2013年10エロパロ425: 煩悩の十二国記*十四冊目 (661) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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煩悩の十二国記*十四冊目


1 :2011/02/02 〜 最終レス :2013/09/13
●お約束●
1 投下の際は、カップリング(A×B)と特殊な場合は傾向(レイープ、鬼畜など)を事前申告のこと.
  見やすいところに『続く』『終わり』等の区切りを入れることを推奨。
  基本はsage進行で。
2 エロなしSSはスレ違いです。直接行為がなくてもエロい雰囲気であれば可。
3 カップリングや作風など、自分の趣味嗜好に合わないSSに対して、
 文句を言うのは止めましょう。
4 鯖に優しい2ch専用ブラウザ導入推奨。人大杉でも閲覧可。
絡みや煽り、荒らしにはスルーの精神で、マターリ
関連スレは >>2-3あたり

2 :
●前スレ●
煩悩の十二国記*十三冊目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1263636688/
●過去スレ●
煩悩の十二国記*十二冊目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1206630340/
煩悩の十二国記*十一冊目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1173104903/
煩悩の十二国記*十冊目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142685190/
煩悩の十二国記*九冊目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1115651592/
煩悩の十二国記 *八冊目*
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1095702589/
煩悩の十二国記*七冊目*
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1083500601  html化待ち
煩悩の十二国記*六冊目*
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1070237472  html化待ち
煩悩の十二国記*五冊目*
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1064/10641/1064166623.html
煩悩の十二国記*四冊目*
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1060/10605/1060548574.html
煩悩の十二国記*三冊目*
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1054/10548/1054895757.html
煩悩の十二国記*二冊目*
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1041/10419/1041946583.html
煩悩の十二国記
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1029/10295/1029553806.html
●SS書庫●
元祖 ttp://red.ribbon.to/~giraffe/
第二 ttp://2ch.12kokuki.net/eroparo/

3 :
●関連スレ●
・2ch・小野不由美関連まとめサイト
http://12ch.w-site.jp/
・エロパロ板過去ログ(まとめサイト内、ただしTOPからはリンクしてません)
http://12ch.w-site.jp/kako/log_eroparo.html
・801十二国記8冊目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1194615302/
・【王様】801十二国記【麒麟】 別館
http://jbbs.shitaraba.com/otaku/32/
上記以外の関連スレは、まとめサイトを参照のこと。

4 :
書けなくなってたので立てました。
前スレの1にあった「エロくない作品はこのスレに」は10+で最後だと思うけど
落ちてるようなので、スレ立てを優先してとりあえず記載を省きました。
前スレの関連スレにあったお絵かき掲示板、十二国記用語辞典も
今はなくなっているので削除しました。
訂正があったらよろしく。

5 :
お疲れ様です!


6 :
今確認したら801板の別館はこれですね。
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/32/
転送されるので支障はないみたいですが、
次スレ立てる時は修正お願いします。

7 :
ぉぉ! 
>>1乙 
(゚◇゚)ソクイ! 
であります
あわせてカメですが前スレID:uY5VNqTw
大量連続投下、感謝多謝であります

8 :
前スレで、書き込みできず驚いた。
500KBでスレストするの知らなかったか。

9 :
枕元に枝を置いて寝る。きっと良い夢がみられるばすだ…
節分の豆を、ひたすら李斎にぶつけられる夢でもかまわない…
それを力づくで止める泰麒…
だれか…たのむ…


10 :
>>8
スレ容量は500KBまでなんだよね。
エラーメッセージは「512kを超えているので書けません」だけど。

11 :


12 :
朝ご飯の時間です
書き込めるのか…
浩瀚×祥瓊
やや、浩瀚が、鬼畜?
でも、愛はたんまり
10落とします

13 :
避けられている。浩瀚は小さく溜め息を吐いた。自室の寝台の上でゆっくりと目を閉じる。祥瓊は夏以来…この寝室に来る事はなかった。
暦では秋に入る。身体を触れ合わす事が許されなくなって…約二か月たっていた。
直接的な原因と言えば…祥瓊が主上と台輔の寝間を覗いてしまった事だろう…。ひどく怯えた様子で、震えていた。刺激が過ぎたかと…あの時は苦笑いしたが…。
なにか…間違えたのだろうか…。手が勝手に寝台の枕元を探っているのに気がつき、下ろした。煙管は範の件があってから止めた。
嫌われたか?…そう考えてみる。政務の合間に主上の傍らでなにかを話したり、笑ったりして…視線が合うと、ふっと逸らされる。…だが…その頬に走るのは…決して嫌悪の表情ではない…と思う…。どこを見たらいいのか、わからない…そんな表情だ。
主上の寝間を見て怯えたのが恥ずかしかったのだろうと、始めの頃は微笑ましく見ていたのだが…。
気がつかないうちに、唇を撫でていた。…口付けすら…していない。煙管もない、口付けもない…口寂しいな…そう小さく笑った。
ゆっくりと眠りに身体を委ねながら瞼の裏にあの青い髪を思い浮かべる。
いろんな表情を見た。泣いたり、笑ったり…驚いたり…そして、華がこぼれるように微笑む。
…蕾に戻りたがってるのかもしれない。
浩瀚が華を散らして、腕の中で新たに咲いた。無垢な華から艶やかな華になろうとしていた。…いや…私がそうしようとしていた。
寝台の上で艶やかに舞う色香漂う華に…。
…蕾に戻るか…。
深く息を吐く。四十年…咲く事を知らなかった華だ。なにかのきっかけで…また蕾に戻る事もあるのだろう…。
焦ったつもりでは、無かったが…祥瓊の辛い時期に付け込んだとの思いもある。
…蕾に戻りたがるなら…戻らせてやらねばなるまい…。
結局は…惚れた者の弱味なのだと…苦く笑った。
「しばらく、寂しいな。浩瀚」
陽子がお茶を口にしながらそう言った。浩瀚が頷く。
「すぐ戻って参りますよ」
秋の収穫が始まり、年貢の納める時期が来た。今年はなにも天候被害がなかったとは聞いている。だが…収穫高を低く見積もり、私欲を肥やそうとする役人は未だに多い。
苦しむのは下々だということを、陽子が嫌った。
そこで、浩瀚が現場視察という名目で、抜き打ちにあちらこちらの州を見て回ることになっていた。

14 :
「冢宰自ら…」
景麒が困惑したように呟く。陽子が肩を竦めた。
「本気だと分からせるためだ。」
不正は許さん…だが、悔しい事にその裏をかく役人は必ずいるのだ。だから、見張る。あらゆる所に目をやるために。だが…陽子の指が湯飲みの縁をなぞる。
「…なかなか、人がいないな…」
信頼できる官…。その思いは皆同じなので、無言になった。
今日はもう上がれと言い残し、陽子と景麒は部屋を出て行った。頭を下げてそれを見送り…浩瀚は、部屋で茶器を下げている祥瓊の後ろ姿を見た。
…気を使われたのか…そんな気もしたが…知らないはずだと首を振る。
「…祥瓊…」
名を読んで、ああ名を呼ぶ事すら久しぶりだと思った。祥瓊の肩が一瞬揺れ、何事もないように、なんでしょうと声がする。…振り返る事もしなくなったか…。
「…こちらを向いてくれ」
浩瀚の声に、ようやく祥瓊が身体を向けた。視線が彷徨う。
「…ずいぶん、話をしていない気がする」
祥瓊は俯いたままなにも口にしなかった。
「…なにかあったか?」
しばらくして祥瓊の首が横に振られる。
「…なら…私がなにかしたか?」
祥瓊がなにも言えないまま…俯いた。
「…黙ったままでは、わからない」
浩瀚の言葉に叱られた様に肩を竦める。その姿を見て…浩瀚は溜め息を吐いた。
「…明日、発つ。もし、なにか言いたい事があれば私の部屋においで」
浩瀚はそれだけ伝えると部屋を出た。
そして…その夜、祥瓊は姿を現さなかった。
夏、自分の友達であり主上である陽子の寝間を聞いてしまった。あまりの悲鳴と乱暴な音に折檻なのかと怯え、浩瀚の元に走って震えた。
だが…次の日、景麒が困ったように祥瓊を呼びに来て、主上を頼むと言って消えた。恐る恐る寝室に入り…籠った生々しい寝間の香りに顔がほてった。
慌てて、空気を入れ替えている最中に目を覚ました陽子が祥瓊を見て、照れたように笑って見せた。
「…好き勝手やられた」
手首に付いた紐の跡を見て、青くなった。足首にも…。一瞬、再び夕べの恐怖感が蘇りかけたが…陽子が大きく笑ったのを見て呆気に取られた。
「あー悔しい…くそ…あの馬鹿…噛む所変えやがった…」
肩にくっきり残る歯形。
「…怖くなかったの…?」
あの悲鳴と括られた手足…そして身体のあちこちにある噛んだ跡…。

15 :
そう聞いた祥瓊に陽子はきょとんとし、そして今までに見た事のない艶やかな顔をして笑った。
「…好きな奴のすることだ。なんでもかまわないさ…」
いろんな仲直りの仕方がある。浩瀚はそう言い方を変えたけど…祥瓊はようやく分かった。
いろんな愛し方があるのだと。
そう思ったら…もう駄目だった。いろんな愛し方がある。浩瀚は?いつも優しいだけの愛撫をくれるあの人も…あんな…激しい愛し方をすることがあるのだろうか…。
そう思ったら、顔を見れなくなった。声を聞くだけで、身体が逃げてしまう。なんで逃げるのか自分でもわからないまま、浩瀚が視察に行ってしまう事になった。…部屋においでと言われて…いけなかった。
自分がなにを言いたいのか…わからなかったから。
そして…浩瀚が金波宮を出て半月の事だった。朝議が終わり、陽子と景麒にお茶を淹れていた時。転ぶようにして下官が駆け込んで来た。表情を険しくした陽子が立ち上がる。その下官が叫んだ。
‐冢宰襲撃‐
陽子が部屋を飛び出し、景麒が後を追う。祥瓊は自分が茶器を床に落としたことも…気がつかなかった。
陽子達が飛び出して行った後、知らせを受けた桓碓が飛び込んで来る。
部屋を見回し、赤い髪がいないと見て取り、入れ違ったかと舌打ちした。再び部屋を飛び出ようとして…部屋の片隅で震える祥瓊を視界が捉えた。
「祥瓊っ!…祥瓊っ」
肩を揺さぶる。桓碓が揺さぶるまま祥瓊の身体ががくがくと揺れる。
「しっかりしろっ!おいっ!」
怒鳴られて、祥瓊の唇が震えながら開いた。
「…浩…瀚は…ぬの…?」
祥瓊の言葉に桓碓が舌打ちする。
「ぬかっ!馬鹿っ!」
血の気を無くした祥瓊の指が縋るように桓碓の手にかかる。爪の先からも血の気が失せて細かく震えている。
「…浩…瀚…」
桓碓の手が祥瓊の顔を無理矢理挟み自分に向ける。
「祥瓊っ!俺を見ろっ!祥瓊っ!」
視線を合わそうとしても祥瓊の青い瞳は焦点を無くしたように桓碓の顔をただ走るだけで…桓碓は、手の平を翻した。
「…っ…」
頬を張られ、ようやく祥瓊が我を取り戻す。自分の前にいるのが桓碓だということにもようやく気がついた。
「…俺がわかるな?」
震える顎で頷く。祥瓊の指が桓碓の袖にかかった。
「…浩…瀚は…」
「ぬかっ!」
祥瓊の言葉をぶったぎるように怒鳴る。んでたまるかっ!あの人がっ…!

16 :
「麦州侯だぞ…冢宰だぞっ…あの人がんでたまるかっ!」
桓碓の怒鳴り声のような悲鳴を聞いて…祥瓊の瞳から初めて涙が零れた。
油断があった。次々飛び込んで来る知らせに陽子は苦い思いをしていた。景麒も使令を走らせより詳しい現場を見ては知らせて来る。
…抜き打ちという形が、逆手に取られた。最少人数で移動していたのを尾行けられ襲われた。襲ったのは盗賊。だが…役人と結託していなかったとも言えない。
なぜなら、襲撃した盗賊たちが、逃げた先で矢に射ぬかれてんでいるのが見つかっている。
…陽子は表情を無くしたまま指を組んで次々入って来る知らせを聞いていた。その横でやはり顔色を無くした景麒が使令の言葉を聞いている。
「主上…」
景麒が陽子に声をかけた。陽子が目線だけで促す。
「…冢宰は目を覚ましたようです」
「怪我は」
再び、景麒が影に聞く。
「…肩を貫かれたようですが…衝撃で意識を無くされただけだと…」
陽子が静かに息を吐いた。
「命には別状はないんだな」
確認するように景麒に聞く。景麒が頷いた。
「ご無事です。青将軍が到着なされました」
ゆっくりと身体に入っていた力を抜く。
「徹底的に調べさせろ。なにもかもひっくり返して調べて来いと伝えろ」
陽子の言葉に影がゆらりと揺れた。
浩瀚が金波宮に戻ったのはそれからさらに半月たってからだった。肩を貫いた矢に毒が塗ってあったらしい。しばし、寝台から起き上がれなかった。毒抜きがうまくいき、肩の傷が塞がりかけてようやく移動する許可が出た。
初めて浩瀚の住む建物に足を踏み入れて、陽子が目を丸くした。なんだこの書籍の山は…。祥瓊が初めて訪れた時と同じ感想を持ったのだろう。軽く頭を振った。
「…このような所に…」
やつれた風の浩瀚が、寝台から身体を起こそうとする。それを慌てて陽子が止めた。
「構わん。気にするな。」
そして、苦い顔をして詫びる。
「…すまなかった。わたしが出した案だったな…」
抜き打ちの視察。浩瀚も苦く笑った。
「ですが、私が乗りました…確かに手っ取り早かったと思いましたし」
ただ…いまだ、ここまでして利権を守ろうとする役人がいることを軽んじた。だが…移動する人間を増やすと抜き打ちの意味が無くなる。
「…難しい所だな…」
そう呟いて、陽子は立ち上がった。
「ここには人がいないのか…」

17 :
人気が無い事を驚いたように回りを見回す。
「祥瓊を置いて行くから」
そのつもりで祥瓊と共にここに来ていた。陽子の言葉にほっとした顔をした祥瓊は、首を横に振った浩瀚を見て再び表情を曇らせた。
「女史の手間はいりません」
浩瀚が陽子に話す。
「先程、虎嘯が見舞いに来てくれました。桂桂をよこすよう頼んでます。…女史は主上のおそばに」
はっきりとした言葉にそうか…と頷くしかできなかった。なにか…違和感…陽子が眉を潜める。
祥瓊と共に建物を出て…気がついた。
浩瀚は一度も祥瓊を見なかった。
季節が変わる。浩瀚がたまに顔をしかめながらも朝議にでれるようになったのは、風が冷たくなるころだった。
冢宰襲撃はそれなりに全土に衝撃を走らせた。さらに、禁軍の青将軍が動いた。緊張させるのには充分で、つつがなく年貢は納められた。
怪我のなんたらだったなとからかわれ、浩瀚は苦笑いした。
何事もなかったかのようにまた日々が動き出す。浩瀚は自分の居るべき場所…そこに戻れた事をさすがに天に感謝した。
風が冷たくなった。窓が風で震える。浩瀚はゆっくりと窓に寄った。そして…木の影に立つ影を見つめる。
気がついたのは、何日か前だった。夜更けふと手洗いに起きた時、外にいるのに気がついた。
いつから立っていたのか…いつまで立っているのか…。
秋から冬に向かう樹々の間で、青い髪はとても寒々しく心細そうに見えた。
「戻りなさい」
扉からそう言った。ただ一言だけ告げて、部屋に戻った。建物に入れる気は無かった。しばらくうなだれて、樹々の間に消えていく。
それが、毎夜続いた。窓から祥瓊を見つめる。…蕾に戻るなら…戻ればいい…。そう思っていた。…なにも知らないことにはできないが…あの華なら、蕾に戻ってもまた、美しい華を咲かすだろう。自分の手じゃなくても。
そう思い、苦いものが上がる。あの華を手折ったのは自分で、しかもいまだ、ひどく魅かれていることを自覚しているのだ。
なにか話す事があったら来いと伝えた。でも、その夜来なかった。…避けられて…話す事もできず…そして離れた。
ふと…思った。もし、自分がんでいたら…あの娘はどうしただろうか…。外に立つ事もせず…ただ蕾にもどったのだろうか…。そう考えて自虐的に笑った。悲しんだり泣いたりして欲しいのかと…ひどく自分が浅ましく感じられた。

18 :
なにを思って立っているのだろう。そうぼんやりと外を眺めていた浩瀚の視界に白い物がかすめた。
雪?
小さく細かい雪がゆっくりと舞い出した。…もう、初雪が来る時期だったのか…。時の流れの早さに軽く頭を振る。浩瀚は架けておいた上着を手に取ると、外に向かうために寝室を出た。
扉が開く。
祥瓊はゆっくりと顔を上げた。扉に凭れるようにして浩瀚が立っている。毎夜の事だ。戻りなさいと言われて…扉に消える。
わたしは…なんでここにいるんだろう…気がつけばここにいた。始めは立っている場所がどこかもわからなかった。
浩瀚がこの建物に戻り、祥瓊をいらないと陽子に言った。それから…気がつけば、部屋の灯が消えるまでここにいた。
灯が消えるのを待って…ああ、あそこにいるんだと安心して自分の部屋に戻った。
そんな夜が続いて…部屋の灯が消えた後だった。扉を開けた浩瀚が、戻りなさいと一言だけ言った。…入れてもらえないんだと…わかった。でも…またここにいる。
わたしは…なにをしているの…。
扉に凭れて祥瓊を見ていた浩瀚が深い溜め息を吐いた。一歩前に出て来る。いつもと違う…ただそう思った。
ゆっくりと祥瓊の前に立ち、手にしていた上着を渡す。
「…戻りなさい」
ようやく…手の届く場所まで来てくれたのに…。祥瓊に上着を渡すと浩瀚はゆっくりと建物に向かって歩き出した。
気がつけば…その背中を追っていた。浩瀚の歩く歩幅に合わせて歩いた。建物の入口で…浩瀚が振り返った。
「戻るんだ。祥瓊」
聞いた事のない声だった。冷たくて…もう…なにもかも…自分に対する感情もなくしたような…。足が竦んだ。
浩瀚が扉を開け…中に入る。その後を…祥瓊は扉を開けて入った。
「…祥瓊。戻るんだ」
柱に寄り掛かり、浩瀚が扉を開けた祥瓊を睨んでいた。
蕾に返してやろうとしているのに…。
祥瓊が一歩、足を踏み入れる。
「…祥瓊、ここは男の部屋だ。帰りなさい」
わかっている。指で触って確かめた。女と違う身体。その背中の広さ。…自分を貫く物…。
また一歩、祥瓊が浩瀚に近付く。
「話があるのなら、来いと言った時、来なかったのは祥瓊だろう!」
これ以上近寄るな…覚悟が崩れる。
苦い表情しか浮かばない。早く出て行ってくれ。私が手を伸ばさないうちに!
祥瓊がゆっくりと浩瀚の前に立った。

19 :
「…私は怪我をして、気が立ってる。なにをするか…わからんぞ…」
浩瀚の瞳が見た事のない光を帯びた。いつもの穏やかさが消え、ただの男だと…。祥瓊の指が浩瀚の胸に伸ばされた。
思わず、祥瓊の手首を絡めとり睨み付けていた。祥瓊の身体が大きく揺れ、留めていた髪が解けて空を舞う。
「いいかげんにしろっ!祥瓊っ!」
私に構うな!私にお前を傷つけるような事をさせるなっ!
祥瓊が顔を振り仰いだ。
「あなたになら、なにをされても構わないからよっ!」
青い瞳が揺れる。その瞳が浩瀚を睨んで放さなかった。
「…あなたが…いろんな、仲直りがあると…言ったじゃない…。」
いろんな愛し方があると…。浩瀚の顔に驚いて…そして、苦渋の表情が浮かぶ。
「…なにを言っているのか…わかっているのか…」
「わかったから…ここに来たのよ…」
そう…ようやく分かった。なにが伝えたかったのか…ずっと考えていた。
浩瀚の指がためらうように祥瓊の手首を放す。…ほら…こんな時でも…やっぱり優しい…祥瓊の手が、浩瀚の胸に添えられた。
「…あなたが…好きにしていい…」
浩瀚が祥瓊から目を逸す。…ねぇ…逃げないで…
「…逃がしてやろうと思ったのに」
絞り出される言葉に笑う。やっぱり…優しい。
「…手加減…できるか知らんぞ…」
また笑う。手加減なんていらない…だから…。
「いろんな愛し方を…教えて…」
あぁ…やっと伝えられた。嬉しくて…涙が頬を伝った。
まるで嵐のような口付けだった。顎を捉えられ、肩で固定される。息ができず苦しかった。だけど、浩瀚の方が苦しそうだった。
浩瀚の喉が低く唸る。啄む口付けもなく…ただ口のなかを蹂躙された。大きく喘ぐように口を開いたまま…塞がれる。浩瀚の舌が絡み、祥瓊の舌を吸い上げる。祥瓊の喉が混ざった唾液を堪え切れず嚥下した。
胸元に手が差し込まれる。強く目を閉じた。指先が突起に当たる。
「んっ…」
爪先で摘まれ、捩じり上げられた。鈍い痛みが熱いものに変わる。
「…立ってられないのか…」
そう言われ、膝が震えている事に気がついた。指だけで浩瀚の身体にすがりついてる。そして…思い出した。
「…誰かが来たら…見られてしまうな…」
浩瀚の言葉が耳を犯す。

20 :
いや…だめよ…うわ言のように呟いたのを咎めるように再び、突起を捩じられた。
「…っあん…っ」
浩瀚が祥瓊を柱に押しつける。ようやく背中に安定したものを感じ、祥瓊はほっと息を吐いた。
「…立って…」
言われて頷く。足の間が辛い。既に興奮し、雫が太股を伝っている。知られたくない…そう思い、身体を捩った。
「ちゃんと…立つ」
小さく頷く。浩瀚が唇を首に這わす。あぁと甘い息が漏れた。気持ちいい…。襟足に顔が潜り込み、甘噛みした。
「…もっと…」
景麒のように…歯跡をつけて…。
「ひっ?!」
服の上から、乳首を両方捩じり上げられた。思わず悲鳴が上がる。
「…なにを考えた…」
なんで分かるの…この人は…。浩瀚の瞳が鋭く光る。
「言わないと…」
指先に力が込められ、乳首の形が潰れる。思わず叫んだ。
「噛んでっ…お願いっ…噛んでっ…」
首筋に当たる浩瀚の唇と熱い息と…そして、固い…歯…。
強く噛まれた所から、我慢できないほどの快感が走り抜け、祥瓊は浩瀚の頭を抱いたまま、大きくのけ反った。
浩瀚が祥瓊の身体を支え、祥瓊の息が落ち着くまで抱き締めていた。
祥瓊の片足が浩瀚の足に回され、擦り付ける動きをする。その足を叩いた。
「立って」
青い髪が揺れる。震える足をもとに戻し、大きく息を吐いた。
ふと、目線を上げたら…先程開けた扉が見えた。わたし…こんな所で…。
顔が羞恥に染まる。浩瀚は気がつかぬように乱暴な手つきで袷をはいでいく。前だけはだけた格好は…とても祥瓊を心細くさせた。
「…あなたも…」
浩瀚がなにも言わず、身体を屈めて行く。あぁ…本当に…こんなところで…?
浩瀚の手の平が祥瓊の柔らかい乳房を揉み、先程いじめた乳首を口に含む。形が変わるほど揉まれ、口のなかで遊ばれた。
「…浩…瀚…」
頭を掻き抱くようにして名前を呼ぶ。浩瀚の唇が離れ、可愛らしい臍に舌を入れる。祥瓊の身体が揺れる。
お願い…見ないで…知らぬ間に身体が前屈みになっていた。浩瀚の肩に手をかけ自分から放そうとしている。浩瀚が祥瓊の顔を見た。
「…なんで邪魔をする…」
祥瓊の唇が震えた。
「…だめ…見ないで…」
太股に幾筋の涙が零れてる。浩瀚がそこに指を這わせながら、祥瓊の顔から視線を放さなかった。
「…なにを見て欲しくない?」


21 :
あぁと祥瓊が身体を捩った。ひどいわ…言わないで…
浩瀚の指が、祥瓊の秘部をまさぐり濡れた指先で、祥瓊の唇を押さえた。
「…言うんだ…祥瓊…」
いや…と首を振ると、また浩瀚の指が秘部をまさぐる。そして今度は雫を掬うようにして、祥瓊の唇を濡らした。
「…こんなに…なってる」
霞みがかった瞳をした祥瓊が、舌先を伸ばした。ちろ…と浩瀚の指を舐める。猫の様な舌の動きに魅入られるように浩瀚は祥瓊を見つめた。
祥瓊を支えていた腕を放す。ずるずると祥瓊は自分の着物の上に座り込んだ。ぼんやりと浩瀚を見る。浩瀚はゆっくりと身体を祥瓊から起こし自分で着ているものを脱いだ。
ぼんやりと見ているうちに、祥瓊の前に浩瀚が立っていた。
「祥瓊…」
浩瀚の手が今夜初めて優しく祥瓊に触れた。その優しさに涙がでそうになる。
「…やれるか?」
少し迷うような言葉に逆に突き動かされるように…祥瓊は目の前にそそりたつものに、舌先を伸ばした。
浩瀚はゆっくりと祥瓊の頭を撫でていた。指を添える事も知らないのだろう。床に手をついたまま、舌先だけ固くして浩瀚の肉茎をなぞっている。拙い舌技だった。それでも、愛しかった。
祥瓊の身体が少し伸び上がった。肉茎の先端に舌先を伸ばして、つつく。
さすがに、響いた。思わず、祥瓊の頭を押さえてしまう。だが、逆に祥瓊はそこが良いらしいと本能的に察した。一度、祥瓊の舌が唇の中に戻る。小さく唇を舐めて…桜貝の様な唇を開いた。
「…っく…」
唇が、先端に吸い付く。浩瀚が呻いた。唇が軽く動き、チロチロと舌が動く。
「駄目だっ!祥瓊っ」
思わず叫んだのと、頭を引き離したのと同時だった。
「きゃっ…?」
突き飛ばされ、尻餅をつく。何かと目を開けようとした瞬間、なにかが熱く顔にかかった。
「…すまないっ…」
やや呆然としている祥瓊が、自分の顔にかかったものを指で掬う。白濁した…もの…。
「やめっ…」
浩瀚が驚いたように、祥瓊の手を取る前に…舐めてた。
「…ん?」
変な顔をして、祥瓊が浩瀚を見る。しばしして、祥瓊が顔をしかめた。
「…なんか…へん…」
慌てて浩瀚が、自分の着ていた寝間着で祥瓊の顔を拭った。
「…すまない…」
丁寧に拭かれて…ようやく…浩瀚が、身体の力を抜いて祥瓊の前に座り込んだ。
「…浩…瀚?」
浩瀚の腕が祥瓊を引き寄せられる。

22 :
もう…荒れてないのかと、恐る恐る祥瓊も浩瀚の背中に腕を回した。
「…なにを言って…いいんだか…」
深く溜め息を吐かれ、浩瀚の身体が祥瓊に凭れかかる。温かい…。その温もりと重さが嬉しかった。
浩瀚の手が無心に祥瓊の髪を撫でる。手の平の大きさに安心する。
「…おかえり…なさい」
ようやく…自分の所に戻って来た…そう感じて嬉しかった。祥瓊の閉じられた瞼から涙が零れる。
浩瀚の背中を撫でていた祥瓊の指が、引きつれたような痕に触れた。
「…ここ?」
「ああ…もう、わかりにくいな…」
白く引きつれたような傷。刺し貫かれた矢の痕。祥瓊の唇がそこに当てられ軽く吸い上げた。浩瀚の顔がしかめられる。
「…なにをしている…」
なにをと言えば…わからないんだけど…。
「…早く良くなれば良いと思って…」
なんとなく視線が絡んで…浩瀚の口元にようやくいつもの笑みが浮かんだ。祥瓊も小さく笑う。
やれやれと、浩瀚が立ち上がった。祥瓊を立たして寝室に向かう。
「着物が…」
「明日、取りに来ればいい」
扉の前に二人の着物が散らばっている。なにをしてたかなんて、一目瞭然で。
祥瓊の顔が赤くなった。浩瀚が、それとも…と足を止める。
「…あの場所で…してみるか?」
祥瓊は慌てて寝室に飛び込んで行った。
おわる

23 :
初の…お口ででしたな…
新しいスレでの初投下
お目汚ししつれい
この話の陽子のエロは前のスレにあります

24 :
>>8>>10
次スレでは一応テンプレに入れといた方がいいんじゃないか?
容量制限は500kって事と
その付近になったら次スレが立つまで自重するとか

25 :
いやぁ〜最近の職人さんのガンバリには頭が下がります。乙であります
ちなみに2ちゃんの512k制限は昔からあり有名、AAスレがよく引っ掛かっていた

26 :
きもっ

27 :
なかなか、日常に帰れません。
仕事中、頭だけあーだから、こーしてと考えているうちに、無表情になったと笑われました。
前スレでも、書きましたが、気をつける事があったら教えてください。
おやすみなさい

28 :
頻繁に投下って幸せだな。職人様ありがとう。
今から風呂で図南の翼よんでくる。

29 :
>>27
いつも乙
スレを使い切る前に
次スレを立ててURLを書いておいて貰えると
他の人が路頭に迷わないで済むのでいいと思います

30 :
本当に、縛りを知らず申し訳ない。
1000スレ縛りは知っていたんだけど…512KM縛りは知らなくて。
迷わないようにして下さいと、祈る気持ちしかないです。
自分も迷子になるかと思った。


31 :
さて、お昼ご飯の時間です
珍しく、短編。
浩瀚…祥瓊
ていうか、祥瓊
こういう夜もあるわなと。
2落とします。


32 :
…冢宰…
影の声に寝台から身を起こした。
…主上がお呼びです…気配が消える。
浩瀚は、寝台から立ち上がりながら、身を固くして様子を伺っていた祥瓊になんでもない、と笑いかけた。
「寝てなさい」
そう言い残し、着替えをし部屋を出て行った浩瀚の後ろ姿を見送り…祥瓊はゆっくりと寝台に身体を伸ばした。
…静かだわ…片腕に頭を乗せるようにして、先程まで隣りにいた浩瀚の温もりを指で確かめる。敷布の温もりは、しばらくすると冷たくなった。
主上の呼び出し…こんな夜中に…。なんかあったのかしら…。一介の女史と冢宰では、知らされる国の事情に雲泥の差がある。分かっている分、なにもできない事に深く息を吐いた。
帰って来るか…わからないわね…。そのまま朝議ということもある。伸ばした腕で何気なくない枕元を探って、身体を起こした。
「…煙管が…ないわ」
そういえば、浩瀚の身体から紫煙の香りがしなくなっていた。いつからかしら…気がつかなかった…。夏から冬に入る前まで自分が避け、そして浩瀚が避けた。擦れ違いがあったことが今思うと、胸に痛い。
避けられて、辛かった。そして…避けられていた事が辛かったと浩瀚に告げられた。同じぐらい…痛かったのだろうか…。
「…ん…」
再び寝そべり、浩瀚が消えた扉を見る。今夜…帰ってこないかな…。気がつかないうちに唇に触れてた。口付けだけでも…できたらよかったのに…。
そう考えたら、止まらなかった。自分の指先に、小さく歯を立てる。ツンとした痛みが…身体を走る。指先が…結びついてる…そう笑ったのは浩瀚だ。
どの指が一番辛いか試されて、そのうち麻痺した。口付けと、舌と…歯と。でも、一番身を捩らせたのは指と指が触れ合うか触れ合わないかの加減の愛撫だった。
もどかしくて、辛い。でも熱くて痺れた。幾度も喘いだ。でも…やめてと言えなかった。「…っん…」
寝間着の上からも、胸の突起が尖るように形を変えた。布に擦る感覚がする。…だけど…ここはまだだな…浩瀚の声が聞こえる気がした。
…指の方が気持ちいいね…頷いて、目を閉じる。寝間着の合わせから、指を潜り込ませる。
…だめ…自分の部屋じゃない…
心のどこかで声がした。
そう…浩瀚の部屋よ…
ゆっくりと息を吸い込んだら…微かに…寝台に染み込んだ紫煙の香りがしたような気がした。

33 :
…浩…瀚…
指が合わされた太股の間に触れる。
…だめ…ここでは…だめよ…
知らぬ間に歯が軽く下唇を噛んでいた。
…大丈夫…帰って来ないわ…
どこからか、甘く優しい声もする。
誘惑に負けた気がした。
…ごめんなさい…
何に謝ったのだろう…わからないまま、指先に心を任せた。
指先が思っていたより濡れている事に驚いたように離れた。でも、ゆっくりと…撫でるようにして差込まれて行く。
「…うっ…」
直接…芽に触れるのはまだ辛い。…刺激に弱いから…痛みが来るかな…浩瀚の指先が当てられた時にそう呟かれ、頷いた。…直接触ると…痺れたように痛い…。指先の脇で回りに触れるぐらいが…ちょうどよかった。
「…ん…ふ…」
鼻から甘い声が漏れる。大丈夫…気持ち…いい…。繰り返し指を走らせて…太股を伝う涙に困ったように腰を捩らせた。…これは…いや…。濡れる感覚が好きになれない…だが浩瀚は、苦笑いして…どうにかしてくれる。
…拭いてくれたり…浩瀚が…口で拭ってくれたり…
「…だ…め…」
身体が大きく捩れた。いや…濡れる。
「…浩…瀚…」
名前を呼ばれ、苦笑いした。寝てしまったかと、静かに戻ってしまったのが良かったんだか、悪かったんだか…
暗い部屋の寝台の布団の中で祥瓊が小さく喘いでいた。肩が竦められ、たまに小さく身動ぎする。甘い吐息が聞こえ、たまに堪えきれないように、自分で制止の声を出してる。
…なんと言ったものか…。扉に身体を預けるようにして寝台を見ていた。
布団の隙間から青い髪が揺れる。潜り込みそうな姿勢で…苦しそうに喘いで…。違うな…我慢できずに喘いでいる。
拙い自慰…多分、指先を自分の中に入れる事ができないのだろう。怖いのと、こういう事に対しての罪悪感で。…まだ教えてなかったな…。
「…こ…ぅか…」
甘く呼ばれ諦めた。どうせこんな状態じゃ、自分も辛い。ゆっくりと寝台に近付き布団の隙間から覗いている頭に口付けた。
驚いたように顔を上げて、赤くなり、青くなる。その耳に唇を押し当てる。
「…服を脱ぐまで…続けて」
見開いた目が、咎めない?と聞いている気がして。安心させるように口付ける。
「…続けて…」
「ふっ…ん…っ」
驚きで固まった身体が次第に弛緩していく。こういう事をしても…怒られない…。それが少し嬉しくて、ゆっくり目を閉じた。

おわる

34 :
珍しく、エロのみ?の気分。
時間がなかったので、ここまで。
お目汚ししつれい

35 :
いい加減、浩瀚×祥瓊ウッゼ
自分語りもウッゼ

36 :
GJ!毎日、投下を楽しみにしてます。

37 :
前書きや後書きは一切書かず、SS『だけ』投下すればいいんでない?少なくとも、この職人さんは

38 :
事前報告
景麒×陽子
普通
…6落とします

39 :
「…物凄い…本だな」
感心したように陽子が部屋の中を覗き込んでる。
「掃除が行き届いておりませんで…」
浩瀚の建物のあらゆる部屋を探検気分のように巡りながら、たまに絵のついた書籍を引っ張り出して見る。
「主上!貴重なものですよ」
「わかってる」
声だけ聞えて、景麒が呆れたように溜め息をついた。
「休んでおられたのではないか?」
風景な浩瀚の私室の円卓に座りながら、景麒が申し訳ないという表情をする。浩瀚が苦笑いして首を振った。
「とんでもない。もともとこの建物も、主上のものです」
今朝の朝議が終わり、役所に向かおうとしていたときだった。陽子から呼び止められ、遊びに行っても構わないかと聞かれた。
…なにもありませんが…とやや困惑しながら答えると、あの本が見たいと言われたのだ。
「なんであれ…学ぶという気持ちがお強いのは、私にとって嬉しい事です」
そう言われ、ようやく景麒の表情も和らぐ。
「浩瀚ー。絵本みたいなの、ないか?子供むけみたいな」
そこからか…と、景麒が微妙な顔をする。浩瀚は考えながら立ち上がった。
「…子供向け…ですか」
どの部屋に潜り込んだのか一つ一つ部屋を確かめていながら陽子を探していると、景麒が迷う事無く二階に上がって行った。
「こんな所に…」
浩瀚が景麒の後ろから覗き込んで苦笑いする。陽子は埃まみれも気がつかない様子で追って来た二人を見上げた。
「この部屋は、民族風習みたいなものですね」
「民族、風習?」
そう言って、陽子が自分が手にしていた書籍を捲る。その指先が、とても大切に紙を扱うのをみて浩瀚は嬉しくなった。この主上は、本が好きなのか…。
「…本がお好きですか?」
浩瀚の言葉に、陽子が頷く。
「…こちらの言葉は…分かるけど読めないから…ちょっと辛い。」
不思議そうな顔をする景麒に苦笑いした。
「結構、本読んでたんだ…向こうでな…」
親しい友達がいたわけでもなく…傍らにはいつも時間潰しと孤独さを紛らわす為に本を置いてた。いまとなっては…懐かしむ事の一つでしかない。
「あちらでは、子供でも本が読めたのですか?」
違う事に驚いた様子の浩瀚に陽子が首を傾げる。
「…いや…こちらでは、書籍は貴重なものですから…」
そう言われて気がついた。この国…こちらの書籍は全て人が書いてる。

