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2013年01月エロパロ637: 【お焚き上げ】投げSS供養スレ【墓場】 2 (282) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【お焚き上げ】投げSS供養スレ【墓場】 2


1 :2011/03/09 〜 最終レス :2013/01/05
スレでの投げ宣言は憚られる職人様は是非ご利用ください。
また書き上げられない、完結させる気の無くなったSSの投下もお待ちしております。
このスレで投げ捨ててすっきり忘れましょう。
※このスレはあくまで投げるためのスレです。
 少しでも続きを書く気があるのならそのSSは投下しないであげてください。
※職人さんへの投げるな、続き希望というレスは極力控えましょう。
 読み手さんの続きを待ちたい気持ちも投げ捨ててください。
前スレ
【お焚き上げ】投げSS供養スレ【墓場】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1221031954/

2 :
>>1乙です

3 :
>>1
乙です。
てか、携帯から残り容量ってわからないのな。
スレ立て代行有難うございました。

4 :
「……ったく!なんて世界だ!!」
あまり感情を表に出さない海東が、声を荒げて叫んだ。
「海東………あの………この子が驚くから……」
「あ………」
ナツミに隠れるように立って泣いている少女を見て、くそっ……と呟き頭をグシャグシャと掻く。
ナツミと共に隠れ家に行く途中、少女が一人また違う男に襲われていた。海東が一発発砲したら驚いたようで、男は腰を抜かしたように一目散に逃げて行った。
「大丈夫っ!?」
ナツミが少女に駆け寄りその身体を抱き起こした。幸いにも、事には及んでいなかったようだが、少女はナツミと同じく身につけているものはボロボロで。しかもその少女は、やっと年頃を迎えようとしているような、未発達な子供だった。
「有り得ないだろう。こんな小さな子まで」
ナツミの手をギュッと握り締めて、まだ泣きじゃくっている少女を横目で見た。
「ここじゃ有り得るの……こんなことが……」
ナツミにそう言われて、海東は何も言えなくなってしまった。
こんな子供さえレイプされることがまかり通る世界なんて狂っている。ネガの世界のほうがまだマシなほうじゃないか、とさえ思えた。少なくとも女にとっては。

こんなところに本当にお宝があるのか……?

苛立ちや同じ男としての情けなさと共に、そんな思いが浮かび上がる。
もう、いっその事、このまま帰りたいくらいだ。
いろんな世界を巡ってきたが、こんな事を考えたのは初めてだ。
そう思いながらも、ここで二人を残すわけにはいかない。海東は二人についていった。
二人は次第に町並みから外れていく。そこは、前は工場街だったのか、今では機能していないのがわかる廃れた工場が残っている。その奥に進むと、そこには、古い大きな倉庫が建っていた。
「もしかして……ここ……?」
まさか、こんなとこに住んでいるのか……?到底、人が住めるとは思えない。
それに………
そんな海東をよそに、ナツミは周りを見渡して裏に周り勝手口のような小さなドアを少しだけ開けた。

5 :
「入って……?」
言って、二人は入っていく。だが、海東はそのまま立ち止まっていた。
海東がついて来ないのを察して、ナツミは振り返った。
「どうしたの……海東……?」
「僕は……入っても良いのかい……?」
「……?」
「いや、よく考えたらさ、ここは君達の隠れ家だろ?女の人だけで住んでる。そんな所に僕が入ってきたら、みんな驚くんじゃないのかな……?」
ナツミの話しから思うに、そこには傷付いた女達が身を寄せ合って生活しているはずだ。そんなとこに海東が姿を見せれば、パニックになることは目に見えてる。
「私が……皆を説得するから」
「やっぱりいいよ。怪我は放っておけば治るから」
「でも……それじゃ……」
「僕が勝手にしたことさ。大した怪我じゃないし、ナツミが気にすることじゃない」
笑顔でそう言う。それは嘘ではなく、今までの事を思えばこんなのは大した怪我ではない。それに、別に礼をしてもらおうとしてやったことでもない。
「…………」
二人の会話をただ黙って聞いていた少女がナツミの手を離し、海東の傍までやってきた。
「なにかな……?」
「あ……あの……お………お兄ちゃん……中に……来て……?泊まってって………?」
そう言って、海東の手を握って小さく引っ張る少女。だが、その手はカタカタ震えている。
怖くて仕方ないのに、無理をしているのは明白だった。
「大丈夫だよ?僕は外で過ごすのも、こんな怪我も良くあることだから」
海東は少女を怯えさせないように屈んで視線を合わせ、努めて優しく言う。こんな風に、他者を気遣う気持ちがあることに、海東自身が驚いていた。
しかし、少女は首を振ってそのまま手を引っ張る。
「お兄ちゃんは……助けてくれたから……いいの……だから……」
真っ直ぐに自分を見て言う少女を、改めて見つめる海東。
肩まで伸びた、くるんと巻いた柔らかそうな髪。薔薇色の頬に、整った唇。泣き腫らして真っ赤になっているが、大きな瞳に長い睫毛。よくよく見れば、人形のような愛らしい少女だと思った。
すっと手を差し出すと、ナツミと同じくビクッと震える少女。海東は一瞬手を止め戸惑ったが、そのまま優しく頭を撫でた。
「ありがとう。じゃあ、中に入らせて貰おうかな?」
「うん」
海東の言葉に、少女は嬉しそうに微笑んだ。

6 :
今度こそ終わりです。とんでもない設定でスマソ
頭ん中では最後まで話できてんのにな………
では、ご冥福をお祈り致します。

7 :
>>1スレ立ておつ!
>>6投下おつ!蔵せずに投げに来てくれてありがとう

8 :
こんなスレがあったんだねぇ。
書き上げられないままだったり、書いても透過する気にならなくなったSSが結構たまってるんだよなぁ。
早速利用させてもらおう。
コナンスレかヤンデレスレのどっちかに投下する予定だったが完成断念したブツ。
名探偵コナンは人犯になんとかして動機を付与しようとしているせいか、時折ヤンデレらしき犯人も見られる。
そのうちのひとりについて書こうとしたが、4年ぐらい放置してるのでお焚き上げ。

肉がぶつかり合って、爆ぜる音が響く。耳に、またその奥に波紋を広げていく。
吐息が渦を巻いて、熱気をその中心に引き擦り込んでいく。もう何度達したかも覚えていない。
「はあ、は……はぁ……うあ……」
背中の、律動に揺れて散らばる髪の毛で息遣いを感じる。
タコの出来た指が腋の間を通して胸を弄ぶ。嬌声が喉を突き上げ、身体をしならせる。
あきれるぐらいにいらやしくて、生々しい本能の発露だった。
昔は、自分がこんな風に男に媚びることがあるなんて思いもしなかった。
そういった振る舞いをする人間を、女の安売りとみなして軽蔑さえしていた。
今でもそういった考えが完全に消えたわけではないけれど、いくらなんでも極端だったとは思っている。
当直が一息ついて、ふとこんなかつての自分を思い出してしまった時など、ひとりでに苦笑が出てしまう。
ああ私も所詮は女か、という妙な安堵。それでもいいじゃないかという開き直り。私もずるい人間だな。
「……直子っ……なおこ……も、もう出るっ……!!」
呻きと同時に肉茎が跳ねた。一拍おいて、精液が迸る。この瞬間が私はたまらなく好きだった。
理性とか言う賢しらぶった仮面を放り出した極限で、全て溶け合えた気がするから。
そう、まだこの頃はお互いそうであったと信じたい。最早、確かめる術は無いのだけれど。

9 :
「――小説? 私とのことを?」
「そうなんだ。……だめかな、やっぱり」
いたずらを思いついた子供のような顔で、良は言った。私は交歓の後の、午睡にも似た身体の重さに身を任せている。
時折指で撫でられる髪の感触が、くすぐったくも心地良い。
「何よ、私にエリーゼになれとでも言うの」
「え、僕は作曲家じゃないよ」
「違う違う、そっちのじゃなくて……まあいいわ。それで、本当にそうするつもりなの」
我ながら縁起でもない洒落に首を傾げられた。でも、小説家志望なら分かってくれてもいいんじゃないのかな。
良と私が出会ったのは、大学に通っているときのことだった。
田舎から大学進学の為に上京してきた良は、都会に慣れていないことを差し引いても、覚束ない人間に見えた。
何せその年にもなって小説家になりたい、なんて事あるごとに人に語っているのだから。そのくせ生活は随分荒れていた。
来る日も来る日も熱弁を奮い続ける良に、いい加減大人になれと諭したこともあった。
今思えば、当時成績が良いというだけで医学部に進学していた私は、そんな夢を見ていた良を羨んでいたんだろう。
私にはいくら記憶を浚っても、人に恥ずかしげも無く公言出来る夢なんて持った覚えが無い。
聞いているこちらが恥ずかしくなるくらいの良の言葉。その時は誰も相手にしていなかったが、やっぱり良には才能があった。
そして、良の紡ぐ言葉に最初に魅せられたのは、きっと私に違いない。
「そうね。あなたが一発ぐらい当てたら考えてもいいわ。待ち遠しいわね……赤川良の名前が本屋に平積みになる日が」
はっきり言って、良は世間から見れば“自称”小説家の類いだった。
書いても書いても突き返され、相変わらず日々の生活費にも困る有様。医者でなくても心配になる。
「今に見てろよ直子。いつかきっと、僕の名前を世の中に知らしめてやるんだ」
男にしては細い線をした身体に、不釣合いなほど力強い揚げ足。
良の腕に包まれながら、私も夢を見ていた。いつか――その時が出来るだけ早く訪れることを。

兆しは、ほんの些細なことだった。あまりにも些細だったせいで、この私がしばらく黙してしまったぐらいだ。
「あれ、良はそんなの持ってたんだ」
とある休日の昼間。ぼんやりと良を眺めていると、ふとあるものが目に付いた。
いつものように原稿用紙に向かって唸っている良の手には、見慣れないもの――赤い万年筆があった。
真新しく、見るからに高級感溢れるその代物は、良の暮らしぶりでは逆立ちしたって手の届かない値段だったろう。
「あぁ、まあ……ね。気分転換みたいなものさ。大事な仕事道具だからな」
「そんなことほざく前にまともな食事しなさいよ。その調子じゃ小説家として立つ前に人間として壊れるわよ」
「なあに。身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、だって」
その声にどこか覇気が無いのも、どうせ食費を切り詰めてろくに栄養を摂ってないせいだということにした。
どうせいつものこと――気付かないうちに私は、自分の都合のいいように物事を見るようになっていたらしい。
信じるのは真実ではなく信じたいと思ったこと、だったか。誰だか忘れてしまったけれど、昔の人は耳に痛いことを言う。
良に別れを切り出されたのは、それから間も無くのことだった。

10 :
「――橋先生、高橋先生っ!!」
夜勤明けで空っぽの頭に、耳慣れた声が響いた。
「柳沼さん……ですか。おはようございます」
仕事の時間は終わっていた。昨夜は二件。病院の方針で両方とも交通事故だった。
新人の頃に比べれば労働環境も自分の腕も向上しているが、やっぱり夜勤は色々と堪えるもの。
誰も居ない控え室で、私はテレビを眺めていた。朝のニュース。今日も変わり映えしない顔と声を流している。
規則の上ではもう帰ってもいいのだけれど、徹夜で神経を磨り減らした後に朝のラッシュに囲まれる気力は残ってなかった。
「最近、先生はお疲れじゃないですか? さっきだって何回も呼んだのに」
「ああ、ありがとうございます……夜勤明けで疲れてない人なんて居ないですよ。私だって体力あるほうじゃないですし」
ことん、と柳沼さんが淹れてくれた煎茶をすする。じぃんとした熱が胃の中に落ちていく。
確かに私が疲れているのは夜勤のせいかもしれない。でもそんなのは私の姿を見ればすぐに分かる。わざわざ口に出すことじゃない。
「そういう意味じゃないですよ……あまり無理はしないでくださいね」
年の功、とでもいえばいいのか、柳沼さんの言っていることは的に近い。多分、本人が思っている以上に。
婦長さんともなるとそこらの、学校を出たての研修医や準看とは違うものなんだろう。
けれど、まさかいい年こいた医者が男に捨てられて落ち込んでるなんて学生みたいなことを話してどうするのか。
しかも柳沼さんは、これから戦場のような外来に行く。どうせ笑って済まされるのがオチに違いない。
良と分かれてから、既に数週間。
どこかで聞いたような話では、こんな痛みなんかじきに忘れて行ってしまうものらしい。
でも私は小説の中の人間とは別みたいで、日に日に切羽詰っていくのがもう自分でも分かっていた。
最初は自覚も無かったのに、今じゃ他人にまで気取られて……この分だと仕事にまで支障が出る。
いや、本当はそんなことはどうでもいいのかな。
良。良は、どうして私から離れてしまったの。何も言わないでただ「別れよう」……なんて、笑わせるわ。
それから影も形も無くなってそれっきりなんて、そんなので納得する女が居るとでも思ってるのかしら。そんなんじゃ小説家失格よ。もっと人の心情を汲みなさい。
そういえばあの約束も守ってもらっていないわね。こんな尻切れ蜻蛉な展開じゃ読者が本投げるわよ。
それとも、その前にいつもみたいに編集さんに突っ返されるかしら。そうやって帰ってきては、いつも強がって――
「――次のニュースです。先日発表された、第24回日本文学大賞において、新人の赤松良さんが大賞を受賞しました」
「え……」
テレビから聞こえてきた事務的な声が、私を凍りつかせた。
「あら、知ってらっしゃるんですか高橋先生も。どうやら最近、話題らしいですよ」
私はブラウン管の向こうでフラッシュを浴びている姿に釘付けになっていた。
何十日かぶりに見た良の顔。モニタに映った良は確かに良だった……のに、私の知っている良ではなかった。
顔色も良くなり、以前なら門前払いされそうな式典の中で、慣れないスーツなんか着て立っていた。しかしそれは紛れも無く良なのだ。
「見つけた、見つけたわよ」
頭を覆っていた眠気が晴れていく。手足に纏わり付く疲れが剥がれ落ちる。
テレビが次のニュースに移っても、私はしばらく笑い声を収めるのに苦労していた。
行かなきゃ。私が、行かなきゃ。

11 :

