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2013年07月エロパロ137: 優等生を堕落させたい3 (256) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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優等生を堕落させたい3


1 :2013/05/02 〜 最終レス :2013/07/04
優等生を堕落させたい
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1286460576/
優等生を堕落させたい2
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1347119596/

2 :
乙!

3 :
保守

4 :
保守るるる

5 :
支援保守

6 :
保守

7 :
上げ保守

8 :
キター!!

9 :
神待ち保守

10 :
http://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ114661.html
話題投下
ブレないなこの人は

11 :
hs

12 :
成績優秀品行方正で真面目な地味娘・カナコと、そんな彼女のことが気に食わない、家が大金持ちのDQN娘・ミナコ。
ミナコは夏休みにカナコを誘拐して、整形手術により壮絶な強制ケバ化処置を施す。
豊胸手術で爆乳化。
メラニン色素注入によって永久ガングロ化。
刺青による絶対に落とせない強制メイク。
艶やかな黒髪を剃りあげてギラギラした色の人口頭髪を植毛。
爪はすべて剥いでネイルアート済みの長ーい付け爪を移植。
シリコン注射で唇を厚ぼったく、フェラに適した形に。
処女膜を切除したあげく、性感帯を増加する手術で膣内感度を上げ、チンポを咥え込んで放さないエロマンコに変える。
すぐさまアナルセックスが可能なように肛門も拡張し、A感覚をうんと開発して男のチンポを入れるに相応しい穴へ改造。
これらのケバ化手術はすべて麻酔で眠らされている間に施された。
カナコが目覚めたとき、鏡には奇形的にエロティックなケバビッチ黒ギャルが映っていた。
元に戻ることも出来ず、そのまま二学期入ってしまう。
制服は何故かみんな丈が短くされていて、ブラウスは臍が丸出し、プリーツスカートはショーツが見えそうな程のミニスカに。
落とすことの出来ない化粧、派手な髪型、露出度が高い改造制服と、校則違反だらけの格好を毎日教師から指摘される。
さらに男をとっかえひっかえしてるヤリマン、ラブホ街で援交、アクセサリーショップで万引き等、あらぬ噂をたてられる。
あれよあれよという間に退学処分を受け、大学受験のため勉学に励んでいたのもすべて水の泡に。
家庭の方もいつの間にか「フラッと家出したと思ったら遊び呆けて不良化」ということになっており、勘当されて家から放り出されてしまう。
そこに現れたミナコ。
カナコは自分をこのようにしたのが彼女とも知らず、「大変だったね、私が何とかしてあげるよ」
という言葉にすがり、彼女に紹介された病院に行く。
しかしそこで待ち受けていたのは、カナコを見かけ通りの低能淫乱バカ女へ完全に堕とす、脳改造処置だった。
投薬と脳外科手術、昏睡下での24時間音声催眠による洗脳暗示。
それらの処置によって“それまでの記憶はそのままに”、自分の名前を書くのがやっとなくらいに知能低下。
下品な言葉を自然に吐き、暇さえあればオナニー、オマンコしたくてしかたがない……という様に精神改造。




だめだ力尽きた

13 :
この志はきっと誰かが継いでくれるに違いない

14 :
保管庫と避難所のURLもテンプレに載せた方がいいんじゃないか
つか保管庫はまだできてないんだっけ?

15 :
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/15851/
保管所
まだ

16 :
夏祭りの5日めの夜が明ける頃、雄一と佑都の2人に送られて、
夏菜子が家の門の前に辿りついた時、ニワトリが鳴く声が聞こえた。
その日も朝まで、全部で4人の男を相手にくたくたになるまでセックスした夏菜子は、
夕方家を出た時とは全く違う服装で帰ってきた。
ポニーテールの髪は下ろして、サラシを巻いていた上半身はTシャツだった。
上からハッピを羽織っているから一見して不自然ではなかったが、見る人が見れば、
その少女がどんな1日を過ごしたかは一目瞭然である。
石田夏菜子の母の実家であり、夏菜子じしん小学校6年生まで育った柴崎家は寺院街の門前町の
一番外側とも言える場所にあり、寺院にも引けをとらない立派な門構えから80メートルほどの道を進むと、
今ではただ壊すにも億単位の資金がないとできないであろう日本家屋の母屋と向かい合うように、
今でも「石田」と表札のかかった二階建ての離れがあった。

柴崎家がこの場所に引っ越してから140年近く経つ。
そこは、江戸時代にこのあたりを治めていた藩の国家老が屋敷を構えていた場所である。
明治のはじめの頃、その家が東京へと去ったあと、豪商としてあたりに名を馳せた柴崎家の、
夏菜子から数えて5代前の時代に、立派な屋敷と庭を手に入れた時は単なる武家屋敷の風情であった。
柴崎家はその後、隣接する急な坂と、門前町から見て下町にあたる、
今では半分以上が住宅地となった水田地帯を買い上げ、地主として知られる存在となり、
農地の一部を立派な庭園として整備したことで、昭和・戦前には既に地元に名だたる名門として知られていた。

17 :
昭和の恐慌をどうにか乗り切り、戦争が終わると、農地改革で農地の大半を失ったが、
夏菜子の曽祖父にあたる人物に商才があったため、
また、立派な庭園は農地改革にかかわらず失うことがなかったため、
柴崎家は高度成長期には地元屈指の成功した家となった。
戦後には代議士や県議会議員も輩出し、この地方の政財界においては欠かせない名門として生き残ってきた。
夏菜子の母、菜津子がその家で生まれ、育った頃、柴崎家は古くからの名門である上に富豪であった。
バブル経済がはじけた90年代には多少厳しい時代が有り、往時の勢いはないが、今でもこの辺りで柴崎家は名門である。
石田夏菜子は、その家の今の当主、柴崎浩太郎の姪に当たる。母菜津子は浩太郎の妹であり、
24歳の時に地元の国立大学の講師と結婚し、25歳の時に一人娘の夏菜子を産んだ。
浩太郎はもともと柴崎家のものであったいくつかの会社の経営の関係で現在は車で一時間ほどの県庁所在地に暮らしており、
実際この広大な家屋敷は祖母、柴崎光子が切り盛りしている。浩太郎には子どもがなく、
世代的には夏菜子が柴崎本家を次ぐ唯一の跡取りである。
相続税やらなにやらの面倒な話を別にすれば、いずれこの広大な家屋敷は、夏菜子のものになるはずである。
故郷の街で、とりわけ地元の町内で、夏菜子が別格のお嬢様として見られていたのはそうした理由があった。

18 :
「にゃ〜」
誰も通る者のいない住宅街の一方通行の道を横切る白い猫を見つけると、
夏菜子はそうおどけて、まだ線の細い中学生の佑都に抱きついてしなだれかかった。
「ほら、もうすぐつくよ」
だが、夏菜子が色目を使っても、夜から朝まで5回も射精した佑都は夏菜子が期待したような反応を示さなかった。
「なにその口のきき方、生意気〜」
人目がないのをいいことに、夏菜子は佑都の股間に手を伸ばす。
「うふふ、ほら、元気になぁれ〜」
「や、やめてよ夏菜子さん」
その5回のうち、2回は他の女の子とセックスしたのであるが、
3回は午前2時を過ぎてから佑都の部屋に潜り込んだ夏菜子によって、であった。
佑都の家は古くからある地元の工務店、つまり大工である。
そのころ両親はぐっすり寝ていたし、佑都も疲れて寝るところであった。そこに携帯が鳴った。
佑都の両親を起こしたら、どんなことになるか・・・夏菜子はスリル満点の状況で、玄関からそーっと入り込み、
佑都の部屋に入ると、おもむろに佑都の短パンを卸、有無をいわさずフェラを始めた。

19 :
おおっ、始まってる。支援。

20 :
夏菜子は、容赦なく2度、口で佑都を果てさせ、挙句夜の寺院街に佑都を連れ出し、
例のお堂で雄一が他の女の子とセックスしているのを見つけると、
その場でもう一度佑都を勃起させると、今度はセックスを要求した。
一度そんな状態にしてしまえば、中学3年生の旺盛な性欲が夏菜子に抗えるはずもなく、
ほぼ夏菜子に犯されるような騎乗位で、精液を搾り取られた。
そのあと、ついでに雄一ともセックスした。
それで、明け方に2人が夏菜子を送ってきたのである。
「それじゃ、2人とも送ってくれてありがとう。ここでいいよ。また夜にね」
柴崎家の門の前で、そう言って小首を傾げてニッコリと微笑んだ夏菜子に、
雄一も佑都もドキッとした。時間をかけて夏菜子にフェラを仕込んだ雄一も、
昨日と今日で4度も夏菜子によって射精させられた佑都も、ちょっと油断をすると夏菜子の生まれ持った可愛さと、
真っ白な素肌と、匂い立つような淫らさと色気に吸い込まれそうになる。
「おやすみなさい」
「あ、夏菜子さん」
「なあに?」
「い、いや、おやすみなさい」
何か口ごもるような言い方の佑都にすたた、と駆け寄ると夏菜子はしゃがみこんで
「ほら、もうこんなに元気になっちゃった。でも今日はもうおしまい。またあとでね。我慢しましょうね〜」
と、硬くなった佑都の股間を少しだけ弄ると、振り返って今度は本当に門の内側に消えていった。

21 :
軽い身体で軽く駆ける女の子の、腰のあたりは宙に浮くように、金色のポニーテールは風にそよぐように揺れた。
少し離れても、花の香りがふんわりと男たちの鼻に届くようであった。
今まで夏菜子を抱いていた二人の男たちが、遠目に見る夏菜子の後ろ姿に、息を呑んだ。
「まったく、女って怖いな」
その光景を見ながら、雄一も驚いていた。
淫乱ギャルに変身――あるいは成長と言うべきかもしれない――を遂げた夏菜子の魅力あるいは魔力に、
吸い込まれそうなのは、誰も同じであった。
佑都は、雄一の言葉に大きく頷いた。

門から柴崎家の母屋までは80メートルほどある。その道のり、夏菜子はにやけながら歩いた。
守谷に処女を捧げた3日前と違って、されるがままではなくて自らも攻めの姿勢を見せることの出来たことが嬉しかった。
こうして明け方に帰るようになってから、最初の日には祖母が心配しているのではと気になって、
恐々として母屋の勝手口から入ったものだったが、家では全く顔を合わせることがなく3日が過ぎたので、
4日めのこの日には母屋に入るときの緊張感も大分薄れていた。
こんな時間まで何をしていたのかと聞かれれば答える言葉もないが、夜は早く眠りにつく祖母のことである。
そもそも夏菜子の深夜の行動など気に留めてないのかもしれない。
夏菜子がそういうふうに希望的な観測を次第に抱くようになっていたのもしかたのないことである。
だが、現実は夏菜子の希望的観測とも、恐れていたこととも全く違う祖母との再会が待っていた。

22 :
母屋の表玄関から居間の電気がついていることを確認した夏菜子は、
勝手口から入ろうとした脚を止めて、窓を覗きこんだ。そこで昨日の夜と同じように、祖母と目が合った。
祖母、光子は、夏菜子の帰りを寝ずに待っていた。
自ら立ち上がって、表玄関に向かい、無言で夏菜子に家に入るように促した。
黒髪を金髪に変えた夏菜子と話すのは、光子にとって初めてであった。
本当に孫娘かと一瞬目を疑ったが、確かに夏菜子であることを確認すると、光子はすこし涙を見せた。
緊張した空気が玄関に流れた。
「ごめんなさい、夏菜ちゃん……」
えっ?と夏菜子は訝しげな顔をした。この時間まで起きていた祖母の口から出た言葉が、
夜遊びを諌めるでもなく、髪を染めたことをしかるでもなく、深々と頭を下げられたのだから、
何が起きたのか分からなくても無理は無いだろう。
「ごめんなさい、夏菜ちゃん。ひどいこと、されたんでしょう……?」
一瞬の静寂のあと、祖母が玄関から降りて涙を流しながら深々と土下座してみせた。
夏菜子は何が起きたのか一瞬わからなかったが、そこは子どものころからの優等生である。なんとなく、状況を想像した。

23 :
「そんな、ひどいことなんて……おもってないから……」
全てバレてる、という確信に負けること無く、夏菜子は下手にでる祖母の態度に合わせて、すこしつんけんとした。
その言葉は本音であったが、とにもかくにも、祖母は夏菜子の置かれた状況、
夏菜子が過ごしてきたこの4日間の時間について、なにか誤解をしているのは明らかであった。
もともとは清楚なお嬢様とはいえ、相手の誤解を利用して状況を自分に有利に持って行こうという狡猾さくらいは備えている。
とっさに夏菜子は、不機嫌そうに腕を組み、斜め上を見つめて、涙を我慢するかのように立ってみた。
「それより、教えて、おばあちゃん。どうしてこういうことになったのか」
夏菜子は、自分でも一体何を尋ねているのかわかっていない。
どういう答えが返ってくるのかわかっていない。だが、なぜ謝るのか聞いてしまうと、
清楚なお嬢様の夏菜子が、自ら望んで淫乱ギャルに変貌を遂げたことがバレてしまうかな、と思ったので、
とりあえず異常なほど低姿勢の祖母・光子がどういうストーリーを想像して、
金髪にギャルメイクの夏菜子に謝っているのか、不機嫌そうな口調で問いただしてみたくなった。
「ごめんなさい……おばあちゃんが……こんなことを許してしまって……」
光子はただただ涙を流しながら頭を下げつづけた。
「おばあちゃん、泣かれたってわけわかんないでしょ!教えてよ、どうしてこんな目にあたしがあってるの?」
「ごめんなさい……」
光子は本当にただ申し訳ない気持ちでいっぱいだったのだ。
夏菜子が帰ってきたらちゃんと説明しようと思っていたのだが、言葉にならなかった。
ギャルメイクも金髪も、彼女の目には、夏菜子が無理矢理に強いられたものだとしか映らなかった。
「わけわかんない。あたし疲れてるからシャワー浴びて寝るね!」
本当のところ、夏菜子はなぜ祖母が謝っているのかも理解できていなかった。

