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2013年01月エロパロ292: 女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その7 (350)
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女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その7
- 1 :2012/07/23 〜 最終レス :2013/01/05
- 胸の小さな女の子が胸の大きな女の子と体が入れ替わって胸の大きさを堪能したり
年老いた女が若い女と入れ替わって若い体を堪(ry
淫乱な女の幽霊がいろんな女の体に表意して堪(ry
魂の交換だけでなくて単純にスタイルがよく身長の高い女の子と幼児体系の小さな女の子がいて
ある日身長やスタイルが入れ替わったり
ムチムチの女悪魔が女の子に憑依するとその女の子がムチムチに変身する様な話も可
とまあそんな感じの話題やSSを扱うスレ
■保管庫
http://www40.atwiki.jp/odchange/
■過去スレ
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その6
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1313582260/
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その5
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1290094110/
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その4
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1267807016/
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その3
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1253030666/
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1235567463/
女同士の肉体の入れ替わり・憑依
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1221151798/
- 2 :
- 前スレ埋まったんで新スレ立てました
- 3 :
- スレ立て乙です。
まだ数90レス行けるなと思ってたら
いきなり512k制限来たからね。
また本スレでも良作が生まれるといいね。
- 4 :
- 薄暗い…というより暗闇の少し手前といった方がピンとくるような空間の中で、一人の女性が壁にかけられた鏡に映る自分の姿に見入っていた。
女性といってみたものの、その容姿…特に顔だちはむしろ少女の面影が色濃く残っている。
最低でも二十歳前。おそらくは17歳前後、正に青春真っ直中の女子高生と言った方がピンとくる。
それだけに、その出で立ちは実にちぐはぐなものだった。
艶々と光沢に溢れる髪は結い上げられ…それだけならまだ女子高生でもありえるのだが…まるで中年女性のように引っ詰めるようにまとめられ後頭部で結い上げられている様はむしろ異様だった。
違和感を覚えるのは髪型だけではなく、素材や仕立ては高級そうなものの、これまた女子高生には不釣り合いなシックなブラウスとロングスカート。
これだけでも、彼女って女子高生?っと疑いたくなるところだが、例えばピアノや吹奏楽で、ちょっと本格的な発表会やコンテストということになればこの様な衣服を纏うこともありえないことではない。
だが、それらを考慮したとしても、更に疑惑を深めてしまうのが、彼女が身につけているアクセサリーの類だ。
目立つところだけでも、ネックレス、複数の指輪。そしてピアス。
そのいずれも、イミテーションでもない限り、高級車並みの値段がつくことは間違いないし、イミテーションでもなさそうだ。
一方、現時点で、彼女の関心は、そういった高値のつく装飾品には一切向けられていなかった。
彼女の視線を釘付けにしているのは、鏡に映る自分の姿のみ。
- 5 :
- 鏡を見つめる少女の表情には歓喜すら通り越して、狂気じみたものさえ感じられた。
この年頃の少女は、なにかにつけ、ナルシストまではいかなくても、自分の外見に酔いしれやすいものだが、彼女の歓喜はただそれだけではなさそうだ。
その表情からは、どこからともなく、いくら欲して得られなかったモノ。あるいは一度失って、もう取り戻すことは敵わないモノ。
そんな矛盾した存在を手にしたとでもいうべき、興奮じみた喜びが感じられる。
ただじっと鏡を見つめる少女。
そんな時間がどれだけ過ぎただろうか。
ようやく、少女の視線が鏡から離れた。
流石に見飽きたのか。それとも同じ姿勢を保ち続けることが限界となったのか。
しかし、少女の視線の先に目をむければ、そこにはもう一人、誰かの存在があった。
これまたみるからに高そうな一人がけソファに身を沈め…文字通り沈んでしまいそうな程身体をソファに預けている…身動き一つする気配がない。
身につけているのはセーラー服。
だが、セーラー服を纏っているが故に、その人物の出で立ちは、あの少女と同じぐらいじつにちぐはくなものとなっていた。
夏仕様であるセーラー服の半袖と、かなり短めのスカートからのぞく四肢。
腕と脚は信じられないほど細い。
その細さにはある意味嫌悪感すら覚えるかも知れない。
贅肉も筋肉もほとんどなく、ただ骨と皮同然とでもいうべき細い腕と脚。それが制服から這い出るようにして伸びていた。
- 6 :
- 続き期待
- 7 :
- >>4
>>5
その6ラストで揉めたあのネタからか?
- 8 :
- >>7
どうでもいいよね。続きに期待しましょう。
- 9 :
- まあ、オレの正体は、前スレのラストで、915にアドバイザー様と皮肉たっぷりに褒めしされた912なんだけどね。
- 10 :
- 折角の新スレで初っ端から空気悪くしてどうするオマエラ
- 11 :
- 前スレで国会図書館の複写の件が出てたけど、
ページ制限で入れ替わり場面を外さないように
おまいらどうやって申請してるの?
- 12 :
- >>10
そう思うなら、アナタもSSなり長期連載なり一大巨編なり圧倒的大作なりを書き込みましょう。
文才がないから自分では欠けないというなら、ヨソにアップされているお薦めを紹介するとか。
でなきゃ、アナタも空気を悪くする一因よ〜一員よ〜。おめでとう。
個人的には、pixivで「OD」タグでヒットする作品が増えてうれしいなあ。
幸いと言うべきかpixivでは「OD」タグの辞典が存在せず定義が決まっていないだけに、女同士入れ替わりという季節事実を作ってしまうのは今のウチかも。
基本は入れ替わりだけど憑依とかもあるしね。
一枚絵だけど、「マインド☆チェンジ2」がけっこうそそる〜
続編がきたら、かなりのものになりそう。
- 13 :
- そう言えば、AKB48とかで入れ替わり小説って見ないな。
モー娘が全盛の頃は、沢山出てたけど。
- 14 :
- pixivでココロコネクトからの派生を期待したのだが、やはり男女入れ替わりばかりになるのは避けられないか。
- 15 :
- ファミ通文庫オンラインの特別短編小説「バカとテストと召喚獣 −僕と雄二の危ない黒魔術(前編)−」
入れ替わりネタで、最初はタイトルから分かる様に、男と男。
入れ替わり方法が途中で判明したことで、ドミノ式入れ替わりが発生し、途中から男と女で入れ替わり展開。
21頁で、姫路(女)の身体に美波(女)の意識が入ります。
- 16 :
- なんか夏で子供が増えたのか?
