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2012年7月エロパロ11: ファイアーエムブレム&ティアサガ第41章 (259) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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ファイアーエムブレム&ティアサガ第41章


1 :12/06/27 〜 最終レス :12/07/06
前スレ
ファイアーエムブレム&ティアサガ第40章
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1338535998/
初代保管庫 (part1〜part13)
ttp://members.at.infoseek.co.jp/fire_emblem2ch/fe18.html
二代目保管庫 (part13〜part28)
ttp://derheiligekrieg.h.fc2.com/safekeep.html
三代目保管庫(現在収録作業継続中)
ttp://fets.x.fc2.com/dir/index.html
次スレは>>980を目途に立ててください

2 :
>>1乙なのです

3 :
>>1乙!
スレ立てありがとう

4 :
ダサい>>1乙だな。なにあの>>1乙。

5 :
あはは〜>>1乙だよね〜
イッヒャハハハ!>>1乙だよナァ!
ウフフフ…>>1乙だわ…
エヘヘ〜>>1乙だよ〜
オ〜ホホホ>>1乙ですわ!

6 :
>>1
即回避を口実になんかラブコメラブコメしてるやつ投下します
覚醒でのスライムのエフェクトがあまりにもえろくないので
ついカッとなって書き始めたものの、結局無難なところに落ち着いてしまった
そんな感じのクロム×魔防苦手な無口?マイユニ子(支援S前提)です
皆えらい暢気にしてるから時期的にはきっとエメリナさん拉致事件前
・純愛。前振り長い。心理描写多め
・スライムネタ有り注意。しかし上記理由により非常にぬるい
・若干捏造設定有り注意
・残念な方のクロムさんです。ユニ子との支援会話での残念ぶりを想定していただければ
・NGは『魔よけと青いおまじない』で
今回は前編のみ。8+1レスほどお借りします。途中で規制されたらすまぬ…

7 :
イーリス辺境の村が屍兵の襲撃を受けた、との報告を受けたのは、南への行軍の途中だった。
幸い(という言い方は住人に悪いが)その村は現在地からさほど遠くなかったため、進路を変更して救助に向かった。
屍兵の掃討は比較的楽な仕事だ。
彼らは個々に獲物を求めて前進するのみで、仲間との連携行動を取ることも、有利な地形で待ち伏せていることもない。
相手の背負ったもののことも考えなくていい。
部隊を散開して掃討速度を優先すると決めたのは、記録上練度の低い屍兵しか出現しない地域だったこともあるし、村に戦い慣れた者が居なかったからでもあった。
その隙間に油断がひとかけらも混じっていなかったとは言えない。
だからこんなことになってしまったのだと思う。
斧使いの屍兵を斬り伏せた辺りで、樹々の隙間に潜む別の敵意に気づいてはいた。
しかし発生源を探り当てた時にはもう、草陰に潜んでいたそれに足首を絡め取られていた。
粘性のある緑色の不定形生物。そういったものを操る魔法もあると、戦術書で読んだのを今更思い出す。
ひとたび獲物を捕らえれば、その身体に巻きつき這い登る動きは意外なほど機敏だった。
抵抗する間もなく強烈な脱力感に襲われたが、膝を突いたのはそのせいではない。
がつんと、まるで殴られたような衝撃と共に頭の中で弾けた、知らない世界。
どこか見覚えのある街が炎に包まれている。屍兵の群れに襲われ逃げ惑う人々。戦える者はいない。斬られ、潰され、焼かれて動かなくなってゆく。
血と肉の焦げる臭気の中、幼子を庇う女を焼いた。泣き叫ぶ幼子も焼いた。炎は建物に燃え移り、街を喰い尽くす。
炎の魔法を放っているのは自分の掌なのに、全く現実感を伴わない。これは屍兵の記憶だろうかと、ぼんやり考える。
(でも、こんなに大きな街が襲われた報告は今までなかった、はず)
像を結ばない思考を纏め切れずにいる間に、次の標的を探し当てたのか、屍兵は走り出していた。子供の手を引いて必に逃げる男女……家族。
袋小路に追い詰めたところで、頭上に影が差す。家族がこちらから空へ視線を移し、引きつった悲鳴を上げた。
見上げる。巨大な三対の瞳が浮いていた。
屍兵は雄叫びを上げた。怖れではなく、歓喜に打ち震えて。
それに応えるかのように空がぱくりと割れ、無数の牙に縁取られた暗闇が屍兵と家族に覆いかぶさる。
痛みはない。ただ視界を閉ざされた中、ごりごりと何かを噛み砕く音が響き、ぶつりと感覚を断ち切られた。
身体がひどく冷えている。感覚も希薄になっていて、立っているのか座っているのかも分からない。
頬に当たる感触に瞼を開くと、すぐ側に地面が見えた。どうやら倒れてしまったらしい。
右手を動かすが、馴染んだ得物はそこには無かった。あったとしてもこの状態では握れなどしないだろうが。
視界の隅にあの不定形生物が映った。服の中に入り込むつもりか。
鼻や口を塞いでこないことに拍子抜けするが、これから似たようなことをするのかもしれない。
(負けた、のか)
漠然と悟る。後悔はわずかに滲むものの、不思議と気分は凪いでいた。
心のどこかでこの状況に納得している。
目覚めてから経験した幾度かの戦闘。勝利の歓声を聞きながら、敗北の囁きもまた耳にしていた。
強さなんてものは狡猾で油断ならない。少しでも隙を見せたが最後、掌を返し暗闇へ突き落とす。その順番が自分に回ってきたにすぎない。
それに、どちらにせよ行き着く場所は同じ。結果が変わらないのなら、これ以上抗う意味はある?
(そうか、わたしは……)
首を掴む、逃れ得ない何かの気配。血に溶け、全身に染み渡り、存在を組み変えてゆく。
口の中、ありもしない異物をすり潰す苦みが蘇る。それは決して不快ではなく、むしろ甘美なものだ。
眼球の奥が重くなってゆく。耐えきれず瞼を閉じた。右手が焼け付くように熱いのに、身体の熱はどんどん喪われていく……
不意に、温もりが伝わってきた。
頬に触れる地面の感触も遠くなる。誰かに助け起こされているのか……間近で響くのは、聞き慣れた相棒の声だ。
何を言っているかまでは聞き取れない。ただ、ひどく動揺しているのは分かる。
(そんなに取り乱したら、みんなに動揺が伝染してしまうのに)
他人事のように考えて、ふと、彼をそうさせているのは自分なのだと思い出し――沈みかけていた意識が引き戻される。
そうだ。この人と一緒に、平和を取り戻そうと誓った。
ここで倒れるわけにはいかない。自分が自分でなくなったとしても。誓いとはそういうものだ。

8 :
瞼をこじ開ける。
青い光が見えた。いつかもこうして助け起こしてくれた、優しく強い光。今は揺らいでいる。
(あなたは一軍の将なんだから、こんな時こそ、ちゃんと指揮を取らないと)
大丈夫だと微笑んだつもりだが、相棒が離れないところを見るに、あまり上手くはできなかったらしい。
やはり手も足も思い通りには動かない。結局は足手まといになってしまうのを、申し訳なく、不甲斐なく思う。
けれどこの光と温もりは、身体に纏わりつく気配とは真逆で、暖かく心地よい。だから嬉しくもあった。
こうして触れていられれば、変わらずに居られるのかもしれない……
そんなことを夢見ながら、陽の匂いの寝床に横たわるように安らかな気持ちで、意識を沈めた。
 ◆ ◆ ◆
月明かりの下、虫の音を止めながらひとり歩く。
屍兵の掃討を終え、後処理を一通り済ませた頃にはすっかり日が暮れていた。
幸い、ルフレ以外に負傷者は出ていない。というより、出ようがなかった――そんな相手だった。
では何故彼女は負傷してしまったのか。考えられる要因はひとつしかない。
(だから言ったんだ……魔よけのひとつくらい付けておけって)
手合わせの際も容赦のないミリエルが思わず手心を加えるほど、ルフレは魔法への抵抗力を持ち合わせていなかった。
クロムも決して他人のことは言えないが、そんな彼からも危うく見えるのだから相当だ。
以前そのことを指摘し改善を求めた時は、でも魔よけは貴重だもの、と曖昧に濁された。彼女のことだから、他の誰かに使わせるつもりだったのかもしれない。
(自分の命よりも貴重なものなんて無いだろうに)
今まではどうにかやり過ごせていたようだが、その実績も今回で帳消しだ。もっと腕の立つ魔道士などいくらでも居る。
もし自分よりも他人の安全を優先したのだとしたら、下策中の下策だ。全体のために個が犠牲になることなど、あってはならない。
腹の底でくすぶる苛立ちの原因はそれだけではないのだろうが。
ともかく、落ち着いたら今度こそ魔よけを付けさせる。軍師が簡単に倒れてしまうようでは困るのだ。
負傷者が出たことを伝えると、村の長は快く来客用の小屋を提供してくれた。ルフレはそこで寝かされている。
小屋の寝室に入ると、ルフレの他に、リズとミリエルのふたりがいた。
椅子に掛けたミリエルが目を通している禍々しい装丁の魔道書は、ルフレを襲った屍兵の遺したものだ。彼女が扱う類の書ではなかったが、治療の手がかりになればと解読を頼んでいた。
ふたつある寝台の片方に横たわるルフレの寝顔を覗き込む。顔色こそあまり良くないものの、苦悶の色は無い。
安堵していると、桶に張った水で布巾を洗っていたリズが駆け寄ってきた。ルフレの方を心配そうに見やり、
「お帰りなさいお兄ちゃん。どうだった? このまま明日出発するの?」
「いや。ルフレが回復するまでここに滞在することになった」
行軍日程にはまだ余裕がある。砂埃舞う天幕の硬い寝床より、掃除が行き届いた室内の寝台の方が身体には良いだろう。
「よかったー。移動中は馬に揺られて、寝るのもがっちがちの寝床じゃ、治るものも治らないもんね」
リズが胸を撫で下ろす。魔道書から視線を外さないミリエルの横顔も、心なしか緩んだように見えた。
「それで、ルフレの容態は?」
「あれからずっと眠ったままだよー」
眉根を寄せて、リズ。
「残ってたべとべとも剥がしたし……治療の杖が効かないってことは、もう傷は全部治ってるはずなのに」
ルフレの服の中を這い回っていた“べとべと”は、術者の屍兵が倒されると同時に粘性を失い、流れ落ちた。
とは言ってもその場で着衣をはだけて確認するわけにも行かず、後の手当てはリズに任せていたのだが、あまり良い状況ではないようだ。

