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2012年5月エロパロ284: コードギアス 反逆のルルーシュ エロstage15 (472) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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コードギアス 反逆のルルーシュ エロstage15


1 :09/11/25 〜 最終レス :12/04/24
※コードギアスのエロパロスレです
◆エロパロスレなので対象年齢以下の方は速やかにスレを閉じてください。
◆荒し、煽りは徹底的に放置。スルーできない人も同じ。
◆雑誌等のネタバレはネタバレスレ。特定のキャラの話はキャラネタ板で。
◆アニメのアップロード、YouTube、Winnyなどの話題をするレスは自粛。
◆次スレは>>950辺りで立ててください。又はスレ容量が500KB近くになったら。
◆投下前に注意書き推奨。カップリングや属性注意、NGワード指定を1レス使ってお願いします。
  荒れ防止のために職人様方、よろしくご協力ください。
  近親やらグロやらやおいやらの属性には過敏反応を示す者も多いので特にご留意ください。
◆投下作品が「自分と合わない」は文句を言う理由になりません。あなたには「読まない自由」もあるのです。
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前スレ
コードギアス 反逆のルルーシュ エロstage14
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コードギアス 反逆のルルーシュ エロstage11
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コードギアス 反逆のルルーシュ エロstage8
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コードギアス 反逆のルルーシュ エロstage5
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コードギアス 反逆のルルーシュ エロstage4
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コードギアス 反逆のルルーシュ エロstage3
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コードギアス 反逆のルルーシュ エロstage2
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コードギアス 反逆のルルーシュ エロstage1
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2 :
>>1
乙!

3 :
>>1otu

4 :
・ルルーシュ×神楽耶
・ED後、ルルーシュが生きてます
・呼び名はゼロ様から発展して、ルルさまです。ただ、言葉使いは怪しいです。ルルーシュは年齢が近そうなナナリーに対した喋りを参考にしてます。
・ルルーシュのほんわかハーレムを最初に妄想し、そこから発展したものです。
・上記の理由によって、ヒロインは全員生きており、C.C.の二重人格は常に入れ替え可能であり、何故か全員がアッシュフォード学園に居ます。
・その他も細かい設定変更(或いは補完)が散在しています。あんま気にせんでください
・基本的にエロじゃないです。

5 :
番組の後半では、徹子さんのリクエストに応えて、バレットアーツの他、トーチャーアタックの実演も披露。AD一人の首が文字通り飛び、絶命した。
ベヨネッタさんはこの後も映画の広報活動のために、しばらく日本に滞在する予定。
彼女のサディスティック&スタイリッシュなパフォーマンスには今後も眼が離せない。
ドアをノックする音がした。
神楽耶は学生服をたたむ手を止め、部屋の入り口の方向へと視線を動かす。
彼女の周囲は――彼女の服装こそ、和服と呼ぶには少々疑問が浮かぶものであったが――純和風と呼べる調度品で埋められている。
畳敷きの部屋に和箪笥、和風の化粧台、そしてコタツの上の籠にみかん。
部屋の壁は柔らかな色合いの柳色、奥にはもう一つの部屋が襖で仕切られており、寝室となって布団が敷かれている。
一方ドアのある方向は、畳から一段低くなってフローリングとなってドアに続いており、雰囲気がガラリと変わっている。
そんなドアの向こう側から男の声が聞こえてくる。
「神楽耶、俺だ」
神楽耶の胸が高鳴った。
彼だ、彼が来てくれた! 何だろう、何かあったのだろうか? 少し焦ったような声色だ、早く開けてあげないと……
いそいそと立ち上がり、ドアへと駆け寄って鍵を外し、開く。
「どうしたのですか、こんな時間に?」
「突然ですまないが、少し匿ってくれないか?」
そこに居たのは、愛しき夫(となるはず)であるルルーシュ……ではなく、あまりパッとしない印象の、言ってしまえば、特に特徴を見出せない面相をした男である。
強いて言うならば、「別れて次の日に会ったら完全に忘れてしまっていた」と言うような冗談が通ってしまいそうな印象の薄さが特徴と言えなくもないが、実際のところは頻繁に会っているために、顔の細部まで脳裏に焼き付いている。
その男の表情からは僅かばかりの焦燥が見て取れた。落ち着かない様子で左右を見やっている。
誰かに追いかけられているのだろうか?
また、もう夜の8時だというのに学校の制服のままなのが少し気になったが、彼は生徒会の仕事があるため、それほど不自然なことではないかもしれない。
……むしろ、男子禁制であるはずの女子寮に訪ねて来ている事実のほうがかなり問題と言える。
実際のところ、彼が自分の部屋に来てくれたことの嬉しさによって、他のことはどうでもよくなっていた。
「何かあったのですか? とりあえず部屋の中へ」
「すまない」
了解を得るとすぐさま部屋の中へと入ってくる。
相手を招きいれた後、神楽耶は相手に代わって左右に伸びる暗い廊下を注意深く見渡し、用心のために廊下の窓にも視線をやって人影の有無を調べる。更になるべく音がしないように、注意深くゆっくりとドアを閉めた。
場合によっては不倫の密会をしているようにも見えなくもない可笑しな状況に気づき、少し嬉しいような恥ずかしいような気分となる。ただし、その時に浮かべた気恥ずかしい笑みは、部屋の方向へ振り向く前に消し去る。
カチャリと鍵の閉まる静かな音がすると、直後に男の口から小さく溜息が漏れる。表情には幾分安心したようなものが浮かび、畳敷きとフローリングの間にある縁台に腰掛けた。
そして、男は自身の顎関節の左右に両手の指を添えると、おもむろに前方向へ滑らし、顔面から表情を文字通り『引き剥がした』。
スポッと言うような効果音が聞こえないのが不思議なほど、綺麗にマスクが剥がれる。そしてその下から、正しくルルーシュその人の顔が現れた。
いつ見ても見事である。どのような仕掛けになっているのか、本当に気になる。本人に聞けば、「とある忍者より伝授された変装術」なのだと言う。
忍者? ブリタニア式のジョークなのだろうか。
まあ、それは置いておくとして、
「ルルさま……いったいどうなさったのですか?」
「何と言うか……少しばかりマズイ状況となった」
その言葉から直感的に思い立つ。
「……! まさか、生徒会以外の人達に……!」
直前までの浮かれた気分が完全に氷結するほどの悪寒を感じた。
おそらくは、言葉の通り「真っ青」になるほどに血の気が引いたのだろう表情を見て取ったのか、ルルーシュは慌てたように首を横に振り、掌を見せながら否定を表現する。
「いや、いやそうじゃない。そちらは全く問題無い」
「そ、そうなのですか……?」
「そこまで深刻な話ではない。第一、そんな事になったら、こんな場所に隠れている場合じゃないだろう」
少し苦笑しながら言う。

6 :
すんません。
変なコピペが紛れ込みました・・・
さいしょから失礼します。

7 :
ドアをノックする音がした。
神楽耶は学生服をたたむ手を止め、部屋の入り口の方向へと視線を動かす。
彼女の周囲は――彼女の服装こそ、和服と呼ぶには少々疑問が浮かぶものであったが――純和風と呼べる調度品で埋められている。
畳敷きの部屋に和箪笥、和風の化粧台、そしてコタツの上の籠にみかん。
部屋の壁は柔らかな色合いの柳色、奥にはもう一つの部屋が襖で仕切られており、寝室となって布団が敷かれている。
一方ドアのある方向は、畳から一段低くなってフローリングとなってドアに続いており、雰囲気がガラリと変わっている。
そんなドアの向こう側から男の声が聞こえてくる。
「神楽耶、俺だ」
神楽耶の胸が高鳴った。
彼だ、彼が来てくれた! 何だろう、何かあったのだろうか? 少し焦ったような声色だ、早く開けてあげないと……
いそいそと立ち上がり、ドアへと駆け寄って鍵を外し、開く。
「どうしたのですか、こんな時間に?」
「突然ですまないが、少し匿ってくれないか?」
そこに居たのは、愛しき夫(となるはず)であるルルーシュ……ではなく、あまりパッとしない印象の、言ってしまえば、特に特徴を見出せない面相をした男である。
強いて言うならば、「別れて次の日に会ったら完全に忘れてしまっていた」と言うような冗談が通ってしまいそうな印象の薄さが特徴と言えなくもないが、実際のところは頻繁に会っているために、顔の細部まで脳裏に焼き付いている。
その男の表情からは僅かばかりの焦燥が見て取れた。落ち着かない様子で左右を見やっている。
誰かに追いかけられているのだろうか?
また、もう夜の8時だというのに学校の制服のままなのが少し気になったが、彼は生徒会の仕事があるため、それほど不自然なことではないかもしれない。
……むしろ、男子禁制であるはずの女子寮に訪ねて来ている事実のほうがかなり問題と言える。
実際のところ、彼が自分の部屋に来てくれたことの嬉しさによって、他のことはどうでもよくなっていた。
「何かあったのですか? とりあえず部屋の中へ」
「すまない」
了解を得るとすぐさま部屋の中へと入ってくる。
相手を招きいれた後、神楽耶は相手に代わって左右に伸びる暗い廊下を注意深く見渡し、用心のために廊下の窓にも視線をやって人影の有無を調べる。更になるべく音がしないように、注意深くゆっくりとドアを閉めた。
場合によっては不倫の密会をしているようにも見えなくもない可笑しな状況に気づき、少し嬉しいような恥ずかしいような気分となる。ただし、その時に浮かべた気恥ずかしい笑みは、部屋の方向へ振り向く前に消し去る。
カチャリと鍵の閉まる静かな音がすると、直後に男の口から小さく溜息が漏れる。表情には幾分安心したようなものが浮かび、畳敷きとフローリングの間にある縁台に腰掛けた。
そして、男は自身の顎関節の左右に両手の指を添えると、おもむろに前方向へ滑らし、顔面から表情を文字通り『引き剥がした』。
スポッと言うような効果音が聞こえないのが不思議なほど、綺麗にマスクが剥がれる。そしてその下から、正しくルルーシュその人の顔が現れた。
いつ見ても見事である。どのような仕掛けになっているのか、本当に気になる。本人に聞けば、「とある忍者より伝授された変装術」なのだと言う。
忍者? ブリタニア式のジョークなのだろうか。
まあ、それは置いておくとして、
「ルルさま……いったいどうなさったのですか?」
「何と言うか……少しばかりマズイ状況となった」
その言葉から直感的に思い立つ。
「……! まさか、生徒会以外の人達に……!」
直前までの浮かれた気分が完全に氷結するほどの悪寒を感じた。
おそらくは、言葉の通り「真っ青」になるほどに血の気が引いたのだろう表情を見て取ったのか、ルルーシュは慌てたように首を横に振り、掌を見せながら否定を表現する。
「いや、いやそうじゃない。そちらは全く問題無い」
「そ、そうなのですか……?」
「そこまで深刻な話ではない。第一、そんな事になったら、こんな場所に隠れている場合じゃないだろう」
少し苦笑しながら言う。