R18のスレなんだがな
- 17 :
- また18禁な内容に拘り、そうでないSSや情報を否定する荒らしがやってきたようですが、
所詮、自分ではSSも書かなければ情報提供するわけでもなく
自分に欲しい情報や作品の提供を人に強いるだけの寄生虫なので、
スルーで行きましょう。
内容に18禁な部分があろうがなかろうが、面白い作品は面白く、
そういった情報の共有をしていかないと。
- 18 :
- 個人的にはどちらかといえば確かに18禁な内容の方が好みだけど、マイナーなジャンルのスレで、わざわざ入り口を狭くする意味がないよなあ。
18禁じゃない作品でも投稿数が増えてスレッドが盛り上がる方がいいし。
若返りやナイスバディ化などの獲得系からだとエロの方がいいけど、老化や能力低下みたいな喪失系だとエロ展開より屈辱的な扱いをされるという展開の方が好み。
母と私のショータイムの続編を希望。
- 19 :
- まあ携帯とパソコンでの自演はほどほどにねお坊ちゃん
- 20 :
- >>912 前スレの案で 書いてみた・・・
タイトル「ラッキーな おばあちゃん」
「あ〜 もう やってらんねえよ 補習なんてよ〜」
みんなも そう思うんだよな 夏休みっていうのにさ〜
7月いっぱい補習だよ 補習!
クーラーがあれば まだいいけどよ 何でこの学校授業料が高い割には クーラーが無いわけ?
ほんとは受けたく無いんだよね でもさ受けねえと ババァが小遣い渡してくんねえしな〜
あ〜 何か儲かる いいバイトとかねえかな・・・
「あ〜 やっと終わった 終わった」
かたっくるしい補習がやっと終わったぜ
「あっ レイちゃん 一緒に帰らない?」
教室の席で 座りながら背伸びをしていたら 後ろの席に座っていた 桂子から声をかけられた。
あ〜 桂子っていうのは あれだ 中学んときの1年で一緒になってからの付き合いさ しかもクラスメイト
んで 中学3年間一緒のクラスだったから 通算して4年目の付き合いなんだよね
長いな こんな付き合いは
「あ〜 悪い悪い ちょっちさ バイトの面接があるんよ だから 今日はちょっと無理なんだよね」
まだバイト先 決めてないけど、即面接だろうしいいよな?
あっ 桂子のやつ 俯きやがった
「あ うん そうだよね レイちゃんも予定があるもんね」
ちとよ 俯きながら 拝むような形で両手を合わせて 縮みこみながら話すの止めてくんないかな〜
可愛すぎて 襲っちゃうよ?
「ごめんね じゃ 私 帰るから・・・」
襲いそうになって 自制していたら 逃げ帰ってしまった
ちっ
- 21 :
-
あ〜 不景気なせいか いいバイトがねえな〜
って さっきまでは思っていた・・・
何だこれ?
「あなたの未来売りませんか? 希望1日から 日給 若ければ若いほど高額支給! 注:男性お断りでちゅ」
っていうのが 大きい屋敷の塀に貼ってあった
最後の でちゅ って何だよ でちゅ ってさ〜
しゃあねえ 話だけでも聞いてくるかな 若けりゃいいらしいしな
貼紙の右側にあるドアを開けて中に入って行った・・・
- 22 :
-
いま応接室に おばあさんと私の2人しかいない。
普段は お手伝いさんがいるそうなんだけど、午後から用事があるとかで 1人で寛いでいるところに 私が来たってわけのようだ
「・・・ ってことなんだけど、いいですか?」
話は 結構 飛んでいた 常識的に考えるとね
だってさ〜 未来を売るっていうのが 身体を交換するんだってよ?
無理だろそれって ってツッコミ入れたら 交換所っていうのがあって、交換するものが同等の価値のあるものか、契約書によって双方納得したものがあれば 何でも交換できるんだってさ 高いけど
まあいいや そんなの 今はお金が欲しいんだし
「で 日給はどのくらいでるの?」
そう答えたら ちょっと驚いていた
「10万円 でお願いしたいと思うのよね」
10万円か・・・
高いか 安いか わかんないけど、16歳の身体を1日だよ、ちょっと安すぎると思うけどな
「30万円にしてほしいな? 16歳の身体なんだし、これぐらいはいいと思うよ?」
ちと 2倍増しにしてみた 多ければ多いほど遊べるしね
「わかった それでいいわ 30万円ね」
一発回答でした なんだ こんなにあっさりいくんだったら 100万円とでも言えばよかったな
そう思いつつ 契約書にサインをした・・・
- 23 :
-
「いててて・・・」
結構 痛いね このおばあさんの身体は・・・
いま 私は75歳のおばあさんの身体の中に入る
契約書にサインをした後 ちょっと離れた場所にある交換所に行き、身体を交換した 1時間もかからなかった
交換後、私の目の前には 私の身体が立っていた、あの中には おばあさんが入っている 何か変な感じがする
あ〜 痛いな〜 もう・・・
翌日の午後 私の身体に入ったおばあさんが帰ってきた
制服姿なので、代わりに補習を受けてくれたらしい
感想を聞くと、数十年ぶりの学校なので面白かったようだ
私は きつかったけどね
そして 交換所に行き 無事に元の身体に戻った・・・
- 24 :
-
使い込んじゃったよ
しかも 成功報酬貰って たったの4時間で
あれも これも って、色々買ったり 遊んだりしたら すぐ無くなっちまった
まだまだ 足りねえ って思ったんで、明日 またあのばーさん家に行って バイトでもするかな
今度は いくらにしよっかな〜
来ました あのばーさん家に
んで、貼紙がまだ貼ってあったんで ドアを開けて中に入って行った
会ったら もう来たの?って顔をされてしまった。
そうだよね まだ元に戻ってから 1日も経っていないのにさ、使い切ったって言ったら厭きれるよな
で 交渉したら 今度は長期でってことになった
8月いっぱい丸ごと 夏休み全部だね
まあ 宿題もやってくれるっていうし、交換所に行って交換した、今度は1千万円だ 使い道決めとかないとね
- 25 :
-
暇つぶしに観ていた高校野球も終わり、残す期間はあと1週間となっていた
けど 私はおばあさんの代わりに老人の集まりに参加した後、交通事故にあい怪我をして入院している
あ〜ななくて良かった
あのままんでいたら後悔するよまったく・・・
- 26 :
-
1週間経って入れ替わる予定の日に 私の身体に入ったおばあさんが交換所の人と一緒にやってきた
「具合どう?」
ベットの横にある椅子に腰をかけながら 私に言った
「ちょっと調子が悪いよ でももう入れ替わるんだからいいけど」
ちょっと不貞腐れながら 私はおばあさんに言った
「えっ! もう入れ替われないわよ」
おばあさんは 驚いた顔をしながら言った
「変なこと言わないでよ 今日の3時までってことになっていたでしょう 入れ替わっているのはさ」
ちょっと声が高くなったけど 個室だから大丈夫
「ううん もう無理よ あなたと私の交換はね」
何を言っているんだ このおばあさんは
「契約書にね書いてあったでしょ 元に戻るときは、入れ替わるときと同じ状態で返すって、それが無理と双方が確認できた時点で、契約が破棄されるので交換所に保管してある契約書は処分されて 交換した事実は無くなってしまうの」
えっ そんなの契約書に書いてあったっけ?
「それに 貴方から違約金を私に支払うから 交換する費用も出せないし、交換するにしても 双方納得した契約書が無い限り無理なのよ? 私はこの若い身体が気に入ったから元に戻るつもりは無いわ 残念ね」
うっ うそー!
