2012年5月エロゲネタ445: 母子でブラスティア2 (429) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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母子でブラスティア2


1 :06/07/14 〜 最終レス :12/04/09
ママン!ママン!エロいママン!
強くてエロいよ、ママン!ママン!

2 :
1つ積んではママンのため

3 :
>>1
スレたて乙

4 :
>1
乙ママン

5 :
一日一回ママン

6 :
>>1
絵師が気づいてくれれば良いのだが…

7 :
>>1

ゲーム版キャラは出てこなかったけどフェアリーフォース良かったよ

8 :
スレ立て、超乙!
いつかサンクラ2を見れる日は来るのでしょうか・・・

9 :
>>1
>>8
colors自体がもうだめっぽいからなあ…
OHPももう2か月くらい更新してないらしいし。

10 :
ミルフィーユ辺りが黒木氏を引き抜いてサンクラ2を作ってくれないかな

11 :
前スレも一応のせてくれ。

12 :
おお!スレが立ってる
ママン参上で
http://fancyfree.myphotos.cc/2ji1/img/454.jpg
・・・けどサンクラ2は出そうにない雰囲気ですね・・・ショボン

13 :
>12
直リンできないみたいなので↓で
http://puka-world.com/php/upload/puka/img-box/1152956365549.jpg

14 :
>>1
スレ立て乙!狂ヴァやってなくて話がよく分からなかったけど哲郎がいい味出してた!
>>13
絵師さんおかえりなさい!そしてエロカコイイママンGJ!
無垢なショタに玩具にされるママンプレイ希望!
最初は両親を無くしたばかりショタを不憫に思い、元気づけようと接触しただけのつもりが
徐々にエスカレートしてゆくママゴトはとどまるところを知らず、
ついにはショタの小さな手がママンの熟壷をジャイブジャイブ、みたいなのをどうか!

15 :
>13
ナイスママン!
お待ちしてました

16 :
>14
それいただき!ショタものがんばってみるぅ! 
けど、素人なのであまり期待しないでね。
>15
お待ちしてましたなんて、はずかしい。
適当に見てください。適当で・・・はい。

17 :
よし適当に保守するぜ

18 :
お前ばっかりにいい格好はさせないぜ
age保守

19 :
漏れはママンじゃなくて娘のブラスティアの方が好きなんだが
ここでは少数派なのか・・・。(´・ω・`)
デカ尻にホットパンツをきゅうきゅうに食い込ませたい。(;´Д`)ハァハァ

20 :
>19
ママンのファンのが多そうだが、少なくとも俺は同志だぜ
まこたんエロカコイイヨまこたん

21 :
>>13
この絵スゲーイイ!
前スレチラチラ見てたんだけど、俺が見てる時は絵師様がまだ降臨してなくて
いつのまにか落ちてた。
前スレで投下した絵も見せてもらえないでしょうか(´・ω・`)…

22 :
>>20
(・∀・)人(・∀・)ナカーマ
どうにも「人妻」って属性がダメだから、やっぱ若いまこたんをねちねちHな目にあわせたい。
とりあえずコスチュームを脱ぐのも破るのも不可能な状態にして、ふたなり化。
ティムポがテントを張り、ホットパンツがお尻に食い込む。そんなシチュでいたぶりたい。(;´Д`)ハァハァ

23 :
俺もブラスティア派だな
若いとかじゃなくてマスクフェチだけど

24 :
母娘丼プリーズ

25 :
>23
あー、俺も覆面ってねはポイントだな
レインボーミカとか、最強弟子ケンイチに最近は出てきた女覆面レスラーとかも好きだし
あと、ムチムチバディーでボーイッシュでボクっ子なのもポイントだ

26 :
ブラスティアかわいいよブラスティア

27 :
一日一回スターサンダー

28 :
>>21
がってんでい
前スレで貼った分っす。がらくたですが
http://www.uploda.net/cgi/uploader2/index.php?dlpas_id=0000019174.zip
DownLoad Pass  = maman
>>14
ショタもの30枚超えちゃったよ・・まだ半分なのに。
量ばっかりで、つまらん内容になってそうな気がしてきた・・・

29 :
なんだこりゃw
この前本スレにアド貼られてからココ巡回してたんだけど…
ログ削除で良いかなこれは。

30 :
>>13
サンクス!! 一日遅れでもろたよ
半分あきらめかけてたけど、待っててよかったヽ(´ー`)ノ
日記風SSもあり、スレイブクイーンもありで最高だわ!
ショタもの超大作になりそうですね、期待してまつ

31 :
>>28の絵を見たら悶々としてママンのSS書きたくなってきちゃった。
でも俺、貧乏なもんで原作1、2巻と体験版しかやったことないんだ。orz
ネタバレになってしまうんだろうけどSS書くための参考として
メイガスとママンとの関わりについて教えてもらうことはできるでしょうか?

32 :
エロゲのストーリーを教えてもらうスレpart5
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1141041553/l50

33 :
>>32
ありがとね

34 :
一日一回オセロットミャア

35 :
31です。
ssとりあえず書き始めてます。
人少ないみたいですが、とりあえず投下してみます。
属性はママン、陵辱、乳首責めってところです。
誠も、ブラスティアも好きなんだけど、
ちょっとそこまで話を広げられそうにない。
ファンの人ゴメンナサイ。

36 :
『メイガス再復活!』
ピンポーン!
平日のまっ昼間、八重垣家のチャイムが鳴った。
「はーい!ちょっとまってー!」
さわやかなハミングのような声を響かせ、ぱたぱたとスリッパを
鳴らしながら明子が出てくる。
(誰かしら?宅急便はさっき来たし・・・)
カチャっと玄関を開けると、そこには立原郁郎が立っていた。
「あらぁ、郁郎クンじゃない。お久しぶりー・・・」
「ごぶさたしてます。明子おばさま」
郁郎は言わずと知れた明子の娘、誠の恋人である。
メイガス達との闘いから3年の月日が経ち、郁郎も誠も今では同じ大学に
通っている。
「今日は平日なのにデートなの?、あら?でも、誠、大学に行ってるわよ?」
「いえ、今日は借りていた本を返しに来ただけなので・・・それと・・・
 明子おばさまにちょっと相談が・・・」
郁郎は顔をほんのり赤く染めて玄関先でうつむいている。
(郁郎クンって大学生になっても相っ変わらずのシャイなんだから・・・)
ちょっといじわるをするように明子は問い返した。
「相談?・・・、ひょっとして恋の相談なのかな〜」
郁郎の顔にグッと顔を寄せ、軽くウインクをしてみせる。
郁郎は急にあたふたとして
「ち、ちがいます!恋の相談なんて、そんなんじゃ・・・」
と弁解をはじめた。
(あらあら、必に弁解しちゃって、かーわいー)
かわいい子犬を手に入れたように明子は微笑んだ。
「フフフッ、冗談よ、じ・ょ・う・だ・ん!とにかく上がって」
明子は髪の毛からシャンプーの香りを振りまきながら郁郎をリビングに案内した。

37 :
「郁郎クン、紅茶しかないんだけどいいかしら?・・・」
台所から明子の声が聞こえてくる。
「はい、なんでも・・・」
リビングのソファでは、郁郎が相変わらず固くなって座っていた。
台所からカチャカチャという音が響き、やがてトレーの上にカップとポットを
乗せて明子が入ってきた。
「お・ま・た・せ!」
郁郎のことを娘の恋人とは思っていないような、まるで自分の恋人に対するような
応対が返って郁郎を緊張させている。
「郁郎クン、ウチに上がるの初めてじゃないんだからそんなに緊張しないの」
そういいながら明子は紅茶をいれている。
コポコポという音が響き、ポットにお湯が入る。湯気が上がると同時に、
部屋の中に紅茶の香りが広がっていった。
「蒸らすタイミングが難しいのよね・・・」
真剣な表情で明子はティーポットを見つめる。郁郎はそんな明子の顔をチラチラと
盗み見ていた。
「よし、オッケー」
明子は素早くカップに紅茶を注いだ。カップの中には薄赤く、透明な色の紅茶が
満たされていった。
「はい、どうぞ」
明子が郁郎の前にカップを差し出す。一瞬、郁郎の目の前でサマーセーターに
包まれた明子の豊満な胸がタプンと揺れた。
郁郎は、その揺れる胸をまともに直視してしまい、またしても顔を赤くして下を
うつむいてしまった。
明子はそんな郁郎の様子にはまったく気が付かずに
「郁郎クン、レモンがいい?それともミルクにする?、あっ、それとも・・・」
と、またいたずらっぽく笑って、
「大人になったんだから、ブランデーにしよっか」
声に思いきり艶を響かせて言った。

38 :
「ミルクにします!」
郁郎はあわてて明子に答えた。
「フフッ、ごめんなさい。あんまりからかっちゃ悪いわよね」
明子は舌をペロッと出してあやまった。
(でも、郁郎クンってほんとうぶなのね、誠もこんな調子じゃ大変だ・・・)
なんとなく、娘の気持ちが思いやられた。
年の離れた二人の不自然な会話による不思議な空気が、部屋の中に充満していた。
しかし、明子はそんな空気にだいぶ慣れ始めていた。
「早いねー、郁郎クンも来年は就職かー」
「いえ、あの、ボク、大学に残ってそのまま研究室に入ろうと思ってます・・・」
あいかわらず、郁郎は明子の顔をまともに見てしゃべれない。
自然、視線は明子の顔より少し下の、胸のあたりに集中してしまう。
明子は青色のサマーセーターにスカートを履いていた。
少しサイズが小さいのではないかと思われるサマーセーターは、明子の張りの
ある豊かな胸をキュッと締め付けていた。明子がソファの上で少し姿勢を変える
たびに、きちんとブラを着けているのにもかかわらず、ノーブラのように、胸が
タプタプと揺れる。
どうみても服と身体のサイズが合っていないように思われる。だが、これには
秘密があった、人には決して言うことの出来ない秘密が・・・。
今から3年前、ブラスタークイーンとしてメイガスと戦った明子は、その闘いに
敗れ、牝奴隷スレイブクイーンとして口にするのもおぞましいような調教を受けた。
胸、そして身体中の性感帯を開発され、嬲られまくり、自分が女であることを
いやというほど思い知らされた。それは、明子にとって、消そうと思っても
決して消し去るのできない忌まわしい記憶・・・。
さらに不思議なことには、明子の胸と身体は3年たった今でも、全く衰えという
言葉を知らなかった。それどころか、昔に比べてさらに張りと輝きを増し続けている。
(もしかしたらメイガスから受けた調教の後遺症なのかも・・・)
最近、明子は、風呂上がりの火照った自分の身体を見つめるたび、そんな考えが
頭をよぎるようになった。

39 :
部屋の中には明子の明るい笑い声だけが響いていた。
明子がひたすら会話を盛り上げようとしている間も、郁郎の視線は明子のバストに
釘付けになっている。最初は遠慮がちだった視線も、今ではすっかり遠慮が
消えていた。
こうなってくると、さすがに明子も郁郎の視線に気付かずにはいられない。
(ちょっと、やだ・・・、郁郎クンも遠慮がなさすぎ・・・、誠に注意して
おかなきゃ・・・)
明子はなんとなく、胸の奥が熱くなり始めているのを感じていた。
二人の間に気まずい空気が、ふたたび満ちてくる。
「郁郎クン、紅茶、もう一杯いかが?」
明子は嫌な雰囲気を変えようと、郁郎に紅茶のおかわりをすすめた。
「いただきます」
郁郎は視線を変えることなく答えた。
明子は郁郎の目などまったく気にならないといった風に紅茶を作りはじめた。
その間も、サマーセーターに締め付けられた胸はユサユサと揺れ続けている。
郁郎の刺すような視線は、前にも増して明子の胸を襲い続けた。
(ヤダ・・・、そんなにじっくりと見ないで・・・)
明子は郁郎の目から何かレーザービームのようなものが出ているのではと
錯覚していた。胸の奥がジリジリと熱く、顔がだんだんと火照ってくる。
ブラでしっかりと押さえつけてはいるが、乳首がゆっくりと勃ってくるのを
感じていた。
「はい、おまたせ」
明子は、郁郎の前にカップを置いた。そして自分の身体の変調を悟られまい
と、急に郁郎に質問をした。
「そうそう、そう言えば、郁郎クンの相談ってなあに?」
「えっ!?」
急に質問を振られて動揺したのか、郁郎は再び下を向いて固まってしまった。
郁郎の無遠慮な視線から開放されてホッとしたのか、明子は前の調子に戻って
郁郎に質問攻めを浴びせはじめた。

40 :
「大学のこと?、それとも誠のことかな〜?」
「えっ・・・、あっ・・・」
郁郎は上を向いたり、下を向いたりしてパニックをおこしている。
「大丈夫、なーんでも聞いてあげるから」
明子は郁郎に甘えさせるように優しくいった。
郁郎は下を向いてガクガクと震えている。やがて、意を決したかのように
急に顔を上げ、明子の目をしっかり見ていった。
「ミルク飲みたいっ!」
「えっ!?」
緊張の糸がプツンと切れたように明子は素っ頓狂な声を出した。
「あっ、あぁ、紅茶のミルク・・・ごめんなさい」
そういえば、おかわりの紅茶にミルクを入れてなかった。
「ちがうっ、明子さんのミルク!、オッパイが飲みたいんだッ!」
今度は明子が驚かされる番だった。
(ちょっと・・・何?・・・)
明子は先程の郁郎のように固まってしまった。
「い、郁郎クン・・・自分が何いってるか分かってるの?・・・」
明子は郁郎の顔をじっと見つめた。しかし、今度は郁郎も明子の目から視線を
ずらすことはなかった。
何かを訴えるような、必なまなざしが明子の目を捕えて離さない。
郁郎の視線に捕えられて、明子は金縛りにあったかのように動けなくなった。
トクッ! トクン・・・
明子の心臓が軽く鳴った。同時に胸の奥で何かがとろけるような感触を味わった。
初めは、誰かを好きになった時の感覚に似ていると思った。
しかし数秒後には、何か違うと感じ始めていた。
ドクッ!ドロッ・・・
急速に胸の奥で何かが液体化している感じ。前にも確かに味わったことがある。
思い出せない、というか思い出したくない。

41 :
「郁郎クン、いくら何でもそのお願いはムリよ。だって、わたしミルクなんて・・・」
明子は必に平静を装って郁郎に答えた。
郁郎はその言葉を聞きながら、明子の目を見てニヤッと笑った。
「嘘だ!ホントは思いきりオッパイを搾られたいくせに、コリコリに固くなった
乳首を思いっきり摘まれて、ミルクを飛ばしたいくせに・・・」
郁郎の口から信じられない言葉が次々と吐き出される。
その言葉は明子の胸にグサグサと突き刺さり、頭を混乱させていく。
「ちょっと!郁郎クン!いくらなんでも怒るわよッ!」
明子は声を荒げた。しかし、郁郎はニヤニヤと笑いつづけるだけだった。
胸の中の液状化は急速に早まっていた。ドロドロとした液体が出口を求めて
胸の中を暴れまわり、同時に乳首が熱く、固く尖ってくるのを感じていた。
(何なのコレ?、胸・・苦しくて・・・、乳首・・ブラに擦れて・・痛い・・・)
郁郎はそんな明子を見て笑いながら言った。
「どう?そろそろミルク出したくなってきたんじゃない?」
「ば、馬鹿なことを言わないでッ!」
郁郎の人を見下したような態度に明子は怒りを覚えた。
「でも、オッパイのほうは、ミルク出したいって言っているみたいだよ?」
「えッ!?」
郁郎の言葉に、自分の胸を見た明子は、その様子をみて愕然とした。
(やだッ!何なのコレッ!!)
サマーセーターに締め付けられた明子の胸の先端部分が、じっとりと湿り、
セーターの胸の部分に丸いCDのような染みが二つ出来ていた。
(ウソ?・・・わたしの胸・・・ミルク・・・出てる!?)
明子の頬がサッと赤く染まる。
「イ、イヤアッ!」
明子は、咄嗟に自分の胸を両腕で隠した。
ムニュッ!、ムリンッ!
豊満な胸を自分の腕で圧迫したことにより、ミルクを少し搾り出してしまった
ようだ。乳首からジュワッと液体が溢れ、自分の腕まで生暖かく湿って
きている。

42 :
(くッ!・・・な、何で?・・・、どうしてッ?・・・)
「フフフッ・・・」
郁郎は、混乱した明子を眺めながら、ただ笑っている。
明子は、今までとはあきらかに違う郁郎の態度に疑問をもって、その顔を
見つめた。
「!!」
明子を見つめる郁郎の目は、細く開けられていた。そして、その瞳は赤く
輝き、赤外線を照射するように明子を睨みつけていた。
「あなた・・・、まさか・・・」
その瞬間、明子の頭の中に三年前の忌まわしい光景がフラッシュバックした。
殆ど隠すところのない紫の紐のようなコスチュームを着せられ、自分の豊満な
胸は、ミルクを出るように改造させられた。両腕、両足をきつく拘束された
まま、胸を激しく揉まれ、乳首をコリコリと摘まれ、涙と涎を垂らし、歓喜の
悲鳴をあげてミルクを噴き出している自分の姿。
「そんな・・・、だって、あの時確かに・・・」
そう、確かに倒したはず。それと同時に、自分の恥ずかしいコスチュームと
淫らな過去は封印されたはず。
でもそれなら、自分の胸に次から次へとミルクが溜まってくるこの感覚は
何なのだろう?乳首の先からジュッとミルクが漏れ出る瞬間、腰の奥にまで
響いてくるようなこの気持ちよさは何なのだろう?
「懐かしいなあ、昔とまったく変っていない。いや、それ以上かな?」
郁郎の赤い目の輝きが増していく。
そう、この男の言うとおりだ。次々と胸奥から溢れ出てくるミルクの感覚。
苦しくて、せつなくて気が狂いそうになる。でも乳首の先からジュッとミルクが
漏れ出る瞬間、身体の中を電気のような快感が貫いていく。昔と一緒。
あの男に、胸をミルクの出る身体に改造された時とまったく一緒・・・。
「どうだ、思い出したか?、明子、いやスレイブクイーンといったほうがいい
かな?・・・」
姿、形はまったくの郁郎だが、声だけは聞き覚えのある声に変化した。
スレイブクイーン・・・。二度と聞くことはないと思っていた名前。
その名前を耳にした瞬間、明子は自分の考えが正しいことを確信した。
「も、戻ってきたのね・・・、メイガスッ!」

43 :
とりあえず本日ここまでです。
自分のssのネタバレで申し訳ないんですが、
お話は、このあとスレイブクイーンに変身してメイガスにやられる
予定なんですが、その前に明子がブラスタークイーンに変身する時の
掛け声みたいなのってあるんでしょうか?
また、メイガスがブラスタークイーンをスレイブクイーンに
強制的に変身させるような呪文みたいなのってあるんでしょうか?
32で質問スレ教えてもらったんだけど、あんまり細かいことを
単発で聞くと申し訳ないので、できたらこのスレで教えてもらえると
ありがたいです。

44 :
>>43
ブラボーage!!
設定教えてあげたいのは山やまだが、
エロシーンしか力入れてプレイしてないので細かいことは覚えて無いッ!
ただ、サンクラスレ住人は寛容な人が多いから
設定間違えててもきっとスルーしてくれるはずだ
自己流でおk

45 :
>>43
GJ!
ブラスティアもブラスタークイーンも 変身する時は、
”FORTIA!”と言っていた。(発音は”フォルティア”)
スレイブクイーンにするには、ちょっと曖昧。本編では・・
メイガスが、ブラスタークイーンにいやらしいことをしつづけていると
ママンが「やめてー」とか言いながら、まぶしく光って、スレイブクイーンになっていた。。。

46 :
>>44-45
書き始めると細かいことが気になり始めちゃうんだ、
その割には誤字、脱字が多いんだけど・・・
とりあえず、これで先に進めそうです。
人少ない中でレスくれて、ホントありがと。

47 :
>>43
SS投下乙、細かい設定の違いなんてそんな気にせんで
いいジャマイカ・・・

48 :
>>42の続き
ハアッ・・・ンクッ!・・・ハアッ・・・
頬を真っ赤に上気させた明子が、メイガスを睨みつけていた。
正体を明かしたメイガスは、郁郎の姿から本来のオフビート超人の姿に変身している。
3年前、メイガスは確かに自分の手で葬ったはず。それなのに今、自分の目の前に
その男が、ニヤニヤと笑いながら座っている。
自分は夢でも見ているのではないだろうか?、明子は混乱する頭でメイガスに問いかけた。
「メ、メイガス・・・、どうして戻ってきたの?」
「フフフ、またこの世界を征服したいなんていう物好きなヤツが現われてな、かつて、
ブラスタークイーンを牝奴隷にまで調教したオレの腕を見込んで、復活させてくれたと
いうわけだ」
身体と心に刻まれた深い傷を掘り返すような言葉が吐かれる。
でも、復活させてくれたということはどういうことだろう?、少なくともメイガスの裏に
もっと強力な組織なり、オフビート超人がいるに違いない。
「今度は誰かに使われて、悪さするというわけね。卑しいあなたにはちょうどいいわ」
明子は嘲るように言い放った。
「おっと、間違えてもらっては困るな。オレはいまさら世界征服なんて子供じみた夢には
興味はない。オレの目的は明子いやスレイブクイーンを再調教して二度と逆らえない
完璧な肉奴隷に仕立て上げることだ!」
メイガスはいやらしい笑いを浮かべて答えた。
「くっ!」
途端に、明子は自分の胸の奥が熱くなるのを感じた。
急速に胸にミルクが溜まっていくのを感じる。
その感覚は、嫌でも自分がかつて受けた淫らな調教の数々を思い出させる。
(このままじゃ・・・、まずい・・・)
明子は沸き起こる淫らな記憶を振り払い、メイガスに向き直った。
メイガスを復活させるくらいなら、他のオフビートも復活させているだろう。
今回は、3年前のオフビート集団の事件よりもかなり大掛かりな事件に違いない。
メイガスはかつて一度倒している。弱点もしっかり分かっている。
例え、胸にメイガスの術を施されていたとしても、今なら倒せるに違いない。
(今ならまだ間に合う、快楽に支配されきっていない今なら・・・)

49 :
明子は変身の呪文を唱えた!
『FORTIA!!』
途端に部屋の中が目もくらむ程、光り輝いた。もっとも明るい光の中心に明子がいた。
明子の身体はまさに、聖なる光に包まれていた。
メイガスは、聖なる光にその身をがんじがらめにされているように動かなかった。
だが、その光の中でメイガスはあきらかに笑っていた。
次の瞬間、メイガスは両腕を伸ばし、光に包まれた明子に向かって手の平から
どす黒い光線を放った。
「キャアアアッッ!!」
明子の悲鳴が部屋中に響き渡る。明子は一瞬にして黒い霧に包まれていた。
「フフフ、残念だったな。オレの弱点を知ったつもりになっているのかもしれないが、
オレもお前の弱点は知っているということだ。しかも身体の隅々にまでな・・・」
黒い霧に包まれて苦しむ明子を見て、メイガスは不適に言い放った。
霧は、まるで黒い糸で紡いだ繭のように明子を包み込む。明子の悲鳴は繭の中で
次第に遠のいていった。聖なる光は黒い霧に吸収され、今や部屋の中は地下室のように
暗くなっている。
やがて、黒い霧が薄くなり、中から人影が現われてきた。
身体を紫の紐できつく縛られ、豊満な胸は、まるで見てくれといわんばかりに
ハート型のニプレスを張っただけの姿。
メイガスの肉奴隷専門のオフビート、スレイブクイーンである。
「ああッ!イヤッ!」
薄暗い明かりの中で自分の姿を確認した明子は、メイガスから身を隠すように
自分の身体を両腕で覆った。
「身体を隠してはならん!両腕をおろせ!」
すかさずメイガスの指示が明子に飛ぶ。
その声を聞いた途端、身体を覆っていた明子の両腕がゆっくりと両脇に下ろされた。
(ああ・・・、また・・・、この男にっ・・・)
スレイブクイーンになった明子は、メイガスの指示には逆らえなくなってしまう。
心の中でいくら否定しても、身体がその支持に従ってしまうのだ。

50 :
顔を横にそむけ、恥ずかしさに頬を染め、メイガスに品定めを願うように正対する。
自分の恥ずかしい姿をメイガスに余すところなく鑑賞され、胸だけだった快楽の痺れが
身体全体に広がっている。だが、原因はそれだけではない。
(この衣装・・・前よりもキツくなってる・・・)
ほとんど、紐同然の衣装はきつく腰に絡みつき、股間のTゾーンは、以前はかろうじて
隠れていたものが、今回は大陰唇が噛み付いたように食い込んでいる。
破裂寸前の胸に張られたニプレスは、しこり立った乳首に突き上げられて薄いピンク色の
乳輪がまわりからはみ出し、まったく用をなしていない。
(こんなに食い込まされて・・・、こんなの耐えられないっ!・・・)
紫の紐が股間の割れ目をキッチリと引き裂いている。そこからズキズキとした疼きが
腰の奥に伝わり、いくら歯を食いしばっても口が開いてきてしまう。
自然に目が潤み、涙がこぼれ落ちてくる。
苦しげな明子の様子に微笑みながらメイガスは話しかけた。
「苦しいか?、でも衣装は前のサイズのままだぞ。お前の身体が変ったんだ」
「ど、どういうことッ?・・・、っく!」
メイガスの言葉は、明子をさらに混乱に落とし入れた。
「前回の調教が終わる寸前、オレはお前の身体に呪いをかけた。オレの調教が
行われなくなると、お前の身体はオレの調教を求めて飢え続けるのだ。
3年も寝かされたお前の身体は、オレの調教を受けたいという欲望で破裂寸前に
なっている」
メイガスの口から衝撃的な事実が明かされる。
「ああ・・・」
明子の口から絶望のため息が漏れた。
メイガスから開放されたと思っていた3年間、自分の身体は知らないうちに
メイガスの呪いによって毒され続けてきたのだ。
もはや、自分の身体はメイガスの調教から逃れられないのかもしれない・・・。
「そろそろ準備が整ったようだ・・・」
メイガスは満足そうに言った。

51 :
「どうするつもり?」
強がっているようでも、不安の色は隠せない。
明子の全身はうっすらと汗をかいていたが、細かく震えていた。
「とりあえず、3年ぶりにミルクを頂くとするか」
メイガスは舌舐めずりをしながら答えた。
「くっ!・・・」
想像していた通りの責め方だった。限界まで胸を膨らませられ、その後思いきり
胸を搾られる。胸をえぐるように揉まれる感覚と、乳首の中を激しくミルクが
こすり、噴き出す感覚に3年前はもろくも屈服させられた。
その後3年間、メイガスの調教を求め続けるように呪われた今の身体が、これから
行われる責めに耐えきれるのだろうか。
「どうした?胸を責めてもらう時のポーズをとれ」
明子の苦悩を意に介さぬまま、メイガスの指示は続く。
明子の両脇にさがっていた手がゆっくりと上がり、頭の後ろで組まれた。
(あぁ・・・さ、逆らえない・・・)
そのまま、まるで手首をガチッと縛られているように両手は動かなくなった。
頭の後ろに両手を組み、胸をグッと前に突き出すグラビアモデルのような
扇情的なポーズ。
事情を知らない者がこの光景を見ていたら、胸を触ってとおねだりをしている
ようにしか思えないだろう。
「ハハハ・・・、よく覚えていたな。既に、胸の方は搾ってもらいたくて仕方が
ないようだ」
「そ、そんなこと・・・、ないっ!」
言葉では否定したものの、身体のほうはメイガスのいった通りだった。
ハート型の二プレスは、あふれ出るミルクで全体が湿り、
くっきりと浮き上がった先端部分からは、ポツポツと白い物がニプレスの生地を
通り越して染み出していた。。
「その言葉が本当かどうか、身体のほうに聞いてやる!」
そう言うが早いか、メイガスはカポッと明子の片方の胸に吸い付いた!

52 :
「ああァッッ!」
オフビートであるメイガスの口は信じられないほど大きく開き、ミルクが充満して
膨らみきっている明子の胸を半分近くも含んでいた。
明子の胸が、生暖かい口中の世界に捕われる。
続いてメイガスの口が、ゆっくりと開いたり閉じたりという動きを繰り返した。
口全体を使って、明子の胸を揉みこんでいるのである。
「ああッ!そ、そんなッッ!」
柔らかい口の粘膜を使い、じわじわと搾り込む。既にいつでも発射しそうな状態に
まで追いこまれていた明子の胸は、暴発気味にピュッ!ピュッ!とミルクを噴き
出していた。
「あくうぅッッ!んッ!」
射精のような短い間隔のミルクの暴発が、明子の乳首に鋭い快感をもたらした。
ひと噴きごとにビクッ!ビクッ!と明子の身体が伸び上がり、あっという間に
絶頂寸前にまでもっていかれる。
「どうした?ミルクを漏らしているではないか?ミルクを出したくないといった
のは嘘か?・・・」
オフビート能力の一つなのだろうか、メイガスは胸を口中に含んだまま言葉を
発した。言葉を発する際に生じる微妙な振動さえ、暴発し始めた明子の胸には
たまらない責めの一つとなった。
「ちがッ!・・・違うぅぁあッッ!」
明子は必に否定した。もはや、否定することだけが明子に残された唯一の武器
となっていた。
「せいぜい頑張ってみることだな。無駄な努力とは思うが」
メイガスの言葉に続いてザラッという感覚が明子の乳首に襲いかかった。
(うッくッ!・・・これって?・・・)
温かくて、ジメジメとして、ざらついたものが明子の乳首を通りすぎる。
まるで、ナメクジが乳首の上をゆっくり這い登っていく感じ。
かと思うと、そのナメクジは突然固く変化し、すばやく口の中を跳ね回った。
乳首を下から上に向かってピンッ!と跳ね上げたかと思えば、次には上から下に
向かってクニュっと折り曲げる。

53 :
(だめッ!・・・それは・・・それだけは・・・)
熱さ、湿り気、ざらつき・・・、3年間忘れていた感覚が一気に乳首に蘇える。
時に軟らかく、時に固く、表面は奇怪なイボで覆われてザラザラとしている。
女にとってまさに凶器のようなメイガスの舌。
明子は、はっきりと思い出していた。その姿形も、それに責められると自分が
どうなってしまうのかも。
次の瞬間、明子は叫び声を上げていた。
「だめえぇぇッ!・・・・乳首舐めるのッ、ダメエェェッッ!」
頭をのけぞらせ胸をブルブルと振って泣き叫ぶ。しかし、明子の胸はメイガスの
口から逃れることはできなかった。
メイガスの舌は、明子の叫び声に勢いを得たように動いた。
明子の乳首の根元から先端まで、舌のざらつきを武器にシュリッ!ジョリッ!と
磨き上げる。
「イヤッッ!イヤアァァッッ!」
言葉とは裏腹に、乳首はひと舐めごとに、責めてもらったお礼とばかりに、
トクッ!トプッ!とミルクを吐き出す。
メイガスは舌に乗ったミルクをじっくりと味わいつつ
「濃い!3年分のコクが溜まったうまいミルクになっているぞ」
と明子を褒め称えた。
明子にはもちろん、その言葉は届いていない。ただ、汗と涙で顔を濡らし、
牝犬のようによだれを垂らし続けるだけだった
メイガスの舌は、次第に動きを活発にさせていく。
舌を固く鋭く尖らせると、鳥が羽ばたくように震えだした。
口の中の舌の動きは、当然明子には予想できない。
いきなりプルプルと震える舌が乳首に触れると
「くひいィッッ!」と全身を硬直させた。
ピチピチピチッッ!と乳首が細かく揺さぶられる。その振動は電流のように
乳首の先から脳の奥へ伝わった。
「ダメッッ!それだめッ!!それえぇぇッッ!!」

54 :
プシュッッ!プッシュッ!
メイガスの口の中でさまざまな方向に乳首が弾かれ、スプリンクラーの
ようにミルクを撒き散らしていた。
責められているのは乳首だけなのに、全身が震え、しっかりと紫の紐を噛まされた
大陰唇からは透明な愛液がつららのように滴りおちた。
「そろそろ限界ではないのか?・・・」
メイガスは舌の動きを止めて明子に聞いた。
舌の動きから開放されて明子はガクッとうなだれた。
うなだれたまま、何かを耐え続けるように首を振った。
「フフフ・・・」
不適な笑いとともに、メイガスの口の動きが変化した。
胸から口がゆっくりと離れていく。ただ、離れると同時にシャッターのように歯が
下りてきた。
歯は、明子の胸の表面を削るように動き、徐々に先端に近づいていく。
胸の感覚がジワジワと先端部分に集約されていく。
明子はハッと気が付いた。メイガスの残酷な意図が見て取れた。
(このまま、歯が胸の先にまで来たら・・・)
コリッッ!
一瞬の後、予想は現実となって訪れた。
乳首の芯まで貫くように、メイガスの歯が食い込む。
ズキュン!と乳首の先から腰の奥に鉛の玉が撃ちこまれた。
「イッ!イヤアアアアアッッッッ!」
ミルクがピシュッッ!と弾け、割れ目から愛液が飛び散る。
限界はあっけなく訪れた。
「いくッ!、ちくびイクッ!いくイクイクゥゥゥッ!!」
3年ぶりの絶頂に、涙とよだれを散らして、明子は歓喜の叫び声をあげた。

55 :
とりあえず、ここまで書けたよ。
スレで一人で遊んでいるようで申し訳無い。
なんとか次で終わらせるようにしますね。
申し訳ついでにageさせて

56 :
>>31
お、また最初のレス頂き♪
射乳キャー! GJ!
>スレで一人で遊〜
まとまった時間できれば俺もスレ潰し参加しますよw
それでちょっと関係ないんだけどさ
本スレで話題(?)の秋葉祖父行ってみたら
アイや瞳、狂ヴァにヒュークラはやはり大量に売りに出てました
でも、サンクラは全く無かった
あとジュピターも見かけなかったなあ
ま、そんだけの事だけどいちお報告

57 :
サンクラが無いのは単に一番古いゲームで+とかの再売りもしてないから余って無いだけでは
アイ、瞳は+があるし、ヒュークラも再販物だからだぶつくのは仕方が無い

58 :
ショタもの、めっちゃ時間くった。
素人のエロ漫画ということで誤字脱字、内容もろともつまらなくても許して・・・
http://www.uploda.net/cgi/uploader1/index.php?dlpas_id=0000144284.zip
DL Pass: maman
Zip Pass: maman

59 :
GJ!!

60 :
GJ!!・・・・でもなんか人すくないね。
マターリいきませう。これからも良作品期待
スレイブクィーン調教モノがいいなぁ・・・

61 :
GJです。
でも、身勝手ながら、個人的嗜好は調教モノかなあ。
やっぱ強い力を持っているのに、女としての弱さが悪に屈してしまう…
というのが好きなんだ。

62 :
GJ!!!
盆うpなんて危うく大作を取り逃すとこだった・・・
濡れ場多いですね(;´Д`)ハァハァ・・・
ママンがひまわりホームに行ってるとは
前スレの稚作SSとややリンクしますね(´∀`)人(´∀`)
ちなみにこれはposerですか?

63 :
>>62
めっちゃ自然にひまわりホームって書いてしましました。
すんまそん。
そうこれはPoserっす。 
素人でもそれなりのCGが作れてしまいます。このソフト。

64 :
>>63
GJです。
ここ人少ないのになんか要望多めな感じがしますが応援してますよ〜

65 :
-----------------------------------------------------------------
ご案内(2006.8.26 21:09 13)
郁郎 さんが入室しました。
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:09 54)
なんだろう、ここ・・・
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:11 32)
誰もいないかな・・・
-----------------------------------------------------------------
ご案内(2006.8.26 21:12 43)
カズ さんが入室しました。
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:13 01)
お邪魔しました
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[カズ](2006.8.26 21:13 26)
おっす郁郎。今夜は彼女と会うから顔出さないんじゃなかったのか?
-----------------------------------------------------------------
ご案内(2006.8.26 21:13 26)
郁郎 さんが退室しました。
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:13 57)
おーい、無視?
-----------------------------------------------------------------
ご案内(2006.8.26 21:15 13)
郁郎 さんが入室しました。
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:16 49)
お?おかえり。どうしたの?いきなり落ちちゃって
-----------------------------------------------------------------

66 :
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[郁郎](2006.8.26 21:16 52)
あの、すいません
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[郁郎](2006.8.26 21:16 44)
ボクは郁郎じゃないんです。郁郎のパソコンをいじってたらここに・・・
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[カズ](2006.8.26 21:17 02)
郁郎と違う?
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[カズ](2006.8.26 21:17 22)
もしかして君、いくろーのあの彼女!?
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[郁郎](2006.8.26 21:17 50)
あのって何ですか?
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[カズ](2006.8.26 21:18 34)
世間話の範囲だと思うけど、それなりに話は聞かせてもらってる、かな
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[郁郎](2006.8.26 21:20 01)
郁郎はこんな所でボクの話をしてるんですか?
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[カズ](2006.8.26 21:20 49)
こんな所ね・・・君もここのチャットに入る直前のページは見てるよね?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:21 20)
うん・・・最初にその画面だったから・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:21 53)
それじゃあ分かるはずだね。ここがふたなりのサイトだっていうこと。
-----------------------------------------------------------------

67 :
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:22 33)
じゃぁ、やっぱりボクの事をここで・・・あの、郁郎はどんな事を言ってたんですか?
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:22 37)
郁郎は今なにしてるの?そばにいるの?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:23 09)
それが会う約束をしてたんですけど、家に誰もいなくて・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:23 45)
ふぅん・・・、ところで本当に君は郁郎の彼女なの?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:25 16)
ちょっと待って下さい、携帯にメールが・・・あ、郁郎からだ
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:25 40)
二時間くらいしたら戻ってくるみたいです
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:25 44)
おかえりなさい
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:26 58)
メールの前の質問は、一応彼女です。けど、最近郁郎は院生試験の勉強で忙しいみたいで
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:27 09)
あまり構ってくれないんです
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:27 22)
へー、じゃあ溜まってるんだ?
-----------------------------------------------------------------

68 :
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:27 54)
何を言ってるんですか!馬鹿を言わないで下さい!ボクはそんなんじゃないです!
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:28 05)
そんなんじゃない、ってどういう事をいうの?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:29 04)
ボクをからかうようでしたら出て行きます。さようなら
-----------------------------------------------------------------
ご案内(2006.8.26 21:29 30)
カズ さんが チャットの閲覧 と 入室 を制限しました。
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:29 40)
いいのかな?俺にはこんな画像とかあるんだけど httpxxxxxxxxxxxxxx.jpg
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:31 54)
ちょっと、どうしたんですかこれ!
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:32 11)
郁郎が俺にくれた画像さ
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:32 45)
動揺してるね。正真正銘君のふたなりの彼女だって本当だったんだな
-----------------------------------------------------------------

69 :
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:32 54)
そんな・・・いつの間にこんな写真を・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:33 26)
あぁ、誤解を解いておくと俺は医大の屎尿器科コースにいるんだ。
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:33 03)
それで君の事で悩んでる郁郎が俺に相談するために寄越してくれたってわけさ
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:33 34)
誤解だろうと何だろうとそんな物は今すぐ捨てて下さい!
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:33 59)
うーん、本人が嫌がってるなら仕方ないな。でもひとつ条件がある
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:34 27)
なんですか?
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:34 18)
郁郎にも話したんだけれど、ちょっと見辛い箇所が多すぎて診察しにくいんだ
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:34 28)
何枚か新しい画像を送ってくれればいい
-----------------------------------------------------------------

70 :
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:34 49)
これは診察のためだよ?それも全部すぐに破棄するから
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:35 54)
本当に、ですか?
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:35 09)
約束する。患者のプライバシーは絶対に守るよ
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:35 51)
診察してもらえるなら・・・それでボクはどうやって写真を送れば?
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:36 40)
携帯のカメラで撮影して、それをこっちのアドレスに送ってくれればいいよ
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:36 48)
kazuxxxxxxxx@xxxxxxxx.xxxx.xx.xx
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[郁郎](2006.8.26 21:38 04)
・・・捨てて下さいよ?
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:38 45)
それじゃ下を脱いでもらおうか
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:39 54)
いちいち命令しないで下さい。いまやってますから
-----------------------------------------------------------------

71 :
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:40 05)
ごめんごめん
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:42 09)
いいですか?撮りますよ?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:43 54)
送ってみました。郁郎の部屋なのにボク、一人で何をやってるんだろ・・・
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[カズ](2006.8.26 21:45 15)
これ本当に珍しいな・・・ヴァギナの上に本物のペニスが付いてるね
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[カズ](2006.8.26 21:45 36)
だけどもう少し勃起させてもらえないかな?無粋な話、大きくしてくれたほうが診察しやすい
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:46 14)
え?勃起ってどうやって・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:46 31)
それはまぁ、自分で立たせる以外ないでしょ
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:46 44)
無理です
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:47 06)
無理なんかじゃないはずだよ
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:47 32)
郁郎からもらった画像はビンビンに反り返って先走りで濡れ濡れだったじゃないか
-----------------------------------------------------------------

72 :
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:47 52)
勃起だけじゃなく射精も可能だって話には聞いてるよ?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:48 51)
すいません、気分が悪いので出て行きます。さようなら
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[カズ](2006.8.26 21:49 18)
それじゃこっちも画像は捨てないけど?それにこれはいやらしい目的じゃないんだから
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:49 39)
出て行くくらいの妙な意味に受け取るほうがやましい考え方だと思うけどね
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:50 07)
・・・
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:51 11)
わかりました。善処してみます
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:52 41)
やってる?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:53 13)
やってますから、確認しないでください!
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:54 51)
まだ?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:55 24)
難しいかも・・・あまり自分で触ったことないから・・・
-----------------------------------------------------------------

73 :
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:55 45)
手伝ってあげようか?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:56 10)
え?
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:56 19)
郁郎にソコを責められたことはないの?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:57 08)
たいてい断ってます。なんか、男の人が男の人のを触るのは変だと思うから
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:57 22)
じゃあ郁郎の物を気持ち良くしてあげるように扱ってみたら?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:57 44)
試してみます・・・難しそうですけど・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 21:58 59)
他の性感帯も刺激してる?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 21:59 53)
あんまりやると止まらなくなるし・・・胸を少しだけ・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:00 05)
上は脱いでる?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:00 43)
脱いでません。服の上から触ってます
-----------------------------------------------------------------

74 :
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:01 07)
じゃぁ服の下に手を延ばして直に乳首をいじってごらん?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:03 36)
あ・・・大きくなってきました。一枚送ります
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:04 25)
んーこれじゃまだだね。あの画像くらいもっと完全に立たせてもらわないと
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:05 21)
でも、これ以上やると・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:05 39)
ん?これ以上やるとどうなるの?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:06 08)
聞き返さないでください
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:06 44)
自分で言・・・わかった。けど、引き続きやってくれないと画像は手放せないな
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:07 26)
この大きさが限界なんです。一人だと難しくて・・・
-----------------------------------------------------------------

75 :
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:07 57)
難しい難しいって言うけどさ、そんなんじゃ郁郎がかわいそうじゃない?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:08 22)
郁郎が?どうしてこれに郁郎が関係あるんですか?
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:08 51)
自分のものを満足させられなくて、どうしてそれと同じ郁郎のものを気持ち良くさせれるの?
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:09 21)
俺がそれの扱い方を教えてあげるから、これから言う通りにやってみなよ
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:09 39)
郁郎のためにもなるし
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:10 54)
郁郎・・・喜びますか?少しだけ・・・考えてみます
-----------------------------------------------------------------
次回、後半戦&オチへ

76 :
おお!チャット形式とは、なんか新しい!& エロい!
誠もいいなぁ〜 GJ!

