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2013年01月エロパロ369: みつどもえでエロパロ 8卵生 (170)
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みつどもえでエロパロ 8卵生
- 1 :2012/06/21 〜 最終レス :2013/01/06
- みつどもえのエロSSを書いたりエロ妄想をしたりするスレ
エロなしもおk
前スレ (実質)
みつどもえでエロパロ 6卵生
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1309081667/
まとめ
ttp://www43.atwiki.jp/mitudomoe_eroparo/
- 2 :
- 保守
- 3 :
- 『ひとはの憂鬱』待ち保守ですよ
- 4 :
- 再開情報記念age
- 5 :
- >>1
スレ立て乙
- 6 :
- どうもいろんな方に迷惑をおかけしてるようなので、
さくっと最後まで行きます。
といって、長いので連投規制にひっかかりつつです。
- 7 :
- やっとだ。
やっと先生を抱き締められる。
先生が私を持ち上げるため抱え方を変えようと腕を解いた。
瞬間、私はばっと自分の腕を先生の脇の下に差し入れる。
ぐったりと伸ばしっぱなしにしていた脚も一気に引き寄せ、くるぶしを叩きつけるように先生の腰に回す。
ありったけの力と、此処まで我慢してきた想いの全てを両手足に込めて、全身で先生を抱きしめる。
「え…な…?」
私の動きからワンテンポ遅れて先生の手が私の腰を掴んで持ち上げ…られず、汗で滑った勢いのまま胴と肩を通り過ぎ、
まるでバンザイしてるみたいなポーズになった。
むふ……上手くいった。
弱くて小さいひとはちゃん。
だけどいきなり違うリズムを返されたら、やっぱりこうなりますよね。
「うわちょっ待ってひとはちゃん!!?」
う〜ん、待ちきれないのは先生の方じゃないんですか?
私の中で、おちんちんがまた震えの最高値を更新する。
そして一拍遅れて根元がプクッと膨らんで、目いっぱいに広がった膣口をもう一回り押し広げようとする。
『管』の中心を塊が駆け上がろうとするのを、粘膜で感じ取る。
おお……おちんちんって結構単純な構造してるんだなぁ
身体を激震に犯されながらも、人体の神秘に感動すら覚えている私の傍で、
「ぐあっ、あああ!!」
先生は目を白黒させながら、まるでどこかへ逃げ出そうとするかのように膝立ちになった。
おやおや、お出かけですか?当然私も着いて行きますよ。なんせ先生の恋人ですから。
「んぐぅ〜〜…」
大好きな人の背中に回した腕と脚をより複雑に絡めあわせて、身体の全てを密着させる。
うああああ〜…!
抱き締めてもらうのも気持ちよかったけど、抱き締めるのも最高に気持ちいい!
どんなに力を込めても揺るがない硬さがすっごく安心する。しかも同時に温かくていい匂いまでするんだからたまらない。
多幸感で頭がグラグラしてきた。鼻血が出ちゃいそうだよ。
「うがっ、ああっ、あぐあっ!」
その浸っている隙を突くように、先生はバンザイ膝立ちのまま倒れ込んで……ベッドに押し付けて引き剥がす気か。
意図を悟った私は素早く先生の耳元に甘い声音と吐息を吹きかける。
「つぶれちゃう」
「〜〜〜ッ!!」
矮躯が叩きつけられようとするまさにそのとき、力強い腕が両側から伸びて来てバフンとベッドを鳴らした。
そうそう。この身体は硝子細工より脆いんですよ。気をつけて扱ってくださいね。
おっと、『中身』は別ですから。思う存分エグって気持ちよくなって。
ふたりの体勢が変わったことでおちんちんに子宮が鋭角に突き上げられ、膣壁が傷ごとぐにゅりと捻られる。
『幸せ』の麻酔が効いていた私だけれど、さすがに脳髄を握りつぶされるような痛み……が、来ない?
……下半身の痛覚は、まるで本当に麻酔をかけられたようにぼんやりしたものに変わった。
もちろん感覚はある。むしろ人生で1番敏感になってる。
幹を這う血管も、ツルツルの亀頭も、先端の小さな尿道口すらくっきり感じ取れる。
だけどなんていうか…急に痛みの上限が出来上がったみたいだ。
痛いのは痛いけど、ある程度以上はぼやけてなんだかよくわからないや。
- 8 :
- 「あれ…?」
おかげで上手く回らなかった呂律も、かなりマシになった。
先生の身体が熱すぎるのが気になるけど…違う。私の体温が下がってるんだ。さっきまであれだけかいてた汗が全部引いてる。
痛みと負荷が大きすぎて、生理機能までおかしくなって来たんだ。
…………この身体、いよいよ限界が近いって事か。
「きひいいぃっ!!」
「ッ!」
耳をつんざく悲鳴が、意識を現実へと引き戻す。
……どうせ先生も限界なんだ、ちょうどいいや。このままスパートをかけてしまおう。
「ひとはちゃん離れて!!」
いやあそれはちょっと無理な注文ですよ。
だって指一本でも苦しかったんです。こんな大きなモノを入れられたら、1ミリの隙間だって作れないに決まってるじゃないですか。
それに…ごめんなさい。こんなふうにグチュグチュ掻き混ぜられたら、反射でますます締め付けちゃうんです。
でもいいですよね?なんせ先生は噛み付かれるのが大好きな、変態野良犬教師ですもんね。
「だっ、めだっ!!」
プク〜。根元が更に膨らみ、爆発へのカウントダウンを告げる。
「出、る〜〜〜〜〜っ」
早く出ろ。早く出ろ。
私は期待に胸躍らせながら柔壁のうねりを大きくし、一滴でも沢山吐き出せるよう全身くまなくマッサージしてあげる。
そして―――
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜く、かはぁ〜…っ」
――何も起こらないまま、波は収まってしまった。
「は、ふっ……入り口、キツくてたす、かった……」
ちっ、締め付けが強すぎて我慢の手助けになっちゃったのか。
縛り付けたら通り抜けられなくなっちゃうなんて、ここまで単純な構造だとは。
……と言ってもこの顔中びっしりの脂汗。とっても我慢したんですね。
教師の理性?男のプライド?
うぅん、どこまで持つか試してあげたくなっちゃうよ。
「ひとは、ちゃん…はっ…。
なんっで……?」
ひざまずいた体勢で私をぶら下げたまま、先生は搾り出すように疑問符を吐く。
受け取った私は、まずは首を楽にしようと、アゴを赤く濡れた左肩に引っ掛けてから、ゆったりと唇を動かす。
「んっ……何が?」
「ひゅっ…ひぃ……。
きょっ…はっ、最後は……」
「『抜いて』なんて言った覚えありませよ。『上手くやって』とは言いましたけど」
「んなっ……?!」
当たり前の事実を告げただけだというのに、腕の中で先生が絶句して停まってしまった。
これはいけない。
急いで前壁をおちんちんに押し当ててキュキュッと「やめて!」 むふぅ。面白い。
痛覚が麻痺してくれたおかげで、色々楽しめそうだな。
- 9 :
- 「くはっ…はっ……んぐっ。はふ……。
そんっ…むちゃくちゃ……」
「先生、『わかった』って言ったから。
いやぁ女性経験豊富な先生ですから、私の知らない上手いやりかたを知ってるものだとばっかり」
「くっ……!」
「何です?言いたいことがあるなら言ってもらって結構ですよ。
ほら、恋人に遠慮なんてしないでぇ」たっぷり中に出して。
きゅっきゅっきゅっ。リズミカルに締め上げる。
その度におちんちんは逃げ場を求めてお腹の中を跳ね回ろうとする。
もちろん私の締め付けは、そんな自由を許すような甘いものじゃあないけれど。
無駄ですよ。どこにそんな隙間があるんですか?そもそも入りきら程狭いトコロに、力ずくで嵌め込んでるんです。
結局ろくに動けずせいぜい私の傷を広げることしかできてません。
360度どこ探したって、もう先生に逃げ路なんて無いんですよ。
「やめてやめてやめて!お願い動かさないで!!
ぐぅ〜〜っ、くっ…はっ……そう、じゃないんだ。
お願いっ…聞い…っく、ひとはちゃんはまだ高校生で、未来があっぐぅっ!?動かさないでって!
ひとはちゃん!!」
ふぅ…やれやれ。
私は『最後』の話をしてるのに。そんな後の話、今は関係ないよ。
「ん…ふぅ……。
ねえ先生。私は先生の恋人です。だから私には特別をください。特別な女の子にして」
「してる!
……するからっ!!もっとするから!!」
「じゃあ中に出して。『可能性』があるって想いながら。
まあたぶん大丈夫ですから。お願い」
「なんでそうなるの!!?」
「だから、特別」
などと言いつつキュキュッ。
びくんびくん!あははっ。ほれほれ頑張れ〜。
「そんな『特別』っ!
〜〜〜っ、こうやって直接…セックスしてるのは、ひとはちゃんが初めて「証明できます?」 はあ!?」
私ってとっても優しい恋人だなあ。
血の溢れる噛み跡を、アゴ先でぐりぐりするくらいで許してあげるんだから。
「高級な『お店』はそういうのもあるんですよね。履歴に残ってましたよ?」
「行ってない!」
「証明できます?」
「行ってない!!!」
「だから私にはずっと傍に居るんだって覚悟と一緒にに下さい。
商売女相手じゃ、そんなのしたことないでしょう?『お願い』」
「〜〜〜〜ッ、ひとはちゃん!」
左耳から入ってきた私の名前は、困惑と悲壮と後悔の色で染め上げられていた。
ああ…先生、ごめんなさい。
だけど、
「先生。私は先生が世界で1番大好きです。何だってできます。
今日は身体の全部で触れてあげました。
初めてだけどフェラチオ一生懸命頑張りました。
お尻の穴の内側まで見せてあげました。
私の処女膜と子宮の感触、愉しんでもらえましたか?
先生に『女』にしてもらえた事、一生の想い出にしますね」
- 10 :
- だからこのくらいの我がまま、当然許してくれますよね?
「な、ぐっ…!?」
ああん、勘違いしないで下さい。
「先生、大好きです。
先生の恋人にしてもらえたなんて夢みたい。
こうやって恋人として抱いてもらえて幸せです。
心の底から想ってます」
ただそれはそれ、これはこれってだけなんです。
もちろん先生のことは信じてますけど、やっぱりこうしておけば安心じゃないですか。
『心』はテープと違って一生擦り切れる事がないですしね。
「ひとはちゃんごめん!お願いだ!土下座するしなんでも買うしどこでもつれて行くから!!約束するから早く離れて!!」
先生の震えはだんだん小刻みになっていく。
その分の力が集中してるみたいに、管内の粘液塊が『入り口』をぐぐっと広げる。
ふふふ…あとちょっとだ。
「約束かぁ……。
先生、さっき何でもするって約束してくれましたよ」
「これ以外なら何でもする!」
「私、この1年ずっと約束を守ってきました」
「…?
1年……??」
「先生に会いにくるのは日曜と木曜だけ。
去年、約束しましたよね。
私ずっと守ってきましたよ」
「あっ!!?」
刹那、頭の中を高校生活の画が走馬灯のようによぎった。
嬉しかったこと、楽しかったこと、怖かったこと、辛かったこと。
色褪せたものなんてひとつもない。いつか先生に聞いてもらおうって大切に仕舞っておいた想い出たち。
ぐるぐる回ってぐちゃぐちゃに混ざり合って、真っ暗な色になる。胸が塗り潰される。
こんな薄っぺらい身体にはもう抑えきれない。
想いは雫として溢れ出て、重力に従い黒髪の海へ溶け堕ちて行く。
「それ…は、キミが友達と……高校、生活が……」
「私この1年ずっと約束守ってきました!守ってきたんです!
先生との大切な約束だったから!!
苦しかった!痛かった!毎日先生に会いたかった!!
良いことした日はいっぱい褒めて欲しかった!嫌なことがあった日はいっぱい慰めて欲しかった!
変わって行く毎日が怖かった!毎日一生懸命我慢して頑張った!!
そうだよ!私いっぱい我慢してきた!!」
あんなに苦しくて痛いのはもう嫌だ。
あんな毎日には戻りたくない。
私はずっと此処に居るんだ!!
- 11 :
- 決意を力に代えて脚へと注ぎ、身体同士を更に密着させる。
子宮が軋むのも無視して、ひたすら先生に近づく。
「なのに先生はいきなり約束破るんですか!?
『先生』なのに!!」
「が…っ!
やめて!またミシミシ鳴ってるから!絶対まずいよキミの身体が!
ダメだ!!」
ぎゅうっと抱きしめる。しっかりと。握り潰すように。
ほら『私』、狭いから気持ちいいでしょう?
ごしごしと頭を撫でる。ていねいに。摩り潰すように。
ほら『私』、浅いから気持ちいいでしょう?
だから先生、全部をください。
早くしないとひとはちゃんが壊れちゃいますよ?
