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2012年09月エロパロ711: とんがりボウシと魔法の365にちエロパロスレ (291)
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男主人・女従者の主従エロ小説 第五章 (374)
とんがりボウシと魔法の365にちエロパロスレ
- 1 :2009/11/12 〜 最終レス :2012/07/14
- とんがりボウシと魔法の365にちのスレです。
需要はあるはず
- 2 :
- 2
- 3 :
- エルメスと魔法の
- 4 :
- 1の説明、テツ風にしたかったけど思いつかなかったよ…
ssも絵も投下は大歓迎です
- 5 :
- ついに建ったかw
- 6 :
- プリンス「ワタクシのバッカルコーン(触手)が抑えられないのであるぅ…!」
女子達「きゃあああ〜」
やっぱりロットンとか人気のあるキャラの方が需要あるのかな
てゆーか動物エロって需要あるのかなw
- 7 :
- >>6
バッカルコーンw
プリンスってクリオネなんだよね
なんかぷにぷにしてそうでイイ
ぶつ森もあるのだから需要はあるよ!たぶん
本スレ(?)止まってるんだけどね
- 8 :
- ぶつ森みてみたらちょっとだけこの板話題になっててワロタ
作品投下して頂けるようだし期待
とんがりキャラは絡み合うエロよりセクハラしたくなるんだよな…下半身しまえてなかったり
エロイ人が聞いたら驚く台詞もあるし
- 9 :
- 誰かが絵板を立ててくれればもっと人が来るはず
俺には絵板を立てるほどの知識はないので誰かお願いします
- 10 :
- 絵版、調べて近いうちに立ててみる
ぶつ森スレにここ貼ってくれた人d!
- 11 :
- あとは新作ゲームでも出てくれれば、いいんだけど。
ゲーム発売からちょうど1年でスレがたったのも奇遇だね。
- 12 :
- たのしむブックVOL1ならクラスメート&住人キャラ詳細に載ってる?
資料になるの欲しい
- 13 :
- 誰にでも変身できるドッペルゲンガーを飼いならしたら生きたダッチワイフ造りまくりだよな
…昼間からなんて妄想してるんだろうorz
- 14 :
- >>1
スレ立て乙!とんがりのスレ欲しかったからすごくうれしい、ありがとう
ここの人達はどんな種類のクラスメートが好き?
動物系?植物系?無機物系?それともニンゲン(プレイヤー)萌え?
- 15 :
- スイーツ系は無いのか…
- 16 :
- 自分はニンゲン(プレイヤー)萌えですね。
主人公の女の子のキャラかわいいし。
クラスメートにも好きなキャラはいるけどね。
- 17 :
- 今女主人公のエロ書いているんだが、
エロパロどころかSSすら書いた事無いからものすごく苦戦してる…日本語に。
休みの日になんとか仕上げられればいいけど時間かかりそう…
愚痴ってスマン。投下できたらそのときはよろしくお願いします
- 18 :
- 実はこのゲームに興味はあるんだけど、プレイしたことは無いのだが・・・
同級生のイジメか はたまた、おかしな教師に気に入られたかは定かじゃないが
愛用のホウキを、バイブ付きのホウキにすり返られてしまい
それで試験を受けねばならなくなった女生徒(主人公でもサブキャラでも可)
・・・という妄想をしてみた。
- 19 :
- >>17
正座して待ってる
>>18
それを早くssにするんだ
プップの口癖がかわいすぎる
ペアリングの「いっしょにいると、なんだかうれしい」うんぬん言ったときは、かわいい…って口にだしてた
絵板もう少し待ってね
- 20 :
- >>12じゃないけど、たのしむブックは買いなのかな?
クラスメイト全員見たいけど、ゲーム内で初めて見たいって気もするし悩む…
- 21 :
- ××と○○がもりのなかで…
…最後までイった…それがどーのこーのって
そんな話が広まってんだ
××と○○たち
つ ついにさいごまでいったって…
噂になってるんだけど本当だね?
で、どこに突いたんだ?
ありきたりだがこれはツボ
一部脳内変換してるけど
- 22 :
- >>20
ボリューム1の方買いましたが、キャラの公式絵で魅力を再確認したw
ところで自分>>17ですが…
なんとか書き終わりました。
初めてSS書いたからグダグダだし、至らないところだらけだと思うんですが…
投下しておk?
しかも需要が少なそうなテツ×女主人公なんですが、おk?
- 23 :
- おk
何も問題ない
- 24 :
- おkおk、期待してる!
- 25 :
- どうもです。それでは投下致しますね。
※テツ×女主人公 まったり
※テツ→ミスキーキー先生の設定は無視。ごめんなさい
※ずっと温めてきた妄想なのでかなり長くなってしまいました。
そのため前半・後半に分けさせて頂きます。前半はゼロエロ
※最後に…ごめんなさいorz
- 26 :
- キララン☆パァァ… ギィ…
【はじまりの扉】の開く音がする。彼女が来たようだ。
学生寮の窓口。
いつもの場所に、今日も座っていた。音のした方、天井へと目をやる。
毎日聞き慣れた足音が後に続いた。それに耳を傾けながら、思う。
俺のところへ一番に来いよ、たまには。
彼女は…あいつは何時だって、扉をくぐれば真っ先に向かうのは温室のある最上階。
…そういえば、温室まで伸びている木の枝が、伸び過ぎているかも知れない。
あいつに文句言われる前に様子を見ておこう。
心の中でそう理由を付け、立ち上がる。
率直に言えば、温室の花園にいる、あいつのもとへ足を運ぶために。
ここ最近、爽やかな秋晴れが続いている。
おかげで一面ガラス張りの温室は、太陽の恩恵をのんびりと受けることが出来ている。
だからだろう、ここの花たちは上機嫌に輝いて見える。
学校の教室より広いこの温室には、噴水や女神像、バラのアーチやバラをアートした
フェンスが並び、そのガーデニンググッズの周りを埋めるように色彩りどりのバラが
咲き誇る。
まるで絵本に出てきそうな庭園のようだった。
「♪〜♪♪〜〜」
一歩入れば、バラの園から聞こえてくるくちぶえ、届く花の香り。
今日も彼女は水をあげていた。
潤んだバラの花は、お礼を言うようにキラキラと輝いてみせる。
「…よお、元気か!?」
おきまりの文句で、彼女に向かって挨拶する。
すると彼女は、水を与えた花のように輝いた笑顔を俺に返してくれる。
- 27 :
- 「テツさん!おはようございま…ぶっ!」
自分のもとへ駆け寄ろうとして、足元に躓き、温室の中心に造られた花がない
一本道で派手に転ぶ。
「寮の中で走るなと何度言ったら分かるんだ」
「…ごめんなさい。かまいたちのしわざかも?」
彼女は起き、顔についた芝を払いながら立ち上がった。
リボンタイつきのブラウスにチェックのスカート。今日は制服をアレンジしたような
服装だ。履いている紺ソックスと革靴が学生っぽい。
「うれしいなぁ。私に会いに来てくれたんですよねっ!」
純粋な笑顔でそんなこと言われたらこっちが恥ずかしい。
「木の枝が伸びてないかちょうど見に来たところだ」
おもわず目を逸らしてそう口走った。我ながらおとな気無いと思う。
彼女はくすくす笑うと、
「お願いします、管理人さん♪」
そう言いながら、花たちの水やりに戻った。
どう頑張っても、俺はこいつらには勝てないと、温室を彩るバラたちを見ながら思った。
***
俺がかつて叶えられなかった夢に、まっすぐ進む彼女。
そんな姿を見ているのが楽しかった。最初はただそれだけだったのに…いつからだろう。
「管理人さんっ釣りを教えてください!」
「釣りって楽しいですよね!でも魚下ろした事なくてー…。え?
三枚下ろしできるんですか!?」
「教えて下さい、テツ先生♪」
「スカイフィッシュ今日の課外授業で捕ったんですよ!焼くと美味しいんですよね!
そういえばダグラス先生って――」
おとな気も無く怒鳴ると定評のあった俺は、以前から子供に恐れられてきた。
なのに、何が楽しいのかあいつは毎日毎日、飽きもせず俺の所に来ては学校や釣り、
虫取りの話をした。ときには釣りと3枚おろしの成果を見せに来ました!と言っては
俺が好きだと言った焼き魚を差し入れしてきたり、お昼や夜ご飯を一緒に食べようと
管理人室兼俺の部屋に上がりこんで来る事もあった。
- 28 :
- 透明人間の魔法を使ってイタズラをして俺の反応を楽しむ事もあった。
怒鳴ってもおどけるか、屈託のない笑顔を返されるだけ。
校則を2度破ったときは本気で怒ったし、あいつも普段からは想像もつかないくらい
落ち込んだが、その晩、いつもより控えめになりながら、自分の分の夕食を持って俺の
所へ来た。俺が一緒に食べようと促したら、ガーデニングの足しになるだろうと彼女にあかいハートの花を渡した時と同じぐらいの笑顔を俺に返してきた。
あいつの無垢な笑顔に。
何事にもひた向きで、無条件で俺を慕ってくれる彼女に。
俺の心は徐々に惹かれていった。
(何考えてるんだ、相手は人間…それも子供だぞ!)
