2013年10エロパロ459: 【純愛】結界師のエロパロ伍【陵辱】 (757) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【純愛】結界師のエロパロ伍【陵辱】


1 :2010/09/08 〜 最終レス :2013/09/30
前スレが落ちてしまったので立てました。

2 :
出来る限りdat落ちしないよう皆で協力しよう
・sage推奨
・荒らしはスルー
・特定のキャラ叩き、カプ叩きは禁止
(↑職人さん達が投下しづらくなるのでやめて頂きたい)
・男×男は↓でおながいしまつ
 結界師で801 VOLUME2
 http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1207314575/
 前スレ
【純愛】結界師のエロパロ四【陵辱】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1240063843/
 結界師のエロパロ
 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161235218/
 結界師のエロパロ弐
 http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1177230208/
 【純愛】結界師のエロパロ参【陵辱】
 http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1207469677/

3 :
スレ立て初めてだけど、
テンプレこんな感じでいいよね?
と思ったら前スレのURLだけちょっとずれてる…。orz

4 :
1ですが追加。
保管庫
http://green.ribbon.to/~eropa/kekkaishi/kekkaishi.html

5 :
>>1

6 :
>>1乙!

7 :
>>1乙!
守美子さんLove!!

8 :
今週せっかく竜姫さん裸だったのに
まっさん見てないね。
勿体無い…。

9 :
守美子と良守のマザコンプレイ書こうぜ!

10 :
あんなエロい母ちゃんだったらヤっちゃうよw

11 :
竜姫姐さんはきっと昔、若い頃の守美子に、
縄でキツく絞められて体の自由を奪われて上に乗られて責め立てられて散々いいように弄ばれた経験があるから、
その息子であるまっさんに辛く当たったに違いない
「雷神とか言ったって、変化出来なきゃ只の牝よねぇ」とか、
「ああ知ってる知ってる、ここよね逆鱗って。クリトリスとどっちが感じるの?」とか、
高等部時代の守美子さん、きっとサドっ気全開にして虐めてたんだぜハァハァ

12 :
今更なんだけど出版社が二次創作に厳しいのな。
エロパロ書いても投下しようか悩みそうだわ…。
いや、まだ完成してないけどさ。orz

13 :
そういやこの出版社、二次創作にめちゃくちゃ厳しかったよね!
このスレ大丈夫なんかな・・・

14 :
今週号読んでたら、
電話の向こうの時音にかける言葉が思いつかず
思わずパンツの色を尋ねてしまい時音に電話を切られ、
新烏森城に帰って一晩中落ち込み続ける良守というのを想像した…。orz

15 :
「時音!お前のパンツ何色!?」
「はいてないッスwwwww」
「( ゜д ゜)」


そんなことはどうでもいい。はやく守美子さんを書く作業に移るんだ

16 :
そんな時音ちゃんやだ><

17 :
>>15
パンツの代わりに短パン履いてる…だと……!?

守美子さん書くのは他の人に任せた!

18 :
守美子さんのパンツハァハァ(*´Д`)

19 :
守美子さんはノーパンです

20 :
とりあえずエロネタ落とすお
〜お猿と時守来るまでの二人の生活〜

宿に着くまで長旅だったので、とりあえず二人でお風呂
良守の要望は何でも聞くので背中流させ、股間も念入りに洗わせる
その際に守美子さんのパンツにぶっかけてそれを穿かせるのを忘れない

昼食を作ってる無防備な背後から襲って抜かずに三発
省エネモードで反応ない守美子さんの目の前でシコシコ 顔射
夜までまだ時間が余ってたので守美子さんの穴という穴を陵辱し尽くす
玉換えの時にムラムラして無想できなかったのでしゃぶらせる

まぁこんなもんだろう。後は妄想するなりSSにするなりなんなり好きにしてくれ

21 :
ほしゅ

22 :
時音の胸をひたすら揉みしだくだけの話が読みたい。
そこに至るまでのストーリーも人物の心情描写も細かくなくていいから
時音の胸を揉みしだく話が読みたいんだ…!(陵辱とかでなく)
……うん。
疲れてるんだな、自分。

23 :
王様ゲームで性的な命令をされ続ける時音が見た・・い

24 :
守美子さんのおっぱい吸いたい

25 :
烏森を守るって役目はなくなったわけだし
時音の場合は夜は時間空いてんだよね。
その気になれば毎晩情事にふける事も可能なわけで…。
(ただし相手は良守以外)

26 :
守美子さんのおっぱいは吸いたいな・・・

27 :
>>22>>23>>25を足したような話キボンヌ♪

28 :
てすと

29 :
>>27 相手は誰? まどか? 閃? 他の誰か?
やっとカキコできるようになったみたいだから
短くてもよければ書いてみようと思う。

30 :
まどかの発想はなかったがいいなw
「時音って見た目より胸おっきいよね」とか言って優しく揉みしだく

31 :
まどかの助言を時音は素直に聞き入れるから、
仮にその助言が性的な内容でも時音は普通に実行してしまうように思う。
そんなまどかはパロ的に美味しい、愛すべき脇役だと最近思ったw

32 :
>>30 >>31 ありがと。>>28ですが、まどか需要がありそう
なのでちょっと書いてみるです。当方♀ですが、それでも
良ければしばし待たれよ。

33 :
待ってる♪

34 :
>>28です。まどか×時音+他、です。
・誤字脱字とか、見ないフリをして下さい。
・オリキャラ(名前なし)が2人ほど出ます。
・投稿初心者のため、色々とご容赦下さい。
【王様ゲーム】
「「「「王様だーれだ?」」」」
「はーい!!」と嬉しそうに手を挙げるまどかに、つられて笑う
女の子の声。テーブルの上には教科書や参考書、そしてノート。
それにジュースやお菓子がばらばらと並べられている。
午後の柔らかな陽射しが優しく室内を照らす中、ほわ…と、
小さくあくびを噛みす時音に、向かいに座る友人が口を開いた。
「っていうか、テスト前とはいえ時音の家に呼んでもらえるなんて珍しい」
「ホント。塾とか予備校とか家庭教師とか、今日は大丈夫なの?」
いい色に日焼けした顔を見合わせながら「ねー」と、頷き合うのは、
同じクラスの、運動部に所属しているさばさばした性格のクラスメイト
だった。席が近いこともあり、一緒にお弁当を食べたり、時々勉強を
教えたりする仲でもある。
時音は高等部でも成績優秀で通っているし、学校が終われば脇目も
ふらずまっすぐ帰宅することから、家庭教師を雇っているとか塾に
通っているとかそんな設定にされているらしかった。
「う…うん。今日はたまたま暇なんだ。おばあちゃんは老人会の集まりで、
お母さんは久しぶりにちょっと買い物行ってくるって」
「そうなんだー。時音に勉強教えてもらえるなんて、マジ助かるよー」
「私も私もー」
烏森での夜のお勤めが無くなって以来、心にぽかんと穴が空いた
ような気分が続いている。もちろん、日々の修行の手を抜いている
わけではないし、今後自分に控えている大きなお役目についても、
自分なりに理解しているつもりだ。
どこかへ旅立って行った良守のことを思い出してみる。毎晩のように
良守をからかってみたり、何気ないおしゃべりをしたり、一緒に笑ったり、
ケーキを食べたり、そういう日々がこんなにも突然終わってしまうなんて。
今頃どうしているかな、成長したかな、背が伸びたかな、また会いたいな。
私も頑張らないと。そう思いながらもしかし、夜になると何となく寂しくて、
心もとなくて。
そんな彼女の気持ちを知ってか知らずか、時音の母が突然、
「たまにはウチにお友達を呼んで、一緒に勉強でもしたら?」と言って
くれた。祖母が老人会の集まりで居ない日を選んで、飲み物やお菓子を
用意して、母自身も早くに家事を片付けて出かけてくれた。
たまには年相応の過ごし方をしなさいという、母なりの気遣いなのだろう。
勉強に飽きてくれば当然、ガールズトークに花が咲く。誰と誰が
付き合っているとかいないとか、そんな話。そんな折どういうわけか、
王様ゲームという名前は聞いたことがあっても、実際にやったことが
ないという時音のために、じゃあ4人でやってみようという展開になった。

35 :
>>34 続き
「こらこらキミ達、王様は私なのだよ」
えっへん! と、いばって見せるまどかに残りの2人が「はいまどか様」
「仰せのままに」と、ふざけて応じる。きゃははは…と顔を見合わせて
一通り笑い合ったあと、まどかはもったいぶった様子で口を開いた。
「えっとねー、じゃあー、3番の人! 今日の下着の色を教えなさい」
「3番って誰ぇ?」
「私じゃないよー」
ということは――、と、3人の目が一斉に時音に向けられる。
呆気に取られながら時音が持っている割り箸の端には、小さく
「3」と書かれていた。
「え、あ、『3』番って、私? だよね?」
きょとんとしながら一同に確認する時音に、まどかが満面の笑みで頷いた。
「はい、時音。今日の下着の色を発表して下さい」
「下着って…え? 上? 下?」
「うーんと、できれば両方」
透き通るような白い頬を少しだけ赤らめながら、時音が小さく答える。
「えっと…、ぴ…ピンク?」
「派手なピンク? それとも、淡いピンク?」
「淡い……、ピンクかな?」
いつの間にか王様・まどかだけでなく、他の2人まで質問に加わって来た。
「レースとか使ってるセクシー系?」
「リボンとか付いてる可愛い系?」
「すけすけの小悪魔系?」
「どっちかっていうと、えっとー、可愛い系、かな?」
「上下おそろい?」
「だったと思うんだけど……」
「っていうか、時音っていつも短パンはいてるってホント?」
「えっ!? 誰から聞いたのよ!」
「えー、じゃあホントなんだ」
「今日は?」
「今日はほら、休みの日だから――」
「休みの日だから?」
「――う……」
奇妙な間。時音に身体を寄せながら質問を繰り返していたまどかが、
悪戯っぽく笑いながら時音にぎゅーっと抱きついて来た。

36 :
>>35 続き
「よーしわかった! こうなったら、王様の私にだけ見せて!」
「ちょ、やだ、まどか、何!?」
「やだー、まどかずるい!」
「私も私もー!」
時音が着ているブラウスの前を少しだけ引っ張って、どれどれ…と
中を覗く。そんなまどかはどこかのエロオヤジのようだ。やはり兄が
いるとこういう方面もおおらかに育つのだろうか。
時音がそんなことをのんきに考えていると、遅ればせながら
背後から運動部の2人にも覗き込まれていることに気が付いた。
「え? ちょっと、2人ともなぁに?」
「え、ウソ。時音って、何カップあるの?」
「うわ〜、肌白くて綺麗。羨ましいな〜」
「ちょっとー、まどか様特権はどこ行ったのよ」
まどかは不服そうにちょっとだけ頬をふくらませ、
それからまた、悪戯っぽく時音に笑いかけた。
「ねー、これじゃ良く見えない。ボタン、外して?」
「え?」
「王様ゲームの途中だよ。王様の命令には逆らえないの」
「……まどか」
「ほらー、早く」
間近で見つめられ、時音は思わず目を逸らせる。身体を密着
させたまま、有無を言わさない様子のまどかに、時音は困った
様子でボタンに手をかけた。
何故か静まり返る部屋。時音がひとつずつボタンを
外して行く音がやけに大きく響くような気がする。
「これで、いい?」
「だーめ。全部外して。ちゃんと見せてよー」
「うそー?」
「何恥ずかしがってるの? 体育の時だって、一緒に着替えてるんだしさ」
言われてみればそうだ。目の前にいるのは友人のまどかで、一緒に
いるのはクラスメイトで、女友達だ。何を恥ずかしがる必要がある
んだろう。時音はそう思い直すと、ブラウスのボタンを全部外した。


37 :
>>36 続き
「このキャミ、可愛いね」
まどかは舐めるように時音を見つめながら、囁くように言った。
「でも、これじゃブラがちゃんと見えないよー」
え…、と思う間もなく、まどかの細い指がキャミの肩紐をひょいと
ずらし、瞬く間に淡いピンク色をしたギンガムチェック柄のブラが、
一同の目の前にあらわになった。
「わー、可愛いブラ」
「どこで買ったの?」
背後の2人から声を掛けられ、我に返る。
「っていうか時音、こう見るとやっぱ胸デカッ!」
「着やせするんだねー。いいなー」
口々に感想を述べる2人に「もういいでしょ?」とか何とか
言おうと思い、口を開きかけた時、ふいにまどかの温かな手が、
時音の柔らかな胸をぎゅっとつかんだ。
「きゃっ……、ちょっ、と、まどか、何?」
「えへへ。あまり綺麗なんで、触ってみたくなっちゃった」
まどかの表情は笑っていても、目はどこか真剣で、微塵も笑っていない。
熱を帯びた視線が耐えられなくて身体を捩って逃れようとすると、背後の
2人が思いのほかしっかり時音を押さえていることに気づかされた。
「やだー、『きゃっ』だって。時音ってばめっちゃ可愛い」
「いいなー、私も触りたい」
「なっ……、何言ってるのよ、みんな。も、やめよう? 勉強しないと」
「いいよー、そんなの」
え? と声の方へ目を走らせた瞬間、その発言をしたまどかに
唇を塞がれていた。あまりの出来事に頭が理解するより先に、
身体がこわばる。柔らかくて小さなまどかの舌が、時音の唇を
そっと割りながら咥内に侵入してきた。


38 :
>>37 続き
「……っ、う、ん――」
顔を叛けようとすると頬に手を置かれ、まるで恋人にするかのような
優しい手つきでそっと阻止された。咄嗟に、結界術を使ってこの場を
治めてしまおうかという考えが頭をよぎる。しかし次の瞬間には、一般人
相手に絶対に術を使ってはならないという、祖母の言葉が思い出された。
幼少時から結界師として厳しい教育を施されていた時音には、
祖母からの教えに背くことは決してできなかった。
舌を絡め取られ、咥内の上側を舌先でくすぐられると、
全身に鳥肌が立つ。指先を絡めて来たまどかに対して、
自分でも何をするのかわからないまま、その手を強く
握り返していた。
「時音? 抵抗しないの?」
「っ、ん、まどか?」
「イヤじゃ、ない?」
鼻が触れ合うような距離で見つめて来るまどかの瞳は何故か
熱っぽく潤んでいて、あまりの真剣さに時音は思わずまどかに
笑いかけていた。
「よくわからない。こういうこと、初めてだし」
「えっ、そうなの?」
意外そうに目を丸くするまどかに、後ろの2人も応じる。
「初めてってことは、時音って、え!? 処女!?」
「えー。正門のとこにとっかえひっかえ男待たせてるって噂だから、
てっきりとっくに済ませてるのかと思ってた」
「っていうか時音、それって彼氏がかわいそうだよー」
「待ってよ、彼氏なんていな……っ」
反論しかけた時音の口を、再びまどかが塞ぐ。
「まどっ……か、ダメだっ、てばっ!」
「ダメじゃないよ。今、私が王様なんだから」
「――っん、」
ぷつっ、と耳慣れた音がして、ブラのホックが外されたことに気付いた。
背後からするりと長い腕が伸びてきて、時音の胸を、じかにつかんだ。
「うわ、柔らかーい。思ってた通り。むにむにしてる」
「あ、私も触りたーい」
その形や感触を確かめるように背後からやわやわと触れてくる
手に気を取られていると、いつの間にかするするとブラウスを
脱がされ、日の光の射し込む中に透けるような白い肌を晒されていた。
「ホントだー。すっごいもちもちしてる」
「肌白くていいなー。日焼けしまくりの私達とは大違い」
首に掛かる長い髪をどけながら、もう1人が首筋に唇を寄せてくる。
あまりの状況に時音が戸惑っていると、片方の胸の尖りを指先でそっと
つままれた。


39 :
>>38 続き
「――っんゃ!」
「あ、ごめん。痛かった?」
「ううん、違――、」
「じゃ、これぐらい?」
「っ、あ、やだ……」
「ね、見て見て、硬くなってきたよ、ここ」
「ホントだ、乳首こりこりしてる。やだ、マジですっごい可愛いんだけど……」
「ね、ここ、気持ちいいの?」
「んっ、あ、ダメだって……ば、」
背後から胸を弄ばれる時音の様子を、まどかはじっと観察するように
見ている。そうしながら、シフォンスカートの裾にそっと手を差し入れた。
「まどか、ダメ。ねぇ、何?」
「今日は、短パンじゃないんだよね、時音」
もっちりとした太腿に掌を這わせながら、まどかは言う。
「見せて、くれるでしょ?」
小首を傾げながら問うまどかに、時音は何も言うことができなかった。
するするとスカートの裾が捲り上げられる。背後からは、少し強めに
乳首を弄ばれ、時音は小さく喘ぎながらあらわになる自分の脚を、
何故か他人事のように傍観していた。
淡いピンクの、細かなギンガムチェックに少しだけレースを
あしらった、可愛らしいショーツ。すらりと伸びる長い脚に、
控えめなピンクがよく映える。
「時音……」
まどかが再度唇を寄せて来る。戸惑いながらもそれを
受け入れる時音に、まどかはそっと舌を絡ませる。
「っん……」
ショーツの上からその部分を触れられ、思わず身体がビクリと震えた。
まどかはそれを知ってか知らずか、閉じようとする膝に身体を割り込ませ、
少々強引に指を這わせてくる。
「やっ、まどか、ね、ダメだよ、そんな――、んんっ!!」
背後から胸を弄んでいた1人が胸の尖りを口に含み、舌先で転がす。
軽く歯を立てられ、思わず声が上がる。自分の意識とは別の次元で
勝手に体温が上昇し、身体が細かく震えている。首筋にまとわりつく
髪がうっとおしいと、時音はぼんやりと、そんなことを意識した。
「わ…、時音のここ、すっごい綺麗……」
気が付くといつの間にかショーツが膝あたりまで下ろされ、
自分の母親ですら最近は間近で見たことが無いであろう部分を、
まどかがじっくりと凝視していた。閉じようとする脚を、背後から
伸びてきた手によってやんわり阻止される。時折気まぐれに時音の
胸を弄ぶ以外は高みの見物を決め込んでいるらしい2人は、
固唾を飲んでその様子を見守っている。

40 :
>>39 続き
「自分で触ったこと、無いの?」
「んぁ、無い、よ……、そんな……」
「ホントに? ちょっとだけ濡れてるよ? こことか……」
「――っあ! やっ…、まどか…、ダメ」
「ダメじゃないよ。気持ちいいでしょ?」
普段は隠されている部分を指先で大きく広げられ、その上部に
息づく敏感な突起を優しく、しかし執拗に愛撫される。普段の
時音からは想像できないような濡れた声がその唇から零れると、
まどかの指先の動きは一層激しくなる。
「うっ、ぁっ…ちょ、ホント、ダメ、」
「しー。ね、私爪短いから。ほら、ね?」
「ほらって…、何っ、が?」
「じっとして」
「ダメだって…、っあ、やっ、やだ、ダメだってば、まっ…まどか!」
つっ……と指先を立てられて逃げようとする身体を、後ろの2人が
しっかりと支えている。探るようにその部分を行き来した後、
遠慮がちに押し入られ、時音は思わず声を上げた。
「痛い?」
「っあ! や、ダメ、やめて……」
「でも、血は出てないよ?」
「んっ、まどか……、ダメだよ…こんなの――」
「ほら、指、全部入っちゃった。わかる?」
「んっ、ダメ。ホント、もう、ダメだってば……」
目を閉じて抗う時音に唇を寄せて来るまどかを、時音は拒絶
できないでいた。唇を重ねる合間に、少しだけ目を開けてまどかを
見る。どこか気遣わしげに時音を見つめるまどかは、やっぱりいつも
のまどかで、彼女は大切な友達だ。
「ね、時音……」
「……ん?」
「時音の中、すっごいあったかい……」
嬉しそうに呟くまどかがあまりにもいつもの彼女
だったから、時音は思わず、微笑むしかなかった。
「あーもう、熱いね」
「っていうかマジ、妬けるんですけどー」
時音の背後で彼女を支えている2人は、そんなことをぼやきながら
成り行きを見守っている。そんな2人に見せ付けるようにねっとりと
した口付けを交わした後、まどかは時音の耳元で囁いた。

41 :
>>40 続き
「ちょっと動かすから。ね?」
「……え? う……あ、あぁっ、あっ、やッ、ダメ、そこ……」
「ね、ここ、硬くなって、真っ赤に充血してるの、わかる?」
「っん! や、…っ、あっ、ああっ!」
あらわになった時音の脚の間にやおらうずくまり、敏感なその部分に
舌を這わせ始めたまどかに、時音は小さく叫ぶような声を上げた。
それに構わず、まどかはわざと濡れた音を立てながら、その敏感な
部分を吸い上げ、舌先で丁寧にねぶる。
「っや、あっ、あ、ダメ、ダメ、まど……っ、か、んぁ!!」
仰け反り逃げようとする身体を、背後の2人が支える。
そうされながら小さく尖った乳首を指先で転がされると、
濡れた唇から可愛らしい声が上がった。陶器のような白皙が、
見る見るうちに、鮮やかに紅潮していく。
「時音?」
「っ、んっ、んっ、はッ、あ、ぁっ、ああっ……」
「ね、イクところ、見せてくれるよね?」
「――ん? っあ、やッ、ダメ、そこ――っ、ッあ! あっ!!」
時音は身体を細かく痙攣させながら、やがて、意識を手放した。
「……時音、大丈夫?」
間近で心配そうに見つめてくるまどかを、時音はぼんやりと見つめ返す。
「もー、まどかひどいよ。恥ずかしいじゃない」
少々涙目になりながら訴える時音に、まどかは安心したように
笑いながら時音の胎内を探っていた指をぺろりと舐めて見せた。
「えへへ、一度してみたかったんだ、こういうこと」
「はぁ!?」
「だってー。お兄ちゃんのAVで見たことあってさー」
「ちょ…、だからって、こんな――」

42 :
>>41 続き
反論しようとした時音のそばに、後ろで支えていた2人も加わる。
「ってかまどか、レズの才能あるんじゃない?」
「そう?」
「案外サマになってたよ。思わず見とれた」
「マジで?」
最前までの出来事がウソだったかのようにいつものノリの会話に戻る
彼女達を、時音はただただきょとんと見ていることしかできなかった。
そんな時音に彼女達は、罪滅ぼしと言わんばかりの勢いで、下着を身に
着けさせ、服装を整え、髪を整えてやる。
何ごともなかったかのようにすべてが元通りに整った瞬間、
玄関の鍵が開き「ただいまー」と、時音の母が帰って来た
らしい声が聞こえた。
「ねぇ、時音?」
母が廊下を進んでこちらへ来る気配を感じながら、まどかが囁く。
「何?」と、小声で応じると、まどかが心配そうに尋ねてきた。
「これからも友達で、いてくれるよね?」
「あ、当たり前でしょ?」
「よかった!」と、まどかが満面の笑みを浮かべた時、部屋の扉を
軽くノックする音が響き、次の瞬間ドアが開いて、穏やかな笑顔の
時音の母が顔を覗かせた。
「あら、みんないらっしゃい」
「「「お邪魔してまーす!」」」
「時音、シュークリーム買ってきたわよ。みんなで食べたら?」
「え、あ、うん」
「じゃ、お茶でも淹れて来るね。コーヒーとかがいいかしら」
「あ、待って母さん。私も手伝う」
「あ、私達も手伝います」
「勉強飽きてきたしねー」
「うん!」
口々にそんなことを言いながら立ち上がる一同に、何も知らない母は
「あら、悪いわね。フフフ」と笑う。時音は、わずかに疼きを残す身体を
意識しながら、火照る頬にそっと手を当てて、小さく溜め息をついた。
---おしまい---
(急いで書いて急いで投下してみました。
色々と残念な内容でごめんなさいです。ドロン!!)

43 :
き、来てた!
GJ!!!

44 :
GJ!
意外とイイね、まどか×時音・・・w

45 :
34〜42を書いた者です。
>>43 >>44 ありがとん! カエレ!とか言われると
思ってgkbrしていたので、嬉しいです。また何かスレの
流れで書けそうなものがあったら書いてみたいです。

46 :
ヤラレっぱなしの時音が…たっ、たまらんです……

47 :
今週号の妙に可愛くなってしおらしくなって
私服のチョイスが可愛くなった時音を見てると
現在、恋をしてるんじゃないかと勘繰ってしまいたくなる時があるよw

48 :
時音が出たとな!?
よし読むか!
誰かとデキててもいいよねぇw

49 :
守美子はまだか

50 :
守美子さんはキャラがつかみにくくて難しいんだよ〜。
>>20の妄想みたいな式神母守とヨッシってのは私は無理。
修パパと式神母守…で、煮え切らない感じの雰囲気な
エロなら書けそうな気がしないでもないですが・・・。
ちょっと時間を下さい。

51 :
守美子さんに精液出なくなるまでフェラしてもらいたい

52 :
守美子さんの一番エロいところは、たぶんあのレイプ目だと思う

53 :
じゃあ守美子さんが時雄を襲って
食っちまうような話があればいいのだな!?

54 :
守美子さんのエロさは異常

55 :
>>54
それでおk

56 :
まちがった
>>53だったな

57 :
俺は、守美子が良守の寝込みを襲って「俺は時音のことが好きなのに、悔しい…!でも…ビクンビクン」ていうのが見たい

58 :
良守が時音のことが好きなのを知ってなお、性的な悪戯をする守美子さんがステキw

59 :
異能者は霊が見えるし閃ちゃんは心を読めたりするので
結界師のキャラ使った湯けむりツアーとか見てみたいw
あんまエロパロと関係ない話題だけど
吐き出せる場が欲しかったので、とりあえず。

60 :
式紙って一人じゃなく何人も出せるだから、複数の式紙母さんに逆レイプされる というプレイもありえる訳ですな

61 :
式神時音を使った式神母さん教師による
思春期中学生良守のお昼の保健体育(実地込み)
一方その頃
本物の時音は…

62 :
時音は異能者限定湯煙ツアーに参加中

63 :
泊まる予定の部屋に入った時音達を待ち受けていたのは
枕が2つ並べられた1組の布団だった!

64 :
どんなツアーwww
つか、誰と??

65 :
犯人はヤス

66 :
ヤス×時音!?

67 :
とりあえず温泉宿に泊まるなら
浴衣が乱れるのは確定だw

68 :
時音
え?浴衣なんて着ないわよ
もちろんパジャマ持参したし

69 :
じゃあ浴衣に着替えさせようとパジャマを脱がす強行に出る。

そうこうしてる間に別の場所で人が…
こっちはイチャついてたので?アリバイは完璧です。

70 :
アリバイ持ってる男は何人いたんだろうな…

71 :
えー、一人?

と思ったが、義務教育課程の学生と現役女子高生の旅行とか
普通にやばいな保護者来いだなw
うーん、夢が無いw

72 :
裏会では未成年も関係ないよーなw
それよりパジャマを脱がされた時音はその後浴衣を着れたのかねえ・・・

73 :
おまい、着物と勘違いしてるだろwww
寝乱れた時音の姿にハァハァ

74 :
お楽しみ中に人事件発生、刑事乱入
ギャグか?コレw

75 :
本番が事件解決までお預けなら余裕でギャグとなります。
ガイシャの霊が枕元に立ってくれれば完璧です。

76 :
守美子さん需要ないのかな

77 :
あるある!

78 :
温泉ツアー客は誰だろう?

79 :
最低限
加害者と被害者と刑事はオリジナルになってまう悲劇
そして犯人はヤス

80 :
ヤス×時音も悪くない…

81 :
ヤスの知名度高いなw

82 :
時音「服……脱いで」

83 :
ドキドキ・・・

84 :
…ハァハァ

85 :
幽霊にのり移られてた
・・・結界師の時音には有り得んか。

86 :
次からは守美子のターン

87 :
守美子の性テクはハンパねぇ・・・

88 :
修史さんの方がハンパなかったらどうするの

89 :
守美子は放浪中にムラムラしたら、その辺の妖を逆レイプして事が済んだら滅してそうだなwww

90 :
守美子さんは修史さん一筋だとおも

91 :
>>90 (゚∀゚)人(゚∀゚)

92 :
自演がウザい

93 :
水月のエロきぼう

94 :
んじゃ、こっちはカケルを希望するw
カケル可愛いよカケル。

95 :
守美子さんと修史さんの初夜マダーーー????

96 :
守美子さんの初めての相手が
修史さんじゃなかったらどうするよ?

97 :
>>96
別にそれはそれでアリ

98 :
今更なんだが文弥君と絲ちゃんの関係って何なんだろう。

99 :
セフレ

100 :
これから閃×時音投下します。
ちょっと長いので数回に分けて投下予定、今回はエロ無しです。
内容は前スレで話題に出たキノコネタです。
(忘れられてると思いますが)

101 :
客人たちを交えた夕食の場。
本来、和やかな筈の食卓は、現在一触即発の不穏な空気が漂っていた。
その空気を発しているのはこの家の当主・雪村時子。
しかしその原因となっているのは、彼女の眼前にいる一組の少年少女にあった。
「ちょっとあんた、またシイタケ残してる!」
「別にいーだろキノコぐらい。
 それにこれ、秀が食うんだって。」
眉を吊り上げ、声を荒らげる少女の名は雪村時音。
時子の孫であり、この家の跡取りである。
対して、彼女の向かいにてその怒声を意に介さず、慣れた手つきで隣の友人の皿に
シイタケを移し替えている少年の名は影宮閃といった。
「な、頼んだぞ秀。」
悪びれた様子もなく友人に嫌いな食べ物を押し付ける閃。
そんな彼の態度に、時音は今日も怒りを募らせていた。
「だから、人ん家来て好き嫌い言ってんじゃないわよ!!」
「だから全部食べるっつってんだろ、秀が!!」
そうして本日も、彼らの言い合いが始まる。
ギャアギャアと騒ぎ立てたが最後、そこはもう2人だけの世界。
「や、やめなさい2人とも…。」
時音の隣で彼女の母がオロオロしながら宥めようとするも、2人はその声に全く耳を
傾けようとはしない。
最早誰も彼らを止める事は出来ない。
――ただ、1人を除いて。
「……2人とも。」
静かな声がその場に響く。
即座に反応した若い2人が、一斉に小柄な老婆の方を見た。
老婆の眼は、笑っていなかった。


102 :
「はあ……。」
次の日の朝。
時音は、やや暗い面持ちで家を後にした。
結局昨晩は時子にみっちりと叱られてしまった。
2人揃って。
それはお役目を果たしに行く時間ギリギリまで続いた。
そのため、時音は腑に落ちない顔をしていた。
そもそもの原因は自分ではない、閃にある。
「(あの子が好き嫌いしなかったら、あんな事にならなかったのに……。)」
眉間に皺を寄せながら、時音は思う。
いずれ家を継ぐ者として、幼い頃から厳しく躾けられた時音。
そんな彼女からすれば、食べ物の好き嫌いなど言語道断である。
だが昨晩、彼女の向かいで夕食をとっていた少年は違う。
食べ物だけの話ではない。
彼はいつも我侭で、奔放に振舞う。
時音にとって、閃は実に不思議な存在だった。

「はあ…。」
学校に到着し、教室で席に着いてからも、時音の苦悩は続いた。
どうにかして閃の好き嫌いを直したい。
だが、その方法が分からない。
どうすればいいのか、彼女はその1点にのみ思考を集中させていた。
そのためか、外界からの情報は完全に遮断され、時音に歩み寄る人物の存在にも
彼女のすぐ傍に来るまで、全く気が付かない状態となっていた。
「おはよー、時音。」
「えっ」
背後からの声に思考は突如中断され、時音は現実へと引き戻された。
振り返った先にいたのは、まどか。
時音と一番親しいクラスメイトである。
「あっ…お、おはよう、まどか。」
「どうしたの時音、悩み事?」
「う、うん……。」
まどかからの悪意のない質問に時音は素直に答えた。
そのまま、先程まで考えていたことを言葉にする。
「…好き嫌いを失くさせるには、どうしたらいいかな。」
「それって誰のこと?」

103 :
「うちに最近ご飯を食べに来る子がいるの。
 その子ったら好き嫌いが激しくて、どうにかしたいんだけど…。」
「その子、男の子?」
「うん。」
「年いくつ?」
「あたしより2つ下だけど…。」
「えー?
 それって良守君じゃなくて?」
「う、うん…。」
何故そこで良守の名が出てくるのか、時音には理解できなかった。
年の近い異性を家に招き入れて夕食をご馳走しているという状況に、何かあらぬ誤解を
したのかもしれない。
とはいえ時音の立場上、閃達との関係をまどかに説明するのは難しかった。
時音はただ黙って目の前の友人の返答を待った。
まどかはというと、下を向いたまま何かを考え込んでいるようだった。
その沈黙が気になる。
ひょっとしたら自分でも困った顔をしているかもしれないと、時音は何となく思った。
「――別に、無理に直さなくてもいいんじゃない?」
「え?」
「好き嫌い。」
時音と向き直ったまどかの口から出た提案。
それは好き嫌いを失くさせるための方策ではなく、回避の勧告であった。
「嫌いなのだって今だけかもしれないし、それで何か困ることもないんでしょ?」
「それは…」
返答に詰まり、時音の目は自然と窓の方へ向かった。
ガラスの向こうには校門があり、そこには未だ登校中の生徒達の姿が見える。
その生徒達の中に、時音は見覚えのある少年の姿を見つけた。
あんな色の髪の持ち主は、この学校でも1人しかいない。
遠くから見ても、分からない筈がない。
閃だ。
「そう…だけど……」
時音の視線はそこで固定され、動かなくなった。
目は、不思議と少年を追う。
「(ちゃんと校門から入ってくるんだ…。)」

104 :
普段はよく民家の屋根にいる閃が、きちんと校舎へと入っていく。
それだけの事なのに、時音は何だか吹き出したい気持ちになった。
諦める。
そういう選択肢も確かにある。
時音も考えたことがないわけではない。
閃が嫌いな食べ物を残すことで困る人間はいないのだ。
食べ物を押し付けられた秀が全てそれらを平らげるために、現実として残り物が
出てくることはない。
時音の母も、恐らくは時子も、彼女ほどこだわってはいないのだろう。
それよりも2人の言い合いにより夕食の場が険悪な雰囲気に包まれる方が、
よほど嫌なのだと思われる。
だが。
「でも……何とかしたいの。」
時音の目はなおも閃を追っていた。
何故か気になる、放っておけない。
他の誰が何と言おうと、時音は彼の愚行を見逃すことは出来なかった。
「ふーん…」
そんな時音を、まどかはずっと眺めていた。
時音の顔に自らのそれを近づけると、一転して明るい笑みを浮かべる。
「じゃあ、こういうのはどう?」
そう言ってまどかは時音の耳元でひっそりと囁く。
周囲の人間に聞き取られないよう、出来るだけ声を小さくして。
「――えっ」
助言を聞き終えた途端、時音の顔が赤くなった。
その目は驚きに満ちており、助言の主を凝視する。
「ま、まどか!?
 それって本…」
「これで絶対上手くいくって。
 どんな相手でも好き嫌いなんてすぐ直っちゃうよ。」
私も昔お兄ちゃんにされたことあるんだけどー、と屈託のない笑顔でまどかは続けた。
前例を出されると、時音も信じないわけにはいかない。
それで閃の好き嫌いを直せるのなら。
時音は口元を固く結び、覚悟を決めた。
「分かった、あたしやってみる。
 ありがとう、まどか。」
「えっ」

105 :
迷いのない時音の返事に、まどかは反射的に素っ頓狂な声を上げた。
だが、それは時音の耳には届かなかった。
彼女の足は、その時既に教室の外へ向かっていたためである。
1人残され、考え込むまどか。
「…ひょっとして時音、信じちゃったかな?
 冗談のつもりだったんだけど。
 ……うーん、でも流石に時音もあんな事はしないよね?」
しかし、まどか曰くの『不思議ちゃん』は、既に彼女の想像を超えて走り出していた。

授業が終わり、学校から帰宅した時音が玄関を開けて最初に目にしたもの。
それは、箱いっぱいに詰められたマツタケだった。
「お母さん、それどうしたの?」
時音は、傍らでマツタケを眺めている母に疑問をぶつけた。
「老人会の方からお義母さまに、って届いたの。
 今夜も夜行の子達を呼ぶし、皆でマツタケを食べましょうか。」
いつもの穏やかな笑みを浮かべ、母は答えた。
「ふーん…」
しかし時音はあまり良い表情をしなかった。
マツタケといえばキノコである。
ならば恐らく、閃がこれを自ら好んで食すことはないだろう。
だが、これは使えるかもしれない。
時音の手は自然と箱の中へ伸びていた。
その中でも一際目立つ大振りのマツタケを掴む。
「お母さん、これ貰える?」
「え?
 マツタケ持って何に使うつもりなの、時音?」
「うん、ちょっとね。」
時音は曖昧に答えた。
流石にその内容を誰かに知られてしまうのには躊躇いがあった。
「(出来れば、あの子以外には知られたくないわね…。)」
自分がこれから成そうとしている事。
マツタケの頭を唇に軽く押し当てながら、少女はぼんやりと考えていた。

106 :
「お邪魔しまーす。」
しばらくして、聴き慣れた声が玄関から響いてきた。
それに続く足音、その数は2つ。
声こそなかったものの、問題の相手がこの家に来たことを時音は確信した。
「(来た!)」
とうに私服に着替え、部屋の中で待機していた彼女は、意を決して部屋を飛び出した。
気持ちは不思議と高揚し、口元は固く結ばれていた。
今日こそ閃の好き嫌いを直す。
時音の頭はそのことでいっぱいだった。
そんな彼女が向かったのは、客間。
畳の上へ足を運ぶと、そこには予想通りの人物らが立っていた。
秋津秀と、影宮閃。
視界の内に彼らを捉えると、時音は目当ての人物のみに焦点を絞った。
「よー、雪む…」
「来て!」
「へっ?」
閃の挨拶を最後まで聞くこともなく、彼の承諾を得ることも無く、時音は閃の腕を掴むと
そのまま身を翻し来た道を戻る。
その姿を、彼女の家族やもう1人の客人は呆気に取られた表情で見守っていた。
だが、時音は意に介さない。
「おいっ、お前一体どうしたんだよ!?」
すぐそばで閃が声を荒げているのも、彼女の耳には入っていなかった。
彼を無理矢理部屋へと連れ帰ると、時音はドアを閉めた。
この空間に2人きりになったことを確認すると、時音は部屋の中心にいる閃を見た。
目の前の少年は、突然の事態を受け入れることが出来ず、辺りをきょろきょろと見回している。
「何する気だよお前、
 こんなトコ連れ込んで…。」
眉を顰める少年の疑問に答えず、時音は再び閃に背を向けた。
そして、予めこの部屋に置いていたマツタケにその手を伸ばす。
芳しい香りが、彼女の鼻腔をくすぐった。
これから行う事に若干の羞恥心はあったものの、少年の好き嫌いを何が何でも直したいという
大義の前に、少女の覚悟は決まった。
手の中のマツタケを指定の箇所へと収める。
固定した場所からキノコがずれ込まないのを確認すると、時音は背後の少年に向けて声を発した。
「今日は、あんたのキノコ嫌いを直したくてここに連れてきたの。」
「はあ!?
 お前またそんな事言ってんの!?」
背後の少年が再び声を荒げる。

107 :
「第一、何で俺をここへ連れてくる必要あるわけ?
 こんな事したって俺が食うわけ…」
「食べるわよ、絶対。」
閃の言葉を遮り、自信に満ち溢れた声が部屋中に響く。
時音は振り返り、閃と向き直った。
「へっ…?」
「閃!」
時音が目の前の少年の名を呼んだ。
しかし閃の目線は彼女の顔ではなくその真下に集中し、そこから動く気配は無い。
いかにも機能性を重視した時音の私服。
首元のみならず鎖骨まで見れるそのウェアの、まさに胸元を覆っている布地の端から
ひょっこりと、小さな頭が飛び出していた。
それがキノコであることは間違いない。
だが、キノコが生えているその場所は、本来キノコが生える筈の無い場所である。
2つの膨らみに挟まれた1本の大きなマツタケ。
その状態を、今まさに目の前の少女が体現していた。
少女は言った。
「…あたしを、食べて。」


108 :
今回はここまで。
次回からエロ予定です。

109 :
Oo〜!
旬のマツタケネター!

