラァ!!」

自棄になった福田は、なつき目掛けて突進してきた。
なつきよりも20センチは身長の高い福田…
そのガタイのいい大男が、両手を広げ華奢ななつき目掛けて掴みかかろうとする…

しかし…

「ふんっ!!この木偶の坊がっ!!」

そう言い放つと、なつきは福田の懐に入り込み…攻撃をかわす…
そして、ガラ空きになった顔面に、思いっきり肘を打ち込んだ。

「はがぁああ!!ああ…ああぁ…」

なつきの肘打ちは、福田の顎をカウンター気味に打ち抜いた。

162 :
「あぁあ…あがぁ…あぁ!アギョが…?アギョが…?」

福田の顎が、完全にズレていた…

そして、脳が揺れ…中枢神経との連結が途絶えたのか…
筋骨粒々とした大男の福田が…膝からガクッと崩れ落ちる…
しかし、なつきは容赦しない…

「その図体のデカさは…見せ掛けだけのようだな!!」

腰から崩れ落ちようとする福田の首を両手でロックすると、なつきの右脚は床を蹴り上げる…
そして…福田の腹部目掛けて、体重の乗った膝蹴りを打ち込んだ。

「うっげぇえええぇぇ〜〜〜〜〜!!えげぇ…!!えげぇ…!あがっ…」

なつきの膝蹴りは、腹筋と肋骨の間…レバー(肝臓)に突き刺さり、衝撃を与える…
人間の体で、絶対に鍛える事ができない部分の一つ…
そして、人間が攻撃され最も苦しむ部分を強打され…
福田は激痛と苦しみに襲われ、失神してしまった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

163 :
うむ これでいいw

164 :
「えっ…誰?なつき!?なつきなの!!?」

目隠しをされ、ベッドに拘束されている舞衣は、聞き覚えのある声に気付いた。

「チッ…役に立たねぇ奴…」

ビデオカメラ片手に、田島は一歩後退りする…
なつきは後退りした田島を壁際まで追い詰めた。

「残るは貴様だけだ…覚悟しろ!!」

追い詰められた田島は、不敵な笑いを浮かべる…

「ふんっ!!アタシに一歩でも近づいてみろ!!」

携帯を取り出し、ディスプレイを見せ付ける…
ディスプレイには、舞衣が輪姦された後に撮影された…舞衣の全裸の写真が表示されていた。

「一歩でも近づいたら…この写真を…コイツの彼氏や弟に送りつけてやるからなっ!!」

意地の悪い表情を浮かべ…更に言葉を付け加える…

「それだけじゃない!!アタシが携帯で操作すれば…家のパソコンに入ってる鴇羽のヤラシイ写真が
全てネット上に流れるようにしてあるんだ!!分かったろ!!?さっさと失せろよ!!」

165 :
得意気に語る田島…

しかし…

「そうか…貴様とその下僕たちが舞衣に婦女暴行を働いた証拠を、自ら保持しているらしいな!!」

「なっ!!何っ!!?証拠!!?はぁ!!?何の事だよ!!」

「貴様等の事だから…舞衣に同意を求める発言をさせたのだろうが…性犯罪において、女性は最も弱い
立場に置かれている!!写真や映像の証拠さえあれば、あとは被害を受けている女性…つまり舞衣の
発言一つで貴様等の運命は決まる!!」

「…そ…そんな…でも!こっちには鴇羽の人生を無茶苦茶にできる動画が幾つも…」

「貴様の人生も無茶苦茶にできる動画もあるんじゃないか?例えば…そのビデオカメラの映像とか…な…」

「…っ!!?あっ!!しまった!!」

なつきは、田島が持っていたビデオカメラが未だに録画の赤ランプがついていることを見逃さなかった。
そして…田島は不覚にも、自分が片手に持っていたビデオカメラが未だ録画の状態であった事に、今気付いた。
今までの…なつきと田島の会話を、録画中のビデオカメラは全て記録していた…
田島は悔しそうに表情を歪めながら、ビデオカメラを床に投げ捨てた。

「くっ…畜生っ…っ!!もういい…どうせ逃げられないんなら!!鴇羽の人生滅茶苦茶にしてやるっ!!」

自棄を起こした田島は、壊れた笑顔を浮かべながら…手に持った携帯を操作する…
ワザと携帯のディスプレイをなつきに見せつけながら…舞衣の痴態を収めたファイルを転送しようとする…

166 :
その時…

「ふんっ…醜いな…」

そう一言呟くと…なつきは携帯を持つ田島の手元を目掛けて瞬時にハイキックを繰り出した。

「あっ!!?痛たた…ああっ!!携帯が!!?」

制服のスカートから伸びるスラリとした脚…
なつきの蹴りは、的確に田島の手元を捉え…携帯の操作を防ぐ事に成功した。
床に落ち…なつきの足元に転がってきた…田島の携帯…
その携帯を、なつきは拾い上げる…

「…証拠の一つは確保したぞ…脅迫罪…強姦罪…監禁罪…この携帯ひとつで、どれだけの罪が暴かれるのか…」

「ひぃいいっ!!?そんな…ヤダよ!!アタシ刑務所なんて入りたくないよっ!!」

なつきの言葉に、絶望した表情を浮かべる田島…

「ヤダヤダっ!!刑務所なんてヤダっ!!きゃああああああぁぁぁ〜〜〜〜っ!!」

冷静さを失った田島は、なつきに突進してくる…
しかし…一瞬で交わされ…なつきは田島の背後に回り、腕をひねり上げる…

「痛たたたた…きゃあああぁ〜〜〜!!腕が折れるっ!!折れるっ!!きゃああああぁ〜〜〜っ!!」

田島は大袈裟に騒ぎ…喚き散らす…
自棄を起こした女の…醜い姿…

「貴様が犯した罪は…今後人生の汚点となって貴様の経歴で生き続ける…精々反省するんだな…」

そう一言告げると…なつきは田島にスタンガンの電撃を食らわせた。

「ヤダダダダダダダぁ〜〜〜〜あ!!あがっ…」

失神して大人しくなった田島を仰向けに寝かせると、なつきは舞衣の元に歩み寄った。

167 :
「舞衣!!大丈夫かっ!!?」

すぐに手首の拘束を解き…目隠しを取り…舞衣を解放した。

「うん…何とか…」

長い時間目隠しをされ意識が若干朦朧としている舞衣は、言葉少なげに答えた。

「ありがとう…なつき…助けに来てくれたんだ…」

ベッドの上で身体を起こすと、安堵した表情の舞衣は、なつきにお礼を言った。

「まあな…下着の借り…これで返したからな…」

なつきは裸の舞衣にタオルケットをかける…
そして若干頬を赤らめ、照れながら言葉を返した。

「あはは…気にしなくていいのに…」

ほんの少しだけ…舞衣の表情に笑顔が戻っていた…

それから暫く…なつきは舞衣の精神面を考慮しながら、会話を続けた…

168 :
そして…

「…そろそろ…1時間か…」

部屋の時計を眺めながら…なつきは時間を確認する…

「舞衣、暫く待っていてくれ…」

そういうと、なつきは舞衣を寝室に残し、一旦廊下に出る…

「…もしもし、迫水か?あぁ…馬鹿4人を仕留めた…今から警察に突き出す…準備を頼む…」

舞衣のプライバシーを配慮し、なるべく事件を公にしたくなかったなつきは、迫水の手を借りて、
出来るだけ周囲の人間に知られずに4人をホテルから出し、警察に突き出すことにした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

169 :
迫水は舞衣にフェラの義理もあるしな

170 :
午後6時

風華町 警察署

鉄筋コンクリート造りの3階建…
風華町の市街地から少し離れた場所にある…警察署…
その警察署に…舞衣となつきの姿はあった。

「…田島さんと…他の男子はどうなったの?」

「先に迫水が警察署へ連行した…奴は警察と多少の繋がりがあるからな…」

受付の窓口前…
二人はベンチに座り…何気ない会話を交わす…
6時を過ぎ…既に人は少ない…

「はぁ、はぁ…いやぁ〜〜お待たせしました!」

そんな中、息を切らして迫水が現れる…

「迫水…今回は済まなかったな」

「迫水先生…ありがとうござました…こんな事までしてもらっちゃって…」

「いやいや、いいんですよ♪これ位お安い御用です♪」

なつきや舞衣の言葉に対して、迫水は優しい笑顔で答えた。
しかし、次の瞬間…迫水の表情は変わる…

「舞衣さん…今回は災難でしたねぇ…しかし、うちの卒業生にも悪い奴がいたものですねぇ…」

「ところで…迫水、あの馬鹿4人は今どうしている?」

「はぁ、あの4人ですか?今は取調べ中ですね…そろそろ終わる頃でしょうか…」

171 :
迫水の話によると…
4人は迫水の手によって警察署に連行され…
既に4人はそれぞれ別室に隔離され、取調べを受けているとの事だった。

田島の携帯電話に保存されていた写真や動画…
そして、押収されたビデオカメラや、田島の自宅にあるパソコンなど…
言い逃れできない証拠を突きつけられ…
4人は罪を大筋で認めているらしい…

そんな時、窓口に女性警官が現れる…

「鴇羽舞衣さん、お待たせしました…こちらへどうぞ…」

舞衣は一人取調室に招かれた。

「じゃ、行ってくるね…」

「いいか舞衣、ありのまま全てを話すんだ、いいな?」

「うん…わかった…」

警察側は舞衣の精神面を考慮して、女性警官が事情聴取することになった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

172 :
舞衣は今回の事件に関して、全てを話した。
そして、田島や男子3人の罪が確定した。

しかし…

今回の事件を公にしたくない…
自身が犯された事を巧海や祐一…大切な人たちに知られたくない…
そういった舞衣の願いから、今回の事件について、舞衣は民事を起こさない方向で話を進めた。
つまり、今回の事件に関しては、4人とも不起訴処分となった…
舞衣を脅迫し、監禁し、乱暴を働いた罪は…帳消しとなったも同然…

しかし、今回の取調べで4人の様々な余罪が発覚した。

もともと素行の悪い4人は、偶然にも他の事件で執行猶予期間中だった。
執行猶予期間中の犯罪…
4人は法律の下に実刑判決を受け、懲役に服し…人生に汚点を残す事になってしまった…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

173 :
残るは詩帆か

174 :
午後10時

警察署    受付 窓口前

結局、取調べや事情聴収が終わったのは、夜の10時…

「なつき、迫水先生…今日は本当にありがとうございました…」

舞衣は二人にお辞儀をし、心からのお礼を言った。

「あぁ、気にするな…よかったな…これで馬鹿4人とも縁を切る事ができたな…」

「しかし…舞衣さん大丈夫ですか?あんな出来事があったばかりで…正直心配ですねぇ…」

舞衣が脅迫の被害から逃れられた事を安心するなつき…
そして、舞衣の身を案ずる迫水…

「そうだ、なつきさん、今日は一晩舞衣さんに付き添ってあげてはどうでしょうか?」

「…あぁ…そうさせてもらうよ…舞衣、私もお前が心配だ…今日は一晩付き添わせてもらっても良いか?」

「…うん…ありがとう…ゴメンね、心配かけちゃった上に、そこまで気遣ってもらって…」

「あぁ…いいんだ…気にするな…」

そして、なつきと迫水は警察署から出ようと玄関に向かう…

175 :
しかし…

「ちょっと待って!!」

舞衣は二人を呼び止めた。

「どうした?舞衣…」

「うん…ちょっとね…あの…迫水先生にちょっと話があるの…」

「私に…ですか?」

「はい、ちょっと…話がしたくて…なつきは先にホテルに帰って…ロビーで待っててくれないかな…」

「あぁ…わかった…先にロビーで待ってるからな…」

そういうと、なつきは二人を残して先にビジネスホテルに向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

受付前に残された二人…

「あの〜〜舞衣さん、お話って一体…何でしょうか?」

「あのっ、今日はありがとうございました…」

「今更何を言ってるんですか、もう気にしなくても良いですよ(笑)」

改めて御礼を言う舞衣に対して、迫水は笑顔で答える…

176 :
「改めて御礼を言うのなら、私ではなく、なつきさんにするべきです。私は彼女の手助けをしただけですから
ねぇ(笑)まぁ、そう気にすることはありませんよ。貴女が無事でよかった…ただそれだけですよ」

「そんな事ないです…あたし、これ以上自分の変な噂が流れるの…イヤなんです…ううん、あたしが迷惑する
だけなら良い…でも、あたしのせいで、巧海や祐一が迷惑するのは耐えられないんです…だから、今日は本当
に助かりました。ホテルでの対応とか…警察への対応とか…あたしには…多分、なつきだって絶対無理だった
と思うし…本当に助かりました…」

舞衣は言葉に詰まりながらも、迫水に自分の気持ちを伝える…

「まぁ、私の裏の顔も時折役に立つものですねぇ(笑)」

「…だから…あたし、今日のお礼がしたいんです…」

「…はぁ…お礼…ですか?」

舞衣の意外な言葉に、迫水は首を傾げた…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

177 :
午後10時30分

警察署   男子トイレ

「あむぅ〜〜〜んちゅっ、ちゅぱ、ちゅっ♪んちゅっ♪んっ、んっ、んちゅっんっ♪ちゅく、んちゅっ♪」

警察署のロビーにある一般用トイレ…
その男子トイレの個室に、卑猥な水音が響き渡る…

「あっ…あぁ…あぅう〜〜〜うっ…はぁあ…ま、舞衣…さぁん…そこ、いいですよぉ〜〜はぁ、はぁ…」

それと同時に、気味の悪い男の呻き声も響き渡る…

「ちゅぱ、ちゅぱじゅるっ♪んっ、んっ、ぢゅるっ♪んっ、んっ…ちゅぱじゅるっ♪んっ、んっ…ちゅく、
んっ、んっ♪はぁ、はぁ…迫水先生…気持ち良いですか?あむぅ…ちゅぱじゅるっ♪んっ、んっ♪」

トイレの個室…洋式トイレの便座に座り、下半身を露出し…
贅肉に埋もれた下半身から、勃起したペニスを覗かせる…迫水…

トイレの床に膝立ちになり…迫水の勃起したペニスを咥え…一生懸命口で愛撫する…舞衣…

「はぁあ、はぁあ…舞衣さん…あっ!お礼って…はぁあ、はぁあ…コレの事だったんですかぁ?おふぅ!?」

「ちゅく♪ちゅっ、んっ♪んちゅっ、んっ♪はぁ、はぁ…はい、本当に助かったんで…お礼がしたかったん
です…あたしには…これしか出来ないから…はむぅ〜〜んっ♪んぢゅるちゅぱじゅるっ♪んっ、んっ♪」

