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2013年01月レズ・百合萌え162: 【ミミニャミ】ポップンミュージックの百合4.1【リエサナ】 (205) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【ミミニャミ】ポップンミュージックの百合4.1【リエサナ】


1 :2010/03/12 〜 最終レス :2012/12/31
新作ごとにキャラはどんどん増え、今や女性キャラは200人以上。
萌え系エロ系なんでもあり、各種属性取り揃えてます。
そんな感じの音楽ゲーム、ポップンミュージックで色々と語ってみましょうか。

過去ログ
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1267731624/l50 (4スレ・即)
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1230701425/l50 (3スレ・前スレ)
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1206096437/l50 (2スレ)
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1149787609/l50 (1スレ)
保管庫
http://www.pppop.com/yuri/

2 :
公式ではくん付けで呼ばれたりしちゃったりしたようですが、
それでも女の子だって信じ続けている事を証明するため、
キコロの話をまとめて投下するぜ! もう書いちゃったし。

3 :
ある日キコロは、綺麗に区画整理された花壇を見つける。
細部まで手入れが行き届き、色とりどりの花が寄り添う光景は、さながら小さな花畑のようだった。
キコロは彩り鮮やかな花壇に思わず見とれていると、
「るんるるん♪ ランララー♪」
「いけない、誰か来た。隠れなきゃ」
咄嗟にキコロは地面に身を潜め、切り株にカモフラージュする。
「お花さんたち、こんにちは。今日も元気そうで何より」
やってきたのは、まだ年端も行かない女の子だった。
「大きくなあれ、大きくなあれ」
そう言って女の子は、ジョウロを片手に、花に水遣りを始めた。
途中で給水を繰り返しながら、花壇を順々に回り、最後に切り株へ近づいてきて、
(ひゃあ、冷たい!)
なぜか切り株にも水をかけた。
「大きくなあれ、大きくなあれ」
(切り株に水をやっても、大きくならないよ…)
キコロが心の中でそう呟くと、
「あ、そうだ」
ジョウロを持った女の子は何かをひらめいた。
「今日は、ここでお昼にしよう」
すかさず女の子は背を向けると、そのまま切り株に腰掛けた。
(うわあ…)
キコロの頭に、女の子の体重と小さなお尻の感覚が、直に伝わってくる。
「サンドイッチ、サンドイッチ、二つ食べてもサンドイッチー♪」
そんな意味不明な歌詞を口ずさみながら、女の子はバスケットの中に詰めてあったランチを食べ始めた。
(困ったなあ。これじゃ出るに出られないよ)
仕方無くキコロが土の中でしばらく我慢してると、不意に女の子が腰を上げた。
「あー、美味しかった。ごちそうさま」
(はあ、やっとどいてくれた)
そう思って安堵したのもつかの間、キコロの頭がまた重くなった。
「お腹一杯になったら、らいむ眠くなっちゃった。おやすみなさあい…」
言うが早いか、女の子は切り株を枕代わりに、横になってしまった。
(ええー!? そんなあ…)
そこにキコロが居るとは知るはずも無く、彼女のマイペースな一日は、今日ものんびりと過ぎていった。

4 :
私は、そいつが嫌いだった。
人間が自然を壊して作った、白くて大きなその化け物が。
今はどうする事も出来ないけど、いつか私の力が強くなったら、あんなもの根こそぎひっくり返してやる。
そんな風に思いながら、その白い化け物を毎日眺めていた。
「あれ?」
今日もまた森の中から、化け物の存在を伺うと、その日は様子が少し違っていた。
「誰か居る…!」
化け物の上に、小さな人が一人。
その子は化け物の天辺で、大人しく座っていたかと思えば、突然ぴょんぴょんと飛び跳ねていたりした。
「何、やってんだろ」
その日を境に、その子は毎日のように現れた。
確かにその子の事は気になったけど、やっぱりその場から見てるだけ。
私は、化け物に近づく事も、その子に話し掛ける事も無かった。
だって、化け物もその子も、人間が勝手にやっている事。
私には関係無いと、その時までは思っていた。
その子を初めて見かけて、ひと月くらいだったか。
この日は空がどんよりとした雲に覆われて、空気も湿っぽかった。
そしてこのときも、その子はあの場所に居た。
「冷たっ」
ぽつりぽつりと、空から恵みがもたらされる。
その子も雨に気付いたようで、しきりに空を気にしているように見えた。
突然だった。
化け物の天辺にあったはずのその子の身体は、宙に放り出された。
まるで一枚の枯葉が舞うかのように、その子は地面に向かって落ちてくる。
それを見た私は、思わず咄嗟に…。

5 :
体が、重い。心が、苦しい。
ブラックホールに吸い込まれちゃったみたいに。
私、なんでこんな事になっちゃったの?
そうだ、雨が降ってきたんだ。
空を隠してる雲を見てたら、足元が滑って…。
ああ、私、んじゃったんだ。
大好きなパラボラアンテナから落ちて。
じゃあ私、お星様になったのかな?
でもここは真っ暗。
キラキラ輝く星なんて一つも無い。
何も、無いの? 誰も、居ないの?
「痛った」
手を動かして確かめようとしたら、なんだかすごくひりひりした。
「動かない方がいいよ」
そういえば…、手だけじゃない。
足も背中も、身体中が痛い。
「痛い、痛いよう」
そう思ったら急に、痛いのが我慢できなくなった。
「一応、薬草は塗ったから」
あれ? さっきから声がする。
誰か居る!
私は、そーっと目を開けて見てみた。

6 :
「あ、…えーと」
目の前には、知らない子供の顔があった。
「大丈夫? じゃないよね…。だから、あ…、薬草を…」
身体が痛くならないように、首だけで辺りを見回す。
ここには何本かの木が生えていて、私はその木の真下に倒れていた。
すぐそばには、真っ白い壁のような物も見える。
「ねえ。本当に大丈夫?」
見た瞬間に分かった。
あれは私の大好きなパラボラアンテナを、裏側から見たところ。
でも、どうしてもアンテナの後ろに居るとは信じられなかった。
だって、ここには何回も、今日も来たけど、こんな所に木なんて無かった。
「ここ、どこ? 何が、どうなったの!?」
訳が分かんなくて、思わず目の前の子供に聞いた。
「あ、これは、その…、私がやった」
「…え?」
「だから、えと、あんたが落ちてきたから…」
「ミント」
「へ?」
「私の名前」
「そっか、ミントって言うんだ…」
「あなたは?」
「あ…。私は、キコロ…」
「へえ、キコロちゃんか」
「え? う、うん」
「可愛い名前だね」
「ええっ? そ、そうかな…」

7 :
「じゃあもしかして、キコロちゃんが助けてくれたの?」
「う、うん…。でも、上手くいかなくて」
「ダメだったの?」
「木で受け止めようとしたけど、その、ミントは、木の間をすり抜けちゃって…」
「それで私、落っこちちゃったんだ」
「そ、そう…。…ごめんなさい!」
私は、ミントという名前の女の子に、思いっきり謝った。
「なんでごめんなさいするの? 助けてくれたのに」
ミントが不思議そうにこっちを見つめる。
「だって、私が余計な事したから、ミントの身体、葉っぱや枝で擦り傷だらけに…」
私の力が未熟なせいで、ミントを助けるどころか、傷つけてしまっていた。
「ふうん…」
ミントは仰向けに倒れたまま、上を見上げる。
今も雨が降っているけど、木の葉が傘の代わりになって、ここには降ってこない。
「ねえ、キコロちゃん。お顔見せて」
いきなり、ミントは顔を上に向けたまま、そんな事を言う。
「何?」
言われた通り、私はミントの顔を覗き込む。
「うん、もっと良く見せて」
「こ、こう?」
顔をミントに近づけた。
「もっと、もおっと」
「ええ、こう?」
もう、ミントの顔しか見えないほどに近づいた瞬間。

8 :
私の口が、ミントの柔らかい唇と、触れ合っていた。
「…〜っ!?」
木の匂い。雨の匂い。さっきミントに塗った薬草の匂い。
そんな中に混じって伝わってくる、ミントの温かさ。
もちろん、こっちからくっつけたんじゃない。
ミントはいつの間にか、手を私の後ろに回して、引き寄せるように頭を押して来たからだ。
(そんな、こんなの、だめだって…)
心の中でいくら嫌がっても、大地に根付いた大樹のように、私とミントの唇は、重なったまま離れようとしない。
私の身体が、私の物ではなくなっていくような感覚。
このままじゃ、本当に動けなくなる。
そう思った私は、やっとの思いでミントから顔を逸らした。
「は…、はぁ。…ミント、何を…」
「キコロちゃんに、お礼のキッス」
「えぇ…?」
ミントをもう一回見ると、なんとなく綺麗な目をしていた。
顔もほんの少し、赤くなっている感じだった。
「助けてくれて、ありがとう」
ミントは私にお礼を言って、小さく微笑んだ。
その瞬間、つぼみが開いて大きな花を咲かせたみたいに、私の気持ちは暖かくなっていた。

9 :
あの日から、しばらく経って。
私の怪我は、キコロちゃんのおかげで、頭も骨も問題無く、擦り傷だけで済んだ。
「本当に良かったね。あんた運がいいよ」
「ミント」
「あ…、ミントは運がいいんだね」
「違う、キコロちゃんが助けてくれたから」
そして私は、森に住んでいると言うキコロちゃんと、お友達になった。
「この辺でいい、キコロちゃん?」
「あ、うん。そのままじっとしてて」
キコロちゃんが大きな大きな杖を、縦にゆっくりと振り始めた。
すると私の足元から、芽がにょきにょきと伸びてきた。
「わあ、わああ…!?」
その芽はあっという間に大きな木になって、私を上へと連れて行ってくれた。
きっとあの時も、こうやって助けてくれたんだよね?
「ミントって、またあの化け物に登ってるんだろ? これからは私がなんとかするから、もう危ない事はしなくていいよ」
「あ、あそこにアンテナが見える! おーい、おーい!」
嬉しくなって、思わず木の上でジャンプした。
「ああっ、もう、言ってるそばから…。また落ちたらどうするの!」
「平気ー! キコロちゃんが助けてくれるからー」
「はあ…。なんか、変な人と知り合いになっちゃったなあ…」

10 :
ちょっと休憩してきます
ノシ

11 :
海原を進む、一隻の木造船。
その甲板の先端に、一人の女性が立っていた。
女性の名前は、カガミ。
強い潮風を受けて棚引く御旗を、細い腕でしっかりと支えながら、その視線は真っ直ぐと水平線の向こうをを見つめている。
カガミは、遠く離れた故郷を思い出していた。
無数の樹木が立ち並ぶ森、そこに集う大小様々の生き物達。
そして、その場所に宿る、神にも似た存在。
「さて。そろそろ様子を見てくるか」
そう呟くと、カガミは船内へと戻っていった。
ぽっかりと開いた小窓から、注ぐ日光や風も届かない、船の最深部。
暗くて不気味な様相すら呈しているその部屋へ、カガミは何の躊躇も無く歩を進める。
キイと木でできた扉を開くと、明かりも無い部屋の一番隅で、何者かの目が光った。
「あ。カガ姉」
子供ほどの背丈しかないその存在は、身を潜めるようにして、小さくうずくまっていた。
「どうだ、調子の方は」
「別に。平気だよ」
そう言って健気に振舞ったが、カガミは彼女の気分が優れない事を、よく承知していた。
彼女の正体は、何百年と生きた大木の切り株から生まれた、森の化身だ。
全ての植物がそうであるように、彼女もまた、日光を浴びる事でエネルギーを得ていた。
だが今の彼女には、部屋の外に出てはいけない、大きな理由があった。
「キコロ」
それが彼女の名前だった。
「何かあったら、私に何でも言ってくれ」
キコロの身を案じて、カガミは自ら申し出る。
「ほっといてよ。大丈夫だから」
カガミの気持ちを突き放すかのように、キコロは言った。
カガミはしかし、これはキコロの本心ではないと考えていた。
自分に迷惑をかけまいと虚勢を張っているか、或いは、会話するのも億劫なくらい、具合が悪いか…。
こうしてカガミがキコロを思いやる背景には、もう何年も付きあって来た事、そして故郷を同じくしている事があった。
カガミは部屋の奥へと進むと、キコロの前で膝を付き、彼女の目線に近づけて声をかけた。
「私は構わないから、今は好きなだけ甘えて欲しい…」
今にも消えてしまいそうな、ちっぽけな存在を心配するカガミだが、一方でキコロの気丈な態度も変わらない。
「子供扱いしないで」
「そうではない。困った時は助け合おうと言っているのだ」
「だから、一人で大丈夫だって、言ってるじゃないか」
キコロはそう言うと、カガミから視線を背けた。
「大体、カガ姉だってそうだろ。私なんか居なくたって、一人でやっていけるんだ…」
確かに今の状況は、立派に成熟した女性が、子供の面倒を見ているようなものだ。
キコロの言っている事は、ある意味正しかった。
「それに神様や精霊なんて五万と居るんだ、私一人くらい居なくなっても、誰も困らないよ」

12 :
パチン。
驚いたキコロがカガミの顔を見ると、厳しい表情を浮かべていた。
「嘘でも、そんな事を口にしてはいけない」
キコロが確かめるように、痛みの走った左頬に触れてみる。
ぶたれた…。カガ姉が、私をぶった…。
カガミがキコロを想うからこその愛の鞭であったが、それはキコロを激昂させる結果となった。
「おい、どこへ行く!」
突然立ち上がったかと思う間も無く、キコロは部屋を飛び出して行った。
カガミも、慌てて後を追う。
どの方角を見ても広がる蒼天と、空を映し出す蒼き海。
それらが見渡せる甲板に、キコロは立っていた。
「ほら! どうって事ないよ。カガ姉なんかに頼らなくても………うっ!」
キコロは酷い目眩に襲われ、思わず四つん這いになる。
カガミが駆けつける頃には、まだ肌寒いというのに、玉のような汗を幾つも掻いていた。
「はあ、はあ…、…カガ…姉……」
そんな状態のキコロを、カガミは迷う事無く背中と太股から持ち上げ、抱きかかえながら黙って船の中へ戻った。
海水や潮風に含まれる、微妙な塩分。
それは植物からすれば、水分を奪い、ひいては生命すら奪いかねない、とてつもない猛毒だったのだ。
「う…ん?」
髪の毛代わりの木の根が湿っていく感覚で、気を失っていたキコロが、意識を取り戻した。
「とりあえず、これを飲んでくれ」
真水が一杯に満ちた柄杓を、カガミが差し出すと、キコロは受け取るなり、ごくごくと一気に喉を潤した。
「まだ沢山あるからな」
そうしている間にも、カガミはもう一つの柄杓で、キコロの頭に乗っている切り株へ、水をかけていた。
「おい、カガ姉」
その時、キコロは何かに気付いて、柄杓で樽から水を汲み取るカガミを止めた。
キコロの身体は頭だけでなく、顔や首、胸の上あたりまで水で濡れていた。
「カガ姉の分の水は、どうするの?」
それを聞いて、カガミは優しく笑いながら答える。
「ここは海の上だ。水なんて幾らでも有るだろう」
嘘だ。大嘘だ。
キコロは咄嗟に思った。
塩を含んだ海水は、人にとっても飲用に適さない。
この大海原では、真水は大変な貴重品なのだ。
そんな事くらい、キコロも知っていた。
なんせ、今までカガミとずっと一緒に過ごしてきたのだから。

13 :
「なあに、心配するな」
カガミは尚も、キコロに微笑みかけてくる。
「私が、ほんの少しだけ、我慢をすれば良いのだ」
「私の…、私のせいか? 私が、無茶するから…」
取り返しの付かない事をしてしまったと、キコロは後悔の念に駆られた。
「やっぱり、カガ姉とは居られない…。でないと迷惑をかける…」
「なんだ? この場に及んで、まだそんな事言ってるのか」
またぶたれる…!
そう思ってキコロは目をぎゅうと瞑った。
しかし、いつまで経っても、頬も頭も、ぶたれそうな所が痛くなる事は無かった。
キコロが恐る恐る目蓋を開く。
そこには、優しい表情をしたままのカガミが居た。
「私は、この船の長だ。船に誰を乗せようと、水や食料をどう使おうと、それらは全て私の責任」
カガミはキコロへ諭すかのように続ける。
「キコロは、何も責任を負うことは無いし、心配せずとも良い」
そして、キコロの頭の根を撫でながら、こう締めた。
「それに、キコロはお前一人だ。どんな精や神であろうと、キコロの代わりは務まらん」
やがて、キコロを撫でていたカガミの手は、左の頬を触れた。
「さっきは、叩いたりして悪かった。とても痛かっただろう…」
カガミの手にキコロの手も重なる。
「ううん。もう痛くない」
キコロはもう片手も重ねると、カガミの手を取って、こうも言った。
「あのね、カガ姉…。…ごめんね」
上目遣いで、訴えかけるような瞳をしたキコロが謝ると、カガミはより一層にっこりと笑った。
「ああ、分かっているぞ」
今度はカガミが、キコロの両肩にそれぞれ手を掛けた。
「私はそのようなキコロが、大好きだ」
「また、そんな子供扱いして…」
言ってみたものの、少し紅が掛かった表情までは、キコロは誤魔化せなかった。
荒れ果てた砂地。
幸も恵みも無い不毛の大地で、カガミは祈祷にも似た舞踊を続けていた。
「ん…、うぅ、…ああ、はあ…」
ステップを踏む二つの白い素足からは、目に見えない何かが全身に伝わってきて、耐えられずにカガミは声にならない声を出す。
「キコロ、今だ!」
合図と共に幼き精霊は、自分の背よりも遥かに長い杖を、大きく振りかざした。

14 :
ジャラ…。
杖の先の金具が音を立てると、二人の目の前に小さな息吹が、次々と芽吹いた。
それらは皆、天の頂まで突き抜けるかの勢いで、競い合いながら高みを目指した。
程無くして、木と呼ぶにはいささか可愛らしい、若い生命がそこに何本も立った。
「ふう。上手くいったようだな」
カガミとキコロが故郷を離れ海へ出た理由。
それはこのような緑の少ない土地を、植物や動物で豊かな場所へと変える為だった。
二人が元居た、あの美しい光景になる事を願って。
「さて。早速次なる地を目指すとしよう」
そう言ってカガミは、船を停めてあった方へ引き返そうとした。
「っ! カガ姉!」
その様子を見て、キコロは驚きながら、慌てて駆け寄った。
「なに、ちょっとふらついただけだ。気にするな」
ここへ辿り着くまでに、あの時水を多く消費した事が、カガミの身体に決して小さくないダメージを残していた。
「無理しないで。二、三日休んでいこう」
「それは駄目だ。ぐずぐずしていると、いつ海が荒れるか分からない」
海の天気、波の高さは、日々刻々と変化していく。
カガミは海が穏やかな内に、渡航を済ませたかった。
「だったら…、だったら、海が落ち着くまで、待てばいいじゃないか」
「だが、他の地を回るのが、それだけ遅くなってしまう…」
「別に遅くなってもいいじゃないか」
先を急ごうとするカガミに、キコロは必の想いをぶつけた。
「だって、カガ姉は…。カガ姉は、この世に一人しか居ないんだから…!」
見ると、幾つかの水の粒が、カガミの目から流れていた。
「カ、カガ姉!? どっか痛いの、苦しいの!?」
「ああ、これは違うんだ。その、…嬉しくてな」
「……え?」
カガミは涙も拭わず、大地に膝を付いて、キコロの高さに目線を合わせる。
「よもや、キコロの方からそう言ってくれるとは思わなくて…、少し驚いた」
「…あ、ごめん。…なんか、ごめん…」
「うんうん、謝らなくていいぞ」
目元が濡れたまま微笑むカガミは、帯を解き、服の中へ包み込むようにキコロを抱き寄せた。
「私、カガ姉と一緒に居て、いいんだよね?」
カガミの胸の中で、キコロは呟く。
「そんなの、当たり前じゃないか」
片手でキコロを抱いたまま、カガミは切り株の頭を、何度かゆっくりとさすった。
「私は…、私は幸せだ。世界で一番の幸せ者だ」
「じゃあ…。私は、二番目でいいや…」
風に揺れながら、未来の神様や精霊達が、二つの幸せをそっと見守っていた。