わ 私はもう 高校生に戻れないってこと?
「松宮レイさん」
もう一人居た 交換所の人が声をかけてきた
私が返事をしたけど・・・
「あなたでは無いですよ、関さん」
私の身体に入ったおばあさんに改めて 交換所の人は声をかけていた
「交換所と違約金の手続きが終わりましたので、そろそろ帰りませんか?」
えらく事務的な話だった
「そうね これ以上 関係の無くなった私が居ても仕方が無いし 帰りましょうか」
2人は 席を立ち、一言話して退室した
「さようなら おばあさん」
それ以降 二度と会うことは無かった・・・
おしまい・・・
- 27 :
- GJ
- 28 :
- 投下おつです。
同人誌で結構な数の該当作持ってるけど、マイナージャンルなのもあって委託とかされんよなぁ。
もっと盛り上がれば販売サイトやらでジャンル分けに入れて貰えて探し易くなるんだがなー。
- 29 :
- なんか紅珠さんとこを思い出す作風だなあ。
- 30 :
- 某マニアックスからの転載
シスターチェンジ〜京子と明日加の逆転ストーリー〜
イケメン婚約者もいて順風満帆な姉、京子と気楽な大学4年生の妹、
明日加はそこそこ仲の良い2人姉妹。
それぞれの日常を過ごしていたが、ある出来事からとんでもない事態に…!
ttp://www.lovecosmetic.net/style/rensai/21a.html
- 31 :
- そういえば今日出たドラクエ10はんだ主人公が
同じ日にんだ多種族の体に乗り移って転生する設定みたいだぞ
グラマーなオーガ種族になったり
スレンダーなウェンディ種族になったり
そそる設定じゃないか
- 32 :
- 女悪魔が主人公の妹の女子大生に乗り移って主人公を陥れようと企む
ttp://www.youtube.com/watch?v=nivEjWELiPw&feature=plcp
- 33 :
- 輪廻のラグランジェが該当っぽいな
- 34 :
- >>30
グッジョブ。結構好きな設定かも。
>>33
詳しく
- 35 :
- >>34
主人公とユリカノっていう重要なポジションにいる女性キャラの入れ替わり
予告でもはっきり「私とユリカノが入れ替わっちゃった!」って言ってる
- 36 :
- こんなところまでステマンジェはステマをしにきてるのか
消えろよ爆アニメ
- 37 :
- >>36
アンチスレにお帰りください
- 38 :
- 該当っぽいの発見したので貼っておく
http://may841.blog9.fc2.com/blog-entry-1125.html
- 39 :
- 一応芸能界に籍をおく加藤静香は、実力はあるが惜しい子だった。
歌唱力もダンスも悪くない。スタイルもずば抜けて巨乳というわけでもないが体重には気をつけているし、全体的にみればバランスもいい。
顔だって、それなりのメイクの後なら、テレビにでて問題ないレベル。
しかし、それが逆に可もなく不可もなくという結果になってしまうのだろうか。
過去、何度かチャンスがあったものの、後一歩のところでモノにできない結果に終わっている。
四捨五入すると30になってしまう年齢と言うこともあって、彼女自身ある意味焦り、ある意味悩んでいた。
この先の人生やり直すにしたら早い方がいい。少なくとも、本当に30になる前には。
半ば家出同然に故郷を飛び出してきただけに、これといった実績もないままでは実家に戻りづらい。
こうなると、一発屋が羨ましくなる。
そんなある日、仕事の後、彼女はマネージャに呼び出された。
「あ、加藤ちゃん、悪いね。お疲れのトコ呼び出しちゃって。」
「いえ、そんなことありません。」
「実はね、加藤ちゃんにいい…かどうかはまだ分からないけど、大きくなるかもしれない仕事の話があるのよ。」
「え、それって。」
思わず食いつく静香。
この仕事を辞めようか悩んでいた矢先のこと、起回生のチャンスでもあるし、失敗したらしたらで、潔く辞めるきっかけになってくるかもしれない。
「まあ、ちょっと特殊な仕事でね。加藤ちゃんみたいに、そこそこ長くこの業界にいる子じゃないと頼みづらいの。それとね。」
「それと?」
聞き返しながら、静香は心の中で案の定かぁと呟かずにはいられなかった。
ここまで、パッとしない自分に舞い降りてきた大きな仕事が芸能界ということを差し引いても真っ当であるとは初めから期待していない。
「今回の仕事は、私生活にも絡んでくるから、それだけは十分承知しておいてね。多分…というかほぼこれまでのような暮らしはできなくなると思うから。」
私生活に絡む?これまでのような暮らしはできない?
その言葉に、静香の脳裏に浮かんだのは、一万円とか無人島とか農村とかの「1ヶ月○○生活」企画だった。
この手の企画はお笑い芸人が当てられることが多いが、それだけにマンネリ気味になっていることも確か。
新機軸として自分の様な人間にまわってくることも考えられないことではない。
- 40 :
- 「あの…もう少し具体的な何をするかおしえてもらえませんか?ちょっとコマ切れすぎて話がみえないんですけど。」
「…そうね。でも、加藤ちゃんなら分かると思うけど、この話、詳しく聞いたら、受ける受けないに関係なく、絶対他言無用だからね。まあ、いっちゃ悪いけど加藤ちゃんじゃ、人に話してもさほど問題はおきないかもしれないけど。」
「そのことは気にしませんから、早く話してくださいよ。」
静香もしびれをきらしはじめる。
「話すより、ちょっとみせてみた方がわかりいいかもね。」
そういいながら、マネージャーは部屋の鍵を閉めた。
他言無用な内容だけに、偶然にも誰かに聞かれるわけにもいかないのは当然だ。
「加藤ちゃんにみせたいのは、まずコレなんだけど。」
マネージャーがバッグの中からとりだしたのは、肌色の…皮かビニールみたいな物体…そこには黒と茶色の入り交じった幾筋もの…毛がくっついていた。
一瞬、考えた後、静香は、それが仮装とかに使うマスクであることに気づいた。
TV局内ではそれほど珍しいモノでもない。特にバラエティでは何かにつけ使うことも多いだろう。
「それが何か?マスクみたいですけど。」
「マスクだと分かってもらえるなら話は早いね。論より証拠、ちょっと被ってみて。」
そういいながら、マネージャーは静香にそのマスクを手渡した。
手に取ってみると、それがバラエティなどに出てくるものとは、かなり違うものであることが分かった。
まず髪の毛の質感…合成品ではなくそれどころか人毛である可能性が高い。
それ以上に驚いたのが、肌の質感の方だ。
一体、何でできているのか…ビニールやゴムの類ではないことだけは確かだ。
支える骨格がないため、だらんと垂れ下がっているものの、それを除けば、まるで人間の肌そのもの。
もっとも髪の毛と違い、皮膚は人間の身体から剥いでしまえば、あっという間にしなびてしまうから、本物ということはありえないだろうが。
- 41 :
- 「これを…ですか?」
「そうそう。被ってみれば、今回の仕事の話もなんとなく分かってくるよ。」
そういわれては、静香にしても断る理由もない。
何となく気持ち悪さを覚えていたが、意を決して、えいや!とばかりマスクを被る。
当然のことながら、マスクには、目、鼻、口に当たる部分に穴が空いており、かぶっても、一応視界は確保できるし、呼吸も苦しくはない。
「かぶりましたけど、これが何か?」
マネージャーにそう問いかけた瞬間、何かが起きた。
「!」
何か分からないが何か起きたことに気づき、静香は思わず小さな悲鳴をあげた。
数秒後、その何かがなんであるかに気づく。
顔に何かが貼り付いてくる。
そしてこの状況で顔に貼り付いてくるものといえば、あのマスク以外にありえない。
鼻と口の部分の穴があるので、息はできるが、顔に異質な存在が貼り付いてくることへの恐怖感と嫌悪感はぬぐえるものではない。
慌てて、マスクをはぎとろうとしたが…とれない?!
