2013年10エロパロ729: ドラマ『専業主婦探偵〜私はシャドウ』でエロパロ (546) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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ドラマ『専業主婦探偵〜私はシャドウ』でエロパロ


1 :2011/11/19 〜 最終レス :2013/04/15
ドラマも盛り上がっているところですし、いかがでしょう?

2 :
ドラマいいよね

3 :
とりあえず、せりなと探偵の
「恋愛経験少ない癖に!」「そっちだって大した事ないじゃない!」
の低レベルな争いが物凄く萌えたw
せりなはふみ君と元鞘ならばもっと言いたい事を言えるようになってほしいな。
探偵なんか「このチキンやろう!」って言われたんだぞw ふみ君には絶対いわないw

4 :
せりなが陣内のモノマネするとこ可愛かった
抱きしめたくなった
陣内もそんな気持ちだったのかなー

5 :
せりなが陣内のモノマネするとこ可愛かった
抱きしめたくなった
陣内もそんな気持ちだったのかなー

6 :
ごめんなぜか連投してた

7 :
今の芹菜なら、陣内が風邪でぶっ倒れたりしたら
おかゆ付きの完璧な介護をしてくれそうw
そして陣内は動揺しそう。
きっと芹菜の事だから、陣内が追い返そうとするも無理やり居座るんだぜw

8 :
せりな料理は上手だもんね
今週から本格的に探偵がせりなを意識し出すと思うとドキドキw
予告がDV男のとこに返したくない!って感じだったし

9 :
陣内完全に落ちたねw
さすがにあれは惚れるよな

10 :
あそこで安易にガシッと抱きしめに行かないのが良かった。
このドラマ、ノーマークだったんだけど当たりだった。
>>5
あれ、深キョンのアドリブなんだってさ。すごいよね。

11 :
>>7想像しただけで萌える〜!
あ〜あの二人くっついてほしいわ〜

12 :
今のままだとくっつかなさそうだよなァ
何とかエロに持っていく手はないものか
やはり夢落ちしかないのか

13 :
んじゃーフミくん視点で小話を。
フミくん視点・ホテルでデキた後設定です。
誰かもっとエロエロな奴書いて〜!
****
「ねえ、私とやり直さない?」
そう言われても、武文は既に醒めていた。
千早が全身から濃厚な雌の匂いを漂わせて誘っているのも鬱陶しいとさえ感じた。
カラダを重ねたばかりだと言うのに、我ながら酷い男だと武文は思う。
もちろん、これ以上千早や新山の思惑に安易に乗りたくないというのが建前。
そして、一回抱いて興味が失せたというのが本音。
あの夜。
千早は縋るように武文を求めてきた。
武文が命じることなら千早は娼婦のように淫らな行為すら辞さなかった。
昼の清廉な千早とは別人の顔に興奮しなかったかと言えば嘘になる。
いや、むしろ普段上司として仕える女を屈服させることに武文は没頭した。
鼻先で射精して完璧な顔やヘアスタイルを精液で汚し、淫らな体位を取らせては玩具のように弄んだ。
肥大したクリトリスを強く刺激しながら突き上げ、失神するまで追い込んだ。
千早は完全に堕ちていた。
だが。
(案外、つまらない…)
それが武文の率直な感想だった。
まるでアダルトビデオのようなその堕ち方は武文の征服欲を満足させはしたが、それだけだった。
第一、肌の質感も弾力もセックス相手としての性能も妻の芹菜の方が上なのだから。
(予想通りだとつまらないと感じてしまうのは芹菜という存在の副作用に違いない)
武文はひとりごちて苦笑した。
妻の芹菜という女は存在自体が予想外の、とにかく武文の予想を裏切り続ける女なのだ。
悪い方向に裏切られることも多く「どうしてもう少し…」と歯がゆく思うこともしばしばだが、
良い方向に裏切られた時の新鮮な驚きは武文の生活になくてはならないものになっていた。
芹菜と暮らすということは、常に固定概念を揺さぶられる刺激に満ちた生活を意味する。
武文は今、痛切にに芹菜を抱きたいと思った。
悲しい思いをさせたこと、そして裏切りを冒したことの許しを請い、芹菜の美しい肉体に溺れたいと思った。
だが、それもすべてはこのゴタゴタを片付けてからだ。
武文はひときわ背筋を伸ばして歩き始めた。
背中に、千早がねっとりとした視線を向けているのを意識しながら。

14 :
あげときます。
明日だなあ

15 :
・エロとか皆無です。それでも許せる方はお付き合いください。
・前回の翌日の設定です。

浅葱芹菜が阿呆な事を言い出すのはこれが初めてではない。が、今回は度を超えていた。
もともと馬鹿だ馬鹿だと思ってはいたが、愛する旦那が他の女と仲良くしている写真を見てしまい
いよいよトチ狂ってしまったらしい。
「―――はあ?」
だから陣内春樹が全力でコイツ馬鹿かという顔をしても誰にも責められる言われはない、と思う。
「あたしと不倫してよ、陣内」
やはり陣内の聞き間違えなどではない。馬鹿奥様は先ほどと同じ言葉を繰り返した。
昨日、目の前の馬鹿は泣きながら帰った。
原因は旦那の不貞写真を見てしまったからであり、それを見せてしまったのは間接的には陣内であり、
しかし心のどこかでそれを望んでいたからこそ写真を捨てずにとっておいたのであって、
つまりはこの馬鹿の瞼があんなにもパンパンに腫れているのは陣内の所為だった。
きっと一晩中泣き明かしたのだろうと思えば少しだけ、本当に少しばかり良心の呵責を感じてしまう。
実は陣内も昨夜一睡もしていないのだがそんな事はともかくとして。
来ないだろうと思っていたのにいつも通りの時刻に事務所に来て、
開口一番に言ったのがそれなのだから、馬鹿女の馬鹿っぷりは陣内の理解を軽く超えていた。
「馬鹿か。……冗談は他所でやれ」
「本気だもんッ」
「本気かよッ?お前『馬鹿か』じゃなくて馬鹿だな、本物の馬鹿だ、ばーかばーか」
普段は陣内がおちょくれば簡単に頬を膨らませて怒るのに、今日は違った。
キッと目に力を込めて微動だにせず陣内を睨みつけている。
(本気なのか)
本当に、こいつは本気なのだ。だとすれば。
(当てつけか……)
こういう仕事をしていると、多数の浮気された人間に遭遇する。
陣内の調査で浮気が確定した場合、その反応は様々だ。
悲しみに暮れて自してしまう奴も居る。
これで離婚できると喜ぶ奴も居る。
何で調べたんだと逆切れする奴も居れば間違いに違いないと真実を拒絶する人間も居る。
そして、「当てつけに自分も浮気する」という選択をする人間も居る。
これでおあいこだと思うのか自分の気持ちを相手にも味あわせてやると思うのか知らないが、
根本的な解決には全くならないその方法を選ぶ人間は存外多い。
「……当てつけで浮気してどうするんだよ」
「当てつけなんかじゃないよッ」
冷静に諭したつもりだったのに、何故か激昂した馬鹿女の眼に涙が浮かんだ。


16 :

「な―――なんだよ」
なぜか声が上ずった。自分はこの程度で動揺する人間だっただろうか。
「あたしがいけないんだよ、あたしが悪いの。
 あたしがふみ君の気持ちをちゃんと分かっていないから、い、いけないんだよ。
 だ、だから、ああたしも、不倫してみれば、ふ、ふみ君の、気持ちが分かって、
 そうすれば、きっと、ふ、ふみ君も―――」
ぱたりぱたりと涙を落しながら、途中から言葉を詰まらせながら、馬鹿女は言った。
(……何をしてるんだよ)
こいつの旦那は一体何をやっているのだろう。
自分の嫁が自分の為に陰でどれだけ泣いているのか、きっとふみ君は知らない。
自分の嫁が自分を理解するためにどれだけ阿呆な決意をしたのか、きっとふみ君は知らない。
何故分かってやろうとしないのだろう。折角……想い想われて夫婦になれたのだろうに。
しかしそれでもふみ君なのだ。この馬鹿奥様にはふみ君しかいないのだ。
一晩中考えた結果なのであろう阿呆すぎる結論に、陣内はいつものように阿呆だと言ってやる事は出来なかった。
……当てつけだと言われた方がよっぽどマシだった、と陣内は思った。
「な、なんか変な事言っちゃった」
陣内の沈黙をどう取ったのか、馬鹿女は涙を拭って無理やり笑顔を作った。
「あ、そろそろふみ君の会社に行く時間だ、早く行かないと。じゃあ行ってくるね陣内」
オタオタと不自然さ丸出しで事務所を出ようとする馬鹿女の手首を、陣内は反射的に掴んでいた。
(この馬鹿は)
一回知るべきだ。知っておくべきだ。
男と言うものがどういう生き物なのかを。
旦那以外の男にああいう阿呆な発言をすればどういうことになるのかを。
そして―――旦那以外にだって、自分を想ってくれる男が居るのだということを。

馬鹿奥様は陣内が少し引っ張っただけで軽くよろけ、少し手を振っただけで簡単にソファに転がった。
「あれ?」
驚いた拍子に涙も止まったか、馬鹿女は実に間抜けな声を出した。
「お前、不倫したいって言ったよな」
上着を脱ぎ捨ててソファに圧し掛かると、組み敷かれた馬鹿女はまだ状況がつかめないのか目をぱちぱちとさせる。
「不倫ってこういうことだろ」
馬鹿女の細っこい両手首を頭上で押さえつけるのは左手一本で事足りた。
右手で頭をそろりと撫ぜると漸く理解したらしい馬鹿女はビクリと震え、ぎくりとした陣内は反射的に手を引きそうになった。
(餓鬼か俺は)
思わず内心で苦笑した。クールで渋い探偵で売っているつもりなのに、この体たらくは何だろう。
右手を馬鹿女の顎に据えた。肌がすべすべと柔らかい。
馬鹿女は陣内の顔を大きな目でじっと見ていて、目が合った瞬間に心臓がばくりと鳴る。
それを無視して右手に力を込め、そろそろと顔を近づけた。
自分の心臓はこんなにも速く打っていただろうか。
自分の心臓の音はこんなにも大きく聞こえていただろうか。
自分の指先はこんなにも震えこんなにも強張っていただろうか。
自分の頭はこんなにもくらくらと落ち着かないものだっただろうか。
自分の胸はこんなにも苦しく締めつけられていたのだっただろうか。
自分は、こんなにも芹菜に―――
「ごめんね、陣内」
ぽつりと馬鹿女が呟いた。
旦那以外の男に組み敷かれて、その男の顔が目の前3センチの距離に有って、
その状況で謝ってくるこいつの脳内にはきっと地球外生物が湧いているに違いない、と陣内は思った。

17 :

「―――なんでお前が謝るんだよ」
顔の位置を変えずに陣内は呟いた。ここで離れるのはなんだか癪だ。
それより少なくとも陣内の常識に乗っ取れば、この状況で謝らねばならぬのは陣内の方である。
「だって陣内、すっごく苦しそうじゃん」
「それは……」
まあ、あながち間違いではない。先ほどから色々な部分が色々な意味で苦しい。
「あたしが変な事言ったから、陣内が苦しいんでしょ?ほんとごめんね。あたしは大丈夫だよ、ありがと陣内、もういいよ」
「……意味分かんねえし」
「だからぁ。あたしが不倫してって言ったから、陣内は無理やり不倫してくれようとしてるんだよね?
 けど、陣内の顔見てたらあたしが間違ってるってよく分かった。こんなことでふみ君の気持ちが分かる訳無いのに。
 陣内意外と優しいとこあるから、あたしに付き合ってくれようとしたんだよね。嫌な事させてごめんね」
とても申し訳なさそうな顔をして馬鹿女は言った。
(どこまでこいつは……)
馬鹿なのだろう。
ふみ君が浮気したのはふみ君がそうしたかったからだ。
陣内が今圧し掛かっているのは陣内がそうしたかったからだ。
この馬鹿女が謝らねばならぬ理由など何処にもないではないか。
それなのに、何故こいつは自分が悪いと思うのだ。
なんだか酷く堪らない気持ちになって、陣内は馬鹿女の両手を握る左手に力を込めた。
「俺が退かなかったらどうする」
気のせいか声がかすれる。口の中がカラカラだ。
なのに馬鹿女は意外な言葉を聞いたかのようにきょとんとして瞬いた。
「え?」
「俺が、このまま続けたらどうするっつってんだよ。ふみ君呼ぶか」
「やだなあ呼ばないよぅ」
決の思いで言ったのに、馬鹿女はふにゃりと笑った。
「何でだよ」
「だって陣内続けないじゃん。陣内の性格ぐらいあたしにだって分かるよ。
 口悪いしカッコつけてばっかだけど、ほんとは意外と真っすぐなのあたし知ってるよ」
(―――くそッ)
どんなに抵抗されても。
どんなに泣かれても。
どんなに嫌われても恨まれても憎まれても。
どんなに、ふみ君の名を呼ばれても。
……決して止めないつもりだったのに。
なのに、絶対的な信頼に満ちたこの目を裏切れるほど陣内は強くは無い。
「ねえねえそれよりさ、陣内の顔って近くで見ると面白いね」
陣内の内心をよそに、馬鹿女はふにゃふにゃと笑った。
男の真剣な顔をこの距離で見て面白いと抜かす阿呆には一回くらい天罰が下った方が世の為人の為だ、と陣内は思った。


18 :

馬鹿女の口元を右手でむにゅと掴む。笑っていた顔が途端に笑える顔になった。
「にゃにするんだよじんにゃい」
ひよこ顔の馬鹿女はもごもごと抗議の声を上げた。
(知ったことか)
もっと力を込めると、馬鹿女はうぅと不機嫌そうな声を出し、むくれた顔をして唇を尖らせた。
この距離で唇を突き出すと陣内との距離がどれだけ近くなってしまうか分かっているのか、
そして陣内がどんな思いでこの距離をなんとか維持していると思っているのか。
それを全く、露ほども考えない辺りがこの馬鹿女の馬鹿たるゆえんである。
「―――当ったり前だろうが。お前みたいな馬鹿奥様なんて願い下げだっての」
陣内は左手の力を緩めて馬鹿女の両手を開放し、覆いかぶさっていた身体を離した。
右手のひよこ顔を馬鹿女が身体を起こすまで続けてやったのはせめてもの嫌がらせである。
「さっさとふみ君の会社に行けよ。浮気じゃなくて部長の罠に嵌っただけかもしれないだろ」
心にもない事を言ってみたが、流石の馬鹿女でも顔を明るくはしなかった。
「でもあの写真はふみ君からキスしてた」
「……」
何も言えなかった。その現場を、陣内は見たのだ。
その時の驚愕と怒りは今だに忘れる事が出来ない。
「けど、陣内」
言葉に詰まる陣内に、何故か急に馬鹿女がぱっと明るい顔をした。
「陣内のお陰で、なんか分かんないけど元気出たよ。あたし泣いてないでふみ君の為にもっと頑張らないと」
「お前……」
陣内がぽかんとしていると、馬鹿女はどたばたと身支度を始めた。
ふみ君の会社に行くのだろう、ふみ君を守るために。
「ありがとう、陣内。もう行くね」
つい先ほどまで大粒の涙を落していたその顔は、今や全開の笑顔で輝いていた。
(……こいつは知らねえんだろうな)
この変化の速さと笑顔の美しさが、どれだけ陣内を翻弄しているのかを。
「あ、そうだ」
ドアへ向かっていた馬鹿女がふと振り返り含み笑いをした。
「あたしもう一つ分かっちゃったよ?陣内って本当に好きな子としかしない……ていうか出来ないタイプでしょー」
「―――うっせえよ早く行けよこの馬鹿ッ」
馬鹿女はきゃあ陣内が怒った、とくすくすと笑いながら部屋を出て行った。
陣内はぐたりとソファに座りこむ。
何時の間にやら調査で三日徹夜した時以上に疲労していた。
「大正解だよ馬鹿奥様」
そこまで分かっていて肝心な事が全く分かっていないあたりが浅葱芹菜の凄いところだよな、と陣内春樹は思った。
≪了≫

19 :
おまけ
部屋を出た浅葱芹菜は胸を押さえていた。
「あれ、胸がドキドキする」
首をかしげて考えるがいまいち理由が分からない。さらに顔が火照っている事に気が付いた。
頬に手を当てると熱い。きっと真っ赤になっているはずだ。
「大変、どうしよう」
これは大変だ。
きっと風邪を引いてしまったに違いない。熱があるのかもしれない。
ふみ君の会社に行って感染してしまってはいけないから、今日は止めるべきなのだろうか。
しかし、たかが風邪でふみ君を一人にして良いのだろうか。守りに行かなくてもいいのだろうか。
究極の選択に煩悶していると、目の前に十島丈二が立っていた事に気が付いた。
「あれ、ジョージさん何時から居たの?」
「うん、俺最初からいたんだよね。最初からね、うん、ずーっと。芹菜ちゃんが中に居る時からここにね」
「ふうん」
芹菜は首をかしげた。ずっと外に居て何故入ってこなかったのだろう。
「あそうだジョージさん、あたしさっきから胸がドキドキで顔が熱いの、何でかなあッ?」
「うん、それはね芹菜ちゃん、分からない方がいいと思うよ、分かっちゃうと色々ややこしくなるからね」
「あたし多分風邪だと思うの、どうしようふみ君の会社に行っても大丈夫だと思う?」
「多分、多分だけどね、きっと行っても大丈夫だと思うよ俺は。感染りにくい風邪だと思うからそれは、うん」
「―――ほんと?」
芹菜が喜ぶと、ジョージは一緒に喜んでくれずに何とも言えない顔をした。
「ほんとほんと。―――あぁ俺、なんか涙出そうになってきたわ」
「え、ジョージさんどうしたの?」
「いや大丈夫、こっちの事だから。ほら芹菜ちゃん、早くしないと遅れちゃうよ。
 俺も陣ちゃんを褒めてやると言う大仕事があるから忙しいんだよね、早く行っておいで」
「きゃ、もうこんな時間だ、遅刻しちゃう」
芹菜は慌てて事務所を後にした。
結局胸のドキドキはしばらく治まらず、その謎が解ける事も無かった。
≪了≫

エロは書けないが、神を召喚するお供えとしてとりあえず、現時点での自分の萌えを全投入w
まさか当日になってしまうとは思わなかったがw
これでもっと人が来てくれると良いなあ。今日放送日だしw

20 :
職人様降臨してたーーー!
>>19 最高でした!続きも全力で待ってます

21 :
最高です

22 :
ジョージさんとの会話が、いい感じで締めてくれました♪

23 :
放送日だったのでage
予告の最後の五秒くらいが全てを持って行ったw

24 :
>>19 良かったです!情景が眼に浮かぶ
とくに丈二さんw
予告のおかげでここもにぎわいそう

25 :
>>19
ものすごくよかったです!!
次回作を楽しみにしてます!

26 :
>>19
GJ!!!
昨日本編見てやりばの無い萌えを発散できてなかったから嬉しいです!

27 :
>>19
最高に萌えました。ありがとうございます!!!

28 :
文章に引き込まれましたー!
萌えたーw

29 :
キスシーンで皆がこんなにテンション上がるドラマもあんま無いねw
中園さん、上手いんだなあ。やまとなでしこもハケンも面白かったもんなぁ

30 :
ふみくんと千早、ふみくんと芹菜のキスシーンもあったのにそっちはぜんぜん萌えなかった。
でも陣内芹菜は何と言うか見た瞬間血が沸騰して動機が激しくなった。
一応人妻相手の不倫のキスシーンなのに、なんだろうこの感覚、いわゆる激萌えなんだろうか?
今期ドラマで蜜の味の既婚の叔父と姪のディープキスシーンはひたすら気持ち悪かったのに。

31 :
>>30
すごく分かります。
一応不倫のキスなのに何でこんなに可愛いというか…すごくときめきました。
陣内の今までのやきもきや切ない気持ちを見てきたからなのか…。
今ならなにか妄想できる気がする

32 :
>>31
さあ、その妄想をここに書き付けるのだ!

33 :
「じーんな〜い」能天気ないつもの声がした
「はい、これ陣内に今日のお弁当」差し出されたランチボックスは
この間のものとは違う、新品だった。
「頼んでねぇし」
「うん、頼める陣内じゃないもんね。だから、相棒として気を利かしたんだよ。
陣内、いつもコンビニやインスタントばっかりじゃん。
もうメタボ始まってると思うんだよね、頭髪もそろそろきそうだし」
「オマエな!」陣内はすごんだが、芹菜は気にとめずしゃべり続ける。
「だからね〜、芹菜、陣内のは玄米にしたんだ。フミくんのおなかは平らで硬いけど
陣内のお腹、ししゃもが隠れてそう」最後までいい終わる前に、陣内は芹菜の顎とつかんだ。
「お前だって、体脂肪率高そうじゃん、このプニプにした頬肉、シチューにできそうじゃん」
「違うもん!違うもん!」芹菜が口を尖らせる。
「でね、でね、このランチボックス、ハンズで出てる新品なんだ。
ご飯もおかずみ真空フレッシュ、でできたての家庭の味をオフィスでも」
「・・・オマエ、俺のためにわざわざ買ってくれた、のか?」
「うん」。芹菜は明るい笑顔でうなずいた。
「フミ君にって思ったけど、ホラ、新製品ってわかんないでしょ
だからまず陣内でモニタリングしようって」
「俺はモルモットかよ!」
「そ!餌代かかるし、口悪いのから、かわいくないんだけどさ」
二人の漫才を、ジョージはコーヒーを飲みながらヲチしていた。

34 :
ジョージさん、ニヤニヤしながら見ているんだろうねw

35 :
とりあえず、予告のキスまでを妄想してみた。
この後、どうにかエロに持っていこうと試行錯誤中です。
設定は次週予告のキス。
公式他、各種サイトの予告のネタバレ含みます。

陣内は事務所のソファではっと目を覚ました。
もう外は真っ暗だった。
ひばり証券の調査でここ最近あまり寝ていないせいもあって、
夕方戻ってきたあと、少しだけとうたた寝をしてしまったのだ。
(とりあえず、何か食うか。)
ソファから立ち上がろうとしたとき、真っ暗な部屋にノックの音が響いた。
「陣内、いるの?」
扉の向こうから聞こえた声は、浅葱芹菜だった。
「ああ、開いてる。」
ぶっきらぼうに答えると、芹菜が入ってきた。
「なんだ、寝てたの?電気消えてるからいないのかと思っちゃったよ。」
「お前と違って俺は寝る時間もないくらい忙しかったんだよ、
・・・お前なんだその格好。旅行でも行くのか?」
陣内は芹菜の旅行かばんを見て、ゆるゆると立ち上がりながら言った。
「あの、陣内・・・ごめん、私、今日で探偵辞めたいの!」
「えっ・・・」
陣内は耳を疑った。聞き間違いじゃないかと思った。
いずれこういう日が来るだろうとは思っていたが、
こんなにも唐突に、こんなにも早くやってくるとは
予想だにしていなかった。
「そ、そうか・・・」
次の言葉が見つからない。

36 :
芹菜が続ける。
「こんな、急に言われても困るよね。ほんと、ごめん。
でもね、私、フミ君と離れて一人でやっていこう、って決めたの。
フミ君をあんな風にしたのは私だったの。ずっと知らなかった。
私のせいでフミ君はいろんな人に責められて・・・。
だからフミ君を解放してあげたいの。自由にしてあげたいの。」
「だからって・・・なんで探偵までやめちまうんだよ。」
消え入りそうな声で陣内が言う。
「私、ずっとフミ君の影でいいと思ってた。自分の足で歩いていくことなんて
ないと思ってた。でも一人で歩けない私を、いろんな人が守ってくれてたの。
やっと気づけた。もう誰かが私のために犠牲になるのはいやなの。
自分の足で歩いて行きたいの。
ねえ、陣内。こんな風に私が考えられるようになったのって、陣内のおかげなんだよ。
本当に、本当にありがとう。陣内のおかげで右折もできるようになったし、
スナックで接客もできるようになったし、フミ君の会社で働くことも覚えたし、
全部全部、陣内のおかげなの・・・。ありがとう・・・陣内。」
芹菜は震える声で言った。
まっすぐに陣内を見つめる瞳からは大粒の涙が流れていた。
「泣くなよ・・・」
陣内はいつものように、けれど優しく芹菜のほっぺをつかんだ。
「だって・・・」
「泣くなっつってんだろ・・・」
そして陣内は優しく芹菜にキスをした。

37 :
35-36です。
8話放送までに続きのエロが書けるよう・・・ガンバリマス。

38 :
>>19
ドラマそのものできゅんきゅんしちゃいました。ハアハア
続きをぜひお願いいたします<(_ _)>


39 :
職人の皆様乙
どの話も萌え楽しませて頂きました

40 :
明日の放送でもっとにぎわう事を期待して上げときますw

41 :
藤林丈司

42 :
ええい皆どうしたテンションが低いぞ昨日放送だったのにw
探偵は相変わらずせつねえなあ
二人で会っているところを遠くから目撃とか、当て馬感がホント悲しいw
あとはあすなろ抱きして俺じゃだめかをやったら完璧なんだがw
ところでこのスレには職人さんはもうおらんのか……
すでに俺は萌えを全投下しちゃったんだよw誰か―
別に芹菜がふみ君を酔っぱらわせて泣きながら襲っても構わないからさあw

43 :
だって全然萌えなかったんだもん
むしろテンション下がり気味
原作読んで上げようにも売ってない…

44 :
最初の二人が手繋いで逃げる場面は感極まって泣いてしまったのですが、それからの展開が切なくて…。
不意打ちキスも萌えたのにな…陣内の片思いが切ないったらないです。

45 :
キスよりも手つなぎにドキドキしたなあ。
お互いの体温を感じた気がした。

46 :
藤林丈司

47 :
今専業主婦ブームとかほざきだしてるぜwwwwwwwwwwwwwww
そりゃそうだよな。ガキ手当や各種免除含め、専業主婦はかなりのメシウマだもんなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
下手に社会進出するより、専業主婦していた方が結局いい思いができると考える女が急増しているらしいなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
増える主婦の小遣い、減る夫の給料wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

48 :
うふ〜ん

49 :
原作と違うラストなんかね?
だとしたらアホだね。
Part2とスペシャルへは繋げられないわ。

50 :
好きすぎて、キスはしたものの、軽く拒否られておどけてみせた陣内の男の純情が痛々しかった。
自分の者にはならないのに、探しまくるところなんて泣けた。

51 :
みなさん心折れちゃった?
せめて二次で幸せエンドを…!

52 :
>>51
ぽっきり折れた
夫婦の帰り道の件で、芹菜への萌え心がぽっきり折れてしまった

53 :
そこで原作ですよ
あくまでもドラマはドラマ、原作が本当の結末だから
品薄だからみつかんないけどさ…

54 :
>>53
そっか、でもどうしてもあの絵柄無理なんだよね。
始まる前に電子書籍で読んだんだけど、実写みてからだとキツくて。

予告で拳銃観たとき、フミくんエンドが覆せないならいっそ
芹菜庇って陣内が撃たれて芹菜の腕の中で息引き取る、
最初で最後の抱擁…ってオチ脳内妄想して悶えてたw
我ながらキモすぐる…w

55 :
すみません。
エロなし、笑いなし、陣内END投下します。苦手な方はスルーください。
少し>>54さんのネタいただきました。

芹菜は夢中で車を走らせていた。
ふみくんからの電話で陣内が危険であると聞いたからだ。
助けに行った陣内はふみくんの代わりに捕えられてしまった。陣内が危ないと。
芹菜はマイクに向かって話しかける。
「もしもし私芹菜。今すぐ行く。大丈夫。必ずあなたを救い出すから信じて待ってて、陣内」
イヤホンからの返事はない。気を失っているのだろうか。
嫌な予感が脳裏をよぎるのを芹菜はあわてて打ち消した。
ハンドルを握る手に力が入る。アクセルを踏んでスピードを上げた。
マンションの駐車場に急いで車を止め、一気に階段を駆け上がった。息が切れる。
でもそんなことは言っていられない。部屋の前まで来ると、いったん深呼吸をして、勢いよくドアを開けた。
靴を脱ぐのももどかしく、そのままリビングに飛び込むと倒れている陣内の姿が目に入った。顔は腫れ上がり、所々血がにじんでいる。
「陣内っっ!!!」
芹菜は無我夢中で駆け寄った。そのとき陣内がうっすらと目を開けた。
「っっ、バカ!!お前、来んなっつっただろっ!」
叫ぶ陣内を芹菜はゆっくり抱き起こした。
「何だぁ、お前?」
芹菜の頭上に野太い声が降りかかった。見るからに怪しげで屈強な男二人が芹菜と陣内を見下ろしている。
「こいつ浅葱の嫁だぜ。」
「それは好都合だな、一緒にやっちまおう。」
この人たち何を言っているの…?
今までこんな世界からほど遠い生活をしていた芹菜にとっては信じられない光景だ。
「こいつら平気で人をせる奴らだ…だから来んなって!」
陣内は悔しそうにつぶやいた。
突然芹菜はポケットから例のものを取り出し、男たちに突きつける。
「やられるのはあんたたちの方よ!」
おもちゃの水鉄砲を構えながら芹菜はすごむ。
自分でもこんなことができるなんて驚きだ。本当は怖くてたまらない。でも陣内を守らなければ。芹菜は必だった。
男たちは一瞬ひるんだものの、さすがはプロだ。すぐにおもちゃだと見抜いてしまう。
「わっはっは!!!とんだねーちゃんだ!その心意気だけは買ってやるよ…」
芹菜に本物の銃口が突きつけられる。もうだめだ…芹菜は目をつぶった。
パーンと乾いた音が響く。大きな影が芹菜に覆いかぶさった。
「ちっ!邪魔しやがって!」
芹菜がゆっくり目を開けるとそこには腹を押さえて倒れている陣内の姿があった。指の間からは赤い液体が流れている。
「陣内っ!」
「次は外さないぜ…」
再び男は芹菜に銃口を向ける。その時だった。
外からサイレンの音が聞こえてきた。
「サツだ…ずらかるぞ!!!」
男たちは慌てて玄関を飛び出していく。助かった…。きっとふみくんが呼んでくれたのだろう。
「陣内…。陣内…。」
芹菜はそうつぶやきながら陣内を抱き起こす。涙が止まらない。
「だからお前は馬鹿奥様なんだよ…。後先考えず行動しやがって…」
陣内は震える手で芹菜の頬の涙をぬぐった。顔色が青ざめ、冷たくなっていくのがわかる。陣内のシャツがどんどん血に染まっていく。
傷口を手で押さえる。それでも血は止まる気配を見せない。
「お願い…陣内…もう喋らないでよ…」
「これで…ふみくんとやり直せるな…」
陣内はそう言って芹菜の腕の中で静かに目を閉じた。

56 :
題名書き忘れてました。
>>55の続き

JJ探偵事務所。
淀んだ空気を追い払うかのように芹菜は窓を開けた。
「主がいないとこの部屋もさみしいもんだね。」
丈二はそう言って笑った。芹菜もふっと微笑む。
「でも、芹菜ちゃん…本当に強くなったね。」
「…全部、陣内のおかげなんです。陣内がしっかり目を開けて現実を見ろって教えてくれたから…私にとって何が本当に必要なのかがわかりました。」
「陣ちゃんも幸せだなぁ。こんないい子に想われててさ。」
芹菜は窓から空を見上げ、小さく「ありがとう。」とつぶやいた。
「じゃあ、丈二さんちょっと行ってきます。後よろしくお願いします。」
「うん、気を付けてね、芹菜ちゃん。」
芹菜は白いドアの前にいた。静かにドアを開ける。
病室の奥にはベッドがあり、そこには陣内が横たわっていた。小さな寝息を立てながら気持ちよさそうに眠っている。
芹菜は寝顔を見ながら、まるで子供のようだとくすりと笑う。
その声で陣内がゆっくりと目を開けた。
「あ…ごめんね、陣内。起こしちゃったね。」
「痛ぇ…」
顔をしかめ、腹を押さえながら体を起こす。
「そりゃそうだよ。にかけたんだから。」
弾は大きな血管を外れていたが、出血がひどく、大量の輸血を必要とした。正直なところ、医師からは助からないかもしれないと言われていた。
助かったとしても後遺症が残るかもしれないと。1週間意識不明の状態が続き、芹菜は気が気ではなかった。
やっと意識が戻った時、芹菜は丈二と泣きながら喜んだ。医師には奇跡としか言いようがないと驚かれた。
「バーカ。お前が来るからこんなことになったんだろ。あんなの俺一人でカタつけてたよ。
…でも、なかなか格好良かったぞ。お前、結構この仕事向いてるかもな。」
陣内はカラカラと笑う。芹菜もつられて笑った。
「ありがとう、陣内。それから…あのね、もうバカ奥様じゃなくなったの。」
「ハァ!?」
あれからふみくんと話をした。
『ふみくん、離婚しよう。』
『芹菜…』
『本当は新山部長のことが好きなんだよね…?うすうす気付いてたの。
流産のこと、お父さんのこと、そして自分自身の弱さ…全てがふみくんを縛り付けてたの。
もうお互い自由になろう。今までありがとう。』
あの夜、バーで新山部長に芹菜が大事だといった時、わずかな戸惑いがあったのを芹菜は見逃さなかった。
ふみくんは新山部長に惹かれている。それを認めながらも逃げて隠れて嫌なことから目をそむけてきた自分。
ごめんね、ふみくん。ふみくんはいつでも優しかった。芹菜はずっとそれに甘えてたんだね。
ふみくんを愛してたんじゃない、ふみくんを想う自分を愛してたんだ…。
「…お前本当にそれでいいのかよ。」
「だって教えてくれたのは陣内だよ。目をしっかりあけて現実を見ろって。
それに何が本当に必要かわかったんだ。」
「何だよ。それ。どういう…」
「もう、うるさいなあ。陣内は。」
そう言って、芹菜は右手で陣内の両頬を掴みながら、ゆっくりとキスをした。

57 :
終わりです。
お目汚し失礼しました。

58 :
>>57
GJ!

59 :
>>57
ネタふりした54です
わーーーん!ありがとーーーー!

60 :
>>54さん、レスありがとうございます!
アイディアを勝手に拝借してしまったので、私の稚拙な文章で
>>54さんの理想のEND像をぶっ壊してしまったのではないかと心配してました。
本当に申し訳ないです。
しかも>>57の名前欄、レス番号間違えてるし…orz
54→55ですね。
失礼いたしました。
ここはあんまり職人さん来ないのかな。
ほかの方の作品読んで妄想に浸りたいのに…

61 :
>>57
GJ!!

62 :
このスレにはまだ人が残っていたんだなw
誰も書き込まないから俺以外は無人だと思っていたよw
人がいるなら俺もまた妄想炸裂させてみようかな
エロは書けないから神召喚のお供えだけどなw

63 :
>>57乙!
こうなって欲しかった
>>62
是非見たい

64 :
>>62
おおーっ!新たな職人さん誕生の予感!!
エロなしでも全然OKです。
ぜひぜひ投下を!!!
私も妄想がまとまったら投下してみたいと思います。

65 :
陣芹本がほしい

66 :
最終回で心が折れたけど、なんかまだ俺行けそうな気がする!
誰かもっと陣芹を!!!

67 :
皆の書き込みみてるとにやにやがとまらん。
阿部真央のじゃあ何故?聞きながら
陣内×芹奈を妄想するとやばい!
一人で泣けるww

68 :
写真真っ二つにはがっかりだった…

69 :
写真はまだいいとして、ここではパーティーはなかったって、テイで行く?

70 :
書き手の自由でいいんじゃん?

71 :
写真は深キョンが止めるべきでね?