「ひっ…どは、ぢゃん!!」
ぎりっ、と奥歯を噛み締める音が聞こえたのと同時に、先生が体位を対面座位に戻して、私の肩を痛いくらいに掴む。
弱くて小さいひとはちゃん。
大人の先生がその気になればこんなもの。あっさり上半身を引き剥がされてしまう。
でも。
「先生」
先生の目を見る。先生の瞳に私を映す。私だけを。
「……………………わかった、よ」
先生が言う。
血を吐くように。
ごめんなさい。
だけど私だってたくさん血を流してるんです。だからお相子です。
それにほら、こうすれば少しは楽でしょう?
お尻を先生の足に乗せて体重を逸らせ、子宮の圧力を解いてあげると、苦悶の表情は僅かに和らいだ。
よかった…。
「くっ……約束、して。身体に何かあったら、必ずボクに相談するって。
どんな些細なことで「わかってます」
んもう、相変わらず心配性で気の小さい人だ。
今はもっと恋人に掛けるのにふさわしい言葉があるでしょうに。
先生らしいといえば先生らしいですけど。
- 12 :
- 「……約束だよ」
「はーい。
じゃあ先生。ちゃあんと約束を守ってくれたから、最後にもうひとつごほうびをあげますよ。
左手の薬指を、私の口まで持ってきてください」
「…?
うん……こう?」
「はむっ」
「えっ!?」
雄々しく立つ指をぱっくり咥えて、舌を絡ませる。感じる塩味はちょっと濃い。
先生たっぷり汗をかいてるから…それとも私の汗の分?……ふたりが交じり合ってできた味、っていうのもなんだかいいな。
味わいを求めていったん根元まで咥え込んだら、今度はちゅうちゅう吸いながら首をゆっくり引き抜く。
上唇に爪を感じたところで、舌先を指と爪の間に差し込みくすぐってあげる。そしてまた、根元まで扱くように飲み込んでいく。
さっきのフェラを思い出しながら、見せ付けるように指をおしゃぶりしてあげる。
「んちゅ…ぢゅぅ……」
「え、え、えっ?」
上目遣いの視線の先で、先生は真っ赤になって戸惑ってる。…悦んでる。
むふふ〜。ごまかせませんよーだ。
ゲンキンだなぁ。今日までは同じ視線を向けても、目を伏せてふわふわ笑ってるだけだったのに。
「んちゅ、ちゅぅ…じゅっ……」
相手の鼻息が荒くなってきたのを確認したところで、メインを舌遣いに切り替える。
たっぷりの唾液を擦り付けて、指がふやふやにふやけるくらい濡らしてあげる。
関節をエラに、爪先を鈴口に見立てて、時に優しく時にねっとりと愛撫すると、
お腹のおちんちんと連動してぴくっぴくっと跳ねるのが可愛くて、
私はだんだん本来の目的を忘れて夢中になっていく。
「ぢゅ…る…っ、ふっ、んちゅ、れるぅ…」
「ひとは、ちゃん……」
「ん……ふぅ。
それじゃ先生」
ちゅるんと口から引き抜いた薬指は、たっぷりの唾液で濡れそぼり、日を受けててらてらと淫靡に輝いている。
昨夜からの生活とか、朝ごはん前であることとか、終わった後の言い含めとか、色々天秤にはかかるけど、
傾きを変えるには全然足りない瑣末事ばっかりだ。
「この指、私のお尻に入れていいですよ」
恥ずかしさなんて微塵も感じない。
「おし………へぇっ!!??
やっ…そんな、こと別に……っ!
しないって!しないよそんな変態みたいなこと!!」
「いいですよ。
興味、あるんですよね。そういうDVDも持ってるんですから」
「あっ…あれはちょっと、友達に押し付けられたというか…そうなんだ!
あれはボクのじゃないんだよ!友達が忘れていったヤツ!!全然見てないっていうか、今度捨てる気だったんだから!!」
「はいはい。
じゃあ私が興味あるってことにしてあげますから、いいですよ」
……もちろんそんな興味あるはず無い。
確かにあれからずっとお尻の穴はヌルヌルしたままで、なんとなくむず痒いと言うかスースーすると言うか……私はノーマルだってば!
- 13 :
- 「だからしないって!
『初めて』のひとはちゃんにそんな事できるわけないでしょ!!」
さっきまでの苦しそうな表情はあっさり消えて、
真っ赤になって目をぎょろぎょろさせながら、一応口でだけはもっともらしい言葉を紡ぐ。
『初めて』の女子高生にシックスナインまで要求しておいて、今さらそんな事言っても説得力ゼロですよ。
もうここまで来たんですから、全部さらけ出しちゃって下さい。
私がなんでも受け入れられるってところ、見せてあげます。
「初めてだから、させてあげます。してあげたいんです。
私が今できる1番の『気持ち良い』をあげたいんです」
何事も最初が肝心だ。
『初めて』でもこれだけ美味しいんだって事を覚えさせておけば、
今日の回顧と明日への期待で、もう他になんて見向きもしなくなってくれるはず。
そのためだったら、この程度なんでもない。
「さあ先生」
両手でやんわり先生の頬を包み、アゴをなぞって意識を収束させる。
恋人に、自分がさせる行為とその意味に目を向けさせ、胸へと刻み込ませる。
そして揺れる瞳が定まったのを確かめてから、私はお呪いをするように言霊を唇に乗せる。
「指を、私のお尻の中に入れて」
「…………」
先生がごくりと喉を鳴らし、ゆっくりと動き出す。
お尻に大きな手が、窄まりに硬い指が添えられる。
「ん…ふ……」
ゆっくりと力が入り、
指が、
内臓に、
進入してくる。
「ふぐぅぅ…ふっ……」
鼻から深くを息を吐いて圧迫感を逃がしながら、お尻の穴を広げて受け入れる。
あらゆるサイズがSS規格になってる私の身体だと、ココは指でもかなり厳しい。
普段は意識しない、できない皺達が、一本残らず全部ぴっちり伸び切って、表面がツルツルになっているのを知覚する。
それでも関節部分を通すのは勇気が要る。
「…んっ」
まずは第一関節。
1番太いところが肉のリングを通りすぎると、一気に2センチくらいにゅるんと入り込んできた。
ついに大好きな人に、腸壁にまで触れられてしまった。
痛覚は相変わらず麻痺しているからいいけれど、明らかな逆流感に生理的嫌悪が呼び起こされて身の毛がよだつ。
- 14 :
- 「あっぅ…はぁ〜…」
「だいっ、じょうぶ……?」
声の響きからはもちろん心配が感じられる。
でも鼻の穴を広げて興奮しきった表情を見ると……ふふっ、思わず口元が吊り上がってしまう。
どこまでも嘘のつけない人だなぁ。
「余計な事は…いい、からっ……」
軽くお尻をゆすって、返答と要求の続きにする。
さすがに5年間付き合ってきた恋人だ。ちゃんと意図を汲み取ってくれて、2・3度目をまたたかせてから進行を再開させた。
「くうっ……」
いよいよ第二関節だ。
括約筋は限界まで広がりきっているというのに、まだ直径差がある。抵抗がある。
けれど、ふたりの唾液のぬめりと意思がついに、
「…〜〜うんっ!」
!!
「ボクの…入った…っ!」
一気に根元まで。
お尻の肌に汗で濡れた手のひらが密着する。
「ちょっ…と待って、くはっ…くださ……っ!」
「う…うん」
最後の瞬間、ピリッと走った痛みに嫌な予感がする。
切れてないかが心配になって、リングへ力を込めて、抜いてとくり返してみる。
「あうっ…ひとっ……!
ダメ、イッちゃう…!」
う…一緒に『前』も動いちゃうから……。
………もういいや。後のことなんて知るもんか。元からそのつもりだったんだし。
「ンッ……いいですよ、先生。
……どうですか?」
「う…わ…ツルツルしてるよ…っていうかうわわっ、
これっ、ボクのがはっきりわかる……っ!!
これ、ここ、こんなに薄いんだ…!」
驚嘆…ううん、感嘆。感動すら入り混じった嘆声がもれる。
もちろん驚きなのは私も同じだ。というか今日は人体の不思議に驚いてばかり。こんなふうになってるんだ……。
『壁』なんて言うけど、この薄さはもう『膜』に近い。
先生の指とおちんちんにつままれてる。
つままれて、グリグリされて…破られちゃうんじゃないかって恐怖の悲鳴を、なんとか飲み込む。
「熱くて、にゅるにゅるしてて……あっ、でもこっち側は空間が……?」
「くふぇっ」
こっちの努力なんて気にも留めずに、薬指は遠慮なく洞窟内を冒険する。
私が望んだことだったけど、
背中側にぐりょっと第一関節を曲げられて、中身を掻き出すように腸壁を擦られたのはさすがに限界を超えた。
蛙のような妙な声が口を割って飛び出してしまった。
「せっ…先生っ!掻き回さないで!!」
「あっ!ごめん!!」
ぐ…はあぁ……。
ほんといちいち調子に乗ってくれますね…っ。
- 15 :
- 「ごめん!大丈夫ひとはちゃん!?本当にごめん!!」
「かふぅ……遊ぶのは、また今度に……。
今は、先生のに押し付けて……」
「う…うん。
うっ…」
先生の薬指が…2本目の肉杭が、薄膜を挟んでぴったりと寄り添う。
強張りにはすでにこれ以上無いほどの圧迫感を与えていたはずだけれど、『真後ろ』の空間が無くなったことで苛烈さが増したようだ。
先生は眉を寄せて切なそうに啼いた。
「それでそのまま…ふぅ……。
ん……動かしていいですよ」
「う…うん。
あっ…でもこのままじゃボク、腰を動かせられないから…。
もう1度ひとはちゃんが寝転んでくれない………かな?」
この期に及んでまだ逃げ路を探しますか。
やれやれ…いくら読みきってたとはいえ、さすがに気分を害されるよ。
「ハァ……勘違いしないでください。
動かすのは『私』です。お尻と腰を抱えて、『私』を動かしてください。
軽いものでしょう?」
だってこの身体、たった34kgしかないんですから。
あの頃とほとんど変わってないんです。
私も先生の両肩に置いた腕の力で手伝ってあげますから、昔以上にひょいひょいやってください。
「かっ…軽いから、ボクは……」
「じゃあしてください。
自分の手でするみたいに、上手に『私』を使って気持ちよくなって。
思いっきりシてくれていいですよ」抜けないように脚を絡めてますから。
ね?と確認するように首をかしげながら、踵で先生のわき腹を小突いてあげたところで、先生はやっと納得してくれた。
大きく息を吐き出してから、右腕を私の背中にぐるりと回した。
「………動かす、ね…」
ひょい。軽い挙動で持ち上げられる。
とすん。軽い音と一緒に下ろされる。
「うあああぁっ!!」
それだけで先生は全身をガクガク震わせて大騒ぎの大喜び。
『中』は相当すごい事になってるんだろう。
そりゃそうだ。
「ぐううう〜〜っ!」
こちらも尋常じゃない摩擦を味わってるんだから。
お腹を先生の腹筋で、腸壁を薬指で押さえ込まれてるせいで、あらゆるベクトルがひとつに収束する。
痛覚が麻痺していても、生理機能そのものを揺さぶる衝撃を叩き込まれるせいで、
目の前が真っ暗になり激しい嘔吐感までやってきた。
だけどこれでいい。
これなら先生は天国みたいに気持ち良いはずだよ!!
「ぐあっ、腰ごと持っていかれるかと思…っ!も、イく…!」
「1回だけなんて情けないですよ早漏!
ほらぁっ!
にぃ〜〜〜〜〜〜〜…」
「そんっ…ああっくっ!」
私の掛け声にあわせて、身体が上方向へスライドしていく。
- 16 :
- 開ききった肉傘は釣り針の返しのように柔ヒダを引っ掛け、こそぎ落とすようにしながら入り口へと下がっていく。
膣肉を掻き出されていると錯覚しそうな程の強烈な刺激によって、下腹にますます力が入り、密着度は天井知らずに上昇する。
膣壁が敏感なエラの裏側にびっとりと吸い付き、ギリギリまで伸びきってからぷつっと千切れるように剥がれて過剰なまでの逆撫で感を与える。
皺の数だけ何度も何度も何度も。
もちろん刺激を送り込む対象はカリだけに留まらない。
『閉じている』のが自然な私の処女孔は、おちんちんが退くのにあわせて収縮し、亀頭を最後まで舐るように責め立てる。
入り口の柔肉の噛み付く強さで幹を扱き、中に詰まった精液を発射口へと絞り導いてあげる。
視覚効果だってきっと抜群だよ。
抜け出ていく幹に吸い付いて凸型に変形したアソコって、男の人はすっごく興奮するって本にはあったし。
「…〜〜、」
「くうぅっ!」
ぷちゅん、と膣口のリング肉にカリ首が引っかかる。
ひと際強く噛み付いてあげてから、踵を腰骨に当てて挿入開始の合図を送る。
「いぃ〜〜〜〜〜〜〜…」
今度は、下へ。
びったり閉じきった膣道は、最早穴なんて無い肉塊に等しい。
だからピンクの丸い矢じりは凄まじい抵抗を受けながら、みっしり詰まったお肉の海を掻き分け進むしかない。
「うわっ…ゾロゾロって……!すご、擦れる…っ!」
ミリミリと拡張音を響かせながら矢が埋まる度、とろんとした瞳がますます潤む。どんどん近づいてくる。
愛らしくて、美味しそうで、直接舌を這わせたくなる衝動がゾクゾクと背筋を駆け上る。
もっと美味しく熟せられるよって、頭の奥から響いてきた声に従って、私は腰に円運動を追加する。
「ぐっ…ちょっ、痛い…っ。痛い痛い痛い!
