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2013年01月エロパロ265: 【セレナ】カルドセプト総合Book6【ミュリン】 (539)
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【セレナ】カルドセプト総合Book6【ミュリン】
- 1 :2012/10/10 〜 最終レス :2013/01/05
- ここはカルドラ宇宙のあらゆる世界における女性キャラやら
女性型クリーチャーやら何やらに強打するスレです。
人の嗜好はさまざま。むやみに刺激せずピースをかけましょう。
とは言え誰もがウィザードアイを持つわけではないので、特殊嗜好含む小説は断り書きがあると親切かも。
他人の話が聞けない、バーブルじみた人はホーリーワードで華麗にスルー。反応するあなたもゴリガンです。
過去スレと関連スレは>2以降に。
- 2 :
- 過去スレ
1冊目: カルドセプトのルシエン嬢でハァハァ
ttp://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1024/10241/1024142278.html
2冊目: カルドセプトでルシエン嬢を中心にハァハァ
ttp://idol.bbspink.com/eroparo/kako/1059/10591/1059190153.html
3冊目:カルドセプトでルシエン嬢を中心にハァハァ Book3
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1094218479/
4冊目:【ルシエン】カルドセプト総合Book4【ミランダ】
ttp://yomi.bbspink.com/eroparo/kako/1152/11528/1152882678.html
5冊目:【ルシエン】カルドセプト総合Book5【ナジャラン】
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1231078940/
関連リンク
カルドセプトスレ関連作品置き場
ttp://www.geocities.co.jp/Playtown-Part/6103/crd/
- 3 :
- >>1乙カーネーション
- 4 :
- >>1乙ですー
新スレ立ててくれてありがとう!
はやく前スレで宣言した分(セレナ×サキュバス×???)書きあげなくては・・・
- 5 :
- >>4
おお、楽しみに待ってます(前スレで窘められたので、流石に服はきてますが)
- 6 :
- >>1乙ー
最近人が増えてきて嬉しい
職人様もお待ちしておりますぞ!
- 7 :
- >>1乙
新スレしばらくは新作ラッシュの予感
前スレで宣言が出てる分だけでも3つ
だが>>4よ、無理せず体の方も大事にな
- 8 :
- 攻略wikiにて知ったのだが、ミュリンのセリフの一つに
「(パートナー名)・・・な、なに私の胸元見つめてるのよ・・・ばか・・・」 同盟戦1位時
てなのが有った。何とも妄想を掻き立てられるセリフだw股ぐらがいきり立つ
- 9 :
- 前スレで、協力戦のセレナは若干ヤンデレっぽいっと言われてたけど、
自分的には珍しく嫉妬してるセレナが新鮮で可愛かった。あれぐらいストレートに感情ぶつけてくるならまだ健全。
てか、
ロリ枠のリエッタに男主が懐かれまくってもスルーでむしろリエッタを庇い、
男主がナジャランとコンビ組んですごく仲良くしてる時も妬かず(それどころかナジャと友達になってる)、
ガチヤンデレな闇ルシエンに男主狙われてる時も、何故か闇ルシエン様可哀想っつってそっちの味方につき、
表ルシエンに正面切って告白妨害&不吉な予言されたのに、その後も特に敵視せず賢者として尊敬したまま、
そんな彼女が何故、協力戦で他のセプターと組んだだけであそこまで取り乱したのかがよくわからん
しかも、男二人でやってても「私というものがありながら〜」なセリフ言われたので、なおさらセレナの沸点がよくわからん。
- 10 :
- >>8
そのセリフ、ミュリンさんを実力で振り向かせることが出来る可能性を示してくれたという事だな・・・!
まさか公式台詞にミュリンがガミジンと以外にもフラグが立つ事を想起させる爆弾がしこまれていたとは、奥が深いぜ
- 11 :
- だがちょっと待って欲しい
ミュリンさんの谷間に目を奪われない男が果たしてこの世にいようか
むしろ下心がないからこそミュリンさんは奴に惚れ込んでいるのではないだろうか
- 12 :
- 俺は別にいいや
むしろ対戦モードでミュリンをガミジンと組ませてそれを言わせたい
そんで腹立ち紛れに自分のパートナーのライバーンをグーで殴りたい
- 13 :
- ガバホーーーッ
- 14 :
- >>9
リエッタ=身元不明の謎の女の子
ナジャラン=フォーリナー(いつかは帰る)
闇ルシエン=セレナ自身城から出して貰えなかったので思うところがある
という事のほうが、嫉妬より上回っていたのかもしれん
表ルシエン様の告白妨害はさておき。
- 15 :
- ミュリンもセレナもケルピーレベル5に吸われると
「きゃああああああ!」
と悲鳴を上げる
ピケットには幼なじみの女の子がいる
- 16 :
- >>9
ストーリーやレベルアップステージの時は常にセレナ達と旅してる状態だが、
協力戦の時はパートナーと二人旅で、セレナ達はずっと置いてけぼり。
女の子はほっぽって置かれるのが一番寂しくつらいらしい
- 17 :
- >>9
男主のパートナーとしてふさわしいのは私という絶対の自信があるゆえに他の女子セプターにはあまり焦らないが
そのポジションを脅かす協力戦パートナーには嫉妬する。それが例え男でも。
ライバーンが初恋は16のときと発言するとWikiで見たが意外と遅いな
- 18 :
- >>16
つまりルシエン様は放置された寂しさから再び闇堕ちしたと
よし、俺がちょっと添い寝してあげよう
- 19 :
- あの格好で胸見るなとか、ミュリンはSかMどちらだ
- 20 :
- 同盟者にバインドかけてくるからドS
- 21 :
- >>8
セレナが羨ましそうに(あるいは恨めしそうに)じっと見つめてる場面しか想像できないんですが
- 22 :
- >>20
バルベリトがやらかすのは知ってたが
おまかせブックだとミュリンちゃんも使うのか
つまり、バルベリトに仕込まれたプレイング、と考えられる訳だ
教団のセプター達の師匠みたいな御方だもんな、何ら問題はない、健全健全
- 23 :
- バルベリト「不利な呪いがかかってしまったぞ!さぁバインドだ!それしかない!かけてくれ!ほら早く!」
- 24 :
- >>19
ドSでありドMでもあると思う
普段はドSのクセに、惚れた相手だとドM(カタストロフィ向けられても受け入れちゃうぐらいに)
- 25 :
- 【レス抽出】
対象スレ:【ルシエン】カルドセプト総合Book5【ナジャラン】
キーワード:ミュリン
期間指定:2009/01/04 〜 2012/06/28(※3DS版発売日)
抽出レス数:0(440レス中)
【レス抽出】
対象スレ:【ルシエン】カルドセプト総合Book5【ナジャラン】
キーワード:ミュリン
期間指定:2012/06/28 〜 2012/10/12
抽出レス数:119(560レス中)
やっぱりキャラクターイラストというのはとても大事なんだなぁと思いました
- 26 :
- 最初の頃のスレから抽出しないとなんとも
- 27 :
- ミュリンの胸とかけて
手札がいっぱいの時にレオナイトを引いたレオと解きます
そのこころは
どちらもノゾきたくなるでしょう
- 28 :
- そういや昔、カルドのカード妄想スレが有ったが、ここのレベルの高い紳士達なら
(エロい意味で)実用的な(もしくはネタな)カードを編み出してくれそうだw
- 29 :
- でも、たぶん最初の頃含めても、ミュリンさんは誰からもほぼノーマークだったと思うよ
色気はないが妙な可愛げがあった旧セレナや元から人気があったルシエン様はともかく、
ミュリンやカルドラ様に萌える日が来ると予想できた人はいまい。いたらルシエン様並の賢者。
- 30 :
- >>29
エロネタ出なかったけど、名前は出てた記憶はあるよ
好きな人はエロ抜きで好きってキャラ
- 31 :
- >>29
ミュリンさんはあんま話題になってなくて、居ても「あのThe 女幹部みたいなのがどうなるんだろ」って感じだったけど
カルドラ様は3DS発表のときから「セレナがこれってことはカルドラ様も・・・(ゴクリ」みたいなの、ちらほら見たぞw
- 32 :
- ダゴン「サアサア、すつてすつてすいつくしてry」
海女役が誰なのか、及びダゴン様がカード版かかねこ版かは各自の判断に委ねる
…まで書いてからイクストルxアプサラスがはまり役だと気づいた
アプサラスさんのカード絵非常にけしからん
- 33 :
- アプサラスさん、無効化モードだとイクストル相手だと基本的にどうしようもないからなぁw
- 34 :
- 化け物になす統べなく蹂躙される水の妖精……
カードイラストに触手を足せば悶えてるアプサラスもイメージしやすいな
- 35 :
- 前スレ639です。
ようやくセレナの夢調教(男主×セレナ×サキュバス×???)完成致しましたので、投下致します。
どうか至らぬ点はご容赦を。あと、かなりハードというか鬼畜というか、な内容なので
凌辱とか調教とかに拒絶反応がある方はスルーして下さいませ。
また、結構長いので、途中で規制されて止まっちゃうかもしれませんが、そしたらまた規制外れた次の日にでも投下します。
では。
- 36 :
- 「・・・ごめんなさい。あなたのことは大好きよ。でも、やっぱりその、それはまだ・・・怖いの。もっとお互い心の準備が出来てからじゃダメ、かな・・・?」
宿屋のベッドの中、下着姿の少女は恥ずかしそうな、それ以上に申し訳なさそうな、何とも微妙な表情で青年にそう告げた。
「・・・わかった。セレナが嫌ならもちろん自分も無理は言わない。セレナが怖くなくなるまで待つよ」
青年は優しく笑って体を起こす。脱ぎ掛けた服を着なおし、「ごめんなさい」と謝る少女の髪を軽く撫でて安心させる。
軽くキスを交わした後、青年は静かに部屋を出た。
「ウアアアアアアアアアアアァーッ!なんであのまま押し倒しちまわないんだオレわあああああああああぁっー!!」
満月の下、ワーウルフの遠吠えよりも切ない絶叫が響き渡った。
二人が泊まっている宿から少し離れた荒野で、青年は陸揚げされたメガロドンのようにバタバタとのたうち回っている。
一見すると恋人に拒絶されて泣く間抜けにしか見えないこの青年、実は世界を救った英雄であり、世界最強のセプター(カード使い)である。
次の神を決める最終決戦を制した彼は、神となる事を拒み仲間たちと世界を巡る旅に出た。
新世界の神となってこの世界を離れるには仲間たちとの別れがつらすぎた。
もっと具体的に言えば、今は恋仲となった16歳の少女、マルセスブルグ王女セレナが愛おしすぎたのだ。
彼女の為だけに神の座を蹴ったといってもいい。それなのに。
- 37 :
- 「チャンスは今だ。いや、今しかないんだ。あと数カ月もしたらレオもゴリガンも戻ってくる」
旅を始めて数カ月、彼とセレナは相愛でありながら、一線を越えるどころか二人きりになる機会自体がほとんどなかった。
強力な二名の妨害者に常に監視されていたからである。
すぐにでも彼を神の座につけたい神の御使い、人頭杖ゴリガン。
何故かセレナから自分を守ろうとする困った親友、剣士レオ。
彼らが今も旅に同行していたら、セレナとの距離はさらに縮まらなかっただろう。
奇跡が起きたのは一カ月前。
妹が重い病にかかったレオが一時離脱を余儀なくされ、後を託されたゴリガンも錬金術師モロックに研究対象として突如連れ去られるという、素晴らしいアクシデントが重なったのだ
(現在、ゴリガンを助けに行くというのが一応旅の目的であるが、青年に助ける気はほとんどない)。
邪魔者が消えた後の展開は早かった。
セレナは秘め続けた想いを告白し、青年も心の中で狂喜乱舞しつつ、それを受け入れた。晴れて二人は恋仲となり、将来の事について語りあうまでに距離は縮まった。
しかし、トントン拍子で進んだのはそこまでだった。
王城から一歩も出ることを許されなかった程の箱入り娘であるセレナは、当然男女の行為について知識も経験もなく、口づけ以上の行為に怯えてしまう。
レオとゴリガンが戻るまでおそらく数カ月。
この奇跡の期間を活かせなければ、おそらく二人の距離は永遠にこのままだろう。何度も水を向けては断られ続ける青年の焦りは募るばかりであった。
「いっそ強引にコトに及んでしまえば良い」という考えは何度も青年の脳裏をよぎったが、その度に最終決戦時、天空の祭壇でセレナに言われた言葉が蘇る。
「あなたはセプターとしてだけじゃなく、私の知ってる中で最高の人よっ」
「お願い!私の知ってる強く優しいあなたのまま、神様になって。きっとだよ!」
青年は知っていた。
自分はセプターとして優れているかもしれないが、セレナに最高と呼ばれる程の人間でもなければ、強くも優しくもないという事を。
しかしだからこそ、彼女の幻想を裏切りたくなかった。
本来の運命ならば、青年は世界を滅ぼすおぞましい神となるはずだった。
今の自分はほんの少し運命を変えられただけで、その凶悪な素質を備えているのは間違いない。
- 38 :
- もし、これまでの道中セレナという枷がなければ、
不公平な交換レートで不要なカードばかりよこす商人に激怒し全カードを強奪していたかもしれないし、
味方に妨害行為をしているとしか思えないラビド族の少年やファード族の戦士に対して意を覚え、種族ごと絶滅させていた可能性さえある。
突き上げるような衝動をひたすら抑えてきたのは、偏にセレナの為。
だからどんなに彼女と契りたくとも、青年にできるのは彼女が受け入れてくれるようになる日を待つことだけであった。少なくとも青年の理性はそう割り切っていた。
だが、本音を言えば。
セレナともっと濃密な時間を過ごしたい。
有無を言わさず押し倒したい。
滅茶苦茶にしてやりたいとさえ思う欲望で胸が一杯だった。だがそんな事をすれば最後、これまで築きあげてきた何もかもが全て終わってしまう。
セレナにとって最高の人のままでいたい。しかし、このままこんなキスだけのママゴトのような関係で終わるのは嫌だ。
いつまでこの世界に人として居られるかも分からないというのに。
「グググ・・・、こうなったらもうカルドラ様を倒して究極絶対神になるしか・・・!!」
青年は葛藤と煩悶の果てに、ついに一番やってはならない選択を口にした。
- 39 :
- おおおおおお、遂にキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!