舞衣は唇をすぼめ、唇でペニスを圧迫し…口内で舌を丹念に動かし亀頭に快感を与えながら…
頭を上下に動かし…ショートボブの髪の毛を乱しながら、口での愛撫を続ける…
唾液で満たした口の中をペニスが出入りし、更に舞衣が卑猥な音を響かせペニスに吸い付けば、より一層
個室に卑猥な音が響き渡った。

178 :
「あぁあ!あぁ…はぁあ、はぁあ…お礼なんて…もういいんですよ…おおっ!はぁあ、はぁあ…ま、まぁ…
折角のお礼ですから…おっ、おっ…受け取らず、気持ちを無下にするのは心苦しいですからねぇ…ああっ!
丁重にうけとりましょう…おっおぉ〜〜っ!!」

あまりの快感に唸り声を上げる迫水…
舞衣の頭を時折両手で押さえながら、自らも快感に身体を震わせる…

「はぁあ、はぁあ…あ、あのぉ〜〜舞衣さん、はぁ、はぁ…もう一度だけ、オ、オッパイを…触らせて貰っ
てもいいでしょうかねぇ?うっ!はぁ、はぁ…あの日は酔っ払ってて…おほぉ!!あっ、ああっ!あまり
感触を覚えてないんですよねぇ…」

「ちゅく、じゅるじゅぷっ、んっ、ちゅぱ…はぁ、はぁ…あっ、はい…胸…ですね…いいですよ…」

舞衣は立ち上がると、Tシャツを脱ぎ…個室の壁にかける…
ブラも取り…同じように壁にかけた…
少し薄暗いトイレの蛍光灯に照らされた個室に、舞衣の上半身裸の姿が晒された。

「はぁあ、はぁあ…おおっ!!改めて見ても…素晴しいオッパイ!はぁ、はぁ…ど、どうぞ…ココに座って」

舞衣は言われた通り、便座に座る迫水の膝に向き合うように座った。

179 :
「んっ♪あたし、結構重いでしょ?」

「いえいえ!全然重くはありませんよ!それでは…失礼して…」

まるで座位のような格好で、正面に向き合った舞衣と迫水…
迫水は目の前に晒された舞衣の豊満で形の良い、お椀型の巨乳に両手を伸ばす…
そして、遠慮せずにムニュムニュと鷲掴みにして揉み始めた。

「はぁ、はぁ…本当に…凄いオッパイですねぇ!!こんなに大きいのに…形も綺麗に整っていて…はぁ、
はぁ…私は乳輪なんか大き過ぎると冷めちゃうんですけどねぇ〜〜舞衣さんのは適度に小さくて…それに
ピンク色…もう私好みのオッパイなんですよねぇ〜〜」

舞衣の乳房は、迫水の芋虫のような指と掌によって、ムニュムニュと綺麗な形を歪ませる…
芋虫のような太い指に圧迫される舞衣の乳房は、若さ特有の弾力を指に伝えた…

「はぁあ、はぁ…本当に若い子のオッパイは素晴しいですねぇ!はぁあ、はぁ…もう乳首が起ってるじゃあり
ませんか!感じているんですねぇ〜〜ちゅっ…ちゅううぅ〜〜〜ぢゅるちゅちゅぅ〜〜!!」

両手で、舞衣の巨乳を鷲掴みにして揉みながら、コリコリに起ったピンク色の乳首に吸い付く…

「あっ♪はぁあ…んっ♪んっ♪ありがとうございます…あんっ♪あたしって…褒められる所って…胸くらい
しかないから…あんっ♪好きなだけ触ってくださいねっ…あっ、あっ…んっ♪」

胸を揉まれ、イヤらしい喘ぎ声を上げながら…勃起した迫水のペニスを手で握り…上下に擦り快感を与える…

180 :
「はぁあ、はぁあ…貴女が高等部時代…私はどれだけ興奮し我慢した事か…はぁあ、はぁ…特に夏の制服姿
や体操服姿の貴女は反則でしたよ(笑)ああっ…はぁ、はぁ…それを触れるなんて…むふぅ〜〜♪」

興奮した迫水は、舞衣の豊満な胸の谷間に顔を埋めて頬ずりを楽しむ…
甘酸っぱい香りと頬に感じるスベスベとした肌触りに、迫水は歓喜の呻き声を上げた…

「あっ、あっ、あんっ♪んっ…迫水先生も…あたしの事、そういう目で…見てたんですか?あんっ♪」

「しょうがないですよねぇ〜〜!教師とはいえ、やっぱり男ですからねぇ〜〜(笑)」

「あっ、んっ…あんっ♪クスクス…正直ですね(笑)」

「あぁあ…おほぉ〜〜!!も、もう限界だ…舞衣さん…最後は…パ、パイズリで…胸の谷間で…」

「…あっ、パイズリですね…はい、わかりました…」

舞衣は迫水の膝から降りると、再び床に膝立ちになる…
そして、迫水の勃起したペニスを、豊満な乳房…深い胸の谷間で挟み込んだ。
完全に乳房で隠れた迫水のペニス…
迫水はその光景に生唾を飲み込み驚き、興奮した。

「おほぉ〜〜凄い!!完全に挟み込まれた…パイズリなんて…私は初めてなんですよねぇ〜〜げへへ…」

「あたしは…お仕事で何度もした事あるんで…大丈夫です…じゃ、いきますね…」

舞衣は両手で乳房を押し…胸の谷間でペニスを圧迫しながら、ゆっくりと重量ある両乳房を上下に動かし始めた。

♪むにゅっ、むにゅっ、むにゅる、むにゅっ、むにっ、むにゅる、むにゅっ♪

「おっ!おおっ!おっ!凄い…気持ち良い!!コレがパイズリ…はぁはぁ…舞衣さん、凄いですよ!!」

豊満な胸の谷間から自分のペニスが見え隠れする光景に驚きを隠せない…
その光景と快感に、迫水は悶え…歓喜の声を上げた。

181 :
「んぁ…あんっ、んっ、んっ♪んっ、んっ、んぁ…あんっ♪はぁ、はぁ…んっ、しょ、んっ♪」

狭い個室は熱気が篭る…
舞衣は乳房を両手で支え、圧迫しながら上下、上下に動かし続ける…
額に汗を浮かべ…晒された上半身には玉のような汗を浮かべ…腋の下からは汗が流れ落ちる…
そんな状況で、一生懸命乳房を上下に動かしペニスに快感を与え続ける舞衣…
そして、舞衣は口を少し開き…舌を出す…

「んっ、んしょ、んっ♪もっと…気持ちよくしますね…あぇえ…れろぉ…」

舞衣の口から、トロトロの唾液が胸の谷間に流し込まれる…
舞衣の胸の谷間は、一瞬にして唾液ローションによってイヤらしく潤った…

♪ぬちゅっ、にゅる、ねちゅっ、ぬちゅっ、にゅる、にゅちゅっ、ぬちゅっ、ちゅにゅるっ♪

舞衣の胸の谷間の汗と、迫水のペニスから流れる汁…そして、舞衣の唾液で、胸の谷間は潤滑され、ぬちゅぬ
ちゅと卑猥な音を響かせ始める…

「あっ!ああっ!ううっ…気持ちい…ああっ!!まっ、舞衣さん!!も、もうダメだ…ああっ!!」

二人の汗の匂いと、ペニスと唾液の匂いが混じりあい…卑猥な香りが舞衣の胸元から立ち昇る…
その卑猥な香りは、パイズリを続ける舞衣と、それを受け快感に呻き声を上げる迫水を更に興奮させた。

そして…

「ああっ!!で…出るっ!!ああっ!!舞衣…さぁん…ああっ!!」

「あっ、んっ、んっ♪んっ、んっ…きゃっ!!?」

次の瞬間、舞衣の顔や胸元に、大量の精液が放たれた…
迫水の固く勃起したペニスはビクンビクンと脈打つように勢いよく射精し…
舞衣の顔…額や頬…鼻や口元は、白くネバネバした精液で汚される…
肩や腕…胸の谷間や両乳房…そしてお腹にも…精液は飛び散った…
舞衣の上半身はドロドロに汚され…精液独特の香りが個室に充満する…

182 :
「あっ、あぁ…はぁ、はぁ…もうドロドロ…いっぱい出ましたね…気持ちよかったですか?」

舞衣は、顔も上半身も精液まみれのまま、迫水に尋ねた。

「はぁあ、はぁあ、はぁ…はい!もう最高でした!!もう最高に気持ちよかったですねぇ…」

「…そうですか…よかった…はぁ…」

迫水の言葉を聞き安心したのか…舞衣はため息をつき脱力する…
そして、床にペタンと座った舞衣は、トイレットペーパーをカラカラと引っ張ると、精液で汚れた迫水の
ペニスを綺麗に拭き始めた。

「あぁ〜〜〜すみません舞衣さん!!知らず知らずに貴女を汚してしまって…申し訳ない!!」

迫水も、トイレットペーパーを千切り手に取ると、舞衣の顔や上半身を拭き始めた…

その後、お互い身支度を整えた二人は、周囲を気にしながら男子トイレを出る…
そして、二人は何食わぬ顔で警察署を後にした。

「少し遅くなってしまいましたねぇ…舞衣さん、私がホテルの前まで送りますよ」

迫水の車で宿泊先のビジネスホテルまで送ってもらった舞衣…
舞衣がホテルに到着した頃には、既に日付が変わる直前だった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

183 :
なにかっつーと肉体で払おうとするな舞衣は・・
こういう癖がしみついた女と楯は普通にやっていけるのか

184 :
8月1日      午前0時20分

ビジネスホテル 

ホテルの6階…
なつきは部屋のカーテンを開け、風華町の夜景を眺めながら…今日一日を振り返る…

「やっぱり…納得いかない…」

警察署で舞衣が選んだ「不起訴」という選択肢…
なつきは、どうしても納得できなかった。

「なぜ…あれ程の陵辱を受けて…奴等に復讐しようとしない…」

その理由を舞衣に聞いても良いのか…
それとも、何も聞かず…そっとしてあげるべきなのか…
なつきは迷っていた…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

185 :
一方…

バスルームには、疲れ切った舞衣の姿があった。

「…うん…あれで…よかったのよ…」

シャワーのお湯を浴びながら…舞衣は自身に言い聞かせるように呟く…

「…これ以上…巧海や祐一に…心配かけたくないわよ…だから…これで良かったのよ…」

自分が選んだ「不起訴」という選択肢が、間違いでなかった…
そう思うように勤めていた…
いや、舞衣はそう思いたかった…

「うん…もういい…終わった事だし…考えないようにしないと…」

『もう終わった事』

最終的には、そう納得して考える事をやめてしまった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

186 :
午前0時50分

ベッドルーム

シャワーを終えた舞衣は、ショーツ一枚にタンクトップ姿でなつきの前に現れた。

「ふぅ〜〜サッパリした〜〜♪」

「随分長かったな…どうだ?気持ちは大分落ち着いたか?」

「…うん…もう大丈夫…ありがとう…」

「そうか…あぁ、気にするな…」

舞衣は冷蔵庫からペットボトルのジュースを取り出すと、ベッドに座り…ゆっくりと喉の渇きを潤す…

「でも、ごめんね…わざわざ付き添いまでさせちゃって…」

「…あぁ…いいんだ…私が…付き添いたいだけなんだ…気にするな…」

なつきも、テーブルに置いていた飲みかけの缶コーヒーを飲み干した…

187 :
「それにしても…いい部屋に泊まってるんだな…」

大きな窓から見下ろせる、風華町の夜景…
夜の帳に…まるで星のように輝く…民家や建物の明かり…
そんな景色を眺めながら、なつきは舞衣に話しかけた。

「うん、学園が用意してくれたんだけど…景色が凄く良いでしょ?」

「あぁ…風華町で長く生活しているが…町の夜景を見るのは初めてだ…」

「実はあたしも…ほら、あそこが駅前で…その向こうが商店街♪」

「そうだな…で、あれが風華学園だな」

舞衣は夜景を眺めながら、馴染みの地点を発見し指差す…
釣られるように、なつきも風華学園の位置を指差した…

「…いい町よね…風華町って…」

舞衣は少しだけ笑顔を取り戻し…ポツリと呟いた。

「そうか?私は普通の町だと思うがな…」

「だって…あたしと巧海を受け入れてくれて…いい思い出を作ってくれた町だもん。それに…大切な友達も
出来たし…千絵ちゃんとか、あおいちゃんとか…勿論なつきもね♪ あと…アイツとも出会えたし(笑)
あたしにとって最高の思い出を作ることができた大切な場所だから…あたしは…風華町が大好きなの♪」

高等部時代を思い出すように…舞衣は懐かしみながら笑顔を見せた。

188 :
「と…とも…だち…?私が!!?」

なつきは思わず赤面しながら、舞衣から視線を逸らした。

「…卒業して…大人になっても…ずっと住んでみたかった…」

そして、笑顔を取り戻したかと思えば…しんみりとした表情でため息をつく…
そんな舞衣の姿を見ていたなつきの心には、何かが芽生えていた…

自分の事を「友達」と認識してくれていた事を、初めて知ったなつき…
正直「馴れ合い」は嫌いだった…
しかし…オーファン事件解決後も、そんな自分に笑顔で接してくれたのは、舞衣だった。

似たような境遇で…同じ時期に辛い時を過ごした「友達」に…
なつきは、自分の疑問や思いを伝えずには居られなかった…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

189 :
CDドラマとかだとなつきは普通に舞衣とつるんでるけどな
言葉の普通の意味において友達関係というか

190 :
「…舞衣…本当に…あれで良かったのか?」

「はいっ?何の事?」

「…お前が…あの4人を不起訴にする事を決めた件だ…お前は…あれで良かったのか?」

「…うん…」

突然のなつきの言葉に、舞衣は俯いた。

「なぜだ!?私には分からない!!奴等は…お前を散々辱めた上に…利用しようとしていたんだぞ!
もし運が悪ければ…お前はもっと酷い目に遭っていたのかもしれない…そんな下衆な奴等は!!」

「うん…もう…いいの…」

「いい訳ないだろう!!まるで泣き寝入りじゃないか!!あんな奴等は…今後の見せしめの為に、重い
ペナルティを与えるべきだ!!」

同じ女性だから分かる…屈辱感…
なつきにとって、舞衣の判断は理解できなかった…

「今からでも遅くない!舞衣、明日にでも警察に行ってもう一度…」

「だから!!もういいの!!」

「っ!!?舞衣…?」

熱心に舞衣を想い、説得するなつきの声を掻き消すように…舞衣の叫び声が部屋に響き渡った。

191 :
「ごめん…もう…いいの…」

「…舞衣…どうしてなんだ…?」

舞衣はベッドに座ると、俯き加減で語り始める…

「…あたしね…もうこれ以上…大切な人たちに迷惑かけたくないの…」

「…迷…惑…?」

「うん…あたしが乱暴された事が…大切な人たちに知られたら…そう考えると…」

言葉に詰まりながら…ゆっくりと話す…

「巧海には…これ以上心配かけたくないし…勿論…祐一にも…」

「…確かにを起こすと…周りの人間には知られるだろうな…恐らく…メディアにも取り上げられる筈…」

「…そうなの…今まであたし、いろいろ心配かけてきたし…ソープランドで働いていた事がバレた時は…
巧海を絶望させちゃったし…多分…祐一も傷付いたと思うの…」

「気持ちは分かる…しかし…舞衣…お前自身は…」

「ううん…あたしはいいの…あたしは、どう思われてもいい…どう見られてもいい…ただ…巧海や祐一
が…あたしのせいで傷付いたり…周りから変な目で見られるのは耐えられないの…」