24 :
ただ、なにか「宴」に関することで謝っていることは想像できた。
少なくともこの4日間、最終的には自らの意思で「宴」に参加しているという意識があるので、
謝罪を受けるのはよくわからないことであった。
夜な夜な朝帰りを繰り返し、女子高校生にはふさわしくないギャルメイクと露出の多い服装に身を包んでいることは、
夏菜子の感覚からすれば、怒られこそすれ、謝られるなどという筋合いのものではない。
夏祭りで何キロも歩いたあと、夜通しセックスしていた夏菜子は、その疲れからかすべてを洞察することは出来なかったが、
直感だけは正確に事態を見抜いていた。その結論は、今はわけがわからなくても、
祖母の態度に乗っかることが最良だろう、ということであった。
そして、ボロが出ないうちに、この場から立ち去ってごまかそう、と思った。
それこそが、清楚な優等生でお嬢様の石田夏菜子が、大人から求められた子どもを18年間演じ続けて身につけた、
大人たちを操るための常套手段であり、実のところその演技力は狡猾であった。
清楚で優等生でお嬢様の夏菜子の正体は、初めからそんなものであったという方が適切であろう。
夏菜子は、わけもわからず、土下座する祖母をそのままに、さっさとその場から奥に行こうとした。
「あっ、夏菜ちゃん」
「なに?」
「夏菜ちゃん、今日も……今日も祭りに行くの……?」
「……行くわよ。この町の女の子だからね。一番盛り上がる6日めに行かないわけ無いでしょ。いけないの?」
「……」
光子は顔を上げて夏菜子に聞いた。夏菜子が振り向くこと無くそう答えると、光子は言葉を失った。
この町の女の子なら祭りに参加するのは義務だと思えと、
夏菜子が子どものころから言い聞かせきたのはほかならぬ光子自身であったから、
何も言えなかったのである。
そして、光子の想像の中では、つらい思いをして町の男たちとのセックスを強要されても、
なおこの町の女の子としての義務を果たそうとする夏菜子の姿勢が嬉しくもあり、また哀しくもあった。
自らの若いころを夏菜子の姿に重ねあわせていたのである……

25 :
夏菜子は、ここに至って少し事態が飲み込めた。
「この町の女の子だからね」という言葉は意識して出た言葉ではない。とっさに口をついた言葉だった。
だが、その言葉に祖母が無言になってしまったことを考えると、「夏祭りに参加すること」イコール「宴に参加すること」と
祖母も思っているのだろうか、ひょっとして母、菜津子だけでなく、祖母光子の代から……
宴に参加することは柴崎家の女が義務として受け入れてきたことだったのだろうか、いや、まさかそんなことは……
真実を知るのは恐ろしいことであった。母・菜津子の若いころのことを知ってしまった今となってはなおのことである。
だから、夏菜子は、話題をそらそうとする。
「おばあちゃん、ずっと起きてたの?」
夏菜子が振り向くと光子は答えずにただ下を向いて泣き続けた。
「……心配かけてごめんね。あたしはつらい思いしてないから大丈夫。それより、体壊さないようにちゃんと寝てね」
夏菜子は、それだけ言うとシャワーを浴びに向かった。光子は、その場に突っ伏したまま泣くことしか出来なかった。
夏菜子はといえば、この危機をどういうわけか脱出できてしまったことに安堵して胸をなでおろしていた。
そして、「おばあちゃん」に関する不安を唯一打ち明けていた梨絵に「なんかうまくいっちゃった」とメールを送って、
シャワーを浴びて、そのまま再び祖母に会うこともなく眠りについた。考えることをやめようと努めた。
今日も昼間は、梨絵と唯と3人で会うことになっていた。
幸いなことに、疲れきっていた夏菜子の身体は、不安と関係なく、ぐっすりと眠ることを許した。
石田夏菜子の人生にとって、そして祖母・光子、母・菜津子と続く柴崎家の女たちにとって、運命の日となる夏祭りの6日めは
夏菜子が眠りにつくと同時に明けた。
故郷の北の街は東京なみに暑かった昨日をも上回る、何年ぶりかの猛暑の一日となった。

26 :
「夏菜子のなつ」作者です。
今日はいつもより短いのですが、ここまでにします。長い部分を3つに割った最初の部分です。
ここから暫くスレの本題から離れるような内容になるかもしれません。
それでもだいぶ寄せたつもりなんですけど、まあ期待しないでください。
それではまた。

27 :
支援乙
期待待機

28 :
長いしつまらない
大体いつ堕落すんの?
ババァがでてくるとか勘弁してくれよ
もっといい職人がいっぱいいたのに、なんでこんなんばっかなんだ?

29 :
じゃあ自分で書け

30 :
>>28
お前みたいなのがわいたからだよ

31 :
作品お疲れ様です
いつも楽しませていただいてます
一つだけ
夏菜子がポニーテールを下ろして帰ってきたはずなのに
いつの間にか、またポニーテールになってるようで気になりました
気を悪くされたらすいません
続きも楽しみにしております

32 :
>>28
お気に召さずすみません。
>>31
ありがとうございます。書いてるとこういうのが気づかないんですよ。
ちゃんと読んで頂いてるのも分かってとてもうれしいです。
また、近いうちに来ます。専用スレにならなず他の作者さんが来ますように

33 :
まだ前スレが残っています。
前スレを使い切ってから、こちらをご利用ください。

いったん、このスレを閉めます。

34 :
前スレにたった今SS落としたらいきなり1レスでいっぱいになった。
容量ってもんがあるんだな
こいのぼりさんにちょっと申し訳ないのでいったん最初のレスだけでストップする

35 :
黒髪のお淑やかなお嬢様が身売りされて外見を金髪黒ギャルに無理やり変えられて羞恥に塗れてビッチとしての調教を受ける話って需要ある?

36 :
前回の投下は、思いつきで書いたのでまとまりもなく、表したいことも不十分になってしまい、
反省しています。書くなら別のところで書きます。
34さんは遠慮なく展開してください。
いろいろな人がSSを投下してくれると楽しみです。

37 :
>>36
こいのぼりさん、許可をありがとうございます。
こいのぼりさんの原案を尊重しつつ
ダブルヒロインで書かせて頂きます。
名前も、それぞれ一字ずつ拝借して「優美」と「彩香」にしました。
昨日、前スレの最後に落とした部分も含めて、プロローグを投下します。

38 :
「一周年、おめでとう。カンパイ」
「おめでとう、ってwwww何よそれw別に祝うようなことじゃないんじゃねwww」
親友である彩香といろいろありながら、今は親友としてこうして並んでいる。
この一年間を優美が祝おうとすると、彩香はそのコト自体を笑い飛ばした。
「それもそっかwwwww」
彩香と優美は、渋谷から一駅のところにある低偏差値の私立女子高に通う、高校生ギャル。
優美のほうはこの半年ほど家出状態で、もと通っていたお嬢様女子高校からすぐそばにある、
彩香のアパートにほぼ居候していた。彩香の母はシングルマザーで、生活保護を受けつつ彩香を育ててきた。
だらしない母親で、だから優美が居候状態になっていても、優美がどこの子なのか、気にする様子もなかった。
一年前の今日、高校2年生だった優美と彩香は、駅でぶつかって、お互いの身体が入れ替わった。
今は、外見に合わせた名前でお互いが「彩香」「優美」として生きている。
一年間、いろいろなことがあった。ややこしいが、優美は彩香として、彩香は優美として生きることが二人の約束だった。
だが、お嬢様女子高に通う「優美」と底辺の女子高生である「彩香」ではなにからなにまで違っていた。
共通点など数えられるほどしかなかったし、はじめはお互いの情報を教えあいながらも、喧嘩ばかりしていた。
2人の間に入れ替わりがあったことは、本人たちしか知らない。
2人は、通っている女子高の制服から、優美がもと通っていたA女子学園高校の制服にデパートのトイレで着替えて、
これからJK専デートクラブに出勤する。まだ少し時間があったので、店の近くのコンビニでウーロン茶を買って、外で飲んでいた。
そこで、「あれからちょうど1年」ということに気づいて、冒頭のような言葉が彩香から飛び出した。
低偏差値女子高に通う昼間はメイクもバリバリのギャルの2人だが、
A女子高の制服に着替えた時には清楚系に変身する。
そのほうが当然、客がつく。

39 :
「そろそろ行こうか」
「うん」
2人の向かう店は、マジックミラー越しに女子高生が普通に会話したりお茶を飲んだりしているところを
隣にある個室で客の男が眺めているという形のいわゆる「見学クラブ」である。
指名されれば、別室でお話など出来るのが建前である。
こうした商売は、女子高生風の女の子がいるのが本来の姿で、本来店にいる女の子たちはもちろん高校生の年齢ではない。
だから、こっそり本物の女子高生がいれば、店の価値は上がる。
もちろん違法である。摘発される可能性も跳ね上がるのであるが、
実際にはそのリスクを犯してでも十分なリターンがあるほど、JK専は儲かる。
そして、暗黙の事であるが、上得意の客になると、いわゆる「店外デート」が斡旋される。
事実上店の売上を支えるのはそうした男の払う裏の指名料であり、
こうした店で働く本物の女子高生が期待するのは、裏の更に裏の、「店外デート」とその先の「ウリ」、
つまり売春による表に出せない報酬であった。
「キララちゃん、5番指名入ったから、よろしく」
「あっ。はーい♪わかりました」
キララ、というのは彩香の源氏名である。
部屋で雑談しているだけの彩香と優美は、入店以来3か月知覚になるが、ずっと店の稼ぎ頭を競っていた。
出勤するとすぐに2人とも指名されるようになっていた。必ず2人揃っての出勤であったが、
この日で先に指名を受けるのは、これで彩香の21勝19敗。同点を狙っていた優美の狙いは外れた。
逆に単に指名の数で言えばこれで同数になった。
そして、2人は裏指名と呼ばれる「店外デート」にも最近はほぼ毎日呼び出されていた。
客は競うように「キララ」こと彩香と「ルナ」こと優美を指名した。
「ちっ!やられたか(>_<)」
彩香が勝ち誇ったような得意げな表情で「ばいばーい(^o^)v」と手を振って部屋から去るのとほぼ同時に、優美の携帯が鳴った。

40 :
「ルナちゃん、3番に指名、お願いね」
「はーい(*^_^*)」
優美は、ほんの少しの差で彩香に先に指名が来たことが残念だった。
だが、本来の目的は客からカネを搾り取ることであるから、気持ちをすぐに切り替える。
店外にまで持ち込めるかどうか、優美の腕の見せ所である。
「あー、うれしい♪いっしーまたきてくれたんだー」
キララこと彩香、は、この日が3回めの指名となるぽっちゃりした40代前半のサラリーマン風の「いっしー」を見ると
にっこりと笑ってすぐに腕を握った。前回、店外デートでラブホに連れて行ってくれた。気前よく10万円払ってくれた。
「キララね、あのね(*^_^*)」
ちょこんとすわって上目遣いで肩を寄せて恥ずかしそうにもじしている「キララ」に「いっしー」は
「なに、どうしたの?」
と聞いてみる。
「ちょっと、耳、貸してぇ(*´∀`)」
さっきまで優美と話していたときよりも、半オクターブ高い声で、甘えたような目つきで、おねだりする。
「いっしー」が耳を差し出すと、両手で耳を囲ってごにょごにょ、となにか囁いた。
手の半分ほどを覆っている、黒いA女子学園高校指定のカーディガンの袖が、「いっしー」耳にあたって、心地よかった
「そ、それって・・・あの・・・」
清楚系のメイクではあるが、しっかり目元は引き立たせて、もともとつぶらな瞳がきらきらと輝いている。
「今日安全な日なの」というキララの囁きに、この中年男は、一発で引っかかる。
男なんて単純で頭の悪い生き物だ。それが彩香が1年で学んだことの一つである。
「わかった、ちょっと待っててね」
キララこと彩香の、今夜の予定はこれで埋まった。客の「いっしー」はすぐに受け付けに向かって、
店に2万円払い、指定された待ち合わせ場所に向かうことになった。
さすがに同伴で店を立ち去ることは出来ない決まりだった。
そこから先は店のあずかり知らないこと、というのが建前であるが、もちろん、ただお茶を飲んで終わるわけではない。