40 :
一冊を誰かが書き上げ、古くなる前に誰かがまたそれを写す。その繰り返しで今の手元にある本ができる。
「…確かに…貴重だな…」
きっとあちらの国でも印刷が無い時代はそうだったのだろう…。おいそれと子供が触れるものじゃない。
「…子供向けかは分かりませんが…」
浩瀚が、棚の中から一冊の書籍を引っ張り出す。
「…地方の言い伝え…あちらこちらで言葉だけで伝えられて来た話をまとめたものです」
紙をやはり丁寧に捲って見せる。墨一色だが、見開きにたまに絵がかいてある。
「…妖魔?」
景麒も興味深そうに覗き込んだ。
「…武勇伝みたいなものか?」
浩瀚が笑いながら頷く。こちらの言い伝えは、こういう武勇伝系が多い。
「これなら、かなも多いですし…」
絵も多いと言いかけて止めた。さすがに主上に対して失礼だと思ったのだが、陽子は嬉しそうに笑った。
「持って行っていいか?」
頷いて。ふと、一階で誰かの気配がして景麒とともに振り返った。
「…あのーっ…どこにいらっしゃいます?」
誰の姿も見えず困ったように祥瓊が声を上げる。
「…お茶にいたしませんか?」
景麒が頷く。浩瀚がそれを見て先に部屋を出た。
「すぐ行く。あとなんか一冊…」
陽子の手が棚を探すのを見て景麒は苦笑いして軽く頭を下げ部屋を出た。
あと…なんかないかな…陽子の指先が背表紙を撫でて行き…ふと、止まった。
本棚の片隅にこっそりと立っていた本。墨一色が多いなかで、色が抜けて来ているが珍しく墨以外の彩色が施されている。手に取ると、女性が煙管を吸っている絵が書いてあるが…古い。
「…主上」
下から景麒に呼ばれ慌ててその本も脇に抱えて部屋を飛び出した。
寝台で布団に潜り込みながら、そぅっと紙を捲る。
煙管を口にする女性…
袖をたくしあげる素振りをする女性…
陽子は小さく笑った。学校で習った浮世絵みたいだ…丁寧に襟に細かい模様まで書かれ込んでいる。
簪を後ろ手で様子を見ながら刺す女性。
道端で女性二人が立ち話をしている様子。その足元には小さな獣もいる。
軒下で雨宿りをする女性…
つぎの紙を捲って…ちょっと驚いた。
…なにが…どうなってこうなってる?
ひっくり返った枕と、複雑に膨らんだ着物。枕を蹴飛ばしたのはこの足だろうと思われるのが、右の頁に…そして、なぜか左の頁にも…足。
絡繰り絵か?しばし悩んで、次の頁に…

41 :
「…お…」
おっと…そうか…なるほど…。見る間に顔が赤くなるのがわかった。
膝に乗せられた女性の肩に男の顔。着物は纏ったままだが…なにをしようとしているのか、もしくは、その…。
小さく笑った。やはりあるのか…こういう本は…こちらにも。
だが…この本には…よくわからないが愛嬌があった。どことなく…愛らしくて可愛らしい。
作者の絵筆に込められた愛情が、本から溢れ出して来るようだ。絵を書くことが好きで、女性を書くことが好きで…。
丁寧な筆で細かい部分まで色付けしてある。乱れた裾…柔らかく重なった手の爪…。残念ながら…古い本なのだろう…色が掠れてしまっている。
「勿体ないな…」
つぎの頁は、女が寝そべった後ろから男が覗いている絵だった。男の手が女の胸元に差し込まれている。
頬に一筋の髪がかかっている。その表情が…愛らしい…。
「…なにをお読みですか」
頭の上から降って来た思い切り不機嫌な声に度肝を抜かれ、陽子は腹ばいのまま飛び上がった。
「…このような…」
景麒の手がやや乱暴に伸び、はっとして陽子の手がその手首を捕らえた。
「乱暴に扱うな…古い本なんだ」
その口調に景麒が手を止める。いかがわしい物だと思っていたが…陽子の目には違う物が見えている気がした。
「…古い本なんだ…多分…それ一冊だけなんだ」
文字ならば写して行くことはできる。だが…この絵を写し取る事はできない。
陽子の言い含めるような口調にまだ、眉をしかめたまま…景麒は寝台に腰を下ろした。
「…どうした?」
片肘を寝台につき、身体を景麒に向ける。もう寝てると思っていた。なにか急務かと思ったが、景麒が寝間着の上に寒さ避けの上着を着ているだけだったので、違うと判断する。
景麒がしばらく考えて、口を開いた。
「昼間…もう一冊の方を…読んで差し上げようと思いましたが…」
武勇伝の方を。そう言われ、小さく笑った。ばつが悪いのだろう。景麒が表情を崩さない。
「寒いから、入れ」
布団を持ち上げて景麒を促した。しばらく考える素振りをして、着ていた上着を脱ぎ、陽子の横に滑り込んだ。
布団の中で景麒の足が陽子に触れ、その冷たさに顔をしかめた。
「…冷たい…」
景麒の足が、陽子の足で暖を取るように絡まされる。
「…冷たいって」
文句を言う陽子も、別に本気なわけでは無く景麒に足を取られたまま笑う。

42 :
「…春画ですか?」
景麒が陽子の肩から覗き込むようにして本を見た。
「それは知らないが…」
表紙からもう一度捲っていく。
「…春画っていうのか?」
逆に聞かれ、景麒が困った顔をした。
「以前…延王が、台輔が向こうから持って来た物を…春画と…」
相変わらずの御仁だ。嫌な顔をして、陽子が本に意識を向ける。
「向こうで…美人画って呼ばれていたのに似ている」
さすがに、男女二人がこうなったような絵は教科書には無かった。
「見返り美人…だとか…びいどろを吹く女とか…」
目を閉じると、独特な昔の顔つきをした女性たちの絵が浮かぶ。少ししもぶくれの細い鼻の…口元はおちょこで…思わず笑った。美人画ねぇ…。でも、確かに美人画なのだろう…やはりあの表情も…愛嬌があり、可愛かった。
ぱら…と紙が捲れる音がした。手を止めてしまった陽子の変わりに景麒が捲っている。静かな寝室に紙が捲れる音だけが響いた。
「…主上…」
「…ん…」
半分眠りかけていたのだろう、呼ばれうっすらと目を開ける。
「…なんだ…?」
景麒が小さく笑って本を指差した。
最後の頁だった。金色の聖獣を半裸の女性が柔らかい腕で愛しげに抱いている。
「…不敬だと…思うか?」
陽子の言葉に首を横に振った。景麒の口元が笑っている。
聖獣を胸に抱く女の表情は、優しげで…でもどこか悲しげだった。その絵から溢れて来る愛しいという思い…。
国の行く末を憂いているのか…静かに達観しているのか…。
景麒が本を閉じ、大切に脇に避けた。本に物が当たらないように。
再び目を閉じてしまった陽子を見て…しばらく考える。どうしようかと迷っていたら、半分眠りかけながら陽子が笑った。
「途中でわたしが寝ても怒るなよ…」
陽子の腕がゆっくり景麒の首にかかり引き寄せた。
夢心地の中なのだろう…身体がいつもより柔らかく動く。細く締まった腕が、寝台に投げ出されまた、顔を覆うようにゆっくりと動く。
その腕内に顔を近寄せ、軽く口付ける。んっ…と陽子が息を詰めた。そのまま、舌先で肘の当たりまでくすぐるように走らせる。
「…やめ…景麒…」
くすぐったいというように、柔らかく微笑んで、また腕が寝台に投げ出される。
腕で遊ぶのをやめて、顔を陽子の身体の側面に埋めた。柔らかいというよりは張りがある乳房に顔を一度押し当てて、乳房の下から括れた腰に唇を走らすように移動する。

43 :
脇腹を掠めた時、陽子の身体がひくん、と揺れた。もう一度…今度は場所を確かめるようにゆっくり唇を当てる。
「んっ…」
目を閉じたまま、陽子が眉を潜めた。だが…その唇は柔らかく開いている。
脇腹から薄い腹に回り、窪みに舌先をいれくすぐる。陽子の背中が軽く弾んだ。
「へんな…とこ…」
臍をくすぐられた感覚に、目が覚めたように笑った。腹の上でいたずらっぽく伺う景麒と視線を合わせ苦笑いする。
「…寝ても構いませんでしたが…」
憎まれ口にまた笑う。陽子は目を閉じて、軽く景麒の頭に手を置いた。
「…気持ちいい…続けてくれ…」
御意とばかりに、再び臍に唇が落とされた。
景麒の身体が陽子の太股の間に滑り込む。一瞬太股に力が入ったが、景麒の手が宥めるように膝を撫でるとゆっくりと力を抜いた。
「…あんまり…」
陽子が呟く。以前、そこばかり責められた事を思い出すと辛かった。景麒も思い出して、苦笑いする。
「…心配めさるな…」
その言葉に陽子の腰から力が抜ける。これから止まらなくなるであろう甘い悲鳴を出来るだけ押しとどめようと、唇を手の甲で押さえた。
景麒の指が宝珠を扱うように丁寧に押し開く。しっとりと蜜に濡れた箇所は、景麒の指に最初冷たく感じた。そして、熱を伝える。
赤い茂みの先が雫で濡れていた。そこから下に指を走らす。
「ん…んっ…」
指先に捉えた芽が陽子の身体を震わせた。相変わらず…ここが弱いらしい…景麒が愛しげにそこを指先で撫でる。
「…っ…ふぁっ…」
指先が動く合間に陽子が苦しそうに喘ぐ。
「…そこ…辛い…」
そう言われたが…すぐその下の秘壺からトロリとした蜜が溢れた。
「嫌では…ないようですが…」
確認するように聞くと、困った顔をして真っ赤になって寝台に顔を擦り付ける。
「…主上?」
「聞くなっ!馬鹿っ」
怒鳴られて、笑う。嫌じゃないらしい。顔を伏せる。息が当たり、陽子の太股が間の景麒の身体を強く挟んだ。
…口でされる…
口を押さえていた手がいつの間にか布団に皺を寄せる。指先に力が入るのに…腰から下は捩る事も出来なくなった。
景麒の舌先が…走る。走るだけで身体がのけ反る。
指先だと辛かった芽が唇で撫でられると、悲鳴が上がった。自分の身体から蜜が溢れる。それを布団に零さぬよう景麒が拭う。
なにも…かもが…目茶苦茶になる…

44 :
「…景…麒…」
名前を呼ぶ声に我慢しきれず涙声が混じった。
「…辛い…」
景麒が陽子の様子を見、名残惜しそうにもう一度そこに唇を寄せる。しばらく唇を当てていたが…思い切って、秘壺に舌先をねじ込ませた。その瞬間、甘い大きな悲鳴があがり…陽子の身体が大きく跳ね、足の間の景麒をきつく締め上げた。
…しばらくして、うっすらと汗ばんだ足から力が抜けていく。その間から景麒はするりと身体を起こした。
「…締めすおつもりか…」
肩で喘ぐ陽子が返事ができない様子で身体を震わす。閉じられた瞼が小さく震えていた。
「…お前が…す気かと…思った…」
悲鳴を上げたのが恥ずかしかったのか、口を隠そうとする腕が、快楽の深い余韻で震えている。
「…すごい…落ちた気がする…」
歯の根が合わない。その様子に景麒が宥めるように軽く抱き締め頭を撫でた。
「…大丈夫か?」
景麒の声に震えたまま苦笑いした。こんなにしたのは誰だ。大きく息を吐く事で身体の力を抜き…陽子は景麒の背中に腕を回した。
「…来い」
金髪を掻き揚げて、形のよい耳に囁く。景麒が嬉しそうに軽く陽子の肩に口付けた。
「…この本…どう致しますか…」
身体の始末をし、衝立の向こうから戻って来た陽子が首を傾げる。
「…中身を見たら、やはりお前みたいに卑猥だという奴もいるだろうしな…」
言われて心外だという顔をする。だが…陽子がこの本を捲っていた時に浮かんだ感情は確かにそうだったので…景麒は渋い顔をして俯いた。
「…明日、浩瀚に返すよ…」
とても可愛らしく…愛嬌のある本だったと。
「こっちの紙って…どうやって作ってるんだろう…」
和紙の原料は…なにかの根っこ…か…木の皮だったか?景麒が温めていてくれた布団に潜り込む。
「…紙が高級品だと…教科書も作れないよな…」
景麒の胸に背中を預ける。景麒が軽く腕を陽子の腰に回した。背中が温かい…抱き込まれる感覚にゆっくり眠気がおそってくる。
「…この国は…いろんなものが…ないな」
…紙…小学校…美術館…図書館…やらねばならないことが多い…。
「…忙しくなる…」
「…おやすみください、主上…」
寝ながら考えそうな陽子に苦笑いしながら景麒が軽く身体を揺する。せめて…夢の中だけでも…安らかに…
「…おやすみ…景…麒…」
陽子の身体から力が抜けた。それを確かめて景麒も目を閉じた
おわる

45 :
>>37
SS書庫にも前書きが一部入っちゃってるんだよなあ
注意事項みたいなのが入ってるレスだけのようだけど


46 :
>>38
これってレス数が分かってるんだから
名前欄のタイトルに連番ふるだけでいいと思うよ
今回のなら一発目は1/6、最後は6/6にしとけば
特殊嗜好がない以上、悪いけど前書きのレスはいらない
逆に言うと、提示カプ以外のカプがあるなら
そっちをきっちり書いてほしい
例えば話は景麒×陽子だけど、浩瀚×祥瓊が入ってるなら
「浩瀚×祥瓊前提」とかそういう注意書き
読む方はレス数なんかより取り扱いカプのほうがずっと大事だから

47 :
前から思ってたけど、地の文に…多用し過ぎ。
…の必要はないと思う部分が多い。
後、最低でも一日寝かせて、読み返して推敲して欲しい。
初心者が思いのままに書きなぐるのも良いけど、何度も投下するなら向上心持とうや。

48 :
いや、向上心まではいらないだろ
しょせん2ちゃんで、しかもエロパロなんだから
そこまで職人さんに求めるのはやりすぎ
47自身が投下する時に心掛けるならいいと思うけど
そもそも原作だって台詞冒頭に「――」多発だし
自分は注意書きの類さえしっかり書いて貰えればいい
上に書いたのと、今回は続き物らしいから
どの話の続きかって言うのさえ明確になってれば
読むかどうか判断つけられるから
例えば桓魋×祥瓊な人はもちろん浩瀚×祥瓊を避けるだろうけど
浩瀚×祥瓊前提の景麒×陽子だって避けたいはずだ

49 :
景麒っていつも寸止めなのか?
大変だな。偶には入れさせてやれよw
>>47
厳しい意見だな。
推敲できないくらい萌が凄いんじゃないか?
できた勢いのままアップしてるとか?

50 :
>できた勢いのままアップしてるとか?
それで十分だと思う
過疎ってた所にせっかく投下してくれたのに
作品内容にケチをつける事はない
好みでないなら以後はスルーすればいいんだから

51 :
>ID:tKndkLDb
完全に妖魔認定
人の投下を貶す暇があれば、自分で書いて落とせ
これが過去からのこのスレの鉄則だ
そしてもう一つ、この禁を犯したバカは
スレに不要どころか有害な存在だ。カス

52 :
>ID:QgYoNmEB いやぁ〜連続投下 乙であります。GJ!であります
>>47みたいなアホは無視してこれからもよろしくお願いであります
>>47のようなレスは迷惑です。職人さんがヤル気をなくします。さっさと>>47はんでください

53 :
46さん、ルールありがとうございます。知らないルールは、教えてもらえたら助かります。前提が、必要というのは納得しました。確かにです。
ありがとうございました。
いつも、お邪魔させてもらいありがとうございます。
また来ます。失礼しました。

54 :
乙乙
いつも楽しみにしてる
向上心とか、阿呆の言うことは気にしない方がいいよ
>>47は車裂きされるべき

55 :
>>47の発言は失礼だと思うが、
>>52のねとかもやめてほしい。
ねとか使うと荒れる。

56 :
そも他人を罵倒する言葉を使ってる時点で
説得力もなくなる品

57 :
>>55>>47かな、レス時間の近さから考えると
>>55=>>56の可能性もあるとしてレスしておくが
>>47
>初心者が思いのままに書きなぐるのも良いけど、何度も投下するなら向上心持とうや。
職人さんに上目線でレスする事自体が間違いだ。このスレの暗黙のルールを知らないなら
もう一度書いておくが、投下作品、職人批判はご法度だ。そうでないと職人がいなくなる
というかもう職人は激減している。キモに命じておけ

58 :
一応、どうでもいいかもしれんが
>>55だが>>47>>56も自分じゃない。取り敢えず…
こうやって荒れて職人さんが来なくなるのは嫌だなと思ったから発言しただけ。
気分を害したなら申し訳ない。

59 :
>>57
自分>>56でID:TMrvpyt2だけど
>>47でも>>55でもないぞ
そうやって思い込みで認定する事に意味があるのか?
>>55
>ねとかもやめてほしい
に同意だったから素直にそう書いたんだが
同じ注意するにしても言い方って物があるだろう

60 :
【スルー検定発動中】

61 :
既に9時間かきこみがないのに
ばかじゃね?


62 :
「…なにしてんの」
窓を叩かれて、珠晶は声にならない声を上げて頑丘の襟元を締め上げた。頑丘が慌てて、珠晶の頭を押さえる。
「良く見ろっ!利広だろうがっ!」
悲鳴を上げなかった事は大した物だが、珠晶の怯え方は半端ではない。頑丘の首を締めた際に自分の息も止めたらしい。
頑丘に背中を叩かれてようやく咳き込みながら呼吸をした。窓越しに涙目で睨まれ、利広がやばいかな…という表情をする。
「いつも、いつも…あんたって人はっ!」
「待てっ!珠晶!靴を投げるなっ!」
うっわ、荒れてる。思わず騎獣の首を捻らす。
「窓が割れたら、騎獣が怪我するだろうが!」
大概誰も優しくない。利広は苦笑いした。
頑丘が、露台のある部屋に利広を呼ぶ。ふわりとそこに下りて、やれやれと腰を伸ばした。頑丘が嬉しそうに騎獣に手を伸ばす。
「…相変わらず、騎獣好きだね」
ほっとけと、がらりと表情が変わった。
「その何分の一が、人間に向けられたら、珠晶に首締められなくていいと…」
「それ以上言ったら、壷投げるわよっ!」
部屋の中から怒鳴られて、首を竦めた。
「なんで、あんなに荒れてるの」
頑丘の後を追って来たらしい。珍しい事だった。登極してから珠晶が自分を出迎えた事など記憶にすらない。
「…お出迎えありがとうございます、って言えない?」
腰に手を当て、下から睨み上げられ…利広は首を竦めて身体を返した。騎獣に向かう。
「なんか、機嫌が悪いから帰る。頑丘、飲みに行かないか?」
いきなり腕を取られ、頑丘が目を見開く。利広と珠晶を見比べて…珠晶が身体を震わせて全身に怒りを溜めるのと、利広が軽く片目を閉じたのを見て溜め息を吐いた。
「…怪談?って怪談?」
聞いた端から、利広が震え出す。怖くてじゃない。完全に面白がってる。その前で、頑丘の前に座った珠晶が顔を赤らめてそっぽを向く。
「なんか見間違いでしょ」
あっさり言われ、頑丘がほら見ろと珠晶を見る。
「分かってるわよっ!妖獣か、なんかの呪いか、ただの噂か!なんてぐらいっ」
噛み付いて、またそっぽを向く。
「怖いの?」
そう聞かれ、珠晶は怒りの表情を利広に向けた。
「怖くないっ!」
「じゃあ、俺は下がるぞ」
「駄目っ!」
間髪いれない返事に、利広は爆笑し頑丘は天井を見上げた。

63 :
「怪談の中身は?」
利広が頑丘に聞く。頑丘がくだらなさそうに答える。
「夜な夜な、声がするんだと。ここ、ここだと」
「それだけじゃないのよ…」
後を引継ぎ、珠晶が身を乗り出す。
「夜中になると、仁重殿の窓から…誰かを探すような女が…っ?!」
ガタン、と利広の足元で音がした。その瞬間に、珠晶が頑丘に飛び付く。いきなり腰に抱き付かれ体勢を崩しかけた頑丘が利広を睨んだ。
「おい」
「あ、ごめん」
初めて気がついたように足元にひっくり返った剣をちゃんと机に寄り掛からせた。
机から顔を上げる時、頑丘を見てしてやったりの顔をする。わざとやりやがったな?目で威嚇すると軽く舌を出して見せた。
始めの頃は、ただまことしやかに流れてるだけで、珠晶の耳にも入らなかった。だが日が経つにつれ…というより、あちらこちらで見たと始まり、ただの噂ですまなくなった。
露台から身を投げた女だとか、いや、この宮のどこかに閉じ込められんだ女の無念だなど。
利広が手を上げた。
「なんで、女?」
そう言われ、珠晶もきょとんとする。そう言えばなんで女?
「知らんぞ俺は」
見上げられ、渋い顔をする。
「この話を俺にしたのはお前だろうが」
「…あたしは、誰から聞いたの?」
利広がにやりと笑った。
「噂なんてそんなもんだよ」
夜も遅かった。頑丘が珠晶を部屋まで送り、女官に任す。利広が待つ部屋に帰ってきた時はぐたぐたに疲れていた。
「なに落ち着いてんの」
一息吐こうとして、利広が剣を手に立ち上がる。
「なんだよ」
「行くよ」
まじめな顔で部屋を出た利広に、頑丘も表情を変えた。
闇に包まれ、人の気配がしない王宮は恐ろしい程暗く重い。利広はさりげなく闇に隠れながら追従する頑丘に話した。
「ただの噂なら、いいんだけどね」
「なんだ」
「いや、私も見た」
そう言われ、ぎょっとする。
「なにをだ?」
「声落として」
慌てて声を潜める。
「なんかが居たんだよ」
その時は気に掛けなかった。ただ女官が露台から中を見ているのだと思ったからだ。
だが、珠晶の靴と窓の破片を避けようと騎獣の首を逸らした時、女官の姿は無かった。
「…女官だったんじゃないか?」
「ここには、私の姿を見て隠れてしまう程恥ずかしがり屋はいない」

64 :
「じゃあ、なんだ?」
そう聞き掛けて…向かう方向に眉を潜める。
「こっちは、珠晶の私室だぞ」
「ここさえ違えば、問題ない」
あっさり言い退けて、歩みを進めた。
…眠れない…。
何度目かの寝返りをうって大きく溜め息を吐いた。天蓋の透かし彫を眺めても眠れない。供麒の使令でも借りれば良かったわ。頑丘なんか、あのほら見た事かと言わんばかりの顔…。思い出しても…。
「腹が立つ!」
柔らかい寝具から飛び起きたのと、窓を軽く叩かれたのは同時だった。
肩を大きく震わせ、寝具の端を引き寄せる。手の平が汗ばむ。利広じゃない…利広はもう、あの部屋にいる。
「…ここ…」
「ひいっ…?!」
喉が悲鳴を押しす。再び窓が叩かれる。震える頭で窓を見ると…視界の端に、なにか部屋を覗き込むもの。
「…ここ…」
窓から一番遠い所から寝台を下りる。寝ずの番が居るはず…。部屋の壁に身体を押しつけながら摺り足で歩く。なるべく見ないように…視線を合わさないように。
「ここ!」
「頑丘っ!!」
叫んだ時には、部屋に誰かが駆け込んでいた。一人が迷う事なく、珠晶の身体を掬い上げ、身体に抱き込む。窓に向かったのは利広だった。
大きな音を立て、窓を開け放ち…。
がたがた震える手で胸に抱き込んだ丸い物に爪を立てる。
「おい…おいっ!」
丸い物が、大きく揺れる。
「やめろっ!珠晶っ!爪を立てるなっ!」
怒鳴られて、恐る恐る固く閉じていた目を開けた。目を開けて飛び込んできたのは…目茶苦茶に掻き回された頭。
「…あ?」
「あ?じゃない。あ?じゃ」
震える腕を伸ばすと、ようやく息ができたとばかりに、頑丘が大きく息を吐いた。
「畜生、お前、首がりがりしやがって」
獣かと、痛い顔をする。
「頑丘…」
「なんだよ」
「なんなの、いったい」
片腕で抱き上げられたまま、顔を見合わせ、ここに至った経緯を思い出しさすがに珠晶も度肝を抜かれた。
「窓よっ!窓に誰かっ?!」
改めて、首根っこにしがみつかれ頑丘が顔をしかめる。
「痛いって!」
「だからっ!窓にっ…窓に?」
窓を開け放った利広が、大きく笑った。
利広を出迎えた部屋に改めて集まり、小さくうなだれたのは供麒だった。頬には赤い紅葉が貼ってある。
「あんた…本当に、あんたは」
怒りで同じ言葉しか出てこない。
「自分で出した使令の始末ぐらいちゃんとしなさいよっ!」

65 :
笑いが止まらない利広と、首筋を濡らした手拭いで冷やしている二人にも、供麒が申し訳なさそうに頭を下げる。
「気持ち良さげに舞ってましたので…」
青い空に薄い桃色の羽が映え美しかった。
「後で呼べばよいと思い…」
さすがにその先が言えない。なまじっか、ただ飛ぶだけの鳥の様な妖獣だった。言葉も少ない。それが夜な夜な窓を覗き込んでいたともなると…
「すいません」
頭を下げるしかない。ようやく遁甲した妖獣は落ち着いたように影に隠れた。
供麒を部屋に戻し、深々と溜め息を吐く。
「私の騎獣を見て怯えて消えたんだね」
利広が自分でお茶を淹れながら笑った。珠晶の前に湯飲みを置き、苦笑いする。
「災難だったね」
「俺がだ。」
首筋から手拭いを外し、頑丘が顔をしかめた。
「一番、ひどい目にあったのは俺だろうが」
手拭いに赤い筋が出来てる。供麒を下がらせたのもこのせいだ。
「…頑丘が一番、役得だと思うな。私は」
「どこがだ!」
散々首筋を引っ掛かれ、頭をかきむしられた。押さえようとして、膝で胸を蹴られた。挙句の果てには、頭ごと抱え込まれ…。
「なんだかな」
利広がお茶を含みながら呟く。
二人で珠晶を探した。砂地の黄海で。あの人妖と対峙した時は、二人の間には差がなかったはずだ。
珠晶は、頭を割られそうになった瞬間でも誰の名も呼ばなかった。二人に助けられても、その場に蹲って泣いた。
その珠晶が、頑丘の名を呼んだ。自分もいたのに。
「なんだよ」
「やきもち」
一言で答え、自分の口から出た言葉に自分で驚く。
珍しい感情だった。やきもちって、私は。
「今日はここで寝るわよ」
珠晶が立ち上がった。露台に向かい、そこで寝そべっていた騎獣を部屋の中に招き入れる。
「おい」
さすがに女官に叱られると言いかけて、黙る。やはり一番怖い思いをしたのは珠晶だ。
珠晶の手が一度強く騎獣を抱き、寝そべらせた。
「利広、こっち。頑丘、こっち」
利広が呼ばれ嬉しそうに珠晶に駆け寄り、珠晶の横で床に寝そべった。珠晶が柔らかく呼吸する騎獣の腹に頭を乗せて目を閉じる。
こうやって寝たわね。あの長い道程。今考えると短くてとても深いものだった。
「頑丘」
「わかった。今行くからちょっと待て」
1人分の毛布をどこからか持って来て、珠晶の上に掛ける。
「私のは?」
「ない」
頭の上のやり取りが嬉しくて、小さく笑った

66 :
おわる

67 :
乙乙
騎獣のお腹枕は永遠の夢

68 :
つかエロ無しSSはスレチなんだが

69 :
エロ無しだとどこに書き込めばいいんだ?

70 :
自分のサイトで書けばいいのに

71 :
そんな事言い出したらエロパロ板とかSS系自体の存在意義が(ry

72 :
>>62-66
>>1を嫁
>2 エロなしSSはスレ違いです。直接行為がなくてもエロい雰囲気であれば可。

73 :
頑丘×利広×珠晶
初夜です。
14落とします。
基本は頑丘×珠晶ですが、利広も混ぜました。
痛みに弱い方は避けてください。
あと、ロリが嫌だと言う方も避けてください。
身体が成長しないという設定は辛いな。書いててそう思いました。

74 :
「おめでとう。幸せにね」
平伏した女官が、うっすらと涙を浮かべ部屋を出て行く。それを見送っていた珠晶を利広は机に肘をついて眺めていた。
「宮仕えを捨てて下界に降りるなんて珍しいね」
珠晶が書状に筆を走らせながら、首を傾げる。
「そう?蓬山の女仙だって好きな人ができたら下山するじゃない」
そうなんだけどさ…利広が、滑らかな筆運びをする珠晶の手を見る。十二歳で成長を止めた手。
「間違えてる?」
利広の視線に気がつき、筆を止めた。奏から支援の申し出を有り難く受ける旨の内容だ。
「ごめん。やり直すわ」
利広が笑って押しとどめる。
「綺麗な字だから見惚れていた」
珠晶が馬鹿みたいという顔をして、奏からの書状を利広に差し出す。
「こういう字を、美しいというのよ」
「伝えとく」
そう言われて、いいわよと再び書に向かう。もし、その奏からの書を書いたのが自分だと言ったら。この女王はどんな顔するだろうか。
「そう言えば、利広の字って見た事ないわね」
そう言われ、笑った。
「荒事ばかりに夢中でね。物凄い悪筆」
「嘘っぽいから、なんか嫌だわ」
そう言われ、また笑った。再び、筆を走らせ始めた珠晶になんとなく聞いた。
「珠晶は、幾つになった?」
「十二よ」
いや、そう言えばそうなんだけど。
「あたし達が歳を数えても仕方がない事は、あなたが一番知ってるでしょ」
「そうだけど」
なんと言っていいのか。聞きたい事はそう言う事ではない。
「…五年経ったわ」
登極してから数えたら。まだそれだけかと思うし、もうそんなに時間が過ぎたかとも思う。仙にとっては時間の流れは大まかな単位でしか捉えにくい。
「じゃあ、十七?」
「来月で十八よ」
珠晶が筆を止める。朱を溶いたものを用意し、御璽を書状に押す。ようやく書状ができ、軽く息を吐きながら身体を起こした。
「なにが言いたいの?」
「…子供だなと思って」
びんたが飛んで来るかと思ったが、飛んで来なかった。珠晶が一瞬目を丸くして、表情を消す。
「そうね。子供よ?中身はどんどん歳を取って行くだけのね」
「ごめんなさい」
素直に頭を下げた。傷つけるつもりで言ったわけじゃない。
「自分もそうでした」
机に擦りつけんばかりに謝られ、しばらくその肩を眺めていたが、珠晶は小さく肩を竦めた。

75 :
「…王だもの。仙で無くなる時はぬ時よ」
「もう、ひたすらに謝る。ごめん」
珠晶の言葉だけ聞いていると不思議な気になる。もともと大人ぶった理屈を滔々と話す子供だった。だが、やはり年月は珠晶に影響を与えるらしい。
話す内容に重きが出てきた。言葉だけ聞いていれば、十七、十八のいや、文姫より大人だ。そして多分、自分よりもだ。
「顔上げてもいいかな?」
「どうぞ」
許されて、顔を上げる。やはり、目の前に座るのは子供だ。
「なんか、損したなとか思う時とかない?」
利広に聞かれ顔をしかめる。
「あたしがいない事の方が、この国の大損害だわ」
そうじゃなくて、と口を噤む。なにが言いたいんだ私は。黙ってしまった利広をしばらく眺めて、珠晶が小さく笑った。
「…人生で、でしょ?」
利広がそう、と目で頷く。普通にただの人であるなら、順当に歳を取りその年齢に応じた身体となる。想像はつかないが、珠晶も大人になり、恋をして、…まあどこかに嫁いだであろう。そして、里木に子供を願う。
想像し、それが結構難しかったので利広は唸った。
「想像できない」
「あたしも出来ないもの」
軽く笑われ、利広がうーんと呻いた。
「なによ」
「いや、頑丘…」
再び珠晶の顔から表情が消える。
「…頑丘がなに」
利広は、口を噤み手で押さえた。
「いや、今のは無しだ」
部屋に沈黙が流れる。今の流れで頑丘の名前を出したのは利広の僣越だった。余計なお世話だ。本当に。
頑丘のあの性格の事だ。もし本当に惚れた女ができたら、ここには何も未練は残さないだろう。すっぱり全部振り捨てて、下に降りて行く。多分振り返る事も思い返すこともない。だが…
「珠…む」
口を開きかけた瞬間、いきなり口元に濡れた感覚を覚え口を閉じた。視線だけ下に向けると赤い筆先が揺れていた。
「似合うわね」
利広の口に朱でばってんを書き、珠晶はにっこり笑って見せた。顎を伝う朱墨の感覚に慌てて利広が手拭いを取り出し顔を拭った。
「こんな事されたのは、初めてだよ」
「あら、長く生きててもそういうこともあるのね」
珠晶の手が、墨が渇いた書状を巻く。やれやれと利広は立ち上がった。顔を洗って来ようと扉を開けた時、呼び止められた。
「利広」
「んー?」
口を開けて返事が出来ず、首だけ振り向く。

76 :
珠晶は机を向いたまま、なにか考えているようだったが…しばらくして、なんでもないように言葉を続けた。
「今夜、あたしの部屋に来て」
机の上に置かれた手が震えてる。利広は何も言わず部屋から出て行った。
部屋の回りの寝ずの番もいなかった。利広はすたすたと歩き、珠晶の寝室の扉を指先で叩く。
「入って」
短く言われ、するりと扉から中に入った。
部屋の灯は消してあった。窓から入って来る月明りのみ、珠晶の身体を照らす。いつもは上げてある髪が下ろされ、腰辺りまで流れていた。
「そこで止まりなさい」
部屋に一歩踏み出そうとして止められる。月明りが逆光になり珠晶の表情は見えにくい。だが珠晶から利広はよく見えた。
「…待った方がいい?」
窓辺に立ち竦んでいるように見え、柔らかく微笑む。
「…なんで来たの」
「なんで呼んだの」
聞いて聞き返す。そして、利広が笑う。
「女性の誘いを断るような無粋はしないんだ」
身体を扉に凭れさせ、珠晶を見ていた。小さな手が開いたり閉じたりしている。なにか、悩んでいる。そしてそれを誰にも相談できない。供麒にも、頑丘にもだ。
「…女性じゃないわ」
珠晶の声が震える。
「…子供よ」
利広が苦い顔をした。天帝の采配が苦しいと感じる時だ。なんで、この子供を。なぜ、この歳で。
王にしなければならなかった。
一度王になれば、仙にならざるを得ない。王の子供ならば、ある程度成長するまで様子を見て仙籍に入れられる。だが、王はただ生きる事のみを望まれる。王が玉座にいるそれが、国だからだ。だが…苦しい。
「…質問するから、答えて」
「私に答えられる事ならば」
利広の静かな声に珠晶は、窓に指を当てしばらく口を閉じた。質問の仕方を考えているようだった。
「…王は人を好きになってはならない?」
「その論理だと、うちの父を宗麟が迎えに来るはずがない」
子供の目から見ても、仲の良い夫婦だった。いや、いま王と后妃となってもその二人の間は変わる事が無い。互いに互いを思う、優しい夫婦だ。
だが、その質問で、珠晶が切羽詰まっている事も分かった。この明晰な子供がわざわざ聞くような質問ではない。自分の事で無ければ肩を竦めて笑う事だ。
「…王が人を好きということは…天網に外れないのね?」
「外れない」

77 :
珠晶の目が閉じられる。
いろんな事に見切りばかりつけてきた。自分の望んだ片方の人生を捨てた。親にも見切りをつけた。
なにもかも捨てて、横に立っていたのは人の顔色ばかり伺う麒麟だった。はっきりものを言う事に慣れず、怒鳴ればすぐに涙ぐむ。この麒麟は、こういう性質だと諦めた。
自分が王であればいい。そう思った。
だが…身体は成長しないのに、心が成長してしまう。
くだらない事だと、言い切れなくなった自分に気がついた。なにか事情があるのか、ないのか。落とし所は何処だと探している自分を見つけて、血が引いた。
あたしは、供麒が選んだ供王のままだろうか。
その時、心が成長したのだと気がついた。身体は変わらぬままなのに!
「…あたしは、成長してはならない?」
今度は無言だった。珠晶も愚問だと内心で笑った。麒麟に聞くべき事だ。利広に聞くべき事ではない。珠晶は、震える唇から息を吐いた。
「…好きな人がいるの」
自分を見下ろす視線。なんかの拍子にたまに頭に乗せられる大きな手。騎獣を見る優しい目。人当たりはとても、悪いくせに獣にだけ優しい。たまに見せてくれる口元を上げて笑う顔。
自分を守る背中。
「その人が…好き」
珠晶のまだあどけなさを残した頬に涙が伝った。
「…頑丘は、好きな人がいる?」
「答えられない」
頑丘ではないから。静かに言われ、聞き方を変える。
「頑丘に好きな人がいると、聞いた事はある?」
「ない」
だけど、二人共知っている。頑丘は、そういう事は口にしない。あの男は、本音を語る事を良しとしない。背中が近くて、遠い。
「利広…」
名前を呼ばれ床を眺めていた利広は顔を上げた。
珠晶の指が寝間着の帯を解く。上等の絹が滑り落ちるように床にたまる。
月明りに浮かぶ、白い幼い身体。淡く浮き上がり脆い。
「あたしの身体は、あの人に愛される事ができない?」
顎から水滴が続け様に落ちた。
利広がゆっくりと近付く。珠晶は逃げなかった。珠晶の目の前に立ち、俯いてしまった珠晶のつむじを見下ろす。
こんなにも、儚く、脆い。あの一人の男のせいで。
利広が珠晶の前に跪いた。床に落とされた寝間着を拾い上げ珠晶の腕を通させる。珠晶は我慢できずにしゃくり上げながら、絹の袖に手を入れた。利広の手が袷を合わせる。帯を締め、手を止めた。