マスクであれば存在するはずの、肌とマスクとの隙間が見つからない。
と、不意に貼り付いてくる感触と圧迫感が消えた。
「え?なに?」
いつのまにか視界はマスクの穴の中からのものではなく、自分の視界に戻っている。
マスクが貼り付いたのはほんの僅かな間だけに、マスクは自分の顔から勝手に抜け落ちたのだろうか?
目の前のマネージャーは、満足そうな笑みを浮かべている。
「な、何があったんです?それにあのマスクって一体?」
マネージャーは無言のまま、部屋の隅におかれた、大きめの姿見を指してみせる。
「鏡?それが何か…」
鏡に移っている部屋の風景。
そこはまずマネージャーの姿…そしてその横には自分…ではない。
体型と服装から女性であることは間違いない。
だが、彼女は静香ではない。
顔だちがまるで違う。
メイクすれば多少かわってくるとはいえ、多少きついめの顔だちである静香に対して、鏡に映っている女性の顔だちはかなり穏和。可愛いと言っても差し支えない…静香もこんな顔だったら、多少人生も変わっただろうと思える顔だち。
だが、今は、彼女の顔だちより、本来鏡に映っていなければおかしい静香の姿が鏡の中にいないことの方が問題だった。
- 42 :
- 「え?え!」
慌てて姿見に駈け寄ると、あの女性の姿が鏡の中の占拠面積を増やしていく。
というか、今鏡に映っている女性が、静香ということになるのか?
「マネージャー!コレって一体?!」
悲鳴同然にマネージャーに問いかける静香。
「騒ぐ前に、ちょっと鏡の中をもう一度みてみて。その顔に見覚えない?」
「鏡?顔?見覚え?」
まだ落ち着いていないものの言われるがままに鏡を見つめる静香。
可愛らしい顔だち、若干茶色のモノが混じった光沢のある黒髪。
アイドルとしても通用しそうなその容姿…アイドル…アイドル?…!
「え…コレって、大戸島愛美?!」
大戸島愛美は、5年ほど前にアイドル歌手としてデビュー、1年後にそこそこのヒットして、その愛らしい容姿と、微妙なオバカキャラを立たせたことで、バラエティなどの起用されることも多い。
とはいえ、顔の可愛さとオバカキャラだけでは後発の若いアイドルに追いつかれるのは当然のことで、ここ1年ほどは、めっきりテレビの登場回数も減っている。
「そうそう、大戸島愛美。それぐらいは分かるか。」
「それはいいですけど、なんであたしの顔が大戸島愛美に?!」
「顔だけじゃないよ。ちょっと落ち着いて自分の声を聞いてごらん。」
「声?…声…あー…あーあーあーあー…あー…あ!」
ハスキーがかった自分の…加糖静香の声ではない。明らかにアイドル歌手で通用しそうな、どこか丸っこくて、滑舌が割るそうな可愛らしい声。
「顔も声も…こんなことって…一体………あ!これってもしかしてさっきのマスクが!?」
「そうそう、加藤ちゃんは察しがよくて助かるよ。あのマスクを被ったことで、加藤ちゃんの顔と声は大戸島愛美のモノになっているってわけ。」
「マスク…まさか、本当にそんなこと…どうやって…」
恐る恐る自分の…大戸島愛美になっているその顔に手を当ててみると、触られているという感覚が顔から伝わってくる。
髪を引っ張ってみれば、頭皮からは引っ張られているというちょっと痛みの混じった感触が。
どれだけ精巧な特殊メイクを用いても、顔の輪郭からしてまるで違う、自分と音島愛美をそっくりに仕上げることができるとは思えない。
それにメイクをすれば、触感は大きく損なわれる。
そもそもメイクでは声を変えることはできない。
- 43 :
- 「あのマスクで何でそんなことができるかは、ちょっと脇においとてい。ここからが本当に仕事の話だから。」
「もしかして、大戸島愛美の代役ですか?」
「うーん、ちょっと違うねえ。確かに加藤ちゃんには大戸島愛美になって欲しいけど、それは代役じゃないさ。ずばりいえば、大戸島愛美本人になって欲しいのさ。」
「本人になる?まさか…大戸島愛美が亡くなった?」
「大丈夫大丈夫、大戸島愛美はピンピンしてるよ。さて、どこから話そうか…大戸島愛美はアイドル歌手としてデビュー、ちょっとしたヒット曲があって、その後バラエティを中心に活躍。ここまでは知ってるよね。」
「え、ええ。」
「加藤ちゃんなら分かると思うけど、可愛いことが重要なアイドルってのはどうしても寿命が短い。1つや2つヒット曲があったってせいぜい3年寿命は延びればいい方。大戸島愛美も例外じゃない。」
「ですよね。それでもヒット曲がある分羨ましいですけど。」
「しかもアイドル歌手ってのは育成期間が短い。オバカキャラでバラドルになるぐらいならどうにかなるけど、本格的な歌手や女優になるための基礎が全くといっていいほど存在しない。
路線変更やイメチェンしても大半が成功しないどころか、それがダメ押しになることからも分かると思うけどね。」
「路線変更…それってもしかして!」
「そう、加藤ちゃん分かったみたいだね。大戸島愛美はこのままでは後1年もつかどうか。それはそれで仕方ないことだけど、そこそこ知名度のある大戸島愛美をあっさり切り捨てるのは惜しい。
しかし、路線変更するには、明らかに力不足でね。オバカキャラの大半はそんなもんだけど。」
「つまり、あたしが大戸島愛美になって路線変更…」
「そう、大戸島愛美がどっちに路線変更したら再興できるかは現時点では誰にも分からない。となれば、色んなコトが平均以上にできる人、それもできれば大戸島愛美と年格好の近い、それといきなりいなくなってもあまり問題にならない…まあ分かってもらえるね。」
「ええ、まあ…つまり、この後、あたしは大戸島愛美としてこの業界で再出発というか路線変更を目指すってわけですよね。でも、外見は何とかなってるとしても、そんなに上手く入れ替われるものなんですか?
