2013年10エロパロ452: 男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part3 (95) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part3


1 :2013/03/14 〜 最終レス :2013/10/04
現実と妄想を区別できない人・未成年立ち入り禁止。
男性ヤンデレのSSを書いて投稿するスレッドです。
DV、ストーカー、監禁、レイプ、猟奇、異常な執着、その他諸々、男性のヤンデレなら何でもおk。
一次創作と二次創作、どちらも投下可能です。
女性利用者が多くなると思われますが、801厳禁。
荒らし完全スルー、良識ある書き込みお願いします。
sage進行。
過去スレ
男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part1
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1268026164/
男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1314199458/

2 :
>>1
ほす

3 :
落ちていたのでたてましたー

4 :
保守

5 :
キューティーハニーTHE LIVE第一話が男ヤンデレ人事件だった

6 :
スレ立て乙

7 :
一乙

8 :
ヤン男は滅びぬ。何度でも甦るさ! 1乙!

9 :
>>1さんスレ再興有難う
貴方が男ヤンデレスレ中興の祖です。

10 :
>>1乙!
そういえば最近やってたNHKのドラマ『書店員ミチルの身の上話』に男ヤンデレ出てきたね

11 :
sage忘れたごめん

12 :
病んできた

13 :
スレ立て乙
ねじまき真野さんっていう少女漫画に、いいヤンデレ男がいた

14 :
>>1

今日のヤンデレ男妄想
前妻の子の兄、後妻の子の妹・弟がいて。
兄は義理の妹が半分血が繋がってると分かっていても好きで気が狂いそうだったが
半分血が繋がってるという事を心の支えに、家族だからほかの男のモノになっても
赤の他人よりも強い絆があると自分をごまかし、いい兄を装い秘めていた。
しかし、妹が淡い恋をしギリギリに煮詰まっていたところ実は妹の父親は別だと発覚。
兄妹という心の支えであり防波堤が無くなった兄は常識の箍が外れヤンデレ犯す。
お前の母親は不貞を犯し俺の父を騙していた(お前もだ!)という罪悪感を煽り
&弟の身(家から追い出す)を盾にとって妹を脅し行動の全てを制限(軟禁)し行為も強要。
血のつながりというものがなくなってしまったから
他の確かなものが欲しいとヒロインを妊娠させようと躍起になる。

15 :
病む

16 :
一線ギリギリ保ってたヤンデレの切れる瞬間は良い物だ
切れる前がまとも(に見えていて)、切れた後は病んでいれば居るほど良い

17 :
三話目行きます。
タイトル/NG「角と稲妻」

18 :
夕べの冗談をまだ引きずっているのか、彼の中で私は草食系と認識されたらしい。
朝食に出されたのは、一山の山菜類だった。私はウサギか何かか。
まぁ、ぱりぱりしゃくしゃくと頂く山菜は、鮮度が高いだけに普通に美味しい。
オオヅノが毟っては口に運んでいる昨日の篦鹿の肉も、一晩かけてじっくり火を通され、大分薫製風の加工食品っぽくなっているので視覚的ダメージも少なかった。
「ごちそうさまでした」
食べ終えて、手を合わせて頭を下げる。オオヅノは相変わらず黙ったまま私を見ている。
長い前髪の間から覗くあまり瞬きをしない瞳の視線を受けながら、治療の魔法陣に魔力を充填する。
充填を終えて、私はちら、と視線を上げる。
これだけ食料が有れば、今日は狩りに出る必要も無いだろう。
彼はどうする積もりだろうか。そう思った矢先、オオヅノが立ち上がる。
彼が足を向けたのは、行き止まりの方の西の部屋。
私が首を傾げて見ていると、彼は間もなく陶製の壷を抱えて出てきた。
高さは40cmほど。端が欠けていて古い、中身は空のようだ。
壷を携えたオオヅノは、今度は真っ直ぐに東の出口へ向かう。
また外へ向かおうとしているのだろうか。
追って立った私に気付いたオオヅノが、踵を返して私の肩を押さえる。
「オオヅノ?」
首を傾げると、彼は私の右足を指さす。
「……待っていろ、と?」
確かに、ひょいひょい歩き回っているが、本来はあまり動いて良いような怪我ではない。
私の言葉に彼が頷いたので、再び腰を降ろすと、彼はもう一度頷いて部屋から出ていってしまった。
廊下を通って彼の気配が遠ざかる。
溜め息と深呼吸の中間のように、息を深く吸って深く吐く。
膝を抱えて焚き火を眺める。じっとしているのは苦手だ。
子供の頃からそうだった。風邪を引いた時、母親に大人しくしていろと言われたにも関わらず、
幼なじみのアイリスちゃんの所に遊びに行ってしまうような、そう言う子供だった。
それでもまぁ、今は早く怪我を治さないと場合によっては命に関わるし、
子供の時代から全く成長が無いと言うのもアレなので、回復に魔力を注ぎながらそっと目を閉じる。
……………………暇だなぁ。
あんな獣のような男でも、居なくなって一人取り残されると……寂しい。
こうしてみると手負いの身に孤独は堪える。
ここは森の中と違って獣の気配も無いし、鳥の声も遠い。
傷を負った時は狩りには出ない。
町に居ればあのうるさい薬師が何かと口出しをして来る。一人にはならない。
だからこの痛みと共にじくじくと染み入る寂寥は辛いのだ。

19 :
隣室の窓から差し込む陽光が赤く色付いても、彼はまだ帰って来ない。
……どうしたんだろうか。
そう思いながらひたすら待っていると、一番星の昇るくらいの時間になって、オオヅノはようやく帰って来た。
「お帰りなさい」
私が声をかけると、彼は頷いて壷と一緒に抱えてた山菜や果物、木の実を床に降ろす。
ちゃぽんと液体の揺れる音。壷からは、甘くてツンとした匂いがした。
何だろう、と首を傾げている内に、オオヅノが部屋の隅の朽ちかけた戸棚から、端の欠けた陶器の器を二つ持ち出してきた。
彼は壷の中身を酌んで、私に手渡す。
ゆらりと揺れる白く濁った液体。焚き火を反射してとろりと光る。
少し野生味のある、だが華やかと言って良い芳香。
果物と酒精の香り……猿酒だ。
猿やコボルト等が、集めた果物を岩の穴や樹のウロに貯め込む。
それが自然発酵して出来た酒類を猿酒と呼ぶ。
勿論、かなり珍しい、貴重な物だ。
山に慣れた者が朝から日暮れまで探し回って、見つかればかなり運が良いと言えるだろう。
「これを探しに行っていたんですか?」
彼が首を縦に振る。
「普段から、よく探すんですか?」
横に振る。
私は微かに揺れる猿酒の水面に視線を落とす。
当然一つずつ味の異なる猿酒は、一期一会の酒とも言われる。
彼がそれを知っているのかは分からないが…………
どうやら私は、思ったより歓迎されているらしい。
私は彼をすっかり化け物扱いしていたと言うのに、彼は丁寧に私を歓待してくれる。申し訳ないような気分になった。
少し考えて、私と向かい合うように腰を降ろす彼を見遣る。
彼も器を手に、そうして私を見ていた。
「……では。一期一会の一時に、乾杯」
器を掲げると、オオヅノも腕を挙げ、二つの器を触れ合わせた。
一息に中身を呷る。
ベースは山桃だろうか。枇杷も入っている。とろりと甘い中にラズベリーの仄かな酸味。胃に落ちた後の暖かさ。鼻に抜ける鮮やかな香り。
あぁ、奇跡的なくらい美味しい。
ほう、と感嘆の息を吐く。
……一生懸命、探してくれたんだろうなぁ。
自分の器を干したオオヅノは、また私をじっと見る。
そして空になっていた私の器に、彼が猿酒を注ぐ。
それを受けて、私も返杯する。
勧められるままに彼が集めて来た山菜や、火の上から下ろした鹿肉に手を付ける。
この辺りの山は、緑は濃いが食べ物が豊富かと言えば、そうでもない。良くこれだけ集めて来るものだ。
薫製のように少し乾いた肉を噛みしめると、じわりと癖のある脂が口の中に広がる。
それを甘い猿酒で呑み下す。喉の奥までさっぱりとした酒精が通るのが心地良い。
酒ですっかり気が弛んでしまったのか、彼の手が届く位置に居るというのに、警戒心があまり湧かない。
どうしよう。これは流石に我ながら単純過ぎるか。
でも、あぁ。この酒は美味しい。