「…舞衣…お前…」

なつきは言葉が見つからなかった…
あまりにも痛々しい理由に、かける言葉がなかった…

192 :
「あたしが黙ってれば、あたし以外の人たちは、今まで通りの普通の生活が送れるでしょ?あたしが黙っ
てさえいれば…何も変わらず…普通の生活が送れるはずなの…だから…いいでしょ?もう…」

その言葉を聞いたなつきは、ベッドに座る舞衣の両肩を持ち、揺さぶる…

「いい訳無いだろう!!舞衣!お前は昔からそうなんだ!!弟の為!!弟の為なんだ!!確かに大切な
弟だ、唯一の肉親なんだ、気持ちは分かる!!でも…舞衣!!お前自身はどうなんだ!!?悔しくない
のか!!?辛くないのか!!?もっと正直に…」

「もうイヤァアアアアアアアアァァァ〜〜〜〜〜っ!!」

舞衣は耐えられず叫んだ…
大粒の涙をこぼしながら…感情を爆発させた…

「もういいでしょ!!?あたしの好きなようにさせてよ!!あたしがいいって言ったらいいの!!これ以上
あたしに関わらないでよねっ!!アンタに…アンタに何がわかるっていうのよ!!!」

嗚咽しながら泣き叫ぶ舞衣は、なつきに自身の感情をぶつけた…

「あたしの周りは…いつも不幸だった!!お父さんも…お母さんも…巧海も…みんな不幸だった…あたしの
せいじゃないかって…いつも思ってた!!周りの人や…アイツは…「違う!そんな事はない!!」って言っ
てくれたけど…やっぱり信じられなかった!!だから、あたしは…不幸を受け入れるの!!全ての不幸を
受け入れて!!周りの人たちを不幸にさせたくないの!!」

「舞衣!!落ち着け!!もう止めろ!!そんなに…自分を下卑するんじゃない!!」

193 :
あまりにも痛々しい言葉に、なつきは耳を覆いたくなるような衝動に駆られる…
辛く…悲しい生い立ちが凝縮された言葉…
なつきは知らず知らずのうちに涙を流していた…

「もういいのっ!!あたしだけ…あたしだけ不幸になればいいのっ!!」

あまりにも痛々しくて…可哀想で…
なつきは目の前の…孤独な女を放ってはおけなかった…
今だけ…ほんの一時だけでも…可哀想な女の感情を受け止めてあげようと思った…

なつきは泣き叫ぶ舞衣を抱きしめた。
全てを受け止めるように…強く…強く抱きしめた。

「わかった…舞衣…もういい…そこまで言うのなら…思う存分泣け…愚痴なら幾らでも聞いてやるから…」

「うっ…ううっ…ぐすっ…うわぁあああああああぁ〜〜〜〜〜〜っ!!」

声を上げて泣き続ける舞衣を、なつきは只管抱きしめていた…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

194 :
「くすん…ぐすっ…えぐっ…はぁ…はぁ…」

どれだけ泣き続けただろう…

暫く泣き続けた舞衣は、嗚咽しながらなつきに身体を任せる…
そんな舞衣を、なつきは抱きしめ続けた…

『こんな時…どうすればいい…』

なつきは、悲しみに暮れた舞衣をどうやって慰めればいいのか悩んでいた…

『私は…どうやって…慰めてもらった?』

自身に問いかけながら、なつきは過去を振り返る…

そして、かつて恋人同士に近い関係だった…藤乃静留の事を思い出していた…

『静留は…私が傷付いた時は…どうしてくれただろう…』

高等部時代…毎晩のように肌を重ねた当時を思い出す…
嬉しい事があれば…喜びに任せて肌を重ね…
寂しい時には…お互い抱きしめあい…
そして…悲しみに暮れている時は…静留が優しくキスして慰めてくれた…

『そうだ…なら…私は、傷付いた舞衣を…慰める為に…』

そんな当時を思い出しながら…なつきはハンカチを取り出す…
そして、泣き疲れた舞衣の涙を優しく拭いてあげた。
なつきも、同じハンカチで自分の涙を拭き取る…

195 :
『もう…どう思われてもいい…私は…舞衣を慰めたい…その思いを…舞衣に伝えたい…』

舞衣が顔を上げると…なつきは…ゆっくりと舞衣に顔を近付ける…
なつきは舞衣の顎を手で少し上げると…舞衣の瑞々しく潤った唇が無防備に晒される…

「…舞衣…辛かったんだな…んっ…」

その舞衣の可憐な唇に…なつきは自身の唇を重ねた。

「っ!!?」

優しく…唇同士を触れ合わせるだけの…軽いキス…
突然の出来事に…舞衣は驚き、目を見開いた。

「…えっ…な…なつき…?」

キスを終えると、なつきは照れながら舞衣から目を逸らす…

「す、すまない!!その…私は不器用だから…その…どうやって慰めていいのか分からなくて…その…」

赤面し、しどろもどろになりながら…なつきは突然のキスの説明を始めた。

「とにかく、私は…舞衣…お前を…慰めてやりたいんだ…」

視線を逸らしたまま…なつきは、やっと自身の気持ちを伝える事ができた。

「…なつき…うん…ありがとう…」

舞衣は涙を拭きながら、笑顔で答える…

196 :
「…ねえ…なつき…こっち向いて…」

「どうした…っ!!?」

視線を逸らしていたなつきは、舞衣に目を向ける…

「…んっ…」

目の前には…顎を上げ…目を閉じて、自ら可憐な唇を捧げる舞衣の姿があった。

「…舞衣…いいのか…?」

「…うん…もっと…なつきに慰めて欲しい…いいでしょ?」

「…あぁ…分かった…」

自ら唇を捧げる舞衣と…再び唇を重ねるなつき…

「んっ…ちゅっ、んっ…んっ…ちゅっ♪」

「ちゅっ、んっ…んちゅ…ちゅっ…んっ…」

お互い目を閉じ…互いの柔かく瑞々しい唇の感触を味わいながら、二人はキスを交わし続けた…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

197 :
意外すぎる展開w

198 :
「んっ…ちゅっ、ちゅく…れろっ…ちゅっ…んっ♪」

「んちゅ…んっ…ちゅっ…ちゅく…んっ…」

次第に二人は、貪るように互いの唇を求め合う…
互いの唇の感触を確かめ合い…舌を絡め…濃厚なキスを交わし続けた。

「あむぅ…ちゅっ、ちゅく…れろっ…ちゅっ…はぁ、はぁ…なつきの唇…甘くて美味しい…」

「んちゅっ…ちゅっ…はぁ、はぁ…そうなのか?」

「うん…甘くて…柔かくて…女の子同士のキスって…こんなに気持ちいいんだ…」

舞衣は初めて味わう女同士のキスの快感に酔い痴れながら、更に貪るようなキスを続ける…

「んちゅっ…れろっ…ちゅっ…んっ♪ちゅく…れろっ…ちゅっ…んふぅ…んっ♪」

「はぁ、はぁ…んっ…ちゅっ…んっ…れろっ…ちゅっ…んっ…ちゅっ…」

お互いの舌を口内で絡め合い…お互いの甘い唾液を交換しながら濃厚なキスを続ける…
お互い恍惚とした表情を浮かべ…頬を紅潮させ…
夢中になって求め合った…

「はぁ、はぁ…ねえ、なつき…キス…気持ちいい?」

「…恥ずかしい事…聞かないでくれ…舞衣…」

一旦キスを終えると…なつきは舞衣のタンクトップを捲り上げる…
薄い布地が捲られ…舞衣の豊満で形の良い巨乳が晒された。

199 :
「実際に見ると…本当に大きいんだな…お前の胸は…」

なつきは舞衣の乳房を両手で持ち上げるようにして優しく揉みながら呟いた…

「大きくて…形が良くて…本当に綺麗な胸だな…あむっ…ちゅっ…ちゅう…ちゅっ♪」

舞衣の乳房を優しく揉みながら…なつきは舞衣の胸元に顔を近づける…
なつきの目の前には…揉まれてムニュムニュと形を歪める舞衣の大きな乳房…
その乳房の頂にツンと起った、ピンク色の乳首に…なつきは口を近づけ、優しく吸い付いた…

「ちゅっ、ちゅう…ちゅっ、ちゅく…ちゅう…れろっ、ぺろっ…ちゅっ…れろっ…」

「あっ…んっ…あっ♪あんっ♪おっぱい…気持ちいい…乳首…ダメぇ…あたし弱いの…感じちゃう…あっ♪」

コリコリに起った乳首に吸い付きながら…舌で乳首や乳輪をペロペロと嘗め回す…
時折、乳首を悪戯に甘噛みしながら、舌先で乳首に快感を与える…
空いた右手でもう片方の乳首を摘み…クリクリと指先で弄り続けた。
高等部時代…肌を重ねあった静留から仕込まれた愛撫…
女の体の感じる場所を熟知しているなつきは、舞衣の感じる箇所を的確に愛撫した。

「はぁ、はぁ…あんっ♪なつき…凄い…なつきぃ…あっ♪気持ちいいよ…乳首…あんっ…気持ちいい…んっ♪」

舞衣の乳房に顔を埋めるなつき…
舞衣の甘い香りと柔かい乳房の感触にうっとりとしながら愛撫を続ける…
そのなつきの頭を両手で抱えるようにしながら…舞衣は快感に悶え…喘いだ。

舞衣の右の乳首を弄っていたなつきの右手は、次第に舞衣の下半身に向けられる…
なつきの細くしなやかな指先は、ショーツ越しの舞衣のクリトリスを弄り始めた。

200 :
「あっ♪あっ♪あんっ♪はぁ、はぁ…なつき…上手すぎ…る…あんっ♪気持ちよすぎて…おかしくなっちゃう♪」

左の乳首を指で弄りながら…今度は右の乳首に吸い付き…コリコリに起った乳首を舌先で弄ぶ…
そして、右手でクリトリスを刺激し、快感を与え続けた…

「あっ♪あっ♪あぁあ〜〜〜〜っ♪ダメっ!!いっ…イクっ!!イクっ!!イクイク…あああっ!!」

3箇所を同時に愛撫され…舞衣は身体をピクピク震わせながら感じ続け…
身体の芯が熱くなり…快感は頭の先からつま先まで…全身を駆け巡り…
フワフワとした感覚に包まれながら、舞衣は口を大きく開け…喘ぎ続けた。

「あっあっ♪あっ…あんっ♪も、もうダメ…なつき…あたし…イッちゃう!!もうダメっ!!ああああっ!!」

舞衣はなつきにキュッと抱きつき…快感に声を上げながら絶頂に達した…

「大丈夫か?舞衣…」

「はぁあ、はぁあ…はぁ…なつき…上手すぎるわよ…はぁ、はぁ…女の子にイカされちゃうなんて…」

舞衣は絶頂の余韻を味わいながら、呼吸を整える…

「つい夢中になってしまって…すまない…」

「うん、いいよ…ありがとう♪」

恥ずかしそうに謝るなつきに対して、舞衣は笑顔で答えた。

「ねえ、なつき…」

「んっ、どうした?」

「あの…ね…どうせだから…もう少し二人で…遊んじゃおっか…」

「…いいのか?舞衣…」

「うん…どうせだから…いっぱいエッチな事して…嫌な事、忘れたいの…」

「…そうか…あぁ…わかったよ…」

201 :
なつきはベッドから立ち上がると、着ていた制服を脱ぎ始めた。
ノーブラだったなつき…制服を脱ぐと、その形の整った胸が晒される…
スカートもその場にストンと下ろし…午前中に舞衣から貰ったショーツに包まれたお尻や下半身を晒した。
ショーツ一枚姿のなつきは、再び舞衣の隣に座る…

「…私も…最近辛いことばかりなんだ…仕事が上手く行かなくて…本当に大変なんだ…」

「へぇ〜〜そうなんだ、なつきにも悩みってあるんだ」

「どういう意味だ?」

「うん…なつきなら…どんな悩みも自分で解決できるのかな〜〜って思ってたから…」

「そんな事はない…私だって…普通の女だ…自分で解決できない悩みは、幾らでもあるさ…」

「そうよね…じゃ、今度はあたしが…なつきを慰めてあげるわねっ♪」

「あぁ…慰めてくれ…舞衣…」

「うん、お互い…嫌な事忘れちゃう位…遊んじゃおうか…」

お互い優しい笑顔を向け合った二人は、再び唇を重ねた…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

202 :
「れろっ…ちゅっ…れろっ…ちゅっ…ちゅく…ちゅっ…」

「あむぅ…ちゅっ…ちゅっ…はぁ、はぁ…ちゅっ…」

再び貪るように濃厚なキスを交わす二人…
もうどれだけ…お互いの唇を味わい…舌を絡め合い…甘い唾液を交換し尽くしたのか…
暫くキスを交わした後…舞衣はゆっくりとなつきの身体をベッドに寝かせる…
仰向けになったなつきの体に覆い被さるように…舞衣は肌を重ねた。

「んぁあ♪なつきの肌…凄くスベスベしてる…んっ♪」

「はぁ、はぁ…舞衣…お前の身体…凄くいい匂いがするんだな…はぁ、はぁ…香水…つけてるのか?」

「ううん…全然(笑)汗かいちゃったから…汗臭いの間違いじゃない?」

「いや…凄くいい匂いだ…甘酸っぱくて…独特だけど…いい匂いだ…」

「それよりも…んっ♪なつきの肌…凄く綺麗…昔から綺麗だったよね…なつきの肌って…」

お互い肌を密着させ、肌の感触や温もりを感じあう…
お互いの瑞々しく木目細かい肌を…押し付け合い…擦り付け合い…
汗でより一層潤った肌は、ヌチュヌチュと卑猥な音を立てる…
感触を楽しみ…温もりを楽しみ…匂いを楽しみ…
肌と肌との触れ合いを楽しんだ。