78 :
「それに答えるのは、私ではないね」
珠晶の喉が嗚咽を上げる。
「…ごめん…利広」
顔をくしゃくしゃにして泣かれ、困ったように笑った。
「私は、珠晶のおにいさんだからね」
軽く腕を拡げる。おいでと言われ、我慢できずに珠晶はその胸に飛び込んだ。
黒髪が、月光を纏い跳ねて揺れた。飛び込んできた身体の軽さに苦いものしか上がって来ない。軽い…。
この身体に、十八の心
珠晶の細かい指が利広の着物に皺を寄せる。誰にも打ち明けられなかった。身体と心が引き裂かれると思った。でも、自分にも、利広にも答えが出せる話では無い。
辛くて、怖かった。

「おい」
次の日の朝、珠晶の寝室から出て来た所を、今一番会いたくない男に呼び止められた。
「なんだ。早いな」
「寝ずの番がいなくてね」
そう言われ回りを見渡す。確かにいない。だが、利広がいれば問題なかっただろう。連れ立つように歩き始めた。
「何で珠晶を怒らせた」
そう言われ、片眉を上げる。泣きじゃくる珠晶を落ち着かせ、寝台に寝かしつけるまでそばにいたら、朝だったという笑えない話だ。寝て無いし、とても疲れた。
「お前、昨日口の回りに墨塗られたんだとあちこちで言われてるぞ」
昨夜、珠晶の寝室に夜這いをかけたという噂なら、この男はどうするだろう。
「どうした」
何も答えない利広に頑丘が不思議そうな顔をする。その顔を思いっきり、殴りたくなった。殴ったら自分はすっきりするだろうか。
「珠晶が、頑丘を好きだって」
言葉はするりと、唇から零れてた。頑丘が一瞬、ぽかんとし…徐々に物凄い不機嫌な顔になる。
「なんだ、それは」
笑えない冗談かと言われ、止まらなかった。
「国が傾くんじゃないかって心配するほど、頑丘が好きだと一晩中泣いた!あんな小さな身体に、大人の心だっ!恭が滅んだら、頑丘のせいだからなっ!」
言いたい事だけ、怒鳴り利広は与えられている私室に走って行った。
そして、私室で一寝入りして誰にも会いたくない気分のまま、厩舎に行った。騎獣に手をかけ…額を柔らかい毛に押しつける。最低だ…私は…。
ふと、隣りの房が空っぽなのに気がついた。珍しい。供王の趣味は騎獣だ。星彩を始め何頭か飼われている。
なにがいた?ここには…ぼんやりする頭で考えて…次第に目が覚めて血の気が引いた。
駮…
頑丘の騎獣がいなかった。

79 :
頑丘がいない。さすがに昨日の今日だ。利広から知らないかと言われ、珠晶は爪跡がつくほど柔らかい手の平を握り締めた。
「なにを…言ったの」
珠晶の唇が血の気を引いて震える。
「なにを頑丘に言ったのっ!」
怒鳴られて、利広がきつく唇を噛んだ。自分が悪い。絶対に自分が悪い。
「…珠晶が、頑丘を好きだと」
珠晶の手がしなった。利広の頬の下に赤い紅葉が出来る。
「利広っ!あたしは一度も頑丘が好きだとは言ってないわっ!」
こうなるのが怖くて、あの人と伝えた。あの人が、頑丘だと一言も言ってない!居なくなってしまう、それが怖かったから!
「あの人が知ったら…きっと、居なくなるって…分かっていたから…分かっていたからっ!」
言葉が悲鳴に変わる。震える手で口を押さえた。悲鳴をあげては駄目。誰かが飛んで来てしまう。王よ。醜態を晒してはならない。
ひっぱたかれた頬をそのまま、俯いた利広としばらく立ち竦んだ。
「…下がって、利広」
利広が軽く頭を下げる。珠晶は長椅子に倒れ込むようにしてきつく身体を抱き締めた。
「…探さないでいいわよ。どうせ、頑丘が本気出したら…見つかりっこないもの」
市井に降りて探そうと思っていた事を先に止められ、扉で立ち尽くす。
「…ごめん」
謝罪を背中で受け止め珠晶は身体を震わせた。だけど…と利広が呟く。
「珠晶…頑丘が好きなんだろ?」
「好きよ。…答えたわ。下がりなさい」
扉の閉まる音を背中で聞いた。
頑丘が消え、十日が経った。珠晶は、始めから頑丘など居なかったように振る舞い、王宮もただの杖身が一人消えた事を気にする事もなかった。
自分のやった事とはいえ、あまりにもひどく捩じれた状況に利広は恭を発つ事ができずにいた。だが…あのびんたを頬に受けて以来、珠晶は利広を避けた。
そして避けられて当然だと…夕暮れの迫る厩舎で騎獣に身体を凭れさせ、深い溜め息を吐いた。
やはり、市井にいない。暦を考える。まだ、黄海が開く月でない事に溜め息を吐く。黄海に隠れられたら…自分には打つ手はない。乾まで足を延ばすか。
深い溜め息を吐いた時、荒い獣の呼吸と宥めるような声を聞き、厩舎を飛び出した。
「頑丘っ!」
「なにしてる、お前…っ?!」
訝しげな顔をして振り返った瞬間、利広の右腕が頑丘を殴り飛ばしていた。

80 :
珠晶の寝室に珍しく供麒が呼ばれた。軽く頭を下げて入ると、椅子に座り込んだ珠晶と、左頬を派手に殴られた痕の頑丘と、左頬に赤い紅葉をつけた利広が居た。
「…何事ですか…」
利広の紅葉はともかく、頑丘の頬を見て青くなる。
「知っていたの?」
珠晶の声に、供麒が首を傾げる。三人とも仏頂面だ。
「なにを…」
「俺が蓬山に行った事だ」
はぁと、供麒が頑丘を見て頷く。
「それが、なにか…」
「なんで言わないのっ?!」
怒鳴られて反射で身を竦ませる。この小さな女王は供麒にはたまに怖い。
「聞かれなかったもので…」
そう答えられ、三人が低く呻いた。
「今、お帰りでしたか」
頑丘が苦い顔をしながら頷く。
「玄君はお元気でしたか?」
「つつがなく、だと」
ぱあっと嬉しそうな顔をした供麒を見て、頑丘は苦笑いした。
あの日、利広から国が傾くと怒鳴られ、一番に供麒を探した。
いきなり腕を取られぽかんとした供麒に、畳み込むように聞いた。失道したのかと。その一言を聞いただけで、ひっくり返りそうになった供麒を無理矢理起こして怒鳴った。なんか、身体おかしい所あるのかと。
おかしな所と言われ、慌てて自分の身体を叩いて確かめていたが、どこもと答えた。
失道は体験したことはないが、ひどく苦しいものだと聞いている。なにも、悪くありません、そう答えられ頑丘は深い息を吐いた。
何事ですか?と聞かれ、頑丘がしばし顎に手を当て考える。餅は餅屋か…。玄君に会いたいんだが、俺でも会えるか?と聞かれ改めて、驚いた。
「ですから、まず私が使令に書状を持たせました」
「使令の方が早いからな。先触れしてもらったんだ。俺は駮で後を追った」
喋ったら、痛かったのだろう頑丘が顔をしかめる。そして、改めて、珠晶と利広を睨み付けた。
「俺が殴られなきゃならんことをなんかしたかっ?!」
頑丘の剣幕に怯えた供麒を珠晶は下がらせた。部屋に変な沈黙が流れる。
動けないし、話せない。でも…利広は深く頭を下げた。
「申し訳ない。…なんかいろいろと…ごめん」
二人に向かって頭を下げる。だが、珠晶は手摺に身体を凭れさせ、組んだ腕に小さな頭を伏せて動かなかった。
「…なんで、玄君なんて」
着物に声が絡み聞き取りにくい。だが、頑丘は首を軽く竦めた。

81 :
「王と麒麟の事はあそこが一番詳しいだろ」
そう言われて、利広が唸った。確かに、自分が答える事より確実な答えが得られる。しかも、玄君の御墨付きでだ。
「…珠晶は」
「なんも、悪い事はしてねぇよ」
そう言って、未だに伏せたままの珠晶の傍らに立つ。椅子ごと抱え上げられる大きさ。
「…お前、馬鹿だな」
ひくんと肩が揺れた。
その黒くまとめ上げられた頭に手を置こうとしてあまりにもがさつな手で自分が迷う。
「俺は、お前が誰を好きになろうとかまわなかったんだぞ」
珠晶の口から堪え切れず嗚咽が上がる。その肩を見ながら、頑丘は心配そうな利広を見る。誰が見たって、こちらの男の方が珠晶には相応しい。
珠晶の隣りで優しげに語らう姿は、微笑ましかった。自分では、怒らす事はできるが笑わせるなど至難の業だ。
「…馬鹿だな、お前」
繰り返し馬鹿と言われ、さすがに頭を上げた。馬鹿だということは、もう充分思い知った。こんなに、惨めで苦しい思いをした。なにもかも捨てて行ける男だと思っていたから、消えた時、自分を捨てたと思った。
叫び出したくても、叫べなかった。ただの女じゃない。王だからだ!
頑丘はようやく顔を上げた珠晶と目線を合わした。
「…この小さい頭でぐるぐるしてんだろうが、分からん事があったら知ってる奴に聞け」
そして、利広を指差す。
「あれから、国が傾くだとか、一晩中泣いただとか、大人の心だとか、恭が無くなったら俺のせいだとか…」
頑丘の言葉に、珠晶が次第にぽかんとした表情をする。逆に身の置き場が無くなったのは利広だ。
「…利、利広」
「ごめん、本当にごめん」
珠晶に怒りを孕んだ声で名を呼ばれ、利広は素直に謝った。だが、ちらりと頑丘を見た一個抜けてる。
「おら、こっちを向け」
苦笑いして、顔を赤くしながら利広を睨み付けてる珠晶の顔に手をかけて自分と目線を合わす。頑丘の片手の手の平に収まる頭だ。小さいな…。この身体に、大人の心…
「…お前が、俺の雇主だろうが」
そんな言葉が聞きたいんじゃない。
「だが、俺は元が猟尸師でな。」
待っていたら、聞きたい言葉が聞けるだろうか。
「お前が雇主じゃなきゃ、誰がこんな退屈な所にいるかよ」
分かりにくい。利広が人事ながら額に指を当てた。
「あたしの為にいるのね?」
分からないことは、分かる奴に聞け。そう頑丘は言った。

82 :
「頑丘は、あたしが好きなの?」
珠晶の言葉に頑丘が苦笑いする。子供なんだか、大人なんだか。
「だから、玄君に会って来たんだろう」
「ちゃんと、答えてやりなよ」
焦れったくて、口を挟み、利広は慌てて口を塞いだ。じろりと頑丘に睨まれる。
「ごめん」
なんか、いろいろ今回はひどい役回りだ。部屋を出て行こうとして、頑丘が止めた。
「待て。もう少し、付き合え」
なんにだよ…利広が深く溜め息を吐く。
「殴ったのちゃらにしてやるから、そこにいてくれ」
そう言われると、どうしようもない。利広がもとの位置に戻ったのを見て頑丘は珠晶の前に跪いた。
「お前の、好きという範囲がわからん」
ただの好き嫌いの話なのか、なにか親や兄弟に求めるような親愛なのか。この区切りをちゃんとしないと、傷つくのは珠晶だ。
珠晶は、言葉にしたくて、でも出来ず再びしゃくり上げた。
ただの十八の娘なら、簡単だったと思う。ためらわずに、口にした。あなたが好きと。あなたに愛して欲しいと。だけど…。
「…ちゃんと、口にできるか?」
涙で頑丘が滲んでぼやける。苦しくて、苦しくて。辛い。
部屋の片隅で利広が目を逸らす。
月明りに浮かんだ子供と少女の間のような白い身体。利広には晒し出せたのに、頑丘には言葉にすることもこんなに勇気がいるのだと。
「…辛…いのっ!辛い…のっ!」
頑丘を思って泣く事が。頑丘に嫌われると思う事が。頑丘がいなくなってしまうと思う事が。そして…この身体では、頑丘が愛してくれないと思う事が。
「…珠晶、俺は一人の男だぞ」
がくがくと頭を振る。知っている。そんな事知っている。だから、子供だと相手にされない。頑丘には、相応しい女がいい。でも、それにはなれない。この身体はこれ以上成長しない。
「…お前、俺に…」
しばし言葉を探すように視線を巡らせ、利広を見た。滅多に見せない真剣な表情に…あと押しされた。
ふうっ、と息を吐く。頑丘の手がいきなり珠晶を抱き上げる。
「泣くな!馬鹿っ!これからもっと泣くんだぞっ」
いきなり視界がぶれ、気がつけば寝台に放り込まれていた。
「がっ…頑っ、頑丘っ?!」
頑丘が、ごそごそと懐から壷みたいなのを取り出す。
「利広、これ…わかるか?」
「利っ…利広っ?」
いきなり呼ばれ、利広も面食らったように頑丘のそばに寄る。頑丘の手の中の綺麗な模様を施してある壷を見る。

83 :
「薬?」
蓋を開けて、小指の先で掬って舐める。苦くて、痺れる。しばらくすると、感覚が鈍った。
「…なにこれ」
「多分、なんか身体の痛みを麻痺させる薬だ」
「まずい…」
だが…確かに舌先の感覚は消えた。
「喋るなよ。俺も舐めた後歯で噛んでえらい目にあった」
分かったと頷く。だが…なんで今、ちろりと頑丘の目線が珠晶に向けられる。珠晶は怯えたような怒ったような顔で、二人を見上げている。
「珠晶、女は初めてが辛いというのは知っているか?」
そう言われ、きょとんとした。知らなかったな。頑丘は珠晶の横に腰を下ろした。利広は寝台の前に立つ。
「なんで」
「身体が引き裂かれるからだ」
その言葉にぎょっとし、思わず利広を見上げる。
「本当なの?利広」
喋れないから頷くしか出来ない。ただ、引き裂かれるというのは、大袈裟だと思うが…だが、珠晶の身体を考えたらそれぐらい覚悟していた方がいいかもしれない。
「…信じられないわ」
呆然と珠晶が呟く。畳み掛けるように頑丘が話を続ける。
「痛いのは最初だけだ。あとは…」
言い淀む。
「あとは…なによ」
聞き返され、頑丘が渋い顔をした。
「男の腕次第で、気持ち良くなれる」
利広が吹き出した。頑丘に睨まれる。
「…頑丘の腕は?」
珠晶に真っ直ぐ聞かれて、答えに詰まった。知るか、んなもんっ!と怒鳴りそうになり…珠晶の真剣な目に諦めた。
「…努力するでいいか?」
利広の身体が揺れる。頑丘の足が軽く利広の足を蹴飛ばした。
「…お前、分かってるのか?」
なんか、あの頃と似ている。珠晶が登極すると乾で出会ってから、幾度も引き返せと言い含めた頃に。結局、あの娘が、王になった。言い出したら聞かない。それだけは身に染みている。
「…じゃあ、辛いのは最初だけなのね」
確かめるように聞かれ、頷く。珠晶の瞳に次第にいつもの気の強さが戻る。
「…引き裂かれる、ということは、まさか血もでるの?」
利広が頷く。もう一度、珠晶が驚いた顔をする。
「信じらんない…」
世の中の女は、そうやって恋人と結ばれるのか。軽く頭を振って身体の力を抜いた。
「…痛み止めとかないわよね」
頑丘が手の平に乗せていた壷を差し出す。
「玄君に渡された。お前が不憫だと」
玄君と言われ、利広も珠晶も驚いた。

84 :
「…貴重なものらしい。小さな身体で辛いだろうと言われた」
元は、麒麟の為の物らしい。詳しい事はよくわからないが、人間が使っても害はないと自分で試した。感覚が戻る時、少し痒くなる程度だ。
「…世の中には、変なものがあるのね」
しみじみと言われ、頑丘と利広は苦笑いした。
「…優しくはする。だが、絶対にお前が辛い。というか、ひどい目にあう」
そりゃそうだ。痛み止めがあったって、身を引き裂かれるのは、相当な事だろう。
「止めるか?」
頑丘に伺うように聞かれて…ふと、気がついた。
「…あんた、あたしを愛せるの?」
爆笑したのは利広だ。頑丘は、しばし唖然とし真っ赤になってそっぽを向いた。
「そのつもりがなきゃ、蓬山まで行くかっ!」
怒鳴られて…横を向いてしまった頑丘と、腹を抱えて笑っている利広を見上げる。
そうか…なんだ。珠晶は少し嬉しくなって、笑った。胸の奥からなにか温かい物が溢れて来る。温かくって、なんか甘い。
そうか…この感覚が…愛しい…というものなのだろう。
珠晶は見たこともない柔らかい笑みを浮かべた。
「…頑丘、好きよ」
答えはない。横を向いたまま、手で口をふさいでいる。
「…言わんでいい」
そう言われ、珠晶が笑って利広を見た。頑丘が照れてる。利広がようやくいつものように優しく笑った。
珠晶の手が利広の手を握る。その手に勇気をもらう。
「頑丘…あなたが、好き」
舌打ちされたのと、いきなり身体を掬い取られたのが同時だった。珠晶の手に握られたまま、利広が体勢を崩し、寝台に倒れ込む。
利広の引き倒された身体の上に珠晶がいた。珠晶の身体が小さく震えながら頑丘に抱き締められている。その小さな唇から、荒れた唇を離し…頑丘は深く息を吐き出した。
「…あまり、そういう顔をするな」
抑えが利かなくなる。
「…利広にいてもらっていい?」
ぎょっとしたように、利広が目を見開いた。慌てて、身体を起こそうとするが珠晶の身体で押さえ込まれる。そして繋いだ手が震えている。
「…怖いの」
身を引き裂かれる。血が出るほど。どれだけの痛みだろうか。妖魔に引き裂かれた動物を思い出す。頑丘がすることだから、絶対に心配ないと思うが…怖かった。
「利広に、いてもらってもいい?」
利広が、頑丘に素早く視線を送る。冗談じゃないという思いと、繋がれた手から伝わる珠晶の恐怖感。

85 :
「…利広、後ろから押さえておいてくれ」
頑丘に言われ、目を剥いた。
「殴ったのはこれでちゃらだ…」
珠晶が握り締めた手に力を入れる。その汗ばんだ手の平と、身体の震えに利広はしばらく考えたが…深く溜め息を吐いた。
片手で安心させるように、珠晶の手を叩く。手を外させ苦笑いした。あらんかぎりの力で握り締めたのだろう。指の跡が赤く浮かんでいる。
利広が寝台に背中を預け、立てた膝の間に珠晶の身体を入れ、その頭を自分の胸に預けさせた。
「…ごめん」
つむじで謝られ、そのつむじに手を乗せ、安心させるように撫でた。そして、珠晶の手に自分の手を預ける。
準備はいいよと、視線で頑丘を見、利広は固く目をつぶって壁を向いた。
珠晶の身を纏っていた着物が右、左と解けて行く。
「…めんどくさいな」
悪態を吐く頑丘になんでこんな男なんだろうと、溜め息を吐きたくなる。頑丘から顔を大きく逸らし、固く目を閉じると、利広の手が宥めるように力を入れた。
頑丘だから。そう言われた気がして、顎をあげ後ろの利広を見る。固く目を閉じ、壁を向いてる横顔は無表情だ。
この間…、誰よりも先に裸を晒してしまった相手。おにいさんだからね。まさか、こんな目に遭うとは思ってなかっただろうし、自分でも思わなかった。
あれから、十日で…なにも心配することなく、頑丘と一緒になれる。そう考えると、不思議だった。この人は、恩人になるんだろうか。
「…余所見するな」
顎取られ、素直に前を向く。小さな唇を啄まれ、苦笑いした。
「小さな口だな」
「…ずっと…このままよ」
王ていることを止める気はない。思わず力が入った手を利広の手が宥める。
「確認してるだけだ」
もう一度啄まれた。ふっと力が抜けた手に利広も力を緩める。なるほど…これは、大変な役どころだ。利広の額に汗が浮かぶ。
珠晶は頑丘にも弱みを見せたくないらしい。その弱みを全て利広に預ける気なのだろう。握った手で。
「噛むなよ」
そう言って、再び唇が合わさる。珠晶の身体が跳ねた。慌てて、その手を優しく握る。握り返される手が震えている。
しばらくして、ようやく珠晶の身体から力が抜け始めた。強張ってた身体がゆっくりと利広に預けられる。
繋いでいた手からもようやく力が抜けた。手の平が汗で濡れている。思わず利広も深い溜め息を吐いた。
「…大丈夫か?」

86 :
どちらに聞いたんだか…。頑丘の言葉に苦笑いを浮かべ、利広は壁を向いたまま小さく頷いた。
頑丘の大きな手が、まるで貴重な騎獣に触れるように珠晶を扱う。指先で触れようとして、自分の手を見た。固く、荒れた指だ。手綱を握り締めていた日が続いた為、所々傷になっている。
この指で触れることにためらった。多分珠晶の柔らかい肌に傷をつける。大事な物に傷をつける気はなかった。手を珠晶の腰に回し唇を当てて行く。
小さな喉、肩の窪み、小さな膨らみ、薄い腹。始めは強張っていた珠晶の身体がゆっくりと頑丘が起こす波に身を委ねて行く。
軽く身を捩り、利広の手に頭を擦り付けた。だいぶ…慣れたな。頑丘が玄君から預かった薬を指先に掬い取る。それを珠晶の秘部に差し入れた。
「冷たいっ?!」
「大丈夫、…さっきの薬だから」
口をきいて驚いた。痺れが取れたらしい。なるほど、そんなに長く効くものじゃない。だが…なんか、熱くてぴりぴりする。
頑丘がゆっくりと珠晶の顔を伺いながら塗り込んで行く。珠晶が強く目を閉じ、利広の腕にしがみつくようにして熱い息を吐いた。
「痛いか?」
「きつい…けど、なんか、痛い」
痛いというより、熱い。熱くて痺れる。
珠晶の身体に汗が浮かぶ。利広が顔を背けたまま、その頭を宥めるように撫でる。
「熱いわ…頑丘…」
うわ言のように繰り返し同じ言葉を呟くようになったころ、頑丘は懐からなにかを出した。
「いやあああっ?!」
いきなり暴れ出した珠晶に驚き反射で利広がその身体を押さえ込む。思わず頑丘を見た利広に頑丘が辛い顔をした。
「押さえ込んどいてくれ…」
頑丘の手が、ゆっくりとなにかを珠晶の身体から抜いて行く。利広は慌てて目を逸らした。赤く濡れた物が見えた。多分、破爪の血。
押さえ込んだ身体が跳ねるようにもがき…ゆっくりと力を無くした。利広がそれを確認してゆるゆると身体の力を抜く。
珠晶の身体がそのまま寝台に沈んだ。気を失っている。利広が壁に凭れ深く息を吐いた。汗が顎からしたたり落ちてる。
「おい、下りろ」
頑丘に言われ、寝台から下りようとして足に力が入らず崩れた。頑丘が珠晶の寝間着を整えて、腰辺り染になっていく血に手拭いを重ねて置く。丁寧に処置をして、布団をかけた。涙で汚れた顔に軽く唇を当てる。
寝台から下りようとして床に崩れ落ちてる利広を見て、その横に座り込んだ。

87 :
「…大丈夫か?」
膝に顔を埋めたまま、利広が聞くなと手を振る。頑丘は最初から押さえといてくれと言った。最初からこのつもりだったのだ。
「…なんか、いろいろしんどい」
鼻の奥がつんとした。この何日かですごく疲れた。自分ではなにもできることはない。分かっているけど、辛かった。
「…お前が残っていてくれて、助かった」
言うな馬鹿。なにもできなかった。なにもかも捩じらせて、珠晶を泣かした。頑丘を殴った。そして…ふと、手を見る。紫色に変色している。強く握り締められて内出血を起こしたのだろう。
「玄君の入れ知恵?」
頑丘も疲れたように、膝を抱え頭を伏せ頷いた。
「…始めからできるわけがない」
深い溜め息を吐く。薬と、道具と。揃えられた物に目を剥いた。
だが…麒麟は成獣になった段階で成長を止める。雁の延麒がそうだ。子供のまま大人になる。…そういうこともあるのだろう。
「…ちゃんと、してやれよ」
利広に言われ、頑丘がしばらく考えて呟いた。
「…そのうちな」
ひどいことをしたという自覚が大きすぎた。嫌われても仕方がない。だが、それだけの事をした。
「珠晶は、あんたが好きだよ」
「言うな、馬鹿」
ゆっくりと、睡魔が襲って来る。さすがに蓬山と恭を往復し、その後の事も堪えた。
利広も朝から市井に下り頑丘を探し回っている。膝に頭を伏せた状態で二人ともいつしか眠っていた。
先に目が覚めたのは利広だった。身体に布団がかけられている。なんでこうなってる…ぼんやり考えてここがどこか思い出した。
横に小さな身体を感じ恐る恐る見下ろす。珠晶が小さな寝息を立てていた。頑丘に凭れて。頑丘の頭も珠晶に凭れている。
夜中、目が覚めたのだろう。二人が寝台の下で蹲って寝ているのを見て、布団を持って下りて来たのだ。
利広は小さく笑って起こさないように布団から出た。
静かに部屋から出て、まだ暗い朝焼けに向かい、大きく伸びをする。久しぶりによく寝た気がした。疲れはあったが、なんかすっきりした。
「さて、帰るか」
軽い足取りで歩き始めた。
おわる

88 :
番号、打ち間違えました。

89 :
すごい!
GJ

90 :
これって頑丘×利広が入ってるって事?
BL苦手なので
読んだ人教えて

91 :
エロパロなので、頑丘と利広はしてません。
頑丘×珠晶に利広がお手伝い…?
名前の所にどう書いたらいいのか分かりませんでした。

92 :
じゃあ普通に利口+頑丘×珠晶かな
前スレに女体化とかもあったし
これも読むのに躊躇してしまった

93 :
もうこの職人さんに付き合うのウンザリ

94 :
いつのまに新しいスレが立ってたんだw
専ブラだったんで気づかなかった

95 :
2ちゃん慣れしてないのと同人慣れしてないのと
両方なんだろうとは思うんだけどさ
スレ使い切っても次スレ立てないんだし
最低限カップリングくらい
きちんとわかるように書いてほしいわ

96 :
投下が増えるとgdgd言う人が出てくるよないつもw
スレは気づいた人が立てるって形だったしそんな書き方してると
職人さん寄り付かなくなる
また過疎化させるつもりかね

97 :
投下自体は歓迎してるよ
ちゃんとルールに則ってやってくれればね
好みのカプじゃないから中身読んではいないけど


98 :
じゃあ書き方もうちょっと考えようよ
なんか一言多い気がするし、そもそも読んでもないのにあーだーこーだ言うのも
ナンセンスだわ

99 :
散々他スレで宣伝しやがったあげく連日投下でスレ占領してんじゃねえよ
一番古参に迷惑かけてんの自分だろ

100 :
801板に女体誘導を貼ったのは?

101 :
>>96
振り返って見れば、何だかんだ言ってスレ毎に結構投下あるし、
過疎るの何のと神経質に言い立てなくても
実は大丈夫だと思うよ。
投下が少なくても規制のせいかも知れないし
最大の原因は単にこれだけ長くやってると自分の中で
萌えが落ち着いたって人が多いからじゃないかな。
第一新刊が出てないのに14スレも
妄想が続いてるのは凄いと思う。
この際なので自分も後で2つほど落としとく。
>>99
他スレで宣伝されてるの?

102 :
女体って何の話だ?

103 :
>>101
いやそういう意味ではなく、職人さんに口悪く色々文句言っていいって理由には
ならないって事だよ。普通に教えたらいいじゃない間違ってたら
それから今回初めてこういう事書いたのに神経質っておいw


104 :
>>103
あなたは初めて書いてもスレでは頻出の
話題だったからそう書いた。
でも口悪く文句つけるなには同意。
ただ職人さん相手だけでなくお互いにね。
上の方のやりとりをROMってて思ったのは、
相手が誰でも罵倒等の汚い言葉が飛び交うと
スレの雰囲気が悪くなるなって事だったから。

105 :
1/3ほど砂が落ちた砂時計を片手に六太は無情に宣告した。
「――10秒」
妓女にのしかかっていた尚隆は情けない顔で体を起こすと半身を見た。
「10秒はないだろう10秒は!3分くらいは行ったのではないか?」
「へへえ、残念でした。この砂時計は30秒用。
 それが1/3しか落ちてないから10秒だ」
ぺろりと舌を出した六太に、妓女も体を起こして笑った。
「風漢さん、悪いけどあたしもその位だと思うわ。
 いつも早いけど、今はほとんど入れた瞬間に出しちゃったんじゃない?」
「うぬぬ…」
「10秒しか持たないんじゃあなあ。さすがに早漏過ぎるだろ」
「でもこの間は逆で、30分腰を振ってもイケなかったのよ。
 風漢さんはムキになるし、最後は結局疲れ果てて諦めてくれたけど、
 付き合うあたしも疲れちゃって」
がっくりと肩を落とした尚隆に六太は苦笑した。
「お前、そんなんで本当に陽子を落とせるのかよ。
 10代の女はもっと締め付けがきついぞ。もし入れた途端にイッちまったら
 いくら陽子が生娘で経験がなくてもさすがに唖然とするだろう」
「だからこうして鍛錬しているのではないか!」
必の形相で叫んだ尚隆の前で、六太は妓女と顔を見合わせてまた笑った。
「早漏に遅漏のコンボか。いくらトシとはいえ仕方ねえなあ。
 姐ちゃん、こいつ何とかなるのか?」
「さてねえ。お得意様だから何とかしてあげたいけど」
「もう一戦! 今度こそ!」
困ったように笑った妓女に、むきになった尚隆は拳を振り上げて叫んだ。


106 :
うおおおおおおおおお
半月くらいこない間に神が連日降臨してたあああ
全部読むのに4日もかかってしまったw
書きためたんだよね?そうじゃなかったらもっと凄すぎ
桓魋の役回りが新鮮だ
超GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!
>>105もワラタ。GJ
この状況で新しい職人が増えるなんて作品に力があるということの証拠だね
すばらしい
長く存在し続ければ、熱が再燃したけどすでにHP閉鎖しちゃって書くところがないなんて人も
こっそり現れるかもしれないねw

107 :
魋の字はウェブブラウザからだと書き込めるんだね
口汚いのはよくないな
そもそも飽きただの読んでないだのスレ占領だの読むのが嫌なら
わざわざ宣言せず黙ってスレ閉じるか読み飛ばせばいいんじゃないのかな?
やってることがテレビに嫌いなスポーツ選手がうつったらテレビを消す、ではなく
テレビ局にそいつを取り上げるなと文句をつける、という感じの
ネットのありとあらゆるところでも大暴れしてる電凸クレーマー鬼女と変わらないよ

108 :
>ID:oIDh7/5f
>ID:RfnH+11f
こいつ論外

109 :
相手が誰でも罵ったり
文句を付ける人はまず
自分がSSを1本落とせばいいと思うよ

110 :
>>73
すげーGJ
自分はカプ表記で、普通に(?)3Pの話なのかと思った
3Pもロリも得意じゃないので身構えつつ読み始めたんだけど
冒頭から珠晶の気持ちの書かれ方に惹き込まれたよ
そうだよね珠晶って恋をしたらキツイよね…と二次創作的に興味深くて
切ない話なのにストーリーが良くまとまっててすげー良かった
個人的には続きあれば読みたいです

111 :
デンパ職人が暴れてると聞いてw案の定揉めてますねオモロw

112 :
デンパ職人?

