2013年10エロパロ525: 男装少女萌え【11】 (383) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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男装少女萌え【11】


1 :2011/01/29 〜 最終レス :2013/08/31
前スレがDat落ちしたので建てました。
前スレ
男装少女萌え【10】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1219568508/
初代 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1114770971/
【2】http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1123336678/
【3】http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124861558/
【4】http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1126773753/
【5】http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1128756966/
【6】http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1132134142/
【7】http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1135621044/
【8】http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1163153417/
【9】http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1191752856/
男装少女萌え倉庫
ttp://www.usamimi.info/~dansou/
2chエロパロ板SS保管庫
ttp://green.ribbon.to/~eroparo/

2 :
>>1おつ

3 :
>>1


4 :
>>1乙!

5 :
>>1
乙です

6 :
>>1


7 :
>>1

8 :
>>1乙ついでに即回避うめ

9 :
そういえば、男子制服を着た女子高生をこの前見かけたな(即回避梅

10 :
即防止に今読んでいる角川ビーンズの男装モノが非常に萌えたので書き込んでおく。
主人公は生まれたときに悪魔に目をつけられて、花嫁にされることになって、
それから逃げるために男として育てらたんだけど、
その状況に絶望して荒れてた時期もあったりして、性格がもろ一昔前の不良な一人称「僕」で、
普段は助祭として男装してるんだけど、悪魔に見つかって結婚させられて、
離婚するために、善行を行わなきゃいけなくなって、怪盗として夜は修道女姿で正義の味方をやるってな話

主人公に片思いする女の子がいたり、悪魔が魔力失ってて普段猫の姿で「我輩」といって妙に可愛かったり、
悪魔祓いの司祭に追われるけどその司祭とは一つ屋根の下で正体隠す、とか大好物過ぎた…
敵に捕まって僧衣裂かれて、さらしまいた胸見られそうになって震えたり、(ちなみにその胸は林檎級)
司祭が男なのにドキドキする!と悩んだり、
正体ばれそうになって教会の衆人環視で服を脱げといわれたり、
ばれるかばれないかの緊張感が男装モノとして非常に良かった…!


11 :
>>10
タイトル書かかずに作品紹介とな!?

12 :
>>11
忘れてた…
シスター・ブラックシープって小説
意外と女性向けでも燃える男装ってあるな〜と思って盛り上がってしまった
なんかこう、燃える男装物が読みたい

13 :
ビーンズっつーと某孫言うなしか知らんかったがそんなのもあるのか
ちょっと買ってくる

14 :
小ネタレベルだけど投下するよー。
・FT風
・エロどころかラブもちょっとしかない

15 :
第一王子、ユリウスが急病に倒れたという知らせはたそがれ時にとどいた。
「ユリウス様……」
王子の侍従、ジークは急いでいた。一刻も早く主人の安否を確かめなければならない。
王子の姉君が出産し男児を授かるやいなやの凶事である。不安感ばかりが彼の心を煽る。
王宮の廊下をできる限りの速さで歩き、主の部屋の扉の前にたどりついた。
「大丈夫ですか! ユリウス様!」
主のベッドには誰もおらず、その代わり二人の女性がそこにいた。
一人は知っていた。ユリウス付きのメイドで、古くからの顔なじみだ。
もう一人は貴婦人である。
今時のドレスに身を包み、うっすら化粧を済ませている。わなわなと震えているのはいったい何事だろうか。
その黒髪に黒い目をもつ顔は誰かにそっくりだが……まさか。
「ユリウス様?」
とたんに『彼女』はびくりと顔を上げ、顔を真っ赤に染めた。
「せ、いっそせ!」
「落ち着いてください! ユリアナ様!」
メイドが彼女の腕にすがる。
「侍従にこんな姿を見せて落ち着いていられるか!」
ジークの思考は停止し、しばらく使い物にならなかった。
「取り乱してすまなかった」
その後部屋を追い出されたジークは、およそ着替えの音とは思えないどったんばったんという音を聞きながら、部屋の前で待っていた。
再び部屋に招かれたときユリウスはいつもどおり男物の服を着ていた。
「はあ……」
ジークの思考はまだ回らなかった。
「で、これは一体何事なのです?」
「まだ気づかないのか」
「鈍感にもほどがありますね」
メイドが後ろから口を出した。ユリウスはそれを目で制する。
「まあ端的に言うと……私は、女なんだ」
「えっ」
少し冷静になりかけていたジークの思考は再び混乱した。
幼いころはともに戦争ごっこや剣技の真似事で遊び。
長じてからは影となり日向となりユリウスに従ってきた。
彼の高潔さを尊敬し、ぬときはともにと思うほど忠誠を誓う存在。
それが。
「女って……」
「私は周りの国につけいれられないための偽の跡継ぎだった。父上に男子が生まれなかったからな」
ユリウスは淡々と言う。
「姉に男子が生まれて、私はお役御免ということだ」
「そんな……」
「騙された気分だろうな」
ユリウス――いや、もはやユリアナは、哀れむようにジークを見た。
「無理もない」
「いいえ。ユリアナ様」
ずいっとメイドが前に出てきて、ユリアナに意見した。
「ここまで長い間お側にお仕えしていらっしゃるのに、気づかないジーク様にも問題があります」
「そう言うな」
ユリアナは優しく言うと、ジークに向き直った。
「そういう訳で、お前も私の侍従の役目は終わりだ。父上に他にいい職がないか聞いておこう」
話を終わらせようとするユリアナにジークは尋ねた。
「ユリウス様」
「何だ?」
「これからどうするおつもりですか?」
ユリアナはため息をついて、答えた。
「私も決めていない。ただ、尼にでもなろうかと思ってる」
「修道院……ですか」
「私はもう王宮に必要ない存在だからな」
その目は今まで見たことのない、光のない目だった。
それがユリウスのんだ日だった。

16 :
「奇妙なものだな。自分の葬式を見るというのは」
ユリアナは隣のメイドにぼんやりとつぶやいた。
街は第一王子の喪に服している。王宮の窓からは、人望の厚かった王子の不幸を嘆く人民の姿が見える。
「今日から新しい人生が始まるということですよ」
「新しい人生か……」
自嘲するようにユリアナは繰り返した。
「どうしろと言うんだ。私は男としての人生しか知らない」
「本当に……尼になる気なのですか」
「ああ」
ユリアナは答える。
「王宮にいてもどうせ囚われの身だからな」
『ユリウス』がんでから、ユリアナの部屋は王宮の奥深くへと変わった。
メイドはそのユリアナを残念そうに見つめる。
「ユリアナ様は素敵な女性ですのに」
「お前はどうして私をそう女にさせたがるんだ。この間なんか赤っ恥をかいたぞ」
「あなたの美しさを証明してあげたかっただけですわ」
「ジークはひっくり返りそうになっていたぞ」
「あんな空気の読めない侍従もう知りません」
ユリアナはふふ、と笑った。
「今頃奴はどうしているかな」
「気にしていらっしゃるのですか?」
「兄弟みたいなものだったからな」
「兄弟……ですか」
メイドは何か残念そうにユリアナを見る。
「どうした?」
「いえ、なんでも」
そのとき、怒声が急に部屋に飛び込んできた。
「おい! 何をしている!」
「何事だ?」
ユリアナの目が鋭くなる。
ざわざわと怒鳴りあう声。その中に、自分の見知った声が混じっているのに気づいた。
「ジークか?」
ユリアナは跳ねるように立ち上がり、外に向かって駆け出した。
「いったい何をしているんだ奴は!」
ここは選ばれた人間しか入れない場所である。一介の侍従の身分であったジークが入れる場所ではない。
石造りの廊下を走ると、ジークがいた。
衛士に槍で止められて……。
「ジーク、お前は何をやっている!」
「ユリウス様! いや、ユリアナ様! 私は貴方を誇りに思います!」
「は?」
衛士に押しのけられそうになりながら、ジークは続ける。
「貴方はその身を犠牲にして国を守った! それは褒められこそすれ貶められることではありません!」
半ば切れ切れに、ジークは叫ぶ。
「だから、私は騙されたなどと思いません!」
「やめてやってくれ」
ユリアナは衛士にそれだけ言うと、しばらくジークを見つめた。そして尋ねる。
「お前それを言うためだけにここに来たのか?」
「はい」
ユリアナは目を押さえた。
「お前は馬鹿だ」
「ユリアナ様……泣いていらっしゃるのですか?」
「泣いてなどいない!」
ユリアナは怒鳴った。鼻をすすり上げると、こう言い放つ。
「尼になるのは保留にする。礼儀を知らん侍従がいるからな。責任を持って教育しなおさねばならん」
ついてこい、とユリアナが言うのを、ジークは安堵をもって聞いた。
主人に追いついた彼は、ユリアナがほんの小さな声でささやくのを聞いた。
ありがとう、と。

17 :
「ところでユリアナ様。もうあの格好はなさらないのですか?」
「あの格好って……あの格好か? する訳ないだろう。恥ずかしい」
「いえ……それは、少し残念です」
「なっ……何を言い出すんだお前は。冗談は止せ」
「いえ、冗談のつもりはないのですが……」
「馬鹿言うな! あんなふざけた格好二度とするか!」
二人はまた、一緒に歩いていく。

ここまで。
ありがとうございました。
できればエロとかラブラブとかも書きたいんですが……

18 :
投下wktk
これは続きも読みたい
むしろ仕えずに嫁にもらっちゃえよ!

>>13
ビーンズで男装ものはけっこうあった
兄の身代わりやる「身代わり伯爵」とか
女が芸をできない時代に男の振りして能舞台に立つ「花は桜よりも華のごとく 」
女なのもろバレで軍人やってる女性キラーな男装の麗人主人公の「レッド・アドミラル」も入ることは入る
「彩雲国」ですら主人公が一時的に男装してたしな…
ただ、萌えるかどうかというと別物なんだよな…当たり前だが
強いて言えば能の話がバレるまでの状況とかよかった…エロかったし
2巻はすでに男装の意味がなくなっているので1巻だけ読みゃいい話だがw

19 :
GJ!
以後はどうやってユリアナ様に女装させるか知恵を絞るわけですね
>>10さんの文庫買ってきた
最近こんな感じで雑談にあがった本を購入するパターンが多い
ほかのスレのやつとか
それぞれ面白いんだけど、きっかけが2ちゃんというのは秘密だw

20 :
ISのシャルが男装キャラらしいな

21 :
即回避って何レス埋めりゃ良いんだっけ
念のため保守

22 :
30だっけ?

23 :
じゃあ保守ついでに男装少女の胸について語ろうか。
ひんぬーか着やせか巨乳か

24 :
とりあえず何であれサラシは欠かせないよな
個人的には着痩せ派

25 :
やっぱりサラシいるのそれ? みたいな子がいい

26 :
巨乳をサラシで押さえてるのがいい

27 :
敢えて言うなら成長中派
で、だんだん大きくなって来る自分の胸を持て余し始めるあたりがたまらぬ

28 :
>>27
それで鏡を見る度に「また大きくなってる…」といいながら悩む姿も萌えるな
そういえば胸もだけど髪はどうだろう
ベリショかショートかロングか
ロングなら髪を結うかそれとも帽子で隠すか

29 :
胸はぺたんこで「気持ちは乙女なので成長しなくて複雑」派
髪はショートで「伸ばすと男に見えないから切らなきゃ」派
だが帽子に隠したロングの髪がこぼれ落ちるのには萌えざるを得ない

30 :
保守

31 :
なんか過疎ってるな
ISもだけど放浪息子もアニメ化されたから前に比べたら
少しは今期のアニメの話も出て活気づくと思ったが全く出ないし

32 :
好き好んで男子制服きてる不良少女萌え

33 :
>>31
放浪息子欲しいんだけど近くに良い書店がなかったり
なんか書きたいけど書けない…

34 :
過疎対策にはもっと妄想を垂れ流すんだ!
私は旅のために男装する女の子とか好きだな!

35 :
>>34
それなんてキn…うわやめて撃たないd
普段は男前なのに二人っきりになると急に甘えだすのとか良いと思う

36 :
>>34
僕はウリックちゃん!
なぜ女装に戻ったし
評判の悪い乙女ゲーだが、遥5の都は見た目は好みだ。
ルートによって男共と良い仲になったりすれば萌えられた。

37 :
保守あげ

38 :
お富さんとゆうゆと麻子タンの学生服に萌えたがなぜルリルリだけ普通にセーラー服なんだろうか

39 :
突然ですが投下します
・FT風
・媚薬ネタ

40 :
「君はいつになったら旅を終わらせる気なんだ?」
「俺?」
ユーイは思いもよらないことを聞かれたという顔をした。
「そうだなあ。そんなこと考えもしなかった」
「そうかい」
がたがたと道を走る乗り合い馬車の中で、僕は予想通りの答えに首をすくめた。
「お前は? ジュノ。お前は旅を終わらせることを考えることがあるのか?」
「何度もあるさ。僕は君ほど行き当たりばったりではないからな」
「相変わらず、むかつく奴だな」
そう言ってユーイは頭を掻き毟る。よく実った小麦のような金髪が、さらさらと指の間から零れ落ちた。
「うん、やっぱり金はいいな」
狩ってきたモンスターの類を商人に売った後、少しいい宿に泊まった。
「……無駄遣い」
「いいじゃんかよ。しばらくねぐらにするんだから」
僕たちはこうやって生きている。モンスターを街から街へ追いかけて、それを狩る。
モンスターの皮や爪や歯などは重要な資源なのだ。
「こいつのお陰だな」
ユーイは腰の剣を軽く叩く。ユーイの得物だ。
僕は?
ユーイはそんなことまったく気にしない。精悍な顔に走る笑顔は太陽のように見える。
「ユーイ」
「何だ」
「背中」
「……ああ、忘れてた」
たぶん嘘だ。ずいぶんひどい傷だったからまだ痛いだろう。
やせがまんめ。
「って、いきなり脱ぐなよ」
少し考えがそれた間だけでユーイはシャツを脱いでしまっていた。さらしを巻いた胸があらわになる。
「何をいまさら。何年の付き合いだと思ってんだ」
「恥じらいはないのか。恥じらいは」
さらしを解きながらユーイは憮然とする。
「気持ち悪いこと言うなよ」
僕はため息をついてうつむく。
「何だよ」
「何でもない。後ろ向いて」
再び顔を上げるとユーイが背中を向けていた。
滑らかなミルクのような肌に走る線。
僕がそれに触れると、ユーイがびくりと体を震わせた。
かまわずそのまま両手をかざす。

41 :
低く呪文をつぶやきながら手のひらから押し出すように、魔法をこめていく。
彼女のもちもちした肌に、食い込む指。
「だいぶよくなってきたな」
「もっとぱーっと治んないのかよ。めんどくせえな」
「魔法はめんどくさいものなんだよ。僕がいなかったらんでたんだからな」
「でも、儲かったじゃん」
「知ってるか。あの世にはお金を持っていけない」
「……悪かったよ」
ユーイがぼそっとつぶやいたのが聞こえた。僕は頷く。
「明日も狩りに出る気なのか」
「うん。まあこの辺強いの出ないし」
「ついて行こうか」
「足手まといだ」
はっきり言われた。
「お前は俺の怪我治してりゃいいんだよ」
「そうか」
せっかく人が心配してやってるっていうのに。なんだよこの仕打ち。
次の日。ユーイは大量のぬめった何かをかごいっぱいにして宿に帰ってきた。
夕闇に染まるそれはとても、
「気持ち悪い」
「食うとうまいらしいぞ」
蛍光ピンクのそれをつまんで僕に見せた。
……ナメクジみたい。やっぱり気持ち悪い。
僕が道で見つけた薬草やそれを使った薬なんかを売り払っているうちに、ユーイはわけのわからないものを手に入れていた。
「お前が心配性だから弱い奴だけにしといたんだからな」
そりゃ、殊勝な心がけだが。
ユーイはその蛍光ピンクをしばらく見つめると、ひょいと口に入れた。
「あ、結構うまい」
軽く引いた。
「君はそれでもお……」
一瞬で剣がのど元に突きつけられる。
「それ以上言ったら剣の錆にするぞ」
「悪かった。君は立派な男だ」
すぐに降参して手を上げる。子供のころからやりなれた応酬である。
ユーイはすばやく剣をはずす。その手がふらりと揺らいだ。
「ん?」
ユーイはそのまま剣を杖にしたが、それでも体を支えきれない。
そして地面にひざをつく。
さっと血の気が引いて、僕はユーイのとなりにひざまずいた。
「ユーイ、どうした?」
「なんか、体熱い。ふわふわする……」
よく知らないものを食うな。旅人の鉄則だというのに!
だからこいつは馬鹿なんだ!
ユーイをベッドまで運んでやると、僕は鞄から本をあさった。
「待ってろ、今調べてやるからな」

42 :
"リクウミウシ"
森林地帯に生息。希少。
食用になるが、女性には生だと催淫効果があるので注意が必要。
僕はキレた。
「ちゃんと調べてから行けええええ!」
ユーイはベッドの上で妖しい声を上げている。
「あつい……脱ぐ……」
「脱ぐな!」
「何で?」
「やかましい! とにかく脱ぐな!」
「うう……」
ユーイの息がだんだんいやらしくなってくる。
ああ、これが桃色吐息というやつか。
幸い時間がたてば勝手に効果は切れるようなので、一晩このまま放っておけばいいだろう。
問題は僕だ。
「ジュノ……ジュノ……」
「話しかけるな」
「何で?」
「どうしても!」
ひっく、としゃくりあげる声が聞こえた。見るとユーイは泣いていた。
「お、おい、どうした?」
僕はかなり困惑した。こいつの泣き顔を見るのは久しぶりだ。
「ご、ごめん……いっつも迷惑ばっかりかけて」
「そんなことはいいから寝てろ!」
こんなときに限って素直になるなよ。僕はそのまま後ろを向く。
「ふえ、ど、どうしてお前、……こっち向いてくれないんだ?」
それはお前の欲情した姿を見たらそれはもうやばいことになるからだ。
と言いたかったがやめておいた。
しかしこれはまずい。真剣にまずい。
さっきちらっと見えた分だけでも、青い目はとろんと潤んでいて、肌は薄紅に色づいていて、非常にまずい。
たぶんこのままだと僕……。
僕は立ち上がった。
「おい……ちょっと。どこ……行くんだ?」
「野宿する」
「僕がいると気が散るだろうから。ゆっくり治せ」
そういい残してすたすたとドアから出ようとする。
「い……いかない……で……」
か細い声が背後から聞こえてきて、僕は足を止める。
「切ないんだ……怖い……だから」
半泣きの声。甘い、蜜のような声。
「謝るから……いくな」
悪魔が僕にささやいた。
――これだけ我慢してきたんだから、少しは報われてもいいんじゃないか。
僕はユーイのベッドに身を乗せた。
「な、何だ?」
「何とかしてやるよ。おとなしくしていろ」

43 :
「ん……んっく。ん……」
彼女の唇は甘かった。
すぐにもっと欲しくなって、唇をこじ開け口内へ入る。
ユーイは少し抵抗したが、すぐに粘膜をこすり合わせる快楽に身を任せた。
招くようにして、彼女の舌を自分の口の中に入れてやり、挟み、甘噛みし、丁寧に吸った。
やっと口を離してやると、だらしなく唾液が彼女のあごを伝った。
僕はそれを舌でぬぐってやる。
「ん……ジュノ、脱ぐなって言った」
シャツのボタンを外しているのに気づいてユーイが言う。
「僕はいいんだ」
そううそぶいて僕はシャツをはぎとる。
彼女の白い地肌が出てくると、そのいとおしいわき腹部分をつっとなでた。
「ひっ……」
ずいぶんと敏感になっている。その事実は余計に僕の理性を脇に追いやった。
僕がさらしを解くときも、ユーイは言いつけどおりおとなしくしていた。
その左の先端を口に含み、ちゅっと吸い上げた。
彼女のおとがいが伸びる。
「だめだ……ジュノ。さっきから、余計、切ない……」
「大丈夫」
何が大丈夫なのか自分でもわからなかった。涙目のユーイは黙って頷く。
舌で押しつぶしてみたり、転がしてみたりすると泣き声が変わる。
面白い。
さらに右手を使ってもう片方の胸の突起もつまんだ。
「ひあっ、あああっ!」
ちょっと刺激が強すぎたみたいだ。
力を少し緩めて、ついでに手のひら全体で胸自体を揉んでやる。
「ふあ、あ……あん……ああん」
いやらしい声だ。
これがハンターの声か。
僕はだいぶ彼女の声にやられていた。
ズボンの金具を外し、剥く。
「いやあ……」
抵抗もとろけて形になっていない。
僕はかまわず、下着に手をかけた。
薄い布地に手をかけ引きおろすとそこから粘液が零れ落ちた。
そこを確認するようになでさする。
「ぐちゃぐちゃじゃないか」
「ふえ……っ」
ユーイは小刻みに震える。
かわいい。
そのまま茂みを分け入って、指を一本潜り込ませた。
「や……そんなとこ……」
「大丈夫」
僕、こんなに嘘つきだっただろうか。
男ってひどい……。
一度離れて足を開かせる。彼女のそこがあらわになった。
そんな理性の責めにはまったく屈しない僕の本能は、彼女の中をくちゅくちゅかき混ぜる。
「……まだ足りないか?」
ユーイは素直に頷いた。
「あ……足りない。足りない……」
「そうか」
当然だ。
僕も足りない。
「もうすぐ楽にしてやるから」
僕はズボンの前をくつろげる。

44 :
「ひやぁあっ? ううっ……」
僕は彼女を一気に貫いた。そのまま耳元にささやく。
「痛いか?」
「わ、わかんねえ……あつい……」
「そうか」
僕はそう言ってユーイの中を一突きする。
「ひゃ、ひゃあああん!」
奥まで挿したまま、弱い律動で動かしてやる。
同じリズムでびくりびくりとはねる彼女の腰をしっかり捕まえた。
柔らかな肌に指が食い込む。
「かわいい……」
僕はそう口走っていた。
ずっと求めていたものが手に入った喜びに、頭がおかしくなっていた。
「何言って……ああああああっ!」
もう一度突いてやった。
そのままずっくずっくと腰を使い始める。
「あ……ああっ……ひゃ、うう……んー」
唇を奪って口内を舐めあう。粘膜をもっとこすり付けたくなる。
ぐるりと自身で中をかき回すと、ある一点でユーイが一際高く鳴いた。
「ここ?」
「ああっ……そこ、そこはやめろ!」
かまわずそこを突いてやると、そのたびに彼女の中はきつく締まる。
今すぐ出してしまいたいところだが、出すのがもったいないくらい気持ちいいのも確かだ。
あえぎで口がふさがらないユーイの、形のいい唇を指でぬぐってやった。
「うう……もっと、ゆっくり……」
「無理だ」
そう言って僕はもっと腰を激しくする。
彼女の体から快楽をむさぼろうとする。
「うあぁああっ……ジュノ、怖いっ……」
限界が近づいている。
僕も、彼女も。
一緒に果てたい。すべてを出し尽くしたい。
その思いが僕の体を動かしていた。
「うわあっ……あ、ああああああああああっ」
一際大きな痙攣、そして収縮。
僕は思いのすべてを吐き出す。
征服感が胸いっぱいに広がって、幸せだった。

45 :
僕たちは行為の後もしばらく繋がっていた。
やがて彼女の青い目に少しずつ正気がもどり始めた。
「お前、いったい……」
汗ばんだ桜色の肌。まだとろみの残った目。やわらかさと硬さが交じり合う体の線。
僕は起き上がりかけたユーイを組み伏せた。
「ごめん。僕がまだ足りない」
「へっ?」
「もうちょっと付き合って」
再開される突き上げ攻撃。そして再び嬌声が部屋に響いた。
結局「もうちょっと」も嘘だった。気づいたら彼女を明け方近くまでかわいがっていた。
「すまない」
「俺はそういうことに疎いんだが……」
僕たちは昼過ぎに起きた。
「これはすまないで済まされるもんじゃないよな?」
ユーイが鞘から剣をすらりと抜く。それは皮一枚ほどの距離で僕の喉に突きつけられた。
「覚悟はいいな」
ユーイが剣先をほんとちょっとだけ進める。
「待て。責任はとる」
そこで僕は本当に覚悟を決めた。
「どうやって?」
「結婚しよう」
「……は?」
「二人分養うくらいなんとかなると思う」
沈黙が走った。それからユーイは言った。
「頭大丈夫か?」
「少なくとも君よりは大丈夫だ」
「冗談じゃねえ! この男女と生涯を共にすることができると思うか? あと孕む前提かよ!」
「そんなことができるのは世界に僕だけだと自負している」
「てめえ、俺のことがそんなに嫌いか!」
「好きだ」
「……は?」
沈黙再び。
ユーイはそこで剣を外した。
「……ちょっと待ってくれ。話を整理しよう」
「端的に言えば、僕が君を愛しているということだ。もちろん性的な意味でだが」
ぼん。
ユーイの顔が真っ赤になった。
照れか、混乱してそうなったか、あるいは両方か。
そのまま床に伏せて頭を抱える。
「えーどうしよう。どうしよう……」
「…………」
こいつ、こういう話はとんと苦手だからな。
しかし。僕もどうしよう。
ここで振られたら一生立ち直れない気がするが、相手はユーイだ。
簡単にうんとは言ってくれないだろう。
まったくやっかいな女に惚れてしまったものだ。

46 :
おわりです。
中途半端なとこで終わってすいません。
時間があれば完結編書きます。

47 :
GJ!
チクショウ可愛いじゃないかこいつら

48 :
ぜひ続きを


49 :
GJ!
えろいしかわいいし萌える

50 :
実際男装してる女子ってブサとかオタが多いんだよなあ
やっぱ現実の一番女ッカーだな

51 :
烈風の騎士姫とかは駄目なのかな

個人的には騎士とか武士とか男性的な職業につくために男装するのが好きだ
髪は長髪を後ろで結ぶのがいい

52 :
>>46
GJ!女性の方が一人称俺で目茶苦茶自分の好みだった

53 :
>>46
GJ。最後かわいい。欲しい。
そういえば最近重い話無いね。「お前男なんだろう?」みたいな
ああいうのも個人的に好きなんだけどな

54 :
かっこいい女の子がかわいそうな目に遭うのは萌えるよね

55 :
次週のサンデーの新連載は男装した寿司職人が主人公っぽい

56 :
hosyu

57 :
少女漫画だけど、「プレゼントは真珠」って漫画に男装女子が。
妾の子で、男と偽って男爵家に渡された女の子。
主人公(男)が好きだけど、主人公には既に相手がいるため片思い。
貴族としての体裁を気にしているため、女に戻れないってところが個人的にツボ。
女の格好をするのに自分で『女装』って言うところも好きだ。
男として育てられて、女扱いされるのが苦痛って言う男装女子がいい。
そういう子ほど、ムラッと来る。

58 :
シャルロット・デュノアタソ(*´Д`)ハァハァ

59 :
>>55
今時「寿司の道を究める為にに女を封じた」と言うのも何か複雑だけど
相方が少しいい加減な性格と言うのを考えるとこのギャップが味…と言う事かも
とりあえずばれるまでがドラマと言う事で…?

60 :
導入しか書けてないけど投下。
学園もの。
**************
「圭太。話がある」
「俺はありません」
はっきりと断った後輩に対して、女好きでトラブルメーカーと名高い先輩はチッと舌打ちを返す。
「何だよつれねーな。せっかくロマンのある話をしようと思ったのによ」
「直也先輩のロマンは女だけじゃないですか。いや、女はいいんですけど、大体その後先輩のたくらみに乗るといいことないじゃないですか。」
昼休みも終わろうという頃になって圭太の教室を訪ねた直也は、思い当たる節がいくらでもあるはずなのだが、ちっとも懲りていない様子で直也の肩を抱く。
「まぁそー言うなよ。今回のロマンはお前にも関係あるんだから」
「関係あるって……俺、別に仲いい女子とか好きな奴とかいないですよ?」
「いるだろ、一人。ややこしいのが」
言って直也が視線を向ける先には、圭太も想像がついた、一人の男、いや、女がいた。
机に突っ伏して寝ている、圭太の友人。
女のクセに、女の格好をするのが嫌だからという理由で、服装にうるさくないこの学校を選んだという、変人。
啓太はそうとは知らず入学式で意気投合し、実は女だったとさらりと告白され、学校中でも周知され、それなりに有名人になっている。
見た目は男子生徒の制服を着ているし、髪も今時の男子高校生らしく、少し軟派に伸ばしてワックスで整えたりしているおかげで、男性アイドルのように見えなくもない。
が、確かにというか、一応は女だ。
「……楓ですか」
「そう。なぁ、あいつが祐樹と付き合ってるって噂、聞いたことないか?」
「はぁっ!?」
思わず大声を上げた圭太に、クラスの視線が集まる。
なんでもないなんでもない、と慌てて、隣でニヤニヤしている直也に小声で問いかける。
「祐樹先輩って、あの祐樹先輩ですか?学校一もてると噂のあのイケメン生徒会長が?あの可愛げのない男女と?」
「そ。祐樹の家からあいつが出てきたとこ見たって奴がいるんだけどよ、親友の圭太クンが知らないってことは、やっぱデマか?」
「そりゃそーですよ。大体アイツのこと、女として見れますか?」
「何の話?」
いつの間にか二人の後ろにやってきていたのは、話題になっていた楓だ。
大あくびをして不遜な態度で現れた友人に、圭太は慌てて手を振る。
「な、なんでもねーよ」
そのあからさまに挙動不審な様子と、隣にいる先輩を眺めてふうん、と気のない返事をして一言。
「直也先輩の片棒担ぐと、ますますもてなくなるぞ」
「おいおい、俺を何だと思ってんだよ。大体な、俺たちは男のロマンの話をしてるだけで」
後輩の失礼な一言に、直也が口を尖らせる。しかし楓はいっこうに気にした様子を見せない。
「ロマンを追求した結果が盗撮とアゲマンランキングですか。ンなことやってるからもてないんですよ、先輩」
「ぐっ……そ、それは」
ロマンを追い求めた結果の芳しくない(実績自体は満足だが、その後の評価とかあれやこれやが酷かった)過去をほじくりかえされると、返す言葉がない。
その横で、今度は圭太が楓に噛み付く。
「つうか待て。それじゃ今でも俺がもてないみてーじゃねーか」
「もてないだろ実際。俺よりは」
一刀両断にできるだけの人気が、実際楓にはある。そして圭太にはない。
圭太のスペックは平凡そのもので、せいぜい中学時代に野球部で熱血教師に走りこまされて少々体力に自信があるくらいだ。
見た目も学力も至って平凡そのもので、女子からの人気といえば、うざくはないけどもてない、そんな中途半端な状況だ。
一方楓は前述のとおり、わりあい男としては可愛げがあるし、実は頭がいいのに制服うんぬんのために特待生で入学してきたし、体力が男子としては足りなくても、その辺は周知の事実なので許容されてしまう。
そして男子には毒舌だが女子には優しいので、あからさまに女子からはちやほやされている。
いや、お前も女子だろうというつっこみは、口にした瞬間に楓の鉄拳制裁を食らうので言ってはならない。
「お、お前のモテは俺たちの言うモテとはべつもんだろ!」
「ま、お前がこれ以上もてなくなっても俺はかまわないけどな」
さらりと言い放って自席に戻る後姿は、あからさまに憎たらしい。

61 :
「先輩。やっぱ無理じゃないですか?あれを女だと思うのは」
「そうか?俺はいけると思うけどなー」
大あくびをして机につっぷす楓を眺めながら、割合まじめなトーンで直也がつぶやいた内容に、思わず圭太もつぶやきかえす。
「そりゃ顔は悪くはないからいけなくないですけど、って、先輩本気ですか?」
「何だよ、お前もいけるんじゃんか」
問いかけにさらりと返して、直也は口の端を吊り上げる。言われてはっとした圭太は、慌てて次の言葉を捜す。
「いやいや、今のは会話の流れで!ていうか先輩、女に貪欲すぎますよ」
「そうか?まぁいいや。で、ロマンの話の続きだが」
「へ?」
急に話題を引き戻した直也は、そう言えば楓の噂話しかしていない。間の抜けて返事をした圭太も、間抜けな声を上げたあとでそのことを思い出す。
そして、直也はどこか悪役のような笑みを浮かべて後輩に耳打ちする。
「あいつが女かどうか、確かめねぇ?」
「楓は女ですよ生き物としては」
「そこで天然ボケとかいらねーんだよ!だから、楓をだな……」
ごにょごにょと耳打ちされた内容に、圭太は思わず声を上げる。
「いやっ、ちょっと待ってください!?てゆーかそれ、無理ですよ!俺らの薄い友情が木っ端微塵に……」
「大丈夫だって。相手はあの楓だぞ?うまくやりゃ冗談で済むって」
なぜだか自信満々に、直也は圭太の肩をたたく。
「いや、うまくいかなかったらそれ、犯罪じゃ……」
「ま、とにかく。詳細は後でメールするから、な!」
圭太の呟きを無視し、予鈴とともに直也は教室を後にする。
ため息をついた圭太の視線の先には、しごくふてぶてしく惰眠をむさぼる、楓の姿があった。
「いくらあいつでも……なぁ」
**********
とりあえずここまで。

