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2013年10エロパロ712: 【ドラマ】眠れる森の熟女でエロパロ (118) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【ドラマ】眠れる森の熟女でエロパロ


1 :2012/10/27 〜 最終レス :2013/06/07
草刈民代主演2012年NHKドラマ『眠れる森の熟女』
SS投下だけじゃなく、萌え話沢山したい!
ドラマ専用スレやその他ドラマ感想スレじゃとてもじゃないけど浮いてしまうかな?という
溢れ出る萌え妄想を、ここで語り合いましょ〜

2 :
個人的には千波さん妊娠未来の妄想してます
お金持ちーの祐輔相手だし、46歳という絶妙の経産婦という設定が希望ありで妄想しがいがある
祐輔も、千波さんとなら子供がほしい、彼女とでなきゃ子供は要らない、
そんな二人に子供が出来たらいいな〜
子供ができて幸せな家族をやっと作れる祐輔の幸せな姿を見たい!と思うのです

3 :
今夜はドラマ8話の再放送
恋をしてるのかどうか分からない祐輔のところに乗り込む夫、
離婚間際であるにも関わらず旦那風を吹かして若い男に立ちはだかる、
NTR属性も間男属性も美味しくいただける、なんともエロティックな回だ

4 :
見ててもどかしいな
くっついてほしいけどあと一話でくっつくのは唐突かもなあ
そんな二人のためにこのスレがあるのね
結局息子は父親のほうに行っちゃうのかな

5 :
息子が居ないことも把握した上で
ある日あの時のように居場所のなくなった祐輔が
千波の家のインターホンを押す…
そんなシチュエーションも萌える

6 :
個スレたてるほどのもんじゃないだろうに
TVスレで満足してろ

7 :
今夜君の家泊まっていい?と焼肉だけでセックスを暗示させるドラマ
千波さんと祐輔の初めての二人の夜は、
二人きりでいいからゆったりしたワルツのかかった部屋で
千波さんがリードしつつのダンスシーンをお願いしたい。
ゆっくり手を握りあって、千波さんにリードされつつ、たどたどしくダンスを踊る祐輔
大丈夫、安心して、呼吸を合わせて…二人で踊る空間と呼応を官能的にしっとりと描いて欲しい
そして朝チュン
ぜひとも続編でドラマ本編で希望。
とても本スレにはかけないのでここで吐き出すw

8 :
まあ結ばれることはなく、旦那と一緒に暮らしだすというつまんないストーリーだろうな。

9 :
ここでまでネガレスしなくていいしスレの趣旨にもあってないw

10 :
ここまで書き込みほぼ一人w

11 :
10が頑張ってんのか
ドラマ見終わるまでレス出来ないと眺めるだけだった

12 :
途中までハマり切れずドラマは全話見てないんだけどこのスレは気になってた
最終回後思いつくまま書いてみたが結構長いけど大丈夫かな?
本番さえ入れれたら他のあれこれは目をつぶってもらえると信じて書き切った
最終回の数ヶ月後の2人です
あと、なるべくご意見には添いたかったけどダンスは難易度高すぎて無理だった
ってか、>>7の文章の完成度が高いのでこれだけでおkではと思う
では10レス分投下させていただきます

13 :
「そ、う…支配人?」
夜9時も過ぎた頃、チャイムが鳴り息子かと浮き立って玄関に出てみれば、
そこに居たのは予想もしない人物だった。
「どうしたんですか?こんな時間に…」
そもそも、自宅を訪ねて来られるような間柄だっただろうか?
「…ろうも」
祐輔の呂律は、どこかおぼつかない。
「…酔ってるんですか?」
千波は目の前の男に怪訝な視線を投げかける。
そんな視線を避けるように、祐輔は顔を伏せて言った。
「…酔ってちゃ悪いですか」
「悪くはありませんけど…こんな時間に、急に訪ねて来るなんて…」
「訪ねて来ちゃ、悪いですか」
いつもはそれなりには礼儀をわきまえている青年なのに、今日はずいぶんと滅茶苦茶な言いようだ。
また何かあったのかな…と、千波は思う。
彼がしっかりしている見かけよりもずっと、生きていくのに不器用な青年だということを、
それなりの付き合いを経てきた千波は知っている。
ドアに寄りかかる祐輔の体が、前にゆらりと倒れ掛かり、千波は慌てて彼の体を支えた。
酒の匂いが鼻を突く。
「…杉浦が…」
「え?」
「もう時間がないとか急かせるから…」
「な、何にですか?」
抱き合う姿勢のままで、祐輔が千波にぐっと顔を寄せた。
千波は思わずのけぞる。
「あなたはもう産めないんですか?」
「は?」
「だから…もう子供は産めないのかと聞いている」
すぐには言葉の意味がつかめず、何度か言われた言葉を頭の中で復唱してやっと、
とんでもない質問をされたのだと千波は理解する。
「なっ、なんなんですか、急に!」
玄関先で大声を張り上げてしまい、千波はハッと我に返った。

14 :
「とっ、とにかく、中に入って」
ご近所にこんな会話は聞かせられないと、もたれかかる祐輔を急いで家に上げ、そのまま居間に寝転ばせた。
いつものキチンとした背広姿が見事に崩れ、すっかり酔っ払いの風情の祐輔は、
尻を突き出したユーモラスな姿勢でうつぶせながら、何やら寝言を呟いている。
しばらくその姿をぼんやり眺めていた千波だったが、やがてさっきの会話を思い出し、怒りがこみ上げてきた。
…デリケートな年齢の女性に、あんな質問をしてくるなんて。
「もう…この酔っ払い」
目の前に無防備に突き出された尻をペチンと叩く。
その途端、むくっと祐輔が起き上がった。
犬のように、ぶるんと頭を振ってから、まだトロンとした目でそばにいる千波を見る。
「こんなに酔って…一体何があったんですか」
立ち上がり、祐輔のために冷蔵庫の水をコップに注ぎながら、千波が問う。
「何が…?それより、ココ、どこですか」
「私のっ、家です!」
訝しげに祐輔が室内を見渡す。
そして、襲ってくる眠気と闘い顔を歪めながら、何やら自分の行動を振り返っているようだったが、
ようやくことの経緯を思い出したのか、ハッと目を見開いた。
戻ってきた千波が祐輔の前にコップを置く。
「それ飲んだら、帰ってくださいよ。
 こんな時間に若い男を引っ張り込んでいるなんて知れたら、何言われるかわかったもんじゃないんだから…」
その言葉に、コップに口をつけていた祐輔の顔が険しくなる。
千波は、慌てて言い足す。
「なっ、何か嫌なことがあったなら、それくらいは聞きますよ。
 私に話す気があれば、ですけど…」
ダンッとコップが机に叩きつけられ、千波はビクッと体を震わせた。
祐輔を見ると、どうもまだ酔いが残っているのか、完全に目がすわっている。
「なんですか、その他人行儀な言い様は」
「他人行儀って…」
「僕は誰にも見せない本当の顔をさらけ出して、今もあなたに手紙を書いていると言うのに…」
「わっ、私だってそうですよ?」
「ふん、どうだか。大体、あなたは顔もわからない人間にだって、悩みを打ち明けるような人だしな。
 別に僕じゃなくても、誰でもいいんでしょう、愚痴さえ吐き出せれば」
相手が酔っているとわかっていても、千波も腹が立ってきた。
「私がどれだけ特別な気持ちで手紙を書き続けているか、わからないのなら、もういいです。
 もし手紙が負担になってるなら、やめてくれたっていいんですよ?」
「やっぱり…あなたにとっては、あんな手紙なんて、いつやめたってかまわないような、そんなやり取りなんだ」
「だ・か・ら!」
この人は私にケンカを売りに来たんだろうか?と千波の怒りも頂点に達しようという時。
グッと肩を押されて、床に倒され、体を押し付けられた。

15 :
「それでも生憎、僕は手紙をやめる気はないんです。
 あなたを諦める気も無い」
え?
千波には、この状況になってなお、事の事態がよく理解できない。
しかし、そんな千波にはかまわず、祐輔が上から覆いかぶさってくる。
気付けば、千波はぎゅっと強い力で祐輔に抱きしめられていた。
「すぐさまどうこうとは思ってなかったけど…時間がないなら話は別だ」
「じ、時間がないって…」
「今まで自分の子供なんて考えもしてなかった。でも、あなたの子なら悪くないと思うようになっていたんだ。
 なのに時間切れで諦めるなんて…受け入れがたい」
千波の胸が鼓動を早める。
これは…告白なのだろうか?
しかも、お付き合いの申し込みをすっ飛ばして…。
「こっこっ子供って、あなた一体なんの話をっ」
「付き合うなんていつでも良かったけど、期限があることには早めに対応してないと」
祐輔の手が手馴れた仕草で千波の衣服を剥ぎ取っていく。
千波は懸命にその手を止めようとするが、祐輔はこれまた手馴れた仕草でその手を振り払う。
「待って、ね、ちょっと待って」
「しつこい人だな。ちょっとやることが早まっただけなんだ。もう少しあなたも協力してくれたっていいでしょう?」
どんな理屈だ!と千波は心の中で思い切り抗議の声を上げる。
「まだ私達、付き合ってさえいないでしょう!」
「じゃぁ、付き合いましょう」
「そんな申し込み、私されてませんよっ!?」
「じゃぁ、付き合ってください」
さも面倒臭い、というような祐輔の口ぶりに、千波は堪らなくなって、祐輔の体を突き飛ばした。
「じゃぁ、ってなんですか!じゃぁ、って!!」
祐輔に突然求められた驚きもあって、感情の高ぶった千波の目から涙が零れ落ちる。
強く胸を押され、ケホケホ咳き込みながら、ようやく祐輔が体を離した。
しばらくの気まずい沈黙の後、先に口を開いたのは祐輔だった。