(歳を考えろ俺…)
いつしか俺は、あいつを避けるようになっていた。
そしてあの夜。
彼女に無理矢理手を引かれて、森へと連れていかれた。
いつの間にか生えていた美しい木の下で、彼女にせがまれてくちぶえを吹いた。
すると目の前に、美しいユニコーンが現れた。
そして彼女は、ずっと俺を好いていた事を教えてくれた。
「ぶっきらぼうだけど、本当は優しくて、誰よりも学校の皆の事思ってて。語りつくせないけど、全てひっくるめてあなたの事が好きです!」
…そう言ってくれた。
ユニコーンの魔力にでもかかってたんだろうか。気付いたら、俺は返事の代わりに彼女を
抱きしめていた。
暗くなった森の中で良かった。
ユニコーンは、そんな俺たちを見て、微笑って姿を消した。
そのあとは、お互い一言も話さず寮に帰った。
それから、二人でこれからのことを色々話した――
***
- 29 :
- 「テツさん?何ニヤニヤしてるんですか?」
バラたちのお手入れが終わったようだ。
枝を切っている俺の顔を覗き込むように、彼女が声をかける。
うっかり、思い出にふけってしまったようだ。
「もしかしてエロなこと考えてたんじゃ」
「ば、馬鹿言え!早く学校行かねえと遅れるぞ!」
はーい、行ってきますと彼女が言う。そして、俺をじっと見つめ、頬を染めながら言った。
「…テツさん。行ってきますのキスをしていいですか?」
一瞬だけ間を空けてしまったが、
「早く行けー!!」
イタズラ成功と言わんばかりの笑顔を俺に向け、あいつはお気に入りのポンポン帽子を
被りながら足早に去って行った。
こういう時、もともと赤っぽい顔していて良かったと思う。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
- 30 :
- 長い秋の夜。
空は空気が澄み、いつもより星が多く、より輝いている。
寮の上にぽっかりと浮かぶ銀色の月は、夜の町を静かに照らしていた。
あいつはまだ帰ってこない。…テストも近いからクラスメートと一緒に勉強でも
しているのだろうか。
そう思ったとき、寮のドアが開いた。
入ってきたのは、町へ出ればよく会うあいつのクラスメート。
息を切らし、ただごとじゃない様子だった。
聞けば、あいつが外で倒れている、と言うではないか。
マンドラゴラの根の叫びにやられたらしい。
…あれほどふしぎ時間で歩き回っているもの以外触るなと言ったのに。
気を失っている彼女を背負い、寮まで運ぶ。そのまま俺の部屋に連れて行き、
布団を敷いて彼女を寝かした。
彼女の好きな紅茶の葉を用意していると、後ろで音がする。彼女が目を覚ましたようだ。
「おう…気が付いたか。頭痛くないか?」
彼女は、目を覚ましたらいきなり俺の部屋にいて、しかも俺の布団で寝ていたものだから、わけがわからないという顔をしていた。
俺が一連を説明すると、申し訳なさそうに頭を下げた。
「耳栓すれば大丈夫だと思ったんです…。」
テストでマンドラゴラの生態について出題されるらしく、生きたサンプルとして
捕まえようとしたらしい。…まったく。好奇心旺盛なのはいいが人騒がせな。
「…ところでこれ…テツさんの布団ですか?」
おい、何頬染めてニオイ嗅いでいるんだ…
「ちゃんと洗ったシーツだから臭くねえよ」
「テツさんは今日この布団で寝るんですか…?」
だから頬染めてそれを言うな…
いつもそうやって、俺の反応を楽しむんだ。
でもな。あんまり大人をからかうもんじゃねえぞ。
あいつの好きな紅茶を湯のみに淹れながら、言った。
「お前さ…誘ってんのか?」
- 31 :
- 湯気と香りが立った紅茶をお盆にのせ、運ぼうと振り向くと。
彼女は顔を真っ赤にして、見開いた目を俺に向けてきた。
そのまま、黙って顔と目を俺から逸らし、俯いた。
…なんだよ。いつもみたく笑ってくれよ!
取り残された俺はかなり居心地悪かったが、お茶を運び、彼女も小さく礼を言いながら
受け取った。
何か気まずい雰囲気の中。思わず俺が、お茶に口をつけている彼女に言った。
「…それ飲んだら帰れよ」
言って、お盆を持って彼女から離れようと背を向けると、
「あ、あの!」
彼女が俺を呼び止めた。
「今日は…もう少し…ここに居ていいですか?」
………。
「駄目だ」
予想していなかった言葉に、一瞬間を空けてしまったが。俺は答えた。
すると布団から身を出した彼女は、正座をして言った。
「ごめんなさい…でも、もっと、テツさんとお話ししてたかったから…」
その上目遣いは反則だろ…。
大体こいつは無防備すぎる。
もともとこの町の住人はオープンで、家に鍵をかけず、いつでも他人を招き入れる。
しかしここは男の1人部屋。そんな場所で、好きな女性が、それも布団でもっと
一緒に居たい、なんて言ってきたら…。
彼女のことは本当に大切にしたい。でも、大切な彼女だから…
我慢できなくなる。
「あの…じゃあ」
返答に困っていると、彼女が先に口を開いた。
「今からお茶会しませんか?」
- 32 :
- 前半はここまで。
後半(エロ)は夜に投下します。
では。
- 33 :
- >>17
GJ!!年の差カップルイイヨイイヨー
後半も楽しみにしてます
- 34 :
- ありがとうございます
後半投下しますね
- 35 :
- 「お月様綺麗ですねっ!ちょうどお月見もできますね」
お盆にのせたティータイムセットを運びながら彼女は言った。
バラの香りに包まれた夜の温室は、昼間とは違う不思議な空間だった。
月に照らされたガーデニンググッズが青白く光っている。
ここの温室は、沢山の人も気軽に来れるようにと、ガーデニングテーブルやベンチも
並んでいた。ビーチベッドもあり、太陽が沈んだ夜はここでくつろぐ為に来る
クラスメートも居るぐらいだ。
風景だった緑の広場も、彼女が来てから憩いの場へと変わった。
奥にあるテーブルにセットを置く。そのテーブルの前には、数個のあかいハートの花
が並んでいる。
かがんで、そのうちの1つを見た。そう、この花は…
「かわいいですよね、テツさんがくれたそのお花」
彼女が俺の元へ寄って、しゃがむ。
まだふしぎはなの手に入れ方を知らなかった彼女に、さかなのしょから手に入れた
この花をプレゼントした。…彼女への、初めてのプレゼント。
ガーデニングに夢中になっていた彼女は、すごく喜んで受け取ってくれた。
そのときの彼女の笑顔はまだ脳裏に焼き付いている。
「今日ね、白いスズランを集めに森へ行ったんです。そしたらキレイな花を咲かせた
木があって。あの日の…ユニコーンの事件を解決した日を思い出して…それで」
彼女の顔を見た。月に照らされて、彼女の横顔はいつもと違うように見えた。
――可愛い。いや、いつもの事だが(絶対口にはしないが)
月の光がそうさせているのだろうか…。
桃色の唇が、言葉を紡ぐ。
「私、友達と一緒にいたのに、すごく…すごくテツさんに会いたくなったんだ」
「だから、なんていうか、無性にテツさんと一緒に居たくて。いっぱい話したくて…
だからさっきあんな事言っちゃった」
「マンドラゴラを捕って、すぐにでも帰ろうとしたのに、あんなことになってしまって…
迷惑かける気はなかったのに。毎日私の話し相手なんて疲れますよね…」
- 36 :
- 彼女は不安気な表情で俺の顔を見てきた。
俺は彼女に見とれていたから、彼女と目が合った。
しかしややあって、彼女が目を逸らしてしまう。
「ごめんなさい。…やっぱり今日は帰ります」
「…お前はいつも一方的だな…」
「! ごめんなさい、でも、テツさんも帰れって、さっき言ったから…やっぱり」
言い終わらないうちに。彼女の腕を引っ張り、一緒に立ち上がる。
「ひゃっ…」
無理に立たされたから、驚いた表情を俺に向けた。
「テツさん…?」
ラピスラズリのような双眸が俺を見る。それもまた、月の光を浴び、
僅かに銀色に輝いて…
俺の中で、留め具が音を立てるように外れた。
身体の神経全てが唇に集中する。
熱くて柔らかくて。そして甘い香りがした。
俺にとっては、永い永いキス。…彼女との初めてのキスだった。
ゆっくりと唇を、彼女から離す。
彼女はどこも見て無かったし、何も言わなかった。
ただ、さっきよりも潤ませた瞳を開いたまま。
「…どうして欲しい」
彼女に問う。
「俺と一緒に居たいんだろう。何をしたい?」
彼女はただまっすぐ俺を見据えて。さっきまでお互いを繋げていたそれが、
今度は俺に求めるため言葉を紡いだ。
「一緒にいたいです……」
「それだけでいいのか…?」
「あの時みたく…抱きしめて欲しいですっ…」
そう言って、彼女は抱きついてきた。
俺は、自分の顔の半分しかない小さな頭を優しく撫でた。
「それから…今の…キスももう一回…」
- 37 :
- 恥ずかしいのだろう。小声で、抱きついた俺の胸の中で呟くように言った。
ややあって、彼女を引き離す。彼女の瞳をまっすぐ見て気持ちを確かめた。
「…男にそれを言ったら、…分かってんのか?」
彼女は俺を見つめ返した。月に照らされてもなお桃色に染まっている頬のまま、言う。
「テツさんとなら…大丈夫」
手を引いて、ビーチベッドまで連れて行く。
彼女をそこに座らせ、
「んっ――」
やや無理やり、唇を塞ぐようにして口付けする。
肩を抱き、頭に手を回し、逃げ場が無いようにして。
唇を一回離して、また封じて。数回繰り返す。
唇を離すたび、ぷはっと息をつき、重ねるとまたくっと止める。それが可笑しかった。
そろそろと俺の背中に手を回してくる。…微かに伝わってくる震え。
顔を離し、耳まで真っ赤になった彼女の、頭をひと撫でしてやる。
そのまま彼女を押し倒した。
「…嫌なら抵抗しろよ」
そう囁きながら、彼女の手を握って抑えつける。
相手のよりも倍以上大きい唇を重ね合わせ、僅かに開かせると、他の生き物より倍大きい分、伸縮性に優れた舌を彼女に押し込む。