62 :
期待

63 :
待機中
乙女ゲー遥か5の都が男装女子だったが見事に百合でがっかりした

64 :
男装美少女が百合とか誰得
ときめもの伊集院が俺を男装に目覚めさせた

65 :
>>64
おまおれ。今考えてもすげー萌え設定だよな、あれ…

66 :
「で、なんで俺らは直也先輩んちに向かってるんだ?つーかアホだろ。あの流れの直後にとか、考えられん」
「俺もそう思う。けどしょうがないだろ、和也先輩からの招待なんだから。」
 名前の挙がった和也は直也の兄で、噂の祐樹のようにハイスペックなうえに人間が出来ていて、それこそ人望の厚い校内のスターだった先輩だ。
 圭太と楓も、1年生のときに世話になった恩人であり、尊敬する先輩である。
 その先輩からのお招きメールをシカトできるほど、ふたりは薄情な後輩ではない。
「そーだけどさ……不自然じゃね?しばらく連絡なかったし、俺たち二人だけって」
「って、俺に言われてもな……。とにかく行くぞ。ほら」
 不服そうにしている楓を促して、なんとか目的地まで連れて行く圭太の脳裏には、先ほどから非常にいやらしい映像が浮かんでは消え浮かんでは消えている。
 と同時に非常に恐ろしい状況も想定していて、顔色が赤くなったり蒼くなったり、落ち着きがなく不審なことこの上ない。
「お前、絶対なんか企んでるだろ。つーか直也先輩にそそのかされてるだろ」
「え?!いや、そんなことは」
「別にいーけどさ。俺相手にお前がどーこーできるとも思えないし」
 さらりと言ってのけるこの自信が、たまに小憎らしい。
 けれどそんなところも妙に魅力的で、そばにいて飽きない。
 だからこうして、やっかいながらも友人として付き合ってきたのだが、その関係にヒビを入れるようなことをしようとしていることが後ろめたく、圭太はまともに楓の顔を見ることが出来ない。
 そうこうしているうちに二人は豪邸の前に立っていた。割合普通なインターホンを鳴らすと、家政婦らしき女性が応答する。
「はい。和也さまからお伺いしております。今開けますので、少々お待ちください。」
 和也の名前が出たことで、圭太はほっとし、楓は意外そうな表情を浮かべる。
「……まさか、和也先輩が直也先輩のいたずらに乗っかるとも思えないしなぁ」
「だから、和也先輩が招待してくれたんだって。お前が疑り深いだけなんだよ」
「うーん……」
 まだ納得がいかない表情の楓に内心はらはらしながら、広い応接間へと通される。
 一般家庭にはまずない“応接間”の雰囲気の飲まれがちな圭太に比べ、楓は落ち着いて見える。
 圭太は楓の家に行った事はないが、こういう落ち着きを見るとそこそこ良い家なんじゃないかと思ったりもする。
 服装を見ても、圭太はパーカーにジーンズなのに対して、楓はチェックのシャツにベストを羽織って、同じジーパンでもいわゆるキチンとした雰囲気のあるものを選んでいるあたり、この家の格に合わせて服装を選んでいるのがわかる。
 こういう良家の子女っぽいところを見ると、ますます男の格好をしているのが不思議でならないのだが、圭太が深く聞こうとしても毎回「趣味だから」の一言で片付けられてしまう。
 なんでなんだろう、といつもの疑問を頭に浮かべた圭太の目の前には家政婦の淹れたコーヒーが置かれ、コーヒーが苦手な楓には紅茶が出される。
 熱い中身を冷ましながら家政婦と共に和也を待っていると、落ち着きのない、そして予想より大きな声がかかる。

67 :
「よう!よく来たな!」
「きゃあっ」
 直也の突然の声に家政婦が悲鳴を上げ、手元にあったポットから熱湯がこぼれ、楓の肩から太ももまでを濡らす。
「あつっ……!」
 思わず立ち上がった楓に圭太が声を掛ける前に、家政婦がばねの様に頭を下げる。
「あぁ、も、申し訳ありませんでした!今すぐに、あぁ、まずは冷やさないと!」
 慌てる家政婦に笑みを向けて、大丈夫ですから、と言う楓は男らしく寛大だ。
 しかしその男らしさとは裏腹に薄い肩を直也が押す。
「火傷になるぞ。ほら、こっちこい」
「え?ちょ,先輩っ!?」
 その様を眺めている圭太は複雑な表情を見せている。
 そして、家政婦は慌てて違う部屋へと向かう。
「今、お着替えをお持ちしますので」
「ほら、行くぞ」
 何か言いたそうにしている楓は、促されるままバスルームへと向かう。
「ちゃんと冷やせよ。着替えはその間に用意してくれるだろうから」
 さらりと言い放って、楓を残して直也は脱衣所を去る。
 その様子にあっけに取られながらも、わずかに痛み始めた自分の体をないがしろにも出来ず、楓は衣服を脱いで浴室に入り、冷たいシャワーで皮膚を冷やす。
 幸い、さほどの熱湯ではなかったので、肩のあたりが少し赤くなった程度で済んだ。
「うーん。ただのアクシデント……か?」
 ぽつりと呟き、脱衣所に誰かが入ってくる気配を感じる。
「申し訳ありませんでした。こちらにお着替えを置いておきますので、しばしお召しになって下さい。
 汚れたお洋服はこちらで洗っておきますので。」 
 申し訳なさそうな家政婦の声を聞くと、疑っていた自分を反省してしまう。
「いえ、大丈夫ですから、おかまいなく」
「そうはまいりませんので、お洋服はお預かりいたします。」
「……わかりました」
 妙に強硬な言い様に不安を覚えて、家政婦が出てすぐに脱衣所に戻る。
 そこに用意されていた衣服を見て、楓は絶叫した。
「なんだよこれぇ――っ!」
 その叫び声は離れた部屋にいた直也と圭太の耳にも届いた。
 圭太はびくりと肩を震わせて、直也の表情を伺う。
「計画通りだな。じゃ、アイツが戻ってきたらネタばらししてやるか」
 圭太は、あくどい笑みを浮かべる先輩の誘いに乗ってしまったことを、そろそろ後悔し始めている。
 それでも乗りかかった泥舟から降りるわけにもいかない。
「そうですね。……で、ネタばらしの後は、どうするんですか?」
「うん?計画通り、だ。そう不安がるなよ。お前だって楽しみに……」
 怒りの足音が近づき、応接間の扉が開く。
 見ればそこには、服の上からバスタオルを巻いた、奇妙な格好の楓が仁王立ちしていた。
「先輩。これはどういうことですか」

68 :
「おー、そうきたか。ガード固いっつーか期待を裏切るっつーか、お前はほんとにおもしろいな」
 はらはらしている圭太をよそに,直也は悠々と楓に近づく。
「こんなことのために和也先輩の名前を借りたんですか!?いいから服を返し――!」
「よっと」
 直也が無理やりバスタオルをずりおろすと、ミント色のキャミソールと、白いミニスカート、白いニーハイソックスが現れる。
 普段隠しているだけあって絶対領域や胸元の肌は白い。慌てて胸や肩を手で隠そうとする仕草が、初めて楓を女らしく見せる。
「おー。可愛いじゃん。けっこう似合ってるぞ。俺の見立ては正しかったな、圭太」
「まぁ、思ったよりは」
 振られて、正直に答えてしまった圭太に、楓の視線が刺さる。
「やっぱりこーゆーことか。来た俺が馬鹿だった。」
 ぱっと手を広げた直也は、楓の怒りは気にもとめず、満面の笑みで説明を始める。
「とゆーわけで、ネタばらしー。家政婦は偽者でした。メールは俺が兄貴のいない隙に勝手に送って履歴を消しました。もちろん圭太は全部知ってました、と」
「わざわざこんなことにこんなに手間かけないで下さいよ!とにかく服返して下さい!」
たしかに、一般的には考えられないくらいの手の掛けようと金の掛けようだ。ボンボンはこれだから困る、という非難が、直也以外の全員から聞こえてくるようだ。
「そりゃ無理だな。もう洗濯機にぶっこんであるもん。あとでちゃんと返すから、このまま帰ればいいじゃん」
「なっ、だ、だってっ……!」
 言いよどむ楓の様子に、圭太は首をかしげる。
 この悪びれない先輩を相手にしているくらいなら、一時の恥をしのんで帰ると言い出しそうな楓が何を言いよどむのか、彼には検討もつかない。
 その横では、直也がいやらしい笑みを浮かべている。
「ま、そーだよなー。いくら貧乳とはいえ……」
 無理やり、見ている圭太が心配するほど乱暴に、楓の腕をつかむ。
「これじゃはずかしーよなー」
 そうして露になった胸元は、その下に何も着ていないことがわかる、二つの突起がうっすらと浮かんでいた。
「おっ……」
 思わず声を上げてしまった圭太は、慌てて楓の顔に視線を戻す。
 唇を噛んで、直也とは反対側に顔を向けている。泣き出しそうで、それでいて悔しそうな表情は、妙に胸をざわつかせる。
「……ま、この辺にしとくか」
 直也が腕を放すと、すかさず鋭い肘鉄がみぞおちに入る。
「ぐっ……」
「ふ・く・を・か・し・て・く・れ・ま・す・か?」
 疑問系だが疑問系ではない。胸の前で腕を組んで、怒りのオーラに包まれた楓は、力の限り暴れだしてもおかしくない。
 恐れおののく圭太をよそに「いい肘鉄だぜ……」なんてふざけていた直也は、ようやく楓に答える。
「悪かったって。俺の服貸してやるから来いよ。」
**********
エロまでもう少しお待ちを

69 :
 疑問系だが疑問系ではない。胸の前で腕を組んで、怒りのオーラに包まれた楓は、力の限り暴れだしてもおかしくない。
 恐れおののく圭太をよそに「いい肘鉄だぜ……」なんてふざけていた直也は、ようやく楓に答える。
「悪かったって。俺の服貸してやるから来いよ。」
 無言で直也をにらみつける楓の中には、疑心暗鬼がうずまいている。肩をすくめる直也は、圭太に視線を移す。
「なんだよその目は。わかったよ。圭太も一緒に来いよ。それでいいだろ」
「片棒担いだ時点であいつも同じです」
 その一言が、背景と化していた圭太の胸に刺さる。
「そう言うなよ。俺だって……」
 先輩に強引に誘われて、だいたいここまでするとは思わなかったし、という言い訳は、聞かなくても予想がついていたのだろう。
「もういいよ。とにかく、着替えさせてもらいますからね。一応圭太もついて来いよ」
 まだわずかながら信頼されていたことに、圭太はほっとしつつも後ろめたさを感じ、三人で連れ立って直也の部屋に向かう。
「わざわざ人雇ってまでやることですか?」
 ぶつぶつと文句を言う楓の前を歩く直也は上機嫌だ。
「おう。俺にはでかい収穫だったぜー。思ってたより可愛いし、なかなかのエロさ……ぐっ」
 言葉途中で背中に一撃をくらい、直也は黙るほかない。一方最後尾を歩く圭太は、落ち着きなく視線をさまよわせていた。
 階段にさしかかった今、目の前には楓の尻がある。距離を近づければ体に触れそうだ。
 普段は何の気なしに肩も組むし腕もつかむし、触ってどぎまぎすることなんてないのだが、格好が女だというだけで、妙に緊張してしまう。
 かといって距離をとると、今度は視線が下に行き過ぎて、スカートの中が見えてしまいそうで、それはそれでなかなか難しい。
 覗き込んでみたい気持ちは山々だが、見つかれば階段から全力で蹴落とされて大怪我必至だ。それは厳しい。
 これが直也の言う男のロマンか、などと煩悶しているうちに、階段は終わり、直也の部屋に着く。
「じゃ、適当に服みつくろうから、そこで待っててくれよ」
 いち学生の部屋には不似合いなソファに、楓と圭太は並んで腰掛ける。
 ほんの数秒の沈黙の間にも、気まずさは増していく。
「なぁ」
 それを打ち消すように、意を決して圭太が口を開く。
「実はさ、直也先輩がこんなこと言い始めたのには、一応理由があって」
「へぇ。思い付きじゃないんだ。」
 やっと服を着て帰れると思ったのか、楓の声からは怒りが消えている。
「あぁ。その、まぁ、噂なんだけどさ……お前が、祐樹先輩とデキてるとかなんとかって」
 恐る恐る楓の顔を見ると、一瞬固まって、その後、視線が泳ぐ。
「なんでそんな噂がたつんだよ。委員会は一緒だったけど、別に――」
「何もないかどうかは、今から確かめさせてもらうぞ」
 いつの間にかソファの後ろに回った直也が、油断していた楓の腕の下から手を差し入れ、胸を掴んで上半身を吊り上げる。
「よーし。圭太、下頼む」

70 :
「……」
「なっ……ちょっ、ちょっと待て!圭太っ!」
 騒ぎ抵抗する楓の足を抱え上げて、孝也とともにベッドに移動する。
「よっと。んー。貧乳もなかなか、たまにはいいもんだな」
 直也が後ろから楓を抱え込み、胸をまさぐる。
 圭太は足の間に体を入れたまま、楓の腕を押さえ込む。
「なっ。何するんですか!先輩っ!いたずらにも限度が……圭太もこんなこと手伝って!」
 騒ぎ暴れる楓も、執拗に胸をいじられ、男二人に押さえ込まれては思うように動けない。
「すまん。楓。俺も先輩のロマンに逆らえなかった」
「と、ゆーわけだ。まぁ、祐樹とのことが事実か確認出来ればいいと思ってたんだけど……」
 話しながら、指先は服の上から二つの突起をひっかく。
 楓の抵抗は止み、ぐっと口を結んで耐えている。
 その表情に、圭太はのどを鳴らす。
「さっきから言ってるよーに、思ったより可愛かったしエロかったし、というか、その顔、エロいし。
 ちょっと恥ずかしがってもらおうかなぁ、と」
 べろりと、耳をなめると目をつぶって身を震わせ、圭太をにらみつける。
「何でお前まで!」
「いや、その……」
 言いよどむ圭太に代わって、直也が口を開く。
「圭太も最初は嫌がってたんだけどさー。俺が色々吹き込んだら、妄想が止まらなくなっちゃったみたいで」
「せ、先輩っ!」
「いーじゃん、やってることは俺と変わらないんだから。ほら」
 胸をまさぐっていた手を楓の腕に移して、直也が促す。
 わずかなふくらみといやらしく立ち上がった頂に、圭太は恐る恐る手を伸ばす。
 ぴくりと楓が震えるのが、また申し訳なく、いやらしい。
 くりくりと先端をいじってやると、わずかに息が乱れる。
「ん。ふ……は……」
 足を開いたままでいるのが嫌なのか、足を閉じようとして身をくねらせ、圭太の腰に足を絡ませるのもまた、そそられる。
「さーて。それじゃ質問してみようかなぁ。楓ちゃんは祐樹君と付き合ってるのかな?」
「つ、付き合ってません!」
 はっきりと答えた楓に、ふうん、と気のない返事をして、べろりとうなじをなめ上げる。
「ひっ……」
「お。首弱い?じゃあ質問の方向を変えてみようかな。楓ちゃんはエッチしたことあるのかな?」
「な、んなこと、先輩に答える義理はっ」
「言いたくないなら直接確かめちゃうけど、いいのかな?」
 するりと、ニーソックスのふちをなぞりスカートの中に手を差し入れる直也は、心底楽しそうだ。
「や、やめ……い、言いますから!」
「よしよし。じゃあ教えてもらおうかな?」
 目の前にある圭太の顔も見ようとはせず、視線を泳がせたまま、言葉をもらす。
「あ、あり、ます……」
「おー。じゃあここを触った男もいるわけだ」
 するりと、下着の上からそこを指先でなぞる。
「やっ……」
 漏れた声は、いつもより一段高い。
 男として生活しているときは、意識して低い声を出しているのだろう。
 たまに出る地の声は、楓に悔しそうな顔をさせる。
 そして、声を出すまいと唇を結んで、じっと誰もいない場所をにらみつけるあたり、やっぱり負けず嫌いだ。
 その間も、圭太は控えめな胸を思うままにいじり倒していて、苦しげな息が漏れる。
「じゃ、次の質問ー。楓ちゃんは、祐樹君にこんなことされちゃったりしたのかな?」
 言いながら、直也はわざわざ圭太にも見えるようにスカートをめくる。
「おふっ」
 思わず奇妙な声を漏らしてしまった圭太の目に入ったのは、白いレースのヒモTバック。
 これを目にした瞬間の、そしてそれを着るほかないと悟ったときの楓の怒りと落胆はすさまじかった。
 そして今、それを目の前にした圭太の興奮もすさまじかった。
 女のスカートの中を見るのが初めてというわけでもなく、一応さくらんぼは卒業しているわけだが、これほどまでに。
「さすがは先輩……男のロマンをみっちりつめこんでますね」
 などと感嘆の声をあげると、大人しかった楓の足が蹴りを入れようと暴れる。
「何がロマンだっ!こんなモン履かせて何考えて――!」

71 :
「おっと、あんまり暴れると」
 つい、と下着の上をなぞっていた直也の指先が、下着の中にもぐりこむ。
「指がすべっちゃうよな。うん。」
 そして、遊び人らしく慣れた手つきで、秘所をいじり始める。片手の戒めが解けた楓は抵抗しようともがいていたのだが、その手がやがて、口を押さえる。
「っく……ふ……」
 白い布の向こうでうごめく指が、圭太の中でよくお世話になっている動画と重なる。
 となれば、苦しげな吐息はよくお世話になっている女優さんのそれと重なるはずなのだが、圭太の中ではそれがなかなかつながらない。
 何せ目の前で身を震わせているのは、どうしようもなくよく知っている男、いや、女、とも表現しにくいが、とにかく、圭太がよく知っている友人のはずなのだから。
「さて。もっかい聞くけど、こーゆーこと、祐樹君にされたことがあるのかな?」
 ひくひくと震える楓の体を後ろから抱え込んでいる祐樹も、それなりに興奮し始めて、熱い息を楓の耳に吹きかける。
「い、言ったら……は、ん、やめて、くれるんですか……?」
 震えや吐息を押さえ込もうとしながら搾り出した問いかけに、直也は一度手の動きを止め。
「……いや。その言い方で答えはわかった。なければないって断言するもんな、さっきみたいに。というか、相手が祐樹でもそうじゃなくてもいいんだけどさ」
 直也の言葉に、圭太はいぶかしむような視線を投げかけるが、問いかけるより早く、楓の体が跳ねる。
「ひあっ!?」
 唐突に、直也の指が楓の中に押し入る。
「入れてもいないのにこんだけ濡れてるんだもん、処女じゃねーし、どー考えても頻繁にヤってる体だよな」
 下着の中で、わざとらしく水音を立てて動く指に、楓は体を震わせ、必で息を飲む。いよいよ体温が上がって、鼓動が早くなったのが圭太にもわかる。
 それでも、泣き叫ぶわけではないので、まだ大丈夫かもと都合よく解釈して、思うまま胸を弄る。
「や、ん、やめてくださいっ……」
 もう、どうしたって男とは思えない声で止めようとしているようだが、その効果はまったくない。返ってこのシュチュエーションへの男二人の興奮を高めるだけだ。
「やだよ。俺たちがよく知らないような男としてんだろ?だったら俺らとしてもいいじゃん、なぁ?」
「ですよね。つーかほら、3Pなんてなかなかできないし、いいじゃんか。貴重な経験だぞ。というわけで先輩、剥いていいですか」
「おう。わかってるだろーが、脱がすなよ」
「当然です」
勝手に話を進める二人に抗議しようと楓も口を開くのだが、体の中に進入したままの直也の指が動き出すと、出したくない声ばかりが漏れてしまう。
「あ、ふっ、や、あ、あっ」
 いよいよ声を抑えきれなくなった楓のキャミソールを捲り上げて、露になった胸に圭太が口付ける。散々服の上から弄り回した突起は硬く立ち上がっていた。
 舌先で弄ったり吸い付いたりと、したい放題弄り倒す。
「んっ、圭太っ、やめっ、あ、あっ」
二人がかりで責められては、平然としていろという方が無理だ。普段は飄々としている楓が、今となっては身をよじり、あえぐことしか出来ない。
「おー。中、すごい良い感じだぞ。あれ、エロマンガとかの“キュンキュン”って感じ?」
 あえて布の少ない下着を脱がすこともせず、指一本で中を蹂躙している直也は、膨らみ始めた自身を楓の尻に押し当て、べろりとうなじをなめ上げる。
「ひゃあっ!や、首、ダメですっ!」
 首を振ると、柔らかな髪が揺れる。
 短く切ってワックスを付けて、男として形を整えているからこそ男に見えるけれど、きっと伸ばせば柔らかく揺れて、男を喜ばせるに違いない。
 むくむくとやる気を出しつつある下半身の分身が、ほのかな期待を口にさせる。
「楓がこんなにエロいとはな……その、口で、とか……」
「やめとけ圭太。こんなエロくても楓だぞ。うっかりしたら」
 神妙な面持ちで止める先輩のありがたい言葉にかぶせるように、かわいらしく喘いでいたはずの楓の低くおそばしい声が響く。
「食いちぎってやる……」
 ひぃ、とかなんとか、情けない声をあげる圭太をよそに、直也は平然と手を動かし、恨みがましい目をしていた楓を悶えさせる。
「だからやめとけ。ま、まずは楓ちゃんにその気になってもらわないとな。ほら」
 言って、圭太に目で促して指を抜く。圭太が空いた場所に手を滑り込ませると、熱いぬめりがまとわりついてくる。
そのぬめりをまとったままの直也の手は、圭太が空けた胸にうつって、温かな粘液をぬりたくって、遊ぶように先端を摘む。
「んぅっ……」
 まだ声を飲み込もうという意識があるらしい。楓は、自分の手を噛んで耐えようとしたのだが。

72 :
「はいはい、我慢しないの。声出したほうが気持ち良くなるぞ?」
「あ」
 あっさりと直也に腕を掴まれ、一瞬悲しげな表情をしたのに、直也がぽつりと「いい」と漏らしたのまで、楓に聞こえていたかどうか。
「あ、あぁっ、んっ、んふ……は、うぅ」
 すぐに、圭太の指が動き出して、ひくひくと身もだえ、悩ましげな声をもらす。
「うわ。まじでイイ、中。指に絡みつくっつーか……」
「だろ?できあがっちゃってるよな。男がほしいです、って感じ。」
 感嘆の声を上げる友人と、辱めるような言葉ばかり吐く先輩に攻められて、楓は次第に自分自身の抑制が効かなくなっているのを感じていた。
「ち、ちが、そんなことっ……んぅっ」
「違わないだろ?指入れる前からびしょびしょだったじゃん」
「とゆーわけで先輩、指動かしづらいんでそろそろ脱がせていいですか?」
 圭太の指が頼りないヒモをつまむ。一時的に開放された楓の体からは力が抜け、直也は自分によりかかってきた体をベッドの上に横たえて、腰を持ち上げる。
「まぁ待てよ。何のためにこれを履かせたと思ってるんだ?」
 半ば呆然としている楓は、腰だけを高く上げてうつぶせになっている。
 そのでん部を隠したスカートをめくれば、そこには少し肉の薄い、それでも男にはない丸みと柔らかさの塊が姿を現す。
「おぉ、流石先輩。最初からこの画がほしかったわけですね」
 圭太の声で我に返った楓が慌てて身を起こそうとするが、あろうことか濡れそぼった白い布の中心に、直也が吸い付く。
「っ!せ、先輩っ……!」
 強く吸い付き、花弁を食むように口が動く。
「っ、やめ……っ!」
 ぎゅっとシーツを握り締めて、びくびくと震えるからだがいやらしい。直也はすぐに口を離し、圭太に視線をやって。
「んじゃ、開けるぞー」
 手が伸びたのはヒモではなく、先ほどまで口を付けていた場所。もはや抵抗は無意味と悟ったのか、楓はシーツに顔をうずめている。
 そのまま直也は小さな布を横にずらし、さらに周辺の皮膚を左右に引っ張って、楓の中心をあらわにする。
 糸を引いて開いたそこは淫靡に光っていて、生々しい肉の色が男を誘う。
「おー。いいな。すげーエロい。どーよ楓、親友に恥ずかしいとこ見られちゃう気分は」
 流石にその物言いは、と圭太が心配するのをよそに、楓はシーツを掴む手に怒りをこめて低い声で答える。
「最悪です」
「そうか?興奮しないか?けっこうこーゆーの好きそうだと思ったんだけど、な」
 言い切らぬうちに指をいれ、蜜をかき出すようにひとしきり動かした後、すぐ上のすぼまりに指を滑らせる。
「せっ、先輩!そこはっ……」
「したことないのか?でもなぁ、男のロマンとして、3Pやるなら当然ここを使わないと。なぁ?」
 同意を求められた圭太はというと、流石に少々引いている。
「いや、先輩、そりゃさすがにイキナリは無理じゃないですか?」
「まぁまぁ、その辺は俺も準備してあるから。圭太、しばらく好きにしていーぞ。」
 言うなりベッドを降りた直也に生返事をして、圭太は先ほどまで直也がいた場所―つまり、楓の尻の前に移動したのだが、その間に楓はスカートを下ろし、上体を起こして圭太に向き直っていた。
 顔が見えなければある程度好き勝手にできるのだが、正面から睨まれると流石に気が引ける。
「圭太。お前本当にこのまま先輩とするつもりか?」
「いや、その、まぁ、ここまで来たら……なぁ。」
 と、視線が泳ぐ。本人も下にばかり意識がいっているのか、胸はさらけ出したままだ。そんな格好で男らしく詰問されても、脳裏にちらつくのはいやらしく喘ぎ悶える姿だけだ。
「……」
 この隙に部屋を出ることなど簡単なはずなのに、楓は圭太の答えを聞いてからしばし考え込むような様子を見せ、視線を圭太に移す。
 これから悪事を働こうとしている男の視線は泳いでいるが、下半身は臨戦態勢に入っているのがよくわかる。
「あれ?何で重い空気になっちゃってんの?」
 能天気にそう問いかけながら部屋に戻ってきた直也の手には、指先より少し大きいくらいのボールがつながった、いわゆる開発目的のおもちゃが見える。
「だめだな圭太。ここで流れを止めちゃーテンション落ちるだろ。勢いも大事だぞ」
「はぁ、はい」
 返事に窮している圭太をよそに、警戒心を取り戻した楓の横に腰を下ろし、これみよがしにおもちゃを舐める。
「さて。逃げなかったってことは、やる気ありってことだね。楓ちゃん」

73 :
アホのように長くなって申し訳ない。というかアホだ。
あんまり男装関係ないうえにエロの後も異様に長いが、多分これで折り返したと思うので、もう少しお付き合いいただけると幸い。

74 :
GJ
大丈夫、男装モノはバレてからなんて大概二話目普通と変わらないから

75 :
3Pとか誰得

76 :
二日に分けずに一気に投下すればよかったのに

77 :
>>75
俺得
ってことで>>73、GJ
こんな感じのも良いよね!

78 :
>>73
事前に和姦ではないとか 3Pとかの注意書きが欲しかった

79 :
萌えスレにNTRや乱交とかマジやめてほしい
せめてNGできるようにキーワードお願いしたい
スレ荒れちゃうよ?

80 :
あとは、「次レスから投下します」とかの注意書なかったのとかね

81 :
テンプレに初心書き手向けの注意書きを入れた方がいいかも

82 :
今書いてるの強姦モノなんだけど…
注意書きに何書けばいいか教えてくれると有り難い
このスレに投下するのは初めて

83 :
似た傾向の他スレとか、過去スレのログ見て決めて
それも判断できないようならまだROMってたほうがいい

84 :
他スレと方式変わらないならOK
ありがとう

85 :
3Pも結構あれだが、全然いける。だが非処女に全俺が泣いた

86 :
>>79
さすがにそれはワガママ

87 :
おお…意外と人いるじゃないか。安心したw
とりあえず3PやらNTRやら強姦でも別にいいが、注意書きは欲しい派。

88 :
>>86
NGぐらいはいいんじゃないか?
てか人いて俺も安心w

89 :
エロパロ板久しぶり過ぎて色々忘れてました。すいません。次回投下時は注意書きいれるようにします。

90 :
投下します。
入りだけちょっと(かなり?)強姦気味
NGの方は「無題α」でお願いします。

91 :
放課後の教室で、黒木 真二(くろき しんじ)は人を待っていた。
HRが終わり一時間程で人はいなくなり、ただ無為に窓の外を眺めていた。
グラウンドでは野球部が汚れたユニフォームに身を包み、健康な汗を流している。
『彼女』は部活に入ってはいないはずなんだけど、と思いながらいかにも高級そうに光る腕時計――確か、九十万くらいだったか――を見る。約束の時間からは二十分が経過しようとしていた。
ベタながらも下駄箱に入れておいたラブレターを見ればすぐに来ると思ったけどな、と彼が心の中で呟いた時、閉まっていたドアが静かに開いた。
高校生にしては珍しく第一ボタンまできっちりと閉め、校章は正しく真っ直ぐに、目を完全に覆い尽くす程、男子生徒にしては長い黒髪。
男子14番、楠木 眞白(くすのき ましろ)。真二のクラスメートであり、名字の関係から何かと隣になることが多かった。
最初の印象は、『暗い奴』。初めて話しかけた時、彼は口を動かすこともなく真二を向いてから、やがて視線を反らした(目が露になっていないために感覚だが)。
それから、真二は話しかけてはいない。必要性を感じなかったから。
それどころか、声もろくに聞いたことが無い。授業で先生にあてられたりしない限り喋らないのだから。
二人の間には沈黙が流れる。
眞白は憮然とした顔で、真二はその端整な顔に薄ら笑いを浮かべて互いに見合う。
やがて、堪えきれなくなった方が口を開いた。
「僕に…何の用……?」
「見て来たんじゃないの? ラブレター」
体の小ささの通り、少し高めの眞白の声が響く。
真二は決してホモな訳ではない。むしろ女癖の悪さで有名な位だった。
口をつむぐ眞白に、真二が声を上げて笑う。
心なしか怒ったような雰囲気を醸し出すクラスメートに近寄り、真二は小さな肩を抱く。
「面白いことしてるじゃん」
「……」
肩を掴む手を払おうとするも、力強く掴んでいるそれは離れなかい。
震え出した眞白を優しく押さえるように真二は力を込めていく。逃がさないように。
「男のフリして何やってるの?」

92 :
「……してない」
「嘘吐き」
ぱっ、と手を離す。と同時に眞白は距離を取る。
相変わらず笑みを浮かべている真二が近場にあった椅子を引いて座った。
「先週…あれ、先々週だったっけ……生理用品、買ってたでしょ」
「……で? 姉さんに頼まれただけ」
「姉さん? 一人暮らしでしょ、君。それに……家族なんて皆『亡くなってる』」
不味い、こいつ全部知ってる――眞白が身構える。
「動くな」
不意に強く言われ、動きを止める。
一歩ずつ歩み寄り、数センチの距離まで近付く。眞白は真二よりも頭一つ分低い。
真二が眞白のつむじに指を入れて、髪の流れに沿って動かす。
右へ、左へ。
髪の向こうの秘密が暴かれた。
「……ビンゴ。クラスの女子なんかよりずっと可愛いじゃん」
「うるさい」
「……勿体無い」
露になった容貌、化粧っ気が全く無くともつややかな肌に小さな鼻、少しつり上がった目からは怒り、いや、敵意を剥き出しに垂れ流す。
十人が十人振り返る、紛う事なき美少女の完成された可愛らしさがあった。
真二が今までとは違う、爽やかとは言い難い笑みと共に唇を舐めた。
嫌悪感を示す彼女をものともせずに笑みは貼り付いている。
数秒の沈黙の後、真二が時計を見やり、言う。
「おっと……俺、これから用事あるから、詳しい話はまた夜……眞白ちゃんの家で、ね」
「……入れるとでも?」
「もちろん」
間髪入れず答える。

93 :
眞白が舌を鳴らす。
「逃げんなよ?」
楽しそうに言い放ち、去っていく真二。
視界から悪魔が消え、足音も聞こえなくなったところで、立ち尽くしていた彼女が思いっきり机を蹴り飛ばす。
大きな音を立てて転げる机を見下ろしてから、髪をかきむしってもとの髪型に戻してから、『彼』は静かに教室から出ていった。
                     □
夜、閑静な住宅街にそびえ立つマンションの一室。
簡素な折り畳み式の机を挟んで二人は相対していた。
一方は家主であるが縮こまって正座を貫き、もう一方はふんぞり返って出されたお茶に口をつけている。
「いやホントこんな遅くに申し訳無いねーお茶まで出してくれて」
「……」
男の軽口に返答は無い。再び沈黙が続く。
――こんな遅くにのうのうとやって来たくせに、何を黙ってやがる。
だいたいお前みたいな何でもまかり通ると思ってるボンボンも大っ嫌いなんだよ。
口を開けばそんな思いが濁流の様に出てきそうだったが、静かに深呼吸してからそれを飲み込み、覚悟を決めて眞白は切り出した。
「何のよぅ」
「子供の時にさ、虐待受けたコってどうしてるんだろうね」
眞白を遮り、急に真二は語り出す。
彼の顔にはいつも通りのつかみどころの無い笑顔があった。
「突然、何を」
「知り合いにさ、家族を交通事故で亡くしちゃって、叔父さんに引き取られた子がいてさ。五、六年前かな」
真二がコップを置き、視線を部屋の上隅に向ける。
眞白がうつむきがちに、机の下で拳を握りしめた。

