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2012年7月エロパロ602: サムスピ総合エロ萌えSS 4 (492)
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サムスピ総合エロ萌えSS 4
- 1 :06/11/20 〜 最終レス :12/05/01
- ここはサムライスピリッツシリーズの
萌えSSやエロSSを書き込むスレッドです。
サムライスピリッツ天下一剣客伝公式
ttp://www.snkplaymore.jp/official/samurai_tenka/
- 2 :
- 前スレ
サムスピ総合エロ萌えSS 3
http://sakura03.bbspink.com/eroparo/kako/1135/11359/1135936225.html
*これまでに投下されたSSの保管場所*
2chエロパロ板SS保管庫
http://s1.artemisweb.jp/sslibrary/
(サーバーが重くて繋がりにくいです)
- 3 :
- 建ててみました。
3Dが出てからの方が良かったのかな。
64さんのリムSSの続きが読みたいです…
- 4 :
- 11月23日オープン 日本初の出会い系!!
<即愛便> <ラヴメール> 会員制 ¥1.000で使い放題!!
オープン記念先着100名様 年間会員が!!なんと!! 20%off
お早めに!!100名様限り!!
- 5 :
- 保守。かつての住人が戻ってきてくれますように。
- 6 :
- さっそく落ちそうだな…orz
- 7 :
- なんで いろはのSSがないのだろうか・・・。
- 8 :
- ほしゅ
- 9 :
- いろははビジュアル重視ってことかもな
- 10 :
- 保守。スレ立て乙ー。
- 11 :
- ほ
- 12 :
- こないだ確認したときはスレがなくて、したらばのリムスレで捜索願出そうとしてたとこだった。
>>1乙。そしてとりあえず保守。
- 13 :
- 保守
一番ネタに恵まれてそうな慶寅が、全然出てきてない件
- 14 :
- 保守
- 15 :
- かっての神職人さんたちが速く戻ってきてくれますように
- 16 :
- 保守
ここってキャラ同士のカプネタがいいのか、
オリキャラとかの妄想系がいいのか?
- 17 :
- どちらでも大歓迎です
- 18 :
- 287 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/07/13(木) 10:35:46 ID:6WkDYtPQ
ガルフォードとヤンタムゥ二股かけてたのがばれて、
二人に性的な意味のお仕置きを食らうナコルルキボン
↑これマダー?
今なら大之介も加わってさらに過激〜
- 19 :
- いろはと俺的趣味で美形の旦那様のSS、まだ途中なんだけど投下してみる。
「・・はあ・・・・」
その、娘の、可憐な声音と共に、漏れた、ため息が、悩ましく豊かな両の乳房の、谷間の辺りに、そよぐ。
絶世の美女、と形容しても追い付かない、この世のものとは思えない程の美貌でありながら、近寄り難さを感じさせないのは、
その、大きく円らな瞳が、どこか幼く感じられる程に、無垢で、澄んでいるせいだろうか。
だが、いつもは無邪気な微笑みに彩られている娘の面差しは、今は、どこか戸惑い、頬に紅が過ぎり、
先程から何度も、小さなため息が、可憐な唇から零れている。
娘の名は、いろは。
いろはが、「旦那様に幸せになって頂く願いを叶える為」、出場した、「駿府御前試合」は、いろはの優勝に終わった。
突如姿を現した、「魔界を制したる我旺」をも、その命を奪う事なくして倒し、
「自分は本来鶴だから旦那様を幸せに出来ない」、と、思い込み、自ら身を引こうとしたいろはを、
「御前試合」の主催者、徳川慶寅が諭して、いろはの「旦那様」である若者の元へ戻らせて、
無事、いろはと若者は、何の気兼ねも無く共に幸せに生きていける様になったのだった。
しかし、いろはには、ひとつ、悩みがあった。
(・・旦那様が、伽を求めて下さいません・・・・)
「旦那様」にだったら、抱かれたい。
いろはとて、一切無欲な聖女という訳では、ない。
男女の交わりにもそれなりに関心はある。無論、相手は「旦那様」に限っての事だが。
「旦那様」を誘惑してみたい気持ちも正直有り、大胆に肌を晒した衣装を身に纏ってみたりもし、
「旦那様」も、時々頬を染めて、いろはの白い柔肌に視線を投げ掛けてみたりもするのだが、すぐにその視線は他所へと去り、
二人の清い関係に未だ進展は、無い。
(・・・私、魅力無いんでしょうか・・・・?)傍の者が聞いたらあきれ果てそうな独白が、いろはの胸を、過ぎる。
無垢で清楚ないろはの面差しと、とてつもない色香が溢れて匂い立つ、優美な曲線を描いた、要所要所が形良く豊満な、いろはの肢体は、
あまりにも対照的で、この上なく魅力的である。
その辺りの自覚に今一つ欠けているのが、いろはらしくもあるが。
「旦那様」の、おとなしく、優しい、穏やかな、整った美貌が、いろはの意識を、過ぎる。
(・・・まさか旦那様、女より殿方の方が・・、何て事は・・・・?)
近所の村人が悪気の無い冗談で、「旦那様」の事を、「御稚児様顔だなあ」などと、笑って言っていたのを思い出し、
思わず妙な想像をし掛けて、泡を吹いてひっくり返りそうになり、
慌てて子供染みた仕草で勢い良く頭を左右に振り、その想像を打ち払ういろはであった。
(・・でも、だったらどうして・・・・?)
暫し、考え込み、
(・・よおし・・・!)何事か意を決して、いろはは、一人、頷いてみたりした。
- 20 :
-
「・・はあ・・・・。」
湯殿にて、
いろはの沸かしてくれた心地良い湯加減の風呂につかり、いろはの「旦那様」である若者は、思わず、溜め息を、漏らした。
いろはの贔屓目を除いても、掛け値無しに、容貌肢体共に美しい若者である。
心持ち撥ねたおとなしめの髪が頭部全体を包み込み、印象は少年めいているが、
彼も、男である。
いろはの、色香に、可愛らしさに、いつも、心惑ってしまう。正直な所、思わず、押し倒したくなる。
「いろはには、僕のお嫁さんになって、僕の子供を産んでもらいたい」と、心底思っている。
だが、それが言えない理由が、若者には有った。
「・・はあ・・・」押さえ切れぬ憂いが、若者の面差しを、過ぎる。
戸板一枚隔てて、あえかな、衣擦れの音が、若者の耳に、届く。
(・・え・・・・!?)
(・・・ま、まさか・・まさか・・・まさか・・・・・!!?)
一気に若者の面差しが真紅に染まり、同様のあまり、湯が、激しく音を立てて、乱れ散る。
「・・・あの、・・旦那様・・・・」躊躇いがちに、恥ずかしげに、いろはの、声が。
「・・・な、何・・・・?」若者が、焦りまくって。
「・・・・お、お背中を、お流し致します・・・・・」
戸板が、そっと、開かれて、
あどけなく面差しを真紅に染めて、純白の布の髪飾り以外、一糸纏わぬいろはが、姿を現す。
思い切りさらけ出されたいろはの白い柔肌までも、健康優良を示す美しい血色に染められて、なまめかしく、紅潮していた。
今にも火を噴きそうな程に、若者の頬が、熱く。
数瞬、いろはも若者も、言葉が出ず、
「・・・っ、いっ、いい一体、な、何を・・・!!?」漸く若者の口から出た言葉は、乱れ放題で、
「あ、あの、で、ですから、お背中を・・・!!」懸命に応えるいろはも、どうしようもなく取り乱して、片腕を胸元にあてがい、身をよじり、震えて、
村人達が「雪の様に白い」と形容し、その実、雪には無い溢れる生気に光り輝くいろはの澄み切って白い柔肌が、熱い疼きに、
耐えかねて、痛々しい程紅く染まり、悶える様に、ほのかにくねり、
羞恥に、瞳に大粒の涙をためて、それでも、いろはは、若者に、迫る。
「・・だっ、だめだ・・・っ!!」顔を背けて、若者が。「・・そっ、そんな事されたら、理性が・・・っ!!」
「旦那様・・・どうか・・遠慮・・なさらないで・・・・」風呂桶の淵に、いろはの、華奢で優美な手指が。
「そ、そんな事言われてもっ・・!!」
わずかに、唇を噛み締めて、「しっ、失礼致しますっ・・・!!」意を決して、いろはが、若者の両脇を両手で支えて、
背中を流す為に風呂桶から出てもらおうと、若者の肢体を、持ち上げる。
若者の、すでに猛り狂っている雄根が、湯を弾いて、その姿を現す。
「!!!!」
愕然と、いろはの腰が抜けて、豊満で悩ましいいろはの尻の丸みが、風呂場の床板の上に、落ちる。
茫然と言葉を失ったいろはの眼前に、若者の雄根が。
- 21 :
-
その、雄根は、恐ろしい程の体積を、有していた。
胴体部分でもいろはの二の腕程の太さがあり、いろはの肘から握った拳の先端まで程の全長があり、
雄根の先端部の大きさはいろはの握り拳に匹敵する。
優男で華奢な印象のある若者の肢体とは、あまりに対照的な、あまりにも巨大で獰猛な、凄絶な雄根であった。
若者の心臓が、激しく、熱く、鼓動が、全身を揺さぶる。
腰を抜かしたいろはの両脚が、左右に、股間を谷間として二つの山を連ねた様に、大きく、開いてしまっており、
微かな産毛に飾られた殆ど無毛の、幼い印象の、淡く薄紅を刷いた可愛らしい可憐ないろはの秘唇が、
どうしようもなく、完全にさらけ出されてしまっている。
獣欲が、若者の全身に、荒れ狂い、震えて、
雄根が一層酷く、猛り狂って、さらに少し体積を増してしまい、
思わず、若者が、顔を背けて。
「・・・お願いだ。・・このまま、・・出ていって・・くれないか・・・・。」若者が、ぽつりと。
「・・旦那様・・・・」
「・・・分かっただろ?。・・こんな・・だから・・、僕は、女の人を・・抱く事は・・出来ないんだ・・・・」
「・・・旦那・・様・・・・・」
「・・もし・・理性を・・無くして・・いろはを・・・襲って・・しまったら・・、いろはを・・壊して・・しまう・・・。・・して・・しまうかも・・・・!」抑えた、若者の声に、
悲痛な叫びが、少し、混じり、震えて。
「・・・旦那様・・・・・」泣きそうな顔で、いろはが。
「・・分かったら・・・・出て行ってくれ・・・・っ・・!」
「旦那様っ・・!!」いろはが、思わず、叫ぶ。
「・・いろは・・・・」
「・・旦那様・・・わたしを・・・・抱いて下さい・・・っ!!」涙を、紅潮した可愛らしい頬に伝わせて、震えながら、懸命に。
「・・駄目だ・・・っ・・!!!」若者が、激しく首を左右に振る。
一層激しく荒れ狂う獣欲と戦いながら、懸命に。
「・・・お願いです・・・旦那様・・・・」少し、泣き崩れてしまいながら、いろはが。
「こんなものをいろはに入れたらどうなるか分かるだろう!!?、駄目だと言ったら駄目だっ!!!」
思わず顔を上げて、「!、抱いて頂けないのなら、この場で自害させて頂きますっ!!!」と、いろはが、少し怒った様な顔までして、酷く泣いてしまいながら、必に。
「・・いろは・・・・」若者が、途方に暮れて。
「・・・大丈夫です・・旦那様・・・・、・・ご心配・・なさらないで・・・・」涙で濡れそぼった面差しで、懸命に、微笑んで。
「・・大丈夫だなんて・・、・・何の根拠があってそんな事を・・・・!」
「・・と、とにかく大丈夫ですから・・・!」
「・・・いろは・・・・・・」
長い様な、短い様な、時間が、過ぎて、
耐えかねる様に、風呂桶から出て、
どうしようもなく、いろはを抱きしめてしまう、若者。
熱くうずく肌に、熱くうずく肌が、触れ合って。
「・・もう・・止められないぞ・・・・・」小さな声で、きっぱりと、若者が。
「・・・止めないで・・・、・・・遠慮しちゃ・・・いやですよ・・・?」微笑んで、いろはが、そっと、若者の背中を抱いて、若者に身をゆだねる。
若者の雄根の先端が乳房の下半分に当たり、下腹からみぞおちへ、さらにその上へと掛けての肌に、押し付けられているのを、感じて、
震えながら。
- 22 :
- いろはキタコレ
世間でどう言われようと、可愛げのあるこのキャラは大好きだ。
って旦那様sugeeeeeeeeeeeeeeeeee!?
- 23 :
- hoshu
- 24 :
- 旦那様こええw
- 25 :
- 続き!続き!
