2013年10エロパロ632: 【お焚き上げ】投げSS供養スレ【墓場】 2 (315) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【お焚き上げ】投げSS供養スレ【墓場】 2


1 :2011/03/09 〜 最終レス :2013/06/27
スレでの投げ宣言は憚られる職人様は是非ご利用ください。
また書き上げられない、完結させる気の無くなったSSの投下もお待ちしております。
このスレで投げ捨ててすっきり忘れましょう。
※このスレはあくまで投げるためのスレです。
 少しでも続きを書く気があるのならそのSSは投下しないであげてください。
※職人さんへの投げるな、続き希望というレスは極力控えましょう。
 読み手さんの続きを待ちたい気持ちも投げ捨ててください。
前スレ
【お焚き上げ】投げSS供養スレ【墓場】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1221031954/

2 :
>>1乙です

3 :
>>1
乙です。
てか、携帯から残り容量ってわからないのな。
スレ立て代行有難うございました。

4 :
「……ったく!なんて世界だ!!」
あまり感情を表に出さない海東が、声を荒げて叫んだ。
「海東………あの………この子が驚くから……」
「あ………」
ナツミに隠れるように立って泣いている少女を見て、くそっ……と呟き頭をグシャグシャと掻く。
ナツミと共に隠れ家に行く途中、少女が一人また違う男に襲われていた。海東が一発発砲したら驚いたようで、男は腰を抜かしたように一目散に逃げて行った。
「大丈夫っ!?」
ナツミが少女に駆け寄りその身体を抱き起こした。幸いにも、事には及んでいなかったようだが、少女はナツミと同じく身につけているものはボロボロで。しかもその少女は、やっと年頃を迎えようとしているような、未発達な子供だった。
「有り得ないだろう。こんな小さな子まで」
ナツミの手をギュッと握り締めて、まだ泣きじゃくっている少女を横目で見た。
「ここじゃ有り得るの……こんなことが……」
ナツミにそう言われて、海東は何も言えなくなってしまった。
こんな子供さえレイプされることがまかり通る世界なんて狂っている。ネガの世界のほうがまだマシなほうじゃないか、とさえ思えた。少なくとも女にとっては。

こんなところに本当にお宝があるのか……?

苛立ちや同じ男としての情けなさと共に、そんな思いが浮かび上がる。
もう、いっその事、このまま帰りたいくらいだ。
いろんな世界を巡ってきたが、こんな事を考えたのは初めてだ。
そう思いながらも、ここで二人を残すわけにはいかない。海東は二人についていった。
二人は次第に町並みから外れていく。そこは、前は工場街だったのか、今では機能していないのがわかる廃れた工場が残っている。その奥に進むと、そこには、古い大きな倉庫が建っていた。
「もしかして……ここ……?」
まさか、こんなとこに住んでいるのか……?到底、人が住めるとは思えない。
それに………
そんな海東をよそに、ナツミは周りを見渡して裏に周り勝手口のような小さなドアを少しだけ開けた。

5 :
「入って……?」
言って、二人は入っていく。だが、海東はそのまま立ち止まっていた。
海東がついて来ないのを察して、ナツミは振り返った。
「どうしたの……海東……?」
「僕は……入っても良いのかい……?」
「……?」
「いや、よく考えたらさ、ここは君達の隠れ家だろ?女の人だけで住んでる。そんな所に僕が入ってきたら、みんな驚くんじゃないのかな……?」
ナツミの話しから思うに、そこには傷付いた女達が身を寄せ合って生活しているはずだ。そんなとこに海東が姿を見せれば、パニックになることは目に見えてる。
「私が……皆を説得するから」
「やっぱりいいよ。怪我は放っておけば治るから」
「でも……それじゃ……」
「僕が勝手にしたことさ。大した怪我じゃないし、ナツミが気にすることじゃない」
笑顔でそう言う。それは嘘ではなく、今までの事を思えばこんなのは大した怪我ではない。それに、別に礼をしてもらおうとしてやったことでもない。
「…………」
二人の会話をただ黙って聞いていた少女がナツミの手を離し、海東の傍までやってきた。
「なにかな……?」
「あ……あの……お………お兄ちゃん……中に……来て……?泊まってって………?」
そう言って、海東の手を握って小さく引っ張る少女。だが、その手はカタカタ震えている。
怖くて仕方ないのに、無理をしているのは明白だった。
「大丈夫だよ?僕は外で過ごすのも、こんな怪我も良くあることだから」
海東は少女を怯えさせないように屈んで視線を合わせ、努めて優しく言う。こんな風に、他者を気遣う気持ちがあることに、海東自身が驚いていた。
しかし、少女は首を振ってそのまま手を引っ張る。
「お兄ちゃんは……助けてくれたから……いいの……だから……」
真っ直ぐに自分を見て言う少女を、改めて見つめる海東。
肩まで伸びた、くるんと巻いた柔らかそうな髪。薔薇色の頬に、整った唇。泣き腫らして真っ赤になっているが、大きな瞳に長い睫毛。よくよく見れば、人形のような愛らしい少女だと思った。
すっと手を差し出すと、ナツミと同じくビクッと震える少女。海東は一瞬手を止め戸惑ったが、そのまま優しく頭を撫でた。
「ありがとう。じゃあ、中に入らせて貰おうかな?」
「うん」
海東の言葉に、少女は嬉しそうに微笑んだ。

6 :
今度こそ終わりです。とんでもない設定でスマソ
頭ん中では最後まで話できてんのにな………
では、ご冥福をお祈り致します。

7 :
>>1スレ立ておつ!
>>6投下おつ!蔵せずに投げに来てくれてありがとう

8 :
こんなスレがあったんだねぇ。
書き上げられないままだったり、書いても透過する気にならなくなったSSが結構たまってるんだよなぁ。
早速利用させてもらおう。
コナンスレかヤンデレスレのどっちかに投下する予定だったが完成断念したブツ。
名探偵コナンは人犯になんとかして動機を付与しようとしているせいか、時折ヤンデレらしき犯人も見られる。
そのうちのひとりについて書こうとしたが、4年ぐらい放置してるのでお焚き上げ。

肉がぶつかり合って、爆ぜる音が響く。耳に、またその奥に波紋を広げていく。
吐息が渦を巻いて、熱気をその中心に引き擦り込んでいく。もう何度達したかも覚えていない。
「はあ、は……はぁ……うあ……」
背中の、律動に揺れて散らばる髪の毛で息遣いを感じる。
タコの出来た指が腋の間を通して胸を弄ぶ。嬌声が喉を突き上げ、身体をしならせる。
あきれるぐらいにいらやしくて、生々しい本能の発露だった。
昔は、自分がこんな風に男に媚びることがあるなんて思いもしなかった。
そういった振る舞いをする人間を、女の安売りとみなして軽蔑さえしていた。
今でもそういった考えが完全に消えたわけではないけれど、いくらなんでも極端だったとは思っている。
当直が一息ついて、ふとこんなかつての自分を思い出してしまった時など、ひとりでに苦笑が出てしまう。
ああ私も所詮は女か、という妙な安堵。それでもいいじゃないかという開き直り。私もずるい人間だな。
「……直子っ……なおこ……も、もう出るっ……!!」
呻きと同時に肉茎が跳ねた。一拍おいて、精液が迸る。この瞬間が私はたまらなく好きだった。
理性とか言う賢しらぶった仮面を放り出した極限で、全て溶け合えた気がするから。
そう、まだこの頃はお互いそうであったと信じたい。最早、確かめる術は無いのだけれど。

9 :
「――小説? 私とのことを?」
「そうなんだ。……だめかな、やっぱり」
いたずらを思いついた子供のような顔で、良は言った。私は交歓の後の、午睡にも似た身体の重さに身を任せている。
時折指で撫でられる髪の感触が、くすぐったくも心地良い。
「何よ、私にエリーゼになれとでも言うの」
「え、僕は作曲家じゃないよ」
「違う違う、そっちのじゃなくて……まあいいわ。それで、本当にそうするつもりなの」
我ながら縁起でもない洒落に首を傾げられた。でも、小説家志望なら分かってくれてもいいんじゃないのかな。
良と私が出会ったのは、大学に通っているときのことだった。
田舎から大学進学の為に上京してきた良は、都会に慣れていないことを差し引いても、覚束ない人間に見えた。
何せその年にもなって小説家になりたい、なんて事あるごとに人に語っているのだから。そのくせ生活は随分荒れていた。
来る日も来る日も熱弁を奮い続ける良に、いい加減大人になれと諭したこともあった。
今思えば、当時成績が良いというだけで医学部に進学していた私は、そんな夢を見ていた良を羨んでいたんだろう。
私にはいくら記憶を浚っても、人に恥ずかしげも無く公言出来る夢なんて持った覚えが無い。
聞いているこちらが恥ずかしくなるくらいの良の言葉。その時は誰も相手にしていなかったが、やっぱり良には才能があった。
そして、良の紡ぐ言葉に最初に魅せられたのは、きっと私に違いない。
「そうね。あなたが一発ぐらい当てたら考えてもいいわ。待ち遠しいわね……赤川良の名前が本屋に平積みになる日が」
はっきり言って、良は世間から見れば“自称”小説家の類いだった。
書いても書いても突き返され、相変わらず日々の生活費にも困る有様。医者でなくても心配になる。
「今に見てろよ直子。いつかきっと、僕の名前を世の中に知らしめてやるんだ」
男にしては細い線をした身体に、不釣合いなほど力強い揚げ足。
良の腕に包まれながら、私も夢を見ていた。いつか――その時が出来るだけ早く訪れることを。

兆しは、ほんの些細なことだった。あまりにも些細だったせいで、この私がしばらく黙してしまったぐらいだ。
「あれ、良はそんなの持ってたんだ」
とある休日の昼間。ぼんやりと良を眺めていると、ふとあるものが目に付いた。
いつものように原稿用紙に向かって唸っている良の手には、見慣れないもの――赤い万年筆があった。
真新しく、見るからに高級感溢れるその代物は、良の暮らしぶりでは逆立ちしたって手の届かない値段だったろう。
「あぁ、まあ……ね。気分転換みたいなものさ。大事な仕事道具だからな」
「そんなことほざく前にまともな食事しなさいよ。その調子じゃ小説家として立つ前に人間として壊れるわよ」
「なあに。身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、だって」
その声にどこか覇気が無いのも、どうせ食費を切り詰めてろくに栄養を摂ってないせいだということにした。
どうせいつものこと――気付かないうちに私は、自分の都合のいいように物事を見るようになっていたらしい。
信じるのは真実ではなく信じたいと思ったこと、だったか。誰だか忘れてしまったけれど、昔の人は耳に痛いことを言う。
良に別れを切り出されたのは、それから間も無くのことだった。

10 :
「――橋先生、高橋先生っ!!」
夜勤明けで空っぽの頭に、耳慣れた声が響いた。
「柳沼さん……ですか。おはようございます」
仕事の時間は終わっていた。昨夜は二件。病院の方針で両方とも交通事故だった。
新人の頃に比べれば労働環境も自分の腕も向上しているが、やっぱり夜勤は色々と堪えるもの。
誰も居ない控え室で、私はテレビを眺めていた。朝のニュース。今日も変わり映えしない顔と声を流している。
規則の上ではもう帰ってもいいのだけれど、徹夜で神経を磨り減らした後に朝のラッシュに囲まれる気力は残ってなかった。
「最近、先生はお疲れじゃないですか? さっきだって何回も呼んだのに」
「ああ、ありがとうございます……夜勤明けで疲れてない人なんて居ないですよ。私だって体力あるほうじゃないですし」
ことん、と柳沼さんが淹れてくれた煎茶をすする。じぃんとした熱が胃の中に落ちていく。
確かに私が疲れているのは夜勤のせいかもしれない。でもそんなのは私の姿を見ればすぐに分かる。わざわざ口に出すことじゃない。
「そういう意味じゃないですよ……あまり無理はしないでくださいね」
年の功、とでもいえばいいのか、柳沼さんの言っていることは的に近い。多分、本人が思っている以上に。
婦長さんともなるとそこらの、学校を出たての研修医や準看とは違うものなんだろう。
けれど、まさかいい年こいた医者が男に捨てられて落ち込んでるなんて学生みたいなことを話してどうするのか。
しかも柳沼さんは、これから戦場のような外来に行く。どうせ笑って済まされるのがオチに違いない。
良と分かれてから、既に数週間。
どこかで聞いたような話では、こんな痛みなんかじきに忘れて行ってしまうものらしい。
でも私は小説の中の人間とは別みたいで、日に日に切羽詰っていくのがもう自分でも分かっていた。
最初は自覚も無かったのに、今じゃ他人にまで気取られて……この分だと仕事にまで支障が出る。
いや、本当はそんなことはどうでもいいのかな。
良。良は、どうして私から離れてしまったの。何も言わないでただ「別れよう」……なんて、笑わせるわ。
それから影も形も無くなってそれっきりなんて、そんなので納得する女が居るとでも思ってるのかしら。そんなんじゃ小説家失格よ。もっと人の心情を汲みなさい。
そういえばあの約束も守ってもらっていないわね。こんな尻切れ蜻蛉な展開じゃ読者が本投げるわよ。
それとも、その前にいつもみたいに編集さんに突っ返されるかしら。そうやって帰ってきては、いつも強がって――
「――次のニュースです。先日発表された、第24回日本文学大賞において、新人の赤松良さんが大賞を受賞しました」
「え……」
テレビから聞こえてきた事務的な声が、私を凍りつかせた。
「あら、知ってらっしゃるんですか高橋先生も。どうやら最近、話題らしいですよ」
私はブラウン管の向こうでフラッシュを浴びている姿に釘付けになっていた。
何十日かぶりに見た良の顔。モニタに映った良は確かに良だった……のに、私の知っている良ではなかった。
顔色も良くなり、以前なら門前払いされそうな式典の中で、慣れないスーツなんか着て立っていた。しかしそれは紛れも無く良なのだ。
「見つけた、見つけたわよ」
頭を覆っていた眠気が晴れていく。手足に纏わり付く疲れが剥がれ落ちる。
テレビが次のニュースに移っても、私はしばらく笑い声を収めるのに苦労していた。
行かなきゃ。私が、行かなきゃ。

11 :

「――それじゃ、あそこがいいかしらね……ふふ、待ってるから。良、分かった?」
がちゃり、と音がして無機質な電子音が響く。公衆電話でも使ったのだろうか。
二つ返事に不満そうな声音を見せながらも、直子は通話を打ち切ったらしい。携帯を放り出すと、僕はきっちりメイクされたベッドに転がり込む。
あまりの直子の口調の変わらなさに、実はあれからのことは全て白昼夢ではないかという気にさえなってしまった。
確かに直子と別れた後の一連の出来事は、殆ど夢のように現実感が無かったのだが。
もう別れると約束してしまった以上、直子に会うのは好ましくない。下手すれば全てが水の泡なんてことも有り得る。
どうしてこうなってしまったのか。きっかけを作ったのは他人だが、原因が僕にあることは分かっている。
どれもこれも、僕が直子を色んな意味で侮り……いや、軽んじていたのが原因だ。さっきだって、まさか僕の連絡先をこうも簡単に探し当てられるとは思わなかった。
直子の前から姿を消してから、もう二ヶ月は経つ。それが僕が公の場に出た途端に、新しく買い換えた携帯の番号まで突き止めた。
大学病院に勤務する普通の女医に、そんな能力と執念があったことを誰が予想出来ただろう。
「このままでは、いずれ知られてしまうか……?」
客語のぼやけた問い。けばけばしい電飾を背景に、夜の窓に映った自分の顔が見える。
あるわけがないと多寡をくくっていた可能性が、現実味を帯びて圧し掛かってくる。残酷でも、あのままお互いに忘れていれば良かった。
直子は、僕みたいな卯建(うだつ)の上がらない男と付き合っていたのが不思議なくらいいい女だ。
見た目も知性的で道行くの目を引くほど魅力的だったし、所謂仕事の出来る女にありがちな刺々しさが無い。
その気になれば良いところの男を捕まえて玉の輿というのも――こちらの方が余程自然だろう。少なくとも世間的に見れば。
そんな直子に僕は、自分でも気付かない内に引け目を感じていたのかもしれない。今となっては、言い訳にしか聞こえないが。
「くそっ」
クリーム色の枕を殴りつける。彩度の抜け落ちたビジネスホテルの一部屋。僕には縁が無いはずのものだった。
こんなことで悩んでるんじゃない。会うべきか、会わないべきか。
もう直子のことはあれだけ考えて諦めた筈だ。たとえ会っても話せることが無い。しかし放っておけば……堂々巡りか。
この選択を僕は後悔しているのか? やめろ赤川良。もう遅過ぎる。頭を振り、放り出した電話を取る。
長年の、学生時代からの夢への扉がやっと開けたところじゃないか。お前はそれ以上何を望むんだ。
この上直子への未練を引き摺り続けるなんて情けない。呆れるぐらい虫が良い話だ。
「あ、もしもし。赤川です。申し訳ないですこんな遅くに。ええと、出来るだけ早い内に少し空けたいのですが……。
 はい、今が一番忙しいというのは承知です。はい、はい――よろしくお願いします」
僕は直子に会いに行くことにした。元はと言えばはっきりしなかった僕に責任がある。
謝っても謝りきれないことだ。それならせめて直子を解放してあげなければならない。その為なら少しばかり時間を割くなど、たいしたことじゃない。

12 :

直子が指定した場所は、彼女の勤務する大学病院だった。より細かく言えばその病院の最上階、展望台のあるレストランの中だ。
時間は丁度昼食時の直前あたり。外来の診療が終わる頃でもある。僕も行った事のある場所だ。
というのも、ここのレストランは医学生をはじめとする病院の人間のご贔屓だけあって、懐に優しく味も中々良い。
ここのテーブルを占拠して、コーヒー一杯で粘って原稿を書いたことさえある。
僕は車を走らせて、急いで病院までやって来た。まだいくらか余裕のあった大学時代の品だった。
思えばこのハンドルを握るのも久しぶりのこと。直子に言われなかったら、多分処分してしまっていただろう。
“行きたいところがあるの”……そう、直子は言った。だから車で来て欲しいらしい。
もっとも、そうでなくても直子の病院は交通の便があまり良くないから、足は車がいいかと思っていたのだが。
病院に隣接して口を開けている地下駐車場へ車を入れる。手が忘れてしまったのか、車間に停めるのに少し手間取ってしまった。
階段を上がって表まで歩くと、まるで大きなイベント会場か何かと勘違いしてしまいそうな病棟が現れる。
硝子をこれでもかとばかりに使ったエントランス。庭に植えられた草花の中に乱立する前衛的なオブジェ。
数年前に建て替えられたばかりのそれは、周りのどこか地方の色の残る眺めの中で、どぎついほどの都会的な威圧感を放っていた。
自動ドアをくぐると、見える人間の大部分は老人達だ。あちらこちらには子供の姿も見え、白衣がいたるところをせわしく動き回っている。
よくある週末の病院の風景。きっと直子も、この雑然とした中のどこかで働いているんだろう。
そういえば、白衣を着込んだ直子の姿は見たことがなかった。かつては僕の生活に、医者として口を酸っぱくして言及することがしょっちゅうだったのに。
考えてみればどれも至極真っ当な意見だった。直子がいなかったら本当に身体を壊していたかも知れない。
まったくもって僕は直子におんぶにだっこの状態だった。それが、今では僕の方から離れようとするなんて。
時計を確かめると、待ち合わせの時間まではまだ多少の余裕があった。だがあの直子のこと、時間より早めに来ていることもありうる。
僕は妙に広々としたエレベーター(ストレッチャーでも載せるのだろうか)で最上階へと向かった。
すかっと晴れ渡ったコバルト色が硝子越しにまぶしい。
窓際の席に陣取り、僕は直子を待ち続けている。昼時が近付くにつれて、段々と周りの席が埋まっていく。
御冷の氷は溶けて、頼んだコーヒーは冷めてしまっていた。それでも直子は来ない。
「おかしいな……自分で呼び出しておいて遅れるなんて、直子に限ってそんなことが……」
僕が待ち合わせに遅刻することはあっても、直子がそうなることなんて今まで一度も無かった。
しかも今日に限って……はっきりとは言わなかったが、何としても直子は僕と接触を図ろうとするだろう。
そして僕も直子が先に席に着いている思い、店を遠巻きに何度も深呼吸をして覚悟を固めたのだ。
それなのに、ただ肩透かしを食らっただけで覚悟が揺らぎ始めている。

ここまでで断念。南無南無。
ちなみに原作(特別編12巻)では、赤川さんの日記での追い詰められっぷりとか、高橋先生の最後のセリフが見所です。
「許せなかったのよ。この人は売れない時期に私に貢がせたくせに、売れた瞬間に私を捨てて、若い恋人と結婚した」
「偶然この病院に入院してきたときはおどろいたけど、これはやり直すチャンスだと思ったわ」
「それなのにあの人は私を無視するばかりか、将来私との恋愛を本にするという約束も守ろうとしなかった」
「だから――彼自身に本になってもらったの」
高橋先生は赤川さんをした後、その遺体をミクロトームで薄切りにしてファイリングして本棚に隠してしまうんだな。
おれが初めて見たヤンデレ、ということで思い出深くて捨てられなかったけど、ここでおわかれ。

13 :
もう一本二次の投げSSを。パワプロクンポケット4RPG風ファンタジー編より。
途中まで書いたが断念。

ユイさんが変な薬を飲んで身体がおかしくなったので、魔王様と治療に悪戦苦闘する話です。
母乳・奇乳注意。
『魔女っ娘ユイさんの災難 〜助けて! 魔王様〜』

ユイは憂鬱だった。もう何日も、魔王城で宛がわれた部屋から外に出ていない。
今日も、目が覚めてから殆どの時間を、広々としたベッドで過ごしている。身体を動かす気分になれなかった。
「やっぱり……あれは不用意だったかな……」
誰に聞かせるでもなく、ユイは溜息をついた。いつになく息苦しい。寝返りをうつことにすら、気力が削がれていく。
ユイにとって認めたくないことだったが、今の状況の原因はほぼ彼女自身の行いだった。

数日前。
『こんにちわ……悪魔グループの者です。平生から弊社をご贔屓くださり、誠にありがとうございます……』
『えっ、悪魔グループ?』
ユイは思わず声を上ずらせた。ユイにとって、悪魔グループという単語は、あまり聞きたいものではなかった。
魔王城に雇われる以前、不可抗力ながら悪魔グループの記念式典に飛び込んで暴れ回り、式典をぶち壊しにした過去があったからである。
『おや、人間のお客様とは珍しい……ということは、部屋を間違えてしまったようです。申し訳ございません』
『べ、別に気にしなくていいわよっ。それより、この城のどこかに用があったのかしら?
 実は私、こう見えてもこの城に雇われているの。部屋を探しているなら、案内ぐらいするわ』
ユイは修行中の魔女であった。修行中、といってもクリフの崖の向こう、魔物のテリトリーに家を構えていたこともあり、
魔法使いとしての実力は飛び抜けている。ユイ自身それを誇りに思っていた。
しかし、勇者コナミとの旅の中で強力なライバルと出会い、ユイはさらに魔法を磨くことに貪欲になった。
そんな時にユイは、人手不足の魔王城から高額の給金でオファーを貰った。
最初こそ二つ返事でそのオファーを受けたものの、かなり恵まれた待遇だったせいか、今では魔王城にすっかり馴染んでいた。
『お心遣い痛み入ります。ですがお客様のお手を煩わせるわけには――』
『いいわよそれぐらい。ちょうど区切りもいいところだし、私も雇われだから、お客さんの案内ぐらいしないとね』
ユイの部屋の前を立ち去ろうとする悪魔部長を呼び止めて、ユイは部屋から出てきた。
魔物と普通に会話するのも、魔物だらけの魔王城で暮らす内に慣れていた。何しろ、同僚の大半は魔物である。
悪魔部長を目的の部屋まで送っていくと、ユイは悪魔部長から小瓶をひとつ渡された。
『お気持ちばかりにこれをお納めください。弊社の試供品ですが』
『試供品? それならありがたくいただこうかな〜。何の試供品なの?』
『主に淫魔(ルーズ)が使う媚薬です。これを摂取いたしますと、人間の男を発情させる体質になります』
『媚薬ですって……残念ながら私には使うあてが無いわ。ここまで来れるほど根性の座った男なんて、なかなかいないもの』
『そうですか……これは失礼。貴女には無用の長物でしたか』
『……え。そ、それは……そのぉ』
結局ユイは、悪魔部長の押したり引いたりの手管に乗って、試供品を受け取った。
魔物用の媚薬を人間に押し付ける辺り、ア○ウェ○にも劣らぬ手並みかも知れない。
部屋に持ち帰ってよくよく観察する。手のひらに収まるほどの小瓶の中には、透き通った紫色の液体。
粘度は弱く、軽く振るだけでさらさらと波打った。気泡が湧くようなこともなかった。

14 :
『これが、媚薬ねぇ』
最初は小瓶を放置して実験を再開したが、どうにも集中できない。
変な反応を起こさないように、部屋の遠くに押し遣った小瓶が気になって仕方が無い。
ユイは媚薬を自作した経験が無かった。魔法の才能を試すことに夢中で、最近まで男の視線を気にしたことも無かった。
『……ちょっとぐらいなら……これも後学のためね、うん』
ユイを除いて、魔王城に人間の女はいなかった。ユイが好奇心を抑えきれなくなっても、被験者は自分しかいない。
ユイは紫色の誘惑に抗うことを止めて、小瓶の栓を抜いた。
白い布に液体をふりかけ、匂いを確認する。手で扇ぐと、かすかに酸っぱい匂いがした。
培養しているキノコに垂らしても、何の反応も無い。毛髪の端切れも同じ結果に。
窓を開け、白い布を燃やしてみる。ただ煙が上がるだけだった。
使い魔たちに強制的に舐めさせる。多少時間を置いたが、変化は見られない。
意を決して指で触れてみる。妙な感触は無かった。
『試供品だから、きっと毒とかじゃないよね』
以前のユイであったら、この媚薬は淫魔以外では効力を発揮しない、と結論付けていたところであった。
今まで興味を持っていなかった媚薬を、ユイがこうも意識しているのは、ある男が関係しているが、それはまた別の話。
ともあれユイは、試供品の媚薬を舐めてみることにした。甘酸っぱい、子供のお菓子のような味が舌に広がる。
しばらく経っても、身体に何かの変調が起きたとは思われない。それから数少ない同僚の人間が部屋に訪れたが、普段通りの対応だった。
安心と失望で気を抜いたユイは、残り僅かとなった媚薬を全て飲み込んだ。
ユイの身体に異変が兆したのは、媚薬を貰った次の日だった。

「で、あやつはまだ出てこんのか」
「そうだな。部屋にいるのは確かなんだが、部屋から出てくる気配が無い」
「まったく……この城の慢性的な人手不足を知っての振舞か」
魔王は無断欠勤の続く部下に嘆息していた。
かつての魔王であったならば、無断欠勤など問答無用で処分していたところであったが、
その処分の繰り返しが今の人手不足――魔王ともあろう者が草むしりをする羽目に――を招いたため、思い切った対応ができずにいた。
「……で、ヒラヤマはどうしたのだ。先ほどなにやら物騒な気配がしていたが」
「拙者が確認したところ、あの男はおそらく暴走テレポートに巻き込まれている。しばらくは帰って来るまい」
「あやつの部屋は魔法事故でも起こしているのか?」
「この間までは普通だったんだがなぁ」
そこで魔王は、とりあえずこの城の数少ない人間たちに、部屋に閉じこもっているユイの様子を見に行かせることにした。
まずアカサカが部屋を訪ねたが、部屋に足を踏み入れる直前に雷撃魔法の嵐で追い返されてしまった。
翌日オオガミが部屋を訪ねると、今度は突風魔法をお見舞いされ、部屋に近づくことも出来なかった。
そして今日はヒラヤマが部屋を訪ねたのだが、どうやらどことも知れぬ場所にテレポートされたらしい。
「もうよい、次はワシが様子を見に行く。事故で妙な空間が発生しているなら、下手な者には任せられん」
「むぅ。悔しいが俺の拳ではどうにもならん。まったく面目無い話だ」
「この城で過ごしていて強くなっているのは、我々だけではないということか」
いい加減不毛な気分になってきた魔王は、自らユイの部屋に赴くことにした。
あまり人間と馴れ合うわけにもいかんのだが、とぶつぶつ呟く姿に、魔王の威厳は微塵も無かった。

15 :
かつん、かつんと堅い音が規則的に響いてくる。廊下からやってくる足音らしい。
近づいてくる様子が、妙に分かりやすい。それで、部屋の扉を吹き飛ばしたままだったことを思い出した。
足音がどんどんはっきりしてきても、ユイは顔を上げなかった。ベッドに突っ伏したままだった。
ユイは尽きかけた気魄を振り絞って杖を執った。誰かに今の姿を見せるのは、何としても避けたかった。
喘ぎ喘ぎ、やっとの思いで詠唱を紡ぎ、気の毒な接近者に火炎魔法を撃とうとしたその時、
「おーい、ユイよ、何日も閉じこもって一体どうしたのだ」
「え――いっ、ぎぃぃぁああアアアアああっっ!!」
女の子に似合わない濁った悲鳴が、詠唱が途切れて暴走した火炎の爆風に紛れながら、部屋の外まで響き渡った。

「おい、起きろユイ、起きるのだ」
「ぅう、う……ん……?」
ユイは頬を軽くぺちぺちと叩く感触で覚醒した。聞き覚えのある声がしていた。
思考がどろどろとしていて鈍い。脳髄の代わりに蜂蜜でも流し込まれたようだった。
「まったく、自損事故では労災を下ろさんと言うのに……」
「……え。自損事故って……というか、あの、もしかして」
ユイはどことなく焦げ臭いベッドに、仰向けに寝かされていた。
あるもの――それは一応ユイの身体の一部であったが――によって視界を塞がれ、声の主の顔は見えなかった。
「なんだ。自分の雇用者の顔も忘れたのか。これは本格的におかしくなったか?」
けれども、ユイには分かってしまった。声と話の内容で、この城の主がすぐ傍に立っていることが。
「あっ、あ、そ、そその、そそこにいらっしゃるのは、ま、ま、ま魔王さまですか」
「一応、第12代の魔王を名乗っているが。感覚はまだ生きているようだな。それにしてもいったいどうしたのだ、この有様は」
聞かなければならないことが多過ぎて、魔王は“この有様”としか言葉が出なかった。
部屋の中は火炎の魔法と、それに誘爆した魔法薬やら何やらで、戦場の如き様相だった。
ふわふわだったベッドも、あちこち黒ずんでいた。扉が吹き飛んでいたからか、余波は廊下にまで及んでいる。
何より、ユイ自身の様子も尋常ではなかった。
「とりあえずこの部屋はともかく、産休を取るなら、せめて代わりの人手を紹介してくれんか」
「さんきゅう……って、何のことなの」
「……お前、妊娠したんじゃないのか」
「にんっしんっ……ですってえぇっ、ちちちちっっちっ違いますよ何言ってるんですか!」
魔王の発言に、思わずユイはがばりと身を起こした。その勢いで、火炎魔法の衝撃でぼろぼろになっていた衣服の一部が破けてしまった。
外着と下着に締め付けられていた乳房が姿を現した。
「この目で見るのは初めてだが、話には聞いているぞ。人間の女は妊娠すると、胸が張って母乳が出ると」
「魔王様、それは……その、いろいろと断片的過ぎ」
その大きさははちきれんばかりで、人間にしては豊か過ぎた。ユイの腕があと2〜3本増えて、やっと隠しきれるかどうか。
こんなシロモノを抱えていては、息苦しいのも当たり前である。
おまけに乳輪もぷっくりと肥大化し、そこからさらさらした白い液体が垂れ落ちて、肌をてからせている。
媚薬を飲んだ次の日に目覚めて以来、ユイの身体はこんな調子であった。

16 :
「はぁ。それで、そんな姿になってしまったから、仕事も出来ず同僚にも顔が見せられないのか」
「め、面目無いわ……まさかこんなことになるとは思いもしなかったの……」
ユイは恥を忍んで魔王に事情を話した。事ここに至っては、誤魔化すのは不可能だった。
魔王もまったく予想していなかった事態に毒気を抜かれ、苦笑いしか反応が返せなかった。
「それで……これをどう治療したらいいのか分からないの。解毒剤とか、無いの?」
「そもそもそれは毒ではない。淫魔の媚薬の中和剤など、需要の望めないものを悪魔グループが作るとも思えん。
 仮にあったとしても、それが人間に使えるかどうかは分からん。効果が無かったら目も当てられんぞ」
「そ、それじゃあもしかして私、ずっとこのまんまなのっ? いやぁ……こんなんじゃ、おばあ様にも顔向けできない……」
ぼろぼろの衣服でさめざめと泣くユイの姿は、圧倒的な胸の質量と相俟って扇情的だった。
が、魔王は人間ではなかった。ユイの風体や媚薬に中てられていないのは、不幸中の幸いであった。
「……胸が張って苦しいのなら、搾ればいいのではないか? 見たところ、腫瘍で膨れ上がっているわけでもあるまい」
「それができたら、自分でやってるわよ……」
「どうしてできないのだ?」
「どうしてって、それは」
ユイは赤面して下を向いた。ぱんぱんに張った乳房に顔を埋めそうになって、さらに気が滅入った。
ここ数日の間、ユイはベッドの上でこの胸をどうにかしようと足掻いていた。当然自分の手で母乳を搾り出そうともした。
(言える訳無いでしょ、そんなこと……)
しかし、これまでに無いほど張っているせいか、はたまた媚薬の副作用か、ユイの乳房は刺激に極めて過敏になっていた。
性交はおろか自慰も碌に経験の無いユイにとって、激しい未知の感覚に抵抗することは無理があった。
(……で、でもこのままじゃ私はっ)
意識が朦朧としかけているのは、何も媚薬のせいばかりではない。
こんな身体のせいで、数日間まともな食事ができていない。このままでは、胸以外の全てが干からびてしまう。
といってもユイのたどたどしい手管では、敏感になった乳腺から溜まりに溜まった乳汁を搾り出すなど、絶望的な話だった。
「わ、私はいったいどうしたらいいのよぉっ」
だいたい、こんな下らない理由で仕事を放置していては、されるか、良くても魔王城を追い出されてしまう。
どっちみちこの胸では生きていけない。魔物用の媚薬に中てられて涸れぬなど、魔女の恥どころではない。
自分の力ではどうにもならない、となれば誰かになんとかしてもらうしかない、誰か、誰か、誰か、
「魔王様? え、それは……ううううぅぅぅっ」
ユイは俯いたまま目だけを魔王に向けていた。人間ではないが、れっきとした男にこんな姿を晒している。
生娘のユイには壮絶な精神的ダメージである。今すぐこの部屋から消え去りたかった。
残念ながら、試すまでもなく無理な話だった。この部屋どころか、ベッドの上から動くのも困難である。
大きいだけならまだしも、胸にセンシュアルな神経が張り巡らされているせいで、力を入れようとしてもうまく入らない。
「そんなことされたら、私は……だけどこのままじゃあ」
描いた想像をぶんぶんと頭を振って片付けようとする。長い髪と一緒に、憎たらしい胸も揺れる。
自分で触っただけでもああなってしまうのに、まして男に触らせたらどうなることか。ユイの羞恥心が思考を封鎖していた。
妙なことを思い浮かべていると、ますますおかしな心持になってしまった。
触ってもいない乳輪から白濁液が染み出して、申し訳程度に胸を覆うユイの腕を濡らす。
得体の知れない疼きが背筋にこびり付く。口元に力が入らなくなっていく。
「い、いや、だめよそれは、だめだって、結婚するまでは清い身体じゃないとっ。
 ああぅぅ、これから生きていけるかどうかって身体のときに結婚とか……」

17 :

異様な質量が胸にくっついていても、早くなった心臓の鼓動は感じられた。
口の中が乾く。胸に隠されて見えない下腹がじんときて、無意識に掌で抑えた。
「んああぁっ……」
不用意な動きがいけなかった。身じろぎ程度の刺激でさえ、今のユイの巨乳には閾値を超えるものだった。
じわりと広がりだした熾りが、肉塊の中で燻って、血管に熱をまき散らしているようだった。
一度意識してしまうと、その感覚を黙することはできあかった。皮膚がふつふつと泡立つ感じが、もどかしくてたまらない。
「ううぅううっ……イヤ、いやよぉ……でも……」
淫靡な熱は、肉体と共に少しずつユイの精神を侵食しているようだった。
瞳の潤みは一端の娼婦とも張り合えるほど。やや華奢な手足にアンバランスな肉感の双丘が、現実離れした倒錯性を醸す。
元が美少女なだけあって、ため息ひとつで男を揺さぶり傾けそうな姿態に仕上がっている。
もっとも男から見てどうであれ、このどぎつい有様が女に受け入れられるかどうかは別だろう。
「――さっきからお前は、何をぶつぶつと言っているのだ」
「ぉおお女の子には色々と考えることがあるのよっ……って、え、何、何なの?」
「お前は何をぶつぶつと言っているのだ、と聞いたんだが」
魔王のユイを見る目は、哀れみさえ混じっていた。
「……あー、もしかして、私何か言ってましたか」
「意味不明だったが、何やらな。ところで、どうしてお前は乳が搾れないのだ?」
「ち、乳って、もう少しデリカシーというものは無いのっ」
「……ならば、お前はワシに、この状況をどう言い表わせというのだ」
魔王に話しかけられて、幾分我に帰ってきたユイはあたりを見回した。
魔法の暴発その他によって、寒々しくなった自分の部屋が見えた。備品もあちこち壊れてしまっている。
「……その、あの……薬のせいで胸が張って、敏感になり過ぎて……私の魔法でも、どうにもならないの」
「そうか。ならば産休は要らないな」
「まだ言うかこの陶片木がああっ!」
どうにも人間の機微に疎い魔王に、ユイはハイキックを浴びせていた。魔王を蹴りを見舞うなど、人間は普通しないが。
ユイの足が確かな感触を得たのと同時に、うんざりするほどの胸も大きく揺れて、乳汁がしとしとと垂れた。
魔王は突然の狼藉を咎めようとしたが、言葉にならない呻きをあげて悶絶するユイには届かないようだった。
さっきの躍動的な格闘が、ユイの乳房に大層響いたらしい。
「はあぁっ、はっ、もうだめぇ……じんじんするよぉ……」
「おーい、目が虚ろになっているぞ。おーい」
魔王はユイのリンゴのようになった頬をぺしぺしと叩いた。熱く汗ばんだ肌が、手のひらに貼りつくようだった。

ここまでで断念。
もう一本一次の習作で完結させたっきりってのがあるけど、リライトして投下するかも知れないからここまで。
南無南無。

18 :
>>8>>13投げ捨て乙!良い供養だった

19 :
ナイス投げ!最近良作な投げが多いなぁ

20 :
「またミスったのかてめぇ!」「今度という今度は許さねぇ」
男どもが分厚い服を着たまま原発を囲む。
少女の服は既にボロボロで、ところどころ焼け焦げた痕や傷跡が何とも生々しい。
「大体俺達は地震にそなえろって言ったぜ? 3年前にな」「9ヶ月前にはボロボロだからパンツも取り替えろってのにこの様だ!」
「そ、それはタンスが津波で流されちゃって……」
「知ったことか! それに発動機のプラグが合わないってバカにしてんのか!?」「でもって燃料露出か、つづづくグズでドジだな」
「う、うぅぅぅ……(だって、ご主人様ももう避難しちゃったし……)」
浴びせかけられ続ける暴言の数々だが、その間にも彼女の芯は熱く、燃え上がるような感覚に苛まれ続けていた。
「お前のようなグズはさっさとクビにすりゃよかったのに、雇い続けるあいつらもあいつらだよな」「こうしてる間にもまだ発情してんだろ?」
東電コピペがあまりに回るもんで、勢いでここまで書いた末に詰まったため投了。
イクと水素爆発を起こす、輪姦して精液(海水)を大量に注ぎこむなどのネタを具現化できなかったよ

21 :
不謹慎と叩かれる恐れのあるネタだが、
割と本気であんたの妄想力はうらやましい。
こちとら5日ぐらいはオナニーする気力も無かったもんで。

22 :
笑った。ありがとう

23 :


24 :
書いたは良いものの自分の力量不足にてエロなし、失敗、つまらないという三重苦を
背負ってしまったので焚かせてもらいます
とある作品の二次ですが元ネタをご存じない方には何のことやら、ですし、知っていて
このカプのファンの方にとっても非常に不快になる可能性大のどうしようもない話
これは決して嫌がらせのつもりではなく自分の力不足故ですので誤解なきよう
「兄妹」という関係性が入ってますのでその手が苦手な方はご注意ください
4レスほどいただきます

25 :
雨の音が聞こえる。
いつもなら午後の光が照らすこのベッドも、今日は薄暗く影が射している。
比奈がアンクの胸の下で小さな吐息を漏らすと、事を終えた彼は彼女の身体からまだ
昂ぶりが残るものを無造作に引き抜き、そのまま横にごろりと転がった。
彼がいた場所、満たされていたこの身体の部分からそれが無くなる。
喪失感。ぽっかりと空いた虚無。
寂しさと切なさ。そして説明のつかない何か。この感覚にはいまだに慣れない。
彼に裸体を見られることも、触れられることも抱かれることにも慣れ、今では僅かづつでは
あるがこの身体も歓びを感じるようにもなった。
彼にそれを望まれ、命じられれば。上に乗って腰を動かすこともするし、ベッドの上にうずくまり
尻を上げ、彼が後ろからのしかかってくるのを待ちもする。
自分は慣れた。慣れてしまった。それなのに。
終えた後、彼がこの身体から離れていく喪失感には。いまだに慣れることがない。
女は、これに慣れることがあるのだろうか。
今の自分にはまだ、それは判らない。
ちら、と彼を見る。
そばにある、どこか不機嫌そうな表情。天井を睨みつけている横顔。
兄はこんな顔はしない。その表情はあまりにも違う。
同じ顔。だがまるで似ていない他人の顔。
だからこそ自分は彼に抱かれることができたのだ、と比奈は思う。
兄のように優しく微笑まれたら。とても彼と一線を越えることはできなかっただろう。
例えどんなにアンクのことを愛していたとしても。
彼との初めての夜。荒々しく、半ば無理やり奪われた。もちろん、抵抗はした。
比奈の力なら彼を逆に押さえ込むこともできただろう。
だが今と同じこのベッドに押し倒され肩と腕を掴まれ、見上げた時の彼の目は。兄とはまるで
似ても似つかない目だった。
それは獣の目。高い空から獲物の位置を捉えた猛禽の目。
冷徹で一切の容赦のない、慈悲を与えない酷薄な目。
彼に組み伏せられながらその瞳を見上げた時。微かな安堵が浮かんだのを覚えている。
「違う、これはお兄ちゃんじゃない、アンクだ。だから大丈夫だ」と、そう思えた。
そして比奈はその目の中に、僅かに浮かぶ何かを見た。
揺らぎ、震えて波打つもの。
それは深い愛と。
そして切なさ。
彼は判っていたのだ。それが彼にとっても、自分にとってもどんな意味を持つか。
だが判っていても、どうしようもなかった。
彼は比奈を愛してしまった。抑えなど効かぬほど強く。激しく。
比奈が、その意味が判っていてもどうしようもなく、彼を愛してしまったように。
だから自分は許した。彼を受け入れた。
そして二人は共に同じ罪を背負う共犯者となった。
兄に本人が知らぬうちに背負わせてしまった、許されぬ過ち。
罪を背負わせる罪。その共犯者となった。

26 :
彼が笑わないでいてくれればいい。優しく微笑まないでいてくれればいい。
せめてそれだけは守って、と。あの時、比奈は彼に、その腕の中で願った。
奪う者と獲物。常にその関係のままでいれば、互いに罪から目を逸らしていられる。
例えどんなに互いに、愛し合っていたとしても。
それが言葉もなく取り決めた二人のルール。暗黙の了解。
でも。今は。
笑ってほしい。
彼に微笑んでほしい。兄のように。ほんの少しでいい。
キスをしてくれるだけでいい。軽く頭を撫でてくれるだけでもいい。
許されない望みだと判っている。でも、どうしようもない。それを求めてしまう。
終わった後にそうしてくれたら、埋められるのに。
この虚無を。喪失感を、優しさで埋められるのに。
比奈は身体を起こし、彼の頬をそっと両手で挟んだ。
彼の瞳を見つめる。そこに浮かぶ揺らぎを見る。
あの時と変わらない、その揺らぎ。
そして唇を近づける。だが彼は顔を逸らした。目を閉じ、眉を顰めて。
比奈の唇を拒んだ。
「……何故?」
比奈のその問いに彼は答えない。答える必要はないからだ。
獲物は自ら、奪う者にその身を差し出しはしない。
これが彼の優しさなのだ。比奈を哀れな獲物のままでいさせてくれる。彼女の罪悪感を少しでも
和らげるために。
理解はしている。だが、だがそれは。とても切なかった。
あまりにも、切なかった。
窓を叩く雨音。比奈はなす術もなく、ただそれを聴いていた。
しばらく続いた沈黙。突然彼がそれを破った。苦しげな、振り絞るような声で。
「おまえは俺を見ていない」
彼は起き上がる。その言葉の意味が判らず、戸惑う比奈に背を向けて。
「最初の時。最初に俺がおまえを抱いた時。おまえは俺を受け入れた。だが同時に、俺を憎んだ。
罪、を犯した俺を。おまえと信吾に罪を犯させた俺を。そうだな?」
息を飲み、違うと言いかけた比奈を彼は腕を振って遮った。
「別に気にしちゃいない。それでいいんだ。俺を憎んでいい。おまえは、俺を」
次の言葉が喉につかえて出てこない、言い出しづらいと言うように彼は首を振る。
「おまえは俺を愛……した。そして憎んだ。おまえの心は俺への愛と憎しみで満ちてた。おまえの
心は、俺で。この俺で満ちてた。満ちていたんだ!」
ガン、と彼は自分の膝を拳で叩く。いつの間にかその拳はグリードのものに変わっている。
「だが今のおまえの心からは。憎しみが消えている」
彼は振り向く。比奈を見る。その瞳に浮かぶ揺らぎ。
切なさ。
「比奈。おまえはその憎しみの代わりに何をそこに入れた?」
彼の腕が伸びてくる。比奈のやわらかな胸を指先で突く。
「憎しみの代わりに。ここを何で、満たしたんだ?」

27 :
比奈は言葉も無かった。
図星だったからだ。確かにあの時は彼を愛しながらも憎んだ。共に罪を背負うことを決めたにも
関わらず、自分にそれを受け入れさせた彼を憎んだ。
彼に力ずくで奪われることに心のどこかで歓びを感じている自分、それに気づかせた彼を憎んだ。
でも今は。確かにその憎しみは消えている。
慣れたからだ。彼に抱かれることに慣れ、そこに歓びを覚え始めたからだ。
そして求め始めた。
決して求めてはいけないものを。
「俺がおまえをこの腕で抱く時」
あの瞳で、彼は比奈を見つめてくる。
「おまえは誰に抱かれているんだ、比奈?」
あなたよ、アンクあなたよ。あなたに決まってるじゃない!
そう叫ぼうとする。だが声が出ない。震えてしまう。自分でもそれが嘘だと判っている。
彼はもう気づいているのだ。見透かしている。
憎しみの代わりに心を埋めたもの。彼を愛しながらも同時に求めているもの。
それは微笑み。アンクのものではない懐かしいあの微笑みと優しさ。
兄の、微笑み。
「違う……違う、ちがう!!」
比奈は首を振る。それを認めることはできない。彼にも、自分にも。
「俺は昔、体を失った。俺はバラバラだ。それはいつか取り戻せるが」
目に涙を浮かべる比奈に彼はふん、と鼻を鳴らし、またまっすぐに見つめてきた。
「俺は。今度はおまえを失うのか?」
その顔に浮かぶ、自嘲の笑み。喜びも優しさの欠片もない、痛みだけがあるその微笑み。
「いや、違うな。おまえは最初から、俺のものにはならなかったんだ」
彼は目を閉じ、唇を噛みしめながら今度は自分の胸にその指先を当てた。
「おまえは、こいつのものだった」
違う、違う違う違う違う!!
ボロボロとこぼれる涙。声もなく泣き叫ぶ比奈は心の片隅で残酷な事実に気づく。
彼を、アンクを愛している。そこに嘘は無い。偽りは無い。
だが一方で。彼を通して求めるものがある。彼と出会う前から胸の奥底に、本当に深い秘密の
場所に隠し込んでいた想い。決して口には出せなかった想い。
アンクが兄に取り憑かなければ胸に秘めたままでいたはずの。
アンクに抱かれなければいつか本当に忘れることができたはずの。
この想い。再び目覚めてしまった想い。
兄への、許されぬ愛。
自分はその想いで、彼への憎しみを埋めたのだ。
「くそっ!!」
彼が吠え、比奈の身体をまたベッドへと押し倒す。再び求めてくる。
比奈は抗いながら、そっと彼の目を覗き込み、確かめる。
彼は奪う者の目をしている。そこに兄の微笑みはない。兄の優しさはない。
あの揺らぎがあるだけだ。
そのことに比奈は安堵を覚える。
そのことに比奈は哀しみを覚える。
首筋に噛みつき、いつもより強く歯を立ててくる彼を形だけ、力なく押し返す。

28 :
わたし達、どんなに愛し合っても、何度こうして身体を重ねても。
二人とも、本当に欲しいもので心は埋められないのね。
あなたはきっと、これからもわたしに微笑むことはない。
だからわたしはこれからもずっと感じ続けるのね。決して満たされることのない、あの喪失感を。
わたしはきっと、あなたがお兄ちゃんの体にいる限り。あなただけを愛することはできない。
ずっと探してしまう。あなたの中にお兄ちゃんを、求めてしまう。
だからあなたも。決して満たされることはない。
ごめんね、アンク。ごめんなさい。
こんなふうになるなんて、思わなかったの。
本当に……本当に……ごめんなさい……。
でも、でもね、わたし。
本当に。本当に、あなたのことを。
あなたの、ことも……!
「アンク!」
抗うことをやめ、比奈は彼の背にその腕をまわし、きつく抱きしめた。
「わたし、あなたのこと本当に……好」
「言うなっ!!」
彼は吠えた。
そしてこれ以上はないほどの辛そうな表情を浮かべながら、いきなり比奈の唇をその口で塞いだ。
彼女にそれ以上、その言葉を続けさせないために。
息苦しさすらも甘いそのキス。比奈の意識が遠のく。
比奈にはわからなかった。彼が何故その言葉を遮ったのか。
彼はまた、自分を獲物のままでいさせてくれようとしているのだろうか。
それとも聞きたくないのだろうか。その言葉を。
彼か、兄か。自分自身ですらどちらに向けているのかわからないこの愛の言葉を。
比奈は泣いた。彼の、兄の。腕の中で。
あまりにも残酷な二人の運命を思い、兄の体に憑いている限り決して本当に満たされることのない
彼の愛を思い、そして同じくこれからもどんなに求めようと埋められることのない己の喪失感を思い、
ただ、ひたすらに泣いた。
これが償いなのだ。共に同じ罪を背負った二人に課せられた償い。
二人がどれほど目を逸らそうと、気づかぬふりをしようと。
罪を犯したあの夜から。既に始まっていたのだ。この償いの日々は。
ごめんね、アンク。ごめんね。
許して。
アンク……お兄ちゃん……わたしを、許して……!
雨の音が聞こえる。
まるで罪を重ねる二人を責めるように激しく降り続き窓を叩いていた雨。
だが雨はそんな二人をふと憐れんだのか、部屋から漏れる比奈の啜り泣く声と軋むベッドの音を
雨音で掻き消しながら、その秘密を覆い隠した。
─終

以上、何か高尚っぽいものを書こうとして見事に大失敗するという情けなさと共に焚き上げなむなむ

29 :
(-人-)ナムナム
手のひらのシワとシワを合わせてシワシワ〜。

30 :
ナイス投げ!

