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2013年07月エロパロ160: 【友達≦】幼馴染み萌えスレ24章【<恋人】 (469)
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【友達≦】幼馴染み萌えスレ24章【<恋人】
- 1 :2012/04/19 〜 最終レス :2013/07/01
- 幼馴染スキーの幼馴染スキーによる幼馴染スキーのためのスレッドです。
■■ 注意事項 ■■
*職人編*
エロパロ板のスレですが、エロは必須ではありません。
ラブラブオンリーな話も大歓迎。
書き込むときはトリップの使用がお勧めです。
幼馴染みものなら何でも可。
*読み手編*
つまらないと思ったらスルーで。
わざわざ波風を立てる必要はありません。
- 2 :
- 前スレ:【友達≦】幼馴染み萌えスレ23章【<恋人】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1316049934/
22代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ22章【<恋人】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1301314289/
21代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ21章【<恋人】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1289664944/
20代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ20章【<恋人】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1268119221/
19代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ19章【<恋人】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1255525442/
18代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ18章【<恋人】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1242741528/
17代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ17章【<恋人】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1231947127/
16代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ16章【<恋人】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1221583669/
15代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ15章【<恋人】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1205778691/
14代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ14章【<恋人】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1199161005/
13代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ13章【<恋人】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187193091/
12代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ12章【<恋人】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1179023636/
11代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ11章【<恋人】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1171471579/
10代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ10章【<恋人】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161975824/
9代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ9章【<恋人】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1153405453/
8代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ8章【<恋人】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1147493563/
7代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ7章【<恋人】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1136452377/
6代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ6章【<恋人】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1130169698/
5代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ5章【<恋人】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1117897074/
4代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ4章【<恋人】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110741092/
3代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ3章【<恋人】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1097237524/
2代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ2章【<恋人】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1078148899/
初代スレ:幼馴染みとHする小説
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1073533206/
- 3 :
- *関連スレッド*
気の強い娘がしおらしくなる瞬間に… 第9章(派生元スレ)
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1206353662/
いもうと大好きスレッド! Part 7(ここから派生したスレ)
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1331215771/
お姉さん大好き PART8
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1282668686/
*これまでに投下されたSSの保管場所*
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/
--------
次スレはレス数950or容量480KBを超えたら立ててください。
では職人様方読者様方ともに今後の幼馴染スレの繁栄を願って。
以下↓
- 4 :
- 乙
- 5 :
- >>1
乙
- 6 :
- >1乙!
- 7 :
- >>1乙
幼馴染を選ばないなんてありえないよな。
積み上げた時間は正ヒロインにも追い越せないwwwwwwwwww
- 8 :
- >>1乙
今スレも職人の投下を心待ちにしてるぜ。
- 9 :
- >>7
現実で考えると幼馴染と結ばれるというのは少数だろうけど、創作物だと幼馴染キャラはなぜ幼馴染なのかという
理由付けとエピソードが必ずあるからね。ずっと一緒にいて、色々思い出があって、恋愛感情があるというのなら、
まあ幼馴染を選んでしまうよなあ、と思う。ギャルゲーやエロゲーで五人くらいヒロインがいる時とかね。
ラノベとかのボーイミーツガールモノに出てくる幼馴染はかわいそうだけどほぼ負け戦。
・・・いや、つか最近アニメとかまじ負け戦。どういうことなの。ラムネみたいなアニメ最近ないんですけど。
- 10 :
- 前スレ埋まってしまったので改めて投下しますー。
元が梅ネタなのでお遊び要素いっぱいですが即回避がてらお楽しみいただければ!
幼馴染の日常の謎小ネタ。
- 11 :
- 1
新緑の季節が待ち遠しいのか葉桜は白い花弁を今日も散らす。
夜更けの桜を眺める役得もじきに終わってしまうらしい。
細い三つ編みを垂らした支岡くぬぎはアパートメントの小窓から目を逸らした。
ベランダ側の大窓から桜が見えるのなら良かったけれど、残念ながら西側のベランダ前には隣のアパートがどんと立っている。
塗装が剥げた赤い壁と、いつでもカーテンがかかっている窓しか見えない。
カーテン向こうの灯りに一瞬、意識を向けてから天井を見上げる。
昔、この部屋の主とパジャマパーティをしたときに見立てて遊んだ模様は今も変わらずそこにあった。
そこで、ひとつ溜息をつき。
くぬぎは葉擦れのような涼やかな声で、この部屋の主の少女の名を呼んだ。
「ちお。あんた今日は全然身が入ってないじゃない。いったいどうしたの」
ちお、と呼ばれた少女はローテーブルに打つ伏した頭をずりりと起こして、ベッドに座る幼馴染に顔を向けた。
妙に切ない瞳である。
「ちょっと。そんな目しないでよ。新歓の部活紹介、ちゃんと決めようっていったのはちおの方で」
「くぬちゃんは頭いいよね?」
「……せ、成績がいいだけっ。そんなこと言っても何も出ないわよ。それとこれとは、」