8 :
「そう……ですわね」
確かにそうだ。
皇帝ルルーシュが実は生きていたなどとなれば、それこそ一大事である。目撃者を害することも辞さない状況と言えるだろうし、それをルルーシュが断行するだろうことも余裕で想像がつく。
世界を手に入れ、そこに独裁者として君臨した皇帝はもういない。……いてはならない。何故なら、その独裁者は英雄――『ゼロ』によってされたはずだからである。
嘘の皇帝は嘘の英雄にされ、されたことさえも嘘となった。嘘は現在でも人々の希望となり、明日となっている。嘘の仮面はもう二度と外してはならない。
神楽耶は、ルルーシュの本当に苦そうな笑いが見ていられなかった。こちらの胸にもいやなものが広がってくる。
「……何故なのでしょう……ルル様が本当の英雄なのに……」
ルルーシュは自嘲的な笑みを浮かべる。今度は多少おどけたような表情である。辛さを紛らわすと言うより、英雄と言われたことへの気恥ずかしさの表れのように見える。
「フッ、本当の英雄なら、議長を脅して賛成決議を得ることも、自分を好きだと言ってくれた少女を人質に取ることもしないだろうな」
「またそんなこと……」
神楽耶も苦笑いを浮かべる。確かに、あの時のことを今思い返してもあまり良い気分ではない。
アッシュフォード学園で行われた、ブリタニアの超合衆国への参加に対する賛否決議。皇帝ルルーシュが自分等に銃口を向け、完全な形で裏切ったあの時。悔しくて、憎らしくて、悲しくて……。
憎みたくないのに、相手がこの上なく憎々しく、それが本当に悲しかった。どうしてここまで憎ませるのか、と。
黒の騎士団の象徴としてのゼロが、世界に祝福を持って迎えられた正義の皇帝が、そして自分が愛した男性が、それらが全てを裏切った。
あの時からダモクレスの陥落を経て、見せしめのパレードまでの2ヶ月間は本当に地獄だった。正直に言えば、自決できたのなら自決したかもしれない。
しかし監視の眼は厳しく、割れた茶碗の破片すら手にすることは出来なかった。
そして、パレードの場に刑囚として参加した頃には、そんなことはもうどうでもよくなっていた。
銃刑であろう自分の行く末を他人のように見ている自分がいて、ぼうっとした視線を中空に投げ、パレードの進行に身を任せていた。
結局、最後の最後まで嘘だと気付けなかった。
パレードにゼロが乱入し、単身で皇帝の眼前にまでたどり着いた時に全てを悟った。必で体をよじったが、当然ながら拘束は解けず、間を置かずしてゼロが持つ長剣が皇帝の胸を刺し貫いた。
剣が抜かれ、鮮血が飛び、階段から転がり落ちたルルーシュにナナリーがすがり付いたのを見て、全身から力が抜けた。止め処なく涙が溢れた。
拘束から解放された頃にはルルーシュが乗っていた車はかなり遠くまで下がっていた。
その場にへたり込み、先ほどの情景とルルーシュの行動の真意を思い、やっと流れる涙に声が重なった。多くの人々にとって光に満ちた明日は黒一色に染まり、全てを後悔させた。
どうしようもない喪失感は、裏切られた時以上の悲しみだった。
その絶望の淵から救ってくれたのは、やはりルルーシュが生きていたと言う事実であったが、最初はそれすら嘘に思えるほどに人間不信となっていた。
ある意味、それは「いい思い出」と言えるかもしれない。それまでは希望から絶望、或いは絶望から更なる絶望に堕ちるだけだったのだから。
神楽耶はふっと息を吐く。
「……まあ、それほど急を要す事態でないのでしたら、座敷に上がってくださいまし。お茶でもお飲みになって一息ついては?」
「そうだな……そうさせてもらうよ」
頷くと、ルルーシュは縁台から立ち上がり、おもむろにその場所に足をかけようとする。
「あ、そこは……」
「っと……そうか、靴を脱ぐんだったな」

9 :
「はい」と微笑を返す。
恥ずかしそうに軽く頭を掻き、改めて靴を脱いでから畳へと上がる。そんな仕草を見られることが少し嬉しかった。
神楽耶も座敷に上がり、戸棚から茶器や茶菓子などを取り出す。
「枢木の家に居る頃に、日本の作法はある程度覚えたつもりだったが……10年近く前だから怪しいものだな」
「いえ、気にしないでくださいまし。私だってブリタニア式の生活には慣れなくて、このような部屋にしてしまいましたもの。
あ、緑茶でよろしいですか? だからと言って紅茶は置いていませんけど、コーヒーでよろしければそれにしますわ」
神楽耶にとって、紅茶はどうにも口にあわなかった。
あの匂いと言うか、色あいと言うか、或いは砂糖やミルクを混ぜる飲み方が存在するせいだろうか? ともかく、自分にはやはり日本の文化が性に合っているのだろうと思っていた。
しかし、相手はブリタニア人。妻が夫に合わせることを良しとするのも日本の考え方である。少々古めかしい考え方かもしれないが、自分ではそう確信していた。
コーヒーならばそれほど嫌いでもないので、ルルーシュが選ぶのならば、自分もコーヒーにしようと考えていたが、 
「ああ、緑茶で構わないよ。結構好きなんだ、日本のお茶。ナナリーも気に入っていた」
それが自分に対して気をつかってくれた言葉なのかはよくわからなかった。しかし少なくとも、ルルーシュの柔らかな声色に無理をしているような様子はないため、笑顔で了解する。
お茶を淹れ、お茶請けとして羊羹を出す。ルルーシュは枢木の家でもそれを見たことが無かったのか、少し興味深そうに見ていた。
ルルーシュが座るコタツの反対側に神楽耶が座り、やっと本題となる。
「つまり、何と言えばいいのか……、カレンとシャーリーがな……」
ルルーシュはそう言いながら難しそうな表情を作る。
神楽耶は二つの名にピクリと反応した。よりにもよって、と言ったところである。
コト、と湯飲みを置く。
「カレンさんと……シャーリーさんが……?」
声に動揺が出ていたかもしれない。或いは、笑顔が不自然だったのかもしれない。
カレンにしてもシャーリーにしても、ルルーシュがどの程度自覚しているかは定かでは無いが、神楽耶から見れば明らかにルルーシュに対する好意を抱いている。
それも、かなり深いものだろう。ましてや、シャーリーという女はルルーシュ自身が認めた『彼女』だと言うではないか。
確かに浮気は男性には付き物であり、見知ったあらゆる情報からすれば、それは男性である以上どうしようも無いものだろうと推測できる。
しかし、誰が好き好んでそのような状況を求めると言うのか。認め許すことは出来たとしても、それを奨励することなどするわけが無い。
もしも自分一人を愛してくれるのであれば、それこそ理想的と言えるものだろう。しかし、現実的にそれは難しい。ルルーシュは純粋に優しく、恋愛には鈍感であった。
そもそも肝心のルルーシュの恋愛感情が、神楽耶に対しても向けられるものなのかが定かではない。もしかしたら、まったくの範疇外である可能性すらあるだろう。
それが恐ろしいからこそ聞けないわけだが、答えを出さないままに時が過ぎれば、それこそ敵にみすみすチャンスを与えてしまうことになり、下手をすれば蚊帳の外に追い立てられる状況になりかねない。
早急に手を打たなければならないと、前々から考えていたものだったのだが、
「C.C.とのやり取りを誤解されてしまったんだ」
今度はC.C.である。
「あの女、気まぐれで過去の自分と入れ替わるだろう? 本人が言うには既に別人格として存在するらしいが、如何せん外見が変わらないからな。
何の前置きも無く変わるとこっちが困るんだ。……今回は特にまずかった。風呂に入るならついでに洗濯してくれと、やらない事を承知で言ったんだが、何を間違ったのか、全裸で部屋に戻ってきてな……。
運が悪いことに二人に誤解されたばかりか、色々あってリバルや他の生徒会のメンバーに追いかけられることになってしまった……。誤解を解くのには時間がかかりそうだ」
深い溜息をつき、湯のみを口元に持っていく。
神楽耶にしてみれば、「なーんだ」と言った具合だ。安心していいのやら、呆れればいいのやら……
とは言え、ルルーシュには基本的に落ち度は無いのだろう。……恐らく。そして、この手の話に慣れていないだろう彼にしてみれば、それなりに深刻な状況に思えるのかもしれない。
「それは、困りましたわね」
首を傾げながら浮かべた苦笑いから、相手は何を汲み取ったのだろうか。