94 :
真二は語り続ける。
「その叔父さんが酷い奴でさ、その子に性的虐待を加えて、さらに売春までさせてたんだと」
「……で?」
「はぁ……何も思わない? 可哀想な話だよねぇ……」
目頭を押さえて泣くフリをするが、口元は相変わらず。
言外にその話を止めろ、と言ったつもりだった眞白は飄々と受け流す彼に唇を噛み締める。
不意に、泣き真似を止めて真二が前に出る。体を乗り出して、あと少しで触れ合う距離まで。
「少しでも血ィ繋がってるとやっぱ良いもんなの?」
「……黙れ」
「六年前……ってーと、小学五年生か四年生? 六? 聞きたいなぁ、その時のはな」
ぱしゃっ、という水音が響き、調子よく語られていた話が止まる。
滑らかな黒い髪は濡れ、顎から滴が垂れた。真二が口の回りを舐める。
――お茶をかけられたのか、成る程、触れられたくない所らしい。
人の過去に無遠慮に踏み入っているのだから当然だけど、ちょっと……やりすぎじゃない? 少しだけ、真二が笑みを崩す。
眞白が立ち上がる。
「……そんな話をしに来たんだったら、帰れ」
「おいおい、そりゃないっしょ……」
「黙れ。寝る」
真二の嘆願を一瞬で切り捨てて、居間から続くドアを開ける眞白。ベッドが見えたから、寝室だろう――
振り返る様子も無く消えていく彼女を見て真二は思う。
参った、ここまで女の子に冷たくされるのは初めてだな。
それも今まででトップクラスに可愛い子――
諦めきれない。
「仕方ない」

95 :

あまり後に残すような事はしたくなかったけどな――真二は覚悟を決める。
為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり、とは誰が詠んだんだっけ? まぁいいや、俺、世界史選択だし。
勢いよく閉まるドアに駆け寄り、足を突っ込んで止める。苦痛に顔を歪める真二。
閉まった音が聞こえず、鈍い音がしたことに驚いた眞白は振り返る。
「冷たくない? まだこっちの要求も言ってない」
「黙れ。聞く必要ない。帰れ」
先程と同じ言葉を返すも勢いは無く、顔に焦りを浮かべて後退する。
同じように、ゆっくり真二は前進する。距離は詰まらず、離れない。
「やめろ……来るなッ!」
「ここ、セキュリティとか防音が自慢なとこなんだよね……可愛い声が聞きたいなー」
軽く笑い、変わらない速度で近付く真二、遠ざかる眞白。
しかし、限界はある。
「わっ!」
壁際に置かれたベッドに躓き、上手いこと腰を落として転ぶ。
真二は止まらない。行き場を無くした眞白との距離は縮まり、遂にゼロになる。
動かない眞白に、昼間にやったように髪をより分ける。
現れた焦げ茶色の瞳には涙が溜まり、今にも零れそうなそれ。
「俺の要求は……君が、俺の彼女になること」
「ッ……ふざけェッ…む…うぅ…ッ!」
顎をつまんで無理矢理上を向かせて強引にキスをする。
両手を突っ張り必で押し退けようとするも、力では敵わない。足は抑えられ、動かない。
歯並びをなぞり、唾液を啜りきり、ようやく口を離す真二。
一息ついてから目の前の表情を凍てつかせた彼女を困惑して見つめる。
「どしたの」
「信じ…らん、ない……けッ警察呼ぶぞ! 離れろよッ!」

96 :
「やだ」
「やだ、って……」
驚愕、という言葉がしっくりくる眞白を抱き寄せて押し倒す。
「呼ばせないし、チクっても揉み消す。金とコネは金持ちの特権」
「最ッ…低だ……!」
「どうぞ、ご自由に罵りください。俺もう止まれないから」
太股の上に乗り、左手で両腕を押さえて右手で器用に眞白の寝間着のボタンを外していく。
半分ほど外したところで面倒になったのか、口で片方を、手で反対を押さえて引っ張る。
ボタンが数個弾け飛び、白い肌が外気に触れる。
胸には幾重にもサラシが巻かれ、真二が露骨に嫌そうな顔をした。
「これ、サラシ? めんどくさ……外しといてくれれば良かったのに」
いそいそと結び目を解く真二を尻目に、眞白は力を抜いて壁の一点を見つめる。
幼少の頃の苦すぎる思い出から、抵抗が無意味なことを知っていた。
『クソガキが……こっちは金払ってヤってんだ! 暴れんじゃねえ!』
頭の中で勝手に再生する記憶。
「っと……やっと解けた」
小振りではあるが女性的な膨らみが露になり、その桜色の頂点は冷たい空気の中で存在感を放つ。
上半身を遮るものは無くなり、真二は一旦思考に留まる。
ガリガリと言うほどではないが、薄く浮いたあばらや小さい肩、すらりと伸びる細い腕はか弱い。
屋内型なんだろう、全く焼けていない肌が眩しい。
すぐに壊れてしまう陶器の様な姿は、ますます女らしい。
――どうして男の恰好なんかしていたんだろう。
触れるか触れないか程の距離で、指をあばらの輪郭に沿って動かす。
「もうちょっと肉つけた方が俺は好きだなぁ……今度ご飯にでも行く?」
「……ん、じまぇ…んッ!」


97 :
乳首をつまんだ瞬間に、眞白が小さく声をあげた。
めざとくそれを見つけた真二は、優しく乳輪の回りをなぞる。
中心には触れないように。
「はッ…ん、う……」
「…ははっ、柔らか……」
遊び道具を見つけた子供の様に、つついたり、揉んだりと兎に角弄り続ける。
一番反応した所はかすりもせず。
そんな中、眞白に生まれる奇妙な期待。
それが顔に現れた途端真二は口を寄せて、少しだけ固くなったそれを甘く噛む。
「ひゃッ!」
「おー……やってほしそうな顔してたよ、眞白ちゃん」
「しッ…してなぁッ! 〜ッ……」
反論する眞白をよそに今度は強めに。大きな声をあげた。
抵抗する気はなさそうだな――そう感じた真二は眞白から降りて太股に手を添える。
ゆっくり、ゆっくり付け根へさかのぼり、こする。
「ッ……ッ! ふ、ぅ……」
「あ、口押さえたら駄目じゃん」
放された両手で声をあげそうになるのを止める眞白を見て、急遽秘所をさする手を止めて引き剥がす。
しかし、これでは手が使えない。いぢめることが出来ないじゃないか。
思考の末、真二はベルトを引き抜いた。
「ひゃ…やめッ……!」
「だーめ。その殻が外れた可愛い声が聞きたい」
普段はまるで喋らない。喋っても、こんなに脳がとろけそうなくらい甘い声じゃない。
無理に低い声を出していたんだろう。
そう頭の片隅で思いながら、眞白の腕を捻りあげて、後ろ手に縛りつける。
一個の芸術だった。
赤く泣き腫らした目は潤み、壊れたシャツから覗くなだらかな曲線は優美で、ぶかぶかの男物の寝間着とのアンバランスさが何とも言い難い。

98 :
意識せず、真二は唾を飲み込んだ。
暴れまわったせいか微かに見える尻の割れ目に指を入れて、下着ごと下ろす。
「うわ……」
なんてやらしいんだろう、と真二は思う。
胸同様柔らかそうな綺麗な形に、痩せているために出来た腿の隙間から見える割れ目。
不覚にも暫く見入っていたことを悟ると、仰向けにして足を広げる。
秘所を覆うように生える毛は薄く、その奥まで見えてしまっている。
「……おっぱいと同じで、毛の生えかたまで子供っぽいね」
「う、うるさい、って、おい! もしかしてッ…口つけェッ!?」
遠慮無く顔を寄せて、閉じているそこに舌をつける。
きつい肉をたち割って進み、舌を伸ばして流れ出てくる液体を掬いとる。
目に見えて体を震わせる様になってきた眞白の女らしい姿を更に見たい、その一心で柔らかい秘所をえぐり続ける。
最後に、舌を抜いてから少し上、小さくともしっかり固くなった蕾を音が聞こえるくらいに強く吸い上げた。
「ひ、あ、ひゃああッ!」
どろりと零れた少し濁ったそれを指ですくい、多少オーバーに口に入れる。
「甘い」
「ッ……馬鹿ッ!」
「嘘じゃない」
真っ赤になって顔を反らす眞白に、珍しく真面目くさった顔で言う真二。
言われたこと無い、そんなこと。
比較対象なんて思い出したくもない過去の奴らしか居ない、けれどもそんなこと、況してやそんなとこに口をつけた奴だって少ない。
自分の中の男のイメージが崩れる。
眞白の暴走する頭は、唇に感じる感触で止まる。
湿った舌が歯を小突いて開けろと告げていた。

99 :
数分前なら噛みきってでも拒否していたかもしれない、数分前なら。
眞白は静かに歯の力を緩めた。舌が入り込んで、舌に絡まる。
「ん…ふぅ…」
変な味、でも嫌いじゃない――かもしれない。
認め始めている自分が恥ずかしいのか、取って付けたように曖昧な言葉を続ける眞白。
そんなことなど露知らず、真二は舌に吸いつき、一通り賞味した所で口を離す。
唾液が二人の間に伸びた。
「どうだった?」
「……は?」
訳がわからない、そういった表情を浮かべる眞白に困惑して真二は更に詳しく言う。
「自分のいやらしいお汁は美味しかったですか?」
「やらし……ッ!?」
そこで漸く意味を理解する。
口移し。
慌てふためく眞白を見て、いつも通り楽しそうに笑う真二。
「あー、そう。美味しかったんだ」
「そ、そんなこと言ってない!」
可愛すぎる、こいつ。
顔を火どころか血が出るんじゃないかというくらいに赤くさせて反論する眞白を見て真二は思った。
秘所に手を伸ばして、少し乱暴に指を突っ込む。
「ひゃッ!」
「うわぁ……どっろどろ」
「ひっ、ちょ、ちょっと! せめて、も、少し、優し、くぅぅッ!」
体を軽く痙攣させ、肩で息をする眞白。
より分けた髪は暴れる内にもとに戻り、首から上を見れば男か女かなど見分けがつかない。

100 :
その下がこれ程までに淫らで、これ程までに女らしい。
真二は眞白を抑えていたベルトを外し、チャックを開けて既に最高に昂った自分の息子を出す。
それを見た時、眞白が一瞬体を強張らせる。
「怖いの?」
「……」
小さくうなずく。
真二が頭を撫でた。
「優しくする」
「……無理矢理やり始めたくせに」
「そうだっけ? 俺は和やかなつもりだったよ」
軽く笑う真二を睨み付ける眞白。
取り出したそれを秘所にあてがい、視線を送る。
「いい?」
「……」
眞白は答えない。その代わり、顔を反らして目を瞑る。
見なかったことにする、と言わんばかりに。
「口で言えば良いのに」
「……んッ…くぅッ……」
腰を押し出す。
同時に苦しそうな吐息が漏れて、涙が一粒。
「きつい?」
眞白がうなずく。
かといって、処女では無いのが不思議なくらい窮屈な膣内はじっとしてるだけでも快感が津波の様に押し寄せてくる。
真二は意を決して動き始めた。

101 :

「ん……」
ゆっくり、どちらも耐えられる速度で腰が楕円を描くように。
基本笑顔だった真二が歯を食いしばっているのを見た眞白が心配そうに言う。
「別に、好きなように動いてもいいよ。……どうせ、処女でもないし」
「……例のこと関連以外でエッチしたことは?」
「無い……けど」
「じゃあ処女だ。アクシデントなんか含まない」
きっぱりと言ってのける真二。
また涙が一粒落ち、袖でそれをぬぐって眞白は思う。
初めて、優しくされた気がした、と。
「でも、好きに動いて、良い」
「何で?」
上から体重をかけているために体を起こせないのか、手でこっちにくるよう眞白が誘う。
器用に体を丸め、頭を近付けると、眞白が耳元でささやいた。
「彼氏、なんでしょ? それなら……いいよ」
それは随分前に言った真二の要求。その時、彼女はふざけるなと言った。
真二が目を丸くし、ホントにいいの、と言いかけたところで、眞白が肩を突き飛ばし、腰を下げて入っていたモノを引き抜く。
震えながら片足に引っ掛かっていたズボンを取ると、のそのそと動いて四つん這いになる。
上体を完全にベッドに預けて顔を枕にうずめる。
最後にちらりと真二の顔を見て、またその真っ赤な顔を隠した。
恥ずかしい、加えて顔を突き合わせながらはやっぱり怖い。背中がそう語っていた。
何も言わずに再び同じものをあてがい、今度は一気に貫く。
「ふッ、く……」
声が漏れないように力一杯顔を枕に押し付ける。
――ここまでされたら、言われた通りにやるしかないだろ。

102 :
真二は振り絞ったのだろう眞白の勇気を感じて、何も言わずに腰を押し出す。
きつすぎる膣内が全体を包むように圧迫し、えもいわれぬ快感が全身を襲う。
「〜〜……ッ……ッ!」
体を震わせてシーツを握りしめる彼女。どれくらい苦しいのかなど知りもしない。
けれどもここで、大丈夫か、なんて声をかけたら嫌われるだろう。
真二は好き放題動く。
その好き放題の中にも目の前の可愛い彼女を慈しむ思いを込めて。
「ッ……中でもッ…良い?」
真二が迫り来る限界を感じて訊ねる。
眞白は何も言わない。
それでも、成り行きとはいえ、始まりはほぼ無理矢理だったとはいえ。
最後に勇気を出せたこと。その証拠が欲しかった。
眞白は小さくうなずいた。
「ッ……うおッ…」
真二は最後に腰を押し出し、覆い被さるようにして、中で果てた。



103 :


「……もう行っちゃうの? とか、今日は側に居て欲しいな、とか無いの?」
「うん」
「淡白だなぁ」
壊したせいでボタンが半端に留まっている寝間着で、眞白は玄関に居た。
隙間からのぞく小さなへそに2発目はいけるか、などと考える。
時刻は零時、まぁギリギリどやされないレベルだろう、と思いながら真二は頬をかく。
「あ、明日学校サボろうね」
「はッ!? もしかして、ま、また……」
眞白が脅えた表情を見せる。
真二は今日は何度も見せた笑顔で言った。
「デート、もあるけどね。」
真二が秘所の辺りを指差す。
眞白は何だか解らない、という顔をしていた。
「ついでにアフターピル」
「ん……ついで?」
「嘘々。そっちがメイン」
俺、結構そういうの気にするタイプよ、と真二は言って、また笑う。
作ったような、でも自然で、どこか安心する笑顔。
そう思った眞白が口元を歪める。
真二も訳がわからない、という顔をする。そして言った。
「あ……それもしかして笑ってる?」
「そッ…そんな訳無いだろ馬鹿ッ!」
「恥ずかしがっちゃって」
真二がまた頭を撫でた。
そして、眞白も『今度こそ』自然に笑えたのだった。


104 :
以上です
お目汚しすいませんでした

105 :


106 :
おつおつ

107 :
GJ!
かわいいな〜

108 :
可愛いなぁ〜
GJ! 出来れば続きが読みたいよ。

109 :
続きってどうしても『男装少女』って感じが薄れるので考えてはいなかったんですが…
そういうのはいいんですかね? こんな駄文で良ければ

110 :
そうか…薄れちゃうのか。
男装してる学校で…とか。
勝手にリク出しちゃってすいません。
作者さんに任せたほうがいいのかな。

111 :
っつーか学園モノで男装ってよっぽど特殊な状況でないと隠し通せないだろ常識的に考えて
その辺の設定をきっちりしてくれないともにょる

112 :
学園モノの男装は基本的にバレてからが本番。と思ってた俺は一体どこに行けば…

113 :
66-72の続き投下します。
***注意***
男2人×男装少女
2穴プレイ
ややNTRと強姦の雰囲気が漂います
NGワードは「楓と」でお願いします。

114 :
「そういう都合のいい解釈は――」
「解釈じゃなくて事実だろ?」
直也は言うなり楓を押し倒し口付けようとするが、楓の顔が横を向く。
「……ま、愛情確認の作業はいらないか」
 呟き、狙いを首筋に変えて吸い付くと、短い悲鳴が漏れる。そのまま首筋を舐め上げ胸をまさぐると、いまだくすぶっていた快感の火種に火がつき、全身を震わせる。
「ひ、やっ、だめ、首、やめてくださっ……あぁっ!」
 これまでの愛撫より穏便に見えるその刺激に、今までになく声を露にして身悶える。声を飲み込む余裕もないのか、手はシーツを握り締めている。
「ほんとーに首、弱いんだな。ほら圭太、ぼーっとしてないで手伝えよ」
 友人の乱れ方に見入っていた圭太も、声を掛けられると楓の足を開き、相変わらず下着からこぼれている秘所に口付ける。唇で食んだり舌を這わせたり啜ったりと、思いつくだけのことをしていると、頭を固定するように挟み込んでいる太ももが震える。
「や、やめて圭太っ!そんなとこっ、んんっ!」
 その間、直也は執拗に首を舐め上げ、舌でくすぐり、手では胸を弄んでいた。
「ひあ、や、やだ、やだぁっ!」
 頭を振って嫌がる楓の悲鳴に、思わず圭太が顔を上げ、その気配に気づいて直也も顔を上げる。
「よしよし。楓、泣くなよー。泣いたら止めなきゃいけないんだから」
 子どもをあやすように頭をなでる直也の発言に、楓は目を瞬かせる。
「え……な、なんで……?」
「親友に感謝しろよ。お前が泣いて嫌がったらやめるって、約束してるんだよ」
 驚きの表情を圭太に向けると、彼はその視線をまともに受けることができないようで、あさっての方向を向く。
「いや、あれだぞ?ほら、流石に犯罪はヤバイっていうか、冗談で済めばいいっていうか、お前がケーサツに訴えてやるとかそういうこと言わない程度にしておこうとか、そういうことだからな?」
 急に饒舌になった圭太の様子に、一瞬楓の表情が緩む。それを視界の隅に収めて、圭太はほっと息をつく。
「まぁ、気持ちよくて泣くのはいいんだろうけど」
「んっ」
 そんなやわらかい空気を楽しむ間もなく、直也の手が胸の飾りをつまむ。
「じゃ、楓ちゃん、そろそろシようか」
「え。するって」
「本番。前は直也にやるよ。ほら」
ぐいとその手を引いて抱き起こしたかと思うと、背中を押してそのまま圭太に預ける。短く声を上げた圭太も、一応は腕の中に楓を抱きかかえる。楓が顔を上げると、至近距離で見詰め合って、気恥ずかしさから顔をそらすが、圭太の手はしっかりと楓の腰を掴んでいる。
「その……悪い」
 じぃ、とチャックを下ろす音が聞こえて、楓は息を吐く。
「いまさらだな」
可愛げのない返答を聞いても、体は目的に向かって一直線に動いていた。いきりたったものが楓の中心に宛がわれ、たいした準備もなく無理やり腰を下ろされる。
「んぅっ!ん、あ……は……」
 息をつき、体の力を抜こうとしている楓の体を抱きしめる圭太の腕に力が入る。
「やべ……お前の中、気持ちいい……」
「う……馬鹿……」
 答えに窮した楓の憎まれ口も、しっかり体が繋がったこの状況なら前向きに受け取れる。体が安定しない楓の腕は自然と圭太にすがりつくしかない。
「圭太、後でかわれよ。さて、それじゃ俺は楓ちゃんの初めてをいただこうかな〜」
「え、あ」
直也がただ大人しく見ていたわけではもちろんなく、手にしたおもちゃはいつの間にか潤滑剤にまみれていた。それを楓のでん部に押し当て、しばらくそのままこすりつけて楓の反応を眺めた後で、先端の一番小さなボールを押し込む。
「んぅっ……」
鼻にかかった息が楓の口から漏れた瞬間、圭太もぴくりと反応する。
「今……」
「え、あ、あっ!」
言いかけた圭太に聞き返そうとした楓の声が乱れる。さらに一つ、ものを受け入れるべきでない場所にボールを押し込まれたのだ。
「これくらいは余裕だな。どうだ?後ろ、感じる?」
「知りません!ヘンな……感じしか」
勢いよく否定こそしたものの、その後に続く言葉は力がない。戸惑う楓の腰を、圭太が揺する。
「あぁっ」
「でも、んっ、入れた瞬間、締まったぞ」
どちらかというと控えめに参加していた圭太からこうして指摘されると、もう楓に逃げ場はない。大人しくされるがままになっているくせに、悲しげな表情を浮かべるのは卑怯だな、と圭太は思う。憤りは嗜虐的な嗜好にすりかわって、直也が吐いてきた台詞の意味がわかる。
「や、そんなっ」

115 :
「ほんとなんだからしょーがない、だろっ」
「や、あぁ、んんっ」
服を着たまま、2つの穴を塞がれたままで喘ぐ姿を愉快そうに眺めていた直也が、頃合を見計らってさらに一つ、奥へと押し込む。
「んんうっ!や、も、ダメで……」
「これ。締まるとか以前に、キツくなってきたな」
 直也を真似て圭太が首筋を舐め上げると、短く悲鳴を上げて首を振る。嫌がっているようなそぶりとは裏腹に、体の中は圭太の指摘どおり、男を喜ばせている。
「もうダメ?なら抜いちゃおうか。抜くときのほうが気持ちいいらしいけど」
 言いながら直也はぐるりと楓の中をえぐるようにおもちゃを回転させて、抜けない程度に引っ張る。楓の戸惑いが焦りに変わる。
「や、抜いちゃダメですっ」
 反射的に答えてしまった言葉に、直也が笑う。
「じゃ、このままにしておく?こんなモンぶらさげてちゃ、スカートもズボンも履けないよ?それでいいって言うならいいけど。いやぁ、エロい子は言うことが違うねぇ」
「ち、ちがっ……あぁっ、や、圭太っ」
 必で否定しようとする楓を下から突き上げて、圭太も直也のような笑みを浮かべる。
「何がいやなんだよ。こんなに感じてるくせに」
 楓の細い腰を掴んで引き寄せ、角度を変えながら奥を突く。
「圭太っ、だって、あ、んんっ、だめ、気持ち、いぃっ……あぁっ」
 とうとう快感を認めた楓を追い詰めるように、直也はボールを引き抜く。
「やっぱ入れるときより、抜くときの方が気持ちよさそうだな」
「ん、あ、あ……」
 身を震わせる楓の表情からは、いっさいの険しさが抜け落ちている。正気を失った目は、とろんと熱を帯びて目の前の男を眺める。ごくりとのどを鳴らす圭太とは対照的に、余裕を感じさせる直也は3つ全てを引き抜いて、もう一度それを押し込んだ。
「んあぁっ、あ、先輩っ」
先ほどよりも一つ多く押し込んで、中を広げるように体内をえぐる。
「あと1個、入るようになったら俺のをあげるから、もうちょっと圭太のだけで我慢するんだぞ」
耳を舐め、胸を弄る直也の言葉は、まだまだこの行為が終わらないことを知らせる。
「というわけで圭太、お前あとどれくらい我慢できる?あ、ちゃんと動けよ。」
「……先輩、けっこう厳しいっすね。でも」
ぐっと楓の腰を掴んで後ろ側に刺激を与えると、肉の壁の向こうに異物を感じる。鼻にかかった声を漏らしてすがりつく楓を、今は圭太が思うように喘がせられる。
「今、すげー気分いいんで、頑張ってみます。……1時間くらい」
「十分。楓のここ、気持ちよくしてやるからな」
肩で息をつく楓の耳元でささやいて、4つ目のボールを出し入れする。
「うあ、あぁっ……ん、だ、め……ヘン、なの、だめっ……」
「だめじゃなくてイイんだろ?」
 言うと同時に腰を持ち上げて引き抜き、浅くつながった状態で腰を揺らす。当然その間も、後ろでは直也の責めが続いている。
「んく、や、やぁ、だめっ……」
「……何回言えば気が済むんだよ。素直にならないと――」
 ぐ、と圭太の手が楓の腰を落とす。腰の奥まで押し込まれ、楓はびくりと背をそらす。
「あうっ、ん、あぁ……っ」
「こらこら圭太。奥は優しくしてやれよ。いっぺん痛いと思ったらそっからテンション上げるの大変なんだから」
 場慣れしている男は言うことが違う。先ほどからペースを作っている直也はまるで興奮していないように見えるが、下半身はしっかりと準備ができていて、彼自身が言っていたギャップへの興奮は高まっている。
「大丈夫ですよ、先輩。コイツのカオ、感じまくっててすげーエロいんですよ。ちょっと、俺……」
 熱に浮かされたように呟いて、ペースを考えず腰を振る圭太に、直也はあきれたように声をかける。
「おいおい、まだこっちの準備、終わってねーぞ。」
 言いつつ、一つ一つボールを引き抜いて、楓の声色を愉しんでから、また一つずつ埋めていく。とうとう5つ目のボールを埋めると、流石に苦痛の声が漏れる。
「っく、んぅっ……」
「よしよし。よく我慢できました。もう前は出来上がっちゃってるだろうから、早く後ろもしてやるからな」
 汗で湿った楓の短い髪を梳いて、濡れた首筋に吸い付く。
「ひやぁ、もう、せんぱい……」
 弱弱しく、ろれつの回らない声からは、普段の姿など想像もつかないだろう。
「楓。今お前が感じてるのはこっちだろ」
 今はもう自分の体を支えることも難しい楓は、突き上げる圭太に抱きついて声を上げる。
「圭太、あ、圭太ぁっ……も、おれっ、あぁっ……」

116 :
今はもう自分の体を支えることも難しい楓は、突き上げる圭太に抱きついて声を上げる。
「圭太、あ、圭太ぁっ……も、おれっ、あぁっ……」
 胸に当たる楓の小さなふくらみと立ち上がった突起の感触が、背に回された腕の細さが、腕の中で震える体の熱さが、圭太の中で欲と、もう一つの感情を起こさせる。
「悪い、楓。我慢してたけど、やっぱり……可愛い、お前」
 喘ぎ震えるしかできない楓の後ろで、直也は二人に気づかれることなく、一瞬真剣な表情を浮かべる。けれどそれはほんの一瞬のことだった。すぐに愉悦の表情を取り戻して、ひとつずつボールを抜きながら、楓の耳元でささやく。
「じゃ、そろそろ行こうか。ま、一回でここまでいけたんだから大丈夫だとは思うけど、痛かったらちゃんと言えよ」
 入るはずのない異物が入っていた場所が空いて、思わず身震いした楓の頭に、その言葉はどこか遠くで言っているように聞こえた。けれどすぐに、押し当てられたモノの熱さで我に返る。
「え、あ、あっ……!」
ぬる、と侵入してくるモノには、さきほどまでのものと同じく十分な潤滑剤が塗りたくられていたらしく、腰をつかまれ押し付けられると、予想よりは簡単に奥へと進む。
「っく、流石に、キツイけど……いい感じ、だな」
「すげ、こっちも、キツくなって……」
 腹の中に二本押し込まれて、楓は声も出せず、シーツを握り締めて金魚のように口をあける。
「どうだ?後ろは……っと、抜くときのほうがイイんだっけな」
「ひ、あぁあっ!」
 ずるりと、抜かれるときの感覚はわかりやすい快感とは違うらしく、表情には不安や怯えが見える。しかしそれだけではない、と圭太は感じた。彼は確かな言葉にはできなかったが、それは楓の目に宿った期待と歓喜の光がそうさせていたのだった。
「あぁ、いいな……楓の中。圭太も動けよ」
「……」
 無言のまま圭太が腰を突き上げると、びくりと楓の体がはねる。
「あぁっ!だめ、なか、中がヘン、でっ」
「ダメじゃないだろ。2穴塞がれてよがってるくせに」
 耳元でささやく直也の声も、どれほど聞こえているのか。構わず腰を振る圭太の動きに合わせて声を上げ、身を震わせ、頭を振って悶える。
「ひ、あぁっ、圭太、けぇたぁっ」
 目の前の男を呼ぶのは致し方ないが、せっかくの嗜好を凝らした直也はおもしろくない。
「後ろも気にしてくれねー?こっちはこっちで気持ちよくしてあげてんだから」
 場所が場所だけに控えめに動いていたが、ずるりと先端まで抜いて一気に押し込む。
「ひあぁっ!せ、せんぱっ、あぁあぁっ!」
 びくびくと震える細い体を、二人の男が突き上げる。間断なく発せられる声は次第にろれつが回らなくなり、緊張していた体からは力が抜ける。
「ふぁ、あぁっ、あふっ、き、きもち、いっ……いいっ……らめ、もぅっ……!」
 いやらしい水音と肌がぶつかる音が聞こえる部屋は明るい。目に涙を浮かべて喘ぐ楓の表情が、圭太にはよく見える。おかげで、きっと彼の興奮は直也よりも高まっている。
「っく、楓……楓っ」
「は、そろそろ……いく、か」
腰を打ちつけながら胸をまさぐっていた直也の手が、スカートの中、楓と圭太の結合部分に近づく。淡い茂みの中から見つけ出した芽を擦ると、ひときわ大きく楓の背がのけぞる。
「あぁあぁっ!」
「くっ……」
 声と同時に体中が緊張して、男二人を締め付ける。苦しげな声を漏らした圭太のタイミングも見越してか、直也は再び、今度は皮に包んだ状態で核を刺激する。
「っほら、イけっ……!」
「あぁ、あ、や、あぁあああっ!」
 力の限り叫んだ楓の四肢がこわばり、震える。それに合わせるように、男二人も果てた。
「かえ、でっ……!」
「んっ……く……」
 圭太の胸に倒れこんだ楓の奥に、最後まで吐き出すように男二人は幾度か緩慢な動作で突き上げる。
「あ、ふ……ん……」
 絶頂を迎えた状態で与えられる刺激に、楓は甘いため息を漏らす。すっかり蕩けた表情で息をつく楓の頬を包んで、圭太は軽く唇を重ねる。それに何を思ったのか、楓はふわりと笑って、圭太の体に身を預ける。
――……っず、ずりぃ
 散々やりたい放題やった直後だというのに、その表情一つ見ただけで、圭太は顔を赤く染める。そんな様子を楓の後ろから眺めていた直也はといえば、深く息をついて楓の体から抜け出して、仰向けに倒れる。
「はー。いいセクックスだった。ま、後ろばっかりで表情を堪能できなかったけど、それはまた今度でいいか」
「こ、今度、って」

117 :
 肩で息をしながら言い返そうとする楓も、しゃべる気力がないのかそれ以上続かない。
 ようやく圭太も楓から体を離すと、そこで自分と直也の決定的な違いに気づく。
「な、先輩、いつの間にゴムつけてたんですか!?」
 めくれがったスカートの中からのぞく楓の後ろからはわずかな潤滑剤が滴っているだけだが、前からは圭太の吐き出したものがどろりと零れている。
 そして仰向けになった直也自身には、しっかり近藤さんが装着されている。
「いつの間にって、入れる前に。馬鹿だなお前、つけてなかったのか」
「あ、あの流れのどこで着ける余裕があったんですか」
「アホだな。その余裕は自分で作るもんだ。っつーかお前ら、ここは俺のベッドだ。お前らくつろいでないでさっさと降りろ」
 身を起こし、さっさとゴムを処分した直也は、しっし、と二人をベッドから下ろそうとする。
「ちょ、この状況でどうしろと」
「二つ隣がゲストルームだから、そこで休め。あ、あと二階の風呂は使っていいぞ。どうせ今、この家には俺たちしかいないし」
 抗議する圭太に楓を押し付けて、直也はさっさとベッドに倒れこむ。まだ何か言いたそうな圭太に目配せして、にやりと笑う。
「ま、ゆっくりしてけよ」
 言われた瞬間、圭太は何故か胸が鳴った。
「……とりあえず、休ませてもらいます」
 何か抗議したそうにしているものの、まだぼんやりとした様子の楓を抱きあげて、直也に言われたとおりゲストルームのベッドに体を横たえる。
 高級感のある布団に緊張しながらも、直也の用意周到さを信じて汗まみれの服ごと布団にもぐりこむ。
「……圭太」
 呼吸が整ってきた楓の声は、いつもの低さに戻っていた。
「お、おう……その、悪い……」
 こちらも冷静さを取り戻した圭太の頭の中には、色々の後悔が渦巻いている。何より、扇動していた直也がやらなかった不始末を、自分だけがしでかしてしまったことで、少々混乱もしている。
「……とりあえず、妊娠はしないから安心しろ。あと、少し休むから一時間位したら起こせ」
 ため息のあと、一方的に命令して楓は目を閉じる。そのまま無防備に、自分を散々喘がせた男の隣で寝息を立て始める。
 圭太にしてみれば、妊娠しないってどういうこと?とか、なんであそこで笑った?とか、そもそも逃げなかったのは何で?とか、結局噂は本当だったのか?とか、ここでフツーに寝るか?とか。
 聞きたいことは山ほどあったのだが、罪悪感と疲労とがあいまってその辺はあきらめて、ため息をつく。
 そうして、絶対こいつのことは女として見れないと思っていた数日前の自分とは、何かが決定的に変わってしまったことに戸惑いを、それを見抜いていたらしい先輩の計らいに感謝を抱いて、目を閉じた。
 そして気絶すること小一時間。
 ちょうどよい時間に目が覚めた圭太は、自分の腕の中で寝息を立てている女がいることに気がついた。
 すぐにそれが楓だとはわかったのだが、寝顔を見て一瞬どきりとしてしまう。今まで寝顔は何度も見ているし、それを可愛いと思ったことはない。
 多分何も知らない男がこの寝顔だけを見ても、そう可愛いとは思わないだろう。が、少なくとも圭太は、そう思ってしまった。
「いやいやいや。そりゃおかしいだろ。いくらなんでも」
 つい声に出してまで否定してしまって、それでも起こす気にはなれず、だらだらと自分の心の声を漏らす。

