2013年10エロパロ276: 【古典部】米澤穂信作品でエロパロ2【小市民】 (346) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【古典部】米澤穂信作品でエロパロ2【小市民】


1 :2012/08/09 〜 最終レス :2013/09/27
〈古典部〉シリーズ
〈小市民〉シリーズ
〈S&R〉シリーズ
ボトルネック、インシテミル、etc.
米澤穂信作品でエロパロ小説を書きましょう。

2 :
@過去スレ
【小市民】米澤穂信作品でエロパロ【古典部】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1168939470/
米澤穂信作品でエロパロ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1267891861/
【古典部・氷菓】米澤穂信作品でエロパロ【小市民】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1335803079/
@保管庫
2chエロパロ板SS保管庫
http://red.ribbon.to/~eroparo/
 →ENTER →ライトノベル、その他小説の部屋 →その他小説の部屋

3 :
前スレではテンプレになかったけど、480KB付近もしくは>>980になったら
次スレをたてるようにしたがいいね

4 :
ついに2スレ目にいったか、乙
せっかくなので今日ホータロー総受の薄い本を買ってきた

5 :
実質は4スレ目になるのか

6 :
>>4
里志とかとおがいとが相手?

7 :
保守ついでに、投下します。
里志×摩耶花です。
時間軸的には、「鏡には映らない」の後日談です。ネタバレが若干あります。
ネタバレ回避したい方はNGに登録してください。

8 :
 僕と摩耶花が付き合い始めてもうすぐ4ヶ月。と言っても、僕たちは中学の時から
つかず離れずの距離で過ごしてきた。摩耶花は僕にとっての一番の理解者で、僕も
摩耶花のことなら誰にも負けない自負がある。
 それでも晴れて恋人同士になってみると、今まで知らなかった一面をみることがある。
 例えば、摩耶花は意外と独占欲が強い。僕が摩耶花の知らない人と知り合いだった
というだけで気を重くしていた。それだけ僕のことを想ってくれてると思うと悪い
気はしないけどね。
「別に……ん、そんなんじゃないし」
 きっと今、摩耶花は唇を尖らせて拗ねたような表情をしているんだろうなあ。
「わたしも、付き合いだしてふくちゃんのことでわかったことがあるわ」
 なんとなく言いたいことはわかったけれど、あえて先の言葉を促す。
「なんだろ?ぺろり……教えてくれるかい?ぺろり……」
「はっ……!ふくちゃんがスケベだってこと」
 摩耶花の首筋に舌を這わせるのをやめる。
「僕は、摩耶花がエッチなのは付き合う前から知ってたよ?」
 そう言った途端にパンチが飛んできた。あー、ごめん、ごめんよ摩耶花。だから
そんなにポカポカ僕の頭を殴らないで。あー、こんな風に、顔を真っ赤にして怒って
いる摩耶花も可愛いなあ。
 恋人になってわかったこと。「匂い」もその一つだ。栗色の髪から香るシャンプーの
さわやかな匂いもいいけど、エッチなことをしているときに、摩耶花のしっとりとした
素肌から漂う甘い匂堪らないね。
 摩耶花の両腕を掴み、再び首筋へ口付けし、息を吸う。
「んんっ!」
 摩耶花が刺激に耐え切れず、首を反らし悶える。
「いい匂いだよ摩耶花」
「や、やめて……嗅がないで」
 それは無理な注文だよ。耳まで真っ赤になっているけどそんなに恥かしいのかな?
 その耳を軽く歯を立てるように咥えると、摩耶花の身体がビクンと跳ねた。摩耶花の
背中を支えるように右手を回して、耳から首筋、そして胸元へ舌を這わせていく。
「くうんんっ……」
 ブラジャーのホックを外して、捲りあげる。摩耶花の胸は確かに大きくはないけど
緩やかな傾斜のある魅力的な形をしている。そしてなによりその中心にある乳首が
可愛らしい。透きとおるような白い乳房の上に、淡いピンクの乳首がまるで摩耶花の
性格を表しているようにツンと立っている。
「……んっ!」
 ブラジャーをすっかりはずして、右の乳房をすくい上げるように舐める。摩耶花は
唇を引き締め、漏れ出る声を必にこらえている。うーん、我慢しないでもっと可愛い
声を聞かせてほしいなあ。
 乳首だけを避けるように下から上へ舐める。唾液と汗によって乳房はしっとりと濡れ
光っていく。
「んん……うっん!」
 まだ、直接は触れていない乳首がさっきより突起しているのを確認して、それを
口に含んだ。
「はあっん!」
 背中を反らせ、摩耶花の口からとうとう悲鳴が漏れた。
「ふぅん……んんっ……くうっ!」
 空いた左手で左の乳首を摘み、舌で右の乳首を転がす。熱にうなされるように
摩耶花は身をよじり、素肌はじっとりと汗ばんでいく。
 目を動かし摩耶花の顔を確認。うん、十分感じてくれているようだ。目をぎゅっと
閉じて、食いしばるように歯列を覗かせ悶えている表情は官能的で、これも付き合い
始めて見ることのできた摩耶花の表情だ。その表情はとても愛おしい。

9 :
 普段はツンとして唇を引きを結んだ表情が多いからこそ、その笑顔や恥らった表情に
何物にも代えがたい価値がある。
 ホータローは9年間も摩耶花と同じクラスで時間を過ごしていたのにこの価値に
気付かなかった。 ホータロー、それはきっとホータローの省エネ主義による最大の
失策だよ。まあ、そのおかげで僕たちは中学で知り合い、恋仲になったのだけど。
 もし、早くからホータローが摩耶花の良さを見出していたのなら、それはそれで
ぞっとしない話だ。
 摩耶花にホータローの話をすると決まって、「折木のことなんか見てないし」と
吐き捨てる。それで安心していることがあった。甘えていた。こだわらないことに
こだわって、摩耶花を何度も傷つけた。それでも摩耶花は僕を選んでくれた。本当に
嬉しかったよ。
 だけど、付き合いだして摩耶花の意外性を目の当たりにして驚嘆した。まさか、
中学の卒業制作の秘密を暴かれるなんて!
 ホータローが千反田さんに出会って真価を発揮したように、摩耶花もこの一年と
数ヶ月、古典部でホータローと共に過ごしたことによって、過去のホータローの行動に
矛盾点を見つけ出し、その謎を解き明かした。
 だからこそ、僕は恐れているのかもしれない。摩耶花にこだわると心に決め、だけど
それも一番にはなれないのかもしれないと。もし、ホータローが摩耶花の真価を
発揮させたなら。もし、摩耶花がホータローの一番の理解者となってしまったら。
 僕は2人の隣に並んで立っていることはできるだろうか?
「ああっ!」
 摩耶花は声を上げる。
 左手人差し指と中指を、ショーツの上から秘裂に添える。熱を帯びた湿りを感じて
つい嬉しくなる。もうこんなに濡らしてくれたのかい、摩耶花。だけど、まだまだ
これからだよ。
 縦に伸びたショーツの皺を何度もなぞる。ほんの少しだけ食い込むように、ゆっくりと。
 ビクっと摩耶花の腰が跳ね上がる。
「はぁああ……くうううっ!」
 何度も何度も上下になぞると、だんだんと摩耶花の喘ぐ声も早まっていく。
「ああっ……はあんっ…」
 不意に最高潮に隆起しきった乳首に軽く歯を立てて吸い上げると、摩耶花は身体を
反らし、両腕で僕のあたまを抱えた。
「ふぅあぁんんっ!」
 摩耶花がひときわ大きい声を上げる。軽く昇りつめたみたいだ。
 呼吸が乱れ、下肢を震わせている。ちょっとやりすぎたかな?仕方ない、少し手を
休めよう。
「摩耶花、ちょっと腰を浮かして。パンツ脱がないとシミになっちゃうよ」
「もう!いじわるなこと言わないでよ!」
 摩耶花は今にも泣きそうな顔で僕を睨んだ。うーん、その表情もいいなあ。
 伸ばした足先からするするとショーツを引き抜く。露になった摩耶花のそこには
薄っすらと繊毛が生えていて、そこから下へ伸びているピンクアーモンド色の縦筋は
確かに濡れ湿っている。こんなにも感じてくれたんだね。
 摩耶花の両膝をつかまえる。とても恥かしい格好だろうけど、それでも摩耶花は
膝を開いてくれた。
 さっきまで嗅いでいた甘い匂いとは違う匂いが漂っている。よく例えられるのは
カマンベールのようなチーズ臭だけど、僕はこれを否定したい。摩耶花のそれは、
そう、濃厚な牝の匂いだ。僕みたいな牡を虜にしてしまう匂い。
 股間の愚息はボクサーパンツの中ではちきれんばかりに膨らんでいる。僕もう
限界だ。一旦、摩耶花から離れると一気にボクサーパンツを脱いだ。
「ふくちゃん……」
 耶花が僕の首に腕を回して、引き寄せてくる。摩耶花の瞳に僕が写っている。
きっと僕の瞳にも……。
 どちらからともなく唇を重ねた。
「んんっ……ぅんん」
 貪るように舌を吸い、歯列を舐めた。摩耶花も答えるように舌を絡ませてくれる。
 口付けを交わしながら、上体を摩耶花に重ねる、繋がる体勢を整える。
「ぷはっ」
 唇を離し、呼吸を整える。いつかのたどたどしいファーストキスからすると、
僕たちは随分キスがうまくなったと思う。

10 :
「あっ……」
 摩耶花の一番感じる場所に僕の愚息があてがわれる。摩耶花がベッドのシーツを
たぐり寄せ握る。
 まだ少し怖いかい?大丈夫だよ優しくするから。
 摩耶花は上目遣いで僕を見ると「あはは」と照れくさそうに笑みを浮かべる。その
健気な彼女の表情はきっと僕だけにしか見せないもので、胸を締め付けられるような
感覚に襲われてしまう。
 そうさ、この表情は僕だけのものだ。
 ゆっくりと割れ目に挿入していく。摩耶花は目をつぶり息を止めて繋がるときを
待つ。
 肉襞の一枚を感じるようにじわじわと分身を摩耶花の中へ送り込む。
「あうんんっ……」
 歯を食いしばり、シーツを掴んで必に僕を受け入れようとしてくれる。摩耶花の
そこは熱くぬかるんでいる。蕩けそうに気持ちがいい。
「くううっ…」
 半分ほど埋没させた状態から、ゆっくりと出し入れする。摩耶花の肉路はとても
狭いから、こうやって僕のを馴染ませるようにゆっくりと拡張させないと、摩耶花が
苦しんでしまう。
「んんっ……ああん……!」
 くちゃくちゃと肉襞が擦れる音が次第に大きくなる。摩耶花の呼吸も早くなって、
それに連動するように僕のものをぎゅっと締め付けてくる。正直、油断していると
うっかり爆発してしまいそうだ。
 だけど、ここは男として我慢しなければならない。
「ああぁっ!……はあぁ……!」
 馴染ませるようにゆっくりと出し入れを始めて三分くたいが経ったかな。摩耶花の
全身に玉のような汗が浮かんできた。男根を出し入れする度に摩耶花は身体をよじる。
けれど、それはもう苦痛からだけではないと確信できた。
「摩耶花、腰が動いてきたね」
「い、言わないでっ!」
 僕の動きに合わせて、摩耶花の腰も律動している。そろそろいいかな?
 ふぅーっと息を止め、大きく突き上げる。
「ああああーっ!」
 摩耶花が大きな嬌声をあげ、背中を反らす。ようやく全長が収まった。絡みつく
ように収縮し僕に射精を促す。
 だけど、これからだ。僕も歯を食いしばってその快感を我慢する。見ると、摩耶花は
半開きの口をわなわなさせている。わかるよ、摩耶花。僕が顔を近づけると再び首に
腕を回してきた。
 そのままキスをする。ねっとりと舌を絡めて吸う。お互いの唾液が口内で混じり、
汗がお互いの肌を湿らせ、肉壷では性液が絡み合う。独特の匂いが僕らを包み込む。
 
 そう、動物が自分の縄張りを匂いで主張するように、僕の匂いを摩耶花にうつす。
絶対に摩耶花を手放さない。何があろうと摩耶花にこだわり続けるんだ。
 唾液の糸を引きながら唇を離す。摩耶花の頬に汗で張り付いた横髪を拭うように払い、
そのまま手を添える。
「摩耶花……」
 摩耶花はこくりと頷いた。
「ふくちゃん、動いて……わたし、もう我慢できない」
 摩耶花は腰をくねらせ、僕の動きを待っている。
「うん、いくよ摩耶花」

11 :
 摩耶花のくびれた腰を掴み、ゆっくりと抽送を開始した。
 しっかりと吸い付くように肉襞が絡みついてくる。
「あうっ!」
 付き合いだして以降、土日のスケジュールのほとんど埋まり、何度となく身体を
重ねた。
 だから、もう摩耶花の感じるポイントもデータベースに入っている。
「はぁあんっ!」
 弱点を突かれ、摩耶花が今日一番の嬌声を上げた。ただそれ以上は声も出ないようで、
恍惚な表情をひきつらせている。
 僕は肉路の上壁をえぐるように男根を送り込む。小柄な摩耶花の身体が一突きごとに
浮き上がり、送り込まれる刺激に翻弄されている。
「……っ!……ううっ!」
 感じすぎているのか、息を止めて栗色の髪を振り乱している。酸欠にならないか
心配だけど、僕も気を抜くことはできない。挿入のしかたを変えただけ、濡れた肉襞が
租借するかのよう男根締め付け、肉路の奥へ吸い込もうとしてくる。
「ひぃいっ!」
 結合部と薄っすらと生えた繊毛の間でふくらみをもった突起を指の腹で押すと、
劇的に摩耶花の表情が変化した。目を見開き、会心の刺激に怯えるような表情になる。
 ごめん、摩耶花。別に驚かそうってつもりじゃないんだ。男根を抽送しながらも、
尖った豆を、くりん、くりんと転がす。
「だめふくちゃん!それだめぇ!」
 真っ赤な顔で摩耶花が声を上げた。限界がそこまで来てるんだね。
「先にイッていいよ」
 だけど、摩耶花は必に首を振って嘆願した。
「一緒がいいっ!ふくちゃんも一緒にっ!」
 わかったよ、摩耶花。頷いてみせると、摩耶花は安堵の息を吐いた。その息はとても
熱く、僕をさらに昂ぶらせる。
 再び摩耶花の腰を両手で掴み、渾身の力で男根を送り込む。
 パンパンパンと肌と肌が当たる音が響き渡る。
「あっ!あんっ!はっ!ああっ!はぁっ!あぁっ!」
 突き上げる度に、摩耶花はのけぞり、嬌声を上げる。
 僕も、摩耶花のウイークポイントを意識して、肉襞をえぐるように貫く。貫く。貫く。
 奥の奥、子宮口まで執拗に責め続けると、急速に肉路が狭まり、ひくひくと痙攣を
始める。
「もう……だめっ!だめぇ、い、……イッちゃう」
「僕も、……もう限界だ……っ!」
 腰を反らせ、高みに向かってラストスパートをかける。まるで獣にでもなったように、
貪るように腰を打ちつけた。
 ほら、いくよ摩耶花っ!
「ああああああああっ!」
「くううっ!」
 悲鳴にも似た嬌声を同時に上げた。男根を包み込んだ肉襞がうごめくように収縮され、
僕の精という精をすべて吸い出してしまうように痛いくらい締めつけた。最後の
一突きが子宮口まで届くと、耐え切れずに爆発を起こした。ドクドクと熱い精が
放たれる。
「はあああああああっ!」
 摩耶花は下腹部の奥で僕の爆発を受けとめると同時に、身体の骨が軋むような勢いで
背中を反らした。そして、ビクン、ビクンと身体を波立たせるように身体を跳ね上げた。
 
 体中を痺れるような快感が駆け巡っている。きっと摩耶花も同じなんだろうね。今は
焦点が合っていないような目で宙を見ている。呼吸もなかなか整わず、下肢はまだ震えて
いる。
「ふくちゃん……」
 それでも、僕に一生懸命腕を伸ばしてくる。まいったな。危うく泣いてしまいそう
じゃないか。
 摩耶花に被さるように抱き合いキスをする。
 もう僕たち二人の身体はすっかり同じ匂いが染み込んでしまったように感じた。

12 :
「ごめん」
思わず呟いていた。
「……ふくちゃん」
「ごめんね、摩耶花」
 この愛し合う行為の中でも、僕はホータローに嫉妬し、摩耶花の意外性に不安を覚えた。
僕は摩耶花にこだわると決意した。摩耶花を誰にも奪われないように、摩耶花が僕以外の
男に興味を示さないように、僕は摩耶花を抱いた。でもそれは、僕のどうしようもない
独占欲であって、摩耶花の意思をないがしろにしているのと変わりないんじゃないか?
 そんな禅問答繰り広げてばかりいる僕を、摩耶花はそっとその胸に抱き寄せてくれた。
「謝ってばかりだね」
「そうかな?」
「ふふ。あのふくちゃんが、こうして大人しくわたしに捕まってるなんてね。一昔前では
考えられなかったなあ」
そうだね。僕もそう思う。正直、今でも摩耶花を傷つけない人でいられるかは不安で
しかたがないんだよ。
「散々待たせてしまったからね。摩耶花の願いくらいは聞いてあげないと」
 ゆっくりと身体を起こして、お得意の笑顔を作る。
「それもそうね」
 と笑いながら摩耶花が言う。
「なんか今のふくちゃんなら、なんでも言うこと聞いてくれそうだよね」
「そうだね。今なら何でも聞いてしまいそうだよ」
「だったら……」
 摩耶花がじいっと、上目遣いで僕の顔を見上げる。
なんだろう?正直、検討がつかないな。でも摩耶花の目が少し笑ってる。考えてみると
久しぶりかもしれない。この痛くない程度の腹の探り合いは。
 僕は降参の意味をこめて肩をすくめてみせる。
 すると摩耶花は少し困ったような顔ではにかみながら言った。
「もう一回……しよ?」
 その時の僕は一体どんな顔をしたんだろう。
「なによ、その顔は」
 ぎろりと摩耶花の目が鋭くなった。
 またしても摩耶花の意外性に驚いたのか、ただただ呆れてしまったのか。鏡があったら
自分の顔を見てみたかった。
 おっと、ごめんよ摩耶花。だからそんなに頬を膨らませて拗ねないでよ。
 僕は苦笑しながら、摩耶花にくちづけをした。

終わり

13 :
以上です
アニメで摩耶花が里志の学ランを掴むシーンに萌えてその勢いで書いてしまった
SS自体初投下なので、至らない点が多々あったかも
生暖かい目で読んで頂ければ幸いです

14 :
面白かったです!

15 :
あの学ラン掴むシーンは良かったよね
本当は抱きしめてあげたいけどそこまですると逆に里志を傷つけてしまうんじゃないかとか考えてる摩耶花を妄想した
嫉妬を感じないいいカップルだよなこいつら

16 :
>>13
GJ!!

17 :
>>13
乙。りあじゅうひにんしろ

18 :
「不毛です!」
「EDのことか」
「それは不能です」

19 :
「折木さんが不能なのかどうか、私気になります!」
「……試してみるか?」

20 :
続きお願いします

21 :
アニメ19話の改変が良かった
妄想が捗るな

22 :
「不毛です。」
「パイパンなのか?」
「私、気にしてます!」

23 :
「俺が気になる!」

24 :
千反田さんて胸は何カップなんかね
ピンナップとか見るぶんにはなかなか大きいのだが

25 :
個人的にえるはCぐらい

26 :
遠回りする雛のポスター見る限りだとDくらいありそう

27 :
そういゃ、巨乳キャラはいねぇなぁ。
折木姉くらいかな?

28 :
まやか「しょっ、しょしょしょ処女ちゃうわ!」

29 :
オサナイさん、隠れ巨乳だといいなぁー

30 :
そんなの小佐内さんじゃないやいっ!

31 :
>>30
おい、復讐されるぞ・・・

32 :
test

33 :
早く小鳩クンとお友達にならねば…

34 :
イリスさんおおきくね?

35 :
冬季限定イリスプリン!!

36 :
朽木を呼び出し、個室で一服盛って自分ペースで朽木の童貞奪うイリス先輩。

37 :
誰だよ朽木

38 :
エルさんに散々搾り取られてもうたんか…

39 :
折れて朽ちた、か

40 :
おまえらだれうま

41 :
>>38
それでもイリス先輩に手や口に熱い白濁液を出す様命じられ、攻められて気絶。

42 :
それを小佐内さんが撮影、録音。

43 :
サトシが甘酒でグッタリした巫女服のまやかを指や舌で弄りながらコトバ責めするシチュエーションはどうかな?

44 :
ぷはぁ…。
ようやくえるは奉太郎から重ねた唇を離した。
絡み合った舌と舌の間に唾液の糸が橋を架け、夕陽を浴びて煌めく。
「ち、千反田……」
うろたえる奉太郎に、えるは頬を赤く染めながら目を潤ませた。
「これが……キスの味……なんですね」
はぁ……と熱を帯びた吐息が、桜色の唇からこぼれる。
そして――(以下略

45 :
フェイエン×ライデンでだれか

46 :
>>39

  いいか、みんな
    (゚д゚ )
    (| y |)

  折木奉太郎の『木』と『奉』を
    木  ( ゚д゚)  奉
  折 \/| y |\/ 太郎

  二つ合わされば『棒』となる
     ( ゚д゚)折棒太郎
     (\/\/

  折れた棒の太郎……不能ってことだな
     (゚д゚ )
     (| y |)

47 :
沢木口「探偵君、不能なんだって?」

48 :
「試してみますか」 カチャカチャ

49 :
沢木口「起たなかったらアタシの料理食わすわよ」

50 :
「プレッシャーと恐怖で萎えました」

51 :
沢木口「そんなサイズじゃあ食べごたえがないわね」

52 :
「さとし、お前が入れてくれ。俺が揉むから。」

53 :
「そうかい、じゃあ力を抜いてくれ奉太郎」

54 :
える・まやか(ハァハァ)

55 :
沢木口「なるほど、それで不能でも大丈夫なんだ」

56 :
入須「折木君は不能なのではなく、さっき私が賢者モードにしただけだ」

57 :
沢木口「君の竜骨は折れてるから、かわりにボトルネックをINシテミルかい?」

58 :
奉太郎は気がついたら千反田家に婿入りしてそうだよな
えるがあそこまでの逸材逃がすわけがない

59 :
>>58
婿入りした場合千反田家の本業の農業が疎かになって副業に、本業が探偵業になりかねないぞw
それも入須先輩や遠垣内先輩に推理能力認められてるから依頼がかなり来るんじゃ?
入須「実はうちの病院の取引先の医療器具メーカーで横領と思わしき…。」
ほう「で?なんで俺のところにそんな件を持ってくるんですか?俺の本業農家です!警察に行くのが一番省エネじゃ…。」
入須「折木、いや今は千反田か…、ここはあくまで閉鎖されてる田舎だ。君も名家や旧家と親交があるからわかるだろ?悪いうわさはすぐに広まる。後はわかるな?」
ほう「ちなみに断ると言ったら?」
入須「ならばうちの病院出入り禁止だな、救急のときは例外にしてやる。当然千反田が産んだ子供と直後の面会はできない…。」
える「奉太郎さんとの…、こ、子供…。」
ほう「今は赤くなるところじゃない!わかりました、やりますよ!」
みたいな?駄文失礼致しました。半年ほどROMってるのでご安心を!