10 :
「まったくだ。そう言うわけで、サヨコさんに協力してもらって一度は巻いたんだが、どうにもクラブハウスの周囲を固められてしまってな……、しばらくここに居させてくれないか?
もしも誰かが探しに着たら、知らないふりをしてくれれば助かる」
「それは構いませんけど……」
どのくらい居るつもりなのだろう。原因が原因だけに、それほど長い時間探しているとも思えない。1、2時間もすればクラブハウスの包囲網は解かれるのではないだろうか。しかし、それでいいのだろうか?
ルルーシュから自分の部屋に来てくれることなど初めてであるし、もしかしたら彼の卒業まで二度と無いかもしれない。
そうなってしまったところで諦める気は毛頭無いが、早いに越した事は無い。第一、他の女に先を越される恐れさえあるのだ。
このチャンスを生かさずにどうするというのか。敵は多く、そのどれも手強い。対して神楽耶とルルーシュの間にはこれと言った繋がりが皆無に等しい。
高等部と中等部である以上、仕方の無いことかもしれないが、こちらから常日頃の接触を行っていなければ、現在のように助けを求められることすら無かったかもしれない。
そうであるなら、この貴重な時間を少しでも長く保ち、なおかつその時間内で彼の気持ちを出来るだけ明確に確認し、更に二人の良好な関係の構築できれば満点。
少なくともその土台だけでも築くことが出来れば及第点と言えるだろう。
そんな事を考えていると、
「もちろん長居はしないよ。30分もすればある程度はほとぼりも冷めるだろう。第一ここは女子寮だからな。別の意味で問題だろうし、何より君に迷惑がかかる」
それを聞き、神楽耶は反射的に言う。
「そんな、迷惑などとんでもありませんわ! どうせなら朝までゆっくりしていって下さいまし。そうですわ、それが良いと思います」
それにはルルーシュも眼を丸くし、すぐに困った笑いを浮かべる。
「い、いや、流石に朝までというのは……」
「いいえ、駄目です。深夜遅くにお風呂に入る女子生徒は少なくないのです。それぞれの生活リズムと言うのがありますでしょう?
そもそもクラブ活動などで帰宅時間がバラバラですから。万が一見つかりでもすれば、それこそ一大事です。ここを出るのなら、朝早い時間が理想的ですわ」
いかにもそれらしく言ってみたものの、深夜に実際どの程度浴室が利用されているのかは全く知らない。
もしかしたら湯自体が抜かれているかもしれないが、言い出してしまったことは止められなかった。
今を逃せば、次がいつかなど本当に分からないのである。
「それは、確かにまずいが……しかし、だからと言って、これ以上迷惑になるわけには……そもそも、ここに来る時もそれなりに危険を冒したわけで……」
難しい顔を浮かべるルルーシュに対し、神楽耶は今しかないと確信した。軽く身を乗り出し、両手をテーブルの上に置いた。
……置いたつもりだったが、思ったより大きな音がした。
「迷惑などではありません! わたくしが居てほしいのですからっ!」
「……へ?」
ルルーシュにしては珍しく素っ頓狂な声を上げ、数瞬固まる。
自分でも今の声は少し大袈裟過ぎたかなと思ったが、こちらの流れになったのは好ましい状況である。
そう思い、次の言葉を喋ろうとしたが、しかし何故か神楽耶の視界が歪む。何だろうと思った次の瞬間には、パタ、と雫が湯飲みの横に落ちた。
「う……え?」
自分でもよく分からないほど感極まっていたようで、そして、涙は止まらなかった。
ポロポロとこぼれ、こすっても押さえても滲んできた。冷静だと思っていた心も、何とも言えず情けなく、切なかった。
ぼやけたままの視界に、オロオロとするルルーシュが見える。

11 :
「か、神楽耶……?」
「……どうして分かってくれないんですか? ……こんなに愛おしいのに」
うう、と神楽耶は両手で顔を押さえた。
自分でも良く分からなかったが、何かが決壊したのだろうと思う。きっと、好きだという感情のはけ口が無かったせいだろう。
ただ好きで、それでも相手はいつものルルーシュで。いつも傍には自分以外にも彼を思う女性が居て、自分にも優しいけど、他の人にも優しくて。頭が良くて、それなのに鈍感で。
全ての人を騙して、全ての人を裏切って、そして全ての人を救おうと自分の命を投げ打って……。そんな人に、自分の気持ちは何時までも届かないんじゃないかと思えたのかもしれない。
果てしなく遠くにあるようで。自分などでは絶対に近づけないようで……
色々頭を巡ったが、何より、早く泣き止まないと彼を困らせるばかりだろう。それこそ不本意だ。無理にでも笑って、顔を上げなければ。
……そう思っても、感情のうねりが治まる気配は無い。いつかのように溢れ続け、押さえた手をどかせる気配が無い。
ふと、肩に何かが当たった。
「神楽耶」
反射的に顔を覆った手を離し、顔を上げる。雫が飛沫となって舞う。
「神楽耶すまない」
ルルーシュの顔は困っているような、心配しているような、悲しそうな、或いはそれらが混ざったような色合いをしていた。
「何と言っていいのかわからないが、本当にすまない……だから……何と言うか」
必に何かを言おうとしているようだったが、やはり出てこないようだった。しかし、神楽耶には彼が自分を心配してくれており、何が悪かったのかを探してくれており、そして心からの謝罪を述べてくれているのが分かった。
それだけで神楽耶は十分であり、だから彼が次の句を紡ぐ前に、そして自分の眼から次の雫が落ちる前に彼の体にすがり付き、顔を彼の胸に埋めた。
「お、おい?」
「ううう……」
涙は止まらなかったが、心の切なさは既に無く、酷く暖かい。抱きついているのだから当たり前と言えば当たり前だったが、ルルーシュの声や表情が心を埋めてくれたような気がした。
ああそうか、と思う。
結局、自分はこうしたかったのだ。どうしたって、相手は鈍感なルルーシュである。自分からやらなければ、何も進展などするわけが無かったのだ。
ある意味安心し、ある意味呆れた。自分だって、追いかけられているルルーシュと大差ないじゃないか。そう思うと、涙も少しずつ止まりだした。
いつの間にかルルーシュが頭に手を置いてくれている。かなりぎこちないが、撫でてくれているようである。それでも、もの凄く気持ちが良かった。
しばらくして、涙が治まった気配がする。しかし、頭を上げられずにいた。恥ずかしいのもある。しかし、それ以上にこの時間が終わってしまうことが嫌だった。
泣いた振りをして、しばらくこうしてればいいだろうか? どうせなら寝たふりでもいいかもしれない。……いや、この雰囲気ならば……。
「……落ち着いたか?」
胸から顔を離した神楽耶にルルーシュが優しく問いかけた。まだ神楽耶の視線は胸の方を見ており、その状態だと神楽耶の表情もよくわからないだろう。
ルルーシュの背中の方へ回していた神楽耶の腕に、僅かに力が込められる。体重をルルーシュにあずけ、胸から下を相手の体に押し付ける。
そして、ゆっくりと顔を上げ、潤んだ視線と愛おしそうな表情をルルーシュの眼に合わせる。
「……」
時間の感覚が曖昧になった気がした。一瞬であったようであり、非常に長い時間であったようでもあった。その間にルルーシュの表情は目まぐるしく変化し、最後に決心したような固いものとなる。
ゆっくりと、ルルーシュの顔が神楽耶のそれに近づく。神楽耶は同様にゆっくりと眼を閉じる。

12 :
……ああ。
唇に触れた感触は、よく耳にする「甘い」などの表現はまったく当てはまらないものだった。単純に暖かく、柔らかい。
柔らかいなど、男が女に対して持つような感想だと思ったが、考えてみれば、男女で唇の構造が違うわけもなく、その何とも言えない感触は、予想していたロマンティックなそれとは違うようだったが、酷く心地よかった。
或いはその心地よさこそが世間一般に言う「甘さ」なのかもしれない、と考えられるくらいには冷静さも残っていたのだが、既にその「冷静さ」に理性は含まれなかったのかもしれない。
気が付けば、相手の首に腕をからませ、更に強く唇を押し付けていた。しばらくその感触を楽しんだが、流石に息苦しく、音を上げるのも自分が先であった。
「……ふぁ」
くちゅり、と唇が離れる。静かなせいか、いやに耳に残る音だった。触れ合ったことよりも、その音のほうが顔を紅潮させるような気がする。
ゆっくりと眼を開けると、閉じる前と同じ場所に相手の瞳がある。薄く恥ずかしげに笑っていた。心なしか、色白の顔にも幾分赤みが差したように見える。
ルルーシュの腕は神楽耶を抱え込むように肩と腰に回されていて、それが離れる気配は無い。
離すタイミングを計っていたのかもしれないが、そうなる前に改めて相手の胸に横顔を当て、眼を閉じて、今度は体温と匂いを楽しんだ。
そうしていると、ルルーシュの体から力が抜け、神楽耶の体を抱いたまま少し前かがみになり、頬とあごを神楽耶の頭に軽く当てるようにする。フワフワと気持ちがよく、いつまでもそうして居たい気分になる。
ふう、と満足を示す溜息が漏れる。
いや……満足? 満足していていいのだろうか?
確かに、関係を築く事はできた。相手の反応も良好であり、今までに無い幸せを感じる。これ以上を望むことがはばかられるほどの大成功じゃないだろうか。
しかし、頭の中の何かが訴えかけてくる。あくまでも口付けは口付けだ。キスなど他の女もしているはずではないのか?
むしろ、行くところまで行ってしまった関係も存在するだろうことは容易に想像できる。シャーリーやC.C.はその疑いが濃厚であるし、カレンも侮ったものでもない。
では、どうすべきなのか? ……いや、そんなことは決まっている。ようは、「決断」をすべきか否か。
「……ルル様?」
神楽耶は顔を上げずに名前を呼んだ。
ルルーシュは少し身じろぎをして「ん?」と返す。
「……愛しています」
その言葉を口にしたのは、最低限の証を立てておく必要があったと思ったからである。
顔を上げ、決意の表情の下、もう一度口を開く。
なかなか言葉は出てこなかった。
「………………………だから……」
分かってほしい。
言いながら眼を閉じると、少しの間のあとに、再び唇に暖かな感触が触れる。先ほどのよりも少し強い感触。舌まで入ってきて、少し驚いた。
そして、上半身に加重がかかり、ゆっくりと体が横たえられる。
彼の匂いばかりの嗅覚の中に、いつもより強い畳の香りが紛れ込み、不思議に気持ちになる。気分は高揚しているのに、変におかしかった。
後はただ甘く。少しむせ返るくらいに、ひたすら甘くて……そして、少し痛かった。

13 :
以上です。
ちょっと酷いことなりました。
こんなの書いたのは初めてだったのでどうかご容赦を
ハーレムなので、別のキャラもかいて見たいです。

14 :
パラレルでも何でも投下してくれてありがとう

15 :
何この甘ったるい後日談。もっとやれ!