やや赤い頬で言い返していたくぬぎを、じいっと見つめて、遠藤千緒はおもむろに立ち上がった。
肩ほどの柔らかな髪がふわりと広がりまた落ち着く。
「くぬちゃんっ!」
ベッドまで突進して三つ編みに顔がつくほどにじり寄る。
「助けて!!」
「え、う!?……な、なに。宿題とか……?」
「干してたぱんつがなくなったの!!」
くぬぎは十数秒ほど絶句した。
「ま……待って待って。干してたっていうのは、どこに」
幼い頃から遊びにきていたくぬぎには、このアパートには室内に物干し場があり、おばさんが洗濯物はかならずそこに干していることくらい知っていた。
それがなくなったとすれば――泥棒、の仕業ということすらありえるわけなのだが。
質問の意味を正確に理解したのか、千緒が湯気が立つほど真っ赤になって首を振る。
「ベランダに干してた……」
「アホかあんたはッ!!!」
「き!」
思わず怒鳴って幼馴染の頭を叩くと謎の悲鳴をあげられた。
「ベランダって、ベランダってあんたちょっと羞恥心がないの?!」
「くぬちゃん怖い……」
「怒りもするよ!」
ベランダに隣接する隣のアパート(メゾンドけやき)と、このアパート(コーポそらまめ)のベランダ間にはほとんど隙間というものがない。
当然乗り移ることも可能だし、メゾンドけやき側がカーテンを開ければベランダの洗濯物など丸見えだ。
北側の外壁にはエアコンの室外機や配線やなんやらが張り出していて外から入る隙間もない。
更に南側は別のビルの裏壁でありこちらも外部からの侵入はできない。
必然的に、犯人がいたらこのアパートか隣のアパートの住人となる。
「風で飛ばされた、ってことはないの。一階の庭に落ちていたりしなかった?」
「探したもん……なかった…」
「ああそう分かった。分かった分かった。なくなったのはいつ?」
はぁと三つ編みに指を絡めて肩を落として聞きながら、くぬぎはベッドから脚をおろした。
そのままベランダ側まで歩いて行ってカーテンごと窓の桟を横にを引く。
靴が一足置けるくらいの狭いベランダに踏み出して、向かいの窓をカンカン叩く。
やや強めに延々と。
「三島。三島兄弟ー。ちょっと、ねえ、顔貸しなさい」
深緑のカーテンがややあって開き、同い年頃の少年が二人、顔を出した。
くぬぎは、二人を順繰りに見つめてから、こほんと咳払いをし。
涼しい声で厳かに告げた。
「あんたたちのどっちか。ちおのパ……、ん…洗濯物、盗ったでしょ」
- 12 :
- 2
「……は?」
三島恭平は隣家からの突然の詰問に、口をぽかんと開けることしかできなかった。
窓の外、向かいのアパートから顔を出してこちらを見据えているのは、よく知った幼馴染みの少女、
支岡くぬぎだった。
無遠慮に窓を叩かれ、近所迷惑になるので仕方なく応対すると、いきなり盗人呼ばわりである。
わけがわからない。
「何よその目は」
気の強そうなくぬぎの目つきが、さらに剣呑なものになる。ちょっと思っていたことが顔に
出てしまっていたらしい。「お前は何を言ってるんだ」という内心の声を、恭平は気取られない
ように打ち消す。
「こんばんは。突然どうしたの、くぬぎちゃん?」
隣にいた弟の純也が、小首をかしげて少女に問いかけた。恭平とは双子なのだが、二卵性の
ためかあまり似ていない。無愛想な恭平とは違って、純也は人当たりがいい。そのせいか、
くぬぎの強気な物言いも純也に対しては柔らかくなる。それが恭平には少しおもしろくない。
「いや、その……ちおがベランダにパ……洗濯物を干してたらしくて、それがなくなって困ってるの」
「……洗濯物?」
純也はもう一度首をかしげると、隣の兄に目を向けた。恭平は顔をあわせずに答える。
「知らん。そもそもここしばらく、窓を開けた覚えがない」
偉そうに言うことじゃないよ、と純也は苦笑いをする。
「換気のために、起きたときに一度窓を開けたよ。15分くらいかな。でもそれだけ。昼は
いなかったから知らない」
「俺もいなかった。帰ってきたのはたしか夕方の5時ごろだったか。そのあとテレビ観て
飯食って、部屋に戻ってきたのはさっきだ」
「ぼくも同じような感じかな。朝はそもそも洗濯物なんて干してなかったと思うけど」
すると、くぬぎの後ろから遠藤千緒が、真っ赤になった顔をおずおずと出して、こちらを覗いてきた。
「こんばんは、ちおちゃん」
「う、うん。こんばんは」
のんきに挨拶などをしている弟を尻目に、恭平は単刀直入にもう一人の幼馴染みに訊ねた。
「洗濯物って、ベランダに干してたのか?」
「……ん」
小さくうなずく。くぬぎが睨んできたが、恭平とてセクハラをするつもりは毛頭ない。
それに、質問する側もこれで結構気まずいのだ。
「身に覚えがないのに、一方的に犯人扱いされちゃたまらないからな。ちょっと訊くだけだ。我慢してくれ」
「……うん」
今度は幾分はっきりとうなずいた。隠れていたくぬぎの背中から出てきて、ベランダの正面に
立つ。背は千緒の方がずっと低い。くぬぎも決して大きいわけではないが、小動物のように
小柄な千緒と比べると、背が高く見える。とても同学年とは思えない。
- 13 :
- 「いつ干した?」
「えっと、昼の2時くらいに……」
「なくなったことに気づいたのは?」
「夕方には取り込もうと思って、ちょっと外に出てたの。だけど帰ってきて、6時くらいに
窓を開けたらどこにもなかった。物干しごとなくなってたから、最初はお母さんが取り込んだのかと
思ったんだけど、訊いても知らないっていうし、下にも落ちてないし、どこ行っちゃったん
だろうってもうわかんなくなっちゃって……」
次第に声量が小さくなっていく千緒の様子に、恭平は何も言えない。女性の衣類は男性よりも
ずっとデリケートなものだろう。加えて千緒は思春期真っ只中の女の子だ。同年代の男子に
洗濯物をどうこうと話題にされて恥ずかしくないわけがない。それを言うなら同年代の男子が
住む部屋の真正面に洗濯物を干すことがすでにおかしいが、千緒は昔から恭平と純也に対して
だけは気を許しきっている節があり、警戒心皆無だったりするので、恭平はその行動を特に
不可解だとは思わなかった。家族ぐるみでの付き合いがあるので、半分は家族のような意識
なのだろう。
恭平個人としては、そう割り切れるものでもないが、それはともかく。
「物干しって、あの洗濯バサミがたくさんついてるやつか?」
「うん……」
物干しごとなくなったとなると、風で飛ばされたという線はほぼ消える。鳥や動物が持って
行ったというのも考えにくい。
ということはやはり人為的な行為によるものと考えていいだろう。平たく言えば誰かが盗んだのだ。
恭平は違う。純也も違うと言っている。ならばどこかのコソ泥の仕業か。
いや、と恭平は思い直す。周りの立地と角度的に、この位置の洗濯物を確認できる場所は恭平たちのいる部屋しかない。
ベランダの足場が邪魔になって、下からは見えないだろう。
「……あのさ、本当にあんたたちじゃないの?」
「違うって言ってるだろ」
「ぼくも違うよ」
恭平はうんざりと、純也は平然とした声で返す。
「だってその部屋からしか盗れないじゃない。それともなにか、空き巣にでも入られたって言うの?」
「可能性としてはありえるんじゃ……すまん」
千緒が泣き出しそうな顔になったので、恭平は即座に謝った。
純也が安心させるように言った。
「大丈夫。泥棒が入ったとして、そういう人は金品が目的だから、無駄なものは持ち去らないよ。
それに誰かに見られてしまう危険があるから、不用意に窓際に近づいたり、カーテンを開けるなんて
こともしないはず。安心して」
純也のフォローはある程度説得力があったようで、千緒は安堵の息を漏らした。
弟の手腕に感心しつつも、恭平は今の話に何か引っかかるものを感じていた。
「……ん」
「どうしたの、三島兄」
「兄言うな。いや、もしかしたら……」
くぬぎの軽口をあしらいながら、恭平は千緒に向き直った。
「千緒。その、洗濯物って、要は……下着、だよな?」
「ふえ!? え、えっと」
「デリカシーないなあんたは!」
千緒の狼狽とくぬぎの怒号を同時に受けながらも、恭平は続ける。
「今から確認してみるけど、見られたくないだろ。こっちに来てくれるか?」
「え?」
- 14 :
- 3
下着が入った紙袋を恥ずかしそうに抱えながら、千緒は窓から再び自分の部屋へと戻った。
「ごくごく簡単な話だったのね」
くぬぎは得心がいったようで、うんうんとうなずいている。
恭平はため息をつく。疑いを晴らすのも楽ではない。
「でも兄さんよく気づいたね、お母さんが取り込んでいたことに」
千緒の下着を盗ったのは、三島兄弟の母親である弘子だった。正確には盗ったわけではなく、
一時的に預かっていたのだが。
「俺も純也も、昼間は家にいなかった。そうなると必然的にうちの親父かお袋しか、窓を開ける
人はいない。部屋の掃除をするときには、換気のために窓を開ける。俺たちの部屋を勝手に
掃除するのなんてお袋以外にありえないから、窓を開けたのもお袋ってことになる。そのとき
洗濯物を干してあるのが見えたんだろうな。で、年頃の女の子が同年代の男子にそういうものを
見られるのはきっと嫌だろうと、俺たちが帰ってくる前に気を遣って取り込んだ。本当は直接
注意したかったのかもしれないが、千緒は間が悪く留守だった。まあ、そういうわけだ。
よかったな、盗られたんじゃなくて」
気恥ずかしさも手伝って、恭平は一息にまくしたてた。
千緒は一瞬呆けたような顔になったが、しばらくしてにっこりと笑った。
「うん、ありがとう、きょうちゃん!」
その屈託のない笑顔に、恭平はどことなくむず痒くなって、顔を逸らした。
「いや、たいしたことは全然してないし」
「ううん。ごめんね、迷惑かけて」
どうにも調子が狂う。恭平は軽くうなずくと、もう閉めるぞと窓に手をかけた。
「あ、そうだ!」不意にくぬぎが声を上げた。「あんたたちさ、明日ちょっと手伝ってくれない?」
「?」
くぬぎは、三つ編みにした髪を軽く撫でながら、
「今ちょっと新歓の部活紹介どうしようか、ちおと考えてたところでさー。明日も日曜で休みだし、
ちょうどあんたたちにも手伝ってもらおうかと思って」
「困ってるの? くぬぎちゃんたち」
何で俺たちが、と文句を言おうとしたら、純也が先に反応したため、恭平は口をつぐんだ。
おい、余計なことを訊くな弟よ。
「うん、ホント困ってるの。助けて純ちゃん! ついでに兄の方も」
「誰がついでだ!」
「あの、私からも、お願いしていいかな。きょうちゃんが手伝ってくれたらすごく助かるんだけど……」
千緒の頼みに恭平は言葉を詰まらせる。
くぬぎに対しては真っ向から言い返すことができる。しかしこの小さな幼馴染みに対しては、
どうにも調子が……。
しばらく黙っていた恭平は、観念したように深々とため息をついた。
「……明日だけだぞ」
その瞬間、花が咲いたように千緒の表情がぱっと華やいだ。
〈了〉
- 15 :
- 以上で投下終了です。
ちょっと他の職人さんと合作をしてみました。
本来は埋めネタだったので、あまり幼馴染み分は出てませんが、新スレ祝いにどうぞ。
このスレもまたにぎやかでありますように。
- 16 :
- GJ
- 17 :
- >>15
これまた爽やかな四角関係ですね。GJ!
