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2013年01月ぴんく難民449: 神聖かまってちゃんの小説スレ (331) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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神聖かまってちゃんの小説スレ


1 :2011/02/06 〜 最終レス :2012/09/20
小説投下用

2 :
ドキンちゃんは菌で食パンまんはパンていう
設定上では絶対結ばれない二人らしいけど応援してるよ僕

3 :
やかましいほどに蝉の声が響き渡るある蒸し暑い夏の日。
私は千葉県柏市のリハーサルスタジオに来ていた。
かつて度々訪れていた懐かしいスタジオだった。
「懐かしいな」
ほとんど聞こえないような声でつぶやき、スタジオへ続く階段を一人駆け上がった。
自動ドアが開くと、冷房でキンキンに冷えたスタジオ内へ外の蒸し暑さから逃げるように入る。
スタジオ内は昔となにも変わっていなかった。
しかしカウンター越しに座っている店員は見覚えがなかった。
あれから10年も経っていたのだから当然か、と心の中で思いながら店員に軽く会釈をし、スタジオの奥へ進んでいく。
いくつもの扉が並び、小さなテーブルとイス。
一つ一つが懐かしく、私はちょっとすでに涙ぐんでいる。
小さく、使い古されたそのテーブルにはノートパソコンが一台置かれてある。
その前に腰掛け、大声で怒鳴り散らしている男が目に入った瞬間、私はもう涙を止めることが出来なかった。

4 :
さっそく乙

5 :
男は10年以上前からなにも変わっていない。
10年前もこうやってウェブカメラを通してインターネット上のリスナーとコミュニケーションを取っていた。
男の服装は相変わらずパジャマ姿で、髪の毛も自分で切ったかのようにクシャクシャにさせていて。
顎にあったイボはどうなったろう。
後ろ姿だからまだ見えないけど、さすがにもうイボはとっただろうな。
私はゆっくり彼に近づき、声をかけようとした。
でも、後ろから近づいたからウェブカメラに写ってしまって、その瞬間画面上には色鮮やかに無数のコメントが飛び交った。
『みさこおおおおお!』
『みさこキター』
『みさこだ!!!!泣きそう!!』
私は目元をハンカチで抑えながら、カメラに向かって手を振った。
それから、震える声で男に声をかけた。
「の子さん・・久しぶり・・・」
こんな姿見たって彼はなんとも思わないだろう。
昔の彼だったらきっと・・
「んあ?おせーんだよ!!っざけんなよ!!!」
10年前と同じように、私は彼に怒鳴られた。
それがなんだか嬉しくて、涙は溢れるばかりだった。
彼の顎にはしっかりと、イボがついたままだった。

6 :
>>5
俺まで泣いちゃうんだが

7 :
泣いている私を見てもの子さんは何も言わない。
それがいつも通りだった。
彼の興味はそんなことよりもノートパソコンの画面に飛び交う数々のコメント。
「んだよ、みさこさんのことばっかじゃねえか!!
おま・・おま・・お前ら!!!今日は俺が!!みんなに招集した!!!」
10年ぶりに会ったというのに、そんな感じでの子さんは私を無視してる。
こういうときに声を掛けてくれるのがmonoくん。
スタジオのトイレから出てきた彼は笑顔で、片手を上げている。
「みさこ〜ひっさびさだな!」

8 :
昔と違って、ちょっとだけたくましく見えるmonoくん。
10年の間にいろいろあったのは知ってる。
でも、そんなこと気にさせないほどに明るく振舞っている。
「の子、みさこみさこ、みさこ来たんだからなんか言えよ」
「うっせえ!!!今配信してんだよ!!」
「わかってっけど・・ああ、ちばぎんもすぐ来るって」
「ちばぎんも久々だね〜。元気かな?」
私はの子さんのすぐとなりに座り、配信中の画面を覗き込んだ。
『みさこ10年なにしてたの???』
『みさこ老けたなぁ』
『みさこって結婚したの?』
『の子邪魔』
コメントが私に向けてのものばかりで、の子さんはムスっとしてトイレへ行ってしまった。
私は画面の中央に写るように座り直し、隣にmonoくんが座った。
ちばぎんがやってくるまで私とmonoくんでコメントを広い、昔のように簡単な雑談を続けた。
『なつかしいわ〜』
『10年とか、長すぎ』
『避難所まだあるって知ってた?ww』
『ちばぎんまだー?』
『あ、の子すねたwww』
『みさこかわいくなったな』
『祝・神聖かまってちゃん再結成!』
「お、職人!すげー!あーりがとうございます!!お久しぶりでーす!」
気がつくと後ろにちばぎんが立っていて、画面を覗き込んでそう言った。
私とmonoくんは笑顔でちばぎんとの再開を喜んだ。
職人さんによるそのコメントと、ちばぎんの登場で突然実感が湧いてきた。
解散から10年、私たちが思い出のスタジオに集まったのだった。
そして今、メンバー全員が揃った。

9 :
続く

10 :
>>8
漫画化してほすぃー!