続きを楽しみにしてます。
- 40 :
- 「ダメです」
「うわあっ!?ア、アルダ様、どうしてここに?」
褐色の肌を持つ三賢者の一人、アルダが男の後ろに立っていた。
狼狽する青年に対し、賢者はため息交じりに答える。
「賢者として、世界の危機を感じ取ったまでです。
しかし、そんなしょうもない理由で悶えた挙句、宇宙を滅ぼそうするとは。
やはり貴方は早くこの世界から立ち去ってもらうべき危険因子のようですね」
「ちちちち違うんです!これはそのあの・・・」
青年は全てを見透かされた恥ずかしさから言葉が出てこない。
「やれやれ。恋人同士初々しいのは結構ですが、その一喜一憂でいちいち世界が危機に陥るのではたまったものではありません。
・・・このカードをお使いなさい。あなたの願望を叶える最良の手段です」
賢者アルダそう言うと、4枚のカードを取り出した。
「え?こ、これは・・・サキュバスじゃないですか」
困惑する青年に対し、賢者はにこりと笑う。
「いかにも。この夢魔の力を使い、夢の中でセレナを調教するのです。夢の中でならどんな行為も問題ありません。
貴方の破滅願望にも似た凌辱願望を夢の中で叶えてしまいなさい。
さらに、彼女を清らかな処女のまま性欲を開花させる事になるため、現実においても、より濃く深い絡みが可能になるでしょう」
カードから四体のサキュバスが解き放たれた。
彼女(?)たちは青年を取り囲むと、甘く囁くように誘惑の言葉を紡いだ。
「コンバンワ、新シイマスター。ダイジョブヨ。私達ハ、夢調教慣レテル。マカセテヨ」
「戦イジャ出番ナクテ、ヒマデ仕方ナカッタノ。久シブリノオ仕事、張切ッチャウヨ」
「私達ニカカレバ、ドンナ生娘デモ、娼婦ヨリ淫乱ニ仕立テテアゲルヨ」
「上手クイッタラ私達ヲ戦イデモ使ッテネ」
唖然とする青年の肩を叩き、アルダはいたずらっぽく笑ってサキュバス達に注意する。
「こらこらお前たち。今回はやりすぎてしまってはダメですよ。彼はあくまで奴隷ではなく恋人をご所望なんです。先代ルシエンのようにしてしまっては困る」
青年の額から汗が滲む。この賢者アルダという男、ただの温厚な隠居暮らしを装っているが、想像以上に恐ろしい人間なのかもしれない。
だが、青年はそのあまりに魅力的な誘いを拒むことは出来なかった。
「・・・いいだろう。もし上手くいったらお前らを風ブックでガルーダの代わりに使ってやる。だがもしもセレナに万一のことがあってみろ、
一匹残らずデスゲイズで消滅させてやるからな!アルダ様、あんたもだ」
青年の精一杯の虚勢に、賢者と夢魔達は不気味なくらい穏やかな微笑みを返すだけだった。
- 41 :
- 「いい加減にしなさいよ!貴方たちは誰!ここは何処なの!?私にこんなことして・・・!今すぐ放さないと許さないから!」
光の差さぬ薄暗い牢獄で、ロープで体を拘束され振り子に吊るされたセレナの怒声が響き渡る。
その室内に置かれたおぞましい器具類を見るに、牢というよりは拷問部屋と言ったほうが適切かもしれない。
気丈に振る舞うセレナだが、ロープで手足を背中で交差するように縛られ、結び目で吊るされるという無理な体勢での拘束は細身の少女には相当辛い。
また、市場の食用家畜のようなポーズをとらされている羞恥と屈辱感、正体不明の敵に拉致され体の自由を奪われているという恐怖は隠しきれず、その肩は小さく震えていた。
「私達ハ、オマエノ御主人様ヨ」
「オマエノ人間トシテノ人生ハ、モウ終ワッタノ」
「今日カラハ私達ノ従順ナペットニナルノヨ。サア、御主人様ニ御奉仕ナサイ」
6体のサキュバス達は嘲るように残酷な事実を告げると、拘束された王女の体を弄び始めた。
「綺麗ナ肌ネ…体モ細クテ、足モ手モスベスベデ白クテ張リガアル。髪ハサラサラ。イイ匂イ。食ベテシマイタイヨ」
「胸ガチョット小サクテ可哀相ネ。大キクナルヨウニ揉ンデアゲル。感謝ナサイネ」
夢魔達は髪や背を愛撫するだけに飽き足らず、露出している太ももや腕、首等を舐め回し、ついには未発達な胸やスカートの中にまで手を伸ばしてきた。
服や下着の上からとはいえ、今まで一度も他人に触れさせたことのない部分を無遠慮に弄られたショックと恐怖は、少女から一時的に言葉を失わせた。
調子に乗った一匹が、さらに強引に唇を奪おうと舌を伸ばす。それも、セレナが知るような唇を重ねるだけのフレンチキスではなく、舌を奥まで絡みつかせる激しいディープキスだった。
「ふ、ふざけないで!」
あまりの事に硬直していたセレナだが、舌をねじ込んでくるような乱暴な接吻への嫌悪感は彼女を正気に引き戻すには十分だった。
怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にした少女はサキュバスの舌に思い切り噛みついた。
舌を全力で噛まれたサキュバスは血を流して悲鳴をあげ、他のサキュバス達も狼狽して仲間に駆け寄る。
セレナは頬を叩かれ凄まじい形相でサキュバス達に睨まれたが、「どうだ参ったか」という満足感の方が勝ったらしく、吊るされながらも不敵に笑っていた。
「わかった?何をされようと、私はあんた達の思い通りになんかなってやらないわ。痛い目に遭いたくなかったらさっさとこのロープを解きなさい!私の仲間が助けに来てくれた後じゃ遅いわよ!」
威勢よく啖呵をきるセレナに対し、サキュバス達は急に感情を消した。
それまでの玩具を与えられた子供の様なはしゃいだ雰囲気は一変し、冷たい視線がセレナに注がれる。
- 42 :
- 「ドウヤラ、自分ノ立場ガ分カッテイナイヨウネ」
「御主人様ニ噛ミツクヨウナ馬鹿猫ニ存在価値ハ無イノヨ」
「 処 分 決 定 ネ」
サキュバス達は感情のこもらぬ声で予想外の決定を告げる。
セレナは血の気が引くのを感じた。
彼女はこの事態を身代金目当ての誘拐か何かと思っていた。
される程の危害を加えられる事はないだろうと、どこか甘い算段をしていた。
「お、脅かしたって無駄よ。私をしたらあなた達は何も得られないし、それどころかお尋ね者になっちゃうだけだわ。いいから早く私を放して。今なら特別に見逃してあげるから・・・」
精一杯の強がりをみせるセレナだが、その顔は明らかに恐怖で曇り、セリフもトーンダウンしていた。
そんなセレナの様子を見て、サキュバス達はニヤリと意地悪く笑う。
「大丈夫ヨ。新シイ拷問ト処刑法ヲ試ス、モルモットトシテノ価値ハ残シテアルワ」
「イッパイ新シイ拷問ト処刑法ハ考エテアルカラ、ウッカリ頑張ッテ生キ延ビチャッテモ平気ヨ。アナタガネルマデ、イクラデモ付キ合ッテアゲル」
「苦シミタクナイナラ、生キ延ビタイナンテ希望ハ早ク捨テルノガコツヨ」
「ナセテ下サイト言ッテモ、スグニハシテアゲナイケドネ」
ぱちん、とサキュバスの一匹が指を鳴らした。
それを合図にセレナの真下の床がゆっくりと割れていき、その下から一体の凶暴なクリーチャーが姿を現す。
巨大肉食植物アンゴスツーラ。それも通常のサイズを遥かに上回る大型個体のそれは、ワニの咢のような花弁を大きく震わせ、落ちてくる哀れな獲物を歓迎していた。
セレナは小さく悲鳴を漏らしたが、そんな恐怖はこれから始まる悪夢の入り口にすぎなかった。
- 43 :
- セレナを吊るしていたロープが徐々に緩められ、怪植物の口へと降下していく。
少女の顔の至近距離に巨大な咢のような花弁が迫った。
「や、やめて!お願い許して!誰か助け、いやああああああああああああああああああ!!」
顔面蒼白になったセレナの必の懇願は、彼女が怪植物に丸呑みにされると同時に絶叫へと変わった。
動物でいうと胃袋にあたる怪植物の巨大消化器官に落とされたセレナは、内壁から滲み出てくる消化液と思しき液体にさらされた。
溶けていく服を見て少女はパニックになり、泣きじゃくりながら暴れた。
しかし、彼女を拘束しているロープは特別製なのか溶けるどころか緩まりもせず、必の抵抗は不用意に消化器官を刺激してしまっただけに終わった。
その結果、セレナを「活きのよいエモノ」と判断した消化器官は、エモノを押さえ弱らせる為触手を内壁から無数に生やし、暴れるセレナを物凄い力で蹂躙しはじめた。
「クスクス。生キタママ食ベラレル感想ハドウ?オ姫様」
舌を噛まれたサキュバスは、ここぞとばかりに嗜虐的な笑みを浮かべてセレナに問いかける。
しかし、生命の危機に瀕し、全身を粘液と触手で揉みくちゃにされているセレナにはもうそれに付き合う余裕も反抗心もなかった。
体も心も蹂躙され、消化し尽くされようとしている哀れな少女の口から出てくるのは悲鳴と哀願のみ。
「ハアハア・・・お願い!お願・・ですから!引き上げて、ロープを引き上げてよぉ!あうっ・・!?溶けてるの!溶かされてるの!!へ、変な・・・ひぃっ、変なうねうねが・・・いっぱい出てきて、体が・・・熱いっ!・・メチャクチャにされちゃ・・・ひぎいいい!」
セレナの悲痛な叫びに対し、夢魔達はどこまでも冷酷だった。
「餌ノ分際デ暴レルカラヨ。暴レレバ暴レルホド触手ハオマエヲ嬲ッテ弱ラセ様トスルシ、消化液ノ分泌モ活発ニナルワ」
「大人シクシテレバ溶ケルマデ1時間位ハモツノニ、オ馬鹿ナ子ネ」
「アラアラ、教エテアゲテルノニマダ暴レテルワヨ、コノ馬鹿女」
- 44 :
- たとえ逆効果と分かっていても、全身を触手で蹂躙され体が溶かされていくのに無反応でいられる人間などいるはずがない。
夢魔達にどれほど嘲られ小馬鹿にされようと、セレナは拘束された体をよじって抵抗し、助けてと泣き叫ぶしかなかった。
服が徐々に溶けて下着が露わになり、さらに消化液を浴び続けたせいか全身の感覚に異変が生じてくると、
セレナはいよいよへの恐怖から激しく悶えて暴れ、家族や仲間の名前を叫ぶようになった。
父や親しい家臣、仲間達、そしてようやく告白を受け入れてもらえたばかりの最愛の恋人・・・。
それは無意味であろうと生者の本能として当然の行為だった。
しかし、冷酷な夢魔達にはそれさえも癇に障ったらしく、さらなる残酷な仕打ちを科してきた。
「本当ニ馬鹿ナ雌ガキネ。ウルサクテ仕方ナイシ、イイ加減ソノ情ケナイ悲鳴モ飽キテキタワ」
「発情期ノ雌猫ミタイニ男ノ名ヲワメイチャッテ、本当ニ王女ダッタトハ思エナイグライ淫乱デ無様ネ。プライドッテ物ガナイノカシラ。黙ラセチャオウヨ、コイツ」
「わかりました。では・・・」
後方にいたサキュバスの手でカードが妖しく光る。すると巨大消化器官内のセレナに異変が起こった。
突然全身を革製の拘束具の様なものできつく締め付けられ、アイマスクで視界を奪われ、さらに猿轡のようなもので口まで塞がれた。
サキュバスの使用したカード、それは特定一人の魔力を回復させるかわりに、その一人の自由を完全に奪う呪縛のスペル「バインド」だった。
その拘束力と肌に食い込む痛みはそれまでセレナを拘束していたロープの比ではない。
一切の抵抗力を奪われ、されるがままになったセレナの恐怖は激増する。
さらに視覚を奪われた事で他の感覚が鋭敏化してしまった上、無数の触手達の動き全てが不意打ちに近い恐怖と衝撃を与える地獄の拷問と化した。
「クグウゥゥゥゥッ!!ヒウェ、アウヘエェッ!!ハウウギイウゥゥゥッ!!」
セレナは突然の強烈な痛みと恐怖でこれまで以上の悲鳴をあげたが、口に取り付けられた猿轡の拘束具はそれを許さず、唾液と意味不明の嗚咽のような音だけがこぼれたのみだった。
それでも容赦のない触手と粘液の責めは休むことなく続けられ、セレナの苦悶の声と大量の唾液は間断なく怪植物の体内に撒き散らされた。
「アハハハ!バッカミタイ!何言ッテルカ全然ワカラナイワヨ!」
「コレデ耳障リナ声モ出セナクナッタネ。アナタガヌマデばいんどヲカケ続ケテアゲル」
「ヨカッタワネ、ばいんどデ魔力モ回復スルカラチョットハ長生キデキルヨ」
「ニタクナル程苦シイ地獄ガ長ビクダケダケドネ」
キャハハハとはしゃぎ合う夢魔達は欠片も罪悪感を感じていいない様子だった。
- 45 :
- ところが、最初から参加せずに部屋の隅にいた一匹が突然カードを取り出し、あろうことか仲間であるはずの他のサキュバスにそれを向けた。
大気を汚す凄まじいの煙が風の加護を持つサキュバス達に襲い掛かり吹き飛ばす。風の加護を持たぬ紛い物2匹を除いて。
残った偽サキュバス2匹はそれぞれ正体を現した。
「よくも騙したな!セレナをす気かこの外道賢者っ、早くセレナを助けろ!もう体が溶けてにかけてるかもしれない。そうなってたらただじゃ・・・!」
「溶けてませんし、ぬことはあり得ません。あの巨大アンゴスツーラが分泌している粘液は服だけを溶かす媚薬ですし、触手もただ絡みついて撫でているだけです」
変身が解け、我を忘れて喚き散らす青年に対し、褐色の賢者アルダは静かに答えた。
「まあ彼女にとっては本当にの恐怖を感じる要素だったでしょうし、彼女を怯えさせるためとはいえ、多少酷い脅し文句を使い過ぎた感はありますがね」
「媚薬を出してしかも服だけ溶かす?そ、そんな都合のいいアンゴスツーラがいるもんか!」
青年はさらに食ってかかった。
現実的に考えて、そんな性質を持つアンゴスツーラなどいるわけがない。
この世界のクリーチャーを知り尽くした魔物学者、ボージェスですら首をかしげるだろう。
あくまで現実での話だが。
「やれやれ、何度も説明したでしょう。これはセレナの夢の中で、彼らは淫夢を操るサキュバスなのですよ。この空間での情事に関する事柄において彼らに不可能はないのです」
そう、ここはセレナの夢の中。
サキュバス達が彼女の夢を変質させて作り出した淫夢の中なのだった。
突然攻撃スペルを撃たれたサキュバス達は涙目になってアルダの後ろへ隠れた。
散々凶悪な発言をしていた彼女達だが、全ては夢であればこその悪女演技である。
本当の彼女達は人間が大好きなのに夢でしか手出しできぬ、内気な娘達にすぎない。
だが青年は、全ての事情を知っていたにも拘らず、今や大破壊のスペルさえ撃ちかねない程に激昂していた。
- 46 :
- 現実での急接近の布石、そして現実では絶対できないようなプレイという餌に釣られた青年は、
アルダとともにサキュバスに扮して夢に入り込んだまではよかったのだが、そのあまりに苛烈で非道な責めを見て、夢という状況を忘れるぐらい動揺してしまったのだった。
最初は欲望まかせに興奮していた青年も、次第に罪悪感の方が勝りはじめ、セレナが救いを求めて自分の名前を呼んだ事でそれは臨界を超えてしまった。
「・・・。そ、そうだとしても、これはやりすぎでしょうアルダ様!たとえ体が無事でも、セレナは本気で怖がって泣いています。
こんな酷い事をするなんて思わなかったんです。もう止めてください!」
こうして話している今も、セレナはバインドされた状態で触手と消化液(実は媚薬)の責めで狂いそうな程に恐怖し悶えている。
彼女の悲痛な声は怪植物の中から絶えず聞こえており、早く助けなければ体だけは無事でも、それ以外が無事で済む保証がない。
「約束通り、夢であろうと一切体に傷を付けないという難しい条件で調教しているのに?むしろぬるい位です」
その眼に一切の迷いなく、賢者はキッパリと言い切った。
そして、癇癪を起した幼子に道理を諭すように、優しく語りかけた。
「…いいですか。まだ若い貴方にはわからないでしょうが、調教というものには順序があります。最初の段階で圧倒的な恐怖を植え付け、逆らおうとする気持ちを根底から奪い去り屈服させる。
これが出来なくては次へ進んでも抵抗されるだけで、愛でる段階へは進めないのです。ただ力づくで欲望をぶつけるだけならば、それは調教ではなく強姦。彼女はますます性交に怯えるようになり、
下手をすると性交恐怖症になってしまうかもしれませんよ。あなたが望むのはそうじゃないでしょう?」
詭弁だ。
嫌がる少女を無理矢理いたぶる事に違いはないじゃないか。青年はそう思った。
自分はこんな事望んじゃいない。
ただ、セレナともっと親密になりたかっただけだ。
それも、こんな拷問じみた行為でセレナを泣かせてまで叶えたかったわけじゃない。
即刻終わらせセレナを助けるべきだ。
青年は溢れてくる別な感情を必に堪え、自分にそう言い聞かせた。
自分はそういう人間なのだと自分自身を騙すために。
だが、賢者はそれさえ全て見透かしていた。
- 47 :
- 「フフフフ。自分の本性を受け入れられないのは辛いですね。あなたは自分の正体にそろそろ気づくべきだ」
「なっ!?」
動揺した青年が言葉を発する前に、賢者アルダは憐れみと蔑みを込めて言い放つ。
「どんなに善人ぶろうと。英雄と崇められようと。あなたとジェミナイ(悪神)の根は同じ。
ジェミナイがあなたの成れの果てなら、あなたは≪ジェミナイの成り損ない≫だ。その溢れ出す邪心こそがあなたの偽らざる本心。違いますか」
青年は凍りついた。
自分は心のどこかでこの続きを望んでしまっている。
このおぞましいショーを楽しんでいる最悪な本心は確かに存在する。
自分と絶対悪ジェミナイの源は同じもの。
そんな事、言われるまでもなくとっくに気付いていた。
だが、それを受け入れてしまえば、全ては終わってしまう。
だからそれだけは認めたくなくて、セレナを言い訳にして、青年はずっと目を背けてその事実から逃げてきた。
しかし今、目の前の賢者は容赦なく真実を突きつける。
青年はもう動くことが出来なかった。
「では、調教を続けます。幸いここは夢。今だけは、あなたの成れの果てと同じ心でも許される。ただし最終的に恋人を望むか、奴隷を望むか。
それは今夜あなた自身が選ばなくてはならない。迷っている暇はありませんよ」
賢者は笑顔で、青年の肩をポンと叩いて言った。それはとても恐ろしい笑顔だった。
- 48 :
- 「マスター!王女様ノ反応ガ!」
青年から隠れるようにしていたサキュバスの一匹がセレナの異変に気付いた。
バインドされながらもあれほど必に暴れていたセレナが声一つ出さなくなり、怪植物の体内でされるがままになっていた。
実際はただの愛撫と媚薬塗りにすぎない無害な植物責めであったが、性に未熟な少女にとっては未知の恐怖でしかなく、痛めつけられ溶かされていると錯覚させるには十分だった。
極限の恐怖と必の抵抗はセレナを激しく消耗させ、ついに一切の反応さえ返せなくなる程に追い込んだのだ。
「頃合いですね。ロープを引き上げて次の段階へ進みなさい。いよいよ本番ですよ」
賢者の目が妖しく輝く。
「マタ、鬼畜モードデ責メチャッテイイノ?」
サキュバスはちらりと青年の方を見た。また後ろから攻撃されてはたまったものではないというのだろう。
「問題ありません。彼はもう邪魔できない。ここからはあなた達の好きにやりなさい」
アルダのお墨付きが出たことで、サキュバス達の目が一気に輝きだした。
「ヤッタ!ジャアモウ手加減無シデヤッチャウヨ!」
「可哀相ダカラ手加減シテタケド、アンナ可愛イ娘相手ニ温イ事ヤッテランナイワ!」
「アノ男ガアノママナラ、本当ニ王女様ヲ私達ノ恋人ニシチャッテモイイヨネ!」
喜びはしゃぐサキュバスは、さっそく顔を悪女に戻すと、ロープを引き上げた。
怪植物はそれに呼応して大人しく口を開き、セレナを傷つけぬように動きを止めた。
キリキリと音を立ててロープは巻き取られ、引き上げられたセレナが姿を現す。
しかし、その姿はあまりにも凄惨だった。
拘束され全身から粘液が零れ落ちる少女のその姿を見て、硬直していた青年はさらなる衝撃を受けた。
セレナの華奢な体を包んでいた服は、下着までもが大部分を溶かされ、ボロボロに破れて原型を留めていなかった。
未発達だが美しく整った胸部や細く華奢な腹部、まだ毛も生えぬ恥部等を隠す機能はほとんど失われ、それらにロープと拘束具が食い込む様が痛々しい。
怪植物の粘液(媚薬)に塗れた全身はヒクヒクと痙攣し、愛らしい小顔は無骨なアイマスクと猿轡で拘束され、粘液と汗、涙、涎でぐちゃぐちゃだった。
そこにはもう、青年の知る勇気と誇りに満ちた優しい少女の姿は何処にもなかった。
- 49 :
- 「ハァーイ、御機嫌イカガ?高貴デオ強イ王女様」
「良イ格好ニナッタワネ、捨テラレタボロ雑巾ヨリ惨メデ無様デ滑稽ダワ。私達ニ何カ言イタイ事ハアルカシラ?」
サキュバス達はニヤニヤ笑いながら、ゆっくりと吊るされたセレナの猿轡を外した。
「・・・も・・ゆる・・して・・・。さ・・・ないで・・・うっ・・うっ・・」
セレナは既に体力も気力も限界に近かったが、
命が助かる最後のチャンスかもしれないこの夢魔達の気まぐれを無駄にせぬよう、必に声を振り絞って救いを求めた。
卑劣な悪党に屈し命乞いまでさせられるという屈辱感は、幼くとも気高いセプターであったセレナの誇りを粉々に打ち砕き、
アイマスクを付けられた瞳からはさらなる涙が溢れた。
だが、アルダからもはや手加減無用の許しを得たサキュバス達は、ここまで少女を貶めてもなお足りぬとばかりに冷酷な言葉を浴びせる。
「アラァ?絶対ニ私達ノ思イ通リニナンカナラナインジャナカッタッケ?」
「口ノ利キ方モナッテナイワネ。折角助カルチャンスヲアゲタノニ、ココマデ馬鹿ジャ仕方ナイネ」
「ヤッパリモウ一度、アノ中ニ放リコンジャオウヨ。今度ハ本当ニヌマデネ」
セレナの顔色がみるみる青ざめ、体に染み込まされた恐怖と絶望が体を支配した。
最悪の未来が最悪の記憶とともにセレナの脳裏をよぎり、全身がガクガクと震えだした。
その圧倒的恐怖は少女に最後の力を与え、必の言葉となって吐き出された。
「ごっ、ごめんなさい!私が悪かったです御主人さま!あ、謝ります!反抗してごめんなさい!馬鹿なペットでごめんなさい!!