77 :
ちょっと斬新でいいな
最初何か解らなくて、ついついそのまま最後まで見入ってしまったよ、電車の中で…
GJです

78 :
>>76-77
新しい、という感想ありがとうございますです
キャラサロンっぽい掛け合いの要素を持ち込んでみようと試してみました
で、チャットの日付けを「26日に終わらせて、ジャストに投下するぞー」
と自分への意気込みから26と付けたんですが先ごろ書き終わりました・・・('A`)イミナカタ
今夜続きを投下します

79 :
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:11 29)
今はどんなふうに握ってる?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:11 49)
右手で軽くです
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:12 05)
痛くない程度に強く握って、ゆっくりしごいてみて
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:12 21)
先っぽの鈴なりの部分を親指でなぞってみてよ
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:12 51)
敏感っぽくて
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:13 00)
ん?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:13 36)
うあ、これゾゾっとして・・・ここさわるのだめです
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:13 49)
どうして?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:14 23)
変になりそうだから・・・
-----------------------------------------------------------------

80 :
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:14 47)
変になっていいんだよ。それが全部彼氏のためになるんだから遠慮することはないよ
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:15 54)
あの、ボクの写真見てますか?
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:16 12)
画像はずっと開いてるよ
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:16 38)
知らない人に見られてると思うと・・・それも恥ずかしくてキュンとなって・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:16 59)
露出みたいなものの素質あるのかな?ひとまず今の状態のもう一枚送ってよ
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:18 09)
おぉ・・・ギンギンになってるね。そのままシゴキ続けて
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:18 27)
これ、すぐ下の口を濡らしてるのは精液?愛液?すっごくやらしいね
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:19 04)
交ざってます・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:20 28)
そのだらしなくヨダレ垂らしてる下の唇に指入れてみようか
-----------------------------------------------------------------

81 :
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:21 33)
これ・・・感じがいつもとかなり違います。すごく絡み付いて・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:21 52)
たぶん先にペニスを刺激していたからだね
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:22 19)
そのまま郁郎のものが入ってると思って、指先で一番感じる場所を触ってごらん?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:23 54)
胸が苦しくて声が漏れそうです・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:24 14)
何も恥ずかしがる事なんてないから、我慢せずに気持ち良いって声に表しなよ
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:25 43)
そんなこと言われても・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:26 11)
「気持ち良い」ってキーで打ってみて
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:27 02)
え?
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:27 27)
そう打ってもらえるだけで郁郎に気持ち良くしてもらってる今の君が
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:27 36)
どれだけ切ないのか十分こっちに伝わるからさ、打ってみて
-----------------------------------------------------------------

82 :
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:28 45)
郁郎に、って・・・?
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:28 57)
いいから、騙されたと思って
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:29 48)
はい・・・気持ち良い・・・です
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:30 17)
あ・・・急に、これ・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:30 43)
郁郎のおちんちん、強く握りしめてる?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:32 02)
はい強く握って・・・だめです、もうキー押せないかも・・・
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:32 39)
中の、ボクのすごいうねってて熱くて・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:33 13)
イキそうなんだね?
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:35 57)
恥ずかしいですけど、もう・・・
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:36 17)
それは気持ち良いって自分で認めたからだよ。
-----------------------------------------------------------------

83 :
-----------------------------------------------------------------
[カズ](2006.8.26 22:36 47)
ぎゅっとおちんちん掴んでシゴキながらオスメス同時にイクんだ
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:38 54)
ボクの郁郎のが・・・いく、いきます・・・!
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[カズ](2006.8.26 22:39 15)
あぁ、申し訳ない。ちょっと用事が出来たので失礼するよ。画像は絶対に捨てるから
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:39 39)
ええ?ちょっと待ちなさい!診察とかこれじゃボクはただ一人でエッチな事をさせられ
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ご案内(2006.8.26 22:39 40)
カズ さんが退室しました。
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[郁郎](2006.8.26 22:39 48)
ただけじゃないか!
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[郁郎](2006.8.26 22:10 54)
一体何なんだよ、これはー!
-----------------------------------------------------------------
[郁郎](2006.8.26 22:11 38)
もお・・・
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ご案内(2006.8.26 22:12 34)
郁郎 さんが退室しました。
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84 :
『ボクはただでさえオフビートだし……。
 その上、普通の女の子と違うから……』
全く……。
自分はそんな事は気にしないと、何度言っても聞かない分からず屋。
そんな彼女に他人を装って助言をしようとしただけなのに……。
早々に出て行こうとした時は非常に焦った。
おかげでかなり強行策に出てしまい……目も当てられない結果に繋がってしまった。
けれど……思い切ってやってみて良かった。たぶん成果は上々だ。
チャットの履歴を空白の発言で流した後、FFFTPで誠にだけ閲覧させるために
アップロードした画像ファイルを全て削除したかをもう一度よく確認する。
「大丈夫だな、よし帰ろう」
削除したのは画像ファイルだけじゃない。
誠に見せるために急造でこしらえたwebファイル全てが削除対象だった。
履歴もろもろの削除を徹底的に行なってから郁郎は駆け足でネットカフェを後にした。
普段淡泊になりがちなほど自分の前では奥手ぶる誠にはいいお灸になっただろう、か?
それに本人も言っていた通り、最近忙しくて誠にはあまり構ってあげられずにいたし。
今日は……いつもより構ってやれるはず。
誠は今頃、悶々としながらも僕の帰りを待っているんだろうか。
「今夜は長くなりそうだなぁ……ごくっ……」
                      −終−

85 :
郁郎が戻ってくるまでに、その部屋には一人の来人もとい、
誠に呼び出された……一機の来サイボーグ少女がいた。
今にも泣き出しそうなほど顔を真っ赤にした誠から突然呼び出されたローズデバイスは
あまり聞きたい部類ではない話の顛末を打ち明けられた。
さらに誠に懇願されるがまま、そのチャット相手という人物の身元捜査を任された。
もしもその相手という人物がフリースポットを利用していれば時間がかかりそうだったけれど、
専用回線を通していた向こう側の相手はすぐに見つけられた。
「もう、こんなのは有事の際にしかやらないんですからね」
と何度も前置きしつつ、ローズデバイスはネットカフェの監視カメラの映像を誠に見せると……。
「な…………ッ!?」
口をあんぐりと開ききったまま硬直し続ける誠……。
その姿を、ローズデバイスはマブタではなくドアを使って視界から外した。
つまりは別れを告げる必要性を感じなかったため無言で家を出て行ったのだ……。
そしてその帰り道、ローズデバイスは本当に他人事のように呟いた。
「今夜は荒れちゃいそうですね……はぁ……」
                     −ドタバタ調orz−

86 :

そういうオチですかい!
・・・というかこのスレ徐々に人減ってるね。
まぁ、colorsが絶望的だからなぁ〜

87 :
>>85
SS職人さん乙!
ママン凌辱モノの前にちょこっとフレア。
まあ、いつもの如く似てないんですけどね・・・
http://puka-world.com/php/upload/puka/img-box/1156600647197.jpg

88 :
目に光入れられないの?

89 :
目に光ってこれのこと?
http://rainbow.sakuratan.com/data/img/rainbow13939.jpg
う〜ん、アップでないとムズいかも。

90 :
もっと大きく強く光を入れていい。
半透明にする必要はない。白100%でいい。
1つじゃなくて2つ入れていい。大きいのと小さいの。
光のせいで瞳が弱くなりそうなら瞳自体を大きくしてもいい。
あとリアル女がアイラインやマスカラを入れるように
目のライン・まつげをも少し強く押し出したほうがいいかも

91 :
スレ違いだが絵師さん、アイを頼む

92 :
>>91
リスクエストはとてもうれしいー y(^o^)
けど、期待を裏切る自信が大有りだ!・・・多分・・。
ちなみに私の好み的には、宮広 or メグですな。

93 :
あげちまった。。。。
あいまいな書き方になってしまったが、アイは許してくれってことね。
偉そうで、すいません。 許してちょ。

94 :
絵師ってこの変な3Dの事?

95 :
ふたなりチャットすごく良かった。\(^o^)/
ブラスティアとフレアとシルバーバレットの3大ふたなりキャラでふたなりティムポをこすり付けあうシーンとか見てみたいなあ。

96 :
「やめてっ……やめてよ、ママぁ……! そんなことするママなんて見たくないよぉ……!」
 メイガスに呼び出された誠は、明子の調教を見ることを強制されていた。
 目の前で、敬愛する母がメイガスのペニスをしゃぶらされている。そう、「しゃぶらされている」のだ。
 ママは力づくで無理矢理させられているのだ。絶対に自分から「しゃぶっている」のではない……。
 誠はそう信じたかった。だが、どう贔屓目に見ても、明子は嫌々やらされているようには見えない。
「はあっ、んっ、はむっ……んんっ、ンチュ、ンチュ、はあぁぁ……あむ、んくっ、んむ、ピチュ、ペロペロ……」
 下肢を折り畳んで腰を落とし、仁王立ちになったメイガスのペニスにむしゃぶりついている明子。
 股布、いや股紐が食い込んだ股間を自ら晒しものにするように、折り曲げた膝をパックリと左右に開いている。
 秘裂にピッチリと嵌った股紐の両側から、ボーボーに茂った濃い陰毛がみっともなくはみ出している。
 囚われてから一度も手入れをさせてもらっていない叢は、明子が密かに気にしている剛毛ぶりを見せつけていた。
「あむっ。うむ、んぐぅ……ンチュ、ピチュ、ンプ、ちゅぱちゅぱっ………んぽっ、はぁはぁ……んっ、あむう……」
 愛しげに両手を添えたペニスをのめりこむようにして咥え込み、明子は熱烈な口腔奉仕を捧げている。
 テラテラと淫靡に濡れそぼった艶かしい唇で、やわやわと丁寧に陰茎を締めつけ、舌を這わせていく。
 先走りに濡れ始めた鈴口をすぼめた舌先でつつき、カウパーの苦味を味わいながら亀頭をペロペロと舐め上げる。
 絡みつかせた舌をクルクルと回転させ、肉棒を撫で回すように愛撫しながら、ゆっくりと根元へ向かっていく。
「チュ、チュッ……ぺろっ、ぺろぺろっ……むちゅ、ピチュ、ピチャ、チュパチュパ……ンチュンチュ……」
 年齢を感じさせない明子の美貌も、今は頬張った肉棒で滑稽に歪んでいる。
 亀頭を満遍なく舐めまわし、やがてカリ首に到達すると、舌先を尖らせて段差にあてがう。
 時計回りに、飽きたら逆周りに、それも飽きたらまた時計周りに。段差に沿って何周も舌を這わせる。
 カリの味を堪能すると、次は裏筋をペロペロ。そのまま根元まで念入りに舐めしゃぶっていく。
 メイガスの陰毛に鼻先を埋めた明子の顔は、明らかに悦んでいた。

97 :
「あむっ、んん、はぁむ……ぴちゃ、ンチュンチュ、ちゅ、ちゅぽ、ちゅぱちゅぱっ……んはぁむぅ、はむはむっ……」
「やめてよ、ママッ! やめてってばぁ……っ! ママッ、ママァーッ! お願いだよ、ママぁ……やめてよぉ……っ」
 やめさせたくても、例の不可視のバリアに阻まれて手出しできない。
 バリアは、母娘に対してマジックミラーと同じ効果がある。明子からは誠の姿は見えていないのだ。
 また、メイガスの術によって誠の声も明子には聞こえていない。しかし、誠はそれを知らない。
 だから、明子はすでに娘の前でも構わず快楽に溺れるほど調教されてしまったのだと思い込んでしまった。
 大好きな母は、すでにメイガスの性奴隷に堕ちている……それは余りにも恐ろしく、悲しいことだった。
 嬉しそうにペニスをしゃぶる欲情に蕩けきった母の横顔。とても堪えきれず、泣きが入る。
「お願いだよ、メイガス……うぅっ、お願いだからママに、ママにそんなことさせないで……もうやめてっ……!
 そんなことしてるママを、ボクに見せないでっ……ひっく、ママぁ……グスッ……やだよぉ、しっかりしてよぉ……」
 嗚咽まじりの哀願は、もちろんメイガスを楽しませるだけだった。過酷な調教を受け続けた明子の体は、
 今や屈辱的な口唇奉仕にも被虐と隷属の悦びを見出すようになっていた。最愛の娘が見ているとは露知らず、
 馴らされた肢体から燃え上がる欲情に駆り立てられた明子のフェラチオはますますその激しさ、懸命さを増していく。
「はぁっ、んっ、チュ、チュ、チュッ……んふっ、ンムッ、ンチュ、ちゅ、ちゅ……んむ、んくっ、んふぅぅ!」
 肉棒の至る所に、まるでスコールのような激しいキスの雨を降らせる。
 襲い掛かる肉食獣のように雄肉へと口づけ、「チュ」と海綿体を一吸いしては素早く離れる。
 離れてはまたすぐ別の場所へと間髪いれずむしゃぶりついていく。何度も何度も、何度も何度も。
 淫靡なキス音が絶え間なく響く。やがて合間に舌で肉茎を舐め、しゃぶり、ねぶる音が混じり始める。

98 :
私生活の色々でネット環境持てないうちに前スレ落ちてて、
半ば諦めてたんですが運良く新スレたってるのハケーン。
早速、SS投下してみました。
回想1シーン分ぐらいを目指してるので、出来れば10ぐらいまで続けたいです。

99 :
おかえりなさい。
ネチこいSSをよろしくぅ!

100 :
>>98
激しい絶技、もとい舌技!
濃密な描写乙です!
剛毛ハァハァ……

101 :
保守!
X-MEN3見てきた。メイガスのチーム名の”ブラザーフット”ってマグニートー
のチーム名そのまんまなんだね。
ということは、メイガスのモデルはマグニートーなのか?

102 :
 メイガスの腕が、明子の豊満な肢体に蛇のように絡みついていく。
 何度も何度も徹底的に犯し抜かれ、疲労困憊した明子を引きずり起こし、四つん這いにする。
 出産を経験して、なお美しく括れた腰をむんずと掴み、己の一物をあてがう。
 それは太い、太い肉棒であった。
 亀頭が太い。エラが太い。カリが太い。
 もちろん茎も太い。根元まで太い。裏筋も太く、浮き出た血管も太かった。
 その肉棒は、海綿体そのものが、常人のそれよりも太いかのようであった。
 生い茂る陰毛まで太く、鈴口も太い。ぶらさがった睾丸までもが太い。
 恐らく、そこに蓄えられた精液までもが太いのであろう。
 先走りの汁も、匂い立つ雄臭までもが太かった。
 それは太い、太い肉棒であった。
 まさしく剛直、まさに巨根。
 よく使い込まれ、熟れきった明子の媚肉ですら、果たして飲み干せるものかどうか。
 それほどの肉棒であった。
 しかしメイガスは、一切の躊躇なく己が凶器を突きこんだ。
 執拗な責め嬲りを受け、見るも淫惨な愛娘の花弁を気遣う素振りは皆無であった。

103 :
 明子は、もはや声にならぬ絶叫を上げる。
 委細構わず、メイガスはありったけの力で腰を振るった。
 突く。突く。突く。明子の膣底を突きぬかんばかりに突く。
 すべての膣襞を削り取り、真っ平らにせんと、突いて、突いて、突きまくる。
 むん、むん。むん、むん。
 押しした気合とともに、メイガスは突く。突く。突く。
 子宮口をぶち抜き、膣と子宮を一つにせんばかりにメイガスは突いた。
 暴力的な突き込み。女を感じさせようなどという女々しさは全く無い。
 しかし、調教に次ぐ調教を施された明子の体は、急速に順応する。
 突かれるたび、肉壷の底から火山の噴火のように快楽が込み上げてくる。
「んほぉぉおっっ! すごいっすごいのほぉっ!! ぴぎゃあぁっ!!」
 感じた女の嬌声――否。
 それは、発情した雌の鳴き声であった。
 人として、母として、女として、そんな恥も外聞も、何も無い。
 浅ましい快楽に咽び泣く、淫乱なメスの叫びであった。
「あ゛み゛ゃあ〜〜〜っ!! きもぢい゙ーっ、みゆくぴゅーってっきも゙ぢい゙ぃーっ!!!」
 ぶるんぶるんと揺れまくる爆乳の先端から、ねっとりした白い液体が噴出した。
 母乳である。忌まわしい性奴隷の刻印の一つだ。
 メイガスによって、雌の昂ぶりを覚えると母乳を分泌する卑猥な体にされたのだ。

104 :
「み…乳汁(ミルク)がッ!!! いっいっぱい…いっぱい射乳(で)ちゃいますうっ!!」
 ピュッ、ピュッ。大量の母乳を間欠泉のように噴き零し、明子は啼いた。
 突き壊される雌穴から、そして淫らな全身から、ほとばしる激感に身悶える。
 明子は感じた。
 快楽に悶え、肉は火照り、理性は蕩け、魂は堕ちた。
 男を咥え込み、貪るように蠕動する雌肉は、絶頂へと駆け上がっていく。
 メイガスは突いた。挿入時から全く変わりない突きこみであった。
 最初から最後まで、傲慢に、尊大に、乱暴に、メイガスは明子を突きぬく腹積もりであった。
 巨大な丸太を重機で叩きつけるが如き突き込みである。
 それを何度も、何度も。連続で。休みなく。
「んああ゛あ゛っっ!! おお゛お゛お゛ーーっっ!! みり゛ゅき゛ゅでてり゛ゅぅぅぅううぅ!!」
 母乳が放物線を描き、際限なく溢れだす淫液はさながら滝と化した。
 しかし、それでも二匹の性獣は休まない。
 休まない。メイガスは休まない。突くことを休まない。
 休まない。明子も休まない。悶え泣くことを休まない。
「らめぇ、イッひゃうのぉぉぉぉぉおおおぉぉおぉぉぉっっっっ!!!!」
 先に頂まで押し上げられたのは、雌の方であった。
 限界を前にして、明子は強請った。陵辱と、雄汁を強請った。
「り゛ゃしてぇぇぇ!! ちんぽミルクり゛ゃしでぇぇぇえ゛え゛っ!」

105 :
 メイガスは答えない。微動だにしない。
 つまり、もっといやらしく、恥ずかしく強請れという催促である。
 従順な雌奴隷は躊躇なく主人の無言の要求に応えた。
「明子、明子チンポしごきがんばるぅっ、がんばりま゛しゅかり゛ゃぁぁあ!!
 ちんぽみるく、ちんぽみるく、いっぱいいっぱい射精(だ)して、射精(だ)すりょぉぉ あおおおお!!
 おにゃがいっ!! おにゃがいひまひゅう〜っ!! あへええっ、いいいいいいっ!」
 まだ、少し不満であった。いや不満ではなかったが、もっと言わせたかった。
 しかし、涼しげに繕っていたものの、すでにメイガスもまた限界を迎えていた。
「んあああ゙ぁあ゙あぁぁ゙ぁ〜〜っっ!! ら、らめえええぇぇぇぇ!
 ちんぽみ゙る゙ぎゅ、ちんぽミルクほしい! ドロリ濃厚とろろミルクほしいり゙ょぉぉぉお゙お゙ぉおぉ!!!」
 ――よし、イクがよい、明子よ!
 初めから全力の突き込みである。これ以上は無いはずであった。
 しかし、あった。限界のはずのそれをさらに超え、追い越していく。
 打ち込む肉棒は、もはや大気圏を突破するロケットの如く。
 明子はイッた。イッた。イッた。イッて、イッて、イキまくり、イキ狂った。
「んおっ! んおおーーっ! きりゃぁあぁぁ! ちんぽミルクきひゃっへるりょぉぉぉおおぉぉお!!
 こってりしたのが中で出てる、こくまろミルク出るうぅっっ!!! んみゃぁあ゛あ゛ぁ゛ぁぁあ!!
 気持ちいすぎて明子…お国がわからなくなっちゃうッ!! くるくるぱーになっちゃうれしゅう!!」

106 :
ちょっと煮詰まったのの、あまり間を空けすぎるのも申し訳ないので、気晴らしを兼ねた一発ネタです。
夢枕獏調の地の文+みさくら語の「混ぜるな危険!」的冒険を試みてみました。
「夢枕獏にエロ小説書かして、喘ぎだけみさくらなんこつ御大に任せたらおもしろくね?」と、
あるとても暇だった日にふと思いつきまして、分不相応にもやってしまいました。
まとめサイトからコピペしてきたみさくら語はともかく、夢枕獏調は……。
固有名詞抜きで下書きしてたときはもうちょっとそれっぽかったと思うんですが、
やはり自分のものでない世界観を自分のものでない文体で書くのは無理がありましたorz
どうか大目に見て、楽しんでやって下さいm(_ _)m

107 :
なんかスゲー。
明子が涙、鼻水、よだれ、全部出しながらメロメロになってる顔が浮かんだよ。
GJ

108 :
保守揚げ

109 :
colors亡記念パピコ

110 :
colorsはんだのか?
それと一緒にこのスレもしんじゃうのか?
うおおおおおおおおおお サンクラ2

111 :
一日一回スターサレンダー

112 :
ティンポ ミルクぅ!

113 :
敬虔なウエストミンスター寺院を左舷に、凍てつくテムズ川を右舷に。
その両翼に仇なすかのように、央となるべき館の一室には
邪まな背徳に満ちゝて、たぎるような熱い飛沫を撒き散らす一個の獣が在った。
カーテンに固く閉ざされた一室の中、その獣を一対の小さな丸い瞳だけが捉えていた。
「おとうたま・・・」
少女は自身の体に目を落としながらケダモノに囁いた。
金襴艶やかとは到底言い難い少女のきめ細かい肌を、
未だ頭髪の生え際にはまだ産毛すら多量に残っているような少女の上を、
汚らわしい男の舌がゆるり、ぬらりと這いずり回る。
「おとう、たま・・・」
少女は二度、同じ言葉を発した。
最初に返事が無いことに戸惑ったのであろう。
父、と呼ばれた青年はそれに対して微かに鼻を鳴らすだけだった。
そして、目ざとい青年は少女が一瞬だけ声に詰まった時点になぞっていた箇所に
赤くぬめった舌を再び移し、そのポイントからしばらく責めが動く事は無かった。
男の口淫は性交に数時間を要すという蛇の如くにしくこく、そしてじらす様な責め苦であった。
執拗な反復行動、さらには多感な少女の体のせいか
みるみるうちに少女は陶酔と焦りの入り交じった表情を朱に染め、
自由の効かない手首のその先を固く握り締めた。
快楽に耐え凌ぐ少女の姿を青年は目に止め、没頭していたはずの愛撫が一旦止まった。
「アキコ・・・それは、我慢か・・・?」
アキコと呼ばれた少女は首を横に振って答えた。
「では、怖いのか・・・?」
戸惑いながらアキコは首をゆっくりひねった。
「そうか、分からないのか」
愛撫を一旦止めた青年は暖かくも冷たくもない声色で語りかけた。

114 :
うーん、書きかけておきながらこれはアブナすぎだと判断……〆
私信ながらPBeMのやつ、前スレで書きかけたフォーチュンテラーで考えてたんだけど
場の勢いからアイで始めてしまったっすorz
オフビートだけのほうがシステム的にはまとまったなぁ、その内やりたいなぁ、と反芻中。

115 :
あ、>>113は拾われて間も無い頃のママンを……なんて説明しなくても分かりますねw
あんまりにも>>106氏がぺろぺろとママンに奉仕させてくれているで、
お返しになめダルマを、と思ったら
幼ママン以外にシチュが浮かばなかったもんで、ついw

116 :
>>113
うお、確かに危ない!(w 瀬野摩紀ボイスで「おとうたま…」(;´Д`)ハアハア
しかし、ロリママンってなんか想像しにくい。
ママンは生まれたときから熟女だったような気がする。

117 :
やべー、想像つかないけどその声まじで聞きたい

118 :
ほしゅり

119 :
hosyu

120 :
続き希望

121 :
 明子は、愛する娘の目の前で、ペニスをしゃぶればしゃぶれるほど、ますますフェラチオに没頭していった。
 持てる技巧の全てを尽くして、一度は反逆した主人に再び絶対の忠誠を誓うかのように奉仕する。
 淫靡な舌が、鈴口をつつき、亀頭を包み込み、エラをなぞり、裏筋を弄り、睾丸を舐める。
 何度も何度も。繰り返すたび、速く、激しく、いやらしくなる。
 それすらもエロチックな唇は、太い男根を絶妙の締めつけで刺激することを忘れない。
 ――ジュボ、ピチャ、チュパ、ジュプ、ジュプジュプッ……。
 大好きな雄肉の味に、後から後から分泌される唾液を丹念にまぶしつけ、しゃぶる。しゃぶる。
「ああっ、んむっ……! はぁッ、ンチュ、チュ、チュパッ! んーー、ンプッ、チュプ、ピチュ……」
 幼い頃からメイガス専用の性奴隷として育てられた明子。
 そこらの娼婦とは比較にならない超絶技巧の口唇愛撫を受けて、なおメイガスは涼しげだ。
 性交における雄としての主人の強さ、逞しさを見せつけられて、明子の中の雌がときめく。
 この雄に支配されたい、この雄のものになりたい、この雄の子種を注がれたい……。
 度重なる調教で再び暴かれたマゾ雌の本能が、絶対的な支配者たる雄への隷従を渇望する。
 もっと、もっと、この雄に尽くしたい……。もっと、もっと、もっと、この雄に支配されたい……。
 従順な性奴隷としての願望が、明子だったものを塗りつぶしていく。
「ああっ、ああっ……! んちゅぅーーっ! ンチュ! んふっ、んっ、ちゅ、じゅぷっ、ちゅぱっ!」
 持てる技巧だけでなく、心を込めて奉仕する。
 主人への愛と忠誠を、唇と舌を通して伝えようと、懸命に愛撫することで示そうとするかのように。
 明子の肉が、周りの空気が変わっていく。ジットリと燃える、粘ついた炎のような熱気が立ちこめる。
 愛しげに主人を見上げる瞳には、無垢な輝きは微塵も無い。
 ただ、浅ましい雌の情欲と、狂った性奴の忠誠だけが、絡みつくように燃え盛っていた。

122 :
「んぁっ、はっ、ん、ちゅ、ちゅぱっ、ふっ、んっ、んっ、んっ………んっ、ぷはっ! はぁはぁはぁ……」
 気づけば、呼吸さえ忘れるほど夢中になっていた。反射的に口を離し、荒い息をつく。
(――――!?)
 そのわずかな時間が、明子にはたまらく口惜しく、永遠のように長く感じられた。
 メイガスのペニスから口を離した瞬間、明子は、一匹の雌は、途方もない喪失感に襲われたのだ。
 欲しい。恋しい。愛しい。
 メイガスが、主人が、男が、雄が、そのペニスが、欲しくて、恋しくて、愛しくて、たまらない。
 自分はもう、ぬまでメイガスを欲さずにはいられないのだ、雄を求めずにはいられないのだと悟った。
「――――――――――――――――――――――――――――!!!」
 瞬間、声に鳴らない絶叫を張り上げ、襲い掛かるケダモノのようにむしゃぶりついていた。
「あぁっ……! んんっ、んぁっ、ふあぁ……っ! んッ、あむっ、んジュ、ジュプッ、ジュプッ!」
(おいしい……おいしい……! あぁっ、チンポッ、ちんぽぉ! おちんちん、おいしいのぉぉ!)
 一瞬の別離を経て再会した愛しい主人の肉棒。
 最高だった。
 生臭い雄の味が、この上もなく美味に感じられる。
 鼻腔を満たす濃い雄の性臭が、チンポの臭いがたまらなかった。
 幸せだった。
 自分はもう一生、メイガス無しではいられないのだ。雄を求めずにはいられないのだ。
 浅ましい雌の欲望を、満たそうと貪らずにはいられないのだ。
 そう確信した。
「ンジュ、ンジュ! ジュ、ジュジュッ、ジュジューーーッ! んっ、んジュ、ジュパ、ジュポッ!」
(ちんぽっ、ちんぽっ、ちんぽっ、ちんぽっ、ちんぽぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!)

123 :
「おとうたま、それ・・・」
「じっとしていろ」
ひとたび隣室へと席を外した青年が戻ってくると、その両手には注射器が収まっていた。
片方の内溶液は無色透明であったが、もう片方の内容液は不気味に濁っており、
時折、密封状態にあるにも関わらず淀んだ内部がわずかに動いているようにも見えた。
不気味なのは中身だけではなく、さらにそれは注射器にしてはあまりにも長い針身を備えていた。
そしてその先端が回転台に逆さ吊りにされた少女の下腹部と股の合間に、左右から突き当てられる。
「ァツ・・・!」
「・・・途中で暴れるとぬやもしれんぞ?」
ぞっとするような言葉をかけながら、青年は針身を少女の体の中へ、中へと潜ませてゆく。
その青年の表情は喜々として小動物の解剖実験を行う少年のようでもあった。
「ゥ・・・ん・・・!」
青年は針先が目的の位置まで到達したのを確認すると、
無色透明のポンプをゆっくりと引きながら、濁りのきついポンプの側をそれに合わせるように押し出した。
その瞬間、少女の中のまだ外気すら触れた事のない空間が、
正門をくぐらずして現われた異物によって満たされた。
そして少女への異物の投与はこれに完了した。
「・・・いまのはなぁに?・・・なんだったの?」
下腹部に残る違和感に少女は問わずにはいられなかった。

124 :
その問いに、青年はこれから少女の身に起こる変化に愉悦を隠し切れず答えた。
「アキコに分かりやすいように言えば・・・。
 くくくっ・・・お前にペットをあげる用意さ」
「・・・!」
ペットという言葉にアキコは目を輝かせて反応した。
「そのペットはなんていうの?」
「元はプラナリアというものだ。多少手を加えているが・・・」
「ぷら、なりあ・・・」
その名前をニックネームでも考えているのだろうか、少女は何度も反芻した。
しかして異物の正体は青年の言う通り、
ただの再生生物プラナリアを品種改良したものだった。
だがそれは常人の手による仕業ではない。
憎悪の道に身を投じた魔術師の手による悪意の品種改良。
「一時間もあれば蘇生は完了する。
 そのまま安静にしておくがいい・・・」
「あの・・・、あのね!
 わたし、もらうペット大事にするからっ!」
拘束台に掛けられたままの少女は研究室へと戻ろうとする青年に向かって白い歯をむきだしにして笑った。
「・・・・・・」
青年は暖かくも、冷たくもない表情でそれを受けた。

125 :
スレッドリロードせずに書いてたら、おおおおおおお!
◆.Z0IkoA3tIさん奇遇ですね!そしてGJです!結婚してください!
この巡り合わせは>>120さんだと思いますが、
ああいう一言は職人にとっては魔法ですね

126 :
このまま落ちるのかと冷や冷やしました
GJです

127 :
子宮口に圧力が加わるとメスはオルガズムや陰核への刺激といった即物的な快感とは違う、
まるで我が身に愛しい子を授かっているような多幸感を味わう―――
子宮内部を異生物に満たされきった少女は
拘束具を涙、涎、愛液、尿でぐしゃぐしゃにして、言葉にならない恍惚の呻きを繰り返していた。
「しばらく見ないうちに随分と遠くへ旅立ってしまったようだな。
 お前の瞳が一体どこで像を結んでいるのか、判断に苦しむ」
きっかり一時間後に現われた青年に対して、少女に言葉を返す余力はなかった。
減り張りのない体の線が呼吸のたびに大きく、小さく小刻みに震え続ける。
その細動はまるで地面にバウンドするボールのようだった。
「しかしアキコよ、どうやらペットはお気に召してくれたようだな。何より何より・・・」
この時までアキコと呼ばれた少女は、青年がそばに来ている事に
全く気付いていなかったのかもしれない。
しかし次の瞬間、アキコは青年を父を、メイガスの存在を知覚した。
「ぁ・・・は、ぁん・・・」
生温く甘い、陶酔の反響音―――
アキコはこの世に生を受けて初めて、男に喘ぎを聞かせた。
ただ下腹部を自分の二之腕ほどある、柔らかな毛で拵えられた大きなブラシでなぞられただけで。
「はぅぅ、ん・・・おなかがきゅぅぅっって・・・。
 おとうたま、おとうたま・・・そこ、そこ、あふぅぅ・・・」
時に緩やかに、時に押し当てるようにブラシはアキコの体を這った。

128 :
>>125
おお!投下後しばらくはなんとなく来辛くて遅れましたがLet'sウェディング!
確かに>>120を見てやる気出ました。(というか、すっかり途中なの忘れてましたorz)
しかし、どうも自分は冗長になりすぎる嫌いがあるので、もう少し短くまとめる能力が欲しいです。
>スレイブクイーン育成計画
ロリママンにハァハァです。

129 :
ブラスティアの太股に俺のチ○コ当てたい・・・・。
ハァハァ

130 :
もう、あのブラスティアは見れないのかねぇ〜
残念だよ。

131 :
先週までジャンプでスターサンダーを拝めていたのがせめてもの救いだ………

132 :
「あぁ、あ、あぁっ、らはっ、ううんン・・・」
アキコに投与されたプラナリアは子壷のなかで密生しながら鈍重に蠢動していた。
さらにそれらは微量の神経毒と媚薬を人間の体内で生成するように拵えられていた。
そしてアキコの体内では、絶頂に近い状態でのみ下がってくるはずの子宮口が神経毒の作用で弛緩し、
だらしなく膣道を押し潰すように下がり始める。
今、未熟なアキコの体は熟れきった果実のように狂おしく甘く、ほぐれきっていた。
だが、その果実の表皮は厚く、果肉のあふれ出すような傷口が必要だった。
このまま性感帯への直接的な刺激がなければ、少女はとめどない快楽に溺れんでしまうだろう。
それを予感したのか少女は、アキコは身を乗り出してメイガスに訴え出た。
「ンあぁッ、おとうたま・・・」
「んむ?」
「わたし、おとうたまになでてほしい。
 道具じゃなくて、おとうたまの手で・・・お口でもいいから・・・でないと、わたし、わたし・・・」
「ふしだらに腰を振り、浅ましく自ら求めるか・・・くくくっ、はははははっ!
 いいか・・・ようく覚えておけ。
 その貪欲な姿勢こそ、私に仕えるお前の、本当のあるべき姿なのだ」
そう言い放ち、メイガスは心もとないアキコの胸へと食指を伸ばす。
なだらかな丘陵がメイガスの手の内でいびつに迫り上がり、肉の山が二つ形作られた。
「つねっちゃ・・・!ぃうッ・・・!?ゃ、ぅあぁ・・・ッ!
 なんで、どうして・・・わたし・・・。
 痛くされて・・・るのに、わたし、これ、頭がじんわりして、あァぁッ!?ら、はめぇ・・・」
未曾有の快楽が全身を駆け巡り、まるで未知の領域へとほうり込まれるような疎外感をアキコは感じていた。
しかしアキコはメイガスの暴力を、快感として受け取っている事実に戸惑い、歯を食いしばって自分を保とうとした。
だが所詮は付け焼刃。
食いしばったはずの唇歯は、ガチガチと震え、体はこわばり、
アキコの戸惑いはたちまちにしてメイガスの知るところとなる。
「アキコよ・・・それは我慢か?」
その問いは、この数日間で幾度となく繰り返し投げかけられてきた問いだった。
その言葉にアキコは・・・。

133 :
アキコは、メイガスに拾われて十余年・・・。
拾われた当時はまだ赤ん坊だったという。
そして物心がアキコに備わった頃、自らの出生等の様々な疑問を抱えていたが、ただひとつ確かな事があった。
『メイガスは自分を生かしてくれている』ということ。
時に理不尽に暴力を振るわれようと、我が身を生かしてくれているのなら、
自分は父にとって必要な存在なのだろう、とアキコは感じていた。
しかしそんな思いすら、幼いアキコは自分の思い上がりだと、気持ちをうやむやにしてきた。
ただアキコは自分の持てる全てを父、メイガスに捧げようと健気にも心に決めていた。
幼いアキコにメイガスは多くを語らなかったが、自らを体現することでその教育の代替とした。
メイガスは人間同士の醜い争いを好んだ。
「―――見よ、アキコ。狂える人々は美しい。
 理性という枷を外した、剥き出しの本能というものは実に自然に則した象徴ではないか」
メイガスは慈愛を踏みにじる行為を好んだ。
「―――弱者のために自らの益を捨てる行為など、
 全く・・・無様だ・・・。弱い者は弱く、強い者は強いのだ。
 その条理を希釈するなど虫酸が走る」
時には自ら人間を手にかける事も好んだ。
「―――ごく最近までこの過刑は、中国では娯楽の一つとして親しまれていた。
 罪人が事切れるまで一片一片体を切り刻まれる様を
 見物する人々は皆一様に着飾り、高尚な縁日のようであったという」
その全てをアキコに見せつけ、メイガスは問うのだ。
「―――アキコ、こいつらがんだのは、なぜだ?」
こと、生き延びる事にかけてアキコの本能は優れていた。
そういったメイガスの問いに、アキコは選択を誤らなかった。
「―――おとうたまに、逆らったから」
そして、先のメイガスの問いの裏に隠されているモノをもアキコは敏感に感じ取っていた。

134 :
メイガスの「抗うのか」という問いにアキコは・・・しっかりと首を振って答えた。
「では、恐怖したか・・・?」
そしていつものように続いた次の問いに今まで答えを濁していたアキコは、重々しく頭を下げて答えた。
アキコがその一瞬顔を下げた直後、メイガスの表情からは享楽者の輝きは消え失せる。
「・・・そうか、この程度で恐怖を覚えるか・・・。
 今日の今日、この日を迎えるまではと多少目にかけていたのだが、それは過ぎた期待だったようだ」
メイガスは冷ややかに、アキコに対して用済みだと告げた。
しかしアキコの返答は続いていた。
「どうなるか分からないから怖い・・・」
「む・・・?」
「でも、わからないから続けてほしい・・・怖いけど、続けてほしい・・・」
「ほお・・・、怖じ気づいて尚、求めるか・・・。
 クククッ、恐怖は単なる終わりではない、と・・・。
 そうかそうか、アキコはそうするのか・・・。
 よかろう、それはわたしの意に反するところではない。ご褒美をくれてやる・・・舐めろ」
「はひっ、ンぢゅ・・・る、ンれーッ・・・はぅ、むンンッ!はフッ・・・!」
アキコは拘束されたままの不格好な姿勢のまま顎を上げ、メイガスの股ぐらに顔を埋める。
時折もつれそうになるつたない舌を使い、懸命にメイガスの愚直に尽くした。
しかしそれは、まだ小さな口にはメイガスのモノは収まらず、存分な奉仕と言える代物ではなかった。
それでもアキコは懸命に舌を這わせて仕立て上げようとするが・・・。
「く・・・、満足とは程遠いわ」
「ジュる、ぱぁ・・・っ!?あぐっ、ごめんなさい・・・」
「いい、そのままにしてろ」
そう言ってメイガスは片手でアキコの頭を押さえ付けた。

135 :
「おとうたま、な、何を・・・?はぐぅッ!?」
メイガスはアキコの顔面を使って、自ら腰を振った。
アキコの顔がメイガスの膨れ上がった血茎によって上へ下へと引きずられる。
「うぅ、あ、ンはぁッ!おとうたまのがぁぁ!んゅぅンン!お顔がぐゆぐちゅにヒィっ・・・!?」
アキコの唾液に塗られたペニスがアキコの顔面を湿り具合からその高揚までをも合の子に仕立て上げてゆく。
怒張を増しながら擦り嬲る血塊は、アキコの鼻を突き上げ、先走りを交え、頬を叩き、眼孔をねめ付ける。
紅潮を増しながら花開いた少女は、垂れ滴る先走りを嗅ぎ、嗚咽を上げて、それで尚、舌を出し奉仕する。
しかし、のぼせ上がったアキコの顔面は、間もなく苦味の効いた生臭い先走りにまみれ、苦悶の色で彩られる。
男の慰み物として、ほとばしる臭気と狂気から忘我の恍惚へと誘われたアキコは底知れぬ息苦しさを感じ始めていた。
「はーっ、はーっ・・・!じゅりゅッ!ン、ングッ!?はぐッ、んびひぃ!」
「ククッ、少しは楽しめたが、アキコの汚ならしい物で汚れきってしまったわ。
 全て舐り取って飲み込め」
「は、はい・・・おとうたまの、おおせのままに・・・ん、ちゅ・・・るぇッ、フグッ・・・」
メイガスの言うままにアキコは男根をすくい取るように舐り上げ、先走りと、自身の唾液、涙、鼻孔液を溜飲する。
「ン、ゴッ・・・・・・」
アキコは目を力の限りにきつく閉じて、味覚、嗅覚をも封じたつもりで必に飲み込む。
しかしその流動は、たちまちにしてアキコの消化器自身に拒まれ、逆流し、噴出した。
「ガハッ!ガァハッ!?」
喉元から逆流した口淫、いや顔淫汁が、唇や前歯に絡まりながら飛び散る。
「カハハッ!さすがに人体改造の終わっていない体では
 長年世界中の薬物を摂取し続けている私のモノを飲み下すのは早かったか!」
メイガスの言う通り、アキコは人体に備わる基本的な拒絶反応を起こしたが
雌雄の高まりを一時でも体内に取り込んだアキコはすでに忘我、苦悶を越えた、高まる陶酔を覚え始めていた。
さらにその時、飛び散った顔淫汁と共に、『何か』が、地面に崩れ落ちていた。

136 :
粘液にまみれたその物体は、他でもないアキコの太ももを伝い、床へと落ちた。
神経毒によって緩やかに麻痺した下半身は、狂気の沙汰とも言えるアキコが内側から女となった瞬間も、
続いて巨大な異物によって膣道を拡張された経過すらも母体に感知させはしなかった。
ただ事実として鮮血の導いたその先に、銀の双眼を備えた生物、合成プラナリアのなれの果てが佇んでるだけだった。
「ふ・・・、事の次第は往々にして整ったようだな。御苦労だ」
一瞥と、ねぎらいを掛けてメイガスはその生物を踏みにじった。
幼い性器を充分に成熟させた今、残るは一方的な弑逆行為だけ・・・。
・・・と、メイガスはアキコへと向き直った。
だが、そこにはメイガスをして脅威を覚えさせる一匹の、手負いの獣がいた・・・。
メイガスは幾多の人にの現場こそ少女に見せはしたが、アキコにより衝撃を与えようと今日この日まで、
ついぞ男女の交わりを見せた事はなかった。
しかし・・・。
「おと、・・・たま、ほ、しい・・・」
息も絶え絶えに、アキコは発した。
言葉だけではなく、全身からそう訴えかけていた。
発情している、盛っている、疼きに疼くこの体が、たまらなく、欲している、と。
完璧だった―――。
地上の雄、誰一人として今のアキコに突き動かされない者はいないだろう。
メイガスに哀願の声音、顔色を向けたアキコの姿態には一片の落ち度も無かったのだ。
女としての本能が、男を誘い導くための完全なる形態を魅せたのだ。
貫いて欲しいと―――。
そう、そのような思いに一瞬であれメイガスは囚われてしまったのだ。

137 :
「クッ・・・・・・!」
メイガスはアキコの完全なる扇情に驚愕に近いものを覚えた。
しかしメイガスは、自らが他者の手の内で動かされるという事を次の瞬間全力で拒絶し、払拭した。
この時、メイガスは気付いていない。
自らが誇示する捕食者としての極限なまでの危うさゆえに、
延命という点においてのみ最強を誇るバケモノを自身の膝元に作り出していたことに。
間もなくメイガスは、そのアキコの姿勢に、単純に先程の問いの実を見たのだろうか、アキコの拘束を解いた。
「わかっておる。抱くぞ・・・」
少女は無言のまま頷いた。
青年は覆い被さるようにアキコの体をきつく抱きとめ、
獣のように腰を叩きつけながら凍えそうな声で熱くアキコの耳元にささやいた。

138 :
  忠実であれ。
(はーっ、ひっ、おとうたま、ひっ、アキコはおとうたまに従いますうァァァ!?)
  お前はわしに忠実であれ。
(いひィィ!あぎぃ!もっ、もっとォォッ!)
  次に、自分に忠実であれ。
(そ、そこ!・・・ンあぁァァァ!いいの、おとうたま、おとうたまが私の中でェ!!)
  だが何よりも快楽に忠実であれ。
(奥にッ!おちんちんが!当たッアグゥ・・・!ふンっ、きもちいいの、だひすきになるのッ!)
  お前は忠実な奴隷なのだ、それを忘れるな。
(はひぃ!どれいです!わたしはおとうたまの、わたしはおもちゃです!だからッ、だからもっとォォ!)
  わしがイケと言えばそれだけで高みを目指せ。
(良いのッ!こんなに気持ち良いの、止められなくて!アァァァッ!)
  わしがイクなと言えば舌を噛み切ってでも堪えろ。
(でッ、でもッ・・・良ッすぎて、らめッ、イ、イキそ、おォおお!)
  お前はわしの一部であり、お前の全てはわしの手足以上に忠実なのだ。
(おとう・・たまをこんなに深く感じられるなんて、わたし、幸せすぎてえひぃぃッ!?)
  これからお前にはわしが授けられる技能の全てを費やしてやる。もちろん快楽もだ。
(は、はひぃぃッ!気持ち良いのも、苦しいのも、みぃんなわたひに、くらふぁりひぃぃ!)
  その力をもってして、わしに楯突く者共を悉く蹴散らせッ!
(アヒィッッ!?おとうたまの言いつけは何でも守りますから、どうか、どうかァァァ!)
  お前には人類の頂きに立つわしに最も忠実な、后としてッ!
(イギッ、イカへて下はひぃ!私が私であるうちに!!早く!早く!全部、全部受け止めたいのぉぉぉ!)
  ひいてはスレイブ・クイーンの名を冠してやろうッ!
(イグぅぅ!イギまぐっぢゃうぅぅのぉぉ!!)
  息め!力め!アキコ!登り詰めよ!スレイブ・クイーンッ!
(アアアアアアアアァァァァ・・・!!!!)