31 :
>>24投げおつ!

32 :
おつ。
成仏しろよ〜。

33 :
>>24
投げありがとうございます。
ごちそうさまでした!

34 :
投げ乙だが
本スレに投下すりゃいいのにもったいない

35 :
>>28おつかれ
>>34 >>1参照

36 :
読めた!
ありがとう!

37 :
ナイス投げ!!!!

38 :
>>19
同意だわ
前スレに投下されたものは
ほんと全部どーしようもない
クソ作しかなかったもんね

39 :
そういう発言やめろ
職人が利用し辛くなるだろ

40 :
そもそも投げスレで何を言ってるんだと

41 :
上手い下手関係なく、
書き手の為に存在するスレだしな

42 :
保守

43 :
数ヶ月以上前に出だしだけ書いて以来ずっと放置している為供養しにきました
久し振りに読むとなんと読みにくい文章か…と思いながらもそのまま投下させていただきます
僕はいつも時間ギリギリに駅のホームへと行く。
そうすれば自然と列の一番後ろに並ぶことが出来ポールポジションをキープしやすい。
ホームに着くと素早くターゲットを物色し、後は電車へ乗り込もうとするその後にさり気なく付いて行くだけでいい。
今日のターゲットは…よし、まだスーツ姿が初々しいこのOLにしよう。
僕はあくまで自然な距離を保ちつつ、少し背が小さく華奢な感じのOLの後を歩きながらゆっくりと大きく息を吸い込んだ。
フワリとしたパーマを当てたライトブラウンの柔らかそうな髪から、花の様な優しい甘い香りが流れて来る。

44 :
髪の隙間からスッと指を差し込むとすべすべでひやりとした感触がするだろうか。
細く柔らかな髪を掻き分けその地肌に鼻を押しつけ思いっ切りに息を吸い込みたい。
女の性器が男の性器を誘うかの香りを発するこの後頭部に顔を押し付けペロペロとうなじを舐め回したら………
僕はそんな妄想をし早くも股間を脹らませながら、自然にドアの方に体を向けるかの様に
年上ながらも可愛いらしいOLへゆっくりと体を密着させた。こちら側のドアは40分は開かない正にポールポジション。
自然と高まる僕の気持ちと同調するかの様に、電車は徐々にスピードを上げようとしていた。
ピクッとまるで氷でも素肌に付けられたかの様に、小さなOLの体が不自然に反応した。
しかし動きを制限された鮨詰め状態の車内ではその挙動は小さく、又、度々来る電車の揺れにより周りの誰も気付く事は無かった。
(ふぅ…少しびっくりしたけどとりあえず大丈夫かな?まあ時間はあるし少しずつ試していくか)
視線を動かし辺りを確認すると、僕は右手に全神経を集中させていった。
手の甲に伝わるツルリとした滑らかな感触。素材はポリエステルだろうか?そんな事を思いながら電車の揺れに合わせて手の甲を少し押し付けてみる。
「むにゅり」漫画なら間違い無くこう表現されるであろうこの柔らかさ。

45 :
《エロシーンが上手く書けず一旦放置し次のシーンへ》
「おいお前。今グレーのスーツを着た姉ちゃんに痴漢してたやろ」
駅のトイレへと逃げる様に急ぐ僕の背後からかけられたその言葉は
僕が言葉の意味を理解する暇さえも与えず、体中にヌルヌルとした絶望感を津波の様に押し広げて行った。
「まだ高校生や言うのにどうなってんねやろなー。世間って奴は」
体中の毛穴から嫌な汗が滲み出し硬直している僕が何も出来ずただ立ちすくんでいると
「お前やお前。お前に言うとんのや」
重量感のある肉厚な手が肩を掴み無理矢理に体を振り返させられた。
「あ、いや、あの…」
もう駄目だ…このまま駅員室に連れて行かれ親や学校に………
「ぶわっはっはっは!何そんな青い顔しとんねんな」
僕は状況が理解出来ず口を半開きにしたままただ混乱していた。
「いやー、すまんすまん。そら青い顔もするわな。まあ立ち話もなんやからそこ座ろか」
40代半ば位に見える無骨な男は、まるで近所の知り合いにでも声をかけるかの様な笑顔でそう言うと近くのベンチにドスリと腰を降ろした。
「あ、あの…あなたは?」
「俺か?俺は同業者や。お前のやり方が余りにも拙いから思わずな」
男はそう言いながら手に持つ煙草に火をつけると、深く息を吸い込んでから吹き出し
「まあこれも何かの縁やし俺がお前に教えたるわ。色々とな」
ニヤリと不気味な笑みを見せ再び煙草を口に咥えた。
あの時あの場所からそのまま逃げ出していたら、そもそも痴漢などしていなかったら。
いやそれは今更考えても仕方無い事だ。とにかくこれが僕と師匠の出会いであった。

46 :
なんの盛り上がりも無くかなり中途半端ですが以上です
ここからこの少年の痴漢屋としての成長物語を書こうとしていたのですが
既に他の物語を手掛けてしまっているので供養させてもらいに来ました

47 :
合掌

48 :
投げ乙!
ナムナム(-人-)

49 :
「いくらなんでも、親友の彼女に手ぇ出す訳無いじゃん」
「あいつの女性関係に関しては信用していない」
「冷たいなぁ、唯一無二の友達でしょうに。信じてあげなよ」
「長い付き合いだからこそ分かるんだ」
いつだったか彼と交わしたやりとりが、脳裏に浮かんでいた。

†††

「気付いちゃった?」
あいつとは、二人きりで会うな──彼の忠告を守るべきだった。
ベッドの上に組み敷かれてからでは、そんな後悔はもう遅い。
普段から散々言われていたことだけど、人当たりの良い彼の親友を、私は以前から信頼しきっていた。
「でもこれで、冗談じゃないって分かったでしょ」
最近彼とうまくいかなくて、相談がてらに一緒に飲んだところまでは覚えている。
ルームメイトと住んでるし、客人向けの部屋もあるから安心しておいでよ……酔った状態で帰るのが鬱陶しくて、そんな言葉に甘えてしまったことを思い出す。
「ダメだよ、俺みたいなヤツ簡単に信じちゃ」
スーツのジャットが皺になるからと脱がされた後に危機感を覚えた、その後の記憶が酷く曖昧で。
でも、裸に剥かれた私の身体が酷く火照っていることが、空白の時間に何をされたかを物語っていた。
「やだっ……」
「さっきも散々嫌がってたけど、それが楽しいの分かってる?」
混濁した状態で抵抗をしても、思うように力が出ない。
片手で両の手首を捕らえられ、身動きが出来なくなる。
「抱いてみると凄い良い女だった、驚いたよ」
耳元で囁かれた。
言葉の内容は勿論、彼以外の人に全てを晒していること、熱い吐息がかかり嫌でも感じてしまった恥ずかしさで何も言えない。
「まだ本番はしてないけどね、ここぐちゃぐちゃだし……試したいな」
「ん、んんっ…やっ、ぁあ、あっ」
「ほら、嫌がってる割にはすっごい締め付けてる」
無骨な指が下着の中へ侵入して、自覚したくない疼きに直接働きかける。
何度もされてたんだと思う、理性が悦びの波に拐われていく瞬間に確信した。
「気持ち良いし、またイキたいんじゃない?」
指を増やして中を広げられても、痛みを感じることもなく、巧みな動きに支配されていた。
親指で突起を擦りあげられると、どうしようもなくて、腰が釣られるように動いてしまう。
「あ、あ、やぁあ──」
半開きのまま閉じることが出来ない口から漏れる、自分の声とは思えない程いやらしい喘ぎに、耳を塞げたらどれだけ良いだろう。

50 :
sage忘れすいませんorz
三角関係に載せようと思ったけど、うまくエロシーンが書けなかったので、糸冬

51 :
南無南無。成仏しろよ〜。

52 :
>>49投げ捨ておつ!

53 :
ナイス投げ!

54 :

 それは俺が任務である町に来たときのことだった。
 その日、俺は牧場が住処として用意したアパートを訪れていた。そして目的の部屋の前に着いたその時だった。
(──!)
ドアノブに手をかけようとした直前、部屋の中から水音が聞こえた。どうやら中で誰かが
シャワーを使っているらしい。
だがこの部屋は誰も借りていない空き部屋のはずである。ではこの中でシャワーを使っているのは何者なのか。
ドアノブに手をかけるとロックはされておらず、すんなり開いた。
室内を見渡すと、ガランとした風景な部屋の中にバッグとトランクがポツンと置かれていた。
部屋の荷物は俺が連絡を入れてから届く段取りだから、シャワーの主の持ち物に違いない。
俺はドアを閉じてロックすると、音を立てずにシャワーのある風呂場の前に移動する。
そして気配をし、耳を澄まして中の音に集中した。
「〜♪〜〜♪」
水音に混じって聞こえたのは鼻歌、それも若い女の、だ。
更に流れる水音を聴くことで、女のスタイルや体型、身のこなしなど、だいたい把握できた。
音だけでそこまでわかるのかと、疑問に思うだろう。しかし工作班に務める
工作員にとって、限られた手がかりから最大限の情報を引き出すのは基本中の基本である。
シャワーの主はまだ出てこないだろうと判断した俺は場所を移し、バッグやトランクを調べてみた。
中身は女性ものの衣装に下着、制服に幾つかの小物と財布、そして学生証。
それらを見て判断しえたのは、牧場に敵対する組織の一員ではないというところまでであった。
シャワーの水音が止んだ。代わってタオルで身体を拭く音がする。
俺は風呂場入り口近くの角に身を潜めた。
「あ〜〜、安っぽいシャワーだったけどサッパリしたぁ〜〜」
そう言いながら風呂場の戸を開け現れたのは、身体にバスタオルを巻いた茶色がかった長い髪の少女だった。
俺はすかさず左手で彼女の口を塞いだ。
「ふグッ?!」
みぞおちに拳を叩き込んだのは同時だった。
腹部を抱えてよろめく少女の首筋を手刀で打ち、気絶させる。
意識を失った少女がドッと倒れ込むと、乾ききってない艶やかな髪が床に広がり、衝撃で
瑞々しい肢体からバスタオルが解けた。
足下に横たわる半裸の少女を見下ろしながら、事の次第を報告すべく俺は携帯を取った。

55 :

「すみません、マルコウの1019ですが、担当に繋いでもらえませんか? ちょっと問題が発生しまして…」

 それから約1時間後、引越業者に扮した同僚たちがアパートにやってきた。
「よう、部屋に来たら裸の女が待ってたって本当か?」
「まるでギャルゲーみたいだな、うらやましいぜ、おい」
「で、その娘どうした?もう犯ったか?」
「あのな〜、それより先に教えることがあるだろ!」
冷やかす同僚たちを制し、俺は要件を切り出す。
「ああ、お前の部屋にいたその娘な、やはり小野寺桜子だったわ」
「なんでそんなお嬢様がこんな安っぽいアパートの空き部屋に勝手に入ってたんだ?」
「どうもこの桜子ちゃん親父と喧嘩して家出してたみたいでね、恐らくホテルだと居場所がバレると思って
ここに転がり込んだんじゃないか、だとさ」
「へえ、そうなんだ。にしても、ずいぶん調べるの早いな」
「小野寺家の内部にもいるんだよ、俺たちの仲間とか協力者とかさ。今度のことも
そいつらが上手く誤魔化してくれるさ」
「そりゃありがたいな。で、この桜子お嬢様はこれからどうすればいい?」
「ああ、それなんだがな…」
説明していた同僚が話を続ける。
「お嬢様は牧場に連れてくことになった」
「え?いいのか、小野寺の令嬢にそんなことして?」
「理由はさておきこれは命令だからな。で、今お嬢様はどうしてる?」
「動けなくして押入れに入れてある。見るか?」
「ああ、ぜひ見たいね」
「わかった」
桜子お嬢様を確認すべく同僚たちが押入れの前に集まる。
そして全員の目の前で俺は押入れの戸を開けた。
「おお〜〜」「ほう、これは……」「たまんねえな!」
同僚たちの視線が押入れの中に集中する。
彼らが見つめる先には手首と足首を繋がれ、スタイルの良い肢体の上にバスタオルを被せられた桜子が
仰向けに横たわっていた。
今だに意識を失ったままであり、目を伏せ寝息を立てている姿は愛らしいものだった。
「なあ、やっぱり見たのか? 胸とかアソコとか…」
「そりゃある程度は仕方ないだろ、裸なんだから」
「じゃあ触ってみたか?揉んだりとか舐めたりとか挿れたりとかさ…」
「しねぇよ!」
俺は鑑賞タイムを早々に切り上げると、同僚たちに仕事を急かしたのだった。

56 :

 やがて引越作業を済ませると、同僚たちは桜子を回収して牧場に帰っていった。
牧場が彼女をどう扱うか気にはなったが、俺は明日からの仕事の準備をしなければならなかったし、
それに、牧場に連れていかれた女がどういう目に遭うかはだいたい想像はつく。
お嬢様にはちょっとした冒険だったのかもしれないが、転がり込んだ先が悪かった。
まあせいぜい可愛がってもらえばいい、最悪でも決して命を奪われることはないのだから。
 夕方頃、ようやく作業を終え牧場とのネット回線が繋がる。するとさっそく牧場からメールが送られてきた。
差出人は主任だった。
“本日はご苦労様だった。思わぬ先客がいたようだが、作業も無事済んで何よりだ。”
“明日からの仕事、ぜひ頑張ってほしい。ところで、桜子お嬢様がどうなったか気になるかな?”
“興味があるなら下のアドレスから調教室の実況モニターを見るといい。”
“では健闘を祈る…”
メールには調教室を監視する実況モニターにアクセスできるアドレスが載っていた。
今日すべき仕事は全て片付いたし、後は明日に備えて休むだけである。調教班に嬲られ悶え
泣き叫ぶ桜子お嬢様を鑑賞するには何の障りも無い。
しかし、俺は画面を眺めながらある考えに耽っていた。
何故牧場は小野寺桜子を牧場に連れて行ったのか。
組織の仕事に携わっている俺が言うのもなんだが、牧場は決して行き当たりばったり、手当たり次第に
捕獲などしたりしない。
牝畜の捕獲は入念な計画と準備の下に行われており、任務の遂行上、やむなく拘束した場合でも、
牧場の関与や存在を悟られないよう隠蔽工作を施した上で解き放つのが原則であった。
だが今回は拘束したところを即入荷である。著名な財界人の令嬢をこんな乱暴なやり方で捕獲して牧場は
一体どう取り繕うつもりなのか、それを考えると不安と苛立ちを覚えずにはいられなかった。
と、その時、俺は同僚のある言葉を思い出した。
“小野寺家の内部にも協力者や仲間がいる”
そしてそれはある仮説に変わってゆく。
桜子お嬢様は家出先で捕獲されるようハメられたのだ、と。
よくよく考えればここは牧場の用意したアパートである。彼女が来るのを予期していたなら
あらかじめ部屋を開けていてもおかしくない。

57 :
俺にとってはサプライズだったが、これは最初から仕組まれていたことだったのだ。もちろん
これは仮定ではあるが、他に納得しうる理由を思いつかない以上、詮索したところで仕方がない。
俺は考えるのを止め、調教室の実況モニター画面にアクセスした。

 それからまたたく間に時は流れ、1ヶ月が経ったある日。
「先生さようならー」
「おう、気をつけて帰れよ!」
教室から出る生徒たちの挨拶に笑顔で応える。
俺は今、丸井高校という学校で教師をしていた。
欠員した教師の穴埋めという形で丸井高校に勤務することになり、今では教員や生徒たちと
すっかり顔馴染みとなった。
もちろんこれは表向きの話、俺の任務は教師の立場を利用し、牧場の必要とする情報を入手することである。
日も暮れ、夕焼けが校舎を紅く染める頃、俺も業務を済ませ職員室を後にした。
そして帰途に向かう足が校門を抜けたその時、突然声をかけられた。
「よっ!今お帰りか、先生?」
それは俺の牧場での上司で、工作班主任だった。
「しゅ、主任…なんでここに…?」
「ちょいと話したいことがあってな、電話やメールじゃアレだから来たんだがな、」
ヨレヨレのコートを羽織った冴えないオヤジはシルバーグレーの頭を掻きながら話し続けた。
「せっかくだから一杯やろうか。もちろん俺のおごりだ。いいよな?」
「は、はい」
「よし、じゃ行こうか!」
話とは、恐らく任務が次の段階に入ったことについてだろう。
鼻歌を交えて御機嫌そうな主任の後に付いて行った先は、とある居酒屋だった。
俺たちはさっそく座敷の一部屋に案内された。
「かんぱーい!」
 掲げた2つのジョッキを合わせて鳴らし、互いに金色の奔流を一気にあおる。
「いや〜仕事の後の一杯は格別だなぁ、おい!」
「ええ、まったくです」
俺と主任は快采を上げながらビールを飲み干した。そして一息ついて、俺は主任に切り出した。
「主任、話とは何なんでしょうか」
「話し、か…」
主任は広げたメニュー表を持ったまま俺の方を見た。
「お前、ここに来たときに女の子捕まえたの覚えてるよな?」
「はい、」
「その子なんだが、牧場から放すことになった。ただし外での首輪が要る」
「首輪…ですか」
「そうだ、首輪だ」
俺を見る目がいつしか有無を言わさぬ厳とした眼差しになっていた。

58 :

首輪、牧場ではそれは二つの意味を持つ。一つは牝畜の首に架せられる装着具、もう一つは
特定の牝畜の監視、監督、管理を任される役のことである。
「………」
「お前、あの子の首輪にはなってくれないか? 俺はお前が最も適任だと思うんだがな」
主任がこう言い出したら部下の俺に選択肢など無い。現在の任務に加え、首輪の役は
決して容易い仕事ではない。牧場の外ならなおさらだ。しかし工作班、通称『マルコウ』の
工作員に失敗は許されない。全力を尽くして当たるのみである。
「……ところで主任、俺以外の候補は今どれくらいいるんですか?」
「そうだな、小野寺の内部や丸井高校の連中も合わせて数十人ってとこかな」
「そんなにいるんですか! ……いやはや、こりゃ牧場にいるのとあまり変わらないですね」
「そうだ、俺の目が節穴でなければまず失敗などしない。お前ならやれると信じてるよ」
主任への質問は任務を承った意を表すものである。
俺以外の首輪候補はそのまま任務をサポートする役割を担ってくれる。まさに桜子お嬢様には
逃れる場所は無し、である。小野寺家に帰ったところで、桜子お嬢様は俺という首輪を通して
牧場に奉仕させられる、そういうシナリオなのだ。
「……わかりました。主任直々のご指名なら、なんとしても期待に応えましょう」
「そいつぁたのもしいね、だったら大いに景気づけてやらにゃあいかんな」
「お任せします」
「よし、じゃあ今夜は飲もう、飲もう!」
そして主任と俺は大いに杯を酌み交わしたのだった。

 アパートに着いたのは夜の10時を回った頃だった。
店を出るとき、俺も主任もほろ酔い加減だったが、正体を無くすほどには至らなかった。
俺は部屋に入ると、早速デスクに向かいパソコンを立ち上げ、いつものアドレスにアクセスした。
“モニター実況:第8調教室”
画面に映されたそこは、小野寺桜子が監禁されている部屋だった。
現在、コンクリート作りの風景で薄暗い室内の中に、何人かの男の姿が見える。
彼らは調教士である班長の下、牝畜の調教に従事しているスタッフだった。
そのスタッフらに囲まれた中に、一人の少女の姿が見える。
彼女こそ、1ヶ月前に俺の部屋に上がり込み、そこから牧場に拉致された小野寺桜子であった。

59 :

『んあ…ハァ…ハァ…ぁふぅ、ふぁあ…』
『ほらほら桜子ちゃん、ちゃんとチ○ポナメないとダメじゃないかw』
『そうそう、もうすぐお家に帰れるからって気持ちもマ○コもユルユルにしちゃダメだぞ♪』
『真面目にやらないと、またしばらく俺たちと遊んでもらうぜw』
『あれ?もしかしたら桜子ちゃん俺たちとお別れするのがサビシいのか?』
『おおっ!?そうなのか!?まあ毎日可愛がってやったから、俺たちに愛着でも湧いたのかなwww』
『ひッ、ひらうッ!!そ、そんらわへ、なひィおぶぉッッ?!』
『しゃべるよりチ○ポナメるか、くわえてしゃぶる!!』
『ぉお…、おご、ぉぶ、ぶぇええ…』
 スタッフの剛直を喉に突っ込まれ、苦しげにえづく桜子。
その背後からはもう一人のスタッフが桜子を犯していた。
そのスタッフは桜子のオンナを奥まで貫き、腰を密着させた状態でグラインドや突き上げを
織り交ぜながら桜子を責めていた。
桜子は調教室に監禁されてからはずっと全裸のままであり、彼女が身に付けていたのは
牧場に架せられた首輪だけだった。
そして今は目隠しをされ、荒縄に乳房を締めつけられ、両腕を後ろ手に縛られた
格好でスタッフに奉仕させられていた。
汗に濡れた白い肌は白熱電球の明かりを受けて艶やかに輝き、スタッフが腰を使うたびペニスに
蹂躙される膣内からとめどなく染み出る滴りが、桜子の内股から足下に、垂れて広がる。
『しかしもう1ヶ月なんだ、なんかあっという間だったな』
『でも桜子ちゃんはすっかり変わったよな。最初はオチ○○ンなんて見るのも嫌がってたのに、
今じゃとても美味しそうにしゃぶってるしw』
『んぶ…ぶふ…!ぅうう…!』
『オマ○コもずいぶんこなれてきたし、体つきもこんなにエロくなっちゃったしさwww』
『ぅうッッ!』
傍観していた別のスタッフが横から桜子の乳房を鷲掴みにする。
十代の瑞々しさと適度な肉感をもった形良い膨らみが、男の手の中でグニグニと揉み転がされてゆく。
『おお?締まりがさっきよりよくなったぞ!おっぱい揉まれて感じてんのか、この淫乱!』
『男の部屋にバスタオル一枚で上がり込むお嬢様だからな、根っからの淫乱に違いないさw』
その言葉に、それもそうだと桜子以外の全員がゲラゲラ笑いたてる。

60 :
当の小野寺桜子は目隠しをされて口いっぱいに剛直を挿れられているせいで表情が
よくわからなかったものの、屈辱と悔しさに打ち震えている様子はしかと見てとれた。
『あ〜俺そろそろイキそうだ、桜子ちゃんの中でイッてもいいよね、ねぇ桜子ちゃん?』
『俺も桜子ちゃんの口ん中にぶちまけたくなってきたよ、桜子ちゃんの好きなチ○ポミルクをさ♪』
『ぉお゙お゙ッ!? お゙ッお゙お゙お゙ぼッッぼォオ゙オ゙オ゙オ゙〜〜ッッ!!』
桜子の口を、膣を犯す剛直の動きが激しくなる。
緊縛された肢体が苦しげに身をよじらせるが、スタッフらはそれを押さえつけて更に腰を使う。
『いくぞ、いくぞ、さあチ○ポミルク飲めええええ〜!!』
『オ゙ゴァア゙ア゙ァア゙ァア゙ァア゙ア゙〜〜!!!!』
先に達したのは口を犯していたスタッフだった。
スタッフは桜子の髪を掴んで引き寄せ、口の中に限界まで突っ込んで精を放った。それから
すぐに、膣を犯していたスタッフも桜子の中で達し、深く腰を突くや、そのまま射精の快感に体を震わせていた。
しかし桜子の喉に満足したスタッフが手を緩めた次の瞬間、桜子は剛直を吐き出し、
床に向かって激しく咳き込んだ。
『ブハァッ!!ヴエ゙エ゙エ゙エ゙ッッ!!ゲホッ!!ゲホッ!!ゲエ゙エ゙エ゙エ゙━━ッッ!!!!』
『おいおい桜子ちゃ〜ん、なんで吐くんだよ、すぐ飲みやすいように喉の奥に出したのにさぁ、』
『そりゃお前のザーメンがマズかったんだろwいつもなら舌で転がしてゴックンするんだから』
『バカ言うな、こないだは皿にぶっかけた俺のチ○ポミルクをキレイに舐めたんだぜ!』
『もしかしてさ、精子じゃなくて小便出したんじゃね?』
『そりゃないわ〜〜ザーメン大好き桜子ちゃんもガッカリだぜ〜〜』
『んなわけあるか、アホ!!』
苦しげに咳き込む桜子をそっちのけで言い合うスタッフたち。しかし口を犯していたスタッフが
射精していたのは、桜子が吐き出している白く濁ったドロドロの粘液からして明らかだった。
『やれやれ、しょうがないな。お口直しに俺のを飲んでもらおうかな』
いささか呆れた感じでつぶやいたのは、桜子を背後から犯していたスタッフだった。
スタッフが腰を引くと、コンドームを被ったペニスが桜子の中からヌルヌルと現れた。
淫液に塗れたペニスのその先端は、溜まった精液でピンポン玉のように丸く膨らんでいる。

61 :
スタッフはコンドームを抜き取ると、桜子のアゴをつかみ、開いた口から舌を突き出させた。
『さあ桜子ちゃん、桜子ちゃんのオマ○コにしごかれて出てきたチ○ポミルクだ、よく味わって飲むんだぞ』
『ケホッ、ケホッ…んぁ、ァァ…ふぁぁ…!』
アゴをつかむ手に頬を圧迫され押し出された舌に、コンドームから白濁の液体がしたたり落ちる。
若干黄色がかったそれは、比喩ではなくボタボタと桜子の舌の上に乗り、ゲル状の小さな盛り上がりとなってゆく。
『ほうら、全部乗せてやるからちゃんと舌を出してろよ桜子ちゃん』
『ぉあ…ぉぉ…ぉッ…ぉッ…ぁおおおッッ…』
舌で精液を受ける桜子の表情が微妙に歪む。
それもそうだろう、喉奥に射精された分に加え、舌に乗せた精液の臭気が鼻に充満しているのだから。
間もなくコンドームの精液は出尽くしたが、桜子は舌にザーメンを乗せたまま“おあずけ”の状態を強いられていた。
『よしよし、ちゃんと“おあずけ”できてるな、エラいぞ♪』
『でも牧場から放したらせっかく覚えた“おあずけ”も無駄になるんだよな、それってもったいなくね?』
『彼氏だか結婚相手にでもやればいいんじゃないか?きっと喜ぶと思うぜw』
『それもそうだ、淫乱桜子ちゃんならそれくらいのサービスやってくれるよな!』
『だよなー』
『『『ハハハハwww』』』
『よーし桜子ちゃん、もうザーメン飲んでいいぞ。よくモグモグしてゴックンするんだぞ』
スタッフの許しを受け、桜子は精液の乗った舌を下げると、口の中で咀嚼を始めた。
唇は閉じていたが、ニチュニチュと上がる音と顎の動きで、精液を味わっている様子がよくわかる。
この咀嚼は屈従を示させるだけでなく、精液に唾液を絡ませ、飲みやすくするためだともいう。
もっとも桜子が精液を飲まされるのは口だけで、膣や肛門は必ずコンドーム着用、中出しは禁止されているのだ。
妊娠させないのならコンドーム以外にも方法は色々あるはずだが、あえて中出しを禁じたのは
班長に思うところがあったのか、あるいは上からそういう指示があったからか。
ゴクッ…ゴクン…
白い喉を鳴らし桜子が精液を飲み下す。
一見、従順に飲んでるようであったが、その表情や仕草の様子から、桜子が必に
堪えているのは誰が見ても明らかだった。当然、スタッフどもも気づいているだろう。

62 :
本当はもっと続くのだけれど、モチベーション的に不安なのと他に書きたいネタが出来たため、投げることにしました

63 :
レス追記。このSSは二次元キャラを牧場で飼い慣らす妄想スレに投下する予定でした。
スレ汚しすみません

64 :
リアルタイムで読ませて頂いたが、
ここまでとは、いや、もったいない……
続き…といいたいが、
ナイス投げ!!

65 :
ナイス投げ!
正直ここまででもごっそさんですって感じだわ。

66 :
すいません、投げさせていただきます
******************

 窓際のソファに腰をおろし、夏海はぼんやりと外を見つめていた。その体に纏うのは、薄物の
ガウンと下着だけという、まるで娼婦の如き姿である。その格好で、ただひたすらにこの部屋の
主の気まぐれなおとないを待つ身となって、すでに一週間近くが経過していた。
 ほう、と夏海が物憂げな溜息をガラスへと吹きかけた時、生体認証でロックされた扉が解錠さ
れる音がした。
「士?」
 この部屋に入れる人間は、限られている。必然的に、来訪する確率が最も高い相手の名を口に
した夏海は、扉を開けて入ってきた人物の姿を捕え目を見開いた。
 黒いトレンチコートに、薄いピンクのニットと細みの黒いジーンズを合わせたその人物の首に
は、鮮やかなマゼンタカラーの二眼レフカメラがかかっている。
「そういや、そんな風に呼ばせてたな」
 呼び捨てで呼ばれたことで遠い記憶を呼び起されたのか、士は自嘲するように小さく唇を歪め
た。見た目こそこの部屋の年若い主と同じだが、その面差しは幾分大人びている。何より、その
首にかかったカメラに残った小さな傷が、目の前に立つ相手の素性を物語っていた。
 一度士自身の手によって壊され、それをユウスケが必に直した、世界にたった一つのカメラ
だ。
「士く、ん……?」
「悪かったな、時間を超えるのに手間取った」
 後ろ手に扉を閉めた士はゆっくりと夏海に近づくと、ソファの肘かけに手をついた。上から覗
きこむようにして夏海の顔を見つめ、そっと頬に掌を添えた士は、その瞳を悲しそうに細めた。

67 :
「少し痩せたな……まあ、あの時はかなり無茶させたし、仕方ねぇか」
「士くん、記憶が……?」
「ああ。お前とは別の時間に吹っ飛ばされたが、おかげで全部思い出した」
 悪かったなと、そう言って士は夏海を抱きしめた。ようやく巡り合えた悦びに、夏海は士の背
に腕を回すと強く抱きついた。安堵から零れる涙で頬を濡らし、肩を震わせる夏海の頭を何度も
撫でながら、士もまた深く長い吐息を吐きだす。
 しばらくの間、再会の喜びに浸っていた二人だったが、その時間はすぐに破られることになっ
た。
「………来たな」
「え?」
「お前は何も言うな」
 鋭い声で釘を刺す士に、夏海が疑問の声を上げると、ほぼ同時にまたしてもドアのロックが解
除される音がした。直後に蹴り破るようにしてドアを開け飛び込んできたのは、大ショッカーの
大首領であるもう一人の士だった。
「随分慌ててるみたいだな、大首領様」
「てめぇ、何者だ?月影が俺を見間違えるはずねぇ……どうやって騙した!?」
「別に誰でもいいだろ?お前は小夜と自分以外、どうでもいいんだからな」
 そう言って、士はわざと夏海を腕の中に抱き寄せると、過去の自分を嘲笑うかのように唇を歪
めた。過去と未来の士が対峙するという異様な事態に、夏海は士の胸の中で思わず息をのんだ。
 普段は淡白で薄情を装っている士ではあるが、過去の士の性格が物語るように、その本性がか
なり激しいことを夏海はよく知っている。

68 :
「そいつを離せ。それは、俺のモノだ」
 ぎり、と奥歯を噛みしめた過去の士が、悠然と構える士の姿を激しく睨む。その視線の鋭さに
夏海が怯えたように体を硬くすると、士はさり気ない動きで夏海の体を背後へと押しやった。
「お前みたいなロクでもない奴に、こいつはやれねぇな。ヤりたい盛りのガキならガキらしく、
マスでもかいてろ」
「ふざけんなっ!」
 自らと同じ姿をした士を目の前に、相当気が立っているらしい過去の士は、言うが早いか一息
に距離を縮めた。しかし士は、下顎角を狙ってねじ込む様に叩きこまれた拳を軽く弾き、無言で
その腹部に容赦のない蹴りを入れた。
「ちょっ……士くん!?」
 容赦の欠片もない士の攻撃に面食らった夏海が、思わず叫ぶ。しかし士は、酷く冷たい眼差し
で過去の自分を見下ろしていた。
「気にすんな。これぐらいでくたばるほど軟な鍛え方はしてねぇ」
「そういうことを言ってるんじゃありません!」
 慌てて過去の士へと駆け寄ろうとする夏海の腕を掴み、士はぎらぎらとした目で睨み上げてく
る過去の自分を睥睨した。
「どうした、もうお終いか?」
「なめんな……っっ!」
 本気で怒りを覚えているのか、過去の士はいきなりバックルを腰に当ててベルトを巻くと、デ
ィケイドのカードを掲げた。その姿を見た士は、慌てる様子もないどころか、挑発するように鼻
で軽く笑った。

69 :
「そんな出来損ないのオモチャでどうする気だ?」
「ふん。大した減らず口だが、すぐに塞いでやるさ」
「やれるものならやってみろよ。なぁ、お偉い大首領様?」
「……の野郎!」
 変身という掛け声と共に、バックルから電子音が響きディケイドの装甲が現れる。一瞬にして
間合いを詰めたディケイドがライドブッカーを横なぎに振り払うのを見た夏海が、悲鳴にも近い
声を上げる。
「やめて!!」
 生身の体へと叩きこまれたライドブッカーの刃は、しかし士の体を切り裂くことはなかった。
「なっ……!?」
 左腕一本でライドブッカーを受け止めた士に、過去の士が驚愕する。夏海が腰を抜かしたよう
に崩れ落ちるよりも早く、やはり電子音が低く響いた。
「生憎だな。こちとら年季が違うんだよ」
 ライドブッカーの一撃を受け止めた腕だけを先に装甲で覆った士は、そう言い捨てるのと同時
に一気に変身した。全く同じ姿へと変身した士に虚を突かれた過去の士は、後ろへ体を下げると、
信じられないといったように目の前のディケイドの姿を凝視した。

70 :
ここで煮詰まってしまい、最後は変身を解除してガチで喧嘩を続ける二人にヒロインがブチキレて、
それぞれの首に特技のツボ押しをお見舞いするという、見事なギャグオチしか思い浮かびませんでした
結局路線変更して全く別の話にすることにしたので、こっちは供養させてもらうことにしました

ということで、エロなしオチなしのままだが3人とも成仏してくれよ (-人-)ナムナム

71 :
>>70投げ捨ておつ!DC版見てないと分からない小ネタだw

72 :
 季節は秋。
 最近酒の飲み過ぎで幻覚を見るようになった。
 今日も数学の授業を受けながら一升瓶を空にしていたら、黒板に書かれた数式が蟲のように動き出した。
 俺は悲鳴を上げて荒れた教室を飛び出したんだと思う。
 そのまま学校も抜け出して、少し小高い丘まで、恐怖から逃げるように走ってきた。
 気づいたら俺は丘の墓地に一人きり。
 周囲には誰もいなくて、眼下から町の騒がしい音は聞こえそうでも、ここは静かな風ばかり。
 チキンハートな俺は何故こんな場所に来てしまったのか、分からないまま後悔して、出口を探す。
 ただ足取りが覚束無い。酔いが相当回っているのか、理性が所々途切れる。
 歩いても歩いても石の墓。
 その内、俺の目の前に、ぽつんと何かの気配があることに気づく。
 あまりに忽然と現れたように感じた、それは女の子だった。
 じゃり、と小石交じりの草道の先に、変わった形の墓石が行き止まりのように置かれていて、そこに座り込んでもたれている。
 艶やかな色をした着物姿に、頭は妙な形と色をしていた。
 ああ、パンプキンヘッド。
 黙って女の子を見つめていると、
「……何?」
 関西訛りの発音で、ハロウィンお化けみたく目と口が刳り貫かれた面を向けてくる。
「ここで何してんの?」
 本当は気味が悪かったけど、どうせまた幻覚に違いない。
 女の子の頭はカボチャの被り物と半ば同化している。
 そして、返答無しに俺の方をじっと見つめている。
「……」
「…ん?」
「……ガオッ!!」
 ぬおう、とか変な声が出てしまった。
 いきなり大声で脅かされるとは、思わず尻餅突きそうになったよ。
「…はー。急に脅かすない」
「……」
 こうして構っていても埒が明きそうもないので、来た道を戻るか。
 立ち去ろうとしたら、女の子の動く音がした。
 振り返ると、立ち上がって俺の後までやって来た。
「……見エルンヤ?」
 小さくて透き通った感じの声で喋ると、またしばらく間隔を空けて、続ける。 
「……ウチ、迷子ヤネン」
 墓地に迷い込んだ挙句、迷子に遭遇するとは高校生らしからぬ体験。
 酒のせいか、頭が重たい。
「俺も迷子ちゃんなのよ」
 そう教えると、少しがっかりしたように溜息を吐いた。
 今日は思ったよりも悪酔いしてる気がする。
 段々と気分が不安定になる中で、狭い道を歩く。
 まっすぐ行って、壁にぶつかったら壁沿いに左か右か、ずっと進む。
 すると、何故か同じ場所に帰って来た。これは綺麗なピクシートラップ。
 女の子も諦めずに、ついて来る。
 大人しいもので、何にも言ってきやしない。
 休憩したくなったので、適当な場所に腰掛ける。
 もう授業は終わっている頃かな。つまらない呪いのような高校算数。
 裏番のやっさん、放課後アホ高に襲撃かけるとか言っていたけど、それまでに帰れるだろうか。
 兵隊要るって話だったから、ばっくれでもしたら後々面倒なことになる。
 それに、やっさんにはラーメン奢って貰った恩もあるしな。

73 :
 ふと、俺の体を影が覆っていることに気づく。
 視線を上げると物々しい甲冑姿の人が俺を見下ろしていた。
「グレイブヤードに何用だ小童」
 グレイブヤードだなんて、和装の割に洒落たことをいう兵(つはもの)だ。
 経年劣化の臭いが結構キツい。
「別に」
「ここが我が一族の眠る場所と知って、座しておるのだろうな?」
 空気が冷たい。アルコールが入ってなかったら、マジで寒いくらい。
 と、鈍く擦れるような音がして、そいつが動く。
「良かろう。ならば今ここで野晒しに処すまで」
 酷く錆びたような刀を目の前で抜くと、甲冑が構えてみせた。
 思わず右腕をかざしてしまって、それから時空がかなり歪んだ気がする。
 ゆっくり、走馬灯みたいに、それは容赦なく、
「……!!」
 俺の体を丸ごと持っていくように、斬り込んだ。
 痛みは感じなかった。ただ、体が空ろで軽い。
 俺は多分それから、気を失っていたんだと思う。
「――あ、う?」
 地面に這いつくばっていた。
 手で探ろうとしたけど、右手が、無かった。
 嘘だろと思ったけど、本当に無い。
 麻痺しているとかじゃなくて、でも出血も痛くもなくて、初めから無かったように、無いだけ。
 もう一つ。
 右目の視力が完全にやられていた。
 こっちも触って傷がある訳でもないけど、何も見えなくなっていた。
 まだ酔いは残っているけど、頭は痛くなくなった。
 何とか起き上がろうとすると、俺の視界が陰る。
「……」
 影はじっとこっちを観察しているみたいで、顔だけ向けてみたら、女の子がいた。
 カボチャの顔が皮肉っぽい。
 起き上がって、これからどうしたものかと考える。
 ふと、右手がある錯覚に陥る。右目で何かが見えるように感じる。
「はあ」
 何も考えたくないから、代わりに溜息が出た。
 そして女の子は俺の傍にはいるけれども、やっぱり何も言わない。
 とりあえず俺は生きているから、出口を探す。
 空は曇り、薄ら霧がかってきた辺りは、ちと本気で寒くなってきた。
 で、散々歩き回ったけど、ここから出られない。
 その上、目ん玉と手まで無くして、もうどないせぇっちゅうんじゃ。
 疲れた。このまま眠るようにねたらそれが良い。
 また誰かの墓に背もたれして、休憩する。
 ふと右のポケットを左手で探ると、飴玉が入っていた。
 今朝駅前で配っていたのを貰った奴だ。ピーチ味、と書かれている。
 何も無いよりマシか。食っとく?
 でも、飴玉ね。
「食う?」
 隣に屈んでいる女の子に、試しに差し出してみた。
「……コレ、何?」
「飴ちゃん」
 飴ちゃん知らないなんて、冗談。

74 :
 女の子は飴玉を両手に乗せて、興味深そうに見つめている。
「……コノ石、ドナイシテ食ベルン?」
「あー。包みを開いて、舐めてみ」
 すると言う通りにしてくれた。
 ただし、カボチャの口からお化けのベロ出してな。
「……甘イ…セヤケド、硬イナア?」
 それは口の中で転がして味わう物なんだって教えた。
 すると分かったみたいで、ころころ言いながら舐めている。
 さて、お守りもこれくらいにして、どうしようか。
「うっ!」
 突然、頭に鈍い痛みがした。
 視界がぐらつく。アホ校の尖兵に一発ぶられた時と似ている。
 上唇が何か温かい。指で触ってみたら、鼻血だった。
「……っ」
 ダメだ、意識が遠退く。人事不省。
 閉じた場所でぬのは、別に何も恐くない。
 俺は極めて平々凡々たる波の無い一時を生きたつもりだ。
 経済ワルとか武闘派とか、そんな面倒臭い柵や縄張り争いから解放されるならそれも良い。
 でも、どうせなら最後は泥酔したままにたかった。
 何が何だか分からないことを自覚しながら逝くのって、嫌だな。
 ここは暗い通路。
 空気が冷たく重く、静かで何の物音もしない。
 ほんの僅かな灯火が等間隔に並んでいて、周囲に鉄格子の部屋が並んで見える。
 そして、奥に行き止まるように二つの灯りと、木の板。
「何々…”凶悪犯罪者”」
「誰だ」
 格子の闇の奥から、声がした。
「いやまあ…一言で言えば、迷子」
 すると、せせら笑うような声がした。
「まあ良い。目の前にある、結界符を剥がしてくれないか」
「凶悪犯罪者と書いてあるけど」
「だろうな。ならば、事情を説明しようか。長くなるが聞け」
「面倒臭いんで遠慮。これを剥がせば良いの? はいよ」
 目の前に貼ってあったそれは、シールみたいに取れた。
「…! 話が早くて助かる」
 二つの目を光らせる、ミストのようなものがこっちに来た。
 ミストは格子を楽にすり抜けると、化け猫のような姿に変わった。
「ほう、お前は……ふむ」
「何?」
「…これは礼だ。魂と体を今一時、繋ぎ止めてやろう」
 化け猫は俺の顔と右腕に、引っかくように何か文字を書いた。
「…よし。儂はもう行く。…鼠共め、首を洗って待っておれよ……くくく」
 逃がして良かったのかな? まあ、良いか。
 立ち去る化け猫の背中を見ていると、視界は段々暗くなって、遂に帳に覆われたように、黒。
 重力も変で、どこが上で下か、右か左なのか分からなくなった。
 体が窮屈だ。何か狭っ苦しい。
 左手で、暗闇を手探りする。すると、目の前に邪魔な壁がある。
「?」
 重いけど、押すと微かに横に動いた気がする。
 こういう時両手が使えないのはあれだけど、ずらすように力を込める。

75 :
 細い細い光が、視界に差し込んだ。
 それは壁を動かす毎に少しずつ、月が満ちるように大きくなっていく。
 今気づいた。俺は横になっている。背中にも壁がある。
 これは何だろうと思ったら、何となく分かった。
 俺は、石棺の中に横たわっていた。
 どしん、と音がして蓋が開いた。
 体が凄く重く感じるけど、とりあえず起き上がる。
 ここはあの墓地。
「…?」
 そして、カボチャの女の子が目の前にいた。
 カボチャはじっと俺を見つめている。
「……生キテタン」
 ご挨拶だこと。
「そうみたい。心配してくれてどーも」
 しかし、ああ息苦しかった。深呼吸、深呼吸と。
「……オウチニ帰リタイ」
 困ったね。手に負えないや。
 んなことを思っていたら、女の子は俺の手を取る。
 そして懐から細長いものを取り出して、渡された。
「……大事ナモンヤケド、貸シタル」
 短刀だった。銘、琥珀蝶寿々松。
 護身用かな? よく分からないけど、かなり高価そう。
「これは?」
「……石ノオ礼ヤ」
 こんなん貸してもろてもなあ。
 女の子は、近くの墓に供えてあった、瓢箪酒を拝借した。
 栓を抜いて、俺の右手にかける。
「って、痛っ」
 そして何を思ったのか、切り口から腕の中に、短刀を押し込む。
 痛みはその一瞬だった。変な感じだけど、やっぱり切れているのかな。
「……”擬復”」
 女の子の言葉で、何かが繋がる感覚がした。
 びり、と電気が走って、体の中に何かが侵入してきた。何かが、自由を奪う。
 俺は喉が渇いてたまらなくなり、徐に渡された瓢箪の残り酒を、一心にがぶ飲みした。
 すると、体が焼けつくように熱くなってきて、けれども暴走は収まった。
「はぁ…はぁ…」
 酔えている。全部幻覚なんだから、恐くない。
 右手、使える。右目、見える。
「ここから、出るか」
 何か無性に体を動かしたい高揚感が、やる気を誘う。
 
 喧嘩とか、迷いが無いと意外と物事は上手くいく気がする。
 俺と女の子はいつの間にか、森の中にいた。
 一応、前進したと思って良いのかな?
「……」
 女の子はここが恐いようで、俺の手を握って隣から離れない。
 アルコールを追加出来たおかげで、寒くても保温。
 悪酔いはせず、まずまず心地良い。
 邪魔な木の根っこは乗り越えて、真っ直ぐに進む。
「?」
 少し来て、空気の匂いが変わった。
(もう書くのが嫌になった)

76 :
投げさせていただきます。
彼女が卒業して数カ月。
僕は相変わらず羽ヶ崎学園の教師を続け、大学生となった彼女は一流大学の医学部に通っ
ている。
お互い忙しいものの、できるだけ週一回は会う時間を作って、肌を重ねる時間を作るよう
にしている。
最初は痛みと緊張でぎこちなかった彼女も、今はいい反応を返すようになってきた。
今日も、彼女は僕の家にやってきて、くつろぎながらたわいもないおしゃべりを楽しんで
いる。
「もう、大学の授業が本当に難しいんです。」
「そうなんですか?」
「暗記することばっかりで、うんざりします。全然覚えきれなくて…。」
「やや、それは大変ですね。」
「もう!貴文さんったら、他人事みたいに!解剖学とか、本当に大変なんですよ?」
「…わかりました、僕に名案があります。」
「何ですか?」
「君と僕の体を使って、解剖学のお勉強をしましょう。さ、服を脱いで。」
「ええっ!」
「ええっ、じゃないです。教科書のイラストを見るより、実物で学習した方が、はるかに
わかりやすいでしょう。」
「でも…。」
「えっへん、僕だってこう見えても先生です。君を助けるには、これが一番と思うからこ
そですよ。わからなくて困ってるんでしょう?」
「う…。…とりあえず汗を流してきます。」
「そうこなくちゃ。僕と一緒に入りましょう、お風呂に。ね?」



77 :
お互い体を洗った後、浴槽に無理やり体を詰め込む。
僕の家のお風呂は、あたりまえだけど狭い。
二人の人間が入るのがやっとで、僕と彼女が入ると図らずも肌が密着してしまう。
でも、こういう場合はその方が都合がいい、彼女が逃げられないから。
僕は浴槽の下側に、彼女は上側でうつ伏せになる。
彼女の背中に腕を回し、背中が冷えないように湯をかけていく。
「さて、小波さん、そろそろお勉強しましょうか。」
「…やっぱり?」
「もちろんです。何のために脱いだと思ってるんですか?」
「貴文さんが,単にエッチしたいからだと…。」
「僕は、可愛い教え子の勉強に協力したいと思ってるだけなのに。ひどいなあ、小波さん
は。」
「…ごめんなさい。」
「冗談です。じゃあ、始めますよ。」
僕と彼女は抱きあったまま、キスを交わす。
「…ふ、ん…、んん…」
唇を密着させて、舌を絡ませる。彼女の口から、かすかな声が漏れた。
「あ、貴文さん…。」
「さて、ここで問題です。舌の運動に関与するのは何神経?」
「えーと、…わかりません。」
「ブ、ブーです。舌の運動をつかさどるのは舌下神経です。脳神経12対は必ず試験に出
るので、覚えておいてください。」
「…はい。」
湯ざめを避けるため、お風呂場での勉強を打ち切り、場所をベッドに移した。

78 :
ベッドに横たわった彼女に改めてキスしながら、僕は彼女の胸をまさぐる。
「ぁ、んん…、ダ…」
その柔らかい感触の虜になり、両手で思う存分愛でた。
「ここは何か知ってますよね、言ってみて?」
「む、胸、です…、あ、あ!」
「それじゃダメです。君は医者の卵なんだから、医学用語的に言わないと。」
「にゅ、…にゅうぼう、です…。」
「良く言えました。乳房は、出産後に母乳を分泌することによって、育児を行う機能があ
ります。また、出産後以外に母乳が出ないのは、オキシトシンとプロラクチンというホル
モンが関与しています。調べておいてくださいね。」

79 :
元ネタは某乙女ゲー。
この後、若王子先生がデイジーの体を使って解剖学を講義しながら、
がっつりエロに持っていくつもりだったのですが…。
自分が本スレに投下したSSのせいで、ひどくスレが荒れてしまい、
このテーマで書くのは当分控えようと思ったので投げ。
若&デイジー、完結させてやれなくてすまん。
成仏しておくれ。


80 :
投げ乙
あのスレはどうでもいいことで荒れやすいから気にしないことだよ

81 :
あまりにも過疎ってたり、荒れてたり、住民とノリの合わないスレでSS書くと、
いっそこっちに投下した方がまともな反応もらえるかなぁ、とか思ってしまうことがある。
完全にスレの趣旨と食い違ってるのはわかってるんだが。

82 :
最近、うpろだへ行けば?的な投下多いし、
妙な流れになりかかったりしたし、
>>81のいう、反応欲しい、とかやっぱりスレ違い。
>>81がそういうんなら、キツイ言い方だけど、
うpろだスレ池!か、
よ〜くテンプレ嫁!
だな

83 :
スレのないSSを投下するスレの後継スレってあったんだ
てっきり落ちてそれっきりだと思ってたんだが

84 :
保守

85 :
保守

86 :
保守

87 :
遅レスだが>>54面白かった、供養おつ!