60 :
>>59
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61 :
える「奉太郎さん、奉太郎さん、ご希望の仕事依頼がきましたよ。」
ほう「やっと農業関係かぁ。」
える「犬探しです!」
ほう「シリーズが違う!!」

62 :
>>61
まだ1冊しか出てないのにシリーズなんだぜ…
古典部もいいがあっちも書いてくれ…

63 :
>>61
実際、犬探しはやってないがな。

64 :
小鳩「狼はどこだ」

65 :
える「折木さん、どうして耳がそんなに大きいのですか?」
折木「それはな、お前の声をよく聞くためだよ」(棒)
える「折木さん、どうして目がそんなに大きいのですか?」
折木「それはな、お前の顔をよく見る為だよ」(棒)
える「折木さん、どうしてそんなに口が大きいんですか?」キラキラ
折木「……」
える「もー折木さん!次の台詞ちゃんと言って下さい!」プンプン
折木(言ったらこっちが喰われかねん)

66 :
える「折木さん、どうしてアレがそんなに大きいのですか?」
折木「それはな、お前の中をよく味わうためだよ」(肉棒)

67 :
>>63
実際、犬探しの依頼はどこだ

68 :
最終回でえるの重い女っぷりが明らかになっちゃったからもう奉太郎も熱が冷めちゃったろうね

69 :
アニメしか見てない奴はそう思うかもな

70 :
でた原作厨w

71 :
もう一ヶ月以上エロパロ投下されてないな
もう誰も書かないのか…?

72 :
ほーたろ×麻耶花とか書いたら叩かれそうな雰囲気があるね、本スレとか見てると。
福部なんて小物すぎるから嫌いなんだよねー。

73 :
>>72
むしろ読みたいわ
せっかくのSSなんだから原作になさそうなのがいいな

74 :
>>72
鏡には映らないでマヤカはほうたるを見直してるし
可能性がないわけではない
つーか未だになぜマヤカがDBを好きなのかがワカンネ

75 :
ここで上げてあまりいい反応が無くて、pixivに上げてみてもコメントが得られず〜とかで
モチベーションが下がっていくんだよな。

76 :
える×里志もやっぱり叩かれる?

77 :
DBが絡むのがねぇ

78 :
俺なら絶対叩く

79 :
奉太郎×里志こそ至高よね

80 :
姉xほうたる?

81 :
>>80
それはオレも読んでみたい

82 :
>>80
姉がえるに女を教えるわけか

83 :
姉は世界旅行とかで奔放に楽しんでいそう

84 :
DBが他の女と付き合いだして、ほうたろに麻耶花が相談して〜、的な。
こんな話だったらいくらでも思いつくけどね。

85 :
ほうたろとマヤカの傷の舐めあいとか好みです

86 :
五年後ぐらい、
千反田は親と決めた相手と結婚させられ里志は別れて…
で、久しぶりに会ったほうたるとマヤカがお互いの近況を話しているうちに、ってか

87 :
データベースはケツをだすんです。

88 :
ホモは帰って、どうぞ

89 :
牝犬はどこだぁー

90 :
各巻で結構文体違うな。どれで書いても違和感ありそうだ。

91 :
不毛です

92 :
原作1巻のあと、2〜3巻を飛ばして今4巻読んでるが
とにかく原作は色気がなさすぎるな。
「正体見たり」とか高校生4人のカップルで旅行に来てあれでおしまいかよ
というかアニメの回の混浴に妄想する折木とかさえもオリジナルで
原作にはそれさえ全くない色気のなさすぎに笑った。
というか何を言いたいかと言うと誰か何か書いて下さい私気になります
ということで

93 :
そう思うだろう人を見越して
原作組はよく小説→アニメを推奨してたんだけどな

94 :
さいですか。

95 :
原作に無い話もあったしね。水着姿GOOD

96 :
そりゃ原作は恋愛とかそういうのを重きにおいたわけじゃないし
ラノベじゃないもの

97 :
さいですか。
ラノベうんぬんは置いておくとして、自分の通っていたのは
田舎の進学校で恋愛自体が禁止になるような旧態依然とした高校だったが
それでもあるべきものはあったがなあ。友人から元同級生だった女子とのセックスと
その先の展開についてまで打ち明け話を聞いたとき、俺は
というのはどうでもよい話なので何を言いたいかと言うと
誰か何か書いて下さい私気になります、ということで。

98 :
前スレを読むといいよ

99 :
>>97
古典部連中のプラトニックな関係が、本人達も書き手も読み手も
心地いいってコト?

100 :
>>99
青春にはもっとエロがあって良い
というコト

101 :
>>92
カップルじゃないし。

102 :
原作は、推理小説としても読めるように、ラノベ的な恋愛描写は抑え気味に書いてるんじゃないかな。
たしかにあいつら高校生としちゃ性欲なさすぎに見えるけどさ。
そういうのは二次創作で補完するべき。

103 :
だって、こんな絵だったんだよ。
http://blog-imgs-51.fc2.com/y/a/r/yaraon/fdfd.jpg

104 :
京アニさんは神や…

105 :
小佐内さんは狼や…

106 :
佳作なんだよなあ。話は十分に美しいし欲しい要素もあるのだが何かが足りない。
なので心酔までは行かない。

107 :
本スレならともかくエロパロ板で何言ってんだ?

108 :
ちちくらべ画像出てたけど、マヤカ・・・

109 :
あんなに名前ありの女性キャラがいたなんて……
ところでアレってカップサイズなのか?

110 :
目測とイメージじゃないのあれ
非公式って書いてたし

111 :
小佐内さんがかわいそう

112 :
おさなくないさんになれる日は来るのか……

113 :
http://livedoor.3.blogimg.jp/amosaic/imgs/e/e/eea8275e.jpg

114 :
>>111
需要はあるから!

115 :
沢木口「よっ童貞クン♪」

116 :
折木「なんですかビッチ先輩」

117 :
エルたそは自覚なしビッチが似合う

118 :
チタン・ダ・エルビッチ

119 :
「性別に関わらず仲良くする事が、何故いけないのでしょう?」

120 :
えるは男女の付き合いは子づくり、跡継ぎと考えてしまう古風な女

121 :
売りエル、しゃぶりエル、痴漢だエル

122 :
ずいぶん空いたな

123 :
アニメ終わったからな...

124 :
ローソンでフェアやってるのに

125 :
フェラやってよXXX。
(好きなキャラを入れよう!)

126 :
フェラやってよホータロー。

127 :
アッー!

128 :
小佐内「小鳩君も混ざりなさいよ」

129 :
ボトルファック

130 :
中折れした竜骨

131 :
エロくもなく下品な話を一つ

132 :
 ある日の放課後。
 奉太郎が部室のドアを開けると、目の前にえるの顔があった。
「うっ……!」
「折木さんっ! お待ちしてましたっ」
 物憂げに半分閉じられていた瞼を跳ね上げて反射的に腰を引く奉太郎に、目いっぱい見開いた瞳を輝かせたえるが
ずいっと迫ってくる。
「……ま、まて! まずは座ろう、話はそれから聞こうじゃないか……!」
 どうどう、とえるをなだめながら部室に入り、奉太郎は椅子に腰を降ろした。その向かいにえるがちょこんと座る。
「で、一体どうしたん――」
「わたし、昨晩折木さんに聞きたい事ができてずっと我慢してたんですっ」
 奉太郎の言葉を途中で遮り、えるがまたしてもテーブル越しに身を乗り出してくる。鮮やかなぶどう色の瞳が
迫ってくるのを奉太郎は背中を仰け反らせて避ける。
「折木さんもやっぱり混沌の欠片を知恵の泉で再構成して言語化してる感じなんですかっ?」
「…………?」
 奉太郎はえるが一体何を言っているのか理解できずにいぶかりながらも、部室のドアを開けたときから
現在までを瞬時に脳裏で再生する。そして見当がついたのか嘆息して口を開いた。
「その文庫本……それが関係しているんだな……?」
 ちらりとテーブル上の文庫本に視線を移して尋ねる。奉太郎を入口で待ち構えていた時は大事そうに
胸に抱えられていたが、今はテーブルに置かれている。タイトルは「GOSICK」――聞いた事のない本だ。
「はい! そうなんです。先日摩耶花さんにお借りした推理小説なんですが凄く主人公の女の子が可愛いんです!」
 ぶどう色の瞳が宝石のように輝きを増し、体を仰け反らしている奉太郎を更に後方へと押しやりつつ、
「それでですねっ、この女の子がですね、あ――ヴィクトリカっていう名前なんですけど、この子が推理する
ときに決まって先ほどの台詞を言うんです。ええと……つまりですね、混沌の欠片というのが……えーと……」
「つまり、事件を紐解く鍵となる断片的な事柄を混沌の欠片とし、知恵の泉――脳内で蓄えられた知識を元に
組み合わせ、結論を導き出し言葉にして説明する……そういいたいんだな?」
 言いたい事をなかなか説明できず、もどかしそうなえるを見かねた奉太郎があっさりと代弁してみせた。
「はい! そうなんです。折木さんがいつも考えている時もそんな感じなのかと気になって仕方なかったんです」
「ん……まぁ……そう、かな? すごくアレな表現だが、基本的にそんな感じだろうな」
「そうですかー。やっぱりそうなんですねー」
 奉太郎の答えに満足したのか、えるはうんうんと何度もうなづきながら椅子に腰を降ろした。
 ようやく迫り来るえるから解放された奉太郎は、椅子の背もたれが食い込みヒリヒリする背中を摩りながら
ほっと息をつく。
「あのー、折木さん……? それでひとつお願いがあるのですが……」
 えるがうつむき加減でちらりと奉太郎を窺ってくる。
 なぜか言い難そうなえるに得もいえぬ不安を感じながら、
「な、なんだよ…………?」
「ちょっとお耳をこちらに」
 えるが綺麗な手をしなやかにちょいちょいと振ってくる。
 奉太郎が怪訝な顔でテーブル中央に頭を持っていくと、えるがなにやら耳元でぼそぼそと呟いた。
「……断る!」
 聞き終わるや否や、露骨に顔をしかめて声を荒げる奉太郎。
 やっぱりダメですよね……とえるは、心の底から残念そうに、この世の終わりでも来たかのように無念そうに、
まるでに行く老人が心残りを洩らすように、途方も無く落胆してしょんぼりと肩を落した。
 ――その、あまりの落胆っぷりに心が痛んだのか、奉太郎は奈落の底まで届きそうな深い溜息をつきながら、
「はぁ……分ったよ、1回だけだぞ……」
 今にも消え入りそうな弱々しい声を絞り出すと、コホンと咳払いしてからすっと目を閉じた。
 息を大きく吸い、ためらいを全て吐き出すかのようにゆっくりと息を吐く。
 そして――かっと双眸を見開き、言い放った。
「よかろう千反田、愚かな君にも分るように俺の知恵の泉で混沌の欠片を再構成して言語化してやろうじゃないか、
有難く思いたまえよ、君」
「うわあー、折木さん! いいですねっ。凄く格好いいですよ!」
「うんうん、実にいいね奉太郎。いやーしかし奉太郎がまさかヴィクトリカの物真似をするだなんて驚きだよ。
そんなにあの小説が好きだったのかい?」
「な、里志……お前いつの間に……!?」
 嬉しそうに爛々と瞳を光らせたえるの隣には、いつの間に居たのか福部里志が笑い転げていた。

133 :

「ふーん、なるほどね。そんな事だろうと思ったけど……それでも実に貴重なものが見れて僕は満足だよ」
 必に事情を説明し、身の潔白を証明した奉太郎だったが、まだ里志はくっくと腹を抱えて笑っている。
笑いすぎだろ、とふて腐れたようにテーブルに肩肘をつき、奉太郎は里志をじろりと睨んだ。
 そのとき、えるが唐突になにか謎が解けたかのようなすっきりとした口調で発言した。
「うん、そうです。やっぱりそうです!」
 奉太郎と里志は同時にえるに向き直り、目をぱちぱちと瞬かせた。
「先ほどのヴィクトリカちゃんの名台詞を折木さんの口から聞いて、わたし確信したんです。これまで数々の
気になる事を見事に解決する折木さんを見てきましたが、なにか物足りない……そう思ってたんです。それが今
分りました。決め台詞だったんですよ! 名探偵がそれぞれ持つ固有のトレードマークとも言える、決め台詞、
そういうのが折木さんには無いんです。『じっちゃんの名にかけて』だとか『犯人はお前だ!』とか、そんな感じ
のやつです」
「なるほど、いい所に目をつけたね千反田さん」
 ……何を言ってるんだこいつらは? と呆れたように目を丸くする奉太郎を尻目に、里志は続けて言う。
「あの髭で禿親父のエルキュールポワロでさえ『私の灰色の脳細胞が――』とか名台詞があるしね。
確かに、奉太郎にはそういうのがないね」
「そうなんです! 一応、折木さんにも『前髪を指で弄ぶ』という考える時のクセがありますが、ちょっと
地味すぎですよね、分りにくいですし」
「そうだね、じゃあここは一つ奉太郎のために何か格好いい台詞や決めポーズやらを考えてみるというのはどうだい?」
「はい、賛成です!」
 当事者である自分を差し置いて勝手に盛り上がる二人を奉太郎は暫く呆然と見つめていたが、不意に、たった今
地味だと指摘されたばかりの仕草で思索を巡らせ始めた。
 一体全体どうなっているんだ? この流れはおかしいぞ……。いつもの日常と懸け離れすぎている。
 まるでおかしな漫画の世界に入り込んでしまったかのようじゃないか。
 まさか夢か? ちょっと頬をつねってみるか…………痛い!
 あらかじめ二人が示し合わせて俺をからかっているという線はどうだ? いや、千反田がそんな悪ふざけに
加担するとは思えない。それにあの表情はいつもの好奇心に満ち溢れすぎている普通の千反田だ。
 里志はどうだ? うーむ、面白がって千反田に合わせているだけの気がする……。
 よし、ちょっと混沌の欠片を再構成してみ――いや、何をいっているのだ俺は。
「――ってば、奉太郎!」
「んあ……?」
 里志に肩を揺さぶられ、確たる結論を得られないままに奉太郎は思索の旅から現実へと引き戻された。
「たった今、僕に神が舞い降りたんだ。聞いてくれるかい?」
 同意を求めつつ、しかし返答を待たずに里志は朗々と語りはじめた。


134 :

「千反田、これより推理を開始する!」
 左腕をくの字に腰に添え、右の人差し指を眉間に当てて、ビシっと背筋を伸ばしたポーズで高らかに
宣言する奉太郎。
「了解です、折木さん!」
 えるは歯切れよく返事をして、いきなりスカートをたくし上げると、丸見えとなったパンツに手を掛け
躊躇なくひざの当りまでずり下げた。そして両手をスカートのすそと共に腰に当てて直立不動の体勢をとる。
 パンツはひざ、腕は腰という大事な部分をあらわにした破廉恥な姿勢のままピタリと静止する。
 数秒間……世界が止まり、
 ――時が動き出す。
「パージ!」
 えるは甲高い声で宣言すると、上半身は微動だにさせずにひざで止まっているパンツから器用に片足を抜いていく。
 左足が折り曲げられ、細くしなやかなふくらはぎがパンツからすっと抜かれると――ぱさっ、右の足首にパンツが
垂れ落ちた。
 そして次の瞬間、右足が天高く振上げられた。ピンと真直ぐに伸びたつま先からパンツが射出され宙を舞う。
 ――刹那、奉太郎が動いた。
 体を一回転させて膝から滑り込み、ひらひらと舞い落ちるパンツを掴み取る。続けて床に両膝をつけた
姿勢のまま背をそり伸ばし、両手でパンツを大きく広げながら上空にかざす。
 やにわに部室の窓から陽光が射した。それは奉太郎をまるでスポットライトのように照らし出し、
誇らしげに掲げた純白のパンツを金色に輝かせた。そして、数瞬の後、奉太郎が叫びを上げた。
「色は純白! 汚れは軽度! 角度……よし! いくぞ!」
 奉太郎は一旦言葉を切ると、明瞭たる声音で力ある言葉を口にした。
「装・着!!」
 慣れた手つきでパンツのクロッチが鼻に当るように顔面に被る。
 そしてわなわなと全身を震わせて、次なる言葉を声高に迸らせた。
「吸・引・開・始!」
 言うや否や、コォォォホォォォと鼻息を荒げ深呼吸を始める奉太郎。
 呼吸と共にかぐわしい香りが鼻腔から全身へと駆け巡り、法悦に満たされていく。
 それは脳髄をも刺激し、こめかみに浮かんだ血管がビクンと脈打つたびに奉太郎を知の高みへと押し上げた。
 フオオオォォ……!
 くぐもった咆哮が部室に響き渡ったその瞬間――
「匂い、濃厚! 尿度、小! 推理力65%上昇! 即ち! ――推理、完・了・也!」
「謎が解けたんですね! 折木さん!」
「さすが奉太郎だねッ!」
「……はぁはぁ……、尿度が小さかったので……はぁはぁ……危ないところだったがな」
「申し訳ありません折木さん。次はもっと汚しておきますので……」

135 :

「と、いう感じなんだけど、どうかな?」
「いや…………どうかと言われても…………」
 人差し指をぴんと立て、なぜか得意げな表情で言う里志に、奉太郎は大きな溜息をついてうなだれた。
 ……ふと、奉太郎はえるに視線を向けた。見るとえるは俯いてぷるぷると小刻みに肩を震わしている。
「おい里志、みろ……お前が卑猥な話をするから千反田が……」
 小声で里志に抗議する。
「あのー、千反田さん……? 軽いジョークだから……ね?」
 いまさらやり過ぎたと後悔したのか気まずそうに里志が声をかける。
 4つの瞳が見守る中、えるはゆっくりと面を上げた。その恐いくらいに整った顔は羞恥で真っ赤に染まり、
目尻には小さな涙が浮かんでいた。
 そして、きゅっと堅く結ばれた赤い唇がゆっくりと――開かれ、
「折木さん! わたし、がんばります……!」
『は……?』里志と奉太郎がまぬけな声を出し、目を丸くする。
「それで折木さんが格好良く気になる事を解決できるのなら、わたし……恥かしいですけど頑張ります!」
 ですが――と急に声のトーンが小さくなり、両手の人差し指をツンツンと突きあわせながら、
「お、お、お小水の汚れの設定は……その……最後の手段という事で、お願いできますか……?」
 呆けてぽかんと口を開けたまま、奉太郎の時間が停止した。
 この日を境に折木奉太郎の日常は、少しずつ、ゆっくりと、崩壊していくのだが、それはアニメ
「氷菓」セカンドシーズンで語られることになる。
おわり

136 :
つい、笑ってしまった。

137 :
名作と小水の匂いがする

138 :
http://ec2.images-amazon.com/images/I/71Xk08-QV5L._AA1248_.jpg
これはかなり気になっているよね

139 :
先日、折木姉弟の話を思い付きまして、
最初にここに書くつもりだったんですが、規制が全く解除されずpixivの方で投稿を始めて、結局そのまま規制が解除されないで完走してしまいました。
この書き込みはスマホの回線で行ってますが、テザリング不可なので全文をここに書き込むのはかなり厳しい状況です。
なので、もし宜しければpixivへのurlコピペの形式でこのスレでも発表させて頂きたいのですが、そういった手段はここでは可能でしょうか?
ルール違反であるなら諦めますので、ご意見をお聞かせ下さい。

140 :
個人的な意見ですが、 是非!!

141 :
同じく、是非。

142 :
1日待って反対意見は無さそうなので、コピペさせて頂きます。
折木姉弟ネタで、後半に若干捏造設定が入る上に、コメントで「倒錯的」と書かれる程度のエロが含まれているので御注意下さい。
1話
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=1502681
2話
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=1536691
3話
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=1582134
ちなみに酉は乗っ取り等ではない自己証明の為に付けているだけの物です。

143 :
gj

144 :
入須先輩が再び奉太郎に協力を依頼するが……
「同郷のよしみというヤツで何とかしてくれないか、折木」
「絶対に断る! そんな問題ならそっちで何とかすりゃいいじゃないですか!」
「あんたの方がそういう態度に出るんなら我が組織の側にも考えがありますよ」
(サッ)
「!!」
"千反田〜、この前は悪かったな〜〜"
"いえ、何も無かったから別にいいですよ、折木さん"
"それじゃ、その埋め合わせに今日は……俺が千反田に浣腸をしてあげよう"
"キャ〜〜〜〜!"
"いいじゃないか いいじゃないか いいじゃないか"
あっ あっ あああ(ガクガクガクブルブル)
「折木さ〜ん。省エネ主義にしては貴方、中々に興味深い趣味をお持ちですな〜〜〜」
「こっ、これは違うんだ入須先輩!」
「千反田に浣腸プレイは出来ても私の頼みは聞けない、というわけか……」
「だから、それとこれとは違う話で――」
「イイジャナイカ イイジャナイカ イイジャナイカ」
「OK! ここはやはり私の出番ですな!」
とりあえず俺はここまでですが、続きなどは皆様で御自由にどうぞ。

145 :
一瞬で幕張とわかってしまった自分が…
喧嘩商売はいつ再開するんだろう…

146 :
冨樫の休載をさんざんネタにしておきながらの現状はどうかと思った
スレチすまぬ
アニメ終わると勢いなくなるな

147 :
アニメ終了後の関連スレはまったりした空気を楽しむもの

148 :
しかしココは原作者のまったり感が半端でないわけで……
今までの著作ペースからすれば新作は2年後?
それを5回繰り返して10年後に高校2年を消化。
10年後といえば自分はXX歳……
さらに今回アニメ化で既刊分は稼いだからもういい、とかなっていると
新刊はさらに倍で4年後でもまだ出ないとかに……

149 :
そしてこの計算だと完結まであと40年
そのあと10年休筆して50年後、その頃には既に経済復興失敗により
中国・韓国分割統治下の韓流京都アニメーションからアニメ第2期開始発表。
〜日本が日本国だったころの青春ストーリー
  氷菓−第2期スタート
 青春はまだ終わらない
とかに……

150 :
いくらなんでも中韓統治はないわ
あるとしたら米だな
〜氷菓第二期〜
−−全米が泣いた
なぜ大日向は古典部を辞めたのか。折木奉太郎は襲い来る化け物を撃退し、災害から逃げながら考察する。陽気な黒人サトシや大天使チタンダエルと行動を共にし、辿り着いた結論とは?
氷菓第二期はまさかの実写化でハリウッドからお送りします
くらいには