110 :
フイタwwwww

111 :
こんばんは。
昨日の続きを投下しに来ました。
エロ突入しますが今回はちょっと短めです。

112 :
今、この部屋には時音と閃の2人しかいない。
そのためだろうか、この場の空気が凍りつく感覚を時音はすぐに察知することが出来た。
目の前の少年の顔が、みるみる変化していくのが分かる。
最早先程のような怒りは見えず、寧ろ怯えの色があるように思えた。
その少年の口が動く。
「お前…………大丈夫か?
 何か悪いもんでも拾い食いしたんじゃねーか?」
キノコとか。
それだけ言うと閃は再び押し黙った。
「え……」
時音は、それだけしか答えることが出来なかった。
こんな筈ではなかった。
このアクションで閃の好き嫌いをどう直せるのか想像できてはいなかったが、少なくとも
このような反応は望んではいなかった。
逆効果。
時音はその時初めて、自分がとんでもない醜態をさらけ出していることを認識した。
自覚した途端に、頭に一気に血が上る。
湯気が吹き出てしまうのではないかと思うくらい、時音の顔は熱を帯びていた。
「ちっ、違うの!
 これは…えっと…
 こうしたら好き嫌いを直せるって言われたから……!」
まくし立てるように口を動かすが、なかなか上手く舌が回らない。
そんな時音の動揺は、閃にも見て取れた。
「(…それ言ったヤツ、冗談だったんじゃねーの?)」
などと思っていたが、それを口にすることは無かった。
彼女の動揺をより煽ってしまうのが目に見えていたためである。
だが、閃の目は言葉よりずっと正直だった。
呆れと憐れみを含んだ、その目。
彼の視線の先にいたのは、他ならぬ時音である。
胸にマツタケを挟んだままの彼女の心が折れてしまうのは時間の問題だった。
ぽろりと、透明な雫が彼女の頬を流れる。
「え゛っ!?」
本日二度目の大珍事に、閃はまたもその目を丸くした。

113 :
「ばっ、お前…
 何泣いてんだよ!?」
「知らないわよ、そんなのっ…」
慌てふためく閃を前に、時音の涙はただただ流れ続けた。
自分でも気持ちの整理がついていない。
にもかかわらず、少年の前で再び醜態をさらけ出すこととなってしまった。
それが更に彼女の涙を促した。
「そもそもあんたが好き嫌いするのがいけないんでしょ…」
嗚咽を漏らしつつ、時音は呟く。
この事態を招いたのは他ならぬ自分自身であり、その発言は八つ当たり以外の何物でもない。
ますます自分が情けなくなる。
時音の涙は止みそうもなかった。
「あー…」
少年の声と足音がすぐそばまで近づいてきているのが時音の耳に入った。
だが彼女はその顔を上げようとはしない。
閃は時音と目線を合わせるべくその身を屈ませた。
時音の視界に閃の顔が映る。
「分かったよ。
 キノコ、食ってやる。」
「えっ」
少年の意外な返事に、時音は反射的に声を上げた。
直後、彼女の身体を温かい感覚が包む。
足は床を離れ、その目線は高くなる。
すぐ目の前に金色のつむじが見え、時音はようやく自分が担ぎ上げられているのだと知った。
そう思ったのも束の間。
今度は背中に柔らかい感触を受ける。
呼応するように何かのきしむ音。
気が付くと彼女の目に映っていたのは、先程まで自分を担いでいた少年とよく見慣れた天井であった。
時音の身体はベッドの上まで運ばれていたのである。
「えっ…
 あんた何してんの?」
「お前が言ったんだろ、『私を食べて』って。
 お望みどおり食ってやるよ、…キノコごとな。」
そう言うと閃は口の端を吊り上げ、時音の服に手をかけた。

114 :
「ええっ!?
 ちょっと、待っ…」
彼女の制止の声を振り切り、閃の手は時音の上着の裾を勢いよくたくし上げた。
明かりに照らされた部屋の中、露わになる彼女の白い肌。
2つの膨らみは下着でかっちりと固定され、その間に挟まれたマツタケは下手な振動ではびくともしない。
閃は束になった裾をマツタケの後ろに回した。
「やっ…、何これ…」
時音は慌てて裾を戻そうとするも、手前のマツタケに引っかかり上手く下げられない。
そうしているうちに金色のつむじが再び時音の視界に飛び込んできた。
閃の顔が彼女の胸元のすぐそばにある。
次の瞬間、ざらついた感触が片方の膨らみをなぞった。
「ひゃっ…!」
初めての感覚に時音の背中が跳ねる。
軽く突き出された胸を閃の舌はなおも攻める。
ぬめりとした触感が走るたびに、何ともいえない感覚が時音の体を駆け巡った。
「はぁん……あっ…あん……」
切ない喘ぎが彼女の口から漏れる。
「お前…いい匂いする」
「…マツタケの……匂いじゃ、なくって……?」
「いや、お前の匂いだって。」
「……あたしのことはいいから、早くマツタケ食べなさいよ……んんっ」
頬を上気させつつ、時音は何とか当初の目的を口にした。
「ん、分かった。」
閃はそれだけ答えると舌を上へ上へと滑らせていった。
同時に、彼の頭は徐々に時音の顔へと近づいていく。
照明の光を受けてなおも輝きを増す金の髪が、彼女の唇に触れた。
それだけの事なのに時音の心臓は早鐘を撞き始める。
まるで自分の体ではなくなってしまったのかと思うほどに、鼓動はどんどん早くなっていった。
そうしているうちに、ざらりとした触感はマツタケのもとへとたどり着いた。
閃は舌を引っ込めると、2つの膨らみの中で雄雄しくその存在を主張しているマツタケの頭に
歯を立て、器用にその一部をちぎり取る。
マツタケを口の中に収めると、閃は上体を起こし時音の胸元から離れた。
「(あっ…)」
思わず声が出そうになるも、時音はそれをどうにか押し留める。
彼が離れたことを、どこか残念なように思う。
心臓が落ち着きを取り戻すことは無く、相変わらず速いペースで血液を循環させている。
だがそんな事はおくびにも出さず、時音は目の前の少年の行動を見守っていた。

115 :
閃はもくもくと口の中のマツタケを噛み砕き、それを嚥下する。
しばらくして、閃の目は再び時音の方を見た。
「…美味いわ」
「ほ、ホント?」
予想外の彼の返事に、時音は思わず顔をほころばせた。
「おう。
 ……お前も食う?」
「え?」
いたずらっぽく笑む閃を前に、時音は軽くうーんと考え込む。
目と鼻の先から漂う豊潤な香りに、彼女の食欲がそそられないわけではない。
先程からずっと気になってはいた。
目の前の少年がそれを少し食してしまったのだから、尚更だ。
「…うん、食べたい。」
時音は素直な気持ちを口にした。
「じゃ、待ってろ。」
そう言って閃は口の端を吊り上げた。
上体を屈め、再び彼女の胸へその顔を近づける。
肌と肌が触れ合うか触れ合わないかのギリギリの距離で、閃の口はマツタケをちぎる。
時音の心臓は相変わらず速いリズムでバクバクと動いている。
「(…心臓の音、こいつに聴かれてたりしないわよね……?)」
そう思うと、鼓動のリズムがより一層速まる。
しかし、目と鼻の先にいる少年が彼女の疑問に答えることは無かった。
彼の口には、先程と同じようにマツタケの一部が咥えられている。
閃はそれを手を使わず器用に口の中へ運ぶと、体を滑らせ時音の顔の前に自らのそれを持っていく。
そして少しの間の後、徐々に距離を詰めていった。
「ん…」
時音の唇に閃の唇が重なった。
薄く開いた唇に舌を割り込まされ、マツタケが唾液を絡められた状態で押し込まれる。
「(あー…)」
しばらくして閃の唇が離れた。
だが、時音の口の中には先のマツタケが残っている。
「(キス、しちゃった……。)」
時音はぼんやりと考えつつ、もぐもぐと口を動かし中の物を飲み込んだ。
「美味いか?」
シシシ、と笑いながら目の前の少年が尋ねる。
「…うん。」
時音はそれだけを答えると、首を縦に振った。
「そっか」
閃もまたそれだけ言うと、再び顔を時音の胸元へと移し、『食事』を再開した。
「…はぁ、んっ……!」
静かな部屋に、再び嬌声が響き始めた。

116 :
今回はここまで。
続きは後日投下します。

117 :
続き♪続き♪

118 :
こんばんは。
続きを投下しに来ました。
一応、今日で完結の予定です。

119 :
閃の舌は、なおも2つの柔肉を味わっていた。
時折谷間のマツタケに歯を立てては噛みちぎり、口の中へ運ぶ。
しかし彼の手が時音の胸元を覆う下着にかかることは無かった。
外してしまえば、マツタケが谷間から滑り落ちてしまうことは容易に想像できたためである。
そのため、彼はあくまで露わになった箇所のみを攻め続けていた。
だが、その状態に不満を示す人物がいた。
それは、少年の方ではなかった。
「…ね、ねえっ。」
どうにか嬌声を押し止め、時音は閃に呼びかけた。
途端に愛撫の手を止めて少年は少女の視線に応える。
「何だ?」
「その…言いにくいんだけど……」
頬を上気させながら答える時音の目は焦点を定めず、ひたすら泳いでいた。
口から発せられる声を言葉を進めていくうちにどんどん小さくなっていく。
少女の心が羞恥心に苛まれているのは、誰の目に見ても明らかであった。
その少女の手が少年のそれへと伸びる。
指を絡ませるように取ると、緩慢な動きで双丘の頂へと持っていった。
消え入りそうな声が時音の口から漏れる。
「ここも…………お願い。」
耳まで赤く染めた彼女の懇願に閃は目を丸くしたまま、しかし口の端を軽く吊り上げ笑った。
「おう」
それだけ言うと指をほどき、その手を離す。
宙に浮いた手は柔らかな肌に触れるか触れないかのギリギリの高さを滑り、少女の胸元を
かっちりと固定した下着へと近づく。
双丘のふもとに、指が触れた。
それは白い肌を優しく撫でると、密着する布地との僅かな隙間をこじ開け、内部へと侵入する。
「――――んんっ!」
今までのものを遥かに凌駕する快感に、時音の体が跳ねた。
布地の下で10本の指が露わになっていない乳房を揉みしだく。
既に硬くなった頂を摘まれるたび、時音はひときわ甲高い声を上げた。
「ふあぁっ…やっ……んんっ…は、あ」
閃は両手を駆使し、柔肉を内側へと圧迫するようにこねくり回す。
谷間の中のマツタケが動きに合わせてピョコピョコ跳ねた。
その愛らしい仕草に、閃の興奮は昂っていく。
それを表情に出さぬよう努めるものの、手の動きは正直で、それはより激しさを増していった。
つられるように、時音の声も大きくなる。
「ふあっ…!」
「あんまデカい声出すなよ。
 俺達のやってること、皆にバレるぜ?」

120 :
「やんっ……も、もう、ずるいっ…!」
時音は目の前の少年を睨み付けた。
しかしそれが怒りによるものでないことは互いに知っている。
閃の両手は再び布地の隙間をくぐり抜け、時音の胸を離れた。
代わりにその手は下部を目指し、彼女の下半身を覆うズボンへと伸びる。
留められたボタンを外し、ジッパーを下ろす。
ズボンを難なく脱がされ、健康的な時音の脚が露わになった。
その時音の上半身は現在、完全に自由のきく状態となっていた。
だが、彼女は全く抵抗の意を示さない。
その状況で閃の手が再び時音の腰に伸びる。
「……ぅ、んっ…」
時音の体がピクリと反応する。
しかし、やはり抵抗は見られなかった。
それが了承の意を示すことを悟ると、閃の両手は時音の腰から脚から、それらを隠していた
短パンをその下の物と共にゆっくりと下ろしていく。
ややあって、明かりに照らされた部屋の中で彼女のそれが白日の下に晒された。
「…………すげ」
ほぉー、と閃は感嘆の声を漏らした。
極力時音の耳に入らぬよう、ひっそりと。
だが、それを知ってか知らずか、時音は両腿を力強く閉じる。
「やだっ……!
 あんまり、見ないで…」
これ異常ないほどに顔を真っ赤にした時音が、熱を帯び潤んだ瞳で目の前の少年を見つめる。
しかし少年は少女の前に再び身を乗り出して、ただ一言だけ告げる。
「…分かった」
目を向けず、右手のみを彼女の下半身へと向かわせた。
腿の付け根を優しく撫で、少しずつこじ開けていく。
しとどに濡れたその場所を指でなぞると、内部へと侵入させた。
「…や、ああっ!!」
前人未到の領域を侵される感覚に、時音の体が震える。
何ともいえない快感が、彼女の身を支配した。
だが、閃はなおも視線を時音の顔に固定したまま指だけを動かし、攻める。
同時に左手は再び彼女の胸へと伸び、下着の下へとゆっくりと滑らせ、そして摘んだ。
「ふあ、あああっ……!!」
別々の場所を同時に攻められ、時音の嬌声が部屋中に響く。
快感はますます高まり、秘所からは粘り気を帯びた液体が絶えず溢れ、下着に覆われた
柔肉からは玉の汗が噴き続ける。
だが、閃はその動きを止めない。
頭を屈め時音の胸にその顔を埋め、谷間のマツタケを噛みちぎる。
もはや一片のマツタケのみを残した柔肉を下でなぞると、時音の体が大きく震えた。

121 :
「はぁ…はぁ……」
荒い息遣いが静かな部屋に響く。
絶頂の余韻に浸りつつ、時音はぼんやりと目の前の少年を見つめていた。
だが、これで終わりではない。
カチャカチャとベルトの外される音が少女の耳に届いた。
「今度は、俺のキノコも食ってもらうからな。」
そう言って少年は熱を持った顔で、いたずらっぽく笑う。
「……。」
時音はただ、首を小さく縦に振った。
今更彼の行為を拒む気など、微塵もなかった。
衣擦れの音が止んだ時、それは姿を現した。
色と形でその存在を主張する、一振りの大きなキノコ。
照明の光が、その存在感をより際立たせる。
閃は目の前の少女の腰に手を添え、下の口に自らのキノコをあてがった。
「い、いくぞ。」
「うん…。」
時音の返事を合図に、閃は自らの腰を押し進めた。
巨大なキノコが、唾液にまみれた口の中へ呑み込まれていく。
「…………っ!!」
「力、抜けって…!」
強張る時音の身体を、閃は指でなぞり、舌を這わせる。
潤滑油の存在もあり、どうにかキノコは内部の奥へとたどり着いた。
どれくらいの時が流れたか。
実際にはさほど時間が経っていなかったものの、今の時音にはそれが長く感じられた。
呼吸を整え気持ちを落ち着かせると、かすかに呟く。
「…動いて……」
その小さな声は、少年の耳に届いた。
或いはそれは、繋がった部分を通して伝わったものか。
閃は腰の動きを開始し、互いの感覚を昂らせていく。
明かりに照らされた小さな空間に、肉の擦れる淫猥な音が響く。
2人の動きに合わせるように、マツタケの欠片が激しく踊り始める。
「んっ、はぁ、はっ……ぁん…っ」
「はぁ…はっ……雪村…、くっ…!」
互いの呼吸が混ざり合う。
どちらのものと分からない心臓の音が聴こえる。
激しい動きにその身を任せていたマツタケが、胸の谷間から滑り落ちる。
それに呼応するかのように、口の最奥が震え、中の物を強く締め付ける。
その瞬間、閃のキノコから大量の胞子が噴出された。


122 :
「……ら、雪村。」
「…………ん。」
気が付くと時音は、頬を目の前の少年に軽く叩かれていた。
どうやら、先程の行為で意識を飛ばしていたらしい。
時音の意識が戻ったことを確認すると、閃は事後処理へと作業を移した。
まだ頭の回らない状態で、時音はぼんやりと自分の胸元を覗いた。
そこには、削がれ小さくなったマツタケが狭い隙間を離れ、白い柔肌の上に佇んでいる。
「ここ、拭くぞ?」
「えっ?
 …ああ、うん。」
閃からの問いに、時音は半ば反射的に答えた。
了承を得ると閃の手は時音の、様々な液体の絡みついた腿の付け根へと伸びる。
先程の行為と明らかに違うのは、彼がその手に液体を拭き取るための物を持っているということであった。
『食事』は、終わったのだ。
「……ねえ。」
「ん?」
時音の呼びかけに、閃が顔を上げた。
「最後のマツタケ…くれる?」
「……?」
時音の願いに、閃は怪訝な表情を浮かべた。
その考えをそのまま口に出す。
「食いたかったら自分で食」
「そうじゃなくてっ。」
言うが早いか、閃の言葉を遮り時音の手が伸びる。
その中には、先のマツタケがつままれていた。
それを指ごと閃の口へと押し込み、そこから手を離す。
程なくして、閃の顔に時音のそれが近づく。
唇が重なった。
「んむっ……!?」
舌を滑り込ませ、口内を侵し、所望のものを絡め取る。
顔を離すと、その目を丸くした閃の顔が時音の視界に飛び込んできた。

123 :
だがその表情は、先程のものとは全く違っていた。
言いも知れぬ達成感が、時音の胸にこみ上げてきた。
「……キノコ、美味しかった。」
口内のものを嚥下した時音は、閃の目を見てぽつりと言った。
「お、おう。」
つられて答える閃の顔は、僅かだが赤らんで見えた。
それに満足する時音もまた、微かに笑った。
熱が少し、戻った気がした。

どうして閃の好き嫌いを、あれほど執拗に直そうとしたのか。
どうして閃の行動に、逐一反発してたのか。
何故彼のことを、いつも気にしてたのか。
何てことはない。
それは、恋をしていたという事以外の何物でもなかった。
「(それだけの事なのに、あんな事があってやっと気付くなんて……。)」
先程の行為を思い出し、時音の顔が再び赤く染まる。
順序が真逆の過程を経たことが恥ずかしくて仕方ない。
情けないついでに、閃にこの気持ちを伝えるのは、もう少し先にしようと思った。
そんな風に気持ちを整理しながら、服装を整えた時音と閃は客間の方へ向かっていった。

「………………。」
そして夕食の場。
今この瞬間、この場はかつて無いほどの静寂に包まれていた。
「何だよ。」
眉を顰めつつ、閃は皿の上のマツタケを口の中へと運んでいた。
他の誰でもない、彼自身の、である。
「せ、閃ちゃん、一体どうしたの?
 何か悪いものでも食べたの?」
マツタケの人事異動が当たり前に来るものと予想していた秀には、この事態はまさに青天の霹靂であった。
「別に悪いもんなんて食ってねーよ、秀。」
そう言って友人の疑問を一蹴すると、閃は再度黙々とマツタケを食べ始めた。
時音の母も祖母も、鳩が豆鉄砲を食ったような表情でその異様な光景を見守っていた。
ただ一人だけ、それに対し異なる反応を見せる人物がいた。
時音だ。

124 :
「(良かった……。
  これであたしも体張った甲斐があったってもんよね。)」
などと思いながら彼女はウフフと笑みを浮かべていた。
「……?
 時音ちゃんはさっきからずっと笑ってるし。」
未だ事態を呑み込めていない秀から、珍しく冷静なツッコミが入った。

「……あっ!」
だが時音は、いつまでも笑顔を絶やさずに、というわけにはいかなかった。
向かいの席だけに、その気が無くとも彼の粗がよく見える。
閃の取り皿に残された赤い物体たち。
「あんた、また人参残してる!」
「んだよ、うるせーな。」
目の前の少年から、いつもと変わらぬ反応が返ってきた。
細かい粒のようなものまでも綺麗に取り分けられ、それは神業と見紛うほど。
勿論、時音は感心したりはしなかった。
「好き嫌いはやめてって言ったでしょ!」
「お前が食わせたのはキノコだけで、人参は入ってないだろ。」
少年はしれっと答えた。
開き直ったその内容に、時音は言葉を失う。
だが、閃は止まらなかった。
「……それとも、またやるか?
 今度は人参で。」
そう言って口の端を吊り上げる。
「え……」
その言葉が何を意味しているのか、時音には瞬時に理解できた。
だが、当事者でない者たちは違う。
残りの3人は怪訝な表情を浮かべ、少年と少女を交互に見やった。
閃は相変わらず、いたずらっぽく笑んでいる。
時音は、自分の顔が先程のように熱を帯びていくのがすぐに分かった。
「――――っ!!」
何かを言い返そうとするも、すぐに取り止める。
閃はニヤニヤ笑い、他の3人はしばらく頭に疑問符を浮かべていた。
そんなある日の、雪村家の食卓。

だが。
「(人参だったら、何とか詰めれば入る…わよね?)」
時音は怒りながらもそんな事を考えていたという。

125 :
この話はこれで終わりです。
ここまで読んでくださった方、有り難うございました。

126 :
閃時GJ!!!

127 :
GJ!
閃の好き嫌いが疑わしく思えてきた・・・w
閃時エロはどっちも楽しそうでええのう。

128 :
心が揺らいだことが無いって一体どーゆーことだよ守美子さん
旦那とヤる時でも常に逆ゴルゴ状態かよ

129 :
閃時GJ
旦那とヤる時は天秤かけないっショ
時の成果て物理攻撃のみか?
精神攻撃でエロエロされる

130 :
面白かった! 長かったのに一気に読んだよ GJ!!
次の話はどんなかな 楽しみに待つよ

131 :
ここではすっかりスタンダードな閃時w
夕時でも536時でもまほら時でもイイかも

132 :
まほら様の性別ってどないやねん、って言いたい気もするけど
それ以上にもう下手な攻撃が時音にきかない悲劇w
ボディタッチはきくんだろうか。

133 :
勿論ですとも!
きかんと困るw

134 :
「引っ越してやるかわりに」で解決するんちゃう?

135 :
536やまほら様には原作でもう少し時音との絡みが欲しいところ。
まほら様が女の格好してたら泣くな・・・

136 :
神に性別はない、たぶん

137 :
生身のボディタッチは普通に大丈夫のようだ。
よし!

138 :
異界で服着てるのは絶対おかしいと思うんだ!

139 :
身に付けてるものが必然的に波同の対象になるなら
術者とは別の人間に波同をかけるのも可能なんじゃないかと思うんだ。
つまり、体の一部が繋がってりゃいい訳だからw

140 :
まほら様は再来週まで攻め放題ヤリ放題かぁ〜

141 :
玉ぶつけ放題に突き放題…だ…と……!?

142 :
本スレもこっちも人おらんで淋しいのう。
何か話題提供できんもんかのう。

143 :
話ぶったぎって申し訳ない
最近一巻からコミックス読み返してるんだけど色々発見があって面白い
時音は相変わらずかわいすぎ、そして今更黒望楼の女性陣に滾った

144 :
結界師の仕事着ってどうやって脱がすようになってるんだろう。
セーラー服は普通に分かんないけどw

145 :
セーラー服は簡単に脱げるように作られたんだそうな♪

146 :
ちょっと調べてみたけど横開きだと頭から脱がすことになるのね。
前開きの方が楽みたい。
時音は髪長いから、頭から一気に脱がす作業は大変そうだ。
押し倒してる状態なら特にそうなるだろうなあ。

147 :
全部脱がなくたっていいんですよ
少しめくれば

148 :
寧ろ全部脱がしたい!

149 :
上での会話は脱がせ方が良く分からんと言ってるんじゃないのかwww

150 :
いや、たとい難しくても
襟のついた上着から紺のハイソックスに至るまで
時音を脱がすシチュエーションが読みたいという話。
ところで31巻のオマケ漫画見て思ったんだが、
夜行って職場恋愛有りなんだろうか…。
行正の気になる相手って残留組にいるって事なのか。
恋愛するには色々と面倒そうな環境なんで地味に気になるw

151 :
>>150
ヒント:まっさん×刃鳥

152 :
自分は普通にアリだと思ってた。
行正の意中の人が箱田ママだったらウケるw

153 :
箱田ママは残留組にはいないが、
親しい友人の母親と関係を持つとか背徳感たっぷりで個人的には有りだw
しかし夜行の面々に知られずに
こっそりセックルするのは大変そうだ…。

154 :
>>153
うっかり覗いてしまって自家発電な箱田君
…という電波を受信した

155 :
箱田君は女湯も自由に覗けるんだもんな
烏森支部にいた時はご近所さんの着替えだろうと
同僚のこっそりセックルだろうと覗けたってわけだなw
箱田君視点での別カプ覗きってのも有りだな…。
声だけなら秀でも拾えてしまえるんだが。

156 :
見る箱田、聞く秀、両方を覗く閃(同時に覗けるか?)
相手は・・・・

157 :
覗かれてることを意識した上での
着衣&喘ぎ声抑制公開エロとか、どうだろう?

158 :
もうね、
まっさんは2人の女性に挟まれ弄られながら
生きていけばいいと思うよw

159 :
保守

160 :
ほす

161 :
時音が攻めるお話読みたい。

162 :
ぬらさんが若返ると知ったので
とりあえずカキコ。

163 :
ぬらさん若返ったけどあんまり変わんなかった

164 :
若い男とナニする時は
鬼たちに囲まれての公開プレイになるぞw

165 :
読み手的にはどんなん読みたいのか
最近ちょっと気になるよ。

166 :
水月!水月!水月の爛れた生活希望!
もう相手は総帥でも月久でも零号でも誰でもいいから!

167 :
age

168 :
とりあえず保守

169 :
保守と書いて
やすもりと読んどく

170 :
俯くように視線を逸らしながら
「優しく…してね」と言葉少なめに言ってくる
そんな時音が書きたいんじゃ
規制なんて嫌なんじゃ!

171 :
時音ちゃんだったらビッチでもいいww

172 :
>>170
早う書け、早う。

173 :
こっちじゃまだ売ってないが、
限定版のカレンダーが自分にはいい燃料投下となりそうで楽しみw

174 :
はよ本編でまた冬来てくれんもんかなあ。
カレンダーの2月のイラストとか個人的にはどツボにハマるんだけど。
冬って色々エロネタ連想できそうなのに。

175 :
冬ったら温泉だろう!

176 :
保守

177 :
とうとう大晦日ですな、
皆様良いお年を。
年末年始に投下来て欲しかったけど…。

178 :
>>177
年始はまだだ!
こう御期待!

179 :
>>178
明けましておめでとうございます。
投下、楽しみに待ってます。

180 :
>>178
あけおめ。
待ってるず!

181 :
何かエロネタないもんかな。

182 :
次号は時音がちょっと出るようなので
テンション上がってきますたw

183 :
そうだとは思ってたけど
やはり魂蔵持ちは怪我しても自動的に治るのね。
カケルはいくらヤッても処女膜自動再生する仕様だったということか…。

184 :
>>183
毎回痛くてかなわんw

185 :
裸見ても淡白な壱号と裸見られても気にしてないカケルのこと考えると
この2人って過去に関係持ってそうだと思ってしまう。
ミチルが総帥にかまけてる間にカケルが書物で得た知識を
壱号に命令して実行させるという。
しかし何度やってもカケルが痛い思いをするから
壱号はカケルのために努力してテクニックを磨き続けるという。

186 :
総帥+水月。
オチもなくエロもないので
気が向いたら読んでみて下さい。


「水月。
 どうだ、久しぶりに夜の営みにいそしもうではないか。」
水月のかつての夫は、ある時突然そんなことを言い出した。

「…は?」
一瞬水月は自分の耳を疑った。
だが目の前の彼は、相変わらずいつものドヤ顔でこちらを見つめている。
どうやら日永が先の台詞を口にしたのは間違いないようだった。
幻聴であることを期待していたが、その思いも虚しく散ったようだ。
「そんな、お館様。
 ……本気ですか?」
「私が冗談で言っていると思うか?」
「……」
思わない。
だが、それだけにこの発言は危険極まりないものであった。
水月はかつての夫をまじまじと見つめる。
目の前の日永は、身体も小さく、顔も幼く、男というにはあまりにも若すぎる。
寧ろ年端もいかない少年という言葉が相応しかった。
それもその筈、彼はこの400年間他人の身体に乗り移って生きてきた。
今の彼は中身はどうであれ、肉体年齢2桁にも及ばない子供であることに間違いない。
他者を愛するのに見目は関係ないと思う者もいるであろうが、
夜の営みに関して言えば、肉体年齢は重要すぎる問題である。
「そのお体でどうするつもりですか、今のお館様は若すぎます。」
「そう思うか、水月。
 だが今の私には神器がある。
 遥の力を得てこの身体は既に精通を済ませているぞ。」
日永の返答に水月は顔を歪ませた。
身の毛もよだつとはこのことか。
遥は日永の現在の肉体の主の妹である。
その遥は今まさに、お姫様ベッドよろしくな王の寝床にてすやすやと寝息を立てて眠っていた。
つまり、水月と日永のいるこの部屋に、幼い彼女もいるということである。
この幼い男と情事に耽ることが理論上可能だとしても、
遥の前で彼女の最愛の兄とそのような関係になるのは不誠実というものである。

187 :
「ここには遥もいるのですよ、その状態で肌を重ねろと?」
「大丈夫だ、もし見られたら俗世に倣いプロレスごっこをしていると答えればいい。」
プロレスごっこ…。
あくまで表情を崩さない王の態度に、水月は全身から力が抜けていくのを感じた。
だが、ここで押し切られるわけにはいかない。
仮にこの幼子との情事が可能で、彼の妹がそれを気にしなかったとしても、
水月自身がそのような事態を許さなかった。
「お言葉ですがお館様、俗世に倣うならば今の私と貴方がそのような関係になることは許されません。」
「どこでそんな知識を得てきたのだ、お前は…。」
チッ、と小さく男は舌打ちする。
だが、すぐに口の端を吊り上げて新たな答えを返してきた。
「いいではないか、いずれこの世界は滅ぶ。
 どうせ滅ぶ世界ならば対面もモラルも関係ない。
 私とお前はただの男と女だ。
 そうだろう、水月?」
そう言って、なおもしつこく食い下がる日永に、水月は酷く情けない気持ちになった。
目の前の男は相も変わらず、自信に溢れた表情で薄く笑っている。
これが、私がかつて愛した人…。
だが、世界を滅ぼさせるわけにはいかない。
目の前の『子供』と一線を越えるわけにもいかない。
「…少し、時間を下さい。
 城に戻られるまでにお館様も大分消耗なさった筈。
 まずはお体を休めて…、目が覚めたら私を呼んで下さい。」
考えた末に水月が出した答えは、苦し紛れの引き伸ばし以外の何物でもなかった。
しかしそこでようやく日永が眉を顰めた。
「まあ…それもいいだろう。
 お前に時間をやる。
 だが、私が呼んだら必ず来るのだぞ。」
お前は私のものなのだからな、そう言い残して幼い少年の姿をしたかつての夫は
しぶしぶと布団の中へと潜り込んだ。
とりあえず、この場は何とか逃れることが出来た。
少年の意識が夢の中へ落ちていくのを確認すると、水月は急いでその場を後にした。

そうして城のテラスにて一人佇み、彼女は悩み続けた。
「(私一人ではお館様は止められない、一体どうすれば…。)」
少年の貞操とこの世界、どちらも守らねば。
そう思いつめて思案にふける水月は、自身の背後に忍び寄る大きな影に気付かなかった。

188 :
時音がまほら様に一度身体を溶かされたと聞いて
グロいと思いつつも興奮してしまった。orz
一体どうしたら…。

189 :
>>186-187
ついに念願の水月キタアアアアアアアアアア
と思ったらエロないのか・・・続き期待

190 :
最近原作で時音の出番が増えて妙にテンション上がる。
他のキャラが好きだったはずなのに、この気持ちは何だろう…。

191 :
まほら様を男の姿にしてくれ!!!
エロさが足りねぇ・・・!

192 :
時音

193 :
まほら様の変な胞子でおかしくなっちゃう時音とかいいじゃないかと思う

194 :
人間の生殖活動に興味を示したまほら様が
引越しの対価として時音に人間との情事を要求するとか有りかもしれんぞw

195 :
>>191
まほら様キノコだから
生やそうと思えば生やせるのかもしれないぞ。

196 :
そういえば以前、月久をした(と当時は思われていた)後に
月久への復讐心を忘れないように総帥が水月の頭の中を覗く場面があったけど
あれって水月寝取られてるところをわざわざ覗いてるって事だったんだろうか…。

197 :
気が付いたら全年齢板の関連スレがまたひとつ落ちていた…。orz

198 :
ヘッドホンでゆうくんのツッコミや叫びを聞きながら寝てしもうてカオスな夢見た

199 :
すまん
めっちゃ関係ないとこに誤爆した

200 :
久々に書き込みキタと思って
スレ開いてみればww

201 :
もうすぐバレンタインデーか。
良守は行事関係なくしょっちゅうチョコケーキ焼いてたわけだが。

202 :
七郎→母守の
いけない恋とかも
有りのような気がしてきたよ…。

203 :
まほら様がキノコじゃなくて
ミノムシとは・・・・蝶になるのかな?

204 :
18禁の無想部屋で
まかやしの姫たちが良守を弄くり倒す。
脱童貞したように感じるが現実は童貞のまま。
時音に対する罪悪感だけが残る。

というシチュエーション有りかな?

205 :
これから3週間待たなければならないわけだが、
こっちに何か投下されないかな…。
萌えの燃料が欲しいや。orz

206 :
保守

207 :
ほしゅ

208 :
「のお、時音」
「なあに宙心丸ちゃん」
「わしの事は殿と呼べ」
「・・・はいはい」
なぜか良守の様子を見に来たのに、修行のため留守番を頼まれた。
断ろうとしたが、守美子さんの眼力にまけしまった・・・・。
いま家の中でやる事もなく二人で向き合っている
(いま良守はこんな所で生活してるのか)
少女は辺りをキョロキョロと見渡していると
「暇じゃの時音」
「そうですね殿」
適当な返事を返し、あぐらをかいて起き上がりこぼしのように
左右に揺れている子供に視線を戻す。
留守番にあたり注意事項を二つ
一つ目、家から出ない。どうやら強力な結界が施されているが
それでも宙心丸の力は抑えられず常にもれているようだ。
まあ烏森でももれていたのが抑えられるわけもないが。
二つ目、機嫌を損ねるな。宙心丸の力は感情により起伏があり
当然自分では調整できない。
平常心とチョット楽しい辺りが良いらしい。
「のお、時音」
「なんですか殿」
「乳もませてくれ」
「いやです」
ばっさり切り捨てる。
しかし子供は引き下がらなかった。
「そんなこと言わずに」
と言いながら正座をしている少女の腰に抱きつき
頭を胸の谷間に顔を押し付ける

保守代わりに、
ある村の不作の年、人柱として若い女の子が烏森に送られる。
宙心丸とちちくりあって、三ヶ月後女の子を村に返すと村は豊作になった。
村に帰った女の子は何があったか言うにいえず・・・
「神に合いました」と言ってしまった。
そこから一年に一回、若い女の子を人柱にする祭りが行われた。
そんな祭りが50年ぐらい続いたため、宙心丸はゴットフィンガーに成長していた
と設定してみたものの、文字にうまく出来なかった。
ちなみに、頭を胸に収めて超絶秘儀を繰り出すor時音にすり抜けられる
あとは、黒い生き物に力をあたえるor黒い生き物に力をあたえるぞと脅迫
からの超絶秘儀てパターンとか思いついたんだが俺にはむりだ
だれか続きエロエロで、関係ないエロでも良いよ

209 :
>>208
GJ。
自分以外に人がいたことが驚きw
でも自分は続き書けそうにない、ごめんよ。

210 :
イイ設定!GJ!

211 :
壱号の能力は
触手攻めっぽいことをやろうと思えば出来るんだろうな。
カケルが触手攻めを好きかどうかは別として。

212 :
自分の住んでるところはしばらくサンデー来ないらしい。
どうせならこっちに色々精を出そうか考えたけど、
原作が終わるんだか終わらないんだか分からんところで
カプエロ書くのも微妙かな。orz

213 :
母守に無理矢理送り出されて悲しみに明け暮れたまま現世へと戻った良守が見たのは、
他の男と逢瀬の一時を過ごす時音の姿だった!

…とかだったら美味しいんだけどな、個人的には。

214 :
良守の作った理想の世界の中では
どんなカプでも思いのままだな。
凄いな、あれw

215 :
保守

216 :
保守。

217 :
人おらんのん?

218 :
皆愛想尽かして去ってしまったようだね
自分も多分来週で去るだろうな

219 :
コレジャナイ感満載のパラレルが書きたくなってくる今日この頃

220 :
あんな normal end は嫌だお
誰か true end を書いてくれ
せめて後日談
ド鬼畜な bad end でも可

221 :
今の良守ならntrかまされようと
何だかんだと潔く受け入れてしまいそうだと思ってしまいましたよ。
if話ちょっと考えたけど、
長くてエロ少なくて暗い内容になった。

222 :
まっさんが刃鳥にいくかと思わせといて
春日さんendだったのは評価できる

223 :
時音の夢は数学教師か
数学の女教師か……

ところで昔、輪罠というタイトルのエロゲがあってな

224 :
良時好きな人はあれで満足なんだろうか?

225 :
満足したのは七郎好きだけじゃないの
あんなゴミキャラにファンなんかおらんと思うけど
と思ったが
氷浦あたりのファンは満足かもしれないな

226 :
氷浦だけは異様にハッピーエンドだったね
しかし連載終了したらこのスレに人が戻ってくるとは皮肉ですわw
数学以外にも色々教えて下さい
雪村先生!

227 :
先生!
教壇に立つ時はスカートの下に短パンは止めて下さい!

228 :
氷浦も夜行でイロイロ教えられるかもしれん
何教えても伸びる子だしw

229 :
氷浦はメカ好き
刃鳥さんの私物の大人の玩具にも興味津々

230 :
最終巻発売までに何か書きたいな
気持ちの整理を付けるつもりで。

231 :
いきなり最終回で驚いたw

232 :
連載が終了したこんな時に脇役もいいとこだが
細波さんと綺砂魚さんが見たい
お互い腹の探り合いやら駆け引きやら
でも傍から見たらお前ら夫婦漫才かよ、的な

233 :
妻にも、母にも、女にもなれなかった…。

つまり母守は下手で修史さんはテクニシャン。
そしてそれにコンプレックスを抱いてる母守という構図か。

234 :
>>232
わかるわ、その気持ちw
まじない師の兄ちゃんと女の子も見たい

235 :
情事の時だけ
大きな声出して喘ぐ絲ちゃん…!

236 :
最終回記念(?)に
誰か投下してくれんもんかな。

237 :
連載終了したし
しょうもないぶっちゃけ話でも書き捨ててく。
自分は閃時好きだけど
個人的に良守より夕上に嫉妬(?)してた。
良守が時音とどう絡もうと三角関係〜とか思ってられたけど
夕上さん1人で完璧にキャラ立ってるので。

238 :
意味がよくわかんないんだけど
夕上と時音のがいいコンビに感じたってこと?

239 :
>>238
まあ、そういう事です。

240 :
どマイナーでよければ
今書いてる

241 :
>>240
未来で待ってる

242 :
全年齢板絶賛規制中でこっちでしか書き込めないので
保守も兼ねてとりあえずカキコ。

243 :
とりあえず保守
人がいなくなるのも早いもんだ。orz

244 :
ほしゅ。

245 :
今更だけど彩子可愛いよ彩子。
でもエロネタとかは思い浮かばない。
あと時音をゲットするには
まず良守と仲良くなった方がいいと思うのだ。

246 :
箱田君、読唇術が出来るとな
最近知ったよ。
真昼の情事を千里眼で覗きつつ
会話の方も読み取るなどの行動が可能ということになるわけだ。
そんなわけで巻緒さん達3人組に
情事中の会話をそのまんま実況する箱田君を想像したw

247 :
>>245
あれから彩子さんどうなっちゃったんだろうね
イエロウは何を考えて自分より若い女はねとかいう設定作ったんだろうなw

248 :
まさか水月までんでしまうとは・・・
夢路や総帥との爛れた生活に期待していたのに・・・

249 :
月久とはどんな夫婦生活を送ってたのかは地味に気になるよ。
身体取り替えるたびに色々やってたんじゃないかとかね。
そりゃ総帥頭にくるかもなあ…。

250 :
月久と水月がチョメチョメやってる間
総帥は自室に籠って1人で性欲処理やってたのかと思うと…。

確かに孤独な数百年だわ。

251 :
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110423/asi11042321220002-n1.htm

252 :
保守!

253 :
ほしゅ

254 :
次巻で完結らしいからなぁ……
幸せ良時読みたい

255 :
>>254
最終巻の内容知らないの?
もしネタバレになるような小説の投下あったら困る?

256 :
>>255
254だが、自分はネタバレを気にしないので、つか逆に先に知っておきたい方なので
まったく気にしない。むしろ全裸待機。
が、それがごく少数意見だという事の自覚もあるので、
それはやめておいた方がいいかもしれない
詳しい内容はともかく、ひとつの目的にみんなで突き進んでいってた漫画だし、
最後のだいたいの予想はつくんだけどな

257 :
>>256
多分予想つかないラストになってると思うw

最終巻出る前に何とか最終回以後の話投下するぞー、とか考えてたけど
ネタバレ嫌がる人もいるにはいるんだよな。
もし投下することになったらちゃんと注意書きしないといかんのね。
それ以前にちゃんと完成するといいけど。orz

258 :
>>257
自分みたいなコミックス派もいるし、最終回以後のは話は
最終巻が出た後の方がいいと思う
予想のつかないラストとは楽しみだ
是非、最終巻が発売されてから読みたい
全裸正座で待ってる!!

