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2012年09月エロパロ295: P2でエロパロ その2 (556) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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P2でエロパロ その2


1 :2007/12/15 〜 最終レス :2012/09/01
前スレ
P2でエロパロ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1160486872/l50
のんびりまったり、和やかに行きたいですね・・

2 :
P2ってペルソナ2かとおもった。
って書こうとしたら前スレにもあった。

3 :
乙&保守!!

4 :
>>1
乙!

5 :
ここは週間少年ジャンプで連載中の「P2!-Let's Play Pingpong!-」のエロパロスレです。
基本はsage進行。
荒らしはスルー、職人は大切に。マターリいきましょう。
作品を投下される方はカップリングやSSの傾向、題名(できれば)を提示して下さい。
非エロも可ですが、ここはエロパロなので程々に。
女体化や801(ヤヲイ)はNGです。
前スレ :http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1160486872/
まとめサイト(Wiki) ttp://www37.atwiki.jp/p2-eroparo/pages/1.html
《まとめWikiへの保管は自由となっています。保管していただける方はどうぞよろしくお願いします。》

6 :
(ry

7 :
保守

8 :
乙。赤丸では高槻戦だけなのかな。
いっそ年代ジャンプしてでもサシャと戦って欲しい。

9 :
同感

10 :
1月2月はコミックスがでないのか。
かなしいな

11 :
スカトロのお兄さんマダー?

12 :
アキラの笑顔が見たい今日この頃

13 :
あながち同意

14 :
ヒロムの能力があれば、一瞬だけ見えてしまった女の子の恥ずかしい姿が目に焼きついてしまったりするんだろうか。

15 :
なおかつ絵で鮮明に再現する事もできるよ
アキラ・乙女は色々気をつけるべきだな、弱みを握られかねない

16 :
動体視力と瞬間記憶は違うって。
サバン症候群ならともかく。

17 :
シハシハシハ

18 :
保守

19 :
保守

20 :
eraP2はある意味楽しめた。
やっぱ簡単だとは思うけどね・・・・せんせーだけで50日あれば終わる。

21 :
保守

22 :
はい、ども 投下できる内容になるまで
多少時間がかかりそうです。
ネタ切れっぽくもなってきたので
皆さんのお望みのプレイを微スカトロ〜露出プレイまでおk
読んでくれる人が興奮してくれるものを創りたいと思ってますのでよろしくお願いします。

23 :
とりあえずアキラが出てくれればそれでおkですww

24 :
山雀「メリークリトリス!」

25 :
活気ないですね
保守

26 :
活気がなくても最後まで残ってくれている
妖さんに感謝したい気分です。
あと、私はアキラが笑顔でいてくれれば
それで満足でネタが出せなくてすみません。 

27 :
>>24
アキラ「……そういう事を平気で言えるなんて、安いプライド…だね」

28 :
お待たせしました。
待っている人がいたのか不明ですが、久々の投下です。
多少スカ入ってます。苦手な人はスルーしてください。
メリークリ○○ス!!!

29 :
四日目(前半)

体が汚れてきた。
それもそのはずだ。四日間、アキラは風呂どころかシャワーすら浴びていない。
そもそも、男に連れ去られた日は、部活の帰り道のことだった。
王華学園の女子シャワー室水道管破裂工事はまだ完了しておらず、男子部員がシャワーを浴び終わるのを待つくらいなら家で、
と思い部活後のシャワーを浴びずに帰る途中での出来事だった。
この四日間、アキラの身に色々な事があった。
………それは身の毛がよだつほどに暗鬱なものだし、思いもよらぬ命令をされてそれを実行したりもした。
更に昨日、思い出したくも無い悪夢のような出来事。
男の事を自分の主人と認めるセリフを言わされ、目の前で強制的に排便させられ、みっともなく泣きじゃくった。



30 :
三日目事後
「さて、ようやく部屋の後始末は終わったし、次は汚れたペットを綺麗にしてあげなきゃだね」
男が、汚れてしまった部屋を綺麗にしている間、アキラはずっとその場に立ち竦んでいた。
長いことしゃくりを上げていたが、掃除が終わるころにはそれも収まり始めていた。
そうすると、次は自分がしてしまった事に対する罪悪感がアキラを襲う。
男は、クローゼットから取り出したウェットティッシュとタオルを手に、アキラに近づく。
未だアキラの下半身は汚物にまみれたままである。
勢い良く放出されたとはいえ、グリセリン溶液と混じった軟便は、菊穴からアキラの太ももを伝いふくらはぎまでその痕跡を残していた。
男は、そんなアキラの汚れを気にも留めず、童話でお姫様にするように抱え上げた。
いわゆるお姫様抱っこである。
そのまま、床に引いたタオルの上にアキラをおろす。
男の一挙一動にビクっと反応するアキラだが、少なくとも今は危害は無いと判断したのか、それとも、男の機嫌を損ねることを恐れたのか、暴れはしなかった。
男は、ウェットティッシュを数枚手に取り、アキラの足にこびりついた汚物をふき始めた。
少しの時間ほっておいた為か、乾き始めている汚物は、簡単にふき取ることが出来ない。
だが男は、無理にこすったりはせず軟らかくなるようウェットティッシュを汚物にあてて、ふやかしてから綺麗にふきあげていった。
先ほどまでとは違う男の優しさに、アキラは戸惑っている。
そうして、ふくらはぎから膝裏、太ももとアキラの体は綺麗になっていく。
男が、汚れたウェットティシュを丸めて、新しいウェットティッシュを手に取り、次に汚れたところを拭こうとすると。
「あ、あの……そこ、は」
「ん?なに?オマンコは汚れたままでいいの?」
「自分で……」
「遠慮しないでいいよ。ペットを綺麗にしてあげるのもご主人様の役割だからね。ほら、足を開いて」
「……っ」


31 :

やはり、自分は男からするとペットなのだ。
この男に多少とはいえ優しさを感じた自分が、情けなくなってくる。
そんな事を考えていると、男の指がアキラのアナルを襲った。
「ひゃうっ!!」
片手で皺の一本一本まで丹念に伸ばし、もう片方の手で汚物を拭く。
その行為は、美しい芸術品を磨き上げているかのようにも見えた。
が、不意に男の指が、アキラのアナルを押し広げねじり込まれた。
排泄をしたばかりのアナルは、ウェットティッシュという軟らかい素材の助けもあり、あっさりとその穴を拡大させた。
「汚れた穴は奥もしっかりと綺麗にしないとね」
「ひぃ、やっ!だめ……」
簡単に第二間接まで埋め込んだ指をくの字に曲げて、腸壁をウェットティッシュ越しになぞる。
グリグリとアナルをほじり、腸内の汚れをふきあげる。
指を引き抜くと、指に張り付いてたたんだ傘のような形状になったウェットティッシュが茶色く変色している。
「二回目ー」
「いや、ひっ、くぅっ!」
男は新しいウェットティッシュを指に巻きつけると、容赦なくアナルに進入させる。
一度目と同じように指を折り曲げて、ドリルのように回転させながらアキラの腸内を綺麗にしていく。
「はい、次は五回目ー。だいぶ綺麗になってきたかな」
「……ふっぅ、もう、お尻、だめぇ………」
そうして合計八回、男の指がアキラのお尻の穴を出入りし、腸壁を直に拭き上げたのだった。
「ほら、みてごらんよアキラちゃん。一回目と八回目じゃティッシュの色が全然ちがうよ」
「…………」
目の前には一回目から八回目まで使用したウェットティッシュが順に並べられている。
当然のことながら一度目よりも二度目のほうが、二度目よりも三度目のほうが色が薄い。
八度目のティッシュはほぼ汚れが見えず、アキラの体が綺麗になった証拠とも言えるだろう。
「ほら、綺麗にしてあげたんだから、ご主人様に言うことがあるんじゃない?」
「…………」
「それとも、もう一度綺麗にしてもらいたいのかな?」
「………ありがとう、ござい……ます」
「うん、よくできました。それじゃ、今日はそこのベッドに寝ていいからね。おやすみ」

32 :


こうして、悪夢のような三日目は終わったのだった。

そして次の日の朝を迎えた。
のだが、いくらウェットティッシュで綺麗になったとはいえ、実際に体にこびりついた汚物の感覚は拭えない。
四日も風呂に入っていないと言う事と重なって、自分の体臭がとても気になってしまう。
無理を承知でお願いしてみようか。
けれどあの男が私の言うことを聞いてなどくれやしないだろう。
しかし一度気が付いてしまった汚れというものは簡単には忘れられない。
どうしよう。どうしよう。
そう考えているうちに、今日も扉が開いた。

33 :
>>29>>30>>31
題名間違えたorz
正しくは、【アキラ調教4日目(前半)】です。

今年もあとわずか。今年中に4日目を終わらせたいぞー!

34 :
GJすぐる
がんがれw
俺も今年の終わりか
来年の始まりに投下したいな〜と
気持ちは思ってる

35 :
職人さん、乙。
本当はGJ!といいたいんだけど
なんか作中の男に腹が立ってきたw

36 :
連投スマソ
保管庫のアドレス誰か教えてください。

37 :
ミスった。
よく見たら書いてありました
何度もすまん、気にしないでください

38 :
続き期待

39 :
緊急上げ

40 :
保守

41 :
>>33 GJ!
コレ読んだ後はやたらと甘々なアキラ×ヒロムが読みたくなる
のは漏れだけ?

42 :
そんなことはない俺も同じだ。
やっぱりドロっとしたものを読んだ後は
あま〜いものが読みたくなるものさ。

43 :
色々とWiki更新できましたー。
作品保管庫の『スレッド別』を更新、
>>33の方の作品を新規に保管しました。
不備がありましたらお知らせ下さい。

44 :
>>43
やるじゃん

45 :
今思ったが
wordで50kbって長編か?

46 :
蒔絵「ほらほらどうした遊部?」
遊部「蒔絵さんッ…あ・あかんて…!中に出てまう」
蒔絵「いいぞー?若いエキスたっぷり受け止めてやるぞ」
というのが思いついたんだ

47 :
>>45
長めといえば長めですね。人によるでしょうけど
>>46
それはつまり書いてくれるということ(ry

48 :
>>46
習作でいい キミが書くんだ

49 :
スカトロ嫌いな奴がいるから
ってかDKさんと話しかぶるから
スカトロ無しでいきます
途中報告終了

50 :
スカトロ嫌いな “奴” ね
スカトロに抵抗ない人間のほうが特殊だと思うが

51 :
あし

52 :
今晩はこんばんは。
KYな作者がドロっとした作品ばかり上げるから、スレがドロっとしてきちゃってるぜ。
というわけで、十悟×アキラ濃厚ラブ物です。
前スレでうpった「雨の匂い」の後日談みたいな物だと思ってください。
アレから数日経って、アキラがどれだけエッチくなったのか、みんなの目で確認してください。
スカはないです。
スカ好きでごめんなさい。
ドロっとした作品ばかりですみません。