- 26 :
- 書けてる分だけでも投下。
19〜21の続きです、はい。
******
ふと、若者が、
そっと、いろはの可愛らしい唇を、優美な唇と舌で、愛撫する。
「!」驚いて、身を震わせて、「・・だ、旦那様・・・!?」頬を真紅に染めて、とろけそうになるいろはの、
その、頬を、若者の舌が、子犬の様な仕草で、優しく、愛撫する。
「・・だ、旦那様・・・・・・」あまりの心地良さに、我を忘れてしまいそうないろはを、
そっと、風呂場の床の上に寝かせて、
いろはの首筋に、若者が、唇と舌を、丁寧に、伝わせる。
若者の手指が、いろはの右の脇から右の乳房の裾野辺りに掛けて、そっと、愛撫する。
「ひゃあん・・・っ・・!!?」激しく、震えて、いろはの白い裸身が、大きく、のけぞる。
いろはの輝く漆黒の髪が、舞い、瞳の端から、涙が、飛び散る。
「ごっ、ごめんっ・・!、・・いや・・だった・・・?」若者が、慌てて手を離して、気遣って、少しうろたえて。
「!、いっ、いえ!、・・あ・・その・・・気持ち・・良くて・・・・」いろはの頬が、一層、紅く。
「・・いろは・・・・」若者の頬も、一層、紅潮して、
思わず、いろはの左の乳首に、唇と舌を、あてがう。
「・・ぁあんぅ・・・っ・・!!」一瞬で心臓に染み入った愛撫の感触に、絶頂寸前の感覚に、いろはが、泣き悶える。
若者の手指が、いろはの、内股を、脇腹を、手指を、乳房の裾野を、白い柔肌を、ひたすらに、愛撫し続ける。
いろはの、全身の白い柔肌に、若者の唇と舌が伝い、何度も、何度も、いろはの左の乳首を、愛撫し、
時折、若者の澄んだ瞳に見詰められながら、身体中に、身体の奥深くにまで、心臓にまで、若者の愛撫の感触が、絶頂が、反響して、
成す術も無く、どうしようもなく、いろはが、翻弄されてしまって、身をよじり、肢体をくねらせて、
「・・あ・・はあん・・っ・・!!・・だ・・旦那様あ・・・っ・・ぁ・・あ・・ぁあ・・・あぁんぅ・・・・っ・・・!!!!」面差しを染めて、幼女の様に、泣きじゃくって。
不意に、いろはの可愛らしいさね(クリトリス)に、若者の唇が、優しく、触れて、若者の舌が、丁寧に、愛撫して、
「ぁあん・・っ!!」いろはの柔らかな裸身が、絶頂に、弾んで、「だっ、旦那様っ!!?、だ、駄目です・・そこ・・・汚い・・・・・!!」
子供の様にいろはが泣いて取り乱して、
そこへ、「・・いろはの・・ここ・・・とっても・・・素敵だ・・・・」と、見惚れ尽くした眼差しで、若者が、優美に頬を染めて、呟いて、
「そ、そんな・・・・」頬を真紅に愛らしく染めて、いろはが、一層、戸惑って、
「・・だっ、駄目です・・っ・・!!」
「・・ごめん・・、・・やっぱり・・いや・・・?」
「いっ、いえっ!、あのっ!、その、これじゃ、わたし・・ばっかり・・気持ち良く・・なっちゃって・・・・、
わっ、わたしにもご奉仕させて下さいっ!!!」
「・・・え・・・・?」
いろはと、若者の、瞳と、瞳が、見つめ合い、
「・・あ、あの・・、仰向けに、横になって、・・頂けますか・・・?」
- 27 :
-
面差しを染めた若者が、素直に、いろはの傍らに横たわり、少し戸惑いながら仰向けになると、
その、両脚の間に、いろはが入り、
若者の巨大な雄根を、間近に、見つめる。
(・・すごい・・・・・)
少し怖く感じているのに、どうしようもなく、見惚れてしまって、
そっと、いろはの唇が、若者の雄根に、触れる。
心地良過ぎる唇の感触に、「あ・・っ!」と、若者の雄根が、耐えかねて、打ち震えて、
その、獰猛な脈動に、「きゃっ・・・!?」と、思わずいろはが、小さな悲鳴を上げる。
「あっ、あのっ、ごめん・・!」「すっ、すみません・・!」と、若者といろはがほぼ同時に、思わず謝ってしまって、
「その・・、いろはの、唇が、すごく・・気持ち・・良くて・・・」
「・・あ、あの、わ、わたしが、変な事しちゃって・・、いやじゃ・・ないですか・・・?」
「・・・正直、何か、すごく・・うれしい・・、でも・・」
「何ですか・・?」急にいろはが心配そうな顔をする。
「ぼっ、僕ばっかり気持ち良くなるの、悪いから・・!、」
「・・旦那様・・・・」いろはの胸が一層熱くなってしまう。
「だから、その、・・僕の顔の上に、またがって・・・・!」
真摯に自分の瞳を見つめている若者の瞳に、何だか、逆らえずに、
いろはが、「あの、・・失礼・・します・・・・」と、面差しを真紅に染めて、四つん這いに、若者の肢体を跨いで、
若者の優美な面差しのすぐ上に、いろは自身の秘所を、そっと、あてがう。
思わず、若者が、唇と舌で、いろはの優美な薄紅の秘唇を、愛撫する。
「あん・・・っ!!」どうしようもなく、絶頂に身を震わせてしまい、少しのけぞって、泣いてしまって、
懸命に、いろはが、若者の雄根の胴に、丁寧に、舌を伝わせる。
「・・・っ・・!」あまりの心地良さに身震いしながら、若者の唇がいろはの秘唇に伝い、
同時に、若者の右の人差し指が、いろはのさねを愛撫し、左の手指が、いろはの白い内股の紅潮した感じやすい柔肌を、そっと、愛撫し、
「あ・・っ・・ぁあん・・っ・・・!!!」絶頂にたまりかねて、泣いて、いろはが身をよじり、
一層、懸命に、いろはの、唇が、舌が、若者の雄根の先端部に伝って、ひたむきに、愛撫して。
無心に、いろはと若者が、お互いを愛撫し合いながら、暫く、時間が過ぎて、
「・・も、もう、出ちゃうよ、いろは・・・!」快感にたまりかねて、若者が、ほんのわずか、腰を引く。
「・・・あ、あの、旦那様・・・・・」四つん這いのいろはが振り返り気味に、面差しを真紅に染めて、蕩けてしまって、若者の瞳を見つめて、
「・・どうか・・わたしの・・・中に・・・・、・・・旦那様の・・・御種を・・・・・」と、瞳の端に涙を溜めたままで。
風呂場の床の上に、仰向けに、いろはが横たわり、両太股を開いて、
その間に、若者が、そっと、入り、
いろはの、愛液で濡れそぼっている秘唇に、雄根の先端を、あてがう。
「あ・・・っ!」ほのかに、獰猛に震える、巨大な雄根の感触に、
不意に、恐ろしさが蘇り、いろはが、震える。
(・・・壊れちゃう・・・・・・・・)
「あ、あの、いろは・・・」ふと、動きを止める、若者に、
「・・っ、やめないで下さい、旦那様・・・!」思わず、いろはが。
(・・・・こわいけど・・でも・・・・)
(・・・今・・結ばれ・・なかったら・・・永遠に・・旦那様と・・・結ばれる・・事が・・無い様な・・気が・・・・っ・・!)
(・・・・そんなの・・・っ・・!!)
「・・・・いろは・・・・・・・・」泣きながら自分の瞳を見つめているいろはの瞳に、若者が、言葉を、失い、
「・・・っ・・・・・!」若者が、いろはの秘肉を割り裂きながら、雄根の先端を、突き入れる。
- 28 :
- OK!いいよいいよー
- 29 :
- >2 のサイトが両方とも 404Not foundに なってる...。
- 30 :
- >>29
http://red.ribbon.to/~eroparo/
- 31 :
- シャルロットが好きなんだけど人気があんまり無いな・・・
- 32 :
- 約一年ぶりですが。年明けあたりから続きをやらせて下さい。
- 33 :
- 復 活 万 歳
- 34 :
- あなたを待つ為にスレを建てさせて頂きました
保守して良かった…
- 35 :
- リムSSまだー
- 36 :
- 。・゚・(ノД`)・゚・。ヤッホーイ
- 37 :
- おお、陸捨肆氏のSSをまとめで見てずっと続きが読みたいと思ってたんだ
素でうれしいわ
- 38 :
- みなさまこんにちは。ご無沙汰しております。
遅くなって申し訳ありませんでした。
さて、再会するのですが
「カムイの森の中で、リムルルがシカンナカムイを蹴り倒すところ」
からお話が始まります。
どんな話だったかお忘れになられた方、私含めいらっしゃるかと思います。
ここまでのあらすじを>30のアップロード掲示板に置いておきましたので、
興味のあられる方はどうぞ。
- 39 :
- 「ぐっ……お……!」
とび蹴りを食らい、シカンナカムイは派手に草花の上に叩きつけられ、ごろごろ転がって
ようやく止まった。
「どうだッ!」
地面に着地したリムルルは、かなりの手応えを感じていた。空中から戻ろうとするコンル
に振り向いて、人差し指と中指を立てた手を突き出す。こちらの時代で覚えた、勝利を
意味するものだ。
「ナコルルねえさまに酷いことしたんだ、こんなじゃ済まないんだから!」
だが当のナコルルは、シカンナカムイの束縛から解かれてはいなかった。何の未練も無く
罪人しの鎖を手放すと、リムルルの横を素早く走りぬけ、あろうことかシカンナカムイに
寄り添い、立ち上がる手助けを始めた。
「ね、ねえさま!」
リムルルが袖を掴むこともできず、コンルが足元を凍りつかせる隙も無いぐらい、ナコルル
の動きは俊敏だった。恐らく、ナコルルにかけられている呪いは、シカンナカムイのそばを
離れられないようになっているのだろう。
ナコルルの肩を借り、シカンナカムイがゆっくりと起き上がる。
「あんなにすぐに動けるなんて……。思いっっきり蹴ってやったのに!」
あまりに頑丈な相手。
自分はとんでもない事をしようとしている――リムルルにはその自覚がある。
シカンナカムイはパセカムイ(尊いカムイ)の中のひとりだ。空を自由に飛びまわり、
力に溢れた光と音を地面に降らせるカムイの中カムイ。カムイコタンに、最強の剣技と
優雅な舞踏を伝えた偉いカムイ。
そのカムイに、単なる人間の自分が挑もうとしているのだ。何て恐れ多いことだろうか。
でも、そのカムイは最大の罪を犯している。
同じカムイのシクルゥに怪我を負わせ、邪悪な武器を手にして優越に浸り――
姉の命と身体を、魂までも弄んだのだ。
コンルとは全然違う。もう、シカンナカムイはパセカムイではない。
「コンル……あいつは、ウェンカムイはやっつけなきゃダメだね。絶対に許せない」
地面を蹴ろうとしたリムルルの前に、コンルがふわりと躍り出た。ぴしりとリムルルに
向けて小さなとげを突き出し、止まるようにと言う。
「ちょ、コンル!どうして」
「く……ふふ。すっかり忘れておったわ」
長い髪をばさりと掻き揚げ、シカンナカムイが立ち上がった。
「いや、忘れていたのではない。あまりに取るに足らぬゆえ……お前の存在など、眼中に
無かった。これこそが正しきところよの。のう、人間に与する愚かなカムイ……コンルよ」
シカンナカムイの威圧的な金色の眼光が、コンルへと向けられた。コンルも負けじと冷気を
放つ。怒っているらしい。
「ナコルルに付き従うなら話も分かろう。しかし何故、そのような娘の憑き神などになった」
袖についた汚れをナコルルに払わせ、襟を正しながらシカンナカムイが尋ねた。
「コシネカムイ(位の低いカムイ)はコシネカムイらしく、卑俗な巫女を選んだとでも?」
- 40 :
- 「ちょっとあんた……いい加減にしなさいよ!」
シカンナカムイの言葉に、リムルルは頭に小石を投げられたようにカチーンときた。
「コンルは愚かなんかじゃない!」
「貧弱な冷気を操るしか能のないコシネカムイの、どこが愚かでないというか」
「バカ!やめなさいよそのコシネカムイっていうの!」
リムルルは今にも飛びかかりそうな勢いで叫んだ。
「カムイはみんな大切なんだ!それにコンルはわたしの大事な友達で、家族だよ!アンタが
何て言っても知らない。コンルはわたしの一番のカムイなんだから!現にアンタだって
驚いてたじゃない」
「左様」シカンナカムイが手を挙げ、ナコルルを後ろに下げさせた。
「全く持って、の。我としたことが甘く見ておったわ。人間に『友達』やら……まして
『家族』呼ばわりされるにまで堕ちたカムイに、これ程の力があったとはの」
「許さない……もう許さない!あんたはやっぱりカムイなんかじゃない!」
リムルルが腰の後ろに結わいたハハクルを抜こうとした、その時だった。
『シカンナカムイさま……あなたは、本当に、そう思われるのですか』
いきなり頭に飛び込んできた、少しもたついた女性の声に、リムルルはびくっとした。
『仰るとおり、人間は、カムイを奉り、尊んでくれます……。私達が、アイヌモシリに
もたらした……恵みへの感謝と、親愛の……念を込めて』
誰のものか分からない女性の声は静かに、少したどたどしく、リムルルが良く知るカムイと
人間の繋がりを説く。ハハクルを抜くことも忘れて、リムルルはきょろきょろと声の主を探した。
『だから、その親愛の気持ちが……その、絆の一つが……仮に、仮に友情の形に、家族の
形になって表れたとしても……私はおかしくはないと思います。この、立派な、アイヌの
戦士が言うように』
リムルルは、目の前に漂う氷の形をした友人を見た。コンルはいつに無く白い冷気を強め、
もうもうと地面にまで届かせている。いつもならきらきらと輝いている幾何学的な形の身体が、
冷気にさえぎられて見えなくなるほどだ。
「こ、コンル……?」
「ほおう」相棒の様子にうろたえるリムルルをよそに、シカンナカムイが鼻で笑った。
「何も知らぬコンルカムイごときが、我に道理を説くか」
「コンル!やっぱりコンルなの?何で……いつもと違う」
『リムルル。そう、私。ごめんね、心配させて』
大人の女性の声で謝られて、リムルルはさらに困惑した。コンルは明らかに様子が違って
いる。声色はおろか、言葉遣いさえ全然違う。いつも頭に直接とどいてくる声はもっと
打ち解けていて、同い年の友達みたいに話しているというのに。
「どうしたコンル。お前の積み重ねた友情とやらが揺らいでいるではないか」
「うるさいうるさい!コンル、何のつもりなの?どうしたの??」
- 41 :
- コンルは何も答えないまま冷気だけを発し続け、ぽっかりと浮かんだ雲の中に紛れるように
してついに姿が見えなくなった。漂い降りてくる冷気の中にある草花とリムルルの靴にまで、
真っ白な霜が降りている。
「ねぇコンル!コンルってば!!」
ただならぬコンルの雰囲気に強い不安を感じたリムルルは、冷気の漂う中に両手を伸ばし、
氷の友人を掴んだ。
「やめて、コン……」
しかし、強力な冷気にかじかむ指が探り当てたものは、いつもと手触りが違っていた。
冷たくて滑らかな心落ち着くあの感触ではなく、冷気の中に存在するのがおかしいぐらい
に温かな何かがリムルルの指に絡まり、きゅっと力を感じさせた。
人間の、指だった。
「この子に危機が訪れたなら、私が必ず守る……あの日、そう誓ったのです。そして
今こそがその時……私が闘わねばならない時!」
大人びた女性の声が、今度は頭にではなく耳に直接届く。さあっと冷気が引いてゆく。
「これ以上、この子からは何も奪わせない。それがパセカムイであったとしても、です」
コンルが居たその場所には、ひとりの女性が屈んでおり、リムルルの手を取っていた。
手を結んだまますっくと立ち上がるその女性を、リムルルはあんぐりと見上げた。
すらりと背の高い、豊満な女性らしい身体を包む純白の晴れ着。雪の結晶をかたどった、
薄青色の刺繍の帯。シカンナカムイのものよりもずっと白く、柔らかそうな腰までの銀髪。
「リムルル……。そんな顔しないでね」
視線に気づき、白い肌の女性がリムルルに顔を向けた。
優しさを形にしたような、重たげな二重まぶたが下がり、にっこりと微笑む。
「どんな姿をしていても……私は私。ずっと一緒だからね。リムルル」
「コンル、コンルだよね?」
「そう。私はコンルカムイ」
リムルルの頭をそっと撫で、美しい女性となったコンルはシカンナカムイに向けて言った。
「私はこの子ひとり、その幸せのために生きる事を誓った、愚かな氷のカムイです」
――こ、この人が……コンル?