139 :
中世の悪魔契約と同等の、強力な魔力を含んだメイガスの暗示が聴覚を通してアキコの全身を締め付ける。
それと同時に、幼いアキコは、自分を必要だと確約するメイガスの言葉に、心身ともに達した。
しかしながらこの時・・・メイガスの暗示は全くアキコに功を奏さなかった。
なぜならアキコはずっと前から・・・。
メイガスのその言葉を、心から待ちわびていたのだから。
終。

140 :
ふー、一段落した( ´▽`)=3
>>128
エロで濃密なのは最高っす!(自分の場合はご覧のとおり特殊シチュ&淡白に・・・)
アイ2が「どこで抜いたらいいのか迷う」と言われてるのは贅沢な話だと思ってますし。
続きは常に右手をホームポジションに置ける準備をしつつ待ってますよ〜。
(何度読み返してもママンの息継ぎの描写は神がかってます)
最近ご無沙汰ですが、新年は名無し絵師さんの
3Dママン、フレアの痴態を拝みたいっす、お元気でしょうか?
そして遅ればせながら刑さんのスレイブクイーンGJです!
(随分昔のことですが、パンクチュアの腫瘍ファックの絵、最高でした。
 特殊シチュ大好きなんです、サーセン!)

141 :
おお! 一気に完結ですね。おつかれさまでした。
しかし、プラナリア姦にMCとはほんとに特殊シチュ好きですねw
私もそろそろ続き書かないと。そういえば全10レス分ぐらいって言っちゃってるんですよねぇ。
しかし、未だにフェラしてるんですよね。おっかしいなあ……とっくに次のプレイに進んでるはずなのに。
他のcolors関連スレもお通夜状態ですし、このスレだけでも踏ん張りたい感じです。

142 :
ほs

143 :
ほす

144 :
>>140
おつです

145 :
前スレのアドがなかったんで貼っとく
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1084726950/

146 :
たまにはブラスティアを見たいな

147 :
キリがいいところまで中々出来ないのでリクエストに応えて>>146
前スレに投下したものですが、続きを投下するにもかなり前になりますし、多少の加筆修正も行いましたのでお許しを。
続きは7割方できていますので、あまり間を空けず投下できると思います。

148 :
 ホットスポットと清新工業の重鎮達が待ち受ける新人研修センターに単身で乗り込んだ誠は、
 郁郎の機転にも助けられ、仕掛けられた罠を打ち破って、彼らの邪悪な計画を潰すことに成功する。
 しかし、母譲りのポテンシャルでは勝るものの、オフビートとしての経験が絶対的に足りない誠は、
 計画を頓挫させられた怒りに燃えるホットスポットとの闘いに呆気なく敗れてしまう――。
 ホットスポットの戦法を見抜けず、灼熱の溶岩をまともに浴びた誠はあまりの激痛に失神してしまった。
 気を失っていたのはほんの数十秒の間だが、勝敗を決定付けるには十分すぎる時間である。
 意識を取り戻したときには、誠の体は低音凝固した溶岩で出来た黒い石柱に埋め込まれていた。
 立ったまま頭を下げて尻を突き出す、いわゆる「立ちバック」の体勢で、
 胸から上と、後ろに伸ばされた両腕の手首、突き出された尻だけが石柱の外に露出している。
 一切の自由を奪われ、卑猥なオブジェとされる、それが敗残の誠へ与えられた最初の罰だった。
 敗北してなお生きていたヒロインの末路は、(彼女が絶世の不細工でもない限り)いつも悲惨の極みである。
 しかし、母譲りのポテンシャルを除いて、全てが未熟な新人ヒロインである誠は、
 これから自分を待つよりも辛い陵辱への覚悟は愚か、未だ自らの敗北さえ認識できていなかった。
 もちろん、ホットスポットはご親切にその時間を与えるようなお人好しではない。
 さらに誠にとって不幸なことに、ホットスポットはかつてブラスタークイーン、
 明子に抱いていた劣情を、娘である誠の面影に彼自身無自覚のうちに重ねていた。
 つまり誠は、これから数十年越しの情欲の餌食にされるのだ。
 大切な初めてなのに。それも、身代わりとして。

149 :
 最初に標的となったのは、石柱の外にいやらしく突き出された肉付きのいい桃尻だった。
 黒ずんだ岩石から、美少女の若く豊満な尻「だけ」が突き出ている光景は、あまりにも露骨だ。
 加えて、自分でも気づいていない歪んだ慕情が、ホットスポットを駆り立てる。
 それでも経験豊富な炎の怪人は、責めを焦るような無様な真似だけはしなかった。
 手始めに、母・明子を引き合いに出しての言葉責めと能力を生かした高熱スパンキングで、
 無抵抗なオブジェとなった誠をじわじわと責め立て、追い詰めていった。
 パァン! パァン! パァァン! パァン! パァン! パァン! パァン! パァァァン!!
 敬愛する母親を淫乱な雌豚と蔑まれ、お前も同じ雌豚なのだと嘲笑されても、
 尻をぶたれて股間を濡らし、甘い悲鳴を漏らしていては、否定のしようもなかった。
 はしたなく快楽に溺れたがる自分の体に戸惑う誠に、止めの一打ちが加えられる。
「だ、ダメェッ! いや、お願いィ…やめて、許してぇ…!!」
 パアアァァァァァァァァァァァァァァァァァンンんッッッッ!!!
「いやぁぁああぁあぁあぁあぁーーーーー!!」
 尿意を堪えていることは懸命に隠しているつもりだった。
 しかし、調教の手管にも長けた怪人に、奥手な処女が性的な隠し事を出来るはずもなかった。
 燃える平手の一撃を的確なタイミングで痛烈に打ち込まれ、少女の膀胱は主を裏切り決壊した。

150 :
 プシャァァァァァァァーーーーッッ!!!
「くぅぅ……あ、うぅ……ああっ…。ダメ、だめえぇぇ…」
 漏れ出した黄色い排泄液が、ヒーローの象徴たるコスチュームに染み込み、股間と太腿を這い落ちる。
 局部に広がるべとついた生温かさが、取り返しのつかない醜態を晒したことを実感させる。
 さらに、尿道を迸る液体がもたらす刺激と、排泄に伴う快楽の相乗効果によって、誠は絶頂を極めてしまった。
「そ、そんな…いやっ、うそだぁぁ……! こんな、いやぁぁ……あ、ああ、あぁあぁあぁあぁあああぁっ!」
 シュパぁぁぁぁァァァァァァァァァ………。
「ふふふ。尻をぶたれて股を濡らし、よがり狂って失禁したあげく、絶頂して潮まで噴くとはね。
 素晴らしいよ、ブラスティア君。流石はあのブラスタークイーンの二代目だな。君はとびきり淫乱な雌豚だよ」
「……う、うぅ…。ぐすっ、ぐすっ…うぅ……。ちがうぅ…! ちがうよぉ! ボクは、淫乱、なんかじゃ…」
 初心な少女が、自分が淫乱であるなど、ましてや浅ましい雌豚であるなど、到底認められるはずもない。
 しかし、スパンキングによって失禁し、絶頂へと達した。言い訳のしようもない現実を突きつけられてしまった。
 今まで培ってきた自らの価値観に責められ、受け止めきれず無様に泣きじゃくる哀れな新人ヒロインの尻肉を、
 炎の怪人はなおも容赦なく、何度も何度も、偏執的なまでに打ち据えた。
 バッシィィンッ! 「あヒィっ!?」   ビシィィィンッ! 「ひぐぅぅッッ!」
 パアァァァンッ! 「ひあぁっ…!」   バッシィィンッ! 「や、やめてぇ…」
 ビシィィィンッ! 「いひゃぁっ!」   パシィィィンッ! 「うひぃぃぃっっ」
 ベシィィィッッ! 「やあぁぁ……」   パアァァンッッ! 「うぅ…ひぅっ…」

151 :
 繰り返される屈辱的なスパンキング。信じられないことに、嬲られる尻肉は痛みと共に快感を訴えてくる。
 信じられなかった。信じたくなかった。今時の少女には珍しい古風な貞操観念が自らを苛んだ。
 郁郎との関係を進めることに対して臆病なことからもわかるように、誠は芯が弱いところがある。
 明るく前向きな性格は、その裏返しでもあるのだ。その弱い心が、早くもたわみ始めていた。
 弱弱しい嗚咽が込み上げ、打擲音の合間に響く嬌声まじりの悲鳴に、明らかに泣きが入り始めた。
「やめっ、やめてぇっ…! やめてくださいぃぃ……。痛いよう……うぅ、グスッ……ひどいよおぉ……!」
 スーパーヒロインとしての凛々しさや気高さはもう欠片も無かった。
 か弱い少女の素顔を晒け出した誠に、ホットスポットの無慈悲な追い打ちが加えられる。
 バッッシィィィィィッッッッ!
「ひぎゃあぁぁああアアァァーーッ!?」
 プシュウゥゥゥ……。
 女体の中心を蹂躙するかのような一撃は、誠を再び絶頂へと押し上げ、抵抗する気力を根こそぎ奪い去ってしまった。
 もはや恥も外聞もなく、スーパーヒロインであるはずの少女は、憎むべき敵に情けなく赦しを請う。
「ああ…ゆるしてぇっ……! ごめんなさい、ごめんなさいぃ……。もう、もうぶたないでぇぇぇ……!」

152 :
 苛烈なスパンキングに赤く燃え上がった若い尻肉を傲慢に撫で回しながら、ホットスポットは悪魔のように優しく囁く。
「よしよし。これでわかっただろう? 君は、とびきり淫乱な牝豚なんだよ。
 男の性処理玩具になるために生まれた、生粋の性奴隷だ。そうだな、ブラスティア君?」
 尻叩きという幼児の仕置に使われる屈辱的な仕打ちにさえ、自分の体は性的な悦びを見出してしまう。
 絶対に認めたくなかった自身の淫蕩さを嫌と言うほど思い知らされ、立ち直れないほどに打ちのめされた誠は、
 喉元の責め苦から逃れたい一心で、正義のヒーローとしての矜持と女としての尊厳を自ら手放してしまった。
「はいっ、はいぃ…。そうです…ブラスティアは、淫乱な、めすっ…ぶ、ぶた……メスブタっ、なんですうぅ…!
 男の、人の…オモチャに、なるために、生まれた……うぅ、ぐすっ……い、いやらしい、せ、性奴隷なんですっっ!!」
「『ブラスティアは、淫乱な雌豚です。男の人に奉仕するために生まれた性奴隷です』、だよ」
「ぶ、ブラスティアはぁぁ……いんらん、淫乱な、メスブタですぅ!
 男の人に、奉仕するために、生まれた……あぁ、ダメぇ……ど、どれぇ、奴隷ですっ……」
 服従するヒロインの恐怖心を煽るようにペチペチと左の尻肉をはたきつつ、
 ムニムニと宥めるように右の尻肉をこねながら、支配者たる怪人は更なる恥辱の言葉を強要する。
「性奴隷、だよ。それに声が小さい。もっと大きな声ではっきりと言うんだ。
 世界中の人々に、ブラスティア君がどうしようもない雌豚であることを宣言するんだよ」
 言い終わりとともに一際強烈な平手打ちを瀕の尻肉に見舞われ、わずかに残っていた誠の理性は消し飛ばされてしまう。
「あひぃいぃいぃっっ!! ごめんなさいっ、ごめんなさいぃっ! ちゃんと、ちゃんと言いますから…ぶたないでぇ…」

153 :
 今度こそ一切の躊躇無く、スーパーヒロインだった少女は、品性の欠片も無い獣じみた嬌声で服従の誓いを謳い上げた。
「……ぶ、ブラスティアはぁっ! メスブタっ、雌豚なんですっ! お尻をぶたれて喜ぶ、淫乱な雌豚ですうぅっー!
 ブラスティアはっ、男の人に奉仕するために、オモチャにしていただくために生まれたっ、性奴隷なんですっっっ!!
 変態性奴隷ブラスティアァァアァッ!! おしり叩かれてイクっ、イッちゃう、イキますぅぅぅうぅうぅうぅうぅ!!!」
 シュパッ、シュピッ、シュパァァァァァァァーーーーッッ!! ……ピュ、ピュッ、プシャァァ………。
 度重なるスパンキングと鋭く胸を抉る言葉責めに屈し、完全にタガが外れた元スーパーヒロインの性奴隷は、
 獣じみた咆哮を上げて過去最高の絶頂へと登り詰め、盛大な潮噴きを披露した挙句、膀胱に残っていた小水までも垂れ流し、
 雌豚の名に恥じぬ凄絶な狂態を己の主人となる悪のオフビートに見せつけると、クルリと白目を剥いて失神した。
「ふはははははっ! 全く、君は本当に最高だよ! 最高に淫らな雌豚だ!
 君なら、あのブラスタークイーン、いやスレイブクイーンをも凌ぐ最高の性奴隷になれる!
 私は君を最高の雌豚に、性奴隷に調教することであのメイガスを超える!! ククッ、フハハハハハ!」
「あぁ……ぶた、ぶたぁぁ……。ボクは、ぶた、ぶたぁ…。いんらんなぁ…めすぶたぁ……。ブタなのぉー。
 ヘンタイのぉ、せいどれーなのぉー。ふぁぁ……きもヒ、イィィ……ボク、おもちゃ、ぶた、ぶたメスぅぅ……。
 ボクは、ブラスティアはぁ、ヘンタイでインランのぉぉ……メスブタせーどれーなんですぅぅぅ……」
 赤い怪人の楽しげな哄笑が響く中、だらしなく白目を剥き、半開きの口からはしたなく舌を突き出し、
 顔中を何種類もの体液で斑に濡らした元スーパーヒロインは、理性を飛ばしたまま幸せそうに服従の誓いを呟き続けていた。
 この後に待ち受ける凄まじい調教の日々に比べれば、この程度の責めはお遊びとも言えないことを、誠はまだ知る由もなかった。

154 :
一応、三章構成のつもりで以上が1です。
2はちょっと変わった前戯(?)、3で処女喪失の予定です。
元々、本編で薄かったロストバージンを、と書き始めたのですが悪い癖が出ましたw
数行の導入部のはずが、伸びに伸びて2の終盤まででもう20kBになっちゃってます。
語彙を増やすのももちろんですが、もっと短くまとめられるようになりたいです。

155 :
GJ!
二章wktkして待ってます

156 :
俺も続きを楽しみに待つぜ

157 :
変わった前戯に激しくwktk!
ついでに過去ログが普通には見れないようなので保管ログ置いときますね(・∀・)
母子でブラスティア
http://i-pbem.hp.infoseek.co.jp/1084726950.html

158 :
 苛烈なスパンキングと的確な言葉責めによって追い込まれた誠は、
 強要された恥辱の言葉を絶叫しながらの絶頂&失禁ショーを演じて失神してしまった。
 しばらくは理性を飛ばしたまま、自らを貶める言葉を呟き続けていたが、
 その声も徐々に小さくなり、やがて完全に意識を失い、深い眠りへと落ちていった。
 敗北から気を失うまで、ほんの数十分の責めだった。
 しかし、誠の心と体は、たったそれだけの時間でひどく打ちのめされてしまった。
 人として、女としての尊厳を冒涜する言葉を浴びせられながら、悪さをした幼児のように尻をぶたれる。
 それはとても性行為などと言えるものではない。
 受けたものの心と体を、ただ痛めるけるだけの行為、虐待というべきである。
 なのに、そんな行為で誠は感じてしまった。
 性的な興奮を覚え、全くの無垢であるはずの処女花はいやらしい蜜に濡れた。
 自らを貶める言葉を大声で叫ばされ、お尻を強烈に張り飛ばされて、初めての絶頂へと押し上げられた。
 さらには、初めて経験した絶頂の凄まじさに膀胱を緩ませ、失禁までしてしまったのだ。
 純情な誠は、そんな自分をとんでもないド変態だとしか思えなかった。
 素直さと正直さのために、都合の良い言い訳を作って自分を誤魔化すこともできない。
 変態、淫乱、マゾ、雌奴隷――囚われたあの日、白濁とともにメイガスから浴びせられた言葉。
 そんなはずはないと、頑なに否定してきた。しかし、ずっと心のどこかに引っ掛かっていた。
 本当は薄々気づいていたのだ。どんなに認めまいとしても、それが自分の本性であることを。
 もう、認めるしかなかった。
 自分は変態で、淫乱で、マゾで、雌奴隷になるべく素質を持って生まれてきた女なのだと。
 目覚めたばかりのオフビートとしての力を失えば、年相応の繊細な少女でしかない誠にとって、
 それはあまりにも残酷で、絶望的な現実だった。
 痛めつけられた体よりも、その精神的なショックが誠を深い眠りへと沈めていた。
 悲哀に眠る少女のあどけない寝顔には、刻まれた恥辱の爪痕と濃い疲労の色が浮かんでいる。

159 :
 もちろん、ホットスポットにとってはそんな誠の事情など知ったことではない。
 意識が無いのをいいことに、自らの奴隷となったヒロインに更なる責め嬲りを加える準備を始めた。
 石柱を溶かし、意識のない誠の体を一時的に解放する。
 ドサリと鈍い音を立て、地面に叩きつけられてもピクリとも動かずんだように横たわる哀れな少女。
 子供っぽい性格とは対照的に、いささか発育過多気味な少女の体が新たなオブジェへと仕立てられていく。
 自在に炎を操る怪人は、横たわる誠の体を挟み込むように二本の巨大な火柱を生み出した。
 ゆっくりと温度を下げ、固まり始める溶岩で自らの所有物となったヒロインを卑猥な姿勢に固めていく。
 虐待と恥辱に火照った若い肢体を持ち上げ、両腕を前腕の中ほどまで、それぞれ左右の溶岩柱に埋め込ませる。
 続いて、両足を限界まで開かせ、今度は膝下までを左右の柱に差し込み、固定する。
 このとき、後ろに大きくもたれかかるように、足を手よりも前にして埋め込まれた。
 そのため、誠は少女の大切なところを思い切り前に突き出した、恥ずかしい格好で宙吊りにされてしまった。
 さらなる責め嬲りの準備を整え、冷酷な悪のオフビートは気を失った哀れな新人ヒロインを起こしにかかる。
 だが、少々強く頬を張った程度では、深い眠りに逃げ込んだ少女はピクリとも反応しない。
 さて、どうしたものかと首をひねり、わずかに逡巡して、すぐに酷薄な笑みを浮かべた。
 直後、残忍な炎の怪人は己が能力で生み出した灼熱の溶岩を意識の無い誠の股間へと容赦無く叩きつけた。
「ヒャァァアアァァアァァアァアッッーーーーッッッ!!???」
 青いコスチュームの股間部分を濡らしていた恥ずかしい混合液が一瞬で蒸発する。
 繊細で敏感な女性の一番大切なところを1200度という超高温の炎で焼かれては、
 いかに規格外のタフネスを誇るオフビートといえども無事で済むはずがない。
 下腹が爆ぜたかのような凄まじい激痛によって、誠は残酷な現実へと連れ戻されてしまった。

160 :
「ヒィッッッぎゃァァァァアアァァ!!? なっ、ぁぁあっ!!? なニっ、ナんなのォォ……っ!?」
 燃え盛る焼きゴテを剥き出しの神経に押し当てられたかのような――いや、実際にそれ以上の行為だった。
 誠の(絶対に認めたくない)優れたM奴隷としての資質をもってしても、気持ちよくなど感じるはずも無い。
 それはもはや陵辱でも調教でもなく、ただの拷問でしかなかった。
「うわぁあぁあぁあぁっ!! 熱っ、あづいィっっ!? な、なにッ? 熱いっ、熱イィィィぉおあぉっっ!!」
 股間を溶岩に焼かれるという想像を絶する拷問に、誠は屠される家畜のような絶叫を上げた。
 石柱に埋め込まれしっかりと拘束された体では、痛みにのたうち回ることさえままならない。
 わけもわからぬまま、それでもわずかに許された動きを目一杯駆使して、
 秘部を焦がす炎から懸命に逃がれようとする。
「ヒィィ、イヤァァァッッ! 熱い、アソコが、アソコがぁっ…! アソコが熱いよぉぉぉーーーっっ!!」
 背骨が折れそうなほど反り返って股間を突き出し、上へと逃がす――依然、股間は業火に焼かれている。
 逆に、肋骨が潰れそうなほど上半身を丸めて、懸命に股間を引く――もちろん、業火は股間を焼き続けている。
 ほんの数cmの上下動。そんなわずかな動きで、ピンポイントに股間を焼く炎から逃げられるはずもなかった。
 常人ならとっくに蒸発して、楽になれただろう。耐えられてしまうオフビートであるがゆえの、超常の激痛。
 言語を絶する苦悶に、唯一自由に動く首は、ちぎれ飛ばんばかりの無茶苦茶なヘッドバンギングを強いられる。
 涙腺は一溜まりも無く決壊し、大粒の涙がボロボロとこぼれる。
 こぼれる端から四方へ飛び散り、飛び散る端から股間を焼く炎にあてられ蒸発していく。

161 :
「うわぁぁっっ!! 焼かれてるっ、あ、アソコがっ! ボクのアソコが焼かれてるっ、焼かれてるよォォッッ!!」
 激しく揺れるぼやけた視界に、炎に焼かれる自分の股間と、酷薄な笑みを浮かべた怪人の姿が映った。
 その赤い姿に恐怖を覚えて逸らした瞳に、今度は自分の手足が埋め込まれた石柱が見えた。
 反対側を向くと、左右逆になった同じ光景。誠はようやく自分が何をされているのか理解した。
 母親が幼い子供におしっこをさせるようなポーズで拘束され、はしたなく晒した股間を焼かれている――。
「イヤァッ! ひどいよっ、酷すぎるよぉっ! こんなっ、こんな恥ずかしい格好でっっ……。
 焼かれてる、ボクのアソコ焼かれちゃってるよぉっ…! なんだよっ……なんなんだよっ、コレぇぇぇっ!!」
 その光景を見てしまったのが良くなかった。
 視覚情報がもたらす精神的なショックと相まり、傷心のヒロインは絶望と激痛に狂乱する。
 しかし、泣き叫ぶ惨めなヒロインの姿に嗜虐心をそそられたホットスポットは、さらに炎の温度を上げた。
「ヒイィィィッッっっぎゃひゃあああぁぁあああぁあぁぁああーーーーーーーっっっ!!!」
 いよいよ断末魔じみてきた叫び声を上げながら、残像が見えるほどの速度で必に股間を上下させる。
 激しすぎる動きに、タイトな青いコスチュームで覆われた大きな乳房が卑猥なダンスを踊った。
 ブルルン、ブルルンと、まるで水風船が弾むかのように、魅惑の肉球は空中で何度もバウンドする。
 跳ね上がった柔肉はコスチュームを突き破りそうな程に押し上げ、はち切れんばかりに波打つ。
 反動と重力によって勢いよく落下したまろやかな脂肪の塊は、胸板にぶつかって卑猥にひしゃげ、プルプルと弾む。
 淫らな上下動を不規則に繰り返し、人一倍敏感な誠の豊乳はちぎれんばかりに踊り狂った。

162 :
「いやっ、いやだっ……ヒィァァーーーッッ! アソコ焼かれるなんてっ、イヤだァーーッッ!
 やめろっ、やめろォォ…! こんな、ヒドイッ、ことぉ……やめろっ、もうやめろよぉぉっ!!」 
「『やめろ』? 主人に向かってそんな口を利くとは、言葉遣いがなっていない奴隷だ」
 静かな怒気を孕んだ主人の低い声に、激痛に煮えていた誠の脳髄が凍りつく。
 同時に、股間を焼く炎の勢いがさらに増し、人智を超えた責め苦の前に弱りきった心はあっさりと折れた。
「っっっぎぃぃぃーーーッッ!! ごめんなさいっ、ごめんなさいィっ、謝るっ、謝りますからっっ!!
 ゆるヒッ、許ひてください…! もうっ、もう焼かないでっ、もうっ、アソコ焼くの、許してくださイィ……」
「アソコ? アソコじゃわからないなぁ、ブラスティア君。私に、どこを、どうして欲しいのか。はっきりと言い給え」
 呆気なく屈服した誠に、ホットスポットは穏やかな口調でさらなる恥辱の言葉を強要する。
「……! うぅ、そんなっ、そんなのイヤだぁっ……。言えないっ、そんな恥ずかしいこと、言えるわけな」
 パアァァァーーーーーンッッッ!!
「ひいやぁぁぁぁぁぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁッッッ!?」
 炎を纏った平手打ちで、乳房を思い切り張り飛ばされた。
 ずっしりと重い二つのふくらみが、痛烈な衝撃を受けて弾け飛び、上下左右に激しく飛び跳ねる。
 ブルっ、ブルブルブルッ! ぷるんっ、ぷるぷる、ぷるるんっ!
 バシッ! バシッ! バシッ! バシッ! バシィィィッッ!!
 誘うように揺れ踊る誠の豊かなふくらみに、強烈な平手打ちが矢継ぎ早に打ち込まれる。
 張り飛ばされた乳房がもう片方にぶつかり、クラッカーのようにお互いを揺らしあう。

163 :
「やあぁっ! 胸までっ、おっぱいまでェ……おっぱいまで苛めないでっ、あつっ、熱いよぉ!
 ひいぃぃっっ! 言いますっ……ちゃんとっ、ちゃんと言いますから! ぶたないでぇっ、焼かないでぇっ!」
 あんまりな仕打ちに耐えかねた誠は懸命に許しを請う。だが、それはホットスポットの求める言葉ではない。
 物分りの悪い奴隷に更なる仕置きを加えようと、主人はその上半身を守るコスチュームに手を伸ばす。
 肌にピッタリと張り付いたタイトなコスチュームに無理やり指先を捻じ込み、
 豊満な乳房が引っ掛かるのも構わず一息に胸元まで捲り上げる。
 唯一の覆いを奪われて、若々しい弾力に富んだ豊かな乳房がいやらしく揺れ動きながらまろびでる。
 初めて男の視線に晒された魅惑のふくらみは、繰り返された平手打ちによって赤く腫れていた。
 小高い乳丘の頂では、その山の大きさに比べてあまりに小さい可憐な桜色の果実が、心細げに震えている。
「えっ……あっ、やだっ…! 見るなっ、ちが、見ないでっ……やだっ、ボクのおっぱい、見ないでぇ……っ!」
 むき出しの乳房を見られる恥ずかしさに、股間を焼く炎の熱ささえ一瞬忘れ、震える頬を羞恥に染める。
 だが次の瞬間、すでに何度も叩かれ、赤く腫れ上がった乳房を、今度は直接、さらに強く張り飛ばされた。
 もちろん一撃で終わるはずがなく、返す手でもう一発、また返してさらに一発、非道な往復ビンタが始まった。
 ぶたれた乳房は歪な円を描き、もう一方の乳房や脇腹にぶつかっては無惨にひしゃげた。

164 :
「あぎゃぁぁぁああああーーーーッッッッ!! ひぐぁああああああ!! おごぉぉぉぉおおぉぉぉおおっっーー!!」
 およそ人間の、それも若く美しい少女の声とはとても思えない、獣じみた壮絶な叫び声。
 いかに強靭なオフビートの耐久力にも、限界というものがある。
 敏感な女体の急所を、太陽に直火焼きされるような焼却刑に処され、
 同じオフビートの岩をも砕く腕力で何度も何度も殴打されて、無事で済むはずが無い。
 限界まで見開かれた目の中で、光を失った瞳がグルグルと揺れ動き、ついに裏返って白目を剥いた。
 絞り出される咆哮は尻すぼみに小さくなり、代わりにぶくぶくと泡を吹く。
 激しく跳ねていた体も次第に力を失い、最後には小刻みに痙攣するだけとなる。
 声帯がちぎれんばかりに叫び続けた喉は、ヒューヒューと今わの際のような呼吸音を立て始めた。
――続く

165 :
今回ほど連投規制に困ったことはありません。
そんなわけでちょっと変わった前戯(?)「摂氏1200度超の炎で股間丸焼き&おっぱいビンタプレイ」ですw
サンクラの2次創作なら、やはりオフビートという設定を生かしたプレイを、ということで。
しかし、あまり間を空けず〜とか言っておいて結局一週間以上、しかもまだ途中です。
ちょっと私用で4月まではネットも出来そうにないのでとりあえずここまでで……ほんとすいませんorz
>>155-157
ありがとうございます!
少しでも上手くなるために、気になった部分などあれば指摘してくださると嬉しいです。

166 :
GJ!
体位が想像しづらいんだが読解力が無いんだろうか……

167 :
>>165
ホットスポット、貴方って最低の屑だわ!ってな具合にawesomeです!!
朝のひととき、喫茶店で読ませて頂きました〜
が、最後の最後を深読みしてしまい、散弾銃みたいな鼻水が出ました

168 :
職人さん乙です!

169 :
黒木氏生存あげ

170 :
やっぱりブラスティアが一番カワイイ

171 :
捕手

172 :
>>169
これですね。
>ttp://queensblade.net/character/char_014.php
とりあえず黒木氏生存オメ! しかし、相変わらず色は音沙汰無し……本当に逝ってしまったのか……

173 :
ずっと前に逝ってると思うが…

174 :
続き町保守

175 :
保守

176 :
捕手

177 :
人がいないな

178 :
いるぞ

179 :
保守

180 :
続きをじっと待つ

181 :
アイ3が出るそうじゃない

182 :
もう小説でいいから続編を

183 :
アイ3、出ることは確実でしょうが、内容と発売日が激しく心配な今日この頃です。
ちょっと私生活がヤバスで、ほんとすいません。
6月下旬には2章の残りを投下して、すかさず3章完結まで持っていこうと思います。

184 :
来年の春頃らしい…。
遅いのか早いのか、微妙。

185 :
来年か…

186 :
>>184
許容範囲、ですかね。いろいろ積みまくってることですしw
あんまり早すぎても、狂い咲きの例もありますし逆に不安なので

187 :
来年の春かぁ
そのころには俺も一人暮らしが終わってるはずで、あ・・・・
ウアァァァ・・・・ ○√L 困るっ困るゾォォォ・・・・
893さんの脅しでひとシーズン早く出してくれまいかな
春なら本気で買えそうにないわ

188 :
てか、権利委託したのつい最近でしょ?
それ考えたらエロゲーの製作期間としては普通のレベルだぞ。
これを更に切り詰めたら糞みたいなゲームしかできないって実際。

189 :
するってえと、譲渡してから作り始めたってことなんか。
じゃあ、colors時代には手をつけてなかったのか…。

190 :
原画集に掲載されたアイ3ラフは権利譲渡後のものです

191 :
>>189
元手がなけりゃゲームは作れないし、元手を借りれたなら貸した側は損を少しでも無くす為に最後まで作らせるよ
まあ小難しい話は置いても、カラーズ時代一年も期間があったのに、アイ3製作に関する情報は皆無
そして権利委譲後既に一ヶ月以上たってるのに公式HPすら出来てないのがゲームとしては白紙の証拠だと思うが
>>190
シナリオの設定だけはアイ2終わって既にあるだろうし、そこから出来た構想段階のラフ画を
現実的な製作段階とごっちゃにしてやるのは可哀相だぞ余りにもw
構想を現実化するのが最大の作業なのに

192 :
{前スレ(>>157)887-954より}
僕のペニスは主人の不本意な、それもあっと言う間の降伏宣言に対する反旗を力強く掲げてる。
「けほっ、けほっ……やっぱり飲むだけじゃ駄目なのかな……?
 やっぱりまだ体が本調子に戻らな……きゃぁっ!?」
僕は何事かつぶやいている誠さんの肩を手前に引き寄せて強引にベッドに伏せさせた。
そして、股間にそびえる若さゆえの過ちとでもいうようなモノを正面からまじまじと見せつける。
「僕のこれで誠さんのこと好きにしてほしいんですよね?
 言われたからには、遠慮はしませんよ?」
「ちょっ、健太郎くん?」
誠さんが僕を見上げ、喉に絡み付くザーメンのせいか、やや上ずった声を出して言った。
「め、目が……す、座って、ない……?
 それに……こ、これ、今出したばっかりなのに……まだ、こんなにガチガっ、あぁッ!?」
僕は誠さんに覆いかぶさるように背後へ回り込みながら、彼女の膝元まで下着をずりおろすと、
桃尻の狭間の男をむさぼる肉穴があらわになった。
僕が医務室に入って来るまで……誠さんは一体どれほどこの部位をもてあそんでいたんだろうか。
あまり幅のない静謐な弁の周囲が桃色に色付き、切なくにじんでいる。
その濡れた襞輪は外観だけで、何か、全くもって自然な何かを僕の視覚に訴求する。
その肉襞を、僕はお伽話の佳境のページでもめくるかのように親指でじれったく広げる。
「なんて可憐なんだ……そしていやらしい……」
もどかしさを感じさせるよう、圧力を加えず、なぞるように舌先を肉襞に這わせた。
「……いやらしい……いやらしい……。
 そして、なんていやらしいんだ、誠さんのここは……!」
「健太郎くん、そんな、優しく……されるとだめ、ゾクゾクして……。
 ……でも、こうい……にも出来るんだ……」
「誠さんが激しいのがお好きなら……んズズッ……」
吸い出したクリトリスの根元を陰鞘を分け隔てるようにして前歯で甘噛みし、
剥き出しの先端部をべろべろに嘗め廻した。
割かしこれが出会い頭の不意打ちに対する、一種の意趣返しのように思えて僕は懸命に刺激を加え続けた。
甘噛みの硬質な物に挟まれている感触に気付いてか、
後ろ手に僕の頭を抑える誠さんの腕に力はこもっていなかった。

193 :
「やだっ、あ……、ひっ……ちょ、ちょっと待って!
 ……あの!健太郎くん!?ひとつだけお願いが……」
「なんへしょうは?」
「そ、そこは……ま、前はだめなの……絶対」
「……?」
誠さんは、そんな事で自分の操を立てているつもりなのだろうか?
そもそも無理矢理僕のものをしゃぶっておいて言うことではないだろう。
「言っている意味が分かりません、今の僕にはね」
怖じけづく彼女の尻を引き上げて、腰をあてがう。
「だから、ボクの……コには入れないでほしいの……」
「よく聞こえませんでした」
そう軽く受け流しながら、勃ちきったままの雄蘂で誠さんのメシベのへりを撫で回す。
肉の筆使いに誠さんはたまらず身をよじって抵抗をしたが、最初に僕を襲った時のような力強さはなかった。
ふふっ、この人、感じてしまって力が入らないんだ……。
「ちょあぁあ!?だ、だめったら!あ、んッ!さっ、先っぽどこに当て、てぇッ……!?」
僕は逃げようとする誠さんの腰骨の辺りをしっかり掴んで自らの腰にあてがい続ける。
「クリトリスです。ちなみに厳密に言えば亀頭の鈴口をクリトリスに当てています。
 ほら、見てください。まるで誠さんの小さなおマメが食べられそうになってますよ」
「ボクの話を聞いぃっ、聞き、くんはっ、だっ!そこグ、リグリするの、だめっ!」
そんな誠さんの言葉の抵抗は、肉欲の抵抗に比例しなかった。
濡れなずんだ膣口は容易に僕の切っ先を受け入れる。
「よっ……く、アッ……」
僕の肉竿が誠さんのナカへ埋まっていった瞬間、
まるで……体のその一部分だけが極上の湯に浸かっているかのような錯覚を覚えた。
「ンっ!ハッ、入っ……ちゃ、ン……たッ!?」
「そうです、頭の先が入りましたよ……ッハァ、さて……、これからどうしまよう」
「駄目ッ、健太郎くんはやく抜いっ、今すぐ、それを抜く、……んだっ!」
「ええ、えぇ……分かりました。
 この中で思う存分抜かせてもらいます!」
「ちっ!?違うったら!だ、だえっ!はひっ!?んぁんッ……!
 いきなっ……動いッ、ちゃッらめッ、……んッフゥンっ!」

194 :
誠さんの制止はあるものの、それをさえぎって僕の身体は躍動を始めた。
雄と雌を繋ぐ茎が見え隠れし、雌の分泌液を搦め捕り、
一瞬限りの粘糸の吊橋を繰り返し繰り返し架け続ける。
「よく引き締まった、クッ……!誠さんの体と同じように、なんて食いつきのいい穴だ……!
「んひゃぁぁっ!んっ、ぐっ、ッハッ!や、やめるんだっ!」
「ふッ、何をいまさら……!」
この女もブラスティアや、フレアと同じ。
口ではいやだいやだと言っているが、カラダはしっかり喜んでいるじゃないか。
どうして素直に身を快楽に委ねようとしないのだろう。
「誠さん?もう少しおとなしくしてくれないと腰を取りにくくて……んッ……
 いい加減観念して素直にき……へッ!?ンぉッ、ぐぎィィッ!!!」
突然、僕は太ももをありえない力で思い切りつねられてペニスを引き抜いてもんどりうってしまった。
「たっ!ッタタタタタッ!何をするんですか誠さん!は、離して下さいっ!」
全身を突っ走る激痛に、僕はベッドから転げ落ちそうになるほど飛び退いたが、
それに誠さんはしつこく食い下がり、万力のような力で肉を挟む指を決して離そうとしない。
「はぁ……はぁ……はぁ……。
 ちょぉ……とぉ?年長者の言葉はちゃんと聞く?」
「聞く!聞く!聞きますから、ぉあっ……つッ!!」
「……本当?」
「本当!本当ですって……!
 くっ……、や、やっと離してくれ……はぁっ、はぁっ……わ……真っ赤になってるし……」
僕は腫れ上がった太ももをさすり患部に息を吹きかけるが、ひりついた痛みは全く遠のかない……。
なんて怪力なんだ……。
「はぁ……、お願いした私がいけないのかも知れないけど
 まるでレイプされてるみたいだったから……」
「で、でもどうして感じている自分に嘘をついてまで止めさせるんですか?」
「かっ、感じてなんかいないよっ!」
「感じてない……?ふーん……」
猜疑心の固まりのような視線を冷ややかに送りながら僕は言葉を繋いだ。
「じゃぁ教えて下さい。僕にどうしろっていうんですか?」
すると、寸前まで僕を不機嫌そうににらみつけていた誠さんは途端にしどろもどろになる。

195 :
「そっ、それはさっき言った、じゃないか……。
 ままま、前、はダメ、だって……」
「あまりよく聞こえませんでしたが『前』は『ダメ』なんですね。
 それで、僕にどうしろと?」
「あっ……、それは……ろの……なら使っても……いいって……」
「また聞こえません。ちゃんとした名称と、それを僕にどうしてほしいのかしっかり説明して下さい」
「おっ、おし…………ぅ……」
「言えないんですか?
 それじゃあ僕は必要ないようなので、シーツの交換だけして失礼します。
 一応約束どおり、今の事は秘密にしておきますけど……」
呆れ果てたように僕はベッドを降りようとした。
が、上着の裾に誠さんの指先が絡んで僕は引き留められてしまった。
「必要なの」
「はい?」
「たぶん、健太郎くんとしないと楽になれそうに、ないから……」
「何ですかそれ……?」
「え?あっ、い、いまのは気にしないで!あ、あははははっ!」
「で、僕のコイツがどう必要なんですか?もう聞き返しはしませんよ?」
「あ……んと、ボクの……お尻の穴に入れてほしい、の」
誠さんは言葉の合間に息を飲んで、そう答えた。
「お尻の穴に何を、ですか?」
「その、おちん……ちんを…入れて、ほしい……」
誠さんは恥ずかしげに僕と、男根を交互に見つめながら、途切れ途切れに答えた。
「続けて?」
「ボクの、お尻の、穴に健太郎くんの、……おちんちんを入れてほしい……んです……」
まぁ、妙なとこだけ奥手そうな女にしてはよく言えたほうだと思う。

196 :
対して僕はごく簡単に答えた。
「いやです」
「ええっ!?なんでっ!?ちゃんとボクはお願いしたじゃないか!」
「どんなに誠さんから頼まれようが、僕がハイそうですか、と
 素直に誠さんの汚物の出口に自分のペニスをつっこまなきゃいけなくなる道理はありません。
 ついでに言わせてもらえば行きずりの男にアナルファックをせがむなんてとんだ変態なんですね。
 前では感じないと言って、後ろにお願いしますなんて普通言いませんよ?」
「じっ!自分で言わせたくせにヒドイよっ!」
「ふふっ……でもまぁ、ちょっと反則気味ですが双方の折り合いをつける方法がないわけでもありません」
「……え?」
「今から僕の言うことを聞いて下さい。後ろを向いて……」
「言うことって……まさか!?」
「ん……?早く言うとおりにしてください」
「やば……すっごく……不安なんだけど……」
浮かない表情をしながらも誠さんは僕に背を向けた。
(これは内偵に目をつけられるような悪用、じゃないよな……本人も同意の上だ……)
僕は自らの鳩尾に五本の指先を突き入れ、フォーチュンテラーとなり、
誠さんに向けてある言霊を取り憑かせた。
「誠さんは僕の体に触れている間、その目で確かめない限りアナルを性器と思い込む」
「健太郎くん!?
 そんな目茶苦茶なこと……!」
「そして、力ある言葉を記憶に止める事はない」
「は……え、あれ……?」
「さぁて、誠さんのたっての願いを聞いてあげましょうか……。
 まずはよく慣らして……」
「アは……ッくゥ……」
……………………。

197 :
それから先……僕は従順な放楽にわずかな物足りなさを感じていたのは事実だった。
過去、子供の時分にスーパーヒーローを捕らえてから痛め付ける時も
相手が反抗をやめて自らを望むようになると、途端に僕は「冷めて」しまっていた。
それと似たような思いが僕の頭の片隅にあるにはあったが、秘事を最後まで安穏に遂げれる状況から、
心から集中して自分の悦楽に身をゆだねる事ができたのもまた事実だった。
「いきますよ」
獣のようにベッドに手足をつく誠さんの背後から声を掛ける。
「う、うん……」
「今度は誠さんの言う通りにしますから、これでもう変な真似はしないで下さいね?」
僕はお互いの踵に並べるように、誠さんの足を自分の足に絡み付かせる。
なぞり合った誠さんの二之脚からはおよそ女性とは掛け離れた輪郭がするりと伝わる。
しかし、連峰のような外郭とは裏腹に、信じられないほど柔らかな弾力もまた伝わり
それがやはり一個の女のものであるということを身に染み込ませる。
足元で堪能する女らしさは、そのまま突き上げられた豊かな尻縁へと収束しており、
肉で束ねられた豊満な柔のシンボルを僕は視線と手のひらで存分に愛で続けた。
やがて僕は雄の剛のシンボル、激しく偏重した血液の固まりを誠さんの不貞の穴口へとあてがい……。
「う……入っ……て……くっ!?ぁ……うひぁっ!?」
血矢を番えられた弓が、誠さんの背が後ろにしなる。
「すごッ……太ィ……のが、奥まで……!」
挿入に備えて寝具をひしと掴んでいた手が甘い吐息とともにゆっくりと開かれてゆく。
それとともに僕はたわわな尻を揉みしだきながらゆっくり腰を揺らし始めた。
「健太郎くんッ!?お、思ったんだけど……ちょっといい?」
「何ですか?」
「やっぱり、こっ、これ……ほ、ほんとにお尻ぃ!?」
「もちろんです。正真正銘、誠さんが僕に犯されたくてたまらなかったというアナルですよ?」
「そ、そんな言い方って……ッ、アぐゥッ!」