259 :
最終巻出てからじゃないと投下できないなら
大抵の人が投下できなくなってしまうのではw
最終巻多分8月発売だし。

260 :
本誌組は書き手も読み手も去りそうだなw

261 :
保守

262 :
保守〜

263 :
ほしゅ

264 :
誰かが傷つくのを極端に恐れる良守は
初夜も満足に迎えられないんじゃないかと思う今日この頃

265 :
過疎ってるな

266 :
最終巻待ちがてら投下、細波さんと綺砂魚さんで。
マイナーですがよろしければどうぞ。

***

267 :
鬱蒼とした僻地では、日差しがもたらす脅威もどことなく緩慢に思えた。
北に面した格子戸を通して届く光はごくわずかで、もう日も高いというのに
室内は仄暗く、白昼ことに及ぶ背徳感に一層拍車をかけてくる。
見るからに胡散臭い白装束は、随分前に畳の上に脱ぎ散らかされて
そのままだった。
細っこい腰が上で幾度もくねったせいで、あちこちすっかり皺が寄って
しまっている。
弾みかけた息を押しすのもそこそこに、細波は組み敷いた女の顔を
見下ろした。
利発な印象を与える眉は苦しげに歪められ、半開きになった口が
鼻にかかった吐息と意味のない喘ぎを量産する。
切れ長の目の中に小さく映りこんだ光源がゆらゆらと揺れた。
度重なる責務と心労により、とうとう頭がいかれてしまったに違いない。
自他共に認める臆病なまでの慎重派が、こんな女と一発しけこむなど。
半ば自棄になって卑下したところで、一度照準を定めてしまった肉体は
容易に切り替えが利かない。
華奢な体躯に比例して小振りな乳房の片方を手のひらで鷲掴む。
硬くなった先端を嬲れば女の背が大きくしなり、すでに無骨な指を二本
咥え込んだ下の口がひくりと戦慄いた。
細波は充血した陰核をこねくりつつ、抜き差しを繰り返していた指を
中で折り曲げた。
嬌声とともに白い腹がびくびくと波打ち、ぴんと伸びた足袋の足先が
引き攣る。
うっすら血管の透けた薄い皮膚が上気していた。
頃合を見計らって指を引き抜き、脚を大きく開かせると、とろけたそこが
薄闇の中でぬらぬら光っているのが見えた。
下帯をくつろげ、昂った強張りを入口に宛がう。
息を詰めながらゆっくり侵入した。
女は苦痛とも快楽ともつかぬ表情で、潤んだ内壁を引きずる異物の衝撃を
受け入れていく。
うっすら開いた唇が何か言いたげに震えていた。
深い湖の底にでも目を凝らしているような気分になった。


268 :
あの日、仕事の助っ人としてやってきた若い女は、名乗る前から早々に
手の内を明かした。
白い指先から繰り出された魚の影が音もなく宙を泳いだかと思うと、
細波の敷く警戒網を易々と潜り抜けて間合いへと入り込む。
ぬるりと頬を一撫ぜしたそれは、象られた形通りに細波の内面に波紋を
引き起こした。
防ぐ術はもちろんのこと、身構える暇もなかった。

(くそったれ……)
背筋を痺れさす極めて即物的な快感とは別に、得体の知れない焦燥が
湧き上がってきて、細波は混乱する。
一方で、触れればそれなりの反応を示してくる女に少なからず安堵している
自分がいるのが腑に落ちない。
体内では荒れ狂った熱が早くも暴走を始め、どこがいいのか探り倒すつもりが
呑まれないようにやり過ごすので手一杯だ。
深く浅く穿つたびに女は身を震わせ、熱うねる内側でもって細波に絡みつく。
繋がった部分で混じり合う、どちらのものともつかない体液が卑猥な音を
響かせた。
しばらくして、女の喘ぎにすすり泣くような音声が交じり始めたところで
加速する。
擦れ合う粘膜の感触がたまらない。
低く呻きつつ、突破口を求めて膨れ上がる欲望をひたすら打ち付けると、
女が切羽詰まった様子で細波の首に縋り付いてきた。
しなやかな脚は張り詰め、独りでに揺れ動く腰とわずかに痙攣を始めた膣が
限界を告げている。
切れ切れに何度か名前を呼ばれ、真っ黒な目の縁から滴がこぼれ落ちるのが
見えて、いよいよ妙な心地になった。
がくがくと揺さぶられるがままのか細い肩をかき抱いて、首筋に顔を埋める。
ついでにうっかり耳元でいらんことを口走りかけ、すんでのところで我に返り
愕然とした。
外に出したのか中に出したのかも覚えていない。


269 :
隣に横たわる女を諜報時並みの用心深さで盗み見る。
襦袢一枚引っ掛けただけの黒髪は乱れたままで、まどろむような双眸が
どこを見るでもなくぼんやりと瞬きを繰り返していた。
波が引いたあとの寝惚け面からは何の感情も読み取れず、かといって
大人しく畳の目の数でも数えているとは到底思えない。
細波は内心閉口した。
なりふり構わないのであれば、女の本心を読むことは恐らくそれほど
難しくないだろう。
しかし相手が相手だけに、普段固持している奥の手ゆえの秘匿性が
却って細波を檻に縛り付けた。
水面下にあって相手から見えぬからこそ功を奏する自分の切り札と、
有無を言わさず従属させる強制力をある程度兼ね備えた女の能力。
その質の違いから生じる感覚のずれなのか、亡き主人の影響か、それとも
生まれもった性質か。
精神支配の力を持ちながら、女にそれを駆使して甘い蜜を舐めようとする
野心や狡猾さは微塵も感じられない。
悪意がないからこそ余計に質が悪い所業の数々も、ここまで開けっ広げだと
もういっそ清々しくさえ思えてくる。
その一見すると奇妙な清廉さは細波の主義信条とは相容れぬものだったが、
不思議と不快ではなかった。
とはいえ、それこそ絆されている紛れもない証拠ではないかと思うと
やはり癪に障る。
「細波さん」
元凶が唐突に沈黙を破った。
明後日を向いていた意識が一気に引き戻される。
「あ?」
知らぬ間にこちらを見詰める黒々とした目から逃げるように視線を外し、
細波は気のない返事を返した。
女は気を悪くした様子もなく、心なしか小さく笑いを含んだ声で続けた。
「私、細波さんのそういう煮え切らないところ、結構好きですよ」
思わず目を剥く。
咄嗟に切り返せなかった。この女。
二の句も継げずに凍りついた男を尻目に、綺砂魚がころころと笑い出す。
子供のように屈託のない笑い声に、細波は今度こそ絶句した。

270 :

***
以上です。
陰険な裏切り者(褒め言葉)も、一枚上手な天然腹黒美人と一緒だと
途端に微笑ましく見えてくる不思議から、ひん曲がったようでいて思いのほか
真摯な愛を育んでそうだという妄想でした。
お付き合いくださった方いらしたら、ありがとうございました。

271 :


272 :
>>270
GJ!

273 :
GJ

274 :
最終巻に描き下ろしとかないみたいだね。
良守にフォロー欲しいなあ…。orz

275 :
文字はいいから、画でエロパロしてくれ

276 :
時音と正守のセックスが見たい

277 :
七郎と母守のセックスでもいい

278 :
>>275
ローカルルールぐらい読めよwww

279 :
ずーっと規制されてた漸く保守出来る
書き込めるって嬉しいね
>>275
どうでもいいけど全年齢板にアドレス貼るのはよしてくれ

280 :
とりあえず保守

281 :
保守

282 :
ほすゅ

283 :
http://i.imgur.com/UxPic.jpg
http://i.imgur.com/XtGKl.jpg

284 :
大昔にまどか×時音を投稿した者ですが、最終巻発売前に何か
需要があったら超久々に書いてみたいと思います。美味しそうな
設定がありましたらプリーズ。

285 :
>>284
タイミング的に
最終巻ネタバレな話はNG?

286 :
>>285 返信どうもです。うーん…、サンデー読んでたんだけど、最終巻って
どんな感じになるんでしたっけ?七郎が出張ってたってことと、まっさんと
夜未さんがくっついたっぽいってことと、まっさんが無道さんに絡まれてたって
ことぐらいしか覚えてないんです^^;
書けそうな設定があったら書かせていただきたいと思います。。

287 :
>>286
カケルは魂蔵が空っぽになったら処女膜も再生しなくなるんだろうなとか
壱号はいい年だろうけど立場を考えれば童貞だろうなとか
そんな2人の組み合わせが個人的には読みたいです
まんまネタバレになっちゃいますけど

288 :
最終回後の修史さん×時音ママとか
エロパロ的には美味しいんじゃないかと思い始めてきた今日この頃

289 :
親世代は
修史×時音母
時音父×すみこ
の方が絵としては似合ってたよねw

290 :
>>287 返信どうもです。>>286です。んっとー、じゃあミチルが居なく
なった後の城にこもってた頃の二人だったら書けそうな気がするんで、
壱号×カケルで行きたいと思います。気長に待ってやって下さい。。。

291 :
めちゃめちゃ長くなってもうた(´・ω・`)
過疎ってるけど、誰か読んでくれるのかな。
壱号×カケルです。よろしければ読んでください。。。

292 :
簡素な机で熱心に本を読んでいる細い背中に、静かに声をかける。
「カケル様、お食事をお持ちしました」
ピク、とその肩が小さく動き、俯けていた身体をそっと起こす。
肩に着かない長さの髪が軽く揺れ、形良く尖った顎が机の端を
指した。そこへ置いておけ、という意味だろう。
食事のトレーを机の端の、邪魔にならない位置に置く。
チラリと横顔に目を走らせるが、何やら難しい書物に
視線を落とす横顔からは、何も読み取れない。
この城へ戻ってから、どのくらい経ったのだろうか。
ミチルを失ったカケルは、壱号にミチルが遺した本や日記を
ありったけ集めさせ、この部屋からほとんど出ることなく、
一日中読書や書き物に没頭している。
壱号はそんな彼女の命令に黙って従い、定期的に食事を運び、
掃除や洗濯をし、本や日記を探して持ってくる。そんな日々だ。
ふと周囲を本に囲まれた部屋に目を走らせる。これだけ大量の本を、
たちまちのうちに自分の知識として貪欲に吸収してしまうのだから、
その向上心や知識欲たるや恐ろしいものがある。まるで、まじないに
ついて学ぶことを止めてしまったら、自分の存在価値が無くなって
しまうかも知れないと恐れているようにすら見える。


293 :
>>292 続き。
ふと何かを引きずる音がしてカケルに視線を戻すと、こちらへ背を
向けていた彼女がいつの間にか立ち上がり、じっと壱号を見つめて
いるのに気が付いた。何やら挑むような強い光を孕んでいる視線。
薄い唇は、辛うじてそれとわかる程度に緩く弧を描いている。
「壱号」
「はい」
「こっち来いよ」
言われるままカケルのそばに歩み寄ると、ふらりと倒れこむ
ようにして彼女が抱きついてきた。細身だが筋肉質の壱号の
身体にカケルの細腕がぎゅっと巻きつく。小柄な彼女が少し背伸びを
して体重をこっちへ預けているようだが、まったく重みは感じない。
「……お食事は?」
「いらない」
「冷めてしまいます」
「食欲無い」
「何か召し上がらなくては――」
「うるさい」
鋭い視線が、壱号を下から見据える。いいから、抱けよ。少年の
ようにぶっきらぼうにカケルは言い放つ。しかし、強い口調とは
裏腹にその身体は、以前にも増して肉が落ちてしまったように
頼りなく、少し力を入れたら簡単に折れてしまいそうだった。


294 :
>>293 続き。
-----
まるで荷物を担ぐようにして、暴れまくる彼女を烏森から連れ帰った。
服を着せようとしても腕を振り回し、周囲の物を滅茶苦茶に壊し、
暴言を吐き、なす術が無かった。部屋をあらかた破壊し尽くした後は
床にぺたりと座り込み今度は激しく泣きじゃくるばかりだった。
裸のままの彼女をいつまでも放っては置けず、今度は大丈夫だろうと
彼女に服を着せるためそばに屈んだら、突然、向こうから抱き付いてきた。
折れそうに細い身体は熱く、そして、激しく震えていた。
泣き止まないカケルの涙を自分の肌で感じた時、普段は冴え冴え
としている自分の胸中に突如、かっと熱いものが駆け巡るのを感じた。
それから何故――、こういう関係になってしまったのか、
壱号は思う。しかし、この情緒不安定なカケルを放っておく
ことはできないし、彼女の命令は自分にとっては絶対だった。
-----
「そろそろ慣れたろ?」
「何が――ですか?」
「こういうこと」
パリッとしたシーツの上に身体を預けて、興味津々にこちらを
見上げてくる瞳に、さあ、どうでしょうか、と、無表情で応じる。
本で読んで知識はあったが、実際事に及ぶとなると大違いだった。
カケルに言われるまま、彼女の望むように、彼女を傷つけないように、
無表情な男が心を砕いて応じた。カケルは時々「痛い」とか「もっと」
とか口を出すが、あとは壱号のすることに身を任せていた。

295 :
>>294 続き。
小ぶりな胸を無事な方の掌で包むと、その確かな鼓動を感じる。
掌のくぼみで小さな尖りを転がすと、もどかしそうにカケルが
身を捩った。
「やだ、それ」
「やめますか?」
「違う」
「はい?」
もっと。それじゃ全然足らない。囁き混じりに、カケルが壱号の頭を
自分の方へ寄せる。その意図するところを汲んで胸の尖りを口に含み、
軽く歯を立てると、華奢な身体がビクッと跳ねた。
恐ろしいほどのエネルギーをその身体に秘めた少女が、自分の下で
身を震わせている。その事実が何故か、壱号をどうしようもなく煽る。
自分はもしかして、必要とされているのだろうか。そんなことを考える。
もっと強く、そう言われるまま、硬く尖った乳首を舌で転がし、
真っ白い内腿に手を這わせて少し広げさせる。上目遣いに彼女の
表情を盗み見ながら唇をゆるゆると降ろし、白皙の所々に緋色の
跡を散らつつ、下腹を辿る。
柔らかな毛をそっと掻き分けながら、広げて、覗き込む。
やめろよ、バカ。そんな声が頭上から聞こえた気がする。
「ちゃんと見せて下さい」
ふっくらとした肉の間。生々しく濡れたその部分が露になる。
脚をジタバタさせて抵抗を試みているようだが、一顧だにすることなく、
口を寄せ、舌を這わせる。小さく鋭い声が上がって、急におとなしくなる。

296 :
>>295 続き。
「んんッ……」
逃げようとする腰を、やんわりと押さえつける。
絹のような肌が、汗でしっとりと濡れてくる。
やがてカケルに呼ばれると身体を起こし、導かれるまま、
時間をかけて身体を沈める。彼女が痛がらないよう、慎重に。
何度でも再生可能な身体は、貫く度に血を流す。
清潔なシーツに滲みる鮮血の赤が、目に刺さるようだ。
「……っ、あ、」
「カケル様」
痛みますか?尋ねると、うるさいんだよ、とでも言いたげに
ぷいと顔をそむけてしまう。その頬に、うっすらと赤味が差して
いる。シーツの上を這う小さな手に自分の手を重ねると、思いがけ
ないほどの強さで握り返された。
薄い唇はきゅっと結ばれて、滅多なことでは声を上げることは
無い。それでも爛れたような内側は強く痙攣を繰り返しながら、
壱号を締め付けてくる。上下する薄い胸に、玉のような汗が浮かぶ。
「ッあ、壱号……」
苦しげに呼吸を繰り返す合間にそう呼ばれればやがて、
頭の芯が痺れるような感覚と共に、何もかもわからなくなる――。
-----
子供のように身体を丸めて眠るカケルに、薄い毛布をかけてやる。
手際よく服を身につけ、少し乱れた髪をきゅっと結い直す。
脱ぎ捨てられたカケルの服を軽くたたんで、彼女のそばに置いた。
「ん……」
何やら呟きながら寝返りを打ったカケルを、そっと見やる。
何の感情も読み取れない壱号の表情の、その裏側をくすぐるように、
奇妙な感覚が蠢いているが、壱号はその感情の意味を知る術を持たない。
すっかり冷めてしまった食事が恨めしげに、机の上に置いてある。
トレーを持ち上げ、静かに部屋を後にすれば、またいつもの日常が
戻ってくる。

---終わり---

297 :
長い上にあまりエロくなくて失礼致しましたm(__)m
最終巻発売まで、また何か要望があれば書かせて頂きたいと思います。
もっとこんな感じで!!みたいな設定やシチュがありましたら、よろしく
お願いいたします。

298 :
>>297
リクエストした287です
GJ!
このスレで壱カケ読める日が来るとは
夢にも思わなかったですw

299 :
保守
最終巻発売まであと1週間ちょっとですな

300 :
俺、もし最終巻にあまり加筆修正が無かったら
このスレに投下するんだ――。

ドロドロしたお花畑という超誰得話なんだけどさ。

301 :
以前いろいろ投下してた者ですが、単行本派だったので今までネタバレを避けて見ておらず、
今日久々に来ました。
また何か書きまーす。

302 :
>>301
じゃあ修史さんと時音ママとの
禁断の関係でw

というのは冗談ですが、期待してます!

303 :
>>297
遅ればせながら超GJ!!
積極的なカケルと真面目な壱号もえますわー

304 :
時音かカケルか水月か夜未か、それが問題だ。

305 :
とりあえずまほら様×時音で書き始めました。

306 :
最終巻買ったけど本筋に絡まない程度に修正がちょこっと入っただけなのね。
自分>>300ですけど近いうち投下しようと思います。
ただ、凄く凄く長いし内容がある意味ntrだしifストーリーだしで、
需要あるといいんですけど…。
>>305
楽しみにしてます!

307 :
水月が月久に陵辱される話を誰かー

308 :
最終巻の修正、読み直してみると本筋には直接絡まんけど
時音と良守の印象が本誌と比べて90°〜135°違うんだよね…。
投下予定のやつ、最終巻の修正に合わせるように直した方がいいのか悩んできたぞ。orz
>>307
夫婦だったし一応和姦だよね。
身体換えるたびに水月と色々やってた可能性もあるし
総帥と兄弟でないことを忘れてたなら水月のこと本当に自分の妻だと
思い込んでたかもしれんのよね、月久って。
エロパロ的には美味しい人だよね。

309 :
守美子さんって・・・マグロ??

310 :
>>308
なるほど月久×水月にはいろんな可能性があるな……
ところで加筆部分てどこなんだろ。

311 :
>>310
加筆じゃなくて修正ね。
本誌掲載時の良守はストレス溜めるに溜めておかしくなった印象があったんだが
自分はそれをもとに投下予定のやつ書いたんだ。
このスレ、本誌で読んだ人どのぐらいいるのかな?
(修正内容の詳細は懐かし漫画板の本スレ書き込みから転載↓)

39 :愛蔵版名無しさん:2011/08/20(土) 15:21:42.10 ID:???
今最終巻読んでるんだが今回も修正あるね
大きく印象変わってるのは344話の9ページ目の2・3・4コマ目セリフと表情
・2コマ目 「あんた、すぐ高等部じゃないっ!」→「泣きたくなったらいいなよ。」時音の口元変更
・3コマ目 「また、烏森に通う事になるよ。」→「あたしは…お父さんの時我慢しちゃったから―――」時音の口元変更&目元にトーンで影
・4コマ目 良守「ああ。」→「あれは、良くなかったと思う。」良守の目線変更&顔全体にトーン
になってて、時音が時夫がんだ時に泣くのを我慢してた描写が入ってた
建築家云々のセリフも少し変わってたが、そこ変更するなら良守の守美子に対する気持ちなんかを加筆するべきだったと思った

312 :
>>311
なるほど……微妙な変更なんだな。
どうもです。

313 :
特典のイラスト集に載ってるプロゴルファーの時音がかわいい。

314 :
あれかわいいよね!
抱きしめたい♪

315 :
プロゴルファー時音のエロもいいな・・・

316 :
時音の喘ぎ声って、一生懸命堪えるような声しそうで興奮する

317 :
最終巻発売したらまた賑わい出してて驚いた。
でもこのスレにいる人って本誌読んだ人コミックスだけ読んだ人
どのくらいいるんだろう?
修正箇所に困惑してる人自分以外におらんのかな?orz

318 :
もう当時のサンデーが無いので
>>311の改変がどのぐらい大きな意味合いを持つのかわからない俺ガイル
よくわからんけど、雑誌だと最後まであっさり気味で
あのラストの雰囲気が正直気持ち悪かった(個人的に)二人の関係が
修正である程度「分かり合ってる」形が示されて、多少は印象和らいでる程度にはなっているかも、でおk?

319 :
まほら×時音投下しますー
まあ、普通に触手ものですがね……

320 :
(ここは……?)
時音が目を覚ますと、そこは薄暗い中に白くぼんやりとした光が灯る空間だった。
横たわる時音の下には、深い森の中のように縦横に木の根が走り、ところどころで盛り上がっている。
「動くな、まだ再生が済んでいない」
突然かけられた声をきっかけに違和感に気づいた時音は、自分の両足の先が無いのに気づいた。
(えっ……!)
時音の全身を恐怖が駆け抜ける。
しかし痛みは無く、よく見ると足はゆっくりと形を取り戻して行くように見えた。
(そういえばわたし、空身が解けて、何かドロドロに溶かされたような……)
徐々に意識が明瞭になり、時音は自分が服を着ていないことに気づいた。
「やっ……!」
時音は横たわったまま、咄嗟に胸を隠した。
「服までは再生してないぞ。面倒だからな」
時音はようやく声の主を見た。
白く輝く茸のようのシルエットの中に、髪の長い少女のような顔があった。
その声は、男のようにも女のようにも聞こえる。
(これが、まほら様……?)
「特別だ、存外、お前に邪心のないことがわかったからな……」
それは無造作に時音に語りかけた。
「えっ……じゃあ土地を譲って……?」
少女の顔が、にやりと笑った。
「これから色々と面倒事が起こりそうだが……その前に、お前にはちょっと俺の嗜好に付き合ってもらおうか」
その言葉を聞いて、時音は緊張した。住み家を譲るのと引き換えだ。一体何を要求されるかわからなかった。

321 :
「お前の記憶はもう見せてもらった。なかなか面白いが……お前、まだ性の悦びを知らんな」
「えっ……」
「俺は、お前のような霊力の強い人間が味わう官能に目がなくてな。しかも初物となればまた格別だ。眠りを醒まされた以上、そのくらいの楽しみは味わわせてもらいたい」
時音は呆然と聞いていたが、どうにかそれの言っている意味を理解した。
時音の鼓動が早鐘を打つ。
時音は、深くゆっくりと呼吸すると、いつの間にか再生の済んだ両足を揃え、少女の顔をした神に対して向き直った。
片腕で胸を隠し、裸のまま正座した時音が目を上げる。
「わたくしめの……身体を捧げろとおっしゃるのですね」
毅然とした態度を取るつもりだったが、声が震えるのを抑えられない。
だが、この使命は果たさなければならないのだ。
「悪いようにはしないさ。人同士では叶わぬほどの愉しみを得られることは約束しよう」
それは少女の顔に尊大な笑みを浮かべながら、時音に語りかけた。
「どうだ、人間よ……俺の申し出を受けるか?」
時音は震える瞳を必に開いて少女の顔をを見返しながら、声を絞り出すように応えた。
「はい………この場所を譲っていただけるなら構いません。わたくしの身ひとつであれば……どうぞ、お好きなように……」
恐怖を抑えつけながら、時音は一礼した。
「見上げた覚悟だ。気に入ったぞ」
それが嬉しそうに笑う。
「存分に楽しむがいいさ。そして俺はお前の官能を楽しもう……なあ、まほら!」

322 :
それの呼びかけと同時に、突然、時音の足元が盛り上がった。
「きゃっ……!」
不意を打たれて、時音は小さく悲鳴を上げる。
次の瞬間、今まで立っていた場所から、夥しい数の太い木の根が地上に飛び出した。
根は無数に枝分かれしながらあっという間に時音を取り囲み、手足に巻き付いて絡め取った。
「あっ……!」
木の根は時音の両腕を身体から引き剥がし、両足をも固定して、その白い裸身を磔にした。
時音の、一糸まとわぬ美しい身体が、無防備にさらけ出された。
なまめかしい白い肌に包まれた肢体が優美な曲線を描き、あられもない姿で戒められていた。
「いや………!」
あまりの恥ずかしさに、時音は耐えきれず叫びを上げた。
時音の手足はしっかりと拘束され、もはや身を隠すこともできない。
一度は覚悟を決めたとはいえ、人知を超えた存在に身体を捧げる恐怖に、時音はすくみあがった。
「怖がることはない。まほらはけっこう優しいからな」
時音を取り囲む根の表面のあちこちが膨らんだかと思うと、樹皮を突き破ってたくさんの緑の芽が生え出した。
芽は瞬く間に長く伸び、葉を生やし、太い蔓となって時音の白い肌に群がった。
「ふあっ……!?」
時音は、全身の肌という肌に、しっとりと濡れた蔓が巻き付き、ざわざわと蠢き始めるのを感じた。

323 :
(なに、これ……)
この根や蔓は、自分が降りてきたあの大木の一部なのだろうか?
時音は混乱しながら、必に状況を把握しようとした。
この植物の姿をしたものがまほら様なのか?
落ち着いて考えようとする時音の心を、蠢く蔓の妖しい感触が乱した。
「あっ………」
時音のすらりと伸びた腕や脚に、真っ白い背中に、丸い腰に、異形の蔓が群がり、ざわざわ、さわさわとそのなめらかな肌を撫で回していた。
(やだ、なんか、変………)
首筋を這い登った蔓が耳をくすぐった。
柔らかな胸に巻き付いた蔓が、桃色の乳首をその先端で転がした。
「あっ………やぁっ………」
体中に与えられる繊細な感覚に、時音は思わず喘ぎを洩らした。
無数の蔓は、まるで意思を持つかのように時音の美しい肢体をまさぐり、その先端や生やした葉で敏感な場所を愛撫した。
「はぁっ………んぁっ…………」
時音は目を閉じ、眉を悩ましげに寄せて、突如として襲ってきた予想外の感覚に耐えていた。
(うそ………こんなの………)
決の覚悟に張り詰めた心を、めくるめく感覚が激しく揺さぶった。
異界の植物によるあまりに巧妙な愛撫は、確実に時音を昂らせていった。
「いい顔だな、人間」
少女の顔をした神が近付いて来て言った。
「だがまだ固いな………もっと心を開いて受け入れろ。そうすればもっと気持ちよくなるし、俺ももっと豊かなものを味わえる」
少女の唇が、喘ぎ続ける時音の唇に重ねられた。
甘い唾液にくるまれた舌が時音の啌内に分け入り、舌や歯茎を愛撫した。

324 :
緑の蔓は、ゆっくりと、確実に、美しい獲物の弱点をとらえ、その感じやすい場所を優しく開いて行った。
「……あんっ………んうっ…………」
時音の喘ぎには徐々に熱がこもり、全身がしっとりと汗ばんで紅潮していた。
縛られた身体が、蔓の動きに反応して、時折ぴくりと震える。
時音は、自分の脚の間から流れ出たものが、太腿の内側をはしたなく滴り落ちるのを感じた。
(やだ……あたし、濡れてる………)
その匂いを嗅ぎ付けたかのように、何本かの蔓が時音の脚の間にその先端を伸ばすと、柔らかくほどけた割れ目をゆるやかにまさぐった。
「あっ!!………うぁあっ!!」
弾かれたかのように、時音の身体が跳ね上がった。
蔓の先端たちは、透明な液でなめらかに濡れた襞の中を、ゆっくりと探るように蠢いた。
「やっ……だめ……っ………ふあぁっ!!」
最も敏感で柔らかな部分への愛撫に、時音は翻弄された。
蔓が時音の中で動く度に、切ない疼きが身体の中心から湧き起こり、捕らわれた裸身がびくびくと震えた。
「あっ……あぁっ………」
時音は、予想だにしなかった大きな快感に打ちのめされていた。
(こんなの……信じられない………)
時音は動けない身を捩り、涙を流して人外の快楽に耐えた。
少女の顔をした神は、木の根と蔓に絡め取られた時音を満足そうに眺めている。
「ふん、思った通り、お前はなかなか見所があるな……わかるか? お前の体が、神の息吹を受け止めて、わなないているのが……」

325 :
先端に大きな蕾を付けた蔓が、時音の周りを取り囲んだ。
喘ぎ続ける時音がそれに気づくと同時に、いくつもの蕾が、ゆっくりと、ほどけるように花開いた。
(ああ…………)
濃密な甘い香りが、快楽に朦朧とする時音の鼻孔を包み込んだ。
なまめかしく濡れた紅い花々が、捧げられた生贄を飾るように咲き乱れた。
(……きれい………)
蠢く蔓の愛撫に身をくねらせながら、時音は花の香りに酔った。
神の木の根から生え出た花々は、開いた花弁を蔓に捕らわれた裸身に向けて傾けると、その中心にある雄蕊から蜜を溢れさせ、時音の肌へと滴らせた。
「あ――――」
甘い匂いの源である、透明な蜜が、時音の白い肌にとろとろと流れ落ちる。
時音は、むせかえるような甘い匂いを放つ、ぬめる蜜が体中に滴るのを感じた。
狡猾な蔓たちは蜜を掬い取り、時音の肌という肌を、ぬるぬるといたぶった。
「うあっ!………あぁ………んっ」
身体中に甘く香る蜜を塗りたくられ、その淫らな感触に時音はおののいた。
(やだ………)
異形の植物に体中を弄ばれ、さらにはぬめる液体にまみれていやらしく愛撫されて、時音は背徳的な快感に打ちのめされた。
(あたし……こんなことされて……感じてる………)
とめどなく滴る蜜は時音の脚の間へと流れ落ちて行き、時音自身から流れ出す粘液と混ざり合って、蔓たちのまさぐる柔らかな襞を濡らした。
「あぁっ………はぁっ……」
いまや時音は自分の体全体が甘い蜜に覆われ、這い回る蔓によってそれが肌に塗り込められているのを感じていた。
時音の身体の中心にある最も敏感な部分では、蜜と体液がとめどなく溢れ、溶けてしまいそうに柔らかくなって何本もの先端を迎え入れていた。

326 :
「どうだ、人間よ……気持ちいいか?」
異様な快感によって我を失わんばかりの時音は、恍惚に目を閉じたままその声に答えた。
「はい………はぁっ………気持ちいい……です………」
濡れた感触にいたぶられながら、時音は自分の言葉に驚いていた。
(あたし……こんな恥ずかしいこと……)
「もっと、欲しいか?」
少女の顔をした神が、大きな目と口を持った異形の姿に変わっている。
「あっ………もっと………くだ、さい………」
時音の真っ白い裸身はいまや滴る蜜に濡れ、なまめかしく光を映しながら蠢く緑の蔓に弄ばれていた。
丸みを帯びた乳房に、よく締まった腹に、肉感的な太腿に妖しい植物が群がり、淫靡な動きで獲物を味わっていた。
時音はかつて味わったことのない悦楽と同時に、神の意思が身体に流れ込んで来るのを感じた。
(まほら様………)
体中を駆け抜ける切ない震えの中で、時音は土地神の存在をすぐ近くに感じていた。
蜜を滴らせる花が、時音の脚の間に近付き、その紅い花弁をそっと濡れた割れ目に寄せた。
「あっ………?」
そして花の中心にある蜜にくるまれた雄蕊が、ゆっくりと時音の身体の奥へと入って行った。
「あ―――あああっ!!」
時音は背筋を反らし、全身を強ばらせて叫んだ。
雄蕊は時音の身体の中心へと至ると、たくさんの蜜をそこへ流し込んだ。
「あ―――あっ……っ………!!!」
とめどない痙攣が身体の奥からほとばしり、時音の四肢を断続的に震わせた。
信じがたい絶頂の快楽の中で、時音は自分がひとつの濡れた花になって、この神木の雄蕊からの精を受け入れているように感じた。

327 :
「まほら………様………」
時音ははしたない悦びに震えながら、その名前を口にした。
「言っておくが、俺はまほらじゃないぞ。俺は眺める者。まほらの寵愛を受けるお前は美しいな」
時音の中に蜜を注ぎ込んだ花が、溢れた蜜をこぼしながらゆっくりとその雄蕊を時音から引き抜くと、また別の花が、濡れた雄蕊をそこに滑り込ませた。
「あっ……いや………っ」
背中から降りてきたもうひとつの花は、蜜にまみれた後ろの穴にそっと雄蕊を挿し込んだ。
「ん………ぁうっ…………!」
おぞましい快感が、時音の尻から身体を貫く。
絶頂の余韻も冷めやらぬうちに、時音は再び自分の身体が熱く満たされるのを感じた。
「安心しろ、この中では時間はそんなに流れない。お前にはまだまだゆっくり、まほらの精を味わってもらうぞ」
「………はい………」
その言葉に時音は安心し、そして、さらに快楽の波に身を任せていった。
(気持ちいい………)
木の根と蔓、雄蕊と蜜に捕らえられて、時音は終わりのない愉悦に沈み込んで行った。
<終>

328 :
以上です。
長文失礼いたしました〜

329 :
ハァハァGJ!
神×時音イイ・・・!

330 :
GJ!!!
しばらく離れてたら神が降臨してたw

331 :
良守と時音の初夜は初々しそうw

332 :
良守以外の時音カプで投下しようとしてた漏れはどうすればw

333 :
>>332
迷わず投下したまへ

334 :
かまわん続けろ

335 :
>>332
お待ちしております♪

336 :
それではお言葉に甘えて。
閃×時音←良守の三角関係?物です。
とても長くて数回に分けて投下する予定で、初回はエロ全く無いです。
前書き(という名の保険)↓
・最終回以後のif話なので、苦手な方はスルー推奨
・カプとしての良時全否定するので、良時好きな方もスルー推奨
・ドロドロしたお花畑といった感じの内容なので、苦手な方は(ry
こんな感じですが、それでも興味を持ちましたら読んでみて下さい。

337 :
「何、で…」
閃は息を呑んだ。
目の前の少女に釘付けとなったまま、視線はそこから離れない。
目の前の少女もまた、閃がこの場所に居ることに戸惑いを隠さず、
睨み付けるように彼を見つめている。
――その目に、大粒の涙を溜めながら。
「…どうしてあんたがここにいるの?」
「あ、いや…」
何か返そうとするも、上手く言葉がまとまらない。
本日2度目の異常事態に、閃の思考回路はショート寸前。
対して目の前の少女はそんな閃の動向を黙って見守っている。
雪村時音。
それが、少女の名前であった。
   * * *
事の始まりは数時間前。
閃は久々に墨村の家を訪れた。
裏会の騒動も何とか収拾し、諜報班としてこれといった仕事があるわけでもない彼は
その他の雑用は全て秀に押し付けてこの地までやって来た。
久々といってもごく僅かな期間ではあるが、積もる話がないわけでもない。
墨村家の呼び鈴を押し、反応を待つ。
一陣の冷たい風が閃の身体を吹き付け通り過ぎていった。
「影宮ー!」
程なく、閃のよく知る声が扉の向こうから聴こえてきた。
直後にガラガラと音を立てて玄関の扉が開く。
「影宮!」
元気のいい声と共に良守が扉の向こうから現れた。
「よー、良守。
 久しぶり……ん?」
玄関に現れた人物に閃は訝しげな表情を浮かべる。
そこに立っていたのは良守だけではなかった。
友人の隣にいたその人は、本来ならこの家にはいない人物である。
長い黒髪が彼女の動きに合わせて美しい曲線を描いた。
「雪村?」
閃は彼女の名を呼んだ。

338 :
雪村時音。
墨村の隣家の人間である彼女は、良守の幼馴染でもある。
「久しぶり。
 …何よ、変な顔して。」
時音は閃の態度など気にもせず、彼がよく知るクールな表情を浮かべ、そこに立っていた。
「今、時音とケーキ焼いてたんだ。
 お前も食うだろ?」
「お、おう…。」
良守に促され閃は墨村の家に足を踏み入れる。
だが、見慣れない光景に動揺を隠せない。
閃の見ていないところで、この2人は重大な局面を迎えた。
それがふたつの家を変えたのだと、少年は悟った。

「しっかし意外だな。
 お前、ケーキ作れるようになったの?」
「ううん、あたしはまだ良守を手伝ってるだけ。
 …あたしがケーキ焼くのって、そんなに変?」
「お前が勉強と修練以外のことしてんの見たことねーし。」
「まあ、前はそうだったけど…
 色々あったからね。」
そう言って目の前の少女は笑った。
含みのあるものに見えたそれは、だが確かに以前の彼女のそれとは違うように感じられた。
「(こいつって、こんな風に笑うんだな。)」
閃は目の前の少女の以前の姿を思い浮かべる。
記憶の中の彼女はもっと常に気を張り詰め、むっつりとした表情が多かったように思う。
もっとも、それは単純に閃が彼女にそのような顔をさせてばかりだったのかもしれないとも思った。
「(俺、こいつのこと怒らせてばっかだったしな…。)」
「ケーキ焼けたぞー!」
閃が色々と思索に更けていると、勢いのある声を張り上げ良守が食卓へと現れた。
その両手には焼きたてのチーズケーキ1ホール。
そんな彼の傍らには弟の利守が笑顔を浮かべて立っている。
「閃ちゃん、久しぶり!」
「おう。」
名前の通り利発な少年の口から元気な声が飛び出した。
「あ、あたし食器持って来るね!」
そう言って時音はすっくと立ち上がり、居間を後にする。
勝手知ったる他人の家というものか、いつの間にか彼女は墨村の家に馴染んでいた。

339 :
彼らの姿にはかつて両家の間にあった因縁など、微塵も感じられない。
左右に揺れる長い黒髪の主を見送ると、今度は良守が閃に話しかけてきた。
「で、どうよ。
 俺と時音の共同作業?」
「あー、まあいいんじゃねーの?」
食べてみないと分からないと思いつつも、閃は適当に返事する。
だが、良守の話は終わらない。
「時音さ、教師になりたいんだってさ。」
「教師?」
「そ。
 それも数学。」
「へー…。」
閃は思い浮かべた。
眉を吊り上げ教壇に立つ数学教師の時音の姿を。
ビシッとスーツを着こなし生徒を厳しく叱る女教師。
そしてその下に常に身に付けている短パン。
――いや、それは蛇足か。
「…まあ、アイツに合ってるっちゃ合ってるだろうな。」
「えー!?
 何でお前までそういう事言うの!?
 何か怖いだろ!!」
「そうかぁ?
 将来の夢は可愛いお嫁さん〜とか言われる方がよっぽど怖いだろ。」
「俺としてはそっちの方がいいんだよ!!」
「お前の妄想押し付けんなよ。」
良守の叫びなど気にもせず、閃はあっさりと返した。
けれど、まさか将来の夢について目の前の友人が語るなど、閃はそれこそ夢にも思わなかった。
そうなってしまうと、あとはごく自然に浮かんだ疑問が言葉となってストレートに少年の口から
飛び出していくだけだった。
「そういやお前は、将来なりたいやつとか、あんの?」
その言葉を聞いて、良守は待ってましたと言わんばかりに自信たっぷりに笑みを浮かべ、返す。
「建築家!」
「や、無理だろ。」
「即答!?」
「だってお前勉強できねーし。」

340 :
閃は熟考するわけでもなく、瞬時に答えた。
将来設計を否定され、良守は両膝をついてがっくりと項垂れる。
「それ…時音にも言われたんだよ。
 『数学できなきゃ建築家になれない』って。
 俺と時音が住めるぐらいの家を建てたいって言ったばかりなのに。」
「へー。」
「しかもその後、数学教えてあげるってさっきの教師の話してくるし。」
「ん?」
涙声で語り続ける良守の言葉に、閃は怪訝な表情を浮かべた。
それに気付き、目の前の友人がぱっと顔を上げる。
「何だよ?」
「…別に、大したことじゃねーよ。」
煮え切らない態度に良守は疑惑の眼差しを向けるが、閃は何も答えなかった。
「(それって…遠回しにオーケー出してんじゃねーの?)」
自分たちの家を建てたいという良守のプロポーズ(?)。
それに対する時音なりの返事。
…なのかもしれない。
「(いやでも、アイツすげー鈍いし。)」
単純に良守の夢を応援したいという気持ちから出た言葉だとしても不思議じゃないと思えてしまえるのが、
雪村時音という少女の恐ろしいところ。
閃の疑問は解けそうに無かった。
「おまたせ。」
程なくして、4人分の皿とフォークを持った疑惑の少女が少年らの前に現れた。
途端に良守は先程の明るい笑顔を取り戻し元気よく立ち上がる。
「それじゃ食べよーぜ!」

「んで、氷浦は今どうしてんの?
 元気にしてる?」
「まあな。
 夜行に入った途端皆から引っ張りだこになって、どの班に入れるかで未だに取り合いやってんだ。
 アイツ、お前が送ったシャーペン、すげー嬉しそうに使ってるぜ。」
「そっか!」
閃の言葉に良守もまた嬉しそうに笑う。
目の前の少年は幼馴染との恋の悩みになると時に好ましくない行動を取るが、基本的に他人思いの
優しい性格である。

