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2013年01月エロパロ549: アンパンマンでエロパロ (236)
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アンパンマンでエロパロ
- 1 :2009/09/04 〜 最終レス :2013/01/05
- かつぶしまん×てっかのまきちゃんで頼む
- 2 :
- DQNちゃん「プゲラwwwww」
- 3 :
- また立ったかw
- 4 :
- メロンパンナ×バイキンマンなんかいいよ!
- 5 :
- ネタスレにしか見えないのは俺が健全な証拠か
- 6 :
- >>4
ぶっちゃけ、俺も見たい
- 7 :
- >>5
いや、俺もお前さんも修行が足りないんだと思う
- 8 :
- 一番可愛いのはドキンちゃん
- 9 :
- 黒バラ女王
- 10 :
- メロンパンナちゃんはサキュバスなんだ
メロメロパンチがその証拠
- 11 :
- どきんちゃんの触覚可愛い
- 12 :
- ドキンちゃんは食パンマンでオナしてそう
- 13 :
- 指あるっけ
- 14 :
- ロールパンナちゃんは俺の嫁
- 15 :
- >>14
___
n: / R /\
|| / /\ \
f「| |^ト | / /=ヽ \ |
|: :: ! } |/ (゚) (゚) \|
ヽ ,イ \── ゝ── ノ
\____/
- 16 :
- 頼む。ドキンちゃんが食パンマン様の目の前でカバ夫に処女喪失+中だし食らうやつ。
頼む。
- 17 :
- 俺が…書くしか…ないのか…
- 18 :
- そうだな
- 19 :
- 板チだけど…
. ∩_∩
ウサ子より / \ /\
____ よく締まるなぁ | (゚)=(゚) |
. / \|. ._.._ | ●_● |
( | _,..(::::::) んん? / ヽ
\ /=ヽ | ____,;-'”´;.''"’ | 〃 ------ ヾ | ブォンブォン
. | (゚) (゚) |.. .::-'''"::::::::::: `''-く,, \__二__ノ
| ○ | |○ | /:::::::::::::::::::_;::::::::::、:::::`i;, . /´ ヽ
|. 凵 ..│ /:::::::::::::::::::::/ ::::::::'i, _,..-ー- 、-ー …ー- 、 /
| A .| . /. ヽ:::::::::::/ i::::::::::'i ノ _ _ ,.ヽー'´ / |
|____∪___| /:: ヽ::::/ |::::::::::| / _,.、‐'´ _/ |
/ ̄ ̄ | : ::::::::::| |:: V / ノ:::::::::::|_,_,_,_,、‐' `ー''フ /i |
/ i `ー-(二つ 'i:::> ○ ≠─― く:::::::::::.ノ /.,イ , / l |
{ ミi (二⊃ 'i:i. -─‐ァ 'i::::::ノ ./.ノノ.ノi j' |. |ヽ
l ミii ト、二) \ / xx ノ:::/ r'_,、‐'´イ_r ''´ |. |ヽ.ヽ
| ミソ :..`ト-' \ xxx o // ノ¨´ .| |. | ヽ.ヽ
| ミ{ :.:.:..:| `:.ーr:'―-―*イ たすけて食パンマンさん!
- 20 :
- >>19
食パンマンの顔w
>>17さん頑張って!
- 21 :
- ばいきんまん×しらたまさん書いたよ。いやな人はレス3つぶんスルーしてね!
「おーい、ばいきんまーん!」
ばいきんまんを呼ぶ声が森の中にひびきわたった。
「ゲゲ! あの声はしらたまさん!」
ばいきんまんはUFOをUターンさせてバイキン城へ引きかえすことにした。
ドキンちゃんにおいしいデザートを持ってくるように言われていたのだが、仕方がない。
「おかしいな、ばいきんまんがここにいるような気がしたんだが」
しらたまさんは辺りをきょろきょろと見回した。
「せっかくお芝居の稽古に付き合ってもらおうと思ったのに……」
しらたまさんは、ばいきんまんはいつも悪者の演技をしているのだと思いこんでいる。
ばいきんまんは、そんなしらたまさんを苦手に感じているのだ。
「んん? クンクン……」
バイキン城へもどる途中、ばいきんまんはおいしそうなくだものの匂いをかいだ。
「しめた! これでドキンちゃんにデザートを持って帰れるぞ!」
ばいきんまんはUFOから降りて、匂いのする方へ向かった。
「むっ。これはフルーツ白玉!」
フルーツ白玉は、しらたまさんのとくい料理だ。
「ということは、もしかして近くに……」
「白、それは白玉の色♪」
しらたまさんが歌いながらさっそうと現れた。
「おお!ばいきんまん! こんなところで会うとはなんて運がいいんだ!」
しらたまさんは感激してばいきんまんの手をとった。
「うへぇ……」
ばいきんまんはこっそりため息をついた。その様子をまったく気にせず、しらたまさんは
真剣な顔つきでばいきんまんを見つめた。
「実は、今度のお芝居で、わたしは悪者に犯される騎士の役をやることになったのだ。
しかし、犯される演技というのがどうしてもうまくいかない。そこで、ばいきんまん!
きみにわたしを襲ってもらいたいんだ!」
「な、なにぃ〜!?」
ばいきんまんは青い舌をまいてびっくり仰天した。
「そんなこと、出来るかー!」
ばいきんまんはしらたまさんの手をふりほどき、逃げだした。
「ああ! 待ちたまえ!」
しらたまさんはばいきんまんを追いかけた。
「なぜばいきんまんは逃げるのだろう……。ああ、そうか! 襲われそうになったら、
まず相手から逃げる演技をするのだと、そう身をもって教えてくれようとしているのだな!
すばらしい!!」
勘違いしたしらたまさんは、さらにスピードを上げてばいきんまんを追った。
- 22 :
- 「ハァ、ハァ……。おれさま、もうヘトヘト……」
走りつかれたばいきんまんはその場に座りこんでしまった。とたん、肩をぐっとつかまれた。
「!?」
おそるおそるふり返ると、そこにはしらたまさんがいた。
「やっとつかまえたぞ! さあ、わたしを犯してもらおうか!」
「イヤだー! 離せ!」
ばいきんまんは必にもがいた。
「なるほど、こうやって抵抗の演技をするのだな……。ああっ」
暴れるばいきんまんの手がひっかかり、しらたまさんのスーツがはだけてしまった。
二つの白玉のような胸がこぼれる。
「ひゃあ!」
しらたまさんはあわてて胸を隠した。
「おお!?」
ばいきんまんの目が、しらたまさんの胸にクギ付けになる。
「あ、あまり見ないでくれ!」
いつになく恥らうしらたまさんの頬は、走ってきたせいかほのかに上気していた。
「ふむ……ウシシシシ」
しらたまさんの様子にいたずら心を刺激されたばいきんまんは、しらたまさんの胸を
わしづかみにした。
「ふあ!や、やめ……、いや、もっとしてくれ……! はぁ、はぁはぁ……」
「そうか、ヒャハハハハ! この!このこのこの!」
ばいきんまんは乱暴にしらたまさんの胸をこねくり回した。
「あぁっ、ばいきんまん! んんっ……」
しらたまさんは演技では出せないような、色つやのある声を出し始めた。
「おお、これは……」
ばいきんまんの陰茎がむくむくと立ち上がった。
「ばいきんまん、それを……い、挿れてくれ……」
「フッフーン、どうしようかなー?」
「頼む……っ」
哀願するしらたまさんの瞳はすっかりうるんでいた。
「……じゃあ、お望みどおり、ぶちこんでやるー!」
「ああああーッ!」
蜜のあふれ出すしらたまさんの秘所に、ばいきんまんの陰茎が突きささった。
「あっ、ああっ、ばいきんまん……!」
「くっ……そーれそれ、イってしまえー!」
「あ、ああああ! すご、い……、うああああああ!!」
ひときわ大きな声をあげて、しらたまさんは絶頂をむかえた。ばいきんまんの毒液が
しらたまさんの中に大量にそそぎこまれた。
- 23 :
- 「何をしているんだ、ばいきんまん!」
そこへ二人を見つけたアンパンマンが飛んできた。
「げぇっ、おじゃま虫!」
ばいきんまんはあわてて逃げだした。
「バイバイキーン!」
アンパンマンはしらたまさんの元に降りたった。
「大丈夫ですか、しらたまさん!」
「はぁ、はぁ……、大丈夫だ、ばいきんまんにお芝居の稽古をつけてもらっていたんだ……」
「そ、そうなんですか……」
アンパンマンは首をかしげながらも、その言葉に納得することにした。
「そう……、今のはお芝居だったんだ」
しらたまさんはうつむいて、ひそかにばいきんまんのことを考えた。
(ばいきんまん、今回もきみの演技はすばらしかった。しかし、だからこそわたしは、
本気できみのことを想ってしまいそうだよ……)と。
(おわり)
- 24 :
- キターーッ最高や!GJですありがとう!
ちょっと切ないような?終わりがまた良い!
- 25 :
- おまえらのような変態ばかりなら日本も安泰だな
娘と一緒にアンパンマンを見ては、ドキンちゃんを犯す妄想を繰り返している
- 26 :
- GOODJOB!
- 27 :
- 「やめなさあーい。助けてえ!」
どこまでも続く画一的な森で、どこか間延びした甲高い声が響き渡る。
声の主は街の小学校教員のうさみだった。
突然UFOのようなものが追いかけてきたのだ。逃げ続けるうさみの久しぶりの全力疾走が長くは続かなかった。
少し開けた場所で大きな木を見つけ、やっとの思いで身体を隠す。
(呼吸を整えて…縁付眼鏡のズレを治して…深呼吸…深呼吸…)
うさみは森に響く様に、相手に届く様に叫んだ。
「こんなイタズラはやめなさあい!」
まるで子供を叱るように凜とした表情で睨みつけたうさみだったが
身体を木に隠しただけで何となしに安心し始めていた自身の置かれている状況を次第に理解し始めたのか、
細めの地味な淡い水色のスーツを抱き締めるように、その細く長身な身体を守るように、震えだした。
「ハッヒフッヘホ-!カッコつけたって俺様やめないもんねェ!!」
UFOの様な乗り物から降りた軽い口調のダミ声の持ち主は異形と形容するに十分だった。
漆黒の身体、顔の半分以上ある大きな口と鋭い歯。
背中には蟲を思わせる羽、
そして頭頂部に生える二本の生殖器。
その姿を改めて正面から直視したうさみは声をだせない。先ほどからの震えがピタリと止んだ替わりに呼吸の仕方が分からなくなっていたからだ。
(だめ…怖くて声がでない…)
「こんな人気のないところを1人で歩いているのが悪いのだー」
目玉の黒目の形がニヤリと変化する。
「ドキンちゃんにスイーツを持って行く俺様の為にご褒美をよこすのだ!」
「ご褒美とは言っても、お前も気持ち良いから安心しろお!ハッヒフッヘホ-!」
(そ…そんな…)
「何も言わないって事は、良いって事かな?やあっと俺様の魅力に時代が追い付いたな!ナハハハ!」
その大きな口が開いた瞬間、紫色の長い舌がうさみを巻き取る様に捕らえた。
べちゃっとした生暖かい感触がスーツ越しに伝わってくる。
身体から血の気が引いていき、今から我が身に起こる事は恐怖で全く想像ができなかった。
現実離れした恐怖と不快感の中で、1mほど浮いたままのうさみは
二本の生殖器がてらてらと鈍く光る液体を滴らせていたのを見た。
「…ヒッ…!」
ポタ ポタタタタタ ボタボタボタボタァ
(…もう嫌…もう嫌あ…)
うさみは羞恥を感じることもできず、青い顔で激しく失禁してしまった。
「オエ!ぺっぺっ!急に何するんだあ!」
(…怖いけど…今しかない!)
「…たっ、助けてえ!!アンパンマーン!!」
※オープニングテーマ流れる
続く
- 28 :
- http://pksp.jp/kuuren/novel.cgi
- 29 :
- なぁに?
- 30 :
- >>27
期待
- 31 :
- 過去スレあったみたいだね
【アンパーンチィ】●アンパンマン●【バイバイキーン】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1076472184/
【バタコも】●アンパンマン●【ドキンも】2食目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1155310849/
- 32 :
- 早く続きを書きやがれ!