でもこれ数年後には絶対ドロドロにうわ何をするやめ(ry
- 18 :
- くぬぎが憎まれ口を叩きながらも実は恭平が好きで
そんな恭平は千緒が気になり、
千緒は見た目怖いけど優しい恭平が気になりつつもくぬぎとの友情で遠慮して、
みたいな想像は余裕でしたw
あれ、純也どこ行ったw
- 19 :
- >>18
なんか、東京ラブストーリー思い出した
たいがい古いな
- 20 :
- 前スレ515乙でした。
とりあえずリア充爆発しろ。
- 21 :
- GWとか全然関係ない思いつきの保守投下。
だらだら会話形式です。ネタがどこかで被ってたらすみません。
「幼馴染みって言葉についてどう思うよ?」
「…何がよ?」
「こうさ、物足りないって感じしないか?」
「うーん、どうかな…」
「どこか子供っぽさが抜けないっていうか、幼いっていうかさ」
「それ、単に『幼』って字が入ってるからでしょ」
「そう! それなんですよ!」
「わぁ、変なスイッチ入った」
「でさ、考えたんだけど、『大人馴染み』って言葉についてどう思うよ!?」
「そんな言葉はないと思う」
「そう、俺のオリジナルだ。大人馴染み。幼馴染みの一歩先を行ってる感じがしないか?」
「うーん…まぁ、うーん」
「で、それを踏まえて、だな。何を言いたいかっつーと、ですね」
「うん」
「そろそろ…俺らも、その、幼馴染みから、大人馴染みにならないか…みたいな」
「……………」
「……………あの、」
「60点」
「へっ!?」
「オリジナリティは認めるけど、前置き長過ぎ」
「そ、そうか」
「うん。それと、さ」
「うん?」
「そういうのって、もっと前にする話じゃない?」
「も、もっと前って?」
「少なくとも、こうして裸で抱き合う関係になるよりは前、かな」
「……なるほど、ごもっとも」
「いいけどね、別に…」
「やっぱり、痛かったか?」
「うーん、思ってたほどじゃなかった、と思う」
「…強がりなやっちゃなぁ」
「そんなの、知ってるでしょ?」
「うん。そういうとこ、好きだしな」
「………」
「何点?」
「…バカ」
それでは皆さん、素敵なGWを!
- 22 :
- >>21
短いのに破壊力抜群だな
GJ!
- 23 :
- >>21
いいね
こういう不意打ち気味の言葉で相手黙らせるの大好きです
ところでGW中に書き上げようとしたのがほとんど進まなかった
誰か朝起こしに来てくれるお節介な幼馴染み風に罵った後に慰めてくれ
- 24 :
- >>21
前スレの幼稚園プロポーズの人かw
相変わらずネタのキレっぷりが流石。 GJ
>>23
「今さら、休日イベントなんかで纏まるようなものじゃないでしょ?
結局はさ、毎日コツコツ小さな時間の積み重ねだよ
それで、ある日突然、周りからしたら本当に何でもないことで、急にドカンと進んじゃう。
幼馴染(SS)の関係なんて、そういうものじゃない?」
- 25 :
- >>24
なにそれかわいい。
最高のデートにするぞっていきがっててんぱっていろいろ無茶して失敗して、
結局公園デートとかおうちででーととかでごめんなっていったあとのフォローみたいなイメージが出てきた。これは惚れるというか惚れ直すというレベル
- 26 :
- 主人公の前に謎の美少女現る→主人公と同棲し始める→幼馴染みがやきもき→最後は謎の美少女を選ぶ
世の作品はこのパターンが多過ぎて泣けてくる
ここからの幼馴染み勝利パターンはエルフェンリートぐらいしか思いつかん
主人公を誰より長く想ってきたんだからもっと報われて欲しいよ
- 27 :
- 最近のNHK朝の連ドラは、幼馴染が報われないから困る
…と思ったが、結構前から報われてなかったな
- 28 :
- 家族的ポジションに陥りやすいからな
ところで、ある日隣の幼馴染の下着を手に入れてしまっておかずにしてたらバレて…というのを思いついたわけだが
続きをどうしたら良いか思いつかん
- 29 :
- >>28
1→い、言ってくれればいつでも……
2→あ、あいつが私の事そんな風に見てたなんて……
3→ご、ごめん、実は私も……
- 30 :
- 幼馴染とくっつく場合、盛り上がりに欠けるというのがあるんだろう。
テレビの場合は、幼馴染を地縁の束縛の象徴とみなすとも聞くが。
- 31 :
- >>28
女の子の下着 を 男の子が使って
というのと
男の子の下着 を 女の子が使って
というのと
どっちですか?
女の子が というのは「彼のシャツを羽織る」とかに近い感じかな?
じつは、男の子が女の子の下着をオカズに というか 自分の下着の代わりに着てた とか?
匂い嗅いでいたとか
そういうので展開違うし。
女の子の下着 を 男の子が使って
だと
>>29 の他にも
A
女 何、遠慮していますの?一緒にお風呂入って、同じお布団で寝た、仲なのに?
男 ・・・・・何年前の話?
B
女 あんたが好きなのは私でなくて私の下着だったのね!
まあ、スカートやワンピから無防備に見えてたはずだし、目の前で着替えもしてたけど・・・・
男の子の 下着 を女の子が使った
A
男 何やってんだ 返せ!
女 誰に向かって?あんたが自分で料理したり、洗濯したり、しないからでしょ?
B
男 お前?何ていう使い方を!
女 あんただって、私のパンツもってるでしょ?
C
男 女も男の下着を使うのか?初めて知った。
女 あんたって人は、私の下着を盗んだのね?
男 おまえも盗んで・・・・
女 洗濯させて、干させて、取り込ませて?盗んだ?ですって? 親切に保管しておいたのに 何よ?。
D
女 いつでも、一緒にいられるね、うふふ
男 いつまで現実逃避してる気だ?
E
男 何フザケテる。返せ。
女 ふざけてない。良いでしょ。
男 頭きた!犯すぞ!
女 良いよぉ あんたなら。 ( この後 脱いで ) 好きにして良いよ。壊さないでね。
脱ぐにもパターンがあって
見つかったとき着てた服が
スカートとシャツとパンツ
スカートとシャツ
スカートだけ
シャツだけ
ワンピとパンツ
ワンピだけ
パンツだけ
など考えられます。
- 32 :
- 靴下だけ、がないぞ
- 33 :
- >>32 あんたねぇ
あのさぁ
>>28
に書かせたいから、わざわざ外したのになぁ 「全裸に靴下」
エプロンだけとか、バスタオル巻きつけとか、体育着とか、彼パンツだとか・・・・・
- 34 :
- 「この世界の片隅に」はいきなり幼馴染みルートぶったぎりから始まる
- 35 :
- ボーイミーツガールの物語性を強調してるからね。謎ヒロインではなく、物語に敗北してると言える。
個人的にはいかにもボーイミーツガール、ハーレム系列と思わせてその実主人公と幼なじみの夫婦みたいな関係性を強調する話がみたいもんだけど。
他ヒロインは読者に気付かれないよう巧妙に当て馬になってもらい自然と幼なじみ以外は有り得ないと思わせるような。
- 36 :
- 初期の俺妹がまさにそれで好みだったのに今や……
- 37 :
- あれはどのキャラのファンも不満が残る誰得作品だからなあ
- 38 :
- ゲームの方で補完するしかない感じだからなぁ。
馴染みスキーにゃ世知辛い話だ。
- 39 :
- 6月が始まりました
- 40 :
- ジェーンブライドやな
- 41 :
- あれ?ジューンだっけか?