9 :
と、ミリエルが魔道書を閉じ、こちらに向き直った。
「もしかすると、身体的な傷よりも、精神的な傷が深いのかもしれません」
「どういうことだ?」
ざわつくものを感じ、問う。ミリエルは表情を変えずに続けた。
「あの屍兵は呪術師のようでした。彼らは私たち魔道士と異なり、自らの思念による呪術――闇魔法を得意としています」
手にした魔道書を掲げる。金の縁取りが灯りを受けて妖しくきらめいた。
「今回ルフレさんを襲ったこの魔道書も、闇魔法の一種です。
 魔力を糧とする人工生命に術者の悪意を込め、操り、対象に触れさせることで心身を侵食する……
 触媒に酸でも付加すれば、それなりに強力な攻撃手段になり得ます」
眼鏡の縁を押し上げ、さらに続ける。
「ただこの書には、より精神の侵食に特化するよう、後から手が加えられています。
 あまり実戦向けとは思えませんが、そういった嗜好の持ち主が居たのでしょう」
精神の侵食。思い浮かんだのは、道端で行き倒れていたルフレの姿だ。
「じゃあ、あのべとべとに心を喰われたっていうのか、ルフレは」
「そうなってもおかしくはありません。元々ルフレさんは魔法への抵抗力も低いですし、それに」
一旦言葉を区切り、ミリエルは視線を外した。あくまで個人的な推測ですが、と前置きし、再び口を開く。
「闇魔法との親和性が高い、ということも考えられます」
なんとなく彼女の視線を追う。部屋の隅。壁に黒い衣が掛けられている……ルフレのローブ。
ぎくりとする。見えないよう包み隠し、隅に追いやっていたものを無造作に暴かれた、そんな感覚。
ペレジアで信仰される、三対の目を持つ巨大な邪竜。その崇拝者たちは人を生贄として邪竜に捧げる。
邪竜の贄に選ばれた者から意志を奪い、贄に留めるための呪い。それが呪術の発祥だという。
ルフレのローブの袖や、右手の甲に刻まれた紋様。六つ目を象ったそれらはまるで贄の印のようでもあり、彼女の寡黙さや抵抗力の低さとあいまって、なにか暗示的なものを感じさせた。
ルフレが邪竜崇拝者かその関係者であると、考えたことがなかったわけではない。
だが本人は何も覚えていないのだし、邪竜と関わりがあるかもしれないという疑惑だけで彼女を処断するのは避けたかった――それでは前聖王と同じではないか。
ただ、最近は考えることを忘れそうになっていたのも事実だ。彼女と共に歩む現在はとても慌しく、心地よかったから。
「俺はこいつのこと、全部分かった気になっていたが……それはとんだ思い上がりなのかもな」
苦々しく認める。光が灯れば外の暗闇を覗くことを忘れてしまうように、見たいものだけを見ているのかもしれない。
「そうですね。素性の明らかでない者を重用し傍に置くなど、第三者から見れば全くもって非論理的です」
「ミリエルさん」
リズがたしなめる声を上げる。だがクロムがそれを制止するよりも、ミリエルの方が早かった。
「ですが……人の心は理屈で割り切れるものばかりではありません。それもまた、真理のひとつです」
気の抜けたようにも聞こえる、優しい声。
ミリエルの視線はどこを向いているわけでもない。けれどその表情は珍しく……本当に珍しく、穏やかにほころんでいて、リズもクロムも思わず呆気にとられた。
停まった思考の片隅で、ミリエルに想い人がいるという噂を思い出す。他人の色恋沙汰に首を突っ込む気はなかったので、相手についてまでは聞いていないけれど。
ふたりが言葉を発せずにいると、ミリエルは沈黙を別の意味に捉えたのか、ため息を吐いて額を押さえた。
「……申し訳ありません。また余計なことを言ってしまったようですね」
手を放した顔は元の無表情だが、声には気まずさが滲んでいる。
「ルフレさんを疑っているわけではないのですが、あり得る可能性は全て列挙しないと気が済まない性分で」
「いや……却って冷静になれた。礼を言う」
実際、ルフレに良い顔をしない層は存在する。いずれ妻に迎えなどすればなおのこと、そういった反応は増えるだろう。それができればの話だが。
いかなる状況でも正しい判断を下すためには、不安に目を曇らせてはいけない。真実がどれほど都合の悪いものだとしても。
内心で覚悟を決め、続きを促すと、ミリエルはひとつ咳払いをしてからうなずいた。

10 :
「ルフレさんの容態の話に戻りますが。この魔道書で実際に人の精神を侵食するには、かなりの魔力が必要です。
 私でもせいぜい悪夢を見させる程度が限界だというのに、あの屍兵にそれができたとは思えません」
確かに今回の屍兵は連携を考えずとも楽に倒せる相手で、ルフレの予測に狂いはなかったのだが。
それがどう彼女の容態に繋がるのか、正しく理解するまでしばらく掛かった。
先に口を開いたのはリズだ。
「えーっと……要するに、ルフレさんは大丈夫ってこと?」
「ええ。脈も呼吸も至って正常です。目覚めないのはおそらく、単に疲労が溜まっているせいでしょう」
しばしの沈黙の後。
リズはなにやら感極まった様子で、ミリエルの掛けた椅子の背をがたがた揺らし始めた。
「うわーんもうだめかと思ったよーミリエルさーん先にそれを言ってよもー!」
「すみません。次からは先に結論を述べるようにします」
改めて思う。ミリエルに医者は向かない。治療の杖も使わせない方がいいかもしれない。
淡々と告げる様子はいつも通りだったけれど、眼鏡を押さえながらおとなしく揺られている辺り、反省の色は伺えた。
 ◇ ◇ ◇
夜は更けて、クロムはルフレとふたり、小屋に取り残された。
ミリエルは魔道書の解読を進めたいと天幕に戻り(人工生命とやらに興味を持ったようだ)、リズも、わたしにできることはもうない、と残して戻っていった。
できることの有無ならクロムも似たようなものだと思うのだが、リズにとっては違うらしい。
帰り際の意味深な笑顔は、なにかの忠告のつもりか。あるいは兄の慌てふためく顔でも見たかったのかもしれないが。
(どっちにしろ、あいつの期待してるようなことは起きない)
軍のことを考えていない時は、たいてい飯のことを考えている。空き時間には投擲用の石を持ち出し、蛇を獲ってきてフレデリクを辟易させる。ルフレはそういう女だ。
色気の無さは相変わらずだが、急かすつもりもない。仮にルフレが目覚めたとしても、今夜は平穏に過ぎるだろう。
けれど、あまりに変わらないので、よく分からなくなることもある。
半ば自棄で想いを告げたあの時、自分たちは本当に心を通わせることができていたのか。
敵の戦力を正確に見抜いたかと思えば簡単な魔法で伸びてしまうほど脆弱で、得体の知れない過去を持ち、必要なこと以外は(時には必要なことすら)話そうとしない。
掴みどころのない彼女のことを自分はなにひとつ把握できていない。
気にしても仕方ないと理解してはいる。しかし、今回のように手が届かなかった時は、その不確かさをどうにも意識してしまう。
拙い告白に応えてくれた幸せそうな笑顔は、確かに胸の内に残っているのだけれど。
なかなか眠気は訪れず手持ち無沙汰になり、ルフレの寝台の横に椅子を置いて掛ける。
寝室には彼女の私物も幾らか運び込まれていた。と言っても、ほとんどが戦術書の類だ。
床に積み上げられた一冊を手に取る。『詳説<英雄戦争>』。
遥か昔、この大陸で起きたとされる争いの伝承をつなぎ合わせ、ひとつの戦記として解説と共にまとめたものだ。
頁をめくれば、幾つもの注釈が書き込まれている。
現在の地形との違い。英雄を自分たちに置き換えた場合の戦術。より被害の少ない勝ち方。クロムを守るためには――
(もしルフレを拾っていなければ、今頃俺はどうなっていたんだろうな)
戦いの面でも、それ以外でも。全く想像がつかないのは、それだけ遠くへ来たという証だろう。
ペレジアから逃げてきた邪竜崇拝者か、はたまた生贄かと見当を付けてはいたが、結局ルフレの素性は分からないままだった。
事実が結論を下さない以上、自ら判断しなければならない。
分からないからと遠ざけるのか、分からないからこそ信じるのか。選んだのは後者だ。
この世は悪意で満ちている。悪意を向けられた人間はまた他に悪意を返し、負の連鎖は広がってゆくばかりだ。
だがその隙間に眠る善意はきっと、悪意を上回る。少しずつ連鎖の糸を断ち切ってゆけば、いつか形を持つ時が来る。
道を示すべき王族がそれを証明せずに、誰が証すというのか。
何のしがらみも持たないルフレの存在は、そのための試金石にも思えた。
彼女に善意を向け、同じものが返ってくれば。人は本来善いものだと、信じられる気がしたのだ。
そんな打算じみた場所から芽吹いたものは、今や分かつこともできないほど、しっかりと根を張ってしまっている。

11 :
血の気のないルフレの寝顔は、精巧な作り物のようだった。緩やかな呼吸に合わせて上下する胸は、彼女が確かにそこに在ると主張しているのに。
ふと、何をというわけでもないが……確かめたくなり、そっと手を伸ばす。
さらりとした髪を掻き分け、額に触れる。温もりはない。小さな耳をなぞり、掌で頬を包もうとした時、
「ん……」
ルフレが身じろぎし、かすかに声を漏らした。慌てて手を引っ込める。別にやましいことはないのだけれど。
ほどなくして、瞼が開いた。焦点の合わない瞳が宙を彷徨い、見下ろすクロムを捉える。
「クロム……」
どこか嬉しげにも見える視線は頼りなく、出会った時のことを思わせたが。ひとつふたつと瞬きするうち、徐々に意思の光が宿る。
「みんな、無事……?」
「ああ。お前だけだ、こんな風に寝込んでるのは」
記憶を喪ってはいないらしい。安堵を隠すためにわざと硬く答えると、それで状況を悟ったらしく、ルフレはしょんぼりと毛布へ沈んだ。口元まで隠して呟いてくる。
「ごめん」
「自覚があるならいい。みんなも心配していた」
反省は引き出したものの、居心地が悪くなるだけだった。今はこのくらいにしておこう。別に説教をしたかったのではない。
もっと違う言葉が聞きたくなり、不思議そうに周囲を見回し始めた彼女に状況を説明してやる。
「来客用の小屋を借りたんだ。屍兵から村を救った礼だそうだ」
「……」
どの辺りがそうさせるのかはよく分からないが、なにやら照れている。
彼女は口数が少ない分表情が豊かで、内心を読むにもさほど苦労しない。
とはいえ、我ながらずいぶん気が回るようになったものだと思う。ソールに言わせれば、それでようやく人並みだそうだが。
「身体の調子は? 痛むところはないか?」
ルフレは毛布の中でもぞもぞとしていたが――不意に、その表情が強張った。
「どうした?」
「…………」
怪我は全て癒されているはずだが、なにかあったのか。
しかし尋ねても、ルフレは困惑顔でふるふると首を降るばかりで、埒があかない。
瞳を覗き込む。そこに宿る色はいつか見たものに似ていた。最初に浮かんだのは幼い頃、城を抜け出し街へ下った時のことだ。
それまで相手の素性など気にせず共にいた子供たちが、なにかの拍子で眼前の少年の正体を悟る、その瞬間に現れた色。畏怖。不理解……拒絶。
(またひとりで抱え込むつもりか)
腹の底のもやもやした塊が再びくすぶるのを感じる。
そもそも忠告を聞き入れなかったからこんなことになっているのに。治るものを治さずにいて手遅れにでもなったらどうする……
「悪い。脱がせるぞ」
状態を確認するため、毛布を剥ぎ着衣の合わせに手を掛ける。一度裸を見ているという意識のせいか、それほど躊躇はなかった。
「……!」
ルフレの顔にさっと朱が差す。両手を振り回して抵抗してくるが、そこにいつもの力は無く、取り押さえるのは容易だった。
両手首を片手で枕に縫い止め、前をはだける。下着の類は外されていたのか付けていない。
しっとりと濡れて滑らかに光を弾く白い肌と……それ以上に白いものが見えた。
「な……」
絶句する。拳大の白い蛞蝓のようなものがルフレの身体に張り付いていた。
左胸のふくらみを覆うように一匹、腹に二匹。
ぬらぬらと灯りを反射する蛞蝓たちはかすかな伸縮を繰り返していて、まるで彼女から何かを吸い上げているようでもある……
「……っ」
と、左胸の蛞蝓が大きく蠢く。ルフレは息を呑み、びくりと身体を震わせた。
その表情は裸身を晒す羞恥と身体を舐める不快感に歪んでいて、クロムははっと我に返る。
見入っている場合ではない。どう考えても異常だ。とにかくこの蛞蝓を剥がさなければ。
「待ってろ、今――」
言葉が途切れる。どうすればいいのか、室内を見渡しながら考え……リズが使っていた水の張られた桶と、布巾に目を留めた。
 ◇ ◇ ◇
上衣を脱がせ、身体を起こしたルフレの背中を片腕で支え、濡れ布巾を当てる。
この蛞蝓は一体なんなのだろう。
彼女を襲ったべとべとに似ているが色は違う。もっとも彼らの生態を把握しているわけではないし、何らかの要因で変色しているだけかもしれない。現に先程より緑がかってきているようにも見える。
何故ここに残っているのか。リズの取りこぼし? ミリエルは何と言っていただろう。
魔力を糧とする人工生命。術者が消えれば魔力の供給も絶たれる。新たな宿主としてルフレに寄生しているのか――