リムルルは、優しい中に精悍さを湛えた人間の姿の相棒に見入っていた。
驚かないはずは無かった。さっきまで親しみ深い氷の姿だった相棒が、今は自分より、
レラやナコルルよりも背の高い美女に変身しているのだから。もはや初対面と言えなくも
無い状況だ。
なのに、沸き上がるこの親近感は一体何なのだろう。
友人だからか、家族だからか。幾つもの闘いを共に超えてきた仲間だからだろうか。
頭を撫でられただけで、兄や姉がしてくれたのとは違う、感じたことの無い安堵が胸に
広がる。少し笑いかけられただけで、初めて見た顔のはずなのに、ずっと昔から知って
いたような、そんな懐かしさを感じる。
戦いの場に似つかわしくない、柔らかな印象のコンルと、自分の抱いている感情。
――わたし……ずっとずっと、こんな人と一緒に過ごしてきたんだ。
- 42 :
- 「コンル……」
リムルルがコンルの横に立ち、何かを言いかけたその時、ぱちぱちと拍手が聞こえた。
「見事!見事みごと!いやはや……今日は驚くべきことの多き日よの!」
わざとらしく手を打ちながら、シカンナカムイが笑う。
「よもやコンルカムイがアイヌモシリで人の形を取ろうとはの。コシネカムイらしからぬ
力量、それもお前が言うところの『絆』のなせる業かの?」
「何の罪悪感も無く人間を陥れ、同胞をも傷つけるあなたに、お分かりになるとは思え
ません」
あくまで折り目正しく、しかしコンルの言葉は厳しかった。
「カムイの暴走は、カムイが止める。それが道理というもの。シカンナカムイさま……
今一度お伺いします。何故ナコルルさんを利用し、このような無意味な土地をお作りに
なられたのですか」
「無意味と言うか?」
「私の目は節穴ではございません」
ふうっと、コンルが白いため息をつく。
「リムルルと共に降り立ったこの土地で、私が異変に気づかないとお思いですか?多くの
カムイ達が苦しんでいるというのに、なぜ彼らを癒すためのナコルルさんの力をあのような
大樹へと……?彼らを、アイヌモシリという土地を見捨てるような行為を、なぜ」
「少し褒めてやれば、生意気を言いよるわ……」
高慢な性格のシカンナカムイには、コンルの態度が気に食わないのだろう。邪魔者に対する
冷たい目つきが、彼の性格を物語る。だがシカンナカムイは何を思ったか、ふんっと鼻で
笑うと、
「良かろう……考えが変わったわ。我の崇高なる思索、そこまで知りたいとなれば、まずは
昔話をせなばなるまいの」
悪賢そうなたくらみを含んだ声色で、シカンナカムイは話し出した。
「その昔。この世界には人食いの刀があった。何者の手によって作り出されたかも知れぬ、
人の背よりも高い巨大な妖刀よ。人であろうと、カムイであろうと、それを手にした者は
瞬く間に心を壊され、戮の限りを尽くすようになる。あらゆる命を冥界へと導くその刀は、
アイヌモシリを滅びへと向かわせ、いずれはカムイモシリをも蝕むであろうと危惧されておった」
シカンナカムイはそこで足元へと手を伸ばし、美しい赤い花を茎ごと一輪摘み取った。
「人間の悲鳴を聞いた我ら尊きカムイの祖先たちは、大軍を成してアイヌモシリの大地へと
降り立ち、幾年にも渡る激闘の末、ついにその人食い刀を……真っ二つに折った!」
花の茎がシカンナカムイの手でぷちりと折られ、左右の手に分かたれる。
「さて、残されたのは真ん中から折られた刀。妖しき力も二分されたかと思いきや、鋭く
尖った切っ先の方へは、力が残らなかった。そこで我らは、切れ味を残すのみとなった
その折れた先の方へ番人を宿らせ、一振りの宝刀として鍛えなおし……人間に与えた」
シカンナカムイは、手のひらの上にある折られた茎のうち、花のついた方を、リムルルに
向けて差し伸べた。
「力無き心の者には抜くことさえ許されず、正しき心を持つ戦士の手によれば、ありと
あらゆる魔を払う。力というもの……その在るべき姿を示しつつ、アイヌモシリに平穏を
もたらす刃。それが、宝刀チチウシよ」
- 43 :
- 「えぇ?」
リムルルは思い切り疑いの声を上げた。
「でたらめじゃ無いでしょうね……って、そんな話関係ないじゃない!今は――」
「待って、リムルル」
つっかかろうとするリムルルを、コンルが制した。
「あれは恐らく本当の話よ」
「でもっ!今は関係ないじゃない!」
「それがそうでもないのだ。リムルルよ。面白いのはここからだぞ?ナコルル、花は好きか」
後ろで棒立ちになっていたナコルルが、素直に首を縦に振った。
「よろしい……美しき女子に、美しき花……これが似合わぬはずがあろうか」
シカンナカムイは折り取った花を、ナコルルの赤い鉢巻に挟んで耳元に飾り、黒髪を
さらさらと指で滑らせた。
「うむ……美しい!おお、待たせたの」
一瞬だったが、シカンナカムイは確実にリムルル達のことを忘れていたらしい。にやけた
顔で振り返ると、もう片方の手を差し伸べた。手のひらの上には、花を失った茎だけがある。
「さて、妖しき大剣の先端はめでたくも、アイヌモシリを守る秘宝として生まれ変わった。
では残された方は如何か?アイヌの戦士よ、チチウシを受け継ぎし者よ……。お前に分かるか」
「ふん、知らない。そんな話は初耳だよ」
リムルルは強い疑惑を胸にひっかけたまま、考えもせず無愛想に答えた。
「残された刀は、象徴とも言うべき切っ先を失って幾ばくか衰えたものの、未だ妖しき力を
充満させておった。再び人の手に渡れば、今度こそアイヌモシリの破滅は免れぬ。そこで
我らが祖先は、その危険な武器を大岩の中に封じ込め、アイヌモシリの何処かにある底なし
沼の深くへと沈めた。こうすれば誰の目にも留まらぬ上、岩に施された強固な封印により、
妖気が外に漏れる事もない」
「めでたしめでたしってわけね……もうお話は終わりでしょ」
「じき終わると言うておろうが。かくもせっかちな娘に育つとは、躾のなっとらん事よ」
足元をじりっと踏み固める仕草をするリムルルを見て、シカンナカムイが呆れた顔をした。
「まったく、親の顔が見たいと言うものだ……のう、コンル?」
よくある類の皮肉だと、リムルルは大して気にもしなかった。実の両親はどこにも居ない
が、そんな事は何の引け目にもならないぐらい、素晴らしい家族に囲まれて暮らしてきた
からだ。しかし、
ぎゅっ……
繋ぎあった手が固く握りしめられるのを感じ、リムルルは傍らのコンルを見上げた。
「……コンル?」
コンルの唇が小さく動き、白い息がすぅっとこぼれて消える。声は聞こえなかった。
でも、リムルルにはコンルがこう言ったように見えた。
まさか、と。
- 44 :
- 「さて、時は経ち、今を遡ること数百年まえ――」
「まさかとは思っておりましたが……やはりそういう事なのですね」
コンルの美貌に一瞬、驚愕の色が刺し、さっと暗い影に沈んだ。
「それが真実だとしても……シカンナカムイ様、あなたがあの大樹をお作りになってなさ
ろうとしている事と、この話の続きとは、何も関係が無いはずです。はぐらかさず、私の
質問にお答え下さい」
「数百年前のある夜、山の中に、突然ひとつの白い光が走った――」
「もうそれ以上、このお話はおやめ頂けませんか」
氷のカムイであるはずのコンルのきつく握られた手に、じわりと汗が感じられる。
「ねえ、どうしたのコンル?あの昔話がどうかしたの?」
心配するリムルルをよそに、シカンナカムイはこう続ける。
「山の麓にあるコタンの男が山に輝く白い光を見つけ、異変に気づき駆けつけると、かつて
は底なしの沼だったというくぼ地にある大岩がひび割れ、その間に何か細い、マキリの柄の
ようなものが隙間から飛び出ているのが見えた――」
「この子に伝えるべきことは、私のこの口から必ず伝えます……ですから、どうか!」
触れられたくないものがあるのか、コンルは冷静に見えて、言葉尻に焦りを隠せずにいる。
「ちょっと、何だか知らないけどコンルが嫌がってるでしょ!やめてよ!」
陳腐な皮肉をシカンナカムイが口にしてから、コンルの様子が明らかにおかしい。仲間を
放っておけないリムルルは、何が何だか分からないまま抗議した。
しかし、二人の声など聞こえないかのようにシカンナカムイは話を先に進めてしまう。
「光に誘われた男が近づくと、岩のひび割れから声がしたという。『お前にこの世の全てを
与えよう。お前達……この世の全てが欲しているものを』と――」
「いけません!それ以上は!」
「コンル……」
髪を振り乱して叫ぶコンルの姿に、リムルルは当惑せずにはいられなかった。
人の姿をしたコンルの、この慌てようは一体どうしたことだろう。氷のコンルはいつも
冷静で、こんな風に大きな声を出したりすることなど稀だったというのに。
「どうか、もう!この子には必ず私から伝えます!」
悲痛なコンルの叫びに、シカンナカムイの語りが一瞬止まり、口が弓のように吊り上った。
「甘い誘惑に満ちた声に魅せられた男が、その取っ手をつかんだ瞬間……男の身体は」
「それ以上は……絶対に言わせませんっ!」
叫びとも悲鳴ともつかない声を上げ、コンルがシカンナカムイ目がけてごうっと加速した。
きらきらと光る氷の結晶を撒き散らしながら、宙に浮いたコンルは花々の上を滑るように
行く。リムルルが全速力で走るよりも、ずっと素早い。
「ちょっとコンル!わたしも――うわっ」
リムルルも後を追おうとした。だが、意志に反して足が動かない。透明な氷が、リムルルの
靴をまるごと固めて放さないのだ。
- 45 :
- 「ど、どうして!?」
「人の話を聞かぬのも、躾のなっていない証拠よの……リムルル、コンルは言うたで
あろう?」
シカンナカムイが、人差し指を立てた右手をゆらりと空にかざしながら言った。
「カムイ同士の闘いに人間の手出しは不要!『カムイの暴走は、カムイが止めねばならぬ』
と!コンルカムイ!我に楯突くは正しく暴走!お前の狼藉……万に値するっ!」
シカンナカムイの瞳の奥に光の線が走り、天を指した指が、ぴゅっと下に振り下ろされた。
ジジッ……ズダァン!
頭上に、布を裂くような音がした。コンルがぐっと加速した直後、金色の光柱が
重い爆発音と共にコンルの背後に落ちる。リムルルを跳ね飛ばし、シクルゥを一撃で行動
不能に陥らせた稲妻だ。地面がえぐられ、大きな魚が川面に跳ねたときのような、土煙の
しぶきが上がる。
「避けたか……ではもう一発」
立てた指を、シカンナカムイは手首の振りを利かせて右から左へと抜き払った。
猛烈な破壊の可能性を持つ光の帯が、軽やかな指の動きをなぞるように、直進するコンルを
横から襲う。
しかし、次の手を考えていたのはシカンナカムイだけではなかった。立ち止まったコンル
も右手を真横に伸ばすと、
「鏡っ!」
小さく念じるように叫んだ。
右手から冷気が放たれ、ぶ厚い氷の鏡がコンルの半身を覆った。シカンナカムイの電撃が
鏡に衝突し、ばあんっと四方に弾ける。
「ほほう……ではもう一発」
「鏡!」
「もう一発!」
「跳ね返せ!」
あらゆる方向から狙いを定められても、コンルはその電撃をことごとく鏡で跳ね返した。
「なかなか、やるの」
「私の氷は……純粋透明な意志の塊は……雷撃などには負けません!」
シカンナカムイが攻撃の手を止めた隙に、コンルが再接近を図ろうと前傾した時だった。
「うあっ!」
コンルが小さく叫び、顔が苦痛にしかめられた。二・三歩よろめき、左手で右の腕をかばう。
「やだ……こ、コンル――ッ!」
リムルルは思わず叫んだ。晴れ着から覗くコンルの右手に大きな亀裂が走り、肘から下が
ぼろりと落ちたのである。落ちた腕は、地面を待たずに原形を失い、粉々になって風に
押し流された。
「う……くっ……はぁ、はぁ、はぁっ!」
「成る程、お前ごときがアイヌモシリで人の形を取れたのはやはり、その『絆』のなせる業か」
肩を大きく上下させ、苦しげに真っ白な息を吐くコンルを見て、シカンナカムイが意地
悪く言う。
「その小娘を思いすぎるが故に、カムイとしての自覚を失い、ついには命をも捧げよう
とは……。『絆』、かくも愚かなるものよ」
- 46 :
- ――命?!