113 :
愚痴スレで大人気の邪神様はこちらにおわしたかw

114 :
夜も更け、あとは寝るだけと言う時に、主上から呼び出しが来た。なにか、しただろうか。まず、自分が今日一日したことを振り返ってしまう。なにか、お気に触る事をしたか。
登極したころは、よくひっぱたかれた。自分の言いたい事がうまく言えず、言えないうちに主上が癇癪を起こす。小さな身体で思いっきり背伸びをして手を振るので、怒らせたと思った瞬間、身を屈める癖がついた。
しかし、三年もすると何も言わなくなった。ただ、主上の後に立っているだけ。始めはひっぱたかれる回数が減ったなと嬉しかったが、しばらくして気がついた。主上は自分を見ていないということに。
…それでいいんだとも思った。自分は、主上ほど頭も良くない。物は言えないくせに、言いたい事が募ると涙が浮かぶ。そして結局は、言いたい事の半分も言えない。
自分でも嫌になる。そして多分主上も嫌なのだ。こんな麒麟は。
「失礼します」
「入りなさい」
主上の寝室に頭を下げて入る。顔を上げると中央の円卓の椅子に座った主上と部屋の片隅に杖身の頑丘がいた。
取りあえず、主上に頭を下げる。…下げたまま上げれない。先程から考えても、今日自分が呼び出されるほどの事をしたか。
「顔を上げなさい」
恐る恐る上げる。供麒はあまりこの寝室に呼ばれることはない。この部屋だけは、主上が簡単に人を入らせなかった。寝ずの番も常駐させる徹底ぶりだ。主上が信頼している人間だけを通す部屋。
壁に凭れた頑丘を見た。目線が合い、逸らされる。この人も怖い。昔、猟尸師をしていたと聞いた。だけど、この王宮でたまに、自分の事を気にかけてくれている。
擦れ違う時、落ち込んでいたら肩を何気に叩いてくれる。何も言わないが頑張れと言われた気がしていた。
主上を蓬山まで送り届けた英雄。しかも、奏の卓朗君もまとめてだ。主上が一番信頼している英雄。
「座る?」
そう聞かれ、慌てて首を振った。また、頭を下げる。
「すいません、なにか…至らぬ所がありましたか」
呼び出される理由なんて叱られる事以外ない。今までがそうだった。多分、気がつかないうちになんかした。
主上がしばらく考えている素振りで自分を見ているのに気がつき、身体ばかり大きい自分を小さくしてしまいたくなる。
「顔を上げなさい」
また言われ、顔を上げる。主上が苦笑いしているのを見て、頑丘を伺うと頑丘も苦笑いしていた。

115 :
珍しい雰囲気に、きょとんとなる。いつもの呼び出しなら既に怒鳴り声が響いている所だ。主上がふうっと息を吐き、机についてた腕を伸ばした。軽く伸びをする。
「こっちに来なさい」
呼ばれて近付く。椅子の横に立ち、慌てて跪いた。跪いてもまだ自分の方が視線が高い。やはり、小さい。そう思う。主上が自分に向き直った。
「手を出しなさい」
そういわれ、両方の手を差し出す。主上の手が触れた瞬間、引っ込めた。
「…なにしてんのよ」
主上の手が催促するよう目の前に差し出される。恐る恐るその上に手を乗せた。
「大きい手ね」
驚いたように言われ、また引っ込めようとして、主上の手が軽く握り込んでそれを止めた。
「…こんなふうに、あんたを見た事もなかったわね」
呟かれるように言われ、居心地が悪い。今日の主上はなんか、いつもと違う。
「あたしを見るの。」
床ばかり彷徨ってた視線を上げる事が出来ず、うなだれる。しばらく待っていたようだったが、もうっ!と呆れたような溜め息を聞き、首を竦めた。
「こっちを見る!」
ぺち、と両頬に小さな手を感じ目を見張る。そのまま、ぐいっと顔を主上の方に向かされ固定された。
主上の濃い色をした瞳が揺れる。揺れると思ったのは、自分が視線を合わせ切らず主上の顔を彷徨っていたからだとしばらくして気がついた。
「…大丈夫?」
頷く。顔に添えられた手がびんた以外に触れられた事が、じんわりと幸福感を胸に広がらせる。
「ごめんね」
驚いたあまり、目が丸くなった。丸くなった目から勝手に涙が零れる。主上が一瞬驚いた顔をして苦笑いした。
「あたし、あんたに冷たかったわね」
ぶんぶんと首を横に振る。赤鋼色の金髪が揺れた。
「…めっ、滅相もございません」
涙に張り付いた髪を主上の小さい指が退け、耳にかける。ふと、気がついたように、髪に触れた。
「…ここはたてがみになるんだっけ」
そう言われ、頷く。そう言えば、主上の前で転変はした事がなかった。主上は騎獣が好きで、星彩を乗りこなす。その傍らには駮が必ずいた。空に駆け上がる二人をいつも見ていた。
「…今度見せてね」
そう言って笑う。これは夢か?目眩がした気がした。
「ちょっと?!」
後にひっくり返りそうになった供麒に珠晶が慌てた声を上げ、背中を支える手で遠くなりかけた気を戻す。
「大丈夫か?」
肩から覗き込まれ、頷く。

116 :
その瞬間、珍しく頑丘が横を向いて吹き出した。
「頑丘っ!」
「すまん…」
肩が震え、供麒を支える腕も震える。
「お前、どんだけ怖がられてんだ…」
「だから、謝ったんでしょーがっ!」
頭越しのやりとりにきょとんとなる。しばらくして、珠晶が顔を赤くしたままそっぽを向いた。
「こんなに怯えさせてたなんて知らなかったのよ。」
手出して。そう言われ、また手を出す。珠晶の右手に左手を取られ軽く握られた。
「…小さい」
思わず呟く。自分の手の半分?力の込め方が分からず、載せる事しか出来ない。
「…今更、って気分だったら、どうしたらいいのかわからないんだけど」
珠晶がそっぽを向いたまま口を開く。手は相変わらず供麒の手を握り締めたままだ。
「…すごく、難しいのよ」
困ったように、口を開いては閉じる。いつも、歯切れのいい言葉しか出てこない口が珍しくて見入った。
「これから、仲良くしましょうで、いいんじゃないか?」
供麒の後に立っていた頑丘が口元を震わせながら声をかける。珠晶が頑丘を睨み上げた。人事だと思って!だが、頑丘の言葉に驚いた供麒はぽかんと珠晶を見た。
「私は、主上と喧嘩など致しておりませんが」
その言葉に、盛大に吹き出したのが頑丘で、珠晶は目を大きく開けて…顔を赤くした。
「良かったじゃないか仲直りできて」
「仲直りじゃないっ!だいたい喧嘩してないっ!」
はいはいと軽く頷きながら、頑丘の手が珠晶の寝間着を寝台に落とす。
「だが、不憫だったぞ。いつも、うなだれてた」
「だから!謝ったの!」
がるると唸り出しそうな珠晶に苦笑いした。
「髪下ろせ」
珠晶の手が後に回り、簪を抜いた。濡れたような緑の黒髪が珠晶の背中を隠す。
「ちゃんと、謝ったんだから!もう良いでしょっ!」
頑丘の肩に手を置いて睨み付ける瞳をにやりと笑いかけ、首を伸ばした。
「んっ」
不意打ちの様に口を塞がれ、珠晶がきゅっと眉を寄せた。頑丘の肩に置いてた手もきゅっと握り込まれる。
「よくできたと、褒めてるんだ」
「いきなり、しないで!」
八つ当たり気味に怒鳴られ笑う。
「照れるな」
そう言った瞬間、口を塞がれた。かつんと、口の中で音がする。んっ、と珠晶が痛そうに呻いた。
「歯を当てるな」
頭を自分からもぎ離して苦笑いする。

117 :
勢いも加減も知らない。
「痛くなかったか?」
指先を珠晶の口に入れ、どっか噛んだ所がないか調べようとする指に噛み付いた。
「…っ?!」
慌てて口の中から指を引き、指先を確かめる。犬歯の痕がついてる。
「お前は、獣か」
呆れたように軽く指を振って、そのまま珠晶の腰に回した。
頑丘の座った前に、立ち膝で立たされた珠晶が睨んでそっぽを向いた。
「騎獣みたいに扱わないで」
確かに。小さく笑って、背中に回した手で自分の方に抱き寄せた。
「悪かった」
謝られ、ようやく落ち着いたのか、珠晶の頭がすりすりと頑丘の肩に擦り寄せられる。その顎を捉えて、指先だけで促した。珠晶が顔を上げる。
「もう一度、だ」
歯が当たらないように、噛まないように。かぷと重なった唇に苦笑いする。苦笑いを感じて、不満そうに珠晶が目を開けた。
「なによ」
「俺からしていいか?」
「だめ」
再び、かぷ。口を塞がれ、息も出来ない。分かってるのかこいつは…面白くて眺めていると、ぷはっと離れた。
「息ができない」
だろうよ。口にすると延々かぷかぷとされそうだったので、指先で顎を捉えた。
「息は、鼻でする。苦しくなったら口を放せ。呼吸が治まったら、続ける」
それだけ言って軽く啄むように唇を重ねた。
目が覚めた時、利広がいなかった。帰ったんだとなんとなく分かった。でも、どうせ一年後ぐらいにひょっこりやってくる。お礼はその時でいい。
そう考えていた時、隣りで寝ていた頑丘が目を覚ました。
「おはよう」
声をかけて、一瞬面食らった顔をして…なんか痛そうな顔をした。
「…大丈夫か?」
そう聞かれ首を傾げる。
「…身体」
あぁ、そうかと頷いてちょっと膨れた。
「どこも引き裂かれてないじゃない」
はっ?と頑丘が面食らった顔をする。
「穴があいた感じはするわ。痛いもの」
穴…確かに…穴。頑丘が頭を抱える。
「でも、どこも腹わたなんて出てなかったわ」
「腹わたっ?!」
珠晶の言葉に、頑丘が飛び上がる。
「お前、何考えていたんだっ?!」
「妖魔に襲われた家畜」
あっさり言われ、頑丘の顎が落ちる。
「穴を開ける事を、引き裂くって言うのはどうかと思うわよ。だいたい、妖魔にしょっちゅう襲われた時期に生きていたんだから。引き裂かれると言うのであれば…」

118 :
言葉の正しい使い方を教えようとして、頑丘が天井を見上げたのを見て止めた。
「…見えない所が、引き裂かれてるとか?」
「いやいや…もう、そっから離れていい」
手で顔を覆ったまま、次第に口端が上がる。敵わん。多分、こいつには、生きてる間、敵わん。
ふと、珠晶の身体が寄り掛かって来た。二人して床の上にしゃがみ布団にくるまってる。
「どうした」
「どこにも行かないで」
この十日間辛かった。どこに行ったかと心配した。捨てられたかと悲しかった。
「わかった。」
肩に腕が回される。軽く引き寄せられ安心したように溜め息が出た。
「だが、お前も悪い」
「なにが?」
「台輔だ」
いきなり言われ、顔を上げる。まじめな顔に、まじめな話なのだと身を引き締めた。
「…俺は一介の杖身だ。政は分からん。だから、口出しもしない」
珠晶が頷く事もせず、頑丘の言葉を待つ。
「だが、お前は王だ。この国は王と麒麟がいないと成り立たない。」
そう言われ、顔を伏せる。自分が麒麟に対して取ってる態度は知っている。
「ちょっと、坊ちゃんだが、多分いい奴だ」
肩に回された手が優しく揺する。
「すぐにとは、言わん。だが、少しずつでも…」
そこで、なんと言ったらいいのか口ごもる。
「…かわいがってやれ」
言って間違えたと思った。珠晶もきょとんと頑丘を見上げる。かわいがってやれって…。珠晶が笑い出した。
「物凄い、頑丘らしいけど、物凄い不遜だわ!」
笑いが止まらない。頑丘ならではの言葉だった。頑丘のそっぽを向いた耳が赤い。
しばらく笑って、ふうと息を吐いた。…今回の事も、あの麒麟に聞いていたら何の事ではなかった。あの麒麟なら隠す事なく話してくれただろう。壁を勝手に作ったのは珠晶だ。
「ありがと。頑丘」
腕に頭を擦り付けて、目を閉じる。しばらくして、頑丘がぼそっと呟くように聞いた。
「…大丈夫か?俺で」
言ってる意味がわからない。珠晶が顔を上げる。
「ひどいことをした。…嫌ってもいいんだぞ」
痛そうな顔に笑う。身体に穴をあけた事か。
「それこそ愚問だわ」
そう答えた唇に頑丘の唇が重なった。
ふん、ふんっ、ふん…啄む感覚がお気に召したのか、軽く鼻歌混じりのように頑丘の唇を唇で遊んでいる。小さな獣がじゃれる仕草のようで、笑った。
「なによ」
「いや、その鼻歌止めろ。集中出来ない」

119 :
自覚はなかったのだろう。首を傾げる。
「気分がいいのかしら」
「そいつは、良かった」
今度は、頑丘が珠晶の唇を塞いだ。穴が開いた痛みが消えたのだろう。さすがに十日ほど辛そうだった。歩き難そうで、すぐ癇癪を起こした。
最大の癇癪は、穴をあけた物が道具だったと知った時だ。部屋中のものが飛んで来た。落ち着いたのを見計らって、玄君からの心配りだと聞いて座り込んで泣いた。
恥ずかしいのか、悲しいのか。わからずに泣いた。
その身体を抱き締めて、宥めた。今度はちゃんとしてやる。最初から全部だ。その言葉に肩に顔を埋めたまま泣いた。
「口、あけろ」
「どのくらい?」
「…ちょっとでいい」
しばらく、考えて、歯の間に舌先を挟んでそれがうっすら見えるぐらいに口を開けた。
「れくらい?」
舌足らずな言葉に顔をしかめる。意識してないはずだか、やることが一々…理性を堪えさせる。
「舌、引っ込めとけ。噛んだら痛いぞ」
白く綺麗な歯並びの間から、すっと赤い舌が消える。追いかけるように唇を重ねていた。
黒い髪が揺れる。珠晶の目が強く閉じられ、握り締めた拳が頑丘の肩を小さく叩いた。っは…という、息を吐き頑丘が唇を放す。二人の唇に銀の糸が引いた。その糸を頑丘が拭う。
「…どうした」
「加減…しなさいよっ」
「いるのか?」
素で驚いた顔に思わず赤くなる。ちゃんとしてやるというのは、頑丘の中でもちゃんと、なんだろう。子供扱いでないのは嬉しいが、なんと言っていいのか…。
「…加減じゃなくて…」
いきなり頑丘の勢いに巻き込まれる感覚に目が回りそうだ。
「…ゆっくり…して」
…だから、お前は…そう呟く声がして、また唇が塞がれた。舌先を絡み取られて、唇の裏側をくすぐられる。そして少し放された。
「かわいい事あんまり言うな」
「…わけわかんない」
意思疎通の難しさに、珠晶は泣き笑いをした。
頑丘の唇がようやく口付けに飽きたのか、離れた。ほう…と息を吐き出して珠晶は軽く身を捩る。捩った首筋に唇が当てられ、啄まれた。肩に髭が当たってくすぐったい。喉を震わして笑うと頑丘の動きが止まる。
「なんだ」
「髭がくすぐったい」
「我慢しろ」
再び啄み始める。それでも気にしたのだろう。肩に顎が触れない。珠晶の小さい手が頑丘の顎に添えられた。
「頑丘、好き」
「お前はっ」

120 :
いきなり、身体を放されてきょとんとなる。なんか叱られる様な事を言った?頑丘の手が珠晶の小さな肩を両側から押さえた。
「あのな」
「なによ」
いや…と、ふと頑丘が視線を逸らした。多分、こいつはなんも考えていない。自分の言葉で男の我慢が吹き飛ぶとか、なんも考えずにものを言っている。
「頑丘?」
下から覗き込まれ、少し腹が立った。どこまで翻弄する気だ。この小さな妖魔は。
「きゃっ?」
いきなり鼻に噛み付かれ、珠晶は悲鳴を上げた。
「なにすんのよっ?!」
「続きだ」
そう言って、また、珠晶を膝立ちさせるため、腕を回した。
「んっ…ふっ」
薄く盛り上がった程度の胸を丁寧に愛される。頑丘の肩越しに見ても、やはりなんか肉付きが悪くて嫌になる。
「そこ…いや」
珠晶の言葉に顔を上げた頑丘が不思議そうな顔をする。
「気持ち良くないのか」
そういう問題じゃないのだが。
「…つまんないでしょ?」
頑丘が首を傾げる。
「俺は充分楽しいが」
「…気を遣わなくていいわよ」
そこまで言われ、ようやく気がついた。この少女が言いたい事が。
「俺が楽しいって言ってんだから、素直に楽しませろ」
その言い方にかちんとくる。
「無理しなくて…っきゃっ」
大きく開けた頑丘の口に胸ごと吸われ、びくっとした。しばらくそうして、口を放す。
「すまんな。俺はでかい乳よりこっちが好みだ」
にやりと笑われ、珠晶が身体から力を抜く。頑丘の肩に身体を伏せた。
「好みが合ってよかったな」
「馬鹿」
頑丘の肩が笑いで揺れるのが悔しくて、背中に爪を立てた。
どれだけ唇と舌で愛されただろう。以前より深い波が続け様に珠晶の身体を襲う。
「おい」
半分、頑丘の身体に身体を預けたような状態で呼ばれ、うっすらと目を開けた。
「横になれ」
言われてずるずると寝台に横になる。惚けてしまっているのを見られて、頑丘が心配そうに見下ろした。
「眠いのか?」
眠いわけじゃない。ただ、熱いというか…波に飲まれてるというのか、雲の上というのか。
「…寝るか?」
「…や」
頭脇に置かれた頑丘の手を取る。
「約束、した」
最初から全部。
「徐々にでも、良いと思うが」
「や!」
頑丘の手に噛み付いた。がるると低く唸って、歯を立てた間の肉に舌を這わす。ざらざらする。よく働く手だ。

121 :
「分かったから…噛むな」
左手を珠晶に咥えられたまま、頑丘が苦笑いしてそばに置いていた壷を見せた。
「覚えているか?」
頷く事が面倒で、軽く噛んだ歯に力を入れる。一瞬眉を潜めたが、都合がいいかと続ける。
「多分、今日も辛いぞ」
目がゆっくりと覚醒してくる。瞳でなんで?と聞いた。辛いのは最初だと言われた。
「俺が…穴をあけるから…で分かるか?」
首を傾げる。
「小さいんだ、まだお前のは」
はふっと手から口が離れた。手の甲に綺麗な半円ができている。
「身を引き裂かれるほど痛くなければ、気にしないわ。でいい?」
腹わた…思い出し苦笑いする。怖いと震えたはずだ。だが、それでも堪えた。そういう少女だ。
「多分、狭い所をこじあけていく感じだと思えばいい」
「そうしたら、頑丘と全部できるのね?」
真摯に聞かれ、あまりの真摯さに愛しさが込み上げる。思わず額と額を擦り合わせていた。
「お前、本当にかわいい」
頑丘に初めて言われた言葉に珠晶がびっくりする。憎たらしいだの、餓鬼がだの、馬鹿だの憎まれ口しか知らないのかと思ってた。
だけど…多分、頑丘が忘れてることがある。
「頑丘、ついでに賢いあたしから言わせてね」
頑丘が、ん?と顔を上げる。珠晶の指が壷を指した。
「これ、感覚なくすから、頑丘が大変じゃないかしら?」
ぽかんとした顔に我慢ができなかった。笑ってはいけない事だろうと思うが、我慢すればするほど…腹が捩れる。あー、と頑丘が身体を起こした。
「笑いたきゃ、笑え」
遠慮なく。寝台の上を腹を抱えて笑った。
寝台の上で笑い転げる珠晶を見ながら、どうしたものかと悩む。確かに、微量でも痺れて感覚をなくした。ということは…やはり、珠晶のいう通りだろう。
まったく頭がいい。
知ってそうな事は知らず、一度学べば幾らでも応用を利かす。
「もう、いいか?」
被さるように珠晶の身体に伸し掛かり、顎を捉えた。んっ…と甘く息をして、珠晶が身体を頑丘に預ける。
「…どうするの?」
唇を放して珠晶が聞いた。分からない事があったら、わかる奴に聞く。でも…
「やめるのは、嫌よ」
「わかってる」
そう言って、唇を塞ぐ。波が戻って来る。
「自力でやるか…」
頑丘らしい言い方に、胸を反らして笑う。黒い髪が寝台に舞って美しかった。

おわる

122 :
>>111-113
愚痴スレ見てなかったから見てきた
成るほどね……

123 :
愚痴スレで話題になってんの?なんで…

124 :
十二冊目538最初の部分からネタを貰いました。
モブによる祥瓊輪姦陵辱につき要注意。

125 :
正体がばれて里府の牢に入れられた祥瓊は、それでも毅然と顔を上げていた。
この三年ですっかり窶れ、みすぼらしい衣服しか纏えず
手は老婆のようにがさがさに荒れてしまったとはいえ自分は公主。
理不尽な扱いをし続ける卑しい下層民になど、たといされても弱みを見せるものか。
萎えそうになる心をそうやって叱咤し、牢の入口から
どやどやと入ってきた男達を冷ややかに見詰める。
彼らは一様に憎々しげな顔で祥瓊を凝視し、床に唾を吐いたが
祥瓊は微笑さえ浮かべてそれを見た。
「まだ自分の立場が分かっていないようだな」
先頭にいた男が吐き捨てるように言ったが、無視するように牢の片隅を見やる。
その彼女の腕を男の一人が掴んだ。反射的に顔を強ばらせたものの
何とか虚勢を張ろうとした彼女の腰帯に、別の男が無造作に手をかけた。
「! 何を――」
抵抗する間もあればこそ。帯を乱暴に解かれ
継ぎの当たった粗末な襦裙を剥ぎ取られる。
とっくに傷んでいた布地は、荒い扱いに耐え切れずびりびりと破けた。
あっという間に生まれたままの姿に剥かれた祥瓊は、
何が何やら分からないうちに四肢を四方から引っ張られ
冷たい石の床の上で大の字にさせられていた。
まだ男を知らない少女の無垢な肉体の全てが惜しげもなく晒される。

126 :
何をされるかやっと悟った彼女が悲鳴を上げる前に
丸めた布が口に押し込まれた。
大勢でよってたかって足や腕を掴まれて、
股が裂けそうなほど大きく両脚を広げさせられる。
一糸纏わぬ白い裸体は匂うように男達を誘い、
牢で揺らめいてた仄暗い灯火が作る微妙な陰影は、
彼女を押さえ付ける男達の欲望を極限まで高めた。
貧しい生活にあっても若い乳房は張りがあり、腰は艶かしくくびれていた。
必に脚をばたばたさせて抵抗を試みたものの、四肢を押さえられていては
逆に腰を振って誘うような動きにしかならない。
むしろ脚を動かせば動かすほど瑞々しい茂みの奥まで晒す事になり、
中心にある淡い色合いの女陰が男達の前に露わになった。
それを見て激しい興奮とともに鼻息を荒くした最前の男が、もどかしげに
半袴を脱ぎ捨てると、巨根が隆々とそそり立つ下半身を剥き出しにした。
「最初は俺だ」
そう言って両腕に白い太腿をしっかりと抱え、祥瓊にのしかかるなり
中心の花弁に熱い肉棒を押し付けた。湿ったそこに先端が容赦なくめり込み、
男は喘ぎながらそのままねじり込むように強引に腰を入れた。
――いやああああぁぁぁ!
声にならない悲鳴が祥瓊の喉の奥で弾けた。
固くそそり立った熱い肉棒が、濡れてもいない狭い膣に
強引に押し入って最奥まで貫き、破瓜の激痛が彼女を襲った。

127 :
祥瓊は顔を背けながら激しく首を振り、処女喪失の衝撃と痛みとで涙を流した。
「へっへっ、締りが良くてなかなか具合がいいぞ」
きつい締め付けの抵抗を掻き分けるようにして
一度根元まで挿入した男は喘ぎながら言い、すぐ激しいピストンを始めた。
男が深々と突く度に祥瓊の体は波打つように大きく揺れ
豊かな乳房もたっぷりと揺れて男達の目を楽しませた。
祥瓊の鼻から布を詰められた喉の奥から悲痛な呻きが漏れる。
夢中で腰を振りながら「お、お、お…」と淫楽の声を上げていた男は、
程なく小さな叫びと共に精液を注ぎ込んだ。
大きく息をつき、巨根で深々と貫いたまま、
歪んだ笑みを浮かべて満足そうに結合部を見下ろす。
そうしてからようやく萎えた肉棒を引き抜き、すぐ横で同じように
下半身を剥き出しにして待っていた別の男と入れ替わった。
「まあまあ、良かったぜ。俺の物で多少広がっちまったろうが」
「お前のはでかいからな」
笑って答えた次の男も即座に祥瓊の女陰に自分の物をあてがった。
一度巨根を受け入れて強引にこじ開けられた花弁は既に濡れており、
今し方の行為の激しさを物語るように、破瓜の血で彩られた泡がついていた。
「女の罪人はな、処刑される前夜にこうして刑吏に犯されたんだ。
 俺の女房も十になるやならずだった俺の娘も、
 こうやって何人もの刑吏に一晩中犯されたんだ」
そう嘲りながら遠慮無く女陰を貫く。
繰り返し荒々しく打ちつけられる腰に祥瓊は成す術もなく呻き、
ひたすら首を振っては涙を流して耐えるしかなかった。

128 :
どれくらい蹂躙されていたのか。
男達は「おい、早くしろ。次は俺だ」と仲間を急かしながら
かわるがわる彼女を犯した。いったん子宮にたっぷり
欲望を注ぎ込んだ者も目をぎらぎらさせて下半身を剥き出しにしたままで、
犯され続ける祥瓊を食い入るように見詰めながら興奮に喘いでおり、
二回目三回目を待っていることは明らかだった。
祥瓊自身が望んだ姦淫ではないとはいえ、女陰からは
暴虐から肉壁を保護するための反射として大量に蜜が滴り、
二人目の男が激しいピストンを経て果てる頃には
早くも太腿まで潤沢に濡れていた。
更には時間が経って粘りを失った精液が逆流して奥からたっぷり滴り
祥瓊の下半身は自らの愛液と精液とが混ざり合った淫猥な液体にまみれた。
それは巨根も少なからずいた男達の挿入を助ける事にもなり、
祥瓊の負担を減らしたものの結合の際の
厭らしく湿った音が派手に牢内に響く事にもなった。
そして自分にのしかかる男がもう何人目かも分からなくなった時。

129 :
ネタも読んできた
リアルタイムに遭遇wktk
>>123
愚痴スレ見る限り
2ちゃんになれてない神がちょっと軽率なカキコをしてしまったので
煽りが1,2人流入してるってのが現在のこのスレの状況

130 :
何本もの熱く固い肉棒に貫かれ続けてしとどに濡れている膣の壁を
激しく擦られた瞬間、恐ろしいまでの快感が祥瓊を襲った。
ぐちゅぐちゅと厭らしい音が響く結合部から稲妻のような感覚が迸り、
背骨から脳天を走り抜け、痺れを伴った甘美な衝撃に
彼女は顎と背を思い切りのけぞらせた。
初めて味わう肉の悦楽。何人もの男に立て続けに犯された体は、
ひっきりなしに与えられた肉棒の威力に極限まで刺激され、圧倒され、
処女だったというのにとうとう絶頂に達してしまったのだ。
訳の分からぬまま快楽の渦に突き落とされた祥瓊は
生々しい性の快感によがりながら激しく首を振った。一緒に腰も。
「こ、こいつ、自分からケツを振り出した、ぜ。
 うっ、凄く締め付けてきやがる」
「そりゃあいい。随分淫乱な公主様だ」
「宮城でもこうやってお楽しみ遊ばしていたんだろう」
男達が上げた嘲弄の中、頭が真っ白になった祥瓊は腰を振り続けて
更なる高みを求め、女陰にくわえ込んだ逞しい肉棒を強く締め付けた。
そうして波打つように繰り返し大きくのけぞっては紺青の髪を振り乱し、
封じられた喉の奥で禁断の快楽に喘いだ。
いつまでもいつまでも。

131 :
「きゅうじょう」を「みやぎ」と読んでしまった
これは実に良いエロ

132 :
>>129
なんか変な流れだと思ってたらそうなんだ。
早く普通の流れになればいいんだが。

133 :
毎日投下乙です
第二書庫も更新されてる。乙です
>>132
軽率なカキコというか投下初期のような浮いたカキコを愚痴スレにもしてしまったんだ
まー終わったことだししゃあないね
早く普通の流れになればいいのには同意

134 :
> ID:owTM9hUw
> ID:d81FDnOi
おおっ! 寒い国へ旅行に行っていた間に二つも投下が
乙であります。GJであります。感謝であります
ところで愚痴スレとはなんぞや?

135 :
>>134
シィー それは自演厨のデンパだから触っちゃいけません

136 :
失礼、誤解があるといけないから付け加え
> ID:owTM9hUw
> ID:d81FDnOi
は乙です。GJですから

137 :
酔っ払ったらキス魔に変身しそうなのは?
陽子
六太
自分の中ではこの二人。

138 :
ストレス溜まるからって
あんまり誤爆スレで騒がない方がいいお

139 :
257 名前:闇[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 15:19:56 ID:KSVHtt2TO
電波な邪神より太鼓持ちどもがムカつく。
ジャイ〇ンリサイタルを絶賛する耳
肥溜めにダイブしても平気な鼻
豚の餌でも大喜びな舌
呂后タンにヒト〇タにされたら、歓喜で昇天するだろうなあいつら
さっさと駆除出来たらいいのに
863 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 13:50:41 ID:OXl/3VCB
SSソムリエ様なんて、とんでもない!よほどの地雷でなきゃOKだし、台本小説だってネタが良けりゃ楽しめます。
でも独りよがりの電波ポエムでジャイアンリサイタル状態じゃ、文句が出るわ!
しかも電波神の太鼓持ちがウジャウジャ湧いて、ギャーギャー喚いてんだからストレス溜まらない方がおかしい

140 :
ここで暴れるだけならまだしも、ほかのスレで暴れるのは止めてくれ。
愚痴スレの次は誤爆スレか…
頼むから空気読めよ。
早くいつものまったりした流れに戻ってくれ。

141 :
ここで暴れるな、迷惑だ

142 :
>>140
スレを荒らさないように他で愚痴ってんでしょ

143 :
>>142
ほかのスレから変なの連れてくんなってこと。
愚痴るなら愚痴るで十二国記って出すなよ。
便乗で暴れる馬鹿がいるし。

144 :
>>143
スレ名なんて出すわけないじゃない
KYな人は別にして

145 :
それと誤解があるみたいだけど自分は愚痴スレには書き込んでないからね
142はあそこに書き込んだ人がそう考えただろうって事

146 :
ここで暴れられなくなったから他で暴れてるんだろうよ
さっさとログ消すのを祈って後はほっとけ
愚痴スレにそれとなく()誘導しても擁護されてたのが気に障ったのかね
わざわざ持ってきて貼る人も貼る人だな。昨日までここにいた馬鹿が他で暴れてるの一言で十分だ
しかし何で両IDとも同じ言葉使ってんだろう

147 :
なんでもいいよ。
愚痴スレで>>191からみりゃ、わかる事じゃないか。
誰かが、あそこで、板名とIDを書いたんだ。あそこの>>1のルールに書いてあるだろうよ。板名晒すなって。
所場荒らしでもされたか?
似た年代なのかもな。読んでる本が一緒だったりしてな。
萌えどころ満載なんだろうよ。
黙ってSS投下するか、わくわくしながら待てよ。
お静かに。

148 :
多少マシになったけどまだ文体だけで特定できるな
わくわくして〜とか、流石に何様かと思うぜ職人さんよ

149 :
これか
うーぜー
> SS投下したあと、今日なんか読み手さん達が揉めてるのが、怖い。
ルールとか教えてくれたり、向上心をもてと言われるのは、ありがたいんだ。
でも、注意をしてくれた人に…なんで注意したんだ?って、ほかの読み手さんたちが詰め寄っているみたいで怖い。下手だから、批判されて当たり前って思っている分、身の置き所がない。
自分、投下するのが楽しみで仕方がないだけなんだけどな。
…なんもできないよ。口出すのもおかしいし。
気にせず投下はするけどねっ!ご飯たべるのより楽しいし。

なんか、怖くて愚痴らせてもらいました。

150 :
次のテンプレに少なくともスレ容量(500kb)の事と
やんわりとスレを占拠するなって2点は入れた方がいいと思う
SSの内容について文句付けるのは慎むべきだとは思うけど
スレッドは皆の共有物なんだからやはりマナーてもんがある
普通は空気を読むけど、空気を読めない読む気もない人には
明文化して1嫁とするしかなかろう

151 :
たまたま変わったのが来たからってそこまで反応するのもどうかと思いますが

152 :
やんわり占有やめてねというのは、連日投下はやめてねであってる?
連日投下禁止だとは、知りませんでした。
すいませんでした。

153 :
>>151
だって長期間居座る気らしいし

154 :
居座るも何も、誰か投下したい奴そもそもあの職人以外にいるの?
ずーっと投下無かった過疎スレなの忘れてないか?
あの職人追い出したらそれこそ誰もいなくなるぞ?

155 :
過疎ってるなか、ねちこいエロは読み手としては嬉しかった
他の職人さんが来なけれは連日投下しなくても占有とか言われるんだろうか?
容量だけでいい気がする

156 :
ずっと流れ見てると正直雰囲気悪くしてるの数人の愚痴スレかなんかから来た
煽りっぽいしな
今まで連続投下なんてざらだったし、その間に他の人が投下もしてた
>>152も作品以外の書き込み見てたら文体でバレバレだから投下したいなら
それのみに徹したほうがいい
ちょっと見ててあちゃーだった

157 :
>>152
連投禁止なんてルールは現在過去一切ありません
どうぞどんどん投下してかまいません
アホは無視して投下してください。みんな歓びます

158 :
この職人が言葉だけじゃなく本当に迷惑をかけた自覚あるんなら
時間を置いて文体変えて知らん振りして投下すればよかったんだよ
なのに自分で愚痴スレでスレを特定するようなカキコした挙句
スレを占有して空気読まない投下の連続
あおりだの何だの言われてもかまわないが
過疎ってた方がまだましだった
連投禁止とは言わないがせめて1本投下したら1週間位置けば
ほとぼりもさめるのに

159 :
ID:BwOGcQQ2は結局自分ルールを押し付けてイヤイヤダッテ言ってるように見える

160 :
>>158
本当に迷惑かけてるのはあんた
文体変えて知らん振りしてグチグチいってんのもあんた
スレを占有して空気読まないのもあんた
もうこのスレ見るのやめたら?
毎日毎日同じことの繰り返しだし、気づいた人が煽りのID貼って注意喚起するだけにして
いい加減無視しようよ

161 :
んだな

162 :
自演多いね

163 :
懐かしい…そう思った。雲海に浮かぶ雨潦宮。南に行くほど身体を包む空気の温度が上がる。慶が寒かったというわけではない。ただ、己の身体が…心がとても疲れて、冷えた。
外殿を飛び越し、後宮に向かう。今の時間なら、世卓なら庭に出ている。出ているはず。ほわんと王気が見えた。果樹園の一本の木の下でなにか考えている。
紅嘉祥…
我慢していたのが崩れた。あの下で笑った子供。小さな身体。
「世卓!」
空から降って来た声に世卓が弾かれたように空を見上げ…手を拡げた。転変してその腕の中に身を投げる。
金色の髪が宙を舞う。廉麟の細い身体と腕が世卓の身体にしがみつき、大きく喘いだ。苦しくて息が出来ない。悲しくて、息が出来ない。
「…泰麒がっ…泰麒がっ」
喉から出たのは悲鳴だった。なぜあの子が。なぜあの子を。なにがあそこまで!
世卓の袍子の背中にすがりつき、泣き叫んだ。堪えられない。悲鳴が止まらない。
袍子を握り締めた手の平が目茶苦茶に突っ張るように動く。
会っていかれませぬかと、縋るように見つめられた。お顔を見る事ができたから…なんて答えた!でも!
「なんと言えと?!よく戻ってくださいましたと?!」
あの子は今から、さらに苦しい現実を知る。片腕の軍師と…阿選の裏切りと、荒廃した戴。そして、行方が知れぬ王!
声が出ない。言葉すら出てこない。呼吸すらままならず、身体が小さく痙攣しはじめる。耳鳴りすらし始めた時、世卓の声が聞こえた。繰り返し、繰り返し…落ち着かせるように。
「…ゆっくり、息をする」
世卓の言葉が一粒の雨のようだった。
袍子を目茶苦茶に掻き回していた廉麟の手が、震えるように縋るものに変わる。
「…ゆっくり、息をして」
世卓も自分の呼吸をゆっくりと合わせるようにする。深く。深く…。背中に当てられた手の平が熱くて…。
廉麟はくうっ…と苦しげに喉を鳴らし身を捩って世卓の腕の中で泣いた。
どのくらい泣いたのだろう。嗚咽はしゃくりに変わり、小さく喉を震わす。
世卓が少し落ち着いた廉麟を見て、自分が着ていた袍子を脱いでその白く震える肩にかけた。
「…袖を通して」
言われた通り、ごわごわする生地の袍子に腕をいれる。そして改めて、世卓が廉麟を抱き寄せた。紅嘉祥の木の幹に背中を預け、軽く組んだ腕の中でしゃくりあげる廉麟を抱く。
廉麟は世卓の胸に手を当て、小さく震えた。いろんな物を見過ぎた。

164 :
呉剛環蛇を潜り行ったあの国はとても不気味だった。自分の姿も妖しく、傍らにいた延麒も違う物に見えた。無機質で、なにもかも固く、伐としていた。
あんな国で、生きて行けるものかと…怖かった。
そして、膨れ上がった怨詛、屍臭、血のけがれ…
「…息をするんだ」
思い出し、呼吸すら止まった。世卓が背中をあやすように叩く。促されるよう肩を震わし、廉麟は世卓の胸に顔を伏せた。
薄汚い袍子の中で身体を震わせて泣いている廉麟を見ていた。麒麟から転変し、裸のまま世卓の前に飛び下りて来るほど…辛い事があったのだと察した。
ふと、目の端に陽光に光るものを捉え、顔を向ける。廉麟の髪が何筋か紅嘉祥の枝に絡んでいた。髪が千切れなくてよかった。世卓の手が伸び、解こうとする。
「…いた」
「すまん」
髪を引っ張られる感覚に顔を上げた廉麟に、痛かったかと驚いた顔をして。ようやく…顔を合わせる事ができたと、二人して深く溜め息を吐いた。
「…ひどい顔」
池に映った顔を見て、廉麟は溜め息を吐いた。こんなに大泣きしたことが今までにあったかと考えてしまう。
顔が一回り浮腫み、形の整った鼻が赤い。やや切れ長の目も腫れてひどい状態になっている。
池の水で顔を洗い、ようやく落ち着いて息を吐いた。
「…ほら」
世卓から手拭いを渡され、顔を拭ってしかめっ面をする。
「ちゃんと洗ってらっしゃいます?」
おっといけない、と取り返そうと伸びた腕を軽く叩いた。手にした手拭いを池に落として揉むようにして洗う。
「…本当に」
廉麟が、ぶかぶかの袍子に身を包み袖を邪魔そうに折り曲げて手拭いを洗う。
「私がいないと…」
「いないと困る」
廉麟の横に座り込み、目を見開いた廉麟の横顔を見ながら世卓ははっきりと言った。
ぽつんと、池に滴が落ちる。
「…本当ですか?」
声が震える。世卓のごつごつとした手が廉麟の小さな頭に乗せられた。
「おかえり。待ち遠しかった」
…早く戻って差しあげないと、主上も困っていらっしゃるでしょう…
そう言って、ここに帰って来た。戻って来た。
「ふっ…えっ…」
濡れた手拭いを堅くにぎりしめ、今度は子供のような声を上げて泣いた。
手を引かれ歩く。足の裏に草が柔らかい。袍子の前を掻き合わせて世卓に手を引かれ歩いた。

165 :
「疲れたろう。どうする自分の部屋に戻るか?」
そう聞かれ、足を止める。手を引っ張られ、世卓も足を止めた。
「…なんだ」
俯いたまま、口をへの字に結んだ廉麟の顔を覗き込む。
「わかった」
また、軽く頭を撫でられて。世卓は自分が寝泊まりしている小屋に向った。
「言っとくが、散らかってるぞ。誰も注意しなかったからな」
がらりと引き戸を開け…廉麟は目を見開いた。
「まあっ?!」
鋤に、鍬に、荒縄に桶に柄杓。足の踏み場もない。奥に本当に申し訳ない程度に薄い布団が万年床状態で敷かれている。
口をぽかんと開けた廉麟の顔を見て、なぜか自慢するように笑う。
「一度も片付けなかったら、こうなった。」
「一度もっ?!」
いつもの調子の呆れた声を懐かしく。世卓が気持ち良さそうに笑った。
結局、世卓の部屋では休む事は無理と判断し二人して廉麟の私室に向った。毎日沐浴する習慣をつけてる世卓と共に水場に行く。
「冷たくないか?」
足先を入れ首を振った。袍子を脱いで畳む。世卓が脱ぎ捨てたのを拾いあげ溜め息を吐く。
「こうやって散らかっていったんですね」
「そうだな」
良く日に焼けた背中が笑った。
「片付けようとするんだが、どうもいけなかった」
豪快に水飛沫を上げながら世卓が笑う。
「いつの間にか、あの木の下にいた。」
あの木の下…
「紅嘉祥…ですか?」
お?と驚いたように振り返る。
「実がついてないのに良くわかったな」
世卓の隣りに身体を沈め、小さく頷く。金色の髪が波紋のように水に浮かぶ。
「…泰麒が、あそこに」
「うん」
世卓が空を見上げ少し昔を探る顔をする。
小さなお子だった。黒い髪に黒い瞳で周りにいる大人たちにどうしたら良いのだろうという顔をしていた。
手伝っても手伝っても、まだ自分は邪魔じゃないかと不思議なぐらい己を軽んじていた。
自分の存在はいったいなんだろう。
そういう話をするには、まだ小さいと…
「ん?」
手に指を絡ませる感覚に廉麟を見る。廉麟が寂しそうに、水面を見ていた。
「…しばらく、お側にいてくださいね」
離れていた時間を埋めるように。世卓が指が絡んでない方の手で頭を引き寄せ自分の肩に押し当てた。
久しぶりの自分の部屋にやはり安堵する。寝間着に着替え改めて世卓と向き合った。