16 :
「…あなたが悪いんだ」
身勝手な祐輔の言葉に、千波は半ばウンザリとした気持ちになる。
「…家族なんて、一生作る気はなかった。
 例え形式だけの結婚をしても、その相手を家族だと思うことなどないと思っていた。
 なのに…あなたに会ってから、僕の考えがどんどん変わっていってしまう…」
ぽつりぽつりと呟かれる言葉に、いったんはしぼんだ千波の心が少しずつ息を吹き返す。
「初めて、もっと会いたいと思った人なのに…あなたに会えたとしても、ホテルの中では総支配人と従業員という関係でしかない。
 手紙で自分の気持ちを語るたび、あなたの気持ちを知る度、心の距離はどんどん近くなるのに…」
祐輔が伏せていた目をあげ、まっすぐに千波を見つめた。
「僕はもう、あなたの居ない生活なんて考えられない。
 本当は手紙じゃなく、直接会ってもっと話がしたい。
 今の生活ではそれが難しいなら、一緒に暮らしたいとさえ思った。
 もしまだ可能性があるなら、あなたとの子供だって見てみたい、そうも思った。
 ……なのに、僕達は相変わらず、ただ手紙を交し合っているだけだ!」
…まるで子供だ、と千波は思う。
どのことも、彼一人の思いで決められることじゃない。
手順を踏み、こちらの同意を得て、始めて果たされることだ。
けれど…。
そういうことは充分わかった上で、一歩が踏み出せない彼なのだ。
それも痛いほど解る。解るからこそ、自分は放っておけなかった。
もういいか、と千波は思う。
彼のペースで進んでみようか。
それでも、まだ気になっていることはあった。
「…子供は、たぶん無理よ」
「あなたの年齢なら、可能性はゼロじゃないと、杉浦が言った」
一体男同士でなんの話をしてるのだ、と千波は頭が痛くなるが、今はあえてそれを問題にはせずにおく。
「あなたが望むなら、付き合うのは良いとしても…万が一子供なんか出来たら、引き返せないわよ。
 立場もある身で、そんなの…」
「引き返すつもりはないから、いい」
離れていた距離を祐輔が縮めてくる。
「待って、私、そういう行為自体も、もう」
「それは出来るはずだ」
勝手に決めるな!と千波は叫びそうになる。
「相手が僕では嫌だ、と言うなら、それはどうしようもないが」
「嫌、って言うか…」
あえて、そういう面は考えないようにしてきたんだけど…。
じりじりと距離を縮め続ける祐輔に、千波は後ずさる。

17 :
ぐっと腕をつかまれ、引き寄せられ、抱きしめられた。
もう観念するしかない、と千波は思う。
酔いの醒めた彼がこのことを後悔したとしても、それは受け入れよう。
なぜなら、自分もまた、心のどこかでこうなることを願っていたのだから。
初めてのキスは思いの他自然に受け入れられた。
今頃気付いたことだが、彼は男としての威圧感がどこか薄いような気がする。
突然のこの展開をつい受け入れてしまった原因は、そんなところにもあるかもしれない。
可愛らしい顔立ちで自分の唇を甘く吸う男を、千波は不思議な気持ちで見つめる。
一枚、また一枚と服を剥ぎ取られていく。
自分も、相手の上着を脱がせ、ネクタイを解く。
シャツの下にある男の肉体は、ほどよく鍛えられ、引き締まっていた。
何よりも、その体は若さに溢れている。
一瞬千波の手が止まる。
思いつめた目で祐輔の体を見つめる千波には構わず、祐輔は脱がせる手を止めない。
ブラジャーとショーツを残したところで、ようやく祐輔も手を止めた。
少し驚いたように目を見開き千波の体を見つめている祐輔に、千波は居心地が悪くなってくる。
「電気、消しましょう」
「…その必要はないでしょう」
「じゃ、じゃぁ、ベッドに…」
息子が出ていって、今は千波がそのベッドを使っていた。
息子も使っていたものをこんなことに使うことに多少の後ろめたさは感じたが、
わざわざ布団を敷く恥ずかしさの方が耐えがたかった。
祐輔は千波の提案に同意を示すように立ち上がると、彼女の手を引いてベッドに導く。
ベッドの上に横たえられ、ブラジャーのホックを外されかけながら、千波はさりげなく2人の上に毛布をかけようとする。
少しでも自分の体を隠していたかった。
けれど…。
「電気も消さないし、これも必要ない」
あっさりと、祐輔にその毛布は取り上げられ、床に落とされる。
泣きたいような気持ちの中、千波は目の前の男に、体を覆う最後の衣類を奪われていった。

18 :
細いな…。
千波の体を見た最初の印象がそれだった。
浮気をして彼女を捨てたあの夫は、自分の妻の体がこれほどの若さを保っていることを知っていたんだろうか。
そんなことをつい考えてしまう。
千波の柔らかい肌は、しっとりと祐輔の手に馴染んだ。
小ぶりな胸に触れると、千波は体を震わせ、その手から逃れるように身をよじる。
その体を強引にこちらへ向けて、そのまま優しく胸を揉み込む。
しきれない切ない吐息が、千波の唇から漏れる。
慎ましく乱れるその姿に、祐輔の中心はどんどん高まっていく。
そっと乳首に唇を寄せると、「ぁっ…」と小さく千波が叫んだ。
もっと、声を出せばいい。祐輔はそう思いながら、胸の先を柔らかく吸い、舌で転がす。
「あ…ぁ」
快感に呑み込まれかけながらも、千波は祐輔の顔を胸から離そうと、力の入らない腕で懸命に抵抗する。
千波の敏感な反応に、『これじゃ、まるで初めてみたいじゃないか』と祐輔は思う。
…子供がいながら、初めてなんてことは、ありえないか。
自らそう打ち消すと、胸に鈍い痛みが走った。
「こういうの、しばらくしてないの?」
気付けば、そんな意地悪な質問が口をついて出ていた。
何度も荒く息を吐き出しながら、祐輔を軽く睨んだ千波は、
「…長く夫婦をしてると、段々こういうことはしなくなるの」と言い訳のように呟く。
その答えを聞いて、折角の行為の最中に他の男とのことを聞くなんて、と、祐輔は自分の浅はかさがつくづく嫌になった。
愚かな質問をしたことを詫びるように、祐輔は千波の唇に、慎重に、丁寧に口付ける。
祐輔の心情を感じ取ったのか、千波も自ら口付けを返してきた。
祐輔の腕が千波の背中に回され、千波の体を引き寄せる。
千波の両手も、そっと祐輔の腰に回された。
お互いを求め合う強さが、口付けの深さに変わっていく。
年の差のことなど頭から消し去った2人は、何度も何度も唇を重ね合う。
かなりの時間が経ってから、ようやく2つの唇が離れた。

19 :
祐輔の唇が、そっと千波の頬に触れる。
「全然大丈夫みたいだ」
「……何のこと?」
今度は千波の唇に甘く唇を押し付けながら、
「歳は関係なさそうってこと」
「え?」
「なかったでしょ?」
「そ、そんなの、まだわかんないでしょうっ」
「そうか…」祐輔は思案顔で呟きながら、
「じゃ、早急に試すとしよう」
まっすぐに千波を見て、何でもないことのように提案する。
「ちょっ、ちょっと?」
ベッドに張り付けにされ、あちらこちらを言葉通り試すように触られて、千波は戸惑いの声を上げる。
しかし、
「はい抵抗しない」
元の純情な反応に戻ってしまった千波にも、祐輔は全くひるまない。
「年齢が関係ないか確かめないと、あなたいつまでもグズグズ言うでしょう。
 時間もないことだし…」
「まっ、待って、そのことだけど、私本当にもう子供はっ」
「それも試せば解る事です」
「だだから、あなたと付き合うなんて、私はまだ」
先ほどの決意が、遠慮のない祐輔の手の動きに、早くも揺らぎかける。
「ここまできて、まだそんな話ですか。
 あなたは僕と手紙を交わせれば、それだけで満足なんですか」
本当は、仕事中もずっと祐輔を目で探してしまっていた千波は、その言葉に思わず抵抗する手を止める。
「僕と話したいですか」
「え、ええ…」
「こういうことするのも嫌じゃない?」
もう何度目かわからないキスを、再び唇に与えられる。
少しのためらいを見せた後で、千波は仕方なく、心のままに頷いた。
「なら、あなたももう諦めてください。
 僕だって諦めたんだから。…あなたに惹かれてしまうことに」
両手で顔を包み込まれ、諭すように囁かれる。
もう、完全に白旗を振るしかなかった。

20 :
千波が覚悟を決め目を瞑ると、祐輔は狙いを定めていたように千波の潤い始めていたその部分に、そっと触れてくる。
性急なその行為に千波は驚くが、祐輔は優しくも確実に、千波に触れ続ける。
くにゅりと指を差し入れられ、思わず千波の腰が持ち上がった。
一本二本と、挿入を繰り返しながら指が増やされ、千波の腰がふるふると震えだす。
確認するように中をかき回され、ダメ押しのように濡れそぼったその指で敏感な突起を押しつぶされた。
「はぁ…、んっ」
逃げる腰を、祐輔の左手がしっかりと押さえつけ、シーツに縫いとめる。
祐輔の自在に動く指が、千波の性器を追い詰め、蕩けさせていく。
久しぶりのその行為に、千波の心の底に、微かに恐怖心が湧きかけたところで、
「きゃっ」
祐輔が千波の手をひき、猛る己を押し付けた。
冷静な祐輔の瞳が、自分をジッと見下ろしているのがわかる。
祐輔が本当は誰よりも臆病で、人から拒絶されることを恐れている青年だということを、
千波はこれまでのやりとりから、嫌になるくらい知ってしまっていた。
顔から火が出そうなほど赤くなりながらも、千波は、幼い顔に似合わぬほど育ちきった器官を、そっと擦る。
一撫ですると、祐輔の唇から、自然に吐息が漏れた。
先端から溢れ出した粘液のせいで、器官を擦る動きはどんどんスムーズになる。
部屋にかすかに、ぬめる音が響き始める。
唇を噛み、眉を寄せて快感に耐える祐輔の姿を見ると、千波の胸に愛おしさがこみ上げてくる。
同時に、グンと体積を増したそれを擦り付けられる度、恐れと共に、腹の奥にむず痒いようなトキメキが湧く。
…もうすぐ、これが私の中に。
そう思うだけでジンジンと痺れていく千波の体の変化を見抜いたように、祐輔の指が一層深く突き入れられた。
さらに外に残された親指に、ぐにぐにと小さな粒を責め立てられる。
「あ、あ、あっ」
今にも収縮を始めそうな中の様子気付いて、
「ちょっと待って」とすぐさま動きを止められる。