151 :
全岐阜県民が泣いた…

152 :
>>150
米帝様はアニメ作らせた場合はそういうB〜C級映画な風味は無く真面目に作ると思うよ
トイストーリーとかディズニー関係とか

153 :
下呂牛乳とか正気じゃないよね岐阜県人

154 :
>>152
実写化って書いてあるじゃないか
つまりハリウッドドラゴンボールとかの悲劇が氷菓に・・・

155 :
ハリウッドなら竜骨のができそう

156 :
前スレ500からの続きっぽいもの
要するに奉太郎とえるが初体験を済ませたあとの話
女キャラは登場しない

『男子高校生の日常』

「はあ……」
 部室の前で今日何度目になるかわからない溜め息をついた。
 やらなくていいことならやらない。やるべきことなら手短に。
 俺はそんなモットーを掲げてはいるが、やりたくないことをやるのはやはり気が重い。
 先週末、千反田がうちに泊まった。そこでついに俺達は一線を超えたわけだが、千反田はうちに泊まる理由として伊原の家に行くと言って出てきたのだ。
 しかも伊原にアリバイ工作を頼んでまで。これでは出会った瞬間に問い詰められること確定である。
 この放課後の時間まで古典部の誰とも会わなかったが、さすがに部活となればそうもいかない。
 本当なら部室に顔を出すことなく帰路につきたいが、いつまでも逃げ回るのも無理な話だ。さっさと済ませてしまおう。
「……よし」
 俺は心を決め、部室のドアに手をかける。
 ガラガラ、と音を立てながら開けると里志の姿が見えた。
「やあ、ホータロー」
「…………お前だけか?」
「うん。摩耶花が千反田さんと何か買い物に行く約束があるってさ」
「そうか」
 伊原に問い詰められるのをどういなすか考えていただけに拍子抜けである。いや、問い詰められたいわけではないのだが。
 まあいい。それなら今日出された宿題でも済ませてしまおう。
 俺は椅子に座り、鞄に手を突っ込む。
 そこで。
「おめでとう、ホータロー」
 ぴたりと俺の手の動きが止まった。
 声の主はニヤニヤしながらこちらを見ている。
「……何のことだ?」
「千反田さんがホータローの家に泊まったらしいじゃないか」
 一応とぼけてみたが無駄だったようだ。
 俺は宿題を諦め、里志に向き直る。
「伊原か?」
「そうだよ。突然電話がかかってきて『ふくちゃん! ちーちゃんが折木の家にお泊まりするって言ってたんだけど何か知ってる!?』って」
「……まあそんなところだろうな。ちなみに何て答えたんだ?」
「『付き合ってしばらく経つんだからおかしくはないよ』って答えておいたさ」
「…………」
 なぜ?
 里志は俺と千反田が交際し始めたのを知っているのだろうか?
 千反田が言ったとも思えないし、態度も別に怪しくなかったはずだが。
 そのことを素直に聞いてみる。
「千反田さんてさ、モテるよね」
「そうなのか?」

157 :
 突然の言葉に俺は疑問系で返す。
 が、少し考えればわかることだろう。
 容姿端麗。頭脳明晰。人当たりが良い上に実家は名家ときている。モテない方が不思議というものだ。
 …………何故俺なんかと付き合っているのだろう? 少し自信なくしてきたぞ。
 まあそれはさておき。
「で、それがどうかしたのか?」
「うん、つまり千反田さんは頻繁に、ってほどでもないけど時々告白されたりラブレターを貰ったりしてるのさ」
「……そうか」
 俺は全く知らなかった出来事なのだが、何故里志は知っているのだろう?
「で、ホータローにもわかっているだろうけど千反田さんはそれらすべてを断っているんだ」
 それはそうだろう。俺と付き合っているのだし。
 うむ。相思相愛のはずだ。自信を持て折木奉太郎。
「ところが、ついこの間から断りの言葉が変わった」
「? どういうことだ?」
「以前までは『家の事情で』だったり『他に好きな人がいまして』だったりしたのが『今お付き合いしている方がいますので』になったのさ」
「…………」
「で、ホータローと千反田さんを注意深く観察すると、ね……まあ本当になんとなくって程度なんだけどさ」
 俺はふうっと息を吐いた。
「一応バレないように気を使ってはいたつもりなんだがな」
「それは成功してたと思うよ。摩耶花にもバレてなかったくらいだし」
「まあバレたらバレたで構わんさ。後ろめたいことがあるわけでもない」
「そうだね。で、ホータロー」
 突然里志が身を乗り出してくる。
 というかこのあと出てくるセリフが容易に予想できてしまう。
「千反田さんとは最後までいったのかい?」
 ほらな。
 もちろん俺はこう答えた。
「さてね」
「ええー、僕とホータローの仲だろ?」
「だからって何故俺と千反田のプライベートをお前に話さにゃならんのだ」
「いいじゃないか男子高校生らしくて。僕と摩耶花のことも話すからさ。何か今後の付き合い方に関するヒントとかもあるかもよ」
 む……確かに。
 今までの人生で恋愛というものに無頓着だった俺には里志と伊原が大先輩というわけだ。
 たまにはそんな雑談もいいかもしれん。
「わかったよ、それで何だっけ?」
「ホータローと千反田さんはどこまでいったのかなって」
「お察しの通りだ。うちに泊まったときにお互いの初体験を済ませたよ」
「おおー! それで、どうだった?」
「どうだった、とは?」

158 :
「何か失敗とかしなかったかい? 僕と摩耶花も初めてのときは恥ずかしい失敗談があったからね」
「あー、あるにはあったな……入れる前に出てしまった」
「えっ?」
「その、千反田にアレを握られてそれが気持ち良くて我慢できずに、な。ああ、もちろんそのあとに最後までしたぞ」
「は、はは、そうかい」
「どうした里志? まさかお前も」
「いや、違う。僕はむしろ逆だった」
「逆?」
「緊張のあまりね、直前になってアレが起たなくなったのさ」
「そ、そうか」
「それに焦ってますます萎えていくという悪循環。もう大変だったよ。摩耶花は『ごめんね、わたしに魅力がないばっかりに』なんて言い出すし」
「それはなんというか……大変だったな」
「それから日を改めて何度か挑戦を繰り返して、ようやく成功したときはもうお互い感動しちゃったよ」
「今更ながらおめでとうと言わせてもらおう」
「あ、別に成功と性交を掛けたギャグじゃないからね」
 言われなければ気付かなかったことをわざわざ言わんでいい。
 祝辞の言葉を返せ。
「一回で性交に成功したホータロー達がうらやましくもあるね」
 繰り返すな。
 俺は無言でツッコミのジェスチャーを入れる。
「ま、今は笑い話にできるけどね。その後は特に問題ない性生活を送っているよ」
「性生活以外は問題がありそうな言い方だな」
 と言うか問題だらけだろう。
 くっついてはいても二人の、里志と伊原の付き合い方は変わってない。
 里志の適当な行動は自分にも他人にも厳しい伊原にとって厄介なものらしく、よく怒られている。
 昔からよく見る光景だった。
「ま、喧嘩するほど仲が良いってことにしといてよ」
「お前らはそうなんだろうな」
 俺と千反田の場合はそれは当てはまらない。というか想像できない。
 ……想像か。
 それを言うなら入学したてのころはこんなふうになるとは想像もしなかった。
 部活に入って。
 好きなやつができて。
 男女交際をすることになるなんて。
 うーむ。
「なあ里志。世間一般では『付き合う』って何をするものなんだ?」
「お、いいねいいね。高校生男子の会話って感じで!」
 茶化すな。一応真面目な相談だ。
 確かに俺と千反田は付き合い始めたが、今まで何かしたかと言えば微妙な気がする。
 一緒に昼御飯を食べたり帰ったりはしているが、休日に出掛けたりはしていない。その辺をすっ飛ばして一線を越えたのはどうなのだろう?

159 :
「僕の意見で良ければだけど、それは人それぞれだと思うよ。そこはむしろホータローと千反田さんで話し合うことじゃないのかな」
 ふむ。確かに。
 下手に格好つけない方がいいかもしれん。
「そうだな。今度聞いてみるか」
 あいつが俺と何をしたいか、俺に何を求めているのか。
 面倒くさいのは御免だができる限りのことはしてやりたい。
「ホータロー、恋人関係ってのは本来対等なものだよ」
「? そうだな」
「だからホータローの方もちゃんと千反田さんに言わないと駄目だよ。ホータローが何をしたいのか、さ」
「ああ」
 何をしたいか、か。
 しかしそう言われてもな……。
「正直に言えばいいよ。『ただ一緒にいたい』でも『もっと触れ合いたい』でも」
「……人の心を読むな」
「あはは。ついでに言わせてもらうとね、付き合い始めの頃は多少我が儘なくらいがいいと思うよ。ホータロー達の場合はね」
「どういうことだ?」
「ホータローも千反田さんもどちらかと言えば相手を思いやるタイプじゃない? 考えすぎてつい遠慮してしまう、みたいなさ」
「それは……あるかもな」
 むしろ心当たりがありまくりだ。
 鬱陶しがられたりしないかと不安になりがちだし。
「千反田さんなら大丈夫だよ。ホータローになら何を言われても何をされても嬉しいはずさ」
「そう……か」
 俺は目を瞑って千反田の顔を思い浮かべる。
 会いたい。
 無性に千反田と一緒にいたい。
 そして、できれば触れたい。
 千反田を、抱きたい。
「……今は伊原と一緒にいるんだったな」
「うん、そのはずだよ」
 連絡をとってもらおうかと思った矢先、電子音が鳴る。
 里志の携帯に着信が入ったようだ。
「もしもし、摩耶花かい? うん、いるよ。えっ? うん、うん、あはは、そうなんだ」
 ちょうど伊原からの連絡らしい。ならば二人が今どこにいるのか教えてもらいたいのだが。
 が、呼び掛ける前に手で制される。
「わかった。じゃあホータローを連れてすぐに行くよ、また後で」
 里志は電話を切ると、にやにやしながら俺を見る。
 いったい何だ?
「千反田さんがね、ホータローに会いたいから連絡して欲しいって摩耶花に頼んだらしいよ」
「っ……!」
「あはは、二人が待ってるってさ。行こう」
「……ああ」
 伊原に色々言われるのは面倒だったが、それ以上に千反田に会いたい。
 俺は逸る気持ちを抑え、里志と共に学校を後にしたのだった。



160 :
前スレから書いてきた話にようやく一区切りがつきました
これからはギャグエロやラブエロをいっぱい書いていきたいと思います
氷菓第二期が始まるまで頑張ります

161 :
その宣言は半永久的に投下するのと同義だぞwww
楽しく読ませていただきました
次回作も楽しみにしてます!

162 :
俺たちの第二期を信じる力が奇跡を起こすと信じて……
◆zO7AQfurSQ先生の次回作に期待しています

163 :
里志の台詞まわしが本家そのものですね。
本家よりも続きが楽しみです。

164 :
>>142って会員登録しないと読めないの?

165 :
>>160
乙です。
氷菓でのほうたろと里志の関係って本当好きなんで、それをとてもうまく描いてくれてありがとうございます。
ちょっくらその前スレの作品も探してきますっ

166 :
僕が考えるに、これは妄想の連鎖で片がつく

167 :
データベースは結論は出せないけど、ケツを出す

168 :
「おっぱいが見たいの、 おっぱいが見たいの!! おっぱいが見たいの!!
ほ、奉太郎、僕の一生の頼みだ……僕に至急おっぱいを1セット見せてくれよ」
「おっぱいだったら伊原のしょっちゅう見てるじゃないか、里志」
「だ! か! ら! 入須先輩か千反田くらいのおっぱいが見たいんだよ……!」
「なめてんのか!! そんなもん、健全な男子の98%が常にそう願ってんだよ!!
見たくて見れるようならとっくに俺だって千反田に見せてもらってるよ!!
男というものは『見たい・もみたい・吸い付きたい』という、愚者の三原則(トリコロール)を
常に我慢して生き抜かなきゃならないんだ…」
「ちがう〜〜そんな事はわかってるんだよ〜〜今日の僕は何時もの10倍は見たくなってるんだ!
摩耶花のあんなおっぱいじゃ満たされないんだよ……」
参考資料:里志のおっぱい見たい度
奉太郎と風呂に入った時     −1000
平常時               5
摩耶花と二人きり           50
千反田が何かを気にした時   100
今日               10000
「い、今おっぱいが見れなかったら密室トリックで誰かを害してしまうかもしれない……」
「……わかった、それじゃ千反田に一肌脱いでもらおうか」

169 :
千反田のおっぱいか。千反田のおっぱい。あの、千反田のおっぱい……
この折木奉太郎、俺自身望むところと言われればはたと困るが自ら好むところは良く弁えている。
俺はおっぱいが好きだ。生おっぱいならなおいい。それが千反田のものとあれば申し分がない。
まあ少し考えてみることにするか。そうつぶやきながら前髪をひねる仕草を見せつけると
案の定、里志は喰い付いてきた。
「お、本気だね奉太郎……こんな真剣な奉太郎はじめて見るよ。
 でも無理だね。あの千反田さんだよ?二人がかりで脱がそうたって、そう簡単に
 脱いでくれるはずがない。あのおっぱいはノーブラならぜったい、乳首が上向いてるよね。
 乳輪ももしかしたら膨らんで尖ってるタイプかも知れない。うーん、実に僕の好みだ。
 摩耶花のももちろんいいけど艶のある乳房の上の尖った乳首というのも……惜しいけどね。
 こればっかりはいかに本気の奉太郎でも……」
ふ、里志よ。それだからおまえはDB止まりなのだよ。心の中で言ってはいけない事を言ってしまいながら
俺は嗤った。脱がせるなどはこの省エネを身上とする折木奉太郎のすることでは断じてない。
千反田は、姉のモノを見慣れているこの俺の眼をもってしてもあなどれないおっぱいを持つ
あの千反田は……

170 :
 
俺は伝統ある古典部部室に響き渡る大声で断言した。
「……千反田は自分から生おっぱいを見せるっ!」
「え…」
絶句する里志。しょせん凡人に過ぎないヤツは少し引いていたのかも知れない。
だが俺には確信があった。頭の中でシミュレーションは完了している。
千反田にはただ簡単にこう言うだけでいいのだ。
「俺と里志に立ったまま生おっぱいを出して見せて欲しい。
 あ、いや厭なら別にいいんだが」

171 :
 
「付け加えるとブラジャーは外した方がいいな。そのあとセーラーの前をめくり上げて見せてくれ。
 手短に。」
千反田はまず硬直するだろう。神山祭の十文字事件で卑猥な話の件を持ちだしたときのアレだ。
そして紅潮した顔で考える。俺にはその後の千反田の行動と考えが手に取るように読めた。
(いくら折木さんの言う事でもそれはあんまりでは……でも……)
(こんなはっきり物を要求する折木さんは見たことがありません。きっと何か意味があるのではないでしょうか。
 それに今日わたしは生理日前で今朝お風呂で確かめたところではいつもより肌に艶がありますし
 きっと見られただけで乳首は立ってしまうものと思います。こんなに近くでお二人に正面からそんなわたしの
 生おっぱいを見せたとして折木さんはそのとき私の生おっぱいを一体どうするつもりでしょう。
 眺めたり触ったりまた眺めたりするのでしょうか。 なんだかわたし…とても気になります)
千反田の目は考えすぎでぐるぐるしているはずだ。そしてそんな瞳のまま結局、自分から
制服の前から生おっぱいを自分の指ではみ出させる事になるに違いないのだ。俺たちは
何もせずその過程を楽しく眺めていることが出来ることになる。これが正しい省エネというものだろう。

172 :
 
いったんそんな風に千反田が自分の生おっぱいを自分で丸出しのもろ出しのむき出しにしてしまったなら
その後は千反田の生おっぱいはしたい放題だ。里志はさわり具合を楽しむだろうし、少なくとも後ろから
剥き出しのそれを黒髪の背中越しに揉みしだく位の事はするかも知れない。俺の場合はまず、その辺に
寝転がりリラックスした俺の傍らで千反田自ら生おっぱいを俺の顔の上に乗せることを要求する。
そのままでもいいが顔の上で揺らしたり、押しつけたりするのも悪くない。そうして千反田の乳首を噛んで
高校の残り2年間を過ごすのもさらに悪くないだろう。
それから……

173 :
 
 
 
「折木。最低!」
(……あ、口に出てたか?)
伊原の鋭い一言で俺は生おっぱいの桃源郷から引き戻された。どうやら夢想していたらしい。白昼夢というやつだ。
俺は自分の信条を心から大事にしている。そこからしても同時に二つの事をスルのは信条にもとると言えた。
(省エネとは言えないか……)だが効率的でないとは……必ずしも言えないかも知れない。俺の目の前には後ろの俺を振り返り、
それが持ち味のキッとした瞳で睨む伊原の顔があった。
自分でも意外な事にそういうときの伊原の表情は嫌いではない。怒っているのだが持ち前の気丈さで
むしろそういった感情を認めまいとして作った無表情の上に大きく見開かれた不思議な瞳の色の読み難さ。
俺は自分も感情を読まれないようになるべく無表情を装ったまま、その実、その瞳から目が離せないまま
上から左右を両手で掴んだ伊原の裸の尻を引き寄せるようにして、夢の余韻でいつもより
膨らんだ状態の俺の性器を突き入れ一番奥でしっかりと固定した。
「〜〜〜〜〜っ!」
後ろ向きに両手両足を床に付いた小柄な裸の姿の短い髪、その下の剥き出しの肩と裸の背中の震えごと
じっとりと汗ばんだ尻肉の奥の伊原の性器が俺を咥えこんだまま小刻みに痙攣するのが感じられた。
素っ裸で四つん這いで腰をくびらせ尻を突き出した姿勢の伊原は髪型も相まってまるで猫のようだ。
それも背中じゅうの毛を逆立てた猫に後ろから挿入しているみたいだと皆の居る部室で言ったら殴られそうだ。
だがどんな気持ちがするものだろう?と俺は考えざるを得ない。小学・中学・高校と同じで顔見知りで、
昔の自分も相手も良く知っていて、ただいつのまにか体格に差がついて自分が納めるには手に負えないモノを
自分に入れたがる’男’になってしまった相手に挿入される気持ち。しかもそれは数年越しの自分の想い人の
友人でさらに挿入の今このときも一緒ときていたら?

174 :
 
しかしだ。どうせ解らない物を考えていても仕方がない。俺は先を急ぐことにして自分も
一度ブルッと身を震わせたあと、猫の姿のまま俺に挿入され続けている伊原の目を見ながら
無言で自分の考えを伝えた。
(まあ、お前が俺をあまり好きでないのは知ってるし、不本意なのも実に尤もな話だが
 付き合いが長いのも本当だし……今回も良いよな?そろそろ省エネということもあるし)
「……折木。……本っ当に最低!」
「まあまあ摩耶花。こっちもお願いするよ」
罵倒の言葉で、言葉なしでも瞳で意思が十分に伝わった事を知り満足の想いとともに
俺は伊原に思い切り射精した。頭を里志に押さえられるのを嫌がり身悶えしていた伊原は
俺に射精されているのに気付くと今度こそ本当に後ろから俺に性器を奥深くまで突き立てられた猫の姿で
体の大きな肉食動物にのしかかられ押さえこまれ牙を突き立てられている最中の小動物のような
長い叫びで俺の射精を受け入れた。伊原の声のおかげかとても良い射精だった。男だからといって
女なら射精するのは誰でも良いというわけではないし、どんな相手でも気持ち良く射精できるわけではない。
伊原に射精するのは今回が初めてではないが、今までに射精した相手の4番目、いや3番目位には気持ちが良かった。
そういうことが伊原に解って貰えそうにないのは残念だがそういうことはままある事なので仕方がない。
というか付き合いを周囲に明かし公認となったのはいいが、それを境にのべつまくなし
古典部部室でまでさかってとうとう俺まで巻き込みやがってお前ら本当に節操がないぞ。
だいたい省エネが信条の俺に後ろとはどういうことだ今度は前にしろ。
俺の射精の後も盛り続ける里志と伊原にそう言い捨てた後、俺は手早く身支度をすると部室を後にした。
そういえば今日は千反田の姿を見かけなかったが休みだろうか?
……まあいい。今日は十分働いたしな。最初はどんな話だったか思い出せないのがアレだが……
おそらく続きはないものと思う。
(終わり)

175 :
乙〜
ところで、前スレのSSがなかなか保管庫に入らないんだけど、こっちから依頼しに行かないと駄目なのかな?

176 :
良作が多いからまとめていただきたいところだよな

177 :
エロはエロパロでやれ!
【古典部】米澤穂信作品でエロパロ2【小市民】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1344486108/

178 :
誤爆Sorry

179 :
わかった
ちょっとエロパロ行ってくる

180 :
シノプシスだけの投下ですが、こんなんでイイでしょうか?
  
 ――<古典部>の面々の推理によって悪事(?)を暴かれ面目を潰されたヤツが
 「ちッきしょーーーーうッ!! あのバカどもめどうしてやろうか……」
 少しの間沈思黙考した後、何かを決したように公衆電話ボックスへ向かい
 "はい、もしもし。千反田ですが"
 「おたくの娘さんね〜、貴方たち家族には『古典部の部活動で遅くなるんです』とか何とか
 言ってますがね〜、本当は同じ学校の折木奉太郎って男子生徒と放課後の部活時間を使って
 ほとんど毎日、そりゃもう獣のように犯りまくってるんですよ……手遅れにならない内に、家族会議でも開いた方が
 イイんじゃないんすかァ? あっ、ちなみに私は単なる善良ないち神山市民ですんで、どうぞよろしく!」
 "はいもしもし、伊原ですが"
 「おたくの娘さんね〜、貴方たち家族には『古典部の部活動で遅くなるから』とか何とか
 言ってますがね〜、本当は同じ学校の福部里志って男子生徒と放課後の部活時間を使って
 ほとんど毎日、そりゃもう獣のように犯りまくってるんですわ……手遅れにならない内に、家族会議でも開いた方が
 イイんじゃないんすかねぇ? あっ、ちなみに私は単なる善良ないち神山市民ですんで、どうぞよろしく!!」
 「ふぅ、これでよし(ニヤリッ)」
以下は>>181以降へ補完依頼させて戴きます。あと最終的には「ぜ、善良ないち神山市民ですが、どうか先程の発言を
取消させて下さい……」というオチに収束させて戴ければ

181 :
奉太郎「そんな事実は全くないが、俺のせいで噂がたったのなら責任を取らなければならないな。千反田、結婚しよう」
える「……はい////」
里志「摩耶花、学生結婚に興味はあるかい?」
摩耶花「ふ、ふくちゃんとなら////」
???「どうしてこうなった……」

182 :
入須「折木君、ちょっといいかな?。少し気になる噂を耳にしたのだが…」

183 :
奉太郎「先輩、その噂、黙っててもらえないんですか。」

184 :
どうせ何カ月か立てばお腹が目立ってくるのでいずれ・・・

185 :
入須「折木君、太ったかい?」
折木「嫁の飯が美味すぎて……」

186 :
入須「嫁?まさか…君」
奉太郎「あ、いや、その…しまったぁー」

187 :
千反田「よよよ嫁だなんて! 新婚旅行もまだなんですから!////」
折木「落ち着け千反田、色々とおかしい」

188 :
>>83
>姉は世界旅行とかで
「……折木奉太郎、というのはお前か? <古典部>の部室はどこだ…?」
「一体なんだ? 俺と<古典部>は外人に怨まれる様な所業はしてないんだが」
「俺はお前の姉さんからお前と<古典部>の事を聞いて興味が湧いた。だから今年からこの学校に――」
ってな展開は……流石にこういう題材の作品でやっちゃダメか、いろいろと不自然すぎるもんw

189 :
少し見たい気もするがね

190 :
>>189
けど神山市じゃ折角の外人も何だかな、と思ったりもするのでね。一応の地元民にしてみりゃ
あそこには謎だの事件だの"気になる"物事を話のタネに困らないくらい惹き起こして下さりそうな要素は、良くも悪くも……
これが地方格差と一極集中の結果なんかよ。

191 :
ユーゴスラビアから女の子が来るとか・・・

192 :
地方って設定の時点で外国人を出すのは結構厳しいのが…

193 :
まぁ、そう言うんだったら外人じゃなくても国内のほかの地域か神山近くの地域から、でもいいかな……と。

194 :
奉太郎とえるの仲睦まじい様子を目にする度に少しずつ心を濁らせていく入須先輩

195 :
ツンデレ入須先輩?

196 :
入須「ああ、私のえるが……」

197 :
>>196
そっちかよ!