「んんっ…」
驚いて息を漏らし、少しだけ歯を立てられたが、そのまま口内を撫でまわす。
「んんッ…ふぅ…っ」
足元がもぞっと動く。電撃が走るような、不慣れな感覚に戸惑っているのだろう。
震え、汗ばんだ彼女の手はしっかりと俺の手を握り締める。
「んっ…ちゅぷっ…」
歯ぐきをゆっくりと撫で、逃げ場の無くなった舌と絡ませて。
卑猥な水音が、頭の中に響き渡った。
「…ぷはっ」
名残惜しそうに唾液の糸が繋がったが、すぐに切れたそれは彼女の口元を濡らした。
彼女は恥ずかしそうに俺から目を逸らし、ずっと止めていた呼吸を整えている。
上下に揺れている彼女の胸へと手を伸ばし、リボンタイを緩め、ブラウスのボタンへと
手を掛ける。
- 38 :
- しかし、彼女の手が反射的にそれを制止した。
「初めてか?」
彼女は無言で肯くと、握っている手を緩めた。
…俺の手の震えが彼女に伝わってしまったのだ。
「…優しくする」
初めてを捧げてくれる彼女に、もっと気の利いた事を言えないのだろうか。
手を離してくれよ。震えているなんて、情けない。
こころを読まれたのだろうか。彼女は何も言わず、両手を離した。
ブラウスのボタンを全て開放する。ずっと隠されてきた、柔らかな膨らみが
姿を現す。首すじ、鎖骨、体のラインを、月の光が妖艶に彩る。
彼女のくびれに触れると、
「やっ!」
驚いた様子で体を捩る。ここを触られるのが相当弱いのだろう。
一瞬触れただけなのに、指先に残る彼女の体温。忘れないうちに、再び触れる。
上半身だけ彼女にのしかかり、手の平はへそのまわり、それぞれ5本の指で彼女の
ウエストを往復する。
「やぁ…だめっ…」
鳥肌が立ち、肌の感触が変わる。初めて男に触れられる恐怖と違和感が走った肌は、
反射的に俺の愛撫を拒むのだろう。
胸元、鎖骨、そして首すじへ、鈍く光る体を堪能するようにキスを落としていく。
彼女の熱い体が、荒くなる呼吸が、心音が、全て唇から伝わってくる。
髪からほのかに香る匂いに包まれながら、舌でそっと首すじをなぞる。
「あああぁ…っ」
ベッドが軋んだ。
俺が顔を上げると、目を逸らしたまま口に手を当て胸を上下させている。
自ら出した甘い声に驚いているのだろう。
そんな声を聞いたら、俺だってもう自分を止められない。
手をまわし、胸を守っているそれを外した。意外と簡単にとれてしまった。
そのまま暖まった布を、上にたくし上げる。
- 39 :
- 理想的な形に保たれていた双丘は左右に流れ、誘うように揺れた。
ハートのはなの色をした、蕾のような頂が求めるように上へ向いている。
誘われるまま2つの乳房を握る。
熱を帯びた、柔らかな女性のそれに触れた。
手の中で自在に形を変える。最初のうちはそこも鳥肌が立っていたが、
ゆっくり、ゆっくりと弄ぶと除々に優しい肌触りへと戻る。
柔らかな膨らみを、口に含む。
「あっ…あ…んっ」
僅かに漏らした声が、耳鳴りがするぐらいの静けさを壊した。
尖らせた舌で、硬くなった蕾を転がし、唇全体で、柔らかく甘い香りのそれを堪能する。
食べてしまうように激しく吸い付くと
「やぁあ…んっ」
我慢できず、大きく体を反らせながら嬌声を上げた。
そのまま、彼女の下へと指を滑らせる。
くしゃくしゃになってしまったスカートをたくしあげ、下着のラインを指でなぞる。
腿をつかみ、堅く閉じられた脚を開いた。
その中に自分の体を入れ、閉じられないようにする。
ずっと閉じていてすっかり暖まった内腿を優しく撫で、守られていた脚の間、
体の中心へと片手をあてがった。
「あっ…」
そこだけ、まわりと比べ物にならないぐらい熱い。大切な箇所を守る下着の布は
汗と愛液で湿っていて、肌に吸い付いている。
もともと布地が薄く、見ただけで秘唇の形が分かってしまいそうな程だ。
傷ついてしまわないように、優しく、そのデリケートな部分を撫でる。
「ひあ…あっ…いやっ…」
目を瞑ったまま、片手は口を抑え、もう片手は強くベッドを握りしめて。
無意識に漏れる声は抑えられず、彼女の体は生まれて初めての感覚に身を任せている。
ベッドが軋み、やがて俺達を包んでいたバラのものとは違う香りを鼻が捉える。
脱力した脚をさらに開き、秘所へと顔を近づける。
布越しに伝わる、中の熱、潤い。
濡れて色が変わっている中心、恥丘に近付き、舌を伸ばした。
布越しに、優しく撫で上げる。
- 40 :
- 「ふああああぁっ!!」
彼女の下腹部が、大きくうねった。彼女をみると、ベッドを握り締めていた手は放し、
両手で口を覆っている。
自らの嬌声に、全身を駆ける電流のような刺激に驚いているようだ。
そのまま、自由自在に舌を操り、彼女の核を撫で回した。
「ふぁああっ…いやっ…だめっ…」
「そんなところ…汚いよぉ…あぁっ…」
体は正直な反応を返してくる。何度も下半身は蠢き、あたりには独特の甘い香りが漂う。
唾液と愛液ですっかり濡れた布地を横にずらした。
そこには、彼女の髪と同じ色をした叢に守られている、ピンクのバラがあった。
「見ないで下さいっ…」
彼女の哀願する声が聞こえるが、俺は目の前のそれを見ていた。
すっかり潤い、静かに蠢くそれが、本当に愛しく思えた。
さらに親指で押し広げると、花弁が開き、奥は鮮やかなピンク色をしている。
そこから、こぽり、と蜜が溢れ、脚の付け根を伝っていった。
花弁に優しく口付けすると、柔らかな感触に俺の唇が吸い込まれそうだった。
何度も何度も舌を這わせると、
「だ…だめっ…あああっ」
先ほどよりも激しくベッドを軋ませる。
すっかり弄ばれ、さらなる刺激を求め膨らんだそれを全て含むように、
唇で挟み強く吸い上げる。
「ああああっ…!」
腰を浮かし、腿に力を入れたままガクガク震える。絶頂を迎えたようだ。
愛液と唾液が混ざり、蕩けそうな秘所から口を離すと、下着と汚れてしまった
スカートをそのまま一気に下ろす。
開かれたブラウスと首元に引っかかっている下着、ソックス以外は、生まれたままの姿となった。
自らもベルトを外し、下に纏っているものを下ろす。
男の象徴が、目の前の彼女を欲して存在を誇張するかのようにそそり立つ。
- 41 :
- 彼女の名前を呼び、頭を撫でる。
前戯の刺激が強すぎたのか、目から涙が溢れていた。
ゆっくりとそれを拭ってやると、彼女は安堵の息をついた。
「挿れるぞ。…痛いけど、大丈夫か?」
彼女は、今度は瞳を逸らさなかった。
まっすぐ俺を見て、言う。
「テツさんだから、大丈夫です…き…来てください…っ!」
「…いい子だ」
再び、彼女の頭をひと撫でした。
自分のモノを、彼女の中心にあてがう。そして…
ピンクのバラが、散った。
「ぁああっ!」
彼女が短く悲鳴を上げる。あまりの苦痛で、顔を歪ませている。
まだ尖端しか入っていない。それでも、言葉に言い表せないような感覚が襲う。
彼女の中は熱く、逃がさないように俺を締め付けてくる。
これが少女の、処女の重みなのだろうか。
彼女に、欲望のまま己を奥深く打ち付けてしまいたい。
しかし、理性でそれを食い止める。優しくすると、彼女と約束したから。
「…動かすぞ」
奥まで入れないまま、ゆっくりと出し入れする。淫な音が響き渡る。
「あ、っあ、ぁあ…っ」
それでも、彼女の声は苦しそうだった。それにだいぶ力が入ってしまっている。
緊張を和らげるため、ゆれる乳房を掴み、中心の蕾を撫でる。
「ふぁ、あんっ」
結合部がさらに濡れるのを感じた。きゅうっと締め付けてくる。
自分の額から、汗が伝う。
「ぁ…あ、テツさん…」
俺の名を呼ぶ。初めて、彼女は欲した。
「キス……ください…っ」
- 42 :
- 唇を、口内を貪るように撫でまわす。
「ちゅく、ちゅぷ、ん…ちゅるっ…」
彼女も必に俺の舌と絡ませてくる。気付いたら、俺の首と頭に手をまわしている。
「ちゅ……ぷはっ…ひゃんっ」
口を開放すると、首すじを舌で再びなぞる。
「やんっ…テツさぁ…んっ」
相当弱いのだろう、抵抗するように手をまわす。どうやら、どの愛撫よりも
キスが一番のようだ。再び、ふやけるぐらいのキスを落とす。
もう…限界がきてしまいそうだ。
「奥まで入れるぞ…いいな?」
彼女は黙って肯いた。
深く、彼女に沈みこむ。
「ぅん、ああああっ」
彼女の体を、強く抱きしめた。
最奥に達し、彼女をずっと守ってきた、処女膜を貫いた。
「っ…ああああ!!」
バラが、赤く染まる。彼女は泣き叫び、俺を強く締め付ける。
「……!」
彼女の中から、一気に己を抜いた。
瞬間、俺の白い欲望が解放される。
どくどくと脈打ちながら、彼女の肌を汚していった。
「はぁっ…はぁ…」
激しく息をつきながら、彼女はその様子をじっと見ていた。
彼女が俺の名を呼ぶ。
俺は黙って彼女を抱き寄せた。
「ごめんな。…ありがとう」
…俺を感じてくれて。
「テツさん…私の事…好き?」
…そうか。俺はいつも、言葉が足りなかったんだ。だから不安にさせてしまった。
彼女の耳元で、彼女の名を囁いて。彼女への想いを、嘘の無い飾らない言葉で伝えた。
どのくらいの時が経ったか分からない。俺たちは、そのまま抱き合っていた。
バラの香りが、いつまでも二人を包みこんでいた。
- 43 :
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「テーツさんっ」
「何だ?…おあっ!?」
「可愛いでしょ?遺跡の池で釣れたカエルくん♪」
うららかな秋晴れの午後。
今日も彼女のイタズラに振り回される俺の姿があった。
「…そういえば、白いスズラン集まったのか?」
「スズランはあるんですけど、クラスに1人妖精を信じてない子がいるんですよね…
テツさんは顔に似合わず、妖精を子供の頃から信じていた純粋な人なのに」
「おとな気無くて悪かったな…」
「…言ってないですよ。大人になっても純粋な心はそのままって大切ですよ!