どうなってもしらんぞ!
- 33 :
- いい感じ
- 34 :
- ねね
男の子「セックスしたいよ〜〜」
お満子ちゃん「じゃあわたしのおまんこ使いなよ!」
って感じのアニメってない?
- 35 :
- 知らね
- 36 :
- 保守
ホラーマン×ドキンちゃん
- 37 :
- マン・・・・
- 38 :
- >>31
過去スレにあった鬼畜食パンマンがドキンちゃんをソフトに調教していくシリーズは秀逸。
- 39 :
- >>38
食パンマンがかなり黒いヤツなw
あのシリーズまた見たい
- 40 :
- >>28
見れなくなってる……
- 41 :
- 食パンは多分S
- 42 :
- 職人さん切実に待ち中保守
- 43 :
- 保守がわりに一個落としていきます。
しょくぱんまん×ドキンちゃんで、先日放送のドキドキクレヨン姫の話の
続きのつもりで書きました。
かつぶしまんとマキちゃんじゃなくてごめんなさい。
もしも放送してない地域の人がいたら、さらにごめんなさい。
- 44 :
- 色とりどりの風船に吊り上げられて、しょくぱんまん号は大空の下をただよっていた。
(どこに隠れているのかな。この辺だと思うのだけれど)
運転席の窓から地上を見下ろしていた瞳が、助手席へと向けられた。
座席の上には、細身の赤いハイヒールがひと揃い転がっている。
車の天井にくくりつけられた数多くの風船も、この靴も、
元はといえばクレヨンで描かれたものにすぎない。
それがこうして実体をともなって存在しているというのは、
幾度体験しても不思議なものだが、虚構なのか現実なのか――
心許なささえ覚える曖昧さが、今の自分にはとても気軽で心地が良い。
空にはイワシ雲が広がり、時折吹き抜ける乾いた風とあいまって、
辺りはすっかり秋の風情だ。
日も短くなった。
先ほどクレヨン王国を後にしてからまだいくらもたっていないというのに、
西の空は赤みを増し、太陽がその身を重そうに山並へ飲み込ませようとしている。
探し物は日の暮れる前に済ませておきたかったが、さして気の急くこともなかった。
まるでシンデレラさながらに、しょくぱんまんの元に靴を残して逃げ去った少女は、
いつも決まって見晴らしの良い場所で道草をくっているのだ。
やがて、さまよっていた視線が地上の一点で定まると、しょくぱんまんの口元がふっと緩んだ。
(ほらね、もう見つかった)
かくれんぼはおしまいだ。
まだ明るさを保っている湖のほとりに、やけに目を引く赤い機体が鎮座している。
風船は、役目を終えて一本ずつ空へと解き放たれた。
音もなく、しょくぱんまん号が徐々に高度を落としていく。
湖の淵にしゃがみこみ、一心に湖面を見つめる少女の背後にワゴン車の四角い影が
大きさを増していき――数秒後、大きな音を響かせ、墜落した。
飛び上がって振り向いた少女の眼前に、降って湧いたしょくぱんまん号が
草地にタイヤをめり込ませていた。
したたかに腰を打った。
罵り言葉を短くこぼし、しょくぱんまんはドアを開けてよろめき出た。
目を見張り立ちすくむ少女と視線が交わる。
「残念。着地は失敗」
おどけた様子で肩をすくめると、少女は息をのんで駆け寄ってきた。
- 45 :
- 「お怪我は……?」
「大丈夫」
しょくぱんまんの二歩手前で立ち止まった少女の顔が青い。
「ごめんね、驚かせちゃったみたいだ」
こわばっていた少女の肩からわずかに力が抜け、彼女は首を振った。
「しょくぱんまんさまったら、突然現れるんですもの。びっくりしちゃった」
「本当はもっとスマートにお迎えにあがりたかったのだけれどね」
「迎え?」
小首を傾げる少女の、赤い髪が揺れた。
「そう。ドキンちゃん、靴を忘れていったでしょう。――知ってた?
靴を残された人間はね、何としてもその持ち主を探し当てて正体を見抜かなくてはならないんだ」
徐々に色濃く染まる夕景に彩られて、彼女は息をのんだ。
「しょくぱんまんさま、クレヨン姫があたしだってわかったの?」
「もちろん」
日中触れた、クレヨン製のドレスの感触が指先に蘇る。
「一緒に踊ったでしょう。君に触れて、僕が気がつかないとでも思ったの?」
しょくぱんまんは一歩だけ距離を詰め、ドキンの髪に顔を寄せた。
「それにほら、先ほどのお姫様と同じ匂いがする」
微かな桃の香りが鼻孔をくすぐる。
顔を離すと、彼女の頬まで桃色に染まっているのに気がついた。
「そ、それで、わざわざ靴を届けに来てくれたの?」
見ると、一部布地の裂けたワンピースの裾から、小さな素足が覗いていた。
「裸足じゃないか」
考えてみれば、当然のことかもしれなかった。
しょくぱんまんは有無を言わせずドキンを担ぎ上げると、開け放しになっていた
車の運転席に腰かけさせた。
身を乗り出して靴を手に取り、何をか動揺している彼女と向き合った。
「靴、履かせるよ。足を出して」
「いえあの、自分でできます」
慌てる少女の抗議の声は受け流し、しょくぱんまんは膝をつくとドキンのかかとを手に取った」
はっとするほど凍えている。
- 46 :
- 「こんなに冷えて、風邪をひいたら困るじゃないか。どうしてまっすぐ家に戻らなかったの」
「えっ、あの……ええとそれは」
「もしかして、僕に会えやしないかと期待してた?」
冗談めかしてそう言いつつ、靴を片方ずつ手早く履かせる。
「いえ、そうじゃなくて」
うつむくドキンの視線が泳ぐ。
「あたし、余韻にひたりたくて。だって今日、とても素敵な一日だったから、
家に帰って終わりにしたくなかったの」
「余韻?」
「ええ。しょくぱんまんさまと踊れたのだもの。あたし嬉しくて」
「ふうん、たったあれだけのダンスで満足できるの?ずいぶんと慎ましやかなんだね」
少しすねたようにドキンが唇を尖らせた。
「しょくぱんまんさまにはわからないわ」
そうとも、わかるはずもない。
いつだって、彼女の言動は謎に包まれている。
そもそも、余韻にひたっていて一体何が楽しいというのか。
「僕なら余韻にひたるより、もっといいものに溺れたいね。君もそうしたら?」
「え……」
言いざまに上体を伸ばし、唇を奪った。
ああほら、血色の良い顔も、その実ひんやり冷えている。
だが柔らかく息づく唇は温かく、指先を滑らせた先にある首筋は異常なまでに熱を秘めていた。
驚きにこわばっていた背中をトントンと叩いてやると、
何の抵抗もなく少女はしょくぱんまんを受け入れた。
舌先が伸びて吐息がからまる。
「っん……」
微かに漏れた少女の呻きに、身体中を巡る飢えを実感させられた。
少女の口内は潤いに満ちているのに、いくらすすっても喉の渇きが癒されない。
軽く舌に噛みついた。
腕の中で、ドキンの身体がふるっと震える。
(――まだだ。全然足りない)
彼女の何がそれほど自分を煽るのか。
気づけば、息をつく間も許さないほど夢中になって貪っていた。
苦しそうに、ドキンの拳が胸を叩く。
仕様がなしに解放してやると、大きく胸を上下させ、切なげな眼差しを向けてくる。
思わず顔がほころんだ。――にやけていると言った方が正しいだろうか。
「僕は、君のそういう顔が好きだ」
物欲しげで、自らの欲求に正直で。
「素敵だね。もっと見せてごらん」
当然――ドキンはこくりと頷いた。
- 47 :
- 夕暮れ時の風が冷たくて、しょくぱんまんはドキンと共に
しょくぱんまん号に乗り込んだ。
「もう秋というより初冬だね」
外気に晒されていた両耳が冷たく痺れている一方で、
全身には熱い血が巡っているのを感じる。
「寒いでしょう。どこか暖かい場所に移動しようか」
車内暖房のスイッチを入れ、助手席でへたりこむドキンに伺いをたてる。
なるべく愛想の良い笑顔に見えるように表情を取り繕ってはみたものの、
彼女がNOと答えるだろうというのは予想の内だ。
案の定、ドキンはかぶりを振ってしょくぱんまんを見据えた。
「あたし……このまま一緒にここにいたい」
濡れて光る唇が、薄く開いたまま震えている。
もう一度そこに深く口づけたい衝動をねじ伏せて、首を傾げた。
「いいけど、一度ちゃんと温まった方がいいんじゃないの」
「しょくぱんまんさまがいてくれたら、寒くないもの」
「そうかなあ」
手だけを伸ばし、少女のこめかみからおとがいまでをそっとなぞる。
柔らかな頬も、小さく尖った顎先も、滑らかで無抵抗だ。
「上着も着ないで外にいたりするから。こんなに冷たい」
ドキンの手が、きゅっとしょくぱんまんの袖口を引いた」
「だったら……お願い。しょくぱんまんさまが温めて」
訴えるような切実な眼差しに、自尊心が満たされる。
(そうこなくっちゃ、お互いに困るよね)
身を乗り出し、前髪をかき上げて、額に優しく口づけた。
「僕が欲しいの?今ここで?」
「うん。すごく欲しい」
どこか幼さの残る緑の瞳が、熱にうかされたかのように潤んでけぶる。
この瞳がいつも自分だけを映していればいいと、強く願う。
(でも)
「んー、そうだね。だったら、何か僕を喜ばせるようなことを言ってみてよ」
「喜ばせること?」
「そう。僕がその気になるような、いやらしいことを言ってごらん」
- 48 :
- ドキンが困惑をあらわに、頬を朱に染める。
「ええと、あのう」
「うん?どんな言葉が頭をよぎった?」
「んんん……」
顔を覗き込むと、ぎゅっと目を閉じ、うつむいてしまう。
「困った子だね。言えないの?」
「だって」
「じゃあさ、今、どんな気持ち?」
「しょくぱんまんさまの意地悪」
ためらいのないドキンの口調に、つい吹き出した。
くすくす笑うしょくぱんまんに、ドキンが言いつのる。
「あたしが我慢できないの知ってて焦らすんだもの。ひどいよ」
「我慢できないの?」
「できるわけ、ないじゃない。こんなに近くにいて、触ったら熱いって知っているのに」
(……そうかもしれないね)
右の手の平で、頭をまあるく撫でてみた。
赤く流れる髪の間に、白い耳が形を覗かせている。
指を止めてつまんでみると、むにっと伸びた耳たぶが、ほんのり色づいていることに気づく。
指で複雑な耳の形状をなぞる。
感触を確かめたくて揉みしだく度、冷たかった肌に体温が戻る。
「……好きなの」
ささやくようにドキンが告げた。
「知ってる」
それで?と促すように視線を向ける。
「耳だけじゃ嫌。もっと全部触って」
「いいよ」
頭から首、肩へ――確かめるように、身体の輪郭を手で辿る。
「触るだけでも嫌。たくさん舐めて」
「わかった」
「それから――」
「うん」
「あたしを丸ごと飲み込んで。満たして欲しいの」
僕を飲み込むのは君の方だろうと、胸の内でつぶやいた。
ドキンの両手がしょくぱんまんの頭をかき抱き、請われるままに口づけた。
- 49 :
- 一度たがが外れると止まらなかった。
彼女の望むままに、背中に手を回し、ワンピースのファスナーを腰まで下ろす。
唇は重ねたまま、髪に指を絡めると、少女の素肌も髪も、
非常にさらさらとした心地よさを伝えてくる。
絡めた舌をきつく吸う度、少しずつ息があがる。
ドキンの手が緩んだのを機に、しょくぱんまんは唇を離し、
顎の輪郭をなぞるように下から上へと舐めあげた。
白い首筋にかかる赤毛を払いのけると、無防備な喉元があらわになり、
じわりと食欲が刺激される。
喉が鳴った。
大きく口を開けてかぶりつく。
歯と舌で溢れる唾液をなすりつけ、同時にワンピースをウエストまで脱がす。
細くて丸っこい肩は硬くてひんやりしているのに、
そのすぐ下の二の腕は柔らかくて熱い。
