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俺の屍を越えてゆけでエロパロ


1 :2011/11/14 〜 最終レス :2012/08/20
祝リメイクということで

2 :
重複してるけどどっち使えばいい?

3 :
よし、じゃあこっち使おうか

4 :
こっちで

5 :
まずはあっちのスレ>>1とこっちのスレ>>1の両家で結魂するSSからですね…

6 :
うちの家では交神の時に恥をかかないように、元服した男子はみんなイツ花が筆下ろししてくれてるよ

7 :
>>6
お宅の子になります

8 :
新神様期待

9 :
完成する前に落ちたらどうしようかと…
新神様と言えば新神様と一族娘のお話
バーローと交神できるようになったと聞いてどんな娘なら奴に負けないか妄想したらこうなった。今は反省している
特殊めな娘設定なので注意。細かい事を色々と投げ捨ててるシリアス度に欠けたエロコメ風味

10 :
種絶と短命、二つの呪いをかけられたとある一族がいた。
神と交わる事により力を増し、彼らはただ一人の怨敵を討つが為に戦い続ける。怨敵の名は――朱点童子。
地獄の奥のそのまた奥深くで待ち受ける朱点童子と、呪われし一族は近々本当の決着を付けよう、付けられるだけの力はついたと判断を下した。
地獄巡り・修羅の塔討伐に彼らが出るまで、あと数日。
その数日の合間にできたある時、一族の一人が京の都の屋敷から姿を消した。逐電したのではない。『散歩』である。
その者は都の復興投資も全て済ませ有り余る家の金を持ち出し、こうして合間合間にどこかへ遊びに出て行ってしまうという一族きっての問題児だった。
問題児の正体は、見た目で言えば年端も行かぬ娘である。この世に生を受けてからまだ六か月、短命の呪いに侵された一族にとっての元服も迎えていないような歳だ。
しかし、家の者達はそんな娘を咎めはすれど抑え込む事はしなかった。
非常に強い『風』の気質を心に持つ娘は好奇心があまりにも旺盛すぎ、また最上位の男神を父に持つが故に生後六カ月にして凄まじい力を持っていたからである。
呪われし一族最大の問題児にして最強の弓使い、気質をそのまま現した緑色の瞳を持つその娘の名は氷奈莉(ひなり)。
その名を見れば、彼女がどの神の娘であるか分かる事だろう。
『散歩』に出た氷奈莉の本日の遊び場。それは、京の都から少しばかり離れた川の側だった。
小さな体を丸めてしゃがみこみ、じーっとじーっと川を見つめ続ける。
「やあ、どうしたんだいこんな処に一人で。入水自?折角短くしてやった命なんだ、手間をかけてぬ必要もないだろうにねぇ」
そんな氷奈莉の後ろ姿に、唐突かつ底意地の悪い溌剌とした声が届いた。
それでもぴくりとも動かず、氷奈莉の背中は声のする方向を向いたまま。
「無視するなよ、それとももうんでる?」
そこまで言われて、ようやく氷奈莉は体ごと動いてジトっとした眠そうな目をそちらへと向ける。
「ああ、生きてた。こ・ん・ち・わ、っと!初めましてだっけ?君の敵だよ」
声の主は赤い髪、顔に刻まれた緑の痣の少年。
氷奈莉が口を開き、間延びした舌っ足らずな声でぼんやりとその名を呼ぶ。
「あー…………きいろかわひとだ」
「きつとだよ。この期に及んでボクの名前読み間違える奴初めて見たよ」
彼こそが朱点童子、本名を黄川人という鬼の首領である。
「べんきょうするとはきけがするからかんじはにがて」
「ああ、そう…それよりいいのかい、一人で遊び呆けて。君達の張り合いがあまりにも無いもんだから外に出たら、これだもんなぁ」
氷奈莉が生まれる前の事、呪われし一族は一度黄川人に敗北している。
最後の『髪』を打倒した途端に本気を出した、真の朱い鬼の前に敗走を余儀なくされたのだ。
霊体ではなく生身で現れたのは、絶対の自信をそのまま示していると言えよう。
「いつものことだからべつに。きょうはあゆをみにきた」
「なるほど、囮の鮎に引っかかった娘が一人…と。どうする、ここで戦るかい?先代の恨みを晴らしてみろよ」
皮肉を口にしつつ酷薄な笑みを浮かべてみせるが、氷奈莉の表情はぼんやりとしたまま変わらない。
ここで一人捻りすだけでもつまらない、寿命が三カ月は縮む程度の恐怖を与えてやるか。
黄川人が戯れにそう考え、掌に稲妻を収束させる。
すると、氷奈莉ははっと何かを考え付いたような顔をしてから視線を黄川人の目にやってきた。
「そうだ、こうせんじん」
「きつとだよ。話聞いてたかい?」
「かわをつってよむのはなっとくできない。それはどうでもいいけど、このさいあんたでいいや」
次の瞬間、黄川人はこの娘にちょっかいを出した事を心底後悔する羽目になる。
「おねがいするけど、あたしとこづくりごっこして?」

11 :
「……………………は?」
稲妻がぷしゅん、と間抜けな音を立てて消滅する。そのくらい茫然としてしまった。
何しろ、長い時間をかけてし合ってきた仲である自分が呪った一族の娘の口からあろう事か「子作りして」というような言葉が飛び出したのだから。
「えーと、ちょっと待て。君、ボクが誰だか分かってる?」
「しゅてんどーじのへんななまえ」
「変な名前は余計だよ。で、朱点童子は君達の何?いやまあ君達も朱点童子だけどさ」
「ころすあいて」
「されないけど…それは分かってるんだろ?じゃあ天界の神ならまだしも、今の台詞は間違ってもボクに言うべき事じゃないよね?」
「なんで?」
駄目だこいつ。
ここまでのやり取りで、黄川人は瞬時にそれを理解した。
氷奈莉が問題児であるのは、旺盛すぎる好奇心に基づいた放浪癖のみが理由ではない。
心の風が誰よりも高い彼女は、常人とは相当ずれた思考を持つ所謂変人だったのだ。
思いついた目的も一瞬忘れて頭痛を覚える黄川人を余所に、氷奈莉は信じられないような言葉をぽんぽんと出していく。
「えっとね、らいげつになったらあたしたちあんたをころしにいくんだけど」
「す事前提で話を進めようとするなよ。ボクがどれだけ強いかくらいは流石に理解してるだろうに」
「うん、でもあたしとみんなつよいし。あ、でもいまたたかうのはさすがにむり。ひとりだから」
「四人ならせるって断言するんだ…」
「しゅてんどーじをころしたら、もうあたしたちのやくめはおわりでしょ?ひるこがつぶしにくるってあんたもいってたってきいた。ふつーにかんがえればじゃまだもんね」
幼児みたいな喋り方の割に、物事の大局を見る目は持っているらしい。
その代わり、何かと致命的な部分が欠けているようだが。
「そしたら、もうこうしんできないじゃん。ずるい。あたしもこづくりやってみたい」
「意味分かってて言ってるんだろうな」
「あたりまえじゃん、なにいってんの?じょうみょうに、ほうげに、ともだちみんなからなにするかはきいたの。だからあたしだけできないのはずるい」
浄妙太夫に放下太夫と言えば、京の都で有名な芸者の名である。
家に来てすぐに家の蔵の美人画を見て「本物が見たい」と思った氷奈莉は金を持って屋敷を飛び出し、以来画に描かれていた太夫達と対面して親しくなっていた。
元はと言えばそれが放浪癖の始まりだ。何人もの芸者達と何度も会って話を聞いていれば、耳年増になるのはある意味必然。
それと旺盛すぎる好奇心とが合わされば、どんな願望を抱くかは推して知るべし。
――ただ、それを「この際いいや」ととんでもない相手に提案するのが彼女の変人ぶりを示しているのだが。

12 :
「きいろかわひと、はんぶんはにんげんなんでしょ?だからだいじょうぶだよ、あたしげんぷくしてないし」
「そこは問題じゃないからね!?」
思わず声を荒げれば、じゃあ何が問題なんだとでも言いたげに眠そうな視線を返してくる。
半分は人間でももう半分は神なんだから、『大丈夫』と言い切れはしないんじゃないか。
自分でかけた種絶の呪いではあるが、まさか呪われた子孫が自分とそんな事をしようと言い出すとは思ってなかったので確信が持てない。
「ごっこだからいいじゃん、やったことないわけないでしょ?ごせんぞさまにおにやまものをうませてるって」
その言葉に、ぐっと僅かに黄川人が言葉を詰まらせる。
確かに無数の鬼や魔物は修羅の塔に捕えているお輪に産ませているのだが、いちいち自分が仕込んでいる訳ではない。
この一族が百も千も斬って捨てている分また産ませる必要があるのだから、そんな事をしていたら幾らなんでも時間がかかりすぎるし体が持たない。
恨みを持って漂う悪霊や各地から噴き出る邪気を素にして大量に産ませている、というのが正直な話だ。
つまり。
「…しゅてんどーじはあっちもどうじだった?」
反応を目ざとく感じ取った氷奈莉の指摘通り、そういう事なのである。
「……君には関係ないだろ」
「えーマジどーてい?キモーイどーていがゆるされるのはくんれんちゅうまでだよねーキャハハハってにしきてんじんがいってた」
「嘘つけっ!」
駄目だ。どうもこいつには話のノリを持っていかれる。
気力が削がれてきたのでここは無視して帰るか、とまで考えた黄川人の着物を氷奈莉がくいくいと引いてきた。
「だからこづくりごっこしようってー。どーていのままころされたいの?いっしょーどーていでおわるよ?」
「どっちかと言えば今君をしたい気分だけど、馬鹿馬鹿しいからもう帰るよ。来月君達の屍を踏み越えるのが楽しみだね」
「…………そう」
やっと諦めてくれたのか、くるりと背を向ける。
そして、ぼそっと一言。
「じゃあいますぐうちときょうのみやこじゅうに『しゅてんどーじはあっちもどうじだった』っていいふらしてこなきゃ…」

13 :
人間、勢いで動くと取り返しのつかない事態になるのはよくある。生憎ながら、ここにいる二人はどちらも人間ではないが。
「こんな事して、タダで済むと思ってるのかい」
なぜ地べたに腰を下ろした自分の目の前で呪われし一族の娘が着物を崩しているのか、黄川人はあまり思い出したくはなかった。
自分の母親もそうだったが、人間も鬼も神も半人半神も勢いで動けばロクな事になったもんじゃない。
「バレたらいいかげんおいだされるかも。へたにあつかってていこうされたらめんどうだって、まえはなしてるのぬすみぎきしたし」
尤も、この少女は勢いでしか動いてないんじゃないかとしか思えないのだが。だからロクな育ち方をしていないんじゃないだろうか。
「そっちもバレたらこけんとかにかかわりそうだよね。だからきょーはん」
「共犯関係ってのは同意の上で成り立つもんだと思ってたよ」
何度見ても何を考えているのかさっぱり分からない、ジトっとした目つきのままで氷奈莉は帯をぱさっと落とした。
「べつにいいじゃん、ここはおにもにんげんもかみさまもいないし。ないしょのはなしだから、なにもなかったもどうぜんじゃないの?」
抑える物が無くなりはだけた着物の隙間から、透けるような色の肌がそのまま現れる。
「もめばおおきくなるんだって。ほんと?」
両手で襟を引っ張り、露わな胸を突き出してきた。全く無い訳でもないが、見た目の年齢に吊り合った小振りな膨らみである。
仇敵相手にやっているとは思えない無防備すぎる行為だが、まさか本気で双方の同意が成立していると思っているのだろうか。
「ああ、何も無かった事になるよ。だからこれは、単なる馬鹿馬鹿しい遊びさ」
しかし、したらしたで「いっしょーどーてい」などと言うためだけに化けて出てきて非常に鬱陶しい事この上なさそうな気がするのでここは暇ついでに付き合ってやる事にした。
それだけだ、と頭の中で反芻しながら黄川人の手が膨らみへと伸びる。
ふに、とした手触りだ。見た目の割には柔らかい。
「おばさんのとくらべてたりしたら、ちょっとへんたいせーへきだとおもうよ」
「比べてないから黙っててくれるかい」
片手でふにふにとやる気のない手つきで少し遊んでから、両手で掴む。
「……ん」
幼さが残っている割には低い体温が、じわりと高まってきた。掌が熱くなっていく。
強めに揉むと、氷奈莉の身体がぴくりと震えた。
「くすぐったい」
掌に伝わる感触で、小さな両の乳首が固く勃ち上がっていくのが分かる。
ぐにぐにとより強くすれば、「うー」と呻かれた。
「痛いの?」
「さきのほうが、つぶされてる」
鬼と日常的にし合っていても、そういう痛みは感じるようだ。
一旦手を離すと、膨らみは両方とも赤く染まっていた。そこに、二つの尖りがぴんと自己主張している。
指先でそれを摘まむと、固いのに柔らかい奇妙な感触がした。
「…もっとくすぐったい」
顔を見れば、若干顔色が赤くなっているくらいで先程と同じような表情だ。
それが何となく気に入らなくなり、黄川人はやり方を変えてみる事にした。

14 :
どんな因果があればこんな状況になるんだろう。自問すれど、答えなんか返ってこない。
草の上に無造作に広げられた二人分の着物の更に上に座る、一糸纏わぬ男女が一組。
それは大して珍しくもない光景だっただろう。男が京全土への復讐を誓う鬼の頭領で、女がそれをす為に生まれた鬼斬りの一族の娘でさえなければ。
「おおー……」
しかも娘は対面した『男』をまじまじと見つめている。どんな割り切り方をすればこんな行動に出られるんだ。
「あのさ、そんなに食い入るように見るの止めてくれる?」
「なんで?すきなんでしょ、ぜんらになるの」
「あれは好きでやってた訳じゃないからな!」
身内のくらい見た事があるだろうにと思っていたら、氷奈莉曰く「おとーさんはおふろはいるととけるからみてない」らしい。
「こづくりするときはここがたつんだよね」
あれだけで勃つほど女に餓えてはいなかった為、朱点童子のあっちの童子は平常時のままだ。
「たたせかたもきいたから、だいじょうぶ」
言うが早いが、氷奈莉は両手の指をぺろぺろと舐めてからモノに手を伸ばして触れた。
「おもってたよりあついね」
関心したように言いながら、あまり遠慮なく撫でたり握ったりする。
暫くすると、「そうだ」と何かを思い出したような声を上げた。
「うらすじとあたまのとこがいいってきいたけど、うらすじってこれ?」
これ?と言う割には的確に、細い指が性器の裏筋を擦り上げる。弓を引いて出来たタコがそこに当たり、変わった感触を生み出す。
「くっ……」
「かたくなってきたー」
適当に触っているようにしか見えない癖に、氷奈莉の手付きは男の本能をそれなりに上手に擽っていた。
手の中で勃ち上がりゆく性器を観察するように、裏筋や脈打つ血管をなぞり程よく汗ばんだ手で色の濃い頭を撫でる。
やがてぐちぐちと水音が立ち始めたのに気付き、そっと手を離すと透明な汁が糸を引いた。
「これが、こだね?」
「…違うよ。それより先に出てくるもので、先走りって奴だ」
「へー…もっとでるかな」
初めて見る物の連続で楽しいのか、手の中で悪戯っぽく溢れてくる先走りをかき混ぜる。
それによって滑りがよくなり、氷奈莉の手はぬるぬると性器を這い回った。
「へんなにおい…きいろかわひと、きもちよくなってる?」
「…人の事より自分を気にしろよ。命を投げ出してるも同然の事してるんだからさ」
「んー、それはべつにいいんだけど」
もじ、と氷奈莉の脚が動く。それから、急に顔を上げてきた。
「なんか、へんなかんじがする」
色の薄い肌に分かりやすく熱の赤みが差し、眠そうな目つきがとろりとしたものに変化している。
か細く荒い呼気からまた青い女の匂いがして、黄川人は反射的に息を飲んだ。
同時に、悪戯心のような感情が湧き起こってくる。元々、悪意の籠った悪戯は得意中の得意な人物だ。
しかしこの悪戯心にはそれほど悪意が交じってはいない。単に、面白そうだと思ったのだ。
この訳の分からない生意気な娘に、『そういう』意味でひと泡吹かせてみるのが。
「それなら、いい事を思い付いたんだけど――」

15 :
どうせ馬鹿馬鹿しい秘め事ならば、この際とことんやってしまえばいい。

「ほら、この体勢ならボクと君が互いに口なり手なりで出来るだろ」

黄川人が提案してきたのは、氷奈莉が彼に覆い被さり二人の頭を互い違いにするという体勢だった。目と鼻の先に相手の性器がある為、好きに弄り合う事が出来る。

「うん、はじめてこうせんじんがあたまいいとおもった」
「褒める気ないだろ、それ」

下から生えているかのような形でしっかり勃ち上がった雄に、氷奈莉の指が再び触れた。
先程の感触が気に入ったのか、先走りを出す亀頭をぬるぬると撫でて遊んでいる。
そうされている側はと言えば、目の前を覆う少女の秘所を眺めていた。
毛も薄くしか生えていないそこはいかにも未成熟だったが、赤く充血している。
たら、と蜜が糸を引いて落ちてきた。やはり氷奈莉も興奮していたのだ。
両手の親指で引っ張り、閉じているそこを開く。露わにされた性器は処女特有の鮭の肉のような綺麗な色をしていて、それがやけに新鮮に見えた。
開かれると更に蜜が滲み出てくる。『何か』して貰うのを待っているかのように。
つぷ、と人差し指がそこへ侵入してきた。当然のように門は狭く、一本挿れただけでも熱い肉が締め付けてくる。

「んー……なんか、いれてるの?」
「指をね。こんなんじゃそれくらいしか入りそうにないや」
「ゆび…そっか、こういうのなんだ…」
にちゅ、と膣壁の中で指を動かすと頭上の腰が小さく震えた。そのままかき回すと、拒むように締め付けられていたのが柔らかくなっていく。
もう一本指を挿れて、狭い孔を拡げるように動かす。幾度も幾度も、蜜がその指を伝って滴り落ちてきた。
一度抜いて、濡れた二本の指で張り詰めた淫核を摘まむ。

「ひぁっ!」

泣き声のような喘ぎを漏らし、氷奈莉の身体がびくんと跳ねた。

「あ…わか、った、あたし……『かんじて』るんだよね」
「ああ、浅ましくも怨敵相手にね。ところで、そっちはいいのかい?手が止まってるようだけど」

やっと会話も愛撫も主導権がこちらに移った、と黄川人はほくそ笑む。
すると、氷奈莉は「あさましく……んふっ」と何故か嬉しそうに呟いた。
「じゃあ、さ。どっちもくちでやらない?くちどりっていうの、やってみたい」
まだまだ大人しくなるつもりはないようだ。見えなくても、あの目付きのままわくわくした顔をしているのが分かる。
「いいよ、好きなだけ馬鹿やるといいサ。ほんの少しだけ早い冥土の土産って奴だよ」
「うん、そうだね。いっかげつはやいめいどのみやげ、あげる」
交わした皮肉が、合図の代わりになった。
「ん…………あむー」
先に、氷奈莉が躊躇なく性器を咥え込む。彼女は命よりも好奇心を優先しているのかも知れない。
歯を立てないように、と芸者達から教わったのだろう。不慣れながらも、そうできるように口の中でねろねろと舐める。
「ふむ…ぅっ、ふはぁ」
息継ぎに口を離して、今度はは手の動きも加えて竿や亀頭の境目をちろちろと舐め始めた。
どこまで習ってきたのか、それとも本能でやっているのか。初めてとは思えない熱烈な口淫に、雄はより昂っていく。
そして、氷奈莉の秘所にも舌がぬるりと挿し入れられた。少し拡がった膣壁を器用に蹂躙し、零れる蜜が舐め取られる。