198 :
ヤンデレ入須先輩とは

199 :
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
 古典部部室に気まずい沈黙が訪れている。
 いや、気まずいのは俺だけなのかもしれない。千反田は俺に抱き付いているし、伊原は呆れた表情で、里志はニヤニヤしながらこちらを見ていた。
「あー……なんでちーちゃんが折木に抱き付いているのかな?」
 伊原が沈黙を破って質問をしてくる。
 それに答えるのは簡単だ。だが、馬鹿らしくて真面目に話す気にもならない。しかし伊原を納得させるような適当な理由も思い浮かばないので、俺はやむなく説明することにした。
「思ったより野菜ジュースが不味くてな」
「は?」
「つまり……」
  * * *
 今朝のことである。
 家を出る直前に姉貴から飲み物のパックを一本渡されたのだ。
『それ、新作の野菜ジュースだって。栄養ばっちりらしいから飲んどきなさい』
 それを鞄にしまったのを放課後まで忘れていた俺は、一番乗りした部室で取り出した。
「紅汁……?」
 青汁のパクリか? だったら少し不味いかもしれんな。
 そう思いつつストローを差して吸い、口に含む。
「ぶはっ! ごほっ、ごほっ!」
 な、なんだこれ!? もはや不味いってレベルじゃないぞ! 良薬口に苦しとは言うが、それでも限度を越えている。
 思わず吹いた液体をとっさに手で受け止めたものの、机や制服にまで赤いものが飛び散ってしまっていた。
 掃除とか面倒だな、とか考えているとドサッと鞄が落ちるような音がする。
 俺のではない。入口に立っていた千反田が取り落としたものだ。ちょうどやってきたとこなのだろう。
 くそっ、飲み物を吹くなんて恥ずかしいところを見られてしまったか。
「お、折木さん……それは、どうして……」
「ああ、いや……思ったよりずっとマズくて」
「!!」
 千反田の表情が悲壮なものに変わる。
 ああ、そういえばこいつは農家の娘だったな。食べ物や飲み物を粗末にするのは許せないのだろう。
「すまん、千反田。そして迷惑をかけたな」
 俺はなるたけ真摯に謝った。
 ついでに部室の机を汚してしまったことも謝罪する。
「それで、その……できればこの事は他の人には黙っていてほしい」
「な、何でですか!?」
 何でって……恥ずかしいからに決まってるじゃないか。
「できれば千反田にも忘れてほしいんだが……」
 そう言った瞬間千反田が泣きそうな顔になる。
「嫌、嫌です! 好きな人のを忘れるなんて!」

200 :
 何だと!? まさか弱味を握ったと言うのか。千反田に限って?
 俺が混乱してるところで千反田が駆け寄ってくる。
「んじゃ嫌です折木さん!」
「えっ?」
「折木さんがいなくなったらわたし、わたし………………え、お野菜の匂い……?」
 * * *
「つまり折木がなんかの病気で血を吐いたと勘違いしたちーちゃんが安心した反動で甘えているわけね」
「……まあそうだな」
「アホらし」
 俺もそう思う。
 だから説明したくなかったのだ。
「帰ろ、ふくちゃん。バカップルに付き合ってられないわ」
「そうだね。ここは二人にしといてあげよう」
 里志と伊原が立ち上がる。
 おい、こんな状態の俺たちを放っておく気か。
 恨みがましい視線を向けるが、二人は意に介さず部室を出て行ってしまった。
 あとには俺と俺に抱き付く千反田が取り残されている。
「……おい千反田、もういいだろ。いつまで抱き付いてるんだ」
「嫌です。あの時わたし凄い悲しくなったんですから」
 顔を俺の胸に預けたまま動こうとしなかった。こうなったら千反田が満足するまで好きにさせるしかない。
 俺は軽くため息をつき、そっと千反田の頭を撫でる。
 きゅっと千反田の力が強くなった。
 艶やかな髪を梳くように俺は指を絡めて頭を撫で続ける。
 しばらくそうしていると、ようやく千反田が顔をあげた。
「安心しろ千反田、俺は勝手にいなくなったりしないから」
「本当、ですか?」
「ああ」
 少し潤んだ目でじっと見つめられるのは正直恥ずかしいが、そこはぐっと我慢して見つめ返す。
 やがて千反田の目が閉じられ、俺はゆっくりと顔を近付けた。
 二つの唇の距離がゼロになり、沈黙が訪れる。先程とは違う、暖かな心地良い沈黙。
 すっと離れると、千反田の頬が上気して息が少し荒くなっていた。
 もう一度唇を合わせようと寄ってくるのを俺は慌てて押し止める。
 不満そうな千反田を宥め、内側から部室の鍵を閉めた。いつ誰がやってくるかわからないからな。
 俺は再び千反田を抱きしめ、唇を重ねた。
 今度は少し濃厚で、激しい、キス。
 互いに吸い合い、舌を絡めて唾液の交換を行う。
 身体の力が抜けてくったりとした千反田を机の上に横たわらる。
 野菜ジュースからこんなことになるとはな。姉貴に感謝するべきか文句を言うべきか。
 そんなことを頭の片隅で考えながら俺はその身体を弄り始めたのだった。

終わり
駄文すまぬ

201 :
いいよいいよー

202 :
ナイスですっ!

203 :
勘違いえるたそ可愛い

204 :
「ここが神山市けぇ……なんともチンケなとこじゃのう!」

205 :
山崎竜二さんオッスオッス

206 :
まさか氷菓にもボンガロファンが居るとはMOWロック使いな俺も驚きです、よ…
しかしえるたそみたいなハイスペック萌えお嬢様キャラに
ここまで慕われる奉太郎が羨ましいぜ。何か…書けんかな

207 :
>>200
続きをぉ・・・

208 :
「はあ……」
「何よ折木、辛気臭いわね」
 何度目かもわからぬ溜め息に伊原が眉根を寄せる。
 俺の様子に千反田と里志も怪訝そうな表情をしていた。
「そうだよホータロー、明日から冬休みだというのに何でそんな憂鬱そうなのさ」
「いや、どうかしてた昨日の俺をぶん殴りたくなっててな」
「な、何かあったんですか!?」
 わたし、気になります!と言わんばかりに千反田が詰め寄ってくる。
 言いたくない。
 省エネ主義者であるこの俺が今から行うことを考えると憂鬱にもなろうというものだ。
 だが、行わなかった場合は昨日したことや色々なものが無駄になるわけで、それこそ省エネではない。
 俺は覚悟を決めて立ち上がる。
「折木……さん?」
 訝しげな千反田を尻目に俺は普段は誰も使わない部活用の棚を開けた。
 そこから朝一番に隠しておいた三つの包みを取り出す。
「里志、千反田、伊原、メリークリスマスだ」
 そう言ってそれぞれに包みを渡す。
「「「……………………え?」」」
 あまりの事態に三人が硬直している。
 そりゃそうだ。こんな行動俺自身が信じられない。
「と、突然どうしたのさホータロー!?」
 パニックから最初に抜け出した里志が素っ頓狂な声を上げる。
 それにつられてか千反田も伊原も我に返ったようだ。
「お、折木、あんたどうかしちゃったの!?」
「折木さん!? 折木さん!?」
「だから、どうかしてたって言っただろ」
 予想通りの反応に俺は椅子に座って頭を抱える。
 一昨日の夜、俺は酔っ払った姉貴に酒を飲まされた。
 その時の会話の中で『たまにはお世話になってる部活の友達とかにプレゼントとかしてみたら?』とか言われ、言葉巧みに誘導されたのだ。
 俺も酔った勢いで了承してしまい、『あいつらの欲しそうな物をプレゼントする』と言ってしまう。
 しかも録音までされ、約束を破ることさえできない。プレゼント用の資金まで渡されてはもう逃げ場もなく、寒い中俺はクリスマスムードの商店街に出向く羽目になってしまった。
「まあ……俺からというのが信じられんのならサンタから貰ったとでも思っとけ」
「あ、うん……ね、ねえ開けてみていい?」
「好きにしろ、大したものは入ってない」
 ガサガサと三人は包装を解く。

209 :
「お手軽裁縫セット新バージョン!? 買おうか悩んでいたやつだ!」
「あ、スケッチブック……そろそろ残りが少ないって思ってたのよね……」
「わあ、可愛い髪留めとヘアゴムですね。ちょうど前のが古くなって新しいのが欲しかったんです!」
 三者三様に声を上げ、それを聞いて顔を見合わせる。
 そのまま一斉に俺の方に向けた。
 俺はぷいっと視線を逸らす。
「折木……あんた何でわたし達の欲しいもの知ってるのよ?」
「偶然だ」
 そう、偶然だ。
 一緒に帰った時に店の前での里志の目線に気付いたのも、部室でペンを走らせていた伊原のスケッチブックの残りが少ないのに気付いたのも、千反田の髪を縛るヘアゴムがヘタっていたのに気付いたのも。
 本当にたまたまだ。
 ふっと里志が柔らかく笑う。
「ありがとうホータロー、大事に使わせてもらうよ」
「そうね、礼を言うわ。ありがとう、折木」
「あ、ありがとうございます折木さん……その、わたし、お返しできるものがいま何もなくて」
「いらん、何か欲しくてしたわけじゃない」
「で、でもそれではわたしの気がすみません!」
「……じゃあ今度メシでも食わせてくれ。それでいい」
「はい、わかりました!」
 学食か喫茶店で適当に奢ってもらおう。
 そのときはそう考えていたのだが。
 別れ際に改めて三人から礼を言われ、帰宅すると人の気配がない。
 親はわかるが姉貴はどうしたのかと思っていると書き置きを見つけた。
 どうやら友人宅に招かれたので泊まってくるようだ。夕飯は心配するなと書いてあるが、どこかに用意してあるようには見えない。
 何かないかと周囲を見回していると玄関のチャイムが鳴る。
 誰だこんな時にと思いながらドアを開けると、そこには頭脳明晰容姿端麗の我が古典部部長が立っていた。
「こんばんは折木さん」
 俺はドアを閉める。
「ちょっと折木さん! 顔を見るなり酷くないですか!?」
 ドンドンと激しくノックされ、俺は再びドアを開けた。
 幻覚でもなんでもない、本物だったようだ。
「何をしに来た」
「お昼に言ったじゃないですか、ごはんを食べさせてほしいって」
「いや、あれは」
「お姉さんに確認したら『今日出掛けるからちょうど良かった』って言われまして。腕によりをかけて作っちゃいますよ」
 千反田はそう言って両手に持っていた食材の袋を見せつけてくる。
 こうなると何を言ってもお手上げだ。俺は諦めた。
「……上がれ」

210 :
「はい!」
 千反田は嬉しそうに俺のあとについて玄関に入る。
 まったく。夕飯は心配するなとはこのことか。姉貴なんかコンビニで宅急便の客に割り込みされてしまえ。
 器の小さい呪いを願いながら益体もないテレビ番組を眺める。
 台所からはとんとんとリズミカルな包丁の音が聞こえてくる。まあ千反田の料理の腕前は確かだし、楽しみではあるな。
 しばらくしていい匂いが漂ってきたので、俺は皿を用意して食卓に並べていく。
「じゃあいただくとするか」
「はい、いただきましょう!」
 少し多めの豪勢な夕食を前に俺は手を合わせる。
 味の心配はまったくしていない。当然のようにどれもこれも美味く、箸が進む。
 そんな俺の食いっぷりに千反田は嬉しそうに微笑んでいた。
 そういえば。
「髪留めとヘアゴム、早速つけてくれてるんだな」
「あ、はい! 早くつけてるところを折木さんに見せたくて」
「そうか……そ、その、似合ってる、ぞ」
「あっ、え、あ、ありがとう、ございます」
 なんとなく恥ずかしくてお互い俯いてしまう。
 なんだこの状況は。
 俺はごまかすように目の前の料理をかっこむ。
「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした」
 手を合わせて軽く頭を下げた。
 千反田が食器を洗っている間に俺はお茶の用意をした。湯呑みに注いだところでタイミングよく千反田が洗い物を終える。
 俺が座るともじもじしながら千反田が聞いてきた。
「あ、あの、折木さん。隣に、座っても、い、いいですか?」
「あ、ああ、構わないぞ」
「で、では失礼します」
 すとんと千反田は俺の横に腰掛ける。
 その身体からはふわっといい匂いがした。
 俺はそっと千反田の肩に手をかけ、抱き寄せる。
「あっ……」
 小さく声を上げるが抵抗はせず、離れもしない。
 それを確認して、俺は千反田の頭を優しく撫でた。
 千反田は心地良さそうな表情をし、俺に体重を預けてくる。
 しばらくそうした後、かちりと二人の視線が合う。
 そのまま距離がどんどん狭くなり、目を閉じると同時に互いの唇が触れる。
 短くも長くも感じられる時間が過ぎ、唇が離れた。気のせいか千反田の頬が心なしか上気していた。
「なあ、千反田」
「はい……」
「その、今日は、うちに泊まっていかないか? いや、無理にとは言わないが」
「ふふ、わたしはそのつもりでしたよ折木さん。着替えも持ってきてます」
「そ、そうか」
 ならば是非もない。

211 :
 俺は千反田の背中に腕を回し、きつく抱き締める。
「千反田、いいか?」
「はい……で、でもここじゃ嫌です」
「わかった、俺の部屋に行こう」
 手を繋ぎ、俺と千反田は二階に上がる。
 部屋に入ったところで俺はもう我慢がきかず、再び千反田を抱き締めて唇を合わせる。
 千反田も同じだったようで、舌を突き出しながら激しく俺の唇を貪ってきた。
 舌を絡め合い、擦り合い、互いの唾液を啜り合い、吸い合う。
 その合間に服に手をかけ、少しずつ脱がしていく。
 直接肌と肌が触れ合って体温を感じると、愛しさがどんどん募っていくばかりだ。
 俺は千反田をベッドに押し倒した。
 生まれたままの姿になったその全身をじっくりと愛撫する。
 俺の。
 手で。指で。舌で。唇で。
 千反田の。
 唇も。頬も。首も。胸も。腕も。腹も。脚も。そして女性器も。
 余すとこなく愛していく。
 充分に準備が整ったところで俺たちはひとつになる。
「ああ……折木さん、好きです、大好きです」
「千反田、好きだ、大好きだ」
 互いの名前と愛を囁き合いながら、俺は千反田の中に果てた。
 乱れた息を整えながら俺たちは横になる。
 俺の腕を枕にした千反田が呼び掛けててきた。
「折木さん」
「なんだ千反田」
「こんなに幸せなクリスマス、わたし初めてです。今までの中で一番幸せなクリスマスです」
「……クリスマス限定なのか?」
「はい。だって人生の一番は折木さんと初めてひとつになれた日ですから」
「そ、そうか」
 また恥ずかしいことをあっさりと。
「折木さんはどうなのでしょうか?」
 ……ごまかすのは簡単だが、せっかくのクリスマスだ。
 昨日に引き続き、今日の俺もどうかしてるということにしておいてほしい。
「千反田がいるんだ。毎日が新しい幸せで更新されている」
 その言葉を聞いて千反田は満面の笑みを浮かべ、俺の身体に腕を回して抱きついてきた。
 頭を撫でてやりながら時計を確認すると、間もなく日付が変わろうとしている。
 最後にもう一度だけ言っておくか。
『メリークリスマス』



駄文お粗末さまでした
リア充カップル爆発しろ
>>207
学校内プレイもそのうち書きたいけど、その作品はあれで終わりなんだ。すまぬ

212 :
久しぶりの投稿が!!
GJです。ありがとうございます

213 :
>姉貴なんかコンビニで宅急便の客に割り込みされてしまえ
ワロタwww
器小っちゃすぎだろほうたるwww
そしてGJ!
この二人は本当にいいなあ

214 :
>>205-206
とりあえず古典部の皆さんには細井雄二先生が何であんなに原作無理解だったのかって点と
細井雄二版餓狼伝説がなぜそっちの部分だけネタ扱いになるのかって点を気になってもらいたい今日この頃です。

215 :
>>211
GJ、ありがとうございます!
しかしもう氷菓ブームは来ないんだろうなあ

216 :
>>215
氷菓は…つまり、遺伝子組み換えブームだったのか?

217 :
「たしかに氷菓アニメ版は、大きな花を咲かせてきた……
認めよう! そこは認めよう!! だったら……実は!?
その花はどんな実をつけたんだ!?

聖地巡礼者の人数? ソフト売り上げ? エロ同人の数?
──そういう……目に見えるものではなくて!! 損とか徳とかの問題ではなくってだ!!
なんのために花を咲かせてきたのだ!? 実をつけるためではないのか!?
おれの求める花は……たとえいつかは必ず枯れ果てる小さな花だとしても、
確かな実を結ぶ!! そんな花だ!! そして結ばれた実の中に種子がある……!! 
再びまた、新たに力強く芽吹かずにはいられない強力な種子!! それを産み出す実!
そいつがなければ咲いても散るだけ!! どんなに大きく咲いても一世代限り!!
また次の作品にとりかかる時には、別のところから種を探してこなければならなくなる!!」

218 :
原作のイメージからして激しいエッチにならないから抜くまでは逝かないんだよな。
でも、酉付きさんのようなほのぼのエッチでほっこりできるからいいけど。
書く能が無いからこれからも楽しみにしてます。

219 :
>>211
乙!
次も楽しみにしてる!

220 :
折木さんは基本的にやる気がなくて淡白だからなぁ
野獣のように荒々しいSEXなんかかますともうそれはホータロとは違う別の何かだしw
そのせいか、薄い本でも殆どは痴女化した千反田や入須先輩にホータロが襲われる話が多いよね
肉食系女子怖エェwww

221 :
顔とか体つきとかってどんなイメージだった?
自分の脳内イメージあったけど、アニメ化でキャラデザ上書きされちゃったんだよね・・・

222 :
アニメ始まるまでは、ペルソナ4の同級生4人組をイメージしてた

223 :
折木    番長
える    雪子
里志   陽介
摩耶花  千枝
ってとこか

224 :
折木はp3のキタローかな。と思ったが最後に学校の屋上辺りでえるに膝枕されながら
静かに息引き取ってえるたそガチ欝りそうだからやっぱ無し

225 :
古典部の面々より妖精の面々の方が近いような気もせんでもないと思ったが、
旅館の娘ってところだけか?

226 :
カフェインには覚醒作用(興奮作用)、利尿作用があるそうですが、
えるが間違えて呑んじゃってさあ大変とか

227 :
>>226
聖水プレイか?

228 :
>>226
聖水か…
誰か書いてくれないかな(チラッ

229 :
アルコールにも弱いみたい(弱そう)だし、乱れっぷりに期待。
記憶は残るタチのほうがいいよね、醒めた時の赤面とか

230 :
少し生き抜きを・・・
╰U╯ヽ(´・ω・`ヽ)​ㄘんㄘんまってー

231 :
そのフォント?初めて見た。
どうやるの?

232 :
unicode

233 :
>226-229
俺は古典部遠征編がイイですかね、と……

234 :
>>220
ぶらっくちたんだの事か〜!

235 :
>231
コピペなのでわかりません。
すんません、

236 :
>>234
ブラックにはなりきれてないな

237 :
1.
 目的のためには手段を選らばないというのは、まあ、立派な一つのやり方といえようが、手段が目的と化してしまうのは、本末転倒というべきだろう。
 省エネ主義の俺からすれば、目的が果たせるならば、それで良いではないかと思ってしまうのだ。
 おにぎりがあるなら炊飯器は要らないし、どこでもドアがあれば自動車は必要ない。
 帰り道でばったり出会った福部里志が中古車を買ったと、しきりに自慢するので、からかい半分にそんな話をした。
「はは、つまりホータローがドライブを楽しめないのは、省エネ主義のたまものだと言いたいわけかい?」
「まあ、そうだな。目的地こそが重要であって移動はその手段だろう。特に目的地も無く、移動を楽しむなんぞ、俺には理解できんね」
 そう言ってため息を一つ吐く。
 里志と会うのも半年ぶりだ。昔は遠目には女と見まがうような姿をしていたが、ずいぶん男っぷりが上がったものだ。神山高校を卒業してから一年近く経つのだから当然か。
「いやしかし、ホータローが運転免許を取ったと聞いたときは驚いたよ。ホータローは運転なんて一度もしないで一生を終えるものだと思っていたからさ」
 俺を何だと思っているんだ。
 まあ、確かに姉貴の命令が無ければ、俺が自発的に免許を取ることはまず無かっただろうが。教習所の代金を半分持つとまで言われては、素直に従わざるを得なかった。
 まあ、あの姉貴が素直に弟のためを思っているわけはないから、飲み会の時の足にでも便利に使おうという腹だろう。その程度のことは、今さら勝手だとも思わない。
「お前は、ドライブを楽しんだりするのか?」
「あたり前さ! この間も摩耶花と県境の海岸線を飛ばして……」
「神山市に海はないぞ」
「まあ、気分の問題さ。僕もデートにドライブなんて月並みかとも思ったんだけどね、あれはあれで意外と悪くないものさ。風を切る爽快感はサイクリングに劣らないね」
 さいで。
 伊原との仲はまだ続いているのか。仲睦まじくて結構なことだ。

238 :
「ホータローもドライブが嫌いなんて言ってないで、運転したらどうだい。ちょうどいいじゃないか。東京まで行って、千反田さんを誘っておいでよ」
 む……。
「気が進まん。だいたい免許取り立てで県道のつづら折りを通るのは怖い」
「じゃあ、乗せていってあげようか……摩耶花と三人で東京までいくかい」
「結構だ。お前らの仲の良さを見せ付けられるのも癪だしな」
 それに馬に蹴られる趣味は無い。
「なんだ、楽しい旅行になると思うんだけどな」
「伊原が嫌がるだろう」
 二人のドライブに俺が割り込む形だ。伊原も嫌だろうし、俺も嫌だ。
「そんなことないさ。摩耶花のホータローへの評価は、昔よりは上がってるんだよ」
 ほう。
「『ナメクジよりはマシになったわね』って言ってたよ」
「……そいつは光栄だと伝えてくれ」

239 :
 里志と別れ、家に帰った俺は自室にこもり、千反田のことを考える。
 千反田は神高を卒業した後、かなり偏差値の高い東京の大学へ進学した。なんでもその大学は商品作物の改良研究に関しては国内随一だそうだ。
 千反田は東京に行き、俺は神山市に残った。それ以来、千反田とは会っていない。
 一応、何かあった時のためにと、俺の携帯電話の番号は教えてあるのだが、連絡すら来たことがない。俺から連絡しようにも、あいつは未だに携帯電話を持っていない。
さすがに『豪農千反田家』に直接電話する勇気は俺には無かった。
 
 俺は千反田に何も伝えていない。
 俺が自分の想いに気付いた時には、あいつは既に東京で農業の研究をすることを決めていた。
 そんなタイミングで告白しては、まるで俺が千反田を引きとめようとしているみたいではないか。俺はあいつの足かせにはなりたくなかった。
 そうとも。俺は省エネ主義の折木奉太郎だ。千反田は既に将来を見据えている。ここで、俺があいつの未来を邪魔するのは「やらなくてもいいこと」に違いない。
 
 それから俺は東京の大学に合格できるようひそかに勉強を始めた。そうすることで、千反田の隣に立つ資格ができるのだと思っていた。
 まあ「手短に」とはいかなかったが、これは「やらなければいけないこと」だ。
 無事合格できればよかったのだが、そうそう上手くことが運ぶはずもなく、俺は浪人、千反田は無事に合格し、神山高校の卒業式をもって、俺たちは別の道を歩くこととなった。
 そして、それきり何も無く、今に至る。
 