喉にくまなく大きく舌をこすりつける度、ドキンの手がぎゅっと
しょくぱんまんの肩をつかむ。
その仕草がかわいくて、唇をすぼめ、首筋を幾度もついばんだ。
こらえきれずにこぼれる吐息が耳をくすぐる。
頭をもたげて見つめあい、全身でのしかかってきつく抱いた。
幸福をかみしめるかのような、甘い声が漏れた。
身を寄せた時にだけ気づく、桃の匂いがたちこめる。
耳にも、髪にも、こめかみにも唇を落として、身体を離した。
「ちょっとごめんね」
シートのリクライニングを半分倒し、残りの服も剥ぎ取った。
淡い紫のブラのホックをはずす。
花の刺繍がしてあって、かわいいけれど色気はない。
どこまで脱がすか一瞬悩んだけれど、結局裸体が見たくなり、
ショーツにも靴にもご退場願った。
- 50 :
- 「寒い?」
「ううん、大丈夫」
「手を、上げてくれる?」
「手?」
とまどうドキンの手首をとり、頭のさらに上へと導く。
「両手をここ。肘を曲げてね」
そうしてドキンのワンピースからウエストマークのリボンを抜き取ると、
両の手首と座席のヘッドレストとをリボンで結んで固定した。
わずかにドキンが身じろぎをする。
「ほら、よく似合う」
嘘じゃなかった。
夕焼けの空の色がいつしか車内をも満たし、ドキンの全身を
ほのかに赤く染めあげている。
滑らかな素肌が複雑な色を帯びて、まるで一個の贈り物のように、腕の中にある。
「ドキンちゃん、縛られるの好きでしょう」
ドキンが言葉につまった様子で見上げてくる。
「だってすごく嬉しそうだよ。肌が震えて――瞳も濡れてる」
真夏の海の色の瞳が、羞恥と期待の色を濃く宿す。
「自由を奪われるのがいいの?わくわくする?」
「ん……ムズムズする」
「どこが?」
「お腹が」
「お腹ね」
身をかがめて、おへその周りをぐるりと舐める。
身体をさすりながら、訊いてみた。
「やっぱり縛られてるときはいたぶられたいもの?僕はいじめたくなるな。
無理矢理してもいい?それとも――優しくされたいのかな」
「あたし……」
ドキンの瞳が泣きそうに歪められる。
薄い乳房に指を這わせた。
焼きたての食パンと同じ触感。ふくよかで魅惑的な。
彼女はか細い声でとつとつと答えた。
- 51 :
- 「あたし、しょくぱんまんさまといるとおかしいの。頭も身体も溶けて、
あなたが欲しくてたまらなくなる。声も身体も体温も全部欲しい。
だからお願い――あふれるくらいいっぱいにして」
しょくぱんまんがにっと笑った。
「いい答えだ」
しょくぱんまんはドキンの両膝を持ち上げて立たせると、
脚の間に頭を寄せて、内腿に舌を這わせた。
膝をさすりながら、唇で筋肉をなぞり、キスをして何度も辿る。
桃の香りに混じって、奥深さを秘めた蜜の香りが鼻をくすぐる。
片手を伸ばして脇腹をくすぐり、爪を立てると、組み敷いた身体がぴくんと跳ねる。
――車内の湿度が急激に増した。
ついに陽も落ちたのか、ぐっと薄闇が忍び寄ってきていた。
少女の身体から切なげな息が漏れる。
腿の内側を執拗にねぶり、見た目よりも豊かに実る尻肉を揉みしだく。
つるんとしていた肌が変質し、汗ばんで湿り気を帯び、物欲しそうにしきりとうごめく。
脚の付け根に歯を立てた。
「んんっ」
高い声が響き、荒い息づかいがそれに続く。
膝が頭部を締め付ける。
太腿をわしづかみ、強く吸った。
ひときわ大きな声を共に、腿がひくひく痙攣を起こした。
見ると、ひくついているのは脚ばかりではないようだ。
目と鼻の先に迫った花芯は潤いに満ち、欲求もあらわに花開いている。
そっと鼻先でかすめてみると、もはや快感を隠そうともしなくなったドキンが
身をよじって声をあげた。
「あ、ん、そこ、すごく熱い」
赤く熟れた果実のようだ。
実を割って喰らいつくしたい気持ちがぐっと高まる。
欲望がたぎり、苦笑にも似た笑みが浮かぶ。
「そんなに慌てないでよ。じっくり味わいたいんだ」
- 52 :
- 淡い茂みをかきわけ、優しく指でなぞる。
その表面がはじけそうに重たくぬめる。
触覚にも聴覚にも、彼女が息をのむのが伝わってくる。
左右の肉を指で寄せ、互いをこすりつけるように揉んでやると、
少女は耳に心地よい悲鳴をあげた。
指でつまんで裂け目をなぞり、小豆のように膨らんだ突起を
かすめるようにくるりとなでる。
彼女の歓喜が肌に伝わる。
同時に、ひどく焦れているのも容易に見てとれる。
より強い刺激を求めて、こんなに涙を流している。
かわいそうに、さぞかし慰めてほしいのだろう。
やわやわと指の腹で押しつぶし、息を吹きかけることで、彼女の限界を探る。
「すごいね、もうこんなにして。まだろくに触れてもいないっていうのに。
君はよくよく淫らだねえ」
ドキンは鼻をすすり上げ、低くうめいた。
「いじわるはやめて。だめ、待てないの」
「女の子は天邪鬼だよね。どう見ても君、もっといじめてほしそうに見えるよ」
顔を上げて覗き込むと、ドキンは目に涙を浮かべて弱々しくかぶりを振った。
「焦らさないで。お願い、あたし耐えられない……」
眉根を寄せてすがりつく表情に、どうにも心を揺さぶられる。
思った通り――自分を飲み込もうとしてるのは彼女の方だった。
魅せられて、抗えない。
しょくぱんまんは少女の身体の中心に尖らせた舌を挿し込み、肉の狭間でうねらせた。
「ふぅ……んん」
声も身体も甘くとろける。
「もっと、奥までいっぱい欲しいの」
しょくぱんまんの喉からくぐもった笑い声が漏れる。
「じゃあ、素直にねだった子にはごほうびをあげようか」
先端を舌でなぶりながら、貪欲な花の実に指をなかほどまで突き入れた。
よほど飢えていたのだろう。両壁が迫り、きつく自身を圧迫する。
差し入れしつつ、ぐにぐにと動かしてやる度に、喘ぎ声が差し迫った響きを帯びる。
「奥まで欲しいって言ったのに……やだ、足りないよ。もっと……んっ」
「簡単に満たされたらつまらないでしょう」
「いや……いや、いじわる」
しょくぱんまんは面を上げてくっくっと笑った。
「そうやって懇願する姿がかわいいのがいけないんだよ。
それに君は……なぶられるのも好きでしょう」
- 53 :
- 指にからみつく腰が大きくうねった。どくんと蜜が溢れだす。
「あ……助けて」
「名前を呼んでごらん」
「お願い、許して。助けて――しょくぱんまんさま」
「君の頼みなら、もちろんいいよ」
言うが早いか、二本の指を根元まで一気に突き刺す。
「ああああ……ぁっ」
ドキンの喉が喜びに震えた。
水音が溢れ、少女の身体が波打った。
よがる彼女に、ついからかいの言葉をかける。
「ねえ、君だけそんなに気持ちよくて、ずるいんじゃないの」
「あん、すごくいい……けど」
「けど?」
「やっぱり指だけじゃ足りない。しょくぱんまんさまのが欲しいよ」
「もうちょっとしたらあげるよ」
「だめ。今すぐ欲しいの」
ドキンが口早にせがんだ。
「どうしても?」
ドキンがこくりと頷いた。
「どうしても……すごく欲しい」
かすれた声に、背中を突き動かされた。
「困った子だね。本当にせっかちなんだから」
しょくぱんまんはため息をつくと、指を引き抜き、息をつめてベルトをはずした。
くつろげた衣服の裾から、熱くたぎるあからさまな意志が頭をもたげた。
はちきれそうにひくついているのは――言ってしまえばどちらもいい勝負だ。
「もう少し脚を上げてね」
苦しげに息をつく少女の脚を持ち上げて、身を乗り出すと――
しょくぱんまんは今度ばかりは焦らすのも忘れて、その身に身体を沈めていった。
- 54 :
- 一瞬、官能が互いに共通の幻を見せた気がした。
身を焦がす波に襲われ、たまらずきつく目を閉じた。
「っ――」
喉を鳴らして目を開けると、とろけそうな眼差しで静かに微笑む彼女が見えた。
うわごとのように自分の名前を呼んでいる。
負けたくない。――そう思った。
「大好き……好きなの」
「そうみたいだね。ねえでもこれ、もう少し緩められない?締め付けすぎだよ」
「うぅっん、無理。止まらないの」
どれほど求め、求められているのかは、言葉にするまでもなかった。
しょくぱんまんはドキンの膝を抱えたまま、彼女の上にぴったりとかぶさった。
互いの鼓動をリアルに感じる。
愛の言葉は欲しくなかった。
ただ腕の中に彼女がいればいい。
流れる汗が混じりあい、重ねた唇から焼け付く本能が絡み合う。
互いに満たされる瞬間を待っている。
ドキンが喉をそらせて大きくあえいだ。
「いい顔だ」
「しょくぱんまん――さま」
エネルギーの塊が背中を突き上げる。
腕の中で、彼女は恍惚の表情を浮かべた。
幾度でも、繰り返し見たい表情だった。
- 55 :
- 重なった身体の下で、熱は静まり、徐々に呼吸が整っていった。
狭い車内で無理をしたから、節々が微妙に痛い。
頬を寄せる少女は穏やかな顔で目を閉じ、その胸は緩やかに上下している。
事後の余韻も濃密な車内で、しょくぱんまんはそうっと身体を起こした。
はっとドキンが目を開く。
衣服を正して微笑みかけると、安堵した様子で身体から力が抜けた。
「寝ちゃうところだったみたい」
恥ずかしそうにそうつぶやく。
「眠ってもいいけれど、その前にこれを解こうか」
シートにくくりつけられたままの戒めをようやくほどく。
力なく垂れた手首に色濃く残る跡を見て、胸の内に微かな罪悪感が芽生えた。
(……やりすぎたかな)
そんな気持ちをごまかしたくて、腕をなでさすり、手首をぺろりと舐めてみた。
「痛む?跡になってる。もっと早くほどいてあげればよかったね」
しかしドキンは頓着しない様子で首を振り、
「少し痺れてるけど大丈夫」
と、はにかむような笑顔を見せる。
「もう、まっくらなのね」
彼女の視線を追って、窓の外に目を向ける。
すっかり曇ったガラス越しでも、既にとっぷりと日の暮れているのがわかる。
「これからどうする?お腹がすかない?」
ドキンの腕が伸び、彼女の衣服をつかむと、恥ずかしそうにその身を隠した。
「ええ。本当をいうと、もうぺこぺこなの」
「身体がつらくなかったら、何か食べに行こうか」
何気ない気持ちでそう告げると、ドキンはぱっと上体を起こし、目を見開いて叫んだ。
- 56 :
- 「え……え?一緒に?いいの!?」
先ほどとはまるで違った期待と喜びに上気する顔を見て、面食らう。
そしてふいに腑に落ちた。
「まいったな。それってそんなに特別なことかい」
否が自分にあるのは明らかだった。
(釣った魚に餌はやらないってやつだよね)
思い返してみれば、外食どころか二人で外出した記憶すらろくにない。
いかにもそういうデートまがいのことを好みそうな彼女が、
思い出に飢えていても無理はなかった。
しょくぱんまんは手を伸ばし、少女の頭を優しくなでた。
「たまにはね、ごちそうするよ。日没が早いぶん夜は長いから、
きっとゆっくりできるよね」
そのとき少女が浮かべた笑みは、まさに花のほころぶようで――
こんな気まぐれも悪くはないかと思わせるのに十分なものだった。
「ありがとうしょくぱんまんさま」
「お礼を言うのはまだ早いよ」
ドキンは首を振った。
「ううん、すごく嬉しい。ありがとう」
喜ばしいような後ろめたいような、くすぐったい気持ちになって、
軽くついばむようなキスをした。
まあ、自分の不甲斐なさを身につまされたとしても、笑ってくれるなら別にいい。
「何が食べたいですか。お姫様」
そう言って、しょくぱんまんはそっとドキンの手をとった。
END
- 57 :
- >>43
放送は見てないけど楽しめた!GJ!