11 :
続き読みたい

12 :
十年経ってもまだ35才なんだな

13 :
前の人が途中で申し訳ないけど
この際以前書いたやつを全部貼ります

201×年のとある金曜日夜8時、いつものようにあの音楽番組が始まった。
タモ「次はピックアップゴールドです」
女子アナ「早速ですが今日はギターボーカルDAIさんの歴史に迫ってみたいと思います!
この映像は…伝説のあのバンドですね」
DAI「うわ、やめてくださいよー…俺何も聞いてないんだよなー
…はい、そうですねこれは僕が前にいたバンドです」
女子アナ「この『神聖かまってちゃん』でDAIさんはなんとベース担当だったんですね」
タモ「あれ、喧嘩してるよ!止めてるのはDAIくん?」
DAI「そうです、懐かしいな…これはメジャーデビュー直前のライブですね。
僕、この時は常識人キャラだったんですよ」
笑いに包まれるスタジオ。思わずツッコミを入れるPUGのメンバー達。
DAI「ボーカルの驚異的で天才的なパーソナリティに拠る所が大きいバンドだったんで」
女子アナ「その天才フロントマンの『の子』さんですが、この後突然失踪されて…」
タモ「今もまったく連絡つかないの?」
DAI「はい。音楽を続けてるのは僕だけなんで、いつか彼に届くといいと思ってるんですが」
女子アナ「そんなDAIさんの思いが伝わるといいですね!それでは準備お願いします…
今日初披露の新曲はPUGインディーズ時代のリテイクで、ファンにはおなじみの名曲です。
それでは演奏していただきましょう!ピックアップゴールドで『グレートエスケーパー』」

14 :

ハイヤーの車内。シートに深く腰掛けたDAIの携帯が鳴り、メールの着信を知らせた。
画面には「海藤」の文字。
「久しぶり!Mステ見た。頑張ってるな。懐かしい映像でびっくりしたよ。
元気か?俺も店がやっと軌道に乗ってきたよ。前みたいにファンが押しかけることは減ったけど、
地元の常連がつくようになったからな。ま、たまには奥さんと来てくれや。
実はゆりに2人目ができたんだ。春には産まれる予定でさ、俺ももっと頑張らなきゃな!
でも本当にあいつはどうしてるんだろうな…親父さんもずっと待ってるのに…」
DAIはメール画面を閉じ、窓外に目をやった
街灯りが線となって流れる様をぼんやり見つめながら、その口元が少し歪んだのは悲しいのか、笑っているのか。
「おかえりなさい、あなた。今日もお疲れさま」
「ただいま、みさこ」
「あたしも今日番組見たよ。なんか恥ずかしかったな」
「ああそういえば、局でツルギさんに会ったよ。相変わらず忙しそうだったけど」
「そうなんだ。あのグループも売れてきたしよかったよね」
取り留めない夫婦の会話。だがみさこは次第にそわそわし始めた。
「あのさ、あの…地下室なんだけど…あたし今日ちょっとだけ入ったんだ」
瞬時にDAIの表情が一変した
「地下室には入るなって言っただろう!お前は余計な事気にするんだから!」
「だって…なんかたまに呼ばれてるような気がするんだよね…あのさ、あたし達ってやっぱり…」
ふっとDAIの顔が和らいだ
「そんな訳ないだろ、疲れてるんだよ。お前は何も悪くないよ。あれは俺のやった事なんだ。
大丈夫、お前は何も気にするな。遅くまで起きててくれてありがとな。もうおやすみ」
「う、うん…おやすみ…」
寝室へ向かうみさこの後姿を見送ると、DAIは深くため息をついて地下へ続く隠し扉を開けた。

15 :

階段を降り何重にもロックされた扉を開けると、ひんやりとした空気と薬品の匂いが鼻を衝く。
灯りのスイッチを入れると暗闇にぼんやりと浮かび上がる、巨大な水槽。
「伝説の天才、か。まだ忘れられない人は大勢いるんだな」
DAIは水槽の分厚いガラスに手を当てた。
「でもそうでなきゃな。俺は後悔してない。永遠にお前は俺のものだ」
灯りのスイッチをオフにして、DAIは部屋を後にした。
やたら重い扉を閉めるその刹那、
   ち  ば  ぎ  ん  
ホルマリン液にぽこりと泡が浮かぶ音が聞こえたような気がした

終わりです

16 :
うpスレから来たヒマな人です
小説おもしろいよーw
みんなキャラをつかんでるからここまで書けるんだな
登場人物の描写も必要ないからシンプルで読みやすい!