シカンナカムイと対峙するコンルの背中を見つめていたリムルルが凍りついた。
「コンル……命なんて嘘でしょ?そんなの嘘!!」
「嘘なものか。コンルは我とは違う。人間の夢の中でしか真の姿を現せぬ程度の力しか
持たぬカムイが、アイヌモシリで実体を晒し、あまつさえ我の攻撃を受け続けるなど……
ふん、自に等しいわ」
「コンルやめてぇ!早く……早く元に戻ってよぉ!!」
「そうは……いきません、リムルル。はぁ、はぁっ……私は……誓ったのだから!」
激しく乱れた呼吸の合い間に、コンルが言葉を繋げる。
「あなたからは、誰にも何も奪わせないと……あなたが悲しみにくれることなく生き
られる世界をと!」
「そんなの知らないよバカぁ!コンルが……コンルがいなきゃ……うああああ!」
リムルルはハハクルを抜き、足元の氷の足かせに振り下ろした。言葉にならない動物の
ような声を上げながら、何度も割ろうと試みた。しかし、コンルの氷は冷たく硬かった。
傷一つつけられなかった。
リムルルの叫びも思いも、決して聞き入れないかのように。
「コンル……コンル!コンルぅ〜!」
リムルルはハハクルを落とし、その言葉しか知らない赤ん坊のようにコンルの名を呼び
続けた。
「リムルル、ごめん……ね」
コンルが弱弱しく言いながら振り返った。どんなに辛いか分からないこの状況でも、二重の
奥に収められた青い瞳は、痛いぐらいにリムルルを優しく見つめている。
「これは、約束なのです……あなたと、あなたの大好きだったお父様との」
「とうさまと?」
「そう。あなたを苦しめるものは、絶対に許さないと……あなたの幸せを、祈り続けると。
私のカムイとしての誇り、どうか遂げさせて」
柔和そうな太い眉毛を下げて、コンルは嬉しそうだった。片腕を失い、命を削りながら、
どうしてあんな顔が出来るのか、リムルルには想像もつかない。胸が苦しい。締め付けられる。
なのに、どうして。
あの青い眼が、どうしてこんなに安らぎを与えてくれるのだろう。
このままではコンルが――かけがえの無い家族が身を滅ぼそうというのに。
手の届かない、遠いところへ行ってしまうのに。
それなのに。
――何?この感じ。ずっと……こうしてたい。そうやって、見つめててもらいたい。
人の姿をとったコンルの瞳から伝わってくる優しさは、悲しみよりもずっと強くリムルルを
包んで離さず、一夜にして全てを失ったあの悪夢の時よりもさらにさかのぼった、記憶に無い
時代を強く意識させた。
今を生きるリムルルが、確かに過ごしたはずだったその時代の事は、誰も教えてはくれな
かった。父親でさえも。
それでも。
抜け落ちた過去――母親との時間――を埋めるかのように、その人は笑顔で自分を見つめて
くれている。
- 47 :
- 「コンル、コンルは……わたしの……」
「リムルル、もう、何も言ってはいけませんよ。私にはそう呼ばれる資格は……無いのです」
コンルの細められた左目の下に、小さな輝きが生まれた。
「私は……あの時……あなたの大好きなお父様が犠牲になられたあの日……」
コンルは一瞬ためらい、そして言った。
「私は、あなたと、あなたのお父様を残して……逃げたのだから」
コンルの左目をこぼれて離れたその輝きは筋となり、頬を伝い、顎に届いて――
ばきっ。
音を立てて、深く蒼いひび割れを美しい笑顔に残した。
金色の稲妻がコンルの服の上を蛇の如く駆けめぐり、ふくよかな身体を締め上げる。
「――!!」
リムルルは、あまりの驚愕に声を失った。
「償いの時は十分に与えてやったのだ……感謝せい、コンルカムイっ!」
シカンナカムイが伸ばした右手を握り締めると、一段と高い炸裂音と閃光が彼の手から
発射された。コンルの周りに咲いていた花々が次々と焦げんでゆく中、コンルは一人その場に立ち尽くす。
「……リムルル、本当にごめんなさい」
電撃の中、コンルは自分の顔に生じた亀裂を愛しそうに指でなぞった。その笑顔は曇る
どころか、何か重いものの下から開放されたかのような、安らぎさえ含んでみえる。
「リムルル……最期まで、私を信じて、友と……家族と慕ってくれて……ありがとう」
「あ、あぁ…………か……かあさ……」
リムルルのわななく唇が言葉を伝えるのを待たずに、コンルは背を向けた。
「貴女が未来に進むために失うものの最後が、どうか……私でありますように!」
コンルは落雷を身体に浴びながら、残された左手をシカンナカムイに突き出した。
「我こそはコンルカムイ!」
はぁーっと白く大きな息を吐き、瞳の青を強く輝かせ、コンルが名乗りを上げた。
「雪と氷に閉ざされし大地……蒼く美しき永久(とわ)を万物に!」
コンルの身体がしゅうっと透きとおり、身体の表面を蠢いていた稲妻が動きを徐々に緩め、
ついには止まってしまった。シカンナカムイの稲妻は、コンルの冷気によって透明な氷の
結晶へと姿を変えていたのである。
それはさながら、コンルの身体に巨大な植物のつるが巻き付いてゆくようだった。そして
氷となった稲妻のつるはコンルの全身に及び、シカンナカムイへと向けられた腕を放れても
成長を止めることなく、稲妻を生み出している主に絡み付こうと伸びてゆく。
「光であろうと……稲妻であろうと!凍てつけ!コンルノンノ!」
コンルの振り絞った声が響き、シカンナカムイへと向かう氷のつるの先端がつぼみのように
膨らみ、氷の粒子を撒き散らしながらぐばっと八方に開いた。幾重にも重なった花弁の
ような氷の刃は、繊細さと凶暴さに溢れている。
冬にしか咲かない、鋭利な氷の大輪が、自らの成長を阻むものを跳ね飛ばそうとシカンナ
カムイに迫る。
- 48 :
- 「氷の花――冬にしか咲かぬ花。ふむ、美麗絶頂……」
シカンナカムイが、自分の視界全てを多い尽くす氷の花を前にしてつぶやいた。
「コンルカムイよ、かくも珍しき花を咲かせるとは……。まずいのう。神聖なるカムイ
同士の戦いの最中に、かような美しい光景をナコルルに見せては」
黒い影が、卑しく笑うシカンナカムイの後ろから躍り出た。
「何せナコルルは花が……『花摘み遊び』が大好きだからのう!!」
影――ナコルルが駆ける。巨大な氷の花の横を駆け抜ける。
その細い右の腕には、大きな花を摘むには丁度よい、異常なほどの大きさと鋭さを持つ
魔界のかぎ爪「あざみ」。
冬にしか咲かない花は、当然ながらそこを動くことは出来ない。
「花の一生は短いというのう」
シカンナカムイが見守る中、ナコルルが、氷の花の一番の根元に黒光りする爪を伸ばす。
「されども人知れず咲いていれば、もう少し長生きできるものを、の……」
じょきり。
金属の擦れ合う音と共に、ナコルルの花飾りがぱぁっと散った。
シカンナカムイを飲み込もうと猛り狂っていた氷の花も、その目前で動きを止めた。
「リム……ルル……」
「コンル……かあさま」
「誇り高きアイヌの戦士よ、私はひと時でも、貴女の……母となれて……幸せでした」
「嫌あああぁぁぁ!!かあさまあああああああ!!!!」
胸を五つの爪に貫かれ、ナコルルの花飾りと共に散りゆく間際。
コンルという名の氷の花は、最期の最期まで笑顔だった。
- 49 :
- コンル…。・゚・(ノД`)・゚・。
楽しい話をありがとう64様
あなたはパセカムイの一人です。
それにしても、背景から設定から凄すぎます。
オリジナル設定なことを忘れそうになるくらい。
- 50 :
- クオリティ高いな、作者乙
- 51 :
- 保管庫が繋がらん・・・。
消えちまったのかな・・・?
- 52 :
- >>51
http://red.ribbon.to/~eroparo/
- 53 :
- ↑のアドレスをアドレスバーに直接コピペ汁
- 54 :
- 保守age……
ああ、コンル・゚・(ノД`)・゚・。
- 55 :
- 今ちらっと保管庫見たんだが、すげぇなぁ64さん。
長すぎて読みきれないが、もうどこぞのファンタジー巨編じゃないかッ
おれもいつかそんなの書いてみたいぜ
ガンバって
- 56 :
- 刀の残った方がハハクルになったってことなのかな。
- 57 :
- あぁぁコンル…(;ω;)本当に文章力がすごい。
ところで誰ぞシャルロットを書いてくれませんか。好きなのに乏しくて乏しくてorz
- 58 :
- 息苦しいまでの瘴気に浸された薄暗いカムイの森に、またしても青い火花が飛び散った。
二つの影が木々の根の上を飛び回り、かち合っては光りを産み、また離れてを繰り返す。
「イイっ……ぜえェ!姉ちゃん!!フッハハハハハ!」
聞くに堪えない、気が狂っているとしか思えない羅刹丸の叫びが、レラの前を右から左に
流れる。その声だけを頼りに次の動きを予測して、レラは音も無く木々を縫い、いきなり
羅刹丸の前に躍り出た。
そのまま、がら空きの胸を狙ってチチウシを突き出す。
角からの風切音に羅刹丸は濁った目を丸くしながらも、ぶら下げるように握っていた
屠痢兜でその攻撃を簡単に打ち払った。レラもチチウシを叩かれた勢いをしてまで
追撃は狙うことはせず、美しい宙返りですぐに羅刹丸の範囲から退く。
「すばしっこいじゃねェーか!」
羅刹丸が走りこみながら、屠痢兜を振り回した。
レラが羅刹丸のほうを向いたまま、ひょいひょいと後ろへ飛び退く。光の無い刃の軌跡が、
レラの居た場所に漂う深紫の霧を次々に切り裂いてゆく。
「おら!おらァ!!」
諦めずに追いすがる羅刹丸の攻撃を、レラは静かに後ろへ、左右へとかわし続ける。
チッ、と、羅刹丸が舌打ちをしたのが聞こえた。業を煮やしたのだろう、太刀筋を変えてきた。
両手で振り回すのをやめ、速度に乗せて屠痢兜を突き出してくるのである。片腕を眼一杯
伸ばして、射程を広げようというのだ。片手だろうと、レラの身体ぐらいなら十分に貫く
だけの自信があるのだろう、木々の根っこから根っこへと飛び回るレラの身体のど真ん中に向け、
羅刹丸は突きを放ち続ける。屠痢兜それ自体が獣のようにレラの胸を執拗に付け回し、徐々に
その距離を縮め始める。突きつける。
と、レラが失速した。苔むした木の根に滑ったか、つまずいたか。がくんと姿勢が低まった。
「もらったぜェ!」
全体重を屠痢兜に預け、羅刹丸は強く踏み込んでレラの胸を射抜く体勢に入る。
しかし、レラは低めた姿勢を直そうとしなかった。それどころかさらに素早く上体を落とし、
半ば地面に寝そべるようにして羅刹丸の突きをくぐるようにして避けた。そして、どたどた
走りこんでくる羅刹丸の下に潜り込み、手と足でくるりと羅刹丸の身体を支え、巴投げの
ようにしてそのまま後方に流した。
「おあぁぁ?!」
勢い余った羅刹丸はレラの上を綺麗な円を描いて飛び越し、顔面から大木に激突した。
「ぐお〜〜〜〜〜〜〜ッ!おおう、おぉッ」
ずるりと地面に落ちた羅刹丸は、鼻頭を押さえながらのた打ち回った。木の幹に、鼻血の
落書きが上から下へとこびりつく。
「魔界の男でも、やっぱり顔面は痛いものなのね」
「こんの……あまァ!」
背中の汚れをぱっぱっと払いながら皮肉るレラの声にぴくりと反応し、羅刹丸はすぐに鼻を
押さえて飛び起きた。
「糞アマがァ……!今度こそ絶対にす!」
鼻血を流しつつ、鬼の形相で駆け寄ってくる羅刹丸の背負っている気が、一段と強まった
のをレラは感じた。
- 59 :
- 漆黒の軌跡が、またしてもレラの居た場所を切り裂いて回り始める。
「ちっ、何だァおいッ!どうしてそんなに焦らすんだおいッ!かかって来いコラァァ!!」
思い切り振りかぶり、羅刹丸は全身を使って上段から屠痢兜を振り下ろす。途方も無い剣圧が、
刀と指一本分の間だけ横に身をかわすレラの頬にびりびりと刺激を与えた。
切っ先が届く寸前、しかも何の捻りも無い上からの一太刀だが、その存在感と意は空間に
まで影響を与えるほどだ。
このやりとり、切迫する一撃を肌で味わうのは、これが何度目だろうか。
決闘が始まってどれだけ経ったか。時の流れさえ、この虚ろな空間の中では歪んで感じる。
その中で刃を交えては、つかず離れず。これを幾度も繰り返している。
一時は抑えきれない激情に走りかけたレラも、既に落ち着きを取り戻し状況も理解できていた。
羅刹丸は迂闊に近寄れない相手でもあるし、軽く揉めるというわけでもなかった。馬鹿な
ことばかり言うくせに、思った以上にこの男はできる。鉛玉を打ち込んでやった時に膨れ
あがったあの邪気は、決して嘘ではなかった。
生を分ける一撃が頬をかすめるのを横目に見ながら、レラは思う。
――ねえリムルル、ナコルルと出会えた?
それとも、羅刹丸の仲間がいたとして、別の闘いに巻き込まれているのだろうか?
カムイの恩恵深いこの土地に、これだけ腐った悪が踏み込んでいるのだ。強い邪気の中心
はここ(羅刹丸)のような気がするものの、この世を支えるナコルルのところにまで毒牙が
届いていない保証などない。魔を払う宝刀を所持しているのは自分だ。シクルゥやコンルを
はじめとしたカムイ達がきっとリムルルとナコルルを守ってくれるだろうが、切り札たる
自分が抜けているのは好ましい状況ではない。
――この男の望む通り、そろそろ決着を。
レラが意を決すると同時に、止まりかけていた時間が動き出した。
羅刹丸は、大きな一振りをちょうど終えた姿勢だった。レラはその後ろにすかさず回り
こみ、ぼさぼさの後れ毛に隠れた首に向けてしなやかな蹴りを放つ。
決まりきった繰り返しからの、突然の変化。
そこに一石を投じることで生じる隙を狙い澄ました一撃。決まらないはずは無い。
だがそれを、羅刹丸はごろりと前転して避けた。
「うるアァ!」
そして起き上がって振り向くのに合わせ、羅刹丸は片手だけで刀を思い切り薙ぎ払った。
――嘘っ!?
応えの無かった脚をレラが慌てて踏みしめると同時に、辛うじて間に合った盾代わりの
チチウシを屠痢兜がまともに捉えた。レラはやむなくその一撃を受け止める。
「くうッ!!」
虚空をぐにゃりと歪ませるほどの一撃は、並ではなかった。
爪が弾け飛びそうなぐらいの衝撃、肩が外れそうなぐらいの威力。
――これがもし、不意打ちじゃなく正面からの攻撃だったら……?!
嫌な想像をもみ消すように両足でぐっと踏みとどまり、レラは羅刹丸の顔を睨みつけた。
- 60 :
- 「嬉しいぜェ……やっとやる気になったってか。隙もなにもあったモンじゃあねえがなァ」
刃と刃を十文字に合わせたまま、羅刹丸はあごを突き出して笑った。
「あんなションベンの臭いしかしねえガキなんかよりずっといいなァ。ベッピンで、ズル
賢くて、しかもかなりのし甲斐ときたもんだぜ」
「さっきから何を馬鹿なことを」
左手を添え、正面でしっかりとチチウシの峰を押さえながら、レラがさも下らなそうに答えた。
「何でそんなに余裕綽々でいるのか私には分からないけど、あなた、ここでぬのよ?」
「ッ?ほぉ……ヘヘ」
羅刹丸が一瞬驚きの顔をし、すぐにへらへらとニタついた。
「ぬってか、この俺様が!ほおう、ほう……ひっ、ヒヒハハハ!」
「どうして笑うのかしら」
「おお、悪ィ悪ィ。姉ちゃんは剣の腕だけじゃねェって思ってなァ。口も達者だ。あん
まり面白くてよ、こっから先のこと考えるとついついニヤニヤしちまうのよ!」
羅刹丸の腕の筋肉がむくりと膨れ上がり、強烈な馬鹿力が刀を通してレラの身体に迫る。
「っく……!」
「おうおうその顔だ。いいぜェ……耐えながら聞いてくれよな。俺ァな姉ちゃん。強えェ
奴には目が無ェんだ」
羅刹丸が赤く濁った目を細めた。
「そのわけってな、ひとーつ、し甲斐がある。ふたあつ、なかなかしぶとい。みぃー
っつ、苦労しただけ血酒が香り立って、臓物が舌の上でとろけるってなモンでな?」
「そして、よっつ……」レラが言葉を継いだ。「そのおごりが祟って、自分の命が失われる
とは思わなかった。こういう結びでいいかしら?」
「その減らず口がたまらねえんだって言ってんだよ俺アァァァァ!!」
まだ余力を残していた羅刹丸の腕力がにわかに呼び起こされ、レラの身体をいとも簡単に
押し切った。羅刹丸の周囲に渦巻く魔界の毒気にやられて枯れ落ちた草花の上に、レラの
身体が投げ出される。
「おおおおおおおおおらァ!旋風波あッ!」
レラが身を起こす頃には、力を溜めた羅刹丸の地を払う一撃が、叫びと共に完成していた。
屠痢兜に穿たれた単なる土くれが魔力を叩き込まれた無数の散弾となり、レラに牙を剥く。
「うあっ!!痛ぅ……!」
とっさに近くの樹木の裏に避けようとしたものの、レラはもう一歩のところで砂つぶてを
右のふくらはぎに浴びてしまった。下穿きの一部はぼろぼろに破け、そこからのぞく肌には
鋭く細い血の流れが幾つも走っていた。皮膚を覆うような熱い痛みが広がり始める。
「それで逃げたつもりかよォ!おいコラ!」
背にした巨木の向こうから、笑いを交えた羅刹丸の叫びが聞こえた。
とてつもなく嫌な予感を覚えたレラは、息つく間もなく、背中を預けていた樹木の陰から跳んだ。
レラが振り返ると、あんなに太かった樹の幹が、根元から斜めに滑り落ちて横に倒れた。
ずどぉ……!