- 58 :
- いいねぇGJ
- 59 :
- >>56
GJ いつかあなたみたいな文章を書いてみたい
- 60 :
- GJ
- 61 :
- GJ このふたり大好き!
- 62 :
- ばいきんまん×メロンパンナ 投下
エロと呼ぶには申し訳ないくらい大したことないエロ
遠くまで連なっている山々の割れ目へと、太陽がじわじわと沈んでいく。
日の入りを迎えた街は段々と薄暗くなっていった。
はちみつを垂らしたような色の空が、東の空から真上の空へと徐々に広がるように緑や紫がかってくる。
「んお?」
くらやみ谷に生えている薬草を採りにいって、バイキン城に帰る途中だったばいきんまんは、
ぽっかりと開けた原っぱにひとつの影を見つけてUFOを止める。
ハッチを開けて身を乗り出す。
一本だけ生えている寂しい木の幹によりかかって、メロンパンナが空をぼんやりと見上げていた。
その木の斜め後ろに位置し、更に空中にいるばいきんまんにメロンパンナは気付かないようで、彼女は空を見続ける。
しかし一番星を探しているわけでも、どこからか姉が飛んでくるのを待っているわけでもなく、
彼女の様子からは期待や不安が全く見られない。ただぼんやりとしているだけだ。
(……なんだ?)
らしくない様子にばいきんまんは訝しんだが、メロンパンナは憎き宿敵、アンパンマンの仲間である。
(おれさまには関係ないし)
ハッチを閉め、レバーを引いて帰路を進む。
が、数メートル進むごとにメロンパンナを見下ろし、
全く動く様子がない彼女の姿に閉口して、どうしてだかいらいらした。
「……だあもう!」
ばいきんまんの頭上で一番星がはっきりと輝きだした頃、
5回目にしてやっとばいきんまんは前の4回とは違って、
首だけで振り返るだけでなくUFOごとターンする。
ぐんぐん高度を下げていって、メロンパンナに近寄る。
「やいメロンパンナ!」
斜め後ろから声を掛けられたメロンパンナは、突然の声にも驚かず、
頭を上げるのと同じタイミングに声がかったから、そのついでにとでもいうように振り返った。
「? ……あ、ばいきんまん」
「『なーんだ』とはなんだ!」
「そんなこと言ってないもん」
「顔が言ってたの!」
ぽかんともせず、かといってがっかりした顔でもなかったが、
メロンパンナの表情はばいきんまんにそう言わせるのに十分だった。
けれども、一人でぷんすか怒っているばいきんまんにも彼女は臆さない。
「今日はアンパンマンと一緒じゃないよ」
「見ればわかる、おれさまはお前に話しかけたんだ」
ぱちくりと瞬き、メロンパンナは返事に困ったように体育座りの姿勢を取り直した。
黙る彼女の傍らには膨らんだピンクのリュックサックが放り投げてあった。
「どうしたのだ。家出か?」
「ばいきんまんじゃあるまいし」
「何をぉ!」
実際に、ドキンちゃんと喧嘩をする度に高確率で自分が自分の城から
出ていかされているばいきんまんは、つのをぴょんと立てて怒鳴る。
「ウサ子ちゃんのお家にお泊まりする予定だったんだけどね、
ウサ子ちゃんのお家の用事で駄目になっちゃったんだぁ」
それもさらりと流し、メロンパンナはそう告げる。
ばいきんまんもメロンパンナのペースに乗せられ、流されたものを一々掘り返さなかった。
「ふーん。じゃあ寄り道してないでさっさと帰れば」
「うん」
「ジャムも心配してるぞ」
「ジャムおじさんにはまだお泊まりが中止になったって言ってないの」
「でも帰らないわけにはいかないのだ。日が沈んだらすぐ暗くなるし」
「ねぇばいきんまん、何か企んでる?」
「なんで」
「なんだか優しいから」
「ばか言うな!」
- 63 :
- 失礼な! と叫ぶのではないのだ。ばいきんまんが、ドキンちゃんにはともかく他の奴ら、
それもヒーローに優しいなんてことは絶対にあってはいけないのだから。
「ふん、おれさま帰る。お前もとっとと帰るんだな」
へそを曲げ、エンジンを噴かせてばいきんまんは飛び立つ。
離れ離れの姉を想って、約束もないのにあそこに留まっているのでもなければ、
パン工場の誰かと喧嘩をして出てきたのでもない。
いいや、彼女にどんな事情があったとしても、ばいきんまんがそれに関わる必要は全くない。
どんどん小さくなっていくバイキンUFOを見送って、メロンパンナはふうと息を吐く。
お泊りが中止になった以上、パン工場に帰らなくてはいけない。
帰りたくないのではないのだが、歩くのも飛ぶのもなんだか億劫で、
ちょっと休憩するつもりが思ったより長くなってしまっているだけだ。
今日はウサ子ちゃんとネコ美ちゃんと一緒に、可愛いパジャマを着て、
眠ってしまうまでお喋りするつもりだったのにな。
メロンパンナは目を閉じた。もう夕暮れだから、薄いまぶたを透かして太陽の光が入ってくることもない。
……。
………。
「……今日はドキンちゃんがデザートにプリンをつくるって張り切ってるのだ」
まぶたを押し上げると、バイキンUFOがすぐそばに浮いていた。
「晩ごはんはホラーマンがビーフシチューをつくるって」
きょとんとするメロンパンナに、ばいきんまんは操縦パネルに肘をついてそっぽを向く。
「ふたりとも作りすぎて余らせる天才だから、お前が来ればちょうどいいのかもな」
ぱちぱちと何回か瞬いて、それからゆっくりとメロンパンナの大きな目がひっくり返した三日月をかたどった。
ふんわりと浮いて、バイキンUFOと並ぶ。
「はーん、勘違いするなよ。おれさまひとりで余り物食べたくないだけだ!」
まだ何も言っていないのに言い訳をするばいきんまんに頷いて見せ、
メロンパンナはガラスのハッチに取り付けられた2本のつのの間に座る。
SLマンのように出発進行!とも言わず、鳴らす汽笛もないから、ばいきんまんは黙ってレバーを押す。
「わあ。こうやって飛ぶのもマントと違って楽しい」
ハッチの天辺に座ったメロンパンナがぱたぱたと足を交互に動かす度に、こつんこつんとガラスを叩いた。
絶壁の崖の上に建つバイキン城の、大きく開かれた口からばいきんUFOは城の中に入る。
「お邪魔しまーす」
ハッチから飛び降り、きょろきょろと周りを見回すメロンパンナを、
この城では聞きなれない声を聞きつけてやってきたドキンちゃんが見つけ、ぎょっとしてこんな声をあげた。
「わっ、メロンパンナじゃない! どうしたのよばいきんまん」
「どうもしないのだ。おれさま忙しいからご飯出来たら呼んでね」
ドキンちゃんに問い詰められる前に、ホラーマンがメロンパンナを見つける前にと、
ばいきんまんは急いでラボに引っ込む。
ばいきんまんを招き入れ、ラボの自動ドアが閉まった。と思えば、またすぐに開き、
「メロンパンナ、ドキンちゃんに迷惑かけるんじゃないぞ!」
メロンパンナにそう言いつけた。
「はーい」
ミミ先生に言われたように、メロンパンナは元気良く手を挙げる。
「なぁに考えてんだか。囮にしてロールパンナでも焚きつけるつもりかしら」
誰にも聞こえない小ささで、ドキンちゃんが呟いた。
ふよふよと宙に浮いてあちこちを探索していると、ひときわ大きな扉で行き止まりになっていた。
わくわくしながらメロンパンナがドアの前に立つと、取っ手を探すよりも先に、するりと勝手に扉が開いてしまう。
何もかもがメルヘンとアナログでできている町とは違って、このお城はどこもかしこもメカメカしい。
部屋の中に足を踏み入れる。随分と埃っぽくて、そのくせ湿っぽくて、メロンパンナには適さない環境だった。
「すごい……」
しかし、それも一瞬で吹き飛んでしまうほどだった。
どうやらここは図書室のようで、壁一面に高い高い天井まで届く本棚が並べられている。
そこにはぎちぎちに本が押し込まれていて、それだけでなく床にも何百冊もの本が堆く積まれていた。
いつかメロンパンナが見つけた、バッドエンドで終わっているだけでなく、
その後ろにもずうっと白紙のページが続いているシンデレラの絵本がしまってあった
図書館にも引けをとらないほどの規模だ。
- 64 :
- 「えーっと、バイキン星の歴史、なんとか……なんとか学。なんて読むのかなぁ」
背表紙を眺めるだけでも楽しい。学校の図書室にはない本ばかりだ。
「うわっ」
床に積まれた本につまづき、メロンパンナは本の山に突っ込む。
「いたた……」
体の上に被さった本をばらまきながら起き上がり、メロンパンナはぷるぷると首を振った。
そして目にとまった、何冊も重なった本の上、滑り落ちそうになっている一冊のノートを手に取る。
表紙はぼろぼろで、捲っていない状態でも中の紙も黄ばんでしまっているのが見える。
本はともかく、ノートは勝手に見ては悪いと思い、メロンパンナはそれを元あった本の山の天辺に置いた。
しかし、表紙同士が上手く引っかからずに滑り落ちてしまった。
ひっついて固まってしまっているページだらけの中、何度も開かれて癖がついたページがばさりと上を向く。
アンパンマン
肩をびくつかせてメロンパンナは弾かれたように飛び上がり、入り口まですっ飛び、急いで両手でドアを押した。
しかしドアはピクリともしない。はっとして、浮かせていた体を床に引かれたマットにつける。
それでようやく自動ドアが開き始めるが、メロンパンナは最後まで待たずに、
まだ狭い隙間を無理やり通って部屋から転がり出た。
ぞうっとして、寒気を抱えながらメロンパンナは図書室から離れる。
アンパンマン……と彼の名前だけ書かれていたあのページ、
ばいきんまんはどんな顔で、どういう経緯で書いたのだろう。
ペンを握る手はどうだったんだろう。生き生きとしていた? それとも震えていた?
