2013年10エロパロ674: P2でエロパロ その2 (581) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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P2でエロパロ その2


1 :2007/12/15 〜 最終レス :2013/09/03
前スレ
P2でエロパロ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1160486872/l50
のんびりまったり、和やかに行きたいですね・・

2 :
P2ってペルソナ2かとおもった。
って書こうとしたら前スレにもあった。

3 :
乙&保守!!

4 :
>>1
乙!

5 :
ここは週間少年ジャンプで連載中の「P2!-Let's Play Pingpong!-」のエロパロスレです。
基本はsage進行。
荒らしはスルー、職人は大切に。マターリいきましょう。
作品を投下される方はカップリングやSSの傾向、題名(できれば)を提示して下さい。
非エロも可ですが、ここはエロパロなので程々に。
女体化や801(ヤヲイ)はNGです。
前スレ :http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1160486872/
まとめサイト(Wiki) ttp://www37.atwiki.jp/p2-eroparo/pages/1.html
《まとめWikiへの保管は自由となっています。保管していただける方はどうぞよろしくお願いします。》

6 :
(ry

7 :
保守

8 :
乙。赤丸では高槻戦だけなのかな。
いっそ年代ジャンプしてでもサシャと戦って欲しい。

9 :
同感

10 :
1月2月はコミックスがでないのか。
かなしいな

11 :
スカトロのお兄さんマダー?

12 :
アキラの笑顔が見たい今日この頃

13 :
あながち同意

14 :
ヒロムの能力があれば、一瞬だけ見えてしまった女の子の恥ずかしい姿が目に焼きついてしまったりするんだろうか。

15 :
なおかつ絵で鮮明に再現する事もできるよ
アキラ・乙女は色々気をつけるべきだな、弱みを握られかねない

16 :
動体視力と瞬間記憶は違うって。
サバン症候群ならともかく。

17 :
シハシハシハ

18 :
保守

19 :
保守

20 :
eraP2はある意味楽しめた。
やっぱ簡単だとは思うけどね・・・・せんせーだけで50日あれば終わる。

21 :
保守

22 :
はい、ども 投下できる内容になるまで
多少時間がかかりそうです。
ネタ切れっぽくもなってきたので
皆さんのお望みのプレイを微スカトロ〜露出プレイまでおk
読んでくれる人が興奮してくれるものを創りたいと思ってますのでよろしくお願いします。

23 :
とりあえずアキラが出てくれればそれでおkですww

24 :
山雀「メリークリトリス!」

25 :
活気ないですね
保守

26 :
活気がなくても最後まで残ってくれている
妖さんに感謝したい気分です。
あと、私はアキラが笑顔でいてくれれば
それで満足でネタが出せなくてすみません。 

27 :
>>24
アキラ「……そういう事を平気で言えるなんて、安いプライド…だね」

28 :
お待たせしました。
待っている人がいたのか不明ですが、久々の投下です。
多少スカ入ってます。苦手な人はスルーしてください。
メリークリ○○ス!!!

29 :
四日目(前半)

体が汚れてきた。
それもそのはずだ。四日間、アキラは風呂どころかシャワーすら浴びていない。
そもそも、男に連れ去られた日は、部活の帰り道のことだった。
王華学園の女子シャワー室水道管破裂工事はまだ完了しておらず、男子部員がシャワーを浴び終わるのを待つくらいなら家で、
と思い部活後のシャワーを浴びずに帰る途中での出来事だった。
この四日間、アキラの身に色々な事があった。
………それは身の毛がよだつほどに暗鬱なものだし、思いもよらぬ命令をされてそれを実行したりもした。
更に昨日、思い出したくも無い悪夢のような出来事。
男の事を自分の主人と認めるセリフを言わされ、目の前で強制的に排便させられ、みっともなく泣きじゃくった。



30 :
三日目事後
「さて、ようやく部屋の後始末は終わったし、次は汚れたペットを綺麗にしてあげなきゃだね」
男が、汚れてしまった部屋を綺麗にしている間、アキラはずっとその場に立ち竦んでいた。
長いことしゃくりを上げていたが、掃除が終わるころにはそれも収まり始めていた。
そうすると、次は自分がしてしまった事に対する罪悪感がアキラを襲う。
男は、クローゼットから取り出したウェットティッシュとタオルを手に、アキラに近づく。
未だアキラの下半身は汚物にまみれたままである。
勢い良く放出されたとはいえ、グリセリン溶液と混じった軟便は、菊穴からアキラの太ももを伝いふくらはぎまでその痕跡を残していた。
男は、そんなアキラの汚れを気にも留めず、童話でお姫様にするように抱え上げた。
いわゆるお姫様抱っこである。
そのまま、床に引いたタオルの上にアキラをおろす。
男の一挙一動にビクっと反応するアキラだが、少なくとも今は危害は無いと判断したのか、それとも、男の機嫌を損ねることを恐れたのか、暴れはしなかった。
男は、ウェットティッシュを数枚手に取り、アキラの足にこびりついた汚物をふき始めた。
少しの時間ほっておいた為か、乾き始めている汚物は、簡単にふき取ることが出来ない。
だが男は、無理にこすったりはせず軟らかくなるようウェットティッシュを汚物にあてて、ふやかしてから綺麗にふきあげていった。
先ほどまでとは違う男の優しさに、アキラは戸惑っている。
そうして、ふくらはぎから膝裏、太ももとアキラの体は綺麗になっていく。
男が、汚れたウェットティシュを丸めて、新しいウェットティッシュを手に取り、次に汚れたところを拭こうとすると。
「あ、あの……そこ、は」
「ん?なに?オマンコは汚れたままでいいの?」
「自分で……」
「遠慮しないでいいよ。ペットを綺麗にしてあげるのもご主人様の役割だからね。ほら、足を開いて」
「……っ」


31 :

やはり、自分は男からするとペットなのだ。
この男に多少とはいえ優しさを感じた自分が、情けなくなってくる。
そんな事を考えていると、男の指がアキラのアナルを襲った。
「ひゃうっ!!」
片手で皺の一本一本まで丹念に伸ばし、もう片方の手で汚物を拭く。
その行為は、美しい芸術品を磨き上げているかのようにも見えた。
が、不意に男の指が、アキラのアナルを押し広げねじり込まれた。
排泄をしたばかりのアナルは、ウェットティッシュという軟らかい素材の助けもあり、あっさりとその穴を拡大させた。
「汚れた穴は奥もしっかりと綺麗にしないとね」
「ひぃ、やっ!だめ……」
簡単に第二間接まで埋め込んだ指をくの字に曲げて、腸壁をウェットティッシュ越しになぞる。
グリグリとアナルをほじり、腸内の汚れをふきあげる。
指を引き抜くと、指に張り付いてたたんだ傘のような形状になったウェットティッシュが茶色く変色している。
「二回目ー」
「いや、ひっ、くぅっ!」
男は新しいウェットティッシュを指に巻きつけると、容赦なくアナルに進入させる。
一度目と同じように指を折り曲げて、ドリルのように回転させながらアキラの腸内を綺麗にしていく。
「はい、次は五回目ー。だいぶ綺麗になってきたかな」
「……ふっぅ、もう、お尻、だめぇ………」
そうして合計八回、男の指がアキラのお尻の穴を出入りし、腸壁を直に拭き上げたのだった。
「ほら、みてごらんよアキラちゃん。一回目と八回目じゃティッシュの色が全然ちがうよ」
「…………」
目の前には一回目から八回目まで使用したウェットティッシュが順に並べられている。
当然のことながら一度目よりも二度目のほうが、二度目よりも三度目のほうが色が薄い。
八度目のティッシュはほぼ汚れが見えず、アキラの体が綺麗になった証拠とも言えるだろう。
「ほら、綺麗にしてあげたんだから、ご主人様に言うことがあるんじゃない?」
「…………」
「それとも、もう一度綺麗にしてもらいたいのかな?」
「………ありがとう、ござい……ます」
「うん、よくできました。それじゃ、今日はそこのベッドに寝ていいからね。おやすみ」

32 :


こうして、悪夢のような三日目は終わったのだった。

そして次の日の朝を迎えた。
のだが、いくらウェットティッシュで綺麗になったとはいえ、実際に体にこびりついた汚物の感覚は拭えない。
四日も風呂に入っていないと言う事と重なって、自分の体臭がとても気になってしまう。
無理を承知でお願いしてみようか。
けれどあの男が私の言うことを聞いてなどくれやしないだろう。
しかし一度気が付いてしまった汚れというものは簡単には忘れられない。
どうしよう。どうしよう。
そう考えているうちに、今日も扉が開いた。

33 :
>>29>>30>>31
題名間違えたorz
正しくは、【アキラ調教4日目(前半)】です。

今年もあとわずか。今年中に4日目を終わらせたいぞー!

34 :
GJすぐる
がんがれw
俺も今年の終わりか
来年の始まりに投下したいな〜と
気持ちは思ってる

35 :
職人さん、乙。
本当はGJ!といいたいんだけど
なんか作中の男に腹が立ってきたw

36 :
連投スマソ
保管庫のアドレス誰か教えてください。

37 :
ミスった。
よく見たら書いてありました
何度もすまん、気にしないでください

38 :
続き期待

39 :
緊急上げ

40 :
保守

41 :
>>33 GJ!
コレ読んだ後はやたらと甘々なアキラ×ヒロムが読みたくなる
のは漏れだけ?

42 :
そんなことはない俺も同じだ。
やっぱりドロっとしたものを読んだ後は
あま〜いものが読みたくなるものさ。

43 :
色々とWiki更新できましたー。
作品保管庫の『スレッド別』を更新、
>>33の方の作品を新規に保管しました。
不備がありましたらお知らせ下さい。

44 :
>>43
やるじゃん

45 :
今思ったが
wordで50kbって長編か?

46 :
蒔絵「ほらほらどうした遊部?」
遊部「蒔絵さんッ…あ・あかんて…!中に出てまう」
蒔絵「いいぞー?若いエキスたっぷり受け止めてやるぞ」
というのが思いついたんだ

47 :
>>45
長めといえば長めですね。人によるでしょうけど
>>46
それはつまり書いてくれるということ(ry

48 :
>>46
習作でいい キミが書くんだ

49 :
スカトロ嫌いな奴がいるから
ってかDKさんと話しかぶるから
スカトロ無しでいきます
途中報告終了

50 :
スカトロ嫌いな “奴” ね
スカトロに抵抗ない人間のほうが特殊だと思うが

51 :
あし

52 :
今晩はこんばんは。
KYな作者がドロっとした作品ばかり上げるから、スレがドロっとしてきちゃってるぜ。
というわけで、十悟×アキラ濃厚ラブ物です。
前スレでうpった「雨の匂い」の後日談みたいな物だと思ってください。
アレから数日経って、アキラがどれだけエッチくなったのか、みんなの目で確認してください。
スカはないです。
スカ好きでごめんなさい。
ドロっとした作品ばかりですみません。

53 :
「ちゅぷ……ちゅぷ……ちゅぷ、っん」
小さな口を目一杯に使って己の巨大な肉棒に奉仕を続けるアキラを見下ろしながら、十悟は敏感な部分に感じる刺激を、心地よく堪能していた。
 「んちゅ……んぅッ、んぐ……ん、ちゅぷっ………」
アキラの唾液が丹念に塗された肉棒はテラテラと艶光しながらスムーズに動いて、唇と舌を使って丁寧に舐めまわされる。
時折、奥まで咥え込み過ぎたせいか苦しげな吐息が漏れるも、その行為を止めようとはしない。
「ンッ……んぷぅ…んふぅ……ふっ、ちゅ………」
肉棒の根元付近から亀頭までの往復を何度も繰り返して射精に導く。
口内に溜まった液体は、アキラ自身の唾液と十悟の先走り液と混ざり合って卑猥な粘着音を室内に奏でている。
「……う、アキラ」
十悟の射精感が高まっているのが伝わる。
そして肉棒を深くまで咥え込むと、舌を使ってしごきあげた。
「…っ、……ア、キラぁ……でるっ!」
十悟の膝がきつく閉じられて、跳ねるように腰に力が加わると肉棒の先端から白濁の液体がアキラの口内に爆ぜた。
アキラは、口に出されたモノを吐き出そうとせずに十悟の射精が終わるのを待つ。
数秒が経ち、十悟の肉棒が萎え始めた所でようやくアキラは肉棒から口を離した。
「……ん、ちゅぱ」
離した時に僅かに口からこぼれてしまった精液を指で掬い取り、それすらも舐め取る。
そうして目を瞑り、ゆっくりと咀嚼するように、コクン、コクンと喉を鳴らしながら口の中に出された液体を飲み干した。

54 :

一方、出した張本人といえば、そうやって吐き出した己の欲望を受け止め、尚且つ飲み込もうとするアキラをじっと見つめている。
ようやく飲み干したアキラは、十悟の視線に気づく。
「……なに、見てるの?」
「んー、……いや、なんつーか、俺ってば幸せ者だなー。とか思ったり思わなかったり?」
「………別に、十悟のだからなだけ」
「まぁ、そういうトコも含めてな」
照れたようにそっぽを向くアキラに、同じく照れたように十悟が言う。
「じゃあ今度はアキラが気持ちよくなる番だ」
「もう元気になってる。…部活でもこれくらい体力が持てばいいのにね」
「うっせーなー、いいから早くこっち来いよ」
二人はベッドから立ち上がり部屋の隅に移動を始めた。
壁際にたどり着くと十悟がアキラを促す。
するとアキラは十悟に背を向けて壁に手をついた。
「ほら、もっと突き出せよ」
アキラは、十悟に言われるままに壁に手をつけた格好で肩幅程に足を開き、小ぶりなお尻を突き出すようにする。
開かれた足の間に、アキラの状態を確認するように十悟がしゃがみこんだ。
「へぇ、もうトロットロじゃん」
「んくっ……あぁ…」
ショーツに浮かび上がったスジを指でなぞる。
浮かび上がった肉の芽を指の腹でくりっと押すとアキラの体が小刻みに震えた。
「ふぁっ、……ん」
すっ、と両手でショーツをずらして下げる。
アキラは十悟の動きに従い、片足だけ軽く浮かせてショーツを抜き取りやすくした。
片方の足首にだけショーツが引っかかっている光景は、なんだかエロいものを感じる。


55 :

ずぷ…っ
十悟の舌が突然蜜壷に埋め込まれた。
「ひゃうんっ!」
何度体験しても慣れることが無い、背筋を駆ける電気のような感覚。
それでもアキラは開いた足を閉じずに壁にもたれ掛かる。
くぢゅ…っ、ゅ、ぷ…っ
蜜壷をかき混ぜるように舌先を動かし続けると、アキラは爪先立ちになりながら壁にしがみつく。
舌を抜いて唇を密着させじゅるじゅると吸い上げると、壷の中から更に大量の蜜が溢れてくる。
「もう…、平気だから…」
息絶え絶えにおねだりをするが、十悟にその意図は伝わらない。
いや、伝わってはいるのだが、十悟のSっ気が気づかないふりをする。
「……だから、なに?」
「十悟の、挿れて欲しい」
「んー、なんかさ、アキラ最近こういうのもあんまり恥ずかしがらなくなったよな」
「……………」
「今日はもっとえっちな感じで言ってみろよ。じゃなきゃ、おあずけ」
十悟はそのまま舌での愛撫を続ける。
アキラとしては通常のおねだりも相当恥ずかしいのだが、十悟はそれ以上を要求してくる。
その間にも十悟の舌はアキラの膣内を責め快感を与え続ける。
そしてアキラは意を決したように――――――。
「十悟、ちょっと……、離れて」
アキラの言葉に従い、愛撫を止めて離れる。と


56 :
くちゅ
十悟に背を向けお尻を突き出した格好で、自分の指で花弁を押し広げた。
そしてその姿勢のまま。
「十悟の、お、おちんちん、私のここにいれ…、て」
最後の方は消え入りそうなか細い声で、そうおねだりをしたのだった。
十悟は無言で剛直を取り出し、アキラに近づく。
そのまま指で花弁を広げているアキラの膣口に亀頭を合わせ、ゆっくりと挿入した。
ず、ぷ……っ
十分に濡れた蜜壷は、簡単に十悟を受け入れる。
それでもアキラを気遣い、ゆっくりと腰を押し進める。
じっくりと時間を掛けて根元まで突き入れて、一息つく。
「まさか、あそこまでしてくれるとは思わなかったぜ。アキラ、すっげーエロかった」
「……ばか」
十悟が本格的に動き始めた。
ゆっくりと、だがリズミカルに腰を突き上げる。
「んあっ……あんっ! あっ!」
そのリズムに合わせてアキラは艶声を上げている。
花弁を広げていた手も既に壁につけ、体が崩れ落ちないように必にしがみついているようにも見える。
膝も小刻みに震え、だんだんと力が抜け始めているようだ。
そのせいか、ますますお尻を突き出すような姿勢になっている。
それはまるで十悟の剛直を、もっと奥まで と求めているようにも見えた。

57 :

そのアキラの行動に十悟の興奮も絶頂を迎えようとしていた。
アキラ自身が動き、思いもよらない快感を与える。
もちろん膣内も十悟の剛直をきつく締め付けている。
「あっ、も、もう……いッ!……イっちゃぅっ!!」
先に根を上げたのはアキラだった。
イクと宣言したと同時に膣が十悟の肉棒を更に激しく締め付ける。
背を反らせ、ビクビクと痙攣しているアキラを見て、十悟は腰の動きを止めていた。
「あふ、ぅん……、ごめ……ん、先に、イっちゃった」
アキラは顔だけ振り返り、とろんとした瞳で十悟に謝る。
そんなアキラを見て、十悟は動きを再開させる。
いや、先ほどよりも、より激しくだ。
「ぅ、ぁ?……ひゃぁ、ひいっ!…駄目っ!十悟!?イったばかり、だからぁっ!あっ!……駄目っ!」
「わりぃ、俺も、もうすぐだからっ!」
「早く、早くぅ!……我慢できないっ、また…あふぅ……きちゃう…イちゃうぅぅっ!!」
びくっ、びゅるっ、どくんっ
二人は同時に達し、大量の精子がアキラの膣の更に奥、子宮にまで吐き出された。
十悟は肩で息をしながら、絶頂の瞬間に奥まで押し込んだ剛直をゆっくりと引き抜くと、たっぷりと注いだ精液が、膣口からこぷっと音をたてて溢れてきた。

58 :


しばらくして息が整うと、十悟はアキラを抱えあげてベッドまで運んだ。
その後、ベッドでの二人の会話。
「……最近、なんで後ろから…なの?」
「んー?んー……やりやすいからじゃね?」
「私が聞いてるんだけど?」
「あと、初めてバックでやった時、アキラがすげー恥ずかしそうにしてたから、かな」
「…………」
「落ち着け、その振り上げたコブシを戻せ」
「……私は、普通にしたほうが十悟の顔が見れる…」
「――――っ…………アキラ……」
「……ひゃう!?ちょ、ちょっと、またするの?だ、だめ、あっ、あ…………もう、……馬鹿とーご」
二人の夜は、まだ長い。

59 :
また>>53>>54の名前欄間違えましたorz
アキラ調教も少しずつ書いてるので、首を長くしてお待ち下さい。

>>41>>42
甘々なつもりでしたが、俺の作品ではヒロムはほぼ空気です。
ごめんなさい。
>>43
中の人乙です。
>>45
俺は1作品30〜50くらいですよ。
たまに長いのを書いたりすると100超えたりもします。
>>46
早く執筆をしてうpをする作業に戻るんだ!
>>49>>50
スカは賛否両論あるので、始める前に言います。

まぁ、おもらし姿って、かわいいよね☆ミ
それではマタアイマショウマタアイマショウ

60 :
作品的には文句無しのGJ!
D_Kさんには感謝している。
でも!それでも!
俺はヒロム×アキラが好きなんだああああぁぁぁ!!!!

61 :
年内っていうから31日に更新かなとか思ってたら別の作品キテター!
このアキラのお陰で冬が越せる

62 :
超GJ!!
こんな十アキが読みかったんだ!
お陰で原稿やる気出た。ありがとう!

63 :
出来たことは出来たんだが終わり方が微妙なんで・・・・・・・
まぁ一応30kbある 

64 :
そんじゃ投下しますが以下の点にご注意ください。
1.上に30kbと書きましたが、間違えました。130kbでした。(爆
2.今回のは130kbと長いため前編・中編・後編の3つに分けさせてもらいました。
3.エロのみを読みたい方は前編と後編のみをお読みください。
4.ヒロムが卓球で最強化したり実験体の過去を持つのが嫌い方も中編をとばして
前編と後編をお読みください。
※前編から後編のを読んでも一応話は繋がるようにしております。

65 :
>>D_Kさん
GJ!流石です。前スレの雨の匂は貴方の作品でしたか!
甘い話ありがとうです♪これで年越しが出来(ry
保管しておきますねー。題名は雨の匂(後日談)でよろしいでしょうか。
題名は変更いつでもOKなのでよろしくお願いします。

66 :
久勢北3回戦進出

「『ふふふっロシナンテにかじられるのも2回目だし…そういえばアキラちゃんとも
ロシナンテにかじられたのがきっかけだったけ』」
ヒロムはそんな事を思いながら笑みがよぎる。
そこに乱入者が現れる。
「あ…と先客がいた…おじゃましまーす」
「!コーヒーのにおい?」
「ちょっと転んで頭からコーヒーかぶっちゃって」
「あはっ 災難だったね。あ、シャンプー使う?」
「あ…ありがとう 貴方いい人ね」
そこでヒロムは自分のシャンプーを手渡すためにしきりをめくった。
「???」
「ありがとう、使わせてもらうわ」
ヒロムの思考強制終了……。―――再起動―――。
「『待て待て待て…今回は看板立ってなかったよね…うん、何度も確認した。
となると…まさか、痴女?……ってことになるのか
いや、でも金髪だったから外人って事だよね…字が読めなかったって事もあるし』」
自分の思考をフルに活動させてそう考えを張り巡らせる。今のヒロムは名探偵こな○
さながらの頭脳を働かせている。 ↑こなた 笑
「『ともかく、一旦上がらないと…タオル巻いて』」
「えっちょっと待って」
ヒロムがそそくさ出て行こうとした時、相手の子が呼びとめる。
「『やばい、やばい、ヤヴァ過ぎる…ともかく出よう』」
一気に駆けて行き、ドアを開けて一瞬で閉めてからはぁはぁと深呼吸をする。
「もう、酷いじゃない」
後を追ってきた金髪少女が頬を膨らませてシャンプーを手に持って……凍結した。
計測開始……。計測終了。
「ええっと、ここ男子シャワー室なんだけど…」
「きゃあああああああぁぁぁっぁぁぁぁ」
浴室一杯に彼女の声が響いた。
「ああっもう…誰かに気付かれるでしょうがぁぁ」
負けんばかりの大声で、ヒロムが叫ぶ。
が、時既に遅し試合を終えた男子生徒がわいわいと騒ぎながらやってくるのが分かる。
「今さっきの奴凄かっ―――――」
「だよな…でもあの場面であの――――」
と聞こえてくる。流石に今まで叫んでいた彼女も青ざめる。
声が近付いてきて、そして扉に影が写る。
「こっちに来て…」
ヒロムは彼女の手を掴み近くにあった掃除用具入れの空箱に押し込み、自分も入って
扉を閉める。

67 :
ガッチャと言う扉が開く独特の音と共に声量が増してくる。
「ちょっと…なっなにすんのよ」
押し込まれた彼女は口を尖らせてヒロムを睨む。
「なにってかばってあげてるんだよ」
「はぁ〜? 誰からよ」
ヒロムは誰かの相手をいつもしているため、何を言われようとすぐに言い返せる。
「身体固まらせて動けなくなってたくせに」
「うっそっそれは」
「あのまま放置して、しかも僕が『君とは関係ない、あかの他人だ』
と言っていたら、どうなってたと思う」
「どうなるって言うのよ?」
互いの息がかかりあう距離の中、ふてくされた様に呟く。
「…ったく小学生なの?」
「ちっ違うわ…むがっ」
否定しようとしたためつい声があらくなり大声となってしまう、だがヒロムはすかさず彼女の口を塞いで、声をす。
「あなたはバカですか…大声出したら見つかるでしょ」
「むがっむがっ」
「ああ、ごめんごめん…ここで見つかったら庇いようがないから」
「だからなにがどうなるのよ」
「確実に犯されるだろうね…なんたって今性欲が1強いときだし
ここは、男子シャワー室だよ 男がどんどん入ってくるから
輪されると思ってもらっていいんじゃないかな…
それに、知識も持たないような奴等がやるんだから
かなりの痛みを覚悟しといた方がいいよ」
肺活量を疑うようなことを息継ぎほぼなしで言いきる。
この超ドS発言によってシャワー室に乱入するほどの痴女も目尻に涙を浮かべる。
「いやだよ…それは…お願いだから…開けないでよ」
「でもシャワー室に乱入するほどだからね〜
本当はエッチな事されるのが目的だったとか?」
「そっそんなわけないじゃ…」
「本当か、それじゃぁ試させてもらうよ」
「えっ?えっ?」

68 :
ヒロムは戸惑う彼女の事を気にせず、軽く口にキスをする。
ほっぺから頭そして再び口に、しかし2度目は深い長いキスを始める。
口の中には強引に舌を絡ませる。彼女は抵抗する暇さえ与えられず、なされるがまま舌が容赦なく責めつづける。息を継がせる時間もあたえない…
そして酸欠限界の限界を今までの経験をいかして、その限界をうまく引き出す。
「おっと…これ以上したら失神するかな」
「はぁはぁはぁはぁ」
彼女は必に身体中の酸素の入れ替えをするために荒い呼吸を続ける。
「大丈夫?ちょっとやりすぎた?」
「なっなにすんのよ〜」
声は小さいもののかなりの怒気がみなぎっている。
「ん?痴女かどうか試してあげてるの」
「痴女いうなぁぁ」
「だから、試してあげるっていってるでしょう」
言い終えると同時に首筋を舐め始める…いや舌を這わせ始める。首の後側から前のほうにかけてゆっくりと舐めて行く。
「やっやめっ…」
ぞくぞくぞくと身体が勝手に反応してしまう。
相手が全裸の為ことが簡単に進みヒロムは首筋から…集中性感帯の1つである
女性特有の双子山である胸に軽いキスをする。あえて突起部分さける。
「んっだめっ…おねが…い…へんなくな」
心はまだ折れないが身体が先に折れてしまい初めて味わう快感を受け入れてしまう。
「大丈夫、怖くないから心配しなくていいよ」
舐めるのを中断してから、彼女の目を見てそう言い放つ。
「でっでも…」
「ほら、身体が気持ちよくなるから…今ある変な気持ちを受け入れていいんだよ」
再び行為を始める。快楽と言う名の変な気持ちが彼女に襲いかかる。
「んふっ…ああっ…変な…気持ち…が」
ヒロムの行為が増したため、声を抑えるのが難しくなる。
「ほら、気持ちいいんでしょ…小さい声出してもいいんだよ」
察したかのようにヒロムはそう告げる。
「あああっっ んんあぁぁっ」
今まで抵抗していた彼女もそう言われてしまい喘ぎ声を出し始める。
そして、次の瞬間ヒロムは第3究極性感帯に吸いついた。
慣れが今まで生じていたのでその反動の所為で最高潮に達してしまう。
「いってよし」
「んんんあああぁぁぁっぁぁあっああっ」
狭い空間の中で大きく仰け反る。
大量の愛液を分泌させながら、初めて味わう快楽に耐えきれずそのまま失神する。

69 :
彼女がいった瞬間…偶然が重なったと言うべきだろうか、誰かがシャワー室に繋がる扉を一気にあけたのでほとんどが彼女の声がほとんど相される事となる。
「今なんか聞こえなかったか?」
「さぁ気のせいだろ」
「そうか…?」
「それより、早くシャワー浴びようぜ」
「だな」
残りの人がシャワー室に行き最後の人が扉を閉める
ヒロムは扉が閉まる音を確認すると
乱入してきた彼女に目をやる。
「さてどうしようかな〜」
ヒロムは失神してぐったりしている彼女を見て首を傾げて唸る。
「いっそ、このまま放置して……うわっ俺今最低な事考えてる
仕方ないや連れて行こっと」
彼女を抱えて扉を慎重に開けて眼で確認する。
そして、確認し終わるとすぐさま、その女の子を抱えて一気に更衣をすませる。
まずは相手からすぐに溢れかえる愛液を拭き取り、彼女の物と思われる服を着せる、
脱がせる時の逆で時間がかかる。この時ヒロムは思った。
「『ん〜脱がせるのは得意なのにな〜…やっぱ次からTPO(時間・場所・状況)を
考えていかせないとな』」
アキラと何回もやり、その度に服を脱がせているヒロムだからこそだ。
やっとの思いで、彼女に服を着せて自分も服を着始める。
それで、彼女をお姫様抱っこしてさっさとシャワー室を後にする。
「ほい…これ、あんたんところのだろ?」
「おっお嬢…」
先ほどの試合中に観客席にいた人物を記憶から引き出して、
ヒロムは『お嬢』と呼ばれる少女を男に渡す。
「ったく次からはちゃんと女子シャワー室に連れていってよ」
「ええっと?」
「男子シャワー室に乱入してきていろいろ叫んで、それでもって石鹸踏んでアウト
ってなわけで連れて来た」
「あっありがとうございます…なんとお礼申し上げたらいいのか」
「礼なんていいよ、どちらかと言うと俺のほうが謝らないといけないし…」
「えっ?」
ヒロムは踵を返して選手控え室へと戻っていく。

70 :
で中国のエリートと先輩が戦って先輩の勝利。
ここからは、本編の話しをさせてもらうよ。
「川末先輩…がまッ負ける?」
ヒロムは分かってしまった…気付いてしまった…………見えてしまった。
自分の生まれつきの能力『瞬眼』あらゆるものを見る目が…。
川末先輩の筋繊維が見えてしまった。カットマンとしての筋繊維の数の不足。
どう足掻いても克服する事のない生まれつき持ってしまった。
「マッチ・トゥ秀鳳」
悲しさの旋律が今鳴り響く。
アキラは知っていたのだ…分かっていたのだ………理解していたのだ。
ヒロムは無意識の内にアキラを睨みつける。アキラは身体を一瞬硬直させる。
「すまない、みんな後は…頼んだ」
川末先輩はどこを見るもなく、ただ眼をつぶってそう言って出て行く。
遊部は扉が閉まるのを確認するとヒロムを見たから、
「ひろむちゃん おってあげて」
「………分かりました」
川末の後を追って駆けていく。扉が閉まる音と共にダブルスの試合が始まる。
ヒロムが出て行った時にはアキラの姿も消えていた。




71 :
「不様ね、涼…お兄ちゃん」
ヒロムは足を止める。足を進めて目の前の角を曲がれば先輩に会えるはずだ。
だが今声が聞こえて誰かと話をしているのが分かる。誰か…それは自分の彼女であり
先輩の妹である…川末 晶だ。
二人は先ほど軽く見たが神妙な面持ちでだったので、それを邪魔するのは気が引けるためヒロムは話が終わるまでここで待機することになる。
「あれからどれくらい…だっけ涼?」
「……………2年半、卓球を再開してと言う意味なら1年と10ヶ月だ」
「…そう1年と10ヶ月かけて出た結論は2年半も前と同じなんだ
 ………………私が涼の夢を壊したあの試合から」
「『夢ね、夢なんて僕には当の昔になくなったよ…みんな分かってるんだろうか?
  夢は夢だからこそ夢なのに…叶えてしまったら夢ではなくなる
  そうなった時、みんなはどうするんだ?』」
中学生とは思えないことを胸の中で思いつぶやく
「今でも覚えてる 寒くて雪が降っててこんな大舞台じゃない小さな大会だった
 あの日、涼は……お兄ちゃんはラケットを置いた 
 私の所為でお兄ちゃんの夢が壊れた、それでも言ってくれたのに」
「『もうこの辺りが潮時かな?……早めにもどって準備をし―――』」
その続きの思いがつぶやく間もあたえず止まってしまう 
アキラの言葉がヒロムの心に干渉したのだ。
「応援するって言ってくれたのに!! 嘘つき!! あの時約束したのに……
 私が一番になるって なのに、また卓球を始めて そのあげくがこんな…こんな…」
最後の方になると声も小さくなり顔も伏せてしまう。
「『アキラちゃん………アキラちゃんには少し荷が重かったみたいだね
  精神が…心が耐え切れずに壊れかけてる、なんとかフォローを入れないと』」
軽く深呼吸をしてアキラは再び顔を上げて口を開く。
「…久勢北が負けたら私の所為だね 私が言わなければ涼は勝ってた
  そしたらダブルスだってあるいは…」
そこでアキラの言葉途切れる。涼が立ち上がり晶に背を向けながら言う。
「なら、それは僕の責任だ あの日僕はお前に夢を押し付けた
 弱さを盾にお前に甘えた もう僕を見るな晶
 僕を理由に卓球をするな」
それは、アキラにとってなにより冷たかった 自分が導いてしまった結果だったが
1%たりとも望んでいなかった まったく違う結末を…自分とお兄ちゃんが再び
同じ卓球台で試合が出来ることを…そう望んでいたのに

72 :
ヒロムは涼が…川末先輩の姿が消えるとすぐに曲がり角から出てくる。
最後の先輩のあれは…確実にアキラを壊してしまったのが分かったのだ。
アキラの心が崩れ始める。
「どうして…かな」
「アキラちゃん…」
「どうして、こうなっちゃうのかな  私はただ一緒に卓球をしたかっただけなのに」
既に大粒の涙がアキラの目から零れ頬を伝い床を濡らし始めていた。
そっと近づきヒロムは膝を床についてアキラを抱きしめる。
アキラの中で自分を抑制していた…心の歯止めがとれた。
どっと涙が今まで以上の勢いで流れ始める。でもその涙はヒロムの胸を濡らすだけで
床にまで流れ落ちることはない。声を必にしているがそれも少しずつ叶わなくなり最後には声を出して泣いてしまう。
ヒロムは抱きしめていた片方の手をアキラの頭にのせて軽くなでた後…。
「大丈夫……川末先輩はきっと強くなってくるよ」
「どうして…ヒロム君にそんな事が言えるの?」
顔を起こしてヒロムの顔をキッと睨みながらそう言う。
「僕も似たようなことずっと…ずっと昔味わったからわかるんだ
 その時自分の大切な人が支えてくれたんだ
 だからアキラちゃんが先輩を支えないと、先輩は罪悪感とかで押しつぶされるよ
 アキラちゃんがニコッとしているだけでいいんだ。
 そう僕の二の舞にならないように」
ヒロムはアキラの顔をじっと見つめながら優しい微笑をかけながら言う
「それってどういう意味?」
「いつか分かる…分かるときがくるよ。
 アキラちゃんも先輩と一緒にやりたいなら、少しずつ少しずつ近づかないと…
 それに僕も卓球に再び巡り会えたんだ
 アキラちゃんも先輩も巡り会うことが出来るよ でも努力はしないとね」
そう言ってヒロムは立ち上がる。軽く背伸びをしてアキラに背を向けて試合会場に
戻ろうとすると…アキラが呼び止める。
「証明して…私には見えない先があるって…私の見立てじゃ まだヒロム君は
 高槻さんから1セットも取れない」
落ち着きを取り戻し、そうヒロムに言う。
「大丈夫、この身体が朽ちようとも証明する 先があること巡り会えるってことを
 『もう、これでいいんだ 自己犠牲はつきもの誰かがなるくらいなら僕がなる
  そうあの時誓ったから…全リミットを解除しよう 今からだと時間かかるけど」 
そして、歩き始める。少しずつ自分で作り上げた道の上を…

73 :
「ヒロムー負けたらしょーちしないから ブログのお客も結構
 応援来てくれてんだからねー」
乙女が観客席からヒロムに呼びかける。
「乙女ちゃんごめんね…でも勝って見せるよ」
乙女の返答を聞かずにチームの元に駆け寄る
「藍川落ち着いていけよ」
蒔絵先生が…
「ま気楽になー」
遊部さんが……
「気を引き締めていけよ」
川末先…川末さんが………
「分かりました…絶対に勝ちとってみせます…この身体が朽ちようとも」
はっきり大きい声で応えた。ヒロムが…応えた。
誰もが聞いた…その声を…川末は目を見開いた。
弔い合戦として卓球歴半年もしてないと思われる少年の発言。
「続きまして S3を始めたいと思います 対戦者はコート3に移動してください」
ヒロムは戸惑う事無くラケットに力を限り握り締め1歩1歩前に進み始める。
その眼には見えない何かが確実に映し出されていた。
「藍川ヒロム…諦めはないようだな」
高槻は真直ぐヒロムを見据えたまま呟く。
「勝つつもりですから」
「レディゴウ」

74 :
高槻からのサーブで始まった試合…今のヒロムの実力では1mmたりとも高槻には
及ばないはずだ。だがヒロム言った言葉を思い起こすなら勝て(ry間違いだった。
一瞬にして高槻の放った球はヒロムの後ろへといっていた。
「1−0」
審判の声が会場全体に響く。
「どうした?お前の実力はこんなものなのか」
「まだだ『リミット解除に手間がかかりすぎる』」
「ふっそう言ってられないようにするまでだ」
再び高槻のサーブで始まる。高槻が打った球をなんとか打ち返す。
うまく反対サイドにヒロムは返すことが出来た。
しかし、高槻は既に予測していたようにまわりこんでいた。 
そしてまわり込んでいた高槻からの球は再びヒロムへと叩きつかれる。
高槻もヒロムがやったようにヒロムがいない逆サイドを狙って打ったため
ヒロムは打ち返すことができずに、そのまま………。
「2−0」
間髪いれずに審判の声が入る。
流れは既に高槻の方にもっていかれた。
どんどんと点が入っていく。たまにヒロムの放った球が偶然高槻の予想を上回り
点が入る。
「11−3」
圧倒的な差だ。遊部さんがやった自分の意思で境地を見るのとは訳が違う。
ヒロムは好きでやっているわけではない。
1セットを本気で?戦って負けてるんだから後2セットとられたら終わりなのだ。
「サーブ権久勢北」
ヒロムからのサーブが始まる。
「いきます『まだだ、リミット解除率45%か…となると全部一気に開放するか
 情報収集を開始、パクリではあるがあれをやるか…ついでにあれとあれを』」
ヒロムの攻撃で始まる。ヒロムはラケットに力一杯こめて球を打つ。
おまいらに分かりやすいように言うならR1を長押ししてAを押すってことだ。
しかしそれも一瞬にして打ち返される。溜め打ちをしたため打ち返せずに点が入る。
「どうした?勝つ気ではないのか」
「勝ちます」
「言葉は無料だからな」
そう言ってサーブ権が高槻へとうつる。
そしてこの2セット目も高槻の流れで終わってしまう。
「11−1」
先程とは違いまぐれも無くなっていき不意打ちでとった1点しかなくなった。

75 :
3セット目とうとうこれが最後のセットとなった
これを取られた時点で久勢北の勝ちはなくなってしまう
「これで終わりだぞ?まだ俺から1セットたりとも取れてないようだが
 それでよく勝って見せますといえたものだ。」
高槻はヒロムを見下してそう言う。
「………『リミット解除率95%かろうじて間に合うな内臓に過負荷だが仕方ない…
     よな…僕は…俺はこんなところで負けるわけにはいかないんだ』」
「だんまりか、仕方ない…本気でやらせてもらうぞ」
ここにきて高槻の放つ球速がこれまで以上に鋭く、敏感に、なおかつ重くなる。
一気に決着をつける気なのだろう。
ヒロムが飛びついてラケットに球を当ててもそれはラケットで回転し高槻に返すことが出来ない。このまま一点も取れずに久勢北は終わりをつげると誰もが思った。
「8−0」
審判のコールが入り本当の差を思い知らされる。
「僕は……『リミット解除率100% 開放開始準備………
 筋肉負荷、内臓負荷、神経負荷及び脳内負荷における痛覚神経の50%カット開始』」
高槻はヒロムを無視してサーブを放つ…それもあっさりときまる。
「9−0」
また1点きまり敗北の二文字が正式に決まるまであと2点で終了する。
そして、高槻がまたサーブを放つそれも点として入ってしまう。
「10−0」
とうとう最後の1球になってしまう。これで終わる…すべてが久勢北の負けが……
ヒロムは1セットもとれずにこの試合を終わり、誰もが予想していた通りになる。
久勢北陣営は既に敗北の色を…対戦陣営は勝利の…上から見下したようににやにやと
しながらその試合の終止符を見ていた。
「僕は…俺は……負けない」
ヒロムの口調が変わったことさえ気づかないのか、そのままサーブを打ち放つ。

76 :
「『全リミット解除 カット率50% 全力で叩きのめす』」
今までどおりそのサーブがヒロムの後ろへと飛んでいくものだと思っていた。
しかしそれは叶わない。ヒロムが打ち返したのだ。
それは、その球は高槻の後ろへと跳ね飛ぶ…時間が止まった。
審判でさえコールすることさえ忘れてしまう。
「『くっ研究所での記憶が…あの時の記憶が…やっぱりリミット解除には付物か』」
そして、ヒロムは高槻を哀れむような目で見て審判に言う。
「おい…審判コール」
審判ははっとしてカウントする
「10−1」
そしてサーブ権がヒロムへと移りヒロムが構えて…高槻もはっとして構えなおす。
相手が構えたのを見てヒロムは放つ。高槻のサーブとは比にならない何回フェイクを入れたのだろうか、最高で見切れた人が5回だが
しかしヒロムは8回のフェイクを入れていたのだ。それはどういう回転がかかっているのか。それは相手のコートでバウンドした瞬間加速する。
いわゆるドライブだ…しかもドライブの早さが桁違いだ。
それは周りのボールが遠くにまで飛んでいかないようにする柵を越えていく。
「くっなにがどうなっている」
高槻は既にパニックになっている。状況整理しようにも相手の突然の変化に
整理が追いつかないでいる。夢ではないかと思うぐらい現実逃避したくなる。
「おい、あいつどうなってんだよ…」
「今までまともに返せなかったくせに」
「急に変わりやがったな」
観客席からもヒロムの変化に追いつけないようで驚愕して言葉を発する。
「藍川の奴 どうなってんだ?」
「ヒロム君 君はいったい?」
自軍のチームすら、今まで見たことのないヒロムの動きに驚きを隠せない。
そして、再びヒロムはサーブをするために構える。
高槻は状況把握さえ出来ないままかまえる。
ヒロムが再び球を打った瞬間、高槻は本能的に後ろに飛び下がった。
先ほどと同じようにヒロムがドライブをかけてくると本能的に察したのだろう。
しかしその本能的な予感はあえなく覆される。
ヒロムの打った球は台の上で跳ねた瞬間凄い勢いでスピンがかかり再び跳ねて
その球はどういう法則で飛んでいるのか、ヒロム側のコートへと飛んでいく。
頭上を越してヒロムの後ろへと「コーン」と音を立てて落ちる。
「残念、反応したのは良かったけど俺の方に来ないと無理だったね」
アキラに行為をするときとはまた別の不適な笑みをしながらそう言う。
だが目はまったく笑っておらずその声も笑みから漏れたとは思えないほどの冷たさを
宿していた。しかも自分のことを『僕』としか言わないヒロムが『俺』と言っている。
状況把握が出来ないまま、どんどんとヒロムの点数が入る。
そして…。

77 :
「10−11」
審判さえも上ずったような声で点数を読み上げる。
ヒロムが1セットを取った証拠、そして高槻が1セットを取られた証拠である。
「『どうなってる?落ち着け落ち着くんだ…あいつのペースに持っていかれるな』」
高槻は必に自分にそう言い聞かせる。
2セット目が始まり高槻からのサーブで始まる。
高槻はこの1球にかけてみた。高槻が放つ…その球はヒロムのコートの右から左へと
飛んでいく。ヒロムは反応できずに…その球を見逃してしまう。皆は高槻が今まで
通りにヒロムの左後ろへと球が飛んでいく。と皆は思っていた。
だが実際上は、ヒロムは見えていた。球がどう回転しているか、どこを飛んでいるか
ヒロムはあえて見逃したのだ。それはただ高槻を馬鹿にしたようにまた不適な笑みを浮かべる。
「1−0」
再び高槻からのサーブで始まる。


78 :
「写し目発動」
ヒロムが誰に言ったのかは分からないが、ヒロムの目の色があからさまに
変わったのだけは分かる。
高槻はその変化に気づかないまま、サーブを放つ…それはさっきと同じように
ヒロムのコートの右側を跳ねて…そのまま右に飛んでいく。
反応することの出来ないヒロムが立っている…はずだった。
しかし球は床に落ちる前に先回りしていたヒロムによって阻止されてしまう。
その球は吸い込まれるかのように高槻のコートへと飛んでいき跳ね……なかった。
「写し目、“0バウンド”」
はっきりとした声で言い放った…その球はこの会場にいる全ての人に見覚えがあった。
それは中国から来た…張が遊部に使った切り札である。
そのまったく跳ねない球を、角度、速度そしてタイミングが重要視される0バウンド
まるきっり同じように打ったのだ。
「なっ今のは…張の」
「0バウンドだ」
高槻の言葉を続けるようにヒロムがラケットで目を隠しながら言う。
「どうして、お前がそれを使える。」
怒りが…疑問が…声を荒々しくさせる。
「怖いなー、ただ俺は見ただけだよ 張さんが使ったときじっくり観察しただけ
 腕の角度、手の角度、打ち出すタイミング、そして速さそれを見ただけ」
「そんなことが出来るわけがないだろ、張の打ち出す速度は200kmを超え…」
言葉が途切れる。ヒロムがラケットをどかしたのだ、そこには赤い目をしたヒロムが
じっと高槻を見ていた。
「僕の目は0コンマ1秒単位で見通せるよ どんなに早くても僕の前では
 蟻の速さと同じ」
「くっ」
「その様子だと…まだ0バウンドの返し方が分かってないのかな?」
「そっそんなわけが…」
「まっいいか…今の俺に勝てるわけないしさ」
こうしてヒロムは点数を稼いでいく。高槻は一番最初にヒロムから見逃してもらった
点数意外まったく入っていない。
簡単に言うならヒロムに遊ばれているのだ。ひたすら左右に振られたり前後に揺さぶられる。ヒロムはほとんど動くことなく点を決めていく。
こうして屈辱的な時間とともに点数が入り2セット目が終了する。


79 :
「3セット目だけど次は俺の写し目が持ってる全ての技を使わせてもらうよ
 最初は写し目“戦術”発動」
ヒロムが言ったそれは王華の主将が何年もの経験を積み上げて使ったものだ。
それを意図も簡単に使い始めたのだ。高槻にそれを止める術はなく再びヒロム優勢の
戦いが始まる。高槻が球を打ち返した先にはヒロムが絶対に立っている。
そして、ヒロムが声を上げる。
「移し目同時起動“超前陣速攻”発動」
久勢北元主将が使ったそれを使い始める。
これを止めることが出来ない。とうとう10点目を迎える。
しかし、ヒロムに異変が起こる。高槻がヒロムが打った球を返した際に起こった。
ヒロムがラケットを落として、膝を突いたのだ。
誰もがヒロムを見る。そこで、目にしたのはヒロムが血を吐いているところ…だった。
口に手を当てて必に口からこぼれ出る血を拭っている。
よく見ると目からも血が流れ出ている。
審判が駆け寄る。
「君大丈夫か? タンカ持って来い 試合は中断だ」
「いえ、大丈夫です。続けます 後1球ですし『ちっ持たなかったか
 リミット80%かけて爆睡モード準備』」
「血を吐いてるじゃないか」
「なれっこですよ…前は血を吐こうが続けてましたし」
ヒロムは口についていてる。血を拭って高槻のサーブに備えるためにラケットを
拾って構える…だが高槻は今血を吐いたばかりのヒロムを目を見開いたまま動かない。
「血をみて怖気づいた? 僕はこれくらいの覚悟をしてこの試合に臨んでるんだ」
ヒロムはそう言った、そうだこの時、高槻の中で何かが弾けた。
この少年は血を吐くほどの負担を身体にかけた状態で戦っているのだ。
自分はそこまでやってるのか?…否やっていない…それどころか安全な試合をしようと計算づめた戦いをしている。
「ふっおもしろい」
高槻の目に闘争本能が戻る。そして球を打つ…………。
そこからは、二人は互角だった。超高速の球の打ち合い。
ヒロムは最後の最後で自分の持てるすべての力を使い球を打つ。
「ピイィィィーー マッチトゥ久勢北」
11−5で3セット目を討ち取る。
こうして、ヒロムは高槻との試合に勝つ。
高槻は負けたにもかかわらず、何かを悟ったようにどこか笑顔だ。
握手をしようとヒロムの元に行こうとした瞬間、全員の時間が止まった。

80 :
辺りに、ラケットの落下音が「グォーン」と響き、それに続き「ドサッ」と音がするヒロムがラケットを落として倒れたのだ。偶然にも卓球台には当たらなかったものの
相当重症のようだ。…口から血が流れており、そして全身が以上に熱く、
呼吸音が異常なほど短い。半目で、かろうじて意識を保っているのだろう。
普通に運動して体温が38℃を超えることは無い、だがヒロムは38℃を越えている。
乙女は、ヒロムに謝られたときに何をするか分かっていたので、下で、待機していた。そして試合が終わるや、ヒロムのところに駆けていき
ヒロムの身体を氷で冷やす。携帯を取り出して、どこかに電話する。
「私だけど、ヒロムがやっぱりリミット解除して倒れたのよ…
 さっきの電話で伝えたとおり場所は――――」
乙女のこの言葉を聞いた時、ヒロムの意識が途絶えた。
その後、黒服の強健な男数人と、白衣を着た医師が5人が来てヒロムを搬送する。
乙女もその後についていき、会場を出ようとしたとき、ヒロムを心配しに来た
アキラに出会う。
「時間が無いから、あなたも一緒に来て」
「はい」
アキラの手を掴んで救急車に乗り込む。
「関係者以外は……」
「私が『良い』って言ってるでしょ 早く出しなさい。」
サイレンがけたたましく鳴り出す。救急車の前後には黒いベンツが止めてあり、
その前には、白バイが4台並んでいる。それらが一斉に走り出したのだ。
パレードのように、ゆっくりとではなく猛スピードでだ。
先導している白バイが交差点などで事故が発生しないように交通整理をして
救急車が通り過ぎると、すぐにまたベンツの前まで移動する。
これを繰り返して、30分ぐらい経っただろうか、山の中の白い建物に運ばれる。


81 :
ヒロムが目を覚ましたのは、その日の夜中であった。
12時を回った頃、『ふっ』と目が覚める。見慣れてた天井、そこは自分があの時に
いた場所、毎日同じことを繰り返していた場所…。
身体を少し起こそうとしているが、まったく起きない。
少しずつ少しずつ身体の感覚が戻ってくる。頭・首・腕・腹・足に大量のチューブや
計器の配線が繋がっている。
「ああ、リミット解除時の測定か…懐かしいな、いいデータは取れたかな?
 ん?身体が重いな…やっぱり乙女ちゃ………アキラちゃんまで?」
チューブや配線が外れないように首を慎重に動かしてみる。
自分の手にはコールスイッチが握らされている。
たぶん二人は疲れきって寝てしまったんだろう。二人を起こさないように、
なれた手つきで、チューブやその他の配線を抜いて計器のスイッチも消す。
そして、部屋を出て行き別の部屋にいた医師のところに出向く。
「お久しぶりです、博士 ご迷惑をおかけします」
「ヒロムか…懐かしいの、身体の方は大丈夫か?」
「ええ、リミットを外すと、やはり負荷がかかりすぎます。
 それで、痛覚神経をカットすると、身体の限界が分からなくなりますね」
「なるほど、やはり 君が私たちに与えてくれるデータは、かなり大きいものだよ
 だが、そのために君を傷つけすぎてしまった」
白衣を着た人物は真面目な顔でそういった。
「仕方ないことですよ、他人がこの苦しみを味わうくらいなら、自分が味わいます
 身体が壊れても、精神(心)さえ生きていれば、大丈夫ですから」
壁にもたれながら腕を組んで、博士に向かってそういう
「ヒロムは強いな」
「誰だってそう言います。実際は、精神(心)の支えが必要ですよ」
「…早乙女所長の娘さんか」
「ええ」
二人は、少しの間沈黙を経て博士が口を開く。
「すまんが………」
「はい、分かってます どうぞ…僕の新鮮な血が欲しいんでしょ」
「本当にすまんな」
「体育館の血は片付けてもらって」
「その点は大丈夫だ、板ごと交換してもらってる」