166 :
> ID:BwOGcQQ2
消えうせろ。妖魔どころかゴミ虫レベルだ

167 :
「時間がかかりました」
「うん」
世卓が酒を口にしながら廉麟の話を聞く。
「泰麒は…戻られたのですが」
角を失っている。自分の角が無いなど想像したことすらなかった。これからどうなるのだろう。
「飲むか?」
盃を差し出され受け取る。甘い香りがする。
「なんです?」
「今年の紅嘉祥の実を酒に漬けてみた。桃程甘くないが…」
一口飲んで、溜め息を吐く。胸に染みる。なんだか久しぶりに喉を通ったものの気がする。
「悪くはないな」
「ええ。おいしい」
褒められて世卓が笑う。つられて廉麟も笑った。
「また、来てくださる」
世卓が盃を廉麟から受け取って呟いた。
「あのお子なら」
世卓が思い浮かべるのは、ここに来た泰麒だ。
「…成長されてました」
痩せ細った腕。無残な髪…それでも、成獣した強さ。
黒麒だからか。
「…うん」
感慨深げに盃をあけ、世卓が椅子を立った。
「おいで」
手を差し出されて、廉麟が少し顔を赤らめる。
「独り寝は寂しくてな」
軽い口調で言われ、小さく笑う。だが、自分も寂しかった。氾麟が羨ましくなかったと言えば嘘になる。
主上のお側にいたい、ただそれだけなのだ。「本当に、主上は」
仕方がないと伸ばした手に手を重ね廉麟は立ち上がった。
寝台の上で、世卓の胡座をかいた上に座る。世卓に軽く腕を回されその肩に頭を凭れさせた。
「…寂しかった」
「うん」
大きく武骨な手が優しく髪を撫でる。
「寂しかったですか?」
「うん」
胸の底から温かいものが広がる。やっと帰ってこれた。暖かい日だまりのような世卓のそばに。
「少し、やつれたな」
「はい…」
疲労はひどかった。だが、泰麒を見つけたら吹き飛ぶと思ってた。だが…そばに寄れないほどの怨詛と屍臭と…。
「今日は、休むか?」
気遣われ、小さく首を振った。世卓に暖めて欲しかった。冷えきった心を。
頭をずらし、世卓の少しかさついた唇に啄むような口付けをする。
放れたら、世卓の唇が重なった。
紅嘉祥の香りがする…。爽やかで、少し切ない。
「主上…」
「ん?世卓と」
言い直され、顔を赤らめた。
「…世卓」
「うん」
名前を呼び、また唇を重ねる。世卓の軽く開けた唇の間から小さく舌を差し込む。固い歯に触れ、少し動きを止めると世卓が舌先で迎えに来た。
「ん…」
目をつぶり、世卓の肩に手を置いて口付けに集中する。

168 :
舌先を包まれて、解放されて軽く歯を押し当てられる。
「んっ…」
世卓の手が廉麟の帯にかかり解いた。そして自分の着ていた寝間着も脱いでしまう。
野良作業で堅く鍛えられた身体。鍬をふるい、種をまく太い腕。
その身体が好きだった。
「んっ…ん」
廉麟が口付けに夢中になり世卓の顎に手を添えて舌を絡める感覚を楽しむ。
世卓がゆっくりと白い背中を撫でていた。大きな手…。優しい手…。
「世卓…」
溜め息と共に名前を呼ばれ、世卓が軽く微笑む。
「もう少し」
世卓に誘われて、引き寄せられるように再び口付けた。
小さな舌が口の中で遊ぶ。伝った唾液にも気がつかない様子だったので指で拭った。
熱い息が、廉麟の唇から漏れる。形の良い顎に唇をずらすと軽く喘いだ。
「世卓…」
頬にかかる金髪を耳にかけてやり、そのまま、耳に口付ける。外耳を啄み、薄い耳朶を唇で挟み、噛むようにしようとして、廉麟の手が止めた。
「耳飾りを」
「お…すまん」
廉麟の手が耳朶を飾っていた玉を取る。
「…耳飾りごと、食べるおつもりでしたか?」
笑われて、苦笑いする。
「なんか、邪魔だなとは思ってた」
耳飾りを手渡され、背中越しに枕元に置く。
「食べてしまったら大変ですよ」
「腹壊すかな?」
二人で笑い、やり直しとばかり軽く口付けた。
世卓の唇が耳朶で遊んだあと、喉に移動する。
「ん…」
世卓の太い首に軽く腕を絡ませ、世卓が首を愛撫しやすいよう軽くのけ反る。
世卓の指が皮膚の下の骨の並びを確かめ、その後を唇が追う。
「気持ちいい…」
うっとりと呟いた廉麟に笑う。鎖骨を舌先で遊ばれ、唇で挟まれる。
「私も」
廉麟の声に世卓が顔を上げる。その顔の瞼に唇を当てる。瞼の下で世卓の目が動く感覚が不思議。目尻を舐め、世卓の耳に唇を寄せる。夏日でも外に出て日に焼けたのだろう。赤くなった耳を優しく噛んだ。
そのまま、耳の下の窪みに舌を這わせて耳朶を口に含む。世卓がくすぐったそうに首を竦める。二、三度舌先で転がすようにして放した。
見計らって、世卓が廉麟の身体を寝台に横たわらせる。背中に回された手の平が優しい。
「世卓」
「ん?」
名前を呼び、返事が聞ける距離。
それが嬉しかった。
「いっぱい…して」
ちょっと驚いた顔の世卓に笑う。

169 :
「ね?いっぱい…」
廉麟の手が世卓の顔に添えられる。ふーむと世卓が唸った。
「頑張ってみる」
そう言われ、笑った。
世卓の手の平が、廉麟の脇腹に当てられ、顔が落ちて来る。
鎖骨を唇でなぞられて、軽く廉麟が身を捩った。世卓の手の平が廉麟の胸を優しく包むようにして揉む。疼痛が甘いものに変わっていく。廉麟は軽く目を閉じ甘いものを追う。
「…世卓…いい」
世卓の片足が、廉麟の足の間に差し込まれる。廉麟の足がすがりつくように絡まった。
世卓の唇が胸の尖りを口に含む。唇で挟まれ、歯を押し当てる。舌先で転がされ、廉麟の身体が軽く反った。
「…こっちも」
廉麟の呟きに、世卓が唇を放す。尖りが唾液に塗れ卑猥に揺れた。
同じように、手の平で包み、唇を寄せる。廉麟の手が世卓の頭に添えられる。唇の中で遊ばれて震える。
廉麟の唇から甘い声が上がり出す。
「指で…して」
唇で遊ばれてない胸の尖りが寒そうに震える。世卓の手が親指と人差し指の腹で優しく摘み込んだ。
「あぁ…」
両方の胸を愛撫される感覚に身体が寝台の上でゆっくりと動きだしていく。
「…甘い」
世卓から与えられる甘い快感が身体を満たしていく。
世卓の指先が下方に伸びた。臍の辺りをくすぐる感覚に、世卓の足に絡み付けていた自分の足の力を抜く。
「…あ」
世卓の足が離れた時、その間に冷たい糸ができ、それが切れ伝った感覚がした。
世卓が指先を滑り込ます。胸だけの愛撫で既に伝うほど濡れた秘部を恥ずかしがり顔を軽く背けた廉麟を、宥めるように髪を撫で、耳朶をくすぐる。
「こっちを向いて」
腕を頭の下に差し込まれ、笑われる。
「顔が見えない」
顔を赤くして、世卓の方に身体を向けた。世卓の唇が髪の生え際に口付ける。
目を閉じ、世卓の唇と指を感じる。指が動いた。
「んっ…」
軽く眉に皺を寄せたのを宥めるように唇が当たる。
「痛い?」
指先だと、畑仕事で荒れた感覚が痛いかと、指の背にかえる。
人差し指の背でくすぐる。甘い声が漏れた。
「大丈夫か?」
「…いい」
廉麟の唇が甘く息を吐きながら震える。指の背が、秘芯を探り宥めるように二、三度くすぐる。
「ふあ…っ」
唇を軽く開け、喘いだ廉麟の顔を愛しそうに見つめる。
「強い?」
刺激が強いかと聞いたら、廉麟が首を振る。

170 :
「…いい」
廉麟の腕が、世卓の腕にしがみつくようにして顔を肩に埋めた。
「もっと…して」
指が動く。堪えきれず身体を捩った。指の背が幾度も秘芯をくすぐる。
「ぅんっ…んっ」
甘いものが熱いものに変わる。廉麟の身体に汗がうっすらと浮かんで来る。
「…く…」
熱を堪える。足に力が入り、足の指先が開いたり閉じたりする。
世卓の指の力が増す。少し押し上げるような動きに、強く世卓の腕を抱き込んだ。
力加減が変わり一瞬、甘い疼痛が走る。でもそれがまた、鋭い熱に変わる。
「世…卓…」
世卓の手が、宥めるように頭を包む。
「おね…がい」
頭に当てられていた手が身体に回される。
指が動きを増す。足に力が入りっぱなしになる。
「きつく…きつくして」
廉麟の身体に回されていた世卓の腕に力が入り、きつく廉麟を抱き締めた。
ぎゅっと抱き締められた身体に鋭い快感が走る。
「あ…」
突き抜ける快感に嬌声を上げ、身体を突っ張らせた。
荒い息を吐き、身体が震えるままに快感を追う廉麟を見ながら、少し休ませる。やや頬がこけてしまっているが、身体の疲労より心が疲れたのだと思った。甘えたいのか…。
世卓の手が優しく頭を撫でる。
「…世卓」
落ち着いたのか、声をかけられ顔を見る。
「ん?」
廉麟の手が世卓のに触れ、離れた。
廉麟の耳が赤い。ねだる仕草をしたことが恥ずかしかったのだろう。世卓はこめかみに唇を当てた。
「いいよ」
廉麟の柔らかい白い手が、なにか熱いものを触るように触れる。ただ、手を添えられただけなのに世卓の中で熱いものが生まれる。
「…世卓?」
伺うような声に目を閉じて、笑う。
「続けて」
廉麟の髪に顔を埋め、久しぶりの香りを胸いっぱい吸い込む。空を駆けて来たのだろう…日向の香りがする。
細い指先が少し迷うような動きをする。上になぞり、下になぞる。久しぶりの感覚にそれだけで、血が集まる。自分の手の中で固くなったものに力を得たのか、廉麟の指の動きがやや良くなる。
気がつけば、廉麟が顔を見つめていた。
「ん?」
どうした?と目で聞くと、廉麟が小さく笑う。
「…なんか、我慢してる」
廉麟の指が作る快感を堪えているうちに、しかめっ面になっていたらしい。世卓が苦笑いして、廉麟を引き寄せる。
「そろそろきつい。いいか?」

171 :
廉麟が頷く。世卓の指が、再び廉麟の秘部に触れた。廉麟が深く甘い溜め息を吐いて力を抜く。
世卓の指が、秘裂を探り秘壺を捉える。指が差し込まれる。
「う…」
軽く呻いて目を閉じた。指が潜る。中を掻き回すように動き、きつさを確かめる。
はあっ…と熱い息が漏れる。
「大丈夫よ…」
「ん」
分かっていると、唇を当てながら指が増える。二本…さすがに身体が震えた。一度、柔らかく包み込むように動いた内壁に廉麟が恥ずかしがって世卓の胸に顔を埋める。
内壁が解けるのを待って世卓が少し指を開く。押し返すようなきつさはあったが…奥からこぽりと溢れた愛液に大丈夫だろうと指を引いた。
世卓が、腕にしがみついていた廉麟を優しく解いて身体を起こす。廉麟が迎えるように身体を仰向けにした。
寝台を舞う太陽の光のような金の糸。その髪に縁取られ廉麟が微笑む。手を伸ばされて、指を絡めた。
「世卓…」
「ん?」
覆いかぶさって来る世卓の背中に片腕を回す。堅い背中。肉付きのいい肩。そばにいる。それだけで嬉しい。
世卓が身体を沈める。身体にのめり込むような感覚に震える。
ゆっくりと、沈み、身体を隙間なく密着させる。
世卓の身体の重さが嬉しい。気がついたら、涙が伝ってた。世卓の唇がそれを拭う。
「きついか?」
いいえと首を振り、軽く身体を揺すった。動いて…とねだる動きに世卓が笑う。
ゆっくりと身を引き、窄まる内壁をまたゆっくりと拡げていく。
先程の鋭い快感とは違い柔らかくでも深い快感。
廉麟の息が上がる。気付かぬうち、渇いた唇を小さな舌先が舐めた。
「熱い…」
世卓が起こす律動が熱い。世卓の息も軽く弾んで来る。
廉麟の指が世卓の背中を掴むように動く。指先に力が入る。
「世卓…熱い」
返事はなく、胸元にぽた、と何かが落ちた。うっすらと目を開けると、またしかめっ面をした世卓がいた。顎から、汗が落ちる。
「世卓」
揺さぶられながら名を呼ぶ。呼んで触れられる近さ。
「世卓っ…」
声がとまらない。喘ぎが喉を反らせ、熱さと苦しさで悶えた。大きな快感が来る。その予感に震えた。
「世卓…も…」
一緒に…。世卓が荒い息を吐きながら小さく笑う。聞こえたのだと安心して、熱に身をゆだねる。

172 :
だめだ、こいつ…

173 :
深い所から、せりあがる快感に廉麟の絡めた手が寝台を跳ねる。
「あ…うっ…」
喉が反ったまま硬直する。背中が弓ぞりになり震えた。
深い…
浮いた廉麟の腰を腕に抱き世卓はあらんかぎりの力で廉麟を自分に引き寄せ、胴を震わせた。
甘い香りのするものが唇を伝う。
暗く沈んだ底から急速に意識が戻った。
喉を伝った酒が気管に入り咳き込む。慌てて、世卓の手が背中を擦った。
「すまん。大丈夫か?」
盃を片手に心配そうに覗き込む世卓に、けほけほと咳をしながら、頷く。
身体を起こした廉麟に安心したように溜め息を吐いた。
「驚いた。どうしたのかと思った」
心底驚いた顔に、廉麟も首を傾げる。気がついたら、身体に寝間着がかけられていた。
「ど…うしたんでしょう」
言葉をだそうとして、喉のひりつく感じに咳き込む。
「事切れたように、ひっくりかえったんだ。呼んでも答えないし、揺すっても起きない」
まいったとうなだれた世卓に、悪い事をした気がしてその膝に手をかけた。
「ごめんなさい…私もよくわからないわ」
どの段階で意識を無くしたのかもわからない。
事の最中に、意識を失った事など今までなかったのに。
「疲れてたんだな」
そう言われ、廉麟は俯いた。膝に置かれた手を軽く世卓に握られる。
「寝るぞ」
そう言われ、促されるように横になった。世卓の手が布団を引き上げる。
胸に抱き寄せられて、世卓が廉麟の頭に顔を埋める。
「しばらくゆっくりしたらいい。大役ご苦労だった」
世卓にしては珍しい王のような言葉に吹き出す。
「なんだ?」
「休む間なんかないです。あの小屋、どうするおつもりですか」
言われて、うーんと悩むような声を上げる。
「片付けないと駄目だよな」
「駄目です」
困ったように世卓の手が廉麟の頭を撫でる。
「手伝ってくれるか?」
まったくもう。この人は。廉麟は声を立てて笑って頷いた。安心したように世卓が身体から力を抜く。一人であの小屋をと考えて気が重かったのだ。
「ついでに、洗濯物も出してくださいね」
寝たふりをした世卓にまた笑った。
おわる

174 :
>ID:nCPt0Y7Z
いゃ〜大変申し訳ありません。画面更新してなかったから
投下が始まっているとは思わんかった。途中でジャマしてゴメンナサイ
廉麟と世卓もの乙であります。GJ!であります。いいわ〜

175 :
GJ!

176 :
GJ!まさに理想の二人!

177 :
GJ!

178 :
GJ!
と言いたいが冬栄読んで世卓の口調を確認して次は生かしてくれ
最初の廉麟の台詞は多分ミスだよね

179 :
短い間でしたがGJとか沢山ありがとうございました。
とっても楽しかったです。
これからは自分のサイトで書いていこうと思います。
古参の方たちお世話になりました。
おやすみなさい

180 :
>>179
はい、さようなら。帰ってこないでね

181 :
そいつ別人だろw

182 :
なにここ〜恐い〜

183 :
そして荒廃が始まる…

184 :
>>180
スレに有害なゴミだから、オマイが永久に帰ってこないでね

185 :
>>178
>>180
エラそうに職人さんの投下を批評しているが
さぞかしお前たちは立派な作品をかけるのだろうな
投下して、ゴミでないことを見せてくれ
ちゃんと名前欄に入れてな。まってるぞ〜w

186 :
ここ最近ずっとロムってたけど、
どちらの立場にしても発言が極端だと思う
投下する人を必要以上に叩く必要はないが、投下する人を必要以上に崇める必要もない
何事もほどほどが大事だろう
>>178の指摘は妥当だと個人的には思う

187 :
>>163
GJ
>>178
マジレスワロスだったらあれだが、
職人さんによる意図的なものじゃね?>世卓の口調
廉麟の台詞だって「主上」を言い直されるシーンがあるじゃんよ>>167
二人きりだと男と女になる空気が現れてて自分はドチドチしたぞw
冬栄と違うって言うけど、あんときは幼い泰麒に対するものもあったかもしれないわけで
この世卓は廉麟にだけ男っぽさを見せるようで良かったと思うな〜
自分の場合はそう感じたし、>>178さんも一意見ってことでいいんじゃね

188 :
360 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/02/12(土) 00:48:38 ID:1xCWfE1e
なんかなりすましみたいな事された…
自サイトに書くからもう来ないとか書かれてた…
ID違ってたから私じゃないって分かってもらえたけど…
でも何か雰囲気悪くなってるし…
私が何か言った方がいいのかな?
どーしーよーうー(涙)
謝るべき?
でも、投下するのすっごく楽しいんだ
GJって言ってくれる読み手さんもいるし頑張るぞっ
愚痴ったらちょっとスッキリ
おやすみなさい

189 :
マジレスすると、トリップ付けたら?
名前欄に#○○って入れる
○○部分は好きな文字列、例えば俺の名前のは「#十二国記」って入れてる
ばれたらなりすまし余裕だから注意しろよ

190 :
別人だったか。よかった
わからないところあったら「トリップ 2ch」で検索して
初心者の質問板にトリップテストというスレがあるからちゃんとでるか心配だったらそこで試してね

191 :
後は今やってるのか知らんけど他スレで愚痴やら雑談やらしないことだな
そこから変なの呼んでるみたいだし
文体がわかりやすいから尚更騙られやすい
住民に迷惑かけたくないと思うならこれやめるだけでも効果あんぞ

192 :
>>191
その理屈はおかしい
愚痴るの勝手だろ。変なのが悪いだけだ
その理屈は、犯罪があったときに加害者ではなく
被害者の方を「襲われたお前が悪い。隙があるからだ」
と非難するのと同じスタンスだ

193 :
>>192
あのスレ関連覗いてみたけど妙にイラついてる連中多いから言わないほうが得策
わざわざ火の中に飛び込まなくてもいいって意味
この職人さんあまり立ち回り上手くないようだから

194 :
何かもう普通の流れに戻って猥談でもしようぜ。
じゃあまず、泰騏キュンの筆下ろし相手について討論でも。

195 :
廉麟だな

196 :
李斎に一票
捕まって牢屋に入れられて明日首が飛ぶかもしれない生活
最後にせめて良い思いをさせてやろうと李斎は…

197 :
李斎だとするともっと昔の可能性がw

198 :
普通に考えると広瀬の魔手に、このスレの守備範囲から外れるけど

199 :
そういやホモは違うのか

200 :
蓬山ですましていれば
♀とは蓉可、♂とは景麒でしょう


201 :
陽子か祥瓊か鈴がつまみ食いした可能性が

202 :
>>189>>190
多謝

203 :
かたんと、音がした。
兵士として身に染み込んでいる習慣として、深い眠りから、一瞬で覚醒する。
寝台の脇に置いてある木棒を引き寄せる。剣でないのが歯痒いが、この慶国の金波宮に辿り着いた際、行方が分からなくなった。多分、取り上げられたのだ。そういう状態で状況だった。
左手で一度、軽く握り重さを確かめる。そして逆手で持ち直した。抜きの形ならこの持ち方の方が相手に与える衝撃は大きい。
ただ、利き腕と違うためどれだけの事が出来るかとも自嘲するが。
こと…再び音がする。
耳を澄まし、音がする方向を探る。どこだ?部屋の奥の扉の向こうには泰麒がいる。
その泰麒だけは、守らなければならなかった。既に武人として無力であろうとも。
景王襲撃の際の己の無力さに砂を噛むような気持ちになる。泰麒から、戴に戻るという決意を聞き、隙を見ればこの木棒を振った。
利き腕ではない。感覚も、力の入れ方も怪しい。まるで、子供の遊びの様な動きに腹が立つ程悔しく、悲しかった。この動きが、将軍だと言われた己かと。
「…李斎」
名を呼ばれ、身体に込めていた力を抜いた。泰麒の寝室に当てられてる部屋の扉が小さく開いた。そこから細く、だが子供の面影はない手が覗いている。
「どうなさいました」
寝台から足を下ろしながら聞く。声をやや低める程度で気にしなくて良いのは、泰麒が静かに休めるよう、太師の邸宅の一番奥の客間だからだ。
寝間着に椅子にかけていた上着を肩にかけて、扉に近付く。
「…なにかお探しですか?」
扉の前で足を止め、何気に身体を屈めようとした自分に苦笑いした。泰麒は既に身を屈める姿勢がない程に成長している。
泰麒もそれに気がついたのか、少し笑った。
「…ごめんなさい。起こしてしまいましたか?」
「いいえ、起きて考え事をしておりました」
するりと嘘を吐く。ああ…この癖も抜けない。反射の様な嘘も、苦く李斎は自嘲した。目の前にいる泰麒から言われた事だというのに。泰麒にとって都合の悪い事を言わない。
だが、夜の闇のおかげだろう…泰麒は李斎の言葉を本当だと捉え、よかったと呟いた。
「…夢を見て」
言葉を続けようとした泰麒が寝間着のままだということに気がつき、李斎は押しとどめた。

204 :
「中に入ってもよろしいですか?」
泰麒はようやく歩ける程に回復したばかりだ。夏だとはいえやはり、細い肩が闇に浮かぶと心許無い。
泰麒が扉を開いた。李斎が軽く頭を下げ中に入る。
泰麒は部屋の中央に立ち、困ったような悲しいような…寂しいような顔をして立ち竦んでいた。
「泰麒…寝台へ」
李斎に声をかけられても、泰麒の目が何か探すように部屋のあらゆる影を追う。
「泰麒…」
李斎の手が手に触れて始めて気がついたように李斎を見た。
「夢を…」
李斎が頷く。手を軽く引き泰麒を寝台に促すと今度は、大人しく李斎の後をついてきた。泰麒を布団に横たわらせ、喋りやすいように枕を背中に当ててやる。そして、李斎も寝台に腰をかけた。
泰麒が手を差し出して来る。なにか…探しているような動きに、李斎はためらいながらも自分の左手を重ねた。
泰麒の視線がやはり、部屋を彷徨い…しばらくして、諦めたように俯いて重ねられた手を見た。
静かな沈黙が二人を包む。灯が消され窓から入る月明りの中で、角を失った麒麟と片腕を無くした将軍が寄り添うように影を作る。
しばらくして、ようやく泰麒が口を開いた。未だ血の色は薄く、顔色は悪い。
「夢を見て…」
「はい」
汕子が…。泰麒がそう呟いて、李斎は一瞬思考を巡らした。汕子?…誰だ?自問して、解を得る。女怪のあの白い肌を思い出す。泰麒の女怪。
「…どうなさいました」
確か、使令達は取り上げられた。あの滝の間でそう言われた。
西王母に。
泰麒が、影に霞むように笑った。
「蓬廬宮の夢を見てました」
顔を筋張った青年の手で覆う。
「汕子が…笑って、泰麒と」
李斎の手が重ねた泰麒の手を包む。
「泰麒」
「帰っててきたのかと」
だから、探していたのだろう。部屋の中のありとあらゆる影を覗いて。
そして、立ち尽くしてしまったのだろう。いない事を確かめてしまって。
「…休めますか?」
李斎の声に、一度肩を震わせ顔を上げぬまま頷いた。短く刈り込まれた髪が震える。泣いておられるのかと顔を覗き込もうとして、顔を背けられた。
「大丈夫です。…起こしてごめんなさい」
泰麒の言葉に何も言えないまま、李斎も俯く。嘘が、ばれている。己の小ささに身の置き所がなかった。

205 :
「…行ってください」
そう言われ、立ち上がった。重ねていた手を放そうとして、瞬間強く握られた。驚いて、見返すとすぐに手を放された。
「ごめんなさい…」
泰麒に暗がりで呟かれ、李斎は深く頭を下げた。
そして、その夜から泰麒の贖罪が始まった。
汕子がいた。笑って岩の間を走り抜けて行く。待って!と声を上げた己の手が小さい。
違う。夢だと。
汕子が立ち止まる。不思議そうに首を傾げ歩み寄るその手に…首。
母さん…
怯えて、振り返る。身を翻し逃げようとして、足元…
血だまりの中の弟。
「…だめだ…」
既に事切れている弟の首が落ちる。
「やめるんだ…」
夢の中が歪む。己の姿は今。
弟の首が転がる。閉じられた目が、見開く。
お前のせいだ
わかっている。己のせいだ。
お前のせいだ
そうだ…自分のせいだ。だから…
「やめろっ!傲濫!」
弟を食べるな…
飛び起きた。激しい動悸に身体を起こした瞬間、目眩がする。身体を支えられず、寝台に倒れかけて支えられた。
息が荒い。気がついたら、身体中が濡れていた。なんだと思ったら額を伝う感覚に汗だと知る。
なんだ今のは…なにを見た…
吐き気が込み上げた。思わずえづきかけて、目の前に手の平が差し出される。
「…大丈夫です」
己の手の中に吐けと言われ、始めて独りでないと知った。
「お戻しになるなら、ここに…」
口元に上がった胃液を飲み込む。口の中を焼く酸に涙が浮かぶ。また、えづく。
「泰麒、大丈夫です」
大きく首を振った。口元を押さえ、飲み込もうとして…目の前に、李斎の上着が投げ出される。
「大丈夫です」
さらに手を差し出されて、涙が落ちた。
胃液しかないものを堪えきれず吐き出した。
「…ごめんなさっ…いっ」
己の手も、李斎の手も吐瀉物で汚れた。背中に当てられた、李斎の残肢が心配ないというように叩く。
「もう、大丈夫ですか?」
優しく聞かれ、労られている事に涙が止まらない。胃液で汚れた口元を乱暴に袖で拭き、泣きながら頷いた。
「ごめんなさいっ…」
李斎の手の平に吐いてしまった事がひどいことだと思い謝る。李斎がまた、背中を叩いた。
「大丈夫です」
顔を合わせ、なんのこともありませんと笑う。その顔を見て…嗚咽が止まらなかった。
「ごめんなさいっ。李斎っ…」
李斎の片手が器用に上着を丸める。己の手の平もそれで一度拭き、部屋を出た。

206 :
しばらくすると戻り、その手に顔を洗う用の盥を持って来る。泰麒の部屋に置いてある水差しも揃え、泰麒の寝台に腰掛けた。
立てた膝に顔を埋め、泰麒は嗚咽を上げて泣いていた。
その手を取り、盥につける。汚れを洗い取り、盥の水を一度窓から捨てた。箪笥から新しい寝間着を取り出し、泰麒の横に座る。
「泰麒、口を漱ぎませんか」
湯飲みに水を入れ差し出すと、震える指が伸びそれを受け取った。泰麒が泣きながら、水を口に含む。李斎が盥を差し出すとそこに吐く。二、三度繰り返し泰麒は深く息を吐いて。
「気持ち悪いでしょう…寝間着を、着替えますよ」
李斎の指が、泰麒の寝間着の帯を解いて、止められた。
「自分で、します」
はっきりとした拒絶に、李斎が手を放す。そして泰麒に背を向けた。李斎の背中で、未だ嗚咽を上げながらも寝間着を着替える音がする。
音が止み、李斎は振り向いた。
「ごめんなさい」
李斎の背中あたりに丸められた寝間着が置いてあり、泰麒は布団の中に潜り込んでいた。
李斎がそれを手に取り、部屋を出て行こうとして、また泰麒の呟きが聞こえた。
…ごめんなさい
李斎だけに謝ったように聞こえず…李斎は部屋を出た。
ふっ…と顔を上げた。泰麒の部屋の扉の前で座り込み膝に頭を伏せていたのを上げ、泰麒の部屋の中の様子に耳を澄ます。
次第に荒くなる息…呻く声。たまに、うわ言のように、言葉が聞こえる。
ごめんなさい
やめるんだ
やめろ
汕子、傲濫、母さん…あと、何か言葉を言うのだけど判別ができない。
毎夜だ…。李斎は深く息を吐いた。汕子が帰って来た気がして…そう泰麒が言った次の日から、泰麒は夜毎うなされて飛び起きるようになった。
吐いた次の日、ただ、夢見が悪くてと泰麒は言った。だが、それ以上は話さなかった。
心配で、瘍医にも聞いた。だが…暗い顔で首を振られた。
ここの先は身体ではなく心だと。
汕子、傲濫…あちらの世界でいったい何をしたのだと。そして母さん…母親が恋しいのか?
わからないことばかりで、頭を膝に伏せるしかない。
泰麒は、自分がなにを抱えているか李斎に見せなかった。昔のような笑顔もなく、距離を取られている感覚に溜め息をもう一度吐く。
そして、苦く笑う。私も昔こういう気持ちを泰麒にさせていたのだろうと。

207 :
心配をかけたくない。ただそれだけの事だから、言わない。伝えない。そればかり使い、最後にこういう。
…なにも心配はありません。ご安心ください…
泰麒は、幼いながらも聡明だった。李斎の言葉は嘘。だから、阿選を信じた。恐ろしい事を真っ直ぐに教えてくれる阿選を。
なにかが、捩じれてる。
その思いが強い。
李斎は目を閉じた。泰麒は再び歩けなくなった。毎夜、眠れてない。その上、夢で苦しんでいる。消耗が激しい。休まないといけないのに、休めてない。
己を責めている。
そして、なにかに謝っている。
きっと、あちらの世界の事。
汕子と傲濫のたかだか二つの妖がなにをしたのかと不思議ではあったが、景麒によるとひどい屍臭がしたという。多分、向こうで大勢の人をしたのだ。
だが…こちらで戦などでも人はぬ。そこらへんで李斎は思考が止まる。
戦が起きれば…内乱でも町一つは消えるのだ。あちらでは、人はなないのか?…戦はないのか?大勢の人間がぬということがないのだろうか。
飛び起きた音がした。嗚咽が聞こえる。だが、その声が何かで籠る。多分、外に漏れないよう、何かで口を塞いだのだ。
泣く事を隠すようになった。幼かった泰麒は堪えられずに泣く時は、しがみついて泣いた。その小さな身体を抱き締めた。今は、泣く時は一人にしてくれと頼む。
そして…身体に触れさせぬようになった。着替えとかを手伝おうとしても、止められる。自分でします、と。
小さな時は、女仙や女官に着替えさせられながらも、困った様子で笑っていただけだった。自分でできるんだけど…。
しばらくして、嗚咽が小さくなり、また静かになった。中の気配を探る。
微かな寝息。
少しでも、寝てくれたらいい…そう思い、李斎も再び膝の間に頭を伏せた。
「桂桂っ!」
鈴の声に李斎は泰麒の物を畳んでいた顔を上げた。鈴に追いかけられて桂桂が飛び出して行く。
「鈴のけち!」
「桂桂っ!怒るわよっ!待ちなさいっ!」
追いかけようとして、鈴が李斎に気がつき慌てて振り上げていた手を下ろした。
「すいません!お見苦しいところ見せちゃって…」
その姿が微笑ましくて笑った。
「悪戯でもされましたか」
「本当に…もうっ!」
手に虎嘯の服を持っている。鈴がそれを拡げて見せた。
「…これは」
「もう、どうしよう」

208 :
虎嘯の上着の裾が大胆に切り込まれている。というか、背中の真ん中あたりで上下に分かれている。
「大胆な事を…」
笑ったら不謹慎だろうかと思ったが…口の端に上がる笑いが止まらない。鈴も溜め息を吐いて苦笑いした。
「どうせ裁断するなら真っ直ぐ切ってくれたら後も楽なんだけど」
ぎざぎざに切られた布を繕うのは大変だろう。そしてそれを着るのがあの身体の大きい虎嘯だということに、再び李斎は笑った。
「桂桂が悪戯など、珍しいのでは?」
鈴がとんでもないと、手を振る。
「最近は、構うと嫌がる嫌がる。自分で出来るの大盤振る舞いです。そして出来てないと注意すると、まあ膨れる事」
頬を膨らませて真似をしてみせた鈴に笑う。鈴も吹き出して…
二人で桂桂が飛び出して行った方を見た。
「夕暉が…大人になる途中なんだと言ってました」
聞いた事のない名前に軽く首を傾げる。
「虎嘯の弟です」
ああ、その話なら聞いた。少学で学んでいると聞いた。
「将来が楽しみだと、お伝えしました」
嬉しそうに笑った虎嘯の顔が浮かぶ。鈴も笑った。親しい仲なのだろう。その笑顔を見てそう思った。
「…自分にも、そういう時期があったと言ってました」
「そういう時期?」
長く生きていると、自分が桂桂ぐらいの年の頃を思い出すのは簡単ではない。鈴もなのだろう。二人して、考え込む。
「虎嘯がとても、大きくて悔しい時期があったと聞きました。」
あの背中に追いつかない。自分が子供で虎嘯は大人だから。なにもかも敵わない。それが歯痒くて、いらついた。たしなめられたら、腹が立ち、えらそうな事を言うなと反発した。
人間は、多分大人になる時、そういう道を通るのだと。
そして、大人になるのだと。
「…自分にも、あったのだろうか」
「長く生きちゃうと、そこらへんが怪しいですよね」
そう言って笑う。仙になる前の事など…。
李斎の心にするりと、なにかが忍び込んで来た。…泰麒は?
「鈴殿…」
なんと聞けば分からず、口が動かない。変な感覚だった。なんだろう。当たり前だと受け止めていたものが、違う感じがする。
捩じれ感だ。
「…泰麒は…大人になったのだろうか」
李斎のようやく口に出せた言葉に、逆に鈴がきょとんとした。
「…立派に成長されてると思いますが」
そして、言い方が違うかと軽く眉を潜める。

209 :
「あたしなんかより、立派な大人だと思いますよ」
なんて事だと…。李斎は軽く頭を押さえた。ふらついたのかと、鈴が慌てて手を差し出す。李斎は首を振って大丈夫だと伝えた。
泰麒は、大人になったのか
見た目が変わったのは分かった。姿形が変わったから。成長なされたのだと。戴に戻ると李斎に話した時、考えの深さに感動して、こんなに立派に大きくなられたのかとも思った。
なら、今、李斎が感じている捩じれは…李斎自身の物差しだったのだとようやく気がついた。
泣く顔を見せないのも、着替えを手伝わせないのも…
泰麒が一人の男になったからだと、ようやくわかった。
足元で波が弾ける。暗い闇の中で声だけが聞こえる。
夢だ。
すぐに分かった。足元の靴。その靴に絡み付く腕。
お前、どこに行くんだ…許されると思っているのか
許される訳がない。
今からここは津波が襲う。そしてさらに、人がぬ。たくさんの人がぬ。自分を迎えに来る人物によって。
靴の上の手が、血で濡れた手に変わる。すがりつくような手に涙が零れる。汕子…ごめん…。覚えてなくてごめん。隣りで砂が盛り上がり、大きな身体を見せる。
傲濫、ごめん。呟きが聞こえたようにゆっくりと傲濫が振り返る。その目に血で狂った色を見つけ、さらに泣いた。
ごめん。
自分を守ろうとしただけなのだと。自分が覚えていればなんの事もなかった事なのに。
長い間、そばに居たのに忘れ去られていたこの二つの妖はどれだけ苦しんだのだろうか。何度も呼び掛けただろう。でも、聞こえなかった。何度も泣いただろう。でも、なにもしなかった。
角を無くした。ただそれだけの事なのに。
なにもかも、捩じれて壊れた。一番ひどい状態で。
津波が来る。身体を波が押し上げる。
ふと、思った。
あの時、津波に襲われてんでいたら…
許されただろうか。
「…ん…」
波が続いている。起きているのか、まだ夢の中なのかわからずに呻いた。
揺れる天井に、強く眉をしかめる。夢の中で泣くとこちらでも泣くのだろう。目尻を伝った涙を乱暴に拭った。
李斎が扉の前にいる。気がついていた。だから、泣く事を知られたくなかった。心配をかけたくない。その思いが強い。
「…ごめんさない」
そう、呟いた時、再び波が襲った。
…なんだ?いったい。おかしいとようやく気がついた。

210 :
なにかが、おかしい。目を閉じたまま、違和感を探る。なんだ…なにが…
「んっ…」
自分のではない声に泰麒は弾けるように飛び起きようとした。これは、だめだ。これは、いけない。
「李斎っ?!」
飛び起きようとして、力が足りず身体が寝台に崩れ落ちる。貧血を起こし、霞む視界で必に目を凝らした。
自分の腰辺りに蹲っている影。
「なにを…」
身体の中がぐらぐらする。目が回る。なにが起こっているのかわからぬまま、それでもこれは、いけないことだと頭のどこかが叫ぶ。
「李斎っ…駄目っ」
李斎がなにをしてるのか、恐ろしくて見れない。なにをしているのかは、身体はわかるが、理解したくない。
「李斎…離れて」
懇願する泰麒の口調に、一瞬肩を震わせたが、李斎は止めなかった。
泰麒の手が李斎の肩に触れて、力無く押し退けようとする。だが、その力も無い。
泰麒が喘いだ。
「…なんでこんなことを…」
うわ言のように、呟く泰麒に答えられぬまま、李斎がしゃくり上げた。その声を聞き、泰麒が驚く。泣いているのか?
「…李斎?」
そう呼び掛けた時、泰麒は自分の中の奥の小さな火が灯るのを感じた。だめだ…これは、消さなければならない。
だが、その火に李斎も気がついた。李斎ががむしゃらに動く。
「李斎っ?!」
火が拡がる。自分では、どうすることも出来ず泰麒は呻いた。
強く目を閉じ、さらに顔を腕で覆う。なんと馬鹿なことを。なんでこんなことを。
ふと、李斎が離れた。なにが起こるのかわからず目を開けるのも恐ろしかった。だが、まさか、これ以上の事をするはずもない…と願う自分もいたから…
「李斎っ?!」
身体に伸し掛かる重さに、血の気が引いた。そんな…まさか…そんな…
荒い息を吐きながら、李斎が身体を落として来る。引きつれた感覚に泰麒は呻いた。
「…痛…い」
返事はない。李斎は、息を荒げたまま…泰麒を自分の身の内に沈めた。
互いの荒い息だけが、寝室に溢れる。泰麒の脇に片手を付いた格好で李斎は泣いていた。泰麒も泣いていた。
「…んで来いとおっしゃってください」
泰麒が嫌だというように首を振る。