あのページの後のページには、何が書かれてあるんだろう。彼を倒す研究か、彼の分析か。
ひょっとしたら何も書かれていないのかもしれない。捨ててしまうつもりだったのかも。
通路を歩いて、最初に見つけた角を曲がると、メロンパンナの小さな鼻を良い匂いがくすぐった。
こっそり覗こうとしたのだが、ドアはメロンパンナを感知してさっさと開いてしまった。
ここのシステムには慣れそうにない。
「もうちょっとでできますよ〜……ホラぁ! メロンパンナちゃんじゃありませんか」
エプロンを身につけてキッチンに立っていたホラーマンが音と気配に振り返り、彼女を見て頭蓋骨を飛び跳ねさせた。
そのままぽんぽんとこちらに跳ねてくるホラーマンの頭を受け止め、メロンパンナはにっこり笑う。
「こんにちはホラーマン。お邪魔してまーす」
「一体どうしてここに?」
「ばいきんまんが連れて来てくれたの」
「そうですか。ホラーマン、お客さんは誰でも大歓迎ですよ。ホラホラ、ホラホラ」
ホラーマンはあっさりとメロンパンナを迎え入れた。
敵も味方も関係のない彼がいるのは、メロンパンナにとって安心できる重要なポイントだった。
ホラーマンがビーフシチューをつくっているのに並び、調味料を渡したりお皿を用意してお手伝いしていると、
ドキンちゃんがやってきた。
「プリンつくりに来たわ。固める時間が必要だし」
ホラーマンの隣のメロンパンナをちらっと見てから、
ドキンちゃんは冷蔵庫から卵や牛乳、棚からボウルや銀色のカップを取り出す。
材料と調理器具をキッチンテーブルに並べ、彼女は可愛らしいふりふりのエプロンを身につけた。
レシピを片手に、ドキンちゃんはプリンづくりを進めていく。
溶いた卵に牛乳を注ごうとすると、脇から声がかかった。
「あ、ドキンちゃん、牛乳は温めてから混ぜないと」
そう言ったのはシチューで手が塞がっているホラーマンではない。メロンパンナだ。
「あんたつくりかた知ってるの?」
「うん」
「そう。じゃあ教えなさい」
「ふふふ、いいよ」
いつもの態度に、メロンパンナは思わず笑う。
「ドキンちゃん、その牛乳、砂糖入れた?」
「まだ」
瓶から砂糖をさじで掬い、メロンパンナはドキンちゃんの持つカップに入れた。
「はい。これでおっけー」
その後もメロンパンナは、牛乳と卵を容器に注ぐ前に「ざるでこさないとね」と教えたり、
ドキンちゃんが参考にしていたレシピに更に細かい手順を書きこんだり、最後まで彼女のプリンづくりを手伝っていた。
ドキンちゃんのプリンよりも先にシチューをつくり終えていたホラーマンは、
彼女が自分を頼って来るのを期待していたのだが、しかしそれはそれ。
メロンパンナに教えられてプリンが完成に近付くにつれ、笑顔が増えていくドキンちゃんを微笑んで見守っていた。
- 65 :
- 「さて、じゃあばいきんまんを呼んで来てくれますか?」
冷蔵庫の前に椅子を置いて、うきうきとしているドキンちゃんには頼めないホラーマンは、
後片付けをしようとしていたメロンパンナにそうお願いする。
「あ…ごめんね、あたしどこにばいきんまんがいるのかわかんないや」
ばいきんまんと聞いて、先程のノートを思い出し、メロンパンナは咄嗟にそう言った。
本当はばいきんまんが入っていくのを見たから、彼が今籠っているラボの場所は解っている。
「ホラッ、そうでした。じゃあわたしが呼んできます」
ホラーマンのビーフシチューは、バタコさんやジャムおじさんがつくったものとはまた違って美味しかった。
交わされた会話は、しょくぱんまんについて、ドキンちゃんがメロンパンナに熱心に語り、
聞きたがり、シチューを口に運ぶ合間合間にメロンパンナがそれに答えるのが主で、
そこにたまにホラーマンが口を挟んだりしていた。
食事中、ばいきんまんは一言も喋らず、食べ終わったらすぐにまたラボへと向かった。
冷蔵庫に入れてからそう経っていないプリンは十分に固まっていなくて、結局明日の朝に食べることになった。
かびるんるんややみるんるんも眠りについた真夜中、
ドキンちゃんの部屋のソファーで眠っていたメロンパンナは、
寝返りを打ったドキンちゃんが壁を蹴った音に目が覚めてしまった。
眠り易い体勢を取り直して、再び寝ようとするけれど、まぶたを閉じても眠気がやってこない。
しばらくもぞもぞとしていたが、背もたれに座らされていたしょくぱんまん人形が顔に降ってきたのを境に諦めた。
ぐっすりと眠っているドキンちゃんを、メロンパンナは起こさないように抜き足差し足で部屋を出る。
ばいきんまんのラボの前を通りかかると、扉のごく狭い隙間から通路へと一筋の光が漏れていた。
近寄り、開いたドアからラボへと一歩踏みいる。
静かに扉が閉まる音がしても、ばいきんまんはこちらを振り向かない。
かちゃかちゃとガラス棒でビーカーの中身をかき混ぜ、試験管を傾けてカラフルな液体を注ぐ。
デスクの上のガラスケースには、バイキン城に来るまでのUFOの操縦席にのっていた薬草がしまわれていた。
一呼吸置いて、メロンパンナはばいきんまんの白衣の背中に問いかける。
「何してるの?」
「アンパンマンを倒――」
「ばいきんまん!」
メロンパンナの声と共に、けたたましい音が響く。
冷たい床を蹴って一息に飛び立ったメロンパンナが回り込み、ばいきんまんの両肩を掴んで押し倒したのだ。
したたかに頭を打ったばいきんまんは、メロンパンナを鋭く睨みつけて怒鳴る。
「何すんだ!!」
「そんなことよりあたしともっと面白い遊びしよう! ね?」
ばいきんまんの腿を挟むように床に膝をつき、メロンパンナは彼の胸に手を置いて、ぐっと体を倒す。
ちょうど新しい薬品を注ごうと手にしていた空の試験管が、ばいきんまんの手を離れ冷たい床を転がっていく。
肘をついて起き上がろうとするばいきんまんは、必然的に彼からもメロンパンナに顔を近づけ、至近距離で吐き捨てた。
「おれさまはアンパンマンを倒すために生まれてきたのだ。そのための発明が一番面白い!
大体、お前の言う面白いことなんて、どーせつまんないことばっかりに決まってる」
「そんなことないもん。パンづくりとか、クッキー焼いたりとか、お絵かきしたりとか、面白いこといっぱい知ってるわ!
つまんなくない!」
負けじと言い返すメロンパンナだったが、ばいきんまんはそれを聞いてますます顔を歪めた。
「げぇ、お菓子作りにお絵かき? おれさま食べるの好きだけど作るの大嫌い!」
大きく口を開いて反論しようとするが、それよりも早くばいきんまんはメロンパンナの額を片手で強く押した。
「いつまで乗っかってるんだ、どけ!!」
よろけて、メロンパンナは床に転がった。
ぺたんと座りこんだメロンパンナが、立ちあがったばいきんまんをきつい目つきで見上げる。
「どれもこれも夜中にすることじゃないのだ。虫歯になっちゃうぞ」
ばいきんが言う台詞ではない。それも正義のヒーローに。
「いい子はとっとと寝るんだな」
向けられた背中はこれでお終いだと語っていた。
でも、メロンパンナは立ち去らない。
もう一度、今度はデスクの上に立って、出来る限り高圧的な態度を作ってばいきんまんを見下ろす。
「ばいきんまんが止めてくれたら寝る」
「やぁーなこった」
- 66 :
- 「じゃあ寝ない。メロンパンナ、いい子じゃなくていい」
「それはおれさまひとりで十分」
「ほんとはいいとこもあるくせに」
「ふーんだ! お前に何が解る。ロールパンナがパン工場でお前と暮らせない理由、よーく思い出してみろ」
「もちろんおねえちゃんのことはあたし、ばいきんまんを許さない。絶対に絶対に許さない」
沈黙が、広いラボの狭い空間を埋めた。
その沈黙に身を沈めるように、ばいきんまんはしばらくぴくりとも動かないで、
メロンパンナを座った目で見て、それからやっと口を開く。
「どけ」
「いや」
「どーけ!」
「いーや!」
「どけどけどけどけどけどけ!」
「いやいやいやいやいやいや!」
「どけって言ってるだろー! いい加減にしないと、きっつーいばいきんキックをお見舞い――」
「メロンパンナの! メロメロパーンチ!」
きゅんわん!
ぴょろろろろろろ〜ん
聞きなれたあの効果音と、弾けたハートがそこらじゅうを飛び交ってラボをいっぱいにする。
「はぁあん オレサマなんだか……メ・ロ・メ・ロ〜ン」
目をハートにして、くなくなと体を左右にくねらせるばいきんまんに、
メロンパンナはデスクで仁王立ちをしたまま、今度は腰にメロメロパンチを放った後の拳を当ててポーズをとった。
「ばいきんまん」
「はぁ〜い……」
「ベッドに行きなさい」
「はあぁ〜いん……」
ふらふらとおぼつかない足取りで、ばいきんまんはラボを出ていく。メロンパンナもそれに続く。
彼の部屋のベッドにばいきんまんが入るのを見て、
「うんっ、よろしい!」
とメロンパンナは機嫌良く頷く。
ばいきんまんが完全に眠ってしまうまで見張ろうと、メロンパンナは何歩か離れたところに陣取る。のだが。
ごろん。ふにゃふにゃになっているから体が落ち着かないのか、ばいきんまんがベッドから転がり落ちた。
「あっ、もう」
メロメロ〜……と言い続けるばいきんまんを、メロンパンナはうんうん唸ってもう一度ベッドの上に押し上げる。
しかし、せっかく戻してあげたというのに、一分も経たない内にばいきんまんはまたベッドから滑り落ちてしまった。
「しょうがないなぁ、ばいきんまんは」
やれやれと首を振り、またばいきんまんをベッドで寝かせて、
メロンパンナはすかさず自分自身を押し込むように布団の中に潜りこんだ。
ばいきんまんに体を押しつけるようにして並ぶ。これでそう簡単には落ちないだろう。
「変な顔〜……」
つやつやしたハート型の目と、とろけきった顔を改めて間近で見て、メロンパンナは他人事のように呟いた。
「どぅはっ!?」
目覚めた瞬間、ばいきんまんはメロメロパンチを食らう直前までの記憶を吹き出すように思い出して、
それで嫌な汗をかき、更に傍らにいるものに対しておかしな声を上げた。
「あ、効き目切れた」
ばいきんまんの隣にちょこんと、しかししっかりと自分のスペースをとって
横たわって見張っていたメロンパンナが、抜けた声を出す。
ばいきんまんはベッドから飛び上がり、すぐ後ろの壁に背中を激突させる。
「ぎゃああっ! メロンパンナ!! どうしてここに!」
「だってばいきんまん、ふにゃふにゃ寝返り打って何回もベッドから落ちるんだもん。大変だったんだから」
「お前のせいだろ!」
けろりとしているメロンパンナを押し退け、ばいきんまんはベッドから抜け出す。
ご丁寧に壁にかけられた白衣をハンガーからむしり、羽織りながら扉へと向かう。
「どこいくの?」
「研究の続き」
「だめって言ってるでしょ!」
- 67 :
- 空を切り、メロンパンナはばいきんまんとの前に立った。両手をいっぱい広げてとうせんぼうする。
その脇をすり抜けようとするばいきんまんを通さないように、
彼の動きに合わせてちょこまかと動いていたメロンパンナだったが、埒が明かないと両手を振り上げた。
「そんなことより、メロンパンナと遊ぶ方がぜーったいに楽しいんだから! えーい!」
上げた手を振り下ろし、ばいきんまんの肩を掴んで勢いづけて押し倒す。
「……なんだぁ?」
研究を止めるために切羽詰まっていた先程の彼女ならいざ知らず、
確かにさっき「遊ぶ」と言ったメロンパンナが今取ったこの行動はずれている。
遊ぶって、まさかパンチ合戦のことじゃないだろうな。
再び痛めた背中に顔を顰めていると、腹に乗り上がってきたメロンパンナは、
決心した表情でばいきんまんを見下ろし、宣言した。
「メロメロパンチなしでばいきんまんをメロメロにしてあげる!」
パジャマのボタンを外し、脱いでしまって脇に放る。しかし中はいつもの、代わり映えのしないヒーロースーツだ。
「アンパンマンのことなんてちっとも考えられないようにしちゃうんだからね」
羽織っていただけで前をとめていなかった白衣を、メロンパンナは更にかき分け、
足にかかっていたばいきんまんの白衣を足で撫でて床に落とす。
「えーっと」
しかし、そこからのメロンパンナは、ばいきんまんの胸やら腹やら、時には顔面やらをぺたぺたと両手で触れるだけだ。
正直、ヒーローに好き勝手にされるのは気分が悪かったが、
こんなに短時間で二回もメロメロパンチを貰いたくないので、
ばいきんまんは抵抗らしい抵抗をせずにいた。
体はぴくりとも動かさないが、ばいきんまんは代わりに口を動かす。
「何がしたいんだ」
「学校の本で読んだの。『こうして裸で抱き合うと気持ち良くなって、大人はとても安心するのです』って」
「おれさまもともと裸なのだ」
「それにね、大人が裸で抱き合うと、弟や妹ができて、あたし達にプレゼントしてくれるんだって」
「お前達はそうやって生まれたんじゃないだろ」
「うん、ジャムおじさんが作ってくれたの」
ぽんぽんと答えを返しながら、メロンパンナはばいきんまんの脇腹に手を這わせる。
「確か服を脱がせて、こうやって…」
「だから一体どうしたいん………!?」
「こちょこちょこちょこちょ」
「どわっ、おいメロン…」
「こしょこしょこしょこしょ」
「ぶっ、ふふ……!」
「このこのこのこの」
「ぐふふ」
「うりゃうりゃうりゃうりゃ」
「だはははは! あはははははははは!