12 :
布巾を持った手を動かしながら、思考はそこから切り離す。そうしないとあらぬ方向に流れていってしまいそうだった。
触れることによる影響は、初めて彼女の裸を見た時よりもずっと大きかった。
水を含んだ布巾は蛞蝓の表面を少しずつ削り取ってゆく。もどかしいが、かと言って強く擦れば肌に跡が残ってしまう。
自分を押し留めるなにかまで一緒に削っているような気分になりながら、今ルフレに起きている反応は全て蛞蝓によるものだと思い込んだ。
彼女が苦しんでいる傍で自分だけが愉しむわけにはいかない。そう考えれば耐えられる気がした。
至近距離で響く抑えられた浅い吐息も、紅く染まった耳朶も、されるがままにびくびくと応える柔らかな身体も、蛞蝓のせいだ。決して自分が触れているからではない……
「ぅ……ん……」
と、ずっとうつむき口をつぐんで必になにかを堪えていたルフレが、小さく声を漏らす。
吐息に馴染まされていた聴覚は、そこに含まれた甘い響きを敏感に感じ取る。が、それも蛞蝓のせいだ。たぶん。
左胸を覆っていた蛞蝓はほとんど削ぎ落とされ、白い膜の中に鳶色の先端が薄く現れていた。
記憶よりも少し質量を増しているようにも思えるふくらみを持ち上げ擦る感触は、布巾越しとはいえ正直全てを投げ出したくなるくらいだったが。それももうすぐ終わりだ。
腹にへばり付いていた二匹を剥がした時と同じく、最後は一気に拭い取れるはずと、少し強めに手を動かした……のが不味かったのか。
「ひ……ぁぁっ」
最後の膜を剥がすと共に硬く縮こまった先端を手の腹でくにゅりと押し潰してしまい、ルフレは身体を震わせ切ない悲鳴を上げた。背筋が粟立ち、危うく布巾を取り落としそうになる。
だがなんとか持ち直し、布巾を桶に戻す。蛞蝓はルフレの身体から離れると力を失うらしく、布巾に付いた最後の膜もふわりと水に溶けて消えた。
勝った――くらくらする頭でそう考えながら、うつむいたままのルフレに声を掛ける。ある意味既に負けているのだけど。
「よ……よし、終わったぞ。もう何も付いていないな?」
小さな頷きが返ってきたことに心底ほっとする。
「もしまた蛞蝓が出てきたら、悪いが自分で……は無理か。今リズを呼んでくるから」
今夜はこれ以上ここに留まれそうになかった。天幕に戻ろう。
リズには何か言われるだろうが仕方ない。ひとりで解決しようとした判断自体が間違っていたのだ。他人のことは言えない。
彼女の裸体から手を放し、立ち上がろうとして――不意にその手を引っ張られる。
顔を上げたルフレが、手を握っていた。頬を上気させ哀願するように瞳を潤ませたその表情は、これまでにないほどはっきりとその意思を示している。
行かないで。
魅入られたかのように、立ち上がりかけた腰をすとんと椅子に戻す。
今まで、ルフレの方から個人的になにかを懇願されたことはなかった。軍に関しても、彼女自身に関しても。
そしてどこかでそれを願っていた。そうすれば役に立てる。彼女が自分の助けになろうとするのと同じく。
この手を振り払えないのも、応えてやりたいと思ってしまうのも、当然なのかもしれない。よりによってこんな時に、とは思うが。
握ったクロムの手を両手でそっと包み込み、ルフレは安心するように表情をほころばせた。
「クロムの手、あったかい……」
曖昧に呟くと、クロムの掌を自らの頬に触れさせ、心地よさそうに目を閉じる。
「る、ルフレ?」
「だから……もっと、さわってて……」
うっとりと瞳を伏せたルフレの頬は――手も、冷え切っていた。
二重の意味でぞくりとするが、体温が混じり合う前に手は頬から離され、今度は彼女の目前で視線に晒される。
視線の先……人差し指の背を見やれば、表皮が剥け赤い傷口を晒している。先程彼女を取り押さえる際に引っ掻かれた傷だ。
ルフレは手を口元へ運び、その人差し指を咥えた。
「な、ななな、何を」
口の中は生暖かく湿っていて、ぬめった舌が傷口に押し当てられた。
クロムの動揺を気にした様子もなく、手当てのつもりなのか、いたわるように舌を這わせる。ささくれた皮と傷口に唾液が沁みるものの、すぐに馴染んでふやけてしまった。
「ん……ちゅ……」
指に密着し、傷口周りを口内に閉じ込める柔らかな唇。優しく唾液をまぶす舌の動き。零れそうになる唾液を吸う度に響く、濡れた音。甘味でも感じているかのように、どこか恍惚とした表情。
すっかり疲れ切ったクロムの頭は、それらを簡単にとある行為と結びつけてしまう。何度か夢に見た、彼女の口での――

13 :
(……だめだ)
ふらふらと流されそうになる意識を思考でせき止める。
ルフレはおそらく、ただ触れていたいだけなのだろう。それがクロムにどんな影響をもたらすのか理解していない。
自分だって、女の身体のことは王族としての知識でしか知らない。お互い様だ。だがきっと、話せば分かり合える。ような気がする。
ちゅぽっと音を立て、咥えられていた指を引き抜く。ぼうっとしたままの肩を掴んで――首から下はなるべく見ないように――語りかけた。
「お前、自分が何してるか分かってるのか」
「…………」
考えを知りたくて、いつものように瞳を覗き込む。しかしそこにある色はぼやけてしまっていて、なにひとつ読み取ることができない。
内心の動揺を隠しつつ、続ける。
「いくら俺たちが、その……こういうことが許される仲だとしてもだ。それなりの順序ってものがだな」
彼女の制止を無視して入浴中の天幕に突入したことは今だけ棚に上げておく。
というか、発端がそんなだからこそ、きちんと手順を踏んで関係を進めたいと思っていたのだ。
「それに、お前は触れられるだけで満足かもしれんが、こっちはそうも行かないんだ。だか、ら」
けれど最後まで言い終えないうちに、ルフレは行動に出ていた。
両手がクロムの胸に添えられ、顔が近づき……唇に冷たい唇がそっと押し当てられる。
飛ばした手順を埋め合わせようとでもいうのか。そのまま動かないところからするに、単に触れたかっただけかもしれない。
それでも溶け合うような感触は心地よく、上体にかかる柔らかな重みや髪から漂う甘い匂いも、身体の芯を火照らせるには十分だったが。逆に冷えてゆく部分もある。
こちらが必に紳士的な振舞いを心掛けているのに、それを全く考慮しない行動。想定外の出来事など起きないと信じ切ってでもいるのだろうか。
敵の魔法も……クロムも、自分を害することはないと。
眩暈がした。迂闊すぎる。
なら、少しばかり思い知らせてやってもいいのかもしれない。
今こうしないと、自分は男として認められない……そんな錯覚に囚われたまま。
肩を掴んでいた両手で冷えたルフレの身体を抱きすくめ、舌を伸ばし彼女の唇を舐める。
驚いたのか、びくりと震えた拍子に薄く開かれた隙間へ舌をねじ込む。
奥で縮こまった彼女の舌を捕らえ、撫でる度にルフレは身体をよじるが、徐々に力が抜けてゆくのが分かる。
背中に回した手で背筋をなぞってやると、合わさった唇の間から切なげな吐息が漏れた。
「ふ……ぁっ……ぁ……」
普段はどこか遠くに居る彼女が、自分の腕の中ではっきりと形を成して、なす術もなく乱されている。
その様子は後ろ暗い悦びと共に、劣情を掻き立てた。
このまま引き返せないところまで行きたくもあったが、どうしてもその後のことが頭をよぎってしまう。彼女を失うのは色々な意味で堪え難い。
未練がましく唾液の糸を引きながら、唇を離した。聞き分けのない子供に諭すような心情で告げる。
「……あまり煽ると、こうなるんだ」
「…………」
ルフレは怯えてでもいるかと思いきや、蜜のようにとろりと潤んだ瞳で物足りなげに見つめてきている。
その蕩けた様子は、今の口づけから恐怖ではなく、悦びを得ていた証だ。
違和感を覚え、原因を探り……そこに至ってようやく、クロムは自らの思い違いに気づいた。
ルフレは何も考えずに触れていたわけではなく、自分を求めてくれていたのではないか。