20 :
常識が無くて荒っぽくて、怪力で異質で。でも、見ず知らずの私を助け、住処に連れ帰り、薬と食べ物を与えてくれた。
出自も種族も、名前さえも知れない彼。何者なのだろうか。
彼のことが知りたいと、必要に迫られた訳で無く、自分の身を守るためでも無く、思った。
「オオヅノは、酒は好きですか?」
彼が頷く。
「そう。私も好きだ」
町の地酒とか、故郷のワインとか、アイツの作る薬酒とか。
いつか彼にも呑ませてやれたら、きっと楽しいんじゃないだろうか。
「ずっと、一人でここに住んで居たんですか?」
彼の赤い瞳を眺めながら問い掛ける。
口を開くような素振りをしかけて、二呼吸。結局言葉は発さずに、ゆっくりと一度、頷いた。
「出身は?」
「あー、私? 私はここよりもかなり西の方から」
「自分の歳、数えてます?」
「あの火、魔法ですよね」
酒精で口の滑りが良くなった分、初日の夜の時よりもひっきりなしに喋り掛ける。
彼の方も、初日とは違って、言葉こそ発しないものの、頷いたり首を振ったりして答えを返した。
だからと言って彼のことが何か分かったかと言えばそうでも無いが。
しばらくそうして喋って居る内に、壷一杯分の酒を二人で呑みきってしまった。

片付けを終えたオオヅノが、私の隣に腰を降ろす。
「……オオヅノ」
揺れる火を見つめながら、彼に話し掛ける。
「足の怪我も良くなりました。明日、帰ろうと思います」
視界の端で、オオヅノが頷くのが見えた。
その日はそのまま眠った。生き物が隣に居たからか、昨日より暖かかった。

21 :
本日はここまでです。
次回、ルート分岐でBad Endの予定。
やっと、やっと病める……!

22 :
寂寥
らく

23 :
誤爆すみません

24 :
GJ!!
今までのどこかほんわかした雰囲気も好きだけど、次回から病むのか!
無言のオオヅノがどんな気持ちでいるのか分かるのかな
楽しみにしてます

25 :
投下乙!
次回からが本番かw
ifルートも楽しみにしてます

26 :
乙!
すごく素敵!楽しみです

27 :
ほしゅ

28 :
投下はよ

29 :
ネットで色々漁ってみると、やはりS系男ヤンデレが人気だな
M系男ヤンデレにも魅力はあると思うんだが
例えば、徹底的に排除されどんなに血塗れのズタボロになろうが女に付きまとう執念のストーカー野郎とか

30 :
ベッドで鬼畜野郎になって女を犯すなら俺は問題ないと思うと言うか見たいかな

31 :
男のM病みも増えて欲しいなぁ
「俺を犯してしてくれ」と好きな女に迫ったりする

32 :
根性があるのかないのか…

33 :
惚れた女にして貰えるって最高に幸せやで

34 :
その女がマトモならぬまで覚えてて貰えるし一石二鳥やん

35 :
発想が歪みなく歪んでるな、素晴らしいわ
だが俺は女を支配したい

36 :
タイトル/NG「角と稲妻」
Bad分岐行きます。グロリョナ注意。
・エセ攻略風ルート解説
三日目以降の夜パートに選択できる「町に帰る」を選択した時点で、オオヅノの好感度が高すぎると分岐。

37 :
片付けを終えたオオヅノが、私の隣に腰を降ろす。
「……オオヅノ」
揺れる火を見つめながら、彼に話し掛ける。
「足の怪我も良くなりました。明日、帰ろうと思います」
ぴたり、と。オオヅノの動きが止まった。
*****
帰る。と『レヴィン』が言った。
『それ』は首を傾げた。
快活で賑やかしい生き物が、ここを出て言ってしまうと言った。
何故。怪我が治ったから。
『それ』はシンプルに思考した。
ならば怪我があれば『レヴィン』は帰らない。
「―――レヴィン」
『それ』は言った。それだけしか言えなかった。
『それ』は言語を高いレベルで理解している。知性だって有る。
ただ、長いこと会話をしていなかったから、言葉の発し方が思い出せなかっただけだ。
ただ、『レヴィン』と。
『それ』にも理由は分からなかったが、その音だけはすぐに発することが出来るようになった。
だから『それ』は生き物の名前を呟きながら手を伸ばした。
千切ってしまうと血が出る。血を出し過ぎると生き物はんでしまう。
だから両手で持って丁寧に折った。
ぱきりとくぐもった手応え。
『レヴィン』が高い声で鳴いた。
肉に埋まって見えないが、多分、綺麗に折れた。
少し、楽しかった。『それ』自身気付いて居なかったが、唇が小さく弧を描いていた。
***
足に走った痛みに目を白黒させながら、レヴィンは這いずるように『それ』から距離を取る。
『それ』はあっさりとレヴィンの足を手放した。
何か不味いことを言ったか!? 酷く気に障るような。レヴィンは『それ』の顔を見やる。
だが彼は怒ってすらいない。獲物を捌く時と同じように、淡々と彼女の足を折った。
油断した。やはり『それ』は化け物だった。
全く理解できないまま、レヴィンは自衛の為の攻撃に出る。
口早に呪文を詠唱し、彼女へ手を伸ばした『それ』に向かって手加減無しに稲妻を放った。
閃光が走り、大柄な体躯が床に崩折れる。
人間ならぬような威力だったが、それはまだ生きていた。
それでもしばらくは動けないだろう。荷物を回収する間も惜しんでレヴィンは外へと走る。
足は痛んだが無視した。

38 :
体験したことの無い種類の痛みに襲われ、『それ』は蹲った。
『レヴィン』が怒った……? 痛かったのが気に食わなかったのかも知れない。
『それ』が顔を上げると、『レヴィン』は今までに無い早さで移動して、帰ってしまおうとしていた。
制止のための言葉は発音できなかった。
だから『それ』は咄嗟に『レヴィン』と叫びながら、炉に積んであった煉瓦を投げ付けた。
煉瓦は『レヴィン』の背中に当たって、生き物は詰まったような高い声で鳴いて倒れた。
『レヴィン』は床の上で身を丸めて咳き込むと、肩を震わせて胃の中の物を全て吐き出してしまった。
「レヴィン……!」
『それ』は生き物に駆け寄った。
『レヴィン』はあまり頑丈な生き物では無いようだから、酷い怪我になっているかも知れない。
生き物がんでしまうかも知れない。
でもちゃんとすれば助かる。『それ』打ち身に利く薬草も知っていた。
自身の嘔吐物に突っ伏した生き物を助け起こし、手当をしようと『それ』は『レヴィン』の服に手を掛けた。
***
戸口に辿り着いた瞬間、何か石のような物が背中にぶつかった。
固くて重い質量。息が詰まり、喉の奥から悲鳴の成り損ないが零れた。
背中は骨が無いから衝撃がモロに通る。
レヴィンは受け身もまともに取れずに床に倒れ込んだ。
肺が可笑しな風に収縮して、咳き込んだ拍子に胃の中身をブチ撒けてしまった。
息が出来ない。喉を圧迫される苦しさ。涙が滲む。
自分の反吐を避ける力も無く、生暖かい半流動体に突っ伏す。
立ち上がろうと動かした指先に力が入らず、半端に床と反吐をかき回す。
当然のように近付いて来た『それ』が、レヴィンの服の襟元を掴む。
***
特別鋭い爪を備えている訳でも無い『それ』の指が、『レヴィン』の服に掛かり、頑丈に作られて居る筈の衣服を容易く引き裂いた。
『それ』が僅かに眉をしかめる。急いでは居たが壊すつもりは無かった。ただ加減を間違えてしまっただけだ。
『レヴィン』が唸りながら彼の肩を突っぱねる。怪我のせいだろうか。悲しくなる程に弱々しい動作だった。
***
服を破かれて、また新たに危機感を覚えた。
『それ』を突き飛ばそうとしたが、『それ』は岩のようにピクリとも動かない。
『それ』がまたレヴィンに手を伸ばす。
訳も分からないままされてたまるかこの野郎……!
喉を塞ぐ反吐を自分の指で掻き出して『それ』を睨んだ。
***
『それ』を押すのとは反対の手を自分の口に入れ、嘔吐物を吐き捨てると、『レヴィン』俯き勝ちに『それ』を睨みながら何事か呟いた。
二回目の、あの痛みが来た。
距離が近いせいだろうか、さっきよりもっと痛い。目の前が赤くなる。