というか、私、妖精さんの姿見えるかなぁ…」
「信じてるんだろ?」
すると彼女が、私、処女じゃないけど大丈夫かな…と呟いた。
思わず吹き出してしまった。
「大丈夫、ふしぎや魔法を信じる純粋な心…それがふしぎ生物の、この町の住人の
糧だから。純粋な心に、それに応えてくれる奴に、大人も子供も…種族も関係ない」
…我ながらすごくアマい事を言ってしまったような。
純粋って感染するものだろうか。
感染元であろう本人は、真剣な眼差しを俺に向けている。
「本当に?」
それが可笑しくて、俺は笑った。
「ああ。だから大丈夫」
「テツさん…ありがとう。それから…もうすぐ12月ですよね。今年のクリスマスツリー、
飾りつけ一緒にしましょうねっ」
「…そろそろ学校行かないと、遅刻するぞ」
「はーいっ…テツさん、行ってきますのキスをしt」
言い終わらないうちに彼女の腕を引っ張り、自らの唇に彼女の額を寄せた。
「…今日だけだからな」
「…行ってきます!」
そして今日も、俺に眩しい笑顔を見せてくれる。彼女は分かっているのだろうか、
輝くような純粋なその笑顔が、俺の心の糧になっているという事を。
今年のツリーの飾りつけは、クリスマスは。
去年よりもずっと、賑やかで楽しくなりそうだ。
- 44 :
- 終わりです。
ありがとうございました。
なんかもうね、青い頃に書いたラブレターを読み返してる気分orz
最後の二人の会話は、妖精さんは処女にしか見えないという話を聞いたので、
話させました。
批判等どんどん受け付けます。今後の参考にしていきたいので。
最後まで拙い文章に付き合ってくれた方、ありがとうございました。
- 45 :
- いいね、GJ
- 46 :
- >>17
大作GJ!>>37のキス描写が異種族姦好きとしてたまらなかった
初々しい女主人公も優しいテツさんもどっちも素敵だなぁ・・・やはり年の差カップルはいいものだ
- 47 :
- >>17
自分も>>37のキス描写がすごいグッときた。異種姦感がたまらん…!
スレの記念すべき第一作目、投下乙でした!!
- 48 :
- GJ…とか…もったいなきお言葉です…
本当、お付き合い頂きありがとうございました!
運のめぐり合わせだけど、1作目として投下させて頂きました。
稚拙な文章に付き合って頂いた方々、この場を用意して頂いた>>1さんに
ただただ感謝です。
また挑戦したいと思ってるので、そのときはまた付き合ってやってくださいな。
- 49 :
- GJ!
ここもっと発展するといいな
- 50 :
- ムスコの形にそっくりのホムンクルスを作り出してしまった主人公
という電波を受信した
だめだこれエロくならずアホアホになってしまう
- 51 :
- いいやん
- 52 :
- だれもいないようなのでホイップかすずかメグに屁こかせてくる
- 53 :
- ロットン引越してキタ〜〜〜
けど取りあえずプリンスで書いてくる
- 54 :
- 絵板はどうしたんだろうか
- 55 :
- ケット・シーに萌える最近
- 56 :
- 恋人のプリンスに、恋人岬でデート中テルミーラブしたら
他の子の名前が…orz
狂った勢いで書きました。
が、女の子が凌辱する上にプリンスがふたなり(クリオネ雌雄同体)
なんだけどこの手のモノも投下して大丈夫?
- 57 :
- ごめんこれじゃ誘い受けだ、反省してる
今新しく書いてるのあるからそれ今度投下します
- 58 :
- >>57
大丈夫だよ
期待してる!
- 59 :
- >55
持ち物めいっぱいで話しかけてみるべし
- 60 :
- ガーゴイルの一人称って何だっけ
- 61 :
- >>60
一人称が「ワタシ」で口癖が「〜であります」とかだった気がする…
しかし、眠気覚ましに毒物を要求してくるあたりドMすぎるんだろw
- 62 :
- キャプテンドット「もう許してくれ…もうルビーを持っていない…」
どうしますか?
許してあげる
海賊旗を奪う
身包み剥がす
→体で払え
- 63 :
- メグがネクタイ付きブラウス着てウロウロしてた…エロい
だってスカートも何も履いてなかったんだもん
- 64 :
- もうすぐクリスマス
- 65 :
- 誰もいない、クリスマスだから引きこもってるのか?
いや、ゲームの町の住人が
- 66 :
- 職人さんが来るまで保守
- 67 :
- そういえば、絵版ってどうなったの?
- 68 :
- たまにはあげてみよう。
- 69 :
- ぷはー規制やっと解けたー
>>60
超亀だけどありがとう、どうしても思い出せない上に
ググったりしても分からなかったから助かった
よし、投下するぞさせて下さい
ガーゴイル×女主人公
※獣姦注意
※すでに付き合ってます。ふしぎ事件の逃亡事件の後の話となっています。
※ガーゴイルの首から下がよくわからなかったので、犬みたく座っていると想像
※エロまでが長い(そして突然始まる)
- 70 :
- いつもより町が明るいのは、満月だからだろう。
お日様が沈み、町を優しく吹き抜ける風も止み、聞こえるのはスズムシとコオロギと
あそびにんキリギリスの演奏。
普段は独特の喧騒に包まれる学校も、今は全く別の場所みたいだ。
月明かりに照らされ静かに光る夜の学校は妖しく、魔法のふしぎを象徴するかのような
特徴的なデザインの校舎は神秘的な顔を見せている。
そんな校舎に近付くたび、私の胸は条件反射のように高鳴る。
彼に早く会いたいと、鼓動が急かしているように。
周りに誰も居ないことを確認して、ちょっとお洒落して着たワンピースを整えてから、
校舎の中へと入る。
窓から差し込む銀色の光が、誰も居ない夜のロビーをほんの僅かに明るくしていた。
差し込む月光の先に、鈍く妖しく光るガーゴイルの像。
学校に入る者全てを睨みすえる、鋭い眼光。広げた黒い翼、天井を指す長く尖った
尾からは禍々しさすら感じる。
「こんばんはっ」
私はそんな、物を言わない黒い学校の番人に挨拶をする。
すると、まるで月の光を浴びて魔法がかかったかのように、輝きながら、黒一色だった
ガーゴイルに色が付き始める。
侵入者を捕える鋭い眼には、ルビーをはめ込んだような紅い光が宿り、恐ろしくも
美しく輝く。
物語でよく見る悪魔のような二つの角は、深い山吹色と亜麻色が混じり、月光を反射し
金色の光を放つ。それを見て恐れない人はいないし、魅せられない人もいないだろう。
胸と首を覆うたてがみは、銀色に光り威厳たっぷりにふわりと広がってみせる。
雄々しいそれは、美しくも見るものを威嚇する。
月光を映し出していた艶のあるブロンズの体は、ふわっと柔らかそうな体毛に変わり、
月の光を吸収した。
最後に翼と尾をひゅんっ、と軽く動かすのが彼――このガーゴイルさんの癖だ。
私はいつも通り、あまりに綺麗で神秘的なそれを息を呑んで見る。
番人としてでは無く、ふしぎ生き物のガーゴイルとして命が吹き込まれる瞬間。
今夜もまたその瞬間、夜に染まったロビーが、二人だけの秘密の空間になる。
- 71 :
- ガーゴイルさんは、その見た目からずっと学校の生徒から恐れられてきた。
だけど…
ガーゴイルさんは音も立てずに床に降り立つと、ずっと任務に就いて座っていた体を解す。
猫のようにうんと伸びをする。しっぽを天に向かってぴんと張り、翼を気持ち良さそうに
バサバサと動かし、後ろ足で首元をかいて…
それを見てつい笑ってしまう。
そんな、普段のイメージからは想像できないあまりの無防備さが可笑しかった。
こんな姿を生徒に見られたら、番人としての顔が立たなくなってしまうかも。
「…どうしたのでありますか?」
笑った顔を見られないように俯いていると、ガーゴイルさんが心配そうに私を覗き込む。
縁だけは鋭く、つぶらなイチゴジャムのような眼(少なくとも私にはそう見える)
を私に向けていた。
「な、何でもないです…あ、あのね、今日はガーゴイルさんの大好きな
キノコのサラダを持ってきました!一緒にご飯しませんか?」
強面のガーゴイルさんの顔がぱあっと明るくなる。ああもう、この顔も大好き。
2つのお弁当箱に詰めたのは、2人分のキノコと野菜のボイルサラダ。
イモタケ、フクロタケ、マツタケ、シメジ、エリンギ、そして今年初めて採れたトリュフ。
ガーゴイルさんの分にはマンドラゴラに火を通してすりおろしたものがかかっている。
マンドラゴラを美味しいと感じる彼は変わった味覚をしているが、
味覚のヒットゾーンが広いらしく、私の料理も美味しそうに食べてくれる。
横で、マンドラゴラ以外は同じ物を食べながら、私はそれを眺めていた。
あの尖った、細い長いしっぽをふりふりさせて、美味しそうに食べてくれている…。
だめだ、ガマンできない…。
ガーゴイルさんの横に座っていた私は、ふわふわした彼の体に寄りかかる。
彼は不思議そうな顔をして、私を見たから。
私はいつものように聞いてみる。
「たてがみ…触っていいですか?」
いつものように彼が笑って快諾すると、私は銀色のたてがみに顔を埋めて、たてがみが
包んでいる首を撫でる。もふもふ…。
こうするとガーゴイルさんの呼吸が伝わってくる。暖かくて、言葉じゃ表せない心地よい
感触が私の手を包む。
「ごちそうさまです。あなたが作る料理は、とても美味しいのであります。
…いつもワタシの為に、ありがとうございます」
「よかった!どういたしまして。毎日喜んでもらえて、私もすごく嬉しいんです。
…もうすぐすればトリュフがもっと採れる季節になるから、楽しみですねっ」
そう言って、私はまた心地よい感触に浸る。
「ワタシのたてがみ…そんなに、良いのでありますか?」
「はい…温かくて、大好き…」
もちろん大好きなのはたてがみだけじゃない。
私はまた顔を埋めて、染まった頬を隠した。
しばらくこうして居たかったけど、ガーゴイルさんが私の名前を呼んだ。
「あなたに是非見せたい物があります。…一緒に来て欲しいのであります」
- 72 :
- 学校の玄関の扉を、音を立てずにゆっくり開く。本当はそこまでしなくてもいいのだけれど。
…来た時と同じで、周りには誰も居ない。
「大丈夫ですよ、ガーゴイルさん」
私の後について、ガーゴイルさんもゆっくり外へ出る。
ガーゴイルさんと外を歩くのは、彼の逃亡事件の時を除けばこれが初めてだった。
ガーゴイル像が動くこと、私たちがこうして内緒で会っている事はクラスメートには
知られてはいけない。だから本当のところ、まだクラスメートの子が起きている
この時間に出歩くのは少し心配に思った。
するとガーゴイルさんは、川が流れる西側の校庭へと向かう。
川を挟んだ向こう側には、鬱蒼とした森が広がっている。月の光が届ききれていない
そこには、木々を模った闇がただ静かに並んでいた。
ガーゴイルさんは右側に向きを変え、川ではなく北の方角を見た。
お化け屋敷のある北側もまた、ここから見れば真っ暗な森が広がっている。
「ここから近道を使います。ワタシの背中に乗って頂けますか?」
「えっ…でも、重いですよ?!」
彼の口から出た以外な提案に、思わず遠慮してしまった。腕は意外に細いし…大丈夫かな。
「この森は人が歩くには大変なので…ワタシに任せて頂きたいのであります」
ゆっくりと体を、ガーゴイルさんの背中に任せる。
「大丈夫ですか?重くないですか?」
私が心配して聞くと、
「大丈夫ですよ。…それでは、しっかり掴まっていてください」
ガーゴイルさんが体を起こし、走り出した。
除々に体を纏う風は強くなり、耳元で風を切る音が響く。
そのまま私達は闇の森の中へと入り、駆け抜ける。邪魔にならないように脚をたたみ、
頭を低くしていた私を、夜の森が後ろへと通り過ぎて行った。
意外と森はそんなに広くなかったみたいだ。あっという間に森を抜けると、見慣れた光景
があった。と言っても、夜の暗さのせいで一瞬判らなかったけど。
朽ち果てた洋館、その庭に並ぶ西洋風のお墓。
街のおなじみのホラースポット、お化け屋敷とまおうの墓だ。
…まさか、ここに何かあるのかな?