14 :
ひとたび可能性に気づいてしまえば、認識も変わる。
腕の中の冷えた身体はその奥に篭る熱を伝えてきているし、ふたりの唾液で濡れた唇は続きをねだるように妖しく輝き出す。
少し視線を下げれば胸板に柔らかく押し潰された双丘が覗き、掌に蘇るその感触と共にどうしようもなく理性を唆した。
彼女を戒めるつもりが、これではまるで恋人同士の睦み合いではないか。
急激に頭へ血が上るのを感じる。
「あ、あのな、これは違う。いや違わないんだが」
混乱したまま弁解の言葉を口にするが、どうにも意味不明だった。本気で弁解しようとは思っていないのもある。
そうこうしているうち、ルフレの瞳にもだんだんと正気の色が宿り――状況を把握したのかはっと息を呑み、恥ずかしげに顔を伏せた。
それでもクロムの服の胸元はきゅっと握りしめたまま、申し訳なさそうに呟いてくる。
「ごめんね」
「ん?」
「クロム、ずっと我慢してる」
顔を上げる。そこには切実で、けれどどこか気遣わしげな表情があった。
「わたしに足りなくなったもの、クロムが持ってるから、分けてほしいの」
話が抽象的でよく分からないけれど、まず連想したのは冷えた身体……体温だ。
そんな理由があるのなら細かいことは言っていられない。幾らでも分けてやる。そう言おうとしたが、ルフレの話はまだ終わっていなかった。
「クロムはこんなこと、嫌……かもしれないけど」
消え入りそうな声で呟くと、再びうつむく。
頭を抱えたくなった。全く噛み合っていなかったのだと悟る。少し前を顧みれば、決して責められる立場ではないけれど。
「どうしてそうなるんだ……」
「……?」
心の底から湧いて出た言葉に、ルフレは不思議そうに顔を上げる。
若干喉につかえる感触があったが、構わず残りも吐き出した。
「別に、お前に触るのが嫌なわけじゃない。むしろ逆だ。だから困ってるんだ」
ルフレはなにやら考える素振りを見せた。意味が飲み込めなかったらしい。かと思うと突如、ぼん、と音が出そうな勢いで顔を紅く染める。
そのまましばらく困ったような顔で視線を泳がせ、
「わ、わたしは……平気、だから」
けれど隠し切れない喜びをはみ出させつつ、言葉を紡ぐ。
「クロムのしたいこと、して?」
願いが叶った少女のようにはにかんだ笑顔は、クロムの告白を受け止めた時と同じで。
帰り道が分からないまま彷徨い続けて、やっと帰るべき家の灯を見つけた。そんな気分だった。
同時に、今まで自分なりに考えてきた交際手順だの準備だのが、がらがらと音を立てて崩れてゆく。
腕の中にある身体の柔らかさを堪能したい欲望と、まだ早すぎるという自制がせめぎ合う。
しかしこの先、ルフレを手放す気など無い。そして彼女も同じことを望んでいる。
ならば、どちらが先でも変わらないだろう。
そうでもない、と囁く声もあったがそれを黙して、クロムはもう一度ルフレと唇を合わせた。

15 :
えーと事前に登場キャラの組み合わせと傾向を書いてくれると助かる
黙ってスルーしたくても出来ないし

16 :
前編終わり。途中でID変わってますが同一人物です
後編はなるべく早く投下できるように努力します…
あと7/7のティアモ祭楽しみにしてる!

17 :
>>15
一応>>6に書いてあるんだ…分かりづらくてすまぬ…すまぬ…
新スレ早々長文失礼しました!

18 :
>>15
GJ!後半も楽しみにしてる。
無口ユニ子いいな。指責めエロい。

19 :
安価間違えた。
>>16だった……orz
前スレ>>914のネタで一本書きながら逝ってくる。

20 :
>>16
GJ!
後半も楽しみ

21 :
前スレ>>996
1000取る気ないだろw
それはそうとルキナの絶壁はステータスだよ

22 :
いちおつ
>>16おつ
投下があると嬉しいすな
そういや、ルキナは絶壁で確定なの?
俺もそうだとは思うけども。

23 :
スレ立てとSS乙!
ティアモ誕生祭が盛大に行われればいいな
>>22
実際胸が大きかったら剣士として邪魔だからと慰めてるルキナを想像したら世界が360度変わった
問題は巨乳なのにアーチャーなノワールだと思うが・・・

24 :
>>22
ルキナの胸部を穴が開く程見つめてごらん。きっと答えが出てくるはずさ
マジレスするとニンドリの記事で顔グラがマルス仮面からルキナに変わる時に
女の子らしくしたいみたいな意見が出てコザキ氏がしょうがないですよ〜と言いながら
ちょっとだけ胸を膨らませたと言う話が載ってたのでほぼ確定かと

25 :
>>15
GJ!
こういう前戯の長いの好き

26 :
・暁ツイハーク×イレース
・三部八章で説得されて寝返った設定(あいまい)
・和姦
エロ部分は8/13以降です。
あと、ひょっとしたら連投規制にひっかかるかもしれないので、
その時は明日投下します。

27 :
 フェニキス王ティバーンの率いる部隊へ配属されたツイハークは、同じ部隊に配属されたイレースと共に、
辿り着いた街の様子を窺っていた。
 今や鳥のさえずりも聞こえないこの世界では、もし何か動くものがあったとすれば、それは正の使徒の襲来であると
考えるのが妥当である。ツイハークは息を詰め、耳を澄ませた。
(何も、聞こえないな。)
 およそ鷺の民とは思えぬ剛毅な発言をするあの王子が、この世界の空気はセリノスの森と似ていると
言っていた事を思い出す。
(……あそことは、違う。)
 三年前のデイン=クリミア戦争において、鷺の王子と王女はんだ森を蘇らせた。彼らが呪歌を歌った直後、
蝶が舞い、鳥が歌い、木々は青々と輝き、森全体が澄んだ空気に包まれた。
 確かにあそこは正の気で満ちていただろうと、ツイハークは思う。だが、今のように何の物音もせず、ただ風が
吹く音ばかりで生命の息吹が感じられない静寂とは全く異なるものだ。
(命の息吹、か。)
 ツイハークは、何を考えているかさっぱり読めない表情で、それでも黙って自分の後を付いてくるイレースを横目で見やった。
 彼女の食欲は、命の息吹とは違うが、確かに動物の命を感じさせる。動物の、魚の、植物の、果物の命を奪い、
生きている。そうだ。全ての生き物は、そうやって他者の命を奪って生きていくのだと。
「……あの……、どうか、しましたか……?」
 そう声をかけられて、ツイハークは自分の口元がゆるんでいる事に気がついた。
 慌てて彼女の方へ向き直り、腰に携えた剣の柄に手をかけた。口だけでなく気までゆるみすぎて、いつ来るとも
知れない襲撃への対応すら疎かになっていた自分を恥じる。
「いや、少し考え事をしていたんだ。すまない。」
「そう……ですか……。」
 イレースは何一つ表情を変えず、淡々とそう呟いた。
 下手な詮索もされず、ツイハークは内心ほっとする。それから改めて見える範囲をぐるりと一望し、最後に空を見ると、
まずは近くにある店に入ろうと、一歩踏み出した。
 イレースは先ほどまでと変わらず、黙って後ろをついてくる。だが、ツイハークが店の扉に手をかけた時だった。
「ツイハークさん。」
 イレースが、ツイハークの外套を引っ張った。
**

28 :
「……一体どうしたんだ? そんなに人に聞かれたくない話なのか?」
 ツイハークの腕を掴んで黙々と地下への階段を下りていくイレースに、ツイハークは怪訝な表情で尋ねた。
 だがイレースは答えない。その態度が癪に障り、何か暴言でも吐いてやろうかと思ったが、やめた。
 今は時間が無い。いや、正確には、あるとも無いとも言えない状況だ。だが、他の仲間達も手分けして街の様子を
調べているのだから、さっさと彼女の用事を済ませて、捜索を再開したかった。
 ただでさえ、いつ戦闘になるかも分からない状況である。男女二人で地下へ行くというのは、とても歓迎される事では
あるまい。その相手が、たとえ色恋に一切関心のなさそうなイレースであってもだ。
 他の仲間達の進捗状況を想像しながら、ツイハークはやはりイレースに引っ張られるようにして階段を下りた。
 だが、階段を下りきってからもイレースは足を止めない。薄暗い通路を、何の当てがあるのか彼女は迷わず進んでいく。
 建物は、外からは分からなかったがあまり関わり合いになりたくない取引が行われているよう場所に思えた。階段を
下りてからは特にそうだ。油っぽく、果物の腐ったようなにおいが徐々に強くなってきていて、頭が痛む。
 通路の左右には狭い間隔で閂錠と格子窓が並んでいる。違法な薬の取引や、奴隷売買……もしかすると、
売れ残った人間、ともすればラグズで薬を試したりしていたかもしれない。
「おいイレース、まだなの……おっと!」
 ついに業を煮やし声をかけたツイハークの鼻先を、イレースのケープが掠めた。
 思わず声が出てしまったのは、どうせ無反応だろうと思っていたからだ。この建物に入ってから、イレースは一切
ツイハークの問いかけに答えなかった。答えないばかりでなく、何を言っても何をしてもツイハークの事は無視し、
強引にここまで連れてきたのだ。
 それがここに来て、イレースは初めてツイハークに向き直った。
「ツイハーク……さん。」
 そして、初めて声を発した。
 薄暗い通路に不似合いな真新しいドアの前で、イレースは瞳を潤ませ、ツイハークを見上げていた。そして、
震える声でツイハークの名を呼んだ。
 初めて会ってから三年も経ったというのに、食い気ばかりで色気の欠片もないと思っていた少女が、
確かに『女性』として自分の目の前に立っていた。ほんの一回でもまばたきをしてしまえば零れそうなほどの
涙を湛えて、自分を見つめていた。
「……イレース。」
 それ以上何を言えば良いか分からず、ツイハークはただ彼女の前で立ち尽くすしかなかった。

29 :
 イレースのまとう雰囲気が、普段とはあまりにもかけ離れていること。それが紛れもなく成人した女性のもの
であること。そして、そんな彼女に性の匂いをかぎ取ってしまった自分に対して、ツイハークは驚き、動揺していた。
 彼女は食べ物にしか興味が無く、執着もしていない。ただ、自分の人生に少しだけ多く関わっているような
気がする。ただそれだけの存在だったはずだ。決して、色恋の対象にはならない存在だったはずだ。ましてや
『彼女』の代わりになど、決して。──ツイハークはそう考えていた。
 それなのに自分は今、イレースを壊したくてたまらない、という欲望に囚われている。
 自分のそれに似た、青みがかった銀の髪を。抜けるように白い肌を。掴めば折れてしまいそうな腕を。片手でゆうに
回り切ってしまいそうな細い腰を。濡れたまつげを。紅く色づいた唇を。涙の膜に覆われた瞳を。
(全部、俺の物に出来る?)
 イレースが身につけているのは、しっかりしたつくりのケープと肘までの上着の他には、やたらと短いスカートと手袋、
ブーツだけだ。この短いスカートは、ほんの少し捲り上げるだけで柔らかい内ももが見えてしまうだろう。
そして、その内ももを辿った所にある下着をはいでしまえば、あとは簡単だ。簡単に、彼女を自分の物にする事が出来る。
 ツイハークは、自分達が今まで何をしていたのか、何をすべきなのかを踏まえた上で、彼女をなんとかして
抱いてしまう方法を探し始めていた。行動に移す為ではない。考えるより先に頭に浮かんでしまうのだ。
 デインの遺児を守る戦いで三年ぶりに会った時、満更でもない反応をしていたじゃないか。
 食事をくれた相手の顔すらろくに覚えなかったのに、三年経っても俺の名前は覚えていたじゃないか。
 それに今、こんな人目のつかない場所に連れてきたのは、彼女にだってそういう気があるからじゃないのか。
 どうして男が食事に誘うのか、食事代を払ってくれるのか、説明してやったんだ。こんな事をすればどうなるか、
知らないはずはないだろう──。言い訳のような言葉が、頭の中を巡る。
 そして、ようやく一つの答えを導き出した。
「なあ、イレース?」
 ついにツイハークは、彼女の手首を掴んだ。
「は……はい。」
 痛みを感じたのか、逃げられなくなった恐怖からか、イレースはほんの少しだけ眉をひそめて答えた。
 ツイハークは、小さく息を吸い込んで、言った。
「話したいことがあるんだ。今夜の食事が終わったら、またここへ来てくれないか。
 その時、改めて君の話も聞こう。」
**