53 :
「ちゅぷ……ちゅぷ……ちゅぷ、っん」
小さな口を目一杯に使って己の巨大な肉棒に奉仕を続けるアキラを見下ろしながら、十悟は敏感な部分に感じる刺激を、心地よく堪能していた。
 「んちゅ……んぅッ、んぐ……ん、ちゅぷっ………」
アキラの唾液が丹念に塗された肉棒はテラテラと艶光しながらスムーズに動いて、唇と舌を使って丁寧に舐めまわされる。
時折、奥まで咥え込み過ぎたせいか苦しげな吐息が漏れるも、その行為を止めようとはしない。
「ンッ……んぷぅ…んふぅ……ふっ、ちゅ………」
肉棒の根元付近から亀頭までの往復を何度も繰り返して射精に導く。
口内に溜まった液体は、アキラ自身の唾液と十悟の先走り液と混ざり合って卑猥な粘着音を室内に奏でている。
「……う、アキラ」
十悟の射精感が高まっているのが伝わる。
そして肉棒を深くまで咥え込むと、舌を使ってしごきあげた。
「…っ、……ア、キラぁ……でるっ!」
十悟の膝がきつく閉じられて、跳ねるように腰に力が加わると肉棒の先端から白濁の液体がアキラの口内に爆ぜた。
アキラは、口に出されたモノを吐き出そうとせずに十悟の射精が終わるのを待つ。
数秒が経ち、十悟の肉棒が萎え始めた所でようやくアキラは肉棒から口を離した。
「……ん、ちゅぱ」
離した時に僅かに口からこぼれてしまった精液を指で掬い取り、それすらも舐め取る。
そうして目を瞑り、ゆっくりと咀嚼するように、コクン、コクンと喉を鳴らしながら口の中に出された液体を飲み干した。

54 :

一方、出した張本人といえば、そうやって吐き出した己の欲望を受け止め、尚且つ飲み込もうとするアキラをじっと見つめている。
ようやく飲み干したアキラは、十悟の視線に気づく。
「……なに、見てるの?」
「んー、……いや、なんつーか、俺ってば幸せ者だなー。とか思ったり思わなかったり?」
「………別に、十悟のだからなだけ」
「まぁ、そういうトコも含めてな」
照れたようにそっぽを向くアキラに、同じく照れたように十悟が言う。
「じゃあ今度はアキラが気持ちよくなる番だ」
「もう元気になってる。…部活でもこれくらい体力が持てばいいのにね」
「うっせーなー、いいから早くこっち来いよ」
二人はベッドから立ち上がり部屋の隅に移動を始めた。
壁際にたどり着くと十悟がアキラを促す。
するとアキラは十悟に背を向けて壁に手をついた。
「ほら、もっと突き出せよ」
アキラは、十悟に言われるままに壁に手をつけた格好で肩幅程に足を開き、小ぶりなお尻を突き出すようにする。
開かれた足の間に、アキラの状態を確認するように十悟がしゃがみこんだ。
「へぇ、もうトロットロじゃん」
「んくっ……あぁ…」
ショーツに浮かび上がったスジを指でなぞる。
浮かび上がった肉の芽を指の腹でくりっと押すとアキラの体が小刻みに震えた。
「ふぁっ、……ん」
すっ、と両手でショーツをずらして下げる。
アキラは十悟の動きに従い、片足だけ軽く浮かせてショーツを抜き取りやすくした。
片方の足首にだけショーツが引っかかっている光景は、なんだかエロいものを感じる。


55 :

ずぷ…っ
十悟の舌が突然蜜壷に埋め込まれた。
「ひゃうんっ!」
何度体験しても慣れることが無い、背筋を駆ける電気のような感覚。
それでもアキラは開いた足を閉じずに壁にもたれ掛かる。
くぢゅ…っ、ゅ、ぷ…っ
蜜壷をかき混ぜるように舌先を動かし続けると、アキラは爪先立ちになりながら壁にしがみつく。
舌を抜いて唇を密着させじゅるじゅると吸い上げると、壷の中から更に大量の蜜が溢れてくる。
「もう…、平気だから…」
息絶え絶えにおねだりをするが、十悟にその意図は伝わらない。
いや、伝わってはいるのだが、十悟のSっ気が気づかないふりをする。
「……だから、なに?」
「十悟の、挿れて欲しい」
「んー、なんかさ、アキラ最近こういうのもあんまり恥ずかしがらなくなったよな」
「……………」
「今日はもっとえっちな感じで言ってみろよ。じゃなきゃ、おあずけ」
十悟はそのまま舌での愛撫を続ける。
アキラとしては通常のおねだりも相当恥ずかしいのだが、十悟はそれ以上を要求してくる。
その間にも十悟の舌はアキラの膣内を責め快感を与え続ける。
そしてアキラは意を決したように――――――。
「十悟、ちょっと……、離れて」
アキラの言葉に従い、愛撫を止めて離れる。と


56 :
くちゅ
十悟に背を向けお尻を突き出した格好で、自分の指で花弁を押し広げた。
そしてその姿勢のまま。
「十悟の、お、おちんちん、私のここにいれ…、て」
最後の方は消え入りそうなか細い声で、そうおねだりをしたのだった。
十悟は無言で剛直を取り出し、アキラに近づく。
そのまま指で花弁を広げているアキラの膣口に亀頭を合わせ、ゆっくりと挿入した。
ず、ぷ……っ
十分に濡れた蜜壷は、簡単に十悟を受け入れる。
それでもアキラを気遣い、ゆっくりと腰を押し進める。
じっくりと時間を掛けて根元まで突き入れて、一息つく。
「まさか、あそこまでしてくれるとは思わなかったぜ。アキラ、すっげーエロかった」
「……ばか」
十悟が本格的に動き始めた。
ゆっくりと、だがリズミカルに腰を突き上げる。
「んあっ……あんっ! あっ!」
そのリズムに合わせてアキラは艶声を上げている。
花弁を広げていた手も既に壁につけ、体が崩れ落ちないように必にしがみついているようにも見える。
膝も小刻みに震え、だんだんと力が抜け始めているようだ。
そのせいか、ますますお尻を突き出すような姿勢になっている。
それはまるで十悟の剛直を、もっと奥まで と求めているようにも見えた。

57 :

そのアキラの行動に十悟の興奮も絶頂を迎えようとしていた。
アキラ自身が動き、思いもよらない快感を与える。
もちろん膣内も十悟の剛直をきつく締め付けている。
「あっ、も、もう……いッ!……イっちゃぅっ!!」
先に根を上げたのはアキラだった。
イクと宣言したと同時に膣が十悟の肉棒を更に激しく締め付ける。
背を反らせ、ビクビクと痙攣しているアキラを見て、十悟は腰の動きを止めていた。
「あふ、ぅん……、ごめ……ん、先に、イっちゃった」
アキラは顔だけ振り返り、とろんとした瞳で十悟に謝る。
そんなアキラを見て、十悟は動きを再開させる。
いや、先ほどよりも、より激しくだ。
「ぅ、ぁ?……ひゃぁ、ひいっ!…駄目っ!十悟!?イったばかり、だからぁっ!あっ!……駄目っ!」
「わりぃ、俺も、もうすぐだからっ!」
「早く、早くぅ!……我慢できないっ、また…あふぅ……きちゃう…イちゃうぅぅっ!!」
びくっ、びゅるっ、どくんっ
二人は同時に達し、大量の精子がアキラの膣の更に奥、子宮にまで吐き出された。
十悟は肩で息をしながら、絶頂の瞬間に奥まで押し込んだ剛直をゆっくりと引き抜くと、たっぷりと注いだ精液が、膣口からこぷっと音をたてて溢れてきた。

58 :


しばらくして息が整うと、十悟はアキラを抱えあげてベッドまで運んだ。
その後、ベッドでの二人の会話。
「……最近、なんで後ろから…なの?」
「んー?んー……やりやすいからじゃね?」
「私が聞いてるんだけど?」
「あと、初めてバックでやった時、アキラがすげー恥ずかしそうにしてたから、かな」
「…………」
「落ち着け、その振り上げたコブシを戻せ」
「……私は、普通にしたほうが十悟の顔が見れる…」
「――――っ…………アキラ……」
「……ひゃう!?ちょ、ちょっと、またするの?だ、だめ、あっ、あ…………もう、……馬鹿とーご」
二人の夜は、まだ長い。

59 :
また>>53>>54の名前欄間違えましたorz
アキラ調教も少しずつ書いてるので、首を長くしてお待ち下さい。

>>41>>42
甘々なつもりでしたが、俺の作品ではヒロムはほぼ空気です。
ごめんなさい。
>>43
中の人乙です。
>>45
俺は1作品30〜50くらいですよ。
たまに長いのを書いたりすると100超えたりもします。
>>46
早く執筆をしてうpをする作業に戻るんだ!
>>49>>50
スカは賛否両論あるので、始める前に言います。

まぁ、おもらし姿って、かわいいよね☆ミ
それではマタアイマショウマタアイマショウ

60 :
作品的には文句無しのGJ!
D_Kさんには感謝している。
でも!それでも!
俺はヒロム×アキラが好きなんだああああぁぁぁ!!!!

61 :
年内っていうから31日に更新かなとか思ってたら別の作品キテター!
このアキラのお陰で冬が越せる

62 :
超GJ!!
こんな十アキが読みかったんだ!
お陰で原稿やる気出た。ありがとう!

63 :
出来たことは出来たんだが終わり方が微妙なんで・・・・・・・
まぁ一応30kbある 

64 :
そんじゃ投下しますが以下の点にご注意ください。
1.上に30kbと書きましたが、間違えました。130kbでした。(爆
2.今回のは130kbと長いため前編・中編・後編の3つに分けさせてもらいました。
3.エロのみを読みたい方は前編と後編のみをお読みください。
4.ヒロムが卓球で最強化したり実験体の過去を持つのが嫌い方も中編をとばして
前編と後編をお読みください。
※前編から後編のを読んでも一応話は繋がるようにしております。

65 :
>>D_Kさん
GJ!流石です。前スレの雨の匂は貴方の作品でしたか!
甘い話ありがとうです♪これで年越しが出来(ry
保管しておきますねー。題名は雨の匂(後日談)でよろしいでしょうか。
題名は変更いつでもOKなのでよろしくお願いします。

66 :
久勢北3回戦進出

「『ふふふっロシナンテにかじられるのも2回目だし…そういえばアキラちゃんとも
ロシナンテにかじられたのがきっかけだったけ』」
ヒロムはそんな事を思いながら笑みがよぎる。
そこに乱入者が現れる。
「あ…と先客がいた…おじゃましまーす」
「!コーヒーのにおい?」
「ちょっと転んで頭からコーヒーかぶっちゃって」
「あはっ 災難だったね。あ、シャンプー使う?」
「あ…ありがとう 貴方いい人ね」
そこでヒロムは自分のシャンプーを手渡すためにしきりをめくった。
「???」
「ありがとう、使わせてもらうわ」
ヒロムの思考強制終了……。―――再起動―――。
「『待て待て待て…今回は看板立ってなかったよね…うん、何度も確認した。
となると…まさか、痴女?……ってことになるのか
いや、でも金髪だったから外人って事だよね…字が読めなかったって事もあるし』」
自分の思考をフルに活動させてそう考えを張り巡らせる。今のヒロムは名探偵こな○
さながらの頭脳を働かせている。 ↑こなた 笑
「『ともかく、一旦上がらないと…タオル巻いて』」
「えっちょっと待って」
ヒロムがそそくさ出て行こうとした時、相手の子が呼びとめる。
「『やばい、やばい、ヤヴァ過ぎる…ともかく出よう』」
一気に駆けて行き、ドアを開けて一瞬で閉めてからはぁはぁと深呼吸をする。
「もう、酷いじゃない」
後を追ってきた金髪少女が頬を膨らませてシャンプーを手に持って……凍結した。
計測開始……。計測終了。
「ええっと、ここ男子シャワー室なんだけど…」
「きゃあああああああぁぁぁっぁぁぁぁ」
浴室一杯に彼女の声が響いた。
「ああっもう…誰かに気付かれるでしょうがぁぁ」
負けんばかりの大声で、ヒロムが叫ぶ。
が、時既に遅し試合を終えた男子生徒がわいわいと騒ぎながらやってくるのが分かる。
「今さっきの奴凄かっ―――――」
「だよな…でもあの場面であの――――」
と聞こえてくる。流石に今まで叫んでいた彼女も青ざめる。
声が近付いてきて、そして扉に影が写る。
「こっちに来て…」
ヒロムは彼女の手を掴み近くにあった掃除用具入れの空箱に押し込み、自分も入って
扉を閉める。