だけどガーゴイルさんは私を乗せたまま、その横を通り過ぎてしまった。
そして立ち止まったのは、まるで崖に黒い布を貼り付けたようにそこにある、
洞穴の前。
お宝が掘り当てられる、やはりこの街のおなじみのスポット。
そして、ふしぎ生き物としてのガーゴイルさんと私が初めて出会った場所。
「ここであります。入り口付近は暗く狭いところもあるので、ゆっくり進みますね」
そう言って、私を背中に乗せたまま、暗闇しか見えない洞窟の中へと入っていった。
- 73 :
- はじめて夜の洞窟に入った。
当然、月の光も入らず、目の前に広がるのはただ闇。
長い年月をかけて出来た鍾乳石を今もなお伝い、地面に落ちる雫の音がいつもより
大きく耳に届く。
ガーゴイルさんの体を、思わずさっきよりも強く掴んだ。
ガーゴイルさんは夜も目がいいから大丈夫なのだろう。
体の動きで、行き止まりを曲がったのが分かった。
すると遠くに光が見えるのに気が付く。
奥に地底湖があり、その上には空に向かってぽっかり大きな穴が空いていて、
昼間はそこから太陽の光が射し、この洞窟を明るくしていた。
お月様にしては、ここまで光が届くには明るい。
その不思議は、地底湖のある洞窟の最奥に着いてわかった。
私は、声を出すのも忘れてしまっていた。
普段は陽の光を反射して鈍く光っているだけの、地底湖を囲む巨大な水晶たちが自ら
光を放っている。ダイヤモンドのように透き通った水晶は星を詰め込んだように煌き、
空間を柔らかい光で包んでいた。
さらに水晶が根付いた洞窟の土、鍾乳石までもが銀色とターコイズブルーが溶け合った
ような青白い輝きを放ち、昼間よりも明るく洞窟と地底湖を照らしていた。
この空間の中で一番色が深い、サファイア色の地底湖の水面に、星色の水晶や光る鍾乳石が
映って輝き、より幻想的な景観を演出する。たまに魚たちがはねて、光が揺れた。
「すごくキレイ…夜の洞窟がこんな風になっているなんて知りませんでした。
真っ暗で、怖くて入ったことが無かったから」
「ええ。ですから、あなたに見て欲しかったのであります」
ガーゴイルさんの背中から降ろしてもらい、湖を覗き込む。
地底湖を包む土や岩も神秘的な青に輝いている。それでも蒼い湖は、底が見えない
その深さを語る。
- 74 :
- 「あの時は毎晩、この景色を見てたんですね」
あの時とは、例のふしぎ事件の時のことだ。
「あの時あなたは、こんな所でひとりぼっちで寂しくないかとおっしゃっていました。
自信を無くし、任務を放り出した私に対して優しく…。」
「あの時はきっと疲れてたんですよ!いいじゃないですか、たまにはああやって息抜き
しても。…ガーゴイルさんはずっと、私たち生徒を、長い間見守ってくれてたんです。
…だから少しくらい、自由になっても良いじゃないですか」
神秘的な湖を眺めるように座るガーゴイルさんの横に、私も腰掛けた。
「…ごめんなさい。仕事の事だから、私が言う事じゃないって分かっているんですけど…」
「いいえ、ありがとうございます。…校長殿からも、そのお言葉を頂いたのであります」
「…校長先生が?」
「ワタシがこの洞窟で、あなたに助けて頂いた後…任務から逃げてしまったワタシを、
校長殿は何も聞かずに、温かく迎えてくれたのであります。そして昨日…いつもの
ようにあなたがワタシの所へ来て、あなたが帰った後、校長殿がワタシの元に
足を運んで来られたのであります。…今は『まおう』も眠っている平和な時代だから、
もっと肩の力を抜いて良いと。そして…」
…そんな事があったのか。私の方を見て、ガーゴイルさんが言った。
「今はふしぎ生き物だって自由に恋をする時代だから、気になる女性がいるなら
思い切ってデートに誘ってみなさい、…とも」
…もしかして、校長先生は私達の事に気が付いているのかも知れない。
本当になんとなくだけどそう思う。
…考えすぎかな?でも、本当にあの人は不思議な人だと思う。
「それで…ここに連れて来てくれたんですか?」
「ええ。…もしあなたと自由に外を歩ける時が来たら、一番最初にここに来て、
この素晴らしい景色を一緒に見たいと思っていたのであります。ここは、あなたと
出会えた、ワタシにとって大切な場所ですから。この美しい景色からもらえる感動を、
あなたと共有したかったのであります」
嬉しかった。…私と同じ事を考えていたなんて。
「ガーゴイルさん、私もです。夜の洞窟がこんなに綺麗なのは知らなかったけれど…
ここは、私とガーゴイルさんが初めて出会った大事な場所だから…デートするなら、
ここに一番に来てお話したいって、ずっと考えていました」
そう言って、頭をガーゴイルさんのふさふさの体に寄りかからせた。
- 75 :
- 水晶の光に照らされて輝くたてがみが、私の頬をくすぐる。
ガーゴイルさんの温かな体温と呼吸がゆっくり伝わってくる。目を瞑ると、それが、
彼の全てが私の体にゆっくりと染み込むみたいだ。
私も彼も一言も話さず、この神秘的な空間に浸るように寄り添う。
静かな時間がしばらく続き、そして。
――彼にもっと触れたい、そう思った。
「たてがみ…触っていいですか?」
いつも見たく彼に訊く。だけど返事を聞く前に、私は彼に触れた。
片腕全体を使って、たてがみを包むように腕をまわす。片手は彼の首の後ろに添える。
そして、少し火照った頬をたてがみの上に寝かした。
彼に抱きつく形になっていた。…つまり、体を今までに無いくらい密着させている。
綺麗な景色の中に二人きり、というこのシチュエーションがそうさせているのかな。
私、随分大胆なことしているような…。
だけど、ガーゴイルさんの体はとても温かくて、もっと触れていたかった。
「…くすぐったいのであります…」
彼の低い声が、私の体に響く。
胸が締め付けられ、自分の体に痺れが走り、熱くなるのを感じた。…私、なんか変かも…。
「ね…ガーゴイルさんも…私に触ってください」
彼の腕を両手でとり、鼓動が大きくなっていく自分の胸の近くまで運び、促す。
彼の眼を見ようと、ふと顔を上げると、彼の顔がすぐそばに迫って来ていた。
ガーゴイルさんの目線が私の瞳から逸れたと思ったら、私の耳を見るように顔を傾けた。
頬と耳に、彼の熱い息がかかり、胸が高鳴る。
その瞬間、柔らかく生暖かい、ざらざらした何かが私の頬を優しく撫でた。
「ひゃっ…」
その感覚に、思わず驚いて声を上げてしまった。
ガーゴイルさんの長い舌が、私の頬を愛撫している。
こんな事をされたのは初めてだった。私は彼の手を握っている事も忘れ、呆然としてしまった。
その舌はゆっくりと、這いながら移動し――今度は私の耳を撫でる。
「ひゃんっ!?」
他人に耳を触られた事の無かった私は、初めての感覚に驚いてまた変な声を上げる。
水音、熱い吐息、熱い舌、耳に直接受ける熱い感覚は体中に響き、それは私の頭の中を
真っ白にさせていく。何かが、麻痺していくようだった。
手からスルリとガーゴイルさんの片手が抜ける。
ガーゴイルさんの両手が私の肩に乗った。その瞬間、ぐるりと視界が揺れる。
彼の体重がかかり、私は支えきれず後ろに倒れてしまった。
- 76 :
- ガーゴイルさんが覆うように、私の上に四肢で立つ。
透き通ったジャムのような紅い眼で私を見下ろしていた。ただ、いつもの優しい眼とは違う。
ガーゴイルさんの体が圧し掛かる。そして、
「あっ…!?やっ…」
再び私は変な声を出してしまう。私の首筋に、ガーゴイルさんの熱い舌が走った。
彼の重みと首筋を這うその感覚に、身体は痺れを覚える。
ずっと上を見ていた私の眼に、輝き美しい青の鍾乳石の天井が入る。
彼が首筋を開放しても熱い唾液が絡みついて、私をさらに火照らせた。
「申し訳ございません…」
地面に響くような低い声が、私の耳元から身体に響き渡る。
「ワタシは…貴方に触れたい…!」
…? 何で謝るの…?