16 :
乙乙乙です!
かぐやの話って見たことなかったけど、かわいいなあ!
この設定でもっと色んなキャラとの絡みが見たい…!

17 :
そういえば以前ハーレムものでルルカグもやるって人がいたけど荒らしにスレが流されまくってうやむやになってたな…
でも一応前スレにスザカグがあったような気がするんだが

18 :
スザク相手だと手玉にとってるというか
尻に引いてる感じの無敵な神楽耶の方が個人的には好み

19 :
前スレのスザカグだと、自分の処女でさえ徹底的に活用するしたたかな神楽耶様って感じだったなw
浮気も容認する寛大さと、それでもなお手放さない周到さや狡猾さをも併せ持つ感じで強烈だった…
ここから発展してのカグスザユフィも読んでみたい気がする
あとはナイトメア・オブ・ナナリー版神楽耶様でエロパロも(あちらもしたたかだし)

20 :
ドバイショックのおかげでリアルEUの半分ぐらいシュナイゼルなら朝飯前に領土を勝ち取ってそうだなw

21 :
自分もカグスザユフィ見てみたいわ
前回のカグスザ作者さん書いてくれないかなぁ〜

22 :
スザク×ユフィって
ユフィの鞭がスザクの尻を赤く腫れるだけだろw

23 :
カグスザユフィいいなー
どっちもSというか、強引な感じで楽しそうだw

24 :
                rへ __  __
くヽ  l^ i         /: : : : : : : : Y: :ヽ
. \\l  l.       /: :./ l: :.lヽ: : :ヽ: : :ヽ
   \\l       //: :/ノ  l: :ト、ヽ: : :',: : :. ',
    \\     / l: :/ ○ 丶l ○ l: : :ハ: : : :',
       \\ _/: :l: :l@┌‐┐ @ l: :/: :l: : : :.',
        \/:::::::\ヽl.\ |   !   /:// l: : : :..i オールハイル アナル
         {:::::::::::::::::`T7└‐┴‐<    l: : : :. l
           `r──‐┼-/l/l// 01i,  l: : : : : l
         /: : : : : : | /:/: l: : : :Y:::::::l  l: : : : : :.l
        ,': : : : : :./ /: /: : : : l:::::::::l.  l: : : : : : l
          i: : : : : く/レへ: : : : l::::::::::',. !: : : : : : l
.         l: : : : : : :\:::::::::::ヽ イ:::::::::::::〉l: : : : : : : l
        l: : : : : : : : :ト、:::::::::::::::>tjtjtjノ l: : : : : : : :l
        ',: : : : : : : :/├‐┤|─ '"|   l: : : : : : : :l
        ヽ: : : : / .l:::::::| l:::::::::::l   ',: : : : : : :,'
          \:/    l:::::::l |::::::::::l   ヽ:: : : : /

25 :
>>6
ベヨネッタ禿ワロタwww

26 :
一乙&即回避

27 :
>>24
アナル責めのシチュだったらミレイさんかカレン、千葉がいいかな
気の強い女はアナルが弱い

28 :
即判定って30?

29 :
じゃついでにageようか

30 :
>>27
それ読んでみたい
恥じらいながらも身体は正直系でお願いしたいw

31 :
>>13
神楽耶さま可愛いな、乙!

32 :
変態怪盗ゼロ

33 :
怪盗は体力要りそうだからゼロには無理じゃね?
格好はとてもそれっぽいが

34 :
二代目なら余裕で可能だな
代理のCCもか

35 :
コードギアス、まさかの続編復活age

36 :
マジで
な、なんだってー(AA略
だな。

37 :
続編かどうかはわからないんだろ
新プロジェクトだって

38 :
蛇足の予感。

39 :
・ルルカレー
・CC信者閲覧注意
・プロット完成済み。忘れた頃にやってくる。完結はさせる。
・カレンのスリーサイズググッても出なかった

40 :

 ギアス。
 それは願いの力を具現化した、現実への冒涜。
 今は時間を伴って流れ続け、過去となった事実は残滓を残しつつも復元は許されない。ゼウスでさえ姿形を残すことなく、ただ逸話の中に篭り住んでいる。
 神にも、たとえ宇宙から我々を観測しているかもしれないアウターでさえも、過去を縒り戻すことはできない。
 だからは辛く、華々しく、美しい。だから人はいまに懸命になれる。
「いってきますっ」
 鮮烈な、両側に跳ねた赤色の髪を揺らせた少女――紅月カレンは学生鞄を肩に担ぎ、門戸を押し開けた。
 もう自分のありのままを現したカレンは、大股で早足に通学路を行く。外は未だに寒く、身を震わせて首元に巻いたマフラーに顔をうずめる。
「こんにちは、カレンさんっ」
「おはよう」
 挨拶してきたのは名前も知らない女子生徒。挨拶を返されると妙に興奮した声をあげて、逃げるように走っていった。その先には、二人、同級生らしき生徒がいて、合流するとまた興奮した声を上げた。
 初めこそ以前のカレンとのギャップに驚きの目を向けられたものだが、今ではそれも消えうせ、ようやく生徒会メンバー以外とでも普通に喋ることができるようになっていた。
 病弱なせいもあってか遠慮されていたカレンも、今では持ち前の勝気で真っ直ぐな性格が皆に好感触を持たれすっかりクラスの中心だ。
(はあ……、もしかして女の子にモテてたりするのかな)
 実際、ラブレターを女子から貰うことがたまにあったりする。そういうことは漫画の中の御伽噺だと思っていたので、多少カルチャーショックだ。
「おっはよー」
 聞きなれた男の声――リヴァルだ。
「おはよ、寒いわね今日も」
「最低気温3℃。最高気温でも7℃らしいよ」
「3℃……」
 考えただけで、げんなりする。暑さは嫌いじゃないのだが、冬は身体が寒さに縛られているような気がしてどうしてか好きになれない。
「もう少ししたら雪が降るかも。カレンは雪が降ったら雪団子作るんだろ?」
「雪団子?」
 頭の中に思い浮かべてみるが――おままごとの延長戦のイメージしか浮かばない。
「あれだよ、雪のボールを二つ重ねるやつ」
「ああ……雪だるまね」
「そうそうそれそれ!」
 アッシュフォード学園は日本にあるとはいえ、日本人の数は驚くほど、きわめて少ない。そのせいか日本かぶれの常識が蔓延っているのだが、しかし、カレンは唖然とせずに入られなかった。
 おそらくその一端には会長――ミレイが行う常識を三回ほどメタモルフォーゼさせた行事が関係していたのではないかと、密かににらんでいる。
(まあ、止めらなかっただろうなあ……)
 内心で苦笑する。あれほど学園を騒がせた会長はいまではニュースキャスター。理路整然とした姿と、時たま見せる素のお茶目さが人気の、有名人。
 かたや世界を変えるために尽力したカレン、ニーナ、ジノ、アーニャは学生だ。世の中本当にどうなっていくのかは分からない。
「で、今冬は何の行事するつもりなの、会長?」
「そりゃもちろん冬といえば?」
「……サンタ?」
「惜しい! 冬といえば――そう、恋だよ恋!」
 またか、とカレンは言いそうになるのを堪える。リヴァルは案外優柔不断だ。ここはこちらが一歩受け入れてあげよう。
「で、何をするの?」
「今のところはサンタの人形を作って、赤外線通信させるとか考えてる。まあまだプロット段階って感じかな」
「そっか。そういえば、最近ニーナを見ないけど、何か知ってる?」
「いや……あ、そういえばロイド伯爵の所に行ってくるって言ってた気がする」
「ロイド――ああ、あの眼鏡の先生か」
 最後にあったのは確か紅蓮のシステムキーを返したところだったか。最後まで実験体になってくれと頼まれ続けた記憶がある。
 ニーナはロイドとかなり深い親交があったようだった。何か、また新しいサクラダイトの使用法でも思いついたのだろうか。
(ちょっと行ってみようかな。最近紅蓮にも乗ってないし)
 黒の騎士団を引退したとはいえ、戦いに身を投じた日々の名残は消えてくれず、時たまドラッグ中毒のように紅蓮に乗りたいときがあった。それを話すと、ロイドは快く承諾してくれた。
 紅蓮が飛翔する心地良いG(重力)。左右に身を降らしたときの一体感。あの時の快感は、今でも心にある。
 ジノに言わせれば天性のパイロットの証らしい。もう自分の身体の一部のように感じているから、そんな衝動が駆け巡るという。
「ん……? 何してるんだあの人」

41 :