「はぁ、はぁ…それにしても…なつきの胸…形が良くて…うらやましい…」

舞衣は、形の整ったなつきの胸に優しく触れる…
そして、ゆっくりと両手で揉み始めた。

203 :
「はあぁ…んっ♪んっ…そんな事ない…あっ…んっ♪」

「ううん…形が良くて…乳首の色も綺麗で…大き過ぎないし…小さ過ぎないし…」

「そんな…あっ…はあぁ…あんっ♪胸は…舞衣…お前の方が…あっ♪」

「あたしの胸は…ただ大きいだけ…ただ大きくて…いやらしい視線ばかり向けられて…イヤだった…
なつきはイイよね…スタイルよくて…女子の間でも評判だったし?」

「はあぁ…あんっ♪スタイルなら…舞衣…お前の方が凄いじゃないか…あっ…あんっ♪」

「あたしのスタイルは…はぁ…女子よりも…男子の評判の方が良かったみたいだけど…何かイヤだったな…
それよりも…こんなスタイル抜群の身体を…会長さんはずっと愛してたんだ…」

そういいながら、舞衣はなつきの胸元に顔を近づける…
そして、なつきの乳房に舌を這わせ始めた…

「んっ…ちゅっ…ぺろっ…ちゅっ…ちゅく…れろっ…」

胸の谷間から乳房を嘗め回し…なつきの胸元の汗を味わいながら…乳首に吸い付く…

「ちゅっ、ちゅく…ちゅっ…んちゅぅ〜〜〜んちゅっ…ちゅっ…あはっ♪乳首起ってきた♪」

「はぁあ…はぁあ…あっはぁあ…あんっ♪あっ、あっ…んっ♪舞衣…やめろ…恥ずかしい…あっ♪」

なつきは舞衣から視線を逸らしながら…舞衣の愛撫に感じ続けた。

「ちゅっ、んちゅっ…んっ…なつき…気持ちいい?女の子とこういう事した事ないから…よく分からないけど」

「んはぁ♪あっ…あんっ♪あぁ…気持ちいい…んっ♪続けてくれ…あんっ♪」

次第に舞衣は、なつきの全身を嘗め回し始めた…
首筋から肩…二の腕から指の一本一本まで…
お腹からおへそ…わき腹辺りを嘗め回されると…なつきは悶えるように感じた。

204 :
「んふふ…あたしがあげたショーツ…もうこんなに汚しちゃったんだ…」

そういうと、舞衣はなつきのショーツのサイドを優しく持ち…ゆっくりと下ろす…
ショーツをスルリと下ろされると…舞衣はショーツを綺麗に畳んで枕元に置く…
そして、ベッドの上で仰向けの状態で…舞衣はなつきに大股を開かせた。

「はぁあ、はぁあ…や…止めて…くれ…恥ずかしい…んふぅ…んっ♪」

小股を開き…恥ずかしそうに腰をクネらせるなつき…
身体を捩り、恥ずかしそうにモジモジするなつきの脚を…舞衣は両手で持ち固定させた…

「なつきのおまんこ…凄く綺麗…れろっ、ちゅっ、れろっ、ぺろっ、ぺろっ…」

舞衣はなつきの秘部に舌を這わせ始めた…
汗で蒸れたワレメを…丹念に嘗め回す…
そして…クリトリスに舌を這わせると…より一層重点的に嘗め回し始めた。

「はあっ…あっ!んっ…あっ、あっ、あんっ♪あっ♪クリ…気持ちいい…あっ、あっあんっ!!」

静留と別れて以来、初めて自分以外の相手によって…自身の恥ずかしい場所を愛撫され…
なつきは腰をビクビクと震わせ…全身を震わせながら切ない声を上げた…

「あっ♪あっ♪舞衣…舞衣…あっ♪やめろ…あんっ♪そこ…シャワーも浴びてないし…汚いから…あんっ♪」

「ぺろっ、れろれろっ、ぺろっ…じゅる…ぺろっ…んふふ…いい匂いじゃない…ぺろっ、ぺろっ…」

舞衣のいやらしい舌使いによって、なつきのあそこからは愛液が溢れ続ける…
自分の匂いに羞恥心を覚えたなつきは、両手で顔を覆いながら、快感に喘ぎ…震えた…

「あっ、あっ、あっ♪あんっ…あっ、あっ…あんっ♪舞衣…もうダメ…舞衣…私…もうダメだ…あっ、あっ♪
イッ…イク…あっ、あっ!!静留…いや…舞衣…もうダメ…あっ!!あああっ!!んんっ…っ!!」

なつきは口元を押さえながら…全身をビクビクと震わせ…絶頂に達した…
白い肌をピンク色に紅潮させ…全身により一層汗を浮かべながら…約1分間絶頂を味わい続けた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

205 :
「はぁあ…はぁあ…はぁ…はぁ…」

絶頂に達し…息を上げるなつき…

「んふふ…なつき…イッてくれたんだ…気持ちよかった?」

「はぁあ…はぁ…はぁ…あぁ…き…気持ちよかった…はぁ…はぁ…」

「よかった…気持ちよくなってくれて…」

舞衣は安心したのか…なつきの絶頂を見届けると、笑顔を見せた。
そして、舞衣は仰向けになるなつきの顔の目の前に自身のあそこを晒す…
舞衣はなつきの下半身に顔を近づける…
シックスナインの体勢になった二人…
四つんばいになり…愛液で濡れたあそこを晒した舞衣は、笑顔でなつきに話しかける…

「はぁ、はぁ…あたしも…我慢できなくなってきちゃった…今度は…二人でしよっか♪」

「あぁ…今度は私にも…お前を気持ちよくさせてくれ…」

二人はシックスナインの体制で、お互いの小股を愛撫し合い始めた…

「ぺろっ、ぺろぺろ…じゅる…じゅちゅ…じゅる…ぺろっ…なつきぃ〜〜気持ちいい?なつきのおまんこ…
凄いグチョグチョになってる…じゅる、ぺろっ、ちゅぷ、れろっ、じゅる、ちゅぷ、ぺろっ…もうヌルヌル
…ヌルヌルして凄くヤラシイの…凄くヤラシイ匂い…ぺろっ、れろっ、ちゅっ…あたし…なつきのおまんこ
好き…なつきのおまんこ大好き…おまんこも…お尻の穴も大好き…ちゅぱ、じゅっ、じゅる、ぺろぺろっ…」

「はっ…あっ…あんっ♪舞衣…凄い…あっ!!女が初めてなんて…嘘じゃないのか?あんっ♪あっ、あっ♪
私…おかしくなりそうだ…気持ちよすぎて…あっ♪あっ♪あんっ…あっ♪はぁあ、はぁあ…舞衣…舞衣…
これは…どうだ?」

丹念になつきのあそこを嘗め回す舞衣に対し…なつきは舞衣のクリトリスを舐めながら、アナルに指をゆっくり
挿入しはじめた…

206 :
「んひぃい〜〜〜っ!!?お尻に…指…んひぃいっ!!?あっ!あっ!!あっ!お尻…気持ちいい!!」

「んっ!?尻の経験があるのか!?あっ♪あんっ♪あんっあんんっ♪はぁ、はぁ…いやらしい女だなっ!!」

「はぁあ、はぁ…はぁ…なつきだって…エッチじゃない(笑)ほらっ、お尻を舐められると…」

「んぁああ…あっ…あっ…はぁあ…止めて…あんっ♪あっ、あっ…んはぁ…そこは…ダメェ…んっ♪」

「はぁあ、はぁ…あはは♪お尻の穴ヒクヒクしてる〜〜♪感じるんだ…お尻の穴…」

「はぁ、はぁ…静留が…いつも愛してくれた…場所だからな…」

「ふぅ〜〜ん…凄く…愛されてたんだ…ぺろっ、れろっ、れろっ、ちゅっ♪」

「はぁあああぁ…あっ…あんっ♪あっ、あっ、あっ…あんっ♪舞衣…そこ…いい…続けて…んんっ♪」

「なつきも…お尻…ジュプジュプして…あんっ♪クリも…舐めてぇ…あんっ♪」

二人はお互いを愛撫し続け…快感を味わい…求め続けた。

「あっ、あっ、あんっ♪あんっ♪ダメっ!!あたし…またイッちゃうっ!!」

「はぁあ、はぁあ…あっ…はぁあ…あああっ…私も…ああっ!!舞衣…私も…イクッっ!!」

「あっ!あっ!あんっ♪ダメダメらめぇ〜〜〜!!イクっ!!イクイクっ!!イクぅ〜〜〜〜っ!!」

「あはぁ、はぁ…んはぁああぁ…あっはぁああああぁ〜〜〜んっ!!イクっ、んあぁぁぁあああ〜〜〜っ!!」

二人はお互いの愛液を顔に浴びながら…絶頂に達した…

207 :
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あんっ!!あんっ!!あんっ!!なつき!!そこイイっ!!もっと擦って!!グチュグチュしてっ!!」

「ここか!!?ここなのか!!?あっ、あっ!!あっ…あんっ!!舞衣…そこ…気持ちいい…あんっ♪」

二人は正面を向き合いベッドに座ると…お互い座位のように抱き付き合い…
お互いの肌を密着させ…お互いの乳房をムニュムニュと押し付け合い…
貪るようにキスしながら、お互いのクリトリスを弄り合う…

「あむぅ〜〜んちゅっ、んちゅっ、ちゅく…んちゅっ…はぁ、はぁ…あんっ♪あんっ、あんっ♪もうダメ…
また…またイッちゃうっ!!なつき!イッていい?またイッていい!!?」

「んちゅく…んちゅっ、ちゅっ…んはぁ、はぁあ…はぁあ…私も…また…イクっ!!イクイク…あんっ♪
もうダメだ…舞衣…見てくれ…私のイク所…見て…あんっ♪あっはぁあああぁ〜〜〜〜〜っ!!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

208 :
「ぺろっ、ぺろぺろっ…なつきぃ〜〜はぁ、はぁ…ぺろぺろっ…なつきの足…美味しい…ぺろぺろっ…あんっ♪
もっと擦り付けてっ!!おまんこ同士擦り付けて…気持ちよくなろうねっ♪あんっあんっ♪もっとグチュグチュ
して…あんっ♪あんっ♪お互いのエッチな汁を擦り付けて…気持ちよく…あんっ♪あんっ♪」

「あっ♪あっ♪はぁあ♪はぁ♪舞衣…お前の足の指なら…どれだけ舐めても平気だ…ぺろぺろれろっ…ぺろっ…
あむちゅう〜〜〜れろっ…あんっ♪あっ、あっ♪気持ちいい…静留と…同じくらい…舞衣…あっ♪そこ…気持ち
いい…あっ♪あっ♪あん♪」

お互い寝そべり…お互いの小股を挟みあい…
「松葉崩し」という体勢で…お互いの小股を擦り付け合い…快感を味わう…
お互いの小股を擦り付け合いながら、二人はお互いの足の指を舐めあい感じる…
女同士だから分かる…感じる箇所…
その感じる箇所全てを刺激し合い…二人は何度も絶頂に達した。

「あっ!!あっ!!あんっ!!ダメっ!!またイッちゃうっ!!もうダメっ!!きゃひぃいいいいいっ!!」

「はぁあ…はぁあ…もうダメだ…意識が…もう…あっ!!また…またイクっ!!舞衣っ!!んんっ!!」

舞衣となつき…
二人はホテルの寝室で何度も何度もお互いを求め合い…慰めあった。
二人の汗と唾液と愛液の香りが混ざり合った…むせ返るような…濃厚なイヤらしい香りが充満し…
そのイヤらしい香りは、二人の気分をより一層昂らせた。

傷付いた女と…疲れた女…
辛い境遇に置かれた女たちの慰め合いは、夜明けまで続いた。

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209 :
午前4時

長い時間、お互いを慰めあった二人…
疲れ果てた二人は、裸のままベッドの上で抱き合うようにして眠っていた…

「…んっ…」

なつきは目を覚ます…
そして、窓の外に目を向けた。

「…もう…夜が明けたのか…」

既に明け方…
窓の外からは薄っすらと朝焼けが見える…

「…舞衣…寝てるのか…」

まだ眠っている舞衣を気遣い…起こさないように…なつきは立ち上がる…

「シャワー…借りるからな…」

眠っている舞衣に一言告げると、なつきはバスルームに向かった。

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210 :
バスルーム

汗と唾液…そして愛液に塗れた身体を、シャワーのお湯で綺麗に洗い流す…
心地よいお湯の感触に、思わずため息が出た。
そんな時…昨晩の舞衣の言葉が脳裏を過る…

『…あたしは、どう思われてもいい…どう見られてもいい…』

『アンタに何がわかるっていうのよ!!!』

『あたしは…不幸を受け入れるの!!全ての不幸を受け入れて!!周りの人たちを不幸にさせたくないの!!』

悲痛な叫び…悲しみの表情…
思い出すだけで…心が痛んだ…

「舞衣…お前は一体…どれだけの悲しみを背負って…生きていくんだ…」

脳裏に響く…舞衣の悲痛な叫び…
その一言一言に、なつきは答えを見つけようとする…
舞衣に救いの手を伸べる方法を見つけようとした。
しかし…答えは見つからなかった…
正直…どうすればいいのか分からなかった…

なつきはため息をつきながらバスルームを後にする…

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211 :
午前4時30分

風呂上りのなつきは、ショーツ一枚姿で寝室に戻った…

「おはよう…なつき」

「舞衣…起きてたのか…」

なつきが使ったドライヤーの音で目が覚めたのか…
舞衣はベッドに座り、窓から見える朝焼けを眺めていた。

「昨日はゴメンね…いろいろ愚痴をこぼしちゃって…」

「…あぁ…構わんよ…私の愚痴も聞いてもらったしな…」

既にお互い裸でも恥ずかしくないのか…
二人は裸にも関わらず、普通に会話を交わしていた。

暫くの沈黙が続き…

「舞衣…昨日お前が言った事だが…」

「はいっ?何の事?」

「昨日お前が言った…「全ての不幸を受け入れる」という事だ…」

「あぁ…あの事ね…どうかしたの?」

「何度も聞いて悪いが…やはり考えを変える気は無いのか?」

舞衣はため息をつく…

「…うん…変える気は無いし…ずっと変わらないと思う…」

「…そうか…わかった…」

改めて舞衣の考えに変化が無い事を確認したなつきは、小さくため息をついた…

212 :
「あたしが、ソープランドで身体を売ったのも…あたし自信の考えで選んだ事だし…後悔してないの…
それに…今回、田島さん達に乱暴された事も…あたしさえ黙っていればいいし…これも我慢できるから
いい…あたしが我慢して、大切な人が幸せに暮らせる事ができたら…あたしはそれでいい…」