私の視界は真っ暗、いや真っ黒になった。
そして、唇に柔らかくて熱い何かが触れたと思うと、それがそのまま口の中に侵入して来る。
侵入してきたそれは、中で私の舌を弄ぶ。くすぐったいような、未知の感覚に私の全神経
がそこに集中するみたいだった。
「んんっ…ん」
彼の名を呼ぼうと声を絞り出す。
手を伸ばすと、彼のふさふさのたてがみに触れた。
頭の中が真っ白くなる一方で、お腹の下あたりが疼くように感じる。
視界に光が射す。真っ黒だったのはガーゴイルさんの顔で、その彼の顔が除々に離れていく。
ガーゴイルさんの口から垂れていた銀色の糸が、私の唇と繋がっていた。それはもろく
ぷつりと切れて無くなる。
私は息をするのを思い出した。――私、ガーゴイルさんとキスしてたんだ。
愛しい彼と、初めてキスを交わした。
そう思うと、胸が締め付けられて、また疼くような感覚がお腹を走る。
――もっと彼に触れてほしい。唇だけじゃなくて、体も…。
ぼうっとした頭の中に、そんな確かな欲求が静かに生まれ、私をゆっくりと支配していく。
深い考えは無い、ただ彼に触れていたかった。
- 77 :
- 「ワタシは…ずっと貴方に、この手で触れたいと思っていたのであります。…しかし
それは、貴方を傷つけてしまうかもしれない。ワタシは人間では…この町の住人とは
違う生き物だから…」
――彼はずっと、そんな事を考えていたの…?
「貴方と一緒にいるだけで、それで良かった。それだけでも、ワタシは毎日満たされて…
いいえ、あなたと出会えただけで世界に色が増えたようでした。ワタシは初めて
貴方と出会った頃から、貴方に恋をしていたのであります。」
「それでも、貴方に会うたび貴方への思いは強くなり…貴方に触れたいという思いも
また、そうでありました。貴方に触れられたとき…ワタシは新たな喜びを知ったのであります。」
彼の夜空色の手が、私の髪に触れた。
「…私もです、ガーゴイルさん」
私は手を伸ばし、彼の頬に触れる。暖かくて、包み込むような感触がそこにあった。
「ガーゴイルさんはいつも暖かくて、いつも触れるのは私の方なのに…
私をいつも包み込んでくれました」
ガーゴイルさん、私もだよ。愛しい人に触れる、その温もりを初めて知った。
大好きな人の暖かさを知って、自分の心も暖かくなることも。
「私、もっとガーゴイルさんの事知りたいの…だから…」
再び、彼の手を胸に導く。
「今度は…ガーゴイルさんが私に触れて…?」
ガーゴイルさんが、再び私の唇にキスを落とす。
今度はさっきよりも時間をかけて、何度も何度も深く、交わす。
交わすと言っても、私はどうすればいいかわからずほとんど固まって、
ガーゴイルさんが一方的に私を愛撫するような感じだった。
唇が離れると、彼と瞳が合った。彼はいつも通りの、縁だけが鋭い優しい瞳に戻っていた。
…今の私は、どんな表情をしているんだろう。
彼になら何をされても、たとえ傷つけられてもいい。
本気でそう思った。
お願い…私に、触れて。来て、ガーゴイルさん…
- 78 :
- 思いが通じたように、ガーゴイルさんの手が私の胸の上に乗る。
一瞬、ちくりと何かが皮膚を刺激した。
彼の爪が立ったんだ。
それだけで、一瞬何が起こっているか分からなかった。
その爪は私の肌を傷つけず、私の肌に纏っていた服だけを裂いていった。
私は驚いて、彼を止めようと彼の腕を掴んだけれど、
すでにワンピースはお腹の部分まで裂けてしまっていた。
胸を包んでいた場所は、裂けた布地から下着が覗いている。
私の制止も虚しく、彼はその下着に手を伸ばし、同じように爪を立て、いとも簡単に
胸を守っていた下着を真っ二つにしてしまった。
その勢いでワンピースはさらに破れ、服としての役割が無くなるまでになって…
私の、ずっと隠されていた部分が、彼の前に露になる。
恥ずかしさのあまり、彼の手を放し、両手で胸を覆い隠す。
その間に、ワンピースは彼の爪でさらに裂け、ついに全て開いてしまった。
体は『怪物』の彼の力に、私が敵うはずも無い。隠していた手は除けられてしまった。
彼からみれば下着一枚、あとは全てさらけ出している状態。
恥ずかしさで眼を瞑っていると、
「や…ぁんっ」
驚いて声を上げてしまった。自分でも驚くような変な声。でも、声なんて気にしている
どころじゃなかった。
彼の舌が別の生き物のように動いて、私の胸の一番敏感なところを撫で回している。
彼の吹きかかる息や彼の舌、唾液の熱が私の肌に絡まる。
私の胸が、全身が火照っていくのを感じた。
ガーゴイルさんの体が私のお腹にのしかかり、ふさふさの毛が肌を刺激する。
放り出された足や腕は、洞窟の冷たい空気を感じているのに、彼と肌を重ねている場所、
愛撫されている箇所、顔は真夏の中に連れて行かれたように暑い。
抱きしめ返すように、私は彼の頭の後ろに腕を回した。
下腹部がずっともどかしそうに疼いているのが自分でもよくわかる。
まるで撫でられている部分と神経が繋がってしまっているみたいだ。
――そうだ。私は彼に、こうして欲しかったんだ。
ガーゴイルさんに触れて欲しい。抱きしめて欲しい。そして……
だから私はガーゴイルさんに触れていたかったんだ。
愛撫が続き、彼の舌がお腹、下腹部へと移動する。そして――
「あああっ!」
電流のような感覚が、下腹部から頭の先、足の先を駆け抜ける。視界がじわりと潤んだ。
下着越しに、私の秘所を、彼の熱い舌が撫でていた。
そのまま、まるで毛を繕うように私のそれを舐り続ける。
「あぁ…あっ…ひぁっ…」
恥ずかしさなんて、もうどうでもよかった。
彼からの刺激をもっと求めるように、下半身に力を入れて腰を浮かす。
彼はそれに応えてくれる。唇をつかって、さらに激しく布越しの秘唇を濡らしていった。
「やああぁっ!―――っ」
刺激を受け止める限界を越え、涙が溢れ意識が飛びそうになる。
力の抜けた足の皮膚が感じる冷たい地面が、意識を繋ぎとめてくれた。
- 79 :
- 息を整えていると、潤んだ視界の向こうにガーゴイルさんの顔がある。
半目で涙目でぼんやりとしているせいで、その表情は分からなかった。
熱を帯びたような私の頭が、自分の体の中心に触れている物を感じた。
ガーゴイルさんのふさふさの毛と、硬い何か。
見ると、彼は私の中心に腰を落としている。
大切なところを守っていた筈の下着がボロ布のようになって腰にまとわり付いていた。
愛撫している間に切り裂いてしまったんだなと、ぼんやりと考える。
そして、中心に当たっていた硬いものは――ずずっ、と私の秘所を裂くように入ってきた。
「ああっ…いっ…!」
体を裂くような痛みが、霧がかかったような頭の中をクリアにしていく。
彼が、私の中に入ってくる。私は彼と繋がるんだ。
痛みで苦痛の信号を発する頭の隅で、私は彼が何をしているか理解する事ができた。
まるで求めるまま濡れた私の中に、彼はゆっくり、それでも躊躇い無く進んでくる。
たまに微かな水音を立てながら、それは最奥に達した。
そのときだけ、何かぷつりと音がしたような気がした。
初めての痛みは、意識を吸い取ってしまうように痛かった。
私は痛みから逃れようと、ガーゴイルさんの手をぎゅっと握っていた。
そして彼は、少しでも痛みを和らげようとしてくれたんだろう、私の頬を優しく舐める。
やがて、ずりゅっというような音が聞こえた。
彼のそれが、私の中から出ようとしている。
そう思った瞬間、貫くように、尖が再び奥をつく。
「ゃぁあっ!…」
腰が大きく跳ねた。次に何が起こるかわからない未知の中で、彼はその動きを繰り返す。
「あっ、ふあっ、ああっ…あっ…」
彼の動きに合わせて、私の腰も動く。
痛みで疼いている私の中心は、やがて痛み以外の感覚も少しずつ芽生え始める。
彼の動きが、さらにスピードを増していった。
「あああっ、やっ、ああっ!」
私の声、繋がっているところからの水音が、私たち以外誰もいない洞窟に響く。
肌寒いはずの洞窟の空間は、私たちの周りだけ温度が上昇していく。
彼の体が寄り添うように密着し、私の身体を暖かく包み込む。
彼の荒い息が、たてがみや温もりと一緒に私の肌をくすぐった。
彼の全てを抱きしめるように、腕をまわす。
彼の名前を呼ぶと、彼が顔を近づける。
唇が重なり、舌が押し込まれ、私の口内を再び溢れさせる。今度は私も彼の舌に触れた。
「んっ、んんっ!」
微かな快感と疼く痛みが混ざる中で、上と下、二つの場所が繋がり、求め合うまま絡み合う。
蕩けて、どちらのものか分からなくなってしまうように溶け合っていくみたいだった。
- 80 :
- 痛くて、少し苦しいけど。
ガーゴイルさんと1つになった事が、幸せだった。その痛みも全てひっくるめて、愛しい。
熱い涙が頬を伝う。幸せの絶頂を感じて泣いたのは生まれて初めてだった。
愛しさで胸がきゅうっと締め付けられる。同時に、繋がっている部分も彼を締め付ける。
蕩けてしまいそうな彼の存在を確かめるため、彼を逃がさないようにするため。
すると彼も、キスをしたまま小さく唸り声を上げる。
どのくらいそうして繋がっていただろう。ゆっくりと彼が私の唇を解放した。
「んむっ…はっ、ガーゴイルさ…あっ、」
息つく間も許さず、私の首筋を再び撫でる。
いつからだろう、気付いたら、痛みよりも快感が上回って、私を支配しようとしていた。
ガーゴイルさんが耳元で、私の名前を呼んだ。
繋がってから、初めて彼は声らしい声を発した。いつもは落ち着いている彼が、初めて私に