16 :
「ひぅ、っん……っはぁ、むっ」
熱い吐息を吹きかけて、氷奈莉はまた亀頭を咥えより深く口内に収めだした。
えずくぎりぎりの深さまで咥えると言っても、口そのものが小さいので全て入り切るとまではいかない。
それでも、唾液の音を立てながら舌を口じゅうに動き回らせていた。
最初から今まで、この場には二人を除いて誰も何も居はしない。人と神の血が交わり生み出す神を超えた力を畏れているのか、鳥獣や鬼さえも近寄る気配がない。
川の流れ以外に雑音を発するものはなく、ただただ互いの性器を刺激し合う微かな水音のみが響く。それが余計に異様だった。
「ここから…んっ、でるんだよね…」
ちゅぽん、と氷奈莉が性器から口を離す。代わりに、興味深そうに爪先で鈴口を引っ掻いた。
――すると。
「わっ」
ぴしゃ、と胸に何がかかる。先走りではない。白く濁った、本物の精液だった。
「こんどこそ、こだねだ……」
熱に浮かされたような表情で、指で掬ったそれを見つめてから舐める。
「まずっ。これ、ほんとにこどもになるの?」
「ああ、残念ながら君達には縁の無い話だった筈なんだけどね……それより」
言動からこの娘の状態を察するのは、中々骨が折れる。
それでも、黄川人は掴んでいた。氷奈莉もまた、そろそろ限界なのだと。
「ボクにだって男の矜持って奴があるんでね。――仕返しだゼ」
秘所から舌を抜き、間髪入れずに淫核へ吸い付いて軽く歯を立てる。
女子の急所にとって、それはあまりにも耐えられぬ仕打ちだった。
「ひ、ぁ、あ、ぁ、あぁあぁぁっ!」
喘ぎ声であろうとどこか飄々とした余裕が混じっていた氷奈莉の口から、初めてそれが消え失せた嬌声が発せられる。
がくがくと幼さの残る肢体が震え、秘所から堰を切ったように蜜が溢れて降り注いだ。
「ああ…分かってたけど、別に味とかはしないんだよね」
黄川人がそれを口で受け止め、見えはしなくても意地悪く笑ってみせる。
少し間を置いて落ち着いたようで、氷奈莉は何度も深呼吸をして動きを止めた。
「ふぅ…わかった、『いく』ってこーいうのなんだ……」
「いい加減満足したかい?君と会話してると疲れるから、今なら見逃してやるよ」
「え?なにいってんの?くんれんはほとんど、じっせんとおなじなんだよ」
急にまた最初のような雰囲気になって、体勢を崩し寝転がる相手のすぐ横に正座する。
「ちゃんと、さいごまでやろーよ」
その緑の目は変わらず眠たげであったが、例え今すぐにされたとしても全く諦めないのではないかと思えるほどに爛々と輝いていた。

17 :
広げた着物の上に、ころんと氷奈莉が仰向けに転がる。
無造作に流れる縹色の髪と透けるような肌、そしてそれに乗る欲情の赤みが性的かつ非現実的な美しさを醸し出していた。
「あ、ぜんしんいれるのはだめだよ。ちゃんとしたこづくりごっこなんだから」
口を開けば一気に気が抜けはするのだが。
「君だったら頼まれても嫌だから安心しなよ」
先程までとは逆に氷奈莉にのし掛かる体勢となった黄川人の肩を、白い指が掴んでいる。
「ボクの肩に穴を開ける気かい?痛いんだけど、地味に」
「あくりょくにはじしんがある」
今まさに性交に移ろうとしている瞬間なのに、色気もへったくれもない言葉が交わされる。
結局氷奈莉の思う壺に入ってしまっているのを再確認して、黄川人は軽く溜め息を吐いた。
「はいりそうに、みえる?」
「…さあね」
また閉じてしまった『入り口』を、指で押し拡げる。
絶頂を迎えたばかりのそこは、何もせずに挿れるよりは大分楽に出来そうに見えた。
不本意ながら、有り余る体力に氷奈莉の好奇心を原動力にした愛撫と間近で見た媚態が手伝い、一度射精しても性器が萎える事はなかった。
「う…………っ」
挿れるよ、とわざわざ言う義理もないなと思いくちゅりと触れ合わせてそのまま侵入を始める。
これまた不本意ながら最初の実体験が成人にもなり切っていない処女だったのは、幸か不幸か。
指や舌の比ではない規模の異物を、蕩けたように見えた秘所は強く拒んだ。
十二分に濡れているにも関わらずぎちりと締め付けてくる。
「わりと、いた…い」
氷奈莉に伝わった感覚も、快楽よりは苦痛の方が強いようだ。
「これぐらい我慢しろよ。いつももっと痛い目に遭ってるんだろ」
「ん…なぐられたりきられたりは、べつにいいけど…こっちのがいたいかも」
とは言え、流石に痛みへの耐性は相当なもの。
ぼそぼそとそう言っただけで泣きも叫びもせず、氷奈莉はただじっと結合部を見ようとしていた。
そのまま、無理に奥まで押し入られる。
「いぎっ――」
静かに迎えた、少女の破瓜。繋がった先から、蜜の代わりに血が滴る。
雄の全てを胎内に収められたまま、氷奈莉は荒く息をついた。

18 :
「っはぁ、はぁ……これで、ぜんぶ?」
「ああ。痛いかい、胎を貫き裂かれるのは」
「いばらきたいしょうになぐられるよりは…いたくないかな…」
ぼんやりと虚空に視線を彷徨わせ、それから黄川人の顔を見る。
肩を掴む指の力を緩め、急かすようにぺしぺしと叩いた。
「うごかしてー」
「…痛いって言ったばかりじゃないか、つくづく分からないな君は」
「いたいのをきにしたこと、あんまりない。そんなんじゃころされるよっていわれるんだけど」
「反省しないからこんな事してるんだね」
「まーね。それより、うごかしたらまたかんじるかきになるの」
これ以上問答をしても無駄だろうと、希望通り黄川人がまた動き始める。
入る時は拒んだ癖に、出る時は逃がすまいと膣壁がぎゅっとうねった。
その狭苦しさが、欲望を煽る。
「…なれてきた、よ。ふっ、ん」
もうこの状態に適応したらしく、氷奈莉は痛みからさっきまで感じていた快楽を拾い出すように短く息を吐いた。
汗に濡れた小さな身体の感触が、全身へ伝わってくる。
「ぁ…きた、はぁっ、ぁ、っ」
ぎゅっ、と再び肩を掴む指に力が篭められた。本気で掴めば人の骨くらい砕けるんじゃないかという強さで。
だが、その時だけ黄川人はそれに関して言及しなかった。
そうしている内に、より律動が円滑になっていく。
「ふぅっ……んんっ、っは、あたま、ぼーっとしてくる…」
氷奈莉の静かな喘ぎ声と、性器同士の触れ合いのみが川のせせらぎに混じって響く。
それが、この馬鹿馬鹿しい秘め事に最も似合っているように黄川人には聞こえた。
しかし、それがいつまでも続く訳もなく。
「手、離して」
「え?――――あっ」
気が抜けてきたからか、一瞬手を離してしまう。
一拍置いて、氷奈莉の腹にぼたぼたと白濁した液体が降りかかった。
「…もういいだろ、これで。流石にもう疲れたよ、主に精神面で」
はぁ、とわざとらしい溜息を吐かれる。
そんな黄川人を無視するように、氷奈莉は精液を指に絡めて弄くりながら。
「だいじょうぶだから、なかにだしてもよかったのに」
不満そうな声色で、そう呟いたのだった。

19 :
結局、囮の鮎に釣られたのは自分だったのだろうか。
そんな事を考えながら神通力で着替えた黄川人は、ぼんやりとそこらの岩の上で頬杖を突きながら川を眺めていた。
氷奈莉はと言うと、何の躊躇もなくあのまま川に入って身体を清めている。傍から見ていれば全裸で泳いで遊んでいるようにしか見えないが。
「おとこのにおいをぷんぷんさせてかえってくるとしゅらばになる」などと言っていた。それ以前の問題にも程がある、と指摘する気力ももうない。
所詮は馬鹿馬鹿しい内緒話だ。さっさと忘れて、復讐の続きでもした方が余程精神衛生上いい。
ここまで流れた思考が、川から上がった自分をす為に生まれた娘のぺたぺたという足音で途切れる。
「かえらないの?」
落ちたままだった着物を着直しながら、何気ない口調で話しかけてきた。
「君が消えてくれれば帰るよ。どうせ来月までの命だ、生かしといてあげるからさっさとお家に戻りな」
「うん、じゃあらいげつみんなでころしにいくからもっかいおばさんにはいってまっててね」
明日また遊びに行くからね、のような口調でそんな返答をしてくる。
さっきまで色めいた声を出していた癖に、これだ。
黄川人が本日何度めかの溜息を吐くと、何処かへ行こうとしていた氷奈莉がくるりと振り返ってきた。
「またねー」
そう言い残してから手を振って駈け出した少女の姿は、『速瀬』を使っていたのかあっという間に見えなくなってしまう。
最初から最後まで、頭の中がいまいち読めない目つきのままだったが。
少なくともここまでのやり取りの中で、一番の笑顔が別れ際に見えた。
「………はいはい、またね」
やる気のない手つきでひよひよと振り返し、黄川人の姿もその場からぱっと消える。
これで、一抹の出来事を知る者は誰一人としていなくなった。

20 :
――その数ヶ月後の事。
朱い鬼との闘を経たにも関わらず、あの呪われた一族はまだ戦っていた。
ただし、今の彼らの相手は『二人目の』朱点童子ではない。
ある意味気の抜けた結末に納得出来なかった一族は、全てを計画した天界の最高神に挑戦状を叩きつけた。
鏡の中の大江山でその溜まりに溜まった鬱憤をぶつけられるだけの簡単な仕事が忙しく、彼女は今天界にはいられない。
その代わり、実質上の最高神として天界に位置しているのが。
「えーっと、はじめまして……だっけ?」
件の結末の結果一度の転生を経て神としてここに住む事が許された、黄川人こと朱点童子改め朱星ノ皇子である。
天界の神であれば一族の申し出により交神の儀を行う義務がある。
賜った無駄に広い朱色の神殿の入り口まで彼が出てきたのも、その用件があるからだった。
そして、この新たな最高位の男神との交神を希望した娘は……
「きいろかわひと、わかボケ?あたまつかわないからそうなるんだよ」
間延びした、舌っ足らずで相変わらず幼児のような口調。その割に話す内容自体は思いの外辛辣。
持ち主が手入れに興味がないに違いない縹色の髪、透けるような色の肌、ジトっとした眠そうな緑色の両目。
一切見間違う余地もなく、無事元服を迎えた氷奈莉その人だった。
「はじめまして、であって欲しかったんだよ!他人の空似でさえあれば!」
ほんの少し前に血みどろの戦いを繰り広げた間柄とは言え、いっそ驚く程に緊張感も敬意も感じられない第一声に『朱星ノ皇子』は口調を乱した。
「君も少しは驚きなよ、これでもボクだって今の状況には驚いてるんだぜ」
「そう?あたしはこうなるだろうなーっておもってたよ。おえらいさんとこのボンボンは、わるいことしてもうやむやになってけっきょくしゅっせするってきいたから」
「ああ、そう…心の底から失礼な予想をありがとう。で、いったい何が望みなんだい?」
早くも疲れた表情をしてみせる相手に、氷奈莉がお前は何を言っているんだとでも言うように首を傾げる。
「こーしんなんだからこづくりにきまってるじゃん」
「それは分かってるよ。何でわざわざボクなのさ、正直な話君の家の人たちは全く信用してないだろボクの事」
「うん、みんなからはんたいされたけどむりやりイツかにおくってもらってきた」
どれだけの騒動があの家に起きたのか、想像するだけでも頭が痛くなりそうだった。
そんな交神相手の様子を気にする素振りも見せず、氷奈莉は言葉を続ける。
「はじめてあげたからには、あたしは『きつと』いがいとはこーしんするきはないよ?」
初めてをあげたからって、元々お前でいいやみたいなノリで言ってなかったか。
その前に、やっぱり名前を読み間違えていたのはわざとだったのか。
突っ込み所が多すぎて、返す言葉が途切れてしまう。
それでも、風よりも掴み処のない心を持つ呪われた娘は楽しげな様子で彼に手を差し出してきたのだった。
「だからさ。ほんとのこづくり、しよーよ」
そう言って、にんまりと笑いかける。
それはあの川原で見せた時と、地獄の奥底で阿朱羅に最大級まで威力を高めた奥義を叩き込む間に一瞬見せた時と同じ一番の笑顔だった。

長々と失礼しました。まったく、えっちな事に興味津々なロリは最高だぜ!!
きいろかわひとさんのキャラが違うのは仕様
ほんとのこづくり編も書くかどうかはコーンコーンチキ…ってね

21 :
>>9
GJ! GJ!バーローの声がめっちゃ脳内再生された
「あっちもどうじ」に禿げワロタwwww
二人からはすごい良い子ができそうだ
ぜひ童子を立派なオトコにする編待ってるんだぜ!

22 :
>>9
さりげなく義妹モノとは!GJ!
皇子もかわいい息子になら娘を嫁に出すなwww

23 :
すいません>>13>>14の間が抜けていました
場面が飛んでて不自然になってしまうので貼り直し

もう一度乳肉に手を当て、母乳を搾り出すように乳首の方へと動かしながら揉んでいく。
薄くしか付いていない癖にその肉はどこまでも柔らかく、ふにふにとした頼りない感触と共に指に合わせて形を変える。
「……………あっ」
ぷっくり膨らんだ乳輪をぷにぷにと捏ねると、ここで始めて氷奈莉の息が少しだけ乱れた。
乳の出る筈もない胸が、まるでそれを促されるかのように触れられる。
それをもう一度繰り返してから、指先は張り詰めた乳首に触れた。
今度は捏ねるのではなく、しごくように愛撫してみる。軽く汗ばんでしっとりとしてきた。
「こーいう、かんじ、なんだ…」
氷奈莉は不思議そうに、初めて実際に見る手付きで触られる自分の胸を見つめている。
身体の熱がここに集まり、更に先端へと集中していく感覚。未知のそれに興味津々といった様子だ。
摘まんで捏ねて、搾ってしごいて。乳輪と乳首に愛撫が集中してくる。
そうしている黄川人は、息遣いや体温以外にある点での変化がこの娘に起きている事に気付いていた。
匂いがする。『水』の術力を示す縹色の髪から、胸を中心に赤く染まっていく柔肌から、だんだんと不規則になってきた吐息から。
それは紛れもなく、『女』の匂いだった。お輪や真名姫といった彼の知る女性よりも未成熟ではあるが、はっきりと分かる。
真っ当な人間に換算してもなお自分よりガキだろうに、生意気にもそんな風だったから自然と指先に力が篭る。
「ふ、うっ――ぴりぴり、してる。おおきくなるから?」
吐いた息が、さっきより色めいていた。眠そうな目が更に細くなる。
「本当、理解に苦しむよ。女って生き物はサ」
「りかいできるほどみてないだけじゃないの?どーていほどしったようなくちをきくんだって」
まだ口が減らないのか。元服もしていない生娘に言われたくはない。
そう口に出すのをぐっと堪え、黄川人はいつもの調子でこんな挑発をしてみた。
「君の方こそ、男なんか本当に知っちゃいないだろ?肝心な処を目の当たりにすれば、たちまち怖じ気づくんじゃないのかい」
すると。
氷奈莉の目がみるみる内に輝きだし、弾んだ声でこう答えてきたのだ。
「もうみせてくれる?みたいみたい、そっちもはやくぬいで!あたしいまぜんぶぬぐから」

24 :
>>9
GJ!面白かった!
溶けるから風呂に一緒に入れない父にワロタw

25 :
エロパロって言ってもニッチなジャンルは投下していいのかな
いつかきつと+昼子の3pとか

26 :
>>25
和姦だったら是非読みたい

27 :
強姦でもいいのよ

28 :
そういやPSP版で別人設定採用されたからイツ花&昼子ものできるんだな
これは何と言えばいいんだろう…同一人物丼?本体と残りカス丼?