17 :

窓からの景色はたまに見るけど、それはぼくに関係ない。外のことだ。
ここはぼくの世界。同居人は2人。
大きい人の名前は「親父」「お父さん」「パパ」。
もうひとり、小さい彼にはたくさん名前があってなんだかわからない。
最近いろんな人がぼくの家にちょくちょく来て、
来る人それぞれが彼を違う名前で呼ぶ。
かと思うと2人ともが「おおしまさん」だ。むずかしい。
ぼくもみんなに呼ばれてる名前があるけど、まあぼくはなんでもいいよ。
あっそういえばここにはもう1人いるんだけど、あの人はなぜか誰にも呼ばれないなあ・・・

18 :

小さい彼は、ぼくがここに来た時ぼくより年上だったけど
いつの間にかぼくのほうがおとなになってた。
ぼくだって子猫の時はふすまや壁やソファーをがりがりしたり、カーテンにとびかかったりしたけど
彼はいつまでもふすまを破いたり燃やしたりとつぜん叫んだりするんだ。
まだこどもなんだ。
彼はごはんをくれるから大好きだし、ぼくもいろいろと気をつかってるよ。
遊んであげるし、機嫌がわるそうな時は近づかない。泣きながら寝てる時は顔をなでてあげる。
そして寒そうな時はそおっと横にすべりこむ。まあ、ぼくも寒いんだけど。

19 :

さて、そろそろお腹が空いてきた。
大きい彼は出かけてるし、小さい彼を起こそうかな。
あ、またあの人がいる。ほら、今日はベランダのところに。
でも、ほかの人には見えないのかもしれない。
いつもすごく優しそうな顔でこっちを見てるんだ。時々なにか言いたそう。
ぼくが人間の言葉を喋れれば、おしえてあげられるのにね。

終わりです

20 :
>>16
ありがとうございます
ちょいちょい貼っていきますんでヒマ潰しにどうぞです

21 :

平日深夜の都内道路。
寝不足の目をこすりながら、劔は車を走らせる。
「あー今日も忙しかった…」
カーステレオに手を伸ばし、劔はほんの一瞬目を落とした。
再び視線を前方に戻すと、ずっと先に見えた交差点がすぐ前で、信号が黄から赤に変わる瞬間だ。
「うっわ、やっべえ!」こめかみがすうっと冷たくなり、ブレーキを力いっぱい踏む劔。
「あー…あぶねー、びっくりしたわ…」ハンドルを握る手がじわっと汗ばむ。だが安堵できたのはつかの間だった。

22 :

パァーーーーーーーーーーーッ
真後ろから明らかに攻撃的なクラクションが鳴らされた。
見ると黒のワゴン車がすれすれに停まっている。
車内には数人。助手席の男が降りて向かってくる。やばいな…。いったんひいた汗が再び噴きだしてくる。
「何急ブレーキかけてんだよコラ!オカマ掘らせる気かよてめぇ!!」
「いや、赤になったんで…」
「ああ!?黄色だったろ!?こんな空いてんのに停まるかよフツー!よゆーで行けっだろボケが!!」
空いてるからって交差点やないか…ムチャクチャ言うなよな…
だが劔が言い返す間もなくそして逃げる隙もなく、車はじりじりと路肩に追いつめてくる。
劔はハンドルを切るしかなかった。
「おい、オッサン降りろよ。急ブレーキ踏んだおかげで服とクルマん中汚れたんだよ。」
とうとう運転していた男も降りてきてドアに手をかけられた。引きずり出されるよりはまし、劔は車を降りる。
彼らの車を見ると、リアシートの女の子達が胸元や太もも辺りを拭いている。酒でもこぼしたか。もう、知らんがな…。

23 :

「俺こいつ知ってる」運転していた男がニヤニヤしながら劔の顔を覗き込んだ。
「お前変な名前のバンドのマネージャーだろ。テレビで見たよ。」
「えっこんな奴テレビ出てんの?…おい、何逃げようとしてんだよ。キョドってんじゃねーよ」
助手席の男は劔の肩に手を置いてこっちを向かせた。
「お前さ、有名人ならこんなとこで問題起こしたくねえだろ。大人の対応しろよ。クリーニング代くらい出してもいいんじゃね」
「思い出した!」ずっとニヤニヤしたままの運転の男が声をあげた。
「名前!泥人形だ!泥人形!あはははあはは泥人形!!」「何それ泥人形ってマジうけるわあはははははあははは!」
泥人形泥人形と笑い続ける男達を、劔は深海魚のような目で見やっている。
「あの、お金とか勘弁してください。急ブレーキ踏んだんわ謝ります。なんなら警察呼びましょうよ」
「警察!??」男達は笑いを引っ込め、顔色を変える。
「何ふざけたことぬかしてんだてめぇぇ!!!」
助手席の男が劔の顔めがけて殴りかかった。それはよける間もない素早さで。
男の拳が劔の頬にヒット…した。確かにしたはずだった。しかし…
「???」
手の甲にくるはずの衝撃がなく、代わりにズブッとした感触が
「うわああああ」「うわわわわ何だこいつ!」
劔の顔は半分崩れ、男の手には泥がべったりと付いている。
「バ、バケモン!!」
とっさに男は劔の足を払った。片足がぼそっと崩れ、バランスを崩す劔。男はすでに泥まみれである。