67 :
ガッチャと言う扉が開く独特の音と共に声量が増してくる。
「ちょっと…なっなにすんのよ」
押し込まれた彼女は口を尖らせてヒロムを睨む。
「なにってかばってあげてるんだよ」
「はぁ〜? 誰からよ」
ヒロムは誰かの相手をいつもしているため、何を言われようとすぐに言い返せる。
「身体固まらせて動けなくなってたくせに」
「うっそっそれは」
「あのまま放置して、しかも僕が『君とは関係ない、あかの他人だ』
と言っていたら、どうなってたと思う」
「どうなるって言うのよ?」
互いの息がかかりあう距離の中、ふてくされた様に呟く。
「…ったく小学生なの?」
「ちっ違うわ…むがっ」
否定しようとしたためつい声があらくなり大声となってしまう、だがヒロムはすかさず彼女の口を塞いで、声をす。
「あなたはバカですか…大声出したら見つかるでしょ」
「むがっむがっ」
「ああ、ごめんごめん…ここで見つかったら庇いようがないから」
「だからなにがどうなるのよ」
「確実に犯されるだろうね…なんたって今性欲が1強いときだし
ここは、男子シャワー室だよ 男がどんどん入ってくるから
輪されると思ってもらっていいんじゃないかな…
それに、知識も持たないような奴等がやるんだから
かなりの痛みを覚悟しといた方がいいよ」
肺活量を疑うようなことを息継ぎほぼなしで言いきる。
この超ドS発言によってシャワー室に乱入するほどの痴女も目尻に涙を浮かべる。
「いやだよ…それは…お願いだから…開けないでよ」
「でもシャワー室に乱入するほどだからね〜
本当はエッチな事されるのが目的だったとか?」
「そっそんなわけないじゃ…」
「本当か、それじゃぁ試させてもらうよ」
「えっ?えっ?」

68 :
ヒロムは戸惑う彼女の事を気にせず、軽く口にキスをする。
ほっぺから頭そして再び口に、しかし2度目は深い長いキスを始める。
口の中には強引に舌を絡ませる。彼女は抵抗する暇さえ与えられず、なされるがまま舌が容赦なく責めつづける。息を継がせる時間もあたえない…
そして酸欠限界の限界を今までの経験をいかして、その限界をうまく引き出す。
「おっと…これ以上したら失神するかな」
「はぁはぁはぁはぁ」
彼女は必に身体中の酸素の入れ替えをするために荒い呼吸を続ける。
「大丈夫?ちょっとやりすぎた?」
「なっなにすんのよ〜」
声は小さいもののかなりの怒気がみなぎっている。
「ん?痴女かどうか試してあげてるの」
「痴女いうなぁぁ」
「だから、試してあげるっていってるでしょう」
言い終えると同時に首筋を舐め始める…いや舌を這わせ始める。首の後側から前のほうにかけてゆっくりと舐めて行く。
「やっやめっ…」
ぞくぞくぞくと身体が勝手に反応してしまう。
相手が全裸の為ことが簡単に進みヒロムは首筋から…集中性感帯の1つである
女性特有の双子山である胸に軽いキスをする。あえて突起部分さける。
「んっだめっ…おねが…い…へんなくな」
心はまだ折れないが身体が先に折れてしまい初めて味わう快感を受け入れてしまう。
「大丈夫、怖くないから心配しなくていいよ」
舐めるのを中断してから、彼女の目を見てそう言い放つ。
「でっでも…」
「ほら、身体が気持ちよくなるから…今ある変な気持ちを受け入れていいんだよ」
再び行為を始める。快楽と言う名の変な気持ちが彼女に襲いかかる。
「んふっ…ああっ…変な…気持ち…が」
ヒロムの行為が増したため、声を抑えるのが難しくなる。
「ほら、気持ちいいんでしょ…小さい声出してもいいんだよ」
察したかのようにヒロムはそう告げる。
「あああっっ んんあぁぁっ」
今まで抵抗していた彼女もそう言われてしまい喘ぎ声を出し始める。
そして、次の瞬間ヒロムは第3究極性感帯に吸いついた。
慣れが今まで生じていたのでその反動の所為で最高潮に達してしまう。
「いってよし」
「んんんあああぁぁぁっぁぁあっああっ」
狭い空間の中で大きく仰け反る。
大量の愛液を分泌させながら、初めて味わう快楽に耐えきれずそのまま失神する。

69 :
彼女がいった瞬間…偶然が重なったと言うべきだろうか、誰かがシャワー室に繋がる扉を一気にあけたのでほとんどが彼女の声がほとんど相される事となる。
「今なんか聞こえなかったか?」
「さぁ気のせいだろ」
「そうか…?」
「それより、早くシャワー浴びようぜ」
「だな」
残りの人がシャワー室に行き最後の人が扉を閉める
ヒロムは扉が閉まる音を確認すると
乱入してきた彼女に目をやる。
「さてどうしようかな〜」
ヒロムは失神してぐったりしている彼女を見て首を傾げて唸る。
「いっそ、このまま放置して……うわっ俺今最低な事考えてる
仕方ないや連れて行こっと」
彼女を抱えて扉を慎重に開けて眼で確認する。
そして、確認し終わるとすぐさま、その女の子を抱えて一気に更衣をすませる。
まずは相手からすぐに溢れかえる愛液を拭き取り、彼女の物と思われる服を着せる、
脱がせる時の逆で時間がかかる。この時ヒロムは思った。
「『ん〜脱がせるのは得意なのにな〜…やっぱ次からTPO(時間・場所・状況)を
考えていかせないとな』」
アキラと何回もやり、その度に服を脱がせているヒロムだからこそだ。
やっとの思いで、彼女に服を着せて自分も服を着始める。
それで、彼女をお姫様抱っこしてさっさとシャワー室を後にする。
「ほい…これ、あんたんところのだろ?」
「おっお嬢…」
先ほどの試合中に観客席にいた人物を記憶から引き出して、
ヒロムは『お嬢』と呼ばれる少女を男に渡す。
「ったく次からはちゃんと女子シャワー室に連れていってよ」
「ええっと?」
「男子シャワー室に乱入してきていろいろ叫んで、それでもって石鹸踏んでアウト
ってなわけで連れて来た」
「あっありがとうございます…なんとお礼申し上げたらいいのか」
「礼なんていいよ、どちらかと言うと俺のほうが謝らないといけないし…」
「えっ?」
ヒロムは踵を返して選手控え室へと戻っていく。

70 :
で中国のエリートと先輩が戦って先輩の勝利。
ここからは、本編の話しをさせてもらうよ。
「川末先輩…がまッ負ける?」
ヒロムは分かってしまった…気付いてしまった…………見えてしまった。
自分の生まれつきの能力『瞬眼』あらゆるものを見る目が…。
川末先輩の筋繊維が見えてしまった。カットマンとしての筋繊維の数の不足。
どう足掻いても克服する事のない生まれつき持ってしまった。
「マッチ・トゥ秀鳳」
悲しさの旋律が今鳴り響く。
アキラは知っていたのだ…分かっていたのだ………理解していたのだ。
ヒロムは無意識の内にアキラを睨みつける。アキラは身体を一瞬硬直させる。
「すまない、みんな後は…頼んだ」
川末先輩はどこを見るもなく、ただ眼をつぶってそう言って出て行く。
遊部は扉が閉まるのを確認するとヒロムを見たから、
「ひろむちゃん おってあげて」
「………分かりました」
川末の後を追って駆けていく。扉が閉まる音と共にダブルスの試合が始まる。
ヒロムが出て行った時にはアキラの姿も消えていた。




71 :
「不様ね、涼…お兄ちゃん」
ヒロムは足を止める。足を進めて目の前の角を曲がれば先輩に会えるはずだ。
だが今声が聞こえて誰かと話をしているのが分かる。誰か…それは自分の彼女であり
先輩の妹である…川末 晶だ。
二人は先ほど軽く見たが神妙な面持ちでだったので、それを邪魔するのは気が引けるためヒロムは話が終わるまでここで待機することになる。
「あれからどれくらい…だっけ涼?」
「……………2年半、卓球を再開してと言う意味なら1年と10ヶ月だ」
「…そう1年と10ヶ月かけて出た結論は2年半も前と同じなんだ
 ………………私が涼の夢を壊したあの試合から」
「『夢ね、夢なんて僕には当の昔になくなったよ…みんな分かってるんだろうか?
  夢は夢だからこそ夢なのに…叶えてしまったら夢ではなくなる
  そうなった時、みんなはどうするんだ?』」
中学生とは思えないことを胸の中で思いつぶやく
「今でも覚えてる 寒くて雪が降っててこんな大舞台じゃない小さな大会だった
 あの日、涼は……お兄ちゃんはラケットを置いた 
 私の所為でお兄ちゃんの夢が壊れた、それでも言ってくれたのに」
「『もうこの辺りが潮時かな?……早めにもどって準備をし―――』」
その続きの思いがつぶやく間もあたえず止まってしまう 
アキラの言葉がヒロムの心に干渉したのだ。
「応援するって言ってくれたのに!! 嘘つき!! あの時約束したのに……
 私が一番になるって なのに、また卓球を始めて そのあげくがこんな…こんな…」
最後の方になると声も小さくなり顔も伏せてしまう。
「『アキラちゃん………アキラちゃんには少し荷が重かったみたいだね
  精神が…心が耐え切れずに壊れかけてる、なんとかフォローを入れないと』」
軽く深呼吸をしてアキラは再び顔を上げて口を開く。
「…久勢北が負けたら私の所為だね 私が言わなければ涼は勝ってた
  そしたらダブルスだってあるいは…」
そこでアキラの言葉途切れる。涼が立ち上がり晶に背を向けながら言う。
「なら、それは僕の責任だ あの日僕はお前に夢を押し付けた
 弱さを盾にお前に甘えた もう僕を見るな晶
 僕を理由に卓球をするな」
それは、アキラにとってなにより冷たかった 自分が導いてしまった結果だったが
1%たりとも望んでいなかった まったく違う結末を…自分とお兄ちゃんが再び
同じ卓球台で試合が出来ることを…そう望んでいたのに