21 :
荒い息遣いを繰り返す2人の視線が合う。
いったん千波の手から腰を引くと、祐輔は堅くそそり立つものを、じんわりと彼女の秘所に押し付けた。
「もう大丈夫?」
そう言いながら、柔らかい割れ目に沿わせ、つつつと己の先端を移動させる。
ビクッと大きく千波の腰がはねる。
粘膜同士の触れ合いはあまりにも快感が強すぎて、千波は何とかしてその刺激から逃れようとする。
しかし、細身の体にもかかわらず祐輔の力は強く、千波がどれだけ体をよじろうと、性器同士はぴったりと引っ付いたまま離れない。
逆に、神経の研ぎ澄まされた小さな突起に、くにゅ、くにゅ、と祐輔の亀頭が擦られる結果となり、
さらなる刺激を受けた千波の腰は砕けそうになる。
「避妊具はつけない。いいよね?」
この後に及んで一体何を聞くんだろう。
もうどうにでもして欲しい。
いや、本当に子供ができるようなことがあれば、それもまた幸せなことなのかもしれない…。
千波は薄れていく意識の中でそんなことを思いながら、力なく頷く。
くちゅっと音をさせ、祐輔の先が入ってきた。
祐輔の太さのある幹が千波の蕩け切った膣の中にぐにぐにと押し込まれていく。
しばらくその行為から遠ざかっていた千波を相手に、スムーズに挿入が果たせ、祐輔はホッと息をつく。
受け入れた千波の方はと言うと、体を細かく震わせ、内部の切ない圧迫感に全身で耐えていた。
「動くよ?」
これ以上の快感は想像できない、と千波がぶるぶると頭を振る。
「大丈夫、出来るから」
千波の頭をぽんぽんと優しく撫でた後で、祐輔は艶かしく腰を動かし始めた。
久しぶりの行為なのに、どうして何の苦痛もなく、挿入の度に快感だけが植え付けられるのか、
夫との乏しい経験しかない千波には、それが理解できない。
けれど、やがては自らも祐輔を求め、無意識のうちに、彼の腰に自らの体を押し付けることとなる。
性器を抜き出される度に段差のある先端部に内壁を擦られ、ぞぞぞと腰の裏側が粟立つ。
その年代の女性にしてはありえないほどに美しい形を保った脚が、祐輔の腰を妖しく挟み込み、その体を離すまいとする。
もっと奥に祐輔を感じたいと、祐輔の挿入に合わせて千波も体を押し付ける。
「いい?」
深く千波を貫きながら、祐輔が問う。
泣き出しそうな顔で、千波は男を見上げる。
「言ってよ。いいんだよね?」
「うん…」
「よかった」と、自分も快感に顔を歪めながら笑う祐輔の背中に、千波は腕を回し、思いを伝えるようにギュッと抱きついた。
祐輔も強く千波を抱きしめ返しながら、打ち付ける腰の動きを早めていく。
もう少し、あともう少しで…。

22 :
一つに重なった2人の思いはすぐに叶えられた。
祐輔の体に巻きつけられた千波の脚に力が込められたかと思うと、柔らかな内部が大きく痙攣を繰り返す。
ドクドクと生命の素を注がれていくのを、千波は体で感じ取っていた。
一滴も無駄にしたくないとでも言うように、千波の脚にさらに力が込められる。
女が無意識に見せた貪欲さに、祐輔は思わずニマリと微笑んだ。

「とりあえず、子供が出来てから今後のことは考えましょう」
今だ腰に甘い余韻を感じながら、千波の張り付いた前髪を掻き分けて、祐輔が囁く。
ふわふわと宙に漂っているような意識の中で、千波はぼんやりと、
『この人って、最中だけ敬語じゃなくなるのね…』
なんてことを考えていた。
歳の差を忘れさせてくれる彼の口調が聞きたくて、いずれ自分からも彼を求めてしまいそうな、
そんな予感がする。
「今日は泊まっていっても構いませんか?」
すっかり丁寧な言葉に戻ってしまった祐輔に、千波はどこか微笑ましくなる。
「いいわよ」
ようやく自分もいつものような素っ気無い口調に戻れたことに、千波はホッとしつつも、一抹の寂しさも覚えていた。
もう少し甘えていたかったな。
けれど、そんなことを年下の男に言い出せもしない千波が、そっと接合を解こうとすると、
「…もう少し、このままで」
切実な口調でそう言うと、祐輔が再び千波に覆いかぶさり、抱きしめてきた。
2人の体液が合わさりあい、少しずつ体の外に漏れ出して、ぬめる感触が気になるといえば気になったのだが…。
「…もう少しだけね」
先ほどのお返しのように祐輔の頭を優しく撫でると、千波も祐輔の若い体をしっかりと抱きしめ返した。

−終−

23 :
思ったよりずっと長い話だったのに投下後気付き焦った
ま、投下なく落ちちゃうよりいいよね…?
他の方の作品も読んでみたいのでぜひヨロシクです

24 :
さらっと良い感じに書かれてますね、何とも羨ましい限り お疲れ様でした
別パターンのも読みたいので、もし着想されたら、また書き込みしてくださいお願いします

25 :
反応が気になってつい見に来てしまったw
それなりに楽しんでもらえたようで嬉しいです
ただ自分はにわかファンなので別パターン作れるほどドラマに精通してないかも
今回の綺麗な終わり方に不満を残した方もおられるっぽいので、それぞれの納得エンドを読ませてもらえたらいいな

26 :
やるときだけ俺様な王子wwイイ!
こんなにしっかり読めて嬉しいよ〜!
自分もちょこちょこネタだけは浮かぶけど
ここ数日は最終回のことで放心してたw

27 :
>>26
そのちょこちょこネタ、ぜひとも読ませてください!

28 :
初ちぅの話
寝る前にエピソードおもいついたままスマホに書きためて萌え萌えしたーよw
個人的に王子は絶対童貞と思ってるけどキスの体験はどうなんだろう
さすがにキスぐらいしてるかと思えば、童貞なぐらいだからキスもしてねーんじゃ疑惑が濃厚
あるとしたらお嬢様的幼馴染がいて無理やりやられたけど王子的にノーカウント、みたいな展開w

29 :
初回で麻美とキスしてたような

30 :
ほっぺにちゅうじゃなかった?
んでしかもそれを嫌そうにぬぐう王子…

31 :
そうだっけ?ごめん

32 :
総支配人が童貞かぁ…しかもキスさえ未経験w
もし本当にそうなら相当人間不信が強そうだね
千波と初ちぅに至るまで一年くらいはかかりそうだw
ただありえないほど年上の女性を選んだことに変なリアリティはでてくるかも
フツーの女性は全然ダメだったからこそ、普通を外れた愛情が彼を変えることになったんだろうし
エロパロスレだしレスからあれこれ妄想させてもらったので駄文置いていきます
ほぼ設定書いてるだけ&エロなしですまん
それとこのスレの2人は酔ってしか事に及べないのかもしれないw

33 :
季節はクリスマス
ホテルの仕事帰りの千波はそれなりに洒落たレストランを予約し、京子と2人、女だけのクリスマスを祝っている
そこにひょっこり現れる祐輔
顔パスで席に通され、2人にそ知らぬ顔で食事を始める
実はクリスマスなので、千波にカードを渡そうと追っかけてきた結果w相変わらず素直になれないお坊ちゃま
京子は祐輔に気付いた千波から文通相手が同じレストランにいると聞かされ、
「奇遇ですねぇ!一緒に飲みましょうよお」
と無理やり3人席にしてもらう
やってることは普段とそう変わらないが、かなり酔ってる京子
冷やかし半分に祐輔に絡み、千波にたしなめられ、
「なによぉ、クリスマスくらい、私にも優しくしてくれたっていいでしょうお〜」
などと口走りながら、どさくさに紛れて祐輔の手を握ったりする
顔には本音を出さないが、さりげなく京子の手を払う祐輔
ハラハラ見ている千波
王子とのやりとりから。自分と千波への対応が違うことを思い知らされ、面白くなくなる京子
3種3様の思いが絡まり合う中、場を保つためにワインがどんどん空になる
仲が良くなったのか悪くなったのか解らないレストランでの交流の後、店を出る3人

34 :
街はクリスマスムード一色で華やいでいる
何やら列が出来ていて、並んでいる人に聞くと、限定のクリスマスケーキを売っているらしい
買って帰ると聞かない京子。
遠くからも賑やかさが伝わってくる列の先では、
『クリスマス企画☆この場でキスしてくれたカップルには特製チョコを進呈♪』
なんてくだらない客寄せイベントをやってたりするw
購入時になり祐輔相手に俄然やる気になってる京子
明らかに不機嫌な祐輔
「いいじゃないいいじゃないいいじゃない」
と鼻息荒く京子が詰め寄る
「絶対、嫌だ」祐輔も折れない
買いもせずにコントを繰り広げる2人に、後ろの客を気にする千波
「この人酔うと聞き分けなくなっちゃうんです
 ごめんなさい。ほっぺでいいから、お願いできませんか?」
諦めて、祐輔は京子に頬ちゅうしようとするが、京子の野望は消えてはいなかった。
唇が頬に触れる直前に
…京子が顔を向け、自分の方からぶちゅー!!
「ごっちそうさまぁー♪」
チョコとケーキを手に揚々と帰っていく京子
口に手をあて、顔面蒼白の祐輔
「ほほ本当にごごめんんさい」と必に頭を下げる千波

35 :
「…若けりゃ誰でもいいなんて…歳をとっても、人間ここまで落ちぶれたくはないですね」
「そこまで言わなくてもいいじゃないですか」
「こんなトラウマものの苦痛は、慰謝料を求めてもいいレベルですよ」
手の甲で何度も唇をぬぐう祐輔
「キスくらい…あなたの歳なら気軽にしてらっしゃるんじゃないんですか?
 それとも若い子限定なんですか」
その言葉にキッと千波を睨む祐輔
「あっ、当たり前ですよ。何を好んであんな…」
「おばさんに?」
「そ、そうで…」
言い切らないうちに、千波の唇に言葉を奪われる
「私も訴えてもらっていいですよ」
ぽかんと千波を見つめる祐輔
なぜか堂々と祐輔を見返している千波の体がゆら〜っと揺れて、ハッと祐輔が支える
「……あれぇ…?」
「な、なんですか」
「私今、何かしました…?」
千波は唇に手をあて、
「しましたよね……なんであんなことしちゃったんだろう。ごめんなさい、私も酔ってるみたい」
急に酔いが回ってきたのか、その後もふらふらしながら謝り続ける千波
らしくなく「もういいですよ」の言葉が出ない祐輔
ただ「それじゃちゃんと帰れないでしょう、送ります」と千波を導いて歩き出そうとする

36 :
そこにチラチラ雪が舞い始める
思わず空を見上げる2人
「綺麗…ホワイトクリスマスね…」
千波の言葉にハッとし、内ポケットを探る祐輔
しばらく雪に見とれていた千波だったが、やがてそのテンションが落ちてくる
「こんな日に、嫌な思いさせちゃって、スミマセンでした。
 もう一人で帰れますから。
 今日は本当にごめんなさい」
深々と頭を下げながらも、やっぱりフラついている千波
いや送ります、送らなくていい、でまた一悶着
「ああ、もう!」
舌打ちした祐輔が、一瞬ためらいを見せた後で、素早く千波の唇に口付ける
「こっ、これでおあいこということでっ」
呆然とする千波以上に祐輔の方が顔を赤く染め、
「さっき酷い言い方をしたのは、初めてだったから、それなりにショックで…。
 い、言っておきますが、僕は今まで誰とも、あんなこと気軽にしたことありませんから!」
「…初めて?」
さらに真っ赤になる祐輔
「も、もう一人で帰れますね。
 じゃ!」
自分から奪っておきながら、完全に一人テンパっている祐輔は、千波をその場に残したままスタスタ立ち去っていく
事態が呑みこめず、祐輔の後姿を眺めながら、ただ立ち尽くす千波
…すると、祐輔が踵を返し、早足で戻って来たと思うと、
「…忘れてた。メリークリスマス!」
カードを千波に手渡し、その後はダッシュで走り去ってしまう

37 :
雪の止んでしまった通りで千波は封筒を開く
凝った技巧を施された華やかなカードには、
『あなたに会えて幸せな一年でした。
 どうか素敵なクリスマスを。』
と、もう見慣れてしまった祐輔の直筆で言葉が添えられていた
千波はゆったりとした足取りで家路を辿りながら、唇に手を当て、
「素敵なクリスマスを…どうもありがとう、王子様」
そう呟くと、クスリと微笑んだ

38 :
以上です。
パロの輪がつながっていきますように…

39 :
GJ!
私も王子は童貞&キス未経験だと思ってたから、キュンとなったよ。

40 :
やはり誰かに唇を奪われる王子w
萌え〜ですな

41 :
ドラマ再放送も終わっちゃった〜
ほんとはこの日までにちぅの話書き上げようと思ったけど無理ぽだった
でも絶対上げると宣言して寝落ちる

42 :
おお!
楽しみにしてるよ〜

43 :
千波と祐輔が食事会を家族でしたとして
ホテル王の様子はどんなのがお好みですか?
→怒る
→無関心
→びっくり
→反対
→惚れる
→黙る
→…?