118 :
「だって楓だぞ。あのふてぶてしい、何様だよって感じの、あの。
 つうかそんなに、そんなには可愛くもないし、あれだ、ただヤった相手だから情が移ったというか、あんな顔見せるからだ、とか……」
 口に出すほどに言い訳がましくて、思わずそれ以上言うのを止める。
 ひょっとしたら、それ以上言い訳が思いつかなかっただけかもしれないかもしれないが。
 目の前で眠る楓の髪は、一度汗に濡れたせいか湿り気を帯びていて、見るからに柔らかそうだ。
 女としてみるとさほど美しいとは思えないのだが、男としてみるには無理がある。
 線は細いし、腰はくびれていたし、肌は柔らかくて滑らかだし、それが他の女と比べてどうかは知らないが、とにかく男のものではない。
 それくらいずっと前に気づいてもよさそうなものを、どうして今になって気がついてしまったのか。
「おい、楓、起きろ」
 妙に胸がざわつくのをごまかすように、少し乱暴に肩をゆすって起こす。
「ん……ふぁ……」
 大あくびを隠しもしない様子は、やはり可愛げのかけらもない。
「ほれ、起こしてやったぞ。で、どーすんだ?その服……」
 言いかけただけでわき腹にグーを入れるのはどうかと思う。
「うっせ。とりあえずシャワー浴びる……」
 言いながらキャミソールを下ろし、スカートの中の下着を直し、ずりおちたニーハイソックスを直す。
 そして立ち上がろうとベッドに手をついて、ぴたりと楓の動きが止まる。
「どうした?」
 ベッドに手をついたまま、下を向いた楓の顔が、心なしか赤い。
「あ、あの……腰が、立たない」
「なっ……いや、まぁ、確かに」
 一瞬驚いてはみたものの、考えてみればおかしいことはない。
 じゃあ、と背中と膝の下に腕を差し入れて抱き上げると、楓が顔を隠して恥ずかしがる。
「……あのよ、よくわかんねーんだけど、アレの後に恥ずかしがることか、これ?」
 素朴な疑問を口にすると、体勢が体勢だけに暴力は返ってこない。
「うるさい。だまれ」
「人が運んでやってるのになんだよその反応……。」
 ため息をつきながらもバスルームに向かうが、脱衣所について楓を下ろして、すがりついてなんとか立っている様子を見て改めて考える。
「で、どーするよ。一人じゃどーしよーもないわけだよな」
「う……うん」
 ここで素直に手伝って、とまでは言えないあたり、可愛げがない。
 この状態で上目遣いで言われたら、いくら悪友とはいえうっかりキュンとしそうなところだが、そういう甘酸っぱいシュチュエーションは望めないようだ。
「……じゃ、ま、一緒に入るか。俺も汗流したいし」
 うん、と小さく頷いた楓を座らせて、とまどいながらも服を脱がせる。
 なんだかんだで初めて見る裸は細く凹凸に乏しくて色気が足りない。
 が、触り心地は良かったし、触ればいい反応をした。なんならここでもう一度、という淡い期待を抱きつつある圭太に、大事なところを手で隠した楓がむっとした表情で命令する。
「タオルくれ。寒い」
 可愛げのない声を聞くと、こういう友人相手にやる気を出している自分が何かおかしいような感じもして、おとなしくタオルを渡す。
 しかし考えてみればそんな友人相手にすっかりスパークしたのは事実で、それだけを抜き取れば致し方ないとかなんとか色々考えているうちに、圭太は何故か楓と並んで浴槽に入っていた。
 隣にいる楓はこの状況に疑問を感じないのか飄々とした表情で、一応はタオルで体を隠しているが、のんびり安堵のため息なんかついている。
 が、流石に圭太は直視出来ない。色々の煩悶とかもありつつ、直視は出来ないがちらちらと様子を伺う。
「で。なんか俺に聞きたいことがあるんじゃねーの?」
 正面の壁を向いたまま口を開いた楓の言葉に、思わずびくりと肩をすくませる。
「え、あ、いや。あるけど」
「聞けばいいじゃん。答えるかどうかは俺次第だけど」
「まぁ、そう、だな」
 色々と頭に浮かんだ質問のうち、答えやすそうなものを選ぶ。
「えーと。祐樹先輩とのことだけど」
「黙秘」

119 :
 聞けばいい、と言った直後の拒否に、思わず声を上げる。
「なんだそれ!お前っ……」
「具体的なことは黙秘。でも、付き合ってはいない」
 ふいと視線をあらぬ方向に向けて言う楓は強情だ。無理に吐かせるのは難しいだろう。
「……えーと……じゃ、その。何で逃げなかったんだ?」
 いくらあの格好が恥ずかしいと言っても、犯されるよりはマシなはずだ。それをしなかったのが不思議でならなかった。
「まぁ、シたかったから」
 さらりと。横を向いたまま答える楓の表情はいつもと大差ない。その顔で言える内容じゃない。
「したかったって、おま……」
「そのまんまだよ。好きなんだよね、俺。先輩のこと言えないな」
 俄かには信じがたい内容だが、ふと楓の視線が圭太の表情を伺う。
「男みたいにしてるのに、こんなのヘンだよな。」
 その言い方は少し不安げで、自嘲ともとれる。
「いや、あの。そりゃ驚いた、けど……じゃ、別に、嫌じゃなかったのか?」
 流石に泣かれたら嫌だ、という圭太の心配が実現しなかったことにほっとしつつ、期待をこめて聞いてみる。嫌がるそぶりは見せていたけれど、結果的にこういう状況にあるということはそういうことだろう。
「ん……まぁ、あそこまでされるとは思わなかったけど……腰立たないし」
 ほんのり頬を染めてうつむく様は、少しだけ可愛い。
「あのよ。あと、妊娠は心配しなくていいって……あれは?」
「う、うん。あー。ピルって知ってるか?まぁ、避妊薬、みたいなもんだけど。俺、それ飲んでるから。」
「そ、そっか」
 ほっと一息ついて、なーんだ、嫌じゃなかったんだ、とか、中出ししても問題なかったんだ、とか、そんなことに安心しきっていると、楓の視線を感じる。
「な、なんだ?」
「え、あ……いや。聞きたいことはそんだけ?」
 湯船に浸かっているせいか、楓の頬が赤くなっている。自分もずいぶん温まったな、と思いながら、他の疑問を思い出す。思い出して、自分の顔が熱くなるのを感じる。
 イった後、キスの直後に自分に笑いかけたのはなんだったのか……と、聞きたいのだが、気持ちよかったから、とか、そんな覚えはない、とか返されると、聞いた方が意識しすぎているようで恥ずかしい。
「いや、それだけだ。うん。お前が嫌じゃなかったなら、とりあえず、それでいい」
 自分に言い聞かせるように頷く。
「そっか。じゃ、俺も一つ、聞きたいんだけどさ」
「何だ?」
 じーっと、正面から圭太の目を見据えて、意を決したように口を開く。
「また、こういうこと、俺としたい?」
「なっ、ななななな何、言って」
 思わず泡を食った圭太だが、“こういうこと”という一言であれやこれやを思い出してしまい、うっかり下半身に血液が集中しそうになる。
「だって。直也先輩、又今度とか言ってたし。俺だってバラされたくないから、言う事きかなきゃいけないかもしれないし。するのは嫌いじゃないけど、無理やりは嫌だし……」
「いや、そ、そりゃわかるけど。先輩もそこまではしないと、思う、けど……」
 いまいち断言できないのは、こういうイタズラ(犯罪)に、一向に反省とか後悔とかをしない先輩が信頼できないからだ。
「なんでそこで、俺が……」
 たずねると、楓が困惑した表情を浮かべる。その意味が、圭太にはわからない。
「……俺が泣いたら止めるって、先輩と約束してくれたんだろ?」
 その一言を聞くと、なぜだか頬に血が上る。
 友人を気遣ったということ自体が恥ずかしいし、それにしてもあんまりにも身勝手だったと思うし、それでもこうして、自分を信用してくれていることが妙に嬉しいしで、おう、と答えることしか出来ない。
「だからもし、先輩がまたって言ってきたら、そのときもお前に止めてほしいんだ」
 それはイコール、今日のように二人がかりで楓を……ということに他ならないのだが、それでも楓がそれを望んでいるらしいとわかると、ごくりとのどを鳴らしてしまう。
「……いいのか?」
 つい目に力がこもる。ついでに楓の細い肩を掴んでしまう。そうすると、はっとしていつもの表情に戻り、ふいと視線をそらす。
「ま、今日のも悪くなかったし。性質の悪い先輩一人相手にするよりはな」
 なんというか、色々と予想外の展開だが、圭太からするとありがたい。
 友情にヒビは入らなかったようだし、思ったほどダメージはないようだし、なんならまたしてもいい、というお許しをいただいたようなものだし。
「はー、しかし、今日だけはお前の図太さに感謝だよ、俺。先輩の片棒担いでおいしい思いできたのも今日が初めてだしな」
 ほっとして思わず息をついた圭太に、楓の体がよりかかる。

120 :
「ど、どうした!?」
「……熱い」
 見れば楓の体はすっかり赤くなっていて、あからさまにのぼせている。
「と、とりあえず出るぞ?」
慌てて楓を抱えあげて、濡れていないタオルにくるむ。汗やらなんやらでぐちゃぐちゃになった服を着る気はないらしく、そのまま楓をゲストルームに運ぶ。
「水……」
「お、おぅ。ちょっと待ってろ」
 結局いつものように命令されているなぁと思いつつ、下着とTシャツだけを身に着けてばたばたと1階に下りると、台所には同じような格好の直也がいた。
「おう。風呂入ったのか」
 グラスの水を飲み干した直也が、それを使えと空いているグラスを指さす。
「あ、はい。楓がのぼせちゃって」
 グラスに水を入れる圭太に、直也はいつもの笑みを向ける。
「いーねぇ。風呂で2回目か」
 わかりやすく勘違いしたのか、わかっていてからかっているのか。
「し、してませんよ!あいつが腰たたないっていうから一緒に入りはしましたけど、その、色々話をしてただけで」
 ともあれ否定はしておこうと、グラスを手に振り返る。
「なんだ、一緒に入ったのに何もしてねーの?お前も紳士だなー」
「紳士って。あの楓相手にそんなにやる気には」
「なってたじゃねーかよ。夢中で腰振ってた奴が何をいまさら」
 同じ場所で同じように腰を振っていた先輩の指摘は否定できない。確かのあの時、圭太は夢中だったし、楓を喘がせることを喜んでいた。
「……あー、俺、アイツにだけは欲情しないと思ってたのに」
 思い出すと落ち込む。一応、友人として付き合ってきたし、男とも思ってはいなかったけれど、女とはこれっぽっちも思ってこなかった。
 その相手にアレだけのことをしでかして、相手が嫌がってないのをいいことに喜んでいる自分には、ちょっとがっかりする。
「お前はほんとにアホだな。絶対欲情しない相手なんて、そんなの誰にもわかんねーよ。ま、俺は絶対欲情できる相手なら見つけられるけどな。」
「……それは先輩が盛ってるだけじゃないんですか?」
「そうとも言う。ま、さっさと行ってやれ。後で俺の服、ちゃんと貸してやるから」
 しっし、と追い払うような仕草に従って、グラスを手に楓の元に向かう。改めてバスタオルから伸びる細い腕や足を眺めると、肌が上気しているせいか、色っぽく見えなくもない。
「ほら、水」
 気だるげに頭を起こした楓が水を飲み干すのをぼんやりと眺め、何の気なしに頭をなでる。
「後で直也先輩がちゃんと服貸してくれるってさ」
「……うん」
 はぁ、と息をついて、冷えたグラスを額に当てた楓は、ちらりと圭太を見上げる。
「で、なんで頭なでてんだよ」
「いや、なんとなく」
 言いつつも、改めて考えてみると恋人のような仕草だったと、照れて手を引っ込める。
「よ」
 そこに現れた直也は、手に服を抱えている。
「ほら、約束どおり、服貸してやるよ。」
「……どうも」
 タオル一枚の楓はやや不機嫌そうにそれを受け取る。
「今洗ってる服は月曜にでも学校で渡せばいいよな」
 という直也の申し出に一度は首を縦に振りそうになるが、考えてみれば直也から服を返される様子と言うのは、それだけで「何があったんだ」と噂になりそうな危険な画だと気づいて、慌てて首を横に振る。
「い、いいです。取りに来ます」
「ふーん。楓ちゃんの方からうちに来てくれるわけだ」
と、にやにやと返すこの男は、どこまで先を読んでいるのだろうか。
「き、来ます……っていうか、そもそも、洗ってるって……俺の服、この後誰がどうするんですか?」
「誰がどうって。さっき俺が乾燥機に放り込んだから、あとはうちの本物の家政婦にやってもらうよ。あ、サラシは怪しいんで処分させてもらうけど」
それを聞いて、楓は一度肩を落とし、「見たんだ……」と小さく呟いて。

121 :
「わかりました。近々伺います」
ため息とともに言い切った横で、圭太はぼんやりと、そのときは自分も一緒に来ることになるんだろうな、と考える。
「よし。じゃ、着替えたら送ってやれよ。腰たたないんだろ?」
わざとらしく強調する先輩に、楓は思いっきりしかめ面をしてみせる。
「はは、思ったより元気そうだな。あ、そうそう。楓ちゃんに一つ言っとくことがあったんだ」
 にこりと笑った直也は楓の耳元に口を寄せ、一言二言口にしたかと思うと、じゃーな、と逃げるように部屋を後にする。
 なんだったんだと圭太が楓の様子を伺うと、やっと落ち着き始めた顔色がまた赤くなっている。
「なんだ。よっぽどエロいことでも言われたのか?」
「いや。なんでもない。つーか着替えるから出てけ」
「いや一緒に風呂はいっ……ぐっ」
 余計な一言は余計な一撃につながる。みぞおちを押さえた圭太は、尻尾を巻いて退散する。
 ジーパンとパーカーを抱えて部屋を出て、身支度を整えてしばし待っていると、おーい、といつもどおりの声で呼ばれる。
「肩、貸してくれ」
 手を伸ばす楓はサイズの合わない服を着ているせいか、いつもより小さく見える。
「なんならさっきみたいに運んでや……いや、なんでもない」
 余計な一撃は意外と重いので、今回はやられる前に言葉を飲み込む。
 さすがに時間がたって少し回復したようで、立ち上がるときこそ圭太の手を借りたが、その後はふらつきながらも自分の足で歩いていく。
 結局直也には挨拶をしないまま、豪邸を後にして家路を急ぐ。
「あー、くそ。考えたら結局、この服うちで洗って返さなきゃなんないじゃん。親に何て言おう……」
「まぁ、そーだなぁ……」
 ぶつぶつと文句を垂れながら歩く楓の斜め後ろを歩く圭太の表情は微妙だ。
 いろいろと怒涛過ぎて事態が整理できていないのもあるし、今現在自分が眺めている楓が、直也の言うとおり女なのかどうか、というところにもひっかかりがある。
 あれだけのことをしてあれだけの姿を見ても、どうにもこびりついた楓=女ではない、というイメージが拭い去れない。
 そういえば楓の問いにも答えていない。下半身のフットワークが異常に軽い先輩なら、二つ返事でイエスといえそうなのがうらやましい。
「……なぁ」
「ん?」
 直也のシャツの袖をまくって調整している楓が振り向くと、いつもどおりの女ではない楓に見える。それでも確かに、自分はこの細い体を抱いたのだ。
「お前、女なんだよな」
 言った瞬間むっとした表情を浮かべた楓は、腕を組んで圭太を睨みつける。さらしを処分されたので、小さな胸は一応服の上からでも女のものだとわかる。
「何だよ今更。なんか文句でもあんのか?」
「いや、文句はないけど。なんか、そーだったんだな、と」
 思ったままを口にすると、しばし不機嫌そうにしていた楓もあきらめて正面に向き直る。しばし無言で足を進めていたが、ふと楓が口を開く。
「女だと、今までみたいにできねーのかな」
 何を、と聞き返そうとして、圭太はそれがいわゆる男同士の友人としてやってきたことなんだと気がついて、しばし考える。
 肩を組んでふざけあったとき、自分は緊張しないだろうか。今までどおり下ネタを話せるだろうか。今はなんとも、自信がない。
「うーん。どうだろうな……」
「……ま、そうだよな。そりゃそうだ……うん」
 呟く楓の表情は読み取れない。ちょうど二人の帰り道が分かれる交差点に来て、足を止める。
「……じゃ、気をつけてな」
 何の気なしに圭太が言った言葉に、楓は目を見開く。
 考えてみれば、今までこんな風に別れたことはなかった。
 やっぱり何かが変わってしまったんだと気づいて、慌てて圭太はほかの言葉を探す。
「あー、とりあえず、月曜な」
「うん。じゃ」
 落ち着かない雰囲気のままきびすを返し、歩いていく楓の背中は小さい。大丈夫かと声を掛けたくなるようなその体の味を知ってしまった今は、やっぱりいつものようにはいられないようだ。
 ため息を一つついて見上げた空は,いつの間にか赤く染まっていた。

122 :
**********
以上で終了です。
ほんとにアホのように長くて(主に事後が)申し訳ない。
あと最初注意書きとか忘れててすいませんでした。

123 :
NGNGっと

124 :
今後の関係がめちゃくちゃ気になる
乙です

125 :
GJ そして続きキボ

126 :
>>18
遅レスだが男装モノは誰もorごく一部の人しか男装してるの知らなくて、
ばれそうになってハラハラしたり
そいつを女と知らずにあれやこれやしてしまったり
ばれて鬱展開になったり(もしくは未だでもばれたら鬱展開になるのが分かりきってる状況)
てのが自分的に醍醐味だと思うんだけど
中々そういう作品には出会えない
そういう意味じゃシスター・ブラックシープが自分的にあたり
あとざ・ちぇんじ(原作はとりかえばや物語)とか…

何かオススメの男装モノあったら教えて欲しい

127 :
流血女神伝のラクリゼが好きー。
思春期×男装は良い。
シリーズ全体がクソ長いから安易にお勧めはしないけどな

128 :
>>124,>>125
レスありがとうございます。じわじわ嬉しい。
「楓と〜」続き投下します。
今回は特に特殊なプレイはないです。
NTRの雰囲気は残ってます。
引き続きNGワードは「楓と」でお願いします。

129 :
あれから数週間がたって、いつのまにか楓と圭太は今までどおりに接するようになっていた。
というのも、あまりにも衝撃的で印象深い出来事だった割に、楓がいつもどおり飄々としていたからだ。少なくとも圭太にはそう見えた。
だからこれは、もうアレはなかったことにしようという楓の意思なのだと受け取って、圭太は努めていつもどおりに振舞うようにした。
その間に直也が楓をからかいに来て、その度に楓が静かな怒りを暴力で発散したり、うっかり思い出してしまった圭太が自分を落ち着かせようと頭を抱えたりといった場面も何度かあったのだが、そのうち直也も飽きたのか、ちょっかいもなくなった。
そんなわけで、色々の疑問とか不安とか不満とかを抱いたまま、今日も今日とて二人は並んで昼食をとっている。
「テスト勉強してんのか?」
やきそばパンを頬張りながら聞く圭太のテンションは低い。一方、コンビニおにぎりにかぶりついた楓のテンションは特に高くも低くもない。
「一応。特待から落っこちない程度には」
「あ、そ。今度古典教えてくれ。テストに出そうなとこだけ」
ずい、と楓が手を差し出す。
「報酬。かるじゃがかガルボ」
ちっと舌打ちした圭太はわかったよ、と答えて、フルーツ牛乳を啜る。
「その取り合わせどうなんだよ」
 そう言う楓はウーロン茶を一口飲んで、ふと視線を圭太の後ろに向ける。廊下を通り過ぎた人物に見覚えがあったようだ。それに気づいて圭太が振り返るが、そこにはもう誰もいなかった。
「誰かいた?」
「うん。祐樹先輩」
 さらりと楓の口からその名前が出て、ぴくりと圭太の眉が動く。
「お前ってさ、祐樹先輩のこと」
「どっちかっつーと嫌いだな。キャラ被るし」
 かぶせるように答えた楓の表情は、やっぱりいつもと変わらない。それでも、一度思い出してしまった疑問は、圭太の頭に残る。
「でもヤったんだろ」
 周囲に聞こえない程度の小声で言うと、楓の表情がわかりやすく険しくなる。
「だからなんだよ。お前に関係ないだろ」
「あるよ。俺ら一応、ダチだろ」
 昼飯を食べようとする楓の手が止まる。怒りが戸惑いに変わって、視線が泳ぐ。
「……ダチだったらどうするんだよ。つーか、どうしたいんだよ」
 そう改めて聞かれると、今度は圭太が言葉に詰まる。
「どうってことはないけど……隠し事はいい気しねーな」
 ようやくそう言うと、そっか、とだけ答えて、楓は食事を続けた。細い薄い小さいと馬鹿にされる体を少しでも男らしくしようと、少し無理をして多目の昼食を用意してくるあたり、余計にからかってくれと言っている様なものだ。
 そこまでして男らしくなりたい理由が趣味の一言で片付けられてしまうのも、やっぱり圭太には不満だ。
 言いたくない理由があるから言わないのだろうが、それにしたって、と考えて、そのあとに続いた言葉は頭の中でも飲み込む。もったいない、なんて口にしたら、重たい一撃がくること必至だ。
 もくもくと昼食を口に運んでいたが、気がつけば楓は既に机につっぷして昼寝を始めていた。寝る子は育つ、とでも思っているのか、単に寝るのが好きなのか。楓の睡眠時間は長い。授業中も。
「なんでこんだけ寝ててあの点数とれるんだよ」
 圭太は特進クラスにギリギリ入れたレベルの学力なので、全体からみれば頭はいい方なのだが、クラスでは底辺だ。
いっそ進学クラスに落ちれば楽なのかもしれないが、そこから自力で這い上がれる自信はない。
一応親からは大学に行けと言われている身なので、なんとかこのクラスには残りたい。
それに、せっかく1年ちょっと過ごしたクラスメートと離れるのも、いい気はしない。
「こいつが落っこちるとも思えねーしなぁ」
 んだように眠っている楓の頭を眺めながら、思わず呟く。
楓は男らしくしようとしているだけでなく、その一方でひどく女らしく性に奔放で、あけすけな物言いをするかと思えば黙り込んだり恥ずかしがったりする。
悪事の誘いばかりしてくる先輩はそれを「ギャップ萌え」と表現したが、圭太にはそこまでのものとは思えない。ただ、不思議な奴だな、と思う。

130 :
LHRの後、二人は科学準備室にいた。掃除当番も二人は同じ場所を選んだ。
男と女でいつも一緒にいたら、噂が立ってもおかしくないのだが、あまりにも楓が女として認識されていないので、そういう誤解は今のところ生まれていない。
「今日どーする?ゲーセン行く?」
「おま、テスト勉強どーしたんだよ。」
 狭い教室は掃除するほどの場所もなく、数日に一度、箒でほこりを集める程度で終わってしまう。
 すぐに教室に戻ると楽なことがばれてしまうので、鍵を掛けてこうして中で時間をつぶしている。
「今回はクラス替えに影響しないし、3日もやりゃいいかな、と」
 箒の柄をいじりながら答える楓の余裕は、余裕がない圭太にはおもしろくない。
「なんだその余裕。余裕あるなら俺に教えろよ、古典」
「古典なんて現代語訳覚えてりゃ赤点にはならねーじゃん」
「だから現代語訳ないからノート貸してくれって言ってんじゃん」
「教科書ガイド買えよ」
「金ねーよ」
 テストのたびに繰り返しているような会話に、はたと楓が気づく。
「今回源氏物語だろ?ネットに載ってるんじゃね?」
 言われた圭太はちりとりを人差し指代わりに楓に向けて、真面目腐った顔を作る。
「オマエ、アタマ、イイナ」
「アホか。あー。でも逆に、そーすると単純な現代語訳の問題は出ねーのかな。もちっと現代文に近い問題が出るのかも」
窓の下に並べられている小さな棚に腰掛けて、楓は考え込む。
「どゆこと?」
「つまり、んー、たとえばだな。
 「傍線部(1)「あはれなりとはおぼしめしけり」は、本文中どの部分について書いたものか、本文を引用し、傍線部(1)を主語を補って現代語訳せよ」とか?」
「げ。全然わからん」
「うーん。確かになぁ。現代語訳文を暗記でもしないと厳しそうだ」
 ふむふむ、と頷く楓だが、本人はちっとも厳しそうではない。
「お前は暗記してんのかよ」
「いや。なんとなく現代語訳できるから」
「なんとなくってなんだ」
「なんとなくはなんとなくだ。しいて言うならフィーリング?」
「わかんねーよ。くそ、文型脳め」
 それがどうした、と言って、楓は窓に向き直る。
開け放しの窓からは心地よい風が吹き込んできて、楓の短い髪をふわふわと揺らす。
視線の先では、すでに運動部員や帰路についている生徒がゆったりと動いていた。
穏やかで、居心地のいい空気が満ちている。
「そーいや源氏物語はロリコンでマザコンとか、古典の加藤が言ってたよな」
 圭太が言うと、楓が振り返る。
「あー、あれな、紫の縁」
「あれって何なんだ?ロリコンはわかるけどマザコンがわからん」
「あー、教科書には出てこないもんな。
光源氏はすぐに母親がんじゃったんだけど、父親がその母親そっくりの若い女と結婚するわけ。
源氏にしたら継母な。それに恋して不倫しちゃうわけよ」
「マジでか。源氏の父親って帝じゃねーの?」
「そうそう。しかも子どもまでできちゃうんだけどそれは置いといて。
あとほら、紫の上も結局はその継母の親戚なわけで、源氏が本気で好きになった女は母親の面影のある女ばっかりってことで、マザコン。
で、名前が全部紫に関係のある花の名前だから、“紫の縁”」
「おー。納得した。つーかお前、どこでそれ覚えたんだよ」
「古典の加藤が言ってただろ」
 あきれた様子で言う楓に、圭太はきっぱりと返す。
「寝てた」
 普段は逆の会話のほうが多いのだが、たまにはこんなこともある。

131 :
「あ、あと源氏物語はエロ小説って言ってたのも覚えてるぞ」
 胸を張って言う圭太は使わなくなった教師用の机に腰を落ち着けている。
「お前、気になる単語だけ聞いてんだな」
「うっせ。たまたまだ。……で、エロ小説っつーのは?直接は書いてないんだろ?」
 つーか古典ってなんであんなにまわりくどいんだよ、とぶつぶつ言う圭太に、楓は笑う。
「直接は書けないよなぁ。時代もそうだけど、作者が自分の上司に見せてたんだし。
えーと、確かはっきり“女”って書いてあったらそういうシーンだとか、歌の中の“立つ”とか“濡れる”とかもそういう意味だとか……。
あぁ、“花の紐解く”が“下着の紐を解いてヤる”っていうのがあったかな」
 思い出しながら、うーん、と視線を上に向けて語る楓の言葉を何とはなしに聞いていた圭太だったが、最後の例でふと上を向いて思い出して、本人を前に呟いてしまう。
「紐はロマン、だよなぁ」
 ――あれ、解きたかったのに結局できなかったなー、付けたままもいいけど、ちょっと邪魔だったし。
などと、暢気に思い出していたら、上を向いて白い喉を見せていたはずの楓の視線が刺さっていた。
視線で済んでいるだけ痛みは少ないが、暴力的でない分妙に期待してしまう。
「いや、別にお前のことじゃねーぞ?」
 口先では否定しても、楓のことを考えていたのは二人ともよくわかっている。
直也の用意した白いレースのヒモつきTバックは、それ単体でも十分ロマンが詰まっていたわけだが、そこからまたいやらしい中身までお目見えして、その先まで行き着いたというのは、ロマンを越えたと言っていい。
その衝撃的な画を脳裏に浮かべならが発する嘘は説得力がない。
「……別にいいけど」
 むっとしたままうつむく楓の頬が、少し赤くなっているように見えた。
それでもあまりにぶっきらぼうな言いように、圭太は眉間に皺を寄せる。
「いいけどって……あのなぁ。俺だって色々気ぃ使って何も言わなかったんだぞ」
「それはわかってるつもりだけど……」
 歯切れの悪い楓は、黙り込んだかと思うと棚から降り、箒をロッカーに押し込んで逃げるようにドアに向かう。
「もういい時間だろ。帰ろーぜ」
 圭太の横を通り過ぎようとした楓の体が、後ろに引っ張られるようにして止まる。圭太に襟首を掴まれたのだ。
「待てよ。そーやって黙ってお前の腹の中でだけ解決すんなよ」
 秘密を抱え込んだ素振りの楓に対する怒りが、圭太の口調を強くする。
「おっ、俺は言いたいことは言ったし、お前が何を知りたがってるのかなんてお前の口から聞かなきゃわかんねーよ!」
 圭太の口調に押されるように、楓も(首根っこを掴まれたまま)強い口調で返す。が、圭太は間延びした声を出して手を離す
「あぁ、なるほど。確かに聞いてなかった」
「そ、そうだろ?聞かれてもいないことは話しようが――」
「じゃ聞くけどさ、お前はこないだの、嫌じゃなかったって言ってたけど、実際どーなんだよ?
直也先輩に色々言われたらキレてたじゃん。やっぱり嫌だったんじゃねーの?
……だとしたら、その、俺も悪かった、というか」
 今度は圭太が窓を背にして、楓に向かう。その顔に浮かぶ罪悪感が、楓の心を揺らす。
「嫌じゃなかったよ。それは、あのときも言ったけど……ただ。」
 もう一度言葉を切った楓だったが、すぐにまた口を開いた。
「ただ、その……流石に、思い出すと恥ずかしい、から……あんまり、学校で思い出したくない」
 うつむいて呟くと、学ランに似合わぬ雰囲気を漂わせる。思わず、圭太の胸が鳴る。
「そ。そっか。だよなぁ、うん。でも……」
 なんとはなしに目を見るのが気恥ずかしくて、さっきまで楓が腰掛けていた棚に座って、むやみに手を組んだり離したりちりとりをいじったりしながら、あさっての方向を向く。
「嫌じゃないか。そっか。ならいいんだけどよ。あと、これは逆に、俺が言わなきゃいけないこと、なんだけどさ」

132 :
「……なんかあったっけ?」
 首をかしげる楓が本当に忘れていそうなのが、圭太には少し悲しい。
「あったよ!その、こういうこと、またしたいのかって……」
「あ。あぁ、うん、言ったな。その、先輩にまたあーいうことされそうになったら止めてほしいって」
 ちらりと圭太が楓の様子を伺うと、楓の視線も横に向いている。
あのときは、圭太がたじろぐくらいにストレートに話を進めていたのに、今こうして動揺しているということは、やっぱり楓にとっても“恥ずかしい”話なのだとわかる。
「……先輩が絡まないと、それって有効にならないんかな」
 つい聞いてしまってから、圭太は後悔した。
ここでYESと言われてもNOと言われても、自分自身がどう答えたいのか、まだ決まっていない。
だというのに、さっきから胸がどきどきと妙に騒いでいて、まるで愛の告白をしているようだ。
「それはつまり……1対1で、ってこと?」
「まぁ、そーだな」
 楓の問いに答えて、ごくりとつばを飲む。楓は少し考えて、言葉を探るように目線をさまよわせて口を開く。
「……俺が聞きたかったのは、そういうことじゃない」
「……もっとわかりやすく言え」
 まわりくどいのは古典並みに苦手なんだ、と、ついいつもの調子で言うと、楓が笑う。
それまで少し緊張して見えていたから、圭太は安心する。そうして、口元を緩めたままで、下を向く楓は、少し頬を染めている。
「要するに、条件つきじゃないってこと、だな」
 その意味を頭の中で何度か反芻して、棚からおりて楓に一歩近づく。
「そ、そっちが答えるんじゃなかったのかよ?」
 慌てた様子がおかしくて、なぜだか口が笑ってしまう。
「おう。今答える。俺はしたい。今。」
 反射的に出た言葉は、ちっとも用意してこなかったはずなのに、何故か最初からそう言うと決まっていたかのように自然と圭太の口をついて出た。
どうしても認めたくないとかなんとか、頭では考えていたが、やっぱり体は正直だった。
あの後だって、楓の体を思い出して興奮したことだってあったのだ。
「い、今!?待て待て待て、そういう話じゃなかっただろ?あくまで今後っていう長いスパンの話でだな」
 じり、と後ずさった楓は、使い古しの教師用机に当たって冷や汗を流す。
「いや、なんか今、その“紐解く”でちょっと、ムラっときた」
「ムラっときたレベルでいきなりダチをお前はっ!?」
 いつになくうろたえる楓を、机と自分の体と腕の中に閉じ込めて、圭太の頭の中からは面倒なあれこれがどこかに飛んでいく。
残っているのはシンプルに、目の前の楓を、この前みたいにしたい、という欲望だけだ。
逃げようと身を翻し圭太の腕を払おうとした楓を後ろから抱きしめて、後ろ頭に額をつける。
「好きなんだろ?スるの。で、俺もしたいと。問題ないじゃん」
「あ、あるよっ!学校でなんかできるか!」
 じゃあ学校じゃなきゃいいんだな、と念を押すことも考えたが、圭太の口から出てきたのは直也が言いそうな台詞だった。
「アホか。学生として一度はやってみたいシュチュエーションだろうが」
「アホはお前だ!こんなとこでやって人に気付かれないわけが……」
「ここ、鍵かかってるし、声我慢すれば大丈夫だろ」
 と、ここまでいいテンポでやりとりしてきたのに、ふいに楓が口をつぐむ。どうしたのかと圭太が不思議がっていると、その腕の中の楓の体温が上がる。
「声……出ちゃうん、だもん……」
 ぽつりと漏らした言葉は、圭太のスイッチを戻れないところまで押し込んだ。
「っ!」
 圭太の手が楓の学ランの中に押し入り、胸をまさぐる。
「お、おま、人の話を聞いて――!」
「うん。まぁ、多分なんとかなるから、頑張れ」
 無責任に言いながら、サラシとシャツの上から胸の先端らしいところをひっかくと、次第にそこが存在を主張し始める。
「っん、やめ……」
「けっこう、服の上からでもわかるもんだな。学ランの下でこの状態っつーのもなかなか……」
「何、は、先輩みたいなこと、んんっ、言って……」
 すぐに息が乱れてしまう反応の良さが、圭太には嬉しい。
身をこわばらせて、机に手を突いて息を呑む楓の頭からは、自分と大差ないはずのワックスの匂いと、自分とは明らかに違う汗の甘いにおいが漂う。
 飽きることなく、というか、さらしで抑えていてはもともと小さい胸はもみしだくこともできず、執拗に乳首をこねたり、つまんだり、はじいたりしていると、次第に楓の息が荒くなり、体が震え始める。
「は、ふ、やめ……んんっ、だめ、声ぇ……出、ちゃうって……」
 苦しげに息を漏らすのが、色っぽい。