88 :
多分魔王と男装の騎士とかそこらへん。
襲うだけ襲って続きが思いつかないからお焚き上げる。

「やめろっ! 離せ、俺は男だ!」
「どこが男だ。いい乳だな」
「触るな穢らわしいっ! 離せ、離せっ!」
全力で暴れるのに相手の腕はびくともしない。気色悪い。男の手が俺の身体を這いずり回る。
武骨な手。同じ訓練をしているはずなのに俺の手はどうしてもそこまではたどり着かない。
押し倒された形のせいで身動きがほとんどとれない。
だがこの程度で諦めきれない。男に犯されるなんてまっぴらごめんだ。男の胸を殴りつけ、膝で股間を狙う。
「……五月蝿い」
「うわっ!?」
男の手が俺の手を頭の上で両纏めにする。手が片方塞がれた代わりに、男の顔が俺の胸に近づく。
「やめろ――やめろやめろやめろっ!」
胸を舐める、気色悪い感覚。背筋にぞわりと虫が這い登るような。
ざらざらとする舌は胸の突起を舐める。幼子のような仕草ではあるがただおぞましいだけだ。
俺は叫ぶ。叫ぶ。叫ぶ。
なんでこんな奴に。なんで俺が。なんで。
魔王は叫ぶ俺の顔を見て笑った。嘲笑した。顔さえ近づいてくればその唇を噛み切ってやるのに。
ぺろぺろと突起を舐め続けていた魔王は、ふと何を思ったのかそれに噛み付く。
「ふぎゃぁっ!?」
胸と、それから何故か腰からくる感覚に思わず声をあげる。魔王は声をあげて嘲った。
「いい声だな。天下の騎士サマがこのざまか。宿敵の魔王に犯されているところを部下たちにでも見せてやったらどうだ。
 浅ましい雌の格好で尻を突き出している姿を、な」
「違う違う違う! 俺は男なんだ! 俺は男だ!」
「違うな。貴様は女だ。非力で男に組み伏せられれば腰を振ることしかできない女だ」
その証拠だ。そう言って魔王は俺の下半身に手をやる。
「触るなやめろ嫌だやめてくれっ!」

89 :
股の間をやらしい手つきで魔王が撫でさする。腰がびくびくと意志に反して揺れる。
なんだこれは。嫌だ嫌だ嫌だ、俺は男だ。男なのになんでこんな奴に触られなきゃならないんだ。
用を足すときの少し上の部分を魔王の指が撫でる。
「ひゃあんっ!?」
自分の口から漏れた声に自分で驚いた。
「女の声だ」
「違う! 俺はっ」
「女だ」
「違う違う違うっ! 男だっ!」
「濡れているのに、か?」
魔王の指がゆっくりと割れ目を辿る。ぬちゃり、と音がした、気がした。俺は目を見開く。
「お前は魔王に触られて感じる淫乱な女だ。雌犬だ。わかったか? お前はただの女じゃない。淫乱な雌犬だ」
「違う!」
「じゃあこれはどう説明する」
魔王が俺の目の前に指を出す。透明な粘液が指と指の間で糸を引いている。
生物学的な意味でのそれは知っている。だが、俺は知らない。知りたくない!
「やめろやめろ! 嫌だ! やだ! やだぁっ!」
「女の声になってきたな」
「違う! 女じゃない!」
 たり、と涙が零れた、それを先頭にぼろぼろと零れ始める。
なんだ、これじゃ俺が女みたいじゃないか。俺は女じゃない。女じゃ、ないのに。

90 :
投げ捨て乙!
襲ってるだけなのになぜかハッピーエンドを想像した

91 :
考察を元にした本スレの雑談をネタに書いたらオリジナルみたいになった上に
エロに絡められなかったので投げ。
・彼が先代の王に飼われていた鷹だったらというもしもの話。

92 :
 遮るもののないもない空を、彼は自由に飛ぶ。
 大きな翼を広げ、悠々と風に乗りただ自由に。
 空の王者の異名を取る大きな鷹、それが彼。
 両の足首を飾る金属の輪が少し邪魔だが仕方がない。
 それは彼が王の寵愛を受ける存在の証であり、これがある限り彼が他の鳥のように人間から
捕らわれたり傷つけられりすることがないのだ。
 それに、細かい細工の金の輪やそこに嵌められた黒い石が、光をはじいて光る様は美しく、
彼はそれを気に入ってもいた。
 穏やかな風の流れに身を預けながら、彼はふと下界に目を向ける。
 街の中心に位置する王宮、その中にある噴水の中庭に出てきた人影を彼は見つけた。
 ピィーッ、と彼が高く啼くと、人影は足を止めて空を見上げる。
 竪琴を小脇に抱えた少女が彼に向かって口を動かした。
「アンク」
 遥か下界から呼びかける声も彼の耳はきちんと捉える。
 彼を見つけて嬉しそうに微笑んだその顔も。
 おいで、と手を差し伸べる彼女に向かって彼は急降下する。
 風を切り、二度三度と旋回しながら勢いをし、彼女のそばへと舞い降りるが、差し出された腕に
止まることはしない。
 彼の鋭い爪は専用の装具をつけていない人間の腕を簡単に傷つけてしまうからだ。
 彼は翼の先で彼女の頬を軽くはたくように撫でてから、水辺の大きな石縁へと降り立った。
 ゆっくりと歩いてきた彼女もまた彼と同じように石の上に腰を下ろし、身体を屈めて隣の彼に顔を近づける。
 目を閉じた彼女の頬に、彼は小さな顔をすり、とすり寄せた。
 彼らだけのいつもの挨拶、親愛の印。
「ご機嫌は如何? アンク」
 まぁまぁの意を込めて、彼はまた小さく啼いてみせる。
「そう、良かった」
 彼女はにこやかに笑い、彼の頭を白い指先でやさしく撫でた。
 美しい、傷一つない指だ。
 その身を覆うのは、派手ではないが上等な絹に細やかな金糸の刺繍が施された上品なドレスであり、
わずかに露出した喉許や指を最上級の宝石が控えめに飾る。
 彼女はこの国の王女、彼の主人である王の娘の一人だった。
 王の子供は他にも数多くいるが、他の王女は彼の獰猛さを恐れて近寄ってくることはない。
 彼女だけが父親と同じように彼の美しさに敬意を払い、賞賛の眼差しで彼を見つめる。
 だから彼も、王の他に彼女だけには好意を抱いていた。
 彼女の艶やかな長い黒髪や、白くやわらかなそうな頬、花の蜜のような甘い声、意志の強い聡明な瞳を
美しいと思っていた。
「暑くない?」
 王女が水を手に取り、彼へと差し出す。

93 :
 彼は一口だけそれを飲み、肩を持ち上げるようにして両の羽根をばさりと広げた。
 王女は今度は両手で水を救い、それを彼の頭から身体、羽根へと丁寧に流し掛ける。
 水をはじく彼の羽根の上で、それは宝石のように虹色の光を放ちながらころころと零れ落ちた。
「おまえは本当に美しいわね。もうじきおまえともお別れだと思うと、とても淋しいわ」
 王女が淋しげに微笑む。
「一緒に連れて行きたいけれど……。無理ね、お父様がお許しになる筈がないもの」
 遠い目をして彼女は俯いた。
 彼女は間もなく、他国の王族に嫁ぐことが決まっている。
 その国はとても遠く、また他国の王族に嫁いだ身では里帰りなど簡単に出来る筈もなく、
王宮を後にしたが最後、彼女がこの懐かしい故郷の地を生きて踏むことは恐らく二度とない。
 彼とこうして戯れることも――永久にない。
 彼女はそれを憂いている。
 だが彼は知っていた。
 彼女の浮かない顔の、その本当の理由を。
 彼女は竪琴を手に取り静かに弦を弾いた。
 その指先が奏でる美しく、そして悲しげな音色。
 彼は両脚を羽根の中に仕舞うようにしてゆったりと石の上に座り込み、彼女の奏でる音色に耳を傾けた。
 その音は、高い城壁に囲まれたこの王宮から、賑わう外の街にも届くだろう。
 彼女が届けたいと願う相手の耳にも届くだろう。
 竪琴をかき鳴らしながら、王女の瞳からはらはらと涙が零れ落ちる。
 彼は知っている。
 彼女には、この城の外に想う男がいるのだ。
 王宮への出入りを許された行商人のひとりである若い男。
 彼女が愛し、彼女を誰よりも愛しているその穏やかで誠実な青年はしかし、彼女を妻とするには
金も、地位も、名誉も、何もかもを持ち合わせてはいなかった。
 言葉を交わすどころか、彼女の姿を見ることさえ許されない低い身分。
 けれどほんの一瞬、偶然に目が合ったその瞬間ふたりは恋に落ちた。
 人目を忍んで逢瀬を持ちもした。
 ただの、一度だけ。
 その一夜を人生ただ一度だけの恋と胸に秘め、ふたりは互いの想いを心の奥底に封じ込めたのだ。
 彼女は彼を深く愛するが故に、青年も彼女を深く愛するが故に。
 音もなく零れ落ちる彼女の涙が、弦を爪弾く白い手にぽたぽたと落ちる。
 彼はやもたても堪らず、噛み切らぬ程度の力で彼女の手に噛みついた。
「きゃっ」
 彼女が驚き手を止める。
 彼は睨みつけるように彼女を見上げた。
 そして甲高く声を上げる。
「……アンク……。慰めてくれてるの……?」

94 :
 彼女は竪琴を置き、両手で包み込むように彼の身体に触れた。
 額を、彼の頭にそっと押し当てる。
「……ありがとう。大好きよ、アンク」
 その時、彼の中を強い感情が駆け巡った。
 もしも俺に、人の身体があれば、と。
 そうしたら、今すぐおまえをこの場所から連れ出してやるのに。
 王族も許婚もそんなものはどうでもいい。
 身分も何も知らない。
 もしも俺に人の身体があれば、決しておまえを諦めたりはしないのに。
 おまえをさらい、この守られた王宮を飛び出し、ふたりきりの場所へと何処までも行こう。
 おまえがそれを望むなら。
 そう、もしも。
 ――もしも俺に、人の身体があれば。
 目が覚めた時、そんな言葉が頭に残っていた。
 呪文のようなその言葉。
 なんだ? とアンクは訳も判らず頭を振る。
 夢を見ていたような気がするが何も思い出せない。
「あ、起きた?」
 パジャマ姿の比奈がアンクの顔を覗き込む。
「帰らなくて大丈夫? 映司くんが心配するんじゃない?」
 別れを惜しみ、少し淋しそうに笑う比奈の顔に誰かの面影が重なる。
 顔も声も思い出せない誰か、胸灼き尽くされる程に焦がれた、愛しい誰か。
 ――もしも俺に。
 焦燥感に似た激しい渇望が彼を追い立てる。
 込み上げる衝動にアンクは両腕を伸ばし、何も考えられないまま比奈を強く抱き寄せた。
「きゃっ!」
 比奈が小さく声を上げる。
 花の蜜のようなその甘い声。
 それをアンクは確かに知っていた。
「ど、どうしたの? 寝ぼけてる?」
「……ひ、な」
 息を乱し、アンクは搾り出すように比奈を呼ぶ。
「……もしも」
「……アンク?」
「もしも俺に」
 人の身体があれば。
 グリードでなく、人の身体があれば。
 けれど彼はその先を言葉にすることが出来なかった。
 人の身体を得て、その先に何を望んだのかが思い出せない。
 そして、それはどうしようもなく叶わぬ願いであることを、かつての自分が知っていた。 

95 :
以上、なむなむ。

96 :
>>92
乙&ナイス投げ!!!!!
久々にこのスレ覗いたけど、いいもの読ませてもらった!
本編の鷹(腕)の状態があれだけに、目からメダルが大量に落ちてきたよ
感謝の意をこめて合掌 (-人-)ナムナム

97 :
>>98
ナイス投げ!!
と、言うかGJじゃないか!
良いものを読ませてもらった。ありがとう!

98 :
mhp3の二次小説 主人公が頭を怪我して第6感が冴え、霊媒体質にもなり
それにまつわるエロ話を書きたかったんだけども
書く意欲がこの暑さでやられ中途半端投げ

静かな渓流の夜
普段であれば、さらさらと流れる清流の音
月の光が反射する川面が何とも言えず美しく幻想的な雰囲気の場所であるが
今夜ばかりはいつもの雰囲気とは一変していた。
「グアァァァ〜〜」
リオレウス希少種が、凄まじい地響きをたてて倒れた。
そのモンスターと対峙してた人物が、苦しげな息をしながら地面に片膝をついて座っている。
ジンオウガS一式を纏った肌は赤銅色。俊敏で鞭のようにしなやかな体つき。
その目の前のリオレウス稀少種の体色と同じ銀色の髪。冷たく冴え冴えとした薄氷色の瞳。
キツイ印象を与える美貌。
全体的には南方系と北方系の特色をブレンドしたような風貌。
凛とした佇まいが似合う彼女が、今は傷つきボロボロで、いかに今回の狩猟が激戦であったか
その様子が物語っている。
最近、シルバーソル一式を作る為、リオレウス稀少種を狩り続けていたが
今日のリオレウス稀少種は大きな古傷がある今までで一番大きなリオレウスであった。
しかも、彼女を見かけるなり、狂ったように攻撃してきた。
何かの仇であるように、しぶとく攻撃を繰り返す。
狂ったような瞳の光、凄まじい怒りの咆哮。今まで対峙してきたリオレウス稀少種とは圧倒的に何かが違った。
しかし、彼女がかろうじて勝利した。
「ふふっこれが揃えば、シルバーソル一式が完成だけど…痛ッ!」
彼女も今回の凄まじい戦闘で傷だらけ、利き手の腱を痛めたのか腕が上がらない
自分のオトモも傷が酷く、土の中で回復を図っている状況だ。
今回は本当にんでもおかしくないほどやられた
「さて、ネコタクが来る前に剥ぎ取りしないと。」
彼女はその欲しかった素材を剥ぎ取ろうとし、近寄ったその瞬間
「ガハッ!」
その時、んだとばかり思っていたリオレウス稀少種の尻尾が信じられない勢いで、彼女の身体を跳ね飛ばした。
その後力尽きたのか、再びリオレウス稀少種は倒れた
彼女は跳ね飛ばされ滝壷へ落ちる寸前
飛び出している岩に手を掛け、自分の身体を支えようとしたが戦闘で腕の腱を痛めてしまい
又リオレウス稀少種に尻尾でぶっ飛ばされた時に肋骨まで何本か折られたらしく
自分の身体を支えきれず、滝壷へ落ちていった。
「このままぬのかな。」とぼんやりと考えながら意識は暗転していった。

99 :
以上ですナムナム

100 :
(-人-)アーメンナムナム

101 :
大人の恋愛っぽいのを書いてみたが
投下ジャンルがわからないので焚く

久しぶりの休暇に、彼女を連れて旅行に出掛けた。
どうせなら少し奢ってもよかろうと、老舗の貴賓室を予約した。
宿に着き、エレベーターを降りたら、一般人がエントランスをうろうろしている。
フロントに電話して、フロアが丸々客室が売りの貴賓室を予約した筈だ。これじゃ静かな環境が
台なしではないか、なんとかしてくれたまえと紳士的な態度で難癖をつけ、二泊三日の逗留期間中、
最上階に設けられた展望露天風呂を貸し切らせた。
青白い夜空の下、黒御影石で出来た湯舟に設えてあるデッキに腰を下ろした。
豊かな湯に身を浸す。
やや温めの湯の滝が湯舟を滑りおちるのを見て、俺は満足感を噛み締めた。
勿論貴賓室にも露天風呂はあるが、如何せん規模が違う。
目の前には月の光を浴びて輝く霊峰。
時間も人目も気にする事のない、大胆にして贅沢な一時。
脚を伸ばし悠々寛いでいると、遅れて入って来た彼女が露骨なまでに不機嫌な表情を見せた。
股間から隆々とそそり立つ逸物が目に入ったらしい。
艶やかな黒髪を軽く結わえ、細いうなじまであらわにしたみずみずしい裸体を手ぬぐいで隠して、思いきり柳眉をひそめる。
素知らぬふりでうそぶいた。
「裸のお前がいるのに臨戦状態じゃない俺が見たいの?」
「知らない、半径一メートル以内に近づかないでちょうだいよ」
ほっそりした肩を聳やかして、白くなだらかな背を見せ付けるように踵を返すと、下段のやや深い浴槽に足を向けた。
不機嫌の理由は、本来公共の場であるこの場所を、私情豊かに捩込んで貸し切らせた俺の我が儘だ。
入らなきゃ入らないで構わないのだが、それもせっかく融通を効かせてくれた宿に対して失礼にあたる、と考えたのだろう。
立ち上がり、様子を窺う。
彼女は、上段に背を向け、湯舟の縁に肘を乗せて白銀に輝く霊峰を眺めていた。
気品に満ちた美しい顔立ち。躾に裏打ちされた優美な仕草と、滲み出す色香。
青白い月明かりの元でさえ、柔らかな色合いを失わない白い肌。
およそ世の女が欲し、求める全ての要素を兼ね備えた、そして男なら誰もが触れたいと渇望するであろう、優美な曲線で出来た
まろやかな女体が、臨戦状態の男を無視してたゆたう様は無粋の極みとも言えたが、それも致し方ない。
男女の機微に疎い……は、少し語弊があるな。
彼女は今時の女に珍しく古風な、分別臭いところがあって、しかもそれを是としている節がある。
いくら好いた男が相手といえど、ところ構わず色欲に溺れるなど彼女にとって不埒破廉恥極まりない行為なのだ。
以前、俺といるのは楽しいが、身体のやり取りは大いに迷惑だ、と愚痴をこぼしていた。

102 :
勿論、言葉通りの意味ではない。
俺に処女を頂戴され、開発され、男の良さを知ってしまった身体に素直になれないでいるだけだ。
尤も俺は俺で、雌の本能を恥じる、依固地で不器用な彼女が気に入っているし、
彼女の衣服より理性をひんむく方が愉しい性分だから、これはこれで構わない。
忍び寄り、彼女を背後から抱きしめる。
豊満な乳房をわしづかみにしてやわやわ揉みしだくと、彼女が慌てたように俺の腕にしなやかな腕をまわしてきた。
「ちょっと、ここは公共の場よ」
「今は二人きりだ」
乳首をつまぐりながら、軽くあしらう。
首筋を丹念に舐めると、白い肢体がふるっと震えた。
「そんな屁理屈っ」
もう声が上擦っている。
「霊峰の前で不謹慎だわっ」
「ならお前が背を向ければいいさ」
向かい合い、すらりとした彼女の脚を開かせた。
彼女の頬が上気しているのは温泉のせいだけではあるまい。
引き締まった腹を撫で、腰を揉み、秘部に指を滑らせた。
一体どの口が不謹慎などと。すっかり濡れてひくついている。
わざと指を出し入れしてからかった。
「濡れてるよ」
「それは、お湯が……」
またバレバレな嘘を。
耳元に囁いた。
「駅弁は初めてだよね」
顔色を変え、息を飲む彼女。
返事を待たずに腰を抱え込み、一気に貫いた。
「いやっ」
そのまま縁から離れようとすると、彼女が上半身をよじり、湯舟の縁に手をかけた。
「掴む場所違ってるよ」
弱々しく頭を振る彼女を縁から引きはがし、背に腕をまわさせた。
「こんなのダメよ、掃除する人が」
しっかり縋り付いて、みっしり締め付けてそんな正論振りかざしても説得力ないよ。
ちょっと突かれただけで息も絶え絶えじゃないか。
「こんな所でっ……しないでっ」
「嫌でもイかせるよ」
彼女の一番弱い所を擦って、寸前まで煽り、焦らした。
その度に目尻に涙を浮かべ、のけ反り、四肢を震わせ、喘ぎ声を噛みす。
「やだ…こんな……」
いたぶられ、果てるのも時間の問題の彼女に問い掛ける。
「どうしてほしい?」
それでも唇を噛み締め、頑なに拒む。
そうでなくちゃ。
簡単に堕ちる女に用はない。
彼女の背に腰に手を回し、密着させると、強く腰を打ち付ける。
激しい水しぶきの中、蕩けた哭き声が桜色の唇から漏れた。
力が抜け、くたりとした彼女を抱き抱え、全裸のまま部屋に戻る。
「何勝手に終わってるのさ、夜はこれからだぜ」
「知らない、勝手に遊んでなさいよ」
拗ねた声で悪態をついて、羞恥に染まる頬を背けた。



103 :
アーメン……
なんまんだぶなんまんだぶ

104 :
大変良うございました。
なむなむ

105 :
 前に書いたSSのカットした方です。のんのん。
 パタンとバスルームの戸の閉まる音と共に戸惑いと気後れが生じていた。
 妹…美咲の気持ちは分かってしまった。その気持ちに圧され、自分の中
の熱に引っ張られるように、家から離れたモーテルに入ってしまった。
「どうしていけばいいんだろう」
 僕はタオル1枚を腰に巻き、ベットに腰掛けている。その正面、バスルーム
の中が見えるようになっていて、そこに美咲の一糸まとわぬ肢体が現れた。
ただ、美咲は僕がシャワーを浴びたことで、そういう構造になっていること
に気づいているのだろう、こちら側には背を向け続けた。
 美咲はグラビアで見る女性などよりも、どこか心もとない細さがありながら、
優しい曲線をはらんで”女”の風情もかもし出していた。 
 お尻の曲線、肉付きは女性のそれに近づいていた。弾力と張りの美しさについ
見入る。背中のすべらかな線をたどると、髪を一つにまとめたうなじの後れ毛
に到達し、ここから不思議な色香をたきつけていた。
 白く陶磁器に似た素肌に、シャワーが降りかかる。ただでさえ艶やかな
肌に水分は流れ落ち、あるいは弾けて飛んだ。シャワーを持たない左手は、腕を
撫でさすった後、体の前面、右の横腹をたどる。
 シャワーの手が動く。お尻のあたりを流すと、恥じらいがちに下腹部にお湯が
当てられる。同時に片方の手が同じところで揺れる。
 音はしないのに、水音がきこえるような気がした。 
 ほっそりと長く見える脚をさする。膝、すねをさするときにわずかに屈み、
お尻を突き出し、横顔がちらりとみえる姿勢に、僕の股間の熱さはこれまでに
ないものになった。
 
 美咲は、へへへと照れ笑いして、大きなバスタオルを巻き、僕の元に戻って
きた。
「おにいちゃん、見たでしょ。シャワー浴びてるとこ」

106 :
供養乙!

107 :
ナイス投げ

108 :
某スレで荒らしにムカついてた時書いた萌えもクソもない不快なだけの誰得でついでにエロいかどうかも微妙と思われる生理的にダメな自分の手に負えないSSができたのでここに投下させてください。
悪心や醜い煩悩を投げてすっきりしたいです。
注意
まったくの誰得オナニー文です。
板にインスパイア元がありますが、彼?やスレとはまったくの無関係でありフィクションです。
●ヤンデレサイコ男女厨のキモ荒らし君が語ってるだけのSSです。
●内容がグロくて不謹慎でばちあたり。
どこかのスレッド・職業、性別をけなすような表現が出てきますが、主人公の過剰な性格表現に使ったものであり、作者は一切そうは思っていません。むしろ逆です。

109 :

君を好きだと僕がはっきり自覚したのは、あのスレが今とは別の名でこの板に存在していた頃だ。
少なくとも去年の冬。いや、それよりもう少し前?
たぶん、2009年の9月あたりからだったと思う。
僕はミカンを食べながらなんの気なしにそのスレを開いたのだけど、なんというか、辟易した。
女に都合のいいだけの、気味の悪い駄文に溢れているスレだったからさ。
リアリティも糞もない、本当にしょうもないスレさ。
けど驚いたね。神様も鼻つまんで無視しそうなそんな場末でね。
奇蹟が起こったんだよ。
あり得ない、くだらない文のオンパレードをオエッと思いながら斜め読みしているとね、とある書き込みに君にそっくりな匂いを見つけた。
SS、それもたった2レスだけだったけど。
文のあらゆる箇所に、君の口癖が見て取れたんだ。
君がすぐ隣で息してるみたいで胸が躍ったよ。
もしかして君なんじゃないか?なんて思った。
試しに学校で友達に呼ばれている君のニックネームを欄に入れて、トリップテストしてみたんだ。
不用心だね。でもそんなところが可愛いなって思ったよ。
僕はかくして、君との接点を増やし、恋心をより強める事になった。
最高の気分だったよ。
だってさ、僕はいわゆる『何でも屋』を雇っていたんだけど。
なぜって?
へへ。前から君の事が気になってたからね。
君の外出先からお小遣いの残額、下着の枚数や傷み具合におりものの量だって簡単に判ってしまうんだよ。
ウチは母子家庭で裕福じゃなかったけどね。君が僕に相応しい伴侶だって確証を得る為に必要な事だったからさ。
そう、ピュアな君が好き。
弟がんだ時なんて最高だったなあ。
親族の僕がいる正面の列から、2列分後ろにいたよね。僕から見てちょうど右斜め後ろくらい?
知ってた? 般若心経の合間に聞こえる君の啜り泣きで、僕のズボンの前ははち切れそうになってたんだよ。
赤くなった鼻をハンカチで隠して、僕にペコッて頭さげてくれたよね?
すごく嬉しかった。
「苦労が報われた」ってこんな事を言うんだなって思いながら、ハンカチの柄まで思いだして何度もシゴいたんだ。
鼻の奥が線香臭かったから、君のいいにおいを思い出せなかったのは残念。
……タイミングを計るのは結構手間だったけど、目の前でうまく潰れてくれたでしょ!
あのメーカーのトラックは、タイヤとシャーシの間が狭いんだ。だから肉片が見えるか心配だったけど、ザクロみたく内側から綺麗にはじけてくれたよね。
大丈夫。君と僕の仲を深めてくれた弟へは毎日お礼を言ってるよ。
けど、まだ努力不足だと思った。もし僕が喪主だったら、『ご愁傷様です』まで言って貰えた筈だからね。
何故先に弟にしちゃったんだろうって。もう過ぎた事だからいいけどさ。
でも、それが心残りで、弟の葬式以来我慢できなくなっちゃってね。
弟に借金があったって事にして、金を借り入れてもっと『奴ら』を増やした。
お母さんには通院を我慢してもらったよ。そのうち入院させられた。費用賄うのに妹が頑張ってたみたいだけどね。
ソープってやつ? あれに沈んだみたい。
妹に関してはよくわからない。ガキくさくて低脳で雌臭い匂いをさせて男を捕まえようとしてたバカ女なんてどうでもいい。
君の書き込みのない夜にイライラしてたから、夜中にちょっと襲ってやったら泣きながら出てったよ。
スッキリした。二重の意味でスッキリなんてね。あははははw
膜なんてとっくになくなってる癖に泣くとか馬鹿だよなあ。
……本当にごめんな。こんなにみっともないクソ女のいる家庭に産まれたのが、僕には悔しくて仕方がない。
女はいいよな。ああやって体売るだけで大金稼げるんだから人生ラクショーだろw
もちろん君はそんな事しないよね?
まあ長くなったけど、僕一人になってからは大してお金がかからなかったし、食事はデリバリーにしてPCに張り付きながら四六時中あのスレを見張ってた。君の事だけを考えてた。
お母さんの葬式を済ませて以来、何でも屋の力を借りなくなってたしね。
自立ってこういう事言うんだね!今まで23時間テレビとか変な韓国ドラマとか、『愛』って名のつくものすべてを僕は嫌ってたんだけど、愛は何にも勝るんだなって今は確信してる。
君への愛で僕は大人になれたのさ。

110 :

そう、君はお母さんの葬式に来なかった。
すごく悲しかったよ。一晩中君の事を想いながら泣いた。
ひどいよ。葬式って結構金使うんだぜ。そんなそっけないところも嫌いじゃないけどさ。
でもま、来られない理由はわかってた。
学校を辞めた僕と接点が切れた。そう勘違いしたんだよね?
つまり君にしたら「来る意味がなかった」。
そんなこと気にせず気軽に訪ねて来てくれればよかったのに。
おまけに君、僕が泣いてる間に投下してたね?
ごめんちょっと嫉妬した。
どこの誰かも解らないような、君の頭の中に住んでる架空の男が君に卑猥な事を考えさせてるなんて最悪だろうが。
泣いてる僕を慰める為の手がだよ、タイピングに、あの下劣な女オナニーに使われてる……
君がスレに書かれてるみたいな汚らわしい事を妄想して濡らしてるなんて、考えたくもないしそれを救いたくもあったけど、しっかりその想像でズボンの中身が窮屈になってるのも事実だったから、許してあげるよ。お互い様だ。
けど、女があんな妄想に身を焦がすなんて本来あってはいけない事だからね。
僕は君が取ってしまう醜い行動から君を救おうとした。
……だけど僕には生憎文才がなかった。
だから、自演しながら荒らす事にした。
気がつかなかったでしょ?
僕はすぐ傍にいたんだよ。

>女の
>粗マン雌のキツいマン臭にあふれてるな
>>本当だな
>要は池沼女スレだろココ?
>>正解!
>こんなスレはエロパロから消されるべき
>>まさにその通り!!
>つまんねー
>>書くなよ
>うぜえ
>腐女くせえ
>ババアくせー!女はエロパロから消えるべき
>スレから出てくるな
>早くつぶれろ
>ここはもうエロパロの汚物スレと化したな


111 :

ショックだったよね?
僕の弟が目の前で潰れて、親にエロSS書いてるのバレて、学校でも孤立して。
君が学校を辞めたって聞いて小躍りしたよ。君があの板で制作活動にもっとのめり込むのが判っていたからさ。
在学中に僕が流したんだよ。君が僕の弟をホモSSのネタに使ってて、それをバラされそうになったから突き飛ばしてしたって噂を。
みんなバカだなあ。簡単に騙されてたよ。あんなクソどもと縁が切れて良かったって感謝してね。
少しやりすぎちゃったけど。
お母さんの葬式が駄目だったから、君の友達だった子の葬式ならいいかな〜なんて思ったのは間違いだったかもしれない。
一人きりでやるのはオナニーだけにしとけってねw結局アシついてバレちゃって、こんな辛気臭い場所に君を招く事になったなんて……
男として恥ずかしい。本当に恥ずかしいよ。
だけど良かった事もある。君の一番強い感情、そう、憎しみが。憎悪をたっぷり詰め込んだ君の瞳が今にもはじけそうだ。
頭に被せられた布があったって、光の一筋も見えなくたって、僕にはわかるんだよ。
火の視線で、吊るされた僕は焙られている。
もうね、最高。
多分僕は、これから足元の床が開いて、首から下を情けなくぶら下げた時に、今までで一番の、最高の絶頂をかみしめられる。
もしかしたら垂れ流した物も君に見られちゃうかも。恥ずかしいけど、爽快感あると思う。なにせ君へひた隠してきたものは、これで全部なくなるんだからね。
汚物なんて、介護でもしてないと見られないでしょ。
君との甘い新婚生活はできなくなっちゃったけど、過程すっ飛ばして介護夫婦プレイって事にしとくよ。
いい? 最後までしっかり目に焼き付つけてね。
僕は君に出会えて幸せだったよ。ありがとう。
一生忘れないでね。
それではさようなら
また来世(そのような詩的なものが存在するのならば)で会いましょう。

基地外荒らし  ××歳
平成23年 8月9日 午前1時13分
刑執行



112 :
なんかドン引きさせちゃったらごめんね。書き忘れたけどここまでですナム…

113 :
スガシカオの甘い果実を思い出した……
綺麗な恋愛物より、思い詰めた狂気に満ちたSSって好きな作風だから眼福でした

114 :
>>108
男ヤンデレスレ住人にとってはご馳走です。投げ捨て乙!

115 :
同ジャンルでネタ被りとかもうね

大の男が難しい顔をして、リボンのついた箱を見つめている、という光景はなかなか珍しいものがある。いや、睨んでいると言った方が適切かもしれない。とにかくシュール、だ。
「伊達さんもケーキ、ですか」
「も?」
「さっき火野さんのところに渡して来たんです」
「会長も好きだねぇ」
何故か感心したようにこくこくうなずく。
「後藤ちゃんがさ、『残さないで下さいね』って。しっかり念を押されたよ」
そう言うと彼はリボンをほどき、箱を開ける。純白の生クリームを想像していたが、中にいつもとは違う、茶色っぽいケーキが入っていた。
「チョコレートかよ…」
よりによって、と呻くように言って、彼は苦笑した。
「いや、でもこれ」
机に近づいて、上に乗っているクリームを指でとり、舐める。やっぱり。
「コーヒー味、ですね」
「コーヒー?」
口の中にあの特有の苦味と香りが広がる。彼の好みに合わせて甘味を抑えてあるあたり、気が利くというか何と言うか。会長のケーキ作りにかける熱情に呆れすら覚えそうだ。


116 :
エロまでいけなくてごめんね南無南無

117 :
投げSS
まどか☆マギカを元ネタにしたパロSS、エロ無し
ネタが危険な上、萌え成分一切無し

118 :
魔法中年まどか♂ヒロシ 〜 PARVULUS SENIOR MAGI MADOKA HIROSHI
まどかは関西では知る人ぞ知る有名人。だけど普段はただのパチ好きのオッサン。
そんなオッサンなまどかに忍び寄るJ●SR●Cのエージェント。
「僕と契約してCDを出してよ。印税なら好きなだけ回収してあげるから」
まどかはエージェントのうさんくさい物言いに訝しむも、まどかの友達であるK島A五はJ●SR●Cと契約してしまう。
約束通りCDは発売された。K島のCDは飛ぶように売れた。
だがK島の銀行口座に印税が振り込まれる気配は全くない。
調べたところ、なんとJ●SR●Cは回収した印税を著作権者に支払わずにプールしていたのだった。
しかもプールした莫大な資金を、古G政O音楽博物館の建造費に宛てていたということ。
「どういうことや?! これ着服やないか! 俺の印税どこ行った?!」
いきり立つK島に、J●SR●Cのエージェントは傲然と切り返す。
「こと金に限り虚偽は一切言わぬ。出す……!出すが……今回、まだその時と場所の指定まではしていない。
そのことをどうか君も思い出していただきたい。つまり…
僕がその気になれば金の受け渡しは10年20年後ということも可能だろう……ということ…!」
K島は絶望のあまり酒浸りの日々を送り、
「♪◎んで ◎んで ◎まれて ◎んで ◎んで ◎み続けて眠るまで〜」
ついには肝臓を壊して亡くなってしまう。
K島の葬儀から帰宅し、まどかはJ●SR●Cを非難する。
そんなまどかを前に、J●SR●Cは事務的な態度で冷たく言い放つ。
「そもそも僕は印税を回収するとは言ったけど、君たちに払うとは一言も言ってなかったよね。
それに著作権管理業って、別にウチが独占してる訳じゃないんだよ。僕と契約するのがイヤなら、よそに頼めばいい。
もっとも、彼らが僕ほどキチンと印税を回収できるかは疑問だけどね」
競合他社を事実上排除しておきながらこの物言い!
公正取引委員会に密告しようと思い立つまどかだったが、当に絶妙のタイミングで訪れる督促状!
「シノハラ(まどかの本名)さん、住宅ローンの支払いが滞っているんですけど……」
溜まったローンを支払うため、まどかはついに契約を決意する!
――――――――――――――――――――――――――――
このSSはフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ない、と思われます。

119 :
……なんでこんなモン思いついてしまったんだろう。
そして投下してしまったんだろう……
さて、エロパロ書きに戻ろうっと

120 :
投げ乙!
まどか☆マギカは名前しか知らないけど、クソワロタwww

121 :
投げ乙
そして発想にわろた

122 :
昔に書いた少しアレなSSが出てきたので、場所お借りします。
原作は乙女ゲーのときメモGS3。11スレ予定です。

彼を好きになって、一つ分かったこと。
彼の視線は…気がつくといつもバンビを追ってる。
「ね、美奈子。飴ちゃんいる?」
屋上に続く階段。決まってお昼休みになるとルカは現れる。
猫目をきらきらと輝かせて、私の隣にいるバンビに話しかけてくる。
「ルカ。まーた、お弁当忘れたの?これで何回目?」
バンビは呆れながらも、どこか楽しそうに返事をする。
「さぁ?数えてないから…何回目だっけ?」
「もう!」
「ハハッ!ヒーローはそんな細かいことは気にしないッ」
「もう。レッドはよくてもピンクは気にするの。お昼ご飯は食べて」
時にはピンク、時には共犯者。バンビの台詞はコロコロ変わる。
ルカもポーズを決めながら嬉しそうに笑って、そのまま三人で屋上に向かう。
銀色のアルミ製の扉を開けると、空の青が目の前に広がった。
雲が高く晴れ渡る空。
退屈な授業からの開放感をめいいっぱい感じて呼吸した。
9月なのに夏の名残のセミの声がする。夏服の袖に通る風が心地いい。

123 :

「エビフライある?」
「あー今日はないかも…コロッケで我慢して?」
ルカが"好物のエビフライ"をねだるのは口実で、本当の目的はバンビとのお昼休み。
そんなルカの気持ちをバンビは気づいてない。
―――だから、私も気づかないふりで。
「…エビフライ、あるよ」
「ホント?みよちゃん、サンキュー」
ニッコリ。ぱくん。人懐こい顔がこちらを向いて満足そうに微笑む。
そう、これが見たかったの。私もつられて笑顔になる。
この笑顔が見たいが為に、毎朝エビフライをお弁当に入れているんだけど
―――やっぱり、ルカも気づかない。
「その…"ちゃん"付けは…やめて?」
「じゃあ、みよ。みよもイイ奥さんになるな。お父さんは嬉しい」
「…何、その親父キャラ」
「お母さんも嬉しいー。みよがこんなにいい子に育って」
「もー。バンビまで…やめてよー」
息の合った漫才みたいな会話に相槌を打って一緒に笑う。
好きとか嫌いとか、そんな台詞はエビフライ抜きのお弁当と一緒に飲み込んじゃおう。
おかず一品分空いたお弁当箱のスペースに、ルカの笑顔を詰めて帰る。
彼が好きなのはバンビだから、これが今の私の精一杯。

124 :

「ねぇ、これから…お弁当は教室で食べない?」
ある日唐突にバンビはそう言って、その日から彼と視線が合わなくなった。
星が厚い雲に隠れる、しとしとと霧雨の降る暗い日。
嫌な予感がした。
ルカが廊下の端から歩いて来るのを見て、バンビはさりげなく視線を彼から外した。
彼は、すれ違いざま何かバンビに言いかけて止め、目を伏せて通り過ぎた。
二人の間に漂う違和感。
何、この状態…。
ルカは他の生徒に声をかけて、普段通りに繕っていたけれど、私には分かった。
すれ違う瞬間に見えた、いつもの輝きが失われたルカの目。
苦しそうに口の端が歪んだのを私は見過ごさなかった。
明るい彼の、今まで見たこともない悲痛な顔を見て呆然とした。
「カレンはさ、購買行ってから来るってー」
「…」
「そうそう、ミヨ、昨日のドラマ見たー?すごくない?」
私はこの状況を飲み込めずに黙り込んだ。
どうしてバンビは平気なの。
ルカの悲痛な顔に反して、バンビはいつもと変わらず明るい顔をしていた。
声色一つ変えず、目を輝かせながらテレビドラマの話を続ける。
カールした付けまつげの目に、昨日泣いたとか、目が赤く腫れた形跡はない。
何故かそれが無性に許せなくて、辛くて、悲しくて。
私はバンビから目を逸らして立ち止まった。
「バンビ…」
「ん?」
「ごめん。先、行ってて…忘れ物」
それだけ言うと、そのままくるりと後ろを向いて、衝動的にルカを追いかけた。
どうしてなんだろう。何時も、こういう嫌な直感は当たる。
―――きっと、ルカはバンビに失恋したんだ。彼の輝く星は厚い雲に隠れてしまった。

125 :

錆びたドアを開けると、彼は屋外の非常階段の隅に座っていた。
顔を手で覆い頭を伏せて、小さくうずくまっている。
泣いてるの…?
霧雨が直に肩や髪にかかる、薄暗い階段。
こんな寂しい所で、誰にも見つからないように泣かなくてもいいのに。
ここは旧校舎の外側に設置された、普段は使われない非常階段で、
落下防止のつい立てがある2階と3階部分は、外からも角になっていて見えない。
「…大丈夫…?」
ルカの顔を覗き込んで声をかけると、彼はのろのろと顔を上げた。
「あ、みよちゃん、だ…」
胸が締め付けられた。
私に気づくと、声を絞り出して、いつもと同じように笑おうとしたから。
「…お昼…食べないの…?」
「うん。今朝ホットケーキ食べ過ぎちゃって…ハハ」
見え透いた嘘。目が赤いじゃない。
「エビフライ…あるよ」
「うん。もういいんだ…」
涙をこらえて、かすれるような声で彼は呟いた。
その声に、ミヨは自分も泣きそうになった。
「…落ち込んだとこ見られるなんて、俺、カッコ悪ぃ…」
「そんなことない…」
ルカは涙目を見せまいと手で目元を隠そうとした。
その反応にたまらなくなって、ミヨは涙ぐんだ。
こんなときバンビだったら何て言うんだろう。
私はバンビみたいに明るく振舞えない。
何を言っていいのかも分からず言葉が詰まる。
それでも、私は…。
ミヨは自分の腕でふわりとルカの顔を包みこんだ。
自分の胸元に顔を引き寄せ、優しく頭を撫でて、耳元でゆっくりと言った。
「私、秘密にするから。こうしていれば見えないよ…」
「…俺、泣かないって……そんなにダメな奴に見える?」
「そうじゃなくて。どんなに強いヒーローだって悲しいときがあるから…」
ひとつひとつ、腕の中の彼に伝わるように話した。
ルカがすすり泣き、小さく嗚咽をする度に、ミヨは子供をあやすみたいに髪を撫でた。
大きな男の頭を抱きしめる少女の姿は滑稽だったけれど、
二人だけの秘密で、他の誰にも気づかれなかった。

126 :

階段の上に座り込んで何分…いや何時間経ったんだろうか。
全身しっとりと水気を帯びて、二人の服はすっかり濡れてしまった。
涙が収まるとルカは腫れた瞳で、自分を抱きしめている少女を見つめた。
ミヨの瞳は潤んで熱を帯びている。
泣いて、柔らかくピンク色に上気した彼女のほっぺたを見て、
キスをしたらふわふわと気持ちよさそうだと思った。
のろのろと視線を落とすと、ミヨの頬に張り付いた髪の毛から
雨のしずくが垂れて細い喉を濡らしているのが見えた。
貼りついた夏服のブラウスには肌がうっすらと透けている。
細い大腿には、撥水加工した制服のミニスカートから水滴が垂れて、
ぽたりと濡らして、筋になって下に落ちる。
ルカは泣き疲れて思考の出来ない頭で、その様子を見ていた。
「…大丈夫?落ち着いた…?」
鈴の鳴るような可憐な声でミヨが囁く。
「…」
ルカは返事もせずに、彼女の動く唇をぼんやり眺めた。
「…後でちゃんとご飯食べて」
「うん…」
座った体勢で、引っ張られたミニスカートからミヨの大腿が露出している。
その無防備な姿に生唾を飲み込んだ。
雨上がりの湿った匂いが二人の間に立ち上って鼻先をくすぐる。
この異様な雰囲気にヤラれているだけなのかもしれない。
泣き疲れていて、まともな判断が出来ていないだけかもしれない。
それでも、ミヨを抱きしめたくなった。
口づけて、甘えて、成就しなかった恋の分の愛情をぶつけても
彼女なら許してくれるような気がした。
「何か食べないと。泣くだけじゃ回復しないから…」
「うん…」
「食べたいものとか、ある?…」

127 :

「…みよちゃん…」
ルカは小さくそう呟くと吸い込まれるようにミヨの唇を塞いだ。
「…ん」
ぷにゅ。
ミヨの弾力のある唇からピンクのリップの匂いがした。
その優しい感触が、心の傷を埋めてくれるような気がして、
ルカは軽く唇に吸い付くように何度もキスをした。
好きな人の突然の接触にミヨは混乱した。
「え……?」
「ゴメン。みよちゃん…もっとキスさせて…」
「…えっ?」
ぞくっとするようなルカの熱っぽい声に、ミヨは驚いて後ずさった。
小さな子供みたいに泣いていた時とは別人だった。
ミヨは返事をする間もなく、体を優しく抱きしめられた。
そのまま敏感な耳元にキスをされて声が漏れる。
「あっ…」
唇、ほっぺた、耳…。ルカはゆっくりと唇を落としていった。
細い首筋をルカの舌が舐めたとき、ミヨは動揺して少しだけ肩を震わせたが、
抵抗はしなかった。抵抗するより先に柔らかい唇が落ちてきて、言葉を塞いだ。
それは、恋人と錯覚させるような、暖かくて優しいキスだった。
雨で冷えた体の中にろうそくの光が灯るみたいに、顔とのどが熱くなって、
ミヨは、はふっ…と吐息を漏らした。

128 :

「こっち。来て…みよちゃん」
ルカは、彼女の腰を抱き抱えて、旧校舎内のとある準備室に誘導した。
「…ここどこ?…ゃっ」
「使ってない部屋。ここは午前中しか人が来ないから大丈夫…」
ルカはソファーの上にミヨを寝かせると、ゆっくり圧し掛かった。
どうして自分の上に好きな人が四つんばいになるのか分からず、
ミヨは、ただただ驚いてルカを見つめた。
「…ここでキスする…の?」
「うん。…したい…もっと色々…」
ルカは低い掠れ声でそう囁くと、彼女の頬を両手で押さえて熱い舌を深く差し込んだ。
むにゅっと湿った圧迫感がミヨの口の中に広がる。
「え!?んっ!あふっ…!」
ミヨは初めての感触に、抵抗できずにキスを受け止めるだけで精一杯だった。
口内を蹂躙されると肩を震わせ、小さな呻き声を何度もあげた。
「みよちゃん…」
ルカは口づけしたままミヨの夏服のリボンを外し、
夏服のベストを脱がすと、濡れた服の下にそっと手を滑り込ませた。
「ひぁ…っ」
彼の指先の動きは優しく、ソフトタッチで濡れた肌を撫でた。
その熱い手にそっと触られるだけで、ミヨの背中はぞくぞくっと震えてしまった。
ルカは器用にも夏服の中に手を入れて、ブラジャーだけをするっと上にずらした。、、
残ったブラウスの生地が濡れた肌にぴったりと張り付き、小ぶりな乳房を強調させると、
興奮したミヨの乳首がぷっくりと立って、ピンク色が透けて見えた。
「いい…すっげーエッチ…」
「…いやっ…胸見ないでっ…」
赤くなって隠そうとするミヨの手を払って、ルカは服の上から先端に唇を付けた。
ちゅっ。ちゅるっ。
ルカの唇がいやらしく音を立てて、乳首を吸い上げる。
「…んっ…やぁぁ」
逃げようとする体を押さえつけて、今度は舌で転がして舐めまわす。
ミヨは小さく悲鳴を上げながら、耐え切れずに首をのけぞらせた。
「…可愛い声」
「あぁ…あっ…!やぁっ」
今度は左の乳房にかぶりついて、もう一方はブラウスの下から直に刺激した。
「あっ…やっ…服汚れちゃうっ…舐めない、で…」

129 :

「…じゃあこれ取っちゃうけど…いい?」
ルカはいたずらっぽく笑って、しっとりとした膜を剥がすみたいに
濡れたブラウスとブラを取り去った。
「ひゃっ…!見ないでっ…!」
「みよちゃんの肌、白くて綺麗…」
ひときわ白く、きめの細かい肌が濡れてしっとりと水気を含んでいる。
ルカは細いウエストラインに手を這わせ、乳房に顔をうずめて感触を楽しむことにした。
彼の鼻筋の整った顔が自分の腹部からバストラインを往復して、
舌で水気を絡めとり、敏感な乳首を刺激する。
「いやぁぁっそこっ…!…やだっって!…」
「じゃあこっちは…」
「ひゃっ!」
ルカはミヨの腰を浮かせてミニスカートをすべり落とすと、
下着の上からむにゅっと敏感な部分をつついた。
「…やっ!…そこもだめっ…あっ…ああっ」
嫌がって閉じる細い足を強引に開かせて、下着の上からなぞるように刺激すると、
愛液が溢れ出てルカの指先を濡らした。
「ぁっなんか…や…っ」
ゆっくり口付けしながら触り続けると、段々ミヨの声が高まってきた。
「んっ…やっ…あっ…あっ」
「イイ…もっと、聞かせて…」
そう言って口の端をニッと上げるルカの顔に、ミヨはもう一人のルカを見た気がした。
それがどんな姿でも、ミヨが見たいと思っていた彼の一面には変わりなかった。

130 :

ルカは彼女の湿った下着を滑り落とすと、秘所の芽を軽く剥いて、
直接触れずに周囲に愛液を軽く擦り付けた。
指全体で撫でると、にゅる、ぷちゅっと、部屋に生々しい水音が響く。
「んっいやっ…!あぁぁっ…!あ…あぁ…あ!やっ」
秘芽を柔らかく傷つけないように周囲を撫でるルカの湿った指先が、
ほんの少しだけ軽く敏感なところをかすって戻る。
同時に舌先で胸も刺激され、ミヨは頭がおかしくなりそうだった。
「んっ…変…何か…く…」
雨水で冷えた体が汗が上気し、熱いのか寒いのかも分からない。
体の中からじわじわと変な感覚が持ち上がってきて、
自分の意識が急激に浮かび上がって落とされるような気がした。
「…んー!!」
弓なりに逸らせた細い腰がびくっと大きく震えると、ミヨはくたっと力を抜いた。
体から大量の汗が出て、入り口からは愛液が滴り落ちた。

「みよちゃん…可愛い」
ルカは満足気に笑うと、指を彼女の秘所に差し入れた。
つぷん。
「…んあっ…んっ…いやぁ…」
ミヨは抵抗する力も無く、進入の異物感で顔を歪めた。
唇を貪りながらルカは痛くないようにゆっくりと何度も指を抜き差しした。
にゅぷ…。にゅ…。

131 :

「みよちゃん……いい?」
急にルカはピタリと動きを止めて、思い詰めた顔でミヨを見つめた。
ミヨは覚悟をした。このタイミングで言わなきゃいけない。
出会って以来ずっと好きだった事を。
「…うん…」
でも、結局言葉は出てこないで、曖昧な肯定が精一杯だった。
「…俺の上に座って」
「ん…」
ルカはミヨの細い腰を持ち上げると、自分の物を彼女の入り口にあてがい、
自分と向かい合う形になるようにゆっくりと下ろした。
「いぁ…!!ぁー…っ!」
強い内側の抵抗感はあったが、たっぷりの愛液と対面座位での重力も助けて、
彼女の体はずぶ…と少しずつルカを受け入れた。
「…わ。暖かい…」
「んっ!!…あ…あ!…無理…!これ以上入んないっ」
「…力抜いて…俺に抱きついて…」
じゅぶ…。にゅっ。
「ああ…あ…いやぁ…入ってくる…っ!」
声にならないような声であえぐミヨの唇を舐めて、
ルカはじっくりと時間をかけて奥まで挿入した。
「はぁ…あ…ぁ…や…」
体内の暖かさと体液が混じる感触、汗ばんだミヨの細い腰つきと
可愛い嬌声に耐え切れず、ルカは抽送を開始した。
小さな口内を貪り、そのリズムに合わせて腰を動かしてゆく。
じゅ。にゅ。ぬち…。
「んーっ!んっ…んん…っ!」
「は…気持ちい…」
ぷちゅぷちゅと愛液が泡立つ音と共に段々勢いが速くなった、
動きの激しさに倒れそうになるミヨをしっかり抱きしめて。
覆いかぶさって正常位で更に責め立てた。
「んんーー…っ!!」
ミヨは不安になってルカの背中に手を回してぎゅっと強く抱きしめた。
体内でルカがどくんと大きく蠢いて彼が高まりを放出すると、
熱い感覚が広がって溶けた。

132 :
気がつくと、ミヨはいつの間にか泣いていた。
好きな人と抱き合った嬉しさと、怖くて痛くて驚いた感情の高ぶりを処理できず、
全て流すように仰向けになったまま、ぽろぽろぽろぽろ…と涙をこぼした。
「ゴメン…みよちゃん…」
我に返ったルカは、目に涙を滲ませる女の子を目の前に青ざめた。
「俺…酷い事した」
「……」
「…こんな事言っても仕方ない、よな…ゴメン」
「…と、…から…」
「えっ?」
「っと…前から…」
ミヨは言っているうちに感極まって涙声になり、
更に大粒の涙がぼろぼろ流しながら、つっかえつっかえ話した。
「ずっと……好きだったの」
泣いた後の少し腫れた目で、ミヨはにこっと笑った。
「よかった。ようやく言えた…でも、怖かった…」
「みよちゃん…」
「うん…」
「手、繋いでもいい?」
「うん」
ルカは恐る恐るミヨの手に触った。ミヨもその手を包み込んだ、
小さな手から伝わるふんわりとした優しい暖かさに、ようやく心から満たされた気がした。
充足感と疲労にぐったりとした二人の体を湿った制服が撫でる。
夏の名残のセミの声が薄く響いて、雨上がりの空を彩った。
END*
以上です。一年近く前のものなので迷ったのですが、こちらに投げました。
成仏してください。なむなむ。

133 :
ナイス投げ!
このSSは完結してて、投げSSとは違うと思うけど、本スレはいろいろやかましいからな
きっと成仏してくれるさ

134 :
投げおつ!