341 :
良守がずっとその身を憂慮していた氷浦蒼士という少年は先の戦いで様々な呪縛から解き放たれ、
現在は閃達と共に生活している。
自由の身となった友人に良守は心から安堵し、笑顔を見せていた。
「…あんたも何か、変わったわね?」
「へ?」
突然の時音の言葉に閃は目を丸くする。
彼女が声をかけた相手は、紛れも無く閃である。
逸らすわけでもなく自分を真っ直ぐ見据えている時音の目に、閃は少なからず動揺した。
「だって前はそんな風に笑うこと無かったじゃない。」
「そ、そうか?」
それを言うならお前だって。
そんな言葉を返したかったものの、閃はそれを吐き出すことなく呑み込んだ。
確かに、以前任務の為にこの地で生活していた頃よりも、その前よりも、今は気持ちが
軽くなっているという自覚がある。
だがそれを、まさか目の前の少女から指摘される日が来るとは閃は夢にも思わなかった。
身体が熱を帯びていくように感じる。
時音はただ笑って閃を見つめていた。
それがより一層気恥ずかしさを患い、閃の調子を狂わせる。
けれど、出来れば平静を装いたい。
そんな気持ちが閃に次の言葉を促した。
「ま、良かったな。」
だが、その選択が間違いであったことに閃はすぐに気付く。
「お前らも自由の身になったんだし…」
言った直後に気付き、次第に声が小さくなる。
自身の表情が歪んでいくのを閃は感じていた。
当事者らの表情が一瞬強張ったのが分かった。
「……わりぃ」
けれど、既に口にしてしまった言葉を無かったことにはできない。
静寂がこの場を支配した。
確かに墨村と雪村の家が400年間抱き続けていた確執はなくなったのかもしれない。
彼らの役目と共に。
しかしそれは、1人の女性がその身を犠牲にしたことで終結を迎えたものだった。
墨村守美子。
彼女は、この家の者にとってとても大切な人であった。

342 :
「…気にすんなよ、影宮。」
少しして良守が口を開く。
「母さんの意思だったんだ。
 …俺には、どうする事も出来なかった。」
ぽつりと呟く良守の顔を覗き込む。
小さく笑うその表情は、閃にとっては初めて見る良守の顔であった。
「そうだよ、閃ちゃんが気にすること無いよ!」
つられるように良守の弟がはにかむ。
それに呼応するかのように、再び良守の表情が明るくなっていく。
「それより、ケーキ食えって!
 早く食わないと冷めるぜ?」
「…何だそりゃ。」
閃は呆れるように溜め息を吐いた。
目の前の友人は悲劇に見舞われた当事者であるにもかかわらず、それをものともしないといったように
明るく振舞う。
少年の目に映る友人は、大輪の花を咲かせんばかりの満面の笑みを浮かべていた。
「(…何だ、あんま気にしなくても良かったのか?)」
良守が何を考えているのかは分からない。
けれど、言及できない空気が漂っているのは確かだった。
閃は手元のケーキに目をやると、フォークで取り分けてそれを口の中に運んだ。
   * * *
ケーキを食べ終え、取り留めの無い世間話を切り上げた頃には、
窓の向こうの景色はすっかり夕焼け色に染まっていた。
「時音も帰っちゃうのかよ…。
 もう少しゆっくりしてけばいいのに。」
「ううん、これから家の手伝いもあるし。」
墨村家の玄関には、10代の若人ら3人が立っていた。
「それじゃあな、良守。」
「影宮、次は秋津や氷浦も連れて来いよ。」
「いや…もうここへはあんま来ないわ。」
「へ、何で?」
「そりゃ、当然だろ。」
任務を終えた以上、もうこの地へ足を運ぶ理由は無く、また、いくら閃が非戦闘員であるとはいえ
そう何度も現在の良守達に関わりを持つわけにはいかないだろう。
役目のなくなった彼らは、過去はどうであれ一般人と変わりない。

343 :
「寧ろ良守、たまにはお前の方から夜行に遊びに来いよ。
 お前の方は堂々と遠出しても問題ないだろ?」
「お、おう!」
良守や時音と別れ、閃は1人になった。
全てのものが赤く染まった世界の中で、薄く伸びた影が視界に映る。
「(それに…)」
その場を離れた2人を見送りながら、閃はふと思った。
「(あんまここに来ると邪魔になりそうだしな。)」
良守と時音、2人の関係の。
胸の内に小さな痛みを感じた。
けれどそれを呑み込み、閃は墨村の家を後にするべく踵を返す。

――その時だった。
どこからか響いてくるその声に、閃の足が止まった。
「うっ……うぅん…グスッ……」
「へ?」
閃は目を丸くした。
聞き覚えのある声だ。
それも、つい今しがた聴いた声。
考えるまでも無く、その声の主が泣いているのがはっきりと分かった。
閃は進むべき方向を変更し、その足を再び墨村の家へと向かわせた。
だが、行くのは玄関ではない。
先ほど後にしたその場所から横に逸れ、足は庭へと向かっていく。
庭の隅にうずくまっている小さな体。
影の中にすっぽりとその身体を潜り込ませ、こちらに背を向け嗚咽をして泣きじゃくる少年の姿を、
閃は見た。
「お、お母さん……うっ、ひっく…」
利守は、泣いていた。
帰ってこない母親を想って。


344 :
「(何だアレ、何だアレ!?)」
苛立ちを抑えることが出来ないまま閃の足は進む。
行き先は墨村家でなく、その隣の雪村家。
「(何であいつら…あんな風に笑ってたんだよ!)」
母親を永遠に失ってしまう気持ちは閃には分からない。
だが、親しい人を失う悲しみは分かる。
良守や利守が抱えてしまった悲しみは、そんなものよりずっと大きいものなのかもしれない。
けれど彼らは笑った。
何事もなかったかのように。
そして利守は泣いていた。
その姿を誰にも悟られないようにしながら。
そしてまたきっとどこかで笑うのだろう。
――目の前にいる誰かのために。

「お邪魔します!」
時音の母に挨拶し、閃は雪村の家に上がり込んだ。
なるべく平静を努めるようにしたかったが、眉間に寄せられた皺と座った両眼は
治まる気配を見せなかった。
別にこの家で何かをしようとしているわけではない。
ただ、先程別れた少女に、どうしようもないこの気持ちをほんの僅かでも訴えかけたかった。
閃の足は迷うことなく時音の部屋へと向かった。
普段ならそのドアを叩いて客人の存在を伝えるところだったが、頭に血が上ったこの状態で
閃がその行動を起こすことは無かった。
何の躊躇いもなくドアを開ける。
雪村の跡取りである少女の姿が閃の視界に飛び込んできた。
――だが、閃はその事態に再びその身を凍りつかせることとなった。
「きゃっ…!?」
「…なっ!?」
床に膝を突き、ベッドに突っ伏していた少女。
振り返り驚く彼女の目に溜まった大粒の涙。
――時音もまた、泣いていた。

345 :
「何、で……」
お前まで泣いてんだよ。
そう言おうとして、閃はその言葉を呑み込んだ。
けれど、代わりにかける言葉が見つからない。
ただ口を閉ざし、少年は立ち尽くす。
しかし時音は涙ぐんだまま睨み付けるように閃を見つめていた。
「…どうしてあんたがここにいるの?」
「あ、いや…」
返すべき言葉が見つからない。
異常な光景を目撃して、それを話そうとした相手も同じ事態を引き起こしていた。
こういう時、何と言えばいいのだろう。
閃は自分に出来ることを考え、思い至る。
出来ることは限られていて、そして本当に大したことない。
閃は泣いている少女の隣まで足を進め、その場所でゆっくりと腰を落ち着けた。
「…何かあったのか?」
「どうしてあんたに話さなきゃなんないの。」
「誰にも話せねーからそうやって1人で泣いてんだろ。」
少年の言葉に少女は口をつぐみ、俯いた。
閃は口元を右手で押さえ、少女から顔を背け、呟く。
「別に誰かにバラしたりしねーから。」
そう、今回の行動に他意なんてない。
もし溜め込んだものを言葉にすることで隣の少女が少しでもその気持ちを
落ち着けることが出来るのであれば、時間の許す限り聞いてもいいと思っていた。
そうすることで自分が誰かに必要とされることを少年は知っていたからである。
その欲望が、単純に隣の少女に向いただけだった。
だから他意なんてない。
そう、少年は思っていた。

「…たまに、守美子さんのことを考えるの。」
ややあって。
少女がその重い口を開いた。

346 :
「どうにもならなかったのは分かってるけど…
 思い出すたびに、こうやって涙が止まらなくなるのよ。」
「何だそりゃ。
 …アイツ、良守にはその事話したのか?」
「ううん、話すつもりないわよ。
 アイツが1番悲しいの、分かってるから…」
「(…なるほどな。)」
閃は納得した。
両家の因縁、過去のしがらみを解き放った1人の人間。
彼女の犠牲のもとにようやく訪れた安穏の時。
だが、そのために抱えることとなった悲しみを時音は誰にも話すことが出来なかった。
因縁から開放された自分の家族。
大事な人を失った墨村家の人間。
――そして、十数年同じ時を過ごしてきた幼馴染にも。
「…でも。
 あたしのはそんな、優しい気持ちじゃない。」
少女はぽつりと呟いた。
「守美子さんには申し訳ないと思ってるの。
 あの人のこと、疑ったこともあったし。
 でも良守は無事に帰ってきたし、完全封印を果たすことは出来た。
 もう烏森のために誰かが傷付くことはない。
 そのことに、どこかほっとしている自分がいるのよ。」
「(…なるほど。)」
確かに良守には話せない内容だわ、と。
ぽつりぽつりと語り続ける時音の言葉を耳に入れながら閃はそう思った。
対して少女の眼からは、、留まっていたはずの涙が再び溢れんと滲み出てくる。
「宙心丸君や守美子さんは異界の中にずっといるのに。
 そんな風に思う自分が、凄く嫌…!」
言い終えると再び時音の眼から涙が零れ落ちる。
少女の涙は止まりそうになかった。
閃は懐を探ると、中から取り出した物を時音の手に乗せた。
涙が絶えず溢れ続ける少女の目にそれがぼやけて映る。
少女の手に握られたのは、無地の質素なハンカチだった。
「…それで涙拭いとけよ。
 後でおばさん達の前に出る時はちゃんと顔洗っといた方がいいぞ。」
恐らく少女は泣きやまない、それならそれでいい。
泣きたい時もあるのだろう。

347 :
そう感じた少年はゆっくりと立ち上がり、時音のもとを離れようとした。
だが、すぐさま床を這うような音と腕元を強く引かれる感覚に閃の足が止まる。
「ま、待って!」
少女の声が聴こえて、閃は下を向いた。
見れば相も変わらずその両眼に涙を溜めたままの時音が閃の上着の袖を強く掴んでいた。
「お、お願い……ここにいて、閃。」
最早少女の表情には先程のような怒気は見られない。
ただ真っ直ぐに少年のことを見つめ、そう言った。
「……分かった。」
閃はそう答えると、再び足を崩し時音の隣に座り直した。
その状態で何をするわけでもなく、2人並んで虚空を見つめる。
たまに少女の方からすすり泣く声が少年の耳に飛び込んできた。
閃。
少女は確かに少年のことをそう呼んだ。
彼女に名前で呼ばれるのは初めてかもしれないと思い至り、少年の胸に微かな痺れが去来する。
ふと、閃の心にある欲望が沸き上がった。
それは好奇心とも勇気ともとれる、言い換えればどちらともおぼつかないものであった。
それを知っている者は確かにいる。
だが、閃はこれを今まで親しい仲間の誰にも話したことはなかった。
けれど、目の前の少女になら。
誰にも明かせなかった本心を、自分に少しだけ打ち明けてくれたこの少女になら。
――自分の秘密を、打ち明けたい気持ちになった。
「あー…あのな……」
「?」
口を開いてはすぐ閉じて黙り込む。
そんな閃を見やり、時音は怪訝な表情を浮かべた。
どちらが何を言うわけでもなく、しばしの間部屋の中を静寂が支配する。
ややあって、意を決したように少年はその重い口を開いた。
「…実は、俺」

心を覗くより心を開いてくれる方がずっと嬉しい。
理由はそんな単純なものだった。
ただ、それだけの事。
深い意味なんて、きっとない。

だが。
――それが、間違いだった。

348 :
これで今回の投下は終わりです。
それでは、失礼しました。

349 :
閃時いいね〜!

350 :
続きを待とう……

351 :
のんびり待ってるw

352 :
こんばんは、2回目の投下に参りました。
といってもまだエロはありません。
それでも読んで下さる方がいたら嬉しいです。

353 :
「はあ…」
時音は本日何度目かの深呼吸を行った。
彼女が現在立っている場所は雪村の家の中。
電話と向かい合ったまま少女はずっと立ち尽くしていた。
「…何やってんのかしら、あたし。」
緊張しているのが自分でも分かる。
いつもより速い胸の鼓動がいやが上にも彼女にその事実を認めさせる。
鏡を見ていないので分からないが、ひょっとしたら顔も赤くなっていたりするのかもしれない。
命をかけた戦に赴くわけではない。
しかし時音がこれから行おうとしていることは、未だかつて彼女が体験したことのないものである。
「まどかは良いって言ってくれた、お母さんもお婆ちゃんも美味しいって言った…。」
まるで呪詛のように呟かれる言葉。
これも本日何度目かの行動である。
「…………よし!」
ようやく覚悟が決まり、時音の手は目の前の電話に伸びた。
受話器を手に取ると番号がプリントされたボタンを押す。
その動作を11回繰り返すと、受話器を耳に当て向こうの反応を待った。
規則正しい音が何度か流れると、突如それは止み向こうの雰囲気が変わるのが分かった。
『もしもし?』
受話器の向こうから聴こえてくる若い声。
それは時音がよく知る人物のもので、それは留守番電話サービスに送られること無く無事に
当人の携帯電話に繋がった事実を示していた。
「あ、もしもし……閃?」
『雪村?』
時音は受話器の向こうの相手の名を呼んだ。
その声だけで相手の方も時音の存在を認識し、名前を呼んでくる。
雪村家の人間は3人いるが、彼が『雪村』と呼ぶ人物は、この家の中では時音だけであった。
『初めてだな、お前が電話かけてくるなんて。
 で、一体どうしたんだよ?』
受話器の向こうで閃が尋ねてくる。
用件を伝えなければならない。
そう思うと、速かったはずの鼓動が更に早鐘を打つのを、時音はその身に感じた。
顔が熱を帯びてくるのが分かる。

354 :
もう鏡を見て確認しなくとも、それが赤くなっているであろうことを彼女は理解していた。
「あ、あのね、閃…」
時音はゆっくりと舌を動かす。
こんなことで緊張するなんて本当にらしくない。
頭の中で冷静にこの状態を見つめている自分がいるのと同時に、肉体の方はかつて無いほどの
緊張に見舞われていた。
「その…。
 今度の休み……うちに、来ない?」
『へ?』
   * * *
次の休日。
2件並んだ歴史のある大きな家のひとつに、閃は立ち入っていた。
その家の塀にぴたりと貼ってある1枚の表札。
だが、そこに書かれているのは『墨村』の文字だった。
「びっくりしたよ。
 お前、しばらく来ないような事言ってたのに。」
大きなテーブルに向かいつつ、良守は目の前の友人にそう述べた。
「ま、そういう事もあるだろ。
 …それよりお前、手を休める暇があったらさっさとやれよ、それ。」
閃は良守の手元に視線を合わせたまま、淡々と返す。
目の前の少年の左手に握られているのは1本のシャープペンシル。
そしてその下に広げられているのは、複数の教材と問題集。
良守は只今勉強中だった。
「分かってるよ。」
そう言うと良守は再度手元の方へ視線を移した。
だが、教材と問題集を交互に見やるばかりで、その作業の進行具合は順調とはいえなかった。
しかし良守の目は手元に向かったまま一向に外れる気配が無かった。
「(前よりは一応、ちゃんと勉強する気があるんだな。)」
閃は目の前の友人をじっと観察したままそんな事を考える。
その光景は以前の良守なら絶対に見ることの叶わなかったものだった。
「良守、調子はどう?」
程なくして、ケーキと食器を持った時音と利守がこの場に現れた。
閃は何気なく友人の弟を見る。
いつ泣いたのだろう、やはりその目は赤く染まっていた。

355 :
時音は慣れた手つきで食器を並べると、ケーキを均等に切り分けそこへ載せていく。
表情を崩すことなく進められるその行為は、今まで幾度と無くそれが行われてきたことを雄弁に語っていた。
「だーっ!
 全然分かんねえっ!!」
そんな中、この場で1番最初に表情を変えたのは良守だった。
反応し、どれどれと彼の手元にある問題集を時音が覗き込む。
「何よあんた、さっきからちっとも進んでないじゃない。」
「えっ、マジ?」
つられるように閃と利守も良守のそばに歩み寄った。
グレーで埋め尽くされたそのページ。
良守が取り掛かっているその問題は、周囲の余白をふんだんに利用し何行にもわたる途中計算が書かれている。
しかし確かに、それは正しい答えを導き出すには中途半端といわざるを得ない内容であった。
「…お前、よくこんなんで建築家になりたいなんて言うよな。」
閃は呆れるように溜め息を吐いた。
眉間に皺を寄せ、半ば涙ぐんだ良守が切ない声を荒げ反論する。
「んだよ、夢見るぐらい別にいいだろっ!」
「それにしたって適正なさすぎだろ。
 …あ、良守。
 アレやってみたらどうだ?」
「アレ?」
「無想。
 あの状態で勉強したら少しははかどるんじゃねーの?
 方印が消えたっつっても、結界術が使えなくなったわけじゃないんだろ?」
閃は事も無げにそう提案した。
無論、その発言に何かしらの悪意がある筈もない。
だが良守は途端に苦虫を噛み潰したような顔をした。
眉間により深い皺を寄せ、俯いてしまう。
「いや…無想は……」
「?」
閃は怪訝な表情を浮かべた。
だが良守はそれ以上は喋らず、手元の問題と睨めっこを再開した。
   * * *
「んじゃ良守、またな。」

356 :
「おう。」
「良守、あたしも帰るね。」
勉強が順調に進んだかどうかはさておき、墨村家に集った若人らはその場を離れることとなった。
玄関先で良守と別れ、外に出れば夕日に照らされ仄かな切なさを孕んだオレンジ色の世界が閃達を出迎える。
だが閃の足はまだこの地を離れない。
しばし様子を見て、扉の向こう、良守が完全に家の奥へ去っていくのをその足音から確認する。
「…じゃ、今度はうちに来てくれる?」
時音が微かな笑みを浮かべ、閃を見やった。
「…おう」
閃はそれだけ返すと、時音の後につくように雪村の門をくぐる。
念のため顔だけ覗かせ辺りを見回す。
良守の姿がどこにも無いことを確認すると、閃は音をしながらそっと玄関の扉を閉めた。
この家に行く事こそが、彼の本当の目的だった。

「それにしてもあんた、わざわざ回りくどい事やるのね。」
雪村家の居間にて、座って向かい合う男女が1組。
時音は呆れるように溜め息を吐いた。
しかし言われた側の少年はそれこそ真剣な表情で返す。
「仕方ねえだろ。
 このぐらいしないと、どこで足が付くか分かんねーんだよ。」
面倒なことは避けたいんだよ、閃はそう付け加えて応戦した。
もともと閃をこの地に呼びつけたのは時音の方だった。
しかし、烏森に滞在していた頃ならいざ知らず、夜行本部からここへ行くとなると、
どうしてもその目的を仲間に告げなければならない。
年の近い少女の家へ男1人で訪ねるのである。
あらぬ誤解を受けないとも限らないし、それがどこかで良守の耳に入らないとも限らない。
その為、カモフラージュを用意する必要があった。
それが良守のいる墨村の家になってしまったのは皮肉とも言える。
「ただ会うだけなんだし、別に気にする必要ないじゃない。」
時音は変わらず腑に落ちないといった表情を浮かべていた。
しかし、閃の考えは変わらない。
「一度噂が立ったら矛先向けられんのはこっちなんだよ。」
眉間に皺を寄せ、唸るように閃は呟く。
噂好きの女性陣や恋愛事に憧れる男性陣に一斉に同じ質問を延々とされる光景を思い浮かべ、
少年の表情が暗くなった。

357 :
「…で、用件って何だよ?」
閃はとりあえず頭の中の雑念を振り払い、本題に入ることにした。
話題を切り出された目の前の少女の身体が気のせいか強張ったように見える。
「えっと、あの……」
普段のはっきりとした口調は鳴りを潜め、時音はいかにも気後れしたような態度を見せた。
閃は眉を顰め目の前の少女の動向をじっと見守る。
だが彼女は突如立ち上がると閃に背を向け今を後にする。
時音の背中を見送りつつも、少年の頭には絶えず疑問符が浮かび続けていた。
「(……何なんだ、一体?)」
   * * *
「これ…食べて欲しいんだけど」
少しして戻ってきた時音の両手には1枚の皿が抱えられていた。
その上に並べられていたのは、赤みがかったクッキーの山。
ところどころ形が歪であるそれは、手作りのものであるように見えた。
「……これ、お前が作ったの?」
「そ、そう…」
「へー」
閃は皮肉でなく感心したように声を漏らした。
時音は少し前までお菓子作りが得意ではなかったし本人も多少なりともそれを気にしていた。
最近は良守と共にケーキを焼くようになったが、まさか1人でクッキーを作れるようになっていたとは、
閃は想像もしていなかった。
「良守を手伝うようになってから、あたしにも何か作れないかと思って色々やってみたの。」
そう言って時音はぎこちなく笑う。
その顔が少々赤らんでいるように、閃には見えた。
「じゃ、良守もこれ食ったのか?」
少年は感じたままの疑問をストレートに言葉にする。
だが時音は、首を横に振った。
「ううん、良守は…食べてない。」
「へ?」
「お母さん達やまどかには味見してもらったけど…」
「…何で良守だけ?」

358 :
「い、いいから!
 とにかくお願い、これ食べて!」
そう言って時音はクッキーの盛った皿を閃の前に突き出す。
だが、閃は解消されない謎が気になって仕方なかった。
「(アイツだったら、雪村が作ったもん貰ったら喜んで食いそうなのに…)」
時音にとって今の良守は幼馴染であると同時にお菓子作りの教師でもある。
ならば生徒の作品を見てその出来を確かめるのも、教師の仕事だろう。
「(…何か釈然としねーな。)」
閃は目の前のクッキーと睨み合いつつも思考を巡らせる。
しかし今ここで時音から答えを得るのは難しい。
ならば目の前のそれを口にし、先に進む以外に疑問を解決する手段は無いのかもしれない。
閃は手を伸ばした。
クッキーを1枚掴むと口元に持っていってそれを噛む。
もぐもぐと咀嚼し、喉の奥へと追いやる。
その様子を時音は何も言わず、ただ見守っていた。
「……ど、どう?」
少女の口がゆっくりと開き感想を催促する。
それに応えるように、空っぽになった閃の口が開いた。
「…美味い。」
「ホ、ホント!?」
答えを耳にした瞬間、時音の表情がぱあっと明るくなるのが分かった。
「こんなんで嘘つくわけねーだろ。」
素直な言葉とは裏腹に訝しげな顔をしたまま、閃は手の中に残るそれも口に入れ、食べた。
だが時音の表情は変わることなく嬉しそうな笑みを浮かべている。
「まだ食っていいんだよな、これ?」
「え?
 う、うん、全部食べちゃっていいわよ。」
そのようなやり取りの後、時音の笑顔が更に輝いた。
その頬は紅潮し、先ほど見たものが幻でないことを閃は知る。
何故彼女が自分の前で満面の笑みを浮かべるのか分からないものの、閃は目の前のそれに
絶えず手を伸ばし、クッキーを1枚1枚平らげていった。

「……ねえ、閃」
「何だよ」
皿の上のクッキーが残り1枚となったところで、再び時音の口が開いた。
「実はね、そのクッキー…」
彼女の口はゆっくりと動き、少しずつ真実を告げていく。

359 :
「……人参が、入ってるの。」
「…………へ?」
閃は思わず情けない声を上げた。
皿の中に残る僅かなそれと時音の顔を交互に見やる。
赤みがかった色のクッキー。
それを作った少女。
人参といえば閃の嫌いな食べ物のひとつであり、時音は閃の好き嫌いを目撃しては、
何かをそれを克服させようと叱り飛ばしていた。
「…………は?」
時間をかけて、閃の思考回路が少しずつ回復していく。
そしてようやく思考が現実に追いついた。
「は?!!」
同時に大声を張り上げる。
「だってあんた、しょっちゅう人参残してたから。
 何とか食べさせられないか、色々考えてたの。」
時音は閃の反応など気にも留めず、あっけらかんと応える。
「は、え!?
 お、お前……!」
「何回も作り直したのよ。
 そのたびにお母さん達に協力してもらったの。
 でも良かった、あんたが美味しいって言ってくれて。」
そう言って目の前の少女は屈託の無い笑みを見せた。
その様子に閃は全身から力が抜け、徐々に落ち着きを取り戻す。
かける言葉も失い、手は宙に止まったままだ。
「(…こいつなりに色々頑張ったんだよな?)」
結果として騙されたことになったのが腑に落ちないものの、嫌いなものをどうしても
食べて欲しかったというのも、自分の作ったものを食べて欲しかったというのも、恐らくは彼女の本心である。
「あの…残ったクッキー、食べたくなかったら食べなくてもいいから。」
それだけ言うと時音は口をつぐみ、閃の動向を待った。
閃は何も言わず、目の前のクッキーをじっと見つめている。
残り1枚となった人参入りクッキー。
試行錯誤の末ようやく完成したと思われる、恐らくは汗と涙の結晶体。
閃は何も言わない。
ただ黙って、目の前のそれを手に取り、口の中へと運んでいった。

360 :

   * * *
「有り難う。
 クッキー、全部食べてくれて。」
「別に大したことじゃねーよ。
 美味かったから食べたかっただけだって。」
場所は変わって時音の部屋。
彼女のベッドの上で2人は並んで座り、他愛の無い会話を繰り広げていた。
「そういえばお前、数学教師になりたいんだって?」
「え?」
「良守から聞いた。
 アイツ何か怖がってたぞ。」
「そう…。
 良守も酷いわよ、それなら何になるのが似合ってたっていうの。」
「可愛いお嫁さんとかじゃねーの?」
「え?」
「ま、俺はそっちの方がずっと怖いって言ったけど。」
「何よそれ、あんたまで。」
小さく頬を膨らませて時音が拗ねた表情を見せる。
だが、本心で嫌がっているわけではないことを、閃は感じ取っていた。
「…そういえば、あんたは将来どうするの?」
「へ?」
「夜行よ。
 これから先もずっと、あんたはあそこにいるの?」
そう言って時音は閃をじっと見つめる。
「…まあ、そうなるだろうな。」
それだけ返すと閃は時音から視線を外し、天井を見上げる。
電灯の光が視界に入り、少しだけ眩しい。
以前は自分にないものに憧れ、苛立ちを募らせていたこともあった。
自分に欠けているものを求めていた。
今だって自分で自分の生き方を選べるだけの力は無い。
だが、自分の居場所に少し満足した時、欠けたものは少しずつ埋まり始めた。
「ま、お前の夢は結構ハマってると思うぜ。
 頑張れよ、雪村?」
「時音。」
「へ…?」
「名前で呼んで。」

361 :
目の前の少女の突然の呼びかけに、閃は目を丸くした。
しかし時音はそれを気に留めることもなく、言葉を続ける。
「あたし、前はあんたのこと『あんた』とか、『あの子』とか呼んでた。
 でも今は『閃』って呼んでる。
 名前で呼んでる。
 だから……」
俯いたかと思えば、すぐ顔を上げ閃を見つめる時音。
熱を帯び、潤んだ瞳がそこにはあった。
「名前で、呼んで。」

「と…」
閃は目の前の少女の名を呼ぼうとした。
しかし口を突いて出てくるのは最初の1文字ばかりで、肝心の2文字目3文字目に上手く繋がらない。
名前を呼ぶのはこんなに難しいことだったろうか。
「(……何やってんだ、俺。)」
閃は夜行での生活を振り返る。
侵食を共にしている者の中には、彼が当然のように名前で呼ぶ者もいる。
無論それに性別は関係ない。
なのに、そんな当たり前のことが目の前の少女に出来ない。
今まで『怪力女』だの『短パン女』だの、変な愛称を彼女に付けることはあったのに名前は出てこない。
ときね。
たった3文字のシンプルな名前であるにもかかわらず。
「と…」
緊張で口の中が乾いているのが分かった。
だが目の前の少女は自分の名前を呼ぶまで離してくれそうに無い。
どのくらいの時間が流れたのか。
時音は閃のことをずっと見つめていた。
閃は大きく息を吸い込み、吐いた。
しばらくの間その動作を繰り返し、気持ちが少し落ち着いた頃、勢いのままにその3文字を口にした。
「…時音」


362 :
「…………うん。」
「と、時音…………言ったぞ?」
「うん…」
名を呼ばれた少女もまた、それを反芻するかのように同じ言葉だけを口にする。
しかしその顔は安堵によるものか満足感を得られたことによるものか、優しい笑みに満ちていた。
「……閃」
時音が少年の名を呼ぶ。
それと同じくして閃の右肩に唐突に温もりのあるものが寄りかかってきた。
見ればそれは他ならぬ時音の頭であり、彼女の身体が閃のそれにのしかかっている事実を示していた。
勿論、重くないわけが無い。
けれど閃は、それを嫌だとは思わなかった。
代わりに少年の顔が赤みを帯びていく。
少女の右腕が動いた。
それに応えるように少年の左腕もまた、少しずつ動いていく。
どちらからともなく出会う2人の手。

優しく触れたそれは、やがて指を絡め合い。
繋がれた手は、確かに2人の距離を縮めていった。

363 :
今回の投下はこれで終わりです。
エロについてはもう少しお待ち下さい。
それでは、退散いたします。

364 :
やっぱり純愛もいいねぇ〜!

365 :
こんばんは、投下に参りました。
今回もエロは特にありません、その割りに長いですが…。
それでも読んで下さる方がいたら嬉しいです。

366 :
カーテンの隙間を縫うように外から淡い光が差し込んできた。
それは朝が来て、日の出の時刻をとうに過ぎてしまったことを指している。
部屋の中は照明の光で絶えず照らされていたが、今の時間帯ならスイッチを切りカーテンを開けても
薄暗いなんてことはないだろう。
――そろそろ、ここを発たなければならない。
「ん…」
閃の傍らにいる少女の口から、小さな声が漏れる。
壁に背を付け、閃にもたれかかった少女の重みや温もり、布越しに伝わる感触が、
身体を預けられた少年の身に伝わっていく。
少女の肩からは大きな特徴といえる長い髪が流れ、緩やかな曲線を描いている。
その少女の肩に、閃の手が回される。
黒く艶めく一束の髪を指でそっと梳き、戯れに弄る。
「んんっ」
少女が反応して軽く身をよじった。
だがその表情は嫌悪ではなく、寧ろ安らぎに満ちてさえいた。
「時音」
閃が傍らの少女の名を呼んだ。
「俺、そろそろ行くから」
「んー……だめ。
 まだ行かないで…。」
夢と現の間のような甘い声が時音の口から漏れる。
彼女の意識がまだ半分夢の中にいるであろうことは容易に想像できた。
「そういうわけにもいかねーだろ。
 な、起きろよ?」
「……んー。」
努めて優しい声で諭し、彼女の身体を自身から引き剥がす。
時音は眠たそうに目を擦り、閃を見る。
しかしやはりその目はまだぼんやりしていた。
「それじゃ、またな。」
「…気をつけて帰ってね、閃。」
「おう」
別れの挨拶を済ませ、閃は時音の部屋を後にする。
普通なら彼女の部屋の入り口を経由して外に向かうところだが、閃の靴は彼女の部屋に置いてあった。
それを手に取り、窓に足をかけ外へと飛び出す。
時音はぼんやりとしつつも微笑みながらその様子を見守っていた。

367 :

   * * *
「(…どうしてこうなったんだ?)」
ある日の午後。
紅や茶色い落葉が地面を色とりどりに飾るその光景をぼんやりと眺めながら、閃は今更ながらに考え込んでいた。
自分と時音の関係。
時音がひとたび『会いたい』と言えば、閃はヒマを見つけて彼女の元へ飛んでいく。
会えば他愛の無い会話を繰り返すこともあれば、互いに何も話さずただ2人一緒に過ごすだけのこともある。
たまにその逢瀬が朝まで長引くこともあり、その状態について閃は不安を抱えていた。
「(いつ夜行の皆に怪しまれても不思議じゃない。
  …っていうか、もう十分怪しまれてる可能性もあるよな……。)」
カモフラージュは相も変わらず良守の家であったが、彼の家に寝泊りしているという事実は当然ない。
そのため、もし閃の朝帰りについて疑問を持った仲間達から良守に連絡が行くようであれば、
やはり友人に真実が伝わる恐れがある。
時音は良守の好きな人。
そして閃は、良守との関係を壊したくないと思っていた。
「(早い話が、もうアイツと会うのやめりゃいいだけの話なんだけどな…。)」
アイツ。
それは、閃を事あるごとに召喚してくる少女のことを示す。
だが、そう考えて閃の眉間に皺がきつめに寄せられた。
時音がどんなに逢瀬を催促しても、閃がそれをきっぱり断ってしまえばいいだけのこと。
閃がこの地を訪れさえしなければ、夜行の仲間達に怪しまれることも無く良守の心を
傷付けるような事態も起こり得ない。
しかし、それにはいくつかの障害が存在していた。
そのひとつは、閃の気持ちだった。
時音の願いを断ることは、今の彼には出来なかったのである。
閃は縁側で胡坐をかき頬杖を突いたまま微動だにしなかった。
時折溜め息を吐いては焦点の定まらぬ目でどこかを見ている。
物思いに更けている今の閃は、自分を取り巻く世界のことを気にも留めない、無防備な状態となっていた。
そのため、彼の傍に近づく者の気配にも、やはり全く気付くことはない。
本日何度目かの溜め息の後、少年はぽつりと呟いた。
「人を好きになるって、何なんだろうな…。」

368 :
「え?」
自分でない誰かの声が閃の耳に飛び込んでくる。
そこでようやく少年の意識は現実に引き戻された。
「へ?」
閃は間の抜けた声を上げつつ、反射的にその方向を振り向いた。
「影宮、お前何言ってんの?」
「…………。」
閃のすぐ隣に来ていたのは、彼がその関係性を危惧している墨村良守その人であった。

「えっ、えっ、ええええ――――っ!!?」
ようやく頭が正常に機能してきたところで、閃は元気のいい悲鳴を上げた。
「何だよお前、人を見るなり叫んだりして。」
「おっ、おまっ、お前。
 なっ、なっ、何でここにいるんだよ!?」
「ケーキ焼けたから呼びに来たんだよ。」
良守は閃の態度も意に介さないといった様子でそれを流し、用件を伝えた。
そう、ここは。
閃が現在座っているその場所は、夜行本部でもなければ雪村の邸宅でもない。
良守が生活の拠点として暮らしている墨村家の邸宅である。
なので良守が閃の前に現れたのは予想外でも何でもなく、寧ろ想定の範囲内ともいえる出来事だった。
「それより影宮、さっきのことだけど…」
「(げっ!)」
怪訝な表情を浮かべる良守を前にして、閃の胸が警鐘を鳴らし始める。
冷や汗が頬を伝うその顔は、見る者に動揺の色を否応にでも窺わせる。
「ひょっとしてお前…」
良守がゆっくりと口を開き言葉を続ける間も、閃は焦りを募らせ滝のような汗を流した。
「(…気付かれた!?)」
閃と時音の間に生まれた微妙な関係性。
閃が時音に対し抱き始めた感情。
よりによって1番知られたくない相手に、それを知られてしまったら。
閃の身体に緊張が走った。
「…好きな人が出来たこと、ないのか!?」

「――――は?」
良守の口から飛び出た言葉。
それは、閃が予想したものとは正反対の意味を孕んでいた。

369 :
「そっかー、影宮まだなんだー。」
嬉々として喋り続ける良守。
笑みを浮かべる友人の姿を、閃は呆然とした顔で見守っていた。
だが、ここで本心を気取られてしまうよりはその話に乗ってしまった方が得策。
そう判断した閃は何とか表情を取り繕うと顔の筋肉を動かす。
だが動揺を完全に消し去ることは出来ず、少年の笑みは苦々しいものとなった。
「ま、まあな…」
「まあ、そんなに気にすることじゃねえよ!
 そのうちお前も誰かを好きになる日が来るって!」
「お、おう…」
「でもそっかー、これに関しては影宮より俺の方が先輩かー。」
「……」
「(…何か、ムカつく。)」
適当に話を合わせようと思いつつも、上機嫌の良守を見ているとそのこめかみに
長く伸ばした爪を立ててしまいたくなる。
しかし誤ってその誤解を解いてしまうような事態があればそれこそ大問題。
閃は何も言わずにその場を離れることにした。
「あ、影宮待てよー。」
背後で良守の明るい声が響いていたが、返事せずに無視を決め込んだ。
   * * *
墨村家の廊下を歩きながら、閃は1人物思いに更けていた。
「(ちょっと前なら、ああいうの憧れてたんだけどな…。)」
ああいうの。
異性と街へ繰り出して手を繋いだり腕を組みながら歩く、そういった行為を指す。
つまるところ、いちゃつくというシチュエーションに閃は淡い憧れを抱いていた。
決まった相手を望んでいたわけではない。
それを実行に移せるということに対して幻想を抱いていたのだった。
そして、その望みは現在時音と過ごす時間によって叶えられていた。
不特定の人物ではなく、雪村時音という特定の人物。
問題はそこだった。
今の自分が彼女以外の人物とそういった関係を持ちたいか。
その疑問に対して答えを出すのにそれこそ時間はいらなかった。
「…思わねーな。」
時音が好き。
それが、現在の閃の嘘偽り無い本心だった。

370 :
そしてそれが彼女との関係を断ち切れない障害のひとつであった。
「(…どうしてこうなったんだ?)」
廊下で立ち止まり俯いて、閃は本日何度目かの自問を繰り返す。
あの日。
久々に時音や良守と再会したあの日に、誰にも打ち明けることの出来なかった秘密を互いに
吐露したことが原因だろうか。
時音にとって初めて秘密を打ち明けた初めての人に、閃がなることとなったからか。
それとも閃が時音を、自身の秘密を打ち明けた初めての人としたからか。
或いは、あの日の出来事はただのきっかけでしかなく、実は彼女に対して以前から特別な思いを
燻らせていたりしたのか。
――いずれにしても、その問いに対する応えはもう出ているのかもしれない。
どうしてこうなったのか。
今更考える必要など無かった。

ふと。
誰かのすすり泣く声が耳に入って、閃は顔を上げた。
「(…また)」
閃の足は自然と声のする方へ動く。
気配をし音を立てぬよう細心の注意を払いながら声の主を探る。
諜報班として培ったスキルがこういった時に役に立つ。
「(つーか俺、こういう場面に出くわしてばっかだな…。)」
自らの強運を半ば恨めしく思いつつ閃の目は薄く開いた襖の向こうのその人物を捉えた。
やはりというか、彼は閃のよく知る相手だった。
ただ、今度は利守ではなかった。
彼は眼鏡を持ち上げて、その下から流れ落ちる涙を拭っている。
良守の父・墨村修史。
彼が仕事部屋として使用しているその場所で、声の主は泣いていた。
脇をしっかりと閉め、両手で顔を覆い、嗚咽をした状態で。
「守美子、さん…」
ああ、やっぱり。
閃はそう思った。
良守の父親もそうなのだ。
大事な人を失い、未だに立ち直れないでいる。

371 :
修史は大作を生み出すべく現在執筆活動中なのだと良守から聞かされていた。
今までそのような姿勢で取り組むことなど無かったらしく、ひょっとすると目の前の男は
永遠に取り戻すことの叶わなくなってしまったその悲しみを執筆の原動力にしているのかもしれない。
無論、それはただの憶測でしかない。
何にせよ閃には、何も出来ない。
見てしまったところでただ黙ってその場を去るしかない。
そしてそれを、閃は実行に移した。
先程と同じように気配をし音を立てぬように元来た道を引き返す。
そして向かう先は、良守のもと。
「(…………くそっ)」
普段なら舌打ちのひとつもしているところだったが、今の閃にそのような余裕は無かった。
   * * *
「(…どうすりゃ良かったんだ。)」
良守と別れ墨村の家を出た閃は、現在時音の部屋にいた。
天井の照明をぼんやりと見つめたまま、ベッドに背を付け頭をシーツに押し付け、1人唸る。
眉間にきつく寄せられた皺が少年の苦悩を雄弁に語っていた。
閃は、今の自分が墨村の家に深く関われる立場に無いことを自覚していた。
たとえ墨村の人間が笑顔の裏でどんな悲しみを抱えていたとしても、
その事実を閃が知ってしまったとしても、それを暴く権利など閃は持ち合わせていない。
彼らがそれを望まない限り、閃には何も出来ない。
「あー、くそっ!」
閃は勢いよく飛び起き、部屋の中を見回す。
部屋の主はまだ帰ってこない。
しかし思考を中断させねば今度は閃が参ってしまう。
そう思い閃は自信の気を紛れさせることの出来る物を探すことにした。
「……ん?」
そしてそれは、少年の目に留まった。