72 :
ヒロムは涼が…川末先輩の姿が消えるとすぐに曲がり角から出てくる。
最後の先輩のあれは…確実にアキラを壊してしまったのが分かったのだ。
アキラの心が崩れ始める。
「どうして…かな」
「アキラちゃん…」
「どうして、こうなっちゃうのかな  私はただ一緒に卓球をしたかっただけなのに」
既に大粒の涙がアキラの目から零れ頬を伝い床を濡らし始めていた。
そっと近づきヒロムは膝を床についてアキラを抱きしめる。
アキラの中で自分を抑制していた…心の歯止めがとれた。
どっと涙が今まで以上の勢いで流れ始める。でもその涙はヒロムの胸を濡らすだけで
床にまで流れ落ちることはない。声を必にしているがそれも少しずつ叶わなくなり最後には声を出して泣いてしまう。
ヒロムは抱きしめていた片方の手をアキラの頭にのせて軽くなでた後…。
「大丈夫……川末先輩はきっと強くなってくるよ」
「どうして…ヒロム君にそんな事が言えるの?」
顔を起こしてヒロムの顔をキッと睨みながらそう言う。
「僕も似たようなことずっと…ずっと昔味わったからわかるんだ
 その時自分の大切な人が支えてくれたんだ
 だからアキラちゃんが先輩を支えないと、先輩は罪悪感とかで押しつぶされるよ
 アキラちゃんがニコッとしているだけでいいんだ。
 そう僕の二の舞にならないように」
ヒロムはアキラの顔をじっと見つめながら優しい微笑をかけながら言う
「それってどういう意味?」
「いつか分かる…分かるときがくるよ。
 アキラちゃんも先輩と一緒にやりたいなら、少しずつ少しずつ近づかないと…
 それに僕も卓球に再び巡り会えたんだ
 アキラちゃんも先輩も巡り会うことが出来るよ でも努力はしないとね」
そう言ってヒロムは立ち上がる。軽く背伸びをしてアキラに背を向けて試合会場に
戻ろうとすると…アキラが呼び止める。
「証明して…私には見えない先があるって…私の見立てじゃ まだヒロム君は
 高槻さんから1セットも取れない」
落ち着きを取り戻し、そうヒロムに言う。
「大丈夫、この身体が朽ちようとも証明する 先があること巡り会えるってことを
 『もう、これでいいんだ 自己犠牲はつきもの誰かがなるくらいなら僕がなる
  そうあの時誓ったから…全リミットを解除しよう 今からだと時間かかるけど」 
そして、歩き始める。少しずつ自分で作り上げた道の上を…

73 :
「ヒロムー負けたらしょーちしないから ブログのお客も結構
 応援来てくれてんだからねー」
乙女が観客席からヒロムに呼びかける。
「乙女ちゃんごめんね…でも勝って見せるよ」
乙女の返答を聞かずにチームの元に駆け寄る
「藍川落ち着いていけよ」
蒔絵先生が…
「ま気楽になー」
遊部さんが……
「気を引き締めていけよ」
川末先…川末さんが………
「分かりました…絶対に勝ちとってみせます…この身体が朽ちようとも」
はっきり大きい声で応えた。ヒロムが…応えた。
誰もが聞いた…その声を…川末は目を見開いた。
弔い合戦として卓球歴半年もしてないと思われる少年の発言。
「続きまして S3を始めたいと思います 対戦者はコート3に移動してください」
ヒロムは戸惑う事無くラケットに力を限り握り締め1歩1歩前に進み始める。
その眼には見えない何かが確実に映し出されていた。
「藍川ヒロム…諦めはないようだな」
高槻は真直ぐヒロムを見据えたまま呟く。
「勝つつもりですから」
「レディゴウ」

74 :
高槻からのサーブで始まった試合…今のヒロムの実力では1mmたりとも高槻には
及ばないはずだ。だがヒロム言った言葉を思い起こすなら勝て(ry間違いだった。
一瞬にして高槻の放った球はヒロムの後ろへといっていた。
「1−0」
審判の声が会場全体に響く。
「どうした?お前の実力はこんなものなのか」
「まだだ『リミット解除に手間がかかりすぎる』」
「ふっそう言ってられないようにするまでだ」
再び高槻のサーブで始まる。高槻が打った球をなんとか打ち返す。
うまく反対サイドにヒロムは返すことが出来た。
しかし、高槻は既に予測していたようにまわりこんでいた。 
そしてまわり込んでいた高槻からの球は再びヒロムへと叩きつかれる。
高槻もヒロムがやったようにヒロムがいない逆サイドを狙って打ったため
ヒロムは打ち返すことができずに、そのまま………。
「2−0」
間髪いれずに審判の声が入る。
流れは既に高槻の方にもっていかれた。
どんどんと点が入っていく。たまにヒロムの放った球が偶然高槻の予想を上回り
点が入る。
「11−3」
圧倒的な差だ。遊部さんがやった自分の意思で境地を見るのとは訳が違う。
ヒロムは好きでやっているわけではない。
1セットを本気で?戦って負けてるんだから後2セットとられたら終わりなのだ。
「サーブ権久勢北」
ヒロムからのサーブが始まる。
「いきます『まだだ、リミット解除率45%か…となると全部一気に開放するか
 情報収集を開始、パクリではあるがあれをやるか…ついでにあれとあれを』」
ヒロムの攻撃で始まる。ヒロムはラケットに力一杯こめて球を打つ。
おまいらに分かりやすいように言うならR1を長押ししてAを押すってことだ。
しかしそれも一瞬にして打ち返される。溜め打ちをしたため打ち返せずに点が入る。
「どうした?勝つ気ではないのか」
「勝ちます」
「言葉は無料だからな」
そう言ってサーブ権が高槻へとうつる。
そしてこの2セット目も高槻の流れで終わってしまう。
「11−1」
先程とは違いまぐれも無くなっていき不意打ちでとった1点しかなくなった。

75 :
3セット目とうとうこれが最後のセットとなった
これを取られた時点で久勢北の勝ちはなくなってしまう
「これで終わりだぞ?まだ俺から1セットたりとも取れてないようだが
 それでよく勝って見せますといえたものだ。」
高槻はヒロムを見下してそう言う。
「………『リミット解除率95%かろうじて間に合うな内臓に過負荷だが仕方ない…
     よな…僕は…俺はこんなところで負けるわけにはいかないんだ』」
「だんまりか、仕方ない…本気でやらせてもらうぞ」
ここにきて高槻の放つ球速がこれまで以上に鋭く、敏感に、なおかつ重くなる。
一気に決着をつける気なのだろう。
ヒロムが飛びついてラケットに球を当ててもそれはラケットで回転し高槻に返すことが出来ない。このまま一点も取れずに久勢北は終わりをつげると誰もが思った。
「8−0」
審判のコールが入り本当の差を思い知らされる。
「僕は……『リミット解除率100% 開放開始準備………
 筋肉負荷、内臓負荷、神経負荷及び脳内負荷における痛覚神経の50%カット開始』」
高槻はヒロムを無視してサーブを放つ…それもあっさりときまる。
「9−0」
また1点きまり敗北の二文字が正式に決まるまであと2点で終了する。
そして、高槻がまたサーブを放つそれも点として入ってしまう。
「10−0」
とうとう最後の1球になってしまう。これで終わる…すべてが久勢北の負けが……
ヒロムは1セットもとれずにこの試合を終わり、誰もが予想していた通りになる。
久勢北陣営は既に敗北の色を…対戦陣営は勝利の…上から見下したようににやにやと
しながらその試合の終止符を見ていた。
「僕は…俺は……負けない」
ヒロムの口調が変わったことさえ気づかないのか、そのままサーブを打ち放つ。

76 :
「『全リミット解除 カット率50% 全力で叩きのめす』」
今までどおりそのサーブがヒロムの後ろへと飛んでいくものだと思っていた。
しかしそれは叶わない。ヒロムが打ち返したのだ。
それは、その球は高槻の後ろへと跳ね飛ぶ…時間が止まった。
審判でさえコールすることさえ忘れてしまう。
「『くっ研究所での記憶が…あの時の記憶が…やっぱりリミット解除には付物か』」
そして、ヒロムは高槻を哀れむような目で見て審判に言う。
「おい…審判コール」
審判ははっとしてカウントする
「10−1」
そしてサーブ権がヒロムへと移りヒロムが構えて…高槻もはっとして構えなおす。
相手が構えたのを見てヒロムは放つ。高槻のサーブとは比にならない何回フェイクを入れたのだろうか、最高で見切れた人が5回だが
しかしヒロムは8回のフェイクを入れていたのだ。それはどういう回転がかかっているのか。それは相手のコートでバウンドした瞬間加速する。
いわゆるドライブだ…しかもドライブの早さが桁違いだ。
それは周りのボールが遠くにまで飛んでいかないようにする柵を越えていく。
「くっなにがどうなっている」
高槻は既にパニックになっている。状況整理しようにも相手の突然の変化に
整理が追いつかないでいる。夢ではないかと思うぐらい現実逃避したくなる。
「おい、あいつどうなってんだよ…」
「今までまともに返せなかったくせに」
「急に変わりやがったな」
観客席からもヒロムの変化に追いつけないようで驚愕して言葉を発する。
「藍川の奴 どうなってんだ?」
「ヒロム君 君はいったい?」
自軍のチームすら、今まで見たことのないヒロムの動きに驚きを隠せない。
そして、再びヒロムはサーブをするために構える。
高槻は状況把握さえ出来ないままかまえる。
ヒロムが再び球を打った瞬間、高槻は本能的に後ろに飛び下がった。
先ほどと同じようにヒロムがドライブをかけてくると本能的に察したのだろう。
しかしその本能的な予感はあえなく覆される。
ヒロムの打った球は台の上で跳ねた瞬間凄い勢いでスピンがかかり再び跳ねて
その球はどういう法則で飛んでいるのか、ヒロム側のコートへと飛んでいく。
頭上を越してヒロムの後ろへと「コーン」と音を立てて落ちる。
「残念、反応したのは良かったけど俺の方に来ないと無理だったね」
アキラに行為をするときとはまた別の不適な笑みをしながらそう言う。
だが目はまったく笑っておらずその声も笑みから漏れたとは思えないほどの冷たさを
宿していた。しかも自分のことを『僕』としか言わないヒロムが『俺』と言っている。
状況把握が出来ないまま、どんどんとヒロムの点数が入る。
そして…。

77 :
「10−11」
審判さえも上ずったような声で点数を読み上げる。
ヒロムが1セットを取った証拠、そして高槻が1セットを取られた証拠である。
「『どうなってる?落ち着け落ち着くんだ…あいつのペースに持っていかれるな』」
高槻は必に自分にそう言い聞かせる。
2セット目が始まり高槻からのサーブで始まる。
高槻はこの1球にかけてみた。高槻が放つ…その球はヒロムのコートの右から左へと
飛んでいく。ヒロムは反応できずに…その球を見逃してしまう。皆は高槻が今まで
通りにヒロムの左後ろへと球が飛んでいく。と皆は思っていた。
だが実際上は、ヒロムは見えていた。球がどう回転しているか、どこを飛んでいるか
ヒロムはあえて見逃したのだ。それはただ高槻を馬鹿にしたようにまた不適な笑みを浮かべる。
「1−0」
再び高槻からのサーブで始まる。


78 :
「写し目発動」
ヒロムが誰に言ったのかは分からないが、ヒロムの目の色があからさまに
変わったのだけは分かる。
高槻はその変化に気づかないまま、サーブを放つ…それはさっきと同じように
ヒロムのコートの右側を跳ねて…そのまま右に飛んでいく。
反応することの出来ないヒロムが立っている…はずだった。
しかし球は床に落ちる前に先回りしていたヒロムによって阻止されてしまう。
その球は吸い込まれるかのように高槻のコートへと飛んでいき跳ね……なかった。
「写し目、“0バウンド”」
はっきりとした声で言い放った…その球はこの会場にいる全ての人に見覚えがあった。
それは中国から来た…張が遊部に使った切り札である。
そのまったく跳ねない球を、角度、速度そしてタイミングが重要視される0バウンド
まるきっり同じように打ったのだ。
「なっ今のは…張の」
「0バウンドだ」
高槻の言葉を続けるようにヒロムがラケットで目を隠しながら言う。
「どうして、お前がそれを使える。」
怒りが…疑問が…声を荒々しくさせる。
「怖いなー、ただ俺は見ただけだよ 張さんが使ったときじっくり観察しただけ
 腕の角度、手の角度、打ち出すタイミング、そして速さそれを見ただけ」
「そんなことが出来るわけがないだろ、張の打ち出す速度は200kmを超え…」
言葉が途切れる。ヒロムがラケットをどかしたのだ、そこには赤い目をしたヒロムが
じっと高槻を見ていた。
「僕の目は0コンマ1秒単位で見通せるよ どんなに早くても僕の前では
 蟻の速さと同じ」
「くっ」
「その様子だと…まだ0バウンドの返し方が分かってないのかな?」
「そっそんなわけが…」
「まっいいか…今の俺に勝てるわけないしさ」
こうしてヒロムは点数を稼いでいく。高槻は一番最初にヒロムから見逃してもらった
点数意外まったく入っていない。
簡単に言うならヒロムに遊ばれているのだ。ひたすら左右に振られたり前後に揺さぶられる。ヒロムはほとんど動くことなく点を決めていく。
こうして屈辱的な時間とともに点数が入り2セット目が終了する。