135 :
保守

136 :
>>132
ナイス投げ!

137 :
ナイスです!素敵です!

138 :
とあるドラマ二次。
放送終了後、今から3、4年前に書いたもの
SSに、当時のスレの雰囲気や住人さん妄想がかなり影響してる。
エロパートを書く前に放置状態になり、
その後も時々挑むも、どうしてもエロ部分が描けず。
元スレも今年に入って、とうとう落ちてしまったので、
ここらでこのブツを焚き上げることにした。
本文は5レスの予定。
忍法帖で初投下のため、たぶんモタつくと思う・・・

139 :
                        
なんか、2度目のハードルのほうが高いって聞いたけど、ホントなんだ…と夏世は独りごちてしまう。
今晩も、チャンスは絶対にない。
こんなに近くに居ても、だ。
「よしっ、今日はじゃんじゃん飲もう!! 陽くんの帰国祝いなんらから! ねーっ、陽くん」
「もう、十分お祝いしてもらったから。修兄ィたちは、ゆっくりしててよ。僕、シャワー浴びて寝るから」
「そうだな。帰ってきたばかりで疲れただろう?」
「明日は、予定があるの? 陽クン」
「うん。留学するときお世話になった人と、会う約束しててさ」
「おー、だったら早く寝ろよ。あぁ、そうだ。お前、明日は何時に出るの? 朝飯は?」
「朝は、適当に済ませるから心配しないで、智兄ィ。……じゃ、ほんとに……ごゆっくりどうぞ」
「自分のベッドで、ゆ〜っくりねるんだよお、ヒナタく〜ん!」
「お兄ちゃんたち、夏世姉。今日は、どうもありがとう」
陽は少し照れながら、自室へ入っていった。
「かよっぺ! なんだ、グラス空いてないじゃない? まだまだ、夜はこれからざますわよ〜!!」
かなり出来上がった修が、夏世のワインの入ったグラスに、おかまいなしに焼酎を注いでいく。
あきれながら見ていた航にも、同じく出来上がる寸前の智にも。
「さ、飲んで飲んで〜。あ、お兄様もさとぴょんもねぇー。っととと…、どうぞどうぞ…」
修に言われなくても、夏世はさっきから随分飲んでいる。
最近もんもんとしていたものだから、こういう機会はキケンだ。飲みすぎてしまう。
「月山さんも、遅くならないうちに……タクシー呼んでおきましょうか……」
「いえっ、今日は飲み明かしましょう!! つぶれちゃったら、わたし、ここに泊まりますっ。ゲストルーム使いますから! お気遣いなくっ」
「つぶれちゃう、って月山さん……それは困るなあ……」
もんもんの元凶が、自分に帰れと言っている……。
心配そうな航の視線を感じつつ夏世は、なんだかヤケになって、手に持った“修カクテル”の入ったグラスを一気に飲み干した。
「わおお! すぅばらすぃ〜!! ささ、もう一杯、ろーぞっ。かよ姉ぇたま!」
修の目はすわり、完全に出来上がっていた。夏世の隣にどかりと腰を下ろして、夏世に体を預ける。
兄弟4人がそろった嬉しさのあまりか、すっかり酒に飲まれてしまっているようだ。
修が夏世に寄りかかりながら焼酎を注いでやったところで、航が立ち上がった。

140 :
                      
「修。おまえ、もう十分いい気分だろう。このへんにしておけよ。智、修の部屋に布団敷いてきてくれ」
「へぇ〜い。わかりましたぁ…。航兄ぃ、男のヤキモチ、ぜんっぜんかわいくないよー。ははは……」
智もふらつきながら、廊下に出て行った。
智のほうは、酔ってはいるが、航の言うことを良く聞いてはいるし、からかうことも忘れない。
航は耳まで赤くして、その場に立ち尽くしていたが、夏世がグラスを煽ったのに気づいて慌てて傍に座ってたしなめた。
「月山さん、もうこれでおしまいにしましょう。飲みすぎだ」
顔を上げた夏世の目は――すわっていた。
「飲みすぎぃ? いーえ。まだまだ、足りません! つきやまかよ、まだ酔ってませーんっ」
ぺたんと床に座って、グラスを握り締めたまま、ダダをこねるような夏世の姿が妙に新鮮だ。
「おさけ、ついでください、わたるさん…ね、いーでしょ? 今夜は飲み明かすんでしょう??」
「だめだめ。もう、おしまいにしないと……」
「どーせ、わたしに、みりょくがないから、今夜も、なぁーんにも無し、なんでしょー? それなら、お酒飲まなきゃ、やってらんないんだからぁ! ほら、わたるさんも、飲もうよぉ!」
「えっ? なんにも無しって……あ、あの、と、とにかく! 月山さん、だめだよ。困った人だな……」
「イヤ!! わたるさん! か・よ、ってよんで。か〜よ! こないだいっぱい呼んでくれたじゃない」
「ぅわあぁぁ!! 月山さんっ、わかったよ、わかりました! だから、ゲストルーム行きましょう」
慌てて夏世の口を押さえていると、智が戻ってきた。ひょいとワインボトルを取り上げ、ラッパ飲みする。
航は、今の夏世との会話が、智に聞こえてないことを祈った。
「あ〜、布団敷いたよ。さあ、修兄ぃを運ぶか。航兄手伝って。そっちの肩持ってね……。あれ、なにイチャついてんのさ……そーゆーことは二人きりになってからにしてよ…ったく……」
智が振り向くと、ちょうど、夏世が航の首に巻きついているところだった。
「だめー! 航さんは夏世と一緒にいるのぉ……つれてっちゃ、だめえー。わたるさん…」
「はいはい……月山さん、修を部屋に運んだら、すぐ戻ってきますから……」
また耳まで真っ赤にした航は、やっと夏世の巻きついた腕を解いて立ち上がった。
「かーよ、でしょー?! なんで、他人行儀な呼び方するんですかぁ……もう、しらないっ、航のばかぁ…」
絡み酒か? 酒乱の気があるのか? くだを巻く夏世に一抹の不安を覚えながら、智と一緒に修を背負い、廊下に出た。
「わ・た・る! にげるのかぁ? ゆるさーん!……やだぁ。…ねぇ、一人ぼっちにしないでぇ……うぅ…」
うえーん……。こんどは夏世は子どものように泣き始めた。

141 :
                    
「…夏世姉、夏世姉ったら。泣かないで。陽、だよ。僕が、傍に居るから……」
「陽クン?」
泣くのをやめて顔を上げると、陽が傍らにしゃがんでいた。バスルームに行くところだったのだ。
と、唐突に夏世は陽にガバッと抱きついた。陽は驚いて、声も出ない。
「陽クン、やっぱりやさしーのね…お兄さんとは大違い……名前も呼んでくれないし…どーしてぇ?」
「どーして、って僕に聞かれても…。へ、へえ…いつも航兄は、名前で呼んでるんだ、あなたのこと」
「そーよっ。かぁーよっ、て呼んでくれるのに……」
「か、よ」
「はい。よろしい」
「夏世……」
陽は、思わずうなじに顔を埋めた。夏世のいつものいいにおいがする。今日はいっそう強く感じる。
ふと落とした視線があるところで釘付けになる……夏世の片足の付け根のきわどいところまでスカートが捲くれて、白い足がしどけなく向こうまで伸びている。
頭がくらくらしてきて、自分を保てなくなりそうな気がした。
両腕をそおっと夏世の背中に回してみる。
あたたかい体は柔らかくて、二つのふくらみが陽の胸で、少し荒い呼吸とともに揺れている。
回した手を動かして、夏世の背中を上へ下へとゆっくり撫でてみた。
何度かブラのところで手が引っかかり、思わずこれをはずしてみたい、という邪心が湧いてくる。
「もっとぉ…ぎゅう〜ってして……わた…るさん……」
航の名を聞いて、我に返った。夏世を慌てて引き剥がす。
「ごっ、ごめん、夏世姉!」
夏世の頭ををソファの座面にもたせかけ、陽はそこから離れて、バスルームへとリビングを飛び出して行った。
智と航が一緒にリビングへ戻ると、夏世は床に座り、ソファに頭だけをのせて眠っていた。
「さて、今度はゲストルームへ運ばなくては……」
「さぁさ、航兄ィ、お姫様抱っこで運んでやってよね……オレ、あれ大好きなんだよー」
「大好きって、お前、してもらいたいのか? あー、お前も相当、酔っ払ってるな……」
夏世を抱き起こそうとして、躊躇する――腰に障るよな……。
航は自分の腰に手をあてた。
ムリしたら、間違いなくぎっくり腰なんかになって、腰を痛めるだろう。

142 :
                   
「なに、固まってんの? さ、どいて……」
兄の戸惑いに気が付かない智は、夏世の隣にずいっと近寄り、次の瞬間、夏世を仰向けにさせながら、体を抱き起こし持ち上げた。
「っふ〜……ほらァ…お姫様だっこ……かわいい顔して寝てんな……」
嬉しそうに夏世を抱き上げた智に、戸惑いを隠せない航。
それでも平静を装って、智に声を掛けた。
「智…おまえも酔ってるんだから、無理をするな。彼女を落としたりしたら大変だろう? 修と同じように運ぼう。兄ちゃんも手伝うから、下に下ろしなさい」
「だーいじょーぶだって! オレ、お姫様抱っこ自信あるの。ほらぁ、お姫様の寝顔。こんなにかわいいし」
そう言いながら、智は夏世の額に自分の額をくっつけて、愛しそうに顔を覗き込んだ。
あいかわらず酔ってはいるが、夏世を運ぶ足取りはしっかりしている。
「智ッ……」
たまらなくなって智に歩み寄るが、智はしっかりした足取りで廊下に出て、ゲストルームへとずんずん進んでいく。
「お姫様は……ぐっすりお休みですね〜……おっと…着いたよ…」
智はゲストルームのドアを開け、ベッドに夏世を下ろした。
航はあとに続いて部屋に入り、ベッドの夏世の衣服を軽く整え、薄い羽布団を掛けてやった。
「よく寝てるなぁ…王子様のキスで起きるのかな……。な! 航兄ぃ!」
「は? ば、馬鹿なこと言ってないで、お前も寝ろよ。明日、予定があるんだろう?」
「ふぁ〜い。ねむ……寝ますよ、寝ます。航兄………」
酔ってふらふらしながら、智はゲストルームのドアを大きく開けた。
片手でドアを開けて航に背中を向けたまま、智は低い声で言った。
「……航兄がしないのなら、俺が起こしに来るよ、ここに」
「うん? ……なんだ、智……?」
「キス……お姫様に。俺が――奪ってやるよ」
そう言うと、智は自室へふらつきながら行ってしまった。
ゲストルームに航が呆然と立ち尽くしていた。

143 :
                  

夏世は――よく眠っている。
無防備な寝顔で、無防備な姿で。
だいたい、男4人の家で酔いつぶれるほど飲むなんて、どうかしている。
智の挑戦的な言葉が耳について離れない。
夏世の寝顔を見つめていると、胸のざわつきが押さえられなくなっていく。
衝動のままに、航は夏世の半開きになった唇にごく軽いキスを落とした。
頭の先から、足の先へと痺れが走る。
吸い込まれるように、2回目のキス。
夏世が小さく呻いて、ベッドに腰掛けた航に寄り添うような向きに、寝返りを打った。
キス……すれば、目覚めるだろうか。
3回目のキスは頬に手を添え、耳たぶに触れながら、長く深く――止まらなくなる。
そのうちに夏世が目を開けたので、航は慌てて体を離した。
「めっ、目が覚めましたか? 気分は?」
冷や汗が出る思いで夏世に笑顔を向けた。
すると夏世は急に航に抱きつき、
「わたるさん……」
航の首に両腕を絡ませ、鼻にかかった声で囁いてくる。
慌てて夏世の上体を起こしてやりながら、ベッドで向い合せになった。
「気分は、どう?」
夏世の顔をのぞき込むように見つめてみた。
さっきの智のお姫様抱っこが思い浮かんで、なんとなく航のほうの気分が悪くなる。
ふと、顔をあげた夏世の目が、潤んでいる。ゾク、と体が痺れた。
まずいな……いろんな意味で。
「……て……」
「えっ?」
まだ、泥酔中なのか、それとも――だんだん航のほうが酔った気がしてきた。
「ねえ……? わたるぅ……」
まっすぐ挑むように見つめてくるが、いつもの夏世の視線だ。
臆せず返事をする。
「なに?」
「抱いて」
「は?」
「あたしを、抱いて。ね、今から……」
「ちょ、ちょっと」
直球だ。

144 :
                           
「何言ってるか、わかってる?」とつとめて冷静に聞き返すのが精いっぱいだ。
弟3人が一つ屋根の下にいるわけだ。
いくらなんでも、そんな状況でできるわけない。
それに航にしてみれば、酔った夏世に手を出すことはしたくはない。
兄として男として一線を引くべきだと思う。
けれど、ついさっきの智の背中が、シルエットになって頭によみがえった。
もやもやとしたものが胸の中に広がっていく。
「航さん………ねがい……」
こんな扇情的な眼で見つめられたら、誰だって冷静でいられなくなるだろう。
酔った彼女に腕を回して支えている自分もまた、酔って平静じゃない。

============
以上
5レスで終わらなかったorz
しかも、投下してみたら、拙いし、アラが目立つし・・・

あの頃はとても楽しませてもらい、いろいろお世話にもなった。
当時のスレには、感謝している。
とにかく、なんとか無事焚き上げさせてもらえたので、
迷わず成仏しておくれ。
なむなむなむ

145 :
投げ捨て乙!いい供養だった

146 :
ナイス投げ!

147 :
ナイス投げ!!

148 :
だいぶ前に「荒らしを擬人化してエロパロ」ってスレが立ってたから、当時荒れてたスレをモデルに書いたやつ
正直どっちもどっちっていうか立て直そうとしてる人も余計なこと言って泥沼化に加担してるようにも見えたんだよな

「もーう我慢できね! あたしはぐっちょんぐっちょんに犯されてーんだよ!
ここには陵辱野郎はいねーのか!」
髪はボサボサ、瞳は鋭い光を放つ、野性味に溢れた嵐少女は金切り声を上げた。
「ええー、誰とでも仲良くしましょうよ」
困り顔で手を差し伸べる少女は、先の少女と対照的で、洗練された婦女子といった出で立ちだ。
「触るな! 馴れ合いうぜぇ!」
「だって、人が少ないんですもん。だったら協力し合わなきゃ」
「はーあ……、てめぇ臭うんだよ! 腐ってるのか!?」
「ひ、ひどーい!」
「おいおい、プレイじゃない言葉責めはご法度だぜ?」
泣き出した婦女子の肩を抱くようにして紳士風の男が現れた。嵐少女は噛み付く。
「こういう腐ったのが増えるとヌルい雰囲気になるんだよ、さっさと巣に帰って欲しい!」
「やれやれ、また追い出すのか。嫉妬じゃないのかい」
「嫉妬とか思い上がりすぎじゃね?」
「いや、嫉妬だよ。ていうか君、前も有望な奴を一人追い出しただろ。可哀想に○○君」
「ちょ、ちょっと!」
婦女子が慌てて感傷に浸りかけた男を制止する。
「あの方はまだいなくなってなんかいないわ! 隠れてるだけ!
なんでここで名前出して戻って来にくくするのよ!」
「俺はこれ以上この嵐ちゃんの被害を広げたくないだけで……」
男は口ごもる。
「うわ○○? あいつまだいんのかよ……襲って来れもしないヘタレが」
「あの方はとてもロマンチックで素晴らしいのッ! 才能ありすぎだわ……」
婦女子はうっとりと手を組んだ。
「マンセー自演かよ」
「そこまで持ち上げる必要も感じないのだが……。ていうかここにいる俺の立場は……?
と、とにかく褒めすぎは新住民とかが居つかなくなるからやめようぜ」
「あなた達って……! 分身使った同一人物じゃないのかしら??? そして正体はこの間の邪神ね!」
「てめぇこそ○○と同一なんじゃねーのか?」
「なんで俺と嵐ちゃんが同一視されてるわけ……? もういいよ、あーあ、いい社交場だったのにな」
男はわざとらしくため息をついた。
と、その時!
「いっそみんな同一になってしまえばいいんだよ!」
と天からの声が響いた。
「おおっ……///」
「きゃあ!」
「う、うわあああ」
三人は天によってどろどろに溶かされ、一つになることができました。終わり。

149 :
投げ乙!あるあるネタすぎて泣ける

150 :
>>148
なぜだ……涙が出てきた

151 :
某幼女向けアニメ・敵方の男幹部×女幹部
かなり前にとある設定で長いの書いててそこから派生した小話。
今更投下するのもな〜、と思ってるうちに元スレが落ちてしまったので投げ。
たぶん4レス消費。



薄暗い部屋の窓にひたり、と手を触れると、横殴りの雨がガラス越しに手のひらを叩いた。
手袋を外した素のままの手のひらが、冷たく固いガラス窓に体温を奪われて少しずつこわ
ばっていく。まだ完全に陽が落ちていない時間帯であろうはずなのに、窓越しに見上げる
空はどこまでも暗い。
「……ひどい嵐ね」
短く呟いた後、イースは吸い込まれるように窓越しの黒く渦巻く空を見つめていた。
「あ? なんか言ったか? イース」
「……」
背後から聞こえてくる男の問いかけをあからさまに無視し、銀髪の少女は窓の外を眺め続
ける。
「おーい、シカトしてんじゃねえぞー」
とぼけた声でしつこく話しかけてくるウエスターに、
「……っるさいわね、外が嵐だ、って言っただけ……」
イースは苛立った声で返事をしながら振り返り、窓を背にした。洋館特有の、ひとの背丈
ほどもある大きな窓。
その悪天候に淀んだ窓が、突如、激しく光る。
どんよりと暗い部屋の中、閃光が、少女の蒼白い裸体をくっきりと浮かび上がらせた。
直後、鼓膜をつんざくような轟音が部屋中に鳴り響く。
「……っ!」
突然の大きな音に、イースの肩がかすかに揺れた。それに目ざとく気づいたウエスターが、
ニヤリと口角を上げ、ベッドの端に腰掛けたまま、彼女の全身を舐めるように見まわす。
「……」
「な、なにジロジロ見てんのよ」
「なんだ、おまえひょっとして怖いのか、雷」
「……っ! ばかを言うな! あんまり急だったから少し驚いただけよ!」
「そうならそうと早く言えばいいのに、雷が止むまで俺がそばについててやるよ」
「だ、か、ら! ひとの話を聞け!」
再び窓が白く光り、雷光を追って空が鳴る。
轟音に怯んだ隙に細い腕を掴まれ、瞬く暇もなく唇を塞がれ、強引に舌をねじ込まれた。
(く……っ!)
ウエスターの腕を引き離そうと、イースは掴まれた両腕を必に振り回す。だが、圧倒的
な対格差、力の差の前では、それは全く無意味な行動であった。イースの抵抗をからかう
ようにあしらいながら、ウエスターが緋い瞳を見下ろす。

152 :
「今、思った」
「……なにを」
「お前、いい女だな」
「はぁ!?」
「ほら、そばについててやるからよ、もう一回やらせろ」
自分勝手な取引を持ちかけると、ウエスターはイースの両手首を片手で束ね、彼女の華奢
な両腕とたわわな乳房を窓に押し付けた。冷たいガラスの感触に、イースは思わず、ひ、
と悲鳴をあげそうになる。自尊心が、辛うじてそれを押しとどめた。
男のもう片方の手が、少女の滑らかな尻を伝って脚のあいだへと降りていった。
「ふざけるな! 今日の分はこれで終わりのはずよ! もう部屋に戻……っ、ん!」 
くちゅ、と音を立たせながら、秘所に指が忍び込んでくる。
「けちくさいこと言うなよ、一回くらいやる回数が増えたってたいして変わりはねえだろ」
「……っ、は、離、せ……っ! ん! あ、は、ぁ……っ」
男の残滓と少女の愛液で潤った膣壁をぬるりぬるりと指で擦られ、彼女の唇から抑えよう
としても抑えきれない吐息が漏れた。温かい吐息が、冷たい窓にかかってじんわりと曇る。
抗う腕の、からだの力が次第に抜けていく。
「さっき充分に濡らしたし、もう平気だな、入れるぞ」
「……! や、め……っ!」
両手を掴まれているため、かわりに腰を左右に振り回して必に逃亡を試みる。しかしそ
の弱々しい動きは、端からすれば、なまめかしい腰を淫らにくねらせているようにしか見
えず、ただひたすらに男の欲情をかきたてるばかりだった。
「動くなってば」
背後からイースを責め苛んでいた太い指が、ちゅぷり、と抜け落ちる。
節くれだった手が、白く柔らかい尻肉の片方を乱暴に掴み、ぐいと横に開く。てらてらと
淫靡に光る肉唇が露になった。普段とは違う角度から彼女の蜜壷の入り口をじっくり眺め、
ウエスターは思わずごくりと唾を呑んだ。イースの腰を自分のほうへと突き出させ、肉唇
に鈴口をあてがう。溢れ出す愛液に誘われるように、ウエスターの怒張がイースの中に飲
み込まれていく。
「ぅ……あ、あぁ……っ!!」
ずん、と最奥を突かれたのと同時に窓が光り、イースの網膜を白く焼きつけた。
「そ……ういや、この体勢ですんの、はじめてだな、すっげ、締まる」
「あ、ああっ、ああっ、あっ、あ、ぅ……っ、ああ!」
挿入した直後から、ごりごりと音がしそうなほどハイペースで抜き挿しを繰り返される。
以前ならば、こんな粗暴な扱いを受けたら、ひりつく肉襞の痛みに息も絶え絶えに苦しん
でいたことであろう。しかし今彼女を苦しめているのは、痛みではなく──肉襞を逞しい
男根で荒々しく擦られることによって生じる、言いようのない、逃れられない悦楽の感覚。
「い……や、あぁ……っ、ああっ、あん、ああ……ん、ん……っ!」
喉の奥から、反射的に甘ったるい嬌声が漏れ出る自分のからだを、心の中で深く呪う。

153 :
(悔しい……!)
敗北感に涙がにじむ。どんなに抵抗しようとあがいても、この男の馬鹿力には到底敵わな
い。肉欲に簡単に屈し、抗うすべを持つことができない、軟弱な自分のからだ。イースは
強く念じる。もっと力が欲しい、この馬鹿力に対抗できうるほどの、そして、他の誰より
もメビウス様のお役に立てるような、そんな──強大な力が──欲しい!
雷の訪れる間隔が徐々に狭まっていく。
稲妻が地上に落下するたび、獣のような格好で繋がったふたりの姿が、暗い部屋の中で浮
き彫りになる。
大木が割れ崩れ転がるような雷の音に、イースの心臓が恐怖に縮む。しかし、その恐怖心
が性感をよりさらに増長させていることに、彼女は気づいてはいない。
(あ……いやだ、また、この、感覚……っ)
頂点に向かって、ぞくぞくとせり上がってくるような快感に唇を小刻みに震わせ、その感
覚を否定しようと奥歯を噛みしめる。
──私はメビウス様の忠実なる僕、メビウス様のご命令のみに従っていれば良いのだ。
こんなところでだらだらと男と交わり、快楽の記憶をからだに刻みつけるような真似、そ
んなものは私にとって、全く意味の無い無駄なこと。こんなことは知らなくてもいい……
必要ない……知りたくない……!
「あ……っ! ああ! い……やあぁっ、やめ……あああああっ!!」
「うぁ、やべ……っ、イース……っ!」
男は慌てた様子で、細い腰を両手でがしりと押さえ、少女のからだの奥へ奥へと怒張を打
ちつける。そして──彼女の名を叫びながら、蜜壷にドクドクと己の欲望を吐き出した。
「ひぁ……あ、あ、あ……っ……」
イースのからだの奥深くが、再び白く濁った液体で汚されていく。秘壷に収まりきらない
淫汁が、どぷり、とふたりの性器の隙間から溢れた。
「……あー、すっげえ……やばかったぞ……」
ウエスターの驚いたような声が、余計にイースの癇に障った。
どろどろどろどろ……
雷雲が、洋館の上から別の場所へと移動し、かすかな唸り声と共に遠ざかっていく。
ずるりと男根を引き抜いた後、ウエスターはぐったりとからだを弛緩させているイースの
脇を太い腕で支え、彼女の胸を自分のほうへと向かせる。それから、満面の笑みで彼女の
顔を覗き込んだ。
「だーいぶ慣れてきたな、お前、よかっただろ?」
嬉しそうに問いかけてくるウエスターの頬に、イースの平手が容赦なく飛んだ。



以上です。3レスで足りた。成仏してくれ。なむなむ。

154 :
投げ乙
フレプリ懐かしいな

155 :
投げおつ!

156 :
おつー

157 :
ナイス投げ!

158 :
某所の某動画を見て思いついた代物
短時間で書き散らかした故、出来の悪いのはご容赦願いたく


『夫と、最後にしたのはいつだったかしら?』
夫の弟、すなわち義弟と、背徳の関係を結ぶことにおののきながら、彼女はふとそう考える。
「何、考えてるの?」
「何でも、ないわ……」
彼女にとって、そんなこと言えるはずもない。
だが、敏感に何かを察した義弟は、そんな彼女の思いなど忘れさせてやる、といわんばかりに情熱的な愛撫を施した。
たちまち、彼女は瑞々しい汁を溢れさせる。
「義姉さん、あなたは熟れきっていて、とてもおいしそうだよ……」
「そんなこと言わないで……、恥ずかしい」
羞恥心を煽られ、彼女は更に赤く色づいた。
しかし、義弟にとってはそれすらも欲情を掻き立てる媚態でしかない。
「恥ずかしがることなんかない……」
「ダメ、そ、そこは……!」
口では抵抗しながら、素直に体を開いていく彼女。
そんな彼女が心から愛しい、と思う義弟。そして、素晴らしい女性を妻としながら、仕事にかまけて顧みない兄が憎い、と。
彼女から夫の影を消そうとしてか、わざと水音を立てて愛撫する。
「ヤらしいんだ。ここ、グチョグチョだよ?」
「はあ……、あ……んっ、ああぁぁぁっ!」
義弟になぶられて、絶頂を迎えた彼女。頭の中に、無数の火花が散る。
息遣いの荒い彼女を、義弟は優しく見つめる。
「はあ……、はあ……」
「気持ちよかった?」
「とっても……」
「じゃあ、僕も気持ち良くしてよ?」
「いいわ、来て……」
そうして二人は、汲めども尽きぬ官能の深淵へと落ちていくのであった。



<出演>
夫…ネギ
妻…トマト
義弟…クロッカス

159 :
投げおつ! 「だめぇスレ」かと思った

160 :
あるドラマが元の二次。設定をほとんど知らないまま勢いで書いたのであちこちおかしい
失敗作。エロも薄いのでこちらに焚き上げ。
*************************************
見上げた夜空に浮かぶ三日月。通り過ぎる夜風が街から運んでくるさまざまな匂い。
街の匂い。その街に住む人間達の匂い。人間がそれぞれの目的を持って、または何の目的も
なく動き回り何かをするたびに発する、複雑な匂い。
ベムは船倉に横たわりただ黙ってその匂いを嗅いでいる。顔には出さないが、漂うその匂いを
少しばかり楽しんでもいる。
ベロのずば抜けた嗅覚にこそ劣るが、彼のそれもまた人間の嗅覚を遥かに上回る。こうして
まとわりついてくるその匂いに身を浸していると、自分もその人間の生活を過ごしているかの
ような気分になる。
まるで自分も人間になったかのような気分になれるのだ。
彼はゆったりとした気分で、その街と人間の匂いの中に繰り返し沈み、そして浮かぶ。
今は夜だ。漂う匂いの種類はさほど多くはない。大半は眠りにつく者達の匂いだ。
酒に酔う者達の匂いもする。酔っ払い、喚き散らし、愚痴をこぼしていたかと思えば急に騒々しく
ゲラゲラと笑う、手に負えない者達の匂い。
陰鬱で息が詰まるような匂いもする。学校で、職場で。何か面白くない事、嫌な事でもあったのか
凄まじい自己嫌悪や憎悪を湛えた匂い。
大抵の場合、この者達は頭の中で自分や他人を呪い、あれこれ復讐の方法をこねまわすだけで
満足するはずだ。
だが夜は時に人間の心を狂わせる。翌朝になれば恥ずかしさに身を捩りたくなるようなことを思い
浮かべその暗い心をさらに増幅させ、超えてはならない一線を超えてしまう者達もいる。
ベムはその漂う暗い匂いを一つ一つ注意深く点検し、鬱屈した意や自願望に取り憑かれた
者がいないことを確認した後、少々安堵して力を抜く。
そして夜であれば。必ず風の中に混じるこの匂い。
愛の匂い。そのさまざまな香り。
まだ生まれたての微かな恋の匂い。それは夜露にみずみずしく咲く花の香りのようだ。
共に長く時を過ごした老夫婦の穏やかなつながりの匂い。乾いているが、あたたかい。
愛の匂い。その香り。それぞれに、さまざまに。
さらに漂う、最も強く生々しい匂い。愛と入り混じる、欲望の匂い。
体を重ね手足を絡め合う男と女達。その者達が発する欲望の獣じみた匂い。
その姿は目には見えないが想像はつく。灯りを落とした寝室でひそやかに繰り返される秘め事。
囁かれる愛の言葉。貪るように求め合う姿。
歓喜の叫びを上げる女を体の下に組み敷いてひたすら快楽のゴールを目指す男達。
男の脚の間で、その指と唇と舌で夢中になって悦びを与え続ける女達。
漂う匂い。体を重ねたその部分で女が滴らせ男が迸らせるものの混ざり合った匂い。
淫らな匂い。
だがそこには。愛がある。
人間同士の。男と女の、愛が。
今夜はその愛と欲望の匂いが特に強いようだ。明日が休日だからだろうか。
愛、か。
彼は目を閉じる。
目を閉じ、そして狂おしく求めて止まぬ未だ叶わぬ己の望みにひそやかに眉を顰める。
俺は人間に。
人間になりたい。
部屋の向こうから水音がする。バケツの水を流す音。
身体の汗を流していたベラがタオルで首筋を拭いながら戻ってくる。
「ベロは?」

161 :
彼女は隅に腰を下ろし、頬に貼りつく濡れた髪を指先で整えながら彼に尋ねる。
「上にいる。もう眠った。月を見ながら寝たいんだそうだ」
「はん。何をかわいらしいこと言ってんだか」
彼に背を向け、剥き出しの腕や胸元をタオルで拭き、彼女はふぅと溜め息をつく。
「まぁ、あの子もねぇ。寝てる時だけは静かで確かにかわいいけどねぇ」
彼はまた月を見上げる。三日月の端にかかる灰色の雲。
街の匂いがまた、この部屋に漂い流れ込んでくる。
あの匂い。
愛の匂い。
長く時間をかけて髪を梳いていたベラが櫛をコト、と音を立てて置き、小さな溜め息をつく。
そして彼に背を向けたまま再び問いかけてくる。
「……するのかい?」
つっけんどんな口調。どこか腹を立てているかのように。
何をだ?と問い返す必要はない。これまでにも何度となく同じ問いを受けてきた。
彼女は求めている。彼を。彼に抱かれることを。
単純な肉欲ではない。人間のそれとは少々異なるものだ。最も近い人間の言葉で言えば
「人肌が恋しい」といったところか。
寂しさを、虚しさを。彼が抱えているのと同じ満たされぬ思いを埋めるための。
彼はちらりとベラを見る。背中を向けている彼女。その白い肌を淡く照らす月灯り。
「したいんならどうぞ。好きにすれば」とでも言いたげなその背中。投げやりな態度。
彼女は決して自分から「抱いて」などと求めてくることはない。どんなに欲しい時であっても。
常に彼の求めに応じるだけ、という態度を取る。
彼女なりの、照れ隠しの態度。
照れることなどないのに。
俺達は人間じゃない。だからこれは快楽を求めるための欲望ではない。
心を埋めるものだ。
このいつまでも満たされぬままの心を。
だが彼は彼女のそんな態度を尊重してきた。これまでずっと。
それで彼女が自分を、人間の女のように思えるのなら。
人間の女のように、男に求められ愛されていると。ひと時でもそう思えるのなら。
自分が人間ではないことを、刹那的に忘れられるなら。
彼は立ち上がり、無言のまま彼女の元へ歩く。彼女の望みを叶えるために。
背を向けたままの彼女の背後に腰を下ろし、そっと彼女を背中から抱きしめる。
抱きしめられ、少しばかりその身を強張らせ、彼女は微かに息を飲む。
そしてその息をゆっくりと吐き出しながら、背中の彼にもたれてくる。
渋々、といった諦めの溜め息のようにも。待ち侘びていたこの瞬間を迎えた歓びの溜め息の
ようにも、どちらとも取れるその吐息の響き。
動きを止めた二人を包み込む、あの匂い。
街の、愛の匂い。
彼女もこの匂いを嗅いでいたのだろう。
水で身体を拭きながら。濡れた布で肌を、人目に触れぬ場所を擦るたびに。身体の線に
沿って水滴が撫でるように滴り落ちていくたびに。
その感触に徐々に昂ぶりを覚えながら。
強く漂う愛の匂いを、嗅いでいたのだろう。

162 :
抱きしめたままじっと動かずにいた彼に、焦れたような声で彼女が囁いてくる。
「するんなら、さっさとしてよ」
そしてうつむき、頬を染める。
「ベロが起きちゃうじゃないか」
一度眠りに落ちたベロはそう簡単には目を覚まさない。それは二人とも判っている。
口調とは裏腹に。抱きしめた彼の腕に彼女は手を添えてくる。強く掴んでくる。
その手のひらから。彼女の想いが伝わる。
お願い、ベム。
早くして。抱いて……お願い……!!
彼はそうする。いつも通りに。彼女の白い首筋に唇を押し当てる。まずそこから始める。
慣れ親しんだ手順。これまで何度となく繰り返してきた順序で彼は始める。
彼の舌と歯がそこに触れる感触に彼女は溜め息を漏らす。
後ろから伸びてきた彼の手が乳房を覆うと、彼女も手を彼の手の上に重ねてくる。
ねだるように。急かすように。
いつも通りに、ゆっくりとした動きで彼の指の腹がその乳房の先端を摘まみ、撫で始めると、
彼女はびく、と身体を震わせ、そしてついに彼女が纏った冷たい態度が溶ける。
吐息は喘ぎに変わる。彼女は振り向く。荒く息を吐きながらその唇がいつも通りに彼の
唇を探す。彼もまたいつも通りにきちんと、その場所で待っている。
重ねた唇から彼女の吐息が漏れる。今度は、ただそれを待ち侘びていたとしか聞こえない。
甘く、切なげに。

また吐息と共に、彼女は床に崩れるように横たわる。
彼の手で身に着けたものを全て取り払われた彼女の裸身。薄い胸。細い腰。
痩せることを願いに物狂いになっている人間の女であれば羨望の瞳で見つめるであろう、
その身体の美しさ。だがそれはベラ自身が望んでいる姿ではない。
人間ではない存在。人間の身体とは異なる代謝。いくら食べても彼女は太ることができない。
いくら望んでも彼女はもっと肉付きの良い、女らしい身体になることができない。
彼女の望みとは裏腹に。まるでその身体自身が女らしくなることを拒否しているかのように。
彼女は胸の上で腕を交差し、己の身体の一部を隠す。
痩せた乳房を隠すためではない。交差した腕、その手のひらで肩の下あたりを覆い、そこにある
斑に浮かび上がる模様を隠す。
それはごくささやかな、気づかなければ見落とすほどの大きさ。
だがそれは彼女が人間とはかけ離れた存在であることを決定的に示すもの。
嫌でもそれを自らに思い知らせてしまうもの。
彼女はその斑の模様を隠す。
自分がそれを見ずに済むように。
彼にそれを見られずに済むように。
三日月にそれを照らされずに済むように。
彼は目を閉じる。また慣れ親しんだ動作で。そこに手を伸ばす。
彼女の脚の付け根に。そこはもう彼女がどんなに隠そうとしても、どんな態度を取り繕っても。
しっとりと濡れ、熱く息づいているそこは。彼女の本当の望みをあからさまにしている。
男の指に踏み入れられ、掻き分けられ、探られる。
それを待ち侘びていたことを、あからさまに。

163 :
彼の指が動き始める。彼女は徐々に、堪えきれなくなる。
声をすことも。肩の斑を隠すことすらも。
ベラが上げる小さな喘ぎを目を閉じて聞きながら、彼はいま指で探っている場所へ降りていく。
彼女の脚の間へと。
そこに顔を近づける。目を閉じていても慣れ親しんだ場所へ。
匂いがする。
なまあたたかい、女の匂い。彼が街から漂う匂いの中で嗅いだ匂いと同じもの。
肉の歓びに溺れ、快楽の極みに達しようとする女がとめどなく滴らせるものと同じ匂い。
変わらない。
人間の女と、何も変わらない。
なのに。何故。
ベラ。おまえは。俺は。俺達は……何故?
ぎゅっと眉を顰め、彼はそこに舌を伸ばす。その動きを始める。
叫ぶような喘ぎと共に。彼女の匂いがさらに強くなる。この部屋の中に満ちていく。
ベラの匂いが。
女の、匂いが。
繰り返す舌の動き。彼の舌がそこを弾くたびにさらに強く漂う匂い。
「お願い……お願い……お願い、ベム……あたし、もう……ねぇ、お願い……!!」
陶酔しきった彼女は啜り泣きながら彼を求めてくる。彼の舌や指ではないもの、また別のものを。
彼は頷き、もう一度強くそこを舌で跳ね上げ、彼女の鋭い叫びを聞きながら体を起こす。
彼女の上に覆い被さる。
焦らしたりはしない。彼女にも自分にも既にそれは必要が無い。
あとは。あとはただ。
男と女であるだけだ。
人間のように。ただの、人間のように。
ベラ……!!
彼は入っていく。彼女の中に。深く貫き、踏み入っていく。
踏み入る瞬間、彼女の口許に己の左の肩を貸す。いつも通りの手順。
彼女はその肩に口を押し当て、噛みつき、己の喉から爆発せんばかりに飛び出しかけた歓喜の
絶叫を力づくで押しす。
肩に響く彼女のくぐもった悦びの呻き。強く抱き返してくる、彼を求めてくるその細い腕。
熱く、どこまでも熱く彼を包みこみもっと奥へ、さらに奥へと引きずり込もうとするその部分。
匂いがさらに強まる。その部分の、彼女の匂い。女の匂い。
男に抱かれ貫かれ、気が狂うほどの歓びを感じているあたりまえの、ただの女の匂い。
一人の、ただの女の。
ベラ……!!
彼はもう一度心の中で彼女の名を呼び、そして動き始める。
ただの男として。
愛しい女をその腕に抱く、ただの男として。

床に横たわる二人。
彼の胸に上に頬を押し当てゆったりとその身を投げ出し、彼女は目を閉じている。
彼はちらりと己の肩を見る。先程、彼女が絶頂を迎えた時にも噛みついて最後の絶叫を押しした、
その噛み痕を。
それは既に塞がりつつある。
今夜はいつも以上に感じてしまったのか、彼女が噛んだ傷はかなり深かったが。それでも早々と
その傷は治りつつある。

164 :
この体。人間では有り得ない治癒力。
人間ではない体。
ややうんざりとし、彼もまた目を閉じる。
胸の上で。ベラが息を詰めたかのようにぐっと喉を鳴らす。
その肩が震え始める。彼は驚き、彼女を見る。
胸に頬を押し当てたまま震えていた彼女がグス、と鼻を啜り、声を絞り出すように呟く。
「早く……人間に、なりたいねぇ」
泣き笑いのような声で。だが張り裂けるような哀しみが込められた声で。彼女は繰り返す。
「人間になりたい。あたしは、あんたと……人間になって……」
後に続く言葉は飲み込まれ、彼女はまた彼の胸に顔を押し当てる。
人間になりたい。
もし自分達が本当に人間だったら。人間の男と女だったら。どうだっただろうか。
こうして抱き合い、求め合う。それは先程と変わらない。
だが人間であれば。この行為と抱き合った時間はまるで異なる意味を持つものとなっただろう。
二人は愛し合っただろう。文字通りの意味で。互いに愛し合い、そして。
この行為はただひと時の快楽で満たされぬ心を埋めるだけのものではなく、自分達が人間では
ない事実から目を逸らすためだけではなく。
本当の、本来の意味を持つ行為となったはずだ。
人間の言葉で言えば。二人の、愛の結晶。
それを生み出す行為に。新しい命。彼が愛と共に彼女の中に解き放ったものが彼女の最も深くに
到達し、そこに届き、実を結ぶ。
生まれ、そして育ち始める命。
そのための行為となっただろう。
だが今の自分達は。どれだけこの行為を繰り返しても、それが実ることはない。
人間ではない命ですら、彼らは生み出すことはできない。
「あたし。人間に……人間になりたい……!」
もう一度彼女はそう小さく、だがあまりにも悲痛な声で叫んだ。
もし彼女が人間の女であれば。泣いているだろう。熱い涙がこの胸にとめどなく落ちているだろう。
だが彼女は、涙を流せない。
人間ではないから。
泣くことができる、人間ではないから。
彼は慰める言葉もなく、ただ強く彼女のその震える肩を抱きしめた。
眉を顰めた彼が溜め息と共に見上げると、その目に窓の外に浮かぶ三日月が映った。
月は二人を照らしてくる。何も言わず、冷たく。人間ではない二人を。
人間になりたい、他には何も望まず、ただそれだけを願っているだけの二人を。
俺達は。
俺達は……何故?
空に浮かぶ三日月。氷のように冷たく凍りついたその月の光を見上げながら。
彼はなす術もなく、腕に抱いた彼女の肩の斑の模様を、手のひらで冷たい月灯りから覆い隠した。

 ─終
以上です。なむなむ。

165 :
投げ乙!いい月夜だった

166 :
クリスマス前に書き上げるつもりが結局間に合わなかった。
最後まで出来てないけど、ただ消すのも寂しいから投下します。

167 :

「オラァー!!オマエらもっと気合い入れて曳かんかーい!!」
 氷雪吹き荒ぶ雪原に、男の罵声と肌を打つ鞭の音が鳴り響く。
積もる雪の上を隊列を組み、裸足で進んでいるのは十数匹の真っ裸の牝畜たち。
彼女たちの素肌にはロープが巻かれ、それはすべて後方の一台の雪ゾリに繋がっていた。
その雪ゾリにはサンタの格好をした男が乗っており、彼が牝畜たちに鞭を振るい、罵声を浴びせ
ソリを曳かせていたのだ。
「オラオラそこのちっこい赤いのぉ〜、チンチンタラタラしてんじゃねえー!!」
「あぐッッ!!」
サンタ男の振った鞭が赤いポニーテールの少女の背中を強かに打つ。
「オラァ〜、他のヤツらもしっかり曳かないと背中なりケツなりぶっ叩いてやるぞぉ〜、ウヒャヒャヒャヒャ!!」
サンタ男は強面に歪んだ笑みを浮かべ、鞭をビュンビュン宙に鳴らした。
「こ、す…あのクソヤロウ絶対ブッす!!」
「シッ、聞かれるよキョーコ、」
怒りの言葉を洩らす少女を隣の少女がたしなめる。
彼女もまた赤い髪をしていたが、キョーコと呼んだポニーテールの少女よりスタイルの良い肉感的な肢体をしていた。
「だってあのヤロウさっきからアタシばっか打ってくるんだぜ!?ふざけんじゃねぇよ!!」
キョーコの言うとおり、彼女の背中には鞭で打たれた痕が幾つもの紅い線となって刻まれていた。
「何が『トナカイになりきれ』だよ、こんなの考えたヤツ頭おかしいだろ絶対、」
「わかってる、だからもうそのくらいにしときな」
怒りの収まらないキョーコを隣りの少女はなんとかなだめようとする。
もしキョーコの悪態を後ろのサンタ男に聞かれでもしたら、更に雪原を歩かされるかもしれない、それはキョーコにも
他の牝畜たちにも過酷極まりないものだった。
「……わかったよカレン」
キョーコは憤懣収まらないながらも隣の少女、紅月カレンの意を汲んで応えた。
つのる風雪に耐えながら牝畜たちは雪ゾリを曳き、ひたすら進む。
牝畜牧場にて催されるクリスマスイベントのトナカイに選ばれた牝畜たちは、連日こうやって雪原を全裸のまま
雪ゾリを曳かされるトナカイの訓練を受けていた。
そして雪ゾリに乗り鞭を振り回しているサンタ男こそ、彼女たちを指導する教官であった。