133 :
 とはいえ、本気で人に見つかってもいいと開き直れるほど、圭太は図太くない。手を動かしながら考えて、よくよく考えたらちょうどいいものがあるのに気付く。
「これでなんとかなるか?」
 楓のズボンからシャツを抜いて、その中に手を差し込んでさらしを引っ張る。
 どこが端だかわからないが、何箇所か強く引っ張ってみたら緩んだので、手探りで端を見つけて半分ほど解き、楓に示す。
「ん……ないより、マシ……」
 好きというだけあって、一度快感に浸ってしまえば楓はあまり抵抗しない。細い手がさらしを掴んで、口に咥える。
 その間にさらしの解けたささやかな胸をなで、もみしだき、硬くとがった先端をひっかく。
「ふ、くぅ、んっ……は、ふぅ、ううんっ……」
 くぐもった声が鼻から漏れる。後ろから見える姿はいつもの、男子学生の制服を着た楓なのに、手に触れる感触は柔らかく、聞こえる声はいつもと違って甘く湿っている。
「胸だけでそんなに気持ち良いんだな。そういえば」
 ふと、前回楓の後ろにいた直也のやっていたことを思い出し、首に吸い付く。
「んんぅっ!」
 びくりと楓の体がはねる。構わず筋張ったようなところを舌で舐め上げると、震えを抑えるように机についた手に力をこめ、さらしをかみ締めて息を呑む。
「首、とかも気持ちよくなるもんなんだな。胸とかあそこのほうが良さそうなもんだけど」
 攻めがやんで、息を継ぐように楓の口からサラシがこぼれる。
「は、ん……わかんない、けどっ……体が、勝手にビクビクして……っ」
「ふーん……で、声、大丈夫なのか?」
 くり、と乳首をつまんでやると、びくびくと震えながらも必で息を飲む。
「〜〜〜っ!」
 先輩が顔見れなかったって残念がってたけど、確かに声を我慢しているときの顔は正面から見たいなぁ、などと考えながら、圭太の手は下へと降りていく。
 自分と同じベルトのバックルをはずすと、それだけで少しズボンが落ちる。男物のズボンは楓の細い腰には合わないし、丸い尻を覆うには直線的過ぎる。
 自分が履いている物と同じ作りなので、片手ででもボタンを外しファスナーを下ろすことが出来る。
 もちろんその間、片手は胸をまさぐっているし、口はつたないなりに耳やら首やらを舐めている。
「ふ、うぅ、んっ」
 またさらしを咥えた楓の声は、飲み込もうとしているのがわかるほどいやらしい。
 体に合わないズボンは、ファスナーを下ろしきる前にすとんと楓の足を滑り落ちる。
 今日はずっと男として過ごすつもりだった楓の下着は、いわゆるボクサーブリーフだ。
 それを脱がせるのはイマイチ興が乗らないのだが、手を差し込んだ瞬間の手触りで、その違和感も忘れてしまう。
 下着をずり下ろして撫で回すでん部は滑らかで、しばらくそれを愉しんでから前へと手を回す。
「んっ、んぅ……」
 割れ目に指が伸びると、楓の腰が揺れる。拒むようにも誘うようにも受け取れるその動きを阻むように、中心をなぞって花弁を押し開く。
「ん……」
 指にまとわりつく粘液が、楓の興奮を伝える。わざと中に入れずに指を滑らせていると、また腰が揺れる。
 これは間違いなく誘いなんだろうと気がついたが、あえてそうせず、陰核をひっかくとびくりと背が跳ねる。
「んぅっ!はっ、も、やぁっ……」
 さらしが再び口からこぼれ、甘ったるい声とともに楓の上半身が崩れる。机につっぷして、尻を突き出すような格好になった楓の髪を梳いて、口で息をする様子を見下ろす。
**********
また分割になってすいません。
次回で終わる予定、です。

134 :
乱交なんだから注意書きいれろっていっただろ
荒れても知らんぞ

135 :
とりあえずGJ
やっぱ男装いいね

136 :
>134
すまん。自分では乱交だと思ってなかったからこの状態で投下した
今後のためにどこが駄目なのか、というか、どっから注意書きが必要なのか教えてほしい

137 :
1on1じゃなかったり、お尻でやったり、
同性同士だったり、無理やりだったり、
何かしら「ふつうじゃない」要素があれば、
それについては事前に書いておくといいよ。
普通の定義がいまいちわからなければ、
これこれこういう内容なんだけど、注意書きは
どの程度必要でしょうか?という具合に、
あらすじと一緒に質問スレで訊いてみたらいいんじゃないかな。
Q&Aはここ!エロパロ板総合質問スレッド7
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1261999123/

138 :
>>137
ありがとー。いってきた。
というわけで、自分的解決をみた。
* * * * * * * * * *
以下、>>129-133の続き投下します。
**注意!!**
続き物
前回は複数人プレイをしたのでそんな話も出てきます
今回投下分についてはノーマルプレイ
NTRっぽい表現あり
NGワードは「楓と」でお願いします。

139 :
「圭太……苦しい……」
 体のどこも締め付けてはいないのに、顔を横に向けた楓は切なげに漏らす。
「苦しいって……えーと、ここ、か?」
 確信が持てないまま、先ほどから弄っている場所の少し奥へと指を埋める。
「ん。あ……そう、そこ……」
 うっとりと熱に濡れた瞳で、ため息のように漏らした声は、楓のものとは思えない。どくんと胸がなるのを感じながら、ゆっくりと指を押し込む。
「……声、我慢しろよ」
 この間は夢中で、直也に流されるまま動いていた圭太にとって、今が初めて楓の体を好きに出来る瞬間だった。熱さや滑りや粘膜の感触を確かめるように、楓が欲しがるよりも控えめな速度で、ゆるゆると奥へと進む。
「ん、ふ……」
 もっと、と求めるように揺れる腰に飲み込まれている自分の指を見ているだけで、自分の熱が一箇所に集まっていくのを感じる。
 根元まで埋まったそれを、またもったいぶったようにゆっくりと抜き差しすると、楓の中が蠢動する。
「あ……ん……」
 甘いため息はそれこそ、男でも少女でもなく、女のものだ。
「楓……じゃ、ないみたいだな」
 ごくりと喉を鳴らすと、楓の目が圭太を捕らえる。
「圭太……もっと……」
「……かえ、で」
 呼び慣れたはずの名前が、今は何か、特別なもののように口から出てくる。
「サラシ、ちゃんと噛んでろよ」
 言うのと同時に、先ほどよりも激しく指を動かす。
 窓の外から部活動のかけ声がする中で、楓が息をのんで、圭太はいやらしい水音を立てている。こんなことをする場所ではないという背徳感が、興奮を高めていく。
 けれど、ちゅぷちゅぷと響く音を楽しめるほどの余裕は、圭太にはない。思い出してしまった快感に向かって、自分自身がそこに潜り込むことだけを考えて、傷つけないように、ひたすら指を動かす。
「ふ、んむっ、んんぅっ!」
 机の上に上体を伏せて、肌を赤く染めて声を飲み込む楓の中がどれだけ気持ちいい場所か、圭太はもう知っているのだ。
 楓の表情が見えず、声も飲み込んでいるので、どれ程感じているのか圭太には確認しようがないが、あふれ出る蜜も、楓の体温も、もう十分に男を迎え入れる準備が出来ていると思えた。
 蜜をかき出すように指を引き抜くと、身震いして息をつく。
「っは、はぁ、は、はっ……」
 しばらく咥えていたサラシは唾液に濡れていた。口の端からサラシまでつながる糸が、日の光を浴びてその存在を主張する。息継ぎのために開かれた口は、圭太のそれよりずっと柔らかだ。
「……入れるぞ」
 制服の背中に声を掛けて、滑らかなでん部を手で押さえる。
「ん、うん……」
 湿ったサラシを咥えたのを確かめて、取り出した自分のものを宛がい、腰を進める。
「っく……力、抜け……」
 体勢のせいか、もとから狭かったのか、少々窮屈にさえ感じるからだの中へと自分を押し込んで、その喜びに分身が跳ねるのを感じる。まとわりつく肉壁が、拒むようにも誘うようにも感じられる。
「ふ……ん……」
 息を吐いて力を抜いた楓の奥に突き進んで根本まで納めると、前回は気付かなかった中の形状に気付く。
「すげ……ここ、こんなだったっけ」
 少し身を引いて、自分の先端をこすりつけた場所は、ひだが絡みつくような複雑な表面をしている。角度によってはかなりいい刺激になる。
 快感に対する反応のよさも、男を喜ばせるからだの作りも、制服の中に隠されている間は想像もつかなかった。
 これを知っているのが自分だけだったらどんなに良かっただろうと考えながら、圭太は腰を振り始める。
「んっ、んぅっ、むぅうっ!」
 遠慮のない突き上げに、楓の漏らす声も大きくなる。いや、とでも言いたげに首を横に振るが、揺れる体は逃げようとはしない。圭太の片手は腰にさえられ、もう片方の手はシャツの中で小さな胸を弄っている。
「んぅ、ん、んっ、んんんっ!」

140 :
 サラシだけでは声を抑えきれないのか、楓の手が口に移動する。薬品棚の古いガラスに、必に声を飲み込もうとする楓の表情が歪んで映っていた。ぶじゅぶじゅと淫靡な音を立てる結合部から漏れる体液が、楓の腿をつたう。
「っあ、楓……楓っ……」
 単純なピストン運動だけでも十分だったが、それだけでは芸がない。楓の中のそこここを、わざと何度か擦って反応を確かめる。どこを擦っても声を上げたそうに身を震わせるのだが、中でも大きく体が跳ねた場所を擦るように動くと、ますます漏れる声が大きくなる。
「んぅーっ!んっ、んっ、んぅううっ!」
 いよいよ首を振って意思表示をするのだが、ここまでくるともう、最後まで行かなければ収拾がつかない。圭太自身が良いように、配慮らしい配慮もなく腰を打ち付ける。
 締め付けは十分、視覚的には制服の背中ばかりが目に入るのだが、嬌声を無理に飲み込もうと耐える様子は十分魅力的で、手に触れる肌の滑らかさと熱さがあれば、満足するのもそう難しくはなかった。
「楓……っく、いく、ぞっ……!」
「ん、んぅっ、んっ……!」
 こくりと、縦に頭を振るのを確認して、楓の際奥に自分自身を叩き付けた。何度も、緩慢な仕草で搾り出すように腰を押し付けて、深く息を吐く。
「っは、はぁ、は、はぁっ……んっ」
 ようやく十分に息が出来た楓は、ぐったりと机に突っ伏して肩を上下させている。その体に覆いかぶさるようにして、ちゅ、と耳に口付けると、くすぐったそうに震えて、体の中がぎゅうと締まる。
 予期せぬ刺激に慌てて抜こうとすると、楓が息も絶え絶えになりながらそれを止める。
「だめ、まだ……」
 かすれた声と熱に潤んだ瞳に、思わずぎゅっと胸を掴まれたような感覚を覚えた圭太は、思わず楓の髪をなでる。
「うん……も少し、このままでいるか」
「違う」
 さっぱりと答えた楓に、思わず「はぁ?」といつもの調子で返してしまう。楓はといえば、気だるそうに上体を起こして、自分のサラシを解いていく。
「このまま抜いたら制服汚れるだろ」
 呼吸もまだ整わないというのに怒ったように言って、抜き取ったサラシを宛がってから抜くよう促す。色気もそっけもない態度に、圭太は呆然とする。
 それでもまぁ、常識的に考えてそりゃそうだと納得して、言われるまま体を離して楓の下半身を拭ってやる。
「ん……これはとりあえず、捨てるとして」
 楓はいずれ捨てるはずだったゴミ袋によごれたサラシをつっこむと、まだふらつく足でのろのろと服を整え始める。
「フラついてんじゃねーか。ちょっと休めよ」
「やだよ。いつまで掃除してんだって怪しまれるだろ」
 色っぽく上気していた肌を制服に包む楓の様子は、こういうこと自体にとても慣れているように見えて、すっきりした圭太の頭に、つい下世話な疑問が生まれてくる。
「おまえさ、その……こういうこと、するのって」
 その後に何を言いたいのか、楓もすぐに気づいたようで、ベルトを調整しながら圭太をにらみつける。
「相手ぐらい選んでる。……って言ったらまた、裕樹先輩のこと聞くんだろうけど。……お前が知ってる三人だけだよ」
 後に聞こうとしていたことまで先回りして答えられて、圭太は黙るしかない。
 けれど、その後に楓が続けた言葉にまでは、黙っていられなかった。シャツを直して上着の前をきっちり留めながら背を向けた楓の声は、どこか自嘲を含んでいる。
「そもそも、こんな男女を抱けるような奇特な男、そういるわけないだろ」
「んなこと言うなよ」
 いつもなら、間違いなく「そりゃそうだ」と乗ってくるはずの圭太が、妙にまじめな声で否定したので、楓は目を見開く。
 その視線を受けると、一瞬圭太は「しまった」と後悔したのだが、それでもまだ楓に言いたいことはあった。
「いや。確かにそりゃ、いつものお前しか知らなかったらそうかもしれないけどよ
 ……別に、言うほど悪くないっつーか……アリ、なんじゃねぇの」
 いまいちはっきりしない言い方ではあるが、女として評価しているのだということは楓にも伝わった。だというのに、楓の反応は芳しくない。
「らしくないこと言うんだな」
「お前さ、人がせっかく……」
 言いかけて、圭太は息を飲んだ。いつもの皮肉めいた返事をした楓の目が、潤んで見えたからだ。
「うん。そうだな……ありがと」
 そのうえ、こう素直に返されると、こちらもいつもの調子が出ない。
「いや……別に、そこまでのことは言ってねーよ」
 照れて視線を泳がせると、突然、扉の外から声がかかった。
「そろそろいいかな?」

141 :
 二人が返事をする前に、鍵がかかっていたはずの扉が開き、祐樹が姿を見せる。
「邪魔をする気はなかったんだけど、どうしても部活で使うんでね。失礼」
 言いながら室内に足を踏み入れた祐樹は、割合扉に近い棚の前に立って中身を物色し始める。
 今はもういつも通りの格好に戻った二人だが、さっきまでしていたことがことだけに、気が気ではない。
「先輩、いつから」
 たずねる楓の声がかすれていて、圭太は自分が聞けばよかったと後悔する。
「2、3分前かな。大丈夫。他に人はいなかったし、特に誰かに言うつもりもないから」
「あ、あの、先輩」
 今度は自分が、と口を開いた圭太だったが、その後は続かない。内緒にしてください、と言うのも先に言われてしまったし、いきなり楓との関係を聞くのも憚られた。
 言葉に窮していると、祐樹が圭太に笑いかける。
「悔しいな。恋人じゃないけど、楓君をとられたみたいで」
「俺は誰のものでもありません」
 即座に答えた楓の頬は赤い。それが誰のための、何のための赤さなのかは、圭太にはわからなかったけれど。
「そうだね。まぁ、ちょっと寂しくなるかな、って。僕がいなくても大丈夫なんでしょ?」
 ちらりと、楓が圭太に視線を送る。その意味が、わかるようでわからない。何せ二人の関係がわからないのだから、祐樹の発言の意図もわからない。
 そんな状態でろくにリアクションも取れず二人を見守っていると、楓が口を開く。
「それは……わかりません、けど……」
「あれ?そうなんだ?ふーん……」
 祐樹は楓と圭太の顔を交互に眺めて、少し考え込むようなそぶりを見せたが、すぐに顔を上げる。
「ま、いいや。僕は今までどおり接するようにするから、あとは楓君の好きにすればいいよ。さ、これから他の部員も来るから、出てってくれるかな。あぁ、それも処分してってね」
 指差されたゴミ袋を慌てて抱えて、足早に準備室を出る。性の匂いの充満していた部屋も、窓を開け放っていつもの空気に戻りつつあった。
「失礼します」
 律儀に頭を下げる楓につられるように、圭太も頭を下げて教室を後にする。終始穏やかな表情を見せていた祐樹は「それじゃ」と短く挨拶を返した。
 さっさとゴミ集積所にゴミ袋を投げ捨てて、二人は自分たちの教室に足を向けた。
「……だからあんなとこでしたくないって言ったのに」
 渡り廊下でぽつりと呟いた楓に、合わせる顔がない。
「悪かったよ。でもなんなんだよ、祐樹先輩のあの態度。俺に何か言いたそうにしてたし」
「しらねーよ。本人に聞け」
 すっかりいつもの調子に戻ってしまった楓は可愛げがない。
 サラシを無くした胸は制服の上からでも少しは自己主張しているが、歩き方も男になってしまっては、見た目にかわいらしさを見出すことは出来ない。
 さっきだってそう肌を見たわけではないのに、どうしてこうも違うのか。
「本人って。その前にどーゆー関係なのか教えろよ。もうバッチリ巻きこまれてんぞ、俺」
「……まぁな」
 そう答えたきり楓は黙り込み、呼びかけても生返事ばかりする。致し方なく圭太はそのまま楓の好きなようにさせてやる。
 教室に寄って荷物を取った二人は、言葉少なく家路に着く。もうすぐいつもの分かれ道というところで、楓が口を開く。
「……なぁ」
「なんだよ」

142 :
 少しばかり期待して聞き返す圭太に、楓はいつになく真面目な視線を向けている。
「祐樹先輩とのこと、話す。俺がこんな格好してる理由も」
「……うん。あ、いや、その。道端でいいのか?」
 動揺してうまく言葉が出てこない様子を見て、楓が笑う。
「今じゃねーよ。ちょっと落ち着いてから、な。でもちゃんと、話すから」
「お、おう……まぁ、気長に待つわ」
 ちょうど交差点に差し掛かり、じゃあ、と分かれようとして、楓が恵太に声を掛ける。
「あ、あとさ」
「うん?」
 確かに恵太に顔を向けて声を掛けたはずなのに、恵太が顔を向けると楓の視線はあさっての方向に向いている。
「……いや。古典教えてやるときにでも話す」
 忘れかけていた約束がちょうどいい機会になるらしいとわかって、恵太は納得する。
「おぅ。じゃーな」
「ん。また明日」
 いつもどおりに別れて、ふと気になって圭太は振り返る。楓の背中は相変わらず小さい。体のサイズにあった制服を着ていてもそれは変わらない。けれど、この間よりも少し元気そうに見えるのは、別れ際の表情がいつもどおりだったからだろうか。
「古典かー。めんどくせーなー……」
 進行方向に向き直って、一人呟く。そして笑う。
 めんどくささでいったら、さっき別れた友人にかなうものはそうそうないだろう。
 そんな友人が、自分に少しまじめに向き合おうとしてくれているのは、妙にくすぐったい。
 とりあえず家に帰ったら教科書を開いてみるか、と前向きに考え直して、圭太はいつもの調子で歩き出した。

* * * * * * * * * *
以上です。
複線回収しようと思ったら長くなりすぎた。

143 :

続くんだよな…?気になってもどかしいんだぜ。伏線回収しておくれ

144 :
GJ!
文章好みだ
続き期待

145 :
男装少女がバレて、結果的に男っぽい少女に転生するのはだめなのか?

146 :
「楓と〜」3話?投下します。
*****注意*****
NTRぽい要素あり
1話で複数プレイしたぞ、という設定
エロは1,2話に比べてぬるくてノーマル
NGワードは「楓と」でお願いします

147 :
「というわけで、ここの“かの紫のゆかり尋ね取りたまへりし折”は紫の上を見つけたとき、
 とゆー意味で、文章の前後と合わせて訳すと、源氏にとって女三宮は紫の上の子どものときより魅力的じゃなかったってことだな」
「意訳しすぎだ。つーかここの主語は源氏でいいんだな?」
「うん。尊敬のほうの“たまふ”だな。で、後ろの“り”は完了の助動詞。“し”が過去のセマルキシシカマルの“し”だから“なさった”だな」
「うー。尊敬語めんどくせぇ。つーかどーやって見分けるんだ、これ」
 一連のやり取りをして、圭太は自室のテーブルにつっぷす。

148 :
 テスト範囲の訳を楓に頼んではみたものの、文法よりもフィーリングで古典を解いている楓の訳は意訳すぎて、物語の筋はわかるがテスト向きではない。
「これはもう、予想問題にヤマかけた方が早いんじゃね?」
 教える楓も論理的に説明するのに慣れていないので、そろそろさじを投げたそうだ。
「じゃーもーいいや。とりあえず訳だけ写させてくれ。予想問題でわかんないとこあったら聞く。」
「了解した。じゃ、それ終わったらUBよろしく」
 恵太にノートを差し出して、楓は報酬という名のおやつを頬張る。
 圭太は致し方なく楓のいい加減な意訳と授業の確実だがわかりにくい訳のまじった一貫性のない文章を書き写す。
 テスト範囲の訳が終わったところで楓に声を掛けようとすると、恵太のベッドを背もたれにして、うとうとと舟をこいでいる。
「寝すぎだろ流石に。」

149 :
 思わず呟くにはもちろん理由がある。楓は今日、5時限目(生物)も6時限目(英語W)も寝ていた。
 斜め後ろ方向の席にいる恵太にはしっかりそれがわかっていた。というか、多分教師もわかっていただろう。
 口うるさくない教師だったのと、楓の成績に問題ないのとで、注意されずに済んだようだが。
 それだけ寝て、またこうして人の家に来てまで寝ているというのは、よっぽど睡眠不足なのだろうか。
 ひょっとしたら一日12時間くらい寝ないと生きていけないんじゃないだろうか、などと想像しながら、圭太は楓の肩を揺する。
「おい、UBやんねーの?」
「ん……?ふぁ、あぁ、やるやる。微分積分わかんねーし」
 
 欠伸をかみしてチャートに手を伸ばす楓は、いっこうに先日の約束―男装の理由や祐樹との関係―を話す様子がない。
「UBもいーんだけどさ、この間言ってたの、アレ、話す気ねぇの?」

150 :

端を折ったページを探っていた楓は、うーん、と唸って。
「話すつもりで来たんだけどさ、ちょっと、勉強する前に話すには重いかな、と」
「今ここでそれを聞いたら同じだと思うんだが。つーかそんな重いのかよ」
「まぁ、志望校変える程度には」
 さらりと言うが、高校受験を2年前に経験した身としては、その実感は十分理解できる。
「……まぁ、重いよな」
 辛く苦しい高校受験の思い出が走馬灯のように駆け巡って、圭太はつい神妙な面持ちで、言葉通り重いトーンで答えてしまう。
「って、ほんとにこのテンション勉強になんねーな。いーや、話すか、うん」
せっかく開いたテキストをパタンと閉じて、楓は天井に目を向ける。
 重いと言った割には何でもなさそうに切り出すので、圭太は拍子抜けする。

151 :
「どこから話せばいいのかな……うちの親の仕事、教えたことあったっけ?」
「いや……」
 圭太も楓の横でベッドを背もたれにして、聞く体勢に入る。
「建築士やってて、事務所持ってるんだけどさ、俺も親の事務所で働きたいと思ってて」
 それを聞いた瞬間、疑問と言うほどではないが違和感を感じていたものを思い出して、圭太は納得する。
「だから文系脳のくせに理系選んでるのか」
「そ。工学部行きたいからさ。でもまぁ、建築はやっぱ男世界だし、俺には継がせたくないって。父親も母親もいい顔しなくてさ。」
 実際の社会がどうなのか、高校生の二人には想像するしかないが、それが重さはともかく実際にある問題なのだろうということはわかる。
けれどいまいち、圭太の中ではその問題と楓の男装とが結びつかない。
「まさか、そのために男のかっこしてんのか?」

152 :
「まさか。男の振りしただけでどうにかなるとは思ってないよ。
もう一つ問題があってさ、うちの親、俺を建築方面に行かせたくないだけじゃなく、早く結婚して欲しいと思ってるらしくて」
 急に出てきた結婚という言葉に、圭太は思わず楓の顔を覗き込む。
「早くって。まだ17だろ」
「うん。でも、就職して一人前になって、とかじゃなくて、学生が終わったらすぐにでも、って思ってるみたいで。うちの親、結婚したのも俺が出来たのも遅くて苦労したから」
 苦労したって、いくらなんでも、と圭太が言い掛けて飲み込んだのは、そう言う楓本人が怒っている様子がなく、むしろ優しげな表情をしていたからだった。親思いなんだな、と初めて知って、茶化すのはあきらめた。
「……じゃアレか、大学行かなかったら高校出てすぐ結婚しろってか」

153 :
「まぁ、そーだな。それは御免こうむりたいし、できることなら、結婚なんかしなくても親父の事務所で働いて、生きがい持って生活できれば俺は幸せなんだってこと、わかってほしいから。
 だから、結婚には向かないし、男の世界でもやっていけるって分かってもらおうと思って、こういう格好するようになったんだ。
 無理してるとかじゃなく、本当にそうしたいからさ」
「……そっか。うん。……色々大変なんだな」
 他に言いようもなくて、出てきた言葉が簡単すぎて、圭太は頭をかく。
「ま、そういうことで。男の中でも負けないし、結婚するより幸せになれるってこと、わかってもらおうとしてるわけなんだけど……理系の成績が伸びないことには、な」
 自分の道が見えていて、それに向かって具体的に動いているという意味で、圭太は楓を尊敬したくなった。
 圭太にはまだ、具体的な夢や目標はない。

154 :
 なんとなく得意な科目、好きな科目を勉強できる大学にいって、出来ればそこで勉強したことを活かせる仕事に就ければいい、くらいに考えていた。
 だから、身近にこんなしっかりした考えの同級生がいたことに、焦りも感じた。
 それと同時に、楓の男装の理由もなんとなくはわかったのだが、それは別に、女の格好をしたままでも十分出来るような気もする。
「でもよ、そこまでしなくても……そんな、無理やり結婚させようってわけじゃないんだろ?相手だっていなきゃ出来ない話なんだし」
「そこだ」
 びし、と楓の人差し指が圭太を指す。
「どこだよ」
「相手だよ」
 楓の即答と、今日話すといっていた内容から、一つの仮定が組みあがる。
「……まさか」
「そのまさかだ。相手、もう見つけてあったんだよ。……祐樹先輩」

155 :
 うんざり、といった表情の楓は、深くため息をつく。
「嘘だろ?どういうつながりだよ?っていうかイマドキ許婚とかあんのか?」
 思わず身を乗り出す圭太の反応は当然だ。楓はしごく面倒くさそうに、仔細を説明する。
「祐樹先輩の親、うちの親の後輩なんだって。許婚ってほどじゃないけど、仕事上も色々絡みがあって、やけに仲がよくって。
 親同士で話、まとまっちゃったみたいでさ。結婚してくれると嬉しい、って。」
「いやいやいや、結婚してくれると嬉しい、って。そんなん勝手に決められても」
「俺もそう言ったよ。で、こりゃまずいと―例の、建築のこともあったし、男装を決意して、ウチの高校を受験することにした」
「お、おぉ、そうか、中学の頃の話かよ。すげーなお前、と祐樹先輩の親」

156 :
 嘆息した圭太はまだ見たことのない楓の両親を想像する。
 ここまでの話からすると、堅物、ともちょっと違う気がするし、ひょっとしたら天然なのかもしれない。
「うん。まぁ、強制する気はなかったみたいだけど、あんまりにも双方の親が乗り気でさ。
 断り方も色々考えた結果、男らしく生きる、にしたんだけど……オチが同じ高校、だろ?」
「あぁ。間が悪いというかなんというか。お前は知らなかったのか?祐樹先輩がうちの学校にいるって」
「知らないよ。名前と年くらいしか聞いてなかったし、興味なかったし。
 で、同じ高校となればまた、親が勝手に盛り上がって、双方家族ぐるみでお食事会、みたいなことになって」
「……見合いじゃねーの?それ」
「そういう意味だったんだろうな。でも俺は断固として男の格好で行く!ってつっぱねて」
「おおお。すげーな。というか親、よく許したな」

157 :
「うん。男装で高校生活やりとおすと決めたときから、結婚は半分諦めてくれたみたいだから。
 ……祐樹先輩の親は流石に、びっくりしてたけど、それならそれで、お友達として仲良くしてね、みたいな感じで、無理やり食事後二人で帰らされて」
「……諦めてねーんじゃねーの?それ」
「わかんないけど……結局、祐樹先輩の反応が予想外で」
 
 と、ここまで流れるように事情を説明していた楓が、うーん、と言葉を選ぶ。
 二人の関係の話になってくるのだろうと、圭太もそわそわし始める。
「なんて言ったんだっけな……うん、確か
 『君が僕に適度な距離を求めているのはわかってる。僕自身も君と恋人になろうとか夫婦になろうとは思っていない。ただ。』」

158 :
 ふっと、楓の視線が圭太とは反対方向に向いて、気まずそうに続きを口にする。
「『お互いに都合のいい恋人ごっこをしていれば、両親を悲しませずに済むんじゃないかな』って……」
「恋人ごっこ……」
 確かに予想外の反応だ。あえて両親のためだけに、そんな提案をするだろうか。
「ん……ほら、祐樹先輩もてるから、ほかに彼女候補ならいくらでもいるだろうって言ったんだけど……
 『僕は相手が僕に何を求めているのかがわかる。自尊心を満たそうとしたり、未来の金銭的な幸福を夢見ていたり。
 そういう相手の要望と、僕が相手に求めるものが釣り合わないから、女性と付き合うのは馬鹿馬鹿しい。でも、君とだったらお互いが求めるものが釣り合うだろう』
 とかって。特殊能力かよ、って思いはしたんだけどさ……」

159 :
「『誰もこの2人が付き合ってるとは疑わないだろう。デメリットはないと思うよ』って言われて、妙に納得、しちゃって」
 眉間にしわを寄せる圭太の表情に、楓も肩をすくめる。二人とも、祐樹の言うことがわかるようでわからない。
「でもまぁ、それを飲んだ……わけだよな、お前は」
「うん、まぁ。」
 恋人ごっこ、というのがどの程度のことを指しているのか、圭太にはわからない。
 けれどそのなかに、たった一つ圭太が知っている事実がある。
「で、セックスまでしたわけだよな」
「う……ん。」
 流石に、楓も視線を泳がせる。泳がせながらも、何か言わなければと思ったのか、ぼそぼそと言葉を続ける
「……俺、スるの好きって、言ったと思うけど」

160 :
「言ったなぁ。あれは衝撃的だった」
 楓の頬が少し上気して見えたのは、圭太の目が都合よくそう解釈しただけだろうか。
「……その。自覚するより先に、なんでか、祐樹先輩がそれを見抜いてて」
「え」
「たまに祐樹先輩の家に行って、した、ことが、ある」
 やっぱり楓の頬は赤い。
 それより恥ずかしいことを言ったり見たりしている気もするが、本人にとってはこの告白の方が恥ずかしいと言うことなのだろう。
「……何回か?」
「まぁ……何回か」
 それきり、二人とも黙ってしまう。とりあえずこれで、楓の言おうとしていたことは一通り終わった。
「あのよ……ひとつ、確認していいか?」

161 :
 こくりと頷く楓の視線は、手元のグラスに落ちている。
「今は……つーかこれからは、どうするつもりなんだ?この間祐樹先輩、もう自分はいらない、みたいなこと言ってたけど」
 楓はすぐには答えようがなく、ため息をつく。
「……先輩がどういうつもりで言ったのかは知らないけど……多分、先輩が言うとおり、これからは先輩のとこに行かなくなる、と、思う」
 聞いた瞬間の圭太の心境は、どう表現していいのかわからない。
 少し嬉しい、と感じたような気もするが、それよりも次の疑問の方が気になって仕方なかった。
「それは……何でだ?俺、関係あるのか?」
 楓の視線は上がらない。手元のグラスを見つめたまま、きゅっと口を結んで考えている。