30 :
 結局建物の隅々まで調べてから、二人はティバーン達の元へ戻った。
 この街にも、動く事の出来るベオクはいない。皆の探索の結果から、ティバーンは今夜はこの街で休む事にすると
決めた。
 よってここでも、街にある材料を自由に使い、それぞれで食事を済ませること。眠る場所の確保も、
それぞれ自分で行うこと。ただし、いつ襲撃を受けても対応出来るように、決して一人にはならないこと──。
 部隊が分かれてから何度目かになる指示を聞き、ツイハークは今夜の食事について考えを巡らせた。
 イレースとの約束は食事の後だ。まずは食べる物の心配をしなくてはならない。今までは同じ隊にいたメグの好意に
甘えていたが、今日ばかりはそうもいかないだろう。もしかすると、明日からも食事は一人でとる事になるかもしれない。
 ツイハークは腰につけた保存食の袋を指で弄びながら、自分は軽率な行動を取ってしまっただろうかと省みる。
だが、間違ってはいないだろうと結論づけた。
 良心は痛む。だが、彼女はもうんだのだ。イレースとの事を彼女に直接咎められる事はない。夢に見る事は
あるかもしれないが、それも自分の心が彼女の記憶から生み出したものに過ぎない。
 人は、生者に直接影響を及ぼす事は出来ない。結局は、自分自身の問題なのだ。
 顔を上げ、薄暗くなってきた空を見やる。薄く全体に張り付くような雲に覆われ、その隙間から、燃えるような赤が
暗い紺に覆われていく様が見えた。
 明日は、雨が降るかもしれない。そんな事を考えながら、ツイハークは一時の休息に喜ぶ仲間達の間を
すり抜けていった。足が向いてしまうのは、やはりあの建物だ。
 一階は青果店で、二階は住宅のようだった。子供部屋には、おそらく病気の子供がベッドで布団にくるまっていた。
そして地下では……何を行っていたのか、想像に難くない。
 そこへ向かう途中誰かの視線を感じたが、ツイハークは敢えてそれを無視した。
 千里眼と順風耳──鷹王の目と耳。あの二人には何も隠せない事を、これまでの経験上知っていたからだ。
 おそらく、鷹王には既に報告が行っているだろう。だがベオクに比べかなり寿命の長い張翼族のラグズである彼らは、
自分の行動を人間によくある不可解な行動の一つだと思うだけで、特に問い詰めたりはすまい。
 また、デイン軍として戦っていた時は別だが、こうなってしまっては軍律も何もない。規律に厳しい軍師が
グレイル傭兵団にはいたが、彼はアイク団長と共に別の隊にいる。この隊で決めごとをするのはティバーンと
クリミア女王、それから未来の獣牙王の片腕だ。
 言い訳めいた事を考えながら、ツイハークは青果店の店先に並ぶ果実を眺めた。そこから二つを取って携帯の
食料袋に入れ、もう一つは服の裾で磨いてかじる。爽やかな甘みを感じながら、ツイハークは地下へと続く扉へと
向かった。

31 :
 すっかり陽が落ちてしまった為通路はかなり暗かったが、通路の入り口にあったランプを拝借して奥へ
進むことにした。
 階段を下り、一番手前のドアを開けた。粗末な作りのテーブルと、三人の大人の石像、三脚の椅子。
賭け事でもしていたのか、テーブルの上には成績表とおぼしき紙とペンや駒がごちゃごちゃと置いてある。
 消す者がいなかった為ろうそくは燃え尽き、ろうそく立ての底で小さな固まりになっていた。そのままどこかに
燃え移り、この部屋ごと燃えてしまえば良かったのにとツイハークは思い、ドアを閉めた。
 一つ目の格子窓から中を覗く。先ほどイレースと確認した時と変わらず、みすぼらしい衣服を身に着けた
子供の石像が四つ、藁の敷物の上にうずくまっていた。動物に餌をやる時にでも使うような器に、汚れた水が
入っている。
 もし石化が解けたとしても、この水をそのまま飲む事は出来ないだろう。そう考えたが、ツイハークは部屋を
覗くだけで次の部屋に向かった。
 通路を挟んで向かい側の格子窓の中には、女性ばかりが三人、やはり藁の敷物の上に座っていた。先ほどの
子供達よりも少し年齢は上に見えるが、石になってしまった為よくは分からない。奥の方に鏡台のようなものが
見えるから、おそらく体を売って金を稼がせられていたのだろう。
 そういった女性達の末路は哀れだ。もし子を孕めば腹を蹴られ無理に堕胎させられるし、客が取れなくなれば
そのまま捨てられるだろう。長く生きる為には、子を孕まず、美しくいるしかない。
 それでもツイハークは、黙って次の扉へ向かった。
 ……そうして、いくつもの哀れな人間達の部屋の様子を確認して、どれくらい経っただろうか。今までのものと
比べて、かなり太い格子がつけられた部屋の前に来た。つくりからすると、部屋というよりも、檻に近い。
 中に入れられているのは、頭巾をかぶって頭部を隠し、首輪のつけられたヒト……獣牙族のラグズ。ベオクの
部屋とは違い、ラグズは一つの檻に一人しか入れられていない。人間の数倍以上の力を持つラグズを
二人以上入れてしまっては、脱走の危険があるからだろう。
 そこへきて、ツイハークは初めて金属の格子に手を触れた。錆び付いたそれは、おそらく何か特殊な加工を
施された金属だろう。それを利き手で握り、思い切り引いてみる。当然だが、びくともしなかった。中にいるラグズの
絶望に包まれた瞳を見て、ツイハークはかっと自分の体に火がついたような気がした。
 ランプを床に置き、両手で鉄棒を掴むと、左右の格子に足をかけ、体全体で引っ張った。
「くぅ……!」
 切れ長の瞳を苦悶に歪ませ、歯を食いしばり、両腕が千切れそうなくらいに引くが、やはりびくともしない。
 一度呼吸を整えると、今度は脇に差していた剣を抜いた。それはここぞという時にのみ使うようにしていた
キルソードで、ラグズ連合の戦士達を何人も斬ってきた剣だった。
 祖国の為にと戦っていたはずなのに、救おうと決めたラグズを斬ってしまった剣。その剣を両手で構えると、
ツイハークはゆっくりと息を吐き出した。
 上段に構え、ぴたりと止める。
「はぁっ!!」
 正面に捉えた一本へ袈裟懸けに斬りつけるが、返ってきたのは不愉快な金属音と両手に伝わる痺れだけ
だった。少しも傷をつけられた感触がせず、ツイハークは思わず舌打ちする。
「くそ……っ!」
 それでもツイハークは、同じように鉄棒を斬りつけた。何度かやっている内に小さな傷が出来て、そこから
どうにか出来るかもしれないという一縷の望みに賭けて、何度も何度も斬りつけた。
 やがて刃はぼろぼろになり、手袋と剣の柄とで擦れた手は赤く腫れてきた。それでもツイハークが剣を
振りかぶった時、視界の端に光が写り込んだ。光はゆらめきながら、段々強くなってくる。それと共に、足音も
聞こえるようになってきた。
「ツイハークさん…!」
 それから足音と共に聞こえてきたのは、イレースの声だった。
**

32 :
「ずっと……ああしていたんですか……?」
 指に包帯を巻きながら、イレースが言った。部屋の隅には折れた剣の刃が重なっており、ろうそくの炎を反射して
鋭く輝いている。
 ややあってツイハークが頷くと、すぐにイレースの口からため息が漏れた。腹を減らしている時のため息とは明らかに
違う色をもったその音に、ツイハークはいたたまれない気持ちになった。
 怒りに身を任せてはいけない。そう彼女に言われ、ずっと穏やかであれと思っていた。そもそも彼女を失ってからは、
自分にとって大事なものは彼女と彼女の記憶だけだったから、何を言われてもされても、怒りを覚える事は殆どなかった。
 だが、ラグズを……特に獣牙族を奴隷扱いし売買しているニンゲンを見ると、どうしても感情を抑えきれない部分が
出てくる。今回もそうだった。
「怒りが、抑えきれないんだ」
「……怒り……?」
 責めるような口調がぽやんとしたいつものものに変わったので、ツイハークは反射的に顔を上げた。
 するとイレースは、何のことか分からない、というような表情でぽかんと口を開けていた。ツイハークは思わず破顔して、
手当をしていた彼女の手を、もう片方の手で包み込んだ。
「君には話した事は無かったと思うが……。俺には、ラグズの恋人がいたんだ。獣牙族のね」
「こい、びと……」
「驚いたかい?」
 素直に頷くイレースを見て、ツイハークは一層笑みを深くする。
「定期的に半獣狩りをしていたデイン人の俺にとって、彼女は青天の霹靂だったんだ。価値観がまるっきり変わったからな。
 おかげで今じゃ、いつぬかも分からない傭兵稼業なんてやってる有様だ」
 冗談めかして言いつつも、彼は実際いつんでもいいと思っていた。彼女のいない世界に、未練はない。
「……あ」
 何か思いついたのか、イレースの瞳にかすかに光がさした。
「どうかした?」
「それで……、三年前は、あんなに必に戦っていたんですね……」
「そうだな……」
 以前の戦争……デイン=クリミア戦争の時の事を思い出す。建前ばかり良くてもお高くとまっていた
ベグニオン帝国にこそ、ラグズ奴隷制度の根本があった。それを考えると、結果的に祖国を一度滅ぼす事には
なってしまったが、傭兵団について行って良かったとツイハークは思う。
 そして、そこでイレースに出会えたことも、きっと自分にとっては『いい事』だったんだろう、とも。
「だから、ラグズを半獣と蔑む奴らが許せない。
 俺は平等主義者って訳じゃない。ごく個人的な感情でラグズの手助けをしているだけなんだ」
 前回は、思う存分ラグズの手助けが出来た。だから今回は、新たに生まれ変わるはずの祖国の側に回ろうと
思ったのだ。きっとデインは変わる。だからラグズ連合と戦う事になっても、デイン人として戦おうと。
 だがそれが結果的に女神を目覚めさせ、こんな世界になってしまう原因になっていたのだと思うと、ツイハークは
やりきれない思いでいっぱいになる。
「モウディさんは、私も好きです……」
 浮かない表情のツイハークを気遣ったのか、イレースが言った。
 モウディは、数少ない二人の共通の友人で、獣牙族のラグズだ。ツイハークは彼のことを特に気に入り、
気にかけていた。
「……ああ! 彼は純粋で、良い奴だ。君とも気質が合っていたな」
「ツイハークさんの彼女……さん、も……あんな方だったんですか……?」
「いや。まあ、純粋で、という所は似てるかもしれないな。ただ、嘘をつかないというのは獣牙族共通の特徴みたいだからな」
 どんなものだろうかと想像しているイレースを見て、ツイハークは生前の、生命力に満ちあふれた彼女の記憶を辿る。
「そうだな……。君が知っているラグズの中では、リュシオン王子に似ているかもしれない。
 レテとは違うな。あんなに毅然とした人ではなかった」
 彼女の事を思い出すと、心が強くなる気がする──ツイハークはそう付け加えた。
 普段から穏やかでからっとした雰囲気をもったツイハークだが、それに加えて、今は優しさのようなものが滲み出ている。
それを感じ取ったイレースは、なんとなく心に重たいものが落ちてきたように感じられた。
 嫉妬、と一言で片付けられるものではない。
 ツイハークの心からの笑顔を見る事が出来たが、その笑顔を自分が引き出す事は出来ないと分かってしまった。
殆ど無いと思っていた自分のプライドにも気付いてしまった。それは、まさに彼女にとって青天の霹靂かもしれない。
「悪い、少し話しすぎてしまったな。俺の話はこれで終わりだ。君の話を聞くよ」
 少し強引に、ツイハークは話を切り上げた。