198 :
「ふふ、僕のイチモツを大事そうに抱え込んでくれていますよ。動きますね?」
「ひっ!?ぃ……あっ、え、これっ!何か変だよぉっ!ボクのあそこがッ!?えなっ!?
 何か、いつもより、すごく感じやすくなって……あは、ゥ……」
「いつも?いつも旦那さんのチンポをここにぶち込まれて喘いでいるんですか?すごいなぁ」
「いッ、ち違、そんな事っ、よ、よよ、余計なッ!ぐァッ!いっ……、いっ、ぁいいっ、んっ!
 だけど、こんなにお、お尻なのに、こんなに気持ち良い、の、なんっでっ……!?ァクァァッ!
 うひぁ!?健太郎くん、それ、突きながらお尻揉むの、何かやらしくて、だめえっ……!」
「はは、本当にケツの穴が好きなんですね?
 今のこの卑猥な穴の具合を教えてあげたいですよ。
 ついでです、アソコにも指入れますから存分に乱れて下さい」
「だめっ、前、前はダメぇぇェェっ!」
「他は絶対に入れませんから、指ならいいじゃないですか。
 可愛いもんですよ、ほら……物欲しそうに潤んでますよ」
そう僕は言ったが、実際その穴口は全く潤んでおらず、
僕は自分の指を誠さんになめさせ、挿入に備える。
「んぶフぅッ!?ん、ばッ!はぁっ!ング!んぁっ、アッ、ア……ヒッ……!
 ……ッ!?おしりひぃ!お尻なのにオマンコみたいに感じるぅ!!
 いいよう!気持ち良いよう!健太郎くんのおちんちんでお尻気持ち良いよぉぉっ!
 指もぉぉ!いれ、入れて!入れてぇぇ!前も後ろも、ぐじゅぐじゅにかき回してぇぇっ!」
「入れる前に狂ってたら世話が無いですね。まぁいいでしょう、どれ……」
誠さんの唾液で湿らした指を、アナルの上へと滑らせる。
そして、自分の腰の動きに合わせ、ぷっくりと気持ち膨らんだ菊門を指の腹で何度もへしゃいだ。
「くあぁッ!?ちょっ、あ、遊ばないでぇぇっ!」
「それじゃ真剣に」
ちょっとしたイタズラ心をたしなめられ、
仕方なしに僕はさらなるイタズラ心を以て、一気に人差し指を根元まで突き入れた。

199 :
「ひぁっ!?ひっ!んひぁぁぁァァァ!!!」
その刺激が甲高い嬌声を上げさせ、僕の鼓膜と愉悦をくすぐる。
同時にツプツプと程よい締め付けの感覚が、立て付けの狭い尻穴に抜き差しする僕の指に伝わった。
「うっわ……この感触、ここ……、相当男好きするでしょう……?
 旦那さんも大変ですね……」
想像していなかった触感に、ついこちらの穴でも良かったのでは、という思いすら僕の中に生まれていた。
そのまま僕は人差し指に加えて中指をも誠さんのアナルに潜り込ませ、
自分のカリ首を隣接する穴越しに刺激するかのように指を折り曲げつつ、肉壁を揉みしだいた。
「なハッ!?や、やめてッ!中で、クリクリしちゃ……!
 だめっ……、もうだめっ……私は、いくぅ必要な……のにぃ、イクのぉ……!
 くハッ……はぁ……いくぅ、後ろッ、イクぅ……い、はっ……イカ、されちゃよぉぉぉッ!」
誠さんは体を支えるように立てていた肘を横向きに倒してしまい、
豊かな乳房がベッドと体の板挟みで潰れてそうになっている。
「はっ、だらしないですね。んグッ……ま、構わないですから、無理に堪えずお先にどうぞ?」
口淫で自分が先に果てたことなどすっかり棚に上げて、僕は律動を速めながら誠さんに達しを促した。
すると許しを得た途端に誠さんの伸びきった両手はシーツを握り締め、絶頂を迎えた―――
そして僕も、しばらくの後、猛りの白痰を絶頂の余韻に浸る誠さんの背中に吐き散らした―――

200 :
「ふぅ……」
情炎の熱がようやく収まった医務室で、僕は思い返すように言った。
「とんだ『初めて』でしたよ」
「えっ?あぁ、健太郎くんやっぱり後ろでなんてしたことなかった?」
そう尋ねかえす誠さんはまるで憑き物の取れたような清々しい顔をしていた。
その艶やかな表情を眺めていると誠さんは本当に体調が悪く、それが性交を通じて癒えたようにも思えた。
「まぁその、誠さんの言う通りなんですが、後ろというか……」
「…………ん?
 ……って、ええッ!?」
「貞操観念の無さそうな誠さんには大した意味はないんでしょう」
「そういうわけじゃないんだけど……。
 でも……そ、そうだった、んだ……そっ、そっか……あっ、じゃないと審査通らないし……」
「はい?」
「あ、いやっ、でっ、でも前は未遂だし!だけどそんな簡単なことじゃな、あー!
 そっ、そのっ!と、とにかく!ごめんなさい!」
「いいえ別に僕も……ん?」
突然、廊下から誰かが医務室へと向かってくる気配がした。
「……誰か通る。誠さん、とりあえず一旦……」
「あ、うん……!」
誠さんが布団を被る横で僕は急いで身繕いを整え、部屋の窓を開けて平静を装う。
すると、こちらへ向かっていた足音は僕らのいる部屋の前を通り過ぎず……。

201 :
「……ティアー!」
「ッ!?」
医務室のドアが壊れんばかりの勢いで開け放たれると、
癖の強い赤毛の、いかにも敏捷そうな女が何事かわめき散らしながら部屋へと飛び込んできた。
「ブラスティア、助けてくれミャア!ジョイの奴が……あれ……ミャ?」
赤毛の女は下ろし立てで硬そうな黒レザーのロングスカートを大股に張り付かせ、
荒い息を吐きながら肩口までの袖シャツで露出した肩を上下させている。
「ちょ……ベ、ベルってば…………」
「んミャ?あれれ、お前は誰だミャア?ここで何してるんだミャア?」
「僕は……ただ誠さんの看病をしていただけです、が……。それよりも今、キミたしかに……」
そう赤毛の女性に説明しながら、僕の首は相手とは全く別の、ベッドの方向へと自然に向いてゆく。
そのベッドの上で誠さんは口を大きくまん丸にして、目だけを二の腕で覆っている。
僕はと言えば、事態をすぐに飲み込めず、キツネにつままれたように呆然と立っているだけだった。
「あ、確かお前は……。
 ……あ、ああぁぁぁ……ミ、ミャァァ……」
医務室に入ってきたベルという女が自ら犯した過ちにようやく誰よりも遅く気付いたことはさておき。
事態を飲み込めないというだけで現状を看過するわけにもいかず、僕は誠さんに声を掛けてみた。
「誠さん……?……誠さん?」
「…………」
「……誠、さん?」
しかし誠さんはベッドの上で塞ぎ込んだまま返事をしない。
それで仕方なく……、僕は改めて尋ねかけた。
「ブラス、ティア……?」
「…………はい」
ようやく、かぼそい返事が返ってきた……。

202 :
久々に乙です!!

203 :
山あいの硬質なトンネルを抜けると、夏の正気に溢れる深緑が広がっていた。
「そろそろホームも見えてくる頃かしらね?」
同意を促したその一言は、返事を取れずに宙ぶらりんの独り言になってしまった。
普段から人懐っこく話題を振ってくる同乗者は明子に相槌を打たなかったが、
今、突然路肩に車を停められたことにも口を挟まなかった。
ひまわりホームまであともう10分ほどで帰り着く所で、車は立ち往生した。
隣の座席で、一人の孤児の巣立ちを見守り続けた先生が大粒の涙をこぼし始めてしまっていたのだ。
「すみません……すみません、理事長さん……。
 こんなの、私もう慣れっこのつもりなんですけど……」
「子供の手前、我慢してたんでしょう?」
「えぇ……送り出す子の前じゃ絶対に、あんな時、こんな、見せないんですけど……」
「うん、律っちゃん偉いわね」
「あの子は私の言うことはきちんと聞いてくれてましたし、お行儀も良くて、
 周りの、自分より小さい子の面倒だってよく見てくれていて……。
 自慢じゃないですけど……いえ、正直に言うといっぱい自慢したかったんです。
 この子は本当にいい子なんですよって。
 だから新しくお世話になるおうちの人に、もっとたくさん、そういうことを……。
 まだまだ話しておきたかっなって……それで、その、そういう……」

204 :
「色んな良い所を思い出してるうち。に?」
「そ…………ですぅ……、ぐすっ……」
律子は差し出された明子のハンカチを
手のひらを向けて丁寧に断り、自分の物を取り出して顔を拭った。
「ふふ、どうみてもそれじゃ足りそうにないわ。
 これここに置いとくから……」
明子は差し出したハンカチをダッシュボードの上に置き、律子の肩を優しく包む。
「いえ……すみません、まだ、持って来てますから……」
律子はハンカチだらけのバックを広げてみせた。
「まぁ、用意のいいこと」
中身のハンカチの多さに呆れてみせるか一瞬だけ明子は迷ったが、すぐに苦笑交じりの微笑をしてみせた。
それでいつも母親役に徹している律子の緊張の糸は切れてしまったようで、
えへへと泣き笑いしたかと思うとぐいっと明子の腕に頬を預け、再びすがるように泣き始めた。
「あらあら……」
律子は自身と四十余り年の離れた両親に迎えられ、孫娘として可愛がられていた。
そのため、律子が自分と年の近い娘のいる明子のことを
無意識のうちに母親のように思っていたのも不思議ではなかった。
実の娘に人生の伴侶を得られたことで甘えられる機会の減った明子にもそれに似た心境は少なからずあった。
「ごめんなさい、理事長さん、明子さん……もう少し、だけ……」
「……ええ、好きなだけ」
そうして、緩やかに流れる束の間の一時を明子は夏の虫と、少女の泣く声と共に過ごした。

205 :
しかし、その悠長な時の流れは唐突にして加速した。
明子の超人的な感覚が何かを捉えたのだ。
その一瞬後には山から大量の鳥類が飛び立ち、樹木が大地を殴り、
無数の枝木が剥き身を晒してゆく様子がありありと明子の脳裏に浮かんでいく。
「近い……!」
「えっ何が、アッ!?」
何も気づかないままの律子を明子は手刀で眠らせた。
「――――フォルティア!」
飛び出すように車を降りた明子が高らかに約束の言葉を叫ぶと
明子の、齢を重ねても尚むっちりとしたボディは、たちまちタイトなコスチュームに包まれる。
その瞬間から明子は、ごく普通の人間としての明子ではなくなる。
今の彼女は、生涯を最強無比の力の追求に捧げた男によって造り上げられたオフビート、
その名も――――ブラスタークィーンへと変身したのだ。
変身を終え、ブラスタークィーンは異常を発見した地点へと高速で飛行しながら
自分の胸騒ぎを改めてなぞりかえすように呟いた。
「今の切断音は、まさかね……」
ブラスタークィーンは轟きに先行した、ほんのわずかな一閃の響きに確かな聞き覚えがあった――――
>>202 お久しぶりでした(><)ゝ

206 :
ダウンロードサイトの
月間ランキング巡回してみた感じ
サンクラ結構売れたっぽいね

207 :
ツヅキマダー?

208 :
音速を越えた剣撃によって発生したソニックブームが明子の胸に、遠方彼方からズキズキと突き刺さる。
ブラスタークイーンが駆けつけている間にも、戦闘は二合、三合と斬り結びながら続いていた。
彼方から発せられるそれらの衝撃波を幾度も感じる事で、
ブラスタークイーンの内に混在していた疑念は徐々に晴れていった。
オフビート同士が戦っている、そしてその片方はかつての盟友クイックブレイドに違いないと。
しかし、三合目から先、衝撃波は鳴り響くことはなかった。
最初のソニックブームが発生したと思われる場所からは真っ黒な狼煙がのぼっているのが見える。
「ッ……気配が読めなくなったわ……、完全にゲリラ戦に移行したようね。
 これじゃ手助けしようにも迂闊に割り込めないわ……」
オフビート能力者が息をひそめ合う深緑の傘の群れの間からは
気配無き気配の凌ぎ合いが今にも激しい紫電となって弾け飛ぶようにも思われた。
ブラスタークイーンはそんな緊張感を孕んだ木々の群れを横目にしつつ、空にたなびく黒煙の元へと降下する。
あたりには人間の悲鳴のように「ギャアギャア」とやかましく鳴きたてる夏蝉の合奏が辺りを包んでいた。

209 :
「ッ!? こ……これはッ!?」
整備の手を離れ人気のない旧道の上に降り立ったブラスタークイーンはそこで信じがたい物を目にした。
轟々と燃え盛る炎が鼻をつくガソリンの匂いを辺りに撒き散らしながら旧道の真ん中を完全に塞いでいる。
スス焼けた火元の塊は、まるで巨人が両手で車を余さず包み込みながら握り潰したような廃車だった。
しかし、そこにはガラスの破片一つとして散らばっていない……。
その鉄の塊はものの見事に、まるで全ての部品が溶解してしまったように圧縮され、握り潰されているのだ。
「……一体、どんな方法でこんな事を……」
ブラスタークイーンは思案に暮れた。
「だけどとりあえず……
 クイックブレイドに会うより先にこの火が燃え移らないように消しておかないと……」
ブラスタークイーンは急いで付近にあった大岩を炎の上へと運び、魔法で大岩を木っ端微塵に打ち砕いた。
降り注ぐ土砂が炎を覆い尽くし、火の手は完全に静まった。

210 :
「……ふぅ、ストーンメイスンの真似事みたいなことしちゃったわね」
ストーンメイスンとは岩石を自在に操れるオフビート能力者である。
現在はもう多くの人から惜しまれながら閉館してしまった渋谷の文化街ホールだが、
その映画館前に突如として現われた環境保護団体ナチュラルロウの最高議会議長がストーンメイスンだった。
「ラピッドファイヤ、ウォーターレイス、バーンストーム……」
気付けばブラスタークイーンの口からはナチュラルロウの他のメンバー達、凶悪オフビート達の名が出ていた。
彼らナチュラルロウは闇の闘技場ダーク・アリーナと深い関わりを持っていたため、その団体自体は
おそらく当時ミルク・クラウンから何等かの制裁を加えられて世間に姿を現わした急造の団体だったと言える。
(ナチュラルロウの掲げたのは地水火風の四元素。それは五行思想に比べれば金が抜けている。
 もしも金にちなんだオフビート能力者がナチュラル・ロウに加わってなら、一体どんなオフビートが……)
「まさかね……」
ブラスタークイーンは濛々と黒煙を染み出させ始めた土砂、その山の下に埋まっている物へと視線を向けた。
「……それにしても、てこずってるわね……クイックブレイド……」
未だ夏蝉の鳴きやまぬ森林の内の静かな闘争は行われている。
ブラスタークイーンは唇を噛みしめて気を探り続けた……

211 :
さかのぼること数分前―――
もし世の中にオフビートという者達の存在が知られていなかったとすれば
その時彼の身に降りかかった出来事は実に現実離れしていた。
突然、走行中の車のあらゆる部品が生き物のようにうごめき、
前方だけを注視していた彼、ひまわりホーム園長の体を拘束し、急ブレーキを踏ませたのだ。
もし世の中のオフビートという者達のうちの一人に彼、園長が数え上げられていなければ
その時点で彼、クイックブレイドは囚われの身になっていただろう。
「チッ……!」
舌打ちした園長の上着の袖口から勢いよく飛び出した白刃の帯が
体に巻き付いたシートやハンドルを切り裂き、千切れたパーツを刃腹で跳ね飛ばす。
車内から相手の姿を視認できていなかったが、感覚のみを頼りに狙いが絞れないまま斬りつけた。

212 :
その一撃目は若干の誤差は生じたものの、足の腱を斬る音速を越えた一太刀。
さらに身動きの取りづらい車内を飛び出した直後に放った大振りの二撃目は遥か先の木々をもなぎ倒し、
背中を向けて山道の外れへ逃げようとするローブ姿の男の足首を跳ね飛ばさんとした一太刀。
逃げた男を追いかけて森の中に入ってからの三撃目はヒザごと。
だが、クイックブレイドに襲いかかったオフビートはその全てを小気味よい刃競りの音を弾かせていなした。
さらに、三度目に斬り結んで以降は、敵の気配をはたと見失ってしまった。
しかし、だからといってクイックブレイドには敵が尻をまくって逃げ出したとは考えるほど落ちてはいない。
……クイックブレイドは、どうやら戦況がこちらに分が悪いようだと感じ始めていた。
敵は息を潜めてこちらの様子を窺っている……
「ふん、しつこいな……!」
茶けたカーキのベストにグレーのスラックス、およそ山歩きの格好とは掛け離れた服装に
今や伸び放題の白髪をべったりと後ろに流したクイックブレイドは唇を尖らせてうなった。
すると、木漏れ日に乗ってクイックブレイドの元へどこからともなく声音が届く……
「しつこいも何も、どうかその物騒な矛を収めて頂けませんか?
 ストーリーテラー亡き今、貴重な証人であるあなたにはおとなしく捕まって頂きたいのですが……」
「君こそ草葉の陰なんぞに隠れてないでおとなしく出てきたらどうなんだ!?」
イバラのようにクイックブレイドの周囲に巡らされた剣樹の枝が、主人の怒号を受けて震える。
有機的に背を延ばす樹木の間に佇む、無機質なまでに鋭角に広がる白棘の囲いは危ういながらも美しかった。
それら無数の切っ先はクイックブレイドが手を振りかざせば瞬時に敵を囲うだろう。

213 :
しかし、相手はクイックブレイドの名実の入り交じった剣幕に怯まず、平然と間延びした口調で答える。
「フフフ……『草葉の陰』とはひどいなぁ……
 それって『見つけられない隠れ場所』という意味じゃなくて『墓の下』って意味の言葉ですよ?
 フフフ……全く、ひどいなぁ……気持ちは分かるけど……フフフ……
 盗っ人猛々しい……よく言ったものですね……」
「簡単に私達を盗っ人呼ばわりしないでもらえるか?それこそ心外だっ!」
「おやおや? あなたは阿部正弘と結託して我々の大切な宝を盗んだじゃないですか?
 それが事実じゃないですか……」
「違う! 違うぞ! 断じて盗んだなどと言うのは許せん!」
「へぇ……なら、どうして我々から逃げるんですか?
 それに、あなたや阿部正弘のオフビート能力のオリジンは、盗んだものからさらに盗んだだけでしょう?
 さらにその盗品の盗品を使って、随分多くの悪事を働いたようですね……?」
「過去の悪事への加担は、学業一徹の考古学者だった私達の意志の低さにある。
 オフビート能力に対する認識が甘かった事、それが原因だ……
 君の言う通り、取り返しのつかない事をしてきたのは事実だ。
 しかし、君達の言い分を全て受け入れることはできない。
 私はクイックブレイドになったのではない、彼女がクイックブレイドにしたのだ。
 私のオフビート能力は君達の呪縛から解かれたかった彼女自身の意志だ!」
「盗人にも三分の理ですね、物は言いようですが……十分ではないですね」
「また、愚かなことを言ってくれたな……
 君は我々が逃がした彼女に対しての冒涜が、ことさら好きなようだな!」

214 :
こっからだいぶオリキャラ、オリ設定が鼻につき始めるかもしれませんが、ご容赦を…orz
この次は、ママンのアレまでいく予定です。
それが終わったら「誰誰を○○してよ」というリクを受けてみたいです…
それにしても、やーな天気な週末ですねい。

215 :
「それで、その彼女とやらは今どのように?」
園長の怒声を躱すように突き付けられたその質問は風に流されたように消え、あたりに沈黙が流れる。
「…………これ以上関わらないでくれ、と言っても君達バビリムラビンにしてみれば無理な話だろうな……」
「ええ……それはどうやらこちらにしても同じ。あなたを口で諭すことは無理のようですね……
 手荒い真似は……ふふっ……止められてるんですけどね……」
「……戦ってもらおうか。
 もう私は狙い所を甘くなどしないぞ……」
「あなたから願い出てくれるとは光栄ですね。老いさらばえたとは言え、
 多くの世人を土くれに変えたクイックブレイドとは真っ向からやり合ってみたかったので……」
「……ッ!?」
クイックブレイドが抜き身の気を感じた時には
それまで風景に溶け込んでいたとでもいうように、斜め正面方向からローブ姿の男が歩を進めていた。
(出て、来たな――――)
敵との距離は伸ばした腕の先の親指に相手の姿がすっぽり隠れるほどの距離。
クイックブレイドは剣華を仕舞い、相手と同じように間合いを詰める。
相手は頭から被っていたローブをパサと後ろへ垂らすと彫りの深い顔立ちがあらわになった。
剃り上げた赤銅色の坊主頭を、青銅色の楔の彫り文字がビッシリ覆いかけている。
顔の下半分をマスクで隠してはいるが、老齢のクイックブレイドに淡々と口を開いていたとは思えないほど……
(若い……、健太郎や律子と年の頃は同じくらいだろうか……)
最も、クイックブレイドは健太郎とはもう何年も顔を会わせてはいなかったが……
クイックブレイドが昔日の感傷に浸ったのは一瞬、直後には敵の外見上の印象を頭から切り捨てた。

216 :
(バビリムラビンに与する者がこの土地にいるということは、健太郎は戻ってきているのだろうか……
 そして当然、彼らはそのオガサワラより釈放されたストーリーテラーの一粒種に気付いているのだろう……
 急がなければ……ここで自分が倒れることは、断じて許されない……
 ……いや、そんな余計な雑念すら今は、無用……!)
クイックブレイドは、私情を全て捨て、無為自然の忘形を取り、一歩、また一歩と生い茂る草木を踏み分ける。
何物も厭わず―――― 何物にも怯まずに―――― 何物からも阻まれない――――
敵との距離を詰めながらクイックブレイドは全くの別人へと変貌を遂げてゆく。
それはクイックブレイドとして過ごした日々を過ちと悔い、恥じ入る園長をも振り払う。
見る者に憂き目を感じさせていた眼光は反対に、覗き込む者に憂き目を与えんとする眼光へと色を変える。
そのちらりとも揺れない眼光で敵を捉えたまま歩くクイックブレイドは、静かに言い放った。
「君にひとつだけ言っておく。
 残念だがオフビートとしての私は、人に誇れるようなスーパーヒーローだった事などない」
クイックブレイドの変貌はここに完了した。
今この場に現われたのは、過去、ブラザーフット・オブ・ブレイズに名を連ねたクイックブレイドそのもの。
かつてメイガスが生ける懐刀として忍ばせた『業物』クイックブレイド。
言わば尽くせぬ彼の負の素性ではあったが、それらを収束させて形容できる言葉はただ一つ。彼は――――
ただのシリアル・キラーである。

217 :
「ッ…………!?」
その気迫に押されて相対するオフビートの歩調が僅かながら乱れる。
しかし、クイックブレイドの歩調は変わらない。
宝玉の力を借りれば次元すら切り裂くクイックブレイドの刀刃は、近距離において最速を誇る。
宝玉なくしても魔術師メイガスより預かり受けた特別製の得物が繰り出すクイックブレイド最高最速の一撃は
流体であろうと気体であろうと、はたまた魔法であろうと、その一切を切り伏せてしまう。
……一歩、また一歩と、引き返す道を捨て去った二人のオフビートが詰めよる。
先に動いたのはクイックブレイドだった。
「ころりと落ちろ、その首」
過去への償いにと孤児院の園長を務めたとは微塵も思えない、感情の起伏を欠いた言葉が発せられる。
クイックブレイドの手元から伸びかけた防ぐ手立てのない偏平の銀光が木漏れ日を切り裂く。

218 :
「遅い……遅すぎる……」
ブラスタークイーンは答えの出ない問題に頭を悩ませていた。
吉と出るか、凶と出るか、クイックブレイドの元へ駆けつけるかどうか。
その答えはブラスタークイーン自身が一歩も動いていないこと、
それがそのまま回答として表われているのかもしれない。
今の状況下で連携を欠いた闇雲な援護を行なうのは、ただのカカシとして戦場に突っ込んで行くようなもの。
「クイックブレイドのほうから遮蔽物の多い場所へ誘い込んだのかしら?
 もしそうだとすれば尚更動くわけにもいかないわ。
 フッ、敵の援護を少しでも寄せ付けない戦い方が身に染み付いてるなんて笑ってしまうわね。
 だけど……私がすぐ近くにいたなんて、今回ばかりはそれが裏目に出てるわよ、クイックブレイド……」
そう言ってブラスタークイーンは、旧道の外れの山野へ降りてゆく。
ブラスタークイーンはクイックブレイドにとって幸運を拒む状況が作り出されている事を『不吉』と考えて、
踏みとどめてしまっていた足を戦いの場へ延ばすことにしたのだ。
もちろん、細心の注意を払いながら。

219 :
「ここに……昔みたいにあの人がいてくれたら、
 クイックブレイドと連携を取りつつ真っ向から加勢できているのに……」
なんとも言いがたい歯がゆさについ、ブラスタークイーンは一人の人物に思いを馳せる。
もしもその言葉を、聞く者が聞けば「何をバカなことを!」と一様に異を唱えていることだろう。
メイガス……その名を知らぬ者は多く、かつ、その名を知る者の多くは尋常ならざるを遂げている。
しかし、実際その人物、ブラザーフッドオブブレイズを束ね上げていたメイガスの魔術は
強力無比な追い風となって彼の配下のオフビート達の能力を最大限に引き出していた。
「いけないわね……あの人はもういないのに……
 どうして私はいつまでも……」
(――――ッ!?)
瞬間、ブラスタークイーンは何かを察知した。
何かが、自分に向かって迫っていると。
それが爆薬か、それとも毒を盛った何かか、まるで定かでない。
防ぐべきか、かわすべきか。
それとも掴むべきか、弾くべきか、粉砕すべきか。
だがその飛来物は、それらの決断をじっくり確認し検討できる余裕など消し飛ぶ程の速さで向かってきている。
しかし、研ぎ澄まされたブラスタークイーンの感覚は驚異的な反応を示していた。
かろうじてそれが体に届く直前に、横一線の鋭利な刃が自分の目線めがけて
恐ろしい速さで向かってきていることをブラスタークイーンは察知した。
(――――フライング・ソーサー!?)
「ハッ!」
ブラスタークイーンが真上に蹴り上げた線刃は軌道をそらし、背後にあった背高な大木を射貫く。

220 :
凶刀の通過した空間にはなんと、くっきりと軌道が目に見える形で、白金の刀身が尾を引いていた。
「クイックブレイド!?」
ブラスタークイーンが驚きの声を上げると長く伸びきった刀身はたるみ、地上に白刃を横たえた。
「ハァ……、ハァ……、ヒヤリとさせられたわね……随分な挨拶じゃない?
 ……あなた、いつからこんな下らない冗談を覚えたの?」
まるで力を失った刀身の付け根の方向にむかって、ブラスタークイーンは皮肉を込めて言った。
「でも、この様子じゃ一応のケリはついたようね」
地に首を垂らしてクイックブレイドの元へとゆったりと収まってゆく刀身を眺めながら
ブラスタークイーンは言葉を続けた。
「全く……今の今までどこに行っていたの? ずっとみんなあなたの事を心配していたんだから……
 あぁ、それよりもあなたを襲ったオフビートはちゃんと無事なんでしょうね?
 もしケガをさせてしまったのならすぐに手当をして……んッ?」
収まってゆく刀身の先にあったU字型の刺股の根元に、アマランサスの紋をあしらったメイガスの銘が
蝋封のように打たれているのをブラスタークイーンは目に止めた。
「あら、刺股だなんて……あなたの刀でこんな形状の物は初めて見るわね……?
 それに……あの人の銘が、こんなところに……」
ブラスタークイーンはそのメイガスの蝋封に確かな見覚えはあったが、
それがクイックブレイドの刀に記されているのをこの時初めて知った。
そして、今となっては懐かしくもある印をブラスタークイーンはじっくり見ようと首を下げた。

221 :
乙乙

222 :
捕手

223 :
てす

224 :
すると刀身はブラスタークイーンの注視を浴びるように動きを止めた。
静止した刀身はダマスカス鋼のように濃淡の違う金属が折り重なり、美しくも荒々しい木目の波を湛えている。
その地金が突然波打ったかと思うと、碑銘が震えて太陽光を散らし、碑文が浮き上がる。
その碑文の内容にブラスタークイーンは我が目を疑わずにはいられなかった。
「『自分は、もう、お前達の元へ、戻ることは、ない』……? ど、どういう事なのッ!?」
即座にブラスタークイーンは刀身以外の姿を見せていないクイックブレイドの元へ駆け出そうとする。
しかしその瞬間、ブラスタークイーンの注視から外れた刀身が地面からひとりでに持ち上がり、
しゅるりとブラスタークイーンの首に巻きついた。
「なっ……!!」
そのままブラスタークイーンは引きずり降ろされるように地面に体を打ちつける。
「ぅアッ!?」
この瞬間、敵に対して容易に折ることのないブラスタークイーンの膝は簡単に地に横たえられた。
その要因はブラスタークイーンが完全に警戒を解いていた、という事も響いていたがそれ以上に、
彼女は自分の首の切れる心配をしたため、刀身の動きに合わせるように地に体を伏せねばならなかったためだ。
だが、そのブラスタークイーンのとった自衛行動は肩透かしを食らわされていた。

225 :
「グゥッ……ッ!? なぜ……!?」
刀身から、錠枷へと瞬時に形を変えた白金がぎりぎりとブラスタークイーンの首を締め上げている。
首枷の間に刹那もぐり混ませた細い指先がみるみるうちに赤く膨れ上がり頭部もまた同様に赤く染まっていく。
振動をブラスタークイーンは苦悶にあえいだ。
かすんでいく視界を下に落とせば、長く伸びた刀身までもが一繋ぎの鎖へと姿を変えていた。
信じ難いことに、その鎖はブラスタークイーンがどんなにもがこうとも、虚空にピンと張ったままビクともしない。
「どう……して……ッ!? ク、クイックブレイドの能力は……金属の展性と延性を操る能力のはず……
 ここまで顕著に金属の形質を変えることなんて……!? ぐぁ、ガッ……!」
そのブラスタークイーンの懐疑をかき乱すように鎖の一部が震動したかと思うと、
遅回しのテープのようにのっぺりとした低い声がそこから上がった。
「そ、う、で、しょ、う、か、?」
人声を発した一つの鎖が銀風船のように膨れ上がり、人型へと変化していく。
「ンッ……!?」
形をなしていく人型は両手で一本の棒を真横に持ち、鎖の上で綱渡りを行なっている風体で語り始めた。
「おそらく彼にだってこんなことは十分できるはずなのですが……。
 ふうむ……貴女は彼のお仲間と見受けましたが……彼のオフビート能力を誤解されているのですか?」
徐々に鉄人形の姿がはっきりしてくるにつれ、その声の質は向上していった。
「くッ! あなたは一体誰……!? 何者なの!?」

226 :
「おや……貴女はまだ御自分の立場をお分かりになっていないのですか。
 地に伏しながら、自分の素性を明かさずに物を尋ねるなど……」
人形が苛立ちまぎれに吐き出す言葉を遮り、ブラスタークイーンは叫んだ。
「私は……ブラスタークイーンよ!」
「ほう……? ブラスタークイーン、貴女はクイックブレイドと少しは違うようだ」
当然と言うべきかクイックブレイドの名が出たことに対し、ブラスタークイーンは血相を変えて食い下がった。
「クイックブレイドは、クイックブレイドはどうしたの!」
「ふ……尋ねる側はこちらですよ」
ブラスタークイーンに食い込んだ金属ベルトが一瞬、首がねじ切られんばかりにきつく締まった。
「グゥゥッッッッ!?」
それは、そうと思えばいつでも絞めせる、という人形からの警告でもだった。
「立ち上がりなさい、そして私の質問に答えて、いただけますね?」
張り詰めた鎖が、むせ返り咳き込むブラスタークイーンの体を乱暴に持ち上げる。
「ガハッ、ぐゥッ!? 私はク……クイックブレイドとは一昔前に仲間として戦っていた者よ!」
「くくく……よろしいでしょう。
 それでは話をスムーズに、あなたの疑問を一つずつ解消して差し上げましょう。
 貴女はクイックブレイドの仲間だという。
 そして、先程の反応からみて貴女はこの西洋魔術を織り込んで精錬したような合金とも、隕鉄ともつかない、
 怪しげかつ不可解な、しかし有用であるこの素材の製作者を知っておられるようだ。
 だがしかし、打たれた銘があることは知らなかった。
 それに彼のオフビート能力についても多少誤解している……」

227 :
ほしゅ

228 :
「んぐっ……! ご……誤解ですって!?」
「言葉どおりです、付け加えて言えば彼のオフビート能力はそんなチャチなものじゃないということ。
 しかし今はそんな事よりもクイックブレイドに対するあなたの認識のほうが重要ですね。
 彼と貴女がどの程度のお知り合いかどうかではありますが……彼は相当の秘密主義なのでしょうか……
 もしそうならば……喜ばしい……実に喜ばしい……口の堅い人間は厚く遇されるでしょう。
 おそらくクイックブレイドの英断が貴女方のこうむる悲しみを
 最小限に止めてくれることでしょう……彼に感謝の意を表しなさい……」
「私の質問にもッ……ンっ……! ちゃんと答えなさいっ!
 あ、あなたは何者なの!? クイックブレイドはどこにいるの……!?」
「私はあまり矢面に立たない者なのでご存じないでしょうが、
 一部の人間からはアキュパンクチュリスト(針灸師)と呼ばれています」
「なっ!?」
「おや……驚いているところをみると、どうやらご存じでしたか?」
オフビート関連書籍の翻訳を手掛け、数多のオフビート事件を知り抜いている明子は我が耳を疑った。
アキュパンクチュリストとは戦災で傷ついた傷病兵を独自のオフビート能力で回復させるという事以外は
何も明らかになっていない実態の掴めない謎のローカルヒーローだった。
「ええ、イラク南部でのあなたの人道的な活躍は知っているわ……
 その報道に間違いがなければ……こんな馬鹿な真似もしないことだってね! く……、失望したわ……」
そう吐き捨てしながらブラスタークイーンの胸の内にはある疑念が沸き起こった。

229 :
(こ、このオフビートは……)
園長の逮捕には自首、時効、寛大な情状酌量とともに付随した厳しい報道規制があったとはいえ、
ごく一部の情報筋には園長がクイックブレイドであるという事実は漏れていた。
そのごく一部の中には、かつてクイックブレイドに辛苦を舐めさせられたオフビート達も含まれていた。
現に、園長が失踪する前にはその内の何人かのオフビートが園長の前に現われては
改心したクイックブレイドに復讐心をがれたり、あるいは実力で説き伏されている。
そういった者達と同じようにブラスタークイーンはクイックブレイドを襲ったこのオフビートを
ブラザーフッドオブブレイズの一員として暗躍していた園長に恨みを持つオフビートだと思い込んでいた。
だが、ブラスタークイーンは少ないながらもアキュパンクチュリストの情報から
ブラザーフッドオブブレイズとの接点を見いだせなかった。
さらに、ブラスタークイーンはこのアキュパンクチュリストから復讐心とは全く異質な物を感じ取っていた。
(このオフビートは……単にクイックブレイドを逆恨みするオフビートではない!?)
「人道的だとか失望だとか……ふっ、どちらの解釈もご勝手になさって下さい。
 では次の質問に答えて差しあげましょうか」
アキュパンクチュリストはブラスタークイーンの瞳をのぞき込むようにゆっくりと言葉を続けた。
「貴女がおっしゃるクイックブレイドという不埒者は、にました」
「…………ッ!?」
一瞬のうちに見開かれた肉の目と細められた鉄の目が交錯し、
アキュパンクチュリストを名乗る鉄人形の口元からくぐもった笑いがこぼれる……。
「しました」
さらにアキュパンクチュリストを名乗る鉄人形のピエロは口の端を吊り上げたまま一言説明を加えた。

230 :
「嘘ね……」
「嘘ではありません。証拠もありますからね……。
 貴方の首に絡みついてるそれ、それは正真正銘、彼の形見なんですよ?
 いくら私でも自分自身に見覚えのない物まで形作ることは出来ませんからね、ほら……」
鉄人形は手にしていたバランス棒を手元で丸め込むと、それが不滅の象徴アマランサスのレリーフに変形した。
「くッ……!」
クイックブレイドの遺物を見せつける鉄人形を無視し、ブラスタークイーンは束縛から脱しようともがいた。
「抵抗しても無駄ですよ? もしや私よりも御存知なのかもしれませんが、
 彼から頂いたこの合金には一部にオフビート能力を制限させる働きがあるようでね?
 この耐久力、対魔力に優れた性能はなかなかどうして、オフビートの拘束に適して……」
「頂いた? 彼から掠め盗ったものなのでしょうに、ふざけないで!」
「ほう、掠め盗った、と? ……はははっ! いや、私を追いはぎ呼ばわりしないで欲しいですね。
 それは……心外、心外です。この私が盗っ人と呼ばれるのは非常に心外ですね。
 ふ……ふはははは! 私は、彼がこの世に捨てていった物を拾っただけなのですが? はははははっ!」
「グッ! 何がそんなにおかしいの!? アキュパンクチュリスト!」
「くくくっ、失礼。今のはこちら『だけ』の話ですよ。
 ですがブラスタークイーン、貴女のおっしゃる通りでもありますね。
 掠め盗ったと言われるいうことは、これは元々は彼の物でありまして……おや?
 おやおやおや? ブラスタークイーンは知らぬ間にようやく彼のの証拠を認めてくれていたのですね?」

231 :
「く……揚げ足を取り損ねてるわよアキュパンクチュリスト……!
 私が認めているのはその銘と、クイックブレイドが生きているということだけ!
 重箱の隅をつつくような真似をしてるとロクに人から好かれないわよ……」
「ふ……別に信じないのは勝手ですが……」
「あなたは最初、私に「彼にだって十分『できた』」とは答えなかった!
 おかしいでしょう?したばかりの相手を指しているのに『できる』と答えるのは」
「ふん……わずかな言葉のあやにすがりつけるとは大層おめでたい方です。
 それに人の揚げ足をとると嫌われてしまうのでは? ブラスタークイーン?」
「えぇ、あなたになら一向に嫌ってもらって構わないわね。
 ……それで、クイックブレイドをしたと吹聴するあなたは、私のこともそうというのね?」
「貴女をす? はっ……我々をどこそこの低俗な犯罪集団と一緒にしてもらいたくないですね。
 私は『人愛好、破壊賛美』と書いたTシャツを喜んで着用するような輩では決してありません。
 単に我々はこの世における存在力のみを求めているのです。人は我々の教義のオマケにしかすぎません」
「我々……?」
「ふっ、聞き返すところ貴女は本当に何も知らないようですね。
 しかし……それがただの振りかもしれませんし……
 あなたの言葉が真実なのかどうか、今から試させてもらいましょう」
「試す?」
「私から確かな情報を引き出したいのならば、あなたも私に同じものを差し出すべきです。
 それでは始めましょう。これは、あなたの確かさを確かめる、儀式です」
鉄人形がアマランサスの花弁を左右に引っ張るとレリーフが一振りの剱へと変化した。
その鈍く鋭い輝きを放つ剱を構えながらピエロは鎖の上を一歩一歩、後ずさり始める。

232 :
hoshu

233 :
サンクラで一番大好きなブラスタークイーンキタコレ
それにしてもなんでゲームにはブラスタークイーンでのエロシーンが無かったんだろう
スレイブのあからさまな露出より パッツンパッツンのコスチュームでやられるほうがよりムッチムチさをかもし出すというのに
少し話しずれるけどブラスタークイーンの画像どっかにない?
保守

234 :
捕手

235 :
参考ページ!
http://ap.a-power.biz/mv/page.php

236 :
「オガサワラで聞いた噂は本当だったのか。出所直後には必ず……」
「違うよ!ぼっ、ボクは内偵なんかじゃないよ!」
誠さんは僕の何げない独白に、勢いよく上体を起こしてくってかかった。
「人の話は最後まで聞いておいたほうが身のためですよブラスティア。
 僕はまだ肝心の噂の中身について何も触れていませんからね?」
「あ…………」
「くくっ、うなずいてくれたも同然の反応をありがとう。
 つまり僕の内偵調査をブラスティアが担っているということか。ふぅん……」
子供の背丈にも届くよう低く取り付けられた窓縁に両手をついて腰掛け、
僕は誠さんの話を一言でなぞり返した。
「う……まぁそうなんだけどけど……。
 どうしよう。内密じゃなくなってしまったら……」
「内偵じゃなくて外偵ミャ」
横から無駄口を挟んだベルという女を誠さんは恨めしそうに睨んだ。
「こ、こうなったのもベルのせいなんだから!」
「う……ミャ、ミャァアアッ!」
これが立ち話なら突っ突き合いでも始めそうな雰囲気だったが
僕は話を聞きながらもオフビート能力をすぐにでも発現できるようにずっと神経を張り詰めさせている。
が、それなのにあーだのこーだの二人だけで言い合いを始められてしまっては立つ瀬がない……。
僕は早々にしびれをきらし、口火をきった。
「やれやれ。いい加減にしてくれないか?」
「「…………?」」
「で、第一の問題として、こんなところで始めるのか?」

237 :
「え? 始めるって、何を……?」
「『何を?』と言うことはないでしょう。
 まさか僕がおとなしく捕まりたがっているとでも思ってるんですか?」
「健太郎君が? 捕まりたがる? どうして?」
「ブラスティアは三歩あるけば物を忘れる鳥頭なのかい?
 さっき僕がブラスティアに何をしたのかすら忘れて」
「うあああああああ!ちょッ、まって!そこまで!ストップ!」
「ミャ?何なにナニなにかミャ!? 何をしたんだミャ?」
「もッ! ベッ、ベルは黙ってて!」
「ミャァ……報告を受けてすっ飛んで来たんだからちょっとくらい事件のあらましを聞く権利はあるミャ!」
「とっ、とにかく! それはひとまず置いといていいのッ!」
「ケチんぼミャ!」
片や日本を代表するスーパーヒーローの一員、おそらくもう一人も
きっと名の知れたスーパーヒーローに違いなさそうな二人だろうに……。
状況が状況だけに僕は軽い頭の不調を訴えたい衝動にかられていた。
「で、その前に、健太郎くんいい?」
「はい?」
「これは……もうオリジンを知られたから聞けるってのもあるんだけど……。
 あの時、どうして私に向かって巨人を傷つけちゃいけないって叫んでくれたの?」
「…………?」
「ねえ、どうして?」
僕はすぐに「単に構造の把握の邪魔だったから」と答えようとして、言葉を詰まらせた。

238 :
なぜかと言えば、『叫んでくれた』という誠さんの言い方がまるで有り難がっている様だったからだ。
「それは……」
ひょっとすると……誠さんは何か取り違えているんじゃないだろうか。
例えば、アイノコクライスを攻撃することで巨人を形成していた生物達が
何らかの被害を受けるのではないかと思っている、とか……。
んんん……ブラスティアは本当に鳥頭なのだろうか。
僕が言霊を取り払う前にもブラスティアは単独で散々巨人を攻撃していたことさえ失念しているのか?
だが、もしそうなら僕の目覚めた時に感じた不安が単なる取り越し苦労だった事もうなずける。
……これを利用しない手はない。
僕は慎重に答えた。
「それは、相手が普通の人間だったからです」
そう努めて平静を装って答えると、誠さんは僕の用意した口車にすぐに乗った。
完全に。いや、予想以上に。
誠さんの顔は、見ているこちらが気恥ずかしさを感じるくらいにパァっと明るくなった。
爛々と輝く大きな瞳がいっぱいに広がり、僕は一瞬その中に吸い込まれるんじゃないかと思っていたくらいだ。
慌てて誠さんから斜め上に目をそらすと、ちょうどその正面にベッドを挟んでリザベルという女が
僕の様子をじっとうかがっていた。
「んミャ……フォーチュンテラー、顔が赤くなってるミャ」
「ぐっ!?ち、違う!僕はそういうことで照れたんじゃない!」
「そういうこと? どういう事とどういう事を取り違えてるミャ?」
「ど、どういう事もこういう事もないッ!」
>>233 キタコレして頂きましたが間に別シーン2つ食い込ませてしまいます。ごめんなさい。