24 :
>>3
想像できるうる未来の事すぎて胸熱になってしまったんだが・・・
こんな糞小説に!
>>13
怖っw w w想像しちゃったら怖すぎ!
みさことちばぎんはなんで結婚設定なんだよ

25 :
>>18>>19
これは最高。欲しい。

26 :

逃げ出す男達を眺めながら、劔はおもむろに髪をむしり泥の塊にばらまく。
土くれがぼこぼこっと動き出すと、たくさんの小さな泥人形が生まれだし、列を組んで男達の車に向かっていく。
車の周囲にびっしりと取り付くと、ミニ泥人形達は次々とガラスやドアのすきまからすべりこんだ。
ぎゃああああ 泥が!いやああああ!! 車内からは男女の叫び声。
「言霊ってよくいったもんや。言葉は生きてるからな。言い続けてるとそれはほんとのことになる…」
いつの間にか崩れた体はすっかり元に戻っていた。劔はゆうゆうと車に乗り込むと、泥ですっかり埋まった彼らの車を残してアクセルを踏んだ。
「あーあ、またほかの泥がちょっと混じっちゃった」
数日後、いつものようにステージ袖でライブを見守る劔がいた。
ライブも終盤を迎え、客もメンバーも興奮が頂点に達している。
の子がギターを振り上げた。あっそれ壊したらもう、次のない…!
走り出る劔。いわばお約束。
だがしかしこの日に限っての子の手元が狂ったか、劔の駆け寄る位置かタイミングが悪かったか
ギターは劔の脳天めがけて振り下ろされる。
前列を埋め尽くした女の子の客が、一斉に悲鳴を上げた。
終わりです

27 :
無題 あえて上げました
>>24 >>25
ありがとう!嬉しいっす
連続投稿で規制かかっちゃった 自己満ですがぼちぼち貼らせてもらいます
>>3
続き気になります!
ってゆうか皆さん言ってるように普通にありそうな未来だ!
あと、ゲート○ェイ詳しいですね!
もしや利用したことあるとか?

28 :
>>8の文中
10年の間にいろいろあったのは知ってる。
でも、そんなこと気にさせないほどに明るく振舞っている。
mono好きな自分には気になってしょうがないんだけど
あと解散に至る経緯とか10年もの間何故メンバは会わなかったのかとか
続きともし補足となる設定あったらぜひ書いて欲しいな

29 :
その辺はあえて書かないで読者それぞれが想像するのが楽しいと思ったりする

30 :
小説読んでるよ

31 :

どうしてこんな事になったのか。
ステージ上でみさこは足のふるえが止まらなかった。
目の前にいるのは、ふかふかのシートにきちんと座った紳士淑女達だ。
対峙するみさこの衣装は、およそ着慣れない背中の開いたロングドレスにハイヒール。
何よりここはライブハウスではなく、荘厳な音楽ホールだ。
ドラムがないとどうしていいかわからないよ…だいたい私超音痴なのに…
ソロ歌い出しの小節が近づいてきた。何度も練習は重ねてきた。あとはもうなるようになれ、だ!
オペラなんて歌うのは初めてだけど、自分を信じるしかない。
みさこは大きく息を吸い込んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スタンディングオベーションってこういうものなんだ。
ライブの熱狂や感動は何度も経験してきた。でも…これは本当に凄い。
みさこの上気した頬を、熱い涙が濡らしていく。
ステージからは客の顔がよく見えた。誰もが割れんばかりの拍手を送り、ひとり残らず涙を流していた。

32 :

その約半年前。
ひと気のない九十九里浜に4人の姿があった。
monoはちばぎんとみさこと握手を交わし、ひとり離れて波打ち際に立つの子に声をかけた。
「じゃあな大島!元気でな!」の子は返事をしない。
「いろいろあったけど、お前と一緒にいられてよかった!楽しかったよ!ありがとう!」
「うるっせーな!!何言ってっかわかんねーんだよ!!」の子は涙声だった。
「大島…最後なんだから笑って見送ろうぜ」ちばぎんの声もかすれていた。
「いいよ、あいつらしいし。嘘をつき続けた俺が悪いんだ」
嗚咽をこらえながらみさこがかぶりをふった。
「本当は少し気づいてたんだ…人間離れしてるから。いつかは自分の星に帰るんだろうなって。
でも…こんなに早くその日が来るなんて…」
「海藤、あとのことは心配するなよ。俺もみさこさんも身の振り方は決まったから。全然違う道だけどな。
大島も…つるぎさんがいろいろ考えてくれてる。あいつは嫌がってるけど…きっと大丈夫だよ」
monoはうなずくと、じゃあ行くよ と片手を挙げた。
数歩離れて仁王立ちになり、空を見上げると体が小刻みに振動し始めた。
両手を勢いよく突き上げると同時に、爆音と白煙に包まれてmonoは高く飛び立っていった。
「海藤ーーーーーーーっ!!!」
号泣しながら駆け出したの子のシャウトが九十九里の海に響き渡った。