15 :
【らいむとキコロ】
やっぱり花や木にはお水をあげたいなーと思ったので、
森の秘密の湖で水浴びしている所を見つかって…とか、
服着たまま水責めを受けて濡れた所を…というのも良かったのですが、
まあ無難にジョウロで水遣りすることにしました。
それで、ジョウロ持ってるキャラで前作から、らいむちゃんを呼んでみた。
もう二人共可愛くてしょうがないよ。
らいむがキコロの存在に気付いてないのがなんとももどかしいけど。
【ミントとキコロ】
どっかでアンテナに登ったら危ないよー的な書き込みを見たので、
そのまま話のネタにしてみた。ひねりゼロですね。
不思議な力を持つ存在と、不思議少女の衝撃的な出会い。
つーか衝撃的過ぎてショック受けちゃった人はごめんなさい。
お互いの性格、考え方、口調を想像しながら、それぞれの主観で描いたので、
割とストレートな表現になってしまってます。
人をあまり信用してなかったキコロの心境の変化とか、
意外と大胆なミントが書けたので、自分では気に入ってます。
【カガミとキコロ】
>>412さんのアイデアを見て真っ先に思ったのは、
「塩害とか大丈夫?」だったので、そこから出発してみた。相変わらず単純な私。
でもこの二人の担当曲は、紹介文に同じ「望郷」の言葉が使われているんですね。
最初に気付いたときは、ちょっと嬉しくなりました。
それにしたって訪れた先々で緑化運動って。イマ様かっての。
いやいや、神様だってお忙しいのよってことで、
ちょっと手伝ってくれる人が二人くらい居ても罰は当たらないでしょう。
しかもこの二人の場合ひとつ船の上で共同生活ですからね。
もうそこかしこでラブラブっぷりを船員達に見せ付けてくれるのでしょう。
他の船員さんが乗ってるのかってよく分かんないですが。
うわあ色々やり過ぎた。長々と占領しちゃって本当に申し訳ございませんでした。
あとキコロついてるよ派の人もマジごめんなさい。
あのキャラを初めて見た時、ちょっとでも女の子かな?と思った皆様に捧げます。
もういっそ、木には性別なんか無いよって事にしてしまえば丸く収まるんじゃないかな?かな?

16 :
すみません、あと一つだけ。
思い残す事が無いように、小ネタを投下させてください。
あーでも大らかで懐の広い方以外は読み飛ばしたほうがいいかも知れません。

リエ「やっぱり旅行に来て良かったねー。ここは自然が一杯だし」
さなえ「都会に居たら、こんな光景見られないものね」
リエ「…それに、さなえちゃんと二人っきりになれるし…」
さなえ「え、リエちゃん何か言った?」
リエ「あ、ううんなんでもない。………あれっ?」
さなえ「どうかしたの、リエちゃん」
リエ「今そこに、誰か居たような…」
さなえ「でも、誰も居ないみたいだけど…」
リエ「おかしいなあ、『気のせい』だったのかなあ」
キコロ(えっ、なんで『木の精』って分かったんだ?)

17 :
まだSS読んでないけどとにかく新スレ立て乙とだけは言わせて
新スレが2連続即は避けたい所…

18 :
2:名無しさん@秘密の花園<題無しsage>:2010/03/05(金) 04:47:57 ID:A44NCF1W
「ご、ごめん。ちょっと用事思い出しちゃった」
「えぇ〜?」
「急にどうしたのぉ? 彼氏?」
「ち、違うよう……」
「あやしー、後つけちゃおっかなー」
「そ、それは」
「あはは、冗談ジョーダン。仕方ないか」
「いいんじゃない? それじゃあまたね」
「う、うん、また誘ってね」
「じゃねー」
「バイバイ」
駅前で、友人二人を見えなくなるまで見送ったあと、私は周辺を歩き回った。
帰宅の時間帯は過ぎたはずだが、人混みはひっきりなしに道を右へ左へと流れていた。
その雑踏を掻き分けるように歩きながら、視線を辺りに向けていた。
「今日は来てないのかな……」
しばらくして、今日はダメかと思い始めると、
「あっ」
ふとある音が聞こえる。人の波に掻き消えそうな程小さい、しかし私にははっきり聞こえる音。
すぐにその方へと歩き出した。微かに胸は高鳴り始める。
居るんだ。居るんだ。今日は居るんだ。
走り出してしまいそうになるのをこらえ、人にぶつからないように、確実に音の方へと向かう。
やがて人混みを抜けると、そこに周りとは絶縁したように空いた場所があった。
その中心には、アコースティックギターを抱えて弾き語りをしている女性がいる。
私はほっと胸を撫で下ろしたように息をつくと、その人の名前を呼ぶ。
「こんにちは、レナさん」
歌が途中で止まり、レナが顔を上げた。
唐突な呼び掛けに一瞬呆気に取られたような表情をしていたが、そこにいるのが私だと分かると、指を敬礼するようにピッと振り、「よっ」と軽く挨拶してくれた。
そしてレナはまたおもむろに演奏を始める。
私はその目の前に座り、レナの歌に聴き入った。

19 :
↑は1じゃなくて2レス目でした
3:名無しさん@秘密の花園<題無しsage>:2010/03/05(金) 04:52:09 ID:A44NCF1W
私とレナが出会ったのは、つい最近。駅前で歌っていたレナに私は興味本位で足を止めた。
最初はただ「これがストリートミュージシャンかぁ」、「聴いた人にお金を貰ったりするのかな」と、珍しいモノ見たさな感覚があった。
しかしレナの歌を聞いている内に、その興味が別のモノに変わっていった。
「歌、素敵ですね」
「いつもココで歌ってるんですか」
「他に何か活動をしているんですか」
「あの……名前を聞いてもいいですか」
初めて話し掛けて、突然の質問攻めにもレナは快く答えてくれた。
以来、私は駅前でレナを見掛ける度に話し掛け、レナの歌に聴き惚れていた。
曲の演奏が終わり、私はパチパチと拍手しながらレナの隣に座り直した。
「はぁ、やっぱりレナさんの歌は素敵ですね。何回聴いても震えちゃいます」
「そう? ふふ、ありがと」
レナは得意そうな顔をして、弦とコードの音を入念に確かめていた。
横でそれを眺めながら、私はいつだったかした質問をもう一度投げ掛けた。
「歌手、本当に諦めちゃったんですか?」
チューニングしていたレナの指が止まる。
私はハッとしたが、聞かずにはいられなかった。
「だ、だってレナさんの歌はあんなに素敵で、感動もするし、声だって魅力的で、レナさんもその、凄く綺麗で美人、で……」
最後の方は自分で言っておいて体が熱くなり、尻すぼみになってしまった。
「だ、だから! レナさんは、レナさんの歌は、もっとたくさんの人に知って、聴いてもらうべきですよ!」
気を取り直したが、思いのほか大声になった。周りからいくつか視線を集めてしまった。
私は唇をぎゅっと噛み締め、体を震わせた。
自分がいつもと違うことは分かっていた。いつもはこんなに積極的に物を言うことは無い。ましてやあんな大声は出したこともなかった。
こんな風になるのは……。
レナの方を見ることは出来なかった。今見たら、我慢していたモノが溢れて出てしまうだろうから。

20 :
4:名無しさん@秘密の花園<題無しsage>:2010/03/05(金) 04:58:30 ID:A44NCF1W
「自分だけが聴く曲だ」
「……え?」
レナが口を開いた。
「前に、ある会社の人に言われたんだ。キミの曲は人に聴かせる、聴いてもらうような曲じゃない。自分だけが聴きたい曲だってね」
ある会社というのはすぐに分かった。その業界のことだろう。
しかし私はそれよりも、続いた言葉の方に反応した。音が遠のき、熱い何かが込み上げてくるのを感じた。
「なんか自分を否定されたみたいで、体に穴を空けられたみたいで、そこからなんにも言い返せなかった」
レナはわざとおどけたように、嘲笑するかのように言う。
「後でちくしょうと思ってね、それからまた曲を作って構わず歌ってたんだ。だけどね」
言葉の端々から寂しさを滲ませながら。
「ある時、気付いちゃったんだ。誰も足を止めていないし、私を見ていないし、歌を聞いていない。私の曲に、自分しか居なかった」
私はただ、聞くことしか出来なかった。
「壊れそうだった。ギターの弦を切ってやる、喉を潰してやると思った。思い知って、だけど認めたくなくて、ギリギリだった。だから……」
レナが言葉に詰まる。
私にはもう周りの雑踏は聞こえなくなっていた。世界が揺らいでいた。
レナの自ら消え入ってしまうような想いに飲み込まれ、ただ呆然としていた。
レナが再び言葉を繋ぐ。
「だから、嬉しかった。あの時ちなつが私の歌を聞いていてくれて、素敵だって言ってくれて。嬉しくて、嬉しくて、もう本当に、本当に……」
私は、気付くと涙を流していた。
あれ、あれれ? あれぇ?
理由の分からぬまま涙は溢れに溢れ、止まる気配は無かった。
すると、優しく肩を抱き寄せられるのを感じた。柔らかい温もりが伝わってくる。
「ありがとう」
胸が一杯になった。たくさんの想いが入り混じり、私は今すぐにでも大声で泣きたかった。
「でね、ちなつと出会ってから、曲を考えてたんだ。ちなつに聞いてもらうための曲……聞いてくれる?」
私は頷くのが精一杯だった。
レナの手が離れ、曲が始まる。
私のための曲。
フレーズが流れる。
周りと絶縁していた空間が広がり始め、人々を取り込んでいく。
雑踏の動きが鈍くなっていく。
ギターフレーズとレナの声が響き渡る。
私は、レナとともに歌の中にいた。
「ねえ、この曲知ってる?」
「あぁ知ってる知ってる。最近デビューした人のでしょ」
「良い曲だよねぇ」
「ねー」
「ほら、ちなつも聞いてみる?」
「うん」
渡されたイヤホンを付けて、私は歌を口ずさんだ。
「しかも歌ってる人が凄くカッコ良いの!」
「モデルさんみたいだよね」
「うんうん。ね、ちなつ、良い曲……え、ちなつ?」
「ちなつ?」
「え、ちなつ、急にどうしちゃったの?」
「なんで、なんで泣いてるの……?」

21 :
5:名無しさん@秘密の花園<題無しsage>:2010/03/05(金) 05:04:07 ID:A44NCF1W
その夜、国は赤く燃え上がる炎に焼かれ、至る所から怒号や悲鳴が沸き起こっていた。
炎は国中の街という街を容赦なく焼き尽くし、街を抜け、丘を駆け上がり、国の中心に位置する城にまで迫っていた。
城の広い廊下を、息を切らせながら駆ける人がいた。
ガラス窓越しに怒号が響き炎が揺らぐ度に、その人は呼吸を忘れるほどに奥歯を噛み締めていた。
「王妃!」
廊下の一番奥にある部屋の扉を、ぶつかるようにして荒々しく開けた。
その人は呼吸が整うのも待たず、大きく空いた部屋に視線を四方八方に飛ばす。
部屋にはガラス窓から差す炎の灯りしか入らず薄暗かったが、程なくして人影を見つけた。
「王妃、ご無事で。裏に馬車を用意しております、お急ぎを」
その人は一瞬安堵したような表情を浮かべ、その人影に近付く。
「アン。あの方は、国は、皆は……」
人影が王妃の形となってはっきり表れ、つぶやいた。
アンと呼ばれた人は足を止め、微かに顔をこわばらせてその場にひざまづいた。
「王は、国のため皆のため、最前線で指揮を執っておいでです。仲間たちも尽力し、王妃の心労には及ばみま……」
「その賊の手が、もう既にここまで伸びてきているのですね」
アンは何も言うことが出来なかった。
「いいのです、アン、気を遣わずとも。あの方はもう……あなたも辛い目に遭ったのでしょう」
王妃はひざまずくアンの傍らに来て、静かに頭に手を置いた。
凶刃に倒れる仲間たち。変わり果てた姿の街の人々。狂気を宿した賊の目。
そして去り際に見た、幾人にも群がられ剣を突き立てられた王。
「あっ、ああ……」
アンは気付くと、自分で抑えようもない程に体を震わせていた。
脳裏に先ほどまでの出来事がかすめる度、震えは増していく。
アンは唇を噛み締め、自らの不甲斐なさに声にならない声を漏らした。
ふと、アンを王妃の細い両腕が包む。
「ごめんなさい、アン。もういいのです、もう……。あの方も、あなたたちもよくここまで頑張ってくれました」
王妃はアンと同じくひざまずき、抱きしめる腕を今一度強くする。
「ですが、もういいのです」
「王妃」
アンは顔を上げ、王妃の悲壮に満ちた横顔を見た。
しばらくして王妃はアンから体を離し、顔を背けた。
「アン、出来る限りの人たちを連れて逃げなさい」
「はっ。しかし、王妃」
「何度もは言いません。早く行くのです」
「申し訳ありません。ですが、王妃の無事が何よりも先でございます。ましてやこの事態では王妃直々の命令といえども……どうかご理解を」
アンはかしづいたままに、心苦しくも進言した。
「そう、私が誰よりも先に……果たして、それが許されるのでしょうか」
「王妃」
「為す術もなく賊に翻弄され、多大な犠牲を出しておきながらのうのうと……」
「王妃、それ以上は」
アンの制止も構わず、王妃は続ける。
「私にそのような権利などあるのでしょうか。私にこれから先も……」
「王妃、いけません」
「私なぞ、いっそのこと」
「なりません! 王妃、それだけはなりません!」

22 :
6:名無しさん@秘密の花園<題無しsage>:2010/03/05(金) 05:09:14 ID:A44NCF1W
アンはその場で声を荒げた。
王妃はビクッと体を震わせ、アンの方を見た。
「王は、王妃は私にとってこの国そのものです。王と王妃に忠誠を誓い、そのもとで今日まで仕えてきたことは誉れ高き誇りなのです。私はこの命の許す限り国を、王を、王妃をお護りすることを生涯の役目としているのです」
「アン……」
「王は」
言い掛けて、アンは一瞬言葉を詰まらせる。
そして一度目を閉じ、開けると同時に顔を上げて王妃を見据えた。
「王妃、ここで王妃にいなくなられては、国は永遠に失われてしまいます。そのようなことになっては、王や国の者の無念はどうなりますか。私や仲間たちの意思はどうなるのですか」
遠くで何かが倒れる音がする。
窓の外で踊る炎は、確実に赤味を増していた。
「王妃、どうか、どうかこの出来事の上に立ち、また私たちの導き手になってください」
ひざまづく体勢でも、アンの視線は真っ直ぐに王妃を捉えていた。
「私に……まだその資格はあるのですか?」
王妃の問いに、
「もちろんでございます。王妃の居ります場所が我が国。私や皆は国を、王妃を愛し、そしてそれを望んでおります」
アンは答え、深々と頭を下げた。
王妃は目を細め、静かに息を吐いた。
「分かりました、今すぐにここを発ちます。必ず生き延びて、もう一度国を蘇らせます。あの人や皆の、多くの犠牲に報いるためにも」
王妃の瞳に、先ほどまでの悲しみの色は消えていた。そこにいるのは、一国を治める凛々しき王妃。
「私にはその使命がある。どうか一度でも弱気になってしまった私を許して、アン」
「いいえ、私の過ぎた言の数々、それは国に仕える身でありながらあってはならないこと。本来ならばこの場で首をはねられるべきです」
王妃がはっとする間もなく、アンは腰に携えていた剣を片手で抜くと、そのまま軽やかに二回振った。
剣が元の位置に納まると同時に、アンのふたつの結び目から先の髪が床に落ちた。
綺麗に切られながらも、全体は不揃いで不格好な短髪になった。
「しかし私はまだこの国に、王妃の元で仕えたいと望んでおります。しかしこの程度のことで自らの過言を無きものにし、さらには厚かましく愚かな願いを聞き入れてもらおうとしている。王妃、それでも認めてくださいますでしょうか」
短髪となったアンに、王妃は信じられないといった表情になる。
が、それ以上は何も言わず、息をついた。
「何を言うのですか。あなたは私にとって大切な、かけがえのない人なのです。……これは国の王妃としてではなく、私自身が言います。どうかこの混乱の中で、あなたまでも命を落としてしまわないで、アン」
「今の私には勿体無きお言葉。しかし王妃のその想い、たがえることは決して致しません。私は、にません」

23 :
7:名無しさん@秘密の花園<題無しsage>:2010/03/05(金) 05:16:09 ID:A44NCF1W
王妃は自分を見据える瞳を見て微笑んだ。
「では、必ず私のもとに戻ってくるのです。アン、必ずですよ」
「はっ」
そしてアンに背を向け、部屋の別の出口へと足早に歩を進めた。
アンは王妃の背中を、扉の向こうへと消えるまで見つめていた。
音もなく扉が閉まり、アンは静かに立ち上がった。入ってきた扉の方をゆっくりと振り向くと同時に、扉が壊されるような勢いで開く。
眼光鋭い賊の影が3つ4つと入ってきた。そしてその目はすぐにアンを捉えた。
「王妃、皆、どうか力を……」
胸の奥で震える微かな恐怖を抑え込み、アンは剣を抜き、構える。
「我が国に仇なす賊共、覚悟しろ。この国への忠誠を誓い戦う信念の刃、この国を想い守護する心の刃、折れるものなら折ってみるがいい!」
アンの気迫とともに賊の影が一斉に向かってくる。
「ああああぁっ!」
アンは剣を振り上げた。
「アン……」
城の裏手で馬車に乗り込んだ王妃は、次第に炎に包まれていく城を見た。
「王妃、急ぎます」
従者が鞭を振るい、馬車を走らせる。
「んでは駄目。んでは駄目よ、アン……!」
王妃は遠ざかり燃えていく城を、窓から身を乗り出していつまでも見つめていた。
馬車は次第に夜の闇と同化し、そして静かに消えていく。
城を、国を包む炎は、夜が明けるまで消えることはなかった。

のち、この国の記録は途絶えることとなった。
生き残った者はいたのか、その後のことを記す者も知る者も定かではない。

24 :
8:名無しさん@秘密の花園<題無しsage>:2010/03/05(金) 05:17:22 ID:A44NCF1W
別の記録がある。
西のはずれに位置する場所に、ある小国が建つ。
ほんの一、二年のわずかな間に、その国は近隣諸国も目を見張るほどの成長を遂げる。
まだ名も知られていなかったその国へと調査に向かった者によると、そのとき国は流浪となっていたある一人の騎士を、国を挙げて手厚く歓迎していたそうである。
不揃いの長髪であった騎士のもとに国王はそばまで駆け寄り、言葉を発する前にその場で泣き崩れたという。
この国は、国王の名前さえもまだ知られていない。
だが、やがてすべてを知った人は言うだろう。
「物語は続いていた」と。
---転載ここまで---

25 :
キコロとカガミのSSが投下されてるなんて…
嬉しすぎて色々みなぎってきた

26 :
バトルモードで1Pアヤメ、2P寿々姫でやったら百合妄想が止まらなくなった
主従百合はいいなあ

27 :
立て直しだったから安易にスレタイへ .1 を付けたけど、
今見るとなんかネタっぽくみえるな。
えいぽーふーえぽっふー♪みたいな。
>>25
そう言ってもらえるとこちらも書いて良かったなと思います。
ありがとうございます。
あ、これは別にウソでもなんでもないですからね?