29 :
いいじゃんいいじゃん
イツ花と昼子が自分を完璧な存在にするため合神することに
自慰見せあいから貝合わせして張り型で息を合わせるとまあびっくり

30 :
国産みだな

31 :
氷ノ皇子が拾った赤子に乳をやろうとしたが出なかったので
六つ花さんにお願いするっていう小説はここでいいんでしょうか

32 :
六ツ花に頼めとは自分も思ったけど
女でも子を産まないと乳出ないとか、氷ノ皇子は知らないだろうな

33 :
御前は皇子好きっぽいけど、ショタコンだったよな
案外きつとの良い継母になってくれたかもしれない
まぁゴズマルにでも分けてもらえばいいんじゃないかな。ミルクは
それに男でもミルクでるからそれでどうにか

34 :
昼子はぜってえ使わねえ、って思ってたけど誘惑に負けた・・・

35 :
寝太郎は本体がリスで下半身は木だと思ってたのに
4段階目で普通に話しかけるらしくて驚いた
神様の全身図があればなあ…

36 :
虹板の方にはスレ立たんかな。昔はエロ同人誌もいっぱいあったようなぁ・・・

37 :
ゲーパロ専用さんのSSが好きだった

38 :
あげ

39 :
>>37
俺も俺も
お銀は完全にあのイメージだわ

40 :
天狗のご立派な鼻にドハマリしてしまう女当主のSSとか読みたいな…

41 :
>>40
なんかヤプー思い出すな、体勢的に
あと>>9激しくGJ
マナ姫あたりであっちの童子wwは捨ててる気がするけどイイヨイイヨー
嘗彦と娘のぬるぬる百合(?)プレイとか読みたい

42 :
嘗彦さんが実娘にご奉仕しますだなんて
読みたい

43 :
風評:床上手の息子や娘は天界で女神や男神に仕込まれているかと思うと胸熱

44 :
かつて人に禁じられた技術を与えた二柱の神を封じたという九重楼の周囲には常に暗雲が立ちこめ、
朝から雷雨を呼んでいた。
九重楼に巣くう鬼達と戦う四人の人影を激しい稲光が照らし出す。
初陣の弓使いを襲おうとした一ツ目入道を飛鳥の如き素早さで斬り伏せたのは、小柄な身体を
甲冑に包んだ剣士だった。
鋭い太刀筋に似合わぬ優しい顔立ちで、一見すると元服前の美童のように見えるが、この一族きっての
剣の使い手はまぎれもなく年頃の乙女であった。
「助かったぞ! 灯代」
灯代と呼ばれた乙女は微笑み返したが、その眼は油断なく左右に動き新手の鬼の姿がないか確認している。
戦闘が終わり一息つく四人の前で、先程倒した一ツ目入道の骸から眩しい光が放たれた。
「これは……!」
朱点童子のかけた呪いの『朱の首輪』が外れ、鬼に封じられていた神の一柱が解放されたのだった。
灯代は一瞬だけ、その光が隻眼の男神の姿を形作るのを見た。
赤銅色の肌に古代の装束を纏った男神は、灯代の手に握られた刀『天目一刀』を懐かしいもののように
見つめ、すぐに光の中に溶けるように消えた。
九重楼の討伐より一月が経ったある日、灯代は儀式のために湯浴みをしていた。
兜を取ると燃えるように赤い短髪が露わになり、まるで印象が変わる。
女の命とも言える髪を戦闘の妨げになるからと自ら小刀で切り揃えていても、日毎鎧の下で成長する
柔らかな膨らみは女である事をしっかり主張していた。
炎のように激しい闘志を持つ一方で、常に仲間の事を気にかける、火と水の性質が同居する灯代の性格は
討伐隊長として適任であり、その資質と年齢からいって、次期当主に任命されるとしたら彼女であろうと誰もが考えていた。
鬼達に対抗するため、より強い力を一族の血の中に欲した現当主により、元服して間もない齢九ヶ月の
灯代は今月初めて『交神の儀』に臨む事になった。
先日、当主である父とイツ花に呼ばれ、交神について聞かされる灯代はいつも通り背筋を伸ばし凛とした風情だったが、
「相手の希望はあるか? 今の奉納点で選べる神には限りがあるが、できるだけお前の望みに沿うてやるつもりだ」
「そう、ですね……もう天界に戻られたのでしたら、先月の討伐の時に一度だけお顔を拝見した、あの方に」
その男神の名を口にした時だけは、年頃の娘らしくはにかんだ笑みを見せた。
物心ついた時から鬼ばかり斬り続けて男女の事に疎い灯代だったが、自覚なく恋慕の情が目覚めつつあったのかもしれない。

45 :
神聖な儀式のため結界が張られた室内に、清められた白い襦袢姿の灯代は正座して待っていた。
(イツ花は『神様だって男と女なんだから大丈夫ですよ』と笑って言ってたけど、やっぱり緊張する……)
そもそも、自分に子供ができる事だってまだ実感がない。
やがて襖を開けて室内に入ってきたのは、火と鉄の技を司る鍛冶の神、タタラ陣内だった。
光の中に見た姿と同様、みずら結いと呼ばれる古い形に髪を結っている。
容貌は無骨だが、灯代を見る左目は穏やかだった。
「タタラ陣内様、此度の交神の儀、何とぞ宜しくお願い致します」
「畏まらなくていい。 お前だったな、九重楼で俺を朱の首輪から解き放ってくれたのは」
この方も自分の事を覚えていて下さった、と灯代は嬉しさに顔を輝かせた。
「あの時お前が持っていた、刀の銘」
斬られる瞬間『天目一刀』と刀身に刻まれた銘を見て、名前と神格を奪われ朱点の支配下にあったタタラ陣内は、
自分が何者であったか思い出せたのだという。
「あれは、俺のもう一つの名を取ったものだったのだ。それを見て『名』を取り戻す事で呪いが解けた」
「そうだったのですか」
「お前の名は灯(ともしび)の代わりと読むのだな、良い名だ」
「はい、父様が付けて下さいました」
「父様、か……俺もこれが終わればそう呼ばれるようになるのだろうな」
それを聞いて、この方との間に子を授かるという事は、やはり世間でいう夫婦になるのと同じ事なのだと灯代は思った。
相手が神であっても真っ直ぐに顔を上げて相手の目を見ていたが、これからするべき事を思い出した途端に
目を合わせられなくなってしまった。
耳朶を染めて俯く灯代の様子に、まだ男を知らないとタタラ陣内は直感した。
横には寝具が二つ並べて敷かれており、知らないなりに何をするか察しているだろうとは思ったが
陣内は念のため聞いてみた。
「『交神の儀』については、どの程度知っているんだ」
「はい、あの……二人で夜を共にするとだけ聞いておりますが……」
「だが、床を並べて共寝するだけで子が授かると思っているわけじゃなかろう?」
「…………」
言葉を失ってまた赤い顔で俯く灯代を見て、さてどうしたものかと陣内は思った。
乏しい知識で床入りを性的な事と知ってはいるが、具体的に何を成すべきかはさっぱりらしい。
とはいえ、タタラ陣内は自分を鬼の身から解放したこの人間の娘を好ましく思っていた。
灯代を形作る要素に、自分の属性である『火』が多分に入っている相性のせいもあるが、何よりも気に入ったのは
その気性を示す玉鋼のような力強い光を持つ瞳であった。
それに、イツ花が言うとおり神と人間の差はあれど男と女である。
戦場であれほど勇ましく戦っていた女剣士に、契りの具体的な内容も知らないようなうぶな素顔を見せられては、
男として何とか導いてやりたくなる。
人間の営みに極めて近しい神であるゆえに、男女の房事にも通じている陣内は、顔を上げられずにいる
灯代に囁いた。
「俺に任せておけばいい……まずは 溶かしてやろう」

46 :
火の男神は気性が激しい反面情が深く、一度惚れ込んだ相手には身も心も焼き尽くすほどの熱情を注ぐ。
念入りに湯浴みをしてきたというのに、灯代の身体は熱を持って早くも汗ばんでいた。
強張っていた手足が芯をなくして本当に溶けていくような気がする。
いかにも男らしいがっしりとした、鍛冶の神の手が灯代を愛撫していた。
愛撫と言っても、初めから無遠慮に身体をまさぐるのではなく、いたわるように優しい手つきで
赤い髪に、丸い肩に、薄い背中に触れて灯代を溶かしていく。
暖かい掌に触れられているだけで心地よく、居心地のいい囲炉裏のそばで丸くなる子猫のように、
灯代はすっかり緊張を解いて陣内の腕に身を任せていた。
無意識なのか、陣内の手を自分から握って指を絡めてくる。
灯代の手は鍛えられた武人のそれではあるが、剣を取るよりも花を摘む方が似合うであろう、
ほっそりした綺麗な指先を持ち上げた陣内は、桜色の小さな爪までも愛でるように口付けた。
「暖かくて、気持ちいい……」と灯代が吐息混じりに呟くと、陣内は片目を細めて少し笑った。
「まだ、これからだぞ?」
「え……?」
「お前に火を付けてやる」
その言葉の意味を生娘の灯代は理解できなかったが、瞼をふさぐように唇が落とされ、その熱に微かに震えた。
何が始まるのかと灯代は少し怯え、陣内の広い肩を突き放そうとしたが、抵抗するつもりの手には
力が全く入らず、結局逃れる事はできなかった。
今夜のため初めて紅を差した灯代の唇に、陣内の唇が静かに重ねられた。
その相手の唇が、指先や瞼に口付けられた時よりもっと熱く感じられ、灯代は頭の芯が白熱するようだった。
陣内は唇を合わせても性急に貪る事はせず、少しして離れ、もう一度口付ける。
次は灯代が自分から口付けるように仕向け、それを何度か繰り返して慣れた頃、ようやく唇の隙間へと舌を忍ばせた。
「……んん!」
直接的な粘膜の接触に灯代は驚いたが、さすがに舌を噛んでまで拒みはしなかった。
もっと先が知りたい一心で、灯代は陣内の背に腕を回し、必でしがみつきながら応える。
互いの舌を絡めるという初めての行為にぞくぞくと快い感覚を呼び覚まされ、灯代はいっそう身体を熱くした。
「ずいぶんと覚えが早いじゃねえか」
唇を離した陣内には、灯代の吐息までもが火のようになっているのが分かり、
まだ着物のあわせさえ乱れていないというのにここまで陶酔している灯代が余計に愛しくなった。
上気した肌が白い襦袢に透けそうで、匂い立つほどの色香を醸している。
その襦袢の胸元に陣内の手がかかり、灯代は慌てて身を引いた。

47 :
「嫌か」
「……嫌ではありません……けれど……」
拒むそぶりを見せて相手が気を悪くしなかったか不安で、灯代は恥ずかしそうに言葉を濁した。
今は肌にまとわりつく布一枚でさえもどかしくてたまらないが、かといって全て脱ぎ捨ててしまうのも
躊躇いがあった。
「そうだな、まあ、このままでも出来ん事はないだろう」
無垢な灯代を包むあまりにも薄い最後の砦を陣内はそのままにし、決して急かさずに準備を整えていく。
おかしな事に、そうされるとかえって当てが外れたような機を逸したような気持ちになり、いっそ脱がせて
頂きたかったと灯代は思ってしまった。
襦袢の胸に悩ましく浮き出ている両の先端を巧みな指先に捕らえられ、薄布越しに愛でられると唇から
熱い吐息が漏れた。
この熱い掌でじかに素肌に触れてほしい……
本能ではもっと生々しい事を望んでいると自分で理解しているだけに、その願望を口に出すのはとても勇気が要った。
「陣内……さま……」
「何だ?」
「灯代は、あなたに何も隠しませんから……どうか、あなたに似た強き子をお授け下さい」
それだけ言うのが精一杯だったが、襦袢の上から腰の稜線を確かめるようになぞる掌を止め、タタラ陣内は
決心した灯代を見つめた。
自ら白い襦袢をはだけて脱ぎ捨て、白足袋を除けば生まれたままの姿になった灯代は、自分の裸身が
相手にどう見えるか気になって仕方なかったが、剣士らしくしなやかで無駄のない、
それでいて女らしい曲線で形作られた肢体はどんな名工でも真似できない見事な造形美だった。
「可愛い事をするのはいいが、裸になったまんま固まっている奴があるか。 風邪引くぞ」
そう窘められて男神の膝の上に座らされ、後ろから抱き締められた。
タタラ陣内も身を包んでいた古代の装束を脱ぎ、赤銅色の逞しい身体を晒した。
何も身に着けず男と抱き合っている状況に灯代はすっかりどぎまぎして、陣内の肌からじかに伝わる熱に
いずれ全身を包まれて燃え上がらされるのだと予感した。
「感じたままに声を上げろ。 その方が俺も昂ぶる」
そう囁かれながら唇で耳朶を嬲られ、灯代は情欲の炎に炙られるような気持ちだった。
自分がとてもはしたない女になってしまったような気がしたが、それが嫌ではなくむしろ開放感に似たものがあった。
そこかしこを触れられるたびに勝手に色めいた声が出てしまうのは恥ずかしく、ずっと口を押さえて
いたいほどだったが、
陣内の望むとおりに我慢せず素直に声を上げていると、相手もそれに煽られて一層愛撫に
熱が入ってくるように感じられた。
「そんなに、おっぱいばっかり、弄られたら……ん、んふっ……もう、先っちょ、ひっぱらないでぇ……
あぁ……おかしくなっちゃいますっ……」
掌に収まる程良い乳房をさんざん弄んだ陣内の手は、子を宿す器官がおさまっているあたりを
慈しむように撫で下ろし、腿の間の楚々とした翳りにたどり着き、今はそこを指先で優しく梳いている。
自ら指で慰めた事もないではないが、この方の指ならどうなってしまうのかと思う灯代は無意識に
腰をくねらせて指戯を催促していた。
陣内がこぢんまりした割れ目へと無骨な指を忍ばせると、もうそこは歓喜の蜜でたっぷり満たされ、
女体の中心に泉が湧いたようになっていた。
よく溢れて零れずにいたものだと思いながら、生娘も熟した女も等しく快く感じる一点に狙いを絞り、
花びらの間に隠れた小さな蕾を濡れた指先でくすぐると、灯代の腰が跳ねた。

48 :
「あ! あぁ、そこっ」
「ここが好きか」
焦らして可愛い反応を見たかったが、少し強く擦ってやっただけで灯代は呆気なく気をやってしまった。
眼に涙を浮かべ、ふいごのような息をつく灯代の奥からより多くの蜜が染み出てきて、いつでも
受け入れられるように体を整えていく。
思ったよりも早く繋がれるかもしれない、と陣内は灯代の体を褥に横たえ、片膝を立てさせて露わにさせた
女の部分へとゆっくりと指を沈めていった。
「ん……!」
一本とはいえ男の太い指を挿入されてはいたが、灯代は全く嫌悪も苦痛も感じず、むしろそこに初めて
受け入れたものをもっと感じたくて、加減も分からないまま陣内の指を柔らかな襞々できゅうっと喰い締めた。
「おい、今からそんなに欲しがられてはこっちが保たんぞ」
苦笑したタタラ陣内はもう片手で灯代の手を取り、次に灯代の器へ収めるべきものへと導いた。
灼けた鉄にでも触れたように灯代は驚いて手を引っ込めたが、好奇心が勝ったのかまたおずおずと
その形を確かめようとする。
大きな杭のようなものは触れてみると熱く火照っていて、どくどくと血が巡っているのが感じられ、
とても硬いが確かに肉体の一部なのだと分かる。
(……これで……?)
灯代はこんな大変なものが自分に収まるとはとても信じられなかったが、例えこれで身を裂かれても、
この方を自分の最も深い所で知りたいと思った。
まだ未通の中を慣らそうと指を遊ばせている陣内に、灯代は瞳を潤ませて訴えた。
「お願いです……どうか今すぐに、灯代に陣内様のお情けをくださいっ……」
生娘にここまで言われては、さすがに神の端くれといえど辛抱が出来るはずもなかった。
陣内は灯代の両脚を持ち上げて腰を上向かせ、受け入れる格好をさせた。
何もかもさらけ出した姿なのに、白い足袋だけ履いたままなのが余計に淫猥だったが、今更わざわざ
脱がしている余裕はなかった。
蜜に濡れて剥き出しになった花びらの中心に熱い切っ先があてがわれ、灯代の身体がかすかに震えた。
「辛かったら、いくら引っ掻いても噛みついても構わないからな」
「はい…… っ!うぅ……!」
灼けた杭のような男根が、誰も立ち入った事のない泉の中へと沈み込んでいく。
十分に潤ってはいるが狭い道筋を強引にこじ開けられ、灯代は体験した事のない痛みに歯を食いしばった。
破瓜の苦悶を堪える桜色の爪が赤銅色の背中に食い込み、いくつも艶めかしい痕を残した。
「よく堪えたな」
「はぁっ……ふぅ……」
灯代は眼に涙を浮かべて息も絶え絶えの様子だったが、その表情はどこか満足げだった。
男神と一つになったところが力強く脈打っていて、命そのものを受け入れている気がする。

49 :
「陣内様の……とっても熱くて、はちきれそうになっています……」
「お前のここも、火処(ほと)とはよく言ったものだな、俺の方が溶かされちまいそうだ」
「ほ……そ、そんな恥ずかしい事、言わないでっ……」
秘め処を指すあからさまな言葉に、初心な女剣士は顔を覆わんばかりに恥じらったが、陣内は正直な
気持ちでの発言だった。
灯代のあどけない顔が艶めかしく紅潮し、すっかり『女』の表情になっているのに、本人はまだ気付いていないだろう。
脚を高く上げた体位のため、薄く破瓜の血が滲む初花を男根が割り開いているのがよく見える。
見るからに痛々しいが、これで灯代が女になったのだと思うと、それにも増して欲情をそそる眺めだった。
陣内が少し身じろぎすると、胎内で起きたかすかな変化に反応して灯代が眉を寄せた。
「うぅんっ……」
「きついか」
「まだ少し……でも、それほど痛くありませんから……」
陣内はこのまま温かい襞肉に隙間なく包まれていたかったが、一旦腰を引き、自分の太さに慣らすように
浅いところを往復させる。
その動きが伝わり、灯代が小さく声を上げたが苦痛からくるものではなかった。
「はっ……はぁ……ああっ」
ゆっくりした律動を続けるにつれ、断続的な吐息混じりの声は徐々に艶を帯びていき、ますます潤って
滑りがよくなった内部は催促するように肉杭を締め付け出した。
負担をかけないよう浅く抜き差しを繰り返していた陣内だったが、その反応に頃合いと判断して再び奥を目指した。
改めて、灯代の火処に根本までを収めた時、最奥の一部が粒立った感じになっているのに気付いた。
そこにちょうど先端が擦れて、いい具合にもてなしてくる。
「何も隠しませんと言っておきながら、一番奥にこんな上等なものを隠していたか」
「そんなつもりはっ……ひあぁっ!」
灯代自身でさえ自分の内側がこんなふうになっているとは今まで知らなかったが、そこを刺激されると
思わず声を漏らしそうな切ない心地になり、戸惑いながらも未知の感覚に溺れていった。
灯代の思わぬ歓待に陣内にも火がついたらしく、そこに叩き付けるようにリズムを変えて深く腰を使う。
露にまみれた花びらがめくれ返ってしまうほど激しく突き込まれ、灯代は濡れた声を上げ続けた。
「陣内、さまっ! 灯代は、もう……!」
「構わん、イッてみせろ!」
白足袋の中で灯代の足指がきゅうっと縮こまったのと同時に、蕩けるような襞肉も一際きつく締まった。
本能で精を搾り取ろうとする艶かしい動きに急かされ、陣内の奥底からも熱い澱みがこみ上げてくる。

50 :
「く……出すぞ! 灯代!」
「あ、熱いぃ……っ!」
限界を迎えた陣内は灯代の細腰をぐっと掴み寄せ、熔鉄のような子種を命の坩堝へありったけ注ぎ込んだ。
灯代も陣内の逞しい腰に脚を絡ませ、とめどなく迸る精を最後の一滴まで女の器に受け止めた。
命までも一つに溶け合うような絶頂の中で、交神の儀は完成した。
吐精を終え、息を整えた陣内は灯代の上から退こうとしたが、灯代は縋りつくように腕を回し、
離れようとしなかった。
「陣内様……もう少し、このままで……」
今し方まで情を交わしていた相手を、用は済んだとあっさり突き放すほど無情な男ではない。
いじらしい願いを聞いてやり、陣内はまだ余韻に浸っている灯代の赤い髪を撫でてやる。
気付けば、二人とも全身から湯気が立つほど汗みどろになっていた。
「どうだ、ひとっ風呂浴びてまた交合わないか」
「でも、まだ……」
「離れたくないなら、このままの格好で連れていってやろうか?」
「あっ、あ、駄目っ!!」
繋がったまま褥から抱き上げられそうになり、悪い冗談を本気にした灯代は真っ赤になって暴れた。
(続く)

51 :
gj!やはり解放した神×一族ネタはよいものだ
しかも続くとは…wktk

52 :
(続く)とな…これはバーンとォ!全裸になるしかない

53 :
これの保管庫なかったけ?