79 :
「3セット目だけど次は俺の写し目が持ってる全ての技を使わせてもらうよ
 最初は写し目“戦術”発動」
ヒロムが言ったそれは王華の主将が何年もの経験を積み上げて使ったものだ。
それを意図も簡単に使い始めたのだ。高槻にそれを止める術はなく再びヒロム優勢の
戦いが始まる。高槻が球を打ち返した先にはヒロムが絶対に立っている。
そして、ヒロムが声を上げる。
「移し目同時起動“超前陣速攻”発動」
久勢北元主将が使ったそれを使い始める。
これを止めることが出来ない。とうとう10点目を迎える。
しかし、ヒロムに異変が起こる。高槻がヒロムが打った球を返した際に起こった。
ヒロムがラケットを落として、膝を突いたのだ。
誰もがヒロムを見る。そこで、目にしたのはヒロムが血を吐いているところ…だった。
口に手を当てて必に口からこぼれ出る血を拭っている。
よく見ると目からも血が流れ出ている。
審判が駆け寄る。
「君大丈夫か? タンカ持って来い 試合は中断だ」
「いえ、大丈夫です。続けます 後1球ですし『ちっ持たなかったか
 リミット80%かけて爆睡モード準備』」
「血を吐いてるじゃないか」
「なれっこですよ…前は血を吐こうが続けてましたし」
ヒロムは口についていてる。血を拭って高槻のサーブに備えるためにラケットを
拾って構える…だが高槻は今血を吐いたばかりのヒロムを目を見開いたまま動かない。
「血をみて怖気づいた? 僕はこれくらいの覚悟をしてこの試合に臨んでるんだ」
ヒロムはそう言った、そうだこの時、高槻の中で何かが弾けた。
この少年は血を吐くほどの負担を身体にかけた状態で戦っているのだ。
自分はそこまでやってるのか?…否やっていない…それどころか安全な試合をしようと計算づめた戦いをしている。
「ふっおもしろい」
高槻の目に闘争本能が戻る。そして球を打つ…………。
そこからは、二人は互角だった。超高速の球の打ち合い。
ヒロムは最後の最後で自分の持てるすべての力を使い球を打つ。
「ピイィィィーー マッチトゥ久勢北」
11−5で3セット目を討ち取る。
こうして、ヒロムは高槻との試合に勝つ。
高槻は負けたにもかかわらず、何かを悟ったようにどこか笑顔だ。
握手をしようとヒロムの元に行こうとした瞬間、全員の時間が止まった。

80 :
辺りに、ラケットの落下音が「グォーン」と響き、それに続き「ドサッ」と音がするヒロムがラケットを落として倒れたのだ。偶然にも卓球台には当たらなかったものの
相当重症のようだ。…口から血が流れており、そして全身が以上に熱く、
呼吸音が異常なほど短い。半目で、かろうじて意識を保っているのだろう。
普通に運動して体温が38℃を超えることは無い、だがヒロムは38℃を越えている。
乙女は、ヒロムに謝られたときに何をするか分かっていたので、下で、待機していた。そして試合が終わるや、ヒロムのところに駆けていき
ヒロムの身体を氷で冷やす。携帯を取り出して、どこかに電話する。
「私だけど、ヒロムがやっぱりリミット解除して倒れたのよ…
 さっきの電話で伝えたとおり場所は――――」
乙女のこの言葉を聞いた時、ヒロムの意識が途絶えた。
その後、黒服の強健な男数人と、白衣を着た医師が5人が来てヒロムを搬送する。
乙女もその後についていき、会場を出ようとしたとき、ヒロムを心配しに来た
アキラに出会う。
「時間が無いから、あなたも一緒に来て」
「はい」
アキラの手を掴んで救急車に乗り込む。
「関係者以外は……」
「私が『良い』って言ってるでしょ 早く出しなさい。」
サイレンがけたたましく鳴り出す。救急車の前後には黒いベンツが止めてあり、
その前には、白バイが4台並んでいる。それらが一斉に走り出したのだ。
パレードのように、ゆっくりとではなく猛スピードでだ。
先導している白バイが交差点などで事故が発生しないように交通整理をして
救急車が通り過ぎると、すぐにまたベンツの前まで移動する。
これを繰り返して、30分ぐらい経っただろうか、山の中の白い建物に運ばれる。


81 :
ヒロムが目を覚ましたのは、その日の夜中であった。
12時を回った頃、『ふっ』と目が覚める。見慣れてた天井、そこは自分があの時に
いた場所、毎日同じことを繰り返していた場所…。
身体を少し起こそうとしているが、まったく起きない。
少しずつ少しずつ身体の感覚が戻ってくる。頭・首・腕・腹・足に大量のチューブや
計器の配線が繋がっている。
「ああ、リミット解除時の測定か…懐かしいな、いいデータは取れたかな?
 ん?身体が重いな…やっぱり乙女ちゃ………アキラちゃんまで?」
チューブや配線が外れないように首を慎重に動かしてみる。
自分の手にはコールスイッチが握らされている。
たぶん二人は疲れきって寝てしまったんだろう。二人を起こさないように、
なれた手つきで、チューブやその他の配線を抜いて計器のスイッチも消す。
そして、部屋を出て行き別の部屋にいた医師のところに出向く。
「お久しぶりです、博士 ご迷惑をおかけします」
「ヒロムか…懐かしいの、身体の方は大丈夫か?」
「ええ、リミットを外すと、やはり負荷がかかりすぎます。
 それで、痛覚神経をカットすると、身体の限界が分からなくなりますね」
「なるほど、やはり 君が私たちに与えてくれるデータは、かなり大きいものだよ
 だが、そのために君を傷つけすぎてしまった」
白衣を着た人物は真面目な顔でそういった。
「仕方ないことですよ、他人がこの苦しみを味わうくらいなら、自分が味わいます
 身体が壊れても、精神(心)さえ生きていれば、大丈夫ですから」
壁にもたれながら腕を組んで、博士に向かってそういう
「ヒロムは強いな」
「誰だってそう言います。実際は、精神(心)の支えが必要ですよ」
「…早乙女所長の娘さんか」
「ええ」
二人は、少しの間沈黙を経て博士が口を開く。
「すまんが………」
「はい、分かってます どうぞ…僕の新鮮な血が欲しいんでしょ」
「本当にすまんな」
「体育館の血は片付けてもらって」
「その点は大丈夫だ、板ごと交換してもらってる」

82 :
ヒロムは一安心した。自分の血にはありとあらゆる実験データが残っているためだ。
「博士、俺の予想を言っていいでしょうか?」
「なんだ?」
「予想ですが、俺の体内に打ち込まれた。ほとんどの薬物は成長してます
 しかも、リミットを解除すると急速的な速さで
 そのため身体に負荷がかかるのだと思います。」
「本当か? となると、今いる実験対象者にもそのことを報告しないといけない」
「まだ、続いてるんですね?」
「ああ、多分これからも止まることは無い」
「分かってます。」
沈黙が訪れてヒロムは腕を差し出す。
博士は注射器を3本ほど取り出してヒロムの腕から血を採決する。
採決したばかりの血はすぐに専用の冷蔵庫に入れられる。
「これで、おしまいだ。 本来なら精密検査をすべきなのだが…」
「する必要は無いですよ…どうせ、またいつか来るんですから
 それより、僕がここで過ごしてから今までの実験体のデータ見せてもらえます?」
「ヒロムは今でも実験体と呼ぶのか……分かった、持ってこよう」
「俺は寝てる二人のところに行きますので」
博士が立ち上がり、部屋を後にする。
ヒロムもそれに続き今まで自分がいた場所に戻っていく。
「「…………」」
二人は整った寝息をたてて、寝ていた。扉を開けたときの音で乙女が目を覚ます。
「ヒロム〜起きてたんだ?」
「うん、少し前にね…起こしちゃったね、ごめん」
「それより、この子とっさに連れてきたけど、良かった?」
「う〜ん、いつか話さないといけないと思ってたし、いいよ」
今だ寝息を立てているアキラを見ながらそう呟く。
「そう、身体の方はどうだって?」
「いつも通りだよ」
「なら良かった…いきなり、リミット解除するって言うから驚いたじゃない」
「あはは、仕方ないよ…あの時はとっさだったからね、」
「まぁ早めの準備をしといて良かったわ…」
「ヒロム、言っていたデータだ、これで全部のはずだ」
とそこへ、博士がやってくる。
「それじゃぁ、全部覚えていきますんで、乙女ちゃんは寝てていいよ」
「うん、そうする…明日の休み、涼とデートだし慰めないといけないみたい」
「そういえば、そう言ってたっけ…相当落ち込んでたからな〜 じゃ、おやすみ」
「おやすみ」
乙女はヒロムのでこにキスをしてヒロムは頬にして、乙女は部屋を出て行く。
ふっとアキラを見ると、また変な体勢で寝ていてきつそうだった。
そこで、ヒロムはアキラを起こさないように自分が寝ていたベッドにアキラを
寝かせてから、博士からもらったデータを部屋の片隅にある机の上で見始める。
全部暗記するのに2時間ほどかかり、既に朝の1時を過ぎている。
「『そろそろ寝ようかな…疲れが抜けきってないみたいだし』」
ヒロムはアキラの横に入り込み眠りにつく。

83 :
早朝…と言っても6時過ぎなのだが、その頃『もそっ』と部屋の中で上半身を起こす
影が1つある。
「ん〜、ここどこだっけ?」
アキラは、周りを見渡しながらそういう。自分が今いる状況を確認する。
昨日の事から、少しずつ少しずつ思い出していく。
そこで、行き着いたのがヒロムが血を吐いて倒れたところだった。
「そうだ!ヒロム君は」
大声を出して見回すが辺りにはいない…と言うよりめッチャ近くにいるだけ。
「ん?…アキラちゃんどうしたの」
ヒロムも上半身を起こし、アキラのほうを見る。
「ひッヒロム君、身体大丈夫なの?」
「一晩寝れば大丈夫だよ…」
「良かった」
安堵の息をついて、ほっと一安心をする。
「心配してくれたんだ…ありがとう」
「当たり前じゃない…凄く心配したんだから」
「ごめんね、アキラちゃん」
「でも、ヒロム君 あの時何で急に強くなったの? それに、目の色が変わってた。」
鋭い観察力だ。それにはヒロムも凄く感心した。
「そうだね、順序を追って話していくなら、僕の産まれたときの事から話さないと
 いけないね。………………でも、大幅にカットしてアキラちゃんに納得して貰える
 程度の話をするね」
「うん、話してくれるだけで大丈夫だよ」
「僕はここで生まれたんだ…ここ第三総合病院で…
 いや第三総合病院って呼ばれてけど、僕は政府直轄第三研究機関って呼んでる 
 ここは、あらゆる人の開発をやってるんだ。その第1研究体として選ばれたんだ
 と言ってもそんなに酷い事をするんじゃないけどね…身体に薬入れて、観察する。
 知識をどこまで入れられるか試してみる。
 そんなことするうちに卓球専門と言うことで、卓球に関するあらゆる知識を
 頭に詰め込んでるんだ。」
「………………」