 リヴァルば疑問視を浮かべる。視線の先には、エメラルドグリーンの短髪を携えた女性が校門の真ん中で仁王立ちしていた。服装は制服でなく、白の、まるで囚人が着るような粗忽で無機質さを思わせるデザイン。彼女は周りとの違いにも全く動じた様子なく、ただ立っていた。
「…………」
 カレンは暫し開いた口がふさがらなかった。周りの景色も完全に意識から排他され、目の前にいる懐かしい人物に意識が集約されていく。髪を短くしても、その冷ややかな眼を雰囲気は全く変わっていない。
「ごめん、あれ知り合いだ。ちょっと話してくるから先に行って」
「お、おう。じゃあ先行ってるよ」
 カレンの剣呑とした雰囲気を感じ取ったのか、リヴァルは少し早足で、女性の横を通り、学園に入っていった。
 こちらも早足で彼女に近づいてく。視線がかち合って、彼女はふてぶてしい笑みを湛える。
「久しぶりだな、カレン」
「ええ、久しぶり。会いたかったわ、CC」
 沸いてくるのは怒り――なのだろうか。彼女のことを一時たりとも忘れたことはない。問い質したいことだけを残して消えてしまった彼女のことを。
 CCは昔の通り、抑揚のない声で言う。
「話したいことがある。場所を変えよう」
「ええ、望むところ」
「ついてこい」
 先導してCCが前を歩く。
 電車を乗り継いで、着いたのは日本政庁だ。かつてカレンが囚われていた場所は、今では黒の騎士団の爪痕も消え、威厳を以て屹立している。
「ちょ、ちょっと! 入れるわけないでしょこんなとこ!」
「入れなかったらこんな所に来ないだろう?」
「そうだけど!」
 二人して政庁内部に入る。すると、まるで二人を出迎えるようにロイドが独特な笑みを浮かべていた。
「久しぶりだね紅蓮のパイロットさん」
「紅月です」
 カレンのことを紅蓮の搭乗者としてみてないのは相変わらずだ。
 CCとはどうやら頻繁――かどうかは分からないが――に会っているような雰囲気で、慣れ親しんだ様子で会話を交わす。
「ギアスプロジェクトはどうなってる?」
「んー、まだ三割ってとこかなあ。もしかしたら生物学的な観念をもう一度洗わないとだめかも」
「そうか……」
「ちょ、ちょっと待って!!」
 会話を遮るような声が政庁のロビーに響いた。
(ギアス――ギアスですって!?)
 あの人を歪める力、ルルーシュを、カレンを、全てを狂わせた元凶とも言っていいあの力。
 もう二度と聞く筈のなかった名前を、しかも、この女が口にした。
 自然と表情が強張っていくのを感じる。
 だが――構うものか。
 「あれ、説明してないの?」
「ああ。見て貰ったほうが早い――論より証拠だ。カレン、今は黙ってついてこい」
「何を偉そうに」
 カレンの気じみた瞳を見て、CCは哀しむような表情を浮かべた。
「じゃあ行こうか」
 ロイドのその一言を最後の皮切りに、三人は政庁の奥へ。
 途中何度か諮問識別、網膜識別、カードキーのセキュリティシステムを潜り、ようやく目的の部屋へとつながる最後の扉を潜る。
「なにここ……。やばい研究でもしてるの?」
 カレンは思わず顔を顰めた。 
 薄暗いその部屋は広く、さらにその広さの中に恐ろしさすら感じるほど計器類が密集していた。部屋の中央に眼を向けると、細長い円柱のカプセルが見えた。中に詰められた液体が淡く発光している。部屋の中にある光は計器類とこのカプセルのみだ。
 カプセルの中には、どうやら何か入っているようだった。
 人のような形をしているが、薄暗すぎて判別できない。
「見てみてくれ、これが、私たちのしようとしていること――ギアスプロジェクトだ」
 カレンはそっと近づく。どうしてかその度に心の中で警鐘が鳴る。
 理性や状況判断じゃない、本能がエマージェンシーサインを明示している。
 カプセルに入っているのは、どうやら人のようだ。裸のまま、赤ん坊のように身体を丸めている。
「ぁ……」
 思わず、声が漏れた。
 忘れていた、忘れようとしていた姿が瞳に灼きつく。思わず、その瞳から涙があふれそうになる。
「ルルーシュ……なの?」

42 :

「ああ。これは紛れもなく、ルルーシュの遺体だ」
「ッ――! あんたたち何やってんのよ!! こんな、墓荒らしみたいな真似をして……安らかに眠らせてあげなさいよ!! あんまりよこんなの!!」
 ブリタニアでは者を悼むという言葉がないのかと激昂したカレンに、CCは悲しみを押しした眼を向ける。
「カレン、よく聞いてくれ。私たちはルルーシュを眠らせる気はない」
「そうでしょうね!! でも、ルルーシュはどうかしら? 安らかに眠っていたいんじゃないかしら!?」
 考えられない、理解できない――この魔女は、いったい何をしたいんだろう。
 まさか人体実験でもするつもりか。それなら――この女とは絶交し、何としてもこんな馬鹿げたことを止めなければならない。いざとなれば紅蓮でも何でも使ってやる。
「ああ、確かにそうだと思う。だけどそれは私が許さない。契約はまだ――続いているんだ」
 CCの眼が揺れる。
 契約というのは表面上の理由で、裏には何か情愛のようなものが溢れているように見えるのは、薄暗いからだろうか。
 そしてどうしてだろう。そんな魔女を見て胸のうちから沸々と怒りが現れてくるのは。
「で、何をするつもりなの……。返答次第ではアンタでも許さない」
 真摯なカレンの視線とぶつけ合うように、CCも同じく張り詰めた表情で、口を開く。
「私たちは、ルルーシュを蘇らせるつもりなんだ。それが、ギアスプロジェクト。倫理に反し、理性をし、尊厳を踏み躙るパンドラの箱さ、カレン」

43 :
こういう厨臭い作品嫌いじゃないぜ
是非完結させてくれ

44 :
まったく、気になるところで切りやがる……
GJ

45 :
>>35
続編だけど過去の話らしいな
しかもアニメじゃなくて漫画
>>42
わっふるわっふる

46 :
来年発表なのだから、ソースが何であろうと信用できんだろう。

47 :
正直、漫画なら新プロジェクト始動なんてブチ上げるほどのインパクトはないしな
OVAかもしれんし過去編かもしれんがやはりアニメだと思うけど。

48 :
新プロジェクトは色んな媒体でやるらしいよ
漫画でやるのは確定らしい
ただアニメもやるのかは不明
5 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/12/09(水) 09:35:09 ID:TQzwW7R3
コードギアスファンの皆様

いつも応援ありがとうございます。

先週のイベント「キセキの誕生日」に突如現れたゼロが発表したとおり、
新コードギアス・プロジェクトをスタートさせるはこびとなりました。

この新しいプロジェクトはコミック連載、音楽、商品展開、そして映像作品と、
いろいろな媒体で同時多発的に進行する複数のプロジェクトの集合体です。

その第一弾については、12月10日発売の月刊ニュータイプに御注目ください。
そして・・・いや、これ以上は、まだお話できる段階ではありません。

それぞれのプロジェクトの発表は、順次、行うことにいたしましょう。

これからのコードギアスも、これまでのコードギアスと同じく御期待ください。
そして応援を、お願いいたします。

コードギアス・プロデューサー
河口佳高


●第一弾 2010年少年エースにて「コードギアス 漆黒の連夜(仮)」連載開始
原案・脚本:谷口悟朗  漫画:たくま朋正

49 :
>>48
おーい、「映像作品」って書いてあるじゃん。
これは劇場版かTVかは知らんがアニメor実写ってことだぞ?
実写?・・・やめてくれorz

50 :
漫画設定でアニメとかもやるなら黒歴史化しそうだな

51 :
黒歴史といえば
一話でナナリーが黒化するアレ

52 :
もしナナナの事を言ってるなら許さん

53 :
>>52
同感
確かに登場人物ほぼ全員に救いがあるとか陰鬱な要素が無いとかギアスらしからぬ要素はあるし、
本編で悲劇で終わったスザユフィがこっちではハッピーエンドになった、
本編で特定カプが無かったナナリーに相手が出来た(同性だけど)など、本編で実現できなかった部分もあるけど、
あれはあれで好きだけどな
ネモ×ナナリーって、ネモが常人に視認出来ない以上は傍から見たらナナリーソロ活動に見えるんだろか
同時に悪夢設定でルルCも傍から見たらゼロさんソロ活動に見えるような

54 :
黒歴史というなら
どう考えても
ランスロット仮面だろJK

55 :
>>54
いや、ナナナは当然としてランスロット仮面も黒歴史にするには惜しい
前にアリス×ナナリーがあったけど、ネモ×ナナリーも見てみたいw

56 :
個人的にダルク・サンチア・ルクレティアの絡みが見てみたい

57 :
>>56
アリスも入れると、アリスが力関係において一番受けになりそうな気がする
そしてサンチアが「イレギュラーズはマッドの奴隷」とか言ってたから夜な夜な性奴隷に…
と妄想してしまった

58 :
 