211 :
「私は…こうするだけしか…お慰めできない」
また、泰麒が首を振る。違う。慰めを拒絶したのは自分で李斎には咎は無い。
「…お願いだから…んで来いと」
李斎の言葉に再び大きく首を振り泰麒はしゃくり上げた。言える訳がない。なにもかも、この将軍のおかげだと言うのに。
「…怖い…李斎」
泰麒の唇から、本当に…本当に…幼かった頃のような言葉が聞けた。怖い事をしているのは自分だと分かっているのに、嬉しかった。やっと…昔と今が繋がった。そんな気がした。
「…申し訳ない」
李斎が泣きながら、笑う。その表情がおかしくて、泰麒も泣きながら…震える口元を微かに上げた。
結局、それ以上の事はできず、李斎は身体を引いた。そばに置いておいた手拭いで泰麒の身体を清める。
頭を下げて出て行こうとした李斎の袖を泰麒が掴んだ。
「んだら…駄目です」
見透かされたか…李斎が俯いて足を止める。露台から身を投げるつもりだった。それだけの事をした。
許される事ではない。
「李斎、んでは駄目です」
泰麒の言葉がしっかりしてくる。
ようやく、絡まってきつく結び目ができた糸の解く取っ掛かりが見えた。
「李斎、こっちに」
右袖の中身は無い。泰麒はしっかり掴もうと、手をさらに握り込んだ。
これだけは、分かる。今、この将軍を部屋から出したら駄目だ。
ふと…蓬山を思い出した。
白い髪を思い出す。真紅の瞳を思い出す。
驍宗…己の主人。
…わたしは恥をかくことに慣れていない…
そう言った。
恥などと思う。だが、その恥と後悔でを選ぶ人間もいる。
そして、この将軍もその瀬戸際にいる。
「李斎…こちらを向いてください」
力を込めて、袖を引く。泰麒は軽く緊張した。もし、この袖を振り切られたら追える力は無い。叫んだら、誰か気がついてくれるか…だが、この将軍が早い。どのような形であれ…。
だから、逃がしてはならない。
「李斎。手を握ってください」
びく、と李斎の肩が震えた。声は届いている。
「ずっと、怖い夢を見ていたんです…」
様子を伺いながら泰麒が言葉を続ける。
「とても、怖くて…」
だから
「手を握ってください。李斎」
ようやく、李斎を包んでいた緊張が解けた。

212 :
俯いたまま、ゆっくりと泰麒の方を向く。袖を掴んだままだったので、袖が李斎の身体を回り、泰麒が苦笑いした。
「李斎…たくさん、話す事があります」
袖から手を放すと袖が大きく揺れ元に戻った。泰麒が手を差し出す。
「とても、僕には辛い事なので…手を握っていてくれますか?」
ゆっくりと、李斎の手が重なる。泰麒は大きく息を吐いた。ようやく捕まえた。
「…ひどい…事を」
李斎が呟く。確かに…泰麒も苦笑いする。
「…ひどいというか…なんというか」
言葉に出来ず、もう一度苦笑いをした。だが…
「驚きすぎて…なんの夢を見たかも忘れました」
確かに、夢を見た。だが、既に霞んで消えた。
「…辛くないですか?」
いきなりの事だったし、なにが起こっているのかも把握するのに時間がかかった。引きつれた感覚だけは覚えている。…辛くなかったのだろうか。女性の身体に。
李斎が大きく首を横に振った。己が傷つくことなど慣れている。そういう職種だ。傷なら仙でいる限り治るのも早い。
「…李斎、座って」
手を引き、自分の横を軽く叩く。
しばらく考えて、寝台の奥に身体を移動させた。
「…泰麒?」
「汕子が、いないんです」
分かった事をいう泰麒に李斎が首を傾げる。
「僕は、ずっと汕子にそばに居てもらいました」
あちらでも、こちらでも。あの身体に腕を回して泣きながら寝付いた。優しく泰麒の頭を撫でたあの手が懐かしくないわけがない。
「大人になったら、女怪は呼んだらだめだと言われて…」
初めて白圭宮で眠らないといけなくなったことを思い出す。幼かった…あの頃は。
「しばらく、ここにいてください」
文章が目茶苦茶で、泰麒が笑った。李斎も戸惑った風だったが、しばらくして恐る恐る寝台に腰を下ろした。
「ちゃんと、座って」
そう言われ、李斎が深く腰を下ろす。
「…甘えていいですか?」
「は?」
返事をする間もなかった。李斎の膝の上に泰麒が身体を投げ出し、李斎の身体に軽く腕を回す。驚いた拍子に、李斎の身体が跳ねる。その跳ねた身体を笑いながら泰麒が押さえる。
「た…泰…泰麒っ?」
どうしていいのかわからないというように李斎の手が空を掻く。泰麒は、少し耳を赤らめたが顔を上げなかった。

213 :
動かない泰麒に、恐る恐る髪に触れる。一度、触れて慌てて離れた。
「そのまま」
静かな泰麒の言葉に、迷いながら指先を滑らす。そういえば…頭など撫でた事自体、桂桂以外久しぶりで。
李斎の顎から涙が落ちた。
「…よく、お戻りくだ…」
喉が震えて、声が出ない。声が出ない代わりに、ひたすらに頭を撫でた。
李斎の膝の上も濡れていく。泰麒も泣いていた。李斎の腰に回した腕に力が籠る。
「よく、ご無事で…」
「うん…」
「お戻り…くださった」
「うん…」
こんなひどい状況で。こんなひどい状態で。それでも、生きて…生きてここにいる。
今から、さらに厳しい事がある。だけど、それに向って進むと決めた。決めたのは、二人だ。一人ではない。
「…あなたが…いてくれたらいい」
泰麒が何も言わずに、ただ腰に回した腕に力を込めた。
「私は…あなたが」
「…李斎、その先を言ってはならない」
己は、ただ一人のものだから。麒麟だから。
李斎は、唇を噛んだ。
「…分かっております」
麒麟は、王のもの。だが…愛しいという気持ちは止められない。
「それで構いません」
その次になれるなら。
「あなたが…好きです」
泰麒は何も答えなかった。
「あなたが…」
言葉が暗闇に吸い込まれる。
「申し訳ない…」
李斎が謝る事ではない。謝るとしたら…多分自分で。だが…
「…疲れました」
頭が重い。李斎の手が止まる。
「なんか、いっぱい疲れました」
そしてぐずるような素振りをした。子供の様な我が儘が口をつく。
「そばにいてください。」
「でも…横にならないと」
「李斎もいてください」
「ですが…」
戸惑った風の李斎を見上げる。
「李斎が一緒に寝てくれたら、ちゃんと休みます」
きょとんとした李斎の顔が珍しく。泰麒は、腕を放した。
「二人しか、居ません」
「はあ…」
「そばにいてください」
身体を引くと、しばらく戸惑った様子だったが李斎が滑り込んで来る。李斎の腕が、行き場を探していたが、泰麒が自分の肩にその頭を押し当てた。
泰麒に抱き締められる格好に李斎が戸惑う。
「眠い」
「…はあ」
「おやすみなさい」
「…はい」
いつの間に…こんなに大人になったのか…
李斎はやや顔を赤らめながら、目を閉じた。
おわる

214 :
きもっ

215 :
電波ちゃん乙でありますw

216 :
もお嫌だこの流れ

217 :
自業自得だろw

218 :
>ID:BprYuDbd
乙であります。GJであります。この雰囲気の中で良く投下なされた
> ID:1ynPbbcp 17:49:20
> ID:WD0r6Krk 18:04:47
> ID:9GxwlHDp 18:53:10
こんなアホはきにいないでね
まあこいつらは、自演ミエミエだけどな

219 :

難しかったが、よく投下したとは、俺も思う。後半もう少し練ってもよかったな。少しバタバタしてる気がした。惜しい気がした。
投下の頻度が早すぎじゃないか?焦らんでもよいと思うぞ。あと多分、上のIDの奴等はここの先住民なんだよ。だから、多分、投下するたびしんどい気持になると思うぞ。張り付いているのかと思って笑ったがな。ある意味ストーカーだな。
ねちこいエロ好みだが、そろそろしんどいんじゃないか?1月から毎日だろ?エロ書くの体力使うしな。
ここは、お前の投下を待っている人もいる。だが、けなそうとする人もいる。SSをじゃない。お前をな。
また、エロいの読ましてくれたら嬉しいが。あの上のやつらも残ってそうだしな。
なかなか、共存はできんのかもしれん。気にくわないのは追い出すっていう魂胆も見えてる。
そこら辺、考えてみたらどうだろうと、ちょっと前から思ってた。
長々とスマソ。
新しい芽を潰すのは趣味じゃないんでね。
ROMってくる。

220 :
もうやだ。この流れ。
スルーしようよ。

221 :
>>202
職人さんGJ!
泰李好きってわけでもないけど今回は個人的にどストライクだったよ
>>194の流れを汲んで書いてくれてたんだったらマジでおつかれ
>>220
スルーできてないのはお前も一緒だw
変なのがきたなと思ったらID貼って後はみんなでスルーでおk

222 :
>>202

外野は気にしないで自分の好きなペースで投下すればいい

223 :
保守

224 :
電波w電波w

225 :
炬燵ネタ投下してく
温まってくれ

226 :
wktk

227 :
「見てくださいっ!」
喜色満面の笑みで陽子が部屋の中を見せた。尚隆と六太が覗き込む。部屋の中央に、机が布団に埋もれて居る。
「なんだ?これは」
「あれ?まだ無かったですか?500年前」
「…布団と、机ぐらいならあったぞ」
「俺、布団体験は遅い。ござで寝てたから」
六太の言葉に、あるいみしみじみとした顔をした尚隆と陽子。
「なんだよ、その顔は」
膨れた六太をまあまあと、陽子が布団まで連れて行く。
「入って、入って」
「潜るのか?」
「いや、潜ったら多分やばいです」
「こえぇじゃねぇか!」
「いいから!足だけ入れて」
恐る恐る六太が足だけ布団の中に突っ込み…
「あったけ!」
驚いた顔をした。陽子がでっしょう!という顔をする。
「なんだこれ?」
「ふっふーん、炬燵っていいます!」
「こたつ?」
「イエス、炬燵」
尚隆もいそいそと足を突っ込む。
「おお…」
「温いでしょ」
陽子も横に空いてる場所に座る。
「あ、中の容器に触ったらだめですよ。軽く焼けます」
「いろいろと、危険極まりないな」
それでも、温い。
「中はなんだ?」
「暖炉に残ってた燃えカスです」
「炭?」
「いや、炭じゃない」多分と陽子が首を傾げた。

228 :
「火鉢だけじゃ寒くて」
六太はすでに、炬燵の魔力でくたぁとなってる。
「だから?」
「こんだけ寒いと炬燵が欲しくて。暖炉の燃えカスを鍋に入れて布でまいてみました」
「…ん?」
何かに足を触れられた。すでに六太は炬燵に突っ伏して寝ている。六太の足が当たったのかと、足の場所をずらしたら、…追って来た。
「なに…」
「六太が起きるぞ」
尚隆の顔がいたずらっぽく笑っている。
「…こういうのは、良くないと」
「まあ、まあ」
陽子の足が、可能な限り炬燵の中で引かれる。だが、尚隆の方が足が長い。
「ちょっと…」
「静かに」
六太が起きると言われたら、声に出せない。
ーやめてください!
ーまあまあ
ーちょっと、どこさわってんですかっ?
ーいいな、これ
ーもうっ…ちょっ…
ーお、反撃とはやるな
ー痛い!痛い!足、放して!
ー俺に足技で勝てるとでも?
ーだから、そっから上はだめっ…て!
ー手は反則だぞ
ー…反則って
ー手も使っていいのか?
ーいや、だめです!

ていっぱいです

229 :
かわいいw
GJ!!

230 :

みんなかわいいw

231 :
>>227
GJ!だせぇ〜

232 :
あ 間違えた。訂正    
× GJ!だせぇ〜

○ GJ!だぜぇ〜

233 :
GJです!

234 :
浩瀚×陽子
4投下

235 :
麒麟が嫌いだった。
当たり前のように王の側に侍り、己は王の為にいるという存在が嫌いだった。
先の女王が麒麟に狂い国を荒らした。荒れていく国、政、官、民…苦しんでいる物はたくさんあった。
その中でただ一人の苦しみに失道という病の名が付いた。
麒麟だから名が付いた。それだけで他の物にはただ荒廃という名が付いた。
そして、女王が王位から身を引いた。
麒麟の失道という病は消えた。だが、荒廃は残る。
麒麟は天の意志以上以下でもない。
だが…暗い胸の内で呟く事が増えた。
慶国の麒麟は無能である、と…。
新しい王が登極した。赤い髪の女王だった。女王というだけで、民も官も諦めた顔をした。だが…不思議だったのが、なにもかも一度諦めたという顔をしてみせたのが女王だった事だった。
雁の王の力を借り、己の手で囚われていた麒麟を救った。先の王とは違いどんなに自信が溢れた女王かと思っていただけに…興味が湧いた。
何も出来ない。誰も相手にしない。女王の自信の無さは、政を、権力を金を己の物にせんとする官の付け込む隙になった。
その横にやはり、あの麒麟がいた。
それでいいのかと、聞いてみたいとふと思った。
前の女王と同じ事を繰り返すのかと。
「冢宰を引き受けてもらいたい」
内乱の後だった。赤い髪の娘は緑の瞳に強い光を湛えてそう己に告げた。
無意識に身体に震えが走った。その傍らに立つ麒麟を見た。これで、同じ高さに立つ事が出来る。無表情な麒麟は一度視線を合わし、逸らした。
「受けてくれるな」
女王の右手にいるのが麒麟なら、左手に立つのが冢宰。
浩瀚は深く頭を下げた。
面白く、不思議な女王だった。身の回りにはまるで頓着せず、動きやすい格好で王宮を走り回っていた。
見苦しい。威厳が。近くに寄れない官が影で聞こえるように囁く。だが、そんな悪意にも頓着しなかった。
自分ができることしかできない。まず、自分の足で立つしかないんだ。
泰麒が夜の闇に消えたと聞いた時、なにか深く考え込んでそう呟いた女王に頷く事しか出来なかった。
最初はただの偶然だった。書簡を片付けようと手を伸ばした先に主上の指があった。
「申し訳ない」
「いや、すまない」
互いに慌てて手を放した為、巻かれた書簡が机から落ち床に転がった。

236 :
慌てていたのだと思う。すぐに腰を屈め巻き取らねばとしゃがんだ時、似た表情で主上もしゃがんでいた。
机の下に潜り込んだ状態で二人してぽかんとしか顔をした。
なにかが、揺れた。
掠めるような口付けを与え、その場を去った。
なにをしているのだと、頭を抱えた。そしてこれで終わりだと苦笑いした。
あの女王は、こういう事を許すはずが無い。それは確信に近かった。こういう戯れが最も嫌いで、そして浩瀚自身もこういうことが戯れで出来る人間では無かった。
次の日、やや内心落ち着かないまま朝議の控えの間に入った時、無表情に書簡を巻き直している台輔がいた。
滑らかな手捌きで書簡を巻き直しながら浩瀚を見ずに口を開いた。
「主上は今朝は参りません」
己のせいか。浩瀚は頭の中でこの王宮から去る事を考えた。仙籍を返してしまおう。そう思った。そうすれば、あとは年相応にんでいくだけだ。
「熱を出されて」
ゆっくりと台輔を見た。台輔は二つ目の書簡を解いた。滝の様に流れ落としてまた、巻き始める。
「ここにあった書簡を全て床にひっくり返して、ご自分で巻かれたようです」
机の上の書簡はあちらこちら斜めに飛び出しながら並んでいた。
「…手伝いましょう」
「頼む」
浩瀚の手が書簡に伸び、開いてまた巻いていく。ただ黙々とその作業を繰り返した。台輔と二人で。
「…主上は、戸惑っていらっしゃる」
抑揚の無い声だった。
「…自分が人を好きになっても大丈夫かと、そう聞かれた」
浩瀚の手から書簡が零れた落ちた。冷たい紫の瞳が浩瀚を見る。慌てて、書簡を拾い上げた。
「…申し訳ない」
「いや」
再び沈黙が続く。浩瀚の背中に薄い汗が浮いた。鼓動が早まる。落ち着け。己の事ではない。ただ、台輔は主上の口から伝えられた事を己に話しているだけだと言い聞かせた。
「…お前は、予王に惚れられたから失道したのかと聞かれた」
淡々と話を続けられる。
「だから、自分はさておいても、奏国の例があるとお伝えした。」
妻帯の者が登極する事がある。別に王が人を好きになる事は失道の理由にはならない。
「…それだけ伝えた後、私室に戻られて熱を出された」
書簡を巻き終わり、台輔はゆっくりと浩瀚を見つめた。
「主上の手には慶の民がいる」
浩瀚は、全て悟った。台輔は己に話している。浩瀚は姿勢を正した。

237 :
「それだけは、忘れないでいただきたい」
浩瀚は深く頭を下げた。
「…見舞いか?」
額に濡れた手拭いを乗せ陽子が笑って見せた。片頬が引きつったのは気のせいではないだろう。笑みは浮かんですぐに消えた。
「…なにしに来た」
浩瀚が少し考えて手にしていた果物を女史に渡す。
「台輔に熱を出したと聞いたので、見舞いに参りました」
女史が頭を下げて部屋を出て行く。部屋に沈黙が流れた。陽子が寝台の上に身体を起こす。浩瀚は傍らの椅子に腰を下ろした。
「…お加減は」
「明日の朝議にはでる」
陽子が浩瀚を見ずに口を開く。浩瀚の手が伸び陽子の額に触れた。びくと陽子の身体が揺れる。額に触れ、すぐに離れた。
「まだ少し熱がありますね」
「そうか…熱を出すのも久しぶりだ」
楽俊に拾われた時に熱が出ていたという思い出しかない。仙はとにかく病に強い。だから仮病が使えない。そう苦笑いを浮かべたら不思議そうに顔を覗き込まれた。視線が絡む。
「私のせいですか」
そう聞かれ陽子は深い溜め息を吐いた。
「気にするな。私が勝手に熱を出しただけだ」
「その原因は、私ですか?」
陽子が瞬きをした。なにが言いたいこの男は。
「笑いたければ笑え。…私はああいう戯れに慣れていない」
軽く額に手を当てて溜め息を吐いた陽子に微笑んだ。
身体を伸ばし、俯いた頬に唇を寄せる。
「…殴るぞ」
陽子の頬に紅が差した。だが、陽子の纏う気も怒りを孕む。
「ふざけているなら、殴る」
陽子の布団に投げ出された拳が軽く握られて震えた。
「…戯れではない、とお伝えしたらいかがですか?」
拳に力が入った。緑の瞳が強く揺れる。
美しい。そう思った。
「私は、こういうことに慣れていない。それと、こういう事が戯れで出来る人間が嫌いだ」
ならばと、浩瀚が笑う。
「私も、こういう事が戯れで出来る人間ではありません」
握り締められた拳に己の手を乗せる。
「…この手には、慶の民がいる」
陽子が重ねられた手を見た。
「そうだ」
自分の指の先に慶の民がいる。浩瀚が固く握り締められた指を解く。陽子の指が一度震え戸惑うように拳を開いた。
「…あなたは、それを忘れない」
「忘れるわけがない」
強い口調で言われ笑う。そうだ、それでいい。
「あなたを…全身でお守りしたい」

238 :
浩瀚の言葉に、陽子はふと戸惑った顔をした。
「いつも、世話になっている」
浩瀚が笑う。冢宰としてではなく…。浩瀚の手が陽子の左手を取って口付けた。
「あなたを全身全霊でお守りいたします」
…愛しています。
伝えられない言葉がある。相手がこの国の王だから。己はただの冢宰だから。
陽子はなにかを計るような目で浩瀚を見た。
「…私が…国を滅ぼしかけたら…」
言葉が震える。
「…してくれるか」
どこで自分が狂うかわからない。線引きはいつも曖昧だ。泰麒の事で強く思った。
天がある。天帝はいる。誰かが自分を見ている。箱庭の一つの駒だ。
なんの切っ掛けが天に触れるかわからない。そうしたら、多分この国が沈む。
景麒は自分をせない。麒麟だからだ。諫めるだけで己が病にかかる。失道という名の。病に伏せて、それでも諫めるだけで王をす事は出来ない。
いっそ、失道した麒麟が王を捨てる仕組みになってくれたらとも思う。
だが、多分、それも出来ない。
なら、自分の喉に剣を当てるしかない。まだ、自分があるなら。だが、狂って自分を無くしたら…
「私が、して差し上げます」
そして、麒麟を置いて逝けばいい。
浩瀚が囁いた。陽子が一度目を閉じて、浩瀚を見た。
緑の瞳が真っ直ぐ浩瀚を見つめる。
「すまない」
守ると伝えた男に自分をしてくれと頼む矛盾。
だが、目の前の男なら約束は違えないだろう。そして、自分をした刃で後を追うのだ。
「私は、お前を道連れにしようとしているのか」
「その相手が、私でよろしければ」
陽子の唇が浩瀚の唇に重なった。少し熱を含んだ唇が熱い。
「…頼む」
浩瀚の胸に頭を伏せ呟いた。浩瀚が陽子の左手を軽く握り己の胸に伏せられた頭を抱き寄せ、放した。
「失礼致します」
女史の声がする。甘い密約の時間が途切れた。
おわる

239 :
オオッ!GJであります

240 :
いいですなぁ〜 GJ

241 :
GJ!

242 :
上げちゃったスマン

243 :
うふ〜ん

244 :
うふ〜ん

245 :
うふ〜ん

246 :
うふ〜ん

247 :
うふ〜ん

248 :
うふ〜ん

249 :
うふ〜ん

250 :
うふ〜ん

251 :
うふ〜ん

252 :
うふ〜ん

253 :
うふ〜ん

254 :
ID:VJnzR2/i
ID:c6Uo7aOH

255 :
うふ〜ん

256 :
うふ〜ん

257 :
うふ〜ん

258 :
うふ〜ん

259 :
うふ〜ん

260 :
うふ〜ん

261 :
うふ〜ん

262 :
うふ〜ん

263 :
うふ〜ん

264 :
うふ〜ん

265 :
うふ〜ん

266 :
うふ〜ん

267 :
うふ〜ん

268 :
うふ〜ん

269 :
うふ〜ん

270 :
うふ〜ん

271 :
うふ〜ん

272 :
うふ〜ん

273 :
うふ〜ん

274 :
うふ〜ん

275 :
うふ〜ん

276 :
うふ〜ん

277 :
うふ〜ん

278 :
うふ〜ん

279 :
うふ〜ん

280 :
うふ〜ん

281 :
うふ〜ん

282 :
うふ〜ん

283 :
うふ〜ん

284 :
うふ〜ん

285 :
うふ〜ん

286 :
うふ〜ん

287 :
うふ〜ん

288 :
うふ〜ん

289 :
うふ〜ん

290 :
うふ〜ん

291 :
うふ〜ん

292 :
うふ〜ん

293 :
うふ〜ん

294 :
うふ〜ん

295 :
うふ〜ん

296 :
愚痴スレから来ました
えっなにがどう

297 :
揚げ

298 :
エロなしだけどいいのか?と思ったらいいのね

299 :
いや、エロ無し自体はスレチ
ただし雰囲気がエロければおk

300 :
2 エロなしSSはスレ違いです。「直接行為がなくてもエロい雰囲気であれば可。 」
拡大解釈の余地はかなり大きいと思ふw。

301 :
>>235
3投下

302 :
自分をしてくれと頼まれた男は、己で良ければと頷いた。
甘い密約の後、幾つかの夜が過ぎて…陽子が浩瀚の部屋を訪ねた。分からない事があったんだが…。口にして、俯いた。言い訳がそれしか浮かばなかった。
だが浩瀚は、書簡を開き陽子の言い訳に答えてくれた。そして、巻き戻した書簡を机に置いて陽子を引き寄せた。
「夜、男の部屋を訪ねたらいけません」
分からない所を聞きに来ただけだと、小さな声で反論したら浩瀚が小さく笑った。声を上げて笑うのではなく…大人の男の笑い方に顔が赤くなった。
「もう、遅いから…」
陽子は口を開いてためらった。もう、遅いから…なんて言うんだ?帰る?それとも…
「泊まっていきますか?」
浩瀚の言葉に顔を赤らめて小さく頷いた。
浩瀚の作る波は穏やかだった。何も知らない陽子が置いてきぼりにならないようゆっくりと時間をかけた。
「お前は…優しいな」
浩瀚が苦笑いして、また波を起こす。陽子が喘いだ。
優しい男だ。初めての陽子をいたわるだけいたわって、最後に痛い事をした。だが、その痛みも浩瀚の優しさに解けていった。
「…ん」
浩瀚の唇が背中に落ちる。背骨の筋に合わせて軽く吸われ息を詰めた。浩瀚の手が身体を俯せた陽子の前に回る。張りの良い胸を手の平に収め軽く宥めるように動かす。
「んっ…」
先の尖りを軽く摘まれてまた息を止めた。
「痛かったですか?」
肩越しに聞かれ笑って見せた。なんか引っ張られる感覚にちょっと驚いただけだ。浩瀚が陽子が笑ったのを見て微笑む。
「痛かったら言うんですよ」
「子供じゃない…」
そうでしたと、浩瀚が陽子の肩に唇を当て、舐めた。ひくんと陽子が身体を揺らす。
「ですが…多分、私は主上よりだいぶ年上ですね」
あまり考えたことはないが、浩瀚はあちらの年齢でいったら自分の親と同年代じゃないかと思った。浩瀚の指が下腹部に回る。
「あちらには、仙籍はないと聞いておりますが」
「うん」
こちらでは陽子は永遠に高校生だ。浩瀚は学校を出て手順を踏んで役人になった。…三十辺りで止まったのだろうか。
「変な感じだ…」
陽子がくすくすと笑った。
「くすぐったいですか?」
「んっ…」
浩瀚の指が軽く力を込めて陽子の芽に触れた。また陽子が息を詰める。顔を赤くし、身体を竦めた陽子が愛しくて笑った。

303 :
指を滑らすと、溢れてきた愛液が浩瀚の指の動きを助ける。陽子が小さく呻いた。
「浩瀚…重い」
「失礼」
次第に身体を襲う波に身を委ねていく陽子の表情を見ていようと、陽子の身体に体重を乗せ過ぎたらしい。浩瀚が膝で陽子を跨ぎ耳に口付けた。陽子がうっすらと目を開ける。
「上を向いて下さい」
陽子がまた目を閉じ肘を立て、腰で身体を捻った。女性というには丸みの少ない身体が露わになる。陽子が浩瀚の腕に触れた。少し考えて薄く目を開いて浩瀚と視線を合わす。
「どうしました」
「…ごめん」
優しい男に謝るだけしか出来ない。最期にひどいことをするはずの男はきっとそれまで誰よりも優しく自分に接してくれる。
「謝らなくていいですよ。重かったでしょう」
違うんだ…そう言いたかったけど目を閉じた。瞼に唇が触れる。
「続けますか?」
陽子が小さく頷いた。腕を掴んだ指を解く。浩瀚が顔を伏せ陽子と唇を重ねた。
ぽてぽてと変わった音がする。柔らかい物が石の上を歩く音に浩瀚は足を止めた。階段の上からぽてぽてと柔らかい音が下りて来る。浩瀚が微笑んだ。陽子の大切な友人がそこに居た。
「おひさしぶりです」
楽俊が髭をそよがせてふくりと笑って頭を下げた。可愛らしい耳がふるっと震えた。
二人で雲海を望める露台に立っていた。仕事中ならおいらを気にせず行ってくださいと気遣う楽俊が、今日は話をしたそうな素振りを見せたのだ。この友人は聡い。浩瀚は人気のない部屋を選んだ。
「…延台輔から、陽子が泰台輔を連れ戻したとお聞きしました」
楽俊がいくら延王や延麒と懇意にしているとはいえ、教えても構わない程度しか情報は流れない。
「それでいらしたのですか?」
潮の香りがする風が楽俊の髭を揺らす。心持ち髭がうなだれている。泰麒が闇の雲海に消えた事まで聞いたのだろう。
獣の顔は表情が読み取りにくい。浩瀚は打ち寄せる波に視線を戻した。
「…主上は、今色々と考える事がおありのようです」
楽俊の小さな手が露台を囲む手摺にかかる。
「王様とおいらじゃ、見てる物も違うだろうしなぁ…」
楽俊の言葉にくすりと笑った。
「主上と冢宰も見てる物が違います」
楽俊もまた、ふくりと笑う。楽俊がしばらく何かを考えて…浩瀚を見上げた。
「あいつは…陽子はあんたにひどい約束をさせたと言った」
浩瀚の顔から笑みが消える。

304 :
陽子はあの密約を話すほどこの友人を信頼している。
「どんなひどい約束かは、聞いていねぇ…でもなんとなく分かる」
楽俊の大きな丸い目に表情を消した自分が写る。
「…でも、おいらにはそんな約束はできねぇ」
きゅい、と楽俊の喉が鳴った。一瞬泣くのかと思った。
「あんただから…頼んだんだろって思う」
また微かな鳴き声がする。
「だから…だから、おいらとも約束してくれねぇか?」
楽俊の言葉に浩瀚が一瞬面食らったような顔をした。楽俊と約束?何をだ?
「…もし、誰も…本当に誰も、景台輔ですら陽子に近付けなくなったら、おいらを呼んでくれないか?」
浩瀚は胸を突かれたように目を閉じた。
…ああ、なんと聡い友人を持たれたのだろう。
狂ったらしてくれるか?ええして差し上げます。
甘い密約を、必に止めようとする優しい友がいる。
自分が拾ったからだと、からかい口調でよく言うが違う。
この友人も違う形で陽子を見守っている。遠くからでも、陽子を見ている。愛しいという想いだろうか…そう考えて、違うと思った。陽子を思う楽俊の心のかけらなのだ。
心のかけら。
いろんな心のかけらが陽子と繋がっている。
それは、陽子の宝物のはずだった。違う、人間だれでも持っている宝なのだ。その心のかけらが陽子の心の中にある。
誰かを気にかけて、その人がまた誰かを気にかける。そうやって繋がって行く。
自分の心の中にたまる他人の心のかけら。
そのかけらが陽子を成長させる。
あなたは…あなたが王で本当に良かった。浩瀚は素直にそう思った。そして…目の前の友人が陽子を助けてくれて本当に良かった。
浩瀚がゆっくりと頭を楽俊に下げた。楽俊が何も言わず浩瀚を見る。
「あなたの言葉なら届くと思います」
誰の言葉も聞こえなくても…この友人の声なら届くかもしれない。
「必ず、お呼び致します。」
楽俊が露台を握っていた手に力を入れた。
そして…楽俊の声さえ届かなければ…この目の前の男が陽子をすのだろう。
ひどい約束をさせた。陽子はそう呟いた。だがその約束を取り消すつもりはない。その横顔が楽俊を俯かせた。
そして、楽俊もひどい約束を浩瀚にさせた。楽俊の声が陽子の生を決める。
「…申し訳ねぇ」
きゅるという鳴き声が言葉に重なる。浩瀚が頭を上げた。
「…いや」
こちらこそ…ひどい事をする。

305 :
だが…ここで申し訳ないと楽俊に伝える事はおかしいと口を噤んだ。
浩瀚の目が再び雲海を見る。楽俊も並んで見下ろした。
打ち寄せた波が砕けて白く散った。


306 :
番号間違えました。
4/4です。

307 :
頼むから名前欄の全てにトリップ入れてくれ

308 :
>>ID:/Iq0gNsc
乙であります。GJであります。感謝多謝

309 :
うふ〜ん

310 :
うふ〜ん

311 :
自分も全部にトリップ頼むわ
そうすればいちいちNG指定する手間が掛からないだけでなく
荒らされにくくなって
ID:/Iq0gNsc自身もメリットになるよ

312 :
うふ〜ん

313 :
うふ〜ん

314 :
うふ〜ん

315 :
うふ〜ん

316 :
うふ〜ん

317 :
うふ〜ん

318 :
うふ〜ん

319 :
うふ〜ん

320 :
うふ〜ん

321 :
うふ〜ん

322 :
うふ〜ん

323 :
うふ〜ん

324 :
うふ〜ん

325 :
うふ〜ん

326 :
うふ〜ん

327 :
うふ〜ん

328 :
うふ〜ん

329 :
ID:/Iq0gNsc
名前欄にトリップ入れたら、タイトル書けないと思ってるかもしれないから説明しておく。
名前欄の#以降がトリップになるから、その前に任意の文字列を書ける。
例えばこのレスは,名前欄にこう入力してある。
任意の文字列#十二国記
2ちゃん初心者には普通は半年ROMれとなるんだが無理そうだから。
それとタイミングが被ってもおらず他に職人どころか
雑談もないスレで、短いSS出すのに投下予告は不要だからな。
むしろ予告でトリップ付けてSSにトリップなしだったら
あなたのトリップをNGに入れてる人はSSしか見ないから逆効果だぞ。
NGってのは2ちゃんねる専用ブラウザで見ている人は見たくない単語が
名前欄とか本文とかに入ってるレスが表示されないようにできるのでその事。

330 :
>>302
うまくなってきたね。

>>329もいってるとおり、今回のトリップの入れ方だと
NGしてる人間には>>301だけみえなくて>>302からの本文が見えるようになっちゃうから
投下するたびにトリップつけてあげて

331 :
うふ〜ん

332 :
うふ〜ん

333 :
うふ〜ん

334 :
うふ〜ん

335 :
うふ〜ん

336 :
うふ〜ん

337 :
うふ〜ん

338 :
うふ〜ん

339 :
うふ〜ん

340 :
うふ〜ん

341 :
うふ〜ん

342 :
うふ〜ん

343 :
うふ〜ん

344 :
うふ〜ん

345 :
うふ〜ん

346 :
うふ〜ん

347 :
うふ〜ん

348 :
うふ〜ん

349 :
うふ〜ん

350 :
うふ〜ん

351 :
うふ〜ん

352 :
うふ〜ん

353 :
うふ〜ん

354 :
うふ〜ん

355 :
うふ〜ん

356 :
うふ〜ん

357 :
うふ〜ん

358 :
うふ〜ん

359 :
うふ〜ん

360 :
うふ〜ん

361 :
うふ〜ん

362 :
うふ〜ん

363 :
うふ〜ん

364 :
うふ〜ん

365 :
うふ〜ん

366 :
うふ〜ん

367 :
うふ〜ん

368 :
うふ〜ん

369 :
うふ〜ん

370 :
うふ〜ん

371 :
うふ〜ん

372 :
うふ〜ん

373 :
うふ〜ん

374 :
うふ〜ん

375 :
うふ〜ん

376 :
うふ〜ん

377 :
うふ〜ん

378 :
うふ〜ん

379 :
うふ〜ん

380 :
うふ〜ん

381 :
うふ〜ん

382 :
うふ〜ん

383 :
うふ〜ん

384 :
うふ〜ん

385 :
うふ〜ん

386 :
うふ〜ん

387 :
うふ〜ん

388 :
うふ〜ん

389 :
うふ〜ん

390 :
うふ〜ん

391 :
うふ〜ん

392 :
うふ〜ん

393 :
うふ〜ん

394 :
うふ〜ん

395 :
うふ〜ん

396 :
うふ〜ん

397 :
うふ〜ん

398 :
うふ〜ん

399 :
うふ〜ん

400 :
うふ〜ん

401 :
うふ〜ん

402 :
うふ〜ん

403 :
うふ〜ん

404 :
うふ〜ん

405 :
うふ〜ん

406 :
うふ〜ん

407 :
うふ〜ん

408 :
うふ〜ん

409 :
うふ〜ん

410 :
うふ〜ん

411 :
うふ〜ん

412 :
うふ〜ん

413 :
うふ〜ん

414 :
うふ〜ん

415 :
うふ〜ん

416 :
うふ〜ん

417 :
うふ〜ん

418 :
『PINK削除依頼スレ経由で来てみたら、電波・お花畑板かと思ったわ…。』

419 :
このまま電波と嵐がフェードアウトしてくれればいいのに

420 :
そうやって蒸し返すお前もな……。

421 :
呼んだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

422 :
お待たせw
三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/
三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/
三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/

423 :
お待たせwwwwwwwwwww
三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/
三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/
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424 :
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425 :
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ぁぁぁぁぁぁ

426 :
三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/
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ぇぇぇぇぇぇぇぇ

430 :
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431 :
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(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)

432 :
まあ、リアルでは震災で酷いことになってるわけだから、
あんたも無事で良かったよ。
できればもう来ないでくれるとありがたいが。

433 :
バッカじゃねぇの

434 :
荒らしに人間の言葉は通じないよ。

435 :
他スレでは人語操ってたがなこのBBA
巣バレてんだから自重すりゃいいのに

436 :
うっざ

437 :
三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/三 (/ ^^)/
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うっぜ

445 :
^^)

446 :
朝ドラスレにお帰りください

447 :
朝ドラスレ?何で?