33 :
 イレースは話しにくそうに、左右から挟まれている自分の手を見つめた。
「私……。私、は……」
「うん」
「世界が、こんな風になってしまって……。みんな、……石になってしまって。
 それで、私は……たまたま、生き残る事が出来た、けど……」
「うん」
 黙ってしまったイレースの手を、ツイハークはそっと握った。驚いたように一瞬固くなったが、すぐに握り返してくる。
「こうなってしまったら……。私も、みなさんも……いつんでもおかしくないって、考えるようになったんです……!」
「そうか……」
 自分の卑小さを実感し、命の短さを考えるようになったのだろう、とツイハークは想像した。
「でも、大丈夫だ。少なくとも、俺は君より先にはなない。置いて行かれる痛みは、分かっているからな」
「……ツイハーク、さん……」
 そう言うと、イレースは目を閉じてゆっくりと首を振った。
「私がぬ前に……今までの、お礼をさせてください」
「礼ならもう十分して貰ったさ。デインでの戦に加わってくれてありがとう。あの時は本当に助かった」
「ツイハークさん……!」
 意を決したように、イレースが立ち上がる。
「イレース? 急にどうしたんだ」
「私は……ツイハークさんの事が、好き、です……!」
 珍しく声を荒げたイレースとその内容に、ツイハークは驚いて咄嗟に言葉が出ない。
「な……」
「…だから、抱いてください……! もう……会えなくなってもいいように……!」
 ツイハークの両手に包まれていた手を抜き取り、イレースは自らの衣服に手をかけた。
 イレースが襟元をに手をやると、すとんとケープが落ちる。次に上着を裾から捲り上げると、腹にぴったりと
フィットした薄いインナーが見える。
「待ってくれイレース、俺は」
 待たない、と言わんばかりに、イレースは上着を脱ぎ捨て、インナーの裾にも手をかけた。細い指の間から
白い腹が見えて、ツイハークはかっと顔が熱くなるのを感じ、慌てて立ち上がる。
 だがツイハークの手が伸びるより早く、イレースは薄いインナーも脱ぎ去ってしまった。
 イレースが身に着けているのは、シンプルなデザインの下着と、手甲に髪飾り、スカート、ブーツ。彼女はスカートを
脱ぎながらツイハークの前に立ち、窓際のベッドへと押しやった。
「イレース……っ!」
 膝裏をベッドにぶつけてその上に座り込んでしまったツイハークの前に、イレースがひざまずく。
 床に膝をついたイレースを見下ろすと、反射的に下半身が反応した。まずいと思ったが、遅かった。
 イレースはツイハークのベルトに手をかけ、コートを左右に払う。ズボンのファスナーを下ろすと、下着越しに
半勃ちのそれを握り込んできた。
「だめだ、イレース……!」
「いやです……っ」
 包帯の巻かれた手でイレースの手を掴むと、あろう事か彼女は下着ごと口に含もうとする。慌てて頭を
外そうとするが、かえって自身に刺激を与えてしまう。
 独特の熱と湿気、断続的な振動に襲われ、ツイハークのそれは完全に勃起してしまった。
 まるでイレースの頭を使って自慰をしてしまったように思われて手を離してみたものの、今度は本格的に
愛撫が始まり、結局、再度彼女の頭を掴む事になった。
「イレース、やめるんだ……。は、うぅっ……やめて、くれ」
「いあれふ……ん、あめ、まひぇん……ちゅ」
 やたら積極的な舌遣いに流されそうになるのを、ツイハークは必で堪える。
 そもそも経験など無いだろうと高をくくっていたのに、イレースには一切迷いが無い。既に経験があるのだろうかと
思うと軽い嫉妬を覚えたが、自分はそんな立場ではないと思い至り微妙な気分になった。
 それでも見慣れた小さな頭が自分の股間で揺れているのを見ると、体はもちろん、気持ちが萎えてしまう事もなかった。

34 :
規制入っちゃったかな。
頑張れ、ツイハーク×イレース大好物だ。

35 :
携帯からです。
規制が解けないので続きは明日投下します。
今回は一旦終わりという事で、次の方がいらっしゃれば遠慮なくどうぞ。
おやすみなさい

36 :
これは期待

37 :
>>1おつ

38 :
前スレ>>1000でマークの姉なんていくらでもいるのに何故かセレナしか思い浮かばないバグが

39 :
インバースがいる軍の中は乱れそうだなw

40 :
>>35
イイネイイネ
暁終章の雰囲気がよく出てる。
ツイイレ大好物なんで楽しみに待ってます。

41 :
>>38
マークの兄姉、となると一番しっくりくるのがセレナだなぁ、やっぱり
セレナは、なんだかんだで優しいし、面倒見がいいから、子世代のなかでは一番姉キャラ属性も持ってる感じ。

42 :
ルキナも一応お姉さん属性備えてるというか一番主人公っぽいキャラしてる
まあお父様が主役で聖王だから主人公にはなれないけど適性はクロムよりあるはず

43 :
>>38
性格だけならンンもありなんだけどいかんせん見た目的に姉には見えない
ルキナとセレナ以外の子世代女キャラはみんな妹向きだなあ

44 :
インバースが来たことだし何か出来んかな

45 :
姉シンシア結構良かったんだが少数派か…

46 :
2軍連中に「ババァ」呼ばわりされながら輪姦されるおばちゃん
始めは数と勢いに圧されていたが、次第にその卓越した性技で2軍連中を籠絡する淫バースおばちゃん

47 :
おば……インバースの悪口よくないと思ったら公式だった

48 :
イン婆スさんとかBBA結婚してくれとか言ってたけど
公式にBBA呼ばわりされてると逆に冷める天邪鬼発動

49 :
>>45
シンシアはルキナの妹になる可能性あるから妹ってイメージの人が多そうだな
姉にする場合にマー子の他人支援潰さないのはシンシアデジェルセレナの三人だけど前二人は妹イメージの人はいそうだ

50 :
んな事言い出したらデジェルもブレディもアズールもそうじゃないか

51 :
初回のがやっぱ印象に残ってるからか妹のイメージはあるな。>シンシア

52 :
初回ジャスティスってのは確かにあるが、あまり捕らわれすぎるのも良くないぞ
うちなんて一周目は前情報なしでやったもんだから、シンシア出し損ねたよ…

53 :
久しぶりに烈火やったせいで
ずっとひとりだったから色々たまってるリンに
襲われる♀マークなんて電波が飛んできやがった

54 :
インバース×マイユニ子支援Aみてインバースの淫乱な罠にかけられたマイユニ子って電波がビビっときたんだが

55 :
インバースの淫乱な罠にかかった異界のリンにマー子が襲われる展開はまだですか

56 :
スミアも結婚してなかった場合村男と結婚してシンシアちゃん登場とかの救済措置ほしかった

57 :
シンシア(父親不明)

58 :
髪の色がピンクやらパープルだったりするんですね。
ところで、マイユニ♀とバージリオをくっつけると、マークの髪は何色になるんだ?
まさか丸頭じゃあないだろうな…

59 :
ヒント:バジーリオの眉毛と髭は濃い黒

60 :
シンシア(父親 屍兵)
ブレディ(父親 ペレジア兵)
とかでも胸が熱くなるな

61 :
ナーガ様のミスであらゆる世界のマー子とマー男が一つの世界に来ても胸が熱くなる

62 :
>>27-33の続きです。
昨日の時点で気付いたんですが、容量オーバーで分割が変わったので8/14からです。
エロパロスレって1レス4096byteまでなんですね。

63 :
「イ、イレースっ」
 ならばいっそと名前を呼んでも、彼女の舌も手も、止まる気配はない。
「抱くなら、抱くで……! くう……きちんと、抱かせてくれっ」
 そう言いきると、ようやくイレースの舌が止まった。
 ゆっくりと、イレースが顔を上げる。
「……抱いて、くださるんですか……?」
 口元は唾液で濡れ、無理をしたせいか顔全体が紅潮している。紅を引いたように赤く染まった唇が、ろうそくの炎を
反射していた。炎が揺らめく度に唇の反射が変わり、顔の陰影も変わる。ツイハークは息を呑んだ。
 最初にこの建物に入った時の、あの激しい劣情が再度彼に襲いかかってきた。
 大きく息を吸い込んで、ついに彼は言った。
「ああ、君を抱きたいんだ」
 うっとりと目を閉じたイレースのこめかみに指を差し入れ、ツイハークは親指で彼女の頭を撫でた。
**
 いつの間にか夜は更けて、辺りはすっかり暗くなっていた。薄曇りのおかげで星はおろか月もぼんやりとしか
見えず、ろうそくが尽きてしまえばお互いの顔を判別する事すら難しくなるだろう。
 雨でも降りそうな、湿った風の吹く夜だった。静かで、風の音しか聞こえない夜だった。
 生き物の気配が全くない、まるで時間が止まってしまったかのような静かな世界で、二人は生まれたままの
姿になり、見つめ合っていた。
「本当にいいのか? 君はどう思っているか知らないが、俺は途中で止めるなんて器用な真似は出来ないぞ」
 ツイハークが尋ねる。
「大丈夫……です。私は……ツイハークさんと……」
 そこまで言って、イレースは目を伏せた。
「その……。…ひとつに、なりたい……です……」
 珍しく恥ずかしがっているのか、目を合わせようとしないイレースを見て、ツイハークも珍しくいたずら心が湧いた。
「じゃあ、ちゃんとこっちを向いてくれないか。このままじゃキスも出来ない」
「……っ!」
 キス、という言葉にあからさまに反応して真っ赤になったイレースを見て、ツイハークは声を出して笑った。
 顔を見ようと彼女が向く方へ座り直したが、すぐ反対の方を向いてしまう。また座り直すと、やはり反対側を向く。
 それを何度か繰り返した後、恥ずかしがるイレースの顎に手をかけて、ツイハークは無理に彼女の顔を自分の方へ
向けた。
(さっきまでは止めてくれと言っても止めなかったくせに)
 ツイハークは、彼女の羞恥心をあおるようにわざとゆっくりと唇を重ねた。
 唇を合わせたままむにむにとついばむようにしてやると、がちがちに固まっていたイレースの肩ががぴくんと震えた。
緊張している様子を見ると、さっきのは勢いに任せた行動だったのだろう──そうツイハークは結論づけた。
 だが、小さな唇の柔らかい感触を味わいながらも、つい(こんなに小さい口からあんな量の食べ物が入るんだよな)
などと考えてしまう。一日に大人十人分ほどの量を食べているくせに、どこもかしこも華奢なつくりをした体。それを
今から犯すのだ。
 ふと、顎を掴んでいた手を滑らせて耳たぶを撫でる。そこも小さくて、緊張と興奮の為かやたらと熱かった。
(子供みたいだな)
 口でされてから今まで全く勃起が収まらない下半身に比べて、ツイハークの頭は妙に落ち着いていた。初めてだろうから
出来るだけ痛みの少ないようにとは思っているが、ツイハーク自身も本番はかなりご無沙汰で、柄にもなく
緊張しているせいかもしれない。
 耳から首筋を通り、鎖骨から肩へ手をやると、ツイハークはようやく唇を離した。
「……あ……」
 イレースの口からがっかりしたような吐息が漏れて、ツイハークは少しだけほっとする。
「怖かったり痛かったりしたら、言ってくれ。善処する」
 止める、と言わないのは彼が正直だからだ。
 どこまで理解しているのか、イレースはぼんやりとツイハークを見つめながらただ黙って頷いた。