84 :
多少皮肉じみた話かたをするヒロムをアキラは黙って聞く。
「ここで8年9年過ごしたあたりで、僕は身体の限界を迎えて、
 『これ以上研究は進められない』ってことで僕は解放されたんだ。
 でも、研究体をそのまま解放したら、なにが起こるか分からないから
 リミット…行動の上限を設けられて通常の生活を送って今ここにいるんだ。」
「少し難しいけど、なんとなく分かった。
 簡単に言うならヒロム君は、卓球専門のために作られたって事なの?」
「そうだね、そう言う事になるかな?…うん、そう言う事だね」
自分に言い聞かせるようにヒロムは頷いてみせる。
「こんなとき、なんて声かけたらいいのかな?……分からないや」
「いいよ、言葉なんていらないから」
アキラは顔を伏せている。どうやら、涙を流しているようだ。
少しの間ヒロムは何も言わずにアキラを見ていた。
5分ぐらい過ぎただろうか、その辺りでヒロムがアキラに囁く。
「泣いてくれてありがとう」
『こくり』と一度だけ頭を頷かせて返事と呼べるようなものがかえってくる。
「さて、そろそろ日の出かな?…僕がここにいて良かったと思ったのはこれかな」
そう言って、ヒロムはスイッチを押す。すると遮光板がスライドされる。
太陽が少しずつ少しずつ出てきていた。しかも、海に面しているこの町ならではの
海からの朝日だ。太陽の光が海に長い長い光の道を作り出し、この研究所へと続く。
「…………………綺麗」
素直にその言葉しか出なかった。
この光景を見たものは分かる。幻想的で、夜に草原に横になり星を見るのと同じほど
しかも、その星は一年に1回ほどしか瞬かない星…それを見るのと同じほど
それは、綺麗で美しく見るものを捕らえ、心を奪っていく。
時間が止まっているようだった。だが太陽の日は昇り始める。
「心、ここにあらずって感じだね  そろそろご飯にしようか」
いつの間にか7時を過ぎていた。
「あっうん」
「博士―寝てるー?……返事が無い、ただの屍のよう(ry」
「ヒロム君…」
一筋の汗が流れる。
「博士、昨日遅くまでがんばってみたいだし、ご飯つくりにいこうか」
「分かった」

85 :
この後、自分の分 アキラの分そして博士の分の三人のご飯を作る。
乙女はと言うと今日デートなので既に研究所を出て家に戻っているようだ。
そして、ヒロムはアキラとご飯を食べると、壁に備え付けられている電話で
黒服の男を呼び出してアキラを家へと送っていくように言う。
ヒロムは今日はひたすら休んで休んで明日に備えるつもりだった。
そう…明日は………………。
そして、明日になった。 別にどうでもいい所はカットしました。

86 :
「さて、来てくれるかね?」
ヒロムは彼女の服のなかにメモを紛れ込ませていたのだ。
メモを見たら多分(絶対)くるはずなんだけどと思いつつ待ち合わせの10分前には
目的の場所で待っている。街中にとても目立つ髪色の少女が歩いているのが見える。
金髪少女、それは自分が待っていた相手…シャワー室に乱入してきた少女である。
少々厳つい表情であるが、そこは気にしなくていいだろう。
「やぁ久し振り…・元気してた…ええっと 痴女」
ヒロムおおいに間違えてるぞ。
「痴女いうなぁぁっぁ」
通行人全員がこちらの方を向いている。
「…恥かしいな〜全く…」
「でもその様子だと大丈夫そうだね?」
「なにが?」
少女は真っ直ぐした瞳でヒロムを見ながら…。
「身体のほう…あれだけ血を吐いてたのに」
「ああ、あれくらいなら大丈夫だよ…それはそうと、ここは目立つから移動しよう」
「へっ変な所に連れて行かないでよ」
「大丈夫…近くのネットカフェだから誰にも邪魔されないよ」
「わッ分かったわよ」
待ち合わせ場所は駅前、そしてネットカフェは駅から100mという一等地に立っている。歩いて1分もしないうちについてしまう。
ヒロムは躊躇う事無く中にはいり店員に金を渡すと番号の書かれた鍵を受け取る。
そして、彼女の手を引いて番号と同じ部屋に行き、一緒に入る。
彼女は置いてあった椅子に座りヒロムはテーブルに座り口を開く。
「何から聞きたいの?」
「……それじゃぁ遠慮なく聞かせてもらうわよ…あんたはいったい何者?」
「僕は健全な男子中学生だけど?」
ヒロムが笑いながらそう言うと彼女は声を荒げる。
「違う…私は意識なかったけどビデオ見せてもらって分かった……
 あれは普通の動きじゃない、なんて言うかとても怖いものを感じた」
「昔いろいろ、あったからね…これだけは誰にも言えない
 ただ誰よりもたくさん卓球の練習をしたと言うまでだよ」
そう上を…遠い遠いところを見つめながらヒロムは呟く。
「………」
彼女…少女はそれ以上言葉が出てこなかった。

87 :
「身体の方は大丈夫?」
「あっ、ロッカーの中でその…何したの? あれから身体がおかしくなって、
 なんていうか疼くようになって…」
話題転換なのかヒロムが試合の日にロッカーの中でやったことを彼女に聞く。
「頭から離れなくなって夜弄っちゃうんでしょ 自分で」
「なっなんで知ってるのよ」
そこで、ヒロムは不敵の笑みを漏らす。
「ふぅ〜ん 1人でHなことをやってたんだ」
「うっあっ」
ヒロムにはめられてしまい声を詰まらせてしまう。
「大丈夫、誰でもやってる事だから心配しなくてもいいよ」
「ほっ本当なの?…でもここから……へっへんな…液体が…」
顔を真赤にさせながらも真剣な顔でヒロムに尋ねる。
「大丈夫いたって健全な事だよ…僕の彼女だってそんな風だよ」
「えっ…君彼女いたの?」
「いるよ〜とっても可愛い子…卓球は僕より長いんだよ」
「うっ浮気?『まさか、あいつじゃ…考え過ぎよね』」
「浮気じゃないね〜 だって僕も君も名前知らないんだから…それに今日呼んだ
 本当の目的は観光だよ…この前のことも一応謝りたくてね…この前はごめんな」
テーブルから降りて軽く頭を下げてヒロムは謝る。
「そっそんなに恐縮にならなくても」
「優しいね…えぇと…お嬢?」
「あってるって言ったらあってるけど…私はエリスって名前があるんだよ」
エリスの頬に手を当ててヒロムは笑顔で一言…。
「可愛い名前だね」
「なっ…なに言い出すのさ」
頬に手を当てたことと、ヒロムの笑顔の相乗効果でエリスの頬が染め上げられる。
「ふふふ、僕のことはヒロムって呼んでいいよ
 それじゃぁ辛気臭いここともお別れして観光しますか」
ヒロムは鍵を持って部屋を後にする。


88 :
2人は並びながら街中を歩く。ヒロムが行きたい場所を聞く前に
エリスは目に付いた公園に足を向けていた。
肌を照らす太陽の日、そしてそれを遮る聳え立つ樹木、ヒロムはその下にある
ベンチに腰掛ける。ちょうど良い暖かさでさある。
公園には子ども達が来ており、砂場で遊ぶ子、滑り台をすべる子などたくさんいる。
そんな中、エリスがヒロムに聞いてくる。
「あれは何?」
「ん?ブランコだけど…知らないの?」
エリスはブランコを指差して、ヒロムに聞く。
いや、普通にどこの国だろうとブランコぐらいあるって言う突っ込みはやめぇぇww
「ブランコ…ブラコン?」
「……はははっっ…違うよ、確かにブラコンな娘は知ってるけど、
 あれはブランコってやつだよ」
ヒロムは一瞬目をぱちぱちさせた後、笑い声を上げてそれを否定する。
「振り子の原理で動いてるのは分かるけど」
「じゃ乗ってみようか…ちょうど空いてみるみたいだし」
子ども達が母親の元にかけていくのを見てヒロムがベンチに鞄を置いて
手を引いてブランコへと連れて行く。
「ちょっ、ちょっと私乗ったことないって言ったじゃない、どうやるかわから」
「大丈夫、大丈夫…ほら座って」
ヒロムはにこやかな『ヒロムスマイル』でエリスが言葉を発することが出来なくする。
エリスをブランコに座らせてしっかりと鎖を握らせる。
「ヒロム、動かないわよ」
「あらら名前呼んでくれたと思ったら、呼び捨てですか……エリス」
相手の名前を呼ぶだけでこんなにも差があるのは明白だった。
「いっいいじゃない、名前ぐらい」
「う〜ん…いいよ、でも僕も同じようにに呼ぶよ」
「まっいいわ…でも動かないじゃない」
「足でこがないと動かないよ。今さっきやってた子たちみたいに」
そう言うと必に足をばたつかせてブランコを動かそうとするが、まったく動かない。
少しの間ヒロムは見ていることにしたが、相変わらず動かない。
それはどこか微笑みが自然と生まれてきそうだった。
「う〜う〜…」
両足そろえて動かさないといけないにもかかわらず、片足ずつ異なる方向に
ばたつかせているので動くわけがない。
「そんなんじゃ動かないよ…ほら真ん中によって」
後ろからブランコの鎖をつかみながらヒロムはエリスに向かって言う。
「???わかった」

89 :
「よっこいしょっと」
足を閉じて真ん中に縮こまったかのように座るエリスの乗るブランコにヒロムは足を
割り込ませて乗る。その時、危うく後ろに転倒しそうになるが、
そこはうまくバランスをとりながら乗り込むことが出来る。
「なっなにすんのよ」
「うまくこげてないみたいだから、手伝おうと思って、
 しっかり握ってないと落ちるよ」
ヒロムは立ったままの状態なのでエリスを見下ろす形となる。
そのままヒロムはこぎ始める。最初は動いてるのか動いてないのか分からない程度
なのだが、どんどんと前後に動きはじめる。
「はっはやくなってない?」
「そりゃぁはやくならないと楽しくないでしょ?」
一人乗りの感覚で、どんどんとはやくなっているためにエリスの顔に不安がよぎる。
「わっあっきゃあぁぁぁ」
とうとう、地面が見えなくなりそして真っ青な空だけの世界が2秒ぐらい続く。
エリスにとってはわずか2秒でも結構な時間に感じたはずだ。
そう、を悟ったときのあの瞬間と同じ……。
「ほら、目開けてみなよおもしろいよ」
エリスとは正反対にヒロムは慣れているため楽しさ全開でこいでいる。
「いやぁぁ…とめて…地面にぃぃあたっきゃぁぁ」
上から下に戻るときにとてつもない速さなのでまるで地面に落ちるかのように
エリスに見える。そして一時その状態が続きブランコが最初の静止した状態のときは
ヒロムはにこにこしていたがエリスはげっそりしてた。
「ばっ馬鹿ぁーーぬかと思ったじゃない」
多少目尻に涙を溜めている。それは怖さのために浮かんだ涙なのか、それとも、
あまりの速さのために目が乾いたために浮かんだ涙なのかはヒロムには分からない。
「ごめんね、まさか泣くとは思わなくて…そんなに怖かった?」 
「なっ泣いてなんかいないもん…これはゴミが入って」
「分かった分かった」
「う〜…なんか今のでどっと疲れた」
「ベンチで座ってて、ちょっと行ってきたい場所があるから、すぐ戻るから待ってて」
そう言うとどこかに駆け出していく。