82 :
ヒロムは一安心した。自分の血にはありとあらゆる実験データが残っているためだ。
「博士、俺の予想を言っていいでしょうか?」
「なんだ?」
「予想ですが、俺の体内に打ち込まれた。ほとんどの薬物は成長してます
 しかも、リミットを解除すると急速的な速さで
 そのため身体に負荷がかかるのだと思います。」
「本当か? となると、今いる実験対象者にもそのことを報告しないといけない」
「まだ、続いてるんですね?」
「ああ、多分これからも止まることは無い」
「分かってます。」
沈黙が訪れてヒロムは腕を差し出す。
博士は注射器を3本ほど取り出してヒロムの腕から血を採決する。
採決したばかりの血はすぐに専用の冷蔵庫に入れられる。
「これで、おしまいだ。 本来なら精密検査をすべきなのだが…」
「する必要は無いですよ…どうせ、またいつか来るんですから
 それより、僕がここで過ごしてから今までの実験体のデータ見せてもらえます?」
「ヒロムは今でも実験体と呼ぶのか……分かった、持ってこよう」
「俺は寝てる二人のところに行きますので」
博士が立ち上がり、部屋を後にする。
ヒロムもそれに続き今まで自分がいた場所に戻っていく。
「「…………」」
二人は整った寝息をたてて、寝ていた。扉を開けたときの音で乙女が目を覚ます。
「ヒロム〜起きてたんだ?」
「うん、少し前にね…起こしちゃったね、ごめん」
「それより、この子とっさに連れてきたけど、良かった?」
「う〜ん、いつか話さないといけないと思ってたし、いいよ」
今だ寝息を立てているアキラを見ながらそう呟く。
「そう、身体の方はどうだって?」
「いつも通りだよ」
「なら良かった…いきなり、リミット解除するって言うから驚いたじゃない」
「あはは、仕方ないよ…あの時はとっさだったからね、」
「まぁ早めの準備をしといて良かったわ…」
「ヒロム、言っていたデータだ、これで全部のはずだ」
とそこへ、博士がやってくる。
「それじゃぁ、全部覚えていきますんで、乙女ちゃんは寝てていいよ」
「うん、そうする…明日の休み、涼とデートだし慰めないといけないみたい」
「そういえば、そう言ってたっけ…相当落ち込んでたからな〜 じゃ、おやすみ」
「おやすみ」
乙女はヒロムのでこにキスをしてヒロムは頬にして、乙女は部屋を出て行く。
ふっとアキラを見ると、また変な体勢で寝ていてきつそうだった。
そこで、ヒロムはアキラを起こさないように自分が寝ていたベッドにアキラを
寝かせてから、博士からもらったデータを部屋の片隅にある机の上で見始める。
全部暗記するのに2時間ほどかかり、既に朝の1時を過ぎている。
「『そろそろ寝ようかな…疲れが抜けきってないみたいだし』」
ヒロムはアキラの横に入り込み眠りにつく。

83 :
早朝…と言っても6時過ぎなのだが、その頃『もそっ』と部屋の中で上半身を起こす
影が1つある。
「ん〜、ここどこだっけ?」
アキラは、周りを見渡しながらそういう。自分が今いる状況を確認する。
昨日の事から、少しずつ少しずつ思い出していく。
そこで、行き着いたのがヒロムが血を吐いて倒れたところだった。
「そうだ!ヒロム君は」
大声を出して見回すが辺りにはいない…と言うよりめッチャ近くにいるだけ。
「ん?…アキラちゃんどうしたの」
ヒロムも上半身を起こし、アキラのほうを見る。
「ひッヒロム君、身体大丈夫なの?」
「一晩寝れば大丈夫だよ…」
「良かった」
安堵の息をついて、ほっと一安心をする。
「心配してくれたんだ…ありがとう」
「当たり前じゃない…凄く心配したんだから」
「ごめんね、アキラちゃん」
「でも、ヒロム君 あの時何で急に強くなったの? それに、目の色が変わってた。」
鋭い観察力だ。それにはヒロムも凄く感心した。
「そうだね、順序を追って話していくなら、僕の産まれたときの事から話さないと
 いけないね。………………でも、大幅にカットしてアキラちゃんに納得して貰える
 程度の話をするね」
「うん、話してくれるだけで大丈夫だよ」
「僕はここで生まれたんだ…ここ第三総合病院で…
 いや第三総合病院って呼ばれてけど、僕は政府直轄第三研究機関って呼んでる 
 ここは、あらゆる人の開発をやってるんだ。その第1研究体として選ばれたんだ
 と言ってもそんなに酷い事をするんじゃないけどね…身体に薬入れて、観察する。
 知識をどこまで入れられるか試してみる。
 そんなことするうちに卓球専門と言うことで、卓球に関するあらゆる知識を
 頭に詰め込んでるんだ。」
「………………」

84 :
多少皮肉じみた話かたをするヒロムをアキラは黙って聞く。
「ここで8年9年過ごしたあたりで、僕は身体の限界を迎えて、
 『これ以上研究は進められない』ってことで僕は解放されたんだ。
 でも、研究体をそのまま解放したら、なにが起こるか分からないから
 リミット…行動の上限を設けられて通常の生活を送って今ここにいるんだ。」
「少し難しいけど、なんとなく分かった。
 簡単に言うならヒロム君は、卓球専門のために作られたって事なの?」
「そうだね、そう言う事になるかな?…うん、そう言う事だね」
自分に言い聞かせるようにヒロムは頷いてみせる。
「こんなとき、なんて声かけたらいいのかな?……分からないや」
「いいよ、言葉なんていらないから」
アキラは顔を伏せている。どうやら、涙を流しているようだ。
少しの間ヒロムは何も言わずにアキラを見ていた。
5分ぐらい過ぎただろうか、その辺りでヒロムがアキラに囁く。
「泣いてくれてありがとう」
『こくり』と一度だけ頭を頷かせて返事と呼べるようなものがかえってくる。
「さて、そろそろ日の出かな?…僕がここにいて良かったと思ったのはこれかな」
そう言って、ヒロムはスイッチを押す。すると遮光板がスライドされる。
太陽が少しずつ少しずつ出てきていた。しかも、海に面しているこの町ならではの
海からの朝日だ。太陽の光が海に長い長い光の道を作り出し、この研究所へと続く。
「…………………綺麗」
素直にその言葉しか出なかった。
この光景を見たものは分かる。幻想的で、夜に草原に横になり星を見るのと同じほど
しかも、その星は一年に1回ほどしか瞬かない星…それを見るのと同じほど
それは、綺麗で美しく見るものを捕らえ、心を奪っていく。
時間が止まっているようだった。だが太陽の日は昇り始める。
「心、ここにあらずって感じだね  そろそろご飯にしようか」
いつの間にか7時を過ぎていた。
「あっうん」
「博士―寝てるー?……返事が無い、ただの屍のよう(ry」
「ヒロム君…」
一筋の汗が流れる。
「博士、昨日遅くまでがんばってみたいだし、ご飯つくりにいこうか」
「分かった」

85 :
この後、自分の分 アキラの分そして博士の分の三人のご飯を作る。
乙女はと言うと今日デートなので既に研究所を出て家に戻っているようだ。
そして、ヒロムはアキラとご飯を食べると、壁に備え付けられている電話で
黒服の男を呼び出してアキラを家へと送っていくように言う。
ヒロムは今日はひたすら休んで休んで明日に備えるつもりだった。
そう…明日は………………。
そして、明日になった。 別にどうでもいい所はカットしました。

86 :
「さて、来てくれるかね?」
ヒロムは彼女の服のなかにメモを紛れ込ませていたのだ。
メモを見たら多分(絶対)くるはずなんだけどと思いつつ待ち合わせの10分前には
目的の場所で待っている。街中にとても目立つ髪色の少女が歩いているのが見える。
金髪少女、それは自分が待っていた相手…シャワー室に乱入してきた少女である。
少々厳つい表情であるが、そこは気にしなくていいだろう。
「やぁ久し振り…・元気してた…ええっと 痴女」
ヒロムおおいに間違えてるぞ。
「痴女いうなぁぁっぁ」
通行人全員がこちらの方を向いている。
「…恥かしいな〜全く…」
「でもその様子だと大丈夫そうだね?」
「なにが?」
少女は真っ直ぐした瞳でヒロムを見ながら…。
「身体のほう…あれだけ血を吐いてたのに」
「ああ、あれくらいなら大丈夫だよ…それはそうと、ここは目立つから移動しよう」
「へっ変な所に連れて行かないでよ」
「大丈夫…近くのネットカフェだから誰にも邪魔されないよ」
「わッ分かったわよ」
待ち合わせ場所は駅前、そしてネットカフェは駅から100mという一等地に立っている。歩いて1分もしないうちについてしまう。
ヒロムは躊躇う事無く中にはいり店員に金を渡すと番号の書かれた鍵を受け取る。
そして、彼女の手を引いて番号と同じ部屋に行き、一緒に入る。
彼女は置いてあった椅子に座りヒロムはテーブルに座り口を開く。
「何から聞きたいの?」
「……それじゃぁ遠慮なく聞かせてもらうわよ…あんたはいったい何者?」
「僕は健全な男子中学生だけど?」
ヒロムが笑いながらそう言うと彼女は声を荒げる。
「違う…私は意識なかったけどビデオ見せてもらって分かった……
 あれは普通の動きじゃない、なんて言うかとても怖いものを感じた」
「昔いろいろ、あったからね…これだけは誰にも言えない
 ただ誰よりもたくさん卓球の練習をしたと言うまでだよ」
そう上を…遠い遠いところを見つめながらヒロムは呟く。
「………」
彼女…少女はそれ以上言葉が出てこなかった。

87 :
「身体の方は大丈夫?」
「あっ、ロッカーの中でその…何したの? あれから身体がおかしくなって、
 なんていうか疼くようになって…」
話題転換なのかヒロムが試合の日にロッカーの中でやったことを彼女に聞く。
「頭から離れなくなって夜弄っちゃうんでしょ 自分で」
「なっなんで知ってるのよ」
そこで、ヒロムは不敵の笑みを漏らす。
「ふぅ〜ん 1人でHなことをやってたんだ」
「うっあっ」
ヒロムにはめられてしまい声を詰まらせてしまう。
「大丈夫、誰でもやってる事だから心配しなくてもいいよ」
「ほっ本当なの?…でもここから……へっへんな…液体が…」
顔を真赤にさせながらも真剣な顔でヒロムに尋ねる。
「大丈夫いたって健全な事だよ…僕の彼女だってそんな風だよ」
「えっ…君彼女いたの?」
「いるよ〜とっても可愛い子…卓球は僕より長いんだよ」
「うっ浮気?『まさか、あいつじゃ…考え過ぎよね』」
「浮気じゃないね〜 だって僕も君も名前知らないんだから…それに今日呼んだ
 本当の目的は観光だよ…この前のことも一応謝りたくてね…この前はごめんな」
テーブルから降りて軽く頭を下げてヒロムは謝る。
「そっそんなに恐縮にならなくても」
「優しいね…えぇと…お嬢?」
「あってるって言ったらあってるけど…私はエリスって名前があるんだよ」
エリスの頬に手を当ててヒロムは笑顔で一言…。
「可愛い名前だね」
「なっ…なに言い出すのさ」
頬に手を当てたことと、ヒロムの笑顔の相乗効果でエリスの頬が染め上げられる。
「ふふふ、僕のことはヒロムって呼んでいいよ
 それじゃぁ辛気臭いここともお別れして観光しますか」
ヒロムは鍵を持って部屋を後にする。


88 :
2人は並びながら街中を歩く。ヒロムが行きたい場所を聞く前に
エリスは目に付いた公園に足を向けていた。
肌を照らす太陽の日、そしてそれを遮る聳え立つ樹木、ヒロムはその下にある
ベンチに腰掛ける。ちょうど良い暖かさでさある。
公園には子ども達が来ており、砂場で遊ぶ子、滑り台をすべる子などたくさんいる。
そんな中、エリスがヒロムに聞いてくる。
「あれは何?」
「ん?ブランコだけど…知らないの?」
エリスはブランコを指差して、ヒロムに聞く。
いや、普通にどこの国だろうとブランコぐらいあるって言う突っ込みはやめぇぇww
「ブランコ…ブラコン?」
「……はははっっ…違うよ、確かにブラコンな娘は知ってるけど、
 あれはブランコってやつだよ」
ヒロムは一瞬目をぱちぱちさせた後、笑い声を上げてそれを否定する。
「振り子の原理で動いてるのは分かるけど」
「じゃ乗ってみようか…ちょうど空いてみるみたいだし」
子ども達が母親の元にかけていくのを見てヒロムがベンチに鞄を置いて
手を引いてブランコへと連れて行く。
「ちょっ、ちょっと私乗ったことないって言ったじゃない、どうやるかわから」
「大丈夫、大丈夫…ほら座って」
ヒロムはにこやかな『ヒロムスマイル』でエリスが言葉を発することが出来なくする。
エリスをブランコに座らせてしっかりと鎖を握らせる。
「ヒロム、動かないわよ」
「あらら名前呼んでくれたと思ったら、呼び捨てですか……エリス」
相手の名前を呼ぶだけでこんなにも差があるのは明白だった。
「いっいいじゃない、名前ぐらい」
「う〜ん…いいよ、でも僕も同じようにに呼ぶよ」
「まっいいわ…でも動かないじゃない」
「足でこがないと動かないよ。今さっきやってた子たちみたいに」
そう言うと必に足をばたつかせてブランコを動かそうとするが、まったく動かない。
少しの間ヒロムは見ていることにしたが、相変わらず動かない。
それはどこか微笑みが自然と生まれてきそうだった。
「う〜う〜…」
両足そろえて動かさないといけないにもかかわらず、片足ずつ異なる方向に
ばたつかせているので動くわけがない。
「そんなんじゃ動かないよ…ほら真ん中によって」
後ろからブランコの鎖をつかみながらヒロムはエリスに向かって言う。
「???わかった」

89 :
「よっこいしょっと」
足を閉じて真ん中に縮こまったかのように座るエリスの乗るブランコにヒロムは足を
割り込ませて乗る。その時、危うく後ろに転倒しそうになるが、
そこはうまくバランスをとりながら乗り込むことが出来る。
「なっなにすんのよ」
「うまくこげてないみたいだから、手伝おうと思って、
 しっかり握ってないと落ちるよ」
ヒロムは立ったままの状態なのでエリスを見下ろす形となる。
そのままヒロムはこぎ始める。最初は動いてるのか動いてないのか分からない程度
なのだが、どんどんと前後に動きはじめる。
「はっはやくなってない?」
「そりゃぁはやくならないと楽しくないでしょ?」
一人乗りの感覚で、どんどんとはやくなっているためにエリスの顔に不安がよぎる。
「わっあっきゃあぁぁぁ」
とうとう、地面が見えなくなりそして真っ青な空だけの世界が2秒ぐらい続く。
エリスにとってはわずか2秒でも結構な時間に感じたはずだ。
そう、を悟ったときのあの瞬間と同じ……。
「ほら、目開けてみなよおもしろいよ」
エリスとは正反対にヒロムは慣れているため楽しさ全開でこいでいる。
「いやぁぁ…とめて…地面にぃぃあたっきゃぁぁ」
上から下に戻るときにとてつもない速さなのでまるで地面に落ちるかのように
エリスに見える。そして一時その状態が続きブランコが最初の静止した状態のときは
ヒロムはにこにこしていたがエリスはげっそりしてた。
「ばっ馬鹿ぁーーぬかと思ったじゃない」
多少目尻に涙を溜めている。それは怖さのために浮かんだ涙なのか、それとも、
あまりの速さのために目が乾いたために浮かんだ涙なのかはヒロムには分からない。
「ごめんね、まさか泣くとは思わなくて…そんなに怖かった?」 
「なっ泣いてなんかいないもん…これはゴミが入って」
「分かった分かった」
「う〜…なんか今のでどっと疲れた」
「ベンチで座ってて、ちょっと行ってきたい場所があるから、すぐ戻るから待ってて」
そう言うとどこかに駆け出していく。


90 :
残されたエリスはヒロムに言われたとおりにベンチで座っていた。
と、その時ヒロムのバックから軽い曲と共に『ヴヴヴゥゥ』という携帯の音がした。
「『携帯?かな……なんか気になるな、もしかしたら彼女からのメールだったり
  見てみたいな…ヒロムは今どこ』」
辺りをきょろきょろと見回して、ヒロムがいないことを確認してバックへと
手を伸ばす。そして、バックを開くと小さい布袋が3つ4つ入っている。
布袋の中は何が入っているか分からないが、今の目的は携帯である。
バックの中を見てると『ちかちか』と点滅するものがある。…そう携帯だ。
たったいま着信があったため、携帯の外側に取り付けられたダイオードが発光してる。
その点滅してる携帯を見てエリスの咽喉が「ごくっ」となった。
手に取ろうとした瞬間、向こうからヒロムが戻ってきていることに気がつき、
慌ててバックの口を閉じて、冷静さを取り戻そうとした。
「エリスほら、ソフトクリーム食べるでしょ」
「うっうん…ええっと…ありがと」
「どういたしまして」
公園のベンチに座っているエリスと並んでソフトクリームを舐める。
ヒロムはゆっくり舐めているのだがエリスは…なんともまぁハイスピードだ。
「今気づいたんだけど、1人でHなことしてたって言ったけど
 1日1回だけ?」
「ぶはぁっ…げほっげほっ」
ヒロムの唐突な質問に思いっきりむせてしまう。
「エリス、大丈夫」
むせているお嬢の背中を片手で擦る。
「なっなによ唐突に」
「だって気になるじゃん、エリスみたいな可愛い子がその年でオナニーに夢中で
 始めるきっかけを作ったのが自分だって思うと」
「はっ恥ずかしいじゃない…いっ言いたくないわよ」
「えー、意地悪だね。」
「意地悪なのはそっちのほうでしょ」
大声でそう言った。子ども達がこっちを見てるがすぐに遊び始める。
「そうだよ、僕は意地悪だよ…だから」
ヒロムのその言葉と不敵な笑みにエリスは後退ってしまう。
「だっだから、何だって言うのよ」
「だから、言ってくれないとここで、Hなことしてあげるよ」
「なっなっ」
言葉が詰まってうまく言えない。ヒロムは『にやにや』と不敵な笑みを増やした。
「どれくらいしてるの?」
「いっ一日2回はしてたわよ…そっそうでもしないと…おっおさまらないでしょ」
ほぼ…ってか、完璧やけくそ状態でヒロムに向かって叫ぶ。

91 :
「だよね〜…気持ちよかったでしょ」
「…ぅん…でもあの時された様には…気持ちよく…なれなかった」
「なるほど…それは気持ちの問題だよ…あの時はつり橋効果ってのもあったからね」
「つり橋効果?」
「まっもう少し大きくなったら分かるよ…仮にも女の子なんだから」
「えっ??」
「っと、それはおいといて…今日は好きな物奢ってあげようかな」
「えっ?そっそんないいの?」
「金ならたくさんあるし気にしない気にしない」
「それでも……」
「エリスにHなことしてしまったお詫びって思えば大丈夫でしょ?」
ヒロムのこの言葉にエリスが考え込んだ後、頬を少し染めらせて、
「……いいわよ、そのかわり彼女さんのことを第一にしなさいよ」
「分かってるよ…となると二号さん?」
「だっだれが、二号だぁぁ」
頬を真っ赤にして大声を通り越して叫び声のようなものを発する。
その声に、子ども達ばかりではく、談笑していた母親もこちらをみてる。
「あちゃー、逃げようか…顔見られたらいろいろと厄介だし
 二号さんなんて言葉叫んじゃって」
いつの間にかエリスより食べるスピードが遅かったはずのヒロムが食べ終わっていた。
急いでエリスも食べようとするがなかなか終わらない。
そして、食べ終わるとヒロムに手を引かれて公園を出るが、そこで振り返りエリスの顔を指差しながら、一言つぶやいた。
「ついてるよ」
「えっ?」
「ここ、ほらじっとしてて」
そういうと、次の瞬間ヒロムはエリスの頬についていたアイスを舐めとった。
「あっえっほへっ????」
一瞬何をされたのか分からなかったエリスは目をぱちくりさせながら、
必に状況把握をしていた。
「ん?どうしたの」
「なっなっなっなっなにすんのよーーーー」
また、エリスの叫び声が響く。それはさっき公園で叫んだ声に匹敵…いやそれ以上だ。
「ごめん…そんなに嫌だった?」
わざと『しょぼん』とした風にヒロムが言うと、
エリスから怒気が消えて…慌てふためいている。
「いっ嫌って言うか…………そのあの恥ずかしくて…と言うよりこんな所で…
 あっあんな、あんな…」
フラッシュバックしたようで舐めとられたことを思い出してしまったようだ。
「あんな?」
「ほっほらっ、もうその事はいいから…いっ行くわよ」
誤魔化すかのようにヒロムの手を引いて商店街の方向へ出かけていく。


92 :
それから二人はいろいろな物を見てまわった。
ヒロムは肌寒くなってきた季節だと思い、エリスにマフラーと手袋をかってやる。
しかも、マフラーだけで、0が4つもつく飛び切りの奴をだ。
なぜヒロムがこんなに金を持っているのかというと、実験参加費が毎月何十万と
振り込まれているためである。
「こんなに高いのもらっていいの?」
「いいよ、本当は彼女にも買ってやらないといけないけど、
 こんな高いの買ったら絶対突っ込みいれてくるからね。
 でも、もう話したから今度から買ってあげないといけないな〜」
惚気・ノロケ・のろけだ。ヒロムがノロケを発動した。
このヒロムの言葉にエリスは複雑な心境だった。
今まで味わったことのない感覚、身体の最深部が痛む…胸が『ズきっ』と痛み出す。
「もらうの気が引けるな」
「エリス、こっち向いて」
買ったばかりのマフラーをエリスの首に巻いてあげる。
少し長いのか後ろに軽くたらしてる。次の店へ向かおうと、店を出た瞬間……。
止まった。…空気が、空が、鼓動が、時間が…、否…止まったのは私達の時間だけ…。


93 :
アキラがいた。一人で、相変わらず帽子をかぶっていた。
私は、言葉を失ってしまった。なんとも言えない…ただ見られたくなかった。
こんなところ、誰かと…草次郎以外の男と二人っきりでいた事はなかった。
絶対に思われちゃうじゃない…彼女って……。
ヒロムの奴も固まってる?なんで?
「ヒロム君…?それにエリス……」
「アキラちゃん……」
えっ?今なんて?…ヒロム君って、アキラちゃんって…えっえっ?
あっ!思い出した……『いるよ〜とっても可愛い子…卓球は僕より長いんだよ』…
これってアキラのことだったんだ。と言うことは修羅場ジャン。どうしよう、
どうしたら、この場を……。
「なんでエリスがヒロム君と一緒にいるの?」
「そっそれは…」
なんで?私に聞くのよ!…そうか、普通はこう言う時は私に聞くのが妥当か。
「僕が誘ったからだよ」
「っつ…どういうこと?」
「この前、アキラちゃんには言ってなかったけど、ちょっとした事故が
 あってエリスに迷惑かけたから…そのお詫びをしたくてね」
うん〜…あってるけど肝心な部分が抜けてる。
「事故?」
「この前の試合の時のシャワー室でね…偶然、あっちゃって」
言うなーー、聞かれたくないわよー
「偶然?…それ本当に偶然なの、ヒロム君?わざとだったり」
「わざとじゃないよ、それに入ってきたのはエリスの方だから」
ちょっ…ひっ…アキラが睨んでるじゃない。なによこの気は……
「エリス?」
「ワタシニホンゴワカリマセン。ダカラアレハジコデス」
これで一難のりき………なんで、なんで気が強くなってるのよ。
「ふざけないで…こっちは」
「ごめん、悪いのは僕だから…その事故でエリスを逝かせちゃって…」
「ヒロム君?…今なんて?」
気の方向がヒロムに向いた…ラッキー、あんなのに当てられてたらぬわよ
「だから、エリスが男子シャワー室に誤入室して、その時は僕一人だったから
 さっさと上がるつもりだったけど、他の選手が来たから掃除用具入れに
 エリスを入れて、自分も入ってやり過ごすはずだったんだけど、
 そこで、エリスが痴女かどうかって話になって試したら逝っちゃって」
なっなんてこというのよーーー
「……………でそれのお詫びで今日誘ったんだ」
「そうだよ」

94 :
なんであんたらはそう冷静で話し合えるのよ!
普通、こういう場合は…
「分かった…でなんか親しげそうだけど、エリスはヒロム君のことどう思ってるの?」
えっちょっなんて?今なんて?もう一度言ってください。
「もう一回言って?」
「ヒロム君のこと恋愛対象と思ってる?」
「アキラちゃんはいつもストレートだね」
ちょっちょ…私がヒロムのことどう思ってるっかって…そっそんなこと、
急にきっ聞かれたって…そっそりゃぁかっこいいっていうか…なんていうか、楽しい
けど…ああっもう私なんてこと考えてるのよ。
「わっわたしは……その、ヒロムのことは」
「…………………………………」
「…………………………………」
沈黙するなぁぁぁぁ…でも、私は私は…ヒロムのことが…。
「好き……だよ」
なに言っちゃてんだろ…私、無駄だって分かってるのに、分かってるのに……
分かってても、言いたかったのかな?……もう…これで、ヒロムに会えなくなるな。
「ヒロム君の所為だよ、どうする気?これは、私の問題でもあるけど、
 始まりはヒロム君だから私が決めていいことじゃない」
「………そうだね、決着はつけないと」


95 :
再び時間の静寂が訪れる。今の時間は、既におば様がたの昼ドラの時間で
商店街もほとんど人がいない。店頭に立って商売をしているところは、
見る限り見つからない。
「アキラちゃん、好きだよ」
「ありがとう」
当然の結果、それはそうだ。ここでアキラを捨てたら洒落にならん。
その結果をエリスは容易に予想できたはずだが、しなかった。…できなかった。
してしまうと、今いる自分を否定してしまいそうだから、することが出来なかった。
自然とだろう、エリスの顔から涙が零れ落ちる。咽喉がなる音が分かる。
必に泣き声をして下を向いて、泣き顔を見られないようにしているのが分かる。
「えぐっ、えぐっ ひっくひぐっ」
そんなエリスを見ながらヒロムとアキラが苦笑する。
「じゃぁ、今日からよろしくね。エリス」
ヒロムは、エリスの顔を起こして、唇を重ねる。
分かっていたようで、アキラは何も言わずにただ見守り続けていた。
どれくらいの時が経っただろう。1分、10分、いや実際には、1分も経っていない。
目を前回に開いて自分の眼前にいるヒロムを見る。
目を瞑っていた。すると、エリスも自然と目を瞑り、ヒロムに委ねた。
「はい、ヒロム君ストップ」
「ん?…………どうしたの?」
「そこから先は、ここでやると目立つよ?」
「ああ、そうだね…人がいないと言っても商店街だったね」
「ヒロム?」
これから、もっと深い深いキスをしようとしたヒロムをアキラがとめる。
キスが中断されると、エリスが不思議そうに二人を見る。
「これから、よろしくね。二号さん」
「独占したら、エリスでも叩くから」
「えっどう言う事??二号って私?」
自分を指差しながら困惑の色を浮かべる。
それもそのはず、急に二号として確定して、カップルに迎え入れられたためである。
「そう、一号さん、二号さん…特殊号さんってのもいるけど、
 まッその人は今は別の人と頑張ってるらしいから…。」
今度はヒロムがアキラ、エリスの順で指を指して再度確認するかのように言う。
「それって、私がヒロムと付き合っていいってこと?」
「そこ違う、私“も”付き合っていい?の間違い」
容赦ないといえば容赦ない突込みである。
「僕はいいと思ってるよ。アキラちゃんもいいんでしょ?」
「いいよ、そのかわり、おんなじ扱いしてよ」
「大丈夫任せといて」
この会話を見てるエリスの目から今さっき流れた涙とは違う涙が流れ出す。
嬉しさのあまりに口元を押さえて泣き出した。その顔は笑みで包まれていた。

96 :
「で、ヒロム君の予定ではこれからどうするつもりなの?」
「そうだね〜どうしようか?…アキラちゃん、もしかして?」
ヒロムのこの言葉にアキラの顔全体が真っ赤に染められる。
「アキラどうしたの?」
「アキラちゃんはね、エッチなことして欲しいんだって」
エリスの耳元でそう呟くと、顔を真っ赤に染めているアキラを見る。
「ひッヒロム君、余計なこといわないで」
「照れてるんだよ」
それでも、ヒロムはエリスにそう言う。
「アキラ、あんた痴女なの?」
「ちがあぁぁう、私は痴女なんかじゃないよ」
「えっ?アキラちゃん痴女だったの?」
ヒロムはアキラに真顔で聞いてしまう、意図的に……。
「だから、違うって痴女なのはエリスの方でしょ」
「私はあなたほどじゃ…痴女ですならいわよ」
「二人とも落ち着いて、仕方ないね…こう喧嘩ばかりされたら困るな」
「ヒロム君は少し黙ってて」
「そうよ、この痴女と話し合ってるんだから」
すでに、ヒロムを蚊帳の外に出して言い争い始める。
そんなやり取りを見てヒロムは携帯を取り出して、何かをしだしている。その間も、
アキラとエリスは言い争っている。2.3分続いた後、ヒロムが二人の手をとった。
「それじゃぁ行こうか、二人とも」
「「えっ?」」
「二人とも痴女だって言い合うから、それ確かめに行こうか」
「まさかっ…ヒロム君」
「なに?アキラちゃん」
ヒロムが振り返った。いつもどおりニコニコしていた。
そこで、アキラは止まった。いや、歩いてはいるが脳内が完全に止まった。
そして、駄目元でヒロムの手を握って言う
「ごっごめんなさい、ヒロム君…ほっほら私とエリスは仲がいいから
 仲がいいほど喧嘩するって」
「言わないよ、仮にもこれから一緒に過ごしていくんだから」
「ちょっちょっと、アキラどうしたの?」
エリスがアキラの尋常じゃない様子に小声でアキラに聞く。
「怒ってる」
「えっ?」
「ヒロム君が怒ってるの」
「なんか少し雰囲気違ったけど、機嫌直さないと」
「無理、多分もう今日は帰れそうにない」
下を見ながら小声でそう言う。エリスは不安に駆り立てられる。
「なんで?」
「行ってみたら分かるよ」


97 :
ヒロムが怒っている。確かにヒロムは怒っていた、今日から三人で行こうとした
矢先に喧嘩をしてしまったのだから、それ相応の対応をしないといけないと考えた。
その結果、一番いいのはやっぱ親密な関係になるのがいいと判断したようだ。
今、3人が向かっている場所は、例の場所だ
目的の場所に到着しヒロムは相変わらず笑顔だったが、アキラは顔を真っ赤にさせて、
エリスは口を「アングリ」と開けたまま、固まっていた。
「ヒロム?ここは…?」
「あっエリスは来るの初めてかな?…ラブホだよ。この町一番の高品質だから
 安心していいよ。毎日3回の清掃、エアコン・シャワー・泡風呂完備して
 さらには、あらゆるシチュエーションに対応できるホテルだよ」
「えっ?」
エリスは戸惑いを隠せないようだ。言葉がうまく出てこないらしい。
「アキラちゃん、エリスに説明してやって」
「これから、やるのよ」
「なっなにを?」
「その…ほら…あの…」
「まさか…あれ?」
「そっそう、あれだよ」
あの言葉を出さないように必に別の言葉でエリスに伝えるようにアキラは言う。
察したかのようにエリスは顔を真っ赤にさせつつも蒼白にさせながら聞く。
「着いたよ…二人とも」
「そっその、ヒロム こう言う事には順序ってものが」
「僕は、順序よくしたかったけど二人がそう言う話ばかりするからね」
返す言葉が無かった。そしてヒロムは手を引っ張って扉の中に入っていく。
中には中年のおじさんが入っていた。
「よーヒロム君、今日は二人も連れてきたのか?」
「うん、楽しみたいって言うから連れて来たんだ
 おじさん、あの部屋あいてる?」
「あの部屋かい?大丈夫だよ」
「それじゃぁ一応全部OFFで一日よろしく」
「ほれ、鍵じゃ」
どこから突っ込んだらいいのか? 少し不明である。
アキラもこのホテルに来たのは初めてで少し戸惑っている。
エリスの方はもう心臓『バクバク』で手に汗を握るような状態だった。
鍵を胸ポケットに入れて二人を連れてある部屋の前に行く。
「聞こえるよエリス、今心臓凄く振動してる」
「なっなっそんな事無いんだから」
「そう?まぁもう少ししたら分かるから」
ヒロムは扉を開けて、電気をつける。
中は至って普通だった。ベッドがありシャワー室に繋がる扉がある。
これは、前にアキラが行ったところと大して変わらなかった。
「ヒロム君…どうしたら」
「もう我慢できないんだ…仕方ないね、痴女かどうかはまた後にして先にしようか
 エリスは、向こうにシャワーがあるから浴びてきたらいいよ
 初めてはやっぱり、綺麗なままがいいでしょ?」
「うん」
顔を真っ赤にして逃げるかのようにシャワーがある場所に駆け込む。

98 :
「最初のことを思い出すね、アキラちゃん」
「…私のことも見ててよ」
「見てるし、アキラちゃんのことで知らないことはほとんど無いよ」
嫉妬したようにアキラが目を鋭くして言うのに対してヒロムがすぐさま行動した。
「あっ」
「ほら、想像だけでここまで濡らしてることだって分かってるから」
「ちっちが、んっ…そんなに強くおさな、っんん」
ヒロムはパンツごしに強くアキラの秘部を強くなぞる。
「パンツにシミできちゃったね、どうする?このままだと、ノーパンのままで
 帰らないといけなくなるけど?」
「ぬっ脱ぐから待って…ノーパンのままは嫌だよ」
「でも、待ちたくない」
パンツを脱ごうとしていたアキラを押し倒して、上にのっかり深いキスをする。
キスをしながら片手をパンツの中へと侵攻させていく。
もう一方の手はアキラの頭の後ろで髪の毛を撫でている。
互いに唾液を交換しながら舌を絡ませる。アキラも何回もやっているうちに
なれていく。特に舌を絡ませるのがうまくなった。今までは、ヒロムから防戦一方
だったが少しずつヒロムの口の中に舌を入れることが出来る。でも本気を出されたら
防戦しかなくなるのも現実である。
「んっ、あっ…ふはっ」
口の重なり合う隙間からアキラの声が漏れ出す。声が漏れ出すとそれを封じ込めるかのようにさっきより深い濃いキスをする。舌をアキラの口内に侵入させ上の歯を舐めていき、下の歯も同様に舐めていく。声が漏れなくなり、かわりに咽喉で声が鳴る。
「『さて、そろそろ指をと……』」
そう思いヒロムはパンツの中に侵攻させていた指をさらにアキラの秘部に侵入させる。
中指の第一間接が埋もれていく。
「んふっ、んぁぁ…んんん」
続いて第二間接も同様に埋もれて、吸い込まれていき第三間接も続いて侵入する。
「『アキラちゃんが今日一回目“いく”まで後5秒』」
そこからのヒロムの行動は凄かった、アキラの口の中に自分の舌だけでなく唾液を
どんどんと送り続けていく。秘部へと侵入させた指は前後左右に動き始める。
中指に続き薬指も侵入し始める。アキラは二点を集中的に責められ、
声も思うがままに出せないまま、限界を迎える。
「んんんんっっっ……」
アキラは限界を向かえ自分のすべてを開放する。上にヒロムがのっかているため、
腰が浮くことは無いが足の指がこれ以上に無く『ぎゅっ』と握られる。
しかもヒロムが思ったとおり5秒後にいったのだ。
ぐったりしたアキラを眼前で見てヒロムはキスするのを止めて口を離す。
二人の唇の間に銀色の線が伸び、ヒロムからアキラのほうに重力で引っ張られて
銀色の唾液の小さな球が伝わっていく。
「まだまだ、こっちの口にはキスしてないよ」
「はぁはぁ…そっそっちは、逝ったばかりだからびんか……んあっ」
逝ったにもかかわらずヒロムの行為は止まることを知らずにエスカレートしていく。


99 :
一方エリスの方は、
「わたし、初めてなのに……少し怖いな」
エリスはシャワーを出して浴びるときに温かいように調整を始める。
調整の間、扉をそっと開いて二人が何をしているか見てみることにした。
そこで、目にした光景にエリスは絶句するしかなかった。
ヒロムとアキラがキスを……しかもあんな深いキスを、
それにヒロムの手がアキラのパンツの中に入ってるのも角度的に見える。
「『凄い、あんなキスしたこと無いのに舌は絡まされたけど、一方的だったし
  私も………』」
エリスは同じように自分のパンツの中に手を入れて弄り始める。
片手を扉についている。最初はゆっくり今にも崩れそうな砂山を触るかのような
手つきで身長に自分の割れ目をなぞる。自分でも初めて触る場所に多少の恐怖感が
こみ上げてくる。自分の身体の一部なのにそうでない、その場所はとても熱い。
中はもっと熱いんだろうとエリスは思う。
と、その時自分の身体の中で変な感覚が増量されてきたのが分かる。
次第に自分では制御できないほどになり達する。
「んんああぁぁぁ」
幻想という名の妄想を見ながらではなく真実のいう名の現実を見て、興奮していってしまう『びくびくっ』と割れ目から液体が漏れ出し、口が開いたまま閉じない。
シャワー音でうまく声は消せたものパンツが濡れている。そこで『はっ』と我に戻る。
エリスは一時考えて、服を全部脱いでシャワーを軽く浴びる。
身体全体を洗い流して、今さっき手を侵入させていた場所も軽く洗い流そうと
シャワーを近づける。エリスはそのシャワーのお湯があたるのがとても気持ちよく
身体を再び変な感覚へと陥れていく。風呂場で達してしまう。
「『こっこのままじゃ、』」
エリスはシャワーを止める。このまま洗い流すことを繰り返してたら確実に身体がおかしくなると分かったからだ。
そして、身体にバスタオルを巻いて扉の前で深呼吸を何度も何度もやる。
「『どうしよう……このまま出て行ったらいいの………この格好恥ずかしい 
  でも服来て行ったら、それはそれで…あれだし、どうしたらいいのよ
  ……………ああもうっやぐったらしい、どうにでもなれ』」
エリスは最後にもう一度深呼吸をしてから、勢いよく扉を開く。
自分の顔が真っ赤になってるのはすぐに分かった。全身が熱を持ってるのも…。
「エリス…大胆だね」
「じっ自分でも分かってるわよ……こっこれはっ恥ずかしいんだから」
「ほら、おいで アキラちゃんは先に逝っちゃたから、次はエリスの番」
ゆっくり、自分の重い足を前に前に出そうとするが思い通りに動かない。

100 :
「あれれ、あっ足が動かない」
「しょうがないな〜…ちょっと待てって、…………よいしょっと」
足が思い通りに前に進まない、身体が硬直したエリスの元に近づいて、抱えあげる。
エリスの目の前にヒロムの顔があるのだ。服越しにヒロムの心臓音が聞こえてくる。
自分のように早くなっておらず、均一した心臓音である。
そして、次の瞬間『ぼふっ』と音を立ててエリスがベッドにダイブinする。
「きゃっ…ちょっとなにする」
言葉が途中で出なくなる。 ヒロムがアキラにしたと同じようにエリスにまたがる。
「そんなHな格好して出てくるから、我慢できなくなったよ」
「えっ、そっそんなつもりじゃ」
「好きだよ、エリス」
「はっ、んっ………………」
エリスが何か言おうとする前に、口を重ねてそのまま声が出せなくなる。
目を思いっきり瞑って、必に耐えるが掃除道具ロッカーの時とは、全く比べものに
ならず、ヒロムの舌テクは凄まじく、エリスは堕ちていく。
堕ちていくのを見計らったようにヒロムは絡めていた舌を首筋に移動させていく。
首筋に下を這わせるヒロムの手はいつの間にかバスタオルの隙間から中に入っており
エリスの双方の胸を揉み始めている。
「んっ、やぁっ…だぁっ……そこっは」
首筋から手が揉んでいる胸へと移動していく。
手がうまく胸の部分のバスタオルを剥ぎ取り、下半身はまだタオル残ってる。
「ん?もしかして、胸弱いのかな? この前も胸で盛大に逝ったからね」
ヒロムがそう言うと同時に胸の突起…第3究極性感帯のまわりを舐め始める。
もう一方の胸は手で優しく揉み始める。エリスは半目状態で喘ぎ声が漏れる。
「んっあ、はぅんんっ、んんんっっああんっ」
「よく感じてるね、それじゃ、あの時と同じようなことされて逝っちゃって」
そうあの時も焦らして最後に第3究極性感帯、乳首に吸い付いた。
エリスは同じことされて、限界を迎える。
「んんんんんんあああああっっっっ」
背中を半分仰け反らせて逝ってしまう。目を全開を見開いて瞳孔が真上を見てる。
絶頂を迎えてしまい身体が痙攣を繰り返す。『ビクッビクッ』と何度も…。

101 :
「まだまだこれからだよ…でもその前にほら起きて アキラちゃ、ん」
『アキラちゃ、ん』の部分でアキラの秘部に備え付けられている。第2究極性感帯の
クリトリスをぎゅっと皮の上から潰す。耐えられず皮の中から顔を出す。
「んんっあっぎっ」
少し悲鳴のようなものを出してアキラが起きる。
「アキラちゃん手伝って…こっちの方をよろしく」
エリスの胸を指差してそう言う。ヒロムはいまだに下半身を隠してるバスタオルを
勢いよく開いて、エリスの下半身をあらわにする。
そこには、アキラ同様につるつるした割れ目があった。
ヒロム曰く、アキラは『つるぺた黒髪少女』エリスは『つるぺた金髪少女』だそうだ。
「あっアキラ?…」
焦点の合わないエリスは『ボー』として自分の真上にいるアキラを見ながら呟く。
アキラがエリスの胸を揉み始める。ヒロムはエリスの股を広がせて、割れ目を観察し
大体のエリスの状態を把握する。
「『これ、一回だけ逝った後じゃないな〜…風呂場でもやってたんだろうな』
 ったく、我慢できなかったらな早く来ればよかったのに」
「ヒロム君?どうかしたの?」
「いや、ちょっとね…アキラちゃん手加減しなくていいから
 僕も本気でやるからね。」
「分かった」
ヒロムがエリスの股から顔を出してアキラにそう言うと、元に…エリスの股に隠れる。
舌から上に舐め上げる。ソフトクリームを舐める感覚で何度も何度も舐めあげる。
「ちょちょっそこは……んんっっ」
また口を塞がれる。しかし、塞いだのはヒロムではなくアキラであった。
エリスは目を『チカチカ』させながら眼前のアキラを見る。
アキラの舌使いはヒロムほどではないが、慣れているためエリスの口内に侵入する。
上の口はアキラの舌が侵入、下の口…秘部はと言うとヒロムの舌が侵入する。
二人ともうまく舌を使いエリスをおとし、落とし、堕としていく。
限界を…絶頂を迎えて背中を反らせようが関係無しに………。
「んんんんっっんんっ」
二人がエリスを責め始めて1回目の絶頂を迎えると、アキラは胸を吸い始めて、
ヒロムはエリスのクリトリスを弄り始める。
「はぁはぁはぁはぁ、だっだめぇ…あんんっ」
いくら言っても二人の行為は止まることなく続く。
そして逝ってしまう。二度目の絶頂は二人が同時に、アキラが片方の乳首に吸い付き
片方の乳首を人差し指と親指で握りつぶしたときに、ヒロムがクリトリスを剥いて
舐め上げたときに達してしまう。
「ああああああっっっっっっ」
口を塞がれていないため声が普通に漏れ出して、絶頂の凄さを…気持ちよさを伝える。
2度逝っても、まだ止まらない二人の行為…エスカレートしていく一方だ。
ヒロムが唐突に行為を止め、自分のバックから布袋を取り出してアキラに投げる。

102 :
「アキラちゃん、それ使って」
「何?」
「ど・う・ぐ」
一音一音区切ってそう言い、行為を再開する。
アキラは布袋に手を入れて何かを取り出す。……その、『何か』とはローターであった。
ローターはリモコン式で簡単に操作できるタイプだ。
それのリモコンのスイッチを中にして、エリスの乳首に直当てをする。
当然、今までこんな小刻みな振動を与えられたことの無いエリスにとって
それは快感となる。ヒロムの方は指を中に入れて軽く慣らしを始める。
誰でも最初は痛かったり、あまり感じなかったりするものだが、
まるでそれを否定するかのように、エリスは3回目の絶頂を迎える。
「んんんんんんああああああああああっっっっっっっ…………………………
 もっもう、だめっ……おか…しく…な」
身体中が痙攣を起こして秘部からは大量の愛液を分泌する。
潮噴きの一歩手前と言うところにまで、達していたのだ。
「アキラちゃん、もういいよ…このままやると、エリスが壊れるから」
「そうだね…でも、私のときはもっと酷かった」
頬を膨らませてアキラが怒る。普段見せない一面でヒロムは思わず動揺してしまう。
「そっそれは、ごめん」
「ふふっ、いいよ……それより、エリスをそろそろ…」
「そうだね、アキラちゃんは見てるだけでいいよ。
 初めてはやっぱり1対1でしないと、」
「うん」
ヒロムとアキラが話を進めているうちに、エリスは何とか自分を取り戻して
呼吸を落ち着かせていく。
「はぁはぁはぁ…ふっ二人とも、やっやりすぎ……私が壊れるわよ…」
「うん、それはごめんね。エリスが可愛くて…それに痛くしないないようにと思って」
「痛くしないように?」
「そう、初めてなんでしょ」
ヒロムが確認するかのように、エリスに覆いかぶさる。
「ふぇ、ええっと、うん…初めて」
「だから今なら止めれるけど、やめる?」
「いやっっ、お願い…やって」
エリスが首を振ってヒロムと一つになりたいとその思いが言葉となる。
ヒロムは一度だけ頷くと、自分のズボンの上に着てる服を脱ぎ、
下のズボンのファスナーに手をかける。ゆっくりとファスナーを下ろしていく。
最後にヒロムは自分の最後のトランクスを脱ぎ捨てる。
そこでエリスは顔を真っ赤に染め上げて、今までに無いほどの鼓動の早さになる。
身体全体が熱を帯びてオーバーヒートしてしまいそうだ。

103 :
「触ってみる?」
「…………………う、…うん」
大分間をおいてエリスは消え入りそうな声で肯定を示す。
エリスの目の前にヒロムの…一物が現れる。エリスは自分で選択権を絞ってしまった
1触る 2.触れる 3.握る この3つである。
なお、逃げる、戦うなどのコマンドはまだエリスは覚えていない。
補足として、ヒロムは放置、調教、監禁、拉致などのコマンドを大量に修得してる。
まぁここはどうでもいい、これ以上説明してると、何KBになることだか。
でだ、結局のところエリスは恐る恐る手を震えさせながら、
つばを飲み込む音を何度もさせながら、多少萎れてるヒロムの一物を握る。
「どう?」
「びっびくついてる」
エリスは自分の手の中で『ビクッ』とヒロムの一物が震えている。
震えているヒロムの一物に変化が訪れる。それは徐々に徐々に変わっていく。
「おっ大きくなってる」
「エリスに触られて気持ちいいんだよ、ちょっと揉んでみて」
「うっ…うん」
エリスは壊れ物を扱う手つきでやさしく『ニギニギ』と3回ほどやると、
またヒロムの一物に変化が訪れた事がエリスには分かった。
「どうなった?」
「さっきより大きくなったし、それに硬い」
「これが、エリスと僕を繋いでくれるんだよ」
「そっそんな、はっ恥ずかしいこと、言わないでよ」
「えっエリス、いたっ痛いって」
エリスは思いっきりヒロムの一物を握ったようだ。
「ごっごめんなさい」
「いいよっ…それより、少し舐めてくれると嬉しいな」
「こっこれを」
「うん」
一物に顔を近づけて舐める。慣れれば簡単なことだが、一番最初それを行うのには
さすがに抵抗と言うものがあり、エリスは舌をほんの少しだけ出して、ヒロムの
一物へと近づいていく。『チロッ』と軽く舐める。初めて味わう男性の一物、
なんとも言えない味である。と言うより、これに…一物に味なんてあるのか?
『チロッチロッ』と何度か軽く舐めると、口の中に含み始める。
「んんんっっ」
「そう、皮ごと上下にさせながら……」
「んっっっ」
顔を上下にさせると、ヒロムの一物全体に唾液がべったりと付着する。
エリスが自分の下を絡ませようと必にがんばっているのがヒロムにも伝わる。
そのぎこちない動作が逆に快感を与えてる。
「もうこれ位濡れたら大丈夫だよ」
「んっ?……ぷはっ」
「どうだった」
「顎が疲れる」
「あははっ慣れたら楽になるよ……そろそろいい?」
「………………うん」
ヒロムが入れやすいように、そしてエリスの顔がよく見えるようにと体勢を変える。
二人は手を握り締めあいエリスは目を『ぎゅっ』と瞑って今から来るであろう
痛みに耐える準備をする。
自分の一物を握り、誘導していく。秘部の中心?と言ったらいいのだろうか
多少下にあるのだが、この際中心と予防、秘部の入り口へと先端を当てる。

104 :
「あっ」
思わず驚きの声が出て、いよいよヒロムが自分の中に入ってくるんだと分かり、
歯を食いしばる。
ゆっくり、ゆっくりエリスの中に入っていく。と言っても亀頭の5割も埋まってない
秘部を両断するヒロムの一物。7割、8割と少しずつ入っていく。
もしここでヒロムが一気に押し込むなら、エリスの股関節は確実に脱臼するだろう。
それほど、ヒロムの一物は大きい。やっとヒロムの亀頭がエリスの秘部に入る。
「エリス、痛い?」
手を強く握っているエリスにヒロムも同じように強く握り返しながらそう聞く。
「まだ、大丈夫だけど……この辺りまでは、自分で指入れてたから」
「そう、んんしょ」
「んああっ」
「分かった?」
「うんっ、いま当たった」
ヒロムはほんの少し一物を奥に進めて、エリスの神聖な処女膜に当てる。
「今なら戻れるけど…どうする?」
「もう、何も聞かないで……ヒロムの思い通りやっていいよ?」
なぜか疑問系、ヒロムはエリスのまぶたに軽くキスをして
「もう、聞かない」
処女膜が伸び始める。少しずつ、そして5.6mmほど伸びて、これ以上伸びなくなるとヒロムの一物が真っ二つに膜を破り始まる。
「っつ……いたっ」
エリスが小さく悲鳴を上げる。でも、ヒロムはもう何も聞かないと言ったため
何も言わずに、ただ腰を動かす。膜の裂け目大きくなっていく。
『ブチッブッチ、ブツッ』と音が聞こえるのは気のせいではないだろう。
ヒロムの一物の全体の5割がエリスの秘部に吸い込まれていく。
エリスの目尻に涙が溜まっていく。やはり痛いようだ、
でもここで『やめて』と言う訳にもいかず、必に声を押しすために下唇を噛む。
痛みもあるが、それより自分を満たしていくこの気持ちのほうが大きい。
エリスは自分に入ってくる感覚がとても喜びと幸せを運んでくれているように思えた。
「全部はいったよ、エリス」
「うん?」
「じっとしてるね」
「っん、ありがと」
ヒロムは目を開けたエリスと見つめあい、唇を軽く重ねる。
他にもおでこ、ほほ、目、髪の毛と顔いっぱいにキスの雨を降らせていく。
この場合は雨より雪と言った方がいいだろう。

105 :
重なり合う身体、繋がったままの身体、二つが完璧に一つになった。
エリスも今までヒロムの手を握っていたが、今はヒロムの首の後ろに手を回してる。
キスをされる度に微弱ながら自分の秘部に振動が襲う。
だんだんと痛みが薄れ始めてきたのが分かる。ヒロムの一物がおさまるほどに、
秘部が緩んだ証拠だ。
「……ひッヒロム…」
「エリス?どうしたの?やっぱりまだ痛む?」
「う〜うん、そっその大分痛みはなくなったから、ねっ」
「痛かったら言ってよ」
ヒロムはそう言うと、腰を引き始める。亀頭のカリの部分がエリスの膣を抉るように
戻っていく。痛みは処女膜の部分をカリが通過したとき最高潮に達するが、
脳内麻薬の分泌により快感へと変換されている。
だが、許容オーバーにより『痛い』と言う感覚が身体に残る。
亀頭のカリの部分が外に出てくると、すぐに腰を押して一物を埋めていく。
エリスの秘部から赤い鮮血が流れ出て、そのまま重力にしたがってシーツに染み込む。
徐々にヒロムの腰の押し引きが早くなっていく。
「エリスのHな口、とっても締まりいいよ」
「んんっん、そっそんなこと、いっ言わないで」
「よく顔を見せて」
ヒロムはエリスの前髪をどけて顔がよく見えるようにする。
「みっみないで、はっはずかし…んんんっっ」
「痛み大分引いたみたいだね、良かった…気持ちよくなるまで
 時間かかると思ったけど、意外と早く……っつ、急にしまりがよくなった」
「あっあれ?……いっ痛いはずなのに、へっへんな感覚が」
その言葉にヒロムはさらに腰を打ち付けるスピードを上げた。
なぜなら、なるべく同時に逝こうとのヒロムの考えなのである。
エリスは首を左右に振りながら、喘ぎ声を次第に大きくしていく。