ひとはちゃんそれホントに痛いってっ。ちょっ…緩め、てぇ…!
んあぁ……っ!!」
むふぅ。そんな嬉しそうな声出されたら、ますます止まらなくなっちゃいます。
ただでさえ効果の足りない私の潤滑液は、身体の機能不全のせいで分泌量が更に落ちてる。
おまけに表面に塗布された分も、締まった膣口によってこそぎ落とされて、シーツに薄赤の染みとして消えていくばかりだ。
明らかに摩擦係数の上がり過ぎた粘膜で左右に抓って、こんなにおちんちんの形を歪ませちゃったら、
男の人にとっては拷問になっちゃわないかなって気になったけど……この分なら、いらないお世話だったみたいだ。
「…〜〜いっ!」
亀頭が奥まで辿り着いたら、すぐさまツブツブとコリコリで大歓待。
離れて寂しかった時間の分だけ、うねりと締め付けで帰還を祝福してあげる。
むふ…子宮口で亀頭にディープキスしてあげると、先生ってばギュッと身体を竦ませて悦ぶんだよね。
……本当は鈴口に重ねて『くちづけ』したいけど…う〜ん、ちょっと角度が難しいな。
「ぐああっ!
もう無理!!イクイクイクっ!!」
「さぁ〜〜〜〜〜〜〜…」
「ああもうっ!くうっ!」
先生だって愉しくてしょうがないくせに。
全身から湯気が出そうなくらいに汗を噴出しながら浅い呼吸を繰り返し、苦しそうな‘フリ’をしていても、
お尻の中の薬指の動きのおかげで、気持ちははっきり伝わってくる。
『隣』で亀頭が上下するのに合わせて、薄膜ごと捻じ込むようにぐいぐい押し付け、
裏スジとカリに最大限の負荷が掛かるように調整してるんだから。
やっぱり先っちょが気持ちいいんですね。もっと先生の気持ち良いところを教えてください。
自分でする時みたいに沢山ゴシゴシしてください。
セックスと一緒にオナニーまで愉しめる恋人なんて、すっごく豪華でしょ。
でも腕の縦運動とうねりの横運動だけでも凄いのに、膜越しの垂直運動で三重奏にしちゃうなんて、
おちんちんが蕩けて無くなっちゃっても知りませんよぉ。
- 17 :
- 「…ぁ〜〜〜〜〜〜〜んっぐぅ!!?」
ゴールインは三度目だったけど、今度の衝撃はあまりに強くて危うく舌を噛み切るところだった。
原因は、いよいよ追い詰められて抑えられなくなってきた、彼氏の欲望だ。
『私』が落ちきるのに合わせて腰を突き上げられたせいで、また一段子宮が内側へへこんでしまった気がする。
「ひとっ、ああっ、あっ!」
しかも肉棍を打ち付けただけじゃ収まらず、めりこませたままごりゅごりゅ擦り付けて来た。
指のときもそうだったけど、男の人ってそんなにお胎に帰りたいのかな。
パスタみたいに細い子宮口を通り抜けられるはず無いのに、泣くほど必になって尻尾を振っちゃって。
「ぐ…ぶっ!
がんば、れ…ぜんぜ…ぇ…っ」
こんな一生懸命な姿を見せられると、お部屋の中に招待してあげたい所だけど……流石にこればっかりは無理だ。
せめて代わりに私も全体重を掛けて、軟骨みたいなコリコリ子宮で鈴口を押し広げ、尿道の内粘膜にまで悦楽をプレゼントしてあげる。
腸壁に爪を立てられたって受け入れられる。
カズノコ天井って噂以上に気持ちいいんだろう。
先生ってば息が詰まっちゃってるのに、ザラザラの奥壁を使った亀頭研磨が止められないみたい。
薬指に猛烈な力を込めて、裏スジが破けないかと心配になるくらいに直腸からグリグリ、グリグリ。
「せんっ…ぐっあ、ひゅっは、ああ……っ!」
「ごめんごめんごめん!!
ひとはちゃんごめん!!」
今は気にしないで。もっと『私』を好きにして。
心配は後でたっぷりしてくれればいいですから。
私は右手で優しく先生のアゴをなぞって、気持ちを伝える。
剃ったばかりの綺麗なアゴには、赤い跡――興奮で更に溢れ出した左肩の血液――が残った。
……やっぱりヒゲは邪魔だったな。もう一生伸ばさないよう後で『お願い』しておこう。
「よ、おぉ〜〜んぐっ!!ごおっ!!ろっぐうっ!!」
「あっ、あっ、があぁっ!!」
ストロークは急激に短縮し、亀頭部への集中攻撃へと切り替わる。
腕と薬指と膣と腸とが、何もかもがめちゃくちゃに動き回り、
お互いを溶かして混ざろうとするかのように激しく擦りつけぶつかり合う。
どうです先生?
小っちゃな『私』だからこその、最高の『気持ち良い』ですよ。こんなの他の女じゃ絶対味わえません。
「なぁ「ごめん!!!」 がぶぐ!??」
7度目のカウント途中で、ついにギブアップ宣言があがる。
上げかけていた腕を勢い良く下ろし、今までに無い強さと角度で亀頭を子宮に叩きつけて―――…
…―――今、先生と私、『くちづけ』した――…
「イクッッ!!!」
は じ け た っ!!
おちんちんがお魚みたいに跳ねながら、けれどくちづけをしっかり維持したまま、熱い粘液を口移ししてくれる。
沢山のおたまじゃくしが入り口を通ってお部屋へ押しかけ、内壁にピチピチぶつかり回る。
奥の奥の奥、最後に残った空間を埋められる原始的な官能が、頭の中を真っ白に塗りつぶしていく。
すごくすごくすごくすごく幸せ!!!
幸せすぎて吐きそう!!!
- 18 :
- 「あっ、あっ、かあっ…まだ出る…っ!」
「ぅん…せん……おめめ、逸らしちゃめーですよぉ……」
俯いて私を無視しようとする恋人の首を両手で握り締め、ツルツルのアゴを親指で押し上げる。
ほらっ、先生も何もかもを『私』で埋めてください。
「あがっ、虹……っ!」
うわあああっ!今日1番可愛いお顔してますよ!!
目を見開き大口を開けて、涙と鼻水と涎でぐしょぐしょにし「げぼっ!」 …あ〜あ、良い所だっていうのに限界なのか。やっぱり使えない身体だよ。
心は最高潮なのに、身体の方がダメージの許容値を超えてしまったようだ。胃の奥から甘酸っぱい液体がこみ上げてきた。
慌てて口を閉じたけど、量が多すぎてすぐに私は食事中のチクビ(※ハムスター)みたいになってしまう。
いけない、このままじゃ先生に……そうだ。
これも先生にあげますね。
「んちゅっ…ぐぶぶっ…!」
「!
〜〜〜〜っ!!???」
下のお口のお返しに、上では私から口移しで粘液をご馳走してあげる。
とはいえ流石に突然すぎたようで、『ひとはちゃんの全部が大好き』な先生でも、唇を合わせた瞬間は目を剥いて停まってしまった。
けど大丈夫。
「〜〜〜〜〜ごくん!」
むふうっ!!
「げあっ、おごぶぷっ…ぐぶふ、げぽっ!」
「ごきゅっ、んぐ、ふぐく、ぶふっ…ん、ぐう!」
やっぱりそうだ。
気持ち良くなってるときの先生は、私の思うがままにできるんだ。
今だってほら、両手は私のお尻を握り締めて、子宮ゴリゴリするのに忙しいから、突き放そうなんてそぶりは微塵も見えない。
「……ぐふ〜っ、ふっ、ふぶ…っ」
「ふぐっ、ずっ…ぐ、ふぅ〜……」
やがて注ぎ合うものが尽きても、ふたりはひとつのまま。
上と下でくちづけし合い、両の手を硬く握り締めたまま、塊となって春の光と空気を浴び続ける。
ずっとこのまま――…
「げふっ!ごはっ!!
が、はあ〜〜…っ!ぜ、はぁ…。ぜはー…!」
突然先生が咳とともに唇を離し、そのまま天井へと荒い息をくり返す。
その挙動にはっとして、私は両手を先生の首から離し、茫然と手のひらを眺める。
- 19 :
- ぐー。ぱー。ぐー。ぱー。
……………………………………………………まいっか。
「ごふっ…!
びと…ばっ、だいじょ…ごほほっ、がはっ!
が、はぁ〜〜…っ、ひと…ぢゃん、だいじょうぶ?」
怖いものなんて何も無い。何もかも終わったんだから。先生の恋人になれたんだから。
今だって先生は、血と涙を流しながらでも私へと優しく手を差し出してくれてる。
私を1番に想ってくれる。
これからはずっと、これが私の日常なんだ。
涙なんかひとカケラも無い楽しい毎日が、ずっと続くんだ。
「ごめん、ひとはちゃん……っ」
幸せだなぁ…。
- 20 :
- ・
・
・
ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり………。
先生は恋人である私を、まるで世界一貴重な美術品のような扱いでシーツに下ろし、腰を引いていく。
「う…ああ…すごい血が……。
…って、あれ?あんなに出したのに……?」
埋め尽くしていた相手が居なくなっても、注ぎ込まれたものはお部屋に留まったまま。
子宮口は極小だし、アソコはもうぴったり閉じちゃってるし、おまけに液っていうよりゼリーみたいにドロドロだから、
立ち上がらなければずっと中に溜めておけそうだ。
「とにかくティッシュティッシュ…タオルの方がいいか。
痛っ…。
ボクは包帯が要るな……。
……ひとはちゃん、すぐ拭いてあげるからね。あっ、飲み物も持ってくるから。
水がいい?オレンジジュースも冷えてるけど……あったかいのの方がいいのかな?そうだ、お風呂もすぐ沸かしてあげるからね。
ちょっと待ってね。ごめんね」
むふ〜…こうやってお胎でタプタプくゆらせるの、すっごく気持ち良いなぁ。癖になっちゃいそうだよ。
満たされてるって感じで……おおっ、私上手いこと言った。
「……ひとはちゃん?
……ね、ひとはちゃん?」
枕からもシーツからも先生の匂いがするし、お日様はポカポカして暖かいし、もう今日はこのままずっと寝転んでたいなぁ……。
うん、そうしよう。今日はふたりでゴロゴロの日だ。
どうせしばらくは指一本動かせそうにないんだし。
そうと決まれば最後にもうひと頑張り。
「ちょっ…ひとはちゃん本当に大丈夫!?
お願い返事して!!」
先生!
「先生!」
「……はい」
抱っこ
「抱っこ」
- 21 :
- ==========
朝日が昇れば、私は『今日』を組み立てるために立ち上がらなければならない。
……まあ、さすがに今日はいつもの順番通りとは行かなくても許してもらいたい。
「じゃ…じゃあいって…き、ます……」
「いってらっしゃい」
みっちゃんの憮然とした声に追い出されるようにして、私は玄関から足を踏み出…痛たたっ!一歩動くだけでも辛い!!
……とは言え無理してでも行かねば。家の前で立ち止まってたら、パパに変に思われちゃう。
日直の友達の手伝いをするからって理由で、お弁当も我慢してもらったんだし。
私は塀に手を着いて身体を支えながら、通学路を進む。
油の切れた人形のように……。
「うぐっ…流石に昨日は無理しすぎたか……」
股間だけじゃなく、身体中から異常を告げるアラートが鳴り響くせいで頭がグワングワンと揺れる。
ひと眠りした後も色々やったからなぁ……。
アソコが使えなかった分逆に、色んなところで――…
『それじゃあ『お掃除』してあげます』
『いいですよぉ……このまま髪にたっぷり掛けて下さい」
『お風呂まで抱っこで連れてって』
『先生が汚したんだから、先生が洗ってください』
『ん……また大きくして……』
『今度こそごっくんしてあげます』
「わー!わー!わー!!」
恥ずかしすぎる自分の台詞を、耳を塞ぎ大声を出して追い払う。
完全に、純度100%の恥女じゃないか。
わ…私としたことがなんであんな馬鹿な事を……
『あう…ごめん、ひとはちゃん……』
むふう。
- 22 :
- だってしょうがないよね。先生が可愛すぎるのがいけないんだよ。
あくまでも恋人を喜ばせる目的でやったことなんだし、別に私が特別エッチな子ってわけじゃないって。
恋人のためだもん。だって私は先生の恋人なんだから。
むふふぅ〜。
ああなんて幸せな響きだろう次はいつ会いに行こうかなもちろん先生にはお仕事があるけど恋人との時間を大切に「おはよう三女」
「うひょわああ!!?」
突然背後から声を掛けられたせいで、肺の酸素をまるごと絞りつくしての悲鳴を上げてしまう。
空気の振動を受けて、電線のスズメたちがぱたぱたと飛び立っていった。
こっちも口から心臓が飛び出るかと思ったよ……。
「び…びっくりした……。
なによいきなり。挨拶しただけでしょ」
「あ痛たた……す…杉ちゃん。
ごめんごめん。ちょっとその…まあ、あれがそれで……」
驚きの余韻と無理に動いた痛みのせいで、今は挙動不審もはなはだしい所作と台詞しか並べられない。
あれがそれって何なんだ。
「……………まあ、いいけどね。
はぁ〜……。手伝わせてと言ったのは私だから、昨日は協力したけど……二度は無いから」
杉ちゃんは右手に金色の携帯を掲げ、盛大にため息をつく。
ただでさえ切れ長で、意思の強い真っ黒な瞳の杉ちゃんにジト目を寄越されると、
こちらとしては曖昧に笑いながら引き下がるしかないよ。
昨日のことを思い出すとなおさら。
昨日。
結局あの後、お昼を過ぎても…1日中先生と一緒に居たかった私は、一計を案じて、
みっちゃんと杉ちゃんに協力してもらう事にした。
携帯電話のグループ通話機能を使ってふたりと先生の携帯をつなぎ、私が杉ちゃんの家に居るかのように家へ連絡を取ったのだ。
先生がちゃんと挨拶しに行くからって言ってくれたのは嬉しかったけど……何か作戦を考えないと殴りされるのがオチだよ。
せっかく一緒になれたのに、いきなり独りになっちゃうなんて全然笑えない。
あっ…でもお胎の子が居ればふたりか。
なんてね。
………………いや、大丈夫大丈夫。大丈夫だって。計算上は安全圏だったし。うん。きっと。たぶん
- 23 :
- 「ちょっと三女?」
「はっ!?