 
 卒業式の日の千反田の姿は、いまでもまぶたの裏に焼きついている。
「折木さん、お元気で」
「ああ、お前もな」
 別れの言葉はそれだけだった。

240 :
 俺は何か間違っていたのだろうか。時々思い返して考えてみるが、いつも答えは出ない。
 と、その時、机の上の携帯電話が震えた。表示されているのは見知らぬ番号だ。
「……姉貴か?」
 おれの携帯電話にかけてくるのは姉貴か、せいぜい里志くらいのものだ。
 確か、姉貴はおととい、尖閣諸島に行くとか言って出かけて行ったが。
 コールボタンを押す。
「もしもし?」
「あ、もしもし、夜分遅くにすみません、折木さん」
 この声は。間違いない、間違えるものか。――それは俺が一番聞きたかった声だった。
 驚きに、俺は声が出せない。 
「あの……折木さんですよね? どうかしましたか?」
「いや、千反田、なのか?」
「ああ、すみません! 名乗るのを忘れてましたね。そうです、千反田です。お久しぶりです折木さん」
「どうした、お前が連絡してくるなんて」
「実はご相談があるんです。お力をお借りできませんか?」
 少し逡巡する気配が受話器の向こうから伝わってきた。
「大学でおかしなことがあったんです。でも、どうしてそんなことになったのか、わからなくて、わたし、わたし……」
 ああ、つまりいつものあれか。
 俺は、次に千反田が言う言葉が何か知っている。
「ええと、つまりですね……わたし、気になるんです」

241 :
2.
「大学に入って仲の良いお友達ができたんです。針見さんという方です」
「男か?」
 思わず訊いてしまった。
「いえ女性です。背が小さくて、とてもかわいらしい方ですよ。同じ学部で、ゼミも同じなんですよ。入学以来仲良くしているんです。その針見さんのことなんですが」
「なにかおかしな奴だったのか?」
「いえ、そういうわけではありません。とっても素敵な方ですよ。……でも、不思議なんです」
 千反田は少し言葉を切ってからこう続けた。
「折木さん、好きな人を嫌うということがあるでしょうか?」
「……すまんが順序立てて話してくれんか」
「針見さんには好きな人がいるんです。同じゼミの北浦さんという男の人なのですが。
 実はその北浦さんから、わたし、相談を受けたんです。というのも、北浦さんも入学した時から針見さんのことが気になっていたそうなんです」
「それのどこが不思議なんだ。よくある青春の一ページってやつだ」
「わたし、北浦さんから協力を請われました。『針見さんを食事に誘いたいから、彼女の予定が空いてる日をそれとなく聞き出して欲しい』と。
 だからわたしは針見さんから予定の無い日を訊いて、それを北浦さんに伝えたんです。北浦さんはその日に彼女をお食事に誘いました。でも――」
「針見は、北浦の誘いに乗らなかった、と」
「そうなんです。好きな人からのお誘いを断った理由……。わたし、気になります」
 
 ふむ。好きな男の誘いに乗らない女、か。理由はいろいろ考えられる。
 親が厳しくて男女交際が許されていないとか、短い間に他に好きな男ができたとか
 だが、わざわざ考えなくともだ。

242 :
「本人に訊いたらいいだろう。『なぜ誘いを断ったのか』ってな」
「いえ、訊いたんですが、どうも要領を得なくて。『行きたかったけど、北浦さんに嫌われたくない、幻滅されたくない』と針見さんは言っていました」
「行きたかったが、行かなかった? まるで禅問答みたいな話だな」
「あと、『面倒な女だと思われるかもしれない』とも言っていましたね」
 ということは、先に考えたような外的な理由ではなく、あくまでも針見自身に誘いに乗らなかった理由があるということか。
「幻滅ねえ。よっぽど作法が悪いとか、食べ方が汚いとか、くちゃくちゃ音を立てて食べる癖があるとか、それで食事を渋ったんじゃないか」
「そんなことはないですよ。いつもお昼を一緒に食べるのですが、少なくとも針見さんがお弁当を食べるときは、食べる姿勢もきれいですし、マナーも常識的だと思います。あ、お箸の持ち方も正しかったですね」
 適当に思いついたことを言ってみたのだが、千反田は律義に返してくれた。
 しかし、適当に考えたわりに、この方向は、悪くないかもしれない。
「お前、いつも昼飯は一緒に食べるのか?」
「ええ、都合が合うときはいつも」
「さっき、『針身が弁当を食べる時』と言ったな。ひょっとして、針見は常に弁当持参じゃないのか?」
「そうです。でもどうしてそれを知ってるんですか?」 
 そうか、ではやはりそうかもしれない。一つわからないことはあるが……。
「千反田、俺の考えを言おう。なぜ針見は北浦の誘いを断ったのか」
「わかったんですか!」
「確証はないがな」
 一呼吸置いて、俺は言った。

243 :
「おそらく、針見は菜食主義者だったんだ」

244 :
3.
「……確かに言われてみれば、彼女のお弁当にはお肉やお魚は入っていなかった気がします。
でも、たとえ彼女がベジタリアンだったとして、それが食事の誘いを断る理由になるんでしょうか? 自分はベジタリアンだと言えば良いことじゃないですか」
「まあ、当事者じゃないからお前はそう言うがな、男の側から想像してみろ。
 彼女のために、美味いレストランを予約したが、肝心の彼女はサラダしか食べられない、とかな。
しかもその向かいで自分だけステーキを食ってたりしたら、男にとってかなり情けない状況だと思わないか。周りから何事かと思われるぞ。
 店を替えるにしてもベジタリアンのための店なんて急に見つかるものかな? 探すのは『面倒』なんじゃないか」
「それはそうかもしれませんが」
「さらに、店を見つけられて食事にありつけたとしても、北浦の方は食べたくもない野菜料理で我慢することになる」
「北浦さんは、そんなに度量の狭い方ではないと思いますが」
「一度のデートなら我慢もできるだろう。だが、今後ずっと付き合っていくとなるとどうだ。これは面倒な女だと考えないだろうか。
 いや、北浦がどう考えるかは問題じゃない。針見が『北浦がそう思うかもしてない』と懸念をした、ということだ。
 針見はじっくり探るつもりだったのかもな。北浦が自分のライフスタイルを受け入れてくれる人間かを」
「そこに急に誘いが来て、焦って断ってしまったのでしょうか。……わたし、悪いことをしてしまったかもしれません」
「まあ、とにかく、理由がわかってスッキリしました。折木さん、ありがとうございます。また、電話してもいいですか?」
「構わんが、もう謎解きは勘弁してくれよ」
「では夜分遅くにすみませんでした。わたし、明日は発芽の実験があるので始発で家を出なくてはいけないんです。
 もう少しお話をしていたいのですが……。おやすみなさい」
 俺もおやすみを言って、通話を切った。
 しかし、俺には一つわからないことが残った。
 なぜ、千反田はこんな『作り話』のために電話してきたんだろうか?

245 :
5.
 折木さんには、伯父さんの件を始めとして、何度も助けていただきました。あの人の鋭い推理と、時折見せる優しさに、わたしはどのくらい救われたかわかりません。
 多少無愛想で、ものすごく面倒臭がり屋ですが、心の深い所では温かいものを持っています。
 そうです。わたしは、折木さんのことが好きです。この気持ちは異性として好き、と言って差し支えないと思います。
 何度わたしはその気持ちを伝えようとしたことでしょう。折木さんは、その、ああいう方ですから、わたしから告白しないと、関係をはっきりさせられそうにありませんでしたから。
 
 でも、それを躊躇わせる疑念がわたしにはありました。
 わたしは折木さんの能力に惚れたのではないか、という疑問がいつもついて回るのです。
 はたしてわたしは、伯父さんの件を解決してくれたのが折木さんではなく別の人だったら、折木さんを好きになっていたのでしょうか。
 仮に折木さんが、頭の冴えが全く無い人間だったとしても、わたしは折木さんを好きになっていたのでしょうか。
 わたしのこの気持ちが、折木さんの頼れる推理能力に裏打ちされていないと、誰が言えるでしょう。
 もし、仮に福部さんが数々の謎を解いていたら、わたしは福部さんを好きになっていたのではないでしょうか。
 そうだとしたら、わたしはとても不誠実な人間です。
 折木さんの人格ではなく、能力を利用したいと思って好きになったと言われても仕方ありません。
 能力だけで人を見るなんて、それは「傲慢」でしょう。
 もちろん、能力も含めて、それが一つの人間性だということは理解しているつもりです。
 ですが、この疑念が一度生じてしまった以上、わたしはこの問題について明確な答えを出さない限り、折木さんとの関係を変えることはできないと思ったのです。

246 :
 そうして、神山高校を卒業して半年以上がたちました。日々の折々に、わたしは折木さんのことを思い出します。
 そうです。
 折木さんと会わない日々が続いて、ようやくわかったのです。
 わたしは折木さんのことが、やっぱり気になっているのです。
 不思議なことが無くても、気になることが無くても、わたしの折木さんへの気持ちは、なにも変わることはありませんでした。
 折木さんに会いたい。せめて声だけでも聞きたい。
 わたしはそればかり考えるようになりました。
 でも、今更になって、間に合うのでしょうか? 半年以上会わなければ、生活も環境も、そして気持ちも大きく変わっているでしょう。案外、折木さんには素敵な彼女ができているかもしれません。わたしのことなど忘れているかもしれません。
 折木さんの電話番号は知っていましたが、「何か困ったことがあったらかけてくればいい」と言われています。
 何も問題が無いのに、かけるわけにはいきません。あるのは「会いたい」「声を聞きたい」、そういう気持ちだけです。
 そこまで考えて、わたしは気付きました。
 『なにか』が『起きれば』いいのだと。
 そうすれば、わたしが折木さんに連絡を取っても何ら不自然ではありません。
 わたしには、あの言葉――わたし、気になります――があるのですから。
 むしろ困ったわたしが折木さんを頼るのは自然な流れです。
 
 ですから、わたしが折木さんに解決を依頼したのは『手段』ではなく『目的』そのものだったのです。
 表向きは気になる謎を解いてもらうため。
 裏に隠れた目的は、久しく聞いていない折木さんの声を聞くことでした。
 いくら折木さんでも、わたしが『本当は気になっていなかった』とは思わないでしょう。
 目的と手段が転倒するなんて、大学生にもなっておかしなことです。こんなことはこれっきりにしたいものです。

247 :
 プラットホームに立つわたしの前に、始発が滑り込んできました。
 大学ももうすぐ冬休みです。
 冬休みは少し早めに神山市に帰るつもりです。
 陣出よりも先に、折木さんのおうちに寄って、その時、改めて、わたしの気持ちを伝えようと思います。
 折木さんを想うと、まるでそこに折木さんがいるかのような錯覚を起こします。
 ほら、そこに立っている乗客は、ちょうど折木さんくらいの背丈で、折木さんのような髪型で、折木さんのように少し気怠そうで――
「折木さん……?」

248 :
6.
「どうして折木さんが、ここにいるんですか!?」
 千反田が、目を丸くして詰め寄ってくる。
「夜通し運転してきたんだ」
 おかげで体がだるい。
「折木さんが免許を取っていたなんて……意外です」
「自分でもそう思うよ」
 姉気に感謝せねばなるまい。免許が無ければとうてい始発のこの時間に東京に来ることなど叶わなかった。
それとも姉貴はこの事態まで予見して俺に免許を取らせたのだろうか。……まさかな。そこまでいくと預言者だ。さすがにそれはありえない。
「東京まで運転だなんて疲れたでしょう? やらなくてもいいことはやらないのがモットーだったのでは?」
 そう言って千反田は笑った。その笑顔を見て、俺も自分が笑っているのを知った。
 ああ、俺が見たかったのはこの顔だ。会いたかったのはこいつだ。
「やらなきゃいけないことだったんだよ。まあ、手短にはいかなかったが」
 俺は千反田の電話の理由に気づいたから東京まで来た。要するに俺と同じなんだと気が付いたのだ。
 俺は言う。
「俺はずっと千反田に会いたかった。声が聞きたかった。愛していた。そして、これからもそうしていたい」
 千反田はうっすら涙を浮かべていたが、それでも笑って頷いてくれた。

249 :
まさにいいぞ。これ だな。

250 :
淡い感じが良いと思うんだけど、千反田は、プラットホームに居たと思うんだが東京の駅内だよな?
奉太郎は、どうやって千反田がそこにいると思って来たのだろうか。
二人の絆が引き合わせた…かも知れないけど、ちょっと偶然が過ぎるかな?とか。

251 :
東京にだってホームが一個しかない小さな駅はあるぜ
最寄り駅さえ知ってればなんとでもなる
悪くないっちゃ悪くないがここはエロパロ板なんだ
この後車に乗せて朝からカーセックスする展開はみんな読めてるが、ちゃんとそこも書いて欲しい

252 :
>>250
>>244
最寄り駅を知っているのは卒業前にそんな会話があった、としか。
別に謎解きじゃないし、そういうことでいいんじゃない?
>>251
取りあえず大学まで送って行って、キャンパスの敷地内見学してて。続きは昼からで
>>240
さすがに携帯だよね?・・・・えるだって

253 :
すでに本スレでも話題となっているが、古典部シリーズ「遠回りする雛」が東海大学の入試問題に出たそうだw
東海大学の問題作成者!怒らないからでてこいw

254 :
いや例えどこかに出てきたとしても
さすがにエロパロ板には出てこないだろw
まあ一般サイトでは大学試験問題としての程度が、
アニメスレではラノベか一般小説かの是非が話題になっているが、エロパロ板的には
『むしろ一般ならば正気を疑われかねない腐女子回答(E)をあえて用意することで
 その可能性を排除しなかったあたりに出題者の高い社会状況への見識と
 ネット荒れ防止を事前に予防する深い配慮が見られることが「評価」できる。「氷菓」だけに。』
と言っておきたい。

255 :
誤) ネット荒れ防止を事前に予防する
正) ネット荒れを事前に予防する
だった。防止を予防してどうするw

256 :
>>255
冗長性確保のためなら仕方ないw

257 :
そういや摩耶花が里志にバレンタインチョコを渡す時どうすんだろうな?
勝手な想像で書いたから粗削りだが…。
奉太郎「で?なんだ?人の居ない部室にまで連れてきて…。」
摩耶花「今年こそ絶対に福ちゃんにチョコレート渡すんだから!というわけで折木、あんたも手伝いなさい!」
奉太郎「なんで俺がそんなことをせにゃなら…。」
千反田「そうですね…、折木さんならどう考えるのでしょう?福部さんにチョコを渡す方法を…。」
奉太郎(しまった、いつのまに千反田が!?この展開はマズイ…。)
千反田「私、折木さんが考案した『摩耶花さんが福部さんにチョコレートを渡す方法』が気になります!」(きゅいーん)
摩耶花「いつからいたの?ちーちゃん!?」
千反田「いえ、ちょっと摩耶花さんが折木さんを引きずっていくのが珍しいと思いまして…。というわけで折木さん!私からもお願いします!摩耶花さんが福部さんにチョコを上手に渡せる方法を考えていただけませんか!?」
奉太郎「わかった、やるよ…。ただし卑猥な話になるが、それでも構わないならいいぞ?」
千反田「いえ、今回は私もアドバイスするので大丈夫です。」
奉太郎「というわけで早速本題だ。俺が考えている案では以下だ。」
1.ベタだが里志の下駄箱に入れる 
2.伊原が裸リボンにで自宅で待つ。呼び出しは俺から「おい里志〜?伊原から用があるって言ってたぞ。伊原の家に来いだと〜。」と誘導する。
3.わかめ酒ならぬわかめチョコで里志を悩させる。
4.宅配便を装って、伊原が届ける。
5.ゆうパックの期日指定で送る。
千反田「わかめ酒ってなんですか?」
摩耶花「ちょっと!まともな案の中にとんでもないのが混じってるじゃない!」
奉太郎「だから言っただろう?卑猥な話だと…。だが男は色気に弱いんだ…。」
続かない。

(続きを書きたければ)書けよ、臆病者(スレ住人)!

258 :
長いこと反映されてなかったけど、このスレもまとめ入ったんだね。
よかったよかった。

259 :
おお、本当だ
ならこれからもこのスレを盛り上げていかないとな

260 :
ここは神山高校の古典部
歴史ある部だが今はもう廃部同然
しかしそこには……振り向けば千反田
「ち…千反田に迫られた時に感じたあの感覚……あれは始めての……
まるで甘美な電流だった……まさか俺ッ……!?」

261 :
Mになっちゃいましたか?

262 :
「何だってんだ、オレはやるべき事は手短に済ませるはずじゃなかったのか?
どうやら姉貴にとっちゃ、オレもコンピューターもあまり利口じゃないらしいな。
まったく、"気になること"に探究心を貫くとろくなことにならない。
"やらなくてもいいことはやらない、やるべきことなら手短に" それがオレのモットーだ。
だが、どうもオレには無理なようだ。だから――それが問題だ」

263 :
えるたそも好きだけど入須先輩も好き
比べられん

264 :
いやいや、十文字先輩もなかなか
占いテントの中でのお口御奉仕プレイ同人誌で目覚めてしまったわい

265 :
じゃあ俺は、製菓研の2人と・・・

266 :
みさきたその料理食べてぬのが本望w
ちゃめっけたっぷりだから許せるな。

267 :
トリックオアセーックス!?

268 :
>>264
タイトルくわしく

269 :
>>264
それってイベント限定のおまけ本のやつかい?あれは良かったよな。本誌含めれば千反田も入須も十文字も楽しめるいいものだった
奉太郎×える×冬美が最高やったわい

270 :
最新の鏡には映らないってどっかで読めたりする?

271 :
たぶんエロパロ板でするような質問ではない

272 :
ここで聞いた方がいいと思ったんだが

273 :
金出したくないなら図書館池

274 :
エロパロ板なのに何故ここで聞いた方がいいと思ったのか、わたし気になります!

275 :
かんたん
ちょさくけんじょーとーなやつらのすくつとおもった

276 :
図書館行くだけで合法的に読めるんだから、上等もへったくれもない

277 :
千反田「こんにちは、たまやさん。もち米20キロお届けです。」

278 :
「ごめんホータロー! この埋め合わせは必ずするから!」
 手を合わせて頭を下げる里志に俺はため息をつく。
 その向こうでは同じように呆れた表情をした伊原の姿が見える。
「俺は別に構わんが……何というか、もう少ししっかりしろ」
 ダブルブッキング、というわけではない。
 ただ単に放課後に俺に買い物に付き合ってくれと昨日頼んできた里志が伊原との約束を忘れていただけだ。
「ごめんね折木。ふくちゃんがホントに」
 すまなそうにする伊原に特に気にしてないように肩をすくめてみせ、さっさと行くように促す。
 苦笑いしながら伊原に引きずられる里志を、俺はひらひらと手を振って見送った。
 さて。
 思わぬ暇な時間ができてしまった。
 何となく帰宅する気にもならないので、部室にでも行くことにしよう。近いうちに提出する課題もあることだしな。
(おや?)
 部室の鍵が借りられている。
 消去法で借りたのは千反田だろうが、俺が今日行かないことは昨日のうちに言ってあるし、里志も伊原も先ほど伝えたと言っていた。
 誰も来ない部室で何をしているのやら。まあ俺と同じように課題か復習でもしているのだろう。
(校舎の端の端なんて誰も来ないしな)
 周囲にまったく人の気配を感じないまま俺は部室の前にたどり着く。
 ここで声をかけるなり、あるいはノックをするなりしていればこの後の展開はまた違うものになっていただろう。というかいつもの日常が繰り広げられていただけの話になるはずだ。
 だが、俺は無造作に、何も考えずに、千反田がいるはずの部室のドアを開けた。
「…………っ!」
 中にいた千反田が驚愕し、信じられないものを見るような目でこちらを見る。
 その時俺の表情はどんなだっただろうか。
 少なくともこれまでの人生で最も狼狽したことは間違いない。
 何せ。
 『女生徒の自慰行為』など今まで目にしたことなどないのだから。
 制服の裾から手を突っ込んで胸を揉み、スカートを捲り上げて下着の上から指を押し当てる行為など自慰以外の何物でもない。
 二人ともしばらく固まっていたが、いち早く冷静さを取り戻したのは俺の方だった。
 そのまま部室に入り、後ろ手にドアを閉める。
 このまま見なかったことにして部室から去ることも考えたが、あの体勢ではもはやごまかしようがない。せめて机に突っ伏しながらとかならまだ言い訳のしようもあったろうに。
 ならば何らかのフォローが必要だ。

279 :
 俺が近付いていくと、今更ながらに千反田はばばっと服の乱れを整え、顔を俯かせる。
 椅子を引いて座るとびくっと千反田は肩を震わせた。
「お、折木さ……」
「鍵もかけずに不用心なことだな」
「う……え、えと、まさかいらっしゃるとは思わなかったもので……」
 それにしたってなあ。
 まだ俺だから良かったものの、気まぐれでいつ誰が訪れるかわかったものじゃないというのに。
 前々から思っていたが、千反田には危機感が足りないのではないだろうか。少しお灸を据えてやる必要があるかもしれない。
「あ、あの……このこと、だ、誰にも言わないでください!」
「……さて、どうするかな」
「お、お願いします! 何でもしますから!」
「そうか……じゃあさっきの続きをしてみてくれないか?」
「え……」
 千反田が顔を上げて戸惑った表情を見せる。
 が、俺は構わずに続けた。
「普段からどんなふうにしているのか教えてくれ」
「っ! …………うう」
 顔を真っ赤にして再び俯いてしまった。
 もういいだろう。
『冗談だ。もう二度と学校でこんなことはするなよ』
 俺はそう続けようとしたつもりだった。
 しかしそれより先に。
「わ、わかりました」
 千反田から放たれた言葉に俺の口から出掛かった言葉と思考が止まる。
 え?
 今何と言った?
 俺が混乱から抜け出せてないまま千反田は脚を開き、スカートを捲り上げた。
 程よく肉の付いた太ももがあらわになり、千反田らしい真っ白な下着が晒された。が、その中心部は先ほどの行為による染みができている。
 その光景に俺はごくりと生唾を飲み込んだ。
「わ、わたしがするときは、む、胸を揉みながら、こんなふうに下着の上からいじったり、します」
 そう言って裾から片手を入れて胸を揉み、下着にもう片方の手を寄せて指を押し当て、先ほどと同じような姿勢になる。
 そのまま小刻みに動かしだし、声を堪えるかのように唇をきゅっと結んだ。
 もういい、止めろ。誰にも言ったりしないから。
 そう言おうとした俺の口から発せられた言葉は。
「どんなことを考えながらしているんだ?」
 だった。
 理性が効かない。
 千反田の切なげな表情に嗜虐心が頭をもたげてくる。
「う……お、男の人に、胸を揉まれたり、身体中をさわられたりっ……します……」
 それは。
「こんなふうにか?」
 手を伸ばし、制服の上から空いた方の胸を鷲掴みにする。
「ん……は、はい」