- 42 :
- ジューンだな
ジェーンブライドだと花嫁ジェーンになっちゃうからな
- 43 :
- ジェーン、金髪碧眼の幼馴染か。
…挿絵的には違和感あまり無いな。
- 44 :
- 商社マンか在日米軍の娘で、子供時分の約束をずっと覚えていて……な感じだろうか
- 45 :
- 親が海兵隊教官で
久々に再会した幼馴染を出会い頭にF言葉で罵るんですねわかりますビクンビクン
- 46 :
- 怪しい日本語もつけよう。
ってこれは東鳩のレミィじゃね?
…あかり……。
- 47 :
- 再開系幼馴染は嫌いじゃないけどどうしてもずっと一緒にいた
幼馴染より下になってしまうな個人的に。
- 48 :
- でも最近は再開系幼馴染のほうが勝率高い気がする
- 49 :
- 長い時間を一緒に過ごしてきた幼馴染の報われてくれ感は異常
でも、漫画とかゲームでは一番恵まれない立ち位置にいるような気がする
- 50 :
- だからこそのこのスレで
そしてだからこそ私達がいる
- 51 :
- 再会系幼馴染みって、最近はなかなか存在が難しくなってる気がするな
今時分なら子供でもメールやらSNSやらでずっと連絡とり続けることは可能なわけで、
そのつながりも切れて音信不通になる、ってのはよほどの外的要因がない限りは
本人たちの気持ちが切れちゃった、ってことになるわけだし
- 52 :
- そんな現実的になるなよ…
妄想の中でくらい音信不通とか手紙のやりとりだけ続いてるとか夢見ていいだろ…
- 53 :
- 日本にデカセギに来ていた日系ブラジル人家族が、リーマンショック後の不景気で日本を離れざるを得なくなり…
母国に帰る羽目になった幼馴染は、貧しさ故に主人公と連絡を取る方法もなく…
みたいな?
- 54 :
- 一回途切れちゃったけどまた再会してってのもありじゃないか
- 55 :
- せやな
- 56 :
- 引っ越ししてしまってメールや電話越しの声だけで、いつまで経っても「会えず」にいる
これが再会系(?)でも問題ないと思うんだが・・・・・・音信不通なんているのか?
- 57 :
- 親に内緒で会っていて、幼少期ゆえに電話番号もメールアドレスも知らなかったとか
- 58 :
- 再開系か・・・
初恋彗星トカサイコウデスネ
- 59 :
- 携帯やPCを使うのを親が許可しないのでひたすら文通を続けるとか、考えてみると大変だなぁ。
- 60 :
- SNSやってても逆に相手が遠く感じるようになってしまったり…とか
それだと気持ち離れたってことになるのか
- 61 :
- 些細な誤解から仲違いしたまま離れ離れになってしまったってのはどうだ?
それかどっちかが家族ごと夜逃げしたので音信不通とか、親が逮捕されて遠い親戚に引き取られたとか
- 62 :
- お互いの母国同士が戦争になって引き裂かれたとか
- 63 :
- そういう話読みたいな
- 64 :
- 生々しくするなら東日本大震災を機にそれぞれ別の場所に避難した結果、
連絡がとりようがなくなり、10年後とか。
- 65 :
-
父親がだめ人間で親が離婚。母親がヒロインを引き取って引っ越し。
父親の影響でやや男性不信気味。しかし主人公はそれ以前からの付き合いで割と平気、とか。
- 66 :
- 敢えて発想を変えて、
女の子が主人公で、幼馴染の男の子達の中から一人を選んでゴールイン。
- 67 :
- 全国12都市に一人ずついるのかい?
そういえば、ネットラジオ聴いてたら木下サーカスの巡業先は大体決まってるから離れ離れになっても再開できるそうな
- 68 :
- そういやはがないの夜空って上にあるような再開系幼馴染みになるのか?
- 69 :
- なるね
- 70 :
- >>53
迷子になっていた女の子(ブラジル籍)を助けたのがきっかけで家族ぐるみのつきあい、
ブラジル人両親が共働きしているせいで主人公の家にいる時間の長い年下幼馴染み
その返礼で時々ブラジル人の家庭に招かれてブラジル料理なんかを食べていたせいで
餡や煮豆が嫌いになってしまった主人公、というのがいるわけだ
で、突然いなくなってしまった一家、幼馴染みのことが思い出、かつ胃袋の記憶として
残っていたところにこれまた「日本に帰りたい」との一心で奨学金を得て交換留学生に
なった幼馴染みが現れて、ブラジル料理を振る舞って主人公との距離をもう一度縮めて……
「フェアジョアーダは恋の味」ってところか?
【たぶん違う】
- 71 :
- >>70
何故かシュラスコで歓待される主人公
- 72 :
- 誰か作品書いてくれないかなぁ…
- 73 :
- しばらく空いてますな
かくいう自分も、一度書いてみようと決意して、ずっと忘れていたクチですが……
- 74 :
- 他所に書いてるのが終わったら、帰ってくるよ
- 75 :
- 今書いてる奴がキリのいいところまで投下できるけど…
すでに二回区切って投下してる奴なんであんまり分けて投下するのもなぁ…
- 76 :
- >>75
きにするな、俺はいつでも待ってるぞ
- 77 :
- 待ってるから大丈夫だ
- 78 :
- ありがとう
なるべく早く書きますわ
- 79 :
- 実体験で、転勤族同士で再会したことがある。
が、ブスになっていた
- 80 :
- 投下します
が、クソ短いしエロなし
※※※※※
桜咲く春の始業式。
今日から俺も、晴れて中学三年生だ。
先輩たちが卒業した今、主将に就任した俺にはこの陸上部を背負う責任がある。
目の前には、ずらっと整列する部員たち。
「いいか、野郎ども――」
がつんと一発、気合の入る訓辞を述べようと、俺は声を張り上げ――
「あ、よーちゃんだ。よーちゃーん♪」
――ている最中に、ずっこけた。
「かな……いや、立花!? お前何でここに!?」
「何でって、今日ここに入学したんだよ。よーちゃん知らなかったの?」
そうだ、うっかりしていた。
家が隣なんだから、学区も同じに決まっているんだ。
きょとん、とあどけない顔を傾がせているのは、俺の二歳下の幼馴染、立花かなでだった。
「見て見てよーちゃん。わたしの制服姿、似合う?」
「あ、ああ、そうだな……って、その呼び方やめろよ! 誰かに聞かれたら……」
だがもはや遅い。
案の定、俺の背後の陸上部員たちから、くすくすと忍び笑いがこぼれる。
「(よーちゃんだって……!)」
「(あの陸上の鬼の楠木が……)」
「(いやあ、わかんないもんだよねぇ……?)」
- 81 :
- 自分の顔に、すさまじい勢いで血がのぼるのがわかった。
「お、お前ら! 違うんだ! これはちょっとした誤解で――」
あたふたと釈明する俺の傍らで、今度はかなでが「ぶー」とむくれた。
「えー、でもよーちゃんはよーちゃんだもん。呼ぶなって言われても、よーちゃん……」
「だ! か! ら! やめろってんだろ! ここでは普通に先輩って言え、立花!」
「何で名字で呼ぶの? よーちゃんいつもはわたしのこと、かな――」
「わー! わー! わ――ッ!!」
とんでもないことを口走ろうとするのを、強引に制止する。
もう主将として威厳ある演説なんて、不可能極まりなかった。
「お、お前のせいだぞ……立花」
「よーちゃん怒ってるの? いつも言ってるでしょ? 癇癪起こしちゃダメだよ。よーちゃん昔から、上手くいかないとすぐ暴れ出して泣き出すんだから――」
「もう黙っててくれぇ!」
これ以上、俺を晒し者にするのはやめてくれぇ!