あ…あははっ、今日は天気がいいし、春風も気持ちいいね。ついウトウトしちゃうよ」
「あえて突っ込まないであげるわ」
「アリガトウ…………。
……ところで何でこんなに早く?」
「みつばに」
ひと言いって、杉ちゃんは人差し指で携帯を叩いた。
なるほど、みっちゃんがフォローを頼んでくれたのか。
昨日から何度も悪いなぁ。今度黄昏屋のシュークリームを買って帰ってお礼にしようっと。
最近またカロリー気にしだしてるみたいだけど、その分ローカロリーのおかずを勉強して普段を抑えてあげればいいんだし。
お互いの足りないところをフォローし合うのが、私たち三つ子の自然なカタチなんだから。
……胸を張って言える。大好きな恋人が、そう言ってくれたから。
「三女……。
………正直、昨日の件はあんまり……いいわ。余計な事は言わない。
今のあなたの顔を見てたら、何も言えなくなっちゃった。っていうかそのうち丸ごと矢部っちに言ってやる事にするわ。
まったく…美少女って逐一卑怯よねぇ」
「え〜っと……ありがとう」
最後に妙な皮肉が聞こえたけれど、せっかくスルーすると言ってくれてるのだ。こちらも流しておこう。
「……ほんっきで嬉しかったのね。キラキラが溢れて眩しいくらいよ。
こりゃ男共がほっとかないだろうし、今日から一段と厄介な事になりそうねぇ。
はあ………」
最後にもうひとつ嘆息を残し、杉ちゃんは携帯をポケットに仕舞った。
よくわからないけど面目ない……っと、そうだ。
「ねえ杉ちゃん。携帯ってネットで調べ物もできるんだよね?」
「うん」
「お願いがあるんだけど……」
「いいわよ。何を調べればいいの?」
「…………女の子のあそ………やっぱりいいや。忘れて」
「『あそ』?」
「忘れて」
言えない。
言える訳が無い。
アソコが腫れてふくらんでしまっているなんて……っ!
治療法を調べてもらおうかと思ったけど、いくら相手が親友でも流石に聞けないよ。
うぅ…でも一生このままだったらどうしよう。先生に嫌われちゃうかな……ってまあ犯人は先生なわけだから、どうとでもできるか。
- 24 :
- 「……まあ深くは聞かないわ。
言っとくけど全部貸しだからね」
「へへぇ〜。ありがとうございまする。
このご恩は必ずお返ししますので」
いつものように懐の深さを披露してくれた幼馴染に向かって、ひとまずは精一杯のお礼を告げる。
直立不動ではあるけれど、誠意はしっかり込めた。
……お胎が痛くて、今はお辞儀なんて無理だよ。
「……いちいち……。
行きましょう。なるべく人目につかないよう、早めに出たんでしょう」
「う…うん」
返事と共に、また一歩踏み出し…あいたたっ!やっぱり身体中が痛い!
な…何か楽しいことを考えて気を紛らわせなきゃ。
楽しいこと、楽しいこと……
『大好きだよ、ひとはちゃん』
むふう!
「なんかもう、眩しすぎて目が痛いわ……」
- 25 :
- ・
・
・
教室に一番乗りしたといったところで、始業時間が近づけば当然人は増えてくる。あわせて『視線』も倍の速度で上昇してしまう。
恋人どころか好きな人もいないという設定の私だし、大人しく座ってればまさか気付かれまいとは思うけれど、
クラスには先輩『経験者』も何人か居るわけで。
小さなきっかけから、大切な先生との関係が崩れてしまわないかと、どうしても脈拍が上がってしまう……。
今日はなんだかいつも以上に『視線』が強いし。
「おっはよーさん!姫!」
「ひぎっ!?」
神戸さんに背中へ圧し掛かるように抱きつかれた瞬間、目もくらむほどの激痛が襲ってきた。
いつも通りのスキンシップとは言え、今日これをやられちゃたまらない。
…だってふたり分の体重でアソコが椅子に押し付けられたんだよ!?
本気でぶん殴ってやろうかと思ったよ(痛みで身体が動かないけど)!!
「な…なんなん姫?どしたん?」
「べ…べふに。おふゃよう」
ダメだ、痛みのせいで思いっきり呂律がおかしくなった。しかも周りの柳さんと時枝さんにも聞かれちゃったよ。
「ねえ姫、やっぱり体調悪いの?
朝からずっと座りっぱなしだし、いつも以上に無口だし……」
「だよなぁ。輝きが凄いから心配すべきなのかどうか迷ってたけど、やっぱ変だ。
なあ姫、なんかあったなら言ってくれよ。あたしじゃ協力できるかどうかわかんないけど、話すだけでも軽くなることってあるぜ?」
ああ〜っ、みんなの善意が余計に痛い!
「ほんま何千ルクス出とんねんってくらい明るいなぁ〜。
よっぽどええ事あったんやろけど、身体悪いんか。
保健室行く?」
授業始まったらタイミング見計らっていくつもりだから、ほっといてぇ〜っ!
っていうか今は立ち上がれないんだって!
「調子悪いんは足?お腹?
そんな膝ぎゅっと合わせて……あれ?ひょっとして姫……」
ぎっくぅ!
流石先輩、鋭い!
「三女はそのっ…ちょと今朝ひさ「やあ三女!おはよう!」
杉ちゃんのフォローを明るいアルトが遮る。
黒板側の入り口から入ってきたのは、
- 26 :
- 「さくらちゃん」 「松原!」 「松原さくら!」 「どしたのさくら?」
私、杉ちゃん、神戸さん、柳さんの呼びけが同時に向けられる。
受け取ったさくらちゃんは軽く肩をすくめてから、他クラスだってことを意にも介さず颯爽と私の席へと歩いてきた。
やっぱりさくらちゃんの凛々しさには憧れちゃうなぁ。黒の深い瞳も…あれ?メガネが無い。
「やあ三女、おはよう。
昨日は本当にありがとう。これ、私がよく使ってる湿布だ。良かったら使って」
意味不明な台詞と共に湿布薬のだろう、緑色の箱が私の前に置かれた。
日曜日?さくらちゃんと勉強会したのは土曜日だよ?
「え?え?え?」
「昨日は本当にありがとう。キミが一緒に走ってくれたおかげで、色々吹っ切れたよ。
今日からまた陸上部でやって行くことにした。
でも運動の苦手なキミがあれだけ走ったんだ、きっと今日は筋肉痛で立つのも辛いだろうと思って湿布を持ってきたよ。
使ってくれ」
今度の台詞はわざとらしいくらいに説明的だったおかげで、あわせて右手に掲げられた携帯の意味がパパッとわかってしまった。
みっちゃん……微妙にありがた迷惑というか恥を拡散してくれたというかでも悪いのは私だしなぁ……。
「んだよ姫。
めったに運動しないヤツが長距離走ったんなら、ちゃんと風呂でマッサージしとかないと」
一応、助かったか……。
「ありがとうさくらちゃん。
っていうか陸上部って…っ!」
「ま、そういうことだ。残念ながら私は文学少女にはなれない星の下に生まれてきたようだ。
…中学の友達も歓迎してくれた。
嬉しい限りだけど…やれやれ、2年近く独り芝居をやっていた現実を突きつけられるのは、辛いねどうも」
う〜ん、爽やかな笑顔だなぁ。わかり易い友人だよ。
「ふふふっ、それは残念続きでご愁傷様だね」
「まったくだ。
ま、回り道をした分、今日からしっかり頑張るよ。
せっかく髪長姫に好きだって言ってもらえたんだ、それにふさわしい女の子にならなきゃね」
笑顔と一緒に、パチリと星が飛び散りそうなくらい魅力的なウインクをプレゼントされて、私は不覚にもまともに赤面してしまう。
むぐぐ……こないだは私の圧勝だったけど、やっぱりやるねさくらちゃん。
「う…うん。
それは立派な心がけだよ、うん。心がけだけどね」
「……本当にありがとう、三女」
口をへの字に曲げている私に軽く微笑んでから、さくらちゃんが頬を寄せるようにふんわり抱きついてきた。
一瞬身体の痛みを心配したけど、そこはさくらちゃん。上手く体重を掛けないように、けれど温もりの伝わる絶妙な抱擁だ。
そして更に、右耳にはこしょこしょ声が吹きかけられる。
- 27 :
- 「一応王子様とのゴールインおめでとうとは言っておくけど、あんまり褒められた事じゃあないよ」
「う……ごめん。
みっちゃんから無茶振りされたんでしょ?それも合わせてゴメン」
「なあに、そっちは気にしてもらう必要は無い。
それだけみつばさんから信頼されてるって証拠なんだから。
ま、今後は私もキミの物語の登場人物に加えてくれ。
情報かく乱にせよなんにせよ、今日同様、松よりも良い手際を披露できると思うよ」
「……ありがとう」
もうそれしか言えないよ。
「うん。
……じゃあね!また遊びに行くから!!」
秘密の打ち合わせが終了したさくらちゃんは、ばっと身を翻して来たときと同じく颯爽と教室を出て行った。
戻ってきたんだな。春風みたいに爽やかな、私たちの友達が。
……先生、ありがとうございます。
「輝きが更に……。
姫、そういう事だったんだ……」
茫然とした柳さんの声にはっとした私は、補足説明のため慌てて隣へ顔を向ける。
「そっ…そうなんだ!
ちょっと恥ずかしかったから黙ってたんだけど…んも〜、しょうがないなあさくらちゃん」
急いでストーリーを組み上げなくちゃ!
青春ごっこしてたみたいで恥ずかしくてって事にして、走ったルートはどうしようかな?
時間も決めとかなきゃだし…ああ〜、ゆきちゃんの霊よ私に宿れ(ゆきちゃん生きてるけど)!!
- 28 :
- 「姫、ソッチの人やったんや……」
「そうそう、私ってソッチの……は?」
え…ちょっと待って。不穏な響きが混じってたよ?
それに何でみんなじりじりと離れていくの?
「そうか…それでどんな男子が言い寄ってきても袖にしてたのか……。
う〜ん……なんかあたしがAクラに来たせいで、ふたりを引き裂いちまったみたいで悪いなぁ……。
ってなわけで今日からあたし、別のグループで昼食べるから。
じゃ」
「『じゃ』じゃないよ時枝さん!絶対おかしな誤解してるから!!
柳さんからもなんとか言って!」
「私、文化としては認めてるけど、自分に害が降りかかるのはちょっと」
「『害』って!?
机を引き離さないで!!」
「……ま、そいういうカモフラージュもアリか」モニョモニョ
「杉ちゃん!?」
無いよそんな選択肢!!
はっきりと感じる。
ガラガラと音を立てて、築き上げてきたものが崩れていく。
「え…丸井さんって……」
「でも杉崎さんも中学の時の噂だとね……。で、ずっと一緒にいるってことは……」
「知ってる知ってる丸井…みつ…?とにかく『丸井さん』を取り合って、杉崎さんと松原さんが毎日……」
「うっわ大スクープ!東校の友達にも……」
「そんなっ!丸井さんがレズだったなんて!」
「う、ええ?いやでも確かに『好き』って言ったって…しかも否定しなかった……」
うああっ、今日からの学校が……生活全てが怖い!!
「あ、姫が髪まで真っ白になって崩れ落ちた」
うわ〜〜ん!!!
<おわり>
- 29 :
- ==========
==========
………………………………。
…………………。
………。
ふ…ふふふ……。
わかったよ。
そっちがその気なら、こっちにだって考えがあるよ。
私だって知ってるんだから。みんなのあの事とか、あの話とか。
実はアレの事だって見てたんだよね!
ここまでのお返しに、ぜぇ〜〜んぶ話してあげるから!
さあ、覚悟して!!
「次はあなたの番だよ!!」
<ここから始まるプロローグ>
- 30 :
- 終わり!!