ハァハァ・・・な、何でも・・・何でもしますからっ!・・・だから・・・命だけは・・・許して・・・ください・・・」
もう恥も外聞もなく、誇りも尊厳もかなぐり捨てて少女は必に謝罪した。
もはやセレナはセプターや王女としてどころか、人としての尊厳までズタズタだった。
時には他人の為に自分の命を犠牲にする事さえ厭わない彼女も、先に心を堕とされた後では抗う事など出来はしない。
涙を流して命乞いする様は、ただのか弱い少女そのものであった。
- 50 :
- 「フフフ…イイワ。ソコマデ言ウナラ命ダケハ助アゲル」
「デモモウタダノペットハ要ラナイワ」
「オ前ハ今日カラ淫乱ナペットデアルト同時ニ、従順ナ奴隷ニナルノヨ」
「絶対服従ヲ条件ニ生カシテオイテアゲル。イイワネ?」
サキュバス達はセレナの拘束を解きアイマスクを外すと、変わりに満面の笑みでセレナに奴隷用の手鎖と鉄球付きの足枷、そして鎖のリードのついた黒い首輪を付けた。
もう好きにしていいと許しを得た夢魔達は、ちゃっかりセレナを自分たちのものにしようと調教方針を淫乱開花から奴隷育成へ変更したのだった。
しかし、セレナは奴隷という単語に予想以上に動揺していた。
はいと返事をしなくては危険と分かってはいたが、それだけはどうしても受け入れ難かった。
もちろんセレナは王女という身分を特別ハナにかけているわけではないし、他人を階級だけで見下したり差別したりするような人間でもない。
ただ、マルセスブルグに奴隷制はないので、彼女の奴隷に対する知識が絵本の情報による偏ったものになっているのが問題だった。
セレナの読んだ本において奴隷とは、極悪な犯罪者や破産者、どうしようもない愚者等が身を堕す恥ずべき身分であり、家畜以下の扱いを受けるのが自業自得で当然の、囚人や乞食にも劣る存在として書かれていた。
セレナはそれを鵜呑みにしたわけではないが、知識としては奴隷を一種の罪人か何かと勘違いしていた。
だからセレナにとって奴隷に堕されるという仕打ちは有罪判決に近く、彼女がこれまで努力し積み上げてきた人生の全否定といっても過言ではない過酷なものであった。
あまり身分にとらわれない彼女にも、国王の娘でありセプターでもあるという責任と自覚、自分が国の皆を守らなくてはという気概と誇りはあった。その為に努力はしたし、ある時は命懸けで戦いもした。
それが突然、もなしに人権すらない恥ずべき身分、奴隷に落とされるという。
突きつけられたあまりの理不尽に、セレナは言葉を失った。
- 51 :
- セレナの顔にはこれまでとは違った恐怖が浮かび上がる。
しかし、容赦も手加減も捨てたサキュバス達はセレナの感情などお構いなしに悪ノリし、奴隷の烙印を焼き付ける焼きゴテをどこからか運んできた。
ぬまで消えぬ奴隷の証を焼き付けるおぞましい道具は、じゅうじゅうと凄まじい音を立ててセレナの柔肌へと近づけられる。
「ひっ・・い、いやっ・・・そ、それだけは・・・やめてっ!・許しっ・・いやっ!いやあああああああああああああああっ!!」
セレナは悲鳴をあげたが、じゅうううっと皮膚が焦げる嫌な音がそれをかき消した。
おさまった後には、セレナの左腕に奴隷の証たる十字型の烙印が焼き付けられていた。
セレナは逆らってしまったので本来ならまた怪植物責めになる所であったが、彼女が予想以上に悲痛な叫びを上げたので夢魔達も驚き、ノーカウントとなった。
もちろんその焼きゴテは安全の夢仕様であり、実際は激しい音と煙、少々の熱だけが出る玩具にすぎない。火傷に見える烙印も時間が経てば消える幻術だった。
だが、「偽物でも多少怖がるだろう」程度に考えていた夢魔達の予想を遥かに超え、セレナの受けたショックとダメージは甚大だった。
彼女はそのまま糸の切れた人形の様に倒れ、これまでのように泣き喚く事もなく、床に伏せて動かなくなった。
ただ涙だけが生きている証のように零れ続けていた。
奴隷と宣告されただけで既に少女の心は砕けそうな程の傷を負っていたのに、生涯消えぬ奴隷の烙印まで焼き付けてしまったのは完全にやりすぎだった。
永久に消えない焼き印によって、セレナは仮にこの先救出されても、もう元奴隷という事実から逃れられなくなったのだ。
全ての希望は失われ、彼女は自分の中で何かが音を立てて崩れていくのを感じていた。
自分のせいで国の名を汚してしまった。
伝統ある王家の誇りにも泥を塗ってしまった。
王族から奴隷に落ちるような恥ずべき者を出してしまった父はきっと非難されるだろう。
卑しき奴隷姫を育てたとして、親しい家臣たちにまでその責めは及ぶかもしれない。
そして汚らわしき元奴隷の姫には軽蔑の目すら注がれるに違いない。
大好きな国の人々はもう自分を人間として扱ってくれないだろうし、
ひょっとすると国の恥として追放されたり、晒し者にされ処刑されるかもしれない。
そして、夢だった最愛の人との将来の約束も、もう果たされることはない。
たとえ優しい彼が受け入れてくれたとしても、
元奴隷が傍にいたのでは彼や生まれてくる子供までが軽蔑され迫害されてしまうかもしれない。
彼をそんな目に合わせるぐらいなら、このまま助け出されず人間以下に堕ちた方がマシだった。
ほんの数時間前まで、自分は愛すべき人の隣で幸せの絶頂にあったはずなのに、
今では帰る場所もない家畜以下の奴隷に堕とされ汚されて、絶望的な未来しか残されていない。
この悲惨な運命は少女の心をすには充分すぎた。
彼女の人間らしい感情は尊厳とともに根こそぎ破壊され、誇りも勇気も気高さも全ては砕け散った。
美しい碧の瞳にもう輝きはなく、流れていた涙さえやがて枯渇し始めた。
- 52 :
- 「アラアラ、ソンナ悲シイ顔ヲシナイデ元王女様。最初ノ元気ハドウシタノ?」
「クスクス、絶望スル暇モ権利モ、モウオ前ニハナイノヨ?大丈夫、王女ダッタ過去ナンテ忘レルグライ淫乱デ快楽漬ケノ奴隷ペットニシテ可愛ガッテアゲルカラ」
悲壮感を漂わせて床に倒れているセレナを、サキュバス達は容赦なく首輪のリードを引っ張って立ち上がらせる。
しかし、セレナは首輪に喉を絞められ少し咳き込んだが、目は虚ろで反応も薄く、されるがままの人形のようになっていた。
ただ体は捨てられた子猫のように小さく震えていた。
「…チョットヤリスギタカシラネ。感情ガホトンドンデル」
こうなってはせっかくの媚薬も効果が薄い。
サキュバス達とて、セレナを籠絡し夢での恋人に仕立て上げたいのであって、廃人にしたいわけではない。
サキュバス達はひそひそと作戦を話し合うと、急に声色を人間に近いものへと変化させ、セレナを優しく抱き上げた。
「ほら、可哀相な子猫ちゃん。そんなに怖がらないで。もう震えなくていいのよ・・・」
「この汚らわしい粘液も、お姉さん達が舐めとってあげる。新しい世界を見せてあげる」
サキュバス達はセレナの粘液のついた髪を拭き、恋人のように優しく撫でた。
さらに粘液(媚薬)を舐めとるといって長い舌を伸ばし、人間には到底できないような舌技で少女の全身を優しく責めた。
恐怖と絶望で感情が壊寸前だったセレナも、少しずつ声を漏らし始めた。
「あ・・・そんな所、恥ずかし、い・・・。くすぐった・・・んっ」
恥ずかしさで声を押しそうとするセレナだが、媚薬漬けにされた体とサキュバス達のテクニックにかかっては甘い声を漏らさずにいられるはずもない。
優しい言葉と優しい責めは彼女の感情を徐々に呼び戻し、これまで押さえつけられていた激しい昂ぶりを開花させ始めた。
「ふふ、乳首をこんなに固くして、いやらしい娘ね。まだ小さいけど綺麗な形。敏感で甘い匂いがして、人間とは思えないぐらいとても美味しいわ」
「下のお口も、もうとろとろよ。舐めても舐めても吸い尽くせないわ」
「緊縛された上に溶かされていたのに、体はこんなに感じているなんて。困った変態奴隷さんねえ。お前も私達と同じサキュバスじゃないのかしら?」
胸を吸われ、恥部を舐められるたびに少女は仰け反り、押しせない嬌声は大きくなっていった。
「ひっ・・ぁ・・・ち、違・・感じて、なんか・・んンっ・」
さらに耳、首筋、腋の下、太もも、ヘソ、お尻、背中とありとあらゆる少女の弱い部分が淫靡な舌により発見され、開発されていく。
「フフフ。触るだけでこんなに連続してイっちゃっうなんて、こんな淫乱な娘見たことないわ」
「やっぱりお前にはお姫様なんかより奴隷としての素質があるようね。敵に捕まった挙句、鎖と枷で拘束されてイッちゃう変態マゾ奴隷さん、今の気持ちはどう?」
セレナの心身の回復を見て取ったサキュバスは、わざといじわるな質問を投げかける。
ただし、今度はあくまでも彼女を追いこみ過ぎぬように加減した言葉責めだ。
壊寸前で無痛・無感覚になりかけていたセレナの心が少し回復した事で、彼女が全身に浴びていた媚薬は効力を発揮しはじめ、本人の意思と無関係に快感と衝動を開花させた。
だが、セレナもまた僅かだが気概を取り戻していた。
「・・・な、何も・・・ただ、・・あっ・・痛くて、ひっ・・くすぐったい・・・んんっ・・だけです・・・」
抵抗さえ許されぬ奴隷に堕ちてなお、どうにかして心までは卑しく堕落するまいと決意した彼女は、ただ耐えるだけの戦いを始めていたのだ。
しかし、それは最初から絶望的戦いだった。
- 53 :
- 「へえ。随分とよがってるように見えるけど、淫乱な奴隷さん的にはまだまだ足りないんだ?じゃあもっともっとあなたみたいなド変態が満足出来るようにキツくやってあげる!」
苛烈な調教によって被虐の快楽を仕込まれつつあった少女の体には、サキュバスの侮蔑の言葉さえゾクゾクと官能を呼び覚ます熱源となってしまう。
「ひぃっ・・・あうっ・・・だ、だめ・・・。わ、私・・違う、の・んんっ・・こ、こんなはしたない事・・・嫌な・・あんっ・・・はず、なのに・・・。これいじょ・・・されたら・・・あ、ああっ・・・お、おかしく、なっちゃう・・・」
「じゃあおかしくなっちゃいなさい!いつまでも清純なお姫様ぶってるんじゃないわよこのマゾ雌が!」
夢魔を相手に快楽に耐えようなどという無謀は浅はかで可愛らしいが、どんなちっぽけな戦であれ、主人の意に抗おうとする奴隷には罰を与えねばならない。
サキュバスは愛撫をやめ、感度が増した乳首と秘部の陰核を摘み上げた。
「ひっ!?ひあぁぁぁぁぁぁっ!!だめえぇ!そこ、だめぇっ!!うあああああああああああああああ!!」
セレナの最後の抵抗はあっさり鎮圧された。
少女は拘束された体をなんども反り返らせて絶頂し、愛液と小水を漏らして果てた。
セレナはこの言い訳不能な自分の痴態に、奴隷に相応しい卑しい存在としての自分を受け入れざるを得なくなった。
こうして、しぶとかった彼女の不屈の心もついに完全陥落したのだった。
「わかった?お前ははしたなくよがり狂い、気持ち良すぎて人前でおもらしまでする痴女なのよ」
「さあここで自分は変態奴隷だと宣言なさい。言えるまで何度でも捻りあげるわよ!」
サキュバスは脆くなっていたセレナの下着をビリビリと剥ぎ取り容赦なく弱点を責める。まだ毛も生えていない、幼いスジの様な秘部は完全に露出し、少女を決定的な羞恥から護っていた最後のガードもついに取り去られたのだった。
「ひ・・あ・・・は・・い・・。わ、わたし・・・は・・・奴隷・・・れす・・・。は、はしたなく、・・・お、お小水まで・・・もらしちゃう・・・卑しい・・娘です・・・。奴隷に落ちて・・・当然の・・・うっ・・・うっ・・・」
セレナはあまりの恥ずかしさと、受け入れるしかない自分の異常な淫乱さ、人としての品格の無さに涙した(全ては媚薬のせいだが)。
あまりの恥ずかしさに途中から言葉が出なくなっていた。
しかし、そんな完全に落ちたセレナに対しサキュバス達は優しくなった。
「ふふ、よく言えました。頑張ったわね」
「偉い偉い。ご褒美をあげるわ」
「さあ、お前が元気になるように、バロメッツの実を口移しで食べさせてあげるわ。…今度は舌を噛んじゃ嫌よ?」
「・・は・・・はい。御主人さ・・あ、ぐっ・・・あ・・く、ううぅぅ・・」
サキュバスはセレナが言い終わるよりも早く唇を奪い、蛇のような舌をバロメッツの実とともに口内に侵入させた。
セレナはもう抗わない。いや、抗えない。
そんな気力は欠片も残っていなかったし、抗ってしまった結果が招いた地獄はセレナの心に染みついていた。
サキュバスの舌はセレナの小さな口を凌辱するかのように激しく暴れまわったが、そのテクニックは凄まじく、セレナにキスだけで恍惚を与えた。
さらにバロメッツの実が割れ甘い汁が溢れ出すと快感と幸福感はピークに達した。
セレナは体と魔力が回復していく快感と、激しいディープキスによる快感によって頬が紅潮し、ついには自ら体を預けた。
敵に蹂躙されている屈辱感も女性同士の嫌悪感も消し飛び、手枷がなかったならサキュバスに抱き着いていたかもしれない。
- 54 :
- (あのセレナが・・・あんなにしおらしく、あんなに扇情的になるなんて・・・!)
青年はただただ立ち尽くしていた。
二人きりの時ですらあんな表情は見たことがない。
そして悔しいが、セレナとサキュバス達の艶姿を見て、興奮せずにはいられなかった。
「これが調教というものです。もうセレナ姫は決して逆らわないでしょう。
いいのですか、あなたが何もしなければこのまま彼女はサキュバス達のものになってしまいますよ?」
賢者アルダは相変わらずの微笑みを湛えて青年に語りかける。
しかし、青年は無言だった。
セレナが奴隷の焼き印を押され、絶望に陥った時さえ助けることが出来ず、あろうことかその無惨な姿をもっとも愛おしく感じてしまっていた。
かつて自分を命懸けで救ってくれた少女を奴隷に堕としている。
自分を好いてくれた恋人の心身を破壊し尽くす行為に加担し、それを望んでさえいる。
その狂気じみた欲望は、青年自身すら戸惑う程おぞましい。
しかし、あろうことか青年はその狂気を少しずつ受け入れ始めた。
もはや彼は正常とは言い難く、いつの間にかその姿は黒く影のように変質し、眼は禍々しい赤色に光りはじめていた。
一方セレナはバロメッツの実で若干回復し、崩壊寸前まで追い込まれた心も僅かだが戻り始めた。
もっとも、危険な状態に変わりはなく、絶望や恐怖を上回る快楽を与えられることで思考停止しようやく狂わずに済んでいる、そんな状態だった。
このまま快楽の虜となれば、やがて快楽以外何も考えられなくなる性奴隷に落ちる事だろう。
そしてそんな理想の恋人ペットを作るべく、サキュバス達はさまざまな快楽を体に教え込んでいた。
「ほぉら、元王女の雌猫奴隷ちゃん。キスの次は御奉仕よ。お前の為に立派なモノを生やしてあげたわ。さあ、おしゃぶりしなさい。噛ンダリシタラスヨ?」
サキュバスの股からそそり立ち黒光りする凶悪なモノが生えた。
情事に関して夢魔に不可能はなく、性別すら彼女達にとっては自在なのだ。
しかし、セレナは躊躇うように目を背け、震えながら後ずさった。
身も心も屈服し、快楽を受け入れ始めたとはいえ所詮は世間知らずな16歳の少女である。
どうしても生理的嫌悪感と恐怖が強く、触れるどころか直視する事にさえ戸惑いを隠せない。
「…反抗的ね。ちょっと優しくしてあげたらすぐ調子に乗って。本当に馬鹿な子。言うことをきけない奴隷ニ用ハナイワ。モウ一度餌ニナリタイミタイネ・・・」
サキュバス達の顔と声が再び鬼畜へと戻り始める。
「ひっ・・・ご、ごめんなさい・・や、やりますっやりますからっ」
セレナは慌てて謝罪したがもう遅い。
「ダーメ。またあそこに放りこんであげるわ」
「でもその前に、私達の靴を舐めなさい」
「どうもお前は、まだまだ王女様だった頃のプライドや甘えが残っていて従順さが足りないわ」
「いちいち調教の度にこれじゃ面倒だし、この徹底的に躾けてあげる」
サキュバス達は震えるセレナを取り囲む。
「あ・・・あ・・・」
セレナはジャラジャラと鎖の重く冷たい音とともに引っ立てられ、夢魔の靴を舐めさせられた。
「んくっ・・はっ・・あっ・・」
腕は背中で交差した状態で拘束されているので四つん這いにもなれず、床に顔がつくような無理な体勢でペロペロと靴を舐める様は、元王女と思えぬ程惨めだった。
泣き言や拒絶の声はサキュバス達をより刺激し余計酷い事をされるだけと分かっていたのでぐっと堪えた。しかし、涙は堪えようがなかった。
だが、そんな屈辱に耐えて命令に従う少女の様子を、サキュバス達は苦々しい表情で見下ろしていた。
- 55 :
- 突然ガンッという音がしてセレナの顔が堅い床に思い切り押し付けられた。
サキュバスの一匹が非情にもセレナの頭を踏みつけたのだ。
「あうっ!・・・あっ、やっ・・ど、どうして・・・!? あああっ!痛いっ!!いやあっ!!」
そのサキュバスはグリグリとセレナの頭を踏み続け、さらに他のサキュバス達も容赦なく少女の背や足を踏みつけて怒鳴った。
「どうして?御主人様が躾けてやっているのに礼の一つもなく、嫌そうな顔してやってるからだよこのクズ奴隷!」
バシッ!ドスッ!という音が響き、足で踏まれ、平手で引っ叩かれたセレナの背中や臀部が赤くはれ上がる。
「お前は何だ?もう王女でもセプターでもない、ただの卑しい家畜奴隷だろうがっ!人並みに悔しがる権利が残ってるとでも思ってるのかしら!」
あまりにも理不尽な言い分だったが、セレナはリンチのようなお仕置きを甘んじて受けるしかなかった。
セレナにはもう逆らいうる気力は欠片も残っていない。
自分はもう何をされても逆らえない、主人の機嫌次第でいつでもされるペットであり奴隷なのだ。
彼女にとっては叩かれ踏みつけられる痛みよりも、自分の置かれている境遇を痛感させられるような言葉の方が心に突き刺さる。
「あ、う・・・ご・・ごめ・・・なさい、御主人様。・・・うっ・・わ、私・・・ダメな子で、ごめんなさい・・・」
セレナはまた、泣きながら謝った。
もうそこに以前の強気や反抗心はなく、ただ純粋に主人の慈悲を請うしかない愛らしいペットの姿があった。
サキュバス達はその怯えた子猫の様な可愛らしさに一瞬悪女の顔が外れそうになった。
セレナの涙の謝罪はますます嗜虐心をそそる愛らしさでもあったが、夢魔達もさすがにこれ以上は可哀想だと思い(そもそも踏みつけも、屈辱感と性的な快感しか与えない程度に加減してあったのだが)、頭を撫でて優しく抱き起した。
そして、植物責めのお仕置きは無しにすると告げようとした。その時だった。
「・・・ぬるイ。なんだこのゴッコ遊びの様な調教ハ。奴隷に対する仕置きがその程度でどうすル。ここよりは我が仕切ろウ、夢魔どもヨ」
声の主はカードを取り出すと、セレナをその標的に据えた。
「きゃあああああああああああああ!」
セレナは悲鳴をあげ、魔力で出来た拷問台に磔にされた。
僅かに回復してきていた魔力が苦痛を伴いながら失われていく。
相手の持つスペルカードに応じて、じわじわと相手の魔力を奪う対セプター用拷問スペル「トーチャー」だった。