54 :
伏丸、花蓮、諏訪、お夏のためにちょっと「ハルカ」を読んでみようかな…

55 :
初めての事で足腰がフラつくので、灯代は陣内に横抱きにされて湯殿まで連れて行かれた。
夜遅いのに風呂の用意がされており、イツ花が気を利かせてやってくれたのだろうが、
こうなる事を彼女に知られていたようで、明日どんな顔をして会えばいいんだろう……と思い悩みながらも、
灯代は温かいお湯で汗と破瓜の血をきれいに流した。
陣内は湯には浸からず、むしろ全身の熱を冷まそうと冷水を汲んでざっと頭から浴びた。
背中を流し合って夫婦の真似事でもするか、と冗談半分で言う陣内の背中にさっき自分がつけた生々しい傷を見つけ、
灯代が申し訳なさそうにしているのが可笑しかった。
久々に人と交わったせいか、体中に生気が満ちているのが分かる。
「またこんな気分になれるとは、九重楼にいた頃は考えられなかったな」
そう独語した陣内の広い背中を、傷を避けて洗いながら灯代は訊ねた。
「あの……陣内様は、どうして鬼にされてしまったのですか?」
「何だ、いきなり」
「私もイツ花から聞いただけなんですが……天界から姿を消された神様の多くは、
朱点童子に心の闇につけ込まれて鬼に変えられたと聞きました。
でも、陣内様のようなお優しい方がどうして……」
解放されて天界に復帰した以上もう済んだ事だったが、この娘には経緯を打ち明けたい気もした。
「九重楼のてっぺんにおわす、二柱の神の事は知っているか」
「太刀風五郎様と、雷電五郎様ですね。 一度お会いした事があります」
実際はただ会うだけでは済まなかったが。
黄川人より聞いていた話では、人間に火と風を御する方法を教えた彼らはその咎で九重楼に幽閉されたという。
そこまでして救おうとした人間が、自分たちの与えた技術でし合いを始め、
二柱の神はいたく悔やんで絶望したという下りまで聞かされた。
神にとっては恩をあだで返されたようなもので、全ての人間を憎み怨んでもおかしくないはずなのに、
最上階にいた雷神と風神は、手のかかる我が子に対するような朗らかな口調で一族に相対したのだった。
激しい戦いの末、二柱の神を辛うじて退けたが、降参降参と軽口を叩く相手が十分手加減しており、
小指の先ほども力を出していなかったのは灯代にもよく分かった。
「私達に恨みつらみをぶつけてくるとばかり思っていました……意外でした」
「そうか……お二方は、まだ人間を見捨ててはいなかったか」
「はい、私は少なくともそう感じました」
「……俺は、あのお二方が人間に火と風を与えた後に生まれた神だ」

56 :
二柱の神が人間に与えた火を熾す術と風を御する技から、鍛冶とそれを司る神であるタタラ陣内は生まれた。
仕事熱心で誇りある鍛冶神として人の営みを見守り続けてきたが、自分の技術で生み出されたさまざまな道具で人の暮らしが豊かになる一方、
同じく鍛冶によって作られた武器をし合いに使われ、技術が進歩するたびに戦の規模が大きくなるにつれて、
タタラ陣内は複雑な気持ちを抱えていた。
自分が良かれと思ってやっている事は、あのお二方を余計に悲しませるだけなのではないか……?
いくら鍛冶の技術を洗練させても、愚かな人間は結局それをし合いに利用していずれは自滅するのではないか……?
自らの生業を負い目に思うその心を朱点につけ込まれ、呪いを受けて鬼と化したタタラ陣内は
太刀風・雷電五郎共々九重楼に閉じ込められていた。
灯代たち呪われた一族がやって来るまで。
「……そうだったのですか」
灯代は背中を流す手を止めて陣内の話に聞き入っていた。
相手が鬼とはいえ、剣を振るう自分自身も『愚かな人間』の例外ではないと思い灯代は目を伏せた。
「辛気くさい事を話しちまったな」
「いえ…… 陣内様は今でも、人間の事を……」
「人間が皆どうしようもない奴だと思ってるなら、お前とこうやって交わったりはしねえよ。
 それに、あのお二方がまだ人間を信じているなら、俺も信じようと思う」
「陣内様……わたしは……」
限りなく暖かい言葉に、自分の事を覚えていてくれた時よりも、身も心も結ばれた時よりも
灯代は胸がいっぱいになり、思わず陣内の広い背中に抱きついていた。
「あなたと出会えたせめてものご恩返しに、今の私には無理でも、私の子孫が……
いつかきっとあの方たちを解放します、だから……ずっと、見守っていて下さい」
二年も生きられないちっぽけな人間が口にした言葉だったが、戯れでも勢い任せでもなく、
陣内は真摯な誓いの言葉として受け止めた。
「それなら、尚のこと丈夫な子をこしらえんとな。『俺達の』子孫に強き血を受け継がせるために」

57 :
もう夜も更けていたが、閨に戻った二人の熱は高まるばかりだった。
帯を解くのももどかしく抱き合い、再戦の合図の接吻は灯代からだった。
唇をついばみ合う微かな音さえも互いの情欲を煽るようだったが、唇以外の柔らかさも味わいたくなった陣内は、
今度はほっそりした首すじに口付けた。
鎖骨、乳房、臍の周りと女体を下降する唇は、柔肌の中に次々と火種を埋め込んでいく。
湯上がりの匂いに混じる甘い女の匂いに酔いながら、陣内は灯代の全身を愛した。
このままひっくり返して欲望のままに突き入れるのもいいが、初心な娘に床の作法を教えてみたいという
悪戯心がふと起こった。
「試しに、さっきと別の仕方もやってみるか?」
「別の……?」
「色々な仕方があるんだが、そうだな……俺の腰の上に跨ってみろ」
仮にも神様を尻に敷いていいものかと思ったが、灯代は勧められるままに陣内の腰を跨いだ。
指で具合をみられ、十分潤っているのを確認した陣内に
「ゆっくりでいいから、自分の力だけで俺のを受け入れられるか?」と訊かれ、灯代はこくりと唾を飲んだ。
先程灯代を女にしたものが、身体の真下で精気を漲らせている。
自ら身体を開いてこれを迎え入れると思っただけで、奥底が疼くようだった。
痛い思いをしただけに少し躊躇ったが、一度は入ったのだし……と意を決して腰を落としてみた。
「あっ……」
灯代のそこはまだ陣内の形を覚えており、押し当てられると思ったよりも抵抗なく花びらをほころばせた。
自分の指で花びらを拡げてみたり、直立した幹に手を添えたりして少しでもうまく受け入れられるよう工夫する。
一気に貫いてしまいたいのを我慢しながら、陣内は灯代の形のいい尻を両手で支え、
慣れない仕事を手伝ってやった。
「あぁ……陣内様、そんなにじっと見ないでっ……んんっ……」
「おいおい、こんないいもの、見るなという方が無理だろうが」
浅ましい姿を陣内に見られるのを恥じらって身を捩る灯代だったが、目と鼻の先で自分の逸物が
桃源郷にくわえ込まれていく様が嫌でもよく見えるのだから仕方ない。
やがて、息を詰める灯代の火処に肉杭が根本まで填まり込んだ。
亀頭が奥に突き当たる感触に、灯代の腰から背中にかけて甘美な震えが走った。
「いいぞ、そのままお前が悦いように動いてみろ」
「こう、でしょうか……? あ、んあぁっ!」
恐る恐る腰を上下させると、肉杭が初めて交わった時とは違う所に擦れて灯代に新たな快感を教えた。
陣内に見られているのが恥ずかしく、せめて視線を合わすまいと目を瞑った灯代は意識せず大胆になり、
相手を貪ろうと不器用に腰を使い出した。
浅く深く、腰を浮かしてはまた沈めるのを繰り返す。
性技ともいえない未熟なものだったが、陣内の目にはなんとも初々しく可愛らしく映った。

58 :
「陣内さまっ、この仕方、すごくいいです……っ」
腰がすっかり蕩けて体を支えられず、華奢な上半身が前のめりになったせいで、
陣内の固い下生えに蕾が擦れるのがまた堪らないらしく、灯代は今にも気をやりそうなあけすけな声を上げている。
ついさっきまで生娘だったとは信じられないほどの乱れようだったが、何も知らなかった灯代を
こんなにしたのが誰でもない自分なのだと思うと、陣内の情欲は一層燃え上がった。
「俺も愉しませてもらうぞ」
陣内も強靱な腰で下から突き上げ、まだこなれておらず窮屈な道筋を遠慮なく掻き回した。
逃げようとする灯代の腰を両手でしっかりと捕まえ、最奥の粒立った天井を堪能する。
激しい猛攻に灯代は立て続けに気をやり、灼けた杭で臓腑まで貫かれたように背中を仰け反らせた。
「あぅっ、どうか、もう、子種をっ……」
「分かっている……このまま一番奥にぶちまけてやる」
理性が薄れつつある陣内から卑猥な言葉を聞いてももう灯代は恥じらわず、子種を待ち望むように
自分から腰を密着させて肉杭をより深くに受け入れた。
やがて力強い脈動と共に、奥の奥まで染めようとする勢いで精が噴き出される。
狭い胎内に収まりきらなかった分が結合部からどぷっ、と溢れだす感覚に、灯代は身体を震わせた。
陣内の胸にもたれ、女からもうすっかり母親になったような顔で宣言する。
「陣内様……灯代はきっと、あなたが誇りに思うような良い子を産んでみせます」
「俺とお前が精魂込めて造ったんだ、間違いないだろうよ」
「交神のお相手が陣内様で良かったです、一晩だけでも夫婦になれて、嬉しかった……」
「……その事なんだがな、灯代」
本当のところ、交神の儀は一月の中で一度交われば事足りるのだが、天界一仕事熱心なタタラ陣内は
その程度のやっつけ仕事で済ませるつもりはなかった。
一月の間、この娘と夫婦として過ごす勤めは始まったばかりだった。

59 :
授かった男児には、父神の名から音だけ取って、迅(じん)と名付けた。
迅が家に来たのと前後して先代当主が逝去し、娘の灯代がその後を継いでからは慌ただしい毎日だが、
不安や重圧に負けずやっていけるのもあの幸せな日々があったからだろう。
「実戦では鬼は四方八方から襲ってきます、目の前の敵を倒したと思っても気を抜かず、
不意を突かれぬよう周りに気を配ること」
「はい、母様!」
この子に自分が教えられる事の全てを伝えようと思う灯代は、今日も息子に剣の稽古をつけていた。
体も出来てきて、力だけなら大人に負けないほどだ。このぶんだと来月には実戦部隊に入れるだろう。
復興されつつある京の都に、伝説の刀鍛冶が戻ってきたという噂を灯代がイツ花から聞いたのはそんな時だった。
訪ねた工房の絵看板そのままの、閻魔大王さながらの髭面の中で鋭い眼を光らせる刀匠・剣福に、
灯代は気後れもせず話しかけた。
「この子に刀を打って頂けませんか?」
愛しい我が子をこれから地に遣るのだから、せめてもの親心のつもりだった。
それから一月経って、完成した刀を受け取りに行った灯代は剣福からこんな話を聞いた。
……昨日の夕方のこと、確かに台の上に置いていたはずの注文の刀がどこにも見当たらない。
弟子に訊ねても触った者はおらず、盗人の仕業だとしても刀一本だけ持っていくのはおかしい。
明日一番で使いを出して改めて打ち直す旨を伝えようと思い、工房の奥の間で床に就いた剣福は不思議な夢を見た。
真夜中の工房で、古代の装束を着た隻眼の男が一人、なくなった注文の刀を打ち直していた。
「熱ぅなれ! 強ぅなれ!」
ふいごの風で真っ赤に熾った竈の火が両手を炙っても、男は意に介さず鉄槌から火花を散らして刀身を鍛え続けていた。
やがて夜が明けて、仕事を終えた男は元通りに刀を台の上に置き、赤々とした暁光の中に消えていった。
剣福が起きて見てみると、まさにその刀が夢と同じ所に置かれていたという。
なにせ夢の中の出来事だったので、はじめ剣福は自分の勘違いかと思ったが、鞘から抜かれた刀身には
燃え上がる炎のような美しい刃紋が浮かび上がっていた。
鍛冶を司る神の名にあやかり、灯代が『紅蓮踏鞴(ぐれんだたら)』と命銘したその剣は、
一族の家宝として代々の当主と剣士に受け継がれ、数え切れないほどの鬼を屠ってきた。
時は流れ、九重楼に幽閉された二柱の神をついに解放した十数代目の当主の手にはその剣が握られていたという。
(完)

60 :
おおおお激しく乙
エロい上に物語としてもすげー面白かった。才能あるな。
最後の部分とかジーンとくるものがあるわ
ちょっと陣内さんと交神してくる

61 :
やはり陣内さんにうちでその時一番強かった美人娘を任せたのは正解だったか…
刀のくだりも胸に来るものがあるしエロいしでいい話でした

62 :
おおおお激しくGJ
同じ事言って申し訳ないが本当にエロイし面白かった!
こんど新しく始める時にはタタラ陣内の子は剣士にするわ

63 :
激しくGJっす!
面白かったし才能あるなぁ…
また書く機会があればお見かけ出来るのを期待してます!

64 :
一族娘と男神との話で被って申し訳ないが、大江ノ捨丸と剣士娘のSS落としてきます
多少無理矢理っぽいのと、捨丸の下半身考えてたら微妙にグロくなったので苦手な方注意

*****

「今日からこの刀はお前のものだ。風の性の宿る刀だから、術を覚える手助けをしてくれる
だろう。大事におし」
 一人の剣士が刀を受けた。
 それが全ての始まりだった。
「ただし」
「この刀を身につけ戦場に出てはいけないよ」
「どうして?」
「狂うからサ」
「狂う」
「この刀は呪われているのサ。こうしていると唯の刀だが、戦場の熱気に当てられ心を
ちょいとでも乱したが最後、何もかも分からなくなっちまう。分からなくなって、最後
には──鬼も、はらからも、構わず斬っちまうようになる」
「どうして」
「どうして?」
「どうして、呪われたの」
「そいつはね」
「鬼の、呪いだよ」
「呪いをかけた鬼を倒すまで、ずうっと、ずううっと続く、鬼の呪いだよ──」

 そこは骨で造られた城だった。
 その。夏の間だけ出現する鬼の棲処は、白骨城と呼ばれていた。
 白骨城最上階には、山と積み上げられたされこうべ。されこうべの玉座には、巨大で歪
な三つの顔持つ異形のされこうべ。
 白骨城の鬼は、自分を倒しに来た人間相手にケタケタ笑う。笑いながら骨を吐く。肋骨、
大腿骨、胸骨、指骨。何人分かと問われれば数知れずと答えるしかない骨の山を嵐の如く
吹きつける。

65 :
 たった四人で攻めてきた連中はなすすべもなく耐えていた。
 されこうべは笑う。笑う。
 笑っている内に、気づく。
 ──四人の一人。あの、女剣士。
 ──嵐の中、頑迷に立ち、兜の下よりこちらをじっと睨むオンナに。
 ──見覚えが、ある。
 あれは。あれはそう、一年前にも此処に来た、
「……鳳招来(オウショウライ)の併せから、」
 女が──動いた。
「一手で詰み──!」
 女の言葉は骨の嵐を切り裂き届く。同時に骨の嵐を真っ赤な波が押し戻す。天高く飛ぶ
鳥の声にも似た甲高い叫びを上げ、炎は鬼を炙り、溶かし、薙ぎ倒した。
 赤い塊のきれぎれから刀を構える女剣士の姿が見えて。
 鬼は、自分が何度目かの敗北を期したことを。
 んだはずの自分を繋いでいた朱の首輪が外れ、“あの女”の言う通り、自分にも天界
の門が開かれたのを、知った。
 女剣士が。快哉を叫ぶように、刀を大きく振り上げる。その輝きが灼きついた。

 神とは何者なのか。
 寝具の上でくぴりと杯を煽る女は、そんなことを考えている。
 凛とした印象の美しい女だ。艶やかな紅の髪は肩を越えて伸ばされ、ゆるやかに波打って
いる。真っ白な、卸したての夜着。寝所には不似合いな、大拵えの刀。額に輝く碧の玉。
飾り気のない女を彩るのは、それが全て。
 ──とある鬼が語るところによると、神の多くはかつてはヒトであったものらしい。
遠いとおい昔、永遠の命を得た人々が、滅びゆく肉体を捨て天界に昇ったものが“神”で
ある、と。
 また、唯の人間が神になる場合もある。いわゆる“崇り神”だ。
 兄に陥れられた弟。
 夫に裏切られ、首をくくった妻。
 そして。鬼朱点にされ、後も鬼となり利用され続けたもののふ。
 かつては人、次に鬼となった大江ノ捨丸が“神”として天界に上がったのも、そう無い
ことでもないのであった。
 そしてくだんの“神”に、人間との間に子が成せぬ呪われた血の持ち主が、交神の儀
つまり子作りを願い出るのも別におかしくはないではないか。

66 :

 おかしくはない。
 女の一族と大江ノ捨丸との間に浅からぬ因縁があることを除けば、交神の儀に──次の
赤子の父親にかの神を選ぶことには、全く何の障害もない。
 “因縁”が問題だ、と言われればそれまでだが。
 この鬼が人であった頃、のちに朱点童子となる存在──当時はまだいたいけな童子で
あった──少なくともそう思われていた──の目の前でその父をし、その母を辱め、
朱点童子を生みだす一因となり、ひいては一族が呪われる要因となった。
 というのは、余り関係がない。
 少なくとも赤毛の女剣士はそこを因縁と捉えていない。
 何しろ十年単位で昔の話だ。呪いをかけた張本人である朱点童子ならともかく、原因と
なったらしいとはいえそんな大昔のことまで気を回していられない。
 女はどちらかというと目の前の事象に集中するタチで、加えて言えば大局的なものの見方
が苦手な方だった。
 女の考える大江ノ捨丸との因縁とは、もっと簡単なものだ。
 つまり、何代か前、彼女が生まれるより前の一族が大江ノ捨丸に挑み、反魂の儀で一命
を取り留めた一人以外は亡の大惨敗を期した、という。
 敗北の後白骨城は一族にとっての鬼門となり、夏にしか入れないという条件も重なって
長らく足すら踏み入れてはこなかった。また、彼女が生まれた頃には実際に大江ノ捨丸と
対峙した人間は既にみまかっていたこともあり、彼女にとって大江ノ捨丸と鬼朱点は同じ
位置にあった。憎いもの、憎むべきもの、けれど遠いもの、倒すべきもの。
 目指すもの。
 女は静かに愛刀を撫でる。どうしてもと押し切り寝所にまで持ち込んで、イツ花を呆れ
させた。
 女が生まれるずっと前に打たれた、特別な刀だ。女が継承した今では女しか扱えない。
女がんだ後には、次の剣士に受け継がれるだろう。女がそうであったように。
 女は刀を愛おしげに撫ぜ、杯を干す。燃えるような温かさが食道から胃に落ちてゆく。
ぬくみが五臓六腑に沁み渡るのを感じ、女は溜息をついた。
「──」
 衣ずれの音を、女の耳が捉える。
 軋るような甲高い笑い声に、女は杯を床に置いた。
「ウヘヘ、お主も物好きよなあ」
 男にしては高い声。さらさらと鳴る布と、焚きしめた香の匂い。香でも隠せぬ血と汗と
反吐の臭い。そのものと女は過去に二度ほどまみえたが、こんな近くにまで寄るのは初めて
だ。