「――それじゃ、あそこがいいかしらね……ふふ、待ってるから。良、分かった?」
がちゃり、と音がして無機質な電子音が響く。公衆電話でも使ったのだろうか。
二つ返事に不満そうな声音を見せながらも、直子は通話を打ち切ったらしい。携帯を放り出すと、僕はきっちりメイクされたベッドに転がり込む。
あまりの直子の口調の変わらなさに、実はあれからのことは全て白昼夢ではないかという気にさえなってしまった。
確かに直子と別れた後の一連の出来事は、殆ど夢のように現実感が無かったのだが。
もう別れると約束してしまった以上、直子に会うのは好ましくない。下手すれば全てが水の泡なんてことも有り得る。
どうしてこうなってしまったのか。きっかけを作ったのは他人だが、原因が僕にあることは分かっている。
どれもこれも、僕が直子を色んな意味で侮り……いや、軽んじていたのが原因だ。さっきだって、まさか僕の連絡先をこうも簡単に探し当てられるとは思わなかった。
直子の前から姿を消してから、もう二ヶ月は経つ。それが僕が公の場に出た途端に、新しく買い換えた携帯の番号まで突き止めた。
大学病院に勤務する普通の女医に、そんな能力と執念があったことを誰が予想出来ただろう。
「このままでは、いずれ知られてしまうか……?」
客語のぼやけた問い。けばけばしい電飾を背景に、夜の窓に映った自分の顔が見える。
あるわけがないと多寡をくくっていた可能性が、現実味を帯びて圧し掛かってくる。残酷でも、あのままお互いに忘れていれば良かった。
直子は、僕みたいな卯建(うだつ)の上がらない男と付き合っていたのが不思議なくらいいい女だ。
見た目も知性的で道行くの目を引くほど魅力的だったし、所謂仕事の出来る女にありがちな刺々しさが無い。
その気になれば良いところの男を捕まえて玉の輿というのも――こちらの方が余程自然だろう。少なくとも世間的に見れば。
そんな直子に僕は、自分でも気付かない内に引け目を感じていたのかもしれない。今となっては、言い訳にしか聞こえないが。
「くそっ」
クリーム色の枕を殴りつける。彩度の抜け落ちたビジネスホテルの一部屋。僕には縁が無いはずのものだった。
こんなことで悩んでるんじゃない。会うべきか、会わないべきか。
もう直子のことはあれだけ考えて諦めた筈だ。たとえ会っても話せることが無い。しかし放っておけば……堂々巡りか。
この選択を僕は後悔しているのか? やめろ赤川良。もう遅過ぎる。頭を振り、放り出した電話を取る。
長年の、学生時代からの夢への扉がやっと開けたところじゃないか。お前はそれ以上何を望むんだ。
この上直子への未練を引き摺り続けるなんて情けない。呆れるぐらい虫が良い話だ。
「あ、もしもし。赤川です。申し訳ないですこんな遅くに。ええと、出来るだけ早い内に少し空けたいのですが……。
 はい、今が一番忙しいというのは承知です。はい、はい――よろしくお願いします」
僕は直子に会いに行くことにした。元はと言えばはっきりしなかった僕に責任がある。
謝っても謝りきれないことだ。それならせめて直子を解放してあげなければならない。その為なら少しばかり時間を割くなど、たいしたことじゃない。

12 :

直子が指定した場所は、彼女の勤務する大学病院だった。より細かく言えばその病院の最上階、展望台のあるレストランの中だ。
時間は丁度昼食時の直前あたり。外来の診療が終わる頃でもある。僕も行った事のある場所だ。
というのも、ここのレストランは医学生をはじめとする病院の人間のご贔屓だけあって、懐に優しく味も中々良い。
ここのテーブルを占拠して、コーヒー一杯で粘って原稿を書いたことさえある。
僕は車を走らせて、急いで病院までやって来た。まだいくらか余裕のあった大学時代の品だった。
思えばこのハンドルを握るのも久しぶりのこと。直子に言われなかったら、多分処分してしまっていただろう。
“行きたいところがあるの”……そう、直子は言った。だから車で来て欲しいらしい。
もっとも、そうでなくても直子の病院は交通の便があまり良くないから、足は車がいいかと思っていたのだが。
病院に隣接して口を開けている地下駐車場へ車を入れる。手が忘れてしまったのか、車間に停めるのに少し手間取ってしまった。
階段を上がって表まで歩くと、まるで大きなイベント会場か何かと勘違いしてしまいそうな病棟が現れる。
硝子をこれでもかとばかりに使ったエントランス。庭に植えられた草花の中に乱立する前衛的なオブジェ。
数年前に建て替えられたばかりのそれは、周りのどこか地方の色の残る眺めの中で、どぎついほどの都会的な威圧感を放っていた。
自動ドアをくぐると、見える人間の大部分は老人達だ。あちらこちらには子供の姿も見え、白衣がいたるところをせわしく動き回っている。
よくある週末の病院の風景。きっと直子も、この雑然とした中のどこかで働いているんだろう。
そういえば、白衣を着込んだ直子の姿は見たことがなかった。かつては僕の生活に、医者として口を酸っぱくして言及することがしょっちゅうだったのに。
考えてみればどれも至極真っ当な意見だった。直子がいなかったら本当に身体を壊していたかも知れない。
まったくもって僕は直子におんぶにだっこの状態だった。それが、今では僕の方から離れようとするなんて。
時計を確かめると、待ち合わせの時間まではまだ多少の余裕があった。だがあの直子のこと、時間より早めに来ていることもありうる。
僕は妙に広々としたエレベーター(ストレッチャーでも載せるのだろうか)で最上階へと向かった。
すかっと晴れ渡ったコバルト色が硝子越しにまぶしい。
窓際の席に陣取り、僕は直子を待ち続けている。昼時が近付くにつれて、段々と周りの席が埋まっていく。
御冷の氷は溶けて、頼んだコーヒーは冷めてしまっていた。それでも直子は来ない。
「おかしいな……自分で呼び出しておいて遅れるなんて、直子に限ってそんなことが……」
僕が待ち合わせに遅刻することはあっても、直子がそうなることなんて今まで一度も無かった。
しかも今日に限って……はっきりとは言わなかったが、何としても直子は僕と接触を図ろうとするだろう。
そして僕も直子が先に席に着いている思い、店を遠巻きに何度も深呼吸をして覚悟を固めたのだ。
それなのに、ただ肩透かしを食らっただけで覚悟が揺らぎ始めている。

ここまでで断念。南無南無。
ちなみに原作(特別編12巻)では、赤川さんの日記での追い詰められっぷりとか、高橋先生の最後のセリフが見所です。
「許せなかったのよ。この人は売れない時期に私に貢がせたくせに、売れた瞬間に私を捨てて、若い恋人と結婚した」
「偶然この病院に入院してきたときはおどろいたけど、これはやり直すチャンスだと思ったわ」
「それなのにあの人は私を無視するばかりか、将来私との恋愛を本にするという約束も守ろうとしなかった」
「だから――彼自身に本になってもらったの」
高橋先生は赤川さんをした後、その遺体をミクロトームで薄切りにしてファイリングして本棚に隠してしまうんだな。
おれが初めて見たヤンデレ、ということで思い出深くて捨てられなかったけど、ここでおわかれ。

13 :
もう一本二次の投げSSを。パワプロクンポケット4RPG風ファンタジー編より。
途中まで書いたが断念。

ユイさんが変な薬を飲んで身体がおかしくなったので、魔王様と治療に悪戦苦闘する話です。
母乳・奇乳注意。
『魔女っ娘ユイさんの災難 〜助けて! 魔王様〜』

ユイは憂鬱だった。もう何日も、魔王城で宛がわれた部屋から外に出ていない。
今日も、目が覚めてから殆どの時間を、広々としたベッドで過ごしている。身体を動かす気分になれなかった。
「やっぱり……あれは不用意だったかな……」
誰に聞かせるでもなく、ユイは溜息をついた。いつになく息苦しい。寝返りをうつことにすら、気力が削がれていく。
ユイにとって認めたくないことだったが、今の状況の原因はほぼ彼女自身の行いだった。

数日前。
『こんにちわ……悪魔グループの者です。平生から弊社をご贔屓くださり、誠にありがとうございます……』
『えっ、悪魔グループ?』
ユイは思わず声を上ずらせた。ユイにとって、悪魔グループという単語は、あまり聞きたいものではなかった。
魔王城に雇われる以前、不可抗力ながら悪魔グループの記念式典に飛び込んで暴れ回り、式典をぶち壊しにした過去があったからである。
『おや、人間のお客様とは珍しい……ということは、部屋を間違えてしまったようです。申し訳ございません』
『べ、別に気にしなくていいわよっ。それより、この城のどこかに用があったのかしら?
 実は私、こう見えてもこの城に雇われているの。部屋を探しているなら、案内ぐらいするわ』
ユイは修行中の魔女であった。修行中、といってもクリフの崖の向こう、魔物のテリトリーに家を構えていたこともあり、
魔法使いとしての実力は飛び抜けている。ユイ自身それを誇りに思っていた。
しかし、勇者コナミとの旅の中で強力なライバルと出会い、ユイはさらに魔法を磨くことに貪欲になった。
そんな時にユイは、人手不足の魔王城から高額の給金でオファーを貰った。
最初こそ二つ返事でそのオファーを受けたものの、かなり恵まれた待遇だったせいか、今では魔王城にすっかり馴染んでいた。
『お心遣い痛み入ります。ですがお客様のお手を煩わせるわけには――』
『いいわよそれぐらい。ちょうど区切りもいいところだし、私も雇われだから、お客さんの案内ぐらいしないとね』
ユイの部屋の前を立ち去ろうとする悪魔部長を呼び止めて、ユイは部屋から出てきた。
魔物と普通に会話するのも、魔物だらけの魔王城で暮らす内に慣れていた。何しろ、同僚の大半は魔物である。
悪魔部長を目的の部屋まで送っていくと、ユイは悪魔部長から小瓶をひとつ渡された。
『お気持ちばかりにこれをお納めください。弊社の試供品ですが』
『試供品? それならありがたくいただこうかな〜。何の試供品なの?』
『主に淫魔(ルーズ)が使う媚薬です。これを摂取いたしますと、人間の男を発情させる体質になります』
『媚薬ですって……残念ながら私には使うあてが無いわ。ここまで来れるほど根性の座った男なんて、なかなかいないもの』
『そうですか……これは失礼。貴女には無用の長物でしたか』
『……え。そ、それは……そのぉ』
結局ユイは、悪魔部長の押したり引いたりの手管に乗って、試供品を受け取った。
魔物用の媚薬を人間に押し付ける辺り、ア○ウェ○にも劣らぬ手並みかも知れない。
部屋に持ち帰ってよくよく観察する。手のひらに収まるほどの小瓶の中には、透き通った紫色の液体。
粘度は弱く、軽く振るだけでさらさらと波打った。気泡が湧くようなこともなかった。

14 :
『これが、媚薬ねぇ』
最初は小瓶を放置して実験を再開したが、どうにも集中できない。
変な反応を起こさないように、部屋の遠くに押し遣った小瓶が気になって仕方が無い。
ユイは媚薬を自作した経験が無かった。魔法の才能を試すことに夢中で、最近まで男の視線を気にしたことも無かった。
『……ちょっとぐらいなら……これも後学のためね、うん』
ユイを除いて、魔王城に人間の女はいなかった。ユイが好奇心を抑えきれなくなっても、被験者は自分しかいない。
ユイは紫色の誘惑に抗うことを止めて、小瓶の栓を抜いた。
白い布に液体をふりかけ、匂いを確認する。手で扇ぐと、かすかに酸っぱい匂いがした。
培養しているキノコに垂らしても、何の反応も無い。毛髪の端切れも同じ結果に。
窓を開け、白い布を燃やしてみる。ただ煙が上がるだけだった。
使い魔たちに強制的に舐めさせる。多少時間を置いたが、変化は見られない。
意を決して指で触れてみる。妙な感触は無かった。
『試供品だから、きっと毒とかじゃないよね』
以前のユイであったら、この媚薬は淫魔以外では効力を発揮しない、と結論付けていたところであった。
今まで興味を持っていなかった媚薬を、ユイがこうも意識しているのは、ある男が関係しているが、それはまた別の話。
ともあれユイは、試供品の媚薬を舐めてみることにした。甘酸っぱい、子供のお菓子のような味が舌に広がる。
しばらく経っても、身体に何かの変調が起きたとは思われない。それから数少ない同僚の人間が部屋に訪れたが、普段通りの対応だった。
安心と失望で気を抜いたユイは、残り僅かとなった媚薬を全て飲み込んだ。
ユイの身体に異変が兆したのは、媚薬を貰った次の日だった。

「で、あやつはまだ出てこんのか」
「そうだな。部屋にいるのは確かなんだが、部屋から出てくる気配が無い」
「まったく……この城の慢性的な人手不足を知っての振舞か」
魔王は無断欠勤の続く部下に嘆息していた。
かつての魔王であったならば、無断欠勤など問答無用で処分していたところであったが、
その処分の繰り返しが今の人手不足――魔王ともあろう者が草むしりをする羽目に――を招いたため、思い切った対応ができずにいた。
「……で、ヒラヤマはどうしたのだ。先ほどなにやら物騒な気配がしていたが」
「拙者が確認したところ、あの男はおそらく暴走テレポートに巻き込まれている。しばらくは帰って来るまい」
「あやつの部屋は魔法事故でも起こしているのか?」
「この間までは普通だったんだがなぁ」
そこで魔王は、とりあえずこの城の数少ない人間たちに、部屋に閉じこもっているユイの様子を見に行かせることにした。
まずアカサカが部屋を訪ねたが、部屋に足を踏み入れる直前に雷撃魔法の嵐で追い返されてしまった。
翌日オオガミが部屋を訪ねると、今度は突風魔法をお見舞いされ、部屋に近づくことも出来なかった。
そして今日はヒラヤマが部屋を訪ねたのだが、どうやらどことも知れぬ場所にテレポートされたらしい。
「もうよい、次はワシが様子を見に行く。事故で妙な空間が発生しているなら、下手な者には任せられん」
「むぅ。悔しいが俺の拳ではどうにもならん。まったく面目無い話だ」
「この城で過ごしていて強くなっているのは、我々だけではないということか」
いい加減不毛な気分になってきた魔王は、自らユイの部屋に赴くことにした。
あまり人間と馴れ合うわけにもいかんのだが、とぶつぶつ呟く姿に、魔王の威厳は微塵も無かった。

15 :
かつん、かつんと堅い音が規則的に響いてくる。廊下からやってくる足音らしい。
近づいてくる様子が、妙に分かりやすい。それで、部屋の扉を吹き飛ばしたままだったことを思い出した。
足音がどんどんはっきりしてきても、ユイは顔を上げなかった。ベッドに突っ伏したままだった。
ユイは尽きかけた気魄を振り絞って杖を執った。誰かに今の姿を見せるのは、何としても避けたかった。
喘ぎ喘ぎ、やっとの思いで詠唱を紡ぎ、気の毒な接近者に火炎魔法を撃とうとしたその時、
「おーい、ユイよ、何日も閉じこもって一体どうしたのだ」
「え――いっ、ぎぃぃぁああアアアアああっっ!!」
女の子に似合わない濁った悲鳴が、詠唱が途切れて暴走した火炎の爆風に紛れながら、部屋の外まで響き渡った。