業界の外の人間関係とかトラブルの元になりかねない気が。それに大戸島愛美本人はどうなるんです?彼女がいきなり芸能界に復帰してきたら大騒ぎになるはずですけど。」
「入れ替わりに関しては問題ないよ。この後、大戸島愛美は、ある病気で一月ほど入院ということになってね。
けど、退院後復帰するのは加藤ちゃん。多少おかしなことがあっても、病気とか入院生活の影響で誤魔化せる。それに、大戸島愛美本人が芸能界復帰はありえないよ。」
マネージャーはやれやれといわんばかりの素振りをして見せた。
「なにせ、大戸島愛美もこのマスクを被っていたんだからね。」
- 44 :
- 新作キター
皮ものは久しぶりですね
- 45 :
- 素晴らしい
- 46 :
- 乙です。
着眼点がすばらしい!この先どうなるのか?期待でもっこり
- 47 :
- あの人かな?
続き期待
- 48 :
- 序盤から良作の予感が漂っているね。
続きにも期待してます!
- 49 :
- 投下乙です。
人体改造アンソロジーコミックスVol.4で一応該当?タイトルから解るようにアブノーマル系。
該当作は『アクマなココロ』ってやつ
いじめられっ子がいじめっこ二人に悪魔の力を借りて仕返しって感じ。
胸を奪ったり尻尾使った丸呑みで片方吸収したりで個人的に結構当たりだった。
- 50 :
- >>17
18禁じゃないなら個人スレでやればいいのに馬鹿じゃないの?w
- 51 :
- また沸いてきたか
久々に投下しようかと思ったけどやめとくわ
- 52 :
- やはりSS投下で盛り上がるのを待ちかまえている荒らしがいるんだな。
かなりの確率で自分が好きな作家さん以外を排除しようとしている輩がいるものと思われ。
- 53 :
- 「…ちょっと待ってください。ということは、今の大戸島愛美がマスクを被っているとしたら、本当の大戸島愛美…大戸島愛美の顔の持ち主ってのは、どうなっているんですか?」
「さあてねえ。今時の可愛いコってのの大半は、どこかしらプチ整形ぐらいはしているもんだから気にするほどじゃないだろ。」
マネージャーのいうこともある意味もっともだったが、静香の脳裏には、その年に受けそうな顔のマスクを制作中な光景が朧気ながら浮かんでいた。
「けど、正直悪い話じゃないよ。確かに見た目は大戸島愛美だし、彼女のここまでの成功という助けはあるけど、ここから成功出来るかは加藤ちゃんの手腕次第。
加藤ちゃんの実力なら、大戸島愛美をアイドルじゃなくて、本格的な歌手なり女優なりにすることだって夢じゃないと思うんだけどねえ。」
自分ではなく、他人、大戸島愛美となって活動することに抵抗がないといえば嘘になる。
そこには、あくまで自分の実力と努力だけで成功したい。成功してみせるという自負があった。
しかし、一方で、30という年齢がゴールラインとして見えてきたことによる焦りによって、これを最後のチャンスだと捉えている自分がいるのも確か。
既に落ち目になっている、このアイドルをどこまで持ち上げることができるのか。
それは自分が成功できるかと同じくらいやりがいがありそうであることも確かだった。
「まあ、いきなりこういうことになってすぐ答えをだすのも無理だろうから、数日考えてみてよ。」
「そうですね。ちょっと時間をかけて考えてみたいです。」
「けど、受けるにしろ断るにしろ、後からやっぱりはなしだからね。いっちゃ悪いけど、加藤ちゃんの他にも候補がいないわけじゃないし。」
もっとも話だ。
顔のつくりという問題がクリア出来る以上、ある分野だけなら静香より上の技術の持ち主はいくらでもいる。
- 54 :
- 「ところで、このマスク、どうやってとるんです。」
首から顎の辺りをかきながら、静香はマネージャーに問いかけた。
「あ、悪い悪い。そのマスク、被るのは簡単だけどね。とるのは本人じゃできないんだよ。」
「ちょっと、それってかなり不便じゃありません。」
「ものがものだけに、簡単にとれるようじゃ困るんだよ。生放送中にポロリと落ちたんじゃシャレにならないし、楽屋に置き忘れとかあったら大騒ぎだしね。
さて、そのままじゃ加藤ちゃんも困るだろうし…」
マネージャーの手が、静香のうなじから後頭部にかけて、突き立てるようにかけられた。
と、何か髪の毛というか首の辺りに空気が流れ込む様な感触。
え?
と思った瞬間、その空気の流れは顔へと広がり、いつのまにか、マネージャーの手にはあのマスク。
慌てて姿見に視線を向ければ、そこに映っているのは見慣れた自分の顔。
マネージャーの手に、あのマスクがつかまれていなければ、先ほどまでの変身は夢だと思ってしまいそうなところだ。
「それじゃ加藤ちゃん、いい返事を待ってるよ。ああ念のため言っておくけど、このことを誰かにいおうなんて思わない方がいいよ。どうせ誰も信じないし、加藤ちゃんだってできればもう少しこの業界にいたいだろ。」
マネージャーが言わんとしていることを理解出来ないほど、鈍い静香ではなかった。
- 55 :
- 3日後、ある意味予想出来た結果だが、静香はこの件を引き受けた。
既に二十代後半の彼女がこの業界で成功を収めるには、宝くじに当たるぐらいの幸運が必要だ。
そして、今回の件は宝くじで一等とまでいかなくても二等かそれに近い幸運だと考えるしかない。
「いや〜良かったよ。加藤ちゃんが引き受けてくれて。他に候補がいるとはいったけど、加藤ちゃんほど条件がそろっているわけじゃなくてねえ。」
その言葉がどの程度真実なのか、マネージャーの表情から読み取ることは難しかった。
「それじゃ、まず私生活の方から処理していかないとね。今の部屋は引き払って、荷物とかはこっちの用意する倉庫にしまい込んで。大戸島愛美の部屋に、加藤静香の荷物とかがあると、どこでトラブルになるか分からないからね。
しばらくは、こっちの用意したホテルで過ごしてもらって、もう少しすると今の大戸島愛美が入院するから、退院とあわせて、大戸島愛美の部屋に移ってもらうことになるから。
他人の部屋は居心地が悪いだろうけど、少し落ち着いたら引っ越してもかまわないから、それまでのガマンだね。」
実際、大戸島愛美が入院し退院するまで、静香はかなり慌ただしい時間を過ごすこととなった。
部屋の整理は数日で済んだが、その後、「大戸島愛美」として活動する為の訓練が待っていた。
入院の影響という理由で多少誤魔化せるとしても、大戸島愛美と加藤静香とでは性格はもちろん、素振りや話し方もまるで違う。
瓜二つとまでは行かなくても、良く似ているといえるレベルにまで、自分を引き揚げる必要はあった。
そして大戸島愛美退院の日。
それまでの大戸島愛美は既にマスクをとって、前日に病院から出ていた。
病院の玄関から外に出たのは、マスクをかぶり、見た目だけで言えば、大戸島愛美そのものの加糖静香。
落ち目気味バラドルとはいえ、入院しかも、その時期、他に話題性の強い事件がなかったこともあって、玄関にはそれなりの報道陣が集まっていた。
静香にしてみれば、今の自分が大戸島愛美だと分かっていても、これだけの人とマイクとカメラ、そしてフラッシュに囲まれるのは初めての体験だ。
インタビューに対して応える内容もまた練習しているとはいえ、一瞬全てを忘れそうになる。
- 56 :
- >>51
こんな輩のせいで不快にさせてしまって、スレの住人としても
申し訳なくなるな。気にするな、というのは無理があると思うけど
スレの多くの人は、作品を心待ちにしているので
気が向いたら、またお願いします。
- 57 :
- >>52
非常に残念だよね。>>50は。
自分では何も生み出せない輩に、他人を無条件に批判する資格なんてないのにね。
お気に入りの作家がいるのか知らないけど、その作家さんのモチベーションすら
下げている可能性があることに気づいていないのかな。
生産性もない、他人の足は引っ張るじゃ本当に何の為生きてるの?