ホントに泣きたくなってきた。
「もういいよ、帰れよ。早く帰れよ、お前」
しょんぼりしながら、俺はしっしっとかなでを追い払う。
初日から、俺は部の中でいくつの物を失ったのだろう。
だがまたしても、かなではきょとんと首を傾げた。
「え? 何言ってるの、よーちゃん? わたしも参加するんだよ」
「…………は?」
俺の背中を、悪寒という悪寒が走った。
かなでが、にっこりとカバンの中から『それ』を取り出す。
「わたし、陸上部に入部するんだ。……といっても、マネージャーだけど。だって中学じゃ、よーちゃんと一緒にいたいから」
かなでが、担当教師の判が押された入部届を差し出してくる。
だが俺には、そんな幼馴染の太陽のような笑顔を直視できるはずもなく。
「そんな……そん、な…………(ドサッ)」
「よーちゃん!? どうしたの、よーちゃ――――ん!?」
こうして我が陸上部の新年度最初の記念すべき日は、新しい主将が練習前から気絶して早退するという、情けなさすぎる幕開けを迎えたのだった。
- 82 :
- 以上です
どうしてこうなった
- 83 :
- いいから早く続きを書くんだ
- 84 :
- ああ。有る有る。先輩、後輩、なんだけど、幼馴染。
今後も、「主将」って威張ろうとするたびに「よーちゃーん♪」 とマネージャーが呼びかけるのね。多分
- 85 :
- だがしかし数ヶ月後、開き直って自分の気持ちに素直になったよーちゃんにより毎日砂糖を吐く羽目になろうとは、部員はこの時誰ひとり思っていないのだった
- 86 :
- 砂糖吐きで済むのか?
「実は一番の陸上の鬼が立花」
という可能性は?
- 87 :
- 投下します
前スレで投下した「Untidy Peach」の続きです
あれから一週間が経った。桃姉を思わず押し倒し、正気に戻って逃げ出してから、桃姉のところには一度も行っていない。連絡すら一度も取っていなかった。
当たり前の話だ。あんな事をしでかしといて、どの面下げて会いに行けばいいのか。
そう考えていたはずなのだが。
「なんで俺はここにいるんだろうな……」
心の中のぼやきがつい口に出てしまった。俺は大きく嘆息し、目の前の安アパートから視線を反らす。
まあなんというか、会いに来てしまった訳である。
(会って何したいって訳でもないけど……)
最初の3日くらいは俺は本気で落ち込んでいて、桃姉にはもう一生会えないと思い込んでいた。
その様子は西田と大野に人が動いてると評されるほどで、何かあったのかと聞かれたが、まさか「幼なじみのお姉さんに欲情して襲い掛かった」なんて言える訳がない。
ただ、2人ともなんとなくそこら辺は察してくれていて、あまり桃姉の話題には触れずにいてくれたのはありがたかった。
西田がふざけて言っていたような「胸くらい揉んだ」状態になってしまった俺はきっとその手の冗談を受け流せなかっただろう。
そんな風に凹んでいた俺だったが、4日目辺りからどうしても気になることができてしまった。
(俺が行かなくなったら桃姉はきちんと生活していけるのだろうか?)
最初は馬鹿らしいと思った。桃姉だってもういい大人なんだし、俺が行かないなら行かないで自分でなんとかするだろう、と。
だがすぐに思い直す。なんとかできる人ならそもそも俺が世話しに行くような事になっていないのだ。
それからの3日間、俺は板挟み状態のまま悶々と悩み続けていた。桃姉の事は心配だが、桃姉に会うのは憚られる。ズルズル悩みを引き摺ったまま、気がつけばこの安アパートに足が向いていたのだった。
「桃姉の事言えないよなぁ……」
自嘲するように俺は笑う。
家政婦扱いは嫌だと桃姉に言っておいて、こうして桃姉の生活が気になって来てしまう。結局の所、俺自身に使用人根性が染み付いてしまっている訳だ。
桃姉の部屋の前に立ち、ドアに手を掛けようとして、俺の手はピタリと止まった。
やはりまだ踏ん切りがつかない。2、3度同じような行動をして結局開ける事ができず、俺は大いに頭を抱えた。
来てしまった以上、このまま帰るなんて事はできない。ならばさっさと覚悟を決めて中に入るべきなのだろう。だが、どうしても勇気が出なかった。
せめて何かきっかけでもあれば……。そう考えていると――
「うひゃああぁぁぁ!?」
中から聞こえてくる桃姉のの悲鳴。続いて、ドスン!バタン!ガシャン!という破砕音。
明らかに何かがあった音だ。血相を変えた俺は今までの躊躇いも忘れて部屋の中に飛び込んでいた。
- 88 :
- 部屋の中は相変わらず散らかっていた。
ただ、いつものようにゴミが積んであったり衣類が脱ぎっぱなしといった生活のだらしなさからくる物ではない。
タンスは倒れ、窓ガラスは割れて飛び散り、棚の上の物が散乱している。洗濯機からはマンガの一場面のように洗剤の泡が溢れ出し、台所ではフライパンの上で黒焦げの何かが煙を上げていた。
「な……」
あまりの光景に絶句する。まるで強盗でも押し入ったかのような荒れっぷりに明らかにまともな使用法がなされていない洗濯機と台所。
そんな惨状の中、部屋の中央には呆然とした表情で桃姉が座っていた。いつも以上にボサボサの髪に目に溜まった涙。腰を抜かしたようにへたり込み、手には何故か掃除機を握っていた。
「うぅ〜、ハルぅ〜……」
俺の姿を見つけるやほっと表情を緩めながらベソをかきだす。まるで迷子がはぐれた親を見つけた時のようだ。
「な、何があった……?」
どう声をかけていいか分からず固まる俺は、なんとかそれだけ言葉を絞りだした。
「自分で、家事……しようと思って……でも、洗濯機は泡吹くし、料理は焦がしちゃうし、掃除機かけたら棚ひっくり返しちゃうしで……」
それでこの惨状という訳か……。さっきの破砕音はそのせいらしい。
「ここまで何もできない人だとは思わなかったよ……」
俺は脱力して思わず口から正直な感想が飛び出していた。それを聞いた桃姉は恥ずかしそうに顔を伏せる。一応自覚はあったらしい。
少し可哀想な気もしたが、まさか俺だって掃除をしたら前より散らかったり、洗濯機から泡を溢れさす人間が本当にいるとは思わなかったのだ。
と、その時、ボスン!という音と共にフライパンの上の物が新たな煙を吹いた。
「と、とにかく片付けような!?いつも通り俺が指示だすから!」
黒煙を上げ続けるフライパン上の物体と泡を吹き続ける洗濯機だけでも放置するのはまずい。
俺は桃姉を立ち上がらせ、二人でいそいそと惨状への対処に向かった。
二時間後、なんとか人の住む場所の様相を取り戻した部屋の中で、俺と桃姉はこたつにつっぷしていた。
「つ、疲れた……」
普段より散らかった部屋を普段より早いペースで片付けただけに二人ともへとへとだった。
「でも良かったよ〜。ハルがいいタイミングで来てくれて。…………あ
桃姉が嬉しそうにはにかむが、すぐに思い出したように気まずい顔を作る。
「あ、えと……」
その顔を見て俺も思い出す。部屋の惨状や片付けのドサクサで忘れていたけれど、そもそも俺は桃姉の前に顔を出すのも憚られる状態だった。
「…………」
「…………」
互いに貝の様に口を閉ざしてしまい、緩みきった空気が一瞬で緊迫したものに変わっていた。
俺も桃姉も相手の顔をチラチラ盗み見る事しかできない。しばらく静かな部屋の中にカチコチと時計の針の音だけが響いていた。
(……黙ってても仕方ないよな)
このままでいても何も始まらない。元より何か目的があって来た訳でもないが、少なくとも一言謝るくらいはできるはずだ。
そう考え、俺は意を決して桃姉に向き直った。
「も、桃姉!」「……ハル!」
が、二人の声が見事にハモり、互いに次の言葉が止まってしまう。
「……な、何かな?」
「いや、桃姉から……」
気勢を挫かれた俺は思わず話を譲ってしまう。
「う、うん……。あの……こ、この間の事、なんだけど……」
「……!」
射抜かれたような衝撃に一瞬息が詰まる。結果的に同じ話をしようとしていた訳だが、自分からするのと相手から話を振られるのでは大違いだ。それでも俺は先んじて謝ろうと口を開いた。
- 89 :
- 「あ、あのさ……桃姉!この間は……」
「私……ハルに謝らないといけないと思って」
「………………はい?」
「いや、だから……この間の事をね、ハルに謝ろうと……」
「ちょ、ちょっと待って!」
思いがけない言葉に俺は慌てて口を挟んだ。何で桃姉が謝るんだ!?