「おい、起きろユイ、起きるのだ」
「ぅう、う……ん……?」
ユイは頬を軽くぺちぺちと叩く感触で覚醒した。聞き覚えのある声がしていた。
思考がどろどろとしていて鈍い。脳髄の代わりに蜂蜜でも流し込まれたようだった。
「まったく、自損事故では労災を下ろさんと言うのに……」
「……え。自損事故って……というか、あの、もしかして」
ユイはどことなく焦げ臭いベッドに、仰向けに寝かされていた。
あるもの――それは一応ユイの身体の一部であったが――によって視界を塞がれ、声の主の顔は見えなかった。
「なんだ。自分の雇用者の顔も忘れたのか。これは本格的におかしくなったか?」
けれども、ユイには分かってしまった。声と話の内容で、この城の主がすぐ傍に立っていることが。
「あっ、あ、そ、そその、そそこにいらっしゃるのは、ま、ま、ま魔王さまですか」
「一応、第12代の魔王を名乗っているが。感覚はまだ生きているようだな。それにしてもいったいどうしたのだ、この有様は」
聞かなければならないことが多過ぎて、魔王は“この有様”としか言葉が出なかった。
部屋の中は火炎の魔法と、それに誘爆した魔法薬やら何やらで、戦場の如き様相だった。
ふわふわだったベッドも、あちこち黒ずんでいた。扉が吹き飛んでいたからか、余波は廊下にまで及んでいる。
何より、ユイ自身の様子も尋常ではなかった。
「とりあえずこの部屋はともかく、産休を取るなら、せめて代わりの人手を紹介してくれんか」
「さんきゅう……って、何のことなの」
「……お前、妊娠したんじゃないのか」
「にんっしんっ……ですってえぇっ、ちちちちっっちっ違いますよ何言ってるんですか!」
魔王の発言に、思わずユイはがばりと身を起こした。その勢いで、火炎魔法の衝撃でぼろぼろになっていた衣服の一部が破けてしまった。
外着と下着に締め付けられていた乳房が姿を現した。
「この目で見るのは初めてだが、話には聞いているぞ。人間の女は妊娠すると、胸が張って母乳が出ると」
「魔王様、それは……その、いろいろと断片的過ぎ」
その大きさははちきれんばかりで、人間にしては豊か過ぎた。ユイの腕があと2〜3本増えて、やっと隠しきれるかどうか。
こんなシロモノを抱えていては、息苦しいのも当たり前である。
おまけに乳輪もぷっくりと肥大化し、そこからさらさらした白い液体が垂れ落ちて、肌をてからせている。
媚薬を飲んだ次の日に目覚めて以来、ユイの身体はこんな調子であった。

16 :
「はぁ。それで、そんな姿になってしまったから、仕事も出来ず同僚にも顔が見せられないのか」
「め、面目無いわ……まさかこんなことになるとは思いもしなかったの……」
ユイは恥を忍んで魔王に事情を話した。事ここに至っては、誤魔化すのは不可能だった。
魔王もまったく予想していなかった事態に毒気を抜かれ、苦笑いしか反応が返せなかった。
「それで……これをどう治療したらいいのか分からないの。解毒剤とか、無いの?」
「そもそもそれは毒ではない。淫魔の媚薬の中和剤など、需要の望めないものを悪魔グループが作るとも思えん。
 仮にあったとしても、それが人間に使えるかどうかは分からん。効果が無かったら目も当てられんぞ」
「そ、それじゃあもしかして私、ずっとこのまんまなのっ? いやぁ……こんなんじゃ、おばあ様にも顔向けできない……」
ぼろぼろの衣服でさめざめと泣くユイの姿は、圧倒的な胸の質量と相俟って扇情的だった。
が、魔王は人間ではなかった。ユイの風体や媚薬に中てられていないのは、不幸中の幸いであった。
「……胸が張って苦しいのなら、搾ればいいのではないか? 見たところ、腫瘍で膨れ上がっているわけでもあるまい」
「それができたら、自分でやってるわよ……」
「どうしてできないのだ?」
「どうしてって、それは」
ユイは赤面して下を向いた。ぱんぱんに張った乳房に顔を埋めそうになって、さらに気が滅入った。
ここ数日の間、ユイはベッドの上でこの胸をどうにかしようと足掻いていた。当然自分の手で母乳を搾り出そうともした。
(言える訳無いでしょ、そんなこと……)
しかし、これまでに無いほど張っているせいか、はたまた媚薬の副作用か、ユイの乳房は刺激に極めて過敏になっていた。
性交はおろか自慰も碌に経験の無いユイにとって、激しい未知の感覚に抵抗することは無理があった。
(……で、でもこのままじゃ私はっ)
意識が朦朧としかけているのは、何も媚薬のせいばかりではない。
こんな身体のせいで、数日間まともな食事ができていない。このままでは、胸以外の全てが干からびてしまう。
といってもユイのたどたどしい手管では、敏感になった乳腺から溜まりに溜まった乳汁を搾り出すなど、絶望的な話だった。
「わ、私はいったいどうしたらいいのよぉっ」
だいたい、こんな下らない理由で仕事を放置していては、されるか、良くても魔王城を追い出されてしまう。
どっちみちこの胸では生きていけない。魔物用の媚薬に中てられて涸れぬなど、魔女の恥どころではない。
自分の力ではどうにもならない、となれば誰かになんとかしてもらうしかない、誰か、誰か、誰か、
「魔王様? え、それは……ううううぅぅぅっ」
ユイは俯いたまま目だけを魔王に向けていた。人間ではないが、れっきとした男にこんな姿を晒している。
生娘のユイには壮絶な精神的ダメージである。今すぐこの部屋から消え去りたかった。
残念ながら、試すまでもなく無理な話だった。この部屋どころか、ベッドの上から動くのも困難である。
大きいだけならまだしも、胸にセンシュアルな神経が張り巡らされているせいで、力を入れようとしてもうまく入らない。
「そんなことされたら、私は……だけどこのままじゃあ」
描いた想像をぶんぶんと頭を振って片付けようとする。長い髪と一緒に、憎たらしい胸も揺れる。
自分で触っただけでもああなってしまうのに、まして男に触らせたらどうなることか。ユイの羞恥心が思考を封鎖していた。
妙なことを思い浮かべていると、ますますおかしな心持になってしまった。
触ってもいない乳輪から白濁液が染み出して、申し訳程度に胸を覆うユイの腕を濡らす。
得体の知れない疼きが背筋にこびり付く。口元に力が入らなくなっていく。
「い、いや、だめよそれは、だめだって、結婚するまでは清い身体じゃないとっ。
 ああぅぅ、これから生きていけるかどうかって身体のときに結婚とか……」

17 :

異様な質量が胸にくっついていても、早くなった心臓の鼓動は感じられた。
口の中が乾く。胸に隠されて見えない下腹がじんときて、無意識に掌で抑えた。
「んああぁっ……」
不用意な動きがいけなかった。身じろぎ程度の刺激でさえ、今のユイの巨乳には閾値を超えるものだった。
じわりと広がりだした熾りが、肉塊の中で燻って、血管に熱をまき散らしているようだった。
一度意識してしまうと、その感覚を黙することはできあかった。皮膚がふつふつと泡立つ感じが、もどかしくてたまらない。
「ううぅううっ……イヤ、いやよぉ……でも……」
淫靡な熱は、肉体と共に少しずつユイの精神を侵食しているようだった。
瞳の潤みは一端の娼婦とも張り合えるほど。やや華奢な手足にアンバランスな肉感の双丘が、現実離れした倒錯性を醸す。
元が美少女なだけあって、ため息ひとつで男を揺さぶり傾けそうな姿態に仕上がっている。
もっとも男から見てどうであれ、このどぎつい有様が女に受け入れられるかどうかは別だろう。
「――さっきからお前は、何をぶつぶつと言っているのだ」
「ぉおお女の子には色々と考えることがあるのよっ……って、え、何、何なの?」
「お前は何をぶつぶつと言っているのだ、と聞いたんだが」
魔王のユイを見る目は、哀れみさえ混じっていた。
「……あー、もしかして、私何か言ってましたか」
「意味不明だったが、何やらな。ところで、どうしてお前は乳が搾れないのだ?」
「ち、乳って、もう少しデリカシーというものは無いのっ」
「……ならば、お前はワシに、この状況をどう言い表わせというのだ」
魔王に話しかけられて、幾分我に帰ってきたユイはあたりを見回した。
魔法の暴発その他によって、寒々しくなった自分の部屋が見えた。備品もあちこち壊れてしまっている。
「……その、あの……薬のせいで胸が張って、敏感になり過ぎて……私の魔法でも、どうにもならないの」
「そうか。ならば産休は要らないな」
「まだ言うかこの陶片木がああっ!」
どうにも人間の機微に疎い魔王に、ユイはハイキックを浴びせていた。魔王を蹴りを見舞うなど、人間は普通しないが。
ユイの足が確かな感触を得たのと同時に、うんざりするほどの胸も大きく揺れて、乳汁がしとしとと垂れた。
魔王は突然の狼藉を咎めようとしたが、言葉にならない呻きをあげて悶絶するユイには届かないようだった。
さっきの躍動的な格闘が、ユイの乳房に大層響いたらしい。
「はあぁっ、はっ、もうだめぇ……じんじんするよぉ……」
「おーい、目が虚ろになっているぞ。おーい」
魔王はユイのリンゴのようになった頬をぺしぺしと叩いた。熱く汗ばんだ肌が、手のひらに貼りつくようだった。

ここまでで断念。
もう一本一次の習作で完結させたっきりってのがあるけど、リライトして投下するかも知れないからここまで。
南無南無。

18 :
>>8>>13投げ捨て乙!良い供養だった

19 :
ナイス投げ!最近良作な投げが多いなぁ

20 :
「またミスったのかてめぇ!」「今度という今度は許さねぇ」
男どもが分厚い服を着たまま原発を囲む。
少女の服は既にボロボロで、ところどころ焼け焦げた痕や傷跡が何とも生々しい。
「大体俺達は地震にそなえろって言ったぜ? 3年前にな」「9ヶ月前にはボロボロだからパンツも取り替えろってのにこの様だ!」
「そ、それはタンスが津波で流されちゃって……」
「知ったことか! それに発動機のプラグが合わないってバカにしてんのか!?」「でもって燃料露出か、つづづくグズでドジだな」
「う、うぅぅぅ……(だって、ご主人様ももう避難しちゃったし……)」
浴びせかけられ続ける暴言の数々だが、その間にも彼女の芯は熱く、燃え上がるような感覚に苛まれ続けていた。
「お前のようなグズはさっさとクビにすりゃよかったのに、雇い続けるあいつらもあいつらだよな」「こうしてる間にもまだ発情してんだろ?」
東電コピペがあまりに回るもんで、勢いでここまで書いた末に詰まったため投了。
イクと水素爆発を起こす、輪姦して精液(海水)を大量に注ぎこむなどのネタを具現化できなかったよ

21 :
不謹慎と叩かれる恐れのあるネタだが、
割と本気であんたの妄想力はうらやましい。
こちとら5日ぐらいはオナニーする気力も無かったもんで。

22 :
笑った。ありがとう

23 :


24 :
書いたは良いものの自分の力量不足にてエロなし、失敗、つまらないという三重苦を
背負ってしまったので焚かせてもらいます
とある作品の二次ですが元ネタをご存じない方には何のことやら、ですし、知っていて
このカプのファンの方にとっても非常に不快になる可能性大のどうしようもない話
これは決して嫌がらせのつもりではなく自分の力不足故ですので誤解なきよう
「兄妹」という関係性が入ってますのでその手が苦手な方はご注意ください
4レスほどいただきます

25 :
雨の音が聞こえる。
いつもなら午後の光が照らすこのベッドも、今日は薄暗く影が射している。
比奈がアンクの胸の下で小さな吐息を漏らすと、事を終えた彼は彼女の身体からまだ
昂ぶりが残るものを無造作に引き抜き、そのまま横にごろりと転がった。
彼がいた場所、満たされていたこの身体の部分からそれが無くなる。
喪失感。ぽっかりと空いた虚無。
寂しさと切なさ。そして説明のつかない何か。この感覚にはいまだに慣れない。
彼に裸体を見られることも、触れられることも抱かれることにも慣れ、今では僅かづつでは
あるがこの身体も歓びを感じるようにもなった。
彼にそれを望まれ、命じられれば。上に乗って腰を動かすこともするし、ベッドの上にうずくまり
尻を上げ、彼が後ろからのしかかってくるのを待ちもする。
自分は慣れた。慣れてしまった。それなのに。
終えた後、彼がこの身体から離れていく喪失感には。いまだに慣れることがない。
女は、これに慣れることがあるのだろうか。
今の自分にはまだ、それは判らない。
ちら、と彼を見る。
そばにある、どこか不機嫌そうな表情。天井を睨みつけている横顔。
兄はこんな顔はしない。その表情はあまりにも違う。
同じ顔。だがまるで似ていない他人の顔。
だからこそ自分は彼に抱かれることができたのだ、と比奈は思う。
兄のように優しく微笑まれたら。とても彼と一線を越えることはできなかっただろう。
例えどんなにアンクのことを愛していたとしても。
彼との初めての夜。荒々しく、半ば無理やり奪われた。もちろん、抵抗はした。
比奈の力なら彼を逆に押さえ込むこともできただろう。
だが今と同じこのベッドに押し倒され肩と腕を掴まれ、見上げた時の彼の目は。兄とはまるで
似ても似つかない目だった。
それは獣の目。高い空から獲物の位置を捉えた猛禽の目。
冷徹で一切の容赦のない、慈悲を与えない酷薄な目。
彼に組み伏せられながらその瞳を見上げた時。微かな安堵が浮かんだのを覚えている。
「違う、これはお兄ちゃんじゃない、アンクだ。だから大丈夫だ」と、そう思えた。
そして比奈はその目の中に、僅かに浮かぶ何かを見た。
揺らぎ、震えて波打つもの。
それは深い愛と。
そして切なさ。
彼は判っていたのだ。それが彼にとっても、自分にとってもどんな意味を持つか。
だが判っていても、どうしようもなかった。
彼は比奈を愛してしまった。抑えなど効かぬほど強く。激しく。
比奈が、その意味が判っていてもどうしようもなく、彼を愛してしまったように。
だから自分は許した。彼を受け入れた。
そして二人は共に同じ罪を背負う共犯者となった。
兄に本人が知らぬうちに背負わせてしまった、許されぬ過ち。
罪を背負わせる罪。その共犯者となった。