「…そうか…意地っ張りな所は昔と変わらないんだな…いや…決意は固いと言うべきかな…」

「…そうやって…あたしはずっと生きてきたから…「周りよければ全てよし」って感じで?」

「周りよければ…か…」

「…でもね…あたし、許せない事が…ひとつだけある…」

「っ!?許せない…事?」

「うん…あたしがソープランドで働いてた事を馬鹿にされるのは構わない…でもね…あたしがソープランド
で働いていた姿を…学園の全校放送で流して…巧海を絶望させた犯人だけは…あたし絶対許せない!!」

舞衣は静かな怒りを露にする…
俯き加減で…怒りを押しし…静かに…舞衣は主張した。

「…舞衣…お前…」

舞衣の怒りの表情に、なつきは驚きと同時に、犯人に対する怒りの大きさを目の当たりにした。

舞衣はベッドから立ち上がる…
そして、両手でなつきの手をギュっと力強く握った。

「なつき!改めてお願い!!犯人を捕まえて頂戴!!巧海を苦しめた犯人を捕まえて欲しいの!!」

舞衣の表情は必だった。
真剣な表情で、必の形相で…なつきに願い出た。

213 :
『…そうか…私にできることは…それしかないのか…』

そんな事を考えながら…なつきは口を開いた。

「言っておくが…私への依頼料は高いぞ?それでもいいのか?」

なつきは真剣な表情で舞衣に尋ねた。

「うん…大丈夫…お金なら、何とかするから…」

舞衣も、意を決したかのような表情で答えた。
舞衣の答えを聞き、なつきは視線を窓の外に向ける…

既に日は昇り…朝焼けは朝日に変わり…強い日差しが町を照らす…
朝日に照らされる風華町を眺めながら…なつきは考えた。

『どうせ近々…廃業しようと思っていたんだ…いい機会じゃないか。』

なつきは自分に言い聞かせる…
心の中で、自分を納得させるように…言い聞かせた…

そして…

「わかった…引き受けよう…」

「はいっ?い…今…何て?」

なつきの言葉を信じられないといった表情で聞き入れ…舞衣は思わず再度聞き返す…

214 :
「舞衣…お前の依頼、引き受けるぞ。覚悟はいいな?」

なつきは窓から見える朝日をバックに舞衣へ振り返ると、不敵な笑みを浮かべて答えた。

「うん…お願いするわ…」

「よしっ!商談成立だな!!」

なつきは脱ぎ散らかしていた風華学園の制服を拾い、袖を通す…
スカートも履き…身支度を整えた。

「ふふっ…最後の大仕事が「友達」の依頼とはな…私らしくないな…」

「はいっ?何の事?」

「あぁ…いや…何でもない」

『本当に…私らしくないな…』

優しい笑みを浮かべながら、テーブルの上に置いてあったペットボトル入りの水を一口飲む…

『いいじゃないか…私らしくなくて…最後に、舞衣の問題を解決できたら…』

身支度を整えたなつきは、玄関先に向かう…

「詳細が決まったら、また連絡する…それまでゆっくり休む事だな…」

「うん…ありがとう…またね…」

「あぁ…またな…」

そして、なつきはホテルを後にした…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

215 :
午前5時

早朝…まだ人通りの少ない大通り…
なつきはバイクを押しながら物思いに耽る…

「この事件が解決できたら…私自身も変われる気がするんだ…」

なつきは、舞衣の事件を解決する事で自分に区切りをつけようとしていた。
風華学園を卒業して以来、パッとしない自堕落な生活にピリオドを打とうとしていた。

『最後に舞衣の問題を解決できたら…私は探偵業から足を洗おう…』

なつきはバイクに跨るとアクセルを吹かし、颯爽とその場を立ち去った。

舞衣の願い…
そして、なつきの決意…
二つの思いが重なる時…事件は解決に向かう…

(完)

216 :
詩帆すべし

217 :

どうせレズるなら、部屋を出るとき
「じゃあ、前金代わり」といいながらディープに一発よだれが止まらんくらいにキスとか
欲しいトコだな。

218 :
汚れまくった舞衣と、うらぶれたなつき
のレズ・・どうしてこう(ry

219 :
保守します

220 :
下手すぎる
他所行けよバカ

221 :
それではご自分が上手すぎる作品投下をどうぞ
多分できないだろうけどな!
なら黙ってれや

222 :
真夏の太陽が容赦なく照りつける海岸線…
綺麗に整備された道路には、夏の日差しが降り注ぎ…
熱を持ったアスファルトからは、ゆらゆらと陽炎が立ち昇る…

防波堤越しに見えるのは…海水浴客で賑わう砂浜…
家族連れや子供達…そして、軽薄な若者たちで賑わう砂浜…

そんな光景を横目に、一台のバイクが颯爽と海岸線を走り抜けた。           



〜舞-HiME 二次小説「試練」〜



鴇羽舞衣との再会は突然だった。
そして…昨日起きた様々な出来事は、私にとって余りにも衝撃的だった…

最初は…精神的に傷付いた舞衣を、ほんの少しだけ見守るだけのつもりだった。
しかし…会話を交わしていくうちに…舞衣の心の傷が深いことを知ってしまった。

『あたしは全ての不幸を受け入れるの!!』

アイツの痛々しい言葉…
今も耳から離れない…

223 :
目の前で…痛々しい言葉を泣きながら叫ぶ舞衣を…何故だか私は放っておけなかった…
私自信…仕事が上手く行かず、精神的に参っていた事もあり…
二人で傷の舐め合いをした。

お互い会話を交わし…抱きしめ合い…慰め合った…

そして早朝…私は舞衣からの依頼を受けた。

『弟を絶望させた犯人を捕まえて欲しい』

それが舞衣の依頼内容だった。
捕まえると言っても…私は警察じゃないんだけどな…
でも、私は確実な証拠を掴み…この依頼を解決してみせる。
そして私は…この仕事を最後に、私立探偵を辞めるつもりだ…
最後の大仕事…絶対に解決してみせる。
舞衣の為に…いや、私の為に…絶対…解決してみせる…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

224 :
8月1日

午前11時

「…暑いな…」

上下黒のスーツ姿の私はバイクに跨り…暑さに耐えながら信号待ちする…
スーツやシャツの生地は、汗で私の体に張り付き…不快だ…
胸元から立ち昇る蒸れた汗の匂いに…私はうんざりした。

ふと砂浜に目を向けると…気持ちよさそうに泳ぐ水着姿の子供達の姿が目に入る…

「…海か…ふぅ…そういえば、最後に海で泳いだのは何時だったか…」

高等部時代は何度も泳ぎに行ったビーチ…
学校行事で…プライベートで…何度も泳いだビーチ…
懐かしい当時を思い出しながら…暫く感慨に耽る…

久しぶりに風華学園に向かう途中で…こんな事を思い出すなんて…
やはり私にとって…学園生活は楽しかったのだろうか…

私がアパートに帰宅したのは今朝の6時…
それから少しだけ仮眠を取った後、私は瞬時に事件解決までの計画を練った。
大体の事情は知っているが…実際自分の足で情報を探るべく…
私は聞き込み調査を行う為に、風華学園へ向かう事にした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

225 :
正午

風華学園  職員室

「こんちゃ〜〜♪なつきちゃん、久しぶり〜〜〜♪」

陽気な笑顔を見せながら…鴇羽巧海の担任、杉浦碧がなつきを出迎えた。

「久しぶりだな…突然の訪問、すまないな…」

久しぶりの再会にも関わらず、クールな態度で接するなつき…

「んもう〜〜ツレないなぁ〜〜なつきちゃんは♪久しぶりの再会だってのにね〜〜(笑)」

「これが素なんだ…素っ気無くて済まないな…」

「それにしても、碧ちゃんビックリしちゃった!なつきちゃんが私立探偵やってるなんて!」

「あぁ…よく言われるんだ…似合わないだろう?」

「ううん、似合ってると思うよ〜〜♪でも、なつきちゃんはランジェリーショップの店員
さんになってるかな〜〜って思ってたわよ(笑)」

「…それも…よく言われるんだ…」

なつきはアパートを出る前、事情をよく知る鴇羽巧海の担任、杉浦碧に予め連絡をしていた。
詳しい情報を知るために、実際巧海と一番接点のある碧に直接事情を聞くことにした。

冷房がよく効いた職員室…
夏休み中という事もあり、他の教師達は誰も居ない…
碧となつき…二人きり…
そんな中、なつきは聞き込み調査を始める…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

226 :
午後1時

聞き込み調査を終えたなつきは、職員室を後にする…
そして、迫水がいつも花の世話をしている中庭に向かった。

「…居ない…今日に限って居ないのか…」

何時もいる筈の迫水が、今日は居ない…

なつきは中庭のベンチに座ると、先程行った聞き込み調査を振り返る…

「確かに…あの状況で一番怪しいのは宗像詩帆だな…」

なつきは碧から、今回の事件についての資料を手渡された。

学園側が独自に調査した、今回の事件の資料…
生徒や教師たちの詳細な証言や、生徒一人ひとりのアリバイなど…
その中で、一人の女子生徒がリストアップされていた。

227 :
高等部 3−A  宗像詩帆

当日のアリバイ…授業中に体調不良を訴え、一人で無人の保健室に向かった事。
しかも、誰一人保健室に向かった事を確認していない…

3年生になり、突然放送部に入部し、機材の操作方法を熟知していた事…
そして、事件当日…放送室の回線修理のデマを流した張本人が詩帆であるという情報…

学園側は未確認ながら、今回事件で流された物と同一人物が映し出されたDVDを、風華学園の
卒業生が行った同窓会で、詩帆が無料配布していたという情報があるという事。

他にも、さまざまな情報が資料には書かれていた。

「…間接的な情報だが…確実に宗像詩帆が怪しいな…」

しかし、なつきはこの情報を完全に信じる事が出来なかった…

「しかし…全てが間接的だ…直接の証拠は無いな…これではダメだ…」

直接的な証拠が無い…
なつきは一歩踏み込む事ができなかった。

「学園内で調査するにしても…夏休み…それに…」

なつきは辺りを見回す…
微かな人の気配を感じた…

「私のような余所者が居ては…学園関係者も居心地が悪いだろうからな…」

木陰のベンチに座り、あれこれ考える…
セミの鳴き声に鬱陶しさを感じながら、どうやって証拠を掴むか考え続ける…

228 :
「…仕方ない…学園の事情に詳しい…奴の力を借りるか…」

なつきは渋々といった表情で、懐から携帯を取り出す。

「あまり奴とは…接点を持ちたくは無いんだがな…」

携帯の通話ボタンを押す…

「…もしもし…結城奈緒か?…あぁ、玖我だ…久しぶりだな…」

通話の主は、かつて風華学園で対立した事もある 「元 HiME」 結城奈緒

「…あぁ、今から会って話がしたい…時間はあるか?何っ!?バイトが忙しい!?
仕方ないな…わかった…8日だな…あぁ…わかった…」

なつきは、学園の事情に詳しい結城奈緒に会って、手がかりを掴もうと試みた。
しかし、丁重に断られてしまう…

「まぁ、会う約束は出来た…それまでは地道に聞き込み調査だな…」

なつきは一旦アパートに帰り、資料を熟読して今後の作戦を練る事にした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

229 :
同日   午後1時

市街地    ファミレス リンデンバウム

市街地にあるファミレス「リンデンバウム」の事務所に、巧海と晶の姿はあった。

「じゃ、一応今日から勤務開始って事で、制服用意してあるから、着替えてきてもらおうかな」

店長の中年男性は、予め受け取っていた二人の履歴書を再確認しながらシフトを練る…

「はい、二人共〜〜この制服に着替えてきてねっ♪」

バイト長を務めている女子大生は、巧海と晶に制服を手渡すと、二人を更衣室に案内した。

今日からリンデンバウムでバイトを始める二人は先月の終わり、バイトの面接を受けた。
風華町の飲食店にとって、8月はとても忙しい時期という事もあり、二人は即採用となった。

「しかし、あの舞衣ちゃんの弟が…もう高校3年生なのか…」

以前、ここリンデンバウムでバイトしていた舞衣の事をよく知っていた店長は、当時を振り返り
ながら感慨に耽る…

「それにしても君、何だか嬉しそうだな…そういえば、男の子がバイトに来るのは久しぶり
だよな…楯くん以来か…しかし昨日から言っていた「私の計画」って一体何なんだよ?」

「んふふ〜〜秘密ですっ♪」

バイト長の女子大生は、ニコニコしながら答えた…
店長とバイト長は、二人が着替えを終わらせるのを待つ…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

230 :
奈緒登場は嬉しい

231 :
10分後…

「お待たせしました、ちょっと着替えに手間取っちゃって…」

「きゃあ!!巧海くん!!やっぱり凄く似合ってる!!」

男子用の制服に身を包んだ巧海の姿を見て、歓喜の声を挙げるバイト長…

そして…

「っていうか!!どうして俺っ!!じゃなかった!私まで男の制服着ないといけないんだよ〜〜!!」

「うっはぁ〜〜〜♪晶くんも凄く似合ってる!!やっぱり私の目に狂いはなかったわ!!」
                                        
なぜか晶まで男子用の制服を着る羽目に…

「おいおい!巧海くんはいいんだけどさ、どうして彼女まで男の制服なんだよ(笑)それに、
なんだかこの制服、今までの男子用の制服と少しデザインが違うように見えるんだけど」

バイト長の目がキラリと輝く…

「店長!この二人は「元、風華学園中等部 美男子ランキング1位、2位」なんですよ♪
その二人が揃ってバイトの面接に来たときから、私は考えてました!!」

風華学園高等部の卒業生、そして舞衣の同級生の女子大生は息を荒くして語る。

232 :
「何考えてたんだよ〜〜一体…」

「世間じゃ今、イケメンブームですよ!どんなジャンルのお店でもイケメン店員は持て囃される
んです♪だからその人気に乗って、ウチのお店も美少年ウェイターでお客さんを呼びましょうよ♪」

「美少年ウェイターって…君が考えてた事ってのはそれか?」

「はいっ♪執事風美少年が女性のお客様をお出迎えする…うっはぁ〜〜〜♪腐女子には溜まらない
おもてなしですよ〜〜!!本当に!!これいい!!これイケますよ!!絶対っ!!」

「腐女子…って何だよ〜〜一体…俺訳分からないし〜〜(笑)でもさ、二人共凄い似合ってるよな」

確かに…二人の制服姿はよく似合っていた。
それなりに身長のある巧海は、スラリとした容姿にピッタリの制服姿…
そして、晶の姿は…まるで「男装の麗人」のような…可愛さと凛々しさがミックスされた姿…

二人の美少年(?)の姿は、腐女子のバイト長を一層興奮させた…

「そうでしょう!似合ってるでしょう!!夏の風華町の飲食店はお客さん争奪戦なんですよ!!
だから、特に飲食店の多いココで目立つ為には、この作戦が一番だって思ったんです!!
この作戦で、コアな女性客ゲット!!っていうのが私の作戦です!!さあ二人共!!今月は
みんなで頑張りましょうねっ!!」