だが俺の剣幕に桃姉もまた戸惑ったように言葉を詰まらせる。
「…………えと、ね……」
しかし混乱する俺より早く気を取り直した桃姉は、ゆっくり言葉を選ぶように話し始めた。
「謝らなくちやいけないのは、ハルを傷つけちゃった事……」
その言葉に俺はますます混乱する。桃姉が俺を傷つけた?俺が桃姉をじゃなく……?
「その……ハルにお嫁に貰ってとか言ったし……」
「ああ……」
確かにあれは地味にキツかった。額面通りに受け取ればすごく嬉しいのに、実際は脈が無いってところが特に。
「私……ハルの気持ちに長い間気付かないで、無神経なことばっか言ってハルを凄く傷つけてたよね」
「そんなこと……」
「ううん、家事してくれるから好きとか、それでお嫁に貰ってとか私が同じ立場だったらやっぱりショック受けるもん」
しゅん、と落ち込んだように頭を垂れる桃姉。俺は慌てて弁明する。
「そんな、お、俺だって桃姉にひどいことしたし……」
「?」
心当たりがないのか、何のこと?という風に首を傾げられてしまった。
「ほら、その……勢いに任せてとはいえ、胸……とか、揉んだりしたし……」
聞いた途端、ぼっと顔を赤くしてしまった。多分俺も同じような顔をしてるはずだ。
「そ、それは……まぁ、いいとして……」
「いいんだ……」
「それでね……ハルを傷つけちゃったから、ハルはもう怒ってここに来なくなっちゃうと……思ったの」
桃姉の萎んだ声にそんな事ないと否定する事は出来なかった。実際に俺はもう桃姉に会えないと考えていたのだから。
「だ、だから……家事とかも自分でやらなくちゃって思って、今日やってみたの……もう、その……ハルには、頼れないかも知れないから」
それがあの惨状の原因か……。ということは元を正せば俺のせいである訳だ。
「とにかく、そんな風に私はハルを傷つけたから、謝らなくちゃいけないの……ごめんなさい、ハル」
話が最初に戻り、桃姉は深々と頭を下げ謝罪した。
「謝らなくて……いいよ。さっきも言ったけど、俺も桃姉を傷つけたと思ってたから」
「だから、それはいいって」
「うん、だからさ、お互いに相手を傷つけたと思ってたから、おあいこってことで」
「おあいこ……うん、そっか。そうだよね」
俺の言葉に納得したように頷く桃姉。俺も内心でほっとしていた。桃姉の方からの謝罪には驚いたが、これでこの間の事を気にせず前のような関係に戻れると思った。
が――
「じゃあ、ここからが本題」
「え……ほ、本題?」
- 90 :
- またも予想外の桃姉の言葉に俺はもう間抜けに鸚鵡返しする事しか出来なかった。
そんな俺をよそに桃姉は話を続ける。
「……どんな形でも私はハルの気持ちを知っちゃった。そうしたらもう今までみたいな知らないフリは出来ない。そう思ったの」
思わずドキリと心臓が跳ね上がった気がした。それは俺が長年待ち続けた答えだ。そして同時に聞くのを避け続けてきた答えでもあった。
「だから私考えたの、ハルをそういう風に見た時に私の気持ちはどうなのかって」
「あ、あのさ、桃姉!そんな事より……お、お腹減ってない?俺なんか作るよ」
「ハル……私、本当に色々考えたの。もしハルがここに来ないなら伝えられないかも知れなかった。でも今日、ハルが来てくれたから言える。だからお願い、黙って聞いて……」
話を反らそうとした俺の言葉への返事は桃姉の懇願だった。誤魔化せない、そう悟った俺は覚悟を決めて居ずまいを正す。
「あの、ね……私頭良くないしどんくさいけど、ハルの事色々何日も考えて……ハルが……恋人になった時の事とか想像してみたの。でも……それでもやっぱり……一番しっくりくるのは、ハルがここで私の為にお料理作ってくれてるところなんだ」
「……そっか」
意外な事に、桃姉の言葉に俺は少なからずショックを受けていたが、落胆してはいなかった。
俺は桃姉の世話をする人になれても恋人にはなれない。はじめからわかっていた事を再認識しただけだ。そんな気持ちがどこかにあったのだろう。
十年近くの片思いもこれで終わりか、といっそ清々しい気分になりかけていた。
けれど俺が勝手に終わった気になっているだけで桃姉の話はまだ続いていた。
「ただ、ね……私の側でお料理作ってくれてるのがしっくりくるのはハルだけだよ」
「え……?」
ポツリと放たれた一言に、それがどういう意味かわからぬまま俺は反応した。
「私もさ、この歳になるまでに男の子を好きになったり、ときめいたりしたことくらいあるんだ」
「う、うん……それくらいは知ってる」
「例えばね、今までにそういう気持ちを持った人達が、今のハルみたいに私のご飯を作ってくれるって事が想像できないし、嬉しくもないの」
それは……当たり前じゃないのか。その人達は桃姉が好きになった人達であって家政婦にしたいような人達ではないんだから。
「桃姉、何が言いたいんだ?」
話が掴めない俺の質問に、桃姉は答えない。というより桃姉自身理路整然とした結論を持っている訳じゃなく、話しながら整理している感じだ。
- 91 :
- 「それでね、私達ずっと昔からいっつも一緒にいたじゃない?でも、この間の事でハルがもう来てくれないかも知れないって思った時、なんだか凄い悲しかったの」
「…………」
桃姉の言わんとしている事がおぼろげにわかってきた。
桃姉にとって俺は家事をしてくれる人間である事は確かだが、家事をしてくれればそれでいいという訳ではない、ということか。
「ハルはね、私にとってただ家事をしてくれるだけじゃダメ、そばにいてくれなきゃイヤ、そんな人なんだよ」
「……」
俺は黙って桃姉を見つめた。よく見ると頬に少し赤みがさしている。
「私はハルが好き」
言った瞬間、桃姉の顔が(恐らく俺の顔も)真っ赤になった。
「家事をしてくれる人としてじゃなく、もしかしたら恋人としての『好き』でもないかも知れないけど、それでも今まで一番近くにいた男の子で、これからも一番近くにいて欲しい男の子だから……」
「桃……姉」
それはある意味俺が望んでいた答えより遥かに嬉しいものだった。桃姉は、俺が一番だ、そばにいて欲しいと言ってくれたのだから。
考えてみればこれだけ長くいっしょにいるのに、今更恋人としての『好き』にこだわる俺の方が2人の距離を掴めてなかったのかも知れない。
「だ、だからね、ハル……その……私の為に……」
更に続ける桃姉だったが、今の告白よりなお言いづらい事なのか、そこで突然言い淀んだ。
「……ま、毎日お味噌汁を作って下さい!」
顔を真っ赤にして、絞り出すように叫んだ声に、俺はぽかんと固まってしまった。言葉の意味は理解できるが、高校生の俺には実感として追い付いて来ない。
「えっと……」
だが桃姉は今言っていたばかりだ。これからずっとそばにいて欲しい、と。
そしてこれは前回俺を怒らせる原因にもなった「ハルがお嫁に貰ってくれればいい」という言葉と同じ意味だ。
桃姉なりに真剣に俺への気持ちを考え、同じ結論に至った。だが今度は冗談ではなく真面目に俺にそうして欲しいと思っているからこその答えなのだ。
「お、俺で良ければ……」
対して俺はそう返すだけで精一杯だった。気の利いた粋な一言もスカしたキザな台詞も安心させるような優しい言葉も出てこない。
でもそんな俺に気を悪くした風もなく、桃姉は「うん」とだけ優しく微笑んだ。
「改めてよろしく、ね」
「ん、こちらこそ……」
桃姉の差し出してくる握手におずおずと応える。触れ合った桃姉の手は暖かく、何だかとても安心した。
そうして俺たちは前より一歩、しかし大きく決定的な一歩を踏み込んで仲直りしたのだった。
- 92 :
- 以上ここまでです
75でキリのいいところまでなら投下できると言ったのは自分なのですが、書いてたら予想以上に長くなってしまいました
なので前言撤回してやはり区切って投下する事にいたしました
申し訳ありません
次回はHシーンです
- 93 :
- おつー
- 94 :
- うひょー甘えぇぇ!