26 :
彼が笑わないでいてくれればいい。優しく微笑まないでいてくれればいい。
せめてそれだけは守って、と。あの時、比奈は彼に、その腕の中で願った。
奪う者と獲物。常にその関係のままでいれば、互いに罪から目を逸らしていられる。
例えどんなに互いに、愛し合っていたとしても。
それが言葉もなく取り決めた二人のルール。暗黙の了解。
でも。今は。
笑ってほしい。
彼に微笑んでほしい。兄のように。ほんの少しでいい。
キスをしてくれるだけでいい。軽く頭を撫でてくれるだけでもいい。
許されない望みだと判っている。でも、どうしようもない。それを求めてしまう。
終わった後にそうしてくれたら、埋められるのに。
この虚無を。喪失感を、優しさで埋められるのに。
比奈は身体を起こし、彼の頬をそっと両手で挟んだ。
彼の瞳を見つめる。そこに浮かぶ揺らぎを見る。
あの時と変わらない、その揺らぎ。
そして唇を近づける。だが彼は顔を逸らした。目を閉じ、眉を顰めて。
比奈の唇を拒んだ。
「……何故?」
比奈のその問いに彼は答えない。答える必要はないからだ。
獲物は自ら、奪う者にその身を差し出しはしない。
これが彼の優しさなのだ。比奈を哀れな獲物のままでいさせてくれる。彼女の罪悪感を少しでも
和らげるために。
理解はしている。だが、だがそれは。とても切なかった。
あまりにも、切なかった。
窓を叩く雨音。比奈はなす術もなく、ただそれを聴いていた。
しばらく続いた沈黙。突然彼がそれを破った。苦しげな、振り絞るような声で。
「おまえは俺を見ていない」
彼は起き上がる。その言葉の意味が判らず、戸惑う比奈に背を向けて。
「最初の時。最初に俺がおまえを抱いた時。おまえは俺を受け入れた。だが同時に、俺を憎んだ。
罪、を犯した俺を。おまえと信吾に罪を犯させた俺を。そうだな?」
息を飲み、違うと言いかけた比奈を彼は腕を振って遮った。
「別に気にしちゃいない。それでいいんだ。俺を憎んでいい。おまえは、俺を」
次の言葉が喉につかえて出てこない、言い出しづらいと言うように彼は首を振る。
「おまえは俺を愛……した。そして憎んだ。おまえの心は俺への愛と憎しみで満ちてた。おまえの
心は、俺で。この俺で満ちてた。満ちていたんだ!」
ガン、と彼は自分の膝を拳で叩く。いつの間にかその拳はグリードのものに変わっている。
「だが今のおまえの心からは。憎しみが消えている」
彼は振り向く。比奈を見る。その瞳に浮かぶ揺らぎ。
切なさ。
「比奈。おまえはその憎しみの代わりに何をそこに入れた?」
彼の腕が伸びてくる。比奈のやわらかな胸を指先で突く。
「憎しみの代わりに。ここを何で、満たしたんだ?」

27 :
比奈は言葉も無かった。
図星だったからだ。確かにあの時は彼を愛しながらも憎んだ。共に罪を背負うことを決めたにも
関わらず、自分にそれを受け入れさせた彼を憎んだ。
彼に力ずくで奪われることに心のどこかで歓びを感じている自分、それに気づかせた彼を憎んだ。
でも今は。確かにその憎しみは消えている。
慣れたからだ。彼に抱かれることに慣れ、そこに歓びを覚え始めたからだ。
そして求め始めた。
決して求めてはいけないものを。
「俺がおまえをこの腕で抱く時」
あの瞳で、彼は比奈を見つめてくる。
「おまえは誰に抱かれているんだ、比奈?」
あなたよ、アンクあなたよ。あなたに決まってるじゃない!
そう叫ぼうとする。だが声が出ない。震えてしまう。自分でもそれが嘘だと判っている。
彼はもう気づいているのだ。見透かしている。
憎しみの代わりに心を埋めたもの。彼を愛しながらも同時に求めているもの。
それは微笑み。アンクのものではない懐かしいあの微笑みと優しさ。
兄の、微笑み。
「違う……違う、ちがう!!」
比奈は首を振る。それを認めることはできない。彼にも、自分にも。
「俺は昔、体を失った。俺はバラバラだ。それはいつか取り戻せるが」
目に涙を浮かべる比奈に彼はふん、と鼻を鳴らし、またまっすぐに見つめてきた。
「俺は。今度はおまえを失うのか?」
その顔に浮かぶ、自嘲の笑み。喜びも優しさの欠片もない、痛みだけがあるその微笑み。
「いや、違うな。おまえは最初から、俺のものにはならなかったんだ」
彼は目を閉じ、唇を噛みしめながら今度は自分の胸にその指先を当てた。
「おまえは、こいつのものだった」
違う、違う違う違う違う!!
ボロボロとこぼれる涙。声もなく泣き叫ぶ比奈は心の片隅で残酷な事実に気づく。
彼を、アンクを愛している。そこに嘘は無い。偽りは無い。
だが一方で。彼を通して求めるものがある。彼と出会う前から胸の奥底に、本当に深い秘密の
場所に隠し込んでいた想い。決して口には出せなかった想い。
アンクが兄に取り憑かなければ胸に秘めたままでいたはずの。
アンクに抱かれなければいつか本当に忘れることができたはずの。
この想い。再び目覚めてしまった想い。
兄への、許されぬ愛。
自分はその想いで、彼への憎しみを埋めたのだ。
「くそっ!!」
彼が吠え、比奈の身体をまたベッドへと押し倒す。再び求めてくる。
比奈は抗いながら、そっと彼の目を覗き込み、確かめる。
彼は奪う者の目をしている。そこに兄の微笑みはない。兄の優しさはない。
あの揺らぎがあるだけだ。
そのことに比奈は安堵を覚える。
そのことに比奈は哀しみを覚える。
首筋に噛みつき、いつもより強く歯を立ててくる彼を形だけ、力なく押し返す。

28 :
わたし達、どんなに愛し合っても、何度こうして身体を重ねても。
二人とも、本当に欲しいもので心は埋められないのね。
あなたはきっと、これからもわたしに微笑むことはない。
だからわたしはこれからもずっと感じ続けるのね。決して満たされることのない、あの喪失感を。
わたしはきっと、あなたがお兄ちゃんの体にいる限り。あなただけを愛することはできない。
ずっと探してしまう。あなたの中にお兄ちゃんを、求めてしまう。
だからあなたも。決して満たされることはない。
ごめんね、アンク。ごめんなさい。
こんなふうになるなんて、思わなかったの。
本当に……本当に……ごめんなさい……。
でも、でもね、わたし。
本当に。本当に、あなたのことを。
あなたの、ことも……!
「アンク!」
抗うことをやめ、比奈は彼の背にその腕をまわし、きつく抱きしめた。
「わたし、あなたのこと本当に……好」
「言うなっ!!」
彼は吠えた。
そしてこれ以上はないほどの辛そうな表情を浮かべながら、いきなり比奈の唇をその口で塞いだ。
彼女にそれ以上、その言葉を続けさせないために。
息苦しさすらも甘いそのキス。比奈の意識が遠のく。
比奈にはわからなかった。彼が何故その言葉を遮ったのか。
彼はまた、自分を獲物のままでいさせてくれようとしているのだろうか。
それとも聞きたくないのだろうか。その言葉を。
彼か、兄か。自分自身ですらどちらに向けているのかわからないこの愛の言葉を。
比奈は泣いた。彼の、兄の。腕の中で。
あまりにも残酷な二人の運命を思い、兄の体に憑いている限り決して本当に満たされることのない
彼の愛を思い、そして同じくこれからもどんなに求めようと埋められることのない己の喪失感を思い、
ただ、ひたすらに泣いた。
これが償いなのだ。共に同じ罪を背負った二人に課せられた償い。
二人がどれほど目を逸らそうと、気づかぬふりをしようと。
罪を犯したあの夜から。既に始まっていたのだ。この償いの日々は。
ごめんね、アンク。ごめんね。
許して。
アンク……お兄ちゃん……わたしを、許して……!
雨の音が聞こえる。
まるで罪を重ねる二人を責めるように激しく降り続き窓を叩いていた雨。
だが雨はそんな二人をふと憐れんだのか、部屋から漏れる比奈の啜り泣く声と軋むベッドの音を
雨音で掻き消しながら、その秘密を覆い隠した。
─終

以上、何か高尚っぽいものを書こうとして見事に大失敗するという情けなさと共に焚き上げなむなむ

29 :
(-人-)ナムナム
手のひらのシワとシワを合わせてシワシワ〜。

30 :
ナイス投げ!

31 :
>>24投げおつ!

32 :
おつ。
成仏しろよ〜。

33 :
>>24
投げありがとうございます。
ごちそうさまでした!

34 :
投げ乙だが
本スレに投下すりゃいいのにもったいない

35 :
>>28おつかれ
>>34 >>1参照

36 :
読めた!
ありがとう!

37 :
ナイス投げ!!!!

38 :
>>19
同意だわ
前スレに投下されたものは
ほんと全部どーしようもない
クソ作しかなかったもんね

39 :
そういう発言やめろ
職人が利用し辛くなるだろ

40 :
そもそも投げスレで何を言ってるんだと

41 :
上手い下手関係なく、
書き手の為に存在するスレだしな

42 :
保守

43 :
数ヶ月以上前に出だしだけ書いて以来ずっと放置している為供養しにきました
久し振りに読むとなんと読みにくい文章か…と思いながらもそのまま投下させていただきます
僕はいつも時間ギリギリに駅のホームへと行く。
そうすれば自然と列の一番後ろに並ぶことが出来ポールポジションをキープしやすい。
ホームに着くと素早くターゲットを物色し、後は電車へ乗り込もうとするその後にさり気なく付いて行くだけでいい。
今日のターゲットは…よし、まだスーツ姿が初々しいこのOLにしよう。
僕はあくまで自然な距離を保ちつつ、少し背が小さく華奢な感じのOLの後を歩きながらゆっくりと大きく息を吸い込んだ。
フワリとしたパーマを当てたライトブラウンの柔らかそうな髪から、花の様な優しい甘い香りが流れて来る。

44 :
髪の隙間からスッと指を差し込むとすべすべでひやりとした感触がするだろうか。
細く柔らかな髪を掻き分けその地肌に鼻を押しつけ思いっ切りに息を吸い込みたい。
女の性器が男の性器を誘うかの香りを発するこの後頭部に顔を押し付けペロペロとうなじを舐め回したら………
僕はそんな妄想をし早くも股間を脹らませながら、自然にドアの方に体を向けるかの様に
年上ながらも可愛いらしいOLへゆっくりと体を密着させた。こちら側のドアは40分は開かない正にポールポジション。
自然と高まる僕の気持ちと同調するかの様に、電車は徐々にスピードを上げようとしていた。
ピクッとまるで氷でも素肌に付けられたかの様に、小さなOLの体が不自然に反応した。
しかし動きを制限された鮨詰め状態の車内ではその挙動は小さく、又、度々来る電車の揺れにより周りの誰も気付く事は無かった。
(ふぅ…少しびっくりしたけどとりあえず大丈夫かな?まあ時間はあるし少しずつ試していくか)
視線を動かし辺りを確認すると、僕は右手に全神経を集中させていった。
手の甲に伝わるツルリとした滑らかな感触。素材はポリエステルだろうか?そんな事を思いながら電車の揺れに合わせて手の甲を少し押し付けてみる。
「むにゅり」漫画なら間違い無くこう表現されるであろうこの柔らかさ。

45 :
《エロシーンが上手く書けず一旦放置し次のシーンへ》
「おいお前。今グレーのスーツを着た姉ちゃんに痴漢してたやろ」
駅のトイレへと逃げる様に急ぐ僕の背後からかけられたその言葉は
僕が言葉の意味を理解する暇さえも与えず、体中にヌルヌルとした絶望感を津波の様に押し広げて行った。
「まだ高校生や言うのにどうなってんねやろなー。世間って奴は」
体中の毛穴から嫌な汗が滲み出し硬直している僕が何も出来ずただ立ちすくんでいると
「お前やお前。お前に言うとんのや」
重量感のある肉厚な手が肩を掴み無理矢理に体を振り返させられた。
「あ、いや、あの…」
もう駄目だ…このまま駅員室に連れて行かれ親や学校に………
「ぶわっはっはっは!何そんな青い顔しとんねんな」
僕は状況が理解出来ず口を半開きにしたままただ混乱していた。
「いやー、すまんすまん。そら青い顔もするわな。まあ立ち話もなんやからそこ座ろか」
40代半ば位に見える無骨な男は、まるで近所の知り合いにでも声をかけるかの様な笑顔でそう言うと近くのベンチにドスリと腰を降ろした。
「あ、あの…あなたは?」
「俺か?俺は同業者や。お前のやり方が余りにも拙いから思わずな」
男はそう言いながら手に持つ煙草に火をつけると、深く息を吸い込んでから吹き出し
「まあこれも何かの縁やし俺がお前に教えたるわ。色々とな」
ニヤリと不気味な笑みを見せ再び煙草を口に咥えた。
あの時あの場所からそのまま逃げ出していたら、そもそも痴漢などしていなかったら。
いやそれは今更考えても仕方無い事だ。とにかくこれが僕と師匠の出会いであった。

46 :
なんの盛り上がりも無くかなり中途半端ですが以上です
ここからこの少年の痴漢屋としての成長物語を書こうとしていたのですが
既に他の物語を手掛けてしまっているので供養させてもらいに来ました

47 :
合掌

48 :
投げ乙!
ナムナム(-人-)

49 :
「いくらなんでも、親友の彼女に手ぇ出す訳無いじゃん」
「あいつの女性関係に関しては信用していない」
「冷たいなぁ、唯一無二の友達でしょうに。信じてあげなよ」
「長い付き合いだからこそ分かるんだ」
いつだったか彼と交わしたやりとりが、脳裏に浮かんでいた。

†††

「気付いちゃった?」
あいつとは、二人きりで会うな──彼の忠告を守るべきだった。
ベッドの上に組み敷かれてからでは、そんな後悔はもう遅い。
普段から散々言われていたことだけど、人当たりの良い彼の親友を、私は以前から信頼しきっていた。
「でもこれで、冗談じゃないって分かったでしょ」
最近彼とうまくいかなくて、相談がてらに一緒に飲んだところまでは覚えている。
ルームメイトと住んでるし、客人向けの部屋もあるから安心しておいでよ……酔った状態で帰るのが鬱陶しくて、そんな言葉に甘えてしまったことを思い出す。
「ダメだよ、俺みたいなヤツ簡単に信じちゃ」
スーツのジャットが皺になるからと脱がされた後に危機感を覚えた、その後の記憶が酷く曖昧で。
でも、裸に剥かれた私の身体が酷く火照っていることが、空白の時間に何をされたかを物語っていた。
「やだっ……」
「さっきも散々嫌がってたけど、それが楽しいの分かってる?」
混濁した状態で抵抗をしても、思うように力が出ない。
片手で両の手首を捕らえられ、身動きが出来なくなる。
「抱いてみると凄い良い女だった、驚いたよ」
耳元で囁かれた。
言葉の内容は勿論、彼以外の人に全てを晒していること、熱い吐息がかかり嫌でも感じてしまった恥ずかしさで何も言えない。
「まだ本番はしてないけどね、ここぐちゃぐちゃだし……試したいな」
「ん、んんっ…やっ、ぁあ、あっ」
「ほら、嫌がってる割にはすっごい締め付けてる」
無骨な指が下着の中へ侵入して、自覚したくない疼きに直接働きかける。
何度もされてたんだと思う、理性が悦びの波に拐われていく瞬間に確信した。
「気持ち良いし、またイキたいんじゃない?」
指を増やして中を広げられても、痛みを感じることもなく、巧みな動きに支配されていた。
親指で突起を擦りあげられると、どうしようもなくて、腰が釣られるように動いてしまう。
「あ、あ、やぁあ──」
半開きのまま閉じることが出来ない口から漏れる、自分の声とは思えない程いやらしい喘ぎに、耳を塞げたらどれだけ良いだろう。

50 :
sage忘れすいませんorz
三角関係に載せようと思ったけど、うまくエロシーンが書けなかったので、糸冬

51 :
南無南無。成仏しろよ〜。

52 :
>>49投げ捨ておつ!