67 :
 燈明の届かぬ薄暗がりから現れたのは、骨、だった。
 僧の装束を纏ってはいるが、頭巾の下から覗くのは何処からどう見てもされこうべ、顔
にも数珠を握る手にも皮の一枚、肉のひとかけらも残っていない。だのにかちかち鳴る歯
の間からは声が洩れ、頭蓋骨の奥では眼球もないのに炯々と光る目が浮かび上がる。
 人のかたちをそっくり組み残したままで、僧形の白骨はカタカタ笑った。
 普通の娘ならば悲鳴を上げるか腰を抜かす異貌だ。しかし寝具にはべる女は平然として
正座を崩しもしない。異形に相対するものとしても、これからまぐわる相手に対するもの
としても、豪胆に過ぎる態度だった。
「……つまらん女よなあ」
 笑うのを止めた骨──大江ノ捨丸の、それが女に対する第一評価であった。
「そうか」
 女は表情を動かさず呟く。「そんなにか」
「泣きも怯えもしやがらねえ」不意に伸びた骨ばかりの手が、女の顎を掴む。「戦場にいる
のとおんなじ顔だ」
 顎を掴まれ、異形と無理矢理に向かい合う体勢になった女は、
「痛いぞ」
 恐い、でも、止めて、でもなく、柔肌に食い込む剥き出しの骨の苦痛だけを訴えた。
「この程度、慣れてると思ってたがなあ」
 殴っても骨をぶつけても怯まなかった女の文句に、捨丸は揶揄とも呆れともつかない声
を洩らす。
「慣れても痛いものは痛い」
「そうかい」
 ニタリと。捨丸が表情筋に頼らぬ卑しい笑みを作る。「それじゃあ、少しは楽しめそう
だなァ」
 行動は一瞬。効果は劇的。
 女のしなやかな肢体が真っ白な布団へ突き倒され、仰向けに転がる。同じく白い夜着が
乱れ、思いの外やわらかそうな胸元が露わになり、立て膝で崩れた裾からはほどよく肉の
ついた足が覗けた。
「交神の前に、聞きたいことがある」
 かたちばかりの気遣いもお義理程度の愛の言葉もなしに覆い被さる骨に、押し倒される
格好の女は声を掛ける。真直ぐな刀のように、真直ぐな声だった。
「なんだァ? 今さら怖気づいたのか?」
「いや、恐くはないが」
 呪われし一族の女と、天界に上がったばかりの新しい神・大江ノ捨丸との交神の儀は、
彼女のこんな台詞で始まった。
「どうやってするのだ?」
 骨の身に僧の装束を纏う異形の神は、舌も声帯もないのにケケと笑う。
「鬼切りの娘には、閨での技を覚えるヒマなんざなかって、ってコトか」

68 :
「あ、いや、全然知らない、というわけではないのだが」
 女は布団の上仰向けになりそこだけは可愛らしく小首を傾げ、
「大江ノ捨丸──貴方は、ついているのか?」
「──」
「ついていないなら、どうやって行うのだ?」
「──」
 ナニをして“ついてる”“ついてない”などと言っているのかは、女の視線を辿れば
一目瞭然だった。捨丸の深緑の僧衣の下、人間でいえば股間の辺りを女は観察している。
 神と人とは違う。神は神である。神はヒトの基準では測り知れぬモノである。例え人から
転じた神であろうが、人の姿に似ていようが、半ば人半ば神の一族との間に子をもうける
役目を背負っていようが、それは動かしようのない事実である。それこそ肉体的な交わり
もなく子を成せる技も、神によっては持っているのだ。
 もしや骨ばかりで子種を造るための臓物も女に注ぐための器官も朽ち果てているような
捨丸もそのクチかと予測していたのだが、普通の男がやるように女を押し倒してきたところ
をみると、そうではなかったらしい。とはいえどうなっているのかは厚い布地に隠されて
窺い知ることは出来ないのだが、
「……ヒヒ」
 笑い声に、女は眉をひそめる。
「そんなに知りたいなら、直に見るがいいさ」
「見る」
 女呟きは単なる繰り返しであり、意識はするするとほどける僧衣に注がれている。
 衣に焚きしめた香に混じり。血と、泥と、反吐と、腥い肉の臭いがした。
「──」
 さすがの女も言葉を失う。捨丸の下卑た嘲笑だけが空気を揺らす。
 僧衣のはだけた先には、捨丸の身体があった。一度ばらばらになったのを無理矢理繋いだ
かのような、ところどころが捻じくれた背骨。数の足りない肋骨。それが大江ノ捨丸の
胴体。ここまでは予想内。
 しかし。そこに、普通ならば皮膚に守られているはずの臓物がなまなましい色合いで
絡みつき、僅かな肉で骨と繋がっている──というのは、なかなか怖気を誘う有様だった。
 更に、その下。下腹にあたる部分には、まだ肉が残っている。肉は垂れ下がる臓物を
申し訳程度に隠し、ヒトらしい外見を作る。
 臓物も、肉も、とろりと湿っていた。汗。否。それらを覆う液汁には微かに色がつき、
僅かながら腐臭を漂わせている。腐れた肉から染みでる汁。否。にしては濁りが少ない。
つまり何なのか女には分からなかった。
 ああ、それはいい。
 そんなことは今はどうでも──よくはないが、優先度は低い。
 それよりも。下腹で、まばらに残る陰毛を押しのけ勃起する赤黒い肉の塊が重要物件で
あり。先程の女の問いへの答えであった。

69 :
「……」
 女の口から洩れたのは、吐息か呆けた呟きか。
 肉は、太い。筋肉そのものの色に赤黒い。纏わりついた皮も、腐れたようにどす黒い。
びくびくと震えている。鈴口にあたる部分からは透明な液がつうっと滴る。歪な、肉を
こねあわせて作ったような、元々あった肉が半端に爛れて崩れてしまったかのような、
されこうべに相応しい異形の男根。
「……」
 女が捨丸を見上げる。
 女の眼に初めて驚愕の色を見出し、「ヒヒ」──白骨城の鬼は哂った。
 骨の手が女の手首を掴む。乙女のたおやかさと剣士の筋張りを併せ持つ部分に、硬い
指骨が強く鬱血するまでに食い込んだ。両腕の自由を奪われた女は、ようやっと初夜を
迎える処女らしい反応を見せる。「い……ッ!」男に組み敷かれたまま、もがく。
 哄笑が響く。
「なァに喚いているんだよォ。お前は、コレをしに来たんだろう」
 ずるずると。乱れた衣の合間を縫い剛直が擦りつけられる。女の柔肌に粘りつく筋が
生まれる。
「神様との間にガキを作るために、鬼どもをブッして、かき集めた鬼の血と肉を供えて
まぐわいを願い出たんだろォ?」
「……ッ」
 滑らかな皮膚と肉、女の蒼褪めた顔は、男に久しく忘れていた感触を思い起こさせる。
持ち主の興奮を反映し剛直がびくりと震える。擦りつけられた女の太腿もつられて跳ねる。
 抵抗、ではない。
 女は喘ぎをし、じっと捨丸を見つめる。火の術に秀でるを示す深紅の瞳が、陰の下
鈍く輝いていた。恐怖は無い。探るような、見透かすような色だけがある。
 気に入らない──喉元まで出かけた言葉を、しかし捨丸は放り捨てる。何しろ、意志では
抑えきれぬ震えが女の身体を覆っているのが分かったもので。喘ぐ息遣いも、しかし悲鳴
を零すまいと無言を通す女の姿勢も、征服欲と劣情とを煽りたてる。
 何より、生きた肉がある。
 捨丸が失った、温かい血と、肉と、痛みを感じる肉がある。
 乳房をわし掴めば痛みにわななき、男根を擦りつけ汚せば産毛を逆立てる、生きたオンナ
の感触だ。
「やっぱ、女は生身に限るぜ」
 剛直が女の秘部に触れた。細い身体がびくりと強張る。
 そこは閉じて、綻んですらいなかった。快楽に全く遠い身体はんだ魚の如き硬直ぶり
を晒している。
「いぎ──ッ」
 無様な悲鳴。
 開いてすらいない裂け目に先端がめり込む。痛みから逃げようとする身体を、骨の手が
阻んだ。
「通らねえなあ。小娘でも、もうちっとはオトコを迎えるもんだぜ?」

70 :
 ぎりぎり進もうとする剛直は閉じ切った外側の柔肉までをも巻き込んで女のナカへ侵入
を試みる。肉を引きずられる苦痛に、さすがの女も呻いた。
「痛いか?」
 女の目は相変わらず捨丸に向いている。紅玉のような瞳が涙で曇っているのを見、腹の
底から笑いがこみ上げた。
「羨ましいなァ。痛みを感じられて、お前らはいいよなァ」
 ぎち、と、重なる部位が軋んだ。同時に粘る液体で肉と肉とが滑り力の方向が逸れる。
剛直から滲む体液は女の肌を汚し、女を壊すことをぎりぎりで避けた。
「──助けてやろうか」
 女が喘ぐ。
 筋のような閉じた秘裂の上、濡れた肉を行き来させる。裏筋を強く擦りつけ体液をなすり
つける。ぐちゃぐちゃ泡立つ音がする。勿論愛液ではない。先走りですらない。皮はこそげ
肉は腐る、おぞましい男根から分泌される体液だ。
 それでも楽になったことはなったのか、女の目に生気が戻る。
「なにを、」
 そうして女の口から洩れたのは──「何を、すればいい」──それはそれは健気な響き
を伴う言葉だった。
「濡らしな」
 対する男の台詞は不誠実という他ない。
「ぬらす」
「そうよ。お前の手で、お前のそそを濡らして、俺が通りやすくするのよ」
「でも、どう、やって」
「おいおい、そんな卑しいコトを“神様”に言わせるのかァ?」
 自分で考えろ、と言う間にも、性器と性器を擦り合わせるのは止めない。
 女は頬を赤らめ捨丸をじっと見つめて、「……手を、放して欲しい」
「逃げはしない」
「だろうよ」
 下卑た笑いが臥所に零れる。
「お前が逃げられるわけが無えのよ」
 縛めの解かれた手首には赤い筋がくっきりと残っていた。女は仰向けのまま着物の裾を
そっと直し、剣ダコで硬くなった指を自らの口へ持ってゆく。見た目にも柔らかそうな舌
が女の指に絡む。だっぷりと唾液を塗りつけられた指は、あえかな灯明を反射しとろりと
光った。
「……ん」
 どうやら、女は自分の唾液で自分の秘所を湿らせる方法を思いついたらしかった。
 異形の陰で女が自らの裾を割る。白い夜着は一部が汚れ異臭すら放つようだったが、女
は文句ひとつつけない。どころか男が犯しやすいよう準備まで始める有様だ。
 衣に隠れた場所で指が動きだす。控えめな動作で、秘裂の外側をなぞっているのだと
知れる。唾液よりも重い、粘着質な音は、捨丸のなすりつけた体液だろう。
 女の頬が赤みを増すのは、羞恥か、興奮からか。

71 :
「足りないだろ?」
 そこまでやっても掛けられるのは無情な言葉だ。
「お前の中にブチ込むってえのによォ、そんなお上品にいじってるだけじゃあ意味がない
だろ?」
「あ……!」
 折角直した裾をめくり、骨の指が女の秘部に触れる。女の指は予測通り外側で止まって
いた。
 女の指が骨の指に絡め取られ、「い゛……ッ?!」女のナカに突き入れられる。
「しっかりかき回せよ。ココに入るんだからなァ」
 自らの大事な場所を、自分の指を使って、他人に嬲られ。女の顔が歪む。
 しかし。
 ──くちゃり、と、水音。
 如何なる理由か、もしくは単なる肉体的な反応か、閉じ切っていたはずの秘裂は綻び、
僅かながらも体液を滲ませていた。
 挿入される指の数が増える。今度は肉のついた、体温を持つ指ではない。乾ききった骨
の指、捨丸の指だ。遠慮会釈なく根元まで入ってきた指は、狭い孔を容赦なく行き来する。
今までよりも激しく内側を刺激され、女の顎が仰け反った。
「あ、あ、」
 女のナカで指と指とが絡む。節がぐねりと襞を擦り、捨丸を見る紅い瞳から涙が零れた。
 女の身体が濡れてゆく。頬を伝うのは涙、じっとりと滲む汗、着物を汚す男の体液。
くちゃくちゃと音を立てる、二種の指で拡げられた秘所。
 指が抜かれる。透明な汁が糸を引いて、落ちた。
「──ほうら」鬼が囁く。「肉の身も、一皮剥けば皆同じよ」
 ──たとえ、意に沿わぬ相手でも。
 ──子を成す目的だけの、契でも。
「始まっちまえば受けるしかねェのよ」
「……ッ、私、は──っく、あ、ッあ──!」
 女の言葉は途中で途切れた。
 大きく割り開かれた脚の間、僧衣を纏ったままの身体が沈んでゆく。赤黒い剛直は、
今度はほぐれた秘裂に先端を呑ませることに成功した。
 狭い場所だ。なまなかなことでは進まない。「ひぐうっ、うっ」女がぼろぼろと涙を
流す。食い縛る歯がかちかちと鳴る。逃げようにも、脚を抱え込まれた状況では逃げよう
がない。
 だが。みしみしと痛ましい悲鳴をあげながらも、女のそこは剛直を受け入れる。硬く
重なる襞は傷つくまいと自ら広がる。
 そうして亀頭を呑み込んでしまえば──あとはラクなものだった。主に、挿入する側の
話ではあるが。

72 :
 ずるずるにちゃにちゃ音を立て太い幹が肉に沈む。女の蜜が足りずとも、この男根は
人外のもの。膿にも似た体液をまとわりつかせ女の中を滑らかに進む。乾きはなく、よって
摩擦による痛みも少ない。女の痛みは狭い場所を貫かれ押し広げられる痛みだけだ。今の
ところ。
 剛直が無遠慮に奥を打ち上げた瞬間、女は身を引き攣らせ、縋るように目の前の異形へ
しがみついた。僧衣の下、骨のかたちがくっきりと浮かび上がる。
「頼、む……、いき、整えさせ、て……っ」
 かたかた震える身体は根元までを受け入れていた。狭かったのも道理、結合部からは女
の髪と同じ、瞳と同じ、赤い血が滴っている。
 対する返答は、
「お前は何をしに来たんだったかなあ」
 嘲弄すれすれの無情なものだった。
「孕みに来たんだろう? 俺の子種を、胎に受けに来たんだろうよォ」
 悲鳴。
 急に引かれた剛直が勢いをつけ叩きつけられる。女の腰が跳ねる。肉は硬い。腐れた
外見に不釣り合いに硬い。肉は熱い。腐れる肉に相応しく熱い。硬くて熱くて歪な肉で
他人を受け入れたばかりの肉を抉られ貫かれ、女の理性は削がれてゆく。
「あ、ふあっ、あ──」
 艶が声に混じり出す。捨丸の肉は、腐れて、歪んでいた。腐れているが故にどろりと
溶けておんなのナカの滑りを良くし、歪んでいるが故にヒトでは叶わぬ部位にまで届く。
 臍のすぐ裏側を擦ると、女の腰が大きく跳ねた。狭い場所がますます狭まり剛直を締め
つける。ぐじゅりと音がして剛直の表面が潰れる。潰れた部分が襞と襞との薄紙程度の
隙間に這入り込み震わせる。刺激したところを今度は引かれ、襞は無理矢理ひらかれる。
 内襞と崩れた肉とがかみ合い女の肉を温め、動かされる毎に逆撫でし悪寒と紙一重の
快楽を与えてゆく。
 女はもう喘ぐばかりだ。
 腰が動くのも、乱暴に扱う男に身を寄せるのも、自分ではままならぬのだろう。奥に
当たれば苦しげに眉をしかめる癖に、身体の方は男を咥えて離さず、むしろ最奥の硬い
場所に当てるように蠢く有様。
 翻って。
 女をそんな風に鳴かせる捨丸は──苛立っていた。
 鳴かせるのは、いい。女が自分の手で翻弄されるのは、戦場で自分を散々殴り倒してきた
女に床の上とはいえ意趣返しを行えるのは、非常に胸のすくことだ。そのはず、だった。
それが。
 ──この女。

73 :

 女は、どんな時でも、どれだけ責められても、どれだけ鳴いても、捨丸から視線を外そう
とはしなかった。
 その目。
 流す血よりも尚赤い、捨丸を焼いた火よりも尚澄んだ紅い瞳には、恐怖がない。嫌悪も
ない。これだけされているのに拒否の気配が微塵もない。
 唯、捨丸を射抜く真直ぐな色がある。
 何かを探るような、見透かすような。そんな目だ。
 その目が、障るのだ。
 女の身体が、快楽ではなく驚愕に跳ねる。「なに、を、今、貴方、何を」──捨丸は
答えない。女の目が濁り焦点を結ばなくなるのを見──笑うだけだ。
「なァに。唯の“光無し”さ」
「光無し、どうして今……っく、ひゃ、あ!」
 乱れた袷から無遠慮に手を差し込まれ乳房を掴まれ、女の抗議は嬌声に変わる。
 捨丸が使ったのは“光無し”の術。一時的に認識能力を低下させる技だ。特に痛みや傷
をもたらすものではないが、使うところで使えば相手を圧倒することが出来る。今のよう
に。
「待って、」
 細い。哀願するような響きに崩れた皮膚がぞくりと粟立つ。
「見え、な、い、これじゃ、貴方が、見え」
 声が消える。意味を持っていたはずの言葉が、喉から出る前に喘ぎになる。
 両の脚に骨ばかりの手が掛かり、大きく持ち上げたからだろう。もしくは床に寝転がる
姿勢から、脚を広げ尻を高く上げるものに変わったせいで、身体を穿つ肉がより深くまで
食い込んだからか。
「俺にゃあ見えてるぜ」
「……ッ! う、あ、」
 女の肌が熱を増す。口を開閉しはするものの、艶やかな唇から言葉は出てこない。
 もうひとつの口は雄弁だが。
 男を咥え込んだそこは上と同じく震えてはいるが、たっぷりと湛えられた蜜が音を立て、
動く度にとぷんと零れる。引けば切なげに絡みつき、押し入ればひったりと寄り添って
くる。捻じくれた異形の男根にも、隙間を生み出すまいとするかに蜜と肉とを合わせる。
まるで愛しい男に対する女のように。
 冷たい指先が陰核を押し潰すと一際高い声が上がり内側もきゅうっと締まる。どろりと
吐き出された蜜が奥に溜まり、抉る男根を粘りつきながら受け止める。
 野晒しの白骨の手が、白い夜着を掻き分け紅潮する肌を這う。
「いやだ、や、だ……っ」
 怯えたような喘ぎを洩らす女が、縋る場所を求めてもがく。
 手は。虚しく宙をかく。