168 :
(へへへ、メスどもをこうやってアゴで使うのはたまんねえなァ〜)
片手に鞭、片手に手綱を握ったサンタ男の表情は終始愉悦に歪みっぱなしだった。
ギョロリと剥いた目を嫌らしく細め、下唇の厚い口は口角が異常に高かった。
サンタ男もとい、教官の名は石原と言った。
この男はかつて昭和30年代にて湘南特別少年院の看守を務めていたのだが、ホモショタ院長の悪事の片棒を
担いだばかりに囚人の少年たちとトラブルになったあげく精神を病み、遂には薬物中毒となり廃人同然になって
いたところを、そのキャラクターに目を付けた牝畜牧場によって拉致まがいにスカウトされ、昭和にはまだ存在しない
最先端の治療を施されて、ようやく復活に至ったのだった。
最初は状況が理解しきれず困惑していた石原だったが、元々がサディスティックな性格の持ち主で非力な者、
抵抗できない者をいたぶって楽しんでいたこの男が牧場の職員として順応するのにさほど時間はかからなかった。
なにせ幼女から熟女まで、娑婆ではなかなか目にできない美女美少女を業務という名目で思い通りにできるのである。
少年院で坊主頭のクソガキどもをシメていた頃とどっちがヤリがいがあるか、そんなことは考えるまでもなかった。
「オラァー!早く行かねえとホントに凍えちまうぞー!キリキリ進めぇトナカイどもーッ!!」
CV:石○運昇を下品にした罵声が牝畜たちの歩みを急かす。
牝畜の中でも体力と精神力の強い者ばかりとはいえ、全裸での雪中行進はかなり厳しいものがある。
ゆえに、決められたコースを時間内に回らなければならないのだ。
「ぅう〜〜ウチもう腹へったぁ〜〜寒いのイヤや〜〜」
「もう少しで着きます、頑張って下さい」
弱音を吐く牙人族の少女、アルザ・ロウを白いポニーテールのサムライ後藤又兵衛が励ます。
それから間もなくして、牝畜たちの目前にゴールというべき牝畜小屋が見えてきた。
「やった、小屋だ!」
「メシだ!フロだ!」
終着点を間近に牝畜たちの足が一気に早まる。
「チッ、もうここまでかよ…」
喜び勇む牝畜たちに対し、石原サンタは不満げに舌を打つ。
しかしその表情はすぐに陰湿に歪んだ笑みに変わった。
そう、トナカイの訓練が終わってもスタッフである石原には牝畜たちを嬲る機会はまだあるのだから……

169 :

「あああ風呂風呂風呂〜!!」
「あっ!又兵衛さんまた抜け駆けー!」
 牝畜小屋に着いた牝畜たちがまず最初にするのは冷えた身体を暖めることである。
身体に結ばれたロープを解くと、牝畜たちは石原サンタのことなど忘れて我先にとばかりに大浴場に向かっていった。
牝畜小屋の大浴場は教室ほどの広さで、中央の大きなヒノキ造りの浴槽には既になみなみと湯が張られていた。
ザブーン!!
「ああ〜〜やはりお風呂は最高です〜!」
「まったくだ…生き返る…」
「うう〜身体に沁みる〜〜」
牝畜たちは次々と浴槽に入ると、歓喜に身体を震わせた。
極寒の野外から一転、温暖な湯水に浸かった牝畜たちは今までの辛さや寒さが一気に癒やされるのを
心と身体で実感していた。
だがそんな中、一匹だけその恩恵にありつけない牝畜がいた。
「うわっちちち!!」
「キョーコ大丈夫!?」
「クソッ、背中のことすっかり忘れてたぜ!クソオヤジやっぱす!!」
湯船に入りかけていきなり飛び出したのは、キョーコこと佐倉杏子だった。
雪中の行進中に石原から何度も受けた鞭の痕がキズとなって、お湯に触れると痛みを伴うようになっていたのだ。
仕方なく腰から下だけ浸かった杏子だったが、凍えた身体を温ためるにはいささか不十分なようで
湯気の中、上半身をブルブル震わせていた。
「キョーコ……」
「へっ、風呂に入ってるのには変わりないんだ、そのうちあったまるって…」
湯船の肩にうつ伏せの姿勢で上半身を預け、湯に浸かる杏子。さらけ出された背中は刻まれた紅い線が
幾重にも重なって痛々しい有り様だった。
そんな強がる杏子の姿に牝畜たちが心を痛めていた、その時である。
「よお、オマエらあったまってるかぁ〜?」
「「「「!!!!!」」」」
漫画ならドオオーン!!という書き出しと集中線を伴いそうな威圧感を放ちながら、現れたのは石原だった。
サンタクロースの衣装を脱ぎ捨て、丸裸になって大浴場に入ってきた石原に牝畜たちは
一斉に不安と警戒に身を固くした。
「ああ〜寒みい寒みい、オマエらに付き合わされたせいでオレ様まですっかり冷えちまったぜぇ〜〜
せっかくだから一緒にあったまろうや、なぁオマエら?」
浴槽に入りながら牝畜たちを舐めるような視線で見回す石原。
間もなくして石原は、背中を出したまま入っている杏子に目を留めた。

170 :

「おんやぁ〜〜?」
それはとても不快でネチっこい声だった。
「アンコぉ〜、お前なんでそんな入り方してんだぁ〜?」
「……」
「風呂はちゃんと入らなきゃダメじゃないかぁ〜、あーん?」
(気持ち悪ぃんだよゴミクズ野郎が!!)
話しかける石原に杏子は応じず、心の中で毒づいた。
一体誰のせいでまともに風呂に入れずにいるというのか、白々しく馴れ馴れしい石原の態度は杏子を
この上なく不愉快にさせた。
しかし石原という男の陰湿さ、下劣さは決してこんな程度のものではない。
「何だぁ〜?人がせっかく心配してやってんのになんだその態度はぁ?聞いてんのかアンコぉ、」
(アンコアンコ呼ぶんじゃねぇよキモいんだよバカ!)
頑なな態度の杏子に石原はなおしつこく絡んでくる。
杏子という名前は“アンコ”とも呼べるのだが、親しい友人ならともかく、牧場のスタッフで
牝畜をいたぶるようなゲス野郎に呼ばれてムカつかないはずがない。
だが、杏子が石原に背を向けていたその時である。
「キョーコ!危ない!」
「え?…ひぃッ!?」
なんと石原は杏子の真後ろに来て、彼女の肩に手を伸ばしてきたのだ。
他の牝畜の声で気づいた時には、杏子の肩はガッシリと掴まれて逃れようがなかった。
「何すんだよオッサン!風呂の邪魔すんなよ!」
「オッサンじゃねぇだろ。口の聞き方に気をつけろぉ!」
「ぐゥ!!」
杏子の肩にギリギリ食い込む男の指。石原の目は座り、ドスの効いた抑揚のない声が杏子の頭上から下される。
「い、石原さん…手を…放して下さい…お願いします…」
「ようやくマトモに返事したなぁ、クソガキが」
こみ上げるおぞましさを押しし哀願する杏子を、言下に罵る石原。
「テメエ、せっかく人が優しくしてやろうとしてんのにその態度はなんだァ?
テメエには、自分の立場ってのを教えてやらなきゃならないようだなァ!」
「ッッ!!」
背中に当たる固い感触に杏子の表情が強張る。
それは逞しく勃起した石原のイチモツだった。
「なぁアンコぉ、お前なんでちゃんと風呂に入らないんだァ?」
他の牝畜たちが不安と緊張で固唾をのんで注視する中、石原は再び同じ質問をぶつける。
杏子は背筋を駆け上がる強烈な嫌悪感に身を震わせながらたどたどしく口を開いた。

171 :
「そ…それは…背中のキズが痛むから…です…」
「ああ〜?これかぁ〜」
赤いポニーテールの下からのぞく痛々しい鞭の痕。もちろん誰がつけたかなど聞くまでもない。
「お前いつの間にこんなキズ作ったんだァ?まったくしょうがねえなぁ、アンコはよぉ」
「クッ…」
「これじゃお湯には入れないなァ、でもこのままじゃ冷えちまうしなァ……ああ、そうだァ…」
そう言った次の瞬間、石原はとびっきりの笑顔を見せた。邪悪さと陰険さと下劣さが一体となった、禍々しい歪んだ笑顔を。
「アンコぉ、だったらオレがなんとかしてやろうかァ?」
「えっ!?」
「身体の内側からあっためてやるんだよ、コレでなァ!!」
「わあああッ!!」
突然持ち上げられた杏子は股下を見て、思わず目を剥いた。
そこには鎌首もたげた石原のイチモツが杏子の秘所に狙いを定めていたのだ。
「や、やめろ、放せえええ!!」
「ヒヒヒ、どうせ何度もヤラれてんだろ、まったく胸も色気もないガキなのによぉ、それに…」
石原が杏子の耳元でささやく。
「テメエ、オレ様をぶっすとか言ってたよなァ…」
「えっ…」
「オレ様が知らないとでも思ってんのかァ?あと頭おかしいとか言ってたよなぁ〜〜、ああン?」
石原イヤーはどんな状況でも自分への悪口は聞き逃さないのだ。
「く…くそ…!」
「クソはテメエだアンコ、本当なら連帯責任で全員また雪ん中を歩かせてやるところだが、オレ様は
優しいからなァ、オマエに個人指導してやるぜェ!!」
「嫌だああ!!やめろおおおお!!!!」
「ヒャハハハハ覚悟しろクソガキィイイ〜〜!!」
杏子の体が下ろされイチモツの先が入りかけたその時、誰かの声が上がった。
「待って下さい!!」
「なんだァ〜?」
石原を呼び止めたのは白髪のサムライ、後藤又兵衛がだった。
「ま…又兵衛さん…」
「なんだテメエ何か文句でもあんのかぁ!!」
「いえ…あの、宜しければ私の方から温めてもらえないでしょうか…」
「ハァ?真っ先に風呂に入ってたくせに何言ってんだ、このデカ女!」
「デ、デカ…」
「今オレ様がヤリたいのはこのメスガキなんだよ、チンポがほしけりゃ外でトナカイとやってな、イクぞぉアンコォー!!」
身代わりになろうとした又兵衛の申し出も空しく、再び杏子に石原のイチモツが突きつけられる。

172 :
「嫌…イヤだぁ…!」
「ヒャハハハ、サンタのオレ様からホワイトクリスマスを先行プレゼントだ!そうら!」
「ひィッ!!」
秘所に当てられた石原のイチモツの感触に、恐怖と戦慄が杏子を襲う。
もはや逃れられないと誰もが思った。が、石原の乱行はここまでだった。
『石原スタッフ、石原スタッフ、聞こえていますか、聞こえてましたら返事お願いします、』
突然に響く室内放送。それが石原の行為を途中で止めたのだ。
「何なんだ一体、オレは忙しいんだぞ!」
『石原スタッフ、緊急のスタッフ会議がありますので至急スタッフルームに来て下さい』
「だからオレは今忙しいんだ、後にしろ後に!」
『会議はオーナーの召集です。こちらを優先して下さい。でないと懲戒の対象になりますが宜しいですか』
「ぐぅうう〜〜」
室内放送の有無言わさぬ物言いに石原は悔しそうに歯軋りすると、抱えていた杏子を浴槽に放り出した。
「ぷァッッ! つつつ……」
「アンコォ、今日はこれくらいで勘弁してやる。これからは口のきき方に気をつけるんだな!」
石原は忌々しげに捨て台詞を吐き捨てると、急いで大浴場を後にした。
「キョーコ、大丈夫…?」
石原が去ってすぐ、杏子を気遣って他の牝畜たちが集まってきた。
「へっ…こんなのどうってことねぇよ、あの変態オヤジノコノコ呼び出されてざまあねぇな!」
石原から解放された杏子は浴槽に立ち、周りの牝畜たちに元気なところを早速アピールしてみせた。
「すみません、代わりになれなくて…」
後藤又兵衛が申し訳なさそうに頭を垂れる。
「いいよ、もう済んだことだから。それよりさっきはありがとな、」
「いえ、私にできたのはあんなことくらいですから…」
「にしてもデカ女はねーよなあの蛆虫野郎、言い方ってもんがあんだろっての!」
「……」
さっきとはうって変わって、石原を勢いよく貶す杏子に苦笑する又兵衛。
ここにいる牝畜の中では又兵衛の体格は抜きん出ており、間近にくれば石原にもひけをとらない。
そして腕力、戦闘力では石原など正真正銘ゴミに等しい。にもかかわらず、石原を力で抑えなかったのは
彼女が“牝畜”であるがゆえであった。
又兵衛だけではない、杏子も、他の牝畜たちも石原に決して負けない実力の持ち主なのである。

173 :
その彼女たちが石原のごとき虫けらにまともに抗えず、なすがままにされているのは
“牝畜”という呪縛のなせる業であった。
牝畜、それはただ牧場に飼われている存在ではない、その身と心には常に何らかの枷が架せられており、それは
強力な力を持った牝畜ほど幾重にも掛けられている。
ナノマシン、催眠暗示、ギアス、呪印、集団心理、ストックホルム症候群、手段は幾らでもある。
これらの枷によって雁字搦めにされたら最後、もはや如何なる力を持っていようともスタッフや客に抗えない
非力な牝畜に成り下がるしかないのだ。

 石原が去った後、牝畜たちは和やかに風呂を堪能し、食事をとって、ようやく今日の日課を終えた。
「あーもう眠くてしんどくてかなわんわー、ほなおやすみ〜……zzz…」
「寝るの早っ!」
食事が済むやいなや、アルザ・ロウは真っ先に横になってたちまち眠りに落ちた。
「それじゃ私たちも寝ましょうか」
「ああ、明日もあるしね、」
「明日もあのヤローに付き合わされるのか…気が滅入るな…」
「普通に客と遊んでた方がまだ楽だったなー」
「考えてもしょうがないよ、もう寝よ寝よ、」
牝畜たちは用意された質素なワンピースの寝間着を着ると、次々と横になり、眠りに入った。
牝畜たちが寝入ってから数時間後。
夜もだいぶ更けた頃、牝畜たちの寝所に奇妙な物音がモソモソと上がった。
「ん…?」
それに気づいて目を覚ましたのは佐倉杏子だった。
(こんな夜中に何やってんだよ、まったく……!?)
室内を照らすナツメ球の僅かな明かりの下、杏子の目におぞましい光景が映る。
「お、おお〜、いいぞぉ〜、おおお〜!」
「ッッ…! っ…くぅう…!」
薄明かりに浮かんだのは、女の両脚の間に入り、腰を振る男の姿。
両手で女の尻を掴み喜悦に顔を緩めて交わっていたのは、なんと石原だった。
そして石原に貫かれ声をし堪えていたのは、後藤又兵衛だった。
「ハッ、ハッ、あんなチビガキよりやっぱこっちの方がいいぜ、お前もこれが欲しかったんだろ、んん〜?」
「……」
「それにこのオッパイ、こうして見るとたまんねえなァ!」
「ッッ…!」
横たわって二つの丘を成す又兵衛の乳房を、石原の手が荒々しく揉みしだく。
ワンピースの寝間着は胸元まで捲り上げられ、又兵衛はほとんど裸と言っていい姿だった。

174 :
と、以上です。アンコとベータさんがアレですね。幸村ちゃんはどうなったのやら。
旬を外した今となっては面白くもないですね。とりあえず今の書きかけを頑張ることにします。

175 :
投げ捨て乙!偶然俺得だったぜ

176 :
投げ乙
あんこちゃんは飼育しがいがありそうね

177 :
乙でした!

178 :
投下
エロなし
流血あり
ネタ危険度特Sクラス

179 :
さあ今夜もやってまいりました朝までナマTV。
漢字で生と書くよりもカタカナのナマだと卑猥に見えますが、もちろん今回のテーマとは関係ありません。
さて皆さん。視聴者の皆さんにとって、大坂城は有名な城だと思われます。
何とご存知ない?あなた受信料は払っていらっしゃる?ああ払っていらっしゃると。
ありがとうございます。
あなたから頂戴いたしました受信料は、宋船の建造資金として有効に活用させていただきました。
お蔭さまで日曜ゴールデンタイムのドラマはミタさん以上の超人気番組となるのは間違いありません。
予算も去年を上回る一本1億円を確保いたしました。これで初回の屋久島ロケで予算のほとんどを使い果たした
HIBIKIの二の轍を踏むこともないでしょう。
ただいま速報が入りました。えっ?
前回の視聴率は13.3%?去年よりも下回っただと?
まったくこれだからモノの値段の判らない愚民どもは。せっかく高額の受信料を払っておきながら、
一隻1億円の宋船も総額250億円の近代海戦CGも男どうしのまぐわいもロクに観ようともしない。
あのバカども、自分の払った受信料のモトを取ろうって意識がないのか?まったくいいカモだぜ……
話が脱線しましたが大坂城ですね。
わたくしは番組をご覧の方で大坂城を知らない奴などいる訳がないと固く信じておりますが、
しかしこの大阪城を巡ってある大きな論争が巻き起こっていることをご存知でしょうか。
今日の論争は議論の論理性によって決まるものではありません。
真理は力、力こそ真理。歴史は勝者によって書かれるもの。

180 :
まずは赤コーナーより尾張国出身、『六本指やけどハンニバル=レクターみたいに人間は食わんでよ』、

豊臣秀吉!

そして青コーナーより出身地不詳年齢不詳、『竪穴式住居も戦艦大和も造ったのは俺たちだ』、

大工さん!
さあ両者が四角いリングに上がり、眼光だけでお互いをしかねない鋭い視線を交わしております。
果たして大坂城を造ったのは豊臣秀吉か、それとも名も無き大工さんか。
これまでも数多くの下校途中の小学生たちが、この難問に苦しめられてきました。
「大阪城を作ったのは誰でしょう?」
秀吉と答えれば正解は大工さん、大工さんと答えれば正解は秀吉。
わたくしにも覚えがあります。この問題のせいで、意地悪な同級生相手に何度涙を飲まされてきたことでしょう。
しかし今宵まもなく、この難問に決着が付く瞬間がやってまいります。
秀吉おもむろにガウンを脱ぎました。大工さんもガウンを脱ぎますが、ここでレフェリーの厳正なチェックが入ります。
おっと鋸に鉋に鑿と色々出てきたぞ。しかしまだゴングは鳴っていないのでこの時点で反則は取れない。
レフェリー注意しますが大工さん、なんとレフェリーに抗議している。
いわく大工道具は身体の一部だから肌身離さず持っているのが当たり前、自分から大工道具を取り上げるぐらいなら
なぜ豊臣秀吉のタイツの中でそそり立っているものをもぎ取ろうとしない?
メチャクチャな主張をしております。これにはレフェリーも唖然とするばかり。
あっとレフェリーの背後から豊臣秀吉が襲い掛かる!後頭部を殴打されてレフェリーがマットーの上を転がった!
秀吉が大工さんへとさらに襲い掛かる!鋸と鑿を使って効果的に大工さんを攻撃する!
文字にすればすらりと読めてしまいますが、すさまじい流血によって白いマットが真っ赤に染まっております!
残念ながら目の前で現在進行中の具体的な身体欠損を描くことは不可能です!国営放送の倫理規定に抵触してしまいます!
レスリングとしては反則極まりない残虐ファイトですがレフェリーが見ていない!誰か秀吉の暴挙を止める者はいないのか。
きたないな秀吉さすがきたない!
あっとここでもう一人大工さんが現れた!もと大工さんに馬乗りになった秀吉の後頭部を新たな大工さんが拳骨で殴る!
秀吉徐ろに立ち上がり、もと大工さんをリング外に蹴飛ばしました。気絶していたレフェリーがようやくここで目を覚まします。
血みどろになったリングの光景に驚いているようですが、すぐに試合に復帰します。
立ったまま正面からがぷり四つに組み合った秀吉と大工さん。リングの上で膠着状態が続いておりますが。
今実況席のわたくしの前に、もと大工さんの生首が転がってまいりました。
皆様ご覧くださいこの生首を。口ヒゲと顎ヒゲを豊かに蓄えております。
一方リングの上で秀吉と正面から組み合っている大工さんですがヒゲがありません。明らかに別人です。
しかしレフェリーは注意しない。秀吉対大工さんという試合の体裁が整ってさえいればそれで充分なのでしょう。
あっとここで動いたのは秀吉!大工さんの側面に回りこんでヘッドロック!
そのままバックドロップ!カウント入るワン、ツー、スリー入ったぁぁぁぁあっ!
電光石化の試合運びでした。手元の時計では今ちょうど3分に差し掛かったところ……

181 :
いや待ておかしい!まだ試合終了のゴングが鳴っていない?
何と!赤のコーナーポストに立っているのはさらにもう一人の大工さん?
今度は全身タイツを身にまとっているぞ!もと大工さんとも、今フォールを取られたはずの大工さんとも別人だ!
なんと大工さんは3人いた!おっと、秀吉の味方だと思われた赤コーナーのセコンドたちも大工さんだ!
そして観客たちが一斉に立ち上がる!なんと場内を占めていた観客たちもまた大工さんだ!
あまりにも大工さんが多すぎます!まるで創価学会の学会員、いや石山本願寺の門徒たちであります!
リング上の豊臣秀吉、苦渋の表情を浮かべております。
道理で大工さんが弱すぎたはずだ、そう言いたげな様子が実況席までひしひしと伝わっております。
豊臣秀吉、この会場内の大工さん全てを倒さなければ勝利はないということか!
さすが王者、常人には量り難い試練を目の当たりにしても臆するところはない!
この勝負の行方、秀吉の体力が尽きるのが先か?会場の大工さんが尽きるのが先か?
場内の大工さんが今、狭いマットを目掛けて一斉に駆け出しました!
えー。
試合は現在4239人目の大工さんがフォールを取られたところですが、ここで番組内で不適切な発言がありましたことを
お詫び申し上げます。
先程がぷり四つという表現が出ておりましたが、これは特定の地域社会に対する差別意識を助長する怖れがあるということで
放送倫理規定に抵触するものでした。
申し訳ありませんでした。
今後は二度とこのような不適切な発言を番組内で行なわないよう、わたくしども一層の努力に邁進する所存です。
<<終>>

182 :
モンティ・パイソン観てたらこんなの思いついてしまった……

183 :
クソワロタwwwwwwwww

184 :
一体どこにこんなもの投下しようとしてたんだwwwwwww

185 :
これは爽快な投げおつw

186 :
素直に関心したわw

187 :
PCのデータ整理をしていたら昔書いてたSSが見つかった
あまりにも古いネタの上、続きを書く気にもなれないのでここに投げさせてください
俺×スマブラDXのミュウツーフィギュア(♀)

188 :
ロパロ板は、今日も平和だった。
巡回先のスレは平常運行。新しいSSは今日もなし。
住人がエロい妄言を吐くだけになった過疎スレにエロ妄想を投げ込んで
ついでにこの前アニメ化された超過密スレを開くと、AA連投荒らしの隙間で懲りないしぶとい常連がエロ雑談を楽しんでいた。
よくやるね、こいつらも。
さらにシチュスレを冷やかして、愚痴スレでしらないスレのもめ事をヲチ。
そして最後に「スマブラのエロパロ part2」と書かれたスレを開くと、俺は最近日課となりつつある一文を書き込んだ。
《ミュウツーは俺の嫁》
『だが断る』
という声が聞こえてきたのは、書き込みボタンをクリックした直後だった。
低いけれどもどこか中性的な色気を感じさせる、エコーのかかった声。
部屋の隅に目をやれば、『大乱闘スマッシュブラザーズDX フィギュアセット』と書かれた箱の蓋が開いている。
おいおいまさか――と思って振り返ると、俺の後ろに手乗りサイズのミュウツーがふよふよと浮いていた。
なんだこれは?
夢か?
俺はほっぺたをぎゅっとつねってみる。
……痛い。どうやら夢ではないみたいだ。
俺の脳裏に、昔、スマブラスレに伝わっていたオカルト話が浮かぶ。
――任天堂から発売されている公式スマブラフィギュアセットには本当に魂が宿っていて、持ち主のいないあいだに動きだす。
――深夜に箱の中からごそごそと音が聞こえてきて、次の日見るとポースが変わっている。
――BOXの中にしまっておいたはずのフィギュアが外に出ていたことがあった。しかも何度も。
今となっては任天男スレの「りんきゅフィギュアとちゅっちゅネタ」でしか見ることのない、ただの与太話だ。
あまりにも現実離れしすぎていて、熱狂的なファンの創作したただの作り話としか思っていなかった。
しかし……。
俺は目の前に浮かぶミュウツーを凝視する。
近年の公式絵に比べて頭身の低めなフォルムは明らかにスマブラDX特有のものだ。
やっぱりこのミュウツーはスマブラのフィギュアのミュウツーなのか。
つやのある、紫がかったなめらかなボディ。
細い腰からふっくらとした下半身、そして腹から太く長い尻尾へと続くラインがやたらと色っぽい。
「さすがは俺の嫁」
俺の口からつい、本音が漏れた。
ミュウツーの特徴的な紫色の目が俺を睨みつける。
『だが断る、と言ったはずだ。私が、いつ、お前の嫁になった?』
「いや、これはネット上のスラングっていうか――単なる冗談で……」
『不愉快だ』
ミュウツーは三本の指を俺に向かって突きつけた。小さな掌から紫の光弾が放たれる。
べちん。
それは俺の額のど真ん中にクリーンヒットし、俺は頭を抱えて悶絶した。

189 :
『シャドーボールだ』とミュウツーは言った。
ノーチャージのシャドウボールだ。もしフルチャージしていれば頭蓋骨が砕けていた。その程度で済んだのは幸運だと思え、
とミュウツーは言った。
「……冗談だろ?」
ミュウツーは答えない。
その代わり、ざまあみろでもいうかのようにふっと鼻を鳴らして笑った。
……どうやら冗談ではないようだ。
俺は安堵した。
うん、チャージ無しで本当に良かった。
しかし、俺の頭蓋骨が無事なことはさておき、痛いものは痛い。
一体、俺の額はどうなってるんだろうか。
気になって洗面所で鏡を見てみると、額のど真ん中に、親指大の青々としたでっかい痣が出来ていた。
どうするんだよこれ。
このまま学校に行った日には、あだ名が「大仏さん」になること間違いなしだ。
いくら俺の嫁のしたこととはいえ、これは一言言ってやらないといけない。
そう思って戻ってみたら、ミュウツーはマウスの上にぺたんと座り込んでいた。
念力で器用に身体ごとマウスを動かしては、小さな手でぺちぺちとマウスのボタンを押している。
ころころ、ぺちぺち。ころころぺちぺち。
卑怯だろ、それ。
抗議の言葉の前に「萌え」の感情が湧き上がってくる。
萌えすぎて何も言えねじゃねーかチクショウ。さすが俺の嫁。
俺が後ろで萌えまくっているのにも気づかずに、ミュウツーはディスプレイを見つめてころころぺちぺちと動き続けてるのだった。
で、そんなに夢中になって、一体何を見てるんだ?
俺は背後からこっそりディスプレイを覗き込む。
そこに表示されてる文字列は「スマブラのエロパロ Part2」。
さっき、俺が『ミュウツーは俺の嫁』と書き込んだスレだ。
もちろんエロパロだから、話題はエロイことばかりだ。
ミュウツーはそんないかがわしいページを、ころころぺちぺちと見ているのだ。しかも、
『ふむ、ふむ、なるほど』
『カービィだと! そういう使い方なら分からないでもないが、しかし……』
『なんだ、この『ふたなり』というのは?』
『……これは。全く、人間というものは何を考えているのか……』
『大体、なぜポケモンである私が性欲の対象になりうるのだ?』
とかひとりごとを言いながら。

190 :
そして――しばらくしてミュウツーは俺のほうに向き直った。
俺のことに今気付いたというような顔だった。泳いだ目に動揺が表われている。
『戻ってきていたのか』
「そりゃあね。で、どう思った?」
こんなことを聞いたら怒るかもしれないな、と思いながら俺は試しに聞いてみる。
ミュウツーは、なんとも意外な事に律儀に答えた。
『擬人化というのならまだ分からなくもない。人間が人間にその――欲情するというのは自然な事だ』
「そ、そっか」
『が、しかし……擬人化でもないのに、私達ポケモンやカービィなどに……その、なんだ……抜けるとかなんとか言うのはやはり理解に苦しむ』
「それは――」
説明しようと口を開きかけた俺の目に、あるものが目に入った。
ミュウツーの腰掛けてるマウスが光っている。
マウスに発光ダイオードが仕掛けられてるとかそういう意味じゃない。
ぬるぬるとした液体が蛍光灯の光に照らされて反射しているような、そんな光り方だ。
そういえば、さっきからミュウツー、やけに呼吸が速くないか?
おい、ちょっとまてよ? 
これはもしかすると、もしかするんじゃないか?
俺は、ミュウツーの身体を鷲掴みにした。
手乗りサイズのミュウツーの体は俺の左手の中にまんまと収まった。
『いきなり何をする!』
ミュウツーが叫ぶ。俺の手から逃れようと、小さな体がじたばたと暴れ回る。
でも所詮は『スマブラのフィギュアのミュウツー』の力。たいしたものじゃあない。
「人間相手じゃなくても、エロければハァハァ出来るんだよ。人間ってやつはさ」
俺は耳だか角だかわからないミュウツーの頭の上の突起に口を寄せて、やさしく囁いてやる。
返事は返ってこない。
きっと俺の言ったことなんか二の次なんだろう。
まあ、そもそも聞いてないって可能性もあるが。
ひとしきり暴れた後、ミュウツーは単純な力ではかなわないと悟ったのか、念力で俺の指を一本一本を外そうとしてくる。
そう簡単に逃げられる訳にはいかない。というか今逃げられると俺の生命に危険が生じる。ぎゅっと俺は力を込めてミュウツーを握り締める。
苦しそうな表情が小さな顔に浮かぶ。やばい。萌える。
いや、そんなこと言ってる場合ではないのだけれど。
俺はマウスに手を伸ばした。案の定、先ほどまでミュウツーが座っていたところを中心には、ぬるぬるとした液体が付着していた。
手でぬぐって、鼻先へもっていく。ほんのりと雌の臭いが漂ってくる。
やはり。
俺のカンは当たっていた。
「ミュウツーも実はさ、ポケモン同士じゃないのを見て、ハァハァしてたんだろ?」
『な……何を根拠にっ!』
そのセリフって「そうだ」って言ってるものじゃないか、とか思いながら、俺は指でミュウツーの股間をなぞった。
どういう構造になっているかは分からないけど、そこは確かに愛液のようなもので濡れていた。
「これで違うって言える?」
ミュウツーは何も言わない。
だから俺はつい調子に乗って、言い続けてみた。
「え? どれ読んでこんなになっちゃった訳さ。ショージキに言ってみ? やっぱりこのスレ的にガノン? プリン? それとも自分が絡まない奴かな〜?」
『やめろっ……!』
ミュウツーの目が青く輝いた。眼力だけで人がせそうなぐらいに鋭い視線が俺を射る。どうやら本気で怒らせたようだ。
何もないのに、喉がぐいぐいと締め上げられる。なんだこれ?念力か?呼吸が苦しくなる。キーンと耳鳴りがする。
間違いない。手を離さなくても、俺は、ぬ。
フィギュアにされるなんて異常だけど、ミュウツーにならば悪くはない。
グッバイ俺の人生。そしてエンドロール。まる。

191 :
ってそういうわけには行かない! 俺には俺の明日があるし、未来がある!
それに、何よりも、ここまで来てミュウツーの痴態を見ずにねるか!
俺は遠ざかりそうになる意識を引き寄せて、ミュウツーの目を真っ向から見つめ返した。
いい目だ。反感と意の入り混じった誇り高い目だ。
ミュウツー萌えのマゾ――ミュウツー好きの集まるところにはそういう人種もいると聞いている――ならこの目で見下されただけでイってしまいそうなぐらいの目だ。
しかし俺はマゾではない。
この目で睨まれただけで、屈してはいけないのだ。
俺はミュウツーの頭部に向かい、舌を突き出した。狙うのは首の後ろ、二本目の首のような神経束だ。
『そこを触るな……っ』
と、テレパシーが飛んでくる。頚部に加えられる力が強くなり、ぐう、と俺の喉から息が漏れる。気管が押しつぶされている。息が苦しい。でも――
「触るな……ってこと、は……弱いんだなっ……?」
――じゃあ、責めてやろうじゃないか。
神経束は弾力があって、思いのほか柔らかだった。すべすべとしたそれを俺は舌で転がしたり、唇で挟んで扱いたり、軽く歯を立ててみたりする。手の中に体と一緒にすっぽりと収まっている紫の太い尾がぴくりと動く。
首を絞めつける見えない力が、少しだけ弱まった。
「体は正直だな」とかいうセリフが脳裏に浮かぶ。そして危うく言いかけて――俺はやめる。だって、あまりにも陳腐すぎるセリフじゃね?おいおい、どこのエロ小説だよ俺。なんて心の中で突っ込みを入れながら、俺はミュウツーの股間を小指でぐりぐりと探る。
分泌された愛液が、指を濡らす。
紫の肉の間の柔らかな亀裂。
充血してぱっくりと口を開いた小陰唇と肉襞の触感が、フィギュアとは思えないほどに、あまりにもリアルで俺は感嘆の息を漏らす。
サークライ、GJ。
いやそれともこれは俺のイメージの賜物なのか。
それは分からないけれども。
大陰唇を指で押し広げ、まじまじと見つめる俺の首を再びミュウツーが締め付けてくる。
酸素不足に喘ぐ俺の視界がかすみ、鮮やかな肉色をしたヴァギナがぐにゃりと歪む。
なんてこった。おちおち視姦も楽しませてくれないとはなんというツンデレだろう。(まだデレてない)
お返しとばかりに、俺はむき出しの淫核を爪で軽く引っかいてやる。
う、と喉から微かに肉声を漏らし、ミュウツーは目を見開いて、体をびくりと硬直させた。
俺の首を締め付ける力が途切れて、俺の肺が新鮮な空気を胸いっぱいに取り入れる。
急激に脳に流れ込んだ血流で頭がどくどくと痛む。
「もしかして、今のところ、かなり良かった?」
『…………』
ミュウツーはふいと顔を背けた。顔が赤い。
『神経の集まるところを乱暴に扱われたのだ、体が反応しても仕方が無いだろう』
「体が反応? そうかそうか、乱暴にされて感じちゃったか。そういう趣味だったとは知らなかった」
『そういう意味ではなく、集中が途切れたことであって……う、あ……いきなり何をす……』
しどろもどろなミュウツーの体に、俺はむしゃぶりついた。
体中を舐めまわし、噛みついたりしているうちに、白い皮膚は俺の唾液と歯型まみれになる。
ぐちゅぐちゅと性行為でもするかのようにピストンする俺の舌。
舌を突き出して筒みたいに丸めて首と神経束の間の隙間に舌を突っ込めば、頚椎の硬さと神経束の柔らかさがまるで膣口のように俺の舌を包みこんだし、ぐりぐりと小指で性器を弄べば、そこから愛液はつたって落ちた。
じゅぶじゅぶと音を立てながら白い輪の間を出入りする俺の舌が、まるで小ぶりなピナスなんじゃないかと思うぐらいに気持ちがいい。
ミュウツーは息を詰まらせたまま、頭をのけぞらせる。
伸びきったミュウツーのあまりにも細い白い首筋。喉に浮かぶ胸鎖乳突筋の段差が、あまりにも――あまりにもエロすぎる。

192 :
以上です。なむなむ。
一行目、コピペミスった。
× ロパロ板は、今日も平和だった。
○ エロパロ板は、今日も平和だった。

193 :
お焚き上げおつ!

194 :
誰よりも一番が大好きな女の子14才。
修学旅行でみんなより性的知識が遅れていると知って、自慰行為に耽り…

ああ、あたし、バカになってる。
バカになっちゃう。
自分で自分のおっぱいの先っぽを弄って、そのたびに背中がゾクゾクして、お腹がムズムズして、それが気持ちいいと思い始めてる。
おじいさんおばあさんに親切にするより、テストで満点取って先生にほめられるより、ずっと気持ちのいいことなんてあるわけないのに。
両手でおっぱいの先っぽを抓って、痛いと感じる寸前まで捻って、
それでも気持ちいいなんて。
もうヤダこんなのおかしいよ。変だよ。やめたい。やめなくちゃ。
それでもあたしの手はとまらない。
触るのが怖いのに、パンツの中に手を差し入れてしまう。
大事なところはぬるんとしてて、自分の体じゃないみたいだった。
指で小さな突起を撫で回すと、それだけで腰が抜けそうになって、息が止まるような衝撃が背筋を駆け抜けた。
こんな、ダメ。これはダメ。おっぱいなんかよりずっと刺激強い。指、止めなきゃ。ホントにバカになっちゃう。
なのに、あたしは右手でお股を、左手をいっぱいに開いておっぱいの先っぽを弄ってる。
ベッドの上で、パンツ一枚履いただけの格好で、足をピンと立てて、思いっきりのけぞってる。
今ならまだ戻れるから。止めよう。でないとあたし、あたし、あたし、あたし…ぃっ!
目の前に日常があった。
いつもの通学路。
知らないおじさんが、困っているのを見て、助ける。
「ありがとう、お嬢さん」
いいえ、当たり前の事ですから。
「それでは、これはほんのささやかなお礼のしるしです」
おじさんがあたしの腰に腰を押し付けていた。
制服を着ていたはずなのに、あたしは裸で、おじさんに抱きついていた。
おじさんはあたしの腰をしっかり抱え込んでいるのに、おっぱいもこねくり回してた。
「受け取ってください」
ぐい、とおじさんが腰を突き出して……。
その瞬間、何かの弾みみたいになにかよくわからないのがブワッと湧いて、カラダがジンジンして、
なにがなんだかわかんなくなって、意識が遠くなって、それで初めて、これがイった状態なんだ、って思った。
弾む吐息が鎮まるにつれて、あたしの心に激しい後悔が湧き上がってきた。
ぬるぬるになってふやけた指を、抜き取って、ティッシュで拭った。
かすかに酸っぱいような匂いが、ひどくいやらしい気持ちを掻き立てて、あたしはまた乳房に指を這わせていた。
あたし、バカになっちゃった。
取り返しのつかないことしちゃった。
こんな事知らなくても生きていける体から、自分で自分を、これなしじゃ生きていけないカラダにしちゃった。
もう14才だと思っていた。
でもあたしは、まだ14才だったんだ。



195 :
ダイパのライバル×女主人公
本番直前で詰んでしまい、どうも動かせなくなったのでお焚き上げさせてください
計5レスほどお借りします

196 :
宵の口。豪雪の中をノースリーブ姿で歩く少女がいた。
申し訳程度に首元に巻かれた赤いマフラー。霰と共になびくその裾を背に、彼女はザクザクと足を進める。
そんな少女の足跡を駆け足で辿る少年がいた。
少女の物に似た緑のマフラーを身に着け、黄色い髪に雪を散らし、吹雪の向こうにちらつく幼馴染の姿を追う彼に、少女は気付いていなかった。
彼女が立ち止り屈んで身を震わせたのを見て、少年はピッチを上げる。
「ヒカリ!!」
「ひゃぁっ!?」
人の気配の無い白銀の地でふいに名を呼ばれ、ヒカリはびくりと硬直した。
リッシ湖に近いこのあたりには幽霊が出るとの噂がある。以前トレーナーから聞いた台詞を思い出し、ヒカリは余計に大きく身を震わせる。
「俺だよ俺!何やってんだよ」
「なんだジュンかあ……幽霊かと思っちゃった」
「ユーレイ?なんだそりゃ?」
「知らないの?この辺って幽霊が出――っくしっ!!」
言葉を途絶えさせ、大きなくしゃみをするヒカリ。
スンとすすった鼻先は木の実のように赤く照り、目元には少し涙が浮かんでいる。
「バーカ。そんなカッコしてっから風邪ひくんだよ」
「ジュンだって半袖じゃん。馬鹿に馬鹿って言われたくない」
「なんだとー!?」
「ジュンはいいよね。馬鹿だから風邪ひかないもんね」
「言ったなヒカリ……!!くらえっ!」
「きゃっ!?」
脆く冷たい何かをぐしゃりとぶつけられ、ヒカリは思わず雪の上に倒れ込む。
身体を起こして見ると、痛みはなく、代わりに自分の右半身が雪でしっとりと濡れていた。
ジュンが雪玉を投げたのだと悟った彼女は、ポケモントレーナーに挑むときのような、鋭い笑みをニッと浮かべた。
「やってくれたわね!えいっ!!」
「うわ!?」
立ち上がりざまに雪を握り固め、ジュンのいる方を振り返り渾身の力で投げつける。
不意を突かれたジュンはそれを受けてよろめき、ぼすんと尻もちをついた。
「なんだってんだよー!!でりゃっ!」
「ひっ!もー!!倍にして返すからね!」
「ぎゃっ!ヒカリお前――ぶはっ、冷てっ!」
「ぷっ、ふふふ。ほら、どんどん行くよ!」
「よーし、受けて立つ!せいっ!!おりゃっ!」
いつの間にか始まった盛大な雪合戦。
両者とも子供らしく無邪気に笑顔を交えて戦っていたが、
ふたり揃って大きなくしゃみをしたのを境に雪玉の飛び交いは止んでしまった。
昇りはじめの月に照らされ、青い影が白い大地に伸びる。
「……なあ、ポケセン行って暖まらねえ?」
「うん。賛成……」
すっかり大人しくなったジュンとヒカリは肩を並べ、キッサキシティを目指してとぼとぼと歩き始めた。

197 :
払い残した雪で所々身を白く染めた二人を、ジョーイさんは苦笑で迎えてくれた。
渡されたタオルで雪を拭い、カウンター横の椅子に腰かけ揃って息をつく。
「雪合戦ですか?元気で良いですねえ」
「あ、あはは……」
「でも、どうやらお疲れのようですし、今晩は早めにお休みになったらどうですか?」
「そうします。お部屋お願いできますか?」
「はーい。俺も俺も」
「少々お待ちを……あら?」
タッチパネルを見つめるジョーイさんの顔が曇り、困ったような表情に変貌する。
「ごめんなさい。勧めておいてなんですが、生憎空き部屋があと一つしかなくて……」
ジュンとヒカリは顔を見合わせ、次いで視線を自動ドアへと移した。
透明なガラスの向こうではしんしんと雪が降り積もり、時折ビュウと強く風が吹雪く。
野宿などもってのほか、この疲れ切った身体でもう一度外に繰り出すのは自行為に思える。
悪天候にトドメを受けて、今度こそ間違いなく風邪をひくだろう。
「ポニータにひっついて眠れば……無理か」
「心配いらないよジュン。一緒の部屋でいいでしょ?」
「は?」
「ジョーイさん。そのお部屋二人で使わせてもらっても平気ですか?」
「平気ですが、ベッドはお一つしかご用意できませんよ?」
「んー。まあ、大丈夫です!お願いしまーす」
「かしこまりました。それではこちらに」
ジョーイさんの案内に従いついていくヒカリ。
唖然とした状態でカウンターに留まっていたジュンが、我に返り慌ててその後ろを追う。
「おいヒカリ!どういうことだよ!?」
「何が?」
「い、一緒の部屋ってお前……」
「仕方ないじゃん。野宿はできないし、部屋は一つしかないし」
「……お前、それでいーのかよ」
「え?うん。ジュンは何か不満があるの?」
「不満ってわけじゃないけど、その、なんつーか……」
ごにょごにょと口篭るジュンを見て、ヒカリは髪を揺らし首を傾げる。
そうしているうちに小ざっぱりとした簡易宿泊室に到着し、ジョーイは幾つか諸注意を述べ一礼して去って行った。
雑誌が数冊並んだスチール棚に、備え付けの小さなテレビ。そして壁際に置かれたパイプベッド。
この三つのほかに家具はなく、非常に簡素で風景である。
何度も利用経験のある見慣れた光景のはずなのに、どうも落ち着かない。
ジュンは鼓動を早くしながら、その原因である人物の横顔を眺めていた。

198 :
「シャワールームって廊下の突き当たりだっけ?借りてこようかな」
ニット帽とマフラーを壁にあるフックにかけて、長い髪を手櫛ですくヒカリ。
ベッドに腰かけたジュンが、そんな彼女に向かって気まずそうに切り出す。
「……本当にいいのかよ。ヒカリ」
「もー。ジュンってば、何がそんなに気にかかってるの?」
「だって……女が男と同じ部屋に泊まるんだぜ?どうも思わないのかよ」
一旦視線を外して、俯きざまに呟くジュン。
彼がちらりとヒカリの顔を伺うと、彼女は目を丸くしてジュンを見つめていた。
「どうもって……ジュンは私の幼馴染だよ?だから――」
困惑した表情で言葉を紡いでいたヒカリが、その語尾を濁らせた。
自分の喉から出たはずの台詞なのに、自分のものではないような感覚がした。
そんな違和感に口を噤む。ジュンはそれを見て再び視線を伏せた。
「そうだな。幼馴染だもんな。そりゃ、どうも思わねーよな」
違う。と声にしようとして、ヒカリは口を開いたが、喉が詰まって何も出なかった。
どうも思ってないなんて、そんなわけない。それは確かだ。でも、それならどう思っているの?
私はジュンのこと、どう思っているの?
疑問詞がぐるぐると脳内を巡り、思考を掻き混ぜて頭痛を起こす。
気付けばヒカリは部屋を飛び出し、シャワールームに駆け込んでいた。
鍵をかけ、衣服に手をかけてから動きを止める。視線を上げると、洗面の鏡に自分の姿が映っていた。
膨らんできた胸部。うっすらと見え始めたくびれ。昔と比べ丸みの消えた顔。それと反対に、丸みを帯びてきた腰元。
鏡に映っているのは確かにヒカリだ。だが、以前鏡を覗いたときとは何かが違う。
『だって……女が男と同じ部屋に泊まるんだぜ?どうも思わないのかよ』
「そっか。私……」
シンオウ地方を巡るうちに、色々な事を知って色々な人に出会って、色々な感情を味わった。
そして成長は心だけでなく、歳月と共に体にも反映された。ヒカリはそれに気付いていなかった。
服を脱ぎ髪留めを外して、浴室に足を踏み入れる。ヒカリは熱いシャワーを浴びながら、水音と共にジュンのことを考えた。

199 :
シャワールームを出て部屋に戻ると、言葉を交わす間もなく、ジュンは駆け足でシャワールームへ行ってしまった。
寂しさを覚えつつヒカリはベッドに横たわる。自身の濡れ髪からポケモンセンターのシャンプーの匂いがする。
代えの下着は持っていたが、パジャマは持ち歩いていない為、ノースリーブとミニスカートをもう一度身に着けた。
しばらくしてジュンが帰ってきた。彼もヒカリと同じように普段着のまま。
「おかえり」と勢い良く言って身を起こしたはいいが、次の言葉が出てこなくてヒカリは再度横たわった。
ジュンの方はというと、「ただいま」といつになく弱々しく返して、タオルで乱暴に髪を拭いている。
「俺もう寝るけど、ヒカリは?」
「あ、私も寝る。電気消しちゃっていいよ」
壁際に寄ってジュンが寝るためのスペースを空け、緊張を誤魔化すように素足を擦り合わせる。
電灯が落とされ、隣にジュンの気配を感じ、ヒカリは自分の心音がより大きく響いたのを自覚した。
「……おやすみ」
「お、おやすみなさい」
やはりジュンの声はか細く、寂しさを纏っている。
こちらに向けられた彼の背中に視線を向けて、ジュンは何を考えているだろうと想像するが、ヒカリは何も思い浮かべられなかった。
そして自分の鼓動の五月蠅さに文句を覚えながらも、少しずつ、まどろみに落ちていった――。

ふいに訪れた息苦しさに眉間を寄せ、ヒカリは身を捩らせる。
胸部に妙な圧迫を感じる。内から痛むのではなく、上から力をかけられているような、そんな感覚。
よく考えてみると首から下がひどく重く、暖かい。金縛りというやつだろうか。それとも、それとはまた別の……。
「え?」
「あっ」
薄目を開いたかと思いきや、これでもかと見開かれるヒカリの眼。
それもそのはず。目覚めたら鼻先が触れ合うほどの距離に幼馴染の顔があり、
自分の身体の上には彼の身体が重なり、胸元には彼の手が密着しているのだから。
驚かざるを得ないこの状況に、ヒカリはケイコウオのように口をぱくつかせた。
「ジュン、なにしてるの?」
「……だから聞いただろ。女が男と同じ部屋に泊まるんだぜって。本当に良いのかって」
「ま、待って。何が何だか――きゃ、ジュン!?」
ノースリーブを鎖骨のあたりまで一気に捲り上げられ、膨らみかけの微乳がふるりと露わになる。
ジュンの口がその頂に吸い付き、ヒカリは今まで出したことがないような、高く甘い声をあげた。
「何だよ今の声……すげー色っぽい」
「ジュンってば、駄目っ、離して!んぁっ」
ジュンの視線は淀んだまま余所を向いている。ヒカリは不安げな表情をしてそれを見、彼の名前を呼んだ。

200 :
「ねえ、ジュン!何でこんなことするの?」
「……違うんだよ」
「違う?」
「お前にとって俺はただの幼馴染かもしんねーけど、俺は……俺は違うんだよ!」
「ひっ――やだ!そこ、触っちゃ、やぁ……」
ジュンはヒカリの内腿の狭間に掌を滑り込ませ、それを付け根の方まで滑らせていく。
ショーツ越しに柔らかなそこをつつくと、ヒカリの身はより一層強張った。
「聞いて、私も違うのっ、だから――!」
「違うって何がだよ。ただの幼馴染なんだろ?」
「違う、そうじゃない!私、ジュンのことが好きなの!」
ジュンの動きが止まった。視線を上げ、ヒカリと目を合わせる。
ヒカリは耳まで真っ赤になりながらも、勇気を出してジュンの首に両腕を回し、彼の頬に頭を寄せる。
「ずっとずっと一緒だったから気付かなかったの。ジュンはもう幼馴染ってだけじゃないんだ、私の好きな人なんだって」
「なっ……!おいヒカリ、ほんとかよ!?」
「本当だよ……ね、ジュンは?」
「俺も――幼馴染ってだけじゃない。ヒカリのこと好きだったんだ。ずっと前から大好きだった!」
ジュンの両腕がヒカリの項にまわり、彼の瞳に輝きが戻っていく。
「夢じゃないよな!?ヒカリ、ちょっとつねって――いだっ!?」
「これはお返しね。夜這いするなんてサイテー」
「ういっ、だっ、だってこんなチャンス滅多にねーじゃん!
 ただでさえ旅してっから中々会えないし、ましてやこんなにくっつく機会なんて……」
「う……で、でもサイテーなものはサイテーだもん」
思いっきり抓られた頬は赤く腫れ、じんじんと痛む。
ジュンは患部を手で押さえ唸っていたが、ヒカリがその手を取り払って頬にキスをしたので、一気に痛みなど気にならなくなった。
「も、もう一回!もう一回して!」
「……しょーがないなぁ」
今度は反対の頬に唇を寄せるヒカリ。呆れた表情ながらも、はしゃぐジュンを見る目は優しい。
次は口に、とジュンに強請られたが、ヒカリはかぶりを振った。
「それは男の子からするものじゃないの?フツー」
「そう……か。そーだよな!――よし」
瞼を閉じたヒカリの顔を見て、ごくりと唾を飲む。
やがて訪れた柔らかく幸せな感触に、二人は思わず紅潮した。

201 :
以上です。ポケセン内の設定はよく分からなかったので捏造しました。ナムナム。

202 :
供養乙!