深キョンが探偵続けるいい出したときに
桐谷が切ない感じの顔たまらん

72 :
ふみくんを松井から救ったでしょ。陣内面割れてるし絶対恨みかったはずだよね。
報復されるよね。で、そこで怪我して入院とか、もしくはやばい組織に狙われて
探偵事務所引き払うとか…ちょっとハードなテイストに妄想が…
丈二さんには黙ってるようお願いするんだけど知ってしまった芹菜は?! みたいな。
いやもちろんほのぼのもみたいんだけど、はさみの後どうやってほのぼのな二人に
戻れるのかよくわかんないんだYO…

73 :
陣内がフミ君より先に芹菜を見つけてたら、で書いてみました。
「陣ちゃん、地獄だよ」丈二の声が何度も頭にこだまする。
やめとけ、アイツは浮気されようが暴力ふるわれようが旦那大好き奥様、
わかってる、でも、でも・・・!
芹菜が来なくなった事務所で一人1週間過ごしたら、もう限界だった。
天使みたいな・お人よしの、料理がうまくて、笑顔のやさしい
思いつく限りの芹菜の特徴を挙げながら写真を見せながら陣内は芹菜を見つけたその後
自分がどうするつもりか、わからないでいた。
そして、芹菜はいた。つなぎに帽子を着て、オイルに汚れた手をして
でも、相変わらずかわいくて。
「陣内!」芹菜の方が先に陣内に気づいた。目つきの鋭い男が迫力のあるまなざしで
ガソリンスタンドに突っ込んできたので、トラブルの気配がしたのか、
芹菜の同僚はあわてて店長を呼びに走ったが、芹菜はキョトンとしたままだ。
「どうしてここに?あっ、そっか。仕事だね。今度は誰探してるの?
ぶんかっきー、試験ダメでまた家出したとか?それともロミーちゃん?」
陣内は自分の荒い息に気づきもせず、のんきにしゃべる芹菜にこの時は感謝した。
「オマエ、オマエな、」
「あっ、そっか、ガソリンだね。」
「そんなんじゃねぇよ」
給油ホースを掴んだ芹菜の手を陣内が掴んだ。そこへ、店長が走ってきた。
「あっ、あの、ウチに従業員が何か?」
「ああん?」陣内がすごむ。「俺はコイツを向かえにきたんだよ」
「あっ、そっか。芹菜ちゃんのご主人ですか。よかったね、芹菜ちゃん」
「違っ、違います。フミ君は、もっと足が長くて顔もよく」
芹菜の口を陣内がすばやく押さえ、営業用スマイルを浮かた陣内は
「いやぁ、お世話になりました。ご挨拶はまた後日。ちょっと、コイツと話させてください」
「はいはい、どうぞ。芹菜ちゃん、ずっとあなたを待ってたんですよ」
陣内に引きずられ、芹菜は陣内の車に乗せられた。

74 :
「もう、陣内、いつ陣内がフミ君になったのよ」
「うっせぇな」
「店長、すっかり誤解しちゃって。今日はお店、忙しいのに、陣内をフミ君だと思ったから
気を使ってくれたんだよ。店長、先月お子さんが生まれたばかりで大変なの」
「うっせぇよ。ちょっと黙ってろ」
ハンドルに手を乗せたままの陣内と、助手席に憮然と座ってる芹菜は、しばらく口を利かずにいた。
夕日がすっかり翳ったころ、やっと陣内が口を開いた。
「腹、減ったなぁ・・・」
「陣内、仕事中は食事も満足に取らないからだよ、あ、ちょっと待って。」
芹菜はつなぎのポケットを探ると、キャンディを取り出した。
「はい、陣内」
「ポケットにアメ入れてんのか。オマエ、ガキみたいんだな」
「違いますぅ。お店にドライブで親とくる子供たちに上げてるんだよ。」
「そっか。立派な営業活動なんだな」
「昨日来てくれたら、チョコだったんだよ」いかにも残念そうに芹菜が言うので、
相変わらずの彼女の天真爛漫さに、陣内はクスっと笑った。
「で、オマエ、今、どこに住んでる?」
「お店の寮だよ。」
「よし、じゃあ今からそこへ行くからナビしろ」
「送ってくれるの、ありがとう陣内」
「・・・寮についたら、10分で荷物全部引き揚げるぞ。」
「え?」
「オマエ、明日から俺と暮らすんだ」
芹菜を見ずに陣内は宣告した。

75 :
きゃー!投下されてるー
>>73さん、GJです。
会話が芹陣らしくてイイ!
2828が止まりません
続きあるのかな…
興奮して眠れないや…

76 :
初めて書き込みます。エロはなしで、ハサミのお別れシーンから妄想です。
探偵事務所に芹菜が箱を手に入ってくる。
「陣内、お父さん明日退院できるの。これは、たくさん助けてもらったお礼。」
陣内が箱を開けると、陣内の顔をかたどったパンがぎっしり。
「趣味わるぅ。・・・でも、ありがとう。」
「お父さん退職して、これからは卓球場をやろうかなって。フミ君は、お父さんの体のことが心配だから一緒に住もうって言ってくれて。」
「そうか、・・・よかったな。」
「家族がやり直せるのは、陣内と探偵をしたおかげなの。人に頼ってばかりで、現実に目をつぶっていた私の目を開かせてくれた。
だから、これからもここで探偵を続けさせてほしいの。」
「だめだ、正式に雇ったわけではないし。お前は専業主婦にもどれ!」
「でも・・・」
「もしまたフミ君の浮気が心配なときは、俺がしっかり証拠つかんでやるから安心しろよ。」
「フミ君は浮気なんかしないよ!」
「いや、一度する奴は二度三度」
「陣内!!」
芹菜は陣内の両頬を指でぎゅっとつかんだ。
「そうだ、お前にプレゼントがあるんだ。私がかわいく写ってるから、買ってと言ってただろ。」
頬をつかまれたまま、陣内は引き出しからペアリフトの写真をとりだして、芹菜に渡した。
嬉しそうに写真を手に取りみつめる芹菜。陣内ははさみを取り出し、その写真を芹菜の手からそっととり、ゆっくりと二人の間を半分に切り離した。
そして、芹菜の写っている半分だけを芹菜に手渡した。

77 :
(続き)
芹菜は、しばらく無言で陣内を見つめていた。そして、急にいつもの芹菜に戻ったように明るく言った。
「陣内、私も陣内に渡したいものがあるの。目をつぶって、両手を開いてくれる?」
陣内はあまりにも普通な芹菜の様子に、ただ素直に目をつぶり手をひらいた。
芹菜は陣内の写真をそっととり、自分の写真の下に重ねた。そして、陣内の頬に一瞬だけキスをした。
目を開け、驚きの表情で芹菜を見つめる陣内。
「隙あり〜♪これでお相子だね、陣内!」
いたずらな表情の芹菜、それが真顔にもどると芹菜の目が潤んできた。
「陣内、相棒になってあげられなくて、ごめんね・・・」
大粒の涙が頬を伝った。陣内は迷うようにゆっくりと手を伸ばし、芹菜の肩を抱き寄せようとした。
その瞬間、邪魔するかのように電話がけたたましくなり、我に返ったように陣内は受話器をとった。
「はい、もしもし、アルバイトの応募?」陣内はにやにやした表情になり、続けた。
「20歳、女子学生ですね!ちょっとお待ちください。」
陣内は手で受話器をふさぎ、おどけた表情で芹菜をみた。
「と、いうわけで相棒は間に合ってるよ。・・・バカ奥様、元気でな!」
芹菜は涙をぬぐい、笑顔でうなづいた。そして小さく手を振り、探偵事務所から出て行った。
陣内は受話器をふさいだ手をはずして、言った。
「ジョージさん、電話くれて助かったよ。俺、地獄に踏み出すところだった。」
陣内が視線を落とすと、陣内の写った写真がなくなっていた。
「芹菜・・・」
陣内は窓の外をみつめた。
一年後
芹菜の父の卓球場のオープン記念パーティーが開かれていた。
芹菜は花屋に指示をだしたり、招待客に挨拶したりと、きびきびと動いていた。そのお腹にはわずかに膨らみがあった。
卓球場内では福寿と交際相手、その子供たちが卓球を楽しんでいる。その隣の台ではもと子と掃除の先輩が。
そして、陣内とジョージ、フミ君と芹菜の父がダブルスをしていた。
芹菜は陣内とジョージのそばに近づいて言った。
「陣内さん、ジョージさん。今日は来てくれて本当にありがとう。」
「芹菜ちゃん、おめでとう!」
陣内は幸せに輝くような芹菜をみて、穏やかな笑みを浮かべながら言った。
「もうバカ奥様なんて言えねーな。芹菜さん、おめでとう。」
芹菜はにっこりとほほ笑んだ。

78 :
陣内エンド書いてくれた職人さん達のおかげでちょっとスッキリした!職人さんGJ!でもやっぱ映像でみたかったなぁぁぁぁ。

79 :
おK。これを最終回にしよう。

80 :
妄想小説もっと読みた〜いっみなさん素晴らしいです!
私だったらあの写真をもう一度くっつけちゃうベタな展開を妄想しちゃいます…

81 :
すみません。
エロ投下します。
芹菜×陣内で8話のキスの後からエロ突入です。

「私なんて生まれてこなければよかった。」
馬鹿奥様の頬を大粒の涙が伝う。
返す言葉が見つからない。
「もう泣くなよ。」
そういうのが精いっぱいだった。
「泣くなつってんだろ…」
「お前を必要としている奴はいっぱいいる。
俺もそうだし…」
その言葉を聞いて、彼女は涙を湛えた大きな瞳で俺を見る。
その澄んだ瞳が、彼女のすべてが愛しくてたまらない。
俺は吸い寄せられるように彼女にキスをした。
彼女の体が硬直する。
が、次の瞬間彼女は俺の首筋に腕を巻きつけてきた。
当然拒否されるものと思っていた俺は驚き、思わず唇を離す。
「…抱いて。陣内…。何もかも忘れたいの。」
「…本気なのか?」
彼女の瞳の奥には強い意志が感じられた。
だめだ。こんな弱みに付け込むようなこと。
理性が俺をとどめようとする。
でももう我慢できない。
こんなにも心は千々に乱れ、彼女を欲しているというのに。
彼女の甘い吐息が鼻にかかり、俺の理性は完全に吹き飛んだ。
ウエストを強く抱き寄せ、再びキスをする。
首に巻きついた彼女の腕に力がこもり、キスは強く、激しくなる。
おずおずと入ってくる彼女のかわいらしい舌に自分の舌を強引に絡ませ、彼女の口内を貪る。
息をする隙も与えないほど強く唇を重ね合わせ、お互いに舌を絡ませながらソファに倒れこんだ。
彼女のシャツのボタンを外していくと白い胸元が露わになる。
恐る恐る彼女の肌に触れ、その滑らかさに酔いしれる。
そして俺と彼女の間にある全ての衣服を取り去った。
窓から差し込む月明かりに照らされて、彼女の体は青白く光っているように見えた。
綺麗だ…
今まで数々の女を抱いてきたが、これほどに美しく愛おしい裸体は初めてだった。
奴は…浅葱武文は
薔薇の蕾のようなこの唇に何度キスをしたのだろう。
ベルベットのように滑らかなこの体を何度抱いたのだろう。
そんなことを考えながら、俺は嫉妬で狂いそうになる。
彼女の体の隅々まで口づけを落とす。
まるで奴の痕跡をすべて取り去るかのように。


82 :
<続き>
そして首筋に唇を這わせながら彼女の柔らかい乳房を揉みしだく。
彼女の息遣いが荒くなってくる。
そしてその先端を口に含み、舌先でゆっくりと転がした。
「んんっ!」
もう一方の乳房を弄んでいた俺の手は腹、腰、太ももを彷徨い、彼女の秘部へと到達する。そこにはもう蜜が溢れているのを感じ、小さな悦びを覚える。
秘部の割れ目を指で何度もなぞり、奥にある花芽を掠めてやる。
「んんうっ…」彼女は口に手を当て、声を押ししているようだった。
「我慢すんな…感じてる声が聞きたいんだ…」耳元でささやくと、彼女は覚悟を決めたかのようにゆっくりと手を離し、「はぁ…」と甘い声を上げた。
唇を徐々に体の下部へ動かし、彼女の足の間に滑り込む。
舌で秘部を強くなぞると、彼女は体をのけぞらし、「ぁ…やっ…ぁ」と可愛い声を出す。
花弁を押し広げ、花芽を舌で強くこすり上げる。
「は、やあ…あぅ…!」
秘部からはどっと蜜が溢れだす。
それでも俺は舌の動きを緩めない。
そのうち、「ああぁ…」彼女は小さく叫んだかと思うと絶頂に達した。
もういいだろう。
俺は十分に猛り立った自分自身を彼女の中に挿入した。
「つっ!」
彼女は苦痛の表情を浮かべる。
ぎこちないキスの仕方をみれば、男性経験が少ないのは明らかだった。
俺は壊れ物を扱うかのようにゆっくり優しく体を動かした。
彼女の中は温かく、きつい締め付けを感じる。
内部の襞がじわじわといやらしく俺自身にまとわりつき、味わったことのない快感に気を失いそうになる。
「あぁ・・・ん」
彼女の苦痛の表情は徐々に恍惚の表情に変わる。薄暗い部屋の中でも彼女の頬が紅潮しているのがわかる。
俺は彼女の腰を引き寄せ、やや速度を上げながら強く突き上げた。
「…っあ…や…ぁん!」
彼女の喘ぎが一層甘くなる。
「…陣内…陣内…」
彼女が俺の名前を呼びながら、細い指が俺の頬に触れる。
そしてうるんだ瞳で俺を見つめる。
今この瞬間。
彼女は俺だけを見て、俺だけを感じている。
言いようのない幸福感に包まれた。
彼女から発せられる声、甘い息遣い、全てを聞き逃したくない。
彼女を誰にも渡したくない。
「芹菜…芹菜…」俺も彼女の名前を呼びながら、クライマックスが近付いているのを感じる。…もう果てそうだ。
彼女も俺に強くしがみつき、再び絶頂を迎えようとしている。
愛してる。
そう頭の中でつぶやき、俺たちは共に果てた…


83 :
<続き>

どのくらいの時間がたったのだろう。少し眠ってしまったようだ。
たぶん短い時間だったと思う。
隣で彼女は背中を向けて横たわっていた。
細い肩が小さく震えている。
…泣いているのだろうか。
俺は思わず背中から抱きしめた。
腕に冷たいものが伝っては落ちるのを感じ、彼女の涙だと確信する。
「ごめんな…」
「どうして…謝るの…?」消え入りそうな声で彼女は言う。
あの時のジョージさんの言葉を思い出す。
『好きになればなるだけその先は地獄だぞ。』
わかってるさ。そんなこと。
でも。頼むから。
もう少しだけこのままで居させて欲しいんだ。
彼女の柔らかな髪に顔をうずめ、俺は静かに目を閉じた。
                      
以上です。
シリアスすぎて陣内ぽくない…
芹菜も「抱いて」なんて絶対言わないし…
自分の乏しい想像力ではこれが限界です。
どなたか口直しの作品投下お願いします。

84 :
GJ!GJ!GJ!x 1000

85 :
感激〜っ素晴らしすぎます!!文章力神!!
ちょっと切ない終わりがうるっ(泣)
ぜひともハッピーエンドなエロもお願いしたいです(ノ><)ノ

86 :
エロだけど綺麗な文章で汚ならしくなくてGJ !頭のなかで映像化して萌えた。わたしもハッピーエンドなセリナ×陣内読みたいです!職人様お願い!

87 :
陣芹書いてる俺が言うのもなんだけど、ふみ芹が有っても別に良いと思うw
しかし盛況でなによりだな。ってかこのスレ人がいたんだなw

88 :
ドラマのサイトにもあったけどそれだけ陣芹に期待してた人が多かったからかなぁ。要はラストは原作通りで良かったのかなぁ。芹菜の場合フミくんから陣内に気持ちが変わることは裏切りでも不誠実でもないと思うけど…フミくんを救ってからのお別れでも良かった…
ああ、また妄想が…(笑)

89 :
GJ!!

90 :
GJ!!!

91 :
>>73>>74続きです。
一緒に暮らそう、思い切って言ったものの、陣内は芹菜の反応が怖くて陣内は怯えていた。
不自然な沈黙は、拒否、の証、だろうか、そっと彼女を盗み見ると、彼女は歩道を食い入るように見つめていた。
視線の先には・・・、浅葱武文がいた。アイツ、素人の癖に自力で見つけたのか。さすがは一流企業のリーマンだな、
芹菜の指がドアロックにかかるのを見た。嫌だ、あんなヤツの元へ返さない、
陣内は芹菜の肩を掴むと同時にシートを倒した。きゃっ、と芹菜が小さく叫んだ。
信号が変わると、そのまま陣内は車を発進させた。芹菜の荷物なんてもうどうでもいい、
アイツが芹菜のいたGSにたどり着くより前に、この街を出るのが先決だ。
倒したシートの上で芹菜が静かに泣いているのに気づいたが、陣内は次々に車を追い越して行った。
高速に乗って、ICに着いた。自分もだが芹菜にも休憩が必要だ、腹だって減ってるだろう
大好き、な”フミ君”がすぐ側にいたのに、強引に車に乗せたままここまで拉致してきたことに
芹菜は怒って当然だ。怒りや恨みをぶつけられるかもしれない。
陣内は芹菜を見られないまま、「おい、オマエな・・・」と思い切って声をかけた。
「もう大丈夫だよ、ありがと、陣内」シートごと起き上がってきた芹菜の答えは意外なものだった。
「ハァ?」
「私はフミ君の苦しみの源だってわかったから、離れたんだもん。
なのに、また傍にいようとするなんて、私ダメだよね。甘いよね。
陣内、私だけじゃなくて、フミ君のことも気遣って
私を止めてくれたんだよね、本当に、ありがとう」笑顔でお礼を言う彼女の頬はまだ涙で濡れたままだった。
「オマエ、鼻出てんぞ」
「わt、本当だ」つなぎの袖口で顔をぬぐった芹菜の頬には、今度はオイルがついた。
「降りて、まず、顔洗え。」ぶっきらぼうに言いながら、
相変わらず自分の気持ちより夫を大切に思う彼女にイラだちながら、彼女が怒っていない、という事実に
陣内は安堵していた。

92 :
「もう、陣内、あれほど生ごみはちゃんと水切りして、って言ったのに」
事務所のドアを開けた芹菜は叫んだ。窓を開け、バタバタと事務所を飛び回り片付けようとしていた。
「明日でいいだろ。とにかく今日は疲れてんだ」
「陣内の明日、って永遠に来ない明日だから、今やるの」
「オマエ、相変わらず本当に憎たらしいな」
そんなやりとりすら、大切なかけがえのないものになっていることを陣内は痛感した。
もう、失いたくないんだ、絶対に。あの男も同じ気持ちなんだろう。
だから、女房の弁当すら食わなかった男が、仕事を休んでまで、またコイツを見つけようとした。
(遅せぇんだよ、”フミ君”)心の中で武文に毒づいた。
「事務所のことはとにかく明日だ。もう夜遅いから送ってく」
キョトンとした顔のつなぎの芹菜は、罪なくらい可愛らしかった。
「丈二さん、パリに行ってる間、オマエに部屋貸してくれるってさ。
だから、オマエはしばらくそこに住んでろ、ホラ、行くぞ」
「・・・うん。」寒いのか、芹菜が少し身震いした。
そうか、つなぎのまま、だった。洋服一枚、彼女は持ってきてなかったな。。
「オイル臭い女だな。俺の皮ジャン、頼んでも貸してやんねぇから」
「陣内だって、ニコチン臭いじゃん。もう肺真っ黒な癖に」
「ツナギのババァには毛布がお似合いだよ」
「皮ジャンチキン野郎!」
陣内は、芹菜と悪口を叩きあいながらも、壊れ物を包むように毛布で芹菜をくるんだ。
「ドンキ寄ってくから、オマエ、必要な者買え」
「・・・いいよ」
「はぁ?オマエ、一枚のパンツでず〜っと過ごすつもりかよ」
「じゃあ、今の時間でもやってる質屋に連れて行って」
「質屋?何で?」
「お金ないから、この時計とピアス質屋さんに引き取ってもらって、それで」
「金なら俺が」
「それは陣内のお金で、私のじゃないから」
陣内は金庫まで行くと、分厚い封筒を出し、芹菜に渡した。
「ホラ、これ、オマエの掃除の仕事の給料」
「え?お金もらえてたの?」
「ああ、オマエに渡したらすぐ使ってしまうから、俺が貯めておいてやった」
探偵家業なだけに、咄嗟の機転は利く自分に陣内は、感謝した。
「うわぁ、陣内って気が利く人なんだね、ありがとう」

93 :
どんきでは、当座に必要なものをさっさと買って済ませようとしたのに
「ねぇねぇ、陣内、兎の着ぐるみがあるよ、あ、こっちはポケモン」
「お似合いじゃござんせんか?馬鹿奥様、ぜひご試着を」
いい加減うんざりした陣内の皮肉を気にも留めず、芹菜は
「うん、着てみるね」と試着室に消えようとした。
「おい、冗談だよ。今日は長距離移動で疲れてるんだから、さっさといるもの買って
丈二さんのマンションに行くぞ」
って、「おい!」芹菜は陣内を無視して、フロアを歩き回った。
「あ、コレもかわいい。ハートのフライパンでホットケーキ作っちゃおうかな、キャッ」
「オイ」
「ん?なぁに陣内もコレ欲しい?」
「俺、喫煙ルームにいるから、買い物終ったら声かけてくれ」。
陣内は、両手一杯荷物を抱えた芹菜を丈二のマンションのエントランスで降ろした。
「じゃあな、明日ちゃんと定時出社しろよ」
「え?」
「何が?」
「荷物、こんなにたくさん」
「一度によせって言ったのに、オマエが買ったんだろ。」
「だから」
「は?」
「陣内が部屋まで運ぶんだよね。女の子にここまで言わせるなんて、気の利かない人ね。」
「フザけんな!」
「精神的に二枚目かなと思ったけど、やっぱ陣内は陣内だね」
「オマエこそ、馬鹿奥様のままじゃねーか」
二人は睨みあったが、マンションの防犯カメラがこちらを注視してるのに気づいた陣内は
「やっべ、俺飛び込みの仕事が一つあるんだった」と言って、車を発進させた。
「おやすみ〜、陣〜内〜、今日はお疲れさまぁ、ありがと」
吸い込まれるようにマンションに消えていった芹菜をバックミラーで追いながら
夜遅い時間に芹菜と二人で一つの部屋に長くいる自信がない自分をふがいなく思いながら
とにかく、とにかく、自分は取り戻したのだ、毎日芹菜が事務所にいる日常を。
今日はそれで十分じゃないか、と陣内は思った。


94 :
続き楽しみ

95 :
続き楽しみ!
キュンキュンした!

96 :
>>91さん、乙です。
続き待ってましたー!
二人で買い物する姿が新婚さんみたいで萌えました。
また続きお願いします!

97 :
萌えました〜!乙です!!続き楽しみにしてます!!

98 :
キュンにです(◎o◎)
早く続きが読みたい〜っ

99 :
こんなスレがあるって今日初めて知りました!
モヤモヤの最終回が職人さん達のおかげでスッキリ!
どうもありがとうございます!
どのストーリー萌えでキュンキュンですー
皆さんの続きを楽しみにしています!

100 :
職人の皆様、GJ!

101 :
エロなし、ただのギャグです。

「おい、本当に良いんだな?」
「うん、いいよ陣内。現実と向き合わなきゃダメって言ったの、陣内でしょ」
「…分かった」
陣内は芹菜の意志を確認すると大きな封筒から一枚の写真を取り出す。
そこには、腕を組んで仲睦まじく歩く浅葱武文と新山千早が写し出されていた。
「これは、前におまえもその目で見ただろ」
「ふみくん…なんでなの……?」
写真を見て、芹菜の小さな肩が震える。
「知るかよ、まっ、ふみくんはお前のことなんざ愛してないってことだろ」
「なんで…ねぇなんで、ふみくんの肩に悪霊の手が憑いてるの、陣内!」
「…は?」
一瞬思考停止する陣内。
その間、芹菜といえば写真を指差し霊がどうたら何事か喚いている。いや、よくあることだ、依頼人が錯乱することは。
すぐに覚醒した陣内は自分に言い聞かせ、封筒から二枚目の写真を取り出す。その際にちらりと一枚目の写真を見て後悔したことは秘密である。
「これは?」
「旦那と女部長が一緒に食事。さすが高給取りは違うな、高級料亭で懐石だ」
おそるおそる写真を覗き込む芹菜。
途端、芹菜の顔はくしゃりと歪む。楽しそうに笑い合う二人の写真を見たからだろう。
「うそ…うそだよ、こんなの!」
「あいつは、おまえが一人寂しく夕飯食べてる時に、不倫相手と旨い飯食う最低の旦那だよ」
「うそ!」
「うそじゃねェって、しっかり現実見ろ馬鹿奥様!」
「こんなに人魂が飛んでいるなんて、うそだよ!!」
「…なんだって?」
「ああっ、こんなに霊魂の集まる所で食事するなんて!ふみくん、だめだよ!」
陣内は唖然として芹菜を見つめる。
――ある事実に耐えきれなくなると、人間は精神に異常を来すらしい。
目の前にいる女も、そうゆう類なのだろうか。陣内は丈二を召喚すべきか悩んでいた。
「ねぇありえないよね、陣内!」
「お、おう」
つーかなんでソッチに目が行くんだよ、確かにぼんやり写ってるけど違うだろ。
おまえの方がありえない、という言葉が喉から出かかったが、陣内はそれを抑えた自分に賞賛を与えたくなった。

102 :
陣内はまた一枚封筒から取り出す。今度は二人がホテルへと入っていく写真だった。
「おまえには酷だと思うが、浮気の絶対的な証拠だよ」
「え…?」
「腕組んで、食事して、しけこんで!はっ、離婚するには十分過ぎる証拠だな!」
「やだ、こんな…!」
「そうだよ、おまえの旦那はな、不倫相手とこんな事する最低野「凶悪な自縛霊が!!」…はァ!?」
またか、またなのか。無性に頭を抱えたくなるが、どうにか堪える。
芹菜をなだめるために、ひとまず彼女が指差す部分を一瞥する。
そこには赤く充血させた瞳をした大きく見開き、髪を振り乱した女の生首があった。
写真を芹菜の手からひったくって、もう一度じっくり見る。やはり、いる。
ようやく芹菜とその旦那を離婚させられるなんて考えていたのに。陣内は結果として心霊写真を撮影してしまったことを激しく悔やんだ。
「仕方ねェ、おい馬鹿奥様!今度こそ決定的な写真だ!」
なだめることは諦めた。代わりに、最後の写真を芹菜に突きつける。事後の、ホテルから二人が出て行く写真である。
「これでもう十分分かったろ!さっさと慰謝料ふんだくってあんな奴と離婚しろ!おまえが一緒にいる理由なんてない!」
「いや、絶対にいや!」
「嫌かもしんねェけどな、事実なんだよ!」
「自縛霊がもうひとり増えてる!!」
「は、はあ?」
だめだこいつ早くなんとかしなければ。
「こンの馬鹿奥様ッ!!よく見ろ!」
陣内が怒鳴りつけると、なぜか芹菜は陣内の顔をじっと見つめた。
「…陣内って、つぶらな瞳してるね。私、驚いたよ」
「そっちじゃねーよ!!」

終わり
書評番組を見てカッとなって書いた。
お目汚し失礼致しました。



103 :
だめです。笑いすぎて、横腹いたいし、キーは上手く打てないし。
笑笑

104 :
>>101さん、GJです。
超絶ウケました。
声を出して笑っちゃいました。

エロ皆無ですが、クリスマスネタ投下します。
もし、芹菜がフミ君と別れて、探偵を続けていたら…という設定です。
ちょっと長いです。ご了承ください。

「おはよう!」
いつものように芹菜は勢いよく探偵事務所のドアを開ける。
「おう、元バカ奥様。」陣内がそれに答える。
「もう陣内!いつも言ってるじゃない。人がおはようって言ってるんだから、ちゃんとおはようって言わなきゃダメだよ!
それから私は元バカ奥様じゃない、ちゃんと芹菜って名前があるんだから。」
「はいはい、おはよう、おはよう。これでいいんだろ。
それより仕事の依頼が来たぞ。」
「え!どんな?」
「浮気調査だ。今度のクリスマスイブ、旦那が愛人と密会するから現場を押さえてほしいんだと。
何つったかなぁ。密会現場の店。ええと…あったあった。」
陣内は芹菜に雑誌の1ページを見せる。
とても高級そうなレストランが紹介されていた。
その店の名前には芹菜も見覚えがある。
「あ!このお店、知ってる。すごく有名なんだよ。
予約がいっぱいでなかなか取れないんだって。」
陣内はフンと鼻を鳴らし、
「まあ、そこは俺の人脈でな。
なんとか予約を押さえることができたんだよ。」
と自慢げに話す。
「俺とおまえでその店に行って、密会現場の様子を探るんだ。」
「クリスマスイブ…。残念でした〜。その日は予定が入ってるんだよっ。」
「どうせ一人でケーキ食う予定だろ。」
「違うもん!もと子と二人でパーティしようって約束したの。
だからその日は早く帰らせてもらいまーす。」
「さみしい二人でパーティかよ…。しょうがねえなぁ。
瞳さんに恋人役をお願いすっか。」
「瞳さんってジョージさんの奥さんの?」
たとえ瞳さんでも、クリスマスイブに陣内がほかの女性と食事…。
なんだかもやもやする。ヤキモチ?まさかね。
芹菜は頭の中で慌てて打ち消した。
そのときバッグの中の携帯が鳴る。
「もと子だ。はい、もしもーし。」
「あ、芹菜?ごめん。イブのパーティ、翌日にずらしてくれない?」
「どうして?」
「作家先生との会食が入ったの。その先生、気まぐれでなかなか連載くれないんだ。
連載をくれるチャンスかもしれないの。お願い!芹菜。」
「うん、わかった。じゃあがんばってね。」
暗い声で電話を切った後、芹菜は恨めしそうな顔で陣内を見る。
「ん?どうした?」
「陣内…クリスマスイブの予定が空いちゃった…」

105 :
イブ当日。
街は、幸せいっぱいの恋人たちや家族連れであふれかえっていた。
陣内はスーツを着て、事務所で芹菜を待っていた。
「おっせーな。あいつ、何やってんだよ。」
我慢できず、理容室としまの扉をたたく。
「お、陣ちゃん。できたよ。芹菜ちゃん、すごくきれいだよ。」
ジョージさんが扉を開ける。
「おっせーよ!お前何もたもたしてんだよ…」
陣内は中に入るなり、絶句した。
赤いドレスに身を包んだ芹菜がいる。
美しい体のラインに沿うドレスは、大胆にも太腿までスリットが入っていた。
ノースリーブからのびる二の腕は透き通るように白く、
ドレスの赤とのコントラストが美しい。
髪はアップにされ、いつものあどけない顔立ちが大人びて見える。
化粧は薄めだが、滑らかな肌にチークでほんのりピンクに染まった頬や
ツヤツヤに彩られた唇は気品の中に色気を感じさせた。
陣内はどきりとする。
「どう?陣内?ちょっとは見直した?」
「バ、バ、バーカ。ま、馬子にも衣装とはこのことだな。早く行くぞ。」
陣内は少し赤くなった顔を隠すように足早に出て行った。
「ちょっとまってよー。高いヒール履いてるんだからぁ。」
芹菜は急いで後に続く。
「わあー。すごーい高そうだねぇ。」
店に到着し、芹菜は感嘆の声を上げた。
案内された席は対象者からやや離れているが、怪しまれずに観察できる絶好の場所だ。
しばらくすると対象のカップルが入ってきて、席に座る。
男は優しげな顔をしていた。
「あんなに優しそうなのに浮気するのかな。」
芹菜は言う。
「さあな。いろいろあるんじゃねーの。」
陣内は対象者の観察以外念頭にない様子でぶっきらぼうに答えた。
この世の中に浮気せず、私だけを見てくれる人なんているのかな。
…この人はどうなんだろう。
芹菜は思わず目の前の陣内を見つめる。
対象者から視線を外した陣内と目が合う。
芹菜はドキッとして目を逸らした。
コース料理が運ばれてきた。
「こんなに高いの、大丈夫?」
芹菜は心配そうに尋ねた。
「依頼者持ちだから気にすんな。好きなだけ食え。
…それより、今からトイレ行くふりして、このマイクを対象者のテーブルの下に置いて来い。」
「はぁ?なんで私が?」
「一人前の探偵になりたいんだろ?
こんな簡単なことくらいできるようになっとかないとな。」
陣内は運ばれてきた料理を口に運びながら命令する。
「…わかった。」
芹菜は陣内からマイクを受け取り、対象者のテーブルに向かって歩き始めた。
できるよ、こんな簡単なこと。
そんな思いとは裏腹に芹菜は緊張でがちがちだった。
普段履き慣れていない高いヒールのせいもあってか、足がもつれ、前に転びそうになる。
「あっ!」
芹菜は思わず対象女性の椅子を掴む。
転ぶのは免れたが、その拍子に女性のバッグの中にマイクを落としてしまった。
「ご、ごめんなさい!」
「いえ…。大丈夫でしたか?」
「大丈夫です。本当にすみません。」芹菜はしょんぼりしながらトイレに向かった。

106 :
席に戻ると、陣内はイライラしている。
「本当にトロいな。だからバカなんだよ。このバカ女!」
「もう!バカって言わないでよ!」
「早く何とかしてあのマイク回収しろよ。」陣内はあきれながら言った。
しかし、バッグの中にマイクがあるせいか、カップルの話し声はよく聞こえる。
愛してるよだの、この後は○○ホテルのスイートを予約したなどの内容だった。
「よし!証拠バッチリだな!」
先ほどとはうってかわって陣内は上機嫌になる。
男がポケットから小さな箱を取り出す。中には美しい輝きを放つ指輪が入っていた。
そして女性は嬉しそうに受け取る。その様子もしっかり隠しカメラで捉えた。
その時、女性が席を立つ。
「おい。トイレに行くみたいだぞ。お前も行って、さりげなくマイク回収して来い。」
しぶしぶ芹菜はまた席を立つ。
トイレに行くと女性は化粧を直していた。
「先ほどは本当にすみませんでした。」芹菜は再度謝罪する。
「いえいえ、気にしないで下さい。」女性はにこやかに答えた。
マイクを回収する隙を窺っていると、女性のドレスの裾がほつれているのが目に入った。
「裾、ほつれてますよ。」
「えっ!うそー。このドレスお気に入りなのに。」
女性が気を取られているすきに、急いで芹菜はバッグに手を入れる。
バッグの中にはほとんど物が入ってなかったのでマイクはあっさり見つかった。
芹菜はドキドキしながらも見つからないようにマイクを回収する。
「あの、直しましょうか?私裁縫セット持ってるんです。すぐ終わりますから。」
「いいんですか?じゃあ頼んじゃおうかな。」
芹菜はしゃがんで女性の裾をまつり始めた。
「優しそうな旦那様ですね。」
「あの人は旦那じゃないの。彼氏なの。」女性は答える。
そのあとも、男が自分の上司であること、1年ほど前から付き合っていること、
いつかは結婚する約束をしていると話した。
さすがに不倫をしていることまでは言及しなかったが。
この会話もマイクを通して陣内に届いているはずだ。
「できました。」
「ありがとう。私ったら見ず知らずのあなたにこんなこと話しちゃって…。
なんだかあなたって話しやすそうなんだもの。」女性は軽く会釈をして出て行った。

107 :
「よくやった。今の会話で決定的だな。」席に戻ると陣内が褒める。
「ねえ、シャンパン頼んでいい?私緊張して喉乾いちゃった。」
「あ、ああ。まあ大体の証拠は押さえたしな。
ちょっとくらいいいだろ。イブだし。」
シャンパンのボトルが運ばれてくる。
芹菜はグラスに注がれたシャンパンを一気に飲み干した。
陣内は対象のカップルを見続けながら言った。
「でも、お前飲みすぎるなよ。この後ホテルに入る証拠を押さえるんだからな。
…って、おい!もうボトルあけてんじゃねーか!」
「ほぇ?」
芹菜の眼がトロンとしている。
…だめだ。もう眼が座っている。
陣内は絶望した。
最悪なことに対象のカップルが席を立つ。
「おい、もう出るぞ!」
「え〜。まだデザートがぁ…」
まだまだ食べようとする芹菜の腕を引っ張り、レストランを出る。
外はすごい人ごみだ。早く追いかけたいのに、芹菜はおぼつかない足取りで歩いてくる。
「早くしろよ!見失っちまうじゃねーか!!」
「ごめーん。私のことは放っておいていいからさ。陣内一人で尾行してよ。」
放っておけるか。
さっきから道行く男たちの目線が、芹菜に注がれていることに陣内は気づいていた。
こんな酔っぱらいの美女を放っておいたら、どんな男にかっさらわれるか、たまったもんじゃない。
「まあ、いいか…。あの会話と写真で依頼人には勘弁してもらうか。」
陣内はそうつぶやきながら尾行をあきらめた。
報酬は少し下がってしまうかもしれないが。
「ほら。」陣内はひざまづき、芹菜の方に背中を向ける。
「負ぶってやるよ。」
「え〜いいよ〜。一人で歩けるよ。」
「そんなにフラフラ歩かれたら、事務所に着くのが夜中になっちまう。」
芹菜はえへへと笑うと、じゃあ遠慮なくと言って陣内の背中に飛び乗った。
「よかったぁ。実は靴が痛くてもう歩けなかったんだぁ。」
陣内に背負われながら、芹菜は行きかう幸せそうなカップルたちを見回した。
「ねぇ。陣内ってクリスマスはいつも仕事なの?」
「バーカ。俺はいつもデートの予定でいっぱいだ。今年だけたまたま空いてたんだよ!」
「あはは!嘘だー。ジョージさんが教えてくれたよ。
クリスマスは探偵にとって一番忙しい日だから、ここ何年も陣内は一人だって。」
ちっ、ジョージさん余計なこと言いやがって。
「陣内もかわいそうだね。こんなカップルだらけの日に一人で浮気調査だなんて。
よかったら私がずーっと相棒になってあげるよっ。」
「そ、それって、お、おまえ、プロポ…」
あわてて芹菜の方を向くと、芹菜はスースーと寝息を立てていた。
「寝ちゃったのかよ。あ…」
雪が降ってきた。
どうりで寒いはずだ。
それでも陣内の心の中はいつもより温かった。

108 :
事務所のソファに芹菜を寝かせると、起こさないようにそっと毛布を掛けてやる。
「うぅーん。替え玉しよっか、陣内。」
ったく。夢の中でも食ってんのかよ。お気楽な奴だ。
「あー疲れた。」
陣内はネクタイを緩めながら、デスクの引き出しを開けた。
そして小さな箱を取り出す。
先ほどのレストランで対象者の男が渡していたような箱だった。
中にはかなり小さめではあるが、同じように美しい輝きを放つ指輪が入っていた。
「メリークリスマス。」
そう言いながら眠っている芹菜の左の薬指にぎこちなく指輪をはめる。
夢の中のラーメンがよほど旨かったのか、芹菜はにこりと微笑む。
陣内も優しく微笑みながら、その寝顔をいつまでも見つめていた。
                        
翌朝、芹菜は軽い頭痛で目が覚める。
陣内が芹菜を見下ろしていた。
「酒飲みすぎなんだよ!
ミスばっかりしやがって!だからバカなんだよ!」
「もう、そんなに怒らないでよ。頭に響くじゃない…あれ?」
芹菜は左手の指輪に気付く。
陣内が慌てて言った。
「い、いや。き、昨日その窓からサンタクロースが入ってきてさ。
お、お前にさ、メリークリスマスって言いながら、指輪はめて帰って行ったぞ。」
俺は馬鹿か。なんでこんな見え透いた嘘を。いくらこいつが馬鹿でもわかるだろ。
「ごめん。本当は…」
陣内が真実を言いかけたその時…
「えっ!サンタさんが来たの!?」
芹菜は素っ頓狂な声を出した。
「サンタさんは見ててくれたんだよ、芹菜が頑張ってるところ。
見てー。可愛い指輪…。
サンタさんって子供にしか来ないのかと思ってたけど、
大人になっても来てくれるんだねっ!」
…こいつ、本物のバカだ。狂ってるぅ。
半ば呆れながらも、無邪気にはしゃぐ芹菜を愛おしいと思う陣内であった。
                          完

109 :
Xmasストーリー素晴らしいです!!エロはなくてもほのぼのしててほっこりしました(*^o^*)読みながらまた妄想してしまった…(笑)またぜひとも陣芹お願いしますっ(ノ><)ノ

110 :
きゃああああああ!最高最高!>>104さん、GJ!です!
こんな二人が見たかったのよ。
この調子で続きも読みたいです…

111 :
104さん、乙すぎます!!!こんな最終回がよかった〜。゚(゚´Д`゚)゚。

112 :
104さん。ありがとうございます。
素敵すぎです。心臓がきゅーってなりました。

113 :
本当にこのスレがあってよかった…(;∇;)
職人さまありがとう!!

114 :
エロなし、中学生みたいな陣内です。

「ねぇ陣内、SとMってなぁに?」
あまりに突拍子のない事を言うものだから、気管に液体が入りコーヒーを噴出してしまった。やべっ、書類が汚れた。
俺が急いで書類をティッシュで拭くと、馬鹿女は汚い物を見るかのような視線を寄越したが、原因はおまえだ。
「ぅえ、けほっ、あー…いま、なんつった?」
「もう、ちゃんと聞いててよ。あのね、昨日ふみくんとテレビ観てたの。そしたらS?M?って話題があったんだけど…なんのことかなあ?」
芹菜は首を小さく傾げ問いかける。こんな質問でなけりゃ、まだ素直に可愛いと思える仕草だった。
「てめーの旦那に聞けよ、ンなこと…」
「本当はふみくんに教えてもらいたかったんだけど、『芹菜はしらなくていいよ』って笑顔で言われちゃって。あ!でね、その笑顔がかっこよくて」
「はいはい馬鹿奥様、惚気は他所でやってもらいませんかね」
「相棒の話くらい聞いてくれたっていいじゃん、ケチ」
「おまえを相棒にした覚えなんてねーし、そもそもおまえの旦那なんてこれっぽちも興味ないからな?」
「もうっ酷いなぁ陣内。そんなんだから彼女出来ないんだー」
「うるせーよ馬鹿」
「で、SとMって、なに?」
脱線した会話が瞬時に戻る。せっかく、話の腰を折ることに成功したと思って安堵していたのに…
なんでこいつ知らないの?俺言っていいの?いや、言ったらただの変態だろ。
つーかふみくん教えとけよそんくらい。てめーのせいでいま困ってるんだよ!
「…陣内?」
いつのまにか芹菜が心配そうな顔で近づき、俺の顔を覗き込んでいた。
おい、ちょっと顔が近いぞ。
慌てて横を向き目をそらす。
「…オ」
「お?」
「オ、オフェンス、とディフェンスの、違いだろ…Sが攻めで、Mが…守り?……多分」
途切れ途切れに答える。言いながら顔から火が出るのが分かった。
なに言わせてんだよ、こいつ。

115 :
ちらりと横目で見ると、馬鹿奥様が困った表情で言葉の意味を考えていた。その隙に、俺は顔を背けながら彼女から少々の距離を置く。
その途端、合点の声が上がる。
「なるほど!じゃあ私は性格的にSだよね」
「おい」
思わずつっこんでしまい、芹菜と視線がぶつかる。いつのまにか、どこか楽しそうな気色だった。
――顔が明るくなったと思ったら、また素っ頓狂な事を当たり前のように言いやがって。
探偵業のおかげかそれなりに人の行動を把握できるつもりだが、こいつは残念ながら全てにおいて規格外だった。
俺のことなんてお構いなしに、彼女は言葉を続ける。
「だって私、ふみくんのためならパワハラ部長にだって負けないくらい攻めるよ!」
「…」
「それにserinaのSだし!やっぱり私って、Sだよね」
「いやっ、そのな、馬鹿奥様」
狼狽えた声が口を衝いて出る。芹菜の顔を直視出来ず、視線を彷徨わせる。
直後、視界の端にニヤニヤした丈二さんの姿を捉えた。いつからいたんだよ!
「なに?」
「おっおまえ、あ、あんまそういう事、人前で言うもんじゃねーぞっ」
「?じゃあ、Mなのかなぁ私。陣内は?」
「はぁ!?ばっ、おまっ…!!…おまえ、ちょっと、もう…お願いだから黙れ!!」
これ以上余計なことを喋らせないように芹菜の頬を思いっきり掴む。うぅ、と小さなうめき声。
真っ赤な顔を見られたかもしれないが、この際知ったものか。

おまけ
「陣内はHだよね」
「!?」
「だって下の名前、春樹だし」
「お、おう…」
「ふふ、精神的二枚目のナルシスト陣内にぴったり!」
(……なんで後ろで丈二さん笑ってんだよ)

終わり
嘘吐き漫画読んでて思いついた。
そういえば、『専業』『主婦』や『シャドウ』もSですね。

116 :
かわゆい!クリスマスプレゼントだGJ !

117 :
GJ!可愛くて萌えたぎった!