74 :
 女を貫く男はケタケタ笑うばかり、男根を奥深くまで押し込んでいちばん狭い箇所を
抉るばかり。視界を濁らせ何をされるのか分からず混乱する女の手を取ろうともしない。
 下腹。乳房。乳首。鎖骨。細い首に手が掛かった刹那、さしもの女を目を瞑り「ひうっ」
と短い呼気を吐いた。
 その度。女が必要以上に身を竦ませる毎に咥え込んだ場所は窄まり男根へと縋りつく。
そこを引いて、大きく叩きつける。傷口を擦られる痛みと最奥を突かれる痛み、それらを
上回る快楽に乱れに乱れる。
「う、あ、あ、」
 女がびくびくと身を跳ねさせる。内側が収縮を始める。子宮口を押し潰す剛直を、むしろ
呑み込むかのようにやわらかく、つよく絡め取る。歪な剛直がそれと分かるほど膨張し、
襞を限界まで拡げ、
「っふ、あ──!」
 最奥を穿たれ熱い精を注がれる、その感触に。女は果てた。

「──これでお役御免ってわけか?」
 男にしては高い声に、女はうっそりと目を開ける。視力は大分戻っていた。
 着物の袷ははだけ、下半身はどろどろに汚れたままの姿で、女は静かに答える。
「……子が成せれば終わりだと聞いている」
「へえ」捨丸の恰好は現れたときと同じ、厚い僧衣に腐れた身体を隠すもの。「ソイツは
誰が決めるんだ?」
「……」
 女は紅の瞳を捨丸に向け、
「神には、成せたか成せなかったかが分かる、と聞いたが」
 そもそも呪われし一族の子は、母親の腹から生まれてくるのではない。一族と神とが
交神の儀を行ったのち、相手の神が連れてくるのだ。
「そうかい」
 下卑た気配が暗い寝所を揺らす。
「それじゃあ、俺が“出来た”と言うまでは、儀式は終わらないんだな」
 髑髏の奥炯々と光る目が、女を嘲う。
「天界はぬほど退屈だ。もう少し楽しませてもらうとするさァ」
 女は無言。唯、紅い目だけが捨丸を見ている。
 否。
「いいさ」
 赤い唇が承諾を吐き出す。
「私から申し出たこと。望むところよ」
 捨丸の醸す空気が変わる。「ケッ」──不快、困惑、疑惑──「おかしな女よ」──
興味。
 捨丸が姿を消したのを確認し、女は気怠げに身を起こし、もそもそ部屋の角へと這って
ゆく。寝所の片隅には大ぶりの徳利が転がしてあり、女はそれを手にすると杯も使わず直
に口をつけた。不思議なぬくみを持つ液体が胃の腑に滑り落ち、女は人心地ついたとばかり
に息を吐く。

75 :

 女が次に手にしたのは、愛用の刀だった。
 畳の上正座し、静かに鞘から刃を抜く。
「──」
 沈黙。凝視。黙考──「──は」──溜息。
 涼やかな鍔鳴りと共に刀が鞘へと戻される。
 女が生まれるずっと前に打たれた、特別な刀。
 鬼であった頃の大江ノ捨丸と戦い、された剣士が持っていた刀。その剣士の無念宿り、
呪われた刀。
 剣士である女が継承した、女にしか扱えない、特別な呪い刀。
 女は、その刀の呪いを解いた。
 大江ノ捨丸を倒し、呪いを解き、この刀を本来あるべき姿へと戻した。
 ──だのに。
 ──何故だろう。
 女はそっと目を閉じる。その吐息は、甘やかに熱い。
 ──この刀を手にすると。
 ──胸の動悸が収まらない。また。まだ。
 白骨城の鬼・大江ノ捨丸の話を聞く度、胸が苦しくなった。恐いもの、恐ろしいもの、
憎むべきもの、倒さねばならぬ者。刀を手にすればされた剣士の恐怖と憎悪が柄を通し
伝わってくるようで、女は目の前が真っ暗になり何も分からなくなるような気がしたもの
だった。
 鬼さえ倒せば、終わるのだと思った。
 だから自らを鍛えた。
 刀を常に傍らに置き、寝ても覚めても“宿敵”のことばかりを考えた。
 “宿敵”を倒すため、それだけを考えて剣を振るってきた。朱点童子よりも、多くの鬼
の語る“この計画の首謀者”とやらよりも、もっとずっと近しい“敵”だった。
 ──倒せば終わると思っていたのに。
 終わらなかった。
 大江ノ捨丸を倒し、呪いは解けたのに、女の胸の高鳴りは止まなかった。むしろ初めて
相対したときの熱は身体に残ったまま、女を内側から焦がした。
 倒しても治まらない。
 刀の呪いを解いても治まらない。
 朱の首輪を外し、天界に送っても治まらない。

76 :

 思案尽きた女が最後に思いついたのは、交神の儀を願い出ることだった。
 交われば、剣を交わすだけでは消えないこの熱も治まると期待したから。
 ──結果は惨憺たるものだったが。
 女はそっと腹を撫ぜる。
 動悸は相変わらず治まらない。かの鬼──いや神──のことを思うと胸が苦しくいても
たってもいられなくなる。身体の熱も相変わらず。胎を満たす精と同じに、熱い。
 手の下にとぷんと揺れる他人の名残りを感じ、女は。
 微笑む。
「もう、一月」
「まだ、次が」
 手ごたえはあった。まだ自分でも遥とは掴めぬものではあるが、今の熱は過去の熱とは
異なる気がする。
 きっと、この熱と動悸の理由は分かる。
 きっと、かの鬼の呪いは解ける。
 きっと、
「私は貴様に勝つ」
 女は。乙女が恋を囁くように、密やかに宣言する。
 頬を染める血潮よりも尚紅い目が、薄闇を射抜いていた。

77 :
>>64
捨丸のアレはクレヨンしんちゃんに「ヒコーキの車輪みたいなもん」ってネタがあったから
そんな感じかと思ってたけどそういうのもあるのか!残り一月に妄想が膨らみます

78 :
>>44
エロいし最後は泣けるしで素晴らしかったす!GJ!
>>64
さすが捨丸様容赦ないですなあ!
たまらんたまらん!GJ!!!

79 :
>>64
GJ!わしの鼻もビンビンです
こう言っちゃなんだが、捨丸って全く改心しないタイプのゲス悪党なのに
なんか憎めないと思うのは自分だけだろうか…

80 :
童子を立派なオトコにする編を待っていると言われては書かざるを得なかった、今は(ry[
と言う訳で>>9-20(>>23)の続編です
相変わらず特殊めな娘とクリア後特典のエロラブコメ

81 :
「きつとー」
人として生まれ、鬼として生き、して神となる。
半人半神の血により送ってきたこれまでの過去を鑑みても、この着地点はあまりにも予想しえないものではないだれうか。
「ねー、きつとー」
出来る事なら今からでも復讐を完遂させたいものだが、前よりもそれは困難になってしまった。
手元に転がり込んできた最高神の地位は、実の所ただの足枷だ。
後見だの業務補佐だのと何柱もの神がこちらへ接触してくるが、その殆どは姉の息がかかった監視役。そうではない自分の関係者だって、妙な責任感でもう暴れないようにと『見守って』いる。
「きーつーとー」
封印されている間呪われた一族に接触した時すらだんまりだった癖に、今は『本物の』下界に足を付ける事さえ理由を付けて止められるのがその証拠だ。
力づくで振り払えばそれを体のいい理由として、鏡の中の京から目を光らせている姉がすぐさまより力づくでの鎮圧に来るだろう。
実にままならない。
「このはねほんもの?」
「だから、引っ張るなよ!しかももぎ取る気で力籠めてるだろ!」
――という朱星ノ皇子の思考は、背中に付いた翼に走る激痛と間延びした舌っ足らずな声により中断してしまった。
と言うより、ここまで彼が現在の自分を振り返っていたのは半分以上この状況からの現実逃避が目的である。
「このはねとふくってどこでうってるの?なにきどり?なんのえいきょう?」
「売ってるとかそう言うんじゃないんだよ、神の形なんだから!」
こうしている間にも、普通の鳥のものならあっさり引きちぎれそうな力で朱星ノ皇子の翼が引っ張られている。
引っ張っているのは彼との交神を希望して天界へ来ている、呪われた一族の娘。
数ヵ月前、まだ朱点童子をやっていた朱星ノ皇子――黄川人にとんでもない話を持ちかけてきた少女である。とは言え、元服したのだからあの時より成長した筈だが。
「君さ…あれから一切変わってないんじゃないかい?普通君達は数ヵ月も間が空けば、肉体と共に中身も成長するようになってるんだけど」
「あ、そーいえばなまえいってなかった。あたしはひなりで、きいろかわひとはきつと」
本当に成人したのか疑わしくなる程、この氷奈莉という娘はあの時のままに見える。
幼児のような口調も、小さい背丈も幼げのある顔立ちも、何よりジトっとした眠そうな目付きもそのままだ。
「あと、あたしわりとかわったよ?おとこはおんなのへんかにきづかないってこいがいってたのはほんとなんだね」
「どうせ髪が少し伸びたとかそんなのだろ。それよりさ、あんまりボクを黄川人黄川人呼ぶのは控えてくれ。まだ朱点気分が抜けてないと判断されたら余計面倒なんだよ、神さまってのも楽じゃないんだゼ」
「ぬけるもなにも、きつとはぜんぜんはんせいのいろもこーせいのきざしもみえないよね?なにがチャラなの?」
それは言わないでおいて欲しい。そう言う気力も抜けるのを感じ、朱星ノ皇子はわざとらしい溜め息をついてやる。
「本ッ当にさぁ、君って話してる相手を疲れさせる天才なの?だから二度と会いたくなかったんだよ」
「でもあたしはきつといがいとこーしんするのやだよ」
「…そんなに何か思う処があったのかい、あの時の事は」
「うん。おもしろかった」
「よし、帰れ」
心からの言葉を口にすれど、天界側から交神を断って追い返す事は最高神でさえ許されない。
それに、そんな事をして数ヵ月前の出来事が明るみに出たら更に天界での居心地が悪くなる。
「まだげんぷくもしていないきむすめのじゅんけつをうばっておいて、そーいうたいどはないとおもう」
「元を正せば誰が言い出した事だよ、誰が!」
そう、確かにこの二人は数ヵ月前にそうしたコトに及んでいた。氷奈莉が一方的に頼んで押し切ったからとは言え、忌々しいが本当の話だ。
「ところで、いつまでこーしてるの?ほんとのこづくり、はやくやってみたい」
やはり氷奈莉を前にすると調子がおかしくなる。
ここはあの時同様、望み通りにしてやるしかないだろう。それで本当にこの話は終わりだ。

82 :
「…分かってるよ。じゃあ、閨まで送るからここに入りな」
そう言って朱星ノ皇子がぱちんと指を鳴らすと、朱点童子の頃に使っていた転移の印が現れた。
しかし、氷奈莉はそれにふいとそっぽを向く。
「おもしろそうだからこことーばつするー」
そう言うが早いが『速瀬』を使い、目の前の朱い神殿に入っていってしまった。
「あ、こら、勝手に入るなっての!大体討伐って、いないよ倒すようなものは!」
「ここに」
「否定はしないけどボクに指を差すなよ」
仕方なく、朱星ノ皇子は翼を広げて高速で走る氷奈莉の後を追う。
再会してしまったからには、やはり一筋縄には行かないようだ。
朱星ノ皇子の神殿は、外観は朱点閣を元にしつつ更に広大な造りをしている。
姉にこの建物を最初に見せられた時はもう一度殴りかかってやろうかと思った程皮肉を感じたが、実際に使ってみるとますます皮肉を感じた。
神殿全域に微弱な結界が張られており、それが崩れると神殿も壊れていくようになっていたのだ。
つまりここを使えというのは常に力を抑えていろという遠回しな命令であり、この大きさの神殿が壊れればすぐに分かるぞという圧力でもある。
神殿そのものが巨大な竹籠であり、鳴子の役割も果たしているのだ。
信用出来ないなら出来ないと言えばいいのに、あの腹黒女。
「あはははは、まだまだいけるー!」
「行くなよ!止めてくれっての、本当頼むからサぁ!」
…といつも思っていたのだが、この時ばかりはそんな余裕などなかった。
氷奈莉が隠し持っていたらしい矢を長い長い廊下の壁に刺し、そのまま走って傷を付けて遊び始めたのだ。
がりがりと壁を削る鏃は、いつ結界に触れて破壊してしまうか知れたものではない。万一の事があれば交神相手のやった事として自分も責を負わされる。
割と容赦なく『雷獅子』など放って行く手を阻むと、漸く氷奈莉は立ち止まった。
「あのさ、やっぱり今君をしていいかい?」
「やったらひるこはみのがさないとおもうよ?ずいぶんボンボンらしいすまいだから、きずくらいつけたほうがきぶんいいかなーとおもった」
「余計な世話だよ」
「うん、ごめん。つかまったから、これあずかってて」
意外と素直に頭を下げ、氷奈莉は朱星ノ皇子に弓矢の一式を差し出した。
地獄でしか手に入らない最強の弓、『古弓あさひ』だ。遊び道具として持ってくるような代物ではない。
「あたしがきつととこーしんするっていったとき、みんなはんたいしたっていったじゃん」
真一文字に付いた壁の傷を指でなぞりながら、氷奈莉がぼんやりとした表情で言葉を続ける。
「だから、あたしみんなにうそついてきたの。こーしんするふりして、ころせなくてもふかでくらいはおわせてくるって。こづくりするときってこっそりころすのにむいてるでしょ?」
確かに、閨は暗に非常に適した場だ。
渡された弓矢を見ると、力任せに壁に刺して動かされた矢の一本はぽっきりと折れていた。
「でも、いまきつとにとめられたからころすのはしっぱい。そのやをみせればしょうこになるし、こどもはおこったしゅてんがむりやりやったからできちゃったっていえばだましきれるとおもう」
あの無意味な遊びにしか見えない奇行には、そんな意味があった。今弓矢を完全に破壊されれば、余計に筋書きに説得力が付く。
信じがたい事に、氷奈莉はそうまでして『黄川人』との交神に拘りたかったらしい。
「…正気の沙汰とは思えないね。家の人達を欺いてでも、一度戯れただけの相手を選ぶ意味なんてないんじゃないのかい」
「んー、そうなんだろうね。でも…それはあとでせつめーするから、ねやにつれてって」

83 :
初めから交神を想定して造ったのだろう、この神殿の閨は徹底的に快適であるようになっている。特に、女性側から見て。
しかし迎えられた張本人は大して興味がないようで、朱い柱の塗装を爪で剥ごうとしたくらいしか反応はなかった。
「さっさと始めるよ。君のせいで早くも疲れてきてるからね」
「ちょっとどーていそつぎょうしたからって、もうてなれてるかのようなかおしてる?」
ちなみにそう毒を吐く氷奈莉も、一度処女を散らして以来一切未経験だった筈である。
そんな彼女は豪華な閨よりも朱星ノ皇子に興味が集中しているようで、緑色の目を光らせて側に寄ってきた。
「きつときつと、それどうやってぬぐの?はねじゃまにならない?」
「だから、神名で呼んでくれって。万一ボクが見逃した監視の目があれば、君とこんな馴れ馴れしい会話してるのは問題になるんだよ」
「えー…なんだっけ、しゅせいのおーじ…ちがった?じゃあしゃせ」
「あけぼし!!」
真顔で下ネタを言いかけた氷奈莉の口を本気で塞ぎつつ、ぱちんと指を鳴らす。すると、朱星ノ皇子の姿は黄川人のそれに変わった。
「おー」
「残念だったね、これで君の疑問は水泡に帰したよ。ほらじろじろ見てないで床に着く」
珍しく大人しく従い、氷奈莉が静かに最高級かつ明らかに一人で寝るには大きすぎる布団の上に正座する。
緑色の眼がじーっとじーっと見てくるので、思わず黄川人もそれに向かい合って腰を下ろした。
「じゃあ、せつめーするね。てんかいにいるあいだでいいから、きつとおむこさんになってくれない?」
「君の話は何で常に唐突なんだ」
「んーと、あたしもなんでこうおもったのかよくわかんないんだけど…たぶん、あのとききつとがさいごまでつきあってくれたからだとおもう」
口調の割に淀みなく、氷奈莉は淡々と言葉を続ける。
地上に降りてから駆け回って様々な事を試してきたが、今まで『やりたい事』に最後まで付き合った相手はいなかったのだという。
それが嬉しかったので、全てが終わろうとしたあの時お輪の抱く赤子をそうとした一族の者を止めた。家族が抱いて当然の不満を押さえ付けたと知りながら、このまま天に昇らせておいてまた会いたかった。
「こーしんのまえ、よめいりぎょうれつをみたの。あたしもなってみたいなっておもった。あたしがあいたいのはきつとで、こーしんもきつととするつもりだからなるならきつとのだなって」
――と、締め括った。相変わらずぼんやりした目付きだったが、一瞬たりとも黄川人から視線を離さずに。
「とうぜんそっちのとくはよういしてるよ。おもてむきだけでもうちのはばつときつとのはばつがどーめいをくんだってことにできれば、はんたいはのかみさまたちはだいぶだまらせられるとおもう」
呪われし一族に与する神々、そして彼らが天界へ昇らせた氏神の一派は最早立派な勢力の一つと言える。そちらとしては、それを利用した形だけの政略結婚で構わない。そう言いたいらしい。
返答を聞く前に、氷奈莉はぎこちない動きで三つ指をつきぺこりと頭を下げてみせた。
「だから、あたしをおよめさんにしやがれください」
「…ボクが言うのも何だけどさ、もっとよく考えて生きなよ。いいかい、昨日の敵は今日の友。明日はどうかな?」
「おっと?」
「君にまともな返答を期待したボクが間違ってたよ」
軽口を交わしてみたところで、この時点で既に分かり切っていた。忌々しいが、氷奈莉は至って本気なのだと。
口調こそ軽くとも、反対する家族を欺いてでも、邪魔な連中を黙らせる人身御供になってでも、一切の嘘を交えずにそう願っているのだ。
虚勢を張る者を心底見下しているからこそ、黄川人は相手が本当の事を言っているかどうかには誰よりも聡い。きっと、あの時と同じようにこの場でされたとしてもこの娘が変心する事は決してあるまい。
本日何度目かの溜息を吐いて、黄川人が求愛と呼ぶにはあまりに拙い求婚への返答を口にする。
「ああ、もう。分かったよ、ここにいる間だけ君はボクの妻だ。そういう事にしておけばいいんだろ」
「きつとは、うそつかないんだったよね」
今まで聞いた中で、最も小さな呟きが氷奈莉の唇から漏れた。それから、にーっと笑う。と思えば、すぐに真顔になる。
「およめさんだから、ほんとにちゃんとこづくりしないと」
ほんの少しの間だけ俯いて、成り行き上の花嫁はぽふんと布団へと仰向けに倒れ込み――意外なくらいか細い声で、こう言った。
「…………まかせる」