二〜三日後にあとがきやらなんやら書きます。
ちょっと休みます。
- 31 :
- >>30
長編お疲れ様でした
- 32 :
- 以前注意されたのにこりずに。
ちょっとだけ……。
丸井ひとは(成長)
デザインテーマは『地雷超美少女』。
寒気がするほど整った顔立ち、骨格そのものが小さい華奢な矮躯、雪のように白く滑らかな肌、
宵闇に濡れた髪、虹色の瞳を持った妖精を思わせる超美少女。美しすぎて逆に不自然で不気味なほど。
おまけに家事万能で、一途に想ってくれて、床上手(耳年増なだけとも)で、
アソコの具合がえげつないくらいイイという充実のスペック。
でも性格は地雷。おまけにドS。弱みを握られる(優位に立たれてしまう)と……。
ひとは、ふたばはざっくり言って『めんどくさい女』としてデザインしてます。
エロシーンについて
ベッドで待つ〜先生イくまで、120kBもあるんですけど……。コレ無かったら完結を半年前倒しできました。
みつどもえと言えば『その他の体液』なので、初期プロットはひとはにお漏らしさせてたんですが、
身体ダメージと噛み合わないので嘔吐させました。でも矢部にぶっ掛けてもなぁ…と思い、飲ませてみました。
どうでしょうか?一応、私は正気です。
なお、繋がったまま長々と交渉してるのはプロットどおりです。私は正気です。
- 33 :
- お話について
1年間お付き合いありがとうございました。
マナーの悪い私の行動に、切れずに付き合ってくださって本当に感謝しております。
特にまとめサイト管理人様には、どれだけ感謝してもしたりないくらいです。
今後ともよろしくお願いいたします。
初期に書いたとおり、最初と最後だけ読めば通じるお話でした。
月曜〜金曜は、私の妄想設定を垂れ流してるだけという。
あくまで第一話なので、ひたすら伏線を張って全く回収していません。
そしてひとはと矢部の関係も、むしろ問題提起で終わってます。
要は、まだまだ続きます。
というわけで、次回は千葉視点。以前書いたものの全面リテイクになります。
絶対3万字以内で収めます。
それではまた……。
- 34 :
- お疲れ様です。
次回作の予定があるんですね。
よかった。楽しみにしてます。
そのうち、矢部視点も書いてもらえると嬉しい。
いろいろ葛藤があっただろうし、矢部の目から見た
ひとはの描写を読んでみたい。
ところで、正気なようでよかったです。
読んでてちょっと心配になりました。
- 35 :
- やはり正気を疑われていた……ッ!
ひとはが矢部のメールチェックしてたあたりで突っ込みが入っていたら、
もうちょっと大人し目になってました(言い訳)。
チョコチョコ視点のお話がでるためタネ明かししてしまうと、
『とびはねっ!』のメンバー分は高校生でやります。
SSS隊とみつばはゴメンナサイ。
- 36 :
- age
- 37 :
- ts
- 38 :
- 誰か居る?
- 39 :
- 専ブラだから更新してたらみてるよ
- 40 :
- 保守あげ
- 41 :
- ほしゅ
- 42 :
- ほしゅ
- 43 :
- 復活あげ
- 44 :
- みつどもえ再開来たみたいだね
- 45 :
- >>44
kwsk
- 46 :
- 今週発売の週刊少年チャンピオンで、
次号の予告(7月26日発売号)から再開の告知がある。
- 47 :
- もうすぐ、宮なんとかさんに再開できるのか
再開後も下の名前は無いままだろうな
- 48 :
- 下の毛は多分あるよ
- 49 :
- 225卵生が前提の小ネタ
「はい、三女の写真できたわよ!」
杉崎が手に持っていたのは、矢部っちの腕に抱きついて無邪気に戯れているひとはの写真。
「どれどれ…うん結構可愛く撮れてるじゃない!私ほどじゃないけど!私ほどじゃないけど!」
「ひと、なかなかの美少女っス!!」
「そうだな、三女にしては写真写りいいなっ」
「…>< でも良かったね三女さん、可愛く撮ってもらえて」
「うん…(むふぅ…)杉ちゃん、さすがベテランカメラマンなだけあるね」
「そうね、三女が可愛く写る瞬間を逃さなかった私の技量もあるかも知れないわね」
「でもあれだろ、三女は矢部っちとイチャコラしてる時が一番可愛いってことだよなっ」
…
一同「!?」
「ちょっ、変なこと言ってんじゃないわよ!」「ね、ひとは、あんな童貞に興味なんか…」
「………そうだよ、ただの宮園さんの思い込みだよ…///」
「…ひとはの顔がガチレッドみたいな色になってるっス!!」
おわり
- 50 :
- 乙
短い中にも各キャラの個性が出てて良かった
宮崎さんは常に余計だなぁ!
- 51 :
- いやこの宮下さんは俺的にかなり空気読んでるぜ
- 52 :
- 杉崎のストーいや、ディープラブが歪みねぇ!!
- 53 :
- 読んでくださった皆様ありがとうございます。
>>50
誰が発言者か書かなくてもセリフで何となく分かるようにすることを狙ってたので、そう言って頂けるとありがたいです。
>>51
本当は吉岡さんに言わせようとも思ったんですが、「三女さん矢部っちのこと好きなの!?」
みたいなややこしい方向に行きそうだったので「誰も言わなかったことをあえて言う」ことに定評のある
宮内さんにバトンタッチしました。
現在次なる矢部ひとSS(※非エロ)を執筆中です、期待せずにお待ちください。。。
- 54 :
- 移籍したらページ数変わるのかな?
- 55 :
- 変わると思う
……だとすると2話入れてくるか、もしくは1話が長くなるのかもしれない
後者だと今のテンポが好きな人にとっては問題だよね
まぁ、考えても仕方がないし移籍してからのお楽しみだ
- 56 :
-
「…お風呂、湧いたよ」
「あっ、…ひと!」
小生は事故にあって、腰から下が動かなくなってしまったっス。
足の代わりに、車椅子を使ってるっス。ひとやみっちゃんが色々と小生のお世話をしてくれて、とても助かるッス。
「大丈夫ッス!服はほら、自分でぬげるから……」
「……ちょ…何もここで全部脱がなくても…」
「ほら、ひと!一緒に入ろ!わあ!」
「………………また洗濯機にぶつけた…………昨日直したのに…………」
「ごめんね!ひと…小生、車椅子でどこでも行けるのが嬉しいから、つい車輪をブンブン回してしまうッス……」
「……また直すから……今度は気をつけてね……ほら、あの手すり持って…」
「んしょ!」
「持ち上げるよ!?せえの!」
「へいやっ!」
「えっ、…ええ……身体…流してから湯船入ってよ……」
「大丈夫、大丈夫!ほら?ひともお風呂入ろ!」
- 57 :
-
「ひとー、小生の足さわって!ほら、ペシペシって!」
「……………」
「うーん…感じるような感じないような…」
「…じゃあ、ふたばが目をつぶって…私が叩いたら、手を上げて…」
「わかったッス!はい、いつでもバッチリッス!あ!ひと今触った!」
「……わかるんだね」
「本当だ!…でも、自分ではまだ動かないなあ…!」
「…多分、骨を通して振動が身体の上まで伝わってるんだと思う」
「ふうん、さすがひと!えへへ…ひと!大好きだよ!」
「わあ…っ…!もう…よくそんなに機敏に動けるね…」
「こんなの余裕ッス!小生パラリンピックに出て、金メダル取るッスよ!」
- 58 :
-
基本思いつきで書いてるので、続きはないです
- 59 :
- いやいやここからキマシタイムがはじまるんじゃないんですの?
- 60 :
- 勿論始まるよ!?♪。
- 61 :
-
「えと、……え?何やってるの…?」
「こうやって、…んしょ!バスタオル敷いて、ほら!ゴロゴロ〜〜…
ね!からだ拭けるでしょ!」
「…そんなことしなくても…私が拭いてあげるのに…」
「大丈夫!ひとに、迷惑かけたくないから…!…ほら、服も着れた!」
「………じゃあ、髪乾かしてあげる」
「お願いするッス!」
「…終わったよ。手を上げて…よい…しょ…う………」
「ひと、大丈夫?小生、重いから…あ!ひと、あれ取って!あれ持ったら1人で車椅子に戻れるッス!」
「ちょ!何してんのよあんたたち…!ち、ちょっと、足、の、踏み、場、が…」
「ちょっと!みっちゃん、手伝ってよ!ふたばを車椅子に乗せるの、1人じゃ大変なんだから…!」
「大丈夫ッス!あの、箱があったら……みっちゃんは早くお風呂入らないと、虫が寄ってくるッスよ!」
「失礼ね!」
「ええ……結局、手伝ってくれなかった……」
「ひと、ドライヤー貸して!小生が髪乾かしてあげるッス!」
「いや、もうこっちはいいから……」
最後は普通に、パパが運んでくれたのでした。
- 62 :
- 週間連載終了記念あげ
- 63 :
-
「…ちょっと、みんな、もうすぐ家出る時間だってばあ…!!ちょっ、ほら、みっちゃん、ドーナツ…、よし起きた、もう行く時間だからね!」
「ひとー!おはよう!」
「あー…おはよう…ふたばは、ちょっと待って!」
「ひと!小生もう着替え終わったッス!朝ごはん食べとくねー!」
「ええっ、…なんで匍匐前進であんなに…」
「ちょっと!私のドーナツ何であんたが食べんのよ!私のドーナツ!!」
「…うるさいなあ…早く起きて、顔洗って、ご飯食べて、学校に行く準備してよ…」
「ちょっとあんた、私を引っ張って起こしてくれる?このワンアクションが、一日で一番エネルギーを使うのよ!」
「………………もう…………ほんの少しくらい、ふたばを見習ってよ………
ふたばは足が全然動かないのに………自分で起きて、自分で着替えて、自分で動いてるじゃない………
………五体満足なみっちゃんは………布団から起きることさえできないの…………?手も足も、全部ちゃんと動けるのに……!ふたばと違って、自由に身体が動けるのに……………!!」
- 64 :
- なんだこれ
- 65 :
- 見てわからぬか!
・・・俺も分からん
- 66 :
- ふたば可哀想
- 67 :
- 「そっか、ひとはちゃんは胸が小さいことを気にしてたんだね」「まだ小6だし、気にしなくていいと思うけどなぁ」
「先生に何が分かるんですか、…気にしますよ…」
巨乳好きの先生にとって、少しでも魅力的な女の子になりたい。
…なんて、言えるわけ無い…
「どうして?まだこれから大きくなるかもしれないのに」
「……教え子の胸の話をするなんて、先生は変態です」
「ひどいなぁ、もう…」
『これから』って、中学、高校と上がっていくうちに、ですよね。それじゃ遅いんです。
私が小学校を卒業したら、先生と会う機会は確実に減ってしまう。
それまでに……先生に振り向いて欲しいから……
「ひとはちゃんは、そのままでもじゅうぶん魅力的じゃないかな?」
「…!?」
「いつも家で頑張ってるから家事はお手の物だし、小動物の面倒をしっかり見られる世話好きだし、ついでに頭もいいし」
「だから、胸の大きさなんて気にしなくても、ありのままのひとはちゃんを好きになってくれる男の子が、きっと見つかると思うよ」
「……」
先生……
「先生は…」
「…ん?」
「…先生は、胸の小さな女性に告白されたらどうしますか!?」
…何聞いてるの、私…
「えっ…そ、そうだなぁ」「やっぱり、胸の大きさよりも」
「その女の人が本当に僕のことを思ってくれてて、僕もその人を幸せにしてあげたい、って心から思える相手なら、誰でもいいよ」
「……」
「なんてね…僕そんな事いえる立場じゃないんだけど…はぁ……」
「…先生にも、先生のアレが小学4年生(※)でも気にしない、って言ってくれる女性が見つかるといいですね」(※2卵生)
「大きなお世話だよ!」
「何言ってるんですか、先生のは小さいでしょう」
「ひとはちゃんひどい!!」
アレが小学4年生でも気にしない女性なら、…ありのままの先生を好きになった女性なら、ここにいるんですけどね。
おわり
- 68 :
- ネタ被りとかしてたらごめんなさい
これとは別のやつを今書いてるので、仕上がったらまた来るかもしれません
- 69 :
- 待ってるッス
それまで車椅子もっとうまく乗れるように特訓しておくッス
- 70 :
- そのネタを引っ張るのはやめろw
- 71 :
- パラリンピック篇
- 72 :
-
「あー!しんちゃん、おはよう!」
「あー、…ふたば。おはよう。ちょっと止まれよ。押してやるから」
「大丈夫ッス!しんちゃんに迷惑かけなくても、小生は一人で動けるッス!」
「うわっ、おい…お前、そんなに動いて、昼休みのドッジボールまで体力もつのかよ…」
「あ!そうだった!ドッジボールのこと忘れてた!えへ、じゃあ、しんちゃんに車椅子押してもらうッス!」
「おう…そういえばふたば、ふたばは今、身体どこまで動くんだ?」
「腰から上は全部動くッス!ほら!全然普通に動くッスよ!」
「足は全く動かないのか?」
「…、…全然動かないなあ…」
「お前、学校でトイレ行きたくなったらどうするんだよ。そんなんじゃしゃがめないだろ」
「職員室の横に車椅子用のトイレがあるよ!小生ひとりで入れるッス!こうやって、こう、車椅子から降りてね!」
「ふたば…大変だな…こんな身体になってしまってな…」
「ごめんね…しんちゃんに心配かけちゃって…しんちゃんは優しいね!小生はしんちゃんのこと、大好きだよ!」
「お、お…………………」
- 73 :
- 最近忙しすぎて全然SS書く間がないですあげ
- 74 :
-
「ただいまー」
「ちょっと、右の車輪どうしたのよ!?ぐにゃぐにゃじゃない!」
「…堤防の階段を降りようと思ったら、転がり落ちてしまったッス…!」
「…怪我はすぐ治ったんだろうけど……どうすんの車椅子……」
「なんでもう少し奥のスロープを使わなかったのよ!階段を車椅子で降りられるわけないでしょ」
「しんちゃんのチーム、フォワードが押されてたから…早く小生が援護に回ろうと思ったッス」
「…とりあえず、ホイールなんとかしないと、動かないよこれ…そもそもどうやって帰ってきたの…」
- 75 :
- 横から失礼いたします。
小学生話はもう書かないつもりだったのですが、コミックスを読んでいたら小ネタを書きたくなりました。
これでも5〜6時間くらい消費するんですよねぇ。
スピッツの『マフラーマン』より。
- 76 :
- 恋する乙女は女子力100倍だよ!