バイト長は、巧海と晶の手をキュッと握ると、満面の笑顔を二人に向けた。

「はいっ、僕バイトは初めてなんですけど、精一杯頑張ります!!よろしくお願いします!!」

「あっ、あぁ…よろしくお願いします…っていうか…女の子の制服…着てみたかったな…」

二人は改めてバイト長と店長に挨拶すると、早速別室で接客の練習を始めた…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

233 :
8月2日      午前10時

老人ホーム うたやま荘

「はいっ、みなさ〜〜ん!今日から、うたやま荘のお風呂係を担当することになりました、
鴇羽舞衣さんです♪じゃ、鴇羽さん、ご挨拶お願いねっ♪」

「あっ、はい…皆さんこんにちは♪今日から、うたやま荘で働く事になりました、鴇羽舞衣です♪
まだまだ分からない事とか多いですけど、頑張りますのでよろしくお願いします♪」

今日から老人ホーム「うたやま荘」で働く事になった舞衣…
早速、多目的ルームと称された広い部屋に老人達を集め、舞衣の自己紹介が行われた。

「よろしくねぇ、舞衣ちゃん」

「ョ、ヨロシク…オ、オネガ…シマスヂャ…」

「頑張ってねぇ、舞衣ちゃん♪」

集まった老人達10人は、みんな笑顔で舞衣に挨拶を返した。

自己紹介が終わると、舞衣は事務所で仕事についての説明を受ける…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

234 :
「まぁ、仕事の内容はこんなものね…最初は辛いと思うけど、そのうち慣れるわよ♪」

「はい、分かりました。結構大変そうだけど、頑張ります♪」

この老人ホームで代表を務める初老の女性、高木満子から仕事の内容の説明を受けた舞衣…

舞衣が任された仕事は「お風呂係」というもの。
その名の通り、老人達が入浴する際、安全に心地よく入浴できるように努めるお仕事。
施設内にある露天風呂の掃除や、備品のチェック…
入浴中の老人達の監視や介護…
体調不良で動けない老人の体を清潔にケアするお仕事など…
仕事の内容は様々だった。

しかし、実質の労働時間は2〜3時間程度なので、それほどの長時間勤務ではなかった。
短時間勤務、そして、重要な役目という事もあり、基本休日は無しという事で、もし休みたい
場合は、前日までに報告するように…という事だった。

説明を受けた舞衣は、午後の仕事開始まで、それぞれの仕事についての実習を行った。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

235 :
午後6時

うたやま荘  露天風呂

「舞衣ちゃ〜〜ん♪私の背中流して頂戴♪」

「はいは〜〜い♪ちょっと待って下さいね〜〜♪」

「ワシじゃよ!ワシが先じゃよ!!舞衣ちゃん!!ワシの体を洗ってくれんかね?」

「おじいちゃんはちょっと待ってくださいね〜〜〜!!」

「舞衣ちゃんは私の背中を流すのが先なのよ!!」

「ワシの体を洗うのが先じゃよ!!」

「あ〜〜ん!!もう、おじいちゃんもおばあちゃんも、ケンカは止めてくださいよ〜〜!!」

慌しい混浴露天風呂…
Tシャツにショートパンツ姿の舞衣は、入浴を終えた老人の体を拭いてあげながら、他の
老人達が安全に入浴しているか監視を続けていた。

明るく愛嬌のある舞衣は、たちまち老人達の人気者になり…
入浴中の老人達の間では、舞衣の取り合いが始まってしまった。
体を洗ってもらう…背中を流してもらう…というのは単なる理由で…
おじいちゃんも、おばあちゃんも、単に舞衣とお話したいだけだった。

「は〜〜い!次はおばあちゃん!お背中流しますね〜〜♪」

慌しい雰囲気は、もう暫く続いた…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

236 :
午後10時

老人ホーム うたやま荘

「ふぅ〜〜〜疲れた〜〜〜〜!!」

老人ホームの離れにある、舞衣に与えられた部屋…
畳の部屋に布団を敷き…仰向けに寝転がり、ため息をついた…

「あぁ〜〜本当に疲れた…まだ馴れてないし…しょうがないわよね〜〜」

初めての仕事に疲れた舞衣は、グッタリと布団に横たわる…
慌しい雰囲気から解放され、舞衣はいろいろ考え始めた…

「そういえば…巧海…あれから元気でやってるかな…会ってあげないと…」

当初の目的である、巧海の心のケアを怠らないよう…自分に言い聞かせる…

「…祐一…ちゃんと食べてるかな…」

次に思い浮かべるのは…東京に一人残してきた祐一の事…
そんな事を考えながら、部屋の壁に貼ってある「うたやま荘」のポスターに目を向けた。

「…そういえば…ノブヲくんに…お礼言ってなかったわよね…」

以前、場末の街から抜け出す時…自ら壁になり、舞衣を銃弾から守ってくれた歌山ノブヲの
事が気になり始めていた。

237 :
「あれから1年…ノブヲくん…どうしてるのかな…」

舞衣は携帯を開き、ノブヲの携帯番号を確認する…

「…今日はもう遅いし…やめとこう…」

既に時計は夜の10時を回ろうとしていた。

「明日…電話してみようかな…巧海の様子を見に行った後…電話してみよう…」

そんな事を考えているうちに、疲れていた舞衣はいつの間にか眠っていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

238 :
バイト長って誰だろ あおいは東京の筈だし、
あとヲタっぽかったのは雪之だけど、ゼネコン重役の娘で遥の腰巾着が
田舎町でバイト長やってるのも変だし
それともモブのクラスメイトか・・?

239 :
8月3日      午前9時

風華学園 男子寮

「巧海っ♪んっ…ちゅっ…んっ♪」

「んちゅっ…はぁ、はぁ…ど、どうしたの晶ちゃん?…イキナリ」

ここは風華学園高等部の成績優秀者だけに与えられる個室…
風華学園男子寮でも、かなり優遇された部屋…
その一室…巧海の部屋に、二人の姿はあった。  

「ゴメン…私、これから何時間も…巧海とキスできないと思うと…我慢できなくて…」

巧海と晶…
二人はバイトに行く時、巧海の部屋で待ち合わせする事にしていた。

「そんな…僕、早く着替えないと…バイトに遅れちゃうよ」

「でもっ!私、我慢できないんだ!!最近キスしてなかったし…抱きしめてもらってないし…」

頬を紅潮させ、潤んだ瞳で巧海に迫り…きゅっと抱きつき、唇を重ねる晶…
戸惑いながらも唇を重ね…晶を優しく抱きしめる巧海…
二人は朝から、久しぶりの触れ合いを楽しんでいた。

「んちゅっ…んっ♪巧海は…私のこと…好き?」

「んっ…ちゅく…んっ♪はぁ、はぁ…もちろん…好きだよ。」

上目遣いで不安そうに尋ねる晶に、巧海は優しい笑顔で答えた。

「本当か?よかった♪私、嬉しいよ…」

安心した表情を浮かべる晶は、巧海に抱きつき…更にキスを求める…

240 :
「巧海にとって、私って…可愛い彼女なのかな…」

「もちろん…凄く可愛いよ…晶ちゃん」

抱きついてくる晶の頭を優しく撫でながら、巧海は微笑み返す…

「だって…僕、晶ちゃんに触れているだけで…ほら…」

巧海は不意に晶の手を取ると、自身の股間に触れさせる…

「ひゃっ!!?えっ、巧海!?」

ズボンの上から…すでに興奮し、固く勃起したペニスに晶の手を押し付ける巧海…
少々強引ながらも、自分が晶に迫られて興奮している事を、身をもって伝えた。

「うわっ…巧海…凄い…もうこんなに…大きくしてる…」

晶は、ズボンの上から巧海の股間を撫でながら、興奮気味に呟いた。

「僕…晶ちゃんのこと考えてるだけで…こんなになっちゃうんだ…可笑しいよね」

「嬉しいよ、私…巧海が私で興奮してくれるなんて…嬉しいよ…」

巧海の股間を撫で回しながら…晶は笑顔を見せた…

「はぁ、はぁ…ダメだ…僕もう…興奮が治まらないよ…はぁ、はぁ…でも…時間ないし…」

巧海は時間を気にしながらも、晶に切なそうな表情を向けた。

「…大丈夫だ♪私が…鎮めてやるから…」

二人はベッドに座ると、再びキスを交わし始めた…

241 :
「んちゅっ、んっ、んちゅっ♪んちゅ…んっちゅっ♪れろっ、ちゅっ♪」

「はぁ、はぁ…ちゅく、れろっ、ちゅっ♪んっ♪んぁ…あんっ♪ちゅっ…巧海ぃ…んちゅっ♪」

お互いの唇を貪るような濃厚なキス…
お互いの唾液を混ぜ合いながら…
お互いの舌を絡め合い…
本当の恋人同士にしか出来ない、脳までとろけるような濃厚なキスを交わす…

そして、晶は巧海のズボンと下着を、ぎこちない手つきで脱がせる…

「んちゅれろっ、ちゅっ♪はぁ、はぁ…巧海のチンポ…こんなに大きくなって…私が…
手で気持ちよくしてあげるからなっ…その…巧海も…私に…手で…」

晶は巧海の勃起したペニスをキュッと手で握ると、ゆっくりと上下に擦り始める…
そして、晶も股を少し開き…ミニスカートを捲り、ショーツに包まれた小股を露にする…
既に愛液で濡らした小股を晒すと、晶は巧海に恥ずかしいお願いをした…

「うっ…あぁ…はぁ、はぁ…うん、いいよ…晶ちゃんも…気持ちよくなってね…はぁあ…っ♪」

巧海は、ショーツ越しのワレメに指を這わせる…
そして、薄い布地越しにクリトリスを指で優しく刺激し始めた…

「あっ、あっ♪あぅ…んっ♪んはぁ…あんっ♪はぁ、はぁ…巧海ぃ…あっ♪んっ♪気持ちいい♪
んっ…あっ…はぁあ…あんっ♪そこ…気持ちいい…んっ♪」

頬を紅潮させ、口を半開きにして…恍惚とした表情で…晶は快感に体を震わせる…

「気持ちいい?晶ちゃん…気持ちいいの?うっ…あぁ…僕も…気持ちいいよ…あっ♪はぁ…はぁ…」

晶も巧海に気持ちよくなって貰おうと、その柔かく暖かい手でペニスに快感を与える…
巧海のペニスに快感を与えるように…少し強く握り…上下に擦り続ける…
徐々に手の速度を上げ…心地よい摩擦行為に喘ぐ巧海の表情を見ながら、自身も喘ぐ…

242 :
「巧海…気持ちいい?気持ちいいか?あんっ♪あっ、あっ♪んっ♪んぁ…あんっ♪」

「うん、気持ちいいよ…うっ♪あっ…んっ♪晶ちゃんは?」

「あっ♪あっ♪あんっ♪私も…気持ちいい…あんっ♪巧海…キス…んっ♪」

お互いの性器を愛撫しながら…二人は再び濃厚なキスを交わし始めた。

「んちゅっ♪ちゅっ、んちゅ…ちゅく…んちゅっ♪んふぅ〜〜んちゅれろっ♪ちゅっ♪」

「ちゅっ、んちゅ…れろっ、ちゅっ…はぁ、はぁ…晶ちゃん…んちゅっ…ちゅっ…んっ♪」

晶の手での愛撫によって、巧海のペニスは既に射精寸前…
晶の手の中でビクンビクンとペニスが脈打つ…

晶の小股も…快感を与え続けられ、ショーツのクロッチ部分は既にぐっしょりと濡れ…
ワレメの形がハッキリ分かる程濡れ…ヌルヌルの愛液が巧海の指に絡みつく…
既に太ももを伝い、ニーソックスにまで愛液が染み込む…

二人とも夢中になり…キスを交わし…気持ちいい所を刺激し合う…
そのうち…二人に絶頂が訪れた。

「んちゅっ、ちゅっ…はぁ、はぁ…もうダメ!!晶ちゃん!!僕もう…出るっ!!」

巧海のペニスは晶の手の中でドクドクと動脈を打つように大量の精液を放った。

「はぁあ、はぁあ…わ…私も…あんっ♪あっ、あっ、あんっ♪イクっ…イクっ♪あっ♪」

晶も恍惚とした表情を浮かべながら…体を痙攣させるように震わせ絶頂に達し…
1分近くフワフワとした快感に酔い痴れた…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

二人は身を寄せ合い…絶頂の余韻を味わう…

243 :
「はぁ、はぁ…ゴメン…晶ちゃん…はぁ、はぁ…服、汚しちゃった…」

勢いよく射精した巧海は、晶の服を汚してしまった…

「はぁあ…はぁ…あぁ、いいって…それよりも…下着…汚れちゃったな…換え…ないし…
寮に帰るにも時間が掛かるよな…仕方ない…コンビニで買うか…」

晶は、愛液でヌルヌルに汚れたショーツのクロッチ部分をティッシュで拭きながら呟く…

その時…

部屋のインターホンが鳴る…

「うわっ!!?誰か来た!!?」

突然の来客に晶は驚き、思わず膝まで下げていたショーツを一気に元に戻す。

「大丈夫だよ、多分お姉ちゃんだよ。でも…これどうしよう…」

巧海は慌てて飛び散った精液をティッシュで拭くと、急いで服装を整える…
お互い身支度を整え、先程までの雰囲気を一掃する…
そして、巧海はベッドから立ち上がると玄関に向かい、会いに来てくれた舞衣を出迎えた。

244 :
・・・・・・・・・・・・・

「おはよう巧海〜〜♪あっ、晶くんも居たんだ♪」

舞衣は部屋に入ると、二人に笑顔を向け挨拶する…

「おはよう、お姉ちゃん、来てくれてありがとう」

「あっ、あの…お邪魔してます…」

巧海も、様子を見に来てくれた舞衣に笑顔で挨拶を返した。
晶は、先程までの行為を思い出しながら、少々照れた表情で挨拶を返す…

「二人とも、今日からリンデンバウムでバイトなのよね?最初は結構大変だと思うけど、
すぐに馴れるから大丈夫よ!頑張りなさい♪」

リンデンバウムで2年以上バイトを続けた舞衣は、二人を激励した。

「うん、初めてのバイトだから緊張してるけど、僕、頑張るよ!」

少しの不安を抱きながらも、巧海は笑顔で舞衣に答えた。

「晶くん、巧海の事…お願いね」

「あぁ、巧海の事なら大丈夫♪私に任せてくれよ、舞衣さん♪」

巧海の心配をする舞衣に対して、晶は笑顔で答えた。

245 :
「頼もしいわね♪ありがとう晶くん!それはいいんだけど〜〜」

舞衣は鼻をスンスンと鳴らしながら部屋の匂いを嗅ぐ…

「巧海〜〜お部屋の空気悪いわよ〜〜女の子がいるんだから、気を使ってあげないと〜〜」

舞衣の言葉を聞き、巧海と晶は思わず顔を見合わせた。

「ちょっと酸っぱくて…汗の匂い?少し換気した方がいいんじゃない?」

何とか匂いの元を誤魔化そうと、晶は立ち上がる…

「あっ、そろそろ時間だぜ巧海!最初が肝心だからなっ!遅刻とか絶対ダメだぜ!」

「あっ、そうだね!そろそろ出かけないと!じゃ、お姉ちゃん、今日は来てくれてありがとう♪」

二人は時間を気にするフリをしながら、舞衣と一緒に寮の部屋を後にした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