280 :
 ブラがずれているのか、思った以上に柔らかな感触が俺の手に伝わる。
 そのままむにゅむにゅと揉みしだくと千反田がびくっと身体を反応させながら眉根を寄せた。
 それを見られている事に気付くと慌てて顔を逸らそうとするが、俺は空いた手で顎を押さえ、真っ正面からじっと見つめてやる。
「千反田、続けろ」
「っ! ……も、揉まれるだけじゃなくて……先っぽを摘んだり、指で弾いたり、してきてっ……ああっ!」
 俺は直に服の中に手を突っ込み、その言葉通りにしてやる。
 ぴんぴんに尖って固くなった乳首を二本の指で挟み込んでくりくりと刺激すると、甘い嬌声が千反田の口から漏れ出た。
 その声をもっともっと聞きたくなり、顎を押さえていた手を下腹部に持っていき、千反田の手を掴んでぐっしょりの下着の中に両者の指を突っ込ませる。
 すぐに敏感な陰核を探り当て、二人でそれを弄くり回すと更なる嬌声が発せられた。
 さすがに外に聞こえたらまずいので一旦動きを止める。
「はあっ……はあ……っ」
 イったわけではないようだが思った以上の快感に体力を消耗したのか、千反田はぐったりしていた。
 そんな姿を後目に俺はドアに向かい、施錠を確認する。
 まあ念のためだ。
 もうここまで来たなら俺も止まれない。行けるところまで行くつもりだ。
 俺が再び千反田に近付くと、千反田はのろのろと椅子から降りて俺の前に座り込む。
 そのまま俺のズボンに手をかけ、脱がそうとしてきた。
「ち、千反田!?」
「……わたしの身体を弄くったあと、男の人は、自分の服を脱いで」
 どうやら先ほどの妄想の続きのようだ。
 やがてギンギンに固く反り返った肉棒が千反田の目の前に晒される。
 それを見て千反田は目を見開いたが、すぐに言葉を続けた。
「男の人の……が、無理やり、わたしの口に……」
 そう言って口を大きく開き、はむっと先端をくわえ込む。
 柔らかくて暖かいぬるぬるとした感触に思わず声を上げそうになったが、何とか歯を食いしばって堪える。
 俺はそのまま千反田の頭を両手で押さえ込み、腰を揺すって口内を肉棒で陵辱し始めた。
 唇の輪っかが先端から根元を幾度も滑り、とてつもない快感を俺に与えてくる。
 このまま射精したい誘惑をなんとか断ち切り、俺は口内から肉棒を引き抜いた。
「あ……」
 千反田が名残惜しそうな声をあげるが、それを無視して千反田を立たせて上半身を机に伏せさせる。

281 :
 ちょうど尻をこちらに突き出すような格好だ。
 スカートを捲って下着を下ろし、しとどに濡れた女性器を露わにさせる。
 千反田に何の言葉も抵抗も発させないまま俺は焦点を合わせて腰を突き出し、一気に蜜壷の最奥部まで肉棒を埋めた。
「ああっ……!」
「くっ……」
 千反田が仰け反りながら声をあげ、俺の口の端から呻き声が漏れる。
 ぎちぎちに締め付けてくるのに柔らかいという相反する感触が肉棒を包み込む。
 俺は本能のままに腰を振って千反田を犯し始めた。
「んっ……ああっ! すご……ほんもの……きもちいっ……ああああっ!」
 ほんもの。
 千反田は男を受け入れるのは初めてなのだろうか。スムーズに挿入できたのもこんなに敏感なのも自己鍛錬の賜物か?
 気になった俺は千反田の背中に覆い被さり、耳元で囁くように尋ねる。
「随分と感じているみたいだが、自分でするよりいいのか?」
「は、はいっ……初めてなのに、すごくっ……ああっ!」
 俺は両手を千反田の胸に回し、揉みしだきながら乳首を摘んだ。
「ここもこんなに固くして、お前淫乱な女だったんだな。名家の娘が聞いて呆れるな」
「ごめんなさいっ……ごめんなさいっ……でも……ああっ!」
 千反田は謝りながらも自ら腰を揺すって快感を得ようとしている。
 俺は身体を起こして千反田の腰を掴み、膣内に出し入れする肉棒の動きを速めた。
「なら、そんなお嬢様には罰を与えないとな。このまま中で全部出してやる」
「えっ!? だ、ダメです折木さん! 赤ちゃんできちゃいます!」
「いいぞ、妊娠しろ、俺の子を孕め。それにお前の妄想でも男は中出ししたんだろ? ならお前はそれを望んでるってことだ」
「そ、それは……ああっ! そこは、ダメですっ! ああっ!」
 膣内で千反田の感じる箇所を見つけ、俺はそこを重点的に責める。
 俺の言葉でさらに締まりがきつくなったあたり、千反田は相当な被虐趣味気質のようだ。
「お願いします折木さん! 何でもしますから、中には出さないでください!」
「俺もそうしてやりたいんだがな。お前のココが『離したくない、中で出して欲しい』って締め付けてきて抜けないんだよ」
 事実どんどん締まりは良くなっているし、口ではああ言いながらも腰を振るのを止めないでいる。
 身体は正直、というやつだろうか。
「折木さんっ! 折木さんっ!」
「イきそうなんだろ? イっていいぞ」

282 :
 俺は再び耳元に口を寄せ、絶頂へ導くように囁く。
 右手を結合部付近に伸ばして陰核をいじり、大きな声を出さないように左手で千反田の口を覆う。第三者からしたらレイプしているように見えるかもしれない。
 千反田の身体がぐううっと仰け反る。
「イけ、イってしまえ」
 そう言って耳たぶを少し強めに噛んだ。その瞬間。
「んふぅっ! んうううううううっ!」
 びくんびくんっと千反田の身体が大きく痙攣し、俺の手の下の口から悲鳴のような声が吐き出される。
 肉棒を包み込んでいる襞が様々な動きで収縮し、より一層の快感を与えてきた。
 もう俺にも余裕がない。ギリギリまでその中を味わい、射精寸前で引き抜く。
「うっ! ううっ! く……うっ」
 自分の手でしごき、大量の白濁液を千反田の形のいい尻にぶちまける。
 その白く綺麗な尻が汚れていくさまに更なる興奮を覚えながら全てを出し切った。
「はあ……はあ……っ……」
 俺は肩で息をしながらティッシュを取り出し、自分と千反田の下半身の後始末をはじめる。
 千反田は気を失った、というわけではなさそうだが、どこか目が虚ろで反応が鈍く、体勢も変わらない。
 予想以上に激しく達してしまったのだろう。
 下着もしっかり穿かせて着衣の乱れを整えてやった。
 そうこうしているうちに外はすっかり暗くなり、完全下校時間の放送が流れはじめる。
 終始千反田は夢うつつのような状態だったので手を引いて駐輪場から千反田の自転車を回収し、ゆっくりと歩きながら千反田家まで送ることになった。
 到着するころには平静を取り戻したようで、顔を赤面させながら俯いている。
 そんな千反田に自転車を渡しながらそっと一言囁き、俺はそそくさと帰路についた。
   * * *
 次の日。
 登校して下駄箱付近で千反田に会った。
 千反田はきょろきょろと周りを確認したあと、人目がない隙をついて俺の手を取り、自分の胸に押し当てる。
 むにゅ、と柔らかな弾力が俺の指を押し返した。
「い、言われた通り今日はブラをつけてないです……こ、これからも何でも言う事を聞きますから……今日もお願いしますね」
 顔を真っ赤にしつつもどこか嬉しそうに言ってきた。
 その笑顔に心を奪われながらも俺は曖昧に頷く。
 昨日のことで千反田は蜘蛛に捕らわれた蝶のようだと思ったものだが、ひょっとして捕らわれたのは俺の方だっだろうか?
 俺はそんな益体もないことを考えた。

283 :
たまには鬼畜チックな奉太郎を書いてみようと思ったが、なんかコレジャナイ感が強い……
もうちょっと上手く書けるようになりたいわい
お目汚し大変失礼いたしました

284 :
読み終えて、「わたし、気になるんです」が入ってないからかな?と思った。
その好奇心をきっかけに奉太郎が応じざるを得ない状況になっていくといいかなとか。
でも、久々にエロかったですよ。乙!

285 :
>>283
GJ!
コレジャナイ感は、ラスト付近?
奉太郎の一人称だと、ヤシは
そもそもが面倒くさがりな上に
デフォが鬼畜要素すくないもんな
文体とオチが原作の雰囲気に合ってる希ガス
このあとどうなっていくのか
わたし、気になります!(アニメ版お料理研部長風<そっちか!?)
とにかくGJ!!!

286 :
うは!
いいじゃないですか鬼畜チック奉太郎!
える相手なら「面倒<情欲」ということでらしくなくても納得しちゃう。
また何か投下していただけるとありがたいです!

287 :
奉太郎の場合は面倒がってマグロと予想…。
婿入りした後、鉄悟さんから「据え膳食わぬは何とやら」と説教を受けて攻める側になるしか考えられんw

288 :
>>287
えるの親父の名前?

289 :
なんやかんやで奉太郎はむっつりスケベで
一度女を知ったらそのままハマりそうな気がしないでもない。
それこそエロに関しては省エネ主義なぞいらぬッ!!とばかりに
朝台所で料理しているえるのエプロン姿で時折揺れる小ぶりながらも形のいい尻に
ムラムラきて後ろから抱きついてえるのたしなめる言葉も聞かずにそのままいたしちゃうんじゃないかなぁ
終ったらもちろんえるからの説教で

290 :
ちょっとよくわからないんでもう少し詳細を

291 :
「カ、カラオケか……遠慮する。俺は無駄な事はやらない主義なんだ」
「ほ、奉太郎……お前まさか……人前で歌うのが恥ずかしいのか?」
「違う!!俺は"やらなくても良い事はしない、やるべき事なら手短に"というのが人生の――」
「いいよ、いっしょに行こう折木」
「Oh my god!! Oh my god!!」
「ほら、折木もなんか歌えば?」
「いいよ俺は」
「ひょっとして……飲まないと歌えないってタイプ?」
「いや、そういうんじゃなくてだな……」
「じゃー、とりあえずビールを」
「…………ギャ〜〜〜〜〜ハッハハ! ふざけんなよ! 摩耶花〜!」
「なんだこいつ、むちゃくちゃ酒ぐせわるいな」
「なんだとこの、ぶっとばしちゃうぞ」
「折木、ふざけないでy――」スパッ
「あ、あああ……普段は無気力なくせに酔ってめちゃくちゃ強くなってる……」
「どうしたんだ摩耶花、あの日でも無いのにそんな出血しちゃって?」
「い、今、折木に話しかけないほうがいいよ。チョット酒を飲ませたらえらいことになってしまった」
「ちょっと奉太郎、一体どうしt」
「あーーーん なんなんだよ」
「だめ……だめだ、直ぐに逃げよう摩耶花。既に奉太郎は灰色熊と門田京平のハイブリッドになってる、もうシャレは通じない」
「歌うぞ!! おい、そこのホームズとワトソン、どこへ行くのかね。ジュースでも飲みながら私の歌を聞きなさい」
(ホームズとワトソンって……そりゃあんた、ホモでんがな……)

292 :
>>291の冒頭に「ある日、里志と摩耶花からカラオケに誘われた奉太郎だったが……」
「まずは『優しさの理由』!!」〜退屈な窓辺に 吹き込む風に〜♪ 
ブーーーーッ
奉太郎の歌には音調と音程というものがなかった。ただひたすらに、推理小説で用いられる兇器を思わせる
怪音波を口腔から発していた。その音は百人がいっせいに黒板を引っかき、千人がいちどに紙にマジックで線を引く……
それ以上に耐えがたき何かを折木奉太郎、いや、灰色熊と門田京平の融合体は出し続けていた。
〜目覚めるまま走れ〜蜃気楼を追いかけて〜♪
「福ちゃん!ここで目覚めて走らなかったらぬよ!!」
〜好きにフェードアウト〜ゆえにフェードイン〜〜♪
「だ、脱出しなければ……あたし達に待っているものは確実な……」
〜それからそれから次のページ〜♪
「や、やっと出入り口まで来た。ふ、福ちゃん……助かったy――」
〜キミのミステリー〜解いてみたい〜少年の〜ヒミツめいた背中探せ〜♪ ズズズズズズ
「ギャ〜〜〜〜!!!!!!」
「ここでいったい何があったんですか、お客さん」
「い……インシテ、ミル……」
伊原摩耶花はカラオケショップの店員に謎のメッセージを残すと、倒れた。
翌日、二人の唐突な病欠が気になった千反田は奉太郎と一緒に推理したが、結局は解き明かされないままに終わってしまった
しかし倒れた二人だけは知っている。ここ神山市の某カラオケショップで"6曲分のデス・ゲーム"が開催されたことを――

293 :
幕張ネタじゃねーかw

294 :
ちょっと笑った

295 :
前スレ515-525の続きです
奉太郎×える エロなし
遅くなって申し訳ありません。今更とは思いますが、どうぞよろしく
それと保管庫の更新、ありがとうございます。おかげで続きを書く気力が湧きました
〜前回までのあらすじ〜
 自宅にて千反田とふたりきりで試験勉強中の折木奉太郎。はてさてどうなることやら――。

296 :
 付き合い始めたばかりの若い男女がひとつ屋根の下、ふたりきり。コタツで肌も触れ合わん
ばかりの距離。この状況で勉強に集中しろ、というのも酷な話である。つい今しがた、ことに
及ぼうとしていたのならば、尚更だろう。
 かく言う俺も、真面目に勉強しようと意気込んではみたものの、頭の中に浮かぶのは千反田
のことばかり。だってしょうがないだろう。こう見えて人並みに性欲のある男子高校生なのだ。
 暖房の効いたリビングは静寂に包まれていた。元々静かな住宅街の一角にある家なのだが、
雪が降っているせいもあるのか、外部からの雑音は一切聞こえてこない。
 外界から隔離された俺と千反田、ふたりだけの世界。
 耳を澄ませば聞こえてくるのは、エアコンの稼動音に教科書をめくる音、シャーペンの芯と
ノートの摩擦音、そして千反田の微かな息遣い……。
 はっと我に返る。いかん、いかん。勉強に集中しなくては。そのためには――。
「なあ、千反田。すまんがそっちに座ってくれないか」
 ぴたりと横にくっついて居られては勉強に身が入らない。というわけで千反田には俺の左側
斜め向かいの位置に座り直してもらった。そこなら教えてもらうにも容易いし、なにより俺の
煩悩も刺激されずに済む。これで心置きなく勉強に集中できるはず。
 だがしかし――。
 今度はコタツの中が気になって仕方ない。俺の伸ばした足先に千反田の足が当たっている。
いや、俺が足を引っ込めればそれで済む話なのだが、何故かそれができない。
 外は寒いからか、今日の千反田は素足ではなく、黒いストッキングを履いてきている。その
感触が俺の心を捉えて離さないのだ。
 千反田はコタツ水面下での接触に気づいていないのか、あるいは気にしていないのか、平然
とした顔で試験勉強に取り組んでいる。
 俺は教科書とにらめっこしつつ、こっそりと足を動かしてみた。足首と思われる箇所から、
ふっくらしたふくらはぎへ。気づかれぬよう、つま先に全神経を集中させ、カタツムリの如く
千反田の足をなぞってゆく。ゆっくりと着実に、さらなる高みを目指して――。
 俺は興奮していた。
 別にストッキングフェチというわけではない。真面目に勉強をしているように見せかけて、
水面下では良からぬ行為を働いている。その背徳的行為に興奮しているのだ。
 痴漢の心理もこんな感じなのだろうか。ふとそんな疑問が浮かんできた。もしかすると俺は
いま、痴漢行為を働いているのではなかろうか。いや、俺と千反田は恋人同士。だからなんの
問題もないはず。論点がずれているような気もするが、そういうことにしておこう。
 それにしても靴下越しなのが残念だ。いまいちストッキングの感触が楽しめない。いっその
こと、靴下を脱いでしまおうか。そんなことを考えていると、
「折木さん、くすぐったいです」
 千反田が困ったような顔を向ける。
 しっかりばれていたようだ。恥ずかしい限りである。
 悪戯を見咎められた子どもの気分を味わいながら、俺は「すまん」と一言謝り、足を引っ込
めた。

297 :
 さて、ここからは心を入れ替えて真面目に勉強しよう。教えてくれる千反田にも悪いしな。
 いまから本気出す!
 だが、そう決断してみたものの、すんなりと頭のスイッチは切り替わってくれない。どうし
たことか? 俺はその原因を考察してみた。
 そもそもこのコタツというものがいけないのだ。
 男女の下半身が密閉された空間を共有している。まかり間違えば、瞬く間にふれあい広場と
化してしまう。なんと卑猥な代物《しろもの》なのだろう。
 いまこのコタツの中には、千反田のすらりとした両脚と、黒いストッキング越しに薄っすら
透けて見えるであろう白いパンツが存在している。いや、パンツの色が白なのかどうかは知ら
ないが、黒いストッキングには白いパンツが良く似合う。それにおとなしい千反田のことだ。
パンツの色は白に決まってる。白であって欲しい。白であるべき。俺の勝手な願望だ。
 まあ、それは置いといて、いわばこのコタツ布団が千反田の両脚とパンツを隠す、スカート
の役目を果たしていると言っても過言ではない。そう、いまの俺は千反田のスカートの中に、
思いきり足を突っ込んでいる状態なのだ。否、それどころではない。腰まで入っているという
ことは、俺の逸物が千反田のスカートの中へと進入している状況なのである。
 そんな想像をしていたら、俺の欲望(棒)がむくむくと鎌首をもたげ始めた。これでは勉強す
るどころではない。
 やばい。コタツやばい。
「折木さん、何がやばいのでしょうか?」
 千反田が小首をかしげて問いかけてくる。しまった。うっかり口に出していたようだ。
 俺はコタツの中のきかん坊(棒)をなだめつつ、言い訳を考えた。
「いや、その……、そ、そうだ! 昼飯のことをすっかり忘れてた!」
 苦し紛れに出た言葉だが、忘れていたのは本当だ。不思議そうな顔をしていた千反田も一応
納得してくれたようだった。
「ピザでも頼もうか?」
 無難な提案をしてみる。もしくは冷蔵庫の中にある食材を使って料理の腕前を披露してくれ
やしまいか、と千反田に期待を込めた視線を送った。すると、
「実は――、お弁当を作ってきたんです」
 千反田は一旦、脇に置いてあるバッグに目をやり、俺に微笑みかけた。これは嬉しい誤算だ。
そしてなんと気が利く娘なのだろう。流石は俺の嫁。ありがたいことだ。
「わざわざ作ってきてくれたのか。ありがとう、千反田」
「いえ、頑張る折木さんのお手伝いができて、わたしも嬉しいです」
 千反田は、はにかみながらそう答えた。
 俺は何も言えなかった。こんなに尽くしてくれる彼女に対して、俺ときたら勉強そっちのけ
で不埒なことばかり考えて……。とんだ大馬鹿野郎だ。――――猛省しよう。
 千反田の期待を無下にせぬよう、今度こそ真面目に試験勉強に取り組むことにしたのだった。

298 :
 時計の針は十二時を指していた。
 試験勉強は千反田の助けも借りて順調に捗り、数学の出題範囲はすべて網羅した。
「きりもいいし、時間も丁度いい。ここらで昼飯にしようか」
「はい、そうですね」
 千反田も、笑顔で俺に同意した。
 コタツの上をきれいに片付けた後、弁当の準備は千反田に任せ、俺はキッチンで湯を沸かす
ことにした。賓客に茶のひとつも出さずにいたのは失態だった。舞い上がっていたせいなのか
すっかり失念していたのだ。
 まあ、コタツの上に教科書やノートやらを開いているときにカップを倒して大惨事、という
ことも無きにしもあらずなので、これはこれでよかったのかもしれない。
 いや、待てよ。こぼれた液体が千反田の服に飛び散って、
「服にシミがつくから、早く脱いだほうがいい。その服は洗濯機で洗うから」
というベタな展開もありえたかもしれない。そして洗濯機を回している間に、千反田は汚れた
身体をシャワーで洗い流し、俺は浴室ドアの擦りガラス越しに、
「なあ、千反田。俺も一緒にシャワーを浴びていいか?」
と訊いてみる。その質問に千反田は、しばし沈黙した後、
「……いいですよ」
と、か細い声で答えるのだ。俺は高鳴る鼓動を抑え、服を脱ぎ捨て、いざ尋常に勝負!
 ドアを開けた俺の視界に飛び込んできたのは、湯気に包まれた――――。
 ここで甲高い音がキッチンに鳴り響いた。
 俺の意識は妄想から現実へと引き戻され、目の前で湯気を吹き上げる笛吹きヤカンが、早く
火を消してくれと言わんばかりに泣き喚いていた。
 ……いいところだったのに。俺は溜息をついてコンロの火を止めた。
 まあ、いいさ。ここからが本番だ。勉強がひと段落したら続きをして欲しい。千反田は確か
にそう言った。接吻して、抱擁して、押し倒して――、その続きと言ったらもうあれしかない。
俺はごくりと唾を飲みこんだ。昨日里志から貰ったブツをさっそく使うときがきたか。ズボン
の後ろポケットの上から触って、その存在を確認した。
 持っててよかったコンドーム。結婚の約束をしたとはいえ、高校生の身で妊娠はまずかろう。
千反田は名家の一人娘。もしもそんな事態になろうものなら、強制的に別れさせられるだけで
なく、社会的に抹される可能性もあるやもしれん。うむ、避妊は大事だな。
 だが、その前にまずは腹ごしらえといこう。腹が減っては戦は出来ぬ、と先人も言っている
しな。
 俺は茶葉を入れた急須にヤカンのお湯を注ぎ、湯呑みと一緒に盆に載せてリビングへと向か
った。

299 :
 コタツの上を見て驚いた。てっきり学校で食べるような弁当だと思っていたのだが、千反田
が作ってきたのは漆塗りの重箱二段重ね、花見の席で出るような豪華な弁当だった。きれいに
盛り付けられた色鮮やかなおかずとおにぎりは、一見して、手間暇かけて作られたと思われる
見事な出来栄えだった。
「すごいな、千反田。これ全部、お前が作ったのか?」
「ええ。昨日の今日なので、たいしたものは用意できなかったのですが」
「いやいや、たいしたもんだろう。見た目からして美味そうだ。食べてもいいか?」
「はい、どうぞお召し上がりください」
「いただきます」
 同時に合掌する。まずは卵焼きに手をつけた。焦げ目ひとつないきれいな焼き加減だ。味に
関しては、なんら心配していない。千反田の料理の腕前は知っている。文化祭のお料理研主催
のコンテストでの活躍は全校生徒の周知の通り。あれのせいで千反田のファンが増えたらしい。
里志から聞いた話だ。まあ、そんなことはどうでもいい。いまは千反田の手料理を堪能しよう。
 さっそく食べてみる。ふんわりとした食感と出汁の旨みが口の中いっぱいに広がった。甘さ
控えめの出汁巻き卵だ。実に俺好みの味だった。感想を待っているのだろう。千反田が固唾を
呑んで俺を見つめている。
「うん、美味い」
 俺は素直に感想を述べた。その一言に千反田は、ほっと胸を撫で下ろし笑顔を見せる。
 次は揚げ物に箸を伸ばした。こちらはふわっとした中にぷりっとした歯ごたえ。海老の甘い
香りが鼻腔をくすぐる。これは何かと千反田に問うと、
「海老しんじょの揚げ物です。お椀に入れるのが普通ですが、こうして揚げたものも結構いけ
るんですよ」
「これも美味い。千反田は本当に料理上手だな」
「うふふ、折木さんに喜んでいただけて、わたしも嬉しいです」
 満面の笑みを浮かべる千反田。その喜ぶ姿に俺も自然と顔がほころんだ。
「俺は三国一の果報者だな」
 ぽつりと呟く。それを聞いた千反田が箸を持った手を口に当てて、くすくすと笑い出した。
 何かおかしなことを言っただろうか? どうしたのか問うてみると、
「折木さんって、たまに古い言葉を使いますよね」
 古風な女に古いと言われてしまった。なんだか釈然としない。しかもその指摘は、以前にも
聞いたことがあるような気がしないでもない。
「それに少し大袈裟すぎです。折木さんは三国一の三ヶ国って何処だかご存知ですか?」
 それくらい知っている。馬鹿にするな。俺は間髪入れずに答えた。
「魏、呉、蜀」
「それは三国志じゃないですか。全然違います」
 うん、何かおかしいと思っていた。それじゃどこだと答えを急《せ》くと、
「唐土、天竺、倭国。いまで言う中国、インド、日本ですね。昔の日本人が考えていた全世界
といったところでしょうか」
 つまりは世界一ということか。ふむ、確かに大きく出すぎたかもしれない。
「だったら言い直そう。俺は日本一の果報者だ。これなら文句なかろう」
 ところが千反田は不敵な笑みを浮かべて、
「残念ですが、折木さんは二番目ですよ」
 昔懐かしの特撮番組で聞いたことのあるような台詞を言い出した。なんとなく察しはつくが
その理由を訊いてみると、
「なぜなら、わたしが一番の果報者だからです」
 予想通りの答えが返ってきた。とりあえず矛盾点を指摘してみる。
「その理屈はおかしくないか? 俺は料理上手な彼女がいてくれるから幸せなんだが。お前は
どこが幸せなんだ?」
「わたしの作った料理を好きな人がおいしそうに食べてくれる。それだけで幸せなんです」
 なんとも安上がりな幸せである。しかし、それなら俺の勝ちだろう。
「些細なことで幸せを感じてくれる料理上手な彼女。やっぱり俺のほうが果報者だな」
「いいえ、わたしのほうが果報者です」
「いや、俺のほうだ」
「わたしのほうです」
 俺たちはどうでもいいようなことで意地を張り合った。全くもって不毛だ。だが心地良い。
 しばらくにらめっこ状態を続けた後、お互い耐え切れなくなり同時に吹き出した。
「同率一位ということで手を打とうか」
 はい、と千反田も笑顔で頷く。日本一の果報者同士。別に俺たちだけに限ったことではない。
好き合っている恋人たちは、おそらく皆そう思っているに違いない。自分たちが一番幸せだと。
 嬉しそうに笑う千反田を見て、ふとそんな考えが思い浮かんだ。