28 :
>>26
アヤメ「ただ今戻りましたぁ」
寿々姫「うむ、よくぞ無事に帰ってくれた」
アヤメ「おバイト、ちゃーんとこなしてきたわぁ、すずちゃぁんv」
寿々姫「今回もよくやってくれt…って、お主、その呼び方はよさぬかッ!」
アヤメ「えー、いいじゃないの。すずちゃん女の子なんだからぁ」
寿々姫「そんなことなど関係ないであろう!
…やめい!くっつくな、こら!!」
アヤメ「ほらほらーぁ、ご褒美に折檻してぇーん…?」
寿々姫「…手柄なのにお仕置きしてどうする!」





アヤメ「それとも、あたしに折檻されたいのかしら…?」
寿々姫「ドキッ」

29 :
間に合わなかったエイプリルフールのアヤメと寿々姫

ア「殿、大変よぉっ!!」
寿「なんじゃアヤメ、騒々しい」
ア「敵の大軍がこのお城に攻めこんでくるみたいなのっ!!
このままじゃ皆やられちゃうわぁ〜!」
寿「な、何!?それは一大事じゃ、すぐに戦の準備をせねば…!!」
ア「な〜んちゃって♪殿、今日はエイプリルフールよぉ」
寿「は!?な、何じゃその"えいぷりるふーる"というのは…?」
ア「今日、4月1日は嘘をついても良い日なの♪だから、今のは冗談で〜すv」
寿「お主、私を謀ったのか!!」
ア「だから殿、エイプリルフールなんだってばぁ〜」
寿「ええい、御庭番が主を騙すとは…もはや堪忍袋の緒が切れたわ!
アヤメ、お主は今日をもってお役御免じゃ!!」
ア「え、えぇっ!?そんなぁ〜……殿、ひどいわよぉ〜……(グスン)」
寿「……ふふっ、今日は"えいぷりるふーる"なのだろう?」
ア「え……?あっ、殿ひどぉ〜い!!!!」
寿「ふ、お主がそのような戯れ言を申すからであろう?」

アヤメの勝ちアニメで叫ぶ「殿ぉ〜」は寿々姫の事だと勝手に補完してます。

30 :
>>28
主従百合ってあや→すずだったのか
気付かなかったぜ…w
>>29
つまり心置きなく冗談を言い合う仲ってことですね!
自分も殿ぉーは姫様のことだと思いますですじゃ

31 :
今日も不思議な機械に耳を当て、何かを聴いているミント。
そんなの少女に、カガミが歩み寄って尋ねる。
「楽しそうだな。何を聴いてるんだ」
「秘密です」
ミントは、すましてそう答えるだけであった。
しかし前々から、ミントの事が気になっていたカガミは、この程度では引き下がらない。
「意地悪しないで、教えてくれないか」
「ダメですよう」
「別に減るもんじゃないだろ。なあ…」
「ダメですってばあ」
半ば強引に迫るカガミに、小柄なミントは弾みで押し倒されてしまう。
「やめて…来ないで…」
薄らと涙を溜めるミントの横に、不思議な機械が倒れていた。
その機械から漏れてきた音は…。
「これは…、私の歌か?」
秘密を暴かれ観念したのか、ミントは嗚咽交じりに告白しだした。
「カガミさんが…踊ってる時の歌、小さい時から…大好きで、でも…カガミさん、海へ出掛けて…居ない日が…多いから…」
「それでこっそり録音してたのか」
「ごめんなさい…、ごめん…なさあい…」
当人を前にして、ミントは身も声を震わせていた。
カガミはそんなミントを抱き起こすと、耳元でこう呟いた。
「それならそうと、直接言って欲しかった」
「…え?」
次の瞬間、カガミの声ではなく甘い吐息が、ミントの耳に吹き掛けられた。
「ふあぁ…!?」
思わずカガミの腕の中で、身をすくめるミントであったが、カガミは構わず、ミントの耳にキスをした。
「やあ、…み、耳、弱いのお…」
更にカガミは、唇だけでなく舌も使って、ミントの弱点を何度も愛撫した。
「あ、はあ、ん、…だめえ、変になるう…」
とうとう堪え切れなくなったミントは、自分で身体を支える事ができず、カガミの腕の中で崩れ落ちた。
「すまん。少々やり過ぎたな」
カガミは、小柄な身体をもっと小さくうずくまらせていたミントを、もう一度起こして今度はしっかりと抱き寄せた。
すると、背が低いミントの顔は、すっぽりとカガミの胸へ収まる形になった。
「カガミさんの胸、おっきい…」
「なんなら、好きなだけ胸を弄っても構わないぞ。さっきの詫びだ」
「うん。このままがいい…」
「…そうか」
ミントが、その身をカガミに預けたまま目を閉じると、いつしか不思議な機械で聴いていた歌が流れてきた。
それは母親が我が子に聞かせる、子守歌のようでもあった。

32 :
カガミさんとミントちゃん。
これが本当のかがみんなんつって。嘘もホントもないか。
このペアをくっつけようと思ったのは、
キャラセレクトで二人が隣同士に並んでいるから。
仲むつまじいです。

33 :
初めまして。赤ちゃんです、こんにちは。
……え、久しぶりだって?
それは多分、気のせいなのです。
段々と春の足音が近くなりまして、最近はもうポカポカですよ。
ボクはいつにも増してすやすやと眠っているところでした。
カタ。トタトタ。
おや、扉の向こうで、お母さんが掃除をしているようです、精が出ますね。思わず起きちゃいました。
なぜかいつも鼻唄まじりにハタキをパタパタと、掃除機をガーガーしています。
いつも楽しそうにやっているのですが、ボクはちょっとそうは思えないです。
今日は休日なのですが、お姉ちゃんはいません。
どこかへ出掛ける予定があったようで、朝早くから家を出ています。
そういえば、
「今日硝子ちゃんのお部屋、掃除してもいい?」
「え? 別にいいけど……今度自分でやるからしなくてもいいのに」
「あら、そう……」
「あ、もう、そうじゃないの。そのかわり、あんまり散らかさないでね」
みたいなやりとりがありましたっけ。
扉の向こう側の掃除が一段落したようで、少しすると別の扉の開く音がしました。
多分お姉ちゃんの部屋に入ったのだと思われます。
……なんだか聞耳を立てているようでいい感じはしませんが、案外退屈してしまうものなんですよ、ココ。
音がぱたりと聞こえなくなりましたね。やっぱり扉二枚を隔てるとこうなっちゃいますか。
今お母さんは嬉しそうな顔をしながら掃除しているのでしょう。
どうもそういうのは分からないのですが、まぁお姉ちゃんの部屋ですしね。
実は普段お母さんは入らないんです。さすがにそこは気を遣っているというか気を付けているというか。
……やけに静かな時間が長いですね。
ちょっとだけ、ちょ〜っとだけ嫌な予感がします。
ふと向こうの扉の開く音がして、とたとたと小さな駆け足が聞こえてきました。

34 :
そして部屋の扉が開き、
「ほら、見て見て」
満面の笑みのお母さんが入ってきました。
そこでボクは信じられないモノを見たのです。
「硝子ちゃんの、ぴったりなの。ふふふ」
お母さんが、間違いなくお姉ちゃんの学校の制服を着ていました。
うぅわぁー。な、なにしてるんですか!?
「どう? お母さんもまだまだ捨てたものじゃないでしょ」
今はす、すごいコメントに困っていますお母さん。
お母さんはこれ以上ないほど嬉しそうにクルクルとその場で回ったり、制服の感触を確かめていました。
「身も心も軽くなったみたい。はーい、硝子ちゃんですよー」
そう言ってお母さんはボクを抱き上げました。もう、何を言ってるんですかお母さん。
あ、でも制服から漂ってくる香りはお姉ちゃんのだ。
……それにしてもお母さん浮かれすぎです。気持ちは分かりますが、やはり言葉が見付かりませんよ。
ガチャ。
すると玄関を開ける音がしました。
え……まさか。
そしてパタパタという駆け足とともに、
「あーもう、忘れ物忘れ物」
お姉ちゃんが部屋を横切りました。
慌てているのか、お姉ちゃんは脇目も触れずに自分の部屋に入っていきます。
わ、わ、ちょっと、お母さんちょっと。
一気に心拍数が上がり、自分自身ではどうすることも出来ないボクは、ただひたすら無事を祈りました。
しかし無情にも、
「あれ? ママー、もう掃除した? そのとき私の……」
部屋の扉が開き、お母さんとお姉ちゃんはばっちりと目が合いました。
そしてしばらく流れる無の時間。
状況を飲み込めていない様子のお姉ちゃんは、ただ目を丸くして止まっていました。
お母さんも「あ……」という感じでボクを抱いたまま止まっています。
すっごい気まずい。すっごい気まずいんですが。
すると、先に動いたのはお母さん。ボクを寝かせて「えーと」と言葉を選んでいます。
「そ、そうだ、硝子ちゃん、何か忘れ物?」
お母さん、ごまかそうとするのは無理があると思いますよ。
愛想笑いをしているお母さんに、
「ママ……な、何やってるの?」
お姉ちゃんは容赦なく聞きたいことを聞きました。
まぁ、ですよね。
「私の制服……だよね」
お姉ちゃんは怪訝そうに畳み掛けます。
お母さんはさらに困った様子で「えーとえーと」と考えていました。
「その、ね、硝子ちゃんの制服、着てみたくなったなぁって。なっちゃったなぁって」
そしてとうとう正直に言いました。何のつもりか茶目っ気を入れて。
いやまぁ、逃れられるような状況じゃなかったですし、至極当然かと。
「えと、ごめんね」
「も、もう、いいから早く脱いで」
お姉ちゃんはお母さんの着ているブレザーのボタンを外していき、脱がせます。
なんか立場が逆転してますね。
お姉ちゃんがブレザーを置いて、次にネクタイを緩めるていると、
「し、硝子ちゃん」
お母さんは少し顔を紅くしながら、
「お母さん、ちょっと恥ずかしいな」
もじもじしながら言いました。
お姉ちゃんははっと手を止めて、緩んだネクタイと少しはだけたブラウス姿のお母さんを見ました。
するとみるみる内にお姉ちゃんは顔を真っ赤にして、
「じゃあ自分でやって! もう! ちゃんと元に戻しておいてよ!」
ブレザーをお母さんに押し付けると、バタバタと駆けて部屋を、玄関を飛び出していきました。
……若干背徳的なアレではありましたね。ちょっと汗かいちゃいました。
ブレザーを抱いたままきょとんとしているお母さんは、
「えへ、怒られちゃった」お母さん。本当に反省してますか?
そのあと、忘れ物に気付いたお姉ちゃんが戻ってきて、お母さんとまた一悶着起こしていました。

35 :
その夜、お母さんとお姉ちゃんはまだ少しもめています。
「もう、信じられない!」
「だから、ちょっと着てみたくなっちゃったの」
「だ、だからって本当に着る!? ママったら何考えてるの!」
「んー、でもそんなに悪くなかったと思うけど。お母さん、今度作ってもらおうかしら?」
「だ、ダメ! 絶対ダメ! もう知らないから!」
お姉ちゃんはカッカしたまま部屋に戻っていきます。まだまだ怒ってますね。
部屋に残されたお母さんはというと、
「硝子ちゃんとお揃いの制服。一緒に登下校したり机を合わせて勉強したり。お昼休みはお弁当を取り合ったりしちゃって」
あのー、お母さん?
「学校の帰りに物を買ったり食べたりとか……ふふ、いいわね、夢が膨らむわ」
なんというか、反省の色まったく無しですね。
もうしばらくの間、お姉ちゃんの苦労は続きそうです。
そんなこんなで、今日も一日が平和に? 終わるのでありました。
明日もまた平和でありますように。それでは、おやすみなさい……。
「もう、ママったら……」
硝子は呆れたような、感情を持て余している様子でベッドに横たわった。
そして息を大きく吐きながら天井をなんとはなしに見つめる。
「制服が着たかった、だなんて……そんなことしたら、もう絶対に一緒に歩いてあげないんだから」
そして寝返りを打って、
「あ」
部屋の壁に掛けてある制服が目に入った。
そしてふと、昼間の制服姿の母親を思い出す。
「……」
硝子は体を起こして、制服の側に行く。
しばらく制服の裾を掴んで眺めていたが、やがて優しく包み込むように抱きしめた。
「……あ、少しだけママの香りがする」
硝子は少し微笑んだかのようだった。陶然と制服を抱きしめ続ける。
「ちょっと、言い過ぎちゃったかな……明日謝ろう」
制服を戻すと、硝子は部屋の明かりを消してもう一度ベッドに横たわる。
外は、少し強い春風に吹かれて、散り始めた桜が盛大に舞っていた。
気持ち新たにする季節は、今真っ只中。

36 :
今年は春到来が遅すぎて、いっそ冬の話でも書いてやろうかと思っていましたが、途中でこんな話を思い付きました
去年の今頃も書いたっけなぁ、という育江さんと硝子です
まずは、育江さんの制服姿とはマニアックですね
硝子が高校生ならば、単純に育江さんは四十路ですよ。とんでもない
でもいつまでも童心を忘れない、というか幼い感じの人妻というのも、下心的な意味合いとしてはアリだと思っています
自分としては、育江さんはひたすらに「硝子ちゃーん! 大好きー!」みたいな感じと、硝子は年頃でちょっとツーンしているけど、実はもっともっと甘えに甘えたいママっ娘という感じがもう定着しつつあります
仲の良い母娘ってすばらしい。やっぱり自分は年の差とか近親カップルが好きなんだな。再認識
あと、赤ちゃんは良い娘です。育江さんと硝子にあるように、硝子との間にも年齢に開きがあるのが素敵
赤ちゃんが10代になる頃には硝子は社会人ですよ。想像つかん
はたして、制服姿の育江さんと硝子が一緒に登下校する日は来るのでしょうか
それは、神のみぞ知る

もう4スレ目になりますか。これからもよろしくお願いします

37 :
>>36
ナ、ナンダッテー!?
人妻が学校の制服着てるとか、それなんてAV?
しかもそれを我が娘に脱がされていくなんて…
これこそがめくるめく禁断の百合ワールドなのか。そうなのか。
もし、このまま行為が止まらなかったら、
硝子に身体を抱かれてしまった育江さんは、
それまでの余韻に浸りつつ恍惚な表情で、
「どうしよう、赤ちゃんできちゃう…」と呟くんじゃないか。とか。
歳はアレだ、硝子は相手の連れ子ということにすれば、
育江さんが幼な妻で、妹の赤ちゃんと年齢差があるのも説明がつくけど、どうだろう?

38 :
だめだ、せんごくりえさな何回見ても
さな「そんなに露出の多い服着て…私を誘ってるの…?」
りえ「さなえちゃんこそ、部屋の中なのにそんなにお洒落して、りえに見せつけてるの?」
みたいにしか見えない

39 :
間にちょっと不穏な空気が漂っても、結局はラブラブいちゃいちゃなわけですか
少し冷たい感じを見せるという押し引きも、恋愛では重要だとかなんだとか…
そんなことはともかく、あとは電気を消して一緒に寝るだけなんですけどね
>>37
なんと、硝子がお母さんをリードするのですか
育江さんは誘い受けという器用なことは出来ないと思うので、天然で硝子に身を任せてしまうのでしょう
>「どうしよう、赤ちゃんできちゃう…」
それを聞いた硝子は、「もう、恥ずかしいこと言わないでよ…」
そして体を使ってお母さんをさらに愛撫するんですね。禁断すぎます
>硝子は相手の連れ子
そんな、実の母娘という一線が無くなってしまったら、それはもうとんでもないことに…
ウエディング姿の育江さんとスーツ姿の硝子が、教会でライスシャワーを浴びてしまいますよ
いやまぁ、それはそれでアリです

40 :
少女は、ノートに一心不乱にペンを走らせる。
学園中に、部活動終了かつ帰宅用意を告げる鐘が鳴り響く。
学園の至る所で沸いていた声は、次第に校門や部活棟に集まっていく。
多くの学生が用を済ませて次々に帰路に就いていた時、部活棟に併設されているシャワー室の扉が開く。
そこから鼻唄交じりに出てきたのは、蒼いショートカットでボーイッシュな顔立ちの少女。
スポーツタオルを首に掛け、湯上がりのほてった体からは微かに湯気がのぼっていた。
「ふぅ、さっぱりした。帰りにアイス食べようかなー」
スキップしながら軽快に歩く少女は、そのままの足取りで部活棟の部室に入り、自身のロッカーで帰り支度を始める。
「キャロ」
不意に部室の扉が開き、赤い髪とネクタイを揺らす少女が覗きこむ。
「あ、アリス、まだいたんだ。ねえねえ、帰りにアイス食べに行こうよ」
クラスメートであり部活仲間のアリスに気付いたキャロは、嬉々としながら支度を急ぐ。
「うん……」
アリスはそれだけ言うと、部室に入るなり静かに鍵を掛けた。
「……え?」
次にキャロが気づくと、鞄を放り出したアリスに抱きつかれていた。
「ア、アリス……はっ」
キャロが戸惑う間もなく、アリスは強く抱き寄せ、キャロの背中を指でなぞる。
「キャロ、良い香りがする」
アリスはキャロの首元に顔を押し付けながら、背中にあてた指をゆっくりと這わせる。
「ふぁ……だ、ダメだよこんな所で」
背中の愛撫にたまらず声を上げたキャロだったが、腕を伸ばしてなんとかアリスと距離をとった。
アリスはきょとんとしたあと、微かに肩を上下させているキャロの額に自分の額をこつんと当てる。
「誰も来ないよ。それに、じらすともっとすごいコトになっちゃうから」
キャロは体の下から何かが這い上がってくるのを感じた。
動悸が激しくなり、押し寄せる感情の波に意識が途切れそうになる。
「息、荒くなってるよ」
アリスは微笑み、キャロと唇を重ねる。
首に腕を回し、体をこれ以上ないほどに密着させ、顔を動かしてキャロの唇を愛撫する。
「ん、んん……んぅっ」
アリスは顔を離して、顔を紅潮させてすっかり力が抜けてしまったキャロを見る。
「ふふ、キャロ、すっごくかわいい。でも、それじゃあダメ」
アリスは両手をキャロの頬に添えて、今度は熱く、深く口付けを交わす。
「ぅ、ぁ」
アリスの激しいアプローチに、キャロは為す術なく翻弄されてしまう。
静かな部室で、わずかに漏れる吐息と淫靡な音が響く。
少女たちの間で、舌が艶かしく絡まり合う。
時間が経つにつれ、漏れる吐息や音も大きく、淫らなものになっていく。
「ぅん、キャロ、もっとぉ……」
「んく、ふぅ、あぁっ」
互いを貧ぼり合う二人の口の端から唾液が滴り落ちる。
もちろん、二人はそんなことに気を留める余裕もなく行為に没頭する。
やがて勢いが落ちてくると、アリスはゆっくりとキャロの口内から舌を抜いた。