とすら思えて、本気で可哀想。馬鹿なんて言葉は他人に容易に使うもんじゃないよ。
品位の低さを自ら露呈しているような物だ。さて以降スルーするよ。
>>53
全力で応援してますんで、荒らし気にせず頑張ってくださいね。
結構ハイペースなんで嬉しいです。続きも期待してます。
- 58 :
- >>55乙です
ID:aylyk2H3も荒らしに構うために余計な長文書き込むな
傍からみれば、ミイラ取りがミイラになってるような物だぞ
- 59 :
- せやな
- 60 :
- 退院した「大戸島愛美」がまず向かったのは、緊急入院で迷惑をかけた関係各位へのお詫びまわりだった。
「加藤静香」にしてみれば、自分がしでかしたことでもないだけに、釈然としないものがあったが、それを表面にだすような彼女でもない。
もっとも、既に斜陽のアイドル大戸島愛美は、レギュラーの番組もなく、その他の仕事も、バラドルなら誰でもすむような内容ばかり。
迷惑らしい迷惑など実質皆無といってもよく、今日の巡回もお詫びにかこつけた売り込みといった一面が強い。
「あれ、まなみちゃん、ちょっと痩せた?というか、雰囲気変わったよね。」
とある事務所でいきなりそう言われたことに、静香は思わず身をすくめる。
「まあ入院したら、多少体重はおちるよね〜。病院の飯ってマズイし。」
業界のお約束、相手が勝手に自己完結してくれたお陰で静香はそれほど焦らずに済んだ。
比較的体型が似ている、大戸島愛美と加藤静香だが、2人が別人である以上、完全に同じ体型というわけではない。
慎重はほぼ同じだが、体重は静香の方が若干少なめで、体型もスマートだ。
その分、バストとヒップの数値も低め。
もっとも、この辺は入院生活の影響ということで誤魔化せる範囲。
ダイエットすると、まず胸から痩せるというのはもはや常識であるし。
お詫びまわりも順調にすすみ、最後にもう一度自分の所属事務所に顔をだした後、大戸島愛美は自分の部屋に戻った。
- 61 :
- 何度か入っているが、やはりここは他人の部屋だった。
装飾や置物の趣味の違いもあるが、既に生活感が染みこんでいる部屋では、どうしても自分がお客様になる。
「1ヶ月ほどしたら引っ越してもいいってことだし、それまでホテルか下宿ぐらしだと思ってガマンするしかないか。」
そう呟くと、大戸島愛美な静香は、ベッドに腰を下ろした。
大戸島愛美の入院中に、下着や体型の影響が大きい衣服類の交換のため、この部屋には何度か足を踏み入れている。
ベッドのシーツや枕なども一緒に交換しているのだが、部屋全体の匂いとでもいうものが、改めて染みつき直しているせいで、他人のベッドを使っているという感覚は拭いきれない。
「あーあ、今日の所はなんとか上手くいったけど、この後、どうなるのかな?チャンスだと思ったけど、失敗すれば結局落ち目のバラドルなままなわけだし。」
自分の実力に自信がまるでないわけでもないが、これまでチャンスをモノにできなかったことからのトラウマが彼女の思考を若干ネガティブにしていた。
「ダメダメ!まだ始まったばかりなのに、こういう考えばかりだからいつも上手くいかないことになっちゃうんだから…よし、今夜は御飯食べて、お風呂入って寝ちゃおう!」
当然のことだが、冷蔵庫はからっぽに近い。
となれば、後は出前かあるいは買い物か。
(でかけるのは面倒だけど、この辺で出前してくれる店よく知らないからなあ。いきなり初日から大ハズレ引いたらダメージ大きいし。
ちょっと先にコンビニの看板みえたなあ。この辺の地理再確認のためにもちょっと足のばしてみようかな。)
- 62 :
- 髪を大雑把にアップにまとめると、静香は部屋をでた。
この程度のことで、誰も大戸島愛美だと気づかなくなるらしい。
なんというか周囲の人間の認識が「大戸島愛美に似たところがある誰か」になってしまうようだ。
まあ、既に落ち目の大戸島愛美がそれほど周囲の注目を集めるとも思えないが。
(でも、今日の退院でそこそこカメラもきてたし、テレビで知った人がいるかも。)
今の自分が、見た目だけなら、加藤静香ではなく大戸島愛美であることを再確認すると、ちょっとだけ自己顕示欲にも似た欲求が湧き上がってくる。
(おっといけないいけない。今、変なタイミングで注目を集めるのは裂けないと。)
大戸島愛美として振る舞う練習はしてきたといえ、実戦は今日から。
ヘマをしでかすのは避けられないとしても、そのタイミングには気をつけないと。
実際、道路ですれ違う人も、コンビニのレジの女性も、彼女が大戸島愛美だと気づいていないようだった。それとも気づいてはいるのだが、特に興味はないのか。
コンビニのお弁当とサラダ、そしてペットボトルのお茶で夕食をとっていると、「大戸島愛美の方の携帯」が鳴った。
電話の方だったらどう対応しようと身構えた静香だったが、幸いにもメールの方だった。
差出人は彼女のメル友らしいアイドル。
【まなみ〜ん、退院おめでとー!けど復帰にはもう少し時間がかかるかな?今は無理せず身体をちゃんと治してね。】
大戸島愛美は比較的すぐ返信するタイプということなので、静香は食事を中断して、早速返信の文章を打ち始める。彼女がよく使う文章や文体の見本はもらっているのでそれを参考にしつつ、短いながらも感謝する内容を送信した。
とそれがきっかけになったかのように、あちこちのメル友から退院おめでとうメールがどっと押し寄せてきた。
落ち目のアイドルにしては、意外な人望といえる。
- 63 :
- 食事を早々に終わらせると、静香はメールの返信に追われることになった。
普段、短時間のこれだけの数のメールを使うことがなかっただけに、指が疲れてきた頃、どうにか返信作業も終わる。
「あ〜、変なところで疲れちゃったな。もうお風呂入って寝ちゃお。」
携帯をマナーモードの切り換えると、まず浴槽にお湯を貯め始める。
「けど、このマスク本当凄い。つけたままお風呂入っても大丈夫というか、髪とかちゃんと洗わないといけないし。」
このマスク、どうやら、つけた状態では、マスクというより、完全に着用者に一体化し、皮膚も髪も本人のものとなってしまうようだ。
マスクというよりまるで第二の皮膚だ。
ただし、迂闊なシャンプーや化粧品を使うと痛む可能性があるということで、メンテナンスという意味も兼ねて、専用のシャンプーとリンス、それに乳液などを渡されていた。
もっとも、これは「旧」大戸島愛美も使っていたに違いないが。
既に何度かこのマスクをつけたまま入浴したりシャワーを浴びたりしているが、まだ全裸の状態で、大戸島愛美になっている自分を直視することには慣れていない。
脱衣場にも姿見があるし、浴室の壁にも大きめの鏡が据え付けられている。
顔は大戸島愛美なのに、首から下は見慣れた自分の身体…黒子とか微妙な特徴を覚えているだけにそこに安っぽいアイコラをみるような違和感を覚えるのも尚更だ。
イマイチ、リラックスしきれない入浴を終わらせ、浴室をでた静香は指示通り顔と首まわりに乳液を塗る。