って、そうじゃないっ!」
一頻り大笑いして、そのせいで涙ぐみながら、ばいきんまんはメロンパンナの肩を、
その上にかかったマントと一緒に掴んで止めさせる。
「え、くすぐるんでしょ?」
「ぜんぜんちがーう! ちょっとおれさまに貸してみろ」
「はい」
「枕をじゃない!」
ぼすっ。メロンパンナが寄こしてきた枕を、彼女の顔を目がけて投げる。
それを避けられず、顔面でそれを受け止めてしまったメロンパンナはそのまま後ろにぱったりと倒れた。
「うう、ばいきんまんひどい、いじわる」
「そんなに褒められたらぼくちゃん照れちゃうな」
「褒めてないってば」
マントをばさりと払いのけ、ばいきんまんはメロンパンナの胸のmの上に手を置く。
「なんかこんな感じだった気がするのだ。良くわかんないけど」
ドキンちゃんがばいきんせんにんの魔法の筆を借りたいと言い出し、
その自宅を訪ねた際に、彼の部屋に置いてあった巻物。
アンパンマンを倒せるような強力な術を盗んでやろうとしていたばいきんまんは、
ドキンちゃんとせんにんが早速外で筆を試している間に、こっそりとそれを盗み見た。
長い長いその巻物に描かれていたのは、強くなる術ではなかった。
メロンパンナが学校の図書室で読んだという、その内容をもう少し、
ばいきんせんにん好みにしたものだったのだ。
- 68 :
- それを思い出し、それに倣ってメロンパンナの体を撫でてやるのだが、
ばいきんまんの手つきは幼すぎるし、それよりも幼い彼女はそこから「いいもの」を拾えるわけがない。
体を撫でられるにつれ、メロンパンナは顔を徐々に赤らめていって、
声が漏れそうになるのを懸命に堪えるのだが、
「やっ」
がくんと、ばいきんまんが跨って押さえている足が跳ねる。
慌ててメロンパンナはぱちんと口を両手で覆った。
「ばいきんまん、ひゃめて」
「やーだよ」
一時的に片手を離し、人差し指で目尻を下げてあっかんべーをする。
それにメロンパンナはむっとした表情をつくり、何か言おうとするが、
言葉が発せられる前にばいきんまんの手が胸元を滑り、ぐっと唇を噛みしめた。
けれど、メロンパンナの甘い声はどんどん声が溢れるように発せられ、ついには、
「あっ…ひ」
と短く漏らした。
それを聞いて、ばいきんまんがより素早く手を動かすと、
くにゃくにゃと体を床に擦りつけるようにくねらせ、じたばたと足をばたつかせる。
そしてとうとう我慢しきれずに、
「あはははは! やだくすぐったい!」
両手を離してめいっぱい笑い始めた。体を反り返し、
ずうっと我慢していた分をいっぺんに吐き出すように笑い声を弾ませる。
けらけらと笑い続けるメロンパンナに「ざまみろ」な気分で、
つまりはにっくきヒーローに気持ち良く勝って清々しくしているばいきんまんは、
せんにんの巻物の内容になんてもうとっくにこだわっていなかった。
「へへーん、どうだ! 今回ばかりはおれさまのだーいしょうり!」
「うあん、負けちゃったよう」
えへんと胸を張るばいきんまんの足元に、メロンパンナが崩れる。
そのしおらしいまま、すごすごと部屋に戻っていくのかと思っていたら、
「お返し!」
いきなり跳ね起き、メロンパンナはばいきんまんを突き飛ばした。
「いっ!」
叩きつけられるように強く尻もちをつき、
走る痛みにばいきんまんはメロンパンナを怒鳴ろうとする。
しかしそれよりも、勢いづいたメロンパンナがばいきんまんのしっぽを握るのが先だった。
「おわ」
間抜けな声が漏れる。いきなりのことに足が跳ねあがり、
慌てて逃げようとするが、強く握られていてそれも叶わない。
「ずうっとさわってみたかったの、これ」
まるで楽しいおもちゃを貰った子どものように、メロンパンナはばいきんまんのしっぽを引っ張る。
「ドキンちゃんに触らせてもらえ」
「怒られそうなんだもん」
「おれさまだって怒るぞ!」
握った拳を肩まで上げて脅かすが、メロンパンナは聞いちゃいない。
「いいなあ、あたしもしっぽ欲しい」
「ぐう……、やめろ、メロンパンナ」
ぎゅっと強く握られたり、かと思えば優しくなでられたりと、
小さな手の中で遊ばれる内に、ばいきんまんのしっぽはぴくぴくと震えていった。
くすぐられていた時に感じた、単純なくすぐったさとはまた違ったものがしっぽのさきから付け根を通り、
背中を走ってつのへと抜けていく。
「わあ。見てばいきんまん、しっぽぷるぷるしてる。どうして?」
「知るもんか」
「自分のなのにー?」
良く見ようと、メロンパンナはばいきんまんのしっぽを握ったまま、それに顔を近づけるために屈みこむ。
その弾みでメロンパンナはそれをより一層強く握ってしまい、一段と大きくしっぽと体が揺れた。
ずたたたんっ
「ふわぁ………顔が濡れて力が出ない」
- 69 :
- あのSEと共に、メロンパンナの目がばってんになる。
メロンパンナの顔を駄目にしたのは、いつもの泥でもなければ水でも、かびるんるんでもなかった。
生卵の白身をもっと粘っこく、もっと白くしたようなどろどろだ。
薄いクリーム色の顔、オレンジ色のほっぺ、目元に入ったチェックの柄にまだらにかかってしまっている。
「やったやったー! ついにメロンパンナを倒したぞー!」
それがどこから出てきたのか、そもそもなにが起きたのか良く解らない。
ただしっぽが変にすうすうとしていて、しかし何故だか熱を持っているのが解るだけ。
が、それでも反射のようにばいきんまんはお馴染みの台詞を改変して口走る。
「うう……。ばいきんまん、ジャムおじさんに知らせて…」
「任せろ! ジャムおじさ〜ん!」
震える声で助けを求めるメロンパンナ。
それに答えてどんと胸を叩き、ばいきんまんはパン職人の名を呼びながら、
部屋の片隅にごちゃごちゃと転がるがらくたの小山に手を突っ込む。
「メロンパンナちゃん、新しい顔よ! そーれ!」
床に倒れているメロンパンナの顔の前まで滑り、探し出したドライヤーのスイッチをオンにする。
熱い風が吹き出され、火傷をしない距離ぎりぎりまで、それをメロンパンナの汚れた顔に持っていく。
熱風が良く当たる、鼻の周りからどんどんとどろどろが乾いていき、乾いた面積が広くなるにつれ、
メロンパンナの目はばってんからまんまるに、いつもの緑色を取り戻していった。
あらかた乾いたのでスイッチを切り、ぱりぱりになってしまった白いものを、
ばいきんまんは手でこすってやる。
ぽろぽろと剥がれて落ちるそれに、研究価値はあるのか首を傾げて考えていると、
完全にぱっちりした目に戻ったメロンパンナが立ち上がった。
「可愛さ100倍、メロンパンナ!」
「げえぇっ!」
「もう許さないわよ、ばいきんまん!」
「何をぉ〜、生意気な! 食らえぇ、ばいきんパーン」
「メローンパーンチ!」
「ばいばいき〜ん!」
メロメロパンチではないパンチを食らって、ばいきんまんは大袈裟に吹っ飛び、
がらくたの山に頭から突っ込む。
「ごめんばいきんまん。やりすぎちゃった」
がらくたから飛び出す2本の足がひくひくしているのを見て、
メロンパンナはそこに駆け寄り、足を引っ張った。
がらくたをまぜっ返しながら救助されたばいきんまんは、
メロンパンナに引っくり返されて床に足をつけた途端、彼女の手を振りほどく。
くしゃくしゃになってしまった白衣を脱ぎ、放り投げる。一つ、大きなあくびが口をついて出てきた。。
なんだか体がだるい。打倒アンパンマンのトレーニングをした後よりも、
アンパンマンにバイキン城まで吹っ飛ばされた後よりもだ。
「くだらない、付き合ってられるか。おれさまもう寝る」
「研究は?」
「中止だ中止」
伸びをしながらベッドに向かって歩いていたばいきんまんはそう言ってから、
ぎくりと歩みを止めたがもう遅い。
そろー…と振り返ると、予想通り、目をきらきらさせたメロンパンナが自分を見つめていた。
「今日だけ、今日だけだからな!」
真っ直ぐな視線にやられて慌てて両手を振り上げ、じだんだを踏んで強調するばいきんまんだったが、
「ありがとう、ばいきんまん」
とメロンパンナに微笑まれ、手を下ろしてしまった。
何故礼を言うのか。ばいきんまんにはそれがさっぱり解らないし、ちっとも解りたいと思わない。
- 70 :
- 「お前も早く寝ろ」
ベッドに飛び乗り、ばいきんまんは通路へと出る扉を指差す。
「うん。でも、ソファーって寝にくくって。しょくぱんまんの人形に押しつぶされちゃいそう」
「………」
言っていることとは裏腹に、メロンパンナはにこにこと笑っている。
布団に潜りながらもばいきんまんは目線をメロンパンナから外さず、
メロンパンナはメロンパンナでじと目で見てくるばいきんまんの視線を真正面から受け止めた。
ばいきんまんが折れるのは早かった。一分も持たずに、ばいきんまんは布団の端っこをぺらりとめくった。
「おら、寒いから早くしろ!」
「えへ、お邪魔しまーす!」
ぴょんと爪先で跳ねて、メロンパンナはそのままベッドへと飛んでいく。
頭がすっぽり隠れるまで潜って、メロンパンナは顔を外に出す。
「あったかーい。ふふ、お休みばいきんまん」
「ふん」
挨拶は返さない。それだけでなく、
ばいきんまんはメロンパンナの方ではない、壁に向かい合ってまぶたを下ろした。
眼球が休まる心地よい感覚に比べて、
すぐ隣から伝わる微弱な熱と気配はとんでもなく居心地が悪かった。
疲れていたのにろくに眠れなかったばいきんまんは、
甘ったるい香りで目覚め、微かに痛む頭を押さえながら朝食の席に向かった。
オーブンの前に立ち、鼻歌を歌っていたメロンパンナは
ばいきんまんの足音を敏感に聞きつけ、彼がキッチンの自動ドアを開けちょうどその時に振り返った。
「おそよう。ねぼすけさん」
それには返さず、ばいきんまんは寝不足でつのとしっぽをだらりとさせながら、匂いの元に近寄る。
彼の歩みに合わせたように、ちんと可愛らしいベルが鳴り、メロンパンナはオーブンの蓋を開ける。
鉄板には、いびつな形のパンがいくつも並べられていた。
「なんだこれ」
「メロンパンよ」
「へったくそ」
いつもの意地悪ではない、いいや、寝不足の原因であった彼女に対する
意地悪な部分もそりゃああったけれど、それを差し引いても美味しそうな出来栄えではなかった。
しかし、
「ふわぁあ……んー、いい匂い。なに?」
起きぬけのドキンちゃんを引き寄せたくらい、匂いはとても優しく、魅力的なものだった。
「おはようドキンちゃん。メロンパンナ特性メロンパンだよ」
ところどころ焦げてしまっているが、それも真っ黒ではなく
微かに色づいているという程度で、却ってそれが香ばしい匂いを放っている。
くんくんと鼻を近づけて香りを楽しんでから、ドキンちゃんはメロンパンナを見上げる。
「見た目は可愛くないけど、おいしそうな匂いね。
あら、メロンパンナ、なんか顔が汚れてるわよ?」
ところどころ、白くて細かい、ぱりぱりしたものが顔に貼りついているのを見つけ、
ドキンちゃんは目を丸くした。
「ちょっとパン生地をつくる時に顔に跳ねちゃって。
帰ったらジャムおじさんに新しいのを焼いてもらおうっと」
おでこをこつんと叩いて、メロンパンナはちょこっと舌を見せる。
その会話を背後に置き去りにして、ばいきんまんは足早に洗面所へと駆けていった。
結局、朝食の席にばいきんまんは来なかった。
「どうせ部屋で二度寝しちゃってるのよ」
ドキンちゃんはそう言って、食後のレモンティーに口をつける。
「ばいきんまんらしいですねぇ」
ホラーマンにメロンパンを褒めてもらってご機嫌だったメロンパンナは、
ふたりの会話に一瞬だけ顔を曇らせた。
情けない表情が濃い飴色をしたレモンティーの水面に映る。
それを飲み込むようにメロンパンナはカップを傾けた。
- 71 :
- そんなメロンパンナの落ち込んだ気分を上向きにし、彼女を喜ばせたのは、
デザートのプリン…もとい、ドキンちゃんちゃんだった。
プリンは四つ。ばいきんまん曰く、つくり過ぎて余らせる天才だそうだが、
今回はその才能は発揮されなかったようだ。
先日、プリン用のカップの数を数えた時点で、ドキンちゃんとばいきんまんとホラーマンと、
最後の一つは言わずもがな……と予想をつけていたメロンパンナは、
差し出されたプリンにひゅっと目を見開いた。
「しょくぱんまんにじゃないの?」
「そのつもりだったけど、いいわよ、あんた食べなさい」
ぶっきらぼうに言い放ち、ドキンちゃんはスプーンで大きくプリンを掬う。
そんな彼女をまじまじと見つめて、焼きたての時のようにほかほかするほっぺたを押さえ、
メロンパンナはスプーンを手に取った。
「ありがとう、ドキンちゃん」
「ふん。ホラーマンの分を無しにするから平気よ」
「そんなぁ!」
シンプルで、でもちゃんと甘くて、舌触りのいいプリンだった。
デザートも食べ終わり、朝の時間も過ぎたので、
メロンパンナはリュックを背負って出口の手前に立つ。
バイキン城の開かれた口から見上げる空は、黒くて分厚い雲がいくつにも重なっていて、
なかなか太陽の光が差し込まない。
いつでも日光に恵まれているところに住んでいるメロンパンナは、
ばいきんまんたちのこの空が自分たちの空と同じだとは知っていても、ぴんとはこなかった。
「また来なさいね」
「いつでもお待ちしてるんですねぇ」
「ありがと。とっても楽しかったわ」
「ホラ、ばいきんまんは何をしてるんでしょ。ちょっと呼んで…」
「ううん、いいの」
ホラーマンの言葉を遮り、メロンパンナは宙に浮かびあがる。
「じゃあまたね、さよならぁ」
ドキンちゃんとホラーマンに見送られ、
手を振ってメロンパンナはバイキン城の舌から外へと飛び立っていった。
「もう、ばいきんまん、見送りくらいしなさいよね」
メロンパンナが見えなくなるまで手を振っていたドキンちゃんが、
ホラーマンと共にキッチンに戻って、そこにどっかりと座っているばいきんまんに向かって唇を尖らせた。
入れ替わりでここにきたらしい。
「別にいいの。どうせ今度会ったら敵なんだし」
つまらない小石を蹴るようにそう言って、ばいきんまんはいびつな形のメロンパンを口に放り込む。
表面のビスケット皮がぱりぱりと小気味良い音を立て、微かに焦げた苦味を口内に残しながら飲み込まれていった。
終わり。ありがとうございました。
メロンパンナを脱がす勇気も、ばいきんまんに生やす勇気もなかった、すまん。
- 72 :
- 読み応えがあった。GJ!