118 :
乙です!
純な芹菜のS攻撃にタジタジの陣内…
目に浮かぶようです

119 :
大変申し訳ないのですが、>>104氏といくつかの設定が被りましたorz
書き直そうかと思ったのですがストーリー上動かせず、そのまま投下させていただきます。
>>104氏ごめんなさい。

・エロ皆無です。それでも許せると言う方はお付き合いください。
・全力妄想したら長くなりすぎてしまいました。長文が許せる方はお付き合いください。
・最終回直後より。

クリスマスイブ。
世界三大宗教の一つであり世界一の信者数を誇るとある宗教に於いては神の子イエスキリストの生誕前夜であり、
神道国家の日本に於いては何故か恋人達が年で一番張り切る日。
……ではあるが、神の子とは無縁の生活を送り恋人も居ない陣内春樹にとっては一番の稼ぎ時の日である。
バカップルの皆さまが煌びやかなイルミネーションに誘われて陣内の周りをうろついていた。
陣内が今居るココこそが一番よく見える場所のようで、わざとらしく隣に来られたり嫌味を言ってきたりされているが全て無視していた。
こちとら仕事であるわけで、彼女にちんまい男らしさを見せつけて気を引こうと言うようなしょっぱい男に付き合っている時間など無いのだ。
「お、動いた」
探偵業をしていて、対象者が思い通りに動いたときほどの高揚感は他には無い。
だから後をつけ物的証拠を押さえるために一眼レフのシャッターを切った時も、浮き立つ心を抑えていたつもりで出来てはいなかったのだろう。
きっとそうだ。優秀すぎて慢心し油断してしまったのだろう。―――で、なければ。
この自分が、目指すはハードボイルド探偵で有るところの自分が、優秀な探偵であるこの陣内春樹が、
こんな馬鹿馬鹿しいどっきりに嵌るわけがないのだから。

「へへへ、びっくりしたでしょー」
仕掛け人であろう、というよりも他に選択肢が無いので間違いなく仕掛け人である浅葱芹菜がにこにこと笑った。
びっくりしたには違いないがお前は阿呆かといつものように罵りかけて陣内は危うく言葉を飲み込んだ。
仕掛け人馬鹿奥様が愛する旦那、ふみ君こと浅葱武文が隣に居る。さすがに大人数がかつ旦那の目の前で嫁を罵るのは宜しくなかろう。
「お―――俺は忙しいんだよ。アンタらみたいなラブラブ夫婦に関わっている暇なんて無いんだよ」
旦那の目の前でもあるので陣内比的に数倍優しい言葉遣いで馬鹿奥様に言ってみた。
「だって陣内ずっと一人じゃん。クリスマスに一人なんて寂しいよ。クリスマスは楽しく過ごさないと。皆陣内に幸せで居てほしいんだよ」
「そうですよ、陣内さん。いかがですか、皆で楽しく」
馬鹿奥様とふみ君がにこやかにごり押ししてきた。二人の心からの善意が非常に眩しい。お似合いのバカップルで何よりである。
だから二人でイチャコラしててくれればいいものを。―――という言葉を飲み込んで陣内はへらりと笑った。
「いやあ浅葱ご夫妻に折角お招き戴いたんですがね、こういう時が探偵の稼ぎ時でして。俺は仕事に戻りますわ」
財布に入っていた札をすべて出して近くのテーブルに置いた。
たかが五万ではこのパーティー代は賄えまいが陣内は飲み食いしないので許していただけるだろう。
「じゃあ皆さん、良いクリスマスを」
「待ってよ陣内ッ」
後ろからの声を無視して最高の営業スマイルで出口へ向かう。
一同は唖然としていたが陣内が帰ったら帰ったでそれなりに楽しく過ごすだろう。
彼らも陣内もこれで幸せ、何も問題など無い……はずなのだけれど。
「待ちなよ陣ちゃーん」
……何故、十島丈二は陣内にヘッドロックをかましてくるのだろう。
「ジョージさん、腕決まってるからッ腕入ってるからジョージさんって、落ちるから俺ッ」
必に腕をタップする陣内を無視してジョージは馬鹿奥様を振り返った。
「安心しなよ芹菜ちゃん。俺が陣ちゃんとちょーっとだけ話せば、すぐに陣ちゃんもパーティーに参加したくなるから」
「ほんと?ジョージさん」
「俺が今まで芹菜ちゃんに嘘ついたことある?」
ジョージさん嘘ばっかだったじゃねえか。
陣内は抗議しようとしたがジョージの腕で咽喉を押されつけられ声が全く出せない。
「無い!」
「でしょお?任せて任せて」
「うん!」
二人のそれぞれの顔が目に浮かぶようだった。どうやらここは陣内にとって完全アウェイのようだ。
それだけでもゲンナリするのに、背後でジョージは優しい人なんだのとても世話になっただのと
ふみ君に熱く語る馬鹿奥様の声が聞こえ、陣内はますますため息を付きたくなった。

120 :

陣内が脱力したのを察したかジョージは部屋の隅へ陣内を引きずって行き、そこでようやく腕を解いた。
「……痛てえよジョージさん」
「いや、俺もちょっと本気出しちゃったからね。陣ちゃん落とそうかなーと一瞬思ったし、割とマジで」
「マジかよ」
「そりゃああんな態度で芹菜ちゃんのお誘い断る野郎は落とされても文句言えないっしょ」
陣内の口から、ため息が思わずもれる。
態度はともかくもこの馬鹿げた誘いを断って怒られる理由が分からない。
「ジョージさんはあの馬鹿女に甘いんだよ。何が悲しくて俺がふみ君の会社の人間とクリスマスを過ごさにゃならねえんだよ。
 俺とほぼ無関係じゃねえかあいつら」
「甘いのは陣ちゃんだ」
ぴしりと言われて少し驚いた。ジョージは物言いこそ柔らかいけれど言う内容は意外と手厳しい。
「その陣ちゃんと無関係のあいつらが何故ここに居るのか考えてみなよ」
「そりゃあ……あの馬鹿奥様がかき集めたんだろ」
「じゃあさ、陣ちゃんだったらここに来るかい」
真顔でジョージが続ける。全てを見透かされる気がして、こういう時のジョージは少し苦手だ。
「意味分かんねえんだけど」
「だからさ、芹菜ちゃんが陣ちゃんのとこに来てさ、陣ちゃんとはほぼ面識のない無関係の男がだよ、
クリスマスが一人で可哀想だから皆でパーティー開こうって言ってきたとしてさ。陣ちゃんだったら参加するかいって言ってんの」
「するわけねえよ、無関係じゃん」
「なのに彼らはここに来たわけだ。陣ちゃんは何でだと思う」
「よっぽど暇かあの馬鹿奥様レベルのお人好しなんだろ」
投げやりに言うと、ジョージがとても情けなさそうにため息を吐いた。
「なんで陣ちゃんこういう時って頭回らねえのかなあ。東大出てんのになあ。陣ちゃん、何で?東大嘘なの?実は馬鹿なの?」
「……嘘じゃねえし馬鹿でもねえし」
今度は憮然とすると、ジョージは出来の悪い生徒を見るような顔になった。
「だからさ陣ちゃん。クリスマスなんてのは普通の大人は忙しい訳よ。
 恋人居りゃあ忙しいだろうし、居なくたって年末よ?仕事の年末進行舐めてんの?皆暇だから来たんじゃない、暇を作ってわざわざ来てんの。
 それにねえ、芹菜ちゃん級のお人好しがそう簡単に転がってるわけ無いでしょうが。芹菜ちゃんの全方位的お人好しを舐めてンの」
「だから結局何なんだよ」
「だ・か・ら。暇が有り余っているわけでもない、超お人好しでもない人々を、芹菜ちゃんが熱く説得したってことだろ」
「いやだから、俺がさっきからソレ言ってるじゃん。同じじゃねえか」
「違うんだって」
ジョージは再びため息を付くと、いきなり陣内の顔を掴むと百八十度回転させた。首がゴキリと不自然な音がした。
「いってぇ、首もげたらどうすんだよジョージさんッ」
「陣ちゃんの首なんかどうでもいい訳よ。それよりあの人たちをもう一回見てみなよ。あの面子見てなにか思わないかい」
陣内の抗議をさらりと無視して、ジョージは和やかに話している集まった人々を見る。
陣内も再び一人一人見てみたけれど、やはりふみ君の会社の同僚だの馬鹿奥様の親友だのと他人としか思えない人達だった。
「どうみても無関係な他人じゃねえかよ。ふみ君の同僚とかもう意味分かんねえし」
「うん、陣ちゃん、締め落とされたくなかったらもう一度考えてみようか」
「……何回見ても変わらねえよジョージさん」
「―――あの人たちはさ、陣ちゃん」
ジョージは何度目かのため息を深々とつき、その後酷く優しい声を出した。
「あそこに居るのは皆、陣ちゃんが救った人たちじゃないか」
「―――はあ?」
人間ってこんなに間の抜けた声が出るもんなんだな、と頭の片隅で陣内は思った。

121 :

「いや、待ってよジョージさん。そりゃああそこに居るのはここ最近の調査の関係者ばっかだけどさ。
 あいつらの調査を勝手に受けて勝手に調べて助けてやったのは、そこで旦那と阿呆面してる馬鹿奥様だぜ?俺じゃないよ」
「確かに頑張ったのは芹菜ちゃんだ。……けど、芹菜ちゃん一人じゃ無理だったに決まってるじゃない。芹菜ちゃんに出来る探偵業、少ないぜ?
 芹菜ちゃんだって馬鹿じゃないんだから、自分が何処まで出来て何処から出来ないのかくらい把握してるさ。
 それなのにどんどん勝手に依頼を受けてきたのはなんでよ。陣ちゃんが居たからじゃない。
 赤の他人の為にあんなに突っ走れたのはなんでよ。陣ちゃんが居たからじゃない。
 困ったら陣ちゃんが助けてくれる、陣ちゃんならこの人を助ける手助けをしてくれると思えばこそ芹菜ちゃんはあんなに頑張れたんでしょうに」
「それは……」
そう言われればそうなのかもしれないけれど。
しかしそれと今の状況が関係があるとは思えない。
「芹菜ちゃんがいなければ陣ちゃんはあの人たちには関わって無かっただろうけどさ、芹菜ちゃんだってそうなんだと思うよ。
 それに、そもそも内気な芹菜ちゃんを家庭の外の世界に引っ張り出したのは陣ちゃんじゃない。
 陣ちゃんが居なかったら芹菜ちゃんは人を助けようなんて思わなかっただろうし、思っても助けられなかったんじゃないかな。
 芹菜ちゃんがそれが出来たのは陣ちゃんのバックアップがあったからでしょうが。だから、芹菜ちゃんは陣ちゃんに物凄く感謝してるわけよ」
「……だからってあんな無関係の奴ら集められても嬉しくねえし」
「陣ちゃんさあ、そろそろ俺チョークスリーパー掛けるよ?ここまで言ってんだからいい加減に分かりなさいよ。
 あの人たちと陣ちゃんは無関係なんかじゃない。あの人たちの窮地を何のメリットも無いのに助けてくれた陣ちゃんが無関係であるはずがない。
 関係がないどころか皆の大恩人じゃないか―――って、一人一人に芹菜ちゃんが熱弁ふるった訳よ。凄かったぜぇ、芹菜ちゃん」
「何で……そこまで」
「さっき芹菜ちゃんがちゃんと言ってたじゃないのさ。『だって陣内ずっと一人じゃん』……だったっけ?
 芹菜ちゃんが折角探偵に復活してくれるって言ったのに陣ちゃんが一方的に断ったもんだからさ、
 相棒になるって自分から言ったのに、結局また陣ちゃんを独りにしてしまったとそれはそれは気に病んでいる訳よ芹菜ちゃんは。
 だから、せめてこの聖なる夜だけは寂しい思いをしないように楽しく過ごせるようにと知恵絞って考えてくれたわけじゃないの。
 芹菜ちゃんの全方位お人好しのお節介はさ、きっちり陣ちゃんにも向いてるってわけだよ」
『皆陣内に幸せで居てほしいんだよ』
先ほどの馬鹿奥様の笑顔と言葉が陣内の頭をよぎる。
……ちょっとだけ。
吹けばすぐに飛んで消えるくらいの。
一晩寝れば軽く頭の中から消えるくらいの、本当に少しだけ。
―――ぐっときた。
「それをなんだよ陣ちゃんは。惚れた女と恋敵がいちゃつくのを見たくないから帰りたいとか、ちっちぇえなぁおい。それで男かよ。あーちっちぇ」
「……別に俺ちっちゃくねえし」
そう呟いた陣内の表情に何を見たのか、ジョージはにやりと笑って馬鹿奥様を振り返った。
「芹菜ちゃん、やっぱり陣ちゃん残るってさ。皆と楽しく過ごしたいって」
馬鹿奥様はきゃあジョージさんありがとうと悲鳴を上げて近くの親友に抱きつき喜んだ。
普段は冷静そうな親友までも手を取り合って喜んでいるようだ。
(ああ、この馬鹿奥様は)
陣内に孤独を味あわせないという、ただそれだけの為に。クリスマスなんて気にも留めていないつもりだった陣内の為に。
……きっと長い時間を掛けて準備したのであろうことを、漸く陣内は悟った。

122 :

「で、どうよ陣ちゃん楽しんでる?」
ジョージが元嫁の所から再び陣内の所へ戻ってきたのは、大分座が盛り上がった時だった。
「つーかジョージさん、俺を残らせといて放置かよ」
「当たり前でしょ。何が悲しくて愛する女を放置して陣ちゃんとクリスマスパーティーせにゃならんのよ。
 陣ちゃんだって芹菜ちゃん達やお友達やふみ君の会社の人達とそれなりに楽しそうだったじゃないか」
全く楽しくないと言えばそれは嘘になる。陣内をなんとか盛り上げようと彼らは気を使ってくれた。
「いや、なんつうかさ。―――良い人たちなんだな、と思ってさ」
「ははぁん」
ジョージは面白そうな顔をすると陣内の口元を片手で掴んだ。
「つまり陣ちゃんアレだ、彼らが善人だから自分のみみっちさが情けなくなっちゃってるわけだ。それでまたウジウジ考えちゃってるわけだ」
「……んなこたねえけど」
ジョージは陣内の口元を掴む手に力を入れた。今の陣内は相当なひよこ面なのではなかろうか。
「安心しなって。陣ちゃんも割と良い奴だからさ。色々有っても結局『良い奴』を捨てられない陣ちゃん、俺は好きだぜ」
意味分かんねえよと呟いた声は、複数の携帯電話の着信音にかき消された。
ふみ君。その同僚。その上司。皆真剣な顔で携帯電話に向かっている。
どこからどう見ても社内トラブル発生だ。
「ごめん、芹菜」
案の定、ふみ君が申し訳なさそうに妻を振り返った。
「残した奴らがトラぶったみたいだ」
「あーくそ、あれで大丈夫だと思ったんだけどなあ。仕上げだけだろ何やってるんだあいつらは」
同僚は頭を掻き毟る。上司は苦笑してその肩を叩いた。
「まあ仕方がない。たまには職場でクリスマスの朝を迎えるのも乙なもんだよ」
「こんだけ働けばサンタさんもプレゼント山盛りでくれそうですよ、もー」
そんな二人を横目で見つつ、ふみ君は妻に向き直る。
「本当にごめん、芹菜。どうしても会社に帰らないといけなくなった」
「せ、芹菜、仕方ないよ仕事だもん」
親友が心配そうな顔をした。周囲の人間も心配そうだ。馬鹿奥様の盲目愛っぷりは有名らしい。
しかし馬鹿奥様はふわりと笑った。
「お仕事大変だね、ふみ君。気をつけてね」
「え、浅葱借りて大丈夫なんですか奥さん」
あまりにあっさりと馬鹿奥様が受け入れた為か同僚が間の抜けた声を出した。
「大丈夫です。クリスマスは皆が幸せにならないといけないんです。困ってる人は助けないと。ふみ君、早く会社に行ってあげて」
「う……うん、ありがとう芹菜」
明るい馬鹿奥様に拍子抜けしたのかふみ君たちは少しぽかんとして、その後慌ただしくレストランを出て行った。

123 :

姿が見えなくなってもしばらく扉を見つめる馬鹿女に、親友が笑顔を向けた。
「偉い偉い」
親友が馬鹿女の頭を撫でる。途端に馬鹿女は顔を崩して親友に抱きついた。
「もと子ぉ。ふみ君行っちゃった」
「よく頑張った芹菜。それでこそあたしの親友だ。あたし、てっきり『ふみ君行かないでえ』って泣くと思っちゃったよ。
 強くなったねえ芹菜。見なおしちゃったよ、芹菜、せり―――?」
馬鹿女が親友の腕の中で急に崩れ落ちた。
「や、山田さんッ?病気?さしこみ?さしこみねッ?どうしよう病院、いや救急車、お医者さん、この中にお医者さんはいませんかあーッ」
掃除の先輩がおろおろと馬鹿女に駆け寄る。しかし親友は苦笑した。
「大丈夫です、酔いつぶれただけです。旦那が居なくなって気が抜けたみたい」
張り詰めた空気が一気に緩んだ。そんな周囲を親友は見まわした。
「いっつもこうなんですよ。私の前だとぐだぐだなのに、旦那の前ではシャッキリするんです。お酒強くないのに旦那と飲みたいから頑張るんですよ」
「そっかあー山田さん、愛、愛だね?」
親友や先輩がいるので駆け寄りこそしなかったけれど、それでも胸をなでおろした陣内を見てジョージはにやにやする。
「ホッとしたけどちょっと複雑だねえ陣ちゃん」
「うるさいよ」
親友は馬鹿女をソファに横たえた。完全に昏睡状態らしい馬鹿女は幸せそうに眠っている。
「皆さん、すみませんけど、芹菜がこれなので……」
「そろそろお開きかしらね」
親友が申し訳なさそうに周囲に言う。馬鹿な親友を持つと大変だ。
他の人々も、苦笑しながらも帰る準備を始めている。誰も怒らないのは馬鹿女の人徳か馬鹿だから許して貰えているのか。
「じゃ、ジョージさん俺帰るわ」
お開きならば何時までも留まる必要もないだろう。陣内は服装を整えながらジョージに言うと、物凄く不満そうな顔をされた。
「芹菜ちゃんはどうすんのよ。俺もどうすんのよ。置いてく気?」
「馬鹿奥様は親友がどうにかすんだろ。ジョージさんは愛する女とクリスマスを楽しみゃいいじゃないか」
文句を垂れているジョージを無視して、一応礼くらいは述べてから帰ろうと馬鹿女と親友の所へ向かう。
「今日はどーも。お陰さまで楽しかったですわ。俺は帰りますが、どうぞ気をつけて」
「あッちょっと待ってください陣内さんッ」
そのままスタスタと出て行こうとしたのに後ろから声を掛けられた。嫌な予感がした。
「あのう……芹菜連れて帰るの手伝ってもらえません?」
(やっぱり……)
探偵の嫌な予感は大体当たるのだ。
陣内以外の他に男手が有るだろうと周りを見てみた。……ジョージ以外はもう残っていなかった。
陣内はジョージに手を合わせる。
「じょ、ジョージさん……」
「嫌だよ俺は。これから愛する女とクリスマス楽しむんだからさ」
「頼むって、今度酒おごるから」
「嫌だって。俺は忙しいの。良いじゃないもと子ちゃんの手助けしてあげるくらいさ。
 美女二人に囲まれて役得とでも思いなよ。今日の芹菜ちゃん一段とまた可愛いだろ?俺の自信作」
―――そんなことを言われても。
陣内の表情を見た親友が、心底申し訳なさそうな顔をする。
「本当にごめんなさい。お忙しいのにご迷惑ですよね。きっとお礼をしますから……あ、そうだ」
さらに嫌な予感が押し寄せる中、親友の何かを思いついた時の顔がなんとなく馬鹿女に似てるなとどうでもいい事が陣内の頭をよぎった。
「陣内さん探偵でしたよね?だったら依頼します、芹菜を助けてください」
「良かったなあ陣ちゃん、仕事に戻れるみたいだぞ」
親友は笑顔で陣内を拝み、ジョージは笑顔で陣内の肩を叩いた。
探偵は便利屋じゃねえよというか細い抗議は誰も聞いてくれそうになかった。

124 :

タクシーの中で流れる景色を眺めていると、助手席の親友が振り返った。
「本当にありがとうございます陣内さん。芹菜はご迷惑おかけしてませんか」
陣内の右肩が思いっきり枕にされていたが、首を右に回せば馬鹿女の顔が近すぎて先ほどから左ばかり向きもう外の景色には見飽きていたのだが、
まあそれが迷惑なのかと言うとかなりぎりぎりの線でそういうわけでもないような気がする。
「いや、まあ。……これも依頼の一部だと思ってますんで」
憮然と言うと、親友はくすりと笑った。
「芹菜、知らない間に素敵な人たちと仲良くなってて驚いちゃった。なんでしたっけ、ええと美容師の」
「ジョージさん」
「そうそう。あの人も良い人っぽいし」
「……良い人は、まあ良い人っすね」
『陣ちゃん酔っぱらってるからって芹菜ちゃんにちゅうとかしちゃ駄目だぞぉ』
別れ際のジョージの言葉を思い出す。
もう既にしちゃったからこんなに嫌がってるんだろとは言えず、黙りこくる位しか出来なかったけれども、
それは陣内の側に問題が有るのであってジョージが良い人である事には変わりは無い。
そんなことを考えていると急な機械音に思考を中断された。
気か付けば親友が携帯電話に向かって怒鳴っている。
(なんつうか……)
とてもデジャヴだ。
「園田先生が病気な訳無いでしょお?仮病よ仮病、やれば出来るのに締めきり伸ばしたいだけなんだからあの人は」
嫌な予感が再び背筋を這い上ってくる。嫌な想像が頭に浮かぶ。
(いやいやいや)
それはない。いくら何でも親友までもが仕事に行ってしまうなんて阿呆な展開が有るわけがない。
―――そう、必に自分を落ち着かせようとしていたのに。
「すみません陣内さん、私も仕事ッ」
タクシーを急停車させ苦笑いで手を合わせる親友の姿が、阿呆な展開確定である事を告げていた。
「ちょ……ちょっと待って下さいよ」
「大丈夫です。カギは芹菜が持ってると思うから玄関先にでも転がしておいてください」
そういう事を言っているのでは無くて。
「あ、もしかして場所分からないとか心配してます?大丈夫です分かりやすいし、ここから真っすぐ、歩いても十分くらいなんです」
そういう事を言っているわけでも無くて。
……そもそも馬鹿女邸には行った事が有る。
陣内は頭を抱えたくなる。親友ならばもっと他に心配すべき事が有るのではなかろうか。
それともこの状況で親友にまで全面的に信用されてしまう陣内に男としての問題が有るのだろうか。
「じゃあ陣内さん、報酬はちゃんと払うんで安心してくださいね」
そういう事を言いたいのでも無い。
親友の押しの強さは馬鹿女以上だった。一方的に陣内にまくし立てると、嵐のようにタクシーを立ち去った。
「で、お兄さんはどうすんの?発車していい?」
呆然の陣内に、タクシーの運転手が気の毒そうに声を掛けてきた。
「……ここで降ろして下さい」
陣内は馬鹿女を背負って歩くことにした。
タクシーのような閉鎖空間に二人で居るよりは、十分歩いても街中のような解放空間の方がまだマシだったからである。

125 :
セルフ連投よけです

126 :

(思ったより軽いんだな)
女を背負った事など無いのでもっと重いのだと思っていた。
「んん……」
背中の馬鹿女が寝ぼけた声を出した。よだれを垂らしやがったらその場で落としてやると思いながら歩いていると、急に馬鹿女の腕に力が入った。
「ふみくん……」
馬鹿女は陣内の首に腕をまわし、ぎゅうとしがみ付いてきた。完全に愛する旦那と間違われているようだ。
背中に感じる暖かさに陣内は身をすくめた。
(くっ付くんじゃねえよ馬鹿女)
背中に。
当たってるじゃないか。
転ばぬように足元を見て歩いていた陣内は、ふと空を見上げた。
下ばかり見つめていると背中に全意識を集中しそうになるので気を紛らわせたかったのである。
その頬に、ふわりと白いものが落ちた。
それはすぐに溶けて消えたけれど、後から無数に舞い降りてきた。
周囲のカップルが歓声を上げる。
「……雪だ、馬鹿奥様」
ぽつりと呟いてみたけれど爆睡中の馬鹿女に届くわけも無く、吐きだした言葉はすぐに凍って地面に転がった。
(こいつも馬鹿はしゃぎするんだろうな)
周囲の女性がはしゃいでるのを見て陣内は思う。
起きていたら雪を見て大喜びなのだろうと容易に想像出来たが、起きていたら隣に居るのは陣内ではないのだろうという想像も容易に出来た。
雪を見続けているとなんだか空しくなりそうで、再び陣内は歩き出した。
この酔っ払いの馬鹿女も寒空の下に何時までも晒していたら風邪を引くに違いない。例え馬鹿でも風邪を引くに違いない。
雪で滑らぬようにまた足元だけを見つめて歩く。
周囲は陣内達に目もくれなかった。クリスマスのこの浮かれた光景に二人は少しは馴染めているということだろうか、と陣内は思った。
馬鹿女の鞄から鍵を探り当て、扉を開けた。
親友には玄関先にでも転がしておけと言われたけれど、外は雪が降っているとあっては流石にそうはいくまい。
では何処に転がしておくかということになって、陣内はソファと寝室を三往復した挙句に寝室を選択した。
夫婦の寝室なんて見たくないからソファで良いのではないかとか。
夫婦の寝室の他所の男が立ち入るのは不味かろうからソファで良かろうとか。
この馬鹿女をベッドに転がした瞬間に自分の理性がぶっ飛ばないとは言い切れないからソファにしようと少し思ったとか。
色々な事を考えたけれどそれはすべて陣内の問題なのであって、
泥酔中の馬鹿女にとってはベッドで暖かく寝るのが一番に決まっているのである。
陣内はベッドの足もとに立ち、背中の馬鹿女を少し揺らした。
「おい、降りろベッドだぞ」
「……いや」
しかし馬鹿女は降りるどころかより一層強く陣内にしがみ付いてきた。
「イヤじゃねえよこの馬鹿奥様、早く降りろって」
背中の感触が一層強くなり、陣内は焦った。一刻も早くこの馬鹿女を降ろさなくてはいけない。
もう無理やり降ろせばよかろうと馬鹿女を引き離そうとしたけれど何故か強固に離れてくれず、
散々戦いを繰り広げた挙句に結局バランスを崩した陣内は馬鹿女ごとベットの上に倒れこんでしまった。
(人間焦るとロクな事ねえな―――)
頭の片隅に居る冷静な自分の言葉に、今なら諸手を挙げて賛成できるなと馬鹿馬鹿しいことが頭をよぎった。

127 :

ほんの一瞬動揺して硬直した陣内がベッドから逃れようとするよりも、馬鹿女が陣内の胸に手を回す方が早かった。
馬鹿女は再び陣内の背中に身を密着させる。
「いかないでふみくん」
先ほど仕事に行ったのがそんなに寂しいのだろうか。
陣内は、結局バカップルで何よりだと思いながら何とか自由を保っている両手で馬鹿女の腕を外そうとした。
「やだ」
馬鹿女は今度は陣内の肩にしがみ付いた。首筋に暖かい息がかかり、一瞬ぞわりとする。
(くそっこの馬鹿女馬鹿女馬鹿女ッ)
だから。
足が絡んでいると言うに。
……馬鹿奥様は酒を飲むなと憲法で定めてくれないものだろうか。
思いつく限りの罵詈雑言と呪いの言葉を頭の中で並べたてながら、陣内は馬鹿女の腕をようやく緩めることに成功した。
とっさに身体を反転させて、馬鹿女と距離をとる。
安堵したのもつかの間、陣内は自分をすぐに罵りたくなった。
探偵業に於いて、一瞬の判断ミスは命取りだ。
馬鹿女がふみくんと呟きながら胸に縋りついてきた。良く考えてみれば背中を向けていようが胸を向けていようが馬鹿女にとっては変わりは無い。
一方陣内にとっては顔が至近距離で見えてしまう分、馬鹿女の身体を陣内の身体の前面で感じてしまう分、事態が悪化した事は明らかだった。
「も、もう寝ろよ、毛布気持ちいいぞ」
気を抜けば馬鹿女を抱きしめそうになる己の両手をなんとか抑えて陣内は言った。
求められているのが陣内の腕ではない事くらい知っている。
状況の打開策としてはこの酔っ払いをさっさと寝させてしまうしかない、と無理やり胸から馬鹿女を引き離した。
今まで陣内の胸に顔を埋めていた馬鹿女が顔を上げる。その顔に陣内の心臓がずきりとした。
(何で、こんな)
悲しい顔をして。
以前のようにボタボタと涙を落として。
……幸せになったと思っていたのに。
それは酒で泣き上戸になっただとか、そういう泣き方ではなった。以前の苦しんでいた時と同じ泣き方だった。
何故だろう。何故この馬鹿女は泣いているのだろう。
陣内の脳はとても混乱していた。
だから。
「ふみくん……」
馬鹿女の顔が至近距離に近付いてもそれを認識せず、回転のとても鈍った陣内の脳が現状を把握したのは、
馬鹿女の唇が陣内のそれに重なってからきっちり十秒後の事だった。
現状を認識した直後、陣内の脳はぐらりと揺れた。

128 :

「ま―――待てッ」
何がどうなっているのかを把握した直後、陣内は後ろに飛びのいた。
靴で人様のベッドに上がってしまったがそんなことを言っている場合ではない。
必然的に軽く突き飛ばす形になってしまい、馬鹿女は傷ついた顔をして大粒の涙を落とす。
(―――違う)
お前の旦那がお前を拒絶した訳じゃない。
お前の旦那がお前を突き飛ばした訳じゃない。
お前の旦那がお前を抱きしめてくれない訳じゃない。
……そもそも、今お前の目の前に居るのはお前の愛するふみ君じゃない。
だから。
そんなに泣かなくても良い。
ボロボロと涙を落としている馬鹿女に言ってやりたい言葉が頭を廻る。
しかし結局表へ出てくる事は無く、ぐるぐる廻ってそのまま溶けて消えた。
「ふみくん」
馬鹿女が陣内の足もとから伝い上ってきた。
「ふみくんがすきなの」
(んなこたぁとっくに知ってるよ)
陣内は後ずさりしながら思った。
この馬鹿女がどれほど旦那を好きなのか。どれほど旦那を必要としているのか。
ずっと見てきた陣内は、痛いほどに知っている。
背中が壁に当たった。
もうこれ以上後ろには行けない。
馬鹿女はもう陣内の足元から腰のあたりにまで距離を詰めてきていて、
また胸に抱きつかれるのではと身をすくめたけれど、陣内の警戒を感じたのか馬鹿女はそこで留まりいっそう悲しそうな顔をした。
何がこんなに馬鹿女を泣かせているのだろう。旦那を取り戻して幸せの盛りのはずなのに。
馬鹿女は涙をしばらく落とした後、顔をぐいと拭って陣内のベルトに手を掛けた。
「ちょ―――ッ?」
陣内は慌てて馬鹿女の手を抑えつけようとした。馬鹿女は明らかに陣内のベルトを外そうとしている。
馬鹿女の意図は分からないけれど、少なくとも陣内の脳内ではこのまま進んでしまえば展開は一つだ。
己の頭に浮かんだ事に陣内はますます動揺する。女の手を抑えつけるくらい簡単なはずなのに上手くいかない。
いっそ馬鹿女をぶん殴ってでも覚醒させればいいのかもしれない、けれど。
もし今覚醒したとして、この現状を把握したとして。
愛するふみ君以外の男にこんなことをしてしまったという事を知ったらこの馬鹿奥様は速攻で首を括るのではないだろうか。
いっそ陣内が後ろに逃げるのではなくベッドから降りてしまえば逃げられるのかもしれない、けれど。
今この馬鹿女の頭の中では陣内はふみ君なのである。
今の陣内がベッドから逃れる事は馬鹿女にとってはふみ君に全力で拒絶される事なのである。
どうせ酒で寝ぼけているだけなのだから、醒めれば忘れるのかもしれない。
それでも嫌だった。例え夢の中でも、たった一晩の間でも、この馬鹿女を絶望の闇に叩き落とすような事は出来なかった。
ならば陣内に出来る事はあまりない。
あくまでもこのベッドと言う檻に留まって、現実を知らせぬままに馬鹿女を宥めてとにかく眠らせる事だ。
馬鹿女と陣内の攻防は続いた。
(それを外したら俺とお前のどっちの身体が危ないと思ってるんだこの阿呆ッ)
この馬鹿女は知らないのだろう。
陣内が、一体どれだけの想いを耐えているのかを。

129 :

なかなか諦めてくれない馬鹿女の手をなんとか抑え込むことに成功し、陣内は内心で胸を撫で下ろした。
しかし両手を抑え込まれた馬鹿女はまたもボロリと涙を落とし、思わず緩んだ陣内の手を今度は握り返した。
「……なんでもするから」
ぽつりと呟いた馬鹿女は陣内の手を包み込み力を込める。
「ど、どんなに、……は、はずかしいことでもする、ふみくんのためならなんでもする、だから」
(一体何を―――)
この馬鹿女は言っているのだろう。なにかとんでもない事を言っている気はするのだが。
馬鹿女の涙が陣内の手に落ちた。
「……だからほかのおんなのひとのところにいかないで」
やっとのことで絞り出したのであろう声と陣内の両手を包み込む手が震えていた。
―――ああ。
……そうか。
かつて馬鹿女をあんなに悩ませた不安が今だに去っていないということに今更気が付くだなんて馬鹿は俺だな、と陣内は思った。
どちらかが不倫をして亀裂が生じない夫婦などいない。不倫をされて心が傷つかない者などいない。
それでもよりを戻した場合、それは亀裂が埋まったのではない。心の傷が癒えたのではない。
不倫された側が亀裂を見ないようにして、心の傷に蓋をして、それでも相手とともに居たいと望んだからだ。
全てを見なかった事にして相手を受け入れて、けれどもそんな歪みはそのうちに見過ごせないほどの大きさになる。
馬鹿女もおそらくそうだったのだろう。
きっと、猛反省し妻を見なおしたのであろうふみ君が妻を裏切る事は二度とない。
しかし、それはあくまで『自分からは』という但し書きが付く。
陣内が見る限り、ふみ君は『善良』だ。
『善良』で。『正義感が強く』て。『仲間思い』で。……そして、少しばかり鈍感だ。
ふみ君は、世の中には悪意を抱く人間が幾らでも居るということを多分理解していない。
常務と義父だけが例外なのだと、きっとふみ君は思っている。
人を思い通りに動かすことに快感を覚える人間も、人の幸せをぶち壊すことに快感を覚える人間も、世の中には腐るほどいるというのに。
ふみ君のようなルックスが良く仕事が出来て性格の良い人間は、得てしてそういう悪人に狙われる。
例えば、そんなふみ君の良心を刺激し同情を買うような女が現れたら。
例えば、言う事を聞かねばお前の妻を傷つけるとでも脅されたら。
―――『心優しい』ふみ君は、踏みとどまることが出来るだろうか。

130 :

馬鹿女は考えたはずである。
一度は起きた事である。二度と起きないと誰が言えようか。
もしそうなった場合に、馬鹿女はふみ君を守れるのだろうか。ふみ君を無事に取り戻せるのだろうか。
……答えはきっと。
(否だ)
今の馬鹿女に、それだけの力は無い。
『芹菜ちゃんに出来る探偵業、少ないぜ?』
馬鹿女は普通の素人だ。
それでも、前回ふみ君を取り戻せたのは。
『陣ちゃんのバックアップが有ったからでしょうが』
ジョージと陣内が全面的に後ろ盾になったからだ。
だから、旦那の会社に潜り込み見守る事も出来たし、旦那が巻き込まれている陰謀も察知し粉砕出来た。
けれど。
馬鹿女を助けてくれる人間は、もう傍には居ない。
だからこそ、たった一人で考えて考えて考えて。
手段を失った馬鹿女が考えぬいた揚句に、身体で繋ぎ止めると言う阿呆な結論を選択肢に入れてもなにもおかしくないではないか。
(俺の所為じゃねえか―――)
帰ってきたいと言った馬鹿女を突き放し、一方的にバックアップを止めてしまったのは陣内だ。
専業主婦に戻れと言って、一人で阿呆な事を延々と考える時間を与えてしまったのは陣内だ。
馬鹿女の為を思えばこそだったことには変わりは無い。
しかし本当は陣内自身が苦しくて切なくて、それで馬鹿女の傍から逃れたかっただけではなかったのか。
自己嫌悪で反吐が出そうになった。
馬鹿奥様は旦那が出かけている間、きっと一人で泣きながら考えていたのだ。
いざという時にふみ君を悦ばせれば繋ぎとめられるのではと、きっと男性向けのそういうものも学んだのだ。
ハーレクインロマンスに憧れる、王子様に憧れる、お花畑に生きていたようなあの馬鹿奥様がそこまで考えた。
全部。
陣内の所為だ。
これが幸せなのだと、これで幸せになったのだと、勝手に思い込んで。
……自分が逃げたかっただけなのに。
(馬鹿はどっちだよ)
義務が有る、と陣内は思った。
夢の中でまで苦しんでこんなに泣いている馬鹿女の、この大粒の涙を止める義務が陣内には有ると強く思った。

131 :

涙を落とし続ける馬鹿女が腿の上に乗って来た時、陣内はもう抗わなかった。
馬鹿女が拒絶されなかった事に少しだけ嬉しそうな顔をして、そのままそうっと唇を合わせて来た時も陣内は身じろぎしなかった。
たかが、このくらいで。
この馬鹿女が夢の中で安堵するのならば。涙が止まるのならば。
陣内の脳髄は激しくぐらついて緊急事態を警告していたけれど知ったことではない。
そのままおずおずと舌が入って来た時に陣内が反射的に身体を強張らせると、馬鹿女の身体もびくりと震えた。
拒絶されると思ったのかもしれない。
陣内はなんとか身体の力を抜いた。それを感じたのか、馬鹿女の身体からも力が抜ける。
馬鹿女は陣内の口腔内を探った。
丁寧に。
慈しむように。
陣内は動かなかった。
(何も考えちゃいけない)
今自分の身に起きている事を、考えてはいけない。
少しでも考えてしまえば自分の中で激しく渦巻くものに気が付いてしまうだろう。気が付いてしまえば、きっと陣内は戻れない。
(何も感じちゃいけない)
今自分の身を包む快楽を、感じとってはいけない。
感じてしまえば踏み出したくなる。たった一歩踏み出すだけでそれに埋もれる事が出来るだろう。けれどそれは底の無い闇だ。
徐々に白くなり回転の鈍る頭で、陣内はその二つだけを考えていた。
馬鹿女が陣内の舌を探り当てた。
少しずつ絡ませて、陣内が応えるのを望んでいた。
それでも陣内は動かなかった。
そのまま少し時間が経ち、馬鹿女はやがて離れた。
「うまくできなくてごめんなさい」
一度は泣きやんだ馬鹿女はまたボロボロと涙を落した。
「も……もっと、うまくなるから、こんどはよろこんでもらうから、だから―――かえってきてふみくん」
思考力が弱りすぎていたのか、突き上げる感情を制御できなかったのかは分からないけれど。
陣内は反射的に馬鹿女を抱きしめていた。

(お前が悪いんじゃない)
求めに応えてやれなかったのは陣内がふみ君ではないからだ。
陣内はあくまで他人なのであり、馬鹿女の旦那では無かったからだ。
何よりも、求められているのが陣内ではないことをよく分かっていたからだ。
こんなに泣くのなら応えてやればよかったのかもしれない。
そして馬鹿女が望むのはさらにその先である事だって分かり切っていたのだから望み通りにしてやればよかったのかもしれない。
一瞬もそうは思わなかったと言えば嘘だ。
しかしそれは陣内のエゴだ。都合のいい言い訳をして己の欲求を満たしたいだけだ。
そんな薄汚い感情を叩きつけられる事を望む女がどこにいようか。
この馬鹿女が求めているのは、只一人なのだ。陣内ではない。
「ふみくん、くるし……」
強く抱きしめすぎたのか馬鹿女が呻く。陣内は腕に力を込めた。
「大丈夫だからそんなことしなくて良い」
陣内が呟くと、腕の中の馬鹿女は大人しくなった。
「お前みたいな良い嫁を貰って、二度も浮気する男は居ねえよ」
馬鹿女は何か呟く。聞き取れなかったけれど想像は出来た。
「……もし仮に何かあったとしても」
ふみ君は。この馬鹿奥様が愛する旦那様は。
「絶対に裏切らない。絶対にお前の元に帰ってくる」
「ほんとうに?」
「……男が愛してる女に嘘を付けるわけがねえよ、芹菜」
「そっか……よかったぁ―――」
馬鹿女の身体から急に力が抜けた。意識を喪失したようだ。
くたりとしてしまった身体を、陣内は慌てて支えた。
安心したのか、もう涙は止まっていた。会場で倒れた直後のように、幸せそうな顔に戻っている。
その顔はとても安らかで美しく、危うく陣内は口づけしそうになったけれど、すんでのところで思い留まり涙の跡を拭ってやることにした。

132 :

そのまま熟睡してしまった馬鹿女を横たえ布団を整えてやった後、陣内は外へ出た。
鍵を掛けてやった後にどうするかを悩んだけれど、新聞受けにでも入れておけばふみ君が見つけるだろう。
外は真白になっていて、陣内は少し驚いた。
……ホワイトクリスマス。
自分とは無縁だと思っていた浮かれた言葉が頭をよぎる。
陣内は思わず馬鹿女の部屋の方を振り返っていた。
馬鹿女が目が覚めた時にどれだけ喜ぶ事だろう。おそらくは奇跡だの神様のプレゼントだのとはしゃぎ回るに違いない。
(奇跡、か)
空を見上げてみた。
黒い空から降り続く雪は、深い闇の世界から突如現れているよう見えた。
陣内の周囲で笑い声が響く。
単なる氷の結晶が、一年のうちのたった一日降っただけでこんなに人々が喜ぶのなら、それはもう奇跡の力と言っても良いのかもしれない。
神も神の子も信じてはいないけれど。もし本当に奇跡くらいはあると言うのなら。
馬鹿女の現実は変わらない、これからも同じ悩みを抱くのだろう、それでも。
もし、今晩奇跡が起こると言うのなら。
願わくば、あの馬鹿女が夢の世界でくらいは心からの幸せを掴めますようにと。
柄にもなく、生まれて初めて陣内春樹は天に祈った。
陣内の吐く息は白く広がり、すぐに闇に溶けて消えた。

≪了≫

>>19>>62です。
長文失礼いたしました。
なんとか全部投下出来て良かったです。
自分もご多分にもれず最終回を微妙に思った口ですが、
今こそ我が妄想力を全力で発揮する時ではないかと思い色々な脳内補完をしてみたところ
なんとなくあの最終回でも良かったように思えてきましたw
この数日、スレが賑やかでなによりです。
皆さま、良いクリスマスをお過ごしください。
っていうか内容が内容だけに間に合ってよかったですw

133 :
>>119さん、乙です!
私は>>104ですが、どうしてもクリスマスネタって被ってしまいますよね…
でもでも素晴らしいです!
しかもあのクリパから繋げてくるという高度な技!
エロ皆無とのことですが、後半の芹陣のやり取りには興奮してしまいました。
しかも切ない…
>>119さんのおかげで私もあの最終回を受け入れることができそうです。
ありがとうございます。
本当にここ数日いろんな作品が投下されててうれしいです。
また、住民のみなさんいい人ばかりで、暖かいコメントが励みになります。
これでしばらく妄想に浸れそうです。
長文失礼しました。

134 :
職人さまっクリスマスプレゼントありがとうございます(ノ><)ノ(笑)
ちょっと切ない内容でしたね…(泣)芹菜と陣内はお似合いすぎなのでドラマの最終回には未だ納得いかず(`o´)(笑)だからこの場で妄想し満たしております☆
次はラブラブな陣芹をぜひよろしくお願いします(*^o^*)

135 :
皆さん言葉の選び方が綺麗で、本当に素敵です。
それぞれの作品のおかげもあって、より一層このドラマを愛しく思います。
はー幸せだー…
>>134
you書いちゃいなyo!書くと案外楽しいですよー
なんか、こう……内々に溢れるナニカを放出させる感じが!