84 :
一言発して、それから身じろぎ一つしない。本当に何から何まで『任せる』という事なのだろう。
「いいのかい、そんな事言っちゃってさ。君の命さえもボクに任せるって意味にも取れるゼ」
想像通りに軽い身体を抱き起こして、しゅるしゅると帯を解く。全く抵抗されない。
「うん、そっちもまかせる。なんか、いまここでころされてもべつにいいかなってきぶんだから。あたしをすきにしてー」
「そんな棒読みで言われてたら、母さんは普通にされてたよ」
着物と帯を取られた状態で手を離されて、氷奈莉がまた布団に倒れ込んだ。目付きは平常のままだが、口元は笑みの形になっている。
されるがままの彼女から、そのまま身に着けていた物を全て剥がした。
そこで、黄川人は初めて気付く。先程彼女が言及していた、『変わった』点に。
自分が破壊し尽くした京の都を全て復興した名家の出の割に安物の着物に包まれていた時は、その見た目はあの時と殆ど変わっていないように見えた。
しかし、こうして裸身を露わにしてみればはっきりと違う。体つきが確かに大人びた、『女』のそれに変化していた。
目の前で自分を待つ『女』の身体の美しさ。本能的に、雪のように白い柔肌に手が伸びる。
「ああ、確かに――少しは変わったんだね」
あの時触れた氷奈莉の乳房は見た目の年齢相応に薄く、ふにふにとした頼りない手触りだった。
だが今のその大きさは掌の中にぴったりと収まる程度にまで成長しており、指を動かすとむにりというしっかりとした感触がある。
かつてしたように乳を搾るように揉むと、氷奈莉がふるふると肩を震わせた。
「ん……もんだから、おおきくなったでしょ……?」
そこはかとなく嬉しそうな声色が耳に届く。柔らかな肌から、微かに甘い匂いがした。
「あ、そうだ。これ、おぼえてる?」
胸を任せている最中に、氷奈莉はふと自らの右胸を指差す。
そこには、掌程の大きさの傷痕が広がっていた。
「忘れてたよ。君のせいで思い出した」
この問いかけで、黄川人はその傷痕にまつわる記憶を思い起こす事になる。
それはほんの少し前、彼と氷奈莉ら呪われし一族が最後の闘を繰り広げていた時のものだった。
後衛で『弱点』すら何の躊躇もなく弓で狙い、そこらの鬼なら一撃で頭を吹き飛ばされているような威力の矢を機械的に撃ち続ける氷奈莉。
前衛の者達の守りが一瞬手薄になった時、阿朱羅が狙ったのは彼女だった。
弓を引き絞って放つ動作を必要とする分、通常弓使いは瞬時に距離を詰められれば対処し辛くなる。
阿朱羅の爪はいっそあっけない程に氷奈莉に接近し、防具ごと心臓を貫いた――筈だった。
『つかまえた』
みしみしと音を立て、本気中の本気の力で朱い鬼の腕が掴まれる。
氷奈莉はぎりぎりの瀬戸際で爪の当たる位置をずらし、わざと自分の体に爪を突き刺させる事で阿朱羅を捕えたのだ。
『石猿』で守りの力を高めていたとは言え、あまりに危険な賭け。命を対価にそれを張り紙一重の処で勝った時も、血にまみれた彼女の表情はひと月前に見たそれと同じだった。
そして、氷奈莉は片腕に握っていた矢を深々と阿朱羅の腕に突き立て――

85 :
「…やめだ。あれはあれで結構悔しかったんだぜ、ボクだってサ」
「んー、でもつぎやられたらあたしたぶんふつーにしぬよ?しんぞうをはずしたっていっても、あとちょっとずれてたらあたってたし」
言っている内容にそぐわない口振りでそう宣う。常人ならば一生残る程度には深い傷だったが、ほぼ神そのものと言える血を持つ氷奈莉の治癒力はもう薄い皮膚の痕を残す程度にまでそれを塞いでいた。
「で、この傷がどうしたの」
「なめてほしいなって。からだじゅうのきずをなめて、うみをすって、それから……だめか、あたしないたことないから。じゃあ、なめるとこだけあたしにもやってくれる?」
誰からそんな話を聞いたのか。もしや、本人か。
彼女が黄川人に求めてきたのは、かつて彼が体中の殆どの肉を喰われた哀れな人魚にしてやった行為。
その欲求が所謂『焼き餅』から来たのかどうかは、恐らく氷奈莉本人にも分からないだろう。
「まッ、そのくらいならしてやらなくもないよ。大人しくしてな」
軽く答えて、黄川人は傷に舌を近づける。
触れて舐め上げると、伝わってくる低めの体温が上がったような感覚がした。
「あ……ぞくって、する……」
皮膚が薄いだけ、感覚も鋭敏になっているのか。
ぺちゃぺちゃと何度も何度も傷を舐めれば、小さく声を洩らしながら氷奈莉が震える。
不意に、黄川人の頭の横で何かが触れてくる感触が生じた。朱星ノ皇子の時から唯一耳に着けていたままにしていた、氷と狐火の意匠のある耳飾り。
氷奈莉はそれにちょんちょんと指先で触っていたのだ。
「これ、おとーさんのだよね。はんぶんは、だけど」
「――ああ、彼だったのかい。君の父親は」
「うん。ひなりのひは、えいきゅうひむろのひ」
氷ノ皇子。それが黄川人が朱星ノ皇子としてこの地位に収まるまで最高位であった男神であり、氷奈莉の父である神の名である。
この耳飾りは、彼ともう一柱『黄川人』の養母であった元人間の神が共同で創り与えた物だった。
「だから、あたしときつとってきょーだいにあたったりするんだよね。ちはつながってないけど」
氷ノ皇子は黄川人の養父であり朱星ノ皇子の後見かつ前述の通り氷奈莉の実父である為、確かにこの二人は義理の兄妹に当たる。
「何でそんな事を今言うかねぇ…」
「ぎりなんだからどうでもいいじゃん。ちのつながらないいもうとにおにーちゃんとかよばれたほうがこうふんするせーへきとかあるの?」
「ないから黙ってろっての」
忌々しくも、いい加減氷奈莉をあしらうのに慣れてきてしまった。答えて間髪入れずに傷痕を吸うと、耳飾りから手が離れる。
「ん…きもちいい、でいいよね。これって…」
楽しげな声がした。そこにはやはり、飄々とした余裕は残っている。
あの時一度それが出来たように、黄川人はこの余裕を消してやりたくなった。

86 :
傷痕から離れ、うっすらと色づく双丘の真ん中に顔をうずめる。
肌から立ち上る香を思うままに感じ取ってから、こう呟いてみせた。
「母さんと同じ匂いがするね」
ジトっとした視線を向けて、氷奈莉がすかさず言葉を返す。
「きつと、こーいうときにおかーさんのはなしするのってふつーにきもちわるいか、ら……っ!」
言いかけた息を止め、氷奈莉は身体をびくりと跳ねさせる。この場で見せた中でも最も大きな反応だ。
その理由は単純明快。彼女の意識が身体から離れた隙に、黄川人はその乳房に吸い付いたのだ。
天界に昇った際に元の外見まで自力で成長した期間も含め、彼が赤子でいた時期は常人よりも相当長い。
故に胸先から乳を指先から血を吸った経験も自慢ではないが豊富であり、手で愛撫するより効果があると考えての行動。
こう言えば氷奈莉は話し方以外に可愛げの無い口を利いてくると予想した上で、隙を突いて実行に移した。思った通り、反応が大きい。
――それが出来たと言う事は、即ち黄川人が氷奈莉の思考を理解出来るようになってきている事を意味する。
自覚をすれば、忌々しい事実なのだろうが。
「あ、ぅ……んっ、でないよ……?おっぱい…」
知ってるよ。
声に出さずに胸の内で答えて、口の中で胸を弄くる。
舌先で乳輪を強く押し、乳首を吸いながら擽るように舐め、ちゅっちゅっと小刻みに啄む。
「ふぁ、あ、うっ!や、ぁ、あぁっ……くぅんっ、ぅあっ」
破りそうな勢いでぎゅうと布団を掴み、氷奈莉は意外な程分かりやすく乱れていた。
初めて男―この場合は黄川人本人である―に触れられた処だからか、どうやら胸が比較的弱いようだ。
思い起こせば、確かにあの時からそこに与えられる感覚への反応は早かった。
数ヶ月越しに漸く氷奈莉の弱点を見出だせて気分が良くなり、元来嗜虐的な性格の黄川人の責めは激しさを増していく。
わざと音を立てて乳首を強く吸い、口を離せば乳肉に噛みつくように舐め上げてやる。
乳輪を執拗に舌でなぞり、何度も何度も両の乳房を口だけで嬲りに嬲る。
「ん……ん、くぅぅ……っ、はぁ、っあ」
耳に届く啜り泣くような喘ぎ声が、心地よく感じられた。
その時氷奈莉が赤い髪へ手を伸ばそうとしていたが、触れる寸前に躊躇うようにぱたりと下げてしまった為気付かれる事はなく。
あの時淫核に会心の一撃を喰らわせてやったように、黄川人は含んだ乳首にかりっとあくまで軽く歯を立てた。
「ひぁっ、ぁ、んぁあぁあぁっ!」
絶頂の瞬間は、そのまま絶命の瞬間に似ている。
一度びぐんと大きく跳ねて、氷奈莉の身体が力なく仰向けに倒れ込んだ。

87 :
勝った。
意外と子供じみた思考だが、この瞬間確かに黄川人はそう思っていた。
相互に性器を弄り合っていたあの時とは違い、完全に一方的に責め立てた上で相手が絶頂する。
それが命の取り合いでも口先でも勝てたとは言いにくい相手なので、尚更勝ち誇る思いで意地の悪い笑みが出てきた。
さて、彼奴はどんな顔をしているだろうか。主導権を完全に奪われて悔しがっているか、はたまた屈服を感じているか。
ある意味わくわくした気分で、顔を上げて氷奈莉の顔を覗き込む。
「……びっくりした。むねだけされても…いくんだ……」
瞬間、息が止まった。
目の前の顔は悔しそうでも屈服もしていなかったが、驚いたらしくぱちぱちと瞬きをしている。
その際、数秒の僅かな間だけいつも眠そうに半分閉じていた緑の両目が『ぱっちりと』開いた。
髪の手入れもロクにしなければ上等な着物も身に着けず、常に半目でぼんやりして子供のような口調で妙に心の隙を突いた物言いをする生意気な変人。
そんな先入観がずっと在り続けていたから、文字通り神憑り的な頭を持つ黄川人もこんな切っ掛けがあるまで全く気付かなかった。
この娘は、あまりにも可憐で美しい。それこそ、目が釘付けになるどころか凍りついてしまう程。
冷静になってみれば、氷奈莉はあの天界一の美丈夫と謳われた男神の実の娘なのだ。その上彼の神の称号通り、本来なら『姫』を名乗るべき血筋の生まれにある。
真面目に身嗜みを整えて少し着飾れば、それこそ何処かの高貴な姫君にしか見えなくなるだろう。
天界屈指の美貌で男神らの熱烈な支持を受ける真名姫にも、決して引けを取らない筈だ。
「君さ…いつもそうやってちゃんと目、開けてる事は出来ないの?」
「えー、やだ。めだまがさける」
そう言って、またジトっとした目付きに戻ってしまう。
そんなだから、二度も肌を重ねている相手に気付かれるのさえ偶然だったんだ。
そう思うと一瞬でも心を奪われて損をした気分になり、やけに悔しくなった。
悔しさついでに、黄川人は一つ悪戯を思いつく。本気で驚けば目を開けるなら、もう一度驚かせてやる。目玉が裂けようが知った事か。
しかし、心臓のすぐ側を貫かれた時さえ平然としていた氷奈莉は何をすればそんなに驚くのか。
ほんの少しだけ考えて、彼は朱点童子としても朱星ノ皇子としても黄川人自身としてもやりそうにない事をしてみた。
「――――え」
氷奈莉の目がまたぱっちりと開く。それも、さっきよりもっと近くにその顔がある。
何しろ、何の前振りもなく口を吸ってやったのだから。
何でもないような軽いものではあったが、驚いたようだから成功だ。
奇妙な満足感に浸っていると、氷奈莉の様子がおかしい事に気付く。
常にこちらを見ていた緑の視線が逸れて、俯いている。透けるような肌は耳まで赤い。
「き、つと…なんで、したの……?くちすいって、……なひとにするんだって、あたし、きいた、のに……」
震える声でそう言われた時、黄川人の脳裏に一つの仮説が浮かんだ。
氷奈莉の思考が常人のそれとずれている事は、嫌と言う程分かる。なら、恥じらいの感じ方も違うのではないか。
例えば肌を晒してまぐわう事より、軽い口吸いをされた事に照れてしまうような。
そして、あの時から身体だけでなく心も僅かに変化していたら――例えば男をまともに意識して、途端にしおらしくなるような。
「あたしはいいけど……きつとは、そういうのじゃないって、わかってたし……だから、やったらだめだって……」
傍目から見ればこれまでもっと恥ずかしい状況になっていたにも関わらず、その時とは別人かと思うような弱弱しさで赤い頬を押さえている。
本当に、不覚だった。朱点童子としても朱星ノ皇子としても、当然黄川人自身としても生涯最高に近い程の失態だ。
何しろ、例え少しでも。忌々しいが本当に。
そんな氷奈莉が、可愛らしいと思ってしまったのだから。

88 :
「…馬鹿だねぇ、こんなの何の他意もないに決まってるじゃないか。君の驚いた顔を見たかっただけで」
「そーだろうけど……こじんてきにはずかしいから、やだ……」
仇敵相手に好奇心で性交を求めてきた娘にも、こんな感情があったのか。いや、この数ヶ月で育ったのかと言うべきか。
もしかしなくても氷奈莉のこうした面を晒け出せたのは自分のみに違いないと思うと、不思議と優越感からくる笑みが湧いて仕方がない。
そうしている内に落ち着いたようで、氷奈莉がまた半目で黄川人の顔を見上げてきた。
「きつとがとくいげなかおしてるとみててうっとーしいから、あたしもなんかやっていい?」
「いくら仮でも、夫に対する口の利き方じゃないと思うんだけどね…で、何をしようって言うんだい」
「くるまえにともだちからならってきたしんおーぎ!やってみたいからぬいで、ちょっとたって」
殆どいつもの様子に戻ったその口振りがやけに嬉しそうで、同時に断っても無駄になる気配がありありとする。
それも分かっていたので、黄川人はあっさりと指を鳴らして着物を消し宙に腰掛ける形で浮いてやった。
「ちゃんと、よだれたらさないといたいから…」
たらり、と氷奈莉が胸のそう深くはない谷間に唾液を垂らす。
それから手で双丘を目一杯開き、押し付けるように目の前の雄を挟んだ。
既にそちらの準備も出来ている。あれだけ自分によって悦び恥じらう女の様を見せつけられれば、興奮しない男などいないというものだ。
「もみじあわせ、っていうんだって。やったらきゃくがよろこぶってはちまんがいってた」
唾液に濡れた両の乳肉が、ぬるぬると擦りついてくる。
挟めるか挟めないかぎりぎりの大きさの胸を手で動かしているので、度々乳首がちりちりぶつかってきた。
すっぽり性器を胸の中に収められるとは行かなかったので、氷奈莉は少し不満げな表情をする。
「ん…むねがおおきくなるのろいとか、ない?」
「無いよ、そんなもん」
とは言え、この感触は確かに性感を男に与えてくるものだ。
している方も弱い乳首が何度も擦れるので、落ち着いた頬を薄く染め直して前髪を震わせる。
「ちゃんとみててね……んむっ、ふ」
上目遣いで見つめつつ、氷奈莉は舌を出して双丘の間から頭を出すモノをちろちろと舐め始めた。
柔らかい乳肉の感触に、小刻みに動く舌の刺激が加わる。
更に紅葉合わせには、ほんの少し視線を下にやれば奉仕する様がありありと見える視覚的な効果まであるのだ。
平静を装えども、黄川人の欲望は確実に高まっていた。
「ん、く……っは、ぁ……ふぅ、んっ……きもち、いい?」
『水』の男神の血を引くだけの事はあり、『風』の気質が強すぎる心の中のどこかにも献身的な部分があったのか。
コツを掴んできたらしく、舌と双丘を自分と相手双方が悦くなるように懸命に動かしていく。
その緑色の目は、やはり嬉しそうにぴかぴかと光っていた。
頭を舌で、竿を柔らかな肉と固い尖りで。
聞きかじりの知識だけで行っているが故に稚拙だが、それには確かに何かしらの心が籠っていて。
「――口、離しなよ」
「?…………あ」
ぼそりと言われた言葉に素直に従い顔を上げた氷奈莉の胸の中で、白濁が爆ぜる。飛沫が少し、顔にもかかった。
「うー…やっぱまずそう。かみさまなんだから、もっとあまいのとかでないの?」
「出る訳ないだろ。君は神を何だと思ってるんだよ、ただの肉体を棄てた古代のタワケ者だぜ」
「そのタワケもののおかげでわるいことしてもボンボンせーかつできてるんだから、ちょっとくらいかんしゃしなきゃだめだよ」
ぐしぐしと顔を擦って軽口を交わしながら、にちゅにちゅと精液と体液で濡れた柔肉で雄を少し撫でる。若き最強の鬼兼男神の分身は、まだまだこの程度ではといった様子だった。
それを肌で感じて、氷奈莉がどこか慈しむように微笑み持ち主へと囁きかける。
「こだね、まだでるよね。こんどはちゃんと、なかにだしてくれる?」