106 :
そして第1究極性感帯をヒロムの一物で最大限刺激されたために
とうとう喘ぎ声が最高潮に達して、それに伴いエリスの身体が硬直する。
硬直したのは身体を限界まで仰け反らせて、足先を思いっきり曲げていたときである。
「んんんんんんんああああああぁぁぁぁぁっっっっっ」
「くっ、持っていかれる。エリス射精(だす)よ」
ヒロムは仰け反ったエリスの背中に受け止めるかのように手を回す。
そして、ヒロムも硬直する。エリスの喘ぎ声が無かったら聞こえてたかもしれない。
エリスが愛液を大量に分泌する音が……ヒロムが超大量に精液をエリスの最深部に
流し込む『ドピュッドピュッ』と言う音が…。
「入ってる……ヒロムのが、どくんどくんって脈打って、何か出してる。
 熱い…熱いよ」
「あっ…しまった。聞いてなかっ…………。」
そこでヒロムはあることを思い出した。しかし行為の途中なのでエリスに対して
失礼することになると分かり、途中で言葉をつむぐ。
時間が止まる。…二人の時間が……。
時間が再び動き出したとき、ヒロムが倒れこむかのようにエリスをベッドに押さえる。
「はぁはぁはぁは、んっはぁはぁ」
エリスは息を整え始める。逝ったとき、無呼吸状態だったので回復には時間がかかる。
ヒロムの方は2.3回深呼吸をして身体を起こす。
「エリス、抜くよ」
そう言うと自分の一物をエリスの体内から…秘部から……膣から抜き出す。
ヌルッと出来た際に、エリスから軽く声が上がる。
ヒロムの一物と共に白濁色の液体が…精液が膣から流れ出す。
それだけならまだしも、白濁色にはところどころ赤い、ピンク色のようなものが…
エリスの血が付着しており、改めてエリスが処女だったことを思い出させる。
「はぁはぁんっ…初めてだった」
「??そうだね、今日したのがエリスの初めてだろうね」
「そっそんなことじゃくて、相手と一つになれて、気持ちよくて…
 なんて言うか相手の気持ちが分かるって言うか」
「そうだね…僕もエリスの気持ちがよく分かったよ
 エリス、お願いがあるんだけど…その舐めてくれないかな?」
「えっ……うん」
今まで夢中だった為、顔を染めてなかったがヒロムにそう言われて顔を赤くする。
今度は迷い無く、ヒロムの多少濡れてるいて半勃起状態の一物を握る。
そして口に含んで転がし始める。すると半勃起状態から完全究極勃起状態へと変わり
エリスはヒロムの一物を丁寧に舐める。
「ひッヒロム君、そんなに焦らさないで…私にもお願い」
一物を舐めている二人を見た時、とうとうアキラは我慢が切れてしまった。
ヒロムは結合が解けてから、アキラを軽く何度も不適の笑みで見ていた。
すぐにアキラは分かった。これはヒロムの意地悪だと…。
なんとか我慢しようと思ったアキラだが、身体の疼きが我慢の限界に達して
ヒロムにお願いしてしまう。
「エリス、ありがとう よいしょ…ほら、アキラちゃん、いいよ」
礼を言って、膝を突いていた状態から身体を寝せる。
男の草原に、いやこの場合は海原にと言った方がいいかな…。灯台が聳え立つ。
「えっ?」
「今日はアキラちゃんが動かないと…」
「そっそんな」
「なら今日はお預けだね」

107 :
アキラはその言葉を聞いて、意を決したかのようにヒロムにまたがる。
自分の秘部を片手で軽く開いて腰を少しずつ下ろしていく。
一物の先端が秘部と接触してアキラの中に飲み込まれていく
「んはっ、全部入った」
「奥に当たってるね……そうだ、エリスもまたがって今度は僕がしてあげるから」
「えっ?またがるってどこに?」
「顔に」
「「えええっっ」」
ヒロムのこの言葉はエリスどころかアキラまで驚き、アキラは動きを止める。
「どうしたの?」
「だって、あれなんだよ」
「あれ?……ほら、もう恥ずかしがらず。乗って綺麗にしてあげる。」
「ううぅぅ、分かったよ」
エリスはヒロムに顔を見られないようにまたがって腰を下ろす。
ある程度腰を下ろしたところで自分の秘部をヒロムの指が触り始める。
「アキラちゃん、止まってるよ」
「あっうん」
ヒロムにそう言われて、再び腰を上下に振りはじめる。
騎乗位+顔面騎乗位、中学1年でなにやってんだか…エリスの秘部を弄っていると
『ゴポッ』と音がして、中から再び白濁色にところどころ赤の混じった液体が
漏れ出してくる。 それを見てヒロムは思い出したかのようにエリスに聞く。
「えっエリス、生理とかもうきてたりする?」
「んっ?生理ってなによ」
「ええっと生理ってここから血が出てくることなんだけど」
「今でてるじゃない、ヒロムのあれと…一緒に」
ヒロムは正直に呆れた、まさか生理すら知らない少女とやってしまったからだ。
「だっ大丈夫そうだね。良かった〜思いっきり中出ししちゃったから」
「中出し?中出ししたらどうなるのよ」
「僕の精液をエリスの中に出したら妊娠するはずだったんだけど……」
「ええっっっ」
エリスが悲鳴のように声を張り上げる。急に妊娠する発言があったためだ。
その間も、アキラは腰を振っている。目がエリス同様に上を向き始めている。
「大丈夫だって、エリスに生理って言うもんがこないと、妊娠はしないんだよ」
「えっ、良かった〜」
「一応掻き出しとこうね…んしょ」
人差し指が秘部に差し込んでうまく掻き出し始める。
その掻き出す行為さえエリスにとって快感に変わり始める。
愛液が溢れ出して、中に入っている精液を押し出し始める。

108 :
「んんっ…そっそこだめぇ」
「エリスは胸も弱いけど、ここも弱いんだね」
ヒロムはむき出しになったクリトリスをエリスの弱点だと判断して弄り始める。
直接的すぎる攻撃にエリスが持つかが問題だ。
肉体面もあるが先に精神面の方がダウンしそうな勢いだ。
「あんっはうぅっ、んんんっっ、へっへんになる」
「んっんっんっ、ひッヒロ、んはっ、ム君…わッ私も逝きそう」
どうやら二人とも限界に達し始めてきたようだ。既に一回いったヒロムにも
限界が近づいてきた。アキラの上下運動と膣が圧迫するのが一物を刺激して、
今にも爆発しそうな勢いだ。
「あっアキラちゃん、そろそろ逝きそうだよ」
「はんっ…いっ一緒にい…こ」
「うん、分かったっ」
アキラが背中を仰け反らせて逝ったらしいが、ヒロムにはエリスを弄っているため
見えない、でも一物が急激に締め上げられたのが分かった。
そしてヒロムも限界に達してしまう。反射的にエリスのクリトリスを弄っていた手に
力が入り、思いっき握りつぶしてしまう。
この所為でエリスも限界に達してしまう。文字通り一緒に逝ってしまうのだ。
「んんんんんっっっああっはぁぁぁっぁぅぅ」
「くっ…射精(で)る」
「あぅぅぅんんんっあああああぁぁぁぁっっっっ」
開放・解放した。自分達の欲望を…解き放った。騎乗位をしてる上の二人は
アキラ、エリスの順に背中を仰け反らせて身体を硬直させる。
ヒロムはアキラの最深部で開放した。大量の白濁色の液体がアキラに注がれる。
「んっあつっ…ヒロム君の、んんああぁ…二回目なのに凄い量」
「アキラちゃんがそれだけ気持ちよくしてくれたんだよ。
 ……エリスも何回も逝ってるのに、止まること知らないね……このエッチな口は」
「んひゃ…んんっ、ヒロムもう、だめぇ」
ヒロムはエリスが大量に流した愛液を音を立てて吸い上げる。
「そう…これ以上したらまた失神しそうだから止めとくね
 ほら、二人とも横になった方がいいよ…逝ったばかりなんだから」
ヒロムにそう言われてアキラもエリスも力尽きたように横に倒れてしまう。

109 :
二人がヒロムの上からおりてから上半身を起こして口周りについている
エリスの愛液をティッシュで拭く。そしてぐったりと横たわっている二人を見る。
「『さて、お仕置きは何にしようかな…って二人とも寝てない?』」
安定した寝息が二つ響いてる。どうやら何回も逝かされて疲れたようだ。
ついでに、今は9時を過ぎている。
「「すー、スー」」
「あははっ…ったく可愛いな二人とも、これじゃぁお仕置きできないよ
 仕方ないな〜、お仕置きはまた今度だね 二人とも………。
 おやすみ、アキラ、エリス」
ヒロムはアキラとエリスの唇にキスをして、二人の間に入って眠りに着く。
本当の幸せで包まれた少年・少女達に良い夢を……。
そして、これを読んでいるあなたにも良い夢を……………。

FIN

110 :
投下終了しました。
無事に投下・・・そして年越ししました。
あけましておめでとうございます。
これにて、鬼畜ヒロム最強シリーズを完結させてもらいます。
今まで読んでくださった皆さん、ありがとうございます。
また別のスレで投下してるときにお会いできることを楽しみにしてます。
2007年乙 2008年よろ

111 :
妖さんが無くなったらもうこのスレも終わりか・・・

112 :
>>110
GJGJ!!
こんなヒロムはイヤンだけど、お嬢のキャラにあまり違和感を感じないのは凄い。おにゃにシーンエロ可愛かったです。
妖さんお疲れさまでした&ありがとうございました。

113 :
エロパロの皆あけおめ〜

114 :
あけおめ〜
妖さんがいなくなっても、それでもD_Kさんなら、D_Kさんならきっとなんとかしてくれるっ!

115 :
>>110
GJ!!相変わらずエロい作風でいい年越しが出来ましたw
ヒロム君の過去に意外な真実がw驚かされました。
投下リアルタイムで見ていたのでもうね、嬉しくてね(ry
お疲れ様でした〜。保管しておきましたー。

116 :
ヒロム「残念! それはボクのおいなりさんだよ!」
アキラ「///」

117 :
小林尽版変態仮面にもヒロムと乙女らしいエキストラが出てたな

118 :
hosyu

119 :
保守しないとまずいなこれは

120 :
もう本当に職人さんはいないのだろうか。

121 :
赤マル見たよ
蒔絵先生マジで結婚したのな…
3年後だから遊部まだ17だしやっぱ無理だったか…
熊が涙目だし他にだれかいいの見つけたんだろか

さて、ましろんは六花のスカウト(お絹)と義姉さんのフラグが立ったわけだが

122 :
結局えじりんは、ヒロム×乙女とヒロム×アキラ
どっちにするつもりだったんだろう

123 :
>>122
前者だと思うぞ。
最後のあの手と手、間違いない。
と言うわけで、
ヒロム×乙女よろしく。

124 :
どっちもにして後は読者の想像に任せるつもりだったんじゃね?
えじりんは幼馴染・世話焼きキャラ(少年漫画によくあるヒロイン)として乙女、
ロリ・天才キャラ(読者を稼ぐ萌え要素)としてアキラを考えたものだと俺は思ってる

125 :
エリスは!?

126 :
エロスじゃね?

127 :
いや、ツンデレ+ドジっ子キャラだろ

128 :
何を血迷ったのか
初めてな俺がP2が終わるのに
どうしても納得できなかった
連載の続きっぽいの書きたくなったから
何か書きます。
最近、調教モノとか多かったんで
エロ無しのヤツを

129 :
まあここに投稿するために初めて文を書いてみたなんて人実際にはあり得ないんだけどね

130 :
>>128
期待してる

131 :
赤丸読んで三年後のヒロム=ハーレムとか思いついた俺は病気

132 :
>>131
ナカーマ
でもって大佐の「緊張が取れた」はアキラにぱんつ見せてもらったから
と思った俺

133 :
書いても書いても鬱展開しか思い浮かばないんだが、それでもいい、って人はいるかい?

134 :
何でもいいから早く燃料をくれ!!!1

135 :
>>132
なんかヒロムが優勝→どこぞの国へ修行へ→本妻乙女、妾エリス&アキラとか思いついた俺はんでいい

136 :
hossyu

137 :
保守

138 :
>>128マダー?(チンチン

139 :
ほしゅ

140 :
誰か…

141 :
保守あげ

142 :
保守しないとやばいだろこれは

143 :
保守せんとやばいだろこれは

144 :
保守してもやばいだろこれは

145 :
保守

146 :
ましろん×千佳を書きたいのだが、どうにも話が思い浮かばないんだ

147 :
千佳さん=酔っ払い・おっぱい
酔っぱらった勢いでおっぱい使ってセックスとかでよくね?

148 :
千佳が眞白に迫っても
眞白が千佳に迫っても
どっちも慌てずに互いをナチュラルに受け入れそうだから困る

149 :
保守しないと・・・

150 :
単行本出るまでは保守しとく

151 :
保守

152 :
age

153 :
乙女は打ち切りには勿体無い魅力的な少女でした

154 :
てんてーが好きですた

155 :
>>153
乙女のエロパロ足りてないからよろ

156 :
乙女って最終回でどこに留学してたか描写あったっけ…。
あと乙女モノとしては
@12歳時代、ブログのオフ会でおねーさん方から性的指導を
A12歳時代、やはりオフ会で集まった男どもと鬱憤を晴らす女王様プレイ
B留学時代、ヒロム似の少年とひと夏の経験を
C留学時代、レイープ
D12歳時代or留学時代、参加したセレブ用パーティーで××
 (たしか上流階級の娘だったはず)
が考えられるけど、どれか読みたいものあります?

157 :
【中国】スター三人、無修正写真流出「セックス?スキャンダル」
02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[?思慧]-37P-
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_2.shtml
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_1.shtml
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63187.shtml
02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[梁雨恩]-40P-
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63186_2.shtml
02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[??思]-10P-
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63185.shtml

158 :
>>156
ダーク系は苦手なんで1を是非に

159 :
>>156
誘い受けしてる暇あったらさっさと書け

160 :
>>159
どれにしようか迷ってるんだ。ひとつ選んでくれると嬉しい

161 :
>156
1か3がいいなぁ、乙女受けでかわいいとこ見せて欲しい。

162 :
どれもP2としては不自然だけどBあたりがままあり得そうだ

163 :
一人くらいダーク支持者がいてもいいだろってことで
唐突な留学はヒロムに言えない心の傷を癒すためだった
って感じでダーク系をw

164 :
E再会後、二人とも抑えが効かなくなって一発

165 :
どれでも大して変わらんからさっさと書け

166 :
>>165
なんでおまいは職人にそんなに偉そうなのかと(ry

167 :
ヾ(=^▽^=)ノ

168 :
えじりん
http://www.16shot.jp/blog/archives/2007/12/post_798.html

169 :
既出

170 :
できるまでほしゅ。

171 :
保守!!!!!

172 :
思わせぶりな事書き込んどいて投下しない人って何なの?

173 :
照れ屋さん

174 :
156じゃないが、今アキラで一本書いてる。
今月中には書き上げたいけど、今アクセス規制中で携帯からしか書き込めなorz

175 :
期待するような事を書き込んだからには絶対投稿してくれよ な?
もうP2のエロにかなり飢えてるんだから

176 :
もう2ヵ月もご無沙汰か
まあ、打ち切られた漫画だしな…

177 :
その代わりに入った新連載は3つの内1つは打ち切り、もう1つは巻末常連、もう1つは眼鏡っ娘可愛い
正直、P2続けていた方がジャンプ的に良かった筈なのに……
打ち切り決めた奴穴掘って埋まっちまえ

178 :
ジャンプとして良いかっつーと微妙だろ
そのときそのときに人気のないものを消して新連載のための枠を開けるって概念が消えると停滞しっぱなしになる

179 :
ここはエロメインというか…エロが一投下のうちに入ってないとやっぱダメなのかな?
連載形式で進むうちにエロが入る、みたいな形のやつとかはダメなんだろうか。

180 :
いいんじゃね?
投下自体ないし人居ないしレスつかないかもしれないけど

181 :
他のスレでもエロ無し作品なんて割とザラだからな。
途中まで健全でも全然おーけー

182 :
まとめWikiも稼動してますから大丈夫ですよーと。

183 :
アキラ「ヒロムくん・・・ちんちん見せて」
ヒロム「えっ? 何? ち・・・」
アキラ「だから、ちんちん。コンドーム付ける練習したいから」
ヒロム「急に何で!?」
アキラ「学校の保健の授業、私休んで練習してないから・・・」
ヒロム「練習ってそんなの学校でやったの!?」
アキラ「うん、試験管でやったみたい。だから、ヒロムくんのちんちん見せて」

184 :
>>183
試験管サイズだと思ってたら
意外と大人チンコでびっくりして泣いちゃうアキラ想像して萌えた
多分チンコの記憶は幼少時の涼で止まってるんだろうな

185 :
174です。やっとこ書き上がりました。
一応アキラメインですが、エロ度は控えめです。
どちらかというと後日談を見るつもりで読んでくれたらいいな。
以下から、
「俺を忘れるな」

186 :
 表彰式を終えて、アキラは浮かれていた。
 約束通り彼は見せてくれたのだから。
 高槻との戦いで、彼の秘技鳳翼天翔を破った奇跡のような1セットの後、その奇跡すら飛び越えて、彼女が育て上げた彼の翼が羽ばたくのを。
 その激闘の後、久勢北は決勝で敗れたものの、疲労困憊の中でなお1セットを奪った。
 もはやどこまで飛んでいくのかわからない。
 観客席の相馬が彼の激闘を見ながら引きつった顔で笑っていたのが印象的だった。
 彼と語りたいことがたくさんあった。
 大会来賓としての、お偉方との退屈な会話を終えて、彼を探しにいこうとしたら、意外な人物が現れた。
「よおアキラ。一緒に帰ろうぜ」
「十悟、来てたの」
「来てたのはないだろ。前みたいに護衛を兼ねて送ってやるよ」
 王華に入ってから、アキラが外出するときには十悟は大体同行してきた。
 アキラとしてはうっとうしいと思ったこともあるが、助かったこともある。
 卓球関係者が多いところでは、確かに単独行動していると面倒なことになる。
 十悟の申し出は普段ならば歓迎すべきものだった。
 だが、今は事情が違う。
「ヒロムくんと帰るから、いい」
 一刻も早くヒロムに会いたかったのだ。
 その思いが思わず口をついて出た。
 その言葉に十悟は敏感に反応した。
「ヒロムってあの藍川か。どういうことだよ」
「……十悟には関係ない」
「大ありだぜ。白雪の川末アキラが俺の女だってのは周知の事実なんだよ」
 十悟としては、息が詰まりそうだったお姫様を休日のたびに連れ出して気晴らししてやったのだ。
 もちろん同情だけでなく、アキラを気に入っていたからに他ならない。
 いくつかは客観的に見てもデートと呼んでもいい内容だった。
 それが、あの日藍川ヒロムに会ってから、何か狂った。
 しかも今はそいつを探しているという。
 許せなかった。
「勘違いしないで。十悟の女なんかになったつもりはない」
 卓球台を挟んであらゆる相手を屈服させる視線が十悟に突き刺さった。
 それから、ぷいと顔を背けるように体を翻す。
 その背中が、十悟の頭の中で何かのスイッチを押した。
「そうかい。じゃあ、今からそうさせてやるよ」
「え?」
 不覚にも、アキラは何が起こったのかわからなかった。
 体が引っ張られ、ガラガラと扉を閉める音。石灰の臭い。背中にマットの感触。
 アキラが我に返ったときには、すぐ横にあった体育倉庫の中で十悟に押し倒されていた。
 両肩を両手で押し付けられ、両膝を両足首で拘束されるという体勢だ。
 ここで悲鳴を上げないあたりがかわいげがないと十悟もアキラ自身も思った。
「何の真似?」
「見りゃわかるだろ。俺の女にしてやるんだよ」
「また股間を蹴り上げられたいの?今度は蹴り潰した方がいいのかな」
「はっ、今度はそうはいかねえよ」

187 :
 同行している最中に、十悟がアキラに股間を蹴られたことは一度や二度ではない。
 だが十悟はそうやって蹴り上げられるたびに興奮していたのだ。
 アキラがそんなことをしてくるのは自分だけだと信じていたし、事実そうだった。
 それに、例え蹴るという行動であっても、あのアキラが股間に触れてくるというのは、それだけでもすごいことだったのだ。
 悶絶しながら、アキラの足に自分の股間を触れさせたことに歓喜し、もっと先のことがしたいと思い続けていたのだ。
 一時の気の迷いだけでここまでの行動に及んだりはしない。
「そう、じゃあ潰してあげる」
「うおっ!」
 ぐっとアキラの右膝が起き上がろうとしたのを察した十悟は、潰されまいと両足に力をこめて押さえつける。
 しかしその動きと予告はまとめてフェイントだった。
 十悟の注意が下半身に向かった隙に、アキラは微かに力の緩んだ右肩を滑らせて拘束から外し、ラケットを振り抜く勢いそのままに平手打ちを繰り出した。
「あぶねえっ!」
 叫びつつ十悟はアキラの右肩を押さえていた左手を素早く動かして、アキラの右手首を寸前で止めた。
 しかし、それでは終わらない。
 アキラとしては右肩を自由にしたことである程度胴を動かせるようになったので、腰をひねって両足の拘束を外そうとする。
 うまく左足が抜けた。
「十悟、覚悟!」
 押し倒された体勢からは普段のような蹴りができないので、膝で股間を狙った。
 だが、十悟はこれで喧嘩慣れしていた。
 アキラと同行しているときに、何に絡まれてもアキラを守れるようにと鍛えていた。
 それが今、逆の役に立っている。
 巧みに太腿で膝蹴りをブロックし、逆にアキラの膝の間に割って入った。
 十悟が脛でアキラの両太腿を抑え込んでいる体勢になった。
 太腿と呼ぶのが躊躇われるくらい細い両足だなと、十悟は妙に冷静に思った。
「まったく、こんなときまでオールラウンダーな奴だな。
 だが諦めろって。いくらお前が頑張っても、喧嘩じゃ俺には勝てないよ」
「……そうみたいだね」
 体勢が変わったことで本気になった十悟からかかってくる力は、男子と女子との差以上に明確なものだと、アキラも認めざるを得なかった。
「あんまり暴れるなよ。殴ったりはしたくないんだ」
「っつ……、婦女暴行という言葉は知ってる?」
「合意の上なら暴行にならないんだとさ。諦めな。」
 アキラは十悟を睨み付けながらも下唇を噛んだ。
 大声を上げられない事情があったのだ。
 直情径行のままことに及んだ十悟は考えもしていなかったが、アキラは自分の体よりもこの問題が発覚することを恐れていた。
 部員同士とはいえ、仮にも卓球界では名前の知られた自分が絡んだ淫行騒動など表沙汰になったら、王華の大会出場停止はおろか、県大会の中止にもなりかねなかった。
 それは、先ほど見たばかりの翼が飛んでいく先を潰してしまうことになる。
 自分が我慢すればいいだけのことだとアキラは自分に言い聞かせた。
 こんなバカをやらかしたとはいえ、サシャと違って十悟にはそれほどの嫌悪感は無いのだから、きっと我慢できるはずだと、慰めにもならないことを無理矢理思うことにした。
 そこでアキラの体からふっと力が抜けたのを確認し、十悟はごくりと唾を飲み込んだ。

188 :
 いきがってはいるが、十悟も中学一年生だ。
 当然童貞で、持っているエロ本は修正付きの物しかない。
 勢いに任せてここまでやってしまい、アキラの目の前で弱みを見せないように平静を装っているが、その実、喉はカラカラに乾いて、心臓は跳ね回っていた。
 かといってやめるという選択肢はありえない。
 初めて会ったときから自分のものにしたいと思っていた美少女が、今手中にあるのだから。
 これでアキラが泣いてやめてくれと懇願していたら、あるいは十悟も罪悪感に駆られて止められたのかもしれないが、いつも以上に冷徹な態度を取られたことで十悟も意地になっていた。
 しかし、悩んでしまった。ここからどうすればいいのかわからない。
 スカートをめくってパンツを下ろして、入れればいいのだろうかと思ったが、いきなりそれもどうなんだろうとも思う。
 とにかく、大切にしているエロ本に従って、裸に剥くのが順番だと結論づけた。
 しかし、どうすればいいのかとまた困ってしまった。
 十悟の右手はアキラの左肩を押さえていて、左手はアキラの右手を押さえている。
 アキラが諦めたような様子だといっても、手を自由にさせるのは不安だった。
「どうしたの?やらないの?」
 相変わらずの冷たい口調に十悟は怯みかけたが、強がりはやめなかった。
「少しは泣き叫べばいいのに、可愛げないなお前」
 そんな可愛げの無い女を襲っている本人に言われたくないとアキラは思ったが口にはしなかった。
 悩んだ十悟は結局、右手だけでアキラの両手首を押さえて、左手で作業することにした。
 しかし、まずリボンが問題だった。
 シャツだけならそう苦労はしないはずだったが、緊張しきった左手一本では首もとを止めているリボン一つ外すこともうまくいかなかった。
「ああもう、くそう、面倒だな!」
 もたもたしていてアキラに下手と思われるのはやってられない。
 いらついた十悟は、力づくでリボンを引きちぎることにした。
 一緒にシャツのボタンが二つ外れて飛んだが、強姦なんだから最初からこうすれば格好の悪いところを見せずに済んだのにと、十悟は少し後悔した。
 ともあれ、これで胸元の肌が露わになり、薄い平板のようなスポーツブラの白さが視界に飛び込んできた。
 アキラが変に派手な下着を付けていないことに、十悟はほっとした。
 当たり前だが、これでアキラが処女だと今更ながら確信した。
 嬉しさを噛みしながら、シャツを引っ張って、いくつかボタンを飛ばしつつ、胸から臍まで露わにする。
 その乱れたはだけ方が、強姦しているという十悟の気分を高揚させてきた。
「さて、それじゃ拝見するぜ」
「……勝手にどうぞ」

 ブラに手を掛けた十悟に目を合わせずに、アキラはつとめて素っ気なく言い返した。

「やれやれ」
 ぼやきながら、十悟はブラをめくり上げた。
 さっきの反省を踏まえて、脱がし方のわからないものは無理をしないことにしたのだ。
 何しろAAのブラなので、無理に外そうとしなくても、簡単にめくれるくらい平板状なのだ。
 その下から、薄紅色の淡い輪が姿を現した。
 十悟は内心叫び出したいほど興奮して、下半身は痛いくらいに立ち上がっていたが、なんとか自分をなだめつつ、改めてじっくりと舐るように眺めて堪能する。
「全然胸ないんだな。付ける意味あんのかよ」
 ヒロムに裸を見られても気づかれなかったくらいなので、アキラとしてもそんなことは言われなくてもわかっていた。

189 :
「胸に不満があるならさっさと入れれば」
 どうせまだ月のものが来ていないので、妊娠はしない。
 痛いだろうし、屈辱的だが、それ以上のダメージは無いと、どこかアキラは冷徹に考えていた。
 ただ、ヒロムのことを思い出してしまったのはいけなかった。
 初めてはできることなら、と微かに思ってしまった。
 この状況で逃れるのはかなり絶望的だ。
 力ではかなわないのはよくわかっている。
「そう焦るなよ」
 自分に言い聞かせながら十悟はアキラの胸に手を伸ばした。
 触った感触はまだ固い。
 予想はしていたが揉んで楽しむということは無理だった。
 薄紅色の先端もまだ小さく、摘むのも難しい。
「押されると痛いんだけど」
 これから膨らみ始める蕾は快感を伴う前は痛みばかりが先に来るのだ。
「そうかい。悪いことしたな」
 半ば本気で呟いた十悟は、アキラの胸に顔を寄せた。
 当然だが胸に顔を埋めるなんてことは期待していない。
 その痛いと言った蕾の先端を慈しむように舌を伸ばした。
「ひっ……」
 十悟としては痛みを和らげてやるつもりだったのだが、冷たくじっとりと濡れた舌に敏感になった先端を嘗め上げられることは、アキラに猛烈な嫌悪感を催させた。
 ナメクジが胸を這い回る様を連想させるその感覚は、十悟へのわずかに残った好感を消し飛ばすほどにおぞましく、寒気とともに肌を収縮させて、結果、小さな蕾を尖らせることになった。
 アキラの乳首とも言えない先端が固くなるのを舌先で感じた十悟は、アキラが感じていると勘違いして感動していた。
 微かな汗の匂いとともに、肌の表に残っていた塩気を帯びた味を存分に堪能した。
 これがアキラの味だと思うと、いくらでも味わいたかった。
 乳首を舐めて感じてきたら乳が出るのではないかと、エロ本から覚えた間違った知識を元に、微かに尖った右の先端を二度三度と舐め上げた後、唇を当てて吸いついた。
「ん……っ」
 アキラの口から押しした呻きが漏れたことにまた興奮させられた。
 右だけでは物足りないと、今度は左の蕾に口を寄せた。
 あふれ出てくる涎を垂らし、薄紅色の輪の周囲に塗り込むように、舌で押しつけ回していく。
 膨らみがほとんど無いため、舌を押し込むとすぐ固い感触に当たる。
 だが、あばらの感触さえ舌で感じることができたことが、アキラの未成熟っぷりを十悟に改めて実感させた。
 青い果実ってこんなことを言うんだろうなと思いながら、たっぷりと周りを濡らすと、蕾の周囲の赤色が光を反射して輝いて見えた。
 少なくとも、十悟には神々しくさえ見えた。
「すっげ……」
 十悟はしばし陶然と見入っていた。
 乳が溢れてこないのは残念だったが、この大きさなら仕方がないかと、十悟なりに諦めをつけ、アキラの体を味わうことを優先することにした。
 アキラの胸がもっとあったら十悟は中学生男子の例に漏れずにたっぷりと胸をいじくり回していただろうが、胸が薄かったために、むしろアキラの身体の他の部分でも楽しみたいと思ったのだ。
 膨らみの無い胸から下に向かって両手の指でなぞり、うっすらとあばらの浮かんだ細い体ながら、滑らかで心地よいその感触を手で確かめた後、舌を這わせてじっくりと味わっていく。
 気が付けば、いつの間にか両手を離してアキラの手を自由にさせてしまっていたが、もう拘束しなくても抵抗さないだろうと十悟は勝手に考えた。
 アキラとしても、裸同然の体を撫で回され嘗め回されるという、屈辱的でおぞましい感触が続いたことで、体から反抗する力をはぎ取られていた。
 ただ、瞳だけは、なお屈服の色も見せずに、見下ろす視線で十悟を睨みつけていた。

190 :
 十悟はしばらく、きめ細かな肌の舌触りとほのかな汗の味に陶然と酔っていたが、やがてその視線に気づいた。
 強姦している最中だというのに、いつも通りのその視線に何故か安心させられた。
 しかしそれと同時に、その顔を一変させてみたいとも思った。
 目の前にはちょうどアキラの臍があった。
「え?ちょっと、十悟、何を……」
 十悟はアキラの臍の周りを一撫でしてから、その窪みに舌を伸ばした。
「や……、やだ!十悟、やめ……」
 くすぐったいのと、臍という生まれてすぐの自分に関わる根源をいじられているという未体験の感触に、アキラは思わず悲鳴をあげた。
 しかし、今まで無反応に等しかったアキラからそんな声を引きずり出せたのだから、十悟としてはその命令を聞くどころか、ますますやる気になって、固めた舌先で臍の中をぐりぐりと弄り回し、あげく、唇を寄せて思い切り吸い上げた。
 アキラにとっては、臍を通じて体の中身を賞味されているようだった。
「十悟の……、変態……っ」
 押しした声ながら吐き捨てるようになじったアキラだったが、これが逆効果だとは思わなかった。
 言われた十悟はむしろ爽快で、聞いた耳から脳髄に染み渡るように快感さえ覚えていた。
 あのアキラが、もはや言葉でしか抵抗できないくらいに追い詰められ、敗北宣言に等しいことを言っているのだ。
 しかも変態とのレッテルが十悟を興奮させた。
 自分は変態なのだから何をしてもいいのだと思うと、もはや免罪符をもらったような心境になった。
「ああ、お前は今その変態の餌食になるんだよ」
 調子に乗った十悟は、指と舌とを這わせて、固い胸と違ってふわふわと柔らかいお腹の感触と味を存分に堪能する。
 その間に、アキラは自分が人形になってしまったように思われた。
 おぞましい感触も、今の状況も、何も考えたくなくなってきた。
 正直言って、早く終わればいいのにとさえ思い始めていた。
 アキラがおとなしくなったので、十悟はもう仕掛けてもいいかと思った。
 ここまでの変態行為で、下半身は痛いくらいに張り詰めていて、触りもしていないのに爆発しそうな気配が込み上げてきていた。
 十悟は乾いた喉に無理矢理唾を飲み込ませると、いよいよという心境でスカートに手を掛けた。
 しかし、どうもホックが腰の斜め後ろにあるようだとわかった。
 両手が使える今では脱がすことも出来そうだったが、そんなに長いスカートではないし、上半身は胸を見せていても脱がしていないことを思い出した。
 どうせなら、下も服を着せたままの方がいいと十悟は思い直した。
 チェックのスカートの裾を摘み、これを持ち上げながらも顔を近づけていく。
 まだ肉付きを増す前の、棒のように真っ直ぐな線を描いた白い腿がゆっくりと姿を表し始めた。
 その細い脚の奥に、ブラと同じく飾り気の無い真っ白な下着が見えた。
 一瞬ならば翻った隙に見たことがあるが、ここまでまじまじと見たのは初めてだった。白い表面には影さえ見えず、素っ気なく包むその様がなおさら十悟を興奮させた。
 半ば無意識のうちに手が延び、力任せにぐいとずり下げて、中に隠していたものが露わになった。
「これが……」
 十悟は二の句が継げなかった。
 エロ本だとモザイクで隠されているその場所は、モザイクを見る限り赤いものだと思っていたが、まったく違っていた。
 お決まりのヘアなど一本もなく、つるつるとしたなだらかな丘に、そこが目指す場所であることを示す小さな縦の割れ目が真っ直ぐに走っていた。
 割れ目の左右は二枚貝のようにぴったりと合わさり、日の光が当たるはずもないので、白い下腹部の中でも一際抜けるように白い肌が誰も踏み荒らしていない雪原のように輝いていた。
 その汚れなさが、十悟の思考を焼ききった。

191 :
 広げようとか濡らそうとか、そんなことはもうどうでもよくなって、とにかく一秒でも早くこの割れ目を押し裂いて、中に入って出したかった。
 十悟は一秒すら惜しく、ズボンとパンツを纏めて下ろして、人生最高の大きさにふくれあがった自分の分身を取り出した。
 すっかり剥けた赤い亀頭はエラまでががっちりと張り詰め、そこへ至るまでの肉茎は太く膨れて大きく反り返っていた。
 十悟自身、ここまで大きく立ったことは記憶に無かったが、アキラを貫く自分の槍が巨大なことには満足した。
 これならアキラの処女膜を破るのに不足はないだろうし、粗チンなどとは間違っても言われないで済むと自信を持った。
 一方、人形になろうとしていたアキラだったが、それを見た瞬間、さすがにどうにも無視などできようもない恐怖に襲われた。
 兄や遊部と一緒に風呂に入ったときに見たものとは大きさも形も全然違っていた。
 半ば覚悟していたが、あんな棍棒のような肉の塊などを入れられたら、身体の中まで壊されてしまうのではないだろうかという想像が現実的な恐怖として迫っていた。
 もう犯されるのは仕方がないと諦めも付くが、壊されてしまったら、もう、彼に入れてもらうこともできなくなってしまう。
「いや……、いや……!十悟、やめて……、そんなの入りっこない……」
「やめるわけないだろ。こいつはな、お前にぶち込むためにあるんだよ!」
 力任せに両膝を開かせたときに、膝に引っかかっていた下着があっさりと破れた。
 もう妨げるものは何もない。
「よく見ておけよ、アキラ。今からお前の中に入ってやるからよ」
 十悟はふくれあがった肉を掴んで、先端を割れ目に当てがおうとしたが、うまく行かなかった。
 いつもなら多少は動きの自由がきく分身は、今は処女貫通の期待に膨れすぎてガチガチに固くなっており、向きを下げることすら容易ではなかった。
 それでも本能で身体が動いた。
 膝を落とし、腰ごと押し出すようにして、ようやく反り返った裏側が割れ目に押し当てられた。
 ふんわりと柔らかい感触が、過敏になっている裏筋に当たるだけでも落涙しそうなほど感動していたが、これからもっとすごいことをするのだと思うと、さらに血液が流れ込んで固くなっていく。
 十悟は荒れてくる息をなんとか三度の深呼吸で落ち着けて、意を決して腰を押し出した。
「いた……っ!」
 アキラは小さな悲鳴を上げた。
 しかし、予想していたような身を裂くような激痛ではなかった。
 十悟の肉茎はアキラの割れ目の上部に少しめり込んだが、結局、割れ目から上に逸れてしまい、姫洞を守る処女膜に微かに触れただけで終わった。
 十悟はわかっていなかったが、入るわけがないのだ。
 自分で身体を慰めもしていないアキラの割れ目はぴったりと閉ざされており、しかもまったく濡れていなかった。
 そんなところに、臍まで付くくらいに反り返ったものを押し込もうとしても、ただでさえ角度が悪いのだから外れてしまう。
 しかも十悟は、割れ目のどの方向に穴が通じているのかわかっていなかったから、割れ目に押し当てれば入るものだと思っていたため、本来あてがう箇所よりも上にずれていた。
 ばつの悪さを隠して腰を引き、もう一度押し入ろうとするが、やはりせいぜい割れ目の周囲を擦りあげるだけで終わった。
 しかし、それだけでも十悟にとっては未体験の興奮だった。
 入れられたわけではないにしても、未成熟な性器に強い圧力をかけられたことでアキラが苦痛にうめく声を聞くだけでも、エロ本とはくらべものにならないくらいに興奮させられているのだ。
 そして男として入れるべき最終目的地の直前で、肉茎の裏側だけでも擦っているのだ。
 しかもそこはまったくの無毛で妨げるもの一つなく、確かに新雪を踏み荒らしているという感触はあった。
 童貞中学生にその刺激を我慢できるわけがなかった。
 あっという間に下半身から脳髄まで駆け上がった射精衝動を止める暇もなく、気が付いた瞬間にはアキラの割れ目に密着した状態で、先端が白く爆発していた。
「うわあああっ!」

192 :
 あまりの快感に十悟は悲鳴を上げていた。
 アキラの身体にぶちまけたその光景は視界に入っていたはずだが、オーバーヒートしたかのような快感に頭が真っ白になって、見開いた目に映ったものを何も認識できなかった。
 それも一瞬では終わらなかった。
 脊髄を走る甘美な稲妻は一度ではなく、心臓の鼓動に合わせて二射、三射と発射された。
 そのたびに、とにかく下半身の全てが玉から尿道を止めどなく駆け上がるようなしびれが走り、その錯覚に不足していないほどの大量の精液が、脈動のたびにアキラの全身にぶちまけられた。
 第一射は割れ目から臍の間でべっとりと広がり、角度が上がっていた第二射は大きく放物線を描いて左の胸の突起を覆って広がり、第三射は襟もとから肩にかけてシャツにこびりつき、落ち着いた第四射からはめくり上げていたスカートや腰回りをどろどろに汚した。
 何回脈動したのかわからなかったが、気が付けば十悟の目の前には、白濁液で服と言わず身体と言わず全身汚れまくったアキラの無惨な姿があった。
 やるべきことが出来なかった壮絶な羞恥心とともに、微妙な達成感にも包まれていた。
 唾を付けるのとは訳が違う。
 これだけ精液をぶっかけたからには、アキラの全身はもう自分のものだと思った。
 一方アキラは、何をされたのか理解するのにしばらく時間がかかった。
 ひとまず助かったということが理解できたが、それでも身体中辱められたことには違いない。
 物のように扱われたことへの怒りが今更ながら沸き上がった。
「……早漏」
 アキラの全日本の同僚がロッカールームで並べていた彼氏への罵倒の中で、一番効きそうな単語を思い切り叩きつけた。
 本来なら自分だけ楽しんだ男を非難するための言葉で、強姦のときに主張する言葉ではないが、言葉の意味が分かるくらいに知識があった十悟には十分堪えるものだった。
 いくら暴れて抵抗したところで、よがらせてしまえばいい、などという目論見とともにプライドまで粉々にされた。
 だが、それでは終わらなかった。
 落ち込みかけたところで、十悟自身が今し方ぶちまけたばかりのアキラの姿を目の当たりにしたからだ。
 服も肌も白濁液で汚れた、それでも処女のままのアキラの姿は、萎えかけた下半身に膨大な活力を甦らさせるに十分だった。
「はっ、一発で終わる俺だと思ったのかよ。不満ならしっかり期待に応えてやるよ。腹の中がいっぱいになるまで何発でも注いでやるぜ!」
「え?」
 男は一発出せば終わりだと聞いていたアキラにとって、十悟の復活は予想外だった。
 あっと言う間に両足首を捕まえられて、左右に開きながら持ち上げられてしまい、アキラが気づいた時には両足を大きく開き十悟に向かって秘部を突き出すという、あまりな格好をさせられていた。
「これならいくらなんでも入るだろ」
 突き出されて微かに広がった割れ目に押し当てる肉の棍棒は、既に十分な大きさを取り戻していた。
 先ほどよりやや反り返りが甘くなっていたが、その分前を向いて入れやすくなっていた。
 当てられた瞬間にアキラはまずいと思い、十悟はいけると思った。
 十悟の分身は今先ほど自ら出した白濁液が先端にべっとりとついており、これが潤滑剤のように働いてうまく割れ目を分けようとしていた。
「い、いやあああ……っ」
「行くぜアキラ。初体験だぜ、泣いて喜びな」
 そういって十悟は大人の階段を駆け上がるべく、腰を突き出そうとし、横からの物音に振り向いた。
 扉が、開く音だった。
「え?」
「な?」
 二人揃って間の抜けた声を上げて見たそこには、
「アキラちゃん?」
「……ヒロム……くん?」
 皮肉にも十悟の声を聞いて不審に思い、体育倉庫の扉をそっと開けたヒロムの姿があった。
 式典が終わった後、アキラと話をするために探し回っていた結果であった。
 ヒロムの姿に、一瞬喜んだアキラだったが、体格の違いすぎるヒロムが十悟に腕力で勝てるわけがないとすぐに計算できてしまった。
 むしろ、秘部までさらけ出したあられもない姿で陵辱される様をヒロムに見られるかと思うと恐ろしくなった。
 その怯えが顔に出たのを十悟は見逃さなかった。
 強気一辺倒だったアキラの弱点を掴んだ。
 そして何より、自分からアキラを奪おうとするヒロムにアキラの純潔を奪うところを見せつけてやれることに、何にも勝る征服感を覚えた。

193 :
「いいとこに来たな。藍川。
 そこで見てな。今からアキラを女にしてやるところだからよ!」
「やめて!ヒロムくん、お願い、お願い、見ないで!」
 しかし、ヒロムはアキラの懇願には従わなかった。
「アキラちゃんに、何するんだ!」
 頭が沸騰して、気が付けば十悟にタックルしていた。
 サシャに挑みかかったときと同じ、だが、あのときのような失敗は許されなかった。
 天翔もかくやという初速のまま、ヒロムは身体ごと十悟の脇腹に体当たりするようなタックルをぶちかましていた。
 まさにちょうど、突き立てられた棍棒が純潔の壁を破る寸前で、全神経をそちらに集中していた十悟は、視界がひっくり返って側頭部に衝撃が走った理由がすぐにはわからなかった。
 ただ、本懐を邪魔された下半身が、雌を奪い合うという雄の原初の闘争心を奮い起こした。
 十悟は頭を二三度振り、状況を把握する。
 アキラと引き剥がされ、自分とヒロムとが絡まってマットに転がり、左の側頭部を横にあった鉄製のボール籠にしたたかに打ち付けていて、そして、肝心の分身は赤く染まっておらずに、自身が出した白濁液に濡れているのみだった。
「てめえよくも……」
 十悟は失望を押しし、交尾を邪魔されたという怒りをバネにして立ち上がった。
 ついでにヒロムの胸に思い切り膝を叩き込む。
「げほっ……」
 ヒロムは一瞬呼吸が止まったかのように感じ、思わず転げて十悟から離れた。
 それで十悟は確信する。こいつは弱いと。
 単に一時邪魔されただけで、ヒロムを叩きのめしてからゆっくりとアキラを犯してやればいいのだと思い直す。
「アキラ、ちょっとそこで待ってな」
 ひとまずズボンとパンツを引き上げて、ヒロムを叩きのめすことを優先する。
「ヒロムくん、逃げて!」
 十悟が本気になったことを察したアキラは自分のことを忘れて叫んでいた。
 どう見てもヒロムに勝ち目はない。叩きのめされるのは余りにも明白だった。
「逃がさねえよ!人呼ばれたくないしな!」
 ヒロムはアキラの声を受けて立ち上がり、そして、逃げるのではなく十悟に向き直った。
 現状に頭がついていっていなかったが、そんな状況でもヒロムにはわかることがあった。
 今自分が逃げれば、アキラが酷い目に合わされるということだった。
 初対面の時から十悟に抱いていた苦手意識さえ忘れていた。
「憂さ晴らしに付き合ってもらうぜ!」
 ケンカ慣れした十悟の左手がフック気味に繰り出されるのを、ヒロムはしっかりと見た。
 身体がそれに応じて動いた。
 スレスレのところで十悟の拳は空を切る。
「こいつ……!」
 舌打ちとともに繰り出される右手のストレートは今度こそ本気だったが、それも空を切る。
「くそ、なんで、こんな奴に!」

194 :
 アキラには状況がよくわかった。
 ヒロムは元から驚異的な動体視力を持っていたが、さらにこの数ヶ月の鍛錬でその視力に足が付いて来るようになったのだ。
 攻撃の軌道がはっきり見えていれば、足の移動だけでかわせてしまう。
 そしてアキラは知らなかったが、十悟はアキラを守るために自分より大きな相手に喧嘩を売ることがほとんどだった。
 自分より明らかに小さいヒロムのような相手と戦うのは、勝手が違い過ぎた。
 焦りで十悟の攻撃に大振りが目立つようになってきたところで、ヒロムはそっと拳を握った。
 今まで人を殴った経験など一度も無いが、それでも戦わなければと思った。
 アキラを守らなければと思った。
 勝たなければならなかった。
 どうすればいいか、かわしながら必で考えた。
 非力な自分がちょっと殴ったくらいで倒れる相手じゃない。
 一撃で倒れる急所はどこか、スポーツはいつも憧れながら見ていたから、ボクシングも少しはわかる。
「この野郎!」
 十悟が思い切り繰り出したストレートを、身体を思い切り下げてかわし、十悟の懐に潜り込んだ。
 金的を狙われると思った十悟はとっさに両足を閉じてブロックしようとする。
 ヒロムが見上げれば、顎が隙だらけだった。
 真上に飛び上がるようにしてアッパーを繰り出した。
 真下の角からの攻撃を、十悟は読めなかった。
「が……!?」
 顎を跳ね上げられたことで脳が大きく揺さぶられ、十悟は倒れ込む前に失神していた。
「はあ……、はあ……」
 ヒロムは、十悟が倒れたことを確認し、その場にへたり込んだ。
 初めて人を殴った拳はひどく痛み、試合で勝ったときのような高揚感よりも、間違ったことをしたような後悔がこみ上げてきた。
 倒れている十悟の姿と、彼を打ち倒してしまった自分が未だに信じられず、忘我の顔のままで血がにじんだ右拳をみつめていた。
「ヒロムくん、すごいね……」
 そこに、声が掛けられた。
 ヒロムの迷いを吹き払うほどに、純粋な賞賛が込められた声だった。
 そこでようやくヒロムは、自分が何をしに来て何をしたのかを思い出した。
「あ、アキラちゃん、大丈夫……!」
 振り向いたヒロムは、そこで今更ながらアキラの姿を確認することになってしまい、顔から蒸気を噴き出しそうになった。
 アキラとしては、以前にもヒロムに見られているため、もう隠すまでもないと開き直っていた。
 助けてくれたヒロムに対して隠すのは失礼だとも思った。
 確かにヒロムにとっては以前にも見た凹凸の少ない身体だ。
 しかし、今はその身体のそこかしこが白く汚されていて、その分壮絶な色気を漂わせていることにアキラ自身気づいていなかった。
 ヒロムは女の子の裸を見たことは何度もある。
 エリスの裸を見ても冷静に対処できたのは、小学生のころから発育がいいくせに無頓着な乙女に引っ張り回されていたからだ。
 ある意味では女性の裸には慣れてしまったつもりでいた。
 だから、こんな風に下半身の一点に猛烈に血流が集まるほどの衝動を覚えたのは初めてだった。
 それは、せっかく絵を描いていたキャンバスに、誰かが汚い絵の具をぶちまけた様にも似ていて。
 自分の中にある白い絵の具をありったけキャンバスにぶちまけて、自分色に染めたいというどす黒い思いがこみ上げてきた。
「うん、ギリギリだったけど、なんとか助かった。
 ありがとう、ヒロムくん」
 アキラからまっすぐに向けられた礼の言葉に、ヒロムは今し方の自分の衝動をひたすらに恥じた。
 そこでようやくほっとする。
 今までにないくらい固くなってしまった下半身をアキラに悟られないようにしながら、後ろポケットからハンカチとポケットティッシュを取り出した。
 いくらなんでもアキラをその惨状のまま放っておくわけにはいかなかったからだ。

195 :
「う、うん。とにかく拭くよ」
「あ……うん、お願い……」
 照れ隠しに思わず言ってしまったヒロムも、思わず頷いてしまったアキラも、その後で自分が何を言ったのか思い至った。
 そして、二人とも引き返せなくなった。
 しかしアキラとしては、正直言って十悟の出した精液になぞティッシュ越しでも触れたくなかったため、取り消すこともできなかった。
 ヒロムは覚悟を決めると、ティッシュを一枚取り出して、アキラの胸に手を伸ばした。
 桜色の輪にこびりついた白濁液を完全に拭き取ろうとして、力をかける。
「ん……っ!」
「ご、ごめん……!痛かった……?」
「う、うん、ちょっとね……」
 思わず声を上げたアキラにヒロムはあたふたしたが、アキラとしては正直に言えるはずもなかった。
 ヒロムに間接的に胸を触られただけで、身体が跳ね上がりそうになるくらい気持ちよかったなどとは。
 まして、もっと直に触って欲しいなどとは。
 それからヒロムはアキラを痛くしないようにおそるおそる、しかし、しっかりと拭えるように力を込めるという微妙な力加減でアキラの胸を拭っていった。
 それが終わると、ヒロムはしばらく固まってしまった。
 湯煙越しに見たことがある胸とは訳が違う。
 しかし、アキラのスカートの下もひどく汚されていて、拭わないわけにはいかなかった。
 そしてアキラとしては、こんな場所であってもやはり自分で触れるのは恐ろしく、ヒロムにして欲しかった。
「あの、ヒロムくん、駄目……かな」
「い、いや、する。するよ!」
 駄目な男だと思われたくないため、ヒロムは慌ててもう一度頷いた。
 新しいティッシュを取り出して、震える手のまま汚された割れ目の上に持っていく。
 今度は力を込めるわけにはいかない。
 下手に力を込めて、中に押し込んでしまったら元も子もないということくらいはなんとか頭の片隅で理解していた。
 壊れ物を扱うかのように、そっと触れる。
 そのまま、押し込まないように、ぬぐい去るようにして、こびりついたものを拭き取っていく。
 それでも微かに力は掛かる。
 アキラは、そのわずかな強弱のたびに嬌声を上げたくなるのを必で噛みした。
 いっそあられもなく声を上げてしまった方が楽に思えるそれは、甘美な拷問だった。
 そうして、翳り一つ無い割れ目が露わになった。
 どうにも目をそらすことができず、ヒロムはその場所を食い入るように見つめてしまった。
 そこはとても綺麗で、汚されていたことが許せなくて、守りきったことが嬉しくて、そして、どうしても、自分で壊したくなるほどに儚く美しかった。
 ヒロム自身が過去に描いてきた何よりも、鮮やかにはっきりと、網膜と脳裏に刻まれる光景だった。
 その突き通すような視線にアキラは当然気づいていたが、自分で頼んだ以上、見ないで欲しいと言えるはずもなく、そして、溜飲が下がる思いでもあった。
 あのときは女であるとも認識してもらえなかったのが、今ははっきりと女だと意識してもらっているのだ。
 気恥ずかしさとともに、見られていることへの嬉しさもあって、結局、何も言えないまましばらくヒロムの視線を受け続けていた。
 しかし、いつまでも黙り続けているわけにはいかなかった。
 先に我慢しきれなくなったのはアキラだった。
「どう、しよう……」
「あ……、うん、そうだね、どうしようか」
 何かを尋ねているようで、実のところその言葉自体には何も意味がなかったが、その一言で呪縛が解けたように、ヒロムも口を開いた。
 ヒロムは、アキラの言葉はこの後の処理をどうしようかと尋ねてきたものだと解釈した。
 あまりにも名残惜しいが、意志の力を総動員してアキラの割れ目から視線を引きはがし、アキラの着ている服に目を移動させた。
 肌を濡らしていた箇所はすべて拭ったが、シャツやスカートにもべったりとついている。
 しみこんでしまっているので、拭いてもどうにかなる状態ではない。