136 :
http://jrcach.tumblr.com/post/14398395890/reese-witherspoon-is-known-for-her-pointy-chin

137 :
ピンキーさん
いや〜書きたいんですけど文章力が(゜∀゜;ノ)ノ色々妄想してはいるんですけどね〜(泣)
頑張ってみようかな

138 :
書き手のみなさまGJ !
119さんのは実は芹菜が苦しんでるのは自覚がないけど陣内との関係が切れてしまったから…という方向で
陣芹に持っていけないかと未練たらったら考えちゃってごめんなさい〜

139 :
ダメだ…やはりクリパは鬼の所業としか思えなくて辛い…
丈二さんも止めろよ…あああああ…

140 :
クリスマスを暖かい気持ちで、過ごせたのは職人様のおかげです。
素敵なプレゼントをありがとう。

141 :
今日は職人さん来ないのかな
年末でお忙しいのかな

142 :
職人様いないと寂しいですね(・_・;)

143 :
もともと住人少ないスレで毎日投下ある程賑わってなかったでしょw
萌え話とかでスレを盛り上げてこそ職人さんも燃料充填出来る訳で
ただSSくれくれするだけだと逆に職人さんが来にくくなると思うけどなあ

144 :
うーん…逆に職人さまに気持ちを盛り上げてもらってた部分があるからどうしたらいいのか。元々人がいないから陣芹の話題が盛り上がらないのは確かですね(笑)
ん〜…自分でも書いてみたいがやはり文章力が( ̄∀ ̄)

145 :
私も、文章力がないので。
でも、この時期になると
あの汚い探偵事務所にも、こたつを出して
陣内が一人でぼーっしてたら
みかんの差し入れつきで
芹菜がなべを作りくる。って妄想が。。
こんな妄想してみるけど、文章に出来なーい(^^;)

146 :
エロなし、名無しさんからの視点です。

定年退職した私の日課は、公園の噴水広場にあるベンチに座り、日がな一日を過ごす事だ。
なにか、確たる目的があるのではない。
人なつっこい鳩達と戯れたり、隣人と実のない会話をするだけ。これが意外と楽しいのだ。
日課、というからには勿論毎日やり続けたいので、私はまた今日も普段通り公園へと向かった。
私がお気に入りの赤いベンチにやってくると、珍しく先客が座っていた。黒い革のジャケットを着た男だった。
この時間はほとんど人がいないので、少し驚いてしまった。
典型的日本人である私は、その男と相席するのにはどうも抵抗があったので、ちょうど噴水を挟んで対角線上にある別のベンチに座る。
それにしても、このような時間にどうして若者が公園にいるのだろう?ちょっとした好奇心で、私は彼をこっそり観察することにした。
男の足下にはエサをもらおうとやってきた鳩がまとわりついている。面白いほどにミスマッチだ。
彼は最初こそ、鋭い目つきで鳩を睨み足で追い払おうとするが、鳩の方が強かった。
諦めて、彼は一切抵抗しなくなった。
「ごめん、陣内」
おぼつかない足で彼のベンチへとやってきた、一人の女の子。
踝まで隠れるロングスカートを纏う、柔らかい春のような雰囲気を持つ女性だ。
あの男とは(大変失礼だが)正反対の女性だ、と思ってしまう。
「寝坊しちゃって遅れちゃった。本当にごめんなさい」
そう言うやいなや、彼女は頭を垂らして、座る男に謝る。
「さっ、早く行こう?まだ対象者来ていなければ良いけど…」
彼女は顔を上げ、困った表情で言う。
――てっきりデートの待ち合わせかと思いこんでいたが違うのか。
彼が何度も時間を気にする仕草をするものだから、つい勘違いしてしまった。
「…おい、横に座れ」
初めて男が口にした言葉は、鳩が飛び交う朝の公園に合わない、少しの怒気をはらんでいた。
それを彼女が感じ取ってか、おずおずと彼の横に腰を下ろす。
「おまえ、足ちょっと見せろ」
そう言うと、横に座る女の子の肩が分かりやすくびくりと震える。
彼女は身は強張り、少し怯えた表情で男を見ている。
痺れを切らした彼は問答無用に長いスカートの裾をたくし上げた。
ちょうど噴水の影になってしまったので、どのうような様子であるかは残念ながら分からない。
「どうしたんだよ、これ。ひどい青痣になってんぞ」
「……」
彼女は答えない。男はそんな彼女を睨み、答えを促す。

147 :
しばらくの沈黙の後、彼女は白状した。
小さくか細い声で転んだ、と。
「どこで、どう、転んだらこうなるんだよ。子供か、おまえは?ちゃんと冷やしたのか?病院は行ったんだろうな?」
彼の説教を浴びる女の子は、切ないくらいにしゅんとしている。母親に叱られる子供のように見えた。
「…今日も張り込みなんだから、病院なんて行ってられないよ」
「それでも、もし何かあったら連絡しろって言ってるだろ!携帯も、マイクも持ってるだろうが!おまえ、もっと自分の身体を大切にしろよ!そんな万全じゃない状態で来られても、足手まといなだけだっつーの」
「そ、そうだよね……ごめんなさい…」
彼女が少し、泣きそうな顔になる。男はきまりが悪くなったのか、ベンチから立ち上がった。
「…なに謝ってんだよ。ほら、もう行くぞ」
ぶっきらぼうに告げ、公園の出口へと向かう。
女の子も慌てて腰を上げて追いかける。
しかし、足を引き摺り今ひとつ追いつけない。そういえば、彼女は足を怪我していたな。
「ったくおっせーな。早く行かねーとターゲットが消えちまうだろ!」
「ごめん…」
顔を伏せ、また彼女は謝る。
「だから謝るなっての…あーもう見てらんねぇ!」
男は女の子の元へ駆け寄り、肩をつかんだ。
「いいか?この公園の裏手に病院がある。でかいからすぐ見りゃ分かる。そこに行け。分かったな?俺はもう張り込みに行くからな!」
彼の剣幕に呑まれ、女の子はがくがくと頷く。彼、目が据わってないか?
彼女が了承したことを確認すると、彼は足早に大股で歩き去っていった。
女の子は寂しげな顔をしたが、すぐに駅と反対方面の病院へゆっくりと向かう。
だが、どこか不安げな足取りだ。
これでは大変だろうと私も重い腰を上げ、彼女に道案内を申し出て目的地へと連れ立って歩き出そうとしよう。
きっと、彼も女性一人では心配するだろう。
勿論、少ししてから、先ほどの男が彼女のために走って戻ってきたのは言うまでもない。

終わり
個人的に、陣内はジブリのカンタやスピラーと同族だと思ってる節があります。
えーと、私はこのスレで初めてSSというものを書いた口なんで…
上手い・下手はあまり気になさらなくても良いのではないでしょうか?
私、初めてがギャグなので。ギャグなので!!


148 :
おお、ほのぼのっすねw
ジブリのかんたはツンデレでしたねえ。傘を押しつけてダッシュとか陣内もしそうw

149 :
乙です!
ツンデレは萌えますなあ

150 :
職人さま最高っす!!(≧∇≦)ありがとうございます!いや〜文章力神です。陣内のツンデレさがいいですよねっ
私の妄想はふみくんと離婚したあと芹菜が弁当屋(笑)みたいなとこで働いてて陣内が迎えに行くとか…

151 :
妄想話で、満足してたら
いつのまにか神様がー。
150さんの妄想話。
弁当屋さんってところに大きく頷いちゃいました☆


152 :
職人さま素敵の陣芹話GJです!
やっと原作本を手に入れた
絵柄に好き嫌いはあるかもだが自分的には抵抗はなかったので
充分陣芹に萌えられた

153 :
原作はおもしろいですか!?原作では陣芹ラストなだけにやっぱ残念ですよね(ρ°∩°)特に最終巻の表紙とか見たときキュンとしたー(≧∇≦)

154 :
私はドラマより原作のほうが好き
絵柄がかなり癖あるし内容もハードだけどキャラが立ってるし話も引き込まれて一気に読める
原作の宇尾陣内カッコイイし芹菜も良い女に成長する

155 :
原作おもしろいよね。きれいにまとまってるし。
ドラマは尺のせいか最終回は詰め込みすぎな感じが否めない。
原作の陣内は飄々としててドラマとはちょっとキャラが違うよね。
ssの創作意欲をそそられるのはドラマの方だけどw

156 :
私も原作読みたくなりました!!(*^o^*)
桐谷健太さん陣内の役柄が本当に合っていたし本当に魅力的な陣内だったから忘れられない…( ̄∀ ̄)

157 :
確かに桐谷陣内は本当にはまり役だったもんね
深キョン芹菜もすごい可愛くて、最終回はちょっと脚本があれだったけど

158 :
桐谷君の大ファンで原作読んでから、宇尾陣内に桐谷君を脳内変換して何度も読み返してる
目もとそっくりだしね涼音に迫られても耐える陣内に萌え萌え

159 :
あたしは原作の陣芹のラブシーンで萌え萌え


160 :
事務所のソファーのラブシーンはどちらもヌードなのよね
映画で桐谷×深田で是非とも観たいよ〜
あと、温室でのラブシーンも

161 :
豚切りすいません。
芹陣で初詣ネタです。
エロなしです。ごめんなさい。

2011年最後の日、陣内は一人さみしくカップ麺をすすっていた。
テレビでは、今年もあと数分です!と興奮しながらアナウンサーが喋っている。
今年ももう終わりか。今年は色んなことがあったな。
陣内がそう感慨に浸っていたころ、廊下をこちらに向かって歩いてくる足音が聞こえた。
こんな時間に、ここにやってくる奴はあいつしかいない。
顔が思わずほころんだものの、すぐいつもの表情に戻す。
お前なんか興味ないといった表情だ。
事務所のドアが開いて、予想通りの人物、芹菜が入ってきた。
「陣内!元気!?」
「何しに来たんだよ。」
芹菜はその問いには答えず、陣内のさみしい夕食を見て言った。
「また、インスタントばっかり食べて!探偵は体が資本なんだよ!わかってるの?」
「うっせーなぁ。お前母親かよ。それよりこんな遅くに何の用だ。」
「初詣に行こうよ。陣内。」
「はぁ!?俺は忙しいんだよ。バカ女の気まぐれに付き合っている暇はねぇんだよ!」
怒る陣内を全く相手にせず、芹菜は腕時計を見ながらカウントダウンをしている。
「おい!聞いてんのかよ!?」
「…5、4、3、2、1、0!あけましておめでとう〜!!」
はしゃぎながら、芹菜は手にしたクラッカーをパンと鳴らした。
陣内は驚いて口をパクパクさせる。
「もう!さみしすぎるよ!せっかく年が明けたんだからパーッと行こうよ!
はい!上着着て!」
陣内は無理やりいつもの革ジャンを着せられ、外へ連れだされた。
さすが新年だ。深夜だというのに外にはたくさんの人が歩いている。
連れて行かれた神社も多くの参拝客で賑わっていた。
そういえば初詣なんてここ数年来てなかった。
こんな夜中でも結構人がいるもんだな。
陣内が感心していると、後ろを歩いていると思われた芹菜の姿が忽然と消えていた。

162 :
陣芹のキスシーンも良いんだよね
原作はシリアスでドラマはコメディでだいぶ改変されたけど、このドラマ化がなかったら原作漫画を読むこともなかったし桐谷さんも注目しなかったわ

163 :
慌てて辺りを見回すと、隅の方で二人組の男たちに言い寄られている芹菜の姿があった。
あんのエロ野郎!ぶっしてやる!
芹菜に手を出したらただじゃおかねえからな!
陣内は急いで人ごみをかき分け、芹菜の方へ向かう。
芹菜も男たちの誘いを断っているが、うまく断りきれず困っているようだった。
「ほら、行くぞ。」
いきなり二人組の男の間を割って入り、芹菜の手首をつかんで引っ張る。
芹菜は陣内の姿を見てほっとした表情を浮かべた。
陣内は一呼吸置いた後、男たちを鬼のような形相で睨み付けた。
二人組は「男がいたのかよ〜」と言いながら、バツの悪そうな顔をして去っていく。
「まったく。隙だらけなんだよ、お前は。探偵のくせに迷ってどうすんだ。」
ブツブツ言い続ける陣内を見ながら、芹菜は「ごめんね。」と小さく謝り、くすくす笑った。
陣内は芹菜の手首をつかんだまま人の流れに合わせて歩いていく。
やっと拝殿前に到着した。
芹菜は賽銭を入れ、手を合わせる。
その横顔をチラチラと見つめながら、陣内がお願いすることはただ一つだった。
今年もこいつの笑顔がたくさん見られますように。
芹菜の方は、たくさんお願いしているのだろうか、長いこと手を合わせていた。
「ねぇねぇ。何をお願いしたの?」
「何だっていいだろ。…お前は何をお願いしたんだよ?」
「私はね、陣内の仕事が順調に行って、陣内が元気に過ごせますようにってお願いしたよ。」
「なんで俺のことばっかりお願いしてんだよ。普通は自分のことお願いするもんだろ。」
「だって、私、去年は陣内にたくさん助けてもらったよ。陣内のおかげで私はこんなに成長して、幸せになれた。今年は陣内が幸せになるよう私が助けるよ。」
…こいつって奴は…バカがつくほどお人好しで、真っ直ぐで、正直で、健気で…
「…ありがとう。」陣内は素直にこの言葉を口にした。
そして芹菜は陣内に向かって手を差し出した。
「帰ろ。ほら、また迷子になると困っちゃうから。」
今年はいい年になりそうだ。
陣内はそんなことを思いながら、芹菜の手を優しく握り返した。

以上です。
今年も残り少なくなりました。
来年もたくさんssが投下されるよう祈っております。

164 :
>>161 さんありがとうございます!
最高に萌えましたー!!

165 :
くぅ〜っ萌え!!(≧∇≦)素晴らしいSSをありがとうございます!!
みなさん文章力あって羨ましいな…なにかコツはあるのでしょうか(・◇・)そして欲を出してしまえばぜひエロ投下してほしいです、職人様方ぜひともよろしくお願いします!!私も今頑張って文章考えてます!!が才能ないなぁ(泣)

166 :
職人の萌えもそれぞれだろうし実際に書ける(文章化出来る)事もそれぞれだろうと思う、
あまり要求ばっかしちゃいかんだろw
正直この過疎スレに投下があるだけでありがたいっつうか。

167 :
ただ素直にファンとしてエロも読みたいって希望しただけなんだけどな〜。読みたい人絶対いるよね?うちらが職人様を盛り上げないと逆につまんなくない?エロ無しがつまんないと言ってるわけではないし。書けない人は黙ってた方がいいなら黙るけど(笑)

168 :
やばっただいま妄想中…笑
初コメですども。陣内と芹菜っていきなりキスで抱きしめるとか一歩手前がなかったから手繋ぐとか萌える。そして自分もぜひエロは希望したい…ですW

169 :
えってか原作ってラブシーンあるのですか!?読みた〜い!!(*^o^*)なんでそんな素晴らしい展開になってしまうのか気になる〜”(ノ><)ノ

170 :
>>169
有りますよ〜
事務所の屋上で始めて結ばれて寝袋で一夜を過ごします。ドラマ視てからは漫画の陣芹が桐深に変換妄想で萌え萌えです。文才ないから上手く云えられないけど

171 :
>>161さん乙です!
陣内も芹菜もかわいいなぁ…本当にGJ!

172 :
え〜屋上ですか!?(笑)原作ではやることやってるのかぁ( ̄・・ ̄)芹菜は全然奥手じゃないってことかな?未だに残念なのは8話のキスで芹菜が 嫌がらなかったのがもったいなかった…『やめてよ』ではなく『だめだよ』だったですもんね。

173 :
え〜?かなり奥手でしょ?
30才バツイチと34才の二人が一年半ぶりに再会しても即エッチしないんだから


174 :
フミ君と別れて陣内と再会まで一年半?
再会後はゴタゴタしてなかなか二人きりになれず、やっと落ち着いて陣内が事務所のデスクでしようとしたら芹菜は「初めてなのにデスクって〜」と拒否、陣内
ショックで拗ねて事務所に帰らなくなる
いい年して二人共めんどくさい、あのめんどくささが可愛いんだけどw

175 :
デスクの上〜(◎o◎)でも野獣ぽくていい!!桐谷さんならデスクでもおかしくない萌える!(笑)ドラマの芹菜は明らかに寂しがってたよね…ハーレクインみたいな本持ってたし刺激がなかったのがわかる。

176 :
そう、やっと再会したのに病院で三週間も軟禁状態で看護婦しなくちゃならなくてなかなか陣内に会えないんだよね

177 :
て事は、流産してから2年間フミくんとはセックスレスで離婚後、陣内と結ばれるまで1年半、芹菜にとって陣内とのセックスは3年半ぶりか
それってバージンと変わらないよね

178 :
芹菜はフミくんが最初の人で結婚4ヶ月目で流産するまで妊娠にも気付いてなかったからね
実質バージンだよね

179 :
それじゃデスクの上はいやかも。陣内と結ばれるのを、待ちに待ってたんだから、芹菜としてはロマンチックにセカンドバージンを捧げたかったんだ
それが屋上で星空の下で キャー

180 :
寝袋もちょっとなーと思ったけど

181 :
寝袋ってたいがい一人用だよね
陣内の胸にすっぽりの密着感に萌え
眠ってる陣内の顔、芹菜ずっと起きて見ていたよ「子供みたい」ってつぶやいてた
桐谷君と深キョンで見たかったー

182 :
わぁ〜原作も萌え要素つまってますね(ノ><)ノそれに芹菜もってすごく無垢なイメージが強いけどちゃんと女の部分を持ってるからそこがいい。『子供みたい』ってセリフ深キョン芹菜で妄想するとピッタリ!

183 :
うん、名前欄は空白のほうがいいよ

184 :
寝袋、エンベロープタイプの大きいやつだったら二人入るのも可能だけど
パコパコするだけのスペースは絶対ない。

185 :
寝袋は大きいタイプだった
あと背景の白いの最初雪かと思ったけどよく見たら桜だった

186 :
あれ桜だったのか
自分も雪だと思ってた
寒いのにがんばってるなーと思ってたw

187 :
寝袋初夜の次の日は、事務所のソファーで、又狭い所で毎晩だもん

188 :
あけおめ!

189 :
ドラマスレだからあんまり原作話で続くのはスレ違いだよw
まあ陣芹好きが原作で補完したくなる気持ちは分かるけれども、
つうか自分もそうだけれど、こっちはドラマのスレだからさw

190 :
エロなし、ねつ造の嵐かつテンプレート通りのボーイ・ミーツ・ガールなお話です。
少し長いですが、よろしければおつきあい下さい。

ある日の夕暮れ。鮮やかな茜色の空だった。
住宅街の道を、就学年齢にまだ達していない少女がぱたぱたと走っている。近くにある公園へと向かっているのだ。
この町は再開発が近年行われたばかりであるため、まだ住人の数としては決して多くない。
事実、この少女のはす向かいの家は新築であるのに関わらず、人の気配はない。そして、その隣は草が茫々と伸びきった土地である。
ゆえに、少女の通う遠くの幼稚園ならいざ知らず、この近所では彼女の友達は一人もいない。
今日は何をしようか、などとワクワクしながら、角をひとつ曲がり公園へ一直線。
公園に入ると、驚いた事に同じ年の頃の少年がひとりブランコで揺られている姿が彼女の目に飛び込んできた。
思わず少女は破顔し少年の元に駆け寄る。
「はじめまして!わたし、せりな!」
「…だれ?」
少年は警戒した声音で返す。
「だれ?じゃなくて、おなまえおしえて?おなまえおしえてもらったら、こたえなきゃだめなんだよ?」
少女は屈託のない笑顔で話す。
「…は、はる「はるくんだねっ!」…き」
少年は小さく眉を顰めたが、少女はそんな事知らない。友達ができて嬉しいらしく、少年の周りをくるくる回っている。
「はるくん…はるくんね!ふふっおぼえたよ!よろしくね、はるくん!」
「…よろしく」
「ねぇはるくん、ひとりであそんでないで、ふたりであそぼうよ!」
「やだ、おれひとりでいいっ。せ、せりな、あそんできなよ」
少年は鬱陶しくなり、そっぽむく。
すると少女は彼がそっぽむいた方向へ回り込み、顔を覗き込む。
「えー?ふたりであそんだほうがたのしいよ?ほら、あそぼ!」
にこりと笑い、彼女は少年の手を取る。しかし少年は突然の出来事に思わず驚き、手を払ってしまう。
その途端、少女の顔が曇り悲しそうな顔になった。
「あっ、その…ご、ごめん…わかったよ、い、いっしょにあそぼう」
今度は、少年から手を取った。

191 :
その日から、二人は何度もその公園へ通い共に遊んだ。
遊ぶ友達がいなかったのは、少年も同じだったようである。
最初こそぶっきらぼうだった少年も、少女にはよく笑いかけるようになり、公園で遊ぶ事が密かな楽しみになっていた。
初めて友達になってから3ヶ月ほどだろうか。
いつもの公園へ少女が行くが、その日の少年は顔が暗かった。二人が好きな砂場で遊んでいても、表情は浮かないままだった。
たまらず少女は少年に問う。
「あんまり、たのしくない?」
「…なんで」
砂をいじる手がとまる。
「だって、かおがちっともわらってないんだもん」
そう言うと、彼女は少年の顔に片手を伸ばし、両頬を掴んだ。
「なにすんだよ」
少年は不満そうに喋る。いきなり頬を掴まれた事と、砂で汚れた手で掴まれた事への不満だろう。
「こうすれば、だれでもたのしいかおになるの」
少女は小さく笑う。そして少年もまた、彼女のぷっくらとした頬を掴み返した。
「…ほんとうだ」
つぶれたおまんじゅうみたいで、おもしろいかお。
少年の顔にも笑みがこぼれる。
「でしょ?せりな、はるくんのわらってるかおがすきだよ」
「!あ、ありがとう」
もっといっぱい言いたい事はあったけれど、図らずも面食らってしまった彼には感謝の言葉しか出てこなかった。
その代わりに、彼女に言わなければならない話があった。
少年が頬から手を放すと、それと呼応するかのように少女も同様に手放す。彼は一呼吸置き、話を切り出した。
「せりな」
「なあに?」
「あ…あしたから、もうあそべない……ごめん」
少女は予想だにしていなかった告白に息を呑む。

192 :
彼女の目尻にじわりと涙が溜まり、間髪入れず落涙した。
「なんで?せ、せりなの、こと、き、きらい、になったっ…?」
涙を流し言葉に嗚咽が混じっている事実に少年は激しく焦る。勿論、泣かせる気など毛頭なかった。
「ち、ちがうってば…ひっこしだよっ!」
ひっこし、という言葉に少女ははっと顔を向ける。
「ほ、ほんとうにっ?き、きら、いになって、ない?」
「せりなを、きらいになんかならないよ」
「よ、よか、ったぁ…」
今度は器用にも、笑いながらはらはらと涙をこぼす。
「おいっ、あんまりなくなよ」
「だっ、だ、だって……」
少女はまたひとつしゃくりあげた。その様子を見て、少年はどうしようもなく切なくなる。
そして、気付けば彼女の両頬をその手で捉えてしまっていた。
「っな、なにっ?」
彼女は頬への感触に目を丸くさせる。
「…お、おれも、すっ…すき……だから」
しどろもどろになりながらも、どうにか言葉を繋げる。
少年は必になって言葉を探しているため気付いてないが、彼の顔は林檎のように真っ赤である。
「そんな、ないてる、かっかなしいかお、より…たのしいかおのほうが、すきだからっ」
少女の頭を慈しむように、もう片方の手で優しく叩く。
「だっ…だから、なくな」
「っうん!っせりな、もうなかないよ!」
少女は袖で涙を拭い、顔を綻ばせる。もう涙は流れていなかった。
「――じゃあね、はるくん」
気付けばもう日は暮れ、よい子は帰らなければならない時間になっていた。
公園の入り口で少女は別れを告げる。彼女の家は少年の家とは反対方向だ。
「いままでありがとう」
泣かないように、少年をまた困らせないように、早口に一言で告げる。
「ばいばい」
少女は手を振り、くるりと踵を返し家へ向かう。足取りは重かった。
しばらく、少年は棒立ちにどんどん小さくなる彼女の背中を見つめていた。たまらなく、寂しい。
このままじゃだめだ。彼は自分を奮い立たせ、彼女の元へ走った。
「おいっ、せ、せりな!」
「…どうしたの、はるくん?」
少女が振り向くと、そこには息を切らした少年がいた。
「お…おれ、がおっきくなったら、か、か、かならずむかえにいくからな!」
とりつく暇もなく、少年は思いの丈を口にする。
「?」
「その、だ、だからっ!えっと、おれの、お、お、およっ、よ…め、さんに……」
恥ずかしくなってしまい、言葉尻が小さくなる。しかし、少女に言葉は最後まで伝わった。
「…せりなを、はるくんのおよめさんにしてくれるの?」
「!う、うん!」
少年は今までにないほど、大きく首を縦に振った。
「やったぁ!ありがとう、はるくん!せりなも、はるくんだいすき!うれしいっ!」
顔をぴかぴかと輝かせながら少年に抱きつく。嬉しいやら気恥ずかしいやらで、彼は瞬時に赤面した。
少年は数瞬惚けてしまったがすぐに我に返り、慌てて少女を引き剥がす。
「せ、せりながすきなはなって、なに?」
「せりなぁ?せりなはね、はるにさく、きいろのたんぽぽがすきだよ」
「じゃあっ!おれ、けっこんしきにはいっぱいのたんぽぽもっていくから!」
「ほんとう?やくそくだよ、はるくん!」
「お、おれはやくそくはちゃんとまもるぞ!せりなの…おっ、お、おうじさま…になって、むかえにいくっ」
「おうじさまっ?なら、せりなはおひめさまになって、はるくんをまつよ。すっとまってるから!」
ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼん、のーます…
二人の声が夕闇の路地に響いた。

193 :
「―――だから私の初恋の人は、はるくんなんです」
事務所のソファに腰掛ける芹菜は、向かい側でコーヒーを啜る丈二にそう言った。
「へぇー…可愛い話だね。でさ、その は る く ん は迎えに来たの?」
丈二はなぜかひとつの固有名詞だけを強調して発声する。その問いに芹菜は寂しげな顔で笑って返す。
「いいえ、来ませんでした。王子様やお姫様に憧れながら、ずっと待ってたんですけどね。私、待つのは諦めちゃったんです…いま、どこにいる
のかなぁはるくん」
どこか遠くを見つめる芹菜に丈二はいたずらっぽく笑いかける。
「もしかしたら、だけどさ。意外と近くにいるかもよ?」
「えー?どうでしょう?」
「いやいや芹菜ちゃん、世の中ってモンはね、思ってる以上にちっちゃいんだよ、うん」
「……」
陣内はひたすら苦虫を噛み潰したような顔をして、二人の会話を聞いていた。

終わり
子供ってこうですかわかりません!
うん、普通はあんな子供を一人で遊びに行かせないけど気にしないで下さい。
陣内は忘れていても覚えていてもおいしいと思います。陣内…恐ろしく不憫な子っ
打ち込みながら気付いたこと。
芹菜(29) 陣内(30) 武文(35) ならいつもの主婦探偵ですが、芹菜(11) 陣内(12) 武文(17) ならすごく可愛い。とても可愛い。

194 :
ほのぼの萌えですなあw
陣内は覚えていなそうだねw
そしてきっと芹菜のエピを聞いて「キザな餓鬼だ」とか言って芹菜が怒るんだよw
「陣内とは似ても似つかない王子様だったんだから!」とかなんとかねw

195 :
剥げ萌え!GJです!超好きだ〜

196 :
乙です
新年早々禿萌えた
昔の約束通り芹菜をお嫁さんにしてあげてー

197 :
乙ですぅー!!!
ちっちゃい陣内かわいい(笑)
確かに芹菜(11)陣内(12)武文(17)激しくかわいい

198 :
陣内のどもり具合が凄い気になってしまった…(笑)

199 :
素敵…(*^_^*)

200 :
桐谷陣内ってボディラインがめちゃくちゃセクシーだよね
長い首と鎖骨がたまらん
細い腰にスリムパンツがあんな決まる人いないよ脚長いし
陣芹の身長差に萌え萌え

201 :
ドラマのフミくんガクトくらいの顔面の人がやってくれたら設定が生きたのに

202 :
じゃ部長は藤原紀香か杉本彩あたりで
ベッドシーン有で

203 :
ガクトや杉本彩って、どんな会社や
芹菜でなくても覗いてみたいな

204 :
深田芹菜がフミくんの顔に惚れ込んでるんだからそれくらいのイケメンじゃないと
ジョージさんのフミくんてめちゃくちゃ顔は良いよなーってセリフも納得できないよ
スーツ姿も桐谷陣内のほうがかっこ良かったし

205 :
Gacktはなんか違うw

206 :
フミくんが藤木ってのが、古くさいドラマって感じがした。
桐谷に対抗出来るもっと旬の美形はおらんのか

207 :
ここではそういうのいらないよ。萌えネタで回しましょ。

208 :
でも昔は超絶イケメンだったよね。今はちょっと痩けて皺が…あと5歳若ければ…
フミくんendじゃなければ、今のままでも適役だったと思う。悪役の方が似合う気がする。冷めた夫の感じとかすごく合ってたよ

209 :
あっすみません。リロードせず書き込んじゃいました。

210 :
芹菜が来るまでの陣内とジョージさん、寂しい男二人で風俗とか行ってたのかな

211 :
風俗店に風俗嬢として潜入した芹菜の事が心配で、客として訪れた陣内。
先輩風俗嬢の濃厚サービスを受ける陣内にイライラして嫉妬す芹菜なんて
事務所に帰ってから思いっきりホッペムギューされたらいいよ

212 :
だったら担当が芹菜になってしまって物凄く気まずい時間を過ごす二人のが萌えるなw
天然芹菜は相手が陣内でも真面目にお仕事した方がいいのかなーとか思うんだけど
陣内はものっそいウロタエるんだよ多分w

213 :
それいただきました
芹「はじめましてアンジェリーナ山田です」
陣「お お前かよ!俺は、いいから、他に 行けよ」
芹「ダメだよお仕事なんだから、はい脱いで脱いで」陣「いいよ、ってか自分でやるし、なんでこうなるんだよ」
芹「陣内が始めてのお客さんなんだよ、よかったー練習させてもらってもいい?」
陣「やめよう、お前にこんな仕事させらんないよ、帰るぞ」
芹「陣内なにウロウロしてんの、やっぱり精神的二枚目なんだから、顔真っ赤になってるよ」
すみませんギブアップです

214 :
では、僭越ながらつづきを
「大丈夫だよ。ふみくんから色々教わったから。」
芹菜は陣内のベルトに手をかけ、するりとジーンズも下着も取り去った。
「興奮してるの?陣内。」
芹菜はそう言いながら陣内のモノをくわえ、舌でゆっくりと舐めあげる。
「や、やめろって…」
そんな言葉とは裏腹に、快感の波にのみ込まれていく陣内であった。

誰か続きよろしく

215 :
という夢をみたのさ。

216 :
続き?
「大丈夫、陣内?」
はっと、気づくと芹菜の顔が目の前に!
うるんだ、唇。ピンク色の頬、くるっとした瞳。
(いいのか。これは、頂いちゃっても・・・)
陣内が、心の中で“頂きます”
と、唱えて手を芹菜の腰に伸ばした瞬間。
芹菜の可愛らしい小さな手がそれよりも数瞬早く、
陣内の唇をムギュと掴む。
「もー。私が相手だからって気を抜いちゃ駄目でしょ。さっきから、
話しかけてるのに、ボッーとしちゃって。今日は、潜入捜査でしょ。」
最後は、小声で陣内の耳元で囁いた。
それだけでも、背中を駈ける甘い震え・・・

(って、、さっきのは俺の妄想だったのかぁぁ!)
うん。ごめんなさい。
無理するもんじゃないですね。

217 :
風俗設定いただきました。
ソープランドは適当です。

駄文お許しください。
文章書き慣れてないです…。
エロなし。
中途半端なとこで終わってます


「…今回の調査対象は吉田吉夫35歳、依頼人はお母さんで、最近怪しい女の影があるから調べてほしいとの事だ。それで吉夫が毎週金曜ソープランド『ミルキーウェイ』に出入りしてるところまではつきとめた。」
どっかりとソファーにかけ、芹菜の入れたコーヒーに一口つけると、陣内は話した。
「よし、私の出番だね。ソープ嬢として潜入して、現場押さえてくる!」「だぁっ!お前!ソープがどんなとこか知ってんのか!?」
嬉々としている芹菜に、陣内はコーヒーカップを乱暴に置くと、声を荒げた。
「そのくらい知ってるよ。体を洗ってあげるところでしょ」
「お前な…。どうやって洗うか知ってんのかよ…。ダメ。絶対ダメー!お前にそんなことさせられるわけ…」
そう言いつつ、思わず陣内は芹菜のあんな姿を想像してしまい、顔が赤くなる。それをごまかそうとして芹菜の頬をムギュとつまみながら続けた。「…とにかくお前みたいな経験値低いバカ奥様が行くとこじゃないの、ソープは。」
頬をつままれて抵抗する芹菜に、陣内は手を離すとこう告げた。
「俺が客として行く。言っとくけど、これは仕事なんだからな。その、勘違いするな…」
「そんなのずるい!何で私はダメで陣内はいいの!?陣内のスケベ!!」
今度は芹菜が声を荒げた。

この後体験入店した芹菜と客陣内が鉢合わせするところまで妄想した。が、力尽きました。
それでは失礼しました。

218 :
絶対ダメーって必にアセる陣内に萌えた

219 :
>>217の続き書いてみた。
エロなし。
お目汚しすみません。

――翌週金曜日、午後5時。
陣内春樹はある雑居ビルの前に立っていた。ネオンの消えた歓楽街はまだサラリーマンで賑わう前、人通りもまばらな夕暮れの中だった。
狭い階段を上るとそこは、ソープランド『ミルキーウェイ』。
金を前払いすると、陣内は奥の掲示板を見やる。ぼかしが入った顔写真を物色し、ある名前を探していた。
「対象が指名している女はあいり。あいり、あいりちゃん…っと、はぁぁ!?」
小声で1人言をつぶやいていた彼だが、思わず素っ頓狂な声をあげてしまいそうになり、口を押さえた。

ガチャリ。
個室のドアを開け、陣内が口を開く。
「こんばんはー。どうも〜アンジェリーナち・ゃ・ん。今夜はヨロシク」
アンジェリーナと呼ばれた女は三つ指を付き、丁寧に挨拶をする。
「こんばんは。一生懸命頑張りますので、よろしくお願いしま…」
途中で顔をあげると、彼女は目を見開いた。
「ぇええ、陣内!?」
コテできれいに巻かれた髪。いつもとは違うメイク。薄いピンク色の布地の少ない大胆な下着。下は恐らくTバックであろう。
上には白いバスローブをはおっている。
いつもの芹菜ではない、山田でもない、女がそこにいた。
普段は隠れて見ることのできなかったその艶めかしい姿を目の当たりにして、あるいは怒りからだろうか、
陣内の鼓動は自然と早くなっていく。
「陣内!?じゃねぇ。何でお前がここにいんだよ、あれほど来んなといっただろーがバカ奥様!」
「なんで私ってわかったの?」
「質問に答・え・ろ。“アンジェリーナ(23)”ってなんだよ。すぐわかるっつの!それに…」
ぼかしなんかなくたってお前のことはわかると言おうとして陣内は口をつぐんだ。
陣内が口ごもっていると、アンジェリーナこと芹菜は得意げに話し始めた。

220 :
「陣内。実はもうあいりさんと接触してあるの。彼女、毎週金曜にやってくる男性がいて、
手も触れずに普通におしゃべりしたり口説いてきたりするんだって。変わったお客さんだって言ってた。
嬉しいけど、自分はバツイチで借金返済中だから釣り合わないって悩んでたよ。」
「そうかー。変わったやつだな。じゃさっさと盗聴器つけてこい。対象が店に現れるのは8時だろ。
本当は俺があいりさん指名して盗聴器付けてくる予定だったんだがな。」
ふふふっと笑みを浮かべて芹菜は話し続ける。
「もうやってあるよ。あいりさんのバスローブと部屋につけてきた。」
「よし、よくやったな。でも、でもな…結果オーライだからいいようなものの、
俺が来なかったらお前、どうなってたと思ってるんだ!」
陣内に怒られ、芹菜の肩が少し震えた。次第にしどろもどろになっていく。
「だ、大丈夫、何とかなるよ!お仕事だもんちゃんと務めなきゃ。…ごめん嘘。
ほんとはちょっと怖かった。でも陣内にタンカ切っちゃったし、認めてもらいたかったし。
その、勝手な行動してごめんなさい。」
芹菜の目元が少しうるんできた。無意識のうちに陣内は芹菜を抱き寄せていた。
「泣くなって。その、な…。お前は男からどう見られているかもっと自覚してくれ。
俺も意地張って悪かったよ。それにお前のそんな姿を他の男には見られたくなかったんだ…。」
最後の方は言葉も絶え絶えで、芹菜に聞こえていたかどうかは分からないが、
真っ赤になっているであろう顔を見られないようぎゅっと抱き寄せて、陣内はそう告げた。
そこで陣内は気づいた。胸が、足が、なめらかな肌が自分にあたっていることを。
怒りでおさまっていた下半身が硬さを取り戻していく。
(こいつこんなに胸大きかったっけ…)
それを悟られないように、陣内はすばやく芹菜から体から離すと、言った。
「さぁ、帰るぞ。盗聴は外でもできるだろ。写真も外で張り込む。」
本当は、ここにいつまでもいると何をしでかすかわからないからだが。
ここに留まっていたほうが仕事もしやすいだろうに。
「でも、今二人で帰ったら怪しまれるよ。そうだ、せっかくだから陣内、サービスしてあげよっか?」
「な、な、何言ってんだ、お前…」
「なーんてね。陣内にそんなことするわけないじゃない。」
芹菜は舌をペロリと出して笑って見せた。
「さっきまで怖がってのは誰だっけなあ、えぇ?」
陣内は芹菜の口をつまみ上げた。
「なによ、ひんはい…。こうゆうのは彼女にやってもらいなさいってば」
“彼女”という単語が発せられたとき、芹菜の表情がかすかにすねたように見えたが、
それはきっと陣内の見間違いだろう。

終わり
陣芹でエロにもってくのって難しい

221 :
>>219
さんありがとうございます〜!萌えました〜! 

222 :
GJ!すばらしい!

223 :
みなさん乙です〜!!年始にふと思ったんですが不倫旅行に温泉にきた対象者を陣芹が夫婦のフリして調査するってのどうでしょう?もちろん一泊で(笑)

224 :
>>219さんGJ!
陣内優しい…
自分的にはエロよりこういうウブな二人の方が萌えてしまうw

225 :
>>223

女将さん「すてきな旦那さまね〜。新婚さんですか?」
芹菜「ち、ち、違います!私達夫婦じゃありません!」
女将さん「あら失礼、初々しい感じがしたものだから。本当にすてきな彼氏さんね。よくお似合いよ。ゆっくりおくつろぎ下さいね。」
芹菜「そうじゃなくて!えっと、この人は作家の先生で、ゆっくり温泉につからなきゃペンが進まないとか言い出して。私は編集で、彼を見張りに来たんです。全然恋人とかそんな関係じゃないんです!だから部屋は別にしてください!」

こんな感じですか

226 :
>>225ですが
これじゃ夫婦のふりじゃなくなっちゃいますよね、ごめん

227 :
>>223>>225さん、いいですねー、その設定!
ぜひぜひ書いちゃってください!!