203 :
途中まで書いたところがブレーカー落ちて消えてやる気がなくなったので

204 :
 俺には妹がいた。
 生を授かって僅かで亡くなってしまったと聞いているが、俺は小さかったのでよく覚えていない。
 その後、両親は離婚し母方に引き取られ、今は貧しいながら平穏に高校生活を送っている。
 もうじきゴールデンウィークで連休だ。
 お袋は祖父母を連れて旅行に、そして俺は俺で一人旅でもする予定にしていた。
 記憶を頼りに、昔住んでいた家が今どうなっているのか、見に行ってみようと考えたのだ。
 当日。予算的な意味で、安い電車とバスに乗り、一日かけての遠出となった。
 辿り着いたのは夕方近く。
 懐かしい小さな一軒家は人が入っている様子はなく、雑草が伸びて荒れているようだった。
 管理人に電話で尋ねてみてもどうやらそのようで、ついでに何か「そこはやめといた方が良いよ」とか言われた。
 とりあえず快く許可を頂いたので、中に入ってみる。
 十何年と全く空き家だったという訳ではなさそうで、まだ真新しい入居跡がある。
 布団やら物やら所々置きっ放しだし、どうも無難に引き払った様子ではない。
 それでも昔の、親父がいた頃の僅かな思い出に浸りつつ見て回っていると、日が暮れた。
 近くの民宿に泊まる予約をしているので、長居は出来ない。
 そろそろ行こうかなと思ったら、ホー、ホー、と、何かの鳴き声がした。
 外に出てみると、石塀に大きな影。
 横に二つ並んだ光るものは目だろうか、こっちを見ている。
 猫とかにしては横広くて、フクロウのようなシルエットだ。
 どうしよう、じっと見られているな。
 こんな家を根城にしているとは思えないが、まるで監視されていたみたいだ。
 とりあえず目線を逸らし、そっと立ち去ろう。
 襲われはしまい、と恐る恐る公道まで出た時、
「お兄ちゃん?」
 と、声がした。
 それがその辺を出歩いている子どもの声なら良かったが、やけに近かった。
 返事を出来ないでいると、何か背後に降り立つような音がして、もう一度、
「お兄ちゃんだよね?」
 と、明らかに俺に向けられているように、尋ねられた。
「誰?」
 振り向かずに聞き返すと、
「妹だよ」
 そう答えられた。
 人ならぬものに見つめられているような、悪寒がした。
「こっち向いてよ」
 向いたらそのまま神隠しとかに引き込まれそうで、好奇心は湧くが耐える。
「俺に妹はいないよ」
「嘘つき。忘れたの?」
 いよいよ気味が悪いというか、何かの間違いであってほしい。
 そのままに受け取るならつまり、あの時の妹の亡霊に話しかけられていることになる。
「こんな所で悪戯していないで、早くお家に帰りなさい」
「本気で言ってるの? 私のこと覚えてもいない癖に、ここに来たの?」
 段々、現実味が濃くなってくる。
「俺の妹は、生まれてすぐにんだんだよ」
「勝手に、いなくなったことにして、出て行っちゃっただけじゃない」
「ごめん」
 俺はそのまま、そこから離れようとした。
「行かないでよ……お兄ちゃん」

205 :
 その声が、いとも簡単に俺の足を止めてしまった。
 独りぼっちは嫌だって、泣きそうに訴えかけられると弱い。
「分かったよ」
 俺は振り返り、再び旧家の門を通った。
 立っていたのは、中学生くらいの体格をした女の子だった。
 暗くなっているので色はよく分からないが、短めの髪と、体は露出が多く、ビキニのような三角のトップに、下はホットパンツ。
 そして、肌の所々に刺青のような模様が見える。
「お帰り、お兄ちゃん。ずっと待ってたよ」
「その格好は?」
「んー、よく分からない。けど、近所の人はわたしのこと、”たたりもっけ”って呼んでる」
 俺は日本の風俗にあまり詳しくはないので、それが何なのかは分からない。
「中で話ししようよ」
 ここは空き家なので、電気もガスも水道も当然止まっている。
 明かりは無いし、外に行こうと誘ってみたが、
「わたしが今の姿になれるのは、この敷地内にいる時だけなの」
 と、よく分からないことを言う。
「見たでしょ? わたしはフクロウなの。気がついたら、そうだった」
 フクロウ、か。
 転生とか山月記とかそんなものは信じていなかったが。
「ある時、近くを通りかかったら、この家が目について、ここ…何だかすごく懐かしくて」
 畳の部屋で彼女は、窓から差し込む僅かな明るさを背に、俺と向き合っている。
「ここにいると、わたしは段々わたしになっていくの。フクロウの私じゃないわたしの記憶を、思い出していくの」
 その姿や表情は相変わらずはっきりと見えない。
 ただ、目が妙に光って見えるのはさっきのフクロウと同じだ。
「でも、住んでいる人に違和感があった。見ていたら何か腹が立ってきて」
 そして、この家に住まおうとする者は、脅かして追い出すようになったらしい。
 それでか、”崇り”呼ばわりなのか。
 あの電話の歯切れの悪さも、いわゆるいわく付き物件って感じなんだろうな。
「ねぇ。お父さんもお母さんも、お兄ちゃんもみんなどこ行っちゃったの? わたしを置いてさ」
「まず、さ。赤ちゃんの時の記憶なんて、覚えているのか? 俺がそのお兄ちゃんってのも何を根拠に」
「勘」
 短く的確な表現だな。
「……覚えてるよ。頭で理解出来るものじゃない。目で見たり、触られたり、耳で聞いたりした心の記憶」
「心の、記憶か」
 俺はよく思い出せない。
 家族間でタブーのようになってしまっていたこともあるが、彼女の名前すら。
 人間と同じように成長したこの姿ではもはや当時の親でも見分けようもなく、俺たちが兄妹だったと証明出来る手段は恐らくない。
「わたしの質問に答えて」
 それでも俺は仕方なく、教えた。
 その後、どういうことになったのかも話をした。
「……そう」
 彼女は明らかに気を落としたようだった。
「でも、君のせいじゃないよ」
「きみなんて余所余所しい呼び方しないで。わたしには名前があったはずでしょ? 教えて」
 慰めようとしたのに、何だよ。
「じゃあ”お前”。それとも何か? お前は俺の名前を知ってるのかよ」
「お兄ちゃんはお兄ちゃんでしょ」
「ほらみろ、お互い様だ」
「むー」
 少し拗ねたような声を出した彼女だったが、初めて兄妹らしい会話になった気はする。
「でも、お兄ちゃんだけでもここに戻って来てくれて、嬉しい」

206 :
 俺の予定では、本当は明日は近くの城や名所などを観光して、明後日の朝、帰路につこうと思っていた。
 だが、取り止めだ。
 とりあえず今日明日いっぱいはここにいてやると、彼女に約束してしまった。
「これからずっと一緒にいてくれるんだよね?」
 そう勘違いしてしまった、憐れな妹の生まれ変わり。
 あっさり否定出来て、それを受け入れてくれる物分かりの良さそうな子だったらどんなに良いだろうな。
 残酷なことに変わりはないが。
「それにしても、真っ暗だな」
 目の前の影に話しかけると、
「わたしはよく見えるよ?」
 と元気に返事をする、憐れと思ったが、これもこれで妹だ。
 彼女はフクロウと言うだけあって夜行性らしく、さっき起きたらしい。
 で、山から通いで飛んで来て、そして俺が入り込んでいるのを見つけたと。
「そうですか。そりゃフクロウなら不便はないだろうが」
 が、俺みたいな人間は、民宿に泊まる予定だったのですよ。
 先刻、携帯電話でキャンセルしてしまいましたが。
「でも、確かにこうして話してるだけじゃ退屈だよね」
「普段は何をしているんだ?」
「そうだなぁ、いつもは狩りに行く時間かな。お兄ちゃんも行く?」
「俺は鳥じゃないからな」
「冗談だよ。でも、突然だったから、おもてなしする物は何もないんだよなぁ」
 もてなすとして、虫とか獲ってくるのだろうか。
 相手の表情とか分からないので、思い出話や世間話で間を持たすのも大変だ。
 そういえば結構刺激的な格好をしていたなと思ったが、よく見えなかったからな。
 今の状態は言わずもがなで、それもまるで囲炉裏でも一つ挟んだような距離があるので、変な心地だ。
 まともに見てみたいんだがな、彼女の顔とか姿を。
 ついでに触って――。
「お兄ちゃん、眠い? 夕飯とか、食べてないんだよね?」
「近くにコンビニでもあれば、何か買って来るかな」
「ここからだと出て左行って、大きな通りまで行ったら信号渡って右にあるとこが一番近いよ。わたしにも何か買って来て」
 感動の再会からまだ幾許も経っていないのに、この馴染みっぷり。
 長年連れ添った本物の兄妹みたいだ。
「お前、何が食べれるんだよ?」
「食べたことないから分からないや。とりあえず今は人の姿だから、人の食べれる物なら多分大丈夫」
 自分でも自分のこと、よく分かっていないのだろうが、適当だな。
「釣具屋さんでワームでも買おうか」
「虫苦手なんだよね」
「おい」
「…お兄ちゃん」
 声が少し真面目なものに変わった。
「わたしが恐くない?」
「別に。最初は得体が知れなくて混乱したが、今は俺の妹だと思っている」
 光る二つの目が閉じる。
「わたし、人間じゃないんだよ? お化けとか妖怪とか、そんな類なんだよ?」
「でも、お前が呼び止めてくれたんじゃないか。何だって構やしない」
「じゃあさ、わたしのこと、抱ける?」
 突然訊かれ、俺は考え込んでしまった。
 妹を抱く、か。
「恐いのと抱けるかどうかというのは、別じゃないか?」
「どうなの?」
「……抱ける」
 俺は馬鹿なのかもしれない。

207 :
「ほんと?」
「それをやると俺たちは、普通の兄妹とは一線を画すことになるがな」
 初対面の妹で、生まれ変わりで、そもそも普通ではないと思うが、それでも倫理にそぐわないだろう。
「ただ妹のことは、んだと思ってこれまで生きてきたし、何もしてやれてこなかった」
 彼女は黙って聞いている。
「フクロウになったお前が人格を取り戻して、それから何年もずっと孤独に耐えていたのなら、俺もそれを――」
 言いかけて、ふと言葉に詰まる。
「あ、すまん。冗談かもしれないのに、何言っているんだろうな」
「良いから続けて」
「上手く言えないが、分かってやりたい。抱くことで慰めてやれるのなら、と考えた」
 いよいよ困ったので、腰を上げる。
「…買い物に行って来る」
「わたしがずっと夢見てたお兄ちゃんって、バカに真面目で、不器用で、どこか抜けてるんだなぁ」
 彼女もその場に立ち上がったようだった。
「別れた彼女にも言われたな。その上、お前は自由主義で足並み揃えきれないってさ」
「…ありがとう。でもそんなとこが多分、お兄ちゃんなんだね」
 畳が軋む音がする。
「触って良い?」
 声が近づいた。
「遠慮していたのか? 赤の他人ですらそんなこと一々確認しないぞ」
「うるさいなぁ」
 わざと茶化すように言ってみせたが、恐らく特別な思いがあるのだろうな。
 簡単に、何気なくこなすことの出来ない、その瞬間。
「お兄ちゃんの、手」
 俺の手に温かなものが包み、そして、そっと浮かされた。
「…お前の、手」
 年下の、自分のものより一回り小さなそれ。
 俺は妹の、妹は俺の、感情や鼓動を確かめ合うような、長い握手になった。

208 :
以上
ゆとりだから仕方ない

209 :


210 :
ナイス投げ!

211 :
投げさせていただきます
蝶の毒 花の鎖 尾崎秀雄×百合子

212 :
昨年発生した米騒動の余熱も冷めやらぬ、きな臭い空気がいまだ漂う大正八年。
浮世の出来事などどこ吹く風、と言わんばかりに、ある華族の家で華燭の典が執り行われた。
勲功華族の尾崎家である。
尾崎男爵家の一人息子の秀雄が、野宮子爵家の令嬢百合子を妻に迎えたのだ。
二人のように爵位をもたない華族は、結婚に際して戸主の同意と、宮内大臣の認可が必要になる。
そういうと何やら堅苦しく聞こえるが、戸主の同意さえあれば、結婚を申し出た時点でほぼ自動的に結婚の許可は下りたと考えてよい。
秀雄の父尾崎男爵と、野宮子爵瑞人の意見は双方ともに一致を見た。
「家格が釣り合わない」と囁く声も一部に聞かれた。
大名華族は大名華族と、勲功華族は勲功華族と結ばれる例が多かったからだ。
しかし、どこにでも例外は存在するもので、戸主の了承を得て認可が下りれば雑音も自然と下火になる。
かくして、大礼服の秀雄と、十二単に身を包んだ百合子の式が厳かに行われたのだった。
この時代の華族は、後世に言うアイドルとしての一面も持ち合わせている。
新聞の三面記事には華族のスキャンダルが踊り、雑誌のグラビアには美しい華族の夫人や令嬢の写真が掲載されている。
むろん、秀雄と百合子のそれも例外ではなかった。
百合子は自分の表情が気に入らず、掲載された雑誌を見て不満気である。
秀雄のとりなしによって何とか機嫌を直したのだった。
野宮家の莫大な借金は尾崎家が肩代わりする予定だったが、秀雄と百合子の式の当日、野宮家に借財の債権書すべてが送られてきて、その必要はなくなった。
誰が何のためにそのようなことをしたのか、家令の藤田がさんざん調べたが、結局わからずじまいだったようだ。
これを機に、野宮家の立て直しを図ろうとしているが、いかんせん当主の瑞人の行いが変わらないのだからどうしようもない。
自身に持ち込まれる縁談ものらりくらりとかわし続ける瑞人は、藤田の新たな頭痛の種となりつつある。
無断でシベリアから戻った秀雄に対して懲罰があるのではないかと危惧した百合子だったが、なぜか厳しいおとがめはなかった。
詳しく秀雄は語らないが、上層部にあの真島との関係を掘り下げられると困るものがいるらしい。
確かに、阿片売買の者と関わっているなど、軍そのものを揺るがしかねない醜聞となる。
それについて口外しないことを条件に、秀雄の軍紀違反は不問に付されたようだ。
予定通り軍を退役した秀雄は、かねてから望んでいた帝大の理学部動物学科に入学した。
一回り近く下の年頃の青年と、肩を並べて学ぶようになった秀雄。
好きなことに打ち込んでいるせいか、軍人時代の冷たさは次第に影を潜めるようになる。
新婚であることを級友にからかわれても、全く動じない。
それどころか、得意げな表情で「悔しかったらお前らも妻を貰ってみろ」などと、堂々と言い返す始末。
しかし、級友どももあっけに取られているばかりではない。
それほどまでに美しい尾崎さんの奥方の御尊顔を是非拝しに行こうではないか、などと騒いで突然尾崎家に来訪し、喧噪に包まれたのだった。
嵐が過ぎ去ったその夜。
上機嫌な秀雄とは対照的に、百合子は仏頂面を隠さない。
「おい、百合子、どうしたんだ」
「……別に。何でもないわ」
目を見開いて不機嫌の理由を問う秀雄。
つまの返事を額面どおり受け取るほど、彼も鈍感ではない。
「その顔で何でもない、はないだろう。言いたいことがあるなら、はっきり言ったらどうだ」
「だから、何もない、って言ってるでしょう!」
秀雄の妻になったとはいえ、こういうときの気性は娘時代と何ら変わることがない。
売り言葉に買い言葉、という展開になるのは秀雄も同じだった。

結婚した二人が喧嘩→百合子実家に帰る→嬉しそうな瑞人、心配する藤田、喜んでやってくる斯波
→秀雄が連れ戻しにきて仲直り、そしてエロという流れで書くつもりだったのですが
喧嘩の原因がどうしても思いつかず…
二人とも、どうか成仏しておくれ

213 :
原作が年齢制限のあるものは残念ながら板違いです

214 :
>>211
普通に読みてえええ
上手く書き直せたら何食わぬ顔で乙女スレとか投下していいのよ
ごちそうさまです

215 :
すいません、無力感通り越して腹が立ったんでお焚き上げさせてください。
2連続いきます。どちらもゲーム「ペルソナ3」です。
キャラ:キタロー×美鶴
傾向:特にない
ヤマもなく、オチもなく、だらだらと続く文章の投下いきます。

216 :
 男女の恋というものはなぜこんなにも楽しくさせてくれるのだろう。
男は女に恋をし、女もまた男に恋をする。
「隣の芝生は青い」という意味で、自分に無い物を相手は持っているからなのか。
少し違う気もする。でも、僕自身は美鶴先輩を求めてやまない。
この想いは確かに自分の中にある。
「お前、今うきうきしてるだろ」
 僕が浮かれているのを友達の友近は見抜いた。
年上を狙っているが、逆に幼馴染に狙われているらしい。
「あーあ、あの先輩とかずいぶんレベル高いの選んだのな〜」
「『選んだ』なんてひどいな。あの人は物じゃない」
そう訂正させた後、こうも付け加える。
「一緒にいるうちに気が付いたら好きになっていた、そんな気がする」
 そう、彼女の振る舞いはとてもエレガントだ。
少々、世間知らずみたいだからそこは僕が色々と教えてあげていこう。
「……だそうですよ、どう思いますか宮本君」
「っ!? な、なんで俺に振るんだよ!?」
 僕は今、先に挙げた友近と、やはり友達の宮本の3人で昼食を共にしている。
友近に水を向けられた宮本はサンドイッチを喉に詰まらせるとこだった。
「あっれー、この色男さんは寮住まいよ? 何か『一緒にいる』って言葉に言う事あるんじゃないかね?」
友近の言葉に宮本は困ったような顔をして、でも何か言いたそうにもじもじしている。
僕には友近の言わんとしている事がわかった。
「あのな、一緒にいるんならおめでたい話じゃねーの。俺に振る意味が――」
「あれ、岳羽さんじゃん」
「!?」
「うっそぴょーん」
 友近に見事騙された宮本はちょっとがっくりした後、怒りで顔を赤くした。
「てめえ!」
「まあまあそんな怒んなっつーの。ほれ、玉子入りくれてやるから許せ」
そう言いながら自分の皿からサンドイッチを一つ宮本の更に置いた。
そしてこの年上好きの彼は僕の方を向いた後、いちごミルクを高々と上げた。
「今ここに悩み多き高校生たちから一人、カノージョ持ちが生まれたのである。ま、こいつを祝して乾杯といこうぜ」

217 :
 それにしても、僕は運がいいかもしれない。
運がいい上に、たまたま美鶴先輩の好みのタイプに合致していた。
 しかし、なんというか、彼女は見目麗しい。
片手剣を持つ指は白くて細くて繊細、二の腕もすらりと長い。
女王様っぽい雰囲気持ってるだけに、あの手で僕のアゴを撫でられたら――たまらん。
 履いている黒のブーツだって全体と調和している。
僕には危ない性癖は無いが、なんとなく踏まれたい気がしなくもない。
 しかしなんといっても、燃える炎のように赤い髪の毛は良い匂い。
それからよく磨かれたルビーのように瞳は澄んでいる。
そんな先輩は夜になるとハイレグ姿なんて、友近が知ったらきっと鼻血出すだろう。僕は出した。
 今度ベッドのお誘いしてみようか。まだ早いだろうか。
一度露天風呂で処刑されてるだけに、怒ったら何をしてくるかわからないからな。慎重に。
「……で、あの生徒会長さんとは今どこまで進んじゃってるわけ?」

218 :
2つ目いきます。
キャラ:キタロー×風花
傾向:下着にフェチズムっぽい雰囲気

219 :
 目の前にある物体を見た途端、呆然としてしまった。
何が起こったのかわからないくらい、頭が、働かない。
 私はどうしていいかわからなかった。
自分は一体何を見ているのか、どうしてこんな物がここにあるのか。
まるでわけがわからない。
 とりあえず深呼吸する。
胸のドキドキは止まない。
それでも、この状況を把握できるくらいにはなった。
 丁寧に梱包されたダンボール箱。
その中にあったのは、黒い下着だった。
小説のエッチなシーンを説明する言葉として「艶めかしい」というのがよく挙がる。
この下着を一言で表現するならそのような感じだろう。
生地の上で不気味に光が踊る様子はなんと表現すればいいのだろうか。
いたずら好きの妖精さんたちが魔法をかけた?
黒い服を着た魔女がたいまつ片手に踊っている?
ゆかりちゃんや順平君が使いそうな言葉だと、「エロい」……?
 そうだ、とりあえず夏紀ちゃんに電話してみよう。
私の誕生日を祝うプレゼントがしたいと言っていた。
もしかしたら間違って届いたのかもしれない。
送り主、宛先は間違ってないけど……。
 すぐに隠したい恥ずかしさと、不思議な好奇心で、ますます顔や体が熱くなっていく。

220 :
 私の名前は山岸風花。月光館学園に通う高校2年生。
影時間にシャドウと戦うペルソナ使いの一人で、一般の人たちには知られていない。
 私が小さい頃、朝ごはんの時間に戦隊物の番組をよく見ていたのを思い出す。
まさか世界の危機から平和を守る正義のヒーローなんていうのをこの年でやるなんて思わなかった。
ゆかりちゃんの話では順平君はものすごくはしゃいでいたらしい。
でも、彼に色々な意味で水を空けられて、やるせない気持ちまで持っているとか……。
『十五少年漂流記』に出てくるドノヴァン君みたいだと思った。……わかる人いるかな。




『おー、風花? おーっす!』
「な、夏紀ちゃん! こ、こ、これ、これ、これが……これがプレゼント?」
風花は喉の奥に溜まっている言葉をなんとか引っ張り出して声に出す。
その様子がおかしかったようで、電話の向こうからけらけらと笑う声。
『そ。え、何、風花さ、今パニくってんの?』
 風花にとって、夏紀には言いたいことが山ほどある。
どれから言っていいものか迷っている。
そうしている内に夏紀が続けて話してきた。
『ソレ穿いてさ、バッチリ決めなよ。そしたら彼氏はきっとあんたにメロメロになるね』
「待って、私と彼とはまだそういう関係じゃないよ!」
応援しているのか、おちょくっているのか、その両方なのか、明るい声の調子が聞こえてくる。
『あー、無事に届いてよかった。じゃ、これから合コンあるから切るね』
「え? あ、ちょっと待っ……」
 風花の返事を待たずに電話は切られてしまった。
残されたのは風花と、風花宛てに送られてきた荷物の中身だった。

221 :
これでおわりです。
当の住人達にはなんで過疎なのかも、人気が出ないのかも、
まったく気づいてないみたいでもう哀れでしょうがないです。
欺瞞。自分たちがまいたタネだというのに。
続編&リメイクでまた同じ争いが勃発、とばっちりがこっちに来る前に逃げます。
お焚き上げスレの皆さん、突然の乱入すみません。
気まぐれで完成する事ができる……ってのはないかもしれませんが。

222 :
お焚き上げ乙!

223 :
投げおつ

224 :
GJ

225 :
ナイス投げ

226 :
保守

227 :
 二次元牧場スレに落とすはずだったSSです。エロシーンゼロです。とてつもなくクソです。

 ある特撮ドラマで、かのようなシーンがあった。
 考えの違いで敵対する二人の巨人のうち、片方が入院することになった。
 地球を守るためなら人類など滅ぼしてしまえばいいと思っていたその男は、もう一人の巨人と拳を交えるうちに、相手の気持ちを少しづつ理解していく。
 しかし、病院で巨人は、ある男の子の絵を見て「何か」に気付く。その絵は、二人の巨人が手を取り合い、ともに地球を護る絵だった。
 直後に病院のすぐそばから地底怪獣が現れる。その怪獣は、巨人が呼び出したものだった。
 男は自分の過ちに気付き、青い巨人となって病院を護る…。
 ヒーロー同士が手を取り合い、悪を打ち倒す。それは、子供たちの永遠の夢なのだ。
 そう、夢でしかないのだ。

 今回愛奴牧場がターゲットにしたのは、『金色のガッシュ!(漫画版)』の世界だった。
 必要物資を一切合財奪い取り、片端から魔物(ただし幼女に限る)や使い手(ただし美人に限る)を誘拐し終えた牧場だったが、その先に立ちふさがる
二人の勇者がいた。牧場側は大戦力を武器に相手を攻撃したが、
 物語は、その者との戦闘が5時間を経過したころから始まる(ぶっちゃけ最初から書いてる時間もレスの余裕もないからだが…)
「…どうなってやがるんだ、アイツはァ!」
 血反吐を吐きながら、青い髪の少年が剣に体重を預けながら立ち上がる。
 少年の周りには黒ローブに身を包んだ兵士たちの骸がゴロゴロと転がっていた。どれもこれも、落盤に巻き込まれたかのような悲惨なモノと成り果て
ていた。
「ほう、貴様にも赤い血が流れていたのか。クソ以下の分際で一丁前にな」
 少年の目の前には、二つの人影が佇んでいた。
 一人は高価な衣装に身を包んだ金髪の美女、もう一人は黒衣をまとった少年だった。その顔には深い黒の紋章が刻まれ、それと対を成すかのような真白の
顔には、深い軽蔑と怒りの色が刻まれていた。
「ブラゴ、そろそろ決めるわよ。こんなゴミをいつまでも相手にしている暇はないわ」
「無論だ」
 女の言葉に反応し、ブラゴと呼ばれた少年は、その手をかざす。
 ギリ、と奥歯を噛み、牧場側の戦士が「させるか!」と叫んだ。
 女と戦士の声が、荒野に響いた。
「『ディオガ・グラビレイ』!!」
「わが契約により、聖戦よ終われぇぇぇ!!」
 虚空に出現した重力球が、戦士の手から放たれた純白の光と衝突し、大爆発を起こす!
 瞬間、爆風が地面と空を撫で、ブラゴとその相棒・シェリー=ベルモンドは思わず目を腕で覆った。その瞬間に、青い髪の少年は大地を蹴った。長く伸びた
深紅のマフラーに風を受け、背中まで剣を振りかぶり一気に少年はブラゴの真上から斬撃を叩き込んだ。
「喰らいやがれ、これがソーディアン『マリサ・キリサメ』の味だぁぁぁ!」
 叫び終わると同時に、少年の手にした剣から黄金の光が放たれた。

228 :
 恋符・マスタースパークと呼ばれるその光は一直線にブラゴの心臓を狙うが、
「ふざけろっ」
簡単に彼の左手で弾き飛ばされてしまった。音速の88万倍の速度で光線は地平線の果てまで飛んでいき、そのまま空を突き抜けて宇宙空間で消滅した。小さく
舌打ちし、青い髪の少年は悔し紛れにブラゴに剣を振り下ろす。しかしブラゴはそれをものともせず、右手でソーディアン『マリサ・キリサメ』を掴んだ。
「なにっ」と小さく吠える少年に、ブラゴは吐き捨てるように叫んだ。
「この程度の強さで…何が『魔王』ラハールだ! オレの前でその肩書きを口にしていいと思うな!」
 そのまま剣を大きく跳ね上げ、ブラゴは少年を軽軽と投げ捨てた。
「うわああああっ!!」
「くっ! 我が腕に、入れよ子ら!!」
 先刻、『ディオガ・グラビレイ』を消し去った戦士が空に向けて叫ぶ。空中高く飛ばされた少年-ラハール-はその上昇速度を押さえ、ゆっくりと下降線を描き
戦士のもとへ降りてゆく。
 だが、それを敵がおとなしく待っているわけがなかった。ブラゴの手から漆黒の魔力塊が射出され、戦士の横腹にモロに命中した。血反吐を吐き、戦士は
激しくバウンドしながら弾き飛ばされた。
「もうこれで終わりにするぞ」
「そうね…いくわよ、ブラゴ」
 そう言うが速いか、シェリーはそっと『本』に手を添えた。
 まばゆい光が『本』から漏れ、膨大な心の力が顕現する。
「まずい、アレを喰らったら母艦が!」
 ラハールが剣を地面に刺し、悲痛な声を上げた。足元では先刻なぎ倒された黒魔術士が呻き声を上げる。
「ちく…しょぉぉっ」
「辛いか? 悲しいか? ぬのが怖いか、貴様らでも」
 憎悪と怨嗟の籠った声を上げ、ブラゴは悠然と中指を立てた。
「それは貴様らが人間である最後の証明だ。地獄で奴等に詫びてこい」
 とどめだ、と小さく呟き、スッとブラゴは手を前に突き出した。
「『ディボルド・ジー・グラビトン』」
 シェリーの静かな詠唱と共に、先ほどの『ディオガ・グラビレイ』をさらに上回る重力球が発生する。二人の戦士は、そこに神の姿を見た。
 ゆっくりと、ブラゴは手を振り下ろした。
  誰もが争いの終焉を予測した、まさにその時だった。
「まだだ! まだ諦めんのは早いぞ、テメェ等ァァ!!」
「何者だっ!!」
 突如聞こえた鬨の声に反応し、ブラゴは横を向く。一瞬だけ集中が途切れたその瞬間に、「その男」は手を伸ばした。

229 :
「消え果てろ、幻想!!」
 突き出した拳が黒球に触れた瞬間、ガラス窓を叩き割ったような鋭い音が炸裂した。
 刹那の閃光と共に、爆風が周囲の草を薙いだ。数秒後には、重力球は『出現したこと』すら無かったように、跡形もなく消滅した。
 ブラゴとシェリーが唖然とする中、男は「よっ」と可愛く声を上げ、着地した。その癖のある髪型を見て、ラハールは安堵のため息をついた。
「ったく、おせえんだよウニ野郎! んだかと思って心配したじゃねぇか!!」
「わりぃわりぃ。まあ間に合ったんだから帳消しにしてくれよ、ラハール、オーフェン」
 頭を掻きながら、まだ少年と言っても通用する若い男は軽く手を振って答えた。
 そして男は装備していたバックパックから(左手で)小さなナイフを取出し、オーフェンと呼ばれた戦士にそれを投げ渡した。
「それを使ってくれ。それさえあればアンタならあいつに勝てる」
「…なるほど、分かったぜ」
 ニヤリと笑みを浮かべ、オーフェンはその小刀を鞘から抜きはらった。
 ☆
 ここでエターナりました。
 この後は雌畜になり下がったココを使って扇動をかけたりして最後オーフェンが「使い手を透明人間にする」力を持つ
ソーディアン『アカリ・アカザ』を使ってブラゴを仕留めるとかそういうオチにするつもりでした。
 
 安らかに眠れ。

230 :
供養乙!

231 :
未来日記スレに落とそうと思ってたけど方向性が違うようなので
お焚き上げさせてください
御目方教エロSS(予定だったもの)です
- - -
――見える世界と、見えない世界。
私を苦しめるものは、いつも見えない世界からやってくる。
たとえば、それは手だ。
私を床に押しつける沢山の手。
着物を剥ぎとり、帯を解き、下着を引きちぎって全身を這い回る、いくつものかさついた
男たちの手。
肌にむしゃぶりついて吸いあげる唇、両胸を鷲掴む指、乳首を噛んで引き延ばす歯。
股の間に入り込む頭、包皮をめくりあげ突起を舐めしゃぶる尖った舌先。
ぬるぬると唾液を滴らせながら、穴という穴に差し込まれる無数の舌、舌、舌。
粘膜の襞をこじ開けながら突き入ってくる、巨大な灼熱の肉棒。
ずぽずぽと幾度も抜き差ししたあげく、最奥に排泄されるおぞましい体液。
苦痛……屈辱……恥辱……夜ごと繰り返し繰り返し、この身に注がれ続ける穢れ。
すべては見えない世界からやってくる。
嫌い。
見えない世界なんて大キライ……!!
こんな世界は、無くていい……!!!

232 :
――御目方教の教祖・春日野夫妻が事故で亡したのは、3日前のことだった。
葬儀を終えて途方にくれる春日野 椿に、教団幹部の船津がささやいた。
「何も心配することはございません。今日からは、御目方様ご自身がわが教団の教祖様。
教団の運営は、われわれ幹部が今まで通り執り行います。御目方様をわずらわすことは
何ひとつございません」
椿は無言のまま小さく眉をひそめて、このなかば禿げあがった痩身の老人を一瞥した。
船津のことを、椿は好いていなかった。
両親は船津を信頼していたようだが、この男が時おり自分に向ける異様な眼差しが、
椿には不気味で不愉快だった。
椿が幼かった頃から、船津は付き添いと称して着替えや入浴の場にまで立ち会っていた。
時には自らの手で椿の衣服を脱がせ、身体を洗うことさえあった。
『御目方様はわが教団の大切な巫女でございます。下々の手に触れさせ、何かあっては
われら面目がたちませぬゆえ』
そういって船津は椿の素肌に触れ、膨らみかけた胸や恥丘の溝にまで指を這わせた。
椿はそれを嫌だと思ったものの、恥ずかしさもあり口に出すことはできなかった。
「今日からは、この船津が御目方様の後見人。ご両親のかわりと思し召し、何なりと
遠慮のうお申し付け下さいませ」
慇懃に頭を下げる船津の姿を、見えない瞳で椿は暗然と見下ろした。

233 :
夜。椿は沈んだ面持ちで、文机にむかって佇んでいた。
「…お父様…。お母様……」
闇の中で、蝋燭の灯がちろちろと小さく揺れている。
もし自分に本物の巫女としての力があれば、亡き両親と会話することもできただろう。
けれど、自分はただの人形だ。
「千里眼の巫女」などと呼ばれてはいても、それは両親が創り上げた虚飾でしかない。
そのことは椿自身が誰よりもよく知っていた。
両親が残した形見ともいうべき手毬を、椿はそっと引き寄せた。
自分には、この古い手毬のほかには何もない。
御目方教の実権は、船津を始めとする数人の幹部たちに掌握されている。
巫女の力が偽りである以上、自分はここに存在する意味さえないのだ。
手毬の上に、ぽたりと涙の滴が落ちる。
「……いっそ、私も一緒に連れていって欲しかった……!」
「それは困りますなあ。御目方様」
背後から突然かけられた声に、椿は驚いて振り向いた。
声の主は船津だった。

234 :
船津はいつのまにか部屋の中に入り込んで、椿の真後ろに立っていたのだ。
「そのようなことをおっしゃられては困ります。やれ、御目方様にはまだ教祖としてのご自覚が
足りていらっしゃらないと見える」
笑いを含んだ声音で、船津が椿に語りかけた。
とっさに袂で目元をぬぐってから、椿は見えない目を凝らして座敷の中を見わたした。
闇の中にぼんやりと、数人の人影の輪郭がある。
船津をはじめとする教団の幹部全員が、座敷に入ってきたのだと椿は悟った。
「こんな夜分に何用ですか。しかも無断でわたくしの部屋に立ち入るなど、無礼でしょう。
用があるなら明日聞きます。今日は全員下がりなさい」
動揺する心のうちを押し隠して、椿は船津たちに毅然と命じた。
そんな椿の虚勢を嘲笑うように、船津がニヤリと唇を歪める。
「御目方様にはこのさき、わが教団の巫女として大切なお仕事をしていただくこととなりました。
これからそれを、我々がじっくりと手ほどきいたしまする」
船津の合図とともに人影が動いて、両脇から椿の腕を掴んで拘束した。
「痛ッ! …何をする! 離しなさいッ!」
きつい瞳で睨みあげる椿の顎を、船津がぐいと掴みあげる。
「な〜に、そうおびえなさいますな。始めは少々辛ろうございますが、すぐに慣らして
さしあげますゆえ」

235 :
船津の手が、椿の帯の結び目を解く。
しゅる…と衣擦れの音がして、着物の前が肌蹴られた。椿の腕を掴んだ男たちが、襦袢を左右に引いて
下ろす。
ぶるん、と大きく揺れながら、椿の乳房が男たちの前に晒された。
「いっ……嫌ぁ…ッ!!」
漆黒の闇の中、ゆらゆらと揺れる蝋燭の灯に照らされて、椿の裸体が白く浮かび上がった。
滑らかな肌は羞恥でうっすらと桃色に染まり、張りのある乳房の先端では乳首がつんと勃ちあがっている。
船津が皺だらけの掌で椿の乳房を鷲掴み、両手でねっとりいやらしく揉みしだいた。
「くぅっ……!」
「ほう、初めてお会いしたころはまだほんの小さなお乳でしたのに、ご立派に成長なされましたなあ。
これこのとおり、ずっしりと持ち重りいたしますぞ。おお、お股の毛もこのように生えそろわれて」
「だめ! 触らないでえッ!!」
船津が片手を下ろして、椿の恥丘をさわさわと撫でさする。
そしてまだ淡い茂みを指先で摘まんで引っ張りながら、満足そうに笑いを漏らした。
「これならば、教団の供物として不足はございません。巫女のお役目を立派に果たせましょうぞ」
「供物……? いったい何のこと……?」
両瞳に涙をにじませながら、椿が船津を見上げる。
卑劣な笑いに顔を歪めながら、船津が椿に恐ろしい宣告を下した。

236 :
「わが御目方教の新たなる教義です。われら信徒の罪と穢れを、教祖である御目方様ご自身が
犠牲となって御身の内に受け入れる。それによって我々のすべての罪過が浄化され、清められるのです」
「馬鹿なことを…! わが父母の唱えし御目方教に、そのような邪な教えは無いッ!」
顔を降り上げて、椿が船津に猛然と反駁した。
「ですから、新たなる教義と申しましたでしょう。今宵、初めてその秘儀がここで行われるのです」
船津が幹部たちに目くばせする。
逃れようともがく椿の身体を、男たちが畳の上に押し倒した。
「いっ、いやぁ!! 離せッ!! 離してえぇッ!!!」
狂ったように暴れる椿の両腕を、男たちが軽々と頭上に縫いとめた。
別の男たちが椿の両足を掴み、大きく股を開かせる。
ほの青い月光に照らされて、椿のすべてがあられもなく晒された。ゴクリと男たちが唾を飲み込む。
「……お願い……見ないで……!!」
久しぶりの獲物にありついた肉食獣の群れのように、男たちが雪崩を打ってみずみずしい無垢な裸体へと
むしゃぶりついた。
乳房や腹、へそや陰部にいたるまで、あらゆる場所を無数の舌と指先で蹂躙されて、椿の唇から
悲痛な喘ぎ声が漏れる。
「あっ、あっ、あぁぁあっ!! やめ……アッ、やめてッ、やめてぇ―――ッ!!」
にちゃにちゃと粘ついた液音と、椿の細い喉からあがる悲痛なあえぎが闇の中に響いた。

237 :
やがて船津が、頃合いを見計らって男たちに合図した。
男たちは椿を弄ぶ手を一旦止めて身を起こすと、船津に向かって椿の両足を割り開き、男を受け入れる
態勢を取らせた。
船津が着物を脱ぎ捨てて下帯をはずし、ぎちぎちに反った巨大な陰茎をあらわにする。
そして弱視の椿にもよく見えるように、椿の眼前にいきり立つそれを突き付けた。
「ヒッ!」
赤黒く膨張し、血管を浮き立たせながら脈打つ醜悪な肉塊を見せつけられて、椿が喉を引きつらせる。
「さあ、しかとご覧ください御目方様。これこそが我らの罪の象徴。御目方様がその身の奥へと
受け入れ、清めねばならぬ穢れなのです」
船津が陰茎でぴたぴたと椿の頬を打ち、生臭い先走りを擦り付けていく。
椿の手足を押さえ込んだ男たちが、船津に続いて一斉に怒張をむき出した。
むせかえるような雄の臭いが座敷内に充満する。乳房や太腿、頬や髪にまで異様な熱を押し当てられて、
ガクガクと椿が恐怖に震えた。
船津が潤滑液のボトルを取り出し、自身の肉棒と椿の粘膜を薬液でたっぷりと潤し始めた。
男たちの指や唇でさんざん嬲られた椿の性器は充血し、自ら愛液を吐き出しながら、もの欲しそうに
ひくひくと収縮している。
「アウッ! はっ……、あァッ…!! いやぁ……。お願い、もう許して……!!」
プライドも何もかもかなぐり捨てて、椿がしゃくりあげながら哀願する。
興奮で顔を真っ赤に染め上げ、加齢でたるんだ腹肉を揺らしながら、船津が椿の膣口に膨張した亀頭を
めり込ませた。
「さあ御目方様、まいりますぞ。お覚悟はよろしいですかな? ヒヒヒ……」

238 :
- - -
以上です。安らかに眠れ

239 :
供養乙です ナムナム

240 :
投げ乙!

241 :
投げGJ

242 :
キモウトスレに投下しようと書き始めたが、なんか違うのでここで供養。
--------
これは夢だ。
目の前にいるのは五歳になったばかりの妹だ。
お気に入りの着せ替え人形で遊んでいる。
妹は人形と同じ髪型にして、おそろいのリボンで結わえていた。
妹は人形のように愛らしかった。
「おそろいなの。どっちがかわいい?」と僕にたずねる妹。
首をかしげて、クリクリとした大きな目で僕を見上げている。
僕は「人形、かわいいね」とだけ答えて外へ遊びに行った。
遊びから帰ってくると、髪の毛をむしられた着せ替え人形がごみ箱に捨てられていた。
僕が人形を拾い上げると、背後から妹の声がした。
「おにいちゃん。わたしのほうがかわいいでしょ?」
その顔には表情が無かった。
夢は続く。
小学生になった妹が、抱き人形とままごとをしていた。
「お兄ちゃん、パパの役をやって」
僕はままごとなんかしたくなかったから、「いやだ」と答えた。
それでもしつこく付きまとうので、「僕はこの人形と結婚したからお前の旦那さんにはならない」と言って人形を取り上げた。
妹は泣いて部屋を出ていった。
僕は親に怒られて、妹に謝り人形を返した。
妹は受け取った人形を無表情に見つめた。
そして人形頭を掴むとそのまま首を引き抜いて投げ捨てた。
夢は続く。
一年前。
中学生になった妹が友達を連れて来た。
どこへ行っても容姿を褒められる妹に比べ、地味な少女だった。
しかし肩まで伸ばした柔らかな髪と優しい笑顔に僕は惹かれた。
少女は妹と仲が良く、毎日のようにうちへ来ていた。
中学から男子校に進学していた僕にとって、妹以外に会話を交わす数少ない女の子になった。
いつしか僕は彼女のことばかり考えるようになり、また彼女も僕に好意を寄せてくれた。
数ヶ月前。
僕は彼女の誕生日に髪飾りとハンカチを贈った。
彼女はとても喜んでくれた。
それから僕らは妹のいないところでも逢うようになった。
少し離れた町の公園で初めて手を繋いだ。
俯いたまま言葉を交わさず、ただ互いの手のぬくもりを感じていた。
僕が顔を上げると、彼女は僕に向かって微笑んだ。
僕は彼女が大好きだ。

243 :
夢から醒めると手足が拘束されていた。
僕の部屋。
僕の上には妹。横には体を縛り上げられた僕の彼女がいた。
僕と妹は裸で、僕の彼女はプレゼントだったハンカチを口に詰められ、僕が大好きだった髪は短く乱暴に切られていた。
妹は僕のモノを扱きながら、紅い舌先で先端を舐めている。
隣で縛られた彼女は目をつぶり、大粒の涙を流している。
ときおり口にものを詰められ苦しそうに呻く。
この状況は何だろう?
妹が料理を作って、それを食べてから…。
意識がはっきりしない。
頭がズキズキと痛む。
妹の声がぼんやりとした頭の中に、妙にはっきり聞こえてくる。
「お兄ちゃん、気持ちいい?ねえ、気持ちいいでしょ」
整った顔立ちに表情は無い。上目遣いにこちらを見る瞳は長い睫毛で縁取られている。
「こんなに固くなってるんだから気持ちいいよね」
「ほら見てよ。お兄ちゃんを気持ちよくしてあげられるのは私だけだよ」
妹の声に恐る恐る目を開けた彼女と、僕の視線がぶつかる。
彼女はヒッと息を吸い込み、激しくむせた。
涙と鼻水で顔がグシャグシャになっている。
妹はその様子を鼻で笑うと、僕に媚びるような視線を向けた。
「お兄ちゃん。私なら何でもしてあげるよ」
そう言って握っていたモノを口に含んだ。
水気を含んだ音が部屋に響く。
淫猥な音に彼女は耳をふさぐこともできずに、ただ泣いている。
眉根を寄せて苦しげだが、声を上げることもできない。
笑うとやわらかく弧を描く瞳が、今は歪んで硬く閉じられている。
激しい頭痛で思考がまとまらない。
しかし体は与えられた快感に素直に反応する。
脈を打つたびに、痛みと快楽に襲われる。
断続的に続く刺激に我慢できず、僕は妹の口内へ精液を吐き出した。
妹は突然の射精に驚き、咽た。
「ケホッ…、いっぱいで…飲みきれないよぉ」
少し汗ばみ、上気した頬。
ピンク色の唇の端から白く泡立った液体が溢れ落ちる。
「お兄ちゃんの…」
妹は僕の腹に吐き出した体液を舐めはじめた。
赤い舌が腹の上を丁寧に舐め上げる。
なんで妹はこんなことをしているんだ。
一方的な快楽から解放されると頭の痛みだけが残った。
激しい頭痛で逃げることも、言葉を発することも出来なかった。

244 :

「ほら、お兄ちゃんの精液だよ」
妹は立ち上がると、手に付いた液体を彼女の顔になすり付けた。
彼女は更に硬く目を閉じる。
彼女の頬が涙とは違うものでぬめり光る。
何か言おうとしているのか彼女の口元がさらに歪むとぬめりがさらに広がる。
やめてくれ。僕は汚される彼女を見たくない。
「でもお兄ちゃんは絶対渡さない」
妹はそう言って彼女の頬を張った。
彼女はくぐもった声を出し、目を薄く開いた。
頬が痛々しい朱色に変化ていく。彼女の目は床の一点だけを見つめている。
「お兄ちゃん、なんでこんな子に騙されたの?」
「こんなかわいくない子にお兄ちゃんが騙されるなんて」
「私がずっと好きだったの知ってるでしょ?」
知らない。
「お兄ちゃんは私のものなんだよ」
知らない。
「お兄ちゃんは私がグズグズしてたから?」
「私がなにもしないで待ってたから?」
妹が僕の上に跨がり、ゆっくりと腰を下ろす。
「お…兄ちゃん…も、こう…したかったよね…」
だめだ。
僕は抵抗できないまま、妹の中に飲み込まれていった。
妹のふとももにヌラヌラと光る愛液。そこに赤い色が混じる。
「ふあぁ…」
妹は眉を寄せて痛みに耐える。
僕の思考は止まってしまった。
僕のぼんやりとした視線に気付いて、微笑んで見せる。
僕の知らない女の表情だ。
「お兄ちゃん…繋がってるよ。お兄ちゃんが、私の中に…」
そう言いながら、腰を前後に揺らし始める。
その動きに合わせて、水音と喘ぎ声が上がる。
彼女が体を丸め必に音から逃げようとしている。
妹の動きは上下に変わり、僕を絞り上げはじめた。
「あん…あ…あん!」
妹の嬌声が大きくなる。
「気持ちいいよぉ。お兄ちゃん!大好きぃ…大好きぃ」
動きも激しくなる。
「ぁ…ぁ…ぁ…」
思考を放棄した僕は与えられた快感に逆らうことなく、実の妹の中に精液を吐き出した。
僕が思わず声をもらすと、彼女は目を開き、絶望と軽蔑の視線を寄越した。

245 :
ぐったりと僕の胸の上に体をあずける妹。
「初めてなのにいっちゃったよ…お兄ちゃん」
「気持ちよくって…幸せで…おかしくなりそうだったよ」
大きな目を猫の様に細める。
「お兄ちゃんも良かったでしょ?」
僕に口づけをする。
「ねえ、ちゃんと言って」
僕の目を覗き込む。
「気持ちいいって」
笑みが消える。
「私のこと好きって」
「愛してるでしょ」
「兄妹なんだよ。小さい頃からずっと一緒。これからもずっと一緒」
「愛してるって言って!」
「ねえ!」
妹は僕の頭を掴んでガクガクと揺さぶり、僕の頭は何度も床に叩き付けられた。
妹の顔に表情は無い。
後頭部に生暖かい感触が広がった。
僕は何も言葉が出なかった。
朦朧としていた。
横で惨めな姿で泣きつづける彼女も、妹と繋がったことも、夢の続きじゃないか。
全て悪い夢であってほしい。
それだけしか考えられなかった。
何も答えない僕に苛立った妹は、突然起き上がり彼女の首に手をかけた。
その手は赤く染まっていた。
「こいつ、いらない」
夢の中の人形のように妹に壊される彼女。
バラバラになった髪と剥き出しになった眼球。
僕の好きだった彼女はもういない。
僕は目を閉じ、現実から逃げた。
二度と目を覚まさない。
------
以上。安らかにお眠りください。
ありがとうございました。

246 :
ナイス投げ!