196 :
「これ、拭いても多分取れないよ……」
「そう……だね」
 アキラは、言われてから自分が着ている服の状況をようやく思い出した。
 お気に入りの服だったが、これ以上着ていたくなかった。
 そもそもボタンを飛ばされているし、パンツは破かれているし、ここからどうやって帰ればいいのか。
 どうしていいかわからなかったが、とにかく嫌悪感が先走ってしまい、シャツとスカートを脱ぎ捨て、ブラも外した。
 靴と靴下だけは汚されていないのでなんとか捨てるのをこらえたが、多分これも二度と身につけることはないだろう。
 ただ、ヒロムは再び顔から蒸気が吹き出た。
 胸をはだけていたときのような扇情的な姿から、靴と靴下だけを残した事実上の全裸になって、あのシャワー室での邂逅を思い出してしまったからだ。
 さすがに直視できなくなったヒロムは顔を背けた。
 なんとかしなければいけないが、アキラに精液まみれの服を着ろとは言えないヒロムは、とっさに思いついた。
 幸いにも、アキラとは体のサイズは縦にも横にもほとんど変わらないことに。
「あ、あのね、アキラちゃん、ひとまず僕のユニフォームを代わりに着てよ……」
「でもそれじゃ……君はどうするの」
 ヒロムのユニフォームを着るということ自体は、アキラは別に嫌ではなかった。
 あえて言えば兄と同じユニフォームを図らずも着ることになることへのよくわからない思いくらいだ。
 しかし、一着しかないものをアキラが着るとヒロムは当然裸同然になってしまう。それではここから出られない。
「それは……」
 アキラのことだけ考えていて自分のことを考えていなかったヒロムは困ってしまい、視線を泳がせて、そこでいいものをみつけた。
「うん、あれを借りるよ。僕は男だから上は裸にこれでもそんなに変じゃないと思う」
 サッカー部やバスケ部が使う、上から着るカラーゼッケンだった。
 ヒロムの身長だと、膝近くまで隠れるくらいの長さがある。
 これなら大丈夫だと、ヒロムは上着と短パンを脱ぐことにした。
「汗くさいけどごめん。少しの間我慢して。出たら助けを借りよう」
「うん……」
 別に問題があるわけではないのに、上半身が裸になったヒロムを見て、アキラは気恥ずかしくなってしまった。
 ほとんど同じくらいの身長ながら、細い身体にはこの数ヶ月で身に付いた筋肉がついて、小さくても男の子の身体だということがよくわかった。
 それに比べると、凹凸のないアキラ自身の身体でも、女の子の身体ということがはっきりとわかる。
 いまごろになってアキラは裸でいることがいたたまれなくなり、ヒロムの身体から目を逸らそうとして視線を下に向けた。
 そこで、気づいてしまった。
「ヒロムくん、君も、立ってるの?」
 思わず口にしてしまったのは、心のどこかで、ヒロムが男の子であることを拒絶したかったからだった。
 十悟に襲われていたところに助けに来てくれたヒロムは、十悟とは違うものだと思いたかったからだった。
 だから、パンツ一枚になったヒロムの股間がはっきりと膨らんでいることが、アキラにとっては意外でさえあったのだ。
「ごめん……これは……」
 立っていることを知られないようにしていたのにも関わらず、短パンを脱いだことで墓穴を掘ってしまったことにヒロムは今更ながらに気づいた。
 なんとかフォローしようと思ったが、間違いだと言い張ることができるような「状態ではなかった。
 助けにきたというのに、アキラは信頼してくれているというのに、欲情してしまっている自分が恥ずかしく、一方で、アキラに知られてしまったことで、抑えようとしていた黒い衝動が表に現れようとしていた。
「ヒロムくんも……、私を襲いたいって、思うの?」
 アキラは、今度は無意識ではなく、意識を持って尋ねていた。
 それは、ヒロムが十悟と同じ男という生き物であるという事実を確認することへの恐怖と、襲われた自分が傷ものになっていないことをヒロムによって確認して欲しいという期待とが混ざった、アキラ自身でもよくわからない思いであった。
 ひとたび闘争心を燃え上がらせた後の少年に、アキラの声に込められたその被虐的な音色は我慢できるものではなかった。

197 :
「え……?」
 気が付いたときには、ヒロムはアキラの肩に手を掛けてマットの上に押し倒し、パンツを下ろして自分の分身を取り出していた。
 十悟のものと違い、未だに皮を被ってはいたが、その器官が自分の役割を果たすには十分な堅さと大きさを持っていた。
「ヒロム……くん?」
 アキラは、悲鳴をあげなかった。
 先ほどまでの恐怖と期待との天秤が期待に傾き、いっそ、十悟に汚された自分の身体をヒロムに中から洗い流して欲しいという思いがこみ上げてきていた。
「君なら……」
 いいよ、とアキラは言いかけた。
 だが、そこでヒロムは辛うじて正気に戻った。
 やりたい、という原初の衝動を抑え込もうとするその意識は、数年に亘ってヒロムに刻み込まれた記憶から生じたものだった。
 駄目だと、それをしては駄目だと。
 先端を割れ目にあてがう直前で、ヒロムは腰を引いてアキラから飛び離れた。
「アキラちゃん、見ないでっ!」
 そう言ってヒロムはアキラに背を向けると、我慢の限界に達していた分身を取り出して猛然としごき始めた。
 とにかく今自分の中にある衝動を何とかしないといけなかった。
「アキラちゃん、アキラちゃん、アキラちゃん!」
 自分でもわからないままにアキラの名前を連呼して目をつぶり、当の本人の目の前でアキラをオカズにして、頭の中でだけアキラの割れ目に自分の身体を突っ込み、そのまま思い切り射精した。
 途方もない快感に、何が起こっているのかももうわからなくなってしまった。
 アキラは、ヒロムの頼みを聞けなかった。
 憎からず思っている少年が、自分の名前を連呼しながら虚空に向かって射精する様は、どこか美しくも悲しく思えて、その様を見届けずにはいられなかった。
 どうして、目の前に自分がいるのに相手をしてくれなかったのかと、恨めしくさえあった。
 一方、12年間生きてきた中で、最も激しい射精を終えて、ヒロムは全身の力が抜けたようにその場に膝をついた。
 アキラの裸を初めて見た日に自慰をしたときには、こんなにも気持ちのいいことがあるのかと思ったが、今し方の快感はそれをも凌駕していた。
 きっと、アキラに向かって射精し、自分の絵の具でアキラを汚していたらもっと気持ちよかったのだとはわかっていた。
 だが、それをしなかったことだけは正しかったのだと、荒くなった息を整えながらヒロムは確信していた。
 衝動はなお消えずに残っていたが、それでも、ありったけの欲情を吐き出したことで、なんとか我慢できる程度になり、精も尽きた分身はアキラの中に入れられるような固さを失っていた。
「ヒロムくん……どうして……」
「したいよ……。
 今すごく、アキラちゃんにひどいことをしたいよ。
 でも……、やっちゃ駄目だ。
 女の子の弱みにつけ込んでそんなことするなんて、やっちゃ駄目だ」
 その答えは、とても爽やかで、それなのにアキラには少し苦かった。
 ヒロムがその答えに行き着いたのは、彼の傍にずっといた、あの保護者のような女の子の存在があったからに他ならないのだから。
 それでも、アキラは救われた気持ちでいた。
 先ほどまでの自分がどうかしていたと思う。
 もしヒロムが自分を陵辱していたら、その一瞬は満足できたかもしれない。
 しかし、そうされていたら、アキラはもう、男とはそういうものにしか思えなくなっただろう。
 しかし、ヒロムは止めてくれた。
 止まってくれた。
 だからアキラはまだ、男というものを信じることができた。

198 :
「……そう」
 照れ隠しにアキラの口から漏れた言葉は素っ気なく、ヒロムは自分が間違えたのかと慌てた。
 フォローしなければと思ったが、照れくさくなってしまったアキラは、ひとまず借りたヒロムのユニフォームを着ることにした。
 下着も無しに男の子が着ていた服を着るというのは、どこか背徳的だった。
 特に、素肌に短パンを履くときには、背筋が甘く凍るような痺れを覚えた。
 ヒロムの言うとおりに熱戦の名残である汗の匂いがしたが、しかし、その匂いでまるごと体中が守られているように思えてきて、心地よくさえあった。
 傍目には久勢北の新人マネージャーのような装いになり、下着をつけていないことにはまず気付かれない姿になった。
 それから、破れたパンツを含め、着ていた服を畳んで纏めた。
 もう着たくないが捨て置くわけにもいかない。
 ヒロムは、アキラが怒っているのかとビクビクしながら、とりあえず自分もゼッケンを引っ張り出して着ることにした。
 こちらは予想以上にぶかぶかで、アキラとは別の意味で下を着ていないことには気付かれにくそうだった。
「うん、じゃあ出ようか」
「うん……」
 アキラは、俯きかげんのヒロムに何か言わねばと思ったが、何かと言葉に出すのは苦しかった。
 それならと、拳を小さく握りしめてから、ヒロムに近づく。
「これは……、ただの挨拶じゃないから」
「え?」
 アキラは、とまどった顔のままのヒロムの頬ではなく唇に、そっと自らの唇を寄せた。
 そう、挨拶ではなく、お礼。
 いや、もしかしたら、それ以上との思いを込めて。
「アキラ……ちゃん」
 呼吸はおろか鼓動さえ止まっていたような時間のあと、唇が離れたことを確かめるようにヒロムはアキラの名を呼んでいた。
「出ようか?」
 しかしアキラは、それ以上は留まらずに外へ出ることを促した。
 傍目にはわからないだろうとは思ったが、なんとなく共犯者のような後ろめたさがあり、二人は手を繋いでいた。
 ただしこれは、ヒロムの頭が半ば茹であがってしまい、アキラが誘導しないと足元が覚束ないということもあった。
 ともあれ、このままでいるわけにもいかない。
「このあと、どうしようか」
「うん、そうだ、乙女ちゃんに頼もう。アキラちゃんも会ったことあるよね。
 乙女ちゃんならきっとアキラちゃんの服とか用意してくれるよ」
「ああ、あの……」
 忘れるはずもない。アキラはしっかりと乙女のことを覚えていた。
 それなのに歯切れの悪い返事をしたのは、ヒロムが見せた絶対的な信頼に、やっぱりアキラは嫉妬を覚えてしまった。
 しかし、今は頼ることにした。
 間違いはないはずだとアキラは自分に言い聞かせる。
 ヒロムをここまで育てた人なのだから。
「彼女、来ているの。じゃあ、お願いしようか」
「うん」
 大会が終わった後とはいえ、人影はそれなりに残っており、おそらく彼女も残っているものだと思われた。
 そうでないと困るが。
「ところで、……十悟のことなんだけど」
「え?」
 体育倉庫に気絶したまま放っておいたが、問題はそれだけでは済まない。
 虫のいい話だとは思ったが、アキラは正直にヒロムに頼むことにした。

199 :
「この件、表沙汰にしないでくれるかい。
 発覚すれば王華学園は出場停止は免れないし、下手をすれば廃部だ。
 それは、私としては避けたい」
「うん、僕も人を殴ってしまったし……。
 でもいいの?彼をそのままにしていたらまたアキラちゃんが襲われるんじゃ」
 素直に受け入れてくれたヒロムに感謝しつつ、アキラはここにいない十悟に向かってため息をついた。
「それは、心配しなくていい。
 君にケンカで負けたことで彼のプライドはズタズタだ。
 もう襲いかかってはこないよ」
 それくらいには十悟のことをわかっていた。
 もっと理解しているつもりだったのだけれど、男の子はわからない。
 ともあれ、乙女はすぐに見つかった。
 というよりも、恐るべきアンテナを持つ彼女にすぐに見つかった。
「あのさ、乙女ちゃんには話していいよね?」
「……うん、説明しないと協力してもらえないだろうし」
 一度会っただけだが、どこか一本筋を通す人物だという印象を受けていたので、ヒロムの信頼もあり、アキラは全面的に頼ることにした。
「……何があったの?」
 ただならぬ雰囲気を察して、乙女の目がきらーんと光った。
「うん、えっとね……、秘密にしておいて欲しいんだけど」
 ヒロムはざっとことの次第を説明しはじめた。
 始めは興味深げに聞いていた乙女だったが、途中から十悟の暴挙に憤り、ヒロムが十悟と殴り合ったところで唖然となった。
「ヒロム、あんたが人を殴るとはね」
「うん、でも、間違ったことはしてないと思う」
 乙女はその返答に息をのんだ。
 同い年の、年下としか思えないような少年が、そのとき、とても大きく見えたからだ。
「女の子を守って戦ったんだからね。よかろう。許す」
 ヒロムへの私の教育は間違っていなかった。
 誇らしいその思いの中、何故か少し悔しい理由を、乙女は無意識のうちに考えまいとした。
 結論から言うと、乙女はヒロムの信頼に100%応えた。
 アキラをシャワー室に放り込んだ間に、どこをどうやったのか、速やかに下着から着替えまで用意して、万端整えてしまった。
「……ありがとう」
 感謝の気持ち以上に、驚嘆の気持ちの方が強かったが、ひとまず当分彼女には頭が上がらないなとアキラは思った。
「あ、一つ言っておくことがあったわ」
 着替えを手渡す前に、ひょいと取り上げる動作をして乙女は条件を突きつけた。
「何?」
「この件で、私に借りを作ったと思わないこと。
 あなたを助けたのはヒロムよ。
 その事実だけは揺るがさないで」
 アキラは一瞬息をのみ、少しだけ苦い爽快感とともに頷いた。

200 :
 後日のことになる。
 十悟はどこをどうしたのか、とりあえず家には帰ったらしいが、一週間に亘って学校を休んでいたようだった。
 とりあえず問題は発覚していないらしく、ようやく落ち着きを取り戻してきた頃、アキラは自分の上履き入れに置き手紙を見つけた。
 翌日に会いたいという十悟からの手紙だった。
 そこには、ヒロムも引き連れてくるようにとの指定もあった。
 悩んだ末に、結局アキラはヒロムに連絡をとった。
 捨て置くこともできず、かといって一人で十悟に会うのは勇気を通り越して無謀だと思ったからだ。
「来たか」
 翌日、学園の体育館裏でいつもの帽子をかぶって十悟は待っていた。
 改めて相対すると、アキラは改めて怒りがこみ上げてきた。
 さりとて、早々に近づくのも恐ろしく、ヒロムの手を握ったまま、距離を取ったところで立ち止まった。
 十悟はそれを見て、大きくため息をつき、帽子を脱いだ。
「え?」
「ええええええ!?」
 帽子の下は、呆れるほど綺麗な坊主頭だった。
 そのまま十悟はその場に膝をつき、頭を下げてコンクリートの床に額をこすりつけるようにして土下座した。
「許してくれなんて言えた立場じゃねえのはわかってる……。
 だが、済まなかった、アキラ、藍川」
 アキラの知っている十悟らしい態度だった。
 洒落者を気取った十悟が髪の毛を全て落とすということが、どれほどの決断なのかもわかっていた。
 それでも、味わわされた恐怖と屈辱を思い出し、アキラは改めて怒りがこみ上げてきた。
 かつかつと十悟に近づくと、丸めた十悟の頭を思い切り踏みつけた。
「あ、アキラちゃん……それは……」
 ヒロムは予想外の成り行きに、諫めなくてはと思ったものの、アキラの形相に一瞬腰がひけていた。
 だが、ヒロムに声を掛けて貰ったことでアキラはようやく頭が覚めてきた。
 考えてみれば、十悟に助けてもらったことは何度もある。
 事実、襲われ掛けたところを十悟が助けたこともあるのだ。
 外出時に男装し、無理して男言葉を使っていたのもそのためだ。
 許せない気持ちは確かにある。
 だが、こうして踏みつけられても文句どころか苦痛の呻き一つ上げない十悟の覚悟もわかった。
 コンクリートにめり込んだはずの額からは血がにじんでいても、十悟は揺らぎもせずにアキラの怒りに耐えていた。
 ふうっと、アキラは全身の力を抜いた。

201 :
「これまでに免じて、今度だけは許してあげる……」
「かたじけねえ……」
 アキラが踏みつけていた足をどけ、それから、数歩離れてから、ようやく十悟は頭を上げた。
 アキラがスカート姿であることを踏まえた上での配慮だということはアキラにもヒロムにもよくわかった。
 確かに十悟はもう、二度とあのようなことはしないだろう。
 アキラが許した以上、ヒロムとしてもそれ以上追求する気にはなれなかった。
 もういいよ、という代わりに、ヒロムは十悟に向かって頷く。
 それに対する返答は意外なものだった。
「藍川、お前に言っておくことがある」
「何?」
「県大会では正々堂々勝負だ。勝ったらアキラは俺がもらう」
 これに驚いたのはアキラだ。
「と、と、と、十悟、一体何を。私は別に、その、ヒロムくんのって……」
 大あわてで否定しようとしたアキラの前に、十悟の宣言からアキラを守るかのように、ヒロムの背中が広がった。
「アキラちゃんは、渡さないよ」
「言ったな。その言葉、忘れるんじゃねえぞ」
 この後、県大会でどのような熱戦が繰り広げられることになったのかは、また別の物語であり、その結果生じた喜劇もまた、別の物語である。


おわり

202 :
なげぇwwwGJ

203 :
超GJ

204 :
ちょwwwアキラの目の前でオナニーとかすごい技術wwww

205 :
誰か岩熊部長で書いて欲しいなあ

206 :
おwwwなwwwにwww−wwwww

207 :
やべぇwwwwwGJすぎるwwww
さっさと保管しておきますノシ

208 :
たまんねー

209 :
>>201
ヒロムのオナニーとかエロ可愛すぎてきゅんきゅんしました。
他作品も読んでみたいけど、さすがに贅沢か

210 :
久々に来たら作品が…遅レスすまんがGJ

211 :
なんだ!?この神作品!!
やばすぎる!!

212 :
ネ申君臨

213 :
ザ・ホシュ

214 :
補修

215 :
ていうかP2打ち切られたからその後のストーリーはっきりしてないんだよね
俺は結局7巻の最終話の意味深な回想がようわからん
結局あのあとましろんとヒロムが秀鳳に勝って色々あって海外のエリスの兄も倒したってこと?
あとサシャなんたらの出番なかったな

216 :
>>201
やばい最高だ

217 :
>>215
そこに同人の介在する余地があると思うんだ。

218 :
ふへへ保守

219 :
ほひひ保守

220 :
あれ、1日に何度も何やってんだ俺

221 :
ほしゅ

222 :
ほしゅ

223 :
ぽちゅ

224 :
ぱちゅりー

225 :
ほしゅー!

226 :
k

227 :
ほっしゅ

228 :
ほしゆ

229 :
>>224
ぱちゅりーてw

230 :
うにゅ〜

231 :
「むきゅー」じゃね?

232 :
うぐぅ

233 :
が、がぉ

234 :
そう…そういう事もあるか

235 :
アキラ「ヒロムくんのおちんちんがやっと剥けたよ」

236 :
わぁい

237 :
>>235
ヒロム「どうしてそんなに上手なの?」
アキラ「…やったことあるから。涼の」

238 :
アキラ「私のはまだ剥けてないから、ヒロムくん手伝ってくれる?」
ヒロム「え!? 女の子におちんちんあるの!?」

239 :
アキラ「……あるよ」

240 :
だが保守

241 :
投下マダー?

242 :
w

243 :


244 :
Y

245 :
Z
新宿の連絡版に書くと……

246 :
もっこり

247 :
アキラのG☆SPOT

248 :
月曜日 乙女+痴女
火曜日 アキラ+痴女
水曜日 アキラ+痴女
木曜日 乙女+痴女
金曜日 乙女+痴女
土曜日 アキラ+痴女
日曜日 乙女+アキラ+痴女
ヒロムの日課

249 :
痴女のローテ多すぎワロタ

250 :
投下マダー?

251 :
もうショタでもいいから誰か早く

252 :
誰も書かないみたいなのでとりあえずちまちまと書けるだけ書いてみる。
エリス×ヒロムです。
*********
「うそ、だろ……」
「まさか……」
「いくらなんでも……」
目の前の光景に、会場中が絶句していた。
「そんなこと……あるはずが……ないわ……!!」
二階席からずっと身を乗り出していたエリスが、会場中を代表するように叫ぶ。
「いや」
その斜め後ろから、冷静に否定する声があった。
「喜ぶがいい、エリス。お前の地獄は今終わった」
四回戦で敗れたサシャ一人だけが、当然のように事態を受け止めていた。
ヨーロッパのスポーツ界を全て制覇してきた暴君ハインリヒ・フォン・ローゼンベルクが、戯れのように乗り込んできた卓球でついに敗れたことを。
「僕の……勝ちだ」
あらゆる下馬評をひっくり返して、藍川ヒロムが勝ったことを。
次の瞬間、思い出したように動き始めた観客席からの膨大なフラッシュの洪水と歓声の渦が、栄光の勝利者と無敵だった敗者の上に降り注いだ。

「つかれたー……」
熱めのシャワーを浴びながら、ヒロムはひとりつぶやいた。
試合がとことん長引いたせいで、今日の日程はとっくの昔に終わっており、シャワー室内にいるのはヒロム一人だった。
ローゼンベルク家の誇りなのかどうか、ハインリヒはこんな会場のシャワーなど使ってられないと、自前で用意したトレーニングカーでシャワーを浴びている。
おかげでヒロムはハインリヒと顔をつきあわせるという気まずい思いをしなくて済んだ。
「あ」
しかし、まだ気まずい要素があることを思い出してしまった。
色々と世話を焼いてくれるエリスと顔を合わせるのがつらい。
何と言ってもエリスの実兄を倒してしまったのだから。
しかもハインリヒは、これまであらゆるスポーツで負けたことが無かったと聞いている。
テニスでも、フェンシングでも、サッカーやバスケットのような団体競技でさえも。
正真正銘の天才は、ローゼンベルク家の誇りを示すかのように様々なスポーツに参加しては優勝をかっさらっていったのだ。
ゆえについたあだ名が暴君。
卓球などとせせこましい競技に彼が興味を示したことは周囲も不思議がっていたが、とにかくこの大会でも当然のようにハインリヒが優勝すると言われていた。
――あんたなんかが、お兄様に勝てるはずがないのよ!――
試合前に、何故か泣きそうな顔で叫んでいたエリスの顔を思い出すと、また気が重くなった。
詳しくは知らないが、ローゼンベルク家はすごい貴族で、その誇りに賭けてなんとかかんとか。
そんな自慢のお兄さんを倒してしまったのだから、またエリスに嫌われるのは確実だと思われた。
元々エリスには嫌われてばっかりで慣れっこになっているとはいえ、最近ようやくまともに話せるようになってきただけに、また以前のように戻ってしまうというのは気が重かった。
「はあ……」
いっそ負けた方が気が楽だったかもしれないと、大きくため息をつく。
その時、荒々しい音を立ててシャワー室の扉が開いた。
ひょっとしてハインリヒが今頃になって入ってきたのかと思い、全身がびくりと跳ね上がった。
おそるおそる振り返ったそこには、瞳を怒りに燃え上がらせたエリスがいた。

全裸で。


253 :
GJ!!!!
ついに過疎スレに神がきたこれ
続きに期待しまくり

254 :
「……、……、ええええええええええええええっっっっ!?」
「大きな声出さないの!」
否が応でも脳裏に蘇るいつぞやのシャワー室の光景と、目の前の裸身とが重なって見える。
あまりに予想外の事態と光景に目を白黒させて、ようやく驚愕の声を上げたときには、
ずかずかと近づいてきたエリスが既に目の前にまで来ていて、口を塞がれた。
間近で見ると、さすがに乙女と比べてさえ豊かな胸は、記憶に残る姿よりもずっと大きくなっていた。
あのときでさえ同級生のアキラよりもずっと大きかったが、それでもまだ年齢相応に発育途上で突き出し始めた形だった。
それがわずか数年で、日本人のグラビアアイドルなど蹴散らさんばかりの美しい丸みを帯びた曲線を描くまでに成長していた。
ヒロムとエリスとの身長差のため、真っ白な膨らみの先端にある薄淡い色の突起が、ヒロムの顔に触れんばかりの目の前に突き出されていた。
かすかに汗ばんでうっすらと輝く肌は張りがあり、先端の突起を扇情的に上向かせていた。
そんなものが目の前にあるのだから、口を手で塞がれていなければ思わずそこに吸い付いていただろう。
しかしヒロムとしてはわけがわからなかった。
ハインリヒを倒してしまったことでエリスが激怒するのはわかる。
わかるが、どうして今ここで、エリスが裸で男子シャワー室にいる自分に襲いかかってくるのか、それがまったくわからない。
エリスが痴女でないということはこの三年で納得していたのに、これでは本当に痴女ではないか。
「もがもがもが」
問いただそうとしても、口を塞がれていてまるで言葉にならなかった。
そんな異様な状況だというのに、ヒロムの下半身は15歳の男子として当然の反応を示していた。
ハインリヒとの試合で全身全霊を使い果たしたはずなのに、目の前にあるエリスの裸を見ているだけでそれを自分のものにしたいという衝動がこみ上げてきた。
既に試合は終わっていて、シャワー室を使っているのは自分だけだったから、本来なら他に誰も入ってくるはずがない。
時間がかかったら誰かが呼びに来るかも知れないけど、五分や十分ならば大丈夫。
そんな密室に、裸の美少女と二人きりなのだ。
気が付けばヒロムの股間は、自分でも覚えがないほどに固く膨れあがっていた。
まずい、と思った。
こんなに勃起しているのを見られたら、エリスのことだからまた変態だのなんだのと罵って……
「ふん……ヒロムのくせに、ちゃんと大きくなるんじゃない」
こなかった。
当然のこととして受け入れているようにも、安堵しているようにも見えるため息をひとつついた。
「それだけ立ってるってことは、私にそれを突っ込みたいってことね」
口を強く塞がれたままで、首を縦にも横にも振ることができなかった。
エリスに突き入れたくないかと言えばもちろんウソになる。
鼓動ごとに、今にもエリスに襲いかかりたいという衝動が全身を駆けめぐっていた。
その綺麗で柔らかそうな胸をわしづかみにして、薄く綺麗な金色の陰毛が冠のように飾られた割れ目にねじ込んで思う様射精したかった。
だが、乙女にたたき込まれた倫理観が辛うじてのところでヒロムを律していた。
コンドームも無しにそんなことをして万が一エリスを妊娠させてしまったらどうするのか。
いや、そもそもだ。
女の子に暴力を振るってはいけないと、何も出来なかったころから心の奥深くに刻み込まれていたのだ。
それに、どう考えてもエリスの形相は尋常ではなかった。
鬼気迫る、とでもいうのか、かつて何度か見た怒りの発露とは次元が違う。
誇りにかけて怒っているのではなく、全てをかなぐり捨てているような、とてつもない危うさを感じさせた。

255 :
イイヨーイイヨー

256 :
その危うさはすぐに現実のものになった。
「じゃあ、入れさせてあげる。光栄に思いなさい」
そう言うと、エリスは背伸びをしてつま先立ちになった。
ヒロムの方が身長が低いとはいえ、痛いほど勃起した先端はエリスの割れ目よりも位置が高かったからだ。
エリスの割れ目が先端だけめくれたヒロムの亀頭に上から押し当てられる。
しかし、エリスもヒロムも知らなかったが、まったく濡らしてもいない女性器に簡単に挿入できるはずもない。
割れ目を押しつけられたものの、狭く閉ざされたそこをこじ開けることができずに亀頭は陰唇をなぞって逸れてしまった。
「……生意気に、大きいんだから……っ」
今度は外さないとばかり、エリスは右手でヒロムの陰茎を握りしめ、左手を自分の股間に持っていき15年の人生の間何者も入れさせなかった扉を無理矢理こじ開けようとした。
ただ、それをつま先立ちでしようとする無理な姿勢のために、ヒロムの口を塞いでいたエリスの手がゆるんだ。
その隙を狙って首を左右に激しく振って戒めから逃れ、ヒロムは抗議の声を上げた。
「エリス、やめてよ!何するんだよ!」
「何をするですって……?」
唇が触れる寸前の至近距離で、叩きつけられるような視線に射抜かれた。
「決まってるでしょ、私を孕ませるのよ」
「えええ……んぐう」
何が決まっているのかと、叫び声を挙げようとした口は、無理矢理に押しつけられた唇で塞がれた。
キスとすら言えない、親愛の情の欠片もない、無造作で乱暴な妨害行為だった。
唇だった理由は簡単で、エリスの両手はヒロムの亀頭を自分の割れ目にあてがうのに忙しかったからだ。
それでも、少年にとっては、押しつけられて自分の唇で柔らかく歪んだ少女の唇の感触だけで脳がとろけそうだった。
逃げなければという思考が完全に止められてしまう。
ただ、疑問と混乱だけが頭の中で渦巻いていた。
ハインリヒを倒したことでエリスが怒るのはわかる。
しかし、それがどうして、その自分がエリスを妊娠させるということに繋がるのかがさっぱりわからなかった。
妊娠ということはエリスは自分の子供を産むということで、産むということは自分の子供を孕むということで、孕むということはエリスの身体の中で射精するということで、中で射精するということはエリスの中に入れるということで……
「ああ、もう、なんで入らないのよ……っ」
エリスは悪戦苦闘しているが、とにかく逸れてしまって入らず、ヒロムの亀頭を陰唇で擦るばかりを繰り返すことになっていた。
それだけで、ヒロムにとっては自分でするオナニーの何倍も気持ちよかった。
なんだかもう、エリスに突っ込むこと以外はどうでもよくなってきた。
そんな陥落しそうな意識をなんとか踏みとどまらせようと、自分で唇を思いっきり噛んだ。
鋭く走った痛みが、辛うじて意識を蘇らせる。
それとともに、溢れた血の味に驚いたエリスが唇を離した。
「エリス、どうして……どうしてこんなことするの!なんで僕なんかの子供を欲しがるんだよ!」
「ローゼンベルク家の誇りを、あなたは踏みにじったじゃない……」
「そんなこと言われても……」
「絶対無敗のお兄様を倒してしまったあなたから、ローゼンベルク家の誇りを取り返すには、あなたの子供を私が産むしかないじゃない……!」
「ええええ……!?」

257 :
うお、いつの間に
エリスのドSっぷりがたまらん

258 :
うへぇ、過疎っていたスレにやっと職人がっ!
続き楽しみにしてます!ヒロムはやっぱり受け身がイイデスヨネー

259 :
GJ!
ヒロム受け身に超同意
続き期待してます

260 :
「そんなことで、僕の子供を産むなんて間違ってるよ!」
「間違ってるかどうかなんてどうでもいいの。いいから早く入れなさいよ!」
「よくないよ!エリスは僕のこと嫌いだったんじゃないの!?」
なんとか思いとどまらせようと言った言葉に、入れようと試行錯誤していたエリスの動きがぴたりと止まった。
「……そうよ」
なんだか寂しそうに、ぽつりと言った。
「そうよ、あなたなんか大っ嫌いよ。こんなことでも無ければ、入れさせたりなんかしてやらないんだから。用があるのはあなたの精子だけなんだから……」
そこでヒロムは、エリスに突き飛ばされるようにして尻餅をついた。
元気が残っているのは下半身の一カ所だけで、後は満身創痍なため、ろくに抵抗もできなかった。
「孕ませた後のことは気にしなくていいわ。ローゼンベルク家の後継者としてちゃんと育てるから。あなたに結婚してくれなんて頼むつもりはないし……」
そうして、ある意味では男の理想かもしれない条件を突きつけてきた。
やり捨てて構わない、と言っているのだ。
しかしヒロムは、それに納得できるような生き方を教えられては来なかった。
「駄目だよ……、それじゃあエリスが道具みたいじゃないか……!」
「道具……、そう、思ってくれていいわよ」
そう言い返した表情は、うつむいた前髪に隠れて見えなかった。
それからキッと振り上げた顔は、先ほどまでの狩人のものに戻っていた。
「駄目だって言ったところで、あなたのここはそう言ってないしね」
倒れたヒロムの上にまたがり、本人の意識とは離れて天に向かって屹立している肉茎を手に取った。
慎重に自分の身体を動かし、眼下にそびえる凶器で自分の身体の中心を貫くために位置を合わせようとしている。
横たわるヒロムからは、見事に突き出た胸の双丘の向こうに覗くエリスの顔が、ひどく遠く見えた。
ただ、その瞳が決の覚悟を湛えていることだけは、はっきりと見て取れた。
真っ白な両足の間にある下唇でヒロムの頂上にキスするかのように、おそるおそる腰を下ろしていく。
ヒロムは逃れようと思ったが、単に疲れているだけの理由ではなく、身体が動かなかった。
その瞳に射抜かれていたからでもあるし、少年の体内に眠っていた雄としての生殖本能が、美しい雌の誘惑に抗しきれなかったからでもあった。
男の存在意義は、突き詰めれば女を孕ませることに集約される。
ハインリヒとの闘を制し、その妹を孕ませる権利を得た今、少年の身体機能は残された力を性器に集中させていた。
終わった後でんでも構わないというくらいに、固く大きく膨れあがった肉の槍は、これから為すべきことへの期待に震えながら、先端の鈴口から大量の先走り汁を滴らせていた。
かたやそこに近づいていくエリスの赤い陰唇は、哀れなほどに濡れていなかった。
何一つ愛撫もされないまま、自ら身体を投げ出そうとしているのだから無理もない。
震える両手で、固く閉ざされているその唇を無理矢理に広げて、許容できそうもない大きな刃を身体に受け入れようとしていた。
その陰唇の奥には、これから破られる純潔の膜が曝け出されていた。
言うべきことは山とあるはずなのに、細かく荒い息を繋ぐ以外、お互いの唇からは何も声が出なかった。
ぬちゃりと、先走り汁が陰唇に触れて、微かな水音を立てた。
ヒロムからはわからなかったが、エリスは自分の大きな胸が邪魔して、自分の陰唇が触れるところが見えなかった。
それでも、少女の身体の奥底で何かが正解だと告げていた。
覚悟を決めるためにか、身体の中のものを全て吐き出すかのような大きな息を一つ吐いて、瞳の間から溢れそうなものをこらえるために固く固く目をつぶって、
身体を支えていた足にかける力をほどき、ヒロムの肉槍の上に自らの身体を落とし、自刃した。

261 :
3回目で馬鹿ミスやらかした……ごめん。
手は二本しかないってば。
期待に添えれる保証はできないけどちまちま頑張る。

262 :
ファイト!

263 :
ひひひ、焦らしてくれやがるぜぇ・・・この週刊連載モノにつき物なじれったさがたまらねぇ・・・
いいぞもっとやれ

264 :
垂直に向く分身の先端に儚い抵抗とともに押し当てられたものを無惨に引き裂いて
直後に入ったというよりも押し込んだというよりも叩き込むようにして
熱く柔らかいエリスの中に先端だけでなく分身だけでなくもしかしたら
全身までも入ったのではないかと思わされるほどの圧倒的な感触に包まれて
自分から入れたのかそれとも飲み込まれたのかそれすらもわからないままに
猛烈な懺悔の念とそれをはるかに吹き飛ばすほどの壮絶な達成感をもたらす
間違いなく挿れたという衝撃じみた感触が降り注ぐように先端から駆け抜けながら
破壊槌を叩きつけて最奥までたどり着いたことへの爽快さとともに
形無き何かを手放し喪失し振り捨てた寂寥感を伴う為してしまったことへの
途方もない後悔に襲われつつも遺伝子と本能に刻み込まれた衝動に突き動かされて
確かに、最後の一突きを、自ら腰を打ち付けていた。
ひるがえってエリスにしてみればその一瞬は、
誇りと呪いと誓いとによって頑なにまでして守ろうとしながら逃げ続けてきた
自らと自らの純潔を叩きつけて魂までも粉々にしようとする心の暴挙に
到底追いつけずに乾ききった扉へ身に余る槍を突き通して
手放せば消える大切なものを引き裂くことでヒロムに与えたことへの充足感があり
それとともに目に見えぬながらも永遠に思えるほど取り巻いたものからの開放を覚え
その代償として襲いかかってきた姫洞だけではなく全身を真っ二つにされるような
それでいて全身を紫電のようにして駆け巡る裂痛を実感として自分の身体の中へ
招き入れたのか押し込んだのかも分からない確かな存在感になお不服を抱き
膣から脊髄を稲妻のように疾走して脳髄までをも激しく灼熱させる激痛も構わず
破られて尚純潔の残り香を失わずに受け入れることを拒む自分の身体への
憐憫と怒りと叱咤を込めて重力にさらなる思いを載せて腰を強く押し落として
まるでその思いに応えるかのように真下から繰り出された自分を欲してくれる
幼い雄の略奪行為に身を委ねるようにして最後の一突きを受容し
魂が叫ぶような歓喜に、豊かな胸から喉の曲線を仰け反らせて、あえいだ。

265 :
永劫にも思えるほどの数秒間だった。
ただそのとき何が起こったのか、自分が何をしたのかは、はっきりと覚えていた。
同時に、皮を被っていたペニスに文字通り筆おろしされたために、
過敏に過ぎる本体がさらけ出されてひりつくような痛みが続いていたが、
その痛みをも柔肉の暖かい感触に包まれて安らぐようでもあった。
しかしその望外の感触をも一時忘れるほどに、ヒロムの意識は視覚に集中していた。
かつて卓球を始める前に一人でキャンバスに向かっていた頃の思いが呼び起こされる。
この瞬間、この光景を、目に焼き付けたかった。
綺麗だ、と思い、それを頭の中で打ち消して思い直した。
美しい、と。
それは、自分と同い年であるとびきりの美少女が、
処女喪失の痛みと衝撃にあえいだまたとない一瞬の姿であった。
その仰け反る姿態は、とても十五歳とは思えぬほどの色香を纏っていた。
細くくびれた腰に繋がるアンダーから突き出た二つの双丘は、
小学生のころまで見ていた乙女の、決して貧弱とは言えない身体よりも遙かに見事で、
仮に手を伸ばしたとしてもヒロムの手ではとても掴みきれないほどの大きさを誇っていた。
しかもそれほどの大きさにも関わらず、少しも下向くことなく、あえぎ仰け反った
エリスの姿勢に伴って、つんと美しい曲線を描き斜め上に向かって尖りきっていた。
日本人とはかけ離れた肌は、ほの暗い蛍光灯の明かりに照らされて抜けるように白く、
比べてなおさら目立つ先端にある桜色の部分は、乳房全体の丸みに比べて慎ましく、
その小さな先に吹き出た汗の滴が集まって、まるで乳液を滴らせるかのように見えた。
その滴が、ぽたり、とヒロムの腹に落ちる。
視線を下げていけば、愛らしい臍の下にあるごくごく薄い金色の翳りの下に、
あれほど膨れあがっていた自分の分身が全て、エリスの身体の中に入っていた。
それで、自分の身体の一部を包んでいる暖かく強烈な圧迫感が幻でないことがわかる。
四方八方から、食いちぎられそうなくらい強烈な締め付けを受けていて、
動いてもいないのに、剥けたばかりの肉槍の周りに淫らな刺激を加えていた。
よくよく目を凝らしてみれば、とても入りそうになかったエリスの小さな穴を
めいっぱい押し広げて、飲み込まれている茎から鮮やかな赤色が幾筋も流れていた。
女の子の初めての時って本当に血が出るんだ、と感動とも感心ともつかぬ感想を抱いた。
自分がエリスの初めての男にさせられてしまったという重い事実もあったが、
それ以上にその血の赤さが痛々しく、そこに本来入れるべきものを入れたのではなく、
過分に大きな凶器でエリスの身体を串刺しにしたかのような錯覚を覚えた。
その凶器も自分と無関係な武器ではなく、自分の分身で貫いた美少女の串刺しだった。
それは、この上なく美味でこの上なく美しい謝肉祭の御馳走のようでもあり、
ペニスというピンでかけがえのない一瞬を留められた美しい金色の揚羽蝶の標本のようでもあった。

266 :
セリフないと息が詰まりそうだ

267 :
比喩が陳腐だがGJ

268 :
途中で終了とかそんなことは・・・・ないよな!?
このまま直球でガンガンイっちゃって欲しい

269 :
山雀「くっそー こんなエロいスレがあったのかよ!」

270 :
>>269
先輩ここは21禁ですよ

271 :
「あ……う……」
身体を震わせ、苦悶を噛みすように唇を強く噛み締めながら、
エリスはようやく仰け反った身体を起こして、股下に組み敷いたヒロムの胸に両手をつき、
荒い息をついて、切り捨てるように口を開いた。
「ざまを……みなさい。初めてを、アイツなんかにはやらないんだから……」
その言葉に、ヒロムは言いしれぬ違和感を覚えた。
アイツ、と呼んだ対象はアキラではないかと思われたのだが、何か違うと思った

ヒロムは確かに女性経験は初めてだったし、あったと思われるはずもないのだけど、
だけどその言葉に込められた重さは、いつものアキラへの口喧嘩とは違っていた。
呟いた表示にはどす黒ささえ垣間見させるほどだった。
だが、それも一瞬で面影から消えて、いつものいじめっ子な笑顔がエリスに戻った。
「駄目だとか言っておいて、結局自分から腰を振ったじゃない。このスケベ」
「ううう……」
無理矢理入れさせられたのだが、一方でしっかりと覚えていた。
自分の意志で、より深く、容赦なく、自分の身体をエリスの体内に突き込んだことを。
その先端が、深い姫洞の奥にあるさらなる穴の入口に当たっていることを、
ヒロムは言いしれぬ本能で悟っていた。
ここが、男がたどり着くべき場所なのだと。
ここに自らの種を植え付けることが男の存在意義なのだと、何かが頭の中で叫んでいた。
「ちょ……、ちょっと、何でもっと大きくしてるのよ……!」
抗議の声を浴びせられて、
ヒロムは自分がこれまでになく興奮していることにようやく気づいた。
さっきまででさえ、自分のペニスとは思えないくらい大きくなっていたのに、
今エリスの両脚の間に飲み込まれているペニスはさらに節操なく大きくなっていた。
「そんなこと言われても……しょうがないだろ、エリスの中に入ってるんだから」
その光景も、その状況も、その感触も、何もかもが、興奮を煽る材料にしかならなかった。
「ヒロムのくせに……っ、大きすぎるのよ……」
ヒロムのくせに、はひどい言い様だが、実際に膨れあがったペニスは
処女喪失したばかりのエリスの身体には大きすぎた。
エリスとヒロムの共同で無理矢理に一番奥まで突き込んだものの、
前人未踏の上に濡れてもいないそこはあまりにも狭く、がっちりとくわえ込まれたまま、
お互いにまったく動かせなくなっていた。
「あのね……、あんたを気持ちよがらせるためにやってるんじゃないのよ。
 とっとと精液吹き出して、私の子宮に注ぎ込めばいいの。
 早くやりなさいよ」

272 :
ぞくりとした。
自分の心の中にあるどす黒い思いを、エリスに言い当てられたような気がしたのだ。
もちろん最初から一貫してエリスが言っていることなので、錯覚のはずなのだが、
その寒気で、オーバーヒートしていた頭の中の深淵が冴え冴えと冷えてきた。
「で……、できるわけない、だろ……そんなこと!」
見下ろすというよりも見下しているようなエリスの視線をはね除けようと睨み返した。
しかし、返ってきた視線はさらに冷たくなっていた。
「こんなに大きくしてるくせに何を言ってるのよ。
 それとも、私の身体は気持ちよくないって言うの?」
「え……?」
まったく動かせない状態だったら、なんとか射精を我慢できると思っていたのに、
エリスは自分の身体を無理矢理に動かし始めた。
「く……は……、どう?これでも、気持ちよくないって、言えるものなら言ってみなさいよ!」
「う……、あ……、ああああああああああっっ!!」
窮屈極まる細筒を前後左右に揺さぶられ、自分の分身を抜き差しされる感触は、
生半可な覚悟など軽く消し飛ばす壮絶な快感を呼び起こしていた。
女の子の中身というのは全てこんなにも気持ちいいものなのか、
それとも今入れているエリスの身体が特別なのか、初めてのヒロムにはわからなかった。
浸透する冷たい麻薬が紫電のように脳髄を駆けて意識を快楽に染め上げようとする。
何か反論するどころか、口を開いて出るのはあられもない自分の嬌声だけだった。
耳から聞こえる自分の嬌声が快楽をさらに自覚させて、
快楽の回路を無限に連鎖させていく。
さらに視覚からもたらされる快楽もまた苛烈極まりなかった。
身体を上下させるエリスが、まるで自分に乗馬しているかのように躍動していて、
その動きに合わせて豊かな胸が弾けるように揺れていた。
気が付けばその胸を揉みたくて両手がうずくのを押し留めなければならなかった。
しかし、自ずから無限ループされた快感の前では、そんなことをやっている余裕すら無くなってくる。
あっという間に、身体の下の方から射精衝動が駆け上がって来た。
自分の手で擦り上げるのとはまったく違う。
所詮手でやるときは、肉茎の一部にしか触れていない。
でも今、エリスの中に突っ込んでいる分身は、360度余すところ無く包まれていて、
次第次第にようやくぬめりを帯びてきた肉によって全体を絞り上げられて、
一刻も早い精液の放出をせがまれているようだった。
それでいて出し入れするたびに、その狭い中を分け入ることになる先端部分には、
処女を裂いたあの瞬間に近い貫通の快楽を幾度も幾度も幾度もヒロムにもたらしてくれた。
出したい。
自分でやったどんなオナニーのときでも、こんなに早かったことはない。
一刻も早く、この身体の中にあるどす黒く白いものを、根こそぎ、ありったけ、思う様に、
出して出して出して出して、吐き出したい。
その圧倒的な衝動を、心の奥底に残ったかすかな理性でなんとかこらえようとする。

273 :
わぁい

274 :
睾丸から全力で送り込もうとする精子を、自分自身に逆らって、
根元に力を込めて絞り上げ、自分の内側から膨れあがる爆発を押さえ込もうとした
ペニスがどんどんと重みを増していくみたい。
堪えている一秒ごとに、自分の身体が小さくなっていき、
存在の全てがペニスに集中していくように感じられた。
それでも、なんとかして我慢しないと……
「なんで……よ。なんで、出さないのよ!!
 出したくてたまらないって顔してるじゃない!
 出す直前の快感をずっと味わってたいっていうの!?このスケベ!変態!
 自分だけ気持ちよくなっておいてまだ足りないっての!?」
……なんでそんな男の生理をわかってるんだろうということが頭をよぎったけど、
そんなことより、
「でき……ないよ。出しちゃ、ダメ……だ……」
喋るだけでも意識が逸れて危うく出してしまいそうになる。
本当にすごくすごくものすごく気持ちいい。
これで射精したらどれくらい気持ちいいのか、想像もつかない。
「責任とらなくていいって言ってるでしょ!アンタも男なら据え膳喰いなさいよ!
 何が不満だっていうのよ!」
「だって……」
我慢するために固くつぶっていた目を少しだけ開けてエリスの顔を見る。
「だって、エリス……泣いてるじゃないか……!」
「……っ!」
言われるまで気づいてなかったんだろう。
だからやっぱり、痛くて泣いていたんじゃない。
エリスは自分の頬に手を当てて、いつの間にかびしょぬれになっていたことに気づいた。
「!!……うるさーいっっっ!!!」
涙を振り払うように両腕を振り回し、その一振りがヒロムの顔面を強打した。
「ぐ……!?あっ……」
頬を叩く平手打ちの痛みで、一瞬だけ気が緩んだ。
それでとうとう、そこまで我慢に我慢を重ねていたものが、こらえられなくなった。
「あああああああああああああああああああっっっっっ!!」
頭も視界も、全身に冷たい電撃が走るような快感とともに真っ白になった。
がっちりと隙間無く銜え込まれたエリスの膣内で、それも一番奥の奥で、
入ってはならない聖域に繋がる子宮口に発射口がセットされたまま、
ペニス以外の感覚が全て遠のく中で、どくん、と、自分の下半身が噴火したように、
自分の全てをそこへ向かって注ぎ込むかのように、
自分の分身を作るために、溜まりに溜まっていた莫大な量の精液を
エリスを孕ませるための遺伝子を抱えた幾億の精子を伴って、
エリスの卵子を輪姦して受精卵にすべく、一斉に子宮中にぶち撒けた。

275 :
イイヨーイイヨー

276 :
いいね

277 :
期待保守

278 :
当然、一発では終わるはずもなかった。
鼓動とともに、全身を痙攣させながら、これ以上は入り込めないというのに
それでももっと奥へ奥へ注ぎ込もうとする雄の本能に駆られるままに
エリスの身体の深奥まで貫くようにさらに突き上げながら、
「エリス……!エリスああああああああああああ!」
二発、三発、四発、五発、……自分の中にこれほどの精液があったのかと思うくらい、
何度も何度も大量に、何はばかることなくどくどくとありったけ注ぎ込んだ。
「あ……、出てる……、出てる……私、ヒロムに孕まされてる……!」
泣いているエリスの声を聴いても、なお興奮が煽られる。
我慢に我慢を重ねていたのに、とうとうやってしまったという途方もない後悔と、
とびっきりの美少女の子宮に自分の精液を注ぎ込んだという否定できない征服感と、
抑圧していた自分自身を、爆散させるようにエリスの中に広げたという開放感と、
それらが一緒くたになって、
乙女に射精させられた精通の時以来の、それを遙かに超えて凄まじく、
身体まで消えてしまいそうな快感とともに、
ヒロムは、人生初の膣内射精を終えた。
ただそれでも、溢れる快感と、なお続く興奮によって、
ペニスはまったく衰えることなく大きさを保ってエリスの膣と子宮口をを封鎖し、
エリスの腹が膨らむほどの精液が外に漏れることを許さなかった。
「はぁ……」
どちらからともなく、声にならない膨大な思いがため息となって同時に口から漏れた。
焼き切れていた頭の回線が少しずつ繋がってくる。
憑き物が落ちたような、と考えるのは、エリスに対して無礼過ぎるのかなと思った。
エリスの名を呼んで叫んだ瞬間、確かに自分の意志で、エリスを孕まそうとしていた。
その否定できない事実に慄然としていたら、力の抜けたエリスの身体が降ってきた。
「え?」
股間同士はまだがっちりと合体したままだが、エリスの方が身長があるため、
豊かで張りのある乳房がヒロムの両肩から首筋にかけて押しつけられる格好になった。
下半身も力が抜けたのか、柔らかい太股が伸ばされて密着される。
ほとんど全身でエリスと触れ合っていた。
細身で軽いのに、腰や胸、太股といった箇所の柔らかい存在感が全身を浸してきた。
乙女に抱きしめられたときとは同じようで、でもはっきりとわかる違いがあった。
肩から首に押しつけられている胸は柔らかいのにほとんど型くずれしていない。
膨らみ縮む呼吸がそのまま伝わってくるのに、汗で濡れた肌がそのたびに少しずれて、
そのたびにその柔らかさを再認識させられる。
その動きに合わせて、エリスの身体から漏れ出た熱い吐息が髪の毛に吹き付けられる。
改めて、恥ずかしさがこみ上げてくる。
突っ込んで中出しまでしているというのに、今更そんな風に思える自分が滑稽だった。