41 :
「はぁ……」
恍惚とした表情の口元からは、キャロと繋がる白い糸が伸びていた。
「はっ、はっ、はぁ、うぅ……ふぅ」
キャロは息も整わないまま、うっすらと涙を浮かべながらぐったりとしていた。
わずかに乱れた制服と、上下する胸が見える。
「あ、キャロ、だめ……かわいすぎるよ」
そんなキャロにたまらなくなったアリスは、もう一度口付ける。
優しく、気遣うようにゆっくりと。
「はっ、ぁ」
心地好くなってきたのか、キャロは艶かしいため息を漏らしたあと、うっとりとした表情でそれに応える。
互いにいたわるように、しかし官能的に舌を絡ませながらじっくりと愛撫しあう。
ふと指先同士が触れる。
はっとした二人は、思わず行為を止める。
だがそれが些細なことだと気付くと、二人は見つめあったまま微笑み、指を絡ませる。
確かめあうように、じゃれあうように、先程と似た行為が指先で繰り返される。
「キャロ」
「ん?」
「呼んでみただけ」
「なにそれ」
他愛のないやりとりの後、アリスは繋いでいた指をほどき、両手をキャロの胸にあてる。
「あっ」
キャロはたまらず声を上げる。
アリスはキャロの胸にあてた手を強く押し付けたり、表面を微かになぞったり、片手では収まりきらない大きさと弾むような感触を楽しんでいた。
「もう、キャロったら……嫉妬しちゃうんだから」
うらめしそうな表情でキャロの胸を弄ぶアリスは、一段と強く押し上げる。
「ふぁぁっ」
「全然抵抗しないんだね。ふふ、やらしいんだ」
「ち、違……んっ、はぁ」
キャロはほとんど何も出来ないまま、アリスの思う通りに乱されていく。
「そん、なの、ズルいよぉ……」
「聞こえなーい」
わざと軽いノリをするアリスは、次にキャロのシャツのボタンに手を掛ける。
「あぅぅ……」
キャロが何も出来ないのをいいことに、アリスは反応を確かめるかのようにゆっくりとボタンを外していく。
首元、胸元、徐々に下へ下へとあらわになる部分が増えていく。
やがてすべてのボタンを外すと、アリスは開いたシャツの中に両手を入れ、キャロの肩に乗せる。
「ア、アリス……」
キャロの懇願するような目に、アリスは妖艶な笑みを浮かべる。
「ダーメ、ぜ〜んぶ見ちゃうんだから。ふふ、お・ひ・ろ・め」
アリスは肩に乗せた両手を、腕をなぞるように一気に下ろす。
シャツはあっけなくはだけ、キャロの締まった、しかし女の子な上半身があらわになる。
「あぁっ!」
「キャロ……綺麗だね」
アリスは顔を真っ赤にしているキャロを抱き寄せる。
そして背中に回した手をブラのホックに掛ける。
「もうキャロの全部を独り占めしちゃう」
「だ、ダメぇ!」
ブラのホックが外される。
次にアリスは

42 :
「……ちゃん。みっちゃん? おーい」
「わぁぁぁ〜!?」
みっちゃんと呼ばれた少女は物凄い勢いでノートを閉じる。
ペンとノートがそのまま部室の隅へと吹っ飛んでいく。
「おぉっと? え、どうしたの?」
「あ、あっ、せ、先輩!」
みっちゃんが振り返ると、自分と同じように驚いた様子の、赤縁メガネの三つ編み少女がいた。
「あの、いつから……」
「え、うん、ちょっと前から。一生懸命だったから声かけづらかったんだけど、もう少しで校門閉まっちゃうよ。何かやってたの?」
「な、なんでもないです。ご、ごめんなさい」
みっちゃんは急いでノートとペンを拾い、猫のキーホルダーやぬいぐるみの付いた鞄へと押し込む。
慌てるみっちゃんに、少女は不思議そうな顔をする。
「あんまり遅くまで部室には残っちゃダメだよ。私が仕事押し付けてるって思われちゃう。早く帰ろ」
「は、はい」
少女が部室から出るのを見て、みっちゃんはぱたぱたとそれに続く。
部室の扉が閉まり、鍵が掛けられる。
二人は校門へと歩きだした。
「あの、先輩」
「ん?」
「その、えと……見てませんでしたよね?」
「何を?」
「……あ、い、いえ、なんでもないです」
安堵する様子のみっちゃんに、少女は「?」と首をかしげる。
「ヘンなのー。そういえばさ、帰りにアイス食べてかない?」
「アイスですか?」
「そ。良いお店知ってるんだー。アリスとキャロも一緒だよ」
「本当ですか!?」
声を上げるみっちゃんに、少女は意地悪な笑みを浮かべる。
「このー、二人がいなきゃ断わるつもりだったなぁ?」
「いえ、いいえ、そんなこと!」
慌てふためく様子に少女は「冗談冗談」と笑いながら先を歩く。
その背中を見ながら「もう……」とため息を漏らすみっちゃん。
「アイス……アイス……二人でひとつのアイスを食べあって、終わったあとはそのままの勢いと甘い香りを漂わせながら次の段階へ……もちろんリードするアリス先輩が『もうひとつ食べちゃおうかなぁ』とキャロ先輩をたっぷりと……」
「おーい、どうしたの?」
後ろを歩いていたみっちゃんが遅れているのに気がついた少女は、立ち止まって振り返る。
「あ、すみません」
みっちゃんはハッとして走って追い付く。
そして二人は、
「もう、遅いよー」
「待ちくたびれちゃったよ」
赤髪と蒼髪の少女が待つ校門に着いた。
学園中に、下校時間を知らせる鐘が鳴り響く。

43 :
学生さんはやっぱり品行方正、清く正しく美しくが基本なのでしょうが、若気の至りも学生さんの特権だと思うのですよ
…いや、なんだかんだ言うのはやめます。こんなんが書いてみたくなったんです
実はみっちゃんが思っている以上にアリスとキャロがアレだったら…という裏話があるのも一興だと思います。書いてませんが
むしろリゼットも含めて…いえ、書いてませんが
こういうのは慣れないので、あんまり内容に突っ込むと次々とボロが出そうです
で、話には関係無いのですが、女子ラクロスのユニフォームって良いですね
スコート下のレギンスとか、指の出ているグローブとか、肘や膝に付けたサポーターとか…
これをボーイッシュなスポーツ女子が着て、フィールドを勇ましく駆けるんですからね。惚れてしまうのも無理はないと思います
マニアックですね
それでは

44 :
みっちゃんの腐女子ぷりパネぇw
瓶底メガネは近眼のためじゃなくて、某赤いサングラスの親衛隊長みたく
表情を読まれないためだったのか!?

45 :
でもドジっ娘みっちゃんの事だから、バレるのも時間の問題のような気がするw
風雲録にもポスターみたいな機能があるので、なんかうまいこと徒党が組めないか考えてみた。
【エロかわピンクヘアー軍】
ローリィ スミレ リアリィ モモコさん ミルク ベリー ホワイトメリー 虹野ひかり フィーバーピンク シグシグ
【白ワンピース清楚乙女組】
ふき 8リゼット 9ベル 9シルビア テトラ オフィーリア 11リデル 14ポエット 育江 18ルル
【メカドールロボッ娘団】
サンディ アルト 壱ノ妙 シャルロット ニコラシカ エキドナ ロコ ジーナ タタン トリニティ

46 :
「……う…ううん…?」
意識を取り戻したニノンが、ゆっくり瞼を開くと、そこは真っ黒な森の中。
「やっと目が覚めたか。んだかと思ったぞ」
そして彼女の上で馬なりになっている、一人の白い魔女。
「……ええと……」
何故こんな事になったのか考えてみるも、まだ半分夢の中に居るような状態のニノンは、記憶を思い出せない。
「…キャッ!?」
突然の感覚に、そんな思考が強制中断させられた。
「何してるの?」
目の前の魔女、ロキが、ニノンの身体に乗ったまま、腕を動かしている。
「見れば解るだろう、お前の薄っぺらな胸を愛でてやっている」
次第に目が暗さに慣れてきて、周りの様子が薄らと見えてきた。
この場所は、周りの樹木が何本も幹や枝を、複雑に絡まり合せて出来た、雨風を凌げる小さな小屋のようになっていた。
ふと、ロキが手を止める。
「ああ、こんなに暗いと見えんな」
そう言って、立ち木で出来た壁に向かって手をかざす。
何かの魔術なのか、木に生えた苔類が、ぼうっと不気味に光を帯びた。
光り苔の光量は決して充分ではなく、やっと相手の顔や服が解る程度でしかなかった。
「んっ…」
再びロキが服の上から触れると、ニノンは思わず声にならない吐息を漏らした。
すると、ロキの顔がニノンの鼻先まで近づいてきて、言った。
「このような貧相な身体でも、感じているのだな」
「そんな事ないの。…んんっ」
すかさず否定したニノンに、ロキは強い刺激を与えた。
「嘘を吐いても、私にはお見通しだぞ?」
「…そうじゃなくて、私の胸が小さいって事」
そう言うとニノンは、小枝程に、か細い両腕で、自分のシャツの裾を掴み、そのまま首の下までたくし上げて見せた。
「なるほど。そういう事か」
ロキの視界に映ったのは、ニノンの、やはり華奢な胴体。
そして、その細い身体には到底似つかないくらい、二つの赤い部分が、大きく突出している様子だった。
「さっきから何度も触られて、もうこんなになっちゃった」
そこだけが丸く膨れ上がった様子に、ロキもしばし眺める。
「奇妙だが…、これはこれでまたいやらしい」
「そんな風に言わないで。これでも私はチャームポイントだと思っているのよ」
「ほう。だがこんな所を売りにしても、見せる機会が無いのではないか」
ロキはそう言うと、ニノンの右の先端を指で摘んだ。
「あんっ」
そのままロキが撫で続けると、ニノンは目を細めながら顔を紅潮させた。
「…そうなの。うんっ…だから、えっちなグラビアにでも…あっ、出てみようかな、なんてね。…はああ」

47 :
「止めておけ」
ニノンは半分冗談で言った事だったが、ロキは真っ向から否定した。
残っていたもう片方の、突起にも手をかけながら。
「ああん、だめぇ…」
倍増した快感を堪えられず、ニノンはその細身の身体を捩じらせた。
「お前の痩せ細った姿で、興奮する物好きなど居る者か」
「あっ、あっ…。そんな事、ない。…あんっ」
イヤイヤでもするように、華奢な身体をニノンは更にくねらせている。
暗黒の中で灯る苔の光を受けて、水滴がニノンの目元で僅かに輝く。
「それとも、私みたいなスタイルの人は、お嫌いかしら…」
「…くくく…」
いつの間にかニノンを弄ぶ手を止めていたロキが、口元を歪め笑い出した。
「面白い女だ…。気に入った」
そう言ったかと思うと、ニノンの胸元に置いた右手を、ロキは脚の方へと回した。
「あ、そこは…」
ロキの手はニノンのスカートの中へ侵入し、やはり太くはない内腿を弄り始めていた。
「私を楽しませた褒美だ。望み通りにしてやる」
ロキの指が、ショーツの上から何度も押し付けられる。
「あ、あ、いい、はああんっ」
ニノンは目をぎゅっと閉じ、背を弓なりに反らせて喘いだ。
これまでの行為で感度が増したニノンは、ただその快感に身を委ねるのみだ。
「感じているのだな、もっと良くしてやろう」
その言葉通り、ロキはニノンのスレンダーな胸に顔を埋めると、すっかり硬くなった先端を、口に含んだ。
「やああっ、吸ったら…めえ」
唇と舌による口撃が、下半身への刺激との相乗効果によって、ニノンを快楽の樹海へと突き落とす。
「んんん…、おっと、こっちも愛でてやらんとな」
片胸を咥えたロキは、反対側の胸も左手で摘んで引っ張った。
「いっ、あああっ、あ、あ…いいっ」
そしてもう一方の手は、下着の布を掻き分け、ついにニノンの秘部へ襲い掛かる。
「ああっ、あっ、…春の嵐より、すご…いいっ、あんっ、はんっ」
ロキによる三点責めは激しさを増していき、ニノンをどんどん追い詰めていった。
「ひああん、だめっ、いっ、ああっ、あ…、…ぁぁ…、…きゃああぁぁぁああっっ」
細い四股と胴を強張らせ、ニノンは痙攣によってガクガクと身体を震わせる。
だが、ニノンが限界を迎えても、ロキはその手を止めなかった。
「だめだめえ、ああっ、やめて、いああっ、ひあっ、あんっあっ」
まるで雷に打たれ、電流ような快感が全身を駆け巡る中で、ニノンは何かを思い出した。
「あっっ………」
しかしそれと同時に、ロキの止め処ない行為が、限界を超えてしまったニノンを失神させた。

48 :
「お前は何者だ。此処で何をしている」
春のお天気が、そよ風に乗って黒い森に迷い込んだ。
程無くして白い魔女に見つかり、咎められた。
「私は春のお天気なの。ここにも新しい季節が訪れるわ」
「この森にそんな生温い物は不要だ、去れ」
そこは、部外者が無断で立ち入る事を拒む、誇り高き魔の地だった。
しかし、春のお天気にそんな事は関係無い。
「じゃあ、本当に生温いか試してみましょうか?」
ちょっと脅かすつもりだった。
森の上空に雲を呼び、たちまち渦巻く暗雲へと発達する。
「無駄だ。止めろ」
やがてゴロゴロと轟音を立てて、黒い雲が光を放ち始めた。
「やってみないと、わからないでしょ」
そして対峙する二人の間をめがけて、大きな爆発音と共に、眩い光の槍が降り注いだ。
「…あら、やり過ぎたかも…?」
雷が黒い森を一瞬白く染め上げたあと、そこに居たのは地面に横たわっている、白い魔女だった。
「ねえ、大丈夫? もしかして雷に当たったの?」
心配した春のお天気が、不用意に近寄って来る。
その隙を白い魔女は逃さなかった。
「キャアア!?」
目を見開いて白い魔女が放ったのは、今まさに春のお天気が落とした、あの雷のエネルギーだった。
「ふん。なんと脆い」
自分の足元で気を失っている春のお天気に、白い魔女はそう吐き捨てた。
暗雲からシトシトと暖かい雨が降る中、白い魔女は彼女を抱きかかえ、森の奥深くへと運んだ。
 ―――――
「なんだ貴様。まだ此処に居たのか」
二人が黒い森で再会を果たしたのは、出会ってから二ヶ月以上過ぎた頃だった。
「どうした。モデルとやらになって、裸を見せびらかすのではなかったのか」
背をもたれている大樹の、数分の一の細さしかないニノンは、目を閉じたままロキの問いに答えた。
「それはやめ。私は、ここに大切な物を置いてきたから」
「何か無くしたのか。なら諦めろ」
「ううん。忘れられない物なの、それは」
眠ったかの様に穏やかな表情で語るニノンに、ロキは訝しげな顔をする。
「何が言いたい、貴様」
「私は、春のお天気。でも、もうすぐアツい季節がやって来るの」
言いながら、ニノンはロキの姿を確認した。
枝の様に細い両腕で輪を作って、ロキを閉じ込めると、膝を付いてその身を預けた。
「暖かいの先、アツい、アツい季節を感じて、そのまま、真っ白になるまでアツくなるのも、いいかもね」
また瞼を閉じて話すニノンの下顎を、ロキが軽く持ち上げる。
「どうやら、もう暫く楽しめそうだ…」
そう言ってニヤリと笑うと、ロキはニノンに口付けた。

49 :
そろそろ春が終わりそうなので、忘れない内にニノンの話を投下しておきます。
お相手がロキなのは、キャラの強弱関係を考えた結果です。
シグマ様だと強すぎるし、キャンディとかでも釣り合わないので、ロキくらいが丁度いいかなぁと。
で、ニノンのチャームポイント。
これは、ニノンの身体の線が細い割には、パーツが大きいので、こうだったらいいなぁと。
ええ、自分の趣味で申し訳ありません。
今気付きましたけど、この二人は髪型が似てますね。ツーテイルとも違うあれは何というのだろう。
まあ何はともあれ、タンクトップのお姉さんは好きです。

50 :
ベル「ちょっとさなえを貸してほしいのだけど」
リエ「だめだめ、これからリエと用があるんだもんねっ」
さなえ「う、うん…」
ベル「何よ、少しくらい良いじゃない」
リエ「さなえちゃんはずっとリエと一緒だもん、残念でした」
さなえ「ええ、ずっと…?」
ベル「そんな我が儘な娘は放っておいて、私の映画に出てみない、さなえ」
リエ「映画って言っても自主製作だよ。それより今度の旅行に着てく服決めに行こ」
さなえ「…じゃあ、リエちゃんが決めた服で、ベルの映画に出るっていうのは…」
ベル「心配しなくても、禁断の同性愛に落ちる乙女が着る衣装は、もう決まっているわ」
さなえ「えっ? 禁断の…同性愛…って?」
リエ「何それ。さなえちゃんはリエとお揃いの大胆セクシーなお洋服着て、バカンスにレッツゴーするんだもん、ねーさなえちゃん」
さなえ「ええっ!? 私、そんな事、聞いてないよ」
ベル「いいから、さなえをよこしなさい。独り占めは良くないわ」
リエ「やだやだ! ベルちゃんの方こそ、横取りはいけないんだよ!」
さなえ「あぁん、もう…。私、この後どうなっちゃうんだろ……」

リエさなベルで保守

51 :
森には、確かに存在した。
森と共に暮らし、森と共に成長し、時には森と痛みを分かち合いながら、森を見守っている存在が。
その森にも多くの木々が立ち並び、空に向かってすくすく育った枝葉に遮られ、根に近い部分は日中でも薄暗い。
だが時々、太陽が森の一部を、光の筋で照らす事もあった。
葉の隙間に日差しが、絶妙な角度で当たった時にだけ現れる木漏れ日は、とても幻想的な光景を作り出す。
今も、真っ白なワンピースを纏った女性が、自然のスポットライトを浴びながら優雅に躍っている。
ブロンドのセミロングを輝かせて、彼女が美しく舞う姿は、決して長くは続かない。
時間が経過し日が傾けば、そこにあるのはいつもの薄暗さだけだ。
女性が躍り終えると、思い出したように森を進み始めた。
ロング丈のスカートからは、美しい素足が覗いていたが、彼女の足で土や枯れた葉や枝を踏み締める事は無い。
背中に大きな双葉を思わせる羽を背負い、地面すれすれを浮遊する身体。
彼女は人間に近い姿をしていたが、明らかに人間ではなかった。
「! あれは…」
森を見回っていた妖精が、何かを見つけて驚いた。
見覚えの無い人物が、森の中に横たわっている。
人間が森の外から、何かの目的でやってきたのだろう。
恐る恐る彼女は、その人間に近寄った。
確認してみると、自分と同じくらいの女の子が、あどけない表情で、すやすやと寝息を漏らしていた。
「眠ってる…」
そう思って安堵した瞬間、妖精がギョッとするような出来事が起きた。
「ん?」
目の前で寝て居た筈の女の子が突然、大きな瞳をぱっちり開いて、目を覚ました。
「…っ!! …ぁ、…あ…」
妖精は、人に見られるのが酷く苦手だった。
「貴女は、誰?」
女の子の問いにも答えず、すっかり怯えた妖精は咄嗟に、側に立つ木の裏に隠れてしまった。
「どうしたの? 別に取って食べたりしないよ?」
そう言いながら女の子は身体を起こすと、笑いながら妖精へ近づいてくる。
「あ、ちょっと待って!」
耐えられなくなった妖精は、女の子の静止も聞かず、その場から逃げ出した。