呻くような声を出している。
「ワタシ…もう…我慢できないのであります…!」
彼が何を言おうとしているのかが分かった。
「私も…ひぁっ、あっ…来て…っ」
上手く言えない変わりに、彼を抱きしめる力を強める。
それが引き金になったように、彼の尖端がさらに奥に押し込まれた。
「っ!ぁああっ…」
私もそれを迎えるように、さらに誘い込むように、腰を浮かして締め付けた。
「ぁあっ…あっ、や、やあぁぁあぁ!!」
朦朧とする意識の中で、彼の熱いしぶきが膣内いっぱいに溢れるのを感じる。
彼に抱きついたまま、体の力が一気に抜けていった。
彼もまた、体を私に任せるように倒れ込む。
「はぁ…はぁ…ガーゴイルさんっ…大好き…」
大好き、なんてこんなシンプルな言葉じゃ伝えきれない。そのもどかしさを埋めるように、
そして思いをもっと伝えるために。また、彼を強く抱きしめる。
「ワタシも…愛しています…」
耳元で、震えるほど低い声で、優しく甘く囁かれた。
再び幸せの涙が溢れ、そして愛しい温もりに埋もれて、私は意識を手放した――
- 81 :
- その後気が付いても、私はまだガーゴイルさんの体に埋もれたままだった。
瞑っていた眼に、射してくるような水晶と鍾乳石の光は眩しすぎた。
彼は、ずっと眠った私の体を温めてくれてたんだ。
おかげで体は熱いままだったけれど、頭はすっかりクールダウンしていた。
つまり、いつも通りの思考回路が働く。
私、ガーゴイルさんとあんな事を、したんだ…うわ…あわわ…
『ガーゴイルさん、私に触れて…』…は、恥ずかしい、私何て事を言ってたんだ…
しかも、まだ自分全裸…
恥ずかしさでねる、と、これほどまでに本気で思ったのはきっと今までに無い。
…それはガーゴイルさんも同じだったのだろうか。
私が顔を沸騰させる勢いで真っ赤にして、わけがわからないように、ごめんなさいと
連呼したら、彼もものすごい勢いで謝ってきた。
服を破いてしまった事。…中に出してしまった事。
その慌てる姿を見て、私は少しだけ冷静になる。
「だ、大丈夫です、ていうか誘ったのは私なんですし…」
そう、押し倒されたりもしたが、始めに私が誘ったようなものだ。
今では信じられない…私もどうかしてたんだ。
ビビさんのお店で今日買ったワンピースや上着を鞄に入れっぱなしにしておいてよかった。
とりあえず上着だけを羽織って、ガーゴイルさんと向かい合う。
「やっぱり…私達のこと、校長先生に話すべきですよね」
「ええ…それから、ワタシに役目を与えて頂いた、初代校長殿にも…」
「初代の校長先生?会えるんですか!?」
「この世界のふしぎを信じている貴方なら、きっといつか会えるでしょう。
…初代校長殿は、あなた方まほう学校の生徒をいつも見守っているのであります」
「そうなんだ…会えるといいな。…きっと、校長先生なら分かってくれますよね…私たちのこと。
……ガーゴイルさん」
宝石を散りばめたような、煌びやかな空間の中。
私は悪戯っぽく言った。
「今日の事は、責任とってくれますよね?」
そして、驚いている彼に抱きつく。
ふさふさのたてがみが、いつものように私の頬をくすぐった。
「ずっと…一緒ですよ」
この日、ガーゴイルさんが食べたキノコサラダの中に入っていたマンドラゴラが、即効性のある
強力な精力増強剤の薬の材料になること、
私も一緒に食べた、この世界のトリュフにはすさまじい媚薬効果があり、やはりその手の
薬の材料として重宝され、美味しいのに皆むやみに食べようとしない理由がそこにあること、
さらにそのトリュフについてこの町の子供達は、大人達から毒があるキノコと教えられ
恐れているということ。
そして、トリュフとマンドラゴラをいっぺんに食べると、食べ合わせが悪く(?)理性が
揺らいでしまうほどの強い催淫効果が出てしまうこと。
それからどうでもいい事かもしれないけれど、飲めば媚薬効果があるかも知れない
『バラについたよつゆ』の材料になるイモタケとフクロタケもお弁当に入ってたこと。
これらの事実を知ったのは、数日後の事だった。
- 82 :
- 終わりです。
お付き合いありがとうございました。
- 83 :
- ケツロンをいうとだな、保守をするのがワタクシの役目なのである
- 84 :
- ビビさんのエロパロ書いてみたいが
足トルソー…うーん…
- 85 :
- 保守
- 86 :
- どうせ誰もいないならふたなりプリンスであげるか
- 87 :
- 書いちゃえ
- 88 :
- >>82
すごい、GJ!
ガーゴイルってそんな口調なんだ
- 89 :
- ※女主人公×プリンス(陵辱)
※プリンスふたなり(雌雄同体ネタ)
※プリンスに電撃
※プリンスが女の子のような喘ぎ
※最後、監禁・縛り・引きずり・おもらしあり
※全国のプリンス好きに土下座
プリンスがかなりカワイソスな状態になっていて、
趣向等偏ったモノになっているのでご注意下さい。
- 90 :
- 「…どうしてであるか…ワタクシ達は『恋人』なのに…っ」
吸い込まれそうなほど大きく、美しい琥珀色の双眸は恐怖の色を混ぜ、私を見つめている。
「プリンスがいけないんだからね。私以外の子を好きなんて思っているから…」
満天の星空の下、穏やかな海の音が響く、夜の恋人岬。
ここで恋人達は永遠の愛を誓い、また大切な人との絆を確かめ合う。
君と私もまた、ここで結ばれた。
そんな大切な場所で、君と一緒にいるのは私なのに。
今君の瞳に映っているのは、私一人なのに。
君の事こんなに好きなのに、こんなに愛しているのに。
君の心の中に、私はいなかった。
こんなに大好きなのに…大好きだから、
すごく悲しくて、悲しくて…そして。
ものすごく、憎らしくなった。
気付いたら、私は杖を振って。
一生、悪い奴以外には撃つはずが無かった魔法を発動させていた。
相手を傷つけるだけの、かみなりの魔法。
夜に走った光の亀裂は、彼の体の自由を奪った。
倒れ、身動きができず小刻みに震える彼の上に、私は逃げられないように馬乗りになる。
―――私以外の、誰かのものになってしまうぐらいなら。
プリンスの定番の服、あかまるマークシャツを掴むと、一気にたくし上げる。
そこにあったのは、ほとんどシャツと全く同じ。
薄く透き通った白い体に、中心にはりんごのように赤く丸い、彼の体内の一部が見える。
服と違う箇所といえば、胸の部分に、小さなピンクの突起が2つある事だけだった。
「なっ何を…!?どうしてこんな… …っ!?」
満月の光によって白く浮かび上がる、愛しの彼の裸体。
それは想像してたよりもずっと美しくて。すごく、愛しく思えた。
ピンクの、可愛らしい突起を指で摘む。
- 91 :
- 「や…っやめて…」
自分よりか弱いはずの女の子に倒され、裸を見られ、弄ばれて。
雪に血を垂らしたように、彼の白い頬は真っ赤になり、瞳は半月になって潤んでいた。
濡れた瞳はよりいっそう美しくて。
それがとても可愛らしくて…興奮している私がいた。
「…恥ずかしい?そんな事ないよね?プリンスは…とっても厭らしい子だもんね?」
自分でも驚くぐらい、意地悪な言葉が浮かんでくる。
親指の腹でぐりぐり乳首を擦りながら、続ける。
「ほとんど毎日、裸のような格好をして、下半身を丸出しにして、お尻振って
歩いて…本当はさあ、皆に見せびらかしてたんでしょ?こんな風に…やらしい事して欲しかったんだよね?」
「そんな…あっ」
「あの子に…こうしてもらう想像とか、厭らしい事考えてたんでしょ…っ」
ぎゅうっと抓って。プリンスの胸に顔を埋めると、乳首を口に含む。
「こ、こんなことしていいと思っているのか!?…っ!やめて……!」
そのまま、彼の体を舐める。弾くように撫でると、ぷにぷにとした弾力が返ってくる。
彼は唯一自由がきくらしい首を左右に振って拒絶していた。
彼の上半身、特に乳首のまわりは、私の唾液にまみれて、蜜をぬったように鈍く光る。
顔を上げて彼の顔を見ると、すっかり頬は紅潮し、半月の瞳には涙が溜まっていた。
緩やかな弧を描く丸いお腹、突起が付いた日の丸模様の胸が上下する動きで
彼の呼吸が激しくなっているのが分かる。
「こんなことして…キミはわるい魔法使いなのである…」
それでも精一杯、私に対して強く見せようとしたいのか。
「魔法をこんな風に使うなんて…だめである…っ」
ママの言う通りに習い事をいっぱいして、お勉強もいっぱいして。優秀な魔法使いに
なるためにこの学校へやってきた、箱入りお坊ちゃん。
そんな彼が今、私に手籠めにされている。
ズタズタにされたプライドと羞恥心で頬を赤らめている。
そう思うと、ますます私の苛虐心は激しくなるばかりだった。
「大好きなママとパパに言いつける?女の子にいじめられたって?」
「…っ」
「ママ、泣いちゃうかもね。自慢の息子が、こんなに淫乱な子だったなんて知ったら」
「ひどい…あっ」
思い切り、プリンスの足を開く。
「やめて…っお願いである…!」
懇願する彼の声を無視した。
というか、目の前のものに驚いて、耳に入ってきても抜けていった。
- 92 :
- 足の間に隠されていたのは、人間には無い小さな割れ目と、その下に…
…これはどう見ても…頭の花柄と同じ色をした、女性の、それ。
「プリンス…キミって…」
言いかけたとき、女性器の上の割れ目の中から、丸い、赤い玉のような物が
見えた。
私の鼓動が早くなる。もしかして…
その赤い玉を親指の先でぐりぐりと擦る。
「やめ、ああぁっ」