41 :
一年前まで、都内でも屈指のお嬢様女子高に通っていた優等生そのものの優美の精神と記憶を持ったまま、
彩香に生まれ変わってから、よくここまで順応したものである、と彩香は自ら感心している。
潔癖症で、キスもしたことのない女の子が、身体だけ底辺ギャルになったからといってギャルになりきれるものではない。
多くの葛藤があったし、辛いこともあった。
一年前までの、お嬢様だった優美から見れば、底辺女子高生ギャルなどという生物は、
何も考えずにその日を生きるだけの、低級な生き物としか思っていなかった。
だが、いざその底辺女子高生ギャルとなってみると、いろいろな悩みを抱えながら日々を懸命に過ごしていることがわかってきた。
彩香として生きたこの1年間も、もともとお勉強の得意だった彼女にとってはまた、勉強だったのであろう。
だからこそ、優美の身体の中にある、もともと彩香だった女の子にも、同じ苦しみがあったことを十分に察することが出来た。
優美の身体に乗り移ったといっても、記憶と精神は彩香のままなので、
優美そのものの生活を続けるように望むのは無理なことであったのだ。
最初のうちは、学校を勝手に早退したり、そんな今思えばささいなことで優美に逆上していた。
一人の男を奪い合ったり、優美が万引きで謹慎処分を受けたり、売春で退学になったり、
A女子高校の先生の世話で彩香と同じ底辺私立に転校したりと、入れ替わった後の優美の1年は惨憺たるものであった。
その度に、激しく喧嘩して、話し合って、少しずつ仲良くなってきた。
優美がもと通っていたA女子学園高校の制服を引っ張りだして、2人でJK専クラブでのバイトを始めようと思い立ったのは、
3か月ほど前の事だった。そのことは、2人で話し合って決めたことである。

42 :
今にして思えば、あの日から彩香と優美は、お互いに二人しか知らないことばかりで、
秘密も隠し事も一切ありえない仲になってしまったのである。
今でも、彩香は優美だし、優美は彩香なのである。
ただ、この1年間で、2人のあまりに違う人生を調整してきた、簡単にいえばそんなところだ。
「あたし、難しいことわかんないよ」
彩香がそんなふうに考えていることを優美に話せば、そう言って笑うだろう。そのことがよく分かっている。
ようするに、今の優美、つまりもとの彩香の精神にはお嬢様を続ける根性がなくて、
逆に今の彩香、つまりもとの優美の精神には、こんなふうなギャルになる素質があったのだろう。
彩香は、今はそのことを受け容れることが出来た。
だから危ない橋をわたって、うだつのあがらない中年男に抱かれることも、お金のためには平気、と思うことが出来た。
一方、「ルナ」こと優美を指名した男も、すぐに店外デートをもちかけた。
ルナを店外デートに連れ出した男は、小奇麗な30くらいの、サラリーマン風の男であった。
「ルナちゃんって、A女子の制服着てるけど、本当にあそこの生徒なの?」
「えー?なにそれ?ちがうようにみえ・・・ます?」
「うん、っていうか、違ったらいいなと思ってる」
その男は「萩原」と名字で名乗った。本名かどうかは分からないが、
こういう場に来るにはちょっと不釣り合いな雰囲気の男ではあった。
店もそのことは気づいていたようで「注意しろよ」と言われていた。
「本当は何歳なの?もっと良いお仕事があるんだけど、興味ない?」
男は、引き抜きの話をするために優美を指名したのであった。
これはこうした世界では危ない橋であるが、それだけ、優美が魅力的であるということでもある。
本当は二つ返事でOKしたかったが、
「あの、あたし友達が一緒だから」
というのが優美の返事であった。少し慎重に、彩香と2人で相談してみたかった。
もちろん、彩香抜きで一人だけ引きぬかれることなど論外であった。

43 :
「お友達って、キララちゃん?」
優美はこくりと頷いた。
「じゃあ、2人できちゃえばいいよ。2人とも今よりずっと稼げると思うな」
男は、優美の期待通りの答えを返した。それなら、優美の気持ちの中で話を聞くことにハードルはなかった。
「あ・・・キララちゃんと相談してもいいですか?」
脈があった。これはいける、と「萩原」を名乗る男は心の中でガッツポーズをした。
「もちろん。これ、俺の連絡先。もし話を聞くきがあったら連絡して」
そういうと、現金で5万円を置いて、その男は喫茶店の席を立った。
「えっ?今日は終わりですか?」
「うん。だってキララちゃんと相談するんでしょ?急がないから、興味があったら連絡してね。また店にも行くよ」
「あ、ありがとうございます」
なにもしないのに、5万円ももらってしまった。これはちょっと優美にも驚きであった。
その男が紹介する仕事だって、もちろんロクなものではあるまい。
だが、優美はもう高校3年生である。半年後には高校生ではなくなるので、
同じように身体を張って稼ぐにしても、アングラバリバリのJK専クラブなどよりも少しはまともな仕事につけるかもしれないし、
その頃のことを考えなければならないというのは。彩香とも話していた。
「おわったら連絡して」
と彩香にメールした。何もせずに5万もらったのはいいが、家出状態の優美にとっては1万円で買い叩かれても、
ホテルなり男の家で朝まで寝かせてもらえればそのほうがありがたい面もあるのだが、こうなるとそうもゆかない。
彩香の家に一人で帰るのも気が引けるので、店に帰って次の指名を待つか、どこか夜を過ごす場所を探さなければならない。
つまり、「おわったら連絡して」というのは、彩香が男と泊まらないように、
というお願いの意味があった。彩香は、そのことをすぐに理解して
「うん(^^ゞこれからホだけど休憩にするね」
と返信してきた。ラブホテルに宿泊せずに休憩で出て来るということである。となれば2時間か2時間半。
優美はほっとした。とりあえずショッピングにでも向かって、
そのあとは、こういう時にいつも彩香と待ち合わせるファミレスで待つことにした。
思いもよらぬ展開であったが、今日ゲットした5万円があれば暇をつぶすには十分だった。

この物語は、苦しみながら、友情を深めていった、入れ替わった2人の少女の物語である。
一年前の今日、本編はその日の朝からはじまる。

44 :
ということで、プロローグはここまでです。
本編もできたら少しずつ投稿したいです。
できたらまた明日か明後日にでも。
プロローグの中にあるような出来事を通じて、
優美の気持ちを持った彩香の堕落は、精神の堕落。つまり優等生の気持ちが少しずつギャルに順応していく
彩香の気持ちを持った優美の堕落は、外見の堕落、つまり見た目におしとやかな女の子がケバギャルになっていく
で、今日投稿した部分にあるように、2人で一緒にいけないお仕事をするようになる
そんな感じです。感想ご意見待ってます

45 :
わたぐもさんの作品がやめられない
「今日、恋を始めます」とうのが現在の恋愛バイブルらしいね
(平安時代でも通用したかな?)

46 :
「前スレで構想を示した人がいて、
その構想を形にした人がいる
それで反応がないって異常じゃね?
>>45のようなわたぐもの亡霊に怯えてるのか?
「夏菜子の夏」は長編で優等生をゆっくり落としてくれるとして
新参だけどさ、だけど今度の新しい人もダブルヒロインの意欲作をおとしてくれる、と。

まつよ。俺は。
夏菜子の次の展開、おばあちゃんの堕落、お母さんの堕落
高度成長期とバブルの堕落、見たいよ。
入れ替わりの2人、優美と彩香も見たいよ。

長く書いてくれる作家さんと新しい作家さん、競い合ってエロパロでも屈指のスレにしてほしいわ
おまいらそうじゃないのか?

47 :
>>46
こういう「優等生堕落」に空しくなってきたとか・・・・

48 :
正直ネタはあるんだが本当に書く時間がない。
6月過ぎたら少しは腰据えて書けるのかもしれないが・・・。なんか、ごめんな?

49 :
なんか昨日は避難所と本スレにわたぐもマルチがあって逆上してしまった
今は反省している

50 :
「夏菜子のなつ」は、お祖母ちゃんやおばさんが堕落する話ではありません。
そこはちょっとあしからず。

51 :
その日、夏菜子の母である石田菜津子は、いつもどおり朝6時に目を覚ました。
そして、いつものように着替え、洗濯機を回すと、朝食の準備に入った。
とはいえ、この日は、普段なら家族3人分の家事をこなさなければならないのに比べれば、
ひとつひとつの作業が少なかった。なにかもの寂しい気もしたが、一方で一人でいることが楽しくもあった。
子育てからも夫からも解放された時間が長く続くのは久しぶりである。初めてかもしれなかった。
もっとも朝から暑い日で、朝7時には30度を超えていたので、爽快というわけではなかったが。さっさと掃除を済ませて、
10時には夫・石田高(言うまでもないが、夏菜子の父親である)のこの秋からの在外研究のための
買い物に出かける予定であった。
夏菜子の母、石田菜津子は今年43歳になるが、子どもを一人産んだ43歳とは思えない美しさと若さを保っていた。
最近は、コスメの発達や様々な技術で、簡単にいえば金に物を言わせて若さを保つ女性が増えているのだが、
彼女は典型的な美熟女であった。
オイルショック直前の高度成長期に故郷の北の街で地元の名門、柴崎家の長女として生を受けた菜津子は、
周りからお嬢様として扱われ、生来の美貌を武器に、ちやほやされて育った。
バブルの絶頂期に東京の名門女子大に通って、バブルの恩恵を最大限に享受した。
卒業した時に東京に残ることはせずに、地元に帰って名門のお嬢様として市役所に2年務めた後、
国立大学の講師として赴任した夫と結婚した。
一人の女の子に恵まれて、周囲が不況にあえぐ中で幸せな家庭を築き、
夫がK大の教授に栄転したときに夫についておよそ15年ぶりで東京に戻り、
今は渋谷から10分ほどの駅の近くに小さいながらも一軒家を持ち、
幸せな家庭の、かわいい、美しい奥様として毎日を過ごしている。
資産家の娘でK大教授の妻、名門女子大卒の美人主婦。一人娘は名門女子高に通い、
W大への入学が決まっている。この時代に、なんの不満もなく生きていける、いわばプチセレブである。

52 :
そんな菜津子も、女子大生時代はかなり遊んだほうだし、
その時期のことを夫に話したことはほとんどなかった。
そして、もう5年以上の月日が経ったとはいえ、若いころに彼女は大きな過ちを犯していた。
まだ北の街に住んでいたことである。そのことは夫にも知られていないし、もう終わったことだと信じていた。
この夏、推薦入学を決めた一人娘、夏菜子が夏休みを故郷の北の街で過ごしたいと口にした時にも、
ほんの一瞬不安がよぎらないではなかったが、まさか故郷の男たちが、夏休みの間だけ帰郷する、
他所者に近い夏菜子に魔の手を伸ばすとは思わなかったし、自分の高校生時代よりもはるかに真面目で、
母の目にも男に興味などないようにしか見えない娘が田舎の男の誘いに乗るなどという仮定は一笑に付すべきものであった。
母親としての菜津子にとって、夏菜子は手のかからない、優等生だった。
顔の造形や体つきは母の自分によく似ていたが、真面目さや頭の良さは父親譲り、そう信じて疑ったことがなかった。
ひと通りの掃除を終えて、猛暑の庭に水を巻き、朝の9時にはアイスコーヒーを淹れて一休みしていた。
夏休みになると同時にアメリカに在外研究の準備に向かった夫も、一人娘の夏菜子もいない8月の暑い一日は、
ゆっくりと過ぎていく。10時には出かけようと決めていたが、夫と娘のことを考えていると、ふと昔の過ちが頭を過ることもある。

53 :
その頃のことを思い出すと、今でも少しだけ憂鬱になる。
――寂しかったのだ――夫は一人娘の夏菜子を溺愛し、
いつしか菜津子には見せたことのないような笑顔を夏菜子の前では見せるようになっていった。
あれほど自分にベタぼれだった夫の愛情が、自分と同じ顔をした娘が成長するに連れて
ますます自分から夏菜子に移っていくような思いが、菜津子に寂しさを与えていたのだ。
女として、常に周りの男達からちやほやされて生きてきた菜津子には、狭い家の中で、
2人しか女がいないのに、夫の愛情を夏菜子に奪われるのが言いようもなく寂しかったのだ。
仕事が忙しく、研究者として脂が乗り始めてくると、夫は研究に益々没頭し始めて、
夫婦生活はどんどん少なくなっていった。女として、それは屈辱的なことでもあった。
そして、夏菜子に向けられる優しい眼差しが少しだけ気に入らなかった。
夏菜子が5歳の時から、菜津子は地元の男と、夫と娘の目を盗んでは、密会を重ねるようになった。
先にも触れたとおり、その相手は守谷誠という男で、地元の居酒屋の若旦那といった男である。
守谷と密会して、体を求められると、女としての自信が蘇るようだった。苦い思い出である。
今、そのことを後悔もしているし、反省もしている。
東京に引っ越すまで続いた関係はその後、一度帰郷した時にも断りきれず関係を持った。
そのことも、彼女は後悔している。
便りのないのは良い便りというように、この何日か夏菜子からも故郷の母からも連絡がないこと
を菜津子は少しも気に留めていなかった。そして、予定通り10時には家を出て、二子玉川に買い物に出かけた。
平和な毎日が、平穏な日常が、音を立てて崩れるのは、その日の午後のことだった。

54 :
その同じ朝、石田夏菜子は連日の乱交に疲れてぐっすりと眠っていた。
祖母であり、菜津子の母親である柴崎光子の苦悩など何も気にしていないようであった。
明け方まで夏菜子を待っていた光子は、毎日の習慣通りに起きて、
いつもと同じように洗濯や掃除を済ませると、その苦しさを長女、石田菜津子に伝えるべきかどうか逡巡していた。
自分一人がこのことを黙っていれば、夏菜子も夏祭りが終わって、お盆がすぎ、夏休みが終われば、
東京に帰って何事もなかったかのように優等生の日常に戻るだろう。
母親の菜津子にいらぬ心配をかけることはない。
そんな思いと、夏菜子の母親である菜津子に一言も話さず、
夏菜子を「宴」と呼ばれるこの町内の伝統的な夜這い、乱交の会に差し出すことを
承諾してしまったことの後悔がせめぎあって、このことを菜津子に知らせるか知らせまいか、迷わせていた。