まあ、これはマスクを被る前から、美容のためにやっていたことの延長に過ぎないが。
携帯をチェックすると更に3件の新着があった。
(さて、明日はどうしようかなあ。当面の生活費はもらっているけど、念のため、節約した方がいいよね。数日は休暇ということだし、コンビニ弁当ばかりも味気ないから買い物にいこうかな。)
返信メールを打ち込みながら、そんなことを考える静香。
「さて、今日は慣れないことばかりで疲れちゃった。早起きする必要もないけど、もう寝ちゃおう。」
他人の匂いが消えきっていないベッドではあるが、疲れていたのは本当だったらしく、落ちる様にして静香は眠りについた。
- 64 :
- >>63
乙でした
メル送ってくれた娘たちの中に、静以前の愛美マスク装着してた者がいたりして
- 65 :
- まどかマギカで該当があった
http://elephant.2chblog.jp/archives/51892075.html
- 66 :
- >>63
乙です。次回から、本格的に入れ替わった後の描写がされるのかな?
どういう風に展開されるのか読めないので楽しみです。
- 67 :
- ぷっちょのCMが挿げ替え(?)だけどちょっと不気味
- 68 :
- 67のぷっちょのCMは、こちらでも閲覧出来ます。
http://www.youtube.com/watch?v=tMohZYNMZQY
- 69 :
- http://kawamono.blogspot.jp/
最近、また書かれるようになったサイトです
つぼにはまる人は、はまるかな
- 70 :
- 不意に目覚めて、数秒後、静香はいつもと違う枕、マットレス、掛け布団、そして天井の光景に気づいた。
誰かの部屋に泊まった?それともホテル?まさか、仕事の後の一杯でいきずりの?
自分でも信じられないほど、目まぐるしく思考が動き回った後、ようやく彼女は思い出した。
ここは、「大戸島愛美」の部屋なのだ。
自分が置かれている状況をようやく思いだした後、静香はゆっくりと身体を起こした。
ベッドの脇におかれた時計をみれば、まだ6時台。
まだまだ、業界での仕事が少ない静香としては、バイトやら自主トレーニングでこの時間の起床は珍しくない。
だが、大戸島愛美としてはまだ寝ていても問題ない時間だ。
二度寝の誘惑が囁きかける中、静香はベッドから床に起き上がった。
この後、落ち目になりつつある「大戸島愛美」として再興を目指すなら、出来る範囲での努力は何でもやっておくべきだろう。
少なくとも、体型維持のためのトレーニングはやっておくべk。
なにしろ、このマスク。顔こそは大戸島愛美そっくりに変えてくれるが、体型までは変えてくれないのだから。
部屋のレイアウトこそ、静香の部屋とは違うものの、空間そのものなら充分広くなっている。
しかも、安普請アパート違い、防音性などは向上しているだけに、静香はこれまで以上に心おきなくストレッチなどを行うことができた。
この後のことを考えれば無意識のうちに力が入るのか、気づけば、時間は7時をまわり、8時近くになっていた。
トレーニング量はともかく、健康と身体を考えれば、朝食をとるべきだろう。
昨夜、夕食のお弁当と一緒に買ってきたサンドイッチと野菜ジュースの朝食をとる。
顔こそ大戸島愛美になっているが、その身体はあくまで本来の自分…加藤静香であるだけに、アレルギー食材や太ったり吹き出物につながりそうな食材の危険に脅かされないのはある意味ありがたい。
- 71 :
- 「さて、お昼はともかく夕ご飯もあるから、買い物にいこうかな。」
昨日買ったのはお弁当とサンドイッチそしてジュースだけに、冷蔵庫の中身は相変わらずからっぽに近い。
自分の手間と時間を差し引いて考えると、コンビニどころかスーパーでの買い物でさえ、材料を買ってきて自分で作った方が遙かに安いことになることはいうまでもない。
薄給の身の静香としては文字通り自分の身をもって体験し理解してきたことだし、自分で料理した方が好みの味付けをできるというメリットも大きい。
「えーと、近くにスーパーってあったかな?」
大戸島愛美の食生活といえば、ロケ弁と外食に頼りっきりということで、食材を自分で調理するとは無縁だったらしく、少々不安が残るが、ネットで検索してみると、コンビニほどではないにしても、踏切向こうまでいけば、チェーン系列のスーパーがあることが確認出来た。
「で、問題は、格好よね。」
テレビとは衣装もメイクも照明も違い、そしてカメラワークもないこともあって、日常生活でアイドルやタレントと遭遇しても、周囲に取材陣でもいない限り、それと気づかない場合が多い…というのは昨日のコンビニでもある程度実感している。
この辺りは、自分の行動範囲に有名人などいるはずもないだろうという一般人の先入観の影響が大きいだろうが。
マネージャーからは、私生活での帽子、眼鏡、マスクの着用厳禁を言い渡されている。
変装の三種の神器とでもいうべき、これらのアイテムを身につけていては、自分から変装してますよ。と看板立てているようなものだというのだ。
確かに、この世界に入るまでは、芸能人というのは私生活では正体がばれないよう変装しているものだと思っていた時期があっただけに、それなりの説得力がある言葉だ。
誰かに似ている程度の認識ですむところが、下手に変装すると、芸能人が変装している誰かとして捉えられてしまう危険性は確かにある。
結局、昨夜同様、髪を面倒くさく大雑把な感じにアップでまとめ、服装も、センスより着やすさは動きやすさを優先した、如何にも以上にラフな格好…
イメージとしては夜勤シフトの女性が帰宅後、寝る前に渋々買い物にでかけるといった感じだろうか…に着替えると、静香は部屋をでた。
- 72 :
- 作者です。仕事の都合上、いきなり無職にでもならない限り、しばらく更新は出来ないと思うので、
再開するまでと再開する時にトラブルにならないようトリップつけさせていただきました。
ゆっくり考えられるだけのまとまった時間がないと脳内発想を文章に変換するのが難しいので
暮れ正月ぐらいまで更新は難しいと思いますのでご了承下さい。
- 73 :
- 乙です
お仕事更に乙です
- 74 :
- >>72
乙です。
暮れ正月はなんとも先の話で
待ち遠しいですが、続き期待しています。
- 75 :
- 仕事が忙しいのは良いことだが、そこまでバタバタ続くとウンザリしますな。
まあ、体を壊さない程度にがんばって。
- 76 :
- 反応がパッとしないと、暮れになる前に、ここはクレ厨ばかりのダメスレだと物書きに見切りをつけられてしまうので、
続きが気になる人はコピペでもいいから応援しておくべくだと思われる。
- 77 :
- >>76
お前かなり頭悪いだろ
- 78 :
- 粘着荒しに反応すんなよ
- 79 :
- 今回も作家が長居しづらい厳しいスレになりそうだ。
- 80 :
- 申し訳ない
あまりにも失礼だったのでつい
顔だけだってアイドル応援しています!