セレナのブックは夢の中で拘束した段階で既に取り上げられていたが、彼女はお気に入りのフェアリーライトだけは非常用に一枚だけ服の中に隠していた。
彼女の服は既に肌を隠す機能をほとんど失う程に破れていたが、カードを隠し持っていた袖部分は拘束具が当たっていて無事だった為、落ちる事もなかったのだった。
それがアダとなった。拘束されたセレナはスペルカードを使うことも捨てる事も出来ず、この苦痛と魔力喪失に耐える事しかできない。
「フン。この期に及んでまだカードを隠し持っていたとは油断ならん女ダ。寝首をかくつもりだったカ?王女セレナヨ」
おっと元王女だったな、と嘲りを込めて言い直すとその影は姿を現した。
「あ・・あなたは・・・!?そんな・・・消滅したはずなのに・・・!!」
セレナはトーチャーによる苦痛さえ一時的に忘れるほど驚愕した。
彼女が愛する青年とそっくりでありながら、影のように黒く不吉なその姿。
悪魔の様に禍々しいその赤眼。
悪意そのものの具現の様なその気配。
忘れようもない。
天空の祭壇の決戦で消滅したはずのジェミナイの使者、邪心の姿がそこにあった。
- 56 :
- 「ククク、我は蘇ったのダ。そして、我こそがこの夢魔共の主にしテ、お前を堕とすように仕向けた依頼者。つまりお前の本当の御主人様というわけダ」
邪心は高らかに笑った。
半分は真実であったが、半分は嘘だった。
未来から来たジェミナイの使者「邪心」はたしかに消滅した。
だが、青年がソルタリアに残った事でジェミナイ誕生の可能性は残っていた。その可能性が今しがたついに芽吹いたのだった。青年自身が邪心となることで。
「成り損ないから、成れの果てになることを選んでしまいましたか。あきらめるしかありませんね、これで世界は滅ぶでしょう」
後方でサキュバスに化けているアルダは、その絶望的なセリフに反して笑っているようだった。
「フフ、我を目覚めさせておいてよくいウ。その為の茶番だったのであろうガ。だが、何の目的か知らぬガ、我を目覚めさせた功績に免じ、邪魔さえしなけばさないでやろウ、賢者様ヨ」
邪心と化した青年は、呆気にとられているサキュバス達には目もくれず、磔にされたセレナにつかつかと歩み寄る。
「・・・く、ぅ。あ、あなたの好きになんか・・・させない・・・。わ、私はここであなたにされても・・・ハァハァ・・・きっと・・・あの人があなたを倒してくれるわ。何度蘇っても同じよ・・・!」
蘇った最強の敵の出現に、セレナのんでいた心の機能が息を吹き返す。
邪心の圧倒的な威圧感はセレナにをも覚悟させたが、それがかえって彼女の使命感を取り戻させた。
恐怖と快楽は体に染みつき、身も心も徹底的に貶められたセレナであったが、もはや命乞いをする事はない。
たとえ奴隷に堕ちた身でも、世界を滅ぼす悪魔を喜ばせる事だけはするものか。
せめて、この蘇った邪心と戦うであろう青年の役に立てるようなに方をしようと、その瞳は健気な覚悟に満ちていた。
彼女が命懸けで尽くそうとしている青年は、目の前にいる悪魔だとも知らずに。
「主人になんて口の利き方ダ。サキュバスどもメ、まったく躾けが出来ておらんナ。
望み通りしてしまっても良いガ、それではつまらヌ。二度とその反抗的な目が復活できぬ程に屈服させてやろウ」
邪心は大鎌ライフスティーラーを呼び出すと、その手に構えた。
セレナはぎゅっと全身に力を入れた。
どんな拷問をされようと、もう屈しない覚悟はできた。
たとえ何も出来ずされても、心まではこの悪魔に売らずにんでみせる。
じわじわくるトーチャーの苦痛と魔力喪失に耐え、迫る拷問とへの恐怖を噛みしながら、少女は覚悟だけを胸に戦っていた。
- 57 :
- だが、セレナの覚悟に肩透かしをくらわすように、邪心はその凶刃を突きつけるだけでセレナには触れもしなかった。
「ど、どうしたのよ!?私をまた弄ぶんじゃなかったの?怖気づいたの?何をされようと、もう絶対・・・」
「そうダなセレナ。お前は他人の為に自分の命さえ投げ出す愚かな娘。その覚悟が出来てしまったお前でハ、いくら嬲っても屈服せぬだろウ。
知っているとモ。お前は自分が傷つけられるよリ、誰かが傷つくのを嫌がる娘なのだかラ」
邪心は手からクリーチャーを召喚した。
それは彼のものではなく、セレナのクリーチャー達だった。
愛らしい猫の妖精ブリンクスやケットシー、牛型獣人ミノタウロス、麗しき戦女神バルキリーらが召喚され、
彼らは主人たるセレナの惨たらしい磔姿を見て愕然とした。
一瞬の戸惑いの後、彼らはセレナの喉元にあてられた凶器を見てどうにか状況を把握した。
主たるセレナを人質にとられている以上、手出しはできないと。
「な、何のつもり!?ま、まさか私のクリーチャーで私を嬲り者にする気なの・・」
セレナは自分のクリーチャー達に己の惨めな有様を見られ赤くなり、これから行われるであろう自分への凌辱を想像して動揺した。
セレナの服はほとんど破れて胸もヘソも完全に露出し、恋人にさえ見せたことのない秘部まで破れたスカートから見えてしまっている。
おまけに媚薬によって全身はいやらしくひくつき、両手両足を拘束された状態で磔にされて隠すことさえ出来ない。
そんな情けなくはしたない姿を親しい者に見られるのは、この上ない恥辱だった。
だが、これから始まる悪夢は、少女の想像を遥かに超えた惨劇だった。
「ククク、それも面白いガ、それでは覚悟を決めた今のお前なら耐えきってしまうだろウ?こうするのサ」
バシュッという音を立て、ブリンクスの体半分が消失した。
邪心の呼び出した彼の下僕、炎の魔犬ヘルハウンドが猫妖精の体を食いちぎったのだ。
びちゃっという音とともに、その血液はセレナの顔に降りかかった。
「い、いやああぁぁぁぁぁぁぁーっ!!」
一瞬の硬直の後、セレナは眼を見開いて絶叫した。
それはこの部屋に来てあげた声のうちでも一番悲痛な声だった。
カードから出たクリーチャーは倒されようとカードに戻るだけである。
現に、セレナが浴びた血もブリンクスがカードに戻ると同時に消えた。
しかし、セレナはそのように割り切れるような冷徹な性格ではない。
仮の命であろうと心はあるし、傷つけば痛いし苦しいのだ。
彼女にとってはカードのクリーチャーも大切な仲間達であり、彼らがされていくのを冷静に見ていられるはずがなかった。
もちろん、邪心はそれを全て知ったうえで、わざと惨たらしいし方を選んだのだ。
彼は愉快そうに笑う。
「アハハハハッ!どうだセレナ?お前が我に逆らう度にこいつらを処刑すル。逆らわなくても気に入らなければ処刑すル。
今のは我に対する口の利き方に対しての分ダ。お前のせいでお前の貧弱な下僕どもが無惨にされていくゾ。ハハハハッ!」
- 58 :
- 「やめてぇっ!もうやめてよぉっ!!そのコ達は何の関係もないでしょっ!!もう許してえ!!」
半狂乱になりながら泣き叫ぶセレナに対し、邪心はあくまでも非情だった。
「ああ、可哀想にケットシー。今度はお前の番ダ。口の利き方を知らぬこの愚かな女を呪いながらぬがよイ」
再び邪心がクリーチャーを召喚する。
現れた異次元生物イクストルにケットシーは勇敢に抗ったものの、彼の抵抗は逆に異次元触手の本領を発揮させてしまった。
哀れな猫妖精は魂を吸われる恐怖とともに断末魔の叫びをあげて絶命した。
「あ・・・あ・・・やめ・・・やめて下さい。な、何でもします!・・・わ、私ならどうなっても構わないですから!だから、そのコ達をもうさないで・・・!」
涙を流して懇願するセレナに、邪心は心底愉快そうに笑みを浮かべ、口づけをした。
「ふぐっ・・・あ・・・ふ・・・」
唇を奪い、胸や恥部を弄びながら悪魔は勝ち誇る。
苦痛と共に魔力を吸われ続けているセレナは既に激しく消耗しており、さらに媚薬の効果もあって、憎き邪心の愛撫でも感じてしまう。
「ああっ・・・い、いきなりそんな、ところ、イヤ・・ぁ・・・んっ・・んんんっ」
いきなり乳首を摘ままれ恥部を触られた少女の体は敏感に反応したが、枷で磔にされているため仰け反る事さえ出来ない。
どんなに力を込めようと少女の体は敏感な部分を全て晒したまま固定され、ギシギシと音を立てるだけであった。
「アハハハハッ!あっさり生意気な口も叩けなくなったナ。良いザマダ。
威勢がいいのは口だけデ、体は正直なものだナ淫乱奴隷めガ。よろしイ。では貴様は今から私の性奴隷ダ。光栄に思うがよイ」
「あう・・・はい、御主人・・さま。ふ・・・あ・・・ひんっ・・」
邪心の愛撫はサキュバス達とは比べ物にならない程荒々しく、快楽よりも痛みをもたらすような身勝手なものだった。
しかし、気持ち良いふりをしなくてはクリーチャー達がまたされる。
磔の元王女は苦痛を声に出すことさえ出来ず、されるがままに喘いだ。
さらに悲しい事に、媚薬と被虐の快感に慣らされた体は、その身勝手な蹂躙による痛みにさえ快楽を見出し始めていた。
「ダメですセレナ様!我らの為にそんな下衆の言いなりになるなど、貴方らしくもない!我らは貴方の駒、どうなろうと構いません!
だから、だからそんなクズに心まで明け渡さないでください・・・!!」
「我らの事などお気に召されるな!お気をたしかにお持ちくださいセレナ様!
・・・おのれ外道めが。その薄汚い手をセレナ様から放せ!斧で叩き切ってくれるぞ」
陥落しかけたセレナに檄を飛ばしたのは、生き残ったバルキリーとミノタウロスであった。
彼らは自分たちを庇って主人が嬲り者にされるのを見ておれず、勇気づけようとしたのだ。
セレナは既に充分過ぎる程懸命に抗ってきたし、その果てに心身をボロボロにされてしまった彼女にこれ以上抵抗しろというのは酷な事であった。
しかし、これまでの悲惨な調教地獄を見ていない彼らにはそれはわからない。
邪心はそんな彼らの忠誠心を冷笑した。
「・・・ククク、面白イ。セレナの為ならどうなろうと構わぬといったナ。では賭けをしようカ。
今からセレナの代わりにバルキリー、お前が拷問を受け、最期まで屈せず耐えられたならセレナを解放してやル。どうダ?」
「いいだろう!我らは所詮カードに宿る仮初の命。そんなものでセレナ様を救えるなら安いものだ!
さあ、煮るなり焼くなり好きにするがいい!」
バルキリーは躊躇いなく邪心の賭けに乗った。
戦いの中、討たれてぬのはクリーチャーカードの常であり、所詮はカードに戻るだけである。
そういった意味ではバルキリーもミノタウロスもなど恐れてはいない。
- 59 :
- 「クク、その自己満足なエセ忠義、いかに薄っぺらいか思い知らせてやろウ。
結局自分が苦しくなればあっさりセレナなど見捨て、クズ呼ばわりした我にさえ許しを請うだろうがナ。ではいくゾ、ソーンフェター!」
邪心の拘束スペル「ソーンフェター」により、茨の足枷がバルキリーに絡みつく。
動きを封じられ、鋭い針に絡みつかれたバルキリーに対し、邪心はさらにブックワームを召喚しけしかけた。
身動きの取れない戦女神におぞましい蟲たちが襲い掛かる。蟲どもは鎧の隙間から入り込み、わざとさぬ程度にバルキリーを責めたてた。
「うぐっ!?ぐうううっ!あ、が、セレナさ、ぎゃあああああ!!」
口内や甲冑内に蟲たちは遠慮なく侵入してきたが、バルキリーはソーンフェターで身動きすらとれず、苦しみ暴れるたびに美しい足が茨の棘でズタズタに傷つけられた。
そんな動けぬ獲物に対し蟲たちは容赦なく、体内に侵入しようと彼女の穴という穴を侵略する。
「やめて!私は何でもするっていったでしょ!もうあの子たちは関係な・・きゃああああああッ!?」
必で抗議するセレナだったが、そんな彼女に与えられたのは2枚のスペルカードだった。トーチャーの拷問の威力は3倍になり、魔力喪失が加速する。
「奴隷風情が、分際を弁えヨ。そもそも汚らわしき奴隷との約定など守る義務はなイ。我に逆らう者は誰であろうと赦さヌ。
あのバルキリーはねると勘違いしていたようだガ、なせてなどやらヌ。ぬ寸前で回復と蹂躙を繰り返シ、発狂するまで嬲りぬいてやル」
「ふ・・・あ・・・ひ、酷い・・・約束が・・ちが・・うくぅっ・・」
セレナの声が弱弱しくなる。
トーチャーによる苦痛と魔力喪失に懸命に耐えてきた彼女も、それを一気に3倍にされたのでは堪えようもなかった。彼女の限界は近い。
だがそれでも、セレナは自分の苦痛より、悲惨な蟲責めを受けているバルキリーの方が心配だった。
バルキリーは全身を蟲に纏わりつかれ、処女を蟲に散らされた挙句、口や菊門まで蟲に蹂躙されていた。
「あぐっ・・・や、やめろっ!こ、こんな所まで、・・・ぐあぁぁうっ!!・・・か、体が・・・お腹っ、壊され・・・ぎひいいいいいいいいいいいいっ!?」
戦女神の足は茨で血塗れになり、内臓さえも体内に侵入した蟲たちに破壊されていた。
しかし、ぬ寸前になると邪心が回復スペル「キュアー」をかけるのでぬことすら許されず、また蟲たちに犯されるという無間地獄の様な責めが続く。
それは、遠巻きに見ているサキュバス達さえ戦慄する凄まじい責めだった。
セレナに心配をかけまいと最初は堪えようとしていたがバルキリーだったが、内臓まで蹂躙するこの蟲責めに耐えきれるはずもなく、女神の口からは血と獣のような悲鳴が零れる。
「ハハハハッ!さっきの強がりはどうした女神ヨ!助けてくださいと言えれば助けてやらんでもないゾ。その分の責め苦はセレナに負わせてやるがナ!アーッハッハッハッ!」
誇り高く義に厚いバルキリーが、主人を身代りに助かりたいなどとは、本来口が裂けても言えるはずがない。
だが、地獄の苦しみによって戦女神の理性は消し飛びかけており、今にも助けてと言ってしまいそうだった。
だから、方法はこれしかなかった。
「あ・・・ひぎっ・・・ミノ・・・タ・・・たの・・む・・」
「わかった。・・・許せ、誇り高き戦友よ」
ミノタウルスの斧がバルキリーを貫いた。バルキリーは一瞬だけ微笑むと、静かに目を閉じ、そのまま動かなくなった。
牛の顔からは戦女神の返り血に交じって涙がこぼれる。
「うああ・・・バルキリー・・・ごめんね・・・ごめんね・・・私のせいで・・・!」
セレナは声を出すのさえ苦しい状態であったが、それでも泣きながらバルキリーに詫び続けた。
一方、邪心は楽しみの邪魔をされたとしか考えておらず、友を介錯した誇り高き牛の武人を睨み付けている。
- 60 :
- 「余計な事をしおっテ、ただねると思うなよ三流クズクリーチャーめガ。喜べセレナ。我がお前のブックのゴミを一つ掃除してやろウ」
邪心はミノタウロスを思い切り殴りつけると、ヘルハウンドに襲わせた。
ミノタウロスの片腕が食いちぎられ、血が噴き出す。
しかし、牛男は苦痛を少しも顔に出さず黙していた。
そんな牛の姿を見てたまらなくなったセレナは、危険も顧みず邪心を罵った。
「やめてっ!もうやめてぇっ!やるなら私に直接やりなさいよ卑怯者!
関係ない者を巻き込んで、あなたなんかにミノタウロスを馬鹿にする資格はないわ!あなたこそ本当のクズよ!」
「・・・よかろウ。ではお前がぬがいイ」
邪心の予想外の言葉に、その場に居た全員が一瞬時が止まったかのように動きを止めた。
しかし次の瞬間、セレナの温かい血が飛び散ると同時に時は動き出した。
ヘルハウンドがセレナの左腕に噛みついたのだ。
セレナの体だけは絶対に傷つけてはならないという己が定めたルールを、邪心は事も無げに踏みにじったのである。
真っ先に取り乱したのはサキュバス達だ。
「キャアアアアアアアアアアアアアア!?オ、オ姫サマ!血、血ガ・・・!?早ク、早ク救護班ノひーらー達ヲ呼ンデッ。シッカリシテ王女サンッ!ンジャダメ!!」
「コノッ!私達ノセレナニ何テ事ヲスルノヨコノ駄犬!失セナサイ!」
「ばろめっつノ実ト魔力ノ泉ノ水ヲアリッタケ持ッテキテ!早ク!」
大慌てのサキュバス達は悪女の仮面を脱ぎ捨て、セレナの救護に全力を尽くした。
当のセレナは出血と激痛によるショックでガクガク震えていた。
どうやら腕を噛まれただけで傷自体は浅いが、一時的に意識が飛んでしまったらしい。拘束された状態でハアハアと苦しげな呼吸を漏らしていた。
「何てことをするの!お姫様は傷つけないんじゃなかったのアナタ!セレナちゃんをす気!?」
もはやセレナに対する立場は完全に逆転していた。サキュバス達はセレナの身を案じ、邪心の暴挙に食ってかかる。
だが邪心と化した青年は、もはや何の痛痒も感じていない様だった。
「フン。これは夢なのだろウ。たとえヘルハウンドが食いしたところで夢が覚めるだけであろうガ」
「い、いくら夢でも感覚は残ってるの!夢の中であってもすほどの衝撃を与えたら、肉体までショックする可能性だってあるのよ!」
「・・・それがどうしタ。我がいまだあんな小娘一人に執心だとでも思っているのカ。あれは復活祝いの供物にすぎヌ。
そんなに救いたけれバ、お前らが代わりに焼き犯されロ」
邪心の手から3匹のヘルハウンドが召喚された。
凶暴な野生と底知れぬ獣欲の塊達は唸り声を上げ、美しき獲物たちを狩るべく少しずつ距離を縮める。
「ひっ・・・わ、私達をせば、貴方もここから出られなくなるのよ?そんな事したら、どう、ナルカ・・・ヤ、ヤメ・・ギャアアアアアアアアアアアァッ!!」
サキュバスの口上など全く意に介さず、獰猛なヘルハウンドは彼女達に襲い掛かった。
魔犬の圧倒的な力の前に夢魔達は体を押さえつけられ、爪と牙で体をいたぶられて瀕になった所を、燃え盛るような熱根に犯され蹂躙された。
「ギャヒイイイィィッ!?シ、ヌ!ホ、本当ニ焼ケ・・・グギャアアアアア!!」
「タ、助ケテエエエエエエエ!モウ許シテェ!熱イッ!熱ッ!ウアァァァーーーッ!」
「食ベナイデッ!オ願イダカラッ!手足ッ!ダメッ!!・・アッ・・ソ、ソコハ・・・ア・・ア・・サナイデェェェッ!!」
頭に牙を突きつけられ、灼熱の体温を持つ火の魔犬に文字通り焼き犯されるという地獄のような獣姦ショーは、
淫夢を司るサキュバス達さえも生娘の様に泣き狂わせた。
何とか逃げ延びた一匹も、仲間三匹が喰われながら犯される様を見せられてへたり込み、ガチガチと歯を鳴らして震えあがった。
- 61 :
- 「邪心よ、どうかその辺りでお許しを。夢魔達には貴方様への協力と絶対服従と誓わせます。
生贄が不足ならば我が弟子ルシエンを貴方に捧げましょう。それに免じてどうかお慈悲を」
アルダの仲裁に邪心はようやく矛を収めた。
全身を裂傷と火傷だらけにされたサキュバス達は賢者の回復スペル「ライフストリーム」で一命を取り留め、
必で跪いて邪心に忠誠を示した。
だがもう一人、邪心を睨み付ける眼があった。
主君セレナを傷つけられた忠臣ミノタウロスは、片腕を食われ半半生の身でありながら、その闘志を一層燃え上がらせていた。
「・・・約束しろ邪心とやら。私が貴様の望む責め苦を全て受け切ろう。その代わり、セレナ様にはもう手を出すな・・・!」
「クク、牛風情がナイト気取りカ。よかろウ。だがお前が屈した時にはセレナに罰を与えるゾ?