- 73 :
- くっ…
アンパンマンの保管庫はまだなのか…!
- 74 :
- 新作期待age
- 75 :
- ネタスレかと思ったのに
良スレじゃねえか
- 76 :
- アンパンマン擬人化同人やる人思い出した
- 77 :
- 擬人化では萌えない
- 78 :
- SS読みたい
- 79 :
- 賑やかしになればいいな。
メロンパンナ×ばいきんまん投下します。
おひさまがぽかぽか暖かい日でした。
今日もまたばいきんまんは、ドキンちゃんのわがまま…もとい、お願いを叶えるために
バイキンUFOに乗っておいしいものを探していました。
「メロンパンナちゃんは〜ふんわ〜りよ メロンのかおりがほんの〜りよ」
そこへ、歌いながらパトロールをしていたメロンパンナが飛んできます。
ばいきんまんはさっと雲の中に隠れました。
メロンパンナはアンパンマンの仲間ですから、
ここで上手くやればアンパンマンをピンチに陥れることができるかもしれません。
メロンパンナが大きな雲の下を通りかかった時、タイミングを見計らっていたばいきんまんは、
えいやっとバイキンハンドを繰り出しました。
大きな手がメロンパンナの小さな体を捕まえます。
「うきゃあっ!」
ぐわっしと体を握られたメロンパンナは、驚いて素っ頓狂な声を上げました。
「はっひふっへほー!」
「ばいきんまん!」
雲の中から飛び出してきたバイキンUFO。キャノピーを開けて身を乗り出した
ばいきんまんのお決まりの挨拶を聞いて、メロンパンナはばいきんまんを見上げます。
「運が悪かったなメロンパンナ! はははのはー!」
「どうするつもり!?」
「今考えてるとこー。さぁーて、どうやって使ってやろうかな〜」
るんるんとしっぽとつのを揺らし、ばいきんまんはこの後のことを考えます。
アンパンマンはもちろん、カレーパンマンとしょくぱんまんをおびき出すのに利用してやってもいいでしょうし、
この子を隠してロールパンナを大暴れさせるのもなかなか楽しそうです。
けれど、どうするにしてもこのままでは小回りが利かないし、とても目立ってしまうので、
もっとコンパクトにしてやろうと、ばいきんまんは縄を取り出しました。
バイキンハンドをもう一本出して、片手でメロンパンナを押さえつけ、
その間にもう片方で彼女を縛ってしまいます。手慣れたもので、あっという間のことでした。
メロンパンナをぐるぐるに縛った縄の端をバイキンハンドでつまんで、
ばいきんまんは自分の目線まで彼女を引き上げます。
「離しなさい、ばいきんまん!」
メロンパンナは懸命にもばいきんまんを睨みました。しかし、ばいきんまんはそれくらいではびくともしません。
むしろ、意地悪な笑みを顔いっぱいに広げて、
「かわいそうなメロンパンナちゃん! ぐふふふふ」
遠慮せずに声まで立てて笑います。
「やい、アンパンマンはどこにいる」
「知らないわ、そんなの」
「ふうーん……」
ばいきんまんは信じませんでした。嘘をついているに決まっています。
「いよーし、まずはパン工場に向かうのだ!」
無理やり吐かせても良いのですが、それは今は置いておいて、
とにかく一刻も早くアンパンマンを倒したいばいきんまんは彼らの住まいに向かいます。
さて、ばいきんまんはすっかり忘れてしまっているようですが、
メロンパンナは意外と…いいえ、メロンパンナに限らず、
アンパンマン達は可愛らしい見かけとは裏腹に、とっても力持ちです。
バイキンハンドに鷲掴みされても、檻に入れられても、
うんしょとまるで針金でも曲げるようにして壊し、そこから脱出してしまいます。
ぶちぶちぶち。
あんまり良くない音にばいきんまんが振り返ると、
メロンパンナがまるで糸こんにゃくを千切るように縄を引き千切っていました。
メロンパンナを捕まえていたバイキンハンドは、今やぼろぼろになった一本の縄をつまんでいるだけになっていました。
「ばぁーいきーんまぁーん」
バイキンハンドを蹴って、メロンパンナはキャノピーが開け放されたUFOの操縦席まで飛んできます。
- 80 :
- それはさておき、罪を憎んで人を憎まずというイディオムは、
誂えられたようにアンパンマン達にぴったりと当て嵌まります。
ばいきんまんが作った薬、スーパーゴミハートを飲まされたせいで
海底に独りで住まなくてはならなくなってしまったゴミラも、
呪われた体質に寂しい想いをしながらも、原因であるばいきんまんを恨んではいません。
アンパンマンだって、ばいきんまんがいたずらをするから懲らしめなくてはいけないのであって、
たまに彼がとてもいいことをしているのを見た際には、手放しでばいきんまんを褒めるのです。
それと同じで、ロールパンナが悪い心を持って生まれ、そのせいでメロンパンナ達と暮らせずに、
くらやみ谷に独りで住まなくてはいけなくなってしまった原因……
それはばいきんまんがバイキン草のエキスを彼女の生地に織り込んだからに他ならないのですが、
それでもメロンパンナはこれまで、その罪を憎むことすら滅多になく、
ばいきんまん本人を憎んだことに至っては一度もありませんでした。
ですが、今日はちょっと違います。
実はこの日、ばいきんまんに捕まえられる前に、メロンパンナはロールパンナと会っていました。
そこへたまたまアンパンマンが通りかかって、
ブラックロールパンナになって彼を傷つけるのを嫌がったロールパンナは、
メロンパンナへの別れの挨拶もそこそこに、さっと飛び立ってしまったのでした。
つまりばいきんまんは間の悪いことに、沈んだ気分を無理に盛り上げるために歌いながら
パトロールをしていたメロンパンナを捕まえたのです。
「はひ…」
彼らが思ったよりも怪力であることを今更思いだしたばいきんまんは、
狭い操縦席の中で後ずさりしました。
いつもならここでメロメロパンチを一発貰って、その間にメロンパンナは逃げるのですが……。
ぽか。
今回貰ったのは普通のパンチでした。
しかしそれでも結構な力で、ばいきんまんは思わず頭を抱えてしゃがみ込みました。
その間に、メロンパンナはマントの下から黄色いリボンを取り出します。
慌てて飛んでいってしまったロールパンナが忘れたロールリボン。
パトロールが終わったら、姉を探して返そうと持って帰っていたのでした。
「よいしょ、よーいしょ」
太いリボンをばいきんまんの体に巻きつけます。
ばいきんまんと違って、誰かを縛ったことなんて一度もないメロンパンナは、
あんまり上手にできません。
ばいきんまんがやるように、痛くないように、かつ逃げられないようにするのなんて土台むりな話なのです。
ですので、メロンパンナは手加減せずに、ぎゅうぎゅうとばいきんまんを縛ってしまいます。
「おわわ!」
バランスを崩したばいきんまんが操縦席の床に転がってしまいます。
ちょうどいいと思ったメロンパンナは、ばいきんまんの背中を片足で踏みつけて支え、
リボンを手前に引っ張りました。
「あいだだだだだだだ!!!!」
後手でまとめられたばいきんまんの手が跳ねあがります。
仕上げに、メロンパンナはリボンをびぃんと突っ張らせ、
その端っこでばいきんまんの両足をまとめて結びました。
弓のようにしなった極端な体勢で、ばいきんまんは床に転がされてしまいます。
「なっ、なにすんだ!」
「とりあえずこれでおあいこ」
「おい! 早くほどけ!」
「だぁめ。しばらく反省して」
メロンパンナはUFOの操縦パネルに腰かけ、足をぶらぶらさせます。
「アンパンチで吹っ飛ばされるされるわけでも、メロメロパンチで混乱されるわけでもないんだから、
これくらいで済んで良かったね。ばいきんまん」
床に顔を擦りつけざるを得ないでいるばいきんまんにはその表情は見えませんでした。
が、メロンパンナからは変わった様子は見られませんでした。
いつもはメロメロパンチでお仕置きするところを、ちょっと手段を変えただけ。
メロンパンナにとってはたったそれだけのことです。
「こ、こぉーらぁ! さっさとこれほどけ、ばか!」
しかしばいきんまんにしてみればこれはとんでもない屈辱で、
自業自得だと最もなことを言われようが黙って受け入れるわけにはいきません。
- 81 :
- 「あーっ、ばかって言った! ばかって言った方がばかなのよ」
メロンパンナはぷんすか怒って、ばいきんまんに背中を向けて、操縦席に下ろしていた足を外に垂らします。
これまでがこれまでなので、ばいきんまんの言うことなんて聞いてあげません。
バイキンUFOは優秀で、誰もレバーを握っていないのに墜落することもなく、気ままに空を遊泳し続けます。
やがて、ばいきんまんの額にじわりと汗が滲んできました。
体全体をぎちぎちに縛られ、手足をまとめられているせいなのですが、
痛む全身とは別に、リボンが食い込んだ足の付け根あたりが他の所以上にひりひりするのです。
「おい、メロンパンナ……」
さっきまでの乱暴で威勢のいい声でなく、掠れるような小さな声を聞いたメロンパンナは、
体ごとUFOに向けました。
背中が反る形で無茶苦茶に縛られているのに、ばいきんまんのその背中は小さく丸まっているようでした。
慌ててメロンパンナはレバーを引きます。けれど、それだけではUFOは止まってくれません。
さっさと諦めて、メロンパンナはばいきんまんを抱えてUFOから飛び立ち、雲の上に降りました。
ふわふわのわたのような雲に埋もれ、痛めつけられていたばいきんまんは、
それにくすぐられてますます苦しそうな声を上げます。
メロンパンナは大急ぎでリボンをほどこうとしますが、
がっちりときつく結んでしまっていたせいでびくともしませんでした。
こうなっては仕方ありません。
「ごめんね」
一言謝ってから、メロンパンナは手をきつく握りました。
「メロンパンナの! めろめろぱんっ…ち!」
ちょこん、とばいきんまんにげんこつをぶつけます。
「ふにゃあぁあ〜……」
途端にめろめろのふにゃふにゃになったばいきんまん。
緩みきった体とリボンの間にできた隙間に手を差し入れ、メロンパンナは一か所だけリボンを千切りました。
それを手繰り、雲の上でばいきんまんを転がしながらリボンをほどきます。
やっと解放されたばいきんまんは、ぐったりした体をうつ伏せにして雲に預けました。
しんしんと痛む体を、柔らかい真綿が包みます。
「痛いの?」
放っておいてくれればいいものを、近寄って来たメロンパンナは
ばいきんまんの傍らにしゃがんでそう尋ねました。
いつもは元気良くぴんと立っているしっぽとつのが、へにゃりと垂れ下がってしまっています。