「おまたせ。」
程なくして、扉の向こうから時音が現れた。
簡素な服に身を包み、湿り気を帯びた髪をそのまま流し、頬をほんのりと上気させている。

372 :
「おう、風呂入ってたのか?」
「うん。
 …あら、あんたアルバム見てるの?」
「見て良かったんだよな?」
「うん。」
そう答えて時音はベッドに歩み寄る。
シーツの上に座り直した少年の隣に気軽に腰掛け、アルバムの中身へと目をやった。
シャンプーの香りが閃の鼻腔をくすぐる。
顔が熱を持つのを感じたが、それを気取られぬよう閃の視線はアルバムから外さなかった。
「…これ、お前の親父?」
「うん。」
話題は写真の中の人物へと移る。
時音と思わしき幼い少女。
笑顔の彼女と一緒に写っている1人の男性。
他の写真が家族で埋め尽くされている事を考えれば、その正体は自ずと分かる。
「雪村時雄、あたしのお父さん。」
「ふーん。」
閃は写真の中の人物をじっくりと観察した。
幼い時音を優しく抱き上げる父親の姿。
彼が不幸な最後を遂げたことは話には聞いていた。
しかし、そうなる前の親子はやはり幸せそうな笑みを浮かべている。
「こうして見ると、お前は父親似だな。」
「そう?」
「ああ。
 …つーかおばさんとはあんま似てねーだろ、お前。」
「そっか…。」
その言葉の後、閃は自身の肩に寄りかかってくる重みを認識した。
見れば時音がアルバムから視線を外さぬままその身体を預けている。
「そうかもね。」
先程よりもシャンプーの匂いが鼻腔を刺激し、時音の温もりが閃の身体に布越しであるとはいえ伝わってくる。
少し目線を下げれば、服の上からでも分かるふたつの膨らみが閃の視界に飛び込んできた。
そこから逃れようと少年は視線をアルバムに戻す。
すると、今度は幼い時音と共に写る幼い少年の姿が閃の目に映った。
「…コイツは良守?」
「うん。
 まだお役目に付いてなかった頃は、周りに内緒で一緒に遊んだりもしたのよ。
 写真はそんなに撮ってたわけじゃないから、そんなに多くないけど…。」
「…ま、これからはいつでも写真撮れるんだし、いいんじゃねーの。」
「…そうね。」

373 :
それだけ言うと時音は沈黙した。
閃は肩を小さく揺らし、傍らの彼女の顔を覗き込む。
閃の視線に気付き、時音もまた少年を見つめ返した。
穏やかな笑みを浮かべた少女の顔。
だがその笑顔は、どこか心もとないように見えた。
「…何か言いたいことあんのか?」
閃は呟くように言った。
それは傍らの時音には当然筒抜けであり、少女は口をつぐんだまま俯いた。
沈黙が2人のいる空間を支配した。
しばらくして、意を決したように時音が顔を上げ閃と再び向かい合った。
「…あたし、覇久魔の異界で一度んだらしいの。」
「へ?」
閃は言葉を失った。
目の前の少女の目は真剣そのもので、嘘を吐いていないのは見て分かる。
しかし告げられた内容が内容だけに、どう返したらいいのか分からない。
そんな閃を見やりつつ時音は言葉を続ける。
「『眺める者』があたしを生き返らせたのよ。
 特例だって。
 でも、もしそれがなかったら…あたし、あの場所でんでた。」
「…何でそれを今俺に話したんだ?」
閃の口がようやく動き、言葉らしい言葉が飛び出した。
しかし、それは今の自分が本当に伝えたいものではないということを少年は感じ取っていた。
「どうしても、誰かに話したかったの。
 お婆ちゃんはあの時、あたしのこと凄く心配してたから言えないし、
 お母さんにも言えない。
 ……良守には絶対話せない。」
それを告げる少女の顔が暗い影を落としていくのを少年は見落とさなかった。
だからといって今の彼が明るい表情をしているのかといえば、やはりそうではない。
「あたしは覚悟を決めてたつもり。
 良守がいたから、最後まで戦うつもりでいた。
 でも…やっぱり怖かったんだと、思う。」
「その話聞いて俺が心配しないって、本気で思ってたのか?」
普段より低い声が飛び出たことに、閃は内心驚いていた。
だが、それが止まることはない。
怒気を孕んだ声が時音の部屋に響く。
部屋の主は閃からその身を離すと、まるで怯えているかのような表情で少年を見つめ返した。
「ご、ごめん。」

374 :
少女の口から漏れる素直な謝罪の言葉。
それを聞いて閃は舌打ちしたい衝動に駆られた。
別にこんな台詞を聞きたかったわけではない。
こんな顔をさせたかったわけでもない。
俯いて押し黙る時音。
そんな少女の顔を、閃はじっと見つめていた。
どのくらいの時が流れたのか。
やがて少年の手が、少女の頬にそっと触れた。
「…大丈夫なんだろうな?」
不安をそのまま形にした閃の言葉。
それに呼応するかのように時音が顔を上げ、2人の視線が交わる。
再び静寂に包まれる時音の部屋。
少女は身を乗り出し、閃の身体に再度乗りかかるように詰め寄った。
同時にその手は少年の膝元のアルバムに伸び、音を立てずにページを閉じていく。
笑顔を浮かべた幼い時音や父親の姿が、影の中へと消えていく。
まるでされたことを返すかのように、少女のもう片方の手が閃の頬に伸びた。
指で耳元まで優しくなぞっていき、緩やかなくせのある金の髪を軽く弄る。
「――試してみる?」

閃と時音の関係を断つことの出来ないもうひとつの障害。
それは、互いにその気持ちを全く誤魔化していないところにあった。

375 :
ずっと暴走したような内容ですみません。
最後までこんな感じです。
次回はエロ突入します。
では、退散します。

376 :
がんばれー

377 :
どきわく♪どきわく♪

378 :
良守×神田×無想部屋という謎の怪電波を受信した今日この頃

379 :
こんばんは、4回目の投下に参りました。
今回でエロ突入します、やっぱり長いです。

380 :
「試してみる、って…」
閃は目の前の少女が口にしたその言葉を反芻した。
互いが互いの頬を触れ合っているこの状態。
少し近づいただけで抱擁を交わすことが可能なその状態。
間合いを詰めているのは、何も物理的なものだけに限らない。
「何、言ってんだ。
 お前それ、どういう意味…」
「――そういう意味よ。」
時音は視線を外すことも瞬きをすることもせずただ閃をじっと見つめながらあっさりと返した。
少年が触れているその箇所が熱を帯びてきているのが分かる。
心なしか彼女の目が潤んできているように見えた。
そういう意味。
その言葉がどのようなニュアンスを孕んでいるのか分からないわけではない。
だが、目の前の少女がそのような発言をするなど、今まで閃は夢にも思わなかった。
「(ちょっと前まで、色気ゼロだったのに…。)」
などと思うものの、閃は口には出さない。
代わりに自分をずっと見つめている時音の視線から逃げるように顔を別の方向へと向けた。
「…やめとく。」
「どうして?」
「アイツに言えないことが増えるだけだぞ。」
アイツ。
その言葉が指し示す人物を、時音もまた分からないわけではなかった。
閃と時音が同じ時間を過ごすようになってからも、たびたび彼の名前が話題に出る。
その彼に黙って逢瀬を重ねる2人。
これ以上の関係を築くというのであれば、彼との関係性がどう変わっていってしまうのか。
――だが。
「いいの。」
「へ…」
時音の言葉に反応する間もなく、閃の身体は後方へと追いやられ、その背中をベッドへと押し付けられた。
しかし少年の目が天井を見ることは叶わなかった。
閃の視界は目の前の何かによって完全に覆われ、周りを見回すことも叶わない。
「――――ん、んんっ??」
そして彼の唇に、何か柔らかい物がぐっと押し付けられた。
しばらくするとぼやけた視界は少しずつ目の前の状況に慣れ始め、閃は自分を覆うその正体を知ることとなった。

381 :
長い睫が、閉じた瞼の端から一斉に伸びている。
それが時音のものであるのは想像に難くない。
すぐ目の前にある彼女の顔。
閃の唇に触れる柔らかい物体。
その感触に覚えが無いわけではない。
それは、今彼が触れられている物自身にじかに触れた時の感触に近い。
否、同じか。
それが分かった時、閃はようやく現在の自分が置かれている状況が呑み込めてきた。
先程よりも近くなった時音の髪からシャンプーの匂いがはっきりと香る。
甘い匂い。
だが、甘いのは匂いだけではなかった。
どのくらい経ったのだろうか、時音の顔が閃のそれから離れた。
だが、密着している互いの身体はその状態を保っており、どちらのものとも分からない心臓の鼓動をその身に感じる。
どう切り出したらいいものかと少年が考えあぐねていると、少女の方からその口を開いてきた。
「…良守がお役目を終えて帰ってきた後、ずっと落ち込んでたの。
 守美子さんを説得できなかったこと、宙心丸君を助けられなかったこと、色々あったけど…
 あたしはアイツに元気になって欲しかった。」
ぽつりぽつりと時音は語った。
「アイツ、いつもはあたしが黙ってても落ち込んでることとか気付いちゃうから
 励ましながらそういうの気付かれたらどうしようかなんて考えたりもしたけど、
 良守、本当に落ち込んでて。
 だから、あたしが頑張らなきゃって思ってた。」
その言葉を聞き、閃は良守と時音に再会した時のことを思い出した。
誰にも打ち明けられない悲しみを抱え、1人で泣いていた時音。
自分たちの関係性までもがらりと変えてしまった、あの日。
時音は言葉を続ける。
「自分でも驚くくらい普段通りに接することが出来たの。
 多分…お役目が無くなって、戦う必要がなくなったからだと思う。」
完全封印は、良守のみならず時音にも大きな変化をもたらしていた。
父を失い、犠牲者を出すまいと駆け抜けてきた数年間。
命のやり取りをし、神経をすり減らしては常に戦いの中にその身を置いていた。
その才が自分にない事を知りながら。

382 :
その責務から解放され、心にどこか隙間が開いたような気がしていた。
何もそれは悪いことばかりではなく、寧ろ穏やかな日々を得たことでようやく少女に
精神的な余裕が生まれることが出来た。
時に様々な感情が時音を襲うことがあった。
また、過去を振り返ることも、現在のこと、これからのこと、
周囲の人間や自分自身に対してじっくり考え込めるだけの時間が、彼女の中に生まれた。
「あたし、前にアイツに好きって言ったことがあるの。
 『あんたの優しいところが大好きよ』って。
 あたしは良守のこと大事に思ってるし、アイツの望みなら何でも叶えてあげたい。
 でも…アイツの好きとあたしの好きは違う。」
それを口にした途端、少女の顔が曇った。
「気付かない振りしようとしてた。
 そうすれば今のままの関係でいられるかもしれないって。
 でも、もう無理。
 あたし…変わっちゃったから。」
良守が以前烏森の地を離れることになった日の前日、時音は良守に言った。
優しいところだけはずっと変わらないで欲しいと。
しかし完全封印を終えた良守が帰郷して、取り返しの付かない結末を迎え。
緩やかながらもいろいろなものが変わってしまったように時音は感じていた。
その中に、彼女自身も含まれていた。
生活が一変し、真っ直ぐに夢を追って生きることが可能になり。
そして少女には、好きな人が出来た。
それは確かに烏森という狭い世界の中で短いながらも苦楽を共にした人物の1人だったが、
同時に彼はその狭い世界の外にいる存在でもあった。
生を受けた時に当然のように自分の周りにあったもの。
その外にいる存在に、彼女は心惹かれた。
「…あんたは」
「?」
「自分のこと、秀君達に話すつもりはないんでしょ?」
「…まあ、な。」
少女の問いかけに閃は力無く答えた。
かつて少女に告げた自分の秘密。
決して他人に知られてはならないと、同じ能力を持つ上司から強く言い聞かせられた筈のもの。
それなのに少年は泣いている彼女に対して、それを告げてしまった。
彼を突き動かしたのは好奇心か、それとも勇気か。

383 :
だが同時にそれを伝えた途端、彼女に拒まれることも閃は確かに想定していた。
自身の秘密を打ち明けてくれた少女に拒絶されることを、全く考えていないわけではなかった。
しかし、少女は閃を拒んだりはしなかった。
――そうして、2人の関係はあの日確かに変わってしまった。
「あたしも別に誰かに話すつもりなかったのよ。
 …でも、あんたには話しちゃったから。」
そう言って、時音は曇った表情をほんの少し和らげた。
「だからもう少しだけ、素直になろうと思ってるの。」

そうしてしばらく、2人は何も言わずその姿勢を保っていた。
沈黙が2人のいる部屋を支配する。
それが終わりを告げた頃、少女の肩に突如、閃の手が伸びた。
「きゃっ…!?」
彼女が気付いた時には既にその身体は回転させられシーツの上に押し倒されていた。
そしてその上に閃の身体が覆いかぶさり、互いが先程と正反対の体勢をとっていた。
少年の左手が時音の右手首を強く握った。
「…後悔すんじゃねーぞ。」
眉間に皺を寄せ、睨むように時音を見据えるその眼差しは、これからする事を静かに物語っていた。
それに応えるように時音の口が開いた。
「後悔なんて、しないわよ。」
その言葉を受けて閃は上体を時音に近付けた。
そして少女にその身を密着させ、その顔を彼女のそれへと近づける。
そうして、互いの唇が触れ合った。
   * * *
照明を消せば、2人の姿は暗闇の中に隠れてしまう。
しかし、職業柄夜目の利く2人の目は戸惑うことなく互いの姿を認識する。
身体を密着させ、唇を重ねる。
離れては触れるその行為を幾度と無く繰り返すと、次第にその口付けはより激しいものへと変化していく。
舌を絡ませ唾液が混じり、互いの口内を貪り合う。
だがそれでも物足りないといったように、2人の体が熱を帯びていく。
もっと触れ合いたい。
それが少年達に生まれたありのままの欲望であった。

384 :
「(…調子いいな、俺。)」
ふと、閃は自嘲の笑みを浮かべた。
つい先程まで目の前の少女からの誘いを拒んでいたというのに、その身に集まる熱は
これから自分が何をしたいのかを雄弁に物語っていた。
「んっ…、は、あっ……閃…」
唇を離すたび少女のそれから漏れる切なげな声が耳に入り、少年の全身を駆け巡っては
今まで感じたことの無い甘い痺れをもたらす。
閃の身体は欲望のままに動く。
唇を彼女のそれから離すとその位置を徐々に下げて余分な肉の付いていない白い首へと移し何度も口付ける。
「あぁ…んっ……」
別の箇所から受ける唇の感触。
両目を閉じ恍惚の表情を浮かべ、その感触をもっと味わうように少女が喘ぐ。
閃は右手で時音の胸部を服の上から弄る。
以前体験したその行為。
布の上から手を当てているだけのものであるが彼女に触れているというその事実だけでも興奮し、
またその行為について目の前の少女が愉悦の表情さえ見せているという現実に、
少年の身体は否応無しに高ぶっていく。
丸みを帯びた曲線を指でなぞり、その膨らみ手全体で覆って揉みしだく。
「はぁ…んっ、あんっ……んっ」
「と、きねっ…!」
2人の呼吸が闇の中に溶けていく。
互いの声を聞いているのは、今この場にいる2人だけ。
2人だけだった。
「(……足りねえ。)」
荒い呼吸を繰り返しながら閃は時音を見ながらそんな風に思った。
一度火の点いた欲望は際限なくその欲望を増していく。
そしてそれは、普段理性的に物事を考える少年からそのブレーキを完全に奪っていた。
「…時音」
「…ん、せ、閃っ……な、なに?」
ただ感じるままに、その言葉を口にする。
「脱がすぞ」
「…う、うん」
その表情に気恥ずかしさを残しつつも、時音もまた素直に肯定の言葉を口にした。
互いに上体を起こし、再びベッドに腰掛けるような体勢をとる。
時音が両腕を上げると、閃は少女の服の端に手をかけ、自身の両腕を上げてゆっくりと脱がしていく。
布の塊が長い髪の末端を通り過ぎると、閃はそれを床の上へと軽く投げた。
アルバムの上に落ちたそれは、ページを開かせないようにするかのように下にある物を全て覆い尽くす。

385 :
そうして、時音の上半身は胸元を守るものだけを残し、その白い肌と美しい曲線を露わにした。
「…あんまり、じろじろ見ないでよ。」
時音が恥ずかしそうにもじもじと身体を揺らす。
そんな彼女を眺めながら、閃もまた少女に倣うように上半身に身に着けているものを脱いだ。
布の塊を、やはり先程と同じように彼女の物がある場所へと軽く放り投げる。
ふと時音を見やると、胸元を隠すように両腕を組む彼女の姿が視界に飛び込んだ。
閃は少女の腕を解きそこから取り払うと自身の両腕を彼女の背中に回し、互いの身体を密着させる。
「きゃっ」
「隠すなよ。」
時音の肩に自らの顎を乗せ、耳元で囁く。
同時に両手を下着の留め金へと移動させ、その継ぎ目を外すべく指を動かし試行錯誤を繰り返す。
「んっ、んっ…」
時音の口から漏れる喘ぎ声が、閃の耳を刺激する。
密着し擦れ合う肌と肌が、互いの身に絶えず浅い快感を生み出していた。
もっと直に触れたい。
その欲望が閃自身を突き動かしていく。
小さな金属音が少女の背中で生じた。
「あっ…」
同時に背中で留められていた下着は側面へするすると移動していく。
ストラップを腕から通し、下着を手にした閃はそれも床の上へと放り投げた。
そうして振り返ると、閃の視界に再び時音の姿が飛び込んできた。
上半身を露わにし、白い肌をさらけ出した時音の姿。
腋から胸へと伸びる滑らかな曲線。
それは決して男には持ち得ないものである。
閃の手が時音の左胸に触れる。
少女の体が強張るのもお構い無しに、指は曲線の麓を図形を描くようにそっとなぞっていく。
「…ここに方印があったんだよな?」
「んっ……そ、そうっ…」
色の混じった息を漏らしつつ、時音は答える。
「(一度くらいは拝んどきたかったな。)」
閃はふとそんなことを思った。
かつて自分と少女を繋いでいたもの。

386 :
今の自分たちがそれとは違うもので繋がれているとしても、見れるものなら見てみたかった。
――彼女のそれを過去に見てしまった者が1人だけいるのだが。
「時音」
目の前の少女の名を呼び、彼女が反応を見せる前にその唇を自らのそれで塞ぐ。
両腕を少女の背中と頭に回し、髪を梳きその根元に指を這わせる。
「あぁっ…んっ……はぁっ……ふぁ…あっ」
唇が離れるたびに切なげな声が少女の口から漏れる。
彼女の腕は閃の背中に回され、裸の胸を擦り合わせては互いの身体に心地よい快感が走る。
勿論それで少年の欲望が満たされるわけが無い。
再びシーツの海にその身を横たえ口付けを繰り返していると、時音は自らの腿に何かが
当たっていることに気付いた。
それが目の前の少年の脚でない事を知ると、ただでさえ赤い顔が更に赤みを増していく。
知識としては知っていたが、実物に触れるのは初めてだった。
「驚いたか?」
熱を持った少年の声が、暗い部屋に響く。
「ば、馬鹿にしないでよ。
 見た事くらいはあるんだから。
 …お、お父さんのを、昔ちょっとだけだけど……。」
そう答える時音の声は、闇に紛れるように次第に小さくなっていく。
そんな彼女の返答に小さな笑みを浮かべつつ、閃の両手は時音の腰へと伸びた。
「下も、脱がすぞ。」
ゆっくりと確実に、目の前の少女に聞こえるようにその言葉を告げる。
時音は何も答えない。
ただ黙って閃の方をじっと見つめ、そして小さく頷いた。
了承の合図が取れたと見るや、閃の両手は時音の下腹部を覆うものを少しずつ下げていく。
静かな空間に衣擦れの音だけがしっかりと響く。
やがてそれも床の上へ放り投げてしまうと、閃の下にいるのは何一つ身に纏っていない1人の少女となった。
閃の指が再び時音に触れる。
脚の付け根のその先をなぞると、少女の体がぴくりと震えた。
「濡れてる」
「やっ…言わ、ないでっ……あっ」
割れ目を這うだけに飽き足らず、更にその向こうへと指を進めていく。
やがてその入り口に辿り着くと、迷うことなくその中へと侵入し、少しずつ指を埋めていく。
「はぁん…あんっ……」
内部をかき回され、そこから湧き上がる感覚が声となって時音の口から漏れる。
同時に内部はそこから分泌される液体と共に指により一層絡みつき、
暗い部屋に少女の喘ぎ声と淫猥な音が静かに響く。

387 :
閃が腕を引くと、粘り気のある液体にまみれた指が、糸を引きその入り口から現れた。
「すげっ…」
女体の神秘に、少年はありのままの言葉を言葉にする。
「はぁ、はぁ…んっ……ば、ばかっ……」
閃の下で時音が胸を上下させながら喘いだ。
「…挿れるぞ」
閃は今一度確認の言葉を目の前の少女に投げかけた。
それに対し、時音は首を横に振るわけでもなく拒絶の意思を口にするわけでもない。
「…よろしく、お願いします。」
首を縦に振り、肯定の言葉を口にした。
「何だよ、改まって。」
そんな少女を見ていたら何だかおかしくて。
少年の口元が自然と緩んだ。
「…何となく。」
つられるように時音もまた小さく笑った。

薄暗い部屋の中、何も身に着けていない少年と少女がいた。
いきり立った少年の体の一部が少女の体内へとゆっくり侵入していく。
「ああ、あああぁぁっ……!」
生まれて初めて味わう衝撃に時音の顔が苦痛に歪む。
目の端から涙が零れ落ちるのを視認して閃の動きが止まった。
「や、やめるか…?」
「いいから、続けてっ…!」
少女の言葉に閃は戸惑いつつも自身を更に奥へと突き進めて行く。
もう、後戻りなど出来ない。
最深部へと辿り着いた頃、目の前の少女は痛みに堪えようと深い呼吸を繰り返していた。
「…だ、大丈夫か?」
閃は時音に問いかけた。
大丈夫である筈がないのは分かっていたが、それでも聞かずにいられない。
「だい…じょうぶっ……」
尚を涙を流し、少女は呼吸の落ち着かない様子を見せていた。
だが彼女の答えは決して拒絶を示さない。
「だって…。
 あたし達、繋がってるじゃない……。」
激痛が走る。
痛みがある。
けれど、それ以上に嬉しいと感じる自分がいる。

388 :
時音はそう自覚していた。
烏森で自らの役目を果たすべく戦いに明け暮れた日々。
烏森を守る為には時に自分を犠牲にしてでも冷酷な判断を下さねばならない。
だが、怖くなかったわけではない。
自分や相棒、仲間が傷つくことへの恐怖は絶えず存在していた。
傷を負い、苦しみ、恐れる。
戦いの日々に安息は無かった。
しかし今は、痛いだけ。
穏やかな日々があり、想いを寄せる者と共にあるというその現実。
激痛は走る。
痛みがある。
けれど、それ以上に嬉しいと感じる自分がいる。
「初めてなのよ…こんな気持ちになるの。」
時音はそれだけ言うと、あとはひたすら呼吸を繰り返していた。
そんな少女の身体に閃の手が伸びる。
彼女の苦痛を少しでも和らげるべく、丸いふたつの膨らみにそっと触れた。
「ぅんっ…」
時音の身体が小さく震えるのを確認すると、閃は両手で少女の胸をしっかりと覆い、揉みしだいていく。
滑らかな曲線は手の動きに合わせて形を変え、時折先端を指で擦り、摘むと
少女の口から色の混じった声が漏れた。
「ふあ、あぁんっ……」
「時音、少しは楽になったか?」
「んっ……た、多分……」
その柔らかな感触と結合部から絶えず沸き起こる感覚は同時に閃自身を追い詰め、高めていく。
少年の限界は近い。
だが時音のことを思えばまだ達してしまうわけにもいかず、行為を続けながら閃の思考は同じ場所を往復する。
しかし、そんな彼の考えは目の前の少女には筒抜けだった。
「…あんた、今凄い顔してる。」
「…へ、へっ?」
「無理しなくていいわよ。
 …好きに動いていいから。
 でも……」
時音は自分の胸に添えられた閃の手を掴むと、自らの顔に持っていく。
「その前に…キスして?」
そう言って少女はふふ、と微笑んだ。

389 :
時音の望みに応えるべく、閃は顔を近づけ時音の唇に自らのそれを重ねる。
離れては触れ、互いを求めるように舌を絡め合う。
唇を離すと両手を少女の腰に移動させ、しっかりと掴んだ。
「い、いくぞ…。」
何度と無く繰り返される閃の問いかけに、時音は黙って首を縦に振った。
途端、少年は自らの腰を激しく動かし始めた。
「はぁっ…はっ、ぅん……は、あっ…」
薄暗い部屋の中。
2人の呼吸とベッドの軋む音が絶えず響き渡り、それぞれの存在を高めるかのように絡み合っていく。
次第に、そこに別の音が入り混じる。
2人の結合部から生じたそれは徐々に大きくなり、また同時に少女の口から漏れる声も
色を帯び変化していく。
「はぁんっ……や、んんっ…あ、あぁんっ…!」
暗闇の中でも時音の顔が熱を持っていくのが閃には見えた。
更に上り詰めるべく、腰の動きを速めていく。
それに呼応するかのように時音の声もリズムを速め大きくなっていった。
「う、くっ…時音……!」
「はぁ…んっ、……す、すごい……
 ど、どうしよう、あ…あたしっ……!
 お、おかしくなっちゃ…ああぁっ!」
2人の意識は互いに集中し、律動が2人の身体に甘い痺れをもたらす。
感覚は否応無く上り詰められ、限界はすぐそこまで来ていた。
「時音、俺…も、もうっ……!」
「はぁっ……閃…閃っ……!!」
時音の体が大きく震え、堰を切ったように彼女の中へ強い衝動が注がれていく。
それを互いの身に感じ取りながら、少年と少女は終焉を迎えた。
   * * *
薄暗い時音の部屋。
情事の終わったこの部屋で2人分の寝息が静かに響いていた。
やがて片方の寝息が止まり、シーツの下で少年の体がもぞもぞと動き始めた。
「(……眠れねー。)」
閃は寝返りを打っては何度も意識を手放そうとそれを試みた。

390 :
しかし、先程の情事が頭に焼き付いて離れず、瞼を閉じればその時の情景が
どうしても鮮明に蘇ってきてしまう。
茹で上がった頭は睡眠という基本的欲求を決して許さず、少年は半ば恨めしい目つきで
隣で眠る少女を見やった。
初体験を最後まで完遂させた彼の相方は、それこそ普段通りであるかのようにすやすやと
穏やかな寝息を立てて眠っていた。
普段通りでないのは、何も身に着けていないという事実だけ。
「(…人の気も知らねーで。)」
閃は時音の整った顔を睨みつつもまじまじと見つめた。
時折、少女の口から閃の名を呼ぶ声が漏れ、そのたびに彼の身体は熱を持つ。
そういう事もあって、やはり少年は眠れなかった。
「(アイツが知ったら何て言うかな…。)」
閃はふと、ここにいない友人の事を考えた。
今日の出来事が目の前の少女や、彼との関係を大きく変えてしまうものであることは間違いない。
閃は、烏森の地で彼の行動をずっと見てきた。
彼が時音のことをどのぐらい大切に思っているか、想像出来ないわけではない。
――きっと、想像以上だ。
「(…でも、分かんねーけど)」
少年は口の端を緩め、小さく笑う。
彼の気持ちは不思議と落ち着いていた。
閃は右手を伸ばし、時音の顔にそっと触れた。
頬を優しく撫で、口元にかかる髪を後ろへと持っていく。
彼女の顔を眺めていたい。
そんな気持ちが、今の少年にはあった。
だからきっと、後悔なんてしないのだ。多分。
閃は瞼を閉じると、睡眠するべく本日何度目かの挑戦を試みた。
だが、いくらやっても眠ること叶わず。
結局少年は、夢の中にいる少女の隣で悶々とした時間を過ごすことになるのであった。

――変わってしまったのは、誰だったのか。

391 :
これで終わりじゃないぞい、もうちっとだけ続くんじゃ。

最後までお付き合い下されば光栄です。
それでは、退散いたします。

392 :
グッヂョヴです!
次も楽しみだ〜♪

393 :
GJ!

394 :
時音は結界でティルドを作って一人でしてそう。

395 :
長らく閑古鳥だったのに最近投下増えて嬉しいな

396 :
単行本派の参入が効いたかね

397 :
こんばんは、5回目の投下に参りました。
一応エロ有りですが、やはり長いです。
基本的には、いちゃついてるだけの話です。

398 :
草木も眠る丑三つ時。
夏もとうに過ぎたこの時期、深夜に屋外を歩き回る者にはやはりその風は肌寒く、長居が体調に
障ることは誰の想像にも難くない。
しかしそれを理解した上でその場に立つ者がいた。
彼は烏森学園のプレートが飾られた塀の外で、校門の前に立ち尽くしていた。
ボサボサの黒髪が街灯の光を受けて仄かに反射し、パーカーにジャージといういつもの服装で
彼――墨村良守は、烏森の地の前に立っていた。
思慮深げに立ち尽くしていた少年がやがてそれを止めると、意を決したように校門の向こうへ片足を下ろす。
もう片方の足もこちら側へ下ろしてしまえば、良守の身体は完全に学校の敷地内へ入ったことになる。
改めて良守は校庭を見回した。
そこに本来あった筈の学び舎は存在せず、代わりに新しい校舎になる予定の建造物と、
現在高等部生徒らが授業を受けているプレハブの教室がこの地を占めていた。
この地に足を踏み入れるのは簡単だった。
今まではたまたまその機会がなく、またその必要性も無かったため、帰省後の良守が学校の
敷地内に入ることなど無かった。
だが、ひとたび決意してこの地に来てしまえば、難しいことなど何一つ無い。
「…まるで、全然知らない場所に来たみたいだな。」
良守はぽつりと、自分が感じたことを素直に口にした。
以前の良守が毎晩足繁く通っていた場所。
校庭を走り回り、命を懸け、悲しみに巡り会い。
この場所には、良守の感じてきたものが確かにあった。
だが今は、浮遊霊1人出会わない。
「あれ…」
良守は何と無しに空を仰ぎ見た。
街灯の光が届かないこの場所は、今は数え切れないほどの星が瞬き煌めいている。
幼い頃の良守は、自らに課せられた役目を重苦しく思いつつも、かつてこの空を見て感じた筈だった。
あの頃と何一つ変わらない烏森の空。
それを頭で理解している筈なのに、別の感情が良守の口を突いて出る。
「この空って、こんなんだったっけ…」
全く心動かされず、綺麗だと思わない。
そんな空が少年の目に映っていた。

輝きは、どこへ行ったのか。

399 :

   * * *
「う…ん……」
薄暗い時音の部屋。
2人の色に染め上げたシーツの上で、閃は何と無しに目覚めた。
はじめは朧げながらも徐々に意識が覚醒していくと、その身に密着する柔らかな感触があることに気が付く。
同時に、右腕は何かにかっちりと固定され思うように動かせない。
そんな事実にも。
「…重い。」
閃はぽつりと呟いた。
負荷のかかった右手は左手と共に前方で何か柔らかい物をしっかりと掴んでいる。
そして彼の顎は滑らかな曲線の上に乗っており、閃の声はすぐ隣で眠っている人物の耳に直に
届く状態となっていた。
「…あんただって、ずっと触ってるじゃない。」
時音の声が前方から響いてきた。
触ってる。
何を、と今更聞くこともない。
薄地のインナーを身に着けて眠っていた時音。
彼女の胸元にある2つの膨らみを閃の両手がしっかりと掴んでいる。
2人が並んで寝ると、このような体勢になるのはよくあることだった。
閃は別に、意識してそれを行っているわけではなかった。
すぐ傍にある温もりが恋しくて彼女の肌に触れる。
時音が閃に背を向けて眠っていたなら、抱きしめる彼の手が掴みやすいその場所に
行ってしまうのは、不自然なことでもなんでもなかった。
「こうされんの、嫌か?」
時音の耳元で優しく囁きながら、閃は両手の中にある柔らかな物体を揉みしだく。
時折既に硬くなっている先端を擦り、摘むと彼女の口から小さな嬌声が漏れる。
直に触れるのは勿論、こうした布越しの愛撫も閃は好んでいた。
「んっ、ぅん……嫌じゃ、ないわよっ……。」
色の混じった声でたどたどしいながらも肯定の意思を示す言葉が少女の口から返ってくる。
触れ合うその箇所から、彼女の身体が再び熱を持ってきているのが閃には分かった。
彼の身体もまた、それに呼応するかのように熱を持ち徐々に高ぶっていく。

400 :
「…でも、重いんでしょ?」
「そりゃ、重いけど。」
「…骨が折れるんじゃないの。」
「はあ?何だそりゃ??」
時音の言葉に閃の手が止まった。
時音は少し身体を捻ると、自身の顔を閃のそれに向けた。
何を言うわけでもなく、ただ少年のことをじっと見つめる。
かつて閃が時音に対し不用意に向けた言葉。
彼とこういう関係になった今、時音がそれを頭の片隅に綺麗さっぱり残さないというわけにもいかず、
少女は不安そうにその目を揺らしながら黙って彼の反応を窺っていた。
そんな彼女の真意を知ってか知らずか、自分を見つめる時音の目を見つめ返しながら閃がぽつりと呟いた。
「……折れねーよ。」
「…そう?」
素っ気無い閃の言葉に、時音もまた冷たく返す。
だが少年のその態度は幾分かの優しさを孕んでいることを、今の少女は知っている。
時音はその口元を緩ませ満更でもないといった笑みを浮かべた。
――実は右腕が少し痺れてきていたが、閃がその事実を口にすることは無かった。
「でも、今日学校だから。
 …お風呂入ってくるね。」
そう言って時音は閃の拘束を逃れ、ベッドから離れた。
照明のスイッチを入れようとして、ふとその手が止まる。
「…こっち見ないでよ?」
「おー」
時音の言葉に閃は生返事を口にした。
ひとたび情事が終われば時音は肌を見せるのを躊躇う。
それを残念に思いつつも、恥じらう彼女が可愛いという気持ちが閃にはあった。
とはいえ、少年の身に集まり高ぶってしまったこの熱はそう簡単に引きそうには無かった。
どうしようかと閃が思考を凝らし考えあぐねていると、スイッチが入れられ部屋の照明に光がともる。
そうなってしまうと閃は時音の言葉通り、彼女に背を向けその着替えを見ないようにすることしか出来ない。
言われた通りに背を向け、真正面にある壁でも見つめることにする。
静かな部屋で、衣擦れの音だけがただ響いた。
「…あれから結構経つな。」
「……そうね。」

401 :
あれから。
2人が初めて肌を重ねた日から、幾分かの時が流れた。
だが、2人が言及しているのはその日数についてではない。
「…俺達のこと、良守に話したか?」
「まだ、話してないわよ。」
「何だよ、お前俺よりアイツと一緒にいること多いだろ。」
「あんただって話さないじゃない。
 あたしと会う前は必ず良守のところに行ってるのに。」
「まあ、な。」
それだけ言うと2人は再び口を閉ざした。
2人が男女としての一線を越えた後、逢瀬の頻度は以前より増した。
だがそれを良守や夜行の仲間に知られるのを躊躇う閃は、やはり以前にも増して良守と会うようになった。
良守から真実を隠すため良守と会う。
それが閃に、時音に罪悪感をもたらさないわけが無い。
しかしそれ以上に、良守に全てを告白するのには躊躇いがあった。
2人の秘密。
友人と会うたびに回を重ねていく逢瀬。
そのたびに深まる2人の関係。
それに伴う罪悪感。
だが、それこそが更に秘密を増大し、皮肉にも2人の関係をより結び付けていく。

「もう、こっち向いていいわよ。」
衣擦れの音が止むと、時音の声が再び閃の耳に届いた。
彼女に言われるままに振り返ると、閃の視線の先にパジャマを身に付けた時音が立っていた。
流石に裸のまま廊下を歩くわけにもいかないらしく、彼女は事を終え入浴する際には必ずその前に
身に付けていたものを着ていく。
「んじゃ、俺も着替えるか。」
そう言って閃の手は自然に脱ぎ捨てた衣服の方へ伸びる。
その途中で、再度時音の口が開いた。
「あ…あのね、閃。」
「?」
突然の呼びかけに少年の手が止まった。
そのまま手は空中で静止し、閃は怪訝な表情を浮かべて時音の言葉を待つ。
目の前の少女は頬をうっすらと紅潮させその目を泳がせていた。
これから発言することに若干の躊躇いがある。
そんな風に閃には見えていた。
「お風呂のことなんだけど、その……」
「…何だよ?」
「……一緒に入んない?」
「…へっ?」

402 :

   * * *
「あー……、くそっ」
それから少し経ち。
チッ、と小さく舌打ちをしながら閃はよろよろと夜行本部の廊下を歩いていた。
「慣れないことはするもんじゃねーな…。」
眉間に皺を寄せ、壁にどかっと寄りかかり。
独り言をぼやきながら、閃は自身の胃に課せられた重たい宿命に必で堪えていた。
慣れないことをして、冒険して。
その結末がこれである。
とはいえ、それをしなければ先に進めないという断固たる意思が少年の中にはあった。
別にそれをしなくてもこれからの人生特別困るということは無い。
そんなことは閃自身誰よりもよく理解していた。
だが、意地といえるものが彼の中に生じ、少年の身を突き動かしたのだ。
どうしてそんなことをしたのか。
その原因と呼べるものも、やはり彼は理解している。
些細なきっかけが、少年を変えた。
その変化は始めこそ微々たるものであるのかもしれない。
彼を知る人間が、それに気付くか気付かないか、その程度のものである。
だが、その小さな変化は、確かに閃自身を変えていく礎となろうとしていた。
「うぇっ、気持ちわりー…。」
とはいえ、本来ならば口にした者の栄養となる筈のそれが今まさに閃の身を蝕んでいるのも事実だった。
かといって今更後戻りするという選択肢も無い。
結局はこの辛く苦しい時間をどうにかやり過ごす以外、少年に選択肢は無い。
閃は口元を押さえた状態で適当な場所に腰掛けた。
「(こういう時は何か別のこと考えりゃいいんだよ…。)」
などと思いながら目を瞑り、思考を巡らす。
頭の中に浮かんだイメージに必で食いつき、それを辿っていく。
それ自体は楽な作業だった。
何故なら最近、彼の記憶に強く残るような出来事に遭遇していたためである。
床に敷き詰められたタイル。
照明の消された暗闇の一室。
終始肌にまとわりつく蒸気。
それらのイメージが自身の感情に訴えかけた時、かつての衝撃が閃の脳裏に鮮やかに蘇った。

403 :

   * * *
気配をすことに細心の注意を払いながら2人で臨んだ脱衣場。
若い2人がいちゃつくのにどういうわけか非常に役に立った偵察のスキル。
2人で入浴するにあたって、時音は風呂場の照明を点けるのを拒んだ。
それ自体は部屋でするのと変わりないからと了承し、内心少し残念に思いつつも
閃は先に風呂場に入って時音が来るのを待った。
湯気が肌や髪に貼り付き落ち着かないながらも大人しく待機していたところに現れた時音。
暗闇に慣れた閃の目は、明かりの点いていない風呂場の中で普段目にすることの無い
少女の立ち姿をはっきりと捉え、その美しい曲線を眺めれば、閃はその身も心も
彼女に触れる前から高揚していく。
恥ずかしがる時音の手を引いて2人向き合い、互いの身体を嬉々として洗い合う少年と少女。
風呂場に声を響かせぬよう口をつぐむも、相手の弱いところを指でなぞるように洗い攻め上げれば
どんなにか細くても色の混じった声が互いの口を突いて出てくる。
泡を洗い流し、風呂椅子の上で互いに抱き合うように腰を落とし、その身を繋げていく閃と時音。
初めて肌を重ねた日から、2人が逢瀬を重ねた回数は数えるほどしかない。
しかし閃と時音は生命力に満ち溢れた若者である。
片や戦闘型でないとはいえ常人よりよほど身体能力の高い妖混じり。
片や幼い頃から自分を鍛え続け戦いにその身を投じてきた結界師の正統継承者。
更に時音は基本的に真面目で勉強熱心な性格である。
精力的な2人がひとたび肌を重ねれば経験を積むべく情事に勤しむようになるのは不自然なことではなく、
その回数を数え切ることは今となっては容易なことではなかった。

404 :
そんな2人の、その日何度目かの情事。
閃の首に両腕を回し、その声を押ししつつも自らの身体に埋もれていった閃自身に
その身を震わせ、喘ぐ時音。
彼女の声をすぐ傍で聴き、ふたつの乳房に圧迫され多少息苦しい思いをしながらも
その感触に気持ちを高揚させ少女の中に埋めていった自身を更に膨張させていく閃。
互いに腰を動かし、愛撫し、唇を重ね。
蕩けていくような感覚に若い2人は身も心も委ねていく。
時音の身体が大きく震え、強く締め付けられたその場所で閃のものがその身を一気に解き放つ。
恍惚とした表情を浮かべ、しっかりと抱き合う少年と少女。
だが、2人の宴はこれで終わるわけではない。
再び腰を動かし互いを刺激し、自らを高めていき。
そしてまた、少女の中へと精を解き放つ。
そのサイクルが時間の許す限りいつまでも続く。
照明の点いていない風呂場で視認出来るほどに立ち込める湯気。
2人の身から発せられる石鹸の香り。
幸せな時間が、そこにはあった。
   * * *
「(…………やべえ。)」
その身に降りかかった苦しみはどこへやら。
いつの間にか口元をだらしなく緩ませている自分自身に、閃は軽い戦慄を覚えた。
超えまくっている。
人の枠ではない、子供の枠ともいうべき領域を。
このままではいつ夜行の面々に知られてしまうとも分からない。
それどころか、こうも浮かれていては今後の任務に支障をきたすとも分からない。
「こういうのはやっぱ、あんまり思い出さないようにしねーと…。」
ぼりぼりと頭を掻きながら閃は呟く。
少なくとも夜行本部にいる時は、それは控えた方がいい。
そう結論付けて少年の思考は完結した。