自分の実力と相談した方がよいのではないカ。まあお前にとってはいつもの事だろうガ、お前の無能さがまた、主を窮地に追い込む事になル」
邪心のからかう様な問いに、ミノタウロスは一言「始めろ」とだけ答えた。
だが、邪心が拷問を開始しようとした刹那、後方で意外な声がした。
「だ、だめ・・・はぁはぁ・・逃げてミノタウロス。も、もう・・私・・・ダメ、なの。
・・あ、あなたが・・・あぅ・・・庇う価値なんか、ない・・・最低の・・・奴隷なの」
苦しげで消え入りそうな声であったが、それはたしかに魔犬に噛みつかれ、血塗れで気を失っていたセレナの声であった。
賢者が適用範囲を誤ったのか、回復スペルはセレナにも効果をもたらしていたのだ。
「トーチャー」により魔力を奪われ苦痛もなお続いているものの、少女は意識を取り戻し、無理をすれば喋れる程度に回復していた。
意識を取り戻したばかりで弱弱しく震えるセレナの声に、ミノタウロスは鬼の形相を一変させ、優しく笑った。
「・・・セレナ様。貴方が自分をどれほど蔑もうと、貴方こそが私の最高の主です。多くのセプターが私を無能だ微妙だと笑った。
だが、貴方だけは私を信じ使い続けて下さった。この無能な牛めに存在する意味と誇りをくださった。貴方は私にとって、相手が神であろうと庇うに値する姫様でごさいます」
ミノタウロスは知っていた。
レオや青年がどれほどミノタウロスをブックから抜けと忠告しても、優しいセレナは頑として譲らず、自分を庇い続けてくれていたのを。
そしてそこまでしてもらいながら、足を引っ張ってしまう自分の無能さがいつも呪わしかった。
自分が不甲斐ないばかりに、ブック構築能力が低いとセレナが馬鹿にされるのがたまらなかった。
その苦痛に比べれば、腕を千切られ生きたまま食われる苦痛など何でもない。
邪心は拷問を開始したが、ミノタウロスは切り刻まれようと串刺しにされようと苦痛の声一つ出さない。
業を煮やした邪心は、傷口を蝕む羽虫を呼ぶスペル「スウォーム」を使ったが、それでもこの牛は少しも動じなかった。
それがやせ我慢なのは誰の目にも明らかだった。
ミノタウロスの耐久力が高くないのは、使い手であるセレナが一番よくわかっていた。
「もうやめて・・・こ、これ以上は・・・本当に、アナタがんじゃうわミノタウロス・・
あ、後は私が・・・頑張る、から。全然・・・平気だから、こんな・・の」
セレナは必で嘘をついた。
既に衰弱しきっているセレナが平気なわけがなく、このままではの危険さえある。
それでも優しい彼女は自分のクリーチャーを救いたかった。
だが、忠臣にはそんな主の優しい嘘など全てお見通しだった。
「フフ、相変わらず嘘がお下手だ。どうかこの無能な牛めに、最期の夢を見させてくださいませ。
戦では足を引っ張るばかりのこの牛めが、ようやく貴方に恩を返す機会を得たのです。
貴方のカード選択が間違いでなかったと証明できる機会を。
貴方が信じて選んだこのミノタウロスは、貴方に仕えられて本当に、幸せで・・・ございました、よ・・・」
羽虫に生きながら食われるという、発狂するほどの激痛を受けながらも、ミノタウロスは見事に耐え抜き、そして絶命した。
その顔はとても満足そうに笑っていた。
「ダメ!ダメよ!なないでっ!私の為になんかでなないで!なないでよぉミノタウロスゥゥゥゥゥーッ!」
羽虫達に食われていく牛の無惨な姿を見て、セレナは弱った体を精一杯暴れさせて泣き叫んだ。
- 62 :
- だが、邪心はセレナのその口を塞ぎ、耳元で冷酷な裁断を下す。
「フン、キュアーをかける間もなくにおっテ、クズ牛めガ。結局私を満足させる事も出来ず自己満足でくたばっただけではないカ。
セレナ、当然お前には罰を与えるゾ」
「ソ、ソンナ!アノ牛ハ悲鳴一ツアゲナカッタヨ!立派ニ耐エタ!ソレナノニ・・・」
「では、お前が代わるカ夢魔」
邪心の恐ろしい言葉に、サキュバス達は何も言い返せず俯く。
心も体も限界に近いセレナの身を案じてはいるものの、あの地獄の魔犬獣姦を体験した後では逆らえるはずもなかった。
邪心は邪悪な笑みを湛えて、磔のまま泣き崩れているセレナに歩み寄る。
「何を泣くのだセレナ。その駄牛がんで悲しいカ?だがナ、
お前がその牛を使う事でどれだけ同盟相手の領地を失わせたと思ウ?」
邪心はスペルカードをセレナの胸に一枚張り付けた。
それは拘束され動きがとれぬセレナにとって、トーチャーの苦痛を増す最高の拷問道具といえる。
「ひうっ!?・・・ひっ・・・や、ぐ、ぐぅ・・く、苦し・・・あ・・う・・」
「あの牛の高コストが原因で何回枯渇し、何回同盟相手の大切な領地を代償にしてきた?」
びしっ。さらに一枚スペルカードがセレナの腹部に張り付けられる。
「あうっ・・・く・・あ・・・や・・やめ・・・」
「大切なクリーチャーと手塩にかけて育てた領地を貴様らの無能さのツケで奪われる、
貴様の無意味な交換で無駄にされる、その同盟相手の悲しみと無念を考えたことはあるか?」
さらに臀部に一枚。これで合計6枚のスペルカードが張り付けられた。
「ガッ!?うあっ・・・あぐううううううううう・・・ひぎ・・・い・・・」
凄まじい苦痛にセレナは呼吸さえ満足に出来なくなり、口から涎と舌を出し、白目を剥きそうになる程顔を歪めて悶えた。
しかし、媚薬漬けの体はデリケートな部分に貼られていくカードのもたらす苦痛にも敏感に反応し、苦痛と同等の強烈な快感をもたらした。
にそうな程の苦痛と理性を吹き飛ばす程の快感に挟まれ、少女は魔力枯渇寸前だった。
「くはぁっ・・あぁ・・・だ、だめ・・ぇ・・・!ひっ・・ぐっ・・・本当に・こ、壊れ・・る・・ご・・ごめ・・・ゆ、るし・・」
「お前達の自己満足な主従関係など吐き気がすル。これは新たな絶対神たる我の神罰ダ。
これまでの無能さを悔い、身を以て償エ。無間に枯渇しイキ果てるがよイ」
邪心は一気に6枚のスペルカードを取り出した。
通常、セプターの持ちうる手札は6枚のみ。
既に6枚スペルカードを持たされているセレナにこれ以上6枚も追加する事は本来不可能である。
しかし、ここは通常の外にある夢の中。
「トーチャー」の本来想定されていない、誰も味わったことのない計12枚分の大激痛を与える為、
邪心はゆっくりとセレナに歩み寄り、刃物を突きつけるようにカードを近づける。
「ひっ・・・ゆ、許してっ・・・ゆるしてぇっ!!んじゃう!そんなの耐えられっこない!
あ・・・あ・・・し、ぬっ・・ひぬううううううううううあああああああああああああああっ!」
泣き叫ぶセレナに邪心は容赦なく、6枚のカード全てを、少女のもっともデリケートな部分に挿し込んだ。
大叫喚とともにセレナは魔力枯渇し、体中からありとあらゆる物をぶちまけるようにして果てた。
魔力枯渇によってトーチャーの呪いは消失したが、セレナはもう立つ力さえ残っておらず、
体に貼りついていたスペルカードをばら撒きながら崩れ落ちた。
- 63 :
- すみません、今日はここまでで一旦区切って、終わります。
今日はもう寝ないとまた体がやばそうなので・・・。
後半で誤字がまだありそうな気配なので、明日以降また投下致します。
お目汚し失礼しました。
- 64 :
- いやはや、本当にGJ
エロ調教は勿論、戦女神と雄牛の二人の最後に心動かされた
続きを期待しながら待ってますぞ
- 65 :
- それと639殿、体にはご自愛くだされ
- 66 :
- >>65
ありがとうございます。
何だかすごくPCの調子が悪くて、投下に時間がかかってしまいました。
ゆっくり寝ます。あと、牛には本当に可哀そうな事をしたと猛省。
(グリマルキンやドリアードなど、もっと適任なセレナのクリはいくらでもいたというのに・・・)
- 67 :
- 前スレ639GJ!
獣姦もさることながら、虐もなかなか
まだ半分あるのか
身体、お大事に
- 68 :
- 「なんだ、魔力枯渇ぐらい何度も経験しているだろうニ、大げさな娘ダ。
はしたなく唾液や愛液をたらして、そんなに気持ち良かったカ。でハ、このマナのカードで魔力を回復してや・・・」
「・・・して」
上機嫌の邪心が魔力を回復してやろうとした矢先、セレナはうつ伏せのまま蚊の鳴くようなかすかな声で懇願した。
「・・・も・・・して・・・お・・おねが、い・・です・・・」
邪心やサキュバスはその内容よりも、もはや瀕以上のセレナに意識がある事に驚いていた。
「私は・・もう・・どう、なっても・・・いい・か、ら・・。代わりに・・あの子達は・・・たすけ・・て」
セレナは誰かを守ろうとする時、信じられないような強さを見せることがあった。
しかし今、この状況下で発揮されるその強さはあまりに痛ましく、悲しいものでしかなかった。
少女の絶望的な願いを受け、そこまで少女を追い込んでしまった事にサキュバス達はさすがに良心が咎め、
これまで自分たちがしてきた行為を後悔した。
だが、邪心はどこまでも非情だった。
「生きようとしたりせといったリ、身勝手な奴隷よナ」
邪心はセレナの悲痛な懇願を鼻で笑うと、
セレナに付けられた首輪のリードを乱暴に引っ張り、無理矢理少女の顔を近づけて言い放った。
「・・・セレナ、既にお前の心も命も全て我の物。何の対価にもならぬシ、許しなくぬ事など許さヌ。
もしお前がんだなラ、代わりにお前の下僕どもを毎日嬲りシ、お前の国を滅ぼす事で埋め合わせル」
「そ・・・そんな・・はぁ・・はぁ・・・。わ・・私・・」
セレナは言葉を失った。
この邪悪の化身はぬことさえ許さないという。
もう自分に出来る事など何もない。どうすれば良いのかわからない。
打ちひしがれる彼女に、邪心は罠に追い込んだ獲物を掬うように、その答えを囁く。
「だガ、生きて我に尽くす限りは奴らの安全を約束しよウ。・・・どうすれば良いか分かるナ?」
セレナは少しの間俯いて沈黙した。
そしてついに、邪心の足元に静かに跪いた。
「わ、私は・・・邪心様の忠実な僕になり・・ます。あ・・・貴方の・・為だけに、尽くします・・・。
ですから、どうか・・・他の人達の命は・・・」
セレナは涙を必に堪え、震える声で、その後戻りの出来ぬ宣誓を言いきった。
その誓いを自ら口にする意味をセレナは分かっていた。
しかし、それでも彼女は大切な者達の命を守りたかった。
この誓いをもって、彼女の人としての人生は終了したのだった。
- 69 :
- 「ククク、よろしイ。ついに自ら奴隷となるを認めたカ。ならばその忠誠心が真か試さねばナ。
奴隷姫セレナ、我と配下の肉茎全てに誓いの口づけヲ。その忠義を示セ」
「は・・はい。御主人様」
セレナは弱り切った体を何とか起し、
ジャラジャラと鎖と錘を引きずりながら邪心とサキュバス一人一人の股にそそり立つ逞しい茎にキスをした。
そこにはまだ躊躇いや少女らしい恥じらいは多少感じられるものの、肉棒を主人として尽くすその姿は堕ちきった性奴隷そのものだった。
「くちゅ・・はぁはぁ・・・ど、どうですか・・わ、私の口づけは・・その、忠誠を・・示せたでしょうか・・・?」
サキュバス達はセレナのぎこちない奉仕のキスを受けながら、その少女に同情していた。
セレナが本当の性奴隷のような淫乱に成り果てているわけではないのは、少女の瞳に溜まった大粒の涙が証明している。
サキュバス達はこのような形は望んではいなかった。
あくまでも、双方ともに快感を与え合う主人と恋人奴隷の関係を、夢の中限定で築きたかっただけなのだ。
しかし、彼女達もまた邪心の下僕に堕ちた身であり、セレナを調教する悪女の役を演じなければ、自分たちの身が危うい。
彼女達はセレナを不憫に思いつつも、再び彼女の調教に加担せざるを得なかった。
「ほ、ほら、そんなんじゃ全然だめよ雌奴隷ちゃん。もっと恋人とキスするように心を込めて扱いなさい」
(セ、セレナちゃん・・・あれだけ嫌がってたのに、こんな事まで自分からやらされて・・・)
「フフ、すっかり奴隷らしくなったわね。お似合いよその惨めったらしい有様!」
(完全にあの男に堕とされきっちゃったんだね・・・こうなった以上、もう逆らっちゃだめよ。出来るだけフォローはしてあげるからね・・・)
「助けに来てくれる王子様なんて期待するんじゃないわよ。ま、こんな穢れきった奴隷、誰も元王女だなんて思わないでしょうけどね!」
(ごめんね・・・助けてあげたいけど、あの男には逆らえない)
「せいぜい頑張って私達に奉仕することね。手を抜いたりしたらぬより酷い目に遭わせてやるからね!」
(せめて、苦しくない様に、快感だけを与えられるように・・・してあげるから)
サキュバス達は悪女を装い、口々に汚い言葉を並べ立ててはいたが、実際は邪心の元から出来るだけセレナを引き離しておこうという作戦だった。
「・・・はい・・・もっと・・・ん・・く・・心を・・・込めます・・」
夢魔達の言葉に、セレナは意外なほど素直に従った。
調教前の優しくも勇ましい少女はもういない。
友人たちを嬲りされ、魔力を枯渇させられ、凌辱の限りを尽くされてきた今のセレナは心身ともに瀕に近い。
そんな彼女をあの悪意の塊に任せたらどうなるか分かったものではない。
夢魔達は消極的ながらもセレナを守りたかった。
- 70 :
- だが、そんな甘さを邪心が許すはずもなかった。
「足りぬナア。こんな程度では忠誠の証にはならヌ。ただ、お前が誰の肉棒にでもしゃぶりつく、見下げ果てた淫乱女という事を証明しただけダ」
邪心は意地悪く笑うと、セレナの首輪のリードを力任せに引っ張った。
セレナは首が絞めつけられる苦しさに加え、性器にキスをするなどという本来耐え難い行為に必で耐えた事が「見下げ果てた淫乱」扱いされた理不尽で泣きそうになる。
そして、彼女が涙を堪えられるのもここまでであった。
「我が尻を舐めろ奴隷。貴様の様に品性の劣る変態では何をさせても喜んでしまうからナ。これぐらいでなくては忠誠心を測れぬワ。・・・どうしタ。まさか絶対服従を誓っておきながラ、出来ぬというのではあるまいナ?」
「あ・・あ・・・いえ、そ、そんな・・ことは・・・うっ・・ぐすっ・・あ、ありません・・・!」
セレナの瞳からはついに堪えていた涙が零れた。
人としてそんな事が出来るわけない。数十分前のセレナならそう言ったかもしれない。
だが、今のセレナは最低限の人権さえ剥奪された奴隷である。逆らう事は許されない。
大切な人達を守るためなんだとセレナは自分に言い聞かせ、邪心の臀部、その盛り上がりの部分をペロペロと舐めた。
「・・・違ウ。そこでハ、なイ。穴ダ。穴を舐めるのダ。愚か者めガ」
セレナは一瞬言葉を失った。
従うしかないのに、どうしても言葉が出てこない。ガタガタと体だけが震えだす。
本物の痴女や娼婦ですら泣いて嫌がる様な命令である。
16歳の少女が覚悟だけで割り切れるような行為ではない。
「あの、新マスター、いや邪心様?その奴隷も今は疲れ切っている事ですし、後は私達が・・・ひっ」
助け船を出そうとしたサキュバス達だったが、邪心の恐ろしい一瞥で沈黙させられた。
これ以上口をはさめば、「お前達が代わりに罰を受けろ」と言い出しかねない。
(ごめん・・・セレナちゃん。もう土下座でもして許してもらって。もし、罰を受ける事になったら出来るだけ手加減してあげるから・・・!)