162 :
 楓がこうして話してくれた以上、圭太もきっと関係があるのだ。
 けれどそれがどういう関係なのか、楓がどう思っているのか、圭太はただそれが知りたい。
「なぁ。せっかくこうして話してくれたんだからよ、今更腹に溜め込むのはナシにしようぜ。俺もこの間やっと、自分に素直になったんだし」
 最後の部分に、楓が首をかしげて圭太に視線を送る。
「素直って、何が?」
「いや、あの、だから……」
 今度は圭太が言葉に詰まる番だった。
「お前としたいってこと……を、色々、悩んだりしてたんだけど、認めたって意味で」
 圭太を不思議そうに見つめていた楓が、手からグラスを落としそうになって慌てて掴みなおし、視線を正面に向ける。
「そ、それがお前の素直かよ……っ」

163 :
「うるせー。俺だって悩んだんだよ!お前とあんなんするとは思ってなかったし、微妙に認めたくないっつーかなんつーか……」
 再び、沈黙が訪れる。グラスをテーブルにおいて、膝を抱えた楓は何か言いたそうに考え込んでいる。
 圭太としては楓から聞きたいことは色々あるはずなのだが、さっきの質問の回答が出てくるまではそれも言い出せない。
「……俺も、悩んだ。」
 ぽつりと楓が話し始めて、圭太はほっと息をつく。
「お前とは男の友達同士でいようと思ってたし、したいって気持ちは祐樹先輩が満たしてくれてたから、それで……
 良いっていうか、そのままでも誰に迷惑掛けるわけじゃないし、俺が納得してればそれで良いかなって。
 でも、直也先輩がああいうこと、したから、お前とも……なっちゃったけど。」
 思い出すと、圭太も赤面したくなる。

164 :
「……こんな格好して、男らしく生きてくんだとか言っといて、エッチしたいなんておかしいし。
 それだけでも軽蔑されるかもしれないって思ったりもしたし。言えば、それだけでも今までの関係は壊れちゃうだろうと思ったし」
 ぽつぽつと語る楓の言葉は、それなりに悩み深くも聞こえるが、圭太にしたら何をそんなに悩むのかと、簡単に返してしまう。
「いやぁ、別に俺、軽蔑とかしないけど」
 むっとして睨みつける楓の声は低い。
「そんなのわかんねーだろ。俺は俺なりに、お前との関係を大事にしようと思ってたんだよ!」
「……そりゃ、すまんかった」
 気の抜けた返事にそっぽを向いて、楓は続ける。
「だからそれなりに、俺も……勇気を出して、聞いたんだ。俺とこういうことしたいかって……」
「あ……」
 思わず、圭太も間抜けな声を上げて黙り込んでしまう。

165 :
 自分との関係を大事に考えて、勇気を出して言った一言だったとわかって思い返すと、あのときの楓の逡巡も分かる気がする。
「そうか……いや、うん……そうだったんだな……」
 感慨深げに呟く圭太の表情を横目に盗み見て、楓はその先まで吐き出そうか、どうしようかと思案する。
「そう……だから、とりあえず、こうして、今までどおりでいられるから……祐樹先輩のところに行かなくても、大丈夫かな、と……」
「そっか……て、ん?」
 うんうん、と納得し続けていた圭太が、はたと気付いて楓の顔色を伺う。
 やっぱりというか、予想通り赤い。これまでの楓の発言をもう一度整理して、ようやく、圭太は意味が分かる。
「つまり……お前のセフレとしての役を、祐樹先輩じゃなく俺がやるってこと……か?」

166 :
「ちっ、ちが……わない、けど。あのっ……そ、そんなに、どうしてもってわけじゃなくて、ただ、俺がお願いしたら、聞いてくれるかな……って……」
 言わなきゃよかった、とかなんとか、最後の方は泣き出しそうな声で言って、自分の膝に顔をうずめてしまう楓は、赤い。そして多分、熱くて、柔らかい。
 “お願い”なんてかわいらしい単語を吐くはずのない可愛げのない口が、けっこう柔らかくて感触がいいと圭太は知っている。
 思わず、楓の柔らかい髪をなでる。一瞬緊張したのがわかるが、しばらくそのままなでていると、恐る恐るといった様子で顔を上げて、こちらの様子を伺う。
――なんだこいつ。こんな可愛いことするやつだっけ。いや可愛いことしても笑えない奴だっけ。つうか可愛い。
 意外とっていうか、なんか、可愛いというか、他に何かいい表現、あるような気もするけど。

167 :
「聞くぞ。お願い。……いや、まぁ、俺でよければだけど。直也先輩みたいに上手くないし、祐樹先輩みたいにイケメンじゃないけど」
 
 ちょっと圭太が謙遜してみたら、すぐに楓はいつもの調子を取り戻す。
「そこは否定しない」
「おい」
「でも……安心感は、ある」
 そう言ってはにかんだように笑う楓が、もう、圭太には女にしか見えない。
「……お前、けっこうずるいのな。いや、知ってたけど」
「ずるいって何が――!?」
 ちゅ、と正面からキスをして、細い肩を抱く。
「なっ、ふ、不意打ちこそ卑怯っ……!」
 口を押さえて目を白黒させている様子はおもしろい。いつも飄々として、ちょっと高慢な雰囲気さえある楓だからなおさらだ。

168 :
「いやいや、十分前フリしてたじゃんよ、お前」
「してないしてないっ!俺は今したいとかそういう話はしてないしっ!」
「いや、俺はしたいぞ。そっちがお願いするんだったら、こっちからもお願いしていいよな?」
 有無を言わさぬ勢いで言い切って、今度は長く口付ける。
 乏しい経験と無駄に豊富な知識を動員して舌を伸ばして唇をなぞり、歯をなで、隙間に潜り込んで歯茎をなぞってみる。
「んぅ、んっ……」
 きつく目を閉じて、しばらく圭太の侵入を拒んでいた楓も、口内をなぞられるうちに抵抗をやめ、圭太の舌の動きにまかせる。
 あまりに反応がないので舌をつついてみると、やけに控えめに舌を絡めてくる。
 自分の口に誘うようになぞって、舌に吸い付くと、びくりと楓の肩が跳ねる。
 違和感を感じて、圭太は楓を離してやる。

169 :
「お前……キス、好きじゃないのか?」
「え、あの……そ、そうじゃなくて」
 腕の中の体温が上がる。
「こういうの、したことなくて……」
 恥ずかしそうに顔を伏せる楓の言っている意味が、最初、圭太には理解できなかった。
 ひょっとして、と考えて、それがどうも当たっているんじゃないかという確信に変わるまで、数秒。
「ディープキス?祐樹先輩と、しなかったのか?」
 たずねる声がちょっと興奮しているのが恥ずかしい。けれど楓はそんなことには気付かずに、こくりと頷いて。
「だ、だって……初めては、お前、だし……」

170 :
 ――まてまてまてまて。落ち着け俺。落ち着け息子。なんだそれ。
 ファーストキスがあのときのアレ?あれ?俺?じゃあなんだ、これが2回目とか、いや、さっきしたから3回目か?
 とか?そういうこと?なにそれおかしいよ俺よりセックス経験値高そうなのになんだそれなんだそれ。
 という、ちょっとしたパニックが圭太の中で収束するまで、これまた数秒。
「……な、なんで?」
 挙句、出てきた言葉がこれと言うのは、ちょっと間抜けな気もするが。
「なんでって……ただ、祐樹先輩とはしたくなかったから……」
「で、俺ならいいのか?」
「っ!自分で考えろ、馬鹿!」
 どす、と可愛くない拳がみぞおちに入って、楓は腕の中から脱出しようともがく。

171 :
「そーかそーか。やっとわかった。お前、あの時嬉しそうだったもんな」
 思い出すだけで顔がニヤついている圭太を、楓は気持ち悪そうに見ている。
「あの時っていつだよ」
「お前のファーストキスだよ。俺に笑いかけただろ。嬉しそうに」
「……っ!」
 腕の中でまた、楓の体温が上がる。そして実は、圭太の体温も上がっている。
「俺となら、いいんだな。キスしても」
「うるさい離せ俺は帰るっ!」
 楓が慌てれば慌てるほど、圭太はにやにやと気色の悪い笑みを浮かべてその体を抱きしめる。
「いやいや、俺のお願いきいてくれよ。キスだけでいいからさ。させてくれ」

172 :
投稿に疲れたのでいったん休憩……

173 :
>>172
続きまだー?待ってます

174 :
>173
すまん。飯食ってルパン見てた。
↓↓↓↓↓再開↓↓↓↓↓

175 :
「だけって……だけ……で、いい、のか?」
 
抵抗が弱まった瞬間、しめた、と思ったのは顔に出ないように、頷く。
「おう。俺も嬉しいから、させてくれ」
 いまいちニヤニヤが抑えられず、微妙にうさんくさい表情になってはいるが、楓はしばし考え込んで。
「…………」
 無言の末、目を閉じて顔を寄せる。
 ようやく落ち着いた楓の拘束を解いて、後頭部を抱き寄せて唇を重ねる。
 何度か唇を啄ばんで、再び舌を差し入れて、ゆとりを持って歯列を、その裏側を、口内を、舌を、なぞる。
 舌を絡めるとおずおずとそれに応じて、舌を吸って解放してやると同じように返してくる。
 圭太もたいした経験はないのだが、楓の方が初心者と分かって、妙に落ち着いて口付けを続けている。
「ん、ふ……んんっ……」

176 :
 いい気になってついつい長くそんなことを繰り返していたら、上手く鼻で呼吸できなかったのか、楓が苦しそうにしているのに気付いて、顔を離す。
「っは、はぁ、ん……は……はぁ……」
 息継ぎをする楓の瞳は少しぼうっとしていて、頬をなでるとくすぐったそうに目をつぶる。
 ここからが勝負、とこっそり気合を入れた圭太は、楓の耳に口付ける。
「んっ?な、何?」
「キス。」
 言って、頬やら鼻やら、楓に怒られそうにない所へと転々と口付けを落として、楓が油断している隙に首筋に吸い付く。
「ひゃっ!?や、なっ、圭太っ!やめっ……!」
 弱点として認識している以上、そこを責めるのは当然のことだ。
 と、開き直った圭太は、再び力づくで楓の動きを封じて、執拗に首を攻める。
「やだ、だめって……ん、んんっ、やだっ!」

177 :
 びくびくと震える楓の声は、もう女のものだ。
 身もだえ、逃げようとする動きも次第に弱まって、圭太を拒否するように、それでも、すがりつくように、服を掴むことしかできない。
「だめ、くび、やぁっ…やだ、圭太、けぇたっ……!」
 悲鳴が涙声に近くなった気がして、はっとして圭太は顔を上げる。楓は泣いていなかった。
 その代わり、呆然とした様子で息を継いでいて、圭太の作戦が成功したことを知らせてくれる。睨みつける目も力がない。
「ば、か……こんな……の、キスじゃ、ない……」
「……そーか?口つけたんだから、キスだと思うんだけど。」
 圭太は、自分がここまで開き直れるとは思ってもみなかった。が、実際、もう怖いものはなくなりつつある。
 何せ、楓いわく安心感のある男なのだから、逆を言えば、楓が警戒していない男、とゆーことでもある。

178 :
 何やっても許されそうだ、なんて考えているあたり、圭太も油断しているのかもしれないが。
「で、どーするよ。帰る?それとももーちょっと、キスさせてくれる?」
 とろんとしていた楓が、ぎゅっと眉をひそめて、熱くなった顔を横に向ける。
「……ドS」
「この程度で?」
 普段はむしろ、毒舌な楓が言われることの多い台詞を拗ねたように向けられて、圭太は笑う。
 むくれたような楓の様子は、普段よりずっと子どもっぽくて、こんなに色んな表情をする奴だったんだな、と一人心の中で頷く。
「というわけで、俺のお願いは聞いてもらえたわけなんだけど」
 隙を見てまた首に吸い付こうとして、思いっきり頭を押さえつけられる。
 そのまま、楓の胸元に顔を寄せたまま、楓の顔を見上げてダメ押しをしてみる。

179 :
「……なんか、あるか?お願い」
 むかつく奴、と呟いた楓が、頭の上から答える。
「……エッチしたい。して」
 できるだけ簡単に済まそうと、できるだけ媚びないようにと、ぶっきらぼうに言い放ったその回答を聞いて、圭太は再び首に吸い付き、手を楓の腰に回して、服を脱がせにかかる。
 びく、と跳ねた楓の体は熱くて、圭太にすがり付いて、ややもすれば悲鳴のようになりそうな声を飲み込んで震える。
 ワイシャツをズボンから引っ張り出して、Tシャツの中に手を突っ込んで、一度解いたことがあるサラシをまた手探りで解く。
 解いてから、服の上から悪戯してからでも良かったかな、なんて後悔しながら、圭太は首を舐めるのを止め、小さなふくらみに手を伸ばす。
「んっ」
 触れた瞬間、鼻にかかった声が漏れる。柔らかく、弾力があって滑らかな膨らみは、はっきりいって物足りない大きさだ。

180 :
 圭太はそれでも満足できるのだが、ふと素朴な疑問を口にする。
「お前、サラシする必要あんのか?」
「殴るぞ」
 ぎり、と本気で腕をつねられて、痛みに顔をしかめながら減らず口を返す。
「あぁ、直也先輩の悪戯のときもノーブラで大変だったもんな。服の上からでもわかるくらい、ここ立ってたし」
 くり、と先端をつまむと、息を飲む。
 それから、うぅ、と悔しそうに唸って睨みつける楓を笑って、そのまま一度つまんだ場所の周囲をなぞる。
「服の上からでも気持ちよさそーだったもんな。声、我慢できないくらい」
「う、うるさいっ……」
 それ以上返す言葉が見つからず、楓は赤い顔を背ける。
「まー、自分がエロいということを認めたくないのはわかるがな。もうすでに一回、自白してるわけだし……」

181 :
 言いながら、圭太の手がするりと腹部に下り、ベルトをしてもまだゆとりのある腰の下へと忍び込む。
「あ」
 短く漏らす声は、いかにもな感じの喘ぎ声より、かえって色っぽい。窮屈な姿勢で下着の上からなぞったそこは、熱く湿っていた。
 手首を返すようにして突っ込んでいるのであまり自由はきかないが、指先で中心に潜り込ませると、中でぬるりとした液体が滑る。
「すげ……首舐めただけで、準備万端?」
「……知るか」
 そっぽを向いた楓の顔はうっすら赤い。こういう表情を見ると、圭太は口が緩むのも抑えられない。
「いやいや、わかるだろ、自分のことなんだし。つーかまぁ、違うとはいえないよな、この状態で」
 下着と粘液で柔らかな肉を擦ると、楓は目を閉じて息を飲み込む。

182 :
 かまわず、粘液の湿り気を指先が感じるまで繰り返し指を動かすと、眉間にしわを寄せた楓の手がそれを留めようとする。
「んっ……や、下着が、汚れる……」
「そっか。そうだな……それはそれでイイ気もするけど……」
 良くない!という予想通りの返事と、つねられた痛みに顔ゆがめながらも圭太は手を引っ込めて、どうせだからと楓をベッドに抱え上げる。
「一応、全部脱ぐか?」
「う。まぁ……汚すよりはいいけど……明かり、落とせよ」
 自らシャツのボタンを外し始めた楓の台詞に、圭太は真顔でつっこんでしまう。
「何で」
 どす、と、可愛くない反応も何回目か。
「おま……この状況で本気で鳩尾狙うとかお前こそドSじゃねーか」
「お前こそ人を何だと思ってんだよ!」

183 :
「何って!直也先輩とやったときだって明るかった……服着てたけど、そのあと風呂一緒に入ったじゃねーか。今更なんだってんだよ!」
 そもそも、服を着てしたにはしたが、大事なところは全部見られてたし、圭太からすれば、かえって着ている分いやらしかったと記憶している。
 風呂だって腰が立たなくていたしかたなく、という事情はあったにしても、大して恥ずかしがっていた記憶はない。だというのに、楓は噛み付くような勢いで言い返す。
「うるさい!一回見られたからってそう簡単に羞恥心は消えないんだよ!」
「羞恥心?なにそれおいしいの?」
「ね!」
 ばさ、と楓の脱いだシャツが叩きつけられる。一瞬、甘い匂いにムラっときたのは圭太自身がちょっと変態的かもと凹んだので置いておく。
 それにしても圭太には楓の考えが分からず、ねといわれる筋合いはない、と思わず言い返す。

184 :
「よーしわかった。そういうことなら着たままやるぞ。んで、汗とか愛液とかザーメンとかでぐちゃぐちゃにしてやる」
 ストレートすぎる、いつもなら下ネタの延長で出てきそうなやりとりではあるが、当事者としてそれを言われるのはわけが違う。
 楓の肌が怒りと羞恥とが混じった朱に染まったのを目にして、流石に今は冗談が通じないか、と圭太も我に帰る。
「……というのは流石に、俺の武士道に反するな」
「何が武士道だ。やる勢いだったくせに」
 ふい、と顔を背けた楓の機嫌がいいとは到底思えない。が、かといって帰るそぶりを見せるわけでもないので、まだこのまま続けていいらしいと安堵のため息をついて、圭太は部屋の明かりを落とす。
「……これでいいか?」
「……うん。」

185 :
 わずかに残った明かりの中で、ごそごそと衣擦れの音がして、圭太も服を脱ぐ。
 同じ服を脱いでいるのに、何故か聞こえる音が違う。
 躊躇なく脱ぎ捨てる男とは違う、戸惑いながら衣服を脱いで、投げ捨てるようなことはせず、形を整えて置く、女の仕草だ。
 さっきは恥じらっていること自体を茶化した圭太だったが、こういう静かな所作で女を感じると、かえって緊張してしまう。
 気配だけでも、服を脱ぎ終わったことが分かる。薄暗い中でも相手の輪郭はわかる。目の前に来れば表情もある程度分かる。
 残念ながら顔色まではわからないが、きっとそれは、触れば大体分かる。
 明かりを落としたせいなのか、さっきから沈黙が続いているせいなのか、二人そろって妙に緊張する。

186 :
 もう2回もしたのに。前のほうがずっと異常な状況だったのに。なぜだろうと考えていられる状況でもなく、圭太が楓の背中に手を回して、そのまま押し倒す。
 抵抗はなく、あまりにも簡単に、声も立てずに。それがなんだかむずがゆくて、圭太は声を出してみる。
「……何か言えよ」
「……何をだよ」
 ほんの少し、声のトーンが落ちたのも、緊張のせいかもしれない。
「や、まぁ……何でもいいんだけど、俺らこーゆー静かなの、慣れてないし」
「……あんまりしゃべってると、さっきみたいに殴りたくなる展開になるんじゃないか?」
 あまりにも色気のない、いつも通りの会話に、思わず二人で苦笑する。
 肌を重ねているのにこれでいいのかとぼんやり楓が考えていると、圭太の手が背中からわき腹を通って足の付け根に下りる。

187 :
 はっと圭太の肩を掴むと、それを押しとどめるように頬に、あごに口付けられて、そのままうなじを舐め上げられる。
「んっ……や、首、ばっか……」
「だって弱いから。とりあえず俺が頑張れば、声は……聞ける、というか、我慢できないみたいだし」
 言って、胸の先端に吸い付くと、ピクンと体が跳ねる。
 そのまま口の中で舌で転がして、手を濡れそぼった中心に伸ばすと、楓の腕が首を抱くように伸びる。
「ん……あ、うんっ……」
 それに気を良くして、しばらく乳首を弄りながら、閉じた足の間、秘所の奥へと指を進ませ、ゆっくりと出し入れを繰り返す。
「んぅっ……あ、いきなりそんな、奥っ……あ、あっ……」

188 :
 指を根元までうずめて指先だけでいじると、また違った声色になる。
 くり、と陰核を親指でいじると、悲鳴に似た声が出る。
「ひゃっ!だめ、そこ……っ」
「こないだわかったんだけどさ、お前の中、ここ、気持ち良いんだよな」
 楓の抗議は聞き流して、中の一部を指先でこすると、ぎゅっと肩にしがみついて、それと同時に圭太の指も締め付ける。
「そんなの、知らないっ……」
 つれない返事とは裏腹に、欲深く指を締め付ける体の中のほうが素直に違いない。
「……まぁ、お前が気持ち良いとこはまた違うのかもしれないけど」
 言いながら、確かめるようにまた指を抜き差しする。

189 :
「あ、んっ……ん……あ、そこっ……」
 素直に弱点を知らせてくれる楓の胸に吸い付いて、しばらくそこを胸と同時に責めてみる。
 奥から溢れてくる温かい粘液が、それだけで楓の快感を伝えてくる。
「ひゃ、ううっ、ん、あっ……!」
 息が乱れ、普段は聞くことがない高い声が漏れる。もっと声を出させたいと、片足を抱え上げると首を振って悶える。
 いつ自分が入ろう、と思いながらじゅぷじゅぷと音を立てて指を動かしていると、すがりついている楓の指の感触が無性に気になってくる。
「楓……俺の、してくれよ」
「え、あ」
 愛液にまみれた手で楓の手をとって、自分の下半身へと誘導する。

190 :
「うん……」
 細い指が竿を握って、上下に動く。握る強さを変えながら、根本から先端まで一気に滑らせたかと思うと、亀頭を何度も刺激する。
 自分でするのとは違う、柔らかな手の感触と、予測のつかない動きに思わず圭太も声が漏れる。
「っく……うまいな……」
 つい手が止まってしまった圭太に、楓はにやりと口元をゆがめて、鎖骨に吸い付く。
「うおっ!?」
「……こっちも反応した。」
 楓の手の中で跳ねたものは、さっきからずっと限界まで硬くなっている。
 もっと楓に触ってほしいと思うのに、情けないことに体は限界を訴えている。
「悪戯するよゆーがあるなら大丈夫だな」

191 :
 確かめるように言って足を開き、その中心に腰を押し付けると、ん、と短く息を吐いて、暗がりの中で熱っぽい目がうっすらと光を反射して圭太を捕らえる。
「いいよ……来て」
 返事と同時に、腰を押し付け自身を埋め込む。熱く絡みつく肉の壁は、手よりもずっと気持ちいい。
「んっ、あ、あ……っ」
 首を舐めていたときの甲高い悲鳴とは違う、低く熱のこもったため息は、腰を打ち付ける速度を上げるのにつれて音階を上げる。
 腰を掴み、際奥へと打ち付けると悲鳴を上げ、圭太の腕にすがりつく。
「お、奥、だめぇっ……ヘン、なのっ……」
「んっ……痛くない、なら、大丈夫っ」
 何が大丈夫なのか、わからないくせに言い切って腰を打ちつけ、楓の膝下に腕を入れて、足を抱え上げてより深くつながる。
「や、圭太っ、こんなっ……」

192 :
「つながってるの、っん、よく、見えるだろ」
 楓の視線がそこを見ているかどうかはわからなかったが、見せ付けるようにゆっくりと、先端から根本まで往復させる。
「や、あぁっ……んんっ!」
 ぐり、と奥を刺激して、腕を絡ませてきた楓に深く口付けて、夢中で舌を絡ませあう。
 不慣れな楓がそれに必で答えてくれるのが嬉しい。
 口付けを続けたまま、短いストロークで腰を動かす。肌のぶつかる音と、交換する熱い息とが理性を吹き飛ばす。
「ん、はぅっ、あっ、けぇたっ、いぃっ……きもち、いぃっ……!」 
 震える声はせっぱつまって聞こえる。
「んっ……まだ、だぞっ……」
 圭太は上体を起こし、楓の腰を掴んで引き寄せながら打ち付ける。
 楓の細い体はそのたびに揺れて、 すがる場所を失くした手はシーツを握り締めている。

193 :
「あ、あぁっ!らめ、もっ……けいた、けぇたっ!」
 頭を振って悶える、その瞳から涙がこぼれているのを見て、ぐっと体中の血液が集まるのを感じる。
「ん……っ、いく、ぞっ……!」
 頷くだけで、もう声もうまく出ないらしい楓の体の奥へと自身を押し込み、絡みつき搾り取るように収縮するその体内に、圭太は半分意識を飛ばしながら、熱い欲の塊を吐き出した。
 体液に濡れたベッドの上で、圭太は楓を抱きしめる。息が整うまでそうしていようとしたのに、一度脱力したはずの楓は腕の中から出ようともがく。
「おま、はぁ、ちょっと、大人しくしとけって……」
 まだ抱きとめていようと圭太が腕に力をこめると、楓は息を切らせたまま、意外な返事をする。

194 :
「……何で」
「何でって……終わったらこうするもんじゃねーの?」
 深く考えず、圭太がぽんぽん、と触り心地のいい頭をなでると、楓が目を瞬かせる。
「……そうなの?」
 至極不思議そうにたずねる口調はまるで男らしくない。
 圭太よりも経験豊富なはずの楓が、たまにこうして、まるで訳が分からなくなってしまうのが、圭太にはおかしい。
「そうだろ……ま、お前にそういう経験がないとしても、俺はこうしたいからする。」
 言って、楓の頭を抱え込んで、圭太は静かに動悸が治まるのを待つ。
 骨っぽい楓の体は、圭太が知っている女の体ほど抱き心地が良くないが、大人しく身を任されるとなぜだか安心する。
 楓は圭太の言い分を聞いたきり、黙って大人しく体を預けている。

195 :
 そういうものなのかな、などとぼんやり考えながら、熱く湿った肌を合わせる心地よさに、目を閉じてみる。
「……楓」
 息が整って、楓が半分睡魔に襲われそうになっていたところで、圭太が声を掛ける。
「……何?」
 楓の背中やら尻やらをなでながら、圭太は半分夢心地で口を動かす。
「こーいうこと、またしような」
 くすぐったそうに身動ぎしていた楓は、それを聞いてぱっと頬を染める。
 もう目を閉じている圭太にはそれは気付かれなかったが、せっかく収まりかけた動悸がまた激しくなってしまいそうで、ため息のように深呼吸をして、小さく返事を返す。
「……まぁ、気が向いたら」
「ん……そうだな……」

196 :
 むにゃむにゃと返す圭太はあっという間に意識を手放してしまう。自分の部屋だからってそりゃないだろ、と楓はひとりごちる。
 それでも圭太の腕の中から出るのが少しもったいなく感じられて、もう少しだけこうしていようと再び目を閉じた。
 数十分後、楓はきっちりとサラシを巻きなおし、着替えを終えていつも通りの姿で圭太をたたき起こした。
「おい。もー帰るぞ。」
「ん……?あ、あぁ……」
 目を覚ました圭太は、ぼんやりした頭でその姿を確認して、裸のまま体を起こす。
「とりあえずさっさと服着ろよ。あと数学。UBは後で教えろよ。一応古典貸しだからな」
 テキストをかばんに詰め込む楓の後ろ姿を眺めて、圭太はあぁ、と生返事をしながら考える。短いけれど柔らかい髪のさわり心地が、圭太は気に入ってしまった。

197 :
 詰襟の中にある細い首を舐めると、可愛い声を出すことも、小さいくせに胸の感度が良いことも、唇に吸い付くと初々しい反応を返してくれることも。
 それを許しているのは自分だけだということも知ってしまった。
 下着だけは身に着けて、Tシャツを手繰り寄せながら声を掛けてみる。
「……楓」
「なんだよ」
 振り返りもせずに返事をする姿にはかわいらしさは一欠けらもなくて、こんな風に楓のことを知っていて、色んな感情を持っているのはきっと自分だけなんだろうと思う。
 それが少し嬉しいという事実は、もう認めるしかない。
「キスしていいか?」
「だめ」
 圭太の予想以上に、楓の反応は早かった。

198 :
「何でだよ。俺とだったらいいんだろ?」
 深い意味もなく、さっき確認したとおりのことを圭太は繰り返したのだが、楓にとってはそれ以上の意味があるらしい。
 一瞬言葉が出ずに悔しそうな顔をする。
「……だめだ。もう帰るって言ってるだろ」
「なんだよ。そんな何十分もしねーって。」
 いいからいいから、と、ベッドの下にいた楓の隣に腰を下ろして、半ば無理やり顔を引き寄せようとした圭太の肩を押し返して、楓は顔を背ける。
 これまでは、ちょっと無理やりでもなんだかんだで受け入れていた楓が、そういう行動をしたことが圭太には意外だった。
「……そんなに嫌か」
 そのショックのせいで、らしくないほど落ち込んだ声が出てしまう。

199 :
「そ、そうじゃなくて」
 慌てて顔を圭太に向けた楓は、一瞬目を合わせて、その後すぐにうつむいてしまう。
「……あの……なんだ、その……」
 その反応を見る限り、嫌がられているわけではないと知って、圭太は安心する。
「……したら、帰りたくなくなっちゃう、から……」
 顔を見せられないまま、はっきりとは口にしないものの、あからさまに好意を発しているのを受け取って、圭太は顔中が緩む。声もだらしなく緩む。
「楓―。何だお前。ツンデレか。そんなキャラだったのか」
「ちがっ……だ、だからもう!何もしない!俺は帰る!」
 圭太の隙をついて立ち上がった楓は、かばんを手にさっさとドアに向かう。
「あ、おい」
「じゃ、また明日!」

200 :
 呼び止めようとした圭太の声をさえぎるように言い切って、楓はバタン、と大きな音を立ててドアを閉めた。
 とり残された圭太はしばらくぼんやりしていたが、のそのそとTシャツに袖を通し、この数時間のあれこれを思い出す。
 勉強の流れから楓の男装の理由の告白があって、祐樹先輩とは恋人ごっこをしていたとかで、なんだか自分は安心感があると思われているらしくて、
 セフレ的ポジションを期待されているようで、とか言ってる割にはキスなんかはしたことなくて、自分とだけしたいとか、したら帰りたくなくなるとかなんだそれ。
「あー……」
 などと、つい意味のない声を上げてしまう。
――これって要するに、俺が特別な相手ってことだよな?少なくとも、学校一のモテ男よりも、学校一ヤってる男よりも、俺を選んだってことなんだから

201 :
 そう思うと、楓と寝たのは3回目なのに、今日は色んなことが変わってしまった気がする。
 楓が不安に思っていたように、これまでと同じ関係ではいられないかもしれない。
 それでも多分、悪い関係じゃないんだろう、とひとり頷いて。
「へっくし!」
 豪快なくしゃみをテキストに飛ばして、そういや勉強してたんだっけ、と遠い昔のことのように思い出しながら、圭太は風呂に向かった。
 圭太がシャワーを浴びている間に、楓からこんなメールが来て、全裸で絶叫する羽目になるとは知らずに。
『今日はサンキュ。話聞いてもらってスッキリした。とりあえず、あとでウチの親に会ってくれよ。祐樹先輩と俺の破局の原因として、説明してもらうから』
                                  続く

202 :
投下乙

203 :
以上、長々と失礼しました。
なんか続いてしまったので、またそのうちお邪魔します。

204 :
最初はどうなることかと思ったが
ニマニマした。また宜しくです

205 :
乙!続き待ってる

206 :
なんという素晴らしい作品

207 :
7月スタートのBS時代劇が男装主人公らしいな…

208 :
あと、桜蘭高校ホスト部もドラマ化だってね

209 :
イケメン☆パラダイスも中の人変えて再ドラマ化
TBS金10枠の寒流リメークってのも男装逆ハーかな?
夏ドラマ男装多すぎだろw

210 :
男装の女の子が、身体測定受ける所を妄想。
上半身裸だが、まだ胸が成長してなくて男子に交じって身体測定してもばれないとか。

211 :
まよチキっていう作品に男装ヒロインが出るらしいね
最近男装キャラが出てくるアニメが増えてきてて嬉しいな

212 :
男装の女の子、良いよね
保守

213 :
投下します。
今更ですが>>40の続き。

214 :
なぜか長文が貼れないのでこっちにうpしといた
http://www.kent-web.com/pubc/book/test/uploader/uploader.cgi
ピクシブにもうpしておくので見易さを追求する人はそっちどうぞ

215 :
あ、パスはdansouです

216 :
>>215
GJ

217 :
>>215 GJ!

218 :
>>215
GJ
2828が止まらないw
最初はタイトルがわからなかったw

219 :
ほしゅ

220 :
金星特急っていうライトノベルを最近読んだんだけど、
少女じゃないけど男装麗人でてきて萌えた
腕っ節もなかなかたって王子様と見紛うほどの美形なんだけど、
実は女の子?で大ぐらいで頭はいいのに世間知らず
なんか男性に対してトラウマありだけど一緒に旅をする仲間の男に
好意(ただし無自覚)を抱くようになり…て感じ
ちなみに主人公じゃないけどメインキャラです

221 :
>>220
うむ。あれはいい萌えだ

男装として面白いのは、魔法の力で深い青の目に見える人には男性に、
淡い水色に見える人には女性に見えるってことだよな
んでもってトラウマのせいで男に襲われそうになったら自害しようとするほど追い詰められるところがいい
見てると可哀想でそこが萌える

222 :
>>220
ageついでに明日買いに行って見ようかな
内容調べたが男性恐怖症設定もツボだな
個人的には男性恐怖症になった理由も可哀相だが気になってしまう
黒羊もここで知って読んだらかなりはまったな

223 :
>>222
マイナー文庫なんでなかったらネットとかのがいいかもしれん
ちなみにトラウマ描写がはっきり出てくるのが2巻の書き下ろし短編、
3巻からもっと盛り上がるんで一気読みのが男装萌え的にはいいかも
ちなみに4巻出たばっか

224 :
金星特急ってBLじゃなかったのか
評判は聞いてたけど粗筋読んでなんだBLかと思って回避してた
ウイングスはノマとBLの見極めが難しくて困る

225 :
こないだまでの某スレと同じ流れになってるw
人も被ってそうだな(自分含む)
金星はまったくBLではない
金星に初恋する少年、男装麗人と傭兵の>>220
兄に恋する妹など、許されない恋に生きる女の子たちとかで男女の恋愛しかない

226 :
連投でスマンが、ウィングスなら、「姫君返上!」という作品にも
男装して男の振りしてた過去を持つメインキャラが出てくる
女装少年が主役なものの、もちろんこの作品もまったくのノーマルな家族コメディっぽい。
詳しく書くとネタバレになるが、母親に男として育てられて
なんで男じゃなかったんだと責められてたトラウマもちのもちろん美形。
今は男装じゃないが、彼女のその過去のせいでのトラウマとか
恋愛へのためらいで好きな人に天邪鬼になったりするとこが萌える。


227 :
ヤンデレ×男装少女という電波を受信したが展開が思い浮かばない件について
だれかたすけて

228 :
え、フツーに男だと思ってたのにドキドキしちゃって悩んでた

着替えかなんかで裸みて女だと知る

自分の思いは真っ当だったんだ〜騙したね?