金髪、パーマに、光子から見れば下品としか思えない派手なメイクで朝方に帰ってきた孫のことを、
母親に伝えるのは勇気がいることであるが、なんとか夏菜子をそんな世界から救い出したいという思いもあった。
光子の午前中は、菜津子とは正反対に、苦しみの中で過ぎていった。
光子は、娘の菜津子が10代後半から女子大生の頃の何年かにわたって「宴」に参加していることを見て見ぬふりをしてきた。
というより、そのことを誰かに知らされたわけでも、許可を求められたわけでもないので、
母娘の間の会話にその話題を出さなかっただけのことである。
「宴」のことなど夫に相談できるはずもなく、ただ、時間がすぎるのを待った。
どっちみち夏祭りに伴う宴は4,5日のことであるし、その間さえやり過ごせば、
毎年菜津子は日常生活に戻っていた。
母娘の間に沈黙の了解があったのかどうかすら、今は分からないが、
とにかくこの20年、光子は「宴」に菜津子が参加したかどうかということを頭のなかで問題にしたことすらなかった。

55 :
だから、今でも「宴」が存続していることを知り、
そこに孫の夏菜子の参加をそれとなく求められた時には狼狽したし、
菜津子への対応を思えば、夏菜子が泣きだして帰ってくるようなことがない限り、止めることも出来なかった。
それは、「宴」と呼ばれる夏祭りの夜、若者たちが求め合う組織的な夜這い、乱交に参加することを、
その他の町の行事に、餅つきや節分と同じように参加することを「義務」として教えられて育った、
柴崎家の女の悲しい責任感であった。
菜津子が東京の名門女子大を卒業して地元で就職した時に、
さっさと良い結婚相手を見つけて家庭に収まらせたのは、光子にとっては精一杯娘を守ることでもあった。
バブル経済が今にもはじけそうな頃、女子大を卒業したばかりの菜津子に、
地元の国立大学の若手講師を半分見合いのような形で会わせて、
積極的に、急かすように結婚にまで持っていったのは光子の努力が大きかった。
要するに、結婚させて人妻にしてしまえば宴に参加を求められることも無いということが、
光子にとって大きな動機付けになっていた。
それは、光子にとって、「宴」への参加が辛い思い出として残っているからであった。
光子自身、宴に参加することで、その当時の町内で幅を利かせていた若者に処女を捧げ、
何人もの男と肉体関係を持った。
それは、戦争が終わったあと商才を発揮した父親のもと、
農地改革で奪われたよりも大きな財産を作り上げた柴崎家のお嬢様として育てられた光子にとっては
ひどく屈辱的であり、苦痛であった。光子は宴への参加が、初めから嫌で嫌で仕方がなかったのである。
だから20歳を迎える前に結婚してさっさと宴から足を洗った。

56 :
柴崎光子の父、柴崎征吾郎が光子を自室に呼び、
夏祭りのあと「帰らずに町内の若者たちと遊ぶように」と言い渡したのは、
まだ光子が14歳、中学3年生の夏祭りの初日の昼下がりであった。
昭和30年のことである。光子にとって、初潮を迎えたあと、初めての夏祭りであった。
名門柴崎家のお嬢様であった光子は、娘や孫と同じように、町内では一番の美少女として知られていた。
日本は終戦の混乱も落ち着き始め、農地改革を乗り切った柴崎家はますます名門としての地位を固めつつあったころである。
今と比べて貧富の差は比べ物にならず、また身分の差というものの名残ももっとはっきりしていた時代である。
同じ小学校、同じ中学校に通っていても、光子と周りの同級生たちでは、子どものころから、
着るものから靴からランドセルから、なにもかもグレードが違い、
そのことで光子の美少女ぶりがいっそう引き立つのは避けがたいことであった。
なにしろ、男子の学ランはもちろん、女子の学生服ですら継ぎ接ぎがあってもおかしくなかった時代である。
北の街は冬になると雪に閉ざされるので、バラック同然の家に住んでいるようなことはあまりなかったが、
それでも商店街や農家の家に比べれば、あまりに立派な柴崎家で育った光子に、
自然と特別なお嬢様の意識が芽生えるのは致し方のないことであった。
毎日自分の家で風呂に入り、小奇麗にして学校にいくことのできる子どもはまだ少なかったし、
それでいてきちんと洗濯され、アイロンがけされた服にしか身を包んだことのない光子は、
菜津子や夏菜子とはまた別格のお嬢様扱いを受けて育った、というのが適切だろう。

57 :
太平洋戦争が終わった時、この北の街は、陸軍の施設が多かったにもかかわらず空襲を受けること無く、
戦前の面影を残していた。そこに進駐軍がやってきて金儲けの機会が生まれた。
柴崎征吾郎は、闇市や進駐軍相手の商売で荒稼ぎをした。
加えて食糧難の時代である。農地改革で土地を失っても、農家との関係を戦前から良好に保っていた。
つまり農家に対して面倒見が良かったおかげで、征吾郎の商売には皆が協力した。
もともと柴崎家のものでなかった果実農家もなども彼と取引をするようになっていた。
戦後すぐは、甘いものがとにかくもてはやされた時代であり、価格も高騰した。
東京を始めとする各地への輸送手段を確保することが出来ただけで、
地主だった頃よりも大きな儲けが柴崎家に生まれたのである。
儲けを上げる道はいくらでもあった。焼け残った建物で進駐軍相手のバーを開けば金はいくらでも落ちてきたし、
私娼もまた大きな儲けの種であった。
征吾郎が巧みだったのは、そうした儲けを地元、とりわけ町内の人々に還元したことであった。
仕事を失った者、戦争から帰ってきた者、夫を失い子どもを抱えた女たち……そうした人々にいくらでも仕事を与えた。
商売はいくらでも広がったが、多くの女中を雇ったり、屋敷を建て増ししたり、
駅前や繁華街に店を出しては町内の人間に任せたり、征吾郎の面倒見の良さはかなりのものであった。
だから、柴崎家は終戦と農地改革という大きな節目を乗り切ってなお名門として崇められ、
とりわけ町内においては驚くほどの尊敬と畏怖を集めるようになった。
もともと資産家だった家が戦後のどさくさでコマメに大儲けを重ねていったのであるから、
名門の上に裕福に育った光子が、周りと比べていかに別格のお嬢様であったか、想像は難しくないだろう。

58 :
それでも、人間はより上のものに憧れる生き物である。
光子はお嬢様として10人からの使用人に囲まれて育ったが、
映画館にいけば「ローマの休日」や「麗しのサブリナ」といった現在でも通じる、
女の子の心を捉えて離さないオードリー・ヘップバーンが活躍していた時代である。
お嬢様の光子は、ヨーロッパのお姫様に憧れ、シンデレラストーリーの主人公にもなりたかった。
彼女の中身は、何の変哲もない夢見る女子中学生だったのである。
14歳の夏祭りの初日の夜、光子は浅黒い肌をしたたくましい筋肉を持つ酒屋の長男に処女を奪われ、
工場で働く文具屋の次男と相撲部屋に入門した後廃業して田舎に戻ってきた大きな男ともセックスした。
どの男も、今にして思えば、そのひとりひとりは悪い男ではなかったが、
まだ恋に恋していた純真な乙女には醜すぎる相手だったし、
何より柴崎家のお嬢様である光子から見れば下層の人間でしかなかった。
当時まだそれなりの値段だったコンドームを全員が浸かってくれたことがせめてもの救いであった。
光子はそのことについて確認したことはないが、あのコンドームは父、征吾郎が提供していたのだろう。
それは、光子にとって辛い思い出であった。
夢見る少女だった光子の、お姫様や王子様に憧れる時期は終わり、
同級生と何も変わらない一人の女の子であるという現実は、彼女の人生観を変えた。
今にして思えば、それは昭和、戦後という時代にあって、
自由や平等という考え方が貧富の差の縮小とともに浸透していったことと、
その中にあって地域で一人勝ちを続けた柴崎家が、庶民として生きるための父の知恵であったのかもしれない。
光子は「宴」に初めて饗された時のことを今でも思い出し、そのことにどんな意味があったのかを考えることがある。
50年以上を経た今でもそうなのであるから、高校時代など、常にそのことと格闘していた。

59 :
彼女はその答えを見つけるために、夢見る少女から進歩的な文学少女と変身を遂げ、
高校生が読むのは難しい英文学やロシア文学など、日本の作家では三島や川端、太宰治などなどに没頭し、
自分なりの生き方を見つけようと苦闘し、その結果、一言でいうと性に奔放な高校時代を過ごした。
農家の次男三男や零細工場の労働者など、資産家とは全く違う境遇の男たちとダイレクトにハダカで付き合ったことが、
セックス以外の面でも彼女の人生観を大きく変えたのである。
おもしろいことに、セックスの上では高校に通う当時としては恵まれた少年たちよりも、
同じ年代でも労働者のほうが魅力的であった。
極めて貪欲に読書に励んだ光子であったが、逆に学校の勉強は疎かになっていった。
じぶんの力に限界を感じたころ、地元の短大の二年生の時には、父に言われるまま10歳年上の商社マンと結婚した。
その後、夫は柴崎家の養子となり、征吾郎の後を継いで柴崎家の商売は益々起動に乗っていったのである。
柴崎の家が、地元で多大なる尊敬を受けているのは、名門であることを鼻にかけず、
庶民と対等に付き合ってきたことが大きく影響している。
それでいて金は出すし面倒見もいいのだからなおのことである。
光子が中学生の頃から、北の街では東京への集団就職が盛んになり、
中学校を卒業したばかりの若者が街を出て東京や仙台や大阪に向かうことも普通になっていた。
就職して親元を離れる前に夏祭りぐらいはいい思い出を作らせてやりたいし、
夜這いの習慣も知ってほしいという地元の人々の親心が、いつしかこの町の「宴」と呼ばれる習慣を生み出した。
街に残る年長者が中学生の男子女子にセックスを教えるようなものであり、
征吾郎の支援のもとで組織化されたものであった。

60 :
集団就職で、故郷の北の街を離れることが決まっている少女たちを、
少し年上の地元の男たちがオンナにする。一方中には高校へと進む女の子もおり、
そうした地元の女子高生が少年たちをオトコにする。
戦後の復興に拍車がかかった頃、夏祭りの夜這いの習慣は、そういうふうに独特の発展を遂げた。

その後、高度成長期、オイルショック、バブル、少子化といった時勢に合わせて少しずつ形を変えながらも宴は続いてきた。
そこから姿を消したあとは、光子もその存在を知らないほどの高い機密性を保って続いてきたのである。
その、町内の繁栄のために、そして、柴崎の家が地元で確固たる尊敬を得るために、
14歳のお嬢様であり町一番の美少女である柴崎光子は「宴」に供されたのである。
それも、「この町の女の子」の義務として、父に命じられる形で供されたのである。
宴には同じように14歳、15歳で男たちに供された町の女の子たちもいたが、
当時そうした女の子は町の比較的裕福な商店やお固い仕事の家からは出ず、
工場労働者や農家の家から出ていたし、
一年後、半年後には集団就職で北の街から離れる次女や三女がほとんどであった。
そうした女の子たちと、名門で資産家で、10年前までは地主であった柴崎家の長女、光子が同列に犯されたのである。
もちろん男たちは手の届かないはずのお嬢様を喜びいさんで抱き、
そのとき相手になった男たちがその後何十年と町内会で幅を利かせてきた。
光子にセックスを教えこんだ男たちも、光子によって童貞を奪われた男たちもいる。
彼らは心のなかで、何も知らずに光子の夫となり、柴崎家の当主となった柴崎浩太郎をどう見ていたのだろう。
柴崎家の繁栄にも、この町内の団結にも、確実に光子の存在は大きな役割を果たしていた。
そして、その役割は菜津子へ、そして夏菜子へと受け継がれていった。

61 :
大局的に見れば、光子が「宴」に供されたことは大きな意味があったといえるだろう。
しかし、半世紀以上の時を経て、孫娘が同じ運命を辿ったことがどんな結果を生むか、まだ誰も知らぬことであったし
祖母である光子にとっては簡単に受け入れられることでもなかった。
孫娘・夏菜子が、自分の人生を少しだけ変えた「宴」に参加していたことをはっきり確信して、
そのことがきっかけで自分の人生を振り返りながら、光子はまだ逡巡を続けていた。
はっきりとした確信を持たずに曖昧にして生きてきたが、
こうなれば夏菜子だけでなく、20年ちょっと前には娘である菜津子も同じ轍を踏んでいたと考えるのが普通であろう。
母と娘の関係を円滑に保つために、また柴崎家と町内会の関係を円滑に保つために、
ずっと目を閉じ、耳をふさいできたことが、本当にこれでよかったのか、と今更ながら繰り返し光子の心を深くえぐった。
結局のところ、光子の人生はこの街で完結し、高校時代や短大時代の自分がどうあれ、
柴崎の長女として、少なくとも平穏に、そしてなんの不自由もなく過ぎていったのである。
文学少女が屈折し、波乱に満ちた人生を送っていった例は彼女の世代にはいくらでもあった。
だから、父の言うとおりに結婚したことも、父の言うとおりに宴の男たちに身を委ねたことも、
今にして思えば。間違っていなかった。光子はそう信じていた。
昔読んだ啓蒙的な文学は、自由と平等を力強く謳っていた。男女、人種、職業、人を差別する要素はいくらでもあるが、
そうした差別を忌み嫌う考え方は光子には強く根付いていて、
だから娘の菜津子にも、柴崎家の娘であるからといって、他の者を下に見てはいけない、と強く教えこんだ。
それが、柴崎家の家風となった。