サキュバス達はもう、セレナが罰を受けるのは確定だと諦め、眼を瞑って祈った。
だが、セレナは予想外の行動に出た。
「御主人様・・・ど、どうかこれで・・・私の忠誠心をお認めください!」
セレナは顔を邪心の臀部に近づけ、舌を伸ばした。
瞳からは熱い涙がポロポロと溢れ、屈辱と絶望で体は震えていた。
その少女は夢魔達ですら無理と予測した行為に、立ち向かい耐えようとしていた。
その愛らしい舌が邪心の窪みに触れそうになった瞬間、突然邪心はセレナの方へ振り向き抱きかかえた。
「よろしイ、合格ダ。よくぞこの命令にも抗わず従う事が出来たナ。お前の忠誠ハ、しかと見届けたゾ。だガ、お前の口はこれから我に奉仕する役目がある故、本当に汚しはせヌ。それに、命令に従うのは当然だガ、完全に恥じらいを無くされてもつまらぬからナ」
どうやら邪心には、セレナにそのような変態行為をさせるつもりはなかったらしい。
どれほど貶めようと、正気も残っていないような痴女は欲しくないようだ。
- 71 :
- どこまでも自己中心的で身勝手な考えだが、ともかくセレナは助かったことに素直に安堵し、サキュバス達もセレナ以上にホッとしていた。
「何を安堵しているのダ?これからが本番だというのニ。さっそく主人に奉仕するのだセレナ。
歯を立てぬようにしゃぶレ。もし反抗したら全ての歯を引き抜くゾ」
一瞬の緩んだ空気も束の間、恐ろしい脅迫とともに、邪心はセレナの口に無理矢理ねじ込むように熱根を挿し込んだ。
「ふぐっ!?ふぐうううっ・・・ううっ・・・んっ・・・ちゅ・・はあっ・・・んんっ」
突然口の中を犯されたセレナは驚いたものの、すぐに大人しくなり邪心の肉茎を舐めて奉仕を始めた。
「フン。やはりぎこちないナ。まあよイ、これからたっぷり仕込んでやるだけダ。
空いている手も使エ、夢魔共に奉仕するのだ」
邪心はサキュバス達に目くばせし、有無を言わさず凌辱に参加させた。
二体のサキュバスがそそり立った肉茎をセレナの頬に突き立てる。
最初はどうしていいのかわからず戸惑っていたセレナだったが、
残った二体のサキュバス達が指導に当たり、どうにか邪心の罰を免れた。
「あ・・はあ・・ん・・・こ、こう・・・ですか・・・?」
「そう、そうやって手で優しく擦るのよ奴隷ちゃん。早く一人前の淫乱になりなさいね」
シュッシュッと手で擦る度にその夢魔の肉茎は逞しくなり、ペロペロと舐める度に口内の邪心の一物は硬くなっていく。
最初は怯えていたセレナも、媚薬の効果もあってか次第に頬を赤らめ、体がいやらしく疼くようになり始めた。
「ククク、こんなにいやらしいツユを股間からたらしおっテ、そろそろ頃合いだナ。いよいよお前を女にしてやるぞセレナ」
「え・・・!?そ、それは・・・まさか・・・ひぐぅっ!?」
「誰が奉仕をやめていいと言っタ!」
驚いて顔を上げたセレナだったが、言葉を言い終える前に邪心に髪を掴まれ、強引に喉奥まで肉棒を押し込まれた。
「うぐぅっ!?くうううっ・・ひぐ・・・んっ!・・んんっ!・・・んぐううううううっ!!」
呼吸困難に陥るほどの暴力的な口内凌辱でセレナは苦悶の声を挙げた。
逃げようとしても頭を押さえつけられ、ついに窒息寸前になる。
「もちろん、貴様を犯し孕ませるに決まっているであろうガ。
だガ、その前に仕上げダ。白濁の化粧をくれてやル、やれサキュバス共」
「ぷはぁっ・・はぁはぁ・・は・・え?・・・い、いやあああああああああああああああああああああ!」
口内から肉棒が引き抜かれ、窒息状態から解放されると同時に、
セレナは邪心と夢魔の5人から白濁の液を顔面の至る所に浴びせられた。
ドピュドピュッと勢いよく放たれた、濃厚で熱いそれらはセレナの美しい髪を汚し、
愛らしい顔の全てを白く覆い隠すかのように大量にぶちまけられた。
「うあ・・うああ・・・いや・・あ・・・たす・・けて・・・」
むせ返るような臭気の中、白濁に塗れた少女は必にもがいたが、鎖に繋がれた彼女に逃げ場はない。
「クク、助けてだト?既にそれが欲しくてたまらないのではないカ。
口ではどう言おうト、卑猥な下の口は随分正直なようだゾ」
邪心はセレナの首輪の鎖を引っ張って自分の下に引き寄せ、はしたなく愛液をこぼす媚薬漬け少女の恥部を弄んだ。
「ひっ・・んっ・・そ、そこは・・あっ・・・やっ・・あ・・・あああ・・」
「ククク、随分と敏感に感じるようになったナ。ではいよいよ契りダ、股を開け奴隷ヨ。主人の種をくれてやル」
だが、邪心に押し倒されたセレナは予想外の反抗に転じた。
秘部に触る邪心の手を掴んで抑えようとし、もはや僅かしか残っていない力を振り絞って足を閉じた。
「お・・・お願い・・・何でも、本当に何でもします、から。・・・それだけは・・・それだけは許して・・・!」
- 72 :
- セレナは涙を流して抵抗している。
その抵抗は非力なものだったが、サキュバスはおろか邪心までもが僅かに動揺した。
その行為が何をもたらすか、体に嫌というほど覚えこまされたセレナがわからないわけがない。
心身を破壊し屈服させ、自ら奴隷の宣言までさせ、今やどんな酷い命令にも従うような奴隷に堕としたはずだった。
「ク、ククク。何でもするだト?それは奴隷として当然の義務ダ。何の対価にもならヌ。しかし、ここまで堕ちてなお主人に逆らうとハ、
どこまでも愚かな女ダ。まア、城の眼前でフェアリーライトを使う様な馬鹿女ダ、まだまだ教育が足りなかったようだナ!」
邪心はセレナを突き飛ばし、さらにバインドミストのスペルでセレナの全身を麻痺させた。
邪心は一切体が動かせなくなったセレナに馬乗りになり、反抗した奴隷に罰を与える。
セレナの小さく敏感な突起を摘み上げ、千切らんばかりに捻った。
「くああっ・・・いやぁ・・・お、お願い・・な、んでも、します・・から・・・!」
セレナは願いを取り下げなかった。
激痛に顔を歪ませ、にたくなるような屈辱の中、それでも彼女は性交を頑なに拒んでいた。
「・・・分からぬナ。ここまで汚されきったお前ガ、何故今さら、処女など守ろうとすル?
他人の尻をも舐められる程の変態奴隷に堕ちたお前が、何故それほどまでに性交を嫌がるのダ?」
邪心は凄まじい屈辱感を覚えていた。
同じ女に、現実で拒まれ続けた女に、あろうことか、夢の中でさえも拒まれたのである。
ギロリとサキュバス達を睨む。
まったく調教が上手くいっていないではないか。
何が娼婦より淫乱にして見せる、だ。役立たずのサキュバスどもめ。
いや、まさか性交に抵抗感はないのに、自分だから拒まれたのか。
単純に自分が嫌がられているという事なのか。
邪心は湧き上がる惨めな感情にわなわなと体が震えた。
セレナの返答次第では、何をしてしまうかもう彼自身にもわからないような有様だった。
これまで消極的だったサキュバス達は震えあがり、どうにかして邪心の機嫌を取ろうと必になったが、もう彼の耳には声が届いていない。
邪心の負の感情の連鎖を止めたのは、セレナの返事だった。
「す・・好きな、人が・・・いるんです・・・もう、きっと会えない、けど・・・。約束、だから・・」
- 73 :
- ぴくっと邪心の動きが止まった。
まずい。完全に地雷を踏んだ、とサキュバス達は思った。
ここはもう、とにかくセレナを罵倒し苛め倒して邪心の矛先が自分たちに向かないようにするしか生き残る道はない。
そう考えたサキュバス達はセレナを踏みつけ、その一途な想いを徹底的に酷評した。
「フン!白濁塗れの変態女が清純ぶるんじゃないわよ!汚い奴隷の処女なんて気持ち悪くて豚だって欲しがりゃしないわ!」
サキュバスの足が無抵抗なセレナの秘部に押し付けられる。
「ンァッ・・・!?あ・・!うあああああっ!、い、痛・・・い・・・ひぐっ・・」
まるで蹴りのように勢いよく、サキュバスの足がセレナの秘部へヒットし、そのままめり込むようにグリグリと押し込められていく。
「後生大事にその汚い穴を守った所で、その男がここまで堕ちたお前を人間扱いしてくれると思ってるの?
便器と間違えられて唾か痰でも吐かれるんじゃないかしら!」
そう言いながら2匹目のサキュバスはセレナの太ももを踏みつけ、唾を吐きかけた。
当然、セレナの体は調教によって以外は汚れてなどいないし、使われた事のない秘部も綺麗なピンク色である。
しかし、そのサキュバスの言葉は、清潔さを気にする年頃の娘の心を抉るものだった。
「うっうっ・・・うっ、あっ・・・いやぁ・・・」
セレナは自分にかけられた唾と白濁液を必に拭おうとしたが、体が麻痺して動かない。
もっとも、どんなに拭っても、もう全てを綺麗に落とすことなどできはしない。
「汚れきった淫売奴隷風情が、まだ汚れてないつもり?元王女だろうが、今のお前は嬲られて股間を濡らすただの変態女。
お前の処女の価値なんか汚物以下よ。欲しがる男がいたら見てみたいわ!」
3匹目は思い切りセレナの臀部を蹴りあげた。
サキュバス達は良心が痛んだが、自分たちも命懸けなので手加減はない。
セレナはその体も想いも徹底的に貶められ、ひたすら耐えながらすすり泣く事しか出来なかった。
「そもそも奴隷が恋だの処女だの拘ってる事自体がお笑い草だわ。そんなに大事ならさっさとその男に捧げとけってのよ、自業自得ね。
ま、魔物にレイプされて処女喪失なんてある意味相応しい末路じゃない?相手が豚じゃないだけ感謝、し・・ぎゃああああああ!?」
セレナの処女を奪おうとした4匹目が、スペルの業火の直撃を受けて吹き飛ばされた。
邪心は「勝手をするな。調子に乗るな。囀るな」と怯える夢魔達に告げると、ぐったりとしているセレナにマナを使い、少しだけ回復させた。
「2つ問うぞセレナ。二度と会えぬ男の為に何故ここまでする?そして、それほどその男を想うのなら、何故その男に処女を捧げなかったのだ。
もしも・・・もしもだ。お前がその男に抱かれていればこんな事には・・・。つまり、愛してもいない敵に、処女を奪われる事にはならずに済んだのだぞ」
邪心は静かにセレナを抱きかかえ、黒い布で汚れを拭った。
相変わらず邪悪な気配を纏っているのに、セレナにはその邪心の顔が少しだけ哀しそうに見えた。
「はぁはぁ・・こ、子供を作る大事な・・・事、だから・・・け、結婚した後じゃなきゃ・・・いけないと、思って・・・。
こわく、て。・・・あの人・・こと・・大好きだったのに・・・あの人、何回も、しようって言ってくれたのに・・・ずっと、私、断り続けて・・・。
はぁ、はぁ・・・それなのに、私が・・・あの人を裏切って、他の誰かを、受け入れるなんて・・・それだけは・・」
セレナは喋りながら涙をポロポロとこぼしはじめ、ついにぎゅっと目を閉じた。
もう観念したのか、目を瞑ったまま抵抗も懇願もせず、邪心の腕の中で震えていた。
- 74 :
- 「フ、フフフ、ハハハハハハ!アーッハハハハハハハッ!!もう、遅い!もう遅いわ!諦めろ!何もかもが手遅れだ!ハハハハハハッ!!」
邪心は狂ったように嗤った。
見下したような嘲笑だったが、何故かセレナを見ていなかった。一体それは誰に向けられたものか、誰にもわからなかった。
物陰に隠れているアルダだけが、その様子を嬉しそうに見ていた。
「何とも哀れで滑稽な末路よ。その愉快な悲運に免じて、一度だけチャンスをくれてやろう。下の口以外で我らを満足させることが出来たら、処女だけは奪わないでおいてやる。
ただし、好きでもない我らを相手に絶頂するような事があれば、お前の想いはその程度と見做し、容赦なく犯す。また、少しでも粗相をすればそこで終わりだ」
邪心はセレナを床に降ろすと、サキュバス達を呼び寄せた。
「・・・一つ訊くが、ここでセレナを気絶させたり眠らせたりしたらどうなる。ここは消えるか?」
「い、いえ、ぬほどのショックを与えない限りは、夢の中でさらに眠るだけです。
現実での外的要因で目を覚ますか、時間経過等による自力覚醒が起こらない限りここは消えません。
もっとも、我らの力で時間経過による目覚めも起きませんが・・・」
サキュバス達は唐突な質問に少し戸惑ったが、邪心の邪悪な笑みで全てを察した。
「クク、ではしさえしなければ、永遠にこの世界に閉じ込められるというわけだな」
「し、しかし、それでは肉体が眠ったままいずれんで・・・ひっ・・・」
サキュバス達はセレナの肉体がもたないと忠告しようとしたが、邪心の恐ろしい顔に怖気づき、言葉を引っ込めた。
「よいか、夢魔ども。この雌穴以外は好きに使っていい。セレナをイカせる事が出来たらお前達の勝ちだ。
逆にイカせられなかったら、またヘルハウンドが恋人だ。よいな」
邪心は赤い目を爛々と輝かせて命令を下した。
夢魔達は震えあがり、全力でセレナへの快楽調教へ挑むことになった。
「では、セレナ。奴隷枷は付けたままだが、お前の麻痺は解いてやる。まず口で我のモノに奉仕しろ。咥え込み、丁寧に舐めるのだ」
相談を終え、邪心と夢魔達はセレナを取り囲んだ。
セレナはまず邪心の肉茎に本格的な奉仕をすることになった。
「は、はい御主人様。必ず満足して・・・ちゅ・・・は・・ぁ・・い、頂けるよう・・・ん・・・ぺろ・・・がんばりま・・・ひうっ!?」
一生懸命邪心の肉茎を舐めていたセレナに電流のような衝撃が走る。
サキュバス達がセレナの肛蕾を舐め、指や舌を入れてきたのだ。
彼女達ももはや手ぬるい前戯をしている余裕がないらしく、一気にセレナをイカせるように激しい舌使いで攻勢をかける。
「あ・・そ、そんな所・・ダメ・・きたな・・・ひっ!・・あぁっ・・・!!」
初心なセレナにとって、肛蕾への責めなど考えの外であり、不意打ちに近かった。
しかし、媚薬と調教によって研ぎ澄まされている肢体は、その新しい行為もすんなり受け入れてしまう。
排泄を行う汚く恥ずかしい穴を舐め回されているのに、どんどん呼吸が荒くなり、熱を帯びていく体をセレナは恥じた。
- 75 :
- 「あらあら、こんなに下のお口からオツユが垂れてるわよぉ。もしかして、もうイッちゃたんじゃない?」
元々媚薬の影響下にあるセレナには勝ち目などない戦いであったが、
それでも恐ろしい罰ゲームが用意されているサキュバス達は万が一の敗北も許されない。
4匹は散らばってセレナの敏感な所を責めはじめた。
「はぁ・・はぁ・・ち、違・・い・・・いってなんか・・・はあっ・・・ん!・・せ、背中ダメ・・・!
あ・・・あっ胸・・んっ!・・耳も・・・ダメ・・ェ・・・」
バックの孔を弄ぶ者、敏感な背中を舐める者、胸とヘソを責める者、耳を甘噛みする者。
四体のサキュバスは容赦なくセレナの弱点を的確に突いていった。
「や、あ・・・もう・・・許して・・・わ、私・・・負けたら・・・」
セレナは必でこらえようとしたが、体が勝手に反応し、思考もどんどんモヤがかかったようになっていく。
「・・・おい、誰が休んでいいといった」
邪心はセレナのそんな悲惨な状況などお構いなしで、自分の一物を少女の口の中にねじ込んだ。
「ふぐぅっ!ぐ・・・はぁっ・・・ぺロ・・・ちゅ・・・ぱ・・・うう・・・」
セレナは改めて、自分の置かれた絶望的な立場を理解した。
こんな5対1のリンチのような、圧倒的不利な戦いに勝てるわけがない。
今だってもう頭が真っ白になりそうで、快楽に身を委ねてしまいたい誘惑に塗りつぶされてしまいそうだった。
敗北と破滅は時間の問題だ。
しかし、だからこそセレナは少しでも長く耐えようと、最後の力を振り絞って、サキュバス達の快楽責めに抗った。
きっとこの後の人生は、自分が誰であったかさえ思い出せなくなるであろうから。
「あら・・・喘ぎ声を止めちゃって。頑張るつもりなのね子猫ちゃん。その必さが可愛いわ。
でもね、もうこっちも余裕はないのよねぇ。・・・トドメをさしてあげる!」
ズンッとセレナは自分の体が後ろから貫かれたような錯覚に陥った。
サキュバスがセレナの肛蕾に太い陰茎を挿入したのだ。
極太の茎を一気に根本まで、未開発な小孔に無理矢理貫通させられたセレナの衝撃は凄まじかった。
もはや邪心への奉仕どころではなく、一時的に呼吸が止まり、白目を剥いて口をぱくぱくさせながら虚空を仰いだ。
「か、はぁッ!?・・ギッ!?・・・ア・・・ア・・・ら・・・め・・・そんな、とこ・・・ぬ、ぬいて・・はっ・・あっ・・・ほんと、に・・こわれ・・」
多少解してあったものの、夢魔の極太を受け入れるにはセレナの肛孔は小さすぎ、どくどくと蕾からは血が流れていた。
だが、そんな酷い状態にもかかわらず、夢魔は容赦なく挿入した肉棒を動かし、肛虐強姦を続ける。
バック処女を喪失したセレナは、あまりの痛みに全身の力が抜け、泣き叫ぶ声も出ない。
「ハ・・ウァ・・・ハ・・・ァ・・・う、うごか・・ない、でぇ・・!さ、裂け・・・・・ちゃ・・ひううっ・・あああうっ!」
- 76 :
- 強烈な痛みでしかなかったその肛辱レイプは、次第に強烈な快楽にすり変わりはじめた。
堪えていた喘ぎ声はもはや止められず、はしたない声となって響き渡る。
「だから、誰が奉仕をやめていいと言った!咥えろ、そろそろ出すぞ!」
邪心は再びセレナの頭を掴んで、無理矢理口内に一物を挿入する。
「もごっ!?・・ぐぶっ・・やっ!・・ひやぁっ!・・・んんん!ふえぶ、ふぐぶぶぶぶ・・!?」
セレナは邪心の出すぞという言葉の意味が分からなかったが、口内で膨張し猛り狂う肉茎の動きによってその危険を察した。
身を捩って逃れようとしたが、頭を鷲掴みにされ、口内にあるおぞましい物からは逃れられない。
青ざめ、ガクガクと震えだすセレナに夢魔達も追い打ちをかける。
「セ、セレナのお尻・・・すごい・・・。す、すごく、気持ちいい。や、柔らかくて、・・・それなのに、よく締まって・・
こ、こっちも出すわよ!同時にいかせてもらうわ!」
セレナは涙が飛び散るほど首をぶんぶんと振って止めてと懇願したが、もちろん邪心や夢魔が止めるわけがない。
「わ、私達も・・・思いっきりぶっかけてあげるわ・・・!」
残りのサキュバス達も後れを取るまいと陰茎をセレナに向けて擦り付ける。
「まだ未成熟のクセに、こんな淫乱な体して・・・もうたまらない!」
「奴隷姫ちゃんが体も頭の中も真っ白になるぐらいに、私達で染め上げてやるわ!」
背中、胸、頭、全てに、いきり立つ凶悪なモノが突きつけられ、少女の恐怖はピークに達した。
「受け取れ!前も後ろも全方位から受け止めて見せろ!出すぞぉっ!」
邪心の号令の下、サキュバス達は一斉に白濁液を発射し、セレナの内と外を蹂躙した。
大量の同時射精を未成熟な少女がまともに受け切れるはずもなく、セレナは絶頂しながら邪心の出した白濁を嘔吐した。
「ンンンンンッ!?ひ、ぐ、ひうううぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!?がはっ!がぼ・・ごぼっう、ぐ、うぇぇぇぇぇぇぇ・・・!!」
そして、そのまま自分の吐いた吐しゃ物の上に頭から突っ込むようにして倒れた。
「・・あ・・が・・・ごぶっ・・うぇ、あっ・・」
全身に身勝手な欲望を流し込まれ失神したセレナは、ピクピクと痙攣しながら白濁塗れの悲惨な姿を晒している。
泡とともに吐き出されるヒューヒューという掠れた様な呼吸が、その身に起こった凄まじい責め苦を物語っていた。
少女の体力を思えば、信じられないぐらい健闘したと言えるだろう。
だが、邪心は当然そんな少女の頑張りなど考慮しない。
「水をかけて目を覚まさせよ。起きるまで何度でも水をかけてやれ。気絶して楽になる事など許さぬ。ついでだ、その奴隷についている汚れも全部洗い流せ」
サキュバス達はここまで敢闘した少女に対し、あまりに酷い仕打ちだと思いながらも、バシャバシャと桶に汲んだ水をかけるしかなかった。
哀れなセレナは気絶すら許されず、水の冷たさに無理矢理意識を引き戻らせられた。
その目は虚ろで、口からはだらしなく涎が糸を引いている。
あまりにも無惨な光景だった。少女の心は確実に限界に来ていた。
「あ・・・あぅ・・・も・・・やめ・・て・・・」
邪心はそんなセレナの言葉を無視し、首輪を掴んで無理矢理引き起こすと、無慈悲な裁きを言い渡した。
「好きでもない敵相手に絶頂してしまう上、尻穴に咥え込んで悦ぶあさましさ。もはや貴様のような淫売女に酌量の余地はない。
加えて、主の精を飲み干す事が出来ぬどころか吐いてしまう大失態。やはり貴様は最低の奴隷だセレナ。堕ちる所まで堕ちて果てるがよい」
それはあまりに一方的な言い分だったが、その言葉はこの場において絶対だった。
- 77 :
- 「ひ・・・いや・・・いやぁっ!」
セレナは混濁した意識の中、必で逃れようとした。
しかし、セレナはもう抵抗する力どころか、自分に付けられた枷を持ち上げる力さえ残っておらず、這う事すら出来ない。
少女は仰向けに転がされ、邪心の無慈悲で熱い塊を受け入れるしかなかった。
ミチミチ・・・グチグチッ・・・!