246 :
午前10時

市街地  喫茶店

巧海と晶を見送った舞衣は、市街地にある小さな喫茶店に入った。

「歌山くん…もう起きてるかしら…」

席に着き、注文したミルクティーを飲みながら…舞衣は携帯を取り出す…
そして、歌山ノブヲの携帯番号を確認すると、早速通話した。

「…あっ、もしもし、歌山くん?うん、鴇羽舞衣です♪うん、久しぶりねっ♪」

久しぶりに聞いたノブヲの声…
あの場末の街を脱出して以来、舞衣はノブヲと話すのは初めてだった。
祐一が一度だけノブヲにお礼の連絡をした程度で…舞衣はまだノブヲにお礼を言っていなかった。

「そうなんだ〜〜♪うんうん、元気そうねっ♪」

元気そうなノブヲの声に、舞衣は携帯越しに笑顔で答える。

「うん、そうなの、今あたし風華町にいるの。あはは♪ビックリした?そうよね〜〜(笑)」

舞衣が今、風華町にいることを知ったノブヲは、驚きを隠せない様子…
驚きながらも喜ぶノブヲの様子に、舞衣も嬉しそうに声を弾ませた。
そして、舞衣は少し緊張しながらも、話を切り出す…

「ねえ、歌山くん…もし良かったら、今から少し会えない?」

247 :
約1年前…身を挺して銃弾から身を守ってくれた…歌山ノブヲ…

『歌山くんが居なかったら…あたしは今頃…』

あの日のことを思い出す度に、舞衣の脳裏に浮かぶのはノブヲの顔だった…
そんな「命の恩人」に、舞衣は何時か直接お礼を言いたいと思っていた。
電話やメールではなく、直接自分の口からノブヲにお礼の言葉を伝えたかった…
あの日以来、様々な事情があり…実現不可能だった、この願い…
でも、今なら直接お礼を伝えることが出来る…
舞衣はダメ元でノブヲに「会いたい」と、思いを伝えた。

「会える?いいの?ありがとう♪」

ノブヲは、舞衣の願いを了承した。

「今ね、風華町の喫茶店にいるの。うん、そうそう、そのお店…場所分かるわよね?うん…
分かった♪お店で待ってるから♪」

舞衣は笑顔で会話を終わらせた。
携帯をしまうと、再びミルクティーを一口飲む…

「あれから一年…ノブヲくん、大学合格したかな…うん、やっとお礼が言えるわ♪」

舞衣は約一年ぶりに再会する命の恩人の事を考えながら、暫く物思いに耽った…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

248 :
前例からして、舞衣はノブヲにフェラでお礼する、に100ペソ

249 :
午前10時30分

市街地   喫茶店

アンティーク調のテーブルや椅子、小物で飾られたレトロな雰囲気の店内…
その店内に、ドアベルの音が響く…
ドアベルの音につられて、舞衣は開いたドアの方向に視線を向けた。
舞衣の視線の向こうには、新たに現れたお客さんの姿…
肥満体型の…汗でTシャツの生地を張り付かせた男性の姿…

「とっ、ととと…鴇羽さん?」

「あっ、歌山くん!!」

その男性は、紛れもなく舞衣が会いたいと思っていた相手…歌山ノブヲだった。

「ほっ、ほほほ…本当に鴇羽さんだ!久しぶりだねっ!」

「そうね、本当に久しぶり!確か…ちょうど一年ぶりじゃない?」

ノブヲは舞衣の正面に座ると、人のよさそうな笑顔で話し始めた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「でっ、ででで…でもっ、本当にビックリしたなぁ〜〜!ど、どど…どうして…風華町へ?」

「うん、ちょっとね…弟が…今、風華学園に通ってるんだけど…」

「えっ、そそそ…そ…そうなんだ?確か…病気で大変だったんだよね?でっででで、でも…
学校に通えるって事は、よよよ…良くなったんだよね?よっよよ…良かったじゃない」

「うん…でね、弟が学校でちょっと…いろいろあって…あたし、学校に呼び出されちゃって…」

舞衣は風華町にいる理由を、曖昧に説明した。

250 :
「それよりも、あの時は本当にありがとう…あたし、歌山くんがいなかったら…多分…」

「ぼっ、ぼぼぼ、僕も安心したよ…あの後、病院で二人が無事に…ま、ままま…街から出る
事ができたって聞いて…ぼ、ぼぼぼ、僕も安心したんだよ!無事でよかった…」

「歌山くん…お腹の傷…手術したのよね?」

「うっ、うん…ぼっ、ぼぼぼ…僕って、お腹大きいでしょ?だっだだだ…だから、銃弾は
それほど深く埋まらなかったんだよね(笑)だから、かっ、かかか…簡単な手術で治ったんだ」

「あたしね、ずっと歌山くんにお礼を言いたかったの…本当にありがとう…歌山くん」

舞衣はノブヲに向かってお礼を言うと、ゆっくりと頭を下げた。

「はっ…はい…どういたしまして」

ノブヲも、舞衣の気持ちを察したのか…頭を下げて言葉を返した。

暫くの沈黙が続く…

「そ、そそそ…そういえば…たたた、楯くんは、いいいいっ、今どうしてるの?」

「うん、祐一は今、東京の大学に通ってるの…あたしたち今、東京に住んでるから…って!!
そういえば歌山くん、大学受験!今年どうだったの!?」

「じゅ、じゅじゅじゅ…受験は…今年もダメだった…あはは…ダメだなぁ〜〜僕って(笑)」

舞衣はノブヲが入院した事で、大学受験に影響があったのではないかと心配していた。
その心配は的中したのか…ノブヲの大学受験失敗の真実を聞き、ため息をついた…

「…ごめんね…歌山くん…手術とか、リハビリの影響とか…絶対あったよね?」

「う…うぅ…そんなこと無いよ!!僕が…ぼぼ…僕がダメだっただけだよ…気にしないで…」

251 :
思い詰めた表情を見せる舞衣を、ノブヲは何とか宥めようとした。

「とっ、ととと…鴇羽さんが助かって…僕も助かって…そそそ…それで良かったんだよ!!
だだだ…大学受験なんて、いつでも出来るし、心配しないで!!」

「…うん…ありがとう…歌山くん…」

そんな時、ノブヲの携帯の着信音が鳴る…

「あっ、あぁぁあ…お、おじいちゃん?う、うん、いいい今、街の喫茶店だけど…」

ポケットから携帯を取り出したノブヲは、ノブヲの祖父らしき人物と会話を始めた。

「う、うん、いっいいい、今、高等部時代の同級生とお話してる…あぁあ!!忘れてた!!
う、ううう、うん、ゴメンね!そろそろ行くから!!あぁ…DVDもね…ううう、うん」

ノブヲは何かを思い出したかのように驚くと、慌てて携帯を切った。

「どうしたの?歌山くん」

慌てるノブヲを、不思議そうに眺める舞衣…

「うっ、ううう、うん…実はね、僕、今日おじいちゃんのお見舞いに行く予定があったんだ」

「おじいちゃんのお見舞い?病院へ?」

「ううう、うん…風華町総合病院に行く…よよよ、予定を忘れてたんだ(笑)」

「あっ、懐かしいわね…総合病院…」

252 :
風華町総合病院
かつて巧海が入院していた、大きな総合病院…
巧海の具合が悪くなる度に、何度も通った場所…
高等部時代、何度も巧海のお見舞いに行った…懐かしい場所…
舞衣は辛いながらも充実していた、当時を思い出す…

「歌山くんのおじいさん、総合病院に入院してるんだ…」

「うっ、ううう、うん…先月から入院してるんだけど…何だかいろいろ話に付き合わされちゃって」

「あはは、そうなんだ(笑)お話好きなおじいさんなんだ♪」

その時、舞衣はある事を思い出した…

『歌山くんのおじいさんって…歌山虎次さん…?確か…うたやま荘の創立者よね?』

舞衣は「うたやま荘」の事務所に飾られていた、創立者「歌山虎次」の写真を思い出した。

「ふ〜〜ん…総合病院か…本当に懐かしい…ねえ、歌山くん…あたしも、一緒に行っていい?」

「えっ?ととと…鴇羽さんも…いいいい…一緒に?」

「うん、昔…高等部時代に何度も行った場所だから…久しぶりに行ってみたくて…」

「そっ、そそそ…そうなんだ…うん、いいよ、いいい一緒に行こうよ♪」

懐かしさと好奇心…そして軽いノリから、舞衣はノブヲと一緒に風華町総合病院に行く事にした。
歌山虎次とは一体どんな人物なのか…舞衣は興味があった。
そして、この行動が…後々、舞衣を幸運に導く事になる…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

253 :
午前11時

喫茶店前

「と、ととと…鴇羽さん、乗ってよ」

店の目の前に駐車された黒ベンツ…
ノブヲは後部座席のドアを開くと、舞衣に乗るよう勧めた。

「うん、ありがとう…」

舞衣は見慣れないベンツの後部座席に座る…

「おや?貴女は確か…ノブヲ様の同級生の…」

運転席に座る黒服の初老の男性は、バックミラーで舞衣の姿を確認すると、驚き振り向いた…

「はい、歌山くんの高等部時代の同級生の…鴇羽舞衣です」

「やはり…そうですか!お久しぶりです!私ですよ!覚えていらっしゃいますか?」

運転席に座る初老の男性は帽子を取り、自分の顔をよく見せようとする…
舞衣は暫く、この男性が誰なのか分からなかった…
しかし、次の瞬間思い出す…

254 :
「あっ!!去年の夏…あの街を抜け出す時に助けてくれた!井上さん…ですよね?」

「はい、そうです…お久しぶりです…」

「やっぱり井上さんですよね!!あの時は本当にお世話になりました!ノブヲくんの事…
ありがとうございました…」

「ええ…私も、貴方達2人が無事に抜け出せた事を聞いて…当時安心したんですよ…今、
改めて安心しました…よかったですね…鴇羽様…」

そう…この初老の男性は、去年の夏…あの場末の街を抜け出す際、舞衣と祐一の手助けを
してくれ…更に銃弾に倒れたノブヲの命を救った…ノブヲの側近 「井上」だった。

「風華町へ帰ってきていたのですね…里帰りでしょうか?それとも…高等部時代のお友達に会い
に帰られたのでしょうか?」

「え〜〜っと…ちょっと訳ありで…えへへ…」

舞衣はバツが悪そうに照れ笑いしながら、何とか理由を誤魔化そうとする…

「そう…ですか…まぁ、人にはいろいろと事情があるものです…」

井上も舞衣の心を察したのか…それ以上理由を聞かなかった…

255 :
「いっ、いいい…井上、鴇羽さんも一緒に病院に行きたいって…」

「そうですか、鴇羽様も総合病院へ行かれるのですね…分かりました…どうぞ、私がお送り
いたしましょう」

「はい、よろしくお願いします…」

「では、出発しましょうか、ノブヲ様」

「あっ、そそそ、その前に…レンタルDVDのお店に行って欲しいんだ。おおお、おじい…
おじいちゃんに…DVDを借りてくるように言われてるんだ…わわ、忘れるところだった…」

「分かりました…レンタルDVD店に行けばいいのですね…」

ノブヲも後部座席…舞衣の隣に座ると、井上はドアを閉める…
そして、井上の運転するベンツは喫茶店前を後にした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

256 :
ついに舞衣にも幸運が?!

257 :
午前11時15分

市街地  レンタルDVD店 駐車場

「ちょ、ちょっと借りてくるから…ととと、鴇羽さん、少し待っててね…」

井上の運転するベンツがレンタルDVD店に到着すると、早速ノブヲは祖父、歌山虎次から
借りてくるよう命じられたDVDを探しに店内に向かった。

車内に残された二人…
運転手の井上と、舞衣…
二人は何気ない風景を眺めながら会話を始めた。

「鴇羽様は、どうして総合病院に行かれるのですか?」

「え〜〜っと、大した理由じゃないんですけど〜〜ちょっと懐かしくて…えへへ…」

「ほう、懐かしいとは?」

「はい、昔…高等部時代に、よく総合病院にお世話になってたんです。弟が病弱で…よく入院
したり、通院したり…多い時は週に何度もお見舞いに行ったりしてたんです」

「弟さんが…大変だったんですね…その…弟さんは今も…体調がよろしくないのでしょうか?」

「いいえ、海外で手術を受けて治ったんです♪今、風華学園の高等部に通ってるんですよ♪」

「なるほど!それは安心ですな!良かったじゃないですか!」

「でも…まだ激しい運動とかは控えるように言われてるんです…まだまだ気をつけないと…」

「そう…ですか…大変なのですね…」

「はい…あっ、あと〜〜ノブヲくんのおじいちゃん、歌山虎次さんに会ってみたいな〜〜って
思って(笑)」

258 :
「ほほう、相談役に会ってみたいとは…また、どういった経緯で?」

「あたし今、M市にある老人ホーム「うたやま荘」で働いてるんです」

「はい、知っていますよ。我が歌山グループが経営している介護老人ホームですね?」

「はい、事務所に写真とか飾ってあったりして(笑)ちょっと興味あるんですよね〜〜♪
どんな感じの人なのかな〜〜って(笑)」

「なるほど…そうですか…歌山虎次様は…素晴しいお方ですよ…」

「凄いですよね〜〜歌山グループっていったら、この辺じゃ有名ですよね〜〜♪」

「はい…虎次様は…一代で歌山グループを築き上げた偉大なお方です…」

「はいぃ〜〜っ!!?一代って…虎次さんだけで…あんな大きな会社を作っちゃったんですか!?」

「そうでございます…虎次様は、学歴も資産も無い…タダの日雇い土木作業員から始め…
20年で歌山不動産…歌山建設…その他諸々の会社を設立して、成功させました…その
全てを総称して、歌山グループと言うのです…どうです、素晴しいでしょう!歌山グループに
虎次様ありです!!」