39 :
『それ』がうめき声を上げて丸くなる。
レヴィンは服が反吐で汚れる事も構わずに、肘で這いずって『それ』から距離を取ろうとする。
***
『それ』が顔を上げると、赤くなった視界の中で、また『レヴィン』が帰ろうとしていた。
まだ帰って欲しくない。まだ手当もしていない。
とにかく大人しくしていて欲しくて、『それ』は『レヴィン』を床に押し付けた。
***
『それ』が急に吼えた。
威圧。大熊でさえ竦んでしまうようなプレッシャーに身体が硬直する。
動きの止まったレヴィンに『それ』がのし掛かる。
背中を酷い圧力で押さえ付けられた。
ただの手の平が人外の怪力を発し、肺が押し潰され濁った声が押し出される。
苦痛に涙がぼろぼろと零れる。重さはいよ増してレヴィンを苛んだ。
石の床に押し付けられた肋骨が軋む。苦し紛れに床を掻いた爪が剥がれた。
軋んで、ついには折れた骨の欠片が肺に突き刺さる。
背中に掛かる力に押し出されるように血を吐いた頃には、レヴィンの意識は急速に消えていった。
***
血を吐いて、『レヴィン』が動かなくなった。
随分と薄くなってしまった背中から、『それ』は恐る恐る手を退けた。
手を離しても、『レヴィン』は帰ろうとしない。
帰ろうとしない代わりに、動かなくなってしまった。
んでしまった。『レヴィン』が。
潰してしてしまった。
帰って欲しくない、だけだったのに。
さっきまで、酒を酌み交わしながら『それ』の隣に居た筈なのに。
どこで、どこかで、間違ったのだろうか。
酒は好きかと問うた彼女の、あの笑顔を傍らに置いておきたいだけだったのに。
時間を掛けて理解したそれの目から、大粒の涙が零れた。
泣きながら手を伸ばす。触れた頬はまだ暖かい。
引き寄せて抱き締めると、暖かい身体はまた壊れた。
喉の奥から嗚咽が漏れる。遠吠えのような声で、それは泣いた。
***
村の狩人たちの間に、ある噂が流れた。
『村の北の山奥に、人間の体を抱えた亜人が出る。何かの名前を繰り返し呼んで慟哭している。酷く危険なので、近付いてはいけない。それは悪魔である』

40 :
以上です。
次回、何事も無かったかのように本ルートの続きの予定です。

41 :
投下乙!
グロリョナは見れないので今から別ルート楽しみにしてるぜ!w

42 :
GJ
怖かったけど、オオヅノがかわいそうだった
レヴィンもかわいそうだった
次回に期待!

43 :
ビッチ女×ヤンデレ男(スクイズの男女逆バージョンみたいなの)みたいなのが読みたい。
ヤンデレが精神的にひどい目にあって追い詰められるのが観たい。
喪女スレは喪女ばっかりだから、ないんだよな。

44 :
喪女スレ?
そういうスレがあるのか?

45 :
女向け作品の女主人公って読み手の女に受け入れられやすいように作られてるから
ぶっ叩かれやすいビッチは普通の恋愛物でも少ないよな
女性向け恋愛ゲームも全年齢・R18問わず恋愛初心者ヒロインが圧倒的多数を占めてるし

46 :
そういうゲームは恋愛できない女がやるからな

47 :
角と稲妻>
投下乙です!
レヴィンもオオヅノも報われねえ…だがそれも良し
遺体をミイラ化しても後生大事にしてる光景を想像するともう萌えぬ
ハートフルなヤンデレルートも楽しみにしてます!
女主人公がビッチ(というか性に奔放)な作品は本当に見かけないね
たま〜〜に非処女を見かけるけど、やはりビッチではない
エロゲ主人公は平凡童貞やら鬼畜ヤリチンやらバラエティ豊かなのになw

48 :
>>46
それは偏見だろ
実際は彼氏持ちや既婚者がストレス解消にやるのが主流
ガチで恋愛できない女は恋愛要素のない一般ゲーに向かう

49 :
リアル男女の話題出されると萎える
二次元スレでは水ささないでくれよ

50 :
でもなぁ
女性が二次元恋愛を楽しむのも当然っちゃ当然なんだよな
惨事男は「燃えない(萌えない)ゴミ」と呼ばれてるらしいし
確かに二次元男と比べりゃゴミかもな

51 :
三次男は燃えないゴミか
名言だな
男ヤンデレジャンルにこそ相応しい言葉だ

52 :
三人兄弟の次男が萌えないゴミかと

53 :
激グロ惨事と恋愛したい女性なんていないだろ…
汚ならしい

54 :
>>51
ヤンデレに「部屋のゴミは捨てておいたよ」って意味深に言われるんですねわかります

55 :
好きなバンドに付いて意気投合したクラスメイトの男子が、ヒロインの持ってるCDを借りに部屋に遊びに来た
ヒロインが飲み物を取りに下に降りた所で>>54
三分程度の間の出来事である

56 :
>>51
まあ三次のヤンデレはただのストーカーだからw
普通に嫌だよ。けど二次になった瞬間好物になる不思議

57 :
そりゃそうだ
ヤンデレに限らず、フィクションでは好きだけど実在したら
関わりたくない、ってタイプのキャラはいくらでもいる
あくまで外から眺めていたいのであって、当事者になりたい
訳ではない
好きな女を精神的に追いつめてボロボロにして
「私を必要としてくれるのはこの世にこの人だけなんだ」
と自分だけに依存させるヤンデレが見たい

58 :
三次で萌えるのは歴史上の人くらいだな
少なくとも生きてる人は無理だ
上に出てたビッチヒロインで富江を思い出した
この作品に出てくる男は最初マトモな人間なのに、
ナチュラルボーン・ビッチな富江のせいでことごとく病んでいくw
ただ、富江のインパクトがメインな作品なので
男ヤンデレ的にはあんまり美味しくないな

59 :
保管庫とかはないのですか?

60 :
レヴィーン!

61 :
>>60
はーあーい!

四話目行きます。
タイトル/NG「角と稲妻」

62 :
翌日、日の出と共に目を覚ました。
大きく伸びをして身体の筋を解す。
ここ数日石の床の上で寝ているせいで妙な凝りが付いている。
隣を見遣ると、私が動き出したからか同じように目を覚ましたオオヅノがのそりと動き始める。
昨夜の残り物で手早く朝食を済ませ、日が昇りきる前に荷物をまとめて出発することにした。
大分しっかりしてきた足取りで玄関ホールに立つ。
「あ、そうだ」
影のようにそろりと付いて来ていたオオヅノを振り返る。
「あれ、貰って行っても良いですか?」
そう言って、入り口の向こうに見える厨房の骨の山を指すと、彼は不思議そうに首を傾げ、それでも頷いた。
「ありがとう」
彼にお礼を言って、取り分けて置いた一山に近付く。
橙角鹿の角や水蜥蜴の翡翠色の牙、羊歯山羊の胆石。
保存性が高くて薬や装飾に使われる素材の類。
どれも換金性が高くギルドに持ち込めば、そこそこの値段で買い取って貰える。
欲張らず、負傷した足でも不自由無く運べる程度の量をバックパックに納めて背負った。
何分手ぶらで帰るとその日の食卓にも直結する職業だ。今回はこれでようやく首の皮一枚繋がったことになる。
手袋を填め靴紐を確認し、水筒やポーチの位置を確認し、忘れ物が無いか確かめて外へ出る。
朝の早い時間の光が樹冠から射す。雲も少ない良い天気で、これなら俄雨に降られる心配も無さそうだった。
最後にもう一度、彼にお礼を言おうとした所で、オオヅノがふらりと森の中に分け行ってしまった。
だが、あちゃあと思いながらも私がお別れの踏ん切りを付けるより早く、ばきりと鈍い音が聞こえた。
程なく姿を現した彼が、私に太い木の枝を差し出す。
枝の太さは私の手首より二周りほど細い程度。その端は今まさにへし折られた生々しい裂け目を晒している。
「……杖代わりに?」
訪ねるとオオヅノが頷く。私がまたお礼を言って枝を受け取ると、彼はちらりと視線を寄越し、背を向けて歩き出す。
「……レヴィン」
ぼうっとその背中を見ていたら、直ぐに立ち止まった彼が肩越しに振り返る。
あぁ、道案内をしてくれているのか、と気付いて、私は枝を杖代わりにしながら彼の後に付いて行くことにした。
下草を踏み越えながら、慣れた様子でオオヅノが足を進める。朝露で濡れた木の根で滑らないように気を付けながら、私も続く。
黒い蓬髪と鉤裂きだらけのボロ布に身を包む彼は、遠目には黒い毛玉にでも見えそうだ。狩人と遭遇したら、毛長熊辺りと間違えられるんじゃないかと言う思考が脳裏を過る。
木の生い茂るなだらかな斜面を下ること約10分。川原に出た。
広くて浅い川で、深さは見た所、膝くらいまでだろうか。向こう岸は高さ10メートル近くの、崖に近い角度の急斜面になっていた。
崖の上の木々を眺めて、私は、あー。と声を零す。
「ひょっとして、オオヅノが私を見つけたのはこの辺り?」
訊ねると、前を行くオオヅノの頭が動く。頷いたようだ。
と、すると、私が普段狩りをしているのはあの崖の上。
万全の体調で登山用ピッケルの一本も有ればこのくらいの崖なら登れるが、この足では無理がある。
村から見て北の山が私の狩場で、谷底に川を有するこの崖は、その山を北西から南東へ横切っている筈だ。
私が崖から落ちた位置は村から見て北東の位置。けれど、知っている限り崖の下に降りるには、ずっと西に回りこまないといけない。
歩いて丸1日かかるので、普段は崖下にまでは来ないのだが……
オオヅノは迷わず川下の南東方向へ足を進める。こちら側へは、山を居りきって平原に出れば村へ続く街道へ出る筈だ。2日近くかかるが。
帰宅を早まったかと思うこと30分。彼が進路を変えて川の方へと足を向けた。
岩伝いに跳んで川を渡るオオヅノが私を振り返る。身軽に、と言うわけには行かないが、私も何とか彼に続く。
川を超えた先の崖には、斜めに切れ込みを入れたような坂が張り付いていた。
緩やかとは言えないが、今の私の足でも登れる程度だ。こんなルートが有ったのは知らなかった。
「あぁ、ここなら登れそうです」
そう言って、杖を突きながら勢いを付けて一気に登り切る。体重を掛けてしまった足の痛みに顔を顰めながらも、崖の上へ出る。
川と太陽の位置から見当を付けた方角に、目印の大楠が有るのが確認出来た。
勢い込んで2、3歩。オオヅノを追い越してしまった。振り返りついでに彼に笑む。
「案内をしてくれてありがとう。此処からなら一人でも帰れそうです」
そう言うと、彼は少し当りを見回してから頷いて私に背を向ける。
「この礼は、またいずれ」
坂を下って行く背にそう告げて、私も踵を返した。