53 :
ナイス投げ!

54 :

 それは俺が任務である町に来たときのことだった。
 その日、俺は牧場が住処として用意したアパートを訪れていた。そして目的の部屋の前に着いたその時だった。
(──!)
ドアノブに手をかけようとした直前、部屋の中から水音が聞こえた。どうやら中で誰かが
シャワーを使っているらしい。
だがこの部屋は誰も借りていない空き部屋のはずである。ではこの中でシャワーを使っているのは何者なのか。
ドアノブに手をかけるとロックはされておらず、すんなり開いた。
室内を見渡すと、ガランとした風景な部屋の中にバッグとトランクがポツンと置かれていた。
部屋の荷物は俺が連絡を入れてから届く段取りだから、シャワーの主の持ち物に違いない。
俺はドアを閉じてロックすると、音を立てずにシャワーのある風呂場の前に移動する。
そして気配をし、耳を澄まして中の音に集中した。
「〜♪〜〜♪」
水音に混じって聞こえたのは鼻歌、それも若い女の、だ。
更に流れる水音を聴くことで、女のスタイルや体型、身のこなしなど、だいたい把握できた。
音だけでそこまでわかるのかと、疑問に思うだろう。しかし工作班に務める
工作員にとって、限られた手がかりから最大限の情報を引き出すのは基本中の基本である。
シャワーの主はまだ出てこないだろうと判断した俺は場所を移し、バッグやトランクを調べてみた。
中身は女性ものの衣装に下着、制服に幾つかの小物と財布、そして学生証。
それらを見て判断しえたのは、牧場に敵対する組織の一員ではないというところまでであった。
シャワーの水音が止んだ。代わってタオルで身体を拭く音がする。
俺は風呂場入り口近くの角に身を潜めた。
「あ〜〜、安っぽいシャワーだったけどサッパリしたぁ〜〜」
そう言いながら風呂場の戸を開け現れたのは、身体にバスタオルを巻いた茶色がかった長い髪の少女だった。
俺はすかさず左手で彼女の口を塞いだ。
「ふグッ?!」
みぞおちに拳を叩き込んだのは同時だった。
腹部を抱えてよろめく少女の首筋を手刀で打ち、気絶させる。
意識を失った少女がドッと倒れ込むと、乾ききってない艶やかな髪が床に広がり、衝撃で
瑞々しい肢体からバスタオルが解けた。
足下に横たわる半裸の少女を見下ろしながら、事の次第を報告すべく俺は携帯を取った。

55 :

「すみません、マルコウの1019ですが、担当に繋いでもらえませんか? ちょっと問題が発生しまして…」

 それから約1時間後、引越業者に扮した同僚たちがアパートにやってきた。
「よう、部屋に来たら裸の女が待ってたって本当か?」
「まるでギャルゲーみたいだな、うらやましいぜ、おい」
「で、その娘どうした?もう犯ったか?」
「あのな〜、それより先に教えることがあるだろ!」
冷やかす同僚たちを制し、俺は要件を切り出す。
「ああ、お前の部屋にいたその娘な、やはり小野寺桜子だったわ」
「なんでそんなお嬢様がこんな安っぽいアパートの空き部屋に勝手に入ってたんだ?」
「どうもこの桜子ちゃん親父と喧嘩して家出してたみたいでね、恐らくホテルだと居場所がバレると思って
ここに転がり込んだんじゃないか、だとさ」
「へえ、そうなんだ。にしても、ずいぶん調べるの早いな」
「小野寺家の内部にもいるんだよ、俺たちの仲間とか協力者とかさ。今度のことも
そいつらが上手く誤魔化してくれるさ」
「そりゃありがたいな。で、この桜子お嬢様はこれからどうすればいい?」
「ああ、それなんだがな…」
説明していた同僚が話を続ける。
「お嬢様は牧場に連れてくことになった」
「え?いいのか、小野寺の令嬢にそんなことして?」
「理由はさておきこれは命令だからな。で、今お嬢様はどうしてる?」
「動けなくして押入れに入れてある。見るか?」
「ああ、ぜひ見たいね」
「わかった」
桜子お嬢様を確認すべく同僚たちが押入れの前に集まる。
そして全員の目の前で俺は押入れの戸を開けた。
「おお〜〜」「ほう、これは……」「たまんねえな!」
同僚たちの視線が押入れの中に集中する。
彼らが見つめる先には手首と足首を繋がれ、スタイルの良い肢体の上にバスタオルを被せられた桜子が
仰向けに横たわっていた。
今だに意識を失ったままであり、目を伏せ寝息を立てている姿は愛らしいものだった。
「なあ、やっぱり見たのか? 胸とかアソコとか…」
「そりゃある程度は仕方ないだろ、裸なんだから」
「じゃあ触ってみたか?揉んだりとか舐めたりとか挿れたりとかさ…」
「しねぇよ!」
俺は鑑賞タイムを早々に切り上げると、同僚たちに仕事を急かしたのだった。

56 :

 やがて引越作業を済ませると、同僚たちは桜子を回収して牧場に帰っていった。
牧場が彼女をどう扱うか気にはなったが、俺は明日からの仕事の準備をしなければならなかったし、
それに、牧場に連れていかれた女がどういう目に遭うかはだいたい想像はつく。
お嬢様にはちょっとした冒険だったのかもしれないが、転がり込んだ先が悪かった。
まあせいぜい可愛がってもらえばいい、最悪でも決して命を奪われることはないのだから。
 夕方頃、ようやく作業を終え牧場とのネット回線が繋がる。するとさっそく牧場からメールが送られてきた。
差出人は主任だった。
“本日はご苦労様だった。思わぬ先客がいたようだが、作業も無事済んで何よりだ。”
“明日からの仕事、ぜひ頑張ってほしい。ところで、桜子お嬢様がどうなったか気になるかな?”
“興味があるなら下のアドレスから調教室の実況モニターを見るといい。”
“では健闘を祈る…”
メールには調教室を監視する実況モニターにアクセスできるアドレスが載っていた。
今日すべき仕事は全て片付いたし、後は明日に備えて休むだけである。調教班に嬲られ悶え
泣き叫ぶ桜子お嬢様を鑑賞するには何の障りも無い。
しかし、俺は画面を眺めながらある考えに耽っていた。
何故牧場は小野寺桜子を牧場に連れて行ったのか。
組織の仕事に携わっている俺が言うのもなんだが、牧場は決して行き当たりばったり、手当たり次第に
捕獲などしたりしない。
牝畜の捕獲は入念な計画と準備の下に行われており、任務の遂行上、やむなく拘束した場合でも、
牧場の関与や存在を悟られないよう隠蔽工作を施した上で解き放つのが原則であった。
だが今回は拘束したところを即入荷である。著名な財界人の令嬢をこんな乱暴なやり方で捕獲して牧場は
一体どう取り繕うつもりなのか、それを考えると不安と苛立ちを覚えずにはいられなかった。
と、その時、俺は同僚のある言葉を思い出した。
“小野寺家の内部にも協力者や仲間がいる”
そしてそれはある仮説に変わってゆく。
桜子お嬢様は家出先で捕獲されるようハメられたのだ、と。
よくよく考えればここは牧場の用意したアパートである。彼女が来るのを予期していたなら
あらかじめ部屋を開けていてもおかしくない。

57 :
俺にとってはサプライズだったが、これは最初から仕組まれていたことだったのだ。もちろん
これは仮定ではあるが、他に納得しうる理由を思いつかない以上、詮索したところで仕方がない。
俺は考えるのを止め、調教室の実況モニター画面にアクセスした。

 それからまたたく間に時は流れ、1ヶ月が経ったある日。
「先生さようならー」
「おう、気をつけて帰れよ!」
教室から出る生徒たちの挨拶に笑顔で応える。
俺は今、丸井高校という学校で教師をしていた。
欠員した教師の穴埋めという形で丸井高校に勤務することになり、今では教員や生徒たちと
すっかり顔馴染みとなった。
もちろんこれは表向きの話、俺の任務は教師の立場を利用し、牧場の必要とする情報を入手することである。
日も暮れ、夕焼けが校舎を紅く染める頃、俺も業務を済ませ職員室を後にした。
そして帰途に向かう足が校門を抜けたその時、突然声をかけられた。
「よっ!今お帰りか、先生?」
それは俺の牧場での上司で、工作班主任だった。
「しゅ、主任…なんでここに…?」
「ちょいと話したいことがあってな、電話やメールじゃアレだから来たんだがな、」
ヨレヨレのコートを羽織った冴えないオヤジはシルバーグレーの頭を掻きながら話し続けた。
「せっかくだから一杯やろうか。もちろん俺のおごりだ。いいよな?」
「は、はい」
「よし、じゃ行こうか!」
話とは、恐らく任務が次の段階に入ったことについてだろう。
鼻歌を交えて御機嫌そうな主任の後に付いて行った先は、とある居酒屋だった。
俺たちはさっそく座敷の一部屋に案内された。
「かんぱーい!」
 掲げた2つのジョッキを合わせて鳴らし、互いに金色の奔流を一気にあおる。
「いや〜仕事の後の一杯は格別だなぁ、おい!」
「ええ、まったくです」
俺と主任は快采を上げながらビールを飲み干した。そして一息ついて、俺は主任に切り出した。
「主任、話とは何なんでしょうか」
「話し、か…」
主任は広げたメニュー表を持ったまま俺の方を見た。
「お前、ここに来たときに女の子捕まえたの覚えてるよな?」
「はい、」
「その子なんだが、牧場から放すことになった。ただし外での首輪が要る」
「首輪…ですか」
「そうだ、首輪だ」
俺を見る目がいつしか有無を言わさぬ厳とした眼差しになっていた。

58 :

首輪、牧場ではそれは二つの意味を持つ。一つは牝畜の首に架せられる装着具、もう一つは
特定の牝畜の監視、監督、管理を任される役のことである。
「………」
「お前、あの子の首輪にはなってくれないか? 俺はお前が最も適任だと思うんだがな」
主任がこう言い出したら部下の俺に選択肢など無い。現在の任務に加え、首輪の役は
決して容易い仕事ではない。牧場の外ならなおさらだ。しかし工作班、通称『マルコウ』の
工作員に失敗は許されない。全力を尽くして当たるのみである。
「……ところで主任、俺以外の候補は今どれくらいいるんですか?」
「そうだな、小野寺の内部や丸井高校の連中も合わせて数十人ってとこかな」
「そんなにいるんですか! ……いやはや、こりゃ牧場にいるのとあまり変わらないですね」
「そうだ、俺の目が節穴でなければまず失敗などしない。お前ならやれると信じてるよ」
主任への質問は任務を承った意を表すものである。
俺以外の首輪候補はそのまま任務をサポートする役割を担ってくれる。まさに桜子お嬢様には
逃れる場所は無し、である。小野寺家に帰ったところで、桜子お嬢様は俺という首輪を通して
牧場に奉仕させられる、そういうシナリオなのだ。
「……わかりました。主任直々のご指名なら、なんとしても期待に応えましょう」
「そいつぁたのもしいね、だったら大いに景気づけてやらにゃあいかんな」
「お任せします」
「よし、じゃあ今夜は飲もう、飲もう!」
そして主任と俺は大いに杯を酌み交わしたのだった。

 アパートに着いたのは夜の10時を回った頃だった。
店を出るとき、俺も主任もほろ酔い加減だったが、正体を無くすほどには至らなかった。
俺は部屋に入ると、早速デスクに向かいパソコンを立ち上げ、いつものアドレスにアクセスした。
“モニター実況:第8調教室”
画面に映されたそこは、小野寺桜子が監禁されている部屋だった。
現在、コンクリート作りの風景で薄暗い室内の中に、何人かの男の姿が見える。
彼らは調教士である班長の下、牝畜の調教に従事しているスタッフだった。
そのスタッフらに囲まれた中に、一人の少女の姿が見える。
彼女こそ、1ヶ月前に俺の部屋に上がり込み、そこから牧場に拉致された小野寺桜子であった。

59 :

『んあ…ハァ…ハァ…ぁふぅ、ふぁあ…』
『ほらほら桜子ちゃん、ちゃんとチ○ポナメないとダメじゃないかw』
『そうそう、もうすぐお家に帰れるからって気持ちもマ○コもユルユルにしちゃダメだぞ♪』
『真面目にやらないと、またしばらく俺たちと遊んでもらうぜw』
『あれ?もしかしたら桜子ちゃん俺たちとお別れするのがサビシいのか?』
『おおっ!?そうなのか!?まあ毎日可愛がってやったから、俺たちに愛着でも湧いたのかなwww』
『ひッ、ひらうッ!!そ、そんらわへ、なひィおぶぉッッ?!』
『しゃべるよりチ○ポナメるか、くわえてしゃぶる!!』
『ぉお…、おご、ぉぶ、ぶぇええ…』
 スタッフの剛直を喉に突っ込まれ、苦しげにえづく桜子。
その背後からはもう一人のスタッフが桜子を犯していた。
そのスタッフは桜子のオンナを奥まで貫き、腰を密着させた状態でグラインドや突き上げを
織り交ぜながら桜子を責めていた。
桜子は調教室に監禁されてからはずっと全裸のままであり、彼女が身に付けていたのは
牧場に架せられた首輪だけだった。
そして今は目隠しをされ、荒縄に乳房を締めつけられ、両腕を後ろ手に縛られた
格好でスタッフに奉仕させられていた。
汗に濡れた白い肌は白熱電球の明かりを受けて艶やかに輝き、スタッフが腰を使うたびペニスに
蹂躙される膣内からとめどなく染み出る滴りが、桜子の内股から足下に、垂れて広がる。
『しかしもう1ヶ月なんだ、なんかあっという間だったな』
『でも桜子ちゃんはすっかり変わったよな。最初はオチ○○ンなんて見るのも嫌がってたのに、
今じゃとても美味しそうにしゃぶってるしw』
『んぶ…ぶふ…!ぅうう…!』
『オマ○コもずいぶんこなれてきたし、体つきもこんなにエロくなっちゃったしさwww』
『ぅうッッ!』
傍観していた別のスタッフが横から桜子の乳房を鷲掴みにする。
十代の瑞々しさと適度な肉感をもった形良い膨らみが、男の手の中でグニグニと揉み転がされてゆく。
『おお?締まりがさっきよりよくなったぞ!おっぱい揉まれて感じてんのか、この淫乱!』
『男の部屋にバスタオル一枚で上がり込むお嬢様だからな、根っからの淫乱に違いないさw』
その言葉に、それもそうだと桜子以外の全員がゲラゲラ笑いたてる。