すみません、エロなしなんですが、陣芹投下します。
芹菜離婚し、探偵続行設定の第2弾です。
最初のほうのレスに、陣内が風邪ひいて、芹菜が看病したら…
というのがありましたが、そのネタをいただきました

陣内は朝から寒気を感じていた。
「ジョージさん、今日寒くない?」
「いや、今日は天気もいいし、いつもより暖かいと思うけど。
陣ちゃーん、風邪ひいたんじゃないの。」
コーヒーを運びながら心配そうに芹菜が言う。
「顔色悪いよ。熱でもあるんじゃない?体温計どこにあるの。」
「そんなもん置いてねー…」
陣内がそう言い終えるか終わらないかのうちに、芹菜の額が陣内のそれにくっつく。
芹菜の顔が近い。
陣内は驚いて、耳まで赤くなってしまった。
「わあ!すごい熱!それに顔が真っ赤だし。今日はもう休んだ方がいいよ。」
半分はお前のせいだろ、とも思うが、熱があるのは本当のようだ。
確かに頭がぼーっとして、思考がまとまらない。
しかし、今日は仕事の依頼が入っている。
見合い相手の男性について素行調査をしてほしいという内容だった。
「だめだ。今日は依頼が入ってるから休むわけにはいかない。」
「そんなの私がやっとくよ。だから陣内はなーんにも心配せず、ゆっくり休んでて!」
そう言って、芹菜は陣内の手から依頼書を奪い取ると、
「今日はこの人を調査すればいいんだねっ。じゃ、行ってきまーす。」
と慌ただしく、事務所を後にした。
「大丈夫かよ、あいつ…」
「芹菜ちゃん、このところ頑張ってるし、すごく成長してるよ。
少しずつ任せて行ってもいいんじゃないかなあ。」
そう二人で話し合っていると、事務所のドアが開き、芹菜が勢いよく入ってきた。
「お前、素行調査に行ったんじゃなかったのかよ!」
芹菜は近所のドラッグストアの袋を陣内に差し出す。
「風邪薬買ってきたよ!今日はこれ飲んでもう寝なさい!」
そして、入ってきた時と同じように勢いよく出て行った。
その様子を見ながら丈二が笑う。
「やさしいねぇ。あんないい子はいないよ、陣ちゃん。」
「わかってるよ…」陣内は風邪薬を大事そうに取り出しながら答える。
「じゃあ、俺も仕事に戻るわ。なんかあったら電話してよ。」
「ありがとう、ジョージさん。」
一人になった陣内は、芹菜からもらった風邪薬を飲む。
「苦ぇ。」と、つぶやきながらソファに横になり、毛布をかぶる。
しばらくすると薬が効いてきたのか、強い睡魔に襲われそのまま眠りについた。

228 :

額にひやりとするものが触れる。
冷たくて気持ちいい。
陣内が目を開けると、芹菜が額の濡れタオルを替えているところだった。
「あ、冷たかった?まだ、熱下がらないね。」
「お前、調査はどうだったんだよ。」
「あのね、対象者の評判は近所でも職場でもよかったよ。
温厚で礼儀正しく、仕事もできるって。
でも一緒に暮らしている女性が半年ほど前からいるみたい。」
事細かに芹菜は報告する。
「これが証拠の写真だよ。」
数十枚の写真を陣内に手渡す。
対象者のマンションに入っていく女性の顔がよくわかるように撮影されている。
完璧だった。陣内は感心した。
「よし、十分だ。依頼者に明日報告しとくよ。これで縁談も破談になるだろうな。」
「ねっ。私に任せて正解だったでしょ。これで一人前になれたかなぁ。」
「バーカ。お前なんかまだまだ半人前だ。教えることがたくさん残ってんぞ。」
「ひどーい。」芹菜は頬を膨らませる。
「あっ、ねえねえ。おなかすいてない?お粥作ったんだけど。」
そういえば今朝から何も食べてなかった。
熱のせいか食欲はあまりなかったが、芹菜が自分のために作ってくれたのかと思うと陣内はうれしくなった。
「勿体ねーから食べてやっか。」
「どーぞ。」
芹菜は茶碗にご飯を装うと、陣内に手渡した。
一口食べる。
「うまい。」
ほんのりと塩味がするお粥は忘れていた食欲を呼び戻した。
「ほんと?よかったー。どんどん食べてね。」
芹菜は褒められ、嬉しそうだ。
陣内は瞬く間にお粥を平らげ、時計を見る。
もう夜の9時だった。
「お前もう帰れよ。風邪もうつるし、遅くなると危ねーぞ。」
「わかった。今日の報告書まとめたら帰るよ。陣内は寝てて。」
そう言って芹菜はデスクに向かう。
その後ろ姿を見ながら、腹が満たされた陣内は再び眠りについた。


229 :

…ここはどこだ?
陣内は薄暗い世界にいた。
ああ、そうか。これは夢だ。陣内は納得した。
そして目の前には心配そうに見つめる芹菜の顔があった。
なんて顔してんだ。俺のことを想ってくれてるんじゃないかと誤解してしまいそうになる。
そんな芹菜の顔を見ていると、愛しさがどんどんこみあげてくる。
どうせ夢だ。何をしてもかまわないだろ。
陣内はそっと芹菜の滑らかな頬を左手で包み込む。
芹菜はより心配そうな顔をする。
ほら、やっぱり夢だ。
現実なら「触らないでよ!」と言われて平手打ちだろうな、と陣内は心の中で自嘲気味に笑う。
頭がくらくらする。
風邪のせいだろうか、それとも芹菜に恋い焦がれるこの気持ちのせいだろうか。
もうわからなくなってきた。
芹菜の背中に腕をまわし、自分の方へ強く抱き寄せる。
そして耳元に自分の唇を近づけ、「好きだよ」とささやいた。
芹菜は抵抗しない。
夢だと確信する。それならば、もっとこのまま先に進んでしまいたい。
陣内は芹菜の唇を見つめながら、ゆっくり顔を近づける。
芹菜もそれに応えるかのように目を閉じた。そして唇を重ねあう。
ずっと待ち望んでいたその柔らかい感触を唇に感じながら、陣内は芹菜を抱きしめる腕に力を込めた。
…それからは真っ暗な闇の中に突き落とされ、記憶がない。たぶん眠ってしまったのだろう…。
陣内が再び目を覚ました時、辺りは薄明るくなっていた。
頭が軽い。もう熱は下がったようだ。
起きようとすると、自分の腰のあたりに何かが乗っかっているのに気付いた。
芹菜の頭だった。
一晩中、自分を介抱していて、突っ伏して眠ってしまったようだ。
帰れって言ったのに。
なんで、俺なんかのために。
陣内は思わず、芹菜の髪に触れようとする。
その時、芹菜が目を覚ました。
「あ、ど、どう?具合は?」
芹菜は目も合わせずに言った。態度がよそよそしい。
「もう、熱も下がった。ありがとな。」
「あ、う、うん。じゃ、じゃあ私もう帰るね。」
「今日は何も依頼が入ってないから、一日休んでいいぞ。」
「じゃ、じゃあね。」
芹菜は最後まで目を合わせようとせず、あわてて帰って行った。
何だ?あいつ。俺の風邪でもうつったかな。
陣内は大きく伸びをする。
しかし、いい夢だったな。それより俺…、相当たまってんな。


230 :

陣内が夢の余韻に浸っていたころ、芹菜はただひたすらに家を目指していた。
早く帰って、何も考えず、ただ眠りたい。
そうやって一生懸命忘れようとするけれども、どうしても思い出してしまう。
昨夜、陣内が「芹菜、芹菜」と自分の名前をうわ言のように呼んでいたこと。
うなされているのかと心配して覗き込んだ自分の顔を熱っぽく見つめていた陣内の瞳。
頬を優しく包み込んだ陣内の大きな手。
強く抱きしめられたあのぬくもり。
「好きだよ」とささやいた陣内の声。
そして…。
芹菜は頬が火照ってくるのを感じ、必で頭を振る。
これでキスされるのは2回目だ。
以前キスされたことを思い出す
あの時はフミ君のことで悩んでいた私を励ますためだったのだろう。
だけど今回は以前と違う。
きっと高熱のせいだ。だからあんなことを…。
そう考えれば考えるほど胸の奥が締め付けられる。
芹菜は今まで感じたことのない不思議な感情に戸惑っていた。

終わりです。
エロにもっていきたかったけど、できませんでした…
>>219さんのいうように陣芹でエロって難しいですね
もうちょっと修行してきます…

231 :
ゴフッ…鼻血吹いた
萌えるわ…

232 :
もろエロより萌えるって!いったい何なのこの子たちは!
GJ。

233 :
エロ無しでも十分エロい…
この調子で第3弾もお願いします!
>>232さんのコメントがIKKOの声で再生されたw

234 :
223ですが225さんありがとぅございます!必で否定する芹菜がかわいい(*´Д`*)
私も文才があればSS書きたいんですけどなかなか難しいです(>_<)

235 :
陣内って浴衣似合いそう。
アカン、また妄想が…

236 :
妄想ですが、
芹菜の、着物の着付けを手伝う陣内も素敵。
あー、私まだ初詣行ってないー。

237 :
陣内って事務所で寝泊まりしてるよね。お風呂はどうしてるの? 原作はジョージさんの床屋兼住まいで借りてたけど スーツも事務所で着替えてて、脱いだ途端に出勤してきた芹菜に見られる照れる陣内に妄想

238 :
原作の陣内はお風呂嫌いで1週間に一度入るかどうかの人だったからな…
一年半も姿を隠してボロビルに潜伏したりしてたしビル内にシャワー付の部屋他にもありそう

239 :
もうここ見てる人いないのかな?(>_<)

240 :
見てるよー
ただ文才が無いから萌えエロが書けないだけで

241 :
エロなし、ぬるい陣芹です。

「今日は寒いね、陣内」
どこか楽しそうな声色で芹菜は横の男に話しかける。
昨夜の気象情報では降雪するだろうと言われたが、あいにく予報は外れ今日は快晴である。
さっきまで雪が見たかったと悔しがっていたガキはどこに消えたんだよ。
陣内は横で肩を並べ歩く芹菜をチラチラと観察しながらそう思った。
空には突き抜けるような青が広がっているが、代わりに本日の気温はとても低い。
そのため芹菜はロングコートを纏いマフラーを首に巻き温かな服装だ。
一方何にも覆われてない顔は寒さからだろうか、もとより白い肌がより白磁に近づいている。
その中で彼女の小さな鼻だけがすこしの赤みを帯び、陣内は素直にかわいらしいと思った。
それを気勘付かれたくなくて、そっけなく返す。
「ああ」
陣内が視線を下に落とすと、綺麗に整えられた手が見えた。
芹菜はその手を顔の前まで持ってゆき、吐息をかける。
吐く息は白く、雪のような手と相まって陣内には非常に寒々しく見えた。
「そんなに寒いなら手袋くらいしとけよ」
「うーん…今日、忘れちゃったの」
旦那と別れてからしっかりしてきたと思えばコレだ。
どこまでいっても馬鹿女かよ、と陣内は小さく呟いた。
その呟きを芹菜はしっかり拾い、むっとして口をとがらせる。
「でも、手袋ないからってポケットに手を入れちゃだめなんだよ?」
「うっせ。小学校の先生かよおまえ」
「危ないんだからね。転んでも知らないよ?」
おまえが一番転びそうなんだけど。
陣内はそう言おうとしたが、またムキになられるのも面倒なのでおとなしく黙った。
それから、しばらく無言で二人は歩き続ける。
何度か、隣から息の吐く音や肌を擦り合わせる摩擦音が陣内の耳に入った。
「……おい」
「ん?どうしたの?」
陣内が呼びかけると芹菜はくるりと向き、首を傾げる。
なんだか気恥ずかしくなり、陣内は正面をさっと向き芹菜と視線を合わせないようにする。
また二人は押し黙り、会話が途切れたまま黙々と歩く。

242 :
それから十数メートル進んだところでようやく陣内は口を開いた。
「手、出せ」
奮い立たせて言った割に、言葉は小さい。
「?はい」
言われたとおりに、芹菜は何も考えずに左手を差し出す。
いろいろ考えてる俺が馬鹿みたいだ。
その単純さを、陣内は純粋に羨ましいと感じてしまう。
陣内は右のポケットから手を抜き、そっと芹菜の差し出した手を握り込む。
芹菜の手を通してひんやりとした感触が伝わった。
「こうすれば、温まるだろ……片方だけだけど」
恥ずかしくてどうにかなりそうだが、陣内は必で冷静になろうと努める。
芹菜はほんのり顔を紅潮させくすくす笑う。
「ふふ、ありがとう…陣内の手って、大きくてあったかいんだね」
「…ンだよ」
「人を守れる、優しい手だなぁって」
鈴を振るような声と柔らかな笑顔に、陣内の心臓は思わず高鳴った。
だから、照れを隠そうとしてついいつものようにぶっきらぼうな事しか口にできなかった。
「はぁー?おまえ、なに言ってんの?」
「陣内を褒めてるんだよ?」
芹菜は握った手を楽しそうに前後に振り、笑顔で話す。
「おまえに褒められても嬉しくもなんともねーよっ」
勿論、陣内は芹菜にそう言ってもらえて嬉しいのだが。
「素直じゃないなぁ。精神的二枚目なんだから、もう」
「意味分かんねーし…」
陣内は芹菜から目をそらしながら、握る手にほんの少しだけ力を込めた。

終わり
いちゃいちゃを目指した結果がこれだよ
エロってほんとに難しいですね…

243 :
イヤーン
萌・え・た

244 :
キュン。

245 :
>>242 最高ですよぉぉぉ
情景が自然に浮かぶ表現素晴らしいです!
実写で見たすぎる

246 :
ナチュラルにふみくんと別れた設定なんすねw

247 :
>>246 241です
さすがに人妻に手繋ぎはできないよなぁ、と思って直前に変更して注意書き忘れてました。
すみません、気をつけますね。
あとごめんふみくん!悪気はない!

248 :
こういうウブというか初々しい二人が好きだー
胸キュンキュンしてしまうw
本当に文章が上手ですね
二人の様子が目に浮かぶようです

249 :
>>93続きです。
「妻を捜してくれたんですね」武文は陣内をまっすぐに見て「ありがとうございます」とお礼を言った。
「何がですか?あなたにお礼を言われる理由が俺にはありませんよ」
「ええ、わかってます。それでこれを預かってもらえませんか」
武文が机に置いた律儀に銀行の封筒に入った現金を見て、陣内の苛立ちがピークになった。
「やめてくれませんか。俺はプロのつもりでいるんで、仕事してないのに金を受け取るつもりはありません」
「ですから、これはあなたへの報酬ではないです」
「あのねぇ、浅葱さん、あんたと俺、会話になってないですよ。
あんなにいい奥さんに出て行かれて、生活が荒れておかしくなったんじゃあ?」
「確かに僕の生活は荒れ気味です。だが、芹菜がいつもきちんとしてくれてた
マンションがいきなり、こんな風になるにはまだ時間が足りない」
そう言うと武文は、携帯の画面を陣内に示した。画面には、めちゃくちゃに荒らされた部屋が写っていた。
一目で、陣内はヤバイ筋の奴らが絡んできたんだと悟った。
「・・・」
「そういうわけです。だから、僕は妻が僕と一緒にいないことにむしろ安心してる。
でも、あのガソリンスタンドであのまま働いていたら奴らは妻を見つけたでしょう。
そうなる前に、"夫"を名乗る革ジャンの誰かが妻を連れ出してくれたことに感謝しています」
芹菜の安全のためにも、武文とは早急に離婚させてやる、陣内はその思いを強くした。
けど、芹菜は武文が危険だと知ったら、夫の元に戻って支えようとするだろう。
(俺が、どれだけ言っても、策を弄しても。)
「で?じゃあなんです、この金」やっとの思いで陣内は促した。
「妻の生活費です。彼女の扶養義務は夫の私にある」
「受け取ったら俺はあなたの主張を認めたことになるから、断ります」
「では、ここに忘れたことにします」
武文はそう言うときびすを返して、出て行こうとした。
「浅葱さん、ちょっと!」
男二人がつかみ合いになった時、
「じーんなーい、ただいまぁ」
エプロンをつけたまま山田が明るい声でドアを開けた。


250 :
(フミ、君・・・!)
(なんでこのタイミングなんだよ、アホ!)
ただならぬ空気が流れたが、
(ただいま、って、そっか、山田さん掃除だけじゃあ食えないから探偵もやって
ダブルワークか。子供でもいるのかな、大変だ)
その流れを見事に断ち切ったのは武文だった。
「すみません、お邪魔して、今帰るところですから。山田さん、陣内さん、お邪魔しました」」
さわやかに告げて廊下を歩いていく武文の背中を、陣内と芹菜は呆然と見送り
彼がエレベーターに消えた途端、二人は同時にホっと息をついた。
「ったく何が、お邪魔しました、だよ、あの野郎」
「フミくん、そろそろスーツ新調しないと」
「いくら変装してるからって、女房に気づかないなんて、ダメ旦那にも程がある。
そんな男のスーツの心配なんか、するなよ!」
「だって、スーツは男のサラリーマンの戦闘服だよ。フミ君お洒落だけど質素で
同じ物を大切に何年も着るけど、あのスーツはもう5年も着てて、そろそ」
「お前の旦那のスーツの話なんて、どーでもいいっつってんだろーが。」
陣内に怒鳴られて芹菜はしゅんとなり、そんな芹菜に陣内の心は痛くなり
体中の知恵をめぐらせて陣内は言った。
「俺、あそこのたこ焼き食いたくなった。お前、悪いけど、頼まれてくれるか」
武文にまたまた気づいてもらえず、陣内に怒鳴られて、悲しくなっていた芹菜の顔がぱぁああっと明るくなった。
「うん!」「ホラ、早く行って来い」「あ、陣内エラソー。なんかムカつく」
「お願いします、芹菜様、どうか行ってきてください」「特別に聞いてあげるね」
芹菜が消えた後、陣内は武文が残していった現金をどうしたものか、と考えた。
このままネコババ、は陣内のプライドが許さなかった。けれど、まるで自分がキューピッドみたいに
武文の思いやりを芹菜に知らせてやるのにもムカついた。
だが、荒らされていた芹菜と武文の自宅の状況から、芹菜にも危機意識を持たせるためにも
事実を告げるしかないだろう、ともわかってはいた。

251 :
すみません、今日はここまで。
また時間のある時に続き書きます。

252 :
わー、ありがとうございます!
ずっと続きが気になってました
これからどうなるのかな、ドキドキ
続き待ってます!

253 :
初投稿です!
駄文お許しください(>_<)
妄想をそのまま文にした感じなので会話ばっかりになっちゃいました…


「ねー芹菜、あと一週間でバレンタインだね」
2月某日、私ゎもと子といつものランチに来ていた。
「もうそんな時期なんだね〜、最近探偵のお仕事が忙しくて気づかなかった!」
「うそ!芹菜、去年はフミくんにチョコレートケーキ作るって、二週間も前から張り切ってたのに!もうすっかり元旦那のコトは吹っ切れたみたいね?」
「んー、どうなんだろう、まだわからないや。嫌いになって別れたわけじゃないし…」
でも確かに最近はフミくんのコトを考える事が減ってきた。
陣内の元での探偵修行が忙しいというのもあるけど、フミくんという存在が私の中から少しずつ薄れていっているのは確かだ。
「でも未練とかっていう気持ちはなにもないの。たぶん、もうフミくんの事、前みたいに愛する気持ちは戻らないと思う、でもフミくんは今でも私の大切な人だよ。変な意味じゃなくて、その、なんていうか…」
「わかってるって!それって完全に吹っ切れるってコトだよ!芹菜も酸いも甘いも知った、一人前の女になったのね〜」
「えへへ、そうなのかな〜?」
そうならきっと、陣内と出逢えたからかな?陣内にいろんな事教えてもらわなかったら私、一生フミくんに依存してフミくんがいなかったら何もできない人間になってたかもしれない。
陣内には、ほんとお世話になったなぁ…
「芹菜、今年も期待していいんでしょうね〜?」
「もちろん!今年は何にしよっかな〜、毎年もと子に作ってるからネタなくなっちゃうよ〜」
「ふふふ、なんでもいいよ。芹菜、今年は私とお父さん以外の誰かにあげないの?陣内さんとか!」
「えっ?」
なぜか陣内という名前を出されて私はドキリとした。
「な、なんで陣内なの〜?バレンタインチョコって好きな人にあげるんでしょ?」
「なに言ってんの!義理チョコよ〜、芹菜、去年元旦那の会社の事とかで凄く世話になったんでしょ?で、今も探偵事務所でお世話になってるし。会社の上司にあげるようなものよ。まぁ、私は本命にしかあげないけどね〜。」
「そういうもと子は、今年は本命の人いないの〜?」
「ふふふ、実はね〜……」
そんなガールズトークに花咲かせながら、私は考えていた。
陣内にチョコかぁ…
本当に陣内には感謝してもしきれないくらいお世話になったし、まだ何にもお礼できてないし………そうだよね!今年は、陣内にチョコあげよう!感謝のしるしに!そうだよ、感謝の気持ちだもん…!
こうして私は、陣内義理チョコあげよう作戦を開始した。


254 :

翌日。
「おはようございまーす!じょーじさん!」
「おはよう芹菜ちゃん、今日も元気だね〜。」
私はさっそく丈二さんを訪ねた。
「ねぇじょーじさん、陣内ってチョコとか…甘いもの好きかなぁ?」
「どうだろう?あいついつもカップラーメンしか食べてるとこ見ないからなぁ〜、なーに?芹菜ちゃん、もしかして陣内にバレンタインチョコあげるとか??」
一瞬で見破られてしまって、やっぱり丈二さんにはかなわないなぁ、と私は思う。
「はい!私本当に陣内にはいろいろお世話になったので、感謝のしるしに。」
「なーんだ義理チョコかぁ。でも陣ちゃん、喜ぶと思うよ!きっと芹菜ちゃんがあげる物ならなーんでも嬉しいと思う!」
「そうですね、陣内女っ気ないし、もう何年もチョコもらってなさそうだな〜。笑」
この時、私は丈二さんが言った意味深な台詞の意味にまだ気づいていなかった。
「でもせっかくだから、陣内が本当に好きなもの作ってあげたいなって思うんです…」
「もしかして、手作り!?」
「はい、陣内コーヒーはいつもブラックだし、私も陣内がカップラーメン以外のお菓子とか食べてるとこ見たことなくて。陣内がチョコ嫌いだったらどうしよう……」
「…芹菜ちゃん、そんなに陣ちゃんの事真剣に思ってくれてるんだねぇ。陣ちゃんも幸せ者だよ。」
「…!」
そんな事ないですよ〜!!
という言葉がすぐさま出てこなかった。
私はただ陣内の喜ぶ顔が見たかった。私が作ってあげた物を美味しそうに食べる陣内の顔が見たかった。
こんな気持ち前にも……

そうだ、フミくんを愛していた時だ。
ただ、フミくんの喜ぶ顔が見たくて毎日ご飯を作っていた。それと同じ気持ち……?
私、陣内の事、フミくんと同じ様に思ってるの……?
気のせいだ、と自分に言い聞かせた私は、丈二さんにお礼を言って十島理容室をあとにした。

255 :
おー、きゅんきゅん続き待ってる!

256 :
お酒の入ったチョコレートボンボンなら辛口の男の人でも食べれるかな?
で、酔っぱらって何か起きないかな〜

257 :
253です!256さんのチョコレートボンボンいただきます!ありがとうございます(´;ω;`)
続きです。

「陣ちゃーん!明後日、何の日だっけ?」
2月某日、いつもの様に閉店後俺の探偵事務所に酒を持って現れた丈二さんは、意味深に俺に聞いてきた。
「なんだよ、いきなり?2月14日?誰かの誕生日だっけ?」
「またまた!とぼけちゃって!全国の男性諸君が期待と不安を胸に1日を悶々と過ごす日じゃない。」
「…なるほどね。あっそう。」
バレンタインなんて俺自身、もう何年も縁がない。そういえば去年は、好きな女が誰にチョコをあげるか調べてくれ、なんてアホな依頼があったなぁ。と思い出していると、丈二さんがそんな話題を出した意図に気づいた俺は丈二さんを睨んだ。
「芹菜ちゃんから、もらえるといいね♪」
「べ、べっつに、あんなバカ女からもらったって、嬉しくもなんともねえよ!最初から期待してねぇし!だいたい、丈二さんに言われるまでそんな行事も忘れてたし!?」
心にもない台詞がベラベラと出てくる。
あの元バカ奥様が、元旦那に張り切ってうざいくらいの愛情たっぷりのチョコレートを用意してる姿が容易に想像できる。そして、その気持ちが自分に向く事もないだろうという事も。いや、想像したくないのだが。
あいつは離婚した。もう人妻じゃない、ただのバツイチの独身の、一人の女だ。俺があいつに告白しようが、キスしようが、抱きしめようが、誰に咎められる事もない。だか今一つ一歩踏み出せないのは、今のあいつとの関係が悪い方に崩れてしまうのが怖いからだろう。
だから、普段はまるで気のない様に振る舞っている。
本当はその華奢な体をいつでも抱きしめていたいのに。
その可愛らしい唇に自分のそれを重ねたいのに。
愛してる、と飽きられるぐらいまでささやきたいのに。
あいつの心も体も全てを俺の物にしたいのに。
まじか。
俺こんなにもあいつの事を想ってたのかよ……!あらためてバカ女への想いに気づかされた俺は苦笑した。


258 :
ドキドキするわー


259 :
陣内、芹菜に惚れすぎw
うらやましい

260 :
きゃー!!
どきどきするー

261 :
ドキドキ。ワクワク。ホクホク。

262 :
257の続きです


「ふーん。そんなコト言っちゃっていいのかな?そんな素直じゃないと、チョコの天使も逃げちゃうよ?」「なに訳のわからない事言ってんの!丈二さん。」
「あ、そういえば陣ちゃんって、チョコ好きだっけ?」
「ん?俺は別に好きでも嫌いでも……あ、そういえば、あれ好きかな?チョコの中に酒入ってるやつ。なんだっけ…」
「あー!ウイスキーボンボンね!なるほど、陣ちゃんらしいね〜。なるほどね!」
「それがどうかしたの?丈二さん。」
「それがさ〜、……いや、教えちゃったらつまんないな!なーいしょ♪」
「はあ!??なに言ってんだよ!そこまで言っといてそれはねーだろ〜!?」
丈二さんらしいといえばらしいのだが、話の流れからしてバレンタインとチョコとあのバカ女に関係する話に決まっている。そこまで聞かされて何も教えられないなんて生な。
「今年はちょっと期待しちゃってもいいんじゃないの?陣ちゃん。さて、俺はもう寝るかな!おやすみ〜!」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って丈二さん!!バカ女となんか関係あるのか!?おい……」
俺が全部言い終わる前にバタンと扉を閉められてしまった。とんでもなく思わせ振りな態度をとられてすぐに一人にされてしまった俺はただただ唖然としていたが、このまま悶々としてしまうのは丈二さんの思惑通りな気がして気に食わないので、すぐに探偵脳をフル回転させた。
そうだ。あのお人好しのお気楽バカ女の事だ。去年は本当に陣内にお世話になったし!感謝のしるしに陣内に義・理・チョコあげようと思うんだけど、陣内ってチョコ好きかな?ねぇ、丈二さん!
……こんな感じだろう。
義理か。俺は会社の上司か!いや実際そんなようなもんだけど!って、俺めちゃくちゃ期待してんじゃん!あんな美味い弁当作るあいつだぞ?チョコレートだってめちゃくちゃ美味いに決まってる!ってかなに手作り期待してんだよ俺はバカ野郎!!
ちょっでも期待してしまったら、それを裏切られた時の傷はエグい。
男子中学生か俺は……
どんだけあのバカ女に心かき乱されてんだよ…
気付くと時間はすでに午前1時を過ぎてきた。
バカ女の為に睡眠時間が削られるのもなんだかしゃくなので俺はもう寝ることにした。
……たとえ義理でも、あいつからもらえただけで俺は……。
脳内葛藤の末、久しぶりにバレンタインデーという日に期待してみよう、という結論に至った俺は明日あいつが出勤してきたら、こんだけ俺を夜更かしさせたあいつにどう仕返してやろうか、という事に考えながら眠りについた。


263 :
ああああ桐谷陣内の百面相が浮かぶわー

264 :
あーたのしみー!!

265 :
262の続きです。


2月14日。
陣内はデスクで調査報告書をまとめていた。
「ったくあいつ、いつまで犬探してんだよ!電話も出ねえし!心配になんだろーが…」
時刻は午後9時を過ぎようとしていた。
本来JJ探偵事務所はペット探しは受け付けていないのだが、芹菜が初めて受けた依頼だからか、バカが付くほどお人好しだからか、陣内の制止を振り切り朝から事務所を飛び出してしまった。それから何も報告もないまま、こんな時間になってしまっていた。
…あいつなんか事件に巻き込まれたんじゃ。
陣内が芹菜を探しに行こうと席を立った瞬間、
「ただいま〜!じんな〜い!!」と勢いよく芹菜が帰ってきた。
「ただいま〜じゃねえよ!お前、電話くらい折り返せよ!俺がどんっっだけ心配したと思ってんだこのバカ女!!」
「ご、ごめんなさい…。陣内、そんなに心配してくれてたの?」
「…あ、当たり前だろ。お前だって、バ、バカだけど、一応、女だし……」
しゅんとしてしまった芹菜の反応に、一気に怒りがしぼんでしまった。やはり惚れた弱味か。
「ま、まぁ無事に帰ってきたから許してやる。で、犬は見つかったのか?」
芹菜の顔がパアッと明るくなる。
「うん!すっごく時間かかっちゃったけど、怪我もなく無事に見つかったよ!飼い主さん、すっごく喜んでた!はい、これお礼金!」
芹菜は自慢気に自分のバッグから封筒を出した。
「私一人で見つけたんだよー?すごいでしょ♪」
「うちはペット探しやってないんだけどな!」
「私もだんだん一人前の探偵に近づいてきたかなぁ?」
「バーカ!10年早いっつーの!俺だったら10秒で見つけてやるよ。」
「え〜それは無理だよ〜!」
ケラケラと笑う芹菜に陣内はドキリとした。
反則だ、その笑顔。
「今日はもう帰っていいぞ。遅いから気をつけろよ!」
「えっ?あ…う、うん……」
芹菜が表情が急に硬くなった。どうした?と陣内はたずねる。
「ううん…、何でもない。じゃあ、おやすみ!陣内。」
そう言って芹菜はそそくさと事務所を出ていってしまった。

あ、あ、あいつ!!
帰りやがった!結局何もなしか!!義理ですらなしか!?期待した俺がバカだった!愚かだった!なんだよ俺超だせぇ!丈二さんのバカ〜!!
陣内は天を仰いだ。
仕事はもう終わりだ!今夜は飲もう。一人で…

陣内がやけ酒をしようとしていた頃、芹菜は探偵事務所のあるビルの屋上に来てた。
「…どうしよう……?」
芹菜は今まで感じた事のない気持ちに戸惑っていた。


266 :
>>265 GJ × 100000‥!

267 :
更新されてる!続き楽しみに待ってます!

268 :
続き楽しみにしています。
文才があるって、羨ましい(*^_^*)
大変だと思いますが、応援していますー。

269 :

141 :スロッタ−ニ− ◆MtqSLOTANI :2011/12/04(日) 22:02:56.06 ID:W1OCjP9g
スロ板なのにスロ以外の話をして欲しがる空気の読めないチンカスたちのために!
>>126
ファミレスの話。
メニューではないけど。
冬は建物・交通機関が暖房で暑すぎて不快感MAXなわけだが、夏に頭の悪い主婦軍団が
※発言の段階では頭が悪いとはわからなかったが、発言の内容により頭が悪いことが確定。
「(ちょっとエアコンが強めだった店内に対し)冬は何枚着込んでも寒いけど、夏は服を脱げば我慢できるのにねえ」
と全会一致w
いや、裸でも暑いんだけどw冬なんかそれこそ5枚でも10枚でも着ろよとw
こんな頭の悪い意見が全会一致するあたり、世の人間の大半は頭が悪いということを如実に表してますね。
311 :スロッタ−ニ− ◆MtqSLOTANI :2011/12/27(火) 22:36:14.70 ID:zvel7GpM
>>141-142
今日、郵便局に入りATMからほんの少し離れた自動ドア付近で並んでいたら
局員「お客様は並ばれてますか?」
NEETONEY「暑すぎるからドアの前にいたんだよね。」
局員「温度を確認して参ります」
いやさ、どこもかしこも全部エアコン消せよと。
百歩譲って長居する場所ならともかく、郵便局程度なんか外にいた(上着とか着たままの)格好でそのまま入るんだから、暑くて仕方ねーわ

312 :「名無しわざとか?」とかイヤミを言われた:2011/12/27(火) 23:04:52.20 ID:b8Yyn7h8
従業員の為だろ。
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/slotj/1321424162/310-312

270 :
なんか変なスレチがいる

271 :
良いところで止まってる〜(*≧∀≦*)
続き楽しみにしてます♪

272 :
>>265
続き楽しみです〜!
こういうの実写でみたいわ〜〜

273 :
漫画の陣内エンドより、こっちの職人さんが書いてくれるエピのが萌える!

274 :
うっわぁー萌え萌えですー
続きが楽しみ!

275 :
272さん!私も本当にこういうの実写で見たかったんです…(>_<)

265の続きです。

芹菜は夜空を見上げながら考えていた。
最近の私は、おかしい。
陣内の顔を見ただけで胸の鼓動が早くなる。
妙に陣内を意識してしまい、いつもの自分じゃいられなくなってしまう。
陣内と会っていない時も彼の事を考えてしまう。
こんな事は初めてだ。
今朝にいたっては彼にキスされた事を思い出してしまって、事務所に二人きりで居るのに耐えきれず、強引にペット探しの依頼を受けて外に逃げてしまった。
「…せっかく作ってきたのに、このままじゃ渡せないよう…」
芹菜はバッグの中から小さな箱を取り出した。
陣内へのバレンタインチョコだ。
この箱の中身を作っている時も箱を可愛くラッピングしている時も、気付けばいつも陣内の事を思っていた。
彼はこれをあげたらどんな反応をするのだろうか。
喜んでくれるだろうか。
美味しいと言ってくれるだろうか。
笑顔を見せてくれるだろうか。
「なんなんだろう、この気持ち…」
確かめたい。
でも確かめるのが怖い。
知ってしまったら、今までの陣内との関係が壊れてしまうような気がして……
「こんな事、前にもあったような……」
そうだ。
フミくんが、新山部長にキスされたのを見た時だ。
あの時私は見て見ぬフリをしようとした。
だけど陣内が言ってくれた。
しっかり目を開けて現実を見ろと。
そういえば、フミくんの事で私がツラい時はいつも、側に陣内が居てくれたっけ……
ふふふ、陣内に出会ってなかったら今ごろ私何してたんだろう…?
芹菜は自嘲気味に笑う。
あぁ、いつの間にかこんなにも私の中で陣内の存在が大きくなってたんだ。
やっと気付いた。
本当にバカ女なんだなぁ、私…
芹菜はバッグにチョコレートを戻した。
渡しに行こう。
早く陣内に会いたい!
芹菜は急いで屋上を後にした。


276 :
健ちゃん不足の今、ここの更新だけが楽しみw
書き手さん、ときめきをありがとう!!!

277 :
>>275
職人さまGJ!!
これはまだ続くと思っていいですか?陣内と芹菜のラブラブ状態、楽しみにしてます!

278 :
乙華麗!!
陣内にやっと報われる日がキター
芹菜からチョコ貰ったらこれ以上はないってくらいに喜びそう
続きが楽しみだー

279 :
以前話題に上った温泉ネタ、書かれている職人さんいらっしゃいますか?
もしいらっしゃらなかったら投下しようかなと思ってるんですが…

280 :
読みたい!ぜひ投下してください

281 :
温泉ネタ出した者ですが、ぜひ見たいです!投下お願いします!!

282 :
みたい、読みたい、妄想したい!
お待ちしていますm(_ _)m

283 :
温泉ネタ投下します。
エロなしで芹菜は離婚設定で、長文です。
苦手な方はスルーください。

陣内と芹菜は朝から依頼者宅の近辺に車を止めて張っていた。
事の発端は一週間前のこと。
40代後半と思われる女性が夫の調査を依頼してきた。
最近になり、毎週末ゴルフだの出張だのと言って一泊してくるようになったというのだ。
トイレや脱衣所にも携帯を持って入るようになり、明らかに様子がおかしい、浮気が疑わしいので調べてほしいという内容だった。
暫く待っていると依頼者の夫と思われる中年男性が出てきた。
「おい、出てきたぞ。」
「わかってるって。」
助手席の芹菜が何枚か写真を撮る。
男は自分の車に乗り込むと、車を発進させた。
少し距離を置き、陣内もあとに続く。
10分ほど走った後、対象の車は速度を緩め、とあるコンビニの前で止まった。
そこにはモデル風のスラリとした美しい若い女性が立っている。
その女性は対象者の車にするりと乗りこんだ。
「なんで、あんなオッサンにこんな美女が…」
陣内は悔しそうに呟く。
芹菜はちらりと軽蔑の眼差しを向けた後、すぐにカメラのファインダーに視線を戻した。
対象の車は都会の喧騒から逃れるように都心とは反対方向に走っていく。
「どこまで行くんだろうね。」
「まあ、不倫旅行だからな。近場ではないことは確かだな。長くなると思うから覚悟しとけよ。」
「陣内、お菓子持ってきたんだけど、食べる?」
芹菜はパンパンのリュックからスナック菓子を取り出し、陣内に勧める。
「いらねーよ!んなもん持ってくんな!遠足じゃねぇんだぞ!お前それ全部お菓子じゃねえだろうな?
…それにスナック菓子なんて喉乾くだろ。途中でトイレ行きたいなんて言っても知らねぇからな!」
「や、やだなぁ。そんなのわかってるよ。」
芹菜はリュックの中から出そうとしていたジュースを慌てて引っ込める。
はぁ。いつも怒ってばかり。私のこと相棒だと思ってくれてるんだろうか。
雑用係としか思われていないような…。
芹菜は真剣に対象者を追って運転している陣内を見つめる。
恋人同士なら楽しいドライブといったところなんだけど。
なんだかこうしているとフミ君とドライブ行った時のことを思い出す。
フミ君しか見えていなかったあの頃。
あの頃の私は何も知らず、ある意味幸せだったのかもしれない。
フミ君への好きという気持ちも実はただの憧れだったということに気付かず…


284 :

「天気が悪くなってきたな。」
陣内の言葉にハッとする。
しまった。長い間と考え込んでしまっていたようだ。
車が今までとは全く違う風景の中にいることに気付いた。
辺りは鬱蒼とした木々に囲まれ、山の中に入ってきているのがわかる。
見上げると厚い雲が空を覆ってきていた。
ぽつぽつと水滴がフロントガラスに付いたかと思うと、あっという間に本降りになる。
「すごい。降ってきたね。」
「まったく。ツイてねぇな。」
対象の車は小さな看板のところで右折する。
どうやら宿のようだ。
奥に鄙びた小屋のようなものが見えた。
少し間をあけて陣内は右折する。
入っていくと駐車場に車を止め、仲良さそうに寄り添って歩く対象者と女性の姿があった。
雨で視界が悪いが、芹菜は写真を撮る。
陣内も車を止め、後部座席から傘を取り出し、芹菜に渡す。
「ほら。一本しかねえからお前使えよ。」
そう言って車のドアを開け、土砂降りの中に飛び出していった。
「待ってよ。濡れちゃうよ。一緒に入ろうよ。」
芹菜は慌てて車を降り、傘を開きながら陣内に駆け寄る。
「いいって言ってんだろ。」
「だって宿まで結構距離があるから濡れちゃうよ。しかもこんなに寒いし。風邪でもひいたらどうするの。」
陣内は観念したように芹菜が差し出した傘の中に納まった。
傘はそんなに大きくないため、必然的に密着する形になる。
横にいる芹菜の体温を意識している自分に気付き、相合傘でドキドキするなんて中学生のようだと苦笑する。
「どうしたの?」
「何でもない。傘…持ってやるよ。」
一瞬芹菜はきょとんとするが、すぐに「ありがとう。」と言って笑った。

本日はここまでで。また続きます。

285 :
きゃーー温泉ーーー
続き楽しみです!