井上は、歌山グループの元総帥…現、相談役の歌山虎次の事を得意気に説明した。
何処か嬉しそうな…自慢げに話す井上の姿に、舞衣は思わず笑ってしまう…

「あはは!井上さん凄く嬉しそうに話してますね(笑)」

「それは勿論!でもまぁ…少々アレな所はありますが…素晴しい方ですよ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

259 :
あれこれ話しているうちに、ノブヲが車に戻ってきた…

「ふぅ〜〜や、ややや、やっと借りてきたよ〜〜つつつ…疲れた〜〜」

ノブヲは後部座席に座ると、借りてきたDVDの入ったビニール袋を舞衣の隣に置き、
ペットボトル入りのジュースを飲み始めた…

「歌山くん、何借りてきたの?映画?」

ノブヲが何を頼まれて借りてきたのか気になった舞衣は、ビニール袋の中身を取り出す…

「ブッ!!わわわ、とっととと、鴇羽さん!!ダダダ、ダメっ!!見ちゃダメ!!」

口に含んだジュースを噴出しながら、ビニール袋を押さえようとするノブヲ…
しかし、既にDVDケースは舞衣の手に取られていた…

「え〜〜っと…「淫乱巨乳ナース・ドスケベ姦護24時」って…はいぃ〜〜〜っ!!こ、これって
…エッチなDVDじゃない!!」

「はわわわわ〜〜〜だって〜〜おおお…おじいちゃんに頼まれて〜〜〜!!」

「はぁ…そうだったの…ま、男の人だもんね〜〜」

舞衣は苦笑いしながら、DVDをノブヲに返した…

260 :
その時…

「…DVD…エッチな…DVD…」

「DVD」という言葉を聞き、ある記憶が舞衣の脳裏を過る…

祐一から…そして、田島たちから聞いた…同窓会での出来事…
詩帆が秘密裏に作成し、同窓会に来た舞衣や祐一の同級生たちに公開した…DVD…
ソープランドで働く舞衣のあられもない姿を映した…DVD…
その後、無料配布された事実を聞いたのは…まだ舞衣が場末の街にいた頃だった。

『あたしがお店で働く姿を映したDVD…同級生の子たちに…ばら撒かれたのよね…』

場末の街で祐一からその事実を聞いた舞衣は、正直受け入れる事ができなかった…
その前日、余りにも衝撃的な出来事が多すぎて、同窓会でのDVD配布の事件を受け入れる事が
できなかった。

『クラスのみんなは…あたしの裸…見てるんだ…男子も…女子も…みんな…』

その後も慌しい日々が続き…過去を振り返ることなく生活していた舞衣…

『そのDVDを…未だに持ってる男子とか…いるのよね…』

今、舞衣はその事について深刻に悩み始めていた…

『もしネット上に流れたら…レンタルDVDを見る感覚で…知らない人たちが…あたしの事を…』

分かってはいたが…うやむやにしていた…
取り返しのつかない出来事に、改めて向き合うと…舞衣は言いようのない恐怖に襲われた…

「ど、どどど…どうしたの鴇羽さん?顔色が…わわわわ、悪いよ?」

ノブヲは俯き加減の舞衣の顔を覗き込み、心配する…

261 :
「う、うん…大丈夫、大丈夫♪」

舞衣は顔を起こすと、笑顔でノブヲに言葉を返した。

『ま…今まで「何とかなる」で…本当に何とかなってきたし…大丈夫よ…多分…』

今まで何度も不幸な目に遭いながらも、何とか不幸から脱してきた舞衣…
自らも「不幸に好かれている」と自傷する反面、不幸から脱出する幸運も持ち合わせていた。
舞衣は根拠の無い自信を持ちながら…何とかDVDの件を忘れようと勤めた。

井上の運転するベンツは、まもなく総合病院に到着する…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

262 :
元総帥さんが詩帆をしばく展開か・・
事ここに至るまで晶君が何も調査せず無策だったのは変だけどな
くのいちなんだし

263 :
色ボケ状態なんでしょww

264 :
午前11時50分

風華町 総合病院

近代的なデザインの大きな建物…
白く清潔感のある鉄筋コンクリート造りの総合病院は、緑に囲まれた緑地内にあった。

「到着しました、ではお二人とも…お気をつけて…」

アスファルトで整備された駐車場に停車したベンツ…
井上がベンツのドアを開けると、舞衣とノブヲはゆっくりと車から降りる…

「わぁ〜〜懐かしい!全然変わってないわね〜〜!」

舞衣は手で日差しを遮りながら、白く大きな鉄筋コンクリート造りの建物を見上げた。

「はふぅ〜〜〜あ、あああ…暑いなぁ…ふぅ〜〜〜」

冷房の聞いていた車内から降りると、ノブヲは一気に汗を浮かべる…

「じゃ、行こっか、歌山くん」

「そそそ…そうだね、いいい…行こうか」

ハンカチで汗を拭きながら、夏の暑さにうんざりするノブヲに、舞衣は笑顔で声をかけた。
そして二人は、総合病院の正面玄関に向かう…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

265 :
総合病院 正面ロビー

「本当に…あの頃と何も変わってないわね…」

病院を訪れる患者や、外部からの見舞い客…
入院患者や、看護師、医療関係者など…
様々な人たちで賑わう受付やロビー
何度も訪れたこの場所は、舞衣に当時の事を思い出させた…

「あの頃…何度もここに来て…巧海のお見舞いに来たり…診断の結果を待ったり…」

当時の辛い思い出は、巧海の病気が治った事で、若干和らいだのか…
舞衣は当時を思い出しながら感慨に耽った…

「ととと…鴇羽さん、こここ、こっちだよ…」

「うん、入院病棟よね?」

感慨に耽っていた舞衣は、ノブヲの声で我に返る…
そして、当時何度も通った入院病棟へ繋がる廊下を歩きながらノブヲと会話した。

266 :
「くく、詳しいんだね、ととと…鴇羽さん」

「うん、弟が入院してたから。この病棟の3階に入院してたの」

「そそそ…そ、そうだよね…そういえば鴇羽さん…弟さんの事でよく学校休んでたよね…
本当に大変そうだった…つつつ…辛くなかったの?」

「まぁ、当時は辛かったけど…今は巧海も良くなったし、報われたかな〜〜って思ってるの」

「そそそ、そうだよね!本当に良かったよね!ととと、鴇羽さんの頑張りのおかげだよ!」

「うん…本当に…良かった…」

ノブヲの言葉に、当時の自分を思い出す…
そして、心の中で、当時の自分自身に「おめでとう…」と声をかけてあげた…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

267 :
入院病棟

比較的静かな入院病棟…
時折、パジャマ姿の入院患者とすれ違う以外は、殆ど人と出会う事がない…
その入院病棟のエレベーターに、二人は乗る…

「ちょちょちょ…ちょっとだけ遅くなったけど…おじいちゃん…おおお、怒ってないかな…」

エレベーターに乗ると、ノブヲは7階のボタンを押す…

「へぇ〜〜7階に入院してるんだ…さすがよね〜〜♪」

「えっ?そそそ、それって…凄い事なの?」

「うん、聞いたことあるんだけど〜〜6階以上は特別な人しか入れない個室なんだって」

「そそそ…そうなんだ…知らなかった…」

そんな事を話しているうちに、エレベーターは7階に到着する…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

268 :
入院病棟 7階

特別待遇の患者だけ入る事が許される階…
特別個室が並ぶ7階に到着した二人…
明らかに他の階とは違う雰囲気に、舞衣は思わず辺りを見回した…

「うわぁ〜〜何か…廊下の壁とか、ドアとか…他の階とは全然違うわね〜〜(笑)」

真新しく綺麗な白い壁紙が張り巡らされた廊下は、とても清潔感があり、舞衣は見入ってしまう。

「こここ、ここだよ、ととと…鴇羽さん」

ノブヲは個室のドアの前で立ち止まる…
舞衣が個室のドアに視線を向けると…目に入ってきたのは「歌山虎次」と書かれた表札…

『ここに…歌山くんのお爺ちゃんが…』

少し緊張しながら、舞衣はノブヲの顔に視線を向ける…

「おおお、おじいちゃん…怒ってないかなぁ…」

ノブヲは深呼吸すると、ドアを3回ノックした。

「おおお、おじいちゃん、僕だよ、ノブヲだよ!」

ノブヲにとって、虎次は多少厳しい存在らしく…
緊張し、少し声を上ずらせながら…ノブヲは祖父、歌山虎次に挨拶した。

269 :
「おぉ〜〜ノブヲか!遅かったのう〜〜〜!」

少し甲高い…陽気な声が、個室の中から聞こえてくる…

「ごごご、ごめんね〜〜おじいちゃん!ああああ、あと、きょきょきょ、今日はね、僕のどどど…
同級生の女の子も一緒に来てるんだけど、ははは…入っていいかな?」

「そうか、そうか!!オナゴの友達が一緒に来とるか!!お前!そんな事初めてじゃないか!!
ええぞ!!遠慮せず入ってもらったらええわい!!」

ノブヲが女性を連れてきたことが意外だったのか…
虎次は、部外者にもかかわらず、まだ見ぬ「オナゴの友達」を歓迎した。

「ももも、もう…おおお、おじいちゃん、ははは…恥ずかしいよ〜〜〜」

「あはは♪あたし、入っても良いみたいね♪」

虎次の言葉を聞き、舞衣は笑顔でノブヲに話しかける…
ノブヲは、虎次の言葉に照れながらドアを開ける…
そして、二人は個室に入室した。

「おおお、おじいちゃん、あれから、ぐぐぐ、具合はどうかな?」

「おう!全然大丈夫じゃ!!ほれ!呼吸も脈も落ち着いとるわい!」

12畳はある広い特別個室…
その個室の中央にある介護ベッドに座り、明るい声で話す老人…

小柄で、少し痩せ気味…頭の天辺は既に禿げ上がった老人…
シワの目立つ顔に、更にシワを寄せながら満面の笑顔を見せる…
彼こそが、歌山虎次…その人だった。

270 :
「失礼しま〜〜す♪わぁ!良いお部屋ですね〜〜〜♪」

老人の元気そうな声を聞きながら、続いて舞衣も部屋に入る…

「おぉ!どうぞ、どうぞ!!散らかった部屋じゃが、寛いでくだされ!」

虎次は部外者にもかかわらず、ノブヲが連れてきた舞衣を歓迎した。
舞衣は介護ベッドに座る虎次の目の前に立つ…
そして、笑顔で挨拶しようとした…

「こんにちは、初めまして♪あたし、歌山くんの同級生で…」

「っ!!?お…おお…おお…」

笑顔で挨拶を始める舞衣の顔を見た瞬間…虎次は舞衣の顔を食い入るように見詰める…

「は、はいっ?あの〜〜〜どうしたんですか?」

目の前の老人の表情に違和感を覚えたのか…舞衣は不思議そうに虎次に聞いてみる…

「ま、まさか…アンタ…舞衣ちゃんか…舞衣ちゃんなのか…?」

「はいっ?あの…今、何て?」

虎次は、舞衣の名前を口にする…

「…舞衣ちゃんじゃろ…?お嬢ちゃんは…ねじりハチマキの舞衣ちゃんじゃろう?」

その言葉を聞き…舞衣はハッと息を呑んだ…

「はっ…はいいいっ!?ど、どうして…その呼び方を…」

「お嬢ちゃんは…場末の…場末の観音様じゃろ?場末の観音菩薩の…舞衣ちゃんじゃろ?」

「そ…その呼び方も…もしかして…あたしの事…知ってるんですか?」

271 :
ねじりハチマキの舞衣

場末の観音菩薩

この二つの言葉に、舞衣は驚いた。

ねじりハチマキの舞衣とは、舞衣が「ソープランド 泡姫館」で働いていた時のアダ名だった。
舞衣はソープ嬢としてお客にサービスする時、いつもサラシ布をねじりハチマキのようにして
頭に巻き、髪型が崩れないようにして、ボディ洗いや泡踊り、マットプレイなどのサービスを
行っていた。

場末の観音菩薩とは…舞衣が自身の贖罪を行う為に、安い賃金で男達に抱かれる事を望んだ姿…
安い賃金で恵まれない男達に身体を差し出し、自ら慰めてあげる行為を、舞衣は観音菩薩に例えた。
観音菩薩のように、慈悲深い心で…女に飢えた男たちを慰めたい…
そんな思いから、舞衣は自ら「場末の観音菩薩になりたい」と思い始めた。
自身の存在を観音菩薩に重ねた事は、泡姫館で働き始めて、一人の老人にしか明かしていない…

「…そんな…あの…もしかして…」

「そうじゃよ…ワシは…お嬢ちゃんの事を…知っておるよ…」

そう一言呟くと…虎次は着ていた浴衣の上半身を肌蹴る…
そして、舞衣に自身の背中を見せ付けた。

「この刺青…見覚え…あるじゃろう…」

「…これ…この刺青…あぁ…」

272 :
歌山虎次の背中に大きく彫られた…虎の刺青…
しかし、その虎の姿は…どこか滑稽で可愛く…まるで猫のような姿に見える…

「あ〜〜〜っ!!思い出した!!」

数日前…うたやま荘の事務所で、額縁の写真を見た時から気になっていた…
舞衣がソープ嬢として働いていた時のアダ名を知っていた事…
そして…背中に描かれている虎の刺青を見て…舞衣の記憶は鮮明に蘇った…

「思い出したわ!!猫トラ!!ネコトラのお爺ちゃん!!そうですよね!!?2年前に…
泡姫館にお客さんとして来た…ネコトラのお爺ちゃんですよね!?」

記憶が蘇り…舞衣にとって悪いお客ではなかった、その老人の事を思い出し…舞衣は虎次に
笑顔を向けて尋ねた。

「おぉ〜〜ほほほ!そうじゃな、そう呼ばれておったな(笑)」

虎次も笑顔で舞衣の言葉に答えた。

273 :2013/10/02
「ははは…ハチマキ?ねねね…ネコ?ななな…何の話?」

二人の話に加わる事ができないノブヲ…
無理も無い…二人の間でしか通じ合わない会話…
場末のあの店で偶然知り合った…あの二人にしか通じない話題…
ノブヲは訳が分からず頭を傾げた。

「…そうか…頑張ったのう…金髪青年…」

虎次は窓の外を眺めながら、一筋の涙を流した…
そして、涙を悟られないよう拭き取ると、ノブヲの方を向く…

「ノブヲ、客人が来たのに飲み物も無いのはどうじゃろう?ちょっと下の売店で何か買ってきて
くれんかのう?」

「はわわ!そそそ、そういえば!!ううう、うん、すぐに買ってくるね!!」

ノブヲは慌ててドアを開けると急いで廊下を走り、エレベーターに向かった…

「…そうか…救われたか…場末の観音菩薩が…救われたか…」

虎次は、舞衣と出会った当時を思い出す…

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