ただの一刀によって伏せられた枝葉が地面を叩き、もうもうと土煙が立ち上がる。
その煙の中に赤く禍々しい二つの目が霞んで見え、血の色をした一筋の残像が輝いた刹那――
目の前に広がり消えてゆくはずの土煙が、いきなりレラに向けて圧縮するように迫った。
- 61 :
- 「俺様をなすとかって冗談は、こいつを食らってまだ言えんなら聞いてやらあなあァッ!」
今度こそ、避け切れなかった。竜巻に姿を変えた煙に捉えられたレラは、乱暴にぐるぐると
かき混ぜられながら、静か過ぎる森の空へと上っていった。
「うっ……あぁぁぁ!」
もう、右脚の心配をしている場合ではない。まぶたを閉じていなければ眼をやられることに
なるだろう容赦の無い砂嵐が、レラの衣服に穴を開け、引き裂き、柔らかな肌を次々と傷つけて
ゆく。身体のいたるところが焼けるような痛みを訴え始め、レラはぎゅっと目を瞑ったまま
苦渋に顔をしかめた。
空はどっちか、地上はあちらか。方向感覚がどんどん薄れ、思考が揺らぎ始める。
「へっ、ハハハハハハハハハアァ!」
遠くなる意識の底にまで響く、羅刹丸の狂った高笑いを聞きながら、レラは思う。
――強い。この男は、強い!
隙を突いたはずの攻撃が裏目に出た。そこに転がり出たほんの一瞬の好機を、羅刹丸は見逃さ
なかった。
――瞬きひとつでも見逃してしまう攻守逆転の境地……あの男はそれを知っている!
攻撃をしかけていたのは常に羅刹丸だった。それにレラが対応するかたちで、戦闘は進んでいた。
一目で分かる力の強さと、それに頼ったぶっきらぼうな流儀。力に劣る者が相対するには、
素早さで翻弄するのが一番だ。決定打を決められない状況に相手が十分に焦れ、油断し、自棄に
出たところを一突き。これが理想だった。
捉まらなければ、何も恐れることは無かった。だが――
それが、このざまである。
――私が……踊らされていた?
そう、闘いは対峙したときにもう始まっていたのだと、レラはようやくにして気づいた。
羅刹丸は下らぬ話術でレラを勘ぐらせ、言葉巧みに心を熱くさせ、焦れて当然の単調な
刃のやりとりでさえ、あろうことか楽しんでいたのだ。この結果を待ちながら。
全ては羅刹丸の計算づくだったのかどうか、それは定かでない。あれは生粋の馬鹿なのだと、
レラはこうやって四肢を痛めつけられるしかない今もそう思っている。
しかしその馬鹿の術に、レラはすっかりはめられていたのだ。
妹とアイヌモシリに仇をなす宿敵に挑みかからんと、無意識に逸った自分が甘かったのか、
それとも純粋に羅刹丸の力量が自分の遥か上を行っているのか。
相手を本気でいたぶり抜き、すことに喜びを見出している馬鹿。
そんな馬鹿に、今まで会った事はなかった。
そしてここまで自分を追い詰めた敵にも。
魔界の者。忌むべき存在。カムイの森を荒らす無法者。妹を苦しめた、絶対に許せない男。
なのに、どうも妙だ。
こんなにも痛めつけられ、許せないはずなのに、男の置かれた境遇を思い描けば描くほど、
胸を燃やしたあの怒りがどんどん沈んでゆくのである。
- 62 :
- ――何かしら?なんだか……
身体と心の両方にすうすうした新しい心地を感じて、レラはゆっくり目を開いた。
いつの間にか竜巻は掻き消えており、砂にまみれた身体はただ空中に放り出されていた。
涼しいはずである、服はもう単なるボロでしかない。肌の露出のほうが多くなっている
のではないか。そんなことを思うレラの眼球は虚ろに動き、その視線は、自然と一点に
吸い込まれた。
赤く大きな三日月を手にした羅刹丸が自分の身体の上に踊りかかり、今まさにその三日月
を振り下ろさんとしていた。
――すごい。
レラは息を呑んだ。それは、純粋な血の色で塗り固められた天体のような刀だった。
どれだけの数の人間の血を塗りたくればそんな色になれるのか、そんな疑問さえよぎるほどに
真っ赤な真っ赤な月――屠痢兜――が、羅刹丸の振り上げた手の中に固く、きつく握り締め
られている。
その顔の、嬉しそうなことといったら無い。無邪気、そんな言葉が何よりも似合う満面の笑みだ。
本当の満足が目前にある一瞬、何にも変えがたい一瞬なのだ。彼にとって。
この私の血肉を、あの三日月に捧げる瞬間を待つこの時こそが。
――わからない。どうしても。
絶命の瞬間を前に、レラの心にまたも疑問がよぎる。
もしかしたらこの男と同じぐらい、自分も人間の命を奪ってきているのかもしれないと、
レラはこれまでの生き方を振り返る。カムイを苦しめる者なら、魔界の者も、愚かな人間も、
どれもこれも同じように、平等にポクナモシリ(冥界)へと導いた。自然の痛みを知らしめた。
だが、笑顔で敵を葬ることなどした事が無い。
世の中に命ほど重く大切なものは無い。それを笑顔で扱おうなど、人間のする事ではない。
それは屠られる方も同じだ。どんなにこの世にあってはいけない命の持ち主であろうとも、
どこまでも生命に執着し、泣き叫んで奪われまいとする。戦いの最中に笑っている者もいたが、
そんなのは虚勢だ。蓋を開けてみれば、最期はどれもみな同じに泣き喚くのが常だった。
しかし羅刹丸は違う。あんな顔は虚勢では出来ない。
この闘いに、レラの命を奪うことに、全てを賭けているのだ。
その目的や理由が何であれ。
羅刹丸にとって「命」が何であれ。
彼に今課せられているものは一つ。とにかくすことなのだ。心から。
しこそ、全て。それが羅刹丸という男。
仕置こそ、全て。それが私という女。
レラの心に、二つの言葉が重なる。
チチウシを手にシクルゥに跨って、大切なものを……アイヌモシリを、尊いカムイ達を。
リムルルを。
家族を。
その笑顔を絶やさないために、この世に生まれたばかりの幸せを守り抜くために、レラは
闘うのだ。そしてカムイと人とが暮らす、本当に平和な大地を前にしたとき、きっと自分
にも笑顔が。
この身を切り裂こうとしている魔界の男と同じぐらいに、満ち足りた顔で自分も笑うこと
ができるのだろう。
そのための闘い。
そのためのし。
またしても言葉が重なる。
- 63 :
- ――ああ。
頭の中を二転三転するレラの思考はいつしか、ひとつの結論へと達していた。
――なるほど。そういうことなのね、私。怒りも蘇らないわけだわ。
その結論を認めていいものかなどと、レラはここに来て迷いはしなかった。
――この男、似ているんだ……私と。
自分の使命のために、してして。そうして生きてきた。そう生きるしかなかった。
――私もそう。し続けたわ。闘い続けてきたわ。本当に、そのために生きてきたの。
ならば、レラは魔物だろうか。断じて違う。いくら似ているとはいえ、羅刹丸と自分は
根本的に違うのだと、レラは確信している。同じ使命を背負っているからこそ、ここで
負けるわけにはいかない。あの赤い刃の餌食になどなってはならない。
――私は、この魔物とは違う。私には、背負ったものがある!誓ったことが!!
負けられない。
「断 空 裂 斬 ッ ! !」
羅刹丸のつんざくような叫びが、耳に聞こえた。
レラは瞬きを一つ、それだけで瞳に生気を取り戻し、自分の額に怒涛の勢いで迫りくる
赤い刃を認めると、思い切りチチウシを振りかざした。
間一髪、空中でふたたび十字にかち合った刃と刃から、赤い三日月を彩る火花の星を散らす。
羅刹丸の恍惚としかけた目が、間抜けなぐらいにまん丸になった。
レラは片手だけで、屈強な羅刹丸の一撃を受け止めていたのである。
「何って……力だこと。私の命、そんなに欲しかった?」
握力の限界を超え、手の切傷から滴る血液に自らの顔を染めながら、レラが言った。
「でもダメね。あなたが欲しいものは、私をしても手に入らないわ。私の妹でも、コウタ
でもない……誰の命でも満たされないわ、きっと。だけどね?」
レラは自然な落下を全身に感じながら、言葉を継いだ。
「あなたさっき自分で言ったわね。この剣を受けた今なら言っていいって」
低い声で、レラは言った。
「あなたはすんじゃなく……されたいのでしょ」
一緒に落ちゆく羅刹丸の刃から、圧力が抜けた。顔は呆けたままだった。
レラはしのぎを削っていたチチウシを屠痢兜からそっと放し、手の中でくるりと回すと、
逆手から順手へと持ち直した。
「叶えてあげるわ、あなたが望むこと。今ここでね……になさい!」
血の滴る右手に強く握られた聖なるチチウシが、羅刹丸の左わき腹深くへと突き刺さった。
その瞬間だった。
- 64 :
- ど く ん っ
一瞬ではあった。ほんの一拍ではあった。
しかし、地上を、海を、この星全てを揺るがすかのような鼓動が、世界を駆け抜けた。
ど く ん っ
その鼓動は、人間の作った地下室を歪めんばかりに。
「だーからコウタもっと呑めぁうお!?」
「うわった、地震か?!」
「おおお、あれ……止まった?つか呑み過ぎ?俺ら呑み過ぎか、なあコウタよ!なあ!!」
「いや、チゲ鍋こぼれてるから結構大きかったぞ、今の地震……ってやめ!口移しは絶対だめ!」
「ほーらほら、バードキス!フレンチキス!舌入れるぞ舌!!」
「らめぇ、絶・対!!」
ど く ん っ
その鼓動は、祝祭の空気を漂わせるアイヌモシリを揺らがせんとばかりに。
「大学生、真っ昼間から地下の飲み屋にて宴会中。メンバー、開催内容にも特におかしな
所は……おっ、柳生さん、これ……?」
「地震だ」
「大きいですね……」
「……ああ。何か、あるな。よし佐川」
「はいっ」
「コーヒーとあんぱん買ってこい」
ど く ん っ
その鼓動は、カムイが作り出した地上の楽園を引き裂かんとばかりに。
「ふん、散りおったか。コシネカムイごときがしゃしゃり出るからよの……うむッ?」
胸をナコルルに貫かれ、安らいだ笑みを浮かべたまま冷たい氷像となっていたコンルが、
地震のような強い振動によって一瞬で瓦解した。
優しかった笑顔が、艶やかだった髪が、温もりを感じた手のひらが、花々が咲き乱れる
カムイの土地へと崩れ落ち、リムルルの目の前で粉々の氷の破片となり、消えてゆく。
どくん……
木々が拍を打つようにざわめき、地上さえ揺るがしたのが、空中にいるレラにも伝わって
きていた。空気を通し、そして、羅刹丸のわき腹に埋まったチチウシを通して。
チチウシは、脈動する周囲の風景に同調するかのように、力強くレラの手の中で踊って
いた……いや、チチウシの変貌と同時に、この世が揺れ始めたのだろうか。魔物の肉体に
突き刺さり、毒々しい血に塗れたことで、その本来の力を取り戻そうとしているかのように、
チチウシはカムイの森に漂う魔界の空気を射抜く光を強めていた。アイヌモシリを汚す魔界の
者を狩ることこそが、この刀を受け継いだ者の宿命だと、そう告げているかのようだった。
しかし、生きる事に関して既に狂っている魔界の男は、絶望的な傷を負ってなお、にやりと
余裕さえ感じさえる笑みを浮かべていた。
「やっ……てくれるじゃねェか!ねえちゃんよぉぉッ!」
- 65 :
- 怒声にも歓声にも聞こえる叫びを上げた羅刹丸は脚を屈め、レラの腹部に乱暴な蹴りを放った。
チチウシが肉の手ごたえを残して羅刹丸のわき腹からずるりと抜け、逆にレラの腹に、重い
重い圧迫感と衝撃が広がる。自由落下に蹴りの勢いを加えられたレラは地面のすれすれで
体勢を立て直して着地したものの、立ち上がれずにそのままうずくまった。
「へっ、へへ……驚いたぜ!」
胴着の左わき腹に、毒々しい藤色の血液の染みを瞬く間に広がらせながら、羅刹丸がどすん
と両足で着地した。
「何を言うかと思えば、アァ?この俺様が……にてェだの抜かしやがったなァ!」
「違うの……かしら?」
ずたぼろになった服を引きずり、レラは痛みと吐き気をこらえて立ち上がった。
「その刀……ずいぶん人をして来ているみたいだけど、何のためにしてきたっていうの
かしら?」
「んなの決まってんだろうがァ!快感なんだよ!すのが!!バカ共をばらッばらにすんのが
楽しくて仕方ねェんだよ!悲鳴が!血の味がなァ!心地よくって仕方ねェんだ!!」
「嘘をおっしゃい……」