60 :
当の小野寺桜子は目隠しをされて口いっぱいに剛直を挿れられているせいで表情が
よくわからなかったものの、屈辱と悔しさに打ち震えている様子はしかと見てとれた。
『あ〜俺そろそろイキそうだ、桜子ちゃんの中でイッてもいいよね、ねぇ桜子ちゃん?』
『俺も桜子ちゃんの口ん中にぶちまけたくなってきたよ、桜子ちゃんの好きなチ○ポミルクをさ♪』
『ぉお゙お゙ッ!? お゙ッお゙お゙お゙ぼッッぼォオ゙オ゙オ゙オ゙〜〜ッッ!!』
桜子の口を、膣を犯す剛直の動きが激しくなる。
緊縛された肢体が苦しげに身をよじらせるが、スタッフらはそれを押さえつけて更に腰を使う。
『いくぞ、いくぞ、さあチ○ポミルク飲めええええ〜!!』
『オ゙ゴァア゙ア゙ァア゙ァア゙ァア゙ア゙〜〜!!!!』
先に達したのは口を犯していたスタッフだった。
スタッフは桜子の髪を掴んで引き寄せ、口の中に限界まで突っ込んで精を放った。それから
すぐに、膣を犯していたスタッフも桜子の中で達し、深く腰を突くや、そのまま射精の快感に体を震わせていた。
しかし桜子の喉に満足したスタッフが手を緩めた次の瞬間、桜子は剛直を吐き出し、
床に向かって激しく咳き込んだ。
『ブハァッ!!ヴエ゙エ゙エ゙エ゙ッッ!!ゲホッ!!ゲホッ!!ゲエ゙エ゙エ゙エ゙━━ッッ!!!!』
『おいおい桜子ちゃ〜ん、なんで吐くんだよ、すぐ飲みやすいように喉の奥に出したのにさぁ、』
『そりゃお前のザーメンがマズかったんだろwいつもなら舌で転がしてゴックンするんだから』
『バカ言うな、こないだは皿にぶっかけた俺のチ○ポミルクをキレイに舐めたんだぜ!』
『もしかしてさ、精子じゃなくて小便出したんじゃね?』
『そりゃないわ〜〜ザーメン大好き桜子ちゃんもガッカリだぜ〜〜』
『んなわけあるか、アホ!!』
苦しげに咳き込む桜子をそっちのけで言い合うスタッフたち。しかし口を犯していたスタッフが
射精していたのは、桜子が吐き出している白く濁ったドロドロの粘液からして明らかだった。
『やれやれ、しょうがないな。お口直しに俺のを飲んでもらおうかな』
いささか呆れた感じでつぶやいたのは、桜子を背後から犯していたスタッフだった。
スタッフが腰を引くと、コンドームを被ったペニスが桜子の中からヌルヌルと現れた。
淫液に塗れたペニスのその先端は、溜まった精液でピンポン玉のように丸く膨らんでいる。

61 :
スタッフはコンドームを抜き取ると、桜子のアゴをつかみ、開いた口から舌を突き出させた。
『さあ桜子ちゃん、桜子ちゃんのオマ○コにしごかれて出てきたチ○ポミルクだ、よく味わって飲むんだぞ』
『ケホッ、ケホッ…んぁ、ァァ…ふぁぁ…!』
アゴをつかむ手に頬を圧迫され押し出された舌に、コンドームから白濁の液体がしたたり落ちる。
若干黄色がかったそれは、比喩ではなくボタボタと桜子の舌の上に乗り、ゲル状の小さな盛り上がりとなってゆく。
『ほうら、全部乗せてやるからちゃんと舌を出してろよ桜子ちゃん』
『ぉあ…ぉぉ…ぉッ…ぉッ…ぁおおおッッ…』
舌で精液を受ける桜子の表情が微妙に歪む。
それもそうだろう、喉奥に射精された分に加え、舌に乗せた精液の臭気が鼻に充満しているのだから。
間もなくコンドームの精液は出尽くしたが、桜子は舌にザーメンを乗せたまま“おあずけ”の状態を強いられていた。
『よしよし、ちゃんと“おあずけ”できてるな、エラいぞ♪』
『でも牧場から放したらせっかく覚えた“おあずけ”も無駄になるんだよな、それってもったいなくね?』
『彼氏だか結婚相手にでもやればいいんじゃないか?きっと喜ぶと思うぜw』
『それもそうだ、淫乱桜子ちゃんならそれくらいのサービスやってくれるよな!』
『だよなー』
『『『ハハハハwww』』』
『よーし桜子ちゃん、もうザーメン飲んでいいぞ。よくモグモグしてゴックンするんだぞ』
スタッフの許しを受け、桜子は精液の乗った舌を下げると、口の中で咀嚼を始めた。
唇は閉じていたが、ニチュニチュと上がる音と顎の動きで、精液を味わっている様子がよくわかる。
この咀嚼は屈従を示させるだけでなく、精液に唾液を絡ませ、飲みやすくするためだともいう。
もっとも桜子が精液を飲まされるのは口だけで、膣や肛門は必ずコンドーム着用、中出しは禁止されているのだ。
妊娠させないのならコンドーム以外にも方法は色々あるはずだが、あえて中出しを禁じたのは
班長に思うところがあったのか、あるいは上からそういう指示があったからか。
ゴクッ…ゴクン…
白い喉を鳴らし桜子が精液を飲み下す。
一見、従順に飲んでるようであったが、その表情や仕草の様子から、桜子が必に
堪えているのは誰が見ても明らかだった。当然、スタッフどもも気づいているだろう。

62 :
本当はもっと続くのだけれど、モチベーション的に不安なのと他に書きたいネタが出来たため、投げることにしました

63 :
レス追記。このSSは二次元キャラを牧場で飼い慣らす妄想スレに投下する予定でした。
スレ汚しすみません

64 :
リアルタイムで読ませて頂いたが、
ここまでとは、いや、もったいない……
続き…といいたいが、
ナイス投げ!!

65 :
ナイス投げ!
正直ここまででもごっそさんですって感じだわ。

66 :
すいません、投げさせていただきます
******************

 窓際のソファに腰をおろし、夏海はぼんやりと外を見つめていた。その体に纏うのは、薄物の
ガウンと下着だけという、まるで娼婦の如き姿である。その格好で、ただひたすらにこの部屋の
主の気まぐれなおとないを待つ身となって、すでに一週間近くが経過していた。
 ほう、と夏海が物憂げな溜息をガラスへと吹きかけた時、生体認証でロックされた扉が解錠さ
れる音がした。
「士?」
 この部屋に入れる人間は、限られている。必然的に、来訪する確率が最も高い相手の名を口に
した夏海は、扉を開けて入ってきた人物の姿を捕え目を見開いた。
 黒いトレンチコートに、薄いピンクのニットと細みの黒いジーンズを合わせたその人物の首に
は、鮮やかなマゼンタカラーの二眼レフカメラがかかっている。
「そういや、そんな風に呼ばせてたな」
 呼び捨てで呼ばれたことで遠い記憶を呼び起されたのか、士は自嘲するように小さく唇を歪め
た。見た目こそこの部屋の年若い主と同じだが、その面差しは幾分大人びている。何より、その
首にかかったカメラに残った小さな傷が、目の前に立つ相手の素性を物語っていた。
 一度士自身の手によって壊され、それをユウスケが必に直した、世界にたった一つのカメラ
だ。
「士く、ん……?」
「悪かったな、時間を超えるのに手間取った」
 後ろ手に扉を閉めた士はゆっくりと夏海に近づくと、ソファの肘かけに手をついた。上から覗
きこむようにして夏海の顔を見つめ、そっと頬に掌を添えた士は、その瞳を悲しそうに細めた。

67 :
「少し痩せたな……まあ、あの時はかなり無茶させたし、仕方ねぇか」
「士くん、記憶が……?」
「ああ。お前とは別の時間に吹っ飛ばされたが、おかげで全部思い出した」
 悪かったなと、そう言って士は夏海を抱きしめた。ようやく巡り合えた悦びに、夏海は士の背
に腕を回すと強く抱きついた。安堵から零れる涙で頬を濡らし、肩を震わせる夏海の頭を何度も
撫でながら、士もまた深く長い吐息を吐きだす。
 しばらくの間、再会の喜びに浸っていた二人だったが、その時間はすぐに破られることになっ
た。
「………来たな」
「え?」
「お前は何も言うな」
 鋭い声で釘を刺す士に、夏海が疑問の声を上げると、ほぼ同時にまたしてもドアのロックが解
除される音がした。直後に蹴り破るようにしてドアを開け飛び込んできたのは、大ショッカーの
大首領であるもう一人の士だった。
「随分慌ててるみたいだな、大首領様」
「てめぇ、何者だ?月影が俺を見間違えるはずねぇ……どうやって騙した!?」
「別に誰でもいいだろ?お前は小夜と自分以外、どうでもいいんだからな」
 そう言って、士はわざと夏海を腕の中に抱き寄せると、過去の自分を嘲笑うかのように唇を歪
めた。過去と未来の士が対峙するという異様な事態に、夏海は士の胸の中で思わず息をのんだ。
 普段は淡白で薄情を装っている士ではあるが、過去の士の性格が物語るように、その本性がか
なり激しいことを夏海はよく知っている。

68 :
「そいつを離せ。それは、俺のモノだ」
 ぎり、と奥歯を噛みしめた過去の士が、悠然と構える士の姿を激しく睨む。その視線の鋭さに
夏海が怯えたように体を硬くすると、士はさり気ない動きで夏海の体を背後へと押しやった。
「お前みたいなロクでもない奴に、こいつはやれねぇな。ヤりたい盛りのガキならガキらしく、
マスでもかいてろ」
「ふざけんなっ!」
 自らと同じ姿をした士を目の前に、相当気が立っているらしい過去の士は、言うが早いか一息
に距離を縮めた。しかし士は、下顎角を狙ってねじ込む様に叩きこまれた拳を軽く弾き、無言で
その腹部に容赦のない蹴りを入れた。
「ちょっ……士くん!?」
 容赦の欠片もない士の攻撃に面食らった夏海が、思わず叫ぶ。しかし士は、酷く冷たい眼差し
で過去の自分を見下ろしていた。
「気にすんな。これぐらいでくたばるほど軟な鍛え方はしてねぇ」
「そういうことを言ってるんじゃありません!」
 慌てて過去の士へと駆け寄ろうとする夏海の腕を掴み、士はぎらぎらとした目で睨み上げてく
る過去の自分を睥睨した。
「どうした、もうお終いか?」
「なめんな……っっ!」
 本気で怒りを覚えているのか、過去の士はいきなりバックルを腰に当ててベルトを巻くと、デ
ィケイドのカードを掲げた。その姿を見た士は、慌てる様子もないどころか、挑発するように鼻
で軽く笑った。

69 :
「そんな出来損ないのオモチャでどうする気だ?」
「ふん。大した減らず口だが、すぐに塞いでやるさ」
「やれるものならやってみろよ。なぁ、お偉い大首領様?」
「……の野郎!」
 変身という掛け声と共に、バックルから電子音が響きディケイドの装甲が現れる。一瞬にして
間合いを詰めたディケイドがライドブッカーを横なぎに振り払うのを見た夏海が、悲鳴にも近い
声を上げる。
「やめて!!」
 生身の体へと叩きこまれたライドブッカーの刃は、しかし士の体を切り裂くことはなかった。
「なっ……!?」
 左腕一本でライドブッカーを受け止めた士に、過去の士が驚愕する。夏海が腰を抜かしたよう
に崩れ落ちるよりも早く、やはり電子音が低く響いた。
「生憎だな。こちとら年季が違うんだよ」
 ライドブッカーの一撃を受け止めた腕だけを先に装甲で覆った士は、そう言い捨てるのと同時
に一気に変身した。全く同じ姿へと変身した士に虚を突かれた過去の士は、後ろへ体を下げると、
信じられないといったように目の前のディケイドの姿を凝視した。

70 :
ここで煮詰まってしまい、最後は変身を解除してガチで喧嘩を続ける二人にヒロインがブチキレて、
それぞれの首に特技のツボ押しをお見舞いするという、見事なギャグオチしか思い浮かびませんでした
結局路線変更して全く別の話にすることにしたので、こっちは供養させてもらうことにしました