33 :

ふたたび半年後。ある朝。
『元神聖かまってちゃんのみさこ オペラ歌手へ転身でまさかの大成功』
実家のPCでナタリーの記事をチェックした後、ちばぎんは眼鏡をそっとデスクの引き出しにしまった。
俺も今までの自分を捨てて頑張ろう。もう2度と、あんな日々は戻ってこないんだ…
このコンタクトレンズもきっとすぐ慣れるさ。
風を切って、自転車でちばぎんは走る。角を曲がると新しい職場の看板が見えた。
『すすいほいくえん』

34 :
>>32
どうしてこうなったw
の子にはmonoくんと叫んでほしかったな

35 :

兄貴の現場に潜り込みダイナマイトをくすねてくるのは、拍子抜けするほど簡単だった。
音楽をやり続けなければ俺は生きる意味がない。
だけど、ひとりじゃダメなんだ。ひとりは嫌だ。違うんだ。
つるぎだってわかってるはずだろ、なんで俺をひとりで歌わせようとするんだ。
いや…俺はきっと海藤がいないとダメだ。自分でも驚くぐらい、あいつに依存していた。
なんで俺を置いてった!俺を、俺も、連れて行ってくれよ!
ダイナマイトがあればひょっとしたら飛べるかもしれない。だけどやつらは連れて行かない。
中島もみさこもさっさと切り替えやがって。しょっちゅうメールよこすけど読んでなんかやらねえ。裏切り者めらが。
つるぎは…つるぎさんはかわいそうな人だ。俺に振り回されて心底悲しそうな顔をしてる。
最近はため息ばかりついている。気の毒に。
口には出せないけど、ごめんつるぎさん。楽にしてあげよう。
千葉ニュータウン内のとある公園。
約束の時間が近づくと、車内のつるぎはため息をついた。
家まで迎えに行くと言ったのに、何で公園で待ち合わせなんだろう。
今日はおとなしくレコード会社に行ってくれるかなあ…
ああ、来た来た。走ってきた。え?叫んでる…
なんだ?何か腹に巻いてるみたいだけど…え??

終わりです fromつまんねRADIO
 

36 :
>>34
前回のラジオによると、映画の内容はこんな感じらしいですw
ファンとしては「monoくん」がしっくりくるよね
でもとっさに叫んだらこうじゃないかなあと。

37 :
ぱちぱち
次も楽しみにしてるっ

38 :
「ユキヤーーーーーーーっ!!!」じゃない?

39 :
>>3
>>5
>>7
>>8
の者です。
この間眠れなくてがーって書いたんだけど、
このスレ地味に盛り上がりつつありそうだから今夜少し続き書こうかな

40 :
10年後の人続き書いてー!楽しみにしてるよ☆


41 :
悲惨結末キボンヌ!

42 :
かまってちゃんはキャラが立ってるから小説にしやすい
漫画とかにもしやすいと思う
虚構の住人っぽいイメージがある
物語の中にいるみたいだとはよく言ったと思う

43 :
だって全部の子さんの脚本通りだからな

44 :

目の前にいくつも紐がぶら下がっている。
直感でこれだ!と飛びついても、どれもが風船の糸をつかんだように、へなへなと頼りない。
俺はその度に尻餅をつき、顔から転び、傷だらけアザだらけで毒づきながら、それでも立ち上がってきた。
ある時つかんだ1本の紐、それは確かな手応えがあった。
お?これか?これでいいのか??
いいのかな?いいのかな?上へ、上へ。紐はどんどん太くなっていくようだった。
景色が変わった。少し高く登りすぎて怖くなった。そう思った途端、爆音とともに天井が抜けた。
手応えがあって当然だ。天井に繋がってる紐だったのだ。
なんだ、ちくしょう。登れたのはちょっとだけじゃねえか。
紐なんか引かなきゃよかった。今や天井が落ちてがれきに埋まってこのザマだ。
紐なんて…紐なんて…本当に引かないほうがよかったのか?
わからない…わからない…今は動けないし、ひどく眠い。
もうこのまま眠ってしまおうか、何かやることがあった気がするけど、もうどうでもいい。
いや、何か思い出すことがあったはずだ…何だっけ…何か…
こたつの上のパソコンに向かって話しかける男が見える。
「はーい ネオちゃんですよー」