286 :
最高でした!続きが楽しみすぎてヤバいっす。
もちろん温泉はお泊まりですよね―

287 :
温泉ネタ続きです。

すこし歩くと茅葺屋根の山門があり、そこをくぐると古民家のように趣のある母屋があった。
先ほど入ってくるときに見えたのはこの建物のようだ。
中に入るとそこがロビーになっていた。
その母屋を抜けたところに部屋と思われる離れがあり、それぞれ独立した一戸建てのようになっている。
数は少なく、4〜5棟といったところか。
なるほど、これならプライバシーは守られるし、この古風な雰囲気と高級感は女性に好かれそうだ。
すでに対象者たちは宿帳を記入し終え、部屋に案内されるところだった。
「いらっしゃいませ。お足元の悪い中、ようこそお越しくださいました。ご予約のほうは?」
「あ…。予約してないんですけど…。」
「2名様一室であればございますが…。本日は生憎それ以外の部屋はいっぱいでして…。」
「一室!?」
芹菜は驚いて声を上げる。
陣内は急いで芹菜の手を引っ張り、小声で話しはじめた。
『おい!大声出して目立つようなことすんなよ!』
『だって、一緒の部屋なんて…』
『俺だって、誰が好き好んでお前なんかと。帰りたきゃ帰れよ。その代わり車は調査に必要だから使うなよ。』
『そんなぁ。』
この山の中だ。電車はおろかバスも走ってないだろう。
タクシーを呼べば何とかなるだろうが、帰るには数万円かかりそうだ。
もちろんそんな余裕は芹菜にはない。
この土砂降りの中、歩いて帰るしか方法はなく、あっけなく芹菜は降参した。
『…襲わないでよ。』
『それはこっちのセリフだ。バーカ。』

288 :
「こちらです。」
芹菜と陣内は仲居に部屋まで案内される。
対象者たちは少し離れた部屋のようだ。二人が入っていく様子が見えた。
芹菜たちの部屋の中は広く、中央には囲炉裏があり、なかなか風情がある。
その奥には障子で仕切られる部屋がもう一つ見えた。
「お部屋にも温泉がついておりますが、当宿は露天風呂も人気でして。皆さんそちらに行かれることが多いです。
ただ、本日はこのお天気なので…。今お茶をお入れいたしますね。」
仲居は慣れた手つきで茶を入れ、芹菜と陣内に渡す。
「新婚さんですか?お似合いですね。」
「ちがっ…!」
芹菜が否定しようとすると陣内が睨む。
そうだった。目立つようなことをしてはいけない。
ここで夫婦ということを否定すると、二人で泊まっている理由が怪しくなってしまう。
「そうなんです。仕事が忙しくてなかなか一緒に過ごせなかったもので。
さみしい思いをさせてしまっている妻に少しでも罪滅ぼしをと思いまして…。」
陣内がすらすらと喋る。
「まあ、仲のよろしいことで。ではごゆっくり。」
仲居はそう言って出て行った。
「はー。疲れたなぁ。」
芹菜は囲炉裏の前の座布団に座り、思い切り足を延ばす。
「あ、雨が止んでる。今のうちに露天風呂行ってみようかな。陣内は?」
「俺は…そうだな、散歩する振りをして二人の様子を見に行ってくる。」
「ふーん。じゃあまたあとでねっ。」
芹菜は部屋にあった浴衣を手に持ち出ていった。
お遊びじゃねぇんだぞ、とも思うが、こんな山奥まで付き合わせたのは俺だしな、と軽い罪悪感に苛まれる。
おまけに一緒の部屋にも泊まることになって…。
あいつ嫌がってたなぁ。そんなに俺と泊るのが嫌なのか。
はあー。俺って報われねー。
陣内は大きく肩を落とし、対象者の部屋に向かって歩き出した。


289 :

陣内が部屋に戻ってくると、芹菜はすでに戻ってきていて、運ばれてきていた料理をうれしそうに眺めていた。
「見てー。とーってもおいしそう。陣内もいつもあんまりいいもの食べてないもんね。
陣内が帰ってくるのずっと待ってたんだよ。対象者たちはどうだった?」
「ま、造りが頑丈だからな。話も聞こえて来やしない。
明日朝早くから張って、宿から出てくるところを撮ることにするよ。」
「そっか。大変だね。明日も頑張ろうね!さ、早く食べよ。いったっだきまーす。」
うれしそうに頬張る芹菜を見て、陣内も思わず微笑む。
この笑顔が見られるならなんでもいいか。
そう思いながら陣内も料理に箸を付ける。
「確かにうまい。」
「でしょー。あ、ねえねえ、これ、陣内好きだよね。」
芹菜がだし巻き卵を陣内の皿に乗せる。
こいつ、俺の好物知ってんのか。
陣内は驚いて芹菜を見る。
「ん?どうしたの?」
「お前、なんで卵焼き好きだって知ってんだよ。」
「だって、私が差し入れする弁当の卵焼き、最後まで残して大事そうに食べてんじゃん。すぐわかるよ。」
「…よく見てんな。」
「あったりまえだよ。探偵に大事なのは観察力、行動力、決断力だよっ。」
「調子いいやつ。」
「へへっ。」
二人は笑いあう。
陣内は幸せな気持ちになる。
目の前にいる芹菜は化粧を落として素顔のせいかいつもよりあどけない。
湯上りのせいかほんのりと頬が赤く染まっているところもかわいくみえる。。
アップにまとめた濡れ髪がそんな幼い顔立ちとは対照的に大人っぽさを感じさせる。またその姿が浴衣と非常に合っている。
なんだか本当に新婚みたいだな。ずっとこんな風にしていられたら…。
「陣内、何ニヤニヤしてんの?」
「バ、バーカ。誰もニヤニヤなんかしてねえよ。それより現金な奴だな、お前は。さっきまで一緒の部屋なんてイヤ!なんて言ってたくせによ。」
「えへへ。だって、こんなに素敵なところでこんなに美味しいものが食べられるなんて思わなかったんだもん。
さてと。ふぅ。もうおなかいっぱい。私もう一回お風呂入ってこようかな。」
「また入んのか。女ってホント風呂好きだな。」
「だって、ここの露天風呂、とっても素敵なんだよ。もう2度と来れないかもしれないから堪能しなくちゃ。陣内も入ってきなよ。」
「じゃあそうすっか。」
芹菜と陣内は部屋を後にし、露天風呂の方へ向かった。
               続く
すみません。また明日投下します。

290 :
GJ !!

291 :
楽しみにしてます(^o^)
ありがとう

292 :
続き気になる!
楽しみに待ってます
そういえばもう1人投下してくれてた方がいたけど、
まだこのスレにいますか?

293 :
いいないいな〜!
続き楽しみ!

294 :
292さん 当方バレンタインネタ書いてた者ですが、私の事ですかね?居ますよ〜(^-^)
温泉ネタ続き楽しみです♪
私も近いうち続き投下します!

295 :
温泉ネタ続きです。
「こっちだよ。」
芹菜が指さす方を見ると、“男”“女”と書かれた暖簾が見えた。
どうやら男湯と女湯は隣り合わせのようだ。日によって男女を入れ替えているらしい。
「陣内もゆっくりしておいでよ。」
「ああ。」
暖簾をくぐり、中に入る。
中には誰もいなかった。
雨上がりのせいもあり、とても寒い。
陣内は早速湯につかる。
湯は熱めだが、これくらい寒い日にはちょうどいい。
大きな岩を集めて造られた露天風呂はかなりの広さで、独占するのが申し訳ない位だ。
周りには大きな木々が生い茂っている。
露天風呂から身を乗り出し下を覗くと、暗闇でよく見えないが、小川が流れているようだ。
昼間に入ると絶景なんだろうな。
露天風呂が人気といったあの仲居の言葉にも納得できる。
ゆったりとくつろいでいると隣から芹菜の声が聞こえてきた。
「じんなーい。聞こえるー?」
「お前、何話しかけてんだよ!」
「だってー、こっち誰もいないんだもん。そっちはー?」
「こっちも誰もいねーよ。」
「ここのお風呂いいでしょ?」
「ああ、本当だな。」
「この木はみんな桜なんだって。春は桜が満開になって、それは見事らしいよー。ねーねー春も来ようよ。社員旅行として。」
「そんな余裕あるわけないだろ。」
「ふーんだ。ケチー。」
春に桜を見ながら露天風呂か…。
綺麗だねーと興奮しながら無邪気に喜ぶ芹菜を想像する。
それもいいかもな。
さてとそろそろ出るか。
これ以上入ってるとのぼせそうだ。
「俺はもう出るからな。」
芹菜に声をかける。
「どーぞ。私はもうちょっとゆっくりするから。」
陣内は浴衣に着替え、部屋に戻ることにした。


296 :

陣内が部屋に戻ってくると、先ほどとは違う部屋の様子に呆気にとられた。
「…なんだ?これ。」
部屋には二組の布団が隙間なく並んで敷かれている。 
新婚だといったのが仇になったか。
やべえ!こんなとこあいつに見られたら、どんなに怒り狂うことか。
戻ってくる前に何とかしないと。
陣内が布団を引き離そうと手をかけたその時後ろで悲鳴が聞こえた。
「きゃあ!ちょっと!何やってんのよ!」
芹菜が並べられている布団を見て立ち尽くしている。
「ち、違うんだ。俺が戻ってきたら、もう敷かれてて…。」
「陣内のエッチ!セクハラ!信じらんない!」
芹菜は涙目になりながら、布団を引っ張っている。
「だ、だから違うんだって…。」
誤解だってば。そりゃあちょっとだけ並んで寝られたらとは思ったけど。
陣内は心の中で泣いた。
芹菜が布団を隣の部屋に敷き終えたその時、窓の外からザーッという音がする。
「また、雨が降ってきたみたいだな。」
陣内が窓の障子を開け、外を見ると大粒の雨が降っていた。
「えー。明日帰れるかなぁ。」
芹菜も窓の方に近寄る。
すると遠くの方でゴロゴロと音がした。
「雷かな」とつぶやくと
「えっ」と芹菜が不安そうな声を上げた。
次の瞬間、窓の外がピカッと光る。
「きゃあ!」
陣内の背中に何かがぶつかってきた。
芹菜だった。
芹菜はぶるぶる震えながら陣内の背中にしがみついている。
「お前…」
「え!?あ、あ、ごめん!」
芹菜ははっとしたように陣内から離れた。
「ひょっとして…お前、雷苦手なんじゃねえの?」
陣内はニヤニヤしている。
それが癪に触って
「ち、ち、違うよ!びっくりしただけだもん!」と顔を真っ赤にしながら言い返す。
そう言い返した割には陣内の羽織の裾をきゅっと握って、小さく震えている。
「ふぅーん。」
陣内がさらにニヤニヤしていると、またもや窓の外が光る。

297 :

「きゃああ!」
芹菜は思い切り陣内に抱きつく。
陣内も突然のことで支えきれず、倒れ込んだ。
ちょうど芹菜が押し倒す形になってしまい、慌てて芹菜は体を離し、座りなおず。
「あ、あ、ご、ごめんね。」
陣内も起き上がり、座りなおす。
「大胆な奴だな。そんなに俺を襲いたいワケ?」
「ちょ、ちょっと!何勘違いしてんのよ!」
そう言いながら強がってはいるものの、芹菜の手はぶるぶると震え、顔は恐怖で真っ青になり今にも泣きだしそうだ。
軽くパニックになっている芹菜を見て、からかい過ぎたかなと反省する。
陣内の胸がキュウと痛んだ。
「まあ、意地張るなって。」
そう言って芹菜を引き寄せると、すぽりと自分の腕の中に収めた。
外ではまたゴロゴロとなり、しばらくすると光っているのがわかる。
「こうすると落ち着いてくるだろ。」
陣内が芹菜を抱きしめたままま優しく頭をなでる。
芹菜は一瞬体を固くするが、確かにこうしていると少しずつ恐怖が薄れていくのを感じていた。
本当だ。この大きな腕に包まれているとなぜだかすごく安心する。
そして、陣内はすごく不器用だけど…さりげなく優しいところがあるんだなと思う。
ここに来た時も自分を一生懸命濡らさまいと傘を傾けて、陣内のもう一方の肩がびしょ濡れになっているのに芹菜は気付いていた。
本当はすごく寒かっただろう。
そういえば、以前助けてと電話したら、文句を言いながらもすぐに駆け付けてくれたこともあったな。
あれはもと子に正体がばれそうになった時だ。
後で呼び出された理由を聞いて陣内は怒ってたけど。ふふ。
フミ君の会社で梶木に襲われそうになった時、すぐに助けてくれた事もあった。
いとも簡単にあいつを倒して、ちょっとだけ見直したっけ…。
今までのことを思いだし、芹菜はある結論にたどり着く。
ああ、なんだ。私っていつも守られているじゃない。
馬鹿だのアホだの憎まれ口をたたいてくるくせに、いざとなるとそばで私を支えてくれた。
そう思うと芹菜は陣内に申し訳なく思った。
さっき、エッチだなんてひどいこと言っちゃったなぁ。
少しはだけた浴衣の胸元から覗く陣内の引き締まった胸板や形のいい鎖骨を目の当たりにし、芹菜はどきりとする。
恐怖感はすっかり消え失せていたが、もう少しだけこのままで居てもいいよね…と芹菜は思い、陣内の胸にそっと自分の頭を預ける。
トクントクンと聞こえてくる陣内の鼓動やほのかに香るせっけんの香りに、芹菜は何とも言いようのない安心感に包まれた。
なんて心地いいんだろう。
芹菜はそっと目をつぶる。
「この感じだと雷はそう近くないようだな。」
陣内の声が遠くに感じる。
芹菜は心地良さの中で徐々に眠りの海の中に漕ぎ出していた。


298 :

「もう治まったみたいだぞ。」
陣内はゆっくり体を離そうとすると、芹菜の体がくにゃりと力が抜けているのがわかる。
すっかり寝てしまったようだ。
さっきはかなりおびえていたけれど、もう大丈夫そうだな。
陣内は安堵し、芹菜の体を抱きかかえ、布団に横たえた。
その拍子に浴衣が少し乱れ、胸元と太腿がちらりと見える。
陣内は動揺する。
…こいつ誘ってんのか!?こんな状況で、襲ってくださいって言ってるようなもんだろ!
無防備すぎるんだ!ちょっとは男の怖さってやつを思い知った方が…
思わず芹菜の方へ手を出そうとするが、すぐ引っ込める。
だ、だめだ!眠っている女に手を出すなんて。
起きたらどんなにあいつが傷つくかわかってるだろ。理性を保て!頑張れ、俺!
陣内は必で自分を押しす。
大体さっきだって芹菜を抱きしめながら、自分が抑えきれなくなる欲望と戦っていた。
それ以上にこの状況は生しだ…。
悶々としている陣内を尻目に、芹菜は気持ちよさそうに寝息を立てていた。
「おはよう!」
帰り支度を終え、元気よく芹菜は助手席に乗り込んでくる。
「…おはよう…」
「うわっ!どうしたの?陣内、目が真っ赤だし、クマがすごいよ!」
「…昨日眠れなかったんだよ…」
「そっかぁ。雷、すごかったもんね。陣内も実は雷が怖かったんだね。」
(ちげーよ!お前のせいだろ!)陣内は一生懸命この言葉を飲み込む。
「対象者たちは?」
「もうとっくにチェックアウトしたよ。お前がグースカ寝てる間にな!」
「ごめん…。ねぇ、私が運転しようか?」
「いいよ。お前の運転より寝不足の俺の方が数倍上手いに決まってんだろ。」
「実は私、仕事がお休みの日、運転の練習してるんだよ。もう右折もスムーズにできるし、追い越しだってバッチリだよ。
高速だって怖くないよ。…だから…たまには私を頼ってよ。相棒なんだから、さ。」
相棒か…。陣内は運転席を降りると、助手席にまわり、車の鍵を芹菜に渡した。
「じゃ、頼んだぞ。相棒。」
その言葉を待っていたかのように芹菜は大きくうなづき、運転席に座りなおす。
「じゃあ、帰ろっか!」
芹菜は陣内に笑いかけると、エンジンをかけ、発車させた。
   
              終わり
温泉ネタのアイデアくださった方ありがとうございました。
もし期待はずれだったらごめんなさい。
あと、芹菜が温泉で痴漢に覗かれる→陣内が烈火のごとく怒って痴漢をフルボッコw
みたいなエピも入れようかなと思ったのですが、あまりにも長すぎるのとハプニングてんこ盛りになってしまうのでやめました。
こんな長文&駄文にお付き合い頂きありがとうございました。


299 :
GJ!萌えました!
ドラマのキャストが浮かびます
>>294
>>292です
よかった!楽しみに待ってます

300 :
温泉ネタ出してよかった!!!
乙でしたそしてありがとうございます〜。゚(゚´Д`゚)゚。
最強に萌えました〜!!
みんなでネタ出したほうが書き手さんも文考えやすいかもしれないですね

301 :
乙でしたー!陣内の葛藤とか想像すると萌え萌え!
もっと見たーい。と要求ばっかりでネタが出せない脳ですいません(´;ω;`)

302 :
ドラマが9話しかなくて物足りなかった分このスレで潤っています
職人様達ありがとう

303 :
保守

304 :
エロなしですが投下します。
芹菜が離婚した前提です。
また、陣内が女々しいので、苦手な方は流してください。

芹菜が事務所の扉を開けると、つんと香る酒のにおいとともに数本の床に転がった発泡酒の空き缶が目に入った。
陣内は、もう何杯目か分からない酒をあおったところだった。
あわてて芹菜は陣内の手からグラスを奪い取ると、代わりに水を注いで差し出す。
「あんまり、お酒飲み過ぎたらだめだよ」
陣内は一瞬躊躇して受け取り、一気に飲み干した。
ほどほどにね、と芹菜は微笑む。
まるで幼子を諭す物言いが、陣内はまったく面白くなかった。
衝動的に陣内は芹菜の手首を捕まえると、そのまま抱き寄せる。
ふわりとアルコールが香った。
「え、ちょ、ちょっと?」
芹菜はすっぽりと陣内の胸の中に収まってしまった。
突然の事に身体をすくめ、どうにか逃れようと身をよじり抵抗するが、檻は強固だった。
仕方なく顔を上げると、陣内はいつものようになにか難しそうな顔をしている。
一見普段の無愛想な表情だが、かすかな違和感に芹菜は気付く。
陣内の瞳をまっすぐに射抜き訊ねた。
「…ねえ、どうかした?」
今日の陣内は変だ。
酒のせいか、顔には朱が差し目は据わってるけど、そんなことじゃなくて。
「別に」
そう言いながら、芹菜からふいっと視線を逸らす。
そして小さく舌打ちすると芹菜の小さな肩に顔をうずめた。
より濃い酒の香りが、芹菜の鼻腔をくすぐる。
芹菜は思わずびくりと身体を強張らせる。
その緊張が陣内に伝わったのだろう、腕の締めつけは弱まり、芹菜はホッと一息つく。

305 :
「なにかあったの?」
「…」
反応はない。
芹菜はむっとしてもう一度問う。
「聞いてる?」
「……うるせぇ…」
相変わらず顔は沈んだままで、肩からくぐもった声が洩れる。
肩に陣内の吐息がかかり、少しくすぐったい。
「別に、なんでもねぇよ」
小さく呟き、陣内は芹菜をより強く抱きしめた。
芹菜は圧迫感に眉根を寄せるが、陣内にその顔は見えない。
「陣内、くるしいよ」
困り果てた声を上げても力は緩まない。
それどころか、わずかばかり強さを増した。
「…おまえ、もうしゃべんな」
どこか、拗ねたような口ぶりだった。
しばしきょとんとして、芹菜は静かにくすりと笑う。
なにか嫌なことがあったのかな。
なんだか身体だけ大きな子供みたい。
芹菜は右手をそっと陣内の背中にまわし、その広い背中を優しくさする。
幼い頃、泣いて家に帰るとお母さんはよくこんな風に慰めてくれたっけ。
あたたかくて、不思議と涙が治まるんだよね。
芹菜は懐かしい記憶を思い出して、ふふ、と笑い声が口からもれる。
泣きじゃくる私も、お母さんには同じように映っていたのかな。
陣内ってば、案外子供だし。
笑い声を拾ったのだろうか、芹菜の横からいっそう不機嫌な声が聞こえた。
「…なんだよ」
「そんなに意地張らなくてもいいのに」
優しく穏やかな声を紡ぐ。
返事はやはり返ってこない。
それでも、芹菜には沈黙が心地よく思えた。

終わり
陣内がおセンチな理由は脳内補完でお願いします…!
失礼しました

306 :
バレンタインネタ
275の続きです。

「陣内っ!!」
芹菜が勢いよく事務所に入ってくると、陣内はまるで宇宙人を見たかのように驚いた。
「っ!?お前……」
幻ではないだろうか。
今日はもう会えないと思っていた愛しの女が、また目の前に現れたのだ。
「帰ったんじゃなかったのか。忘れ物か?」
「…うん。忘れ物、かな?」
芹菜はえへへ、ときごちなくと笑うと恐る恐る自分のバッグから小さな箱を取り出し、陣内に差し出した。
「陣内……これ、あげる!」
可愛くラッピングされたその箱は、紛れもなくバレンタインチョコレートだった。
うそだろ。
やっぱり幻ではないのか?
いや、俺は酔っぱらって寝てしまい夢を見ているんじゃないだろうか?
「い、嫌だ?いらない?」
固まってしまった陣内の反応に不安になった芹菜の瞳が潤む。
「い、い、嫌な訳ねーだろ!!ただ、びっくりしただけだ!まさかお前がくれるなんて思ってもなかったからな…」
陣内は芹菜の手からとてもとても大事そうにその箱を受けとった。
「あ、ありがとよ……そ、その、マジで嬉しい…」
「本当!?よかったぁ…」
芹菜はホッと胸を撫で下ろした。
陣内が喜んでくれた。よかった。
でも問題は……
「食べてもいいか?今。」
「うん…。」
芹菜の表情がまた不安気になったが、それに気付かず陣内は丁寧にラッピングを外し箱のフタを開けた。
中には可愛くデコレーションされた一口サイズのチョコが六個入っていた。
「いただきます。」
その中の一個を取り、パクリと口に放り込んだ。
じっくりとかみしめるように味わう。
「…ど、どう?」
芹菜が不安そうに尋ねる。「……。」
「陣内?」
陣内の顔に笑みがこぼれた。
「………美味い。」
「本当っ!?」
「すごく美味い。俺好みの味だ…」
チョコを噛んだ瞬間、フワッとウイスキーの香りが口内に広がる。
陣内の一番好きな酒の味だ。
そのチョコはウイスキーボンボンだった。
美味すぎる。
陣内は目に涙が浮かびそうになったがこらえた。
夢にまで見た、愛する女からのバレンタインチョコレートだ。
陣内はもう一つチョコを口に入れ、また幸せをかみしめた。

続きます。

307 :
うおーっ!
待ってましたー
しかも2つも投下されてるなんて
弱った陣内にめちゃ萌え
いつも強がってばかりなんでこういうのもいいですねえ
バレンタインネタも乙です!
チョコ渡せてよかった…
続きが楽しみだー

308 :
>>304-305
やばい萌えました…すごくよかったです!
>>306
待ってました!連ドラ観てるような感じで毎回ドキドキです
次もドキドキできるの期待しちゃいますw

309 :
306の続きです。


「よかったぁ〜!実はそれ生まれて初めて作ったの!」
「作ったって…もしかしてこれお前の手作り!?」
「うん!実はね、陣内にチョコあげようって思ってから、陣内の事色々調査したんだぁ。
ほら、陣内ってあんまりお菓子食べないじゃない?チョコ苦手だったらどうしようって思って、仕事終わりに尾行してみたり、丈二さんとか涼音さんに聞き込みしてみたの!」
自慢気に話す芹菜を陣内はただただ見つめる。
「そうしたら、涼音さんはあんまり甘くないチョコのほうがいいんじゃないって言うから、
最初はビターチョコとか考えたんだけど、陣内が行きつけのバーでいつもお気に入りのウイスキーしか飲まないってわかって、
どうせなら一緒にしちゃおっかなって思って♪ボンボンにしてみたの!」
「…だけど、ウイスキーボンボンってけっこう作るの手間かかるんだろ?」
「うん!けっこう難しかったな〜、でも、陣内の喜ぶ顔が見たくて頑張っちゃった!美味しいって言ってもらえてよかった!」
芹菜は満面の笑みを見せた。
まるで天使のようだった。
陣内は観念したかのように呟いた。
「…まいったな。」
こいつ、俺の為にそこまでしてくれてたのかよ。
「……敵わねえよ、お前には。」
「ん?」
陣内は思うよりも先に体が動いていたようだ。
気づくと芹菜を抱き締めていた。

310 :
陣内は1話でケーキとか食べてた気がする

311 :
>>310
確か芹菜を尾行してた時だったよね
何個か皿に盛ってもりもり食べてて気がするw

312 :

食べてて→×
食べてた→○
ごめんなさい

313 :
きゃー
芹菜が抱き締められてる
ドキドキ

314 :
一話見てないんだよなあ…見逃しちゃって
やはりDVDBOX買うしかないか

ウイスキー飲みたくなってきた
ツマミはチョコレートで

315 :
310さん御指摘ありがとうございます(>_<)
私も一話の前半は見逃してしまってたので、その辺わかりませんでした…(T-T)あくまでも私の勝手な妄想小説ですので、ドラマとは別物として見てください

309の続きです。

「じ、陣内?」
突然の行動に芹菜は困惑する。
抱き締められるのはもちろん、これほど密着したのも初めてだ。
陣内の鼓動が聞こえる。
とても早い。
チョコを喜んでもらえた事で少し緊張が解けたのに、芹菜の鼓動は一気に早くなり、自分の顔が真っ赤になったのを感じた。
「ど、どうしたの…?」
「…ちくしょー、なんで俺がお前みたいなバカ女に…。」
「陣内?」
「好きだ……芹菜。お前が離婚する前から、ずっと……。」
「え…?」
「芹菜」と呼ばれて胸がトクンと鳴った。
思いもよらない告白に芹菜は混乱した。
「うそ…!だってあんなに普段私のバカにして、こき使って…」
「嘘じゃねえよ。」
そう言って抱き締めている腕の力を強める。
「好きで好きでたまんねぇ。お前を独占したい。お前と触れ合いたい。お前とキスもしたいしセックスもしてぇ。…ずっと思ってた。お前の全てが好きだ。人の気持ちがよく分かる子のはずなのに、俺の気持ちにだけは鈍感な所もな!」
陣内の真剣な告白を芹菜は黙って聞いていた。
そんなに私の事、思ってくれてたなんて…。
一回キスはされた事はあったけど、泣いてる私の気を紛らわす為だと思っていた。
どうしよう。
急に彼の鼓動、胸板の厚さ、体温、抱き締められている腕の筋肉、全てを意識してしまう。
「ダメだよ、陣内…。」
また拒否の反応をされるのか、と陣内が心の中で嘆いた瞬間、
「そんな事言われたら、私、ドキドキしすぎてんじゃうよぅ…。」
芹菜は陣内の腕の中で陣内を見上げながら言った。
陣内の視点からだとちょうど上目遣いになってしまい、さらに潤んだ大きな瞳が陣内を理性を揺さぶる。
こ、こいつわざとやってんのか!?
こんな時でも俺を挑発しやがって…!


316 :
>>315 さんGJ ‥!!

317 :
うわ〜もっとやって〜
読んでてニヤニヤした

318 :
>>315さん、乙です!
陣内の告白が直球ストレートすぎて(*´Д`)ハァハァ
この続きが待ち遠しいです
陣芹で新婚バカップル生活を妄想してみました。
1話の始めのほうのシーンを陣内に置き換えているところがありますので
見逃した方で不快に思われたらごめんなさい。

起こしたくない。もっとずっと見ていたい。
長いまつ毛、男らしいきりっとした眉、スーッと通った鼻筋、形のいい唇。
顔だけじゃない。頭もすごくいいのよ。東大卒なのよ。
あ、でもまあいいか。明日の朝もまたこの寝顔見れるんだもん。
明後日も明々後日も。だって、私たち夫婦なんだもん。えへ。
「じんなーい。おはよう。七時だよっ。」
起こされて目を開ければ愛しい芹菜がいる。
至福の時だ。
「おはよう。もう朝か。」
陣内は大きく伸びをした。
芹菜が事務所のブラインドを開け、まぶしい光が差し込んでくる。
テーブルの上にはサンドイッチとコーヒーが並んでいた。
「早く座って。朝ご飯食べよ。」
芹菜に促され陣内は椅子に座る。
「ねえ今朝のサンドイッチどう?新作なの。」
「うまい!お前、料理の腕だけは超一流だな。探偵の腕はさっぱりだけど。」
「ちょっとぉ。何よそれ。」
「それより、お前さ。その陣内って呼ぶのやめろよ。
結婚したんだからお前だって陣内だろ。」
「だって、クセになっちゃってて。なんて呼んだらいい?
春樹さんじゃ固すぎるし、春クン?ダーリン?それとも…あ・な・た?」
陣内はコーヒーを吹き出しそうになる。
あなたかぁ…。
陣内の頭の中には『あなた』と呼ぶピンクのエプロンをした芹菜とその頭を優しく小突く自分の姿が浮かぶ。
俺、実はそういうの憧れてたんだよなあ。
でもジョージさんが聞いたら、一生いじられ続けるに違いない。
それは小っ恥ずかしすぎる。
「じゃあ春樹でいいや。」
「でも、春樹だって私のこと名前で呼んでくれないじゃん。
いつもお前とかバカ女とかばっかり。ずるいよ。」
「わかったよ。芹菜。これでいいか?」
「ついでに愛してるって言って。」
「えええっ!!やだよ!なんでだよ!」
「私のこと愛してないんだ…。」
芹菜は泣きそうな顔をする。
これが演技だってわかってる。だけどこの手の顔には弱いんだ。
全く…こいつって奴は…探偵になってから俺を弄ぶ術まで身につけやがった。
「あ゛ーっ!もうわかったよ!言えばいいんだろ!
…愛してるよ、芹菜。これでいいだろ!?」
陣内は少し視線をそらし、顔を赤らめながら言った。
「よろしい。」芹菜はにっこりする。
畜生。なんて可愛い笑顔なんだ。
本当は何度だってその愛しい名前を呼びたいし、飽きるほどその柔らかい体を抱きしめたいと思うが、そんなのは俺のキャラじゃない。
陣内は必で冷静を装う。



319 :
<続き>
「ええと…私は今日素行調査が一件とこの前の件の結果を依頼人に報告してくるよ。春樹は人探しだったよね。」
「ああ。色々と訳ありの人物らしいから、ちょっと時間かかるかもな。その間の簡単な依頼はお前…じゃなかった芹菜に任せるよ。」
「任しといてよ。きちんとやり遂げて見せるからさ。」
「今日は遅くなると思うから。ちゃんと戸締りしとけよ。」
「そっかぁ…。今日は遅いのかぁ…。」
遅くなるという言葉を聞いて芹菜は淋しそうな顔をする。
そんなに俺と一緒に居たいのか。
ふとした時に見せる素直さがとてもいじらしく、そしてたまらなく可愛い。
陣内は思わず芹菜を抱きしめた。
「じゃあ行ってくるから。」
そして名残惜しそうに芹菜にキスをする。
いつもの行ってきますのキス。
だが今日はいつもと違った。
陣内の舌が入ってくる。
芹菜は一瞬驚くが、すぐにそれを受け入れ、ぎこちなく舌を絡め合う。
すると陣内は待ちきれないとでも言うように芹菜のセーターの裾をたくし上げ、右手をキャミソールの中に滑り込ませる。
「ちょ、ちょっと朝から…」
芹菜は唇を離し、拒否の姿勢を見せるが、離すまいともう一方の手で強く抱き寄せられる。
陣内の唇が優しく首筋をなぞる。
「だめだ…。もう我慢できねーよ。」
陣内に甘くささやかれ、芹菜は抗うことができない。
少しだけなら…と思い直し、流れに身を委ねようとしたその時…
「おっはよー。陣ちゃーん!芹菜ちゃーん!」
事務所の扉が開いて丈二が入ってくる。
二人は反射的に体を離した。
「あれ?俺、お邪魔だったかな?」
陣内が憎々しげに丈二を睨み、小さく「行ってきます…」とつぶやいた。
「あ…行ってらっしゃい。気を付けてね!」
「くーっ!やっぱり新婚ってのはいいねぇ!」
嬉しそうにはしゃぐ丈二を見て、芹菜と陣内は「ははは…」と乾いた笑い声をあげる。
今度からはきちんと鍵をかけておこうと思う二人だった。
         終わり

320 :
>>318
うわー!なんだこれ!
とっても萌えました!GJ!!

321 :
新婚バカップル素敵GJ!
ジョージさんになって覗き見したいw

322 :
かわええ!たまらん(*´д`*)ハァハァ

323 :
今日2月4日はドラマで陣内春樹をやった桐谷健太さんの誕生日ですね
32歳おめでとう (^O^)

324 :
>>318
乙、乙、乙ー!
朝からムラムラする陣内に自分もムラムラw
そういえば陣内の誕生日っていつなんだろ?
原作にも描かれてなかったような
個人的には3月3日とかちょっと可愛らしい日が似合いそうだと思うw

325 :
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2012/02/02/jpeg/G20120202002553150_view.jpg
これ陣内が眼鏡かけたみたいで萌えた

326 :
>>324
誕生日だったらこんな流れになるのかな
芹:「じんなーい!もうすぐ誕生日だねー。プレゼント何がいい?」
陣:(ポツリと)「…お前が欲しい。」
芹:「えー?なぁにー?聞こえないよ。」
陣:「なんでもねぇよ!」(顔真っ赤w)
>>325
陣内タン…(*´Д`)ハァハァ

327 :
そういやドラマの陣内はサングラスかけてないね


328 :
遅くなってしまったのですが…
萌え無しただの時節ネタです

陣内が事務所のドアを開けると満面の笑みをたたえた芹菜が立っていた。
「おはよう!ずっと陣内を待ってたんだよっ。」
待ってた…?俺を…?
思いもかけないセリフに陣内の胸は高鳴る。
「ね…。目をつぶって。」
芹菜に可愛く懇願され、陣内は素直に目を閉じる。
自分の顔に何かが被されていくのを感じた。
ヲイヲイ、朝から覆面プレイかよ…。顔に似合わず大胆なヤツだぜ。
陣内の胸は期待ではちきれそうだ。
「鬼はー外ー!!福はー内ー!!」
芹菜の掛け声とともに陣内の体のあちこちに鋭い痛みが走る。
「いっ!!!いってぇ!!何すんだよ!!」
「何って豆まきだよ。今日は節分。陣内は鬼ね。」
容赦なく芹菜は陣内に豆を投げつける。
「痛!お前、所長にこんなことしていいと思ってんのか!!」
「あ、ジョージさんも投げますか?」
「おお!いいねー。こういう昔ながらの行事は大事にしないとね。」
「ちょ、ちょっと!なんでジョージさんまで!!」
「鬼はー外ー!!福はー内ー!!」
丈二と芹菜の元気な声が事務所に響く。
お、俺ってこんなんばっか…orz
陣内は鬼の面の下で静かに涙を流すのであった。
<終わり>
成田山で芹菜とふみくんが豆まきしてたので。
陣内も仲間に入れてあげたかった。

329 :
>>328
oh…陣内どんまいw
乙です!

330 :
>>326それ萌える〜(*´д`)ハァハァ
>>328GJ!!陣内と芹菜らしいなww

331 :
>>328
ウケたw
もう一回芹菜と陣内の軽妙な掛け合いが見たいな
無理なのはわかってるんだけどさ

332 :
>>325
この格好に変装している陣内を見て、
おもわずドキドキしちゃう芹菜・・・とかが見たいw

333 :
>332
それ萌えるわー
ついでに銀行繋がりで銀行に潜入調査して横領なんかを暴いてほしい
当然芹菜は危険な目に遭い、間一髪で陣内が救出
そして「お前にもしものことがあったら、俺は生きていけない」とキスした後ムフフ…
というベタなストーリー展開を妄想してもうたw

334 :
原作のほうの陣芹だけど描いてみたから投下するわ
http://f.pic.to/3acwc

335 :
315の続きです。
ちょっと長くなってきたなぁ(>_<)
区切りのよい所で終わらせたほうがいいのでしょうか


陣内もまた意識していたのだ。
柔らかい二の腕、胸の感触、体温、息づかい、髪の匂い、華奢な肩、芹菜の全てが陣内の触覚、嗅覚、聴覚を刺激する。
その上視覚でまで挑発され、アルコールの入った陣内の理性は限界まできていた。
…ここまでしちまったんだ。
もう今までの関係には戻れないだろう。
ただの義理でくれたのかもしれないチョコに、何を舞い上がっていたんだ俺は。
こいつも、気まずくなってもう事務所を辞めてしまうかもしれない。
…嫌だ。
こいつだけは離したくない。
誰にも渡したくない。
もしこいつが俺から離れていくならば、こいつの心と体に一生消えないように……俺を刻み付けてやる…!
「じゃあ、なない程度にドキドキさせてやるよ…。」
「じんな……んぅっ」
陣内は抱き締めていた腕を緩め芹菜にキスをした。
前にしたような優しいキスとは違う、荒々しいキス。
まるで息をする暇も与えないとでも言うように。
無理やり芹菜の口内に舌を侵入させ、彼女のそれと絡ませる。
「…っん……ふぁ……」
彼女は本当に息ができないみたいだ。
こういう時は鼻で息するんだよ、バカ。
ようやく解放してやると、芹菜の頬は高揚し、とろ〜んとした瞳で訴える。
「陣内のばかぁ……。」
バカはお前だ。
そんな顔されるともっといじめてやりたくなる。
陣内はすとんと力の抜けた芹菜の体をソファーに押し倒し、その細い首筋に舌を這わせた。
「っあ……やぁんっ……」
芹菜はビクンと体を震わせ身をよじる。
その反応が可愛くて陣内はたまらない征服感に満たされる。
そして芹菜を押さえつけていた右手を素早く彼女の着ているセーターと素肌の間に入れた。
慣れた手つきでブラのホックを外すと、彼女の温かで柔らかい乳房を揉みしだく。

336 :
>>334
めちゃくちゃ上手じゃないですか!
ひょっとしてあなたは粕谷センセイですかw
>>335
おお…エロい
まだ終わらせないでください!
たとえ長くとも職人様の思うように書いてほしいです

337 :
>>335
久しぶりに大人な展開が!期待してましたw
思い付く限り書いてほしいです。もちろん無理はせずにで結構なので
楽しみにしてます!

338 :
粕谷先生じゃないです
普段はROM専

画材はボールペンと修正液
http://g.pic.to/32q45

339 :
おぉ、ついにイラストのネ申までも降臨
陣内カコエエ…
もしよろしければ、また投下くだされ
お待ちしております

340 :
>>335おおお!ついにエロきたー!!ゆっくり書いてくだせい!
次も楽しみにしてます!乙です!

341 :
陣内は春も宇尾どちらもかこいい
職人さんありがとう

342 :
☆ゅ

343 :
パフュームの主題歌目当てで見てたらドラマに嵌まって今は原作にどっぷり嵌まった
陣内良いわ〜

344 :
みなさまありがとうございます〜。゚(゚´Д`゚)゚。
こんな素人小説を期待してくださって…
ゆっくりですが私のペースで更新していきます。
>>335の続きです。
微エロですので苦手な方はスルーしてください(>_<)


…こいつ、意外にありやがる。
陣内は充分に胸の柔らかさを堪能すると、芹菜のセーターの裾をたくしあげもう既にツンと立っていた彼女の先端を口に含んだ。
「んんっ………っあ…」
先端を吸ったり舌で転がしたりする度に可愛らしい声をあげる彼女が、本当にいとおしいと陣内は思う。
「可愛い……」
独り言のように呟くと、陣内は力の抜けた芹菜の体を優しく起こし、衣服を全て脱がした。
明るい事務所内に芹菜の白くて滑らかな裸体があらわになり、思わず陣内はじっと見入ってしまった。
「やだ……っ見ないでぇ……。」
芹菜はあまりの恥ずかしさに顔をそむけ胸を手で覆う。
しかしその抵抗はあっさりと陣内に破られてしまった。
「綺麗だ……すごく…こんな美しい体見たことねぇ。」
陣内はまた芹菜にキスをしながら、彼女の体中を撫でた。
とてもいとおしそうに、優しく。
こいつは元旦那としか恋愛経験がないはず。
奴はこの美しい肌にどれだけ触れたのだろう。
どれだけキスをして、どれだけ芹菜と名を呼んで、どれだけ愛してると言って、どれだけ彼女を抱いたのだろう。
……つくづく浅葱武文という男が憎い。
こいつの体から心から奴の痕跡を消してやりたい。
「芹菜………好きだよ…。」
陣内は耳元で小さく囁き、右手で彼女の秘部を愛撫し始めた。
もう既にトロトロに蜜が溢れていたのを知り、陣内に小さく意地悪な心が芽生える。
「お前、もうこんなに濡れてんぞ。そんなに気持ちよかったのかよ……?」
「違…う……もんっ…。」
「体は正直だぜ?もっと気持ちよくしてやるよ……。」
陣内は芹菜の蜜を指ですくい、彼女の一番敏感な部分を弄び始めた。
「ひゃあっ……あぁ…んっ」
彼女の体がビクンと大きく反応する。
彼女は声が漏れないようにと両手で口をおおったが、陣内はそれを許さない。
いとも簡単に彼女の両手を片手で掴み頭上に押さえつけた。
「だめぇ……声出ちゃう……丈二さん……に聞こえちゃ……あぁ…っん!」
「丈二さんは瞳さんのトコ行ってて朝からいねえよ。いくらでも喘いでいいぜ?もっとお前の声聞かせろよ………。」
「…い…じ…わるぅ……。」
芹菜は今にも泣きそうな顔で陣内を見上げる。
その顔が俺を余計欲情させてるの、気付いてないのか?
「お前可愛すぎ…。」
陣内は指の動きを早めると、限界が近づいてきたのか彼女の体に力が入る。
「やぁ…あぁんっ、だめぇ、陣内、私、おかしくなっちゃう……!」
「おかしくなれよ…俺の手で、めちゃくちゃにしてやる!」
「だめ…っあ……ああぁ〜っ!」
芹菜は大きく叫びながら果てた。

続きます。

345 :
投下ありがとうございます!
>>344さんのペースで構わないので、心ゆくまで書いてください
微エロとのことですが、陣内のSっぷりに鼻血が…
あ〜続きが待ち遠しい!