ということで、エロなしオチなしのままだが3人とも成仏してくれよ (-人-)ナムナム

71 :
>>70投げ捨ておつ!DC版見てないと分からない小ネタだw

72 :
 季節は秋。
 最近酒の飲み過ぎで幻覚を見るようになった。
 今日も数学の授業を受けながら一升瓶を空にしていたら、黒板に書かれた数式が蟲のように動き出した。
 俺は悲鳴を上げて荒れた教室を飛び出したんだと思う。
 そのまま学校も抜け出して、少し小高い丘まで、恐怖から逃げるように走ってきた。
 気づいたら俺は丘の墓地に一人きり。
 周囲には誰もいなくて、眼下から町の騒がしい音は聞こえそうでも、ここは静かな風ばかり。
 チキンハートな俺は何故こんな場所に来てしまったのか、分からないまま後悔して、出口を探す。
 ただ足取りが覚束無い。酔いが相当回っているのか、理性が所々途切れる。
 歩いても歩いても石の墓。
 その内、俺の目の前に、ぽつんと何かの気配があることに気づく。
 あまりに忽然と現れたように感じた、それは女の子だった。
 じゃり、と小石交じりの草道の先に、変わった形の墓石が行き止まりのように置かれていて、そこに座り込んでもたれている。
 艶やかな色をした着物姿に、頭は妙な形と色をしていた。
 ああ、パンプキンヘッド。
 黙って女の子を見つめていると、
「……何?」
 関西訛りの発音で、ハロウィンお化けみたく目と口が刳り貫かれた面を向けてくる。
「ここで何してんの?」
 本当は気味が悪かったけど、どうせまた幻覚に違いない。
 女の子の頭はカボチャの被り物と半ば同化している。
 そして、返答無しに俺の方をじっと見つめている。
「……」
「…ん?」
「……ガオッ!!」
 ぬおう、とか変な声が出てしまった。
 いきなり大声で脅かされるとは、思わず尻餅突きそうになったよ。
「…はー。急に脅かすない」
「……」
 こうして構っていても埒が明きそうもないので、来た道を戻るか。
 立ち去ろうとしたら、女の子の動く音がした。
 振り返ると、立ち上がって俺の後までやって来た。
「……見エルンヤ?」
 小さくて透き通った感じの声で喋ると、またしばらく間隔を空けて、続ける。 
「……ウチ、迷子ヤネン」
 墓地に迷い込んだ挙句、迷子に遭遇するとは高校生らしからぬ体験。
 酒のせいか、頭が重たい。
「俺も迷子ちゃんなのよ」
 そう教えると、少しがっかりしたように溜息を吐いた。
 今日は思ったよりも悪酔いしてる気がする。
 段々と気分が不安定になる中で、狭い道を歩く。
 まっすぐ行って、壁にぶつかったら壁沿いに左か右か、ずっと進む。
 すると、何故か同じ場所に帰って来た。これは綺麗なピクシートラップ。
 女の子も諦めずに、ついて来る。
 大人しいもので、何にも言ってきやしない。
 休憩したくなったので、適当な場所に腰掛ける。
 もう授業は終わっている頃かな。つまらない呪いのような高校算数。
 裏番のやっさん、放課後アホ高に襲撃かけるとか言っていたけど、それまでに帰れるだろうか。
 兵隊要るって話だったから、ばっくれでもしたら後々面倒なことになる。
 それに、やっさんにはラーメン奢って貰った恩もあるしな。

73 :
 ふと、俺の体を影が覆っていることに気づく。
 視線を上げると物々しい甲冑姿の人が俺を見下ろしていた。
「グレイブヤードに何用だ小童」
 グレイブヤードだなんて、和装の割に洒落たことをいう兵(つはもの)だ。
 経年劣化の臭いが結構キツい。
「別に」
「ここが我が一族の眠る場所と知って、座しておるのだろうな?」
 空気が冷たい。アルコールが入ってなかったら、マジで寒いくらい。
 と、鈍く擦れるような音がして、そいつが動く。
「良かろう。ならば今ここで野晒しに処すまで」
 酷く錆びたような刀を目の前で抜くと、甲冑が構えてみせた。
 思わず右腕をかざしてしまって、それから時空がかなり歪んだ気がする。
 ゆっくり、走馬灯みたいに、それは容赦なく、
「……!!」
 俺の体を丸ごと持っていくように、斬り込んだ。
 痛みは感じなかった。ただ、体が空ろで軽い。
 俺は多分それから、気を失っていたんだと思う。
「――あ、う?」
 地面に這いつくばっていた。
 手で探ろうとしたけど、右手が、無かった。
 嘘だろと思ったけど、本当に無い。
 麻痺しているとかじゃなくて、でも出血も痛くもなくて、初めから無かったように、無いだけ。
 もう一つ。
 右目の視力が完全にやられていた。
 こっちも触って傷がある訳でもないけど、何も見えなくなっていた。
 まだ酔いは残っているけど、頭は痛くなくなった。
 何とか起き上がろうとすると、俺の視界が陰る。
「……」
 影はじっとこっちを観察しているみたいで、顔だけ向けてみたら、女の子がいた。
 カボチャの顔が皮肉っぽい。
 起き上がって、これからどうしたものかと考える。
 ふと、右手がある錯覚に陥る。右目で何かが見えるように感じる。
「はあ」
 何も考えたくないから、代わりに溜息が出た。
 そして女の子は俺の傍にはいるけれども、やっぱり何も言わない。
 とりあえず俺は生きているから、出口を探す。
 空は曇り、薄ら霧がかってきた辺りは、ちと本気で寒くなってきた。
 で、散々歩き回ったけど、ここから出られない。
 その上、目ん玉と手まで無くして、もうどないせぇっちゅうんじゃ。
 疲れた。このまま眠るようにねたらそれが良い。
 また誰かの墓に背もたれして、休憩する。
 ふと右のポケットを左手で探ると、飴玉が入っていた。
 今朝駅前で配っていたのを貰った奴だ。ピーチ味、と書かれている。
 何も無いよりマシか。食っとく?
 でも、飴玉ね。
「食う?」
 隣に屈んでいる女の子に、試しに差し出してみた。
「……コレ、何?」
「飴ちゃん」
 飴ちゃん知らないなんて、冗談。

74 :
 女の子は飴玉を両手に乗せて、興味深そうに見つめている。
「……コノ石、ドナイシテ食ベルン?」
「あー。包みを開いて、舐めてみ」
 すると言う通りにしてくれた。
 ただし、カボチャの口からお化けのベロ出してな。
「……甘イ…セヤケド、硬イナア?」
 それは口の中で転がして味わう物なんだって教えた。
 すると分かったみたいで、ころころ言いながら舐めている。
 さて、お守りもこれくらいにして、どうしようか。
「うっ!」
 突然、頭に鈍い痛みがした。
 視界がぐらつく。アホ校の尖兵に一発ぶられた時と似ている。
 上唇が何か温かい。指で触ってみたら、鼻血だった。
「……っ」
 ダメだ、意識が遠退く。人事不省。
 閉じた場所でぬのは、別に何も恐くない。
 俺は極めて平々凡々たる波の無い一時を生きたつもりだ。
 経済ワルとか武闘派とか、そんな面倒臭い柵や縄張り争いから解放されるならそれも良い。
 でも、どうせなら最後は泥酔したままにたかった。
 何が何だか分からないことを自覚しながら逝くのって、嫌だな。
 ここは暗い通路。
 空気が冷たく重く、静かで何の物音もしない。
 ほんの僅かな灯火が等間隔に並んでいて、周囲に鉄格子の部屋が並んで見える。
 そして、奥に行き止まるように二つの灯りと、木の板。
「何々…”凶悪犯罪者”」
「誰だ」
 格子の闇の奥から、声がした。
「いやまあ…一言で言えば、迷子」
 すると、せせら笑うような声がした。
「まあ良い。目の前にある、結界符を剥がしてくれないか」
「凶悪犯罪者と書いてあるけど」
「だろうな。ならば、事情を説明しようか。長くなるが聞け」
「面倒臭いんで遠慮。これを剥がせば良いの? はいよ」
 目の前に貼ってあったそれは、シールみたいに取れた。
「…! 話が早くて助かる」
 二つの目を光らせる、ミストのようなものがこっちに来た。
 ミストは格子を楽にすり抜けると、化け猫のような姿に変わった。
「ほう、お前は……ふむ」
「何?」
「…これは礼だ。魂と体を今一時、繋ぎ止めてやろう」
 化け猫は俺の顔と右腕に、引っかくように何か文字を書いた。
「…よし。儂はもう行く。…鼠共め、首を洗って待っておれよ……くくく」
 逃がして良かったのかな? まあ、良いか。
 立ち去る化け猫の背中を見ていると、視界は段々暗くなって、遂に帳に覆われたように、黒。
 重力も変で、どこが上で下か、右か左なのか分からなくなった。
 体が窮屈だ。何か狭っ苦しい。
 左手で、暗闇を手探りする。すると、目の前に邪魔な壁がある。
「?」
 重いけど、押すと微かに横に動いた気がする。
 こういう時両手が使えないのはあれだけど、ずらすように力を込める。

75 :
 細い細い光が、視界に差し込んだ。
 それは壁を動かす毎に少しずつ、月が満ちるように大きくなっていく。
 今気づいた。俺は横になっている。背中にも壁がある。
 これは何だろうと思ったら、何となく分かった。
 俺は、石棺の中に横たわっていた。
 どしん、と音がして蓋が開いた。
 体が凄く重く感じるけど、とりあえず起き上がる。
 ここはあの墓地。
「…?」
 そして、カボチャの女の子が目の前にいた。
 カボチャはじっと俺を見つめている。
「……生キテタン」
 ご挨拶だこと。
「そうみたい。心配してくれてどーも」
 しかし、ああ息苦しかった。深呼吸、深呼吸と。
「……オウチニ帰リタイ」
 困ったね。手に負えないや。
 んなことを思っていたら、女の子は俺の手を取る。
 そして懐から細長いものを取り出して、渡された。
「……大事ナモンヤケド、貸シタル」
 短刀だった。銘、琥珀蝶寿々松。
 護身用かな? よく分からないけど、かなり高価そう。
「これは?」
「……石ノオ礼ヤ」
 こんなん貸してもろてもなあ。
 女の子は、近くの墓に供えてあった、瓢箪酒を拝借した。
 栓を抜いて、俺の右手にかける。
「って、痛っ」
 そして何を思ったのか、切り口から腕の中に、短刀を押し込む。
 痛みはその一瞬だった。変な感じだけど、やっぱり切れているのかな。
「……”擬復”」
 女の子の言葉で、何かが繋がる感覚がした。
 びり、と電気が走って、体の中に何かが侵入してきた。何かが、自由を奪う。
 俺は喉が渇いてたまらなくなり、徐に渡された瓢箪の残り酒を、一心にがぶ飲みした。
 すると、体が焼けつくように熱くなってきて、けれども暴走は収まった。
「はぁ…はぁ…」
 酔えている。全部幻覚なんだから、恐くない。
 右手、使える。右目、見える。
「ここから、出るか」
 何か無性に体を動かしたい高揚感が、やる気を誘う。
 
 喧嘩とか、迷いが無いと意外と物事は上手くいく気がする。
 俺と女の子はいつの間にか、森の中にいた。
 一応、前進したと思って良いのかな?
「……」
 女の子はここが恐いようで、俺の手を握って隣から離れない。
 アルコールを追加出来たおかげで、寒くても保温。
 悪酔いはせず、まずまず心地良い。
 邪魔な木の根っこは乗り越えて、真っ直ぐに進む。
「?」
 少し来て、空気の匂いが変わった。
(もう書くのが嫌になった)

76 :
投げさせていただきます。
彼女が卒業して数カ月。
僕は相変わらず羽ヶ崎学園の教師を続け、大学生となった彼女は一流大学の医学部に通っ
ている。
お互い忙しいものの、できるだけ週一回は会う時間を作って、肌を重ねる時間を作るよう
にしている。
最初は痛みと緊張でぎこちなかった彼女も、今はいい反応を返すようになってきた。
今日も、彼女は僕の家にやってきて、くつろぎながらたわいもないおしゃべりを楽しんで
いる。
「もう、大学の授業が本当に難しいんです。」
「そうなんですか?」
「暗記することばっかりで、うんざりします。全然覚えきれなくて…。」
「やや、それは大変ですね。」
「もう!貴文さんったら、他人事みたいに!解剖学とか、本当に大変なんですよ?」
「…わかりました、僕に名案があります。」
「何ですか?」
「君と僕の体を使って、解剖学のお勉強をしましょう。さ、服を脱いで。」
「ええっ!」
「ええっ、じゃないです。教科書のイラストを見るより、実物で学習した方が、はるかに
わかりやすいでしょう。」
「でも…。」
「えっへん、僕だってこう見えても先生です。君を助けるには、これが一番と思うからこ
そですよ。わからなくて困ってるんでしょう?」
「う…。…とりあえず汗を流してきます。」
「そうこなくちゃ。僕と一緒に入りましょう、お風呂に。ね?」



77 :
お互い体を洗った後、浴槽に無理やり体を詰め込む。
僕の家のお風呂は、あたりまえだけど狭い。
二人の人間が入るのがやっとで、僕と彼女が入ると図らずも肌が密着してしまう。
でも、こういう場合はその方が都合がいい、彼女が逃げられないから。
僕は浴槽の下側に、彼女は上側でうつ伏せになる。
彼女の背中に腕を回し、背中が冷えないように湯をかけていく。
「さて、小波さん、そろそろお勉強しましょうか。」
「…やっぱり?」
「もちろんです。何のために脱いだと思ってるんですか?」
「貴文さんが,単にエッチしたいからだと…。」
「僕は、可愛い教え子の勉強に協力したいと思ってるだけなのに。ひどいなあ、小波さん
は。」
「…ごめんなさい。」
「冗談です。じゃあ、始めますよ。」
僕と彼女は抱きあったまま、キスを交わす。
「…ふ、ん…、んん…」
唇を密着させて、舌を絡ませる。彼女の口から、かすかな声が漏れた。
「あ、貴文さん…。」
「さて、ここで問題です。舌の運動に関与するのは何神経?」
「えーと、…わかりません。」
「ブ、ブーです。舌の運動をつかさどるのは舌下神経です。脳神経12対は必ず試験に出
るので、覚えておいてください。」
「…はい。」
湯ざめを避けるため、お風呂場での勉強を打ち切り、場所をベッドに移した。

78 :
ベッドに横たわった彼女に改めてキスしながら、僕は彼女の胸をまさぐる。
「ぁ、んん…、ダ…」
その柔らかい感触の虜になり、両手で思う存分愛でた。
「ここは何か知ってますよね、言ってみて?」
「む、胸、です…、あ、あ!」
「それじゃダメです。君は医者の卵なんだから、医学用語的に言わないと。」
「にゅ、…にゅうぼう、です…。」
「良く言えました。乳房は、出産後に母乳を分泌することによって、育児を行う機能があ
ります。また、出産後以外に母乳が出ないのは、オキシトシンとプロラクチンというホル
モンが関与しています。調べておいてくださいね。」

79 :
元ネタは某乙女ゲー。
この後、若王子先生がデイジーの体を使って解剖学を講義しながら、
がっつりエロに持っていくつもりだったのですが…。
自分が本スレに投下したSSのせいで、ひどくスレが荒れてしまい、
このテーマで書くのは当分控えようと思ったので投げ。
若&デイジー、完結させてやれなくてすまん。
成仏しておくれ。


80 :
投げ乙
あのスレはどうでもいいことで荒れやすいから気にしないことだよ

81 :
あまりにも過疎ってたり、荒れてたり、住民とノリの合わないスレでSS書くと、
いっそこっちに投下した方がまともな反応もらえるかなぁ、とか思ってしまうことがある。
完全にスレの趣旨と食い違ってるのはわかってるんだが。

82 :
最近、うpろだへ行けば?的な投下多いし、
妙な流れになりかかったりしたし、
>>81のいう、反応欲しい、とかやっぱりスレ違い。
>>81がそういうんなら、キツイ言い方だけど、
うpろだスレ池!か、
よ〜くテンプレ嫁!
だな

83 :
スレのないSSを投下するスレの後継スレってあったんだ
てっきり落ちてそれっきりだと思ってたんだが

84 :
保守

85 :
保守

86 :
保守

87 :
遅レスだが>>54面白かった、供養おつ!