45 :
終わりです

46 :
今度から新しい小説書くときは名前欄に番号振ってくれると分かりやすいと思う

47 :
>>46
そうします!なるべく短くしたいと思うけど
どうしても3レスくらいになっちゃう
短くする技術がほしい
>>44はなんか適当に書いたらこうなった

48 :
「ちばぎーん」
「ちばぎん痩せた!!!」
「ガリギンwwww」
ちばぎんが画面に写ると、リスナーたちからのコメントはちばぎんへ向けてのものが多くなる。
しばらくちばぎんがコメントを拾い、リスナーに挨拶をしていた。
「おせええよ!!」
トイレから戻ってきたの子さんがちばぎんに怒鳴った。
やっぱりちばぎんも怒られてるのに笑っていた。
四人が揃って、このスタジオで配信をしながらの子に怒られてる、そんな状況が心底嬉しそうだった。
「いや、だっての子14時集合って言ったじゃん。今ちょうど14時じゃん」
「mo・・monoくんがはや・・はやく行こうって言ったんだよ!!!」
「俺のせいかよ!楽しみで眠れないとか言ってたのお前じゃん」
「うるせえええ!!!!」
10年経ってもこのグダグダな四人のやりとりをリスナーたちは温かいコメントで盛り上げてくれる。
職人さんが大きく画面上に一言、
「待ってたよ!!」
みんな待っていてくれたんだ。
それと同時に配信が止まった。
懐かしい再会に浮かれてて、私たちは配信の延長を忘れていた。

49 :
配信を始められるように改めてパソコンを設定してから、四人はスタジオの個室へ入り、各々準備を始めた。
「ちばぎん、保育士どう?」
monoくんがキーボードをセッティングしながらちばぎんに尋ねる。
「ん・・ああ、ちゃんとやってるよ。まあみなさんの世話をしていた俺からすれば楽勝っすね」
「フホ!そらそうだな。あー、みさこは?順調?」
monoくんが聞きづらそうに私に問いかけた。
「えっ・・私は・・うん、順調・・かな?」
「そっか」
若干の気まずさを察したかのようにmonoくんが黙ってしまった。
そんな空気を気にしてか、いや、彼はそんなこと気にしない人なんだけど私にはそう感じた。
隅っこでギターを出してチューニングをしていたの子さんがまた大きな声でその場を和ませた。
「チューニングできねえよ!!」
「お前は10年間どうしたたんだよ?」
monoくんが笑いながらの子さんからギターを受け取り、チューニングをしてあげている。
私も空気を誤魔化すかのようにドラムを叩き始める。
自分がいけなかったのに、自分が一番気まずい空気を作りだしてしまっている。
でもそんなこと気にしていないよと言うように振舞ってくれるメンバーが優しすぎて胸が痛かった。
「ホッホ!みさこドラム上手くなったなー」
「うわあやべーな、俺完全に足手まといになるかも」
monoくんとちばぎんが、ドラムを叩く私を見てそう言っている。
「あは、ありがと・・」

50 :
すんません、ストックが無くなったので続くってことで。笑
先のことなんも考えてないから終わらせられるか不安だわ

51 :
気長に書いてー
違うの思いついたらそれでも

52 :
痩せた35歳のちばぎんが見たい

53 :
10年後の人いいね!
みさことmonoの間の気まずさがなんなのか気になるからまた書きにきてくれよな

54 :
雑居ビルの地下にはじめっとすえた空気が漂っている
不景気なのにポン引きのアゴちゃんは客を取って来るのが上手い
「お客さぁん〜ちょっと今この子しか残りモンないのよぉ〜んね安くしとくからぁん」
ギンちゃんはやり手ババアだ
「みさこちゃんほらお客さん2番ご案内よったくあんたブサイクなんだからサービスしなさいよ」
あたしは毎日何本のちんぽをしゃぶってるんだろうとかぼんやりしながらまたお客さんのちんぽをしゃぶる
臭い現場労働者風のおじさんのちんぽにはカスがいっぱいこびりついてるのを飲み込みながら早く出ないかなーなんて
「痛ェ!歯ァ立てんじゃねェこのブタ!」ガッッ
左の頬にグーで殴られて口からちんぽとんでった違うとんでったのはあたし床にぐちゃって転がって
「口の歯ァ全部抜いちまえ!使いモンになんねェ!」
おじさんはあたしの尻を掴むとおまんこにちんぽねじ込んでるよ騒ぎを聞いてアゴちゃんもギンちゃんも入り口で見てるあーあって
あ歯が折れたみたいでぐらぐらする
ごめんなさいあたしがばかだからうんとむかしドラムとかやってたのって夢だったのかなってちょっと思い出したりした

55 :

傑作の予感 

56 :
下品なのはいやだなぁ

57 :
食事中に読んでしまった
昼間っからwww

58 :
エロとかBLだと荒れそうだからほどほどがいいかも
面白かったけどw

59 :
不覚にも勃ったwww

60 :
54みたいなのつまらん...

61 :
芸術のわからん厨房は来なくていい

62 :
耽美派?鬼才あらわるw

63 :
何処が耽美なんだよアホ

64 :
>>54すごいリズム感やばい
ラスト5行が神(゚-゚)ポカーン

65 :
なんかオーラあるね

66 :
>>54の才能に嫉妬

67 :
書いてる人舞城王太郎好きでしょ?