ちなみに自分は怒る、で妄想中

44 :
父上は恋愛には口出ししそうじゃないけど結婚には厳しそう
祐輔の本気度を知ったら怒るだろうなぁ…
千波に一目ぼれして2人に妨害始めるホテル王も見てみたいけどw
しかしドラマ終わって寂しい限り
自分も何か書ければと思うが初H初キスと来たのであとはプロポーズか妊娠・出産あたりかな?

45 :
ネタが被ったって気にせず好きなモノを好きなだけ書いたらいいんだ!

46 :
ドラマが終わったスレは基本過疎るからちょっと焦ってる
実はイメージが湧かず人のは読みたいけど自分じゃ書けない状態
何かお題はありませんかー

47 :
初ちう
クリスマス
年末年始
実家
息子かける、修学旅行で数日の留守
バレンタインデー

いかがでしょ。
遅筆な私もコツコツ書いてるしめっちゃスレ見てるから、まったりかいてこーw

48 :
やっぱりクリスマス、バレンタインに絡めての初ちう初えちとか///
強引な王子はもちろん萌えだけど、ちょっぴり積極的な千波さんもいいなあ。

49 :
お題沢山もらったのに、なかなか書けないんだぜ…ごめんよ
でも、おかげでかけるを思い出して、王子とかけるの初対面が気になった
あと杉浦さんが2人をどう見守るのかも
そういう人間模様がイベントをきっかけに浮き上がるといいなぁ…とか言うは易し、ですよね
積極的な千波さん確かにいい
王子をさらっと誘導しそうだww
とりあえずまったりを心に誓い、目指せ一週間に一作品〜

50 :
>>48
積極的な千波さんいいよね
ドラマは基本対面する二人となると王子がちょっとうじうじwしてたから
やっぱ王子に積極的になってもらいたい願望が強いけど、
千波さんが積極的にことをなす場面はえらい容易に想像がw
>>49
いいね〜1週1作品!自分も目指す

51 :
ROM隊ですがお待ちしてます

52 :
大河見てたら妄想したんで吐き出しパロ妄想
ちょうどドラマ本スレに時代劇のレスがあったから妄想進んでった
でもあそこにかくのも憚られるんで。パロ嫌いな人はスルーして
ネタもないんでプチ投下

オリジナル時代劇で貴族や朝廷のなか
父親の後妻となる千波(千波でなく草刈の全く別キャラでもいいが)
若き後継者祐輔(時代劇だと蘭丸やってたねそういえば)
千波は夫の寵愛を受けられず離邸住まい(すでに縁は断たれてるような状況だといい)
祐輔には許嫁がいるが、ある日義母千波に光源氏よろしく思いの丈をぶつける
はしたない悲しいと思いつつ、人からの祐輔の愛を求める千波
懐妊してすったもんだのお家劇になるもよし、
許嫁と婚儀を交わし(結婚してくれと義母の立場から頼む千波があると尚よし)、
嫉妬に狂う六条御息所のごとく愛に狂いだす千波もよし
祐輔が正室の部屋へ渡る日はすすり泣く声が夜な夜な街中に轟く怪談話になるもよしw
正室に渡った後で千波の元へ行き、嫌がる千波を無理やり愛の言葉を吐きながら抱く
愛ゆえの鬼畜と化す祐輔もウマー
子供が生まれたら祐輔が子供を千波のところで育て不幸に落ちる正室と
連鎖を止められない自分の業に深く追い詰められる千波と
愛に突き進み彼女と愛を分かち合いたいだけなのに、
自分の生まれた立場と周囲の思惑により、道は全て不義へと進む清らかだった祐輔の苦悩が見たい
時代劇=不幸(ちょうど清盛みてたせいもあるw)もベタだけど、
一応こんな筋書きでもドラマよろしくあまり重たくない話で妄想した。
特に愛ゆえの鬼畜祐輔がはまったw

53 :
>ある日義母千波に光源氏よろしく思いの丈をぶつける
までの祐輔の悶々とした胸の内が気になる!
>正室に渡った後で千波の元へ行き、嫌がる千波を無理やり愛の言葉を吐きながら抱く
>愛ゆえの鬼畜と化す祐輔もウマー
これは自分もウマー
それにしても独創的な設定ですね
本スレ読んだら妄想の元ネタわかるのかと思ってのぞいたけどほぼオリジナルっぽくて驚いた
時代モノじゃない妄想もされるのかな?
また何か浮かんだら、ぜひここで吐き出してくだされ〜

54 :
千波と祐輔が付き合ってとっとと子供作って結婚して
(結婚より先に子供作る設定が自分の中でデフォと化してるw)
それなりにラブラブな妄想は、結構すぐにそこで幸せな結末で終わってしまう
んで、否定的な意見とか掲示板やブログで見ると、
そうか〜?むしろこの状況で別れたり婚約者と付き合って云々なると
やけぼいっくいに火はまさにこの二人に起こりそうな・・・て感じで
別れさせられた上での逢瀬に妄想の火が滾るw
そして私は共依存話が好きだったりすることもあるからか、
こういう設定になると千波がすがる女になるよりも、断然祐輔がストーカーよろしく
束縛男と化す妄想がとても捗るw
これは今NHKでシングルマザーズでDV男やってたりするのも影響少しあるかも
そういうドラマ見ながら重ねて見ると妄想って捗り易いんだよなーw
風邪引いてSSが進まないから書くのが面倒なぼやっとしたエロ妄想だけどんどん進むw
正室の後で渡って…は多分華麗なる一族の3P無理やりとか少し影響あるかも
でも多分エロマンガの基本つうか2番めの女との妄想の基本だと思ったw
私を抱いた後朝までいてくれないあなた…あぁ〜♪な演歌チックさというかw

55 :
ぎゃーーー専ブラの書き込み欄でダラダラ書いてたらうっかりやめるボタン押して
ノリノリで書いてた所けしてもうた!

56 :
55さんの萌えは自分ひとりのモノじゃないんだぞ!
このスレの人間のためにも気をつけんといかん!! 
…なんてw
ちゃんと文章におこして物語書くって面倒くさいけど
箇条書きだと一番萌えるはずの祐輔と千波のやり取りまではイメージ仕切れなくてムズムズしてしまうお
なので54さんの作品是非読ませて欲しいなぁ…
一応自分も書き進めてるけど、長いだけで萌え要素があるんだかなんだかって感じに仕上がりつつある
エロもないし校正してても投下を迷う
ハッキリ言って過疎状態のこのスレで自分の作品が3つも続くのはキツいんだぜ…誰か何か読ませてくれよぉぉぉ

57 :
ちょっと脱線
執事→→王子母で、王子はママン似というのが前提で…
成長するにつれ亡き母に面差しが似てくる+鎧でガチガチな王子を側で見てて
「もしあの時すべての地位も財産もなげうってでも、
可南子様と幼い坊ちゃまをここから奪い去ることができていたのならば…」
みたいな後悔の念にかられる杉浦さん、とかあったのかなーとふと思った
いや、王子見て時々しんみりするくらいでもいいんだけども
どこに書いていいか分からんのでここに失礼。エロ以前の問題でスマソ

58 :
>>56
54も55も自分だわw
昨日こんなちょっとした妄想が〜て書こうとしたら
思いの外本格的にSS風味になっててここ暫く降りてこない何かが降りてくれて
凄い勢いで進んだ部分をうっかり消去しちゃってふてくされて寝たw
しかも単なるエロ妄想だから本格的に書こうとするとやっぱ色々矛盾が・・・
エロ妄想は矛盾とか無視して勢いで書かないとダメなんだよね(;´Д`)゛…ハァハァ
>>57
王子はママ似って杉浦さんも言ってたよね
ホテル王と亡き妻と今の妻の歳の差はいくつなんだろ
千波さんとこみたいに同じ年なのか、パパンより妻はどちらも下なんだろうか

59 :
>>57
いや、いい!萌えた
セリフが付くと自分は俄然イメージしやすいようだ、GJ!
>>58
ちらっとそうかもとは思ったんだがw
矛盾とか気にせず、エロ部だけでもぜひ読ませて下さい
実はスレを脱落しかけてるのでwww
今の妻は年下な気がするなぁ
王子母は同い年あたり?
あと、投下考えてる人に質問ですが
やっぱり短文で軽い投下の後の方が作品落としやすいですか?
何か別に萌え話考えようか思案中…

60 :
今日中に切りのいいところまで書けそうにないから
しょぼいけど投下
さぁこっからどうしようかな。
はかどった妄想ネタ
エロ基準の甘々じゃない話なんでまたお嫌いな人はスルーで
ネタ投下やドラマ雑談など投下に気にせずどんどん続けてくだされ(;´Д`)