カレンは一瞬CCの言ったことを理解できなるわけもなく、想定外の言葉をゆっくりと、じっくりと咀嚼して生まれた齟齬を潰していく。
「ルルーシュを、蘇らせる……?」
「ああ」
(本気……いや、そんなこと出来るわけない)
 人が生きている状態を保つ仕組みは現代科学でもおおよそ見当はついているのに、蘇らせることが出来ないのは、未だ解明できない部分の大よそが人のと同時に滅するからだ。
 その最たるが脳だろう。未だ人類は脳の仕組みの全てを解明できていないのだ。
 謂わばそれは、テーブルに並べられた見たこともない料理をレシピなしで作るようなものだ。贋物は出来るだろうが、それが限界。本物は作れない。
 しかしそんな当たり前の常識とは裏腹に、CCの眼は真剣さを帯びていた。
「方法は?」
「教えられない――だが、試してみる価値はある」
「……」
 CCの眼は深い。
 髪の色と同じ翡翠を思わせる瞳からは、真意の欠片も感じられない。本当に価値があるものなのか、また何かを企んでいるのか昔と同様、何も読めない。
 同じく、ロイドもただいつものふざけた表情を浮かべるのみ。相も変わらず、掴み所がない。
「……わかった。取り合えず、そこは置いておくわ。で、私はいったい何をするの? 何かさせるために呼んだんでしょう。まさか、見せびらかしたいだけなんて言わないでよね」
「ああ」
「紅蓮のキミには、ただ、これを飲んでもらうだけだよ」
 嬉々としてロイドが差し出してきたのは、小さな医療用カプセルだった。一見して、風邪などに罹ったときに飲むそれと大差はない。
「このカプセルの中には“Dolid―ドリッド―”っていうものすご〜く小さなヘポトシキーが入っていてね。それが逐次キミの感情データを送ってくれる。皇帝陛下の感情の基のデータにするんだ、それ」
 ヘポトシキー――確か、ナイトメアに搭載されている認識のシステムが、ヘポトシンという名前だから、それの発展させたものだろうか。
 しかし、医療用の胃カメラならともかくとして、あのシステムをここまで小型化出来る技術力ははっきりいって異常だ。確かヘポトシンは二メートル弱の大きさが限界だったはず。
 革命的とかそういう表現を超えたイノベーション。CCの所属していたギアス教団の技術だろうか。もしそうだとしたら、ある意味でギアス教団を葬れたのは僥倖だったかもしれない。
「感情をデータにすることは、可能なんですか」
「無理だったんだけどねー。ジェレミア卿のジークフリードシステムを利用したら出来ちゃった。本当に凄いねギアス教団は。あ、実は今度教団跡地に探索に行くんだけど、君も来る?」
「結構です」
 だよねー、と言ってロイドはさして気分を害した様子もなく話を続ける。
「あ、それともうひとつ。皇帝陛下とキミはおそらく誰よりも行動を共にしているはず、その思い出をDolidに覚えさせてほしい」
「それだけ?」
「うん、後は……そうだ、ついでにDolidに乗ったまま紅蓮に乗らない? どこまでGにヘポトシキーが耐え切れるかテストを――」
「結構です!」
 きっぱりと断った。
 ラクシャータもそうだったが、マッドサイエンティストって人種は限度を知らない。好意で付き合うとロクな目を見ない。
「残念だ」
 まったくそのようには見えない。
 カレンは差し出されたDolidを摘む。感触はやはり機器だけあってか、硬く、しかし、飲み込むのは全く難しくないくらいに小さい。
「……身体に害はないんでしょうね」
「あっても飲むでしょう? ラクシャータから聞いた話だと、日本人は捨て身を酷く尊ぶらしいから」
「……不愉快」
 カレンはDolidを飲みこんだ。当たり前のことだが、飲んだからといって違和感はない。
「ああ、Dolidは一週間後、排泄物と一緒に出されるから、またここにきてね」
 わかった、と返事して、不意にある疑問が頭に浮かぶ。
 ……まあ、さすがに、まさかね。
 カレンはまさかそんなことはないだろうと思いながらも、少しだけ祈るような気持ちで言ってみた。
「まさか、その排泄物からアンタが直に取り出さないわよね」
「え? 駄目なの?」
 現役を引退したとはいえ、元々身体的なセンスに長けている彼女の動きに淀みはなく。
 本気で驚いたようなロイドの頬にカレンの拳が穿った。

59 :

カレンは帰る途中に、少しだけ新宿ゲットーに顔を出すことにした。
 荒廃した町には、未だに住民が絶えない。振り返れば整備されたナンバーイレブン。
 ナナリーが頑張ってはいるものの、ユーフェミアが起こした血塗れ事件が尾を引いているらしく、未だにここから動こうとしていない。一応話し合いを求めてはいるのだが、この住民は聞く耳を持たないらしく、しばらくは放置されることになった。
 その心情は何となく理解できる。もうここの人たちは裏切られたくないだけなんだ。信じるのに、臆病になっているんだ。
「それは私もか……」
 正直言って、ルルーシュが蘇る気はしない。
 竹槍ひとつでナイトメアと戦って勝てと命令されるような――それほど人間がんだというのは現代医学・技術では乗り越えられない壁なのだ。  
 それでも、そんな馬鹿げたプロジェクトに縋っている自分がいる。ルルーシュが見たら笑われてしまいそうな、女々しい自分。
 ルルーシュと初めて会った場所――新宿ゲットーは、今も変わらない自分の生き写しのようだ。
「ったく、なに感傷的になってんだか」
 カレンはセピア色になりつつある心の端を追いやって、家に帰ることにした。
 学校に行っていないので、母に心配をかけているはずだ。
 駅周辺は時間帯が良かったのか閑散としていた。切符を買って、良いタイミングできた電車に乗り込み、シートに腰掛けていると、疲れていたのか眠気が沸いてきた。
 まあ、折り損なっても環状線だし、いいかな。
 カレンは電車の暖房に浸りながら、ゆっくりと眼を閉じた。

60 :

バニーガール姿のカレンは構えていた銃を結局撃てずに、ルルーシュと視線をかち合わせた。
「カレン、俺を信じてほしい」
「信じたい……でも、私は……!!」
 ルルーシュの瞳は決意を帯びた瞳だ。
 透き通っていて、CCとは別の深さを持った眼。
 ブラックリべリオンとは全く違うようにも見える。
 でも、確信はできない。もうルルーシュでなくカレンの瞳にフィルターがかかってしまっていた。
「ねえルルーシュ、私に求めてるのはパイロットとしての腕? 指揮能力? 黒の騎士団のエースっていう看板?」
「全てだ。俺はもう、誰も失ったりしたくないんだ……」
「嘘だ!」
「本当だ! 信用するのは俺でなくてもいい、ゼロでもいい! ビジネスライクな関係でも構わない。だが、俺はキミが必要だ」
 真っ直ぐこちらに向いた眼が痛い。
 どうしてこれほどまでこの眼に心が揺さぶられるのだろう――。
「なら、キスして」
「――はあ!?」
 ルルーシュは滅多にあげない裏声で、少し身体を引いた。
 しかしルルーシュの身体は行動とは裏腹に、学生服を掴むカレンに引き寄せられた。
「確信させて。もう裏切らないで。私は、もう、嫌だよ、ルルーシュ……走り続けるのは、疲れたよぉ」
 滅多にあげない女々しい声。
 ルルーシュの顔が面白くなるくらいに真っ赤に染まる。あたふたと周りを見渡し、そして行き着くところがなくなった顔は、眼を瞑るカレンへ。
「あ、な、なんだ。カレンはしたことあるのか」
「ないわ。ルルーシュ、貴方が最初の予定」
 そう答えるとルルーシュはさらに困ったような表情を湛え、しかし、時間がないこともあってか、決意した表情で、
「恨むなよカレン……」
 ルルーシュの息遣いが近づいてくる。
 顔が火照る。心臓がうるさい。まさか、こんなにドキドキするなんて――。
 時間が流れるのがとても遅かった。
 カレンが頬にルルーシュの唇を感じたあと、思ったのはそんな感想だった。
 ――ん? え、頬?
「こ、これで文句はないな」
 口を袖で拭くようにしてルルーシュはすぐ身体を離した。
 一方カレンはと言うと、そんなルルーシュを見て、
「馬鹿……」
 と照れくさそうに、頬を押さえた。

61 :

「――きゃあああああ!!?!?」
 思わずカレンは悲鳴をあげた。
 息を荒げ、暴れる鼓動を抑える。
 ――あれは、ルルーシュの記憶を取りもした時の……でも、あんなキスなんてしてない。ってことはなに? 妄想!? 
 恥ずかしさに頬を染めるカレン。しかし、いま居る場所が車内だとようやく気づくと、さらに真っ赤に頬を焦がした。
 ちょうど駅についたので、逃げるようにカレンは電車から降りた。
(うう……まさかあんな夢を見るなんて)
 未だに顔が熱い。
 どこぞの少女漫画を髣髴とさせる展開にはもう自分自身を恥じ入るしかない。
 カレンはまたマフラーに身を埋めて帰路へと着く。
 頬が、熱を帯びていた気がした。

62 :

造語・妄想で作った産物が蔓延っていますがスルーしてください。所詮はSSだろw ってことで。
次回エロのはず。
あと、Dolidに乗ったまま→Dolidを服用したまま です。連投したあと訂正するのは面倒なのでここで。

63 :
ええやんええやん
期待させる流れでっせ
是非最後まで妄想突っ走らせてくだっせ

64 :
乙!
エロ抜きでも充分楽しいがエロがあると嬉しいw
続き期待して待ってる

65 :

翌日――土曜日、アッシュフォード学園は休日。開放されているものの、やはり学園にはクラブ活動がある生徒以外見かけることはなかった。
 しかも今はちょうどお昼時。そのエアポケットの時間帯に、カレンは図書室に来ていた。
「ふう……」
 少しため息を交え、手に取っていた「脳解剖の神秘」というタイトルの本を元の場所に戻す。
 これで四冊目になるが、やはり脳を蘇らせることについては一行も触れていなかった。これはやはり脳学者も脳は蘇ることはないということは既に常識――いや、前提としているということだ。
「やっぱり、ブラックボックスな領域が多すぎる。無理だ、絶対」
 言いつつも、カレンの表情には絶望がない。むしろやはりそうだったかという感情の方が大きいように見える。
 カレンは椅子に座り、置いていたサンドイッチを一掴みする。
 チーズをベースにしたサンドイッチの濃厚な味は、無味乾燥な生物学者の文字列による疲れを吹き飛ばしてくれるかのようだ。
「ふあ……」
 暖房が利いているせいか、思わず眠気が意識に膜を張る。
 最近疲れているのか、身体が妙に眠りを求めている。
 休日だが生憎とこのあと予定はない。
 カレンは睡魔に身を任せ、腕を枕にして瞼を閉じた。