次回は桃姉の桃色な部分をあれこれしちゃうわけですね
楽しみにしてます
- 95 :
- 雛鳥系幼馴染
- 96 :
- とても照れ臭い『告白』が終わり、その場に発生したなんだかラブい雰囲気に戸惑っていると、不意に桃姉がそわそわと身を捩りだした。
「それで、さ……ハル」
ボサボサの髪を弄り、黒縁の眼鏡を忙しく直しながら、チラチラこちらを伺っている。
「えーと……し、しないの……?」
「……何を?」
「こ、この間の続き……」
「…………」
この間、というのはやはり前回ここに来た時の事だろう。
続き、というからには前回中断した事なのだろう。
この前俺が中断して帰ってしまった事といえば……?
……まあ一つしかない。
「えと、したいの……?」
質問に質問で返すのはルール違反だろうか。と、全く関係ない思考が頭をよぎった。
「だ、だってこういう風に誤解を乗り越えた2人はそのまま流れでしちゃうものじゃないの?」
「どこでそんな知識仕入れてきた……」
「え、えっちなマンガとかで……」
そんなもの真に受けるなよ。というかそんなもの持ってるのかよ。
「……どこにそんなの隠し持ってんだ?」
「ふふん、ハルの知らないトコだよ」
「……タンスの下着が入れてある段の奥か」
「え!?なんでわかったの!?」
得意げな顔を即座に驚愕へと変える桃姉。
ちなみに理由は俺が掃除していない場所がそこくらいだからだ。
「コホン……それで……あの、どうする……?」
「どうするって……」
「さっきも言ったけど、ハルが私にした事……私は別にいい……っていうか、イヤじゃなかったよ?この間はいきなりだったからビックリしたけど……」
「いや……でも、そんな、いきなり……ほら、そういうのって段階踏んで……」
しどろもどろに言葉を紡ぐ内に俺は気付いた。
桃姉が聞きたいのはそういう言葉じゃない。したいのか否か。単純なイエスノーなのだ。
ならば答えは一つしかない。それでもわずかな躊躇いの後に俺は答えた。
「したい……です」
「ん……じゃあ」
桃姉は身を乗り出し、目を閉じてすっと唇をつきだしてくる。よく見ると微かに震えている。
俺も同じように目を閉じると、逸る心を押さえそっと唇を重ね合わせた。
「んっ」
漏れ出た吐息はどちらのものだったのか。軽く触れ合う程度の口付けに、俺も桃姉も鼓動が高鳴るのを押さえられなかった。
「……はあっ」
やがて顔を離した俺たちは、そのまま暫くぼーっと見つめあい、再び唇を重ねようとした。その時――
「ちょ、ちょっと待って!」
「え……な、何?」
突然の制止に戸惑う俺。まさか今さら嫌だと言われるのか?そんな心配をよそに桃姉はもじもじしながら呟く。
「やっぱりちょっと、準備させて欲しいかな……って。ほら私、服も髪もこんなだし」
「ああ、なんだ……そういうことか」
俺は内心安堵しつつ桃姉の野暮ったいジャージとボサボサの髪を眺めた。
「今更過ぎるよ桃姉。俺がどんだけそのカッコ見慣れてると思ってんの」
「お、女心がわかってないなぁ。こういう時は綺麗な自分でいたいじゃない」
「桃姉は今のカッコでもキレイだよ」
「…………ふぁ」
桃姉は真っ赤になって一言唸ると膝に鼻先を埋めてしまう。
「そもそも俺は普段のそのカッコの……だらしない桃姉が好きなんだからさ」
「…………ハルって結構プレイボーイな台詞言うんだね」
「……今のは自分でも恥ずかしかったと思ってる」
俺の言葉にふふ、と小さく桃姉が笑う。俺もまた微かに微笑むと、桃姉のか細い肩に手をかけ、ゆっくり床に押し倒しながら再び唇を触れ合わせた。
- 97 :
- 「ん……くちゅ、はむ……んんっ、ちゅぶ……ん、はぁ……」
二度目のキスは深く濃厚だった。互いの舌が結びつかんばかりの勢いで絡み合っていく。2人共経験なんてないはずなのに、まるでそうする事が自然なように口内を舐め合っていた。
やがて息苦しさから口を離す。ねっとり絡み合っていた舌がほどかれ、つぅ、と舌先から唾液が一条、糸を引いて途切れた。
「はぁ、キスって……すごいね……気持ちいい」
惚けた表情で桃姉が呟く。俺自身も半分惚けた頭で黙って頷くしかできなかった。心臓がバクバク高鳴り、何も考えられない。
「あ……やぁ」
そのまま俺は無我夢中で桃姉のジャージのファスナーを開いた。桃姉が思わず恥じらいの声をあげる。
中は白無地のTシャツで胸の部分だけ暴力的なまでに盛り上がっている。そこからむわっと汗の匂いが漂っていた。
「あ、あんまり嗅がないでよぉ……お風呂入ってないのに……」
「ううん、いい香りだよ、桃姉の汗の匂い」
恥ずかしそうに諌める桃姉に俺はスンスンと鼻をひくつかせる。女性特有の濃厚な体臭は、普段ならいざ知らずこの状況では興奮を煽るものでしかない。
実際、俺には桃姉の身体から沸き立つ匂いがとても甘美なものに感じられた。
「うう……何かちょっと変態っぽいよぉ……」
桃姉の小さなぼやきを黙し、俺は二つの膨らみに狙いを定めた。
「じゃあ、この前の続き……するよ」
「ん……うん」
すっと手を伸ばし、はちきれそうな双丘に指を沈ませていく。
Tシャツの上からだったが想定していた固さがなく、ふにゅっという感触が指先から伝わってきた。
「桃姉、ひょっとして……ノーブラ?」
「え、や……ち、違うの!今日はたまたま……」
俺の指摘に桃姉は慌てたように釈明する。まあズボラな桃姉の事、家にいる時は下着を着けないでいる事もあるかも知れない。だが、その事実は俺を更に悶々とさせる。
「すっげぇ柔らかい……」
「あっ、やん」
触るのはこれで二度目だが、やはりその柔らかさは素晴らしく、思わず荒々しく揉みしだいてしまいそうになる。
だが俺はその興奮を抑え、できるだけゆっくり優しく指を動かしていった。
「はんっ……く……ふぅ」
感じてくれているのか、桃姉の口から熱の篭った吐息が漏れる。
下から掬いあげるようにすると、それに合わせてタプンと形を変えてくるのが楽しくて、何度も乳房を責める手を往復させた。
「はぁ、ん……」
「桃姉、気持ちいいの?」
「ん……うん、なんかハル……上手……」
うっとりとした声でそう言ってくれるのが嬉しくなる。もっと気持ちよくしてあげたい、そう思って揺れる膨らみの天辺、Tシャツの上からでもわかるほど固くなった突起を少しだけ強く摘まんだ。
「ひゃうっ!?」
途端、桃姉は甘い一声を上げて身をビクンとすくませた。目蓋はぎゅっと閉じられ、身体はヒクヒクと小刻みに痙攣している。
- 98 :
- (もしかして……イッたのか?)