62 :
菜津子が自分と同じように「宴」でつらい思いをしたとしても、
今は立派な男と結婚して、同じように幸せな人生を送っている。
それは、下手に娘の男関係に立ち入らずに、タイミングを見つけていい結婚相手を見つけて、
結婚へと背中を押したからだと信じている。だから、今は自分は同じように我慢するべきだろうと、思っていた。
この町の女の子の努め、名門である柴崎家の女の義務、町の者達と少しも変わらない同じ人間であることの証なのである。
少なくとも、自らにそう言い聞かせようとした。
だが、どうしても、初めて、町内会の下品な男たちに次々と犯された日の屈辱が、
光子の脳裏に苦々しく蘇るのだった。
そして、その記憶を消そうと自分の好みの男を漁り尽くした
高校時代の自分が思い出されてたまらない気持ちになった。
娘が同じ目にあっていると勘付きながらも、なにもしなかった後悔と罪の意識はそれよりももっと辛かった。
携帯のメールを書いては消した。電話も何度も発信のボタンを押すかどうかで迷った。
きっと、光子は、なによりも菜津子に許しを請いたかった。
それが、3代に渡る母と娘の関係を崩してしまうことなど、思いもよらなかった。

63 :
そのころ、柴崎家の広い屋敷の、奥の方にある東側に面した部屋に、この夏休みのあいだ夏菜子は寝泊まりしていた。
もともと客人があった時に使う部屋で、夏菜子が使うのはこの夏が初めてであった。
床の間には有名な書家の掛け軸が飾られている。
かつてはその下にある花瓶に毎日花がいけてあったもので、
もう10日ほど前に、夏菜子が久しぶりにこの家についた次の日も、
まずは庭にたくさん植えてある小さなひまわりと、笹の葉をアレンジして飾った
毎日水を変え、しおれた花や葉を取り替えていたのだが、
夏祭りが始まって、朝帰りになってから、夏菜子は水を取り替える以上のことをしなくなった。
昨日は、それも忘れる始末で、なにか生き生きとしないひまわりと笹の葉が
花びんに刺さっているだけのような状態になっていた。
少しみっともない花びんの花は、夏菜子の心の状態を表していただろうか?
よく、芸術家はそういう表現をするが、本当なのだろうか?
少なくとも、清楚なお嬢様だった夏菜子が、金髪の淫乱ギャルに変貌を遂げるのと反比例するように、
花びんに刺さった花は美しさを失っていった。

64 :
夏祭り6日めの朝、というより昼過ぎに、夏菜子はようやく起きて、髪を洗った。
まっきんきんで綺麗なウェーブのかかった髪を無造作なアップにまとめると、
昨日買ったキラキラの文字の入ったキャミソールに袖を通し、少しタイトなピンクのミニスカートを履いた。
まつげを整えて、唇にはグロスを塗り、うきうきとしながら本格的なギャルメイクにとりかかる。
20分もしたら、昨日の夜と同じ顔の、淫乱ギャル夏菜子が鏡の前に現れた。
「ふふ、かわいい・・・」
今まで、清楚なお嬢様の服しか着たことのなかった夏菜子だが、
キラキラしたものやピンクのスカートに密かに憧れていた。我慢していた。
バカそうで、何も考えてなさそうで、男に媚びているとしか思えないギャルたちを、
夏菜子はずっと見下してきた。だが、いざ自分の清楚な顔と華奢な体をギャルメイクと露出の多いギャルの服で飾ると、
女の子の、可愛くなりたいという本能が、欲求が満たされるのを感じていた。
そして大きなベルトを腰に回して、首には安いネックレスをつけ、
最後に後ろにまとめた金色の髪を耳よりも前の部分だけくるんと初めて自力で、夏ギャル夏菜子が完成した。
「あー、遅れちゃうかな」
今日は、午後1時30分にファーストフードで待ち合わせであったが、時計は午後1時15分を回るところだった。
今日の用事は、また買い物である。昨日迷った1500円のワンピやキラキラのミュールをやっぱり買おうと言ったら、
快く梨絵が付き合ってくれると言ったのであった。
夏菜子は約束をきっちりと守る女の子だし、自分の買い物に付き合ってもらうのだから、遅れるなど許されない。
「あー、早く行かなきゃ」
そう口にして、最低限の持ち物をもって、夏菜子は玄関へかけ出した。

65 :
祖母・光子が、電話で誰かと話しているのが目に入ったが、特に気にせず、約束の場所へと向かった。

電話の相手は、母・菜津子であった。夏菜子が出かけるよりも15分ほど前、菜津子が、買い物と昼食を済ませて、
駅から歩いて5分の、「石田」と表札のかかる小さな家のドアの鍵を開けた時に、トゥルルル、トゥルル、と携帯が鳴った。
「あ、もしもし、お母さん?ごめん、いま家についたばかりだからあとでかけ直すね」
「菜津子・・・ごめんなさい・・・」
「えっ・・・?」
ただごとではない光子の深刻そうな口調に、菜津子は身を凍らせた。
夏祭り6日めの日、運命の日の午後早くのことであった。

66 :
「夏菜子のなつ」作者です。
今回はエロはありません。つなぎの場面です。といってもほとんどの回がそんな感じですが。
ここはあまりおもしろくないかもしれません。資料にして表にするべきところではないかしれませんが
お付き合いいただければ、幸いです。
それでは、また近いうちに来ます。

67 :
乙っしたー
ゆっくりでいいので最後まで続いてくれると嬉しいです

68 :
優等生ではないけどぉ……
お小言の多い、如何にもお局様って感じのPTA会長が、ヤンママたちの手でエロケバMILFに変えられて、
人妻売春倶楽部に入会させられた挙げ句、小○生の息子の筆下ろしまで強要されるって話が読みたいです。

69 :
「親友」
1. 二人の少女
東京の真ん中からは少し西側に、お嬢様女子校として知られるA女子学園がある。
今現在、都内で一番深くを走る地下鉄の駅に上杉優美が着いたのは、2学期が始まってばかり、
9月4日の朝7時45分のことである。
駅は新しい。優美が中学1年生の冬に出来たからまだ4年ほどしか経っていない。
いつもより少し早かった。まだ残暑の厳しいこの時期、20分前に自宅の最寄り駅から電車に乗った時よりも、
渋谷で乗り換えた時よりも熱い、もわっとした外の空気が、少し長いエスカレーターまで届いてきていた。
今日も暑そうだな、と少しうんざりしながら、足を止めること無く歩く少女の周りには、いつもよりは少ない人の波ができていた。
駅の出口から学校までは歩いて1分半ほどの短い距離であるが、歩く方向の正面から日を受ける時間なので、
日差しの強い日は少し憂鬱である。
同じ時間、その同じ駅から、優美の学校の方向にさらに2分ほど歩いたところに住む、
武田彩香は、5分に一度の電車に間に合わせようと走って駅に駆け込んだ。
彩香は渋谷からひと駅手前にある偏差値40未満の私立の女子高校に通う女子高生である。
優美は肩まで伸びた黒髪を2つにまとめ、きちんとアイロンがけされた夏服のセーラー服をきちんと来て、
通学カバンの中には携帯電話と学校指定のカーディガン以外には勉強に必要なものしか入っていない。
東大にも毎年2桁の合格者を出すその高校で学年委員をつとめるほど教師にも信頼を得ている彼女にとって、
この高校2年の2学期は、進路決定の分かれ道となる時期である。というのは、進学に際して受験するのか、
それとも内部なり外部なりの推薦を得るのか、ということが3年生になった頃には決まっていくからである。
優美は成績も10番以内で、陸上部の副部長でもあるので、その動向は教師たちにとって注目せざるを得ないところであった。
ようするに、優美が推薦をとるのか、受験するのかを決めないと、ほかの生徒のことが決まっていかないということである。

70 :
普段、女ばかりの環境で生きている優美の現在一番の興味はそのことである。
理系の彼女は推薦を取るとなれば、近くにある名門の私立大学でも、内部進学の理学部でも、どこにでもいけるが、
本当は推薦のない国立大学に行きたかった。この2学期が終わる頃にはある程度結論を出さないといけない。
贅沢な悩みであるかもしれないが、この何不自由無く育ってきた成績優秀な少女には、彼女なりの悩みがあった。
低偏差値の女子高生ギャル、彩香の悩みはまったく次元の違うことであった。二股の上に、
小遣い稼ぎに援交していることまで、本命のカレシにバレてしまったのである。
昨日の夜、公園でさんざん罵倒された上に別れようと言われたが、あきらめがつかなかった。
茶髪に、登校用の"薄化粧"の少女は、制服のプリーツスカートをパンツが見えそうなほど短くして、
制服のブラウスから胸の谷間も覗いていた。薄化粧とはいえ、それは彼女の価値観のことで、
目の周りはキラキラと光り、唇はピンク色である。挑発的な少女のみずみずしい肢体は、すれ違う人たちの目を引く。
男たちは目を奪われ、女性はみな呆れる。夏の名残で日に焼けた小麦色の素肌は
10代の少女にしか許されない輝きをこれでもかと放っていた。
この国で長く信じられてきた「高校生らしい」という価値観に合う外見ではない。
持ち物も同じである。通学用のカバンにはくたびれた熊が2匹ついていて、大きく膨れ上がったその中身は、
コスメやゲーム、それに着替えの私服や、パンツまで入っている。
二人の少女は、なにもなく普通に生きていたら、
地下鉄の駅のホームからA女子学園までの道の上ですれ違う以上の関係には決してならなかったであろう。
住んでいる世界が違いすぎた。
だが、共通点は意外なほど多い。同じ高校2年生であること、3月20日という同じ誕生日であること、
身体検査の結果のスリーサイズも、夏を迎える前の真っ白で透明感のある肌もまるで姉妹のようであった。
中学の時、すぐ隣りの学校どうしで陸上部だったこと、タイプの俳優、
親から与えられる月の小遣いも一緒であったし、昨日の夜着ていたパーカーも同じであった。
ただし、小遣いの話をすれば、彩香はいけない方法でその小遣いを増やすように稼いでいたし、
優美がパーカーを羽織って物理と英語の勉強している時間に、量販店で買った全く同じパーカーを羽織った彩香は、
公園でカレシと別れ話をしていたのである。

71 :
優美と彩香の、記憶と魂が入れ替わったのは駅の構内の曲がり角でのことだった。
「きゃっ」
「いてっ」
正面衝突0そうだったしたふたりは、腕を交差するように倒れこんだ。少しだけ頭と頭がぶつかった。
周囲の目も引いたが、2人とも滑ってちょっとぶつかって転んだ、という意識しか無かった。
お互いに「自分のカバン」をもって、軽く会釈をすると目も合わせずに、目指す方向に進んでいった。
今まで歩いてきた方向とは逆に向かう二人の少女を見て、
この事故を目撃した人のうち注意深い何人かは少し奇異に思ったが、それを口にだす者は誰もいなかった。
「間に合った!」
優美――中身は彩香である――が、異変に気づいたのは、渋谷に向かう電車の中でのことであった。
窓に、自分の姿が写っていないのである。よく見ると、自分と同じ動きをする少女がいる。
その少女は、着た覚えのない服を着ているし、顔も違う。
前髪こそ少しアレンジされているが、長い髪をただ2つにまとめただけの髪型も、ありえないものだった。
「な、なにこれ?」
状況を把握しかねた優美は、途方に暮れた。満員の電車の中で、できることもなく、とりあえず次の駅で降りた。
彩香――中身は優美である――が気づいたのも同じタイミングだった。
いつものように校門前に来た所で、警備の人に止められた。
「あ、ちょっと、勝手に入らないで?」
「はっ?なんですか?」
「いや、あなたここの生徒さんじゃないでしょ?」
ハァ?とおもったが、服装が自分の着ていたはずのものと違うのに気づくと、優美と同じように
「な、なに、これ?」
と思った。とりあえずもときた道を戻った。