279 :
期待保守

280 :
普段ならこんなに激しく放出した後は虚脱状態になって性欲も枯れるはずなのに、
こんなに密着していては、とてもそんな風にはなれなかった。
さらに、吹き付けられる吐息の匂いと、玉のように肌に滲んだ汗の匂いと、
首の後ろから垂れ下がる髪が纏っている微かな香水の匂いと、
それらとは別の、エリスそのものの匂いが、至近距離でまぜこぜになって
鼻腔から脳髄まで浸してきて、まだ足りないとばかりに下半身に血流を集めようとする。
間近の眼下に突きつけられた胸のふくらみの先に、衝動的に舌が延びそうになった。
あれを思い切り舐めて、くわえて、吸い付きたいと、原初の衝動で思った。
しかし、エリスの豊かな膨らみが顎の下を押さえることになり、舌は届きそうにない。
それが、心底残念だった。
代わりに上に目を向ければ、エリスの紅い唇が間近にあることに今更気づいた。
普段なら、そんなことしたいとは思わないはずなのに、その唇に吸い付こうとして
顔が動いた。
「……何しようとしてるのよ、このスケベ」
「え?」
吸い付こうとした唇から、取り繕ったように冷たい声が浴びせられた。
「な、何って……」
「勘違いしないでよね。別にアンタのこと好きでもなんでも無いんだから。
ものすごい温情で入れさせてあげてるだけ。
さんざん中出ししたあげくに調子に乗ってキスしようなんて、身の程知らず」
セックスしているのに、キスはさせないなんて、どこか壊れた気配を感じた。
「……おかしい、よ」
「何?ヒロムの分際で私に説教しようっていうの?」
「僕のことが嫌いで、キスもさせたくないくらいなのに、僕とせ、せ、セックスして、
僕の子供を生もうなんて、そんなの、間違ってる……」
「……」
エリスは唇を噛んで押し黙った。
その赤い唇にもっと紅い雫が滲むくらいに、強く。
押しつけられた胸よりも重い沈黙が降りる。
ややあって、
「……好きでもないし、嫌いだし、見下してるし、馬鹿にしてるけど、
 あなたに、褒美くらいくれてやってもいいか、って、思ったのよ」
「褒美……って、何の、さ」
普通ご褒美というと何かを成し遂げたことに対して与えられるものだ。
でもハインリヒを倒したことに激怒していたからそれは無い……と、思ったけど
「え?」
エリスの瞳をのぞき込んだ瞬間、それが違うということに、直感的に思い至った。
「……知りたい?」
今まで一度たりとも、エリスからそんなにどす黒い声を聞いたことは無い。
黒くて、深くて、はいずり回るように悲しい、そんな声を。
「何……を」
畏怖に駆られ、喉が渇く。
それでも、知りたいと確かに思った。
本当にエリスをここまで駆り立てていたものが何なのか。
「私があんの腐れ外道に、何をされていたのか……、聞きたい?」
「あ……」
何故か、わかった気がした。
そして同時に、それを聞かねばならないと思った。
「……き、聞きたい」
「いいわ……話してあげる」
その言葉で、エリスの中に入り込めた気がした。
体内深くに埋めている自分自身よりも、もっと深く、心の奥底まで。

281 :
オレ設定

282 :
ハインリヒ悪いやつか

283 :
精通時の話も読みたい

284 :
――主の元から逃げようなんて、悪い小鳥だ――
それは、もしかしたら愛だったのかもしれない。
自分の時間を如何に相手につぎ込めるかという点においては。
ローゼンベルクの次期当主ハインリヒは正真正銘の天才だった。
学問ならば複素数の物理計算をたちどころに理解し、
楽器を持たせればものの数時間で熟練者に迫り、
スポーツをすれば陸上から球技までほとんど無敵の活躍を見せた。
逆にいえば、
これこそが天分といえるものを見つけることができなかったのが不幸といえる。
華々しく相手を倒し畏怖と賞賛の喝采を浴びる刹那くらいにしか
興味が持てなかった結果、暴君と呼ばれるようになった。
ラフプレイも暴力も一切無い、純粋なクリーンファイターだった。
それでも圧倒的な才能は、ヨーロッパのスポーツ界を吹き荒れる嵐となった。
その彼が、天才ならばこそ生じた欠落か、精神を維持するための戯れかはともかく、
たった一つだけ、狂気とも言える情熱が、
異様としかいいようの無い形で妹のエリスに向かった。
最初はエリスに服を着せ、髪を結うことから始まった。
そうしてダンスをさせれば、当然エリスはハインリヒに劣る。
ハインリヒには出来ないことが不思議でならない。
できるようになるまで繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し。
天才にもわからないことがある。
それは凡才の苦労と努力というものだ。
理解できないハインリヒは自分の理解に合わせようとする。
自分と同じ妹のはずなのだから繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し。
エリスにとっての地獄のはじまりだった。
それでも、エリスにとっても天才の兄は誇りだった。
他のなによりも自分に時間を費やす兄の姿に、それを愛だと錯覚した時期もある。
ゆえに確かに兄を敬し、地獄の中で足掻いてでも兄に応えようとした。
その歯車が狂ったのは、翻せば必然であった。
早熟すぎる天才が性に目覚めたころにハインリヒが知った、たった一つの事実。
エリスは妾の子供である。
それは天才の彼に、妹エリスの不完全たる理由を納得させ、
同じと思っていたものに嫌悪感というものを認識させ、
自らと区別するがゆえに、ありとあらゆることを興味と情念のままに
試してみようとさせる、圧倒的な事実だった。
暴君にして天才の、あくなき実験が始まった。

285 :
期待期待

286 :
何か凄い方向に話が進んでるなw 期待

287 :
いつもは甲斐甲斐しく自らドレスを着せてくれる兄の様子がおかしかった。
そばにいるはずのお付きの者たちも誰一人いない。
普段着を脱がす手も荒々しい。
下着に手がかかったとき、明らかに異常だと察した神経が考えるより早く、
逃げようと身体を動かした。
ハインリヒに比べれば劣るだけで、
一般人に比べればエリスの頭も身体能力も十分に天才の範疇に入る。
だが、相手が悪かった。
――いけないな、エリス。俺から逃げようなんて――
既にがっちりと肩を掴まれ押さえつけられていて、
床を蹴ろうとした足は縫いつけられたように動かなかった。
――怖がらなくていいよ。お前の身体を検査するだけだから。
  でも、叫んだりしてはいけないよ――
いつもエリスの不出来を叱咤する兄の目ではなく、
それはメデューサの瞳のように全身を呪縛する恐怖の目だった。
凍ったように動かないエリスを見て満足した兄は肩から手を離すと、
上下だけで一般人の年収を超えるエリスの下着を無造作に破いて剥ぎ取った。
まだ凹凸の無かった頃の身体だが、名門の娘として羞恥心は人一倍躾られていた。
その大半を躾たのも兄だったのだが。
白い身体は動かなくても、込み上げる恥ずかしさは見る間に全身を薄紅に染めた。
――ああ、綺麗だよエリス。さすが俺の妹だ――
ギリシャ彫刻でも鑑賞するかのように、兄はエリスの周りを360度ぐるりと歩きながら、
ある時はしゃがみ込んで下から舐めるように見上げ、ある時は上から覗き込んで、
じっくりとエリスの全身を眺め尽くした。
――だが、やっぱり肌の色が俺より汚いね。
  あの日本人の汚れた女の血が入っているとこうなってしまうのか。
  悲しいよエリス。お前は俺の妹だというのに――
自分の奇妙な真の名前を伏せなければならなかった理由をそれで悟る。
身体と同様に心まで凍っていれば理解せずとも済んだのに、
不幸にも思考だけはいつも通りに明晰に働いていた。
ゆったりと肌をなぞる兄の指の感触も、無かったことと否定することはできなかった。
常日頃ならば兄に撫でられることは喜びであったはずなのに、
同じ手が這う様が蛇がのたうつようにさえ感じられて、肌が粟立った。
――寒いのかい、エリス――
気遣うように耳元で囁かれる声すら、その恐怖を煽るばかりだった。
首を振ることもできずに立ち尽くしていると、兄は足元にしゃがみ込んできた。
靴や靴下を履かせるとき以外は、何者にも膝を屈することの無い兄なのに。
訝しんだが、すぐに理由は知れた。
しゃがみ込んだ兄が視線を上に、すなわち股の合わせ目を射抜くように見つめてきた。
恐怖で立ち尽くして両脚を閉じたままだったのがせめてもの慰めだが、
それでも割れ目をまじまじと視姦されていることに変わりはない。
しかもそのわずかの慰めすら兄は赦さなかった。
――見づらいね。エリス、両足を開いてご覧――
出来るはずがない。兄の前で股を開くなどとそんな破廉恥極まることなど。
――俺の言うことが聞けないとは、困った子だね――
立ち尽くしていると、業を煮やした兄の右手がエリスの割れ目に延びた。

288 :
自演はともかく乙

289 :
          _____
        /        \
      / /・\  /・\ \ 
      |    ̄ ̄    ̄ ̄   |   
      |    (_人_)     | 
      |     \   |     | 
      \     \_|    /
  ─┐||┌─┐ l ─  ‐┼‐   ‐┼‐ヽ l  ノ │ .|  |   ‐┼‐ ‐┼‐
        日  フ 口  メ   __|__  フ |┬   |  |   ‐┼‐  d
  (__   .六  ↑ .田  (___  (丿 ) ↑.ノ│  ノ  ヽ__ノ (丿\ ノ

290 :
保守

291 :
まだ幼く貝のようにぴったりと閉ざされた無毛の唇の左右に人差し指と中指を押し当て、
見通すかのように、ゆっくりと開いた。
白い肌の色とは違う赤々とした秘肉が、観音開きの僅かな隙間から覗いた。
――ああ、ここはとても綺麗な色をしているね、可愛いよエリス――
裸だけでなく身体の深部を見られているという恥辱のまっただ中に、
場違いのように明るい賞賛の声が下から突き上げられた。
――でも、困ったな。奥の肝心なところが見えないよ――
そんな最奥まで見られたらどうしてしまえばいいのか。
恐怖にすくんでいるだけでなく、なんとしても開かれないよう、
震える両脚に力を込めて、なんとしても見られないようにと足掻いたが、無駄な努力だった。
――仕方がないね――
気が付いたときには、視界の天地が逆転していた。
右足首を掴んだ兄が、立ち上がりながら身体を持ち上げてひっくり返したのだ。
筋力も並はずれて強い兄にとって、たかだか30キロにもならない人間を持ち上げるなど
造作もないことらしい。
兄の左手一本で掴まれている右足に身体がぶら下がっている状態で、
左足を固定し続けることなどできるわけがなかった。
――ああ、これならよく見えるよ、エリス――
もはやどうにも隠しようがなかった。
兄は自由になる右手で容赦なく左足を開かせ、陰唇までも大きく開かせてしまった。
それも股間を兄の目の前にさらけ出した状態で。
割れ目の奥にある純潔の証までもが、余すところ無く完全に、兄の鑑賞に曝された。
――よかった。あの女の血を引いていても、お前にはまだ誰の性器も突き刺さっていないんだね――
アーチェリーか投げ槍の的の話でもするかのような兄の言葉に、
エリスはさらなる恐怖に突き落とされた。
それはこれから当たり前のようにスポーツを始めるかのような口調で、
そのスポーツが何か、考えることさえ恐ろしかった。
――お前は俺の妹だからね。俺がしっかりと綺麗にしてあげるよ。
 何も怖がることはないんだからね――
意外にもその日、兄の戯れはそれで終わってしまった。
だがそれは予告通りただの検査だったのだ。
兄が自ら手がけるだけの価値があるか否かを確かめるための。
翌日から、非日常が日常に入れ替わった。
一度として、殴られたり蹴られたりしたわけではない。
だがその所行は暴君のそれだった。
最初はキャンバスとしての扱いから始まった。
手始めに当然のように裸に剥かれ、兄は大量の絵の具と絵筆を用意した。
白いエリスの身体を極上のキャンバスとして、様々な絵画を描いた。
まだ幼く蕾のままの乳首や陰唇さえも、平筆や細筆の異なる感触や
絶妙とも言える兄の力加減で極彩色に塗られる過程で
性の刺激と無縁でいることはできなかった。
そのたびに身体が揺れることを咎められる。
――エリス、せっかく俺がお前の汚れた身体を綺麗にしようとしているのに、
 どうして言いつけが聞けずに動いてしまうんだい――
筆が兄の思惑から逸れて失敗すると、兄はそこで描画を打ち切った。
そのまま服を着ることも許されずに、兄の浴室に連れ込まれるのだ。
タオルやスポンジを使うのではなく、
たっぷり液体ソープをまぶした兄の手で直接からだを洗われた。
磨くように、こそげおとすように、つぶように、もみしだくように。
そして、そのとき、兄も裸だった。
意図的ではないにしろ、作業のさなかに時折触れるのだ。
熱く脈打つ、柱のように固くそそり立った兄の男性器が。
それを押しつけられるわけではなく、何をされるというわけでもなかったが、
触れるだけで、その存在感が圧倒的だった。
それは膣口に抜き身の長剣が突きつけられているのに等しかった。
逆らえば、機嫌を損ねれば、それがすぐに突き立てられるのではないかという
恐怖をまき散らすかのように、
その先端から涎のようなものがにじみ出ていることだけは忘れられなかった。

292 :
乙です。ヒロムとやってる時より今の展開のがオモシロエロいな

293 :
なんでP2の兄キャラは皆変態なんだ?

294 :
保守

295 :
保守

296 :
保守

297 :
痴女がヒロムのおちんちんを保守
痴女「はい、乙女お姉さまには、ヒロムの精子1週間分。アキラには1日分」

298 :
保守

299 :
最下層age

300 :
期待

301 :
ヒロムが全裸で待機中

302 :
視覚と触覚で弄ばれる日常に、やがて味覚で弄ばれることが加わった。
いつも通りに兄の部屋に呼ばれると、大量の白いものが用意されていた。
一日中白い絵の具を塗りたくられたこともあったので、
またかと思ったそのころには既に心がどうかなっていたのだろう。
しかしそれは絵の具ではなかった。
いつもは立たされているのに、その日は別に用意されていた
金属製のひやりとした台に寝かされた。
――俺としたことが、大切なことを忘れていたよ。
 見た目だけ綺麗にしても意味が無かったんだ――
そう言った兄は絞り器を手にしていた。
まだ尖り始める前の薄桜色の胸の飾りを囲むように、
ゆっくりと絞り出されるそれが大量の生クリームだとやがて気づいた。
エリスの肌よりも白いそれが、ショートケーキの上の芸術さながらに、
特に胸と鼠径部を偏執的に描く生クリームは、それでも、
そのずっと後に身体にぶちまけられる別の白いものよりは美しかったのだった。
飾り付けが終わった後、兄はスプーンもフォームも使わずに、
寝かしたままのエリスの身体に直接口を近づけて、
自らデコレーションしたケーキを食い荒らすようにその生クリームを舐め取っていった。
そのさなかに、当然にしてエリスの素肌も兄の舌に蹂躙されることになった。
――ああ、よかった。美味しいよ、エリス――
幼い突起を舐め、まるでそこから未だ出るはずの無いものを吸い取ったかのように、
つぶやいた兄の口元は白く染まっていた。
それが日常になってくると、時には別のものに代わった。
いつもの時間より早く呼ばれるときには、生クリームの代わりに
バターと蜂蜜が用意されていた。
それらを朝食のパンさながらに、たっぷりと全身に塗られる。
バターは塗りやすいようにほどよく暖められてあり、
あっという間にどろどろにされる。
生クリームのときとは対照的に、黄色と黄金色で汚され尽くされたようになるのを、
兄は生クリームのときよりも丁寧に舐め取っていった。
――お前の汚れは俺が全部清めてあげるよ、安心するといい、エリス――
その舌触りを優しいと感じることは、ついぞ出来なかったけれども。
思えばこのとき、兄でさえ幼かったのだと、後になって知る。

303 :
おせーよ
待ってました

304 :
俺の白いのを食らえぇぇ

305 :
エロいぃぃぃ
いつもありがとうございます

306 :
アキラ「ヒロムちょろちょろ中ぴゅっぴゅっ」

307 :
保守

308 :
保守

309 :
ほしゅ

310 :
兄の精通はエリスの口の中だった。
――エリス、おいしいかい――
数えるのも面倒な月日が過ぎ、既にエリスを清めるという目的はどこかに消え去っていた。
兄の幼かった性衝動がやがて形作られていく。
己の股間にあって、エリスを弄ぶたびに屹立していたものを、
いつかエリスに舐めさせるようになっていった。
その肉柱に己の身体を貫かれる恐怖はなお消えておらず、
それよりはマシだと思うのならば、エリスは……少なくとも表向きは……素直に従った。
唇を半開きにし、微かに突きだした舌先で、
亀の頭を思わせる頂上を、そこから竿裏に下る繋ぎ目を、
径を狭める張り出した部分を、青黒い血潮の浮き出た太い幹を、
その下でうねるように蠢く袋の中のおぞましい玉を、
兄の機嫌を損ねないように、丁寧に、静かに、されど出来るだけ味わわないように微かに、
触れ、なぞり、うっすらと濡らしていく。
溢れるマグマか、独立した生き物か、胎動する化け物か、
そんなものを連想させる蠢く玉の中には、注ぎ込まれてはいけない物が入っていると
本能が警告を発していた。
しかし、舐めれば舐めるほど、兄の肉柱は鎮まるどころか、ますます太さと固さを増していき、
やがて反り返るようにしてびくびくと震えだした。
――エリス、何かが出てきそうだ。くわえておくれ――
さすがに躊躇した。
その先端から出ようとするものが、単なる尿などでないことは察せられた。
震えながら兄の先端に口を近づけていったが、
くわるも何も、こんな大きなものが口に入るとは思えなかった。
おそるおそる開けていた上唇に、鉄のように固くなった赤い先端部が触れた。
――聞こえなかったのかい、エリス。
 悪い子だね――
気が付けば、髪の毛をがっしりと掴まれて、頭を兄に引き寄せられた。
結果、半開きにしていた小さな口をめいっぱいこじ開けながら、
巨大な塊が口の中奥深くにまで侵入して喉の奥を突いた。
唇からはみ出しそうな大きさのそれは、もがきあえぐエリスの舌と口腔になぞられて、
――ああ、気持ちいいよ、エリス――
先端から勢いよく、何かを吐き出した。
「ーーーーーーーーーー!!」
叫ぼうとしても、食道と肺に繋がる喉もとで粘り着いた液体じみた物が溢れかえっていたため、
まるで声にならなかったばかりか、声をだそうとしたことで喉に引っかかり、
吐き出そうとしてもできず、思わず一部を飲み込んでしまった。
嚥下するときのその感触のおぞましさを何にたとえたらいいのだろう。
熱いものなら喉もとを過ぎれば忘れることもできるが、それは胃の中まで到達してもなお
身体中を汚染させるのではないかと思うほどに嫌悪感を催すものだった。
しかも、飲み込んだのはごく一部でしかなかったようで、
なお口の中には溜まっていて鼻道にまで混入し、あまりの息苦しさに咳き込んだ。
咳き込んだ拍子に、なんとか兄の手を振り払って口から離すことができたその肉銃は、
眼前でさらに二度三度と白い液体を発射した。
眉間に当たった飛沫は瞼を覆い、
鼻先に叩きつけられた液体がべっとりと鼻と口元を覆い、
さらにはエリスの首から胸元までを塗り尽くすように汚く白く染めた。
――ああ、これからは俺自身の液体でお前を綺麗にしてあげられるよ、エリス――

311 :
乙乙 俺もしゃぶらせたい

312 :
続き待ち

313 :
保守

314 :
――さあ、俺のためによく鳴くんだよ、俺の可愛い小鳥――
イカとウナギで満たされた水槽に放り込まれて、
あまりの気持ち悪さに耐えきれず失神するまで出してもらえなかったこともある。
そのときには、秘部に入り込もうとする触手から自分の身体を守るだけで精一杯だった。胸にバターをたっぷりと塗られて、兄の愛犬に追いかけられたこともある。
思い出すこともおぞましい日々の数々で、それでも兄にも好みというものがあった。
何より兄が好んだのは、エリスを食器として扱うことだった。
まずスープを口いっぱいに含まされた。
すぐにではなく、一分か二分待ってから、兄はそれを口移しで飲んだ。
その方がよい味がするのだといった。
我慢できなくなって口からこぼしてしまうと、罰としてたっぷりと紅茶を飲まされた。
最初はそれがなぜ罰になるのかわからなかったが、すぐに知れた。
スープの後には、数々の御馳走を載せる皿にならなければならなかったのだ。
もちろん、布一つ纏うことは許されない。
熱い料理を乗せるときだけ、
火傷しないように植物の飾り葉の上に乗せることが許されただけだった。
首から下、足の先まで、胸といわず腹といわず股といわず、フルコースが乗せられた。
それを兄はじっくりと時間をかけて食べていく。
薄味にしたローストビーフをフォークに刺し、それで秘核をこねくりまわすのだ。
快感や愛情などとは無縁のまま、女の身体の防衛本能のままに溢れる液を、
兄はことのほか味付けに用いることを好んだ。
しかし罰として紅茶を飲ませられていると、どうしても途中でトイレに行きたくなる。
それを我慢しているエリスを見て、兄は嬉しそうに言うのだ。
――ああ、可愛い顔をしているよ、俺の小鳥。今お前は自分の原罪を償っているんだね―
と。
もちろん、漏らそうものなら、それを調味料に使われた後で、
さらにたっぷりとお仕置きが待っているのだった。
逆らえる訳がない。
兄は最強だった。
ありとあらゆる点で、ありとあらゆる人間が敵わなかった。
頭脳においても身体においても。
その天才ゆえに破綻した嗜好が妹に向いたのかもしれない。
逃げたかった。
逃げるしかなかった。
兄には誰も逆らえず、兄には誰も勝てないのだから、
兄が興味を持たない世界へ、兄がやってこない場所へと逃げなければならなかった。
不思議と、兄は監禁しようとはしなかった。
虐待していた妹が逃げようとすることに考えが及ばないはずはない。
もしかしたら、本人には虐待しているつもりがなかったのかもしれないが。
外を出歩いたところで、こんなことを誰かに話せるわけもなかったし、
誰かに助けてもらえるわけでもなかった。
そのことを、兄はよくわかっていたのだった。
目に見えない鎖と首輪が、どこに行ってもついてまわっていた。
そして厄介なことに、スポーツだけではなく芸術に長けた兄にとっては、
美術だろうがピアノだろうが、何であっても手をだすことができた。
結局は逃げ込む場所などなく、帰ってきてはまた、兄の玩具になる。
幾多の芸術に、学問に、スポーツに、手を出しては絶望した。
その中でただ一つ、例外があった。
ドイツでも盛んであるにも関わらず、不思議と兄が手を出そうとしないスポーツがあった。
そのことを、ともに暮らした永い年月の間の態度から導き出した。
サッカーやバスケに比べて、狭いフィールドが兄の美意識に合わなかったのか。
ルールすら知らないまま、逃げるようにその世界に飛び込んだ。
それが、卓球だった。

315 :

こねくりまわすエロい

316 :
保守

317 :
とりあえず、テニスの親戚という程度の知識しか無かったが、
協会への出資金を増やすというだけで、
ローゼンベルク家の令嬢として相応の扱いはされた。
小さなフィールドで球を打ち合っている姿にさほどの興味も抱けなかったが、
少なくとも兄のいない時間を持つことができた。
お付きとして選ばれた草次郎は、女ではないかと思えるくらい害意がなく、
こちらの希望を汲んでドイツ人ではなかったので、
兄との繋がりも皆無だった。
ようやく得られた、少なくとも平穏な日々を噛み締めつつ、
少しだけ卓球をやってみようかという気になった。
そこで、忘れられない出会いがあった。
その子も、男の子にしか見えなかった。
ざっくりと切られた黒髪は短く、
卓球台の前を跳ねるように前後左右自在に動く様はある種美しくさえあった。
……否定できるはずがない。その時確かに魅せられた。
他の誰と比べても常に目を引いた。
気が付けばその子のことを目で追いかけて、その子の勝利を心の底で喜んだ。
声をかけるのさえ恥ずかしく、しばらくの間はただ遠くから眺めるだけ。
時折交錯する視線に、その子は気づかなかっただろうけど、
一日の終わりにその子のことを日記に書き連ね、
称賛と尊敬と憧憬とを重ねて、崇めるように絶賛し続けた。
汚れた自分をその子に見られるのが怖くて、その子に見て欲しくて、
自分が自分で解らなくなって、自分が何に陥っているかはすぐに解った。
恋してる。
兄に散々弄ばれた自分が、男の子に対してそんな感情を持つことが信じられないのに、
その子と一緒なら自分が救われるような気がした。
視線で追い続ける時間はあっという間に過ぎ、会えない時間は遅々として進まない。
初めて会ってから何日経っていたのかは自分でもわからない。
ようやくにして声を掛けた。
いきなり告白なんてできるはずもない。
ようやく出来たのは自己紹介。
ローゼンベルクの家名を名乗ることは躊躇われた。
ただ、エリスと、自分の名前を呼んで欲しかった。
最初は儀礼的な会話だけ。
アキラという名前は、日本人の男の子にはよくある名前らしかった。
年齢を確認して、同い年だとわかると、友達のように声を掛けた。
このときに、草に確認しておけばよかったのだと思う。
しかし、その子への思いを誰にも知られたくなかったから、その子について誰にも聞かなかった。
それが大失敗の元だった。
友達づきあいを重ね、時にはさりげなく手を取った。
鍛え上げた兄の手とは違う、たおやかで綺麗な手に、その時は疑問すら抱かずにいた。
信じられないほどの幸せな時間がそこにあった。
一週間か、二週間か。
自分ではもう待てなくなった。
思い切って、聞いてみたのだ。
「……アキラには、好きな人って、いる?」
兄の元から逃げ出す時以上に勇気を絞ったのはこのときだけだろう。
その答は、一つめの破滅だった。
「いないけど……強いていえば、兄さんかな」
兄なんてものを尊敬するアキラが、信じられなかった。

318 :
二つ目の、決定的な破滅に気づくまでには時間がかかった。
あのアキラの答で気づかない自分もどうかしてる。
でもそのときは、自分の聞き方が悪かったと信じ込んでいた。
好きな女の子はいるのか、と聞かなかった自分が悪いのだと。
好きな女の子がいないから、
人間として尊敬している兄のことを持ち出したのだと思ったのだ。
アキラが語る兄の姿は、ひたすらに尊敬と憧憬に満ちたものであり、
自分がアキラに向けている思いがかすりもしていないことを味わうことになった。
兄というものについての話はとてつもなく不快ではあったけど、
それでも、それでも、嬉々として兄の話をするアキラの顔は好きだった。
古傷をナイフでかき回されるような痛みとともに、
脳髄をしびれさせるような悦楽を味わう時間は、
甘美にして醜悪な拷問の時間でもあった。
そのころの日記には、アキラへの溢れるほどの賛辞と、
アキラの兄語りへの恨み辛みがつもりに積もっている。
だが、アキラから受ける苦痛であれば、それさえも我慢できたのだった。
精神的な苦痛に慣れていることについて、兄に感謝したことはない。
それが明らかになったのは偶然だった。
どんな話のいきさつだったのかは覚えていない。
アキラの言葉のほとんどを書き留めていたはずなのに、
その日の会話だけはあまりのショックでほとんど忘れてしまっている。
確か、珍しくアキラが兄への不満を口にしたときだ。
その一節だけは、焼き印を押し当てられたかのように脳裏に焼き付いている。
「……私が女の子だからって……」
その衝撃を何にもたとえようがない。
一つは、自分が恋していたのが男の子ではなかったこと。
これだけでも自分の頭を引き裂きたくなったくらい恥ずかしかった。
書き連ねてきた日記における称賛の数々があざ笑うように苛んだ。
だが、それすらももう一つの事実に比べれば大したことはない。
一番衝撃的だったのは、そして、一番許せなかったのは、
アキラが、妹、であったこと。
兄を持つ、妹であったこと。
兄を持つ妹なのに、自分と同じ、兄を持つ妹なのに、
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして

私とちがって、アキラは、そんなにも愛されていたの!

319 :
あー劣化きのこはいりまーす

320 :
まさかのアキラ陵辱の流れか!?

321 :
あけましておめでとうございま保守

322 :
よく圧縮回避できたな。
あけおめ。

323 :
あけましておめでとうアキラちゃん

324 :
wktk

325 :
こないな保守

326 :
ほっすー

327 :
嘘だ、と思った。
いや、思いたかった。
そんなはずがないと。
兄が妹を愛するなんてことがあってたまるか。
アキラだって、きっと兄にどうにかされているに決まっている。
猜疑心に駆られてあれこれ尋ねるアキラに訝しがられたけど、
帰ってくる答のいずれもが、私の願いを否定していた。
ただ、一つだけ、たった一度だけ、アキラは兄に殴られたことがあると言った。
それがアキラにとっては忘れられない記憶であって、兄との間に
何とも言い難い溝があるようなことを言っていた。
それを確かめようとした。
誰よりも長く練習しているアキラが一人でシャワー室に入ったときを見計らって、
後から入り込んだ。
「エリス……?どうしたの?」
振り返ったアキラの身体は……本当に綺麗だった。
いつもユニフォームに包まれて見えないところにも傷跡一つなかった。
私と違ってまだ膨らみ始めておらず男の子と変わらないように見える薄い胸の中心は、
シャワーの熱で上気して小さいながら鮮やかな桃色に染まっていた。
細い両脚の間にある割れ目は正面からでは端のわずかだけが除くのみで、
性別というものを意識させるにはあまりにもささやかで慎ましかった。
同性だとわかっているのに、それでもなお、男の子だと思っていた頃のときめきが
形を変えてなお掻き立てられるくらいに綺麗だった。
「アキラ……」
自分の中で耐久力の限界に迫って軋みを立てているものがあった。
頭の奥というか頂点が焼き切れそうで、
それに耐えるために、アキラの身体に手を伸ばした。
壊してしまいたい。
そうでなければ、自分が耐えられない。
こんなにも兄に愛されたアキラが許せない。
私は兄の玩具だったのに、あんなにも兄を慕うことができるほどに、
私と違って愛されていたアキラが……
「エリス、大丈夫……?」
アキラの二の腕を掴む私の両手が小刻みに激しく震えていたのに気づいたアキラが
訝しげに声をかけてきた。
その声には何も敵意が無くて、ただ私を心配している気配だけがあって、
今度という今度こそ、私は耐えきれなくなって、
その場から逃げ出した。

328 :
それからしばらくホテルに引きこもった。
アキラと顔を合わせることなんてできるはずがなかった。
恥ずかしいというだけじゃなくて、この胸の奥の憎悪を
どうぶつけてどう叫んだらいいか、まったく見当も付かなかったから。
二月くらい頑固に意地を張っていたら、律儀に毎日顔を出していた草から
アキラが帰国したことを告げられた。
胸の奥で発酵していた憎悪の塊が、ごっそりと抜け落ちてしまった。
何にのたうちまわっていたのかわからない。
ひどく残念で、それでいてほっとしてしまい、
自分でよくわからない自己嫌悪を抱いたまま、久々に卓球場に顔を出した。
そこに、信じられないものを見た。
――やあエリス、やっと顔を出してくれたんだね――
何故。
どうして。
卓球などに興味を持たないはずの――が、そこにいるの。
何もかもわかっているという顔で、
全知全能の神のように微笑んで、
籠の中で飛び回った小鳥を見下ろすような目で、
にこやかに笑いながら、兄は私の両肩にしっかりと手を置いて、捕まえた。
止める者など無く、逆らうことなど出来るはずがない。
そのまま当然のように、兄専用のトレーニングカーに連れ込まれた。
様々な競技を遍歴している兄が、同性に裸を見られることを嫌って作らせたもので
シャワールームを有していることは知っていた。
ただ、ベッドルームまで併設していることは初めて知った。
それはどう見ても、休むためのものではないという気配が漂っていた。
――会いたかったんだよ、エリス。
 見てくれ、お前への気持ちで溢れそうだ――
それは、記憶に焼き付けられた姿よりもなお凶悪さを増していた。
幹は太く、長くなり、全体は赤黒く染まり、えらの段差は深さを増していたが、
それらの外見的な変化以上に、
女としての勘が、途方もなく危険なものになったことを察していた。
――お前に会えない間、お前のために俺もトレーニングしていたんだよ。
 お前に近い歳の女を100人ほど連れ込んで試してみたんだが、
 処女というのは難しいんだな。
 すぐに入れようとしてもなかなか固くて入らなかったし、
 ちょっと奥までねじ込んだだけですぐに壊れてしまったのがいくつもあったんだ――
経験も無い同い年の女の子がこんなものを無理矢理ねじ込まれたら、
それはもう、一発で膣が、下手すれば子宮まで使い物にならなくなることだろう。
犠牲になった子たちのことを思うと背筋が冷たくなった。
使い捨てた後、まさか青髭を真似たわけではなく、兄の執事が金で解決したのだろうが、
心と体に一生どうにもならない傷を負わされたはずだ。
――ああ、安心していいよ、エリス。決して浮気なんかしていない。
 どれもこれも、悲鳴を上げてもお前のように声に艶が無いし、
 身体も固かったり、無駄に柔らかかったり、どれもお前に及ばなかったよ。
 やはりお前でなきゃ俺は駄目なんだ。
 俺はお前を愛している。
 お前を壊したくないから、色々試してみたんだよ。
 お前は一生俺の手元に居るんだから、いきなり無茶なことはしないよ――

329 :
―――――――乙。

330 :
お疲れ様でした。
頑張って下さい。

331 :
保守

332 :
 ああ。
 ―――なんというか、これは。

  保守せざるを得ないのかもしれない――――。



333 :
無茶なことはしないと言った直後に、シャツの胸元を掴まれて、
引きちぎるように左右に開かされた。
ボタンが弾け飛んで下着が露わにさせられたが、
既に隠すことはおろか、悲鳴を上げることもできなくなっていた。
怖くて。
硬直している間に、脱がすというよりは破るようにして
シャツとスカートが引き剥がされた。
ブラとショーツは力任せに破かれて布きれになり、
ベッドに向かって倒れ込まされたと思った次の瞬間には靴下を両方脱がされていた。
何秒という単位でのあまりにも早い手際の良さだった。
兄が何でもできるとはいえ、ここまで手際よく剥けるほど手慣れるまでに、
一体何人の女を機械的に剥いて次々と犯していったのか、想像するのもまた恐ろしかった。
倒れた状態で後ろから襲いかかられると思ったが、違った。
背後から両脇に手を差し込まれて、軽々と持ち上げられる。
そのまま、反り返った巨大な竿の上まで身体を運ばれた。
何百枚もの処女膜を突き破った凶器の先端が上向いていて、
新たな獲物に突き入れることを期待しているのか、
透明な汁がどろどろと滲み出ていた。
このまま手を離されたら、自重でそのまま処女膜を貫かれることになる。
しかし、無茶なことはしないと言った言葉は一応正しかった。
手を離されて一気に貫かれるのかと思いきや、
支えをなくすことなく緩やかに降ろされた。
兄の竿の先端にではなく、その半ばに跨らされた。
幹の半ばとはいえ割れ目に凶器が押し当てられる感触に寒気がする。
さらに両脇から手を離され、兄に勃起した男根一つで支えられる。
当然にして、自重全てが割れ目にかかって竿が食い込んでいった。
不安定かつ不愉快極まりないのに、それに身体を預けなければ倒れ込んでしまう。
さらに、竿の先端から溢れてきた滲み汁が幹を伝って降りてきて、
接触している割れ目の周囲を濡らし始めていた。
――わかるかい、エリス、お前への思いが溢れているんだよ――
そういうと兄は両脇をがっしりと掴み、私の身体を前後に動かし始めた。
前後に力を加えているだけだが、自重は全て幹の上部に被さることになる。
固く閉ざされている割れ目にノコギリでも当てているかのように
ぎりぎりとそこを広げて食い込んでくる。
浮かび上がる血管節くれ立った竿が、激しく陰核に擦りつけられて、
未だ何も通していない膜の間近まで鋸の刃が擦り当てられて、
耐えきれなくなった私の下半身は潤滑液を分泌する。
これはただの防御行動。
快楽のためではなく、私の身体を壊されないために流れているだけ。
その潤滑液と、兄の先端から溢れた液とが混ざって、
じゅくじゅくと粘りつくような水音を立てながら、私の股の下で白く泡立つ。
精子混じりのクリームで、処女のまま妊娠したらどうなるのだろう。
現実逃避のようにそんなことを思っていたら、
――ああ、出るよエリス。受け止めておくれ――
ぐいと兄の姿勢が後ろへ傾いて、発射の瞬間に兄の先端が真上を向いた。
そこから冗談のように大量の白濁液が噴出して眼前を下から上へと通過していき、
一通り重力に逆らった後で落下に転じ、にわか雨のように私の頭の先から足の先まで
全身べとべとにするまでに降り注いだ。
これでは女ですらない。
兄の快楽のための性人形。
いやさ、今はただの傘か。
――ああ、綺麗だよエリス。とてもお前に似合っている――
………………私は、汚い。
アキラと違って、汚い。

334 :
――――――――――――――――乙――――――――――――――――――。

335 :
乙です

336 :
逃げなくては。
もっと遠くへ。
スポーツの違いなんて甘かった。
兄が追ってこないほど遠くへ。
思いついた一番遠い国は、……アキラのいる国だった。
卓球のためのドイツ校を有する日本の学校の一つに渡りを付けて、
無我夢中で飛行機に乗った。
日本。
アキラの生まれ故郷。
地球を半周してたどり着いた国は、湿度の高さがどうでもよくなるくらい
自由の気配に満ちていた。
ここならば大丈夫。
ローゼンベルク家の次期当主としても
多忙な兄がわざわざこんな極東まで来るはずがない。
やっと私は自由になった。
自由になれた。
背中に羽根が生えたように、生まれ変わったように、遊び回った。
気が付けば鏡を見て、自分にこんな明るい笑顔が出来たのかと驚いた。
あれこれ遊び回った後で、ふっと気になったものがあった。
卓球だ。
最初は単に逃げるための口実だったものだった。
でもそれはアキラと出会わせてくれたものだった。
あのアキラが楽しそうにやっていた競技だった。
今なら、やってみてもいいかもしれない。
ドイツでの私のお目付役を解かれて帰国していた草に連絡をとった。
滞在先のホテルの近くで、卓球をやっているところはないかと。
草はあっさり頷くと、地方大会が開かれている体育館に私を連れて行った。
中学生男子の大会で、スピードはドイツで見たものには到底及ばない。
ただ、横で草が解説してくれながら見ていたので、それなりに楽しむことができた。
いや、変わっていたのは私の心境だろう。
初戦からえらく大きいのと小さいのとが激突したり、何人か上手いと思う者がいた。
その中に、あのアキラの兄がいたことには、ついぞ気づかなかったけど。
ドイツにいたときには兄から逃げる手段でしか無かった卓球は、
兄から解放された今、とても面白そうなものに見えた。
草から借りたビデオカメラを回しながら、いつの間にか私ははしゃいでいた。
こんな風に笑えるなんて思っていなかった。
ただ、はしゃぎすぎたのかもしれない。
つい座席の背の上に立っていたら、コーヒーを持ってきてくれた草に注意された。
パンツが見える、と。
目眩がした。
日本に来て忘れかけていた恐怖が、ほんの一瞬だけ私の身体を拘束した。
気が付けば足を踏み外し、ひっくり返り、コーヒーを頭から被ってしまった。
……アイスコーヒーで良かった。
しかし、草が気を利かせて砂糖とミルクたっぷりだったので、髪の毛がべとべとだ。
転んでいる状態で被ったために服が濡れなかったのは不幸中の幸いだった。
さすがにコーヒーまみれでいるなど誇りが許さない。
体育館だからシャワー室はある。
運良く誰も使っていない時間帯だった。
コンタクトを外し、シャワーを浴びることにする。

そこでの出会いを、私は忘れない。

337 :
これは――
乙せざるをえない――――

338 :


339 :
保守

340 :
でも、このときに私がどんな思いでいたかだけは、決して話せない。
誰もいないと思っていたら、先客がいた。
一人だけなので、着替えがあったことに気づけなかっただけだろう。
いい人らしく、シャンプーを貸してくれるといってくれた。
カーテンを開けて姿を現したその子は、ショートカットで一瞬男の子にも見えた。
一瞬だけ呆然となったが、アキラの件で私はちゃんと反省していた。
こんなかわいい子が男の子のわけがない。
「ありがとう、使わせてもらうわ」
頭から砂糖とミルクたっぷりのコーヒーを被った私には有り難かった。
でも、肝心のその子はシャワーを止めて出て行ってしまう音が聞こえてきた。
ちょっと待ってよ。ローゼンベルク家の者にネコババさせないでほしい。
肩からタオルをひっかけただけの状態だけど、とりあえず追いかける。
その子の前で予備の眼鏡を掛けた。
・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
何か、立ってた。
暴虐的な兄のそれを知っているから、小さくて細くて頼りなさげだったけど、
その子の股間には、女の子には無いものが確かにそそり立っていた。
それから、今の自分の状況を思い出す。
肩からタオルをひっかけただけで、胸はほとんど丸出し、下は何一つ穿いていない。
見てしまった。
そして、全部見られてしまった。
兄以外の、男の子に。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「ちょ、ちょっ、ちょっっと黙ってえええっっ!!」
慌てて男の子が迫ってきて私の口を塞いだ。
「もがもがもがもがもがもがもがもがーーーーーーーーーー!」
「騒いだら人が来ちゃうよ……!静かにして……!」
人が来たら困るのはそっちじゃないのか。
女子シャワー室に男子が入り込んで女の子の口を塞いで拘束しているんだから。
思いっきり暴れてやるんだから。
「もがもがもがもがもがもがもが!!!」
「あーーーーーーーーもう!痴女じゃないなら黙ってよ!危ないから!」
「痴女言うなーーーーーーーっ!」
「マグナム!!」
看過できない侮蔑に思わず右拳が出て、痴女呼ばわりしてきた痴漢をぶっ飛ばす。
「あーーーん何よ何なのよこいつーー!!」
恥ずかしくて泣きたい心境、いや、もう泣きながらわめいていた。
もうどうしてくれよう。
「それはこっちが聞きたいよ」
顔面にマグナムを当てた痴漢がむっくり立ち上がってこちらを見てきた。
まだこっちは裸なのに!
「キャーこっち向くな!スケベ!変態!エロザル!」
制裁!制裁!制裁!
とはいえ、効いてないことはわかる。
別段鍛えたわけじゃない私の拳は、所詮だだっ子が振り回してるだけだ。
対して痴漢は、ぱっと見女の子みたいなのに、よく見ると細いなりに筋肉がしっかりついてる。
最初の一発は不意をついたから倒れただけで、あとは揺るぎもしなかった。
見切られていたのか、十発目くらいの拳を受け止められて、まじまじと見据えられる。
「あの……わかってる?ここ、男子シャワー室だよ?
 君が痴女でなければ、思いっきり間違えてると思うんだけど……」
へ?
えーと。
そういえば入るときに確認した覚えがない。
庶民のシャワー室になんて入ったことがなかったから、
そもそも男子シャワー室があるということを失念していた。
だとすると、だとすると、だとすると、人が来るのは、ものすごく、まずい。
顔から血の気が引いた。

341 :
なんかほのぼの路線w乙 完結も近い?

342 :
あまりエロでもないので申し訳ないのだがまとめサイトにエリス絵をあげさせてもらった。
トレス絵なので好きじゃない人は自衛頼みます。
サイトの編集よく分からないので至らんところがあれば指摘してもらえると嬉しい。

343 :
>>342
見てきた。ヨカタ

344 :
このスレにまだ絵師が残っていたとは……。
感涙した。
あと、wikiのヒット数みたらまだ同志がいたことがわかって嬉しい。

345 :
>>340>>342乙保守

346 :
保守
アク禁が多いらしいな。

347 :
保守

348 :
「あ……」
何かに気づいたのか、その子が扉の方を見た。
「まずい、隠れて……!」
有無を言わさぬ強い力で右腕を引っ張られた。
その先には、掃除用具を入れておくとおぼしきロッカーがあった。
隠れるって何、と問おうとしたところで、ようやくにして私も気が付いた。
がやがやとした声が近づいてきている。
確かに隠れないとすごくまずい。
幸いにロッカーの中はモップと箒が数本あるだけだが、人一人が入るのがやっとだ。
その中に私は無理矢理押し込まれて、
ばたん、と。
何故か、二人揃って入ったところでぱたんと扉が閉まり、間一髪、それから男子生徒ががやがやと入ってきた。
ばれなかっただろうかと、息をして隙間から外を窺っていると、幸いにも気づかれなかったようだ。
しかし、こちらに気づかない彼らは、私がここにいることを無視して、
……次々と服を脱ぎ始めた。
シャワー室に繋がる更衣室なんだから仕方がないのだけど、せめて隠してくれないだろうか。
次々と私の眼前にさらけ出される男性器男性器男性器……。
それも、試合の後で闘争心がたぎっていたのか、彼らの半分くらいはいきりたっていた。
それに調子づいてか、どこそこの中学校のマネージャーがいいとか、
女子部の誰の胸がいいとか、いつ彼女とやっただとか、聞くに堪えない会話が飛び交っていた。
こんな野獣どもに、私がここにいることを知られたらどうなるか……想像するだに恐ろしかった。
同時に、この男の子に救われたことを悟った。
それは有り難いことだったのだけど、
「何でアンタまで入ってんのさ」
外に声が漏れないように、声帯を震わせずに口の中だけで問いつめる。
「いや、つられて」
ばつの悪そうな返答が返ってきた。
どうやら本当らしいが、はっきり言ってせまい。
狭いロッカーの中で、私はその子とかなりの部分が密着していた。
それだけでなく、背中に箒の柄が当たったりしていてかなり痛い。
身じろぎして少しでもスペースを確保しようとする。
合わせてその子も動いたのだけど、
「やだ!どこ触ってんのよ」
危うく大声を上げるところをなんとか理性で押しした。
その子の手が、私の太股の付け根スレスレのところに押し当てられたのだ。
肝心要のところまで、3センチと離れていない。
意図したものではなかったのか、その子は慌てて身体を捻った。
そしたら今度は……
「ちょっと、押しつけないで!!」
小さいながらも立ち上がったままのその子の股間の先端が、
バスタオル越しながら私の臍のすぐ下に当たることになった。
不思議と、犯されるというおそれは感じなかった。
それでも看過できる体勢じゃないので、
自由になる左手をその子の身体に押しつけて身体を少しでも離そうとした。
「痛たたっ」
よく見ると、その子の後ろにモップがあって、思い切り肩に当たってた。
謝ろうとしたところで、
「………………僕、もう出る」
その子が恐ろしい一言を言い放った。
「…馬ッ!!そんなコトしたら私まで見つかるじゃないの!!」
見つかったらそのまま、あれだけの人数の男子生徒に輪姦されて……それは私にとって刑宣告に等しかった。
「そうだよ」
その子は冷静に言った。
「それが嫌なら、少し大人しくしてて」
どうやら衝動的に外に出るつもりはなく、私に対する脅しだったらしい。
それが私を守るために採った最善の行動であることは、癪だけど、認めざるを得なかった。
私は大人しく、身体を離そうとすることを諦めた。
バスタオル越しに、その子と身体が密着する。
気が付けば胸を彼の背中に押し当てていて、ぬくもりが伝わってきた。

349 :
こんな暖かい感触は知らない。感じた覚えがない。
触れているところだけじゃなくて、血液が流れ込んでくるみたいに心臓が熱い。
その熱が甘くて、頭をとろかしそうになる。
気が付けばその子に体重を預けて、もっと密着していた。
自分で自分がわからない。自分で自分が止められない。
意識せずにその子にしがみつこうとしていた自分の手が、信じられない。
「あ゛ーーーん、何よ何なのよこれーーーー」
「それはこっちが聞きたいよ」
胸も太股も密着しているというのに、その子の声は憎らしいくらいに冷静だった。
ちっちゃくて、女の子みたいな顔なのに、女の子の裸を見慣れているのか、
女の子と遊ぶのに慣れているんだろうか。
後ろからはその表情をうかがい知ることはできなかったけど、
その子の背中に守られているような気がして、不思議と不安は無かった。
しばらく待っていると、騒がしい男子生徒たちはシャワーを終えて出て行った。
人の波の隙間に入ったのか、更衣室には誰もいなくなった。
「まだここに入っていて」
「え?」
すっと、自然体でその子が扉を開けた。
離れていく背中に思わずすがりつきそうになり、言われたことの意味を察して危うく留まった。
その子は手短に下着とユニフォームを着ると、素早い動きでさっと出て行って、
それからすぐに戻ってきた。
「いまのうち。しばらく誰も来そうにないから、急いで服着て!」
「あ……あ……」
「早く!」
いろんなコトにびっくりした。
その子の鬼気迫る表情にも、そうして必でいてくれることにも、
そして、命令されたというのに、少しも嫌でなかったことにも。
弾かれたようにロッカーから出て、その子に言われた通り急いで服を着る。
バスタオルを纏っていたおかげで濡れていなかったのが幸いして、普段の三倍の速さで終わった。
着終わった後で、バスタオルを外した際にまた全裸を見られて、
その上下着姿まで見られて、もうどうにもならなくなったことに気づいたが、後の祭りだった。
……結局、三度全裸を見られたことになる。
「急いで!」
改めて文句を言いたくなったところで、機先を制するようにその子に手を引かれた。
そうだった。ここはまだ男子更衣室の中だった。
このままここにいたら、それこそ痴女扱いを免れない。
引く手の力強さに耐えきれず転びそうになりながら、それでもその手を離せずに、
なんとか男子更衣室を脱出した。
「あ……!」
と、そこでいきなりその子が立ち止まったので、その背中に思いっきりぶつかった。
その目の前には人がいて……見られた!?
「逃げるよ!」
「え!?え!?」
「あれ?お嬢?」
慌てて走り出そうとした彼について行こうとしたところで、聞き覚えのありすぎる声が私の足を止めた。
「草……」
「帰りが遅いから気になって見に来たんですが……なんで男子更衣室から出てくるんですか、あなたは」
草は驚くでもなく、盛大に呆れたというため息を深々とついた。
「さて、済みませんがちょっと同行してもらえますかね。更衣室の前で騒ぐのもよくないので」
草は苦笑しながら彼を促した。

350 :
そんなわけで、観客席に場を移して草の事情聴取が始まったのだけど。
男の子の説明は基本的には言い訳っぽくなく、
好感が持てなくも無いかも知れないこともなきにしもあらずだった。
とはいえ、それで私の気が収まるわけもない。
「っちゃって草次郎!!」
とけしかけたら、草はよりにもよって
「すいませんっ!!」
と頭を下げてしまった。えーーー。
「いやー本当御迷惑おかけしました。
 うちのお嬢そそっかしくて」
何、そのうちの不肖の娘扱い。
「ちょ…何で謝ってんのよ草次郎!」
「冷静になって考えて下さい」
ため息とともに草が理路整然と事実を抽出する。
「お嬢が男湯に間違って入って、彼が先に入っていて、
 人が来たのでロッカーの中に隠して貰った」
……わかっている。
そんなことくらいは、わかっている。
彼に助けられたことくらいは、十二分にわかっている。
でも、それを認めるわけにはいかない。
貴族として、借りは対等以上のものを以て返さなければならない。
命の借りは命で返さなければならない。
純潔の借りは純潔を捧げねばならない。
この子に助けられたことを認めるということは、
……私はこの子に、純潔を捧げねばならないのだった。
助けられたことが、歴然たる事実であっても、
やっと兄から逃げてきたこの日本で、見も知らぬ男の子に純潔を捧げるなんてことは、
どうあっても、出来ないことだった。
だから私は嘘を付いた。
自分の心に嘘を付いた。
その子に、言い尽くせないほどの感謝の念を抱いていたことがわかっていても。
「ほら、私は悪くない」
そう、言い切るしか私には選択肢が無かった。
彼と草の目がまん丸になって魂が抜ける。
う、そう責めないで欲しい。私が悪いことくらいはわかってる。
それでも、心と裏腹に怒ったふりをして取り繕う。
「大体アンタ私の裸を三回も見てるのよ!?
 その間そこが男湯ってことを言わないで!」
えっと……男湯だって言われるまで三回でよかったかしら。
その後密着していた時間帯まで含めるともう何回と言っていいのかわからない。
「あ……あれは驚いてて……」
威圧すると男の子は慌てふためいて腰が引けていた。
多分、すごくいい子なんだと思う。
情けない話だけど、今はその子の優しさにつけ込むしか無かった。
無茶を承知であれこれと文句を付けていると、
そのうちその子は視線を逸らした。
「ちょっと聞いてんの!?こっち見なさいよ!」
そう叫びながら、しかしその子の視線が外れたことで、私は再び冷静になった。
そもそものいきさつから考えれば……やっぱり、いや、でも
「あたしの裸を三回も……じっくり……ねっぷり……」
ああ、駄目だ。思い返しても恥ずかしくてもう、
「記憶を失えーーーーーーーーーーーッ!」
自分でも照れ隠し以外の何物でもないとわかっているファントムをぶつけて、
私はその場からとにかく逃げ出した。
……あとでこってり草に怒られた。