66 :

 学園祭。カレンは気ぐるみを被り、CCの回収にきていた。
 アッシュフォード学園内部はもう慣れたもので、効率よく中庭、裏庭と回っているのだが、未だにCCやルルーシュの姿はない。
「まったくあの魔女ときたらどうしてこう組織に迷惑を……」
 腹を立てつつ、しかしカレンは懐かしさを抑えきらずに居た。軍人――と呼べるかは曖昧な所だけど――としては褒められたことではないのかもしれないが、それでも内から湧き上がってくるものは留まってはくれない。
「しっかしいったいどこにいるんだろう。先にルルーシュと合流したほうが早いかな」
 でもまさか生徒会室に行くわけにもなあ、と呟いてカレンは取り合えず裏庭の方へ歩いてみることにした。
 ぬいぐるみは案の定重いし、動きづらい。
 まあ、走る場面がくるとは思えないが、黒の騎士団という立場、顔見知りがいるというこの状況では少し不安だ。
 裏庭には、大型のトラックが停められていた。荷台型のトラックで、その長方形の二台にはTomatoと赤色で描かれている。
「そこのぬいぐるみ! 生徒会が管理しているものと違うようだが、一体誰だ!」
 トラックにかけられた歩道橋のような足場の上から、ルルーシュの声。
 彼は手にファイルを持ちながらこちらを油断なく見ている。
「ルルーシュ、私よ!」
 声がカレンだと分かると、ルルーシュは警戒を解いて、こちらにくるよう手招きした。
「何故ここにいる。CCは回収済みか?」
「まだ。場所を聞きにきた」
「おそらく中庭の巨大ピザイベント付近――いや、屋上だ。あそこならピザを一望できる」
 行け、と言った直後に、ルルーシュの懐から携帯の着信音。
「俺だ」
「沙代子です。こちら、CCさんを確保致しました」
「よくやった。ルートε(イプシロン)より学校外へ」
「了解」
 プツリ、と通話が途切れ、ルルーシュは溜息をついた。
「カレン、ご苦労だった。後はこちらで引き継ぐ――」
「ルルー? どこにいるのー?」
 突如、慣れ親しんだ声。シャーリーの声。しかし懐かしいと思うよりも――この状況は、少し拙い。
 そう思った瞬間、カレンの身体が宙に浮いた。トマトの荷台の中に、ルルーシュが落としたのだ。
 しかし、カレンは反射的に、ルルーシュの袖を掴み――。
「きゃあああっ!?」
「うわっ!?」
 両者とも真っ赤なトマトのクッションに落ちていった。
 背中にぐしゃりと潰れた感触。
「痛ぁ……何するのよルルーシュ!」
「く、それはこっちの台詞だ!」
 二人して睨み合う。
(なんってサイアクな奴なのこいつは! 信じられない!)
「チ……リヴァルにはピザを延期させるか」
 トマトジュースで真っ赤になったルルーシュは懐から携帯を取り出した。
「はあ……まったく、少しじっとしてなさい」
 ぬいぐるみを脱いで、取り出したハンカチでルルーシュにかかったトマトの汁を拭こうとする。
「いや、いい」
「遠慮しない」
「別に良いといってる」
「…………」
 カレンは笑顔を浮かべつつも多少の怒りに口の端を歪めた。
「い・う・こ・と・き・き・な・さ・い」
「べ、別に良いと言っているっ」
 カレンから伸ばされた手を掴むルルーシュ。カレンの方が残念ながらパワーがあり、じりじりと押されるものの、男の沽券のおかげが、何とかやや劣勢という状態を保っていた。
「ああなんでこんなことに!」
 ルルーシュが嘆くが、実はカレンも同様だった。
 意味も、利益も何もない行為だ。子供のようにつまらない意地を張り合い、それを曲げようとしない。
 しかし同時に心地よくもあった。こんな、何も考えていない行為が、楽しい。心が躍る。
 それからカレンとルルーシュは、冷ややかな視線を帯びたCCと妙にニコニコした沙代子が現れるまで、無駄な行為を続けていた。

67 :
「ん……う」
 カレンは重い瞳を開けた。
 夢を見ていた。夢の内容なんていつも忘れるのだが今回は明確に覚えている。
 ルルーシュが出てきた。学園祭をしていた。結末が少し違うが、正直言ってもっと見たくなるようなほのぼのとした夢だった。
 彼の言葉や仕草は、夢の中のカレンまでドキドキさせる。
「ルルーシュ……」
 恋しい。そして、いとおしい。その感情が雪のように降り積もる。
「はあ……」
 どうしてだろう。身体が熱い。むずむずと、芯からもどかしい気持ちがとまらない。
 身体を触りたい――オナニーしたい。
 もどかしい気持ちはどんどんとエスカレートしていく。抗えない。
「ん……」
 周りを見渡して人の気配がないのを確認して、胸に手を当てる。じんわりと内側から熱くなっていて、先端部はいやらしく屹立していた。
「やだ……もうこんなに」
 胸を抱えようむにして、両の指でゆっくりと先端を擦っていく。服の上から弄ると、もどかしさが沸々と頭にもやを張っていく。
 図書室はあまりにも静かだが、それが逆にいま自分が行っている行為を際立たせる。
 意味もなく周りを見渡して、そして行為を継続する。
「っ……あ……いつもより、感じてる」
 学園で自慰するという背徳感。理性が形容しがたいものに侵食されて、それでいて内にある欲望が首を擡げている。
 ピリピリとした気持ちよさが乳首集まり、少しだけカレンは身を震わせる。
 乳首をこねあげると強い刺激が身体を走った。
「ひゃっ……やだ、感じすぎ……」
 全身が熱い。服が触れ合っている部分さえ、火照りが焦りついている。
 じれったさが全身を巡る。カレンはもう一度だけ周りを見渡して、
「誰も……こないよ、ね」
 制服のボタンを外して、胸を露出させた。
 たわわに揺れる胸は垂れることなく形良く整っていて、その胸は発情したように赤くなって、充血した乳首は己を顕示するように尖っていた。
「んんっ……!」
 爪をたてて乳首を弄ると思わず声が出るくらいに感じてしまう。
 カレンだって年頃の女の子。自慰は何度も経験している。特にカレンは昔から胸が大きかったので、そのバリエーションは豊富だったりする。
 親指と人差し指でクリクリと摘みあげ、爪をたてて何度も往復させる。
 その度に身体はピクリピクリと反応し、理性を快感へ変えていく。
「嘘……こんなに」
 乳首を弄りながらも、片方の手でショーツを触るとぬちゃりとした湿りを帯びていた。
 下着の上からクレバスをなぞると身も震えるような快感。
 カレンの身体は既に出来上がっていて、このまま中断など出来るわけもなく、
「んっ……! ふぅ……くふっ……!!」
 声を出さないよう閉じられた口から熱い息が漏れ出す。
 数回ショーツの上から愛撫するだけで、真っ白い三角地帯に大きな水溜りが出来る。
 くちゅっくちゅぐちゅずちゅ……。
「……んふうっ……!! んっ、あん……!」
 どんどん指が加速していく。
 絶頂が高まっていく。出そうで、出ない感覚がどんどんと溜まる。
 たまらない。気持ちいい……。
 ぐちゅっ! くちゅくちゅっ! くちゅうっ……!!!
「ィ、ク……うううううう……っっ!!!」
 ――――。
 身体が快感を堪え切れないとばかり大きく震える。
 ピンッと背筋が大きく伸び、大きな熱い息と共に身体が弛緩する。
「はあ……んっ……はあ」
 自慰は初めてではないが、ここまで思い切りイッたのは未だない。
 全身が性感帯になったかのような――そんな錯覚まで抱くほど、気持ちよく、病み付きになりそうなくらい。
(……って、それって変態じゃない)
 カレンは衣服を整えるとぐったりとうつ伏せになった。
 つん、と淫靡な匂いが妙に鼻に馴染んだ。

68 :

さよこの漢字ミスってると思います。ググるのすら面倒に感じてしまって。すみません。

69 :
咲世子だよ

70 :
ブリタニア皇帝とリアル日本の首相の鳩山を比べてみると
圧倒的に鳩山勝利だなオイw

71 :
>>70
比べる相手が違いすぎだろw
俺はあの扇総理と鳩山総理はダブって見える
誰かヴィレッタ寝取られSSを書けってw

72 :
つまり麻生がルルーシュだったのか
麻生レクイエムww

73 :
ルルーシュの後はナナリーだし扇の前の首相は枢木ゲンブだろ

74 :
エロパロスレなのに、政治厨マジうぜぇ
そんなに政治の話題したけりゃ政治板でやれ
>>65-68
エロパート突入GJ!
文面見てるとまだまだ続きそうなので、これから先も期待!

75 :
そりゃ、今の政治を見ているとゼロの出現を期待したくなるよ

76 :
変なやつがいるな
とりあえず政治はこの板ではどうでもいいので誰かラクシャータものを書いてくれないかな

77 :
ラクシャータは足コキ凄そう

78 :
ラクシャータの相手として考えられるのは…
カレンとレズプレイか卜部とパイスー作ってもらった矢先で大人の付き合い?
>>52
ナナナ黒歴史云々はナナナ=(無かった事にしたい的意味の)黒歴史という意味なんじゃなく、
ナナナ=本編その他を(∀ガンダム的意味で)黒歴史として内包するという意味なんじゃね?
実際本編のパラレルワールドというのを強調してたし、本編との繋がりも描かれてたし
それはそれとして、ダルク・サンチア・ルクレティアの絡みが見てみたい
それ以外にもアリス×ナナリーやネモ×ナナリー、悪夢設定でスザク×ユフィも読んでみたい
欲を言えば反攻のランスロット仮面も何かで読んでみたいが…エロパロにはし辛そう(つーか無理)だな

79 :
リアルコードギアスだと、ルルーシュは警察や自衛隊や米軍などにギアスをかけまくって
反逆するわけか。恐ろしいぜw

80 :
マジコ版も後2、3回かなあ?