72 :
先に述べたとおり、同い年で同じ誕生日である優美と彩香は、同じ人類とは思えないほどに違う2人であった。
優美の両親は洗剤や調理用具を作っている一流企業の研究員であり、
2人合わせた年収は2000万を大きく超えている。子どもの頃からなにごとにも興味を持ち、
毎日勉強して、スポーツも万能であり、一言で言うとすくすくと育った。
中学校から一貫の女子高なので、意識することも少なかったが、
透き通るような白い肌とサラサラの黒い髪の美少女である。化粧をせず、Dカップの胸はブラで押さえつけられ、
セーラー服はスレンダーな体の線を隠してはいたが、そのことを差し引いても男の目には美少女にしか見えない。
そのことは中学1年生のころから変わらなかったが、高校2年ともなれば女としての身体も随分と成長した。
163センチと女の子としては少しだけ身長は高めだったが、
小さな顔と、スタイルの良さは、正統派の美少女とよぶに相応しいものであった。
半袖の裾から伸びる細い腕が、まだ女として成長し切らない幼さを見せている。
もちろん、処女であり、キスをしたこともない。彼氏を持ったこともない。
何か月かに一度、塾や路上で知り合いの男の子から告白を受けるが、その都度、二つ返事で断っていた。
今日は2学期に入ってすぐに実施された学力テストの結果を受け取りつつ授業に臨む日であった。
彩香の身長は152センチしかない。夏休みの間海で遊びすぎた肌はこんがりと焼け、
寄せてあげるストラップのないブラは、優美と同じDカップの胸に柔らかそうな谷間を作って強調する。
肩のあたりは華奢で制服もブカブカで、ビキニの水着の跡が生々しく、
だらしなく開いた胸元とゆるく閉めたネクタイの間から谷間が見えそうであるが、
きゅっとくびれた腰はベルトできっちりと閉められていた。
短いスカートからはりさけそうなむちむちのふとももが覗いている。優美の長い脚がすらり、と伸びているという表現がふさわしい一方
それにくらべれば、ぷりぷりとして実に美味しそうな脚であった。
彼女の男性遍歴は派手である。中学校1年生の時に、2つ上の先輩と初めてキスをした。
初体験は中学校2年生の時、相手はその時付き合っていた別の先輩だった。
そして、そのころからギャルに憧れ、入ろうとした都立の高校に入れず、
今通っている私立の女子校に入ってからはギャルそのものの毎日を送っていた。援交を除いても肉体関係を持った男は二桁に至っている。
元々もっていたリーダーシップと顔身体の綺麗さもあり、男がいくらでも声をかけてくるので、遊び放題であり、
周りの友達も彩香と一緒にいれば美味しい思いができることを知っていた。
複雑な家庭事情もあり、中学校くらいまではあまり裕福な彼女ではなかったが、
高校生になってからは稼いだり、おごってもらったりということを覚えた。
今はなにもしなくても男が寄ってくる、なんでもしてくれる。
援助交際や下着を打ったりすれば小遣いは稼げる。その小遣いで好みの男と遊べばいい。
そういう意味では彩香は幸せそのものの女子高生ギャルライフを満喫していた。

73 :
(ここ初めて入る。すげー緊張する!)
彩香の家から歩いて1分のA女子学園中学・高校の敷地にはいったのは、
彩香の心にとっては初めてであった。
優美の身体に優美のカバンを持っているだけで、スイスイと入れた。
2年D組の優美の教室に向かっているうちは気づかなかったが、3階の教室に入ると、
地味な女の子が「おはようございます」「ごきげんよう」と声をかけてきた。同級生である。
住む世界の違うお嬢様に声をかけられて、優美は「おはよう」と返すのが精一杯であった。
隣の席の娘がやっているようにカバンを机の横にかけて、カバンの中から同じように筆記用具と電子辞書を取り出した。
(うわーあたしA女子学園の授業とか受けちゃうよ!)
この場所は、まさに「秘密の花園」という言葉がぴったりであった。
いつもとは全く違う雰囲気のHRが始まって、優美の心は少しだけワクワクした。
一方、彩香の方は泣きたくなるようなことの連続だった。
渋谷の前の駅で降りて暫く歩くと、入ったことのないような汚い路地に向かう一団の女子高生の流れができていた。
近道なのであろうが、こんな路地ではなくもっと明るい道を通って学校にいく道をいきたかった。
だが、迷うのも嫌だったのでそのままついていった。ギャル系の女の子も、地味な女の子もいたが、
きちんと制服を着ている娘は眼にした限り一人もいなかった。
彩香は、自分の価値観では短すぎるスカートの丈を少しでも長くしようと引っ張ってみたりもしたが、
腰のくびれにしっかりとハマったスカートはほとんど下げることも出来なかった。
せめてネクタイだけはしっかりと結ぼうと思っても、優美はネクタイの結び方をしらなかったので、
彩香のダランとしたネクタイを結び直すことは出来なかった。
学校についてもっと驚いたのは、女子校とは思えないほど汚い校舎であった。
チリ一つないA女子学園と違って、ふわふわとワタゴミが浮いていても誰も何とも思わないようだった。
教室に入ると、香水や化粧の匂いが鼻をついた。ノートやクリアファイルをバタバタ仰ぎながら、
机の上に座ってあぐらをかく下品な少女の姿は、優美が見たことのないものであった。

74 :
髪の色も、髪型も、化粧された顔の色も、よく言えば百花繚乱、悪く言えばカオスだった。
A女子学園が人間のお嬢様が集まる場所、「秘密の花園」だとすれば、
この学校は、まるで動物に制服を着せた「動物園」のようなところだ、と思った。
授業が始まっても、ぺちゃくちゃと雑談をやめないばかりか、時折馬鹿笑いさえ聞こえてくるその環境に、
彩香は、怖くて泣きたくなるようだった。

2人は、入れ替わった駅のホームで最下位を果たすと、とりあえず今日一日、お互いの体で過ごし
4時にうこの駅の反対側の出口で再会して、どう対応するか話し合う、と約束して、
彩香は彩香の学校に、優美は優美の学校に向かったのであった。
とんでもない約束をしてしまったと思った。約束は、「優美」の心、つまり彩香が提案した。
無遅刻無欠席の皆勤を守りたかったのである。
そんな苦しみにじっと耐える時間が3時まで続くはずだったのだが、
予定より早く2時間目と3時間目の間の休み時間には唐突に中断した。
「おい、ちょっとツラ貸して」
じいっとこわばったまま休み時間をやり過ごそうとした彩香に声を掛けた少女は、なんと優美であった。
「ど、どうしたの?」
それだけいうと、彩香は優美の手を引いて教室の外に駈け出した。
「あーそっちじゃなくてこっち来いよ」
彩香が階段を登ろうとするのを引き止めて、優美は一階に彩香の手を引いていった。
一階には誰も出入りしないスペースが有る
「ちょっと、1日過ごすって約束でしょ?」
「あー、息が詰まりそうだから早退してきた」
「早退?先生の許可とったの?」
「とってない。ダメだった?」
「うそ?なんで勝手なことするのよ!」
優美は、彩香の通うO女子高校の制服を着ていた。
「だいたいなんで私がその制服着てるの?」
「これ?家によって着てきた。あんたのところと違って、チェック無しで入れるからね」
優美の身長は163センチ。彩香の身長は152センチである。胸のカップや足のサイズなどは殆ど変わらなかったので、
いちおう制服が身体を通らないことはないが、明らかに、シャツもスカートも短すぎである。

75 :
「短すぎでしょ!なにそれー!」
彩香は、頭がこんがらがりそうで、また、優美の身体にはすこし小さい、
底辺高校の制服をまとった少女に対する怒りでいっぱいだった。
「あたしの無遅刻無欠席どうしてくれるのよ!ちょっとまってよー!」
取り乱す彩香に、優美は落ち着いて
「まあ、とりあえずそれどころじゃないだろ。ちょっと話しあおう。この学校はフケても何の問題もないから、ちょっと出ようよ」
と、説得した。
正当に評価して、優美の言葉のほうがまともであろう。こんな状況で皆勤を気にする「優美」の心のほうがどうかしている。
彩香は、優美の言葉に従って、まだ昼にもならないうちに学校を後にした。
だいたい、自分の体でこれ以上こんな格好でうろうろされても困る。選択の余地はなかった。
1日はまだ始まったばかりだった。

彩香の通う高校から駅とは反対側にちょっと歩くと大きな街道に出る。
そこにあるファーストフードに、O女子高校の制服をきた2人の少女が入ってきたのは11時すぎのことであった。
高校の制服で昼間から街を歩き、ファーストフードに入り浸る女子が意外に多いことを、彩香は、初めて知った。
二人の少女は初めから険悪な雰囲気であった。2〜3分ほど沈黙が続いてから、彩香が堰を切った。
「ねえ、病院に行こうよ。なんとかなるかもしれないし」
「病院?ふざけんなよどうやって説明すんだよ。いたずらだと思われてつまみ出されるだけだろ?」

76 :
「でも、脳波とかみてもらえば、おかしいところがあるってわかるかも・・・」
「何?あたしの脳がおかしいっての?」
「そ、そういうことじゃないよ!」
イライラしてムキになった彩香を、優美がたしなめる。
「ちょっと落ち着いてよ。それよりもっとさ、前向きになろうよ」
「前向きって、どういうこと?」
「だってさ、入れ替わったものはしかたないじゃん。お互いの生活をまもらないと」
「あんたに私の生活ができるっていうの!?」
茶髪のギャル女子高生彩香は半泣きで怒鳴り立てた。
「ほら、彩香だってもうその身体に順応しちゃってるじゃん。
いつもだったら、こんな時に取り乱すような優美じゃないでしょ」
黒髪の少女は、冷静だった。確かに、こんなふうに食って掛かるのは優美にはあまり無いことであった。
優美は気が強い女の子ではなくて、おっとりとしている方だった。
気持ちと記憶はともかくとして、やはり優美の脳みそは優美の考え方を、
彩香の脳みそは彩香の考え方を今のところ、しているようである。
もちろん、今「彩香」である優美の気持ちでは認めがたいことだった。
「とにかく、あんたは彩香として生きる。あたしは優美として生きる。それ以外に方法なんかないじゃない」
「そんなことできるの?あなた、私みたいに1日8時間も勉強したりできるの?」
優美、の外見をした少女は、口をへの字にしてだらしなく脚を投げ出して腕を組み、5,6秒考えてから
「そんなのやってみなきゃわかんねーじゃねーか」
おっとりとした笑顔で、ぶっきらぼうな軽い言葉を吐き出す、自分の顔がこれほどに頭にきたことはない。
彩香は、「優美としての自分」が本当に危機にさらされていることを思い知った。
「終わり・・・私、おわりなんだ・・・」
ぶつぶつと呟く彩香に、

77 :
「おい、そんなに落ち込むなよ!頑張ってみるからさ、いつかまた戻れるかもしれないし」
と、彩香がたしなめようとする。
「いいえ終わりよ!ぜ―ったいあんたみたいなのに私がつとまるはずない」
「何いってんだよ!やる前から、こいつやる気か!」
「なによ、あんたヤンキーかもしれないけどこっちだって運動神経はいいんだから負けないわよ。
今はあんたの身体だってこと忘れないで!」
彩香があまりに激しく取り乱すので、優美のなかの「彩香としての気持ち」が騒ぎ出したのであろう。ついに2人は口論を始めた。
「なんなんだよ、なんで泣くんだよ。泣きたいのはこっちだっての。だいたいこの年で化粧もしない、
カレシもいない、しかも処女ってはずかしくないの?」
「はぁ?女の子は結婚するまでそういうことしないのが普通なのよ。あんたのほうがおかしいのよ!」
こうしたやり取りで、2人はあることに気づいた。2人の人格と記憶が入れ替わったとしても、
脳みその中に残った記憶が消えたわけではない。
つまり、優美も、彩香も、今朝入れ替わるまでの記憶はすべて残っているということ。
もっとわかりやすく言えば、優美は、優美と彩香2人分の記憶を持っていて、彩香も同じであるということだった。
と、なれば、
「もとに戻るまで、あんたが優美として完璧に生きてくれるなら文句言わないけど」
というやや乱暴な結論に、結局はいたらざるを得ない、彩香であった。
そして、それに乗っかるしか無いのは優美も同じであった。
優美の頭のほうが回転も早く論理的に考えをまとめやすい構造をしていたのだろう。

78 :
「そうだよ。それだよ」
「・・・???」
「原因はわかんねーけどさ、アタシら入れ替わっちまったんだから、こんな喧嘩してもしょうがねーだろ。
前向きに行くしかないんだよ」
「だって・・・私の人生・・・」
「だから、そんなこと言ったって仕方ないだろ?一生懸命やってみるからさ・・・
あんたが優等生なのは分かったから。なんならあんただって勉強したって構わないしさ」
それは、たしかに正論であった。優美は彩香のいう「私の人生」という言葉の意味がわかるのである。
いい大学に行き、両親と同じような化学の勉強をするのが彼女の今のところの夢であった。
それを理解した上での、発言であることがわかっていたので文句も言えなかった。
「……」
「それより、彩香のほうこそ大丈夫?アタシの生活ハードだよ。もうわかってると思うけど、友達いっぱいいるし、
オトコもいっぱいいるし。オマワリに気をつけてよ」
「な、なに?私に援交しろっての……?はぁ?」
「お互いになりきるってのはそういうことだろ。そのかわりこっちも我慢するから。」
「我慢だけじゃなくてちゃんと勉強できるの!?援交は悪いことじゃん。勉強はいいことでしょ、どうしてそれが一緒になるのよ」
「うるさいなぁ。お互いに努力する。それでいいだろ?だいたい他にどうしようもないんだからさぁ」
「……」
返す言葉がなかった。確かに、病院に行ったところでどうやって説明すればいいのかわからないし、そんなことをして、
かえって「優美」が頭おかしいと思われたら、それはそれで優美にとって大ダメージである。
元に戻る方法はまた別に探すとして、とりあえず
「わかったわよ……」
と、今の彩香には優美の提案を受け容れるしか選択肢がなかった。
よーく考えればなにか解決方法があったのかもしれないが、明日になれば明日がはじまる。
そうすれば優美に学校に行ってもらわなければ、困る。
たとえ、二日後に解決策が思いついたとしても、明日1日、学校を休むなどということが思いもよらない「優美」の潔癖なところと、
なるようにしかならない、といういい加減な「彩香」の気持ちの妥協点が、
外見に合わせたお互いの生活を送る、ということであった。
「それじゃ、約束な。おまえは彩香、あたしは優美、そういうことで今から始めよう」
「うん、わかった」
彩香にしてみれば、優美が約束を守ってくれるよう、その言葉にすがるような思いだった。
それが、彩香と優美が入れ替わった日に交わされた「約束」である。
連絡先の交換など必要なかった。ささすがに自分の番号やメアドなど知っている。
優美を元の制服に着替えさせて、2人はそれぞれの人生に「帰って」いった。