351 :
その後の、お姉様との出会いは私にとって救いだった。
怪物面程度の輩に少々肌の一部を見られたくらい、
名前をヒロムというあの子と裸で密着したことを思えばもうなんともないと開き直れたけど、
その場をあまりにも鮮やかに解決したお姉様に、私は心底惚れ込んだ。
まさか同い年で、しかもヒロムの保護者とは思わなかったけど、
それもまた縁というものなのかもしれない。
それで救われたと思ったのに、その激動の日はまだ終わらなかった。
草が気を遣って、とんでもないことをやってくれたのだ。
まさかまさかまさか、アキラを呼んでくるなんて!
ブラコンのアイツの顔を見ただけで、日本に来て忘れようとしていた
兄の顔が頭の中に蘇ってきた。
アキラを案内する草をほっぽり出して、私はすぐトイレに駆け込んで吐いた。
弄ばれた感覚が蘇ってきて、全身に虫が這いずるような不快感がのしかかり、
意識が遠くなりかけた。
でもそのときに、ヒロムと密着していた箇所が熱くなった。
私を守ってくれたあの感触が、私を支えてくれた。
そのときに、自覚しなかったといえば嘘になる。
わずか数時間前に会っただけのヒロムに、私は惚れていた。
気を取り直してトイレから出て、なんとかヒロムの試合に間に合ったのは僥倖だった。
ありえないレベル差をひっくり返したと素人目にも解る大激戦の最中、
私は、思わずヒロムを応援しようとする声を出さずにいるのに苦労した。
大会が終わって、すぐに決めた。
日本に定住する。
ドイツから遠く離れたこの国なら、もう兄に悩まされることもない。
幸い、ドイツ校として提携していた日本の六花には編入制度があった。
編入試験はあるが、理科と数学、英語、世界史についてはまったく問題は無い。
問題は日本語と日本史、日本地理だったけど、これらについても
無様な点を取るなど誇りが許さなかった。
編入試験を一月後に設定して貰い、徹底的に勉強した。
そして編入試験の日の昼時。
私はここまで日本語、数学、社会の三教科を全て満点確実としていた。
誇りを満足させる事実とともに、合格後の状況を夢みて私は笑っていた。
六花の卓球部のマネージャーになれば、周辺の学校の卓球部と交流する機会はいくらでもある。
ヒロムに会うのは容易になるだろうし、お姉様にもすぐ会えるようになるだろう。
鼻歌でも歌ってしまいそうな心境で、背中には翼が生えたようにさえ思っていた。
午後の試験に向けて、教室に戻ろうかと軽やかに身体を翻したその時、
そこに、再び信じられないものを見た。
――いけない小鳥だな、飼い主から逃げようとするなんて――
どうして。どうして、―――が、ここにいるの。
いるはずがない。来るはずがない。いていいはずがない。
未だに三国同盟は失敗だったと公言し、東方の小国など汚らわしいと見下していた―――が、
どうして、どうして、当たり前のような顔をして、ここにいるというの!!??
――どうしたんだい。ああ、可愛い俺の小鳥のためなら、世界どこへだって行くよ。
 俺も明日ここの編入試験を受ける予定なんだ。
 お前に悪い虫が付かないようにしないといけないからね。
 ああ、ローゼンベルクの名に賭けて、恥ずかしい成績は取らないようにするんだよ――
半ば夢うつつで、それでも始まった午後からの試験では、動揺しながらも誇りに賭けて満点を取る内容を書いた。
だが、一つだけ書けなかったものがある。
手が震えて、恐ろしくて、名前が書けなかったのだ。
兄に再会して、再び鎖であることを自覚したローゼンベルクの姓を、どうしても書けなかったのだ。
結果、落ちた。
翌日に編入試験のあった兄は、当然のように満点で六花に編入した。
そう、私が兄を追いかけてきたというのは嘘。
本当は、兄が、私を追いかけてきたのだ。

352 :
大量更新お疲れ様です。
続き楽しみにしてます。

353 :
「名前未記入で不合格」というネタを拾うとか凄いな
乙です

354 :


355 :
しゅ

356 :
ho

357 :
shu

358 :
保守

359 :
圧縮が近いらしいな。ほしゅ

360 :
圧縮回避あげ

361 :
ここ最近行ってるんだけど、けっこう
いい感じです^^。
http://dancingflower.net/aab/
自分的には左の子が理想です。

362 :
期待保守

363 :
保守。しばらくスレスレだな。更新マダー

364 :
保守

365 :
保守

366 :
待ってる

367 :
私が名前を書かずに落ちたと知った兄はどう思ったか、それはしばらく知る機会がなかった。
意図したわけではないが、一時的にしろ私は兄の手から逃れることができたのだけど、
これからどうしようかと、途方に暮れた。
なにしろ六花の寮に入るつもりだったから、暮らすあても無かった。
ホテル住まいは慣れていたし、学校になど行ってもしょうがないのだけれど、
何もすることが無く、無為に過ごすしかない日々の連続は、三日で拷問と化した。
兄はそれで私が音を上げると思ったのだろう。
確かにそんな生活は私にとって我慢ならないものだった。
すがりつくような思いで、……気が付けばヒロムの学校に足を向けていた。
こっそりと学校に忍び込み、卓球部の練習を覗き見た。
小さな白球を追いかけるヒロムの目はこの上なく真剣で、何物も近寄せない雰囲気があった。
それを前にして、助けて欲しいなんて言えなかった。
ここまで来て何をしに来たのかと、途方に暮れながら帰ろうとしたとき、
目の前に、お姉様がいた。
そういえばヒロムと同じ学校だったことを失念していたくらいその時の私は参っていたのだろう。
私の顔を見て即座に顔色を変えたお姉様は、私を無理矢理喫茶店に引きずり込み、私の心を溶かしながら尋ねてくれた。
もちろん兄に関する全てを話せるわけではなかったけど、入るつもりだった六花を不合格になって
途方に暮れているあたりのことは、恥も忘れて白状していた。
「よしわかった。私にまかせなさい」
お姉様の回答は、以前私を救ってくれた快刀乱麻な拳と同じように、明快極まるものだった。
その言葉で私は、自分が救われることを疑いなく信じることができた。
何をどうやったのかは詳しくはわからない。
お姉様の父上は、この地方ではそれなりに力のある人物らしいということはうっすらとわかった。
無茶にもほどがあるが、それをしてしまうのがお姉様の素晴らしさなのだろう。
とにかく、五日後には私は、お姉様の家の一室を下宿して住民票を取得し、久勢北の転校生になっていた。
……ヒロムと同じクラスになったことは、どう判断していいものか悩んだけど。
どんな顔をして会えばいいかわからなかったので、いつもの虚勢を張った。
「あんたたちをスパイするためよ!」
そうとでも言わなければ、ヒロムに泣きついていたから。
でも、これは私にとって最大の失敗だったと言うしかない。
私はヒロムに対して、素直に礼を言う機会を逸してしまった。
久瀬北卓球部のマネージャーになり、ヒロムの傍にいることができるようになったのに、
いつもいつも、ヒロムに対しては敵意のような言葉しか出てこない。
ヒロムもヒロムだ。
私が間違っているのだから、正々堂々と非難してくれれば、私が謝る機会もあったろうに。
……わかっている。全ては自分の我が儘と失敗だって。
ただそれでも、私にとって久瀬北での生活は平穏で、幸福に満ちたものだった。
顔を付き合わせているとき以外は、ヒロムを見る機会はいつでもあった。
真剣にボールを追いかけるヒロムの横顔を見ていた時間の総合計はいくらになるだろう。
授業は時折教師をからかう程度の意味しかない時間ではあったが、
ヒロムと同じクラスで過ごすことができる時間であり、
席がヒロムの後ろになった月はいくらでもヒロムを眺めていることができた。
そんな中でも忘れがたい出来事がいくつもあった。
卓球部の中の、頭の出来に問題のある連中を掻き集めて定期テスト前の家庭教師をやったときには、珍しくヒロムに感謝されもした。
お姉様を訪ねてきたヒロムに、間違ってシャワー後の裸をもう一度見られたりもした。
生まれて初めてバレンタインチョコを作ったのに結局手渡すことができず、
お姉様の温情でこっそりお姉様のチョコの中に紛れ込ませてもらって、
一つであってもヒロムに食べてもらえたときの幸福を何にたとえよう。
そのころには、一日の終わりが来るたびにヒロムのことを考えながら慰めに耽るのが日課になっていた。
私は忘れそうになっていた。
暴君が、いつでも私を奪取できるところにいることを。
いや、忘れようとしていた。
そんなことをしても事態が解決するはずもないのに。
暴君は待っていたのだ。
私の希望を育てあげて、それを無惨に手折る瞬間を。

368 :
おお来てたのか乙
じわりじわり嫌な感じが迫ってきてるなw

369 :
保守

370 :
乙です
乙女と同居で悶えにかけたw

371 :
保守

372 :
保守

373 :
いつもありがとう

374 :
保守

375 :


376 :
平穏が破られる時は必然として訪れた。
翌年度の県大会。
兄と私が入った後、六花と久瀬北が初めて対戦することになる舞台だった。
何かが起きないはずがないのに、私はなお現実から逃げ続けていた。
その代償は安くなかった。
「エリス」
会場に入った直後、稲妻で打ったかのように身体を硬直させる声が私を呼び止め、
次の瞬間、私の唇は公衆の面前で奪われていた。
お姉様の前で。
……よりにもよって、ヒロムの目の前で。
たっぷりと吸い上げられ、暴力的に差し込まれた舌が私の口の中をおぞましくも蹂躙する。
それを見た会場中の大騒ぎなど衆愚の拍手にしか聞こえていないのだろう。
そんな中で晒し者にされながら、私の下半身は悲しいことに、兄のことを忘れていなかった。
治りかけた薬物中毒患者が猛毒を注入されたようなものだ。
瞬時にして、玩具として弄ばれた城での記憶が脳裏から溢れ出て、身体全体に火がついたように熱くなる。
全身を撫でる指の感触の記憶、這いずり回る舌の感触の記憶、骨まで見通しそうな視線の感触の記憶。
おぞましいけがらわしいみにくいきたないはなせさわるなよるなちかよるな!!
ドイツ語ではなく日本語で、ありったけの嫌悪の念を頭の中で募らせても、身体は兄の手を振り払ってくれなかった。
久々に間近で嗅がされる兄の体臭は媚薬にも似ていて、スパッツの中はあっという間にぐしゃぐしゃに濡れてしまった。
城にいたときでさえこんなに反応しなかったのに、私の身体は飢えていたかのように反応していた。
それが城の中ならばまだいい。よくはないが、それでも我慢できた。
だけど今は、久瀬北で一年間過ごしてきた私の立場があった。
天才美少女マネージャーとして、久瀬北の面々と過ごしてきた時間があった。
失いたくない、今の私の立場があった。
お姉様とともに、ヒロムの傍で築き上げてきた今の私の立っていたい場所が。
山雀先輩の持ち込んだエロ本とエロビデオを怒りにまかせて焼却した
清純なはずのエリスという少女が、
実は娼婦にも劣る奴隷のような玩具の肉体の持ち主だと知られたら、
どうしようどうしようどうしよう……!
何よりも、ヒロムに、今濡れていることが知られたら、どうしよう……!
それでようやく私は、この一年、どうして兄が私を放置していたのかを理解した。
だからといって私の身体を離してはくれなかったが。
こんな現実離れした光景ながら、既に兄の名は轟いていた上に、
私と兄が兄妹だということは知られていたためか、誰も止めようとしない。
ドイツ人がみんなこんな変態だと思わないで欲しい。
「ここは日本だ、自重しろ、ハインリヒ」
もう一つ、聞き慣れない声のドイツ語が横から掛けられて、
そちらに興味が向いた兄はようやくにして唇を離した。
そこにいたのは、どこかで見覚えのある長身の西洋人の男だった。
しかし、どこで見たのか思い出せない。
何かいやな記憶と結びついているような……
「サシャ・クリングバイルか、気にするな、ただの妹との挨拶だ」
思い出した。
ドイツでアキラ……ああ、こんな奴の顔も名前も思い出したくない……につきまとっていた
長身のむっつり男が確かそんな名前だった。
ということは、こいつはドイツでの私と兄を知っているということ。
面識がなかったとしても、そもそも兄は有名人で、私もVIP扱いされていたから
知られていたとしても何ら不思議は無い。
だけど、どこまで知られているのか、は考えるだに恐ろしかった。

377 :
ドイツ男ロクでもねえw乙

378 :

キスしかしてないのにエロいw

379 :


380 :
乙!

381 :
保守

382 :
保守

383 :
age

384 :
「ようやく会えたな、俺の可愛い小鳥」
ドイツ語だったので、小鳥呼ばわりされた事実をヒロムに知られずに済んだのは
最悪の不幸中のほんの僅かな幸いだった。
しかし次の瞬間、私は心臓が凍るかと思った。
「……エリスは、嫌がってます。離して下さい」
意を決したようなその声は、ヒロムのものだった。
どうして、わかるの?
どうして、私がそうだって、疑いもせずに言えるの?
その感触は途方もなく暖かくて、だからこそ私はヒロムを止めなければならなかった。
対戦相手を打ち砕くことを躊躇するはずがない兄の前に立ちはだかれば、
ヒロムがタダで済むはずがない。
しかし、苦しいほどに強く腰に回された右腕一つで、私は籠の中に囚われたも同然で、
身体はおろか喉さえ動いてくれなかった。
その手が、不意にほどけた。直後に嵐のようなものが吹き抜けていった。
「俺に触るな、ニーベルング風情が」
鋭く発せられた兄のドイツ語から、なんとなく事態が推察された。
ニーベルングとは北欧神話に登場する小人族のことだ。
兄にはチビのヒロムが小人に見えたに違いない。
ヒロムが、私を拘束していた兄の手に触れて、兄がそれを振り払ったのだ。
おかげで私は兄の手から離れることができたのだが、
ヒロムの立ち位置は先ほどからわずかに後退していて、左の頬に微かな腫れがあった。
ヒロムの動体視力の良さは知っていたが、よくかわせたものだ。
格闘技をさせても一級の兄の攻撃を、まがりなりにもよけるなど。
案の定、兄はかわされたことが意外であり、心外だという表情をしていた。
「うちのちびっこ二人に公衆の面前で変なことせんでもらえますかねえ、お兄さん」
さらに横から割って入った声に、私は再度愕然となった。
今のドイツ語を喋ったのは……遊部だった。
彼がどの程度話せるかはともかく、ある程度ドイツ語を理解していて、
先の兄の言葉を理解されてしまったことだけは、確かなようだ。
そういえば遊部はアキラと親交があったとか言っていたが、その関係か。
「評判通りの暴君ぶりだな、ハインリヒ」
こちらは日本語で、川末が、ヒロムと私をかばうように兄の前に立ちはだかった。
妹がドイツに行っていたのだから、川末の方がドイツ語をよく憶えているはずだけど、
こちらはわざと日本語で喋ったのかも知れない。
遊部がドイツ語で喋って注意をひきつけ、喧嘩となったら自分のリングに引っ張るつもりなのかと思った。
「フン、子供の躾もなっていないのに偉そうな親鳥どもだな」
もっとも、兄は既に日本語をネイティブに近いレベルで話していたけれど。
「身の程を教えてやろう。雛ではなく、親鳥どもにな」
その自信に満ちた言葉は、絶対的な実力に裏打ちされたものだった。
大会の会場である体育館には、試合用の卓球台だけでなく、練習用や調整用の卓もある。
兄はそこに遊部と川末を連れてくると、とんでもないことを言い放った。
「二人同時に相手してやろう。王者に楯突いたことの愚かさをその魂に刻んでくれる」
これを日本語で告げるのだから、恐ろしい。
「ふざけんな根暗ワカメ!破王の二人を同時になんてできるわけねーだろ!」
山雀先輩が言ったワカメというのは、兄の髪の毛のことらしい。
こんな状況だというのに、私は思わず吹き出しそうになってしまった。
さすがに兄の眉がぴくりと動いたのを見て、私は初めて山雀先輩に感謝した。
「……つくづく雛の躾がなっていないな」
「いや、山雀はウチらと同い年やねんけどなー」
気軽に応えつつ、遊部はどうやら受けるつもりのようだ。
「おい、本気でこんな無茶な話を受ける気か」
「ええんとちゃうか。川末ちゃんも、本戦の前にアイツの実力を見てみたいやろ」

385 :
久しぶりに投下来てたー!乙です!

386 :

シリアス大長編だな

387 :
乙です。
保守

388 :
ほすー

389 :
ほっ

390 :
乙女がヒロムのアナルを責める夢を見た。

391 :
投稿したいが時間がない…うーむ
ネタはできたんだがねえ(ヒロム×乙女)

392 :
>>391
時間のあるときでおk
俺は待ち続けるよ

393 :
キャラ板のアキラスレ落ちてた(´・ω・`)

394 :
懐かし漫画のスレも落ちてるし
残るはこことヒロムスレだけか(´・ω・`)

395 :
キャラネタ、オナテク、FLASHのスレが残ってる

396 :
そんだけ残ってることにおどろいた。
しゅーや人気を知らなかったので驚いた。

397 :
海の日

398 :
強いということは知っていた。
その強さを知っていたはずだった。
でも、今の私が知っている、底なしの強さを持っている川末と遊部の二人を同時に相手にして、
「こいつは……」
「洒落にならんわ……」
10−1って……。ありえない。
遊部が時折手を抜いて自分にプレッシャーを掛けることはあるけど、
今の遊部の表情はそういうものじゃない。
普段ダブルスに慣れていない二人の隙を突いたとか、そんなレベルじゃない。
かといって、何かとてつもない魔術を使ったわけでもない。
ただただ、スピード、パワー、テクニックのいずれもが、あり得ないレベルで高すぎる。
卓の縁スレスレをわずかにかすめる絶妙のコースに、
常人どころかトッププレイヤーでさえ目で追えるかどうかという超高速で、
白球が弾丸のように突き刺さる。
それを、サーブ時だけではなく、どんな体勢からの返しでも。
勝てるわけが、ない。
わずかに一点、奇跡的にうまく行った川末の返しが完全に逆サイドに決まったのが
唯一の失点だった。
「一点、取れただけでも凡夫としては過ぎる戦果だと一応誉めて遣わそう。
 だが、これで終わりにしてやろう」
そう言って、おそらくは人類最速であろうサーブが繰り出されようとしたとき、
「ハインリヒ!何をしている!」
空を裂く声が練習場に響き渡った。
見れば、六花のジャージを着た面子を従えて、
多分六花の監督らしき男が入ってきていた。
「何と言われても、見てわからないか、監督」
「……なるほど。遊部くん、川末くんも、怪我はないか」
その監督は兄の心配をする、などという愚行は犯さず、むしろ対戦相手の二人を心配した。
どうやら兄のことをよくわかっているらしい。
あの兄が他人の介入でサーブを止めるなんて珍しいと思ったが、
どうやら兄が指揮下に収まることを承服する程度の、――それは多分かなりのものだ――
実力者だということなんだと思う。
……そんな人を眞白が複雑な顔で睨んでるのは、なんでかわからないけど。
「いやー、すんませんな監督さん。おかげで負けずに済みましたわ」
「私も怪我はありません。ご心配には及びません」
はあ、と六花の監督(らしき人)はため息をついた。
「ハインリヒ、久勢北とは本戦で当たるはずだ。それまで自重しなさい」
「その気力が残っていればいいがな。命拾いをしたことがわかったのは誇ってよいぞ、凡夫」
兄は最後に私を笑顔の視線で射すくめてから、颯爽とその場から出て行った。
監督(らしき人)もこちらに一礼した後、六花の面子を従えて出て行った。
「まあ、大体どういう程度の実力かはわかったかな。
 ところで。どうや、ヒロムちゃん。見えたか?」
振り向いてヒロムを見た瞬間、背筋に寒気が走った。
ヒロムは、私が今まで見たことが無い険しい表情で、兄の動いていた卓の向こう側を見つめ続けていた。
確かこういう顔を、鬼気迫る、というんだ。
それが、兄のプレイスタイルを目に焼き付けていたのだと、後になって気づいた。
この大会の途中経過なんて私にとって些末なことだった。
心配していたのはただ一点。誰が、六花戦で兄と当たるのか。
兄はここまですべて大将で出ていた。
うちで順当に考えれば、遊部か川末になる。
しかし、あの実力差を見た後では、監督を含めて誰もが悩んだ。
そして、私はもっと別の心配をしていた。
本気になった兄と戦えば、たとえ卓球であってもただでは済まない。
空間全てを支配するようにして罠にかけ、テニスで相手を再起不能にしたこともあるのだ。
「まあでも、絶対無敵ではないわな」
わずかに1ポイントだが、川末の取ったポイントにはつけ込む点があると遊部は言った。
結果、大将に川末を当てることになった。
アキラと違って、川末自身は嫌いじゃないから心配になった。
しかし、両チームのオーダーが明らかになったとき、会場にどよめきが走った。

399 :
乙です
いつもありがとう

400 :


401 :
> テニスで相手を再起不能にしたこともあるのだ。
やっぱり108式まであったり恐竜が絶滅したりするんですか?

402 :
予告:8月14日に投下します

403 :
待ってるよ

404 :
保守age!そして>>402に激しく期待!

405 :
402のものですがimepitaかなんかで
挿し絵入れるのはアリなのかなあ……(^_^;)

406 :
>>405
存分にやり給って下さいませ

407 :
>>406
わかりやした。まあ挿し絵といっても
状況の補足表現的なものにとどめていこうと思う

408 :
保守+>>402に期待age!

409 :
いやはやそれにしても過疎ですなあ…^^;

410 :
ふふっ

411 :
経過報告:半分ちょいすぎぐらい出来ました。
完成はかなり長いです。覚悟してください

412 :
覚悟…完!了!
いつでも来い!!

…完成したら来てくださいね

413 :
保守age!…って誰でもいいから
コメントでもなんでもいいから書いてやってくれw

414 :
通りすがりに保守

415 :
保守保守

416 :
まだカナー

417 :
>>416
あと5日待ってみよー

418 :
wktkしながら保守

419 :
保守的age行為

420 :
どうも〜>>402でーす。やっと完成したので
まずはイントロを投下します
本編は明日までのお楽しみってことで
まあ突っ込みたいトコはあるとは思いますが
それに関しては気にしないで下さい…
あと壮絶に長いです。
では、投下
今日は藍川ヒロムの部活がない日である。
今日は両親も仕事で家にいないし一人でのんびりくつろげる…はずだった
「そういえばヒロム、今日親いないんだっけ?」
平穏を崩すが如くヒロムの幼なじみ早乙女乙女が現れる。
幼なじみといっても体格差がかなり激しく
お互い12歳にして彼女はスタイル抜群(特に巨乳)、かたや彼は幼児体型
姉弟どころか親子にすら間違われることもザラである…
「じゃあ今日はヒロムがあたしを泊めてよ。ほら、今まであたしが
ヒロムを泊めてやったじゃん?」
「う、うんいいよ…乙女ちゃん…」
やや恩着せがましい幼なじみの要求をヒロムはのむことにした。
というのも職業いじめっ娘と揶揄され恐れられている乙女の要求を
断ったら後が怖いからだ。よって彼に断るという選択肢はなかった。
乙女の所属する水泳部が終わるまでの間ヒロムは懸命に家を掃除しまくった。
そして午後6時…
「たっだいま〜♪」
「ただいま…ってここは僕のうちでしょ…(-.-;)」
普段着に着替えた乙女がヒロムのうちに帰って(?)きた。
夕食は乙女が手料理を披露する。
食事中肉ばかり食べる肉食獣のようなヒロムを見た乙女が
「こらこら野菜も食べろヒロム」
「ぶごご…乙゛女゛ぢゃ゛ん゛…や゛べで〜〜!!!」
サラダと野菜の煮物をムリヤリヒロムの口に詰め込んどく。
ジュースを飲んだ次の瞬間、ヒロムは強烈な眠気に襲われそのままトロンと
深い眠りについた…

421 :
しばらくしてヒロムは目を覚ます…覚ましたはいいがなぜか体がぴりぴり
痺れて動けない。そこへ幼なじみの少女が近づいていく
「…!お…乙女ちゃん!?」
動けなくともヒロムは話すことはできるようだ
「ふふ…闇取引で買った痺れ薬の味はどう、ヒロム?」
「…え?」
ヒロムは痺れ薬で動きを封じられてしまったようだ!
そのくせ喋ることはできるとはなんて都合のいい薬なんだ
とヒロムは思った。
「ヒロム、いくわよ…!」
やや加虐的な笑みを浮かべた彼女は
ヒロムの上着とズボンを脱がし半袖と白ブリーフのみ着けた格好にする
「やっ…!ちょ…なにするの?!ってひゃあっ!!」
ヒロムが戸惑っているうちに乙女も服を脱ぎ始める!
無論薬のせいで体を背けることも目を瞑ることもままならない
ヒロムの視界にさらされながら乙女は上着のボタンをひとつずつ
外したあと上着を脱ぎ捨て靴下をゆっくり脱いでいって
半袖に手をかけ脱ぎ捨てたらジーンズのチャックを下ろして
するりと脱ぎおろし乙女はとてもヒロムと同い年とは思えぬ
見事な下着姿を動けぬヒロムの目に魅せつける!
肩紐のない白いハーフカップのブラに包まれた豊かなおっぱいと
同じく白いスキャンティに包まれたすっきりしたヒップと魅惑的な股間が
ヒロムの視界に入ってきた…〜つづく〜

422 :
では、本編投下いきます!
下着姿になった乙女が人差し指でヒロムの体に絶妙タッチを加える…
「うくっ……」
「へへ、あの薬は媚薬作用も含まれてるのよ♪だからちょっと触れただけでもスゴいでしょ!」
そう!ヒロムの体はいつもより相当敏感になっていた!
かといって今のヒロムは動けない…ただ乙女の攻撃を
受け続けることしかできなかった
腕から肩にかけて…首から背中にかけて…足の裏から鎖骨にかけて…
つーっと乙女の指が駆け抜けていく…
「あ…はふ……ひゃあっ」
「しししっヒロム、可愛い♪」
感じてるヒロムに乙女が悪戯な笑みを浮かべて耳たぶに話しかける
暫く愛撫すると乙女はヒロムの半袖を脱がしパンツ一丁にしてしまった
そうすると乙女はまたヒロムに愛撫を加えていく…
腕から胸部にかけて例の絶妙タッチで指を滑らせて
片胸に指が着くと渦を描くかのようにヒロムの乳首に接近していく…
「ふぁ…あぁん、乙女ちゃあん……」
乳首に触れた瞬間顔を紅潮させたヒロムはピクリと体を痙攣させ
甘えるように声を漏らす。
パンツ越しながらもヒロムの陰茎は勃起し始め
乙女がヒロムの乳首をつまみつつき舐めて吸ってみた頃には
勃起した陰茎でパンツにテントを張っていた

423 :
それでも乙女は容赦なくヒロムのもう片方の胸もさっきと同じ遠巻きな方法で愛撫する
乙女の手のひらがヒロムの両胸を揉みほぐし、指で乳首を愛撫しまくる
耳を甘かみしたあと乙女もブラを外しパンツ一丁になる
暫く両手ですっぽり手ブラしたあと片方ずつ手をはずしヒロムに乳首を見せる
「あ…乙女…ちゃん……わひっ?!
い、いったいなぜこんなことを…?」
自分の乳房を解放するなり乙女はヒロムの脇の下から乳首に近づくように
もう片方の手で足の裏から太ももにかけて股間に近づくように愛撫を行う
「あっ、…くーっ」
ヒロムは益々顔を紅潮させ、テントもより大きく張っていく…
「なぜこんなことをするかですって?」
乙女はまたもや悪戯な笑みを浮かべる
上半身を愛撫していた手は乳首にたどり着くなりまた摘んだり撫でたりするも
下半身を愛撫していた手は股間を素通りしてへそを手のひらでなで始めた
「決まってるじゃない、あたしのヒロムを誰にも渡したくないからよ」
ヒロムはその言葉に一瞬ドキッとしたがそう思うのも束の間
乙女は愛撫する手を入れ替えまた先程と同じ方法でそれぞれ逆の手かつ
逆側の箇所に愛撫を加えていく
しかし肝心な場所はまだ触られていない

424 :
「は…かくっ……ふぅっ…」
ここまで愛撫されたらヒロムも我慢はできなくなるもの。
それを証拠に唯一残されたブリーフは先走り汁が染みでている
それでもヒロムはまだ動けない…しかし
「ヒロムももう限界かな?」
乙女がそういうなりヒロムを裏返しブリーフに手をかける。
やっと脱がせられるのかとヒロムは思ったが答えは違いブリーフをお尻の溝に
食い込ませたのであった…
今度は食い込ませた事により剥き出しになった柔らかなヒロムの尻を手のひらで撫でる
「ひ…ひゃうう…お、乙女ちゃんやめてぇ……」
ヒロムは涙目で乙女に訴えるも
それは逆に乙女を刺激してしまうこととなる
「やめてと言われるとますますやりたくなっちゃうのが人のサガよねー」
軽い口調で乙女がそういうとパンツ越しにヒロムのお尻の穴を指でツンツン
つついてみる
ヒロムの陰茎はもうビクビク震えているが肝心な愛撫をされてないため
まだ例の領域に達することができない
しかしそう思った直後に乙女は
ヒロムを表側に戻して片手で金玉を揉みほぐしだし
パンツ越しにヒロムの陰茎を指で滑らした
「はあはあ…いく、逝っちゃうよお…」
「おっと、まだ逝かせないわよ今のところはねー♪」

425 :
その後乙女がヒロムのブリーフに手をかけると今度こそ脱がしきり
ヒロムは一糸纏わぬ姿を見せつけることになる
無論剥き出しになった陰茎はぶるんと震えて改めてそそりたち
竿はビクビク震え先端からは先走り汁がだくだく滴り落ちる
「いくよ…えいっ♪」
「乙女ちゃ…みぎゃあっ?!」
乙女が一気にヒロムの陰茎を完全に包んでいた皮をひん剥くと
雁首と竿を指で乳首や尻肉と同時に刺激し始めた
「やあぁ…乙女ちゃん、だめええぇぇ!!」
甲高い悲鳴をあげた後非常に小さいながらもそそりたった竿から大量の白濁が発射される
つまりヒロムは思いっきり射精したのだ
その後徐々にヒロムの陰茎は縮んでいく…
「……ふぇ?お…しっこ…しちゃっ……た…?」
ヒロムはビビった表情で呟く
「そうか…ヒロム精通まだだったのね
兎に角やったじゃん。おめでと。今度あたしが赤飯作ってやるから」
そういえばお互い8歳の時乙女が『ショチョー』を迎えたから
夕食に赤飯を炊いてもらったとヒロムにだけ聞かせたことがある
『初潮』と『精通』の意味を大まかに知ったのは小五の授業からである
ああ、赤飯炊いてもらうってこういうことなんだ、とヒロムは思った
「どうよ、ヒロム…?ちゅっ」

426 :
「だめっ!!そんなとこ汚いよ」
「ヒロムの癖にこの口がいうか」
萎えたヒロムの五センチにも満たない陰茎から溢れる精液を乙女が吸い出すと
ヒロムの陰茎や玉袋の柔らかさを手で堪能すると同時に
ヒロムの唇を奪って喘ぎ声を塞ぐ
乙女がヒロムに背中を見せると彼女も最後の一枚であるスキャンティを
脱ぐ。遂に一糸纏わぬ姿かと思いきや何やら藍色の毛糸のようなものが
乙女のお尻の溝に食い込んでいた
乙女が前を向くと股間と毛糸の間に生理用ナプキンを挟むことで大事な所を
ギリギリ隠していた
幾ら小さく幼げなヒロムもやはり思春期の男の子
見えそうで見えないこの妙なエロさにヒロムは思わず凝視してしまい
さっき射精したのが嘘みたいに陰茎が勃起していく
「へえ…可愛い癖してえっちだなんて反則じゃん♪」
「乙女ちゃん、そんなこといわないで…」
小さいとはいえ紛れもなく彼の竿は固まっているのだ。そのとき…
「えいっ♪」ふにゅ
「〜〜〜?!」
なんと乙女は自分の乳首とヒロムの乳首をこすりあわせ始めた
しかも体勢的にふんどしの如く毛糸が食い込んだ乙女の美尻と
糸に挟まれた生理用品のみで隠された恥部が目に映り
ヒロムは勃起をエスカレートさせてしまう

427 :
更には乙女の同い年とは思えぬ巨乳の感触が彼をとろかしていく
「あぁ…ふうふぅ…ひゃあん」
「ヒロム、もう薬はとっくにきれてるはずよ?なのに動かないなんて
そんなに気持ちよかった?」
それを聞いたヒロムは手をグーパーする事を試みる。確かに動く、だが
抵抗できないのだ。そう、あまりに強い快感と
生理用品と糸のみで辛うじて秘部のみ隠す彼女の裸体の肉感的さ故に…
そして更に毛糸で溝を隠してるだけの乙女の尻がヒロムの顔に接近していく
そこで乙女は悪魔のような考えを思いつく!
「…ふーん、まじまじと見ちゃって
そんなにお尻がいいのね」
彼女がそういうと取り出し適度な硬さの棒を取り出し
ヒロムの陰茎からでる先走り汁と先程の白濁液を左手の人差し指と
取り出した棒の先端とそこよりちょい下に絡める
すると彼女は彼のお尻の穴を左手でつつきほぐし始める
「んー…くうぅ…ん」
むずむずするのかヒロムはまた声をあげる
「ここはどうかしら?」ぐにぃ
乙女はヒロムの蟻の門渡りを親指でマッサージを始めた
「あ…なんだろこの気持ちよさ?」
「気持ちいい?じゃあもういけるね♪」くにっくにっ
乙女は例のマッサージを続けヒロムの菊門はすっかりほぐれた

428 :
その時!!なんとそのほぐれた菊門にあの棒を少しずつ挿れていったのだ!!
「ぐうぅ…、乙女ちゃんイヤだよ!」
最初は異物感から不快を訴えるヒロム。
しかしそれが馴染むにつれお尻に名付けのようのない感覚が走り出す
「わ……わひゃああ…!!」
「気持ちよくなってきた?ふふふっ♪」
そんなヒロムを尻目に乙女は後ろを向き腰にある毛糸の結び目をほどき
毛糸をとったと同時に彼女の血を吸った生理用ナプキンが床に落ちる
ついに乙女も本当に一糸纏わぬ姿になったのだ。
もちろん乙女のお尻は全て丸見えだ。乙女が使用済みのナプキンをゴミ箱にすてると
前を向きぴっちり閉じた陰裂も丸見えになる
「乙女ちゃんもまだ生えてなかったんだ…」
そう、乙女もヒロム同様性毛が生えてない所謂天然パイパンだったのだ
「お互いに裸見るの一年半ぶりだもんね♪
それにしても幼なじみであるあたしの全裸で
そこまで興奮しちゃった?」くちゅっくちゅっ
そう乙女がいうと棒を動かし始める
「*◆〒◎※☆¥♂→♀〜〜〜!?」
お尻に走る謎の感覚が一気に強まりヒロムは声にならない悲鳴をあげる
その感覚は本当になんといえばいいのかわからない。
しかしそれは快楽であることは確かである

429 :
ずりゅっくいっこりっこりっ♪
乙女はどんどんヒロムの愛らしいお尻を犯していく
「乙女ちゃ…そんな……はあはあ」
「そんなに気持ちいい?じゃあもっと気持ちよくなろうか?」
そういうとお尻を犯すと同時に全身に愛撫を始めた。
ただし陰茎は敢えて愛撫しないのが乙女らしいだろう
「ひ…うぅ…らめええ、らめぇぇ!」
ヒロムは意識がとんでしまった。射精はしていない。
所謂ドライオーガズムに達したらしい。しかしドライということは…
「コレで終わりじゃないわよ!」ぬっちゃぬっちゃ
「はぎぃいいい!!ふええぇぇぇ!!」
乙女は容赦なく彼を快楽でたたき起こし達して気絶しては
起こされまた達せられる射精なき快楽の渦に叩き込む。
陰茎はビクビク脈打ち先走り汁はだらだらこぼすも精液は一向に出てこない
陰茎にふれようとして敢えて素通りする
彼女らしいイジワルな『焦らし』もまた快楽の渦を強めていく
彼はただむせび泣くばかりであった。そしてついに…
「乙女ちゃ…じらさ……じらさないで…」
耐えられなかったのか乙女に陰茎の愛撫を要求する
「ふふっ、いじめっ娘のあたしとしてはそれがたまらんのよね」
勝ち誇った顔で乙女はヒロムの陰茎に手淫をはじめる

430 :
「はあぁっ」
愛液のように漏れる先走り汁を吸ったあと右手で皮をしごき
同時に左手で乳首や尻肉、蟻の門渡りを刺激し、お尻にある棒も動かす
「ああああああ…きゃあああああああああ!!!!」
ヒロムが大きくのけぞると、さっきの倍近い量で天高く射精する
「ヒロム…スゴいね…」
乙女が少し驚いている間にヒロムは跳ね起き動き出し
「乙女ちゃん、お返しだよ♪」もみっ
「きゃ?!ちょ…ヒロム!?」
やられっぱなしじゃ面白くなかったのか手始めに乙女の乳房を揉み始める
「乙女ちゃんのおっぱい、おっきくて柔らかい」ちゅう…くにくにっ♪
「う…あたりま……うひゃっ!」
しばらく乳房を愛撫し始めると乳首も赤ん坊のように吸ったり
人差し指で撫でたりする
愛撫をやめたあと乙女の下半身に顔を近づけ
まだ濡れてない無毛のスジに指での絶妙タッチで滑らしたあと
ぐいと陰裂を開いてみる
「う……いくらヒロム相手でも恥ずかしいよ…」
二人は確かにいまでも一緒にお風呂に入り普通は性器の細かいとこを
見られても気にしない仲なのだが
この状況下では非常に恥ずかしいものだ。状況の力とは恐ろしい
開いた陰裂の花弁を触ってみたり撫でてみたりつついてみたりしたあと

431 :
「ん、乙女ちゃんのお豆みっけ」つにっ
ヒロムは乙女のまだ勃起してない柔らかいクリトリスをいじり始める
「うあはぁ…!!そこだめぇ!」
今度は乙女があえぐ番だ
愛撫を続けるうちに乾いていた少女の性器が愛液で湿っていくことがわかる
ちゅむ「うわっ」
花弁をつつくうちにヒロムの指は乙女の割れ目に捕食されるように吸い込まれた
「ああぁ…ヒロム、そこぉ、そこおぉっ!!」
乙女がそういうのでヒロムはとりあえず陥没した指を動かしてみる
「あぁん、はあぁんっ!スゴい…スゴすぎる!!」
二人とも知らないがヒロムは乙女のGスポットを刺激している事になる
故に乙女は感覚に悶絶しており、それも兎に角快感であること以外はよくわからない
「乙女ちゃんはどうなんだろ…おしり」
「バ…バカ、や」ずむっ「¥※♀→♂%◆☆♀♀♀〜〜!?」
先程少年の後孔を散々犯した棒を今度は乙女のそれに挿れて動かしてみる
「あ、ああっ!あぁんっ!!」
いじめっ娘である乙女がいじられてここまで泣き喚くのも斬新だ
本来逆襲のつもりでやってみたヒロムだがここまで泣かれると
罪悪感すら覚えてきた…がここでやめるともっと悪い気がすると同時に
これまた後が怖いのでもうひけない

432 :
「乙女ちゃん…いくよ?」
ヒロムがいうと棒を思いっきり引っこ抜くと同時に
Gスポットをほどほどの強さで押し、もう片手の指でクリトリスを思いっきり弾く
「ひぎゃああぁ!はあああああぁぁぁぁん…!!!!!」
乙女の尿道口から霧を吹くように液体が吹き出しヒロムの顔に思いっきりかかってしまった!
その液体は尿ではないしかといって先程ヒロムが出した白濁とも違う…
「はぁはぁ…ヒロム…まさかお前があたしに潮を吹かせるなんて…
手強くなっちゃって…成長したわね…ぜぇぜぇ」
乙女は息を荒げながらヒロムにいう。
そう乙女は所謂女の子の射精ともいわれる『潮吹き』をしてしまったのだ
つまりその液体は乙女が絶頂に達した証である
「…でもやられっぱなしじゃ…終わらないわよ」
言葉のわりに乙女の表情は割と嬉しそうな感じがする…
「二度も逝ったくせにこんなにしちゃって…ふふっ♪」ぐにっ
「あんっ」
乙女がまたしても勃起したヒロムの陰茎を軽く握るとなぜだか股を御開帳してきた
「ねぇ、ヒロムこれ…ここにいれて」
乙女はいつのまに買ったのか避妊用ピルを取り出す
「う…うん!」ちゅる…
ヒロムはこくりと頷き避妊用ピルを乙女の膣穴から子宮へ送る
「あんっ…」
ピル独特の熱感で乙女が悶えたあと…
「じゃあヒロム…いくわよ」ずぶぶぶぶっ!
乙女は自ら陰裂を開いたあと腰を沈め女性器でヒロムの陰茎を呑みこんだ!
「ううぅぅ〜…ひゃひゃひゃああっああっ!!」
「うくっ…いつつつつ痛うぅ〜〜…!!」
つまり、二人は性交を始めたのだ!

433 :
乙女にもヒロムにもこれまた得体の知れない感覚が襲いかかる!
「くぅ…いだだだだ…」
「ちょ…さ、さすがにマズいよ!」
「ううううるさい!痛うぅー…」
乙女はかなり苦しそうだ…何しろ処女膜が敗れたのだから相当痛いのだろう…
ヒロムにゃヒロムで乙女のキツい膣の締め付けは相当苦しかろう…
しかし慣れていくにつれて…
「ヒ、ヒロム!なんだかあたし…変…」
「お…乙女ちゃあん…」
快感がお互いにいったりきたりして二人は喘ぎはじめる
お互いにに抱きしめるとヒロムが自然に腰を振り
結果お互いの乳首が擦れあっていく…!!
「やあ…!!乙女ちゃん、乙女ちゃあん!!」
「ヒロム…きもちいいよ…はあはあ」
乳首が擦れ合うにつれてますます膨らむヒロムの雁首が
乙女のGスポットを刺激する…
「乙女ちゃん…やはりマズいよ、ボクたちまだ子供なのに」
「いまさら後にはひけないでしょ…んむぅ」
「だって…乙女ちゃんにもしもの…むぐっ」
ヒロムが言いかけた途端に乙女が人差し指一本で口を塞ぐ
「何のためにあんたにピル挿れさせたと思ってんのよ」
乙女はヒロムに避妊はしっかりやってある旨を話し安心させる…しかしその後
「でもね…ヒロムのならあたし産んでもいいって考えてるよ、うふふ…」
「乙女ちゃん…!!」
乙女の言葉にキュンときたヒロムはつい無意識の内に腰を振ってしまう

434 :
「あ…ちょ、ヒロム激しすぎ!」
「わ、ごご…ごめん!」
ヒロムは慌ててブレーキをかけるがそのブレーキが逆にお互いに
タイミングよく強い快感を生み出す絶好のリズムと化していった…!!
「あ…ふうぅ…ふあぁ」
「うふぁ、ひあぁ…」
しっかり繋がった陰毛なき二人の性器がテンポよく上下することで
亀頭とGスポットをいい具合に刺激しあい二人は陰毛にじゃまされることも
ないのでますますスムーズにそれはすすんでいく
乙女から乗っかった形なのでヒロムは彼女の裸体を見上げることとなり
ヒロムは乙女の揺れる巨乳と開いた陰裂のおかげで丸見えな
勃起しきったクリトリスを見てしまう
その時…ぐいぐいっ、こりっ♪
乙女はヒロムのや胸や乳首を揉んだりいじったりしはじめた
…ヒロムの上半身を抑え寝かしたかたちで
「乙女ちゃん胸らめぇ…」
「なにおぅ、ヒロムのクセに生意気な」さわっさわっ
「ひゃん!」
今度はもう片方の手でお尻を撫でる。性交のアクセントは
ますますエスカレートし脇乳首から脇、お尻から
タマ袋、蟻の門渡りまで範囲を広げる
さらには耳の甘噛みまではじめその甘美な歯の刺激と同時に
必然的に彼女の豊満な胸がくっつくこととなる…しかし

435 :
「やあっ!」
ヒロムは乙女の乳房に手をかけ、揉んだり乳首を吸ったりつねったりし始め
同時に脇→お腹→おへそ→お尻の順になでていく
「ううぁ…はぁん、ヒ、ヒロムぅ…」
乙女も繋がったままやられるとそりゃあ感じるのだろう。
このあと乙女にかつて無い刺激が走る
「…ッ!!!っんああっ!」
ヒロムが乙女の勃起しきったクリトリスの皮をひんむいたのだ
その核の亀頭をなでたりついたりしてみたり雁首を擦ったりしてみる
彼の小さな手による愛撫だからこそ快楽は集中し…
「ヒロム…も、もうだめ、逝くウウゥゥゥゥ…!!!!」プシャアアアアアアアア…
「あんあんあん、乙女ちゃああああん!!!!!!」どぴゅっ!!ぴゅっぴゅっ!
ついにヒロムが射精して乙女の膣内に大量の精液を注ぎ込むと同時に
乙女は尿道から大量に潮を吹きヒロムの下腹を透明の液体で染める…
ヒロムが陰茎を乙女の陰裂から抜いたあと
「……ねえ、ヒロム。お風呂入ろっか♪」
「うん、そうしよ」
確かにお互いに汗や(口での愛撫による)唾液などで結構汚れたので
二人は下着とパジャマを持ってお風呂場へ向かう
まずは頭を洗いっこしたあと体を洗いっこすることにした
「乙女ちゃん、一体なんであんなコトしたの?」

436 :
体を洗われながらヒロムが問う
「だって…確かにスポーツテスト万年Eのあんたが積極的に打ち込むようになったのは嬉しい…でもね」
乙女は切なそうな顔で語りはじめ…
「悔しかったんだ…。ヒロムがどっかに旅立っちゃって誰かにとられると思うとさ…」
「乙女ちゃん…」
確かに最近部活が違う都合上昔みたいに頻繁に一緒になることはなかった
「幼なじみの成長をなかなか認めらんないだなんて…愚かだったわよね、ふ」
じゃばーっとヒロムを流しながら乙女は呟いた
さあ次はヒロムが乙女を洗う番である。彼女の頭を洗いながら…
「…でも、それはボクのことを心配してくれたってことだよね…!」
ヒロムは嬉しそうに乙女に問い頭を流す
「ありがとう、乙女ちゃん!!」
感謝の言葉のあと彼女の体を洗い始める。気のせいかヒロムが涙ぐんでいるように思えた
「へ…?じゃあそんなイジワルなあたしでもスキになってくれるのよね…!?」
「うん、乙女ちゃんダイスキッ!!」
ヒロムが声を大にしていうと乙女の胸に頬をうずめた
「きゃっ…くす、ありがと♪じゃあもっかいしようか」
「…うんっ」
そういうと今まで洗ったことのない幼なじみの敏感な部分を洗ってあげる
「ん…くっ」

437 :
脇をスポンジで擦りながら乳首をいじられ感じているようだ
まんべんなく全身に泡をつけたあと…
「あっー…そこっ」
幼なじみの無毛の陰裂を広げてクリトリスを洗い始める
洗い始めた後流さずに指で性感帯を指で愛撫し、それは泡のおかげで
快感はさっき以上のものであった…
「えいっ、この野郎♪」
「わひっ!?」
泡まみれの体で抱きつき彼も同様に泡まみれにしたあと
彼女も負けじと彼に性感帯を愛撫し、同じくそれも泡のおかげで
さっき以上の快感が込み上がる…
「乙女ちゃん…でる、出ちゃう…!」
「あ…あたしも…イ、逝くッ!!」
このとき互いの性器からでた精液と潮はちょうど交差点を描いたという…
「今度は…こっちでいってみるわね…」ずずむ「んふ…思ったよりキツい!」
今度は乙女の後孔がヒロムの小さなパイパン陰茎を呑む
まみれた石鹸のおかげで思ったよりスムーズにそれは進んでいった
「乙女ちゃん、い…痛いイタイ!!」
「が…ガマンしなさいっそのくらい!」
やはり肛門は膣に比べ狭いのかヒロムは痛みを訴える
しかし乙女が腰を振るとヒロムの陰茎も必然的に上下することとなる…
しかも今回は膣口ではなく肛門に陰茎がささってる訳なので

438 :
股をすっかり開いて尿道口、すっかりかたまったクリトリス、愛液をこぼす膣口
何もかも丸見えな状態で繋がっていることとなる
「あ…もうガマンできないっ!」ぴゅるるるる〜
ヒロムは肛門内で射精した。
彼女の尻孔から泡と精液にまみれし萎えた彼の陰茎が抜かれると
また丁寧に陰茎をしっかり石鹸で泡立った手で洗ってあげる
「…乙女ちゃんの手、気持ちいい…はぁっ」
「ふふっ、また堅くなってる」
また勃起してきた竿を乙女が流すと
「じゃあ…これが最後だから、ね?」
そういうとヒロムを抱きしめまた陰裂が陰茎を捕食する
「あああぁん!!乙女ちゃああん…!」
やはり気持ちいいのか抱きしめられたまま反射的に腰を動かしてしまい
もはやグリスと化した泡が互いの全身を滑らかに擦らせる
胸同士、特に乳首がこすれあい、なにしろ性器が繋がっているのだから
二人の快楽は相当なものでもはやヒロムが本日最後の射精をし、
乙女が本日最後の潮を吹くのも時間の問題であった…
そのあと二人はしっかり洗い流し、寝間着を着たら一つのベッドで…
「乙女ちゃん…いいにおいがするぅ…」
「ヒロムだっていいにおいするわよ」
「んじゃあ…今日は疲れたしもう寝ようか…」
「うん。おやすみ、ヒロム…」
乙女がヒロムを包み込むようにぐっすり眠った…
こうして、また一組の(凹凸な)バカップルが誕生したという… 〜完〜

439 :
投下完了です…!
よろしければ感想ください、待ってます!!

440 :
おー、来てた。
独特の表現に引っかかるところが所々あるけど、
ドライオーガズムでヒロムの幼男ぶりを示したり、色々芸が細かいな。
エンディングの動機も乙女らしい。
大作乙でした。

441 :
GJあげ

442 :
乙!
ヒロムを攻めるシーンが特にエロくてよかったです。乳首とか乳首とか。
乙女がヒロムを「お前」と呼んでるのがちょっと気になったかな。
単なる芝居がかった台詞なのかもしれないけど。
いいものをありがとうございました。

443 :
乙女ちゃんは八歳で初潮迎えただと…?
GJ!!
しかもあのスタイルで天然パイパンというのもエロすぐるっ!