63 :
―――『レヴィン』が帰ってしまう時のこの感情を、何と表すのだろうかと、『それ』は思考した。
青くてピリピリする。氷のような感情だ。
壁に空いた穴をヒュウと抜ける。乾いた風のような感情だ。
その感情は遠い昔、『それ』が未だ小さかった頃、朽ち葉の匂いのする夜に、独り火を見詰めて居る時に、心を満たして居たような気がする。
いつの間にか枯れてしまっていたその感情が、再び心に満ちている。
またいずれ、と。『レヴィン』が言ったから、『それ』は辛うじて救われたような気分になった。
今日の夜はきっと、静かで寒いのだろう。―――


速度の出せない足で散々歩いて日の暮れる少し前、ようやく村に帰って来れた。
道すがら農場の旦那さんが私の姿に驚いて、送ろうかと聞いてくれたのを笑って辞退しながらも、村のやや外れの方にある一軒の家に辿り着いた。
二階建ての家。木造で、外壁は漆喰で塗られた白。
薬師を表す乳鉢と草の絵の簡単な看板の下がった木戸を開ける。
「いらっしゃ―――……ッ!?」
カウンターの上に広げた本から目線を上げた青年が絶句する。
年の頃は私と同程度。清潔でシンプルな服装に、腰巻きエプロン。
これと言って特徴のない中肉中背の体躯。
整っているからこそ派手さの無い、穏和で朴訥とした容貌。
適度な短さで切り揃えられた茶髪はありふれた色彩。
驚きに見開かれた瞳だけが、不釣り合いな程に鮮やかで上品な紫色をしていた。
「ただいま〜」
私は緊張感の無い口調で言って、ついでに手を振る。
「レヴィンっ!! ずっと何処にっ! いや、怪我! 怪我は!? 何処か痛い所は!?」
瞬間的な硬直を吹き飛ばして、エルバが怒鳴る。
彼はカウンターのスイングドアを跳ね開けて詰め寄って来た。
彼の名前はエルバ・サルーターリス。職業は薬師。
私の幼なじみで、同居人。腐れ縁。
と言うか、彼が薬師の師匠のツテで、この住居兼店舗の建物を借りているのに、一枚噛ませて貰っている形だ。
同時期に村を出ることにした私達は、いざと言う時の護衛、いざと言う時の薬箱、
とそれぞれの思惑で徒党を組んでしばらくあちこちを旅をして、そうしてこの村に居着いたのだった。
有無を言わさず調合室に引きずり込まれ、診察台に座らせられる。
「足ひねっちゃってさ、山奥に住んでた亜人の人に助けて貰ったの」
言いながら捻った方の足を持ち上げると、即座にブーツと靴下を脱がされた。
「……捻ったって……折れてるじゃないかこれ……」
眉をしかめたエルバが唸るような声で言う。
「あぁー。やっぱり? ちょっと熱が出たからそうかなーと」
「全く…………応急処置は良かったみたいだけど……少し強く触るよ」
んー。と生返事をすると、跪いたエルバが私の足を取り、仔細に触診する。
痛い。が、まぁ生傷の絶えない職業なので痩せ我慢する。
「何日前?」
「三日前」
「打ったの?」
「良く分かんない。崖から落ちたから」
「なっ……気を付けろよ、もう……! 他の所は!?」
「あんまり大した事ないよ。これが一番でかい怪我」
「全く…………」
溜息を吐いてエルバが立ち上がる。

64 :
あれこれ用意をして、湯の入った桶だのタオルだのを揃えて
「服、脱いで。傷見るついでに身体拭くから」
「風呂屋行きたい」
「無理。明日以降にしなさい」
「えー」
ブーイングはしながらも服を脱ぐ。
医者の前で恥ずかしがっても意味は無いし、人を女とも思っていない奴に対してはもっと意味が無い。
例えば左の内腿の目立つ傷は、河原牛の角にやられた傷で、これを治したのも彼だ。
エルバが精油を垂らしたお湯にタオルを浸け、絞ってから私の身体を拭う。
「あー。痣になってる。酷い」
背中を拭きながらエルバが嘆く。
「こっちも打ち身だ。湿布作らなきゃ」
一通り拭き上げて、エルバがタオルを投げて寄越す。
腕が使えない訳でもないので、流石に胸だの下着の中だの際どい所は自分で拭く。
エルバが作業机に向かっている間に、下着まで脱いで拭いてしまう。
精油が良い香りで、一通り拭うと、随分さっぱりした。
「あ、着替え」
「そこの篭」
「お、用意が良い」
振り向かずに言ったエルバの言葉で、篭の中の服を見付ける。
下着だけ着けて髪を拭いていると、もう良い? と声を掛けてからエルバが振り向く。
「髪も洗いたい」
「思ったよりマシだったから、右足を湯に浸けないなら明日行って良いよ」
「わぁい」
エルバが調薬したばかりの膏薬を、痣だのの上に塗って布を巻く。
足だけは別の薬を塗り添え木をして、しっかりきっちり包帯で巻き固める。
しかし凄い臭いだ。これでは動物から見たら大声で自己主張しているのも同じだ。
とてもじゃないが山には入れない。まあ数日は療養に始終しそうだが。
「はい終わり。夕飯作るから、さっさと食べて早く寝な」
「鳥たべたい」
「はいはい」
答えながら机の上を片付けて、エルバが調合室を出る。
篭の中から着替えを取り出しながら、私はその背中に声を掛けた。
「ありがとね、エルバ」
「うん」
部屋着に着替えをして、先に荷物を持って二階に上がる。
ここはエルバの師匠であるクラウト先生が昔、診療所として使っていた建物で、入院が必要な患者を受け入れられるようにと、二階には部屋が六つもある。
階段を上って廊下の左右に部屋がある。右手の三つある内、真ん中の部屋が私の部屋だ。
部屋に入って突き当たり。大きな窓の前にある机の上に荷物を乗せる。
荷物を解いて、洗ったり補充したりする必要の有る物を分ける。
包帯はほとんど使いきった。ナイフは研ぐべきだ。ブーツは紐はまだ大丈夫だけど、磨いて油を塗り直した方が良いだろう。血止めの薬は使ってないから大丈夫。
急ぎの物が無いことだけ確認して棚に荷物をしまい、普段用の平靴に履き換える。