返事をするのも億劫なばいきんまんは、黙ったままで相手をしません。
しかしメロンパンナは諦めずに、ばいきんまんの体と雲の間に手を差し込んで、
ばいきんまんを半回転させました。
肩で息をしていたばいきんまんは、面倒くさそうに薄く目を開けてメロンパンナを見上げます。
じっと目を合わせ、それからばいきんまんの体へと、メロンパンナは視線をずらします。
黒い体なので見つけにくいのですが、それでも良く見ればところどころ赤くなっていているのが解りました。
かわいそうなことしちゃったな、とメロンパンナは反省して、ばいきんまんの体にそうっと触れました。
「ぎっ…」
なでなでしてあげようとしていたのに、途端にばいきんまんは大袈裟に跳ねあがります。
慌ててメロンパンナから距離を取ろうとしますが、立ち上がることすらもままならず、仕方がないのでそのまま
ずりずりとおしりを使って後ずさりしました。
しかし、どれほどばいきんまんが逃げようとしても、
メロンパンナはあっという間に距離を縮めてしまいます。
後ろに手をつき、足を投げ出しているばいきんまんの前にしゃがんで、
メロンパンナはばいきんまんの体に刻まれたリボンの跡をなでました。
労わるような優しい手つきで、メロンパンナはそのまあるい手でばいきんまんの足首の色の境目を撫でます。
すると、ばいきんまんの体は面白いくらいに跳ねあがりました。
「こら、さわるな! やめろ!」
「でもすっごく痛そう」
「お前には関係ない、ほっとけ!」
ばいきんまんはぷんとそっぽを向きますが、縛ったのはメロンパンナなので、
関係ないと言われても早々簡単には引き下がれません。
「いたいのいたいの…」
メロンパンナは手を伸ばし、他よりも一層赤くなってしまっているところに手を添え、丁寧になでました。
「とんでけーっ」
股です。
「とん、とんでけじゃない、いいから手を退けろ!!」
離した手を高々と空に向け、もう一度そこに触れたメロンパンナにばいきんまんは焦って、大声で怒鳴りました。
- 82 :
- せっかく痛いのを撫でてあげているのに、どうしてばいきんまんが怒るのか、
さっぱりなメロンパンナでしたが、こうされるのをひどく嫌がっているのは解ったので、
そこに手を置いたまま動かしません。
「反省した? もう意地悪しない?」
「した! しない!」
「どっち?」
「いいからはやく!」
「もう、しょうがないなぁばいきんまんは」
ぷうとほっぺたを膨らませて、メロンパンナはばいきんまんから手を離しました。
素早くメロンパンナから距離を取って、ぶつぶつ文句を言いながら、
ばいきんまんはぴりぴりと痛む腕を冷ますためにふーふーと息を吹きかけます。
「………あ?」
ふと体に影が落ちて、ばいきんまんは顔を上げました。
すると、目の前にはこちらを見下ろしているメロンパンナがいました。
ばいきんまんが腕に息をかけているのを見たメロンパンナは、腕や足はともかく、
お腹辺りは自分では冷やせないだろうなあ、と心配し、ばいきんまんのお手伝いしてあげようと思ったのでした。
雲に膝をついて屈み、メロンパンナはばいきんまんのそこにふうっと息を吹きかけます。
「ぎぎゅ……!!」
おかしな悲鳴をあげるばいきんまんに、中途半端な手当では却って痛めつけてしまうのかも、
とメロンパンナは止めるどころか、ますます顔を下ろしていきます。
ぺろ。
まるでミルクを舐める子猫のように、メロンパンナはばいきんまんのそこを舌でなぞりました。
怪我なんて舐めときゃ治る、とはカレーパンマンの教えで、メロンパンナはそれを実践したのです。
「ば……っか!」
堪らなくなって、ばいきんまんは振り上げた手をメロンパンナの肩に押し当て、
力いっぱいに退かします。
それでも今のばいきんまんではごく弱い力にしかならなかったのですか、
ばいきんまんがこうされるのをとにかく拒否したがっているのを察したメロンパンナは、
不思議に思いながらもされるがままに離れました。
ずきずきするそこを歯を食いしばって耐え、ばいきんまんは這いつくばるようにして移動し、
雲の端から下りようとします。いつまでもここにいては、メロンパンナの善意に手酷く虐められかねません。
自動操作に切り替わっていたバイキンUFOがちょうど雲の下を通りかかっていたのを見つけ、
ばいきんまんは飛びおりました。
メロンパンナが雲の縁に手をかけ、身を乗り出してばいきんまんの姿を目で追うと、
ばいきんまんは使い慣れない小さな羽をせわしなくはためかせているところでした。
それでも、飛ぶというよりは落下速度をちょっと緩めるくらいにしかなりません。
バイキンUFOに近づく頃にはすっかり疲れて、最後には落ちるようになってしまいます。
すっぽりとはまり込むようにバイキンUFOに飛び込んだばいきんまんは、
がくがく震える足を叱咤して立ち上がりました。
「覚えてろよ!」
こちらを見下ろしているメロンパンナに向かって、捨て台詞を吐きます。
メロンパンナはきょとんとしましたが、すぐに明るい笑顔になって、
「うん、忘れないように日記に書いとくね!」
ばいきんまんに手を振りました。
あまりに能天気なメロンパンナに、ばいきんまんはぎぎぎぎぎと歯ぎしりして、
力任せに操縦パネルを叩きつけます。
キャノピーが閉まり、物凄く早いスピードでUFOは空の彼方へと飛んでいきました。
「またねー!」
ばいばいきんと締めくくる余裕すらばいきんまんに与えなかったメロンパンナは、
遠ざかっていくUFOにそうやってとどめを刺しました。
- 83 :
- パン工場に帰って来たメロンパンナは、バタコさんに裁縫箱を借りてお部屋でそれを広げました。
千切ってしまった部分をちくちくと縫い合わせます。
さらにそれをお風呂場で洗い、お庭で他の洗濯物と一緒に干し、夕方に取り込みました。
「うーん……」
両手に握った黄色いリボンをぴんと張り、元通りきれいになったのを確かめましたが、
ちょっと考えてからメロンパンナはそれを自分の机の引き出しの中にしまいました。
「……やっぱり、ロールパンナお姉ちゃんには新しいリボンをプレゼントしよう」
そう決めて引き出しを閉めたメロンパンナは、椅子の上でうーんと背伸びをします。
いつものようにアンパンマンを呼ばずに、今日はメロンパンナひとりでばいきんまんと対峙したので、
ちょっと疲れてしまったのです。
おつかれさま、メロンパンナちゃん。
終わり。失礼いたしました。
エロなくてすみません。
- 84 :
- なごんだ。よかった。GJ!
- 85 :
- GJ
- 86 :
- いきなりスマソ
小ネタエロナシ
スルー可
「あ〜ん、お〜いしい!」
バナナを食べていたドキンちゃん
「あっ!しょくぱんまんさま〜」
しょくぱんまんを見つけたドキンちゃんは声をかけました
「やぁ、こんにちは(!?)」
しょくぱんまんは驚きました
バナナを食べていたからです
更にしょくぱんまんに逢えたお陰か頬が紅潮していてなんとも淫らに見えました
(バナナの食べ方がなってません・・・)
「ハァ・・・ドキンちゃん」
「何ですか?食パンまん様」
「バナナはこうして食べるんですよ」
と
バナナの上ぞりになっている方を外に向けたではないか!
「食べにくいよ〜しょくぱんまんさま〜」
「お行儀が悪いですよ」
「うう〜っ」
とそこへばいきんまんが・・・
「ドキンちゃあん・・・てああ!」
「むぐむぐ」
「ドキンちゃん!なんて食べ方してるの!」「むぐ・・・だってしょくぱんまんさまにお行儀が悪いからって直されたのよ?何か文句ある?」
「くっ食パンまんめ!わかっててやがったのか〜!」
(クスッ・・・あのブラコンばい菌め・・・)
食パンまんは黒い笑顔を張り付けていました
「おっ!」
カレーパンマンがやって来ました
そして・・・
モグッモグッ
「あ〜!?カレーパンマン!」
「へへっモタモタしてんのが悪いんだよ」
(今の間接キスだよな・・・カレーパンマン・・・覚悟しておきなさいフフフ)
「ドキンちゃんの間接キス・・・
カレーパンマンの奴ううう
(オレサマだってまだなのに・・・)」
「あ〜美味かった!何だよ?バナナならオレがやるよ!」
「カレーパンマン!キッサマ〜!」
「ドキンちゃん・・・」
「はい?(グスン)」
「バナナなら僕も在りますから差し上げますよ(ニコリ)」
「えっ!」
「さあ、僕の家に在りますから」
「はいっ!(わぁ〜♪しょくぱんまんさまのおうち・・・)」
「とその前に僕はやらないと行けないことがあるので待ってて下さいね(ニタリ)」
3分後
ドキンちゃんは
゙しょくぱんまんの゙
バナナをもらえに行きましたとさ
オマケ
「イテテテ」
「ハーヒフヘホゥ!ドキンちゃんに何てことを・・・」
「わぁ!食パンまんからパンチ食らってんだ!やっ止めてくれ!」カレーパンマンは思いっきりヒドいめにあってたとさ
オシマイ
長くなった
orz
逝ってくる
- 87 :
- ドキンちゃんもてすぎだろw
- 88 :
- 誰が一番もてるだろな
1鉄火のまき
2メロンパンナ
3バタコさん
か?
- 89 :
- 今日見て
カレーコキン
ツララ釜飯
をwktkした
ktkr
- 90 :
- ボクの〇〇を食べなよ
- 91 :
- おむすびまんとバタコさんすげー好きなのに、最近やなせたかしもアニメスタッフも忘れてるだろ。
仲のいい男女多いから組み合わせし放題だよなこの作品。
- 92 :
- >>91
忘れてるというか、なかったことにしてるような気がしてならない。私も凄い好きなんだが
とりあえず保守あげ
- 93 :
- >>92
やっぱりなかった事になってるの?
アニメや原作の公式カップルみんな好きだけど、
和風は和風とかで固まってるから珍しい組み合わせでよかったのに。
ハンバーガーキッドとタンポポちゃんに凄まじいエロスを感じた…。DVDまだかな。
- 94 :
- ほしゅage
アンパンマン×キララ姫がすごく好きだ
- 95 :
- ミントキボン
- 96 :
- ミントティーよりミントちゃんのおしっこが飲みたい
- 97 :
- >>91
あの二人両思いなんだよな
- 98 :
- ミントちゃんスカート短いからよくパンチラしそう。
それで風が吹いてスカートがめくれても「爽やかな風〜」って言うだけで押さえなさそう。
- 99 :
- 揚げ
- 100read 1read
1read 100read
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