300 :
 俺たちはとりとめのない会話を続けながら、楽しく食事を続けた。
「このおにぎり、美味いな」
 何度も美味いと言っていると、ありがたみがなくなるような気もするが、実際おいしいのだ
からしょうがない。握り具合も申し分なく口の中で、はらりと崩れる。塩梅も良い。何より米
の味が違うのだ。
「今年の新米なんですよ」
 嬉しそうに千反田が言う。どうやら実家の田圃で収穫した米らしい。
「なるほど。これが千反田米《チタンダマイ》か。道理で美味いはずだ」
「普通のコシヒカリなのですが。なんですか? 千反田米って」
 千反田が苦笑する。いま思いついた造語なのだが、語呂はわりかしいいと思う。
「千反田米というブランドを作って全国展開しよう」
 冗談半分に言ってみた。
「千反田という名にブランド力があるとは思えないのですが」
「ないなら、作ればいい」
 常日頃、商売のことに関して敏感な農家の娘は、俺の発言に喰いついてきた。
「どうやるんですか?」
 千反田は真剣な眼差しで俺を見つめる。
「神山市を舞台にした映画やドラマで、それとなく千反田の名を宣伝する」
 俺の提案を聞いた千反田は、落胆の色を顔に浮かべた。
「すごく他力本願で、とてつもなく可能性の低い案ですね」
「待て、早合点するな。そういったものにはたいてい原作があるだろう。漫画とか小説とか。
それを自分たちで作って出版社に持ち込み、大ヒットさせれば、あるいは」
 荒唐無稽なことを言っているが、もちろん作る気など毛頭ない。
「それはまた、とてもハードルの高い案ですね。ところでどんなお話にするのですか?」
 千反田も俺が冗談を言っていると気づいたのだろう。先ほどまでの真剣さはない。
「神山市でおこる連続人事件を、安楽椅子探偵が――」
「ひとの亡くなるお話は嫌いです」
 だったな。
「じゃあ、高校を舞台に、高校生が日常に潜む謎を解き明かすという方向でいこうか」
「主人公の男の子は省エネ志向なんですね。わかります」
 千反田が茶化す。
「そこに好奇心旺盛なお嬢様がトラブルを持ち込んでくる、と」
 俺も茶化した。
「わたし、そのふたりの恋の行方が気になります!」
「ふたりとも互いに憎からず想っているが、簡単にはくっつかない。しかし最終的に――」
 千反田が目を輝かせながら、可愛らしく相槌を打つ。俺は言葉を続けた。
「――結婚を誓い合ったふたりは数年後、皆に祝福されながら無事結ばれることとなる」
「とても素敵なお話です。折木さん、さっそく執筆作業に取り掛かってください」
「面倒だから却下」
 千反田が不服そうにくちびるを尖らせる。そんな顔をされると心が痛む。
「いまの案は冗談だから本気にしないでくれ。ところで千反田、以前お前が諦めたと言ってい
た経営的戦略眼についてだが――、代わりに俺が修めるというのはどうだろう?」
 今年の春、言い出せなかった言葉がすんなりと口から出た。あのときは覚悟が足りなかった。
でもいまは違う。俺は千反田の瞳をまっすぐ見つめた。
 千反田は少し驚いたように目を見開き、それから柔らかく笑うと、ゆっくり頷いた。
「では折木さんにお願いします。頼りにしてますよ、旦那様」
 そう返事をしてから急に恥ずかしくなったのだろう。千反田の顔は見る見るうちに紅潮して
いく。らしくない茶目っ気を出すからだ。しかし何故だろう。そんな千反田を見ていると、俺
も無性に恥ずかしくなってきた。顔が火照って熱くなっていく。俺たちはお互い顔を赤らめた
まま、黙って見つめ合う。そして――。
 玄関のチャイムの音が鳴り響いた。俺たちは一瞬びくっと身を震わせた後、顔を見合わせて
苦笑した。
 俺は舌打ちして玄関に向かう。新聞の勧誘だろうか。なんだか嫌な予感がする。
 スリッパをひっかけて玄関に下りて、魚眼レンズから外を覗く。
 出かけたはずの姉貴がそこにいた。

301 :
「何か御用でしょうか?」
 玄関のドアを少しだけ開けて、隙間からよそよそしい言葉を投げかけた。
「あら、心外ね。古典部OGが可愛い後輩たちに差し入れを持ってきてあげたというのに」
 よく見ると、姉貴は手にケーキの箱のようなものを提げている。
「貰えるものなら貰っておこう」
 ドアの隙間から手を差し出す。受け取ろうとした瞬間、ひょいとかわされ、手が空を切った。
その隙をついて、姉貴はドアを開けて中に入ろうとする。
「ふたりきりにしておいてくれ、と頼んだはずだろう」
「心配しなくても、すぐまた出かけるわよ」
 姉貴は微笑みながら言う。それならまぁいいか、と許したのが間違いだった。
「おいしい! えるちゃんってば料理上手ね!」
 姉貴は俺の真向かいに座って、千反田の料理に舌鼓を打っている。
「なんで姉貴も食ってんだよ」
「何よ、その言い草は。差し入れを買ってきてあげたじゃない」
「このくそ寒い中、アイスの差し入れなんて嫌がらせとしか思えん」
 そう、姉貴の差し入れとは、一ヶ月毎日違う味が楽しめるというのが売りの、某チェーン店
の持ち帰り用アイスクリーム詰め合わせセットだった。
「あったかいコタツに入って食べるアイスってのがいいんじゃない。ねえ、えるちゃん」
「そうですね。わたしも大好きです」
 姉貴と千反田は互いに頷いて微笑む。うーむ、千反田のやつ、すっかり懐柔されてやがる。
「多めに作ってきたので遠慮せずにどうぞ。それに食事は大勢でとるほうが楽しいですし」
「えるちゃんは優しいなあ。うちの弟にも見習ってほしいわあ」
「千反田、あまり姉貴を甘やかすんじゃない。すぐ調子に乗るからな」
「あらあら。奉太郎ってば、えるちゃんの前だとえらく強気なのね」
 姉貴は俺を見てほくそ笑んだ。くそぅ。心中で舌打ちする。できることなら千反田の前では
頼れる男でいたかった。いい歳して姉からいいようにからかわれる弟というのは、傍から見て
格好悪い。そう思う。とは言うものの俺が姉貴に口で勝てるわけもなく……。仏頂面で無言の
抗議をするしかない情けなくも悲しい男の姿がここにあった。
「うふふ、おふたりとも仲が良いんですね」
 千反田が嬉しそうに笑う。思わず姉貴と顔を見合わせた。俺たち姉弟は仲が良い部類に入る
のだろうか。いまいちよくわからない。
「わたしもそうやって何でも言い合えるきょうだいが欲しかったです」
 そういえば以前そんなことを言ってたな。去年の温泉合宿のときだったか。
「尊敬できる姉か、可愛い弟か……」
 思い出してそう呟くと、千反田は嬉しそうにこくりと頷いた。俺たちのやり取りを見ていた
姉貴が何か思いついたのか、ぽんと手を打ち、口を開く。
「あたしがお姉さんになってあげる。奉太郎、いますぐえるちゃんと結婚しなさい!」
 無茶を言う。俺はまだ十七歳なんだぞ。まあ、言われなくても、いずれそうするつもりだ。
姉貴には、まだしばらくは内緒にしておきたいところだが。
「折木家に嫁《とつ》いでくれたら、毎日えるちゃんの手料理が食べられるのね。我ながら名案だわ。
えるちゃんはどう思う?」
 さらっととんでもないことを言っているぞ。我が姉貴殿はこの家にずっと居座る気らしい。
「申し訳ないのですが――」
と、切り出す千反田に、勘違いした姉貴が残念そうに溜息をつく。
「そっか。変なこと言ってごめんね。でも奉太郎もこう見えてわりかしいい男なんだけどね」
 こう見えて? フォローしているつもりなのだろうが、何か引っかかる言い方だ。
 だがそれよりも、いま心配すべきなのは千反田だ。
 コタツの下から足でつつき、千反田の注意を引く。こちらを向く千反田に、姉貴に悟られぬ
よう目で合図した。――いいか、余計なことを言うなよ、と。
 すると千反田は、わかっていますという風に、口の端をぎゅっと引き締め頷いた。そして、
「折木さんは千反田家に婿入りしてもらう約束ですから」
 きっぱりと余計なことを言い放つ。俺は頭を抱えた。以心伝心とはいかないようだ。
 姉貴はというと驚きの声を上げて、
「本当に? 本当にこれでいいの?」
と、俺を指差してこれ呼ばわりする始末。さっきのフォローはいったいなんだったんだ。
 千反田は姉貴の問いかけに満面の笑みで答える。
「はい。折木さんがいいんです」
 そのすがすがしいまでにまっすぐな千反田の返事は、嬉しくもあり、恥ずかしくもあり。
 俺は照れた顔をふたりに見られぬよう、そっぽを向きながらおにぎりを頬張った。

302 :
 姉貴は千反田が折木家に嫁いで来ないことを残念がったが、俺たちの仲は素直に喜んでくれ
た。困ったことがあれば相談に乗ってあげる、と頼もしい姉貴っぷりも披露する。千反田も、
そのときはよろしくお願いします、と頭を下げた。俺としても姉貴の協力は心強いかぎりなの
だが……。
「それにしても、あんたも隅に置けないわね。えるちゃんみたいないい子を彼女にして、あま
つさえ結婚の約束までしちゃうなんて」
 姉貴がほくそ笑んで俺を見る。やれやれ。こんな風にからかわれるのが嫌だったから、内緒
にしておきたかったんだ。俺は無視して黙々と食事を続けた。
「それにこんな大事なこと、あたしに報告も無しとはいただけないわ。ひとことあってもいい
んじゃない?」
 何様のつもりだろう。俺は箸を休めて文句を言った。
「なんでわざわざ報告しなきゃならんのだ?」
「あら、あたしが勧めなければ、あんたは古典部に入部しなかったでしょう? えるちゃんと
出会うきっかけを作ったのは、この、あ・た・し、なんじゃない?」
 一理ある。が、恩着せがましいにも程がある。そこに千反田が口を挟んできた。
「だとしたら、供恵さんはわたしたちの恋のキューピッドですね」
 千反田は上手いことを言ったつもりなのか、したり顔をする。いまどき、恋のキューピッド
はないだろう。古臭いセンスだ。ある意味、千反田らしくもある。姉貴も同じことを思ったの
だろう。姉弟揃って苦笑いを浮かべた。
「それを言ったら千反田、お前だって伯父の件がなかったら古典部には入部しなかったんじゃ
ないか?」
「そういえば……、そうですね」
 千反田は口元に手を当てて考え込む。姉貴が「どういうことよ?」と訊いてくるので、俺は
千反田の許可を取り、伯父である関谷純のことをかいつまんで話した。
「ふーん、なるほどね。古典部初代部長、関谷純がえるちゃんの伯父さんだったってわけか。
そして伯父に関する疑問を解決するために古典部に入部し、そこで奉太郎と出会った、と」
「そういうわけで姉貴にも一応感謝はするが、姉貴のおかげだけじゃないってことだ」
「そっか。でもなんか面白いわね。古典部がふたりの縁を結んだみたいで」
 姉貴の意見に千反田が賛同する。
「本当ですね。何か運命的なものを感じます。ねっ、折木さん」
 千反田が目を輝かせながら俺を見つめる。無邪気な笑顔が眩しい。女性は運命という言葉に
弱いと聞くが、どうやら千反田も例外ではないらしい。
 俺は運命というものを信じてはいない。だがここは空気を読んで素直に頷いておいた。
「それじゃあ、ふたりを巡り合わせた伝統ある神高古典部に、乾杯!」
 姉貴が音頭を取って湯呑みを掲げた。姉貴の無駄に高いテンションに感化されたか、千反田
も意気揚々とそれに倣う。仕方なく俺も渋々追従した。
「かんぱーい!」
 湯呑みのぶつかり合う音がリビングに響く。お茶で乾杯するおかしな図柄。姉貴と千反田は
笑い出し、俺はそんなふたりを見て苦笑した。
 ふたりが落ち着きを取り戻したところで、俺は長年の疑問を姉貴にぶつけてみた。
「ところで結局、古典部とはいったい何をする部活なんだ?」
「あんた、二年近くも在籍しておいて、今更それを訊く?」
 姉貴は呆れた顔をしながらも、古典部の意義を語り出した。飯を食いながらの、ながら聞き
なので細かいところは聞き飛ばしたが、簡単に言えば、故《ふる》きを温《たず》ねて新しきを知る、温故知新
の精神を学ぶ部活なのだそうだ。姉貴には悪いが全く興味が湧かない。こういう小難しい話は
千反田に任せて、俺は胃袋を満たす作業に専念することにした。

303 :
 姉貴の話は、「古典を制する者は、世界を制す」と勇ましくも謎なスローガンから、いつの
まにか世界放浪一人旅の話題へと移り変わり、千反田の際限なき好奇心を満たしていった。
「素敵ですね、イスタンブール。わたしも一度行ってみたいです」
 千反田が羨ましそうに言う。俺は口の中のものを飲み込んでから、横槍を入れた。
「千反田、一人旅はやめておけよ。お前は危なっかしいからな」
 その忠告に千反田がむくれる。
「折木さん、わたしのこと子ども扱いしてませんか?」
「いや、そういうわけじゃないが……」
「奉太郎、あんたが一緒について行けばいいじゃない。いっそのこと新婚旅行にすれば?」
 姉貴が横から茶々を入れる。何を言い出すのだろう、この女は。
 千反田は頬を染めて、意味ありげに俺を見つめる。俺の返事に期待しているのか? 困った
ことになってしまった。
 新婚旅行で海外か。正直なところ、気が進まない。外国人相手に俺がコミュニケーションを
取る姿が想像できない。千反田に頼れる姿を見せるどころか、無様な姿を晒しそうだ。
「俺は海外よりも国内旅行のほうがいいと思うんだが……、駄目か?」
 俺の提案に、千反田はくすりと笑って返答する。
「わたしは折木さんと一緒なら、どこだっていいですよ」
 嬉しいことを言う。自然と顔がほころんだ。
「えるちゃん、イスタンブールはあたしと一緒に行こっか? 奉太郎は置いといて」
「それもいいですね」
 悲しいことを言う。自然と仏頂面になる。
「冗談ですよ、折木さん」
 千反田が微笑みながら顔を近づけてくる。うむ、その可愛さに免じて許してやろう。
 俺たちのやり取りを、にやにやしながら見ていた姉貴が千反田に呼びかける。
「えるちゃん、ちょっといい?」
「なんでしょうか? 供恵さん」
「奉太郎のことを『折木さん』って呼んでるけど、あたしも一応、折木なんだけど」
「それは、まあ……、そうですね」
 千反田は、戸惑いながらも同意する。
「だ・か・ら、奉太郎のことも下の名前で呼んじゃえば?」
「それは、その……」
 千反田が困り顔で、ちらりと俺を見る。この展開はよろしくない。俺は助け舟を出した。
「区別はつくんだから、別にこのままでいいだろ」
 しかし千反田は深呼吸した後、意を決したようにこちらに向き直った。そして、
「ほ、奉太郎さん」
 頬を染め、はにかみながら俺を見つめる。その破壊力たるや凄まじいものだった。俺は顔が
にやけそうになるのを我慢してそっぽを向く。視界に入る姉貴のにやけ顔が腹立たしい。
「やっぱり慣れないと変な感じですね。折木さ……ではなくて、奉太郎さんは嫌ですか?」
 嫌じゃない。むしろ嬉しいのだが、姉貴の思惑通りにことが運んでいるのが癪に障る。
「千反田の好きに呼べばいい」
 ぶっきらぼうにそう言うと、千反田は、「はい」と嬉しそうに返事をした。
 そこにまたしても姉貴が余計な口を挟んでくる。
「えるちゃんが下の名前で呼んでるんだから、あんたも下の名前で呼ぶべきじゃない?」
 やはりそうきたか。俺が慌てふためく様を見て楽しむつもりだろう。悪趣味な姉だ。
「勘弁してくれ」
 そう呟き、千反田のほうを見た。上目遣いで俺の目を覗き込んでくる。どうやら呼んで欲し
いらしい。そんな餌をねだる子犬のような瞳で見つめられると、放っておけないではないか。
 仕方ない。言ってやるか。こほんと咳払いをして、
「え……」
 千反田の名前を呼ぼうと口を開いたのだが、いざ言おうとすると、恥ずかしさのせいか声が
出ない。どうしたことか。アルファベットでKの次を言うだけなのに。こんなことでは今後、
ファーストフード店でラージサイズを頼めないではないか。頑張れ、俺。頑張れ、折木奉太郎。
「える」
 勇気を振り絞って千反田の名を呼んだ。千反田は嬉しそうに笑って頷いた。恥ずかしくて、
まともに千反田の顔が見られない。正直、穴があったら入りたい。いっそのことコタツの中に
潜り込んでしまいたい。いや、この状況で潜り込んだら、変態のレッテルを貼られてしまう。
いささか興味はあるが、いま、それはやめておこう。
 その後、俺は女ふたりに会話を任せ、なるべく千反田の名を呼ばないようにしたのだった。

304 :
「ごちそうさま」
「お粗末さまでした」
 箸を置いて合掌した俺は、のんびり食後のお茶を飲む。千反田の弁当は、文句のつけようが
ないくらい美味かった。しかしそれが災いして食べすぎたみたいだ。後半、会話に参加せずに
ひとり黙々と食べていたのがいけなかったのかもしれない。お腹がくちくなる。
 ズボンのベルトを緩めて、寝転んだ。なんだか眠い。小さくあくびをして目を瞑った。
「奉太郎、食べてすぐ寝ると牛になるわよ」
 姉貴が呆れたような声を上げる。
「モー」
 寝たままの状態で牛の鳴き真似をした。千反田のくすくす笑う声が聞こえる。
「手遅れだったみたいね。えるちゃん、本当にこんなやつでいいの?」
「うーん、再考の余地があるかもしれません」
 女たちの笑い声。好き勝手なことを言っている。まあ、言わせておこう。
「ちなみに、えるちゃんは奉太郎のどこが好きなの?」
「そうですね――」
 なんだか気になる話題になった。目を閉じたまま、聞き耳を立てる。
「――可愛いところでしょうか」
 そこかよ! 
「あー、わかる気がするわ」
 わかるのかよ!
「小さい頃の奉太郎はもっと可愛かったんだけどね。いつもあたしの後ろをついて来て」
 俺の記憶だと、無理矢理姉貴に連れ回されていたんだが……。
「わたしも小さい頃の奉太郎さん、見てみたかったです」
「写真ならあるわよ。見る?」
「はい、ぜひ見せてください!」
 千反田の喜ぶ声と同時に、俺の足の裏をくすぐる感触。たまらず俺は飛び起きた。
「奉太郎、あんたのアルバムを持ってきなさい」
 命令口調。俺に拒否権はないらしい。千反田も期待を込めた目で俺を見る。姉貴と千反田の
強力タッグ。ひとりでも逆らえない相手なのに、こうなるともうお手上げだ。
 素直に俺は二階の自室へと向かうことにした。
 本棚の奥から子どもの頃のアルバムを引っ張り出して、再びリビングへと戻る。はしゃぐ声
に何事かと思えば、姉貴と千反田がどのアイスを食べようかと吟味しているところだった。
「あんたはどれがいい?」
 姉貴が箱の中のアイスを見せてくるが、いまいち食欲が湧かない。首を横に振る。
「腹いっぱいだから、いまはいい。あとにする」
 そう言ってアルバムをコタツの上に置き、踵を返す俺の背中越しに千反田が声をかけてきた。
「どこに行くんですか?」
「眠くなったから、部屋で少し仮眠を取ってくる」
 どうせここにいたって、姉貴にからかわれるだけだ。それに眠いのも事実だった。普段なら
休日は昼近くまで寝ているはずなのだ。
 自室に入る。肌寒い。エアコンのスイッチを入れてベッドに潜り込んだ。
 姉貴はいつ出掛けてくれるのだろう。千反田と仲良くするのは構わないが、俺の邪魔だけは
しないで欲しい。
 目を瞑り、耳を澄ますと階下から微かに笑い声が聞こえてきた。
 疎外感を感じる。千反田を寝取られたような気分になってきた。これは嫉妬だろうか。
 姉貴が女で本当に良かった。姉が女なのは当たり前だが、俺が言いたいのはそういうことで
はない。文武両道で優秀な姉。弟の俺が勝てる要素はどこにもない。勝ちたいと思ったことは
一度もないが、それは端《はな》から諦めているからだ。もしも姉が兄だったら、そして俺と見比べら
れたら、果たして千反田は俺を選んでくれるだろうか。いや、この仮定には何の意味もない。
 しかしこの先、千反田の前に俺よりも優秀な人物が現れた場合、心変わりをしないだろうか。
俺はそれが怖い。それが怖くて千反田と同じ大学に行きたいと願い、勉強を頑張ることにした。
千反田は誤解しているようだが、俺はどうしようもなく臆病で情けない男なのだ――。
 自己嫌悪に陥りながら、俺はいつしか深い眠りへと落ちていった。