247 :
供養乙!

248 :
本スレに落とす勇気がない。だからここに捨ててゆくわ

事を終えた夫が寝室を去った。行き先は分かっている。
愛人の家か先日手を出したメイドの寝室だろう。
結婚当初の夫は情熱的だった。
怯える私に愛を説き、初な身体を労りながら女にしてくれた。
しかし夜を重ねる中で、少しずつ軋轢が生まれ出す。
最初のきっかけは ”あいつ”がこの家を去った事だった。
「彼女は郷里での幼馴染みなんだ。酒場で俺を誘ってきた時は驚いたよ。
 色々話をするうちに気があって、二人で田舎に帰る事にしたんだ」
黒髪が美しい女の肩を抱いた彼は、物憂げな眼差しを私に向けた。
「お前は大佐と、俺はこの娘と新しい人生を歩き出す。
 それでいいじゃないか。やっぱりヌーベル・エロイーズなんて俺の柄じゃない。
 新しい旦那様の温情は謹んで断わるよ」
馬車に乗り込む大きな背中を見送った日の事は今でも忘れない。
絶え間なく襲う虚無感を埋めようと、貴族らしい行為に耽った事もある。
これははそんな中で覚えた遊びだ。
満たされない寂しさを埋める為、ベッドの下に置いていた物入れを取り出す。
飾り細工を施した四角い陶器の中には、薄絹の手袋、銀の鎖に繋がれた数個の蜻蛉玉、茶色の瓶が入っている。
手袋を填めた手で、瓶に詰められた薬液に鎖ごと玉を浸した。
再びベッドに横たわり、膝を割り息を吐くと最初の玉を三本の指で淡褐色の窄まりに押し込む。
『こんな事が好きなのか? しょうがないな』
耳元であいつが囁く。そうだ私は最低の牝。だからそれにふさわしい扱いをしてくれ─
『じゃあまずは物欲しげなここに、大好きな玩具を入れてやるよ』
言葉をなぞり全ての珠を納めると、僅かに開いた襞から溢れ出した体液が丸い尻を滑り落ちた。
肉壁が波打ち玉が不安定に蠢くと、熱い火花が背中を走る。
『次はどうして欲しい? 』
「そのまま・・・来て」
望みを口にすると、さらに大きく足を開き、枕の下に隠していた黒い張り型で女の部分を抉る。
薄い膜を通し異物同士が擦れ合うと、頭の奥が真っ白になった。
「ああっ! アンドレ! もっと! 」
感じているのが苦痛なのか快楽なのか分からないまま、私は幻のアンドレに縋る。
背を反らし、腰を上下させ喘ぐ度浮かぶのはあの言葉だ。
『愛してるよ・・・んでしまいたいくらいだ』
私も同じだ。お前さえいれば何もいらない。
『オスカル。自分で慰めて』
「ア、ンドレ・・・」
『あいつには見せない姿を俺だけに見せてくれ』
求められ、欲するまま湿った手袋で肉芽と乳首を抓り上げた瞬間世界が弾けた。

249 :
荒淫の果ての朝が来た。起き上がり昨日の残滓を片づける。
夜着を着直しソファーで寛いでいると、メイドが入って来た。
彼女が差し出す暖かいカフェオレを啜りながら、渡された新聞に目を通す。
世の中は相変わらず焦臭い。しかしここだけは豊かで穏やかだ。
かつて夫が求婚の際に口にした女の幸福とは
こんなに味気ないものだったのだろうか?
思想に耽り宙に浮いた意識を、ドアを閉める大きな音が引き戻す。
あのメイド、私が首筋の痣に何の反応も示さなかった事が気に入らなかったようだ。
愚かな女だ。結婚前から私付きのメイドをしているのに
夫に何の感情も持っていない事ぐらい分からないものなのか?
今私の心を動かす存在は、アンドレと彼を奪ったあの女だけだ。
ばあやの話によれば、父から貰った退職金を元に商売を始め成功し、夫婦仲も悪くないらしい。
アンドレが私の知らない女を妻と呼び、褥で愛し合い子を成し
私の事は過去に変える──などと考えただけで気が狂いそうな怒りがこみ上げる。
だから私は取り戻す。魂の片割れと至福の時を。
空のカップをテーブルに置き、紙片を手にする。
これはアンドレの周辺を探らせた結果が記された書類。
「完璧に見える布陣でも必ず隙はある。
 諦める前に調べてみる事が最初の一歩だよ。オスカル君」
士官学校時代自分を女だと差別せず、熱心に戦略の講義をしてくれた教授の言葉。
それがこんな形で役に立つとは思わなかった。
何度も資料を読み返すうち、ある一文が目に止まる。
─見つけた─
僅かな綻びを致命傷にする為の策を練りながら、男物の服に袖を通す。
まずは作戦を実行するのに必要な資金と人員を確保しなくてはならない。
「噂以上に美しい。まさに女神だ。
 これも何かの縁です。
 お困りの事がありましたら、我が家に来て下さい。
 どんな事でも相談に乗らせていただきますよ」
舞踏会で私に近づき、夫に冷たく追い払われた男の台詞が頭をよぎる。
「彼は金で爵位を買った平民の高利貸しで、淑女が殊の外好きなのです。
 おまけに、気に入った女性はあらゆる手を使って弄ぶ卑劣漢でもあります。
 ジャルジェ伯爵夫人が相手にすべき紳士ではありませんよ」
帰りの馬車の中で男の素性を訪ねた私に、夫は心底嫌そうな口調でそう答えてくれた。
その下心を利用させて貰うとしよう。
見返りに何を要求されるか分かっているが、嫌ではない。
幸い男の髪と瞳は夫と同じ色をしていた。
万が一男の子を身籠っても、余計な疑惑が生じる事はないだろう。
同時にそれは、平民のアンドレと恋仲だった事を父に告げると私を脅し
全てを奪った夫への最高の復讐になるに違いない。
勢いよく部屋を飛び出した私は、廊下ですれ違った夫の制止の声を無視して、階段を駆け下りた。

ここまでです。
成仏してね。

250 :
なげおつ!

251 :
「アンタの顔が造形的な反面教師そのものだから見てるだけ! 見惚れてなんかいないんだから、勘違いしないでよ!」
朝からそう罵りながらも、清彦の顔から目を逸らそうとしない積照玲子(つみてるれいこ)。
憎々しげな表情とは裏腹に、玲子の頬は赤みが差し、内面の思いを清彦に訴えかけている。
玲子は、清彦が好きなのだ。
本来、男の手によって解される玲子の秘密の場所は、既に自身の指で花開いている。
清彦を想いながら。
清彦の熱を想いながら。
清彦の吐息を想いながら。
昨晩も淫らな行為に耽った。
だから余計、恥ずかしい。
清彦に、朝一番で逢うなんて。
横やりもいいとこなのでこっちに

252 :
供養おつ!

253 :
巨女と美貌のもやし男にはまっていたのですが、今では理解できないので投げさせてください。

 マリアは粉屋の娘だ。だから他の娘に比べてずいぶんと大柄だったし、骨太でたくまし
い身体つきをしていた。肩も腰もしっかりしていて兄にも父にも劣らずよく働いた。顔も
大作りで、大きな目も口も快活そうによく動いた。そして笑い声は街の鐘に負けないくら
いよく通った。お日様よりも早起きで、日に焼けた笑顔はお日様以上に輝いていた。マリ
アは女にも男にも子供にも老人にも酷く人気で、陽気で明るい娘だった。だから周囲は、
マリアに似合いのよく働くまじめで気のいいそんな若者と彼女が結ばれるだろうと信じて
いた。
 だがマリアはなぜか商家の奥様になられた。
 マリアのだんな様・シュゼットは、名前の通り大層可愛らしい外見をしていた。まるで
商家の跡継ぎとは思えない男でもある。18になったマリアより10以上も年上なのに、マリ
アが触れれば砕けそうな華奢な身体の持ち主だった。お人形のような小さな形の良い頭に、
握れば折れそうな細長い手足。病弱そのものの青白い肌。背丈もマリアと同じか少し低い
くらいで、声も呼び鈴に負けてしまいそうなくらいか細い。陰気なわけではないが内向的
な性格で、すべてがマリアとは正反対の方向を向いていた。
 しかし、シュゼットはなによりマリアを愛していた。
朝、というには随分と早い時間に目覚めて、隣にマリアがいると泣く。パンを焼きに彼女
がそこを抜け出したと気付いて泣く。マリア手製のパンに感謝して泣き、仕事でマリアと
離れたくないと泣く。一日の体力をはやくも使い果たしたと思えるように、フラフラとし
た身体をマリアに支えられながら仕事に向かう。泣きすぎて頭がクラクラしているうちに
使用人とマリアに支度させられているのだ。
もちろん、「マリアに締め出された…」と悲嘆にくれる彼がまともに仕事ができるわけも
ない。
「よく働く男が好きです」などと以前マリアに言わせ、彼は過労で倒れた。それ以来、だ
れも何も言わなくなった。成人したのが奇跡なほど病弱だった彼が生きているだけでよい、
と屋敷の者も、商会の者も考えているのだ。30の男に対して甘すぎるが、他に子供もない
し、どうにかマリアに産んでもらった男孫もいるのでシュゼットの父も黙っている。しか
し彼のマリアへの愛が深すぎて、息子と一緒に暮らせないのだ。かわりに祖父である自分
がまっとうに育てれば、孫も商会も何とかなるとシュゼットの父は信じている。
人の倍以上時間をかけて仕事を片付け、ようやくマリアと再会するとシュゼットはやはり
泣く。そして力の限りぎゅうぎゅうとマリアを抱きしめ寝てしまう。彼が眠っている間に
マリアは使用人たちと夕食を食べて、湯浴みをして彼の隣に戻ってくる。シュゼットは空
腹で目が覚めて、さっぱりしたマリアを見て「今日も一緒に風呂に入れてない…」と泣き
そうになりながら、マリアに世話をしてもらう。彼女が今日一日何をしていたか聞いて、
隣に自分がいなかったことに涙をこらえ寝酒をちろちろとなめる。そうこうしているうち
にまた眠たくなって、マリアの豊かな乳房を枕にして眠る。
そうしてシュゼットの一日は終わる。
 マリアはシュゼットがいてもいなくても、よく働きよく食べている。屋敷の女主人では
あるが、食事に掃除など他の使用人と同じように働いて、同じテーブルを囲む。たまに義
母などに呼び出されて息子に会ったりもする。シュゼットのようにさめざめと泣いたりす
ることもなく、結婚前と同じように大口をあけて笑っていた。

254 :

「ねえ、マリア。わたし、女の子が欲しいの」
夫によく似た、ふわふわの髪の美女がそうマリアに言った。義母自慢のテラスは食用花で
いっぱいの花壇が近くにあって、少し離れた畑の様子も良く見える。侍女の膝の上でぐず
るマリアの息子をあやす彼女は、もう一度言う。
「この子の妹が欲しいわ。もうひとりくらい産んでくれたっていいでしょう。女の子はい
いわ。この子が自然と騎士様みたいに女の子にやさしくするようにもなるでしょうし。お
洋服がかわいいし、貴方みたいにご飯をたくさんたべてくれるでしょう」
女の方が大食かはマリアは知らなかったが、義父もシュゼットも息子も彼女たちに比べて
ずいぶんと小食なので、マリアは素直に頷いた。
「マァ、私ひとりでどうにかなるもんでないんで、だんなさんにきいてみないとわかりか
ねますよ。お義母さん」
「ママって呼んで」「あい、ママ」
義母はうれしそうに笑うと、新たにホールケーキを半分に切り分け片方をマリアへ、もう
片方を自分のほうへ寄せた。卓上には女児服のカタログが一冊乗っている。
「いいのよ、言ってみただけなんだから。でもね、ぜひシュゼットにきいてみて頂戴ね」
あいママ、とマリアはまたも素直に頷いて、そして今シュゼットの対面に座っている。
「だんなさんはあんまり身体が丈夫じゃあないですから、だめならだめとさっさと断っち
まった方がおか、ママにも良いと思うんですよ。あんまり放っておくとドレスでも用意し
はじめちまう気がします」
「よろしくお願いします」
 今すぐ断りの手紙でも書こうぜ、と言う気満々のマリアに間髪いれずにシュゼットは腰
を折った。
不満気、とするには嫌悪感丸出しのマリアの手をすばやく握る。もちろんその際、そっと
撫でさする。ところどころ豆のある、でももっちりとしたその手。この手に一物を握らせ
たい。にやついてしまいそうな顔をどうにか引き締め、真摯に彼女を見つめる。
「娘ならば、きっと愛せます」
マリアは困ったようにため息を飲み込み、頷き。シュゼットはおそらく、たぶん、ゆくゆ
くは、という言葉を飲み込んだ。
マリアのぽってりとした厚い唇を指の腹でさする。化粧をまったくしない彼女の唇はかさ
ついている。そこを丹念に舐め、シュゼットを受けいるために軽く開かれたそこに舌を差
し込む。門歯の歯列をゆっくりなぞり、ひとつひとつの根元を確認するように執拗に辿る。
マリアの首を傾けさせ、溜めた唾液を流し込みわざとぐちゅぐちゅと下品な音の口付けを
行う。すると、先ほどまで深く刻まれていた彼女の眉間のしわの代わりに、日に焼けたほ
ほにうっすらと赤みが差す。
 マリアの服をシュゼットは手早く脱がす。もとから彼女は体格が良いが、産後さらに胸
が高くなったそこに布をきつく巻いているのでそれをはがすのに少々てこずるのだ。就寝
時はもちろん外しているので、シュゼットはその乳房をときおり枕にして寝る。相当嫌が
られるが、やわらかいし甘いにおいはするしでかなり気持ちが良い。
開放された乳房は重く、たぷたぷと彼の手に揺らされた。
乳房に相応の乳輪はうす茶で、その中央もいまは細められた猫の目のように一本の線を引
いていた。大きさの割りに、若さゆえかまったくたれていないそのラインに手を沿え、両
手を寄せる。するとかなりの深い谷間があらわれる。

これでおしまいです。なぜこんな夫婦。

255 :
投げ乙!南無南無

256 :
供養おつ

257 :

 むかしむかし、山奥のある村に辰子というそれはそれは美しい娘がいたという。
辰子は容姿以外はごくふつうの娘であったが、偶然に水面に映った自分の姿を見てから辰子は変わってしまった。
毎日水面に映る自分の姿に見とれていた辰子だったが、やがて自分にも来るであろう老いに恐れを抱くようになったという。
それから辰子は神仏に永遠の若さを願うようになり、とうとうそれだけしか考えられなくなってしまった。
そして運命の日、神のお告げを聞いた辰子は山奥にあるという霊泉に行き、その泉の水を飲んだ。
神のお告げは本当だった。
辰子は願いどおり、永遠の若さを手に入れた。ただしそれは人間を捨て、人外の妖に生まれ変わることだった。
時は経って辰子を知る者はすべて亡くなったが、今でも時おり、辰子は美しい娘の姿で現れるという───

 ホゥホゥと梟が声を上げ、何かの獣が暗い茂みを駆け回る。
「どうしよう……」
背中に行李を背負った男はその場に佇んで途方に暮れた。
男の名は草吉。日の本を回って旅をしながら物を売る行商人である。
彼は薬草を仕入れるべくある山村へ向う途中だったのだが、横着をしていいかげんな近道に入ったのがまずかった。
いくら旅慣れてるとはいえ山中では勝手がきかず、とうとう夜を迎えてしまったのだ。
当時の山中は現在より遥かに危険な場所だった。
夜間は熊、狼、猪などの獣が活発に動き回り、蝮のような毒蛇も至るところに潜んでいた。
提灯の明かりも圧倒的な闇の前では微かな点に過ぎず、先の猛獣に遭遇すれば、それは即ちに直結した。
こんな状況で動けるはずもなく、かといって飢えた獣が嗅ぎ付けないとも限らない、まさに草吉は絶体絶命の真っ只中にあった。
“グルルル…”
「ひッ!」
微かに聞こえた獣の声に、草吉の身体が竦み上がる。
その声は更に数を増し、次第に近づいてくる。間違いなく狼である。
物音を立てたら最後、奴らは集団で襲いかかってくるだろう。
いや、ここまで来たのなら襲われるのは時間の問題である。
草吉は震える手で懐の小刀を握りしめた。恐らく全く役に立たないことはわかっている。
だが、それでも抵抗できる唯一の手段にすがりつくのを止められるはずもなかったのだ。

258 :

ザカザカと駆け寄る、いくつもの足音。
その調子から獲物を見つけた喜びが否応なしに感じられる。囲まれた草吉に逃れる術は無かった。
(これまでか…!)
草吉の胸中に幾ばくかの無念と自分の愚かさを呪う思いがよぎる。
抜いた小刀を構え、群れに対峙する。そして包囲の輪が狭まったその時だった。

“───!!”
駆け出した足音が、たたらを踏んで止まった。
そして刹那、狼どもはヒャンヒャンと情けない声を上げて草吉を置いて立ち去っていった。

一体何が起きたのか。
状況を理解しかねる草吉だったが、小刀は未だ構えたままだった。
もしかしたら狼をも恐れさせる獣が現れたのかもしれないのだから。
警戒を解かず固唾を飲む草吉を静寂が包む。しばらくして、草を踏む音が上がった。
「──もし、誰かいるのですか?」
続いて聞こえたのは女の声だった。それも若い。
やがてほのかな明かりが現れ、草吉のもとへ近づいてきた。
「もし、一体何をしているのですか?」
草吉の前に現れたのは、なんと提灯を持った女だった。声から想像したとおりの若い娘であった。
(………)
が差し迫った状況から一変、意外な展開に草吉は呆気にとられていた。
なんでこんな山の中にこんな娘がいるのか?男の自分さえ危険極まりない場所だというのに?
ていうか、これは現実なのだろうか?あまりの恐怖にありえないものを見ているのではないか?
そんな考えが草吉の頭でグルグル回る。しかし、女の言葉がそれを止めさせた。
「……もしかしてアナタ物盗りなの?悪いけど、とれる物なんかないわよ」
「ち、違う!」
草吉は慌てて小刀を鞘に収めた。
「あっしは今し方狼どもに襲われかけてて、それで…」
「狼なんていないじゃない。でなきゃ私がこんなところに来られるわけがないわ」
「は、はぁ…」
女の言うことはもっともだった。
だが、さっきまで確かに狼どもは草吉を取り囲んでいたのだ。未だ解せないままの草吉に女が話しかける。
「ところでアナタ、これからまた山の中を歩いていくの?」
「いや……それがどうしたものか、道に迷ってにっちもさっちもいかなくて…」
草吉は照れくささと申し訳なさの混じった微妙な表情で女に告げた。
みっともなくて情けないとは思ったが、今の状況で強がりを言ってもしょうがなかったのである。

259 :
「ふぅん、そうなの…」
そうつぶやいた女の口ぶりは、やっぱりねと言わんばかりだった。
「なら今晩は私の家にいらっしゃい。アナタ一人なら泊めてあげられるわ」
「え?本当にいいんですか?お家の方々にご迷惑になりませんか?」
「ううん、住んでいるのは私だけなの。だから遠慮しなくてもいいのよ」
「おひとり…ですか?」
「そうよ?何かおかしい?」
「いえいえ、そんなこたぁありません!じゃあ一晩だけお世話になります!」
密かに期待しなかったわけではなかったが、女からの申し出に草吉は心から安堵した。
こんな山の中に女一人住んでいるというのは信じられないが、それでも狼にまた出くわすよりはずっとマシに思えた。
「じゃあ私についてらっしゃい、そういえばアナタが誰だか聞いてなかったわね」
「あ、あっしは旅の物売りの草吉と言います」
「草吉……私は辰子というの。よろしくね、草吉さん」
「いえ、こちらこそよろしくお願いします、辰子さん!」
草吉の返事に辰子はクスッと笑みを洩らすと、サクサクと草を踏んで歩き出した。
暗い山の中を、提灯を掲げた辰子が進み、その後を草吉がついてゆく。
提灯の明かりがあるとはいえ、闇に等しい行き先を躊躇なく行く辰子に、草吉はただただ感心するばかりだった。
「もう着くわよ」
辰子に言われて目の前を見ると、民家と思しき明かりが見え、間もなくして、二人は民家の中にたどり着いた。
「さあ、狭いところだけどどうぞ」
「いえいえ、狭いだなんてとんでもねぇ、」
「そういえば歩き通しだったのよね、いま洗い桶を持ってくるわ」
「あ、どうもすいません」
草吉は土間に接する床の縁に腰を下ろすと、草鞋の紐をほどき辰子を待った。
「お待たせ、これで足を洗ってね」
辰子が草吉の足元に洗い桶を置く。
さっそく足を洗おうとした草吉だったが、ふと辰子を見た瞬間、その動きが止まった。
「どうしたの?草吉さん…?」
「………」
なんと草吉は辰子をまじまじと見つめたまま固まっていた。
「草吉さん?ねぇ、草吉さん!」
辰子に顔をはたかれ、草吉はハッと我に返った。
「あっ…すいません、あっしとしたことがつい…」
「突然どうしたのよ、急に変になったりしてビックリするじゃないの」
「いえ、それが…その…」
なぜが草吉は辰子の顔を横目でチラチラ見ながら答えた。

260 :

(なんてこったい……)
改めて辰子の容貌を目の当たりにし、草吉は激しく動揺していた。
それは草吉がこれまでに見たどんな女よりも美しく魅惑的で心奪われる美女だったのだ。
山中で会った時は切羽詰まった状況だったために気づく余裕などなかったのだが、命拾いし緊張のタガが外れたとたん、
辰子の美貌にたちまち魅了されてしまった。
まともに顔を合わせないのは、また辰子に見入ってしまいそうな自分への草吉なりの自制心からである。
「草吉さん…」
顔を背ける草吉に辰子がたずねる。
「一体どうしたの?私をジロジロ見ていたかと思ったら今度は顔を合わせようとしないなんて……」
「す、すみません、」
「確かに私はこんなところに一人暮らしで他人からどう見えるのかわからないけれど…でも…」
いいかけた言葉の端に切なく辛そうな響きがこもる。
それを聞いた草吉の胸の鼓動が高鳴る。
「もし私のことが目障りだったらごめんなさい。泊まってる間は草吉さんの目につかないようにするから…」
「ええ!?」
辰子の言葉に草吉は仰天した。

これからエロに入るのだが、訳あって完成させられそうにない。

261 :
投げ乙!

262 :
供養おつ

263 :
某スレで、こっちでやれと言われたので来ました。
某スレ設定を一部勝手に変更したものです。あの設定だとこのオチしか
思いつかないのは、わたしの力不足ゆえなのでしょう。
その他
・ ありがちなストーリー
・ 序盤でオチがわかる糞構成
・ あいまいにしたままの設定
・ 魅力のないキャラ
他にもたくさんありますが、供養開始

264 :
−− 当店へようこそ。広さこそわたしのいるカウンターを含めて8畳ほどの狭い店ですが
    店内にはいろいろなものを取りそろえてます。主なものは外国の小物やアクセサリー
    民芸品といったようなものですが、中には不思議なことを起こすものも混ざっている
    と言われたこともあります。
    さて今日もお客さんがいらっしゃったようです。彼の名前は「石垣 耀司」。高等部の
    二年生みたいですね。彼はいったい何をもとめられるのでしょうか −−
月初の土曜日。僕は街にいた。ファンタジックランドのパスポートチケットを買うためだ。
毎年、今月末の日曜日、ファンタジックランドでは入場できる人数を制限した特別な
イベントが行われる。カップルの定番イベントといわれるくらいのものだ。
当日に向けてのチケット争奪は熾烈で、電話での申し込みは繋がることもなく終了。
そして今日は街のチケット販売所で抽選販売をするというので、朝から並んだ。
結果は惨敗。これで正規にチケットを取る手段はなくなった。あとは金券ショップに
並ぶものだけだけど、値段が高くなりすぎて高等部の僕には手は届かない。
そのチケットで僕は「皆峰 みさを」を誘おうと思ったんだ。
皆峰、彼女は僕が理想としている女性なんだ。外見はかわいらしく、学業も優秀。
教室ではおとなしいのに、体育の授業ではその長い髪をしばり、チームをまとめて、
バスケットのポイントゲッターとして動いてみせたりもする。いつもは静かで時には大胆。
そのギャップも含めて僕はとりこになってしまった。
恋なんだろう。僕には不釣り合いなのかもしれない。勉強は中の中。背もクラスの平均。
スポーツもできるわけじゃない。
でも理想なんだ。なんとかしてもっと彼女に近づきたい。
それでもなかなか踏ん切りがつかない。
ファンタジックランドのチケットが取れれば、彼女をデートに誘おう、それができる気がした。
もうチケットは無い。落ち込んだ気分で街を歩く。
どうしよう。なんとか彼女の気持ちを知ることができればいいのに。
小さな店が目にはいった。こんなところに雑貨屋なんてあったっけ。
引き込まれるように、その店に入る。
「いらっしゃい」
男性の店員が声を掛ける。店の中は木でできた人形や小物が壁際に並べられ、中央の
テーブルには金属類のアクセサリーが箱の中に入って陳列されている。どれも海外のもの
に見える。
こんな店があったんだ。アクセサリーといっても他の男子生徒がカバンにぶらさげていそう
なものもある。安いものなら千円、五百円もしない。こんな値段で買えるものなんだ。
僕もひとつくらいもっててもいいかな。
「どんなものをお探しで?」
いきなり横に立った店員から声を掛けられる。ちょっとびっくりしてしまった。
中年というより初老に近い男性。痩せた体型で身長も僕と変わりがなさそう。
ていねいそうな雰囲気に、つい話をしてしまう。
「いえ、こんなお店があったんだなーと思って入っただけで。男物もあるんですね」
「ここの店のオーナが海外を飛び回ってましてね。そこで見かけたものを仕入れてくるんです。
 中性的なものも多いんで、男性でもお使いになりますよ」
「店主さんじゃないんですか」
「いえいえわたしはただの店番です。オーナの趣味で成り立ってるようなもんな店なんで。
 もうプレゼント時期でもないとヒマでね。
 ああ、こう見えても手先は器用でしてね。プレゼント用なら ラッピングもしますよ」

265 :
たしかに店には僕一人しかいない。声を掛けてくるくらいだ。よほどヒマなんだろうな。
チケットを買うためにお金は持ってきている。僕もカバンにつけるようなものをひとつなにか。
どういうのが彼女の好みかな。それをきっかけに話がはずめば…
ふとレジのあるカウンターが目に入る。木の色と布の赤や青、アクセサリーの銀や銅の色に
囲まれた店内にふさわしくない、茶や緑や黄色や赤がはっきりと印刷された紙の箱。
そうまるでお菓子のパッケージみたいなもの。セロファンの窓が開いていて中身が見える。
「それですか。それはなかなか入ってこない品物でしてね」
「これお菓子ですか?赤と青のキャンディ?それにしても4個しか入っていないとか」
店員がわざわざレジカウンターの中央に箱を持ってきて話を始めた。
「これはですね。青を男性が、赤を女性が飲めば、相手の夢の中に入ることができるっていうものです」
「夢の中?そんなバカな」
にわかには信じられない。相手の夢の中に入れるだなんて。
「それがですね、本当なんですよ。何人のお客様からもご好評をいただいていて」
「そんなこと、あるわけがないでしょ。まさか」
「この青いのを先にあなたが飲みます。そして赤いのをお好みの女性に飲ませる。
 ああ、これは飲み物に溶かしても大丈夫です。無味無臭なので気づかれもしません。
 先に飲んだ方が後に飲んだほうの夢に入ることができる。この順番が重要でしてね。
 夢の中では、相手にはあなたは理想の男性に見えます。なんでもできますよ。夢の中ですしね。
 むこうの思っていることも聞き出せます。夢の中だと思ってますからそりゃぺらぺらと。
 目が覚めても夢だった、でおわりです」
いつのまにか僕は店員の話に引き込まれていた。
なんでもできる、なんでも聞き出せる、彼女の好みも、彼女の気持ちも。
店員の話だと、夢の中に入るには普通に会話ができるくらいの距離でないといけないらしい。
ふたりとも寝てしまうので使う場所は気をつけるように。
覚めるときは、入った側が目覚めたいと思えばいい。
「これいくらなんですか?」
「五千円です」
「ええっ!」
お菓子にしか見えないもの、赤と青のキャンディに見えるもの、それが二組入っただけで五千円。
お金はある。チケットのために持ってきている。でもこんな本物かどうかわからないものに五千円は…
「ありがとうございやしたー」
買っていた。自分でも不思議だ。
「あとこちら。今五千円以上お買い上げの方に粗品ですがお渡ししてます。
 オーナがあちこちに顔が利くもんでしてね。もらってくるんですよ」
封筒も受け取る。お菓子にしか見えないパッケージと、もらった封筒をカバンに詰め込んだ。
どうやって彼女につかおう、それだけを考えていた。

266 :
皆峰との唯一の接点は委員会だ。多くのクラス男子が立候補した中で、くじでみごと引き当てた。
そのときはこれだけで十分だと思った。でも彼女と一緒にいるだけで、もっと思いが強くなる。
彼女にもっと近づきたい。もっと彼女のことを知りたい。でもなかなか次への行動に移せない。
隔週で行われる委員会は他の委員もいる。
だけど月に一回、この水曜日は学年クラスの分をまとめるために彼女とふたりっきりで作業をする。
いま僕のいる作業用の部屋。ここで今日は彼女とふたりになる。その間はほぼ人は来ない。
いつの間にか、ふたりで作業をする時には、交互に飲み物をおごることになっていた。今回は僕の番。
『これは飲み物に溶かしても大丈夫です。無味無臭なので気づかれもしません』
あの店員の言葉を確かめるために、水筒のコップにお茶を入れ、青いキャンディを入れる。
かき混ぜる間もなく音もなく溶けた。消えたという感じ。飲んでみる。なぜか一気に全部飲んでしまう。
お茶の味だ。これで効いているのか不安になってくる。
ま、ダメもとだもんな。落ち着きのないまま皆峰さんを待つ。
「よーじ、皆峰さん、今日はこれないから来週にしてって」
突然女子生徒が入ってきた。僕の幼なじみの「佐多 美紀」だ。
小学校の時からずっと同じクラスな女子。それどころか家も近くて、もっと小さいころからの腐れ縁。
子供の頃は一緒に遊んだり、それどころかうちの家族サービスにくっついてきていたりもした。
皆峰さんとは違って、がさつでうるさくて気が利かなくてなまいきで見てるだけで何を考えているのか
まるわかりなやつだ。
「お前、いつもいきなりだよね、そっか今日はこれないのか」
「あっ、なにこれ、キャンディ?いっこちょーだい」
まだ机の上においていた箱から赤のキャンディを美紀が勝手に取る。そして口のなかにほおりこむ。
「あっ、それだめだって」
「いーじゃんいっこくらい、うぐ、なにこれ?ガム?てか味がしない」
「吐きだしてよ。ほら」
「おっ、お茶ちょーだい」
僕の水筒を持って、カップにも移さずに注ぎぐちに直接口をあてて飲み出す。
「僕の水筒…もう飲めないじゃないか」
「ふはーっ。いいじゃんそんなの」
「キャンディは?」
「え?のんじゃった?毒とかじゃないんでしょ」
「毒じゃないけど…」
キャンディを飲んでしまった。二組しかないのに。
「ふわー、いい天気だねえ。こういう日はどっか行きたいねえ」
背伸びをしたあと勝手にテーブルの前の席に座りはじめる。
「あんまりにも良い天気すぎて、なんか眠くなってきたよ。ちょっと寝るかな。
 よーじ、寝てるあいだにへんなことしちゃだめだよ〜あたしがあまりに魅力的だからって……」
「し、しないよ」
テーブルのうえに腕をおいてまくら代わりに寝てしまった。あいかわらずマイペースなやつだな。
寝てしまった?
いきなり僕にも強烈な睡魔が襲ってくる。
『ふたりが飲んだらスタートです。数分もしないうちに寝てしまいます。使う場所は選んでくださいね』
あの店員の言葉が浮かんでくる。
僕は眠りにはいった。

267 :
・ ・ ・ ・
夢の中にいた。
ここはあいつの部屋?そうだ美紀の部屋だ。
こどもの頃に行った時のままに見える。机の横にはランドセルがかけてある。
学習机においてあるものや、壁の小ものも子供のものだ。
机のよこのベッドには現在の姿の美紀が座っていた。
「あれ?よーじ、なんでここのいるの?
 部屋もなんか変だね。ちいさいときのがまざってる。
 あーゆめなのか。あたしの部屋にくるのもひさしぶりだねぇ」
「小学校のときくらいかな、お前の部屋にいったのって」
「よーじんちも、もう全然いってないなあ。よーじの部屋もみたいなあ」
「みなくていいよ」
「えーなんでぇ」
美紀がベッドから立ち上がって僕にちかづいてくる。
「ね、よーじ、これって夢なんだよね、じゃぁあ」
いきなり美紀が、僕に抱きついてきた。
僕に女の子の質感が押しつけられる。背中にまわされた腕。胸にあたる柔らかい感触。
鼻腔をくすぐる女の子の香り、首のあたりにかかる吐息。
「い、いきなりなんだよ」
「いいじゃない、こどものときはよくこうやってくっついてたのに」
「それは小さかったからだろ」
近い美紀の顔。女の子の香りがさらに近い。紅くふくらみすこし濡れたようなくちびる。
ちかい、ちかすぎる。顔だけでも離そうと美紀の頭に手をかける。
短くやわらかい女の子の髪。それにふれるとさらに香りが強くなる。
「んっ」
こいつの髪、こんなにやわらかかったっけ。おもわず目のしたのほほにも触れてしまう。
おんなのこの肌。やわらかい、ぷにっとした感触。こいつほんとに女の子だったんだ。
僕の胸の鼓動はとっくに速くなっている。
「ちょっ、お前、もうはなせよ」
「よーじ、キスしてくれたらはなしたげる」
「したことないよ。そんなの」
「あたしだって初めてだよ。ゆめなんだからいいじゃない。
 キスしてくんなかったら、このままずっと抱きついてるもん」
そ、そうだよな。これは夢だ。ここでしたってNo Countだよな。ファーストキスじゃない。
れ、練習だ、これは練習なんだ。

268 :
美紀の耳のうしろに手をあてる。あたたかく柔らかい感触。
こどものころじゃれ合った時とはもう違う。ほんとうに女の子になっているんだ。
美紀が目をとじる。くちびるを差しだすようにあごを前に出してくる。
やわらかそうなそれに僕もちかづく。
触れる。抱きついてきている腕の力が強くなる。やわらかくて熱をもった感触が僕にも伝わる。
一度はなれて、もう一度ふれたくなって、キスをする。
僕のくちびるで、美紀のくちびるを軽くついばむ。美紀の身体が軽く震える。
キスを終える。これで美紀も離れるはず。
美紀の片手が僕の頭をもって、またキスをさせられた。
美紀のくちびるの間から熱いかたまりが僕のくちびるに入ってくる。
舌を出してきてるんだ。僕のくちびるをなめて、くちびるを割って中にいれてくる。
舌と舌があわさる。僕の中の衝動が一気に起き上がる。
舌をからめて、美紀の舌をもてあそんでしまう。気持ちがいい。
美紀と突っつき合ったりなめ回したり吸ってみたり、僕のおさえられないものが大きくなる。
いつのまにか、僕も美紀を抱きしめていた。
ちいさい、かよわい、これ以上つよくだきしめたら壊れてしまいそうな感覚。
こいつってこんなにもろい感じだったんだ。
でも芯があってやわらかくて、そこから動悸が伝わってくる。
「よーじ、ほんとにたくましくなったね。
 背もあたしより大きくなっちゃって、あんまり話もしてくれなくなって。
 ずっとおいてけぼりにされてた気がしてたんだよ」
おもわず左手を下げて、美紀のおしりに手をおいてしまう。やわらかい弾力のある場所。
「きゃっ、よーじったらせっかちなんだから」
美紀がはなれて、いきなりブレザーを脱ぎ出す。
「お前、なにしてんだ」
ブラウスも脱ぎ、スカートも床に落とす。もう下着姿になってしまった。
「あたしだけじゃなくて、よーじも脱がしてあげる」
「い、いいよそんなの」
美紀は僕に近づき、僕の上着に手を掛ける。ちいさく細い指が僕の上着をボタンをはずしていく。
「ちょ、ちょ、ちょ」
そういいながら、僕の目は美紀の胸元に釘付けになる。女の子の下着、それをつけたままの女子。
おもわずそのふくらみに手をのばしてしまう。
「あはは、このブラかわいくていいでしょ。けっこうお気になんだ。
 …うわーなんだかすごいね、こんなになるんだ」
ベルトをはずされズボンもおろされていた。もうふくらんでいる部分を下着ごしに美紀が見ている。
はずかしさを消そうと、美紀の背中に手をのばしてはずそうとした。でも構造がわからない。
「むつかしいよね。こっちにきて」
美紀がベッドに座る。自分で背中に手をまわしてブラをはずす。胸が露わになる。

269 :
「……」
「なによ」
「お前、けっこう胸あるんだ」
「むっ、こう見えても着やせするタイプなんだから。Cにかぎりなくちかく成長してるんだからね」
美紀の隣にすわる。美紀が顔をあげてくる。さそわれるようにキスをして胸にふれる。
「んんっ、もちょっとやさしく、あん、ちくびのまわりなでられるのきもちいい」
「へんな声だすなよ」
「でちゃうもん、ああん、ちくびはいじっちゃだめだって」
「なめていいのかな」
「もぉしょーがないなぁよーじくんはー。やさしくね」
すっかり固くなった突起を口に含む。片手ももう一方の胸に這わせ、ふくらみを突起をなでる。
「あ、あっ、ううん、なんか、いい、きもちいいよ、あっ吸っちゃだめって…ね、またキスして」
「キス好きなんだ、お前って」
「うん、さっきので好きになった」
胸をさわりながらキスをする。もう何度目だろう。お互いの舌をはわせるのにも慣れてきた。
美紀の手が僕の下着に触れる。下着をずらして、僕のものにふれた。
触れられたとたん快感が全身を伝う。
ちいさな手がすでに先端に溢れていた液体をすくって、ふくらんだ部分に塗りまわす。
しびれるような快感が僕をつつむ。これはやばい。
「すごいね、これぬるぬるの液体が出てるのってなに?ふれるとびくんびくんしてるし」
まけじと僕も美紀の股間に手をのばす。美紀にリードされっぱなしじゃ。
「それ、よごれちゃうから」
そう言いながら、美紀は自分で下着を脱いだ。美紀の生えそろった陰毛があらわになる。
おもわず見てしまう。女の子のところを。
「やっぱりはずかしいね、ゆめの中っていっても」
美紀の股間に手をのばす。美紀もまた僕の陰茎をいじりはじめる。
「もう濡れてる」
「ばか」
美紀のそこはもうぬるっとしたものが出てきていた。
やわらかくて熱い。そこをさぐるようにふれていると突起にさわる。
「あっあああっ、やだそこ、やめ、もうちょっとやさしく、んんっ」

270 :
美紀のすじを上下になでていると、人差し指がふとはまった。おもわずそのまま指を中に入れてしまう。
「えっうそ、ゆびがはいってる、やだもうはずかしいよ」
「すごい、しまってくる感触が。お前のなかってあたたかくってこんなに複雑なんだ」
「…もう、そんな解説いらないよ…あっやだっ」
美紀の中には複雑な肉襞があって、僕の指をしめてくる。
女の子のなかってまっすぐなのかと思ってたのに意外と曲がってるんだな。
ちょっと曲がった先にある部分をひっかけるようにして、指を前後にうごかしてみる。
「ああああっ、そこダメ、やだやだ、なんか変になるよっ」
「お、お前、そんなにしごいたらだめだって。僕もガマンできなくなる」
「やだっやだっ、うごかしちゃ、へんに、おかしくなる」
「だから、そんなにはやくしごいちゃ、うっうっくっ」
美紀の手のひらは僕の先端からでた液体でぬるぬるになってそれが激しくぼくを刺激する。
僕の指も、彼女の中で感触を楽しむように前後させていった。
彼女の手のひらにつつまれたまま僕の腰が勝手に動き出す。
「もう、そんなにしたら、なにか、なにか出て。でる。でてくるよーーっ」
「あ、あっ、僕ももうダメだ、出るでる、うわぁーーっ」
頭の中が白くなり、僕は一気に射出した。どびゅどびゅっと外になんどもはき出す。
そして僕が美紀の中にいれている指の手のひらにも、熱い液体が伝わってきた。
「ふう、ふぅっ」
「はあ、はぁっ」
気がつくと、僕は美紀のおなかの上に精液をまいていた。
そして、シーツには、美紀の腰あたりに染みがひろがっている。
「これって潮吹きってやつなのかな…」
「え?あたしどうしちゃったんだろ。うわおなかのうえ、べたべただ。これよーじの精液?」
「お前、そんな直接的に言うなよ、って舐めるもんじゃないよそれ」
「んわ、ちょっとニガ。んーでもうれしいな。よーじがあたしの手で気持ちよくなってくれて」
「まあ、まだ指に中の感触が残ってる…」
「もう、はずかしいな。あっ、でもまだよーじの元気だね、すごいなあ。一回だけじゃ小さくなんないんだ」
たしかに僕のはまだいきり立っている。全く衰えそうにない。
「ね、もういっかい。今度は中で。はじめてはよーじがいいな」
「う、うん」

271 :
美紀はおなかのうえをタオルでかるく拭いて、染みをさけるようにベッドに仰向けになる。
雑誌では何度か見た光景。それが目の前にある。
「ここ、だよね」
「う、もちょっと下、そこ、そこに」
ちょっと誘導されながら、ぼくのをあてがう。そしてそのまま腰をいれる。
「ああっ」
「はいった」
「あれ?いたくない?初めては痛いって聞いてたのに。ゆめだから?」
「じゃうごかすよ」
ぎこちないままに、腰を動かし始める。さっきまでの美紀の手のひらとは違う感触。
指でふれていたのとはまた違う感じで、美紀の内部が伝わってくる。
「やっぱ複雑な構造が…」
「だから、そんな解説なくて、あぁ、またなにか、きてる、あっ、ね、よーじ、キスして」
いわれるがままに、キスをする。腰をうごかしながら、舌を絡め合い、美紀を突きながら舌先を突く。
「ぷふぁっ、あ、あっ、なんか、いい、そこ、さっきのとこ」
「うわ、複雑にしめてくるな、もうちょっと加減して」
「そんなの、わかんないよ、そこ、そこ。もっと突いて」
美紀の胸にもふれる。
座りながらさわっていたときよりも、全体が張り、揉みしだくようにしても痛がらない。
乳首も硬くなり、ころころと指でころがすと、それだけで美紀はいやいやをするように首をふる。
「ふぁ、そこ、いいよ、よーじ、もっと、もっとよーじのちょうだい」
「どんどん、しまって、くる、すごく、あつくて、きもちいい」
「うん、かたくて、きもちいい、もっとおく、おくまで、よーじの、なかまで、いれて」
美紀はそういいながらも、またキスをせがむふりをしてくる。僕も美紀にキスをする。
キスが好きになってきたのかもしれない。
「む、むぐぐちゅちゅぱ、うううっ、ぷはぁ」
「ね、もう、あたしだめ、もっと、おく、はやくついて」
美紀の腕が僕の背中に回って、脚も僕の腰にしがみついてくる。
ときおり美紀のなかが、キュっキューと締まりはじめる。
「ね、これだと中にだしちゃう、もうしまりが、きつい、中が、よすぎるよ」
「いいよ、ゆめ、だから、なかで、なかに、ほしいよ、よーじの、あっあっ」
ガマンできずに、僕は腰の動きを速める。美紀の中に、奥に、いっきに攻め立てる。
「あっ、また、あっあっあああっ、もう、くる、なにかくる、またきてるよ、あっもう、もう、いく、いっちゃうっ」
「だめだ、もう、出る、中に、もう出る、うわああああっ」
美紀の中が何度も収縮を繰り返し、それにあわせるように、僕も美紀の中に何度も繰り返し放出した。
「あぁぁ、もう、よーじ、よーじ、だいすき」
快感が全身を包む。まるでゆめのようだ。あ、これはゆめだった。そうか覚めなきゃ。これはゆめなんだ。
僕は夢から覚めた。

272 :
・ ・ ・ ・
「うわっ」
おもわず半身を起こす。ここは元通り学校の作業室だった。美紀はまだ寝ている。
「うむむむにゃ」
美紀が起きた。きょろきょろとまわりを見渡す。
「あ、あたしちょっとトイレ」
あわてて出て行ってしまった。あいつも同じ夢をみてた?一気に恥ずかしさが出てくる。
ふと下半身に違和感を覚える。
えっと。
「これって夢精?ってパンツべとべとだ」
夢の中でおわりじゃなかったのか。つまり二回分夢精したってこと?
あわてて僕もトイレに向かう。下着を洗うか拭くだけですますか。そんなことばかり思っていた。

僕は全く気づかなかった。美紀がいた椅子が濡れていたことも。
そのあと美紀がこっそりと掃除をしていたことも。

273 :
・ ・ ・ ・
一週間の間。美紀とは、ほとんど話らしい話はしなかった。恥ずかしすぎて声もかけられない。
夢の中と言ってもあんなことをして、そして美紀もたぶん覚えているなんて。
そして一週間。
こんどこそ成功させよう。先週は皆峰さんの都合であんなことになったけど今度こそうまくやるんだ。
作業室に入る。まだ皆峰さんは来ていない。計画を再確認する。
そして皆峰さんがきた。
「こんにちは。先週はごめんなさいね。急に用事ができちゃって。
 直接言いに行こうと思ったら、佐多さんが通りかかって伝えてくれるというからお願いしちゃった」
「いいですよ、僕は帰宅部なんで、放課後はヒマですから。
 じゃ今回は僕がお茶を買ってきます」
「え、先週のおわびに、今回はわたしが」
「大丈夫です、行ってきます。いつもの紅茶でいいですよね」
こんな人だから先手を打って立ち上がる。ここで皆峰さんに買わせるわけにはいかない。
自販機で、紅茶とコーヒーを買う。そして青のキャンディを口に放り込み、そばの蛇口でのみこむ。
味は全くしない。というよりも水を飲んだ時点で、かたまりが消えた感じだった。
そして紅茶のカップへ赤のキャンディを入れる。前と同じように消えるように溶けていった。
「おまたせです」
「じゃあはじめましょうか。各クラスから出てきた書類をまとめて生徒会に提出するんでしたね」
書類のまとめにはいる。そっと皆峰さんの様子をうかがいながら。
皆峰さんが紅茶のカップに手をのばし、口をつけ、そして一気に飲んでしまった。
「あら、わたし、こんなに喉が渇いていたかしら」
作業を進める。皆峰さんの様子がかわり、うつらうつらとしはじめ、必に耐えているような感じになる。
でも皆峰さんはたえきれずに寝てしまう。
僕も眠りにはいった。

274 :
・ ・ ・ ・
夢の中にいた。
ここは皆峰さんの部屋だろうか。小物や雰囲気は女性の部屋という感じだ。
でも細かいところをみようとすると、なぜかぼやけるような形になってはっきりとしない。
行ったことがない場所は、こうなるのだろうか。
「えっ?あなたがここにくるなんて、これってゆめ?」
皆峰さんがベッドに座っていた。立ち上がって僕にむかってくる。
「ゆめよね。あなたがわたしの部屋に来たことはないもの。
 でもうれしい。ゆめの中にあなたがわたしのところに来てくれるなんて」
皆峰さんが目の前にたつ。かわいい。そしてこの落ち着いた雰囲気。
美紀とは違う女性の香りが僕をくすぐる。
先週の行為、それが頭の中に一気によみがえってくる。
おもわず一歩前にすすみ、彼女の顔をもち、キスをしていた。
「…うれしい! あなたからキスしてくれるなんて」
皆峰さんが抱きついてきた。
僕に皆峰さんの質感が押しつけられる。背中にまわされた腕。胸にあたる柔らかい感触。
鼻腔をくすぐる皆峰さんの香り、首のあたりにかかる吐息。
僕も皆峰さんを抱きしめる。
華奢でやっぱり壊れてしまいそうで、背中に回した手に長い黒髪が触れて。
思わずくちづけてしまう、細い首からおりた胸のあたりに。
「もう、あわてないで」
皆峰さんはベッドのそばに行き、ブレザーを脱ぎ出す。ブラウスも脱いで下着姿になってしまった。
おおきい胸だ。美紀よりも一回りは大きい。
制服を着ていてもわかるけど、あらためて見るとその大きさがわかる。
「わたしばかりにこんな格好させないで」
皆峰さんが僕の制服を脱がせていく。どうしても胸元に目がいく。
やわらかそうな胸が、僕のボタンをはずすための腕にはさまれ、ブラをしていても揺れる。
上半身を脱がされ、ズボンもおろされる。そして彼女の手がパンツにもかかる。
「え、ちょっと」
「じっとしてて」
パンツもおろされ僕の性器が露わになる。
「すごい、あなたのってこんなのになるのね」
僕のはもう、皆峰さんの甘い香りと、おおきな胸元だけで怒張していた。