子供のように自分の主義を訴える羅刹丸をなだめすかすような口調でレラは言った。
何故かやはり、あの強い敵対心が帰ってこない。
「確かにあなたは、すことで快感を得ているのかもしれない。私にその刀を振り下ろそうと
したときのあなたの顔、忘れられないわ。心からすことを……私の命を奪うことを幸せに
感じていた。そういう表情だった」
「そうさ。姉ちゃんの生きのいいドタマかち割ったら、どんな絵になるかってなァ!」
「哀れね……」
剣を交えた相手に、こんな感情を抱くのはおかしかった。しかし、戦いの最中に感じたものは
彼女にとって絶対だった。命の際でむき出しになったものが、偽りのはずは無いのだ。
「私は、この世界を邪な者達から守るために闘っている。そのためにし続けてきた。
大自然とその中で生きる人々のためにね。そして、私自身も生き抜くために。ひとりには
しないと――あの子にそう誓っているからね。だからあなたを追っていた。でもあなたは
どうかしら」
いつしか羅刹丸は黙りこくっていた。わき腹からの出血は、道着の下にまで及んでいた。
「快楽を得るためにすなんて嘘ね。そんな輩はこんなに強くない。あなたほどの腕前を
持つ者が、そんな下らない目的のために人をしているはずがない。だったら何?守るものも
無く、得るものも無いままにここまで生きてきたのは何故?不身に任せて漠然と?違う
のでしょ」
不思議だった。この男を説き伏せて何の意味があるのか。
相手は魔界の男だ。さないわけにはいかない。
でも、どうしてもレラは羅刹丸に知って欲しかった。思い出して欲しかったのだ。ぬ前に。
自分が闘う本当の意味を。
レラは思いよ届けと、羅刹丸に言い放った。
「本当にしたいのは……自分でしょ。にたいのでしょ。あなた、自分でした人の
姿に自分を重ねているのよ。本当に欲しいものが目の前にある……だからあんなに楽しそうに」
「一秒でも、姉ちゃんの話を聞こうとした俺が間違いだったぜ」
うそぶいてばかりだった羅刹丸の口調が、ここに来て冷酷さと険悪さを帯びた。
- 66 :
- 「その講釈……急に胸糞悪くなってきやがった。ちったあ出来るから、もっともっとしっかり
いたぶってそうかと思ったんだがなァ!」
「本当のことを言われると腹が立つものよ。いよいよ図星のようね」
「生意気が過ぎるンだよ……脆い人間の癖によォ! 俺様がぬだァ? 抜かせ!!」
羅刹丸の肉体から発せられる気が、ぶわりと増幅した。節くれた手の中の屠痢兜が、
かたかたとを誘う声で泣き、高々と掲げられる。
「俺様に一太刀浴びせたその腕に免じてなァ、一瞬で消えてなくしてや……ごほッ!」
彼なりの念仏を唱えようとした羅刹丸の口から、唐突に血が吹き出した。
「ごほ!うげッ、ぐあ……がはっ、はっ」
背中を丸めて口元を押さえるが、指の間からは滝のように血が滴り落ちている。
レラはその様を、細めた目で見つめていた。
「チチウシは、あらゆる魔を絶つ刀。あなたの不身もそこまでよ」
穴と擦り切れだらけになった襟巻きを口元にたくし上げ、レラは言う。
「あなたがにたい理由は知らないわ。だけどしだけの人生を送ってきた者同士、その
哀れさに免じて……あなたの思い、すぐに遂げさせてあげるから」
レラは一瞬目を伏せたが、チチウシを握りなおしてすぐに羅刹丸へと歩き出した。
「ぐほっ、あん……だと?口に当ててる布切れが邪魔で聞こえねェんだよ……ぺッ」
血の唾を吐き出し、羅刹丸は前かがみのまま、わき腹の傷口に触れた。吐血に加え、
さらなる出血が羅刹丸の震える手をどす黒く染め上げている。
「血が出てッ……うぅ、傷が塞がってねェ!何だか知らねェが……こりゃッ、と、とんでも
ねェ感覚だ……ぜ!」
魔物の口元がにんまりと開き、赤黒い涎がどろどろと流れ出す。
「姉ちゃん……悪かったな。前言撤回だ。やっぱり姉ちゃんは最高だァ!!ヒィッヒヒヒ
アハハハハァ!!ゴホッ、ゴホ!」
天を貫く木々にさえぎられた空に向かって、羅刹丸は狂った高笑いを放ち、咳き込んだ。
たちの悪い酔っ払いのようだ。
「おい、すぞ!姉ちゃん、テメーはすぞッ!けどな、すけどぬなッ!!ずっとその
ワケのわかんねえ、飛び切りの刀を振り回して俺と闘え!んでも立てよォ?」
「……ふっ、ふふ」
いつの間にか立ち止まっていたレラは、何故笑ってしまったのか、自分自身でも理解に苦しんだ。
してもぬなだの、んでも立っていろだのと、羅刹丸は、本当に命というものがよく
分かっていないらしい。心臓に鉛を撃ち込まれてもななかった身体に、ついに滅びが忍び
寄っていると言うのに、それさえ楽しんでしまっている。もしかしたら、羅刹丸は自身が
にたがっているという真実が、本当に身に覚えの無いものなのかもしれない。
あまりに馬鹿げ、狂っている。
放っておけないほどに。
- 67 :
- 「……ふふ、いいわ」
――何がいいんだか。
思いながら、レラはマフラーを解いて羅刹丸に投げた。羅刹丸は掴んだマフラーと、レラの
顔とを交互に見た。
「さっさと傷口に巻きなさいな」
――敵に塩を送るようなことを。
思いながら、レラは羅刹丸がもろ肌を脱ぎ、さっきまで自分の口元を覆っていた布切れが
彼の身体に巻きついてゆくのを見ていた。どういうわけか、唇が熱い。
「私はね、大自然の戦士なの。ふふ、言っておくけれどね……あなた、私が今まで何回心臓を
貫かれて、何回蘇ったと思っているの?」
――馬鹿がうつるって、本当ね。
思いながら、レラは羅刹丸が満足そうにわき腹をさすってニヤつくのを見た。何故だかまた
しても頬が緩んでしまう。
「さあ、楽しみましょうか」
――戦いは遊びじゃないわよ。
思いながら、レラはチチウシで羅刹丸のことを指差した。闘いの最初に、羅刹丸が自分に
向けてやったのを真似てやったのだ。
羅刹丸がぞろりと舌なめずりをし、屠痢兜をレラの心臓に向ける。
全くつやの無い血塗れの刀の不気味さか、レラの胸がどきりと高鳴った。既に貫かれている
ようだった。
今から再び開かれる、更に激しさを増すであろう戦いへの言い知れぬ期待に、戦士の血がたぎる。
レラは祈る。
「カムイ達よ……」
「あァ〜ったくよぉ!もうやめろよ姉ちゃん、その念仏みてェのよォ!」
せっかく差し向けた屠痢兜を下ろして、羅刹丸が脱力しきった声で言った。
「な、何よ」
「あのな。姉ちゃんはじめに言ったろォ?何だっけか、ああ……『戦士の宿命に従い』
ってなァ。これ以上なんの遠慮がいるってんだァ?」
レラもチチウシを下ろして、自分がこの闘いの火蓋を切ったときの事を思い出し、
「ああ……そういえば言ったわね。それにこうも言ったわ。『狼藉を許して』とも」
「そういうこったなァ」
「そういうことね」
――そういう……ことね。
笑いあったお互いの胸に刃が向けられてから火花が散るまで、瞬きをする間もなかった。
- 68 :
- いやはや・・・この長さでエロでもない物を全く飛ばさずに読ませるとは
陸捨肆 ・・恐るべし
- 69 :
- レラ編も懐かしいなぁ
次はコウタつの話かな?
- 70 :
- 静かやネ
- 71 :
- 2億年前のようにネ
- 72 :
- 白亜紀から俺が来ましたよ〜
レラでエロを書き出したんだが
まださわりなんで……
相手複数です
暇つぶしに、あまりなさげなカプでもあげないか?
アイヌと和狆とか
- 73 :
- 閑丸×ミヅキ
あえてミヅキ受で
- 74 :
- 受けとは違うけど
ウシチチでコスプレ監禁されてるミヅキつーのを思い出したな
- 75 :
- 陸捨肆さんの傑作の後だと投下しにくくて仕方ないんですが(汗)、
いろはで小ネタ思い付いたので、投下してみます。
時代設定完全無視の上、エロありません(大汗)。
******
navy & ivory (ネイビー アンド アイボリー)の歌う、指輪という曲がある。
いろはと、旦那様である若者と、二人、この曲を聞いていたら、
いろはが泣き出してしまった。
「・・うぅっ・・・・この曲酷いです・・・っ・・・・」
「う・・・まあその・・・確かに君を泣かせてしまう事もあるなんて言っちゃうのは・・・」
「そんな事で怒ってるんじゃないです!。
そりゃ、ずうっと一緒にいたら、喧嘩しちゃう事とか、泣かされちゃう事とか、あってもいいです!。
旦那様に泣かされるんだったら、私、構いません!」
「・・だったら・・何で・・怒ってるの・・・?」
「・・・僕が・・・さ・・先に逝っても・・・悲しまないで・・・笑ってて・・・なんて・・・、
・・そんなの絶対無理です・・・っ・・!!!!。
・・も・・・もし・・・・旦那様が・・・・私より・・・先に・・・・・・んじゃったら・・・・、
・・私・・生きていけません・・っ・・・!!!!」
いろはが号泣してしまう。
「!!、あの、分かったから、その、・・そんなに泣かないで・・・!!」
若者が、涙の止まらないいろはを、そっと、強く、抱き締める。
「・・分かったから・・・、・・約束するから・・・・、
・・・いろはを残して、僕はなない・・・。
・・ねないよ・・・・。」
「・・・絶対ですよ・・・約束ですよ・・・?」
幼女の様に、瞳にいっぱい涙を溜めて、少し拗ねた様な表情で、いろはが、若者の瞳を見上げる。
「・・絶対だ・・、・・約束する・・・・。」
「・・・・」
若者の胸に面差しをうずめて、また、いろはが、泣いてしまう。
「・・・その代わり、いろはも、約束してくれないか・・?」
「・・何ですか・・?」
「・・僕の幸せの事を思って・・御前試合にまで出てくれて・・・、
・・いろはの気持ちは、とても有り難く思っている・・、
・・でも、
もう二度と、僕の為に危険な事はしないで欲しいんだ・・・。
・・いろはに万が一の事があったら、
・・そんなの、絶対嫌だ・・!!。」
「・・・旦那様・・・・」
「・・もし何かあったら、今度は、僕がいろはを護るから・・!」
「・・旦那様・・・・」
いろはの頬が、紅く、染まる。
「・・あの、そりゃ、僕よりいろはの方がずっと強いし、僕なんかじゃ役に立たないかもしれないけど、
でも、それでも、・・僕はいろはを護りたい・・・!!」
「・・・旦那様・・・・」
「・・だから・・約束してくれ、
・・もう二度と、危険な事はしないと・・・。」
「・・分かりました・・、・・お約束・・します・・・・」
(・・すみません、旦那様・・・、
・・私今、嘘を、ついてしまいました・・・・。
・・もし、何か、あったら・・・、
・・その時は、私が旦那様をお護りします・・・、
・・この命に代えても・・・・!)
- 76 :
- 萌えた
- 77 :
- 某にこにこに絶命奥義・女キャラにばっかかけてる動画が続けてうpされてる
今んとこミナ→リム→レラの順に視聴者(=米)多い
悲鳴あげてる視聴者も多いが興味津々としかとれない連中も負けずに多い
そこで閃いたこと
いろはをバラしまくるゲームを作れば絶対売れる
- 78 :
- ・・・そりゃ、俺も考えないじゃなかった。
旦那様が義経の立場で、いろはが弁慶の立場で、
いろはが大軍相手に旦那様を護って奮戦し、
(実はいろはの方は相手を戦闘不能にするだけで、一人もしていない。
『暴力はいけないと思います!』という、いろは自身の言葉に従って。)
立ったままぬ、っていうの。
でも、いろはがされまくるゲームは、罪悪感が・・・・。
やっぱりいろはは、バカップルで良いので、
旦那様と幸せに過ごして欲しい。
ハッピーエンドが良い。
- 79 :
- >>78
つまらんこと言ってすまんかった
やはし恋の電子手帳が一番いいのかもな
問題はいつ出るかだがw
ところでサムスピエロで近親相姦は需要内の金アイヌ以外で
風間兄×葉月とか
タム×チャムとかww
- 80 :
- >>79
公式設定では兄妹だけど、外見的にはとても血がつながっているようには見えないなw
- 81 :
- ここで書いてはいけないストーリーはある?「強姦」「野郎同士」「サムスピ×その話だけのオリキャラとのH」等か?