*******

千波と祐輔は結局内密に付き合って内密に別れる

暫くたったある日千波の元へ下卑た笑を浮かべる男が現れる。
そこにはホテル内での千波のメイド姿と総支配人としての祐輔の姿、
ドレスアップして逢瀬を楽しむ千波と祐輔の写真…二人の親密な空気を
これ以上無く捉えた写真の数々であった。
「息子さんも多感な時期ですし、受験も控えてらっしゃいますよね?
なによりこれがバレるときっと高岡さんにご迷惑かかっちゃいますよね…」と男の声。
戦慄する千波、お金なんてありません…どうしたらいいんですか?と気丈に話す。
「お金が目的ならあなたじゃなく高岡さんのところへ行くでしょう」
呆れたように笑い千波を小馬鹿にする男は、そう言って彼女の背中に手を伸ばす
「止めてくださいっ…!」
ぞわりと肌に浮かぶ嫌悪とともに、男の目的に思い当たって、千波は足がすくむ。
「そうそう、ご聡明ですね相沢千波さん。あなたが今思い浮かんだ通りのものが目的ですよ」
「そんな…どうして…い、意味がわかりません。私はほんとにただのおばちゃんで…」
「それがいいんですよ、若く凛々しい殿方を虜になさったあなたの魅力を、
ご自分でわかっていらっしゃらないなんて、もったいないことですなあ」
「そんなものありません、現に私と彼はもう何でもありません…」
消え入る千波の声を、ことさら大きな声を出して男は遮った。
「もう!そうですよね、もう何でもないかもしれませんが、以前は何でもあったんですよね?」
「ぁっ、……」
息をのむ。どくりと鳴ったのは喉だったのか、心臓だったのか。
大きな声を出され、また言葉尻を捉えられてはいけないという危機感が、千波に声も出せなくさせた。
足の震えは大きくなり、わなわなと震える肩はすらりと背の高い千波をとてもか細く思わせる。
もう一度背中に手を伸ばされた時、千波はもう拒む力を失っていた。
男の煙草臭い吐息が、千波の耳元にかかる。

61 :
>>59
長文だろうが短文だろうが人がスレに人がいてくれると思うと
進まないSSも書く気力が沸くから気にしないで><
この間まで小ネタはいくら考えてもSSをがつがつかけるほど速筆じゃないし
小ネタ書いてる暇あったらSS書こうと開いては進まなくてうんうんしてたから、
小ネタは書いてったほうがスレも少しは進むし、
書けば勢いに乗ってSSが進んだりもするから、どんな妄想でも書いたほうがいい気もしてきた<自分の場合ね

62 :
>>60
間の悪い書き込みスマン 小ネタ大歓迎だ!
自分でセリフぐらい妄想すればいいんだけど、イマイチ力が足りず愚痴って申し訳ない
今後は妄想力鍛えていくつもりです
プラスしてSSキタコレ!
超絶気になるところで終わってるwなんという待て次号ww
祐輔が王子様して助けにくるんだろうか
もしくは一気に陵辱系なのか
続きを正座してお待ちしております!
今日は大変良い日でございました…感謝です・涙

63 :
書けないけど自分も見てるよお><
>>60
続きに期待!

64 :
なんかあれこれ欲張って話作ってたら訳がわからなくなってきた
自分以外の人が読んでもちゃんと『眠れる―』の世界を保ってるんだろうか…
すいませんが、始めの方落とすのでついて来れそうか教えてもらえますか?
投下するとしても20分割もあるんだ 数日に分けて落とせばいいのかな 悩むよ

65 :
見上げると、近寄りがたいほどの美しさを称えた女性が、窓から外を眺めていた。
遠くを見るその瞳は、どこか悲しげに翳っている。
引き寄せられるようにフラフラ近づいていくと、気がついた時にはその人が目の前に立っていた。
彼女は、目も覚めるような真っ赤なドレスを着ていた。
髪も丁寧に結い上げられている。
感情の読み取れない瞳が自分を見つめる。
こんな気高い女性には今まで会った事がないはずなのに、ふとどこかで会ったような気もしてしまう。
女性の手がすっと持ち上がり、自分の前に差し出された。
美しい形の唇が動き、異国の言葉が発せられる。
その意味を理解した僕は、彼女の手をしっかりとつかんだ。
そして、僕達は…。

祐輔は暗闇の中で目を覚ました。
しばらく状況が理解できなかったが、ようやく自分が夢を見ていたことに気付く。
もう一度あの女性の姿を思い出そうとして…あることに、ハッと気付いた。

66 :
「とりっくあんど…と、と?」
スカートの裾を引いて、教えられた言葉を思い出そうとする男の子に、
千波は息子の幼い頃を思い出しながら、クスリと微笑んだ。
「…トリート?」
「とりぃと!」
千波の声を復唱してはしゃぐ坊やに、千波はふくらんだポケットから小さな包みを取り出し、差し出す。
カラフルな包み紙に包まれたキャンディを受け取ると、
男の子は満面の笑みで、少し離れて様子を見守っていた両親の元にかけていった。
「やっぱり、王子の発案はすごいねぇ。今月泊まってる子供さんの笑顔、いつもと全然違うもの〜」
いつの間にかそばに来ていた三島が、そう言って何度も頷く。
千波の勤めるホテルTAKAOKAでは、10月からのハロウィン企画として、
ホテルで働く人間に子供が「トリック・アンド・トリート」を伝えると、ささやかなお菓子がもらえるサービスを行なっていた。
「お子さんが喜んでくださるのは、嬉しいですよね」
あえて祐輔のことには触れずに、千波は三島に笑顔を向ける。
あれからも千波と祐輔の文通は続いていた。
お互いの素直な気持ちを伝え合った後、初めて祐輔に会う時はかなり緊張した千波だが、祐輔は何も変わらなかった。
どちらかと言えば、素っ気無いといっていいほどの、総支配人としての対応を受けた。
その後、やはり手紙によって、千波は祐輔の胸のうちを知る。
『手紙での交流があったとしても、仕事は仕事として、分けて考えたいと思っています。
 ホテル内では今まで通り、総支配人と従業員としての立場を崩すつもりはありません。
 ですが、総支配人としてではなくあなたの前に立つ時は、どうか一人の人間・高岡祐輔として見ていただけませんか?』
それ以来、面と向かうと今までよりは少し距離のある会話を交わし、
その相手の本心は手紙によって知る、という不思議な交流を2人は続けていた。
一人の人間としての祐輔にはまだ会えていない。

67 :
早く、前のように憎まれ口を叩き合える関係に戻れればいいけど…。
ぼんやりと物思いにふける千波の耳に、三島の上ずった声が届く。
「あ、噂をすれば、よ!」
その声に思わず振り向くと、祐輔が周りの従業員達に愛想を振りまきながら、こちらへ向かって歩いてきていた。
千波と三島は道具を脇によけ、自分達のホテルの総支配人に対し、頭を下げる。
祐輔がチラリと千波を見て、足を止めた。
三島が嬉しそうに祐輔に駆け寄る。
「総支配人、ハロウィン企画の評判、すごぉ〜くいいですよぉ〜」
「そうですか」
祐輔は少し不自然に三島に視線を固定したまま、
「次は大人のお客様に向けても企画を考えているんです。
 ハロウィン当日は、三島さんもぜひご協力くださいね」
いつもの王子スマイルで話しかける。
そして、「あらっ、私が!?」と一人無邪気にはしゃぐ三島にそのまま笑顔を向けながら、
「よければ、相沢さんも」と、ついでのように千波にも話を向けた。
…やっぱり、この人って不器用よねぇ。思わず出そうになるため息を、千波は懸命にこらえる。
千波を特別扱いしないようにと意識するあまり、祐輔の行動はかえって不自然な振る舞いになっていた。
まぁ、周りの人間は気付かないんでしょうけど…彼の本性に気付けなかったように。
うまく人々を騙してしまう祐輔の姿は、千波には少し痛ましく映る。
それでも、手紙では鎧を脱いで本当の気持ちを伝えてくれるようになった。
そのことが、千波は嬉しかった。
「はい、ぜひ」
千波は、素直になれない祐輔の分も上乗せしたような、素直な笑顔を向ける。
祐輔は少したじろいだような表情を見せたが、やがて千波だけに、そっと照れたような微笑を返した。

68 :
「社交ダンス…ですか?」
総務に所属し、メイドステーションを束ねる佐々木の発表に、千波は思わず聞き返してしまった。
「はい。『ホテルTAKAOKAのハロウィンは、仮装ではなく、正装で』をキャッチコピーに、
 一晩だけのダンスイベントを開催します。
 つきましては…」
曰く、当日ホテルが用意する衣装は全て客用に当てたいので、
社交ダンスをしてもおかしくない衣装を持っている従業員は、
イベントを盛り上げるためにも、なるべく参加して欲しい、とのこと。
さすがに上流階級に生まれ育った人間の考えることは違う、と、千波は感心を通り越して呆れてしまう。
しかし、いい年をした千波の同僚達は、佐々木の言葉を受け、ほのかに色めきたった。
「あなた、そんな服持ってるっ!?」
「一応持ってはいるけど…あの服、まだ入るかしら??」
千波にとっては縁遠い社交ダンスの世界も、案外この年代の食いつきはいいらしい。
当日のスケジュールについて、細かい説明を始める佐々木の元から、千波はそっと遠ざかる。
自分には関係のないことと早々に話を見切り、備品整理の仕事に戻ろうとする千波の背後から、
「おや、相沢様は不参加なのですか?」
と、あたりの柔らかい声がした。
ビクッとして振り向くと、柔和な笑顔の杉浦が立っていた。
「せっかく坊っちゃまが企画しましたのに、相沢様は参加されないのですか…さぞかし坊っちゃまは悲しまれるでしょうなぁ…」
芝居じみた様子で眉を寄せ、杉浦は悲嘆の表情を作る。
千波は慌てて言い訳をする。
「いえっ、ほ、ほら私、そういう衣装も持ってませんし…」
「いいえ、お持ちではありませんか。黒の品のいいドレスを」
千波は少し考え、ノースリーブのドレス風のワンピースを持っていたことを思い出す。
「あ、いやあれは…ドレスというか、シンプルなワンピースって感じで…あれ?」
千波は首をひねる。
杉浦が、どうしてあの服のことを知っているのだろう?