「閃ちゃーん!」
ふと、背後から聞き覚えのある声が耳に届き、閃は後ろを振り向いた。
「秀、それに細波さんも」
廊下の向こう側からやって来たのは、夜行内部でも特別親しい者達。

405 :
閃を呼んだのはそのうちの1人、秋津秀である。
だが、普段は終始穏やかな細目の友人は、何やら慌てふためいた様子で走ってくるように見えた。
「閃ちゃん、さっきのは一体どういう事!?」
「へっ?
 何言ってんだよ、お前。」
「とぼけないでよ、閃ちゃん昼食に出た人参をひとつも残さずに食べてたでしょ。」
「(…げっ!?)」
秀の言葉に半ば思考を緩ませていた閃の頭が一気に現実に引き戻された。
途端に少年はその顔を強張らせ、頬に一筋の汗を垂らす。
閃が体調を崩した原因になっていたもの。
それは閃をよく知る者ならば、彼が決して口に入れる筈がないと誰もが思うような物であった。
人参。
これが食卓に並ぶ時、閃は必ずそれを残すか親しい誰かに半強制的に譲る。
そういう行動をとってきた。
――今までは。
「閃ちゃんが人参を食べるなんてどう考えてもおかしいって、皆心配してたよ。
 何か悪い物でも食べたんじゃないかって。」
「何だよ、それ…。」
秀の言葉に、閃は呆れたように溜め息を吐いた。
だが、そんな少年の態度すらも今の秀にとっては納得するどころか却って疑問を募らせる材料となってしまう。
心優しき細目の友人は眉間に皺を寄せ、真剣な面持ちで閃をじっと見つめた。
「…ねえ閃ちゃん、ホントにどうしちゃったの?
 いつもの閃ちゃんなら、こんなこと言われたら怒って爪の1本でも刺してくるところだよ?」
「(俺ってそんな風に思われてんのか…。)」
秀の言葉に閃は再度溜め息を吐きたい衝動に駆られた。
だが、今は下手な行動はとれない。
ここで迂闊な真似をするものなら、今の自分が仲間達に秘密にしていることがばれてしまう
可能性が無いとも限らない。
もしそのような事態に陥ってしまえば、そこからその事実が遠くに住む友人に知られてしまう
可能性だって出てくるのだ。
そのような事態だけは、どうしても避けたかった。

406 :
「…別に、大したことじゃねーよ。」
少し間を置いて素っ気無く返すと、閃は顔を横に向けた。
自分をよく知る友人達に今の自分の表情を見られたくないという気持ちから出た行動だったが、
それこそ彼をよく知る人物からすればその真意は筒抜けだった。
特に、もう1人の人物からしてみれば。
少年の心情など心を読むまでも無かった。
閃の頭上から、はーん、という声が聴こえてきた。
「…女か」
「えっ??」
「!!」
細波の言葉を受けて、閃の身体に緊張が走った。
何も答えてはいないものの、その顔は冷や汗にまみれ全身が強張っている。
閃のその反応に、細波は確信したように言葉を続ける。
「なるほどな。
 好き嫌いをなくして、そいつに少しでもカッコいいところ見せようって魂胆か。」
そーかそーか今夜は赤飯だな、と納得したように意地の悪い笑みを見せる細波。
そんないい年した大人の態度に少年の顔が青ざめていく。
だが秀は2人の様子を見て、納得するどころか疑問符を浮かべ混乱する。
「じゃあ閃ちゃんが最近会いに行ってるのって、その人?
 えっ、でも閃ちゃんが会ってる相手って良守君だよね。
 え、えっ……??」
「ばっ、馬鹿、秀!
 お、女とか、そそ、そんなことあるわけねーだろっ!!」
閃はすかさず否定の言葉を述べた。
ここで良守の名前を出されたら、芋づる式に真相が明らかになってしまうやもしれない。
だが血の上った頭は上手く思考を整理できず、何を言えばいいのかも分からない。
どうすればこの状況を何とか乗り切ることが出来るのか。
閃の焦燥感は募る一方だった。
「なにーっ!?
 閃に彼女が出来た――っ!!?」
合唱のように重なった大声が別の方向から飛んできて、閃は反射的にそちらを向いた。
まるでタイミングを計ったかのように巻緒をはじめとした戦闘班トリオが悲しみを湛えた
表情で少年達の前に現れたのだ。
「(こんな時に…!)」
閃の焦燥感がますます募る。
彼女いない歴イコール年齢の夜行の先輩が『閃に先を越された』と叫びながら泣いたり
怒ったりしている様子が、少年の目に映る。

407 :
その視界の端に新たな影が映った。
騒ぎを聞きつけてやって来たらしい夜行の女性陣である。
もし彼女らにまでこの話題に明るく参加されてしまった日には、どうしたらいいか分からなくなってしまう。
ここでショート寸前だった少年の思考回路は、とうとう寸前の域を超えた。
「いや、だからっ…
 そんなんじゃ…そんなんじゃないんです!!」
声を振り絞り、どうにかそれだけ叫ぶと、地面をいつもより強く蹴って閃は逃げるようにその場を去った。
どこへ行くかなんて決めている筈もない、この場から逃げ出せるならどこでも良かった。
妖混じりの身体能力をフルに活かした三次元的逃走を試みることも頭の端に浮かんだが、
そんなことをしては却って怪しまれるという理性だけは何とか働き、結局少年は
普通に走り去って逃げるのであった。
   * * *
「行ってきまーす。」
別の日の朝。
いつものセーラー服に身を包み元気に家を出る時音の姿があった。
長い髪を揺らしながら学校へ向かう少女。
そんな彼女を、隣家の玄関に立ち遠巻きに見守る兄弟の姿があった。
隣に住む幼馴染の少女が、その仕草や表情が以前とは異なる雰囲気を持ち合わせている。
それが色気と呼ぶものであるということをまだ兄弟は知らなかったが、今の時音は
そんな彼らから見ても以前にも増して魅力的であると、そういう認識があった。
「良兄ぃ、何か最近時音姉ちゃん綺麗になったね?」
そう言って弟の利守は実の兄に笑いかけた。
屈託無く笑う少年。
だが、その両眼は真っ赤に染め上がっている。
そんな弟の顔を、良守は見ていた。
「…ああ。」
表情一つ変えることなく、ただじっと見つめていた。

408 :
今回の投下はこれで終わりです。
一応次回もエロ有ります。
それでは、退散いたします。

409 :
GJ〜!

410 :
いちゃいちゃGJ!

411 :
原作でも、これっぽいのがほんの少しだけでもいいから欲しかった・な・・

412 :
時音が下に履いてんのがいつもの短パンでも
上に着てるのが男のシャツオンリーとかだったら
普通にエロい格好になってしまうのだな、そういえば。

413 :
エロイなそれは。
短パン脱がせるわな。

414 :
うん、脱がせる。

415 :
こんばんは、6回目の投下に参りました。
一応エロ有り、今回も長いです。
ここからまたちょっと暴走していってると思います。

416 :
爽やかな秋晴れがどこまでも続き、涼しげな風が吹き抜ける休日の午後。
墨村家の台所は、普段通りケーキ作りに勤しむ次男坊によって占拠されていた。
さまざまな材料の入れられたボールを攪拌器を持った腕がシャカシャカと動き中の物を混ぜ合わせていく。
時折その手が止まっては、その人物が深い溜め息を吐いた。
後ろに束ねられた髪。
緩やかなウェーブのかかったそれは、たまに光を受けて金色の輝きを放った。
「…何で俺までこんなことさせられなきゃなんねーんだ?」
その髪の主が、恨めしそうにぽつりと呟いた。
事の始まりは少し前。
いつものように逢引の隠れ蓑として墨村家にやって来た閃は、良守に会うなり台所へと連れ込まれた。
戦いの日々の無くなった今の良守にとって閃は小難しい話をする友人というポジションのみに納まらず、
いつの間にかケーキ作りのアシスタントに任命したいという願望を抱くようになっていたようであった。
攪拌器とボールを渡され、半強制的にケーキ作りを手伝わされる閃。
その隣では、彼よりは手馴れた手つきで生クリームを攪拌する少女の姿があった。
「あんた、喋ってる暇があったら手を動かしなさいよ。」
三角巾の中からすらりと伸びた黒い髪が、彼女の動きに合わせ腰の辺りでゆらゆらと揺れている。
雪村時音。
ケーキ作りの手伝いも少しは板についてきた彼女は良守の幼馴染で、現在、閃がこの地を
訪れる目的そのものであった。
「へいへい、とき…雪村。」
再び溜め息を吐き閃は軽い返事をする。
その際、うっかり彼女を名前で呼びそうになり、すぐさま名字で言い直す。
そんな閃の様子を見て、時音はむすっと口を尖らせた。
2人が付き合い始めてから大分時間が流れた。
だが2人は未だに、良守に真実を告げられないでいる。
「別にいいだろ影宮。
 お前いっつもケーキ食ってんだし、たまには手伝ってくれても。」
「…良守。」
背後から呑気な声が響いてきて、閃は眉を顰めながら声の主の方を振り返った。
そこにはいい笑みを浮かべながら立っている良守の姿がある。
そんな友人に、閃は一言言いたくて仕方がなかった。

417 :
だが、迂闊なことを言ってもし彼の想い人との関係がばれたりしたらと思うと、
少年は口をつぐむしかなくなってしまう。
目の前の友人には呑気なままでいてもらうのが1番いいと思っている。
とはいえ、悩みに悩む閃少年の隣で生クリームを攪拌しているのは、良守に対し共通の秘密を
持っている友人の想い人その人である。
彼女への態度から良守が気付いてしまう可能性も無くは無い。
3人でケーキを作ろうとしている笑顔の良守。
良守の想い人で生クリーム攪拌中の時音。
そんな彼女と関係を持っている良守の友人の閃。
この台所で保たれている微妙な均衡がいつ崩れてしまわないかと思うと、ボールの中身を
攪拌しつつも閃の背中からは常にだらだらと冷や汗が流れ続けていた。
――出来ることなら、この場から立ち去ってしまいたい。

「良守。」
閃はその手を完全に止め、笑顔の友人へとその距離を詰めた。
隣の少女はそれを大して気にも留めず、熱心に攪拌を続けている。
閃は更にその距離を詰め、良守の顔へ自らのそれを近づける。
そして、友人にだけ聞こえるような小さな声で、そっと囁いた。
「お前、アイツと共同作業したいんじゃなかったのか?
 俺を巻き込む暇があったら、アイツと2人っきりでケーキ作りを楽しめばいいだろ。」
その『アイツ』との関係性の事を考えると良守に話している内容はかなり残酷なものである。
それに対して心を痛めながらも、閃は険しい表情を浮かべ友人の反応を待った。
だが良守は、そんな閃の真意など知らないかのように呑気な笑顔を浮かべ、言葉を返す。
「いや〜。
 時音とケーキ作るようになってから、皆で何か作るのも悪くないなー、と思うようになってさ。
 影宮よくうちに来るし、別にいいだろ?」
「だからって急過ぎんだよ!
 ここに来た途端いきなりエプロンと三角巾渡されたんだぞ。
 こっちだって心の準備ってもんがあんだよ…。」
チッ、と小さく舌打ちしながらぼやいた。
心の準備とは無論、時音も交えて3人でケーキを作る今の状況に対する準備である。
「そう、エプロンと三角巾!」
だが、そんな閃の態度に対し、良守は突如友人の言葉を復唱した。

418 :
「……はあ?」
怪訝な表情を浮かべ、閃は友人の顔を見た。
エプロンと三角巾。
今、この場にいるもの全員が身に着けているアイテムである。
良守は勿論、時音も。
閃も例外ではない。
「それがどうしたってんだよ。」
「いや、何つーかさ、影宮。
 思った以上に似合うな、それ。
 ……女みたいだけど。」
そう言って良守は口元を押さえ軽く笑う。
だが、それを見て閃の理性が吹き飛んだ。
「良守っ!!」
閃の怒声が台所に響き渡る。
男となった今でも、少年にとってその言葉は嫌悪感を示すもの以外の何物でもなかった。
少年は威嚇するように目の前の友人を強く睨みつけ、右腕を振り回した。
――それが、いけなかった。
「きゃっ!?」
「えっ…」
複数の人間がその距離を詰めて立っている台所。
閃は良守にも時音にも近いところに立っていた。
そしてその右腕が当たった先は少年を挑発した友人ではなく、彼の隣に立つ少女だった。
その勢いでバランスを崩した時音は床に向かってその身体を傾けていく。
手元にあったボールは非情にも宙を舞った。
「とっ…」
「時音!」
「へっ?」
倒れゆく幼馴染を呼ぼうとした良守の声は、傍らの友人の声によって遮られた。
先程の怒りはどこかへ消え、正気を取り戻した閃は時音に向かって右手を伸ばす。
空を切ることなくその手は少女の腕を掴むことに成功した。
だが、床へ落下していくその勢いをすことは最早不可能だった。
「うぉっ…」
少年の間の抜けた声とけたたましい音が鳴り響くのはほぼ同時だった。
時音と共に床へ虚しく倒れ込む閃。
更に追い討ちをかけるように、2人の頭上にボールの中身が降り注ぐのであった。
「時音、影宮!」
良守が2人を呼ぶ。

419 :
だが、当の2人を目にして一瞬その身体が強張った。
床に重なり合うようにして倒れ込む閃と時音。
ただでさえ身体が密着しているというのに、着痩せする時音の胸に閃の顎が見事に納まり切っている。
だが、それを時音が気にかける様子は見られなかった。
「…もう。
 何やってんのよ、あんた。」
「わ、わりぃ。」
呆れるように溜め息を吐く時音の上で、閃が普段決して述べることの無い謝罪の言葉を口にした。
そんな2人の髪や顔には、空から降り注いだ白い災厄がびっしりとこびり付いている。
「(げっ…。)」
唇に頬に前髪に。
整った少女の顔に白いクリームが大量に付着している。
生クリームにまみれた時音の顔を見て閃の身体に否妻のような衝撃が走った。
淫猥な想像が少年の脳裏に浮かび、それが焼き付いて離れない。
おまけに密着する箇所から時音の感触や温もりが直に伝わってくるため、興奮は否応にでも高ぶっていき
身体が冷めることのない熱を孕んでいく。
このままでは不味いと、閃は慌てて膝を起こし時音から離れた。
体勢を立て直し、再び少女に向かって右手を伸ばす。
時音が黙ったままその手を取る。
今度はもう、2人して倒れるようなことは無かった。
「(…あら?)」
ふと、時音はある事実に気が付いた。
同じ空間で自分と閃が向かい合うこの状態。
彼の手を取り立ち上がった自分。
互いに見つめ合う目と目。
その高さ。
以前と比べて確かな変化が生じていることに、時音はこの時初めて気が付いた。
「大丈夫か?」
その目の前の少年から発せられるいたわりの言葉。
「う、うん…別に痛くないけど。
 あんた、頭に生クリーム付いてるわよ。」
「お前だって人のこと言えねーだろ。」
そう言って閃は右手を時音の顔に伸ばす。
唇を掠めるように指でクリームを掬い取ると、それを自らの口に運び、ぺろりと舐め取った。

420 :
「…そうみたい。」
時音は口元を緩ませ、微笑した。
頬はほんのりと色付いており、彼女の両眼は閃を捉えて話さない。
そんな少女を見つめながら、少年もまた気恥ずかしそうに小さく笑った。

この時、2人は気付いていなかった。
口を一切開かず、2人の様子をただ黙って見守る者がいることに。
彼の、その表情に。
   * * *
「それにしても、あんたってホント馬鹿みたい。」
ケーキ作りも何とか無事終了し、良守と別れた時音と閃。
いつものように何食わぬ顔で雪村の家にて再会し、時音の部屋で2人逢瀬の一時を過ごしていた。
ベッドの上で若い2人が並んで座り、そしてある時唐突に少女の口からそんな言葉が漏れた。
「何だよ、いきなり。」
反射的に閃の眉が吊り上がる。
だがそれを見たところで時音は怯むわけも無い。
長い髪を髪留めで束ね、普段あまり身に着けることの無いロングスカートを履いた時音。
風呂上りの熱をその身に残した少女の口から冷たい言葉が綴られる。
「さっきケーキ作ってた時も、わざわざあたしのこと雪村って言い直してたじゃない。
 あたしのこと名前で呼んだら、良守があたし達のこと気付くかもしれないと思って。」
うっ、と小さく呻くと閃は苦い表情を浮かべた。
2人の関係性の変化は、確かに彼ら自身を変えた。
閃が何かしらのアクションを起こす時、その意図が目の前の少女に簡単に読まれるようになっていた。
「そんな事したって却って怪しまれるわよ。」
アイツ、ああ見えて鋭いとこあるんだから。
そう付け加えて、時音はその身を横たわらせ、柔らかいベッドの上に沈んだ。
「うるせーな。
 分かってるよ、そんな事。」
それだけ返すと閃もまた時音と向かい合うようにその身をベッドに横たわらせた。
その状態で何を言うわけでもなく、2人のいるその部屋がしばしの静寂に包まれる。


421 :
「そういえば、お前さ。」
「え?」
突如、少年がぽつりと呟いた。
「大学とかどうする気なんだ?
 今なら一応地元を離れる事だって出来んだろ?」
「うん、まあ…。
 …何、ひょっとして、夜行本部に近いところに越してきて欲しいとか
 ……そういう事考えてたりするの?」
「うっせーな…。」
チッ、と小さく舌打ちして閃がぼやく。
発せられた言葉の裏にあるものは純粋な疑問というわけにはいかず、そこには少年らしい
下心といえるものが確かに存在していた。
眉を顰め、口を尖らせ。
拗ねた表情を見せる少年の姿に時音は嬉しそうに目を細めた。
――だが、少女には彼のささやかな願いをかなえることは出来ない。
「…そういうのも、ちょっとは考えたことあるの。
 でもあたしは……ここを離れられない。」
そう言って時音は小さく笑う。
閃の視界に映るそれは、どこか淋しさを孕んでいるように見えた。
「アイツの傍に、いてあげなくちゃ。」
少女の口から発せられる言葉。
それは、閃のためでなければ、ましてや自分のためのものでもない。
「…そっか。」
少年はそれだけ言うと、寝返りを打ち少女に背を向けた。
「閃…」
「ちょっと聞いてみたかっただけだって。
 気にすんな。」
旋毛の向こうから返って来る少年の素っ気無い言葉。
少女の胸に不安がよぎる。
「ごめん、怒ってる?」
時音は身を乗り出し、閃の上に覆いかぶさった。
しかし影の中の少年は横向きに寝そべっているということもあり、その表情を読み取るのが難しい。
「怒ってねーよ。」
「でもあたし、あんたといる時いつも良守の話ばかりしてる。」
そう言って少女の目が不安に揺れた。
後悔はしないと言いつつも、常に矛盾を孕んだ2人の関係。
逢瀬を重ねる時、いつも会いに来るのは閃で、時音はそれをねだる方だった。

422 :
その際に必ず顔を合わせることになる時音の幼馴染。
2人きりになってからも、時音は彼を常に話題として持ち出していた。
どちらにより負荷がかかっているかなど、分からない筈がない。
時音は更に上体を屈め、閃の顔に自らのそれを近づける。
彼の表情をはっきり見るためであったが、結果としてその行動が叶うことはなかった。
突如肩を掴まれ、時音の身体はベッドの上に押さえつけられた。
「きゃっ…!?」
柔らかい感触を背中に受け、少女は軽い悲鳴を上げる。
気がつけば、今度は閃に自分が覆いかぶされる形となっていた。
時音は自分を組み敷く少年の顔を見た。
相も変わらずその顔は影の中にあったが、その口元は笑みを含んでいるように見えた。
「…ばーか。」
閃の右手が時音の頬にそっと触れた。
優しく撫でるその手付きに、少女の表情が次第に和らいでいく。
「そりゃ、嫉妬しないわけじゃねーけど。」
少年がぽつりと呟いた。
しかしその声は怒気を全く含んでいない。
「でも、もしアイツがいなかったら。
 …そもそも俺達、ここでこうしてないだろ?」
そう答える閃の顔から穏やかな笑みがこぼれる。
それが少年の嘘偽り無い素直な気持ちなのを時音はその身に感じていた。
頬が緩み、少女は笑顔を取り戻す。
「…そっか」
どちらともなくその身が動き。互いの顔が再び近付いていく。
顔にかかる吐息が妙に煩わしく、そして心地いい。
「そっか。」
直後、2人の唇が重なった。

口付けは1度のみに留まらず、離れては触れ互いを求めるようにその行為を若い2人が延々と繰り返す。
静かな部屋に響く息遣い。
時音が両腕をそっと閃の背中に回す。
同時に、少年の手が少女の脚に伸びた。
長いスカートの上から腿をなぞり、緩やかな曲線を描いていく。
「…するの?」
少女がぽつりと呟いた。
何を、と今更聞くことでもない。

423 :
「最初からそのつもりだったんだろ?」
「それは、そうだけど…。
 あんただって、さっき生クリームかぶった時、やらしいこと考えてたでしょ?」
「まあ、な。」
時音の問いに閃は素っ気無く答えた。
しかし、彼の頬に走る朱が、少年に別の色を含んでいる事実を浮き彫りにさせていた。
スカートに皺を作りながら、少年の手は端から内部へと侵入する。
いきなりスカートをめくることはせず、腿を撫でながらその奥地を目指していく。
逢瀬の日には普段身につけている筈の短パンを履かないようにしている少女。
そんな彼女の腿の付け根にあるその場所に閃の手が触れると、時音の身体がぴくりと動いた。
「んっ…!」
少年を抱きしめる両の腕にも自然と力がこもる。
だがそれで愛撫の手が止まるわけではない。
薄い布地の上から起伏のあるその箇所に指を這わせ、ゆるゆるとなぞっていく。
じらされつつも心地いい刺激が少女の身体を駆け巡り、脳を灼く。
やがて下着の上からでもはっきりと分かるほどに湿り気を帯びたその場所を、
閃の指は布地を退け、内部へと侵入していく。
「はぁんっ…!」
時音の腕はますますその力を強め、閃を包むシャツに無数の皺が刻まれる。
それでも少年の手は休まる気配を見せず、自身の指を締め付けてくる少女の中を
擦っては攻め上げ、液体の入り混じった淫猥な音を響かせていく。
「あん、はぁんっ…、やんっ……!
 もうっ、だめ、あ、あぁっ……!!」
時音が背中を仰け反らせ、その身を震わせた。
胸を大きく上下させ虚ろな目で自分を見つめてくる少女の顔を、閃は満足そうに見つめ返す。
「スカート…汚れ、ちゃったじゃ…ない……。」
「たまには服着たままでやるのもいいだろ?」
液体にまみれた指を見せつけながら、少年は意地の悪い笑みを浮かべた。
「…もうっ!」
弾かれたように時音は上体を起こした。
膝立ちになっている閃の腰に勢いよく手を伸ばし、ズボンの金具に触れる。
金属音を響かせ、こじ開けた隙間の向こうから既に反応し始めている少年のものを取り出した。
「お、おいっ!?」
「今更どのくらい汚れたって変わんないでしょ。
 あんたは、あたしがいいって言うまで動いちゃだめよ。」
整ったその顔に悔しさを滲ませた少女は両手を自身の背中に回し、服の上からもぞもぞとその手を動かした。
軽い金属音が部屋に響き、少女の胸元が反動でふわりと揺れる。
続いて時音は上半身を覆う上着に手をかけた。
伸縮性のある布地の端を持つと、それをたくし上げるわけでもなく、すぐ目の前の少年のものへと
その位置を移動させていく。

424 :
「…あんたがさっき妄想してたこと、叶えてあげる。」
少女の発言と共に上着の端が少年のものへとより一層近付く。
少しずらせば触れてしまうようなギリギリの状態で硬くなったものを器用に上着の中に
侵入させていく。
そしてある程度少年のものが入り込むと、突如その侵入を加速させ一気に入り込ませた。
下着に残る温もりと乳房の感触が直に少年のものを襲う。
「うあっ…!?」
自身に走る柔らかな感触と温もりが甘い痺れをもたらし、閃の身体を駆け巡る。
途端、少年は上擦った声を上げた。
   * * *
少年と少女が睦まじい一時を過ごす時音の部屋。
窓を隠すように覆われたカーテンは、2人が逢瀬を重ねる際には必ず閉じるようにしていた。
そのカーテンの端に、一部分だけ角張った出っ張りが飛び出すように存在していた。
普段は決して見ることのない出っ張り。
だが、行為に夢中の若い2人はその存在に気付いていなかった。
――カーテンの向こうの人物が、その事実に気付いていたとしても。
色を持たぬ透明の立方体。
それが本来何もないはずの空間に現れ、カーテンの端をほんの少し浮かせていた。
それは、その立方体を出した人物が、そこから開いた僅かな隙間から部屋の中を
除き見るためのものであった。
窓の外ではボサボサの黒髪が、月の光を受けて仄かに反射している。
かつてあった筈の方印がまるで元から無かったかのように綺麗な手の平。
それを隠すように印を結ぶ少年の右手。
だが部屋の中で起こっている出来事を確認すると、少年は印を解き結界を消した。
出っ張ったカーテンはふわりと舞い、いつもの姿へと戻る。
そして2人に気付かれぬよう音を消し、踵を返し。
良守は自室へと戻っていった。

部屋へ戻っても、電気ひとつ点けるわけでもない。
中心部で正座し、暗闇の中で良守は1人沈黙する。
静寂に包まれた少年の部屋。
その状態を思う存分味わうと、突如良守の身体が震え出した。
同時に、言葉にならない高い声が少年の口から漏れ出した。
振動に合わせるかのように大きくなっていくそれは、暗い部屋の中で徐々にその存在感を増していく。

良守は、笑ってた。

425 :
(暴走は)これで終わりじゃないぞい、もうちっとだけ続くんじゃ。

今回の話を書きながら、結界師は日常パートだけで
長編作っちゃダメなんだと思い知らされました。orz
次回は一応エロ無しです。
それでは、退散いたします。

426 :
凄い。緊張する。
原作でもこれくらいの(ry

427 :
GJ!

428 :
時音、愛してる。

429 :
んだね!

430 :
こんばんは、7回目の投下に参りました。
書いてた当初は楽しいのですが、投下始めてから大分経つと
原作からの乖離っぷりがなかなか恥ずかしくなってくる今日この頃。
でも今回を含めて残り3回ですので、最後まで投下するつもりです。
前回も書きましたが今回は一応エロ無しです。

431 :
その日は、いつもより寒かった。
雲ひとつ無い澄み切った空がどこまでも続き、陽が沈むと無数に煌めく満天の星空が夜の闇を支配する。
光無き世界の全てを等しく照らし出す天球。
その恩恵を受けて、明かりの無いどんな場所においてもそこに確かに光は存在していた。
彼らが立っているのも、そういった場所のひとつだった。
「どうしたんだよ良守、こんな場所まで連れてきて。」
冬の寒さに耐えるべく厚めに着込んだ閃が両腕で自らを抱きしめるような仕草を取りながら
目の前の友人に話しかけた。
少年の口から漏れる息が外気に触れ白く染まっては空気に溶けて消えていく。
こんな場所。
外灯の光も届かないその場所は、現在建設中の校舎とプレハブの仮教室が立っている。
烏森学園。
かつて閃が夜行の任務のために何度も訪れた場所である。
その敷地内の隅、比較的外傷が少なく崩壊を免れた体育館の裏に、閃と良守は立っていた。
顔を上げればすぐ見える体育館の屋根は、かつて良守が友人らに自作のケーキをご馳走した場所でもある。
その体育館の裏側にて、良守は友人に背を向けて立っていた。
事の始まりは少し前。
いつものように時音に呼びつけられた閃が、いつものように良守に会いに行った。
そんな閃にいつも手作りのケーキを振舞ってくる良守の笑顔を見て、軽い罪悪感を覚えるのもいつものこと。
家長の繁守は隣家で古い友人に茶をご馳走になり、いつも穏やかな笑みを湛えた良守の父は
執筆に精を出し部屋から一歩も出ない。
そして目を真っ赤にした利守が笑って来客を迎え入れてくれる。
何もかもいつも通りの日だった。
甘い物を食べて他愛の無い世間話に花を咲かせれば、いつの間にか日も暮れて。
良守らに別れを告げていつも通りこっそりと隣家の少女に会いに行こうとしたら。
良守に声をかけられた。
『わりぃ、影宮。
 ちょっと付き合ってくれねーか。』
別段断る理由も無い。
少しだけ、いつも通りで無い出来事が起こったのだと閃はあまり深く考えずに了承したのだった。


432 :
「丁度去年の今ぐらいの時期に、俺達会ったんだよな。」
良守がぽつりと言った。
相変わらず背を向けたままの友人は、閃の立つ位置からではその表情を窺い知ることは出来ない。
「お、おう…。」
「あれから色んなことがあったけど…
 感謝してるんだぜ、ホント。」
「何だよ、いきなり。」
今の閃には良守の顔を見ることは叶わない。
だが、耳にする彼の声は明るいように感じる。
だから、いつも通りであるならば、やはりその言葉も何気ない会話のひとつだと思えたであろう。
ただ、2人が立っているこの場所がいつも通り過ごすものであるかというと、そうではない。
良守から発せられた言葉がいつも通り聞くような内容かと思えば、やはりそうでもない。
閃は、胸にもやもやした感情が溜まっていくのを感じ取っていた。
それがどういったものなのか、考える必要も無かった。
「影宮」
不意に良守が閃を呼んだ。
途端、少年の身体に戦慄が走る。
肌寒い冬の夜空に静かに響き渡る、友人の澄み切った声。
ようやく良守は閃の方を振り向き、閃は自分を見つめる友人の顔を目にすることが出来た。
いつもなら屈託無く笑う良守の顔。
だが、今の彼は少しも笑ってはいない。
かといって怒っているようでも、悲しんでいるようでもない。
ただ、この空と同じように冷たさを孕んだ感情の読み取れない2つの目がある1点を見据えて離さない。
自身に向けられたものを理解して、閃の身体にも自然と力が入る。
しばらくして、良守の口がゆっくりと開いた。
「お前、時音のこと……好きなのか?」
解き放たれたその言葉に、閃の身体が強張った。
全身が凍り付いていくのを感じる。
寒空には決して似合わない冷や汗が何度も頬を伝って流れていくのが分かった。
「(ばっ……バレた!?)」
そんな焦燥感を表情に出す閃とは対照的に、良守は依然として無表情のまま友人のことを見つめていた。
「(……どうする!?)」

433 :
何と答えたらいいのだろう。
正直に答え、良守に今まで黙ってきたことをありのままに告白するか。
だが良守が尋ねてきた内容は『付き合ってるのか?』ではなく『好きか?』である。
ならば『好き』か、それに準ずる答えを提示して交際の事実については終始秘匿するか。
或いは、どちらの答えについても適当に誤魔化すか。
別の話題を提供して元の話題から遠ざけるというのも有効な手段かもしれない。
又は、物理的な逃走を試みるか。
何もかも放り出して良守に置いてけぼりを食らわせて思考は異次元の彼方へ。
無論、やる筈も無いしやってはいけない手段だ。
答えを見出すことが出来ない。
眉間に皺を寄せ、視界を虚空に彷徨わせながら、閃は大いに悩んだ。
ふと、視界の端に友人の黒いボサボサ頭が映る。
良守は尚も口を閉ざしたまま、閃をずっと見つめている。
激しく追及してくるわけでもなければ、罵倒してくるわけでもない。
色々思考を巡らせ視界を泳がせても、最終的に行き着くところは同じだった。
友人を再びその目に捉えた時、閃の覚悟は決まった。
「…おう。」
肯定を示す2文字の言葉。
それだけを発して少年は口を閉ざした。
「…そっか。」
良守がぽつりと呟いた。
それから何を話すわけでもない。
少年達の立つその場所が静寂に包まれた。
風が建物の間をすり抜けて2人に吹き付ける。
肌を刺すような冷たい痛みをその身に感じながら、閃は良守の表情を窺っていた。
目の前の友人は顔の筋肉を殆ど動かすことなく、ただ少年の方をずっと見つめている。
どのくらいそうしていたのだろう。
不意に、良守の頬が緩んだ。
「そっか――――っ!!」
「…………へ?」
閃は目を丸くした。
自分を睨むように見つめていた筈の良守が突如口元を盛大に吊り上げてけたけたと笑い出す。
予想だにしない友人の反応に言葉を失い、閃は呆然と良守を見つめた。
「水臭いなー、影宮!
 時音も時音だよ、別に話してくれたっていいのに!」

434 :
良守は満面の笑みを浮かべ、心底おかしそうにクックと笑う。
だが、そんな彼の態度を閃は素直に受け入れることなど出来なかった。
依然として冷や汗が少年の頬を伝う。
「何…言ってんだよ、お前……。」
友人に対してかつて抱いた恐怖心。
それとは違う恐怖を少年は今、確かに感じていた。
閃はこの1年間、墨村良守という人物をよく見てきた。
ある時は友人として、またある時は観察対象として。
時音に散々固執してきた良守が閃と彼女との関係を知れば、どのように悲しむのかも、
怒りをぶつけてくるのかも全く想像できないわけではなかった。
だが、目の前の友人が今現在見せている表情は、悲しみでもなければ怒りでない。
閃には良守のその笑顔が痛ましいものに見えた。
「…良守」
閃は友人の名を呼んだ。
しかし笑顔の友人はその表情を崩すわけでもなく明るい声で言葉を続ける。
「ていうかさ、ちゃんと話してくれよ。
 俺だけのけ者にされたみたいで結構淋しかったんだぜ?」
「良守!」
閃はもう一度、怒気を孕むかのように友人の名を強く呼んだ。
澄み切った冬の夜空に少年の声が響き渡ると、良守の表情から笑みが消えた。
「利守がさ。」
「へ?」
「泣いてんだ、俺の見てないところで。」
「…お前」
友人の突然の言葉に、少年はようやく気付いた。
良守は知っていたのだ。
もうずっと前から、あの家を包んでいる空気に。
「父さんは大作を書くって言って家事やる時以外は殆ど俺達に顔を見せなくなった。
 じじいはばばあんところに行くようになってからは飯の時以外殆ど俺達と顔を合わせない。」
良守は、淡々と続けた。
「俺が……俺が台無しにしたんだ、全部。」
その顔に緩やかな笑みを浮かべながら。
そんな彼とは対照的に、閃は怯えるような目で良守を見つめた。
このような言葉を笑顔で語り続ける友人の姿を、少年は今まで一度も見たことがない。

435 :
良守は微笑みながらも自分を見る閃の目を捉えている。
だがそれを別段気にする様子も見せず、口を動かし言葉を続けた。
「変えなくちゃいけないんだ。」
「変えるって…何をだよ。」
閃は、先程とは違う理由でこの場から走り去ってしまいたい衝動に駆られた。
だが、逃げ出すことなど、出来る筈もない。
「あのさ、影宮。」
表情を変えるわけでもなく、落ち着いた口調で良守は語りかけてきた。
「頼みたいことがあるんだけど。」
「へっ…?」
   * * *
風呂上りのほんのり湿った髪を背中から流し、お気に入りの下着とパジャマを身に着けて。
時音は自室のベッドに腰掛けて、閃が来るのを待っていた。
「遅いわね、アイツ。
 何やってんのかしら…。」
少女はぽつりと呟いて、軽く頬を膨らませた。
その身から仄かに香る石鹸の匂いが、部屋全体に流れていく。
閃と付き合うようになってから、時音はたびたび気持ちの落ち着かない状態を体験していた。
不安や苛立ちから来るものではない。
ふわふわしたこの気持ちは、どちらかといえば幸せと呼ぶものに近い。
それは、少し前までの時音なら決して持ち得ないと思っていた感情だった。
「…らしくないわね。」
そう呟くものの、その頬は自然と緩む。
少女は鍵の外された状態の窓を見やった。
陽が落ちてから時間が大分経過しており、閃がこの部屋に来る際そこを経由してくるだろう事は
容易に想像出来ていた。
「早く来なさいよ。」
時音は微笑み、少年の登場を待つ。
その胸にふわふわした感覚を抱いたまま。

と、そこへ。
僅かな明かりでも反射して輝く金の髪が、夜の闇の中に突如現れた。
その手はガラガラと窓を開け靴を脱いで部屋の中に上がり込む。

436 :
「閃」
時音は彼の名を呼んだ。
靴を傍らに置き少年もまた彼女の方を見る。
「…よう、時音。」
「もう、遅いわよ。
 こんな時間まで何やってたの?」
「…わりぃ。」
少年の返答に、時音は訝しげな表情を浮かべた。
彼を知る期間もそろそろ長くなってきたが、閃が何も言わずただ謝罪の言葉だけを述べるなど、
少女にしてみればとても珍しい事態であった。
時音はまじまじと目の前の少年を観察する。
眉間にきつく寄せられた皺と疲れを隠さない目。
そういえば先程の謝罪もどことなく元気がなかったかもしれないと思い当たり、少女が口を開いた。
「閃?
 あんた、一体どうし…」
「わりぃ、時音。」
だが、少女の問いかけは少年の二度目の謝罪によって遮られた。
閃はふらふらと身体をよろめかせ時音の傍らに足を運ぶと、全身から力を無くしたかのように
勢いよくベッドの上に倒れ込む。
「俺、寝るわ。」
「えっ!?
 ちょっと待っ…」
少年の突然の宣言に時音が狼狽する。
しかしそんな少女の反応も虚しく、閃の意識は深い夢の中へと落ちていってしまった。
眉間の皺をそのままに、規則正しい寝息を立てて少年はすやすやと眠る。
「嘘でしょ…。」
時音がぽつりと呟いた。
だが、少女の言葉は閃の耳には届かなかった。
傍らの少年は眠り落ちたその時から微動だにせず、起き上がる気配など微塵も見せない。
少女は激しく落胆した。
この少年が自分に触れるその時を心待ちにしていたというのに。
時音は閃と同じように横になり、頬杖を突いて少年の顔を覗き込んだ。
眉を顰めたまま、まるで苦悶するかのように眠っている目の前の彼。
時音と眠る時の閃は普段、無防備かつ無邪気な寝顔を少女に見せることが多い。
決して本人の前でそれを口にすることはなかったが、そんな姿を時音は可愛いと思っていた。

437 :
「…何かあったの?」
少女が疑問を言葉にする。
だが、それをしたところで目の前の少年から答えを得られそうには無かった。
時音の指が閃の顔に触れる。
眉間に軽く指を押し当てると、更にその皺は深くなり少年の口から呻くような声が漏れた。
少女は指を移動させ、閃の頬に流れる金の髪を摘んだ。
くるくると巻き付けては離れていく金色の流線。
それを見て、時音の顔に徐々に穏やかな笑みが戻っていく。
「ま、いいわ。」
時音はベッドから離れ、部屋の照明を消した。
そして閃と向かい合うように再び横たわると、両目を閉じて自らも夢の中へとその身を委ねていった。
――その胸に一抹の不安を抱えたまま。
   * * *
一方その頃。
墨村家の自室では、良守が布団の上で蹲りながら1人ぼそぼそと喋っていた。
その手に握られているのは、1台の携帯電話。
「――ああ。
 もうじじいと父さんには話をつけた。」
そう言って電話の向こうの相手と言葉を交わす良守。
その顔は怒りも悲しみも喜びすらも孕んでいない。
「俺?
 …俺は大丈夫。」
だが、鋭い眼光を湛えた少年の眼には1点の曇りも存在していなかった。