79 :
「親友」1.二人の少女
ここまでです。まだ優美と彩香の書き分けが甘いかもしれないし、どこか間違ってるかもしれません。
自分で書いておいて何言ってるのという感じですが、入れ替わりは主語が難しいですね。
次回も週末中に出来たら投下したいです。

80 :
乙乙
優美は結局ダメなままで彩香も堕落していくのか、
はたまた優美が意外に頑張ったりするのか、楽しみだぜ

81 :
>>80
この書き分けでわかりますか?
それが一番気になります。別に>>80さんだけに聞くことでもないのですが…

82 :
俺はちゃんと2人を区別できたけど、他の人もそうかはわからんなあ

83 :
親友
2. お嬢様のカラダ
優越感、というのだろうか。渋谷で地下鉄を乗り換えて家に帰る優美の気持ちは、
今までとは違う不思議な気分で満ち溢れていた。
A女子学園高校の制服に身を包んで、電車に乗る。味わったことのない気分であった。
と、いうのは男たちの視線である。いつもだって、ぷりぷりの脚をパンツが見えそうなほど短いスカートで見せつけていれば、
男の眼は「彩香」であった自分に釘付けなのであるが、この日はちょっと違った。
ノーメイクでひざ上10センチの地味なセーラー服でも、
男の眼は十分なほど惹きつけられるのである。しかも、ちょっと視線の保つ意味が違うような気がした。
まるで舐め回すように見られていた彩香と違って、男たちの視線がぽーっとしているような気がしたのである。
男が近寄ってこない。だが、遠巻きにでも自分を見ている男がたくさんいることが雰囲気でわかる。
それが、「彩香」の気持ちにとって悪いものではなかった。
だから、優美としての一日目は、彩香のそれに比べれば、それなりに幸先のいいものだったと言えるだろう。
彩香と二人でいるときに、先生に連絡して、「どうしても頭が痛かったから帰りました。ごめんなさい」と一言断ったら、
そこは優等生の優美のことである。一発で
「それじゃ、お大事にね」
といたわりの言葉がかえってきた。
家に帰ったのは4時前である。部活もなしに帰ってきたこの日は、少し休憩したら、物理の勉強である。
一週間分、何をいつ勉強するのかが優美の手帳には書き込んである。
それは今の優美にはげんなりするようなものだったが、仕方がない。
お互いになりきるというのはむしろ優美の方から言い出したことである。黙々と机に向かった。

84 :
「あーっ、なるほど」
意外なほど、勉強は進んだ。何しろ、彩香だった自分は物理など勉強したこともない。
勉強したこともないのに、数式やら考え方が優美の頭のなかには詰まっているのである。
(なんだかわからないけど、結構おもしろいじゃん)
ゲームをやっているような気分であった。今日返されたテストの復習である。
(なんだこいつ。こんな簡単なとこでポカミスしてんのwww結構たいしたことないんだな)
97点の答案を見て、一問間違ったところは優美にとっては簡単なはずのところを間違っていた。
あたしだったらこんなに100点だよ、というように、にんまりと笑った。
同じ頃、彩香は、渋谷のファッションビルを「友達」たちと歩いていた。
「あーこれかわいいー。ほしいな」
「うん、そうだね」
彩香は、優美がはいたこともないような露出の多いミニスカートに、目を奪われていた。
こんな格好を、してみたいという願望がなかったわけではない。まつげの周りになにやらかにやら塗りたくって、
肌をすこし黒くして、目の周りは白くする。ほとんど下着のようなシャツに、パンツが見えそうなほど短い、
それでもかわいいオレンジ色のスカート。かかとの高いブーツも、163センチの優美では躊躇しても、
152センチの彩香にはとても合う。谷間を見せつけるような寄せるブラに、ぴっちぴちの胸があいたシャツを着たら、
男の子たちはどんなふうに自分をみるのだろう。そこに十字のネックレスでもジャラジャラとつけて、
おしりをフリフリ歩いたら・・・
みんな彩香の胸やおしりに眼がいくのだろうか?

(いけない。何考えてるの、あたし・・・)
バカみたいなはなしである。
だが、人の気持ちに、正解というものがあるとすれば、こんなかんじだろう。
優等生の「優美」の心にも、普通の女の子と同じように、ギャルと同じように
かわいい格好をして、おしゃれをして、音案おこの魅力をいっぱいに振りまいて、男と遊びたい、
という気持ちがあったというのが正解であり、それは彩香のようなバリバリのギャルでも、優美のようなお嬢様でも
何ら変わりのないことであった。
17歳の女子高生の頭の中身など、高校生になってから勉強と部活に明け暮れた「優美」でも、
援交と男遊びに明け暮れた「彩香」でもそんなに変わりはないのである。

85 :
ただ、社会的な通念や、学校のルール、倫理感でそうした願望を押さえつけているというのが、真実である。
彩香は、賢い「優美」の気持ちで、そういうことに気づき始めていたが、今はまだ反発のほうが強かった。
(あたしは、こんな子たちと同じ人間じゃない。でも、彩香と約束したから彩香を演じないといけない。
でも、こんなのつけて、渋谷を歩いたら、あたしでも渋谷に溶け込めるかな?ああ、そんなこと考えちゃダメだ)
早くも彩香の日常に吸い込まれそうな「優美」であった。だが、思い直した。
(集中しよう。今は彩香であることに集中しよう)
物理や数学の公式を覚えたり、古文の単語を覚えるのと同じである。
つまらないルーティンをこなしていくことが、明日につながるのである。
いま、自分は底辺女子高のギャル友達たちと、渋谷のファッションビルにいる。
予算の範囲内で、かわいいものを買って、可愛く着飾って、そして男と遊んだりするのだ。
その遊ぶ金を稼ぐために、かわいいものを買うためのお金を稼ぐために、彩香は援交するのだ。
それが、彩香の毎日なんだ。本来の「優美」であるあたしにそれを変える権利はない。
彩香は論理的に考えて、他人の人生に口出ししかえさせる権利など誰もない、というとりあえずの結論にたどり着いて、
今日、これからの行動をとりあえず自分の気持ちの中で、正当化していた。
彩香はそうして、ふりふりのついたミニスカートを手にとった。
「これなんかどうかな」
「うーん。さすが彩香ちゃん、お目が高い」
店員がそう言って褒めてくれた。こうなると単純な彩香は弱い
「それじゃ、あと、これはどうですか?」
ギャルファッションのショップでは、一時もてはやされた「カリスマ店員」から、
丁寧に接客をして高校生たちにも下手に出る普通の店員のほうが稼ぐ時代になっていた。
ギャルといってもいろいろである。ショップの店員などは、そんなに稼げるものではない。
援交で稼ぐ彩香のようなギャルはいいカモである。
「うわー。これも、ほしー」
そんなことは分かっている彩香であるが、何しろ悲惨な家庭環境で育った彼女である。
せっかく稼いだ金が身になかなかつかない。その上、きょうの「優美」の心を持った彩香にとっては
こんなギャルの買い物は初めての経験である。物欲にまかせてちょこちょことあれこれ買っていると、
3万を超えてしまった。そんなものである。
こんな生活を続けるために、彩香には援交が必要なのであった。

86 :
そして、6時に、【ハチ公前】で堂々と援交相手と待ち合わせである。
援交、つまるところは売春である。彩香がこの稼業に手を染めて、実はもう3年近くたっている。
その目的はお金である。女子中学生の頃は週一がせいぜい、多くて週二、であったが、
高校に入るとぐん、と市場が広がってやりやすくなった。
彩香は部活などはしていない、いわば援交部、などと自称している。
女子高生の彩香は。おしゃれもしたい。遊びたい。今日はSNSで知り合ったオヤジとデートしてセックスするだけである。
そうしてコツコツと稼ぐのが、彩香のやり方であった。
例えば今日はデート代として1万円+ウリで3万もらって、ご飯をおごってもらう約束である。
時間があれば似たようなことを1日2回繰り返す。
今日は時間的に無理そうであるが。
そうして稼いだお金でカレシとデートしたり友達と遊んだりする。
彩香の日常を、一日目の「優美」の心は意外にしっかりとこなしていた。
「こんにちは、ユカちゃん?」
(ん?)
とおもった。そういえば、いくつか彩香が名前を使い分けている中に、「ユカ」というのがあった。
正直、そんなパズルのようなことは嫌いではなかった。
「はい。えっと、りょう、さんですね。今日は宜しく」
待ち合わせをしていた男が声をかけてきた。彩香はオヤジにはよくモテる。
「手、つないでいいかな」
「えっ・・・?」
彩香のハートが、きゅん、と鳴った。
援交である。お金のために、このオヤジとセックスするのである。
そんないけないことをしているのに、男と手をつないだことも、
学園祭のフォークダンス以外では皆無だった「優美」の気持ちにとってはなぜかときめきを覚えることだった。
とは言え、彩香の身体に今宿っているのは「優美」の心である。
セックスどころか、キスもしたことがない。
「だ、だめ、いいですよやっぱり」
どぎまぎしながら、ピンク色のキラキラの爪で飾られた、小さな手をそっと差し出す。男がそれを握る。
「優美」の心にとって初めての援助交際がスタートした。
また、心がきゅん、と鳴った
(あたし、これはやばいかも。はまっちゃったらどうしよう)
決して外見の良いオヤジではなかったし、手は、じと、としていて最初は気持ち悪かった。
でも、嫌ではなかった。男の手、きっと男のごつい手は女の子の小さな手とぴったりはまるようにできているのだ。
このままこんなことにはまっていってしまうのがとても怖かった。
何度も、これは彩香を演じているだけだ、と思い直して、ホテルに、向かった。

87 :
優美の両親は2人とも同じ職場で働いている。
小学生くらいの時には、夕ごはんの時間にはどちらかが必ず帰ってきていたが、
優美が高校生ともなれば、両親もそれぞれに職場においても責任ある立場にあるようになった。
それで、日によっては一人で晩御飯を食べることもある。この日はそれであった。
(意外に、味気ないもんなんだな)
昼間は光にあふれるリビングルームで、一人で食事を摂ることが優美には多かった。
自由が多いとも言えるが、「彩香」の気持ちが想像したような、お嬢様のディナーというわけではない。
焼き魚を温めて、サラダやおひたしが用意してあり、味噌汁は自分で作る。3人分を作っておくのがならいであった。
この家族は、みな食が細いのだろう。タイマーでたかれた白飯は3人家族で2合であった。
6時半に夕食、そのあとはしばらく休憩。お風呂を沸かして9時前に入り、9時からまた勉強。
優美の手帳に沿ったスケジュールがこなされていった。時々、彩香のことが気になった。
いま、なにしてんだろ。ちゃんと、待ち合わせできたかな、と。
援交といっても、信頼は大事である。彩香、という女の子はギャルにしてはそういうところはしっかりしていた。
すこしくらい危ない目にあいそうでも、待ち合わせをすっぽかしたり、飛んだりしたことはなかった。
本当に悲惨な目にあいそうな時だけ逃げることにしていた。だから、「優美」が中にはいった彩香が、
きっちりと今日の援交にむかったかどうかは、優美には気になるところであった。
(幸せそうな家族だな)
優美は、意外なほど質素な夕ごはんを食べ終えて、食器を片付けると、
棚の上におかれた家族3人の写真を手にとった。どこかの山、高原だろうか。
ピースをした親子が3人で頬を寄せあって屈託なく笑っている。
この優美は、小学校5年生のころの優美である。幸せそうな家族の肖像であった。

88 :
(これはなんていうか、壊しちゃまずいな)
自分が生きてきた世界とはやっぱり別世界である。イケメンの父と美しい母。両親が一所懸命に働いて、
2人で協力して、家庭を作り上げ、愛を育み、そしてその愛を伝えるように優美を育ててきた。
優美はすくすくと、期待通りに育った。生まれてしまったから仕方なく育てられた彩香とは全く違う事がよくわかった。
お嬢様、優等生というのは、やっぱり自分なんかとは生まれた時から違う人種なんだという想いが胸を打つとともに、
だからこそ、優美という女の子の身体をあずかっている間は、しっかりとその女の子を演じなければならない、
と思い知らされ、決意を固くした。ワクワクとした気持ちだけでなく、負った責任の重さも感じるようになった。