239 :
ここなんかどうだろう?けっこう質高いと思うんだけどな・・・。
http://aitaina.o-oku.jp

240 :
「まぁまぁ、結果的に健太郎君は正しい判断をしたんだから照れることなんて無いよ。
 ところでベルは何しに来たの?」
「ミャ。子供たちと遊んでたんだけど、ジョイのちょっかいから逃げ出して来たんだミャー
 誠は知らないと思うけど(ボクの呪術はジョイの魔法と相性が悪いんだミャ)」
おそらく僕に聞かれるとまずい内容のことを話していたんだろう。
ベルは話の後半を僕に聞かれないように誠さんの耳元に手を添え、ひそひそと話した。
「それでジョイさんは何をしてるの?」
「アリババごっこミャ」
「アっ、アリババごっこ?」
「宴の席のモルジアナ役にされちゃったミャ」
「じゃ、盗賊の頭領はジョイさん?」
「そうミャ。それで子供たちが子分の盗賊になってるミャ。
 で、モルジアナに向かってくる子供たちの攻撃を一身に受けて逃げてきたんだミャー……」
「うーん……例え遊びでも誰かを傷つけようとする事はよくないよ。
 すぐやめさせるようにちゃんとベルから言っておいてくれないかな」
「それにジョイが聞く耳もつかどうかミャ……」
「……」
「……」
「「はぁ……」」
がっくりと頭を下げた二人は息もピッタリため息をついた。
「それで誠にブラスティアになって助太刀してくれないかミャと思って……。
 そしたら普通に『ブラスティアー』って呼んでしまってたミャ……」
「そうだったんだ。だけどごめんなさい、まだちょっと具合が悪いの」
「ミャ。仕方ないなぁ……ミャ?くんくん……」
その時、開け放しの窓の外から柔らかな淡いミントの香りがふっと医務室の中に紛れ込んできた。
「アリババがピンチみたいだミャ。
 誠からの応援は諦めて行ってくるミャッ!」
そう言い残してベルは部屋から飛び出して行った。

241 :
僕もそれに続いて部屋を出ようとしていた。
ブラスティアが僕の内偵として付きまとう可能性がある今、
僕の身の振りを落ち着いた場所で考えたかったからだ。
「じゃ、僕も消えますね」
「待ちなさい」
腰を上げた僕は、誠さんは強い口調で呼び止められた。
「健太郎君、もう一度同じ事を言っておくよ。
 ボクは、君を捕まえる覚悟はあると」
「ん……?」
「だけど、ボクは君を二度も捕まえたくないのも本当なんだ」
突然居直って何を言い出すのかと思えば、そういうことか、と僕は誠さんをまじまじと見つめた。
「そうか。すると君は仲間に嘘の報告をしたんだな。
 あの空間の中で起こったことも秘密にし……ははぁ、
 さっきのも、僕が更生したように仲間を伝えるための演技か」
間抜けなスーパーヒーローなんて簡単に手玉にとれると思っていた僕は
少し気を引き締めないといけなくなったなと自分に言い聞かせた。
「でも、感謝もしてるよ」
「感謝? 巨人オフビートのことか?
 ふん、少しくらいアレを痛め付けたところで言霊の呪縛に守られていた人間たちはななかったさ」
「だけど、もう少し長引けばサンダークラップス全員が駆けつけていたんだ。
 ボク一人だけじゃなく、その皆で攻撃を仕掛けたらどうなっていたと思う?」
「その時は……」
僕はそのまま「君らは人しになっていただろうね」と言ってあざ笑ってやろうとした。
だけどそれは僕が人々を救った事実を、『結果的に健太郎君は正しい判断をしたんだ』という誠さんの言葉を
単に後押しするだけだと思い直し……。
「その時だ」
僕は何も言わなかったも同然の答えを示して、そのまま部屋を後にした。

242 :
園長室に戻ると南側の窓のカーテンの隙間から子供たちの遊んでいるのが見えた。
……なぜか、もうもうと煙が舞い上がっているのは気のせいだろうか。
まさか爆薬なんて使ってはいないとは思うが……。
「きゃー、やっつけちゃったわぁん♪」
校庭の真ん中にへろへろになったベルと、それとは別の男(おそらくアリババ)が
仰向けに引っくり返って目を回している。
どうやらアリババとモルジアナはお話と違って盗賊たちに破れてしまったようだ。
子供たちは倒したばかりのモルジアナとアリババのまわりを囲んで元気にはしゃぎ回っている。
「さぁ者共たちぃン♪ 取り戻した財宝を山分けするわよおン♪」
「でー、でもつぎはねー、おやつのじかんなんだよー!」「ぼくーおなかすいたー!」「わたしもー!」
「じゃあ中でおやつをたっぷり貪り食らいましょうねぇン♪」
ジョイはわいわいがやがやとはやしたてる子供たちに背中を押され、
ひまわりホームの玄関口へ「オープン・セサミーン♪」などと唱えながら吸い込まれて行った。

243 :
僕は園長室から終幕を見届けると、校庭に転がっている二人の元に向かった。
「大丈夫か?」
僕が二人の肩に手を置いてゆすってみると、ベルよりも先に長身痩身長髪の男のほうが体を起こした。
「お、ぉぉぉ…………おぅ?」
男はくるくると頭を回し、なぜかポケットをまさぐって「あ、大丈夫。スられてない……」と息を吐いた。
まるで路上で飛び起きた飲んだくれのような意識の取り戻し方だ……。
膝に手をつき立ち上がると、ぷんと高そうな香水の匂いが辺りに漂った。
男は横向きに倒れていてもデカイと思ったが、それが縦になると尚さらその背が大きく感じられる。
しかし顔を見上げてみると他人を圧迫する巨躯の気を紛らわすかのように二つの垂れ目が付いていた。
「だぁー、畜生!」と言いながら男はパンッ!と両手で胸元の広い、砂色のスーツを一度だけ叩いた。
すると、なんと砂ぼこりは一粒残らず奇麗に振り落とされていた。
砂色のスーツは一瞬にして黒いスーツに変わっていた。
その光景にあっけにとられている僕に向かって、タレ目男は軽く片手を上げて声をかけた。
「よ!」
「……よ、よ?」
「いやぁ久しぶりだな健太郎。随分縮んだんじゃないか!?
 しかし全く困ったもんだぜー」
そうタレ目男はひまわりホームのほうをチラチラ気にしながら馴れ馴れしく話しかけてきた。
が、僕は一歩後ずさって尋ねた。
「あー、悪いが……あんた誰だ?」
「だ、誰って……俺が分からないのか?昔いっしょにツルんでた仲じゃないかぁぁぁ……
 お前みたいに友達を全然作らなそうな奴に忘れられるなんて俺は悲しいぞ!」
「ツルんでた?」
僕はハッと息を飲んだ。
「スカベンジャーボーイズ!」

244 :
パフュームラッドか
あのガキされてなかったっけ?

245 :
「ま、お前はすぐにチームを抜けちまったけどな」
「じゃ、お前……あ……パフュームラッドか!?」
「お、おいおい……
 スカベンジャーボーイズって言う前に俺を思い出してくれたんだと思ってたのに、その後なのか!
 けどなー、俺、でかい声でフルにその名前言わないでほしかったりもするなー」
「あぁ、悪い。だけどどうしてこんな所に来たんだパ……ラッド」
「ぶっちゃけると俺はお前をおびき寄せるために呼ばれてたんだ」
「おびき寄せる?」
「地獄へ。オガサワラ・ザ・ピットへだ。
 『フォーチュンテラー!俺と一緒に一暴れしようぜ!』みたいな事を吹き込むってな」
「そんな事で僕を試そうと……。下らないな……。
 本当に、下らない……」
ラッドの話ぶりを聞く限り、どうやらこいつは生まれもった貴重な牙を善人達に抜かれたようだ。
物を食えなくなった野獣はぬだけだ。
今のこいつは人間様から有難く点滴を打ってもらって生きているんだろう……。
豚め……日和見、へつらいやがって……こいつは……僕の一番嫌いな人間だ……。
そう気付くと僕は胸糞が悪くなって目の前の巨躯を旅行カバンに収まるように折り畳んでやりたくなっていた。
込み上げる吐き気を精一杯とどめている僕の身になれないデクの駄馬は、そのままペラペラとしゃべり続けた。

246 :
「で、そんな事も話せるのもいきなりリザベルの姉ちゃんがトチったせいだが。
 チンケな計画も全部おじゃんだ。な?困ったもんだろ?
 ま、最初から俺はサル芝居には乗り気じゃなかったから気にしてないが」
ラッドはタレ目の片端で意識を取り戻していないリザベルを見やって苦笑した。
「が、それもこれも全部建前上のことだ」
「建前上? それじゃ別の用向きがあるんだな。この僕に」
そう尋ねるとラッドは無言でうなずいて言葉を続けた。
「あぁ。今日は健太郎に……」
「ミャ……ん……」
しかし、ラッドが話を切り出そうとした途端、ベルが瞼をしばたかせた。
「おっといけねえ、こっからは大事な話なんだ。姐御にはもう少しだけ眠っててもらおう」
ラッドは身をかがめて手を差し出し、特殊な体臭をリザベルに向かって嗅がせた。
パフュームラッドの体臭にはその匂いを嗅いだ者を眠らせる効果があるのだ。
「……ミャァ……ムミャムミャ……すー……」
「ふぅ、アフリカ最強のハチャメチャ呪術師もこうして眠ってると深窓のお嬢様みたいだな。
 黙ってれば何とやら、だ」
「……アフリカの呪術師!? この女、オセロットなのか!?」
僕の驚きをよそにパフュームラッドは真面目くさって話しはじめた。
「二つばかり健太郎に話を持って来たんだ」
「何だ?」
「一つは、俺の仲間になってもらう」

247 :
>>244
 原作(二巻だったっけかな…)ではぬとこ書かれてなかったと思ったんですが…
 一応、されてたら王大人が亡確認したことにしといて下さい…お願いします】
「はっ?僕を試そうとしていたと白状したそばから言うことか?」
「まぁ聞け。今俺はある秘密を握ってんだ。
 どうして俺なんかがその秘密を知る事になったのかサッパリだが、
 とりあえずそれは間違いなく世界中が仰天するようなニュースだ。
 そして、その事を知っているのは世界中で今んとこ俺ひとり。で、そいつをお前に教えてやりに来たんだ。
 仲間ってのはそういう意味だ。秘密を共有するって意味での」
ラッドは器用に片方の眉で小山を作り、癪にさわるおどけ方をした。
まるで遥か上から「聞けよ」と言っているようなしゃべり方だ。
ただ……そういう仕草は僕の中にある昔のラッドの印象を思い出させていた。
「……話してみろよ」
渋々うながすと、ラッドは一息で秘密を漏らした。
「あのマスター・エニグマがスーパーヒーロー復帰を宣言した」
「は……!? マスター・エニグマが善人の味方に……?
 いや、しかしなぜ?どうしてそんなことをお前一人だけが知ってるんだ?」
「だーから今言っただろ?俺も理由なんてサッパリだって」
「いや、それでもなぜ……!」
必に食い下がろうとする僕に取り合わず、ラッドは二本指を向けて言った。
「そして2つ目。健太郎、お前狙われてるぜ」

248 :
>>247
すいません前スレでの前半部分はどうすれば読めますか?
もし、コピーが残っていたら投下していただけないでしょうか?
「お母さんは正義のヒロイン」の避難所 http://jbbs.livedoor.jp/otaku/5390/ あたりでも

249 :
つ >>192 一行目

250 :
>>192
では{前スレ(>>157)887-954より} とあるので前スレにあったとおぼしき文を読みたいのですが……
ひょっとして、巨人云々は適当で、このスレで初めて投下されたのでしょうか?

251 :
っすいません、リンクがあったんですね!

252 :
>>248
 グッダグダなSSですが前スレまで辿って読んで頂きありがとうございます。
 お貼りになった避難所を少し読んでみたんですが☆ウンチガール☆で震えました。
 名作に引き合わせて下さったこと、大変感謝します】
【では引き続き気合を入れて、気が向いた時にSSポツポツ書き足してきまーす】

253 :
「ん……あれ? あれれ? 理事長さん……?」
律子が周囲を見渡しても明子はいなかった。車外に出てもそれは同じだった。
「どこ行ったんだろう……ト、トイレかな……」
そこまで気をつかってくれなくてもいいのに、と思いながら律子は座席へ戻って明子を待つことにした。
淡く点灯するデジタル表示の時計は、車を止めてからかなり時間が経過していることを知らせている。
「……理事長さんどこまでトイレに行ったんだろう。
 あ、それとも電話かな……私を起こさないようにって……」
ぽつりと呟いて、律子ははーっと息をつき助手席に腰を落ち着かせた。
それから何気なく後部座席に乗せていた紙袋をひざ元へ移し、
真ん中を止めた百貨店の紙袋の口の片端から中をのぞき込む。
中身はボンネットの上に広がる夏空のように澄みきった水色と白のタータンチェック模様のエプロンだった。
「うーん、楽しみにしててって言ったのはいいけど、これ健太郎君に似合うかなぁ……。
 うん、まぁ似合うよね、きっと。うんうん。う、うーん……?」
律子はこれを着けて園児たちに囲まれる健太郎を想像し、頬を緩ませようとするもどうもうまくいかなかった。
それでも無理矢理自分を納得させようと、何とか想像の中の健太郎を動かしてみるのだが、
やはり健太郎はどこかしら上の空で、園児を見てはいるものの、ずっと遠くを眺めているような目をしていた。
けれど、そんな健太郎の様子がなぜか律子にはおかしくて、思わず頬が緩んだ。
「くすっ、なーんか昔とちっとも変わんないなぁ……」
しかし懐かしさから転がり出たそれは、すぐにいじけたタメ息へと変わっていた。
「はぁ……私のことも健太郎君、最初忘れてたみたいだし……。
 まぁ私のほうも『不審者だ! どうしようどうしよう!』って気が動転してて一瞬分からなかったから
 人のこと言えたもんじゃないけどさぁ……はぁ……」
律子はひまわりホームに来たばかりの頃、園長がいつも何かにつけて
仏頂面の健太郎君に律子の世話を頼んでたことを思い出していた。

254 :
健太郎は律子の世話を『良くも悪くもない本当の意味で何でもない事のように』十二分に焼いてくれた。
律子は園長がどういう考えで健太郎にそう仕向けていたのか何ら推し量ることはできなかったが
当時、車椅子に手を掛けていた律子は自分の事で二人が言い合いをしている場面に何度か出くわしていた。
ある時など、律子の傷を癒してやれるのはお前だけなんだ、と園長が健太郎に言うのを盗み聞いた事もあった。
その言葉を大袈裟と感じながらその時、健太郎はずっとだんまりを決め込んでいたことも律子は記憶していた。
「そういえば園長先生ったら『君が歩けるようになる近道だ』って私にも似たような注文をつけてたけど、
 自分の事だけで精一杯だったあの頃にあんなこと吹き込まれても、どうしょうもなかったのに……」
健太郎は少女だった律子に慰めや励ましの言葉は一切聞かせてくれなかった。
それに、こちらから謝意を示したところで返ってくる返事は「さぁ、別に?」程度だった。
徐々に律子は、健太郎が自分のことを普通の人間と何の変わりもないように思っているということに気付いた。
そしていつしか律子は自分にいつもつかされる健太郎を見つめながら
「このままずっと足が治らなくてもいいのに……」とさえ思うようになっていた。
「……やっぱり私の事なんてどうでも良かったんだなぁ……はぁ……。
 あぁんもお! って、それにしても理事長さんおっそーい。
 あ、そうだ。車の中ちょっと暑くなってきてるし少し冷房をかけと……?」
律子はエンジンキーを回して冷房をかけておこうと運転席まで体をのばした。
するとその時、車のミラーにちらっと映る人影を見たような気がした。
けれど車の後方はトンネルだ。電話等の用で入っていくような場所ではない。
そう思いながらも律子はおそるおそる後ろを振り返った。
バックウィンドウ越しに、遥か向こうに一人の壮年男性がいた。
律子は両手で口を覆った。
「う、うそ…………い、磯崎園長!!?」

255 :
憔悴し、肉の削がれきった姿からは、かつての割腹の良い体つきが見る影も無くなっていた。
律子はすぐさま車から飛び出して園長の元へと走った。
「園長先生!園長先生!」
息せききって駆け寄る自らの教え子を園長は柔らかな笑顔で出迎えた。
「おぉ律子くん。なんとも久しぶりだな。
 こうして生きて私を知る人間に再び出会えるとは……」
そして、袖口から現れた小刀で一刀の元に切り捨てた。
「とても邪魔だ」

256 :
「ぶヒッ……!?」
律子の首がガクンと前に折れ、体は後ろへ吹き飛んだ。
「ふん……私の邪魔をするな」
クイックブレイドは跳び退る律子を見据えて警告した。
正確には、律子の襟首を掴んで跳び退る鳥に向かってクイックブレイドは警告した。
するとその鳥は律子を園長からぐんぐん遠ざけながら後ろを振り返り、なんと人間の言葉で答え返した。
「ぎえっ!? 俺、ぜんぜ邪魔なんてしてないから!?
 み、見て分かんだろ? 俺はこの子にあんたの邪魔をさせなかっただけで
 あんたに手出ししようなんて大それた考えも持ってないし!?」
「いいや、君は間違いなく私の行く手を阻むだろう」
「手出ししないって言ってんのに、そりゃねえよ! なんだってそう決めつけられるんだ!?」
「長年の勘だ。外れたことはない。
 どの道、私を不審に思い、後をつけようとする者も切り捨てるだけだ。君はそれに含まれている」
「チッ、あのオッサン、完全に言霊にかかってやがる!」
人の言葉を介する鳥は苦々しく吐き捨てながら、律子の体を両の鉤爪でぶら下げ、ぐんぐん高度を上げていく。
「クッ、あんな化物オフビート、とてもじゃないが俺の手に負えねえってのに
 なんでちょっと様子見に来ただけの俺は飛び出しちまったんだよ……!
 おい姉ちゃん! 明子さんはどこだ? 一緒にいたんだろう? おいっ、聞いてんのかよコラ!」
訳の分からない鳥が切羽つまった声で問い詰めてくるが、尋ねられた当の律子は明子の所在を知らなかったし、
それ以前になぜこの鳥が明子の事を知っていて、
さらに自分が明子と一緒にいたということさえ知っていているのか疑問だった。
さらに、さらにそれ以前に律子は……。
「お、降ろぢて……ぐ、ぐるじぃぃい……」
律子は窒息寸前で、上着の胸元を両手で握り締めて必にジタバタもがいていた。
「ああぁっ! わ、悪ぃ……ほらよっと」
鉤爪で襟首を引っかけていた鳥は翼をはためかせ、律子の両肩を掴むよう器用に持ち替えをやってのけた。

257 :
「ゴホゴホッッ! ぷはっ……! ……ぢょ、ちょっと、あなたは一体なんなの!?
 な、何で鳥が喋って、それから、なんでなんで園長先生があんな怖い顔して刃物で襲ってきたのッ!?」
息を吹き返した律子は、堰を切ったようにそれまで溜め込んでいた疑問符を猛然とわめき散らした。
「あのな、クイックブレイドに目えつけられててそんな悠長なことに答えてられるか!」
「もうそんなのどうでもいいから降ろしてよ!
 園長先生が下に! 下に! 降ろして! ねえ降ろしなさいってば!」
「バカっ、今降ろせるわけねえだろ! こっちは命がかかってんだ!
 って、でも……あいつ全然追って来ないな……。
 ひょっとすると……まさかクイックブレイドの奴、腕時計以外の大した武器を身につけてないのか……?
 へへっ、こいつはラッキーだな。俺たち命拾いできそうだ。
 ははは……あぁ、姉ちゃん。俺はロストターン(迷いアジサシ)っていうオフビートなんだけどさ……はへ?
 え……あ……ちょっと、それは……!」
気を落ち着かせロストターンと律子に名乗り始めたオフビートは、緩慢に動き始めた地上の園長を目に止めた。
地上からこちらを見上げる園長は、今まさに長大な武器を、路肩のガードレールを手に取ろうとしていた。
「ひっ!? まっ、待ってくれ! は、話せば分かるからぁぁっ!」
もう声など届かないような上空を飛んでいるにも関わらず、人語を介すロストターンは園長に向かって叫んだ。
「ああぁぁ! っていうか俺達の税金無駄にすんじゃねぇよ! もあぁぁ、くそぉぉっ、神様ぁぁッ!」
ロストターンの懇願が、自分の命に見切りをつけて悪態に変わったのもつかの間。
次の瞬間、巨大な鉄の触手と化したガードレールがうねるように大空を薙いだ。
悪態に対する鋼鉄の返事は、悠々とミグバードと律子にバッサリと届いた。
一人と一羽は断末の声を上げる暇さえなかった。
磯崎園長は散り散りになった両者が四塊となって山野に堕ちるのを見届けた。
そして、何事もなかったように再びどこかへ向かって歩き始めたのだった……。

258 :
【訂正 >>257の下から4行目 ミグバード→ロストターン
    前の投下 リザベル→イザベラ
    ベルの語尾に全部ミャア→程々に 】

259 :
保守

260 :
二本角に折れたとんがり帽子を揺らし……。
雨傘のように広がる大きな前掛けをひらつかせ……。
肩幅のあるブカブカな衣装に雑多な飾りをぶら下げ、ピエロは云った。
「これは――儀式です」
紙のように薄い刃から細い鉄鎖と化したロープの上を後ずさってゆく。
それに合わせるようにブラスタークイーンも前方へと首根っこを引き寄せられる。
ブラスタークイーンは一瞬、自分の喉に風穴を開けられたのではないかと錯覚し、鎖を両手で掴んだ。
無理もない。
鎖の上を歩くピエロと自分との距離が全く変わらないのでは、
首輪に繋がった鎖が自身の喉笛を貫かれていなければおかしいからだ。
「グッ……!?」
掴んだ鎖を懸命に押し止どめようとしてもぐいぐい鎖は枷へめり込んでいく。
しかし、怪訝に唸るブラスタークイーンの喉笛は一向に破られておらず、
首輪の内側に異次元でもあるかのように鎖は枷に飲み込まれて消えていく。
、難無く短い問いも口ずさむことができた。
「試すとは……どういうことなの!?」
「何、ただ貴女がこの私、アキュパンクチュリストの元まで辿り着けるかどうかを試すだけです。
 そして、果たしてその時までブラスタークイーンの五体は無事でいられますかねぇ……?」
ブラスタークイーンの拳の届かない位置でピエロはバトンのようにポールをくるくると回す。
鉄鎖の後方を振り返らずに指さし示す。
それから、何気ない朝の挨拶をするかのように言った。
「貴女は均整のとれた美しい腕をお持ちだ。
 ですが、そんなものは一本あれば充分です。そう思いませんか?」
突然、ピエロの手にしていたポールの片端が伸び、さらにその先端が無骨な岩のように膨らむ。
「どれ、こいつで使えなくしてあげましょう」
そのままピエロは鉄槌と化したポールをブラスタークイーンの肩を目がけて振りかざす。
「ふクっ!?」
ブラスタークイーンは枷を苦にしながらも、何とか体をひねり、先鞭を素早くかわす。

261 :
「ほう、今の動きは……。貴女は元来のポテンシャルも相当高いようだ。
 オフビート能力を制限されているというのに中々どうして、おやりになる。
 それでは、貴女が躱せない程度にこちらのゼンマイを増やしましょう」
そう言って、ピエロはゼンマイを巻く音をギーコギーコと口真似し、後ずさりながら何度も鉄槌を振り下ろす。
「そらっ!」
ピエロの言葉は妄言ではない。実際に後退するにつれ、鉄槌を振り下ろす速さはどんどん上がっていった。
「(なるほど……。アキュパンクチュリストの能力は物量に比例しているということかしら……?
  そして私がアキュパンクチュリストに近づくにつれ攻撃の力が強まっていくということね……)」
おそらく、首枷に吸い込まれていった鎖の行く末は鉄槌の動力源に使われているのかもしれない。
現にクイックブレイドが接近戦でその真価を発揮した戦いをブラスタークイーンは何度も目にしている。
「ふ……貴女はまだ余裕を残しておいでのようだ。
 ですが、やろうと思えば私はいつでも貴女の脳天に鉄槌を振り下ろせるのですがね……。
 だが私はそうしません。なぜだと思いますか?」
ピエロは大きく引いた口紅を三日月型にしてみせるためにわざわざ言葉を一旦きってみせた。
「それは、私が貴女を痛め付けれていないことに対しても多大な喜びを抱けるからなのです。
 貴女が持ちこたえれば持ちこたえるほど、貴女の能力が高ければ高いほど、貴女の限界を知れば知るほど、
 私は貴女を地べたに這いつくばらせる楽しみと、私自身の強さの誇りを募らせずにはいられないのだから!」
そう高らかに言い放つピエロを、すぐさまブラスタークイーンは辛辣に皮肉る。
「つまり、『サド』とプリントされたTシャツを喜んで着ますって事でしょう!?」
「貴女は……人を喜ばす術に長けていますね。
 愉快でたまらないですよ……」
ピエロの星形のフェイスペイントの中にある目がぐっと細まる。
「ハッ!貴女のその減らず口を減らせると思うとッ!」
今までにない苛烈さで猛然と振り下ろされた槌がブラスタークイーンの肩先をかすめる。
「……ンくッ!?」

262 :
ブラスタークイーンはそれら加速してゆく攻撃から身を躱すだけで精一杯……ではなかった。
肉体に関してはそうであったかもしれないが、ブラスタークイーンは鉄槌をかわしながら思慮を巡らせていく。
「(どうやら、アキュパンクチュリストは金属を意のままに操るオフビートのようね……。
  ピエロが喋っていることから、スピーカー構造を構築できるほど繊細な操作できるのか、
  それとも魔法で喋らせているのか……どちらにしろ判断材料は少ないわね……)」
さらにブラスタークイーンは、ピエロが鎖から足を一度も離していないことに気付く。
手玉こそ手にしてはいないが、ポールを宙に放ったりなどもしていない。
「(木々の向こうまでピンと張ったこの鎖は輪の間に遊びの空間がない……、見せかけの鎖?
  もしそうだとしたら……遠隔操作、テレキネシスの能力である可能性は薄い……。ならば!)」
ブラスタークイーンは即座に動いた。
いや、動かねばならなかった。
「ここまでゼンマイを増やされていて全くかすりもしないとは素晴らしい。
 しかし、ブラスタークイーンは随分と息があがってきているようです。
 貴女の体は意に反して傷を負いたがっている……そうでしょう?フフフ……フハハハハ!」
ピエロの言う通り、加速してゆく攻撃を躱せる限界が近づいてきている。
笑いながら一気にまた後方へと進んで行くピエロ。
「さぁ、もう後がなくなり始めましたよ?
 ブラスタークイーン。そろそろその腕、おとなしく差し出して頂きましょうか!さぁッ!」
「鉄クズ!少し……黙らせてあげるわ!」
この時、アキュパンクチュリストはこう考えていた。
ブラスタークイーンは鉄槌を躱せなくなればさばき、さばけなくなければガードする、と考えていた。
さらにガードができなくなれば武器の比重を増やしてやり、じわじわといたぶり続ける、そう考えていた。
そのように順を追って推し量る上でブラスタークイーンのとった反応は愚行、まさに愚行のはずだった。
「何ッ!?」

263 :
振り下ろされる鉄槌を、ブラスタークイーンはさばくことなく、真っ向から拳で迎え撃った。
「ティッ!!!!」
渾身の力を込めたブラスタークイーンの上体が一気に張り詰める。
拳と鉄槌の衝突に大地が一瞬振動する。
「ツハアァァァァ!!」
無骨な鉄槌に打ちすえた拳の皮が痛々しくめくれ、朱に彩られた肉の花弁をいくつも咲かせる。
しかしブラスタークイーンは一歩も引かない。
従来のパワーをもってすれば数トンの重圧にも耐えうる拳が、ギシ、と骨の芯からきしむ。
それでもやはり、ブラスタークイーンは一歩も引かなかった。
「ンオォォォォッッ!」
「馬鹿なッ!?」
鉄槌はピエロの頭上へと弾き返されるが、しっかりとピエロの両手にくっついて離れない。
しかしピエロの元は鎖から……、離れはしない。弛みのない鎖がわずかに湾曲しただけだ。
ピエロを鎖上から振り落とそうとしたブラスタークイーンの企みは、むなしくも水泡に帰そうとして……。
「ッッ行きなさい!」
ブラスタークイーンはすかさず錐揉み状になりながら鎖を蹴り上げて追い打ちをかける。
「卑怯だズッ…………!」
すると、何か言いかけたままのピエロの足は厭な音をたてて、とうとう鎖から千切れ、飛んだ。
おそらく反射的に武器を取り戻そうとしてしまったのだろう。
鎖から細い鉄線が伸び、瓦落多になったピエロを追う。
そして、その反射的な行動こそブラスタークイーンの思う壷だった。
「(やはり!ピエロのほうからは鉄線は伸びていないわね!)」
瞬間的にそれだけ視認するとブラスタークイーンは即座に己を拘束していた鎖を引きちぎろうとした。
「グゥゥぅぅぅぅ!ハァァァァッ!」
もしもテレキネシスが無ければ、アキュパンクチュリストは金属に触れていなければ能力を発揮できない。
そして、その能力は媒介の量によって大きく左右される、そう見立てたブラスタークイーンの憶測は……。

264 :
「ンギッ……!ググ……!ハァァッ!」
ブラスタークイーンはあれほど真っすぐに張っていた鎖を折り曲げ、千切った。
ピエロという強力な同胞を失ったも同然の鉄鎖はもろくも分断され、
アキュパンクチュリストの支配下から脱した首輪もまた特殊な力を失っていく。
「どうやら、当たりがついたようね!」
鎖から解放された途端にブラスタークイーンの体中に力が漲り溢れる。
そしてオフビート能力をすっかり取り戻したブラスタークイーンは疾り出す。
ピエロにまで届かんとしていた鉄線を蹴折り、しなる鉄鎖の鞭をひょいと身をすくめていなし、
獲物を捕える猛獣のごとく恐ろしい速さで森林の中を疾る。
前方に潜んでいた気配は今やブラスタークイーンから必に遠ざかろうとしている。
「逃がさないわ――」
   かつて、ジャスティスサーカスを率いたキャプテンスカイは雑誌のインタヴューを受けた際に
   ブラスタークイーンを謎のオフビートと置き換え、このように答えている。
『日本最速のオフビートがシルバーバレットということに異論を挟む余地はないね。
 しかし私は以前……名前は伏せておくが、とある犯罪オフビート集団のリーダーを捕り逃がしてね。
 身体能力で云えば、私はその相手を若干上回っていた。しかし、まんまと逃げられた。
 それからしばらくの間、私はなぜ捕まえられなかったのかと真剣に思い悩んだ。
 けれどある時、はっと気付いたんだよ。
 もしもチーターや弾丸を捕まえてくれと言われれば、どうにかして捕まえることのできる者はいるだろう。
 だけどそれが『暴風を捕まえてくれ』ときた日には誰もがお手上げに思うんじゃないかってね。
 暴風は捕まえられない――。私が捕り逃がした彼女はその女王だったんだよ』

265 :
ほひゅ

266 :
「磯崎、目を覚ませ。起きるんだ」
堅い寝床の上で肩を揺すられ、
「ンぁ……? ……なんだ? どうしたんだよ正弘、今日は発掘作業も休みだろうに……」
「いいや、掘るんだ。それも今すぐにな」
学部生時代から研究室まで行動を共にしている阿部正弘は、いつもの真面目くさった顔で俺を起こした。
「冗談じゃない……お前には休日ってもんもないのか?
 お前の勤勉さはよーく分かってるつもりだが、俺はどうしょうもないくらい疲れてるんだ。
 頼むから昼ごろまで寝かせてくれ……というか、今何時なんだよ……?」
腕時計を確認すると、眠りについてから日付も変わっていないような時間だった。
「おいっ! まだ寝入ってから二時間も経ってないじゃないか!」
たちの悪いいたずらをする正弘に、俺はカッとなって寝床から立ち上がった。
「ふっ、やっと起きてくれたな磯崎。だがあまり騒がしくしないでくれ。
 向かいの部屋で寝てる教授が起きたらどうしてくれる」
「あの飲んだくれ教授が起きたら何かまずいことでもあるのか?」
「磯崎、俺とこれから政府の許可が下りていない場所を採掘しに行かないか?」
「……オイオイ、許可も、調査もなしに無造作に穴を掘るなんて、どこのお国の拷問だそれは?」
「調査ならもう済ませてある。毎晩こっそり宿を抜け出して地中レーダー探査をしてたからな」
「毎晩……?」
「とりあえずこの地図を見てくれ。
 一応、今夜採掘を予定している地点にはバッテンを赤く囲ってある」
目をしばたたかせ、無数のバツ印がつけられた地図を受け取る。

267 :
「正弘、これ全部一人で調べたっていうのか?」
「ああ」
地図の中、これから採掘するという赤い丸印が集まっている地点はこのホテルから相当離れた場所だった。
俺は思わず自分の頭を手で支えた。それから、赤丸の一つを指して言った。
「わざわざ夜更けに、こんな遠くまで、重い機材を持ち出して、調べ歩い……」
「ああ」
それがどうしたと言わんばかりの顔で、痩せぎすな正弘は頷いた。
「ふぅ……俺は感心するよりも、お前の体のほうが心配だよ。
 何がお前をそこまで研究に駆り立てるんだ?
 ははぁ……さては例の女とうまくいってないまま出国してきたんだな? そうだろ?」
「彼女とは、もう会えないんだ……」
「おっと……すまん……気づかずに、悪い事聞いてしまったみたいだな……。
 お前からは滅多に口にしないからな……。
 だけど残念だな……俺は一度でいいからお前の恋人を拝んでみたかったんだが……」
「磯崎にはいずれ会わせるつもりだったさ。だけど、あいつは……とても繊細だったんだ……」
「そういう言い方すんなって。まさか寄りも戻せそうにないのか?」
「俺が、守ってやらなければ……ならなかったんだ……」
「…………?」
「磯崎、彼女の話は……あとでじっくり話してやるよ……。
 とにかく急ごう、作業は昼間のように掘りっぱなしとはいかないんだ。
 あぁ、その前に肝心なことを聞いていなかったな。磯崎は、ついて来てくれるのか? 来ないのか?」
正弘の持ちかけている話は紛れも無い盗掘行為だった。
学者の卵である自分としては、太古の痕跡を発見するには正当な手順を踏んでの成果だけが必要な物だった。
けれど俺は「真実を知りたい」という一人の学徒として、すでに心の中で正弘の提案を受け入れていた。
「あぁ、行くよ」

268 :
満天の星空の下、ガリ、ガリと、この星のほんの一部を削り取る音に紛らわせ、正弘が口を開いた。
「……っているだろう? 彼女はその孫にあたるんだ」
その名前を聞いたと同時に、思わず鋤を振るう手が止まった。
「それって、あの……」
「他に誰がいる」
無表情のまま正弘は地面に鋤を叩きつけ、黙々と採掘を続ける。
正弘はずっと俺に彼女のことをひた隠しにしていた。
だから多少は驚かされる何かがあるんだな、と変な覚悟を決めていた。
が、まさか話の出足から驚かされるとは思わなかった。
正弘が口にしたのは歴史の教科書にも出て来るような、戦後に解体された財閥の名士の名だったからだ。
「嘘だろ……そんな御令嬢とどこで知り合えるっていうんだ?」
「しょうもない縁日のほったて小屋さ。ボロボロのテントで囲われた中でな。
 毎年毎年『今年が最後の公演』と、本気と冗談を半々に込めたような宣伝をする出し物小屋さ」
「…………。
 なぁ正弘……お前、こっちで変な薬でも買ってないか?」
「この話、信じたくなきゃ信じなくてもいいさ。
 俺は磯崎にならと思ってありのままを話してるんだからな……」
「悪い、続けてくれ……」

269 :
――発掘を続けながら俺がその後に聞いた正弘の話は、簡単にまとめるとこうなる。
正弘の恋人は、普通の人間とは少し違った形で生まれてきたんだそうだ。
祖父には可愛がられていたそうだが、自分を産んでくれた両親は別の見方をしていたらしい。
いわゆる「けがらわしい」という見方だ。
やがてただ一人可愛がってくれた祖父が亡くなると、すぐに屋敷を追い出されたそうだ。
そこに正弘は「たぶん、命からがらだったんだろう」と付け加えた。
そして、屋敷を追い出された彼女は巡り巡って、件の見世物小屋に拾われ育てられた、というわけだ。
「なぁ磯崎、普通って何だろうな……」
見ると今度は正弘の動かしていた鋤が止まっていた。
「彼女の肉親は自分とは別の、自分に連なる人間にまで普通を求めたんだ。未来永劫。ずっとだ……」
「けど、お前はもうその恋人と離れ離れになってしまったんだろう……?
 これから時間が立てば、そういった苛立ちも薄れていくんじゃないか? 今はただじっとだな……」
「いいや、決して薄れさせるものか! 俺はな、奪われたんだ!
 その普通ってヤツに、恋人も、そして産まれかけていた新しい命すら!」
「……お、お前……なんで今までそんなこと黙って……」
「俺は絶対に騙されないぞ……彼女は、きっとされたはずなんだ……!」
それから正弘は一言も発せず、手に持った鋤だけがガリ、ガリとこの星の大地を鳴かせ続けた。

270 :
ブラスタークイーンは瞬く間に逃げすがるアキュパンクチュリストの後ろ姿を視界にとらえていた。
「そう、真っ向から戦う気はないのね……んッ!?」
敵オフビートを視界にとらえた途端、急に距離が縮まらなくなる。
アキュパンクチュリストの逃げるペースが異常に上がったのだ。
しかし、ブラスタークイーンは敵にそれ以上の加速を許さなかった。
「ふふ……通せんぼしましょうね? サジッタ!」
アキュパンクチュリストの行く手に光の嵐が吹き荒れた。
「案外シャイなのねぇ? それとも女に追いかけられるのが好きなプレイボーイかしら?
 だけど、良ければもう少し、私とお話しをしてくれないかしら?」
逃げることを諦めたアキュパンクチュリストはそこで初めてこちらを振り返る。
ゆったりとしたローブ越しにも重心がすっと低く移動したのが分かる。
「(構えたわね……)」
ブラスタークイーンの長年の勘は今、敵の抱えている苛立ちと意を感じ取っていた。
だが、メイガスの元、血で血を洗ういくつもの修羅場をくぐり抜けてきたブラスタークイーンのハートは
単に意を向けられただけで怯むようなものではない。
むしろ向けられた怒りの矛先、その切っ先が鋭ければ鋭いほど、ブラスタークイーンは落ち着きを増していく。
「(これは手間取りそうね。これからみんなと明日の支度もしなくちゃいけないのに、困ったわぁ……。
  磯崎さんを見つけたら、みんなにこっぴどく絞ってもらわなくちゃ割に合わないわね)」

271 :
アキュパンクチュリストがマスク越しに初めて口を開いた。
「興をぐような攻撃はやめてもらいたいですね」
その言葉にブラスタークイーンは軽い目眩を起こしそうになる。
一緒なのだ。それが、弾き飛ばした薄気味の悪いピエロの声と……。
「私は純粋に貴方を測ろうとしているだけですよ? それなのに不貞を働かれては困ります」
「ふうん、そうなの……貴方、私に『追いつかれてくれた』のね……。
 まさか私の確かさを確かめる儀式とやらはまだ続いているのかしら?」
「もちろんです。結果、貴女は強靭な足腰をお持ちだと分かりました。私の足ではまるで刃が立たない。
 ですが愚かにも貴方は特殊なオフビート能力を使用した。その上での通過は意味をなさない。
 これではまだ貴女を認めるわけにはいかない」
「ほう……何に認めて頂けるのかしら?」
「マテリアル」
褐色のローブの袂から刃渡りのあるサーベルが現れる。
「これはアラモント鋼という特殊な合金でしてね。
 主に我々の認めた強靭な超人オフビートの体から抽出した金属類で精錬された得物なんですよ」
「(オフビートといっても体内に含有している余剰な金属の量なんてたかだか知れている……。
  あの得物は……きっと、オフビート達の亡骸のようなものかしらね……)」
ブラスタークイーンは夕食を美味しさを損なう恐れを鑑み、そこで考えを止めた。
「抽出だなんて、よくも、人を物のように言ってくれるわね……」
「おや?私は何か事実に反した事を言いましたか?」
「命は物じゃないわ!」
「ふ……すぐにして差し上げましょう!」
アキュパンクチュリストが叫んだと同時、青緑色の光沢を放つサーベルが歪に翻る。

272 :
斬撃が来る、ブラスタークイーンがそう感じたのは左腕、それから左脇腹を粉砕された後だった。
それは、反応すると同時に攻撃を受けることで生じた錯誤だった。
「グァァッッ!!」
努めて常識的ではない刀にはねられた形となったブラスタークイーンは、
体中を群棲する樹木に打たれ、呼吸を詰まらせながら大地の上に伏した。
「ほう! 私のアラモント鋼まで耐えるというのですか!? なんという力でしょう!」
ピエロと全く同じの声音で驚きの声を上げるアキュパンクチュリストに、
ブラスタークイーンはうめいて答える他なかった。
「ぐぅ……ふ、グ……ッ!」
「(……な、何者なの、このオフビート……! 私が攻撃に……反応できないなんて……!
  深刻に……まずい、わね……、これは……)」
ブラスタークイーンにとって、クイックブレイドの安否は気掛かりだった。
だがそれは命を賭してまでの事柄であるのか、と左半身に走る激痛がブラスタークイーンに躊躇をもたらす。
「(元も……子も、なくなる……! 今は……、逃げ……なければ……ッ!
  今なら、まだいくばくかは全速力で飛行できるかもしれない……)」
アキュパンクチュリストは、ブラスタークイーンが逃げようとすれば
いつでも追撃できるようサーベルを抜き放ったまま緩慢に歩み寄る。
その姿を苦悶に彩られた表情で睨みつけながらブラスタークイーンは脱出のタイミングを図っていた……。
「…………ッ!」
しかし突然、ブラスタークイーンは、よろよろと立ち上がり様、脇にあった岩に右腕を叩きつけた。
それはオフビート能力を限界まで抑えた、ほぼ生身の細腕。
「グゥッ!?」
「おや? 打ち所を悪くされましたか?」
「グッ……。はっ……はっ……。
 ブラスタークイーンは、ここで退く……、わけにはいかない……!
 わ……私は、ひとりぼっちなのが昔から大嫌いなの……だから、あの人も私も消させやしない……!
 ブラザーフッド・オブ・ブレイズ、最後の一人を今ここで、私のせいで作り出すわけには……いかないのよ!」