「三女さん、今度はマフラー編んでるの?」
「…………」
私の問いかけに、大人しい友達はただコクンと首を縦に動かしただけで、また手元の作業に没頭し始めた。
いつの間にか恒例になった三女さん達の家での勉強会。
今日も大きなコタツの上で私と宮ちゃん、杉ちゃん、みっちゃんがカリカリとシャーペンを走らせている中で、
一抜けした三女さんはいそいそと水色の毛糸を取り出し作業に取り掛かり始めた。
……まあ、本当の一抜けは最初の1分でグーグー寝息を立て始めたふたばちゃんなんだけど。
でもコタツの魔力の前では、仕方ない事かなぁ。
窓の外は木枯しさんがひっきりなしに駆け抜けているのに、腰から下はポカポカ別世界で私も幸せすぎて蕩けちゃいそうだよ。
やっぱりコタツはいいなぁ。うちはママがリビングのコーデと合わないからって、置いてくれないんだよね。
う〜ん……ママの言う事もわかるけど、生活は生活として……でも似合わないのも確かだし、悩むなぁ。
「その毛糸、初めて見る色だよな。
三女たちは普段使わない色っていうか……矢部っちあたりは好きそうだけど」
「……………………先生用のマフラーだからね」
「えええええええ!??
それってどういう事!?やっぱり三女さんは矢部っちと!?
あっ…クリスマスプレゼントだね!!凄い!ステキ!
輝くツリーの前で頬を染めながら手渡す三女さん!
そしてさっそく首に巻く矢部っち!
『うわあ、凄く暖かいよ!』
『大げさですよ』
『ほんとだって。ほら、ひとはちゃんも一緒に巻こうよ』
『えっ……』
そして近づき、重なるふたりのシルエット!
きゃーーーーーーーーー!!」
「え〜っと、横が6cm、縦が2cm、高さが5cmだから……」
「みつばって相変わらず算数苦手よねぇ。ほらっ、まずは縦と横で面積を出すのよ」
「うっさいわね、わかってるわよ。これからやろうとしてたところなんだから」
「杉崎、こっちの変な形のブロックはどうやって体積を出すんだ?」
「……………はぁ〜……。やっぱりこうなっちゃったか。時間が無いから仕方なかったとは言え……。
はぁ〜〜」
と、三女さんは眉を寄せて重いため息をつく。
歳の差がある上、教師と生徒の禁断の恋なわけだからいろいろ辛いのはわかるけど、
三女さんはもうちょっと柔らかい表情を意識した方がいいと思うんだよね。
せっかく髪も肌も綺麗で、目も鼻も口も耳も整ってるんだから、
もっとこう……自然な感じの表情になったらすっごく可愛いと思うんだけどなぁ。
- 77 :
- 「これは、あのガチレッドフィギュアとの交換のためにしょうがなく、嫌々編んでるものだよ」
三女さんがその細いアゴで示した先――古い型のテレビの上には、マトリョーシカ(誰がどこで買ってきたの?)と一緒に、
5色のスーツが勢ぞろいしてポーズを決めていた。
「矢部っち、先にクリスマスプレゼントを渡しちゃったんだ。
んも〜、ムードわかってないなぁ。ツリーの前で渡さなきゃ!
それに女の子にヒーローフィギュアなんて……あっ、でも恋人が喜ぶものなわけだから、これはこれで正解なのかな」
「あくまでその設定で行くんだね。予想はしてたけど」
「交換って、別にそんなのしなくていいじゃん。
どうせ矢部っちのことだから、ガチャの人形なんて全種余るくらい買ってたんだろ?」
「宮代さんにしては見事な推理だね。ご名答だよ。
……先生はくれるって言ったけど、あの先生に借りをつくったりなんかしたらそれこそ丸井家末代までの恥だから、
マフラーと交換にすることにしたんだよ」
「またまたぁ〜!照れ隠しなんてしなくていいから!
それにしても彼に手編みのマフラーなんて、王道中の王道だよね〜!」
「……確かに三女は女子力高いわよね、実際。
宮下、あんたちょっとは見習いなさい」
「そう言うお前は編めんのかよ。
だいたいさ、あたしがマフラーって、キャラ違うだろ。
想像してみろよ。教室の隅でピンクのマフラーをいそいそと編んでるあたしを。どう思う?」
「「キモい」」
即答を返したのは杉ちゃんだけでなく、さっきまで算数のプリントにうんうん唸っていたみっちゃんまで加わっていた。
「おい!そこまで酷くないだろ!」
「うわ寒気した。みつば、コタツの温度上げて」
「MAXにするわ」
「コラァ!
吉岡からも言ってやってくれよ!」
「えっ、えっ、えっ……」
頬を染めながら編み棒を動かす宮ちゃん………。
「うん、一生のうちで1回くらいは見てみたいって思うかな。怖いもの見たさっていうか……」
「「ぶふっ」」
急いで返した回答に、即答してくれたのはまたも杉ちゃんとみっちゃんだった。
肝心の宮ちゃんは目にうっすら涙を溜めて、窓の外を向いちゃってる。
「え?あれ?私変な事言っちゃった?」
「…………宮城さんはどうでもいいとして、とにかく私はしょうがなく編んでるんだよ。
先生の手に渡るものに手間をかけるのなんて悔しいから、編み方も可能な限り適当だよ」
ほら、と差し出された水色のマフラーは編み目がばらばらだった。
三女さんの作品はいつもきっちり目が揃って飾り編みまで取り入れられていて、
売り物と大差ないくらいのクオリティなのに、これは明らかに手作り感が丸出しで、
作者の言葉通りの気持ちがそのまま現れてるみたいだ。
「それやたら編むの早いと思ってたら、手ぇ抜いてたのね」
「本来ならこんな不出来な作品は私のプライドが許さないんだけど、
今回は先生にマトモな物を渡してなるものかっていうプライドの方が勝ったよ」
「そ…そうなんだ………」
ある意味すごいこだわりだなぁ。
・
・
・
- 78 :
- 「はい先生。約束のブツです」
おはようの挨拶が飛び交う朝の教室で、
三女さんが矢部っち用の机に近づいて行き、ポイッと無造作にマフラーを放り投げた。
表情からも声からも動作からも、恋のオーラはまるで見えない。
どころか一切の感情が見えない。
もうずいぶん慣れてきたけど、その姿はやっぱりちょっと怖い。
無表情が作り物みたいな顔立ちをさらに加速させて、周りの景色とそぐわないギクシャクした画になっちゃうんだよね。
「わあっ!ありがとうひとはちゃん!
嬉しいなぁ〜〜!」
目の前にある静かな画とはまるで正反対に、矢部っちが明るい声と全身を使った身振りで喜びを表現する。
これもいつもの事だけど、まるっきり空回りしていて痛々しい。
こういう空気の読めなさが、いつまで経っても春が来ない最大の理由なんだろうな。
「すごく良くできてるね。それに暖かそうだ。
さすがひとはちゃんの作ったマフラーだなぁ」
「良くできてますか?」
「うん!お店で売ってるのよりも綺麗だよ!」
「はっ……」
会話によって、今日初めて人形の顔に『表情』が浮かぶ。
まるっきり目の前の相手を小ばかにした、嘲笑の表情が……。
「な…何……?」
「ああいえ、先生の目の節穴ぶりが見事すぎて思わず笑いが漏れてしまいました」
「え…あ……え〜っと……?」
何のことだか全然わかんないって顔で、矢部っちが目が泳ぐ。
情けないことこの上ないけど、とりあえず目を向けた天井で次の言葉が見つかったみたいだ。
矢部っちは明るさを取り戻し、三女さんへ向き直った。
「な…なんにせよ、手作りマフラーなんて人生初だよ。本当にありがとう、ひとはちゃん」
「はっ……」
そして嘲笑、リテイク。
「……今度はなに?」
「いえいえ。
人生初の手編みの贈り物が小学生の教え子からなんて、実に先生らしくて哀れで笑えました。
そもそも生徒からこんなふうにあっさり物を受け取るなんて、教師としての自覚ゼロですね。
教育委員会に知れたら怒られるだけじゃ済まないかもしれないのに」
「えっ、あそっか。しまっ……。
ひ…ひとはちゃんこのマフラーすごく嬉しいんだけどやっぱ「返却は不可ですから」
今日もまた、慌てた言葉は金属音のような冷たい声でばっさり切り捨てられてしまう。
- 79 :
- 「ガチレッドを返す気はありませんし、先生に借りをつくるなんてまっぴらごめんです。
まあそのマフラーはもう先生の物なんです。
誰にも見つからないよう教室のゴミ箱に捨てても、埃だらけのクローゼットに一生仕舞ってくれてても、
私は一切気にしませんよ」
「そっ…そんなことしないよ!
確かに生徒からこうやってもらったっていうのは、あんまり良くないのかもしれないけど、
そんなの誰にもわからないことなんだし、こんなにステキなマフラーを仕舞っておくなんてもったいないよ。
今日から毎日してくるからね!
ほらほら、こんなふうに!」
水色のマフラーは、大急ぎの手つきで持ち主の首元に巻かれる。
……あれ?単体で見たときはそうでもなかったけど、こうしてみるとかなり目立つ色合いだ。
矢部っちは服のセンスがダメダメで暗い色ばかり使うから、鮮やかな色だと浮き立っちゃうのか。
「好きにしてください」
「うん!大好きになったから、毎日使うね!」
「………………………………………………………………」
また、正反対の表情が向かいあう。
何も考えてないみたいな底抜けに明るい笑顔と、
眉をぎゅっと寄せたしかめ顔が…三女さん、何かを我慢してるみたい……?
「いやぁ〜あったかくて幸せだなぁ〜」
「矢部先生〜、今週の保険だよりの件でちょっと〜」
「栗山先生!何でしょう!なんでもお手伝いいたします!」
正直、矢部っちは栗山っちと向き合うときはもうちょっと目の位置に気をつけた方がいいと思う。
表情がだらしなさ丸出しになるのはもう諦めてあげるけど。
「インフルエンザ予防の……あら、可愛いなマフラー。手編みですね」
うん、やっぱり普通はひと目でわかるよね。
三女さんには悪いけれど、売り物としてはお粗末だから。
「えっ?あ…はい、ちょっと……」
「矢部先生ったら、隅に置けないんだから。
こんなステキな贈り物をしてくれるお相手が居るなんて」
「へっ?いえいえいえいえいえ!違うんですよ!
これはこのひと……じゃなくって、まあ、女の子から贈ってもらったものではあるんですが、
いろいろ事情がありましてですね」
「ふふふっ、惚気話を聞かされないうちに退散しておきます。
保険便りの件は海江田先生にお願いしますから。
じゃあ!」
「栗山先生ぇ〜〜〜〜!」
いつものように、表情は正反対。
情けない泣き顔と、愉快そうな笑顔。
まるで、何もかもが計算どおりに進んだ目の前の画が愉快で堪らないっていう、歪んだ笑顔。
……ほんと、表情で損してるよ。
もったいない。
「むふう」
<おわり>
- 80 :
- 千葉の高校生編は、オチが決まらないのであんまり進んでないです。
私はオチをはっきり決めておいて、逆算で物語を作るタイプなので、オチが決まらないと全然進まない……。
しょうがないんです。
決してハチワンダイバーにはまって全巻を何度も読み直しているから時間が無いわけではないです。
- 81 :
- ガンプラさん久々だね 乙〜
- 82 :
- そういえば埼玉の人って、ガチャポンの事なんて呼ぶんですかね?
今回の話を書いていて凄く迷いました。
ので、「ガチャの人形」とか中途半端な言い回しになりました……。
埼玉の人おられたら教えてプリーズ。
今後の参考にします。
- 83 :
- あ、ガンプラさん!