少女の秘部から何かが引き裂かれる様な音とともに、愛液に混じって大量の鮮血が溢れ出す。
「ンンンンンンッ!あうぅぅぅっ!?ひ、い、いやあああああああああああああああっ!!」
破瓜のあまりの痛さにセレナは血を吐くような悲鳴をあげた。
何もかも無惨に奪い尽くされた少女が、最後まで抗い守ろうとした、どうしても守りたかった最後の一つが、今まさに喪失していく。
「ククク、これがセレナの、我が奴隷の処女の味か!実に良い!キツく吸い付いて放そうとせぬ!なんと淫乱な器よ!」
ズッズッ・・・グチュ・・・グチュ・・・ズズズッ・・・!
邪心は相手の痛みなどお構いなしに、柔壁を掘削し、膣奥を突き上げる様な激しい挿入を繰り返す。
その為セレナは強烈な腹部への圧迫感で息が止まりそうになり、全身が軋むような大激痛に襲われた。
あまりの痛みと酸欠になりかけている苦しみで、ろれつさえもまわらない。
「がっ・・・あっ!・・・ぬ、ぬい・・へ・・おっ!・・おっき、すぎ・・る・・ひっ!・・ひんじゃ・・ふっ!・・・」
セレナが白目を剥いて泡を吹く程の悲惨な状態に陥っているにも拘らず、邪心の挿入行為はさらに激しさを増し、
もはや挿入というより杭打ちに近い乱暴極まる行為になっていった。
セレナの脳は子宮口が突き上げられる度に電流が走るようなショックを受け、
皮肉にもそれがますます締りを良くし、邪心に快感を与えてしまっていた。
「ぐ・・・だ、出すぞセレナ。もし孕めば神の母体として新たな宇宙でも生かしてやろう・・・!」
昂ぶりが限界に達した邪心はついにこの凌辱の仕上げにかかった。
怒張する熱塊の突き入れが小刻みになる。
セレナを待ち受ける最悪の結末はもう目前に迫っていた。
「ひっ・・ら、らめ・・・れ、れったいらめぇ!!・・ら、らかで、らしちゃ・・ら、め・・・」
邪心の恐ろしい予告を受け、セレナは消耗しきっている体を無理矢理動かし、無我夢中で逃れようと抗った。
強姦で処女を奪われ、そのまま中出しされ、悪魔の子を孕まさせる。
結婚に純真な憧れを抱き、一途に純潔を護り続けていた少女にとって、これほど残酷な初体験もないだろう。
だが、そんな少女の拒絶の意思表示は、邪心の嗜虐心をさらに掻き立てただけだった。
「ククク、奴隷が主に抗するとはいい度胸だ。決めたぞ!お前が孕むまで犯し続けてやる!
やれっ夢魔ども!我とともにセレナを嬲りつくせ!」
残忍な宣告とともに、サキュバス達に号令が飛ぶ。
- 78 :
- 邪心に怯えるサキュバス達はすぐさまセレナを起し、邪心の上に跨らせると、両胸、口、肛蕾にそれぞれ猛った凶器を突きつけ、あるいは挿入した。
邪心への恐怖とセレナへの劣情で、彼女らの肉茎は既にはち切れんばかりに硬化しており、
その凶器はセレナの柔らかい肢体を刺すようにめり込む。
両胸を刺す二本は乳首が小さな乳房を押し潰すほど圧迫し、口に入った一本は喉を突き、肛蕾に入った一本は抉り削るように彼女を貫いた。
「ひゅあっ!?・・ぐっ!・・ああっ!・・お、おねひゃいらからっ・・ひゅ、ひゅるひてえっ!・・あ・・・ああっ・・・」
突然の三穴責め、いや五本責めで串刺しにされたセレナは、目から火花が飛び散るほどの衝撃を受け、本当に体と意識が飛びそうになる程激しく体を痙攣させた。
だが、悪夢の本番はこれからだった。
「イけ!全ての穴を貫かれて処女を散らすがいい!」
セレナに突き付けられた一物、黒く太い砲身の様な凶器たちから、まさに大型砲の一斉射撃のようにソレは勢いよく放たれた。
ドビュッ、ドププッ、ドリュブブブブブブブブブブブブブブッッ!!
「ひっ!ひあああああああああああああああああああああああああああ・・・っ!!」
セレナは自分の内と外全てを汚し尽くす一斉射精による苦痛と被虐快楽で脳が焼き切れそうになる。だが、邪心と夢魔達の絶頂は止まらない。
どぶゅびゅっ!どぴどぷぷっ!どぶどぶどぶどぶどぷどぷどぷっ!
「ひぁぁぁ・・あは・・ごぼっ・・・うええっ・・はっ・・あ・・ぁ・・・・・・・・・・・・」
容赦なく放たれ続ける追い打ちの連続射精で、少女の理性は完全に吹き飛んだ。
セレナは邪心の上で無理矢理騎乗位の体制をとらされたまま、ぐらりと不自然な形に崩れ落ちた。
口や鼻から涎に混じって精液が零れ、秘部と尻孔からは赤い血と白濁が下品な音を立てて溢れ出す。
理不尽な暴力に晒され続けた全身は痣や擦り傷だらけであり、拘束具の付けられた手首や足首からは血が滲んでいた。
その陰惨を極める哀れな姿は、芽吹く直前で無惨に踏み散らされた幼花の様だった。
そこにはもう、かつてのセプターとしての勇姿や、恋する乙女としての可憐さを想起させるものは何もない。
罪悪感にさいなまれるサキュバス達は急いでセレナの回復に努めたが、もはや手遅れだった。
「セレナ!しっかりしてっ!ねえ、セレナちゃんっ・・!」
「・・・・・・・」
夢魔達の泣き出しそうな呼びかけに、セレナはまったくの無反応だった。
強姦による処女喪失がもたらした計り知れぬ絶望は、セレナの心を支える最後の柱を叩き折り、彼女を文字通り崩壊させた。
いくらサキュバス達が体の傷を治しても、心に負った傷までは治せない。
- 79 :
- 「なんだ。せっかく女にしてやったというのに。快楽が足らぬようだな」
邪心は何ら後悔も痛痒も感じていない様子で、そんな見当違いの言葉を吐いた。
彼には自らが壊してしまった少女への罪悪感など微塵もなかった。
「夢魔共、これを使ってその奴隷を叩き起こせ。
それから限度の倍、いや3倍の濃度の媚薬を投与しろ。つまらぬ過去など綺麗に忘れさせてやれ」
動揺し戸惑うサキュバス達に、邪心は麻痺を与える強力な鞭、バインドウィップを差し出した。
「ま、まさか、この鞭でセレナを叩け、と仰るのですか・・・?」
おずおずサキュバス達は聞き返した。
こんなクリーチャーをも打ち倒すような本物の武器で打ち据えたら、今のセレナが無事で済むはずはない。
おまけに限度の3倍もの媚薬なんてものを投与したら、心が、というより脳がもたない。
セレナの意識はもう2度と正常へは帰ってこられなくなるだろう。
「・・・何か問題でもあるのか。グズな奴隷を鞭で打つのは常識であろう。
主人を満足させきらぬまま寝てしまうような奴隷のきつけにはお似合いであろうが」
邪心は小馬鹿にするようにサキュバス達を見つめる。
サキュバス達はフルフルと震える拳を押さえ、セレナを護るように邪心の前に立ちはだかると、そのまま額を擦り付けて土下座した。
「お、お願いです邪心様!どうか今宵は我らとこの奴隷めにお慈悲を!」
「この奴隷は、セレナは今、大変危険な状態です。これ以上の行為は、彼女を廃人に追い込んでしまいます。
たとえ命は無事でも、セレナがセレナでなくなってしまいます!」
「今ならまだ辛うじて意識を回復させる事が可能です!まだ足りないと仰せならば、わ、私達に鞭でも媚薬でも、好きなだけお使い下さい・・・!」
「私達がやりすぎた事なら謝ります!散々セレナに惨い事をした我らが言えた義理ではないことは重々承知しております。
ですがそれを曲げて、どうかこの娘はもう許して・・・ギャアアアアアアアアア!?」
サキュバス達の命懸けの嘆願は、邪心の振るうバインドウィップの打撃とともに霧散した。
前列2匹のサキュバスが麻痺状態に陥り、そのうち1匹は身動きが取れなくなった所を邪心に思い切り踏みつけられた。
美しい夢魔の美貌は見るも無残に破壊され、腫れ上がった顔から涙と砕けた歯を零して昏倒した。
「薄汚い淫魔風情が我に意見するな。我はまだ満足しておらぬ。その娘は我が人を捨てる為の生贄。
我が思うままに欲望をぶつけてこそ意味がある。我が満たされるまでもつか否かはその奴隷の運次第よ」
この一言が決定打となった。
サキュバス達と邪心は、手段は似通っていても目的はまったく相容れない者同士だった事が浮き彫りになった。
彼女たちは快楽の虜となった恋人を作りたいのであって、快楽をむさぼる以外の機能を失った廃人を作りたいのではない。
そんなものは調教でもなんでもない、人間を壊すのを楽しむ鬼畜の所業である。
麻痺を逃れた2匹のサキュバス達はついに反乱を起し、セレナを抱きかかえて逃走した。
- 80 :
- 「あ・・・ふ・・・?」
突然抱きかかえられたセレナは不思議そうな目で夢魔を見つめる。
既に彼女の精神は正気と狂気の境を彷徨っており、状況が理解できていない。
というより、もう自分が誰なのか、今自分を逃がそうとしている者が何なのかさえ混濁し、思い出せない様子だった。
サキュバスは自分達が犯してしまった罪の重さを感じずにはいられない。
「ごめん、ごめんねセレナ!私達がした事を償えるとは思ってない。でも、せめて貴方だけはこの悪夢から無事に逃げて!目を覚ますのよセレナ!」
「・・・?」
「あなたは本当は汚れてなんかいないの!絶望なんかしなくていいの!この奴隷の焼き印も、ほら、簡単に消えちゃう嘘っぱちなのよ!」
サキュバスはセレナの枷を外し、焼き付けた奴隷印の幻覚を解いた。
セレナは少し驚いたような顔をしたが、もうそれがどんな意味を持っていたかも彼女には思い出せない。
邪心が追ってくる。
セレナを抱えていない方のサキュバスが、意を決して邪心に襲い掛かり時間を稼ぐ。
早くセレナを逃がさなければ、この少女は本当にされてしまう。
サキュバスはセレナを強く抱きしめ、彼女の意識を呼び覚まそうと泣き叫ぶように真実を暴露する。
「この部屋も何もかも全部嘘なのっ!目を覚ませば逃げられるのよ!目を覚めしてセレナ!!ここはあなたの―」
そこで、突然サキュバス達は2匹とも動けなくなった。
「あなた達まで、この私を裏切るのか・・・ゆるさない。ゆるしませんよ」
「アッ・・ガッ・・・マ、マスター・・・ち、違ます・・・そんなつもりは・・うううっ」
部屋の隅で不干渉を貫いていた賢者アルダが力を解放し、結界によって夢魔達を金縛りにしたのだ。
「誰一人として、ここから逃がしません。・・・さあ邪心よ。どうか御心のままに。そして世界を滅ぼし、私と貴方とその奴隷で新たな世界へ旅立ちましょう」
アルダの言葉に邪心はニヤリと笑うと、サキュバスの手から落とされ、震えるセレナにゆっくりと歩み寄った。
「さあ、邪魔者は全て消えた。さてどうするかな。ワーボア100体に輪姦させるか、ファイアーアムルを持たせて無限に切り刻むか、ダイナマイトを突っ込むか・・・」
クククク、と残忍な笑みを浮かべる邪心を見ても、セレナはもう動かないし動けない。
「ヤメテエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!オ願イッ!ヤルナラ私達ニシテッ!モウソレ以上ハ調教ジャナイ!」
「マスターッ、邪心ヲ止メテ!コノママジャアノ娘手ニ入ラナイ、サレチャウノヨ!」
邪心のおぞましいプランにサキュバス達は声を張り上げて中止を訴えたが、邪心は既にセレナに顔を近づける程接近し、賢者は動かない。
もうセレナは絶体絶命だった。誰もがそう思った。しかし―
- 81 :
- 「・・・なんてね。おはようセレナ。これは夢だよ。早く目を覚まして」
邪心はセレナの頬に優しくキスをした。
邪心が青年のように優しく変わるというこのあり得ない事態は、これが非現実だと彼女に疑いを持たせるには十分だった。
夢の中でそれが夢だと気付いた時、夢は終わりを迎える。
「あ・・あれ・・わ、私・・・これ・・夢・・・?」
セレナの意識が急速に戻っていく。
そして、彼女の理性が戻るのに比例して、彼女は夢から覚めていく。
夢魔の力で特別に作られた、通常では目覚める事の出来ないこの淫夢も、4匹全てのサキュバス達の能力が麻痺で封じられた為、ただの夢に戻っていたのだ。
「な、何故!?何故その娘を選ぶのです!その娘に付いて行っても、尻に敷かれ続けて大変な苦労をするだけなのですよ!?
神となる資格さえ持つあなたが、そんな小娘に主導権を握られて、それに耐えられるので・・・ぐあっ!?」
取り乱すアルダに、邪心、いや青年はバインドのスペルで拘束した上、ライフスティーラーを突きつけた。
「セレナを置いて神になるつもりならとっくになっていますよ、ルシエン様」
バインドをくらって変身が解け、床に転がったのはアルダではなく、同じ三賢者の一人、聖女ルシエン―それも闇の人格の方―だった。
「ぐっ・・・な、何故・・・どうして私だと・・気付いて・・・」
「第一に、このサキュバス達は明らかに場馴れしすぎていました。アルダ様は普段サキュバスは使わないにも関わららず」
青年は自分の体に纏わりつかせていたサキュバスとは別の夢魔、ナイトメアを引き離した。
とっさの機転で彼はこのクリーチャーをこっそり呼び出し、自分が邪心に変化したかのように見せかけていたのだった。
「第二に、アルダ様は攻めてきた敵幹部にメイド服を着ろと正面から言ってのける漢です。こんな回りくどくて陰湿なやり方はあの人らしくなかった」
青年は夢が覚め消えていくセレナを確認しつつ、サキュバスとルシエンをバインドウィップで縛り上げた。これでもう闇のルシエンも反撃は出来ない。
「そして、最後に・・・あなたからは自分と同じ≪成り損ない≫の匂いがした。自分と同じく、己の中に≪成れなかった自分≫を抱えるサキュバスの使い手。
そんな稀有な人は、自分の知り合いには貴方しかいませんでした。もっとも、貴方は消滅したと思っていたので、表人格のルシエン様かと思っていましたがね」
そう、ジェミナイの呪いから生じたルシエンの闇の人格は、アルダ達の協力によりこの世界から完全に消滅したはずだった。
おそらくはルシエンであろうと予測していた青年も、まさか消失したはずの人格が出てくるとは思っていなかった。
闇のルシエンは縛られたまま、観念したかのようにがくっと肩を落とした。
「・・・確かに私はあの時、体から追い出されて消えましたわ。でも、このサキュバス達が、この夢世界に私を匿ってくれた。今の私はもう現実に実体さえ持たない、レイスのようなもの。
体すら、この世に居た痕跡すら残せず、命とさえ見做されずに私は消された」
ポタッポタッとルシエンの頬をつたって大粒の涙が床に落ちる。
「私はただ、普通の娘でいたかっただけなのに!普通の娘のように暮らして、恋をして、幸せになりたかっただけなのに!皆が私を不要物扱いして、邪悪な者扱いして、聖堂に閉じ込めて・・・!!