でやっちゃったらダメなの?
ヤンデレってその程度じゃダメ?

229 :
ヤンデレ×男装少女で、ヤンデレの方はノーマルだと思っていたのに、
実際には、レズだったって話じゃないのか?

230 :
ベタだけど、「男になりたい」と公言してはばからない少女。
ヤンデレは恋愛感情で傍にいるんだけど少女は「男の友達が出来たの嬉しい!」と言って
めちゃくちゃ懐き、男扱いしてくれとか言って色々無茶振りしてくる。
ついにぶち切れたヤンデレがお前の性別を思い知らせてやんよと押し倒して以下略まで受信した

231 :
>>230
ばっち来い、俺は待ってるぜ

232 :
>>228
偽りのドラグーンの生徒会長みたいな男だな
良き男装美少女ラノベだった

233 :
まだ途中までしか読んでないが、戦国姫武将ぼんたんが佳作の予感。伊達政宗が女だったっていう設定。
男装少女が大好きで描いた作品らしい。
同じ作者の放課後関ヶ原で前世武将の貧乳男装少女がチョイ役でいた。
見た目が好みだったのでメインキャラじゃないのが惜しまれる。
あとは戦国八咫烏の新キャラの南蛮とのハーフの狙撃手男装少女にも期待。
他に戦国時代もので男装少女がメインにいる作品ってありますか?
女信長は読みました。

234 :
もとむらえり先生の「愛(かな)しの焔」の明智光秀
メインじゃないけどたなかかなこ先生の「秀吉でごザル!!」の竹中半兵衛

235 :
なでしこジャパンのイケメン近賀を見て電波を感じたが、
俺には受信機が無かった…

236 :
「楓と」の人です。
前回長文投下に手こずって辛かったので、続きはpixivにて公開することといたしました。というか公開しました。
うPろだに投下すんのまでめんどくさがってごめんなさい。
ドラマ、池パラはいまいち。
美男ですねは主人公美少年(美少女)でおいしかったけど相手役があれじゃちょっと萌えられない
桜蘭みれてない。
あと男装ドラマ何やってんだっけ……

237 :
ちょっとした小ネタを思いついたんで少しスレをお借りします。
エロなしかつSS初心者故に拙いところも多々あると思います。
3レスくらいつかいます。

238 :
「やぁ、石崎じゃないか」
休み時間。廊下を歩いていたら知っている顔に話しかけられた。
しかし俺は奴を見て硬直してしまった。
奴の名前は貝原千里(かいばら せんり)
クラスは違うが委員会で一緒になることが多い俺の友人だ。
肩のところでまっすぐ切りそろえられた黒髪と眼鏡の奥の涼しい目元が特徴の美少年だ。黙っていれば。
実際のこいつはいつもニヤついているし、下ネタもホイホイ言うせいか女子にモテているとかそういう話はまったく聞かない。
で、こいつがいつもどおりニヤニヤしながら話しかけてきたわけだが、何故俺がこいつを見て硬直したのかというと遭遇した場所が悪かった。
「何故女子トイレから出てきた」

239 :
「女子だからさ」
こいつは当然とばかりに即答する。ドヤ顔で。なんかむかつく。
しかしこいつが着ているのはどう見てもうちの高校の男子の制服。
「もしかして今まで私を男子だと思って……」
声に笑いが混じっている。文字に起こしたら草が生えてそうだ。
そんなに変なことを言ったのか俺は。
どう見てもこいつがおかしいと思うんですけど。
「あ、ひゃ、ひゃひゃひゃひゃ! こんな声した男子高校生いないって! うひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ ていうか体型でわかりそうなもんっていうかひっひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ」
しまいにゃ指をさされて笑われる始末。なんだよなんかよくわからないけど理不尽じゃないかこれ。
「でも胸とか全然ないだろ」
とりあえず思ったことを口にしてみたら今度は哀れむような目で見られた。
「胸だけで男女判別する男の人って……」
「なんだよ。大体男子の服着てたら男子だとおも」「思わない」
間髪いれずに否定された。悔しい。
「そもそもなんで男子の制服着てるんだよ」単刀直入に気になることを質問してみると
「んー、いろいろ。とりあえずここじゃなんだし放課後どうせ委員会でしょ? どうせ委員会暇だしそんとき話すよ」
と、はぐらかされた。
しかし休み時間も終わりそうなのも事実だったので俺は教室へ戻った。
放課後に教えてくれると言っていたからきっと大丈夫だろう。

240 :
放課後。委員会で図書室に行くとすでに貝原はカウンターにいて、俺に手招きをしてきた。
この高校の図書室の利用率はあまりよろしくないので図書委員会は暇なのだ。
これが活字離れだというのか。
俺はカウンターの中に入ると貝原の隣に座った。
「じゃあさっさと説明済ませちゃおうか」
そう言って奴はおもむろに自分の制服のズボンの左脚の裾を捲りあげた。
白い脚には包帯が巻かれていた。
「これは……」
「中学の頃さ、ちょーっと事故っちゃって。そんでまぁ結構エグい傷ができちゃってね」
貝原はいつものたわいない話をするようなノリでサラリと言ってのけたが思ったより重たい理由のような気がする。
奴の話は大体こんな感じだった。
傷自体はほぼ見えなくすることもできるらしいが大変なお金がかかるようなので、自分で金をためてから治すつもりらしい。
中学の頃はタイツで乗り切ったようだがこの高校は生憎冬のみしかタイツの着用は認められていなかった。
ということで入学前に生徒指導の先生と校長に傷のことを話し、タイツ着用の許可を得ようとしたそうだが、校長が
「夏にタイツとかぬでしょ。いっそ男子の制服にすればいいんじゃない? タイツよりは風が通っていくらか楽でしょう」
と無茶苦茶なことを言い出したので男子制服を着ることになったらしい。
「お前、本当にそれでよかったのか……」
「スカートよりパンツルックのほうが好きだしラッキーって思った」
「……さいですか」
ちなみに制服は男子でも、もちろん学校では普通に女子として扱われているため体育等でもちゃんと女子と一緒にやっているそうだ。
水泳ができないのが悔しいとは言っていた。
つまりクラスが違っていたが故に俺はずっとこいつを男子だと思い込んでいたのだ。
というか実はいまだに信じられていない。


ここで力尽きた。
お目汚し失礼しました。

241 :
>>236
続き読もうとしてpixivで検索したらT&Bとヘタリアが山のように出てきた。
検索キーワード等あるなら教えてもらえないでしょうか。

242 :
>>241
あぁあ申し訳ない!
「男装少女」タグとタイトルで出てくると思います、多分。
それかこれまで投下したタイトルそのまんまで検索していただければ。

243 :
>>242
こちらこそ、申し訳ありません。
Pixiv の18 禁ってログインしないと読めないんですね。
ログインしないで探してました。
作品は登録して読ませていただきました。
相変わらずGJ な作品でした。
次回作も楽しみにしてます。

244 :
漏れ初萌えシェークスピアの十二夜にでてくるヴァイオラだったんだが、劇
だから仕方ないとはいえあそこで終わりかよとオモタ

245 :
今更ながらまりあほりっく読んだんだが、男装妹の設定おいしすぎる…
どS兄貴のせいで男嫌い。なのに男のふりして男子高に通わねばならないドジっ娘ちゃん。しかもアレな使用人同伴って
つーか体操着や笛の上の方を盗まれる男子高ライフってなんだよ、気になって仕方ない

246 :
ついに押し倒されても「へ? 何やってんの?」と状況を理解してない男装少女はかわいい
優しくしてあげるか、ここぞとばかりにいろいろ教え込むとか、
妄想がひろがりんぐ

247 :
http://pachisurotebchou7.up.seesaa.net/image/50bea965f3794c0d760d-1024.JPG

248 :
>>247
バカスwwwwwwww

249 :
>>247あるよ
http://image02.wiki.livedoor.jp/c/i/chin_chin_nai/2aa727f971978293.jpg

250 :
藤林丈司は裏切り者

251 :
ノノノノみたいにやむを得ず男装して男に成りすましてるが
実際はすごく乙女な女の子でヒラヒラフリルとか大好きで
女の子服着てセクシーショット撮ったり、猫耳付けてにゃん☆の手の角度が違う・・・!とかやってる男装少女きぼん
ノノかわいいよノノ

252 :
保守

253 :
投下します。
変態な保健の先生×男装少女
以下注意
・無理矢理です。
・やってるだけでいまひとつストーリーがありません。
NGはカメラアイでよろしくお願いします。

254 :
 白いベッドの上で白い天井を見上げる。
 誰かが来る気配がして、慌てて身を起こすが遅い。自分の身の処遇を迷っているうちにカーテンが引かれた。
「サボりか?」
「……早瀬先生」
 泉は微妙な姿勢のまま固まった。

「関心しないな」
 広げられたカーテンの向こうで彼が言う。男なのに繊細な顔をした早瀬は、この学校の養護教諭だった。
「……すみません」
 そう答えながら、長く保健室を空けるそっちも悪いじゃないか、と泉は心の中で毒づいた。
「最近サボりが多いらしいな。飯田先生から聞いた」
 飯田というのは体育の教師だ。
「……すみません」
「謝れとは言ってない」
 無表情に早瀬は、泉に言い放った。
「理由を聞きたい」
 泉は黙った。そうして迷うように口を開く。
「面倒だから……」
「嘘だな」
 すぐに早瀬は断言したので、泉はびくりと体を震わせた。しかし挑戦的な目で早瀬を見返す。
「どうしてそんなことがわかるんですか」
 そんな泉を、早瀬は冷たい目で見下ろす。
「今日は水泳だろ?」
 泉の体がすっと冷える。そんな泉の手を取り、指を唇に触れさせた。
「かわいいな」
 早瀬は今まで見たこともない顔で笑った。

255 :

 ベッドの上に押し倒され、体の上に乗られる。
「騒ぐなよ。見られたいか?」
「……へ、変態……」
「声が小さい」
 泉は口角を上げる早瀬を見た。恐怖で喉も体もうまく動かない。
 シャツのボタンに早瀬が手をかけたときも、脳内は悲鳴を上げたが、口からは何も出なかった。
 早瀬はそっとスポーツブラに包まれた、小さな泉の胸に手を置く。
「かわいい」
「なっ……」
 泉は思わず絶句した。早瀬は養護教諭にしてはよくわからない性格で、いつも淡々とした調子で生徒の面倒を見ていたからだ。
 その早瀬がさっきからかわいいを連呼している。
「……き、気持ち、悪い……」
 ベッドの上で体をよじらせようとするが、両の手首をつかまれそれもままならなくなる。
 恐怖と恐慌で何もできない。荒い息の中、泉は早瀬を見上げた。
「やはり、いいな」
 急に早瀬の顔が近づく。キスされたと気づいたのは舌が入ってからだった。
 油断して開けてしまった口の中に軟体生物のような物体が入り込んでくる。泉はどうしていいかわからなかった。
 しばらく泉の口の中を堪能したあと、やっと唇を離した。と思うとあごを舐められる。
「やめろ、よ、僕は……」
「男か?」
 楽しそうに早瀬は問いかける。
「違うだろ?」
「う……」
 できることなら、今すぐこの男をしてやりたいと思った。
 しかし再び体に覆いかぶされて、絶望感を感じる。
 早瀬はスポーツブラを上にずらすと、その先端に吸い付いた。
「んん!」
 得体のしれない感覚が脳を貫き、泉はうめく。
 そのまますぐに唇を外し、今度は舌先でつつく。
「やめ、あっ……」
 切ないような苦しいような、初めての感触。泉は必で声をこらえた。
 そっと手首から左腕を放し、もう片方の乳首もいじられる。
「うわ、やだ、あっ、あっ」
 先端が刺激を受けるたびに、奇妙な感覚はいや増していく。こらえられなくなった声が口からこぼれおちた。
「反応もいいな」
「なんだよ、う、ああ、っ」
 途切れ途切れの言葉はうまく早瀬に届かない。それとも最初から聞いていないのか。
 ふと、早瀬の体が離れて、少しだけほっとした。しかしその安堵はすぐに消え去った。
「おい、や、やめろよ」
 早瀬がズボンに手をかけた。留め金を外して、ジッパーを開く。
「今、人に見られてもいいか?」
「っ……」
 泉はいたたまれなくなって、顔を隠した。早瀬はそれを取り払う。
「ほら、ちゃんと顔見せろ」
「なんなんだよあんた。僕に何の恨みがあるんだよ」
 早瀬はその言葉を無視して、下着ごとズボンを脱がせにかかった。ずるずると露になる下半身が嫌で、泉は堅く目を閉じた。
「ほら、やっぱり、女だ」
「んっ……」
 今まで隠し通してきたことが突然暴かれて、泉は恥ずかしさにうめいた。
「しかも、ほら」
 早瀬の細い指が、自分でもろくに触ったことのない局部に触れる。
「濡れてる」
 表面をなぞるように動かされると確かにぬめる感触がした。
「やっぱり、泉はかわいいな」
「もう、やめろよ……」
 あまりの屈辱に泣きたくなったが、泣き声すら出ない。出るのは荒い息に混じった、震える声だけだ。
「おとなしくしてろよ。たくさんよくしてやるからな」
 早瀬は相変わらず、何も聞いていなかった。

256 :
「んあっ、ひゃっ、あっあっ」
 足をM字に開かれた格好で、男に陰部をもてあそばれる自分を、泉はどこか冷静な頭で見下ろしていた。
 太ももに食い込む指すらあの感覚に変わっていく。
「あ、あ、ああああっ」
 そこにある何かの突起を押され、泉は悲鳴を上げた。
「ここ、好きか?」
 早瀬はぴんとそれをぴんと弾く。きゅう、と気管から息が漏れた。
「弱いとこばっかだな。お前」
 泉は何か言おうとしたが、はあ、はあと吐息にかき消される。
 早瀬はくるりと包皮をむくと、その突起――淫核に直接触れた。
「うわ、あああああっ。やだ、やだあっ」
 より鮮明な快感を与えられて、泉は身をよじった。早瀬はそんな泉を楽しそうに見ている。
「本当にお前はかわいい」
「変態。ね! っあああっ」
 核をそっとつままれただけで、全身が脱力しがくがくと震える。
 早瀬は親指で淫核をなぞりながら、他の指を下に這わせた。
「っ……そこはっ! んんんんっ!」
 早瀬の長い中指が、つぷりと中に入ってきた。排泄の穴ではない三つ目の穴に。
「……きついな。一本しか無理かな……」
 独り言のようにつぶやくと、ゆっくりと指を押し進める。
「うあ、ああっ、やだ、やめろよお!」
 指が限界まで入ると、中で関節をうごめかせる。そのたびにびくびくと泉の背筋は震えた。
 やがてそれは、優しいピストン運動に変わっていく。
「あっく、や、やあっ、や」
 泉は激しく首を振り、襲い掛かる快楽を拒絶しようとした。しかし早瀬の指はたやすくそれをかいくぐる。
 やがてみぞおちのあたりから快楽の塊が競りあがり、全身に向かって爆発した。

257 :
 一瞬の後、目を開けると、早瀬はまた腰の辺りをまたいでいた。
 早瀬は自身のズボンをくつろげると、性器を取り出した。
「う……」
 自分は、犯されようとしている。そのことがはっきりと理解できて、泉はひるんだ。
 早瀬はそんな泉を見やると、笑って言った。
「避妊はしてやるよ」
 泉の中に目の前の男への憎しみがわいたが、さっき与えられた快楽のせいではっきりしなかった。
 避妊具をつけると早瀬は泉の腰を掴み、入り口に性器をあてがった。
 その感触に少し意識がはっきりした泉は、いやいやをするように顔を振った。
 しかしかまわず早瀬は、ペニスを泉の中に突き入れた。
「あ……いた……」
 その痛みで、泉はやっと泣くことができた。
「っ……力を抜きなさい」
 生徒が言うことを聞かないのを見て、早瀬は再び泉の唇を奪った。
 不意突かれて力が抜け、その隙に一気に奥まで入れられる。
 泉は金魚のように口をぱくぱくさせて、その痛みをやり過ごそうとした。
 押し広げられて征服される感覚。
 早瀬はしばらく泉を眺めていたが、やがて言った。
「動くぞ」
「えっ、やだ、うわああああああっ」
 拒否の言葉は届かずに、悲鳴になって消えた。
 早瀬はぎりぎりまで陰茎を抜くと、すぐさま突き入れる。痛みと衝撃に、泉はベッドのシーツを掴んだ。
「はあ、あっ、いた、いたい」
 早瀬は一定のリズムで中をむさぼる。
「痛いか……俺は、いいなあ」
 再びぎりぎりまで抜き、入り口付近をぐるりと刺激されると、何故か甘い声が漏れた。
「ん? そうか」
 また淫核に手を伸ばされる。つつかれるだけで、体がふにゃふにゃとうねる。
 ずぶずぶと動かしはじめた茎と、中がこすれあう。
「もう、気持ちよくなってきたか」
 早瀬は楽しそうに言う。
「ちが、ちがう、ああっ、あっやっ」
 押し広げられる恐怖感のほかに、混じるものがたしかにある。
「うん……お前はかわいいよ、泉。かわいい。かわいい」
 どこか虚無的に繰り返される言葉。と、快楽がシンクロして、泉の脳をふらふらと揺らした。
「やだ、やだあっ。お、おかしくなるっ」
「うん、泉。おかしくなるとこ、見せて」
 早瀬はそう言ってストロークを強める。波のような快感が加速した。
「うわ、っあ、や、やだ。ああああああああああっ」
 ぽろぽろと涙を流しながら、泉は達した。

 泉はベッドから降りると、乱れた衣服のまますぐさま早瀬から離れた。
 早瀬は黙ってそれを見やると、帳面に目を落とした。
「飯田先生には俺から言っておくから」
 泉は無視した。すばやく衣服を着る。早瀬は帳面を置くと、静かに泉に近づいた。
 とんとん、と肩を叩き、振り向いた泉に手の中のものを差し出す。
 携帯電話。
 その画面の中には達してまだ朦朧としている状態の泉がいた。
 薄紅に染まった肌やはだけた衣服が、何が起こったのかを示している。
 呆然とする泉に、早瀬はささやいた。

258 :
「またおいで」

*****************
ここまでです。肝心な最後の一行抜かした……。
やってるだけですが、一応ネタはあるので続くかもしれません。

259 :
GJ!
続きに激しく期待!

260 :
これはGJ!!
男だって言い張りたい男装少女は可愛い

261 :
保守

262 :
これどうだろう
http://www.sodc.co.jp/detailes/sdmt_524/jacket/sdmt_524_l.html

263 :
惨事注意

264 :
前期の男装少女は美男が断トツで可愛いな
さらし引きちぎりたくなった
昴はいまいち瑞希は論外ハルヒはアニメのが可愛い
アイエスの春もなかなかよかったけどあれは男装じゃなく女装か?

265 :
そういえばはがないの男の娘が男装少女と聞いたが本当か
あとP4アニメは直人の登場が楽しみだ

266 :
保守。たまにはageとくか
携帯アプリの「トガビトノセンリツ」ってノベルゲーが良かった、スレタイ的に。
ぶっちゃけ禿しくネタバレなんでスマソだが…
キャラ紹介で男装少女センサーが反応したんでプレイしてみたら
設定的にも役割的にもキャラ的にも最高なこだった。すげーおいしいとこどりだし
…ヤンデレ男装少女ってあんまり思い当たらないな、そういや

267 :
hosyu

268 :
保守

269 :
軍靴のバルツァーって漫画に男装少女が出た
漫画の時代は中世から近代にかけてかな?
騎兵隊の士官候補生で貴族出身、優等生
まだあんまり詳しく内容出て無いけど
…バレるシーンがヒルに食われまくってる所ってどーなんだろ?

270 :
あげ

271 :
age

272 :
屋外プールや海岸で貧乳短髪少女に男性用の水着を着せて
男の子として振舞わせるのは男装に入る?

273 :
>>272
もちろん入るよ。

274 :
>>272
なんて好みなシチュ。
実際、某ネトゲでそういう絵を頼んだことあるがw

275 :
少女マンガだと思ったが、男アイドルとしてスカウトされて、
写真集を撮る時に、胸出しているシーンもあったのに、
追っかけの女の子からは完全に男と認識されてしまうって言うのがあったな。
主人公は、安心すると同時に落胆してたのが、とっても萌えた。
タイトルが思い出せないんだが。

276 :
小学生の水泳大会で弟が当日熱を出してしまい、代わりにまだ無乳の姉が弟の水着を履いて出場した話は知ってる。

277 :
休みつかって自力で探しだした。
あぶないパラダイスだ。

278 :
>>276
山○県の小学生の事は言うな

279 :
山で始まる県って3つもあるんだな

280 :
>>276
だけどいくらボーイッシュで無乳でも上半身にスク水の日焼け跡が残ってたから
見てるこっちが冷や冷やしたな。ばれなかったのが不思議だw

281 :
よくある話だねw

282 :
イメージ図
http://livedoor.blogimg.jp/europippa/imgs/0/5/05a21cc3.jpg

283 :
>272みたいなのってよくあることなの?

284 :
罰ゲームだと膝までのトランクスタイプの水着履かされ
トップレスでプールサイド一周するように指示とか・・・

285 :
女子高だとよくある話だねw

286 :
世の中にはまだまだおれのしらないよくあることがたくさんあるんだなあ

287 :
お前女だったのか! という展開はよくあること・・・のはずなのに
俺の人生には訪れない

288 :
>>297
俺は経験あるが、そもそもそいつはレズだった。
行為に思っていた女の子の彼氏だと思っていたら、彼女だったんだよ・・・・・

289 :
女子高ってプールないほうが多いのに
よくある話とは何事

290 :
昔演劇部の女子が男役した時、タイツの前が平らだったから男子たちに
ちんちん無いじゃないかとヤジられてたの思い出した。

291 :
演劇部だとよくある話だねw

292 :
妄想を実現しよう
http://heroin-pinch.ldblog.jp:80/

293 :
男装キャラといえば童夢くんのメロディが可愛い。
リアルでみてなかったけど家にビデオあってみたら滅茶苦茶萌え。
童夢がメロディのときはデレデレでアンディのときがライバル視してるのもいい。
あと、松葉博って人が書いてる心に星のなんとかってタイトルの漫画。
この人の描く女の子と男の子はすげー可愛いと思う。

294 :
あげ

295 :
このスレも気付けば長寿スレの一因に……
感慨深いものですね

296 :
男装って最終的には男湯入るよね

297 :
>>296
ペルソナ20話見ろ
ttp://blog-imgs-44.fc2.com/j/a/m/jamjamberry01/1330015158525.jpg

298 :
80年代ぐらいのテレビのバラエティ番組だと、
女性スタッフが男湯に入らされて、何も知らない一般人の反応を楽しむ
素人いじり番組があったなと、急に思い出した。
今じゃ、出来ないだろうが。

299 :
男装は誰でも出来、ただのコスプレにすぎない
プールや海で裸男装となると簡単には出来ず努力が必要である。胸も無乳や微乳で
メイク、脇、手、脚のムダ毛の処理は禁止、女性用水着の日焼け跡があるとバレるので
目立たなくする為日サロで黒く焼く、体の丸みがないように筋トレする。
海パンも股間が目立つ競泳ではなくだぼっとしたトランクスタイプを履く。
最初は胸を手ブラで隠すしぐさをするが、慣れとは恐ろしく気がついたら
背泳ぎで泳げる状態にまでになる。今までウォータースライダーでビキニでポロリを
気にしてたが気にせずバンザイしてすべれるんだよ。
さぁ、あなたも日頃のストレス解消にチャレンジしてはどう?

300 :
>>299
過去海で貧乳だと大波どーんでビキニがズリあがり
おっぱいがハミ出してた事に最初は気付かなくて
堂々と歩いてたら友達が「出てる」・・・
もっと早くおしえてほしかった思い出があるから
私には裸は無理。

301 :
昔のAVで男の中に女が一人みたいなのがあったの思い出した。
女が男性用競泳用水着履いて体操したり泳いだりしてた。
他にも野球部、サッカー部編もあった

302 :
男装って夏にはねじり鉢巻きしてふんどし姿で神輿担いだり太鼓たたくよね

303 :
ふんどし太鼓ってあり?

304 :
ありです

305 :
兄と二人暮らしの兄妹が住んでいて二人は双子のようによく似ていた。
兄が妹に性的な暴力をふるわれていて、妹も兄に処女を奪われたのだった。
そんな兄を妹が害してしまった。すると妹が兄に成りすまし男装し兄の通学する
高校へと行ったのだった。あることがきっかけで女だとばれてしまった。

306 :
GWだし、男装しよっと♪

307 :
男装して風俗街歩いてたら、店の人に声かけられたw

308 :
>>307
よかったね
ローラ

309 :
剛力だったら似合いそう

310 :
>>269
その漫画今日読んできた
なかなか面白いね

311 :
胸が膨らみ始めたばかりの女の子が、ふんどし一丁で、男祭りに参加。

312 :
それは萌えない…

313 :
保守。

314 :


315 :


316 :
FE覚醒で「お前、女だったのか…!」な展開があってちょっと萌えた

317 :
>>316
ナカーマ
ああいう王道は良いものだ
サンデーでやってる寿司漫画がヤバイ

318 :
レベルアップすると、グインサーガのケイロニア第一皇女でも行けるようになる。

319 :
ケイロニア第一王女は無理だが、ワンバックならいける。
さらしを巻いて、鎧なり軍服なりを着せてみたい。
http://livedoor.3.blogimg.jp/kinisoku/imgs/e/3/e3e43459.png
http://livedoor.3.blogimg.jp/kinisoku/imgs/6/d/6deedd2c.png

320 :
姪っ子の家でアンパンマン見て
しらたまさんに萌えてきた

321 :
>>318みたいに襲われて自分の身体は女なんだと思い知らされる、
普段は男のふりをしている男装少女なんかも良いよな。
まあ、それが実際に中に入れられるまで行くかどうかは、展開次第だけど。

322 :
べるぜの久我山ェ

323 :
規制でずっと言えなかったんだ!!
言わせてくれ!俺は萌える。
>>311

324 :
>>318
俺が男装少女好きになったのはまさにその第一皇女が原因なわけだが


100巻越えてからのマリウスにはがっかりだ……

325 :
8月20日発売の少年ジャンプ読み切りるろ剣零話のゲストの女医さんはこのスレ的にはどうなのか
仮面はともかく怪しいイントネーションは男装にも当てはまるのだろうか…?

326 :
るろ剣ゲストの女医さんは流し読みしたので女の子だと思ったが、
(社会的には仮面で男装かもしれんがストーリー的には即バレ)
べるぜの久我山には萌えた
久我山、出たときには肩幅広くて「なんだ男か…」と思ったのに、
女だと分かったと単に可愛さ全開で悶える
Tシャツポニテの回想シーンでも女っぽくなかったけど、暑い中
Tシャツでもサラシ巻いてたのかと思うといじらしさに萌える
そしてその状況で二人きりで(?)ゲームに熱中してたあと、相手の男に
告白とか可愛すぎる

327 :
>>324
同じく。最初の方は何だかんだまともな男だったのに
自分が一番の脳内お花畑男になっちまって…
というかマリウスって3度逃げたら
ひどい目にあうよと初めの方で予言されていたはずだが
なかったことになったんだろうか

328 :
>>326
べるぜに目を通してみたけど
読み切りのゲストキャラとシリーズもののキャラの差異と言うべきか
男装ばれについても読者にどう見せるかでも演出が分かれるのかもしれない
(べるぜは詳しくないけどこの流れはテンションが高いとはわかるし)
るろ剣のケースもある程度尺が取れればまた違う見せ方もあったかもしれないのは別の話で
もっとも片や素顔はいかにも女性的・片や男性として生き続けた流れと言う差異もある訳だし

329 :
保守

330 :
保守。文才ないけど俺も男装少女ものかいてみよっかなー

331 :
俺も文才を持ち併せていないから他板で叩かれたなぁ
もう何と言われようと書かないと思う

332 :
>>330
誰だって最初は初心者なんだし、兎に角挑戦しようぜ
挑戦しなきゃ一生初心者だぜ?

333 :
保守

334 :
>>10
最高に遅レスだけど君に出会えてよかった!!!
ブラックシープ、読んでみたら個人的にはもうドツボでした
・事情があっての男装
・周りには秘密だし本人も男として過ごすのが当たり前
・でもちゃんと女心も羞恥心もある
・正体がバレたらなんかマズイことになる
この辺満たされるともうタマラン
設定とかキャラもいちいち好みたし、三角関係も大好きだし
本当に萌えたよ!ありがとう!ありがとう!