「――もう、決めたんだ。」

438 :
今回の投下はこれで終わりです。
それでは、退散いたします。

439 :
いい話だ・・・

440 :
極限無想状態でセックルしたら
しぐまは良守の感覚を言葉にしつつ的確な助言をしてくれるんだろうか

441 :
こんばんは、8回目の投下に参りました。
今回もエロなし、次回で最後です。
暴走甚だしいですが、それでも読んで下さる方がいたら嬉しいです。

442 :
「ごめんね、時音ちゃん。
 良守は今ちょっと手が離せないんだ。」
「そう、ですか…。」
修史の言葉に時音は力なく項垂れた。
そんな少女に、幼馴染の父親が視線を送る。
時音には、その眼がいつもと違う色を持っているように見えた。
そんな少女の傍らを学校から帰ってきた利守が挨拶しながら通り過ぎていく。
だが時音の気のせいでなければ、この幼い少年の眼もまた、普段とは違う感情を孕んでいるように見えた。
時音は挨拶して墨村の家を後にした。
帰宅し自室に戻ると、ベッドに顔を埋めて押し黙る。
少女は自身の内側からこみ上げてくる感情を必で押さえ込もうとしていた。
いつからか、良守は時音より早く家を出て学校へ向かうようになった。
それだけならば少女は別段気にも留めなかった。
勉強嫌いだった幼馴染が学業に精を出すようになったのだと思えば、自然と気持ちも明るくなる。
現在では通う場所が完全に異なる2人。
中等部と高等部では下校時間も異なるため、良守と時音が顔を合わせるとすれば
今は帰宅後にその機会があることとなっている。
だが、良守から声がかかってくることがなければ家の用事で赴くことにならない限り
時音が墨村の家に行く理由も取り立てて無い。
そうして、最近は良守に会う機会そのものがすっかり無くなってしまっていることに少女は気がついた。
別にもう両家が争う理由も無いのだ。
理由が無いから、自分から普通に会いに行っても何もおかしくはない。
そう思った時音は何気なく墨村の家に出向き、良守に会おうとした。
しかし、当の良守は手が離せないから会えないと門前払いを食らわされる。
ある時は修史から、またある時は利守から、またある時は繁守から。
そんな日々が何度も続き、時音はそんな墨村家の反応を訝しく思うようになった。
それならば正攻法をやめて無理矢理にでも会いに行こう。
そう決意した少女が次にとった行動は不法侵入。
墨村の敷地にこっそり入り込み、良守のいそうな場所を回る。
それ自体は簡単なことだった。
結界師の正当継承者として血の滲むような努力をしてきた時音は、素人にその気配を
悟られるような動きは見せない。
少なくとも修史と利守は彼女の動きに気付かなかった。
繁守がどう思っていたのかは分からない。

443 :
だが、時音の行動に老齢の結界師はその反応を見せなかった。
――しかし、それでも良守は見つからなかったのだった。
隣家への不法侵入が好ましい事態でないのは承知していたが、時音はそれを連日行い、良守を探した。
手が離せないと門前払いを受けるということは、少なくとも良守は墨村の家にいる筈。
なのにもかかわらず幼馴染の少年はその家のどこにもいない。
時音の行動に墨村の家の者は全く反応を見せなかった。
だが、良守だけはその限りでなかったのだと時音は知った。
良守は時音の動きに気付き、先手を打っていたのだと。
いずれにしても、どの機会においても時音が良守に会うことは叶わなかった。
幼馴染に会う、ただそれだけの願いを叶える事が少女には出来なかった。
そしてそんな日々を何度も繰り返し、ある日時音は自分が置かれている状況を認めざるを得なくなった。

「――あたし、良守に避けられてる。」
時音はベッドから顔を離し、部屋に飾られているカレンダーに目をやった。
特定の日にちだけが赤い丸で囲まれているカレンダー。
週に一度の頻度で付けられていた筈のそれは、ある日を境に全く記されなくなった。
気がつけば、現在に至るまでのスケジュールは白いままで放置されている。
時音が疑問に思っていることがもうひとつあった。
少し前まではひとたび『逢いたい』と言えば遠方から逢いに来てくれる少年の存在があった。
だが、今はそれは叶わない。
忙しくて当分こちらに来れそうにないと、ある時彼は時音に言った。
理由を尋ねてもはぐらかされるばかりで、機会を改めて別の日に再度問いかけても、
やはり同じ反応を返される。
そうして、彼がこの地を訪れなくなってから大分経つ。
良守に避けられるようになった時期。
少年がこの家へ来なくなった時期。
どちらも同じだったと、時音は認識している。
そこから導き出される答えなど、考える必要も無い。
確たる証拠はどこにも無い。
だが、その推理は確実に当たっている。
その確信が時音にはあった。

444 :

   * * *
「――くそっ」
同じ頃。
夜行本部の敷地内にて、閃は目指す場所も無く彷徨っていた。
青白い顔に重い足取り。
体調不良を訴えるのに十分な要素を満たす少年の身体は風に揺れるようにふらつき続ける。
だが、悪いのは肉体などではなかった。
あの日。
良守に秘密を知られたことを知った日、閃は良守にある事を頼まれた。
その内容に首を傾げるも、友人にしてしまったことを考えれば断ることなど出来る筈もない。
そうして二つ返事とまではいかないものの、閃はそれを了承した。
だがその内容について時音に話すことは出来ない。
それもまた、良守に頼まれた内容に含まれているからであった。
また、これを実行する際別の人間にその事情を話さなければならないこととなった。
その人は良守の実の兄で、閃からしてみれば上司にあたる。
夜行頭領・墨村正守。
良守からの頼み事には彼が大きく関係しているため、閃は時音に『秘密』を作ることとなりながらも
夜行のボスである正守には、自分達が築き上げた『秘密』を明かさなければならなくなった。
既に弟から大まかな事情を聞いていたらしい正守の前で正座しながら、上司の反応を黙って窺った閃。
時間を作って逢いに行っていた相手は正守からすれば隣家の少女で、実の弟の好きな人である。
ひょっとしたら罵声が飛んでくることもあるかもしれないと閃は覚悟していた。
だが、当の上司はただ苦笑いを浮かべ、閃に意思の確認のみを問うてくるだけだった。

そうして、閃はそこに立っていた。
誰に叱られる事無く。
少年の足がふらつく。
良守の真意が読めない。
何故あのようなことを頼んできたのか、皆目見当も付かない。
だが、あの夜見た友人の笑顔が、閃の脳裏に焼き付いて離れなかった。

445 :
「何考えてんだ…アイツ。」
あんな風に笑う良守など、閃は今まで見たことが無かった。
あの日までは。
彼が幼馴染の少女をどのくらい好きなのかなど、想像つかないわけではなかった。
きっと、想像以上なのだと。
そして友人が事実を知っている事を知ったその時に少年は深く傷ついた彼の顔を見た。
それが閃には想像つかないわけではなかった。
――だが、やはり想像以上だった。
「…くそっ」
俯き、下唇を強く噛み締め、少年は苦々しい表情を浮かべた。
「一体どうすりゃ良かったんだよ…」
少女と関係を持った時に思ったはずだった。
後悔なんてするわけがない。
だが実際その時が来て、迷わずにいられるほど少年の心は強くは無かった。
ただ立ち尽くし思考を巡らせ、虚ろな眼が世界を回す。
ふと、細く高い音が閃の耳に届いた。
明らかに作られたものであるその音は、少年の傍で発せられているものだった。
閃は自身の服の中に手を入れ、しまい込んだそれを手に取る。
規則正しいリズムで着信を告げる携帯電話。
主を呼び続けるそれを迷う事無く開き、液晶に映った番号を覗く。
そこに映っていたのは、予想した通りの数字の羅列であった。
閃は携帯電話を耳に当て、彼女の声が聴こえてくるのを待った。
『…あ。
 もしもし…閃?』
「時音」
少年は少女の名を呼んだ。
いつも通りトーンを落とさずに声を出すことが出来たのか。
多少気になっているものの、今の彼にはそれを振り返るだけの余裕は無かった。
『どうしたの、あんた。
 …何か調子悪い?』
「別に。
 …お前こそどうしたんだよ。」
『う、うん。
 あのね、その…あんたに、会いたいんだけど。』
想像した通りの言葉が耳に届き、閃は反射的に溜め息を吐いた。

446 :
呆れているわけではない。
少年の胸のうちにあるものもまた、少女と同じだった。
こんな時でも――こんな時だからこそ。
だが、会いに行くのを躊躇う気持ちもあった。
「悪いけど、俺今手が取り込んで…」
『話したいことがあるの!!』
強く主張された時音の言葉に、閃はその身を強張らせた。
心なしか、電話の向こうから聴こえてくるその声は震えているように思う。
「…分かった。」
促され、少年は了解の意を示した。
本当のところ、取り込んでる手なんて無い。
良守からの頼みは、ある程度下準備は整っていてあとはそれを実行する時期を待つのみである。
それなのに時音との逢瀬を拒み続けてきた理由はふたつ。
ひとつは彼女に秘密を気取られないようにするため。
そしてもうひとつは、良守への罪悪感からだった。
彼女からの通話を切って携帯電話を懐にしまう。
大きく溜め息を吐いて俯くと、今度は閃の耳にまた別の聞き慣れた声が飛び込んできた。
「閃ちゃーん!」
閃は振り返り、声の主を見る。
眉を八の字に歪ませ、心もとない顔をした秀が、閃のもとへと駆け寄って来た。
「聞いたよ閃ちゃん、春からのこと。
 一体どうしちゃったの?
 僕には何も話してくれないし…。」
「うっせーな…。」
秀の言葉に閃は小さく舌打ちをした。
少年が隠し事をしてきた相手は、良守や時音のみに限らない。
同じ話を別の人物から何度も提供されれば、罪悪感と苛立ちは自然と募っていく。
閃は不機嫌を全く隠すことなくその顔に表した。
だが秀は怯む事無く抱き続けてきた疑問をそのまま言葉にする。
「閃ちゃん、このところ変だよ。
 話してても上の空なこと多いし、理由は分からないけど無理してるって丸分かりだよ。」
「…」
「それに、ちょっと前までしょっちゅう夜行を空けてたでしょ。
 良守君に会いに行くにしても、次の日に帰ってくるとか不自然だよ。
 細波さんじゃないけど、付き合ってる人がいるのかなって疑っちゃうんだよね。」
「…だったらどうだってんだよ。」
「――まさかとは思うけど、閃ちゃん」

447 :
声のトーンを抑え、間を空けて秀の口がゆっくりと動く。
その様子を見て、閃は再度舌打ちを繰り返した。
「ひょっとして、付き合ってる人って時音ちゃん…」
「そーだよ」
「え…?」
友人のあっさりとした返しに、秀はその身を固まらせた。
そんな彼を見てやはり閃は不機嫌そうに舌を打つ。
そうして踵を返すと仲間に背を向け、再び歩き出した。
スピードを速め、周りにあるもの全てを振り切るかのように。
「せ、閃ちゃんっ!?」
両目を大きく見開いた秀が少年の名を呼んだ。
だが彼は、もう振り向かなかった。
   * * *
陽が暮れて大分経った頃。
閃の足は雪村の邸宅の前まで来ていた。
もう墨村の家へ足を運んだりしない。
とはいえ、この時間帯に正面を切って玄関口から堂々と彼女の家に上がり込む勇気があるわけもなく。
情けない自分を多少恨めしく思いつつ、閃は時音の部屋の窓へと向かった。
予想通り部屋の中から明かりが漏れており、窓は施錠されて無い状態で放置されていた。
少年は窓を開け、部屋の中へ身を乗り出す。
「時音」
「あ……、閃。」
窓の桟に足を掛け、部屋の中に侵入した閃が最初に目にしたのは、ベッドを背にして
うずくまるように座る少女の姿だった。
少し泣いたのだろう、その目は赤く腫れていた。
閃は何も言わず、彼女に倣うようにその隣に腰掛けた。
――あの日と同じように。
「…良守が、あたしを避けるようになったの。」
「良守が?」
閃の言葉に、時音は小さく頷いた。
「墨村の家に行っても何かと理由を付けて断られるのよ。
 …同じ時期に、あんたもこっちに来なくなった。」
時音の言葉を聞いて、閃は彼女が何を言わんとしているのか察した。
程なくして、顔を上げた少女の口から予想通りの言葉が飛び出してきた。

448 :
「あたし達のこと…良守に、ばれたの?」
閃は答えなかった。
答えない代わりに、首を縦に振る。
「……そう。」
それだけ言うと、時音もまた口をつぐんだ。
そうして2人黙ったこの部屋がしばしの静寂に包まれる。
しばらくして、閃がそれを断ち切った。
「後悔してないのか?
 俺とこういう事になって…」
だが、その言葉を最後まで言い切ることは不可能だった。
「…そんな事!」
時音がそれを遮った。
怒気を孕むように真っ直ぐに閃を睨みつけたまま。
だが次第にそれは力を失い、時音は閃から目を逸らし再び下を向く。
「…あたし、あんたのこと好きよ。」
そしてぽつりと、少女は呟いた。
「…俺も好きだ。」
少年もまた、ぽつりと返した。
考えてみれば、互いに『好き』と言ったのはこれが初めてなのだいうことに少年は気がついた。
後悔しないと言って一線を越えても、その時が来てしまえば心にしこりが出来ない筈も無く。
――それでも結局、互いに出した答えはひとつだった。
「でも俺、しばらくこっちに来れなくなるから。」
「え?」
閃の突然の言葉に、時音の眼が不安に揺れた。
今の彼女が自分の言葉にどのような反応を見せるのか、今の閃が分からない筈はない。
「どういう事?
 あたし達の事がばれたのと、何か関係があるの?」
「…まあ、な。」
そう返して、閃は苦々しい笑みを浮かべる。
自分でもどういう顔をすればいいのか分からなくなってきていた。
そんな少年に、少女は黙って抱き付いた。
言葉を口にする代わりに、その眼から幾度と無く涙を零しその頬を濡らした。

――そうして、2人の逢瀬に終わりの時が近づいていた。

449 :
今回はこれで終わり、次回で最後です。
一応次回はエロ有りです。
それでは、退散いたします。

450 :
幸せになーれー!

451 :
もうすぐ終わっちゃうのか・・・

452 :
こんばんは、最後の投下に参りました。
長過ぎる内容でこの1ヶ月スレをほぼ占拠したような状態にしてしまい
申し訳ありませんでした。
暴走もこれで最後です。

453 :
人肌恋しい冬の季節。
その寒さを讃えるかのように窓の外では雪が降り始めていた。
地上にあるものを徐々に塗り替えていく白い雪。
窓の内側では明かりを消した部屋の中、1組の少年少女が白のシーツを自分達の色に塗り替えていた。
床に散乱する2人の衣服。
「はあ、あぁんっ……」
少年の手が少女の白い肌に触れるたび、少女の口から甘く切ない声が漏れる。
「…お前、前より感じやすくなってないか?」
「それは、その……久しぶり、だったから。」
愛の睦言を交わす2人。
だが、その表情は決して喜びに満ち溢れているわけではなかった。
少年と少女は何度も口付けを交わす。
少女の白い胸に指を這わせ、形の良い膨らみを何度も揉みしだき愛撫する。
「はぁっ…ぅん……あぁんっ……はぁん」
熱に浮かされる少女の可憐な唇から濡れた声が幾度と無く漏れ部屋中に響く。
過去も未来も気にかける事無く、今この瞬間が世界の全て。
そんな風に考えられる思考回路をしていないのが少年と少女の悲しいところだったが、
自分の気持ちに素直になりたいという欲望は確かに2人を突き動かしていった。
「せ…閃っ……来て…。」
「お、おう…。」
閃はいきり立った自らのそれを時音の秘所へとあてがった。
濡れそぼったそこは、時音が閃を受け入れる準備が出来ているという事実を如実に表している。
閃は時音の腰をしっかり掴むと、少しずつ自身の挿入を開始していった。
「くっ……!」
「ああ、ああぁぁぁっ…!!」
久々に行われた交わりは、その行為だけで2人にかつてないほどの快感をもたらし、
その身を高ぶらせていく。
奥まで辿り着いたその後は、互いに自らの腰を動かしてその身に湧き上がる衝動を更に高め上げていく。
「あっ…あぁん……はぁんっ…
 せ、閃っ……」
時音は喘ぎながらもその唇を閃の耳元に寄せ、柔らかな耳朶を甘噛みする。
「う、くっ…」
すぐ傍で聴こえる閃の声。
同時に、時音は自分の中で少年の存在が大きくなっていくのを確かに感じていた。

454 :
最後の時が近づこうとしていた。
閃は再び両手を時音の腰に回し、先程とはうって変わって激しいリズムで自身を突き上げる。
「はぁん……あぁんっ…んっ…んっ…あっ…は…ぁっ」
少年の動きに合わせるように少女もまた腰の動きを速め、その口から漏れる声も自然と激しさを増していく。
「はぁっ…あん、ああ、あああぁぁっ…!
 …閃……閃っ…!」
「はぁっ…はぁ…
 と、時音っ…!」
激しい律動。
絡み合う肉と肉。
部屋中に響く少年と少女の嬌声。
2人の視界には熱に浮かされた互いの顔がはっきりと映っていた。
烏森のこと、夜行のこと、将来のこと、良守のこと。
それらを全て忘れてこの一時を過ごす事など2人には出来る筈もない。
だが、それでも。
以前には抱くことのなかった想いが、今の2人には確かにあった。
「くっ…!
 時音、俺…もうっ…!!」
「閃、このままっ…
 離さ…ないでっ…!!」
閃は時音の腰を強く引き、自身を奥へ奥へと突き上げる。
同時に時音の身体が大きく震え、絞り取るように閃の身を強く包み込む。
溢れ出す熱い衝動。
脳を灼き切る激しい交わりは、ここに終焉の時を迎えた。

「……ねえ」
「何だよ」
全てが終わり。
薄暗い部屋の中で少年と少女はシーツにその身を包み向かい合っていた。
終始眼を開けている閃に対して、時音は時折眼を瞑っていた。
だが結局少女は意識を手放せずにいた。
今夢の中に行ってしまえば、この夢が終わってしまうことを理解していたためである。
「また、会えるわよね?」
囁くように紡がれる少女の言葉は、胸中に残る不安を隠せずにいた。
だが、少年は何も答えなかった。
「……」
表情ひとつ変える事無く、ただ黙って少女を見つめ続けていた。

455 :

   * * *
「大分暖かくなってきたわね。」
そしてまた、月日が流れ。
庭に息づく新しい眼を見やりながら、時音はぽつりと呟いた。
夜とはいえ湿気を孕んだ風は肌に温かく。
今日みたいな日ならこの時間帯に桜を見に行くのもなかなか趣があるかもしれない。
そう思いながら少女は自身の家の廊下を静かに歩いていた。
春休み。
この時期が過ぎれば時音は高校3年生。
少女には大学受験のシーズンが到来するのであった。
彼女も、いつまでも子供というわけにはいかない。
そしてそれは、今この場にいない幼馴染とて同じであった。
「良守…」
少女は塀の向こうの隣家を見やりながら、彼のことを考えていた。
閃が時音のもとを去った後も、彼女は何度も良守にコンタクトを取ろうとした。
だがどの場合も上手く避けられてしまい、話はおろか、結局顔を見ることもままならないまま、
全てが終わった頃、少女はようやく事実を聞かされた。
謝りたいとか、悲しいとか、言葉を超えた思いを告げる機会は最後まで無く、
それら全てを永遠に取り戻すことが出来ないと悟ったその時、彼女は真実を知ったのである。
悲しみや淋しさを抱かない筈が無かった。
それが身勝手なものであると知りつつも、人知れず涙を流したこともあった。
だが、その事にいつまでも縛られ続けるわけにもいかなかった。
それが良守の選んだ道であることを、時音は誰よりも知っていたからである。

「さてと、今日はお母さん達も夜遅いし。」
勉強もいいけどこっそりクッキーでも焼こうかしら。
そう独り言を呟いて少女は台所へと足を運ばせようとした。
だがそこへ、客人の来訪を告げる呼び鈴の音が彼女の耳に入ってきた。

456 :
「はーい。」
玄関に向かって返事をしつつ時音はそこへと歩みを進める。
まだ母達が帰宅する時間には程遠く、扉の向こうに立つ人物が家族以外の人物であることは
間違いないのだが、それが誰なのか少女には見当もつかなかった。
「(誰かしら…墨村の人?)」
などと思いながら時音は扉の前に立った。
「どちら様ですか?」
そう尋ねてみるも、扉の向こうから返事は無い。
眉を顰め怪訝な表情を浮かべつつ、時音は扉を開け、その先にいる人物を視認する。
だが、彼の姿をその眼に捉えた時、少女はその場に立ち尽くした。
「……閃…?」
時音の目の前に立っていたのは、少し前に彼女のもとを去った少年。
光を受けて金に輝くその髪を、少女が見間違える筈がない。
罰の悪そうな顔をして、何をするわけでもなくただぽつんと閃は時音の前に立っていた。
「……よう。」
「あんた、どうして……」
思いがけない相手からの突然の来訪に時音は思考が追いつかず、ただ疑問に思ったことを
そのまま言葉にして戸惑った。
疑問は、目の前の少年が身に着けている衣服にも及んだ。
それは、少女が普段よく目にする物だったからである。
「それ、高等部の制服…?」
「…おう」
時音が通う場所で普段から当たり前のように見ている物。
烏森学園の男子生徒が身に着ける学生服。
しかし目の前の少年が着ているのは以前彼が着ていた物とは違う。
紺一色のそれは、高等部の生徒が身に纏うものであった。
なおも決まりの悪い表情を浮かべたまま閃は時音の視線から逃れるようにその目を逸らした。
「…俺、しばらくこっちに通うことになったから。
 夜行烏森支部がまだ残ってるだろ?
 またあそこから通う予定なんだ。」
「…そうなの?」
「つっても期限付きだけどな。」
そう話し続ける閃の目は、やはり時音のそれから逸らしたまま動かない。
だがそんな少年を見て、それがどういった理由から来るものなのか、少女は察した。

457 :
「…良守に頼まれたの?
 あたしにずっと隠してたのって、これだったのね。」
「……まあな。」
少年はぽつりと返した。
「そっか…」
時音は微笑した。
これが幼馴染からの置き土産であることを考えると、笑わずにはいられない。
この地に取り残されることになる自分のために彼がしてくれた事。
それがまさか、『彼』をここに連れてくる事だった、なんて。
「――単純。」
「へ?」
少女はぽつりと呟く。
だが、閃にはその言葉の意味を図ることができない。
訝しげな表情を浮かべ、少年は少女を見つめる。
そんな彼を見やりながら、時音は言葉を続けた。
「あんたはそれで良かったの?」
「まあ…アイツの頼みだしな。
 任務がある時は本部に戻ることになってるし。
 それに…」
「?」
「ここには、お前がいるから。」
そう言って閃は、少女から再び視線を外した。
もう、以前のように弱い自分を卑下することはない。
自分を必要としてくれる人がいるなら、そこはどこであれ自分の居場所。
柔らかな表情を見せるようになった少年の横顔を覗き込みながら、時音は優しく微笑んだ。
そんな彼の目線は、少女のそれとそう変わらない。
「あんた、背伸びたわね。」
「へ?」
「前もちょっと思ったけど、また少し伸びたみたい。
 …あんたも良守も、そのうちあたしのこと追い越していくんだろうな。」
そう言って時音は空を仰ぎ見た。
少女の脳裏に、かつて幼馴染の母親が言い放った言葉が蘇る。
――変わらないものなんてない、終わらないものなんてない。

458 :
いずれ時音も烏森を去る時が来る。
制服も仕事着も脱いで、旅立つ時が来る。
ただ、それが今この時ではないだけで。
「あたしの役目、今度こそ終わっちゃったみたい。」
そう言った時音は、その顔に晴れやかな笑みを浮かべていた。
「閃」
少女は視線を下げて、再度少年を見た。
少年もまた少女を見つめ、2人は再び向かい合う。
「これからもよろしくね。」
「……おう。」
そんな2人の身体を、温かい一陣の風が吹き抜けていった。

「じゃ、良守んとこにも挨拶に行くか。」
「え?」
閃の突然の発言に、時音の顔から笑みが消えた。
少女はその目を丸くして少年のことをじっと見つめる。
だが彼には、その意図するところが分からなかった。
「何だよ、アイツに会わない訳にもいかねーだろ?」
そもそもアイツに頼まれて来たんだし、と閃は眉を顰めて言った。
しかし時音は尚もその表情を変えない。
それを見て、少年は次第にその表情を曇らせていった。
「ひょっとして、何も知らされてないの?」
「…何をだよ。」
「あのね…」
言おうとして時音の口が止まる。
明らかな戸惑いの色を見せる少女に、閃の顔もまた不安に満ちていく。
やがて、意を決したように時音はその言葉を口にした。
「良守は…」

459 :

   * * *
「――本当にこれで良かったのか?
 良守。」
同時刻。
雪村の邸宅の上空に、2人の様子を眺めている者達の姿があった。
着物に身を包んだ五分刈りの青年に、かつて人形と呼ばれた青い髪の少年、
そして黒い装束を身に纏った黒髪の少年。
空中に土台となる結界を張って、その上に立つ彼らは地上で起こっていたその一部始終を見守っていた。
「ああ。」
黒髪の少年――良守が、静かに頷いた。
「俺が時音に出来ることは、もうこれぐらいしかないんだ。」
「2人はお前に本当のことを言わなかったんだろ?」
「本当のことなら…俺も言えなかった。」
青年からの問いかけに、良守はその表情を少しも変える事無く答えた。
ふと地上を見ると、良守の目に全身を使い大きな反応を見せている友人の姿が映る。
今頃真実を聞かされているのだろうと思うと、少年の頬が自然と緩んだ。
「影宮のヤツ、まさか俺が他所の高校受け直してたなんて思わなかっただろうな。」
時音から逃げるようにその身を眩ませ、避け続けてきた期間。
その間、良守はずっと勉強してきた。
成績優秀な幼馴染の手を借りることなく、たった1人で。
その目的はひとつ。
それが果たされた今、良守は笑顔でここにいる。
――彼は、この春から別の高校に通うこととなった。
「影宮が言った通り無想状態だと勉強がはかどったはかどった。
 …本当はあまり使いたくなかったけど、四の五の言ってらんねーからな。」
そう言って黒装束の少年は力無く笑った。
良守が春から通うことになる高校。
それは、彼の故郷であるこの土地から大分離れた場所にある。
環境を一新し別の土地で勉学に励むことになる良守。
だが、少年の目的は別にあった。
「だが、まさかお前が俺のもとに転がり込んでくるとは夢にも思わなかったよ。」
そう言って良守の兄である五分刈りの青年――墨村正守は優しい笑みを浮かべた。
それが優しさだけでなく、その中に意地の悪さを多分に含んでいることを良守は知っていたが、
それに対し眉を顰めるわけでもなく、少年はただ淡々と返した。
「仕方ねえだろ、ここで修行するには限度があるし。
 調べ事するにしてもそっちにいた方が都合が良さそうだし。
 …何よりあそこには、母さん達がいるから。」
「覚悟は変わらないんだな?」
「ああ。」
そう言って良守は、星に満ちた夜の空を仰ぎ見た。
「俺はもう諦めたりしない。
 ――母さんと宙心丸を助け出してみせる、絶対に。」

460 :
完全封印という大義のもとに犠牲になった母親。
一度解き放たれれば世界を滅ぼしかねない宿命を背負わされた幼子。
良守の決意。
それは、閉じた異界の中に今も残っている者達をその手で救うというものであった。
四百年の長い歳月と何代にも渡る結界師らの犠牲を払ってついに成し遂げた完全封印。
それを解き、異界の中の存在を地上に出すことがどんな意味を持つのか、今の良守に分からないわけがない。
そもそも、閉じた異界の中の2人を助け出すことが本当に可能なのかどうかすらも怪しい。
それでも良守は選んだ。
終わりの見えないこの戦いを。

「だが良守、最後に1度くらい時音ちゃんと話をした方が良かったんじゃないか?」
本当にこのまま別れも告げずに行くのか?
正守はそう添える。
しかし、良守の決意は変わらなかった。
「…俺、勝手なんだ。」
「知ってるよ。」
「俺、完全封印する前に時音と約束したんだ。
 『絶対帰ってくる』って。
 でもいざとなったら戻れなくなることも覚悟してた。
 母さんが異界を閉じるために残るって言った時も、俺は迷わず代わりに残ろうとした。
 時音が待っててくれんの、分かってたのに。」
兄に背を向け、良守は淡々と語り続ける。
しかし少年の拳は徐々にその力を強め、硬く握られていく。
「いつだって俺は、俺のしたいようにやってきただけだ。
 結局ただの自己満足でしかないんだ。
 時音にはずっと笑ってて欲しいって思ってたくせにさ。
 俺が帰らなかったら時音が泣くことぐらい、分かってたのに…!」
強く言い放つ少年の言葉が悲痛な叫びにも似て夜の闇に木霊する。
彼を見守る者達はその様子をただ黙ってみていた。
しばらくして、良守がその顔を上げ、彼らの方へと振り返った。
「でも大丈夫、時音はもう戦わない。
 悲しいのだって今だけだ。
 アイツがそばにいるからさ。」

461 :
良守を見守る者達。
彼らの眼に、少年の顔が映る。
作っているわけではない、自然な笑顔がそこにはあった。
「勿論、高校変えても勉強は続けるよ。
 建築家の夢を諦めたつもりはねえし。」
淋しさを孕んだ、その笑顔。
それは、この少年が今だかつて見せたことのないものであった。
その少年が再び地上を見やる。
視線の先には彼が守ろうとしてきた親しい者達の姿があった。
彼女らが家の中に入っていくのを確認すると、良守は再び顔を上げ、何もない虚空を見つめた。
今は一緒にいても。
あの2人の行き着く先なんて分からない。
だがもし、いつか彼女らの道が交わることがあるなら。
「もし、あの2人がそのうち結婚することにでもなったら…
 その時は、ウエディングケーキでも焼いてやるかな。」
そう呟く良守の顔に最早かつての少年の面影は残っていない。
だが、その眼に点る一筋の光は確かに輝きを放っていた。
「良守」
自身を呼ぶ声に応え、良守は後ろを振り返った。
見れば、青い髪の少年が良守をじっと見つめている。
彼――氷浦蒼士は、かつてその記憶を全て奪われ、心を持たない人形として扱われ戦いにその身を投じていた。
それ以外の生き方を知らなければ、それを特別不幸なことだとは思わない。
何が幸せなことかなど、その者の身に立たなければ分からない。
それでも良守は蒼士を助けようとした。
その行為が自己満足と捉えられても別段おかしくはない。
だが蒼士はその後自らの意思で自由を選び取り、そして今、良守を前にして笑っていた。
「行こう。」
そんな蒼士の口から紡がれる言葉。
彼の呼びかけに、良守はその身を動かしていく。
「ああ。」
その胸に秘めるのは、もう決して消えることのない強い意志だった。

そうして歩き始める3人の男達。
虚空を行く彼らの姿は、やがて夜の闇に融け、消えた。

462 :
これでこの話は終わりです。
暴走甚だしい上に最後の方は自分の個人的願望が入っていたりします。
せめてもう少し明るい話に出来たら良かったとは思うのですが…。

何はともあれ、
ここまでお付き合い下さった方、本当に有り難うございます。

463 :
GJ!
面白かった!

464 :
GJ!
閃時が公式カプに見えてくる不思議w
それに良守も良かった。
1ヶ月間本当にお疲れ様でした。

465 :
GJ

466 :
他の書き手さん来ないかしら、と言ってみるテスト

467 :
とりあえず保守

468 :
邪煉に唆されてエロネタ〜とかntr〜とか出来ないもんか
何で再登場しなかったかな、金剛…

469 :
閃ちゃんのサスペンダーをパッチンする話が読みたい
どうエロに繋げられるものか自分でもよう分からんが

470 :
>>469
よう分からんが、まあわかる。

471 :
ところで時音が髪を下ろしたところをうまく想像できなくて、
エロパロ読んでてもいつもの髪型で頭に浮かんでます。
あんまり髪下ろしたシーン原作に無かったからな……

472 :
やはりパジャマ姿や寝姿をいっぱい描くべきだったんだよ・・・

473 :
色恋に勤しむ時音ちゃんだって基本は想像の中の存在よ。orz

474 :
想像の中の存在だからイイんじゃないかw

475 :
閃が絲ちゃんのことを絲ちゃんと呼んでる不思議

476 :
ぽしゅ

477 :
最近話題に出ないが、やっぱり七時は盛り上がると思う。

478 :
たとえばどんな感じ?

479 :
あ、七時もいいよな。
話題に出ないから黙ってたけどw

480 :
七郎の優しい言葉と手練手管によって不本意にもベッドに連れ込まれてしまう時音。
始めは心を開かなかった時音だが、七郎の磨き抜かれた技巧と執拗な言葉責めにより、
さんざん焦らされたあげくに泣きながら絶頂を迎えてしまうのであった。

481 :
いいねーいいねー♪

482 :
季節の行事ネタ読んでみたいような。
結界師のお役目なくなるまでは夜はずっとお勤めだったしね。

483 :
これからようやく学園ものになるってことね。
学園祭で泊まり込みとか……

484 :
ときめきハートフルコメディ結界師!
何故だろう、ゾッとするw
>>483
最終話時点で中等部と高等部は校舎別々だし
その年の学園祭とかどういう風になるんだろうね。
夜までに生徒を帰らせる校則も確かあった筈だけど、
あれもどうなるんだろう。

485 :
それなりに幸せな結末のまっさん絡みとか
幸せかどうかはよう分からんが良守絡みの話とか、
投下する人おらんかな?

486 :
保守

487 :
懐かし漫画板の本スレで全年齢にそぐわぬ書き込みしてる人
こっちで書けばいいのにな…。
そしたら何かしらの燃料になるかもしれんのに。
もし18歳未満なら仕方ないと思うけど。

488 :
空いた時間で水泳部に入ってみた時音を、
競泳水着のままプールサイドで。

489 :
普通に海水浴に行くのは駄目なのか

490 :
>>488
ほう、水泳部男子が?それともコーチ?
>>489
脱がしやすいのはこっちだろうなw

491 :
>>490
それこそ、どこからか侵入した七郎とか……

492 :
結界師 〜鬼畜中出し水泳部編〜

493 :
うわーーー読みてぇーーーーーwwwww

494 :
もうみんな入部の方向で。
夜行とかも転入しとけ。

495 :
そういや一般人×時音って無かったような?
普通なら数人がかりでも時音に勝てないだろうけどさ。

496 :
操られてて怪力になってるモブキャラが数人がかりで、とか

497 :
朝っぱらですが七時プール編書いたので投下しまーす。

498 :
「ちょっと………どこから入って来たのよ!」
鋭い詰問にも構わず、七郎は競泳水着に身を包んだ時音を屋内プールのプールサイドで抱きすくめ、唇を塞いだ。
「んんっ……!」
突然の口付けに時音が身を強ばらせる。
「水着姿も素敵だよ、時音ちゃん」
「あんた……こんなところで……」
「大丈夫、誰も入って来れなくしてあるから」
そう言って七郎は風を操り、時音の両腕を頭上に空間に縛り付けた。
「やっ……!」
時音の、深い青色のシャープな水着を纏った肢体が七郎の眼前にさらけ出された。
「時音ちゃんが水泳やってるって聞いてね。いてもたってもいられず来ちゃったよ」
動けない時音のあらわになった体の線を、七郎はゆっくりとなぞる。
「あっ……」
七郎に触れられると、時音はぴくりと体を震わせた。
なんとか抵抗しようともがく時音の、丸い尻やくびれた腰、なめらかな背中にそっと指先を滑らせる。
「時音ちゃんのワキ、すごく綺麗だよね……」
背後に回り、むき出しになった時音の真っ白い両腋に指先を這わせた。
「や……ぁっ!……」
敏感な場所を弄られ、時音がびくびくと震えながら身を捩る。
「どこ触って………」
柔らかく窪んだ皮膚を七郎の舌がなぞると、恥ずかしさと快感に切ない喘ぎが洩れた。
「や……だ………っ」

499 :

そのまま水着の上から乳首を探り当て、指先で円を描くように愛撫する。
「あっ……やあっ………」
すでに時音の声は熱を帯び、なめらかな肌はしっとりと汗ばみ始めている。
「時音ちゃん、感じてるの?」
「そんな……こと………あんっ」
眉を寄せて快感に耐えながら、時音は七郎を睨み付ける。
「ふふっ……やっぱり、キミのそういうところが好きだなあ」
七郎は楽しそうに言うと、右手の指先で太腿の内側をそっと撫でた。
「んっ………!」
身を固くする時音の太腿を指先でじわじわと愛撫し、そしてそのままそれを水着の下に潜り込ませた。
「あっ!」
七郎は人差し指と中指の先を、弾力のある布地と肌で圧迫された空間に挿し込み、ぬめる液体で溢れるように濡れた場所に滑り込ませた。
「あ…………!」
水着に隠された時音の秘裂は、布地の下で熱く溶けていた。
「ほら……こんなに濡れてる」
七郎は柔らかい割れ目の中で指先を遊ばせた。
「ふあっ………やあぁっ!」
時音は宙空に縛られたまま、あまりの快感にびくびくと痙攣した。
最も柔らかい場所をクチュクチュと音を立てていたぶられ、時音は涙を流して喘ぐ。

500 :
「もう準備は良さそうだね……じゃあ、四つん這いになってもらおうか」
七郎が空いた指を鳴らすと、かすかな風が起こり、時音の四肢を有無を言わさずに屈み込ませた。
時音は両手と両膝をプールサイドにつき、尻を七郎に向かって差し出す格好になった。
「いや……」
屈辱的な姿勢に時音が涙を滲ませる。
「じゃあ、行くよ、時音ちゃん」
七郎は時音の股間の布を脇にずらすと、あらわになったピンク色の肉の割れ目に、ファスナーを下ろして取り出した自分のものをゆっくりと挿し入れた。
「あ………あぁ………っ!!」
体の奥に七郎が入って来るのを感じ、時音は声をあげた。
滴る愛液によって、七郎は無理なく時音の中に己を納めると、時音の腰に手を当てて前後に体を動かし始めた。
「あっ!……あっ!……やぁっ……!!」
膣の奥深くを何度も突かれ、時音の全身を快楽が貫いた。
七郎のものが時音の中を動く度に、強烈な快感が身体の中心からほとばしる。
七郎は腰を動かしながら手を水着の胸元に差し入れ、汗ばんだ乳房を揉みしだいた。
「時音ちゃん、いいよ、とっても……」
七郎の指が溢れる愛液を掬い取り、ひくひくと震える時音のアナルに塗り込んだ。
「やあっ……!」
新たな刺激に、時音の背筋が反り返る。
「こっちも、気持ちいいよ……?」
七郎は粘液でアナルを柔らかくほぐすと、人差し指をそこに沈めて行った。
「あ……あああ! いやぁっ!!」
二つの穴を犯され、時音はおぞましい愉悦におののいた。

501 :

競泳水着を着たままの時音を後ろから犯す七郎は、飽くなき欲望のままに時音を突き続けた。
いつ終わるとも知れない交わりに、時音はあられもない声を上げて喘ぎ続ける。
何度もの絶頂が時音を貫き、痙攣しながら新たな快感に耐えた。
「はぁっ……もう、だめ………許して……ああっ!」
「じゃあ……そろそろ、行くよ……」
七郎は哀願する時音の両腕を掴んで起き上がらせ、膝立ちの姿勢にしてより深く突き込んで行った。
「あっ……あっ……あっ……!!」
そして七郎が時音の最も深い場所に到達すると、それは激しく震えながら、熱い精をどくどくと時音の中心へと注ぎ込んだ。
「あ……ああーーーーーー!!!」
七郎の熱い迸りが体の奥に染み込んで行くのを感じながら、時音はがくがくと身を震わせ、やがて倒れ込んだ。
プールサイドにぐったりと横たわった汗まみれの肢体は、ぶり返す快感に時折びくん、と
震え、股間からは白く濁ったものが滴り落ちていた。
「はあっ……はあっ……はあっ……」
時音は荒い呼吸に翻弄されながら、体内を荒れ狂った嵐の余韻に浸っていた。
「ふう……よかったよ、時音ちゃん…」
七郎が横たわる時音に寄り添うようにして囁いた。
「キミの水着姿、とても素敵だった。また来るから、待っててね……」
そう言い残すと、七郎は一陣の風とともに消え去ったのであった。
(終)


502 :
以上です。おそまつ〜

503 :
GJ
時音の水着姿はエロイねぇ…

504 :
こんな七郎を望んでたんだ・・・!
ドS×時音最高!
この直後に水泳部員が現れて輪姦スタートですかわかります。

505 :
立ち直って日常に戻ったと思ってた良守が
自分でも気付かないうちに徐々に病んでいき
神田ちゃん唆して一線越えちゃう

506 :
お役目も無くなって暇になった三毛野が
今後のこともあろうと時音に抜け師やのうて抜き師の極意を伝授する

507 :
ほお〜!