びくん、と、彼の体が波打つ。この体の反応、そして声。やっぱりこれは――
彼の大事なモノだ。
割れ目からその玉が、クチッと音を立てて外界へと踊り出る。
除々にその姿を見せ、それは玉ではなく、やはり棒状のものだと分かる。
さらにそれを撫でたりして刺激を与えると、
「ひあ、やめ…てっ」
苦しそうな声を出し、彼自身の思いとは裏腹に、その棒はそそり立つ。
彼のもう1つの性器が姿を現した。
赤い丸い玉のように見えたのは、アーケロンの頭の形に似た尖端。頭より下はプリンス
の頭と同じ群青色。そこに、やっぱり頭と同じ可憐な花柄が、小さく付いている。
プリンスのコロンとした可愛らしい体に、こんなモノが収納されていたなんて。
私は思わず見とれた。恥ずかしいモノを見、淫らな事をしているのに。
でも、そんな背徳感と隣り合わせにある、どうしようもないくらいの憎らしくて、
愛しい気持ち。
- 93 :
- 「プリンスのこれ…すごく可愛いね…」
「いやだ…お願いである…見ないで…もうゆるして…」
彼の瞳から、大きさに見合った大量の涙が流れている。
クリオネにそっくりな彼だから、性器を2つ持っているのかもしれない。
彼にとって、それはコンプレックスなのかな。
「大丈夫だよ…プリンスの体は、とっても素晴らしいよ…教えてあげるね」
女性器――女の子の方を、擦るように撫でて、そのまま片手の人差し指と中指を立て、
ろくに濡れていない核の割れ目に差し込む。
「痛っ…ああっ」
「すぐに気持ちよくなるからね」
これがプリンスの、女の子の中。熱くて、ぬるぬるして、私の指に絡まってくる。
そのまま、指を引いて、入れてを繰り返す。
「あ、…あっ、や、だぁ…」
親指の腹で、一番敏感な膨らみを一緒に撫でてあげると、さらに大きく驚いた声を出して
体が反応する。核も潤い始め、厭らしい水音も大きくなる。
「あぁ、ふあ、あっ」
プリンスはまるで女の子のような声を上げて、与えられた刺激に逆らうことも
できずに、体を震わせている。
空いている片手で、今度は男の子の方を握り、上下に擦る。
「あ…!?ひゃあんっ」
男の子と女の子の性器を同時に責められ、逃れない快感が、彼を支配していたはずの
恐怖心を攪拌してしまっているみたいだった。
「ふふ、気持ちいいんでしょ?」
「ち、ちが…ふあぁんっ」
ここまで来て、本当、強がりなんだから。だけど…そこが可愛い。
「もっと、最高に感じさせてあげるね」
男の子の神経が密集している、赤と群青の竿の尖に口付けし、下で舐る。
「あああっだめぇっ…ひぁあん!」
先走り液も、私の舌に全て舐め取られて。
まるで代わりに、指を埋めている方から暖かい愛液が吹き出て来る。
- 94 :
- 一旦口と片手を竿から離し、女の子の中を弄り、一番感じる箇所を捜し当てる。
間も無くプリンスは言葉にならない叫びで、その場所を教えてくれた。
「ここがいいんだ?」
そこを指で執拗に責め立てる。
プリンスは何かにとり憑かれたように喘ぎ、真っ赤な顔は涙と涎でベタベタになっていた。
お預けをされていた男の子の方に愛撫を戻す。
さっきよりも太くなったそこに、今度は、口で竿全体を咥えて、舌も使いながら
上下に頭を振る。
腰が浮かび、私をもっと求めているみたいだった。
「ああぁっ!あっ、ひぃんっ!もお、だめぇっ…!」
「ちゅぱ…いいよ。私の中に、プリンスの全部、ちょうだい…?」
「ああああああああっ!!――――――ッ…」
膨張した男の子の方が、脈を打って、溢れた熱い欲望で私の口の中をいっぱいにする。
彼の精液。苦味さえ愛しい。
真っ赤に膨らんだ、花のような女の子の方は、逃がさないと言わんばかりに私の指を
縛るように圧迫する。手から伝わるプリンスの熱が、すごく愛しい。
可愛い。私以外の誰の瞳にも映したくない。
時に憎らしいのに、その胸の痛みさえ愛しい。
愛しいから、誰にも汚して欲しくない。
胸が苦しいほど愛してるから。
私以外の世界を知って欲しくないの。
下半身を欲望の滝でぐしょぐしょにしたまま、愛しの彼は穏やかな眠りについた。
火照った二人を包むのは、優しい波の音と、海と女と男の匂いが混ざった夜の空気だけ。
―――ずっとこのままだったらいいのに。
このまま、誰もいない世界に、二人きりで寄り添っていたい。
私達以外の誰もいない世界なら。大好きな彼の瞳に映るのは、私だけなのに。
気持ちが他の女の子に行く事なんて無いのに。そうすればきっと、
彼は永遠に私だけを愛してくれる。
そうだ。彼がどこかに行ってしまうなら。
ずっと閉じ込めてしまえばいいんだ。
鳥籠の中で、私しか見られないように。
どこかに行ってしまうようなら、羽を?いでしまえばいい。
涙に濡れ、月明かりを反射して光る恋人の頬に、静かにキスを落とした。
- 95 :
-
(ここは…どこ…?)
暗闇の中で、プリンスは目を覚ます。
体の所々が痛い。
なんだか、長い長い夢を見ていたようだ。いっぱい泣いたような気がした。
だけどその夢の内容がどうしても思い出せない。考えると、頭痛がした。
頭の中に霧がかかったような感じがする。まるで思い出すのを拒むかのように。
ただ、今自分がふかふかのベッドの上で寝ているのは間違い無かった。
自分がいつも寝ている、カプセルベッド。
しかし何か違和感を感じる。起き上がろうとすると、
「おはよう、プリンス」
暗闇だったけど、目が慣れているからよく分かった。
そこに居たのは、見慣れた顔。恋人である彼女。
そして、自分が感じた違和感に、除々に気が付いてくる。
(…何…これは…!?)
両手が、痺れて動かない。前に組まされ、縛られていることに気付く。
いや、そんなことより…今自分は、何も着ていない。
彼女の前で、全裸を晒している。
わけがわからないまま、それでもなんとか起き上がると、後ろでジャラ…と、
硬いものが擦れあう音がする。
首に感じる違和感。少しだけの圧迫感、そして重みの正体。
「ねえ…何、これ…?」
プリンスは、目の前の彼女に問う。
彼女は、いつもの優しい笑顔で、こう言った。
「勝手にどこかに行っちゃう君は悪い子だからね。首輪が必要でしょ?」
どこから伸びているのか、鎖の付いた首輪が彼の肩と首を圧迫していたのだ。
彼女のその笑顔が、封印されていたプリンスの記憶を引き出す。
「あ…ああ…」
無意識に、涙が溢れて伝う。刷り込まれた恐怖。そうだ、自分は、この子に―――
- 96 :
- 「やめて…」
泣きながら、首を振る。
「これ、外して…服返して…」
「ああ、あれ。捨てちゃった。厭らしいプリンスにはもう必要ないよね?」
彼女が鎖を持ち、引っ張る。それはプリンスの首輪のリードだった。
「ううっ」
そのまま彼女に連れられ、いや、引きずられていく。
「ここが君の新しいおうちだよ」
彼女が明かりをつける。ここは何度も遊びに来た、彼女の部屋。
「プリンスのために新しいベッドを用意したんだよ。君がいつも使っているお気に入りのベッド。それから―――」
楽しげにそう話し、再びプリンスを引きずり連れて行く。
「ここがきみのトイレ。ここでちゃんとしてね。」
見せられたそれは、浅い箱の上に砂を敷いた、人間がペットとして飼う動物の
ためのトイレに似ていた。
人間よりもとても軽いプリンスの体を持ち上げ、そのトイレに乗せる。そして、
「ああっ…やめて…そんなことしないでぇ…」
足を開かせ、彼女は秘所をやさしく愛撫する。
「お腹冷えたでしょ?トイレ手伝ってあげるね。…男の子の方、女の子の方、どっちで
するのかな?」
「やめて…やめてっ…そんな事したら本当に…ああ…あああっ!」
女の子と男の子の方から、プリンスの目と同じ琥珀色をしたそれが弧を描いて噴き出た。
「うぅ…見ないで…お願いであるぅ…」
人前で、好きな女の子の前で、漏らしてしまった。
下弦の月に似た瞳から、さらに涙が溢れ、プリンスの体を濡らしていった。
「とっても可愛いよ、プリンス…」
まるで愛しい我が子を見るような、母親のような瞳で声で手で、プリンスの頭を撫でる。
「ゆるして…ワタクシが好きなのは君だけなのである…信じて…だから…」
「…嬉しいよ、プリンス。君からそんな言葉が訊けるなんて…。私もだよ。
プリンスの事、大好き。だから…」
空色の頭の一輪の花柄に、キスを落として、彼女は優しい笑顔のまま、言う。
「これから、いっぱいいっぱい可愛がってあげるね。」
(そうだ、これは夢だ。早く覚めて。そしたらいつもの通り、優しい彼女と一緒に、
友達が、楽しいいつもの毎日が待っている。早く覚めて。早く覚めて。早く覚めて。
ハヤクサメテ―――…)
籠に捕らえられた彼の願いが届くことは、無かった。
これから、彼の二つの秘所が、やがて彼女を欲するためだけの欲望の塊となるまで。
これから、骨の髄まで快感が染み込み、彼がそれを従順に感じるようになるまで。
彼女とプリンス、二人の生活はまだ始まったばかりだ。
- 97 :
- 以上です
- 98 :
- >>97
陵辱系楽しい。GJ。
それはそうと、ここには絵描きさんいないのかな?
とんがりボウシのキャラのイラストも見てみたいのだが。
そういえば絵板はどうなったのかな?
- 99 :
- 自分は絵を描く人じゃないんでよくわからんが、このスレに直接うpは駄目なの?
なんか絵板しばらく建たないっぽいし
とんがり系のサイトって無いんだよね
だからpixivとか覗いてほくほくしてる
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