65 :
ゆっくりと階段を下り、階段の向かいのリビングキッチンに入った。
鳥の焼ける香ばしい香り。油の跳ねる音。
食欲をそそる空間に、胃がくぅ、と鳴く。
「ごっはーん」
「もう少しだよ。パン切っといて」
フライパンと向き合いながらエルバが言う。
「はいよー」
答えて、戸棚から丸い白パンとパンナイフを取り出して何枚か切り分ける。
篭に入れたパンを食卓の上に置く。それからバターの壷とオリーブオイルの瓶を出す。
エルバが卓の上に皿を並べる。メニューは鳥のムニエルにサラダにスープ。
私はその周りに木の柄のナイフとフォークを並べる。
最後に席に着き、木のコップに水差しから水を注いで軽く掲げる。
「狩りの女神に」
「友人の帰還に」
私とエルバ、それぞれ述べて食事に掛かった。
薄く小麦粉をまぶして焼いた鳥は、外側はサクッと仕上がっているが、ナイフを入れると肉汁が溢れる絶妙な火の通り方。バジルのソースはパンに良く合う。
スープには何種類かのキノコが入っていて、咬むほど味が出る。
サラダは普通の農家で作っている野菜の他に、エルバが育てたり摘んだりしてきたハーブが入っていて、少し独特の味がする。
偉く久しぶりに感じる文明的で家庭的な味に舌鼓を打つ。エルバのごはんは美味しい。
「どこまで狩りに行ってたの。こっちは気が気じゃ無かったんだから」
鳥を切り分けながらエルバが尋ねる。
「いつもの北。ゴブリンに追いかけられて崖から落ちたの。あー、そうだ。ゴブリンの群、ギルドに報告しなきゃ」
答えながら一人語ちる。ゴブリンやオークのような危険指定種は遭遇情報の報告が推奨されている。
少ないが報奨金も貰えるので、私はまめに報告する方だ。これがもっと上位の殲滅指定種だと、報告は義務になったりするが、これは別の話だ。
「無茶なことするなぁもう……」
エルバがボヤく。
「ゴブリンが出たのは私のせいじゃ無いって。そっちは何も無かった?」
「うん。こっちはいつも通り。今日、狩りで怪我したって人が来たけど、三日位じゃギルドの所属の人達は心配もしてなかった」
「そりゃあねえ。私は一日置きには帰ってるけど、一週間位山に籠もりっぱなしって奴も居るし」
「これだから冒険者って奴は……」
「それは置いといてワイン飲みたい」
「却下」
「けちー」
「無駄に血行良くすると足が痛むだろ」
溜息を吐きながらエルバが言う。
「酒は百薬の長と」
「物理的損傷には効きません」
屁理屈はぴしゃりと切って捨てられた。
「ほら、もう寝な。寝た方が治りが良いんだから」
食事が終わるなり、片付けは良いから、とエルバに促され
「んー。分かった。おやすみ」
「おやすみ、レヴィン」
挨拶を交わして二階に上がる。
これまた偉く久しぶりに感じる布団に横になると、それまでの疲れがどっと出て来て、未だ早い時間にも限らず、私は泥のような眠りに落ちた。

66 :
以上です。新キャラ登場回。
オオヅノは多分レヴィンの羽織ってた布クンカクンカしてる頃。
一人ぼっちは寂しいもんな。

67 :
あっなんかレヴィンがかっこよかったのが、今回は可愛い!

68 :
>>66
GJです!
好きな子の匂いを嗅ぐのは基本だよね

69 :
保守

70 :
谷山浩子の曲、女ヤンデレも多いけど、男ヤンデレの曲も中々素晴らしい。
個人的には王国、仇、第2の夢・骨の駅、SAKANA-GIRL辺りがオススメ。
特にSAKANA-GIRLが電波でカニバで最高。

71 :
まさかこのスレで浩子さんの名前を目にするなんて
森へおいでもすごく良い怖い

72 :
ヤンデレなら心中とかも良いと思う

73 :
惨事男はね

74 :
惨事女もね

75 :
正常とヤンデレの境目を考え始めたら夜も眠れない

76 :
昔どこで読んだか忘れたんだが
ヒロインがヤンデレホイホイな女子校生で
周囲の教師や先輩やetc・・が協力して?拉致監禁で共有するってのがあった
暗闇で複数の男たちから無理やり犯されたりプレイを強要されたりとの
ヒロイン視点からばかりなので
ヤンデレ達がどうやって共存してるのか不明なままエタったけど
(ヒロインが拉致前の過去の思い出を思い出す→その時に犯してるのがその男だろうなってわかるような書き方)
ヤンデレ男たちが共有する感覚ってのも面白いなぁと思ってた。
でも続いてたらヤンデレ達が結局はし合ってヤンデレ蠱毒になっていたのかなぁ・・・

77 :
ほしゅ!

78 :
さあ早くそのたいとるを思い出すんだ!

79 :
ヤンデレと複数プレイとかなにそれ恐ろしい

80 :
このスレまだ残ってたんですね。嬉しい。
興奮に任せて投下します。勢いだけ。ワンパターンな上に、無駄に長いです。
※※※


美容室からの帰り道だった。
あの日、私はどうしても気晴らしがしたくて、じっとしていられなくて、授業が終わると、教室を飛び出していた。
その足で、馴染みの美容室へと向かった。
変えたかった。髪型だけでも良いから。
今までの自分とは違う自分へ。ただ、それだけだった。
なのに、どうしてだろう。こんなことになったのは。
過ちは覚えている。家路の途中、古書店に寄った。路地裏の小さな店舗。顔見知りの店員。甘い、年代物の書誌の香りに、軋んだ古い床板。
全てが、見慣れたもの特有の、あの軽やかな安心感に包まれていた。
見るともなしに本を眺め、目当ての雑誌を購入し、店を出た。
過ちは覚えている。店へ立ち寄った事だ。
過ちは覚えている。どうして私は、すぐに店を立ち去らなかったのだろう。
50mを過ぎた辺りで、突如、腕を掴まれた。
振り返ると、古書店の店員が居た。
「鞄の中を、見せてくれる?」
息も乱さず、優しく微笑みながらそう言った男の指先は、途方もなく力強かった。

81 :
いやなんです
あなたのいつてしまうのが 
花よりさきに実のなるやうな
種子よりさきに芽の出るやうな
夏から春のすぐ来るやうな
そんな理屈に合はない不自然を
どうかしないでゐて下さい――……
          ※
乾いた室内に、男の声が響く。
抑揚なく読まれる詩は、中身がどうであれ、陰気で不気味なものに聞こえるのは変わりない。
マナは、耳を塞いでいた手に力を込めた。
呪文のような不吉な声から、少しでも逃れたかった。
「『智恵子抄 人に』。高村光太郎が、愛する智恵子に贈ったと言われる詩だけど……」
パタン。と本を閉じた音と同時に、男が話しかけて来た。
それを合図に、マナは涙を拭いて顔を上げる。
視線の先で、男が静かに微笑んでいた。朗読のあとに、講釈が始まるのは、いつものことだった。
「この詩で、高村光太郎は、縁談話を受けようとする智恵子の事を『その身を売るきになれるんです。あなたはその身を売るんです』と、
まあ暗に貶めているんだけど、その実、光太郎は、智恵子を手に入れたその日から、彼女を徹底して美化することで精神的に束縛してしまうんだよね。
俺は、光太郎の妄想的な愛情が、晩年の智恵子を壊したんだって本気でそう思っているんだけど、君はどう思う?」
「……分かりません」
「分かりません、ね。いつもその返事だな」
男が、低い声で笑う。
マナは、男の低い笑いを無視する事が出来ない。
嘲笑されている事は確実なのに、男の声は、かえって透明に響くようで、自然と染み込んでくるのだ。
その感覚に、いつも恐怖する。
「君に少しでも反省の意があれば、もっと楽しい会話が出来ると思うんだけど」
「……」
「身が入らない?」
「……」
「君が盗んだこの本が、どれだけ価値があるものか、教育しようとしているんだけど」
「……私、盗んでいません」
「まだ、言うんだソレ」
男はまた低く笑った。
あの日、世界の全てが暗転した。その瞬間を、マナは忘れられない。
『最近多いんだよね。君みたいな子』
そう言った男は、古書店の店員だった。期間にムラがあるが、三年程前から、あの店で顔を合わせている。
話しかけられたのは初めてで、ましてや、腕を掴まれる事なんてありえなかった。
鞄の中を見せてくれる?と協力を求めてきた男は、実際のところ、何の許可も得ずに自分の鞄の中を物色し始めた。
呆気に取られて硬直していると、男は、一冊の本を取り出した。
赤茶けた表紙の、古い本だった。
その書籍が、何故自分の鞄の中に入っていたのか、マナには到底見当もつかなかった。
『一週間ぐらい前にも警察に処理して貰ったんだけど、君達って懲りないの?』
男の言葉で、ようやく自分が追求されている事に気付いた。