- 81 :
- 普通にみんなネタだししてダラダラ話してスレの雰囲気よくすれば
作家さんもポツポツ増えてくると思うんだよな
- 82 :
- せやな
- 83 :
- 乳吸収系の話でなんかいいの無い?
- 84 :
- 乳吸い・モザイクの魔女・地下カジノがオススメ。
商業作品だと円卓の姫士・ぺたんこナース・かのこんが至高。
とどっかのスレで教わったよ、貧乳化作品ももっと増えて欲しい
- 85 :
- >>84
どこのスレで挙げたのか知らんが、多分全て俺が薦めたものだw
あと日本巨乳党と魔乳秘剣帖もおすすめしておく。
- 86 :
- 地下カジノは若返り急成長スレのやつかな あれは良かったなぁ
と、>>85さんまでの分で保管庫更新しておきました〜
最近忙しくてなかなか更新できずスイマセン。不備ありましたらスレに書き込んでください。
もうすぐwii Uも発売されるご時勢なのでもうオプーナはお腹いっぱいだなぁ…(チラッ
- 87 :
- そんな伐としたこのスレに
|
\ ○○○/
○/ ̄\○
─○| ^o^ |○―
○\_/○
/○○○\
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,. - |.─ ─ - 、
/: : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/::/: : :/: :/: : : :: : : : : : : :::',
| / /,': i : : : /: :/: : : ハ: : ::i
/: :/: :/: :/: :ハ: : / ヽ:::::|
|: /::/: :/ レk≧ V ≦ハ |::::|
レレ /::/ (ヒ_] ヒ_ン |:::| 購入券をやろう
レレ.i " ,___, " l::/
_ヽ ヽ _ン /)))_
_ヽ >,、 ______ , イ(((( /_
| |\ ヽ;;;;;;;;;;#;;;;;;;;;/) )))/| |
H ヽ:::::::#:::::::/ .H
在庫ニングリターンズ
- 88 :
- 顔は微妙だが乳だけやたらでかくてモテてる女(いわゆるブス巨乳)みたいなのが、
貧乳のせいでモテない女(顔やスタイルはその女よりだいぶ上)に乳だけ入れ替えられてしまう。
「あなたになんかもったい無いわよねぇ・・その大きなお・む・ね」
「わたしにくださらないかしら?」
「これであんたに興味持つ男なんかいなくなるわね♪さようなら。」
- 89 :
- しかし乳を入れ替えたあともモテるA子、非モテのB子という立場は変わらなかった
A子がモテていたのは巨乳のおかげではなく、明るく誰にでも気さくに話しかけるその性格があったからこそだったのだ
一方のB子はスタイルのよさを鼻にかけ、さらに孤立を深めていくことになった…
みたいな流れがパッと思い浮かんだ
- 90 :
- クラスに一人完璧な女子が居て(顔・胸・スタイルすべて揃ってる)
周りの女子はそれぞれ、体の一部にコンプレックスを持っている。
(小さい胸、小さな瞳、汚い肌、短足、デブ、などなど)
これらの女子が共謀して入れ替え術を試み、各人の気になる箇所を取り替える。
A「やったわぁ♪ みて!このスベスベお肌!」
B「これだけ長い脚ならモデルも夢じゃないわ!」
C「うふふ・・大きなおむね、確かに頂戴したわよ。」
一方全ての汚点を押し付けられた女は見るも無残な姿に・・・
- 91 :
- >>90
かなり良いね
外見完璧の女はそれだけのことをされるくらいだから
とんでもなく性格が悪いと妄想する
- 92 :
- >>90
その話もうあるぞ
ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~toshi9_kaitai/itadakimono/200man/greenback/amidakuji.html
ネタは同じでもシチュエーションでまたかわるんだろうけど
ちょっとタイプが違うが
おねがいマイメロディーでクラス中の女の子から
いいパーツもらってモデル体系になろうとする話とかもあったな
- 93 :
- >>92
情報アザす
greenbackさんじゃないか!
この人の作品はちょっと女同士の肉体の入れ替わりとは外れてるけど
個人的にはかなりどストライクなんだよね
八人のあみだくじがすきなひとには同じ作者さんの美化委員もおすすめ
微妙なラインだけど一応女同士の肉体の入れ替わりだとおもう
- 94 :
- >>93
もともとTFの人だからかわからんけど
ひどい目に会ってる方をちゃんと描いてる辺りがスゴイと思う
記号絵しか描けないもんだから頑張ってもぽっちゃりぐらいしか描けねーや
文章創作板とはあんまり関係ない話だけどさ
- 95 :
- 今週の貧乏神が!で該当あったな(ちょいネタだったけど)
できれば貧乏神じゃなくて、クラスの嫉妬してる女と
入れ替わってくれたら面白かったのに
オチだけで終わったエロ坊主との入れ替わりもネットリと描いて欲しいね
- 96 :
- >>89
そういう因果応報なオチも好きだな
ただ興奮するという意味では何にも悪いことしてない、性格も悪くない女の子が
理不尽に不幸な状況に落とされるって方がずっと上なんだよなあ
後味の悪さがエロさに正比例するこの性癖は自分でも理解しがたくて困るわw
- 97 :
- >>96
わかるよ
かなりわかる君とは良い酒が飲めそうだ
- 98 :
- 興奮する→でも後味悪い→気分直しに別の作品読むか→興奮する→でも後味悪い→気分直しに(ry
まさに無限ループ
- 99 :
- >>98
だが待って欲しい
無限ループできるほど作品の数があるのだろうか、いやない
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