女性の絶頂などAVでしか見たことがない俺には、最初そうとはわからなかった。正直、もっと派手な声を上げて大げさにイくものだと思っていた。
そんな俺を目を開けた桃姉が見つめてくる。
目尻に溜まった涙と切なげな表情に段々実感が伴ってくる。
(俺……桃姉をイカせたんだ……)
長年憧れてきた女性を絶頂に導いた。その事実に俺は感動すら覚えていた。そしてその興奮のままに俺の手は勝手に動き始める。
「あっ、やだ……!」
Tシャツの裾に手をかけ、一気に捲り上げると二つの生乳がバルンッと放り出された。その大きさと美しさに思わず言葉を忘れて見とれてしまう。
「はんっ……やぁ!あんっ……んんっ!」
瑞々しい大型の果実のような白い乳房、その先にピンと固く凝った桜色の突起に顔を近付けて吸い付いた。
「くひぃ!やっ、ハル、ダメぇ!」
桃姉の制止を余所に、俺はその敏感な箇所を責め続けた。
餅のような柔らかさの乳肉を口に含むと、先端をコロコロと舌先で転がす。そのままジュルジュルと音を立ててバキュームする。
「あんっ!はぁ!す、吸っちゃ……やぁ……!」
吸引に合わせて形を変える乳肉の柔らかさと、乳首の固さの感触に俺は夢中で桃姉の豊乳を貪る。同時に空いてる手でもう片方の乳首を摘まむと、桃姉の身体がびくびくと跳ねた。
「んあぁ!もう、ダメ……イクっ!またイッちゃうのぉ!」
一度達しているからか、胸への直接の刺激が強かったのか、今度はさっきよりかなりあっさりとイッてしまった。
「はあ……はあ」
「……っ」
荒い息をついてる桃姉の痴態に俺はゴクリとつばを飲む。余韻からヒクヒク動くジャージのズボンに手をかけると、一気にずり下ろした。晒された飾り気のない下着は、クロッチの部分が目に見えて湿っていてうっすらと女性器の形が浮き出てしまっている。
「ハ、ハル……待って」
そこに手を伸ばそうとしていた俺を押し留めながら、桃姉は余韻の残る身体を億劫そうに起こした。
「ハ、ハルばっか私の事好きに弄ってズルい……わ、私もしてあげる、から……」
一方的にイカされたのが悔しいのか、俺のズボンのベルトに手をかけ、カチャカチャと外し始める。
「ちょ……桃姉!」
「わ、私の方が七歳も年上なんだし、こういうことはちゃんとリードしてあげるんだから!」
「いや、でも……桃姉も初めて……」
「い、いいから、お姉さんに任せなさい!大人の女の余裕ってものを……ひゃあぁ!?」
ズボンから俺の物が取り出されると、桃姉は驚愕の悲鳴を上げる。さっきからキスしたり胸を揉んだりイキ声を聞いてたりしたせいで、既にそこはギンギンに凶暴にいきり立っていた。
「うわ、ウソぉ……こんな、大きいなんて……」
顔をひきつらせ、涙目になる桃姉。そりゃまあ初めて見るには多少グロテスクだよな……。
「あ、あの桃姉……無理すんなって」
「む、無理なんてしてないよ。大丈夫……!」
顔を真っ赤にしながら恐る恐る俺の物をくわえてくる。口腔内の熱さが刺激になり、思わず腰をビクンと動かしてしまった。
「はむ……ぢゅぷ、べろ……ぢゅる、んっ……」
ぎこちなくゆっくりとした舌使いで舐めてくる。正直巧いのかどうかなんて経験のない身ではわからないが、気持ちいいのは確かだった。
「く、あ……桃姉、いいよ……」
「う……んん、ぷはっ!……ゲホッゴホッ……ハァーハァー……」
「……」
いい感じに昂ってきたところで、突然桃姉は口を離し激しく咳き込んだ。
どうやら呼吸のタイミングがわからなくて息苦しくなってしまったらしい。
- 99 :
- 「え、えっと……ゴメン、私……」
「い、いや、いいよ……」
すまなそう見上げてくる桃姉を慰めるが、半端に刺激されたせいで俺の物はさらに硬くなっていた。
「じゃ、じゃあ……!あの……こ、こっち使って、気持ち良くなって……」
そう言って桃姉は下着を脱ぎ捨てると、恥ずかしさのあまり顔を背けるようにして、割れ目だけ隠しながら俺を誘った。
喉からゴクリという音がするのを自覚し、桃姉の身体に覆い被さっていく。
「い、いくぞ……!」
「う……うん」
トロトロになっているそこにペニスをあてがい、腰を動かした。一瞬優しくした方が、と思ったが焦らされた興奮から勝手に勢い良く奥まで突き入れてしまう。
「ひぎっ!?い……ぐ、かはっ……」
ズン、と膜を突き破る感触と共に桃姉の苦悶の悲鳴が漏れる。
「い、痛……やだ、これ……ホント痛い、ちょっとムリ……」
「え、あ……大丈夫か?」
本気で泣きが入っている桃姉の様子に俺は思わずたじろいだ。すぐにでも動きたかったのだが慌ててそれを止める。
「あぅ、痛いよう……身体バラバラになっちゃう……」
「ご、ごめん。あんま動かないようにするから」
(うぁ、キツ……出したい……)
無理をさせないよう動かないでいたが、桃姉の中はぎちぎちと容赦なく締め付けてくる。そのせいかおあずけが続いたペニスも痛いくらいに勃起してきていた。
腰を動かしたい、思いきり射精したい、本能がそう訴えてくるのに必で抵抗する。
(えーと、えーと……何か今日学校であったこととか……)
気が狂いそうな刺激に耐え、全く関係ない出来事を考えることで気を紛らわそうとする。同時に好きな人とセックスしているのにそんな事をせざるえない状況に少し泣きたくなった。
「うぅ……ぐす、うぐ……」
不毛な努力に勤しんでいると、突然桃姉がベソをかき始めた。驚いた俺は何事かと問いただす。
「な、何、どした!?まだどっか痛いの!?」
「ううん、違うの……ゴメンね、ハル……」
「な、何が……?」
「……だって私、フェラチオもうまくできないし……中で気持ちよくなってもらおうとしたのに、痛がってて全然ダメだし……」
「いや、それは……初めてなんだし」
「でも……私だけイっちゃって、ハルのおちんちんずっと苦しそうだし……」
「……あ、えと、それは」
必に我慢していたのはバレていたらしい。
「私のがお姉さんなのに……私がリードして気持ち良くしてあげられなくって……ゴメンね、ハル……」
「桃姉……」
俺はポロポロと涙を流す桃姉の肩を掴み、ぎゅっと抱き寄せた。
下半身は相変わらず火がついたような熱さだが、それをなんとか無視して、桃姉に胸の内を吐露した。
「あのさ……俺、さっきスゲー緊張してたんだ。その……俺、桃姉よりやっぱり年下だし、そりゃ桃姉だって経験ないのは知ってるけど……なんとなく、こういうのって年上のが余裕ありそうだなって思ってて……」
「そ、そんな事……」
「だからさっき、桃姉がイってくれたのが凄い嬉しかった。……俺でも桃姉を感じさせられた、歳の差なんて関係なく、これで対等だなって思ったんだ」
「ハル……」
「だから、その……俺ばっかり桃姉を感じさせてるってのは、正直嬉しい」
「じゃあ、ハル……怒ってない?」
「もちろん」
そろそろ俺の方も限界だけどね、と冗談半分に言うと桃姉は未だ繋がりっぱなしの結合部に視線を落とし、再び俺の目を覗き込んできた。
「……ありがと、ハル。でも、やっぱりハルにも気持ちよくなって欲しい。それに……ハルのおちんちん苦しそう。だから……」
俺を見据えるその瞳には決意の色が浮かんでいる。
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