81 :
>>67
GJ

82 :
江戸ギアスでエロに使えそうなネタってあるんだろうか?
時代的に遊郭や女郎とかその辺が…
今の所、女キャラもCCしか発表されてないし、どういう立ち位置かも判らんし

83 :
劇場版コードギアス 逆襲のルルーシュ
黒の騎士団から追放されたルルーシュは
なんとなく皇帝シャルルを打ち破り皇帝となってしまった
彼はギアスこそが人類の革新であると訴え
全世界へ宣戦布告し数ヶ月のうちに地上の8割を制圧
それに抵抗する最大の組織、黒の騎士団にとって最後の拠点である蓬莱島に向け
空中要塞ダモクレスを落下させようとしていた・・・
主演
ルルーシュ・・・ネオ・ブリタニア帝国総帥、総帥専用KMFナイチンゲールに搭乗
ナナリー・・・ルルーシュの妹(劇場版には登場せず)
C.C・・・ルルーシュの部下で恋人、ギアス研究所所長にして戦術士官としてダモクレスに乗艦
スザク・・・ギアス研究所出身の強化人間でαランスロットのパイロット
オレンジ卿・・・ルルーシュ腹心の部下、神経直接接続型KMFラフレシアに搭乗
カレン・・・質量ある残像(胸)を武器にエースとなっているν紅蓮(自律式輻射波動機構装備)のパイロット
オオギ・・・黒の騎士団独立13戦隊を率いる、旗艦イカルガに乗艦
タマキ・・・黒の騎士団独立13戦隊哨戒隊に所属するパイロット、水陸両用KMFアッガイに搭乗
暇だから妄想した
反省はしない

84 :
うわぁ…

85 :

ナイチンゲールとか正反対すぎるww

86 :
それだとルルーシュとカレンがガチバトルすることになるぞww
元ネタならそれなりに長時間鍔迫り合いしてたけどこれだと瞬じゃあ……

87 :
http://www3.rocketbbs.com/601/dark.html
エロすぎる

88 :
>>86
ルルーシュが本気を出せばカレンは少ない言葉で簡単に洗脳される気がしないでもない

89 :
○ライト…超有能艦長
○ムロ…超エース
○ェーン…エースのパートナー、不幸な役回り
○ーラ…空気、いつの間にか退場
○サウェイ…ブチキレ糞ガキ
○ストナージ…縁の下の力持ち
○ャア…総帥兼超エース
○ナイ…総帥の愛人
○ェス…わがままガキ
○ュネイ…惚れたガキに振り回される道化役
○ズン…一般兵

90 :
図書室で昼食を済ました後、カレンはぶらぶらと街を練り歩いていた。
 アッシュフォード学園の知名度は実は高く、またデザインも良いので面倒くさい時には、私服として活用する生徒もちらほらと見かける。
 まったく、何をやっているんだろう――。
 カレンは自分の空っぽさを感じずにはいられない。
 最近の自分は学生生活を満喫して、味わえなかった青春というヤツを全身で感じているはずなのだ。学生らしく友達とカフェテリアに行ったり、恋人なんかも作って手をつなぎ寒さとぬくもりを分かち合う。そんな学生に則った行動を望んでいたのではないのか。
 しかし、どうしても何かにとりつかれたように紅蓮に乗っていたあの頃が恋しく感じる。
ナイトメアに乗り、確かに命を奪うのには抵抗があったが、しかし、あの震えるような緊張感、一気に懐に入る思い切りには興奮を抑えきれない。何よりゼロ――ルルーシュの組み立てた作戦の枢軸となって動き、敵を看破し、彼の期待に応えるのが気持ちよかったのだ。
 三分ほど、物思いに耽りながら、歩いていると、ゲームセンターが視界に入った。
 リヴァル曰く最新機種を取り揃えてる名店らしく、昼夜問わず多くの人が屯っているらしい。現にこんな休日の昼ごろだというのに、店前には自転車がぶちまけられた玩具の様に乱雑に並んでいた。
 自転車の森を抜けて、なんとなしに店内に入ると、叩きつけるようなカラフルな光と破裂音に似通ったゲームセンターの喧騒がカレンを出迎える。
(そういえば、何年ぶりだろうゲーセンなんて)
 レジスタンスに黒の騎士団と戦場を渡り歩きすぎて、テレビの話題や流行のファッションにもついていけない。ましてや、こういう娯楽関係は全く以て疎遠だ。
 流石にクレーンゲームはあまり変化していないが、他のものはよく見ると異なっている。その中で一際眼を引いたのが、「FlatKnight-フラットナイト-」というものだった。
『ナイトメアフレームで君も戦場を駆け巡れ!!』と銘打ってあるそれは、卵型のカプセルの中にあるコンソールで動かすゲームらしく、試合展開を外から見る限り、それはナイトメアフレームの機能を忠実に再現していた。
「こんなのあるんだ……」
 面白そうだ、と呟いて、試しにやってみることにした。
 幸い並んでる人も少ない。すぐにカレンの番がきた。カプセルの中に入ると、青白い光が周りから浮き上がりセットアップ画面が浮かび上がる。
『座席下にあるヘルメットを着けてください』
 音声の指示通りに、座席の下からヘルメットらしきものを取る。空軍のパイロットのようなヘルメットは案外軽く、装着してカチリと閉めると、サングラスのようなものがスライドして降りてきた。
『カードを差し込んでください。もしくは、初期機体をセレクトしてください』
「ふーん」
 カードがあれば、オリジナルの機体で遊べるらしい。
 だが当然思っていないので、デフォルトの機体――へヴィスレッジを選択。重量があり、近接に適した機体。如何に近づくかが鍵となる。
 機体を選択すると、フィールドがカプセルの全面に映し出された。足元まで映し出されたのは少し感動だ。
『 SET―――OPEN FIRE!! 』
 テレビを付けた時のような点滅と共にカレンのへヴィスレッジが大地に降り立った。
(うっわ……これFPS―――First Person Shooter 一人称視点―――か)
 ここまでするか、と思うがここまでするから人気があるに違いない。
 首を動かしてみると、驚くことに視点も動く。まるで本物のナイトメアに乗ってるような――そんな錯覚を覚えてしまうほどこのゲームは確かにリアルだ。
 少しだけへヴィスレッジを動かしてみるとちゃんと路面の悪いところで機体は振動する。試しうちとしてサブマシンガンを撃つと機体に衝撃が跳ね返り、硬直する。若干違和感があるが、しかしそれでも驚くに値するものだった。
 しかしその驚きを味わう暇も無く――。
 画面上に敵機が現れ、ミサイルを放った。

91 :
「う、わ――!?」
 即座に操縦桿を曲げる。本場の戦場で培った神懸り的な反射神経は不意打ちを難なく回避――できずに核弾頭が胸部へ直撃する。
「ぐううう!?」
 機体が大きく揺れる。
 なるほど、被弾の衝撃までリアルか――。
 カレンは一旦大きく距離を取り、体勢を整える。
(そっか、これゲームだから咄嗟にギアを入れても初動に時間がかかるのか)
 紅蓮ならばカレンは余裕を持って回避したあと、輻射波動を叩き込んだだろう。しかしこれはゲーム。カレンの思い描く実機の動きを再現してくれない。
「ってことは、急に曲がる時もズレるわけか……オッケー」
 改めて敵機に構える。
 敵機はハルスコーピオンと言って、へヴィスレッジとは正反対の長距離に適した機体。おそらくサブマシンガンで弾幕を張り、左斜め後方の開けた場所へ展開するつもりだろう。なら――。
 カレンの実践経験から立てた予想はズバリ的中した。
 へヴィスレッジはブーストと共に左斜め後方にミサイルを撃ち込んだ。
 逃げたその場所を塞ぐようにミサイルの雨が降り、ハルスコーピオンは咄嗟に進路を逆サイドの右側へ変更――しかし、その眼前にはへヴィスレッジが鉄槌――へヴィハンマーを構えていた。
「ビンゴッ!」
 大仰な鎚がハルスコーピオンを穿った。
 大きなモーションから繰り出されたそれは大きく相手の装甲ケージを削り、さらに硬直させる。
「よっし、このままゴリ押ししてや――――あ?」
 ―――。
 突然、カレンを睡魔が襲う。
 霧のような、柔らかな光が眼前を包み、意識をゆっくりと青虫が葉を食べるように食っていく。
「――な――に――こ――――――レ――?」
 しこりすら感じる睡魔。船の上に乗っているような一種の浮遊感。
 瞼が重くなり、うつろうつろと力が抜け、身体が弛緩していく。まるで筋肉が柔らかく解けていくよう。
 寝るというよりも、身体が溶けていくような、そんな違和感。
 しかし抗うことも出来ず、カレンは光の中に堕ちていくしかなかった。

92 :
ロスカラスレ臭がする

93 :
ルルはもやしなのによく自分より強い女とか凌辱できるなぁ

94 :
そもそもルルーシュより弱い女がいるのだろうか
がっぷり四つ組んでもニーナにすら負けそうなのに

95 :
たぶん天子様になら勝てる
あとはまあ…ナナリーとか?気持ちで負けるけど

96 :
天子様は実に犯したい。

97 :
ほっしゅ

98 :


99 :
新プロジェクトの詳細とやらがわからんことにはさすがにネタギレ保守モードだろうか?
とりあえずアニメ化はある、ことは判明したが。
先月号のアニメ雑誌のどれかで「今後アニメの情報も出していきたい」云々のインタビュー発言があったからね。

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