69 :
「大変評判が良いお洋服のようでしたのに、そうですか、当日着てはいただけないのですか…」
杉浦が、またしても大げさに肩を落とす。
千波はだんだん居心地が悪くなってきた。
杉浦との関係も、祐輔と同じように、その後も続いていた。
むしろ、時折感じる祐輔との心の距離へ戸惑いを打ち明けられる相手は杉浦ぐらいしかおらず、かなりの頻度で話を聞いてもらっていた。
いつも頼りにしてしまう存在だけに、その杉浦にここまで残念がられると、思わず「わかりました」と言ってしまいそうになる。
けれど、そうすれば踊れもしない身でダンスパーティーに…。千波は弱り果てる。
断る口実についてあれこれ考えている内に、ふと思い当たることがあった。
もしかしたら服のことは、酔いつぶれたあのバーのバーテンダーにでも聞いたのかもしれない。
日頃から杉浦の情報収集力がハンパではないことを痛感させられていた千波は、きっとそうだと確信する。
「どなたから、何を聞いたのか解りませんが、私は本当に大した衣装はもってませんし、
 なにより、社交ダンスなんて生まれて一度も…。私なんかがその場にいても、場違いなだけだと思います」
それほど目立つことを好むほうではない千波には、
きらびやかな衣装を着て、男に体を寄せ踊る自分の姿など、想像もできなかった。
いつも祐輔のことだけを考えている杉浦にとっては、イベントの参加者は多いほどいいのだろうが、
同じく企画を応援したいと思う千波であっても、簡単にはイエスと言うことができない。
しかし、杉浦の方が一枚上手だった。
「社交ダンスは、紳士淑女の国、イギリスが発祥の地です。
 ご婦人にはそこに居ていただくだけで良いのです。あとは男どもが必にエスコートをいたしますよ」
千波の抵抗などものともしない杉浦は、千波にニコッと笑って見せると、
少し離れた場所で、イベント当日の出欠をとり出した佐々木に、
「31日は、相沢様も参加していただけるそうです!」
と、満面の笑顔で報告してしまった。

70 :
こんな感じがダラダラと続く
イベントって有りだね!
ダンスのこと書いてた人も居たな
あ、ダンスなら草刈さんの出演作も絡められる??
ドラマの内容とか色々入ってても楽しいよね
と移り気なまま書いたのがマズかったのか…

71 :
いいよいいよ!
すごくいい!
残りがたっぷりあるなんて嬉しい
ものすごく楽しみ
終了宣言あるまでもう書き込みしないので是非読ませてー!

72 :
あああスレ占拠してるっぽくなってる?ゴメン!
後半ちょっと迷ってる部分が有るので、一段落する箇所まで落とします
同じ話を読みすぎると全体像がよく解らなくなるね 頭冷やさんと

73 :
「相沢様はイベントに参加だそうですよ」
「そう…ですか」
何食わぬ顔で報告を聞く祐輔を冷やかすように、杉浦が肘で主をつつく。
「本当は嬉しくてらっしゃるくせに…私にメイドステーションまで様子を見に行かせたのは、坊ちゃまでしょうに」
もし千波が参加しないとなれば、主人の意思を知る杉浦なら、あれこれ理由をつけて参加に導くだろうことも
当然計算に入れていたはずだ。
「ぼっ、僕はただ、従業員の人達がイベントに参加してくれるのか、少し気になっただけで…」
「ほぉ…それにしては、相沢様のお持ちのお洋服について、随分事細かく教えてくださいましたね。
 あの服ならダンスの場にも相応しいだろう、とか、パールのネックレスが良く似合ってた、とか」
「わかりました!ええ、相沢さんが参加してくれればいいなと思いましたよ…ほ、ほんの少しだけですがっ!」
杉浦はふぅ、とため息をつく。
「素直にお認めになられたらいいのに…」
祐輔は思いつめた表情になり、杉浦に背を向けた。
千波に対するいくつかの願いはある。
ただ、今この胸にある思いがどういうたぐいのものなのか、
祐輔自身もまだ、つかみかねているのだ。
「もちろん、相沢様をダンスにお誘いになるのでございましょうね?」
「まさか!」
杉浦が怪訝な目を祐輔に向ける。
「そ、そんなの明らかに公私混同じゃないですかっ。僕はただ…」
「ただ?」
祐輔は後ろめたさを隠すように、コホンと咳払いすると、
「彼女の踊る姿を見てみたかっただけです」
「なぜでございますか?」
「それは…」
先日見た夢のせいなのだが、幼い頃から自分を見守ってきてくれていた杉浦にも、そのことは伝えられなかった。

74 :
「なるほど。確かに、手を回して相沢様をダンスイベントに参加させるのは公私混同ではありませんが、
 一緒に踊るとなれば、やはり私情を交えていると言えましょう」
明らかな当てこすりだが、千波の参加を杉浦に託した祐輔は、何も言い返すことが出来ない。
杉浦は祐輔に一矢報いると満足したようで、すっかり笑顔に戻ると、
「何にしても、坊っちゃまが見初められた相沢様の美しいお姿を、この杉浦も拝見することができそうで、嬉しゅうございます」
「みそっ…め…」
「では、私は他にも急ぎの様がございますので、これにて…」
発言への訂正を求められる前に、杉浦がするりと部屋から出て行く。
「……あんな姿を見て、見初める人間なんか…」
残された部屋で、祐輔は一人呟く。
あの日の千波は、とんでもない酔い方だった。
ただ、今振り返ると、あの時の千波の姿はいつもと随分違っていて、
黙っていさえすれば、近寄りがたくさえ感じたかもしれない。そうも思ったのだ。
そして、その姿は少しだけ…。
祐輔は目を閉じ、夢に現れた女性の姿をそっと思い描く。
その女性が、その外見そのままに千波の若い頃であったのか、踊る今の彼女を見ても明らかになるとは限らない。
ただ…あの時の服を着て踊る彼女の姿を無性に見てみたくなったのだ。
この思いは一体なんなのだろう…。
その疑問に囚われそうになり、祐輔はすぐに頭を振った。
こんな事に心を乱している場合ではない。自分には総支配人としての立場があるのだから。
そして祐輔は、自分を待つ膨大な書類の山に、猛然と立ち向かっていった。

75 :
「ねぇ、こんなにスカート短くて、ダンスなんか出来るかなぁ〜」
千波は一人息子に、不安げに意見を求める。
かけるは、いったんは千波にはつかみかねる理由で家を出たものの、
父親と揉めでもしたのか、『やっぱりお母さんと暮らしたい』と、つい先日千波の元に戻ってきたばかりだった。
「ダンスのことはわからないけど…似合ってると思うよ、その服お母さんに」
真顔で嬉しいことを言ってくれる息子に、
「……ありがと」
千波は照れつつも、感謝を込めて息子の肩をポンポンと叩く。
息子を塾に送り出してから、千波は豪華なホテルで誰かとダンスを踊る自分を思い描いてみる。
その人物は、背が高く、優雅に女性をエスコートし、目が合うと爽やかに自分に笑いかけ…。
理想の男性の顔をぼんやりとイメージして、
「え?」
予想しない顔が見えた千波は、思い切りその目を見開いた。

76 :
「やだ!結構人集まったわねぇ〜」
いつもの清楚な制服姿とは全く違う、派手な紫色のドレスを身にまとった三島が、興奮しながら千波の腕を引く。
会場には色とりどりの衣装を来た男女が、少し高揚したような表情でその時を待っていた。
千波は自分の服を不安そうに眺める。
やっぱり、この衣装じゃ、地味だったわよねぇ…。
「ねぇ、聞いた?最初にデモンストレーションで一組だけ踊る予定だったらしいんだけど、
 連絡ミスが重なって、約束していたプロが来れなくなったらしいのよ」
「そうなんですか?」
杉浦といい、三島といい、一体どこからそんな内輪の情報を仕入れてくるのだろう?
千波は本当に不思議に思う。
「手配してたのが、あの佐々木さんでさ、真っ青になって代わりの人を探してるの、見ちゃったんだよねぇ〜」
「そうなんですか…」
ネタをあかされると、案外単純なことだった。
千波は、人の良さそうな佐々木の顔を思い出し、少し不憫になった。
「で、その場に総支配人が通りかかって、普通なら怒るところなんだけど…」
総支配人という単語に反応した千波は、息を止め、耳をそばだてる。
「『僕も是非、代わりの人を探すのに協力させてください。
 佐々木さんが今まで調整に努力してくださっていたことは、聞いていますよ。
 いつも表に出ないところで企画を支えてくださって、本当に感謝しています』」
三島が、祐輔の甘い声色を真似て千波に語りかける。
こんなことを言われたら、あの佐々木なら泣き出してしまうのではないか、と千波は思った。
どれだけ本心なのかはわからないが、相変わらず人の心をつかむことにかけては天才的だ、総支配人は…。
「そこに、あの杉浦さんが現われて、事態は急展開するの。
 『僭越ながら私にお任せいただけませんか』なんて、自分が立候補しちゃって、
 あのじいやさん、かなりの実力らしいのよ!
 『相手にも心当たりがありますので』とまで言うから、王子も、『それなら…』って。」
「人は見かけによらないわよねぇ〜」三島がしみじみと呟く。

77 :
千波達が他愛もない噂話をしている間に、会場の準備はすっかり整い、司会者がマイクの前に移動した。
「皆様、お待たせいたしました。
 それでは、TAKAOKAホテル特別企画、ハロウィンダンスパーティーを始めさせていただきたいと思います。
 まずは、一組のペアのダンスをご覧ください」
その言葉を合図に、会場の照明が落ち、中央だけにスポットライトが当てられた。
期待に満ちたざわめきが起こる。
千波の胸も少しずつ高まっていく。
その時、ふいに背後から声をかけられた。
「相沢様、実は折り入ってお願い事があるのですが…」
「?…杉浦さん、ですか?」
暗闇の中で姿は見えなかったが、
その柔らかい言葉遣いに、千波はすぐに相手が誰だか気付いた。
「はい、さようで。相沢様、突然ではございますが、これから私と踊ってはいただけませんでしょうか?」
「…は?」
しばらく言葉の意味がつかめずにいた千波だが、内容を理解して、叫び声を上げそうになる。
「むっ、無理ですよっ、社交ダンスなんて、私、今日が初めてなんですよっ!」
「心配には及びません。以前もお伝えいたしましたが、女性はただそこに居てくださるだけでいいのです。
 後は、私めが…」
「む、無理っ、無理です!」
「そうでございますか…でしたら、初っ端のデモンストレーションは中止にするしかありませんなぁ。
 折角の坊っちゃまの企画でしたが、参加者の方々の気持ちをまず最初に盛り上げようと言う試みは、残念ながら叶わぬこととなりました…」
真っ暗な会場にスポットライトだけが輝く中、何も物事が始まらないことに、先ほどとは違う疑問を感じさせるざわめきが広がりつつある。
早く誰かが踊りださなくては、折角集まった人々の気持ちが離れてしまう。
日々総支配人として必に頑張っている祐輔の企画を台無しにしたくない、という強い思いが千波の心の中に広がっていく。