448 :
供麒の肉槍で珠晶串刺し

449 :
供麒は先細か

450 :
>>80 自分:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/03/28(月) 15:59:42.95 ID:???0
>>たしかに普通の麒=長さ20直径5・天変時長さ60直径10
>>供麒=長さ30直径7・天変時長さ80直径15だから、珠晶だと
>>膣から喉頭まで串刺しだな
アニメスレでの検証によれば先端でもソフトボールくらいあるぞ
それが稚けなさから可憐に様変わりしはじめる12歳のマムコを
割り裂きながら突き通され肉を抉りながら高速ピストン運動する
んだから珠晶もちょっとは可愛い態度になるはず

451 :
膣だけじゃなく股間動脈も裂けるんじゃないか?
たぶん即w

452 :
仙だから際限なく拡張する

453 :
あの体格で小さい棒の供麒も好きよ
…で、珠晶に言葉やら指やらで弄られると尚可

454 :
王と同姓の麒麟を連れてる場合は同性愛者

455 :
麒麟と王は同姓です。ホントは「うじ」と「かばね」は違うけどw

456 :
珠晶の裂けマンからの出血を浴びて供麒亡

457 :
オナニーのやりすぎで腫れ上がった陽子のマンコ。その肉襞を
乾いた肉棒が容赦なく捲り上げる

458 :
碧双珠をぶち込むんだろ
「主上、中までは手当て出来ませんのでコレで直接治療するしかありません。」

459 :
碧双珠(なんて読むんだコレ)の状態は尋常ではなかった
怒張し脈打ちながら、男の握りこぶし二つ分にまで膨張しているのだ
「景麒、止め−−−!」
制止するもその言尻は声のない悲鳴に変じ、ビチビチミリミリと
肉の裂ける音を伴いながら陽子の血塗れのパイパンに押し込まれる
「け・・い・き、とっ−」
目と口を張り裂けんばかりに開き、息も絶え絶えに哀願する陽子
最近太師に召し上げた伝説の飛仙、遠甫の手により碧双珠は
自由自在に膨張振動するおそるべき健康器具へと改造されていたのだ
裂けマンから噴出した血潮に塗れた景麒、その
穢れにより最早前後不覚の酩酊状態。だがしかし主への忠義の為
残されたわずかな仁と愛を燃え猛らせ咆哮しながら水禺刀を取る
「−主上!あなたの為なればこの景麒、しても悔いはありませぬ!」
裂帛の気合とともに振りかぶり、碧双珠をもっと奥へ入れようと
麒麟が扱えないはずの水禺刀を鞘のまま渾身の力をこめて陽子の
開き切ったマンコに突き入れる。ゴリッ、という不穏な音とともに
狙いは過ち蒼猿が化身のその鞘は深々と肛門を抉っていた
「っ−−−−!」
骨盤も割れ、完全に破壊された股間より鮮血を迸らせながらも
強烈に振動する慶国秘蔵の宝重「碧双珠」により気力を瞬く間に
充填され永久に裂け続ける肉の激痛に意識を失うことなく果てなく
狂いもだえる陽子とその血を浴びながら忠はつくせりと安らかな眠りにつく景麒
ここに二人の関係は永遠の絆として昇華し伝説になるのであった (完)

460 :
なんだ この流れはW

461 :
陽子は初潮前に父親からさんざん犯されまくってる

462 :
校内イジメで脱糞しながらバイブでヨガリ狂わされているビデオを撮られる杉本

463 :
楽俊の鋭い前歯でクリトリスを噛み千切られる陽子

464 :
「後ろは見るなよ。障りがあるからな。」から
後ろから陽子の体に性的にイタズラしまくる楽俊

465 :
そのままバックでガンガン犯されめちゃくちゃ乱れよがりまくる陽子

466 :
いつのまにか楽俊・尚隆・延麒でローテーションしつつ
宮中の男すべてが到してきた件

467 :
毎日放課後にマンコが血だらけに裂けまくるまで念入りに犯される杉本

468 :
素敵に荒れてるなw

469 :
>>60>>100>>200>>300>>400>>450

470 :
宮中の男はわたしだけのもの
ヘビーローテーション
by陽子

471 :
「あっ、いやん・・・もう朝議はじまっちゃう・・・(クチュクチュ」
「主上!主上はおられますか!(ドンドンドン」
「あ…ケイキきちゃったぁ…あぁぁぁぁんっ!」
「早くおいでください!諸官はすでに揃っております!」
『ギィイイイイイ・・・・』
「だめ、まだ開けちゃだめっ!あ゙あ゙あ゙あ゙らめっ!イグッ!イグぅぅぅぅッ!!」
「主上・・・何をしておられるのです!」
「イヤッ!らめぇ・・冷たい眼差し、ま、またイグッ!冷たいのイグゥゥウウ!!」
「政務を前になんと破廉恥な・・・王たる自覚はないのですか!」
「あばばばば王様・・・!イグぅ!王様イッちゃうゆるしてぇぇえええ!!」
「・・・・ハァーーーーーッ・・・・」
「ひぎぃぃっ!溜息だめっ、おまんごギンモヂイイ!イグっ!溜息でまたイグゥぅぅぅぅ!」
「主上・・・いつまでその様なことを続けるおつもりなのです」
「もう無理ィ!イケません!いけないから冷たい目止め…あああやっぱりイグぅぅぁぁッッッ!」
「仕方ありません、重朔、このまま玉座にお運びせよ」
「はぁぁぁぁんっ!もうらめぇ!玉座らめぇ!諸官の前であたしお漏らしちゃうよぉぉぉっッッッ!」


472 :
コピペやネタの乱発じゃなく、しっかりSSにして欲しい
もったいない

473 :
懐アニスレのつまらん書き殴りをコピペするような奴に
まともなSSが書けるとは思えんが

474 :
書き殴り改変でも>>471は面白いよ。役柄にハマってるし。
大佐殿(?)が削られちゃってるのが惜しい気もするけど、
ここはSSでというルールがあるんだから少し膨らませて
アップしてくれればなーと思う。

475 :
SSあげたいけど、この空気いかがなもんか…

476 :
あげればいいと思うよ。
自分は次スレになるまで投下する気ないけど、
他の人のSSは楽しみだ。

477 :
じゃあ、試しに書いてみます。
甘ーい景麒×陽子です。

478 :
背後からまわってきた手に、陽子はびくりと身を震わせた。
生温かい空気が耳元の空気を微かに振動させる。
「主上」
ん、と陽子は振り向く。その瞬間、薄い月色の髪をした青年に、
唇を塞がれた。
「んっ…」
ゆっくりと口内に侵入してくる舌に、
陽子は戸惑いながらもこたえる。
熱い固まりと固まりが淫らにゆっくりと、絡まっていく。
その何とも言い難い感触に、陽子の秘められた場所が収縮した。
口付けを交わしている間に、長い指は陽子の夜着をゆっくりと脱がしていく。
首筋から鎖骨へと滑らかな肌の上を青年の指が這い、
そして温かい膨らみの輪郭をゆったりとなぞる。
陽子はそのじれったい感触に、
太股を擦り合わせるようにして、暗に続きをねだった。
その所作に目敏く気付いた青年は唇を緩め、
少女のふたつのまろやかな膨らみの頂点を、指の腹で軽く押した。
「やんっ…」
感度の良い少女は即座に声を上げる。胸の頂はすぐにぴんと立ちあがった。
その様を微笑んでみていた景麒に、少女が潤んだ瞳で抗議する。
「けっ…景麒…。焦らさないで…」
「そのような、主上を焦らすなどと」
そう言いつつも、景麒はまた乳房の輪郭をなぞり、
そしてその膨らみを揺らす様に掌で軽く叩いた。
ぷる、と揺れるその様を楽しみながら、景麒はその戯れを続けて行く。
弾力のある少女の胸を軽くもてあそんでいると、
やがて我慢できなくなった陽子が景麒の首に腕をまわしてきた。
「景麒…」
「どうなさいましたか?」
彼女の要望は分かっているだろうに、わざとそのような事を訊いてくる景麒に、
陽子はしがみつくようにして抱きついた。

479 :
「景麒、なんでいじわるするの」
「いじわるなどと…」
それではここでございますか、と景麒は舌を伸ばして陽子の乳首を舐めた。
途端にしびれるように陽子の体はくねる。
「あああんっ」
あがる嬌声を音楽のように楽しみながら、景麒は乳房まで口に含むようにして
舌でころころと陽子の乳首を舐め続けた。
「はんっ、あん、やぁぁ…ん、景…麒…」
可愛らしい声を上げ続ける陽子にひとつ微笑み、
口に含んでいない方の乳房を手で強く揉む。
手におさまる可能な限りの柔らかなそれを掴み、
こねあげ、揉みしだき、そして指でその先端を刺激した。
「きゃんっ、あぁ、ん、景麒…、やだぁっ」
口で思わず否を唱えながらも、陽子は足を開き、
景麒の腰に自分の蜜壺のある場所を擦りつけた。
くねくねといやらしく腰を動かしながら茂みと共に景麒に当たるそれは、
もうどうしようもない程に濡れている。
ねばつく箇所を擦りつけられた景麒はたまらない程に興奮した。
「口とは裏腹に、主上は淫乱でございますね」
「誰…が、こうした…と…!」
「そうですね、私でございますね」
心底嬉しそうに笑んだ景麒は、そのまま顔の位置を下げて行く。
そして陽子の両足を掴み、大きく蛙のように広げさせた。
陽子の尻の下の敷布は大きく染みが出来ており、
それを見るまでもなく、陽子の秘所はねばついた大量の液体でてらついていた。
「ああ…ん、景麒、そんな見ないでえ…」
「見ないで、と言われましても」
このような淫らな光景に目を奪われない方がおかしいです、と言って景麒は陽子の秘所へと顔をうずめた。
大きくべろん、と割れ目にそって舐められて、陽子は甲高い声をあげた。
「ああああああああああああんっ」
ちろちろと舌を小さく動かしたり、そうかと思ったら大きな動きで舐められたり、
舌を無理やり膣の中にねじこまれたりしながら、陽子は翻弄された。
あまりの快感に、思わず景麒の頭を押え、自分の蜜壺を彼の顔へと擦りつける。
「景麒…っ、あん、ああんっ、いやああああん、も、だめぇ…っ」
「主上、そのように押し付けられては、息ができませんよ」
駄目な方ですね、と尻を人撫ですれば、陽子はそれでまた歓声を上げる。
「主上、あなたは今、何をされていますか?」
「え…っ」
景麒は舌の動きを止め、陽子に問う。
陽子は潤んだ瞳で景麒を見詰めた後、首をふるふると動かす。
「そんな…そんな事…言えない…」
「では続きは出来ませんね」
緩やかに笑ってさっさと顔を上げる景麒に、陽子は真っ赤になって彼の腕を掴む。
「何ですか?」
なおも無言のままの陽子に、景麒は顔を近づける。

480 :
「主上、あなたは先程、私に何をされていましたか?」
「な…舐められて…た」
湯気が出てきそうな程に真っ赤になった陽子の耳元に息を吹きかけ、
そして耳の中に舌を入れてみる。陽子がびくん、と動いたのが分かった。
「どこを、ですか?」
「〜〜〜っ!」
陽子はしかし待ちきれないとこの間にもどんどんと濡れていくその場所を感じながら、
自棄になって言う。
「お…おまんこ…」
「え?」
景麒は意地悪気に訊くので、陽子はぎゅっと目を瞑って言う。
「おまんこ…、景麒に私のおまんこ、舐められてた…」
それだけを言うと小さくなってしまった陽子に、景麒は嬉しそうに笑って彼女の頬に口づけをした。
「よくできましたね」
ご褒美です、と言って彼女の蜜壺に今度は指を入れ、かき混ぜる。
そこはまるで泉のように、透明でねばりけのある液体がとめどなく流れてきていた。
「はあああああん」
「主上、濡れ方がすごいですよ。そんなに辱められたのがよろしかったですか」
「ち、ちが…っ!」
「またやってあげましょうね」
そう言いながら、景麒は舌を伸ばし、陽子のそこを舐め、指を二本入れてばらばらに動かした。
「やああああんっはあああああああ、景麒、景麒景麒けいきぃぃっ!」
腰をくねらし続ける陽子は、腰を浮かしたり沈めたりする。
その様は、末恐ろしい程に淫らだった。
景麒は、自分の肉棒にどくん、と力が入るのが分かった。
我慢できずに、陽子の足をさらに大きく開かせ、そして一気に彼女の蜜壺へと自分の肉棒をねじこんだ。
「ひゃあああああああああああああんっ!」
陽子の恥ずかしい場所が、ぎゅうううう、と一気に収縮し、景麒はうめき声を上げる。
そして彼女の腰を抱き、動き始める。
「うあ、はああっん、けい、き、景麒ぃ、だめええ」
「は…っ、主上…!」
景麒が角度を変え、そして強弱をつけて彼女の蜜壺を貫き続ける。
「あぁ、やぁっ、はぁん」
どんどん激しさを増す景麒の腰の動きに、陽子は歓喜の言葉を上げ続ける。
「ああああ、いいっ、いいのっ、景麒、あっ、駄目、いっちゃう、いっちゃうぅっ!」
しかしそこまで叫んだところで、景麒は腰の動きを止める。陽子が驚いて景麒を見上げると、
景麒は牀の上に仰向けになる。

481 :
「御乗り下さい」
「え…」
「さあ、お早く」
そう言って陽子の腕を引く。
戸惑った陽子だが、しかしどうしようもなく熱くなっている体が正直に景麒の上へと馬乗りになる。
ちゅく、と音を立てて、先端が入る。
自分の指を秘所に添えて、陽子が恐る恐る景麒を自分の中へと入れて行く。
「あ、はぁ、やぁ」
少しずつずぶずぶと入っていく感触に、陽子は興奮していく。
やがてぬぷり、という音をたてて景麒の全てを蜜壺の中におさめた陽子は息をつくと、
景麒が下から陽子を軽く突き上げた。
「主上、動いて下さい」
「わ、私が!?」
訊くと、景麒は頷いた。
そしてまた下から動かしてくるので、陽子は景麒の腹の上に手を置き、
腰を上下に動かし始めた。
「ん…」
たぷたぷと乳房を揺らしながら、陽子は徐々に動きをはやめていく。
「あっ、んっ、景麒、あっ、はぁ、んっ」
「…主上…っ」
景麒の息も上がり、そして陽子の速度もどんどん上がって行った。
「ああっ景麒ぃ、景麒も…っ動いて…っ!」
陽子の声につられるように、景麒も下から陽子を突き上げ始める。
「ああんっ!はあああああんっ!景麒ぃ、ああ、いやっ、いいのっ」
髪を振り乱して陽子が叫ぶ。
下からどんどん突き上げられて、自分の動きも手伝い、
てらつく結合部は、ぐちゅ、ぬちゅ、といやらしい音を立てた。
「あああああああんっ、はあああああああああんっ、景麒!景麒!いっちゃう、いっちゃうぅ」
「主上……っ!」
陽子は背中を弓なりにして、甲高い声をあげた。
「ああああああああああああああんっ!」
それと同時に景麒も白濁した液体を陽子の中へと叩きこむ。
こぽこぽと半透明のねばつく液体が、結合部より流れ出す。
そしてぶるぶると痙攣した陽子は、景麒の上へと倒れ込んだ。
それを優しく抱きとめた景麒は、陽子の額へと口付けをする。
「お疲れ様でございました、主上」
そして景麒もまた、彼女を抱いたまま眠った。
彼女が目覚めたら、未だ繋がったままのその部分に驚くのだろうな、と笑いながら。


482 :
おわりです。
お粗末さまでした。

483 :
>>482
乙です

484 :
蒼猿が最近好きだ(#^_^#)
苦しいくらい好きだ

485 :
>>482 結構なものをありがとうございました
>>484 蒼猿×陽子ですか?お待ちしております

486 :


487 :


488 :
「ほほ」に「゛゛」をつけると「ぼぼ」

489 :
響きは可愛いと思うんだけどねえw
書き手の皆さん、ご息災ですか……

490 :
荒れたから息してないかもな…

491 :
>>489
息子ならいつも元気ですw

492 :
公衆の面前でお子さんを無闇に遊ばせないで下さい

493 :
新作に期待

494 :
なんかこう、男性向け同人誌みたいだけどIfの世界で
「もし祥瓊が他国の高官に拾われてたら」ってのを妄想するのが好きだ
娘のいない高官の養女になって、家族枠で仙にしてもらって
良いもの食って爪とか綺麗になって手荒れも無くなった頃に高官と…
出ていこうにもまたあの襤褸を着る生活には戻りたくないし
仙からも外されるから逃げられずのある意味鈴と似た状況となり

495 :
保守

496 :
保守

497 :
「楽俊っていつも全裸なんだよね」
もふもふ
「まぁ、そうだなぁ…ってナニしてんだ、陽子?」
 もふもふ
「いやぁ、この辺どうなってるのかなって思って…」
もふもふ

498 :
楽俊「ネズミのちんこって凄い小さいんだけど、キンタマがもの凄く大きいんだよな
    無駄に大きいから座るときクッションになるんだ」
  

499 :
楽俊「毎日12発、1ヵ月連続でもへっちゃら。カモン陽子」

500 :
「(子供ができる訳でも無いし)いいよ、楽俊となら…」

501 :
【TPP】TPPに参加 → コスプレや二次創作物が罪に問われる可能性…
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1320835228/
>今や国を二分している環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加議論。ともすれば農作物や工業製品に
>議論が向きがちだが、ネット上では「TPPに参加すると、二次創作物である同人誌を売ることが禁止
>されるのでは?」という議論が起こっている。TPPへの参加交渉において、アメリカが日本に対し
>著作権法の「非親告罪化」を要求することが予想されるからだ。2011年11月7日のニコニコ生放送
>「TPPはネットと著作権をどう変えようとしているのか?徹底検証〜保護期間延長〜非親告罪化・法廷
>賠償金〜」では、TPPがコミケや同人誌をはじめとする二次創作活動に与える影響について議論された。
>著作権法が非親告罪化すると、二次創作物に対する規制は高まる可能性は強いようだ。
>■TPP参加で二次創作は描けなくなる!?
>弁護士で日本大学芸術学部客員教授の福井健策氏によると、現在の日本の法律では、著作権法に
>抵触した場合「最高で懲役10年または1000千万円以下の罰金」などの罰則が課される。ただし、
>現在は「親告罪」であるため、著作権者(権利者)などがしない限り、違反者が起訴・処罰される
>ことはない。
>だが、今回のTPP参加交渉にあたって、アメリカは日本に著作権法を非親告罪化することを求める
>とみられる。仮に日本で著作権法が非親告罪化されると、コミックマーケットにおける同人誌の販売
>などが摘発される恐れがある。そうした影響について、コンテンツ産業の仕組みを研究する国際大学
>GLOCOMG客員研究員の境真良氏は、「(コミケには)同人誌から産業界に入る人たちの活動の場という面もある」
>とした上で、「"学びは真似び"という言葉もあるように、真似をするところから入るところがある。権利者が
>『どんどん(自分の作品を)使ってくれ』と意思表示をする例がある中で、それ(二次創作の許可)が
>あろうがなかろうが、(違反者が)捕まえられることになるのは本末転倒だ」
>と、新たな創作活動やクリエイター誕生の機会が奪われることを危惧した。(中略)
>■「コスプレ」も摘発される世の中に
>仮に著作権法が非親告罪化されると、摘発の是非は警察が判断することになる。このことについて
>メディアアーティストの八谷和彦氏は、「(著作権法が)非親告罪化したら、警察が摘発の判断をすることになるのが怖い。"エロ"とかが
>入っているものは、途端に厳しくなるのでは。コスプレも警察が『ダメ』と判断すれば、摘発される
>可能性がある」と述べ、非親告罪化は「危険」とした。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw142747
・関連【TPP】赤松健「著作権侵害の「非親告罪化」が通ったら2次創作同人壊滅」「原作者がパロに好意的でも同じなのは納得いかない」
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1320067885/

502 :
規制されてる?

503 :
規制されてる?

504 :
あけ おめこ と よろ

505 :
今年もうちの愚息がお世話になります

506 :
人おらんですな。今なら何でも落とし放題な予感。

507 :
人おらんですな。今なら何でも落とし放題な予感。

508 :
人おらんですな。今なら何でも落とし放題な予感。3Pとかいっとく?

509 :
やっほー

510 :
wakuteka 〜♪

511 :
マダー?(・∀・ )っ/凵 ⌒☆チン

512 :
3Pモノ落とします、携帯からなんで改行おかしいかもしれません
桓堆×虎瀟×陽子
(二人の名前の漢字が使えないので一番見た目が近いものを使います。お嫌ならスルーで)
基本的にそれぞれ恋人がいます。

513 :
明治、昭和初期頃までは性的な手解きを致して頂ける素敵な後家さんなんかが蓬莱には存在していたらしい。

先日遊びに着た延麒がそんなことを言っていた。めいじとしょうわは分からないが慶にも似た風習があると返した所「マジで!?」と驚愕していた。
慶の場合は兄弟や親戚などの間で性的な事に興味を持ち出した男子に年上の女子が何をどうするか教授せるのだと教えると延麒は兄弟「慶・・・パねぇ・」などと呟きながら延に帰った。
これがまず一段階。

514 :
なんだそりゃ聞いたことねぇ。
延麒と桓堆の会話を漏れ聞いた虎瀟の意見だ多分そりゃ麦州だけの風習かなんかだろう。 それに習えば夕日軍に教授するのは鈴になる・・・何せ自分の恋人であるし未来の・・・姉(希望的憶測)なのだから。

515 :
そう恋人だ。

のわりには報われてないと言うかー主に性的に。嫌と言われたわけではないが鈴との体格差が行為に二の足をふませずにいるのだ。 壊しそうで怖いのだ身長差もあるし。
「 陽子なら丁度いいんだがなあ。」
がっしりしているわけではないが剣の鍛錬でしなやかな筋肉も付いているし台輔と並ぶ機会が多い為あまり気付かれないが身長も平均より高い方だ。自分とまあ、そういう行為をしても心配はいらないだろう。しかし
「 俺が好きなのは鈴だしな。」
そう、それとこれは別なのだ、麒麟とヤッてんだからちょっと乱暴にしても大丈夫だろうとか胸はちいせぇみたいだが俺は構わねえとかそれは別話と言うものだ。

「 おまえ凄い不敬な考え漏れてるぞ。」
「 ―だわっ?!」
口調は咎めてはいるが顔は笑っている。かなり不気味だ。
「 せ、青将軍?」
「 虎瀟、桂桂連れて今夜家に来い。いいな。」
有無を言わさ口調で桓堆は会話を終わらせた

516 :
なかなかエロくならないのでエロ成分を補強して明日続き落とします。誤字脱字多くてすみません。

517 :
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518 :
>>516
おおっ! まってるから

519 :
意外に綺麗な部屋。桓堆の屋敷の一室で暖かな敷物に座り陽子は桂桂の到着を待っていた。
―姉代わりの義務ですよ。桂桂にちゃんと教えておかないと。桓堆にそう言われるまで失念していたなんて蘭玉に悪い。
きちんと桂桂に蘭玉がしていたように接していたかと言われるとうんとは言えない。忙しくて殆ど遠甫に投げっぱなしある意味ネグレクト。
「 桓堆に言って貰って良かった・・」
一つ陽子は聞いていない。なにを桂桂に教えるのかを。

520 :
一方虎瀟は桂桂を伴い桓堆の屋敷に来たもののどうすれば
いいのか逡巡していた。桓堆の行動が純粋な好意ならば何の
問題もない(本当は色々問題だが)
しかしそうでないのならば大問題だ。まかり間違って強姦方面
に進んだりしたら熊を止める力はない。
その場に居ただけでも馬(麒麟)に顎砕かれるのは必須。鈴とも終わるだろう。
はあ・・・・・
人生最大の溜め息を吐く虎瀟を桂桂は不思議そうに見上げている「 どうしたの?」
「 困った熊がいてなあ。」
完全な熊害だろう。意味は違うが。

521 :
「 来たか、桂桂。」 朗らかに桓堆が迎えに現れた。―さわやかだ。とても下心がある様子はない。
( 俺の勘違いか?)
ならば何の問題もない、じゃあ俺居なくてもいいのではないか?「 虎瀟。」
「 は?」
桂桂と手を繋いだ桓堆が笑いかける。
「 おまえはー」
帰っていいのか!一瞬喜色満面になるが
「 いてもらわんと困るからな。」
その声に虎瀟の顔は灰色になった。
そう言った桓堆の顔はあきらかにさわやかではなかった。
これが二段階。

522 :
「 陽子!!」
嬉しそうに抱き付いて来る桂桂を優しく抱きしめる。端から見れば微笑ましい光景だ。 ―これから何があるか知らなければの話だが。
「 ほら桂桂、主上に教わりたいこと
あるんじゃないのか?」 ―端から見れば親切なお兄さんであるん
計画を聞いた虎瀟としては生暖かい笑みを
浮かべるしかない。
「 そうだった!あのね」
「 何?桂桂。」
「 女の子の体のこと教えて!」

それは所謂キャベツ畑こうのとりでなく
「 水色時代」で「ないしょのつぼみ」な
事を聞きたいのだと陽子が気付くまで
かなりの間沈黙が流れた。

523 :
「 ええっ?!」
真っ赤な顔で桓堆を見れば至極真面目に頷いた。
離れた場所に立つ虎瀟も神妙に頷く。
桂桂は当たり前の事を言ったように普段と変わらない。
「 けっ桂桂ちょっと待ってて!」
そう言い放つと陽子は虎瀟の側に駆け寄った。
「 あの、今のって」
悪い陽子。腹の中で虎瀟は土下座した。
アレを知られた以上桓堆の共犯者になるしか道は―
ない。
「 ああ、当たり前だろ。桂桂の姉変わりなんだからな。」
「 主上はご存知でなかったんですか?」
後ろから桓堆の声。
「 慶では当たり前なんですよ」

524 :
おかしいと思う。
でもそれは蓬莱育ちで無宗教な陽子にとって、だ。
所かわれば風習も変わる。一夫多妻が普通の国もある。
宗教によっては快楽のみの性行為を禁じる
こともある。
普段ならば冷静に考えれば断るが事桂桂に
関しては陽子はゆるい 蘭玉が鬼籍に入った遠因は自分にある。
衣食住は足りているとは言えお世辞にも
愛情は足りているとは言えない。
ならば、これくらい
「 ど、どうすればいいんだ?」
「 主上は座って頂ければ後は俺達が教えますよ。」
頼れるお兄さん的桓堆の言葉に陽子はほっと
息をつく。

525 :
本当になかなかエロくならなくてすみません明日は必ず

526 :
マッテル

527 :
職人さまが降臨 スバラシイ

528 :
なんと投下が 
何時まででも待ってま〜す♪

529 :
多分きっと部位を教えたりするぐらいだ。 それなら自分だけより他に人がいるほうがいい。
要は性教育の教材役なのだから。
なんで自分が教材なのかとか考えられない程に桂桂に対する
陽子のハードルは低い そしてそれを利用する桓堆は悪い熊さんである。
熊さんに協力している虎さんは一応被害者ぶっては
いるが頭のどこかでは楽しんでもいた。
何せ貞操義務でもないが鈴と身体を交わすように
なってからは他に抱いた相手は無く―そんな場所に行く暇もない―

530 :
健康な男である以上欲求は溜まる、手淫で発散するにも
5人同居ではままならず、よしんば手淫が出来たとしても
翌朝目敏い祥瓊などは冷笑を送ってくる。
危ない橋ではあるが
渡って渡れないことはない。
性格上陽子がこのことを誰かに話すとも思えない。だったら―

少しくらい手伝ったってバチはあたらねぇ虎瀟は半ばヤケクソに
そう考えた。


531 :
「 じゃあ主上。俺に寄りかかって下さい」「 寄りかかる・・」
はいどうぞと桓堆は自分の足の間の床を叩く。
なるべく桓堆の身体に触れぬように移動した陽子の肩を掴む。
「 なっ?」
「 駄目ですよちゃんと寄りかかって。」
ぐいと肩を引き寄せられ桓堆の胸に頭が押しつけられる。
向かい側に座る虎瀟と桂桂には気の毒なくらい陽子が
赤くなったのが見えた
( おいこりゃあ、意外と)
普段と違って随分と女らしい。頭が胸に触れたくらいで赤面。
ちょっとこれは。
「 陽子、なんか可愛いね。」
あっさりと桂桂は言う。

532 :
「 お、桂桂。相手を素直に褒めるのは感心だぞ」
確かにさらりと的確に褒める辺り将来ある意味安心ではある
「 だって可愛いよ。陽子いつもと違うみたい。」
「 ち違わないから! 桓堆!」
「 はい?」
「 お、教えるなら早くして!」
数人に囲まれて可愛いなどと言われるのは
子供の頃以来で何とも気恥ずかしい。
何するやら知らないがさっさと済ましてしまいたい。
そんな一心で口から出た一言が三段階目になるとは
陽子は知らない。
まさに口は災いのもとであった。

533 :
「 では主上、脚を」
桓堆の胸に上半身は預けているが両脚はぴたりと
閉じられている、これでは肝心な所は教えられない。
真面目な顔でそう言われ陽子は少し左右の脚を開く。
「 虎瀟代わってくれないか。」
「 ああっ?!俺?」
「 桂桂が代わってどうするんだ、ほら。」 手招きされおよび腰ながらも虎瀟は桓堆と
入れ代わり陽子の身体を足の間に納めた
( 何だこりゃあ・・)意外にもすっぽりと自分の腕の中に納まる
「 こ虎瀟。」
「 お、おう。」
「 こうしなきゃいけないのか?」
「 は・・・うおっ!す、すまねえ!」


534 :
ついうっかりと虎瀟は陽子の身体な腕を巻き付けていたのだ。
―本当にうっかりかどうかは怪しいものだが。
「 虎瀟そのままでいいからな。」
「「は?」」
二人の声と同時に桓堆は陽子の左右の足首を掴む。
「 脚開くとはこれ位ですよ。」
ぐいと開かれた脚の角度は九十度。
「 桓堆?!」
先程よりも顔を赤くして狼狽する陽子に桓堆は囁く。
「 姉代わりなんでしょう?」

535 :
「 ちゃんと教えてやらないと将来恥をかくのは桂桂ですよ」
―桓堆にとっては都合の良い言葉である。「 わ、かった・・」
唇を引き結んで陽子は頷いた。
小さく笑って桓堆は指示を出す。
「 膝を立てて。」

膝を立てたまま両脚を開く、布越しでなければとても出来ない。 耳まで赤くしながらそう考える。
「 うん まあ下は大丈夫だな。桂桂。」
今まで蚊帳の外だった桂桂を呼ぶ。
何となく雰囲気を察したのか彼の頬も少し赤い。
「 女の子の身体できになる所はどこだ?」「 えっ?」

536 :
「 何処でもいいぞ。主上が教えて下さるからな。」
あうあうと言い淀むがぼそっと桂桂は呟いた。
「 ・・い。」
「 ん?」
「 おっぱい。」

流石十一歳。何よりも分かりやすい箇所を触りたがるものだ。
「 それじゃあ主上にいいか聞こうな。」
桓堆は優しげに桂桂の肩に療法を置く。
小さく頷くと陽子に問いかける。
「 陽子あの・・・おっぱい、触ってもいいかなあ?」
不安そうだ。
蘭玉にならあんな顔して聞かないだろう。 恥ずかしくて泣きたいがふにゃりと今出来る笑顔で笑う。
「 い・いいよ」


537 :
おずおずと小さな指が布越しに胸の膨らみを探る。
気持ちいい云々よりくすぐったい。
技術も何もない子供に触られるのに心配していたなんて
馬鹿みたいだ。
( くすぐったいのだけ我慢すればいいんだ)
何処かほっとした様子の陽子を見て桓堆はぼそっと桂桂に耳打ちした。
( 何?)
桂桂の指が襦の合わせで止まる。
「 桂桂・・?」
「 ちょくせつ触っていい?」
「 え、あ、えぇっ!」
ほっとした所に打撃である。慌てながら何故か虎瀟を振り仰ぐ
― 意見を求められる
良心に従えば否だが
あれを知られている以上―

538 :
「当たり前だぞ。」(すまねえ陽子!)
自分の人生において3本の指に入る程の演技力で
虎瀟は平然と言った
( 悪いすまねえ今度堯天に降りた時は土産は陽子の
好きなもんにするから!)
そんなもんで済むわけがないが虎瀟の頭の中で
それ以外の詫びが思いつかなかった。
( け桂桂の健全な成長の為! )
母性愛は理屈も何もぶっ飛ばすものだ。
「 いいよ、触って」
「 何処をですか?」
問い掛けたのは桓堆なのだが陽子の耳には桂桂の問いに
きこえたのだろう。
「 ・・おっぱい。」
桓堆は楽しそうに笑った。

539 :
おおっ! 楽しいお勉強ものですか。感謝であります〜♪
久々の職人さん降臨 アリガタヤ アリガタヤ

540 :
続きあるの? 期待するけど

541 :
小間切れ投下ですみません。
明日辺りから本格的にエロ入ります。


542 :
少し震える桂桂の手が意外にも思い切り良く陽に灼けた肌を
露出させた。
「 わ。」
その「わ」がなんの「わ」なのかが虎瀟には分からない。
上から見下ろす分には、確かに控え目ではあるが形良く所謂
美乳だと思う。
「 っ。」
小さく息を呑む音がして正面を見れば桂桂の右手は陽子の右胸に触れている。
―何と言う直球。さすが子供。自分には出来ない逆に感心した。
弾力のある肉が珍しいのか桂桂はわあ、とかへぇ、などと呟きながら、
拙くも陽子の胸を揉みだした。

543 :
気持ちいいとかでなく子供だから力加減が解らないのだろうが。
ただ単に―痛い。
文句を言う程ではないが痛いのだ。
( でもいきなり痛いなんて言うと傷つけるかも・・)

上から見てる虎瀟からも桂桂の指の動きは痛そうに見えるた。
技術はないにしてももう少し弱く揉めないものだろうか。
誰か教えてやるべきだ、 そこまで考えて虎瀟は気づいた。
( 将軍が言ってたのはこういうことか?)
だとしたら有用な風習ではないか。
自分も初めての時はこんなもんだった。相手の苦痛など考えてる余裕はなかった。

544 :
とにかくガツガツとした初体験だったのだ
因みに相手とは疎遠になり終わっていたりする。
大体初手から巧みな者など滅多にいないのだし別れるだけなら
まだしも女達の中で知らぬ所で笑われていたりしたら最悪だ。
( 俺が教えて・・) 思わず喉がなりそうになった。
三月ぶりの女の身体
相手は鈴でないのがアレだがこれは―
( 教育ってヤツだ)
うんと一つ頷くと虎瀟は口を開いた。
「 桂桂、そんな触り方では駄目だな。」
「 青将軍、駄目ってどうして?」

―見事に先をこされた自分が少し可愛いと虎瀟は思った。

545 :
おおっ! ますます来ますねぇ〜♪

546 :
「 そんな風に強く触ったら痛いだろう?」「 でも陽子痛いって言ってないよ。」
せっかく楽しんでいたのにと桂桂は少し反発した。
「 主上。」
「・・・?」
「 きちんと感想言わないと駄目ですよ?桂桂の為にならんですよまったく。」
やれやれ仕方ないなと桓堆は手を伸ばした
桂桂が触れていない無防備な陽子の左胸へと。
「 なっ!桓堆?!」
予想外の桓堆の行動に後ずさろうとしたが背後に座る虎瀟が
壁になり動けなかった。
「 姉代わり何でしょうが」
「 桂桂だけしか触らないって・・」


547 :
桓堆は陽子の耳元に近付き小声で囁いた。
「 教授役があまり上手くない場合は身近な年長の男が手伝うんです。」

―聞いてない!
顔に分かり易く書いてある。小さく笑って桓堆は再び囁いた。
「 頭の中で別の事考えてればいいですよ」「 ・・・別?」
「 本気で触る訳ではありませんから、桂桂が納得するまで明日の議題でも。」

意識を別に集中しておけ、と言っているのだ。
確かにそれならまだ恥ずかしさがマシだろう。
景麒以外の男性に触れられるのは抵抗あるが、桂桂の成長の為。
場所さえ教えればさっさと終われる。

548 :
この期に及んでまだそんなこと考えているあたりが陽子の欠点である。
良くも悪くも真面目なのだ。

小さく頷いた陽子を見ると桓堆は桂桂を呼んだ。
「 ちゃんと近くで見ておくんだぞ。」



549 :
触れるか触れないかの微かな指が胸の下から
中央の頂へと数度上下する。
「 痛そうな顔してるか?」
「 ううん。」
「 ゆっくり優しく触るんだ。」
―こそばゆい。変なかんじ。一瞬そう考えたが陽子は桓堆の言葉に従った。
( 別の事・・百人一首?)
何でかは解らないが時期ではあるし暗記している歌もいくつかある。
試験の暗記みたいでこの状況に関係なくて良いかも。
そう考えた時。
「 っん」
桓堆が胸を手のひらで包み込んで揉み出したのだ。
目の前の二人は声に気づかなかったようだ 良かった。


550 :
( 意識しないように・・・ええと)
桓堆の真似をするように桂桂も陽子の右胸を包もうと
するが手が小さく同じ動きは出来ない。
「 どうするの?」
「 そうだな、こうして・・」
桓堆は指と指の間で陽子の頂を挟む。
「 優しく挟んだり少し強く挟んだりしてみるんだ。」
「 はい。」
真面目な声と顔だけ見ていれば本当に教師と生徒だ。
―やっていることはアレだが。
「 そう優しく、な」
桂桂に諭しながら桓堆は少し尖り出した頂を手のひらの
下で感じた。
快感で、ではなくただの反応なのだろう。 陽子の顔を見ればわかる。

551 :
自分の提案どうりバカ正直に何かに集中している。
( 全く・・何に集中しているんだか)

胸から連想したわけでもないが
( むらさめのつゆまだひぬまきのはに)
意外に覚えているものである。
( きりたちのぼるあきのゆうぐ・
「 れっ?!」
頭の中で暗証していた歌の最後の一字が声に出た。のも無理はない

桓堆の舌が陽子の頂を舐めていたのだ。
ゆったりと舌全体で舐めていたかと思えば
舌先だけでくすぐるように舐め上げる。
それを桂桂も真似るものだから始末が悪い( 桓堆の馬鹿!)