52 :
「はあ…」
女の子を振り切った妖精は、森の片隅でやはり宙に浮いたまま、膝を抱えていた。
静かな森ではこうしているだけで、自分の胸の鼓動が聞こえてくる。
それは、躍っていた時よりも、ずっと速いものだった。
「あれれ、どこ行ったのかな」
その時、遠くで自分を探す女の子の声がした。
同時に、鼓動も強く脈打った様な感覚を受けた。
「お願い、早く行って…」
気付かれないよう、声にならない声で妖精は囁いた。
天にも祈るような気持ちで、妖精はその場に小さく蹲った。
するとそこに、上から光が降り注いで来た。
なんと、偶然にもその時その場所に、木漏れ日が差し込んできたのだ。
妖精の祈りは残酷にも、全く逆の形で届いてしまった。
「なんだ、そこに居たんだ」
女の子が、光の中に佇む美しい妖精を見つけるのに、時間は要しなかった。
出会った時と同じ笑顔を浮かべながら、長いブーツを履いた両足で、一歩一歩確実に妖精に歩み寄ってくる。
妖精の鼓動は、速さも強さも更に増して行く。
再び逃げ出そうと心の中で思っても、身体が竦んでしまって全く動かない。
そしてとうとう、女の子が目の前までやって来た。
「さっきは暗くて分からなかったけど…、綺麗ね」
女の子は妖精の美しい容姿に、素直な気持ちを投げかけた。
屈託の無い言葉に、緊張がほんの少し和らいだ妖精は、顔を上げて女の子と視線を交わして見る。
「あ」
次の瞬間、何かを思い出し掛けた女の子の声で、妖精はまた顔を背けてしまう。
「貴女とは前に会ってるような気がする…どこだっけ?」
妖精の鼓動は、女の子にも聞かれてしまいそうな程、高鳴ったままだ。
返事をする余裕すら無い。
「此処まで出てるのに、思い出せないわ」
女の子は喉の辺りを指すジェスチャーをしたが、そっぽを向いたままの妖精には見えていない。
「もう一回、顔を見たら思い出せそうなんだけど…」
妖精は女の子の視線を浴び続け、蛇に睨まれた蛙の様に、その身体はどんどん硬直していく。
対照的に胸の中では、飛び出してしまいそうな程に鼓動が暴れている。
「こんにちは」
不意に女の子の顔が、また妖精の目の前に現れた。
女の子の方から妖精の顔を覗きに来たのだ。
「ああ、やっと思い出した」
目と目が合った直後に、妖精は自分自身が真っ白な光に包まれていく感覚に捉われた。
それは森に差し込む木漏れ日ではなく、精神的な限界を超え、意識が手を離れていく様子だった。

53 :
妖精の棲む森には植物だけで無く、水が透き通った湖もあった。
湖底まで透明で綺麗な湖の上には、空を覆い隠す木の葉も無く、太陽からの日差しを反射して、キラキラと輝いている。
今も湖の岸で、一人の女の子が水浴びをしている。
「ううん…、冷たくて気持ち良い…」
身に着けていた布を全て剥がし、生まれたままの姿で水を被ると、これまでの旅の疲れはおろか、心の中まで洗い流されるようだった。
「貴女も一緒にどうかしら。とっても気持ち良いわよ」
「わ、私…ですか?」
女の子に誘われた妖精は、そう言ってその子に背を向けたままモジモジする。
妖精も偶に、この湖で水浴びする事はあったが、誰かと一緒に入浴するという経験は無かった。
いやそれ以前に、他人の一糸纏わぬ姿を見た事が無かった。
「ねえシルビアさん、そこのタオルを取ってくれない?」
「えっ…タオル…」
何とか妖精は、女の子の荷物からふかふかのタオルを見つけると、やはり女の子の方を見ないように差し出した。
「これですか…?」
「ちょっと、それじゃ届かないよ。こっちこっち」
「ええ? こ、これで届きますか?」
「私はこっちよ、ちゃんと見て」
女の子にタオルを手渡すため、妖精は少しだけ湖の方に視線を傾ける。
「はい。ありがとうシルビアさん」
そこには、妖精が考えていたよりもずっと近くに、女の子が居た。
「はああんっ!」
妖精は自分でも驚くような悲鳴を上げ、両手で顔を隠しながら、また湖とは反対の方を向いた。
「ご、ごめんなさい、そんなつもりじゃ…」
「えー? 何か言ったー?」
女の子は濡れた身体をタオルで拭き取りながら、妖精に聞き返した。
「あっ、いいえ、何でもありません…」
そう答えたものの、妖精が見た光景はハッキリと焼き付いていて、頭から離れない。
すらっと伸びた四股になだらかな曲線を描く胴、そしてまだ未熟な胸部…。
何時しか妖精の鼓動は、加速を深めていた。
あの時と同じように、森の中へ響き渡るような強い鼓動が、妖精の胸の中で鳴り続いている。
「本当に此処は、素敵な場所だわ。癒される感じがして」
水浴びを終えて湖から引き上げてきた女の子は、この森の居心地の良さに痛く感動してた。
「そ、その、サニーさんは、何時までこの森にいらっしゃるのですか…?」
「そうね、こんな所なら、ずっと居ても良いかも…」
「ええっ、ずっと…?」
「あら、いけなかった?」
「サニーさんが…そう言うなら、…そんな事は…、無いと…思います…」
「うふふ。さて、シルビアさんも水浴びしてきたら?」
「そ、その前に、サニーさんは早く服着てくださいっ」

54 :
いちおうせんごく繋がりでシルビアサニー。
実はこの二人、前にも一緒になったことがあったんですね。
ポップン9でシルビアが初登場したとき、家庭用からもサニーの担当曲が移植されて。
そしてバージョン数がぴったり倍のポップン18で、また共演してるなんて…。
そんな偶然に運命的なものを勝手に感じて、作中でも再会のニュアンスを取り入れてみました。
じゃあそういうことなので、せんごく列伝だけど癒し系の曲をプレイしてきます。
ノシ

55 :
シルビアといえば木村バタフライが
ポップンからテレビから店内BGMの有線から流れてくるたびに
あの子とあの子が赤い糸で結ばれたり森で結婚式挙げてるイメージが浮かぶ
こいつはなかなかどうして百合ソングなんじゃないか

56 :
百合と関係ないけどバタフライの中の人おめ
そんなこんなでもうジューンブライドの季節かぁ
>>40-42のみっちゃんの頭の中ではアリスとキャロが結婚してたりするのだろうか

57 :
〜第1話〜
リデル「あら? その髪飾り…」
シャルロット「どうしたの、お姉さま」
リ「葉の枚数が昨日より少ないわ。どこかに抜け落ちたのかしら」
シ「ああ、それは……ほら(ドレッサーの引き出しを開ける)」
リ「まあ、色もデザインもおんなじ髪飾りが、沢山…」
シ「昨日はこっちの髪飾りを着けていたのよ」
リ「そうだったの…」
シ「それだけではないわ(クローゼットの扉を開く)」
リ「なんて事、色もデザインもおんなじドレスが、一杯…、しかも解れてる所まで一緒…」
シ「明日はどのドレスにしようかしら。ねえ、お姉さまが選んでくださる?」
リ「………」
〜第2話〜
ローズマリー「ドレスがこんなに痛んでしまって…。新しいドレスを用意するわ」
シャルロット「わあ、嬉しい。…ところで、ご主人さま?」
ロ「何かしら?」
シ「ご主人さまは、他のお洋服には着替えないの?」
ロ「私が?」
シ「待って。今、ご主人さまにぴったりのお洋服を持ってくるわね」
ロ「ちょっと、私は…」
〜〜〜それからしばらくして〜〜〜
ロ「こ、こんなハートだらけの服、私には似合わないわよ…っ!」
シ「そんな事ない。ほら、よく似合っているわ」
ロ「(ああ、恥ずかしい…)も、もう脱ぐわよ…っ」
シ「ねえ、ご主人さま?」
ロ「な、何よ…」
シ「…可愛いv」
ロ「…かかか、可愛いって…、可愛い…って…」

58 :
18が出てもマイベストは揺るがないという心強いお言葉を頂きましたので、
こちらからもせんごくの空気を読まずシャルロット関係の人たちを。
上のは月のワルツのハリアイで、髪飾りの葉の数が違って見えたのが元ネタです。
シャルロットがリデルをお姉さまと呼ぶのは前スレ40さんの設定をお借りしました。
いつも同じ服なのはいい加減新規衣装が…ぁィャ同じ服を沢山持ってるというオチで。
下のはMOVIEのNET対戦が始まった頃の公式トップ画像のアレ。
ローズマリーもラブリーなドレス着せたら絶対可愛いのですよ、
それで勝ちアニメの笑顔を見せられた日にはこっちも魅せられて胸キュン(はぁと)間違い無しなのです。
そしてシャルロット祭はまだまだ続くよ!
なぜならMOVIE時代にアイデアや書き溜めが溜まり過ぎたから。
思えば映画祭の後半はポスターの配役がずっとシャルロット×3だった様な記憶が…

59 :
 もう あえないのよ
 あのこは とおい とおい ところへ いってしまったのよ
 だから どれだけ まっていても もう あえないのよ
果たして、そのように伝える方が幸せだったのか。
何も知らずに、待ち続ける方が幸せだったのか。
そんな事は、誰にも分からない。
誰も知らない。

誰もが寝静まった深夜に、一人で紅茶をたしなむ少女が居た。
少女の名は、リデル。
太陽の光が苦手な彼女は、こうして夜に活動し、真夜中のティータイムを楽しむのが日課だった。
ふと、誰かの気配を感じて、振り返って見る。
「あら、お嬢ちゃん。どうしたのかしら」
そこには、リデルの家に泊まっている、二人の客人の一人、シャルロットが立っていた。
「こんな時間に、目が覚めちゃったの? しょうがないわね」
リデルはテーブルに、ティーカップをもう一人分用意したが、シャルロットは紅茶には目もくれず、まっすぐにある場所へ向かった。
そして、カーテンの隙間から、何かを開こうと、ギシギシ音を立てている。
「待ちなさい。今、開けてあげるわ」
あとからやってきたリデルは、シャルロットから届かない位置にあった鍵を外すと、彼女が一生懸命、開けようとしていた窓を、開いてあげた。
するとシャルロットは、窓から顔を出して、夜空のずっと向こうを見た。
その視線の先にあったのは、青白い三日月だった。
シャルロットは一言も発する事もなく、ただじっと月を眺め続けていた。
それから、どれだけの時間が過ぎただろうか。
いつしかリデルは、シャルロットの背後から腕を回し、彼女を抱きながら、一緒になって月を見ていた。
「きっと、貴女が見ている光景は、彼女に出会う以前、元の持ち主と過ごしていた時から、変わっていないのでしょうね…
 そして、おそらくは私も、生前に見ていた光景と、きっと、変わっていないのよね…」
リデルは独り言のように呟くと、目をつぶって、腕の中に居る小さな彼女を、ぎゅっと抱き締めた。

 わたしは ここに いるわ
 あなたが よろこんで わらって くれるから
 わたしは ずっと ここに いるわ
これは、残酷な運命なのか。
あるいは、時の妖精の悪戯だったのか。
そんな事は、誰にも分からない。
誰も知らない。

60 :
シャルロットは何より踊るのが大好きだった。
部屋の中に流れる緩やかな三拍子の楽曲。
今日もシャルロットはくるくる舞う。
踊って、見られて、喜んで、褒められて、私はもっと大好きになるの。
フロアで踊り続けるシャルロットに合わせて、彼女のドレスも円を描く。
下にペチコートやドロワーズを着込んだスカートは、細くくびれた腰より何倍も大きなシルエットを形作る。
その大きなスカートを床に擦らないよう、両手で少し持ち上げながら、シャルロットは音楽に合わせてターンをする。
動きは決して激しくはないが、一生懸命真剣に踊っているのが良く分かる。
やがて曲の演奏も終わり、シャルロットはフロアの中央で、スカートを掴んだまま一礼した。
「何度見ても素敵なダンスね。今日も良かったわ」
シャルロットの頭を撫でながら労うのは、ゴシックロリータに身を包んだ少女、リデルだ。
「ありがとう御座います。お姉さま」
リデルとシャルロットは実の姉妹ではない。
それでもシャルロットがリデルをお姉さまと慕うのには、特別な理由があった。
「お礼を言いたいのは私の方よ。さあ、早速ご褒美をあげましょうね」
「はい、お姉さま」
リデルはまず、シャルロットの頭を腕の中へ抱き入れた。
もう一方の手で、ドレスから露出しているシャルロットの背を、ゆっくりしたリズムで何度も優しく撫でた。
段々と心地良くなってきたシャルロットは、頭だけでなく身体も全てリデルに預ける。
リデルはそんな彼女を受け止め、両腕を回して程よい強さで抱き締めた。
「シャルロット。貴女は世界に二つと無い、私の自慢の人形よ」
シャルロットの耳元で、リデルが囁く。
「愛してる」
シャルロットを抱く力が強まり、リデルは頬に口付けた。
リデルの唇はシャルロットから離れる事なく、顔をじっくりと伝っていく。
長い時間を掛けて辿り着いた先は、シャルロットの唇だった。
二つの唇が重なると、シャルロットは小さな手をリデルの背に回した。
今度はシャルロットの口を、何度も角度を変えながらリデルの口で執拗に押さえ付ける。
キスの圧力はシャルロットの顔を自然に上へ向けさせ、背中を後ろに反らせる。
シャルロットが倒れないよう、二人はお互いをより強く抱き締める。

61 :
やがてシャルロットとの口付けを堪能したリデルの唇が、再び移動を始める。
顎から首筋、鎖骨の辺りまでを、やはりシャルロットから離れずになぞる。
それに合わせてシャルロットの身体も、反ったままゆっくりと揺れる。
此処でリデルの右手がシャルロットの背中から離れ、彼女の肩へと置かれた。
そのままドレスの袖を引き摺るように下へと動かすと、シャルロットの身体が更に露出する。
シャルロットの腕がドレスから完全に抜けると、リデルは左右の手を入れ替え、もう片方の袖にも手を掛けた。
リデルの手がドレスと共にズレるにつれ、シャルロットの肩、二の腕、肘と次々に素肌が晒されていく。
ついにシャルロットはドレスの上半分を脱がされた。
スカートの中と違って、シャルロットは上半身に下着をつけていなかった。
リデルの顔の先にあるのは、永久にスタイルの変わらない人形の、完璧なプロポーション。
半裸のシャルロットを、リデルの唇がまた撫で始める。
「…ああ、お姉さま…」
僅かな膨らみの谷間に到達すると、シャルロットは思わずリデルを呼んだ。
何か言いたい訳ではなく、その感覚に耐えられなくて声が出てしまうのだ。
小さな渓谷を抜けたリデルは進路を変え、シャルロットの左の胸を旋回し始めた。
スローペースながらも徐々に円を描くその様子は、さながらゆったりした曲でステップを踏むかのように。
「あ…、ふぁ…、…はあ」
気だるく揺れていたシャルロットの身体は、次第に不規則な反射を示しようになってきた。
シャルロットというキャンバスにリデルは大きな丸を描くと、その隣にもう一つの丸を書き加えていく。
腹の上から腋の下の近くを通り、鎖骨の側へ。
遠回りしながらもリデルの口は、その愛撫によって確実にシャルロットの身体と心を弄んでいた。
「ん…、あぁ、お姉さまぁ…」
二つ目の円が完成する頃には、シャルロットも異常な程に興奮を昂ぶらせていた。
それと同時に、切ない気持ちも破裂してしまいそうな位に膨張していた。
「なあに、シャルロット」
「もっと、もっとして」
「何をして欲しいの? ちゃんと言わないと分からないわよ」
リデルはそう言ったが、本当はシャルロットが何を求めているか、充分知っていた。
彼女の口から直接言わせるため、わざと聞いているのだ。
「…おっぱい…」
シャルロットは仕方無く、酷く恥らいながら両手で小さな胸を寄せて見せる。
「お姉さまにおっぱいを、触って欲しい…わ…」
「ふふふ、良く言えたわね。それじゃあご褒美よ」

62 :
リデルは左右それぞれの手でシャルロットの二つの胸を抑え、ゆっくり動かした。
「あん、あっ、ありがとう御座います、お姉さまぁ」
それまでと比べ物にならない快感が、シャルロットの中を駆け巡った。
胸がリデルに揉まれる度に、シャルロットは甘い声で鳴いた。
「お姉さま、お姉さまぁ」
シャルロットが身をよじっていると、リデルの手は急に離れてしまった。
「…? お姉さま?」
「気持ち良かったかしら?」
「止めないで、お姉さま。もっと、もっと気持ち良くして」
快楽に溺れたシャルロットは、ためらい無くリデルに欲した。
「そんな事、言わなくても分かっているわ。ふふふ…」
リデルが顔を近づけて言うと、もう一度シャルロットと口付けを交わした。
「本当にシャルロットは、可愛くて、愛しいわね」
リデルの手が再びシャルロットに触れる。
シャルロットのドレスと同じように紅くなった、胸の先端部。
「ひゃっ、あはっ、くすぐったいわ、お姉さま」
「くすぐったいだけかしら?」
優しく撫でているだけだったリデルの指が、段々と敏感な部分を強く刺激する。
「んっ、はあっ、お姉…さま、ああっ」
弄られて硬く突き出たそれを、リデルはタイミングを見計らって、不意に強い力を込めて摘んだ。
「ああっんっ!」
その瞬間にシャルロットは身体を仰け反らせた。
リデルに痛い事をされているにも拘らず、今のシャルロットはそれを気持ち良く感じてしまっていた。
肌蹴たシャルロットの身体を、リデルがじっと見つめる。
そしてリデルはいきなり、そこを口に含んだ。
「ひゃあ、お姉さま」
まるで赤ん坊が母親にするように、リデルはシャルロットに吸い付いている。
「あっ、ああんっ、お、姉さまっ、あっん」
唇がぷっくりした根本を、舌が硬くなった先端を、じっくりとなぶる。
残っていたもう一つのそれも、リデルは指で摘んで刺激を与え続けた。
「あんっああっ、すごい、あっんっ、いいっ、はっあんっ、お姉さまっ、あはっ」
シャルロットは快楽に身を委ね、淫らに悶え続けた。
最後にリデルは歯を付き立て、最も敏感になったシャルロットの急所を、甘噛みした。
「っっはっあああぁぁぁんっっ!!」
シャルロットの身体は、今までで一番大きく仰け反った。
「…お姉さま、お姉さま…」
フロアの中央、リデルの膝の上で、ドレスが半分脱げたままのシャルロットが、倒れている。
「…お姉さま、大好きよ…。私はお姉さまが、大好きよ…」
うわ言の様に呟き続けるシャルロットの身体を、リデルはただ黙って何度もさすっていた。