82 :
『え、何ですか。し、知りません! 私……そんなの』
『シラをきるつもり? 鞄の中に入っていたのに?』
『本当に知りません。あの、私本当に』
『万引きするやつは、大抵そう言う』
万引き。
瞬時に、顔から血の気が引いていく。
『ま、万引きって、何が……私が?』
『君さ、さっきウチの店で、この本を手にとって見ていたよね』
男の手元に視線を落として確認する。
確かに、その本を手に取った覚えがある。だが、それだけだ。
普段から、古書を眺めるのが好きだった。古い装丁。インクの匂い。ザラつく手触り。
自分の知らない時代が、まだそこに息づいているようで、郷愁にも似た物懐かしい思いを感じられるその感覚がマナは好きだった。
だが、そこに金銭的な価値を見出したことは一度もない。窃盗だなんて、尚更だ。
マナは狼狽した。猜疑の目を向けられている。そんな経験は、生まれて初めてだ。
『見たのは事実です……でも、万引きしようだなんて思いません。何か、偶然に、鞄の中に入ったとか』
『偶然、ね』
切り口上で、男は、マナの目の前に本を突き出した。
冷めた双眸。なんともない、と言った様子で、題名を読み上げる。
『【高村光太郎著 智恵子抄】初版本。これ、オークションにかければ3万超えは確実な代物なんだけど、こんな偶然を信じろって?』
『あ……私…』
『あのさぁ。話してても埒が明かないから、警察呼んでいい?』
肺に、氷水を流し込まれたかのように、冷気が全身に走った。
足が震え、途端に呂律が回らなくなる。
(ケイサツ?)
頭の中の混沌が、痛いほどだった。
『けいさ、警察ですか?』
『そう、警察』
男が不意に視線を逸らした。
冷然とした横顔からは、感情は読み取れない。
『君が盗んでないっていうんなら、そう警察に言えばいい。言い分があるみたいだし。でも、俺も事実を言うから。
君の指紋がついてる時点で、話は終わっているようなものだけど』
『ま、待ってください』
『とりあえず、店来て。あ、いや、戻らなくてもいいや。あそこに行こ。そのほうが早い』
男は、道先の向こうにかろうじて見える小さな施設を指差して言った。
マナは愕然とした。その建物が何かを知っている。交番だ。
『お願いです。待ってください……お願いです』
歩き出した男を、必で呼び止める。
『お願いします! 待ってください!』
『なに?』
無感情に自分を見つめる男の瞳に、萎縮した。
それでも、声を絞り出して言った。
『お願いします……話を聞いてください…』
『警察は、嫌ってこと?』
震えながら頷いた。
『じゃあ、学校に連絡する?』
大きく首を振った。反動で、体がよろけた。
男が咄嗟に支える。
縋りたくもないのに、マナはその腕に縋りついてしまった。
足元が縺れてふらつく。殆ど力が入らない。脱力しきった腰から下の感覚がなかった。
マナは自分の体を呪った。頭が混乱して、自分を威迫してくる男の手の平の温かさにすら、涙が出そうだった。
男は、相変わらず涼しい顔をしている。
『じゃあ親を呼ぶ? なにがしたいの。言ってよ』
涙がこぼれる。解決策なんて分からなかった。
だから、懇願する事しか出来なかった。

83 :
『誰にも、言わないで下さい。お願いします……』
──出来るだけのことは、しますから。
沈黙が続く。針のような鋭い空気に耐えながら、マナは、ただひたすら男の腕を握り締めていた。
男の腕が僅かに動く。
『君、名前は?』
名前を聞かれた。若者らしい、澄んだ声で。
『……木原愛』
『キハラマナちゃん、ね』
男の暖かい指先に、力が戻る。
何を言うでもないが、交渉が成立したのだと、マナは理解した。

         ※

「俺さ、体温高いらしくって、いつも手が熱いんだよね」
男は、『薫』と名乗った。この古書店の店主の孫で、三年ほど前から、大学の夏休みを利用して店舗を手伝っているのだと説明した。
薫は、平均的な大学生の容貌をしている。遊ぶことにも、勉学することにも慣れた、学生らしい学生だった。
この古書店は、一般的な古本屋とは本の種類を画しており、希少な学術書や、絶版の文芸書や美術書を主に取り扱う事で固定客を獲得して、
売り上げを維持しているらしかった。それが、同時に学生達の小遣い稼ぎの標的にもなっていて、迷惑しているのだと、あの日、薫は言った。
「だからなんだ、って事はないんだけど、女の子には好評みたいでさ。触ってあげると大抵喜んでくれるんだよね」
ベッド脇に座り込んでいるマナは、薫の言葉を聞かないように、耳を塞ぐ。
早く時間が過ぎてくれと、切に願う。
「マナちゃんも、俺の手、気持ちいい?」
語りかけてくる男の声を無視する。
何日たっても、どれだけ慣らされても、怖いものは怖かった。
体の震えも、止まる気配がない。
「……いい加減、こっち向いたら?」
薫が、面白くなさそうにため息を吐く。
パラパラと、頁をめくる音がまた室内に響いた。
パラパラ…パラ、パラ。
意思のこもらない怠惰な間隔が、鬱陶しい。
我慢できずに、マナは叫んだ。
「もうやめてください! こんな……毎日毎日、嫌がらせ……もうたくさんです!」
薫は、本を床に置いて、足を組み替えた。
無機的な眼でマナを一瞥する。
薫は、あの日から継続的にマナを店へと呼び出していた。
『教育』と称して、『盗品』の本を朗読し、事後に感想を求めることで彼女の精神を抑圧していた。
そして最後に、奉仕を要求する。
マナは疲弊し、食事も取れないほどだった。
「……また、人を悪者みたいに」
薫は、再度短く息を吐いた。
マナの非難を何とも思っていない。退屈そうに、首筋を揉んでいる。
「強気だね。君は」
「だって、私は」
「盗んでないって?」

84 :
マナは言葉に詰まる。
だが、躊躇したのは、一瞬だった。
「……警察を呼んだら、困るのは、薫さんなんじゃないですか」
「俺が?」
薫が、椅子から立ち上がる。
マナの体を引き上げ、ベットへと腰掛けさせる。
マナは逃れようと身を捩ったが、薫の熱い手のひらが、肩を押さえた。
「マナちゃんは、困らないの?」
耳元で囁かれた。ぞくりとするような、落ち着いた声色だ。
マナは思わず顔を逸らす。
頬が紅潮して、口の中が干上がるようだった。
端然とした薫の態度に、不安を覚えたのだ。
爆発させた威勢は、どこへ行ったのか。はや収束の一途を辿っている。
汗が流れる。薫が怖かった。
「……何がですか」
「なにがって」
薫の指先が、薄い皮膚の表面をなぞる。
それだけで、マナの血は沸き立ち、太股が鮮やかに染まった。
「御両親に、この事がバレても」
マナは、薫を睨み付けたが、効果がなかった。
逆に、要求された。
「口、あけろよ」
男の一言に、マナは青ざめた。
「やだ……」
「なんで?」
「……なんでって」
「あの日は、あんなに素直だったのに?」
「やめてください!!」
マナは、薫の手を払いのける。
──鮮明に記憶が蘇る。戻った店舗。消えた電灯。
閉ざされた書庫の中で、マナは薫に抱かれた。
苦痛で始まった行為だったが、忘失するまで、何度も体を合わせた。
何度も何度も。濡れた肢体が、乾く間もないほど。
「……やだ…」
吐き気がこみあがる。薫にではない。自分にだ。
「警察を呼ぶって事は、ご両親にばらしてもいいって事でしょ? あなたの娘さんは、万引きした罪を帳消しにする為に、男に股を開きましたって言っていいの?
フェラして、精液飲んで、あそこを舐められて、何度もイキましたって」
「やだ!!」
「言っていいんでしょ? あなたの娘さんは、もう処女じゃないんですよって」
「やめて!!」
「……」
「……やめて」
「覚悟がないんだったら、最初から言わなければいいのに」
マナが震えて身をかがめていても、薫は特に気にしない。
平然として、変わらない口調でマナに命令する。
「足、広げて」
流れる空気が変質する。
もとからある筈もなかったが、薫が決定権を握ったのだ。
マナにはもう、拒否する機会はない。
それでも黙っていると、薫は催促しだした。時間の無駄だと言いたげに。
「分かってるだろ? 服脱いで」
「……」

85 :
マナは言われたとおりに、服を脱いだ。制服、スカート。靴下と、下着姿になる。
薫は、側に寄せた椅子に座り直して、その様子を眺めていた。
学校指定の、校章入りのハイソックスに手をかけたところで、椅子から立ち上がった。
マナの髪を掴み、強引に口付けをする。
性急で、暴虐な薫の舌に驚き、思わずマナはベッドに倒れ込んだ。
マナの上体を引き上げながら、薫は苦笑した。
高い体温とは裏腹に、薫の冷たい唇は、マナに爬虫類を思い起こさせる。
「まだ慣れないの?」
「……」
マナは沈黙に徹する。
「口あけろよ」
言われたとおりに口を開くと、生ぬるい粘膜の接触が始まった。
この行為は、いくら経験しても、違和感しか覚えない。
一掴み程の暖かい肉塊は、どうしても人間の付属品だとは思えなく、いつも奇妙な感覚に囚われる。
それでも、一定の手順を取れば、幼い肉体でも順当に反応していくようで、薫が舌を抜く頃には
マナの頬は色づき、瞳が潤み始めていた。
薫は微笑んだ。
マナの唇に指先を押し付ける。
やはり、熱い指だった。
「可愛いよ。マナちゃん」
首筋、耳たぶ、胸の谷間。鳩尾から、臍へ。薫の口付けが下りていく。
ベッド脇にひざをつき、マナの足首を持ち上げる。
ハイソックスを脱がし、幼く清らかな膝頭を口に含んだ。
マナは羞恥に、身を竦めた。
年上の男性を傅(かしず)かせているようで、その光景に嫌悪を覚えた。
淫猥さに、顔を背けたくなる。
「やだ! 薫さんやめて!」
「大人しくしててよ」
薫は、マナの抗議に取り合わない。どんな場面でも、自分が奉仕する側に回っても、主導権が変わらない事をわかっている。
細くて幼い足の輪郭を、舌と指先を使って堪能する。
シミもなく、傷跡一つない白磁の美しい流線は、香るほのかな体臭すら甘く、薫は満足げに口元を綻ばせた。
「『愛』と書いて、『マナ』ね。ご両親は、本当に君が愛しくてたまらないんだろうな」
「……っ、な、にが」
薫の淫靡な動作の一つ一つに、マナは歯噛みする。
足の裏に舌が回る。普段は滅多に触れられる事のない場所への愛撫は、予測すらしていなかった為に、防御のしようもない。
未体験な刺激に、マナの体は大袈裟に揺れてしまう。
体の内側が熱い。奇妙な感触。もどかしい快感の波に、腰が捩れていく。
呼吸が隘路され、雑多な思考に脳内が侵食されていくようだった。
マナは、無意識のうちに拒絶の言葉を口にした。
薫は、そんな少女の稚拙な反応を、微笑みで受け止めて、軽く流す。
「大切に育てられてきたんだろ?」
「や、やだ」
「体を見ていれば分かるよ。ご両親がどれだけ君を大事に思って、どれだけの愛情を注いできたのか」
「ひっ、あ」
「君は、天使なんだね。汚れのない純白の天使。俺は、そんな君を汚してるんだけど」
薫は、一旦、舌を休めてマナの足をみつめた。
手のひらに乗る、小さな足先。
薄桃色に火照っている、可愛らしいその様に、つい、歯を立ててしまう。
「いたっ、や……、やめてっ」
「感じた?」