64 :
 先ほど指先で辿った場所に短いキスを落としながら、ツイハークは胸の膨らみに手を置いた。一度も触れていないのに
かちかちになっている乳首を指の腹で撫でると、「ん……」と小さな声が漏れる。指先を丸く動かすと、下の方から
シーツを掴む衣擦れの音がした。
 今度は、両手で両方の乳房を脇からすくい上げるようにして、乳首を舌先でくすぐる。一瞬膝を閉じるように
力が入ったが、もうこれ以上ないくらいにぴったりと閉じている。それ以上は動かない。
 片方の乳首ををつまみ、もう片方を歯と舌で挟み込んでしごいてやると、イレースはついに背中を丸めた。
「や……! そ、それ……だめです……!」
 必にツイハークの肩を両手で押すが、快楽に負けているのかいつもの怪力とはほど遠い。空いた手で腰骨に
触れると、肩に食い込むような痛みが走った。
「あっ……」
 しまった、というような悲鳴を上げた後、イレースはさっと手を離してしまう。
 自分の足元のシーツを握りしめたのを見て、ツイハークは顔を上げた。
「気にしなくていい。なんなら、もっと爪を立てたって構わないさ」
 乳房から手を離して頭を撫でてやると、イレースは申し訳なさそうに頷いた。
 撫でている手でイレースの頭を胸の方へ引き寄せると、素直にぺたんと額を付けた。頭のてっぺんにキスをしてから
今度は手を首に回し、腰に置いていた手で横座りをしていた彼女の体をベッドに横たえた。
「あ……え……?」
 いわゆる腕枕の体勢になって、イレースは目をぱちぱちとさせて面食らっている。
 その隙にツイハークは、イレースの下腹部へと指を滑らせた。
「あ、ひゃっ!」
 らしくない声を上げた自分にイレース自身も驚いたのか、慌てて両手で口を塞ぐ。それを眺めながらツイハークが
指先で陰裂をなぞると、イレースの体はびくびくと跳ねた。
 薄い下生えの感触を手のひらに感じながら何度も指を往復させてやると、その度に細い体がしなる。指先に少し
力を入れてみるが、汗でしっとりした大陰唇が指を巻き込み、中への進入を拒んだ。
(もう少しか)
 ツイハークは、改めて指を会陰に置いた。それから、同じように少し強めに指を滑らせると、一度引っかかっただけで
つぷんと中へ入り込んでしまった。その瞬間、イレースは反射的に膝を曲げる。太ももで腕を挟まれ上手く
動かせなくなったツイハークは、それならいっそと手を抜いた。
「……?」
 横目でちらりと様子を窺ってくるイレースを尻目に、ツイハークは尻の方から陰部へ手を這わせた。
「ひっ……!!!」
 まずは中指を沈め、ひだをかき分け膣口を浅くかき回す。くちくちと水音が立ち、イレースは両手で顔を覆ったが、
本当にやめて欲しいとは思っていないのか、そこは無防備にさらけ出したままだ。両足にも力を込めているが、
膝を折った状態では全く隠れていない。
「すごく濡れてる」
「い……言わない、で……くださ……ん!」
 柔らかいひだの感触を思うさまに味わってから、上の方にある突起をひっかけて指を抜く。それから口を覆っていた手を
握り、下の方へ導いた。

65 :
「触って」
 目を白黒させているイレースだが、ツイハークは有無を言わさず陰茎を握らせる。それからまたイレースの方へ
手を伸ばし、今度は最初から突起をつまんだ。
「い、いた……いたい……それ、だめ……です……!」
「そうは見えないが……っと」
 親指と人差し指で、ぬるぬるになったそれを揉み込むようにこね回すと、つるりと滑って逃げていきそうになる。
逃げられないように注意深く、ツイハークはイレースの陰核を刺激する。
「ひっ! い、ひゃ……!」
「ほら、君も。こんな感じに、しごいて」
 唇を噛んで涙目になっているイレースを責めながら、ツイハークは彼女にも愛撫するよう促す。
 その言いようがあまりにも普段と変わらず冷静で、イレースは自分だけが快感に流されている事が途端に
みっともない事のように思えた。
 ごくりとつばを飲み込んで、イレースは手を動かし始める。
「……こ、こう……です、か……は、ふぁ!」
 ツイハークから与えられる快感が強すぎて、自分の手とは思えない程にぎこちない動きだ。それでもイレースは
懸命に自分がされている動きを真似しようとした。
 陰茎をしごき、なんだかよく分からないぬめりを指先に絡めて裏筋から亀頭を撫で回す。
 初めて触る男性器は妙に生々しい熱さを持ち、湿っているような気がする。それはイレースにとって積極的に
触りたいと思えるものではなかったが、なんとかしてツイハークに呆れられないようにと必だった。
 一方ツイハークも、イレースのなめらかな指の感触に必に耐えていた。確かに動きはぎこちないが、彼女の指の
細く柔らかな感触は自分の手とは全く違うもので、あけすけな言い方をすればまるで触手のようだ。触手に
触らせた経験など無いが。
「あっ、や……! ツイ、ハークさん……、な、何か、へん……です……!」
 イレースの泣きそうな声を聞いて、ツイハークはきゅ、と陰核を押しつぶした。
「っ!!!」
 びくん、とイレースの体が大きく震える。と同時に、握り込んでしまった手からツイハークの陰茎がぬるりと
抜け出てしまった。
 亀頭に強い刺激を与えられて一瞬眉をしかめたが、ツイハークはイレースの枕になっていた腕で彼女を
強く抱きしめる。それからすぐに、先ほどまでよりも速く指を動かした。
「あ、や、だめっ、それだめっ……だめです!」
「我慢しないで」
 つまむ動きから根本から弾くような動きに変えると、イレースはぶるぶると細かく顎を震わせ、ぴたりと動きを止める。
「ぁ、や、────!!!」
 声にならない悲鳴を上げ、イレースが達する。その様子を一瞬たりとも逃すまいと、ツイハークは瞬きもせずに
見つめていた。
**

66 :
「……そろそろ、俺も我慢出来そうにない」
 イレースの呼吸が落ち着いてきたのを見計らって、ツイハークが言った。
 夢見心地で、ともすれば本当に眠りに落ちてしまいそうになっていたイレースは、それを聞いても
何の事を言っているかすぐには理解出来なかった。だからなんとなく目を開けてみたのだが、同様に
なんとなくツイハークの方を向いて一気に覚醒する。
 自分はツイハークと事に及ぼうとしていたのだという事すら、あまりの快感で忘れてしまっていた。
「は、はい……! あの……」
 慌てて返事をしようとしたが、言葉が出てこない。なんと言ったらよいものか、イレースは思案する。
が、考えた所で誘い文句など何一つ浮かばない。
「……ど……、どうぞ……」
 結局雰囲気の欠片もない台詞を吐いてしまい、イレースはほんの少しだけ後悔した。
 だがツイハークは、そもそもイレースに甘い言葉や雰囲気などは期待していない。ひとまず肯定の返事が
得られたのだから良い方である。
 ツイハークはイレースに両膝を曲げさせると、自分で膝裏を抱えるように促した。自分の記憶には無い行動に
困惑し、イレースは流されるまま従った。
「これだけ濡れていれば大丈夫だと思うが、痛い時はそう言ってくれ」
 ツイハークが、くちゃ、と自分のものをイレースの陰裂にあてがった。想像以上に熱い。達してから時間が
経っているというのに、彼女の体には未だに発散しきっていない熱が残っていた。
 少し腰を前に進めると、前の方へ滑ってしまう。根本を持って手前に引くと、狭い肉をかき分けて亀頭が
ほんの少しだけ膣内に埋まった。
「う……っ」
 慣らしてやろうと陰茎を揺らすと、痛みを感じたのかイレースが小さく呻いた。
 だが、ツイハークはもう待たなかった。
「ひ、くぅ……!」
 背中を丸めるようにして腰を突き入れると、それ以上大した抵抗もなくぬぶぬぶと埋まっていく。最後に
少しだけ抵抗があったが、力任せに根本まで突き入れた。
「はぁ……」
 イレースの中に自身を全て埋め込んだツイハークは、ゆっくりと息を吐き出した。痺れるような快感が
腰からわき上がってくる。
 熱くて狭い──それが率直な感想だった。
 イレースは慣れない感覚に耐えているのか、目をつむって口元を抑えている。そのまつげに涙がにじんでいるのを
見て、ツイハークの陰茎は質量を増した。

67 :
「動くよ」
 言い終わる前に、ツイハークは動き始めた。
 根本まで入り込んでいたそれを亀頭が露出してしまう程まで抜き、再度ゆっくりと収める。イレースの愛液と
自分の先走りでかなり滑りやすくなってはいるが、入り口が相当にきつい。その狭い入り口で自分のいい部分を
しごくようにして、ツイハークは出し入れを繰り返した。
 体育座りのような格好のせいでイレースの性器は丸出しになっており、守るものが何一つないそこを
ツイハークは思う存分蹂躙する。たまにイレースが泣き声のような悲鳴をあげるのが、彼の嗜虐性に拍車をかけていた。
 部屋には粘着質な水音と、お互いの呼吸の音のみが響く。
 根本まで入り込んでいたそれを亀頭が露出してしまう程まで抜き、再度ゆっくりと収める。イレースの愛液と
自分の先走りでかなり滑りやすくなってはいるが、入り口が相当にきつい。その狭い入り口で自分のいい部分を
しごくようにして、ツイハークは出し入れを繰り返した。
 体育座りのような格好のせいでイレースの性器は丸出しになっており、守るものが何一つないそこをツイハークは
思う存分蹂躙する。たまにイレースが泣き声のような悲鳴をあげるのが、彼の嗜虐性に拍車をかけていた。
 弾力のある膨らみに手を置いて、
 部屋には粘着質な水音と、お互いの呼吸の音のみが響く。
 ふと、部屋が暗転した。
 ろうそくが燃え尽きたのだ、と先に気付いたのはツイハークだった。イレースは突然の事に身を縮め、心細そうに
ツイハークを見やる。その横顔を掴んで口づけると、ツイハークは先ほどよりも激しく腰を振った。
「んむっ!? む、ぐ、んぅ……!」
 苦しそうに首を振ろうとするイレースの顎を両手で押さえつけ、小さな唇にかみつき、反射的に閉じられた唇を
舌で割ってそのままねじ込む。くちゃくちゃと音を鳴らしながらイレースの舌を絡め取り、吸い付いて、そこで
ツイハークは気が付いた。
 イレースは、決して痛みや羞恥に耐えていた訳ではない。彼女は、むしろ……。
「ん!?」
 ぬるり、と舌を吸い込まれる感触がして、ツイハークは思わず声を上げた。
「はふ、ん……ちゅ、ん」
 ベッドに上がってからは積極的に動こうとしなかったイレースが、途端に能動的になり始めたのだ。
 イレースはツイハークの手に自分の手を重ね、唇を合わせやすいように自ら角度を変える。それから唇をより深く
重ね直し、ツイハークの舌を自分の口内に誘い込んだ。
 温かくて柔らかい彼女の口。布越しとはいえ、先ほど自分のものを咥えていたそこで、彼女の短い舌がちろちろと
脇をくすぐり、短い間隔で吸い付いてくる。
「っ! ふ、む、う……!」
 吸われながら甘噛みされると、吸われた時のむず痒さがかすかな痛みで解消され、浅い絶頂を何度も
味わっているような感覚になる。
 力が抜けてしまったツイハークの手を外し、イレースは名残惜しそうにゆっくりと唇を離した。
 離れる瞬間に短く糸が引いたのを、ツイハークはただぼんやりと眺めるしか出来なかった。