273 :
「(退路なんて……私はなんて馬鹿な事を考えていたのかしら!)」
ブラスタークイーンが無傷の右腕を打ちすえたのは戒めの痛みだった。
へし折られた左上腕部を中心に広がりつつある痺れ、激痛、疲労、を予感させる冷たさ、
それらが右半身に植え付けた燃え盛るような痛みと躯の芯で激しく混ざり合う。
「ハッ……! ハ……ッ!」
ブラスタークイーンは固い決意を宿らせた双眸で睨み上げる。
アキュパンクチュリストは静かな愉悦の滲む双眼でそれを見下した。
「ふっ……いやいや、私は本来の目的を遂げれたばかりでなく、良い余興も楽しませてもらいましたよ。
 貴女の強さは実に誇り高いものであるようですね? 称賛に値します。
 私の斬撃を受けておきながら戦意を失わないのがその証拠です。
 ですがですが……それは、ご立派などとは到底言えぬ、ただの虚勢……」
そう語りかけながら再び、アキュパンクチュリストは初撃と同じ間合いに入る。
それに対しブラスタークイーンは何も答えず……ただ大きく、肩で肺腑を動かしている。
「貴女ならばお分かりになったでしょう? 自分の力は、この私の培ってきた力には及ばないと……。
 さぁ……早くしなければ、間に合いませんよ……? 今のうちですよ……?
 惨めたらしく『誰か、誰か……』と他者に助けを求めたりできるのは……、ふははっ!」
その、アキュパンクチュリストの笑いが途切れないうちにブラスタークイーンは叫んでいた。
「クリプスッ!」

274 :
光の盾を呼び寄せる言葉を唱えると、ブラスタークイーンの両手に眩い光が展開していた。
それは、出現と同時にアキュパンクチュリストの繰り出したサーベルを受け止めていた。
――ギンッ!!
「ヌン……ッ!?」
攻防の反動が二人のオフビートにのしかかり、たまらず双方の距離が開く。
かろうじてサーベルを受け止めたブラスタークイーンの全身はその衝撃で悲鳴を上げた。
「フはっ……! ふ……、くハゥ……ッ!」
サーベルを揺らめかせて訝しがるアキュパンクチュリストはブラスタークイーンの手元を見やった。
「クッ……運よく守りを固めていましたね……?
 そいつは……磁気や電流、高熱の類いではない完全に防御に徹した防具のようですが……」
視線の先には光の盾からより集積された光の籠手があり、ブラスタークイーンの手の甲を覆っていた。
「しかし、このベル様の加護を頂戴したアラモント鋼の前でどんな力を秘めていようと無益です」
「クッ……はッ……、貴方……ングッ……いま、何と言ったのかしら……?」
「ふふ、に行く者の前だからと、私の口が少し過ぎたようですが、どうか忘れて下さい。
 でなければ、まことに故意ではありますが、フッ、速やかに貴女の口を封じて差し上げなければなりません。
 ……いちなる主よ、ここに、一人の新たな贄を捧げましょう……ッ!!!」
次の瞬間、アキュパンクチュリストの斬撃の炸裂音が三度ほとばしった。

275 :
「……塵というものは……積もれば山となると言いますが……」
斬撃を放ったアキュパンクチュリストはゆっくり空を見上げた。
「私は……偶然というものは積み重なれば何と言うかまでは知りません……」
そして、正面を見据えて言葉を続ける。その言葉には川底を流れるような憤怒が込められていた。
「是非とも教えて頂けませんかね? ブラスタークイーンッ!!!」
「……クスッ、自分の思い通りにいかず、苛立ってるようね……。
 だけど……そんなの、聞かれたって知らないわね……くっ……」
「……では、その偶然の積み重ねを、これ以上ない道理によって押し潰しても構いませんね……!」
アキュパンクチュリストの着ていたローブの裾という裾から無数のサーベルが生え出る。
やがて剣の群れはローブすら突き破り、アキュパンクチュリストの肉体が露になる。
「ハァ……はっ……っ、あなたは……力を追い求めるあまり、身を持ち崩した類いね……。
 ……それも文字どおりに。身を粉にし、命を削り……なんて労しい……、く……ッ」
全貌を露したアキュパンクチュリストには――肉体という物がほとんど、無かった。
群生する剣によって剥ぎ落とされたマスクの下すら鈍い光沢を放っている。
アキュパンクチュリストの声は、金属を操るオフビート能力によって発声されていたのだ。
「(まさに生え抜きね……生存という必要に迫らせることで、限界まで高められたオフビート能力……)」
「貴方の思う通り、私は脆弱な物を捨て、より強固な物で代用する苦行を強くことで力を洗練させました。
 しかし、持ち崩したというのは違います。持ち崩されたというのが正しいでしょう。
 私は自身に授けられたオフビート能力により適応するために幼い頃から少しずつ、身を削られたのです!」
「そう……貴方の仲間がどんな方達かは知らないけれど、間違いなく狂ってるわね……。
 さぞかし仲間を恨んでいることでしょう?」
「いいえ、『今は』とても感謝していますよ? 自分でいだ肉体も多くあります。
 まぁ、そのように力を追い求める素晴らしさに気付いたのはここ数年のうちですがね」
「ッ……力に……狂わされたのね……。私は昔、貴方達に良く似た人を愛していたわ……。
 おやめなさい……貴方の行き着く先に貴方はいない、ただの力の塊があるだけなのよ……!」

276 :
期待保守

277 :
訴えかけるブラスタークイーンの背中を押すように真夏の突風が一陣、吹きすさむ。
「は……おやめなさいとは妙なことを……。
 いま貴女がおっしゃったことにどのような問題があるというのですか?
 私の望む先に私がいない? それは願ったりかなったりではないですか。
 私は、愚弱な自分の全てをこの素晴らしい力の内に消し去ってしまいたい。
 純粋なオフビート能力との一体化……素晴らしいではないですか……」
そうおぞましい願望を吐露し、自己に陶酔するアキュパンクチュリストのサーベルが小刻みに震えた。
「しかし……貴女は私がそう望むことを罪というのですね?」
「えぇ、そうよ……ッ!」
「なるほど……貴女は、今日初めて会った私の信念を曲げさせるほどの権利をお持ちなのですね?
 私がどれほどの志を抱いているのかも知らない貴女がッ!」
皮肉めかせたアキュパンクチュリストの言葉にブラスタークイーンはたじろいだ。
「くっ、強制はしないわ……。
 ただ私は貴方のような間違いを犯そうとしている人に気付いてもらいたいのよ。
 強さは、力だけじゃないってことをね!」
「ブラスタークイーン、気付いてほしいなどと自発を促すような言い方をしてみても無駄です。
 貴女のそれは傲慢以外の何物でもない」
「そう、貴方には理解してもらえないのね……」
「理解が足りていないのは貴女のほうですよ、ブラスタークイーン!
 仕方がありませんね。どうあっても自分の正しさを疑わない貴女の代わりに私から申してあげましょう。
 まどろっこい正義を振りかざす前に力を振りかざせッ!
 強大な力の前には力で応じるしかないのだからッ! それが真理でしょうッ!」

278 :
「――ッ!」
アキュパンクチュリストの恫喝に、ブラスタークイーンの鼓動が、一拍、止まる。
二人の間で木々を揺らし、水々しい青葉をもぎ取り深緑を吹き抜けたつむじ風は、さながら夏の木枯らし。
一人の女の願いを袖にしたその風は、ブラスタークイーンの体に血潮の凍てつくような冷気を送り込んだ。
「そう……悔しいけど……貴方の言う通りね……。
 偉そうに言う私もずっとそれに従い、戦い続けてきたものね……。
 そして、私は結局、力でしか……クッ……!」
ブラスタークイーンの両掌に半月の鉤が四つ、食い込む。
アキュパンクチュリストの宣告は、ブラスタークイーンの逆鱗に触れていた。
逆鱗を伝う記憶の糸はたちまち弦と化し、昔日の想い人の言葉を振るい奏でた。
 ( ――神たらんとするわしに楯突くか!? この……、恩知らず共めがァァァッ! )
気付くとブラスタークイーンはその声の主の名を一度、呟いていた。
その名は耐え難い喪失感と共に、度しがたい何かをブラスタークイーンの胸の内に呼び覚ました。
「けれど……やはり貴方も……、要らないというのね……。
 誰かが望んでいるかもしれない貴方自身も……自分の手足より忠実な奴隷すら……。
 貴方はより強い力が目の前にあれば、自らを捨ててでもそちらを選ぶと言うのね……」
「忠実な奴隷? はて、貴女は何の話をしているのでしょうか?
 少し説明を……んンンッ!!?」
瞬間、ブラスタークイーンの手甲が散らす刃競りの火花が、アキュパンクチュリストの頭上に降り注いでいた。
「ぐぬッ!? これが貴女の本気なのですかッ!? 素晴らしい! 実に素晴らしい!
 この私に一撃であれ身を守らせるとはッ!
 特別です! 貴女は特別に生きながらえさせながら、何年、いや何十年と搾り採らせて頂きましょう!!」
しかし、喜びを爆発させるアキュパンクチュリストの視界から、ブラスタークイーンは瞬時に遠ざかる。
「――――ッ!!!?」
アキュパンクチュリストが日差しの変化を感じた隙に、ブラスタークイーンは攻撃の主導権を再び手中に収めていた。

279 :
「フッッ!! サジッタッ!!!!」
陽光を背にしたブラスタークイーンは、地上に向かって光の矢を放つ。
「ふんッ、他愛のないことをされますね!」
アキュパンクチュリストがサーベルはただちに持ち主を取り囲み、放たれた光の矢を押し止どめ、打ち砕いた。
「くッ!? ヒビさえ入らないなんて!」
アラモント鋼が魔法をあまりにもあっけなく霧散させるのをブラスタークイーンは真剣な表情で見送った。
「ははっ、こんなオモチャのような飛び道具では煙幕の役にも立ちませんよ。
 それに――まさか、空に舞えば私から逃げきれるとでもお思いでしたか!?」
そう叫んだアキュパンクチュリストはすぐさま土中に鋼鉄の根を張り巡らせ、天に向かって鐵の鎌首を延ばす。
続けざまブラスタークイーンに向かって迫り上がるサーベルの一つがカッと口を開き鋼鉄の音声を吐き出した。
「貴女のような極上の獲物、みすみす逃がしはしませんッ!!」
しかし、その空高く舞い上がながら吠え哮る鋼鉄の口に向かって第二、第三の光の矢が激しく炸裂した。
「……ヌゥんッ!?」
だが、それらの矢もたちまち蒼く輝くアラモント鋼の牙の中に飲み込まれてしまう。

280 :
「クハハッ! 闇雲な攻撃は身を助ける手立てにはなりませんよッ、ブラスタークイーン!!」
しかし、それでもブラスタークイーンは攻撃の手を緩めるわけにはいかない。
眼下には剣山のように連なったサーベルが光の雨の降り止む瞬間を待ち切れず、
光の矢を粉挽きにしながらブラスタークイーンに向かって鉄塔の鎌首を延ばしてきているのだから。
力を振り絞るように、ブラスタークイーンの拳から雨あられのように光の矢が降り注ぐ。
「くッ、……サジッタッ! サジッタッ! ――サジッタァァッ!」
「効きませんよ! 手数に頼ったまやかしの攻撃など、全くもって無駄ですね!
 これならば先ほど私に殴り掛かった攻撃のほうがまだ効果的でしたね!」
「ゼハッ……、はッ……ほ、本当に無駄なら……!
 もうその刃が私に届いていてもおかしくないんじゃないのかしらねッ!! ッ、ハァァァッ!」
絶え間無く光の矢を降り注がせるブラスタークイーンの指摘に、アキュパンクチュリストはほくそ笑んだ。
「ふふっ、この魔法は無駄ではないと? くくくっ、くははははッ!! 貴女は幸せな人だ!
 貴女のその自惚れがただの幻想でしかなく、むしろ墓穴を掘る行為だと知らずにいるのだからッ!」

281 :
「お、お黙りなさいッ! サジッタッッ!」
「ふんッ!!」
アキュパンクチュリストを囲うサーベルが、光の矢をなぎ払い、ブラスタークイーン目がけてはじき返した。
「ッ――!? くゥッ!!?」
跳ね返された光の矢をブラスタークイーンはすれすれで身を躱した。
しかし、その間に両者の間合いはブラスタークイーンにとって絶望的ともいえる距離にまで縮んでいた。
「く、ハッ、ハァッ……ッ!」
苦しげに息を吐くブラスタークイーンに、アキュパンクチュリストは獲物の品定めをするように話しかけた。
「くっくっく……可哀想に、もう虫の息ではありませんか。
 どうやらこの勝負、貴女の負けのようですね」
「くッ、まだ……、分からないわよ……ハァッ、ハァッ……」
「いいでしょう。私の新たなる礎の誕生を祝福して、貴女をさらなる絶望の淵に落として差し上げてましょう。
 よくお聞きください……くくくっ、貴女の放った攻撃は全て私の……」
アキュパンクチュリストが絶望的な宣言を下そうとしたその時――。
息を切らしていたブラスタークイーンが唐突に呼吸を整え、言葉を遮った。
「ふ、その話――」
キッと姿勢を正し、顔を上げたブラスタークイーンに苦しさといった要素は表面上なかった。
「――――ッ!?」
警戒をといていたアキュパンクチュリストは疲労の見えないブラスタークイーンの様子に目を見張った。
ブラスタークイーンは魔法の弾幕を放ちながら、
ある一定の間だけ傷の痛みを無理矢理抑え込めるように力を蓄えていたのだ。
それらは全て、これから放たんとする最後の一撃を繰り出す瞬間のためだけにかき集められた渾身の力――。
「つまるところ……貴方はもう、まけた、ということなのね?」
突き放すようなブラスタークイーンの言葉に、アキュパンクチュリストはうろたえる。
アキュパンクチュリストは、そのブラスタークイーンの言葉が勝敗を指し示したものではないと察知したのだ。

282 :
「ぬうッ!!? 貴女はッ、きっ! 気付いていたというのですか!!」
「えぇ、もちろんよ。さぁ、貴方の準備が整ったところで手っ取り早く確かめてみましょうかしら?
 貴方の信望してやまない力とやらで!! 私の確かさと、貴方の確かさというものをね!」
ブラスタークイーンは胸の前で両腕をクロスさせ約束の言葉を唱え上げる。
「サジッタッ、リュース!!」
交差させたブラスタークイーンの両手には光の弓矢が握られていた。
小振りな光の弓に番えられ、まばゆい光を放つ矢は、もはや矢と呼べない長大な凶刃。
その切っ先が射手と共にアキュパンクチュリストに向かって狙いを定める。
「……ふっ、貴女も人が悪い……。まさか加減した攻撃を放ちつつ、自身の回復の時間を稼ぎ、
 あまつさえ、私の持ちうる最大限の斬撃を……自ら引き出そうとするとはッ!!」
「仕方がないでしょう?
 貴方のオフビート能力は他人の力を取り込めば、より真価を発揮することができそうだだもの。
 けれど……限界近くまで巻けた、巻き尽くしたゼンマイは攻撃を終えるまでは決して防御に手を割けない。
 だから貴方を倒すには、敵の攻撃の遊びの間隙を埋め尽くさせる以外方法がないというわけ。
 ……それで相違ないと思うのだけど、さて、どうかしら?」
「く……ッ! クゥゥゥォォオオオッッ!!!」
「ふふ、なるほど貴方が『確かな物』にこだわるのも頷けるわ。
 だって、矢でも鉄砲でも壊れないようなものに接していれば貴方はそう簡単に負けることがないもの。
 大地を背にした貴方はさぞ心易く、私に向かってこれたでしょうね?」

283 :
「お……おのれ、おのれ、おのれぇぇ!! クイックブレイドといい、貴女といい……!!
 ブラザーフッドオブブレイズ!!! この私に対してわずかな勝機にまでこぎつけるとは侮りがたし!!
 だがしかし!  私は、貴女のような者達をこそ越えてみせねばならないのですッ!!」
「あら……そう勝手に先輩呼ばわりみたいなの、しないでほしいものね……」
ギリリ、と向かい合う光の凶刃と鋼鉄の屍刃が限界まで軋みを上げる。
お互いに立ちはだかる全てを否定せんがためだけに鳴る力の不協和音は、ブラスタークイーンの耳に痛かった。
「(成長しないわね、私は。いったい何度、同じ過ちを繰り返せば気が済むの!!)」
そして咥内を這いずりまわり始めた苦虫を噛み潰すようにブラスタークイーンは切り出す。
「貴方も私ものんびり話してられるほど長く力をとどめておけないでしょう。
 さぁ、ぼやぼやしてないで……かかって、来なさい……ッ!」
「ッ……!! こうまでお膳立てされてしまえば……貴女を生かして捕らえることは諦める他ないようですね」
「グッ……!? そ、それよ……私は『それ』を諦めてはならなかったのよ!」
「ほう? 私を生かして捕らえると……ふ、貴女にそんな余裕があるようには見えませんね……。
 さぁ、私の全力をもってして、貴女を串刺しにしてあげましょうッ!! になさいッッ!!!」
無数のサーベルと、アキュパンクチュリストの体全体が、一振りのサーベルへと溶け込んでいく――。
「そううまくいくかしら、ねぇッ!!! ――――ハッッ!!」
そして、同時に放たれた二つの凶器は両者の間でスパークし、刃毀れとも呼べる衝撃波を周囲に撒き散らした。

284 :
いつものことですが推敲せずに投下したらナンカおかしなことに(((´∀`)))ケラケラ
明日、凌辱に足をかけるところまで。

285 :
……………………。
「カはっ……!! だめ……、ん、では……っ!!」
……大地の上に、サーベルの残骸が散らばり落ちていた。
両者の繰り出した凶刃はどちらとも相手の体へ届かなかった。結局、勝敗は互角……。
しかし、アキュパンクチュリストは命に関わる生理機能のいくつかをオフビート能力に依存していた。
そして今その能力を相されて、アキュパンクチュリストは無事なはずもなかった。
ブラスタークイーンは地面に腹ばいになりながらアキュパンクチュリストの元へ向かおうとする。
しかし、その体は絶望的なまでに重く、地面からは頬を離せない。
土を掻こうとする指先さえも、かじかんだように痺れてしまっている。
一方のアキュパンクチュリストの体は、ピクリとも動いていない。
今やオフビートの命を無尽蔵に集めたアラモント鋼の体はないがしろにされた墓標のように朽ち果てていた。
「……アキュ……パンクチュリストッ!」
ブラスタークイーンが悔しさに声を震わせると、辺りの木々がざわめいた。
そのざわめきにまぎれて、ブラスタークイーンの真上で一本の枝がメキメキと今にも折れそうな音を立てた。
「――――ッ!?」
折れた大ぶりな木枝が地上で跳ねる寸前、ある物体が先にブラスタークイーンの目の前に落ちてきていた。
「ッ!! な……なぜ……ッ……!!? ど、どうして……ッ!!?」
地に落ち、大地に転がった『それ』と目を見合わせてしまったブラスタークイーンは、声を失う。

286 :
ブラスタークイーンの眼前に降って落ちた物は二つ……。今折れたばかりの小枝と、道化師の人形。
鉄槌を掲げたピエロは、まるでこの場所だけ時間が止まっているかのように沈黙している。
水を打ったように静かな沈黙は、そのピエロの方向から発せられた声によって破られた。
「はっ、惜し気もなくまたねるなんて、懲りないイヌだ」
声はピエロの口先からではなく、倒れたアキュパンクチュリストの、さらにそのまた後方から発せられていた。
「ッ!?」
はっきりと聞こえたその声は風のざわめきよりも遥かに小さいが、透き通った隅々までよく届く女の声だった。
声の主がさらに含み笑いをこぼすと、アキュパンクチュリストの背後にある木の裏で、長い黒髪が風に舞った。
「ふふ、さっきは首で今度は満身創痍か。これは急がないと手遅れになりそうだね」
「くっ……お仲間がいたのね……、誰なのッ……出てきなさい……!」
そうブラスタークイーンが言うと、隠れて者が風になびきかけた長い黒髪を片手で押さえ、歩を踏み出した。
木陰から現れたのは病的なほど線が細い少女。黒のベアトップワンピースに細身を包んでいた。
真夏にはそぐわない色をした少女のワンピースはボトムフロントが大きく開かれており、
その内側に上から赤、黒の順でパンキッシュなスカートオンスカートが覗く。
さらにその下ですっと伸びる白い脚には、青銅色をした楔形の彫物が縦横無尽に施されていた。
だが、その楔型の彫物は脚にだけではなく、肩を出したワンピースの袖先にもびっしりと敷き詰められている。

287 :
「あら……随分とッ、またヤンチャそうに見えるお嬢さんね……」
そう漏らしたブラスタークイーンを丸きり無視して全身入墨の少女が歩くと、
腰に下げたキーチェーンや手首のブレスレッドが耳障りな金属音が姦しく鳴らした。
少女はアキュパンクチュリストの横で身をかがめて目を閉じ、僅かに露出した男の体に手を触れて言った。
「イヌ、お前の負けだ。起きろ……」
そう少女が言うと、全身に刻み込まれた墨がうっすらと怪しげな光を帯びていく。
「んグッ……貴方は何者なの……!?」
ブラスタークイーンの問いかけに対して、少女は虚ろな一瞥を投げかけてただけで邪険にした。
「オバサン今は難しいことしてるんだからさ、話しかけないで。気が散る」
「まっ!? な、なんて失礼な!」
「ふん、しつこいオバサンだね。いい? ――話しかけないで」
「ちょっとお嬢ちゃん? 貴方……え……!? 話しかけ、ないで――――ッて!?」
少女の発したその声は、ブラスタークイーンの頭に反響し一つの声が繰り返し繰り返し聴覚に共鳴する。
「こ、これは……ッ……!?」
共震する言葉はブラスタークイーンの思考を埋め尽くし、少女の命令以外の何事も考えられなくさせていた。
「ッ……!!? くううッ……!?」
たった一言で、あろうことかブラスタークイーンは少女に対して何も話すことができなくなってしまったのだ。
そのためブラスタークイーンは、その後の出来事を、アキュパンクチュリストが
両目に計り知れない憎悪をにじませて立ち上がった事すらも、別世界のことのように見過ごす他なかった。

288 :
の淵にいたはずのアキュパンクチュリストは息を吹き返して起き上がりざま、耳の痛くなる雄叫びを上げた。
「ぐ……、くッ、くそぉおおおォォッ!! よくも俺をぉぉぉッ、ハウジングメイデン(仕切り娘)!!」
アキュパンクチュリストは荒く息を吐き、ブラスタークイーンにではなく、なぜか少女に向かって吠えさかる。
「無理をするな。あたしは日に三度も人助けなんてしないよ。まぁお前が野垂れにしたいなら話は別だが」
「助けた!? はっ、助けただと!? このっ、人を人とも思わないキチガイ連中め!!!」
けれど立ち上がったとはいえ、アキュパンクチュリストの足取りはとてもおぼつかない。
それでも二つの瞳だけは爛々と黒い輝きを少女に向けて放っていた、が、しかし……。
「ほおぉ、反抗的な目付きだな。イヌは、人間に逆らえないはずだけど?」
「ッ!!? ふしゅ……、ふひ……!! はッふぅぅぅ――――ッ!!」
少女が一言そう口にしただけでアキュパンクチュリストは地面にのたうちまわった。
その時、ブラスタークイーンは初めてアキュパンクチュリストの肉声を耳にした。
アキュパンクチュリストの苦しげにうめく空気の抜けるような、ひどく惨めに聞こえる素の抜けた肉声を。
そして、無骨な鋼の両手で今にも潰れそうなほど頭を押さえ付けてもがくその姿は直視に耐え難いものだった。
「ッ、貴方!! 彼に、アキュパンクチュリストに何をしたのッ!!? お嬢ちゃん、貴方まさか……!!」
そう口に出した後で、ブラスタークイーンは自分がようやく言葉を話せていることに気づいた。
「んっ、何をだって?」
ハウジングメイデンと呼ばれた少女は半目をうるさそうに開けてブラスタークイーンに答えた。
「あたしはにかけていたこいつを親身になって助けてあげただけさ」
「それだけではないでしょう!? お嬢ちゃん、酷いことは今すぐおやめなさいッ!!」
「ぷっ、何を言い出すかと思ったら……ぷははははっ! 酷いことだって? あはははっ!!
 じゃ何? オバサンがこいつを傷を負わせたのは酷くないっていうのかい? こりゃあ傑作だね」
「んクッ……!!」

289 :
「あたしが酷いのは重々承知だよ。でもあたしはオバサンみたいに無理に自分を取り繕おうだなんて思わない。
 中東じゃ五千年も前から『馬鹿は物事が分からず、賢い者は正しい物事を知っている。
 けれど、最も賢い者は自分のしている物事をよく知っている』って言われてるんだよ。
 あたしはその点、誰かがし合うのを見て楽しみたいと思って単にそう仕向けただけ。
 だけどオバサンはし合いをしたくもないのにこいつと戦って、ふっ、結局のとこ何がしたかったの?
 オバサン最後に加減を効かせたようだしね。まったく、興をがれちゃったじゃないか」
「そ、れは……ッ!! ッ……!!」
少女に言いくるめられて一瞬ブラスタークイーンは返答に窮す。
しかしその時、アキュパンクチュリストがオフビート能力を駆使した声音で間に割って入った。
「ま……て……、ブラスタークイーン……迂闊に、この女に関わるんじゃないッ!!」
「アキュパンクチュリスト、貴方何をっ……!?」
次の瞬間、アキュパンクチュリストから伸びるアラモント鋼の触手がブラスタークイーンの体を持ち上げた。
「逃げろ! ブラスタークイーン!! あんたは、逃げてくれ!!
 あんたのようなオフビートが俺らに巻き込まれる必要はないッ!!」
固く冷たい触手はそのままブラスタークイーンの身をこの場から遠ざけようと鋼鉄の手を伸ばす。
しかしアキュパンクチュリストの差し延べた逃走の手立てを少女が一声、制した。
「待ちなよ」
ハウジングメイデンがそう口にしただけで、アキュパンクチュリストの頑強な触手は動きを止めてしまう。
そして、満身創痍のブラスタークイーンは加速から一転、急停止した触手によって手荒く宙に投げ出された。
「――――ングゥッ!!?」
樹木に体をしたたかに打ちつけ、ブラスタークイーンの意識はわずかに遠のいた。

290 :
「やれやれ、あたしの前で勝手なマネは許さないよ」
「ハウジングッ!! キサマ……ッ!」
ハウジングメイデンを睨みつけたアキュパンクチュリストの両目が爛と血走る。
「おや面白いねぇ。まさかこんな場所であたしとやろうって言うの」
少女が歪めた表情をアキュパンクチュリストに向かって突き出し、同時に自分の背後の森林を指さし示した。
「くくくっ……お前をなせずに苦しめるには、あたしがどれくらい手加減してやればいいんだろうね」
もしも天使が一で悪魔が七、人間が三と数字で表せるとすれば、この時の少女の表情は、おそらく十と言えた。
ハウジングメイデンのその歪んだ笑みを前にして、アキュパンクチュリストの血の気はみるみる失せていく。
「……ふ、意気地のない奴め、ようく覚えておきな。結局お前は一人じゃ何も出来ないクズなんだよ。
 そして、クズがあたしらの下で少しでもその臭い息を吐きたいって言うのならまずは口の利き方を正そうか。
 ペットは飼い主の品位を落とすのは良くないだろう? そら、もう少し調教してやるからじっとしてな」
そう言ってハウジングメイデンはゆっくりとアキュパンクチュリストの刺青まみれの額に手をのばす。
「や、やめろ……ひ……やめてくれ……!!」
ハウジングメイデンが額に手を置くと、少女の全身に施されている楔形の彫物が一斉に妖しげな光を帯びた。
「くひ……! ――――ッ!! …………ぁ……が……」
少女の指先が徐々に額にめり込んでゆくとアキュパンクチュリストは激しく痙攣し身もだえた。
しかしアキュパンクチュリストはしばらくの後、放心した様子ながらも、
小刻みに震える手で恐る恐る額に置かれた少女の手をそっと外した。
「も、もう……おやめ、下さい……。こ、これ以上の言霊に今は、私の体が持ちません……」
「ふん、そうかい。まともな口の効き方ができるくらいには正気が戻ったようだね。
 全く粗野で手間のかかるイヌだよお前は。少しは調教し直す身にもなってみろ。
 お前が一日に二度もされかければ、こっちもそれと同じだけ躾を繰り返さなくちゃいけないんだからな」
「も、申し訳ありません……不覚を、とりました……。
 ところで……ハウジングメイデン……私に一つ、提案があるのですが……」

291 :
「ふ、どうせあのオバサンを逃がしてやりたいなんて言うんだろう?」
「くっ……、いけませんか?」
「やはりまだ調教が全然なっていない、ようだが……。
 今はお前の下らない仏心が、あたしを楽しませてくれるかもしれないね」
少女はそう目を細めて答えてから、地面の上でうずくまるブラスタークイーンのほうを向いた。
「で……そっちのオバサン?
 オバサンが戦ってるところを見せてもらったけど、オバサンのくせに中々やるんだね、気に入ったよ」
ハウジングメイデンは返事のないのも気にせずに、倒れたブラスタークイーンに向かって歩き始めた。
「今からオバサンにちょっとしたご褒美をあげるよ。ふふ、ぜひともお気に召してほしいね……。
 さぁアキュパンクチュリスト。お前の汚らしい欲望を全部、こちらのオバサンに御覧じて差し上げなよ」
「なッ……!? ハウジングメイデン、そ、それだけは……、それだけはどうかお許し下さい!!」
「おやおや、えらくご執心じゃないか。お前はこのオバサンにされかけたっていうのに、まだ」
「いや、ですが、この方は……私に対して親身なほど……!!」
「だ、ま、れ……」
「――――ッ!!」
「あたしはね、犯すか犯さないか選べだなんて聞いてない。犯せ、とだけ言ってんだよ、クズが!」
少女はアキュパンクチュリストに剥き出しの罵声を浴びせ、気を失ったブラスタークイーンの体に手を置いた。

292 :
ほす

293 :
保守

294 :
ほす

295 :
「正広、教授の姿が見当たらないんだが一体どこ行っちまったんだ?
 また酔っぱらってホテルのゴミ捨て場で寝てるのか? ちょっと回収車にほうり込まれる前に見てくるよ」
「あぁ、教授なら……」
狭苦しいロビーの壁際に置かれた長椅子に腰掛けた正広は欠伸を噛み、現地の新聞に目を通したまま答えた。
「アイン=マラッハ遺跡でちょっとした発見があったらしくてな。朝いちでイスラエルに飛んでったよ」
「はあん、そうれはそれは。かわいい教え子たちを置き去りに御苦労なことだ。
 まぁ、あの遺跡は発見された当初からデカいってことでかなり注目されてたからな。
 で、一体何が見つかったんだ?
 まさかノアの箱舟みたいな神聖な聖遺物だってんじゃないだろうなぁ? はっはっは」
数年前にエチオピアの山頂で発見された巨大な木造船がとあるオフビート達の悪ふざけだったという事件は
そのまま考古学者達の間で新発見に対してたびたび使う挨拶がわりのジョークになっている。
が、そんな冗談も一本気な正広にはまるで通じず、単にむっとさせただけだった。
「バカを言え、そんなどうしょうもないふざけた発見であるものか!」
正広が床に新聞を叩きつけるのと同時に、俺は両手の平を頑固者に向けていた。
「あぁもう、よく分からないが俺が悪かった、俺が悪かった。
 冗談は言いませから発掘された物が何なのか教えて下さいませんか?阿部助教授」
「ふん……。老女の墓から生後四カ月くらいの子犬の骨が出土したそうだ」
「ほお? 人の墓から犬が一緒に出てきたのか。そいつは人身御供ならぬ犬身御供ってやつだな」
「おそらくな。埋葬されていた子犬の犬歯は退化していて同時代の犬と比較してもかなり小さいらしい。
 マラッハ遺跡の発見は犬がペットとしてヒトと生活を始めた最古の事例になりそうだ。
 どうだ磯崎、ペットの出土はノアの箱舟なんかよりも断然神聖な発見に思えないか?」
「んん? そりゃペットの発見には興味を覚えるが……神聖だなんてどうしてそう思う?」

296 :
「磯崎、ノアの箱舟は神が許した番いの生き物だけを残して他は皆してしまおうという排他的なドグマだろ。
 逆に、獣のペット化は通常合いなれない生き物が垣根を越え、共に生きていこうとした証拠じゃないか。
 BC1万年にヒトの異常に対する排斥行動、それに対する排斥が起こったんだよ。
 つまりイェリコ遺跡の城壁、カイト・サイト遺跡の囲い、トレイハ遺跡の擬壁、
 人間が、仲間とその他を断絶するために壁をこしらえる以前に、一万と二千年前からだ。
 そしてそれは現代まで続く慣習になり得た。どうだ、なぁ。少しはありがたい発見に思えるだろう?」
『どうだ』と『なぁ』の間にたっぷり時間を置いた正広の弁は俺を置き去りにして熱を帯びていた。
だが、俺にはここ最近の正広の思い込みの激しさ、偏屈ぶりは度が過ぎているようにみえた。
「学者が夢を語るのは大いに結構。でもな、神聖だとか程々にしとけよ。
 確かに俺達にはそういったロマンは必要だが、基本的な現物主義のスタンスをお前忘れてやしないか?
 イヌ科の化石ならもっと古い階層からも出ているだろうが」
「もちろん磯崎の通りだ。が、イヌ科の発祥はアフリカ南部に単一のイヴを持つヒト科ヒト科目とは異なる。
 よってイヌの誕生はヒトとの繋がりが揺るぎないものになった時代の始まりに置くべきだろう?
 それにな、俺は現物主義も忘れちゃいないさ。現にな、俺も、お前も見ての通りヨレヨレじゃないか」
新聞を拾い上げた正広はやつれた顔でにこやかに笑った。やることはやってる、そう言いたいのだろう。
長椅子にどっと座り、フロントを一目みてから正広は再び新聞に目を通し始めた。
俺も同様にフロントのほうを目で追うと、受付のアラブアンが興味津々にこちらへ向かって首を延ばしていた。
「悪い……どうやら発掘の成果が出ずにカリカリしてるのはお前ばかりじゃないようだな」
「ふっ、それから酒ばっかり飲んでる爺さんもな」
「確かにな。しかし珍しいな正広、今朝はやけに軽口を叩けてるじゃないか」
「あぁ、しばらく自由が効くようになったからな。
 それで教授のいない間、現地団の一部を俺達二人の手伝いにつかせるぞ磯崎」

297 :
「現地団って、おいおい、俺やお前に何人も穴掘りに雇い受けるような金なんてないだろうが」
「それが金なら都合よく資金提供者がいてな。心配するな」
「はぁ? 俺達のしてること分かってるのか正広。盗掘に資金提供者なんて現れるわけないだろ」
「いいや、現われたんだ。朝いちでイスラエルに飛んでったがな」
「何だと!? あのジジイ……とんだ食わせもんだな、どす黒い金おいてきやがったのか……。
 しかしお前、深夜に野郎二人だけじゃロクに調査できなかったからと、ついには専属の調査団まで調達か。
 俺という優秀な助手まで引き込んで、万々歳だな。ええいクソッ、毒を食らわば皿までだ。
 それで、どこから掘り返すんだ? 一度手をつけた場所もまた一から掘り返すのか?」
「磯崎、これは巡り巡って舞い込んだ、またとない機会なんだ。そんな無駄なことは一切させない」
「む、無駄ってお前……、あれだけ毎晩のように俺を巻き込んでおいて、その言い方はないだろう……」
「ふん……なら、俺達の探索がまるで無駄ではなかったといえる証拠、現物はあるのか磯崎?」
「……丸っきりないな」
「だろう。それで話はもどるが、現地団を雇うからには深夜の発掘は難しい上、大掛かりになってしまう」
「それじゃあれか? まさか未許可の土地を昼間に発掘するのか?」
「そうだ。俺達が抜けることも教授が他の研究員にうまく取り計らってくれているからな」
「しかし簡単に言うがお前……」
「もちろん当面は盗掘の露呈する可能性について入念に調査する必要がある」
「へぇ、調査なんて言うあたり、すでに発掘する場所についてまた目星をつけてるんだな。目ざといことで」
「まあな。ちょっとした公用地だが」
「公っ!? おっ前、公用地にちょっとしたもくそもあるか!
 ムチ打ち刑じゃ済まされないぞ!! 公用地は公用地だ、それ以外にあるか!」
「あるさ。軍用地というちょっとした名前の違いのある公用地だ。
 俺は日本にいるときからずっと、ここを発掘したかったんだ」
そういって正広はくたびれたシャツの胸ポケットから折り目の擦り切れた地図を取り出したのだった。
「は……はは……そんなの命懸けじゃないか…………。お前は、大したやつだよ……」

298 :
「ブラスタークイーン! ブラスタークイーン! ブラスタークイーンッ!!」
自らの名を連呼され、ブラスタークイーンは意識を取り戻した。
戦闘で負ったダメージはものの見事に消えている。
しかし鋼鉄の台座に仰向けに寝かされた体は、雁字搦めにされたようにまるで動かせない。
ただ一つ、いや二つの豊満な乳房だけがいうことの効かない身体の上で揺れに揺れている。
着るというより、張り付けたようにタイトなコスチュームの上、固くしこった乳首の膨らみが浮き立っている。
「くはっ……、アキュパンクチュリスト……貴方……ッ!!?」
「う、うおおぉぉぉ!!!」
ブラスタークイーンに股間を打ちすえるアキュパンクチュリストは達する雄叫びを上げていた。
アキュパンクチュリストが激しく息切れした吐息を漏らすと、
情後の温もりがブラスタークイーンのアソコに広がっていく。
「おや? 気づいたようだねオバサン、ふふふ……こいつの具合はどうだったかい?」
後ろから額と髪をやんわりと撫で上げられ、ブラスタークイーンは激昂した。
「お嬢ちゃん……あなた……人として最低ね……」
「最低? どうもありがと。それより見てあげなよ、アレを。
 よくまぁ『あんなの』でイケたと思わない?」

299 :
アキュパンクチュリストの股間には真当な男性器はなく、ヘソのような穴口からどろりと精液が滴っていた。
しかしアキュパンクチュリストの体については、ブラスタークイーンにとっては見るまでもない事だった。
ブラスタークイーンは視線を黒髪の小娘を合わせたままに唇を固く結んだ。
「お許しを……お許しをッ! ブラスタークイーン!!」
アキュパンクチュリストの悲痛な懇願は、そのままブラスタークイーンの怒りの炎へと油を注いだ。
「あなた……許さないわよ……!」
「ふふっ、こんなに必になって謝ってるんだからコイツのことは許したげなよオバサン」
「お嬢ちゃん、あなたに言ってるのよ! いい加減にしなさい!!」
「ははっ、凛々しい顔するねぇ。つい汚したくなっちゃうじゃないか」
そういってハウジングメイデンはぷっとブラスタークイーンの眼に向かって唾をたらした。
顔を背けることもできず屈辱という名の唾液を受け、ブラスタークイーンは半目を閉じさせられた。
「くっ……!!」
「ふふん、少しはらしくなったんじゃない? 屈辱と怒り、ないまぜになったその表情……。
 ねぇオバサン? あたしのこと憎い? したい? こいつの体をこんなふうにしたのもあたしだよ?」
「……憎しみだなんて、……あなたの幼さには、ただただ哀れみしか感じないわ」
「はぁん、オバサンも少しはこっちの神経逆なでするような買い言葉を使えるじゃないか。
 それじゃアキュパンクチュリスト、期待に答えて次はお前のオフビート能力をフルに使って差し上げな。
 このオバサンはお前の肉便器だ。とっぷりと日が暮れるまで犯し続けてやりなさい。
 いいかい? 物が言えなくなるくらいに、だよ。……ふふふ……」

300 :
待ってました!

301 :
ほしゅ

302 :
ほしゅ

303 :


304 :
 

305 :
そろそろ投下しようと思うんですが規制中でしたありがとうございます。
ちっとも進まないgdgdSSで雑談できる空気消して、ほんとごめんなさい。
一応ここのエロシーンはもう書き終わってて、その先を飛び飛びで書いてってます。
ところで、パンフ貰ってきましたが、ついにアイ3が出ますね。
いきなり年末に発売予定なんて言われてもまだ心の準備が出来てません!
どうか延期し……、嘘です!冗談ですってば!ってくらいドキドキしっぱなしでもう。
新キャラの胸にしか目が行かない自分を省みては「やっぱりおっぱいは新しいものに限る」と思う毎日です。

306 :
>ところで、パンフ貰ってきましたが、ついにアイ3が出ますね。
マジですかっ!?
パンフって、やっぱコミケで貰ったんでしょうかMS PICTURESのHPではまるで更新されてなかったんですが。

307 :
狂ヴァや侍の時も直前に公式がドカドカっと更新されましたし、その辺りの心配はまだいらないと思います。

308 :
なるほど。
私としてはメグが気にかかりますね。
SETBOXの特典だと調教されきって人形状態とのことですし2以上のエロ担当ぶりを見せてくれると期待してます。
…原画、黒木さんのままでしょうか?