86 :
薫の唾液で濡れた肌は、冷気を帯びて、むず痒い。
熱い、寒い、くすぐったい、痛い。でも、気持ちいい。
異なる鋭敏な感覚は、喉元で交わり、快感の熱波となって脳内へと流入してくる。
マナは競りあがってくる甘い疼きを、ただ只管に、息をして耐えた。
圧された吐息は、紅色の血潮となり、体の表面へ顕在化する。
薫は、笑った。
マナの一貫した頑迷さには辟易する。無駄な労力を費やしてると思う。その事に気付いていないマナは、幼稚で愚昧だ。
だが、薫は、マナのその他愛ない児戯に付き合うのが嫌いではない。
「君がこんなに淫乱だったなんて知ったら、ご両親はどう思うかな」
「……」
「我慢しないで、気持ち良くなっちゃえばいいのに」
「……」
「足、開けよ」
「いやだ」
「強情だね」
強引に開かれた。マナは短い悲鳴をあげた。
だが、その叫びも、下腹部に走った強い刺激で飛散してしまう。
男の舌先が、柔らかい肉の丘に到達したのだ。
内包した熱が、溶けて溢れ出る。
「い、いやだ」
上下の下着が押しのけられて、一番触れて欲しくない聖域を陵辱される。
布一枚。なんの障壁にもならない。
与えられる感覚は、想像以上に、けざやかで強大だ。
「っあ…、ん、や」
「気持ちいいだろ」
「は、あ……やだ…いやだ、も」
「やだ? どこが?」
流石に、薫は女の扱いに慣れているようで、何の加減をする事もなく弱点を攻め立てる。
女体の本質を熟知した男の性技ほど、厄介なものはない。
薫は、絶望的な緻密さで、マナの体を弄んだ。
含まれた悦楽の芽は、歯で、唇で、舌で、蹂躙される。
執拗になぶられる秘芯。蜜を含んだ美肉の割れ目に、指が挿入される。
「ほら」
「あっ、あっ、いやっ……」
吟味し、指圧し、攪拌する。
解けた熱線が、発火し、まるで火傷したようだった。
薫は、期待通りの反応に満足した。
爛れて、溶け出した熱い体液は、塞ぐものを欲しがっている。
マナは唇をかみ締める事で、体内から湧き上がる願望を黙しようとしていたが、薫は、許さなかった。
「欲しがってるよ?」
「……っ、しらない」
「なんで? こんなにひくついているのに」
薫が指を動かすと、粘膜が卑猥な音を立てた。
暴かれた欲求に、マナは赤面した。
「可哀想だから、入れてあげるね」
「やだ! やめて!!」
衣服から取り出された薫の先端が、止める間もなく肉にのめり込む。
薫は、マナの腰を持ち上げて、彼女にもよく見えるようにと殊更ゆっくりと腰を押し進めた。
頑強な男根が、自身の秘部に侵入してくる。
柔らかな肉の抵抗が、かえって男の形を明瞭とさせていくようで、マナは恐怖と失望を感じた。
薫の形なんて、覚えたくない。
「キツくて気持ち良いよ。マナちゃん」
「や、いや……やだ」

87 :
充血して膨らんだ肉ひだは、蜜で潤った精巧な花弁だ。
ひたすら拒絶する意識とは裏腹に、受精の予感に身を弾ませた花びらは、包み込むように薫の陰茎を捕捉する。
淫らな粘膜は、もっと奥深くまでと、充実した肉体を要求していた。
薫は本能に応えた。当然、マナの意思は無視される。
「あ、…っいや、や、ひ…んあっ! あ! 薫さっ──」
「キツッ……少しは協力してよ」
動きだした歯車は、動力が切れるまで止まる事はない。
抽出の巧みさに、マナは泣き声をあげるが、やはり薫は意に介さない。
薫の肉茎は、マナの快楽を抉り出すことに執着している。
狭い花園は、薫を飲み込んで離さない。湿潤の誘惑に、薫は感嘆の息を洩らす。
発達した成人の筋肉は、少女の体を揺さぶる事など訳無い。
薫は、マナの腰を持ち上げたまま、緩急をつけて悪戯に少女の性感を拷問した。
絶妙な腰使いは、マナの正常な領域を犯す。
頭の中に残っていた理性が、端から順に落とされていく。
堕落する。
抵抗の証である拒絶の言葉は、いまや快楽に追従するだけの喘ぎ声となっていた。
摩擦される分泌腺。膨張し、逼迫する悦楽の激流。
破裂したら、人はぬのだろうか。
「薫さっ、あ、っく……! 許してくださ……ごめんなさっ…もう、私」
「前にも言ったと思うけどさ」
薫の舌が唇を這う。
濡れて放熱する男の舌は、細い顎に似合わないぐらい肉厚だ。
「謝罪はいらない」
深くなった挿入。抱き締められ、体が潰された。
「は……苦し…」
「君が手に入れば、それでいい」
暴力的な早さと質量が、マナを襲った。
膣が収縮する。体が、更なる快感を迎え入れようと準備している。
昂ぶりに押されて、腕を伸ばす。男の背中に触れた。一瞬で融合した。
一分の隙も無かった。
衝動が湧き上がる。ただそれだけで、憎しみも戸惑いもなかった。
男の露骨な腰の動きが、たまらなく気持ち良い。
もっと、入れて。早くその先まで、連れて行って欲しかった。
足を絡めて抱き込む。薫の熱い呼吸が、肩先にあたる。
意識の天蓋。明滅する光が交錯する場所が見える。最後に映るのは、白か黒か。
「ひぁ!っあああ! あ……っ」
「マナちゃん、イッて。俺も……限界」
回転し、交わり、爆発する。爆ぜた。同様に、自分も。
性の一番欲深な場所が、男の形に彩られていく。
恍惚の中で、マナは汚れた天井を見上げていた。
自分が何故、泣いてるのか分からなかった。

88 :
       ※
携帯の着信音で、目が覚めた。
マナは、鞄を置いていた場所へと目を向けた。
扉の近くに置いていたと思うが、どこにあるのか分からない。部屋の中は、冷涼な夜の闇に包まれて、何も見えなかった。
ふいに、視界の隅で動くものがあった。
ベッドの端に座った薫が、白いTシャツを着ているところだった。
「起きた?」
視線を感じたのか、薫が振り向く。
「水飲む?」
白いシャツを着用した薫は、幾分か若やいで見える。
自分を脅した事も、欲望のままに貪った事も、欠片も感じさせない。清潔な若さを、正常にまとっている。
マナは薫の顔を凝視した。善良な青年にも見えるこの男は、本当に先程の人物と同じなのだろうか。
暗闇は濃く、僅かな明りだけでは判別出来ないので、マナは諦めた。
「……いらない」
「そう」
甘い香りがした。焦げた糖蜜のような濃い香り。それが自分の匂いなのか、薫の体臭なのかは分からない。
肺に溜まった空気を吐く。
薫が、側で見ている気配がする。
薫に抱かれるまで、マナは、男という生き物は優しくて曖昧なものだと思っていた。
単純で、純粋で。単純過ぎるからこそ、取りとめのないものだと。
生まれて初めて人を好きになった。
優柔不断な人だったが、はにかむ笑顔が可愛くて、好意を持った。
気持ちが破裂する寸前に、思いを伝えた。
受け止めて貰えなかった。好きな人には、相手がいた。
(……呆気なかったなぁ)
崖から飛び降りるつもりで告白をしても、結果は他愛もない。
初恋は、簡単に終幕を迎える。
だから、自分を変えることにした。
美容室に行き、髪を染め、少しだけ化粧をしてもらった。
可愛いくなったね。と、誰かに褒めて欲しかった。ただ、それだけだった。
『君みたいな女子高生の話を、誰が信じるの?』
声が蘇る。
乾いた目尻を潤してるのは、一体誰の吐息だろう。
水底に沈んでいるかのように、体は重たくまどろんでいる。
薫は、冴えた眼差しでじっとマナを見下ろしていた。
快楽の余韻で、唇が血の色に染まっている。栗色の柔らかな髪の毛が、白熱灯の下、透けて輝いていた。
マナは瞼を閉じた。暖かい涙が、また一筋流れた。
「……薫さん」
「うん?」
男の声は、何処までも穏やかだ。
「本当は、私が万引きしたかなんて……どうでもよかったんでしょ?」
「……」
薫は無言のまま、蒸気したマナの頬に指先を当てた。
勿論、熱い指先だった。