346 :
おお、きてた!
S陣内がたまらなくエロいいー
純情な陣内に萌えてた分、余計に…続き待ってます

347 :
あれ?
最近人いないのかな
新婚バカップル設定+エロです
ツッコミどころ満載ですが、ご容赦ください

芹菜は時計を見る。
時計はもう23時を迎えようとしている。
陣内はまだ帰ってこない。
芹菜は陣内のデスクに顔を埋め、つぶやく。
「もう…新妻をほったらかして何やってんのよ…」
大きな依頼があったのは先々週のことだ。
とある大物政治家の浮気調査依頼だった。
依頼人はその政治家と敵対する議員の秘書からのようだが、素性は詳しく明かさなれなかった。
おそらくその不倫ネタでイメージダウンを負わせ、今度の選挙で勝とうという魂胆だろう。
口止めの意味もあってか報酬も桁違いだ。
慎重を期すため、陣内は大物政治家の別宅と思われるマンションが観察できるところに部屋を借り、1週間ほど張り込んでいたのだった。
絶対に失敗できない。
いつもの陣内からは想像できないほどのピリピリとした雰囲気に、芹菜も邪魔すまいと心に決めた。
差し入れは丈二にお願いし、自分は陣内がいない間の依頼を処理することにした。
丈二から陣内の様子を聞くたびに会いたくなる気持ちを必に抑え込んだ。
それなのに、今日やっと片が付いたと思ったら、「ジョージさんと飲みに行ってくるわ。」と言い残し、陣内は行ってしまった。
今日こそは二人でゆっくりできると思ったのに…
春樹はそこまで私のこと好きじゃないのかな。
芹菜は陣内のデスクから、谷川岳で撮った二人の写真を取り出す。
リフトでにっこりと笑う芹菜の横に座る仏頂面の陣内を、芹菜は指で軽くはじいた。
そろそろ寝ようかと電気を消すと、外でバタバタと足音がし、事務所の扉が勢いよく開いた。
「たっだいまー。」陽気な陣内の声。
芹菜が駆け寄るとぷーんと酒の匂いがした。
「お酒臭ーい。」
芹菜は鼻をつまみ露骨に嫌な顔をする。
「わりい、わりい」と陣内は言いながらも、そうは思ってなさそうなことに芹菜は苛立った。
「あれだけ張りつめて仕事した後にこんなに飲んだら体壊しちゃうよ。」
「あれ?怒ってんの?」
陣内の呑気な物言いにますます芹菜は苛立つ。
「怒ってないよ!ただ春樹が休むと私が全部仕事しなきゃいけないから、迷惑なだけ。」
芹菜はそっぽを向く。
「そんなに怒んなよ。」
陣内は後ろから芹菜を抱きしめ、ゆっくりと胸元に手を伸ばしてきた。
「やだ!こんなに酔ってる時に…!」
芹菜はその手を振りほどこうとするが、逆に腕を強く掴まれてしまう。
体の向きを強引に変えさせられ、今度は陣内と向き合う形で抱きしめられる。
陣内は芹菜の髪に顔をうずめ、大きく息を吸い込むと、「あー。ずっとこうしたかったんだ。」と無邪気な子供のように呟いた。


348 :
<続き>
「ま、また!そんな!調子のいいこと言って。」
「本当だよ。芹菜に会えない間、ずっと抱きしめたいと思ってた。キスしたいって…。」
陣内は芹菜に優しくキスをする。
…いつもの春樹とは違う。お酒のせいだ。騙されないんだから。
しかし、待ち望んでいた大きな温かい腕と溶けてしまいそうなキスに心が揺らぐ。
陣内は唇を離すと芹菜の頬を両手で包み、うっとりと見つめた。
いつもの鋭い眼差しの中にお酒のせいか甘さが加わり、何とも言えない色気を感じる。
芹菜はゾクゾクした。
ずるい。こんな風に見つめられたら何もできなくなってしまう。
再び陣内は芹菜に唇を重ねてくる。
ゆっくりと。
お前のことが好きでたまらないという風に。
陣内の舌が閉ざされていた芹菜の唇をこじ開け、侵入してくる。
いつもは為されるがままの芹菜も、この時だけは待ち構えていたかのように舌を絡み合わせた。
長いこと触れられなかったもどかしい気持ちをすべて拭い去るかのように、陣内の舌が芹菜の口内を隅々まで貪る。
じわりとアルコールの味がしてくる。
芹菜も酔ってしまいそうだ。
骨の髄まで侵襲してくるような濃厚なキスのせいで、自分の体が火照り始めていることに芹菜は気づいた。
足は力が抜け、膝ががくがくと震えてくる。
力が入らない芹菜を抱き起すかのように陣内は腰を強く抱き寄せた。
ずっと淋しかった。会いたかった。もっと強くきつく抱いてほしい。
芹菜は心の底からそう願った。
いつしか陣内の息遣いも荒くなり、右手がパジャマの裾から滑り込んでくる。
その大きな手が芹菜の柔らかな肌に触れ、華奢な背中を両手で掻き抱いた。
パジャマの裾は見事に捲れ上がり、緩やかに弧を描く芹菜の美しいウエストラインが露わになった。
長く激しく絡み合う口付けに芹菜は息苦しくなり、思わず唇を離し、甘い小さなため息を漏らす。
芹菜のものを外れた陣内の唇は、名残惜しむかのように芹菜の頬を愛撫した。
そして、そのまま横へ逸れ、柔らかく肉付きの良い耳朶をとらえ、まるで花を愛でるかのように優しく啄んだ。


349 :
<続き>
耳にかかる陣内の熱い息と唇の柔らかな感触に芹菜は激しく高揚する。
もちろん上気していたのは芹菜だけではない。
陣内もまた、今までにない欲情の波に飲み込まれようとしていた。
本当なら、自分の欲望の赴くままに、今すぐにでも自分の快楽を彼女の内部にぶちまけたい。
しかし、残ったわずかばかりの理性がその自分勝手な欲望を必に押しとどめていた。
もっと芹菜に触れ、満足のいくまで感じさせなければ。
背中を抱いていた左手はそのままに、右手は乳房を包みながら、ゆっくりと慈しむような愛撫が始まる。
徐々にその頂が硬さを増し、主張を始めた。
陣内はそれに応えるかのように指で優しく転がした。
「ん…。」思わず声が出る。
その声が後押ししたのか、とうとう芹菜はソファに押し倒され、上衣を脱がされる。
陣内も芹菜に覆いかぶさりながら、もどかしそうにシャツを脱ぐ。
薄明かりの中で陣内の裸体が浮かび上がった。
少しやせたみたい…。
それを確かめるかのように芹菜は肋骨、鎖骨、上腕へと指を滑らす。
陣内の体がピクリと震え、小さく笑った。
「くすぐったいって。どうした?」
「あ…。なんだか痩せたなと思って…。」
「…ばーか。そんなこと気にすんなよ…。」
そして首筋から鎖骨にゆっくりと口づけた後、左の頂をやんわりと口に含み、舌で小さく転がした。
もう一方の乳房は手で激しく弄ばれる。
「はぁ…ん!」
左右では全く異なる感触に芹菜はのけ反り、みだらな声を上げた。
じとりと体が汗ばみ始める。体だけではない。
芹菜の下腹部に存在する一番敏感な部分も液体を湛えつつあった。
陣内は乳房から手を離し、下へ下へと滑らせていく。
残っていた芹菜の着衣をはぎ取ると無造作に放り投げた。
自分もベルトを緩め下半身にまとわりつく邪魔な着衣を取り去っていく。
二人の間を隔てるものがなくなると、一心に芹菜の下腹部の茂みをとらえ、甘い蜜が溢れている秘所の割れ目に沿ってゆっくりと指を上下させた。

350 :
<続き>
「ああ…。」
小さな喘ぎ声が漏れ、体を震わせる。
指の動きに合わせ、とろりと蜜が次々に流れ出してくる。
くちゃりと淫靡な音を立て、指が中に吸い込まれた。
「ふ…あぁ…はぁ…」
陣内の細く長い指が動くたび芹菜の息遣いは荒くなり、声にならないような喘ぎ声を上げる。
この手が彼女に悦びを与えている。
そう思うと陣内は強い満足感に震えた。
そして乳房の頂を攻め続けていた陣内の舌は芹菜の肌を伝い、もう十分に潤っている秘所を目指す。
舌でその秘所に息吹く芽を丁寧に包み、舐めあげ、その周りを彩る花弁を指で弄り続けた。
指と舌の両方でいやらしく弄ばれ、芹菜は快楽の波に飲み込まれていく。
「っはあ…あぁ…や…やだぁ…こんな…」
指と舌だけで絶頂を迎えようとするのを必に拒絶するが、陣内はそれに応じない。
一層激しく指と舌で執拗に攻め立てた。
「ああっ」
芹菜はぴくんと肩を震わせると全身を突き抜ける大波に完全に飲み込まれてしまった。
「ひ…ひどい…。いやだって…。」
芹菜の目は涙で潤み、肩だけが大きく息で上下していた。
結果として芹菜を苛んでしまったことに小さな罪悪感を感じるが、その魅惑的な肢体を前にし、今度は陣内が冷静ではいられなかった。
芹菜の額に汗で張り付いた前髪を優しく払うと、半ば強引に両足を開かせる。
「やだっ…。だってまだ…」
絶頂を迎えたばかりでいまだ麻痺している体が再び攻められるのを拒む。
しかし陣内ももう限界だった。
陣内は両足の間に滑り込み、自身を芹菜の膣口にあてがった。
まるで花が開いていくように、濡れた花弁を押し広げながら、ゆっくりと挿入していく。
芹菜の内部は熱を帯び、ひたひたと陣内自身にまとわりついてきた。
「く…っ」陣内も思わず声を上げる。
根元まで入れ終わると、挿入時と同じ速度でぎりぎりまで抜き去る。
逃すまいと芹菜の肉襞が絡みついてくる。
そして、また狭く柔らかい芹菜の中に再度押し込んでいく…。
その行為を何度か繰り返すと、「あぁ…ん…」と芹菜から甘い喘ぎ声が漏れ始めた。
それを合図に陣内は腰を動かす速度を速めていった。
同時に陣内の背中に回した芹菜の指に力が入る。
骨ばった背中に爪が食い込んだ。
「やぁあ…」
すすり泣いているような掠れた芹菜の声が響き、陣内に突かれるたびに芹菜の体はびくんびくんと跳ね上がる。
陣内の息遣いも大きく乱れ、絶頂が近付いているのは明らかだった。
「あああぁっ!」
「っ…!」
悲鳴に近い声を上げ、芹菜の体が波打ったのと同時に陣内は芹菜の内部に自身を放出した。


351 :
<続き>
お互いを激しく求めあい、頭の中も体も媚薬に当てられたかのようにすっかり麻痺してしまっている。
陣内は少しだけ体をずらし、横たわると芹菜の方へ腕を出す。
芹菜もその腕に絡まれながら陣内に体を預けた。
「ごめんな。ジョージさんと飲みに行ったりして。」
陣内は汗ばんだ芹菜の額に口づける。
「ううん…。私の方こそごめんね。休んだら迷惑だなんて言っちゃって。1週間も缶詰めだったんだから、飲んで憂さ晴らししたくもなるよね。」
「いや。飲みに行ったってのは半分真実なんだけど…実は…」
言い淀む陣内を見て、芹菜は訳が分からないという様にきょとんとする。
陣内が手を伸ばし、脱ぎ散らかした服の中から上着を見つけ出すと、ポケットから
長方形の箱を取り出した。
「これ…」
芹菜が箱を開けるとダイヤの付いたシンプルなネックレスが入っている。
カットの素晴らしさと輝きを見れば決して安くはないことは芹菜にもわかった。
「まとまった金が入ったし。ジョージさんと瞳さんとで一緒に選んだんだよ。
あんまり贅沢させてやれなかったしな。気に入ってもらえるかわからないけど。」
そのネックレスを選ぶのにあれでもないこれでもないと閉店まで迷っていたこと、結局決めきれずに丈二と瞳に説得され、やっと決めたこと、
そして渡せるかどうかも悩んでいたので、酒の力を借りるようと丈二にしこたま飲まされたことを陣内は白状した。
「ま、俺がなかなか決めなかったのが悪いんだけど。もっと早く帰ってこれたのに。」
芹菜はその想いに胸が熱くなる。
「ありがとう。とてもうれしい。」
「その喜ぶ顔が見たかったんだ。」
陣内が目を細め、優しく芹菜の頬をなでる。
「付けてやるよ。」
陣内はネックレスの金具を外し、芹菜のうなじに手を回した。
芹菜の裸の胸元にダイヤが光った。
「綺麗だな…芹菜。」
聞きなれない言葉に芹菜は思わず顔を赤らめる。
「やべぇ。もう一回したくなってきた。」
「え…。そ、そんな。」
焦る芹菜を見て、陣内はにやりと笑っていった。
「当然だろ。1週間もお預け食らってたんだから。最低でもあと二回くらいは楽しまないと。」
「うそ。二回も?」
「嘘じゃなくて。めちゃくちゃ本気。」
戸惑う芹菜に口づけしようとした時、事務所の電話がけたたましく鳴る。
ブラインドのせいで事務所の中はまだ薄暗かったが、その隙間から細く差し込んでくる光は十分な明るさを持っていた。
もう朝を迎えてしまっていたようだ。
「あ…依頼の電話かな?私出るね。」
気まずそうな顔をして起き上がろうとする芹菜を陣内が手で制する。
代わりに起き上がり、電話を取るかと思いきや陣内は電話線を引っこ抜いた。
芹菜は呆気にとられる。
「今日は臨時休業。なあ、さっきの続きを始めようぜ。」
陣内はいたずらっぽく笑うと毛布の中に滑り込んでくる。
そして芹菜は抱きしめられる。
陣内からはもうアルコールの香りはしない。
もう逃げられない。
芹菜は覚悟を決め、苦笑すると陣内を優しく抱き返した。


352 :
以上です
ちょっと甘すぎたかな
陣内絶倫ということでww

353 :
想像以上にエロかった…
ありがとうございます( ̄人 ̄)

354 :
エロい甘い芹菜可愛い陣内絶倫w
GJ!!

355 :
職人さまエロありがとうございます
自分は甘いの大好きだー
二作品とも芹陣ラブラブで萌えますた
また投下お願いします(^-^)/

356 :
また描きました
http://r.pic.to/163i8

357 :
>>356d!
この陣内もカッコいい!
ドラマも原作の陣内も目がいいんだよなー
あと、そこはかとなく漂うエロな雰囲気とかw

358 :
職人さんたちGJ!!
いつも萌えをありがとう!!!
陣内の中の人は、あんなに色気だだもれなのに
なんで恋愛ドラマとかこないんだろうw

359 :
>>358
お笑いキャラ認識が根強いんだろうね

360 :
桐谷さんは演じるキャラによってまるきり別人に見えるよ
パッチギの時は体重20キロも増量してゴリラみたいになってたし流星の絆じゃマジで変態に見えた

361 :
健ちゃんにラブシーンがくるまでは
このスレで妄想させてもらうw

362 :
陣内は2・5枚目キャラだから演技力のある桐谷健太が陣内の中の人やってくれて大正解だったね
もっと探偵事務所の3人の絡み見たかったな〜

363 :
今日ドラマ見返したけど、やっぱ陣内いいわぁ♪

364 :
CSで「木更津キャッツアイ」の映画みてたら、桐谷が「自衛隊員」という役柄で出ていたw

365 :
陣芹になんとか変換…
前髪下した陣内と背伸びした芹菜の体でw
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2651860.jpg

366 :
うわー
乙です
素敵すぐる!!
この身長差に禿萌え
そしてなんで前髪下してるんだろうと妄想がww

367 :
これは髪がだいぶ短いから舞台の時かな

368 :
>>344の続きです。



絶頂に達した芹菜を眺める陣内に、もう完全に余裕はなくなっていた。
体が、心が、俺の全てが彼女を欲している。
もう待ちきれないとでも言うように素早く服を脱ぐと、はち切れんばかりに膨らんだ陣内自身があらわになる。
芹菜は朦朧とした意識の中、陣内を見つめる。
…あぁ、私、これから陣内にされちゃうんだ…。
フミくん以外の人に初めて…。
どうしよう…、あの陣内にだよ?
いつも私の事バカにしてコキ使って……でも、いつも想ってくれていた。
あんなにも私の事を愛してくれていた。
なんでだろう。
すごくびっくりしたけれど、なんだかすごく嬉しい……。
この温かな気持ちはなんなんだろう…。
陣内は芹菜に覆い被さると、彼女の可愛らしい唇にキスを落とし、ゆっくりと彼女の中に挿入した。
「んんっ!」
彼女の顔が苦痛の表情に歪む。
「くっ……はぁ、キツ……。」
長年堅く閉ざされてきた彼女の中は、まるで処女のように狭かった。
陣内自身をギュウギュウに締め付ける。
なんとか全て挿入し終えた。
…やべぇな、こいつと一つになってるってだけで幸せ過ぎてにそうだ……!
陣内は目に涙が浮かびそうになったが必にこらえた。
彼女と出逢ってからの出来事が一気に走馬灯のように陣内の脳内によみがえる。
彼女が離婚する前は嫉妬で何度も狂いそうになった。
離婚してからはこんなにも毎日側に居たのに、ずっと想いを伝えられずにいた。
やっと彼女と体が繋がったのだ。
半ば無理やりにだけど…。
きっとこの行為が終わった後、彼女はもう二度とここへ来ないだろう。
俺がそうさせたんだ。
…やめよう、こんなどうしようもない事考えるのは。
今はこいつだけを感じていたい。
こいつがいれば他に何もいらない……!
そして彼女の負担にならないようにゆっくりと律動を開始した。
「…んっ…あぁ……」
だんだんと彼女の声が甘くなっていく。
彼女はギュッと瞳を閉じている。
まるで陣内から与えられる快楽の波に呑まれまいとするように。
「目ぇ開けろよ……俺を見ろ…!」
陣内は彼女の両頬を手で包み込んで言う。
彼女は恐る恐る瞼を開いた。
「陣内…」
彼女の潤んだ瞳に俺が映っている。
それでいい。
この俺の姿を一生忘れないでくれ。

369 :
続き。


「大好きだ……!」
その言葉が合図のように、腰の動きが早くなる。
彼自身を拒むかのようにギュウギュウに締め付けていただけの彼女の膣内はもう完全にそれを受け入れていた。
いやらしく彼自身にまとわりつく。
彼女の体からはもう抵抗の意思はなくなっていた。
いつの間にか芹菜の腕が自身の背中に回っていた事に陣内が気付く。
まるで恋人同士になったみたいだ………とうとう彼の瞳から一筋の涙が流れた。
「陣内…?」
彼女は自分の頬に落ちてきた雫に気付く。
泣いてるの?
「芹菜……芹菜愛してる…!」
彼女をきつく抱き締め、激しく腰を突き上げる。
もうクライマックスが近い。
「…陣内…っや…ああぁ〜っ…」
「くっ…もう…イク……っ」
陣内は彼女が果てると同時に性を彼女の膣内に放出した。

370 :
GJ×10000!!
二人が結ばれてよかったー
続きをwktkしながら待ってます

371 :
陣内エロい…
芹菜可愛い〜


372 :
宇尾陣内投下します
http://q.pic.to/83tjb

373 :
>>368-369
待ってました!エロくて良い!!!文が上手いので余計に高まるーw
Sだけど優しさのある陣内最高。書き続けてくれて心から感謝してます!
>>372
ありがとうございます!
原作陣内の見た目はやんちゃ感があるから、陣内が芹菜にいたずらする妄想が広がるw
でも芹菜が強気になるのも良いかも…

374 :
職人様いつもありがとうございます!
このイラストの陣内はスーツ姿かな?
本当にお上手ですねー
萌えますた

375 :
これはフミくんの会社に潜入してる時のシャツです
原作陣内は特徴があって一番描きやすいですね

376 :
イラストはノートの落書きを写メで撮って投下してます
だからこのスレがなかったら人目に触れることもなかったですね
http://q.pic.to/83jjv

377 :
ブホッ!
陣内色っペー!!
鼻血フイてしまったー
>>376さん、dクスです

378 :
今の月9探偵物だからシャドウ思い出してニヤニヤしちゃう(笑)

379 :
街で探偵や興信所の看板見ると妄想しちゃう

380 :
>>369の続きです。
そろそろラストです。

しばらく眠ってしまっていたみたいだ。
気付くと陣内は事務所のソファーに横たわっていた。窓のブラインドからは微かに日差しが漏れている。
どうやら明け方のようだ。
隣には小さく寝息を立てている芹菜がいる。
陣内は彼女の髪を優しく撫でた。
「……夢じゃないんだよな。」
陣内は意識を失う前の行為を思い出す。
彼女の潤んだ瞳、滑らかな肌の感触、自分の名を呼ぶ声、熱くいやらしく自身を包んだ彼女の内部の感触、快楽に溺れる彼女の表情……全てがよみがえってくる。
「愛してる……芹菜。」
陣内は芹菜を優しく抱き締めると、また深い闇の底に意識が沈んだ。

次に目覚めた時には、もう腕の中に彼女は居なかった。
彼女の脱がせた衣服もバッグも跡形もなく消えている。
そりゃそうだよな。
俺はあいつを犯したんだ。
自分の欲望のままに。
俺を男として軽蔑しただろう。
これでもう二度とあいつはここに来る事もない……。
陣内は事務所の扉を見つめる。
「……嫌だ。」
陣内は消え入りそうな声で呟く。
「ごめん…っ会いてぇよ………芹菜………。」
その時だった。
「おはよう、陣内!」
ガチャリと勢い良く扉が開き、いつものように芹菜が現れた。
「…お前……。」
「あ、陣内もう起きてたんだ!朝ご飯の材料買いに行ってたの。お腹空いちゃった〜!台所借りるね?」
呆気にとられる陣内。
「ちょっと待て!お、お腹空いちゃったじゃねぇよ!お前何やってんだよ!?」

381 :
「きゃあ!陣内、下隠してよ〜!変態!!」
「おわっ!見んじゃねぇよバカ!!」
陣内は慌ててパンツとジーンズを履いた。
「……無理してここに来なくてもいいんだぞ?」
「別に無理なんかしてないよ。」
芹菜の表情が真剣になる。
「陣内、私って、本当にバカ女だったんだね。こんなにずっと側に居たのに、陣内の気持ち、全然気付かなかった。
ごめんね?陣内、ずっと苦しかったんだね……。」
思いもよらない言葉に陣内は戸惑ったが、必に平静を装った。
「別に…惚れたのは俺の勝手だっつの!何お前が謝ってんだよ。」
「…陣内。」
彼女が買い物袋をテーブルに置いて、陣内に近づいてくる。
何かの決意を秘めたような彼女の瞳に吸い込まれそうになる。
「陣内の気持ち、凄く嬉しかったよ。…ありがとう。」
ふっと彼女が笑顔になる。
「私も……私も陣内の事好きだよ。」
「う、嘘だろ……!?」
陣内はまるで宇宙人に遭遇したような顔で驚く。
その顔に彼女がクスリと笑う。
「嘘じゃないよ。自分でも気付かないうちに、陣内の存在が私の中で大きくなってみたい。昨日、陣内に告白されて抱かれて……凄くびっくりしたけど、凄く凄く嬉しかった。陣内の事凄く愛しいなぁって思ったよ。ありがとう…。」
「…何でお前が礼言うんだよ。」
陣内はギュッと芹菜を抱き締めた。もう二度と離さないとでも言うようにきつくきつく。
「くっ苦しいよ〜、陣内!」
「ありがとうは俺の台詞だっつの!バーカ!!………絶対離さないからな……?」
「……うん。」
芹菜は陣内を抱き締め返した。
陣内の肩が震えている。
芹菜は母親のように彼の背中を撫でてやる。
「あー、俺も腹減ったな!何か作ってくれよ。」
「ふふふ、ちょっと待っててね!」
彼女がコートを脱いで持参したのであろうエプロンを装着して、調理にとりかかる。
その光景が夢でない事を陣内は徐々に実感していく。
そして、デスクの上に残されていたバレンタインチョコに気がついた。
あと二個ウイスキーボンボンが残っている。
「…一生とっときてぇけど、厳しいよな。」
と陣内は苦笑いして、一つを口に放り込んだ。
「こんな美味いチョコが来年も再来年も食えるんなら、バレンタインデーも悪くねぇな…。」
「ん?何か言った?陣内っ。」
「べ、別になんでもねぇよ!…チョコありがとな。」
陣内が照れている事には気がついた芹菜は、ふふふ、と笑った後満面の笑みで答えた。
「どういたしましてっ♪」
こうして芹菜の陣内にバレンタインチョコ送ろう作戦は大成功に終わったのであった。

382 :
以上です。
バレンタイン終わるまでに終わらせたかったのですが無理でした〜(ToT)
ここまで長くなるとは…
少しでも皆様の萌えの足しになりますように……

383 :
すばらしい〜!(≧▽≦)
陣内と芹菜のこんなラブラブエンドが見たかったんです
ドラマの最終回で納得できなかったのがここで癒されました、ありがとうございます〜♪
長編お疲れ様でした
凄い萌えました〜(´Д`)

384 :
GJ!自分もこういうエンドがみたかったなぁー
読んでて楽しかったし萌えました
すてきな長編乙でした!

385 :
エロくて良いけど実際のドラマじゃこの濃厚なエッチシーンは放送できないから
やっぱり脳内補完だな〜
(・∀・)

386 :
職人さまGJ!!
こういうの映画でやってくれないかな〜桐谷くん

387 :
陣内の寝顔描いたから投下します
http://g.pic.to/35dwh

388 :
これ萌えるー
ちょっと微笑んでるのがいいわー
芹菜の夢でも見てるのかなw

389 :
わーい

390 :
主演じゃないけど4月のドラマに桐谷健太さん出るって

391 :
どんな役かはまだわからないけど
今度は報われるといいなあ

392 :
またキスシーンあるかな・・・ドキドキ

393 :
あったらいいねぇぇ
あまり期待しすぎてもいけないと思いつつ、どうしてもそれ的なシーンを期待してしまう

394 :
平っちやポストイットみたいなキャラかもしれないから期待半分にしとこう

395 :
そうだね、期待半分にしとこう
でも、ポストイットみたいなのだったら、膝から崩れ落ちるわw
また陣内みたいな素敵な役だといいなぁ〜

396 :
また深キョンと桐谷さんの共演が見たい〜!

397 :
私はシャドウ特別編の陣内と芹菜のその後
2人で双子の赤ちゃん育ててる漫画読みたいのにコミックにも収録されてないしネットにも無い…
見たいよ〜(;_;)

398 :
自分も見逃してしまったクチだ
バレスレにも内容は書かれてなかったような…
陣内がいいお父さんしてるらしいけど

399 :
やっと規制とけたー!!
ちょびっとえろいかな
陣内と芹菜がお付き合いしてる設定でお願いします

「あつっ」
芹菜はコーヒーを口に含んだ直後、小さな悲鳴をあげた。
顔を歪め、うう、とかすかに呻く。
「どうした?」
「した、やけどしたぁ」
涙目で陣内の問いに答える。
ため息をつき、陣内は芹菜の元へ寄った。
「なにやってんだよ、馬鹿」
「だって……」
芹菜の顎を掴み、わずかに上を向かせる。
「ちょっと見せてみろ」
芹菜は伏せ目がちに小さく口を開くと、おずおずとためらいながら舌を出す。
出された小さな舌は健康的な桜の色をしていてかわいらしい。
ただ一点、舌先だけが紅を散らしたようにちろりと赤く腫れている。
妙な色香を感じて、陣内は思わずどきりとした。
「どう?」
何の変哲もない言葉なのに、潤んだ上目遣いと開かれた口によってあらぬ方向に誤解してしまいそうになる。
芹菜の舌と唇が、妖しく動いて見えた。
一度意識すると、いよいよ穿った見方をしてしまう。
芹菜の美しい形の唇を見つめて、生唾を飲み込む陣内。
口内の奥は仄暗く、舌の根本は見えない。
舌はまるで独立した一個体のように静かに上下していた。
顎を掴む手に力が入る。
「陣内?」
意図してか、それともせずにかは分からない。
また、陣内を挑発するように唇は揺れ、潤んだ大きな瞳が瞬く。
その扇情的な動きに誘われ、陣内は覚えず自身の長い舌を芹菜のそれに這わせた。
驚いた芹菜はすぐに舌を引っ込めるが、逃げる頭に陣内は手を回し、追い討ちをかけるように顔を寄せる。
芹菜は精一杯の眼力で鼻から数センチ先しか離れていない陣内を睨み、口を一文字に結んで決して受け入れようとしない。
その反応に陣内は薄く笑い、掠めるかのようなじれったいキスを落とした。
芹菜を誘い出すように何度も繰り返す。
「あ……」
ぴくり、と芹菜の下唇が震え口元がゆるむ。
その隙を見逃さず、陣内はふっくらとした唇に深く口づけ、種子のように並ぶ歯の間に舌をねじ込んだ。
口内は外気に晒されていたせいか、ほんの少しだけ、冷たくて乾いて感じる。
包み込むように、あたためるように、ねぶるように、濡らすように口内を隅から隅まで貪る。
歯列や歯肉、口蓋まで余すことなく陣内はなぞった。

400 :
息苦しくなった芹菜は口腔から陣内を追い出そうと必に舌を使って抵抗するが、かえって陣内にそれを絡め取られてしまった。
胸を叩きじたばたしていたのも、少しずつおとなしくなってゆく。
腫れた舌の先端だけは刺激しないようにと注意を払い、陣内は思うままに蹂躙する。
好物を前にしてがっつく犬のように。
「…っ、ふ……」
苦しそうな、でもどこか甘ったるい鼻声が芹菜から漏れた。
陣内の息も荒い。
舌のざらざらとした表面もねっとりと柔らかな裏面も、陣内は丹念に味わう。
芹菜は麻薬的な魅力を持っている。
上気した芹菜を盗み見て陣内は思った。
どうしてだろう、まるで甘い蜜を求める蜂のように芹菜の周りには自然と人が集まる。
だけど、その中で彼女を独占しているのは自分だけだ。
陣内は確かな高揚感に打ち震える。
甘い声は、すべて自分に囁いてほしい。
きれいな瞳は、自分だけを映してほしい。
そしてなめらかな肢体を、ずっときつく抱きしめていたい。
だんだんと脳が霞がかり、ただ芹菜の痺れるように甘い舌を求めることだけに必になる。
あたかも芹菜自身を肉体の内側から侵食しているような、倒錯的な征服感を陣内は覚えた。
「んぅ……」
激しく攻めたてたせいか、芹菜の目尻からはらりと熱い涙の滴がこぼれ落ちた。
名残惜しいが、ようやく陣内は芹菜の口を解放する。
ふたりの間に浅く短い息がせわしなく響く。
お互いの混じり合った唾液で、芹菜の唇はてらてらと照明が反射して悩ましい。
情欲を掻き立てられ、もう一度噛みつこうと迫った瞬間。
静かだった芹菜に、陣内は胸部を思いっきり突き飛ばされた。
その拍子にバランスを崩し尻もちをついて、見下ろしていたはずの芹菜を見上げる。
赤く潤む瞳に睨まれ、陣内はたじろぐ。
「し、しんじらんない!!」
「え」
「やけどしたから見せてただけでしょ!すけべ、変態!!」
「いや、その」
「今日も明日も明後日もその次の日も、ずーっとご飯抜きだから!陣内のばかっ!!」
言い訳をする暇も与えまいと矢継ぎ早に告げると、芹菜は踵を返し事務所から出て行った。
力強く閉められた扉の音に陣内は思わず肩をすくめる。
「やっちまった……」
陣内はそのまま床に座りこむ。
つい今しがたまで騒いでいた血が、全身から引いてゆく音が聞こえた。

終わり
ほとんど火傷関係なくなったw
失礼しました

401 :
ネ申降臨してたー!
キスだけなのに、何このエロさ
禿萌えです
ありがとうございますた

402 :
おお〜♪素敵〜(≧∇≦)
ありがとうございます!!
特別編のあらすじならヤフー知恵袋にありました
http://chie.mobile.yahoo.co.jp/p/chie/qa/view?qid=1077202700

403 :
ネ申ーーーーーーーーーーー!!
陣内のキス・・・・ハァハァ

404 :
写真見ながら描きました
桐谷陣内
http://k.pic.to/7dfld

405 :
>>404
うわー
すごい!似てるー
カコエエェェ
ありがとうございます!!

406 :
桐谷さん4月からのドラマは『Wの悲劇』の刑事役でレギュラー出演です
ヒロインに引かれていく絡みもあるそうで

407 :
陣芹のような萌えはなさそう。。。

408 :
昔、薬師丸ひろ子が映画で主人公やったね
http://c.2ch.net/test/-/mnewsplus/1331153458/1

409 :
武井さん18歳?
健ちゃんがおっさんに見えないか心配だw

410 :
スレ違い

411 :
原作の粕谷紀子先生が漫画家廃業って…ショック
もう漫画でシャドウの特別編もないのか…

412 :
季節外れですがお祭りネタです
芹菜離婚設定


「ねぇ陣内、今日近くの神社でお祭りやってるんだって〜!」
聞き込みから帰ってくるなり、バカ女がうきうき顔で俺に話しかけてきた。
この時点で彼女が次に口から出す台詞がわかった俺は、自身の洞察力に感心した。
いや、単にこのバカ女がわかりやすいだけだろうか。
「ねぇ、一緒に行こう〜?」
「嫌だよめんどくせぇな。だいたい俺人混み嫌いなんだよな〜!」
「え〜っ!?いいじゃん、行こうよ〜ケチ!どうせ陣内、お祭り一緒に歩く彼女もいないんでしょ?」
「お前それが人に物を頼む態度かよ!!」
じゃあお前が彼女になってくれるのか、と聞けない俺はヘタレなのだろうか。
本当は嬉しいこのお誘いに素直に行こうと言えない俺が憎い。
(てか、こいつと二人並んでお祭りなんて想像しただけて照れくさ過ぎてにそうだ……)
そんな気持ちを微塵も感じさせないように俺はぶっきらぼうに振る舞う。
「行ってあげればいいじゃーん、こんな可愛い子のお誘い断るなんて陣ちゃん冷たい男だね!」
「そうですよね〜!陣内最低〜!」
仕事が暇だったのだろうか俺の事務所に遊びに来ていた丈二さんの援護射撃を受け、バカ女が俺をさらに口撃する。
「ひでぇよ丈二さんまで…仕方ねぇなぁ〜、そこまで言うんなら行ってやるよ!行けばいいんだろ!?」
バカ女が顔がパアッと明るくなる。
「ホントに?ありがとう〜、陣内!!…さっきはひどい事言っちゃってごめんね?実はね…陣内って冷たく見えて結構優しいから、一緒に行ってくれるって、私信じてたよ?」
「なっ…い、今さら褒めたも遅いっつーの!!」
「も〜、照れちゃって♪ありがとう!本当に嬉しい!」
彼女は満面の笑みを俺に見せた。
あぁ、駄目だ。
この顔に弱いんだよなぁ。
この顔が見られるなら、俺はなんだってしてやりたくなる。
恋愛は惚れたもん負けってのをつくづく感じる。
「じゃあもう5時だし、事務所はもう閉めて行くか。」
「あ、待って陣内。私、一回家に帰って着替えてくるっ!」
「はぁ?何めんどくさい事してんだよ。別にそのままでいいだろうが。」
「おねがい!すぐ戻ってくるから〜っ。」
「も〜、陣ちゃん探偵のくせに女心がわかってないんだから!」
「はぁ!?」
「芹菜ちゃん、行っておいでよ。陣ちゃんの暇潰しの相手は俺がしとくからさ〜!」
「ありがとうございます〜!丈二さんってほんっと優しいですね♪そしたら陣内、待っててね!!行ってきま〜す!」
バカ女が勢い良く事務所を飛び出して行った。
「……ったく!丈二さんて、ホントあいつに甘いよな〜。瞳さんにチクっちゃうよ?」
「何言ってんの!陣ちゃんの愛しの人だから俺も大切にするんだよ〜?芹菜ちゃん言ってたんでしょ?陣内の大切な人は私の大切な人ってさ。それとおんなじだよ。それに芹菜ちゃんもともといい子だしね〜!なんか手助けしてあげたくなっちゃうのさ。」
「…ふーん。」

413 :
続き


(その台詞であいつに惚れちまったんだよなぁ…
ちくしょう、あのお人好し女め!)
俺が心の中で悪態付いていると、丈二さんの携帯が鳴った。
「もしもーし!………わかった、すぐ行くよ〜ん!………うん、愛してる〜♪」
…なんか嫌な予感がした。
「ごめ〜ん陣ちゃん、愛しのワイフに誘われちゃったから行ってくるわ!この埋め合わせはまた今度!じゃ〜ね〜♪芹菜ちゃんとお祭り楽しんで!」
結局5分もしない内に俺は一人にされてしまった。
(どいつもこいつも俺に対する態度酷すぎるだろ……)
「おせぇ……。」
それから50分近く経ったがバカ女はまだ来ない。
(なーにがすぐ戻ってくるだ!あの詐欺女め!)
するとバカ女からメールが来た。
『遅くなってごめん!もう少しで着くから、ビルの入り口で待ってて〜!!』
(なーにが待ってて〜だ。
祭り行ったら全部あいつに飯奢らせてやる!!)
俺は渋々ビルの外に出た。
外はだいぶ暗くなっていたが、風もなく暖かい。
(お祭り日和だな…。)
それにしてもあいつ、着替えにどんだけ時間かかってんだ?
アホな理由だったら、あいつの金で祭りの全部の出店の食い物買い占めてやる…!
そんな事を考えながら待ってると、カランコロンと聞き慣れない足音が聞こえてきた。
「ごめーん!!陣内!おまたせ〜っ!」
「おまたせ〜じゃねぇよ!どんだけ人待たせんだ、さすがの俺もブチキレる…ぞ…。」
現れた彼女を見た瞬間、俺は体が硬直してしまった。
彼女は浴衣姿だったのだ。淡いピンク地に淡い水色の朝顔柄、濃い紫の帯が彼女の雰囲気に合っていてとても良く似合っている。
髪型もさっきと変わっていて、艶やかなアップスタイルにかんざしをちょこんと挿してあるのが、とても可愛らしい。
よほど急いで来たのだろう。
彼女は頬が赤く上気していて肩で息をしていた。
それがまた色っぽい。
「本当にごめんね?練習だともっと早く着れたのに、帯結ぶのに手間取っちゃって……似合うかなぁ?」
めちゃくちゃ似合う。
やばい、今すぐ抱き締めたい。
あぁ、女ってずるいよなぁ。
(こんな可愛い姿見せられたら、どんな怒りも収まっちまうよ……。)

414 :
続き


俺はこれ以上見とれてしまわないよう視線を空に移し、必に平静を装った。
「ま…まぁ、似合うんじゃねーの!?」
「本当っ??よかった〜!この浴衣ずーっと着たかったんだけど、フミくんももと子も仕事が忙しくて今までお祭りとか一緒に行ける人居なかったんだぁ。」
「そ、そうか…。とりあえず行くぞ!誰かさんにずいぶん待たされたから腹減って仕方ねぇよ。」
「ごめんってば〜!陣内怒ってる…?」
「さぁな〜!てかお前、浴衣の着付けできるんだな、意外だった。」
「花嫁修行として、昔習ってたんだぁ〜。今まで全然着る機会なかったけど。あ、うちにお父さんの男物の浴衣あるから今度陣内にも着せてあげるね♪」
「けっっこうです!浴衣ってなーんか足元がスースーして苦手なんだよなぁ。」
「え〜!陣内背高いし、絶対似合うと思うんだけどなぁ。」
「褒めたって俺の機嫌は直んねぇぞ!」
こうして、ようやく俺と彼女は神社に向かった。