63 :
最初のはいつものオフィ・シャル・リデのオフィが寝てて居ないバージョン。
実はこれ大分前に書き上がっていて、いざ投下しようとしたらその日は、
たまたま規制中だったので、こんな話だしそのままお蔵入りにしてしまったのです。
でも折角書いたんだしという事で、シャルロット祭にかこつけて復活を果たしました。
色々な脳内設定が交錯している話なのですが、あえてネタばらしはしませんw
皆様のお好きな様に解釈して欲しいです。
次からの3レスは、ガチでリデル×シャルロット。
いつもの3人だとどうもリデルに美味しい所が回ってこないので、
その設定とは別にパラレルな新しい設定でカップリングしました。
あとリデルとシャルロットでエロくなるかの実験。
同じ時期にリデルとオフィーリアでエロくなるかも試してみましたが、
まあそれはシャルロット出てこないしいつか機会があれば。
そんなこんなで、クロスオジャマ使って遊んでたら、
いろんなキャラと想いがクロスしてしまったシャルロット祭なのでした。

64 :
この世界とは少し違う、遠い遠い国のお話。
その国では全土に渡って、見渡す限りりんごの木が立ち並び、大きな果実を一年中実らせていた。
そのりんごの国の外れの方、りんごの木も疎らな原っぱで、水玉模様に縞模様、チェック模様のりんごの実が宙を舞っていた。
三個のりんごの実の下には、りんごが降ってくるリズムに合わせ、小気味よく身体を揺らす、まだあどけない女の子の姿があった。
このお手玉は人に見せる大道芸ではなく、単に手持ち無沙汰なので、女の子が暇潰しにしているのだ。
女の子はお手玉しながら、ある人物を待っていた。
その人は、この先をずっと行った、りんごの国の境界線の向こうにある、別の国に住んでいた。
その国では、りんごの木よりもずっと低い木や草が、全土に渡って所狭しと生い茂り、小ぶりで可愛いらしいイチゴを一年中実らせていた。
「おーい」
どこかで、女の子を呼ぶ声がした。
りんごを三つとも受け止めると、すかさず女の子は辺りを見渡した。
しかし、声の主は見当たらない。
「タタンちゃん、こっちだよー」
名前を呼ばれて、女の子…タタンは、声がする方向を見上げた。
「うわあ」
タタンは思わず驚嘆の声を上げた。
それもそのはず、タタンが待っていたイチゴの国の住人は、白馬に跨り空からやって来たのだから。
空飛ぶ白馬は、タタンの周りを旋回するようにゆっくりと降下して、最後にタタンの目の前へ降り立った。
「ふふ、ありがとね」
イチゴの国の住人も、馬の背から降りると、白馬に労いの言葉を掛け、頬にお礼の口付けをした。
「ベリーちゃん、ベリーちゃん」
そこへタタンが目を輝かせながら、イチゴの国のベリーに駆け寄る。
「このお馬さん、お空が飛べるんだね!」
陸続きになっている二つの国を、いつものように歩いて来ると思っていたタタンは、予想外の登場の仕方に興奮が隠せない。
「うん。今日はお天気もいいし、メリーとお散歩するのもいいかなって」
そんなタタンに向かって、ベリーは馬の白い毛並みを撫でながら、事情を説明した。
「あ、メリーって言うのは、このコの名前よ」
「へー、メリーさんていうのかあ。りんご食べるかな?」
さっきまでお手玉していた果実を見つめながら、タタンが言う。
「どうぞ。きっと喜ぶよ」
ベリーに言われるまま、タタンは馬のメリーに、模様の入ったりんごの内の一つを、顔の前へ差し出す。
メリーはりんごを口で受け取るとそのまま頬張り、丸ごと一個をむしゃむしゃと美味しそうに食べた。
「わあ、ホントに食べてる」
タタンが残りのりんごも手渡すと、メリーはそれも次々とあっという間に平らげて見せた。
「もう全部食べちゃった。すごい、すごい」

65 :
「ね、ベリーちゃん?」
タタンが、自分の数倍の巨体を持つ、白馬を見上げながら聞く。
「なあに、タタンちゃん」
「私、メリーさんに乗ってもいいかな?」
「うん、大丈夫だと思うよ。メリー、優しいから」
「わあ、ホント? ありがとう」
今度は、嬉しそうにはしゃぐりんごの国の住人を乗せ、白馬はゆっくりと草むらを歩み始めた。
「わあい、お馬さんパカパカ、走れ走れー」
騎手のタタンはそんな風に言っていたが、メリーはスピードを上げる様な真似はしなかった。
利口で良く訓練されたメリーは、乗馬経験の無さそうな女の子を振り落としてはいけない事を、十分理解していた。
故に、その場でベリーの回りを一周する頃には、タタンは何か物足りなくなってきた。
「タタンちゃん、楽しい?」
「うーん。あ、そうだ」
ここで何かを閃いたタタンは、それを即行動に移した。
「え、何やってるの、タタンちゃん」
タタンがメリーの身体をよじ登りだしたかと思うと、そのまま背中の上に立って見せた。
「どう、すごいでしょ」
しかも、そこから片足を上げて、決して広くも平らでもない馬の背で、タタンは一本足でやじろべえの様に体を揺らしている。
「止めて、危ないよ!」
ベリーの忠告も聞かず、タタンは更なる行動に出た。
「見てて、ベリーちゃん」
次の瞬間、タタンの身体は白馬から離れた。
ベリーを待ちながらお手玉していたりんごの様に、タタンが宙を舞った。
「キャアー」
その光景にベリーは、思わず目を覆った。
「ね、ベリーちゃん」
すぐ近くでタタンの声がして、ベリーが恐る恐る、目を塞いでいた手をどけて見る。
そこには本当にすぐ近く、目と鼻の先にタタンが居た。
「キスして?」
「……えっ?」
突然の言葉。
ベリーにはタタンの言った事が、すぐには理解できなかった。
「ベリーちゃんがメリーさんにしてたみたいに、チューして欲しいな」
そこまで言い切るとタタンは、より一層顔を近づける。
「え、えーと…」
急な展開にベリーが迷っていると、タタンがそのぱっちりした瞳を閉じ、ゆっくりとベリーに接近してくる。
「…んっ…」
タタンとベリーは、お互いの唇を重ねた。
二人の体温も唇の柔らかさも、鼻から漏れる呼吸すら、全てが交わされ相手に伝わる。

66 :
そんな時間が何十秒か続いた。
「…ふあ」
正確な時間はわからない。
お互いが何となしに、顔を離した。
「私のこと、好き?」
口付けのあと、最初にタタンが口を開いた。
「キスしてから聞くのって、なんか、ずるい…」
ベリーはそう言って、顔を背けた。
「じゃあ、嫌いになった?」
小首を傾げながら、もう一度タタンがベリーに尋ねた。
するとベリーは、タタンの目を見つめながら、答えた。
「よくわかんないよ…」
タタンもベリーの目を見つめ返すと、その瞳は潤んでいた。
「…でもね、いつもメリーにしてるのとは、違う感じがしたの」
ベリーの表情は、心なしかイチゴの色に染まっている様だった。
「胸がとってもドキドキして、身体はすごくポカポカしてて」
「ベリーちゃん…」
「これって…。これって、タタンちゃんの事が、嫌いになっちゃったから?」
知らず知らずの内に、哀しい気持ちに支配されていたベリーの瞳から、今にも雫がこぼれ落ちそうになった。
「あはっ。私とおんなじだ」
タタンは普段と変わらぬ、今は温かさすら感じられる満面の微笑みを、涙を浮かべるベリーに向けた。
「私もねえ、お胸がきゅうってなって、頭がぽーっとしちゃった」
笑ってそう話すタタンの肩を、すがるように掴んでベリーが問いただす。
「なんで、急にキスなんかしたの…?」
「そんなの決まってるよ」
タタンは、自分の手もベリーの肩に乗せながら、こう答えた。
「ベリーちゃん、大好きだから。私はベリーちゃんの事、だーい好きだよ」
空を駆ける一頭の白馬。
背にはイチゴの国とりんごの国の、二人の女の子を乗せている。
「しっかり掴まっててね。落ちたら危ないんだから」
前の子がそう言って釘を刺すと、後ろからはこんな声が返ってきた。
「ねえ、このまま私を、どこか遠くへ連れてって」
「ええ? 遠くって、どこ?」
「どこでもいい。ベリーちゃんと二人っきりになれるとこ」
「えーと…、タタンちゃんの言ってる事、よくわからな…」
「それでね、ベリーちゃんは私の、白馬の王子様になって欲しいの…」
そこまで言った所で、背後から回される両腕の力が、ぎゅっとほんの少し強まった。
「私、女の子なんだけどな」
動物に対して芽生えた僅かな嫉妬が、大人への階段の入口だったなどと、この時の二人は知る由もない。
初めてのキスは、甘いの? すっぱいの? それとも…。

67 :
Dormir好きとしてはですね、たとえDormirの新曲がなくてもDormirキャラの話を書くのですよ。
つかDormirって言い過ぎだな。
基本的に食べることと可愛いものが好きなので、可愛くて食べられるものはもっと大好きということになりますね。
でも食べたらなくなっちゃうから可愛がるだけで我慢しておこう。
食うか食われるかなんてやだこわいこわい。

68 :
一時はどうなるかと思った風雲録も無事女の子が出てきて良かった
そこで聞いてみたいんだが
今作の新キャラ絡みのオススメ百合カップルって何かある?
ちなみに自分は片思い&アーティスト繋がりでミントちなつとか考えたけど
それ以外の接点が全く思いつかないな、この2人

69 :
19のミミニャミやばい萌える

70 :
「アネキ、これ見てもいい」
「どうぞ、ご自由に」
オディールと愛子が会話を交わすリビング。
一人がお茶菓子を用意する傍ら、もう一人はソファの上ですっかりくつろぎきって、女性向け雑誌をぺらぺらめくっている。
「はい、お待たせ」
愛子が紅茶とクッキーをテーブルに並べると、オディールは目を輝かせた。
「これ全部食っていいの?」
「食べ過ぎて夕飯に支障が出ない程度ならね」
そう言って愛子が上品に、自分のカップに口をつけると、オディールはクッキーを数枚まとめて掴み、その内の一つを口に放り込んで、ソファでごろ寝しながら雑誌に目を通した。
オディールと愛子は実の姉妹ではない。
当然住む家も違うのだが、こうして愛子に家にオディールが上がり込んで来ることは、日常的に行われていた。
特にこの時期は室内で過ごす日が多くなる。
現に今も窓の外ではシトシトと雨が降り、庭先の花壇を彩るアジサイの花を濡らしている。
「なあなあ、アネキ」
オディールにしては珍しく、静かに雑誌を読んでいたかと思うと、急に愛子の側までやってきて、何かを見せた。
「この服、すっごいキレイ」
それは雑誌の、今月の特集記事のページだった。
「アネキさ、アタシと結婚しようぜ」
そして突然、支離滅裂な発言をかました。
これが普通の人であれば、紅茶を噴出すか、ソファから転げ落ちるか、怒るか呆れるか突っ込みを入れるところであった。
だが、オディールが幼少のみぎりから親しい間柄にあった愛子は、こんなことでは全く動じない。
「折角だけど、オディールには五年早くてよ」
「えー、そんなこと言うなよ。ケチィ」
愛子はすまし顔で紅茶をすすっている。
「この服キレイ。だから、アネキが着れば超キレイ」
つまりオディールの言っていることを意訳すると、雑誌のブライダル特集に載っていた、流行ファッションを取り入れた、最新のドレスを愛子に着てほしいから、自分と結婚してくれ、ということである。
「それとも、アネキはアタシのこと、キライか」
「オディールは私のことが好きなのかしら?」
「当然だろ」
「そう。私もよ。でもね…」
紅茶をテーブルに置いた愛子は、その手でオディールの顔を左右から挟むように押さえると、一気にオディールに迫った。
コツンとおでこが触れると、言い聞かせるように続ける。
「一緒になるって、とっても大変なことよ」
オディールが持っていた雑誌は、手から滑り落ちた。
雑誌が絨毯の上で音を立てて広がると、僅かな振動がテーブルを伝って、カップの中に小さな波紋を作り、すぐに消えた。
「二人で、お互いを支えあうの」
愛子の言葉はまだ続いていた。
「オディールは、私が傷付いたり、苦しかったり、悲しくなったりしたとき、ちゃんと支えてくれるのかしら…?」
その問いに、オディールは考えた。
だがいくら考えても答えは見つからなかった。
しっかり者でいつも凛としていて、小さい頃から何かと自分の世話を焼いてくれた愛子が、そんな風になっている姿を見たことがないし、想像もつかない。
「まだ、早すぎるよ…」

71 :
「……………」
その日の夜、自宅のベッドの中でオディールは今日のことを思い出していた。
間近で真剣な顔をして語る愛子の映像が、鮮明に蘇る。
あんな表情の愛子も、オディールはあまり見たことがなかった。
冗談に決まってんだろ、何言ってんだアネキ。
そんな答えを返せばよかったのだろうか。
でも、嘘にしたくなかった。
純白のドレスに身を包んだ愛子と、彼女の手を引く未来の自分を。
愛子は否定しなかった、ただ早すぎると言っていた。
何が? 歳が? 身長が?
それとも、もっと大人として認められる、何か?
だとしたら、それは何?
地位? お金? 人望?
オディールはひたすら考えた。そして…。
「あー、やめたやめた」
ぐしゃぐしゃと両手で髪を掻きむしるとオディールは、ふてくされて布団の中で寝返りを打った。
どうせ自分の頭では、いくら考えてもわからないと悟ったオディールは、できるだけ何も考えないようにして目を閉じた。
翌朝になると前日の雨は止み、清々しい一日の始まりを迎えた。
どこからか小鳥の囀りが聞こえてくる中、愛子はいつも通り早めに家を出た。
学校へ向かって歩き始めた途端、まるで待ち構えていた様にオディールが飛び出してきた。
「あら、お早う」
「オハヨ、エヘヘー」
愛子が挨拶するとオディールは、やけにニヤニヤしながら応えた。
「珍しいわね、こんなに早起きするなんて。案外、昨夜寝てなかったりして」
「そ、そんなことないぞ。ちゃんと寝たし」
一瞬慌てるような素振りをしたかと思うと、次にオディールは愛子の右腕に寄り添った。
「なあ、それよりも、今日は一緒に行こうぜ」
「行くって、どこに?」
「そんなのさー、ガッコに決まってんじゃんかよー」
愛子の腕に抱き付いて、頬擦りしながらオディールが答える。
「駄目よ、オディール。うちの学校は部外者立ち入り禁止。結構厳しいんだから」
「誰もアネキのガッコに付いていくなんて言ってねえよ。…ふぁあ〜あ」
一度欠伸を挟んで、オディールが続けた。
「途中まででいいからさー。早くしないと遅れちまうだろ」
「まだ時間には余裕があるけど、たまにはこういうのも良いわね」
そう言って愛子はオディールの手を取ると、駅に向かって歩き出した。
この後たまたま空いていた電車の座席で、オディールが愛子に寄り掛かって居眠りしてしまう事になる。
だがそれはまた別のお話。

72 :
ここ何日か、雨の日が続いていたが、この日の雨は特に酷かった。
街中の建物、道路、草木、その他全ての物体に向かって、滝のように止め処なく大量に水が打ち付けられ、まさにバケツをひっくり返したような雨とはこの事だった。
当然の如く、こんな日に外出する者など、誰も居ない。
…ただ一人を除いて。
身体よりも一回り大き目の、赤色のレインコートにすっぽりと身を包み、ゆっくり歩を進める度に、裾から真っ赤な長靴が見え隠れする。
そして、その上から差している傘は、通常よりも骨の本数が多く、丈夫でしっかりとした構造になっていて、やはり赤い色をしていた。
土砂降りの雨は、降るというより叩きつけるといった表現が適している程で、降雨に加えて跳ね返った無数の水滴が霧のように立ち込め、視界は靄が掛かった様に酷く見通しが悪かった。
そんな右も左も分からない情況を、レインコートの人物が土地鑑を頼りに、大雨の街を行く。
するとしばらく行った先に、何もない空き地に何かの影が見えた。
気になったレインコートの人物は、さらに影へ近づいて正体を確認しようとした。
「えっ」
それは驚くべきものだった。
酷い豪雨の中、この場所に佇むもう一人の人物。
それが影の正体だった。
しかもその人物は、この雨を凌ぐレインコートも傘も持っていない。
身に着けているのはタンクトップとスカートの服のみで、両方ともびしょびしょに濡れていて、すっかり水を吸った生地が体に張り付いているのが見て取れた。
雨具もなしにただ突っ立って、どこか遠くを見つめながら、修行僧がするような滝行の如く、落ちてくる大量の水を全身に浴び続けている。
「何してるんですか?」
そんな様子が放っておけずレインコートの人物は、性別やおおよその年齢がすぐに分かる可愛らしい声で、目の前の人影に声を掛けた。
しかし、返事はなかった。
それもそのはず、大雨によってあたり一面が、まるで油の入った鍋でフライをたくさん揚げている様な、非常にうるさい音に包まれていて、彼女の声は届いていなかった。
仕方無く赤いコートの彼女は、一旦息をすうっと吸い込んだ。
そして、それを一遍に吐き出すように、
「そこで何してるんですかー!」
と、ありったけの大声で怒鳴り散らした。
たた、普段そんな機会がなかったのと、かわいい声のせいで、あまり怒鳴っているようには聞こえなかったが。
すると、タンクトップとスカートの人物は、彼女の方に目をやった。
「別にー」
それが答えだった。
こんな荒天の中を特に目的もなく、あたかも日向ぼっこでもするように、そこに居るというのだろうか。
「とにかく!」
豪雨のさなかに薄着の女性をこんな所に放ってはおけない。
「私の家に来て下さい!」
大きな声でそう言うなり、レインコートの人物は、全身ずぶ濡れの彼女の腕を掴み、半ば強引に連れて帰った。