89 :
        ※
薫に手を引かれたまま、マナは階段の先を進む。
見せたいものがあるのだと、薫は、行為のあとで言った。
抗う気力もなかった。
マナの体力が戻るまで、薫は誠実に、真摯にマナの体を扱った。
髪を梳き、体液で汚れた体を拭いて、甲斐甲斐しく服を着せた。
何度もマナの体を褒め、「可愛い」と囁いた。
その言葉は、何処にも引っかかる事なく、マナの思考から流れ落ちて行った。
薄暗い廊下は、無声映画に出てくる刑務所のようで、自然と、処刑場へと向う刑囚を連想させる。
薫が、部屋の扉の前で立ち止まる。錠がついていた。自室のようだった。
(お手伝いで来てるんじゃなかったっけ)
湧いた疑問は、言葉にする前に口の中で分裂して、やがて綿飴のように消失した。
どうでも良かった。
ただ、呆っと、薫の後ろ姿を眺めていた。
青年らしい、健康的な骨格。
薄い生地の下から出来損ないの翼な肩甲骨が広がっている。
同級生とは違う後姿だった。だが、父親とも違う。幼くも、成熟しているようにも見える。
ふいに、理不尽な思いに囚われた。
何故、自分がここにいるのか分からなくなった。
思わず、言葉がこぼれ出ていた。
「なんで……」
「何?」薫が振り向く。
「なんで私、こんな目に合ってるの? ただ、気晴らしがしたかっただけだよ。可愛くして、忘れたかっただけ。誰だって嫌なことがあったらするでしょ? なのに、何で、どうして私だけこんな……」
一度吐き出してしまえば、あとはもう流れて行くだけで。
溢れた涙は留まることも出来ずに、マナはひたすら嗚咽を繰り返した。
全てが許せなかった。
これが運命だと言うのなら、人間なんてロクでもない。人生なんて無いのと等しいと思った。
薫は沈黙したまま腕を離さない。
それどころか、指先に僅かに力を込めたようだった。
「……だから、許せなくなったんだよ」
低く呟いた薫の声に、マナは思わず顔を上げる。
薫の瞳は、まっすぐにマナを見据えている。
だが、酷く無表情で、何を考えているのかは把握出来ない。
「……薫さん?」
悪寒を感じた。
逃げるつもりで引いた体が、薫の強い力で引き戻されてしまった。
「痛い!」
「嫌な事があって、ね。それで、自分を変えたくなる気持ちは分かるよ。問題はそこじゃない。君は、失恋したんだろ?」
薫は、もう一方の空いた手で、静かに部屋の鍵を回す。施錠がガチャリと音を立てて解除される。その音が、何よりも不気味に思えた。
「薫さん……」
「女が、失恋すると気分を変えたくなるって、よく知ってるよ。友達もやっていたし」
「薫さん。やだ、入りたくない」
マナは、後ずさりをした。部屋に、入りたくなかった。
「やだ、いやだ。やめて!」
予感がした。この先は、きっと……もっと『酷いこと』がある。
処女を失うよりも、篭絡されるよりも。ずっと。酷いことが。
「まあ、簡単に言えば逃避行為だよね。一般的だと思うよ、理解出来る。でも、俺が許せなかったのは──」
扉が、硬質な音を立てて開かれる。
逃げる間もなく、マナは部屋の中へと突き飛ばされた。
「っい──……」
強かに床板に体をぶつけた。衝撃に、息が詰まる。
背中から胸にかけて引き千切れるような激痛を感じたが、ぬ思いでようやく呼吸を再開した。
体の側に、薫の足元が見えた。
逃げるつもりで身を起こした。見上げた。
視界に映ったのは、自分の顔だった。

90 :
「なに────」
壁面いっぱいに異質なものが広がっていた。見渡す限りの写真。写真写真写真写真。
どれにも、思い当たりがなかった。それなのに、どの写真にも、自分の姿が写っている。
「なにコレ。わ、私? 何が……」
背後で、音がした。耳障りな、扉が閉まる音。
薫が鍵をかけていた。横顔は、いつものように冷めている。
「君が、その美しい髪を染めた事を、俺は怒らない。君が、その唇を汚した事も、俺は責めないよ。俺が大好きだった君の髪も、俺がキスをして舌を入れて愛する筈だった唇も、君がなんの躊躇もせず切り捨てた事を、俺は怒らない。だけど」
振り向いた唇が、ゆっくりと、笑みの形に開かれる。
「君が、たった一人の、何の取り得もない頭の悪そうなガキに、心を乱されたのは、許せない。あんなクソガキに簡単に傷つけられて、泣いて、動揺するなんて、許せない。酷い裏切りだ。侮辱だよ。俺への、君自身への。
君は、そんな低俗な存在じゃないだろう?だって、君は、何に代えても高潔な存在でいるべきだったんだ」
目の前の男は、明らかに常軌を逸していた。
マナは、呆然とした。理解が出来なかった。
何を言っているの?
聞きたかったが、言葉は頭の中で去来するだけで、一向に喉に降りていかない。
舌が硬化して、重い石が口内に張り付いているようだった。
「俺は、君を見ていたよ」
薫の指先が、マナの頬に辿りつく。
男の瞳は、遼遠の幻を見ているかのように、暗くて空(うつ)ろだ。
どこを見ているのか。少なくても、目の前にいる自分ではない。
ただ、唇だけが熱心に愛を囁いている。
「君が、少しだけ体を傾けて歩く癖が好きだった」
喉が熱い。なのに何故だろう。体が冷えていく。
「本を触る指先が好きだった。風に香る、甘い匂いが好きだった。ありがとうございます。って、小さく呟く君の声が好きだった。
せめて、君が高校を卒業するまではと、思っていたんだけど──……」
男が一呼吸置く。
その沈黙が、何を意味するのかは聞かなくても予測出来た。
「やめた。待っていたって、何の得にもならない」
マナは暴れた。
頬に宛がわれていた男の指が、するりと首筋を滑っていく。
抵抗する間もなく、腕を掴まれた。
「ひっ!」
「いつまで床に転がってるの? ほら、立って」
掴まれた腕が、痺れて痛い。
あの時と同じように、恐怖で喉が圧迫される。
声が出ない。息も出来ない。
誰か、助けて。そう思うのに、体が床から離れない。
「ベッドに行く気がないなら、それでもいいけど。俺は、君が抱ければどこだっていいんだから」
「や、いやだ──」
「そんなに暴れるなよ。なぁ、マナちゃん」
目の前の男は、優しく微笑む。
あの日と1ミリも変わらない、同じ笑みで。
「君は、俺だけの天使だよ」
被さる吐息は、すぐに押し流された。
代わりに口の中に広がったのは、熱い肉の塊。
男の、低い朗読の声が、耳の中でこだましている。
やがて、夜風の音すらも、マナには聞こえなくなった。

いやなんです
あなたのいつてしまふのが――
浪の砕けるあの悲しい自棄のこころ
はかない 淋しい 焼けつく様な
――それでも恋とはちがひます
サンタマリア
ちがひます ちがひます
何がどうとはもとより知らねど
いやなんです
あなたのいつてしまふのが――

91 :
×白熱灯の下、透けて輝いていた→○薄明かりの中、透けて見えた。
×出来損ないの翼な肩甲骨→○出来損ないの翼にも似た、肩甲骨
終わり。高村光太郎って、崇拝型ヤンデレ男の典型っぽいと思いました。

92 :
おもしろかった!!!gj!!
しかし、こんな目に遭ったらマナちゃん気が狂れてしまいそうだな…

93 :
うおおお!投下乙!!
こういうパッと見まともそうなのに静かにいっちゃってる感じの男大好きだわ

94 :
素晴らしい!GJ!!
官 能 小 説!って感じで読み応えが有った

95 :2013/10/04
はりついててよかった!!
GJ!!この盲目さと見た目のまともさのギャップがたまらん!
最高ですぜ…
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