309 :
>305
投下まだでしょうか?
あと私はエロエロに調教されたメグに期待。

310 :
「じょっ、冗談言わないで……ッ! 悪ふざけはよしなさい!」
「くす……。面白いオバサンだね。
 気持ち良いのは嫌? ちょっと年甲斐ないんじゃない? え?」
ブラスタークイーンの細おもてに、ハウジングメイデンの爪が深く食い込んでいく。
「ふぐゥ……ん!」
小柄な少女とはとても思えないその膂力に、ブラスタークイーンはもがく他なかった。
「ふん、口先だけ生娘ぶんのはやめとこうよ、気持ち悪い。本当は好きなんだよね? こういうのさ」
そう言い放ったハウジングメイデンは、次に長い爪を豊かな胸の頂上へと突き刺した。
「いぎッ! く、あぁウッ!!」
紫に彩られた爪先をきりもみさせ、少女の指先がブラスタークイーンの乳頭を深くうがっていく。
「うっ……がぁぁっ! だっ、あめぇぇッ! ふンンん……ッ!」
「ほうらね、うらやましいくらい素直に反応するじゃない。」
ブラスタークイーンの豊満な乳房は、年齢を完全に打ち負かし、挑戦的なまでに張り詰めてはいたが、
突き立てられた少女の指を第二関節まで丸まると包み込む。
「きゃははっ! すっごい入ってくねぇ。オバサンの胸、バカみたく大きいから」
ハウジングメイデンがおもいきり突き入れた指先をぶるぶると震わせると、
ブラスタークイーンの嬌声と巨乳もまた小刻みに震えた。
「つぅッ……はぐッ! やめっ、やめなさッ! ン、ふはぁっ!」
年端も行かぬ少女に乳房を弄ばれ、大声を上げながら背筋をくねらせ身悶えてしまうブラスタークイーン。
熟れた体が敏感にうねる様子にハウジングメイデンは舌なめずりした。
「ふふふふふ……食いしんぼうなおっぱいね?
 まだぜんぜん足りてないよぉって舌とがらせて、おねだり始めちゃってる」
そう言って少女はブラスタークイーンの固くしこった両乳首を指の間で押し潰した。
「ぎッ……!? ンァァァッ!」
桃色のつぼみをひねられ、ブラスタークイーンの肉体がわななく。

311 :
「イヌ、何ぼさっとしてんのかな? お前もそいつでやんじゃないの?」
少女に促され、それまでじっと黙りこんでいたアキュパンクチュリストは、伏し目がちに答える。
「はっ……ッ、……ブラスタークイーン、貴女は我々の軍門に下ったのです。
 貴女は敗者であり……敗者は、敗者としての務めをなさねばならないのです……!」
一字一句区切るようなアキュパンクチュリストの宣告は、ハウジングメイデンをやや白けさせた。
「はっ何それ、堅っ……」
しかし、少女の呆れた物言いをよそに、アキュパンクチュリストの股間には鋼の張形が面を持ち上げていた。
「ねぇ? 心苦しそうにしてるわりには全然じゃない? そんなにおっきくしてさ。
 それに……その普通のカタチはオバサンへの建前? くすっ、いつもはもっとえげつない形してるくせにさ。
 ……ふっ……くくっ、ぷははははっ! ほんとダサイいねぇ、お前。鼻息荒いんじゃない? はははっ!」
少女にあられもない事を言われ、アキュパンクチュリストは大きく息を飲み込まずにいられなかった。
「く、ぁ……アキュパンクチュリスト……!」
ブラスタークイーンが声を震わせてアキュパンクチュリストを見つめるも、
ついぞその視線が交わることはなかった。
「ふふっ、あたしの躾けをおとなしく受けてりゃ、そういった引け目も感じなかっただろうにね。
 さ、そのデカマラこっちに寄越しなよ、早く」
蒼鋼のディルドーがすぐさまハウジングメイデンの催促に応じるように伸長する。
少女はブラスタークイーンの目の前までせり出した雄角を片手で掴み、息つく間もなく頬ばった。
「っむン……ンは……まずはこのスケベオバサンのために、中にたっぷり、飲ませておこうか……。
 壊すにはまだ早い、からね……ふふ……んぢゅ……ぴちゃ……」
ブラスタークイーンに見上げられるような格好で、少女は鋼の剛直を頬つくばり、のどを鳴らす。
とくとくと波打つ細い首に唾液が伝い落ち、それがブラスタークイーンの口の端をしたたかに濡らした。
「んふふ、こぼすなんて、何もったいないことしてんの……くちゅ……ん……」
少女の舌を次々に伝っていく唾液は、一体どこから、と思えるほどの量にまで達し、
卑猥を模した鋼鉄があふれくる唾液でなまめかしい濡光を帯びる。

312 :
「ッ……きたならしい……! そんなもの、寄せないでちょうだい……!」
ブラスタークイーンはそう苦々しく吐いて捨てたが、その体は、その言葉に、まるで追いつけていなかった。
淫具の支度が整うにつれて、淫部は早くもうるおいを見せ始めてしまっていたのだ。
「(なんて……大きいの……! あんなものを挿入られてしまったなら……、クはッ……!)」
ブラスタークイーンは、わずかでも気を抜けば息が上がってしまう、そんな自分を必に押さえ込もうとした。
そして苦しまぎれ、一見みだらに見えるこの口淫に対して、遠回しな憐れみを口にする。
「は、くっ……アキュパンクチュリスト、かわいそうに貴方、もうキスすらできないのね……!」
けれども、その苦しまぎれに放ったブラスタークイーンの一言は、
アキュパンクチュリストが危うげながらも保ち続けていた良心をしたたかに刺激してしまった。
「グゥウオォォォオオッ!!」
男は、かけられた言葉の意味を解すと同時、鋼の張子を少女の口から強引に引き抜いていた。
ハウジングメイデンの口の端が、無理に合金ディルドーを引き抜かれてわずかに切れる。
切り口からふき出た少量の血は唇に薄く塗られた少女のグロスを淡くにごらせた。
しかし、全身刺青の少女は裂けた唇を拭いもせずに頬を緩ませるだけで、静かにこう呟いた。
「おやおや……あたしはこいつのヘタレた攻めを見物したかったっていうのにね……」
すでに、巨大なディルドーはブラスタークイーンのショーツにめり込んでいたからだ。
縦にきつく食い込んだショーツの両脇に、恥毛の茂みがたなびいた。
「あ、んぐぅ……! ひんっ……ひ、ひんんンンンンッ!!!」
ディルドーと共に股間に吸い込まれていったショーツは体内で破かれ、穴を開けられた。
「んぁっ! ンンあぁぁッ!」
嬌声を上げてあえぐブラスタークイーンの様子を、ハウジングメイデンは丸めた手を口に当てて笑いたてた。
さらに、鋼鉄ディルドーが子宮口と激しい口づけを交わすと、ブラスタークイーンの体がびくんと大きく弾む。

313 :
「ブラスタークイーン! 貴女に、貴女にかような不貞を働くことをお許し願いたい……!
 しかし、しかしこれだけは申し上げておかねばなりません……!
 ブラスタークイーン、……心ある貴女には、さぞおかしいことでしょう……!
 私が! このような道具を舐められて! 至福に浸れるのかと!?」
「く、あッ、あンンンッ! そこッ、や、やぁぁっ!」
突如、合金張子から一本の角が枝分かれした。ブラスタークイーンのアナルを責め立てる。
アナルへ伸びたディルドーはさらに枝分かれを繰り返し、ブラスタークイーンの菊座を割り開く鉗子となる。
そのアナル鉗子によって広がった後ろのすぼまりは、ショーツの両側に大きくはみ出すほどにむかれた。
「オバサン大丈夫ぅ……? なんかおしりの穴がすごいことになってるんだけど?
 くすっ……あーん、してるよ。真っ赤なお口で、あーん、って」
「ひぃぃッ! ンびぃぃィィ!!!」
「ふふ……どうやらこいつさ、二発目はここに出したいみたいだよ?」
アナルを広げられたブラスタークイーンの瞳から、恥じらいの涙が飛んだ。
「あ、貴女には……いびつに感じられることでしょう……!」
「ンんッ、んぎきぃィィッッッ!!」
「ですが! 履き違えないでもらえませんか、ブラスタークイーン!」
何の暖かみもなかった合金ディルドーは、ブラスタークイーンの膣奥で強烈な摩擦によって熱を帯びていった。
人肌以上の熱を持ちはじめた凌辱は、とどまるところを知らないかのように激さを増していく。
「貴女はさきほど『命は物じゃない』と言いました!
 そうでしょう、確かに、物や道具に命などないでしょう!」
繰り返し、繰り返し、鋼鉄がブラスタークイーンを貫き続ける。
そのピストン運動は、もはや常人ならば子壷を潰されかねないほどのものとなっていた。
「ですが、何一つ知覚のない道具であろうとッ……! 私は……!」
アキュパンクチュリストがぐっと息を飲みこむ。

314 :
そこへ、横からハウジングメイデンが四文字言葉を頭にして言った。
「ったく好きにやらせてみれば……ねぇ、なにいつまでもフインキ壊すようなお説教垂らしてんの?
 違うだろう? お前の役目はそのパンパンに張らした睾丸からザーメン垂らすことだろ。
 まったく、気を立たせんのも大概にしときなよ。ものには加減ってものがあるでしょ。
 オバサンが痛がるの通り越してホラ、白目なんてむき始めてんじゃない。
 はん……不具のお前にマグロと交わり合うような趣味なんてあったなんて初耳だねぇ。ええ?」
ハウジングメイデンはブラスタークイーンの引きつった頬を撫でながら、不愉快をそのまま言葉にした。
「……わっ……私は……!」
「あっそ、まだ言うんだったら今度から射精はオナニーだけにしなよ」
アキュパンクチュリストはなおも言いよどむが、その後の言葉はまるで出てこなかった。
少女が、眉を曇らせるだけでそれを黙らせたからだ。
「……い、いえ……、仰せの、ままに……」
「ふん、道具なんて物は使われて役に立つ、単にそれだけの物。
 使われない道具はただのゴミだし、役に立たない道具ってのもやっぱりただのゴミなんだよ。
 それで? お前は道具なの? それとも役立たずのゴミなわけ? ねぇどっち?」
ハウジングメイデンが見下すように問いただすと、アキュパンクチュリストは深々と頭を垂らした。
「……重々、心得ています……」
と、その時、少女が曇らせていた眉を若干ひそめて言った。
「……ん? ……もしか、余計な口挟んだのって」
ゆっくりとハウジングメイデンは自分の指先にねっとりと絡みついたものを眺めた。
「んぐ……く、ふぅうン……」
そこには、鋼鉄ピストンに打ち震え無意識にぬちゅると舌を絡ますブラスタークイーンの姿があった。
今の今まで意志の強さを放っていた、切れ長な目尻は、ふしだらに歪んでしまっている。
「ふぅん……。オバサン今ぐらいのがちょうど良かったんだ?
 悪かったね、余計な水差したりしてさ。あはっ、あははははっ!
 はははっ! ちょっ、苦しい……! はは、あははははははっ!」

315 :
少女は腹を抱えてひとしきり声高に笑ってから、アキュパンクチュリストに向けて言った。
「ね、こんなに好き者のオバサンを待たせんのは悪いよね?」
その言葉にアキュパンクチュリスト慎ましやかに頷き、すぐさま事に及んだ。
「んごいのォォ!! ッごいのォォおお! ンあぁぁッ!」
合金ディルドーがブラスタークイーンの中で再び猛り狂った。
「ぐぃぃっひ! やッン……りィ! 固いぃひッ! 固いのがぁっ! だめぇぇっ!
 中で、中でぇぇ! んごいぃぃぃっ!! 奥っ、奥、奥奥奥、や、ふぁぁあ、あ速いィィィっ!!」
「……くすっ、ほんとに面白いオバサンだね。とんだ堅物かと思えば……。いつの間にか、ビンビン……」
ハウジングメイデンはブラスタークイーンの体を愛撫し、赤く腫れたクリトリスをピンと指で弾く。
瞬間、ブラスタークイーンの大腿がきゅっと締まり、ぶつかり合う。
「んひン! ッは、あうぅん!」
ぴっとりと重なり合った太ももは頼りなげに震え上がっていた。
ハウジングメイデンは寄り添い合うひざ小僧を無造作に鷲掴みにし、股を開かせた。
「やっ、ややッ! やぁあああッッ!!」
少女が押さえておくようアキュパンクチュリストに目で合図を送ると、
たちまちその両足は鋼鉄の触腕によって拘束されてしまう。
「ねぇオバサン、固いなんて当たり前のこと言わないでよね。
 それから……さっき、聞こえちゃったよ? 『やっぱり』って。
 なんだここ、挿入れられる前から想像しちゃってたんじゃん、この……淫乱!」
「くひっ……!」
少女は最後の一言をそっと耳打ちし、ブラスタークイーンの艶やかな胸の上でくるくると指先を踊らせた。
「悪くないね、このおっぱい……。オバサンくらいでコレって、かなり気を使ってるでしょ?
 あぁあ、もしかしたら今までで一番触り心地がいいかもしれない」
「い……いやっ、胸は今っ、いやっ、いやぁぁああっ!!」
「どうしていやなの? こんなに気持ち良さそうにしてるじゃない。
 ねぇ……、もっと良がりなよ……、そうでなくちゃ、こいつってば性感がほとんど無いしさ。
 しっかり耳目で愉しませてやんないと、オバサンいつまでたっても解放されないんだよ?」

316 :
「なッ、にをバカな……ッ! 私がこんな卑劣なことをされて良……ッはは、はゥんッ!」
「ぷぷっ、ぷははっ、オバサンって本当かわいい……」
ハウジングメイデンが揉みしだくブラスタークイーンの豊乳は、小柄な少女の手に余った。
しかしその、鷲掴みには程遠いこそばゆい愛撫が、何とももどかしい劣情を生みだしていく。
「だけどさ、卑劣なことって言ってもさっきのでもう分かってるからね。
 こういう激しいの、好きなんでしょう? なっかなかいないよこんなに欲張りな人って……ふふ。
 でもこれだけ激しくされてるっていうのに、もう馴染みはじめてるみたいじゃない?」
そうブラスタークイーンを軽く突き放し、乳頭を掴み、人差し指で乳首をいじり続けるハウジングメイデン。
しかし、その乳房のつぼみに絡み合わせていた指の動きが突然ピタリと止まった。
「え……ちょっと何なのこれ? おっぱい? もしか……オバサン、子供産んだばかりなの?」
ハウジングメイデンは首をかしげ、べっとりとぬめった自分の指先をブラスタークイーンに近づけてたずねる。
「……んん……? だけど母乳とはちょっと違うみたいだね、これ。何の汁?」
「ンっ、はッ、はッ、や……、やめて、ちょうだい! 向けないで!」
「ふぅ……オバサン、全然それじゃ答えになってないと思うけど?」
少女が問いただすもブラスタークイーンはかたくなに口を閉ざし、ついと顔を背ける。
「むグッ、んぐ……!」
しかし、ハウジングメイデンは何も答えようとしないブラスタークイーンを別段気にしたふうもなく、
じんと母乳のにじむコスチュームと白濁にねとつく自分の指先を交互に見つめてポツリとつぶやいた。
「ふぅん、変なカラダだねぇ……。……イヌ、少し手伝ってくれない?」
少女が人差し指の第一、第二間接だけを真っすぐ下へおろした。
そこへ、すかさず鋼鉄の手が伸びる。
「……ッめっ! きゃぁっ!」
ブラスタークイーンから恥じらいの悲鳴が上がる。
触手にコスチュームを引き裂かれて、ブラスタークイーンの白く澄んだ肌地があらわになったのだ。

317 :
「うわ……、もう艶々のヌルヌルじゃない」
張りも形も良いブラスタークイーンの双丘、いや双山は、溢れ返った母乳でぐしょぐしょに濡れていた。
この夏の盛り、陽に晒された水々しい豊乳のたたずまいは、淫靡、以外の何物でもなかった。
少女は再び感嘆の溜息を漏らして言った。
「おっぱいが自分のお汁でこんなに濡れまくってるなんてさ……ほんと、やらしくない?
 オバサンもそう思うよね? ほらすっごいネトネト……なんかザーメンみたい……」
ハウジングメイデンが勃起した乳首を何度も摘まんで白濁をにじませる。
「うぐッ……ん……!」
白い線が乳房の麓へ一筋落ちると同時、ブラスタークイーンの結んだ唇からも涎が一筋、伝い落ちた。
「ちょっとアキュパンクチュリスト、オバサンのもう少し……」
そうハウジングメイデンが何かを言いかけた時、すでにアキュパンクチュリストは動いていた。
鋼鉄触手の先が底の抜けたお椀のような淫具となり、ブラスタークイーンの胸へと覆い被さった。
「んぎッ!? んァ、これはな、何を……!?
 ひッ、やめッ、あめぇぇ、何をっ、私の胸にッ、何をしてるのぉぉぉ!!?」
ブラスタークイーンは自身の胸にチクリとした痛みをいくつも覚え、叫んだ。
「ひゅー」
ハウジングメイデンがひとつ口笛を吹いた。
拘束具の内側で行われていることが何なのか、すぐに見当をつけたのだ。
琥珀色の三白眼を細め、ハウジングメイデンはアキュパンクチュリストを見上げた。
「最初はあんなに意気地がなかったのにねぇ、アキュパンクチュリスト(針灸師)、さん?」
アキュパンクチュリストの繰り出した淫具の内側からは蜘蛛の糸よりも細い合金針が紡ぎ出されていた。
紡績されたそれらの鉄線は当然、アキュパンクチュリストのオフビート能力によって体内で自在に変化する。
それは、切開することなく執刀を行えるアキュパンクチュリストの、鍼灸師と呼ばれるにいたった能力だった。
アキュパンクチュリストはその能力をもってして、ブラスタークイーンの乳腺に直接刺激を送り込んだのだ。
「ひぁぁっ! んふ、くぁ! ぁ! むっ、胸の、胸の中で……ッ!」
母乳の元栓をこじ開けられ、途切れ途切れに小さな噴水がブラスタークイーンの乳頭から沸き立ち始める。

318 :
「ふふっ、今頃おうちで赤ん坊が喜んでたりね? ママのおっぱいの出が良くなったってさ。はははっ!」
「あ、赤ん坊なんていないわ……ッ! ひぁ、ん、ウウゥッ!
 だめ……ぁ、は、ッそこッ……ムズムズして……ッ! はンぅ……!!」
「ふふっ、湧き水みたいだね。おいイヌ、お前からも何か言ってあげな?」
ハウジングメイデンが声をかけるが、その言葉はまるでアキュパンクチュリストの耳に入らなかった。
「ブラスタークイーン……ブラスタークイーン……ブラスタークイーン……」
そう呟くアキュパンクチュリストの目は血走り、みっともないと指摘された鼻息はますます荒くなっていた。
彼は、自らが貶めた、乳を内側から揉みしだかれるオンナの痴態に完全に悩されてしまっていたのだ。
「……は、駄目だねこいつは。もうすぐにも二発目イキそうじゃない」
我を忘れたアキュパンクチュリストは、ブラスタークイーンの官能的な母乳をさらに絞り出そうと躍起になる。
自制心を欠いた男の欲望は、ブラスタークイーンの女陰を貫いていた剛直の形態をも変えさせていた。
その形状とは、男女を問わず誰もがよく知る形状だった。
「んグッ!? は、中で、ぃびッ、ゆびがッ!! んあぁぁあ!!」
きゅうきゅうに締まったオマ○コの中でアイアンフィストが蠢めく。
「そ、そ……んっ急に優しく……!! んんっ! あ、あっ! はっ、入れちゃ……来っ……!」
男根から姿形を変えた鉄指が一本、子宮口に滑り込んでいく。
興奮状態にあって、肉体にわずかにかかる負荷からその位置を把握する
アキュパンクチュリストの手腕は流石としか言いようがなかった。
さらに、子壷の口にかけられた突起まみれの指をぐるりと回され、
すでにゾクゾクと震えていたブラスタークイーンの脊髄が一際大きくぶるっと震える。
並のオンナならば、それだけで快楽の虜となる程の絶快が体中を駆け巡る。
だが、ブラスタークイーンにおいては、恥辱にまみれる肉体の反応はそれだけに収まらない。
ブラスタークイーンの全身を襲う快感は、形に残る『液体』として『一気に』乳首から射出される。

319 :
それは同時に、ブラスタークイーンにとって最も避けたい事態でもあった。
なぜなら、ブラスタークイーンは激しくイカされることで、
スレイブクイーンなる戦闘能力のかけらもない、変態欲情マゾヒストオフビートへと変身してしまうからだ。
「だめっ、やめ、くふぅん! そんなにいじらっ、ちょうだッ、あッ、あぁあ!!
 いぃぃイイぃぃ!! ん、クゥうんぁ、ああぁぁぁッッ!!」
「(い、いけないわ……! こんなことでは……変身っ、変身してしまうっ!
  このままじゃ、私は、スレイブクイーンになって――――!!)」
ブラスタークイーンはスレイブクイーンになるまいと必に、必に、ひたすらに気を保とうとする。
しかしこわばらせたと思った我が身のそれは絶頂の息みにすぎなかった。
一瞬ののちには、ブラスタークイーンの乳房と乳頭が大きく、ぷくっと、膨れ上がる――
「くあっ! ッめ! もう、ァめっ! でぅッ、出、出ッ、あぅグゥゥッッンンンッッ!!!」
ブラスタークイーンは遂にオルガズムに達し、びゅくびゅくと噴出する、いやらしい射乳音が辺りに響いた。
――ッぴっ、ぴゅびゅくぅぅぅうう!!!
その音に、何もかもが飲みこまれてしまったように、その場がしんと静まり返る。
ハウジングメイデン、アキュパンクチュリスト、二人の口元から、驚きの混じった息気がこぼれた。
「はぁ……、はぁ……、はぁ……、んグッ、はぁっ……、はぁ……、クふゥ……!」
アクパンクチュリストが体内から送り出したと見られる精液がブラスタークイーンのアナルから滴り落ちる。
息をうわずらせ、絶頂の余韻に朦朧としながら、ブラスタークイーンは固く瞳を閉ざす……。
ブラスタークイーンは今、目だけでなく、塞げるものなら耳をも塞ぎたい思いをしていた。
それもそのはず……。
「(く……ッ、いつ……以来かしら……ね……)」
そう、この色魔を体現するようなコスチュームを最後に人目に晒したのは、もう何年も前のことだった。
「(も……もう……終わりね……。こ、こんな姿を、見られては……)」

320 :
そこへ、ブラスタークイーンの塞げない耳に少女のあざけりが木霊した。
「…………。こいつはいいね、オバサン」
当然いま目を開けばブラスタークイーン、いやスレイブクイーンは二人の見たくもない嘲笑が目に入るだけだ。
少女に、グッと束ね髪を掴まれて頭を持ち上げられようとも、スレイブクイーンは目を開かなかった。
「なんだ……、オバサンて説得力のかけらもない変態……、ううん、ド変態だったんだ?」
噴出した母乳を乳房に塗りたくられるように胸をなで回され、達したばかりの胸がぷるんと弾む。
「(違うッ、違うわ……ッ!)」
全裸よりも恥ずかしい衣装に身を包む我が身をなじられて、スレイブクイーンは少女をにらみ上げた。
しかし、目を見開くスレイブクイーンに衝撃が走る。
「……くッ!? な、なぜ……!?」
ブラスタークイーンはどういうわけか、スレイブクイーンには変身していなかったのだ。
「(くっ……!? なぜ……私は……、変身していないの……!
  そ、それよりも、変身してもいない私を変態だなんて言って……この子っ!)」
一瞬の間の後、再びハウジングメイデンをにらむブラスタークイーン。
しかしブラスタークイーンは何も気付いていなかった。
例え色魔の姿に変身していないとはいえ、射乳だけでもドのつく変態の名をほしいままにできることに。
そうとは気付かず、ブラスタークイーンは失礼な物言いをした小娘を睨み続けた。
「あははっ、怖い怖い。でも残念だったね? ふふ、何か切り札が不発したみたいな顔しちゃって。
 オバサン? トカゲのシッポ切りみたいなマネいざしようったって世の中そううまくはいかないんだよ。
 ふふ、出てきたのがただのおっぱいだったなんて日にはね……あははははっ!」
少女は不発に終わったスレイブクイーンへの変身が何かの切り札であるかのような口ぶりであざ笑った。
「き、切り札!? そ、そんなものは何もないわ……! あなたは何のことを……!?」

321 :
「はいはい、すっとぼけようっても無駄だよ。よくいるんだよね、土壇場に最後っ屁をしてくオフビートって。
 こんなにものすごい量の母乳が、まさか男を喜ばすためだけに出るんだなんて言うつもり?
 そんな愚にもつかないような変態オフビートが世の中にいるわけないでしょう?」
「そっ!? ……それは、そうでしょう! ……当然よっ!」
「なあんだ。ほら、オバサンやっぱり何かしでかすつもりだったんじゃない。ふふっ」
「ッくっ……!」
やや的外れながらも少女からとてつもなく痛いところを突かれ、ブラスタークイーンは言葉を飲み込む。
射乳が自分にとって分の悪いことだと判断したブラスタークイーンは、咄嗟に話を切り替えた。
「お嬢ちゃん……あなたのオフビート能力は他人を意のままに操り従えるストーリーテラーの能力と同じね。
 そして、その能力を使って私の体に何かしたのね……!」
「へぇ? オバサンはストリーテラーのこと知ってるんだ? ま、別にどうでもいいことだけどね。
 それから、あたしをストリーテラーと同じに考えるのは勝手だけど、オバサンには何もしてないよ?
 アキュパンクチュリストといい勝負程度のオフビートにまであたしが手を下すわけないから。
 まぁ、最初に傷を癒してあげたのは特別だけど? そこ、少しは感謝してもらっても良くない?」
ハウジングメイデンにそう軽く受け流されるも、道理の読めないブラスタークイーンは尚も食い下がる。
「いえ、あなたは私に何かしたはずよ……! でなければ……ッ!」
そこへアキュパンクチュリストが横から口を挟んだ。
「つまり、こういう事ではないですか? ブラスタークイーン」
台座と、手足を拘束するアキュパンクチュリストの遣わした青鋼の表面に、隕鉄のような縞地の鋼が浮き立つ。
その縞地は、明らかにクイックブレイドの刀身の模様だった。
「くっ、あの人の……ッ! それで、オフビート能力が……!」
メイガス仕立ての拘束具がここにきて変身に必要なオフビート能力を制限していたのだ。
「ッ……お嬢ちゃん、意外と周到なのね。このためにわざわざ、あのピエロを……!!」

322 :
「ま、それもあるけど、本当のとこはオバサンがこいつのアラモント鋼を大半ダメにししちゃったからだよ。
 だけど、そんなことよりさ……、なんかあたし俄然興味が沸いてきちゃったんだけど?
 オバサンのそのエッチい体。それと、オバサンの切り札が何だったのかもね……。
 なんていうか……すごく、気持ち良さそうだったよね……?」
少女が口の端を吊り上げると全身に施された入墨がうっすらと光を帯びていった。
「なりません! ハウジングメイデン……ッ!」
何かに気付いたアキュパンクチュリストが手を延ばそうとするハウジングメイデンを呼び止める。が……。
「あん? あたしに我慢しろって? それは無理な注文だね……」
少女の指先がブラスタークイーンの胸の谷間へと浸っていく。
ブラスタークイーンの体は、実体のないホログラムになってしまったかのように少女の腕を丸まる飲み込んだ。
「んふぅ……オバサンの中、すごくあったかいんだね……。……ッ!?」
しかし、ハウジングメイデンは少しもしないうちにその腕を引き抜いた。
「ふん……、いいところで……。どうやら奴に小うるさいハエがたかったようだね……」
「ハエ……まさか?」
「ああ。ぜんぜん大した手合いじゃないよ。
 だけどベル様をお連れしたスプリガン(巨霊)が暴走した挙句、
 独りでに収まってしまったばかりだからからね……。
 あたしだけでも先に戻るとしようか……今は大事な時だけに、用心にこしたことはない」
「では私も一緒に……!」
「必要ないよ。お前だけならまだしもオバサンまで連れ歩くのは面倒だからね。
 用心するにしても、そうゾロゾロと連れだって動くこともないし。
 お前はここで日が落ちるまでオバサンの相手しててあげな」
「ッ……はっ!」
「それじゃ、ゆっくりしていってね。オバサン……また……会えるといいね……。フフフ……」

323 :
ハウジングメイデンの身体が突然アメーバのように溶け、近くの樹木に染み込むように、はたと消えてしまう。
「ひっ……!?」
それと同時、ブラスタークイーンの背筋が凍りつく。森林に一瞬の黒い雨が降り注いだのだ。
そして、その雨はアキュパンクチュリストとの戦闘の間、まるで気配を感じさせなかったハウジングメイデンが
どのようにして二人の戦いを見届けていたのかを如実に物語る雨でもあった。
少女が消えた瞬間、夏虫の鳴声、もとい、夏虫の奏でる羽音が鳴り止み、一斉に大地へと沈んだのだ。
「ッ……、そうだったのね……。
 初撃の段階で貴方が私の位置を正確に把握できていたのはお嬢ちゃんのおかげなのね?」
「ええ……、貴女は地上に降り立った時、すでに我々の網にかかっていたのです……」
「本当、ずるいわね」
「申し訳ありません……それよりも、ブラスタークイーン……どうか、お逃げ下さい……」
「あら、貴方っておかしなことを言うのね。
 いくら逃げろと言われても、貴方がこの拘束を解かない限り私は逃げられないんじゃないかしら?」
「それでも私からお逃げ下さい、と言わせていただきましょう……。
 おそらくハウジングメイデンは、私が貴女を、その……手ひどく蹂躙することで、
 貴女の尊厳ばかりでなく、私の本来の心をも手折れると考えているのでしょう」
「そう……それが貴方の本心なのね……」
「ですが、間違いなく私はこれに屈してしまうでしょう……貴女はそれほどまでに、魅力的、です……。
 現に……ッ、私は貴女のことをまだ、まるで犯し足りていない、と思って……くぅッ!
 はっ、早くッ……しなければ……ッ! ぶ、ブラスタークイーンっ!」
ブラスタークイーンの太ももに触れる鉄塊が、何かを堪えるようにぶるぶると震えた。
それと同時に破り広げられていたコスチュームの胸部を、鉄の触手がそっと元の位置へと被せた。
「…………。難儀なものね……。
 だけど、もし私が逃げでもしたら、貴方、あのお嬢ちゃんに酷い目にあわされるんじゃないかしら?」

324 :
「それでも私からお逃げ下さい、と言わせていただきましょう……。
 おそらくハウジングメイデンは、私が貴女を、その……手ひどく蹂躙することで、
 貴女の尊厳ばかりでなく、私の本来の心をも手折れると考えているのでしょう」
「そう……それが貴方の本心なのね……」
「ですが、間違いなく私はこれに屈してしまうでしょう……貴女はそれほどまでに、魅力的、です……。
 現に……ッ、私は貴女のことをまだ、まるで犯し足りていない、と思って……くぅッ!
 はっ、早くッ……しなければ……ッ! ぶ、ブラスタークイーンっ!」
ブラスタークイーンの太ももに触れる鉄塊が、何かを堪えるようにぶるぶると震えた。
それと同時に破り広げられていたコスチュームの胸部を、鉄の触手がそっと元の位置へと被せた。
「…………。難儀なものね……。
 だけど、もし私が逃げでもしたら、貴方、あのお嬢ちゃんに酷い目にあわされるんじゃないかしら?」
「私のことなどご心配なく……。
 貴女もハウジングメイデンの立ち去り際の言葉を聞いたでしょう。
 ハウジングメイデンは貴女が逃げおおせることも期待しています。
 我々はすでに一人を捕らえている、貴女を逃がせばより多くの仲間を芋づる式におびき寄せられると……」
「それは……クイックブレイドのことなのね」
アキュパンクチュリストは沈痛そうに頷いた。
「つまり我々にとっては貴女が逃げようと、逃げまいと、どちらでも都合のつくことなのです……。
 ですから貴女は何としてでもこの場を脱し、金輪際われわれに関わることのないように……!」
「そう……。
 ところで、あちらに散らばっている貴方のアラモント鋼というのはもう使えないのかしら?」
「あれは……幾分の修繕を加えなければ、今は私の身体を補う程度にしか使えないでしょう……」
「それは丁度よかったわね……」
「丁度よいとは……?」

325 :
「私の率いていた……ブラザーフッドオブブレイズは、一重に危なっかしいオフビートチームだったわ。
 あのチームに集ったオフビートは、世間で荒くれ者と呼ばれるような人達ばかりだったのよ。
 私は、そんな彼らの統率を一任されるにあたって……。
 メンバーの起こす同士討ちや、反逆を速やかに収めるための手段をいくつか授かっていたの……」
目を閉じ、ブラスタークイーンはクイックブレイド、メイガスの両名に短くも深い謝意を送った。
「アキュパンクチュリスト、苦しいでしょうけど少しの間、我慢してちょうだい……。"amaran's plight"!」
「ッ……、ァ……!」
ブラスタークイーンが何らかの呪文を唱えた途端、合金の台座と錠枷が弾け、粉々に砕け散った。
「(こんな手は最後まで使いたくなかったわね……。あの人の遺した物がまた一つ……)」
合金拘束具の外れたブラスタークイーンは、一際大きなアラモント鋼の破片に駆け寄り、素早く手に取った。
そしてすぐさまそれをもがき苦しむ男へと宛てがった。
「なッ!? ンハッ! ッハ……ッ! 貴女はこのような手を残し……ん、グッ……!
 しかし、ブラスタークイーン、これで良いのです……ブラスタークイーン……!
 早く、ここからお逃げなさい……! 能力を使えなくとも私はまだ貴女を逃すまいとしています!」
アキュパンクチュリストは、体表で凹凸を繰り返すアラモント鋼を意志の力で必にねじ伏せようとしていた。
「クイックブレイドも今はまだ生きていますが、彼の命はもう諦めなさったほうが宜しいでしょう……!
 そして当分の間、何もかもを忘れ、この土地に近づくことのないように……!」
「いいえ、それを聞いてしまった以上、尚さら私は諦められなくなったわ。
 そしてアキュパンクチュリスト、貴方達のこともそう。
 私は貴方達のようなオフビートをこのままほっとくわけにはいかないわ。
 今はおとなしくこの場を退く以外に仕様がないけれど、貴方とはまたいずれ……」

326 :
「ッ……そうですか。やはり、貴女はそういう人でしたか……!
 ですが……こんな時に、冗談でも言って良いか分かりませんが、
 私は今、心から貴女が欲しいと思いましたよ……。
 ハウジングメイデンに操られていない自分がこんな事を思うのはおそらく初めてのことでしょう……」
「冗談だなんて、ふふ……そういうの、心から思うことは冗談とは言わないのよ?
 では、あのお嬢ちゃんによろしく伝えておいてね……。
 ブラスタークイーンは再び貴方たちの前に現れると」
「待ってください、ブラスタークイーン……! 最後に、最後に一つだけ聞かせて下さいませんか……?
 貴女は、なぜ、先の戦いの最中に私の斬撃を防げるようになったのですか……?」
ブラスタークイーンは、いましがた言った通り、アキュパンクチュリストとは再び対峙するつもりだった。
質問に答えれば、後々、自分にとって不利な状況を招くことは明らかだった。が……。
ブラスタークイーンは振り向きざま、ゆっくり口を開いた。
「貴方の太刀筋……昔のクイックブレイドとそっくりだったのよ……」
なぜこのことを素直に教える気になったのかはブラスタークイーン自身にも分からないことだった。
そして、ブラスタークイーンはそれだけを言い残し、急いでその場を後にした。
飛び去り際に見えた鋼の唇はブラスタークイーンが思うのとは逆の歪み方をしていた……。

327 :

ちからつきたサンダークラップスの前にあらわれたスタッフオフィサーは言いました。
『サンダークラップスがやぶれるなんて、この目ではっきり見ないことにはしんじられないな。
 そういうわけだキルエムオール。キミに、もういちどサンダークラップスとたたかってもらうとしよう』
サンアークラップスをたおしたばかりのざんぎゃくオフビート、キルエムオールはふしぎにおもいました。
『なぜだスタッフオフィサー。サンダークラップスならおまえのうしろでたおれているじゃないか』
キルエムオールがそういいかえしたとき、あたりがまばゆいひかりにつつまれました。
そして、ギャアというひめいとまばゆいひかりがおさまると、キルエムオールがもんどりうってたおれました。
そうです、キルエムオールはなんとブラスティアのひかりの矢をせなかにうけていたのでした。
これはどういうことでしょう。
ブラスティアはスタッフオフィサーのうしろでちからつきてうごけないままなのですから。
わけがわからずグゥとうめくキルエムオールにスタッフオフィサーはいいました。
『なんだブラスティアだけでじゅうぶんかてるあいてだったのか』
キルエムオールがばったりたおれてうごかなくなると、まわりをうめつくしていたけいかんたちがいっせ……

328 :
……これはスタッフオフィサーが残虐キルエムオールを手玉にとりスーパーデビューを飾った時の話だ。
ついでにこれはサンダークラップスを後方から支援する強力なオフビートの存在が明るみに出た瞬間でもある。
スタッフオフィサーはその存在感の大きさに反し、未だにオフビート能力が謎に包まれているというが……。
「ねぇねぇ、なんでブラスティアの光の矢が飛んできたのー?」
「そんなの僕が知るわけないだろう。知りたいのなら本人に直接会って聞くんだな」
「えーお兄ちゃん知らないのー? なんだ、だっさぁー」
「ッ、ぐ……!」
糞生意気なガキめ、お前も知らないからって僕に聞いてきたんだろうが!
どうして僕がこんな生意気なガキどもに下らない絵本の読み聞かせなんてしなきゃいけないんだ!?
と、半分くらい言った僕の頭上に、いつの間にか現れた誠さんの拳が降り下ろされた。
「ほぐぅッ!!」
くそ……! ラッドやジョイが突然いなくなってしまってたからって、理不尽にもほどがあるぞ……!
嫌がるこの僕を子供たちの前に引っ張り出しておきながら、自分は今までどこに行ってたんだ!?
ベルさんだってもう起きてていい頃だろ!
と、また半分くらい言ったところで僕は首根っこを掴まれて教室から引きずり出されてしまっていた。
「ッグ! 何だって言うんだ一体……!?」
「ごめんね健太郎君、でも大変なんだ! とにかく急ぐよ! ……フォルティア!」
ブラスティアに変身した誠さんの慌てぶりは甚だしかった。
その手には口枷のような奇妙な物が握られていた。
「な、何だそれはぁぁぁぁ! ふ、ふグッ……! ふが……ッ!」
僕が口枷のようなものと思ったそれは、本当に口枷だった。
結局、口を塞がれた僕はそのままブラスティアに抱えられ、どこぞへと連れて行かれる始末となった。

329 :
「これはヨルダン河の東岸からまたさらに東へ離れてるな……」
「まぁな。そしてここ、中央部が問題の軍用地に横切られているだろう?。
 ひとまず最初のうちはここを避けて調査を……っと、いかんな。この先は部屋で話そうか」
地図の上にすっと指を走らせてから、正弘は地図を胸ポケットにしまい、そそくさと立ち上がった。
俺は、部屋へ戻ろうと歩きだした正弘に並んで、何よりもまず聞いておかなくてはならないことから尋ねた。
「しかし、大きな水源のないそんな辺境に何があるっていうんだ?」
何を発掘するのか、という大事な問いに、正弘は階段の手摺りに手をかけながらのんびりした口調で答えた。
「ひとまずリュカオン王が眠っているかもしれない、とでも言っておこうかな」
「……ん? おい正弘。ここはイラクだぞ?
 リュカオンってえのは確かギリシャ神話に出てくる人物じゃなかったか?」
「なんだ、磯崎がその辺のことをちゃんと知ってるのなら説明の手間が省けるな」
「いや、悪いがうろ覚えだ。俺はその名前しか知らない」
自室の前まで来た正弘はドアノブに手をかけ、ふぅー、と息をついてからリュカオンについて話し始めた。
「リュカオン王というのはな、ゼウスの晩餐会に人肉でこしらえた料理を出して神の怒りを買い、
 狼に姿を変えられてしまったアルカディアの王のことだ。磯崎もビールでいいか?」
「……あぁ、何でも。しかし、そういう話はまるで違うくないか?」
「まぁ話は最後まで聞けよ。
 リュカオンは世界各地に伝わる人狼やそれにまつわる吸血鬼伝承の祖にあたる、架空の人物でもあるんだ。
 まぁ星座にまでなってる人物だから、人物というより神といったほうがこの場合正しいか」
改め直した正弘は、何がおかしいのかクックッと含み笑いをこぼした。
「か、架空……ってお前、やっぱりお笑い草を摘み取りに行こうってんだな……。
 俺は危険を犯してまで、そんなことに付き合う気は……」

330 :
「ふふ、すまんすまん磯崎。もちろん俺たちが探そうというのはそんな架空の人物じゃない。
 最終的に、リュカオンの神話を生む土壌となった人物の形跡にまで辿り着ければいい」
「リュカオンにはモチーフがいるってことか?」
「まぁな。ところで磯崎、話は変わるがクールーという病気の名前を聞いたことがあるか?」
「あぁ、それはどっかで読んだことがあるな。
 確か長期的に日光を浴びずに生活することでビタミンB1が生成されずに体組織が柔らかくなる病気だろ」
「それはクル病じゃないか。俺の言ってるのはクールー病だ。
 ついでに言わせてもらえば磯崎が読んだのは山田風太郎だろう。
 クル病持ちの軟体女と交わって、この世のものとは思えない心地を覚え、その虜になった好色男の話だな。
 ふっ、磯崎の好みそうな話だ」
「オイオイそんなこと勝手に決めつけんなって。
 それで、なんなんだそのクールーって病気は? 今の話と何か関係があるのか?」
「あぁ。クールーというのはだな、簡単に言えば脳障害だ」
正弘はそう言って自分の頭を軽く突ついた。
「そいつが最近見つかったオセアニアのフォア族という人食い部族の間で広まっているそうなんだが、
 クールーに犯された人間は狐憑き……、ここらじゃ狼憑きと言われるような気の狂い方をするそうだ。
 ま、その病因は人肉を食すことにあるらしいが……」
「人食い……?」
「俺の推測では、食卓に人を上げるリュカオン王はこの病にかかり、人々から狼とさげすまれ、
 あげく国を追放されたのではないかと思うんだ。そこで、これが実在の人物と重なるかどうかなんだが……」
そのまま正弘はウーンとうなって、ひとり思慮にふけり始めた。
「おいおい……、俺を差し置いて考え込むのはやめてくれ。
 とっととリュカオン王が誰なのかを、俺達が何を探すのか、早いとこ核心部分を話してくれよ」

331 :
「磯崎? ここまで話していてもまだ分からないのか? この辺りにもいるだろう?
 そんな逸話を持つ結構な人物が一人」
「ん……? 狼に……追放……?
 …………ッて、まさかネブカドネザル2世のことを言ってるのか?」
「そうだ。歴史上初めて整備された『街』を作ったとされるネブカドネザル……。
 実際のところ、ギリシャ神話はその成立の初期を除いて他の地域の伝承を多く取り入れているんだ。
 特に中期のギリシャ神話はバビロニアの伝承との結び付きが強く、
 リュカオンが治めちたというアルカディアもバビロニアの通名カルデアが転じたものとされている。
 一応、リュカオン王の伝承が生まれたのはバビロニアがアッシリアに滅ぼされて数百年の後のことで……。
「時代的にはちょうど順序立つってわけか、ふぅん……」
何げない俺の合いの手に、正弘は大きく頷いた。
「んん……、しかしだな正弘。ネブカドネザル2世がバビロニアの街を追われたとしてもなぁ。
 墓にしろ何にしろ、国を追われ、地位を失った人物の痕跡が残っている可能性は薄すぎるんじゃないか?」
「ふっ、磯崎はいつも歯に絹を着せず、あからさまなことばかり言ってくれるよな。
 可能性、そう、可能性……。分かるよ、こいつはまず第一にネックになる非常に重要な問題なんだ。
 そこでだ。まずはそうだな……。
 俺たちは可能性が薄いからと何でも諦めるような賢い奴らなのか、という議論でも始めるとするか?」
正弘の提示したその議題は、出された二、三秒の後、俺の尖らせた唇で即座に否決されてしまった。
「ふぅ……そんなの言われちゃ敵わないな……」
俺たちはどこかの悪がきみたいに、お互いを低く笑い合った。
「しかし正弘、俺はそれでもまだ完全に納得したってわけじゃないぞ。
 まずは、この発掘ポイントがどういった着想からきてるのか教えてもらおうか?」
「簡単なことさ。磯崎がもしネブカドネザルの治世にバビロニアを追われたとすれば、まずどこへ向かう?」
「北は天敵アッシリア……南はペルシャ湾……、西はこれまた宿敵エジプト……。
 となれば、うーむ……やはりこの時期、アッシリアに対して共闘の姿勢を見せていた、東のエラムか……?」

332 :
「そう、イランの他に選択肢は存在しない。
 ネブカドネザルの以前にもメルダク・バルアダン2世がバビロニアからエラムへと落ち延びているだろう。
 しかし狂人と化したネブカドネザルまですんなりエラムに受け入れられたと考えるのは少し難しいだろう」
「それでバビロニアとエラムの国ざかいをしらみつぶしに当たろうというわけか」
「まぁそんなとこだ。そうそう……。
 奇しくも、神に家畜の肉を捧げたカインが楽園を追放され、たどり着いたもエデンの東、ノドの地なんだ」
「よせよ正弘。また話がおかしな方向に行きかけてるぞ。
 聖書に出てくるカインとネブカドネザルをだぶらせて考えるのは賛成しないな。
 それだとあまりにも話が浮世離れしてくるぞ。ついでに言わせてもらえばさっきのもそうだ」
「さっきのも、というのはなんだ?」
「人狼や吸血鬼や星座なんかの話だ。そんな与太話、絡めて考える必要なんてどこにもないだろ」
「いいや、磯崎がそこに賛成してくれなければ困るな」
「困るだと? バカ言うな、それじゃ正弘はあれか?
 カインは国も興しているし鍛治の神や牧畜の神みたいなワケの分からない子孫を残してるんだぞ。
 そんなふうにネブカドネザルの子孫が続いているとでもいうのか?
 それにカインにまつわる話ならさっきお前の言った吸血鬼伝説だってのもカインが始祖とされているだろう?
 考察文献がダニエル書どころか、旧約聖書のほとんどと、吸血鬼伝説に、それからリュカオン王のその……」
「リュカオン王が出てくるのはオゥィディウスの『転身譜』だ。
 ……それに磯崎がカインと吸血鬼の関連性を知ってるのならこの重要性は分かるはずだ。
 リュカオンは人狼の祖、カインは吸血鬼の祖、どちらも西側世界で古くから同等に扱われてきた伝承だ」
「だっ……、だからそういうのを話が違うって言ってるんだよ! とにかくだ!
 得体の知れない物を何から何まで含めれば……もう、それこそ資料が膨大になってしまうだろ!?
 それに世間の噂じゃ吸血鬼を名乗るオフビートだって現にいるそうじゃないか」