68 :
「……ツイハークさん……。……すき、です……」
 そう言ってベッドに手をついたイレースが、大きく片足を上げた。それはゆっくりとツイハークの上半身を通り、
反対側へ向かう。
 その間、ツイハークの目はつながった二人の性器に釘付けになっていた。イレースが両足で重心をとったせいで
ころんと仰向けにされても、ツイハークは何の疑問も抱かない。
 ふふ、と笑うような吐息が聞こえやっとツイハークが我に返った時、イレースは彼の上に馬乗りになっていた。
 闇に慣れた目でも、はっきりとは見えない。だが、彼女は確かに口の端を上げて、笑っている。
 思わず手を伸ばすと、途中で彼女に遮られた。指と指が絡み、ベッドに押しつけられる。
「何を、っ!」
 言い終わる前にイレースが腰を上げた。ぴったりと吸い付いたひだに、全部持って行かれるような感覚。
 だが実際にはそんな事はなく、すぐに次の快感がツイハークを襲う。
「ぅああ……っ」
 コリコリと粒立った天井に亀頭を擦りつけられながら、根本まで埋め込まれる。そしてまたなぶるように吐き出される。
 間断なくそれを繰り返され、ツイハークは反撃の隙を一切与えられなかった。はふはふと短い呼吸を繰り返す
イレースの、細い指を握る返すだけで精一杯だ。
 どちらかが動く度にぶちゅぶちゅと音を立てる二人分の体液は、泡が立ちそうな程にねっとりとしており、ツイハークの
下腹とイレースの太ももを伝いシーツに染みをつくっていた。
「イ、レース……! もう、これ以上は……、だ、めだ……っ」
 ついに彼が屈すると、限界までくわえ込まれ、その状態でぐりぐりと押しつけられた。亀頭が上から押さえつけられ、
カリ首の溝にまでひだが入り込んで、ツイハークは本当に嬲られているように感じた。逃げ場などないと。
 イレースが重心を変える度に、膣内のひだと接している部分がまんべんなく舐られ、頭の中にもやがかかったように
なっていく。
「あぁ……は、ふぁ、あ……!」
 悩ましげなイレースの吐息が、興奮に拍車をかける。と、突然イレースの動きがぴたりと止まった。
 そうだと気付いた途端陰茎をぎゅぎゅうと締め付けられ、ツイハークは歯を食いしばって射精を堪える。
「ん、あ、あ……、──っ!!」
 見上げると、イレースは顎を大きく反らし、びくびくと震えていた。
 イったのか、と思った瞬間、ツイハークの中に獣が現れた。
 素早く上体を起こし、彼女の腰を掴むと、がんがんと突き上げる。
「やっ、あ、ぁめ、れ……わぁひ、イっ……!」
 彼女が何を言っているかは分からないし、分かろうとも思わなかった。ぱつんぱつんと肌がぶつかる音がして、
イレースの泣き声が聞こえて、気持ちがいい。それだけだ。
 じきに腰の感覚がなくなり、全身がじわじわと快感に侵食されてくるのが分かった。天辺が見える。
 スイッチが入ってしまった体は、もう止まらなかった。
「ひ、や、ぁあ……!」
 両肩に爪を立てて、イレースがいやいやと首を振っている。爪を立てている指先は震えている。いや、全身が
けいれんしているかもしれない。それよりも早くイきたい。出したい。彼女の中で出したい──。
 達する瞬間、ツイハークはイレースの華奢な体を折れそうなほど強く抱きしめた。最後に感じたのは、全身の
毛穴が開いたような感覚と、顔と胸に感じた彼女の滑らかな肌の感触。
**

69 :
 シーツを替えたベッドの上。ツイハークが持ってきた果物を食べながら、二人は寄り添って空を眺めていた。
 二人とも下着とインナーだけを身に着け、イレースは厚手のタオルを肩に掛けている。換気の為、窓は
少しだけ開けておいた。
「君、初めてじゃなかったんだな」
 ツイハークがそう言うと、イレースは咀嚼を止めた。
 先ほどまで、自ら腰を振り、快楽を貪っていたイレース。その姿と、目の前でのんびりと果物をかじっている
イレースが上手く重ならない。まるで別人のようだった。
「がっかり……しましたか……?」
 そんな彼の心中など知らず、イレースは果物を頬に詰めたまま尋ねた。
 それを見たツイハークは、モウディが以前、イレースはリスのようだなどと可愛らしい喩えを出していたのを
思い出す。自分ならば、単に頬が膨らんでいるだけだろう──ついでにそれほどまでに食い意地が張っている
のだ──と思うだけだが、森で暮らしていた純真な彼は、イレースに限らず他人を悪く思ったりはしないのだろう。
 何とは無しにイレースの頭を撫でてみると、イレースはしゃりしゃりと果物をかみ砕き、飲み込んだ。
「……全くしてないと言ったら嘘になるだろうな」
 それを見計らって頭を撫でていた手を下ろし、ツイハークは指の背でイレースの頬を撫でてやる。薄く目をつむる
イレースの表情は、猫に似ている。
「けどそれより、思ったよりずっとたくましいな、と思ったよ」
「……たくましい、ですか……」
 そう言われて、イレースは何か思い出したように遠くを見つめた。
「どうかしたか?」
「……以前、アイクさんにも同じような事を言われました……」
「へえ」
 あのたくましい団長にたくましいと言われるなんてよっぽどだな、と思うと同時に、男の名前が出てきた事に何か
ひっかかるものがある。だがツイハークは、そんな事は微塵も表に出さずに続けた。
「一体何をやらかしたんだ?」
 イレースもイレースで、一度もツイハークの方を見ずに遠くを見つめたまま話し始めた。
「前の戦争で仲間にしていただいた時に……家を出てからの生活を話したんです……。それが、豪快な生き様だと……」
「ふうん。そういえば、君がどんな生き方をしてきたのか聞いた事がなかったな」
 自分の事ばかり話して、すぐに事に及んでしまったのを思い出し、ツイハークは居心地が悪くなる。だがツイハークは
すぐに、それも追々機会を見つけて話していけばいい事だと思った。
 こうなってしまえば、すっぱり離れる事も出来ないだろう。それよりも、彼女の人生なんて、きっと自分には想像も
つかないようなものに違いない。もう今から聞くのが楽しみだ。
 持ち前の前向きさで、ツイハークはぱっと気持ちを切り替えた。
「……気になりますか?」
 どことなく聞いて欲しそうな言い方をするイレース。それを聞いて、ツイハークはまた彼女をからかってやりたくなる。
「うん? そうだな……。男性経験の回数とか、差し支えなければ」
 ぴた、と体を硬直させたイレースが冗談と気付くまで、数十秒を要したとか。

70 :
以上です。
途中トリップ付け忘れたり番号入れ忘れたりしてすみませんでした。
この二人はあれだけフラグ立てておいてペアエンドがないところも好きです。

71 :
>>70
Gj!続き待ってました!
この二人はやっぱりいいな。
距離感がたまらなかったですごちそうさまでした

72 :
>>70
ペアエンドがないのは逆に妄想の余地があっていいよね…
ツイイレ最高でした乙!

73 :
>>70
GJ!GJ!
紳士的なのに野生的なツイハークさんと責めに回ったりするイレースごちそうさまでした。
なぜペアエンドないし。

74 :
>>70
GJ!
ペアエンド無いのがいいんじゃないか!
ツイハークさん破産してそうだけど

75 :
>>70
GJ!
ツイハークさんのドスケベスイッチが入ったところに悶えた…ハァハァ…長編エロパロはいいなぁ。

76 :
みんなティアモ祭に向けて執筆中なんだろうか
投下いっぱいあるといいな

77 :
今日は静かだな。
淫バースさんとマイユニ子の義理姉妹が正軍師の座を争って
性王様の聖剣をダブルパイズリするSSはよ。

78 :
書いてるけど全然進まない…
みんな書いてるのだと嬉しいけど
ネタがかぶらなきゃいいけどねー

79 :
インバース×マイユニ子の調教プレイってのもなかなか乙なもの

80 :
>>78
ネタが被ってもいいじゃない!
同じ食材やレシピでも完成する料理は違うからコックなんだぜ!
とりあえず7月7日盛り上がることを祈る

81 :
とりあえず支援Bの顔を赤らめた所で暴走したユニ子がティアモを襲うというのなら妄想した
くっ、文章力が足りない!

82 :
いまじゃ!ぶんしょうりょくをゆびさきに!

83 :
インバースに触発されてクロムを渡したくない!って嫁ユニ子が一生懸命クロムにご奉仕して
したことのないフェラとかパイズリ頑張って恥ずかしさと上手くできないことに涙目になってるものの
その下手さがツボった性王に美味しくいただかれるような光景は今でも脳裏に鮮やかに浮かんでいるんだが

84 :
真実の泉にて増えたセレナとマー子に襲われるマイユニ男
という展開はまだですか

85 :
支援Aでクロムに女扱いされなくて怒ったマイユニ子タイプ2が夜這いを仕掛ける…うーん、俺に文才があればなぁ…

86 :
文才など二の次だ!
思うままに書きたくるがよい。
書かねば妄想のままで終わるが、書けばみんなが幸せになる。
さあ頑張れ。
……と、書き始めて書きたいだけ書いてたらものすごい長くなってしまった。
こういう場合はどっかにうpした方がいいかな。

87 :
皆七夕に向けて執筆中かね

88 :
長すぎワロタ状態なら
txtにまとめてロダにうpという手がある

89 :
事前に伺いたてて分割書き込みでも良いよ
長いの読むの好きだから楽しみにしてる

90 :
>>88 >>89
ありがと。
まだ途中なので書き上がって全量見てから決めることにするよ。
エロが書きたいのか物語が書きたいのかよくわからんくなってきたw

91 :
保管庫には100kb超えてるのもあるし気にする事ないんじゃないか
先日も規制になるような長編投下してくれた職人がいた事だし

92 :
このスレというか掲示板で規制されるのって連レスだけなのかな
七夕は文字数増えそうだからテキストをうpロダにあげようかと思ったけど……

93 :
七夕はこのスレどうなってしまうんだろう
というかティアモはどうなってしまうんだろう

94 :
ティアモは幸せになってもらう(迫真

95 :
手槍に限らず色々なSSが来てほしい七夕

96 :
七夕な誕生日プレゼントが肉棒と白濁液か…楽しみだな

97 :
>>95
織姫と彦星みたいに数年に一度しか会えないマイユニ子とその夫とか?

98 :
>>97
一年に一度うぬ様が異界から帰ってきてロリユニとラブラブちゅっちゅするとな!?

99 :
SSなんざまともに書いたことなかったから悲惨だぜー
生みの苦しみってこういうことかぁ

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