552 :
いくら桂桂の為とはいえやり過ぎだ。しかし桂桂の真面目な
顔を見れば止めることも出来ない。
普段ならば胸はあまり気持ちよいと思ったことはない。
しかし両の乳房からの感覚は知らないもので。
気持ちよいまではいかないがなんと言うか( だめだ。違う事・!)
ちゃんと考えたら駄目だ、だから―
(だ、たーたれをかもしるひとにせむたかさごの)
拙い舌が右胸の頂を探れば巧みな舌が左胸の頂を弄る。

553 :
教えられていないのに桂桂は陽子の頂に吸い付く。
まるで赤子のように
「 っふっ・・」
吐息が漏れる。
児戯に対してでなく左胸の桓堆も同じように頂に唇を寄せ出したからだ。
唇だけで軽く挟みながら乳房を柔らかく揉む。
―集中。集中しないと。
( まつもむかしのともならなくに)
大丈夫、まだ平気だ陽子は安堵する。
そう『まだ』なのだから。桓堆は見えぬ唇の端で笑った。

554 :
おおっ! ええでぇ〜感謝感謝感激感激

555 :
性教育作者です。
取って置いたデータを消してしまいまして今再生中です。
一気に落とすのが難しいので昔考えた小ネタをお目汚しですが

556 :
吹いた。
何をと聞かれたらその時含んだ蓬莱の酒(焼酎と言うらしい)をだ。
「 ぅわキタねぇな!」「 何やってるんですか景台輔。」
しかめ顔の延麒と呆れ顔の泰麒。
「 二人が妙な事を言うからでしょう!」
語気荒く返した景麒を不思議そうに見た後二人の
麒麟は異口同音に言った。
『 ああおチンポミルク膣内に熱いの一杯きてるの!しゅごいっしゅごいよぉ
らめっらめえ!いっちゃう〜?!』
「 か?」「ですか?」
何を平然と言うのか
翻訳機能のせいか『おチンポミルク』は『精子』にきちんと変換されて
耳に届いている

557 :
「 それです・・・」
そんな破廉恥な言葉を大声で話すなど頭がどうかしたのか。
「 嫌だな景台輔、頭は無事ですよ」
顔に出ていたのか泰麒が笑う。
「 だよ、俺達はただ不思議だっただけだぜ〜?」
「 不思議?」
「 そうですよ。蓬莱の本とかで今僕達が言ったみたいな
台詞が出てくるんですけど。」
一部特殊な薄い本などに出る台詞だがさもそれが当然かの
様に話す泰麒。
「 本当かどうか解らなくて悩んでるんです。」
「 ほら俺達なりがこんなガキだし実践出来ないし。」
「 よしんば出来たとしても常世の女の子は違うかもとか。」

558 :
はあ〜と二人同時にため息をつく。
阿呆らしい悩みだと思うが胎果ゆえの悩みであれば自分は
口出し出来ない。
「 やっぱり胎果の女の子とするしかないんですかね・・・」
「 だよなあ〜」

嫌な予感がする。
この二人の身近な胎果と言えば
「 中じ」
「 駄目です!無理です!」
「 何でお前が言うんだよ・・・」
じとりと延麒が睨む
睨まれても言えない初めの頃は『 ハズレ』と思った陽子を
今では一時も離したくないほど欲しているなどと。
そして三月ほど前2人は結ばれたのだ。
海を望む絶景の宿屋で。

559 :
「 回想はいらねーから。」
「 ちょっと乙女入っててキモいですから」 容赦ない二人の言葉に我に帰る。
「 あ〜でも陽子に頼めないとなると・」
「 知り合いいないですしね僕達」
海客である鈴にとか蓬莱行って確かめるなどの選択肢は
あるはずだか当事者二人と景麒には考えつかなかったようだ
またはああぁ〜と深いため息、純粋国産の景麒には
わからぬがそうとう深刻らしい。

空気が、重い。
「 誰か聞いてくれるだけでもいいんだけどなあ・」
そう呟いた泰麒の顔は幼くあの頃の可愛い弟が帰って来た
ようで。

560 :
「 き、聞くぐらいなら私が。」
「 本当に!?」
「 マジで!?」
「 ま、まあ・・」
やった!などと盛り上がる胎果組。
頼りにしてますと言われると微妙に口角があがる。

「 んじゃ頼んだぜ?『クリアクメいくぅ』もな〜」
「 『 ザーメン子宮に一杯入ってくるぅ』もお願いします」
聞かなければならない言葉がいくつか増えたが頼られた
事が嬉しくさほど気にならなかった。

景麒の姿が正寝に消えた辺りで二人はげらげらと笑い出した。
「 ちょっ、ちびお前、ザーメンて!」
「 延台輔だってクリアクメとかうける!」

561 :
そして―

翌日二人が見たのは冷淡に他人行儀に台輔に対して敬語で話す陽子と
その台輔の下顎を覆う轡から伸びる鎖を持つ浩翰だったそうな
くちはわざわいのもと。 おわり

562 :
以上です。
ちゃんとある程度再生出来ましたら性教育落とします。

世界観壊すセリフオンパレードですいません。浩翰に殴られる前に
蓬莱に帰ります。

563 :
いやぁ〜 久々の職人さん常駐メデタイ〜♪ 感謝であります

564 :
ー時々小さく吐息が漏れる。
桓堆の手は次第にゆっくりと胸から更に下へと降りていく。
一方桂桂は飽かずに右胸を音を立てながら吸い続けている。
いくら対して気持ちよいと感じた箇所でないとしても、これだけしつこく弄られては
多少なりとも反応は出る。
頬には赤味が差し呼吸が少しずつ早くなる
それでも陽子はまだ律儀に、いや愚直にも頭の中で百人一首を詠み続けていた。
( これやこのいくもかえるもわかれては) 一際強く桂桂が胸の頂を吸い上げる。
声が漏れそうになるのを押し止める。強く吸われたそこが熱い


565 :
奥から何かが湧いてくるようだ。
― 何か は知ってる
知ってるからこそ
( しるもしらぬもあうさかのせき)
知らないふりをしないと駄目だ。相手は景麒じゃない。
これは本気の愛撫じゃない。ただの性教育反応する方がおかしい
ーつぎ。
順番も何もないただ頭に浮かんだ歌を詠む。
( きみがためはるののにいでてわかなつむ)
今の陽子にはこれしか出来ないのだ。
桓堆の指が手触りの良い絹を掻き分けた
熱のこもった閉ざされた布の内側へと。
( わがころもでにゆきはふりつつ)
知らないふりは、いつまで続けられるのか

566 :
「 っひぅっ」
声と共に陽子の身体が跳ねた。
桓堆の指がたどり着いたからだ。
―一番熱い所に。
「 青将軍?陽子どうしたの。」
吸い付いていた乳首からちゅぽんと音をさせて桂桂が離れた。
そして桂桂の視線は大きく開かれた陽子に股へと移る。

幾枚もの布は取り払われ直接外気の当たる『 それ』。
桓堆の指はゆっくりと外襞をなぞる。
「 しょ将軍?」
「 ん?どうした桂桂おまえも触ってみるか。」
「 まんまんって触っていい場所なの?!」
笑っちゃっ悪いが思わず虎瀟は笑いそうなった。
( そうだよな子供だし)

567 :
スバラシイ 感謝であります
今度は無能も教育してやってくださいw

568 :
ありがてぇありがてぇ

569 :
いやぁ〜 投下ありましたねぇ〜♪

570 :
素晴らしい乙

571 :
ほしゅ

572 :


573 :
久しぶりに書いてみた
http://ikli.in/d

574 :
えぇーい、蘭玉は無いのか

575 :
金玉ならあるぞ

576 :
景陽投下します。

577 :
「……なるほど」
 目の前で恥ずかしそうにもじもじと体をゆする陽子を前にして、景麒は主の姿をまじまじと見た。
***
 先日延麒六太が金波宮を訪れた際、景麒にひとつ荷物を渡した。
「多分陽子が蓬莱にいた時に着てたものだから。渡してやれば?」
「蓬莱の衣服ですか」
 景麒が六太に聞き返すと、六太は軽く頷いた。
「色々あるよ。セーラー服、スクール水着、体操着。どれでも好きなの着せて遊べばいいよ」
「……遊ぶ……?」
 六太は肩をすくめる。
「本来はあっちの十七、十八程度の若い女の学童が着るものだけどさ。けど、まあ『そういう趣向』として『そういった時』に女に着せて遊ぶ為のものでもある」
 正しいのか正しくないのか微妙な知識を景麒に手渡し、六太はさっさと王宮を去っていった。

578 :
***
 荷物の中身を確認した景麒は、素直に陽子に見せる事にした。スクール水着や体操着(陽子の話だとそれはブルマーと呼ばれるものらしい)を見た時は、「六太君は何を考えているんだ……」と顔をひきつらせていたが、セーラー服を見た瞬間に、彼女は少し顔を輝かせた。
「わあ、懐かしいな。私蓬莱で、これを着てたんだよ」
「蓬莱で……」
 さようでございますか、と頷いた景麒は、陽子に着てみるように促す。陽子は驚いたように景麒を見た。
「え、今?」
「さようでございます。――今しかないでしょう。夜で、二人きりで、寝室なのですから」
「一体何を教えてもらってきたんだ……」
 頭痛をこらえるように頭を押さえながらも、陽子は溜息をひとつつくと、別室でその衣服に着替え始めた。
***
 セーラー服に着替えた陽子は、胸元を押さえながらもじもじと先程から恥ずかしがっている。膝と長い足袋のようなもの――靴下というらしい――の間からちらちらと見える肌がなんとも男心をくすぐる姿だった。
 景麒は一歩陽子の方へと近づく。
「主上。何を恥ずかしがっていらっしゃるのですか」
「や……、だって。その……パンツは入ってたけど……ブ、ブラジャーがなかったから……」
 陽子の言う事がよく分からないながらも、景麒は胸元を隠そうとする陽子の腕を取った。それで彼女が恥ずかしがっていたのを諒解する。
 両胸に、その存在を主張するかのように、小さな木の実のような膨らみの存在がふたつ、衣服の上からでも分かった。景麒はふっと笑う。
「何をお恥ずかしがっていらっしゃるのですか、今更」
「な、だ、だって……」
 口ごもる陽子の両腕を取ったまま、景麒は唇を陽子の胸元まで持っていき、衣服の上からゆっくりとその膨らみを吸った。
「やんっ、景麒……」
 もう、と自分の頭を押しのける陽子を抱き寄せ、そのまま膝をすくいあげるように抱きかかえ、牀へと向かった。

579 :
***
「――……せっかく延台輔が持ってきて下さった衣服なのですから、趣向をこらさねばなりませんね」
「別にいいよ……」
 牀に横たえられた陽子は、いそいそと何かを用意する景麒を見ながら頬を染める。
 景麒はひとつ陽子に口付けを落とし、その両腕を取った。何をするのかと思い見ていれば、両の手首を紐でくくり始めた。
「な、景麒!」
「はい」
「はいじゃなくて……、何してるんだ、そういうのは嫌だって前……」
 首まで赤く染めて講義する陽子に、景麒は笑む。
「そうですね、そう仰った『前』は、主上は大層お喜びでいらっしゃった」
「喜んでない!」
 そう言う間にも、景麒はいそいそと陽子の両腕を縛り、牀にくくりつけた。
「ついでにこちらも……」
 そう言って、陽子の右足の足首を取り、ぐい、と蛙のようにあげさせる。
白い薄布に包まれた陽子の秘所が露わになり、足首まで紐で縛り牀にくくりつけてしまった。
これには本当に陽子も面喰らったらしい。顔を真っ赤にして景麒に抗議する。
「やだぁっ、景麒、恥ずかしい……」
「ですが、良い眺めです」
 抗議を聞き入れるつもりはないらしい景麒が、陽子のもう片方の足も同様にする。
陽子は衣服を着たままパンツを景麒に晒すような格好になり、恥ずかしそうにしきりに腰を揺らしている。
満足げにその部分を見詰める景麒の視線が恥ずかしいのか、既にそこはじわりと染みがついていた。

580 :
 既に猛り狂っている己を陽子の秘められた場所へ衣服の上から押し付け、景麒は陽子にのしかかる。柔らかい胸を揉みながら、陽子の甘い唇を思う存分吸う。
「んっ……」
 甘い声をあげる陽子に唇をあけさせて、舌をからめて激しくむさぼった。陽子の口からは甘い声がしきりに上がり、混じり合った唾液が頬を伝って落ちる。
 とろりと弛緩した瞳を景麒に向ける陽子の頬に口付けをひとつ落し、景麒は陽子の首筋に口付ける。異国の衣服の構造がいまいち分からず、下からたくりあげて胸を露わにさせた。景麒は迷わずその先端にむしゃぶりついた。
「やあああ……んっ」
 陽子の高い声が上がる。左手で胸をもみしだき、その先端を主張する乳首をこりこりと指の腹で捏ねる。
「はうう」
 陽子は気持ちよさげな声を上げ、景麒は舌で陽子の胸の先端に唾液をまぶすようにし、それから吸い上げ、何度も舐めた。
手はいつの間にか陽子の下半身へと降り、既にじっとりと濡れている布の上から何度も割れ目の部分を撫でた。優しく、時に強く強弱をつけて撫で擦ると、どんどんとその布がぐっしょりと濡れていくのが分かった。

581 :
 景麒がくすりと笑うので、陽子が頬を上気させて何か、と問う。
「……濡れていらっしゃる。とても。新しいものなのに、このように濡らしてどうなさるのですか」
「なっ……だ、だって……!」
 景麒は構わず、顔を陽子の秘所の部分に押しあてた。つんと酸っぱい匂いがして、景麒は無我夢中で嗅ぐ。その様子を見ながら陽子は景麒の頭を押さえた。
「あんっ……やだ、もうっ……変態!」
 そう言いながらも陽子は自分の股に景麒の頭を押し付け、腰を揺する。最初から足を開かされているのか、もう限界らしく、布の上からでもそこがひくひくと収縮しているのが分かる。淫乱とも言えるその反応に、景麒は嬉しく思った。
そしてその下着を脱がしていく。
 足を上で固定しているが故に途中までしか脱がせないが、その不自由さが逆にこの状況を淫靡に見せる。下着を脱がすと布と割れ目の間には粘り気のある糸が引いた。
それを見て、景麒は猛りが熱くなるのを感じ、自身も衣服を脱いだ。
 そして景麒は再度陽子の股に顔を埋め、一心にその部分を舐めた。
「やぁあぁぁぁ……っ!」
 陽子が高い声を上げ、自由にならない体を欲望に揺らす。小ぶりな乳房はふるふると揺れ、もはや景麒の顔がべとべとになる程に濡れた股下をしきりに景麒の顔に擦りつける。

582 :
「あん、景麒、もっと……もっとぉっ、あ、やだ、そこ……」
「ここでございますか?」
 反応があったところを舐め、それとは別に指を滑り込ませる。濡れそぼったそこはすぐに指を受け入れる。
「んんっ……景麒……、足りない……足りないよぅ……それじゃない……そうじゃないのぉ……」
 景麒は顔を上げ、ぐしょぐしょに濡れた指先を陽子の腹にすべらせながら、陽子の顔をのぞきこんだ。
「では、何がほしいのですか?仰りなさい」
「んんっ……、景麒の……景麒のおちんちんが欲しいよぅ……!」
 景麒は深く笑み、それからもはや涙を流しはじめている自分の猛りを陽子の股に当て、一気に貫いた。
「ああああああああんっ!」
「ふ……っ!」
 陽子が歓喜の声を上げ、景麒も低く息のような声を漏らす。もはや景麒は我慢がきかず、すぐに腰を動かし始めた。
 陽子の中を貫くたびに、堂室に淫靡な水音が響く。ぱん、ぱん、と肉と肉のぶつかり合う音さえも、互いの熱を高める効果しか持たない。
「景麒、景麒、あうう、もっと、もっとぉ……!」

583 :
 景麒は何度か強く貫く。収縮する陽子の内壁は景麒を限界までぎちぎちに絞り上げる。
「うぅ……」
 それでも我慢し、景麒はさらに激しく陽子の腰をゆする。限界かと思われた陽子の秘所はさらにきつさを増した。
「あ、あ、あ、あ、景麒、景麒、いっちゃう、いっちゃうぅ……!」
「主上……!」
 景麒は最後に何度か強く貫く。自分でも激しく揺さぶる陽子の腰を持ちなおすと、最後にひとつ強く突いた。
「あああああああああああああああああああああああ……っ!」
 陽子が一際高く鳴き、そして景麒も陽子の中に自身を解き放った。


584 :
***
数刻後、陽子は物音で目を覚ます。
「……景麒?何をしているんだ?」
 景麒は陽子を振り向き、ふたつの衣装を掲げ持った。
「主上。次はどちらになさいましょうか」
 彼が持つのはセーラー服とスクール水着。陽子は茫然とそれを見て、口元をひくつかせる。
 景麒の表情は異様に輝いており、そして陽子は逃げる準備をはじめたのだった。

585 :
終わります。久々の投下なので
改行を忘れてそのままあげちゃったので
読みにくくてすみません。
職人さんがもっとあらわれますように!

586 :
おおっ! なんと投下であります
スバラシイ 感謝感激雨霰であります

587 :
まだこのスレに職人さんがいてくれたのか
アリガタヤ アリガタヤ

588 :
>ID:8LW3KQsH
まだ職人さんいたのかというか
また職人さん帰ってきてくれたというか
投下うれしいです

589 :
投下 乙であります
しかも景陽、王道ですね。いいですね

590 :
「んっ……ちょっと、やだ、景麒……」
「何ですか、主上」
「もう、さっき……その、したじゃないか!なんでまた……あんっ」
「あいにくと一度で満足できる程度の想いではないのです。観念してくださいませ」
「そんな……あ、やだ、どこ舐めて……ひゃぁあん」
「良いお声ですよ」
「んんっ……ばか……ぁ」
「こんなに溢れさせて……ご覧ください、主上。私の手が、ほら、びっしょり……」
「いちいち報告しなくていい……ああぁんっ!」

591 :
つづきあるの?

592 :
まってる、いつまでもまってるから

593 :
たまってる、いつでもたまってるから

594 :
たってる、いつもたってるから

595 :
崩御回避

596 :
保守

597 :
アニメひさびさ
やっぱ塙麟タンいい女
やりたいよ〜

598 :
>>584


599 :
市況2からきました。ここは煩悩さんのスレでつか?

600 :
泰麒「エブリデイ♪ヤングライフ♪ジュ・ネ・ス♪」

601 :
ここも妖魔ばっかりか…

602 :
半獣ですが何か

603 :
人妖ですが何か

604 :
騎獣ですが何か

605 :
再掲でもいいので、景陽お願いします。

606 :
>>605
>>2
●SS書庫●

607 :
以前壺を入れたらieが動かなくなってさ。

608 :
>>607
専ブラはJane Styleをどうぞ

609 :
陽子

610 :
電子

611 :
精子

612 :
景王陽子72コスプレ
ttp://dl10.getuploader.com/g/Dakini/11/20121022_233826.jpg

613 :
景陽

「主上!」(がばっ)
「こら!昨日もしただろう。やめなさい!」
「やめません。毎日したってやめません。全然満足できません」
「こ、こら!服を脱がすな!」
「着たままがよいのですか?」
「そ、そういう意味じゃ……!」
「主上のご希望に反する訳にはいかぬので、では本日はそのように……」
「そのようにって……、こ、こらーーーーー!」

614 :
続き無しの放置プレイなの?

615 :
単に保守の代わりに置いたんでは

616 :
「こら!昨日もだしただろう。ためなさい!」
「ためません。毎日だしてためません。全然満たしません」

617 :
常世は中田氏砲台かw

618 :


619 :
アケオメコ

620 :
あああ

621 :
〜ん

622 :
んんんんん ゴックン

623 :
そんなことしてくれるのは廉麟か宗麟だな

624 :
王がのぞめば麒麟は誰もが歓んでご奉仕してくれるとオモウ

625 :
いやいや、やっぱり好みはあるだろう
ただ勅命には逆らえないだけで

廉麟と宗麟の場合は素直に従いそうだがw

626 :
キレイに洗っといてよ、白いのイッパイつけてるしクサイしもう〜 イヤ!

627 :
廉麟なら「フフフ キレイにしてあげますね」

628 :
>>2の書庫、両方とも見られなくなってるんだけど
今は過去投下された作品を読みたい場合は
>>3の・エロパロ板過去ログから探すしかないかな?

629 :
>>628
第二 は見れるが?

630 :
あっほんとだ
さっき見た時は404だったのに、ありがとう。

631 :
こんなところがあったのか…!
一冊目のころ私小学生www

632 :
元祖も復活してるね
元祖 ttp://red.ribbon.to/~giraffe/
第二 ttp://2ch.12kokuki.net/eroparo/
ただ、htmlは全滅か、四冊目からはミラーサイトで見れるが
・エロパロ板過去ログ(まとめサイト内、ただしTOPからはリンクしてません)
http://12ch.w-site.jp/kako/log_eroparo.html

633 :
>>632
え、全滅?元祖も第二も普通に見れてたけど。
単に鯖の障害だったとかじゃなくて?

634 :
>>633
エロパロ板過去ログのhtml

635 :
>>634
確かにIEで見ようとしたら見れないな。
専ブラ使ってたから全然気付かなかった。
第二書庫にスレも保管されてたから、
スレ丸ごとで見たいならそれしかないね。
つか何で過去ログhtml見れなくなったんだ?

636 :
過去ログのhtmlが見れないとの事で、
第二書庫内のスレッド保管庫にdatも掲載しました。
専ブラに取り込むとかツールでhtmlに変換する等で閲覧できます。
保管庫はまとめサイトが更新されるまでの暫定のつもりでしたが、
最新の過去ログ一覧でも特にラノベ板のスレが結構な期間抜けている事もあり,
バックアップの場としてこのまま置いておく事にします。
複数人でdatを持っていれば必要な時に誰かが提供できるし。

ただ一部のdatはmimizunから取得したので、文字化けがあるかも知れません。
閲覧上の問題ではなく丸囲み数字等の機種依存文字が壊れるらしいです。

637 :
>>636
おーありがとうございます!

638 :
新刊の短編と長編が発売されたらここもまた賑わうかな
賑わうといいな
でも新刊のせいで腐女子が増えたらやだ
折角今少ない状況なのにな〜
とほしゅがてらチラ裏

639 :
昔からいる人は知ってるだろうけど
801板の十二国記スレはここの派生で
職人さんも被ってる人がいるのになあ。
このスレが実際に迷惑こうむったんならまだわかるが
なんでいきなり腐を叩くんか。
かけもちしてる職人さんがまだここ見てたら謝っとく。

640 :
そーいえば何か腐的キャラ解釈()を誤爆してったアホが過去にいたような…

641 :
アホはおまえだ
誤爆だか何だか知らんがとっくの昔に起きたことで
何だって今たたく?

642 :
とても敏感な部分にはとても優しくフレル、サワル、ツマム、サスル
そして次は少し力をいれてフレル、サワル、ツマム、サスル、タタク
そのうち乱れてくると更に激しく・・・・が基本
それをいつするの?  今でしょ! 

643 :
いつだすの? 今でしょ!  で、麒麟一番しぼり

644 :
出してもらうなら廉麟でおながいしますだ

645 :
ほしゅ

646 :
はあああああ!!!!!

647 :
量産型西王母
ttp://mog.tank.jp/up/src/mog3660.jpg

648 :
西王母見てたらムラムラと来たので書きます

   「ゆりかご」

血、暴力表現有り

649 :
「今日も日が沈みます」
「……はい」
物憂げに眉を曇らせた、柔和な顔の老婆が長くため息をついた。
隣に佇んだ金の髪の少女が、礼節を僅かに踏み出して老婆に身を預けるよう寄り添う。
自分の鳩尾ほどの背丈の少女を僅かに震える手で抱き寄せ、その絹のように滑らかな金の髪をすいた。
心地よさ気に老婆に頭をもたれ、十五、六程の背格好の少女は瞳を潤ませながら切なげに請う。
「どうか、そんなに辛いお顔をなさらないで、主上」
才州国、凌雲山の頂で共に夕日を見つめる主従。
朝議を全て終え、二人は長閑宮の内殿より正寝を抜けて後宮へと退いていた。
燕寝の北宮の露台より、東宮を翳らせながら水平線に沈む夕日を眺める。
これから訪れる暗い時間を前に、互いを支えるよう体を寄せて手をきつく重ね合った。

650 :
「揺籃。それを跨ぎなさい」
僅かな黄色い光に照らされた暗黒の空間に冷たい命令が響いた。
少女に向かい、股間を裂く為に作られた楔形の断面を持つ板を指す老婆。
才州国の女王、その名を黄姑と言った。
普段、絶えることのない暖かく和らいだ微笑はすっかりと陰り、厳しく強張っている。
「はい、主上」
揺籃と呼ばれた金髪の少女は、肩衣のある青い上掛けを床に落とす。
そしてその下の桃色の襦桾を脱ぎ捨て全裸になると、おぼつかない足取りで刑具を跨いだ。
両膝を閉めて自分の敏感な場所に食い込むのを食い止めながら、そろそろと手を離す。
両手を頭上に合わせると、天蓋の梁から垂らされた輪の穴へ通して強く引いた。
錘が外れる音と共に輪が締まり、板の上に吊るされるように少女の両腕が引き上げられる。
「くぅっ」
縛り上げられた両の手首に自分の全体重が掛り、痛みに呻く揺籃。
揺れる柔らかな金髪が白い裸体を撫ぜながらさわさわと揺らいだ。
「はじめるよ」
冷徹な宣言が下り、板の両側に垂らされた少女の足首に鉄輪が嵌められ、垂らされた鉄棒に錘が掛けられる。
重い鉄音と共に左右両足が引き落とされ、揺籃の股間に鋭い板の先端が激しく食い込んだ。
「ぎゃうんっ!」
股間を襲った激痛に少女は全身を反らせて叫びがあがった。
脚を割り裂かれ、敏感な突起を鋭く尖った板の先端が切断するかのように食い込んでくる。
全身を緊張させながら、細い両腕で必に吊られた荒縄を引き、体を上げようとする。

651 :
「なにを大袈裟に苦しんでるんだいこの畜生め!」
鋭い鞭が揺籃の裸体に打ちつけられる。
背中からわき腹を抜けて右乳房に走った稲妻のような激痛に、少女は絶叫しながら体を捩らせる。
「主上、いたいっ……痛いです主上ーッ!」
打たれた傷が燃え上がる様に痛み、泣きながら訴える揺籃。
黄姑は酷薄な笑みでそれに答え、更に鞭を振り上げる。
長い柄をもつ長大な太鞭は、黄海を渡る猟尸師が妖獣を調教する為に用いる物だった。
音速を超えた鞭の先端が、揺籃の白い肌に走る蚯蚓腫れを再び寸分違わずなぞる様に叩いた。
「ぎゃいぃん!」
子犬のような悲鳴を上げ、汗でぬれた白い肌に金髪を纏うよう貼り付かせた裸体が苦悶に捩る。
さらに鞭を振り上げる黄姑の姿に全身を戦慄かせる揺籃。
腫れあがった部位をなんとか逃がそうと、必で脚を引き上げ、腕を下ろそうと足掻き始める。
嗜虐の笑みに歪み始める黄姑の顔に、恐怖で痙攣を始めた横隔膜が短い喘ぎを発し始めた。
「ひっ、ひっ、ひぃっ」
「そんなに怖いかい、だったら少し緩めようかねえ」
和らいだ黄姑の表情に、目を見開く揺籃。
期待と感謝に桃色の唇が震え、ため息と共に黄姑の名を吐き出した瞬間、振り下ろされる大鞭。
激痛の雷鳴に打たれ、揺籃は悲鳴を上げる形のまま口を開け、石の様に硬直した。
肺の中の空気を吐き出しきった瞬間を狙い打たれ、悲鳴として吐き出せず激痛の全てが身を駆け巡る。
陸に上がった魚の様に空気を求め、口の開閉を繰り返す。
蛇のように腫れあがった痣は点々と裂け、血を流し始めた。
黄姑の手が、恐怖と激痛に震える揺籃の白い肌を優しく撫でる。
少女の目から流れ出る涙を掬い取り、払いながら言う。

652 :
「呼吸が戻るまで優しくしてやろうかね。どうだね、楽かい?」
揺籃は二回ほど反らせた体を痙攣させると、ひゅうっ、という音と共に空気を吸い込んだ。
同時に、脚輪に錘が追加された。
絶叫と共に反りあがる揺籃。
逃れようもないほどの力に両脚を引き下げられ、股間に鋭利な板がぎりぎりと食い込んでいく。
「だっ、だめです、主上、もう、あっ、あ、あああ」
「優しくしてやったのに、呼吸が戻った途端にこれだ」
老婆は刑具につけられた操作輪を回し始める。
「この私に駄目、などと。畜生風情が何様のつもりだい。ええ?!」
板の下部から伸びた棒が、足輪と錘棒の連結部を僅かずつ押し出す。
揺籃の脚は鋭い板の上で徐々に開かれていった。
「いやっ、それは、しゅ、主上ぉおお!」
体重を遥かに超える重量を鋭い板の先端で支え続けた股間からブツリ、という音がした。
包皮に包まれた敏感な半球体が押しつぶされ、続いてゴキリ、という音と共に恥骨が砕ける。
目をむいて絶叫を開始した少女の体を鞭が這い回る。
雷鳴の様な激痛と共に皮が裂け、血と肉片が飛び散り始めた。
「許しはね、んだ砥尚と――――――自に追いやられた私の息子に乞うんだね!」
苦痛に狂い踊る揺籃の目に、さっと正気の光が戻る。
痙攣する気道から空気を送り、絶叫しながら震える唇を操り哀願する。
「し、しょう、えい、しゅ、く、ご、ごめん、な、さ」
薄い膨らみの上で恐怖に屹立した乳首に雷撃が打ち下ろされ、言葉は再び絶叫へと砕けた。
歯のつぶれた長い柄の鋏のような刑具をその桜色の突起へ押し付けながら、黄姑が詰る。
「私は息子を二人ともされた。誰にされたと思うね?」

653 :
尚も股間を抉る激痛に意識を明滅させながらかつての主上、自らが選んだ最初の王とその腹心を想う。
二人は誰に害された訳でもなく、誇りと理想に準じて自らの生を全うしたと答える揺籃。
少女の乳首が鈍い刃先で潰されるように千切られはじめる。
「はぎゅぅん!ひぎゅうん!」
揺籃が上げる奇怪な叫びに合わせ、呪いの言葉を呟く黄姑。
「おまえだよ、お前だろ?未熟な砥尚を玉座へと奉り上げて放置し、なんの献策もせず只善政だけを要求しつづけ道を失わせた張本人は!」
あたしです、と肯定するかのように金髪を振り乱しながらがくん、がくんと頷く揺籃。
「失道の病とやらで朝廷を放り出し、朝の終焉を加速させて私の息子の栄祝を迷わせ、陰謀に走らせた。それもお前の所為じゃないか!」
一際強い叫びと共に、揺籃の乳房が激しく抉られてゆく。
しかし少女は瞳を見開き痙攣しながらも、主である黄姑の悔恨を想い苦痛の絶叫を噛み潰す。
黄姑は自分が悔しくてならないのだ。養子の砥尚、息子の栄祝への愛の深さだけ。
”――――――この憤りを、主上自信へ向かわせては駄目”
揺籃は苦痛と穢瘁の衰弱に耐えながら懺悔をつづけた。
主上、ごめんなさい、栄祝、ごめんなさい、と。
「いいさ、許してあげるよ。之を耐え忍ぶことが出来たらね」
黄姑が床の突起を足で踏むと、仕掛けが作動し揺籃の股間を抉っていた板が床に引き込まれ消えた。
身を苛んでいた苦痛から開放され、脱力しながら全身で息をつく揺籃。
黄姑は揺籃の片足を錘から開放すると、梁より垂れ下がった鎖に足輪を連結し、対に垂れた鎖を引いた。
ガラガラと錘がさがり、鎖が揺籃の片足を天井へと引き上げてゆく。
板に裂かれていた股間を次は上下に引かれる様に裂かれ、少女は新たな苦悶を上げる。
開け広げられた揺籃の股間の、桜色の小さな花弁を押し広げながら、そこに鞭の柄を力任せに挿入する黄姑。
「痛ぅっ」
血の穢瘁による衰弱で、僅かの苦痛にも怯むまでに落ちた体力にその痛みは激烈だった。
体の幹を割り裂かれる痛苦。
金の髪を振り乱しながら苦痛にもだえる様に、黄姑は爆笑しながら揺籃の未成熟な肉壷を掻き回すように抉る。
「おやおや、ここを耐えておかないとこれからが大変だよ」

654 :
女陰凌虐棒と書かれた、男の腕ほどもある艶やかな飴色の巨根を取り出した。
表面には波打つようなひだや鋲のように鋭い突起が無数に生えている。
それを目にした揺籃の口より嗚呼、と恐怖の嘆息が漏れ、その瞳が絶望に見開かれる。
「耐え切ったら、最後の折檻だよ」
「いやぁ」
拒絶の言葉の途中で、それは打ち込まれた。
生木を裂くような手ごたえと共に揺籃の狭い膣が引き伸ばされ、裂けてゆく。
膣道の最奥に鎮座する、鋭敏で小さな口は押しつぶされて腹部が棒の形に膨らんだ。
「ぎゃあんっ……あっへえー」
内臓を掻き分け、さらに侵入しようとする巨根が少女の横隔膜を刺激し、肺の中の空気をすべて押し出す。
膣の肉を血しぶきと共に捲り上げながら、その巨根を激しく出し入れさせる黄姑。
巨根に彫られたグロテスクなひだや突起で女陰の肉を捲られ抉られ、卑猥に湿った音とともに血泡が弾けた。
「あんっ、あんっ、あんっ」
突然断続的な叫びが淫蕩の艶やかさを帯び始める。
体内で爆発するような快感が瞬間的に高まり、獣の本性の侭に絶叫を上げながら果てる。
「いっぎゅぅうううう!……うんっ、あん、ぁあん」
びくん、びくんと無残に抉られた血塗れの裸体を無様に痙攣させながら、絶頂の快感を貪る揺籃。
そんな自分の麒麟の姿を冷たく蔑み、黄姑が吐き捨てるように言った。
「今日もだめだったね」
理性を失いながらも、その言葉の意味する所を理解したように揺籃が喘ぎ始める。
「しょんな、しゅ、じょ、ぉお……」
淫靡な最後の喘ぎ声と共に巨根が引き抜かれると、捲れ上がった陰部の肉襞に鉄鋏が当てられた。
「ひぎゃぁああああ!」
少女の絶叫と共に鈍い切れ味の鉄鋏が、陰部の肉を執拗に啄みはじめた。
更に秋官から残忍な刑を好んで執行する三人の掌戮が呼ばれ、新たな責め具を手に揺籃の身を苛み始める。
黄姑は厚く羽毛の打たれた榻に腰を沈めると、長い煙管を咥えた。
近習の美しい少年達が駆け寄り、煙草を詰め火を点す。
疲労した身体を小さな手の奉仕に委ねながら揺籃に言葉を投げる。
「おまえは民の意の具現というじゃないか。人気には乗じ、苦境には目を背ける唾棄すべきあの卑怯者達」
少女の上げる苦悶の声に幾らかの慰めを得ようと、煙を吸い込みながら黄姑は目を閉じた。
「私の息子を天への生贄に捧げた憎き奴めら……しかし民をしつくすわけにはいかない、だから揺籃」
吐き出しながら目を開くと、紫煙の向こうで掌戮に嬲られながら痴態に踊り狂う少女が写る。
「その名の通り、揺り籠になって慰めておくれよこの私を。いつまでも」
もはや痛苦なのかよがり声なのか判別できない奇声を発し、幼い身体を開いて被虐を受け入れ続ける少女。
采麟、才州国の麒麟。
善政、賢治の裏にあるその犠牲を知るものは居ない。

655 :
おお〜 久々の投下ですねぇ〜 等か嬉しいですねぇ〜
感謝感激雨霰 雪でも雹でも降らせましょうw
ただ、采麟タンカワイソス

656 :
ありがとう〜
顔を見れば必ず息子達の悲劇と自分の無為の悔恨に
苛まれるであろう采麟に癒し系の名前をつけた黄姑の
気持ちとかをもっと想像しながらパロりたかったです
語彙が貧しすぎて老婆とか書いちゃったし…

657 :
いや老婆でカンジは出ています

658 :
砥尚で男に懲りてばーさんに走った采麟タンにこんなワナが待っていたとは

659 :
せっかく久々の投下があるのに人いないね

660 :
油断したわ投下があるなんて
ありがとう!ありがとう!

661 :2013/09/13
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