89 :
天界は変化を拒絶したすこぶる退屈な世界だが、申し訳程度の昼夜なら存在している。
徐々に暗くなっていた朱い閨がそろそろ灯りなしでは目の前さえも見えなくなってきた事で、閨の主は夜が来たのだと気付いた。
ちょいと指を動かすと、枕元に置かれた行灯がひとりでに点る。
いつもならばこれに照らされるのは、ただ豪華な寝床があるだけの天界そのもの同様欠伸も出ない程退屈な光景。
しかし、この夜だけはそれと違う存在を橙色の灯りが照らし出していた。
「おとーさんのうちにもあったよ、かってにつくあかり。かみさまはみんなもってるのかな」
赤みの乗った白い裸身。布団の上で無造作に流れる縹色の髪。そして、眠そうに細められた緑色の瞳。
あの時日の下と草の上で見たそれよりも尚、これから行われる契りを待つ氷奈莉の身体には色めいた美しさがあった。
「一度裂かれてるんだ、あまり面倒をかけないように頼むよ」
「ん、だいじょうぶ」
あくまで素っ気ない相手の言葉を寧ろ楽しげに受け取り、弓のタコがついた細い指を下肢へと伸ばす。
「……もう、じゅうぶんだとおもうし」
ぬちゃり、と卑猥な水音を立ててその指が閉じている秘所を開いた。薄い色ながら赤く充血したそこは、既に瑞々しく蜜を垂らしている。
一度絶頂した上で、更に性的に昂ったのだ。布団もいくらか濡らした事だろう。
「ああ、…話が早くて助かるよ」
軽口の調子が一瞬乱れたのは、決して偶然ではあるまい。
とすり、と黄川人が氷奈莉に覆い被さる。
「挿れるよ」
性器同士をくっ付けながら短くそう言ってやったのはどうしてか、彼自身も考えていなかった。
「うん。ちゃんと、ぜんぶ…………っ!」
十二分に濡れているとは言え、まだ一度しか受け入れていない雄の再度の来訪はそうすんなりと許されない。
「ふ……はぁっ、ぁ」
狭いままの胎内が主へ静かな痛覚をもたらす。それでも、侵入は止まらずに進む。
雄が膣壁に絶え間なくきつく絞られる。目的上いつ射精してしまっても構わないが、こんな早い内からそうなると男として矜持に関わる。
最奥に到達した処で、きゅっと仰向けの乳首を捻れば「はぅっ」と小さく呻かれた。
「いいよ、さわって……まかせるから、うごいて、えぐって、いっぱいおくに…!」
そのまま無言で始まった愛撫混じりの抽送に、荒く息を吐きながら氷奈莉は精一杯答えた。
まだまだぎこちない動きながらも腰を震わせ、収縮する膣壁を胎内の雄へ擦り付けようとする。
その手が黄川人の肩にかかる事はなく、頭の横に置かれた彼の手の側で迷うように小さく動いていた。
「どうしたのさ…あの時は特に躊躇もなく、ボクの肩を掴んでたんじゃなかったっけ?」
「ん……はっ、ぅ、なんか……いまは、きつとがやだかなっておもったら、やりたく……くぅ」
胸を鷲掴みにされながら問われて、氷奈莉は目を更に細めながらふるふると首を振る。
それ以上は、やがて精液を胎内に吐き出されるまで何も答えなかった。
それが何故か気に入らなくて、白く濁った先走りを引く雄を引き抜いて強引に抱き起こす。
「仕切り直しだ。君にいきなり遠慮されると気持ち悪いんだよ、乗る興も乗りやしない。任せなくていいから、君のやりたいようにやりな」
「ん……じゃあ、さ」
ぎゅーって、していい?
殆ど声にならない声でそう言って、氷奈莉がふわりと黄川人に抱き着いてきた。

90 :
「ふーふせーかつのよしあしは、ななわりがふとんのうえできまるってとくさがいってた」
「馬鹿馬鹿しいよ。ただの口約束だってのに」
「やくそくはやくそくじゃん?」
ぬる、と蜜の湧く膣が雄に絡み付く。汗の珠が浮いた呪いの珠の貼りつく額を、氷奈莉は目と鼻の先にある肩にぴたりと押し付けた。
舌っ足らずで間延びした話し方に子供のような口調が相俟って分かりにくいが、彼女は精神的にも子供である訳ではない。
でなければ、顔を上げて薄く笑ってみせた時の艶っぽさは出せるものではないだろう。
一度気付けば、氷奈莉のそんな一面が次々と掴めてくる。その事実がまた忌々しくなり、黄川人は軽く眉間に皺を寄せた。
「生意気なんだよ、君は」
「あくっ……!」
胸の傷痕から首筋にかけてぞろりと舐め上げ、細い腰を掴み無理矢理動かす。
そんな風にされても身を引くどころか、寧ろもっと応えたいとばかりに余計身体と身体の隙間を無くすように寄ってきた。
それに合わせて雄を包み込む膣壁が動き淫核が肌に擦れ、互いの性感をもっともっとと煽り立てる。
閨に入る前は幼げのあった顔は、いつしか完全に『女』のそれへとなっていた。
「はぁ、んんっ……やらなくても、あたしがうごくよ。だからこのまま、つかまらせて」
控え目な動きで首に手を回しながら、躊躇わずに氷奈莉は動いてくる。激しく淫靡な水音が立つと、満足げな色を金と交差する緑の視線に交えた。
「――ちッ」
不意に、ばさりと閨に羽音が響く。消されていた黄川人の、朱星ノ皇子の翼が再びその背から展開されたのだ。
「…掴まりたいなら、好きにしなよ」
「っん、ひぅっ……そうする、ふくぅっ!」
どこか頼りないとさえ感じる力で、大きな翼にきゅうと掴まる。
その手から伝わる熱に突き動かされるかのように、朱星ノ皇子は氷奈莉の胸元を食みながら最大の勢いで雄を突き挿れた。
「あ、ぁ、――っくぅ、はぁあぁっ!」
翼にしがみついたまま、氷奈莉がその腕の中で弓なりに身体を反らし喉の奥から絶頂の嬌声を上げる。
同時に胎内全体が目一杯収縮し、中にいる雄を道連れにするようにぎゅっと搾った。
「っ……!」
一度か二度程瞬きする間に、叩きつけんばかりの勢いで精液が最奥へ出される。二人の絶頂は、殆ど同調していた。
「っふ、ぅ…………はぁ、ん…………」
どくどくという子種の感触を一滴分も逃すまいとするように、やがて母親となる娘は弱く身体を震わせながら目を閉じる。
「これで、にかいめ…もっとだしたら、なんにんもこどもできるかな」
「普通は二人までだったと思うけど。と言うか、出しただけ出来るってもんじゃないだろ」
「ん、じゃあそれでもいい。もっとしたいのはあたしだから――きつと、またさいごまであたしのやりたいことさせてくれる?」
小首を傾げながら懇願してくる目を見るほどに、原因不明の心の昂りが止まらない。
まだ足りないのはこちらの方だと言わんばかりに、氷奈莉の胎内で射精したばかりの雄が質量を取り戻していった。
「忌々しいけど、ここまで付き合っちゃったのは事実だしね。……気が済むまでしてあげるよ、だから君もボクの気が済むまでついて来な」
繋がったままで律動を再開すると、また翼にきゅっと絶頂の瞬間抜けた力が籠る。
途中からはどちらが求めていたのかも分からないまま、その後口約束の夫婦は何度も何度も情欲を交わし合った。

91 :
今は真夜中か、それとももう明け方か。
散々続いた情交は、流石に疲れ果てたらしい氷奈莉が眠ってしまった事でひとまずの終わりを告げた。
朱星ノ皇子もまたし合いとは別の方向で体力が消費される行為に疲労していたので、少しばかりの間眠りに就いている。
ぐしゃぐしゃになった最上質の布団。当然一組しか閨にはなく、枕は当たり前のように二つあった。
と言う訳で、必然的に隣り合って眠る形になる。
邪魔になる翼を消して黄川人に戻った彼が、ちろりと目を開けて傍らを見やった。
「……………ふすー………」
小さな寝息を立てて、氷奈莉はやけに落ち着いてぐっすり眠っている。
性交の最中に寝てしまったので、様々な体液で身体中をどろどろにしたまま何かを着るどころか湯浴みもしていない。
横で寝てるのは仇敵だってのに、図太いんだか何も考えてないんだか。
そんな事を考えながら、暫く寝顔を観察していた。
瞼が閉じて目付きが隠れている分、起きている時より隠れた美貌が分かりやすいかもしれない。
「…思いっきり涎垂らして寝てなきゃねェ」
人んちの布団なんだからさ、と一人ごちる。
とりあえず、ここまで熟睡しているならもう暫くは目覚めないだろう。
なら先に湯浴みをするか、と黄川人が体を動かした瞬間。
「……き、つと……」
うっすらと目を開けて、布団の中で氷奈莉の指が隣の手を掴んできた。
それから小さな、小さな声を唇の隙間から洩れさせる。
「……………………いかないで」
この至近距離でなければ聞こえないような声で囁き、また目を閉じて寝息を立て始めた。
手を掴む指は、持ち前の握力を発揮するどころか添えているだけのような感触しかしない。
それなのに、何故かどうにもこれ以上起こしかけた体が動かない。
もう何度目か数えるのも面倒になった溜息を、聞いていないだろう相手に当てつけがましく吐いてやる。
「――言われなくても、どこにも行く用事なんかありゃしないよ」
言い訳のような口調で呟いて、黄川人はまた布団の中へ潜っていった。

92 :
交神の儀は一度でも行為を行えば果たされた事になるのだが、希望するなら一月の間は天界に滞在していてもいい事にされている。
当然氷奈莉があれだけで地上に帰ろうとする筈もなく、朱星ノ皇子は半人半神生で最も長い一カ月を過ごす羽目になった。
何しろ、一か月のおよそ半分を持ち前の放浪癖を遺憾なく発揮して失踪を繰り返す氷奈莉を捕まえるのに費やされたのだ。
生まれて一月父と共に過ごしただけでは、彼女の旺盛すぎる好奇心は全く満足していなかったらしい。
一度呪を込めた髪の毛で雁字搦めに縛りつけた上で地獄巡りばりの罠を張り巡らせた神殿の奥に放置してみたが、全身ぼろぼろになってまで脱走された辺りで遊ばれていると思わざるを得なかった。
かと思えば、ふらりと戻ってきて何かと付き纏って最上位術と弓の奥義が飛び交う軽い喧嘩に発展したり交わりを求めたりしてくる。
一度氷奈莉の父親の下へ直接出向いて文句を言ってみたが、「あの子がそんなに楽しんでいるとは、余程懐かれているのじゃろうな」の一言で済まされた。
天界に昇ってからずっと退屈で仕方がない生活をさせられていた彼だが、この時ばかりは退屈だと思う暇もなく。
恐ろしく長かったはずなのに過ぎてみると短く感じられた嵐のような一月が経ち、やっと氷奈莉の地上へ帰る日が訪れた。
「ああ、これで随分ここも静かになるよ。何しろ大好きな君がようやく帰ってしまうんだからねぇ、嘘なもんか」
「きつとはうそつかないもんね、じじつをすごくしゅかんてきないいかたでおしえてごかいをさそうだけで」
この程度の皮肉の応酬もすっかり日常茶飯事だ。
しかしそれもこれで終わりかと思うと、突発的に少し揺さぶりをかけてみたい衝動に襲われる。
「一つ聞こうか。例の呪いをかけたのは、ボクじゃない…そう言ったらどうする?」
そう問いかけてから、わざと額の珠に目をやった。
それでもやはり、氷奈莉はいつものようにジトっとした眠そうな目つきを変えないままで暢気に「んー」などと呟き。
「ふつーにかんがえられることだとおもうよ。あたしたちがきつとよりてんかいにはむかおうとおもってもできないように、かみさまのがわにつくしかないじょうきょうにおいこむのはこーりつてきなてだし」
「…そこまで考えられるのに、何で君は常識的な思考には頭が回らないかねェ」
「だけど、いまきつとはどうする?っていっただけでそうだっていわなかったからじゅっちゅーはっくいつものやりくちだよね。だんなのいうことはさんわりまでしかまにうけるなって、ともだちもいってた」
「旦那ねぇ、それも今日までだってのは分かってるだろ」
「うん、てんかいにいるあいだっていったからね。ちゃんとげんしつもとったし、おごうおかーさんとおこんおかーさんにいいっていってもらってきたからそとぼりもちゃんとうめれたよ」
どうも、失踪を繰り返していたのは『黄川人』の関係者一同への接触も目的だったらしい。
思考はある程度理解出来るようになっても、結局氷奈莉がどこまで考えて行動しているのかは把握し切れずじまいだった。
「あ、おとーさんはさいしょからさんせいしてたからだいじょうぶ。こうしんするってみんなにいうまえななひかりのみたまできいたら、すごくよろこんでたし」
「前から思ってたけど、実はあの神(ひと)馬鹿なんじゃないのかってちょっと思うよ」
ここにはいない養父に毒づきつつ、ジトっとした視線で見つめ返してやる。

93 :
「とにかく、これで最後だ。せいぜい母になる喜びと苦しみ、味わうといいサ。曲がりなりにも君とボクの子だ、どこまで強くなるか楽しみだね」
「いわれなくてもわかってるよ。きつともおとーさんになるよろこびとくるしみ、ちゃんとあじわってね。おかーさんたちやおとーさんにおしつけていくじほーきしたり、ぎゃくたいしたらだめだよ」
「君さ、ボクの事信用してるのか全く信用してないのかどっちなの」
「しんようしたうえでやりかねないとおもってる。…あ、そうだ。あやうくわすれるとこだった」
全部本気で言っているのだからタチが悪い。しかしこの時、朱星ノ皇子は瞬時に見抜いたその眼に一匙ほどの敬意を示してやりたくなった。
「じゃあ、ここからは本当の事を言ってあげるよ。ボクが一度んだ時点で、呪いそのものは解く事が出来るようになっている。未だに解けないのは、君達が連綿と紡いできた『朱点童子』への怨念が子孫の魂までもを縛っているからだ」
呪われた一族を鍵のかかった部屋に閉じ込められている者とすれば、今生きている者達は鍵の開いた扉の前で拘束されて動けない状態にある。
呪いをかけた本人の口からこの仕組みを説明されたのは、地上にも天界にも氷奈莉一人しかいない。
「一人目の朱点童子である姉さんが君達の相手をしているのは、その怨念を受け止めて浄化しようとしているからだよ。先祖代々の怨念を捨てて水に流せば呪いは解ける。まッ……そんな事で君達が抱くボクと姉さんへの恨み辛みが晴れるなんて、ボクは思っちゃいないけどね」
自嘲的とも取れるような仕方、二人目の朱点童子は三人目の朱点童子の遠い子孫へ笑ってみせた。
「あたしはべつに、さいしょからのろいもしゅてんもどうでもいいなっておもってたけど。でもみんなはそうじゃないから……んー、とりあえずこどもみんながいきてるあいだにやれるようにうごかないと」
眠そうな目によく見なければ決して分からない思慮深さを覗かせて、唐突に思い出したように氷奈莉は懐から一枚の紙を出して朱星ノ皇子に渡してくる。あまり上手くはない字で、何かがしたためられていた。
「なまえ、かんがえといたたから。おんなのこだったらきなこで、おとこのこだったらきつね」
「…勉強すると吐き気がするから、漢字は苦手なんじゃなかったのかい」
「それもおかーさんになるよろこびとくるしみでしょ?…おごうおかーさんにちゃんときいてきたの。へんななまえっていって、ごめんね?」
ひどく珍しくバツの悪そうな表情を見せて、くるりと『古弓あさひ』を背負った背を向けてしまう。
「ちゃんとくるしんで、よろこんで、おかーさんになるから。だから――またね」
その一言を残し、ひゅんと風を切って母となる姿が消えた。
一瞬だけ振り返り、父となる相手にあの一番の笑顔を見せてから。

94 :
屋敷に戻ってからの氷奈莉は、明らかにそれまでより変化していた。
何しろ金を持ち出して何処かに行く事もなく、それまで完全に感覚で全てを賄い手を付けようともしなかった巻物や指南書に記される基礎を猛烈な勢いで学びだしたのだから家の誰もが驚いた。
あまつさえ執事の娘に家事まで習い出し、「氷奈莉様、何か悪い物でも拾って食べたンじゃないでしょうね…?」と困惑までさせて。
理由を聞かれれば「しゅてんにくるしみをあじわえっていわれてきたからくるしんでがまんしてる」の一点張りなので、性格が反転する呪いでもかけられてきたのではないかと思われた程だ。
討伐に出てもそうだ。それまでは一つ一つの戦いごとに命を投げ出しているかのような無謀なやり方ばかりしていたのが、意識して自分の命を守っていたのだから。
そうして家の者達の目を丸くしたまま一月を過ごし、氷奈莉の下に二人の子供が連れられてきた。
姉と弟の男女の双子。何の迷いもなく母は子供たちの名を皆に告げる。
女の子は、桔奈子(きなこ)。
男の子は、桔音(きつね)。
キツは桔の花。五つの花弁が開く桔梗。
その由来は家の者達にさえ教えられる事はなかったが、聞かれるたびに氷奈莉は笑って「ないしょ」と答えた。
まだまだ戦場に赴く事の出来る歳である母が討伐を断固拒否してまで行った二カ月に渡る特訓により、双子の姉弟は将来を否が応にも期待させる強さで初陣を飾る事になる。
その間の氷奈莉は訓練こそ実戦ばりに容赦をしなかったが、それが終われば三人で遊びに行ったり手習いをしたりととてもよく可愛がっていた。
少なくとも、代わりに討伐に出た家の者達が見れば事前にされた「すんでの処で暗に失敗し、敢え無く朱点に好きにされてしまった」という説明を間違いなく疑っていただろうくらいには。
母の弓技を継いだ桔奈子と槍使いになった桔音の加わった討伐隊は、二人の叔母に当たる最高神との戦いを通じての連綿と繋がった呪いの鎖の禊をどんどんと進めていって。
ついには見事全てを水に流し、呪われし一族を呪いから解放したのだと風の噂に伝わっている。

ところで。
その噂が風に乗るほんの少し前の事、当時まだ呪われていた一族から一柱の新たなる氏神が天界に昇っていた。
彼の女神は一族の擁する氏神の中で最も強く、最も何をするか予測出来ないと謳われる事になる。
彼女が天界でまず何をしたのかと言うと、与えられた社を突っ撥ねてとある男神の神殿に棲みついてしまったのだという。
それからその神殿には時折雷が落ち、時折半壊にまで至り周りの神には何が起きているのかと訝しまれはしたが。
程なくして、「あの夫婦にはこの天界においてすら暇だと思う暇さえあるまい」と笑い話の種になったのだそうな。

これにて完結
笑うなよ…俺、今度はエロい幼な妻といちゃいちゃ子作りできるように生まれ変わろうと思うんだ…

95 :
>>80-94
GJ! 寒い中全裸で正座して待ってたかいがあった!
うん、なんというかアレだ。「やったねきつとくん、かぞく(苦労の種)がふえるよ!」(マテ
何はともあれ、投下乙でした。次回の作品もまた全裸で正座待機してます(ェ

PS:七光りの御玉をそんな風に使う人って、あとにも先にもひなりんくらいだと思うw
しかもそれで普通に出て来る皇子も凄い親バカw

96 :
>>94
きなこ・きつねで適当な名前つけやがってwと思ったら最後でやられた
いい話でした。幼妻といちゃいちゃ出来るといいな!

97 :
GJ!

98 :
>>81
ひなりたん破天荒でかわゆすなぁ 黄川人翻弄されまくりや
それにしても双子たんの名前に泣いちまっただろ!!!GJ
親バカ皇子を想像してほほえま〜

99 :
>>64-76の続き置いてきます
・エロは最初と最後だけ
・汚い描写あり。ゲロとか
・一族娘や捨丸の性格がアレな感じですが、それも世界の選択です。

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