68 :
つか、ラノベ馴れ合いスレに、いきなりヘビー級が投下されちゃったよ…
プロ?か何かの人なんですかね?
助詞てにをはの使い方に特徴があるような…
妙に品格を感じる俺が変なのかな?
とにかく無駄がないよ。濃くて怖い。((゚Д゚ll))ヒィィィ

69 :
たいして本も読んでないくせに書評か
笑えるな

70 :
笑いが取れて嬉しいよ^^

71 :
僕は戸梶圭太だと思った

72 :
町田康
村上龍

73 :
狭くて身動きがとれない。
でも、少しでも音をたててしまったらすぐに外の誰かにバレてしまう。
そんな状況にハラハラしながらも、ちょっとだけ興奮してしまっている私と彼。
・・・
いつものリハーサルスタジオに約束の一時間早く来いと言ったのはちばぎんの方だった。
私はただ単純に、先に二人で練習をしておこうってことなのだろうと思っていた。
でも、そうじゃなかった。
スタジオに入るとちばぎんがトイレの前で待っていて、私を手招きする。
ちばぎんに近寄った瞬間、意識が飛んだ。
ちばぎんが私の口元にハンカチを押し付けた、そこまでは覚えている。
・・・
気がつくと私は口を塞がれ、トイレの個室にいたのだった。
便座の上に座らされ、手首を後ろで縛られ、足がM字に開いている。
ハッとすると、足と足の隙間に誰かいる。
ちばぎんだ。
ちばぎんは狭い個室にしゃがみこみ、私の股間に顔を押し付けていた。
スカートは腰上まで捲られ、パンティーは右の足首に引っかかっている。
意識を取り戻した私の股間にだんだんと、ちばぎんの舌の感触が伝わってくる。
「んっ・・んんっ」
嫌がるように腰を振り、逃げようとした。
でも、薬のせいで力が入らない。
私が身体を動かすとちばぎんが顔を上げる。
「ごめん・・」
そう言ってまた股間に顔を埋める。
ちばぎんの舌は器用に私の股間を舐めまわし、私はあっという間にその気にさせられてしまった。
手が縛られていて、声も出せない私は、この気持をどうやってちばぎんに伝えればいいのだろう。
私は両足をちばぎんの首に巻き付け、自らちばぎんの顔を股間に押し付けた。
それで伝わったみたいだ。
ちばぎんは私の股間を舌で愛撫しながら手を伸ばし、私の手首の紐を解いてくれた。

つづく

74 :
ごめんどうしても54と比べてしまう...
54は起承転結とオチがしっかりしてた
コンパクトなまとまり感があったからなぁ

75 :
アゴちゃんギンちゃんってなんかいいんだよなぁww

76 :
>>73エロ妄想をダラダラ書くのはチラシの裏にして下さい

77 :
まあそう言うなよ
読むに耐えないけどうpするのは自由だしw

78 :
>>72
自分もそう思った あと金原ひとみもちょっと思った

79 :
うわっ
エロスレにww

80 :
ギンちゃんはやり手のババアwwww

81 :
ちょっと待てよ
>>54の世界で の子はどうした
あと橋本治がこんな感じのエロ短編書いてたような

82 :
>>78(*´∀`)人(´∀`*)ナカーマ!
金原ひとみ〜! 暴力感や痛い感じがね

83 :
金原ひとみはうまくない
やっぱり稚拙

84 :
の子さんはネオニーといっしょに店の前にいる猫という設定でwwww

85 :
じゃあ親父さんは隣の中華料理屋にしてくれ

86 :
>>85笑た似合いすぎ
>>84裸でお外は寒すぎでかわいそうだせめて受付に座らせてやってほしい

87 :
こんばんは。
続きあるけど載せられる空気じゃないなww
日あけたほうがいいっすかね??

88 :
もう俺誤爆ばっかり
10年後だし

89 :
10年後お願いします
ついでにいつか10年前も読みたいです

90 :
10年後さん好きになりそうだw
>>54は衝撃だったがぶちかましてください
>>73は真の勇者なのでよかったらオチまで読みたいです
エロだけど

91 :
ちなみに73は僕です
じゃあ続き載せますね
ちょっと強引っていうか、もう長く続けるのもきついんで完結させました
10年前は知らんwww

92 :
私のドラムの技術は上手くなっていて当然だった。
メンバーの中で私だけは10年間音楽の仕事が安定して続いていたのだから。
10年前、神聖かまってちゃんが解散する前から私は別のバンドにドラマーとして参加していた。
当初はサブカル系の企画バンドのようなもので、時々イベントに出演している程度だったのだけど、
当時仲良くしていた女優の子が加入したことで話題となり、大ブレイク。
そのバンドはロックバンドというには程遠く、アイドルのような扱いであった。
しかし出す曲出す曲ヒットを連発し、武道館公演なんてチケットはすぐにソールドアウト。
神聖かまってちゃんが両国国技館さえも満員にできなかったことを思うと、
そんな世界を味わってしまった私は、すっかりそっちのバンドに夢中になってしまっていたのだ。
その頃にはもう神聖かまってちゃんのことなど、頭には無かった。
だから「上手くなった」なんて言われたことにも素直に喜べなかった。
の子さんは裏切られたようだ、と度々配信やメディアでつぶやいていたが、他のドラムを入れるつもりもないと言い、解散に至った。
ちばぎんは私のことを応援すると言ってくれていたけど、それが原因での子さんと喧嘩したらしい。
monoくんは二人の間に立ち、和解させようと努力していて、なんとしても神聖かまってちゃんを続けようと頑張っていたのだけど、叶わぬ夢だった。
あの時、monoくんの身にあんなことがなければもしかしたら解散は免れていたかもしれない。
の子さんが、monoくんが、ちばぎんがこの10年間どんな思いで過ごしてきたのか。
なにもかも、私がいけなかったのだ。