90 :
残されたエリスはヒロムに言われたとおりにベンチで座っていた。
と、その時ヒロムのバックから軽い曲と共に『ヴヴヴゥゥ』という携帯の音がした。
「『携帯?かな……なんか気になるな、もしかしたら彼女からのメールだったり
  見てみたいな…ヒロムは今どこ』」
辺りをきょろきょろと見回して、ヒロムがいないことを確認してバックへと
手を伸ばす。そして、バックを開くと小さい布袋が3つ4つ入っている。
布袋の中は何が入っているか分からないが、今の目的は携帯である。
バックの中を見てると『ちかちか』と点滅するものがある。…そう携帯だ。
たったいま着信があったため、携帯の外側に取り付けられたダイオードが発光してる。
その点滅してる携帯を見てエリスの咽喉が「ごくっ」となった。
手に取ろうとした瞬間、向こうからヒロムが戻ってきていることに気がつき、
慌ててバックの口を閉じて、冷静さを取り戻そうとした。
「エリスほら、ソフトクリーム食べるでしょ」
「うっうん…ええっと…ありがと」
「どういたしまして」
公園のベンチに座っているエリスと並んでソフトクリームを舐める。
ヒロムはゆっくり舐めているのだがエリスは…なんともまぁハイスピードだ。
「今気づいたんだけど、1人でHなことしてたって言ったけど
 1日1回だけ?」
「ぶはぁっ…げほっげほっ」
ヒロムの唐突な質問に思いっきりむせてしまう。
「エリス、大丈夫」
むせているお嬢の背中を片手で擦る。
「なっなによ唐突に」
「だって気になるじゃん、エリスみたいな可愛い子がその年でオナニーに夢中で
 始めるきっかけを作ったのが自分だって思うと」
「はっ恥ずかしいじゃない…いっ言いたくないわよ」
「えー、意地悪だね。」
「意地悪なのはそっちのほうでしょ」
大声でそう言った。子ども達がこっちを見てるがすぐに遊び始める。
「そうだよ、僕は意地悪だよ…だから」
ヒロムのその言葉と不敵な笑みにエリスは後退ってしまう。
「だっだから、何だって言うのよ」
「だから、言ってくれないとここで、Hなことしてあげるよ」
「なっなっ」
言葉が詰まってうまく言えない。ヒロムは『にやにや』と不敵な笑みを増やした。
「どれくらいしてるの?」
「いっ一日2回はしてたわよ…そっそうでもしないと…おっおさまらないでしょ」
ほぼ…ってか、完璧やけくそ状態でヒロムに向かって叫ぶ。

91 :
「だよね〜…気持ちよかったでしょ」
「…ぅん…でもあの時された様には…気持ちよく…なれなかった」
「なるほど…それは気持ちの問題だよ…あの時はつり橋効果ってのもあったからね」
「つり橋効果?」
「まっもう少し大きくなったら分かるよ…仮にも女の子なんだから」
「えっ??」
「っと、それはおいといて…今日は好きな物奢ってあげようかな」
「えっ?そっそんないいの?」
「金ならたくさんあるし気にしない気にしない」
「それでも……」
「エリスにHなことしてしまったお詫びって思えば大丈夫でしょ?」
ヒロムのこの言葉にエリスが考え込んだ後、頬を少し染めらせて、
「……いいわよ、そのかわり彼女さんのことを第一にしなさいよ」
「分かってるよ…となると二号さん?」
「だっだれが、二号だぁぁ」
頬を真っ赤にして大声を通り越して叫び声のようなものを発する。
その声に、子ども達ばかりではく、談笑していた母親もこちらをみてる。
「あちゃー、逃げようか…顔見られたらいろいろと厄介だし
 二号さんなんて言葉叫んじゃって」
いつの間にかエリスより食べるスピードが遅かったはずのヒロムが食べ終わっていた。
急いでエリスも食べようとするがなかなか終わらない。
そして、食べ終わるとヒロムに手を引かれて公園を出るが、そこで振り返りエリスの顔を指差しながら、一言つぶやいた。
「ついてるよ」
「えっ?」
「ここ、ほらじっとしてて」
そういうと、次の瞬間ヒロムはエリスの頬についていたアイスを舐めとった。
「あっえっほへっ????」
一瞬何をされたのか分からなかったエリスは目をぱちくりさせながら、
必に状況把握をしていた。
「ん?どうしたの」
「なっなっなっなっなにすんのよーーーー」
また、エリスの叫び声が響く。それはさっき公園で叫んだ声に匹敵…いやそれ以上だ。
「ごめん…そんなに嫌だった?」
わざと『しょぼん』とした風にヒロムが言うと、
エリスから怒気が消えて…慌てふためいている。
「いっ嫌って言うか…………そのあの恥ずかしくて…と言うよりこんな所で…
 あっあんな、あんな…」
フラッシュバックしたようで舐めとられたことを思い出してしまったようだ。
「あんな?」
「ほっほらっ、もうその事はいいから…いっ行くわよ」
誤魔化すかのようにヒロムの手を引いて商店街の方向へ出かけていく。


92 :
それから二人はいろいろな物を見てまわった。
ヒロムは肌寒くなってきた季節だと思い、エリスにマフラーと手袋をかってやる。
しかも、マフラーだけで、0が4つもつく飛び切りの奴をだ。
なぜヒロムがこんなに金を持っているのかというと、実験参加費が毎月何十万と
振り込まれているためである。
「こんなに高いのもらっていいの?」
「いいよ、本当は彼女にも買ってやらないといけないけど、
 こんな高いの買ったら絶対突っ込みいれてくるからね。
 でも、もう話したから今度から買ってあげないといけないな〜」
惚気・ノロケ・のろけだ。ヒロムがノロケを発動した。
このヒロムの言葉にエリスは複雑な心境だった。
今まで味わったことのない感覚、身体の最深部が痛む…胸が『ズきっ』と痛み出す。
「もらうの気が引けるな」
「エリス、こっち向いて」
買ったばかりのマフラーをエリスの首に巻いてあげる。
少し長いのか後ろに軽くたらしてる。次の店へ向かおうと、店を出た瞬間……。
止まった。…空気が、空が、鼓動が、時間が…、否…止まったのは私達の時間だけ…。


93 :
アキラがいた。一人で、相変わらず帽子をかぶっていた。
私は、言葉を失ってしまった。なんとも言えない…ただ見られたくなかった。
こんなところ、誰かと…草次郎以外の男と二人っきりでいた事はなかった。
絶対に思われちゃうじゃない…彼女って……。
ヒロムの奴も固まってる?なんで?
「ヒロム君…?それにエリス……」
「アキラちゃん……」
えっ?今なんて?…ヒロム君って、アキラちゃんって…えっえっ?
あっ!思い出した……『いるよ〜とっても可愛い子…卓球は僕より長いんだよ』…
これってアキラのことだったんだ。と言うことは修羅場ジャン。どうしよう、
どうしたら、この場を……。
「なんでエリスがヒロム君と一緒にいるの?」
「そっそれは…」
なんで?私に聞くのよ!…そうか、普通はこう言う時は私に聞くのが妥当か。
「僕が誘ったからだよ」
「っつ…どういうこと?」
「この前、アキラちゃんには言ってなかったけど、ちょっとした事故が
 あってエリスに迷惑かけたから…そのお詫びをしたくてね」
うん〜…あってるけど肝心な部分が抜けてる。
「事故?」
「この前の試合の時のシャワー室でね…偶然、あっちゃって」
言うなーー、聞かれたくないわよー
「偶然?…それ本当に偶然なの、ヒロム君?わざとだったり」
「わざとじゃないよ、それに入ってきたのはエリスの方だから」
ちょっ…ひっ…アキラが睨んでるじゃない。なによこの気は……
「エリス?」
「ワタシニホンゴワカリマセン。ダカラアレハジコデス」
これで一難のりき………なんで、なんで気が強くなってるのよ。
「ふざけないで…こっちは」
「ごめん、悪いのは僕だから…その事故でエリスを逝かせちゃって…」
「ヒロム君?…今なんて?」
気の方向がヒロムに向いた…ラッキー、あんなのに当てられてたらぬわよ
「だから、エリスが男子シャワー室に誤入室して、その時は僕一人だったから
 さっさと上がるつもりだったけど、他の選手が来たから掃除用具入れに
 エリスを入れて、自分も入ってやり過ごすはずだったんだけど、
 そこで、エリスが痴女かどうかって話になって試したら逝っちゃって」
なっなんてこというのよーーー
「……………でそれのお詫びで今日誘ったんだ」
「そうだよ」

94 :
なんであんたらはそう冷静で話し合えるのよ!
普通、こういう場合は…
「分かった…でなんか親しげそうだけど、エリスはヒロム君のことどう思ってるの?」
えっちょっなんて?今なんて?もう一度言ってください。
「もう一回言って?」
「ヒロム君のこと恋愛対象と思ってる?」
「アキラちゃんはいつもストレートだね」
ちょっちょ…私がヒロムのことどう思ってるっかって…そっそんなこと、
急にきっ聞かれたって…そっそりゃぁかっこいいっていうか…なんていうか、楽しい
けど…ああっもう私なんてこと考えてるのよ。
「わっわたしは……その、ヒロムのことは」
「…………………………………」
「…………………………………」
沈黙するなぁぁぁぁ…でも、私は私は…ヒロムのことが…。
「好き……だよ」
なに言っちゃてんだろ…私、無駄だって分かってるのに、分かってるのに……
分かってても、言いたかったのかな?……もう…これで、ヒロムに会えなくなるな。
「ヒロム君の所為だよ、どうする気?これは、私の問題でもあるけど、
 始まりはヒロム君だから私が決めていいことじゃない」
「………そうだね、決着はつけないと」


95 :
再び時間の静寂が訪れる。今の時間は、既におば様がたの昼ドラの時間で
商店街もほとんど人がいない。店頭に立って商売をしているところは、
見る限り見つからない。
「アキラちゃん、好きだよ」
「ありがとう」
当然の結果、それはそうだ。ここでアキラを捨てたら洒落にならん。
その結果をエリスは容易に予想できたはずだが、しなかった。…できなかった。
してしまうと、今いる自分を否定してしまいそうだから、することが出来なかった。
自然とだろう、エリスの顔から涙が零れ落ちる。咽喉がなる音が分かる。
必に泣き声をして下を向いて、泣き顔を見られないようにしているのが分かる。
「えぐっ、えぐっ ひっくひぐっ」
そんなエリスを見ながらヒロムとアキラが苦笑する。
「じゃぁ、今日からよろしくね。エリス」
ヒロムは、エリスの顔を起こして、唇を重ねる。
分かっていたようで、アキラは何も言わずにただ見守り続けていた。
どれくらいの時が経っただろう。1分、10分、いや実際には、1分も経っていない。
目を前回に開いて自分の眼前にいるヒロムを見る。
目を瞑っていた。すると、エリスも自然と目を瞑り、ヒロムに委ねた。
「はい、ヒロム君ストップ」
「ん?…………どうしたの?」
「そこから先は、ここでやると目立つよ?」
「ああ、そうだね…人がいないと言っても商店街だったね」
「ヒロム?」
これから、もっと深い深いキスをしようとしたヒロムをアキラがとめる。
キスが中断されると、エリスが不思議そうに二人を見る。
「これから、よろしくね。二号さん」
「独占したら、エリスでも叩くから」
「えっどう言う事??二号って私?」
自分を指差しながら困惑の色を浮かべる。
それもそのはず、急に二号として確定して、カップルに迎え入れられたためである。
「そう、一号さん、二号さん…特殊号さんってのもいるけど、
 まッその人は今は別の人と頑張ってるらしいから…。」
今度はヒロムがアキラ、エリスの順で指を指して再度確認するかのように言う。
「それって、私がヒロムと付き合っていいってこと?」
「そこ違う、私“も”付き合っていい?の間違い」
容赦ないといえば容赦ない突込みである。
「僕はいいと思ってるよ。アキラちゃんもいいんでしょ?」
「いいよ、そのかわり、おんなじ扱いしてよ」
「大丈夫任せといて」
この会話を見てるエリスの目から今さっき流れた涙とは違う涙が流れ出す。
嬉しさのあまりに口元を押さえて泣き出した。その顔は笑みで包まれていた。