自分、ガンプラさんの丸井ひとはの憂鬱に影響されて、ド素人ではありますがSS書きたいなと思い始めたんです。
次回作も楽しみにしております。
- 84 :
- >>83様
ありがとうございます。
自分の創作で誰かに影響を与えられたというのは、嬉しい限りです。
私も趣味で書いてるだけのド素人で、
他の誰かの作品を楽しみにしてる読者の一人でもあるので、>>49様の次回作も楽しみにしています。
(>>50は私の書き込みです)
楽しみにしてくださってる方が居てくれる事を励みにして、
私も次回作をそろそろ本腰入れて取り掛かります。
とりあえずカプセルファイターオンラインは封印します。
- 85 :
- ほしゅ
- 86 :
- 人がいない
- 87 :
- 今月のどうでもいい話。」
主に量産機を使ってます。
いや…私みたいなアクションゲーム下手がワンオフ機使ったら、なんか恐れ多いじゃないですか。
なのでVガンを重宝してます。
そいうわけで、『青空に誓って』シリーズとして。
『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』より、
『俺に彼女はいなくて幼なじみとは何でも無さすぎる』
タイトル長すぎて、名前欄に入らないよっ!!
- 88 :
- さぁ〜って、今日は何して遊ぶかな?
「あ〜…だりぃ……」
まだ朝の7時半だってのに、9月の日差しは刺すような強さで俺の身体をジリジリと焼く。
暑い。を通り越して熱い。学帽脱ぎてえ。
しかもだ。月曜の朝っぱらからこの灼熱地獄の中登校してるってだけでも表彰ものなのに、
俺を待ち受けてるのは朝の数学ミニテストと来てる。
「やってらんねえ。心の底からやってらんねえ。」
この学校マジで頭おかしいんじゃねえか?1年の夏休み明け早々、なに激しいスタートダッシュきめてんだよ。
いくらこの辺の公立で偏差値1番高いからって、やりすぎだろどう考えても。俺が心臓麻痺ったらどうすんだよ?
せめてやる気のある奴にだけやらせとけっての。俺は就職(予定)組なんだよ。受験とかしらねーんだよ。
ああ学校行きたくねえ。ぬほど行きたくねえ。
なんかフケる理由が沸いて出てこねえかなぁ。あの目の前を歩いてるサラリーマンのおっさんが突然血を吐いて倒れるとか……。
「おはよう、千葉くん」
突然背中に冷水を浴びせかけられた。錯覚に陥る。
そのくらいその声は澄み切り過ぎて寒々としていた。
前にテレビで見た、塩分の濃度が高すぎて一切の生物が住めない、だからこそ世界一綺麗な湖を思わせる声。
「あれ?
……おはよう、千葉くん」
俺からの返事が無かった(実際は心臓が痛くてできなかったんだが)せいで、
確かめるような二度目の挨拶には、戸惑いの色が混じってしまった。
いけね。せっかく声をかけてくれたってのに。
「あぅっ…おっ…おは……っ!おはよっ……ござ、んぐっ……おはよぅ……っ!」
短い挨拶を返すだけなのに、根性無しな喉は引きつり震えてろくに仕事をしやがらねぇ。
……まあそれもしょうがないっちゃ、しょうがない。
振り向いたらすぐ後ろで、白く輝く妖精が微笑んでいたんだから。
常識からすると俺は今、猛烈にキモい事を考えた。『妖精』って何なんだよ『妖精』って。頭大丈夫か?ってレベルだ。
だけど現実に目の前に居るんだからしょうがない。
「……突然背中から声をかけられたからって、驚きすぎじゃない?」
背丈は150あるかないかってくらいだけど、顔も腕も腰も脚も、パーツの全部が小さく華奢でバランスが整ってるから、
『子供っぽい』なんて印象は全然ない。
いやむしろ静かで落ち着いた…波紋の無い水面を思わせるその雰囲気は、近づくだけで身が引き締まる思いだ。
とにかく存在感がすごい。
身体の線は今にも消えてしまいそうなくらい細いっていうのに、周囲の風景からはっきりと浮かび上がってる。
だってこの娘は周囲と『色』が違いすぎる。
- 89 :
- 「意外と小心なんだね」
まず目に飛び込んでくるのは白。
夏用のセーラー服から延びる手足はホクロひとつすらなく、
誰も足を踏み入れたことの無い雪原みたいにひたすら白く滑らかで、動作に沿って光の軌跡を空間に残してゆく。
「昔はもっと……かなり怖いもの知らずだった気がするけど。
身体が大きくなった分、心臓が縮んじゃった?」
一瞬遅れて目を奪われるのは黒。
腰の上まで伸ばされた長い髪は、寒気がするほど真っ暗なだけじゃなく、今にも水が滴りそうなくらいに艶が満ちていて、
まるでそこだけ夜が取り残されてるみたいだ。
「あと、ちょっと猫背になってたよ。
せっかく背が高いんだからしゃんとしてた方がいいよ。せっかく背が高いんだから。
ていうかまた高くなった?見上げてると首が痛いくらいなんだけど」
そして最後に、虹から目を離せなくなる。
遠目には『黒』として映るこの娘の瞳は、だけど近づいて見ると、
色とりどりの複雑な形をしたレンズが何枚も重なって造り上げられている事に気が付く。
揺れるたび、万華鏡みたいに移り変わっていく虹彩を前にしたら、
どんな男も心臓を鷲づかみにされて、ただただ棒立ちになることしかできなくなる。
心の全てを奪われてしまう。
「これはもう、今日から私と話するときは常時膝立ちになってもらおうか…………なんてね」
薄桜色の唇が下してくれるなら、どんな無茶な命令だって俺はためらいなく従って見せる。
誰だってそうなるに決まってる。
『美少女』なんて言葉じゃまるで足りない。
そもそも俺たちと同じ生き物とは思えない。ありえないくらいに可愛いすぎる。
だからみんな、ありえないあだ名で呼ぶんだ。
『白銀の妖精』、『虹の魔法使い』、『生きた芸術』、『白い神姫』、『髪長姫』……『姫』。
今はもう、昔の呼び方をするやつは少ない。
この娘の事を昔から知っていたとしても、『今』は恐れ多すぎてとてもじゃないけど呼べない。男子は特にそうだ。
「おはざーっす!」
『今』この名で呼べるのは、この娘にそう呼んで欲しいと願われた人間だけだ。
幸いにも、マジで超ラッキーな事に、俺はその数少ない人間の中に入ってる。
だから俺は、深々と頭を下げながらその名を呼ぶ。
「三女さん!!」
「……おはよ。
…………黙ってたと思った急に大声で……。今度はこっちが驚いたよ……」
「ああっ、す…スンマセンシタっ!」
「だから声が大きいってば。
それにそんないつまでも深々と頭を下げられてたら、目立っちゃうよ。……んもう」
「す…スンマセン、マジで……っ」
後頭部に降りかかってきた弱った声に慌てて直立に戻ると、目線の下では細い眉が下がってしまっていた。
「ほら、はやく学校行こ」
せかすように俺を促す三女さんは、相変わらず目立つのが苦手だ。
- 90 :
- とびっきり可愛いのに目立つのが苦手だなんて、三女さんを知らないやつが聞くといぶかしむ。
気持ちはわかる。
女ってのはちょっとでも自分の外見に自信があると、見せびらかすようにして練り歩くのが普通だからだ。
実際、近所(っていうか三女さんの姉)にもその典型的なタイプが居る。
…けど、三女さんを見るとみんなひと目で納得するんだよな。
『妖精だから、人目に触れてると消えちゃうんだ』ってさ。
「ウッス」
スイーっと音も無く歩みだした三女さんを追いかけ……るまでもなくすぐに追いつき、右隣をキープして通学路を進む。
三女さんと俺では歩幅がまるで違うから、逆に追い越さないようにするのが難しい。
つうかぶっちゃけ三女さんは身体の縮尺が若干おかしい。
背が低いけど頭身が高くバランスが整ってるってことは、つまり全てのパーツがむちゃくちゃ細くて小さい。
腕や脚どころかスカートの巻かれたウエストすら、
ちょっとこけただけでポキっと折れちゃうんじゃないかって心配になるくらいだ。
この辺の現実離れした儚さも、『妖精』扱いされる要因だよなぁ。
と、俺は頭の中に記憶させた三女さんの姿を眺めながら思う。
……隣は下手に見られない。三女さんはやたらに勘が鋭いから、じろじろ見たりなんてしたら気味悪がられてしまう。
それが俺の立ち位置なんだ。
「朝から元気なのは良い事だけど、次からはちょっと気をつけて欲しいかな」
「スンマセン……。
尊敬する師匠にはしっかり挨拶を返さなきゃいけねえって、はりきりすぎちまいました」
「師匠?」
左腕から昇って来た小さな疑問符へ目を向けたくなる衝動を必で押さえつけ、首を前に固定したまま会話を続ける。
あどけなく首をかしげる三女さんの可愛さは、冗談じゃなくて人級の威力を誇るんだ。
下手に見たりしたら心臓が止まっちまうかも知れない。少なくともせっかくの会話が続けられなくなる。
「エロスの師匠っスよ!つまりは人生の師匠と言っても過言じゃないっス!
最大級の敬意を払うことはむしろ義務っスから!!」
女子との会話に何言ってんだこの学帽は!?と、これまた知らないやつは思うだろう。
しかも相手はただの女子じゃない。手で触れようとしたらすり抜けちまいそうなくらい儚くて可憐なんだ。
性的な話題を出すなんて、正気を疑うレベルかもな。
ところがどっこい、この方は三女さんだぜ。
「ふふっ……」
ほら、小さいけれど満足そうな笑い声だろ?
「その設定まだ生きてたんだ。
うん、エロスに敬意を払うのはいい事だよ。まあでもエロ本のために土下座までされたのは驚いたけど」
「うわちょっ…いつの話ですか、いつの!?それこそもう無かったことにしてくださいよ!
ちょっとした若気の至りっつーか、抑えられない衝動があったっていうか、ぐわもうマジ最悪だ!
朝からすげーテンション下がった!」
「『お願いだからみせてくださーーい!!』」
「やめてくれー!」
「…………」
大げさに頭を抱えるポーズをとった俺に返ってきたのは、無言の静寂。
けどきっと、頬を薄く染めて『むふー』と超可愛い微笑みを見せてくれてるんだろう。
もちろん今度も心臓に悪いから、目は向けられない。それでもはっきりわかる。
前を行く男子……だけでなく、サラリーマンのおっさんまで、
どいつもこいつもがこっちを見た途端胸を押さえてフリーズしてるんだからよ。
そして、三女と何気なく会話しながら通り過ぎる度増えていく、羨望の視線、視線、視線。
ふははっ、超優越感!!
どんなに成績が良くったって、この立ち位置は手に入んねえだろ!!
- 91 :
- ……なんて浸ってる場合じゃねえか。注目が集まるのは、三女さんにとっちゃ良くないんだから。
俺は1歩斜め前に進み、自分の身体を使って周囲の視線を遮断する。
ま、さっきも言ったとおりの白と黒が目立ちすぎるから、この程度じゃ焼け石に水なんだろうけどよ。
「あーそれにしてもあっついっスね。いつになったら涼しくなるんスかねえ?」
ちょっと不自然かもだが、短い登校時間は無駄にできない。
俺は背後に向かって会話を続ける。話題は無難であり鉄板でもある天気についてだ。
「あからさまな話題変更だね」
「あーそれにしてもあっついっスね。いつになったら涼しくなるんスかねえ?」
「……あんまりいじめるのも可哀想だから、今日は許してあげようか。
そうだね。家の床に落ちた雌豚の汗がべたべたするから、はやく涼しい季節になって欲しいよ。
私も髪を伸ばしてるから暑いのは厳しいし」
意識を集中させてる背中が、長い髪がかきあげられた気配を感じとる。
いつの頃からか三女さんのお決まりになったその画は、額に入れれば美術館に飾れそうなほどに美しくて、
周囲の注目を特に集める(三女さんは気付いて無いっぽいが)。
なんかもう神秘的って感じで、宙を舞う黒髪から光の粒子が飛び散って見えるんだよなぁ……。
「暑いし、手入れが大変でお金も掛かるし、抜け毛の掃除が面倒だし、まったくもって参っちゃうよ。
うち、みっちゃんも髪を伸ばし始めたでしょ?排水溝とかすごいことになって大変なんだよ」
……さすが三女さんだぜ。話の中身に夢がねえ。
「大変なんですねぇ」
「大変なんだよ。
……ま、苦労の甲斐はあるんだけどね。昨日も……ふふふっ」
ここで今日初めて、声に温もりが灯る。
近寄りがたい、近づくと痛みを感じる芸術に生きた柔らかさが加わって、その美しさがさらに完璧になる。
……違うか。完璧になるのはきっと隣に………って、んなことはどうでもいいんだよ。
せっかく三女さんが明るいんだ、このまま楽しかった昨日の想い出を話させてあげるのが、俺の役目だろ。
そもそもさっき自分でも思ったじゃねえか。俺みたいな劣等性が、上機嫌の『姫』を連れて歩けるなんて超ラッキーなんだぞ。
オラッ、テンション上げてけ!