73 :
まるでファッションモデルのような、スレンダーな体躯の女性の肌を、音を立てて大量の水が表面を流れる。
水が目に入らないよう目蓋を閉じて、身体を回しながらそれを全身に浴びると、不意に水音は止んだ。
曇りガラスで出来たバスルームのドアが開き、その場にあったバスタオルで、温かい水滴を身体から拭い去っていく。
外で生温い雨を浴びていた時と違い、シャワーの熱は彼女の肌を、淡いピンク色に染めていた。
全身を一通り拭き終えると、女性は少女が用意した替えではなく、濡れたままの自分の服を取った。
そしてもう一つ、太陽をイメージさせる形の大きな髪飾りを拾って、服と一緒に抱えると静かに目を閉じた。
途端に辺りが、夏の日差しの様な眩い光に包まれた。
彼女がシャワーを浴びている間に、少女が室内着に着替えていると、女性も服を着て戻ってきた。
「私の服、サイズ合わなかったですか?」
外ではレインコートだった少女は、出会った時と全く同じ出で立ちの女性を見て、言った。
自分よりも長身で体形も違う女性に、ピッタリ合う服を用意できないのは当然なのだが、それを気にしている様だった。
「これは、私の身体の一部の様な物なのよ」
青空に浮かぶ雲の様に真っ白なタンクトップに、描かれた一羽の鳥のシルエット。
青、緑、赤の模様がカラフルな大きなスカートには、一輪の花が飾り付けられている。
「でも、濡れた服なんて、…あれ?」
良く見ると女性の服は、まるで干し終わった洗濯物の様にすっかり乾いていた。
「おかげでいい気分になったわ。ありがとう」
少女が疑問に思っている間に、女性はスカートを軽く摘んで一礼する。
「それじゃあね」
そう言って踵を返すと、女性は部屋を出ようとした。
「ええっ! もう行っちゃうんですか?」
少女は驚いたように聞き返す。
なぜなら、今も嵐の様な雨が続いているからだ。
「せっかくシャワー浴びたのに、また濡れちゃう…」
すると女性は立ち止まり、何か考える様に見上げる。
「…それもそうね」
「あ、そうだ、お茶入れますね」
女性を引き止める為に、少女は急ぎ足でキッチンに向かう。
「じゃあ私、もう少しここに居ようかしら」
やがて椅子に座って部屋でくつろぐ女性の前に、少女が淹れた紅茶と、たまたま残っていた手作りのクッキーが並べられた。
「これくらいしかないけど、良ければ…」
大したおもてなしができず、少女が逆に遠慮がちに言うが、女性はそんな事気にも留めなかった。
「素敵なティータイムね。まるでピクニック気分」
細くて長い腕をティーカップに伸ばし、そう言いながら女性は紅茶を口に含んだ。
「ありがとうございます。家の中だけど…」
少女もそう答えると、温かい紅茶を口に運んだ。
そうしてしばらく、二人でティータイムを堪能したが、長く降り続く雨は一向に止む気配を見せなかった。
それは窓から聞こえる雨音が、家に帰ってから全く衰えない事から分かった。
「雨、中々止まないですねえ」
紅茶もクッキーをほとんどなくなり、女性を引き止める理由が失いかけても、天候の回復しない事が少女は気懸かりだった。
「やっぱり、雨はイヤ?」
「え? そんな事ないですよ」
不意に投げかけられた女性の問いをきっかけに、少女は語り始める。

74 :
「こうやって雨の音を聴いているだけで、だんだん優しい気持ちになるし…」
少女は席を離れ、雨が打ち付ける窓に顔を近づけて、話を続ける。
「こんなふうに強い雨の日は、なんだかわくわくしてきちゃって…」
そして少女はその場から、女性が座っている椅子やテーブルがあるを見た。
「だから今日も、雨がすごいけど、外へ出掛けてみたんです。そうしたら…」
「私が居たんだ」
少女の話にそう一言付け加え、女性も席を立って窓際へ向かう。
「今日はどうして、あんな場所に居たんですか?」
二人が向き合って、出会った時と同じ質問を少女がした。
「うーん。この雨は、私そのものだから。って、言えばいいかしら」
「…ええ?」
女性の意図が少女にはあまり理解できず、少し困ってしまう。
それでも彼女の考えに少しでも近づこうと、自分なりに思考を巡らせていた時だった。
「ありがとう。雨を好きでいてくれて」
そう女性に言われた時には、少女の身体は、彼女の華奢な細い腕の中にあった。
スレンダーに見えた彼女の身体は、抱き締められると仄かに柔らかく、それは高級ベッドよりも心地良い感触に包まれる。
「今日はとっても良い気分になったわ。みんな、あなたのおかげ」
微かに香る彼女の匂いは、日だまりの中に干した洗濯物を取り込んだ時の匂いと、芽吹いたばかりの若草の匂いがした。
「…あの…?」
ようやく少女が顔を上げ、女性を見上げる。
ほんのりと紅く色付いた少女の表情は、今何が起きたのか、まだ半分も理解できていない様だった。
「そうだ、お返しをしなくちゃね」
女性は何か思い付くと、少女の頭を二、三度撫でてから、夢見心地の彼女を一人残して、玄関へ向かった。
「…えっ、行っちゃうんですか…?」
少女はなぜか意識がぼーっとしてきて、女性に聞こえるかどうかの小さな声で、そう言うのがやっとだ。
「これは、私からのプレゼント」
私の名前は、ニノン。大きな大きな、春のお天気…。
「ふあ…?」
気が付くとるりは、椅子に腰掛けたまま、テーブルに頭を伏せていた。
傍らには、読み掛けの文庫本と、一人分のティーカップ。
「あ、寝ちゃったんだ、私…」
徐々に頭の中が覚醒していくと、記憶が次々と蘇る。
るりが居眠りする前に読んでいた本は、神や妖精の伝説を元にしたファンタジー小説で、その中には春のお天気をモチーフにした女性も登場した。
「そっか、夢だったんだ」
ニノンが実際に居るのかどうか、るりには良く分からなかったが、今の季節は夏。
春のお天気が出て来る様な気候ではないと思った。
窓の向こうから、小鳥の囀りが聞こえる。
「あれ?」
るりの記憶では、読書中も激しい雨が降っていたはずだ。
「雨、上がったのかな」
るりは、光の流れ込んでくる窓に近づき、そして開いて空を見上げた。
「わあ…!」
その瞬間にるりは驚嘆の声を上げ、表情がみるみる綻んだ。
彼女の見上げた先には、大きな大きな、七色のアーチが架かっていた。
「プレゼント、気に入ってくれたかしら」
広い広い空のどこかで、ニノンはるりを見守っていた。
しかし、あまりにも空が広過ぎて、るりがそれに気が付く事はなかった。

75 :
早いものであけおめからもう六ヶ月が過ぎ、一年も後半に突入した七月の始め。
まだあどけなさの残る少女が、玄関で仕度していた。
「今日も遅いのか?」
「うーん、なるべく早く帰る」
見送りがてら、そんな会話を交わすもう一人の、年上の少女が居た。
上半身こそ和服の出で立ちだが、帯から下はストライプのニーハイソックスに、着物の裾はミニスカ風でレース付きと、まさに和洋折衷入り乱れた格好をしている。
「さらさ、お前、少しやつれたんじゃないか」
「そうかな?」
さらさという名の少女は、このところ多忙を極めていた。
多くの人は年末の師走に忙しくなるように、さらさは毎年この時期が最も忙しい。
「何かあったら大変だ。今日は休め」
「そういう訳にはいかないの、鹿ノ子も知ってるでしょ」
鹿ノ子の気遣いの言葉は、逆にさらさからそうたしなめられた。
身体の心配もあるが、鹿ノ子がこう言うのには、他にも理由があるのだ。
「大丈夫。どんな事があったって、這ってでも帰ってくるからね」
「おい、そっちの方が物騒だろ」
「じゃ、私そろそろ行くね」
「だから待てって」
どうしても引き止めようとする鹿ノ子に、さらさは人差し指を差し出した。
「鹿ノ子」
その指が鹿ノ子の口を塞ぐ様に、サーモンピンクの唇に当てられる。
「私は、ちゃあんと帰って来るよ。だから、ね」
ね、の所でウインクされて、まるで鹿ノ子は魔法にかかったかの様に、それ以上さらさを引き止める事ができなくなってしまった。
「それじゃあ、行ってくる」
「…あ、ああ…」
そうして鹿ノ子は玄関で立ち尽くしていたが、さらさの姿が見えなくなってしばらく経つと、ポツリと呟いた。
「なんか今のさらさ、…可愛かったな…」
さらさの忙しい日々は何日も続き、ついに七日を明日に控えた夜のこと。
「遅い」
日に日に帰りが遅くなるさらさは、今日は陽も暮れて大分経っても帰って来ない。
「遅い、遅い、遅い!」
居間に座って帰りを待っていた鹿ノ子は、とうとう痺れを切らし、目の前の丸いちゃぶ台にドンと手をついて立ち上がる。
「さらさの奴、いつまで何やってんだ。帰って来たらとっちめてやる」
一人しか居ない家の中で、そんな事を言い放った瞬間、鹿ノ子は数日前のやり取りを思い出した。
『どんな事があったって、這ってでも帰ってくるからね』
途端に鹿ノ子の思考を、不安な考えが支配する。
「まさか、さらさに何かあったんじゃ…」
いても立ってもいられなくなった鹿ノ子は、気付けば玄関へ駆け出していた。
「待ってろさらさ、今あたいが迎えに行ってやるからな」

76 :
そして下駄を履きながら、勢い良く玄関の戸を開けた瞬間、
「あ、鹿ノ子。ただいま」
そこには、まさに今帰ったばかりのさらさが居た。
「さらさ! 無事で良かった〜」
大切な人の元気な姿を見て、安心した鹿ノ子は迷わずさらさを抱き締める。
「鹿ノ子…、何かあったの?」
一方のさらさは突然の鹿ノ子の行動に驚いていると、ある事に気付く。
「泣いてるの?」
さらさを抱いた瞬間、鹿ノ子の様々な気持ちが溢れ出して、知らず知らずの内に潤んだ瞳から小さな涙がこぼれていた。
「ち、違うやい! これは、その、ゴミが、目に一寸ゴミが入ったんだい!」
強がっている鹿ノ子を見て、さらさも安堵の表情を浮かべた。
「なんだ。私、てっきり、鹿ノ子が怖い夢でも見たのかと思っちゃった」
「あ、あたいがそんな事で泣いたりするもんか」
鹿ノ子が興奮気味に言うと、さらさが聞き返す。
「じゃあ、何で泣いてたの?」
「それは、その…。ホラ、ナンだ、アレだよ、アレ」
口篭っている鹿ノ子を見て、さらさはクスクス笑いながら、いいこいいこするように彼女の頭を撫でる。
「おお、よしよし。もう私がついてるから、泣かないでね」
「こらあ、子供扱いするなあ! もう…」
ひらりひらりと、宙を舞う一枚の紙。
やがて足元に落ちた黄緑色の短冊を見て、彼女のサラサラ揺れる髪を思い出す。
少女は拾い上げた短冊を、その手から滑らせる様に放つと、ひらりひらりと再び宙を舞った。
彼女の居ない七夕の昼下がり、何度となく短冊の舞い踊る様子を眺めながら、少女の思う事は、ただ一つであった。
「こんな日なんか、無ければ良いのに」
『鹿ノ子は、今年もお願いしないの?』
大分遅くなった晩飯を終えた後、片付けをしながらさらさがそんな事を聞いてきた。
『だって、その方がさらさが楽できるだろ』
建前上はそう答えたが、鹿ノ子にも望みが無い訳ではない。
『えー、お願い一つくらい、あってもなくても変わらないよ』
ただ、叶わない望みなど、願っても虚しいだけだと、少女は知っていたのだ。
『大体、さらさはどうなんだ? お前には願い事とか無いのか』
『あるよ。「みんなのお願いが、叶いますように」って』
さらさの返事を聞いて、鹿ノ子は呆れ果てた。
『はあ? お前馬鹿か。お人好しにも程ってモンがあるだろ』
『鹿ノ子、おばかさんは嫌い?』
『そりゃ馬鹿か利口かと言われたら、利口な方が良いに決まってるじゃないか』
『そうだね。その方が鹿ノ子も一杯フォローしてもらえるし』
『そうそう、分からない事も何でも教えてくれて、って、それじゃまるであたいが馬鹿みたいじゃないか!』
鹿ノ子はそう言って、さらさが片付けをしている隙を見計らって、背後から抱き付いた。
『きゃあ。鹿ノ子、やめて』

77 :
他愛のないやり取り、心置きなくじゃれあう身体、そうして触れ合う心。
いつもと同じ平凡な、それでいて温かな日常は、手の届かない所へと行ってしまった。
彼女は今日一日、帰って来ない。
やがて、夏の強い日差しを浴びせていた太陽は、ずっと向こうの地の裏側へと沈み、代わりに満天の星たちが輝きだす。
無数の星が織り成す光は、美しい天の川となって、夜空に幻想的な世界を映し出す。
そんな美しい星空の天体ショーを、一目も見る事無く、鹿ノ子は布団の中で一人うずくまっていた。
「ふん。何が七夕だよ…」
布団の中で、それは小さな声がする。
「みんな…、あたいの織姫に、みんなして迷惑掛けやがってさ…」
一年に一度の、この素敵な夜を、自分の一番大切な人と一緒に過ごせない事を、少女は一日中恨み続けるのだった。
「みんな大っ嫌いだ! 七夕なんか早く中止になればいいのに…!」
どれだけ時間が経っただろうか。
家の中も外も、真っ暗な夜のままだ。
鹿ノ子は布団の中で、もぞもぞと目を覚ました。
「あれえ。あたい、いつの間にかねむっちまったのか」
頭の中がぼんやりしたまま、とりあえず時刻を確かめようと、布団から這い出た時だ。
まだ十一時前を指す文字盤には、窓の外からの微かな光と共に、人影が映り込んでいた。
「あ。まだ起きてたんだ」
優しい感じの口調で、緑色の髪の少女が、寝室に立っている。
「おい、おまえ、何でこんなとこに居るんだ」
真っ先に鹿ノ子がさらさへ掛けたのは、こんな言葉だった。
七夕の大仕事は一晩中かかり、翌朝まで帰って来られない筈だ。
その事は、いつもさらさの傍らに居る者が、良く理解している。
「…びっくり…した?」
あり得ない、日付が変わる前にさらさが帰ってくるなど、絶対にあり得ない。
そして鹿ノ子の思考は、一つの結論に辿り着く。
「ああ、あたい、夢を見てるのか」
さっき目覚めたとばかり思っていたが、実はまだ夢の中に居るのだと、鹿ノ子は考えた。
それなら今もまだ頭がぼんやりしてスッキリしないのも、合点が行く。
「夜更かしはあんまり良くないよ?」
「じゃあ、さらさはいいのか」
そう言うと同時にさらさの腕を掴み、自分の布団の中へ引き摺り込んだ。
「きゃっ。…どうしたの、鹿ノ子」
夢ならば、せめて夢の中だけでも、自分の願いを叶えておきたい。
「悪く思うな、さらさ」
「…鹿ノ子?」
「あたいには、今こうするしか、ないんだ…」
暗い部屋の中で、鹿ノ子とさらさの瞳が、互いを見つめ合う。
「うん。鹿ノ子のお願い、私が、みんな叶えてあげるね」

78 :
「上手く行った様ね」
うさぎの顔のフードが付いた、この季節にそぐわぬコートを片腕に抱えながら、黒髪の少女が言った。
「二人とも、とっても仲が良さそうだね」
その隣に居るもっと幼い少女は、黄金色に輝くツーテイルに、純白の翼と光の輪の持ち主だ。
「半年違いのサンタ、ただいま参上! なーんてね」
「七夕様のお手伝い、楽しかったよね」
窓の外から様子を伺っていた二人は、そう言って微笑み合った。
「今年のクリスマスが、もっと楽しみになったわ」
「今度も三人で、みんなに幸せ届けようね」
「それもあるけど、その後のお楽しみも…むふふ」
「ふえ? お楽しみ?」
「あー、なんでもない。こっちの話だから」
窓の外に居た二人の気配は、いつしか完全に消えていた。
「鹿ノ子。もう起きないとだめだよ」
翌朝、いつもと変わらない優しい声で、鹿ノ子が目覚めた。
「う…ん」
「お早う、鹿ノ子」
「ん。お早う。もう帰ってたのか」
鹿ノ子が上半身を起こすと、側に居たさらさは普段と同じ笑顔を見せた。
「昨日はね、鹿ノ子のために、私いろいろ頑張って、早く帰って来れたの」
「昨日…?」
半分寝ぼけたままでさらさの話を聞く鹿ノ子は、この次の一言で完全に目が覚めた。
「ゆうべ、とっても良かったよ…」
その刹那、さらさを一夜を共にした夢の出来事が、次々と鹿ノ子の脳裏に蘇る。
「ゆ、ゆうべって、さらさ、昨日帰って来てたのか?」
「そうよ、早く帰って来て、良かったって思った」
「ええっ、昨日は夢見てて、さらさとあたいが、せめて夢の中でって、でもさらさは帰ってて、ええっ!?」
そして大混乱していた鹿ノ子の思考は、とうとう真実に辿り着いてしまった。
「ええぇーーーっっ!!?」
素っ頓狂な叫び声が、家中に響いた。
目を真ん丸くして、顔をこれ以上無い程すっかり紅潮させた鹿ノ子は、慌てて布団を頭から被った。
「あれれ。鹿ノ子、また寝るの?」
「わ、忘れてくれ! ゆうべの事は、そ、その、アレだ、魔が、ちょっと魔が差したんだ! だから忘れてくれ!」
「忘れるなんてできないよ。ほら、こうやって目を閉じただけで、あの夜の様子が浮かんでくるみたいで」
「うわー!? 頼むから、綺麗さっぱり水に流して、全部忘れてくれぇー!!」
この日からしばらく、鹿ノ子はさらさの顔をまともに見られなくなってしまったそうな。

79 :
夏祭りといえば、盆踊りに打ち上げ花火、縁日の屋台というのが定番の三大要素だ。
そしてこの日も大勢の人出で会場は賑わっていた。
そんな中、人々の喧騒に紛れて、おかっぱ頭が特徴的な幼い女の子が一人、会場をひょこひょこと歩いていた。
袖も裾も引き摺りそうな程の、自分の体躯より大きな着物を纏って、その子がある出店の前を通りかかったときだ。
「あらぁ、ややこ様?」
みずら結いの女性が女の子に声を掛けた。
その女性の上半身は肌を多く露出させ、見えている腰周りはくびれながらも、出る所は出て豊満な体付きをしていた。
「なんじゃ、誰かと思えばはに子か」
「ややこ様、今日はお一人ですか?」
「ううむ、この時代は顔見知りもおらんでな」
「良かった、私もお客さんが来なくて暇してたんですよ。ややこ様、一つどうです?」
「御主、こんな所で商いしとるのかえ」
そう言ってややこが店の奥に目を向けると、はに子の背後には、人型をした土器が大量に陳列されている。
「悪いが、この時世にこんな物欲しがる物好きも居るまいて」
「ええー、そうですかぁ?」
はに子はあまり納得行ってない様子だったが、壁一面の埴輪を尻目に、ややこはこの場を離れようとした。
「わたしゃ遠慮しとくよ」
「待って! 騙されたと思って一回遊んでみて下さいよー」
「何を言うとる、そんな飾り気も無い傀儡でおままごとでもするのか」
「そうじゃなくて、こうやって遊ぶんですよ。ほら、ポーンと」
はに子がどこからか掌ほどの輪を取り出すと、それを埴輪の一つに向かって投げ入れた。
「なんと罰当たりな、そんな事して欠けたらどうする」
「そこは心配ありません、これ全部塩ビで出来てるので」
「は、えんび…じゃと?」
ややこが一寸考えてから、続ける。
「まさか“えんかびにいる”の事じゃあるまいな…」
「さっきそう言いましたよ、ややこ様」
「おお、なんと嘆かわしい。時流とは恐ろしい物じゃ」
「現代風埴輪ソフビ人形、名づけて『ハニ消し』ですよ。良いでしょう?」
商品名を言った所で、はに子の表情は花が咲いた様に、ぱあっと明るくなる。
「あ、でも、消しゴムみたいに字を消そうとすると、かえって汚くなるのが唯一の欠点なんです」
「いや、そうではなくて、他にもあるだろうて。色々と」
思わずややこが突っ込みを入れたが、それに構わずはに子のセールストークは続いた。
「輪が入ったら差し上げますよ。どうですか、面白そうでしょう」
「面白いとか言う以前の問題の様に思うが、気の所為かえ」
「あぁ、もしかしてややこ様、輪投げはお嫌いですか?」
はに子がそう言うと、手元からゴソゴソと何かを取り出した。
「じゃーん! 射的もありますよ」
火縄銃の様に銃身の長い鉄砲を、はに子が構えて見せる。
引き金を引くと同時にパンと軽い音が鳴り、コルク弾が見事命中した埴輪のソフビ人形は、棚の裏側へと倒れて消えた。
「おお、生な」
「他にもですね、流鏑馬もあるんですよ」
今度は小さな弓と、先端が吸盤になっている矢を取り出すはに子。
「そう言うても、馬が見当たらぬが」
「ごめんなさい、馬は無いんです。だからややこ様が、向こうから、こう、弓を構えたまま、走って来てですね」
「もう良いわ。何故そんなややこしい事をせねばならんのじゃ」
「流石! ややこ様だけに、上手い!」
「分かった分かった。やれば良いのだな。金は払うから、その輪をよこせ」
「毎度あり。二輪で五十PASELIになります」
「電子マネーかっ」