275 :
先端が暖かいものにつつまれる。
「うっ」
強烈な快感が全身をつつむ。皆峰さんの口が僕のを含んでいるんだ。これってフェラというんじゃ。
「うぐっ、ちゅぱっ、ちゅちゅちゅ」
「ああ、すごくいい」
「うれしい、もっときもちよくなって」
皆峰さんが後ろに手を回して、ブラのホックをはずす。やわらかそうな胸がおおきくはずむ。
「こう、かな」
皆峰さんが、胸の谷間で僕のものをはさんできた。これがうわさにきくパイズリなのか。
たまらずに、皆峰さんの髪の毛をなでてしまう。
先端を舌でちろちろと舐められる。胸のやわらかさに包まれて、先を刺激されると一気に高揚する。
「うわっ、それは、やばい、すぐにいきそう」
「そう?こうすると男の人がよろこぶって本に書いてあったから。
 いきなりこんなことするのはずかしいけど、ゆめの中ならいいわよね」
「そんな本、読むんだ」
「あなたが喜ぶなら、なんでもするわ。
 勉強だってスポーツだって。全部あなたに釣り合おうとしてるんだもの」
「わわわ、ストップ、ストップ」
ますい、もう少しで出るところだった。いくら夢の中でも早すぎるところは見せたくない。
皆峰さんが立ち上がる。その豊満な胸につい手がでる。
「ああっ」
やわからい。手からあふれそうな胸。それをゆっくりとやさしく揉む。
「本当にゆめのよう。あなたのその大きな手でふれられるだなんて」
顔をあげてきたところにキスをする。舌を入れると拒むこともなく絡めてきた。
「うぐっちゅぱっじゅるっ、はあぁぁ」
「ね、名前を呼んで」
「皆峰さん」
「下の名前で呼んでよ」
「みさをさん」
「さん、もいらない」
「みさを」
また抱きついてきた。女性とは思えない力で抱きつかれ、僕もそれに応える。
彼女の吐息がぼくの首筋をくすぐる。

276 :
「あなたになかなか言えなかった。何度も言おうと思ったけれど。断られるのが怖くて。
 あぁ、清助さん」
「え?」
「清助さんとこうなるのが夢だった。うれしい。清助さんが望むならわたし何をされてもいいわ。
 ねえ清助さんの理想の女性はどんな人?少しでも清助さんの望みに近づくから」
清助、聞いたことがある。スポーツマンで、学業もできて、本學院大學への進学も確実と言われる人。
一年上の三年生。
『夢の中では、相手にはあなたは理想の男性に見えます』
あの店員の言葉が、頭をよぎる。
違う、彼女が見ているのは僕じゃない。彼女の理想の男性なんだ。
一気に気持ちが萎える。抱きついてきている彼女を強引にひきはなす。
「どうして?わたしじゃだめなの?清助さん!」
「僕じゃないんだ」
「あなたよ、清助さん」
「僕は清助じゃない」
「待って、いかないでよ、どこへいくの、わたしのそばにいて、千明先輩!」
僕は夢から醒めた。
・ ・ ・ ・
椅子にもたれたまま、呆ける。
「ううっ」
皆峰さんも起きる。彼女の瞳は潤んでいたが、僕がそれに気づくことはなかった。
「ごめんなさい、寝てしまって。今日は体調がすぐれないから、またにしてください。
 生徒会への提出は来週までだから…」
「うん、そうしよう。僕も寝ちゃってたから」
これが現実だ。逃げるように帰って行く彼女を見送り、委員会の作業を始める。
こうしたのは僕自身なのだ。
−−
一人で作業を終え、帰る支度をする。カバンの中にあるお菓子のパッケージが目に入る。
これにすっかり翻弄されてしまった。それに彼女にも悪いことをした。捨ててしまおう。
パッケージを細かくやぶって、大きな紙につつむ。これで見えないようにどこかに捨てれば。
カバンのなかに封筒がある。封筒?そういえば粗品と言ってもらったんだった。
なにをくれたんだろうか。

277 :
・ ・ ・ ・
それから数日。気分がのらない。落ち込んでいる。大失恋だ。
今日のクラスの中は浮ついた雰囲気で満ちている。なにかあったのだろうか。
とてもそれにつきあう気にはなれず、一人窓の外を見ている。
気がつくと、そばに美紀がたっていた。
「ほら、これ、あんたにあげるわよ」
「なに、これ、クッキーかあ」
「べ、べつにあんたのために焼いたわけじゃないんだから。
 調理実習で余っただけで取り残されてるあんたがかわいそうだから分けてあげてるだけなんだから」
それで教室内がざわついているのか。みるとあちこちで即席カップルや、クラス公認カップルが
いちゃついていたりする。クッキーを一個口の中にほおりこむ。
「うん、けっこうおいしい」
「ほんとに?」
もういっこ。
「うぇ、あまっ。砂糖のかたまりだ」
「えっ、ダマになってた? あんまり混ぜると固くなるっていわれたから…失敗かあ」
校庭が見える。そこを歩いているのは「千明 清助」先輩。その後ろに近づくのは「皆峰 みさを」。
手にしているのは、美紀がもってきたのと同じクッキーだろうか。
「あれって…」
「あれね、もう校内の女子じゃ有名だよ。剣道部主将で全国大会優勝、千明先輩。
 全校女子のあこがれの的だった人に皆峰さんが告白して見事Okもらったって。もう公認コース」
「へええ、告白したんだ」
「うん『夢のままにしない』って告白するまえに友達に言ってたんだって。勇気あるよね。
 あたし、そんなの言えないよ。夢のままにしたっきりのこともあるし…」
夢のことが思い出される。そうか『夢の中でおきたまま、そのとおりにしない』ってことを選んだのか。
彼女は理想を手に入れたんだ。
そうだよな、あんなに千明先輩の名前を呼んで。
名前を呼んで…?
クッキーをひとつもったまま、美紀の顔を見る。
こいつの夢に入った時、こいつが最初からずっと呼んでいた名前は…

278 :
「なによ、おいしくないならもう食べなくていいわよ」
取り上げようとする美紀の手をくぐって、口にクッキーをほうりこむ。
「ねえ、みのり。月末の日曜にさ、ファンタジックランドにいかない?
 こどものときに、うちの両親に連れられて、みのりも一緒にって行ったよね。
 今なら僕たちだけでも行けるんじゃないかな」
「えっ?月末の日曜ってファンタジックドリームイベントの日じゃない。
 そりゃ行ってみたいけど、あんなのチケット取れるわけないし」
「それがそうでもないんだよ」
封筒から二枚の紙を取り出して美紀に見せる。
それを見た美紀が顔をよせてきてひそひそ声で話し出す。
美紀の香りが近づく。
「これってなに?
 『ファンタジックランド特別優待券・本券と引き替えに一日パスポートをご利用いただけます
  (一枚につき一名様・ファンタジックドリームイベント日でも予約無しでご使用になれます)』
 って、こんなもんどこで手に入れたの?」
「ちょっとした流れでね。パスポート分のお金は出してるんだけど」
「うわーうわー、すごいね」
美紀は姿勢を戻して。
「ま、まあ、これムダにするのももったいないからつきあってあげるわ。
 感謝しなさいよ。月末日曜の9時に緑ヶ谷駅に集合ね。遅れたらしょうちしないんだから。
 いっとくけど、舞台背景は携帯は無いしポケベルすらあやしい時代なんだから、絶対よ」
「みのりって、リアルでデレるとツンツンキャラになるんだね」
「だ、だれがデレてんのよ。べつに誘ってもらったのがうれしい、ってわけじゃないんだから」
「はいはい」
また顔を近づけてくる。
「…よーじがあたしのこと、その呼び方するのってひさしぶりだね…」
「たまにはいいかなって」
「たまにじゃなくって、もうずぅっとそのままにしなさいよ」
「えーっ」
「えーっじゃなーい」
−− 登場した三名の男女はそれぞれの道を歩み始めたようです。
    理想の相手。それは思春期にはいれば誰もが思い描くもの。
    人はそれに近づこうと努力をする。いや〜青春ですね。
    その理想の相手は、あなたの近くであなたを密かに想っている人、なのかもしれません。
    ではまた、当店へのご来店をお待ちしております −−

279 :
と以上です。
「ではまた」と書いてありますが、たぶんもうこの店が開くことはないでしょう。
ここまでありがとうございました。

280 :
おつ!

281 :
供養おつ

282 :
おつ!
面白かったし読後感よかったよ

283 :
保守

284 :
とあるスレで書いたSSの続きを書こうとしたもののエロに発展せず詰んでたのを発見したので
季節外れネタでおじさん化学教師×女子高生

285 :
 暑い。熱されたアスファルトからの照り返しもあって、上から下からと僕は参ってばかりだ。
何だってこんなに暑いんだろう。
元々インドア派であることは重々自覚しているが、不摂生も祟ってか眩しい日差しに眩暈がした。
「はあ……」
 横断歩道の信号が青に代わり、一歩を踏み出すだけでシャツに汗が染み込む。
ハンカチをこめかみに当てながら歩く。日差しから逃れたくて、なんとなく目の前の本屋の自動ドアをくぐった。
そうだ、確かそろそろ新刊コーナーが入れ替わる頃だから覗いてみよう。
学生時代にはあんなに待ち遠しかった夏休みも、教員になってからは新学期への仕込みに追われてばかりだったが、
たまには息抜きだって必要なはずだ。
「……うーむ」
 そう思ったものの、ふらりと足が向いたのは参考書コーナーだった。職業病ってこわい。
『わかりやすい化学!』という背表紙を引っ張り出して開いてみると、
色とりどりのページに一瞬だけ目がちかちかした。
二等身のマスコットキャラが「中和滴定とは♪」なんて笑顔で説明している。
やはりカラフルで可愛いキャラクターなどを用いて説明した方がわかりやすいんだろうか。
隣り合って並んでいた参考書を開くと、今度は堅苦しい言葉でmol濃度について述べてある。
夏休み中に行った補習での生徒の小テストの点数がちらついてすぐ閉じた。
 補習、といえば――“彼女”も来ていた。
 化学の成績は上の下と優秀な方だったが、
強制出席を言い渡した生徒の中に混ざって教科書とノートを開いていたので驚いた。
目を丸くした僕を見るとすぐに教科書に視線を落としたが、
黒板に向かっているときにはぐさぐさと背中に刺さるものだから何というか。
 さて、あのホワイトデーを越えて、彼女は受験生へと進級した。受験生の夏。
はっきりと拒絶するでもなく彼女を持て余してしまった僕は、とうとう突き放すタイミングを逸してしまった。
「はあ」
 無駄につっついて動揺させて、勉強に差し障りがあると可哀相だ。
しかし、このままの宙ぶらりんで放置するのも気が引ける。だとしても、何と返事をしたものか。

286 :
「……先生?」
 思わず肩が跳ねる。振り返ると、今の僕の思考から抜け出てきたように、彼女が立っていた。
それは僕の妄想でないのは、彼女が制服姿でないことから証明されている。
「こ、こんにちは」
「まさかこんな所で会えるなんて思ってませんでした」
「はは……」
 彼女はシンプルなワンピースに目の粗いカーディガンを羽織っていた。
足元は可愛いサンダルで、ペディキュアが施してあるところがさすが女子高生だ。
僕はまたちかちか眩しくて、目を瞬かせる。
「君は、参考書を探しに?」
「はい。……、ううん、違います」
「え?」
 ふるふる、と首を振った彼女の髪が揺れて、ふわりと甘い匂いがする。
女の子と僕とは何か元々の構造が違うんじゃないかと思う。
僕が曖昧に笑って首を傾げると、彼女は表情をきつくして、僕を見上げた。
広く開いた首元から鎖骨のラインが露わになっていて、なぜだか息が詰まる。
「先生のせいで化学の教材ばっかり充実しちゃってるので」
「……え、なんか、ごめんね」
「別にいいです!」
 彼女は何かと僕に怒ってばかりな気がする。
でも色白のせいで今みたいに頬や耳がすぐ赤くなるから迫力は半減、それ以下だ。
 ありがとう、と流すと、ふと思い立って僕は先ほどの『わかりやすい化学!』をもう一度引っ張り出した。
彼女へページを開いて見せる。
「これ、どう思う?」
「これって、……このキャラクターですか?」
「こういうのあった方が分かりやすいもんなのかなと」
 彼女は少し俯いて、頬にかかる髪を押さえてテキストを覗き込む。
この暑い日が続く中、日焼けの気配のない白い肌に目が行く。
少し汗ばんでいて、彼女もまた日差しから逃れてきたのかな、なんて思った。

287 :
「……そうですね、あった方がいいと思います。うん、思う」
「そうかー」
「じゃあ。その、新学期のプリントにはこういうの、描いたら、どうですか」
「僕が?」
「先生が」
 参ったなあ、と苦笑いをする。僕には絵心が無い。しかし生徒が必要と言うなら仕方ないかもしれない。
本当に要る? と問おうと彼女の顔を見ると、想像以上に顔の距離が近くて内心で驚いた。
しかし僕より彼女の方が驚いたらしく、大きな目を見開いて固まると、じわじわと頬を赤らめていった。
「……」
 なんとなく血の巡りをそのまま眺めていると、彼女は耐え切れなくなったように唇を噛みしめて僕を睨み上げた。
「……先生のもやしっ子! どうせ夏休みもひきこもってたくせに!」
「ええ? いや、だって」
「ちゃんとご飯食べてよく寝てるんですか!?」
 思わず言葉に詰まったのに目ざとく気付いた彼女は、一瞬寂しそうな顔を見せたがすぐに厳しい表情に戻る。
「そんなことだから顔色悪いんですよ、ご飯くらいちゃんと……」
「じゃあ、作ってくれる?」
「へっ?」
 口から飛び出た言葉に、一番驚いたのは、実は僕だった。
しかし引っ込めることもできず、半ばやけで笑いかけてみると、彼女は素早く身を翻した。
さすがに今のはアウトだった、PTAに訴えられたらどうしよう。
既に胃を痛ませはじめた僕に向けて、震え声が届いた。
「し、新学期……」
「?」
「新学期明けのテストで、九割、取れたら……」
 ぜったい、おしかけますからね、と、そう聞こえた。
 相変わらず、僕がそれに返事をする前に彼女は駆け出して言い逃げしていく。
あっという間に小さくなっていく後ろ姿を見送った僕は、乾いた笑いをもらして口元を覆った。
「……妙に律儀だな、本当」
 なんだか頬が熱いが、きっとここの本屋は温度設定を高めにしているんだろう。
新学期はすぐそこだ。

288 :
以上です
エロなしSSだったのにGJって言ってもらって嬉しかったです 南無

289 :
投げ乙!!

290 :
投げ乙

291 :
投げ乙!
お蔵入りじゃなくて、ここに投げてくれてありがてえ

292 :
もう何年も続きを書かずに放置してるので投下。

293 :
その教師が、それを目撃したのは偶然だった。
たまたま、生徒から取り上げた携帯電話を手にしていたのも。
「浦部、そこで何をしているんだ」
植木鉢を振りかざして、叩きつけようとしていた児童の顔が恐怖、後悔、憤怒、嫌悪、様々な感情に歪む。
「さあ、こっちに来なさい先生とじっくり話し合おうじゃないか」
教師の顔には、場違いな笑みが浮かんでいる。
子供にすら理解できるほど、いやらしく、忌まわしく、おぞましい欲望をあらわにした笑みが。
児童が手に持っていた植木鉢が落ちて、壊れる。
まるで未来を暗示するかのように。
他に誰もいない、少子化が進んだせいで使われなくなった空き教室。
カーテンが引かれ、鍵を掛けられた密室。
男と、若すぎる女。
「先生、びっくりしたぞぉ。まさか児童会長の浦部が、あんなことをしているだなんてなぁ」
息がかかるほど、近くで囁かれる声。
なれなれしく肩にふれる手にうつむいた児童、小学生とは思えぬほど完成された体を持った少女の顔に嫌悪の念が浮かぶ。
だが、
「皆にも知れせんとなぁ。クラスの皆驚くぞぉ、最近噂の犯人が児童会長だったなんてなぁ。親御さんにも連絡して見てもらおうなぁ、この画像」
「やめて! 親、には……」
激しい声に一瞬、脅えた教師は、しかし、自らの優位を確認して、再びいやらしい笑みを浮かべる。
「まあ、そんなにいうんなら考えんでもないが、罰は与えんとなあ。先生辛いけど浦部に、浦部が嫌がることをするぞう?」
そう言いながら教師の手が、少女の小学生とは思えない体のおうとつを確かめるように撫でていく。
少女の震えを感じ取りながら、しかし、抵抗しないのをいいことに教師の行動はどんどん大胆になっていく。
「浦部ぇ、おっぱい大きいな。先生の娘は高校生だが、それより大きいぞぉ」
大人である教師の手に余るほどの巨大な突き出た膨らみ。
だが、どんなに大きくても、まだ小学生の未成熟な胸は、触られれば、ましてや揉まれれば、羞恥以前に激しい痛みが襲う。
それでも声一つ上げず。少女は、ひっそりと涙をこぼす。

294 :
最初は服の上から、ついには服の間に手を突っ込んでのしかかるように、少女の耳に興奮した中年の息がかかる。
「ハアハア、こんなのを見せ付けられたら、クラスの男子どももたまらんだろうなぁ。お前が児童会長になれたのはこのおっぱいのおかげだぞ。みんな壇上で揺れるおっぱいが見たくてお前に決めたんだ」
教師は、最低の発言で自分の教え子の誇りを汚して喜悦に浸る。
「こんなに育ちやがって。毎晩、自分で揉んでるのかぁ? それとも、糞餓鬼に揉ましたのかぁ? それとも親父に揉まれてんのかぁ?」
その瞬間、少女の体が屈辱に震える。
大好きな、敬愛する父親におぞましい嫌疑をかけられたショックでだが、ただ優等生の児童会長を辱めることが目的の心が捻じ曲がった教師にとってはどんな反応も辱めの材料にすぎない。
「そうか親父に揉まれてんのか。お前ん家は金持だからなぁ、金持は歪んでるっていうもんなぁ」
それが事実では無いと知りながら、教師はそれがさも真実であるかのように言い放ち、恐怖と嫌悪、羞恥に震える教え子の体をまさぐる。
大きさだけは、世の大多数の女性が成長しきっても持ち得ないほど膨らんだ乳房が大人の男の手で揉まれて、指が食い込み、形をやわやわと変える。
「でも、確か浦部の親父さん、いやパパか。パパは海外に行ってるんだよなぁ。寂しいだろ。でもこれからは先生がパパの代わりになってやるぞぉ! パパの代わりに毎日浦部のこと可愛がってやるぞぉぉ!」
教師の熱く、固くなった下腹部が服越しに少女の背中に強く押し付けられ、一瞬、動きが止まり、痙攣する。
それは、高校生の娘を持つ中年教師が、自分の四分の一も生きていない、娘より幼い教え子の肉体で射精した瞬間だった。
自分の体から離れていく教師に、やっと終わったと思うまもなく、さらに過酷な試練が少女を襲う。
「ひっ!!」
あろうことか教師は、教え子の前でベルトを外し、ズボンを脱いで自らの汚液まみれになった性器を露出したのだ。
「さあ、浦部。今度は、このお前のせいで汚れたものを綺麗に舐めとるんだ」
座り込み、涙を流しながら厭々をする少女の口に、教師は欲望の証を恥ずかしげも無くそそり立たせながら近づける。
「せ、先生だってこんなことおおやけになったら」
それでも自らの身を守ろうとした、ささやかな抵抗は
「生意気を言うな!」
大人の暴力に封じられた。
手加減の欠片も無い張り手が、生まれて初めて直面する身勝手な暴力が、少女の整った顔を赤く腫れ上がらせる。

295 :
そして無言で少女を見つめる教師の目。
少女を欲望の道具としか見ていない、教え子どころか人間扱いすらしていない目に少女はつい先ほどまで抱いていた家族を侮辱された怒りも忘れて、恐怖にそまった。
「お、お金なら……」
再び容赦の無い暴力。
教師の蹴りを腹部に受け、吹き飛ぶ体。
仰向けに倒れ、呼吸すら上手くできないほどえづく少女に、下半身を丸出しにし興奮した性器を露出させた教師がかがみよる。
少女の口元に突きつけられた、おぞましい異臭をはなつ汚液まみれの男性器を、痛みと恐怖に負けた少女は震えながら口を広げて受けいれる。
以上投下終了。
元ネタは「らいか・デイズ」っていう4コマ漫画。
色々やらかしている教師は4巻のオマケに載った過去話でなれなれしく肩を抱いて跳ね除けられたり、
「あの体つきは反則ですよ」と同僚に言っていた奴という設定。

296 :
投げ乙

297 :
バレンタインにまとめきれず投下できなかったもの
最近集中力が続かなくて困る

298 :
 2月14日。学校に来て、意中の人を待ってみる。
 目が合ったら、つまらないものですが、とでも言って渡そうと思っているプレゼント。
 誰と仲良くする訳でもなく、一人でぼうっと窓の向こうを眺めていることが多い彼は、クラスでも空気と言える。
 外見も特に良いとは言えない。何事にも無頓着ゆえ、無魅力という感じだ。
 でも不思議と、その姿に趣を感じてしまう私がいた。
 何度か話しかけたりしたし、周りの子との会話を取り持ってあげたりもした。
 しかし彼はいつも、つまらなさそうに流す感じだ。
 普通ならそれで相手にするのをやめるだろう。
 彼とは席が隣だった。
 だから、たまに彼を見つめていた。
 そして、そうしていれば彼が何を考えているのか分かるかもしれないと思った。
 ――結局分かることはなかった。
 外を向いているので目が合うこともなく、視線に気づかれてさえいないだろう。
 全部、一目惚れみたいなものなんだろうか?
 恋は初め、自分の中で葛藤のようなものがあると友だちから聞く。
 それが私には、ないみたいだ。
 私は何故この人が気になるのだろうか。それが本気で分からない。
 一度友だちに、彼のことが好きなの? と突っ込んで聞かれたことがある。
 しばらく考えたが、好きになるきっかけがないんだよ、何も。
 だから、分からないけど違うと思う――そう答えた。
 友だちは、ふーん、と言ってそれ以上彼に関わることは言わなくなった。
 みんな彼を、得体が知れないよね、と軽くバカにしたりするが、基本的に興味はないのだ。
 ただ何となく見てしまうのは、私くらいと言って良い。
 今や彼に意識が向いている時、忙しい日常から切り離されたような、穏やかな気持ちすら得られるようになってしまった。
 そして今日はバレンタインデー。
 俗っぽく言えば、女子が男子に様々な思いを込めて、プレゼントを渡す日。
 彼は、異性がプレゼントを渡したいと思うような性質には見えないし、仲良くするきっかけそのものをたぶん嫌がるだろう。
 しかし、私なりにあなたの存在を認めているよ、というちょっとした確認の気持ち。
 それと、もし少し歩み寄ることができたなら、私の悩みが解決するかもしれない。
 そう思ってチョコレートではなくクッキーだが、プレゼントを作った。
 勿論、友だちとの交換用や、仲の良い男子用にも別に持って来ている。
 差別化しないようにしたが、彼に渡すものだけ、気づいたら包装が凝ってしまっていた。
 やはり、特別な気持ちが無意識にでも、あるのだろうか。
 来るのを待ちながら、そんなことを考えていた。
 しかし、彼は学校に来なかった。
 私は空いた机を時々ぼんやりと、恨めしく見つめながら、一日待ち続けた。
 昼を過ぎ、これは遅刻でなくもう欠席かと思って諦める。
 理由は知らないが、学校を休む日もそれなりにあったから、たぶん今日もそれだろうと。
 バレンタインの劣等感が嫌で学校休むなんて、そんななら逆に可愛げがあるのだが、彼に限ってそれはないな。
 と、こんなことを勝手に想像している内はまだ良かった。
 そのまま夕方になるとHRで担任が出てきて、彼の欠席の理由を告げた。
 それを言われた時、少し心がざわついた。
 ……来るはずもなかった。昨日を最後に、転校したというのだ。
 しかもそのことはこのタイミングまで、生徒には内緒にしてほしい、と彼から頼まれていたという。
 担任はそれ以上詳しいことは教えてくれず、そのままHRは終わる。
 クラスも特に動揺しなかった。あ、そうなの、という感じで流された。
 彼の存在感の薄さからすれば似合いすぎる引き際で、感傷に浸るより感心してしまう有様だ。
 そして私のプレゼントも、あっさりと行き場を失った。

299 :
 後で担任に聞きに行こうかとも思ったが、すぐに野暮なことだという結論に達した。
 これは、彼の望んでいたことなのだと思う。
 自分なんて早く居なかったことにしたかったのだ。
 今この結果を彼は知る術はないだろうが、見なくても分かりきっているに違いない。
 もしかすれば、最後にしてやったりという気分なのかもしれない。
 あーあ。
 私だけバカみたいな話だ。
 放課後、委員会の仕事を済ませて教室に戻ると、引き戸の横に女子が立っていた。
「あ、あのっすいません。一年四組の奥村といいます。西川先輩は、来てませんか?」
 もう誰もいない教室に入ろうとすると、突然そう尋ねられて、私は彼女の顔を見た。
「西川衿子? なら部活じゃないかな」
「いいえ、違くて、ですね」
 このクラスに西川という名字は一人しかいない。
 ――昨日までは二人だったが。
「もう一人の西川”くん”は転校したから、もう来ないよ」
「……えっ?」
 予想だにしていなかったという表情だ。
 そしてか弱そうな初見だったのが突然、
「ひ、酷いこと、言わないでください! 先輩が何したって言うんですか!」
 と大きな声で怒りだした。
「なっ、何突然?」
「勝手に転校扱いとか、いじめじゃないですか!」
 どうやら嘘をついてると思われているらしい。
 何とかなだめて事情を説明すると、彼女はすぐにごめんなさいと謝ってきた。
「お昼も来たんですけど、まだ来てない、知らないって言われたので……そう、ですか」
「西川くんに何か用事があったの?」
「チョコレート、渡そうと思ってたんです。今の今まで、転校してるなんて、知らなかった、から」
 誤解を受けた私でも見ていて可哀想なくらい、彼女は気を落としている。
 と同時に、彼にプレゼントを渡すような子がいたということが意外だった。
「失礼かもしれないけど、西川くんとは親しかった?」
 すると力なく首を横に振る。
「ちょっと話をしたことがあるだけです。……じゃあ、失礼します」
 ちょっと、か。
 立場としては案外私と似たようなものだったのかな。
 彼女は真面目に好意を持っていたのかもしれないが。
 小さな後姿が悲しい。
 帰る前、私が持ってきたプレゼントは、使う人のいなくなった机の上に一瞬だけ置いてあげてから、引き取った。
 こんなものここに置きっ放しにしたら、きっと明日見た子が引くだろう。
 捨てるのも忍びないし、あとで自分で食べるか。
 そんなことを考えながら一人、今日一日バレンタインの舞台だったのがまるで嘘のように静かな校舎を通り抜け、靴箱まで来る。
「……?」
 さっきとは別の女子が靴箱の近くに持たれかかり、携帯電話を弄っていた。
 目が合ったので、どうも、と頭を下げる。
「あなた、2-3の子かな?」
「そうですけど」
「わたし、三年の清見花緒って言うんだけど、西川笹治くん、知ってる?」
 結構可愛い方な外見をした彼女が、そう聞いてきたので戸惑った。
「え、っと……ですね」
 そんな私を前に、彼女は携帯をぱちりと閉じる。
「西川くんは、転校、だってね?」
「知ってたんですか?」
「うん。さっき先生に聞いた」

300 :
 三年生ながら今日登校日だった彼女は、やはり彼にチョコレートを持って来て、渡すつもりでいたらしい。
「かれさ、前に文化祭の時、一日中ずっと一人で中庭で景色見ててね。わたし、声かけたんだよ」
「そうですか」
「それ以来、見かけたら何度か、ね。でも、ダメだねぇ……全く答えてくれないというかさ」
 彼はクラス以外での振る舞いも、あまり変わらなかったようだ。
「でも、そういう所が気になっちゃうってこと、あるんだよ。お節介だったんだろうけど」
 しばらく話を聞いていた。
 二人は委員会が一緒で、私なんかと比べればまだまともに会話もしていた。
 彼女は昔から教員に憧れていて、既に進路は決まっているそうだ。
 そんな気質が彼みたいな年下を心配させるというか、放っとけなくさせるのだろうか。
 悪さをする訳ではないが、目に見えて周りから浮いている訳だしな。
 けれども、その彼女が根気よく接してみてさえ、彼の心を開くには至らなかったのか。
「……僅かな望みと思って、聞いて良いかな? かれ、昨日まで何も言わなかった? どこに転校するとか」
「いつも通りでした。話したりはしてないですし」
 すると彼女は溜息を吐いた。
「家の電話番号だけ、教えてもらったことがあるんだ」
 携帯を持っていなかったそうで、それでも、困ったら相談しなよってことで、彼女から頼んでのアドレス交換だそうだ。
 何度かかけたことはあるらしい。
「で、今日学校にいないっぽいから、渡せないかと聞くつもりでかけてみたら」
「はい」
「――おかけになった電話番号は現在使われておりません」
「酷いでしょ?」
 と呆れたように笑う彼女。
 見ているだけで、胸の奥が小さく痛む。
「家に渡しに行ってあげようかと思ってたけど、まーこれは完全に引越してるパターンだよね」
 そうだと思う。
 突然、自分の存在を足跡も残さずに消してしまった。
 誰にもその後のことを心配なんてしてほしくなくて、自分のことを忘れてほしいのだ。
 けれど、大部分は本当に彼に対して無関心だったとしても、彼のことを気にかけていた人は確かにいた。
 気づかなかったのか、目を背けてしまったのかは分からないが、それが、私も当事者の一人だが、空しかった。
「あっと、ごめんね。こんな所で呼び止めて話なんかして。さっ、帰るかっと」
 最後、独り言のように呟いて、彼女は軽く伸びをした。
「ふぅ……先輩として、異性として、きっと力不足だったんだろうな」
「そんなことないと思います」
「ありがとう。あなたみたいな人が彼の近くにいたんだなと思ったら、少し気持ちが晴れたよ」
 恋する人との別れや、届かない思い――いろいろあるが、こういうバレンタインデーのエピソード。
 ”プレゼントを渡せなかった”という類は、切ないものが多い気がする。
 では私は、同情されるべき立場か。
 帰り道、遮断機の下りた踏み切りで立ち止まり、考える。
 彼のことを卑怯だと思う前に、本当に分かってあげようとしていたか。
 その上で突っぱねられたのなら仕方がないが、普段一番近くにいたのは、チョコを渡そうとしていた他の二人ではなく、私だったはずだ。
「ゆうく〜ん」
「どうした、ナナ」
「えへへ〜。寒いから、手握ってほしいなっ」
 線路の向こう側でカップルが――兄妹のようにも見えるが、戯れている。
「えー恥ずかしいわ」
「良いじゃ〜ん。勇気出して大本命のチョコレートあげたんだから、そのくらいさ」
「実感ねーんだよなぁ……ほれ」
 男の方から引き寄せるように手を繋ぎ、体を隣にくっつける。
「……ふふふ、あったかいな」
 といったところで、近くの駅に停車していた電車がやっと目の前を遮る。

おわり

301 :
供養乙

302 :
こっちでやれと言われたので。
百合モノです。完全に捨てSSになってしまったので手入れすらしてません。
「」や()や地の文も整理してません。

303 :
憑依されたと言うことですね
ええ、体が熱くなるんです

どんな風に?
息が荒い
小鳥さん、あなたに取り憑いている霊を調べさせてもらっていいかしら?
はい、よろしくお願いします

そう

ちょ、ちょっと何をするんです?

体を見ないと
そ、そんな、困ります
少しで終わるから大人しくしてて
は、はい

体のラインに沿いながら指をしならす。
人指し指は小鳥の唇に軽く触れたあと、クビから肩にかけて皮膚に沿いながら柔らかく撫でる。
その後にねっとりとした吐息を耳に吹きかける。
もちろん感じさせることを意識した上でのこと。

あ、あん…いや…
…続けていい? 必要なことなんだけど?
は、はい

かかったとほくそ笑む。彼女にすれば同業者の側近に近づいただけでも嬉しいのに、小鳥が主である麗華には内緒でエクソシスト近づいてくれたのは願ってもないことだった。

あなた、よく見ると可愛いわね
わ、私は…やめて下さい…あん…そんなとこ…

優しく肩に触れていた指が乳房に移動し始める。もちろん霊気を追って性感帯を探しながら。
彼女は霊気の微かな乱れを感じて人間の性感帯が見えるのだ。

あん、なんで、こんな…
気持ちいいのは普通の事だから気にしなくていいのよ
え、あ…あん…いい
そう、感じたままでいて
あ、ああ、

そして、こうして心にまで入っていく。こうやって触れてしまえば小鳥の愛液の量まで感じ取ることができた。

さらに乳房を何度か揉んだあと、谷間の心臓に手を当てて、小鳥の精神の軸になっている霊気を感じ取る。

304 :
随分、精神が侵食されている。海外のエクソシスト特有の結界も取り除く。
そして今度は東洋の除霊師特有の結界を張り直す。
ずっと乳房を揉んだままだ。

この作業中、強烈な絶頂を感じるものもいる。
小鳥はどうだろうか、と観察しながらその背中に、優しく腕を回しながら覆いかぶさる。
既に小鳥の上のシャツとブラジャーはまくれ、少し主張した胸が露わになる。

「ん…ちゅぅ…ん…どう?」
「あ、き…気持ちいい…ダメ…なんで?」
ふふそれが普通よ
で、でもおかしいんです…こんなに感じるはず…ないのに…
いいのよ、さ、私に身を任せて、安心して、取り除いてあげるから
あ、あ、ダメ、そこはダメ

股間に手を伸ばし淫らにあふれている場所に指を当てる

あ、あ、あああああああああああああああああああ

全身をうち震わせながら小鳥は歓喜の絶叫をあげながら失禁してぐたりとなった。

その瞬間だった。

「…やめなさい」

彼女の首の横にヒヤリと冷たい金属が当てられていた。

「動いたら首を切ります」
「しゃべるのはいいのよね?」

その人影に彼女は動じない。わかっていたからだ。
人影は西洋の使用人の格好をしていた。小鳥が訪ねてきた格好と同じだった。
シックの青紫のメイド服。程よく体を強調させた格好はよく知っている人物だった。
長い髪を後ろで結んだ女性は切れ目で整った顔立ちで、同性の彼女から見ても美人に属するものだった。

「相変わらずいい性格してるわね。これだけのことをしておきながら…」
「小鳥ちゃんのこと? 可愛いね彼女。もう少しで落とせたのに」
「く…今回のことは私のミスよ…あなたが相手とは…」
「あはは、反省会より首の横の冷たいものをどうにかして欲しいなあって。あ、まだこのロザリオ使ってたんだ」
「あ、動かないでって…!」

スルリと首に当てられた小さな銀のロザリオをくぐったあと、そのメイド服の前に立つ。

305 :
「鐘やん、久しぶり。留学は楽しかった? 何年ぶりだろ」
「そのアダ名を呼ばないで!」
「いいじゃん、感動の再開なんだしさ」
「あ、あなたね…」

微かに頬を引きつらせているメイド。
鐘ヶ江は彼女の旧友だった。

「ほら、怒んないで。美人が台無しだよ」
「千明…」

彼女。千明奏(ちぎら かなで)。霊能力者の巫女。
目の前の鐘ヶ江も大層な容姿だが、さらに輪をかけた悪魔的な美しさを持っていた。
純粋な長い黒髪に整った目元。それでいてどことなく神秘性がある。そんな女性だった。
ちなみに下には弟の清彦と妹の舞がいる。

「小鳥にしようとしたことはわかるわ」
「あはは、能力バレちゃってるからね」
「何が、あはは、よ。小鳥を支配下に置いて何するつもりだったの?」
「いや、ナニを…」
「…っ!」

ロザリオと意を向けられる。その小さな銀色のものはミスリル製で刃物としての傷能力があることを奏はよく知っていた。

「じょ、冗談だってば…」
「私の気持ちを知った上でしてるのよね?」
「ご、ごめん」
「謝らないで!」
「でもさ…」

奏が何気なく続けようとした時、ぎょっとした。鐘ヶ江は目を泣いていたのだ。
目に涙を浮かべ瞼をこすりながら。年端も行かない少女のように隠す素振りも見せず。

「ちょ…なんで…」
「私があなたを好きなのを知ってて」
「…わかってる」
「それでも仕事が大事? 小鳥をこんな風にしてまで、お嬢様の」

306 :
あとはプロット兼あらすじの原形
裏設定スレの方がいいのかも知れないけど…
神社で起きた時での博美への嫉妬から
兄はこのひととけっこんするんだ
というぜt某
でもわたしだって
くやしい
兄との修行
自分の方が脳ry区高かったのに
やさしくしてくれる
じぶんののうりょくはことだま
それもかなりのクラス
でもひろみには勝てない
自分の方が上なのに
なんかおかしくない?
私の方が上なのに
曽於時声が聞こえる
力がほしくないかと
そしてその力があると
またこの声か
ここにきてからなんだもする
たぶん悪霊
こんなのにかまってられない
いつもなら無視するのに
お前の方が奴より上だ
兄と結ばれることはおかしなことではない
お前がかってにおもっていることだ
出す気はないか
神社の結界をきるだけでいい
勝ちたくないのか
私なら勝たせられる力を持たせてやる
何、お前の力にしてしまえば
いざ追い出す時になっても追い払える力があるだろう
大丈夫
うそよ
本当だ
あの女と兄との情事を見せてやろう
やめて
ああ
くやしい
くそくそくそなんで妹なんだろう
わかったわ、やるわ
ただし私の力をあまくみないでね
あの女より私の方が上なんだから
ああ、わかってるお前の方が上だ九九九
だが、この力はお前が除霊氏と成功すると無くなるを覚えておけ
ふん、そんなのいらないわよ
力尽けたら追い出してやる
入ってくる

307 :
結局、魅力的な姉キャラを作ることができなかった
供養終了

308 :
投げおつ!

309 :
本スレに投下しなくてよかったよ
確実にぶっ叩かれていた

310 :
FEスレに投下しようと思ってた一発ネタ。
どうしても書けない部分があって寝かせているうちに、
ネタ元のレスがあったスレが流れてしまったのでここに投げ。

311 :
イーリス城内。真夜中。
移動力が激減しそうな強い雨の中、ユニ男はとある一室に呼び出されていた。
部屋には寝台と小さなテーブルが1つ。
設えは絢爛ではないが、王城を名乗るには十分なぐらいには瀟洒である。
そう、そこは何の変哲もない客間だった。
……ただ、広いとはお世辞にもいえないこの部屋に10人の女たちがひしめいていることを除いては。
ミリエル、マリアベル、ティアモ、ノノ、サーリャ、アンナ、チキ、インバース、シンシア、デジェル。
10人の女たちは不思議なことに皆一様にダークナイトの職に就いていた。
「こんな夜中に呼び出して、何の用だ?」
ユニ男の問いに、女たちは10方向サラウンドで答えた。
「生命吸収の訓練をさせてほしいの」
生命吸収とは倒した相手のHPの50%を己の物とするスキルである。
そんな事はユニ男だって知っている。
だが、なぜこんなところで? こんな平和な城内で、どうやって生命吸収の訓練をするのだろうか……?
そんなユニ男の脳裏に浮かんだ疑問を知ってか知らずか、10人の女たちはそれぞれに身を寄せてくる。
「嫌とは言わないわよね、ユニ男」「生命吸収は学術的に必要なことなのです」
「そうそう、ガクジュツテキに必要なんだよ!」「だから生命吸収させてほしいのよ」
「もちろんさせてくれるわよね」「生命吸収させてくれたら、イイことしてあげるわぁ」
「させてくれなきゃ……呪うわ……」
ティアモとマリアベルが柔らかな頬を寄せ、ミリエルが眼鏡を煌めかせ、ノノとシンシアが足元にまとわりついてくる。
チキとサーリャの豊満なバストに挟まれた腕はアンナに握られ、デジェルは珍しく鎧を脱いで頬をすり寄せてきた。
豊満なバストを押し当てるように後ろから抱きついてくるインバース。
10人の体臭が混ざり合ったかぐわしい匂いは並みの男ならばそれだけで必の一撃されてしまうぐらいの色香を放っていた。
しかし、ユニ男は動じない。この状況に怪訝に首を捻るばかりだ。
10人の美女に囲まれたこの状況は、並みの男ならばそれだけで必の一撃されてしまうぐらいの羨ましい状況だろう。
だが、百戦錬磨のユニ男の直感はこう告げていた……ヤバイ!キケン!
その証拠に、見よ、トールハンマーもかくやという稲光に照らされた女たちの顔を!
女たちは10人ともヴァルターめいた目でユニ男の事を見つめている!
ユニ男はさりげなく女たちを引きはがしながら己に問う。この戦況をどうやって変えればいいのか?
ユニ男の選んだ戦術は――走為上。三十六計逃げるにしかずというやつだ。
なに別に恥じることはない。魔符の英雄・賢王リーフだって逃亡に5MAPも費やしたではないか。
『逃げるが勝ち』とは歴史的に重要な戦術なのだ。
ユニ男は女たちを押しのけて後退した。そして囲みを突破するとドアノブに手をかける……!
その時だ!
「あーっ、逃げた!」シンシアが叫んだ。
女たちの対応は素早かった。
「イヤーッ!」デジェルが強烈なタックルをユニ男にかまし、ティアモはその隙にドアノブを奪取した。
倒れたユニ男にチキを始めとする女たちがのしかかり、その動きを封じようとする。
だが、なんという逃走にかける執念だろう!
限界突破まで鍛え上げられたユニ男の肉体は、5人の女たちにのしかかられてもなお、入口を目指して匍匐前進を続けている!
「このままでは、押さえきれませんわ!なんとかしてくださいまし!」マリアベルが叫ぶ。
「わかったわ」とアンナが答える。「こんなこともあろうかと仕入れておいた商品があるのよ」
アンナは懐から一冊の本を取り出した。
その本は……ああ、なんということだろう! その本の名は……!
古代アカネイアにおいて悪の司祭ガーネフが使っていたという暗黒魔法、マフーの書である!
「ふふ、これならまちがいないわね。逃がさないわぁ、ユニ男!」
インバースに手渡されたマフーの書から、おびただしい怨霊が立ちのぼる!
実体を持たない白い影は標的の体中にビグルめいて絡みつき、ユニ男は身体の自由を失った。

312 :
抵抗ひとつ出来ないまま、ユニ男は丸太のように寝台の上へと放り投げられた。
スターライト・エクスプロージョンじみた柔らかな寝台に受け止められながら、ユニ男は
円陣を組むように己を取り囲む、女たちを見上げた。
地に落ちたガイアの高級菓子に群がる蟻めいてユニ男に迫る女たち。
儀式めいた忍び笑いが10の唇の端から漏れ、20本の手がユニ男へと伸びた。
これはなんだ? 果たして女たちは一体何をする気なのか……?
……賢明なエロパロ板の住人の皆様は、既にお気づきであろう。
そう、女たちの目的は生命吸収である。もちろんエロパロ的な意味での。
ユニ男を必の一撃し、白いHPを吸収する。そのためだけにこの10人は集まったのだ!
何という背徳であろう!ナーガ!
女たちの手によって、見る間にユニ男の服は脱がされた。
下着からまろび出たペニスを見た女たちの歓喜の声が部屋の中に響き渡る。
「男の人のおちんちんを見るなんて、何千年ぶりかしら」チキが微笑んだ。
「私は初めてよ。変な形をした器官よね」
とデジェルがだらりと垂れたモノを手に取る。そして、はたと動きを止めた。
「……で、どうすればいいの?コレは」
「私の研究によると、『こう』すると良いそうです」
デジェルの問いかけに、卑猥に手を上下させてミリエルがお手本を示す。
「そうなの。じゃあやってみるわ」
槍を持つかのように力強くと肉槍を握りしめる!
「イヤーッ!」デジェルの手が天空のように激しく前後!「グワーッ!」
竿を握りつぶさんばかりに込められた力は快楽どころではない。激痛!
(ここが書けませんでした)
しゅっ!しゅっ!しゅっ!しゅっ! 激しい手淫は止まらない。
物理的な刺激に、ユニ男のペニスは徐々に勃ち上がった。
そして固くなり始めた肉槍にデュアルアタックをかけるのは天才ティアモである。
赤黒い亀頭をぱくりと頬張る。
「んちゅ……ひどいじゃないユニ男! じゅるる……何も、ぷはぁ、逃げなくたって……!」
ティアモの疾風迅雷! 天才は舌技や口技もまた天才であった。
全く身動きが出来ないというのに、ユニ男の股間のモノは見事なヴェルニの塔めいて勃起した。
まさに古の暗黒魔法の神秘である。
「えーっ! これ、入るかなぁ?」
「入るかな、じゃないわ……入れるのよ……」
「じゃあ誰から行くかそろそろ決めましょうか」
女たちは即席のくじで順番を決めた。一番手はマリアベルだった。
にじり寄る金の縦ロールがゆらゆらと揺れる。
「ンーッ! ンーッ!」
マフーの影響下ではあるが、かろうじて、ユニ男は首を小さく左右に振ることが出来た。
マリアベルと目が合い、ユニ男は視線で語りかける。
苦し紛れの意思表明。ノー逆レイプ・ノー生命吸収。これで拒否の意が伝われば良いのだが。
しかし、マリアベルは無情にもこう言い放った。
「今更往生際が悪いですわ、ユニ男。さあ、そろそろ覚悟を決めてくださいまし!」

313 :
マリアベルは服を脱いだ。そのバストは豊満であった。
マリアベルはユニ男のそそり立ったペニスの上に跨がると、生命吸収を発動させた。
「イヤーッ!」「ンアーッ!」
必の一撃!なんという締め付けだろう。ユニ男はたちまち射精した。
ミリエルは服を脱いだ。そのバストは豊満であった。
ミリエルはユニ男のそそり立ったペニスの上に跨がると、生命吸収を発動させた。
「イヤーッ!」「ンアーッ!」
必の一撃!なんという締め付けだろう。ユニ男はたちまち射精した。
チキは服を脱いだ。そのバストは豊満であった。
チキはユニ男のそそり立ったペニスの上に跨がると、生命吸収を発動させた。
「イヤーッ!」「ンアーッ!」
必の一撃!なんという締め付けだろう。ユニ男はたちまち射精した。
アンナは服を脱いだ。そのバストは豊満であった。
アンナはユニ男のそそり立ったペニスの上に跨がると、生命吸収を発動させた。
「イヤーッ!」「ンアーッ!」
必の一撃!なんという締め付けだろう。ユニ男はたちまち射精した。
インバースは服を脱いだ。そのバストは豊満であった。
インバースはユニ男のそそり立ったペニスの上に跨がると、生命吸収を発動させた。
「イヤーッ!」「ンアーッ!」
必の一撃!なんという締め付けだろう。ユニ男はたちまち射精した。
サーリャは服を脱いだ。そのバストは豊満であった。
サーリャはユニ男のそそり立ったペニスの上に跨がると、生命吸収を発動させた。
「イヤーッ!」「ンアーッ!」
必の一撃!なんという締め付けだろう。ユニ男はたちまち射精した。
ティアモは服を脱いだ。そのバストは豊満ではなかった。
ティアモはユニ男のそそり立ったペニスの上に跨がると、生命吸収を発動させた。
「イヤーッ!」「ンアーッ!」
必の一撃!なんという締め付けだろう。ユニ男はたちまち射精した。
ノノは服を脱ぐ。そのバストは豊満ではなかったが、ティアモよりは若干あった。
ノノはユニ男のそそり立ったペニスの上に跨がると、生命吸収を発動させた。
「イヤーッ!」「ンアーッ!」
必の一撃!なんという締め付けだろう。ユニ男はたちまち射精した。
デジェルは服を脱いだ。そのバストは豊満であった。
デジェルはユニ男のそそり立ったペニスの上に跨がると、生命吸収を発動させた。
「イヤーッ!」「ンアーッ!」
必の一撃!なんという締め付けだろう。ユニ男はたちまち射精した。
シンシアは服を脱いだ。そのバストは豊満であった。
シンシアはユニ男のそそり立ったペニスの上に跨がると、生命吸収を発動させた。
「イヤーッ!」「ンアーッ!」
必の一撃!なんという締め付けだろう。ユニ男はたちまち射精した。

314 :
絶頂に次ぐ絶頂に、ユニ男は肩で息をついた。もう身体が限界だった。
10人に搾り取られた輸精管はひりつく痛みに悲鳴をあげ、金玉からは赤玉が出る寸前である。
しかし、女たちはそんなユニ男の様子など目を留めもしない。
生命吸収を終えて先ほどより幾分かつやつやとした女たちは、
まるで『輸送隊のこわれたやり』のようにユニ男のことをうち捨てて、思い思いのことを口にするばかりである。
「こ、これが生命吸収ですの?」
「ふふ、ごちそうさま♪」
「若い男の精液……いいわぁ」
「これで、ユニ男の子供……孕むわ……」
「なるほど、これが生命吸収なのですね。実に興味深いスキルです」
「思ったより良い運動になるわね。何かの訓練になりそうだわ」
「実際やってみると、たいしたことなかったねー」
「ま、まさか、ノノにまで負けるだなんて……っ!」
「ノノこうみえてもオトナだもん!」
ユニ男は天井をぼんやりと見上げながら、ぐったりと10人の女たちの会話を聞いていた。
なぜ任天堂は、自分を誰とでも結婚できるようにしたのだろうか。
もしかして、このゲームに結婚システムが無ければこんな目には遭わなかったのだろうか?
視界がぼやけ、意識が段々と遠ざかっていく――。
薄れゆく意識の中で、チキの刑宣告めいた声がぼんやりと聞こえて来る。
「ねえ、もう少し生命吸収したいと思わない?」
「そうですわね。まだ吸い足りない気がしてましたの」
「ユニ男、今夜は寝かせないわよ……」
無邪気な声とともに再びくじを引き始める女たちのシルエットに、
快楽地獄がまだまだ終わりそうにないのを、ユニ男はひしひしと感じ取っていた。
<終>
以上です。なむなむ。

315 :2013/06/27
供養乙
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