- 82 :
- あ、いや、79さん、謝って頂かなくても・・。
俺のはあくまで個人的意見であって、
77さんの発言に対して強過ぎるアンチ発言にも読める様に書いてしまったのは、
俺の不徳の致す所、逆に謝ります、言い過ぎでした、済みません。
近親相姦需要の件だけど、
風間兄X葉月は良いなあと俺は思いますです、はい。
81さん
キャラを貶める様なのは避けた方が良いかも・・、とは、俺は思う。
強姦でも、
そのキャラクターを尊ぶ気持ち、
実は愛しているからこそ、逆にそのキャラクターを犯しているシーンを書いている、
そういったものが伝われば、問題無いかな、とも思う。
このスレは萌えスレでもあるわけだから。
まあ、これも俺の個人的意見です。無理に押し付けるつもりはありません。
- 83 :
- ナコルル人気ねーな
- 84 :
- リム閑希望
- 85 :
- 今さら、という気もしますが、19〜21、26、27、の続きです。
まあ、気が向いたら読んで頂けたら。
********
「・・ぁうぅ・・っ・・!!!」無理矢理に秘唇を押し広げられる苦痛に、いろはが、のけぞる。
「・・いろは・・・!」心配そうに、少し震えて、のぞき込む若者に、
「・・とっ、止めないで下さい・・っ・・!!」懸命に、いろはが、涙に濡れて、頬を染めて。
「・・っ・・・!」思わず、若者が、腰を進める。
膣肉を酷く圧迫されて、苦痛が増して、「・・ぁぅ・・っ・・・!!」いろはが身をよじって、悶え、泣きじゃくる。
そっと、若者が、いろはのあどけない頬に、手指を、あてがう。
「・・・ぁ・・・・」ときめいてしまって、一層頬を紅潮させて、若者の瞳を見つめて、ほのかに震える、いろはの、
左脇から心臓の辺りから左の乳房の下半分に掛けて、若者の手指が、優しく、熱く、伝う。
「・・ぁあ・・っ・・!!!・・・ん・・ぅ・・・・!!!」あまりの快感に、絶頂に、のたうつ、いろはの、
膣肉に、一層深く、若者の雄根が、もぐり込む。
「ぁんうぅ・・・っ!!!!」快感とも、苦痛とも付かない、激しい感触が、いろはを、あえがせ、震えさせ、のけぞらせて、
一呼吸、二呼吸程して、いろはの瞳から、また、新たな涙が、溢れ、伝う。
「・・・大丈夫・・?」また、心配になって、のぞき込む、若者に、
「・・・旦那様・・・・わたし・・・・・」
「・・・どうしたの・・・・?」
「・・わたしの・・・身体・・・・生娘の・・・印が・・・・無いみたいです・・・・」
「・・・いろは・・・・・」
「・・・やっぱり・・・わたし・・・・元々・・・鶴ですから・・・・・」
純潔を捧げた、その、証を、立てる術が無い、その事が、いろはの胸を苛む。
「・・・・・・」何と応えたものか、言葉が見つからず、若者が、困惑する。
「・・っ・・・あのっ・・!・・・でも・・っ!!」懸命に、いろはが、若者の瞳を見つめて。「・・わたし・・っ!!、
鶴だった・・時も・・・人の姿に・・なってからも・・・誰ともつがった事なんてありませんっ・・・!!!!」
泣きじゃくりながら、やがて、力無く、「・・・・信じて・・頂け・・無くても・・・仕方・・無いですけど・・・・・・」面差しをそむけて、泣き崩れてしまう。
「・・・・・」
不意に、若者の唇が、優しく、いろはの頬を愛撫し、伝う涙を、ぬぐう。
「!」胸に、衝撃が走って、ときめいてしまって、若者の瞳を見つめてしまっているいろはに、
微笑んで、若者が、「・・いろはが嘘つくなんて、思わないよ・・・・・」優しく、告げる。
「・・・だ・・旦那様・・・・・」頬を真紅に染めて、震える、いろはに、「・・それに・・・・、
・・たとえ・・・いろはがもう誰かとつがっていたとしても・・それでも・・、
・・僕は・・いろはが・・好きだ・・・・!」ささやく様な声と対照的に、この上なく熱く、強く、若者が、想いを告げる。
「・・・旦那様・・・・・」
「・・好きだ・・・好きだ・・!・・大好きだ・・・・!!!・・・・もう絶対離したくない・・・!!!!」いろはの華奢な肢体を、強く抱きしめながら、
若者が、また、腰を進める。
- 86 :
- 子宮頸部を若者の雄根で突かれ、子宮を雄根で押し上げられる。
若者の、想いに、心臓まで揺さ振られる。
絶頂に、どうしようもなく、「・・ぁあん・・・ぅ・・・!!!!」いろはが、泣いてのたうち回る。
苦痛までも快感になって迸ってしまって、身悶えてしまう。
(・・・どうしよう・・・うれしいのに・・・涙が・・出ちゃう・・・・うれし過ぎる・・・・・・・・)
若者に抱きしめられたまま、震え続けて、暫く、時が、過ぎる。
「・・・もう・・奥まで・・届いちゃったみたいだね・・・・」はにかむ様な、若者の声に、
いろはが、改めて、若者の雄根がいろは自身の中に入ってきている深さを、意識する。
若者の巨大な雄根は、まだ、6、7割程、いろはの中に入る事が出来ずにいる。
また、不安が、蘇って、震えてしまって、
それでも、頬を染めて、「・・・あの・・旦那様・・・・」
「・・何・・?」
「・・・旦那様のを・・全部・・わたしの中に・・入れて下さい・・・・・!」きっぱりと、いろはが、若者に。
「・・それは・・・・幾ら何でも・・・・・!!」
「・・お願いします・・・っ!!!」熱い、うずきに、耐えかねて、紅を刷いた白い柔肌を、あえかに息づかせて、泣き震えながら、いろはが。
一、二瞬、戸惑い「・・・・!!!!」突き上げてくる熱い衝動に、どうしようもなく、いろはを抱いて、
若者が、腰を、突き込む。
いろはの子宮頸部を押し広げて、いろはの子宮内に、若者の雄根が、もぐり込む。
「ぁあうぅ・・・っ・・!!!!」苦痛と、衝撃が、突き上げて、絶頂を増幅し、いろはが、身をよじって、泣きあえぐ。
入ってきてはいけない所まで、若者の雄根が入ってきてしまっている事を、子宮肉で、思い知らされる。
(・・・壊れる・・ぅ・・・っ!!!!)
恐れを感じているのに、止めて欲しくない。
身体の、肉体の、子宮の、もっと奥で、もっと深い所で、旦那様を感じたい。
耐えかねてのけぞり、酷く、震えて、「・・・っ・・・・ぅ・・・・・ぁ・・・・ぁ・・・・ぁあぅ・・・ぅ・・・・っ・・・・・!!!!」苦痛と、絶頂に、嬲られ続けて、あえいで、
かろうじて息をして、「・・・ぁ・・・・ぁ・・・・はぁ・・・っ・・・・・ぁ・・・・だ・・・旦那様・・・・ぁ・・・・っ・・・!!!!」それでも、
いろはの瞳は、一心に、若者を、見つめる。
「・・・いろは・・・・・」胸を打たれて、そっと、いろはを抱きしめながら、若者は、また、そっと、腰を進める。
若者の回す様な腰遣いに伴って、子宮肉を、若者の雄根で、なぞり回されて、愛撫されて、
「・・ぁあん・・っ・・!!!!」増していく苦しみが、なぜか、とてつもない快感に、とてつもない絶頂になって、一層頬を染めて、いろはが泣きじゃくる。
「・・・っ・・・・ぅ・・・・・!!」いろはの、甘く、可愛らしい、泣き声に、思わず、若者が、雄根でいろはの子宮肉を愛撫し、なぞり続け、
優しく責めて、嬲り続ける。
少しずつ、少しずつ、さらに奥へと、いろはの子宮肉の中に、若者の雄根が、捻じ込まれていく。
いろはの驚く程華奢な胴回りを、若者の腕が、強く、想いを込めて抱いて、
時折、脇腹を、丁寧に、優しく、若者の手指が愛撫する。
色香に満ちて豊満で優美ないろはの乳房の丸みに、若者の手指が伝い、そっと掴まれて、愛撫されて、責められる。
若者の唇が、いろはの唇を、愛撫する。
心地良過ぎる感触に、たまらない快感に、翻弄されながら、さらに、若者の雄根で、子宮肉を、深く、深く、責められ続けて、
「・・・ぁあ・・っ・・・!!!!・・・ぁ・・・んぅ・・・・ぅ・・・ぁ・・・ぁあ・・・ぁぁ・・・・ぁあ・・・っ!!!!」何度も、何度も、絶頂に追い詰められてしまって、
苦しくてたまらないのに、気持ち良くて、気持ち良過ぎてたまらなくて、いろはが泣いて身悶え続ける。
紅潮したいろはの面差しを、涙が濡らし続ける。
いろはのなめらかで美しい背筋のなだらかな曲線が、延々と続く絶頂の波に、のたうち、ほのかにくねり、震え続ける。
「・・・いろは・・・・僕は・・・・・・!!」
「・・ぁああっ・・!!!!・・・だ・・旦那様ぁ・・・っ・・・・!!!!」
「・・・僕は・・僕は・・・こんな・・酷い・・・事を・・・・っ!!!」若者の熱い声音に、切なさが込められて、震える。
「・・・ぁ・・・っ!!!!・・・だ・・旦那様・・・ぁ・・・・っ・・!!!!・・ぁ・・・ぁあっ・・・・!!!!・・も・・もっとぉ・・・っ・・・・!!!!」
いろはが、無心に、泣きあえぐ。
「・・いろは・・ぁ・・・・っ・・!!!!」若者の雄根が、一層、猛り狂い、延々と、腰を突いてしまう。
- 87 :
-
「・・あ・・っ!!!!・・・ぁ・・ぁぁ・・ぁあ・・っ!!!!・・・ん・・っ・・・く・・・ぅ・・ぅぁ・・・ぁあ・・ああ・・・っ!!!!」
延々と、絶頂に苦しみ続ける、いろはに、
若者が、少し強く、腰を撃ち込み、
若者の巨大な雄根が、ついに、根元まで、いろはの体内に捻じ込まれて、
いろはの二の腕程の太さの雄根の、いろはの握り拳程の大きさの先端が、いろはの豊かな乳房の下半分側の裾野辺りまで、届いてしまう。
子宮肉を若者の雄根に限界を遥かに超えて圧迫され、押し広げられ、突き上げられる感触に、衝撃に、
「・・うぅぁあ・・っ・・!!!!」とてつもない苦しみに、この上ない、絶頂に、激しく、のけぞり、
いろはの裸身が、酷く、震える。
「・・・ぁ・・・あ・・・ぁあ・・・・っ・・!!!!・・・・ぁ・・・・ぅぁ・・・ぁ・・・・ぁ・・・ぁぁ・・・・っ・・・・!!!!」
そのまま、延々、激しい絶頂に苛まれ続けて、何度も、何度も、のけぞり、打ち震えて、
「・・・ぁ・・・・ぁ・・・・ぁぁ・・・っ・・・・・・・・!!!!」力尽きて、いろはの全身が力を失い、あえぐ。
その、いろはの肢体を、若者が、そっと、強く、抱き締めて、
暫くそのまま、時が過ぎる。
「・・・・ぁ・・・・だ・・・旦那様・・・・・・?」息も絶え絶えに、半ば放心していた、いろはが、漸くの事で、言葉を漏らす。
「・・・いろは・・・・・・・・」若者の瞳が、心配そうに、いろはの瞳を覗き込んでいる。
「・・・旦那様・・・・・・」ふと、恥じらって、いろはが頬を紅く染めて、はにかむ。
「・・・・」若者が、雄根を抜き始める。
「ぁ!、だ、旦那様・・!!」
「・・・いろは・・?」
「・・や、やめちゃ駄目です・・・・!!」新たな涙を瞳に浮かべて、いろはが、精一杯、告げる。
「・・・いろは・・・・・・」若者が、途方に暮れる。
「・・・だって・・・旦那様は・・・まだ・・満足・・なさって・・ないのに・・・・!!!」
若者の雄根が、まだ、精液を放つ事無く、さらに獰猛に猛り続けているのを、いろはは、子宮肉で、思い知らされ続けている。
「・・・・でも・・・・・・」
「・・・私・・ばっかり・・・気持ち良く・・・なってしまって・・、・・旦那様が・・・満足・・なさって・・ないなんて・・・、・・絶対駄目です・・・っ・・!!!!」
「・・・いろは・・・・・」
「・・・私に・・・旦那様の・・・御種を・・・下さい・・・っ!!!!、・・お願いです・・・っ・・・・!!!!」
いろはが、泣きながら、懸命に。
「・・・・いろは・・・・・!!!!」
若者が、どうしようもなく、腰を、突き込む。
- 88 :
- 熱い、若者の雄根に、深く、子宮肉を突かれ、嬲られて、「・・ぁああ・・っ!!!!」あまりの苦しみに、激し過ぎる絶頂に、いろはが、泣きじゃくる。
(・・・・壊れちゃう・・・・・・・・っ・・・!!!!)
(・・・もう・・・・駄目・・・・・・んじゃう・・・・ぅ・・・・っ・・・・!!!!)
(・・・・・・・・・・・・)
(・・・駄目・・・・・)
(・・・まだ・・・んじゃ・・・・駄目・・・・)
(・・・旦那様に・・・満足して・・頂く・・までは・・・!!!!)
ふと、若者の唇が、いろはの可愛らしい頬を、愛撫する。
いろはの左の乳房に、若者の手指が伝い、優しく、揉みしだき、左の乳首を、そっと、なぞり、いとおしむ。
果てし無く心地良い感触が、いろはの心臓に、響いて、揺さ振られて、
そこへ、激しく、何度も、何度も、若者の雄根が、いろはの子宮肉に、限界を遥かに超えて深く、撃ち込まれて、
「・・ぁあん・・っ!!!!・・・ぁ・・・ぁ・・・・はぁ・・・・っ・・・・・!!!!・・ぁ・・!!!!・・・ぅぁ・・・!!!!・・んぅう・・っ・・ぅぁ・・・ぁ・・あ・・・ぁあ・・
・・ぁあああ・・・・っ!!!!」可憐な頬を紅潮させて、苛烈な絶頂に翻弄されて、苦しみ抜いて、いろはが、泣いて、のたうち、身悶え続ける。
若者の雄根が、いろはの子宮肉を、獰猛に、激しく、愛撫し続ける。
「・・・うぁあ・・・っ!!!!・・ぁ・・ぁ・・・・ぁぁ・・・・っ・・!!!!・・・っ・・ぅ・・ぅあ・・あ・・!!!!・・・ぁ・・・ぁ・・!!!!・・ぁ・・ぁっ・・!!!!・・
・・んぅぁあっ・・!!!!」
延々と、限界を遥かに超えた絶頂に、責め嬲られて、凄まじい苦しみに、いろはが、たまりかねて、泣きじゃくり、裸身を酷くくねらせ続ける。
裂ける程に、激しく、若者の雄根に子宮肉を突かれて、
裂ける程に、激しく、若者の膨大な精液を子宮肉に注ぎ込まれて、
「・・・んぅうぁあ・・・っ・・・・!!!!」限り無い、絶頂に、いろはが、涙を飛び散らせて、酷く、震え、のけぞる。
「・・・・・いろは・・・・・・っ・・・・!!!!!!!!」若者の腕が、いろはの肢体を、思わず、強く、抱き締める。
一切逃げられない様にされて、凄まじく深く、容赦無く、子宮肉を雄根で圧迫されて、押し広げられて、
猛々しく震える雄根に子宮を揺さ振られながら、延々、精液をぶちまけられ続けて、
最後の一滴まで注ぎ込まれた精液に、一層、子宮肉を責められて、
「・・・ぁ・・・・ぁ・・・・・ぁぁ・・・・・はぁ・・あ・・・・・・・・!!!!」延々と、限界を遥かに超えた苦しみが、無限の絶頂が、子宮から全身へと響いて、
何度も、何度も、のけぞり、泣き悶えて、いろはが、白い柔肌を、震わせ、うねらせ続ける。
「・・・・・ぁ・・・・ぁ・・・・・ぁぁ・・・・・・・・・」んでしまいそうな程の衝撃に、肉体の深淵から揺さ振られて、力尽きて、かろうじて、いろはが、泣きあえぐ。
不意に、若者の肉体の、最深部から、凄まじい波動が、響き、溢れて、
若者の雄根からいろはの子宮肉へと、いろはの全身へと、波動が伝わって、反響し、
いろはをさらに、内側から揺さ振り、震えさせる。
(・・・・・イズコジャ・・・・・・・イズコニオル・・・・・・ッ・・・・・・・・!!!!!)
隔絶された空間の深奥で、声音が、響く。
いろはも、若者も、その事をまだ知らない。
- 89 :
- お久しぶりです。久しぶりに覗いてみたら何時の間にか新スレが出来ていた事に気付かず早半年以上。
今週の金曜日までには一つ投下出来る様に努力します。
陸捨肆様
お帰りなさいませ。お久しぶりです。読ませてもらいました。
コンルの命懸けの攻撃に悲しみ、レラが羅刹丸に少なからず
自分と似たような境遇を理由に少なからず同情しているところに驚愕しました。
D.A様
ちなみにいろは大好き派ですw
旦那様一筋に愛するいろは。いろはの為に精一杯愛する旦那様に感動しました。
(・・・・・イズコジャ・・・・・・・イズコニオル・・・・・・ッ・・・・・・・・!!!!!)