88 :
多分魔王と男装の騎士とかそこらへん。
襲うだけ襲って続きが思いつかないからお焚き上げる。

「やめろっ! 離せ、俺は男だ!」
「どこが男だ。いい乳だな」
「触るな穢らわしいっ! 離せ、離せっ!」
全力で暴れるのに相手の腕はびくともしない。気色悪い。男の手が俺の身体を這いずり回る。
武骨な手。同じ訓練をしているはずなのに俺の手はどうしてもそこまではたどり着かない。
押し倒された形のせいで身動きがほとんどとれない。
だがこの程度で諦めきれない。男に犯されるなんてまっぴらごめんだ。男の胸を殴りつけ、膝で股間を狙う。
「……五月蝿い」
「うわっ!?」
男の手が俺の手を頭の上で両纏めにする。手が片方塞がれた代わりに、男の顔が俺の胸に近づく。
「やめろ――やめろやめろやめろっ!」
胸を舐める、気色悪い感覚。背筋にぞわりと虫が這い登るような。
ざらざらとする舌は胸の突起を舐める。幼子のような仕草ではあるがただおぞましいだけだ。
俺は叫ぶ。叫ぶ。叫ぶ。
なんでこんな奴に。なんで俺が。なんで。
魔王は叫ぶ俺の顔を見て笑った。嘲笑した。顔さえ近づいてくればその唇を噛み切ってやるのに。
ぺろぺろと突起を舐め続けていた魔王は、ふと何を思ったのかそれに噛み付く。
「ふぎゃぁっ!?」
胸と、それから何故か腰からくる感覚に思わず声をあげる。魔王は声をあげて嘲った。
「いい声だな。天下の騎士サマがこのざまか。宿敵の魔王に犯されているところを部下たちにでも見せてやったらどうだ。
 浅ましい雌の格好で尻を突き出している姿を、な」
「違う違う違う! 俺は男なんだ! 俺は男だ!」
「違うな。貴様は女だ。非力で男に組み伏せられれば腰を振ることしかできない女だ」
その証拠だ。そう言って魔王は俺の下半身に手をやる。
「触るなやめろ嫌だやめてくれっ!」

89 :
股の間をやらしい手つきで魔王が撫でさする。腰がびくびくと意志に反して揺れる。
なんだこれは。嫌だ嫌だ嫌だ、俺は男だ。男なのになんでこんな奴に触られなきゃならないんだ。
用を足すときの少し上の部分を魔王の指が撫でる。
「ひゃあんっ!?」
自分の口から漏れた声に自分で驚いた。
「女の声だ」
「違う! 俺はっ」
「女だ」
「違う違う違うっ! 男だっ!」
「濡れているのに、か?」
魔王の指がゆっくりと割れ目を辿る。ぬちゃり、と音がした、気がした。俺は目を見開く。
「お前は魔王に触られて感じる淫乱な女だ。雌犬だ。わかったか? お前はただの女じゃない。淫乱な雌犬だ」
「違う!」
「じゃあこれはどう説明する」
魔王が俺の目の前に指を出す。透明な粘液が指と指の間で糸を引いている。
生物学的な意味でのそれは知っている。だが、俺は知らない。知りたくない!
「やめろやめろ! 嫌だ! やだ! やだぁっ!」
「女の声になってきたな」
「違う! 女じゃない!」
 たり、と涙が零れた、それを先頭にぼろぼろと零れ始める。
なんだ、これじゃ俺が女みたいじゃないか。俺は女じゃない。女じゃ、ないのに。

90 :
投げ捨て乙!
襲ってるだけなのになぜかハッピーエンドを想像した

91 :
考察を元にした本スレの雑談をネタに書いたらオリジナルみたいになった上に
エロに絡められなかったので投げ。
・彼が先代の王に飼われていた鷹だったらというもしもの話。

92 :
 遮るもののないもない空を、彼は自由に飛ぶ。
 大きな翼を広げ、悠々と風に乗りただ自由に。
 空の王者の異名を取る大きな鷹、それが彼。
 両の足首を飾る金属の輪が少し邪魔だが仕方がない。
 それは彼が王の寵愛を受ける存在の証であり、これがある限り彼が他の鳥のように人間から
捕らわれたり傷つけられりすることがないのだ。
 それに、細かい細工の金の輪やそこに嵌められた黒い石が、光をはじいて光る様は美しく、
彼はそれを気に入ってもいた。
 穏やかな風の流れに身を預けながら、彼はふと下界に目を向ける。
 街の中心に位置する王宮、その中にある噴水の中庭に出てきた人影を彼は見つけた。
 ピィーッ、と彼が高く啼くと、人影は足を止めて空を見上げる。
 竪琴を小脇に抱えた少女が彼に向かって口を動かした。
「アンク」
 遥か下界から呼びかける声も彼の耳はきちんと捉える。
 彼を見つけて嬉しそうに微笑んだその顔も。
 おいで、と手を差し伸べる彼女に向かって彼は急降下する。
 風を切り、二度三度と旋回しながら勢いをし、彼女のそばへと舞い降りるが、差し出された腕に
止まることはしない。
 彼の鋭い爪は専用の装具をつけていない人間の腕を簡単に傷つけてしまうからだ。
 彼は翼の先で彼女の頬を軽くはたくように撫でてから、水辺の大きな石縁へと降り立った。
 ゆっくりと歩いてきた彼女もまた彼と同じように石の上に腰を下ろし、身体を屈めて隣の彼に顔を近づける。
 目を閉じた彼女の頬に、彼は小さな顔をすり、とすり寄せた。
 彼らだけのいつもの挨拶、親愛の印。
「ご機嫌は如何? アンク」
 まぁまぁの意を込めて、彼はまた小さく啼いてみせる。
「そう、良かった」
 彼女はにこやかに笑い、彼の頭を白い指先でやさしく撫でた。
 美しい、傷一つない指だ。
 その身を覆うのは、派手ではないが上等な絹に細やかな金糸の刺繍が施された上品なドレスであり、
わずかに露出した喉許や指を最上級の宝石が控えめに飾る。
 彼女はこの国の王女、彼の主人である王の娘の一人だった。
 王の子供は他にも数多くいるが、他の王女は彼の獰猛さを恐れて近寄ってくることはない。
 彼女だけが父親と同じように彼の美しさに敬意を払い、賞賛の眼差しで彼を見つめる。
 だから彼も、王の他に彼女だけには好意を抱いていた。
 彼女の艶やかな長い黒髪や、白くやわらかなそうな頬、花の蜜のような甘い声、意志の強い聡明な瞳を
美しいと思っていた。
「暑くない?」
 王女が水を手に取り、彼へと差し出す。

93 :
 彼は一口だけそれを飲み、肩を持ち上げるようにして両の羽根をばさりと広げた。
 王女は今度は両手で水を救い、それを彼の頭から身体、羽根へと丁寧に流し掛ける。
 水をはじく彼の羽根の上で、それは宝石のように虹色の光を放ちながらころころと零れ落ちた。
「おまえは本当に美しいわね。もうじきおまえともお別れだと思うと、とても淋しいわ」
 王女が淋しげに微笑む。
「一緒に連れて行きたいけれど……。無理ね、お父様がお許しになる筈がないもの」
 遠い目をして彼女は俯いた。
 彼女は間もなく、他国の王族に嫁ぐことが決まっている。
 その国はとても遠く、また他国の王族に嫁いだ身では里帰りなど簡単に出来る筈もなく、
王宮を後にしたが最後、彼女がこの懐かしい故郷の地を生きて踏むことは恐らく二度とない。
 彼とこうして戯れることも――永久にない。
 彼女はそれを憂いている。
 だが彼は知っていた。
 彼女の浮かない顔の、その本当の理由を。
 彼女は竪琴を手に取り静かに弦を弾いた。
 その指先が奏でる美しく、そして悲しげな音色。
 彼は両脚を羽根の中に仕舞うようにしてゆったりと石の上に座り込み、彼女の奏でる音色に耳を傾けた。
 その音は、高い城壁に囲まれたこの王宮から、賑わう外の街にも届くだろう。
 彼女が届けたいと願う相手の耳にも届くだろう。
 竪琴をかき鳴らしながら、王女の瞳からはらはらと涙が零れ落ちる。
 彼は知っている。
 彼女には、この城の外に想う男がいるのだ。
 王宮への出入りを許された行商人のひとりである若い男。
 彼女が愛し、彼女を誰よりも愛しているその穏やかで誠実な青年はしかし、彼女を妻とするには
金も、地位も、名誉も、何もかもを持ち合わせてはいなかった。
 言葉を交わすどころか、彼女の姿を見ることさえ許されない低い身分。
 けれどほんの一瞬、偶然に目が合ったその瞬間ふたりは恋に落ちた。
 人目を忍んで逢瀬を持ちもした。
 ただの、一度だけ。
 その一夜を人生ただ一度だけの恋と胸に秘め、ふたりは互いの想いを心の奥底に封じ込めたのだ。
 彼女は彼を深く愛するが故に、青年も彼女を深く愛するが故に。
 音もなく零れ落ちる彼女の涙が、弦を爪弾く白い手にぽたぽたと落ちる。
 彼はやもたても堪らず、噛み切らぬ程度の力で彼女の手に噛みついた。
「きゃっ」
 彼女が驚き手を止める。
 彼は睨みつけるように彼女を見上げた。
 そして甲高く声を上げる。
「……アンク……。慰めてくれてるの……?」

94 :
 彼女は竪琴を置き、両手で包み込むように彼の身体に触れた。
 額を、彼の頭にそっと押し当てる。
「……ありがとう。大好きよ、アンク」
 その時、彼の中を強い感情が駆け巡った。
 もしも俺に、人の身体があれば、と。
 そうしたら、今すぐおまえをこの場所から連れ出してやるのに。
 王族も許婚もそんなものはどうでもいい。
 身分も何も知らない。
 もしも俺に人の身体があれば、決しておまえを諦めたりはしないのに。
 おまえをさらい、この守られた王宮を飛び出し、ふたりきりの場所へと何処までも行こう。
 おまえがそれを望むなら。
 そう、もしも。
 ――もしも俺に、人の身体があれば。
 目が覚めた時、そんな言葉が頭に残っていた。
 呪文のようなその言葉。
 なんだ? とアンクは訳も判らず頭を振る。
 夢を見ていたような気がするが何も思い出せない。
「あ、起きた?」
 パジャマ姿の比奈がアンクの顔を覗き込む。
「帰らなくて大丈夫? 映司くんが心配するんじゃない?」
 別れを惜しみ、少し淋しそうに笑う比奈の顔に誰かの面影が重なる。
 顔も声も思い出せない誰か、胸灼き尽くされる程に焦がれた、愛しい誰か。
 ――もしも俺に。
 焦燥感に似た激しい渇望が彼を追い立てる。
 込み上げる衝動にアンクは両腕を伸ばし、何も考えられないまま比奈を強く抱き寄せた。
「きゃっ!」
 比奈が小さく声を上げる。
 花の蜜のようなその甘い声。
 それをアンクは確かに知っていた。
「ど、どうしたの? 寝ぼけてる?」
「……ひ、な」
 息を乱し、アンクは搾り出すように比奈を呼ぶ。
「……もしも」
「……アンク?」
「もしも俺に」
 人の身体があれば。
 グリードでなく、人の身体があれば。
 けれど彼はその先を言葉にすることが出来なかった。
 人の身体を得て、その先に何を望んだのかが思い出せない。
 そして、それはどうしようもなく叶わぬ願いであることを、かつての自分が知っていた。 

95 :
以上、なむなむ。

96 :
>>92
乙&ナイス投げ!!!!!
久々にこのスレ覗いたけど、いいもの読ませてもらった!
本編の鷹(腕)の状態があれだけに、目からメダルが大量に落ちてきたよ
感謝の意をこめて合掌 (-人-)ナムナム

97 :
>>98
ナイス投げ!!
と、言うかGJじゃないか!
良いものを読ませてもらった。ありがとう!

98 :
mhp3の二次小説 主人公が頭を怪我して第6感が冴え、霊媒体質にもなり
それにまつわるエロ話を書きたかったんだけども
書く意欲がこの暑さでやられ中途半端投げ

静かな渓流の夜
普段であれば、さらさらと流れる清流の音
月の光が反射する川面が何とも言えず美しく幻想的な雰囲気の場所であるが
今夜ばかりはいつもの雰囲気とは一変していた。
「グアァァァ〜〜」
リオレウス希少種が、凄まじい地響きをたてて倒れた。
そのモンスターと対峙してた人物が、苦しげな息をしながら地面に片膝をついて座っている。
ジンオウガS一式を纏った肌は赤銅色。俊敏で鞭のようにしなやかな体つき。
その目の前のリオレウス稀少種の体色と同じ銀色の髪。冷たく冴え冴えとした薄氷色の瞳。
キツイ印象を与える美貌。
全体的には南方系と北方系の特色をブレンドしたような風貌。
凛とした佇まいが似合う彼女が、今は傷つきボロボロで、いかに今回の狩猟が激戦であったか
その様子が物語っている。
最近、シルバーソル一式を作る為、リオレウス稀少種を狩り続けていたが
今日のリオレウス稀少種は大きな古傷がある今までで一番大きなリオレウスであった。
しかも、彼女を見かけるなり、狂ったように攻撃してきた。
何かの仇であるように、しぶとく攻撃を繰り返す。
狂ったような瞳の光、凄まじい怒りの咆哮。今まで対峙してきたリオレウス稀少種とは圧倒的に何かが違った。
しかし、彼女がかろうじて勝利した。
「ふふっこれが揃えば、シルバーソル一式が完成だけど…痛ッ!」
彼女も今回の凄まじい戦闘で傷だらけ、利き手の腱を痛めたのか腕が上がらない
自分のオトモも傷が酷く、土の中で回復を図っている状況だ。
今回は本当にんでもおかしくないほどやられた
「さて、ネコタクが来る前に剥ぎ取りしないと。」
彼女はその欲しかった素材を剥ぎ取ろうとし、近寄ったその瞬間
「ガハッ!」
その時、んだとばかり思っていたリオレウス稀少種の尻尾が信じられない勢いで、彼女の身体を跳ね飛ばした。
その後力尽きたのか、再びリオレウス稀少種は倒れた
彼女は跳ね飛ばされ滝壷へ落ちる寸前
飛び出している岩に手を掛け、自分の身体を支えようとしたが戦闘で腕の腱を痛めてしまい
又リオレウス稀少種に尻尾でぶっ飛ばされた時に肋骨まで何本か折られたらしく
自分の身体を支えきれず、滝壷へ落ちていった。
「このままぬのかな。」とぼんやりと考えながら意識は暗転していった。

99 :
以上ですナムナム

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