78 :
「…本当に、立ってるだけで大丈夫なんですか?」
「はい、私をお信じください」
千波は覚悟を決め、「わかりました」とかすれる声で答えた。
「では」と杉浦に手を引かれ、スポットライトへ向かって歩き出す。
明かりの真ん中に立つと、参加者達からどよめきが起こった。
「えっ、えっ、相沢さんっ!?」
小さく聞こえてきたのは、三島の声だろうか。
千波は緊張のあまり、とても顔を上げることができない。
「相沢様、一つだけお約束を。手だけは決して離さないように、お願い致します。
 相沢様を回転させた時に、手が離れると、相沢様が怪我をなさいますから」
「あ、はい!」
会場に待機していた楽団の生演奏が聞こえ始める。
しかし、杉浦はまだ動き出さない。
何かを待っているように、かすかに周りをうかがっているような仕草を見せる。
「杉浦さん…?」
「…あ、失礼致しました。
 気になる女性が他の男と踊るというのに…あの方も案外度胸がなかったようで。
 …それでは、参りましょうか」
意味不明の言葉が呟やかれた後、杉浦の手が背中に回され、千波は体を硬くする。
顔はやはり上げられず、うつむいたままで杉浦に身を寄せる。
背をそっと引き寄せられ、一歩踏み出しかけたところで、
突然杉浦の体がぱっと離れた。手も同時に離される。
「あっ」と思うまもなく、再び温かさが戻ってきた。
ホッとし、千波はその手を二度と離さないように、しっかりと握る。
背中に回された手に力強く引き寄せられた時、千波は違和感を覚えた。
自分に触れる手も、杉浦の柔らかい手の感触とは違っている気がする。
視線を上げると、すらりと伸びた長い指が自分の手を包み込んでいた。
「え?」と、自分を抱く相手の顔を見上げると…。
「…何をしているんですか、あなたは」
呆れ顔の祐輔の顔がそこにはあった。
事態がのみ込めない千波は目をしばたかせる。
「あ、あの…」
「話は後で。今は僕のリードに身を任せてください」
「は、はい」

79 :
祐輔の一歩につられ、千波も足を踏み出す。
自分でも驚くほど軽やかに体が動いた。
会場を大きく祐輔が移動していく。
それに合わせて、スポットライトも移動する。
ふいに2人の体が離れたかと思うと、千波の体がクルリと回転した。
さらに逆回りにクルリ。
祐輔によって、千波の体が自在に操られる。
まるでずっとそうしてきたかのように、2人は優雅に踊り続ける。
その様を目の当たりにした参加者から、わっと歓声があがる。
始めは祐輔になされるままだった千波だが、踊り続ける内に少しずつ余裕が生まれ始める。
上げた手に、軽く力を込められると、もう回転の合図だと解るようになった。
祐輔の導くままに回って見せると、自分の意図が通じたことを喜ぶように、祐輔の顔に柔らかい笑顔が宿る。
嬉しそうな祐輔の顔を見ると、千波まで心がウキウキとわき立つようだった。
久しぶりに、祐輔と直に交流をしているような、千波はそんな気分になる。
その後、再び体を抱き寄せられ、祐輔の体温を感じると、今度はじわじわと胸が締め付けられていく。
間近にある祐輔の顔を直視することができず、千波はちらちらとその横顔を盗み見るしかない。
何を考えているのか、祐輔はじっと前を見据えている。
その顔に、いつか心に思い浮かんだ、理想の男性の姿が重なる。
けれど…その像はピタリと重なり合いはしなかった。
曲が止むのに合わせて、祐輔がステップを終える。
最後まで触れ合っていた2人の手と手が、静かに離れていく。
千波と祐輔は軽く息を乱しながら、ようやく我に返ったように、なかば呆然とお互いを見ていた。
2人にとって共に踊ったその一時は、まるで夢の中の出来事のようだった。
「それでは、皆様もご一緒に!」
ぱっと会場全体に明かりが点り、華やかに曲が始まる。
フロアの中央に人々が集まり、そこここで踊り始める。
「あ、あのっ、総支配人、わ、私とも…」
祐輔に擦り寄ってきた三島が、体をくねらせながら祐輔にダンスの相手をねだる。
「ええ、もちろん」
条件反射でいつもの営業スマイルになると、祐輔は三島の手をとった。
…静かに離れていく千波の気配を背中に感じながら。

80 :
体の火照りを誤魔化すように、千波はテーブルに用意されていたカクテルをぐいっとあおる。
「大変お似合いでらっしゃいました」
いつの間にか隣に来ていた杉浦が、嬉しそうに話しかけてくる。
杉浦はこれまでも時々、千波と祐輔を近づけるような企みを仕掛けることがあった。
おそらく、それまで人に心を閉ざしていた祐輔が、手紙では本当の気持ちを明かすようになったことを知り、
千波との交流についても快く思っているのだろう。
今回も、祐輔が飛び出してくることを見込んでのお誘いだったに違いない。
振り回されたことを責めたいところだが、そうは出来ない理由が千波にはあった。
手紙の交流を続ける意思表示をされてから、
どこかぎこちなかった祐輔と、久しぶりに心を通い合わせることが出来た気がしたのだ。
「…ありがとうございました」
その言葉に、杉浦は「おや?」と千波の顔をのぞき込む。
「久しぶりに、総支配人と楽しい時間を持てたので」
「これからもぜひ、そのような時間をお持ちくださいませ」
そうあればいいのだが、と千波は思う。
ただ…体が触れ合ったときに感じた、あの切ないような気持ちは…。
祐輔との関係が、少しずつ形を変えていきそうな、そんな予感を千波は感じていた。

81 :
一応これで一段落
後は伏線っぽく張った話の回収(そこまで大層なもんじゃないけど)
そこで、一つの要素を盛り込んだバージョンと盛り込んでないバージョンを書いててどちらをとるか迷ってるんだけど
この話を読みすぎたせいで今日はもう判断がつかない
明らかに実力以上のものを書こうとし過ぎた
次からは等身大で行きます
レス書こうとしたのに投下中で諦めた方、本当にスンマセン

82 :
大作キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
投下邪魔してスマソ

83 :
ああああああああああああああありがとう!
投下が始まったら終了まで大人しく待って、一気に読みたいもん〜
大作の時はスレを占領しても仕方ない
遠慮せず続きもお願いします!!
盛り込んだバージョン、盛り込まなかったバージョン、両方、違いも読みたいってのは贅沢?
これだけの作品書けるなんて尊敬〜〜〜〜〜

84 :
滾ったもんいくらでもだして〜!ダラダラだなんてとんでもない、萌えもほわほわだよ〜!

85 :
ネ申キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
面白かったです!
杉浦さんGJ過ぎるw

86 :
書き直せば書き直すほど訳がわからなくなるこの悪循環 もう諦める
えっと、感想いただけて嬉しかったんだが…なんだかハードル上がってませんか…ブルブル
広げた風呂敷を一生懸命畳んでるだけの話なので、あまり期待はされぬように
あとホテルTAKAOKAをTAKAOKAホテルと書いちゃうような間違いが散りばめられてると思う
とにかく、それなりに楽しんでもらえたら充分です

87 :
「ああん、どーして最後はこうなるのぉ〜」
飲み物が少しずつ残されたグラスを片付けながら、ドレス姿のままの三島がぼやく。
「仕方ありませんよ、後片付けも込みの募集だったからこそ、このイベント参加でお給料も出していただけるんですから」
とは言え、家族を持つ同僚達は、何かと理由を付けて早々に帰ってしまっていた。
お互い、幼い子供やうるさい亭主を持つことは把握しあっているので、
こんな事態になっても、千波達のチームワークが悪くなることは基本的にない。
「まぁねぇ〜、王子と踊れたから、参加できたこと自体は良かったんだけどさぁ〜」
三島にもそこまでの不満は溜まっていないようだったが、
“王子”という単語に、一瞬千波はヒヤリとする。
「あ、そう言えば相沢さん、王子と踊ること黙ってるなんて、水臭いじゃないのぉ」
「あ、いえ、私も全然知らなくて…」
「そうなの?」
これ以上突っ込まれたら、どうしよう…。
千波の不安など知るわけもない三島は、
「ま、アレのお陰で王子に声をかけられたから、いんだけどね!」
とカラカラと笑い、その話題はそれきりになった。
しばらく2人でテーブルを黙々と片付けていたが、
「あ、もうこんな時間。三島さん、先にあがってください」
時計が目に入った千波は、夫と暮らす三島に気を利かせて声をかける。
「え?でも…」
「今日ウチは息子が塾で遅くなるんです。残ってるグラスもあともうちょっとですし、私一人で大丈夫ですよ」
「…そぉ?悪いわね。じゃ、お先に」
一人残された会場で、千波は一人後片付けを続ける。
気を抜くと、先ほどのダンスで祐輔と触れ合った感触が甦ってきて、顔が火照ってくる。
千波は仕事に集中しようと、ぺちぺちと自分の頬を叩く。
私も早く帰って、かけるを待とう!、と片付ける手を早めたところで、急に背後の扉が開く気配がした。
「三島さん、忘れ物でも…?」
千波が何気なく振り返ると…そこには祐輔が立っていた。
「あ、お疲れ様です!」
千波は、思わず従業員としての挨拶を口にし、頭を下げる。
祐輔は千波の元に歩み寄り、黙って片づけを手伝いだした。
「あ、これは私が…」
「お陰で、盛況のうちにダンスイベントを終えることが出来ました。
 感謝します」
感謝されたのは、居残って片づけを続けていることに対してだろうか?
それとも、あのダンスに対して…?

88 :
「…どうして、私と踊ってくださったんですか?」
千波は思い切って気になっていたことを尋ねてみた。
「あなたは杉浦さんと踊りたかったんですか?」
「そ、そんなこと…」
…また以前のような本心を隠した会話に戻ってしまっている。
一緒に踊った時は、あんなにも自然に笑い合えたのに…。
千波はその事が悲しかった。
「…あなたと踊れて、私は嬉しかったですよ」
自分から素直になろう、千波はそう気持ちを切り替えた。
「実は…人と踊るってどんな感じ何だろうって、少し想像してたんです。
 素敵な人と踊れたらいいなって」
祐輔は黙って、千波の口から次に何が語られるのかをじっと待っている。
千波は誤解も恐れずに、本当のことを話し始めた。
「その時浮かんだのは、あなたでした」
祐輔がはっとしたように千波の顔を見る。
「厳密には…少し歳をとった、あなたでした」
秘密にしておくつもりのことを話してしまったことに気恥ずかしさを感じながら、千波は祐輔を見た。
てっきり微妙な顔をして、困っているだろうと思っていた祐輔は、ポカンと口を開けて、千波を見ていた。
「…どうかしましたか?」
「このあいだ夢を見て…」
「はい?」
突然話題が変わり、千波は面食らう。
「綺麗な女性が、寂しそうに立っていました。
 その女性に誘われて…僕達は2人で踊りました」
訳が解らないながらも、千波は祐輔の言葉に耳を傾け続ける。
「その女性は、あなたに良く似ていた。…ただ、彼女は僕より若かった」
思いもしない告白を聞いて、一瞬の間があく。
やがて、千波がくすくすと笑い出した。