この台詞は羅将神ミズキの匂いがさりげなく<汗
- 90 :
- おかえりなさいませ。
建ててから二日に一回自分で保守してたかいがありました…
- 91 :
- ある日、自分のアパートの前で一人の女性が倒れていた。しょうがないと思いつつも介抱したのはいいが実は只の女性ではなかった。
何と、リムルルと言う女性と一緒に過去から現代に降り立ったという。
そしてその人物は人間ではなく「氷の精霊」だと答える。
そして本来は人間みたいな姿ではないらしい。不可不思議な出来事に混乱しながらも彼女の為に出来る限りリムルル探しの協力をする事を約束する。
しかし彼女自身が一人で抱えているもう一つの悩みがある事をまだ知らない。
原作 陸捨肆様「リムルル」より
サムライスピリッツ外伝 もうひとつの物語
第二章「二日目」
第五話 「始まりの朝」
長かった夜は終わりを告げた。いつもより早くユウキが布団から起き上がる。
今日は日曜日。外に出て彼女に色々とこの時代の事を教えながらリムルルを探す事にしよう。
リムルルを探すのは何故か後者に当てはめているユウキ。
すっと、起き上がるユウキ。ふと横を見る。
「あっ、おはようございます。ユウキさん」
「・・・」
一瞬の沈黙、まだしっかりと目覚めてなかったユウキにとって
腹の底から出てきた言葉はとても失礼な言葉であった。
「うわああっ!!」
「きゃあああっ?」
驚いたのはユウキだけではなかった。
目の前で驚かれて反射的に悲鳴を上げたのはコンルも同じであった。
悲鳴を上げながらもゆっくりと相手を確認し、それがコンルだと分かると頭を下げる。
- 92 :
- 「ご、ごめん」
「ど、どうしたんですか、いきなり?」
「いや、コンルに驚いたんだよ!」
自分の目の前に人(但しコンルなので精霊)がいたら誰だってびっくりするのは当然だと主張するかのように言う。
「そ、そんな、私を見たぐらいで驚かないで下さい」
いきなり驚かれてちょっと傷付いたのかコンルの顔が曇る。
「いや、言い方が悪かった。コンルの顔に驚いたんだよ」
言い終わった瞬間だった。ユウキの頭に小さな氷が落ちる。
コンルが何も言わず氷を落としたのだ。眉が少しつりあがっていた。
「いててて、何でそんなに怒るんだよ」
「怒ってません!ただ、ちょっと不機嫌になっただけです!」
あんまり変わらないんじゃないのかと言いたかったのだが、
また怒りそうなので黙るユウキ。
「ところでいつここに戻って来てたの?」
まさか、本当に扉を使わずに戻ってくるなんて。ふと首飾りを見つめる。
世の中には本当に常識では考えられない事ってあるものだと感じるユウキ。
既に過去から現代にやってきたと言うコンルをみると尚更である。
こういうのをマスコミに報告したら間違いなく「大問題」になるか、「ガセネタ」と言われるかのどちらかだろう。
まあ、それはいいとして・・・
「数時間くらい前ですよ。ユウキさんが起きるまでずっとユウキさんの寝顔を見てました」
「ヘッ?」
「私は十分に休みましたからこれ以上無理に休む必要は無いと思いましたので」
何か、コンルにうなされてる夢を見た感じがしたが、その原因がようやく分かったような気がした。
- 93 :
- 「人の寝顔を見てるなんて君も暇なんだね」
「いえ、とても眠れる気持ちではありませんでしたから」
穏やかな表情を見せるコンルとは裏腹にまだしっかりと眠そうに目をこするユウキ。
ふと、頭の中で何かがよぎった。
(眠れる気持ちではなかった)
と、言うのはどういう事だろう?寝ている余裕もないくらい考え事でもしてたのだろうか?
昨日散歩しただけで・・・?
それよりもまだ、意識がしっかりしていない。
「仕方ない。出掛ける前に朝風呂にでも入っておこうかな。折角だから、コンルも入っていったら?汗臭いでしょ?」
我ながら女性に凄く失礼な言い方だったかもしれないが、コンルは気にしていない様子だった。
ユウキは失礼を承知でコンルの肌の匂いを嗅いで見た。
「うっ」
それを見て「はぁ」と溜息をつくコンル。
「ちょっと、ユウキさん。いくら何でも大げさではありませんか?」
逆だった。ユウキが驚いたのはコンルが汗臭かったからではない。
この女性の匂いから言葉に表せない優しい匂いがした。
自然の匂い。特に木の匂いと花の匂いが鼻をかすめた。
現代の言葉で言うなれば「歩く大自然の香水」である。
- 94 :
- 「俺の時代とは程遠い所に住んでるんだな。この時代を見ればきっとがっかりするだろうな」
「えっ?」
「後でゆっくりと見せるよ。ちょっと風呂の用意してくるからそこで待ってな」
少し曇った表情をしたユウキをコンルははっきりと見た。立ち去ったユウキを見送った後、
無言で隣の窓を見た。朝日が綺麗である。朝の始まりを象徴するかのようにコンルを照らす。
「大丈夫よね?リムルル・・・・」
ぼそりと口にしてしまう言葉。この数日間の間に、それも氷邪よりも先に見つけ出さないといけない。
すーっと、深呼吸しながら目を閉じるコンル。
「確かにユウキさんの言うとおり、空気の匂いが違うかもしれませんね。でもそんなに気にする事はないと思いますよ」
しばらくしてユウキが顔を出した。
「あれ?もう準備が出来たのですか?」
現代の時代は楽になったんだと、ふふりと笑うコンル。だがユウキは首を振った。
「いや、もう少し時間が掛かるから、その間に簡単な朝食を取っておこうかと」
ユウキが冷蔵庫を開ける。材料からして昨日と一緒になりそうだとつぶやいた。
だが、相手がコンルである以上彼女の為にも昔ながらの料理も悪く無いと思った。
同時に経費の節約にもなる。
ご飯は昨日の残りがあるし、味噌汁もまだ今日の分が残ってる。
楽に済みそうだとユウキは鼻で笑った。
ガスのスイッチを入れ、味噌汁を温める。テーブルの上にコンルの為の氷の袋を置いておく。
テーブルの横でちょこんと座っていたコンルが「いつもすいません」と頭を下げる。
「テレビでも見るかい?」とコンルに促してみた。
「てれびって何ですか?」と当然の返答が返って来た。
しまったと、頭を抑えたユウキ。過去から来てるのにいつもの癖で何気なく話してしまった事に気付く。
仕方なくテレビのスイッチを入れる。やがてぼやけていた画像から人物が映し出されていく。
「ええっ?こ、この人達は何処から出てるんですか?」
テレビの画像を見たコンルがそれに取り込まれたようにして見詰める。
当然の反応だよな、と温まった味噌汁をお椀に寄せながら見守っていた。
「詳しくは分かりませんが、私達が考えもしなかった発明や、知恵がこの時代では大いに生かされているのですね」
「そんな事はないさ。コンル達の様な過去の時代を生きた人々が居たから今の時代があるんだよ。
その知恵や歴史の繰り返しがなければ今の時代は出来上がっていなかったはずだし」
- 95 :
- 時代と言われて一つコンルが気になった事があった。
本来、過去の人間がその後の事を聞くのは未来を変えてしまう危険がある事は知っていたが、差し支えのない程度に聞いてみた。
「徳川幕府は今も健在なのでしょうか?」
さりげなくコンルが口を開いてみた。案の定ユウキが言葉を詰まらせていた。
「結末は知っているがそれはコンル自身の目で見たほうがいいよ。俺が喋ったらコンルの時代に何らかの影響を与えるかもしれないし・・・」
「ええ、分かってますよ。だからこれ以上の追求もしませんし、ユウキさんが答える必要もありませんよ」
コンルには分かっていた。徳川幕府が鎖国をして他国との接触を断り続けてもいつの日にか終わりが来る事を。
鎌倉幕府、室町幕府が滅びたようにいずれ江戸幕府もなんらかの形で。
そしてユウキさんの様に何時の日にか一人一人が自由な生き方を出来るようになる
時代が来る事を。
自分が心配するまでも無いと。
必要なのはその時が来るまでの「時間」なのだと・・・
- 96 :
- 第六話「不思議な力」
ご飯と味噌汁、(コンルの場合はおかずに氷を)差し出され手を添えていただきますとコンルが合掌した。
本当に律儀な人だよな、まじまじと素直なコンルを見やる。
「ユウキさん」
不意にコンルが自分の名前を呼んだ事に気付く。
「折角なのでかき氷食べますか?氷があれば私の力でかき氷を作る事が可能ですから」
その前に突っ込むべきかどうか悩んだ。こんな真冬にかき氷、本当に状況を省みず発言するよなと、ユウキが気付く。
そしてもう一つ。自分の氷を使えばいいのでは?
待てよ。自分の氷を使うと自分に負担がかかるからか・・・
だが、そんな言い方をするのも可愛そうなのであえてコンルの誘いに乗る事にした。
それにどんな風にかき氷を作るのかも見物である。
「それじゃあお願いしようか。コンルにそんな特技があるなんて。かき氷事態の発想がコンルらしいや」
「その前に空いたお皿はないでしょうか?」
ああ、と言いながらユウキが小さな戸棚から予備のお皿を取りにいく。そしてそのお皿をコンルに手渡す。
自分の掌に氷をいくつか取り出す。そして包み込むようにして皿の上から掌を広げた。
まるで砂の粒のようにさらさらと小さな音を立てながら皿の上に盛り付けられていく。
それをコンルは二度繰り返した。それにより手ごろな量になった。
「そのまま食べてもおいしいですよ。ちなみにリムルルもかき氷を作る事が出来ますよ」
ユウキは想像していた。その場合はコンルの力を使ったかき氷なんだろうなと・・・
リムルルには申し訳ないがそれはコンルの身を削って作り上げた命懸けのかき氷じゃないのかと・・・
箸でかき氷をつまみ上げゆっくりと口の中に流し込んだ。
じ〜っと、試験の合格発表を待つかのようにコンルの青い瞳がユウキを見詰めていた。
胃の中に流れた瞬間だった。不意にユウキの箸が止まった。
- 97 :
- 「ユウキさん?」
コンルは見た。彼の目から涙が零れ落ちるのを。もしかしておいしくなかったのだろうかとコンルが内心焦り始める。
「ち、違うんだ。何と言うかただの氷の筈なのに凄く美味しい。すごく懐かしい味がした。
大げさに言うとまるでお袋の味だよ。ちなみにお袋って言うのは「お母さん」って意味だから」
「そうですか、母親の様な味でしたか・・・」
一瞬、コンルが楽しげに笑ったように見えた。
凄く心のこもった味がした。何だか愛情の、もしくは人に喜びを与えてくれる味だ。
コンルも一口、口に含んでみた。しかし一瞬にして首を傾げてしまった。
「おかしいですね。私にはいつも通りの味なのですが・・・」
作った本人には只の氷にしか感じられないのだろうか?何度も何度も納得のいかない表情を浮かべながら、かき氷を口に含んでいく。
答えは同じであった。
かき氷の皿をユウキの位置に戻す。
「例えお世辞でもおいしいと言っていただけると嬉しいですよ」
「いや、お世辞じゃないよ。本当においしかったから」
このままじゃかき氷だけで満腹になってしまいそうだ。
かき氷を食べている間はしばらく涙を止められないユウキを見て「泣くか、食べるかどちらかにして下さいね」とコンルに念を押されてしまうのであった。
- 98 :
- 第七話「入浴」
食器を片付けた後、風呂場を確認し、準備万端になった事をコンルに伝える。
「えっ?お風呂ですか?」
少し悩んだ末、コンルが首を横に振った。
「私は入るときっとのぼせてしまうか、体が溶けてしまいそうですから辞めておきます」
「溶けてしまうって・・・氷じゃないんだから」
コツンと頭に氷が落ちてきた。思わず「うっ」と小さな声を上げてしまう。
「思い出しましたか?」
「・・・」
もう一度コンルが氷を落とそうと手を上げようとしたので慌てて静止する。
何度も頭の上に氷を落とされたら自分の頭がいくらあっても足りない。
「入らないんだ。ちょっと残念だな」
「何が残念なのですか?」
はっと、息を呑んだ。思わず口が滑りすぎたことに気が付いた。
「じゃあ、しばらくそこで待ってて。しばらくしたら戻るから」
「はい。私の事は気にせずゆっくりと入ってきてください」
コンルに背を向けてゆっくりと風呂場へと向かう。何となく後ろを向いてみた。
コンルが手を振っていた。まるで自分が出稼ぎをしにいく夫を見送る妻のように。
「俺は旦那様か・・・」
彼女に聞こえないように小さくつぶやいた。
自分の衣服を脱いだ後、ゆっくりと風呂場の戸を開く。カラカラカラと、昔ながらの音がした。
もう一度風呂の温度を確認する。ちょうどいい湯加減だ。
入る前にシャワーで一通り体を洗ってからゆっくりと足元から入る。
少し親父臭いが頭にタオルをのせながら。
「ふーっ・・」
眠気覚ましの朝風呂は最高だとご機嫌になるユウキ。普通は朝シャンだけだがお風呂まで入れるのは少し贅沢だったかもしれない。
さて、色々と動き回って出掛けたらリムルルって女性を見つけられるだろうか?
等と考えながら石鹸で体を洗う為に立ち上がろうと思った瞬間だった。
カラカラカラと、突然誰かが戸を開けたのだ。慌てて座り込むユウキ。
- 99 :
- 白い湯気に隠れながらうっすらとコンルが顔を見せる。ちょっと、戸惑ったようにユウキを見る。
「あれ、風呂には入らないんじゃなかったの?」
風呂場の中でタオルでちゃんと隠すべき所を隠してからコンルに質問する。
(入る気にでもなったのかな?)
「い、いえ折角ですのでせめてユウキさんの体だけでも洗って差し上げようかと・・」
いきなりの願ってもない要求に考える前に口が先に動いてしまった。
「ああ、構わないよ。お言葉に甘えてお願いしようかな。でもここに入るときは靴は脱いで入ってね」
今、気付いたのだがこの人は土足で部屋の中を歩いていたようだ。自分の世界でもこんな事をしているのだろうか?
タオルで前を隠し湯船からあがるユウキ。何の疑問を持たず見つめるコンルに思わず自分が恥ずかしくなる。
「え、えっと・・・この時代ではどんな風に体を洗うのですか?」
「いや、特に基本は変わらないと思うからコンルの好きにしていいよ」
そういってコンルにタオル(勿論予備の)と石鹸を渡す。取り敢えず、この時代の機械は説明しないと分からないよな。
「このタオルで石鹸をこうやって擦ると泡が出て来るからそれで体を洗ってくれればいいよ」
「はい」
「えっと、ここの「お湯」って書いてあるボタンを押すと、お湯が出てくるんだ」
「はい」
「で、ここの「水」って書いてあるボタンを押すと、水が出てくるの」
「はい」
「最後にこのシャワーってボタンを押すと・・・」
ユウキが、引っ掛かっている別個になっている機械の道具を取り出す。そこの蛇口から細かい雨のような感じでお湯が流れてきた。
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