444 :
>>439
前はナプキン、後ろは糸のシーンがたまんねw
ある意味全裸よりエロスGJ

445 :
ほしゅ

446 :
性別疑惑が持ち上がって全裸にされたりくぱぁされたりするアキラちゃんまだー
http://www.yomiuri.co.jp/athe2004/special/monogatari/mo2003112601.htm

447 :
保守

448 :
保守

449 :
兄は、先鋒だった。
副将に下がったことすらない兄が、本来ならばそんな立場に甘んじるはずがない。
だが、こちらの先鋒はヒロムだ。
どう考えても、狙ってやったに決まっている。
先ほどの余興で、遊部と川末には十分にお仕置きをしたつもりなのだろう。
そして、打擲を加えていないヒロムに制裁を加えるつもりなのだ。
兄の思考回路が手に取るようにわかる自分の頭がいっそおぞましい。
あの兄を相手にヒロムが勝てるわけがない。
いや、誰であっても勝てるはずがない。
それもただ負けるだけならまだいい。
対戦中に、再起不能にされてしまったら……。
「ヒロム……」
恐怖にかられてヒロムに声を掛けても、返事は無かった。
ヒロムは、場内の全てを振り切ったような目で、真っ直ぐに、兄を見据えていた。
ただ、卓に向かって踏み出す直前に、わずかに、私の方を見て、それから、
絶望的な戦地へと向かった。
第一セットの展開は、概ね会場中の予想した通りだった。
ヒロムは一ポイントも返せないまま終わった。
だけど、それが兄にとって不本意な結果であることに、何人が気づいていただろう。
兄はこのセットの間、ヒロムに幾度かトラップを仕掛けていた。
極端に左右に振ったり、卓の縁スレスレに拾わざるを得ない球を繰り出したり、
それで傷つけばヒロムの選手生命に関わるような、そんな攻撃だった。
それを、ヒロムは凌いでいた。
兄の顔には、隠しきれない不機嫌さがあった。
その顔は、第二セットの開始と共に、屈辱に歪むことになった。
1ポイント、2ポイント、先に取ったのは、ヒロムだった。
会場中がざわめきを通り越して、ひっきりなしのどよめきでひっくり返った。
兄が1ポイントを許したことすら、公式戦ではほとんど無い。
それが、連取など。
「ありえないわ……、そんな、こと」
一瞬、兄の敗北の姿を想像して、私は即座に頭の中からそれを打ち消した。
勝てるはずがない。
勝てるはずがないのに。
「そうでもないで、エリスちゃん」
遊部が軽々しい口調に似つかわしくない真剣な顔で近づいてきた。
「ヒロムちゃんはうちらの試合でも、自分の第一セットでもひたすらに見ることに徹していた。
 自分の一番強いところが目だと割り切って、その目でなければ倒せないと踏んだんやろな。
 理に叶っとるわ。そんな一点集中でもなければ、あの最強なお人には勝てん」
「多分今、アイツの目には、ハインリヒのわずかな筋肉の動き……それこそ目を動かす筋肉まで見えている」
補足するように川末が挟んできた言葉の内容はにわかに信じられない領域の話だった。
でも、それは真実だと思えた。
兄を見据えるヒロムの視線は、あらゆるものを貫く矛にさえ見えた。
「よく見といたりや、エリスちゃん。
 少なくともあのヒロムちゃんが激怒しているのは、君のためやで」
不意に続けられたその言葉は、何の抵抗もなくさっくりと私の心の心臓部にまで入ってきた。
ヒロムが5ポイント取ったところで、不意に轟音が響いた。
それが、兄の右拳と、それが叩きつけられた額から出た音だと理解した瞬間、場が静まりかえった。
今の低く響く音が鳴るほどの一撃は、どれほどの威力かと。
兄は非公式ながら、四階級上のボクシングチャンピオンと闘っても勝っている。
その拳が、自らの額を打ち叩くのに使われることを誰が想像しただろう。
眉間から鼻の稜線を割って二手に流れ落ちる赤い筋が、兄の顔を彩っていた。
その顔に浮かんだ怒りの凄まじさは、私でさえ見たことが無いものだった。
「ニーベルングと侮った我が身の愚かさよ。貴様をファフニールと思うことにする」
英雄シグルズと闘った巨竜の名を、兄はヒロムに向かって投げつけた。
だけど、それは立場が逆だろうと心の中だけで呼びかけた。
その時私の目には、ヒロムの持つラケットが神剣グラムに見えていた。

450 :
GJ

451 :
なにこれ原作補完? >>449
続き待ってるよ

452 :
ほしゅ

453 :
ほしゅ。なかなか圧縮こないな

454 :
>>451
>>398の続き
>>252から続いてる超大作
でも今読み返してみたらヒロムvsハインリヒは大将戦のような…
             /)
           ///)
          /,.=゙''"/   
   /     i f ,.r='"-‐'つ____   こまけぇこたぁいいんだよ!!
  /      /   _,.-‐'~/⌒  ⌒\
    /   ,i   ,二ニ⊃( ●). (●)\
   /    ノ    il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
      ,イ「ト、  ,!,!|     |r┬-|     |
     / iトヾヽ_/ィ"\      `ー'´     /

455 :
あ、一応保管庫も稼動してますよ><

456 :
>>455乙ほしゅ

457 :
台風

458 :
ほすー

459 :
英雄伝説は止まらない。
全力を振るう邪竜の咆吼を、吐き出す炎を、空を切る爪を、
小さな勇者は身を翻し、その剣で受け止め、邪竜へ向かって切り込んだ。
邪竜の挽回力も恐るべきもので、デュースにまで持ち込み、激しい攻防が繰り広げられた。
会場の誰もが、その戦いを見ずにいるのは不可能だった。
飛び交っているのがわずか40ミリの白球だと信じられようか。
その速度も、それに反応する速度も人智を超えている。
TGVや新幹線を超える速度で飛び交う弾丸が、前後左右に自在に跳ね回るが、
その全てを読み切っているかのように、……多分、見切っているんだろう……
勇者は打たれた瞬間には正確に弾丸に向かって追いついている。
打つ前に動かないのは、さしもの邪竜もひとたび吐き出した炎の向きは変えられないからだろう。
幾度の応酬があっただろうか。
「やあああああああっっっ!」
ただ静かに剣を振るっていた勇者が、ついに裂帛の気合いを発した。
邪竜に勝るとも劣らぬ速度で放たれる白銀の一閃。
それは、追いつめられていた邪竜の心臓を貫く、鮮やかな一閃だった。
どう、と。
邪竜が床に倒れる音は、神話の舞台ではなく体育館の床らしいひどく現実的な音で。
その音が、劇場の幕が下りて、現実に返ったことを示すように、観衆に罹っていた魅了を解いた。
爆発的な歓声が会場を地鳴りか津波のように揺るがした。
それまで、誰一人として為し得なかった偉業が達成されたことに、驚き、祝い、いくばくか妬み、誉めあげる叫びの渦だった。
だけど。
「……あかん」
「これは、勝てん」
絶望的な色に染まった遊部と川末の言葉を、私は否定することができなかった。
邪竜には、心臓が二つあるのだ。
今貫いたのは、そのうちの一方に過ぎない。
勇者は、デュースに持ち込まれる前に一つ目の心臓を貫かなければならなかった。
全ての人を魅了した驚異の応酬は、無限に近い体力を持つ邪竜には単なる時間経過だが、
人一倍身体の小さい勇者の身体には、限界以上の負荷を掛けることになったはずだ。
筋肉の動きさえ見きった視力も、どれほどの精神力を消耗するものか、想像だにできない。
勇者の全身は、その小さな体躯に比して危険なほどの汗でぐっしょりと濡れていて、
それが、真紅に染まったような幻視を覚えて、私は背筋が凍る思いがした。
「あと……1……ゲーム」
呼吸すらままならないのか、息も絶え絶えな中で、その燃えるような瞳だけは、んでいなかった。
「いかん、それ以上は……」
「監督!」
多分、監督は試合放棄を申し出ようとしたのだろう。
しかし、立ち上がろうとした彼女を、血を吐くような叫びが止めた。
遮るように、真横に向けられた神剣。
既に幕は上がっていると言わんばかりに、邪竜もまた立ち上がっていた。
その顔からは何の表情も伺えない。
もう、私にさえ計り知れない。
その表情が凍てつかせた怒りが、どれほどのものか。
その口も何も語らない。
両者が視線を交わし、余りにも結果が見えた第三幕は、静かに始まった。
ただその寸前に、わずかに、ヒロムが、こちらを見た気がした。
しかしそれを確かめる間もなく、邪竜の爪が一閃した。
もう、圧倒的だった。
あれだけの激闘を演じた後だというのに、邪竜の動きはいささかも衰えていない。
対する勇者は既に満身創痍だ。
それでもなお、まだその身体は動く。食い下がる。立ち向かう。
どこにそんな力が残っているというの。
邪竜の身体に一太刀、二太刀、三太刀。
気が付けば、私は泣いていた。
その、涙で滲んだ視界の中で、決して一つたりとて見逃さないように最後まで見届けた。
ゲームセット。
最後に邪竜が振るった爪が、勇者の剣を叩き折り、長い戦いは終わった。

460 :
乙。ヒロムきゅん負けちゃった;;

461 :
保守。

462 :
ho

463 :


464 :


465 :
しゅ

466 :
審判の声が途切れるより早く、私は駆け出していた。
受け止めようとする手は間に合わず、ヒロムは受け身も何も取らずに顔面から床に崩れ落ちた。
直後に背後が慌ただしくなった。
「担架だ!救急車も呼べ!」
監督の指示で遊部が動き、川末が携帯を取り出すのを意識の端で確認しながら、
慌てて抱き起こした身体は、人間の正常な体温ではなかった。
あの化け物と渡り合うのに、どれほどのエネルギーを使ったのか、想像を絶する。
「ヒロム!」
「ヒロムくん!」
お姉様と……、なんでアンタが来るのよ。
追い払いたかったけど、そんなことをやっている場合じゃないとさすがに自重した。
「氷!保冷剤!とにかく冷えるものなんでも持ってきて!」
「お、おう!」
山雀先輩が慌てて持ってきた氷でヒロムの動脈に近い部分を冷やしつつ、三人がかりで担架に乗せた。
救急車が来る体育館の外までひとまず運んでいくことにして、動き出そうかというところで、
「……」
兄が感情の見えない表情で、傍に来ていた。
それまで気づかなかったけれど、兄も全身が汗だくだった。
ほとんどのスポーツを汗一つかくことなく勝利してきた兄のこんな姿を、誰が想像できるだろう。
そもそもそんな姿を衆目に晒すことすら兄は嫌っていたはずだった。
そんな兄がわざわざ試合後に来るとは、どういうつもりだろうか。
「そいつの名、ヒロムと言ったか。
 指輪はひとまず貴様に預けておくと伝えろ」
それだけ言うと兄は、試合前の私への干渉やヒロムへの関心からは意外なほどあっさりと部屋から出て行った。
お姉様とブラコンは首を捻った。
何のことかさっぱりわからなかったのだろう。
おそらくニーベルングに掛けた言葉のあやだろうが、大体想像はつく。
何故小鳥から言い換えたのかはわからないが、指輪、とは私のことだろう。
そもそもこの戦いは、私の身体を弄んでいた兄をヒロムが止めたところからエスカレートしたのだ。
預けておく、ということは、兄はしばらく私に手を出さないと宣言したことになる。
そうと宣言したら、兄は自らの誇りに賭けて覆すことはないだろう。
しかし、渡すのではなく預けると言った。
猶予期間は、次にヒロムと対戦するときまで、ということだろう。
それも単なる練習試合では兄の気が晴れるはずもない。
公式戦で次にぶつかる時まで待つ気でいるに違いない。
そしてそのときには、完膚無きまでにヒロムを叩き潰して、私を手中に収める気なのだ。
いわば抹予告に等しい。
それでも、私にとっては、つかの間の平穏を与えて貰ったことになる。
ヒロムのおかげで。
少なくとも次にヒロムと兄が対戦するまで、私は兄の玩具ではなく、ヒロムの占有物になった。
ひどく、心が軽かった。
一時の夢とわかっていても、それがどれほど心安らぐことか。
お姉様とブラコンとともに救急車に乗り込みながら、私はさほど焦っていなかった。
兄がああ言ったということは、ヒロムが再起できることを確信していたことになる。
あれでも、人を見抜くことに間違いはないのだ。
ヒロムはきっと大丈夫。
少なくとも、次に兄と戦うときまでは。
その確信を裏付けるように、医者の診断結果は良好なものだった。
脱水症状と極度の疲労で数日の入院が必要と言われたものの、心配されていた脳や神経、筋肉などへの損傷は無かった。
それはそうと、どうして川末の実家の病院なのか。
ブラコンはそれに理由を付けて、ヒロムにつきまとう気らしい。
マネージャーでもないアンタにヒロムを任せてたまるものか。
私はもうヒロムの……ヒロムの、何だろう。
ああ、そうか。
不意に、思い至った。何故私が指輪なのか。
あれは、絶望の予告だった。
小鳥は愛でるものだろうが、
指輪は、嵌めるものだ。
私は兄にとって、性交の対象になったということだ。

467 :
うおお更新乙乙

468 :
おおおおお!
更新乙です!

469 :
乙。あいかわらず暴帝はキモいw

470 :
保守

471 :
ho

472 :
保守

473 :
その後の試合の結果は私にとって意味のないものだった。
ヒロムは当然その後の試合は出場停止であり、私はブラコンとの鍔迫り合いに忙しかったから。
それからしばらくは平穏な日々が続いた。
ヒロムにとっては色々とあっただろうけど、私にとっては少なくとも平穏だった。
終わることがわかっている日々ではあったけど、逃げ回っていたときとは明らかに違っていた。
次なる決戦が来るまでは、ヒロムの傍は安心できる場所だった。
幸いなことに、ヒロムと兄との公式戦はそれから長らく機会が訪れなかった。
六花と久勢北とがトーナメントでぶつかることが様々な要因によって妨げられたからだ。
他のチームとて無能ではないことを示すように、久勢北が途中敗退することもあり、
兄だけでは団体戦に勝てないということを示すように六花が敗退することもあり。
もちろん、些末なことはいくつもあった。
ドイツの別の変態とヒロムが激突した後、ヒロムがブラコンとよろしくないことになりかけたのを
絶妙のタイミングで邪魔してやったときはどれほど胸がすく思いだったことか。
アンタはあのシスコン兄とよろしくやってればいいのよ。
ただ、腹は立った。
邪魔する直前まで覗いていたあのブラコンの身体は、本当に、綺麗だった。
兄に弄ばれてもいない、汚れのない無垢な身体。
羨ましくて、妬ましくて、ノートに書くことがまた増えた。
……せっかくそんな綺麗な身体なんだから、焦ってヒロムにあげようとしなくてもいいのに。
一方で、私には時間がなかった。
決着がついたとき、私は兄に……される。
それまでに、と思う気持ちは逸るけど、お姉様の家に居候している身分ではなかなかそんな機会はない。
何度か絶好のタイミングが訪れたこともあったけど、自分自身がそれを押しとどめてしまった。
仮にもローゼンベルクの令嬢がそんな簡単に股を開いていいのか、なんて下らないプライドはとっくの昔に消えている。
ここにあるのは兄に弄ばれた肉人形だ。
でも、兄のペニスから逃げるために他のペニスを銜え込もうとすること自体欺瞞ではないか。
そう思うと自分で自分がわからなくなる。
処女を兄に奪われるのを避けたところで、何になるのだろう。
最後は結局兄の奴隷に戻るだけなのに。
永劫に犯され続ける日々が来るのに、最初の一回だけ逃げることの意味を自嘲気味に考える。
それに、それをしてしまえば、ヒロムとのこの日々は間違いなく変わってしまう。
ブラコンとの危ういところでの応酬を見ている限り、ヒロムはまだ経験が無い。
ならば、何も知らないでいて欲しい。
兄と私が知っているような、淫らで爛れた世界など知らずに、どこまでも真っ直ぐあって欲しい。
太陽のように、手が届かない世界ででも、私を照らして欲しかった。
そして何よりも、私がヒロムと交われば、心から私を慈しんでくれるお姉様を裏切ることになる。
私が城での日々をフラッシュバックして泣き叫ぶと、お姉様は何度でも私を抱きしめてくれた。
眠れない夜にはベッドで朝まで抱きしめ続けてくれたことも一度や二度じゃない。
お姉様がいなければ私はとうに破綻していたろう。
どれほど感謝してもし尽くせない。
そのお姉様が、何年も前から全力で育ててきた最愛の存在がヒロムだった。
私が抱いているような恋心なんか遙かに超越して、試練も安らぎも与えるその姿勢は、
シグルズを守るブリュンヒルデにさえ見えた。
その手から、シグルズを奪う資格などあるはずがない。
いっそ太陽にまで駆け上がれ。
兄との対決後、ヒロムは翼でも生えたかのように強くなっていった。
ブリュンヒルデの庇護の下、一年、二年と過ごしたシグルズの成長を、
私は間近で見ることが出来ただけで、喜ぶべきなのだと無理矢理自分に言い聞かせた。
だが、時は誰にでも過ぎる。
長らく対決が無い日々に、あの化け物が焦ったはずはないだろうが、我慢ができなくなったのかもしれない。
ローゼンベルクの政治力を使って、とんでもないことをやっていたことに、気づいたときには遅かった。
詳しくはわからないが、ドイツと中国のスポーツ担当省に圧力を掛けたらしい。
この二国は卓球の世界では恐ろしく影響力がある。
ここが動けば国際的な卓球連盟がそもそも動かざるを得ない。
そうして、気がつけば私の回りにいる者たちが軒並み参加させられていた。
ユース以下年齢無制限、国際個人戦決定戦。
兄はそれを、ヒロムとの決着のためだけにお膳立てしたのだ。
その大会の名前を、Prime Player杯、……P2、という。

474 :
更新乙!
完結が近いのかな?wktk

475 :
保守

476 :
hosyu

477 :
過疎ってるな・・・

478 :
保守

479 :


480 :
保守

481 :
あったのかよ!

482 :


483 :


484 :


485 :
保守

486 :
不正するつもりはなかったらしい。
大会の規模を考えれば、兄はともかくヒロムが本選トーナメントまで行ける可能性はかなり低い。
それでも兄は予選でヒロムとぶつかるようには仕組まなかった。
そしてまた、ヒロムが順当に本選に進めるようにも仕組まなかった。
それは、兄なりに、ヒロムを評価しているということだったのかもしれない。
世界六カ国で行われる予選は既に国際試合の体を為していて、
ヒロムの予選は中国で行われた。
同じ組に何人か知っている顔がある。
トーゴっていう、ブラコン女につきまとってヒロムに噛みついてる男が初戦の相手なのは、
さすがに兄がこんなどうでもいいことを仕組むとも思えなかったので偶然なのだろう。
おまけに丁度中国で行われていた大会のために来中していた
ブラコン女まで会場に顔を出したから始末が悪い。
トーゴとヒロムとの対戦を前に一騒ぎになっていた。
あの悪女め、幼い身体でどれだけ男を籠絡したんだ。
そんなことより、ヒロムに余計な心労を掛けさせないで欲しい。
でも、そんな具体的用事も無いのにヒロムにつきまとっている私に言えた立場でもない。
正直言って、今の私はある程度卓球の腕がわかるようになっていた。
以前はともかく、既にトーゴはヒロムの敵じゃない。
それよりも厄介なのは、あっちだろう。確かに見覚えがある。
あの中国人の男は、私が初めてヒロムと会ったあの会場で、遊部と激闘を繰り広げた選手だ。
三年前よりもさらに迫力が増している。
多分、ヒロムにとって予選の最難関になるはず。
他にも、ドイツ出身の見覚えのある強化選手が二人。
中国選手もこの大会に出場するからには並の選手じゃないだろう。
でも、これだけの面子を相手にすることになるヒロムは、不思議なくらいに落ち着いていた。
よく見ると騒いでいるのはトーゴだけで、ヒロムの対応は憎らしいくらい冷静だ。
……ちょっと、そこでなんでブラコン女と妙な視線を交わしてるのよ。
でも、そうしてからコートを見据えるヒロムの瞳には、もう、子供っぽさは無い。
わくわくしているのか、口元はすっと微笑んでいた。
その大人びた男の顔に、遠くから見惚れていた。
…………私が、ヒロムに抱かれたいと思ったのは、多分それが最初だ。
手段として処女を奪って欲しいんじゃなく、心から。
バカにしていたはずの男の子は、いつの間にか、大きな男になっていた。
兄の手の者が、つまりそれはローゼンベルクの者が偵察にでも来てるかと思ったけど、
見ればそんなものは不要だとわかった。
特に中国とドイツといった卓球強国で注目されているこの大会は、
新聞テレビネット配信といった様々なメディアが予選の末端にまで入り込んでいる。
ヒロムの試合まで全て録画されて手に入るのなら、兄は取り立てて何もしなくていいのだろう。
そうして大会が始まった。
トーゴ戦は、何があったのか、序盤はトーゴが押していたけど
ブラコン女が後ろから声を掛けただけでヒロムは立ち直ってしまった。
同じことが、どうして私に出来なかったのか。
ここに私が来ていることすら、ヒロムに知られないように変装している。
こんなのは私じゃない。
ヒロムを罵倒し続けて、でも傍にいれた私じゃない。
でも、ヒロムをこの過酷な戦いに呼び込んだのは私のせいだ。
大会主催者にローゼンベルクの名前が入っていれば、ヒロムだって気づいているだろう。
ブラコン女のように、さも無関係のように声なんて掛けられない。
ただそれでも、近くにいて、ヒロムを見ていたかった。
躍動する少年の身体は、初めて会った頃とは比べものにならないくら眩しくて。
彼がまだ童貞でいてくれることが、よくわからないけど私にとっての救いだった。
終わってみれば第一試合の結果は予想通り。
ヒロムの圧勝だった。
そこから、快進撃が始まる。

487 :
きてた! 乙!

488 :
>>486
トーゴw


489 :
hoshu

490 :
可愛い子に目がない女誰だったっけ?
そいつらがヒロムを逆林間するやつよんでみたい

491 :
アキラちゃんだな間違いない

492 :
ほす

493 :
ユンボル復活するのかー。江尻さんまた描いてほしーな

494 :
age

495 :
あげ

496 :
まだあったとはsage

497 :
>>490
蒔絵先生?

498 :
久々に江尻先生のHP行ったらはやぶさ支援イラストなんてのがあってワロタ
ずっと更新止まってて心配だったけどご健在のようで安心した
P2!じゃなくてもいいから新しい連載始まんないかなぁ

499 :


500 :
ttp://jumpsq.shueisha.co.jp/contents/w4u/tameshiyomi.html

501 :
保守

502 :
hoshu

503 :
後で知ったことだが、兄は兄でテレビ放映されることを十二分に踏まえていたらしい。
予選の最初の三試合で、兄と対戦した選手は全員再起不能になった。
ある者は身体的に、ある者は精神的に、ある者はその両方で。
圧倒的な力をもって、容赦無く、手加減することなく、その力を見せつけた。
獅子は兎を狩るにも全力を尽くすというたとえを本気で実行した。
その圧倒的な姿が、メディアを通じて方々に知られることとなる。
結果、予選の後半から、兄と対戦しようとする者はいなくなった。
全て不戦勝。
本選で兄との対戦までたどり着いた者は全て棄権した。
文字通りの無敵の進軍。
もはや暴君とすら呼ぶのも生ぬるい。
どこかの新聞記者が書いた称号が暴帝カリギュラ。
兄は以後、その称号で呼ばれることを好んだ。
しかし、ニュースは盛り上がっても、大会としては試合が無ければ盛り上がりに欠ける。
そんな中で、多くの大会観戦者たちは、準々決勝での対決を心待ちにしていたようだ。
順当に行けば、そこで兄と対決するのは、「疾風」サシャ・クリングバイル。
あのドイツの誇るロリコン変態がそんな称号付きで呼ばれる現状は笑うしかないが。
ドイツの貴公子と呼ばれる彼ならば、暴帝の前に立ちはだかり、壮絶な試合を見せてくれるだろう。
そんな風潮のコメントが大会掲示板に満ちてきた。
おそらくほとんどの人がそう思っているのだろう。
当事者以外は。
そのサシャは、兄と激突する三つ前の四回戦で、ヒロムとぶつかるのだ。
ヒロムはといえば、予選の最終試合で大苦戦したものの、それすらバネにしてレベルアップした。
体力を温存するという器用な真似ができるわけではないが、
大会の規模が大きい分、序盤は試合のたびにインターバルがあるのでヒロムには助かっていた。
一回戦で、水無瀬とか言う因縁づくめらしい相手と対戦するし、
二回戦の鰐淵というのも確か元王華の選手で知り合いだろう。
毎度毎度、神経をすり減らすような戦いが続いたが、そのたびにヒロムは強くなっていった。
そのことに気づいている者は気づいているだろう。
三回戦では、サシャは自らヒロムの観戦に来ていた。
順当に行けばサシャVSハインリヒのカードは決定済みなどと言われているが、
サシャ自身は到底そんな気は無いらしい。
兄と違って見下すつもりもないのか、最前列で堂々とヒロムに姿を見せるように観戦していた。
ヒロムも無視するのではなく、コート入りの際に律儀にもぺこりとサシャに一礼していた。
ヒロムが卓球を始めた頃からの因縁があると、以前ブラコン女から少し小耳に挟んだことがある。
だから隠すつもりも無いのだろう。
ヒロムはサシャの前だというのに、手の内を隠すことなく、全力で三回戦を戦い、勝った。
元より、手の内を隠しておけるほど実力に余裕がないということもあるのだろうけど、
とても、ヒロムらしいと思った。
かくて、四回戦のカード、サシャVSヒロムが実現することになった。
試合は、一週間後。

504 :
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

505 :
注目している者は多くない。
スポーツ記者たちはサシャと兄の対決までは前座程度のつもりだろう。
その程度の記者数で足りるのだろうかと思ってしまう。
とはいえ、私にも番狂わせがあると確信できるわけじゃなかった。
正直言って、今のヒロムでもかなりつらい相手だと思う。
こんなところで負けて欲しくない。
でも、ヒロムが兄と戦う前にサシャと激突できたのは僥倖だった。
ヒロムは、ギリギリの勝負を経てどんどん強くなる。
大会が始まってからも、もっともっと駆け上がっている。
ブラコン女に懸想しているそんな奴、踏み台にしてしまえ。
一方、元久勢北メンバーなどのうち、勝ち残っている者は別の会場での試合があるからここには来れない。
おそらくは各会場を結んでいるリアルタイム実況回線を通じて見てはいるんだろうけど。
あ、山雀先輩がいた。
ということは早々に負けているみんなは結構集まってきてるんだろう。
当然来ているブラコン女のことはあえて視界に入れないようにしたい。
そして、二人が会場に入ってきた。
四回戦ともなると一会場で同時並行の試合はなく、先の試合が終わった後の練習時間だ。
しかし、入ってきた途端に会場の空気が張り詰めたのを誰もが感じたことだろう。
意外なことに、その空気を張り巡らせているのはヒロムではなくサシャの方だった。
ブラコン女関係で何かまた因縁でも出来たのだろうか。
あいつは、悲劇のヒロインのような顔をして二人の顔を交互に……見ていなかった。
まっすぐに、ヒロムを見ていた。
わかってしまう。あの目は、……私と同じだ。
遊びでも、気の迷いでもなく、ひたすらに向け続ける瞳だった。
悔しいとは思わない。
負けているとは、思っていないから。
決して、勝っているとも思えないけど。
そんな、踏み込めないでいることさえ、私たちは同じだった。
あいつとそこまで同じというだけで、とことん腹立たしいけど。
ともあれ、サシャの雰囲気が、楽勝だと思われたこのカードの評価を見事に否定した。
ようやくにして意義に気づき始めた記者たちの目が変わる。遅い。
対するヒロムには、さすがに笑顔は無い。
だけど、気負っているようにも見えなかった。
ようやくたどり着いたものを見据えるかのようにして、サシャの視線を真っ向から受け止めていた。
……あれに惚れるなというのは、無理だ。
「注目のカードですね」
後ろからいきなり声を掛けられて、ときめいていた心臓が口から飛び出るかと思った。
振り返ってみれば、そこには草次郎がいた。
ずいぶん久しぶりだけど……
「なんであんたがここにいるのよ」
「この試合の勝者と対戦する予定ですからね」
は?
サシャと兄のことばかり気に掛けて、他の面子を全然見ていなかった。
トーナメント表を見ると確かに草次郎の名前が記載されていて、確かに次でヒロムと当たる。
「どっちが勝つと思ってるのよ」
丁度いい、草次郎に聞いてみることにしよう。
私ではもう二人のレベルがどこまで到達しているのかわからない。
「……現時点では、サシャに一日の長がありますね」
冷静な回答は、気分こそよくないが納得できないものでもなかった。
「現時点では、ね」
「ええ。この試合が終わったときにはどうなっているかわかりません」
ということは、草次郎はヒロムがここまでどういう勝ち上がり方をしてきたかを見ているのだろう。
「ヒロム君は目がいいです。目だけはサシャの神速に追いつくかもしれない」
試合が始まろうとしている。
「でも、勝つには、ヒロム君の身体が、サシャの弾速に追いつかなければならない」
一閃。
サシャの腕がどう動いたのか、私には見えなかった。
打ち込まれた球……いや、弾が、ヒロムの背後で跳ねた。

506 :
サシャの速さは、私を私を含めた観衆には驚異的だったけど、
驚くべきことにヒロムはわずか二回見ただけでそれに反応し、三回目にはあの超高速を打ち返していた。
これは、下馬評を覆して勝ってしまうんじゃないか。
「いえ、勝負はこれからです」
次の瞬間、対応できていたはずのヒロムの動きが止まった。
「何が起こったの!?」
「サシャの異名の元になった奥義・疾風ですよ」
草次郎の説明によると、サシャは一瞬で、打ち下ろし、横薙ぎ、打ち上げの三動作をしているらしい。
実際にボールにラケットが当たるのはそのうちの一つ。
しかし、一つ一つの動作を捉えることは常人には不可能に近く、
ヒロムもサシャの動きの全てを捉えているのではなく、動きの入り始めを見極めて、
先読みして反応していた可能性が高いということらしい。
そうなると、三通りのどの動きでボールが打ち出されるかわからない以上、
ヒロムにはサシャの弾道を見切ることができないということになる。
「僕も勝つための糸口を探しに来たけど……、あれには……」
草次郎の声は途中でかすれていたけど、最後に何を言おうとしたのかはわかった。
勝てない、と。
再び繰り出される疾風を、ヒロムは当て推量で打ち返そうとしたが、完全に裏を掻かれた。
一瞬の間に壮絶な読み合いをしているんだろうけど、最初から三振りする前提で動いている以上、
サシャは直前でヒロムの動きを察知して打撃を変えることができるんだろう。
あっという間に1ゲームが終わってしまった。
予選からここまで接戦をものにしてきたヒロムが、ここまで一方的にやられた試合はなかった。
チェンジエンドするヒロムの顔は蒼白で、
これまでの危機とは比べものにならないことはここからでもうかがい知れた。
そんな……、そんな顔をしないで。
あなたのそんな顔なんて見たくない。
あの暴君、いや、暴帝にさえ貴方は立ち向かったじゃない。
アイツが待っているの。
アイツを打ち倒してくれるのを待っているの。
あなたを知っている。
この三年のあなたをよく知っている。
あなたの限界は、こんなところじゃない。
こんな……
「こんなところで、負けてるんじゃないわよおっ!!」
……?今、私、何をした?
草次郎があっけにとられている。
ブラコン女が、唇を噛んでこちらを睨んでいる。
そして、俯いていたヒロムがこちらを向いて……笑った。
そういえば私は、ヒロムをまじめに応援するのは初めてじゃないだろうか。
ヒロムの笑みに、どれほどの思いが込められていたのかは知らない。
そして、ヒロムは何か、小声でサシャに呼びかけた。
サシャの鉄面皮がこちらを注視した後、ヒロムを見据える視線から、余裕が消える。
始まった第二ゲーム。
炸裂する疾風を二度、ヒロムは反応せずに棒立ちだった。
当て推量で動いていた第一ゲームとは違う。
そして三発目の疾風。
ヒロムの動きには、一切の無駄がなかった。
打ち返されたサシャの顔は、鉄面皮が崩れるほどの驚愕で満ちていて。
「信じられない……。あの疾風を完全に見切ったっていうんですか……!」
ヒロムの顔には、かすかな微笑みがあった。

507 :
保守

508 :
保守

509 :
保守

510 :
>>506
おおGJ!
続き楽しみ

511 :
保守

512 :
保守

513 :
ほしゅ

514 :
保守

515 :
保守

516 :
苛烈な激突が再開された。
疾風を読み切るようになったヒロムは、要所要所でサシャから点を奪い返していった。
結果、第二ゲームはヒロムが取った。
だけど、サシャだけじゃなくヒロムにも余裕なんて見え無い。
ヒロムの目は常に超高速が見えているわけじゃなく、驚異的な集中力で追いかけているだけなんだろう。
疾風を読み切ろうとすれば、その分ヒロムは消耗するはず。
一方のサシャも、疾風を常に繰り出さないところを見ると、打てる数に限りがあるみたいだ。
迎えた第三ゲーム。
群衆が物音一つ立てずに見守る中、風と風が激突する。
空を裂き、地を蹴る音だけが、余計な虚飾を排して激闘を飾る。
一進一退の攻防から、ヒロムがわずかにリードした。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!」
会場を震撼させる咆吼が上がった。
吠えたのは、サシャだった。
漫画みたいに闘気でも放ったかのように、髪の毛はざんばらに乱れ、あの貴公子然とした雰囲気を全て振り払っていた。
あんな目をすることができたのかと、誰もが絶句するほどに野生じみた瞳でヒロムを見据えていた。
次のサーブで、サシャの周囲に竜巻が見えた気がした。
ここまでサシャの疾風に追いついていたはずのヒロムの動きが明らかに遅れた。
「!!?そんなっっっ!」
横で草次郎が絶句した。
「今の……何?」
「三回でもありえないはずなのに……、サシャは一瞬で五回、腕を振り切ったんです……。
 フェイントの効果もあるでしょうが、当たる振りの動きも常人のそれではありません」
振り切った二の腕をサシャがもう片方の手で押さえている。
サシャのコーチらしい人が後方からわめいている。
おそらく、サシャにとってもそれは限界を超えた奥の手なんだろう。
それを使わねばならないと判断しての咆吼だったのか。
だけど、そんな我が身を削るような必技を叩き込まれたヒロムは、少しも臆していなかった。
ラケットを握り直し、サシャを見据え、はっきりと向き直る。
野生じみたサシャの顔にも、狼のような笑みが浮かぶ。
どちらもこれで終わるとは思っていないようだった。
そう、ヒロムはその超高速にさえ、わずか三度目でもう反応しきった。
リターンで決めることはできないが、ポイントを取るのにサシャは奥義を二度三度と使わねばならない。
もちろんそれに反応するヒロムの全身も既に限界を超えているはずだ。
それでも、互いに譲らない。
1ポイントが、ひどく長い。
ラケットで敵と我が身とを切り裂き合うような闘の終わりは、
カーン……
追い込まれたサシャが、五回連続で秘奥義を放とうとした直後に、乾いた音が響いた。
血を噴いたその手から、ラケットが滑り落ちていた。
愕然と……ではなく、あの優男には似つかわしくない、どこか晴れがましい笑顔で、
サシャは、自分の背後に落ちたボールを確認して、その場に倒れた。
勝者、ヒロム。
やったあ、とばかりに拳を突き上げ、直後にヒロムもその場にひっくり返った。
男女が慌てて駆け寄り、山雀先輩たちも到する。
因縁の相手だけに、今回は男女に譲ろう。
いずれにせよ、草次郎には悪いけど、これで兄とヒロムの対戦は決まったも同然だ。
「あのヒロム君に勝たないとダメなんですか……」
途方に暮れたように呟いた草次郎は、後日、五回戦でそれなりに粘ったものの、ヒロムに敗れた。

517 :
おおきてる!
無事なようでなによりです

518 :
保守

519 :
保守

520 :
保守

521 :
保守

522 :
保守

523 :
保守

524 :
保守

525 :
ほしゅ

526 :
保守

527 :
保守

528 :
保守したら水遁やるぞ

529 :
保守

530 :
兄に呼ばれた。
ヒロムと兄との決戦を前にしての召喚が、ろくでもない理由であることは疑う余地もなかった。
それでも、逆らえるはずもない。
感情を排して恭しく丁寧に連絡を持ってきた執事を恨んでも仕方がない。
兄が滞在するホテルに行くと、ずいぶんと慎ましいことにホテル丸ごとを借り切らずに、1フロアだけの占拠で済ましていた。
あまり派手なことをして、周辺の雑音に騒がれる方が嫌なのかも知れない。
そのせいか、ホテルの周辺にいるマスコミの数は多くなかった。
少なくとも、私が気づかれずに侵入することができるくらいに。
マスコミ一同は、トーナメント本選開始後ここまで全て不戦勝の兄が
次の闘いが行われると確信していることに気づいても居なかった。
サシャが敗退した時点で兄の優勝は間違いないと思っていたらしい。
揃いも揃ってバカだろう。
そのサシャを下したのは誰だと思っているのか。
そう考えたとき、私の心の中にあったのは、確かに高揚感だった。
そう、かつてならば決してありえないと考えていたであろうことを想像していた。
その想像のおかげで、私の足は恐怖に凍らずに動いてくれた。
兄の待つ部屋をノックするときも、私の心を守ってくれたのはその想像だった。
「入れ」
兄は待っていた。
当然のように、全裸で。
とはいえ、私への嫌がらせというつもりはなかったようだ。
信じがたいことに、兄はラケットを手にして恐るべき速度でのシャドーを繰り返していた。
その兄の全身から湯気ともオーラともつかないものが立ち上っている。
その全身が汗で濡れていることに私は驚愕せずにはいられなかった。
ここまでの全ての試合を不戦勝している分、身体がなまっているのではないか
などというのは愚かすぎる希望だったと知る。
兄は、ヒロムとの戦いを前に、全力で身体を仕上げてきていた。
元から人間の領域を超えていたような存在が、
もはやドラゴンにも匹敵する強大な覇気を放っていた。
人間の姿を保っていることが信じられないほどに。
この私が、本当に兄であるのかと見まがうほどに。
それに私が入ってきたというのに、兄は私の身体に触れようともしない。
ただ、その下半身にある剣は私の記憶にあるものよりもさらに猛々しく巨大になっていた。
「ようやく、あのベルセルクとの対決が叶う」
ベルセルク、というのが誰のことを言っているのか一瞬わからなかった。
それが、もはやニーベルングでもファフニールでもなく、
先の闘いを通じて兄がヒロムに対して抱いている姿なのだと気づいた。
確かに、先の闘いのヒロムは常軌を逸していた。
それにしてもベルセルクとは、兄がそこまで言うのはもはや絶賛と言っていい。
文字通り目にも留まらぬ速さで動き続けている兄の視線の先に、
私は一瞬ヒロムの幻影を見た。
それが、兄が見据えているヒロムの姿なのだろう。
「預けていた指輪は、返して貰う」
その言葉は、予想されたものだった。
「お前も16になった。
 もう、俺の指輪として相応しい大きさになっただろう」
全身から飛び散る汗とともに、下半身からそそり立つ肉槍からも汁が飛び散る。
それで、兄がかなり長い期間に亘って女を犯していないことが察せられた。
どれほどに全力でヒロムを迎え撃つつもりなのか。
「奴との戦いに勝利し、ようやくお前は俺のところに返ってくる。
 お前が俺の子を孕む日がようやく訪れる」
それは提案でも命令でもなく、決定事項のようだった。
これまで私の処女だけは奪わずにいたのは、ただ、時期を待っていただけだったのだ。
「奴に、期待していると伝えろ」
その後で、そんな、信じがたい命令が下された。
処刑宣告以外の何物でもない。
それが、今日私を呼んだ理由だとようやくわかった。
先ほどまであった高揚感は、邪竜のオーラに消し飛ばされたいた。
勝てるはずがない。
人間に、あれが倒せるわけがない。

531 :
保守

532 :
tes

533 :
保守

534 :
ふらふらと歩いていた。
いつ兄のホテルを出たのかも定かじゃなく、
執事にどこで降ろされたのかも憶えておらず、
どこでどうタクシーでも拾ったのかも憶えていないけど、
気がつけばヒロムが滞在しているホテルに来ていた。
兄の命令に無意識でも完全に従うこの身体がつくづく恨めしい。
だけど、ヒロムに会ってどうしようというのだろう。
何か兄に命じられた気がする。
ああ、そうだ。
お前をすと、ヒロムにそう伝えるように言ったのだった。
卓球の試合で何の冗談かとは笑わないだろう。
過去の対戦で兄の常軌を逸した強さ、いや、人外ぶりはヒロムもよく知っている。
辞めさせないと。
辞めさせないと、ヒロムがんでしまう。
辞めさせないと、ヒロムがされてしまう。
ヒロムの部屋の前まで来て、自分が何をしているのかと自問自答する。
こんな深夜に男の部屋を訪れるということが何を意味するのか。
そんなことくらい、この身体に嫌と言うほど刻み込まれている。
でもそれなら。
いっそ、その方が、いい。
倒れ込むように扉をノックする。
「……はーい?」
小憎らしいくらいにいつもと変わらない声がした。
「……ここ、開けなさい」
「え?えええええ!?エリス?」
何に慌てふためいているのか。
想像すると、ささくれ立っていた心が少し柔らかく泡になった。
しっかりしろ。
ヒロムの命が、こいつの命がかかっている。
「アンタに用があって来たのよ。早く開けなさい」
「えー……、わかったよ」
疑いもせずに扉を開けて見たヒロムの顔は、初めて会ったあのときのように、
優しげな不満を湛えていた。
ああ、思い出してしまった。
この困ったような顔で助けられてしまったあの日のことを。
「……どうしたの、エリス。すごく疲れた顔してる」
「……」
誰のせいよ。と言いかけて、違うと思って黙り込んだ。
「えっと……、用って何?」
「こんなところで立ち話させる気?」
「むー……」
しばし悩んでから、中に招き入れられた。
私には椅子を勧めて、自分は少し離れたベッドの縁に座るのは
お姉様が叩き込んだ騎士道精神のたまものだろう。
椅子の横に備えられたテレビでは、昨年あたりの兄の映像が映っていた。
おそらく、珍しく兄がまともな勝負をした試合の映像を再確認していたんだろう。
その事実だけで、ヒロムがまったく臆していないことはわかった。
ヒロムらしい。
すごく、こいつらしい。
「それで、用って何?」
「……想像つかないの?」
言い出しにくくて、ずるい聞き方をした。
「うん。お兄さんを相手にわざと負けて、って相談をする必要があるとは思えないし」
思わず笑いたくなった。
確かにその通りだ。
八百長を持ちかけるなんてのは愚の骨頂だ。まったく意味が無い。

535 :
保守的

536 :
保守的な行動

537 :
保守

538 :
保守

539 :
何年かいてんだ すげーな 保守

540 :
続きを楽しみに待ってるぜ・・・
読み返すたびに終わってしまって惜しかった漫画だなと思うぜ・・・
それにしてもちょっと出てきただけのハインリヒでここまでできるのスゲーよな。

541 :
保守

542 :
保守

543 :
保守

544 :
保守

545 :
保守

546 :
保守

547 :
保守

548 :
「……棄権しなさい。にたくなければ」
「それは、聞けないよ。エリス」
まったく躊躇いなく答えたヒロムの目線は、……こんなにも、高かっただろうか。
「お兄さんは、僕との戦いに何かを賭けている。
 彼は昔、僕に指輪を預けると言った」
ずきり、と身体のその場所が疼く。
「それが何なのかは結局わからなかったけど、彼にとって大切なものを僕は預かっているんだと思う」
わかっていなかったの。と思わず口にしそうになったのを辛うじて堪える。
「僕が逃げたら、彼を裏切ることになる。
 彼との約束を違えることになる。
 それは、できないよ、エリス」
あきれた。こいつは、このお人好しは、かつては怒りをもって戦った相手だというのに、
あの兄に対して、誠心誠意ともいうべき姿勢で臨もうとしていたんだ。
「ぬわよ」
「そうかもね」
「怖くないの」
「怖いよ」
「なんで逃げないのよ」
「男だから」
「………………………………」
その答えは、あまりにも予想外で。そしてあまりにも、雄弁だった。
目の前にいるヒロムが、とてつもなく大きく見えた。
私のために戦う、なんて言いだしたら、はっ倒してでも止めることができただろうに、
ヒロムが見ていた世界はもっともっと澄んでいた。
きっと、かつて私の嘆きをくみ取って戦ってくれたことも、
善意とか、愛情とか、憐憫とか、恋慕とか、そんなものじゃなくて、
お姉様が育て上げたヒロムという人間の真っ直ぐな有り様そのままだったのだ。
眩しい。
眩しくて、まっすぐに見ていられない。
「だから、僕は戦うよ。エリス。
 そうすれば、何か、ずっと昔からあったような倒さなきゃいけないものが、終わる。
 そんな予感がするんだ」
「……」
止められなかったことが悔しくて、
「あんたが……」
ヒロムが私へ向いていなかったことが悲しくて、
「あんたなんかが……」
それなのに全てを察していることが嬉しくて、
もう、これ以上涙を堪えることなんてできそうになくて、
私は逃げる様に部屋から出て行くしかなかった。
「あんたなんかが、お兄様に勝てるはずがないのよ!」
多分私はきっと、その言葉をヒロムに否定して欲しかった。
駆ける私の背中に、ヒロムが何かを語りかけたような気がしたけど、
私は自分の足音でそれをかき消して、聞かなかった。
ホテルの外まで駆けてから、荒れる息をなんとか抑える。
もっと言い様がなかったのか。
もっと素直になればよかったのか。
抱きついて泣きついて、私の処女をあげるから棄権してとでも懇願していたら、ヒロムはどう答えていただろう。
私が処女でなくなっていたら、あの兄は私をどうするだろう。
――お前が俺の子を孕む日がようやく訪れる――
それが兄の目的だとしたら、ヒロムの子を孕んでしまえば、兄の目的は達成できなくなる。
だけど、ヒロムのあの目を見た後では、試合を前にそんなことをさせることはできなかった。
でも、試合が終わった後ならば。
……決心がついた。
もしヒロムが兄に勝てたなら、私は、ヒロムに貸し出されたものではなく、ヒロムのものになろう。
それで、終わる。今度こそ終わる。
だがそれは、最愛のお姉様を、裏切るということだった。

549 :
更新ktkr!
気長に待ってるんで次も期待してます

550 :
保守

551 :
保守

552 :
保守

553 :
保守

554 :
保守

555 :
お姉様はこの大会が始まる前から留学している。
ヒロムの傍にいないのですかとお聞きしたら、躊躇いなく微笑んで、それでいいと仰った。
この三年間、お姉様の態度を見てきたからそれはそれでわかる。
お姉様は、ヒロムを過保護に扱ったりはしない。
育てるには、見守ることも、あるいは時には見放すことさえ必要だとわかっていらっしゃる。
時には傍にいないことが必要であるということも。
それでいて、ヒロムの日々の思考や行動は常にお姉様の育てられた延長にある。
お姉様がいなくても、ヒロムの態度のそこかしこに、私は常にお姉様の息吹を感じ取っていた。
今先ほどの姿にさえ、お姉様を感じずにはいられないくらいに。
ただ、この大会が始まってから、おそらくお姉様はヒロムに連絡を取ってはいないのだろうと思う。
少なくともそんな形跡はなかった。
もちろん、この大会のことを把握していないはずはない。
今のヒロムが最大の敵を前にしているということも、きっとわかっていらっしゃるはずだ。
その敵が、私にゆかりの者であるということも。
連絡先の携帯番号は教えて頂いていた。
ヒロムには番号を伝えるな、という念を押された上で。
それは、私からは連絡を取ってもいいということだろうか。
お姉様に電話して何を話せばいいのか。
この胸の中にあるどす黒い思いを吐露して許しを請うのか。
それとも、お姉様に……
お姉様の電話番号を携帯に表示させたまま、
私は自分がどれくらい止まっていたのかよくわかっていなかった。
長い、ながい、永い、逡巡の後、自分でもよくわからない衝動が、
私の指を動かして、発信していた。
国際電話特有の間がしばしあって、……お姉様は寝ていらっしゃるかもしれない、
そんな風に思ったとき、
「……エリス?」
もう、懐かしいとすら思えてしまうお姉様の声が手の中から聞こえてきて、
慌てて私は携帯を左耳に当てた。
「あ……」
だけど、何を話していいのか何も考えていなかった私は、そこで言葉が出てこなかった。
お姉様は悪戯か、間違って発信しただけだと思われただろうか。
それならお姉様が切って下されば、それでこれは終わる。
だけど、お姉様は通話を切るでもなく、私の言葉を待っているかのようだった。
「……お、お姉様……」
辛うじて、神の前で最後の審判を待つ罪人の心境で、それだけを言うのがやっとだった。
それを、お姉様はどうお聞きになっただろうか。
「エリス」
私の名前を呼ぶその声は、いつかのように慈愛に溢れていて。
「あなたの好きにしなさい」
「……っ!」
息を呑んだ。
「私から、ヒロムを取れると思っているのなら、やってみなさい。
 戦う前から逃げるなんて私は許さないからね」
それはまるで、ヒロムに向けて差し伸べられる愛情と同じように。
その場にいて、抱き締めて下さるような言葉が、私の心を揺さぶった。
「お姉様……」
「返事は?」
「……………………はい」
「よろしい」
それだけで、気持ちよいくらいにすっぱりと、お姉様は通話を打ち切った。
ツーツーという信号音をしばし呆然となりながら聞き続けていた。
謝ることができなかった。
ああ、ごめんなさいお姉様。
本当の私は、あなたが思い描いているよりも、もっとずっと、
汚くて、淫らで、下賤で、はしたない女なのです。
でも、でも、お姉様の言いつけには従います。
お姉様から、一時、ただ一時でいいです……。
ヒロムを、頂きます。

556 :
六回戦とは思えないほどの報道陣が集まった。
ここまで不戦勝続きだった兄の試合が行われるというだけで一つのニュースなのだ。
暴君改め暴帝ハインリヒの前に立ちはだかるのはサシャ・クリングパイルであると思われていたが
そのサシャを破った日本人が、棄権することなくハインリヒと対決する。
これはこれで関係者が喜びそうなニュースになるらしい。
まだ世界四カ所に分かれている各会場を結んでいるリアルタイム実況回線を見ても、
この対決を前に各会場の試合が無い空白時間に設定されていた。
各会場の注目が、ここに集まっている。
観客席は既にほぼ満員の状態だ。
かつての久瀬北生の姿や、他にも知っている顔がちらほら見える。
……ということを、私は席に座らずに、観客席の最高段、最後方から眺めていた。
さすがにこの対決を最前列で眺める勇気は無かった。
歓声が上がる。
まず兄が、執事や護衛すら伴わずに入ってきた。
堂々たる王者の歩みから立ち上る風格や王気は、見る者に歓声を上げさせずにはいられないのか。
観客を慰撫するかのように、わずかに手を挙げて応える様は確かに皇帝だった。
だが兄がわざわざ先に入ったということは、ヒロムを待ち受けるという意志の現れだろう。
それからしばらくしてヒロムが入城、いや、入場してきた。
土壇場での試合放棄もあり得るとのおそれがついに取り払われて、歓声が一際大きくなる。
兄の戦いが見られるというだけで、期待が高まったということもあるだろう。
その会場の騒音のために聴き取れないが、二人は二言三言交わし、
一瞬、私の方を見てから、兄が満足そうに笑みを浮かべたのが見えた。
試合前のラリーは、拍子抜けするくらい穏やかに終わった。
そして、大歓声とともに、試合が始まった。

……それから、何十分経ったのか。
場内は、静まりかえっていた。
ただ、ほとんど一定の周期で球が往復する音だけが、あらゆる歓声を封じるようにたて続く。
点の表示は0−0のまま。
最初の1ポイントが、未だに入らない。
ひたすらに、ひたすらにラリーが続く。
ヒロムが打ち込んだあらゆる球を、兄はことごとく拾い、ヒロムに絶好球として打ち返す。
その絶好球を打ち込んだスマッシュを、当然のように打ち返す。
兄はまったく攻めるつもりがないかのようだった。
だが、ヒロムの攻撃の一切が、まるで通じていない。
終わらないのだ。ただただ、最初の1ポイントが入らない。
もちろん、ヒロムがミスをすればそこで最初の1ポイントは入る。
だが、それは陥落を意味することくらい、場内の誰もがわかっていた。
1ポイント入ってラリーが終わったとしても、それに続くのはまた同じラリーなのだ。
ここでヒロムがミスをすれば、それはそのまま敗北へと一直線へ繋がる坂道を転げ落ちることになる。
方向を変え、回転を変え、フェイントを入れ、
ヒロムが何をやっても、兄はそれらのことごとくを受け止めた。
どちらも恐るべき技巧であることは間違い無い。
ヒロムだってこの過酷な大会を六回戦まで勝ち抜いてきているのだ。
そのあらゆる技術を駆使した戦いは確かに見事とさえ言えるもので、
いかに兄が絶好球を返しているからといって、ここまでノーミスで続けているのは絶賛されていい。
だが、それ以上に兄はもう、人間の領域を越えているとしか思えない。
まるで金剛石で出来た嘆きの壁のごとく、暴帝はヒロムの前にとてつもない壁として立ちはだかっていた。