それはそうと、「休憩時間」である。
その言葉に込められた意味を知るのは、昨日まで優美ひとりであった。
両親が遅くなることが予め分かっている日。普段ならテレビや家族の歓談で過ぎていく時間。
優美にとってはこのような「両親のいない日の2時間」が貴重だった。
オナニーである。お嬢様の密かな営みは、普段は、ベッドの中で声をして、いけないことを想像しながらなのであるが、
両親がいない日は、お風呂で、シャワーを使ってクリトリスを刺激したりしながら、ということが可能である。
逆に、彩香はオナニーなどこの5年近くしたことがなかった。男がいつでもいたからである。
風呂にはいる。優美のカラダは、白くて引き締まっている。ブラのサイズもパンツのサイズも同じであったが、
背が10センチちょっと違う分だけ、優美の身体のほうが、慣れた彩香の身体よりも曲線がなめらかだった。
それは、小さなカラダに同じサイズのおっぱいとおしりをもつ、彩香から見れば「貧相」とも見える。
一般的にはスタイルの良い優美であったが、少なくとも「彩香」の価値観でいえば、お嬢様の貧相な身体、という印象だった。

(あたしはオナニーなんかしない。女のプライド無いのかよ)
と、最初はおもっていた優美であったが、お風呂に入って、ゆっくりと湯船につかっていると、
どういうわけか、じんわりとアソコが温かくなって・・・
(なんか、変な気分・・・)
と思うようになってきたのである。

89 :
優美のようなお嬢様でもオナニーする。それはもちろん、同級生たちにも秘密のことだったし、
誰にもそんなことを話したことはなかった。だから、この秘密は、優美と彩香しかしらないことである。
2人だけの秘密は、これからいくらでも出て来るのであるが、
まずはなかなかに知っていること自体が楽しい秘密を、優美が頭の中から見つけ出した。
「あっ・・・!」
ぽぉっと頭が翔ぶような感覚。それが湯船の中でクリトリスをちょっとだけいじくることの快感のやみつきになるところだった。
特別に激しいことをするわけではない。
「あっ・・・ん♪」
優美が湯船に収まってアソコを刺激すると、普段の優美がオナニーするときに想像していることがあれこれと頭に浮かんでくる。
「彩香」の心はその子どもっぽい想像に吹き出しそうになるが、それは置いておいて、
感度の良さ、は彩香の身体以上といって良かった。
「あは・・・♪」
優美は、我慢できない。シャワーを使う。
「あぁん、あぁん!」
しなやかな指で綺麗にむき出しにされた、自分以外に誰も触ったことのない小さなお豆は、
もちろん優美の眼には見えないが、充血し、大きくなっているのが分かった。
彩香の小さなクリトリスと違って、膨らんで、感度がものすごく上がる。
「あぁん、すごい・・・なにこの・・・あぁん」
優美の頭が提供する想像は無視して、「彩香」の心は大好きなカレシとのセックスを想像し始めた。
カレシの指が入ってくる。胸を揉まれる。おしゃぶりするように命令される
「あぁん、はぁ・・・♪」
やっぱり、感度が違う。それに想像力の中で、誰かとエッチなことをする、というのが新鮮な体験だった。

90 :
「あはぁん、あぁん」
指が止らない。口を半開きにして、声が漏れる。すごい。きもちいい。
(こんな、こんな身体・・・すごいよぉ)
指をくわえて、シャワーをアソコに押し当てる。指とはまた違った快感が、いつものように、優美の身体を襲う。
「あぁぁぁぁん!すごいすごい!」
胸の先の突起もぴん、と立ち上がっていた。左手でそのピンク色の乳首を意地切りながら、喘ぎ続けた。
「あはぁん!あはぁん!」
優美のカラダは、「彩香」の想像した状況をこえて反応する。カレシとエッチをしても、こんなに感じることはなかった。
なんという皮肉なことだろう。はじめて男を知ってから4年もかけていろんな男に開発されてきた彩香のカラダよりも、
オナニーで密かに、自らの手でか気持ちのいいところを探し当ててきただけの、
優美のカラダのほうが、ずっと、ずっと感度がいいのである。
男とセックスしていると、どうしても痛かったり、臭かったり、我慢しなければいけないことがある。
だがお風呂場でのオナニーには、それがなかった。
ただ、パパやママが予定よりも早く帰ってきたらどうしようかという割と小さな緊張感があるだけである。
(もう、上がらないと・・・)
優美の頭に残る、スケジュールという命令に促されて、優美はシャワーを止めた。
(これ、あたし、やばいかも・・・やみつきになっちゃうかも・・・)
慌てるように体を拭いて、パジャマに着替えた。髪を乾かしながら、久しぶりのオナニーの気持ちよさに参ってしまっていた。
「あぁん・・・だめ、ガマンできない・・・」
お嬢様の白いく細い指が、パンツの中に吸い込まれていった・・・
オナニーは、相手のいるセックスと違って、自分の感じるところが体で分かっているから、
その分気持ちよくなることも容易なのだが、中学2年の春に初潮を迎える前から、
ずっと男がいた彩香にとっては、そんなことは「男も作れないダメ女」のすることであった。
また、基本的に家には母がいたので、そんなことをする場所もなかった。
いま、そんな「ダメ女」と身体が入れ替わってしまったから仕方なくやってみたオナニーだが、
こんなに気持ちいいとは想像できなかった。

91 :
(こいつの身体・・・すげえ)
まだ誰も割って入ったことのないヴァギナから、次々と愛液が溢れてくる。
どんどん想像が高まって、エッチなことが頭でくるくると回る。
彩香が体験してきたことを想像の中で追体験すると、もっと興奮してカラダいっぱいに快感が走るようになる。
もっと指が速くなる。優美の、オナニーの快感は底なしのように思えた。
お嬢様で優等生の優美は、そのお嬢様としての道を踏み外さないように、
この部屋の中で、女の子のカラダのことを一人で探り、一人で自分の一番気持ちいいところを見つけて、
少しずつ開発してきたのである。
それは、派手に男とやりまくった彩香からみれば地味で馬鹿馬鹿しいことであったかもしれないし、
男にいろんなことをしてもらう悦びに比べれば小さな幸せでしかなかったかもしれないが、
深く、自分の体が生み出す快感を味わうことができる。
こんな世界があるなんて、「彩香」の心は知らなかった。
それが、優美としての、一日目の夜であった。
「すげえ、きもちいい」
優美は指を止めてもしばらく呆けていた。どうしてかは分からないが、優美の身体は、敏感で感度が違う。
気づくと時計は9時を過ぎている。
「や、やべ。勉強しなきゃ」
服装を軽く整えて、優美は机に向かう。ほんの少し時間が遅くなったが、約束は果たされた、と言って良い。
だが、この日9時過ぎまで2時間近くオナニーしていたのは、優美だけの「秘密」である。
入れ替わったことによって、それまでの人生に関する「秘密」が全てなくなってしまった
優美と彩香にとって、相手にも言いたくないような「秘密」はこれが最初のものになった。
「でも……この身体……あぁん、ダメダメ、勉強勉強」
何度かオナニーの誘惑に負けそうになったが、ストイックに机に向かいつづけた。

92 :
親友、第3回「お嬢様のカラダ」
ここまでです。
読んでくださった皆さん、ありがとうございます。
第3回は、彩香初めての援交を描きます。
出来れば明日にでも。

93 :
入れ替わりとしても良作の予感
急がなくてもいいから完結まで続いてくれることを期待するぜ

94 :
お、乙・・・(´Д`;)ハアハア

95 :
GJです。
お互いの苦悩から、エロケバの予感。期待大!

96 :
親友
3. 3つのルール
ラブホテルに来ることそのものが、「優美」の心にとってもちろんはじめての経験である。
誰とも目を合わさずにチェックインできるシステムである。彩香の常識では、援交の時にはまず、
男が部屋の鍵を受け取る。精算も男がする。この日もそういう約束がすでにできている。
「ユカ」と呼ばれる彩香と「りょう」を名乗る男は、腕を組んで歩いて薄暗い廊下の一番奥にある、
3時間休憩4000円の部屋に入った。相場よりは少し安めだろうか。施設もそれなりである。
その部屋の中で、「彩香」の記憶に従った行動をとる。
「じゃあ、先に合わせて4枚、いいですか?」
すらすらと、いつもの彩香の言葉が出て来る。こうした手続は彩香にとっては常識である。
手慣れた彩香には援交に関する3つの基本的ルールがある。
ホテルの部屋という密室に入ってしまえば、腕力で劣る女の子の立場は弱い。
自分の身を守るためには、実は客の信頼を得ることが一番である。
客だって、変態でなければ、男と女の関係だけを求めるために買った、ギャル女子高生の彩香を痛めつけたり、
お金を奪って行ったりしない。だから、女の子の方も客に対して最低限のマナーをもって接する。
3つのルールは、援交を始めてから彩香が自ら固く守ってきた最低限のルールである。

97 :
ひとつは、客から金をむしりとるようなことはしない。
先に交渉した値段を越えて要求しない。ウリとはいえセックスを楽しむのが、彩香のルールであった。
だから、あとになって口でしたぶんを要求するとか、パンツを売りつけるとか、そういうことはしないと決めていた。
ふたつめは、卑怯なことはしない。
JK買春は、犯罪である。客は客でリスクを侵した上に彩香に金を払っているのである。
それは彼らにとって弱みであるから、つつもたせや写真を使って脅す、スキを突いて金だけもって逃げる、
あるいは持ち物から金品を盗む、というようなことをやろうとおもえば簡単だし相手は泣き寝入るしか無い。
だが、そういったことは、絶対にしない、と決めていた。もちろんそういうことをしようという誘惑に駆られたことがあって、
あるいはそういうことを平気でしている、周りの女の子たちの浅ましさがいやになって、出来たルールである。
みっつめは、嫌なプレイはしない、ということである。
要求されても、おしりの穴を許したりしない。縛られたりするのも断る。
そして、何より、ナマではしない。間違っても妊娠などしたら、傷つくのは自分である。
一応無理やりされた時の対策は講じていたが、ゴムは必須。その代わり、口ではいくらでも、
というのが彩香のルールであった。
この3つのルールは、彩香が援交を始めるときに、2つ上の先輩、吉井わかなが教えてくれた。
彩香がまだ13歳になった頃である。わかなは彩香のアパートの隣にすむ女の子で、ラテン系のハーフであった。
彩香に女の子の体のことも、エッチのことも、援交の仕方も一から教えてくれたのがわかな先輩である。
彩香にとって、とても尊敬できる先輩で、今もたまに連絡を取り合う。
詳しいことは知らないが、デリヘルをしながらグラビアアイドルとして雑誌に載って、
今度AV女優としてデビューすると聞いた。
堂々とそういうことをしてもいい年齢というのは、入れ替わる前の彩香から見て、それだけで羨ましいことに思えていた。

98 :
もちろん、3つのルールなんて、住む世界の違った頃の「優美」の心にしてみればバカみたいな話しである。
すくなくといまも、まだ、彩香はそう思っていた。
「綺麗な肌だね」
「あ、ありがとうございます」
ソファに座って手を握って、2人は会話を始めた。緊張しているのが男にも分かった。
「・・・お風呂であらいっこする?」
「・・・は、はい。あの・・・」
「なに?」
「優しくして、くださいね」
男の頭は沸騰し、混乱した。見た目は下品な茶髪に派手なメイクのバリバリギャルなのに、
うつむいて、恥ずかしそうに、まるで処女のように恥ずかしがるからである。
処女を呼び出したつもりはない。だが、処女のように見える。男はそのギャップに興奮した。
「いいよ、おいで」
いつもの彩香とは違うJK援交ギャルだった。お金のためと割りきって、
下品な笑いを飛ばしながら男を積極的に求めて楽しむ。
この「ユカ」ちゃんという女の子は男が情報を得たSNSではそういう評判だったのだが、
聞いていたのとはちょっと違う、と男は思った。
「ユカちゃんって、一回だけだっけ?」
「えっと、時間内なら、何回でも・・・」
身体に染み付いている答え、である。言った彩香自身、その言葉の意味をちょっと考えなければわからない。
だが、男はすぐに理解したようであった。
ラブホテルのバスは、水流がよくて湯もすぐ貯まる。彩香の身体は、「優美」の心とは別に勝手に動く。
バスルームの灯りをつけて、お湯を出すと、男の待つソファに戻ってきた。
違うのは、いつもの彩香ならすぐに男に抱きつくのだが、30センチほど離れたところに身を固くして、
膝を固く閉じて座ったことである。

99 :
(うわー、どうしよう・・・なにもできない・・・あたし、彩香なのに・・・)
約束したのに、いつもの彩香らしく出来ない。
でも、それがかえって客からみれば「よかった」ことになるのだから、不思議なものだ。
「おじさんが優しく脱がせてあげるね」
さっそく、男が彩香に近寄ってきて、彩香を押し倒して、制服の裾に手を掛けた
「あっ・・・」
心の準備もまだ何もできていなかった。
それでも「優美」の魂にとって初めてのセックスが、もう始まろうとしていた。
制服のブラウスがボタンを外さないまま腕のところまであげられて、
ブラのホックが外されて、促されるままにバンザイする。
「あはぁ・・・」
いきなり全部脱がせないのは、男の趣味なのだろう。スカートの中に手を入れられて、
内腿を優しく撫でられると、ふんわりと身体が浮いたような気分になって、お腹をキスされ、
まんまるの弾力のあるおっぱいに、「ふにゅ」と男の指が沈むと、夢見心地だった。
エッチなことに興味が無いわけでも、嫌いなわけでもない。男が嫌いなわけでもないし、興味もある。
入れ替わる前の優美が、16歳の今まで処女だったのは、貞操という観念を両親や学校の情操教育で、
しっかりと叩きこまれていたからである。
だが、今は自分は彩香なのである。中身がどうあれ、彩香を演じることが、さっき決めた優美との約束である。

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