415 :
続き


5分ほど歩くと目的地の神社にたどり着いた。
思っていたより出店も人も多く、賑わっている。
「わぁ、賑やかだね〜!陣内!私、クレープ食べた〜い!」
「食えば。」
そんな素っ気ない返事しか出てこない。
どうやら俺は柄にもなく緊張してるらしい。
お祭り会場を見渡すと、彼女の他に浴衣姿の女性は沢山いたが、やっぱり彼女が一番可愛いと思ってしまう。
恋は盲目ってやつだろうか。
「おまたせ〜!はい、陣内の分!」
「えっ?」
「さっきいっぱい待たせちゃったからお詫びに…。」
「あ、ありがとう…。」
「あっ射的だぁ〜!行こう陣内♪」
彼女は俺の腕を掴んで引っ張る。
不意に掴まれどきりとする。
「あーん、当たんないよぅ〜。」
彼女は小さな熊のぬいぐるみを標的にしているが、弾はかすりもしない。
「下手くそだな〜、俺がやってやるよ。」
俺は出店のオヤジにお金を渡し弾をもらうと、それを全弾命中させぬいぐるみを落とした。
「わぁ、陣内すご〜い!」
バカ女の瞳がキラキラ輝く。
「ばーか、こんなの楽勝だっての。」
「いや〜お見事でしたね、景品どうぞ、旦那さん!」
「だっ旦那!??」
俺とバカ女が同時に驚く。
「違いますよぅ〜、この人旦那じゃありません!」
「ありゃ〜、そしたらカップルなんですね!お似合いですよお二人さん!」
「は、はぁ……。」
俺は動揺しながらぬいぐるみを受け取り、彼女に渡した。
仕事で彼女と夫婦や恋人同士に振る舞う事は何度かあった。
その時は仕事という大義名分があるから照れずに済み、緊張もせず済んでいた。
本物の夫婦や恋人同士に見られても、自分の演技力に自信がつくだけだった。
だが今は違う。
ただ、彼女と2人で出かけている。
そんな事実が、俺を普段の俺じゃいられなくさせている。


今日はここまでです。

416 :
粕谷先生の廃業で凹んでた心が少し癒された!(;_;)
ありがとうございます〜
芹菜も陣内も可愛い

417 :
新しいのきてる!ありがとうございます!
脳内でドラマが再生されました〜w
萌える展開期待しちゃいます

418 :
いつかまたシャドウ描いてほしい
http://h.pic.to/7ysvq

419 :
あ、でも本編は既に完結してるんだからそれはないか

420 :
>>415の続きです

「……痛っ。」
「どうした?」
バカ女の顔が歪む。
「あ、な、なんでもない!」
「なんでもなくないだろ!見せろ。」
彼女をベンチに座らせ、下駄を脱がせてみると、足の鼻緒に当たる部分が見事に皮がめくれている。
「ったく…、慣れない格好なんかするからだぞ!」
「ごめん…。だって、せっかくのお祭りだから、おしゃれしたかったんだもん…。」
これが丈二さんの言っていた女心という奴だろううか。
彼女のさっきまでキラキラしていた瞳が、暗く沈んでいる。
そんな彼女の姿に胸が傷んだ。
「ごめん、言い過ぎた。少し休んでろ。近くのコンビニで絆創膏買ってくるわ。」
「ごめんね……?ありがとう陣内…。」
彼女は瞳に明るさを少し取り戻し、俺を見上げた。
俺は彼女を置いて全速力でコンビニに向かった。
向かっている途中で俺はハッと気付いた。
神社に着いてまだそんなに歩いたわけでもなかったのに、何故あそこまで彼女の足は酷い有り様になっていたのか。
彼女は待ち合わせにかなり息を切らせて走って来ていた。
俺を少しでも待たせないために。
慣れない下駄で全速力で走ったから、皮が剥けてしまうほど足を痛めてしまったのではないか。
そういえば、一緒に神社に向かう最中彼女はやけに歩く速度が遅かった。
俺は下駄を履いてるせいだと思っていたが、もしかしたら俺に怪我を悟られまいと必に痛みを我慢していたのかもしれない。
俺にいっさい辛い顔を見せずに……。
「…ほんっとバカな女だな!」
そんないじらしい彼女がとても愛しくて、俺は走るスピードを早めて急いで買い物を済ませ神社に戻った。
彼女を座らせていたベンチが見えて来たが、ベンチの前には3、4人の柄の悪い男達が立っていた。
どうやら彼女を置いて行ったのは間違いだったのかもしれない。

421 :
ベタな展開だからこそ、おもしろくなってきた!
ちょくちょく覗きにきます

422 :
芹菜がいじらしくて可愛い♪
陣内は喧嘩強いから悪い人たちを是非ボコボコにしていただきたい
粕谷先生は廃業しちゃったけど
ここに来たらラブラブの芹陣に会えるし
素晴らしいイラストの神がいらっしゃるのでうれしい

423 :
ドラマも漫画も終わったのに陣芹好きすぎる

424 :
>>420
続きが楽しみです!
陣内が悪者を退治した後・・・

425 :
>>420の続きです
ベタベタな展開で申し訳ありません(;´Д`)


「だぁから俺らと遊ぼうって言ってるじゃん!」
「遊びません!人を待ってるんです!」
彼女は男達に絡まれてるようだった。
「へぇ〜彼氏?こんな可愛い子1人置いてどっか行くなんて、どうせロクな男じゃねえよ!俺らと行こ?」
「あなた達よりはロクな男じゃないわ。」
「この女…いいから来いっつってんだろ!!」
「きゃあ!やめて…っ」
男達が無理やり彼女の腕を掴んで立ち上がらせた、その時…。
「ロクでもねぇ男で悪かったな。」
俺は彼女の腕を掴んだ男2人のみぞおちにおもいっきり拳を入れた。
男2人が倒れる。
自分でもかなり男共にイラついているのが解った。
「陣内!」
「お前ら………俺の女に手出しやがって、ただで済むと思うなよ……?」
「この野郎…!」
リーダーのような男が凄みを効かせて睨んできたが、俺はさらに鋭い眼光で睨み返した。
相手が目を反らすまで俺は絶対反らさない。
彼女にも教えた事だ。
やがて男は力の差を感じたのか目を反らし、周りのお祭り客達がざわついているのに気付いて、面倒事はごめんだと去っていった。
「ごめん、1人にして悪かった!こんな可愛い女が1人でいたら、ナンパされて当たり前……」
そこまで言いかけて、俺は自分の発言の大胆さにハッとして、無理やり誤魔化した。
「…って、丈二さんなら言うだろうな!」
「ううん、私にスキがあるから声なんかかけられちゃうの。ごめんね陣内……。」
彼女の肩が震えている。
毅然とした態度をとっていたように見えたが、必で強がっていたのだろう。
俺は少しでも気を紛らわせようと彼女の頭を優しく撫でた。
「お前のせいじゃない。気にすんな!絆創膏買ってきたから貼ってやるよ、ここは目立つから少し移動しよう。歩けるか?」
「少し休めたから大丈夫!」
こうして俺達は、お祭り会場のざわめきから少し離れた場所に移動した。

426 :
続きです


俺が彼女の足に絆創膏を貼ると、彼女は恥ずかしそうにありがとうと言った。
絆創膏を貼る時にチラリと彼女の滑らかなふくらはぎが見えてしまい、触れたい衝動を必で抑えた。
そして彼女の横に腰を下ろした。
しばらく沈黙が続く。
俺はこのままじゃ自身の鼓動が彼女に聞こえてしまうんじゃないかと、必に言葉を探したがうまい言葉が見つからない。
すると彼女のほうから沈黙を破った。
「もう、陣内ったら……。さっき、あんな大勢の前で、私の事俺の女だなんて……。」
「なっ…。」
予想だにしない言葉が出てきた。
「し、仕方ねぇだろ!!あいつらがそう思ってたんだからよ!お、俺だって言いたくて言ったんじゃねぇっつーの!!!」
(こんなムキになって否定して、俺は中学生か……)
「その前にも、陣内と夫婦に見られちゃったし……。陣内が旦那さんかぁ…ふふふ♪」
「何笑ってんだよ!俺が旦那じゃ不満かぁ!?」
「あはは、ごめんごめん!陣内が私の旦那さんって、なんか想像出来なくて。」
(想像出来ないのかよ………)
俺は少しがっかりしたが、俺の気持ちにだけは鈍感なバカ女は全く気付かない。
やっと普段通りに会話できるようになり、俺はホッとした。
「出店が閉まってきたね。そろそろ帰ろっか、陣内。」
彼女とのデートもいよいよ終わりが近付いてきた。
俺は無性に寂しくなった。
「……帰りたくねぇよ。」
「え?何て言ったの?」
「なんも言ってねぇ!帰ろう、家まで送ってやるよ。こんな格好で夜、女が1人で居たら危ないからな。」
そんなものは建前だ。
少しでも彼女と一緒に居たい。
「ありがとう……やっぱり陣内って優しいね。」
こうして俺達はお祭り会場を後にした。

427 :
更新ありがとうございます!
陣内の優しさがいいね〜
送った後どうなるか楽しみですw

428 :
更新うれしい!!
これからラブラブ展開に…
TBSのオンデマンドでドラマの視聴してみたんだけど対応機種じゃなかったせいか音声が入らなかった
http://tod-m.tbs.co.jp/i/program_m.php?id=638&SESSID=fni96one07bk89pnemdq7uiue4&SIG=6716bf31f9dc05cf9de811e9870f43b1&uid=NULLGWDOCOMO&rFlg=true#list
でも見逃してた話数がすぐ見れるのはいいかな

429 :
思わず本音を言いかけて、ハッとして丈二さんが〜って誤魔化すのが、ぽいですねぇ!
想像できないのかよって、ガックシ落ち込むのにもきゅんきゅん。
自然に桐谷陣内に脳内変換できました〜
続き楽しみです!

430 :
投下
http://a.pic.to/bipvk

431 :
>>426の続きです


帰り道。
自然と会話はなかった。
ただゆっくりと二人並んで歩いている。
彼女はお祭り会場の余韻に浸っているのだろう。
時々俺が射的で撃ち落としたぬいぐるみを眺めながら微笑んでいる。
そんな彼女の横顔を見ながら、俺はただ寂しさを募らせていった。
彼女のアパートの前に着いてしまった。
結局帰り道一言も発せれなかった。
「帰らせなくない。」
その一言が言えなかった俺はやっぱりヘタレなのだろう。
後ろ髪をひかれる思いで俺がやっと発した言葉は
「じゃあな」
だった。
「待って!」
彼女が俺を呼び止める。
「陣内、今日は本当にありがとう…。すごくすごく楽しかった。」
「俺も楽しかったよ。」
「でも私の不注意で足痛めたのに絆創膏買って来てくれたり、悪い人から助けてもらったり……陣内にすごく迷惑かけちゃった。ごめんね?」
かなり強引に俺を祭りに誘ったくせに、そんな事気にしてたのかと思うと、急に彼女をいとおしく思ってしまい俺は自然とまた彼女の頭を撫でてしまっていた。
「なーに急にしおらしくなってんだよ!バカ女はバカ女らしくいつもバカみたいに笑っていてくれよ…。俺の調子も狂っちまうだろうが。」
「もお〜!バカバカ言わないでよ〜陣内のバカ!!」「ははは!そうだ、その調子だっつの。」
すると彼女の顔が急に真剣になった。
何か決意を秘めたような瞳に俺は身構えたが、思いもよらない言葉に驚いた。
「ねぇ陣内。…来年も、一緒にお祭り行ってくれる……?」
「っ……。」
素直にいいよと言えばまた来年のデートが約束されるのだが、探偵事務所での口撃をちょっと根に持っていた俺は、少しこのバカ女を困らせてやりたいと思ってしまった。
「来年、俺とお前が本物の夫婦になってたら行ってやるよ!」
精一杯の嫌味を言って、「じゃあな。」と彼女の頭をわしゃわしゃと撫で、俺は彼女に背を向け歩き出した。
「…な、何言ってんのよ!陣内のばかーっ!!」
予想通り彼女の反応を示したが、俺は振り返らなかった。
いや、彼女の顔が見れなくて振り返れなかったのだ。
少しは俺の事を意識させる事ができただろうか。
わからず俺は帰路についた。
その時、彼女が頬を赤らめ俺が見えなくなるまで俺の背中を見つめていた事を、俺は知らない。

432 :
もう芹菜は陣内のこと好きになってるよねー
( ̄▽ ̄)ニヤニヤ

433 :
>>430
ときどきこんな陣内っていますよねw
思わずウケてしまった
>>431
本物の夫婦になったら…
萌えたw

434 :
これはUPしていいのか悩んだんだけど
http://e.pic.to/907dj

435 :
ジョージさんの貸衣装の中に
なぜかスケスケネグリジェがあってほしい
それを好奇心で芹菜がこっそり着て
案の定陣内に見つかって、そのまま喰われてほしい

436 :
>>434
ドラマ版の陣芹派ですがこれは萌えた
雑誌買っとけばよかった〜(;o;)

437 :
保守

438 :
桐谷陣内が好きすぎて、陣芹シーン編集して、毎日見てるよ、くっついて欲しかったなぁ

439 :
ドラマ化がなかったら原作を読むことも単行本の再発行もなく、桐谷健太にも興味持たなかったと思うと胸熱
でも9話じゃなくて12話分作って欲しかった〜

440 :
私もこのドラマで桐谷くんにはまった
チャンネルぱかぱか変えてて、突然目に飛び込んできた桐谷陣内は衝撃だったわ〜
今度の弓坂もかっこいいけど、
髪型は陣内のほうが好きだなぁ

441 :
同じ桐谷くんなのに仁の佐分利先生やBACKのラッパーはフーン…て感じだった

不思議

442 :
BACKてwww

443 :
pixivにも陣芹創作小説カテあった
http://m.pixiv.net/novel/search.php?s_mode=s_tag_full&word=%E9%99%A3%E5%86%85&PHPSESSID=d4ea5f9c0b75c3d80d8ec00c35ab7bc9&guid=ON

444 :
陣内
http://e.pic.to/5a2qf

445 :
修正液で下書きの線を消し仕上げたのがこれ
http://r.pic.to/1cpx0

446 :
DVDキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

447 :
特典映像なんかあった!?

448 :
まだ買うかレンタルにするか迷い中…

449 :
高かったけど
健太不足が末期症状だったので仕方なく買った
まーとりあえずこれで23日までもたせるわ


450 :
北野監督のアウトレイジの続編にも出演するね

451 :
>>450
嬉しいねー
世界の北野作品だもん!
暴力描写がちょっと苦手だけど・・・
しゅふたんみたいなコミカルなのもまた観たいわ
健ちゃん、アウトレイジでエロあればいいのにw

452 :
多分される役だと思うよヤクザにあこがれて痛い目に会うとか

453 :
いつの間にかワイルド系俳優って紹介になってた

454 :
久しぶりに覗いたら桐谷健太スレになっててワロタw
該当スレでやれよ

455 :
>>454
もういいじゃん桐谷健太スレ別館でw

456 :
職人様が降臨しないと雑談するしかないし…落ちる
そういやふみ君や他のキャラ禁止でもないのに作品無いね

457 :
職人様来ないし、雑談とかで気楽に使おうよ
落ちるのはいや

458 :
>>455
別館が18禁板にあるってどうなのwww

459 :
でも桐谷健太専用じゃなくて私はシャドウスレだしあの世界観が好きなんだよ。
芹菜やふみくんの話題もありだしエロい二次創作で萌えれるのがいいんじゃん、桐谷陣内に人気が偏るのはしょうがないとして。

460 :
>>458
桐谷健太クオリティwww

461 :
規制中で本スレ書き込めない
ここは書き込めるから、雑談できると有難い

462 :
そうは言ってもスレタイ見てからな

463 :
髪型変わってちょっと頬っぺたふっくらしたら陣内より老けてみえる

464 :
シリアスよりラブコメやってほしいな
相手役も年が近いほうがいい

465 :
うーん…でも相手役は深キョンがいいなー
もう一回最初からドラマ見直そう、最終回は外して。

466 :
深キョン以外で、ラブシーンの相手役が合いそうなのは誰だと思う?

467 :
すでにいろんな女優さんと共演してるし…
栗山千明かな

468 :
最近毎日のように夢に見るお(*´∀`)
昼間はICOってゲームみたいな、手をひいて女の子守りながら
戦うゲームの主人公の夢見た。禿げ萌え。
桐谷健太が女の子を守るシーン、一番萌えるんでげすゲッヘッヘ

469 :
8話冒頭はほんと芹菜も陣内もかわいいよな
階段の扉のガラスにふたりの顔が上下に並ぶシーン好き
おまえらなにやってんだよwwwってなる

470 :
健太くんは、悪者をやっつけて人を助ける役が多いね
実際も優しくて、あのでっかい体で守ってくれそう

471 :
キスが上手

472 :
妄想乙

473 :
やっぱり陣内と弓坂は別人だわ
今の桐谷さんが演じてる刑事役はドキドキしない

474 :
役者やね!

475 :
スパイス聴いてるとドラマ思い出す

476 :
久々に投下
http://p2.ms/ybp1t

477 :
保守

478 :
またSS書いてみようかなぁ誰か見てる人いるかな?

479 :
見てるよ!
超見てる!!

480 :
ヽ(・∀・)ノ見てるよ!

481 :
上に同じ!
自分もSSいくつか書いてみたんだけど、
エロの部分で止まってる…
頑張って書き上げてみようかな

482 :
見てる人や同士がいてくれてよかった…(;_;)
少し頑張ってみようかな!

483 :
wktkして待ってる!
ヾ(≧∇≦)

484 :
>>482
わー、ありがとう!
楽しみ!
昨夜、DVDで6話(二人で山に行って、福寿を調査する話)を見返して、神回だと改めて実感
やっぱ芹陣はいいな〜

485 :
いいなー
自分も頑張って書こっと
もう人いないと思って書くのやめちゃったけど、まだいてくれて嬉しい!
>>484
芹陣…だと……?

486 :
ごめんw
陣芹だったww

487 :
いやべつに芹陣でもいいけど(笑)

488 :
芹陣てwww
芹菜がペニバン付けて陣内を責めるのか
陣内のアナルバージンは芹菜によって
破られた!萌にそう〜


489 :
下品だなぁ by芹菜

490 :
昨日のスマステゲスト出演、久しぶりに陣内ビジュアルだったよカッコ良かった

491 :
弓坂のほうは今週やる最終回の予告でにそうになってたよ

492 :
刺されたけどななかったね

493 :
過疎ってるけど、ss投下します。
陣内×芹菜でエロありです。
**********
「ご馳走さん。今日もうまかったよ。ありがとな。」
「ほんと?よかったぁ。」
陣内にそう言われ、芹菜の顔から自然に笑みがこぼれる。
夕食後のいつもの光景だが、陣内のさりげない気遣いがうれしい。
作った甲斐があるというものだ。
芹菜はこの何気ない日常の中にある小さな幸せを噛みしめていた――
あのマリアブラザーズの陰謀から武文を助け出した後、芹菜は離婚した。
武文は浮気したことを深く懺悔していたが、芹菜にとってはただのきっかけに過ぎなかったのだ。
武文に依存していた自分を恥じ、自立し、一人で生きたい。
そんな思いが芹菜を離婚へと駆り立てた。
また、芹菜の心の中には武文以上に大切な存在があるということを改めて気付かされた。
その存在こそが陣内だった。
藤元芹菜に戻り、探偵事務所で正式に雇われるようになった後、芹菜は素直に陣内の思いを受け入れた。
それからというもの、仕事が終わると陣内は頻繁に芹菜の部屋に訪れるようになった。
週に2,3日であったのが、回数は次第に増え、今では毎日訪れては泊まっていく。
同棲していると言ってしまってもいい位であった。
「あ〜今日も疲れたなあ。」
ゴロンとソファに横たわる陣内を見て芹菜は言った。
「食べた後すぐ横になると牛になっちゃうよ。」
「お前はガキか。まだそんな迷信信じてんのか。」
「陣内の体を心配してるんじゃない。お風呂沸いてるからさ、入っておいでよ。」
「おう。じゃあ入ってくるか。」
陣内は起き上がり、バスルームに向かう。
芹菜も食べ終えた食器をシンクに運び、洗い始めた。
すると、突然後ろから抱きしめられ、思わず「ひゃあ!」と大きな声を上げた。
危うく茶碗を落としそうになる。
「ど、どうしたの?てっきりお風呂に入ったのかと。」
「一緒に入ろうぜ。」
「ええっ!でも、洗い物が…。」
「そんなの後でいいだろ。」
「汚れが落ちにくくなっちゃうから…。」
「じゃあ終わったらすぐに来いよ。」
「う、うん。」
そうは言ったものの何となく恥ずかしくて、躊躇してしまう。

494 :
――そうだ。なかなか洗い終えなかったと言って誤魔化しておけばいい。
しかし、そんな芹菜の浅はかな考えは、次に発せられる言葉によって無残に崩れ去った。
「あ、来なかったら“お仕置き”だからな。」
お仕置き…。
それは一晩中抱かれ続けることを意味していた。
翌日は一日中体が火照り、全身が生温い倦怠感に包まれ、仕事どころではなくなってしまう。
それだけは避けたい。
芹菜はため息をつき、手早く洗い物を終えると、バスルームに向かった。
戸惑いながら服を脱ぎ、全裸になる。
恋人に発展してから幾度となく肌を重ねてきたけれど、明るいところで何もかもさらけ出すには覚悟が足りない。
バスタオルを体に巻きつけると浴室のドアをコンコンと叩き、「失礼しまーす」と少しおどけながら中に入った。
ちょうど陣内は頭を洗い終えたばかりで、バスタオル姿の芹菜を見て、顔をしかめる。
「なんだよ、その格好。お前はバスタオル巻いたまんま風呂に入るのか。」
「だって恥ずかしいんだもん…。」
「ふーん。まっ、いっか。ほら、背中流してくれよ。」
何をいまさら、という顔をし、芹菜の方に背中を向けた。
芹菜はボディソープをスポンジにとり、丁寧に背中を洗い始めた。
少し筋肉質で引き締まった広く大きな背中。
私はいつもこの背中に守られているんだと思うと体の芯が疼くのを感じた。
「おい、なんか喋れよ。」
無言で洗い続ける芹菜に陣内は声をかける。
「え、えっと…。そういえば、あのね、もと子がね。彼氏ができたから、今度4人で飲もうって。」
「へえー。あのもと子さんが。あの人、黙ってたら美人なんだけどなあ。気が強すぎるんだよなー。」
「もう!そんなこと言わないでよ。もと子だって男社会の中で色々大変なんだから。」
「…それはいいとして…。お前、いつまで背中洗ってんだよ。」
「え!そ、そんな!前も…洗うの…?」
「バーカ。そんなことじゃなくて…」
陣内が振り向き、芹菜を抱き寄せたかと思うと、力尽くでバスタオルを剥ぎ取った。
「きゃあ!何するの!?」
「これ、邪魔。もう待てねーし。」
荒々しく陣内が唇を重ねてくる。

495 :
そして芹菜を抱きかかえるとバスタブの淵に腰掛けさせるようにして置いた。
陣内の手が芹菜の太腿をなぞり、軽く足を開かせる。
芹菜の顔にさっと羞恥の色が走るが、唇をふさがれ声も出せない。
ゆっくりと陣内が芹菜の局部を愛撫し始めた。
「!!」
焦る芹菜を尻目になおも愛撫は続く。
襞を押し開き、その中心にある敏感な蕾を触れるか触れないかの微妙なタッチで撫ぜたかと思うと荒々しく弾いたりする。
その妙技に芹菜はすっかり翻弄されていく。
じわっと生暖かい液体が襞の奥から染み出し始める。
細くて長い指で芹菜の局部を弄びながら、陣内の唇は首筋に軽く吸い付き、ピンク色の後を残しながら鎖骨やデコルテの辺りへ移動する。
その度に洗いたての髪から滴り落ちる滴が芹菜の体を伝い、襞の割れ目から溢れ出る愛液と混ざりあい、溶けていった。
「ほら。もうこんなに濡れてる。」
耳元で恥ずかしい言葉をかけられ、芹菜の頬が朱に染まる。
「…やだっ…そ、そんな…こと…言わないで…」
容赦なく続く愛撫に息も絶え絶えになりながらも必で懇願する。
「なんだよ。ずっとこうされるのを待ってたんじゃないのか。」
陣内は指と言葉で攻撃し続ける。
愛しい人の左手で強く抱きしめられ、右手でいやらしく苛まれ、芹菜はうまく声を出せない。
大きな瞳にはじんわりと涙が浮かび、うっすらと半開きになった唇は唾液でねっとりと妖しく光っていた。
局部を撫で繰り回していた指が今度は強引に芹菜の内部に押し込まれ、規則的に抜き差しされる。
「…あっ…」
「そうやっていちいち反応する所が可愛くてたまんねぇよ。」
「やっ…やめ…て…」
「だめだ。まだイッてないだろ。」
指に回転が加わり、芹菜の内部は一層激しく掻き乱され、弄られ続けるのがわかる。
「はぁ…あ…じ、陣内…」
「どうした?」
「ふ…あ…やだ…ぁ」
「言わないとわかんないだろ…」
自分の中に潜む淫らな部分を見透かされたようで、羞恥の思いがより一層強くなる。
それでも快楽に侵され朦朧とする中で、このまま指で苛まれ続けるのも我慢ならない。
「あぁ…は…陣内が…欲しいの…お願い…」
恥辱に耐えながら懇願する。瞳には涙があふれんばかりになっている。

496 :
「わかった。」
陣内は口角をいやらしく上げ、にやりと微笑むと、愛撫をやめ芹菜の両太ももを掴んだ。
自分の方へ強く引き寄せ、ゆっくりと芹菜の体を沈めていく。
じわりじわりと陣内が中に侵入してくる。
「はあ…」
奥まで入りきると芹菜は思わず声を上げた。
体の芯をゆするような快楽と小さな鈍い痛みに包まれる。
陣内は、ふっと息をつくと今度は激しく突き上げた。
「んんっ!」
芹菜の体が仰け反る。小さな喉仏がくっきりと浮き出る。
風呂場のむせかえるような熱気の中で何度も強く突き上げられ、十分な息ができない。
規則的に襲ってくる得も言われぬ刺激に、体がバラバラになりそうになり、必で陣内にしがみつく。
陣内もそんな芹菜を離すまいと強く抱きしめる。
「…あっ、あ…!私…もう…」
濃厚な前戯の所為もあって芹菜は呆気なく絶頂を迎えた。
大きく肩で息をしながら、必で酸素を取り込もうとする。
そんな芹菜の額、瞼、頬、首筋、肩に優しく口づけを落としたあと、陣内はつぶやいた。
「もうイッたのか。」
「――!!」
「俺はまだ満足してない。」
そう言ったかと思うと、芹菜の腰を強く掴み、自分の方へ引き寄せる。
と同時にくるりと芹菜を回転させると、バスタブに腕をかけさせ、四つん這いになるような格好にさせた。
芹菜の腰を押さえつけ、背後から自身を芹菜の内部へ挿入していく。
達したばかりで未だヒクヒクと痙攣している芹菜の内部は挿入するだけで陣内に十分な快感を与えた。
きつく締め付け、いやらしく纏わりついてくる感触。
やっとの思いで最奥に到着する。
「はあぅ…!」
芹菜が大きく喘ぐ。
先程の体位とは違い、膣の後壁を強く擦られ、その快感に膣の内部はまた痙攣する。
抜いて、奥まで進むたびにその刺激は強くなる。
もう止まらない。陣内は自分が制御できなくなっていた。
「芹菜…俺もイキそうだ…」

497 :
数回の律動で陣内は限界まで来ていた。
芹菜は辛そうに眉根を寄せる。
律動の速度が極限まで高まる。
「…好きだ。芹菜…愛してる…」
「あっ!」
芹菜の体から力が抜けると同時に陣内も達した。
呼吸が乱れに乱れ、体が動かせない。
息が整うまで陣内は繋がったまま芹菜の背中を抱きしめていた。
ぐったりとしている芹菜の首筋にしばらく口づけた後、抱きしめた腕を緩め芹菜の中から自身を引き抜いた。
「ぅん…」
芹菜から漏れ出る甘い声に、再度、己の欲望に火が付くのを感じた。
陣内は両手で優しく芹菜を抱きかかえると、そのまま寝室へ運ぶ。
ベッドにゆっくりと横たえ、いまだ荒く息をしている芹菜にささやいた。
「お前が…あんな声を出すから、またヤリたくなるだろ。」
何よ…結局“お仕置き”じゃない!
芹菜はキッと陣内を睨み、背中を向けてふて腐れる。
そんな態度をとりながらも結局は陣内を受け入れてしまうのであった。
**********
以上です。
やっぱり陣内は絶倫で。
お目汚し失礼しました。

498 :
ぬおぉ
久々のネ申降臨
お待ちしておりました
Sな絶倫陣内萌え〜

499 :
朝から鼻血吹いた
(´д`)

500 :
えろいぃ〜!!ありがとうございます

501 :
また原作マンガ読み返しちゃった

502 :
最高な陣芹ありがとうございます。陣内は絶倫でしたか、途中から桐谷変換で妄想してしまいました。桐谷さんも絶倫そうですよね。次も期待します。ありがとう

503 :
少しずつになっちゃいますが投下します!
続きあります

「じんなーい!私、最近誰かにつけられてる気がするの!ストーカーかなぁ…?」
本日の業務も終了に差し掛かった頃、芹菜が不安そうな顔で言いだした。
「自分はストーキングされている。相手を突き止めてくれ」と言う依頼を何百回と受け、その殆どが依頼人の勘違いだったという自らの経験から、陣内はまともに返事をしなかった
「はぁ?気のせいだろ〜、誰が好き好んで三十路のバツイチ女つけ回すんだよ!自意識過剰なんじゃなたいですか〜?元バカ奥様」
「大丈夫〜?怖いね〜、危ないから今日からずっとここに泊まれば?」
「はぁ!?何言ってんだよ!?」
(こ、ここに泊まったほうがこいつの身があぶねぇっつーの!)
「もー、じんちゃん芹菜ちゃんの事心配じゃないの〜?」
「だって…こいつだぞ!?ストーカーなんてあり得ないっつーの!」
「あり得ないって…なによ…」
(やばい…言い過ぎたか)
「陣内のバーカ!もう知らない!!大っきらい!!もう帰る!!」
余りの陣内の素っ気ない態度に、芹菜は頬を膨らませてそっぽを向いてしまった。
それと同時に真剣に心配してくれない彼に少し失望した。
その芹菜の細やかな心情を丈二はその感の良さで読み取ったようだ。
「…それはじんちゃんがそう思いたいだけでしょ?それ以上言うと芹菜ちゃん本当にじんちゃんの事嫌いになっちゃうよ?」
帰り支度をしている芹菜には聞こえないくらいの声量で耳打ちする
「…わかってるよ」
「おい、バカ女こっち向け」
グイッ
「にゃ、にゃにしゅんのよぅ…」
陣内は芹菜の頬を指で挟んで無理やり自分のほうを向かせた。
「悪かった。お前は真剣に困ってるんだもんな。全力で力になるから、俺に詳しく説明してくれ」


504 :
続き

(…な、なによう……最初から真剣に聞いてよう…)
彼の余りに真剣な表情に芹菜思わずドキリとしてしまう。
やっぱり陣内は私がいつも困っている時、力になってくれる、その安心感に心が包まれた。
「う、うん…あのね、最近探偵事務所からの帰り道に凄く視線を感じるの!その視線が……凄く恨みとか憎しみがこもってるような気がして…家に帰るまでずっと視線がついてくるの!本当に私怖くて怖くて…」
「その視線に恨みがこもってると感じる根拠は?」
「それは……直感?」
陣内は呆れたようにふぅーっと息を吐く。
「あのな、お前最近誰かに恨み買うような事したのか?」
「…ないと思う」
「お前はいくらバカでドジでトロくさくて鈍感でも、好意ならともかく、恨みを向けられるような人間じゃねーよ。俺が保証する。」
「…陣内、私の事そうゆう風に思ってくれてたの…?」
「じんちゃんは芹菜ちゃんの事本当によくわかってるんだね〜ニヤニヤ」
「ばっ…か!ちょっと誉めすぎただけだ!泊めてはやんねーけど、心配だから今日は帰り送ってってやるよ!」
「わー、ありがとう陣内♪やっぱり陣内は冷たいフリして、優しいよね〜」
(…しかしこいつが憎まれる要素なんて皆無だろ…今は独り身だし…何か気になる)
こうして定時を過ぎ、陣内は芹菜と事務所を出た。


505 :
これは…(^ω^)わくわく

506 :
楽しみすぐる!
いい子にして、続き待ってます!!

507 :
桐谷君の写真集『CHELSEA』素敵ですし凄いですよ、衝撃的です。お尻もヘアも見れますよ

508 :
保守

509 :
復帰

510 :
続き

帰り道。
閑静な住宅街を二人歩く。
(結構人通り少ないんだな…街灯も少ない)
「視線を感じ始めたのはいつだ?」
「うーん…、一週間くらい前からかなぁ。」
「一週間!?お前、なんでもっと早く言わなかったんだよ!」
「だ、だって最初は気のせいかと思ったんだもん……」
「俺は特に視線も気配も感じないが」
「私も、今日は何も感じないの…陣内がいてくれてるかなぁ?ねぇ、これから陣内毎日送ってって〜!」
「嫌だよめんどくせーな!」
そんなやりとりをしてる内に何も起こらず芹菜のアパートに到着してしまった。

511 :

続き
「ありがとう陣内。凄く心強かったよ。」
「どういたしまして。ちゃんと戸締まりして寝ろよ?」
「うん…あ、ちょっと待ってて陣内」
「?」
しばらくして芹菜は小さなタッパーを二つ持ってきた。
「これ、今日のお礼!多めに作ってたおかずなんだけど…よかったら食べて?」
「……まじで!?」
(て、て、手料理!!バカ女の手料理……)
「こっちが肉じゃがで、こっちがコロッケと、陣内の好きな玉子焼きね」
満面の笑みで芹菜が手渡す
「…さ、さんきゅ………」
(や、やっべー!!クソ嬉しい!!!)
「今日は本当にありがとう!また明日ね、おやすみ陣内!」
「お、おやすみ……」
(くっそ〜、バカ女め、なんてサプライズだ……こうなったらマジで帰り毎日送っていこうかな……)
その時
「……っ!」
陣内は鋭く差すような視線を感じた。が、すぐにその気配は消えた。
「一週間前か………少し調べてみるか」
陣内は芹菜にもらったおかずを大事そうに抱え、アパートを後にした。

512 :
待ってましたー!ありがとうございます!!
陣内の心の声がカワエエ
続き、楽しみに待ってます

513 :
続きが気になる気になる
ワクテカ

514 :
保守

515 :
待ってる…(´・ω・`)

516 :
陣内と芹菜がいちゃいちゃしてるとこが見たいです

517 :
保守しとかないと

518 :
陣内〜

519 :
なぜ 朝鮮人が生活保護をもらえるんだ?

520 :
なにこの誤爆

521 :
(´Д`)…

522 :
ふう…

523 :
おおおお〜い更新してくれお〜(´;ω;`)

524 :
続き、待ってます…

525 :
保守しときましょ

526 :
陣内〜 (>_<)

527 :
フジに陣内と芹菜が!!!!!

528 :
皆さま申し訳ございません!プライベートが大変忙しく続き考える暇もありませんでした。
続きです(>_<)


次の日
今日は思いの外仕事がかかり、もう夜の9時を過ぎていた。
「よーし、報告書作成終わり!それじゃあ陣内、私帰るね!」
芹菜が帰り支度を始める。
「ちょっと待て」
「?」
「今日はもう時間も遅い、家まで送ってってやる」
「え…いいの?陣内」
「ストーカーもいるかもしんねぇしな!時間遅くなくても、しばらく帰りは俺がついてってやるよ」
「ありがとう!!…陣内やっぱり優しいね」
「べ、別に…男として当然の行いだ!あと、昨日の肉じゃがと玉子焼き美味しかった。ありがとう」
そう言って陣内はタッパーを芹菜に差し出した。
綺麗に洗われたそれを見て芹菜は嬉しくなった。
「どういたしまして!あ、陣内!今日も送ってってくれるお礼に晩ごはんうちで食べてってよ。お腹空いてるよね?」
「い…いいのか?」
夕方にコンビニおにぎりを一個食べたが足りるはずもなく、陣内は芹菜の言葉に甘える事にした。
それよりも芹菜の部屋に上がれる事が陣内には何より嬉しかった。
「うん!一人で食べるより、二人で食べたほうが美味しいでしょ?それに誰かの為に作るほうが気合い入るし♪一緒に食べよう??」
芹菜が満面の笑みで言う。
(くっそ…可愛い!!そしてこいつ解ってんのか?自分の部屋に男を上げるんだぞ……?いや、これは俺に対する信頼の証だ!!紳士でいるんだ!陣内春樹!!)
こうして二人で帰ることとなった。

529 :
待ってたよ!(^o^)


530 :
芹菜の部屋
「今日も視線感じなかったな〜!ストーカーさん、退散してくれたのかな?」
「だといいんだけどな……」
ワンルームの狭い部屋に必要最低限の家具が揃い、綺麗に整頓されている。
「ちょっとー、あんまり見渡さないでよ、エッチ!」
「だっ……誰がエッチだこらぁ!!」
手際良く調理している芹菜の後ろ姿を眺める。エプロン姿が可愛らしい。
(後ろから抱き締めてやりてぇ…)
彼女は離婚したばかりだ。焦る事はない。ゆっくりと関係を深めて行ければいい。
だがもし彼女を狙おうとする者が現れたら、全力で排除してやる!!
勿論ストーカーもだ!!
「できたよ、陣内♪」
美味しそうなオムライスが出てきた。
玉子は半熟だ。
(た、玉子が黄金に輝いて見える……)
「「いただきます!」」
陣内は大事そうにゆっくりと噛みしめる。
「どーお?」
「うめぇ………すげぇうめぇよ」
「本当っ!?よかった〜♪」

531 :

「……こんな美味いもんが毎日食えたら、幸せだろうな〜」
陣内はポツリと呟いた。
「うん?」
よく聞こえなかったのか、芹菜が陣内の瞳を覗きこんで首をかしげた。
「な、なんでもねぇ!」
(いかん、俺とした事が思った事をそのまま口にしてしまったみたいだ…)

「ん〜今日もおいしかった!ごちそうさま♪」
「ごちそうさん」
芹菜が食器を持って台所に向かう。
「手伝うよ。」
「えっ?」
陣内が芹菜の隣に立ってスポンジと皿を奪いとる。
「あ、ありがとう…」
(…なんで照れてるんだろ、私)
食器洗いも終わり、時刻はもう10時半を回っていた。

532 :
ドキドキ…

533 :
うわ!
続きが一気に!
ありがとうございます!
楽しみに待っております

534 :
このドラマ去年の今頃始まったんだよね

535 :
保守!

536 :
・陣内と芹菜
・出遅れた感
・えろくない
以上よろしければどうぞー

***
「Trick or Treat!」
英語というより日本人のカタカナに近い発音とともに、芹菜は陣内の背に抱きついた
「あんまり騒ぐなよ、周りに怪しまれるだろ」
「そう?カップルかなーって思って怪しまないと思うよ」
一応、ふたりはいつもの例に漏れず素行調査中。
よくある、不倫してるしてないの調査だ。
「どういう理屈だよそりゃ」
仕事中だからだろう、陣内が軽く顔を顰めているのが見える。
が、芹菜はくっついたまま離れない。
手を前に回してみると、肩越しに見える表情はより変になる。
それがおもしろいのだが、馬鹿正直に言うと彼は怒り出す性分だ。
心が狭いから。
季節は秋から冬へ切り替わる時期。
洋服選びが難しい時期だ。
そんなわけで、今日の芹菜はまだ秋らしい服装。
おかげで肌寒い。
陣内は季節問わず黒い革ジャンなのだが、寒くないのだろうか。
「陣内、今日寒いねー」
「まだ冬本番でもねぇのに泣き言言うなよ」
「だって寒いんだもん」
腕に少しだけ力をこめる。
ひとりだと寒くて、ふたりだと寒くないのはどうしてだろう。
不思議でならない。

537 :
「おいッあんましひっつくなッ」
「陣内のケチ」
「知るかッ」
陣内は芹菜を引き剥がそうとする。
勿論、そう簡単に剥がれてくれる芹菜ではない。
やる、と決めたらしつこいくらいの女だ。
「で。どっちなの?」
「あ?」
「お菓子と、いたずら」
まだ答えを聞いていない。
「…」
小さな攻防戦はぴたと止む。
陣内は身体をねじり、芹菜をじっと見る。
「なによぅ」
無言で見つめられると居心地が悪い。
なんだか裸足で逃げ出したい気分になる。
顔が熱いのはきっと気のせいじゃない。
その様子を見たからだろうか、陣内は頬をゆるめ小さく笑った。

538 :
「おまえにはこれがお似合いだ」
実に愉快そうな声で、芹菜の額を軽く中指で弾く。
優しい手つきだったから痛くも痒くもないが、突然のことに芹菜は瞳をしばたいた。
その隙に陣内に巻きついた腕をとられ、強引にひっぱられる。
「わっ」
すとん。
気付けば頭は胸の中。
気付けば身体は腕の中。
だれの?陣内の、だ。
 
思いも寄らない状態で芹菜の頭の上には疑問符が飛ぶ。
対して陣内は、してやったりの顔。
「おまえはどうなんだよ」
「え?」
囁きが上から降ってくる。
「お菓子か悪戯か」

***
長いって怒られた
おわりっ

539 :
IDが全部違うw何事wwww
一応同じ人ですよー

540 :
久しぶりに覗いたら更新されてるー\(^o^)/

541 :
久しぶり

542 :
可愛いお話だあー
ありがとう!

543 :
今頃再放送でハマりました!もう人いないのかなぁ。保守!

544 :
再放送やってるの知らなかったー

545 :
原作マンガも面白いよ、作者はもう引退しちゃったけど

546 :2013/04/15
保守
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