最後は自分自身からも拒絶され、私は世界から消滅させられた!!こんな世界の方こそ消えてなくなればいい!うっ・・うっ・・」
溜まりに溜まったものを全て吐き出すように、闇のルシエンは涙を零しながら独白した。
この世の理不尽に翻弄されて泣くその哀しい姿に、かつての禍々しい威圧感はない。それは三賢者でも呪われた聖女でもない、ただのか弱い娘の嗚咽だった。
「だ、だから・・・だから貴方に・・・こんな世界を壊して、私の生きられる新しい世界を作ってほしかった。私は貴方が欲しかった・・・
でも結局、今回も私は貴方の掌の上だったのね・・・」
彼女もまた、青年にとってのジェミナイと同じ≪成れなかった自分≫だった。
自分が存在する事さえ、世界からも己自身(表ルシエン)からも拒絶されて消された彼女の絶望と憎悪は計り知れない。
ジェミナイを誕生させ、世界の滅びを祈願する程、彼女は屈折してしまっていた。
- 82 :
- 「・・・全てが計算通りだったわけじゃありませんよ。自分も一時は本当に邪心に飲まれかけた。
いつから邪心のフリだったかはご想像にお任せしますが、危険な賭けでした。
邪心のフリをして貴方達を欺きつつ、この世界からセレナを逃がす術を見つけ出し、さらに貴方とサキュバス達を両方同時に無力化しなければならなかった。
先にセレナが耐えきれずんでしまう事も充分ありえた」
青年が鎌を振り上げた。闇のルシエンは無念そうに涙を零し、眼と瞑って覚悟した。
しかし次の瞬間、青年はその鎌を壁に叩きつけ、ルシエンを優しく抱き上げた。
「オレは最低の人間です。オレのしたことはもうどんなに悔やんでも償えない。神になるどころか、真っ当に生きる資格もない。
・・・こんな自分でよければ、貴方と共にこの牢獄にずっと居て、少しでも罪を償おうと思う。
あなたの為に世界はつくれないけど、一緒に居て涙を拭いてあげることぐらいは出来る」
ルシエンは目を見開いて驚いたが、そのまま鋭かった目つきが優しい少女の目に変化していった。
同時に、彼女の体が薄れ始めた。
怨念めいた未練から、呪われた聖女は今ついに解放されたのだ。
彼女が本当に望んでいたのは、世界の滅亡でも新世界でもなく、その優しい言葉だけだったのだから。
「・・・最低なのは私の方ですわ。あなたは悪くない。あなたは悪い魔女に騙されて、恋人を酷い目に遭わされただけ。
あのお姫様にも酷い事をしてしまいましたわ。私はもう充分ですから、後はあの娘を幸せにしてやってくださいな」
闇のルシエンは、別人のような優しい笑顔になった。
それは彼女が歪んでしまう以前の、農村で麦畑の中を駆けまわっていた純朴な娘のものなのかもしれない。
青年はその願いに答えず、俯いたまま質問を返した。
「・・・そういえば、一つだけわからないことがあります。オレを邪心に堕とすなら、セレナをした方が確実なはずなのに、貴方は何故かそうはしなかった。
むしろそれだけは避けていた様にさえ感じました」
たしかにそうだった。
セレナがされでもすれば、青年は邪心へ変貌していた可能性が高い。
しかし、アルダに扮した闇ルシエンは調教中セレナをすどころか、ミスを装って回復スペルをかけ助けたりさえしていた。
「・・・あの娘だけだったから。あの忌まわしい世界で、私を本気で庇って味方になってくれたのは。
私は貴方と同じくらいに、いいえ、貴方よりもあの娘が欲しかった」
闇のルシエンは目を閉じて思い返す。
自分の師匠アルダ、表人格の恩人であるセプターの青年、そして己自身たる聖女ルシエンまでもが自分を排除しようとした。
世界全てが自分を敵と見做すような孤立感。そんな中、セレナだけは自分と同盟を組み戦ってくれた。
闇のルシエンはあの日初めて他人に損得抜きで庇われ、人生最初で最後の同盟を組み戦った。
最初はどうせ口先だけだと思っていた。しかし、その少女は本気だった。
だから世界全てを滅ぼしても、あの日初めて得た唯一の味方だけは、自分の傍に置きたいと思った。
「でもあの娘は眩しくて、私なんか手の届かない日の当たる所にいるから・・・私と同じ所に堕ちれば、私のモノになってくれると思っていました。
本当に、愚かでしたわ・・・こんな酷い事までして・・・」
闇ルシエンの瞳に熱い涙が滲む。
「お願いです・・・私のサキュバス達を使ってあげて下さい。あの子達は私の命令で動いていただけ。
あの子達は本当はとっても優しいのですわ。あのお姫様に与えた悪夢の記憶みんな忘れさせて、楽しい夢にすり替えてくれるはず。
私はもう、消えてしまうから、もうそれぐらいしか・・・」
サキュバス達は闇のルシエンに縋って泣いたが、彼女の消滅は止まらない。
セレナが夢から覚めた事で、この空間も少しずつ崩壊を始めてきた。
青年は消えていく儚い聖女をもう一度強く抱きかかえた。
「貴方の事、忘れません」
闇のルシエンは頬を赤らめ、とても満たされたように笑い、そして消滅した。
- 83 :
- 夢の空間も消失し、青年は4枚のサキュバスのカードと共に現実の宿へと戻った。
現実ではもう朝日が昇り始め、さっそくセレナがとっても怖い夢を見たと泣きついてきた。
そしてついに、セレナの方からもう怖くないからバージンを捧げたいという申し出をしてきた。
よほど強姦されて処女を奪われる悪夢が堪えたのだろう。
顔から火が出そうな程真っ赤になっていたが、ずっと拒んでいてはいつ自分の身に何があるかも分からない、初めては好きな人に捧げたいという思いが勝ったらしい。
本来なら嬉し泣きしたいくらいの申し出だったが、青年は「今日は体の調子が悪いからあとにしよう」と言ってセレナをなだめ、部屋を出た。
そして、そのままあの荒野へと向かった。
「やっぱりダメですルシエン様。オレにはもうあの子を好きになる資格がない。貴方にもフラれた事だし、僧侶か神主にでもなって、またアテのない一人旅に戻ります。
もし贖罪を終えることが出来て、神になるかどうか、答えが出せたらまた来ます」
青年は自分が作った小さな墓標にそう語ると、小さな草花を手向けて静かにそこを立ち去った。
その墓標には名前がなく、「ある農家の娘」とだけ書かれていた。
- 84 :
- その夜、青年はセレナが眠りについたのを確かめると、静かに旅支度を済ませ、書置きと全財産を残して宿を密かに抜け出そうとした。
「・・・どこへ行くの?」
暗闇の中で、青年は服をぐっと掴まれた。セレナだった。
「こんな手紙だけ残して、私を見捨てて一人ぼっちにするの?・・・私の事、やっぱり嫌いなの?」
セレナは強い口調で青年を問い詰める。
「違うよセレナ。・・・全部オレがいけないんだ。オレはセレナに対して許されないことをした。
きっとどんなに謝っても許してもらえないぐらい酷い事をだ。一緒にいたら、きっとまたセレナを傷つける。だから、ぐあっ!?」
縋りつく手を強引に振りほどこうとして、青年は逆に押し倒され組臥された。
セレナは本気で怒っている。本気で腕を折るような力加減で、キリキリと青年の腕を締め上げる。
「頼むセレナ。オレは自分の正体に気付いたんだ。君が最高と呼んでくれた男は、本当は最低のクズ野郎なんだよ。
君は覚えていないけど、知ったらきっと軽蔑する。あんな事をしておいて、何の償いもせず一緒になんて居ていいはずがない。君にはもっと相応しい人がきっと―!?」
青年の言葉を遮るように、セレナは彼の首を絞めた。
それも、喉を潰さんばかりの力が込められていた。青年はセレナを傷つけまいと反撃を控えていたが、思わずセレナの首を絞める手を振りほどいた。
様子がおかしい。いくら何でもセレナがここまで気を込めた攻撃をしてくるわけがない。
「あ、あ・・ま、まさか」
「そうね、絶対許さないわ。あんな事をしておいて。こんな手紙一枚で責任も取らずに勝手に逃げ出して、随分と都合のいい話よね」
セレナはバラバラと四枚のサキュバスのカードを床にばら撒いた。
それが何を意味するか、当然わからないわけがない。青年は顔面蒼白になった。
「セ、セレナ・・・気付いて・・・!?」
無表情に見下ろしてくるセレナの視線が痛い。
もう青年は真名板の上の鯉、いや処刑台の前に引っ立てられた罪人だった。
今さらセレナを傷つけない為だなんて、どの口がほざいたのか。
結局また、自分を守ろうと言い訳していただけだ。
どんなに格好をつけた理由を言い訳に逃げようとしても、所詮自分は恋人を蹂躙した最低の強姦魔。
その烙印を永久に抱えて、どんな罰も受け入れるしかない。
青年は観念し、首を絞めるセレナの手を放した。
すると、セレナも手を緩めた。
「絶対に許してあげない。だからせめて最後は、本当の事を言って。私と一緒にいたかった?私の事、好きだった?本当は許してほしい?」
セレナは容赦なく問い詰める。
青年は泣きそうになる。
これは最低の自分が招いた自業自得だと分かっていても、あの優しかったセレナから見下され、憎悪と意を向けられるのは何よりも堪えた。
あの過ちがなければ、少女はずっと優しい笑顔のまま、自分を最高の人として見ていてくれただろうか。
今やその愛しい元恋人からは軽蔑され、首を絞められされかけている。
もう今さら格好をつけた所で意味がない。
最後ぐらい本音をぶちまけて、格好悪くのうと青年は半ばヤケクソになって叫んだ。
「・・・一緒にいたいさ!本当は、ずっと一緒にいたかったよ!大好きだった!神の権利なんていらないと思えるぐらいに!
いいや、今でも大好きだ!許されるものなら許されたいさ!でも、もうダメなんだ。許されるはずがない。オレはもう―」
- 85 :
- 「じゃあ、その願いを叶えてあげる」
後ろから声がした。聞き覚えのある声だった。
「・・・え?」
ドロロンと、青年の上に載っていた偽セレナが正体を現す。
「ドウモ、ドッペルゲンガーデス」
青年は目が点になった。
セレナにしてはやけに力が強く、攻撃に容赦がないと思いつつも騙された自分もどうかしていたが、もうそれはどうでもよかった。これは一体どういう事なのか。
背後から現れた本物のセレナは、涙目でポカンと困惑している青年を優しく抱いた。
「マルセスブルグで、一回だけ何でもお願いを叶えてあげるって約束したよね?だから許してあげる。
普段だったら絶対許さない事でも、あなたが何を私のしらない所で何をしていたとしても、私はあなたを許してあげるよ。だから・・・一緒にいてよ・・・」
カードから四匹のサキュバスも姿を現す。
「一世一代のカマかけは大成功ね!大丈夫、王女様の悪夢の記憶はちゃんと消しておいたわよ」
「ただ、夢の中で王女様に酷い事をしたって事は伝えたの。あなた王女様を置いて世捨て人になろうとするんだもの」
「責任も取らずに恋人置いてくなんて、ただの自己満足よ。ちゃんと謝って、幸せにしてあげる事で償いなさい」
「セレナは貴方が夢の中で何をしてたとしても、許してくれるってさ!まったくこの幸せ者!」
サキュバス達は祝福するように、青年をポカポカと叩いた(青年はお前らが言うなと突っ込みたかったが、ぐっと堪えた)。
「・・・ほ、本当にいいのかセレナ。そんな事で許してしまって。あんなに酷い事をしたのに。オレはまたいつジェミナイになるか分からない、のに・・・」
青年の弱々しい声の問いに、セレナはにこっと笑った。
「大丈夫よ。所詮は夢の中の話、いくらでも誤魔化せるのに、あなたはずーっと辛そうな顔してた。すごく反省してた。だからもう絶対にジェミナイにはならない。
あなたは私にとって、いつまでも優しくて最高の人のままだよ」
青年はついに、堪えきれずに泣いてしまった。
膝をついて涙を拭う青年に、セレナは慰めるように優しく頭を撫でた。
青年は思った。
一生主導権を握られっぱなしだろうが、手料理がバジリスクの毒並の確率即効果付だろうが、そんな事はもう些末事だ。
レオとゴリガンが何と言おうと、ここに残ってセレナと添い遂げる。
- 86 :
- 青年は決意を胸にがばっと顔をあげた。
「セレナ!ずっと一緒にいよう!オレは君の為に全てを捧げる事をちか・・ぅ・・・あれ・・牛さん・・?」
顔をあげた先に、ミノタウロスの巨大な顔があった。
「久しぶりだな小僧。夢の中では随分と世話になったな・・・!」
巨大な牛頭は威嚇的な笑みを浮かべる。明らかに目が笑っていない。
「あ、ははは。その節は、その・・・どーも。あの、これは、どういう・・・」
嫌な汗が噴き出してきた青年を見て、サキュバスはニヤニヤ笑う。
「ああ、だって記憶を消してって言われたの王女様だけだもん。アナタが苛めたバルキリーちゃんやケットシーちゃんが、夢の中でお待ちよ」
震えあがる青年の両肩を、ミノタウロスはがしっと掴みロックした。骨が折れそうなぐらい力が籠っている。
「ごめんね。私がされた事はいくらでも許してあげられるけど、その子達にしたことは、その子達に謝ってちゃんと許してもらって。大丈夫、みんな、私がされてた事の10倍ぐらいのお仕置きをしたら勘弁してくれるって言ってくれたから」
がくがくがくがく。
青年は膝の震えが止まらなくなった。される。
どんなムゴい目に遭わされるか、想像もつかない。
セレナは自分が何をされたか具体的に覚えていないから楽観的だが、主犯である青年にとって10倍返しは刑宣告に聞こえた。
「あの、ぼ、ぼく・・前から牛さんって最高のクリーチャーだと思ってたんですよ」
「なあに、所詮は三流クズクリーチャーでございますよ一流セプター殿、ささ、スリープの巻物でお眠り下され」
ミノタウロスは終始笑顔だが、まったく目が笑っていない。
さらにサキュバス達も加わり、青年の手足を掴み拘束する。
「マアマア、トリアエズ、命ダケハ保障シテアゲルヨ」
「セレナヘノ贖罪ト思エバ、温イモンデショ?ソレトモ、アンタノ反省ハソノ程度?」
サキュバス達は悪女顔になって、意地悪く青年の弱みを突く。
どうやら彼女達もヘルハウンド等の責めを受けた恨みを晴らすために復讐に参加する気らしい(青年はお前らも加害者だろと思ったが言える雰囲気ではなかった)。
「わ・・・わかったよ。これも自分で撒いた種だ。待っててくれセレナ。オレは頑張って耐えて、必ず罪を償って、生きて戻るから、その時は・・・ぐえっ!?」
涙目で決意した青年の告白は、ミノタウロスに襟首を引っ張られた事で中断無効化された。
「・・・ケツ穴用にキュアー最低50枚は用意しておけよ小僧。二度とセレナ様にあんな真似が出来ない様に躾けてやるからな・・・!」
静かな怒りを湛えているミノタウロスは、耳元でぼそっと恐ろしいセリフを呟いた。
「ぎゃあああああああああああああああっいやっやっぱりいやだああああああああああああああっ!・・・うう・・・ぐぅ・・・zzz」
結局青年は情けなく泣き叫んだ挙句、強制的に眠らされて夢の世界に連行されてしまった。
セレナは悪夢にうなされる青年をベッドに寝かしつけ、彼の帰還を待つ事にした。
- 87 :
- 「・・・邪心のフリをしてるの、途中からバレバレだったよ。本当の邪心なら、あんなに泣きそうな顔しないもの」
セレナは青年の横顔のキスをして、黙っていた秘密をそっと明かした。
悪夢の記憶は完全には消えていなかった。
あの恐ろしい夢は強烈過ぎたため、サキュバスの力をもってしても完全に消すことは出来なかったのだ。僅かでおぼろげな記憶だが、あの時受けた苦しみや悲しみは今も残っている。
それでも、その全てをセレナは許し、青年にこれ以上罪を感じさせまいと黙っていた。
にたくなるぐらい酷い目にも遭わされた気もするし、自分はともかくクリーチャーを嬲りされた事は許せなかったが、結局それは自分を助けるためだったのだろうと思うと、あまり強く怒れない。
おぼろげな記憶の中、青年は自分を逃がす事のみを優先し、サキュバスを倒したら夢から出られなくなると脅されていたのに、まったく躊躇わず自分だけを逃がそうとしてくれた事を覚えている。
自分の為に命懸けで夢魔達やよく思い出せない「誰か」と渡り合い、神の地位も命も捨ててまで好いてくれる男性を、嫌いになれるはずがない。
「そのお仕置きが済んだら、しっかり埋め合わせてもらうからね!いっぱい楽しい記憶を作ろうね。今度は夢じゃなく、ね!」
辛い過去の記憶は、それ以上の楽しい記憶で埋め合わせればいい。
前向きで優しい少女は、ウキウキしながら青年が赦されて帰ってくるのを待ち続けた。
- 88 :
- 以上です。
張った後に気づいた誤字が結構あって、すみません(目を覚めしてとか)
前スレでのネタでは、本当はこの後、生娘なのに感度がよくなったセレナと現実で純愛路線なエロを、という話だったのですが
邪心が夢の中でやらかしすぎて、これでなんの罪悪感もなく現実で恋人ヅラしてたら、純愛じゃなくて邪心以上の鬼畜だろとおもってやめました・・・
ド素人なので読みづらい文な上、かなり長くなってすみません。
それでは、お目汚し失礼しました。
- 89 :
- 639殿、乙でした
色々と楽しませてもらいました。また、何か思いついたら是非ご披露ください
あと、くれぐれも体は大切に。それでは失礼します。
- 90 :
- 大作乙
男主の無事な生還を祈るw
ミノさん使う奴ってセレナとナジャランくらいか?
いないと寂しいがブックには入れるのを躊躇うクリーチャーだしなあw
- 91 :
- ライバーン「俺を忘れんなよ」
- 92 :
- もし学パロやったらこんな感じという妄想
バルベリト→未来のジェミナイを求めて学生を集める悪の理事長。
アルダ→校長。女子制服をメイド服にという野望を持つ隠れた変態。
ゴリガン→教頭。わからない事は優しく教えてくれる頼れるおじいちゃん先生。ちょっと頑固。
ルシエン→保健室の先生。優しく可愛いので男女問わず人気。おとなしい性格だが、気に入られた生徒は保健室で迫られるという噂あり。
ザゴル→体育教師。うるさい、馬鹿、横暴の三拍子で煙たがられるが、たまに面倒見の良さを見せることがあり一部の生徒からは人望厚い。
ガミジン→新任国語教師。イケメンぶりで女子から絶大な人気を得る。しかし持ち前の鈍感さを発揮してフラグをへし折る毎日。三年生のミュリンとは家が近所で幼なじみ。
モロック→マッドな物理教師。独自の理論で繰り広げられる授業は難解で学生からはすこぶる不評。たまに実験台にされるのも不評の一因。
ワールウィン→英語教師。同じ異種族ということもあり留学生のピケットをフォローする役回りが多い。彼が来てから苦労が増えたとか増えないとか。
とりあえずハタチ以上は教員で統一してみた
十代は学生で
ライバーンだけは何教えるのか想像できんかった
でもたぶん給料泥棒
女主「ライバーン先生、自習ばっかりやってないで働いて下さーい。いい歳した大人がまともな仕事しないのはみっともないと思いまーす」
- 93 :
- ライバーンは世界史とか公民とかかな。
社会の厳しさを教えてやる的な感じで。
…だが、実際は教科書を個々で読ませておくだけの授業。
- 94 :
- >>89
乙。がんばった。体お大事にね
>>90
ライバーンのミノは盗んだカードらしい上に、ちょっとでもへまするとすぐ「売り飛ばすぞ」と虐待されてる。
>>92
ゲモリー(24歳)も教職につけてあげて・・・w
アメリアさんは購買部っぽい
- 95 :
- >>94
素でゲモリー忘れてたw
ゲモリーは生物教師、風紀委員の顧問も兼ねる。生徒の校則違反をネチネチいびる事を生きがいにしているため嫌われている。
こんな感じで
ライバーンが愛着持ってるのはサキュバスとザ・ハンドくらいしかなさげ
- 96 :
- >>88
うぉーい乙です。
個人的にはセレナよりもルシエン様にお仕置きをしたかったです。
あとは前スレで言っていたサキュバスによるミノさん陵辱をですね…
- 97 :
- >>96
それよりも、男主とセレナのだだ甘なHを(ry
- 98 :
- 両方見たい
ハードな展開も良かったが、だからこそだだ甘な展開がスイカに塩な感じで
そしてルシエンにハードな展開もすげー合いそう
ただし、ミノタウロスお前はダメだ
- 99 :
- ザ・ハンドがどうにも大人のおもちゃに見えるのは自分だけでしょうか
ライバーンやザゴルが使ってるのは悪党・盗賊キャラ付けでいいとして
女セプターで意外と採用率高いのはなぜでしょうか
ましてそれが健康的ヘソ出し少女のナジャランが使っているとなれば
快活な笑顔の裏でイケナイ遊びにハマってる姿の妄想が止まらないのですが
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