333 :
「それもようく知ってるさ。
 そのオフビートともなんとかしてコンタクトを取りたいと思っているところなんだ。
 だが、その前俺にはに一つ引っ掛かることがあるんだ。なぜ神の罰を受けたのがカインのほうで……」
「はぁん、はぁん、はぁん……! そいつは難儀なことだなぁ! ふぅ……なんか白けちまったな、急に。
 とにかく……俺は旧約聖書まで推測の材料に手を広げるのは賛成しないな。まるで手に追えないぞ」
「そうか……」
正弘はがっくりと肩を落とし、残念そうに首を垂れた。それから、悪びれもせずこう続けた。
「それでも、賛同してもらいたいのが本音だ」
俺はぐいっとビールを飲み干したい衝動に駆られ、すぐに実行した。
「なぁ磯崎、俺はこの発掘に望むにあたってあらゆる可能性を考えておきたいんだ」
「可能性? はぁ? 吟味の余地すらない可能性にまで飛びつく馬鹿じゃないぞ俺は。
 言ってみろよ、そいつは一体何の可能性ってんだよ」
「……言わば世界一長い伝言ゲーム、ってところだ」
「ほぉう、それはそれは……」
「磯崎、俺はな……」
言いかける正弘を背にし、軽く呆れ果てた俺は窓縁に両手をついて外を眺めた。
遠くでは朝の礼拝に向かう人々が街路に列をなし、ムスクへと押し寄せている最中だった。
ここでは見慣れたものだったが、その光景を見るたびに俺は毎回同じことを思っていた。
信仰心の厚い彼らには日々の暮らしに確たる寄り所がある、ということ。
そして……そういった精神的支柱になるものが俺にはない、ということ。
だからと言って、もともと信仰心の薄い俺に新たな信仰心が芽生えることなどはまず無いだろう。
それでも俺にはこの光景が、信仰心とは全く別の次元で、何よりも眩しく感じられていた。
結局のところ、俺は『彼らの信仰心』のような決定的な『何か』が欲しくてしょうがないんだろう。
たぶん俺は必要な『何か』を欠いたまま生きていて、そしてその『何か』は、きっと今もどこかにあるはずで、
生きてる限り『何か』をずっと探し続けるんじゃないだろうか。

334 :
いつの間にかそんなシケた感覚に俺はズブズブと陥っていた。
「(あぁ……ガキでも作ってれば、こんなこと思いもしないんだろうな。
  ……って子供ってもなぁ……俺が? まさか……)」
「オイ、何笑ってるんだ? 後ろ向いてたってちゃぁんと分かるぞ磯崎」
声に気付いて振り返ると正弘の仏頂面がそこにあった。不愉快でたまらなそうだ。
「(そうか……つい最近まで正弘にはあったんだろうな……その『何か』が……)」
そのとき俺は、なぜこうまでも正弘が研究に打ち込もうとするのか少し理解できた気がした。
「それよりも磯崎……ちゃんと話は聞いてたか?
 俺は何もお前を笑わせるような話はしていないつもりだったが?」
「あぁそうだろうな、悪い、全然聞いてなかった。何か言ってたのならもう一度言ってくれよ」
「まったくズケズケと……。頼むから二度三度と言わせるなよ。
 ……俺はな、火の無いところに煙りが立たないように、
 口伝や伝承ってやつもまた完全な無から出てくるものだとは考えていない、と言ったんだ。
 だから、そういった口伝や伝承というものがどこまで事実に迫っているのかを、俺は知りたいんだ。
 『人ではなくなってしまったもの』がどんな末路を辿ったのかを確かめたいんだ。この目と、手足で、直に」
「はぁん……さてはシュリーマンだったのか、お前は……」
「ふっ、まだ何も行動していないぞ。自分じゃ小泉八雲あたりになったつもりで研究していたんだがな。
 シュリーマンなんて幸運を祈られてるようでいて、逆に気力を削ぐような例えだ。
 所詮、何か出てきたとしても盗掘だ。まぁ何もなければそれまで、の冴えきらない話だからな」
「何もなければ……か……」
何も探さないよりも、まだ『何か』を探していたほうが自分に正直でいられるんじゃないだろうか。
俺は、窓の外の光景をもう一度眺めながら、正弘の言葉にこう付け足しをした。
「出てきたら出てきたで、また興味の尽きない話でもあるな……」
後ろで、安っぽいビールで喉を美味そうに潤す音がした――

335 :
という感じで、いや〜おっそくなりましたぁ〜
>>308-309
メグ姉人気ですね〜
自分は一度言ってますがやっぱ新キャラに期待してますよ〜
新キャラ、オッパイだけをやられまくるオッパイ担当、だったらイイナ〜♪
今まで「このヒロインイコールオッパイ責め」みたいなキャラは色にいなかったと思うので〜

336 :
※修正
>>332
「家畜の肉」×→「誤った供物」○

337 :
>323の(空白を1行として)15行からと>324の11行までが被ってますよ?
>「このヒロインイコールオッパイ責め」
メグ姉はどちらかというとアナル責め担当ですからね。オッパイもしっかり虐められてますが。
ところで、あるBlogで夏コミ配布のチラシを見たんですが、体はともかく顔の絵柄がかなり違うような……て、いうか別の人が描いてるだろ!!でしたね。
07年06月29日発売の クイーンズブレイド「炎の使い手 ニクス」とか見るかぎり、黒木氏の絵柄があそこまでズレるとは思えませんし。
わざわざ黒木氏を招んどいて別の原画氏にまかせるんじゃねえだろうな?あ〜ん!?
って感じです(3の原画に忙しくてチラシを描いてる暇が無いとかならいいんですけど)

338 :
ほす

339 :
>>337
ひぃ、こぴぺミスってました><;
広告の絵は立ち絵に使われるんじゃないかなぁとか思てます
アイが真っ正面向いてるのはアイ+のジャケ以来でなんか珍しっすね
2つ比べてみると目が若干ちいさくなったところ以外はそっくりな線かと
宮広も特に気になる感じはしません、が〜
メグ姉は2の立ち絵と比べると表情が少し冴えない感じしますね〜
でも、アイ3も2と同じように一枚の立ち絵でもって全編通すと考えれば
ゆらぎに捕まってるとっからの難しい役どころのメグ姉の場合、
少しかげりのある表情にする以外なかったんじゃないかなぁ?とか思います
ま、肝心なのはイベントCGですから大丈夫っすよたぶん
ところで吸血鬼ネタを絡めちゃったんで
SSはこっから狂い咲きサンダークラップスに突入します(嘘

340 :
いえ、かげり云々以前にメグの顔だけアイとかと比べてヒラメみたいになっちゃってるんですけど……
快楽に惚けてる顔なら2のようなのでもいいと思いますが…人形ということで思考放棄した白痴のようなだらしない顔ってことなんでしょうか?
ブラスティアひさびさの登場ですね。ママのパートが長かった。
ついでにフレアとエクリプスの姉妹の因縁も絡めてください(笑)
フレアの珍宝ですがエクリプスが原作1巻でイキまくってるのに生えてきてないところを見ると生やすも生やさないも自由自在のはずなのんですが。
珍宝が生えること自体知らなかったフレアにはコントロールの仕方がわからないんでしょうね。
その辺からコントロールの仕方を教える代わりにエクリプスに貫かれるフレアとかやってほしいです♪

341 :
(´Д`)

342 :
アイ参、12月19日発売決定!
ついにMS PICTURESで発表されました。
まだ情報はろくにありませんが、企画倒れにならなくてよかった、ほんとに。

343 :
>>340
善処しまっす
ブラスティアのアレ勝手に取ってしまったのでやっぱフタナリ成分はフレアにお任せしましょ〜
>>342
公式でてますね〜
しかもマンサクさんが黒木さんと新宿ルノアールで
マ○コア○ルを連呼する熱い打ち合わせをしていたというのでもぉ期待しまくりです
企画倒れにならなかったってのもホント良かったですが
お二人が威力業務妨害の罪で捕まってしまわなくて本当に良かった

344 :
12月が待ち遠しい

345 :
ほしゅ

346 :
アイ参の発売日もう一ヶ月切りましたね

347 :
うおおおおおおおおあああああああほあああああああ!!!
気付けばもう再来週発売じゃないかああああああ!!!
あと半月!!!つ、ついに!!!出る!!??の!?

348 :
     魔法少女アイ参 本日発売!
          _人人人人人人人人人人人人人人人_
         >      ごらんの有様だよ!!!  <
           ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^
_______  _____  _______    ___  _____  _______
ヽ、     _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、   ノ    | _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ  、  |
  ヽ  r ´           ヽ、ノ     'r ´           ヽ、ノ
   ´/==─-      -─==ヽ   /==─-      -─==ヽ
   /   /   /! i、 iヽ、 ヽ  ヽ / / /,人|  iヽヽ、   ヽ,  、i
  ノ / /   /__,.!/ ヽ|、!__ヽ ヽヽ i ( ! / iゝ、ヽ、! /_ルヽ、  、 ヽ
/ / /| /(ヒ_]     ヒ_ン i、 Vヽ! ヽ\i (ヒ_]     ヒ_ン ) イヽ、ヽ、_` 、
 ̄/ /iヽ,! '"   ,___,  "' i ヽ|     /ii""  ,___,   "" レ\ ヽ ヽ、
  '´i | |  !    ヽ _ン    ,' |     / 人.   ヽ _ン    | |´/ヽ! ̄
   |/| | ||ヽ、       ,イ|| |    // レヽ、       ,イ| |'V` '
    '"  ''  `ー--一 ´'"  ''   ´    ル` ー--─ ´ レ" |
ごらんの有様だよ! 魔法少女アイ参 colorsスレ51
http://qiufen.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1229668344/l50
正気なら買わない方がいいぞ

349 :
そして誰もいなくなった

350 :
自分はカラーズを応援する2ちゃんねらーとして
これまでちょっとだけ頑張ってたつもりなんすけど
過去にアイのSSを作品板、葱板またいで投下したのを皮切りに
サンクラSS数点、狂ヴァSS2点、なりきりスレでは【リン】を
(ここでCOしたからにはもうキャラハン引退っすね)
hueが瀕の時には「PBeMやろうぜ」なんてアフォなことも言いました

351 :
もうねw誰かこんなバカなヤツに言ってやってもらえませんか?
おつかれ、とか、まだがんばれよとかwww

352 :
とりあえず放射能(参にパッチ)がおさまるまで喪に服します…ラ・ヨダソウ・スティアーナ…

353 :
嘘か誠かメーカースレのリークによると打ち合わせは平日と思ってたのが土日祝日にやってたんだ…
もしハルク隣の地下のトコで打ち合わせしてたなら黒木さんたちと居合わせてた可能性あるやもw
うはwテンション上がってきたww
週末なんにも予定がないとよく万来の巨大チャーシューメン食いに行って
そばにあるルノアールで昼寝して、そっから西新宿のレコ屋街まわってんだけど…ってオイおれ寝てたらわかんねえw

354 :
なんか自分語りうぜーっすね、さーせん
おし、こっから原作レイプなくらいオフビートてんこ盛り(スーパー難産です…)でいきますんでよろしくお願いします
とりあえずアイに関しては黒井さんの追悼本とかTANAさんの同人とか
不意打ちな楽しみが増えたことなんかを前向きにとらえてきましょ〜

355 :
レイプと難産という単語で『ヴ○リスX』とか「陣痛イイッ!」という台詞を
思い出した自分は駄目人間ですねw
いえ決してママンでそんなシーンを見たいだなんて……見たいなぁwww

356 :
メイガスの攻撃を耐え凌いだブラスタークイーンのコスチュームは見るも無惨な有様だった。
コスチュームからこぼれたバストトップは、メラニン色素が沈澱しており、
到底、戦いの中に身を置く者の体ではなかった。
「痛ッ−−ァ!」
メイガスの攻撃によるものではない、別種の痛みがブラスタークイーンの腹部を襲う。
「ぐ、こんな時に破水が始まっ……!?」
赤子を湛えていた羊水がアソコから−−
こんなふうに誠を産みながらメイガスと戦ったっていうママンの勇姿は……!
ありませんかw

357 :
ブラスティア分が足りなくなってきた

358 :
そうだブラスティアだ

359 :
こないだプレイしたけど
ブラスティアがモジモジしてる立ち絵が妙にエロかった
あれの後ろから思いきり素股ぶちこみたい

360 :


361 :
アペンドディスクの遅延はないようですね・・・

362 :
―――三日後、俺達はキール県の外れにいた。
行商に扮するつもりで購入した牛車三台に採掘に必要な道具を乗せ、
舗装知らずの荒れくれた行路を呆れるほどゆっくりと進んでいた。
進路の片側には枯れた大地が広がり、その先には軍の演習場があるらしい。
現在地から調査を開始する世界的なナツメヤシの産地付近にたどり着くまではまだ間に二駅ほど挟んでいる。
そうなのだ。「まだ二駅もある」というのは不精な俺にとって否応なしにかなりの精神的負担になっていた。
なぜに俺達は鉄道が異常なほど整備されたこの国で、こうも先史的な移動手段をとらなきゃならないんだ……。
それによっぽど軍の敷地に近いのか、ここ数時間の間は自分たち以外の人間にひとりも出くわさない……。
しかし俺たちがこんな面倒を背負っているのには理由があった。
正弘曰く「周囲の地形をじかに見ながら古人の足跡を推測し、辿るのは至極当然のことだろう!」と。
まぁそれだけならまだ納得がいく話だが……。
「なぁ正広。進路をあれこれ変更するのはもうやめにしないか? 今なんてまるで明後日の方向に……。
 第一、大方の検討はつけてると言ってたのはお前だぞ。いい加減、明日には真っすぐ目的地へ向かおうぜ」
「磯崎、これは遊びじゃないんだぞ。
 昔っから言いたかったが、お前には研究員としての丁寧さが決定的に欠けていると思うぞ」
「何が言いたかっただ。そんなのお前から何べんも聞いてるぞ。
 クソったく、それで根負けしてるのはいつも俺だしな。はいはい分かりましたよ……ちぇっ……」
「……全く分かってるふうに見えないな」
「分かってるっつってんだろ、しつこいなお前は……」
「しつこくて悪かったな……俺だって本当は正規の手続きを踏んで調査したかったさ。
 だが、仕方あるまい。時代がわざわざ俺達の都合に合わせて進んでくれることなんて無いんだ。
 年々アラブ諸国での発掘認可は下りづらくなってきているのが現状だ」
「そりゃな。観光名所としての……おい見ろよデカイの取れたぜ?」
「人前で鼻をほじるな。飛ばすな」
「採掘できない代償だ。気にするな。
 ま、観光名所を探してもらうよりかは国を潤す黒い水を守ったほうがいいのは当然だろ?」

363 :
「しかしその石油資源を取り巻く利権のせいで古くからある人種、宗教問題への対応が後手に回り始めている。
 生業に窮すればエジプトは物乞いをし、他のアラブは盗みを働く。ただ、イラクだけは強盗に走る……。
 そういった蛮勇を尊ぶこの国の風土に嫌悪を抱くわけではないが、混乱の歯止めが存在しない……」
「先日大統領に凶弾をかすめてエジプトへ逃亡した青年将校……フセインといったか……。
 そういやあの事件も神兵だ勇者だとずいぶん紙面を賑わせていたっけな?」
「……この国ほど多くの古代文明が眠っている国はないというのに、
 同時にこれほど国際戦争のメインステージになれるポテンシャルを秘めた国もないだろう……。
 ひょっとすると俺たちが順当に研究室を持つような老いぼれになってる頃には
 研究目的であってもおいそれと湾岸諸国に入国できない時代に突入しているやも知れない。
 その時は、発掘技術が進歩しても4、50年も前の調査が最も詳細な資料となっているはずだ……」
「はははっ、半世紀前の調査が最も詳細な資料? とんだ笑い話だな。そんなのただの予想じゃないか」
「あぁ、ただの予想だ。しかし5年、4年先の教授の健康状態よりも確実にあやふやなことだ」
「おや……? 冥土の土産ってわけか。お前にしちゃ随分としおらしいじゃないか」
「やはり、らしくないか?」
「あぁ、だが意外と悪くないと思うぜ、そういうのも。……おわっ!?」
突然、俺達のすぐ後ろを進んでいた一台の牛車が大きく跳ねて、ゴトンという嫌な音を立てた。
ただでさえ噛み合わせの悪い車輪が、地上に飛び出た石に乗り上げたのだ。
しかもよりにもよって……そいつは探査機と発電機を乗せている発掘作業の心臓部ともいえる牛車だった。
「だ、大丈夫か……? ……頼むからアナログライクなのは移動手段だけにしといてくれよ……!」
俺は額に手をつき、機材の無事を祈って天を仰いだ。
「くそっ、緩衝材をもう少し積んでおくべきだったな。この荒れた道じゃ心もとない。
 次の休憩で他の牛車から緩衝材になりそうな物を少し移し変えておこう」
元から青ざめた顔をなおさら青くして、正弘は早口でそうまくし立てた。
「言わんこっちゃないんだよ、だから長い距離歩くのは反対したんだ。これで機材が壊れでもしたら……」

364 :
「こ、こんなところで甘ったれたこと言うな! これはな、絶対に必要なことなんだぞ!」
「あああっ!」
「まだ言うのか! 今更調査から降りたいなんて泣き言は聞きたくないぞ!」
「い、いや全然違う、そうじゃなくて、ちょっとしたことを思いついただけなんだ……」
「なんだ? つまらんことなら承知しないぞ」
「あ、あのな……俺らにとって歩くことは必要なのかもしれないが……。
 わざわざ後ろの機材まで俺らの道連れさせる必要はなかったんじゃないか?
 その、後で最寄りの駅まで鉄道で運んでしまえば別にいい話で……」
「「…………」」
「そ、そう言われてみれば……そうかも、しれなかったな……。あ……あぁ……そうか……」
「……ま、まぁ、こんなことは忘れちまおう! よそうぜもう! 幸先が悪くなる。
 こんな炎天下に要らぬ気苦労まで背負い込んじまってるなんてこと考えてたらどっと疲れてしまうぜ……」
「す、すまんな……」
「いいって、細かいこと気にするなよ。あぁ、そうだ正弘!
 この間は軽く聞き流してしまったが、思い返してみるとアレは怖い話だよな?」
「ん? 何がだ?」
「食人の話さ。それが未だに残ってるっていうのがそら恐ろしくてな。
 俺はどんなに食うに困ったとしても人の肉を食うような野蛮な民族の真似はできないな。
 動かなくなってしまったからといっても、そいつら俺たちと同じ普通のなりをしてんだぜ?」
そのとき俺が何気なく言った『普通』という言葉に反応して、刹那だが正弘の頬が揺れた。
「いいや……。違うぞ磯崎、頭から彼らだけを野蛮民族と決めつけることはできないんだぞ。
 民族性でくくってしまえば俺らも同じ穴のムジナなんだ。世界中どこにいても飢饉に人食いは付き物だ。
 現に俺の父親も戦地で『白豚』と名づけた米英兵を何度か口にしたそうだからな」

365 :
「う……、お、ま……お前こそサラッと言うなよそんな事!」
「そうか? 父親は食事中でも平気で俺に言い聞かせていたんだがな……。
 飢えた戦友が夢の中で握り飯をたらふく食べてきたと錯乱しながら餓していったとかな。
 偏食がちだった俺はよく説教されてたよ。うむ」
「だ、だから生々しい話はやめろって……」
「しかし少し付け加えておくが、俺が以前に示した例はどれも食うに困った上での人食いじゃないんだ。
 ネブカドネザルも、フォア族も、あぁアステカ文明も確かそうだったな」
「は? 腹が減ってにそうでもないのに……?」
「フォア族の場合は者の弔いの意味で肉を食べていたそうだ。が……。
 それより昔の人間は自分と同じ種の肉を食うことで『力の継承』が起きると信じて人を食ったんだよ。
 故人の秀でた能力を惜しんでのことさ。優れた腕力、優れた頭脳、優れた技能、それを我が物に、ってな」
「胸糞の悪くなる考え方だな……そんなこと起きるはずもないのに……バカだな……」
「全くだ。物事を知らないというのは、それはそれでとても怖いことだ。
 しかし逆に言えば物事を知る怖さってのもあるが……」
「知る怖さ? 何だよそれ」
「もし、人間が食人によって者の能力を継承できていたとしたら?」
「は……? なんだよ仮定の話かよ。
 そりゃその仮定だと本物の野蛮民族がとてつもなく恐ろしい存在になるだろうが、結局、仮定は仮定だろ」
「そうさ、現実には起こりっこない事さ。
 しかし人間ほど複雑な生理機能を持たない種なら能力はもちろん記憶の継承さえも起こり得る」
「あぁ、木食虫の迷路実験か。あれだろ? 迷路の先にあるエサへの道順を覚えさせた木食虫を砕いて、
 そいつを他の木食虫に食わせると全く初めての迷路でも迷うことなくエサへたどり着くっていう……」

366 :
「ふん、移植と捕食は違うと言いたいんだろ? だがその指摘の仕方じゃ間違いだぞ磯崎。
 人食いだってまさか生きたまま躍り食いするわけじゃない。
 要するにここで違ってくるのは、人間が食われるためにされるかそうでないかのどちらかだ。
 おしなべてみればどちらが生き、どちらがぬか。それとも両者揃って生きるか、または共倒れするか……。
 結局のところ、それらは俺達が生きていく上でもっとも基本的な行動なんだ。
 命を繋ぐ捕食という意味で言えば、食料として見ても儀礼として見ても同じなのかもしれない。
 ま、ひょんなことで明日いきなり倫理面でなんの問題もなく人を食えるようになっているかもしれないしな。
 『想像できることは何でも起こる』この世界にオフビートが登場して以来ずっと言われ続けていることだ」
「すまん……何かよく分からないが胸糞が無性に悪くなった……」
「……そう思えるのは幸せなことかもな……。
 磯崎、もしお前がオフビートだったとしたらきっとスー……」
その時、正弘の言葉をかき消すように、ぱぱぱ、と銃声が響いた。
瞬時に俺の頭の中にはさっき正弘の言っていたことわざが浮かんでいた。
「っそ! まじかよ!?」
生業に窮すればエジプトは物乞いをし、他のアラブは盗みを働く。ただ、イラクだけは強盗に走る――。

367 :
大きな飛行機、小さな飛行機、列車、借り物の車、そして最後の最後に小さな船に乗り継いだ……。
園長先生と二人きりで乗った小さな船でたどり着いたのは、小さな島の小さな岸辺。
そこは、病院どころかぜんぜん人が住んでいるみたいな感じのしない島。
だけど岸辺に着く少し手前になって私はようやくその島に人がいることに気付いた。
「先生……あの人は知ってる人?」
私がたずねたら園長先生は、あぁ、あの人がそうだ、とうなずいた。
「あんまり、お医者さんぽく見えないけど……」
岸辺には、細身で小柄な若い女の人が私たちを出迎えるようにして佇んでいた。
遠目にも分かる優しそうな雰囲気。でも、近くで顔を見たら少しだけびっくりした。
なんだか柔らかい眼差しだけが、長い時間をかけてカチコチに固まってしまってるみたいだったから。
女の人は笑っているのでも、悲しんでいるのでもない、不思議な眼をしていた。
車椅子と私を降ろした園長先生は岸に船をロープで繋いでから、歩み寄って来た女の人にこう伝えた。
「正弘は眠ったよ……」

368 :
園長先生の言った人が誰なのか知らなかったけど、二人にとってとても大事な人だってことは分かった。
なんでかっていうとその時、女の人がまぶたに隠した両目が震えてるみたいだったから。
「……私は彼に悪いことをしましたね。もちろん、あなたにも……」
「それを決めるのは君ではないさ……」
「「……」」
そうして二人ともしばらく下を向いて黙りこくっていたけど、
ふいに女の人が私に初めて気付いたみたいにストンと腰を落とし、ひざ小僧に腕を乗せて話しかけてきた。
「あなた? この人を私のところに寄越してくれたのは?
 かわいらしいわね、いくつ?」
小首をかしげながらにこにこして尋ねる女の人に対して、私は恥ずかしくなってこう答えた。
「え、えっと……そんなふうにして聞かれるほど子供じゃないんですけど……、一応……」
「そぉ? 最近の子って割りとませてるのね。ふぅ」
女の人はすごく残念そうに立ち上がり、膝を払った。
「うつってるんだよ、きっと」
園長先生はそう言いながら何か笑いを押ししてるみたいだった――

369 :
耳を澄まさなければ聞こえない、小さな小さな寝息がゆっくり、ゆっくりと繰り返されていた。
この状況にできるだけ長い時間うつつを抜かしたいと思いつつも……明子はそっとエンジンキーを回した。
「……ん、んんう……」
規則正しく流れていた寝息がやみ、明子は少し舌を出して言った。
「あら、失敗……」
「ほえ? ……ぁ……も、もしかして私ずっと眠りこけて……!?
 わ、と、もうこんな時間!? はっ、ご、ごめんなさい理事長さん!」
目もとをこすりながら律子は急いで座席を起こした。
が、何かに気づいたように一瞬ピタリと止まってから、恐る恐る明子に話りかけた。
「て……? 理事長さん……どこに行ってたんですか?」
「どこに……って?」
「え、だって私さっき……!」
律子は身を乗り出しかけて、また何かに気づいたようにピタリと止まった。
「……? くすっ、ちゃんとシートベルトはしててね?」
明子にそう言われ律子はすごすごと引き下がり、座席に背をついた。
「あ、はい……、いえ、すみません変なこと言って……。たぶん私、夢を見ていたんです……。
 だって、夢じゃなきゃ……私ここにいないはずですから……」
「何かしら? 気になるわね、もし覚えていたらその夢の話、聞かせてもらえる?」
「え? あ、はい……」
「私、会ってたんです。園長先生に……。
 でも、それだけじゃないんです……それよりもずっと昔に……私思い出したんです……!」
「……?」

370 :
「んん……」
とある疑問に頭を悩ませていた僕を見かねてか、ブラスティアが沈痛そうに声をかけてきた。
「心配だね……」
「さあ? 別に……?」
しかし、その返事も耳に入っていない様子でブラスティアはずっとそわそわして落ち着きがない。
「あああ! もし、うまくいったとしてもさ……洋服が変わってるとことか気づかれないかな……」
「なんだよ。僕の能力を疑っているのか?
 ふん、僕は君の言う通りにしたし、確かに手ごたえもあった。抜かりはないさ……」
僕が答えると同時、路肩に止まっていたセダンがゆっくりと動き始めた。
その様子を高見から心配そうに見下ろしていたブラスティアはようやく胸をなでおろして言った。
「……良かった……。
 借りができたねフォーチュンテラー。助けてくれて本当にありがとう」
「なぜだ?」
「え……なんでって言われたって……」
「言われる筋合いのない礼を受けるのは不愉快なだけだ。
 勘違いしないでもらおうか。僕はただ交換条件を飲んだだけで、それ以上のことは何もしていないぞ!」
「そ、そんなに大きな声で言わなくても……。
 逆に、君が他に何かしたんじゃないかって思っちゃうじゃないか」
「ふん……とにかくだ。
 いいか、約束通り僕を監視するのはやめろ。もしそれを違えた場合は分かってるだろうな……?」
「そ、それはそうするけど……君は、そんなに誰かを助けることが嫌なのかい?」
「借りを作ったわけじゃないと言ったろう。全て僕自身のためだけにやったことさ」
「ふぅん……。じゃあそっちの、それも自分のため?」
ブラスティアは目線を少し上にあげて言った。

371 :
「……さぁね」
ブラスティアの指さした先には、律子と一緒に両断されていたアジサシがぐるぐると低空飛行していた。
「助けてやったのを有り難く思っているのかもしれないが……。
 こうもずっとそばにいられるとうっとおしいだけ……くっ!」
それまで距離を置いていたアジサシが突然、僕の鼻先を掠め、ブラスティアの延ばしていた手の先へ止まった。
「わっ、すごい! み、見てよフォーチュンテラー! この鳥、て、ててて、手に止まったよ!
 ボク、動物園以外でこんなに野鳥に近づいたのって初めてだ!」
「動物園で飼われている鳥は野鳥とは言わないけどね」
ブラスティアの手の甲に止まった鳥は左右をキョロキョロと見回したかと思うと、おもむろに……
「ひ、ひゃっ! ちょ、ちょっ! く、くすぐったいってば!
 うわっ、そんなとこにエサなんてないから!!」
ブラスティアの胸の谷間に顔を突っ込んでエサを探そうとするアジサシ。
「…………」
僕はその様子をじっと眺めていた。が、なぜか静観を決め込むのも癪に障った。
「ってぇな! お楽しみ中に何しやがる!」
「ただ手を動かしたくなってね。その途中にお前の頭があったってだけだ」
「え、ウソ!? しゃ、しゃべった!?」
「お前……。
 僕のところへ来てもオフビートだということは隠しておけと言っただろう……ロストターン」
「お、俺はちゃんと隠してただろ!
 それに今のはどう見ても健太郎のせいじゃんぇか! って、また殴ろうとすんなよ! 噛んだだろうが!
 出際に人のこと呼び付けておいてなんだよこの仕打ちは! ちったぁ礼儀を知れ礼儀をよお!」
「オフビート……? き、君は……一体……?」

372 :
「うおおっと、正体がばれてしまってはしょうがないがよくぞ聞いてくれた。
 我こそは月をも動かすオフビート! マスターエニグマの高弟! ロストターン様だ!」
「……。そこまでは言わなければばれないと思うけどね……。
 相も変わらず口の減らない鳥頭だ……」
「へぇ、いま途中ものすごい早口に聞こえたけど、マスターエニグマの高弟って言ったの?」
「チッ。いい耳してやがるぜ。さすが噂に聞こえた日本を代表するオフビート、ブラスティアだな」
「ボクのことを知ってるの?」
「知らない奴のほうがマイナーだろうよ。あんたの活躍はなかなかのもんだ。
 特にこいつをオガサワラにぶち込んだ功績は素晴らしい」
「あ……ありがとう」
「……ブラスティア。
 誤解のないように言っておくが、こいつは単にマスターエニグマの愛玩動物みたいなものだ。
 飼主に見向きもされず放し飼いにされてるペットってのが事実さ」
「ててててて、てんめぇ……!!」
「なぁに、どこも違ってないだろう」
「で、でも、マスターエニグマが飼ってるって……」
「ブラスティアまで飼ってるとか言うな! 弟子だ弟子!」
「ご、ごめんなさい……えーと、その……お弟子さん、なのは本当なんだ?
 だけど……どうしてそんなオフビートがフォーチュンテラーと知り合いなの?」
「ん? 簡単なことさ。俺は本当はこんなのと知り合いたくなかったんだがな」
「これが勝手にオガサワラに迷い込んで来たんだ」
「これが勝手に俺の巣に住み着いてやがったんだ」
僕とロストターンは感情の全くこもってない手と羽で同時にお互いを指していた。

373 :
「ふ……ふぅん……そうなんだ……。
 まぁロストターン、君の素性は分かったけど、君は律子ちゃんと何をしていてああなったの?」
するとロストターンはチ、チ、チと羽と頭を左右に振った。
「おいおい、けしからんのはおっぱいだけにしとけよな、ブラスティア。
 人に物を尋ねる時にはまず自分から物を言うのが礼儀ってもんだろ?」
「え? ボ、ボクのことは知ってるって君さっき言ってたじゃないか!」
「違う違う。なにテンプレな受け取り方してんだ。反対にお前らはここで何してんの?っての。
 もしこの場所に用なんか何も無いんなら、とりあえず何か食わせてくれるとこに連れてってくんないか?
 実は俺、オガサワラを出たきり何も食べてなくてさ、まぁたにそうなんだ……頼む……」
「えぇ? も、しょうがないなぁ……。
 じゃ、行くよ健太郎君。しっかり掴まって」
「あ、あぁ……」
ブラスティアが僕の手をとると、体がふっと大空へ舞い上がった。
すでに麓のほうまで降りている律子たちの乗った乗用車は豆粒ほどに見えていた。
僕はその遠く眼下を走る車に向かって一刻前までの疑問を投げかけてみた。
『律子……君はどうやって……。
 今日の今日まで、あんな足でどうやって歩けていたっていうんだ……』

374 :
365と366の間にいっこ貼り忘れが(つД`)

375 :
↑の書き込み時間に自分でビックリΣ(゚ロ゚ノ)ノ

376 :
>>365
「そうだ。木食虫が食べるのはいわば禁断の果実。
 まさにエデンの園に生るリンゴは自らと同じ姿をしていたと……」
「は、俺達みたいなのがそんな洒落た例え方をする時は、まず鏡を見ておいたほうがいいと思うんだが?」
俺は自分たちの見てくれに対しての茶々を入れてみたが、正弘はさして気にも留めなかった。
さらにのうのうと、別に調子っぱずれな形容じゃないんだがなぁ、とまで呟いていた。
「しかしだ……、もしそんな果実がヒトにもあるとしたら。
 磯崎はそれを口に運べるか? 自分とあまり変わらないごく『普通の』人間を……」
「な……そりゃ便利そうに聞こえるが、とてもじゃない。
 他人の記憶で頭がごちゃまぜになるなんて御免こうむる。俺は、俺だ。
 それにさっきも言ったがそんなのグロテスクすぎてんだって食えるものか。
 しかし、そんなこと尋ねようとするお前のほうはどうなんだ、正弘?」
「はは、そんな目で見てくれるなよ磯崎。
 俺は確かに屈折しているという自覚はあるが、人間としてそこまで下にはいない。
 いや……下には見ていない」
「どういうことだ?」
「先のことなんて誰にも分からないのさ。
 見方を変えれば臓器の移植だってその範疇にあるだろう?」
「は…………?」
俺は、正広が遠回しに言った言葉の意味を理解するために数秒の間が必要だった。
「お前……それは臓器の提供者の亡が認められてからだろう……!」

377 :
(´・ω・`)?

378 :
保守

379 :
何か進展あったかなーと久しぶりに公式みてみたら
アイ参へのページリンクがパッチしかないんですよ
切ないっすね

380 :
なんかゲームブックなみに、このスレへ行けと言われ
あー立ってたんだー?と来てみたら、既に廃墟だったで御座るの巻
保守

381 :
ごぶさたです
何か小ネタでもして廃墟の換気を……

382 :
てか誰もいなそうですね
アイたん誕生日おめでとう

383 :
保守

384 :
ブラスティアやクイーンのコスエロいよね
早く2出してください

385 :
会社自体がもう・・・
サンダークラップス自体の権利は原作小説の会社が持ってるんだろうから
別会社から出す事はできる・・・のかな?
・・・出来るよな多分。
でもゲームオリジナルのキャラ(ブラスティアやクイーン)の権利がカラーズにあったりすると
たとえ新作が出てもブラスティアは出ないなんて事に・・・

386 :
hosu

387 :
QB書き下ろしイラストのクレジットに黒木氏の名前だけあってcolorsの文字がない
これいかに?

388 :
だってcolorsはもう…

389 :
 フレアはパワーガールのオマージュなのだろうか? あとエクリプスを見るかぎりペニスは勃起するかどうかON/OFF可能っぽいんだが、そこんとこどう思う?

390 :
あー、イメージは近いかも。>パワーガール
エクリプスは自由意志はあっても身体は基本的にDr.ディスオーダーの道具として完全に調整済みだから、
Dr.の気分次第で自由にオンオフ可能になるように作られてるんだとか思ってた。
フレアは調整が完了する前に逃げたんでその辺コントロールできないと。

391 :
単純にモードの切り替え方知らないだけじゃね? 快楽神経つながってないこと自体知らなかったわけだし。

392 :
てすと

393 :
今月号の二次マガに小説の新作が出てたね。
好評だったらシリーズ復活、さらには再度ゲーム化なんて流れもありうるかなあ。

394 :
情報ありがとう
読み切りだしちょっと買ってくる

395 :
てすと

396 :
保守

397 :
何気なく板覗いたらまだこのスレ生きててビビったわ。
サンクラはいいゲームだった。どっかのメーカーが黒木氏と組んで続編作ってくんねーかな…

398 :
1000だったらサンクラ2発売決定

399 :
まこちゃんかわいいよ

400 :
ほしゅ

401 :
黒木氏生きてたか

402 :


403 :
保守

404 :


405 :
新年

406 :


407 :


408 :
「ご協力、痛み入る」
いつからか、生気の感じられない能面のような顔をした男が自分に何か話しかけていた。
「しかし我々の予想から外れた発見はあまりなかったようだよ。
 これでひとまずクイックブレイドとしての君には用が済んだ」
猿のように毛に覆い尽くされた男の顔、そしてその中心、瞬きもしない目玉がぎょろりと寄る。
「あとは人間としての価値だな。『磯崎君』」
その言葉を聞いた瞬間、全身の血が沸騰した。
意識も、完全にはっきりした。はっきりしてしまった。
ありとあらゆるおぞましい可能性が意識の底から溢れ出す。
「クソっ!クソオオ!!!なぜこうなった!! せ!せええええ!俺を!!今すぐに!!!」
辺りを取り囲み、音も無く佇む無数の人影が絶望感にさらなる追い討ちをかける。
「多少は誇らしげにしても良いのではないか? これほどまでのコレクション。そうそうお目にかかれない。
 君の記憶からお連れした、かつての仲間やライバル達だ。
 過去、淘汰されたものが今、現在の存在への駆逐に挑む。
 結果など些細なこと。その過程をその怯えきった目に焼き付けてもらいたい」
微動だにしない人影のただ中、誰にも気づかれることなく、魔術師の口元が一瞬緩んだ。

409 :
正月休み以来の2連休2日目。来るなら来やがれ年度末。
いろんなモンの発散がてら懐かしいスレに来て適当に続きでも書こうとしたけど
何がどうなってたか忘れてて手が止まった。んで過去ログ読んでたら半日寝てた。
おはようございます。みんな色んなこと書いてたんだなーと、しみじみ。
>>393
敵はミルククラウンだったっけ。牛乳の水滴が落ちた瞬間にできるアレ。
ガサゴソ……
ごめんちがいましたorzミルクマン(牛乳配達員)
いやー名前がストレートでいいですよね。やっぱりサンクラとくれば射乳!
読み返すとなんつーかやっぱコレですよコレコレ。堕ちもオチも独特のコブシが効いてますね。
さぁ次ぁどいつ視点から書き始めようか

410 :

 『周辺諸国が次々と民主化を起こしているが、そんな物は真の成功ではなく泡沫の夢だ。
  君主にも民衆にも覆しようのない力が、我々の背後で息を潜めている。
  この地上に在る塵の一つさえ』
  この生放送のスピーチ中、リビアのオフビート独裁君主は
  錯乱状態に陥った護衛兵が放った何の変哲も無い銃弾により命を落とした。
「あんのガキどもめ!腹が減って無抵抗な俺の風きり羽をもぎとろうとしやがった!」
園児たちを驚かせないように庭先でエサにありついていたロストターンは逆にひどい目にあってきたらしい。
「野生動物と触れ合う機会なんてないからな。力加減も知らないんだろう。まぁそいつはご苦労だったな」
「アクビかましながら言ってんじゃねぇよ!こちとら一生カゴの中で生活するかもしれないとこだったんだぞ!」
「……それも悪くないな。今みたいに勝手にどこかに行かれても困る」
「悪い。冗談だ。心から心配してくれてまじサンクス。よせ、やめろ、それ以上は近づくな」
「わずかな自由を満喫していたければ大人しくしておくんだな。
 それが人語を解すか百発百中の下半身しか能のないお前にはお似合いの待遇だ」
「それって大事なことがいくつも抜けてねーか?俺は……」
「何の間違いかマスターエニグマとのパイプがある」
「そして俺と組めばお前のオフビート能力はさらに高まる」
「正しくは俺が使ってやれば、だ。手駒が主体を気取るなよ」
「俺がいなけりゃオガサワラでオフビートのオの字もつかない人間だったくせに、言うぜまったく」
「で、宝玉について何か調べはついたのか?」
「……簡潔に言うとな。バレちまった」
「な、何がだ!?」
「あの爺さんはどうも年甲斐もなく勘が冴えててなぁ……。
 さらに輪を加えて年甲斐もなく悪戯好きと来たもんだ……」
「ちゃんと説明しろ!」
「とにかく宝玉はある。俺が興味を示した後で作ったのか、それ以前からあったのかは知らないが
 マスターエニグマは宝玉を持っている。どこかにな……それから驚いたことに健太郎」
「……奴は俺について何か話していたのか?」

411 :
【健太郎の一人称が「俺」になってしまったwブランク涙目w】
「……ッチ!」
返事を待たずに僕は「グェッ」と鳴くロストターンをズボンのポケットに潜ませた。
「よう!悪の化身!」
「何しに来たんだパフュームラッド」
「いやな、俺はお前が刑務所から真っ直ぐここに来たって聞いたからさ、着替えを用意してきたってわけだ」
「着替え?しかしなんだその小ささと胸糞が悪くなるような包装紙にリボンは」
「フフーン。まずは四の五の言わず着てみ……ろ……?
 おい、どうした顔色が悪いぞ?なんつーか主にアーティスティックな縞々状に……」
「《パフュームラッドは直ちにここから出て行く》」
「あのなぁ……健太郎。俺がお前の監視員だと分かってるはずなのにこんな軽いことでオフビート能力を使うのか?」
「な……なぜだ?」
「ん? あぁ、そうかそうかアッハッハー
 どうだー見たかー驚いたかー俺にはお前の言霊なんて屁ほども効かないんだぞー」
「何が起きている……」
「お前のオフビート能力は確かに優秀だ。しかし優秀なだけってこった」
「教えろ!僕のオフビート能力に対してオガサワラで何かしたな!?そうでなければ……!」
「別に何もされてないんじゃないか?オガサワラはオフビート憲章を逸脱した処遇は一切行えないはずだ。
 まぁ一つだけ特別に教えられるとしたら『人間はニオイを嗅ぐことはできない』ってことさ」
 じゃあなー頑張れよー小っこいのとさらに小っこいのー。ハッハー!」
「チ、ヂヂッ! あぁせまっ苦しい! ふぅ……あれが噂に聞くパフュームラッドか。
 俺にも気づいてたみたいだし、なんかどこかの爺さんと気が合いそうな奴だな……」
「くっそ!……! こんなもの!」
いつの間にか着せられていたエプロンを壁に叩きつけた。

412 :
今更だけどcolorsのブログがほんのちょっぴり動いてたんだね
colors.sblo.jp/

413 :
今やってるTIGER&BUNNYはサンクラとキャン玉をゴチャまぜにしたようなアニメで面白い
主役の娘が黄色いリボンにホットパンツであれこの娘どこの誠?
ホットスポットにそっくりなヒーローもいるし能力暴走させてるガキも出てたし
キャプテンスカイがスカイハイ、ミスターレジェンドがスーパーオフビートとだぶる
アメコミネタやサンクラと似てるとこを抜きにしても続きが楽しみなアニメだわこりゃ

414 :
面白いよな。TIGER&BUNNY。同じくそのアニメを見るとサンクラが頭に浮かぶw

415 :
一月書き込みないけど保守しなくて大丈夫なんかな

416 :
保守乙
アイのアニメスレも落ちたし残るはメーカースレと作品スレとここだけか

417 :
スレタイにゲームタイトルも入ってないから
検索して新たに入ってくるスレ住人も望めないというのは地味に痛い

418 :
>>413,414
久しぶりにスレのぞいてみたら
やはりTIGER&BUNNYが話題に出ていたかw
サンクラ続編があったらヒーローTVな設定も取り入れて欲しいなあ
でもって人質取られたり原作小説2のストーリーテラー的な設定とかで逆らえない状態にされて
本来のヒーローTVと同時に中継される裏ヒーローTVへの出演を強要されるとかで
「おおっとお!スノーウイング、犯人を逮捕してしまいました!
 これはいけませんねえ、−200ポイントです。
 さらにペナルティとしてバイブの振動が強くなります!」
とかそんなノリで

419 :
>>417
ごらんの有様の次スレテンプレにここを追加しとくさ

420 :
ぬるぽ

421 :
ぬる保守

422 :
nin

423 :
ho

424 :
ふむふむ

425 :
一日一回スターサンダー!

426 :
おち

427 :
時代を先取りしすぎた作品だったな

428 :
タイバニが人気になったのを考えるともう少し時代が合っていれば…と悔やまれる。
ニジマガには前回からそのタイバニをパクったようなエロ小説が連載されてるけど
そんなんやるくらいならサンクラをやってくれと。

429 :12/04/09
だなあ。今こそサンクラか、もしくは同じ世界で別ヒロインの「活躍」を描いた作品を出して欲しい。
タイバニみたいに二人一組のヒロインにすれば
片方は乳首肥大で片方はフタナリ化とで責められたあげく
ヒロイン同士の愛情に目覚めるとかできるだろうしというか是非そういう展開でやって欲しい。
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