93 :
73歳のおじいちゃんがんばれ!

94 :
好きな作家だれ?

95 :
結局神聖かまってちゃんは解散ライブもせずに、自然消滅したかのようにあっという間に世間から忘れ去られていった。
解散後ちばぎんは保育士となり、音楽とは縁を切った。
その後、同じ保育士の女性と結婚して、今では子供もいるみたいだ。
の子さんはソロでの活動が一時期話題になったものの、精神状態がなかなか安定せず、
アルバム一枚を作り出すこともできずに音楽界から干された。
monoくんは解散がきっかけで彼女と別れた。
当時の彼女が「神聖かまってちゃん」というレッテルだけでmonoくんと付き合っていた事にショックを受けたmonoくんは、
人間不信となりアルバイトも辞めた。
部屋に引きこもり、オリジナル曲の製作に取り掛かってみるものの、鳴かず飛ばずでソロとして再デビューすることはできなかった。
ただ一人、当時かまってちゃんのスタッフをしていた女の子が破局後のmonoくんを支えてくれていたみたいだけど、
monoくんはもう誰も信用できなかった。
私もかまってちゃん時代から仲良くしていた子で、その子がmonoくんに好意を持っていたことも知っていた。
彼女は人間不信となったmonoくんにメールや電話などをし続け、monoくんのことを応援していた。
だけどある日を境にその子からの連絡が途絶えた。
monoくんも、彼女なら信用できるかもと思い始めてきた矢先のことだった。
私とちばぎんはその子の葬儀で4年ぶりに再会している。
の子さんはその頃精神病院に通っていたらしくて当然来ることはできず、monoくんの姿さえもなかった。
ここまでの話は全てその時にちばぎんから聞いた話だ。
それからのmonoくんがどうしたのか、詳しいことは聞いていない。
でも、今日久々に会ったmonoくんがどうしてこんな明るく振る舞えるのか。
それにはちゃんと理由があった。
それが今日の「神聖かまってちゃん再結成配信☆」に繋がるできごとなのだ。

96 :
えっ それじゃおまえのスレじゃん

97 :
なんか急に洗練された感じがなくなっちゃった
今を口語体で表現する感じがとてもいいと思ったけど、
回想的なシーンになると鈍りますね

98 :
なに独りで占有してんのさ
つまんねーよ

99 :
はっきり言って、私は最低だったかもしれない。
裏切り者と言われても仕方がなかった。
それを10年間、誤魔化し続けてきた。
久々の配信でリスナーに「10年なにしてたの」なんてわざとらしく聞かれるのも辛い。
でも、ちばぎんから再結成の連絡が来たときは素直に嬉しくて、二つ返事で頷いてしまった。
のこのこと再結成の呼びかけに応えているバカと思われてでも、また神聖かまってちゃんというバンドをやりたいと思っていた。
バカかもしれないけど、私はずっと本当の音楽を求めていたのだ。
アイドルのようにチヤホヤされているだけのバンドでは、なにも音楽の可能性を感じることができなかった。
でもある日、本当に気がつくのが遅かったけど、初めての子さんとmonoくんに会った日の気持ちが蘇ったのだった。
そんなことを考えているうちに、ギターのチューニングが終わり、monoくんがの子さんにギターを渡す。
ちばぎんとmonoくんのセッティングはとっくに終わっている。
monoくんがノートパソコンを操作して、改めて配信が始まった。
「はいはい、すみませーん。みんな再会に浮かれて延長し忘れましたー。」
「じゃあ、例の曲やり・・やり・・やる感じで!」
妙に嬉しそうな表情のの子さんがマイクを通して叫ぶ。
「歌詞・・歌詞ー覚えってかな?・・まあいいや」
「やろうやろう!・・・いくよ?」
イントロはmonoくんのピアノだ。
それは、『ロックンロールは鳴り止まないっ』のイントロに似た美しい旋律で、でもこれまでになかったような新しいメロディー。
ちばぎんとのアイコンタクトで、私がカウントを入れ、ドラムとベースとギターが同時に入る。
10年ぶりの神聖かまってちゃんの新曲が初めて生演奏で披露された。
スタジオの隅に置かれたパソコンの画面がコメントの波で埋め尽くされる。

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