80 :
「ややこ様は特別だから、もう一輪お付けしますよ」
良心的なサービスもあって、ややこの手元には輪が三つ。
「最初が肝心ですからね」
「五月蝿い、黙っておらぬか」
着物の片袖を肩までまくり、小さな身体を必に乗り出して、目の前の埴輪を狙う。
ややこが狙い済ました一投は、目標の数寸上の頭上を越えていった。
「わあ、惜しい。あともう少しでしたね」
一瞬不満そうな顔をして、ややこは二投目の体勢に入る。
「いいですか、さっき強過ぎたから、ちょっとだけ弱めれば良いんです」
「その様な事、御主に言われる迄も無いわ」
投げ輪の直径と同じ位しかない、ややこの可愛らしい手が、もう一度輪を放つ。
埴輪に向かって飛んで行く輪は途中で失速し、関係無い埴輪をかすめながら下へ落ちた。
「くっ…」
「本当にもうちょっとじゃないですか。ややこ様は筋が良いですね」
明らかに悔しそうな表情を浮かべるややこの手元に、残った最後の一輪。
「力加減は一回目と二回目のちょうど中間で、もう獲ったも同然です」
「…ええい、黙れ」
はに子は口をつぐみ、ややこが一言も発せず獲物を狙う。
出店が静寂に包まれると、今までの失敗から導いた最適な角度と速さで、輪が宙を舞った。
その輪は埴輪の丸い頭に引っ掛かり、こめかみの周りを踊りながら輪が一周すると、そのまますっぽ抜けていった。
「おぉうぁわ!?」
ややこは思わず、自分でも良く分からない変な声を上げた。
「非常に惜しい〜! ほとんどゲットに近いですね」
「………」
うつむいたまま震えるややこに、はに子は優しく語り掛ける。
「泣かないで下さい、ややこ様。特別にもう一回やらせてあげますから」
「ベ、別に泣いてなんかおらぬわ。良いから早く輪をよこさぬか」
「追加は一輪二十PASELIになります」
「だからパセリだかセロリだかの話はもう良いわ!」
かくしてややこの手元には、本日四本目の投げ輪が。
「さっきと同じ強さですよ、ややこ様」
「もう御主は黙っておれ。全くごちゃごちゃと五月蝿い娘じゃ」
ややこは確認するように二、三度投げるそぶりをしてから、音もなく輪を飛ばした。
輪の内側が埴輪の顔の上にぶつかり、くるくると身体を周りながら、輪は次第に勢いを弱めていった。
「おめでとうございます、ややこ様ぁ!」
輪が入った埴輪人形を、はに子はややこに手渡した。
「…ふん、この様な子供騙し、本気を出せば容易い」
「ややこ様、特別にこの埴輪のもう一つの使い方を教えますよ」
「ほほう。何だそれは」
「こう、下の方を持って、頭の方を、こう、宛がうんです」
「おい、御主、何をして…」
「結構良いんですよ、これ…。この手の所が、先っぽに当たって…」
「その様な、はしたない真似が、出来るかっ」
「あれ、ややこ様、もう大分ご無沙汰ですよね?」
「…それは…そうじゃが…」
「でもまあ、いらないなら無理にとは言いません。返してもらいますね」
「ま、待て。これは私が獲ったのじゃ、私の物じゃ」
「ですよねぇ。あっそうだ、沢山あるんで、もう一つ持ってってください」
「しかし、こんな物二つもあってもな…」
「ほら、二つあれば、もっと色んな使い方が出来るじゃないですか。例えば、後ろとか…」
「良い加減にせぬか、この破廉恥埴輪女め!」

81 :
なっつっでっすーということで夏っぽいネタを幕の内弁当的に詰め込んでみました。
>>68
桔梗と桃香も接点が思いつかないよ。
>>69
なにぃ、そんなにいいのか。
それは実物を見てくるしかないな。
ちょっとロケテ行ってくる。

82 :
ロケテでまた新しい女子がポップン学園に来るみたい
ネタバレ禁止だったらごめん

83 :
しかもまさかの生き物係り3人目とかw
これは三角関係百合フラグですね、わかります

84 :
ポエット「それでね、昨日やっとパーキッツ検定がAになったんだ」
ハニー「ヘェ、そんなのあるんだ。私もやってみようかしら」
ムラサキ「愉しそうじゃないか、私も付き合うよ」

【第1問】
次の文字列を正しく組み合わせて
ポップンミュージックに収録されている
楽曲のジャンル名にしなさい。
1.チルドレン
2.ちびっこ
3.テクノ
4.キッズ
A.アイドル
B.ちゃいるど
C.ポップ
D.マーチ

ハニー「…実技じゃなくて…筆記…だと…!?」
ムラサキ「ロ-ロ+ キラーン」
アロエ「! あ、わかったぁ」

ハニーさん?かわいい女の子ですよね?
17の隠し条件で姉ちゃんキャラにされてたし(逃

85 :
キコロもかわいい女の子ですよね

---
「ふあ…?」
森林の中に差し込む木漏れ日が、一株の切り株に注ぐ。
朝日を浴びて目覚めた切り株は、土の中からその姿を現す。
たちまち切り株は、その根を頭に冠した、人間の子供の様な姿となった。
「う、うーん」
もう一度光を浴びて伸びをすると、寝ぼけていた頭の中も、意識がはっきりしてくる。
この小さき精霊は、名前をキコロと言う。
まだ見習いであったが、この森を鎮守する役目を、キコロは担っていた。
「さてと」
側の樹肌に立て掛けた、キコロよりも頭二つ分程長い杖を手に取ると、日課の見回りへと出掛けて行った。
獣道の様な雑木林を暫く行くとキコロは、自分よりも背が低く可愛らしい女の子と出会った。
「おはよ」
「あ、おはようございます」
キコロの挨拶に、女の子は丁寧に応える。
「今日は一人?」
「ううん、みんないるよ」
そう言って女の子が、側に根付いた太い木に向かっておいでおいでのジェスチャーをした。
すると、木陰から同じくらいの背の子が二人、姿を現した。
「二人共、おはよ」
「お、おはよう…」
「おはよー」
二人とも挨拶を交わしたキコロは、全員揃った彼女達を改めて眺める。
「うん、やっぱりふきちゃん達は三人揃ってないと」
それを聞いた女の子の内の一人が、こう切り出した。
「あ、あの、わたしたち、ちゃんとなまえが、あるの…」
いつも三人一緒に行動する事が多い彼女らは、森の仲間達からは『ふき』と呼ばれ親しまれている。
『ふき』とは、言わば種族名の様なもので、それとは別に、一人ひとり別々の個人名を持っていた。
「うん、知ってるよ」
「おぼえていてくれたんですね」
「じゃー、そっちのなまえでもよんでくれたら、うれしーなー」
ふきにせがまれて、キコロは彼女達の名前を順に呼んだ。
「月ちゃん、光ちゃん、花ちゃん、だね」
「えー、ぜんぜんちがうよー」
誤りを指摘されて、キコロは慌てて訂正する。
「あれ、ごめんごめん。えっと…、光ちゃんと未来ちゃんと空ちゃん、だっけ…」
「…やっぱり、おぼえてないんだ…」
悲しそうな顔をする女の子を見て、キコロは更に焦った。
「ええっ、そ、そんな事ないよ? うーんと、えーと…、光ちゃん、海ちゃん、風ちゃん、だったかな…」
「ふきでかまわないから、きにしないでください」
「あ…、べ、別に分かんないんじゃなくて、ちょっとド忘れして…。は、ははは…」
最早キコロは、苦笑いするしかなかった。

86 :
「はぁ〜あぁ…」
キコロはうなだれたまま、大きく溜め息を吐いた。
お天道様が真上に差し掛かっても薄暗い、森の一角でキコロは倒木に腰を掛け、がっくり肩を落としていた。
「あら、キコロじゃない?」
たまたま側を通り掛かった白いワンピースの女性が、キコロに声を掛けた。
「…ああ、シルビアさん。こんにちは…」
「ええ、こんにちは。元気無いみたいだけど、何かあったの?」
「うん。実はね…」
キコロはシルビアに、ふきとの今朝のやり取りを話した。
「そう。あの子達の事は、皆ふきって呼ぶから、三人の名前までは中々覚えられないわよね」
横に座ったシルビアはそう言って、慰める様にキコロの背中をさすった。
「なのに、適当な事言っちゃって。今頃三人共、きっと怒ってるだろうなあ」
「まあ、ふきちゃん達は優しいから、それ位では怒ってない思うけど…」
シルビアは言いながら身を寄せて、倒木の上でキコロとピッタリとくっついた。
「え、シルビアさん?」
「ねえ、キコロ。三人の名前を間違い無く覚える方法、教えて欲しい?」
その言葉にキコロは目を丸くする。
「そ、そんなのあるの?」
「ええ、あるわよ」
「だったら、教えて。名前を間違えられて、あんな顔するふきちゃん達は、もう見たくないよ」
「わかった」
言葉の後、シルビアはキコロの瞳をじっと見つめた。
そして、ゆっくりとキコロの肩に手を掛けると、優しく自分の方へ引き寄せた。
(っっ…ッ!?)
次の瞬間にはキコロの唇が、シルビアのそれに吸い寄せられる様に、触れていた。
暫くそのまま静寂な時間が流れたが、それも長くは続かない。
(ん、んん〜!!)
キコロの口内に、自分の物では無い何かが侵入してきた。
シルビアの身体の一部が、キコロの舌を絡み付く様に弄る。
二人分の唾液が混ざり合って、口の中でピチャピチャと艶かしい音を立てた。
「ふあ…」
シルビアは今度も優しくキコロの身体を押して、二人が離れた。
「…シルビア、…何を…?」
とろんとした表情のキコロは、それだけを聞くのが精一杯だ。

87 :
「最初の子は雪ちゃん。雪は暖められると、溶け出すの。今のキコロみたいに」
「え?」
頭の中がぼーっとしたままのキコロは、まだ何が起こっているのか良く分からない内に、木の上に寝かされた。
キコロの視界には、覆い被さるシルビアと、たくさんの木の葉と、その隙間から僅かに見える眩しい輝き。
「二人目は空ちゃん。こうすると、身体が空を向くでしょう」
シルビアは話し掛けながら、マッサージする様にキコロの胸部を服の上から揉んだ。
「わぁ…、そんなの、…うひゃっ、なんか、あっ…、ヘンだよ…」
二つの手が身体を往復する度に、キコロは思わず声を漏らした。
マッサージが済むと今度は、シルビアの細い指が、キコロの服の上をなぞる。
「ほら。ここも、つんと空を向いているわ」
その部分を探り当てたシルビアの指が、二つの突起を摘んだ。
「いっきゃぁあぁっ!」
間髪居れずにキコロが大きな反応を示した。
「シルビアさん…、さっきから、何してるの?」
キコロが首を起こして彼女を見ると、シルビアの視線は胸から更に下の方へと注がれている。
「最後は月ちゃんね」
そう言うが先か、シルビアは何の躊躇いも無くキコロの服を捲った。
「わっ、シルビアさん!?」
服の下には、身体を覆う物は無く、ただ彼女の素肌があった。
「キコロのここ、三日月よりも細いわ」
そこへシルビアの指が、キコロの身体に掛かる。
「でも、月は毎日、姿を変えていくの」
白い指が、彼女の割れ目を左右に広げた。
「じーって、見ちゃ、いやあ」
「うふふ。ピンクの満月、可愛い」
「そこは汚いよ、恥ずかしい」
「そんな事無いわ。とっても綺麗よ」
シルビアはそう言うと、キコロの下腹部に顔を近づけていく。
「そ、そんな…、そんなの、だめ、だよぉ…。…やあ、はっ…、あぁ、んっ…」
「ふきちゃん、おはよ」
「おはようございます」
「お、おはよう…」
「おはよー」
翌朝、いつも通り森の見回りをしていると、キコロは再びふきと会った。
「あのね、今日は昨日みたいには行かないよ」
「え、それって…」
キコロが胸を張ると、何かを思い出しながら、ふき達を一人ずつ指して言った。
「あなたが雪ちゃん。で、あなたは、空ちゃん。残ったあなたは、月ちゃん、だよね」
「わー、すごい、すごーい」
「でもキコロさん、おかおがまっかみたい。どうしたんですか」
「ええっ? これは、その、いろいろあって…。は、ははは…」

88 :

まだせんごくがはじまって間もない頃に考えたシルビア×キコロ話は、エロエロ過ぎたため未完成に終わりました。
今回はそれのリベンジです。
これ書いてみてシルビアが思ったより積極的だなあと思いましたが、最初に考えてたエロエロ小説の影響かもしれません。
本当にありがとうございました。

89 :
ミミ「みなさんこんにちは。ぶっちゃけ突撃大作戦!取材レポーターのミミです」
ニャミ「同じくレポーターのニャミです。今日私たちは、御利益があると評判のポプの宮神社に来ています」
ミミ「では早速、神主さんの娘さんで、この神社の看板娘の可愛い巫女さんに、なぜこんなに御利益があるのか訊いてみたいと思います!」
ニャミ「恐縮です、一言御願いします!」
みここ「はーい。どなたですか?」
さらさ「毎度どうもー。今月のお願い取りに来ましたー」
ミミ・ニャミ((えっ!?))
みここ「いつもご苦労様です。これが今月のと、あと、この苺大福よかったらどうぞ」
さらさ「わあ、ありがとうございます!」
みここ「どういたしまして。…ところで、さっきからそこに居るお二人は、何かご用ですか?」
ミミ「い、いえ、用はたった今無くなりました」
ニャミ「ど、どうもお邪魔しました」
……………
ミミ「というわけで、私たちの体当たりの取材によって、御利益の秘密を暴く事に、見事成功したのです」
ニャミ「そして丁度都合良くここでお時間となりました」
ミミ「また次回お会いいたしましょう。さようなら!」
ニャミ「ま、次が本当にあればね」
ポップン18は いろは2<ツー だったと思う

90 :
ポップンのとある科学枠はスミレが担当か・・・
これは元ネタ的にも百合スレ的にもレベル4の女の子がもう1人が必要ですね

91 :
「硝子、誕生日おめでとう!」
「…ありがと」
「あれ…嬉しくない?」
「本当にこれだけ?」
「これだけって?他に何か期待してるとでも言うの?」
「素肌にリボン巻き付けて『私自身がプレゼントでっす!』ってのは無いのかしら…」
「ば、ばっか!?何でそうなるのよ!せっかく色々悩んで選んだのに…」
「ごめん、悪かったわ」
「はぁ、冗談も大概にしてよね」
「だからせめてキスで我慢してあげるわ」
「ちょ!?だから、そうじゃなくってぇ…え?」
悪い冗談を連発して、と呆れかえるちなつだったが、硝子は本当に目を閉じ、唇を僅かに突き出した顔を
ちなつに向けたまま微動だにしなくなっていた。
それを見て、しばし困惑するちなつであったが、決意を決めたのか躊躇いがちに顔を近付けていく。
僅かなのち、月に照らされて出来ていた影は2つから1つに繋がっていた。

92 :
誕生日に遅れ、なんとか本年中に間に合わせました。
19が出て、まりんは2人に絡めそうかな?と思いきや、あゆむという相手がすでにいる模様。
やはり硝ちなで突き進めという啓示wだったようです。
それではスレ民の方々、良いお年を。

93 :
しょこたんシニカルというより変態w
そのままちなつをアブノな世界へ引きずりこんでしまうのかそうなのか。
ドキドキ…。
件の誕生日設定はいいね、全員分用意されるかどうかはわからないけど。
自分的には元旦生まれのみここが、毎年本業(神社への初詣)で忙しくて誕生日パーティーどころではなく、
おせちがバースデーケーキの替わりで、どこかでちゃんと祝ってほしいという気持ちもありつつ、
でもしょうがない、明日も頑張ろうと床に就こうとすると、
とある魔法学校から同じような境遇の女の子がやってきって、ほうきに乗ってナイショの夜のパーティーへ…
というような話を12月30日の寝る前に思い付いたのですが、どうしたら間に合いますか?
_no

94 :
やばいチューンストリート最高だわ
ミス・パラレルワールドがあの双子担当で
俺たちの勝利だーイヤッホォゥガタッとかやってたら
こっそりカテゴリイラストにも居て俺歓喜
しかもレアカードのはんなりお正月にはラテロテが来ててたまらんわ
どっちもあの至近距離で見つめ合ってる双子を眺めてると
あまりに微笑ましくてもうそのままくっついちゃえよって思う

95 :
>まりんちゃんは、実はあるポップンキャラと同じ学校のブラスバンド部なのです。
これって、スカートが同じっぽいし、あゆむのことでいいのかな?
歌の内容、まりんのあゆむへの気持ちだとこじつけて聴くと、これは…なかなか…

96 :
鈍感なあゆむに一生懸命アピールするまりんって感じだな
なかなかイイネ

97 :
WINアニメで一緒に出てくるだけじゃなく
二人ともカード化されてるし
この間公開された壁紙にもまりんとあゆむが居るし
もしかして19にあゆむの新曲でもあるのかと
思うくらいの優遇…いやラブラブっぷりだぜ

98 :
>>90
そういえばポップンにも瞬間移動?能力使うやつがいたな
リデル「愛しいお姉様の為でしたら、例え火の中、水の中…ですの!」
スミレ「だからってそんなにくっついてこないでよ…/// 気持ちは嬉しいけど…ゴニョゴニョ」

99 :
チューンストリートがマジ花園なのもいいが、
ひそかにレベル変更されてまた選曲画面でせんごくリエさなが隣り合ってるのも見逃せない。
二人っきりで旅行した上に帰ってきてからもベタベタしやがって、
このおのろけカップルめー。
そんなことしなくてもお前らが仲良しなのは皆知ってるっつーの。
いいぞもっとやれ。

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