305 :
 深い霧の中をひとり歩いていた。
 辺り一面真っ白な霧。まさに一寸先は闇ならぬ霧、といった状況だった。
 辛うじて見える足元は灰色の砂礫《されき》に覆われ、足を一歩踏み出す度に耳障りな音を響かせる。
 いったいここは、どこだろう。
 いったい俺は、どこへ向かっているのだろう。
 あやふやな記憶を辿りながら、前へ、前へと進んでゆく。
 しばらく歩いていると、どこからか微かに声が聞こえてきた。
 誰かいるのだろうか? 声のするほうへと歩みを速める。
 霧が薄らぎ、視界が広がった。目の前には大きな川が流れている。こちらの川岸は草木一本
生えていない灰色の荒野だが、おぼろげに見える対岸は花が咲き乱れ、薔薇色に染まっていた。
 どうやら声は向こう岸から聞こえてくるようだ。
 女の声? いや、それは女の歌声だった。聞いたことのあるわらべ歌。不思議な調べが俺を
誘《いざな》う。
「ほう、ほう、ほうたる来い。そっちの水は苦いぞ。
                 こっちの水は甘いぞ。ほう、ほう、ほうたる来い」
 ホタルではなく、ほうたる。もしかして俺のことか?
 ほうたるとは、俺がチャットで使うハンドルネームだ。それを知る者は俺以外にひとりだけ
しかいない。千反田だ。
 この声の主は千反田なのだろうか? だとしたら川を渡って向こう岸へ行かなくては――。
 俺は川の水面に目を落とした。川の水は暗く濁り、高く低く波打って流れている。この川を
泳いで渡るのは無理そうだ。
 何か他に渡る手段はないだろうか。注意深く周りを見回した。
 川に架かる橋も、舟もない。あるのは散乱した石ころと、崩れた積み石の残骸だけ。
 ここはもしかして……。『賽の河原』という不吉な単語が脳裏をよぎる。
 もう一度、向こう岸を確認する。よく見ると、ゆらゆらとゆらめく黒い人影のようなものが
ゆっくりと手を振っていた。背筋に悪寒が走る。ここに居てはいけない。直感的にそう思った。
 踵を返して来たほうへと引き返す。俺を引き止めようしているのか、背後から聞こえる歌声
がよりいっそう大きくなる
「――そっちの水は苦いぞ。こっちの水は甘いぞ。ほう、ほう、ほうたる来い」
 あいにくと俺は、甘い水よりも苦い水《コーヒー》のほうが好きなんでな。
 声を振り切るように大きく足を踏み出した瞬間、背後から何者かが俺の手首をつかんだ。
 金縛りにあったように身体が硬直する。身動きできない。辛うじて動く首を回し、恐る恐る
後ろを振り返った。
 髪の長い女が、腕を伸ばして俺の手首を掴んでいる。濡れ羽色をした黒髪が顔の大半を覆い
隠し、わずかに見える歪んだ口元が薄く笑っていた。
 ひっ、と声にならない叫び声が喉の奥から漏れる。
 断じてこれは千反田ではない。俺の千反田がこんなに怖いわけがない。
 これは夢だ。夢に違いない。夢なら早く覚めてくれ。
 目を瞑り、必になって、そう願った。

306 :
「――折木さん。折木さん。起きてください」
 俺の名前を呼ぶ声に、はっ、と目が覚めた。
 目の前には、心配そうに覗き込む千反田の顔。愛くるしい大きな瞳が俺を見つめている。
 安堵の息を吐く。夢で良かった。
「折木さん、ひどくうなされてましたよ」
「ああ、たぶん怖い夢を見たからだ」
 上体を起こして目覚まし時計を見る。午後二時前。一時間ほど寝ていた計算か。
「どんな夢だったんですか?」
 千反田がベッドに腰掛けて、興味深げに訊いてきた。俺は大あくびをして言う。
「千反田っぽい化け物に危うく捕まるところだった」
 口走ってから後悔した。これでは誤解を招きかねない。
「……なんですか、それ。わたしが化け物だなんて、あんまりです! ひどすぎます!」
 案の定、勘違いした千反田が涙目で訴える。
「いや、お前のことじゃなくてだな、お前に擬態した化け物だったんだ」
 俺は先ほど見た夢の顛末を語った。それでも千反田は納得してはくれなかった。
「よくわかりました。そんな夢を見るということは、折木さんの深層心理では、わたしを化け
物みたいに恐れているということですね」
 頬をふくらませてそっぽを向く。怒った千反田も可愛らしい。まあ、本気で怒っているわけ
ではないのだろう。なぜなら千反田はベッドに腰掛けたままだからだ。俺は布団から抜け出し
千反田の隣に腰掛けて弁解した。
「夢の話にたいした意味はないだろう。だいたいお前みたいな美人の化け物がいてたまるか」
 そっぽを向いたままの千反田がぴくりと反応する。「美人」という単語に反応したようだ。
 それならば――。
「なあ、千反田。そんな怒った顔をしてると、せっかくの美人が台無しだぞ」
「別に怒ってなんかいません」
 拗ねた口調で俺を見る。照れているのか顔が少し赤い。意外とおだてに弱いな。それとも俺
だからだろうか。愛《う》いやつめ。少し話題を変えてみよう。
「ところで千反田、下の名前で呼ぶのをやめたのか?」
「この場に折木さんは、ひとりだけですから。それに折木さんだって、わたしの呼び方、元に
戻してるじゃないですか」
「恥ずかしいからな」
「ご自分が恥ずかしいと思うことを、人に強要しないでください」
 ごもっとも。それにしても「奉太郎さん」と呼んでくれるのは、うちの家族がいるときだけ
なのか。残念と言えば残念だ。まあ、「折木さん」のほうがしっくりくるから、それでいいか。
「そういえば、姉貴はどうした?」
「供恵さんなら出掛けましたよ。夕方頃には帰ると言ってました」
 千反田が言うには、姉貴を送り出して戸締りをした後、コタツでいくら待っても俺が降りて
来ないので、部屋まで起こしに来たとのこと。
 ふむ。勉強がひと段落した昼下がり。俺の部屋。ふたりきり。条件は整った。これは絶好の
機会ではなかろうか。あとは千反田の機嫌を直すだけ。どうしようかと思案していると、
「それにしても、同年代の男の人の部屋に入ったのは初めてですが、意外と綺麗に片付いてる
ものなのですね」
 千反田は物珍しそうに周りを見渡して言う。
 そりゃそうだ。千反田を部屋に連れ込む可能性を考慮して、昨日の夜、掃除をしたからな。
まあ、それがなくとも、俺は割と綺麗好きなほうなのだ。
「俺は几帳面な男だからな」
 見栄を張ってみた。すると千反田は重大な新事実を発見でもしたかのように目を見開き、
「わたし、ずっと誤解していました。折木さんは、ぐうたらでものぐさで怠け者だとばかり」
 ひどい言われようだ。事実なだけに、面と向かって言われると面白くない。
「悪かったな。ぐうたらで」
 突っ慳貪《つっけんどん》な態度で返事をすると、間髪入れずに千反田が言う。
「さっきの分のお返しです。これでおあいこですね」
 してやられた。
 俺の顔を覗き込む千反田の笑顔は、天使の微笑みか、はたまた小悪魔の微笑みか。
 俺は苦笑しながらも、その笑顔にずっと見蕩れていた。
                                       つづく

307 :
>>306
面白かったけど、エロシーンが欲しかった。続きを期待しております。

308 :
クソ長い上にエロなしとか
話は面白いんだからこの板じゃなくてSS速報かVIPでやればいいのに

309 :
おまいらエロくない話にはホント厳しいな( ゚∀゚)

310 :
エロなくてもいいじゃねぇか

311 :
リカーシブルの在原リンカが越野サトルに、性的なことして記憶を呼び戻させようとするSSがあるわけなかった

312 :


313 :
中二病でさえ2期があるのに氷菓の人気のなさときたら

314 :
二期をやらないのは単に原作ストックの問題だろ
大日向編だけで1クールは厳しい

315 :
二期やってほしいな

316 :
>>314
原作にないオリジナルのOVA(プールのイヤリングかなんかの回)はストーリーも謎解きもお粗末すぎたから
作者にはがんばってもらいたい

317 :
文庫化記念で誰かアミーナ様とニコラのエロパロ書けよ

318 :
結局えるのカラダの誘惑に負けたホータロー、そのままズルズルと婿養子、みたいな未来なのだろうか?

319 :
「私、男性が性的興奮で勃起するシステムについて知りたいんです。
折木さん、協力して頂けませんか?」

320 :
>>318
普通の思考パターンだと、双方幸せなんだろうから、良いんじゃない?

321 :
「折木さん、ここに判をつくだけでいいんです!」
「え?」
えるのストレートな求婚に断れないホータローであった。

322 :
原作新刊もうでないんかな
このペースで五年後とかやめてくれ

323 :
>>321
>ここに判をつくだけでいいんです!
「あいにく、俺の苗字はハンコ屋に無いんだ。わざわざ注文するのは面倒だ」

324 :
里志「千反田奉太郎・・・名字も名前も3文字とは奉太郎らしいや(笑)」
奉太郎「黙れ」

325 :


326 :


327 :


328 :


329 :


330 :


331 :


332 :


333 :


334 :
もうすっかり過疎ってるな
俺のチラシの裏にしよう

※奉太郎がえるを突き放そうとするお話
※エロはパセリ程度
※胸糞注意


 どうも最近千反田との距離が近い気がする。
 いや、最近というわけでもないか。出会った当初からかなり身体がくっつきそうなほど接近されていたし。
 それでもここのところその頻度が増しているようだ。
 このままでは俺の精神衛生上よくないし、あらぬ噂が立てば千反田のためにもならない。申し訳ないが少し距離をおかせてもらおう。
 とは言っても嫌われるまではしない。部活動が気まずくなるのも面倒だしな。ちょっと嫌がらせをして『あまり俺に構うのは得策ではない』くらいにしておくのがいいだろう。
 そんなわけで俺はある物を用意して部室にやってきた。
 里志と伊原は野暮用で来れないことは確認してあるので心置きなく千反田に嫌がらせができるってわけだ。
 掃除当番で遅れていた千反田がドアを開け、俺の姿を確認すると小走りで近寄ってくる。
「こんにちは折木さん! 今日授業中に少し気になることがありまして! 実はですね」
「待て千反田近い近い、いいからまず座れ。あといいものを持ってきたから」
「あ、すいません……いいもの、ですか?」
「ああ、これだ」
「っ! こ、これって!」
 ふふふ、驚いているな。ショッピングモールにある有名店1日二十個限定のケーキだ。
 少し前に伊原とダイエットの相談をしていたのを聞いている。そんな女子にとって砂糖の塊であるケーキなど言語道断!
 だが。
「千反田に食べさせてやりたいと思って昼休みに抜け出して買ってきたんだが……余計なことだったか?」
「で、でも高かったのでは? 代金払います!」
「いらん。俺がそうしたいと思って勝手にやったことだ。それに俺は金の使い道なんぞないからな」
 千反田は人の好意を無碍にするやつではない。こういう言い方をすれば断りづらくなるはずだ。
 さあ、嫌がれ千反田! 俺を面倒くさいやつだと思え!
「あ、ありがとうございます折木さん! わたしすごく嬉しいです! それじゃ紅茶を淹れますね!」
 そう言って千反田は備え付けてあるポットの方へ向かう。
 ……おや? あまり嫌がってない?
 ああ、そうか。ケーキがひとつだから半分ずつにすると思ってるんだな。確かに半分ならそこまで気にするほどのカロリーではないかもしれない。
 ならば。
「どうぞ、折木さん」

335 :
「ああ。ほら、千反田」
 俺は一つしかないフォークを取り、一口サイズにして隣に座った千反田に差し出す。
 千反田は一瞬クエスチョンマークを頭の上に浮かべ、すぐに顔を真っ赤にした。
 ほう。子どもみたいに扱われて怒りのあまり赤くなるとは。効果てきめんだな。
 もちろんここで手を緩める俺ではない。
「千反田、口を開けろ」
「え、えと、その……はい」
 あー、と開かれた口に俺はケーキの欠片を差し込む。
 千反田はもぐもぐと口を動かし、こくんと喉を鳴らして飲み込んだ。
「味の方はどうだ?」
「そ、その……よくわからなかったです……」
「そうか、ならもう一度だな。ほら」
「い、いえ、折木さんも食べ」
「千反田、あーん」
「あう……」
 普段はぐいぐい押してくる千反田だが、押されるのには意外と弱い。結局なすがままにされて俺の手で全部ケーキを食べさせられてしまったのだ。
 よほど効果があったかその日は下校までほとんど千反田が話し掛けてくることはなかった。
 よしよし、首尾上々だな。次は女性が嫌がること、すなわちセクハラを敢行する。
 とはいってもあからさまでは学校や警察のお世話になりかねない。親しい友人のスキンシップ程度にとどめておく。
 それでも異性にされては不快感を覚えるらしいからな。極端な例を言えば肩や手が触れるくらいでも嫌がることもあるとか。
 まあ千反田はそれくらいなら許容範囲みたいなのでもう少し突っ込んでみるが。
 次の日。
 やはり部室に一番乗りをしていた俺は千反田を待ち構える。
 今日は少し遅れるらしいが里志も伊原も来るので速やかに決行する必要がある。やらなければならないことは手短に。
「こ、こんにちは」
 恐る恐るといった感じで千反田がドアを開けて入ってきた。
 俺は読んでいる本から目を離さずに短い返事をする。
 いつもなら躊躇なく俺の隣に座って話し掛けてくるのに、今日の千反田はどこに座ろうかうろうろと迷っている様子だ。
 よし、昨日のがだいぶ効いてるな。ここは畳み掛ける。
「千反田」
「は、はい」
「座れ」
 俺は少し身体を開き、自分の太ももをぽんぽんと叩いた。
「え……?」
 千反田は昨日と同じくあっという間に顔を真っ赤にする。
 おろおろとするがそれを意に介さず俺はもう一度言う。
「千反田、座れ」
「え、えっと……お、お邪魔、します」
 千反田はおずおずといった感じで俺の膝の上に座った。
 うっ……。

336 :
 しまった。自分へのダメージを考えていなかった。
 柔らかい感触が俺の脚に伝わる。いや、表の目的としては間違っていないのだが。
「お、折木さん、重くないですか?」
「ああ、平気だ」
「そ、そうですか……ん、しょ」
 俺は努めて平静に振る舞う。なのに千反田はもぞもぞと動いて俺に様々な形で尻の柔らかさを伝えてくる。
「おい千反田、あまり動くな」
「で、でも座り心地が気になりまして。バランス悪いと落ちちゃいますし」
 ふむ。ならば。
 俺は落ちそうになるバランスと動かれる問題を同時に解決する策を思い付いた。
 千反田の腰に手を回し、ぐいっと引き寄せて俺の身体にもたれ掛からせる。
 これなら落ちることもないし、何よりそう簡単に逃げられない。
「きゃ……あうぅ」
 千反田は短く悲鳴をあげてそのまま固まってしまった。
 そのまま俺は更なるセクハラを敢行するべく、後頭部に顔を埋めて髪の匂いを嗅いで空いたもう片手で梳くように撫でた。
 髪は女の命というが、それを好きでもない異性にこんなふうに扱われたらさすがの千反田も不快なことこの上ないだろう。
 が、千反田はまだ逃げようとしない。茹で蛸のように真っ赤になるほど怒っているくせにその自制心は大したものだ。
 さて、どうするか……そういえば言葉によるセクハラというのも存在したな。早速実行してみよう。
「千反田は可愛いな」
「!」
「髪もこんなにサラサラで、すごくいい匂いがする」
「あ、あうう……」
 これでもまだ何も言わないのか。一言怒ったりしてくれればすぐにでも解放して謝るつもりなのだが。
 と。そろそろタイムリミットだな。
「すまん千反田、降りてくれるか?」
「え、は、はい……ひゃっ!」
 ぺろ、と軽く耳に舌を這わせてから千反田を解放する。
 千反田は驚いて立ち上がり、俺と距離を取った。
 瞬間。
「やあ、遅れてごめんよ」
 里志が入ってきた。後ろに伊原の姿も見える。
 ふむ。怒りはしなかったがだいぶ効果はあったのだろう。この日の部活もほとんど千反田に構われることなく終了した。
 これで明日以降は平穏な生活に戻れるというものだ。
 そのはずだった、のだが。
 なぜだ? どうしていつもより距離が近い?
 朝の登校時は俺を見つけるとわざわざ自転車を降りて並んで歩くし、昼はあろうことか教室にまで来て『お昼ご一緒しませんか?』と誘いに来る始末。
 おかげでクラス中からの視線が痛かった。

337 :
 これはひょっとして千反田なりの報復のつもりなのだろうか?
だとしたら効果は絶大なわけだが、妙な噂が立てば本人も困るわけだしそれはないだろう。
 となると……まさか、千反田は、俺のことを? いやいや……しかしそう考えれば納得できなくもない、むしろ腑に落ちるというものだ。ならばこれが答えなのか。
 千反田は、俺を、男として見ていない!
 だから身体に触れられても平気だったし一緒にいてもおかしくないと思っている。これは厄介なことだな。早急になんとかしないと。
 俺は授業後のホームルーム直前に里志に会いに行く。
「里志、ちょっと頼みがあるんだが」
「どうしたんだいホータロー、改まっちゃって?」
「今日、部活で千反田と二人になりたい」
「…………へえ」
「あいつに話があるんだが、誰にも聞かれたくないんでな」
「なるほど、了解したよ。摩耶花を誘って街にでも繰り出すことにする」
「すまんな、手間をかける」
「いいっていいって。その代わり僕に話せるような結果になったら聞かせてくれるかい?」
「ああ」
 これでよし。
 少しニヤニヤしている里志が気になるが、今は千反田だ。
 俺は部室で待ちながら作戦を練る。
「こんにちは、折木さん」
「ああ」
「先ほど摩耶花さんに会いました。今日は福部さん共々お休みするそうです。きっとデートですね!」
 キラキラとした目で語る千反田。
 よし、男女二人が出掛ければそれはデートだと認識できるみたいだな。ならばこっちも仕掛けていこう。
「千反田、来い」
 俺は身体の前面を向け、脚を広げて千反田を誘う。膝の上ではなく、脚の間に。
 千反田は躊躇いながらも近付いてき、俺に背中を向けて腰を下ろす。
「お、お邪魔します……きゃ」
 すぐさま俺は両手を千反田の腰に回し、後ろから抱き締める体勢になる。身体が密着するように少し力を込めた。
 腕の上部に二つの柔らかいものが乗っかるが、特に遠慮などはしない。
 もちろん俺だって男なわけで、女性とこんなふうになれば。
「あ、あの、折木さん……お、お尻に固いものが当たってるんですが……」
 当然こうなる。
 まあ殆どわざとなのだが。
「それがどうかしたのか?」
「い、いえ、その……うう」
「千反田にこうしているんだ、当たり前だろ」
「あ、当たり前、ですか」
「千反田だからこんなことになっているんだ。お前が悪い」
「わたし、だから……」
「他の奴じゃこんなことにはならん」

338 :
 普通の女なら俺とこういう体勢になったりしないからな。
 俺は耳元に口を寄せて囁き続ける。
「だからお前が悪い。反省して責任を取れ」
 そのまま耳たぶをはむっと唇で挟み込む。
 びくっと千反田は身体を震わしたが、相変わらず逃げる気配はない。
 もしかしたら……怖くて身体が固まって動けないのか?
 だったらやりすぎたかもしれない。俺は腕の力を緩めた。
「ああ……すまん千反田、お前の気持ちも考えずに……離れてくれ」
 しかし千反田は動かない。
 どころかせっかくほどいた俺の腕を掴んで再び自分に巻き付けさせる。
 勢い良すぎて手のひらがちょうど胸を触る位置にきてしまったが、千反田はそれを意に介さず俺に寄りかかってきた。
「ち、千反田!?」
「そうですよね……すいません、思わせぶりな態度じゃなくてきちんと言葉にするべきですよね」
 ぎゅっと掴んでいる俺の手を握り締める。
 いったい何を言い出すのだろうか?
「わたし……わたしも、折木さんが好きです!」
 ………………え?
 千反田は呆ける俺の手をぐっとさらに胸に押し付けさせてくる。
「折木さんといると、こんなに心臓がドキドキして、苦しくて、せつなくて」
 確かに鼓動が速くなっているのがわかるが同時に胸の柔らかな感触まで伝わり、思考が乱れる。
 これはいったい何事だ!?
 落ち着け、落ち着け折木奉太郎。状況を整理しろ。
 えっと……………………え? 千反田が俺を好き? え?
「折木さん? ……んっ」
 千反田が呼びかけてきたが、今は相手にしていられない。強く抱きしめれば静かになるのはわかっているのでとりあえずそうして黙らせておく。
 さて、改めて考えてみようか。
 ……………………。
 なるほど。
 確かに千反田が俺のことを好きならば今までの行動により納得がいくというものだ。
 では問題点はどうだ?
 あらぬ噂が立てば、というのもそれが真実ならば関係はない。俺の精神衛生上、というのは誰にでもあの距離感なら俺が落ち着かない気分になるからだ。俺だけに、ならそんなことにはならない。
 そして俺自身の気持ちは。
 ………………そうか。
 俺は。
 千反田のことが。
「お前のことが好きだ」
「ふふ。はい、知ってます」
 うん?
 今さっき俺も自分の気持ちに気付いたのに?
 が、ニコニコしている千反田を見てるとどうでもよくなってきた。
「千反田、その、俺と付き合ってくれないか?」

339 :
「はい、よろしくお願いします」
「ああ」
 なんだかとんとん拍子に事が進み、俺たちは恋人同士になった。当初の予定とは違うが、これで問題点は解決されたわけだな。
 そして改めて思い返してみると、俺はとんでもないことを千反田にしてこなかったか?
 ……やばい、顔から火が出そうだ。俺は恥ずかしさを隠すように千反田の腰に回した腕に力を込める。もちろん胸からは離している。
 が、千反田はわざわざその手を取って膨らみに触れさせてきた。
「ち、千反田?」
「折木さん、先ほどおっしゃいましたよね。責任を取れって」
「あ、ああ」
 あれは変なことになりたくなければあまり俺にくっつくなという意味で言ったのだが。
「だから、その、わたしの身体で、責任を取ります」
 ……え? え?
 千反田の言っていることが理解出来ない。
 いや、言葉の意味がわからないわけではないのだが。
「その……折木さんのそれ……わたしのせいでおっきくなっちゃったんですよね、でしたら……」
 いやいやいやいや。
 俺は慌てて千反田を目の前からどかそうとしたが、千反田は俺の手をしっかりと握ったまま動かない。
 そのまま自分の胸を揉むように手を動かす。
 その間には俺の手が挟まれているわけで。
 つまり俺が千反田の胸を揉んでいるのと同じ感触が手のひらに伝わるわけで。
 思った以上のその柔らかさに俺はいつしか夢中になっていた。
 千反田の手が離れても俺の手は自分の意志で動き、後ろから両手で千反田の胸を揉みしだく。
「はぁっ……ん……折木、さん」
 どこか艶を帯びた声で話し掛けてくる。
 振り向いたその表情にどきりとしながらも何とか平静を装えた。
「男の人って、一度そうなったら出さないとつらいんですよね?」
「あ、ああ」
「わたしが、出させてあげたいです……どうすればいいですか?」
「…………」
 まあ付き合ってその日に身体を重ねるのもどうかと思ったので、結局千反田の手でしてもらったわけだが。
 結構な量に驚いていたが、後始末をしながら千反田は言った。

「これからも、責任取らせてくださいね」



すっかり氷菓ブームも終わってしまったわけだが、せめてこのスレくらいは完走させよう。>>160でも言ってるし
誰もいなくても気にしない。これからも頑張って投下するぞ

340 :
GJ! 来月には新作の短編があるそうだから頑張れ!

341 :
乙!

342 :
超GJ!笑い萌した
また頼みます

343 :
>>349
GJ!その心意気あっぱれだ。
応援してるぜ

344 :
>>339だった。。。
鈍感で空回っているほうたろに萌えすぎて数字を間違っちまったよ
省エネと言いつつも気を回してしまうのが実に奉太郎らしくていいな

345 :
えるたそに嫌がらせするとは何という胸糞。ブラックコーヒーもカフェオレに変わるレベル
その後の続きを所望するぞ!

346 :2013/09/27
まだけっこう人いたんだな
>>339
GJ!
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