96 :
「で、ヒロム君の予定ではこれからどうするつもりなの?」
「そうだね〜どうしようか?…アキラちゃん、もしかして?」
ヒロムのこの言葉にアキラの顔全体が真っ赤に染められる。
「アキラどうしたの?」
「アキラちゃんはね、エッチなことして欲しいんだって」
エリスの耳元でそう呟くと、顔を真っ赤に染めているアキラを見る。
「ひッヒロム君、余計なこといわないで」
「照れてるんだよ」
それでも、ヒロムはエリスにそう言う。
「アキラ、あんた痴女なの?」
「ちがあぁぁう、私は痴女なんかじゃないよ」
「えっ?アキラちゃん痴女だったの?」
ヒロムはアキラに真顔で聞いてしまう、意図的に……。
「だから、違うって痴女なのはエリスの方でしょ」
「私はあなたほどじゃ…痴女ですならいわよ」
「二人とも落ち着いて、仕方ないね…こう喧嘩ばかりされたら困るな」
「ヒロム君は少し黙ってて」
「そうよ、この痴女と話し合ってるんだから」
すでに、ヒロムを蚊帳の外に出して言い争い始める。
そんなやり取りを見てヒロムは携帯を取り出して、何かをしだしている。その間も、
アキラとエリスは言い争っている。2.3分続いた後、ヒロムが二人の手をとった。
「それじゃぁ行こうか、二人とも」
「「えっ?」」
「二人とも痴女だって言い合うから、それ確かめに行こうか」
「まさかっ…ヒロム君」
「なに?アキラちゃん」
ヒロムが振り返った。いつもどおりニコニコしていた。
そこで、アキラは止まった。いや、歩いてはいるが脳内が完全に止まった。
そして、駄目元でヒロムの手を握って言う
「ごっごめんなさい、ヒロム君…ほっほら私とエリスは仲がいいから
 仲がいいほど喧嘩するって」
「言わないよ、仮にもこれから一緒に過ごしていくんだから」
「ちょっちょっと、アキラどうしたの?」
エリスがアキラの尋常じゃない様子に小声でアキラに聞く。
「怒ってる」
「えっ?」
「ヒロム君が怒ってるの」
「なんか少し雰囲気違ったけど、機嫌直さないと」
「無理、多分もう今日は帰れそうにない」
下を見ながら小声でそう言う。エリスは不安に駆り立てられる。
「なんで?」
「行ってみたら分かるよ」


97 :
ヒロムが怒っている。確かにヒロムは怒っていた、今日から三人で行こうとした
矢先に喧嘩をしてしまったのだから、それ相応の対応をしないといけないと考えた。
その結果、一番いいのはやっぱ親密な関係になるのがいいと判断したようだ。
今、3人が向かっている場所は、例の場所だ
目的の場所に到着しヒロムは相変わらず笑顔だったが、アキラは顔を真っ赤にさせて、
エリスは口を「アングリ」と開けたまま、固まっていた。
「ヒロム?ここは…?」
「あっエリスは来るの初めてかな?…ラブホだよ。この町一番の高品質だから
 安心していいよ。毎日3回の清掃、エアコン・シャワー・泡風呂完備して
 さらには、あらゆるシチュエーションに対応できるホテルだよ」
「えっ?」
エリスは戸惑いを隠せないようだ。言葉がうまく出てこないらしい。
「アキラちゃん、エリスに説明してやって」
「これから、やるのよ」
「なっなにを?」
「その…ほら…あの…」
「まさか…あれ?」
「そっそう、あれだよ」
あの言葉を出さないように必に別の言葉でエリスに伝えるようにアキラは言う。
察したかのようにエリスは顔を真っ赤にさせつつも蒼白にさせながら聞く。
「着いたよ…二人とも」
「そっその、ヒロム こう言う事には順序ってものが」
「僕は、順序よくしたかったけど二人がそう言う話ばかりするからね」
返す言葉が無かった。そしてヒロムは手を引っ張って扉の中に入っていく。
中には中年のおじさんが入っていた。
「よーヒロム君、今日は二人も連れてきたのか?」
「うん、楽しみたいって言うから連れて来たんだ
 おじさん、あの部屋あいてる?」
「あの部屋かい?大丈夫だよ」
「それじゃぁ一応全部OFFで一日よろしく」
「ほれ、鍵じゃ」
どこから突っ込んだらいいのか? 少し不明である。
アキラもこのホテルに来たのは初めてで少し戸惑っている。
エリスの方はもう心臓『バクバク』で手に汗を握るような状態だった。
鍵を胸ポケットに入れて二人を連れてある部屋の前に行く。
「聞こえるよエリス、今心臓凄く振動してる」
「なっなっそんな事無いんだから」
「そう?まぁもう少ししたら分かるから」
ヒロムは扉を開けて、電気をつける。
中は至って普通だった。ベッドがありシャワー室に繋がる扉がある。
これは、前にアキラが行ったところと大して変わらなかった。
「ヒロム君…どうしたら」
「もう我慢できないんだ…仕方ないね、痴女かどうかはまた後にして先にしようか
 エリスは、向こうにシャワーがあるから浴びてきたらいいよ
 初めてはやっぱり、綺麗なままがいいでしょ?」
「うん」
顔を真っ赤にして逃げるかのようにシャワーがある場所に駆け込む。

98 :
「最初のことを思い出すね、アキラちゃん」
「…私のことも見ててよ」
「見てるし、アキラちゃんのことで知らないことはほとんど無いよ」
嫉妬したようにアキラが目を鋭くして言うのに対してヒロムがすぐさま行動した。
「あっ」
「ほら、想像だけでここまで濡らしてることだって分かってるから」
「ちっちが、んっ…そんなに強くおさな、っんん」
ヒロムはパンツごしに強くアキラの秘部を強くなぞる。
「パンツにシミできちゃったね、どうする?このままだと、ノーパンのままで
 帰らないといけなくなるけど?」
「ぬっ脱ぐから待って…ノーパンのままは嫌だよ」
「でも、待ちたくない」
パンツを脱ごうとしていたアキラを押し倒して、上にのっかり深いキスをする。
キスをしながら片手をパンツの中へと侵攻させていく。
もう一方の手はアキラの頭の後ろで髪の毛を撫でている。
互いに唾液を交換しながら舌を絡ませる。アキラも何回もやっているうちに
なれていく。特に舌を絡ませるのがうまくなった。今までは、ヒロムから防戦一方
だったが少しずつヒロムの口の中に舌を入れることが出来る。でも本気を出されたら
防戦しかなくなるのも現実である。
「んっ、あっ…ふはっ」
口の重なり合う隙間からアキラの声が漏れ出す。声が漏れ出すとそれを封じ込めるかのようにさっきより深い濃いキスをする。舌をアキラの口内に侵入させ上の歯を舐めていき、下の歯も同様に舐めていく。声が漏れなくなり、かわりに咽喉で声が鳴る。
「『さて、そろそろ指をと……』」
そう思いヒロムはパンツの中に侵攻させていた指をさらにアキラの秘部に侵入させる。
中指の第一間接が埋もれていく。
「んふっ、んぁぁ…んんん」
続いて第二間接も同様に埋もれて、吸い込まれていき第三間接も続いて侵入する。
「『アキラちゃんが今日一回目“いく”まで後5秒』」
そこからのヒロムの行動は凄かった、アキラの口の中に自分の舌だけでなく唾液を
どんどんと送り続けていく。秘部へと侵入させた指は前後左右に動き始める。
中指に続き薬指も侵入し始める。アキラは二点を集中的に責められ、
声も思うがままに出せないまま、限界を迎える。
「んんんんっっっ……」
アキラは限界を向かえ自分のすべてを開放する。上にヒロムがのっかているため、
腰が浮くことは無いが足の指がこれ以上に無く『ぎゅっ』と握られる。
しかもヒロムが思ったとおり5秒後にいったのだ。
ぐったりしたアキラを眼前で見てヒロムはキスするのを止めて口を離す。
二人の唇の間に銀色の線が伸び、ヒロムからアキラのほうに重力で引っ張られて
銀色の唾液の小さな球が伝わっていく。
「まだまだ、こっちの口にはキスしてないよ」
「はぁはぁ…そっそっちは、逝ったばかりだからびんか……んあっ」
逝ったにもかかわらずヒロムの行為は止まることを知らずにエスカレートしていく。


99 :
一方エリスの方は、
「わたし、初めてなのに……少し怖いな」
エリスはシャワーを出して浴びるときに温かいように調整を始める。
調整の間、扉をそっと開いて二人が何をしているか見てみることにした。
そこで、目にした光景にエリスは絶句するしかなかった。
ヒロムとアキラがキスを……しかもあんな深いキスを、
それにヒロムの手がアキラのパンツの中に入ってるのも角度的に見える。
「『凄い、あんなキスしたこと無いのに舌は絡まされたけど、一方的だったし
  私も………』」
エリスは同じように自分のパンツの中に手を入れて弄り始める。
片手を扉についている。最初はゆっくり今にも崩れそうな砂山を触るかのような
手つきで身長に自分の割れ目をなぞる。自分でも初めて触る場所に多少の恐怖感が
こみ上げてくる。自分の身体の一部なのにそうでない、その場所はとても熱い。
中はもっと熱いんだろうとエリスは思う。
と、その時自分の身体の中で変な感覚が増量されてきたのが分かる。
次第に自分では制御できないほどになり達する。
「んんああぁぁぁ」
幻想という名の妄想を見ながらではなく真実のいう名の現実を見て、興奮していってしまう『びくびくっ』と割れ目から液体が漏れ出し、口が開いたまま閉じない。
シャワー音でうまく声は消せたものパンツが濡れている。そこで『はっ』と我に戻る。
エリスは一時考えて、服を全部脱いでシャワーを軽く浴びる。
身体全体を洗い流して、今さっき手を侵入させていた場所も軽く洗い流そうと
シャワーを近づける。エリスはそのシャワーのお湯があたるのがとても気持ちよく
身体を再び変な感覚へと陥れていく。風呂場で達してしまう。
「『こっこのままじゃ、』」
エリスはシャワーを止める。このまま洗い流すことを繰り返してたら確実に身体がおかしくなると分かったからだ。
そして、身体にバスタオルを巻いて扉の前で深呼吸を何度も何度もやる。
「『どうしよう……このまま出て行ったらいいの………この格好恥ずかしい 
  でも服来て行ったら、それはそれで…あれだし、どうしたらいいのよ
  ……………ああもうっやぐったらしい、どうにでもなれ』」
エリスは最後にもう一度深呼吸をしてから、勢いよく扉を開く。
自分の顔が真っ赤になってるのはすぐに分かった。全身が熱を持ってるのも…。
「エリス…大胆だね」
「じっ自分でも分かってるわよ……こっこれはっ恥ずかしいんだから」
「ほら、おいで アキラちゃんは先に逝っちゃたから、次はエリスの番」
ゆっくり、自分の重い足を前に前に出そうとするが思い通りに動かない。

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