「やあ千葉くん」
ぐわぁ……マジでテンション下がる声が後ろから……。
「やあ千葉くん、おはよう。今日は早いじゃあないか。
いつも遅刻ギリギリに登校する千葉くんにしては珍しい」
決意をカンペキ白紙にしてくれた耳通り良い声の発信源は、きびきびした動作で三女さんを通り過ぎて俺の左に並び、
ついでにこっちが肩を落としてるのも無視して上機嫌に挨拶をリピートしやがった。
「さくらちゃんおはよう」
「おはよう、三女。
千葉くんもおはよう。と、さっきも挨拶したのだけれど。
ちゃんと返して欲しいものだな。友達に無視などされると傷ついてしまうよ」
「うるっせーな。てめえこそ何でこんなに早いんだよ」
「おや、三女から聞いていないのかい?
Aクラは毎朝小テストをやっているから朝が早いんだよ。
なので毎朝、千葉くんが猛ダッシュで校庭を横切っている姿を楽しませてもらっているよ。クククッ」
などと性格の悪さ丸出しに、猫みてーな眼を細めて笑ってるこの女、『松原さくら』は、
俺の…というか俺と佐藤と三つ子の中学からの知り合いだ。
『知り合い』だ。少なくとも俺は『友達』になったつもりは一切無い。今はふたばと佐藤とはちょいアレだし。
…まあそれはさておきとして、特徴は見ての通りとにかく性格が悪い。マジで悪い。殴りたい。俺は女は殴らんが。
- 92 :
- 「というわけで私達にとってはこの時間はいつもの時間なのだが、クククッ。
千葉くんにとっては早起きなわけだから、三文どころじゃないくらい良い事があったようだな。なあ千葉くんや。
今日の幸せをしっかり噛み締めて、明日からの生活態度を見直すと良い。クックックッ」
「うるせえ。それに『千葉くん』とか呼ぶな、気持ち悪い」
「などと挨拶を返されないまま言われてしまったよ。ひどいと思わないかい、三女?」
女子にしては高い170近いその背をわざわざ屈み気味にしながら、松原は背後へと必要の無い援軍を求めやがった。
こいつは〜〜!
三女さんは勘が鋭いってのに、おかしな話題の振り方すんな!
「さくらちゃんの態度が………まあ、確かにそうだね。
私が言うのもなんだけど、挨拶はちゃんと返さなきゃだめだよ、千葉くん」
「ぅ……はよーさん」
「声が小さいなぁ千葉くんや」
俺は男だ。女は殴らん。
だから持ち上がりそうになった右手を、左手で必に抑える。
顔が引きつるのを抑えられなかったくらいは、許容範囲だろ。
「おはよう松原」
「まー表情が硬いのが気になるが、よしとしてあげよう」
男じゃなくなっていいから、こいつの顔面に拳をめり込ませたい。
「そんなにクワッと糸目を見開くなよ。怖い怖い。
助けてくれ三女」
「さくらちゃん。事情はわからないけどさすがに「姫!おっはよーさんやで!」 くえっ」
「!?」
底抜けに明るい大声が、俺の援護へ入ろうとしてくださった言葉を途切れさせる。
なんだなんだと慌てて振り向くと、前のめりになった三女さんの背中の上に、小柄な女が圧し掛かっていた。
うあ……1番嫌な女が来てしまった。
もう校門も見えてるんだから、最後まで幸せに浸らせといてくれよなぁ。
思わず天を仰いだ俺をさておいて、寄り集まった女子3人は…………なんだっけ?
なんかうるさくなる的な…かしま……かさま……?まあそんな感じで、高い声を響かせ始めた。
「ちょっ…神戸さん重いって」
「え〜〜、傷つくわぁ。そんな変わらへんやん」
「よくもまぁそこまで図々しくなれるな寸胴娘。あきれを通り越して関心するよ。
お前と三女じゃ縦が似てても体積が大違いだろうが」
「寸胴呼ぶな松原さくら!
そらちょいくらいは負けるけど、めちゃは違わへんわ!」
「お前、眼球の水晶体が濁ってないか?」
「むかっ!
そこまで言うなら確かめたろやんか!
姫っ、体重ナンボよ?」
「私の意志は無視なの!?
ていうかはやくどいて〜〜!重……じゃなくて暑いって!」
「フォローがむしろ傷ついた!
教えてくれるまで絶対どかへんし!」
腰をまげたままじたばたしている三女さんを助けるため、
今すぐにでもこのチビ女を引っ剥がしたいところだが……触れたりしようもんならどうなることか……くそっ。
「なんでそうなるの!?」
「親友に隠し事は無用やで!」
「いつ親友にまで上り詰めたんだお前は……」
「とにかく私に退いて欲しかったら、真実を述べるんやー!」
「えー、朝から何なのこの理不尽………。
しょうがないなぁ……………だよ」
と、不満の色を滲ませながらではあるけれど、三女さんはチビ女だけに聞こえる声で要求に従った。
……なぁ〜んか納得いかないんだよなぁ。どうもこいつを特別視してるっていうか、なんか尊敬してるっていうか……。
そりゃ定期テストで全教科満点取るような奴だけど、だからって三女さんがこんな『上』に置くか?
いったい何があるんだろう……?
- 93 :
- 「……ホンマごめんなさい。調子乗ってました。
以後、気をつけます」
答えを聞いた途端、チビ女は身体を下ろして神妙な顔で一歩さがり、三女さんの背中に頭を下げた。
アホめ。
……けど、くそ。
ちゃんと三女さんの背を隠すように後ろから着いてくるってことは、
こいつもちゃんと『友達』やってんだよな。あーくそう。
「ほれ見ろ寸胴」
「ちょっと待って。いくらなんでも軽すぎるやろ。
姫、若年性骨粗しょう症とちゃう?むしろ内臓どっかに落としてきてへん?
あっ、一部発泡スチロール製か!!ならしゃーない!!」
腕を組んで真剣な顔で悩んでいたチビ女は、なんか意味不明な結論に勝手に辿り着いて、
イイ笑顔の前でポンと手のひらを合わせた。
「私は普通の人間だよ………」
「またまたぁ〜」
「いやいやいや、その返しはおかしいからね」
「またまたぁ〜。
まあそれはそれとして、私徹夜したから超調子悪いねん」
「お願いだから私と会話のキャッチボールを心がけて。
それに全く調子悪そうには見えないよ」
「というわけで姫、ベホイミかけて」
「……………??
べほ……何?」
ある意味有名な名詞ではあるが、ゲームに疎い三女さんは単語に全く追いつけないみたいで、
ただその細く整った眉を下げただけだった。うむ。困った顔も可愛い。
「ベホイミはベホイミやけど……姫はケアル系か。じゃあケアルラで」
「いや、だから何なのそれ?」
「えっ、ケアル系でもない?
ああなるほど、ディア系やねんな。確かに姫はコンゴトモヨロシクって感じやわ〜〜。
ディアラマをお願いします…って、スキルスロットに残ってへんか。メディアラハンはもったいないなぁ」
「だから何なのそれ?さっぱりなんだけど」
「何って、回復魔法に決まってるやん」
さも当然といったふうに、チビ女はアホな事をのたまう。
当然、三女さんの困惑は深まるばかりだ。
ったく…ふたばもそうだがこいつにしても、脳内回路がどうなってんだ?
なんとかと天才は紙一重って言うが、こういうタイプは昔から揃いも揃って独自路線貫いてたんだろうか。
「……………………もう一回言ってくれるかな?」
「回復魔法」
「私15年間生きてきて、ここまで突っ込みに困ったのは初めてだよ」
「またまたぁ〜。隠さんでええって」
「だから返しがおかしいよ!?」
「だって姫ほどの美少女が、回復魔法を使えへんはずがないやん」
「意味が全くわからない!!!」
深まりすぎて底を突き破ったんだろう、むしろ驚きの表情で三女さんしては珍しい大声を上げる。
珍しいからそれこそ当然、校庭を横切っていた生徒達がいっせいにコッチを向く。
ザワ...
「あ……っと、ごめんなさい。何でもあ…ませ……」モニョモニョ
自分へ向かってきた視線から身を隠すように、三女さんは俺の背中へ身を寄せる。
しかもこの引っ張られる感は…カッターシャツをギュッと握られてるのか……!
- 94 :
- おおおっ!
うわもうすげえ…なんていうか、なんて言うんだコレ!!
輝くくらいの美少女が、俺を頼ってくれてるこの状況!!男に生まれてよかった的な!!
更には俺以外の男共の悔しそうな表情までついてくるし!!
「やれやれ……キミも所詮男だねえ、千葉くんや」
ここまで頼られてるのに黙ってたら、それこそ男じゃねえぜ。
まかせて下さい三女さん。俺がこの空気を読まないチビにビシっと言ってやりますから!
「おい、いい加減にしとけよチビ…神戸」
「気安く私の名前を呼ぶな糸目ゴリラ。ね」
予想してたがやはり、返された声と表情には『嫌悪』がはっきり載せられていた。
さらにきっついのはこの目。マジで完全にゴミ虫を見る目だ。
別にこいつを好きとかどうとかは全くないとは言え、やっぱ女子にここまでやられると凹む……が、負けるか!
「三女さんの迷惑になるようなことはやめろ!」
「姫ぇ〜、あんまこいつに近づいたらあかんって。孕まされてまうで」
「ぶうっ!
おいおまっ……」
嫌そうな顔のまま、だけど恥ずかしげもなく出された単語によって、俺は頭の中身ごとフリーズしてしまう。
こ…の女、朝っぱらから何つーことを!?
「え…あっ、ごめん千葉くん、シャツ伸びちゃうね。
神戸さん、そんな言い方酷いよ。千葉くんは見た目よりずっと真面目で優しいよ」
『見た目より』って!!三女さんからもそう見えるって事っスか!!?
あんまりな事実をぐっさりと叩き込まれて、目の前が真っ暗になる。吐きそうだ。血を。
「あかんって。美少女やねんからもっと真剣に自分の身を守らんと。
『エグい顔で私を視姦すんなこのゴリラ』くらい言わな」
「おい!マジでいい加減にしろよ!!」
「ウホウホうるさいなあ。私は人間の言葉しかわからへんねん。
ちゃんと日本語マスターしてから学校こいや」
「しっかりマスターしてるっての!」
「はあ?」
俺を見る目がさらに『低く』なる。しかも完全に馬鹿にしたせせら笑いまで付いて来た。
「現国で補修受けるような低脳が、よくもまあ言えたもんやな。
それともギャグのつもりか?
言うとくけど、自虐ネタは実際のところそこそこできとる人間が言うから面白いんであって、
お前みたいな類人猿が使っても痛々しいだけやで」
「ぐ、くくっ……」
ぐああっ、やっぱダメだ。何を言っても10倍になって跳ね返ってくる。
だが三女さんの前で引き下がるようなマネは……ってこのまま会話をくり返す方が恥の上塗りになりそうな……。
- 95 :
- 「神戸さん、成績の事はまあ……アレなんだけど、でも千葉くんはそんな目で私を見ることなんてないよ。
そもそも千葉くんは、あんまり私を『見て』ないよ」
「三女さん……っ!」
ああ…さすが優しいぜ。この際『成績の〜』は聞かなかったことにしとこう。
「なんども言うけど、姫はこいつに甘すぎるで。
さっきもこいつ、『学校のアイドルに頼られる俺超カッコEー!』って頭の中でオナっとったんやから。
キモいわ〜」
「げっ!」
なっ……!?
え、なんでわかったんだ!?
「ショックを受けてるところ悪いが、顔に出てたぞキミは」
「うちの学校にアイドルなんて居ないでしょ。
ふたりとも、おかしないちゃもんつけて千葉くんを困らせないで」
「ぐはあっ」
ただでさえ痛い一撃だったってのに、松原に容赦ない追い討ちをかけられ、
おまけに三女さんの純粋な善意によって良心を抉られてしまった俺は、
今度こそ深い暗闇に落ち切って、校庭に膝を突いた。
「わっ、千葉くん!?」
「やめときなって姫。姫がそうやって甘やかすからこいつが勘違いするねん。
ゴリラはゴリラの身分があるって、わからせとかな」
「ぐっ…くそっ、さっきからゴリラだの類人猿だの!」
10倍返しが待っていたって、言われてばっかじゃいられねえ。
せめて勢いだけでもって、俺はびしっと立ち上がって、
「じゃあお前は姫の何やねん」
- 96 :
- ちょい中途半端なんですが、今日はここまで。
多分4分割くらいになりそうです。
短くしたいんだけどなぁ……。
っていうか、今更ですが三女の容姿設定を明らかに失敗しました。
なんか自分でもどの位置狙ってるのかわからなくなってきました。
少年漫画(ラノベ)路線狙ってるのか、少女漫画(恋愛小説)路線狙ってるのか……。
- 97 :
- しばらく原作読んでないうちに新キャラが!?
- 98 :
- ほしゅ
- 99 :
- ノーダッシュ格闘ってどうすれば上手くできるんですか?
またグダグダ長くなりそうな予感。
オリキャラが多すぎて、すでにみつどもえじゃないという現実から目を逸らし、続きます。
っていうか、キャラクタを高校生に成長させてる時点でみつどもえじゃないから、
もうどうでもいいや。開き直った。
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