335 :
保守
境界線上のホライゾンの本多正純がカッコ可愛い
男用ズボンで良かったのに…

336 :
名家の婿養子に入ったら嫁が男装少女で(跡取りになりたくて男装し始めた)
しかも(家業を継ぐために)努力家で優秀で器用で美人
俺なんかが婿養子で良いのかとか思いつつ
学生の間は手を出さないとか約束しちゃって隣り合った寝床で悶々としたり
机並べて勉強してお互いをかばい合ったりからかったりする仲になるんだけど
ある日突然嫁が失踪して「あれ、俺のせい?」と混乱したり
まぁそれなりに色々あるんだけど
最終的には嫁と心通わせてラブラブになる
っていう夢を見た
あの歓喜を伝えきれない俺が憎い

337 :
ほす

338 :
ほしゅ

339 :
小ネタ投下。ネタをリサイクル。エロなし。
Tシャツを捲ると、そこはおっぱいだった。
ヤツはみんなからカミカゼと呼ばれていた。
それはただ単にヤツが日本人だからで、深い理由はない。
傭兵の仲間には地図で日本を指させる人間すら殆どおらず、その徒名が日本に対する知識の程度を物語っていた。
170センチと身長はやや低いが、野球をやっていたせいか腰と肩回りはがっちりとしている。
まっすぐな濃い眉、眠たげにも見える黒目がちな瞳、優男めいた顔立ちはハンサムとも言えたが、中身は正真正銘の工兵だった。
敵兵をスコップで殴りしたとか、有刺鉄線を一撃で斧で断ち切ったとか、小さな伝説にはきりがない。
爆破のスペシャリストという肩書きが、カミカゼの無口さを不気味に引き立てていた。
本人はミステリアスさを演出しているつもりはなく、「喋るの面倒くさい」というのが真相なのだが。
瓦礫だらけの汚ねえ街を眺めながら煙草をふかすカミカゼは、いつも目を細めていた。
青い目や砂色の髪ばかりが行き交う異国の街に、なぜカミカゼが辿り着いたのかは誰も知らない。
部隊の誰も聞かなかったし、衛生兵の俺はそもそも口さえ聞いたことがなかった。
ボサボサの短い黒髪が埃まじりの西日に染まり、黒い虹彩に光が差し込む。
吐き出す紫煙が夕日を曇らせ、複雑な形を作り出す。
その姿が俺にとってのカミカゼだった。
カミカゼと初めて言葉を交わしたのは、市街地での戦闘中のことだ。
戦車の砲弾が大穴を空け、壁と屋根とが半分崩れかけた民間で、あのカミカゼが苦しそうに息をしていた。
よれよれのオリーブ色の戦闘服には幾つもの穴が空き、生々しい肉が覗いていた。

340 :
脇腹の肉は幾筋も、爆破の破片によって抉れていた。幸いにも表面を擦過したのみではあったが、血の温い赤が戦闘服をぐっしょりと濡らしている。
額に脂汗を浮かべ、眉根を寄せたカミカゼは小さく「クソッタレ」と呟いた。
月の明かりが差し込んでくる瓦礫の山に、散らばっている食器の破片。
カミカゼのブーツがそれを踏んで、パキパキと割る。少し離れた前線から、時折射撃の破裂音が響いてくる。
その度に、夜を一瞬の炎の輝きが貫いた。カミカゼは自分で傷口を押さえて、ただひとり息を飲んで耐えていた。
「カミカゼ!」
思わず名前を呼んだ俺を、なぜかカミカゼは睨んだ、ように見えた。
うっすらとした月の光の下に、肩で息をするカミカゼが「あっちへいけ」とジェスチャーする。
「手当てする」
構わずに駆け寄ると、カミカゼは心底きつそうに「いらねえ」と呟く。
「衛生兵なら分かるだろ。じきに止まる」
呪いめいた呟きを聞き流し、俺はポーチから包帯を取り出した。
暴れる患者を抑えつけることもある衛生兵は、このくらいでは惑わされない。
負けじと睨むと、カミカゼが黒い瞳で俺を見返す。
患部を抑えたカミカゼの手を引き剥がすと、新しい血がどっぷりと垂れた。
「余計なことしやがって」
そう息を吐きながら呟いたカミカゼの手が、ダラリと落ちる。
そして俺はカミカゼの戦闘服を開けて、Tシャツを一気に捲り上げた。
一瞬俺は、今どのような状況なのかを忘れた。野生動物のような腹筋と、そこに開いた傷はここが戦場であることを証明していた。
しかし、それらをぶっ飛ばして目の前に飛び込んできたのはいきなりのおっぱいだった。
戦闘服に紛れるほどの慎ましげなふくらみではあったが、それはまごうことなき女性の乳だった。
湿った白っぽい肌と柔らかい張り、ツンと上向きの乳首が月影に青く映える。
「おい!」
カミカゼが叱責する。鍛えられた肉体とちくはぐなおっぱいが結びつかずに混乱を引き起こす。
おっぱいなのかカミカゼなのか、腹筋なのか。止血剤をまぶしながら、俺は目を見開いていた。
「あんた、なんでおっぱいがある」
「うるせぇ、元々女だ!」
俺は笑った。
「だいたい、男だとは一回も言ってねえ・・・」
カミカゼも苦しみながら失笑した。
笑うと、乳も乳首もふるふると揺れた。

341 :
その夜のことは忘れないだろう。後にも先にも戦闘のさなかにおっぱいを拝んだのはあの時だけだ。
欲情するというより、なにか有り難い、貴いものでも見たような気分がしたのを覚えている。
窓辺に腰掛けて、カミカゼがタバコをふかしている。
よれよれの戦闘服に、だらしなく紐を結んだ埃まみれのブーツ。
カミカゼは俺を見ると、深々と煙を吐いてから片手を挙げた。
「よお、飲みに行こうぜ」
おわり。

342 :
なんだこれは。まったく悪くないぞ。
いやむしろ実にいい。GJと言わざるをえない。
清々しさを感じた。実にいい。

343 :
>Tシャツを捲ると、そこはおっぱいだった。
いきなりこれでフイタw
GJ

344 :
これはいい男装GJ

345 :
テスト

346 :
男物の着物姿を常用しているのは男装でしょうか?
一応女というのを隠してはいるのですが。

347 :
>>346
いいと思うんだが。
投下待ってる

348 :
>>347
とりあえず投下してみます。
***以下本文***
他と違っている事を嫌う。
変だと思われる事を嫌う。
差異の大小はあれど嫌う。
子供の俺にとってそれは大きな事だった。

6歳の時に両親の仕事の都合で祖父母に俺、江藤耕太郎は預けられた。
祖父母の住むここは山間の面積は広いが人は少ないよくある村。
そして春に村の唯一の学校に入学する事になった。
子供の数より大人の方が多かった小中併設校ではあったが
今年は俺も含めて6人の大人数の入学で
体育館に素晴らしく飾り立てをしたと後に聞いた。
そんな飾られた場所の前で俺は円喜唯と出会った。
体育館に入る前から俺はいい機嫌ではなかった。
中では在校生と教師や父母が待っている。
そこへ今から俺たち新入生は並んで入っていく、のだが…
「大…洋服、洋…洋服、南ちゃん…洋服、海ちゃん…洋服」
前を見るとみんな洋服。
そして自分の着ているのは七五三の衣装を寸を合わせた和服。
たまにみんなが振りかえってこっち見るし。
「なして婆ちゃん洋服じゃないん…」
涙は我慢したが凹む。
「はーい。みんな並んで入っていくからねぇ。
 大君と南ちゃん、洋君と海ちゃん、耕太郎君と唯君」
「?」
女の先生がなんか言った。
「俺と誰って?」
「私」
声がして横を見るといつの間にか誰かが立っていた。
俺と同じ和服を着たのが立ってこっちを見ていた。
誰かは知らない。見た事はない。
でも無性に俺の機嫌は良くなっていった。
「俺、江藤耕太郎!」
「私…私は円喜唯」
今思えば唯は紋付羽織すらしていた立派な正装で
俺のは着れる程度の恰好だったけど
その当時の俺にはそんな事もわからないし
なにより1人ではない事に上機嫌で笑って唯の手を握って歩いて行ったと思う。

349 :
 *

他と違っている事を好む。
異だと思われる事を好む。
差異の大小はあれど好む。
子供の私にとってそれは大きな事だった。

円喜の家に生まれた私は物心つく前から儀式に係わり
小学校へ入る頃には家の作法を覚えるのに必だった。
だから住まいが離れた村の別邸になっても
俗世の小学校に入る事になっても
何も変わる事無くやるべき事を淡々とこなすだけだった。
江藤耕太郎に会うまでは。
正装をしているはずだが、どうにも前から見られる。
少し前にいる男はさっきから落ちつきがない。
やはり俗世は理解できない。
「はーい。みんな並んで入っていくからねぇ。
 大君と南ちゃん、洋君と海ちゃん、耕太郎君と唯君」
やっと中に入るようだ。早く式を終わらせて家に戻りたい。
「俺と誰って?」
耕太郎と言われた男が不思議がっている。
少し後ろにいたから気付かなかったのか?
「私」
仕方ないので声をかけてやる。
何を呆けているのだ?
「俺、江藤耕太郎!」
なんだその笑顔は?さっきまでと違うではないか!
「私…私は円喜唯」
しまった、動揺したか。
「行こ!」
誰が手を繋ぐと!他の者はしてないではないか!
腕をそんなに振るな裾が傷む!
今思えば耕太郎は自分と同じ恰好をした私が嬉しかったのだと判る。
そして私は耕太郎という架け橋によって俗世に入って行けれたのだと思う。
それが良かった事かどうだかはわからない。
しかし、耕太郎と会える事での事象なら良かったと思う。

350 :
***以上本文***
これが小学生の時の話になり、
次が中学生の時の話になります。
***以下本文***
「耕ちゃんは板担いで敏さんの手伝いしてたよ」
「あぁ円喜のぉ。耕太郎は荷運んだら滝へ行くとか言うてたで」
「耕太郎に会うんなら、これを持ってけ」
「兄ちゃんに貰って食べてる!」
江藤耕太郎は好かれやすい。
老若男女、犬猫などの畜生にも好かれる。
後々わかったが家のものにも好かれるようでこれは天性のものなのだろう。
私には無いもので羨ましくもあるが
気遣ってか輪の中に私を導く耕太郎に恩義こそ感じても恨みはしない。
と決めてはいるのだが
私のいない所で遊んでいたり、私以外と笑っていると
なにやら臓腑がムカムカしたりする。
この様な不具合を起こしているようでは
母上は既にない今、作法そして儀式の修得はより一層難儀になって
この先はどうなる事かと思案する。
しかしそれも耕太郎と会う事で霧消する。
そして今日は日曜日で一日中一緒にいる事ができる。
「…はずなのに、もぅ夕刻前。いったい耕太郎はどこに?」
朝から村の方々を回って耕太郎の足跡を追っていたが結局今まで見つからない。
別邸に戻る為に川岸を歩いていると橋の下に探していた耕太郎を見つけた。
「見つけた」
何故、村中の手伝い行脚をしていたのか。
何故、私に一言言ってくれない。
何故、私と一緒に居てくれない。
そう恨み言でも言ってやろうと耕太郎に近付いていく私の笑みが
耕太郎の姿を見て無くなった。
耕太郎はまた泣いている。

351 :
そうだ、あの時だ。
3年生の時、耕太郎は父母が来るのを待っていた。
あの時の耕太郎の隠しきれない喜び様は忘れない。
うまく出来た泥団子を縁の下から持ってきて
あれ程嫌がった靴下もしっかりと履いて待ってた。
私は耕太郎の嬉しさが嬉しくて我が事のように嬉しくて。
そして仕事の都合上来れなかった事を知っても
「父ちゃん、母ちゃん来れないってさ。急な仕事だって」
「え?」
「大人は大変だなぁ」
「耕太郎はそれでいいの?悔しくないの?」
「悔しくは…まぁ…ちゃんと…俺が…」
「耕太郎…」
「なんで、唯が泣いてるんだよ!」
「え?」
「ほら、ハンカチ!今日は持ってるんだ、ほら!」
「ハンカチまで…」
「せっかく婆ちゃんがアイロンかけてくれたんだ、使わないとな!」
「そうだね…」
「じゃあ!俺、行くところあるから!明日な!」
「耕太郎!」
あの後、耕太郎を探して、
そして、ここで蹲って泣いてる耕太郎を初めて見たんだ。

352 :
 *
今日みたいな時はたまに来る、橋の下。
橋といっても小川の上にかかる小さな橋。
気付けば日も暮れかかっている。
顔をタオルで拭いて家に帰る為に腰を上げ橋の下から出る。
「やっと出てきた」
橋の上から声がする。
見ると欄干に座った着物姿が1人。
こんな姿なのは奴しかいない。
「唯か。どうした?」
「どうしたもないよっと」
すっと欄干から唯は俺の横に着地する。
毎度毎度ながらこの優男は何故にこうも音も無く動けるのやら。
「今日はいろんな所をほっつき歩いて」
「ほっつき歩くって…用があったんだよ、いろいろと」
この様子だと今日の場所を回ったと判ったのでそっぽを向く事にした。
「色男はいいですな!」
どうもそれが癪に障ったのか唯は扇子で鳩尾を思いっきり突きやがった。
「うっ…なにしやがる…」
「今日の私の手間賃です」
体ごと横を向いて腕組みつつむっとした顔で唯はそっぽを向いている。
「こっちは駄賃も貰ってないのに…」
腹を擦りながら言ってみる。まぁ今日の仕事は無報酬で構わないのだが。
「おっと。そんな貴方にお駄賃替わりに…はい」
何かに気付いて懐から唯が取り出して俺に差し向けた。
「きゅうり?」
「そ、きゅうり」
「なんで?」
「飯野さんが持ってけと」
「あぁそういう事ね」
飯野さんは10歳上のハウス農家の人。
ごっついけど良い人。ちなみに新婚さんで実果ちゃんが可愛い。
「また他の女に現抜かしてますなぁ」
「他の女って。実果ちゃん可愛いだろ?」
「まぁあんな年端もいかん娘子にもう毒牙を?」
扇子を開いて口もとを隠しながら目を見開いて言うな。
「8ヶ月の赤ん坊だぞ?冗談でも飯野さんにされるわ!」
「はっはっはっ。一度痛い目遭うといいですわ」
「実果ちゃんが男の子でも赤ん坊は可愛いけどな」
「ほう…男の子でも…」
なんで目を細める。
「女でも男でも耕太郎さんは見境なしですなぁ」
「人聞きの悪い事言うな」
「そうなら…」
唯は言うが早いか両の腕を俺の首に巻付かせて抱きついてきた。
「なんなら私が相手しましょうか?」
耳元で唯が囁く。
突然の事に驚くと共に唯のうなじから白粉のような匂いが鼻を擽る。
「…泣くなら胸も貸しますよ?」

353 :
 *

耕太郎に私は抱き着いている。
この感触はすごく久し振り。
小学生の低学年ならまだしも来年は高校生になる歳。
恋人同士でもないとなかなかできない行為。
いっそ本当の事を言ってそんな関係になりたいがまだ時期尚早。
幸か不幸か耕太郎にはそんな女はいないし
周囲に好意は持っていても恋愛感情らしきものを持っている女はいないようだ。
私には耕太郎がいるように耕太郎には私がいればいいんだ。
そうすれば万事円くおさまる。
「唯…俺な…」
「なんです?」
もしかしてと淡い期待をしてしまう。
思わず抱きしめる力が増す。
「俺…苦しい…」
「え?」
耕太郎の首から離れて相対する。
「お前、絞め過ぎだ」
「あ、すみませんな。ちょいと思わず頚動脈を」
「落とす気か!クラクラしそうだったぞ」
違う意味で落としたいしクラクラさせたい気はありますが。
「高校では武道が体育であるらしいからその時にでも」
「お前と組手とかはしないようにしよう…まぁ出来ないが」
「必修だって」
来年の為に村から通える唯一の高校は下調べでは柔道、剣道、合気道の選択。
合気道なら一緒にやれるんだけど、耕太郎は乗り気じゃないようだ。
「ま、考えても仕方ないか」
「投げる時は痛くしないから」
「は。そうじゃねーよ。でも…」
「でも?」
「なんでもない」
「今から実地で投げようか?」
体で答えてもらう為、そっと位置取りをする。
どうやらそれに気付いた耕太郎は手を上げて降参のポーズをとった。
「わかった、わかった」
「素直は美徳ですよ」
「まぁ来年、学ランやセーラー服があってもお前はその恰好だな」
「あ、そういう…」
納得といった顔を作ったがセーラー服が着てみたかったり。
「いいんだよ。俺は俺だし。お前はお前だ」
「なんだかわかったような言い回しですね」
「俺も…少し大人になったってやつさ」
「あ、かっこつけてる」
指摘が図星か耕太郎の顔が少し赤くなった。
「きゅうりを温かくしちゃう奴に言われた〜」
「早く会えれば良かったんですよ」
「それに…」
耕太郎がきゅうりを鼻先に持っていって嗅ぐ。
「なんかこのきゅうり、匂う。お前の首んとこと同じで」
「!!」
怒りと恥ずかしさを糧に耕太郎を2度投げて帰りました。
耕太郎?次の日は首を固定して登校してきましたよ。
でも、本当はこの時に耕太郎の言いたかった事を聞いていれば
後々面倒な事にならなかったはずだと今でも後悔している。
***以上本文***
とりあえずここまで。

354 :
なんかキテター!
何が言いたかったんや…耕太郎はん…

355 :
>>354 投下乙
なんかこれ時代はいつなん?
和服と洋服まじりで明治大正あたりかと思ったら
普通にハウス栽培しててわからん
あと中学時代〜とか、読むのに絶対に必要な情報を本文またはタイトル以外に挿入するのもちょっと
保管庫に保管するとき困る、キャラに言わせてくれ
一生懸命読んでみたが色々と「?」が先に来る

356 :
>>355
時代は昭和の設定。戦後間もない頃とかではないです。
基になっているのが回想シーンみたいな物だったので
情報も端折ってありましたが
江藤耕太郎(えとうこうたろう)
円喜唯(まるきゆい)
せめて名前の読みぐらい書くべきでした。

357 :
個人的にはすごく好きだな
雰囲気も綺麗だし二人とも可愛い

358 :
>>356
唯と耕太郎が可愛いです
余り着物に詳しくは無いですが着流しみたいなのを着てる?とか思ってます
お互いに男同士でも行けそうな所とかに色気感じたりもしてます
気長にお待ちしてます

359 :
投下テスト

360 :
耕太郎と唯の話の続きです。
>>357>>358
規制とかでレスが遅れました、すみません。
いろいろ補足せねばならない話の状態ですが
楽しんでいただければ幸いです。
***以下本文***
「じゃあ、唯君も進学という事でっと」
冬がそろそろやってくる時期。
私は職員室で三者面談という名の二者面談を受けている。
本来なら父が来るべきところだが
さして大した事をするわけではないので言ってもいない。
目の前で進学就職問診票に記入している
入学した時から担任の栄先生も慣れているので指摘もなかった。
「みんな進学だから卒業式はやっぱり学生服かしら」
「去年もそうでしたね」
豊松小学校、豊松中学校は制服がない為なのか
ほとんどが進学する事になる水木高校の制服を着て卒業式に出る。
「唯君は…そのまま?」
「式服に相応しい物を着る予定です」
栄先生の言わんとする事はわかる。
入学以来着物(和装)で通している私。
普段着ですら洋装をした事はない。
セーラー服を着て出ても支障は無いが…騒然とするだろうな。
「少し残念。見てみたかったなぁ、唯君の制服姿」
「御期待に沿えずすみません。替わりは耕太郎達ので」
「そうねぇ、耕太郎君はどんなの着るか楽しみねぇ。ブレザーかな?」
にこにこと票をまとめながら栄先生は気になる事を言った。
ブレザー?水高は詰襟の学生服とセーラー服のはず。
「先生」
「な〜に〜?」
「耕太郎がブレザーというのはどういう事ですか?」
「え?」
栄先生の笑顔が固まった。おかしい。
「耕太郎は水高じゃないんですか?」
「え…っと…」
「耕太郎は何処へ行くんですか?」
「そ、それは…」
手に持っていた票を後ろに隠そうとする先生。やはり何かある!
「耕太郎の行き先を教えてくれませんか?」
「えっとね、唯君、落ちついてね。目怖いよ?」
「落ちついてますよ。先生こそ何を焦ってらっしゃるのです?」
「ひぇー」

361 :

「10年か…」
もうそろそろこの豊松村に来て10年になる。
小学校の時から通い慣れた薄暗いこの路を1人で歩いている。
いつもなら一緒にいる奴は三者面談で今日はいない。
だから少し感傷的になってるのかもしれない。
「言わなきゃな…」
「何をです?」
声がした方を見る。
街路灯の下からこっちに向ってくる着物姿。
「唯か、びっくりさせるなよ」
「それはこちらの台詞です」
いつもの微笑顔ではなく、怒っている顔だ。
どちらにせよ綺麗な顔立ちなのは変わらない。腹立たしい。
「何が?」
「栄先生に聞きました。高校に行かないと」
栄ちゃん、あれ程黙っててと言ったのに何でばらしちゃうかなぁ
「いや、高校は行くよ?」
「え?そうなんですか?」
きょっとんとした顔になってるぞ、唯。珍しいな。
「水高には行かないけど」
「それじゃあ何処へ行くんですか!!」
怖い怖い。
「俺、あっちに行くんだ」
「あっちって?」
「親のところ」
「どうして?!」
「春から爺さんが入院するだろ?」
唯が肯く。
爺さんは肺を患っていて暖かくなる春に手術をする事になっている。
本当は今年の夏にする予定だったのだが諸事情で延期したのだ。
因みにその諸事情に唯も絡んでたりする。

362 :
「そうすると、だ。婆さんは爺さんの世話をするから町に行く。
 俺はここから学校に通う。
 1人でなんとかするって言ったんだが信用されてないのか
 婆さんは町とここを往復すると言って譲らない」
「耕太郎は生活能力ないもんね」
「悪かったな。で、うちの親が出てくる。こっちに戻ってこいと」
「耕太郎の御両親の仕事は?」
「継続中」
「じゃあ耕太郎の世話はできないんじゃあ?」
「寮か下宿に入れるらしい。とことん放任な親らしくて堪らないよ、ほんと」
昔ならともかく、今は親と一緒じゃなくても寂しくもなんともない。ほんとだぞ。
少し考えてから、ぽんと唯は手を打つ。
「私の家から通えば良い!そうしよう!」
「さすがに厄介になれないぞ。前みたいに泊まるとは違うし」
「気にする事はない。耕太郎は家のものも歓迎するぞ」
「俺が気にする」
「私は気にしない!」
唯が俺の両腕を異常に強い力で掴む。
それに比例するように見つめる瞳も強い。
「唯…もう決めたんだ…」
「…私を捨てるのか」
掴んだまま頭を垂れた唯が言う。
「捨てるって…仕方ないだろう、俺だってここに居たいけど…」
「なら居ろよ!居てくれよ!そうしろよ!」
唯は涙を流しながらも強い瞳を向ける。
それに俺は見つめる事だけしかできない。
返事がないのを返事と取った唯は両の手で胸を押して離れた。
「私は…私は、行かせないからな!」
俺はそう言って走り去っていく唯の後姿にも声をかけれなかった。

気が付けば家の門の前にいた。
「唯様、お帰りなさいませ」
「ああ」
家人の雀が出迎えてくれたがぞんざいな返事をする。
それをどう察したのか背後から続けて言ってくる。
「御当主が来ております」
「父上が…」
ふと頭に案が閃いた。
それと同時に父のいる奥間へ向う。
いつもなら挨拶程度で話をする事はない。
しかし今日は違う。
私は諦めない。
耕太郎がいなくならない為ならなんでもする。
どのような手段を使い、どのような対価を払おうとも。
「父上、お話があります」

<つづく>

363 :
以上です。

364 :
>>363 
ツッコミしか出てこないからコメ書くのも無粋かと遠慮してたけど、なんもついてないんで一応
・全レスヤメレ。2ちゃんでは嫌われるしマナー違反。返答は作品の出来で答えろ
・ぶつ切り投下ヤメレ。ストーリーに起伏があるとこまでまとめて投下しないと感想つけづらい
・このスレではそれほど嫌われてないけど、エロパロ板ではエロなし投下は注意書きレベルなんで
「エロなし展開が淡々と続く」のは基本なしという覚悟で書くべき
見た感じ初心者だし基本的なとこ押さえればぐんとよくなりそうなので今後に期待して見てる

365 :
廣済堂から出てる時代物の文庫に男装物があったので
このスレに合うか分からないけど、とりあえず紹介してみる。
鳴海丈「娘同心七変化」
ストーリーは主人公である道場の娘・美鈴が暴れ馬に轢かれそうな将軍の若君を
助けた褒美に町奉行の同心見習となり変装・潜入して事件を解いていくというもの。
ラノベ感覚で読めるので普段は時代物を読まない人でも気軽に読めてお薦めな内容です。

366 :
投下します。
耕太郎と唯の話の続きです。
・エロは今回もありません。

367 :
卒業式を数日前に済ました俺は今日、村を出て親元に帰る。
唯にばれた次の日には村中にばれて
大人や先輩達はともかく学年下のチビ共には泣かれたりして大変だった。
一番面倒な事になりそうだった当の唯は
数日は目を合わすとそっぽ向かれたりされたが
1週間も経たないうちにいつもの唯に戻っていた。
…ように見えたのだが
俺が水高に行かないから遠くの私学の全寮制の阿比樹学校に行くと言って一波乱。
その学校の制服の購入に俺は街まで拉致されて一波乱。
まぁ試着役をしたお蔭で高校の制服はただで貰えたので助かったが。
夏以来の唯の妹の実ちゃんでまた一波乱。
実ちゃんは元気だったなぁ。どんどん女の子らしく…
「あたっ!…何をする?」
「変な事考えてたね、耕太郎」
不機嫌な顔で扇子をぷらぷらしている唯。
「だからと言って顔を叩くな」
「やっぱり変な事を!」
「逃げれない所でポカスカ叩くな!」
ここは車の内。
後部座席の運転席の後ろに唯、その左に俺が座っている。
家から駅までは距離があるのでバスで行こうとしていた時、
家の前で唯がこの車と共に待ち構えていて
押し込められるように乗せられて今に至っている。
あの量の荷物を運ばないだけでも助かるが
この黒塗りの高そうな車に乗る時はいつもこうなのはどうかと?
「最後まで悪いな、送ってもらって」
「耕太郎にはちゃんと着いてもらわないと困るから」
窓を向いて唯が答える。
婆さんと何かにこやかに話してたが
責任とかに厳しい唯の事だから婆さんと約束でもしたのだろう。
そこまで俺、まだ心配されてる?
「そう言えば唯の学校は海の方だったよな?」
「海と街の間にある山の上」
「海かぁ…行ってみたいなぁ」
「大量の塩水があるだけ」
「川と違って波があるんだろ?」
「内海だから変わらない」
会話はするがつっけんどん。
このいたたまれない状態でいるのはきついのだがどうも唯はそれでいいらしい。
駅に着いたらお別れなのだが。

368 :
「なぁ、唯」
「なんです?」
「今までありがとな」
「何を改まって言うかと思えば」
広げた扇子で口元を隠しつつ呆れた顔で唯がこっちを見る。
「俺、盆には帰ってくるからさ!」
「盆に帰ってくるのは幽鬼の類で結構です」
「そしたら、そしたら、一緒に海に行こうぜ!」
「2人で海ですか…」
「それか俺もお前も寮生活だから寮の友達とかを誘ってさ!」
考えこむ唯。
昔は水衣とかいうやつを着て川で泳いでた記憶があるけど
水着をというか水に入ってる唯をほとんど見たことがないような…
あ、風呂には入ったよな?となると…
「唯」
「あ、はい!」
吃驚した顔の唯にこっちも吃驚する。
「カナヅチでも俺は怒らないからな! あたっ!」
「泳げるよ!」
バシッと扇子で思いっきり叩かれた。
ちょっと直球で言い過ぎたかもしれない。
そうだ、唯に注目されないようにするなら…
「実ちゃん連れてきてもいいから! うっ!だっ!」
今度は扇子で往復ビンタされた。
「何故、実が出る?!」
「お、俺はお前の事を思って…」
「間違い!」
顔を真っ赤にした唯に叩かれながら駅が見えてきた。
こんな馬鹿が当分できないと思うと寂しいが
また会う日までと思うと今から待ち遠しくもある。
次会う時はより配慮の出来る男になってるとも期待して。

369 :

「あれ?」
何故か駅前で止まらずそのまま進んでいる。
「唯、駅通り過ぎたぞ?」
「そうでしょうね」
叩き過ぎて熱くなったのか扇子を本来の使い方をしながら唯が答えた。
「なんで?」
「用が無いから」
「用がないってお前…じゃあ、何処行くんだよ?」
「阿比樹学校」
にっこりと笑って唯が言う。
「そりゃお前の学校だろ?俺は…」
「はっはっはっ。耕太郎も一緒だよ」
「そんな事できるか!もうあっちに入寮だって決まってるのに!」
「うん、決まってるよ。阿比樹の方の寮に」
「ゑ?」
「入学の諸々の書類の手続きは済ませた。生活用品の手配はした。耕太郎の制服も準備した…」
唯は指折りながら確認するように言う。
「制服ってまさか…」
「はっはっはっ。まさかもなにも自分で試着して寸法も合わせたじゃないか」
「あれはむこうの制服で」
「ボタンが違うだけで同じだよ。ちなみにもう替えてあるから安心して」
「いつの間に?」
「お婆さんに頼んでおいたからね」
「婆さん何してんだぁ?!」
「お婆さんは喜んでくれたよ?これでお爺さんの看病に専念できると」
「それだったらむこうでも変わらないじゃないか」
「御両親からしてもどっちでも変わらないからと承諾を得てるよ?」
「親〜〜〜!!」
「まぁ平たく言うと”耕太郎だけ”が知らなかった、という事」
「そ、そんなの…」
嘘だと言いたかった。
しかし笑顔の唯がなんだか薄ら寒く感じて続けれなかった。
「でも、今回は大変だったよ?
 耕太郎が他所へ行くと知ってから父上に頼んで
 耕太郎と共に行ける高校を探して貰って尚且つそこに入れるようにしてもらい
 お婆さんとお爺さんに承諾を貰って、耕太郎にばれないように準備してたからね。
 本当は村から通える所が良かったんだけど
 結局それだと私の家から通う事になるから耕太郎が嫌がるしね」
なんでこいつは笑いながらこんな事が言えるんだ?
俺はこの数ヶ月騙されてたという事だよな?
それをこいつは…

370 :
「”私だけ”知らなかったから、これでおあいこ」
「何が?」
気付くと唯の笑顔は消え真面目な顔をしている。
「耕太郎は黙っていた、だから私も黙っていた」
「だからってここまで…」
「だったら!…だったら、言ったら耕太郎は行かないでくれた?」
「俺は…」
ここまでしてくれた唯には感謝はすべきなんだろうけど
なにかが引っ掛かって言い淀んでしまう。
「耕太郎」
「ゆ、うわっ」
唯が抱き着いてきてシートに俺を押し倒す格好になった。
「唯…」
唯の軽い体とあの匂いに包まれ車の天井は見えるが
右に唯の顔があるので表情は見えない。
「耕太郎…」
「なんだ?」
「もし…」
「もし?」
「もし、阿比樹に行かなくても良かったらどうする?」
「…」
「耕太郎が望むなら駅に戻ってもいいよ?」
「唯…」
「だからそれまではこのままで…」
天井を見ながらぽんぽんと唯の背中を叩いた。
それに反応してかぎゅっと唯の抱き着きが強くなった気がする。
「まさか、本当に私を捨てて行かないよね、耕太郎?」
とりあえず唯、駅に着くまでに俺が彼岸に着いてしまう。
俺は山の上から海岸が見たいんだ。
<おわり>

371 :
以上です。

372 :
GJ
唯はなんかがんばったな。耕太郎の最後の独白はムラムラしてるのかこれ

373 :

唯は男装?ってのは毎回思うけど可愛い
ちょっとヤn(ry
>>372
多分首が極まってるんじゃないかな…後部座席で押し倒すのは難しいからしかたないね(目逸らしつつ

374 :
かんなぎに男装少女出てきて俺歓喜

375 :
ジャンプの無刀ブラックにも男装少女が出てきてるけど、男装少女萌えに引っかかる展開がまだ少なくてなw

376 :
逆転5に男装っ子

377 :
小ネタ投下。1600字ちょっと。
影武者のお話
※ヒロイン(男装娘)の一人称が「私」
※しょっぱいシリアス両片思い?
※ぬるいエロ
※オチなし
大丈夫ならそのままスクロール

378 :
『彼女』は思ったよりもマシな人生だ、と前に語った。
彼女は王族の庶子として生まれ、疎まれて暮らしてきたそうだ。
出家するか、王族のつとめとして政略結婚するか。
二択の間に第三の選択肢が降ってきたのは彼女が8歳くらいのときだったという。
彼女は兄――腹違いの王太子とそっくりだったのだ。

廊下でキスをしようとしたら殴られた。
「お前、よからぬ噂がたったらどうする気なんだ」
「言わせておけばいい」
「阿呆、兄上の名誉に関わるんだぞ」
手加減をしているらしく、殴られた頭には衝撃だけがあってさほど痛くない。
彼女の兄は俺の主君でもあるので、うかつなことは(一応)できない。
見つめ返す顔は精悍で、背もすらりと高い。よくよく観察しなければ女とはわからないだろう。
ただ兄王子とは違うのが、匂いだ。
彼女からは湿った甘い匂いがする。

そこらの空き部屋に引きずり込んで、こんどはちゃんとキスをした。
王宮内は茶話室だの会議室だのいらない空き部屋がけっこうあるのだ。
部屋にあった机に乗せると、首筋に顔を埋めて匂いをかいだ。
「……変な趣味」
彼女が蔑みの言葉を投げてくる。
「外、暑かったのか?」
「ほざけ」
でかい時間は裂けないので、申し訳程度に服をはだけさせて、体にかぶりつく。
彼女は少しづつ、熱い吐息を漏らしはじめる。
結ってあった髪をほどこうとしたら、彼女が自分でほどいた。
「……淫乱だね」
「お前が……いうな」
最初は遊びで、彼女が乗ってきたことに驚いた。
望めばいつでも引き返せるだろう、と考えていたが甘かった。
気づけば泥沼にずぶずぶと嵌っていた。

379 :
しばらく彼女をいたぶっていたら、早くしろとばかりに彼女が足を開いてきた。
おとなしくその間に杭を打ち込んでやる。
猿のような前後を繰り返していると、きりきりした痛みが喉を焼いた。

果てた衝撃でしばらくぼんやりしていると、耳朶にどろっとした声が聞こえてきた。
「中に出すなって……言ってるだろう」
涙目で俺の精液をハンカチで拭いていた。顔は少し迷って、袖で拭く。
「ああ……できたら養ってやるよ。二人くらい食ってける金はある」
「私に家でお前の帰りを待てと? 味方の誰もいない場所で?」
「嫌か?」
俺はわりと本気だった。だって今は不公平だ。
こんなに好きなのに、彼女は少しも俺のものになってくれない。
彼女は衣服を身にまといながら吐き捨てた。
「今だけだ。いずれお前は私に飽きるだろうよ」
それとも俺のことが嫌いなのか?

翌日、俺は主君にお目通りを願い出た。昼餉の後に王子は部屋に呼んでくれた。
「話とはなんだ」
「俺にあれを賜りたく存じます」
 王子は椅子から落ちかけた。ゆっくりと体を起こすと、呆れ顔が浮かんでいた。
「お前ね……おい、下がってくれ。二人で話がしたい」
その場にいた侍従を退出させると、もうひとつの椅子を指さして座れと言われた。

「お前たちがただならぬ仲というのは察していたが、あの子ももう大人なのだし、
節度をわきまえるならと放っておいた」
ただな、とと王子は続ける。
「お前にはわからんだろうが、私たちにも兄妹の情というものはあるのだよ。
物ではないのだから、お前の気持ちひとつでやれるものではない」
「なぜそういうまともなことを言い出すんですか」
「まるで私が普段まともなことを言わないような物言いじゃないか。
ともかく、あの子がうんと言わないかぎりは私も認めないよ」

「とはいえ、いつまでもここに居るわけにもいかないのは確かだ……
あの子によると、時がくれば修道院にでも行くそうだぞ」
「なんだと」
一瞬自分の身分を忘れて、椅子を蹴っ飛ばし立ち上がった。王子はもう一度座れと諭した。
ひっくり返った椅子を朦朧とした頭で元に戻す。
「ここにいたところで大した未来はない。私にはひきとめることができない。
どうにかお前ががんばるんだな」
――――――
ここまで。
中途半端なところで終わってすみません。

380 :
名前欄ミスってた……申し訳ない。

381 :
なんかきてた、とりあえず乙

382 :
乙乙!
続きに期待

383 :2013/08/31
ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013083102000109.html
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