508 :
操可愛い、でも年いくつだろ?
ちょい年上の男性陣と絡んでくれれば
触手…ではなく食指が動いたかもしれんのだけどなあ。

509 :
水泳部編の時音は既に処女じゃなかったような・・・

510 :
>>509
たぶん七郎に何回かやられてますな。

511 :
>>510
水泳部編で7回目ですな
それまでは「これは一郎兄さんの分!」
「これは二郎兄さんの分!」…(中略)…「これは六郎兄さんの分!」
と、仇討ちもどきプレイをかましていた

って六郎生きてるやん

512 :
>>511
自分でしたくせにw

513 :
なぁーんだ!
一郎から七郎まで順番にマワされてたんだと思ったじゃんw
良かったねぇ時音w

514 :
>>513
それはそれで……

515 :
ん、悪くないw

516 :
それもいいけど、水泳部が消えるのは惜しいなw

517 :
七郎の人気に嫉妬
主人公はどこ行ったんだろうw

518 :
ぶっちゃけ良守が本当にスレ住人にどう思われてんのか気になる。
何となく日々の書き込みからは時音が可愛ければ良い!みたいなのは伝わってくるんだけどね。
陵辱枠として七郎が人気なのも分かる。
あとはもう個人個人の好みによるだろうけど、
主人公に対する評価が見えてこないってのが何か怖くて。

519 :
懐漫板でやろう

520 :
犯人は保守

521 :
いちゃラブい話がしたい…。

522 :
ほす

523 :
保守

524 :
女の子はべらせた七郎に会っても良守が全く動揺しなかったのは
無想部屋でまやかしの姫達相手に経験積んだからだとゲスパーしてみる

525 :
ほしゅ

526 :
続編の予定なしとか…
書いて発散したくなってまいりますた。orz

527 :
>>524
いつの間にそんなリア充に……

528 :
>>527
まやかしの姫達に初めて攻められた時は顔真っ赤
宙心丸連れて時音と別れる時は
悲しませまいと気遣って爽やかな笑顔
つまりはそういう事ですよ

529 :
クリスマス〜年末ネタを
リアルタイムで投下しようとしたけど筆折れた…orz
何はともあれ
皆様良いお年を

530 :
(誰のネタだったんだろうと思いつつ)
良いお年を〜♪

531 :
気になりつつ、
来年もよろしくお願いします。

532 :
保守

533 :
今年も何かしら投下したいと思います。
純愛は書けませんが……

534 :
待ってるw

535 :
ほしゅ
まっさんと夜未のその後が気になる

536 :
最終回後すぐ妊娠

537 :
とりあえず保守

538 :
最終回後の良守について考えると
どうにも擦れてるとか依存とかそういうイメージ先行してまうのよ

自分が好きなのはよっしーが直接絡まないカプだけど

539 :
>>538
(コソーリ同意)

540 :
最終回後のifで馬鹿馬鹿しい感じの無駄に明るい話を書いてみたいけど
もし書いたら確実にエロがおまけになる自信あるある俺ガイル

541 :
おまけでもエロならオッケ♪

542 :
いらん

543 :
少しのエロでも大切にしたい。

544 :
>>542
いらんと思うならスルーしろよ

545 :
陵辱や純愛を食してるとギャグが恋しくなるわけで
お待ちしてます

546 :
というわけで良時ギャグエロ投下してみる。

547 :
時音とのセックスを重ねるうちに、良守は徐々に己の才能を目覚めさせていった。
お城のようなケーキ作り、そして「真界」における世界の構築の経験がいつしか良守に建築を志させたが、
その素質が性の技術においても開花し始めたのだ。
「あ……あぁっ!」
時音が堪えきれずに声をあげた。
(よし、いいぞ……これで土台は出来た!)
良守は、的確な愛撫を積み重ね、時音の感覚をじわじわと高ぶらせていた。
かつての良守は有り余る体力にまかせた豪快なセックスに終始していたが、
今では包括的な視点に立ってより大きな快感を構築する術を覚えたのだ。

548 :
「どうだ! 時音……俺の愛撫術は!」
「はぁっ………こんな、すごいよ………やあっ!」
良守に敏感な場所を刺激され、時音が背筋を反らす。
(そろそろだな……ここで仕上げだ!)
「行くぞ、時音……!」
満を持して良守が時音の中に入って行くと、十二分に準備されていた時音の快楽は何倍にも跳ね上がった。
「あ、ああ────!!」
あまりの快感に、時音は必に良守にしがみついた。
良守は抑えていた衝動を今こそ解放し、ありったけの力で時音に注ぎ込んだ。
「時音! 時音───!!」
「あぁっ、良守……やああっ………!!」
目も眩むような激しい交わりの果てに、二人は同時に絶頂に達した。

549 :
二人は汗まみれになった肌を重ねたままぐったりと横たわり、
荒い息を吐きながら余韻を味わっていた。
「時音……よかったか?」
「うん………すごくよかった………」
惚けたような時音の声に、良守は心の中でほくそ笑んだ。
(ふふふ……また時音をイかせちまったぜ……)
今や溢れ出るようなエネルギーと確かな構築力を兼ね備えた良守は、己の実力に酔い痴れていた。
「じゃあ……今度はあたしがしてあげる」
「えっ?」
おもむろに時音が起き上がり、悪戯っぽい目で良守を見下ろした。

550 :
「お返しに、悲鳴を上げるくらい気持ち良くしてあげるから……」
「あっ、いや、別に……」
良守が何かを言うよりも早く、時音の愛撫が始まった。
良守は思い知った。
結界術の修行において培われた時音の集中力と細やかさを。
こと繊細さを問われる行為において、
もとより時音に敵うはずなど無かったのだ。
自由自在に空間を支配するかのように、
時音の愛撫は良守の感覚を思うがままに操った。
「うわああああああ───!!!」
汲めども尽きぬ良守の膨大なエネルギーを、時音は無惨にも搾り取って行く。
良守の悲鳴にも似た絶叫は、いつまでも止むことが無かった。


551 :
以上です。
乱文失礼致しました。

552 :
GJ
流石時音w

553 :
GJ!

554 :
時音ちゃん孕むのは大分先になりそう

555 :
原作でも結局時音はフリーのような・・・?

556 :
時音って付き合う相手によっては服の趣味変わりそう
いきなり黒ニーソ履きだしたり
勝負パンツが短パンじゃなくなったり

557 :
女性のオッパイをどう呼ぶかによって男性の性格がわかる / オッパイ・パイオツ・乳房など
・胸(むね) …… 比較的社交的な性格をしており、女性に気を使うことができる。
しかしなかなか手を出してこない慎重派でもあるので、草食男子に多い。

という記事を見たが、
なるほど閃ちゃんにはやはり相手からのリードが必要という事だね!

558 :
波同のプロはどんな性癖の奴にも(ry

559 :
今日はバレンタインデーなわけだが

560 :
バレンタイン+エロと言えば当然…

561 :
時音たんが手作りチョコ失敗して
身体張って「私を食べて」を実践しようとしたら
何故か相手のそそり立つチョコを食べさせられることに

って似たようなのあった気が

562 :
相手は誰だったんだろう・・・

563 :
そういえば、チ○コって書くと
どっちともとれる感じになるのですな
もうバレンタイン過ぎてんのに
自分は一体何を言ってるのか…。orz

564 :
ホワイトデーというのもあるさ

565 :
エロパロ的にはそっちの方が響きいいかも>ホワイトデー
だが最早どこに結界らしい要素があるのか
自分でもよう分かりません…

566 :
別スレで過去に良守にノーパン疑惑がかかってたの唐突に思い出した
ジャージあの位置で履いてたら下履いてるわけねえよ、という
14、5歳でノーパン健康法か…

567 :
保守!

568 :
誰かいませんか

569 :
いるけど話題思いつかなくてあんま書いてない、ごめん

570 :
原点に帰って良時希望

571 :
最終回後の共依存かつねっとりなエロとな

572 :
母守に複雑な愛情を抱き続け忘れることが出来ない修史さんを
優しく慰める未亡人時音ママ
何かの間違いでこの2人が再婚するようなことがあったら
良時はくっつかなくなりそうだな
家族になっちゃうから、少なくとも時音はその気にならなさそう

だが、それは良守を陥れるための利守の罠だった!

573 :
え、利時!?

え、違うの?

574 :
母守を連れ戻せなかった良守へのささやかな復讐とか
時音が他の男と懇ろになるよう上手く背中を押したりとか
全然関係ないけど利時って口にすると言いづらいな

575 :
>時音が他の男と懇ろになるよう上手く背中を押したりとか
利守がすごくいい奴に見えた

576 :
利時も悪くないんだけどね〜
新米教師と高校生みたいで

577 :
ネタがあったところで
書かなきゃ話に成らない悲劇

とりあえず保守

578 :
ネタがあるだけでもいいような・・・

579 :
人様の書いた純愛読みたい!

580 :
舞台設定を考えてみた
・冬
・良守の家
・2人っきりで数学の勉強
・こたつ
ハプニングセックスしか選択肢が無いな

581 :
時音の私服に色気がないと閃が馬鹿にしていたら
怒った時音に無理矢理服買うのに連れ回され
女性用下着買うのにも連れ回され
買った物の着せ替えまで強いられてしまうみたいな
そんな電波を受信した

582 :
結局、一番人気があるエロカプってどれなんだろうな

583 :
久々の書き込みキタ!と思いつつも
自分には分からないとしか答えようがないなw
個々の好きカプ挙げてくことなら出来るだろうけど

584 :
時音受けに一票いれとくw

585 :
じゃあ流れに続いて自分は閃時に
原作購読したきっかけがこの2人のやり取りなんで
あまりにこのカプ好き過ぎて
このままではいけない、他のカプのことも考えねば!と妄想しようとしたけど
何か無理だった…orz
理由としては、
閃と絡む時は時音が普通の少女になるのがいいなー、と
個人的にはね

586 :
如何にヒロインが酷い目に遭うか、そしてそこからどうやってリカバリするかが妄想の主眼の俺は、無論時音が総受けです
もう前から後ろからぐちょんぐちょんよ
ヤられっぱなし堕ちっぱなしはあんま好きじゃないんで、大体の場合逆転エンドなわけだが、
時音の戦闘力がインフレ起こしたり良守がジョーカー化する展開がパターンでマンネリ…
閃は物語が転調する時に顔出すことが多いな
ある意味便利屋
だが当人が濡れ場の当事者になることは少ないという不憫な役回り

587 :
原作では夕時、エロでは時音総受けかな。
閃時は目ウロコだったw

588 :
時音総受け人気だなあ、他のおなご全然呼ばれんのね
閃時しか妄想できない身でそんなこと言うもんでもないかもしれんけど
何かね
やろうと思えば吊り橋効果いつでも発動できる環境なのに
全然発動せんで日常的なやりとりばかりするのね>閃時
普通でない環境の中で普通のやりとりするなんて
却って普通じゃないような気がするけど、今思えばそこに惹かれたんだろうね

589 :
時音が閃の呼び名を持ってないのが不思議だったな。
何かあるのかとも思った。何もないまま終わったけどw

590 :
時音が閃を名前で呼ばないのは寧ろ意識してるからなんだ!とか
夜行の女性陣とは普通に接してるのに閃が時音に対して我が侭放題なのは
やっぱり意識してるからなんだ!とか連載中は好き勝手に妄想しまくってました
仮に付き合ったりしたら自然と普通のカップルになりそうだ!とか
普通のカップルになりたがってたのは閃時やのうて良守だけど

591 :
閃時はもっと絡ませれば面白い展開になったんだろうな。
中途半端で実に残念。

592 :
本編で発展しなかった分、ここでの妄想が豊かに花開いたのかもねえ。

593 :
エロ以外の妄想は今でもしょっちゅうするんだけどね…

594 :
最終回後の良守が心に何の暗い影も落とさず(若しくはあったとしてもそれに打ち克つ)
結界師としての人生から離れ普通の少年として充実した毎日を送り
時音と何のわだかまりも無く幸せに結ばれる
そんな未来が全く想像出来ないんだけど
それは単に自分が良時好きでないからだけなのだと思いたい
その未来が描ける方がいたら
出来ればここで妄想垂れ流しにして欲しいですorz

595 :
時音は最後まで良守を弟分としか見てなかったような?
これは多分、良時好きじゃなくなったからって理由からじゃない、はず・・・

596 :
燃料が欲しい保守

597 :
あれから1年……。
良守は夜の学校を駆け回って妖と戦うことも、修行に汗を流すこともなくなった。
だが、おやつに夜食、大量のコーヒー牛乳とお菓子の城を摂取する習慣は改まらず、不摂生を究めた暮らしは良守を急激に太らせた。
母を偲んで同じ髪型にし、父のお古の眼鏡フレームをかけ始めた良守は、烏森学園中等部(再建を機にベローネ学園に改名)の生徒からキモオタ先輩の称号を授かる。
そして異能者として変わらずに内在する呪力をプリキュアに目を付けられるが、逆に彼女らを肉奴隷にしたてあげる。
体を覆う結界でドツクゾーンを物ともしない良守は、校内女生徒と女教師全員のみならず、あかねさんまで孕ませるにいたった。
なお時音は急した婆の相続税を払うために家を売り、母と共に母の実家に帰って無事だった模様。

598 :
>>597
実際あの後だったら良守も能力使いたがらなさそうだし
修練で身体動かすことさえなくなったら成長期の甲斐あって太るだろうな…
で、時音は習慣がすっかり身に染み付いてしまったこともあって
修練やめず生活スタイル変えず周りに内緒でたまに妖退治したりして
それを知った閃を巻き込んだりして一緒にいるうちに何となく…というネタを考えたことがあった

考えるだけに終わったorz

599 :
>>597
妙にリアルだ

600 :
保守

601 :
ここは話題が無いようですが、
まだまだ時音で妄想してます。

602 :
時音のエロはいいよねぇ〜

603 :
シチュだけでも考えるか……
建築家を目指して頑張り始めた良守を応援しようと名建築巡りに付き合う時音だったが、
良守が見事な建築にエキサイトするうちにいつの間にか終電が無くなっていたのであった……

604 :
>>602
時音のエロは最高ですよ。

605 :
遠くの大学へ通うためアパートで一人暮らしを始めた時音の隣に
越してきた某青少年との半同棲生活なるネタを考えたこともありますた

606 :
時音の学生生活か……

607 :
いいねw
候補も何人かいるし

608 :
教師を目指すなら、教育実習で高校生に惚れられるネタも外せないな。

609 :
はっ、利守……?

610 :
スレが珍しく進んでると思ってたけど
イエロウ新作出るんだって?

でも閃時が出るわけじゃないしなあ…

611 :
ほう、新作……

612 :
ちょっとスレが伸びたところで、
書くだけ書いて蔵してた七×時投下してみるわ。
過去に何度も投下してるのでいいかげんワンパターンですまん。

613 :

時音は後悔していた。たった一度でも、七郎に体を許してしまったことを。
おかしくなったのはそれからだ。
あの時味わったものが、時音を変えてしまったのかもしれない。
何度かの拒みきれない逢瀬を経たある日、時音はついに、扇家の前に立っていた。
「やあ……よく来てくれたね。」
七郎が、いつもの爽やかな、しかしどこか退屈したような笑顔で迎えた。
大きな門の庇の下で七郎が時音に寄り添い、馴れ馴れしく肩を抱く。
「やめてよ、こんな所で……」
時音は眉をしかめたが、七郎の肉体を傍に感じ、身体が熱くなるのを抑えきれなかった。
「来てくれたってことは……僕の招きに応じてくれたということなのかな?」
七郎の囁きに、時音は唇を噛んで俯き、身を固くした。
受け入れてはいけない。
ここで彼の申し出を受け入れたら、もはや後戻りはできないだろう。
時音は彼に囚われ、その身体にありとあらゆる辱しめを受けるだろう。
そう考えると、時音の体の奥から、時音の心を裏切る残酷な疼きが激しく湧き起こった。
思わず息を詰め、よろめいた時音は七郎にもたれた。
「……いいよね……? 時音ちゃん。」
熱い吐息とともに耳元に投げ掛けられる声に、時音は抗うことができなかった。
「別に……いいけど……」
そう言った瞬間、時音は自分が最後の一歩を踏み越えたことを知った。
目の前の黒い屋敷が視界いっぱいに広がり、夜の帳で時音を覆い尽くすように感じた。
これから自分は七郎の屋敷に足を踏み入れ、そこに囚われるのだ。
時音の全身を、恐怖と恍惚の激しい身震いが襲った。
覚束ない足取りで、時音は門に向けて歩き出した。
七郎に導かれ、時音は深い夜に呑み込まれて行った。

614 :

そこは幾重にも襖で閉ざされた奥深い部屋だった。
部屋の中はまるで異界のように昏く、滴るような湿り気と、むせかえるような熱に満たされている。
妖しい匂いのする夜具の中で、時音は一糸まとわぬ姿になり、その肌の全てを七郎に差し出していた。
秘めやかな明かりに照らされて、時音のしなやかな肢体が波打っている。
「あぁ………ん……っ」
熱を帯びた吐息が、湿った空気の中に洩れた。
時音の真っ白い可憐な裸身を品定めするように、七郎がゆっくりと体を動かしている。
時音は、七郎の淫猥な両手と舌と唇が、体中を蛞蝓のように這いずるのを感じていた。
水を弾くような肌、白魚のように伸びた四肢、柔らかい膨らみや優しい窪みの全てが投げ出され、七郎がそれらを味わうにまかせていた。
汗の玉が浮いた肩から首筋へと舌が這い上ると、形のいい顎がぴくぴくと震える。
「んっ……」
七郎に触れられた部分からは甘い震えが体の芯に伝わり、時音の四肢を無惨によじらせた。
(どうして……こんなに………)
時音は美しい眉を寄せて、切ない疼きに耐えている。
どれだけ感覚を閉ざそうとしても、巧妙な愛撫による絶え間ない快楽は抵抗を嘲笑うように時音を捕らえた。
慎ましげな丘を伝い降りた七郎の指が、熱い蜜にほどけた秘裂をまさぐった。
「あっ……! やあっ………!」
汗を飛び散らせて、時音は背を反らした。
はしたない体液で溢れたその場所は、淫らな指をやすやすと受け入れ、なまめかしくゆらめいて愛撫に応えた。
「やだ……んあぁっ………」
ぞくぞくと駆け抜ける快感が時音を揺さぶる。
時音は悔しさに涙を滲ませた。


615 :

時音の身体はもはや時音の意のままにならず、自ら開かれて行くように蠕いていた。
いまや時音の全身は霧を吹いたように汗で濡れ、熱に浮かされて桃色に染まっている。
匂いたつような色気を放って身をくねらせ、切なげに喘ぐ時音を、七郎は満足そうに見下ろしていた。
「とても綺麗だよ……時音ちゃん。」
指を時音の体内に沈めたまま、七郎は耳元に囁いた。
「こんなに感じるなんて、君は本当にいやらしい娘だね。」
「いや……!」
七郎の言葉に、時音は涙を流して首を振った。
体液にまみれた襞の中を繊細な指が蠢く度に、時音の体の奥を強い痺れが貫く。
七郎は空いた手で時音の腕を頭上に押さえつけると、露になったなめらかな腋の下にねっとりと舌を這わせた。
「やあっ……!!」
恥ずかしさと快感に、時音はびくびくと震える。
「知ってるよ……キミは腋が感じるんだよね。」
隠すべくもなく目の前にさらけ出された感じやすい皮膚を、七郎は舌と唇で念入りに愛撫する。
「だ……めっ………ぁんっ…」
真っ白く薄い皮膚は、七郎の責めをひときわ敏感に受け入れた。
時音は腋を唾液まみれにされる恥辱に震えながら、はしたない愉悦に喘いだ。


616 :

「だめ……あ……あ─────っ!!!」
長い愛撫の時間を経て、ついに七郎が時音の中に分け入って行くと、時音は哀しげな悲鳴を上げた。
「はあっ……あぁ………」
夜具の上で釘付けにされた裸身が、愉悦のあまり断続的に痙攣する。
焦らされてどろどろに濡れた肉の隙間に、熱く固いものが挿し込まれていた。
密着した七郎の身体に包まれ、膣の奥深くまで繋がって、時音はずっと感じていた、認めたくない渇望が充たされるのを知った。
自分が七郎に貫かれるのをどれだけ待ち望んでいたかを知り、時音は絶望に打ちのめされた。
「すごいよ、時音ちゃん、ビクビク震えてる……」
「いやあ……!」
七郎は時音の中でゆっくりと動き始めた。
「認めてしまいなよ、時音ちゃん……ずっと僕が欲しかったんだって。」
七郎が動く度に、時音の身体中が熱く弾けるように疼いた。
「あうっ……くっ………ふぁっ……」
「ほら、言ってごらん、気持ちいいって。」
「い…やっ………言……わない……あんっ」
時音は歯を食いしばって堪えようとするが、一度身体を捕らえた官能を抑え込む術は無かった。
「本当に強情だね……でも、そういう君をいかせるのが好きなんだ。」
七郎の細く逞しい肉体が、全身で時音の柔らかな肉体を味わっていた。
時音の肌という肌が貪られ、あらゆる体液が啜られた。
時音は身体が汗と愛液にまみれて七郎の身体と一つになり、自分が自分でなくなったかのような恍惚に墜ちていった。
(あたし……どうなっちゃうんだろう……)
七郎の動きが激しさを増すに従い、時音の感覚は快楽の頂に向かって行った。
そして七郎が時音の中に熱い精を放った瞬間、時音は恐怖と悦楽の果てに昇りつめた。
「は──あっ!!──っっ──!!!」
果てしない熱さが、時音の身体の奥から迸った。
時音は涙を溢れさせながら、恐ろしい快楽に包まれて痙攣し続けた。
それはまるで永遠に続くかのように長く、時音を七郎の腕の中で震わせ続けた。

617 :

「……あっ………あっ………はぁっ………」
やがて痙攣が治まると、七郎は時音を貫いていたものをゆっくりと抜き取った。
「うんっ……!」
固いものが引き抜かれる感覚が、敏感になった身体をゆさぶる。
ぬるりと糸を引いた時音の陰唇から七郎の精がどろりと零れ、時音を震わせた。
「ほら……時音ちゃん、綺麗にして」
七郎は時音の身体から抜き取った先端を、ぐったりと横たわる時音の顔に近付けた。
時音はぼんやりした目でそれを見ていたが、やがて少し体を起こし、唇を開いて、七郎の粘液がしたたる先端にくちづけた。
「ん……っ」
時音自身の匂いと、七郎の精液の匂いとが混じり合って、口の中に広がる。
時音はぴくりと震えて眉を寄せたが、そのまま濡れた亀頭を口に含むと、その淫らな液体を舐め取ろうと舌を這わせた。
(ああ………)
恥ずべき悪徳の味が身体に染み渡り、時音は恍惚に震える。
混じり合った愛液と精液の味と匂いが、舌と口腔で味わう性器の味と感触が、時音の心を淫靡な霧で覆い隠した。
時音は尿道に残っていた濃い精液を啜ると、喉を鳴らして飲み下した。
「はあ…………」
粘液の糸を引いて唇を離すと、時音は再び夜具に崩れ落ちた。
二つの口から注ぎ込まれた七郎の濃い精液が、時音の絶頂の余韻に浸された身体を熱病のように満たしていた。
(あたし……汚れてしまった………)
横たわって荒い息を吐きながら、時音は涙を流した。

618 :

七郎が、ぞっとするほど優しい声で囁いた。
「ようこそ、時音ちゃん……僕の世界へ」
耳元に口を寄せながら、七郎は時音の火照った肌に再び指を這わせ始めた。
「えっ………」
繊細な指先が汗で滑りながら時音の裸身を爪弾き、再び感覚を目覚めさせて行く。
「やだ………だめ……」
さらなる絶望が時音を襲おうとしていた。
こんなにされてなお自分が感じていることを、時音は信じられなかった。
「まだ寝かさないよ、時音ちゃん……僕らの夜はずっと続くんだから」
柔らかな舌が乳首を転がすと、時音の背筋が跳ねた。
「あっ……!……いや……許して………!」
「もう君は僕のものなんだよ、時音ちゃん。たっぷり可愛がってあげるからね……」
七郎の舌を受け入れながら、時音は昏い部屋の夜具の上で、新たに始まった愛撫に恐怖した。
それは先程のものとはまるで違う、新たな悦楽によって時音を貶めようとしていた。
(こんなの……信じられない………)
這い回る手と舌に揺さぶられながら、時音は愕然としていた。
すでに味わい尽くしたと思っていたものは、ほんの始まりに過ぎなかったのだ。
「あ……あぁ………っ」
再び、夜具の中で喘ぎが洩れ、なまめかしい肢体が波打ち始める。
ありえない愉悦におののきながら、時音はさらに深い夜へと墜ちて行った。

619 :
以上です。おそまつ。

620 :
GJ!
七時は時音がドMだから好きだw

621 :
やっぱ時音はドMですよ。

622 :
時音はたとえ相手が教え子や利守だとしてもドMでいて欲しいす

623 :
閃ちゃん相手でもドMですか?

624 :
年上×時音=昼はM、夜はドM
同い年×時音=昼はお友達、夜はドM
年下×時音=昼はお姉さん、夜はドM
妖×時音=前半はS、後半ドM
自分の中ではこんなイメージw

625 :
キスマークなんて所詮は内出血、
回復の早い妖混じりなら一晩で消えちゃうよね!
でも消える前に第三者に見られたらアウトだね☆

ってなネタを浮かばせつつ

626 :
閃ちゃんはSやれなさそうだなあ。

627 :
夢見なきゃ嘘だと言い張ってたら
嘘みたいな夢を見てしまう良守(性的な意味で)

628 :
>>627
内容を詳しく。

629 :
>>628
三十路過ぎ子持ち人妻の時音たんが旦那と子作りに励むのを
時音たん視点から延々と体験

630 :
>>629
予想以上だw

631 :
和室で亀甲縛りで責められてる時音が見たい。

632 :
相手はドSに限られますな。
ぱっと思い浮かぶのは七時だが・・・

633 :
夕上でもいいな。

634 :
初期の夕上なら合うかも?

635 :
確かに、後半普通にいい奴だからな。

636 :
夕上が登場した時は、夕時=陵辱モノだと信じて疑わなかったっけ。
懐かしいなーw

637 :
最終巻限定版付属の画集に収録されてる読み切りの初期時音が
子供3人ぐらいこさえてそうなお人に見えますた

638 :
夕時か良時が読みたい

639 :
夕時は相性良すぎてエロパロには難しそー。

640 :
ジュリア×良守とかも有りだったりするんだろうかと思いつつ
神田やら絲ちゃんやら操も好きだけど
操は子供だし絲ちゃん喋んないし
神田は需要そのものが無さそうだのう…orz

641 :
誰か夕時を頼む・・!

642 :
うむ。
夕時ならほんの数行でもいいやw

643 :
じゃあ数行だけでも……
町の駅前の交差点で、夕上は時音と待ち合わせた。大学の課題で使うという本を渡しに来たのだ。
「本、わざわざありがとうございました。」
「いや、かまわないよ。通り道だったし。」
通り道だったというのは嘘だったが、そんなことはおくびにも出さなかった。
「この後、どうするんだい?」
「帰って課題やります。もう時間無くて……」
「なんだ、そうなのか……じゃあ」
そう言って、夕上は素早く時音の唇を奪った。
「な…………!」
往来でキスされるとは思わず、時音が硬直する。
「こんな天気のいい日にせっかく会えたのにお預けなんだから、キスくらいいいだろ?」
夕上は悪戯っぽく笑った。
「じゃあ、僕はこれで……」
踵を返そうとした夕上だったが、気づくと時音の顔が真っ赤に染まり、心なしか目が潤んでいる。
時音は急速な気持ちの変化に自分でも戸惑っているかのように、無言で目を泳がせていた。
「……ホテル、行く?」
夕上の言葉に、狼狽えた時音はうっかり頷いてしまった。


644 :
おおおおおお♪
夕時超久しぶりだ〜GJ〜!

645 :
夕時も七時も閃時もいいなぁw

646 :
うおおおおおおGJ!
ほんの数行でも満足だ。

647 :
すごいスローペースだけどしぶとく生き残ってるこのスレが好きです。

648 :
時音が夕上と温泉旅行で初めて外泊する話が読みたい。

649 :
>>648
良守が変装?しながらこっそり付いていきそうですな

650 :
>>648
夕時初H物語?
>>649
良守不憫w

651 :
>>650
いや、初Hは済ませてるんだけど、お泊まりは初めて的な……
温泉入ったし時間の制限もないし浴衣だしでいつもより盛り上がっちゃうわけですよ。

652 :
良守はもっと前から不憫な目に遭っていたという事か…

653 :
実際問題、最終回後の良守だったら
仮に時音が別の男と付き合ったらどんな反応するかね
逃げ場所がひとつなくなってぐずる?諦める?
七時陵辱だったらブチ切れ確定だろうけど

654 :
七時や閃時だったら相思相愛でも揉めそうだなー
夕時だったら勝負にならない感じ

655 :
閃ちゃん相手だと恋愛相談してた友達に結果的に出し抜かれたことになるからね…
上手く立ち回らないと良守は愚痴れる友人と幼馴染を一気に失うコース
夕上相手だと時音が男と会うたびに拗ねそうではある
七郎は時音に絡んでる姿を良守は目撃したことがないので
個人的にはちょっと想像しにくい

656 :
誰にせよ、立ち直るまで時間がかかりそうだ……

657 :
良守、作中では男としか添い寝してないな…

658 :
最終回後の良時読んでみたいなあ
2人のその後とか

659 :
あの後何事もなく普通にくっついたりしたら個人的にはかなり怖いけど…
精神的な溝が大きそうだし、良守に

660 :
良守が、恋愛以外の部分における成熟ぶりを恋愛の場面でも発揮できるようになったらうまくいくんじゃないかね。

661 :
時音が良守に対して、弟以上の感情を抱いているようには見えんかったなぁ。
結局最後まで。

662 :
時音が今後理性をどこかに置いてけぼりにするぐらいの激しい情愛を
良守以外の異性に対して抱くことがなけりゃ
良守のこと異性として見てなくても良守と結婚するの検討するかもとは思う
良守とはまだ離れたくないみたいだし最終的に良守を手放さないようにするなら
結婚するぐらいのことしないと駄目だろうし
時音の両親は見合い結婚らしいし雪村墨村両家の仲を取り持つ(別に現時点でも
そこまで酷くないと思うけど)為にそういうことになったとしても特に抵抗はないんじゃないかと
でも、お役目がなくなって張り詰めたもんがなくなって
余裕のなかった時音が十代の少女らしい生活に馴染んでいったら恋愛だってどうなるか分かんないし
でも良守は良守で結局作中では時音に自分からハグしたこともなければ
時音とまともに手繋いだこともない(傷のない左手首を引いたことはあるけど)
そこらの姉弟よりよほどスキンシップしてるのにもかかわらず
何故か異性として決定的なアプローチはゼロ、男とは添い寝しまくり
謎すぐる…

663 :
>>662
時音が情熱のままに何人かと付き合ってみてから結局手堅い良守と結婚するという展開もリアルかもな。

664 :
>>663
つまり歴戦の勇者の時音たんに良守が筆下ろししてもらう展開か…
時音が自分以外の男と付き合うたびに苦悶する良守が容易に想像できる

665 :
いやぁ時音は処女を捧げた男に一生ついてくんじゃないかい?(願望)

666 :
>>665
時音と初めて致した男はそのまま雪村の婿養子コースか…
逃げられない予感プンプンですな
てかそれじゃ時音家出られないやん
全然関係ないけど夕上さんとこ跡取りのお姉さん亡くなっちゃってるし
夕上弟は最終的に家に戻ったりするんだろうかと疑問に思ってる

667 :
夕上が二十代半ばだとしたら、夕上姉は三十路前後か?
旦那や子供がいてもおかしかないが・・・

668 :
神佑地の他に守るものがなかったみたいだから
少なくとも子供はいなかったろうなーとは思う

669 :
跡取りは早めに結婚させられそうだが、夕姉は確かに独身に見えるね。
夕上のお家は次の跡取りをどうするつもりだったんだろうな。
子孫は跡取りの弟妹に作らせるとか?

670 :
夕姉の事は深く考えずに描いたとみた →iエロo
まぁ跡取り同士だとしてもガキ2人作ってそれぞれの家に継がせりゃ問題なか

671 :
雪村の家は仮に何かの勢いで時音が嫁に出ても
空間支配系能力者を養子に貰えば一応問題はないんでないのと思いつつ

つまり家を出たがってた良守が養子に(ry

672 :
スレタイ検索したら何故か引っかからなくて焦ったw

烏森守護の役目がなくなったし
今後は裏会からの援助なくなるんじゃないかと思うわけだが
男手ばかりの墨村家はともかく女手オンリーで人数も少ない雪村家は
あの駄々広い土地と家を維持する為にこれからも結界師続けなきゃいけないんじゃないのかな
空間支配系能力者はレアで需要も高いだろうし
時音は器用に色々こなせるので引き手もあまたなんじゃないかと
つまり、良守がどんなに時音に戦って欲しくないと思っていても
時音は結界師やめないんじゃないかなーって思うわけで

673 :
そういや夕上の手伝いも残ってたな。
能力が残ってるなら、ただの数学教師じゃ勿体無い。

674 :
そのコンビものいいな。

675 :
何故か私立探偵の真似事をさせられることになった閃ちゃんの
美人助手を務めるという方向で

676 :
立派な探偵として時音にいいとこ見せようと頑張る閃と、
完璧すぎるフォローで美味しいところを持って行く時音ですね。
いいコンビですね。

677 :
そういえば時音って基本的に嘘つくことがないんだよね
蝶の妖わんさか沸いた時には授業サボったけど、自分のための嘘じゃない
良守は時音と何約束しようと自分の感情ですぐ破る
終盤に至っては最初から破ること前提で嘘ついてたことになるわけだが
最後何食わぬ顔で時音にアプローチしてるわけで
だから不自然なんだな、あの2人の関係
しかし仮に時音が良守以外の男と付き合ったもんなら、わざわざお伺い立てるわけでもなし
結果的に初めて(?)自分のための嘘をつくみたいなことになりそうなもんで
まさか事前に良守に「これから○○と突き合ってくるから」とか
言っちゃうわけにもいかんだろうし

678 :
良守に嘘をつきながら快楽に溺れる時音、いいですね。

679 :
ドSな彼氏に、良守が寝ている隣の部屋で押し倒されて必に声を抑えながら感じまくってしまう時音とかどうかな。

680 :
隣の家じゃなくて、隣の部屋?

うん、イイねw

681 :
無防備の時音が綺砂魚から精神支配系能力を受けて
恋愛や性的な方向に正直になる話はどうだろう

682 :
ドSな彼氏+無防備の時音+エロ
最強だなー(゚∀゚)

683 :
最強ですね。

684 :
時音がセックスに積極的になったら、彼氏がいても一応良守とか閃も試してみるかもな。

685 :
閃ちゃんの筆をお試し程度に下ろしてしまうだなんて!

686 :
時音はそんなコじゃないやいw

687 :
そこはそれ精神支配されてますから。

688 :
服を全て脱がされ、両手首を天井から垂らした縄で縛られた時音が鞭でいたぶられている。
痛みに喘ぐ時音の全身が、汗でぬめぬめ光っている。
やがて後ろから抱きすくめられ、体中を愛撫され、舐め回される。
縛られたまま股間をまさぐられ、そのまま貫かれ、やがて絶頂を迎える。
そういう時音が見たい。

689 :
とりあえず保守っとく

690 :
hosyu

691 :
保守

692 :
新連載が来るというけれど
それでこのスレが少しでも活性化すれば…って
前にも書いたような気ガスorz

693 :
誰かいますか?

694 :
いますよ

695 :
>>694
それを聞いて安心しました
今も自分以外にこのスレを覗いてる人がいるんだなーと

696 :
時音の髪を下ろしてマフラーでゆるく巻くとか
ほんのりエロいシチュエーションやってみたいけど
エロパロには完全不向きという現実

697 :
見てるぞー

698 :
>>696
服を着てなければいいんじゃないか?

699 :
いいねw
どーゆーシチュだかわからんけど

700 :
そういう変態っぽいことするのはやっぱり夕上?

701 :
変態つったらこのスレでは七郎かと思ってた
因みに原作で時音に変態呼ばわりされてたのは閃です

702 :
時音の周りは変態多そうっすねー

703 :
ほっしゅー

704 :
Hはヘンタイの事だったっけ?
ヘンタイじゃない奴なんかいないわなw

705 :
時音のヘンタイ性をいかに引っ張り出すかがつねに問題でありす。

706 :
そういや時音って牛乳好きだっけ
良守時音閃が好物?持ってる扉絵で時音は牛乳持ってた筈だけど

707 :
何が言いたい……

708 :
確かに時音は牛乳好きだよねー
んで?

709 :
とりあえず保守

710 :
時音となんとかミルクの話を早く……

711 :
飛丸が使った巨乳化の術には催淫作用があり
閃の巨乳を時音が興味本位で揉みしだいたら怒った閃の反撃にあって
揉み合っている内に次第に2人の性欲に火が点いて、とか
烏森の力で完全変化しかけた閃はその後、何故か勃起が止まらなくなり
それを鎮めようと一人で何十回も頑張るも一向に治まらず
文弥にこっそり相談したところ異性と交わらないと治らないのではと言われ
同居してる箱田ママやその時居た絲にそれを告げるわけにいかず
グダグダ悩んでたところを時音に見つかって何故か協力してもらうことに
しかし軽い奉仕をしてもらっても一向に症状は治まらず
そのうち時音の性欲に火が点いて“戦士の称号”を捨てることになる閃、とか
何か以前は閃時限定でネタ思いついてたりしたけど
最近は新しいの一向に思いつかんわorz

712 :
ほしゅう

713 :
新連載、女っ気全然ねーな……

714 :
夜行って集団生活だし職場恋愛とかやりにくそうやん、男女別で寝所纏めてるだろうし
箱田君や秀の能力なら尾行せずとも覗き放題だし
無道がうろつくようになったら若い衆そそのかしそうだし
あまり人前でベタベタし過ぎても年端もいかない子供らの情操教育に良く無さそうだし
有料で事に及ぶのも金の流れを仲間に把握されたら罰が悪いし
まっさんは仮に夜未と付き合うにしても夜未は夜行本部に住んでないし
頭領の威厳でさしてえげつないことはされないだろうけど
そこらへんの決まりをちゃんとしとかないと
下手したら夜行の異能者らが大量に魔法使いにクラスチェンジしそうで
がががが

715 :
青春モノなエロキボンヌ

716 :
2週間ぶりの保守

717 :
ラフターの連載開始がこのスレにトドメ刺したかな

718 :
クリスマス保守

719 :
時音のイチゴと生クリームプレイで保守。

720 :
年越しエロは無いかのう

721 :
『結界師』は(アニメ版共々)事実上の打ち切り終了で幕を下ろしていますよ。
志々尾限のからして、あの終盤からして、イエロウの本性は冷酷である可能性があります。

722 :
最終回後によっしーが(相手が誰であれ)女の子に無理矢理致すような事があったら
時音が好きでいてくれた優しいところすらいよいよなくなって自己嫌悪の極みに至れますな

723 :
ほしゅ

724 :
保守

725 :
正夜未よみたい

726 :
バンダイチャンネルで見放題始まったんで見てみたら、すごい面白いすな

727 :
>>726
エロネタ思いついたら、是非このスレへ

728 :
バンダイチャンネル効果で盛り上がり期待

729 :
閃が羽鳥さんをレイプする話なんてどうよ
閃が羽鳥さんに摑まってた時、羽鳥さんにときめく

閃「レイプしてぇ・・・」ハアハア

落ちますた

閃くんレイプするの巻
みたいな感じで

730 :
>>729
2行目、「つかまってた時」な

731 :
シチュエーションは何でもいいので
人様の書いた閃時読みたい

732 :
保守

733 :
保守なのだ

734 :
>>729
亀だが、いくらまだ成長期の途中段階(多分)とはいえ
中学3年の男子を普通におぶれる刃鳥を
全身打撲(多分)の閃1人でやれるかな?
逆ならしたい放題だけど
つうか時音といい刃鳥といい異性と散々密着しまくりで
閃ちゃんの下半身事情は大丈夫だったのか
相手に気付かれたりしなかったのか

735 :
新房アニメなら、(腰ほそい!)(胸やわらかい!)って心の中で叫んでしまって
気づかれそうですよねw

736 :
時音たん孕ませるなら誰がいい?

737 :
閃、夕上、七郎あたりかなー

738 :
ストーリーの前後の整合性完全無視して
ただいちゃついてるだけの話を読みたいような書きたいような

739 :
書いてくださーいw

740 :
最終回後にフラストレーションを抑えられず心を壊していった良守が
時音と閃が微妙な関係になっていることを知って2人を問いただし
動揺している2人を結界術で押さえつけて良守の目の前で無理矢理セックルさせる
という鬼畜ルートを何故か突然妄想した
いっつもは幸せラブラブ妄想ばかりだというのに…
古いパソコンと一緒に自分の頭もクラッシュしたかなと考え中orz

741 :
いいね、鬼畜ルート!

742 :
保守

743 :
また保守

744 :
保守

745 :
意外としぶとい保守

746 :
時音って市営プールでもスク水着ていきそうです。
雪村家だとおばあさんがそういう所いくの許可してくれなさそうで、外でスク水おかしいとかという羞恥心がなさそう。

747 :
そういや入浴シーンは結構あったけど一度も水着着なかったよね時音
風呂覗くどころか好きな人で抜くことすら躊躇してしまうクソ真面目な行正が読みたいです先生
誰が好きなのか知らんけどな!

748 :
箱田君のマ(ry

749 :
全年齢板規制されてるからこっちで書き込み
といっても保守しかやることないorz

750 :
保守

751 :
保守

752 :
規制解除記念保守

と言っても
もう新作が投下されることはなさそうだけど…

753 :
ネタがあっても書く気が湧かねえorz
とりあえず規制解除記念保守

754 :
保守

755 :
書きたいが文才がなさ過ぎて…

756 :
>>755
創作は生き物、自分で育てるものだよ

757 :2013/09/30
ほしゅー
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