557 :
何十、いや、何百回の交錯を繰り返したことだろう。
ヒロムの顔にはどうにも隠しきれない焦燥感が募っていた。
ありとあらゆる攻撃が通じないのだ。
兄の意図が私にもようやくわかってきた。
兄は以前、ヒロムと対戦している。
ヒロムの強さの源泉が、その超人的な視力にあるとわかっているのだ。
技巧を凝らし、打ち込もうとしたところで、その手を見破られる可能性が高い。
なにしろサシャの疾風すら見切ったヒロムなのだ。
兄はヒロムを一切過小評価しなかったということなのだろう。
何をしても見破られるのであれば、最初から全て手を見せる。
ヒロムにあらゆる手を打たせ、その手の全てを撃ち返す。
それも、ヒロムの技巧だけでなく、心まで征圧する圧倒的な形で。
ヒロムに全てを使い尽くさせた上で、勝利する。
ことごとくヒロムへの絶好球を返すその様は、猫が鼠をいたぶるように見えたかもしれない。
だけど私にはわかる。
兄はまったく笑っていない。
これが、兄にとってヒロムを完全に打ち倒すための全力なのだ。
君臨する静かなる暴帝。
それは、ヒロムをこの上なく認めていると言うことでもあった。
点は0−0のまま。しかし徐々に、確実に、ヒロムは追い詰められていった。
何百度目かの球を返そうとしたとき、滑ったのか、ヒロムの体勢がぐらりと泳いだ。
「!!」
私を含めて会場中が息を呑む。声にならない悲鳴のようなものが観客席を駆け抜けた。
その時、ヒロムの身体が、一瞬、二重にぶれたように見えた。
「!?」
乾いた音が台を叩き、そして、続く音は、兄の背後から聞こえた。
何秒か、時が止まったような空白の後、悲鳴なのか歓声なのかわからない声が一斉に爆発した。
ヒロムがとったわずか1ポイント。
だが、その1ポイントがどれほどに重いものか、誰もがわかっていた。
不滅の壁たらんとした暴帝の壁を突破した。
それは、ヒロムに勝機があることを、明確に知らしめるものだった。
でも、両者、様子がおかしかった。
絶対の行軍を阻まれた兄が、怒りより先にとまどっている。
会心の一撃を入れたはずのヒロムも、自分が何をしたのかまるでわかっていないように
自分の手とラケットを繰り返し見つめ直している。
今の一撃が偶然の産物だったことは間違い無い。
でも、何をどう偶発させたら、あの兄の壁を打ち破ったというのだろう。
ヒロムの最大の武器はその視力であることくらいよくわかっている。
腕の長さが絶望的に足りない彼に、いきなり倍速のスマッシュが打てるようになるはずもない。
一体何が起きたというのか。
歓声が収まった後の会場は、先ほどの奇跡を検討するざわめきに満ちていた。
その当事者たちは、どちらからともなく試合を再開する。
お互いを量り直すかのように、試合前のラリーのように静かな打ち合いがしばし続く。
それから不意に、兄の姿勢が変わった。
意識的に大振りに転じたその顔は、微かに微笑んでるようにさえ見えた。
ヒロムを誘っている。
打ってこいと。貴様の全てを見せてみろと、
応じるように、ヒロムは何度かスマッシュを打つ際に体勢を崩してみた。
しっくりこないのか、何度かヒロムの体勢が泳ぐ。
その隙に点を取れるのに、兄は、しない。
六度目か七度目だったか、ヒロムの体勢が一瞬後ろに傾いた直後、
再び、白球が一閃した。
「…………」
兄が何をヒロムに言ったのか、歓声の中で聴き取れなかった。
ただ、剣を突きつけるかのようにラケットを突きつけるその顔は、確かに、笑っていた。
そして、ここからが両者の対決の本当の始まりだった。

558 :
おお!続編きてる!
完結までもう少しかな?楽しみにしてます。

559 :
互角。
信じがたいけれども、そうとしか見えない。
打ち合いも、入るポイントも。
先ほどまでのような永劫感は無くなったが、1ポイントが入るまでは長い。
しかし兄の打ち方は、ヒロムの心を折るための絶好球ではなくなった。
一切の容赦なくヒロムからポイントを奪い取ることを目的とした
台上のギリギリ縁を狙った正確無比な打撃に
物理法則を無視したようなバウンドをする凶悪無比なスピンが掛けられた
全力で勝ちを奪いに行く攻め方に変わった。
ヒロムの目は、そのコースと、打球の回転を全て読み切っているのか、
ありえない方向への打球のほとんどをすくい取る。
だけどさすがに全ては無理だ。じりじりとポイントが入っていく。
一方で、ヒロムの新必技が、その分のポイントをじりじりと取り返す。
必技、……そうとしか言い様がない。
あの兄をして反応しきれない、超超高速のスマッシュ。
だけど、わからない。ヒロムが最初からあんな技を持っていたとは思えない。
持っていたらここまで追い込まれる前に、最初から使っているはずだ。
この土壇場で開眼したとしか考えられないけど、そんなものが簡単に思いつくはずがない。
それに、思いついたからといって、そんなものを簡単に実践できるはずもない。
何が起こっているのか、ヒロムのあの必技は一体何なのか。
報道陣がざわついているのは、私と同じ混乱に陥っているからだろう。
「あれは……、一体……?」
「秀鳳の高槻の技、鳳翼天翔だ」
「!?」
背後から聞いた声に驚いて振り返ると、そこにはあのサシャ・クリングパイルがいた。
「二回戦で戦った彼が、あれと同種の技を使った」
秀鳳の高槻、と言われてしばし考え込んでからようやく思い出した。
私が初めてヒロムと会ったあの日の会場で、ヒロムが激闘の末に破った相手だ。
確か、学校メンバーが一人を除いてぽんぽん跳ぶように動いていた連中の主将ハゲ。
「あまがけ、だっけ?」
三年も前のことなのに、妙にあの日のことははっきりと覚えている。
ヒロムの対決中に草が教えてくれた。
秀鳳独特の一歩動フットワーク、つまりは跳んで打つことで、あらゆる打球に追いつくという。
当時のヒロムが散々に苦戦した戦いを思い出す。
そして、思い出した。
本来は左右移動に使うその天翔だが、そのハゲは前後への動きにも使っていた。
一旦後方への移動に使って距離を確保し、直後に卓ギリギリまで前方跳躍しながら打つスマッシュ。
通常のスマッシュよりも勢いが付くだけでなく、前方移動中のどこかの瞬間でヒットするかが、
常人には読み切れないために恐るべき幻惑技ともなったその技の名前が、確か鳳翼天翔と言った。
それも、ヒロムの目の前に見切られたのだけど。
ということは、ヒロムの目にはその鳳翼天翔も焼き付いていたはずだ。
この土壇場で万策尽きたヒロムが、かつて戦った強敵の技を模倣したというのはわからなくはない。
「でも、そんなの実践できるものなの?それに、そんな付け焼き刃がアイツに通用するはずが……」
思わずわめくようにドイツ語で口走っていた。
「付け焼き刃ではない。そうではないから、暴帝に通用している」
「ヒロムがあんな技の練習をしているところ、見たことがないわよ」
「し続けていたはずだ。常に、意識せずにな」
「どういうことよ」
こいつのもったいぶった態度はどうにも気に入らないが、
一応説明してくれるつもりらしいのでこの際遠慮せずに聞くことにする。
「俺が奴と初めて会ったとき、奴は俺の動きを見切ったようだが、動くことも追いつくこともできなかった」
奴、というのが高槻ではなくヒロムのことを指すというのはすぐにわかった。
そんな因縁があったとは初耳だ。道理で四回戦でこいつがヒロムを気にしていたわけだ。
かつては歯牙にも掛けなかったヒロムが、自分に匹敵する存在になったその違いをよくわかっていたんだろう。
「そのとき、奴はまだほんの初心者だった。
 それからの三年、奴が常人よりも遙かに鍛えなければならなかった要素がある」

560 :
「目じゃないの?」
ヒロムが常人より優れているところと言えばそこしかない。
それこそが最大の武器であり、それによってこのサシャすら倒したのだ。
何しろ身体的には、あの頃より少しは成長したとはいえ、ヒロムの身長は今大会で一番小さい。
身体のどこかを特異的に鍛えたというわけでもない。
「わからんのか。見えただけでは追いつけるはずがない」
言われて、あっと、声が出そうになった。
「反射神経と、……瞬発力?」
「そうだ。あの身体だぞ。
 いかに前陣型とはいえ、普通にやっていては手も届かないし、足が短くては追いつくこともできない。
 並のプレイヤーに数倍する瞬発力が無ければ左右への動きに対応できない」
「この三年間、ヒロムはずっと、無意識に瞬発力を鍛え続けていたってこと……?」
「でなくば俺が負けるはずがない。
 今の奴の動きは高槻の天翔を上回る驚異的な瞬発力で成り立っている。
 それに特化していると言っても良い。
 おそらく奴は、50メートル走では全選手中最も遅い部類に入るだろうが、
 もし仮に、5メートル走などという競技があるのなら、奴は間違い無くこの会場にいる誰よりも速い」
それは、あの暴帝よりも、ということを意図した断言であることが明白だった。
体躯で遙かに勝る暴帝と互角に渡り合うヒロムの動きは、言われてみれば確かに異様とも言える初速だった。
「その足の瞬発力で、スマッシュを加速しているのね」
「いいや、いかに奴の両脚の瞬発力が優れていても、手の振りに比べればそこまでの速さにはならん」
この男のもったいつけるのはどうにかならないものか。
でも、言われてみれば確かにそうだ。
スマッシュは腕の振りが最高速になるところが打点になると最も速くなる。
その速さは時速120キロにもなるのだ。
それに比べて、いかにヒロムの初速が速くても、スタートダッシュは出せて時速20キロといったところか。
約二割もの加速は大したものだけど、それだけでは、あの兄を出し抜けるとは思えない。
事実、ヒロムが試しにやってみた程度の失敗打では兄に通用しなかった。
「……一瞬、後ろに下がってる?」
ヒロムが兄からポイントを取った瞬間の動きをよく見ていると、
僅かにヒロムが後ろに下がったように見えた。一歩、どころか半歩程度だろうか。
実質的には前陣のラインからほとんど下がっていない。
「そこが、高槻の鳳翼天翔を越えているところだ。
 半歩後ろに下がり、踏みとどまった瞬間にその勢いを反動に変えて、前方へ高速で踏み出している。
 打点はまさにその瞬間。奴の瞬発力が身体ではなく、球に集中する」
それを、あの兄の打球に対して行うことがどれほど無茶なことか、想像に難くない。
ヒロムが同時に鍛え上げた反射神経が方向を捉え、目がその動体視力で軌道を読み切り、
無意識で頭が手元に到達する瞬間を算出しきり、その瞬間に、全身の瞬発力を乗せた一撃が炸裂する。
もしかしたら、打点の瞬間には時速150キロ、あるいはそれ以上出ているんじゃないか。
兄はバトミントンも戯れにやっていたことがある。確かあれの最高速度は時速180キロだ。
もしかしたら、それ以上に。
それが、ヒロムの位置する前陣から繰り出される。
ただし、卓球の球は減速しやすい。
後方に下がればそのスピードに追いつくことは辛うじてできるだろう。
だけどもちろん、そんなことをして引き下がる暴帝じゃない。
「……意地を張っている場合か、ハインリヒ」
冷ややかなサシャのその言葉が、兄に向けられたものであることが、一瞬、信じられなかった。
直後に炸裂する白い一閃。
接戦ではあったが、第1セットを取ったのは、ヒロムだった。

561 :
保守

562 :
保守

563 :
歓声というよりも、どよめきと言った方が適切だろう。
突然に訪れた事態ではなく、じわじわと訪れた結果であるというのに、
その事実を受け入れることにかなりの葛藤を覚えた人間がほとんどだったと見える。
私でさえそうなのだから無理もない。
よもやの大善戦に、写真を撮ることを忘れていたらしいマスコミが
思い出したのかのようにシャッター音を集中させている。
その中で、兄は、屈辱に顔を歪め……てはいなかった。
笑っていた。
さきほどまでよりもずっと。心底、楽しそうに。
ああ。その笑顔は、私の身体を弄んでいたときにしか見せなかったはず。
今、兄は、ヒロムとの対決を、心底楽しんでいる。
ついに自分に比肩しうるまで到達してくれた、宿敵とすら呼べる相手の出現に。
その事実が、よく知る笑顔のあまりの邪気の無さが、私には信じられなかった。
だからなおのこと恐ろしい。
兄は今初めて、おそらく生まれて初めて、全力で試合というものに挑もうとしている。
ゆえに、その笑顔が私には恐ろしい。
ヒロムは、どう思っているのだろう。
ただ、私は不思議と確信していた。
ヒロムは決して、兄の笑顔に臆してなどいないということを。
第2セットは、兄の猛攻で幕を開けた。
動きが圧倒的に軽い。そして、圧倒的に速い。
王者として構えていた第1セットとはまるで別人のように、
……信じがたいことだけど、のびのびと、プレイしている。
立て続けにヒロムが失点し、しかしそこで持ち直すのが今のヒロムの恐るべきところだ。
兄の凄まじい動きを見切り始め、隙を突いて鳳翼天翔を繰り出す。
だけどそれに対する動きも第1セットと違っている。
反射神経というよりも、もはや予知能力に近い勘なのだろう。
兄はヒロムが打った瞬間か、もしかすると打つ前から打つ方向に反応している。
その兄をもってしても、ヒロムの鳳翼天翔は食らいつくのがやっとだが、
それが、徐々に正確性を増していく。
ヒロムとしてはこの第2セットで勝ちきってしまいたいはずだ。
長引きに長引いた第1セットのせいで、双方とも体力を消耗しているはずだが、
体力という点でいえば、ヒロムは兄の足元にも及ばない。
ヒロムの動きに時折ミスが混じる。
じわりと、点差が生じる。
その点差が縮まらない。
兄の正確な動きをヒロムもまた十二分に見切っているのだろう。
そう簡単にポイントを取らせはしないが、それでも追いつけない。
鳳翼天翔で入る点は仕方がないと割り切っているのか、
点を取られても兄は激昂もせず、次を存分にプレイする。
冷静なのに、兄は楽しんでいる。
それがために、ヒロムとしても容易には鳳翼天翔が繰り出せない。
それを叩き込める隙が、第1セットよりも少なくなっている。
これは、……取れない。
第2セットは、兄が取った。
1対1。
だけどこの状態は、ヒロムにとって背水の陣から既にたたき落とされた様なものだった。

564 :
第2セット終了とともに、ヒロムの身体が今度こそはっきりと揺らいだ。
「……あ!」
前のめりに、あやうく卓で頭を打ちそうになり、思わず私は声が出た。
この歓声の中でヒロムに聞こえたはずもないけれど、まるで私の声が聞こえたようなタイミングで、
ヒロムは危ういところで、辛うじて右足を前に出して踏みとどまった。
倒れたらそこでドクターストップが掛かるとわかっているんだろう。
それでも、激しく肩で息をしているその顔が上がらない。
既にヒロムが限界近い、いや、もう限界を超えていることは明らかだった。
第1セットで膨大な時間を費やされ、第2セットでは縦横無尽に走らされた。
しかも兄からポイントを取るために、習得したばかりの鳳翼天翔を多用した両脚は、
痙攣を起こしていても不思議はない。
足だけじゃない。
遠目から見ても、ヒロムの足元にこぼれ落ちる汗がはっきりとわかる。
全身をどれほど酷使したのか。
動かない。動けない。僅かでも休むべきなんだろうけど、休んだらそこで終わるんだと
ヒロム自身がよくわかっているんだと思う。
もういい。
もう、十分に戦った。
この地上で、人類全てを見渡して、他の誰にここまでの戦いが出来たっていうの。
もう、休んで。
あなたは私の事情なんか知らないんだから、もう、休んでいい。
そこまで戦ったら、兄だってきっと満足しただろう。
あとは、私が兄の餌食になればそれで……
そこで、兄を見た私は慄然となった。
兄は、少しも終わったなどと思っていない。
急かすこともなく、油断することもなく、ヒロムが顔を上げるのを待っている。
本来ならルール違反になるほどの時間、暴帝がただただ静かに待っているがために、
誰もそれに異論を挟まない。
それでも、いくらなんでも限度がある。
その身体が回復しきるほどの時間は与えられないだろう。
そもそもこのインターバルでさえ、立っているだけで事態は悪化して、
決して良くなるわけじゃなはずなのに……
それなのに、ヒロムは、顔を上げようとする。
前に動かそうとする足が震えているのがここからでもわかるくらいなのに。
その直後に、ヒロムが前のめりに倒れて終わる幻影を想起した。
頭の中で、何かが外れる音がした。
「ヒロムーーーーーーーーーーーー!!!」
ありったけの声で、叫んでいた。
無我夢中で、二階席の際まで走って身を乗り出しながら。
私は、何をやっているのか。
応援ですらない。
諦めろと言いたかったのか。
戦ってと言いたかったのか。
もう、自分が何をしているのかわからない。
ただ、ヒロムが戦っているときに、こうして声を掛けたのは、初めてだった。
会場中の、そしておそらくは有象無象のマスコミのカメラの視線が集まるけど、知ったことじゃない。
ローゼンベルクの誇りにではなく、私自身の誇りに賭けて、そんな視線など歯牙にも掛けるつもりはない。
私にとって意味があるのは、そのうちのたった二つだけ。
一つは、兄のもの。
あの兄は、私の奇行に驚いたように瞳を見開いて、そしてすぐにその口元が笑みを浮かべる。
非難するつもりはないのだろう。
仮にあったとしても言わせるつもりはない。
何故なら、もう一つの視線もまた、私に向けられていたからだ。
どこにそんな力があったのか。
そんな状況を強いた罪深い女へ向かって、ヒロムは真っ直ぐな瞳を向けてくれていた。
瀕の逆境から立ち上がる神話の英雄のように。
その復活を、暴帝龍は陶然とした笑みで歓迎する。
英雄譚の最終章のように、もはや人智を越えた最後の闘いが、歪んだ私の視界の中で始まった。

565 :
保守

566 :
一球が交錯するごとに会場が揺れる。
誰も、私でさえ、そして、兄本人でさえ、ここまでの戦いを繰り広げたことはない。
その前に対戦相手を完璧に破壊していたからだ。
こんな戦いができる相手に、ここまで巡り会うことがなかった。
兄が、ここまでの実力を見せた試合は今まで一度たりとも無かった。
テクニック、スピード、パワー、そのいずれでも、
兄が今まで出し切ったことのない世界へ到達しているのがわかる。
飛び交う卓上の重力はもはやこの世の物とも思えない。
時に変幻自在に、時に音速のように、飛び交う白球が交錯して描いていく軌跡は
一つ一つが目にも留まらないのに、合わせていけば美しい模様を描いていて
それを作り出している暴帝龍と指輪を手にしている勇者の動きとともに
会場中の視線を引き付けて止まない。
一進一退のまま、積み上がるポイントによってどちらもが追い込まれていく。
この攻防を見終わるのが惜しいと思っている者が多いのだろう。
囲む観客席からの歓声も声援も惜しみなく、声を上げてその名を呼べば
まるでその戦場で肩を並べて戦っているように思っているのだろうか。
その、自分の背後から二人へ降り注ぐ声の嵐の中で、
「兄を、応援しないのだな」
私は、さっきの叫びの続きを口に出せずにいた。
「……」
薄々感じてはいたけど、こいつはどうも兄と交流がある。
私の、絶対にヒロムに知られてはならない事情を、知っている……
今の質問は、その事情を確認するものだったのだとわかる。
否定も肯定もするつもりはなく、私はその問いを積極的に無視した。
そうするしか無かった。
そのために、気づくのが一瞬遅れた。
一際激しい歓声とともに、何かが炸裂した。
慌てて意識を卓へと向けると、全力でラケットを振り切った兄の姿と、
呆然とした表情で倒れているヒロムの姿と、離れたところを転々とする球が見えた。
そして、小さな、有り得ない異常が一つ。
ヒロムの側の、卓の左隅角。
そこが、抉られて、木の地肌が露出していた。
兄のことだ、当然それを、狙ってやったのだ。
一瞬呆然となりながら、ヒロムはそれでも立ち上がったら気を切り替えて
先ほどまでと変わらない動きで兄と応酬を繰り返す。
そして、今度ははっきりと見た。
振り切る動き。そこから打ち出されるレーザーのような直線が、
卓の角スレスレを通り、跳ねることなく、直線のまま、床に突き刺さった。
卓を外していないことを雄弁に物語る、龍の炎に焼け焦げたような痕を残して。
本来ならば跳ねるはずのその球を、角のスレスレを、それこそ針の穴をも通す精密さで、
恐るべき回転を掛けて全力で撃ち込むことで、確実に卓を捕らえながら、
そして、重力方向上空から兄の身長を最大限に利用して撃ち込む一撃ながら、
跳ねずに直線的に刺さるフィニッシュブローとして成り立っているのだ。
卓球というルールの範疇で、その限界を非常識に打ち砕く邪龍の炎。
優れた卓球選手ならばこそ、これに反応できるはずがない。
これは、卓球というルールの範疇のくせに、その範疇を飛び越えた、ありえない軌跡を通るのだから。
その、邪竜の暴虐を前に、今度は、呆然とする間もなくヒロムは動き出した。
この終盤に来て、最後の最後まで兄が秘していた奥義を見せられて、
それでも戦意を失っていなかった。
ヒロムの狙いはすぐにわかった。
兄のあのフィニッシュブローは打ち下ろしのために、ある程度跳ねる球でないと打ちにくいのだ。
ヒロムは球の回転を絶妙に操作して、極力低い弾道での戦いを仕掛けることで
兄の必技を封じにかかった。
そうしてでも兄と戦えるほどに、今のヒロムは成長していたことを
私は今頃になって気づかされていた。
兄は、手を焦りすぎた。
あらゆる物を見通すヒロムの目を前にして、この必技とて何度も見せるべきではなかった。
この必技は、ギリギリのトドメの一撃にまで温存しておくべきだったのだ。
そう、それほどまでに、兄は追い詰められていた。

567 :
兄は、全力で戦ったことが無かった。
全力で戦う喜びを兄が感じているこの戦場は、兄にとって初めてのもので、
そして、兄の脳も、兄の身体も、そんな戦場での戦い方を知らなかったのだ。
自分の体力配分などというものを考えながら戦わねばならない、
そんな、まともな戦いを、一度たりともしたことがなかった。
常に自分よりも遙かに格上の相手と、小さな身体で戦ってきたヒロムと、
常に相手が格下であり続けた兄の対決は、
本来ならばはるかに有利であるはずの兄が、
自分の限界というものを知らなかった兄が、
序盤から自分のあらゆる能力を使い、注ぎ、費やし、使い尽くした結果、
ここに来て、追い込まれていたのだ。
ヒロムと同じように、いや、もしかすると、ヒロムよりも激しく、
兄の全身から膨大な汗が滴り落ちていた。
ここからでも、兄が肩で息をしているのがわかる。
あれは本当に、ハインリヒ・フォン・ローゼンベルクなのか。
そんなにも疲れ果てていながら、あんなにも楽しそうにラケットを振るっている、あの姿は。
暴帝の意地か、それとも、一人の男としての意地か、まずは兄が勝利に王手を掛けた。
それでも、逆境をはね除けてきた数など、文字通り数え切れないヒロムだ。
意地に意地を返すかのように、こちらも王手を掛ける。
これが、最後だ。
次のポイントを取った方が、勝つ。
これまで大歓声を続けて来た観衆の声がピタリと止んだ。
張り詰めた緊張感を、おそらく世界中が感じているだろう。
最後の最後の攻防が始まる。
この長い戦いの最初がそうであったように、
交錯は果てしなく続くかのように思われた。
観衆だけでなく、両者ともにこの戦いが終わるのを惜しんでいるのだろうか。
まさか兄に限ってそんなことがあるわけもなく、
ましてヒロムに限ってそんな余裕があるわけでもないけど、
そんな感傷すら抱きたくなるほどに、この土壇場に来てなお二人の動きは壮絶なものだった。
でももう、そこには暴帝龍も勇者も見えなかった。
互角の戦いを繰り広げ、自分の能力、技量、経験の限りを尽くして、
卓球というスポーツの場で、自らの誇りを賭けて戦っている二人の選手がいるだけだった。
それでも、いつか戦いは終わる。
さすがに、一度限界へ追い込まれていたヒロムの方が、力尽きるのは早かったか。
やってはいけないミスを、兄への返球を、高く跳ねさせるというミスをした。
それを待ち構えていたように、兄は卓球に有らざる動きで跳躍する。
これ以上ないというくらい、あの打ち下ろされる流星のようなフィニッシュブローを繰り出す
絶好球になってしまった。
終わりだ。
でも、その終わりならばもう納得出来る。
その結果を、受け入れていいと、思えた。
これほどの戦いを見せられた後ならば、もう、ヒロムの物になれなくても、
何を恨むことができるだろうか。
諦めがつくというものだ。
でも、一瞬で、そんな思考に至った私を咎めるように、
ヒロムは体勢を崩していなかった。
どういうこと?
いや、いっそ、あの動きはまるで兄の動きを誘っているようで……
意図的に、高く跳ねる、兄の秘技を誘うかのような返球を繰り出していた?
あれを、防ぐことができるとでも……?
あれを、打ち返すことができるとでも……?
その疑問が頭をよぎったとき、一つの、当たり前のことが閃いた。
光速で地上へと落ちる流星の軌道を、ヒロムは三度目で既に把握していた。
それを、完璧に捉える動き。
そうだ。普通のプレイヤーならば対処できなかっただろうその軌跡は、
並のプレイヤーよりはるかに身長の低いヒロムにとっては、
卓を経過した後でも十分に手を伸ばすことができる、絶好球でもあった。
打ち返す。
フィニッシュブローを放った直後の兄には、さすがにそれを返すことができなかった。

568 :
エリスの昔語りが終わった。
ヒロムは、呆然としたまま二の句が継げなかった。
今し方まで激闘を繰り広げていたハインリヒが
妹エリスを拘束するような気配を漂わせていたことは察していたし、
ならばこそ、勝てば何かが解決するという予感くらいはあった。
ただ、二度に亘る戦いで、ハインリヒという人物に対して尊敬にも似た念を抱きつつあっただけに
その彼が妹に対して行っていた数々の所業には、
信じられないという思いが先に募っていた。
その数々の所業は、少年の想像を遙かに凌駕していて、
驚愕でありながらも、その光景を想像させられては自分の分身をなお固くせずにはいられなかった。
何しろ今ヒロムはシャワー室の床に倒れたままだったが
その男性器は、そのハインリヒが破ることを念願にしていた妹の処女を散らしただけでなく
大量の精子をその膣内に注ぎ込んでなお、食い込まれたままでいたのだから。
ヒロムは、自分に跨っているエリスの肢体を改めて見上げた。
美しかった。
ハインリヒが磨き上げた、歪んだ愛とは言え最愛の妹の身体だった。
ハインリヒの指や舌が、あの膨らみをなぞり、握り、舐め回して、存分に味わっただろう光景が
エリスの語りとともに否応なく想像させられた。
その身体に、たっぷりと浴びせられた精液の量を想像しても
エリスのことを汚いとは思えなかった。
ただ、ひどく、動物的な闘争心をそそられた。
ハインリヒが我が物としていたものは、今、ヒロムの身体で女になったのだ。
自分の物が、他人に使われたような、暴力的な怒りがこみ上げてきて、ヒロムはとまどった。
今、自分は何をしようとしていたのか。
「ねえ……、本当に僕の子供を産むつもりだったんじゃないよね」
誤魔化すように、非難するような言葉がヒロムの口からついてでた。
エリスがヒロムを押し倒して犯す前に、ローゼンベルク家の誇りを取り返すために
兄を倒したヒロムの子供を産むと宣言していた。
でも、その言葉は嘘だと今ならよくわかる。
ローゼンベルク家の誇りなんか、エリスが最も嫌うものだ。
「……」
「あんな嘘まで言って、なんで、こんなことしたのさ……」
その問いに、素直に答えられるはずもない。
あなたのものになりたかった、などと。
ヒロムの子を孕んでしまえば、兄の目的も念願もぶち壊すことができると。
だけど、それだけだろうか。
エリスは改めて問われて、とっさに嘘が出てこなかった。
こうして、ヒロムに純潔を捧げて、兄の最大の念願をぶち壊すことができて、
それでなお、満足していない自分がいた。
その思いが何か、お姉様たる乙女によってとっくに指摘されていたことに、思い至った。
……兄のことなど二の次で、自分のことを幾度も救ってくれたこの男の子に、恋していたと。
それが、恋であることに、逆レイプしてから気づくなんて愚の骨頂だ。
自分の隠していた念願が叶ったというのに、エリスは激しく後悔していた。
こんな風にしかできなかったのかと。
この期に及んで、自分は結局ローゼンベルク家の誇りというものに縛られていたのかと。
そんな言葉など使わずに、ヒロムに抱きついて、感謝して、あなたが好きだと告白して、
抱いてと言えばよかったと、ヒロムの童貞を奪ってから気づくなんて。
自分のバカさに、自分の滑稽さに、道化ぶりに、痛みとは違う涙がこぼれ落ちてきた。
「……ご褒美よ。あいつを、倒してくれたことへの。
 これでも、感謝はしてるんだから……」
「僕のこと、嫌いなんじゃなかったの?」
いつになく素直なエリスの回答に戸惑いながら、ヒロムは未だに事態を計りかねていた。
微かに、淡く、憧れさえ抱いていたような気がする自分が戦ったのは、
それなりにはこの少女のためだという自覚くらいはあった。
でも、きっと嫌われていて、それでもいいと思っていた。
女の子のために戦うのが、男の役目だと、教えてくれた人がいたからだ。
「わかってたわよ……あんたのおかげってことくらい……。あのときだって……」
初めて会ったあの時も、ヒロムがかばってくれなければ、裸の男子中学生に囲まれて輪姦されていたに違いないことくらいわかっていた。
でも、男に感謝することなど、できなかったのだ。
そのときは。

569 :
今は、違う。それでも、全てを告白することなんか、できるはずもないエリスだった。
「嘘よ。どれも、これも。
 だから、大丈夫よ。兄にいじくられてたせいで、元々私は生理不順で妊娠しにくいだろうから、気にしなくて」
本当は、これも嘘だった。
それでも、無我夢中の中から我に返ったエリスは、言わずにはいられなかった。
子供を孕むなんてことを、あの兄ならばまだしも、ヒロムに背負わせるわけにはいかないと思い直したのだ。
「勝者には栄光と褒美を。あんたには正当な権利があるから」
名残惜しかったが、エリスはその場を取り繕うように、腰を浮かせた。
処女穴に無理やりにねじ込んだヒロムの男性器はまだ硬く天を突いていて、
エリスの動きに逆らうように、エリスの膣内を逆向きに掻き分けながらゆっくりと抜けていく。
「ああっ!」
「うわ……!エリス……気持ち、よすぎ……!」
エリスとしてはまだ痛みの方が勝っていたが、
突き刺した方のヒロムは、射精した後で敏感になったままな亀頭の雁首を肉襞で扱き上げられることで
肉の棒を伝った快感が根本にある精子の巣を脈動させた。
先ほどまでハインリヒと戦っている中で雄としての闘争心を限りなく高められたヒロムの衝動が
あれだけ出した後でもまだ足りないとばかりに、マグマのように燃え上がってしまった。
傷ついたままの処女膜をさらに広げながら空気中にさらけ出された太い幹は
少女の鮮血と、自分が溢れ出させた白濁液と、二人分の潤滑液をかき混ぜて泡立たせて彩られながら屹立していた。
「……」
兄の男根を見慣れたエリスにとっても、それは、思わず見入るほどの威圧感があった。
ヒロムの小さな身体に隠された闘争心や執念を象徴するかのようで、
こんなものが、自分の中に入ったことが信じられない一方で
それを受け入れることができた自分が、エリスには誇らしくさえあった。
だからそれが愛おしくて、さっきまで自分の中にあったそれに、おずおずと唇を近付け、
泡立った液をデコレーションケーキのように舐め取り、綺麗にしようとした。
何故か、美味しいとさえ思えてしまって、エリスはしばらく夢中でそれを舐めた。
その、ヒロムの中のエリスのイメージに似つかわしくない甲斐甲斐しい仕草に
その口元に溢れて白く唇が彩られていく様に、
蕩けるような喜びに濡れていく瞳に、
エリスが舐め取っても舐め取っても収まらないとばかりに、先端から新たな液をしみ出させていった。ヒロム自身も、自分の下半身がこんなにも大きくなるものだと初めて知った。
そして、それを、今一度自分の手で確かめてみたくなった。
これが嫌いな女の子が相手だったら、それこそ日頃の仕返しとばかりにやり捨てるという思考になったかもしれない。
だけどヒロムとしては、好きかと問われれば難しいけど、少なくともエリスのことが嫌いではなかった。
エリスのことが好きなのか、自分でもわからない。少なくとも嫌いではないし、綺麗で可愛いとは思ってた。
それ以上に、無理矢理とはいえ、初めてをくれた女の子だ。自分を男にしてくれた女だ。
その初めてのときを、泣いたままで終わらせていいはずがない。
「ねえ、あのとき襲わなかった分、今襲っていい?
エリスは目を瞬かせたが、あのとき、が初対面のことを意味するのはすぐわかった。
しかし、驚いたのはその話が今更出たからではない。
目の前にあるヒロムの顔から受ける印象が、あのときとは、そして、つい先ほどまでと比べても、あまりに違っていたからだ。
欲望にぎらついているはずなのに、眼差しは真剣かつ真摯だった。
彼女を玩具としか見ていなかった暴君の幼稚な眼差しではなく、女として抱こうとしている大人の男の眼差しだった。
コイツ……いつからこんな目をするようになったのよ。
最後の一押しをしたのが自分だと知らぬままに、エリスは戸惑った。
それでも、断る理由などあるはずもなかった。
自分が襲うのではなく、ヒロムの方から、抱いて欲しかった。
「……バカね。尋ねたら、襲ううちに入らないわよ」
そう告げるエリスの笑顔で、ヒロムの中の留め金が外れた。
エリスの両肩を掴み、床に押し倒して、獣のように組み敷いた。

570 :
とはいったものの、成り行きで童貞を卒業してしまっただけで、ヒロムにはとにかく知識も経験も無い。
辛うじて記憶にあるのは保健体育の授業と山雀先輩が部に持ち込んだ洋モノの裏ビデオくらいだ。
男子一同わいわいと叫びながら食い入るように見たその内容をなんとか思い出そうとする。
そのビデオがアブノーマルだったら、ヒロムは大間違いを犯していたところだった。
その意味では山雀先輩は影の功労者といえる。
その山雀先輩がよく、あー一度でいいからエリ公と一発やってみてえなー、と言ってたことが思い出された。
確かに、今ヒロムが組み敷いているエリスは、擦り切れた裏ビデオの女優などがゴミとしか思えないほどの美しさだった。
かつてはそんなつぶやきを公言する山雀先輩に反発していたが、今のヒロムにはその気持ちも理解できる。
ごめんなさい、山雀先輩。
なぜか泥棒めいたことをやっているような心境になってしまい、ヒロムは心の中で謝った。
それから、意を決して、組み敷いているエリスの身体に目を向けた。
下から見ていたときは威圧感さえ覚えるほどに重力に逆らっていた胸の膨らみが、
倒れていることで少しなだらかになったように見えた。
ただヒロムの目には、単にそれだけではなく、ずいぶんとエリスの身体が細く儚いものに見えた。
最初に裸で出会ったときに、守ってやらなければと思った印象よりも強く。
そう思っていたエリスの身体を、今度は自ら犯そうとしている自分の意識がヒロムには不思議だった。
しかし、今すぐにでももう一度自分を中に入れたかったが、さすがにそれはなんとか自重した。
まず、見たビデオではどうしていたかを思い出してみると、そういえば最初にキスをしていたことを思い出した。
信じて良い教科書であるかどうかは不安なままだったが、とにかくヒロムはエリスの瞳を覗き込むくらいの位置に顔を持ってきた。
「ヒロム……あの、それは……んっ」
何をされるか寸前で察したエリスは、わずかに顔を傾けて、鼻と鼻がぶつかる間抜けな事態を回避した。
ぎこちない動きながら、先ほどエリスが無理やり押しつけたキスとは違う、
お互いに甘ささえ覚えるようなキスだった。
互いの吐息を吸い込もうとして本能的な動きで唇を互いに貪っていた。
ヒロムが襲っているはずの構図だったが、されているエリスとしては、抱かれているという意識にミタされていた。
しかし、衝動に火が付いていたヒロムはそれだけで満足しなかった。
肩を押さえつけていた両手を離し、エリスの両胸の膨らみを正面から掴んだ。
ヒロムの手に余る豊かな双丘はその柔らかさで指の間からはみ出るほどだった。
ヒロムには元々、乙女に様々に教育されたゆえの影響が多々あり、
豊かな乳房を間近で見せられていたからこそ、それを手にしたいという欲求も強かった。
エリスの胸は、そんなヒロムに植え付けられた性癖を十二分に満足する大きさと弾力と感触だった。
エリスとしては、乳房を揉みしだかれるよりも、欲求に尖った乳首の先を弄んで欲しかったが、
欲望に突き動かされてるはずのヒロムの手つきがやさしく自分の身体の女としての部分をまさぐっているのは
心の方から満たされるものを感じていた。
「ヒロム……、いいの?」
「うん。柔らかくて、なんだか、揉んでいて安心する」
ヒロムとしてはすぐにでも再度入れてしまいそうだった衝動が、エリスの乳を弄んでいることで少し和らいだ。
よくマシュマロに喩えられるエロ本を見たことがあったが、
こんな大きいマシュマロがあるわけがないので、その表現はどうも違うと思っていた。
やわらかいのに、確かな重みと質感があって、押し込むと柔らかい感触のあとにぐっと自己主張するように押し返してくる。
指に伝わる肌触りは汗とシャワーの湯気で湿っているのになめらかで、しっかりと握らないと滑ってしまいそうだ。
それらがなぜか、しょっちゅう口げんかをしていたエリスの態度そのものをヒロムに連想させた。
両手にぎゅっと力を込めると、白い膨らみが淫らな形に歪み、先端にある紅い蕾がなおさら尖ってきた。
にぎにぎとしているうちに、ヒロムの指先がその蕾を弾いてしまった。
「あ……」
合わせたままの唇から、そんな甘い声が漏れたことに、ヒロムはめざとく気づいた。
ここをいじれば、エリスが声を上げるとわかったら、その声をまた聞きたくなった。
今ようやくにして、ハインリヒの気持ちの一部が理解できたような機が強いた。
唇を離して、ぎゅっと力を込めて尖らせた蕾の先端を舐め上げると、
「ああっ!」
エリスの口から甘い悲鳴が漏れた。

571 :
GJです!!

572 :
それを上げたエリス自身、自分がそんな声を上げることが信じられなかった。
兄に舐められたときは、おぞましい嫌悪感から来る悲鳴を押しさなければならなかったのに、
今、こうしてヒロムに味わわれている、身体を震わせるこの快感は、とても我慢できそうにない。
幸福感や快感は、痛みよりも耐えることが難しいということを、エリスは初めて知った。
そのままヒロムは、本能に任せて蕾を口に含んで吸い上げる。
エリスは、ヒロムの歯が当たって軽く噛まれる感触と、雌の本能を刺激される乳首を吸われる快感とでのけぞるくらいに身体を跳ねさせられた。
元より腰が細く胸と尻が十分に育ったエリスだけに、そこまで身体を反らせるとその豊かな部位がこれでもかと官能的に強調されて、ヒロムの情欲を煽った。
「エリス……エリス……エリス……」
わけもなくエリスの名を呼びながら、その豊かな双丘の狭間に顔を埋めてむしゃぶりついた。
柔らかい感触が顔一杯に広がって、鼻や口からエリスの身体が放つ芳香がヒロムの頭をとろけさせてくる。
ヒロムはもっと味わいたくなって、やわらかい膨らみを舐め廻した。
その蹂躙される感覚は、エリスには不思議な充足感となっていた。
ヒロムが、自分に溺れている。
お姉様ではなく、今は、自分だけに劣情を滾らせている。
その感触は、悪くなかった。
膨らみを弄ばれているときは精神的な充足感を覚え、その舌と唇が時折、敏感な乳首を嬲った瞬間には肉体的な快感が身体を駆け巡る。
快感の大波と凪ぎとが無秩序に繰り返されて、エリスの頭もだんだんおかしくなってくる。
そして、それに浸るヒロムの頭もまた、おかしくなっていった。
たっぷりと味わっているエリスの身体と芳香は途方もなく美味なのに、それにまったく満足できなくなっていた。
下半身が獰猛な獣になったみたいに自分の身体を動かそうとしているのをヒロムはもうもてあましていた。
ハインリヒとの戦いの時よりも、動物的な感覚が研ぎ澄まされている。
それは確かに極めて動物的な衝動だった。
他の雄から戦い奪った雌と交尾し、自分の精を注ぎ込みたいという衝動は。
あまりに抑えきれなくなったヒロムは、けだものめいたその衝動のまま四つん這いになり、突き入れようとする雄の身体をこれまでに無いほどに大きく固く研ぎ澄ませていた。
その先からは、先逸る精子を含んだ腺液が涎のように滴り落ちていた。
なによりヒロムはまったく気づいていなかったが、その全身から強烈極まりない雄の匂いを立ち上らせていて、
その匂いを吸い込んだだけでエリスは危うく気が遠くなって全身を震わせていた。
この雄に抱かれたいと。
この雄に貫かれたいと。
この雄に孕まされたいと。
この身体が、ヒロムと離れているなんてことが、我慢できそうにない。
身体の奥から溢れてくる愛液が、貫かれるための穴をはしたなく開かせて道を開く。
「入れて……!入れて!早く!いっぱい!私の中に、入ってきてええええ!!」
最後はもう悲鳴じみたその懇願を、ヒロムは歓喜さえ覚えながら耳にして、その衝動を解き放った。
「うわあああああああ!!エリス!エリス!エリス!」
本能で腰ごと押し込んだヒロムの身体の先端は、その繰り出す打球よりも正確にエリスが開いた穴へと跳躍するように突入し、
その勢いのまま、蜜液だらけで辛うじて滑りやすくしたとはいえ、まだ狭く可憐な肉壺を叩き割るように駆け抜け、
エリスの身体の最奥まで一気に埋め込まれて、それでもなお全てが埋まりきらずに
ここを開けろとばかりにしたたかにエリスの子宮口を強かに打擲した。
「あっはああああああああ!!いいいいいいいいい!!!」
壺から溢れた二つの液が、差し込まれた男根の質量に押し出され飛沫となって飛び散る中、
エリスは快感と歓喜で頭がどうにかなりそうだった。
エリスが自分で犯したときの泣きたい思いと比べて、ヒロムが自らの意志でエリスの身体に襲いかかってきてくれている今この状態が、エリスには途方もない念願が叶ったようだった。
そうしてやっと、兄のことがなくても、ずっとこの男の子を見つめ続けて来た自分の心を受け入れることができた。
その男の子は、性行為を知ってすぐの若い衝動に任せて、貪るように腰をがくがくと律動させ始めた。

573 :
超GJです!

574 :
保守

575 :
保守!

576 :
ヒロムはかけらほど残った理性で感嘆していた。
世の中にはこれほどの快感があるのかと。
埋もれているのは自分の身体のごく一部なのに、
脳よりも心臓よりも血の巡りが集中して膨れあがった雄としての根幹が味わう感覚が、
焼けるように全身を駆け巡っていて、まるで全身がエリスの中に埋もれているようだった。
絡みついて、飛沫を上げて、すがるようにヒロムを受け入れて飲み込もうとするエリスの身体に
ヒロムはもう溺れているような息苦しさを味わっていた。
飢えや渇きに似た欲望が止まらない。
貪りたくて、もっと奥まで入り込みたくて、それができないから、
これほどの快感の中でも欲求不満が果てしない。
獣のようにひたすら前後するだけの動きでは飽き足らなくなったヒロムは、
誰に教わったわけでもなく、雌を味わうという衝動のままに
鍛え上げられた足腰を最大限に使って、自分の分身でエリスの中をかき回し始めた。
「ひっ……いいっぃぃぃぃぃ!!」
それは彼女の兄を打ち倒したヒロムの驚異的な全身体能力が、
エリスの身体の小さな部分に叩きつけられるということであり、
裂けたまま未だ癒えてなどいない処女喪失の傷を抉る容赦の無い蹂躙だった。
征服者が、倒した王の妹を強姦するときでさえもう少し手心を加えたことだろう。
にもかかわらず、エリスの脳髄を直撃したのは叫びたくなる痛みだけではなく、
その痛みを圧倒的に塗りつぶす膨大な悦楽感だった。
「いいい!!あああ!あああああああああ!」
皮肉なことにそれは、彼女の兄がエリスの身体を弄び、処女を失う前の身体に
快感の種をありったけ植え付けておいたが故だった。
兄に植え付けられた快感は、しかし種でしかなく、
それが処女を失った今、兄ではなく、エリスが心から恋い焦がれる征服者による蹂躙によって
全身で爆発するように花開いていた。
ヒロムはエリスの細くくびれた腰を掴んで引き寄せたり振り回したりして分身をねじ込んでいたが、
そのためにヒロムに掴まれている腰や尻の肉さえも、貫かれている穴とは別種の快感を生じていた。
そのエリスの身体の反応を本能で察するかのように、ヒロムは分身だけでなく全身でエリスを味わおうとした。
先ほどはまるで抱かれるようにやさしく掴んで舐めていた乳房が、
今は目の前で扇情的に激しく揺れていることに耐えられなくなり、
手に余るほどの大きさのそれを、握力に任せてぞんざいに掴むと、
弾力のある肉はエリス自身には少女のまだ小さな母性本能にも似た神経をなで上げさせ、
一方でその弾力によって逃げようとする力が生じて、その先端で尖っていた蕾を
より強く強くヒロムの掌に押しつけさせることになった。
その圧力が蕾を歪ませて、授乳のための快感を火花のように脳裏まで走らせる。
エリスの兄を打ち倒す剣を握っていた手が、繰り返し揉みしだくその力は
生殖本能に駆られてリミットが外れているのか疲れを感じさせることなく
何度も何度も繰り返されて、そのたびにエリスは身悶えた。
快感とともに全身から吹き出す汗は乳房全体を淫らに濡らしていて
そのぬめりがヒロムの手の位置を少しずつずらしていき、やがてヒロムの指と指の間に
エリスの右乳首が丁度はまり込んだ状態で握り締めることとなった。
上半身から皮膚の表を走る快感が、一気に激流となる。
ヒロムもまるで原初の赤子の衝動のように、両手で乳首を蹂躙する喜びを覚えながら
下半身は性的に猛る雄としてより一層激しくエリスの中をかき回した。
「エリス……エリス……エリス……!」
「ひい……ああああああああ!!」
下半身からの身体の中をかき回される快感と、上半身から身体を震わせる快感とが
脳髄と脊髄とでぶつかり合ってエリスを身悶えさせた。
その声と吐息を間近で吸い込みたくなったヒロムは、無理やり顔を押しつけるようにして
その唇を、こぼれる唾液ごと貪った。
さっきはエリスが鼻と鼻とが当たらないように工夫したが、エリスにはもうそんな余裕はなく
悦楽の声を上げながら自分もヒロムの唾液を貪ろうとしていた。
互いが互いを欲しくて欲しくて、身体の中に相手の液を入れて蕩けさせたくて、
当然、その衝動は下半身の中心で最も激しく盛っていた。
男根でかき回された蜜の壺は、どちらのものとも分からぬほどに混ざり合った液が
ぐちゃぐちゃにかき回されて泡立って、身体の間で汗と混ざって濃密な淫香を放ち
それがなおさら二人の頭を互いに没頭させた。
そして、ヒロムの中で最後の衝動がはっきりと形を取り始めていた。

577 :
半ば無意識のうちにヒロムはエリスの腰後に手を回し、その身体をぐいと引き寄せた。
何をされているかエリスが把握するには、既に頭の芯まで蕩けていて、される方も半ば無意識だった。
ヒロムは腰を激しく抜き差ししながらエリスの身体をくるりと半回転させていた。
その間、前後する動きに捻るような打ち込みを加えながら、それでも躍動する男根をエリスの身体は捉えて離さなかった。
そうして、いつの間にかエリスは四つん這いにされていて、ヒロムはそのエリスの背後から
白く愛らしい尻の曲線の間に、別の白に泡立つ壺の中へと猛り狂っていた。
エリスの豊かな乳房が重力に引かれながら、汗を滴らせながら、躍動する。
白い背が、腰がうねり、跳ねて、のけぞるその様へ、ヒロムは己を注ぎ込むように何度も身体を打ち付ける。
前頭葉を完全に放棄して本能で没頭する動物的な雄と雌との交尾の体勢が、二人を最後の高みへと登らせていった。
到達するのはエリスの方が速かった。
「ひい…………ああっああああああああああ!!」
もはや言葉など忘却してかのように、愛する男に貫かれている歓喜をそのまま叫びにして
エリスは倒れ込みながら最後の愛撫を膣内の男に与えた。
それが、ヒロムにとってのとどめとなった。
女体の奥の奥、届かさせるべき最後の最奥に自分自身の最先端を深く深く打ち付けて食い込ませて、
そこに穿たれた細い穴へ、遺伝子を蓄えた己の集合体から駆け抜ける
滾りに滾った自分の生きている衝動と存在意義との全てを、
「ああああああああああああああああああ!!!」
我がものになれとばかりにありったけ注ぎ込んだ。
エリスは注ぎ込まれたそれを感じることができなかった。
注ぎ込まれる寸前に砲門を開くヒロムの先端が大きく脈動したのを感じたところで
脳裏で炸裂するあまりの快感に耐えきれず、意識が吹っ飛んでいた。
そんな母体の意識を無視するかのように、注ぎ込まれた遺伝子の塊はエリスの子宮の中で跳ね回り、
先に到達していた先駆隊とともに卵管を蹂躙していった。
そんな自分の遺伝子が込められた精虫たちの侵略をヒロムは知ってか知らずか、
達成感と多幸感とで忘我の境地に至って、一瞬その場に立ち尽くした。
エリスのように気を失わなかったのは、三年間鍛えに鍛え上げた戦闘本能のたまものだった。
意識を呼び戻したそのときには、倒れ込むエリスの姫洞から抜き身の砲身が露わになっていた。
あれほど出したのに、まるで衰えていない自分の分身が我慢できずに、
ヒロムはそのまま自らの手でさらにそれを扱き上げた。
信じられないことに、すぐに二度目の射精感がこみ上げてきて、そのまま砲身を
倒れたままのエリスの背中に向けて叩きつけるように射精した。
それでもまだ足りない。四度の脈動をして一旦途切れても、まだ放ち足りない衝動に駆られて
さらにまた扱き上げて、またほとんど間髪入れずにエリスに叩きつける。
尻の、腰に、首に、足に、髪の毛に。
「僕の……エリス、僕の、もの……僕の……もの……」
徐々に獣の衝動から頭が冷えてきて、人間の言葉を紡げるようになった中、
そんなことを呟いている自分にヒロムはようやくにして気づいた。
そこまでに何度射精したのかは覚えていないが、気がついたときには、
目の前に倒れているエリスの身体は、それこそ全身隈無くという言葉が相応しいほどに
全身がぶちまけられた精液で白く染まりきっていた。
その中で、赤い肉の下唇がひどく鮮やかに、そこもまた、飲み込みきれなかったヒロムの精液を
こぽりとかすかに吐き出していた。
「僕の……エリス……」
中も、外も、自分の精液で染めきった女の身体を前に、
ヒロムはここにいない誰かに向かって告げるようにそう呟いていた。

578 :
完結近そうだな、乙

579 :
どれくらいそうしていたものか。
荒い息を何度もつくごとに、お互いの身体から少しずつ熱が冷めていき、
獣のように荒ぶっていたヒロムの瞳が、ようやく正気を取り戻した。
「エリス……ごめ」
謝りかけたそのバカが言い切る前にその唇を塞いでやった。
「……私が仕掛けたことよ。謝るんじゃないわ」
童貞卒業したのだから、もう少し自信を持ってくれてもいいのに。
「……わかったよ。じゃあ、せめて、洗わせて」
言われて、自分の身体を見た。
客観的に見ればかなり酷い姿だろう。全身くまなく精液だらけだ。
だけど私には、兄に何度もデコレーションされた経験もあるし、
塗りたくられた精液が全てヒロムの男根から放たれたものだと思うと
いっそ洗い落とさずにそのままでいたいくらいだった。
だけど、ようやく頭が冷えてきて思い出す。ここは、体育館の男子シャワー室だ。
自室かホテルかで襲えばよかったと思っても後の祭りだ。
このまま外に出たら、私はともかく、ヒロムにとって大スキャンダルになってしまう。
下手をすれば失格だ。
せっかく兄を倒したヒロムを失格にしてしまっては、お姉様にも申し訳が立たない。
既に、お姉様に対して取り返しの付かない泥棒猫を演じてしまっていても、
お姉様を敬愛する気持ちが消え失せたわけではないのだ。
そうなると、せめて外見上は何も無かったように取り繕わなくては。
「そうね。洗って……」
精液はシャワーで温まると案外落としにくい。
ヒロムがタオルで私の身体を擦ると、洗い落としているにも関わらず、
肌に擦り込まれているような錯覚を覚えた。
これが最後だ。
こんなことはもう二度と無い。
ヒロムの手つきを、肌に残る愛する男の精液の感触を忘れまいと心に刻みながら、私は洗われていた。
つくづく、よくばれなかったものだと思う。
先にヒロムがシャワー室を出て、誰もいないことを確認してから私がシャワー室を出た。
手早く服を着ながら、いつぞやのことを思い出す。
そのまま、同行するとまた疑われるおそれがあるので、ヒロムとは更衣室を出たところで別れた。
あとで考えると、ヒロムにインタビューしたがる報道陣が一人も待ち構えていなかったことが
不思議でならなかったが、
どうやら草が気を利かせて、ヒロムは既に帰ったと周りをだましてくれたらしい。
時計を見れば、ヒロムに襲いかかってから二時間ほども経過していた。
わずか二時間。
夢であったかのような二時間。
だけど、夢でなかったことは私の身体が覚えている。
ありったけ注ぎ込まれた胎内が覚えている。
ヒロムに貰った精液をこぼすまいと下腹部に力を込めながら歩いてる。
漠然とした、確信があった。

580 :
保守

581 :2013/09/03
再保守
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