89 :
「私は歳をとったあなたを。
 あなたは若い私を望んだということでしょうか」
あまりに都合のいいことをお互いに望んでいることがわかって、千波はおかしかった。
祐輔を見ると、なぜか憮然とした表情をしている。
なにか気に障るようなことでも言っただろうか?と思いつつも、
「まぁ、夢見ることは自由ですし…。
 でもそれなら、今日はお互い、本当の目的の相手とは踊れなくて、残念だったのかもしれませんね」
「いえ、僕はあなたと踊れて良かったと思います。
 …若いあなたではなく、今のあなたと踊れて良かったと」 
意外な言葉に、千波が顔を上げると、祐輔と目が合った。
「…あなたは違うのかもしれませんが」
少し怒ったような祐輔のその顔に、千波は覚えがあった。
文通相手の正体を知った後、手紙のことは忘れるつもりだと言った自分に対して、
「歳は関係ないでしょう!」と言った、あの時と同じ目を祐輔はしていた。
「もしかしたら、あなたは僕より、杉浦さんと踊る方が良かったのかもしれませんね」
拗ねたように言葉を続ける祐輔を前に、千波は本当のことを言うべきか迷う。
穏やかな眼差しをした、成長したあなたと踊るより、
硬い表情で自分を抱き、やがてとびきりの笑顔を見せてくれるようになったあなたと踊るほうが、
ずっとドキドキしたのではないかと、今は思うのだと。
「…どうして、若い私じゃなく、今の私で良かったんですか?」
自分の思いは秘めたまま、千波が恐る恐る尋ねると、
「…あなたは、僕と踊って笑ってくれたから。
 それに…」
自分が抱き寄せると、緊張したように身を硬くする千波が可愛らしく思えたのだ。
さすがの祐輔も、そこまでは伝えられない。
「若い私はそんなに笑いませんでしたか?」
「ええ、ツンツンしてましたね」
……とても美しかったけど。
女優のような輝きをもつ若い千波の姿を、祐輔は思い出す。
踊る彼女の美しさをもう一度見たくて、私情を入れた企画までも立ててしまった。
ふいに、若かりし頃の千波を存分に見てきたであろう、ぼんくら亭主までもが思い浮かび、
祐輔の胸に苦いものが広がった。
この人がからむと、今まで味わったことのない感情が次々湧き起こるから困る…、と祐輔は思う。

90 :
しばらくの沈黙ののち、どちらからともなく2人は片づけを再開する。
どこか気まずいような、同時にむず痒くもあるような、不思議な空気が流れる。
洗い物を全てキャリーに乗せ、
「今日はありがとうございました」
礼をして去ろうとする千波に、祐輔はかける言葉が見つからない。
千波の後姿が、どんどん遠ざかっていく。
これからまた、あの距離のある関係に戻るのだろうか?
やっと一歩を踏み出しても、次には数歩下がってしまうような、そんな関係をこれからも続けていくのだろうか。
手紙でいくら本音を語っていても、直接会った時にちゃんと言葉を交わせないのでは…。
千波が扉を開け、出て行こうとしたその時、祐輔の中で何かが吹き飛んだ。
「杉浦さん!」
突然の祐輔の叫び声に、千波が思わず振り返る。
「どうせどこかで見てるんでしょう!?
 なら、協力してください。
 何か踊れる曲をこの会場に流してください、お願いします!」
しばらくの間をあけて、スローなナンバーが流れてきた。
祐輔はずかずかと千波の元まで歩み、手を差し出す。
そして、夢の女性が自分にかけた言葉をそのまま復唱する。
…ちょっと気障っぽかったか、と不安になったが、千波はクスリと笑うと祐輔の手をそっと握った。
祐輔に誘導され、優雅にフロアの中央まで来ると、二人は向き合った。
祐輔の手が千波の背中に回され、静かに体を引き寄せられる。
2人の体の触れ合った場所が発熱でもしているかのようにジンジンと熱い。
イベントで踊った時はテンポの良い曲に合わせて、体を触れ合わせたり、遠く離れたりを繰り返して踊ったが、
スロウな曲の流れる中踊る今回は、ダンスの種類が違うのだろう。
千波はずっと祐輔の腕に包まれたまま、フロアをゆっくりと移動していく。

91 :
こうしていると、本当に年齢のことなんて、忘れてしまいそう…。
祐輔に腕に守るように抱かれながら、
千波はぼんやりと考える。
すぐそばにある祐輔の横顔をチラリと見ると、
祐輔は、イベントの時にみたような硬い顔でも、思わず漏らした笑顔でもなく、
ひどく穏やかな、満足気な表情で微笑んでいた。
それはまるで、千波がダンスをする相手を思い描いた時の、
年齢を重ねた祐輔の表情そのものだった。
こんな表情を今の彼も持っていたのか…まだまだ知らないことが沢山あるのだと千波は強く思う。
そして、だからこそ、もっと祐輔のことを知ってみたい、とも。
溢れそうになる感情におされて、その言葉がぽろりと千波の唇から零れ落ちた。
「…きっと、私もあなたと踊りたかったんだと思います。
 歳を重ねたあなたではなく、今のあなたと…」
こちらを向きはしなかったが、祐輔にその言葉が聞こえたことは、
握る手にこもる力で解った。
「…どれだけ頑張っても、あなたより年上になることはできませんよ?」
「私も今から若返ったりは出来ません。それでも、いいんでしょう?」
祐輔がふっと笑う。
「ええ」
「なら、いいじゃないですか」
祐輔が千波の顔を見ると、気品高く笑いかける千波の笑顔がすぐそばにあった。
その笑顔は、夢で見たあの若々しい千波と比べても、なんの遜色もないほどに輝いていた。
同じ服を着てはいるが、バーで泣き崩れていたあの時の面影は微塵もない。
いつまでも千波とこうして踊っていたいと祐輔は思った。

92 :
フロアを何度も2人で踊りながら回った後で、
「ずっと踊っていたいけど…」と、ふいに千波が呟く。
「杉浦さんに悪いかも」そんな千波の言葉に、祐輔はふっと我に返る。
「そ、そうですね」
思わず足が止まった。
名残惜しげに千波の体を離し、
「…杉浦さん、今日はこれで!ありがとうございました!」
祐輔が叫ぶと、ふっと曲が止み、すぐそばの扉が静かに開いた。
「思い出していただけて、よぉございました。
 老体には、夜更かしはこたえますので…」
「お付き合いいただき、申し訳ありませんでした」
千波が杉浦の方へ一歩前に出ると、深々と頭を下げる。
「いいえ、相沢さまと坊っちゃまのキューピットになることが出来、うれしゅうございます」
「キュ…」
千波と祐輔は顔を見合わせる。
「あ、あの、僕達は…」
千波の気持ちが気になり、いつものように言い訳をしそうになる祐輔だったが、
「本当に感謝しています」
千波が先にさらりと答えた。
深い意味はないのだと自分に言い聞かせながらも、祐輔の顔がほころぶ。

93 :
「相沢様、次はぜひとも私めとも踊ってくださいませ」
「まぁ、光栄です。私も少し勉強しておきますね」
「相沢さん!もう遅いからお送りしますよ」
杉浦との和やかな会話を妨害するように、祐輔が声をかける。
「いや、総支配人ともあろう方に、そんな運転手のような真似をさせるわけには…。
 相沢様、すぐ私がお車をお出ししますので…」
「総支配人じゃない!」
祐輔の大声に、千波と杉浦が驚いた表情になる。
「…高岡祐輔として送るんだ。なら、問題ないだろう」
さっと千波の手を取ると、とまどう千波の手を引いて、祐輔は会場を出て行った。
一人大きなフロアに残された杉浦の顔に、にじみ出るような微笑が広がる。
「…今日一日で、坊っちゃまはずいぶん度胸がついたご様子。
 いや、大変結構でございますな」
杉浦は、扉の前に残されたグラスののったキャリーを見やる。
「これくらい、杉浦が喜んでいたしますとも」
そう言って、今日全く披露できなかった華麗なステップを踏みながらキャリーに近づいていくと、
取ってをつかみ、扉に手をかけた。
…が、ふと杉浦は思い出したように会場を振り返る。
そして、そのままフロアをぐるりと見渡し、
「今日は坊っちゃまが大変お世話になりました」
と、深々と一礼した。
しばらくそうしてから、杉浦はクルリと扉に向き直り、
スタンダードなダンスナンバーを上機嫌に口ずさみながら、
キャリーを押す足取りも軽やかに、その会場を後にしたのだった。

−おわり−

94 :
スタンダードなダンスナンバーってなんだろ?とか
あれ?バーで千波って泣き崩れてはなくない??とか自分で突っ込む度に書き直したくなり
しかしそんなことしてると作品は完成せず …もういいんだ
もしかして、他のSSや小ネタの投下もこっちの投下のために自粛してもらってたりした?
いや、ガンガン落としてくれ
他の人の作品が読みたくてたまらないんだ!
読めるまでこのスレを暖めておかねばと、こんな話をせっせとこさえてきたんだよぉぉ〜
あ、バージョン違いは片方がまとめきれなかったのでシンプルバージョンにしました
杉浦が流した曲に何か思いを込めようかと曲名考えたりしてたんだけど、うまくもはまらないし、かつもうお腹一杯って感じ
遅い時間の投下でヤキモキさせてたらごめんです
皆さんの萌え話・妄想話・エロ話、何でもいい、楽しみにしております

95 :
乙!昨日寝る前に感想打って寝落ちしたと思ったら寝ぼけてたのか送信出来てなかった
改めて、萌えをありがとう!
話の流れがとってもダイナミックっていうか、物語の起伏のメリハリがあって
お話に飲み込まれてったよ〜超面白かった!
投下の際に他のことは気にしないで!
もとからゆっくりなスレなんだし!

96 :
>>95
感想ありがとう!
長い話根気強く読んでもらえて本当に嬉しい
途中ぼちぼち盛り上がったのに最後がなー的な感想もらったらどうしようって実は不安だったw
色々吹っ切って投下して良かったよ〜
ココまったりスレだからこそ、貴重な投下の妨げになっちゃいかんとつい思ってしまうんだ
でも投下が重ならないほうがスレ的にも長く楽しめるかもしれんね
今日からまたのんびり待つよ

97 :
>>96
待たなくていいから〜!
凄くツボにハマる文だったよ!
GJ!!!!
是非また読ませて下さい!
長文で嬉しかった
ありがとう

98 :
いやほんと面白かったよ
あと勢いも大事だよね粗が気になるって気持ちも分かる(SSは全然粗なんて気にならんかったよ!)
妄想でぐわーっと滾った後のこの粗っぽさといったら…なんて思っちゃ萌えは具現化できんw
初キス=ママレードキスだよな!とかわけわかんないこと妄想してったら意味不明なことになったw

99 :
ママレードキスってなんぞな?w
でもまだ妄想出てくるのって羨ましい
録画観ないとドラマのこと完全に忘れちゃってる日々だ…
>>60の続きが読みたいよー

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